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1981/11/20 第95回国会 参議院 参議院会議録情報 第095回国会 行財政改革に関する特別委員会、文教委員会、社会労働委員会連合審査会 第1号
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1981/11/20 第95回国会 参議院

参議院会議録情報 第095回国会 行財政改革に関する特別委員会、文教委員会、社会労働委員会連合審査会 第1号

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第095回国会 行財政改革に関する特別委員会、文教委員会、社会労働委員会連合審査会 第1号
昭和五十六年十一月二十日(金曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   行財政改革に関する特別委員会
    委員長         玉置 和郎君
    理 事
                坂野 重信君
                嶋崎  均君
                平井 卓志君
                降矢 敬義君
                小柳  勇君
                野田  哲君
                峯山 昭範君
    委 員
                江島  淳君
                大木  浩君
                梶原  清君
                楠  正俊君
                後藤 正夫君
                下条進一郎君
                関口 恵造君
                田代由紀男君
                谷川 寛三君
                成相 善十君
                藤井 孝男君
                穐山  篤君
                木岡 昭次君
                安恒 良一君
                和泉 昭雄君
                塩出 啓典君
                佐藤 昭夫君
                山中 郁子君
                小西 博行君
                柳澤 錬造君
                森田 重郎君
   文教委員会
    委員長         片山 正英君
    理 事
                大島 友治君
                世耕 政隆君
                小野  明君
                佐藤 昭夫君
    委 員
                山東 昭子君
                内藤誉三郎君
                仲川 幸男君
                藤井 裕久君
                降矢 敬義君
                本岡 昭次君
                柏原 ヤス君
                高木健太郎君
                小西 博行君
   社会労働委員会
    委員長         粕谷 照美君
    理 事
                遠藤 政夫君
                安恒 良一君
                小平 芳平刀
    委 員
                石本  茂君
                関口 恵造君
                田代由紀男君
                田中 正巳君
                玉置 和郎君
                福島 茂夫君
                森下  泰君
                丸谷 金保君
                沓脱タケ子君
                秦   豊君
                山田耕三郎君
   国務大臣
       内閣総理大臣   鈴木 善幸君
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
       文 部 大 臣  田中 龍夫君
       厚 生 大 臣  村山 達雄君
       通商産業大臣   田中 六助君
       労 働 大 臣  藤尾 正行君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    安孫子藤吉君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       中山 太郎君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       中曽根康弘君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  原 健三郎君
   政府委員
       内閣法制局長官  角田禮次郎君
       内閣法制局第二
       部長       関   守君
       人事院総裁    藤井 貞夫君
       人事院事務総局
       職員局長     金井 八郎君
       内閣総理大臣官
       房同和対策室長  水田  努君
       総理府人事局長  山地  進君
       臨時行政調査会
       事務局次長    佐々木晴夫君
       青少年対策本部
       次長       浦山 太郎君
       日本学術会議事
       務局長      大濱 忠志君
       警察庁刑事局保
       安部長      谷口 守正君
       行政管理庁行政
       管理局長     佐倉  尚君
       行政管理庁行政
       監察局長     中  庄二君
       大蔵省主計局次
       長        西垣  昭君
       大蔵省主計局次
       長        宍倉 宗夫君
       大蔵省主税局長  福田 幸弘君
       国税庁次長    小山 昭蔵君
       文部大臣官房長  鈴木  勲君
       文部省初等中等
       教育局長     三角 哲生君
       文部省大学局長  宮地 貫一君
       文部省管理局長  柳川 覺治君
       文化庁長官    佐野文一郎君
       文化庁次長    山中 昌裕君
       厚生大臣官房審
       議官       吉原 健二君
       厚生省公衆衛生
       局長       大谷 藤郎君
       厚生省医務局長  田中 明夫君
       厚生省薬務局長  持永 和見君
       厚生省社会局長  金田 一郎君
       厚生省児童家庭
       局長       幸田 正孝君
       厚生省保険局長  大和田 潔君
       通商産業省立地
       公害局長     神谷 和男君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    福川 伸次君
       労働省労政局長  吉本  実君
       労働省労働基準
       局長       石井 甲二君
       自治大臣官房審
       議官       小林 悦夫君
       自治省行政局長  砂子田 隆君
       自治省行政局公
       務員部長     大嶋  孝君
       自治省財政局長  土屋 佳照君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       厚生省薬務局審
       査課長      代田久米雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一
 環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の
 特例措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
   〔行財政改革に関する特別委員長玉置和郎君委員長席に着く〕
#2
○委員長(玉置和郎君) ただいまから行財政改革に関する特別委員会、文教委員会、社会労働委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。
 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。小野明君。
#3
○小野明君 まず、文部大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 最近、土建業界の談合問題が大きく社会問題になっておりますときに、けさの朝日新聞の報道によりますと、文部官僚のOBが業界へ天下り続々という記事が書かれております。同時に、この天下りした官僚諸君が文建会という全国組織をつくって、文部関係のそれぞれの部局に対して、何分よろしく、協力を願う、こういう文書を流していたということが報道されております。これは、何か土建業界との癒着がなければ業界も受け入れはしないだろうし、改めて協力文書で要請して癒着を露骨にあらわす、示す、こういうことは一体どういうことですか。これについての大臣の見解を伺いたい。
#4
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。
 今朝の朝日新聞に記事が出ておりまして拝見いたしたのでございますが、退職いたしました技官の方々が文建会というのをおつくりになった、そしてその文建会というものをつくったからよろしく頼むという、何といいますか、広告みたいな意味で依頼のあれが出たようなことも拝聴いたしました。
 私はいまの、退職した公務員の何といいますか、影響下にあります業界に対する入社というものは、公務員法に従いましての、二ヵ年でありますか、そういうふうな規定がございますことは承知いたしております。そういうふうな後に企業体に入社いたしましたといたしましても、それは個人的な再就職という問題もあろうかと思います。そういう点につきまして、なお調べておくように命じてございます。
#5
○小野明君 なお調べてということですが、これは大臣の御答弁のように、人事院の方で二年間という規制がある。しかし、この文書によりますと、意のあるところを御賢察を願いたい、私どもは音とったきねづかを忘れておりません、こういう文書ですよ。だからこれは明らかに、天下ったこの業者に対しての利益誘導というか、指名を願う、こういう意味であると思いますが、大臣はこのことについて何ら、いまのお話を聞きますと、あたりまえではないかというような御所見のようですが、反省はないのですか。あるいは今後どう対処するつもりですか。
#6
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。
 OBの方から、今度自分たちがやめたから、また同時に、こういうふうな会をつくったからよろしく頼むという依頼があったということ、それはまああいさつ状でございましょう。しかしながら、問題は、そういうふうなたとえば依頼があったとしましても、われわれが、役所のいわゆる営繕関係とかあるいは入札とかそういうことに対しましては、断じてそういうことに煩わされ、かかずらってはいけないのでありまして、あくまでも公正な姿において入札なりあるいは指名なり、そういうことをいたすということでなければならない。それは当然なことでございまして、そのいまの役所の方が不正不当あるいはまた特定の便宜供与という問題がありますれば、それは断じて許し得ないことでございます。がしかし、退職した公務員が、正規の期間を超えまして、そして各企業に入社いたしまして、入社したからよろしくということがあった場合におきましても、何らそこには、いまの違法性というものはその段階ではないわけでございますので、その点は截然と区別して考えなければならない、かように考えております。
 しかし、われわれといたしましては、そういうふうな問題に対しまして、一つは先生の言われました傘下の企業に天下りという天下りのこと、それからもう一つは、指名あるいは入札、そういった公の行為に対しましてあくまでも不当なことがないように、毅然とした姿において一視同仁に扱わなければならぬということでございます。
#7
○小野明君 最近、大臣あなたの管理下にある社団法人、公益法人の教科書協会の献金問題もあった。あるいは文部両次官がゴルフの会員権を買って、そして業者とプレーした云々。これは事実関係を究明しなければわかりませんけれども、それらの事実をあわせ考えますときに、まさに綱紀は弛緩し切っておる、こう言っても私は過言ではないと思う。柳川君は、文部省管理局長は、この意のあるところという文書で、現役が姿勢を正して対処すればいいんだ、こう言っておる。それじゃ現役が姿勢を正さなければ、いままでの実績から見て、これはずるずるっと談合問題、癒着問題に私は発展する可能性があると思う。いまこそ姿勢を正さなければいかぬときですよ。
 大臣、これはあなたは御存じかどうか知りませんが、大体ランクによって、局長クラスが天下りをすればどれぐらい、あるいは役人のランクによって手みやげをつける。これはもう常識的になっておるらしいのですよ。そういうことから言って、これはこの際、私が申し上げたことを、言わないでももう文教委員会でやっておりますが、改めて綱紀の弛緩を断固としてこの際防ぐという決意をひとつお示しいただきたい。
#8
○国務大臣(田中龍夫君) 綱紀の粛正は、断固としてその姿勢を守ります。
 また、ただいまのお話の段階におきましては、いまのお話の点におきましては、何らそういうことがないとかたく信じております。
#9
○小野明君 大臣、あなたはかたく信じておりますと言いますが、続々と天下りをしておるこの事実、これは何年にここの企業に就職した、それからこれは何年にどこの企業と、この実態、事実関係を報告を願いたい、調査をして報告をいただきたい。最初大臣が答弁をされましたが、それは間違いありませんね。
#10
○国務大臣(田中龍夫君) 技術官退職後に他の会社に参りました者が二十一とかいうようなことが新聞に出ておりましたので、それについて調べてみましたらば、二十は正確に出ておりましてよくわかります。あとの一つは退職してよほど経過してから他の会社に入ったようでございまして、そこの二十一という数は容易に判明いたしております。
#11
○小野明君 それから次に、大臣、来年から使われます高校の現代社会、この教科書から天下りという言葉が、修正意見か何か知りませんが、つけられて、削ったと、こういうことが報道されております。これは事実ですか。
#12
○国務大臣(田中龍夫君) その点につきましても、天下りということについて、それを使ってはいかぬというようなことでやめたのではございませんで、まあ会社の方でこういう点をやめたようでございます。なおまた、その間の細かい経過というものは、別に新聞報道にありますような何と申しますか、いやな響きの天下りという言葉は、再就職という言葉の方が穏やかだろう、かように考えております。
#13
○小野明君 教科書会社が自発的に削るなんということは考えられぬのです。そんな子供をだますようなことを言ってはいけませんよ。これは明らかに、文部省調査官が修正か改善意見をつけて削らせたに違いない。というのは、文部省からたくさん営利企業に天下りをしているから。
 言葉がなじまないと言いますが、これは人事院総裁、天下りについて規制を、対応を決めておられますね。通常いわゆるという言葉はついておるが、天下りというのは人事院の報告書にも出ていると思う。総裁、これはどうですか、天下りという言葉については。通常語と思いますが。
#14
○政府委員(藤井貞夫君) 公務員の民間企業に対する就職の規制ということで、これは国会に御報告を申し上げる事項になっておりますので、毎年御承知のように報告を出しております。人事院自体が正式の場で天下りという言葉は従来から使っておりません。
#15
○小野明君 それは、いわゆる「営利企業への就職」ということで報告書を出されておることは私も知っております。しかし、従来の国会の中でのやりとりというのは、これは天下りと。天下り白書というものまで出されております。これは大臣も御承知だと思います。この天下りという用語を文部省が、修正か改善かの意見をつけて削らせるというのは、手前の罪を手前で消す、こういう意図があるのじゃないんですか。
#16
○国務大臣(田中龍夫君) 検定みたいな、そういうふうな権力的な意味においてこの天下りという言葉を使ってはいかぬ、あるいはやめろと言ったのではないのであります。現に天下りという言葉をそのまま使っております会社が二つほどございますことも事実でございまして、やめるとか使っちゃいかぬとかというのだったら、全部消えておるはずでございますが、現実に二社はそのまま使っております。
#17
○小野明君 二社だけは残っているわけですね、二社だけは。そうすると、これは修正でなくて、大体改善意見をつけたということでしょうね、実態としては。それで、いずれにしても、手前のやってきたことを自分で消させて、文部官僚自体で消させていくというようなことはこれは最もいかぬ。教科書というのは、事実を書いてなければ教科書というものの値打ちがないわけですから。この点はひとつきちっとしてもらいたいと思うのです。
 それから次に、中曽根長官にお尋ねいたしますが、この行革国会をやっておりますのは、増税なき財政再建ということがキャッチフレーズであることは間違いないですね、いかがでしょうか。
#18
○国務大臣(中曽根康弘君) 増税なき財政再建を一つの重要な目的として目指しまして、七月に臨調の第一次の報告がございまして、それを具体化する一環として臨時国会をお願いしているわけであります。
#19
○小野明君 この行革法案で二千五百億程度、補助金で千六百億程度、合わせて四千億程度を削ることになっておりますが、大蔵大臣、あなたの方で来年度のいろいろ増税構想を八項目にわたって考えておられるようですね、検討されておるようです、けさの日経の報道によりますと。その中で新税とおぼしきものが、ギャンブル新税あるいはパスポート課税、広告費課税というのが考えられると思います。
 そこで、広告費課税についてはどのように検討なさっておるのか、お尋ねをいたします。
#20
○国務大臣(渡辺美智雄君) いろいろ国会の質問等を通じていずれも指摘されたような税目であります。したがいまして、それらにつきましては、こういう時期ですから別に増税をするというわけでもありませんが、戦争のない自衛隊も演習していることでしてね、主税局においても、うちは何も仕事せぬでいいというのではなくて、あらゆる問題について国会で論議になったようなものは全部勉強をしておけということで、勉強をしているということであります。
#21
○小野明君 この国会で四千億削減をする、しぼり取って。あなたの方では四千億を超える、新税を含む増税を来年度考えておる。これは矛盾じゃないですか。
#22
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは予算を組むときには、歳入と歳出と両方がバランスしなければならぬわけです。そこでわれわれは、増税のない財政再建ということを訴えて極力歳出カットをこれからも進めます。進めますが、ことしは過去にないような大型の災害等も発生をいたしました。これらについては例年、一年度で災害復旧ということはやれない。どうしても秋口のものはあと半年や三ヵ月でできませんから…・
#23
○小野明君 簡潔に。
#24
○国務大臣(渡辺美智雄君) はい。したがって、概算要求の当時考えられなかったような歳出の追加需要が出てきたということもございます。これらをゼロシーリングの中へ全部はめ込んじゃうということも一つの方法です、どこかの経費をどんどん切っちゃって。しかし、それでいけるかどうか、歳入の見通し等も考えまして全体的に目下勉強中である。ともかく、極力歳出カット最優先でやるというのが現在の方針であります。
#25
○小野明君 私がお尋ねしておるのは、しぼっていきますと、広告費課税については、その対象、あるいは期限つきであるのかどうか、あるいは物価への影響等はどうか、広告費課税をやるのかやらぬのか、それをひとつお伺いします。
#26
○国務大臣(渡辺美智雄君) 具体的なことは詰まっておりません。
#27
○小野明君 そうしますと、けさのこの日経報道というのは、ただ単に検討をしておるということですか。もう少し本音をひとつ言ってくださいよ、本音を。
#28
○国務大臣(渡辺美智雄君) 本音を申し上げまして、具体的に決まってない。いろいろ勉強はしているでしょう。
#29
○小野明君 検討しておる。
#30
○国務大臣(渡辺美智雄君) 検討までまだいってないのです。勉強しているという段階、これが本音です。
#31
○小野明君 そうすると大蔵大臣、広告費課税をやることもあるということですね、どうですか。
#32
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はやりたくないのです。やりたくないのですが、歳出カットでうまくはまるかどうか、まずそれをやるわけですから、どうしてもはまらないときはどうするのかというようなことの一つとして検討しておるということで、いまやるということも決まっておりません。やらない方向が強いかもあるいはわからぬし、どうするかこれからのことだ、そう思っております。
#33
○小野明君 中曽根長官、増税なき財政再建というのが、これがキャッチフレーズですね。一方これが通れば四千億削る、一方で大蔵省では新規四千億増税、これは矛盾とお考えになりませんか。
#34
○国務大臣(中曽根康弘君) 理念的には、行革をやっているときに増税を考えることは邪道である、増税と行革は理念的には両立しない、そういうふうに考えております。
#35
○小野明君 だから、これはおかしいのだよ。行革で四千億削る中で、もうすでに大蔵省が四千億、新税を含めて検討しておる。そんなしり抜けみたいな行革ならやめた方がいいですよ、これは。やめてもらいたい。
 そこで、これはもう増税なんか考えられないというのは、中曽根長官だけじゃないのですよ。大臣も御承知のように圓城寺会長代理、増税なんか考えるべきではないということを明確に言っておられるわけでしょう。それがあるにもかかわらず、あなたのところで増税構想を練っておるというのはどういうことですか。これはおかしいことじゃないですか。
#36
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国会でもいろいろ言われますことは、ともかく不公平と思われるようなことや、しり抜けになるようなことはいかぬ、だからそういうものは見直しなさいということは、この国会の中でも言われておるわけですよ、何回も。そうすると、交際費と広告費というものがありまして、灰ざら一つをつくるにいたしましても、それはそのまま配れば交際費だけれども、広告文句をいっぱい掲げて配れば広告費になる。それじゃ片一方を抑えても、片一方が出れば同じじゃないかということになる、しり抜けになってしまう。しり抜けにならないようにどうするのかということなども研究をしております。そういうことでございます。
#37
○小野明君 どうも巧妙にあなたはすり抜けようとなさるけれども、そういう詭弁は通らない。現に広告費課税にしても、期限つきということで検討しておる、こういうことなんで、これは政府全体の態度が統一されていない。どうもおかしいと私は思います。
 そこで、中曽根長官の意見をお聞きすればいいのですが、時間も余りないのであれですが、長官、いま大蔵大臣はああいうふうに言われますが、あなたの方で何か御所見がありますか。
#38
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は理念的にという言葉を申し上げたのでありまして、行革というものは、小さな政府を目指してできるだけ冗費を省いて、そして国民に負担をかけまい、そういう考えでスタートして、それを貫こうという考えでございますから、まずそれに徹して徹底的に減量をやり削減をしていくということで、それをやっておるときに、増税というような経費を国民からよけいふやすというようなことを考えることは邪道である、そういうことを言っているのです。
 もし万一、増税ということを考えなければならぬというときが来る場合というのは、もう本当にあらゆる努力をしてみて、にっちもさっちも動きがとれぬ、そういうような場合に初めてそういう場に遭遇するのであって、いまそういう事態であるかどうか。いまは行革を一生懸命やっておるこういうときでございますし、財政的にもどういうような、にっちもさっちも動きがとれぬ状態になっておるのか、なってないのか、われわれにはわかりません。したがいまして、行革を一生懸命やっておるときに増税を考えることは邪道である、そう申し上げたわけであります。
#39
○小野明君 それが私はどうも正しい考え方だろうと思います。
 それから文部大臣、この前、十月二十七日に私はあなたにこういう質問をしたのです。自民党の教科書問題小委員会が、広域採択あるいは検定、発行、供給を一元とした教科書法を考えておる。それについて中教審等を設置して、十三期中教審を構成して諮問をするということは考えておられますかと尋ねた。十月二十七日ですよ。そうしたら、あなたは教科書法も考えておらぬし、中教審も考えていない、審議会ももちろん考えておりませんと断言したのですよ、参議院文教委員会で。とぼけられては困りますよ。これは先月の月末ですよ。そうしたら、今月の十七日に中教審というものをつくって、もう二十四日に発足。これは私は、こけにされたような気持ちになった。大臣はこれまでも私にうそを言ったかということで、非常に不愉快です。大臣、これまで中教審を設置するのに急いでやられた理由は何ですか。経過を説明してください。
#40
○国務大臣(田中龍夫君) 私はうそは申しません。まず速記録でも調べてみれば明確になりますが、中教審をつくるとは申しませんが、審議会のようなものをつくって、そうしてあくまでも各方面の意見も徴し、また公平なりっぱな教科書をつくるようにいたしたい、こう申しておったはずでございます。先生の御質問のときには、すでに先生も御承知と存じますが、寄り寄りあくまでも審議会のようなものをつくって、そうして広く意見を徴していかなきゃならぬということは考えておりましたので、審議会はつくりませんということは申しておらないことでございます。
#41
○小野明君 いや、それはおかしいよ。あなた、議事録を見てちゃんと言ってください。中教審は設置をしませんと明確に言っておるんですよ。
#42
○国務大臣(田中龍夫君) 中教審とは申しませんで、審議会ということを申しました。そのときに中教審かという御質問もいろいろな先生からあったと存じますが、中教審等も含めて審議会のようなものをつくりたいと、こう申したはずでございます。
#43
○小野明君 いや、あなたは中央教育審議会、もう設置しませんと明確に答えておるんですよ。私は議事録を見て言っておるのだから。ここでまたうそを再度言われるわけですか。あなた、おかしいじゃないですか。
 それからその際に、いま教育で一番問題なのは青少年の非行、暴力、いわゆる教育の荒廃と言われるものが根源にある、こういうふうに私は申し上げた。大臣もその問題について考慮しておりますということを答弁されたが、今度の中教審は教科書関係が中心的な課題であって、しかも半年後に答申を出してもらいたいと。一番教育の根源的な問題である教育の荒廃、青少年の非行、校内暴力の問題、これについては何ら中教審の課題として言われておらない。これはきわめてあなたの教育に対する認識がずれておると私は思いますが、どうですか。
#44
○国務大臣(田中龍夫君) 今度、答申を求めましたのは相当広い範囲、三点にわたって諮問をいたしております。そうして、当然その中におきましては青少年の非行、暴力、校内暴力という問題も中に含めまして広い範囲の答申を求めるようになっております。
#45
○小野明君 何といっても大臣、今回の中教審の中心が、文字に書かれておるところしかわからぬわけですよ、われわれはわからぬ。これは教科書をやることは間違いない。そして、それは自民党の教科書問題小委員会が原動力であることは間違いない。私は教育の荒廃、青少年の非行、校内暴力というのが中心に据わらなければならぬと思う。
 そこで、安孫子大臣と総理府総務長官にせっかくおいでいただいたので、時間は短いですが、端的にお答えをいただきたいのですが、安孫子大臣、警察庁としてもこの校内暴力問題について重点を置いた対策を立てられる、こういうことであります。先回はまた総理府の青少年対策本部でも、この非行問題を中心に諸外国の資料も出された。それで、その現状と対策について一言ずつひとつお述べをいただきたい。
#46
○国務大臣(安孫子藤吉君) 校内暴力を含めての少年の非行問題、これは非常に深刻でございます。昨年よりまたことしふえるだろうということで、状態がよくないわけでございます。したがいまして、これに対しては警察も大いなる関心を持っております。関係方面と緊密な連絡をとって、これが対策にいま当たっておるところでございますが、総合的には総理府におきましてこの問題を扱うことにしておりまするので、総務長官からも御答弁があると思いますが、警察としては重大な関心を持って活動しておるところでございます。
#47
○国務大臣(中山太郎君) お尋ねの青少年非行の問題は、なかなか根の深い問題であろうと思います。総理府におきましても、昨年の八月に暴走族の問題がございました、また、それに引き続きまして親族殺し等の問題が起こりまして、どう対処するかということで、十二月と一月に関係各省庁の局長連絡会議を開きまして、それぞれの専門的立場からの報告もございましたが、それについては二月の初頭に、とにかく各府県、市町村においても青少年の健全育成についての積極的な取り組みをやってもらいたいということで連絡を終わっております。
 二月になりまして、青少年問題審議会に対しまして青少年の非行防止について諮問をいたしましたが、例年の諮問のような形で答申を求めるには余りにも社会として事態が深刻であるということで、できるだけ速やかに答申をいただきたいということで六月に中間答申が出てまいりましたが、それには子供のしつけ、家庭、学校におけるそれぞれの場でのしっかりした対策を立てなければ、この問題はなかなか解決ができる問題ではないと、こういうふうな親の責任も含めた厳しい意見が出ておりますから、私どもとしては引き続きこの重要問題について積極的に努力をしてまいりたい、このように考えております。
#48
○小野明君 安孫子大臣あるいは中山総務長官はそれなりに、それなりにと言ってはあれですが、熱心に事態を熱意を持って対処しておられると思います。
 ところが文部省は、文部大臣、この青少年の非行、暴力問題については、第一義的には校内暴力等は文部省に責任があるわけですね。しかるにかかわらず、五十二年と五十五年、二回の通達で事を済まそうとしておる。たった二回ですよ、通知二回、薄っぺらな紙を二回出して能事終われりとしておる。しかも、たまたま薄っぺらな冊子を出したと思えば、校内暴力事件についての事例だけを並べておる。事は一九七〇年から私が申し上げますように青少年の非行問題が表へ出てきた、それが家庭内暴力になってきた、それが今回は校内暴力事件にと、こうらせん的に発展をしてきた。したがって、青少年非行、校内暴力という問題は、心理学者、医学者あるいはすべての階層を網羅して、これこそ私は新しく審議会あるいは中教審のメーンテーマに据わるべき問題ではないか。故意に文部省はこの青少年非行、校内暴力から目をそらして適切な対策をやっていない、こう私は言っても間違いじゃないと思う。どうですか。
#49
○国務大臣(田中龍夫君) それはとんでもないことでございまして、私どもは先生が言われるように、青少年問題は、青少年をお預かりいたしておりまするわれわれの教育、学校の問題が、これがそもそも一番中心でございます。でございますから、われわれがただ二回の通達を出したにすぎないじゃないかとおっしゃいますが、そうじゃなくて、三百六十五日私どもは青少年の中におりまして、そうしてともに暮らし、ともに教育し、努力を続けておるのでございまして、よその省の場合とは、文教をお預かりいたしております私どもでは全く立場を異にしますので、そういうことから日々のいろいろな通達以外の指導その他のことは、たくさん申し上げれば切りがないことでございますが、ここでは省きます。
 最後に、先生がおっしゃいました今度の諮問の問題でも、どうもやっていないじゃないかというお話でございますが、しかし今度の諮問の範囲は御案内のとおり、「初等中等教育の教育内容などの基本的な在り方について」というのが主テーマでございますが、その中で、「小学校、中学校及び高等学校における教育内容、方法及び教科書の在り方について」、また第二は、「中等教育における教育の多様化・弾力化について」、さらにまた、その原点とも申すべき「就学前の幼児の教育の在り方」と「その他関連する諸事項について」、まさに青少年問題に全面的に触れて諮問をお願いいたしておる次第でございます。
#50
○小野明君 時間が来ましたが、大臣、三百六十五日やっておりますということは、何にもやっておりませんということですよ。第一、来年度の予算要求を見ましても、この青少年の非行問題、それから校内暴力問題についての予算というのはほとんどない、見る影もないと言っても差し支えないぐらいですよ。ですから、もっと事を科学的にとらえ、中心的な今日の教育の課題は何かということに目を据えて教育行政に対処してもらいたい。最後にこれだけ言って、あと要求いたしました資料は文教委員会等にお出しをいただきたい。
 質問を終わります。
#51
○委員長(玉置和郎君) 丸谷金保君。
#52
○丸谷金保君 ただいま教科書の問題が出ておりましたので、最初にそのこと。でちょっと。
 教科書の検定は、いま大臣は非常に、事実を書いてなければ値打ちがないということに納得しながら答弁をしておりました。
   〔委員長退席、行財政改革に関する特別委員会理事嶋崎均君着席〕
ところが、どうも政府部内の見解でこれはおかしいのではないかと思うのがありますので、実は「農畜産加工」という山口八郎さんという人の書いた教科書、この中で、ビールは麦汁にホップを入れて苦味をつけて発酵してつくる、こうなっているんです。ところが大蔵省の酒税法では、ビールは表汁、麦芽、大体麦が原料ですが、麦とホップ及び水を原料としてつくるという、酒税法第三条第七号のロで「麦芽、ホップ、水及び米その他の政令で定める物品を原料として」、こうなっているんです。これはどっちが本当なんでしょうか、大蔵大臣と文部大臣とにお聞きしたい。
#53
○国務大臣(渡辺美智雄君) きわめてこれは技術的、専門的なことでございますから、専門家から答弁させます。
#54
○政府委員(福田幸弘君) 教科書の方はまた文部省でお答えがあると思いますが、われわれの承知しておるところで教科書を見ますと、御指摘の「農畜産加工」という、これは実教出版の山口さんのものですが、これはビールの基本的な製法を書いておるということであろうと思います、いまのおっしゃったようなことでございますね。それからもう一つの「化学工業」の二というのがございますが、これでは、米などをまぜた実際のビールの製造ということを書いております。したがって教科書でも、非常に詳しいのと、税法的なものまで書いたのと、基本的な製造の仕組みまでしか及んでないのと、これはもう教科書の方の説明の問題でございます。
 一方税の方は、これは税法でございますので、酒税の面からきっちりした書き方が必要でございまして、御指摘のようなことで、これは酒税法三条七号のロのところで「麦芽、ホップ、水及び米その他の政令で定める」ものというので、これは政令がそれを受けまして、麦、アワ、トウモロコシ等があるということで、これは清酒のイ、ロと同じでございまして、またワイン等の果実酒のイ、ロと同じように、本来といいますか、原料の麦芽、ホップ、それ以外のものが口のところへ入ってもやはりビールであるというのが税の方の書き方でございますので、教科書の方は基礎的なこと、税の方は税として酒税法の立場で書いておるということでございます。
#55
○国務大臣(田中龍夫君) 教科書でビールの製造について記述されておりますものが少ないですけれども、高等学校の工業科の「化学工業」や農業科の「農畜産加工」の教科書には触れておるものがあるわけでございまして、これらは教科科目の目標内容に沿いまして挙げられたものでございます。ただ、教科書の検定に当たりまして、審議会の委員や調査員及び教科書調査官の慎重綿密な調査に基づきまして意見を付しておるのでございまして、この場合、特に他の省庁の御意見を聞くまでもなく、当省におきまして検定をいたし、教科書と相なっておるものでございます。
 なお、もっと技術的な方面で先生のさらに御要望がございますれば、担当官からお答えをいたさせます。
#56
○丸谷金保君 いま福田主税局長から後の方までお答えいただいたのですが、こういうふうに書いてあるのもあれば、お米等を入れたという製法の図解の教科書もあるのです。まちまちなんです。これは教科書検定としては、それは詳しい、詳しくないということはありますよ、製法その他は。しかし、やっぱり使う原料について教科書検定でまちまちだというのは、ちょっとおかしいと思うのです。こういう点は間違いを見つけたら、どんどんと直していけるような体質に文部省はありますか。
#57
○国務大臣(田中龍夫君) 明確に誤りでございますれば、そのつかさ、つかさに命じまして修正もいたさせます。しかしいまのは、私もどうも先生のあれがよくわかりませんので、素人でございますから聞きましたところが、そういうお米その他の來雑物を入れましたビールもあれば、入れないビールも、純粋なものもある、両方あるようなふうに私は答えを得ました。
#58
○丸谷金保君 それじゃ、教科書に書いてあるのを全部読みますから、よく聞いておいてください。
  ビールは、麦じゅうに、ホップを入れて苦味をつけ、発酵してつくる。大麦を水に浸したのち、二〇−二五度Cで七−一〇日発芽させて麦芽をつくり、焙燥して麦芽特有のかおりと色をつける。焙燥した麦芽は幼根を除いて割砕し、六五度Cくらいで糖化させ、ろ過して麦じゅうをとる。麦じゅうに麦芽重量の一−二%のホップを入れ、一−二時間煮沸して麦じゅうにホップの成分を溶出させたのち、ホップのかすを除いて冷却する。
 冷却した麦じゅうに酵母を入れて発酵(主発酵)させる。主発酵は、五−一〇度Cで七−一〇日行なう。主発酵のおわったものは貯蔵タンクに移し、○−二度Cで数か月熟成させて、ろ過する。ろ過したビールは、たるまたは、びんにつめる。びんにつめたものは、殺菌(六〇度Cで約三〇分)する。
 ここのどこにも、米だとかいろんなものを使うということは何にもこれから読みとれないのですよ。そうすると、これで勉強した子供たちは、ビールはこういうものだということだね。しかし大蔵省のあれで言いますと、政令では「米その他」というのの中に、「政令で定める物品は、米、とうもろこし、こうりやん、ばれいしょ、でんぷん、糖類又は大蔵省令で定める苦味料若しくは着色料」、こんなに入っているのですよ。これだけ違ったら、これは簡単だからなんというものじゃないのですよ。しかも大蔵大臣、これはもうまことに丁寧に書いてあるので、このとおりやるとビールができるのです、ぴしっとね。すると、いまどぶろくのつくり方なんというのも出ておりますけれども、教科書で堂々とっくり方、これはもう世間に出たら私らでも飲めるんですから。
 そうすると、一つは文部大臣、これだけいろんなものを入れてもいいのだということになっているのに、いま読んだこの文からは全く読み取れません。これはもう明らかに違うのですから直しておいてもらわないと、子供たちが大きくなったら、ビールは麦でつくる、こういうことでもって洗脳されますからね。そうして大蔵大臣、こんなにいろいろなものを入れてもできる。しかも製法は文部省でちゃんと教えてくれているんですから。ビールの醸造免許、もう少しふやすようにしましょうや。そうすると酒税も入るんです、申告納税制度だから。みんな家庭でもつくって、これだけつくったとやれば、どんどん飲んで増収にもなりますが、どうですか。
#59
○政府委員(福田幸弘君) いまの教科書の書き方は、そういうことで物がつくれるということの説明であろうかと思います、製造過程。もう一つの教科書の方の「化学工業」の方では図解で……
#60
○丸谷金保君 もう一つのは聞いていない。
#61
○政府委員(福田幸弘君) そっちの方もあるわけでございまして、むしろつくり方を細かく書くか、詳しく書くかの問題がいまの問題でございますが、税の方は御承知のように課税物件でございますし、致酔飲料でございますので、そこはほかの物件と違いまして、やはり製造免許ということで厳格に規制するというのが税の立場でございますので、それはつくれるということとつくっていいかどうかの問題は別であろうと、こう思います。
#62
○政府委員(小山昭蔵君) 免許の関係の御質問もございましたので若干補足させていただきます。
 先生御指摘のとおり、麦芽及びホップだけを使用してまさにビールはつくれるわけでございますが、そういうビールを現に製造し、かつ販売している免許業者もあるわけでございまして、国民の皆様方にはそういうビールも愛飲していただけるわけでございます。なお、今後さらに新規にその種のビールを製造する業者をどんどん免許していってはどうか、こういう御趣旨でございますといたしますならば、これはやはり酒税確保というような観点等もございまして、相当の設備を持ち、また基盤を持ち、技術水準も高いというような免許の要件というものに該当する方でないとこれは容易に免許をお認めするということはむずかしいのではないか、このように考えます。
#63
○丸谷金保君 免許の問題はまた別にやりますが、問題は教科書で、こういうふうにきちっと書いているのもあれば、いろいろあるのです。これは統一しておく必要があるのじゃないか。このことだけはひとつ文部大臣きちっと、この本はこう書いている、この本はこう書いている、こういうことのないように御注意願いたいと思いますが、いかがですか。
#64
○国務大臣(田中龍夫君) 担当の政府委員からなお追加してお答えいたします。
#65
○丸谷金保君 文部大臣の答えだけでいい。
#66
○国務大臣(田中龍夫君) 御意見、十分に拝聴いたしました。
#67
○丸谷金保君 次に、通産大臣に石炭問題についてお伺いいたしますが、実は夕張新鉱の問題につきまして、先日も社会党阿具根議員を団長にしての調査団が行ってまいりました。大変重大な問題を聞いてきたので、一問だけお答えを願いたいと思います。
 実は、新鉱のガス抜きボーリング、これが五十メートルやるところを三十五メートルであとはやっていなかったため事故が拡大したのだ、あるいは発生したのだというふうな、非常に無責任な立場での報道が行われております。そして、実際は五十メートルやるということになっていたようでございますし、これが、そうした流された報道のように、五十メートルやるところを三十五メートルでやめておったということがもし事実であるとすれば、これは会社なりあるいはその業者なり監督官庁なり、大変な問題でございます。未必の故意にもつながりかねないような重大な要素もはらんでおります。すでにこのことはお聞き及びと思いますが、この点について通産省としてはどのように対応しておるか、お答え願いたいと思います。
#68
○政府委員(神谷和男君) 御承知のように、現在札幌鉱山保安監督局が北海道の警察本部と合同で捜査を進めておりますし、各専門家から成ります技術調査団が鋭意原因究明中でございます。その原因究明上、先生御指摘のガス抜きの実施状況というのはきわめて重要なものであるというふうに考えておるわけでございまして、御指摘のように盤下から事前のガス抜きを行う、さらに炭層に沿いましてこれまた事前のガス抜きのボーリングを行いながら自然条件を探査していくということが必要になってくるわけでございます。今次災害個所におきましても、この方法によってのガス抜きが実施されていたということは事実でございますが、ただ、これをめぐって御指摘のようにいろいろ断片的なことが言われております。
 これらの問題につきましては、現在その具体的な事実関係について捜査の段階で、鋭意いろいろの事情聴取あるいはデータの収集を行っております。したがいまして、これらを総合してひとつ原因究明という段階で明らかにしてまいりたい、このように考えております。
#69
○丸谷金保君 どうも非常に抽象的でよくわからないのですが、私の聞いているのはほかのいろいろなことではないのです。五十メートルやるのを三十五メートルしかやってなかったから事故が起きたのだというふうな単純な形で、まあこれだけとは限らないでしょうが、これも大きな原因でないかというふうな形で流されている一部報道、これはもう大変なことなんで、全体の原因調査、これは水抜きが済まなければできないでしょう。しかし、これは上からやっているのですから、いまだってできるはずなんです。そんなもの混同しないで、はっきりこの問題だけに限って言ってください。
#70
○国務大臣(田中六助君) 御指摘のガス抜きを、保安規程によって五十メーターやるべきところを三十五メーターあるいは三十メーターしかやってないというルーマーが、今回の夕張新鉱の爆発事故で流されておることは私も承知しておりますけれども、享保安に関することでございますし、人命に関することで、坑内に入っておる人たちにとっては非常に重大なことでございます。それを、ガス抜きに手を抜くという手抜き、ガス抜きどころか手抜きというようなこと、そういうことがあり得るだろうかと、私はそれを聞いたときもそう思いましたし、現実にガスを抜くか抜かないか、これは御承知のように北炭新夕張炭鉱はガス山でございまして、非常に大変なところでございます。これを手を抜くか抜かないかということ、そういうことがあり得るだろうか。絶対私はあり得ないといまだに思いますけれども、現実にそういううわさもありますから、一応私ども法的な調査あるいは実態調査というものを、水揚げが済んだ後にははっきりわかることでございますので、本質的な究明をその際徹底的にやってみたい、またそうしなければならないというふうに考えております。
#71
○丸谷金保君 この問題については山でもいろいろな憶測が飛んでおりますので、大臣答弁のように私ももうあり得ることでないというふうに考えますけれども、なおかつひとつこの点については厳重な調査をお願いいたし、調査結果についてもでき得れば報告をいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#72
○国務大臣(田中六助君) 丸谷委員の御質問を含めまして、御指摘の点を十分勘案して、御質問の趣旨に沿ってお答えしたいと思います。
#73
○丸谷金保君 次に厚生大臣にお伺いいたしますが、過日新聞紙上で、徳島の大鵬薬品工場でダニロンという薬の販売をめぐって発がん性ということが非常に問題になりました。このことについてその後の厚生省のとった措置等を特に御質問申し上げたいのですが、その前に、こういうばかなことかと思うことがございますので、その点。
 というのは、大鵬薬品を守る会という社内の職員、これが、こういうことが流布されると会社は大変だということで、しっかりがんばらなきゃいけないからみんながんばろうという意味の会報を出しているのですが、その中でこういう文書があるのです。「私たちはいろんな議論よりも、どんなことであれまず自分たちの生活の基盤である会社を守らなければなりません」。薬をつくる会社が、「どんなことであれ」私たちの生活の基盤を守らなければならないからと。このどんなことでも、どんなこと、この思想は、実はカネミあるいはチッソというふうないろいろな問題を起こす遠因になっているのです。製薬会社が一体こんなことで大臣、いいと思いますか、こんな姿勢で。どんなことであれ会社のためには守っていかなきゃならぬ、気がついても。いかがですか。
#74
○国務大臣(村山達雄君) まず大鵬薬品に対するその後の厚生省のとった措置について申し上げます。
 動物実験の一部について発がん性の疑いのあるデータがあった、それを新薬の試験を受ける際に添付しなかったということが報ぜられまして、直ちにその薬品の流通市場からの回収をまず命じました。これはほぼ完了いたしました。それから未提出の資料、それを厚生省の方で引き上げまして、そして現在中央薬事審議会、この審議にかけまして、その審議の結果を待って次の措置を講じたい。たとえばもうどうしても不適当であれば、本当に危ないものであれば、承認取り消しとかそういうことを含めて次の措置を講じたいと思っておるのでございます。
 労働組合の間からそういう文書が出ておるということは、私はいま初めて聞きました。(「労働組合じゃないでしょう」と呼ぶ者あり)職員組合でございましょうか、従業員の方からそういうあれが出ておることはいま初めて聞きました。
 どんなことでもというところが非常に問題なんでございますが、やはり当然のことでございますけれども、医薬品はこれは薬で、日本はおろか世界人類の生命に関する問題でございますので、そういうことを無視されては困る。どんなことでもという中にそんなことは含まないであろうと思いますけれども、そんなことは、もしそういうことを含んでおるとすれば、それは大変なやはり思い違いではないか、こう思うわけでございます。
#75
○丸谷金保君 私は徳島へ行ってきたのですが、行ってびっくりしました。これは労働組合じゃないのです、これ流したのは。労働組合は別に、内部の調査の結果についてはこれは問題があるというふうなことで上部にも注意をし、そして、そのことが新聞社の察知するところになって記事が出たのです。ところが、そういうことで心配している労働組合、もっと人道的な立場で慎重にしなきゃならぬという労働組合がけしからぬと言って、とにかく会社の中のことはどんなことであろうと生活に響くのだから出しちゃいけないのだ、こういう態度なんです。ですから、このどんなことというのは、まさにどんなことでもということなんです。
 そして、しかもこれは私問題なのは、この文書は会社が許可しているんです。こういう文書を配るの。実にけしからないと思うんです。一体、大鵬薬品というのはどんな会社だ。その一方で、労働組合に対しては会社は、ビラまきをしたのはけしからぬ。これは許可して、こういうのは許可してビラまきをさせて。いろいろな点で実は労働組合に対する圧力をかけております。
 この点、先に労働大臣にちょっとお伺いいたしたいのですが、このダニロンの問題に絡んで、大鵬薬品の中では労働組合から不当労働行為というふうな訴えが徳島で出されております。しかし、なかなかこれが進まないうちに、転記を含みいろんな団交に対して拒否をするとか、あるいは脱退を強要するというふうな、まさに労働組合法の七条に該当する行為が行われております。これは、一方ではこういうことを許可して、片一方ではもっと正常な立場でやる正当な労働運動に対する圧力。これはチッソのときだってそうなんですよ。組合が内部でもっとちゃんとして、指摘したのを公にできたならば、ああいう悲惨な状態は起きなかったと言われておるんです。その方がけしからぬということなんで、これは緊急にひとつ労働省としてもこの不当労働行為の中身について積極的な調査をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#76
○国務大臣(藤尾正行君) お答えをいたします。
 ただいまの案件は、十七日に地方労働委員会に提訴されまして、受け付けになっておりますから、労働委員会の責任において直ちに必要な措置をおとりになるであろう、かように考えます。
 私といたしましても、そのようなことが迅速にかつ完全に行われて、そのような不当な労働行為があるとすれば、そういったものは絶滅をさせなければならぬ。それについては厳しい対処の仕方を考えさせるように指導をいたします。
#77
○丸谷金保君 このダニロンの問題を中心にして、実は私たち現地に入って驚いたのは、社長があっちこっちにたくさん文書を配布しているんです。というのは、「データーを隠して申請したと云う報道につきましても、そのような事実は存在せず、そのデーターは自由摂餌のため五〇%致死量を超える大量が投与されたものであり、このような条件下でのデーターは申請資料としては不適当であると判断し申請資料に添付しなかった」。発がん性のあるマウスの実験データは、だから添付しなかったと言うんです。こういうことになると、どうもなぜ提出しなかったかという理由と、厚生省、薬の会社に甘く見られているのでないかという気がいたすのですが、いかがでしょうか。
#78
○国務大臣(村山達雄君) 新薬の承認に当たりましては、どこの国でもそうでございますが、やはり製薬会社を一応信頼してかかって、その申請書類を基礎にして審査をやるというのが通常の例でございます。ただ、薬事法の一昨年の改正で、添付書類は、動物実験であろうが臨床実験であろうが、あるいは成分、規格、そういったものは全部添付させることにしておりますし、またいろんな再審査の制度を設けましたり、あるいは副作用の被害報告を徴することにもいたしているわけでございます。
 今回の件に照らしまして、われわれは安全試験の実施に関する基準というようなもの、言いかえますならば、その安全試験をやるときにだれが責任者であるかということ、単に会社ということでなくて、責任体制をはっきりいたしまして、その人に責任を持ってもらうという制度をひとつ考えてみたい。それから同時にまた、その安全試験をするときの試験に使う設備の構造等、こういったものについても基準をつくっていきたいといま考えて、検討中でございます。そういうことをいたすことによりまして、しっかりしたデータが出てくる。それから責任体制を、法律の上だけではなくて現実的に持たせていく、こういう制度を考えてみたいと思っておるところでございます。
#79
○丸谷金保君 厚生大臣、これからそういうことをつくっていきたいというので、私はびっくりしているんですけれども、なるほどそれでこの文書はこういうことになっているのかなと。「さて、弊社が九月一日付で発売致しました抗炎症剤「ダニロン錠」につきまして一部の新聞において発癌性の疑いありと報道されましたが、弊社における現在の科学水準に基づいた実験結果では発癌性は認められませんでした」。これは「弊社」なんですよね。会社の中でやった実験結果においては発がん性は認められなかった。内部でやったものだけで、堂々とこういう文書で新聞報道に対する抗弁が出ているんです。いまの大臣の話とこれはよく符合するのですがね。
 一体、ダニロンの発がん性に対して行った実験方法はどんなものだったのか、これは専門的になるかと思いますが、できるだけ簡単にこの実験方法について御答弁願いたいと思います。
#80
○国務大臣(村山達雄君) 詳細の事実関係については政府委員から答弁させますが、一つ答弁漏れがあるように思います。
 それは、未提出の資料でございますが、これが発がん性があるという疑いのある実験があった、こういうことでございますが、これはもちろん現在の提出資料の中に義務として出さなければならない資料でございますので、それは法律の上から言いますと、提出義務違反になっているわけでございます。したがいまして、私の方はその分を回収いたしまして、そして薬事審議会でいま審議をしている、こういうことでございます。
 いま事実関係で、どういう資料で、また会社はどういうことで言っているかというようなことにつきましては、政府委員から答弁させます。
#81
○政府委員(持永和見君) 先生御質問の発がん性試験の方法でございますが、マウスにつきましては、えさにスキシブゾンを混入する方法で三段階の投与量を設定し、十八ヵ月間投与をしております。それからラットにつきましては、経口で強制的に連日投与する方法で三段階の投与量を設定いたしまして、約十五ヵ月間投与をしておる、そういう方法で試験がやられたものというふうに報告を受けております。
#82
○丸谷金保君 報告はそのとおりなんですが、実はこのうち、マウスによるところの実験データが提出されなかったのですね。これはもう大変なことなんです。しかも、「報道により世間をお騒がせ致しましたので手持ちのデータを厚生省に提出し、」御判断を仰いで「自主的に販売を一時中止」する。実際われわれとしては何にも悪いと思わないのだけれども、報道機関がこういうことでうるさいから、ぐあいの悪かった資料も厚生省に出して自分たちの判断で販売中止したということですね。この中にはちっとも反省のかけらさえも見えないのです。
 しかも、これは提出義務違反だ、いま厚生大臣が言われたような。これはもう厚生大臣の方から言っちゃったので、そのことを問題にしようと思ったのですが、はっきりしたわけですからこれは問題にすることでもなくなりましたが、こういう追加提出、一体このデータは厚生省、どこでいま検討しているのです。
#83
○政府委員(持永和見君) 先生御指摘のとおり、マウスに関する試験データが最初の申請の段階では出てまいっておりませんので、これを提出させまして私どもの方で内々の検討をいたしました。検討いたしました結果、なお専門的に多角的な角度から総合的に検討する必要があるということで、現在中央薬事審議会の医薬品の調査会、そこで検討をしていただいている段階でございます。
#84
○丸谷金保君 ぐあいの悪いテークは提出しない、こういう会社に対して一体どういう罰則があるのですか。へたをするとこれは大変な問題ですよ。いままでもそういう点でいろいろな問題が起きていますけれども、これだけ最初から許可をもらう段階で出さなきゃならぬ資料を隠しておいて、許可をもらって、世間が騒ぐからあわてて自主的にと、こういうことはちょっとね。一体こんなことで、行革なんて言って小さな政府にしたら大変じゃないですか。うかうか薬も飲めない。いかがですか、これ。
#85
○政府委員(持永和見君) 先生御指摘のとおりに、大鵬薬品が本来ならば提出しなければならない資料を提出しなかったということについては、私どもとして大変遺憾というふうに考えておるわけでございます。問題は現在中央薬事審議会で医学的、薬学的な観点から総合的に判断してもらっているわけでございますが、とりあえず私どもといたしましては、先ほど大臣も申し上げましたように、徹底した回収、それからダニロンの製造販売の中止、そういったものを指示いたした段階でございますけれども、なお、該品につきましては、現在中央薬事審議会の方で御検討いただいておるわけでございますから、その結果によって問題があるということになれば、先ほど大臣もお話になりましたように、当該ダニロンの取り消しというような事態も当然あり得ることかと思います。
#86
○丸谷金保君 ダニロンの取り消しなんていうのは問題じゃないのですよ。こういうことを平気でやるような会社に対する責任はどうなんだ、こういうことなんです。厚生大臣、どうですか、問題があれば取り消しなんて。しかも、この大鵬薬品というのは抗がん剤で急成長したのです。片方で発がん性の疑いのある薬を売っておいて、片方で抗がん剤でもうけていれば、これはいいですよ。こんなばかなことがいまの世の中に許されて、しかもいまの局長の答弁のような、ダニロンを取り消すこともありますなんて、そんな程度のことでいいのですか。許可した方は一体どうなるんですか。
#87
○国務大臣(村山達雄君) やはり薬というものは、これは人間の体に関する最も基本的な事項でございます。したがいまして、われわれはその安全性の確保はもちろん、製薬会社の物の考え方、こういうものについて厳しく指導してまいる所存でございます。
#88
○丸谷金保君 もう一つ大臣、一体こういう発がん性のある物質とか薬品なんかについて、どこの役所でもいろいろな問題で行政指導やりますね。こういうものについてこういう試験をこういうふうにやって、ここまでやらなきゃいかぬというような指針はないのですか。薬の会社は自分のところでやって、その出てきた資料だけで、問題になったら今度はそれを審議会にかけて結論を待ちます、その間飲んでいる国民はたまったものじゃないですよ、そんなことじゃ。
#89
○政府委員(持永和見君) 先生御指摘の医薬品の発がん性の有無を決める基準、これにつきましては、現在日本を含めまして国際的にも画一的な基準はないわけでございます。ただ動物試験の実施方法、こういったものに関する試験は諸外国でガイドラインができつつございます。私どもの方もそのガイドラインを十分踏まえまして、できるだけそういったガイドライン的なものをつくってまいりたいというふうに考えておりますが、医薬品そのものの発がん性の有無を決める基準、これはなかなか投与の問題、被験物質の発がん性の有無を判断する場合の病理的な問題、そういった問題で画一的な基準は、諸外国を含めまして日本もまだないというような現状でございます。
#90
○委員長代理(嶋崎均君) 柏原ヤス君。
#91
○柏原ヤス君 新聞報道によりますと、先日、第十三期中央教育審議会の委員が決定され、また二十四日には初会合が開かれて教育の諮問題について諮問するということですが、この諮問の内容はどんな項目について諮問されるのか、お聞きしたいと思います。
#92
○国務大臣(田中龍夫君) 諮問の事項といたしましては、「時代の変化に対応する初等中等教育の教育内容などの基本的な在り方について」という項目でございます。その中におきまして一応「検討すべき問題点」といたしましては、「小学校、中学校及び高等学校における教育内容、方法及び教科書の在り方について」、これが第一でございます。第二は「中等教育における教育の多様化・弾力化について」、第三は「就学前の幼児の教育の在り方その他関連する諸事項について」、こういうふうにいたしております。
#93
○柏原ヤス君 ただいまお答えいただいたその中で、小中高校における教育内容、教育方法、教科書のあり方、これが一つの柱となって諮問されるようでございますが、この中で「教科書の在り方」というのは、具体的にはどのように答申をお求めになっていらっしゃるのか。詳しく諮問内容がはっきりしているのでしたら、お答えいただきたいと思います。
#94
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。
 教科書の問題があれほどいろいろと論議を呼んでおりました。それらにつきまして、私どもは現在の制度下におきましてベストを尽くしてと申しますか、りっぱな教科書をわれわれがつくり得る時点におきまして最善の努力を尽くしてまいったと思うのでございますが、それにいたしましても各方面からのいろいろな御意見、御批判等もございます。そういうふうな問題につきましても広く耳を開いて、そうしてさらにさらにりっぱな教科書をつくっていただかなければなりません。そういうことから、特に教科書の問題を挙げてお願いをいたした次第でございます。
#95
○柏原ヤス君 それでは教科書無償制度、たびたび問題になっておりますが、この無償制度は今回の諮問の中には含まれていない、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
#96
○国務大臣(田中龍夫君) 私どもは憲法の精神に照らしまして、義務教育の無償ということに対しましても、さらに教科書の問題まで進めてまいりましたことは御案内のとおりでございます。それについて文部省といたしましては、今日まで無償というものが正しいということで努力をしておりますし、また概算要求に対しましても御案内のとおりの要求をいたしておる次第でございます。ところが、臨調におきまして無償などを含めた検討ということが示されております。それに対しましては、やはりわれわれもその臨調の答申に対しまして、一応諮問機関に対しましてもお諮りすべきであろうと、こういうふうな意味を持ちまして、ただわれわれは一つの希望、文部省の今日までの信念と申しますか、それは無償であるということにつきましてはちっとも変わっておりません。
#97
○柏原ヤス君 どうも、はっきりお聞きしたいところをお答えいただいてないと思うのですね。文部省の、特に、大臣がたびたび私の質問に対しても、断固堅持するという存続の決着をしっかりつけていただいた御答弁をいただいているわけなんです。それを、いまずっとお述べになって、これはよく承知しておりまして、今回のこの諮問の中に無償制度の検討を含めているのか、含めているとか、いないとかと。むずかしいことをお聞きしているのじゃないんです。また、お隠しになる必要もないと思うんですね。二十四日にわかるからそのときまで待てとおっしゃるなら別ですけれども、やはりここはそういう問題も議論していいところだと思います。
#98
○国務大臣(田中龍夫君) 含めて御諮問をいたしております。同時にまた、私どもは今日までの一つの意見なり信念を貫いておりますが、諮問というものを、お願いする意味にこれは考えちゃいけない、こうしなきゃいけないんだといったような諮問というものはあり得ませんので、これは天下の名だたる名士に対しまして敬意を表して諮問をいたしました以上は、それに対しましては謙虚な気持ちでもってお願いをいたしております。
#99
○柏原ヤス君 文部大臣のいままでの断固無償堅持という態度ががらっと変わったと、こういうふうに受けとめざるを得ません。大臣、いかがですか。
#100
○国務大臣(田中龍夫君) そう受けとめていただいては困ります。私どもは、文部省といたしまして今日まで教育問題に、また教科書問題に信念を傾けてまいったのでありまして、同時に文部省の諮問機関であります今度の中教審も、必ずや私どもと同じ姿に答申をいただけることを願ってやみません。
#101
○柏原ヤス君 いままで努力を傾けてきたとどんなに大臣が言い張っても、これは今後のことですから信用できませんとは申しませんけれども、きょうの時点であなたの無償に対する態度は変わったと、こういうふうに認めざるを得ないわけです。そう申し上げますと困ったとおっしゃる。そして言いわけがましく、中教審の問題はどこまでも中教審の意見だ、わしはがんばっておるんだと。じゃ、あなたはその中教審の意見を軽視するのか、仮に無償を廃止せよというものが出てきてもそれは認めない、取り上げない、こういう御決意がありますか。私はその御決意をいま持っている、将来変わらない、中教審から廃止という意見が出ても断固無償は堅持する、こういう御決意をここで述べていただきたいのです。
#102
○国務大臣(田中龍夫君) 権威ある中教審という諮問機関にお諮りいたしております現時点におきまして、先生の御期待をされるようなことを申しますことは、まことに礼を失することだろうと思うのであります。しかし、諮問機関でございます。政府の意思というものは、それをどうするかを諮問するのでございますが、文部省の信念といたしましては、あくまでも無償でございます。
#103
○柏原ヤス君 審議会の人たちに礼を失しても、私は国民の不信を買ってはならない。この無償制度というものは定着し、国民が特にこれを望んでいるわけです。礼を失しても国民の不信を買ってはならないと、こういうふうに申し上げたい。私もこうした大臣の豹変を今後重大な決意として対処せざるを得ません。私はいまからでも遅くない、撤回すべきだ、こういうふうに申し上げますが、撤回するかしないか、これもはっきりとお答えいただきたいと思います。
#104
○国務大臣(田中龍夫君) 中教審なるものは、まさに私は国民のそういうふうな世論を必ずや代表していただけるものだと、かように信じて疑いません。でありますから、ただいま先生が私に撤回をしろとかなんとかおっしゃいましたが、私はそういうことではないと思うのであります。私は私といたしましての、文部省としてのあくまでも意見を持っております。また、中教審に諮問をいたしましても、必ずや中教審も同じような国民の意思を反映すべきものである、するであろうということを信じて疑いません。
#105
○柏原ヤス君 この問題は今後も大臣と大いに議論していきたいと思います。このままでいきますとまた予算編成時に、無償廃止の方向を探っている大蔵省にはいい口実を与えるということは確かだと思いますが、その点いかがですか。
#106
○国務大臣(田中龍夫君) 私どもの信念に対しまして、先生そういうふうに御質問になりますと、かえって大蔵省がそうなのかというふうにならぬとも限りませんので、その点はどうぞ十分に御配慮願います。
#107
○柏原ヤス君 次に、審議会のメンバーについてお尋ねいたします。
 これは厚生大臣にまずお聞きしたいのですが、これからの教育というものを考えますと、専門家である医者の協力をもっともっと求めることが非常に大切だ、こういうふうに痛感しております。具体的な例、時間がございませんが、聞いていただきたい。
 高校の家庭科の教科書、これは改正されるので、指導要領の解説にもいろいろ新しいことが取り上げられております。私、ある機会に母乳についてのところを見ました。そうしたら、この指導要領の解説には「特に母乳の価値を認識させる。」、「特に」という字が入った。これが改正だ。それじゃ教科書は母乳の価値を特に認識させるような表現、取り上げ方になっているかというと、とんでもない。よく読んでみれば、ミルクを強調するかのような内容です。また、これは高木委員が取り上げた一つですけれども、生物という教科書の1、心電図が出ていて、これは病人の、これは健康人のというふうになっているのが、それがあべこべになっている。普通の人が見ればわからないけれども、専門家が見れば健康な人の心電図が病人の心電図として示されている。こういうばかげた教科書が出ているわけです。
 教科書一つを例に挙げてもそうです。ましてや広範囲な教育のあり方という問題、特に基本的な問題について、私はこうした専門家の、特に医者の協力を何とか求めるべきじゃないかと思っていたわけです。幼児教育が今度取り上げられますが、幼児教育についても、新しい意見を持っている方は、小児科学、動物学、生物学、行動学というような知識や情報を受け入れなければあの古びた貧しい幼児教育は改正されない、こういうふうに主張している人もおります。こういうことを申し上げて、厚生大臣の御意見をお聞きしたいと思います。
#108
○国務大臣(村山達雄君) 医学の進歩は御承知のように日進月歩でございますし、最近では妊婦の健康からあるいはゼロ歳児の健康、さらには三歳児、非常に子供のときからやらないと健康な老後は保てないということでもありますし、また医療のみならず、健診、予防あるいはリハビリと一環したヘルスの授業というものをやらなければならぬということは、まず世界の常識になっているわけでございます。そういう意味で、子供のときから医療であるとかあるいは健康を保つためにはどうしたらいいのかという教育は必要なことであろうというふうに、しみじみ感じておるわけでございます。
#109
○柏原ヤス君 文部大臣、いかがですか。
#110
○国務大臣(田中龍夫君) お話のとおりでございます。そういうことからも、今度の審議会には、先生よく御承知と思いますが、名古屋大学の学長、元の医学部長の飯島さんをお願いしてございます。
#111
○柏原ヤス君 一人ぐらい入れて、それで至れり尽くせりだなんということじゃないと思いますね。辛うじて一人入れた。私が申し上げるのは、大学総長とかそういうお偉い方はもちろん非常にありがたいわけですけれども、特に小児科のお医者さんをぜひ入れるべきだ、こういうふうに申し上げるわけなんです。これは私の希望であり主張でございますので、お聞き入れていただければありがたい、こう思って申し上げます。
 次に、先ほどお聞きした諮問の三つの柱の一つである項目の中の、さらに一つの内容にすぎない教科書のあり方、これについて新聞に書かれているのですけれども、「「教科書」だけを他のテーマと切り離して小委員会で審議を進め、来年六月までに答申を得たい意向である」、こういうふうに報道されておりますが、それは確かにそういうふうにお考えですか。
#112
○国務大臣(田中龍夫君) それは新聞の類推でございます。もちろん教科書の問題が巷間非常に問題になっております中に、審議会をつくったからと申しまして、それを隠れみのとしてはいけませんが、それに入れてじんぜん時をかせぐというようなことはいたしてはならないことでありまして、また、審議会それ自体の通常の任期というものが二年でもございます、そういうことから考えましても、全体の審議会の答申が出るまでもなく、できるだけ早く答申を出していただきたい。新聞に来年の六月とか出ておったようでございますが、そういうことは申した覚えはございません。
#113
○柏原ヤス君 こんなことはつけ足しになるかもしれませんけれども、私が心配して申し上げるわけですが、小中高の教育内容、方法、こうした基本的な問題が審議され、その方向がはっきりして、その後に教科書のあり方というものは初めて審議されるのが順序だと、こういうふうに思います。大臣、いかがですか。
#114
○国務大臣(田中龍夫君) それは一つのりっぱな御見識であろうと思いますが、とは申しながら、私が申し上げたように、審議会をつくったからといってもうそれに任せてしまって、あとは何といいますか、責任回避といったようなことは私は断じてしてはいけない、われわれはわれわれといたしましてもまた努力を重ねていかなきゃならない、かように考えております。
#115
○柏原ヤス君 いま私が申し上げたのも別にむずかしいことを申し上げたわけじゃなくて、また、りっぱな御見識なんておっしゃるけれども、こんなのは常識ですよ。教科書の問題を先走って大事な教育の基本問題を後回しにするなんということがないように、もしそうであれば本末転倒じゃないのと、こういうふうに申し上げているわけです。私がこういうことを申し上げるのは、大臣もそう思うでしょうと、私もそう思うというそのお答えを期待してお聞きしたのです。もう一遍おっしゃってください。
#116
○国務大臣(田中龍夫君) 諮問をいたしました小学校あるいは中学校、高等学校の問題の中におきましても、先ほど来の青少年非行の問題やらいろいろな問題が中にはたくさん含まれます。でありますから、そういう問題が全部完結しなければこの教科書の問題も答えが出ないじゃないかという御意見も一つの御見識として承りますが、と同時にまたそれはそれとして、やっぱり技術的な面やあるいはまた改めるべき問題がございます。それはひとつやれることから逐次やっていくということが必要でもございます。まあいろいろな御意見もございましょうが、今後ともに各方面からの貴重な御意見を承りながら速やかな進捗を図ってまいりたい、こういう考えでございます。
#117
○柏原ヤス君 二度お聞きしても、何かお聞きしているところをお答えいただいてない。後の機会にこの問題は議論していきたいと思います。次に問題を移してまいります。
 公立文教施設の整備、これについて質問いたします。
 臨調の第一次答申では、「緊急性の高いものに、限定し、事業量の大幅な削減を行う。」と述べております。私は、公立文教施設を教育条件の中では最も重要なものの一つと考えております。とりわけ、国庫負担や補助の対象となっているこの文教施設は子供の教育にとって必要不可欠、そんなものばかりだ、その意味から現在行われ、また行われようとしている公立文教施設の整備は緊急性の高いものばかりだ、こう思っておりますが、答申で言っている緊急性の高いもの、低いもの、これをどう解釈され、それぞれどういう施設がそれに当たるか、これを説明していただきたいと思います。
#118
○国務大臣(田中龍夫君) 「緊急性の高いものに限定し、事業量の大幅な削減を行う。」というこの答申の意味でございますが、私は、公立学校の施設整備費補助金というものは、これは御指摘のとおりに教育の実施に欠かせない施設の対象としておる関係から、一概に緊急性の高いものと低いものの区別はできないと思いますけれども、臨調の第一次答申の趣旨は、むしろ国の財政状況にかんがみまして事業量の縮減を求めるというところに重点があるものと理解されまして、そういう意味で解釈いたしております。
#119
○柏原ヤス君 高いものと低いものとを区別するというのがおかしいわけですから、それに対して的確なお答えはいただけないと思っておりましたが、そんなわけですね。
 文部省の五十七年度の概算要求を見ますと、公立文教施設の整備事業量は六百三十九万平米、去年の五十六年度予算の六百九十万平米に比べて五十一万平米減です。これは臨調の答申を受けて大幅に抑制した結果と考えてよろしいでしょうか。
#120
○国務大臣(田中龍夫君) 公立文教施設の整備につきましては、御承知のように五十一万平米減となっておる次第でございますが、これは抑制したというような意味を持ちますけれども、同時に、昭和五十六年度をピークといたしまして、以後は小学校の児童数というものは減少に転ずるのでございます。また、地方公共団体におきます小学校校舎等にも新増設計画の減少が見られまして、木造建築から鉄筋のものになりますと、老朽度というものも少なくなるわけでございます。それに対応いたしまして、小中学校の新増設事業を中心に、事業量では対前年度比五十一万平米減の要求を行っておるところでございます。
 その点におきましては、臨時行政調査会の第一次答申の趣旨に沿った要求を行っておるものでございまして、同時に地方公共団体の学校施設の整備に支障を来さない配慮も十分に行っておると確信いたしております。
#121
○柏原ヤス君 いろいろ御説明をいただいたのですが、本当に五十七年度概算要求の六百三十九万平米は、必要事業量を完全にカバーしていると考えてよろしいのですか。
#122
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内のとおりに、ただいま児童数の減少ということ、あるいはまた地方の自治体からの要望の減少の問題もこれありで、昨年から比べますと若干の減はございます。しかしながら、同時にまた、それもこういうような特例が出ております国家財政というものをやはり考えてみますれば、まあこの辺が本当に必要にしてかつ最小限の、臨調の意向も加味いたしましたいいところではないかと、かように考えております。
#123
○柏原ヤス君 この五十七年度の概算要求で、必要な事業量が完全にカバーされているか、そう考えていいのですかという質問ですから、簡単にお答えいただきたいと思うのです。
#124
○国務大臣(田中龍夫君) 担当官からお答えいたします。
#125
○政府委員(柳川覺治君) 大臣がただいまお答え申し上げましたとおり、各地方公共団体におきますところの校舎新増築の計画事業量を十分聴取いたしまして、それに基づきました必要事業量を見込んでおりますので、今回の要求におきましても、地方公共団体の学校施設の整備には支障を来さないよう配慮されているというように考えております。
#126
○柏原ヤス君 まあ地方からの要求を十分にカバーしているということと受けとめて、それからもう一問お聞きしたいのですが、去年、五十六年度の予算、これは地方の要求を受け入れた結果として概算要求されたものでしょう。その要求が八百億円も削られている。これだけの減額があっても地方の要求をカバーはできたのか、こういうふうに去年の点をお聞きしたいわけなんです。
#127
○政府委員(柳川覺治君) 先生ただいま御指摘のとおり、五十六年度予算額は、概算要求に対しまして八百十九億円の減となりましたが、
   〔委員長代理嶋崎均君退席、委員長着席〕
このことは、概算要求に当たりまして、一つには急増市町村の小中学校の屋内体育館の補助率の引き上げ、それから補助単価の引き上げの要求をいたしましたが、これにつきまして減額査定もしくは認められなかったことによることが主なるものでございます。したがいまして、五十六年度予算の現在執行中でございますが、ほぼ支障なく市町村の計画に対応できる見込みでございます。
#128
○柏原ヤス君 時間がありませんので、この問題はまたの機会にもう少しお聞きしたいと思います。
 次に、行革法案に地域特例かさ上げ分六分の一カットという措置が盛り込まれておりますが、文部省としてどのような影響があるか。できれば事業量、国庫負担補助額、この六分の一カットによる減額分、そしてこれが事業のおくれなど、また地方に対する影響、こういうものがあるかどうかお示しいただきたいと思います。
#129
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。
 今回の行革の関連特例法案によります地域特例のかさ上げ分の六分の一カットにつきましては、学校施設に関しては、児童生徒急増地域における小中学校舎の新増築などその縮減額は約十五億円程度でございます。この引き下げ措置によります影響につきましては、引き下げ措置の対象が政令指定都市に限られておりますこと、また引き下げ措置の対象となった政令指定都市に対しまして、国が「その事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずる」こととされておりますことから、今回の措置によりまして公立学校の施設の整備に特段の支障を生ずることはないであろうと、かように考えております。
#130
○柏原ヤス君 そこで、児童生徒急増地域の小中の校舎新増築、その費用のかさ上げ、私は再考すべきだ、こう申し上げます。この急増地の用地の補助も非常に少ない。これらの負担は大変なものだと思います。そこでこのかさ上げ六分の一カットというのは、確かに地方財政状況、学校教育における教育施設の重要性を無視している、軽視していると言わざるを得ません。
 そこで、大蔵省に二問お聞きいたします。一つは、この六分の一カットに対して国はどのような措置を講じようとしているか。それから、過密問題は確かに国の経済政策、貧困な都市政策の結果だ、こう言っても言い過ぎではない。したがって、国の都合で一方的に値切るのは私は不当だと思います。そこで六分の一カットのこの措置をやめるか、また六分の一カットによる減額分に対する起債の元利償還金の全額を国が負担すべきだ、こういうふうに考えますが、この二点いかがでしょうか。
#131
○国務大臣(渡辺美智雄君) かさ上げ補助の減少相当額は起債を許可する方針であります。
 なお、この地方債にかかわる元利償還に要する経費については、地方交付税の算定を通じ適切な財政措置を講じます。なお、この元利償還に要する額の二分の一に相当する額を臨時地方特例交付金として国の一般会計から特別会計に繰り入れる方針であります。この臨時地方特例交付金につきましては、地方財政の状況に応じ、必要がある場合において配慮したいという考えであります。
#132
○柏原ヤス君 後段の全額国庫負担はどうですか。
#133
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはそれぞれの地方において努力していただきたいと考えております。
#134
○柏原ヤス君 以上です。
#135
○委員長(玉置和郎君) 佐藤昭夫君。
#136
○佐藤昭夫君 まず、四十人学級問題についてお尋ねをしたいと思いますが、今日受験地獄を背景に少年非行が史上最悪の深刻な事態となっています。八一年一月の警察庁報告でも、教師に対する暴力事件の八五%がいわゆる落ちこぼれによるものだとしているわけでありますが、教師と子供たちの人間的な触れ合い、行き届いた教育が今日ほど強く求められているときはありません。全国教育研究所連盟が、小中学校でクラスの約二分の一しかついていけないというあのショッキングな報告を出したのは、昭和四十六年二月でありました。この報告は、一人一人の子供に個別指導を強める上での困難な理由の第一に学級人数が多過ぎるという問題、第二位に教職員の不足ということを提起をしていたわけでありますが、いわゆる四十人学級の当初の文部省の十二年計画、これもこの調査から二十年後の昭和六十六年に達成をする、こういう計画であったわけでありますが、しかもこの計画さえも今回のこの一括法案で抑える。そのために浮く財源は、五十七年度で見ればわずか五十六億円、政府が四十三機購入しようとするF15戦闘機のわずか半機分にすぎないということが明らかになっています。
 そこで、わが国の小中学校の学級編制基準については国際的にも大きくおくれているということは、文部省自身が発行いたしましたこの黄色の冊子「教育指標の国際比較」でも明らかになっている問題であります。また昨年の十月、日本教育行政学会、ここでの研究発表によりますと、わが国の学級編制基準はOECD諸国はもちろん、開発途上国に比べても非常におくれている。OECD諸国の中では、トルコの一学級四十九人に次いで二番目に一学級当たりの児童生徒数が多い国だと報告をしているわけであります。
 そこで、まず文部大臣にお尋ねをいたしますが、このようにわが国の学級編制基準は国際的に大変おくれている、したがって四十人学級の早期実現がきわめて重要な課題なんだ、この認識で一貫をしておるというふうに理解してよろしいですね。
#137
○国務大臣(田中龍夫君) 先生の御質問とわれわれも同様に考えておりまして、わが国の四十人学級の達成はぜひとも速やかに行いたいものだと考えております。
 なお、諸外国におきます学級編制の基準の趨勢から見ましても、四十人学級の実現が重要な課題となっておりますことはよくわかります。しかし六十六年までには四十人学級を実現いたすということに相なっておりますので、その点につきましては御了承いただきたいと思います。
 なお、先生一人当たりの生徒の数でありますが、これは先生の資料と私どもの資料と若干の差がありますことも、これも御了承いただきたいと思います。
#138
○佐藤昭夫君 大蔵大臣にお尋ねしますが、日本の小中学校の学級編制基準は国際的に大変おくれているという認識でございましょうね。
#139
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先生が多いわりに学級編制基準がおくれているということは認めております。
#140
○佐藤昭夫君 ところが、私が本日取り上げたいと思いますのは、大蔵省発行の「財政再建を考える」というパンフレット、この中に、教育の問題に関係をして、その第一に「四十人学級編制計画の見直し」という表題で、「わが国の小中学校の先生一人当たりの児童生徒数は、ほぼ諸外国並みとなっています」、こういう説明をして、いわば四十人学級をしばらく凍結をしても大丈夫なんだという宣伝に使うかのごとき目的でこういうパンフレットがつくられているわけでありますけれども、これは大変な問題のすりかえではないかというふうに私は指摘せざるを得ないわけです。
 学級編制基準というのは、言うまでもなく、一学級当たりの児童生徒の数のアッパーリミットを何人にするのか、こういう問題であるわけですけれども、現にそういうことでありますから、わが国のこの現状を見た場合に、四十一人以上の学級数、小学校で八万七千百五十二、中学校で六万六千八百十二、これだけの四十一人以上の学級数というのが五十四年度統計で出ているわけでありますけれども、この大蔵省バンフ、これでいきますと、大体大部分は四十人学級以下ですよというふうに言わんばかりの数字を並べたのではないかという感を深くせざるを得ないわけですけれども、そういう四十一人以上の学級、これは主として過密府県に集中をしている。過密九府県で調べてみますと、小学校の五五%、中学校の五〇%が、いわば過半数が過密府県にこういう過大学級というものが集中をしているわけであります。
 問題は、この四十一人以上の学級、ここでどうやって子供たちに今日の急務である行き届いた教育をやっていくのか、このことのために四十人学級計画というこの問題が焦眉の課題として、問題の核心として今日提起をされてきているんだということだと思うわけでありますけれども、文部大臣に、教育の責任者でございますので改めてお尋ねをいたしますが、教員一人当たりの児童生徒数、これが仮に諸外国並みだということではあっても、これをもってわが国で十分行き届いた教育が実現をしているのだという、そういう指標にはならないのじゃないか、教員一人当たりの児童生徒数というこの問題と、一学級当たりの児童生徒数のアッパーリミット、上限が何人かというこの問題とは、全然別の問題であるというふうに考えるべきだと思いますが、文部大臣、どうですか。
#141
○国務大臣(田中龍夫君) 先ほどお答え申し上げました中で、先生のお持ちの統計の数と私どもの教員一人当たりの児童生徒数、これは日本やアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、こういうところの数というものから申しますれば、さしたるあれはないと存じますけれども、しかしながら、いまの四十人学級を達成すべく今後ともに真剣な努力を払っていかなければならぬと存じております。また一方において、先生がお示しになりました大蔵省の青い本でございますが、それと私どもの方とは、すり合わせをしてつくったのではないのでありまして、計数の点においては違いがございます。私どもの方では、またさらに計数上の御質問がございますれば担当の政府委員から詳細をお答えいたします。
#142
○佐藤昭夫君 皆様方のお手元に、私の質問資料という形で一枚の紙をお配りしておると思いますけれども、その左側の欄、これが大蔵省のパンフレットに採用されておる教員一人当たりの児童生徒数。問題は右側の欄の下、そこにいわゆる学級編制基準、明らかに余り日本はおくれていませんよという数字を採用した。そして右側の上のところで一学級当たり児童生徒数、これと比べてみても、これをもしこのパンフレットに採用するとすれば、日本はかなりおくれているなという感じを与えざるを得ない。したがって、ことさら余り諸外国と違いありませんよという国民に誤った印象を与えることになりかねない、そういう宣伝をするために、行き届いた教育がどの程度学級で実現をしておるかということについて全く指標となり得ないような、バロメーターとなり得ないような教員一人当たり児童生徒数、こういうものを大蔵省パンフレットは採用してきているというのは、これは私は国民に真理、真実を伝えていくという見地から言って正しくないやり方だということを大蔵大臣に指摘せざるを得ないわけです。
 そこで大臣、こういったものはひとつ潔く撤回をして、訂正をなさってしかるべきではないか。そして、そもそもこういうものが出てくるような誤った理解に基づく四十人学級の凍結抑制計画、これについては再検討をしてもらう必要がある、それ自身も一遍見直してもらう必要があるというふうに思いますが、どうですか。
#143
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私どもは別に悪意を持って書いたわけじゃございませんので、ただ、限りある枚数でございますから、詳しく書いてないということでございます。御承知のとおり、学校の先生一人当たりの児童数というのはほぼ外国並みだ、ところが世上、四十人学級で非常に学級にすると日本は生徒の数が多いということは、みんな知っているのです。しかし、一人当たりの先生の数と生徒の数とでは世界の水準にやや少し足りない、少し足りないけれども、ほぼうまくいっている。なぜなんだ。問題はそこですね、なぜなんだと。そこで私どもといたしましては結局、工夫はないのか、工夫は。また学級数全体から言っても、約三分の二、六十数%は四十人学級以下の学校なんです。
   〔委員長退席、行財政改革に関する特別委員会理事平井卓志君着席〕
学級数の三割三分ぐらいになりますかね、それぐらいのものが四十人学級を突破しているということになっているわけです。四十五人または四十人の間、これが急増地帯にある。これも事実です。しかし、何か創意工夫をしてこの三ヵ年の間、担任のない先生というような方にも担任を持ってもらうとか、いろいろ工夫をもう少しやってもらえないか。そういう意味で、そういう問題提起をするためにこれをつくった、もっと詳しく書けばなおよかったのだと思います。
#144
○佐藤昭夫君 詳しく書けばよかったけれども特別に意図があるわけじゃありませんと言っておられますけれども、この政府発行の国際比較統計、ここでもずいぶんいろんな数字が出されておる。その中でことさら諸外国と余り変わりがありませんよという数字だけを選んでこのパンフレットに掲載したというのは、私はやっぱり大蔵省は特別の意図があってこういうことになってきたのだというふうに思わざるを得ません。重ねてひとつ大蔵省のこのパンフレットの訂正について要求をしておきたいと思います。
 時間の関係で次へ移りますが、先ほど来、中教審に対する諮問をめぐっていろいろ同僚委員からも質問が出ております。大臣の御答弁としては、教科書のあり方について言えば、検定、採択、そうして無償制度の存続の是非、このすべてを含めて諮問をするのだ、しかし文部大臣としては、無償制度を堅持をするというこの意思には変わりございません、ただ臨調答申もこれあり、一応の諮問をするのだ、こういうふうに答えられておるわけですけれども、しかし私は、この文部大臣のきょうの答弁というのは重大な態度の後退があらわれているというふうに思わざるを得ないのです。
 振り返ってみますと、四十人学級計画についても、昨年ないしはことしの春までの段階は、文部大臣としては四十人学級計画支持をいたしますというふうに言われておったのが、臨調答申が出ますと、この臨調の四十人学級凍結方針に屈服をするというふうに態度が変わってきた。それに従うという方向に態度が変わってきた。育英資金制度の問題でも、五月段階の臨調に対する文部省の説明書、この中では育英資金制度有利子化というのは、こういう方向はとんでもない、諸外国の趨勢から見てもとんでもない、こういう意見を出しておったのが、臨調答申が出、そしてことしの八月の概算要求では、調査費を組んで育英資金制度のあり方について審議会的なものをつくって検討しようという、こういう問題でも態度の後退、変更が起こってきている。同様に、教科書問題についても重大な文部省の態度変更がいま起こりつつあるのじゃないかというふうに私も思わざるを得ぬのですが、どうでしょうか。
#145
○国務大臣(田中龍夫君) 先ほどもお答え申し上げたと同様でありますが、そういうお考えはお持ちにならないでいただきたい。われわれはあくまでもこの教科書の無償というような問題につきましては、われわれの考えておりますことをぜひ実現しなければならないと考えておる次第でございます。
 それからいまのお話の中で、四十人学級の問題につきましても、御案内のとおり六十六年の学級編制の達成ということは、これは総理並びに大蔵大臣ともかたくお約束を申し上げまして、三年の間の特例期間中ということで、究極においてはこれを実現するということにつきましては何ら変わっておりませんし、また育英の問題につきましても同様、今度の概算要求につきましては既定どおりの要望も遂げておる次第でございます。そういう点で、まだいまの段階におきまして、先生の御意見は私と多分同じでいらっしゃるだろうと思うのでありますけれども、われわれの方から決してそれを譲っておりません。
#146
○佐藤昭夫君 御存じのように、昨年来この国会でも教科書問題についていろいろ論議もあり、特に、自由民主党が一定のプロジェクトを組んで教科書問題の制度改変にずっと取り組んできたという、この経過があるわけでありますけれども、こうしたことを受けて今回の中教審に対する文部大臣の教科書制度のあり方を含めての諮問ということに至ったのではないか。御存じのとおり教育基本法では、教育行政はいかなる不当な支配にも屈してはならないということを定めておるわけでありますけれども、今回の諮問に至る経緯、これは明らかに自由民主党の主導のもとにこういったプログラムが進められてきた、そして今日の文部大臣の決定は、文部行政を自由民主党という特定の政党の不当な支配の道を開くという、こういうことになったのではないかというふうに国民は大きな不安を感じておりますが、この点、見解はどうですか。
#147
○国務大臣(田中龍夫君) 先生がいろいろと思われますことは御自由でございますが、しかし、私どもは断じてそういうことじゃない。むしろ私どもは各方面のいろいろな御意見について、あくまでも民主的にそれをおのおの評価していく、そしてりっぱな中正な教科書をつくりたい、そういう願望のもとに今度の諮問もいたしておるのでございます。
 なお、先生の御懸念になるようなことはございませんことを改めて申し上げておきます。
#148
○佐藤昭夫君 もう一問お尋ねをいたしますが、審議会の委員の選考も、戦後教育の見直しとしては余りにも密室的な選考ではなかったかという感を深くせざるを得ないわけでありますが、その構成を見ましても、元文部次官など文部省サイドの人物が三分の一を占めている。加えて財界の代表や同盟の代表、全体としての反動的色彩が非常に濃いものというふうに考えざるを得ません。戦後三十数年の日本の教育を根本的に見直すという文部大臣の諮問、そういう点から言って、国民の英知を総結集して教育のあり方について検討をしていく、そういう見地に立って、今後の中教審のあれについては、文部省の傘下のもとでもたとえば国語審議会などは公開にしているわけでありますので……
#149
○委員長代理(平井卓志君) 佐藤君、時間ですので手短に。
#150
○佐藤昭夫君 この中教審についても努めて公開にして国民の声を広く集める、こういう立場で運営を図ってもらいたいというふうに思いますが、どうでしょう。
#151
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。
 この公開の問題は、中央教育審議会の運営規則におきましては非公開ということに決められております。
 なおまた、この構成メンバーにつきましては、私どももあくまでもりっぱな公平な人選をいたしたと、かように信念を持っておる次第でございます。
#152
○佐藤昭夫君 終わります。
#153
○委員長代理(平井卓志君) 小西博行君。
#154
○小西博行君 きょうは、特に時間が三十四分という非常に短い時間でございますので、学費の値上げの問題と、もう一点は私学助成という問題について質問させていただきたいというふうに考えます。
 予算を見てみますと、私学助成という予算が大変厳しい状態になっているようであります。実際には文部省の所管の予算というのは、トータルで四兆八千五百四十億というような非常に大きな金額でありますが、特に私学の中で私大助成というのは、五十六年で約七・八%、金額で二千八百三十五億円、こういうことでございます。したがいまして、この私学助成を切りますと、現実問題は、どうやら学生に対する授業料の値上げというような感じで最近の新聞では報道されているわけでありますが、これに対する大臣の所見をお願いしたいと思います。
#155
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。
 来年度におきましては、厳しい臨調答申いわゆるゼロシーリングの枠内でございましたが、私大の経常費の補助につきまして、人件費や物件費の上昇に伴います増加額が本当は二百五十億円あったわけでございますが、その中の二百億円につきましては配分方法の見直し等によりまして吸収することといたしまして、五十億円の増額要求を財政当局に対して行っておるところでございます。人件費や物件費の上昇に伴います経常的経費が増加することも考えられますが、私学側が従前以上に自主的に経営努力を行いまして、極力授業料の引き上げの抑制に努めまするように指導をする考えでございます。
#156
○小西博行君 先ほども少し出ましたが、臨調答申で、現実問題は、ことしと大体同額程度に抑えようというような答申を中心にいたしまして、各大学ではいろいろ論議をしているわけです。もちろん私大はその他のいろいろな収入もございますけれども、助成というのが非常に大きな要因になっているというように私は考えるわけであります。そういう意味でいきますと、どうも現実問題といたしましては、新入生の三十三万人に対して予測されますが、この授業料を上げようという動きは、現実問題として私大関係の方々から御意見が出ているというように聞いているわけでありますが、もしいままでと同じような予算でいった場合に大体どの程度の授業料の値上げになるのか、その辺の見通しを知らせていただきたいと思います。
#157
○国務大臣(田中龍夫君) 詳細な計数上の問題につきましては政府委員からお答えいたしますが、現在の私大等経常費の補助は、専任教職員の給与費や教育研究に要します物件費等を対象といたしましての、一般的に申すならば教職員数及び学生数の多い大学ほど補助金が多額となっておる。なおこの補助金は、当該私立大学等ごとの教育条件、学生総定員に対します在籍学生数の割合でありますとか、あるいは教員一人当たりの学生数とか、あるいは学生納付金の教育研究費等への充当状況、あるいは経常収入等を考慮いたしましたいろいろな計数で調整しております現行の傾斜配分ですることによりまして、これによって私立大学等が自主的に教育条件を高めるように配慮いたしておるところでございます。
 なお計数上の問題、先生の御質問につきましては担当官からお答えをいたさせます。
#158
○政府委員(柳川覺治君) 過去の実績でございますが、五十五年度におきましては、大学における学生納付金のアップは八・七%でございました。また、本年は七・三%のアップを期待しております。これらの傾向から見まして、このたび二百億の増分につきましては、配分方法の改善によってこれを吸収していくということの措置をこれから進めていくわけでございますが、私学の自主的な経営努力と相まちまして、この従来の実績の上にどの程度の上積みになるか、なるべくそのアップが少なく済むような努力を重ねていきたいと考えておるところでございます。
#159
○小西博行君 私の資料によりますと、私立大学の場合、平均でございますけれども、年間に大体三十八万円の授業料というようになっております。それがさらに大体五万か六万ぐらいの値上げ幅につながってくるわけでありますから、大体四十四、五万ぐらいの年間の授業料がかかってしまう、こういう実は実態でございます。さらに納付金というのが実はございまして、入学のときに月謝と同時に学校に対する寄付金のような形で出すわけでありますが、これが大変金額が欠きゅうございまして七十五万六千円、これが五十六年の実績でありますが、これもあわせてずいぶん上がるのではないか、こういうような感じがいたしておりますので、私は、国立大学との実際の差が大きいだけに、この辺の点を踏まえた上で、果たしてこれでどうなんだろうか、父兄に負担が大変大きくかかるのではないか、そのように感ずるわけでございまして、この点に対する所見を大臣からお伺いしたいと思います。
#160
○国務大臣(田中龍夫君) その点につきましていろいろと意見もございまするし、また経過もございます。もう一度担当官からさらにお答えいたさせます。
#161
○政府委員(柳川覺治君) 二千八百三十五億の現在額に対しまして五十億の増をいま要求しておるところでございます。私ども従来の配分方法により改善の措置を講じ、また国の財政の大変厳しい折におきまして、私学におかれましても自主的な経営努力を従来に増してしていただくということを期待いたしまして、できる限り学生の納付金のアップの抑制を図るという努力を、両々重ねるべきであろうという考え方をとっておるわけでございます。
#162
○小西博行君 大蔵大臣がお見えになったものですから、ちょっとお聞きしたいのですが、私立大学というのは、戦後日本の教育に大変大きな影響を与えているというふうに私は考えるわけです。大体八〇%は私立大学でもってめんどうを見ているというのがいまの実態でございますので、何としてもこの私学助成という問題ですね、当然、配分の計算方式その他については相当検討する余地が私もあるというふうに考えるわけでありますが、総額そのもので抑えていくという物の考え方はどうも賛成しかねるような感じもいたしますのですが、その辺の所見はいかがでございますか。
#163
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私学につきましては、私どもも非常に重要な政策だと考えまして、えらいスピードで私学の大学や高校の運営助成というものを図ってまいりました。昭和四十八年から現在まで、予算といいますか税収は二・四倍しか伸びておりませんが、私学に対しては八一三倍というえらい急スピードで助成をして、三千六百億円という金を助成しているのです。
 ところが、非常に財政が苦しい、その中にあって、中には私は国会で追及されているわけですよ、何でああいうところに助成するのだと。土地を買って、千葉県なんかで土地ころがしやっているじゃないか、草ぼうぼうになってやっているとか、それから国立よりも高い給料を払っているというような御批判もございますので、やはり私学といえども、助成をどんどんすれば給料を上げちまう、余裕金ができたら土地買っちゃう、そういうことでは困ります。したがってわれわれとしては、ともかくこれは授業料の値上げというのではなくて、もっと私学自体も振り返って、もともとこの制度はなかったわけですから、急に財政が豊かにある程度なったからといって放漫経営は困るわけでございます。
 私は、国民の税金でこれは助成しているわけですから、私学自身もえりを正して、もっと効率的な経営をやってもらいたいということを考えておるわけでございまして、どういうふうにカットするか、寄付金なんかを三十六億も取って、隠して貯金していたとかという医科大学もあるわけですから、こういうものは、私は思い切ってカットするものはカットするということでやっていただきたい、一律にただやるというのではなくて、文部省がもう少し目を光らせてやってもらいたいということをお願いしたいと思っております。
#164
○小西博行君 私自身も実際に大学にいた経験がございますから、いろいろ調べておりますと大変複雑であります。特に財政的ないろんな計算式その他見てみますと、大変複雑である。
 しかも、実際にはいい大学といいますか、非常に経営努力をやられて、しかも教育内容も非常にいい大学、こういう伝統のある大学というのは大変学生数も多い、先生の数も多い。そういうことで、いまの助成というのはどうしても学生数、先生の数というものが大きなウエートになっているわけでありますから、そういうところへはたくさん予算としておりる。しかし、そういう学校そのものは非常によく努力もされているのでしょう。利益もずいぶん上がっている。現実問題は、赤字の学校が大体半分というように聞いているわけですね。五〇%は依然として赤字である。非常に小規模の大学というのが主だと思いますが、そういう面で実際の助成の仕方について、この計算式そのものをこれから大いに考えていくべきではないかと思うのですけれども、その辺に対する御見解をお聞きしたいと思います。
 これは文部大臣と大蔵大臣、もし参考になる御意見があったらお聞かせください。
#165
○国務大臣(田中龍夫君) その件につきまして、先ほどちょっと申し上げたのでございますが、この現在の私立大学の経常費の補助、専任教職員とか、給与費とか、研究に要する物件費等の対象であるとか、いま御指摘のように複雑な経理が行われておりますが、この傾斜配分方式なりあるいはまたその他の問題につきまして、大蔵大臣と意見が違うかもわかりませんが、しかしながら、文部省といたしましては、さらに詳しく御質問がございますれば政府委員からお答えいたさせますが、大蔵省との間にはいつもすり合わせをいたしまして、お互いが話をし合って進めてまいっておることも、これもまたあわせて申し上げておきます。
#166
○国務大臣(渡辺美智雄君) 限りある財源ですから、どういうふうに助成をすれば実際有効に使えるか、それらの専門的なところは文部省でやっていただきたい。それから、やたらに大学を、もう日本一国でヨーロッパ十数ヵ国か二十ヵ国以上か、それに近いぐらいの大学がいまあると私は聞いているのです。ですから助成があるからといって新規大学をこれ以上私はちょいちょい免許、免許と言うのか許可と言うのか知りませんが、つくることについてはひとつ自制をしてもらいたいということもあわせてお願いをしておるわけです。したがって、その配分の方法等は、国民の理解が得られるように、税金を出す人が納得できるような配分の仕方をやってもらいたい、そういう工夫をしてもらいたいと思います。
#167
○小西博行君 大臣、あるいは事務局でも結構でございますが、いま私学の収入というのは大体どういう科目があるのでしょうか、それを教えていただきたいと思います。
#168
○政府委員(柳川覺治君) 学校法人の所有します基本財産からの果実もありますが、ほとんどが授業料、施設設備費等の学生納付金が八割を超えているというのが収入財源でございます。なお、補助金の効果もございまして、いまいわゆる赤字経営の学校法人は四割に下がってまいりました。
#169
○小西博行君 私学はもともといろんな寄付金を募って集めて、そして国立大学とは違ったような独自の建学精神の養成といいますか、そういう意味で今日まで発展してきているわけでありますけれども、どうも最近少し経営も健全化してきたというようなことで、本来の目的から少し外れてきているのじゃないだろうか。先ほど文部大臣もおっしゃいましたように、こういう時世ですから、助成金はある意味では合理化していく、こういう考え方に私は真っ向から反対しているわけではないわけです。むしろ私が心配しているのは、こういう問題が世間に出ますと、ややもすると、水増し入学という例の方法がございまして、その方向にまた逆戻りするのじゃないだろうか、そういう感じが実はしているわけです。
 そういう意味で過去の資料をちょっと調べてみますと、五十二年度あたりが大体一・五六倍、だから五〇%ぐらい定員よりもよけい採って、お金を集めるという意味ですね、それから五十六年が一・三八と、やや減りつつあるわけです。そういう意味では文部省の指導あるいは大学の自重ということが私は大変いい方向にいっているというように考えるわけでありますが、今回の助成の切り捨てということで、何としても学校の経営をよくしたいというようなそういう大学側の意向で、またふえるのじゃないだろうか。そのことに対する歯どめの対策といいますか、それを文部大臣からお聞きしたいと思います。
#170
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま大蔵大臣からもお話がございましたが、大学の全体の数というものも、これも特にこういうふうな財政状況のもとにおきましては、御案内のとおり抑制措置をとっておりますと同時に、各大学におきます、特に私立大学の場合におきましては、特殊性というものと、いろいろな銘柄に対しましてのニーズにこたえるというような専門教育的な分野がございます。同時にまた、こういうふうな非常に厳しい状態になってまいりまして、抑制されます場合におきましては、やはり公私立の間のバランスというものも調整いたさなければなりませんが、同時に、父兄に対しまする負担が余り過重にならないように、これも配慮していかなくちゃならない。そういうふうないろいろな問題が当面大学問題では山積いたしております。
#171
○小西博行君 文教委員会でもこれは審議されていくわけですが、国立大学と私立大学の比較というのがよく教育条件ということで行われているわけですが、いま助成が大体三〇%というふうに確認しているわけですね。そういう意味で、どうでしょうか、これは法律的には二分の一までということになるのですけれども、これから先も国立大学に追いつけという意味では相当やはり助成を、いままで以上にふやさなければいかぬ方向にあるというふうに私は考えるわけですが、その点に対してはいかがでしょうか。
#172
○国務大臣(田中龍夫君) わが国におきます私学の重要性という、つまり、いわば国立対私学というもののレーゾンデートルというものが非常に大きいわけでございまして、御案内のとおり二分の一の目標ということは理想として考えておりますが、現在、先生のおっしゃられましたとおりのまだ三分の一強という段階だろうと存じます。さらに今後、財政の苦しい上から申しましての私学の授業料あるいは納付金といったような問題にもいろいろと波及してまいる問題でもございますので、できる限りの国の助成はいたしたい。そういうことから、概算要求におきましても、われわれはこの苦しい中におきましても、昨年度からさらに五十億というものを増加して要求いたしておる次第でございます。
#173
○小西博行君 私の理解しているところによりますと、学費は国公立の大体倍、実際の条件、たとえば校舎面積とか、一人当たりの先生が何人受け持つか、こういう面でいきますと大体三分の一、逆に三倍といいますかね、そのくらいの条件が私、比較の材料として言えるのじゃないかというように思うわけですけれども、こういう条件そのものについてどのようにお考えなんでしょうか。これで大体十分なんだ、あるいはもっと内部を合理化していくともっといい条件になるのだと、そのようにお考えなのかどうか。それをお聞きしたいと思います。
#174
○国務大臣(田中龍夫君) それは私どもといたしましては、財政の苦しい中におきましても私立大学の経常費の助成につきましては、ただいま申し上げました傾斜配分によりまして、私学の自主的な努力とも両々相まちまして充実を図ってまいらなくちゃならない。非常に私学というものの重要性と同時に、今後ともにわが省といたしましては推進を図ってまいるつもりでございます。
#175
○小西博行君 そもそも、金を出す、補助を出すということでありますが、文部省は実際の私立大学の経理内容について、どの程度把握して対策をとっているのかというのは大変疑問に思うわけですね。ですから、ある人に言わせましたら大変いま私学はもうかってしようがないのだという言い方と、逆にもうとにかく赤字でしょうがないのだということなんですね。どちらもこれは当たっている。さっき申し上げましたように、利益を出している方と赤字の方と両方あるわけですから。その辺をきめ細かい助成をとっていくという方法ですね、これをやるためには相当内容的に分析して事実を把握しておかなければいけない。その辺についての御理解がどうも欠けるのじゃないかという感じを私自身が持っておるわけなんですが、その点に対してはどうでしょうか。
#176
○国務大臣(田中龍夫君) 経営上の面におきましての大学の詳細な点につきましては、担当の政府委員からお答えをいたしますが、しかしながら、国立大学と私立大学とでは学部構成の相違等や、一概に教育条件を比較するのはなかなかむずかしいのでございますけれども、さらに学生当たりの経費でありますとか、あるいはその他一人当たりの学生数とか、こういうふうな問題につきまして、詳細担当官からお答えいたします。
#177
○政府委員(柳川覺治君) 先ほど大臣がお答え申し上げましたとおり、一般的な補助につきまして傾斜配分の方式をとりまして、一三〇%から五〇%の比率での増減の措置も講ずるということで、この補助金の目的は、一つには教育研究条件の維持向上、一つには私学経営の基盤の安定、一つには学生納付金の保護者負担の軽減ということを趣旨といたしておりまして、その面からの種々の細かい取り扱いをしておるわけでございまして、先ほど先生御指摘の大規模学校に厚くいくということにつきましては、やはり教官数、学生数を基礎にしておりますからどうしてもそのようになるわけでございますが、傾斜配分等でこの面の措置もそれなりに講じておるわけでございます。
 また、入学定員に対する水増しの問題につきましては、この配分に当たりまして、極度な水増しにつきましてはこれを補助対象から外すという措置を学部ぐるみいたしますし、また傾斜配分の方法の中で、入学定員に対する在学生の割合、これによりましての傾斜配分等のきめ細かい配分をいたしております。
 また、もう一方、特別の補助によりまして、私学のそれぞれ持たれる特質ある研究教育条件を向上するという措置も講じておるわけでございますが、なお御指摘のとおり種々改善すべき問題もございますし、また臨調の御指摘もございますので、よりよき改善の方途につきましていま鋭意検討を加えておるところでございます。
#178
○小西博行君 これは余りゆっくりいたしますと、来年度の授業料値上げということで、なかなか各大学でもいろんな対応が間に合わぬのじゃないかという感じが実はしているわけです。そういう意味で私は申し上げますが、できるだけ早く、鋭意努力ということじゃなくて、もっともっと早く結論をひとつ出して、学校に対する指導という形をとっていただきたいなと、そのように考えるわけです。
 同時に、教育条件ということでございますが、なかなか各大学の実態が違いますので、そう簡単に比較はできないわけでありますが、実際に私自身が工学部で実は教鞭をとっておりましたときに感じたわけでありますが、一人当たりの先生方がめんどうを見るゼミナールというのが実はございます。ゼミナールとかあるいは卒業論文、これが私どもがいた学校で、一人大体十八名から二十名ぐらいを担当いたしまして、そして一年間指導する。御承知のとおり、大学の場合はこのゼミナールというのが大変有効でありまして、一般の授業では大ぜいの人間を前にして講義をするという方式でありますから、なかなか先生と学生との親密感が生まれません。しかし、ゼミナールで本当に大学らしい雰囲気が出てまいりますし、中には非常にやる気を持つような子供さんがたくさん出てくる。
 そういう意味で、私は非常にゼミナールというのが大切だというように考えておる一人でありますが、他の大学でいろいろ調査いたしてみますと、中には一人の先生で五十名のゼミナールのめんどうを見なければいかぬというような、大変厳しい条件がございます。したがって、個別の指導なんということはほとんどやっておりません。ただ論文の審査という非常に簡単な方法でわれわれは処理しておるのです、そういうような意見が実際に出ているわけでありまして、いまさっき申されましたような、ただ校舎の比較だとか、一人当たり何人という単純なものでは決してないのじゃないか。もちろんこれは、学部によって相当内容が私は異なるというふうに考えるわけでありますけれども、これから先、この学部ごとの実際の先生方の条件比較といいますか、先生に対する何名まではというような、そういう条件比較する場合の指数を明らかにしていく必要があるのじゃないだろうか。それに対する予算を交付していく、こういう体制をぜひともとっていただきたいというふうに考えるわけでありますが、このことに対しての、考え方で結構でありますからお願いしたいと思います。
#179
○国務大臣(田中龍夫君) ゼミナールその他の大学の問題につきましては、ひとつ担当官からお答えいたします。
#180
○政府委員(柳川覺治君) 積算に当たりまして、所要の経常経費の算出につきましては、専任の教官、事務職員の給与、それから学生当たり経費あるいは教官当たり経費につきまして、国立大学に準拠いたしまして標準の経費を計上いたしまして、それに準拠した配分を行っております。したがいまして、教官当たり積算校費等につきましては、学部別の所要経費がそれなりに見込まれておるという計算をとっております。
#181
○小西博行君 そのほかにもかなり文部省は具体的に言っておるのじゃありませんですか、たとえば学生納付金の水準を補助金算出の基準に加えていくとか。たくさん寄付金を取っているような大学には補助金を少なくするという意味だと思うのです。それから授業料、入学金の値上げ率に応じて大学への補助配分を厳しくしていく、たとえばどんどん学費を値上げするようなところは厳しくしていく。あるいは各大学の財政状況の正確な把握によって対応していく。こういうふうに私はかなり具体的に煮詰めているのじゃないだろうか、このように実際は考えるわけですが、先ほどの答弁を聞いておりますと、いまから考えていくというような感じでありますが、ぜひとも計算の中へ係数として入れていただきたい。
 私は、このように申し上げているのは、何も補助金を下げるという意味じゃございません。決まった総額というのは、これは先ほど申し上げました二千八百億程度でございますから、それをいかに有効に使っていくかということが非常に大切じゃないか。せっかく補助を出しながら、現実問題は学生に直接見返りとして返っていない。むしろ同じように金を出すのだったら、ある程度経営が健全になった態勢ですから、半分はますます健全経営になっていると思いますから、そういう意味では、学生の奨学資金という形で貸し付けてやったらずいぶん助かるのじゃないか。
 いま大体一年間、たとえば都会へ出てきて私立大学へ入って勉強するということを考えますと、相当の金額が私は要るのじゃないかと思います。生活費だけで大体月十万ぐらいは最低かかるのじゃありませんか。それに月謝そのものが五、六万という計算でいきまして、さらにそれが上がるということでありますから、どう考えても大体三百六、七十万ぐらいの平均所得からいたしまして、三分の一は最低子供さんにかけなければいかぬような、大変大きな金額を子弟の教育ということでかけているという実態がございます。しかし、それでもぜひとも学校に行かせたいという親の気持ちというのは大変私はいいことだというふうに考えますので、これから特に私立大学の学費の値上げのシーズンになっておりますので、その辺の歯どめにつきまして、ぜひとも文部省の方で適正な処置をとっていただきたい、そのことを申し上げたいと思います。いかがですか。
#182
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまのお話の中で、学生の負担軽減という問題も非常に重大な問題でございまして、日本育英会の育英奨学事業につきましても、本当に優秀な人でありながら機会に恵まれないといったような人たちに対しまして、五十六年度の予算におきましても、大学院及び専修学校の貸与人員を増員することといたしましてこれに対処したい、かように考えております。
 なお、先生よく御承知と存じますが、総額におきまして一千三十五億円と申しますか、約三十九万人の学生に奨学金を出しておりましたが、昭和五十七年は大学院の貸与人員を三百人増員いたしまして、過年度の政府の貸し付けも四十五億増額を要求いたしております。
 そのほか、こういうふうな問題と同時に、父兄負担といったような問題も、さらに学費の値上げといったような問題やなんかがこれからいろいろと出てくる場合におきましても、これに対処いたしまする第二臨調を控えましてのわれわれの態度というものは、非常に重大だろうと存ずる次第でございます。
#183
○小西博行君 私学助成の問題を主にいろいろお話をさせていただきました。そういう意味では長い間多額の助成金がずっと使われておるのですが、現実の実態といいますと、どうも私学経営の健全化ということに非常に寄与してきた。現実問題の教育条件の向上というのは、もうほとんど変わっていないというようなことがあると思うのですね。そういう意味で、これから先本当にこれを有効に使っていただけるようなそういう対応を望みまして、しかも授業料が上がらないような対応をひとつしていただきたい、そのことを申し上げまして終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#184
○委員長代理(平井卓志君) 秦豊君。
#185
○秦豊君 最初に、文部省に確認をしておきたいわけですけれども、財団法人日本美術刀剣保存協会というのがありますけれども、そこと文部省との法的なつながり、行政指導上の日常のつながり、これはどうなっています。
#186
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘の協会は、文部大臣が認可をいたしました財団法人でございます。したがいまして、通常の公益法人の場合と同じように、事業計画、収支予算あるいは事業決算等につきまして報告を受けておりますほか、事柄に応じまして逐次必要な指導を加えているわけであります。
#187
○秦豊君 そのとおりだと思います。
 事柄は文教行政の一環であることは、いまの長官の御答弁で明らかでありますが、日本刀というのは、言うまでもないことですけれども、きわめてすぐれた民族遺産である。またその美しさ、気品あるいは力強さ、あらゆる意味で美術工芸品としても、伝統文化としても最高の水準にあると私は思っている。だからこそ、現に百数十万の愛刀家が存在しているし、いまもなお百数十人の現代刀工が古刀の領域に迫ろうとして精進を重ねている。国会周辺にも、環境庁の鯨岡さんや鹿児島の山中元防衛庁長官や、いまは見えないが、玉置委員長や、不肖秦豊など幾人かの愛刀家が存在をして、この問題に大変に関心を持たざるを得ないわけです。
 そこで、しかも事柄は百数十万の現代の愛刀家だけではなくて、まさにあなたが言われたように文教行政の確たる一領域を占めているし、もう一つは、これから刀剣の美しさにひかれていく、あるいは理解していこうという新しい若い人々、この人々に対して、やはり私は昨年来の一連の不祥事件というものは、決して看過することができない大きな問題点を残念ながら投げているのじゃないだろうか。しかも、一握りのそういう人々が日本刀を冒涜しているというふうな印象すら私は持っているものですから、あえて、最後に大臣にも聞きたいと思っているけれども、質問をしたいと思うのです。
 それで、事件とあえて言っていいと思いますがね、八人が起訴されて、二十八人がたしか書類送検という記憶ですけれども、そのことによって事件そのもの、刀剣界をめぐる一連の不祥事件というのはすべて終息をした、終止符を打っていいのだというふうに長官、言い切れますか。
#188
○政府委員(佐野文一郎君) 去る九月末に警察当局によって摘発されましたいわゆるにせ名刀事件そのものは、御指摘のように警察当局の手によって処置が進められておりますし、そのことに限っては捜査は終局をしているのであろうと思います。
 しかし問題は、この事件に関連をいたしまして、いわゆる摘発された偽銘刀の中に刀剣協会の発行をした認定書、もちろんにせの認定書もございますけれども、本物の認定書が付されたものがあるという点にございます。すなわち、協会の行っている貴重刀剣等の認定の仕事の中に一部問題がある事例が出てきたという点に非常な問題があり、そのことは私どもは大変遺憾であり、また申しわけないことと考えているわけであります。したがって、このことを契機にして、協会の事業の運営の全般にわたって厳しく改善をする必要がある。そうでなければ、御指摘のように美術刀剣の保存に非常に重要な役割りを果たしておりますこの協会の信用というものが回復しない。そのことは日本刀の保存にとってきわめて申しわけない、また不幸なことであろうと考えております。
#189
○秦豊君 非常にまじめな御答弁で好感が持てるのですけれども、しかし、具体的にいま、じゃ指導監督の衝にある長官と刀剣協会側とはどんな話し合いをしていて、どこまで、どういう方向で話が煮詰まっているのかという点をぜひ聞きたいのです。つまり制度が悪いのか、運用が悪いのか、人が悪いのか。すべて絡み合った問題でしょう。特にたとえば具体的に触れれば、中央審査と地方審査があって、とりわけ、すきを見せやすいのは地方審査であることは、これはもうだれでも知っている社会現象でしょう、悪い実績でしょう。だからそういうことも含めて、いま長官と協会側はどんなことをやって、大体どの方向を向いているのだ、繰り返さないために。その辺をもう少し具体的におっしゃってください。
#190
○政府委員(佐野文一郎君) 事件が発生をいたしましてから、次々と経過に応じまして会長なり専務理事からわが方は報告を受け、必要に応じて厳しい助言をいたしております。すでに御案内のように、協会は役員については改選の措置をとりました。そして、新しい役員によって信頼回復のための体質改善の検討を重ねているわけであります。
 その検討の方向としては、一つは、私は事務当局、事務局の機構をより整備をされた十分のものにする努力をする必要がある。現在の協会の事務の処理体制というのは不十分であると思います。さらに認定の制度、これは現在五段階に分けて行われているわけであります。協会は、そのうちの三段階については廃止の方向を含めて検討をするという意向を示しております。もちろん今後それをどのようにするかは、さらに協会の検討を待たなければなりませんけれども、認定制度について根本的にそのあり方を検討する必要があろうと考えております。
 なお、御指摘の地方審査につきましては、すでに中止をいたしております。
#191
○秦豊君 もう少し刀剣の話に触れておきたいのだけれども、いま長官の言われた三ランクについてはすでに廃止の方向であるというふうに、それは貴重刀剣とか特別貴重、それから甲種特別貴重、それから重要刀剣というランクの中での三段階という意味なのか、その辺がよくわからなかったのでその確認と、それから大体いつごろまでにその改善の方向を打ち出し終わるのか、つまり中間的に。かなり長い将来の問題もあるから、外科手術のようなわけにはいかないと思うのですよ。だけれども、一応長官の考える収束の時期というか、改善に踏み出すある時期、いつごろ想定していらっしゃるのか。
#192
○政府委員(佐野文一郎君) 現在の認定制度につきましては、種別は、御案内のように特別重要刀剣、重要刀剣、甲種特別貴重刀剣、特別貴重刀剣、さらに貴重刀剣、この五段階に分かれているわけでありますが、甲種特別貴重刀剣、特別貴重刀剣、貴重刀剣、この三段階について、当面まず廃止を含めて再検討をしようということを私ども報告として伺っております。もちろんそのことを協会がすでに確定をしているということではございません。
   〔委員長代理平井卓志君退席、委員長着席〕
 私どもは、御指摘のように事柄に応じて、ある程度時間をかけないとできないものもあると思いますけれども、たとえば事務局の整備というようなことは直ちに手をつけることは可能な問題でありますし、そういった問題についてはできるだけ急いでほしい。少なくとも起こした不祥事を機として協会の体質を改善しようという機運が、会員の中にも協会の中にもあるわけでありますから、やはり鉄は熱いうちに打たなければいけない、そういう趣旨をもって、私としては少なくとも今年度中には改善の方向がきちっと出てくるということを期待をし、そのようにお願いをしているところであります。
#193
○秦豊君 あなたからいただいた資料を確認の意味ですが、すでに廃止の方向にある三ランクだからややむなしい気もするけれども、これまで保存協会が発行した認定書、それから本数ですね、各ランクについて、確認の意味もあって御答弁を願っておきたい。
#194
○政府委員(佐野文一郎君) ことしの十月現在の数字でございますが、特別重要刀剣が二百三十九振り、重要刀剣が六千七百二十一振り、甲種特別貴重刀剣が二万八百五十九振り、特別貴重刀剣と貴重刀剣合わせまして三十八万一千六百六十一振り、合計で四十万九千四百八十振りということになっております。
#195
○秦豊君 いま長官が言われただけでも、四捨五入すれば四十一万振りの美術刀剣が継承されている。もっとも、この上のランクになって特別重要以上になると、たとえば昔でいうと重美クラスあるいは文化財、国宝というランクになるから、ややピラミッドの頂点は細くなる。本数は当然少ない。それはわかるけれども、少なくとも数十万振りという美術刀剣、まさに私が冒頭申し上げたような民族のすぐれた文化遺産として継承されている。したがって、あなたが所管していらっしゃる刀剣行政というのは非常に私は重要な分野だと思うわけです。
 そこで、この問題については最後にしたいと思いますけれども、やはり連絡を緊密にして、余り年をまたがって向こうに、じんぜんと日を送らないように監督をしてもらいたいのと、それから家査員といえども、もちろんすぐれた、すばらしい鑑識眼を持った方は幾人もいらっしゃると思う、かつての本阿弥さんをしのぐような。しかしやはり万能ではないのだから、そこで提案だけれども、やはり慶長以前の古刀も、あるいは慶長以後のいわゆる新刀も、さらに幕末近い新々刀から現代刀までを一人の鑑定委員が全部見て、あたかも万能のごとく振る舞うといういまの制度は、私は、したがってすきをつくりやすいし、ミスを生みやすいと思う。だから長官、ぜひ御検討願いたいのは、やはり厳正な審査を裏づけるためにも専門領域があるわけですからね、鑑定員にも審査員にも。古刀の専門家、こっち側は新刀なら、まあ佐野さんなら佐野さん、あるいは新々刀ならばという必ず領域があるのだから、それをいとわないで、専門化した審査を今後実現するというふうなことも含めて御検討を願えませんか。
#196
○政府委員(佐野文一郎君) 先ほど来お答えを申しておりますように、協会は認定制度のあり方について、もちろんその審査のあり方を含めて、現在抜本的な検討を重ねているわけであります。御指摘のように、その検討をできるだけ急ぐように、私どもは協会に対する指導に留意をしてまいります。また、そのときに、いま御指摘の点につきましては、こういう貴重な御指摘があったということを十分に協会の側に伝えることとさせていただきます。
#197
○秦豊君 先ほどこの委員会の冒頭で、社会党の小野委員からすでに御指摘のあった問題です。本来ならば、委員会審議で重複はあえて避けるというのが一種のエチケットを含めた一つの常識かもしれませんけれども、これは問題が問題だけに、私はやはり小野委員にならって、きょうの朝日の朝刊が一面トップで報じた問題については、問題が問題であるだけに、重複をいとわないという態度をとりたいと思います。
 だから田中文部大臣、ぜひ確認の意味を含めて伺っておきたいのですが、小野委員にも念のために聞いてみました。すると、文部省側の対応というのはわりとあいまいではありませんか。つまり、たとえばあれほどでかでかと初号活字で「文部省の工事受注 OB、太いパイプ」「業界へ天下り続々 全国組織結成 文書で「ご賢察を」」というふうな見出しが躍るということは、相当な事実関係、ファクトを握っていなければマスメディアは一面トップで報道はしないものなんだ。むしろ、かなり抑制された筆致で報道をしている。私はまだまだやはり隠された部分が多いと思う。しかも、あの行間にあったように――あなた方文部省は小野委員に対して、うちの方は天下りじゃない、ちゃんと二年なら二年という冷却期間を置いている、ちゃんとやっておるというふうな御答弁もあったやに仄聞しましたけれども、事は大臣、そんなに簡単じゃありませんよ。
 なぜならば、あなた方は来年の四月から使わせる高校段階の社会科教科書で、ほとんどの教科書については一、二の例外を除いて天下りという言葉を、日本語を削除した。そうでしょう。それはすでに知られている、公知の事実だ。ところが二、三の教科書には残っている。天下りと言う方がむしろ人口に膾炙して、言葉にリアルな響きがあるのですよ。それをあなた方によると、再就職だと。ところが、まさにあなた方の用語に従えば、文部省から再就職をして、有数の建設会社、建材会社、関連会社に天下りをしたOBが文建会、文教行政の「文」、文建会を結成して、そうして柳川管理局長のインタビューコメントによると、御賢察をとは東洋的な言葉ですなというふうなコメントが出ているが、天下りをあなた方が否定したって、再就職と言ったって、これは否定し切れない。実体は同じなんですよ。天下りなんです、あなた方のやっていること、認めていることは。そうでしょう。しかも、天下りを否定した文部省OBによるこの現象は、これはまさに漫画にもならない。こんなのを大臣、何と言うか御存じですか。笑えない漫画と言うんですよ。
 だから、私は先ほどの小野委員に対する答弁では納得できませんから、委員長にもお願いしますけれども、やはり当該委員会、この委員会から発生した問題なんだから、小野委員の提言を含め、要求を含めて、まず事件の実態、全容、真相、これをさっきのようなおざなりの答弁じゃなくて、からっと調べて委員会にぜひ資料として正確に報告をしてもらいたい、提出をしてもらいたいということをまとめて要望をしておきたいと思います。それについていかがかという問題。
 それからさらに、日にちがないと。カレンダーを見ちゃいけません。まだ九日間もあるのだから、十日未満あるのだから、大臣の任期は。やはりあなたの、大変失礼だけれども、任期終了間際に起こった不祥事じゃありませんか。これについてはきちっとして、立つ鳥跡を濁さずのたとえどおりですよ、きちっと整理し整とんし、調査し、そうして当委員会に提出をするというお約束をいただけるかどうか、この一つだけを伺っておきます。根は深いですよ。
#198
○国務大臣(田中龍夫君) 小野委員の御質問に対しまする私の答弁にも申したわけでございますが、いま先生が不祥事とおっしゃいましたけれども、まだ幸いにして不祥のことがない時点だろうと存ずるのでございます。
#199
○秦豊君 そんなことないですよ、大臣。入札情報が漏れているんですよ。
#200
○国務大臣(田中龍夫君) なお、いまのような、たとえばいろいろ高入札その他の問題といったようなことにつきまして、私は私の方の所管の問題につきましては、そこまでいっているとは考えておりません。
 なおまた担当の局長から、さらに先生に対しましてのある程度までお答えができると存じますので、政府委員に命じましてお答えさせます。
#201
○秦豊君 資料を言っているのですよ。委員長にお願いしているわけです。資料、調査。
#202
○国務大臣(田中龍夫君) 資料の点につきましては結構でございます。できるだけの御協力をいたします。
#203
○委員長(玉置和郎君) 山田耕三郎君。
#204
○山田耕三郎君 私は、配当されました時間の関係で、私の質問の一わたりを終わりましたところで関係の大臣から御答弁をいただきたいと思います。
 まず第一点は、今日の地方公務員の給与は本当に高いのかということについてお尋ねをいたします。
 一部突出をいたしました自治体のあることは認めますけれども、全体としてはむしろ低いのではないかと考えます。私の調査では、たとえば清掃職員は、新卒出の就職はまずゼロであります。平均就職年齢は三十一・五歳、行政職二表を使用いたしますから、この年での初任給は十万六千九百円であります。さらに悪いのは葬祭の職員、この職員の平均就職年齢は三十六・五歳、給与は十一万二千八百円であります。こういった賃金がなぜ高いのか。決して特異な職種だけを選んだのではございません。各都道府県においては、民間の現在の給与を調査して、それを基準としてモデル賃金を持っておるはずであります。企業規模三百人以上を基準とする限りにおいては民間の方が高額であると出ております。これでも公務員が高いと言われます理由がわかりません。制度に反してまでやっぱり抑制をしていかれなければならないのか、自治大臣の見解をお尋ねをいたします。
 次に、中央と地方の財政負担の不均衡の実態を申し上げ、これでよろしいのかについてお尋ねをいたします。
 まず、幼稚園教育でございますけれども、文部省は幼稚園教育重視を掲げ、八〇年代の最も重要な教育課題とされておりながら、就園奨励費等わずかな負担だけで、ほとんど全部を地方及び私学依存であります。話によりますと、東京周辺では入園金が六万円、月謝は一万二千円の高額でありますが、これに反しまして、公立て対応しておりますわれわれの地域では入園費はわずかに二千円、月謝はその三分の一、四歳児、五歳児の希望者が全員入園のできる措置をとり、人間の性格形成期の重要な時期に大きく貢献しておるのにかかわりませず、これらに対するおこたえが全然文部行政の中ではありません。看板に偽りのある文部行政は正されるべきだと私は考えますが、ゼロシーリングの中で相変わらず地方依存を続けようとされておられますのかどうか、文部大臣の所見をお尋ねをいたします。
 次に、同和事業でございます。
 法によれば、市町村負担は十五分の一でよいはずが、現実には二分の一となっております。地方が運動側の言いなりになって財政枯渇を招いておるとの批判さえ仄聞をするのでありますが、そうではありません。法の不備に基づくものであります。事業のうち財政需要の最も大きいのは、住宅改良事業であります。建物はよろしいけれども、用地費に問題があります。最高坪当たり十五万円で制限をされております。今日、地方都市におきましても、市街地では一坪当たり三十万円はいたします。だとすれば、制限額を超えます十五万円は全額市町村の負担になっております。ですから、全事業費の七〇%をも市町村で負担をせなければならない、こういうようになっておるのでございますけれども、こういった負担の不均衡に対して長官はどのようにお考えになりますのか。法の期限切れを目睫に控えまして、それに対する対応とあわせてお答えをいただきたいと思います。
 最後に大蔵大臣に、ただいま申し上げましたように、地方の負担がこれだけ多い。地方はそういう過重な負担に耐えながら、それぞれ住民の生活に直結をいたしました事務事業を熱心に進めておるからこそ、国民の負担が大きく緩和されておると思います。そういった地方に対して、今回の行革の中で、さらに財政需要を国の財政が苦しいからといって転嫁をされようとしておりますことがございますけれども、これは慎まれるべきだと思います。こういったことに対するお考え方を承りたい。
 以上です。
#205
○委員長(玉置和郎君) 各大臣に申し上げますが、持ち時間六分で、もうすでに過ぎていますので、答弁は簡潔に。
#206
○国務大臣(安孫子藤吉君) 一般行政職についてはラスパイレス指数等が公表されておりますが、これから見ても地方公務員の方が高いランクにあることは事実です。技能職職員についても同様に私どもは考えております。御指摘のような例外はあるいはあるかもしれませんけれど、一般的に国家公務員よりも相当高水準にあることだけは事実でございます。
#207
○国務大臣(中山太郎君) 先生お尋ねの、同和対策事業の地方負担が大きいという点につきましては、ただいま同和対策協議会においていろいろと御論議をいただいているところでございまして、政府といたしましては八月二十八日に、五十六年度以降の同和対策事業というものは今後一定期間、効率かつ有効にやるべきであるという判断のもとに方針を決めましたが、法制等につきましては同和対策協議会の答申を待っているという段階でございます。
#208
○国務大臣(田中龍夫君) 公私立幼稚園の父兄の非常な負担の格差が大きいので、われわれといたしましても、その格差是正のための負担の補助を鋭意努力して行っておる次第でございます。
#209
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国も地方も一緒になって行政改革を進め、効率的な行政を推し進めようということであります。
#210
○山田耕三郎君 終わります。
#211
○委員長(玉置和郎君) 丸谷金保君。
#212
○丸谷金保君 先ほどに引き続いて大鵬薬品のダニロンの問題、御質問申し上げますが、ちょうど総理おいでになったのでお聞きをいただきたいと思います。
 大鵬薬品がダニロンという薬を発売したけれど、問題があって回収しております。このことにつきまして、実は私どもは現地の調査をいたしました。その結果、多少新聞報道と違う点もありますし、その点について厚生大臣あるいは労働大臣にもう一度お尋ねしたいと思います。
 ダニロンの発がん性の問題については、内部の若い研究員たちが一年ほど前から、その実験データに基づいて、これはもっと慎重にしなければならぬということを上申しておりましたけれども、なかなか会社の取り上げるところにならないために、個々に意見具申をしたのではだめだから、組合をつくって団体交渉をしようということになったわけです。できた組合が団体交渉をするという段になって、それが内容が外部に漏れて報道された。いわゆる内部告発ではないのです。したがって、組合員というのも若い良心的な研究員が中心であります。この人たちにもお会いして話を聞きましたところ、私たちは決して会社をつぶしてもいいとは思っていない、ただしかし、会社にも社会的な道義責任があるのだから、おかしな薬を出して、水俣のチッソあるいはスモンの田辺のように経営自体もおかしくなるというふうなことになれば困るので、内部で意見具申をしていたのだ、こういう話でございます。ですから、ここのところがいわゆる一般的な労働組合運動の内部告発というふうなものと違うということをひとつ。私もその点では、企業ですから当然もうけなければならないと思います。しかし、そうは言いながらも、反社会性を持った企業が育つはずもないわけでございます。
 そういう角度で現地に入りまして、これはいかぬなと思うことを先ほども申し上げましたが、さらに引き続いて、一体この段階で未提出の追加資料、要するに若い研究員の人たちがこのデータは発がん性につながるのじゃないかといって心配した、そういうデータが厚生省に未提出だった。この未提出の資料を一体どういうものかということで提供してもらいました。それからまた、厚生省からも未提出資料、その後会社から持ち上がってきたのを資料要求して、ちょうだいいたしました。これらを突き合わせてみますと、非常に私は厚生行政というふうなものに不安を感じまして、午前中の老人保健法、そこでも医療の荒廃ということの心配を申し上げましたが、やはり行革に関連する老人保健法、そして医療の荒廃、これらと一連のレベルの中で出てきた大鵬薬品乱用問題だという感を実は深くしているのです。もうけさえすればいいという、こういう考え方がこんなに企業の中でいろんな形で蔓延している。医療の荒廃もまさにそういうものの一つのあらわれだなという実は感を深くしておりますので、あえてさらにこの問題を御質問をいたさなければならぬというふうに考えておる次第でございます。
 この未提出資料の中に、ホルマリンのマウスからの実験反応の結果が未提出で、後から提出されております。これらにつきましては、会社側は、これはいわゆる門脈の定性反応なので、これらはそれほど重要な問題でないというふうに答弁しておりますが、肝臓につながる細かな脈で、これは発がん性につながる大きな問題点でないかと思います。この点について、まず厚生省の考えをお伺いいたしたいと思います。
#213
○国務大臣(村山達雄君) 大鵬薬品のダニロンの問題でございますが、新薬の承認に当たりまして資料を提出したのでございますが、その添付資料の中で動物実験あるいは臨床実験が出ておりますが、動物実験について、ラットに関する動物実験が出ておりますが、マウスに関する試験が出ていない。それが発がん性につながるという実験データがあったと報ぜられたわけでございますので、早速厚生省といたしましては、すでに出ておりますダニロンの全部の回収、それから未提出資料の提出を命じたわけでございます。これはもちろんいかなる動物実験であろうとも、それをどういう評価をするかということは薬事審議会が評価すべき問題であって、その一部を自分で判断して提出しないということは、これはやはり提出義務違反につながる問題だと考えているわけでございますので、さような措置をとったわけでございます。
 そして、その未提出資料のマウスに関する実験の資料、これは非常に専門的な領域でございますので、現在、中央薬事審議会の中の調査会でこれを一体どういうふうに評価すべきかということをいま審議の最中でございまして、もしそれが疑わしいというようなことになりました場合には、承認を取り消すことも含めて厳重な措置をしようと考えておるところでございます。
#214
○丸谷金保君 厚生省は、追加資料六編の内容と、申請者がどういうわけで提出をしなかったかということを納得しているのですか。審議会に預けたことはわかりますよ、後から出てきて。ただ、出さなかった理由があるのです。出さなかった理由はこういう理由だからということで――結果はいいですよ、結果はこれから見るのですから。結果でなくて出さなかった理由です。このことについては納得しているのですか。
#215
○国務大臣(村山達雄君) 会社側の言い分によりますと、このマウスというのは何か血統的に特殊のマウスであって、したがってそれに関する実験は評価に値しないという判断で出しませんでしたと、こういうことでございます。しかし、そういう評価は中央薬事審議会で評価すべき問題であって、みずからが評価するということは間違いであるということで、その出さない理由についてはわれわれは納得していないわけでございます。したがいまして、いま薬事審議会にかけて、そしてその審査の結果によっては、場合によれば取り消し処分を含めて厳重な処分をしなくちゃならぬ、かように考えているところでございます。
#216
○丸谷金保君 ちょっと厚生大臣、中央薬事審議会の話はもうわかっているのです。私の聞いているのは、厚生省はどうなんだと聞いているのです。厚生省が許可しているのですよ、この薬を。これから許可するならいまの話わかります。しかし、実際は許可しているのですから、許可している行政責任において、たとえばおたくからもらったこの資料によりましても、未提出資料の中に、プレ・インキュベーション法という方法でやったやつが抜けているのです、マウスの。これは日本の誇る世界的な試験方法だということはもう学界の定説ですね。そういうものを抜かしたやつをあなたたちは許可しておいて、問題が起きたから中央薬事審議会。ではなぜ中央薬事審議会へ諮ってこういうものを十分調べてから許可しなかったのですか。そのことが一点。
 それから、そういう会社側の提出しなかった理由はおたくの方に出てきております。しかしその後、非常に良心的な若い研究員たち、変な薬を出したら会社も困ればわれわれも困るのだからといって内部でいろいろ申告していた人たちが、やむにやまれず組合をつくって団体交渉に踏み切った。この人たちの意見というのは一体聞いたことがあるのですか。
#217
○国務大臣(村山達雄君) 新薬の承認に当たりましては、これは一般的なルール、各国ともそうでございますけれども、申請側の製薬会社が誠実に法律を守るということを前提にしてやっているのでございます。そうでございませんと、これは厚生省がその先の先まで行って全部の資料を調べるということはとうてい不可能でございます。したがいまして、提出された資料に基づいて、もちろん提出義務は、こういうものは出しなさいということは言っておりますけれども、それが誠実に履行をされるということを前提にしてすべて仕組みがあるわけでございます。ここが一つの大きな問題点でございます。
 したがいまして、私たちはそういう法律で定めておった誠実な申請を、公正な申請手続を怠ったという点についてはまことに残念に思っているのでございますが、今後、それを押さえる方法といたしまして、いま考えておるのは先ほど述べたとおりでございまして、安全に関する試験実施の基準をつくりまして、責任者を、会社ではなくて、そういう試験について責任者というものをはっきり決める、そしてまた、試験に使うところの設備の構造、こういったものも厳重に決めていくことによって励行させる、こういう措置を考えておるのでございます。
 今日の事態は本当に遺憾に存じているのでございます。
#218
○丸谷金保君 大臣が遺憾だということは、言葉の上ではわかりますがね。
 たとえば、業務局長が先ほどの答弁の中で、発がん物質の動物投与、こういうものについてはアメリカを初め確たる指針がまだないのだと、こうおっしゃいましたね。ところが、私の方の調べではあるのですよ。NC、ナショナル・キャンサー・インスティチュート、これは国立がん研究所、日本で言えば国立がんセンターでしょう。こういうところで一九七六年に化学物質医薬品の小動物による発がん性試験ガイドライン、ガイドラインと言えば日本の指針というようなものですね。アメリカにちゃんとあるじゃないですか。厚生省、知らなかったのですか。
#219
○政府委員(持永和見君) いま先生御指摘のガイドラインは、先ほど私も申し上げましたが、動物実験の発がん試験のやり方についての、方法についてのガイドラインがあるということでございまして、そのことについては、世界各国でそういう動きがあるので、私どもの方もそういった動きに対応して、こういったものについて十分な検討をしていきたいというふうに考えているということを申し上げました。先ほど私が基準がないと申し上げましたのは、医薬品の発がん性の有無そのものを決める基準は、いまのところ、日本を含めまして諸外国にも例がないということを申し上げたつもりでございます。
#220
○丸谷金保君 業務局長、あなたは先ほどの答弁だけで逃げられると思ったのだよな。だけれども、たとえばこのアメリカの基準に基づいて、日本でもそうした指針を出しているでしょう。前に資料要求をしたときには、そういう指針はないと言ったのだ、厚生省、うちの党からの。しかし、国立衛生試験所というのは、これはどこの所管です。
#221
○政府委員(持永和見君) 国立衛生試験所は厚生省の附属機関でございます。
#222
○丸谷金保君 国立衛生試験所は「化学物質癌原性検索法指針」というのを五十一年に出しているのでしょう。これは、何も大鵬薬品だけでなくて、業界の何というのですか、中央の団体を通じて薬屋さんのメーカーにずっと出ておりますね。そして、その中で突然変異原性物質の発がんテストに関する研究と題して、こういう研究をしなさいということをあなたたちは指針を出しているのですよ。いままで厚生大臣は、それはないない、ないないと言ってきたのだ。ちゃんとあるじゃないか。どうなんです。
#223
○政府委員(持永和見君) いま先生が御指摘の指針は、検索方法の指針ということでございまして、突然変異性の指針であるかと思いますが、私も実は事務屋でございまして詳しいことはあれでございますけれども、動物実験の発がん性試験のやり方の指針とは必ずしも同一でないのじゃないかというふうに考えております。なお、そういった面について、詳しい資料その他御指示がございましたら提出をさせていただきたいと思います。
#224
○丸谷金保君 いままであなたは事務屋だということを一言も言わないから、私は技術屋さんだと思って質問していたのだ。こちらは薬剤の関係の技術屋でないから、多少遠慮しながら言っていたのだよ。そしたら、あなたも何も知らないんじゃないの。しかもこの指針の中では、あなたいま答弁したけれども、発がん性の動物実験は二つ以上の動物を使いなさいということもおたくの方でちゃんと出しているのだよ。しかるに、大鵬薬品が一つしか出してこなかったら、この段階でチェックしなければならぬでしょう。どうしたんだ、これ。これでも厚生省は中央薬事審議会に諮ってと大臣言えますか。何をやっていたんです。
#225
○政府委員(持永和見君) 薬についてはそういう二種類以上という決め方はしてないということだと思いますが、ダニロンにつきましては、ラットについての臨床試験は出てまいったわけでございます。
#226
○丸谷金保君 発がん性の物質については、各種性別ごとに二つ以上の用群を設けて実験をしなければならない。それから、この場合も当然二つ以上が行われなければならないし、そういう意味での指針はちゃんと出ているのです。しかも、この大鵬薬品からの未提出の理由、この中には、先ほど厚生大臣が言ったように、マウスが肥満素因を持っていたというふうなことが理由になっています。しかし私たちの調査したところによると、そういうことで実験の評価が左右されることはあり得ないと言うのです。これは決してここの研究所の若い人たちに聞いたのじゃないんです。東京でも専門家を呼んでいろいろ意見を聞いたら、こんなばかなことを厚生省が、いいですか、理由でもって納得して、中央薬事審議会に諮って後、これだけのものが未提出で出てきたら、この段階で直ちに措置をしなければならぬと、これは専門家から私聞いたことです。いいですか、これ一体どうなんです。あなたは専門家でないと言うのなら、専門家を呼んでおいでや。こちらも多少勉強したから、専門的なことの資料を持っているんです。
#227
○政府委員(持永和見君) もし先生お許し得られれば、専門家が参っておりますので、課長が参っておりますので、御説明させていただきたいと思います。
#228
○説明員(代田久米雄君) 審査課長でございます。かわってお答え申し上げます。
 ただいまの先生の発がん性の判断基準でございますが、確かにいろんな学説がございまして、動物二種で判断した方がいいというような説もございますことは、よく存じております。
 このダニロンにつきましては、少なくともラットの発がん性のデータが提出されまして、それについては薬事審議会におきましても、専門家の審議によりましてその発がん性については問題はないという判断をしていただいたものですから、私どもとしてはそれで十分であるというふうに判断をいたしまして、承認をいたしたわけでございます。
#229
○丸谷金保君 もう時間なので、ちょっといいですか、いま薬事審議会の問題ではない。大鵬薬品が後から未提出の資料として厚生省に出した、その資料の理由が問題だと私は言っているんです。いいですか、たとえばマウスにおける発がん性試験の項で、実験に使用されたマウスに肥満因子がおったという証拠はどこにもない。こんなもの調べてないでしょう、あなたたち。調べたのですか。ただ理由を聞いただけで、中央薬事審議会にかける前に厚生省に出てきた未提出資料のこの内容、これはあなた、厚生省として当然やらなければならぬでしょう。
 大変この問題については、厚生省の態度というのは、非常に私は医療荒廃というふうなことの因子の一つとして、業務行政の国民から不信を受ける大きな原因になると思いますので、総理大臣ひとつ十分その点を御検討いただくと同時に、先ほどの老人保健の問題について、これは大蔵大臣とあわせてお願いしたいのですが、現在の支払い方法を変えないで、十三兆から二十六兆というふうにウナギ登りになるであろう医療費を抱えた国の財政は御心配ありませんかという質問については、どちらも答えてないのです、あのとき。長々と厚生大臣答弁のような大蔵大臣の答弁は聞きましたけれども、私が大蔵大臣に質問したこと、総理に質問したことについては、この点は総理は心配してないのか、それから財政の大蔵大臣は心配してないのかということについての御答弁は先ほどなかったので、これだけひとつ御答弁願い、なお医療荒廃の問題については、いまの論議をお聞きになった総理からひとつ御答弁を願いたいと思います。
#230
○国務大臣(渡辺美智雄君) 支払い報酬が出来高払い制であって、それが乱用されたのではこれは大心配でございます。乱用されないように指導監査等を厳しく行っていくということを申し上げたわけでございます。
#231
○国務大臣(鈴木善幸君) 薬剤の製造許可あるいは医薬品としての採択、さらに販売、この医薬品の取り扱いは国民の命と健康にかかわる重大な問題でございます。したがいまして、審査に当たりましては薬の効果だけでなしに、その安全性、薬害等を生ずるようなことがないか等の問題については、特に慎重でなければならないことは御指摘のとおりでございます。
 ダニロンの問題につきまして、マウスの生体実験等の問題で資料が不足であったとかいろいろの問題があったようでございますが、今後は国民の健康にかかわる問題でございますから、厳重にそういう点をチェックいたしまして、今後そのような事態が起こらないようにやってまいりたい、こう思っております。
#232
○委員長(玉置和郎君) 委員長から申し上げますけれども、業務局長、専門家も来ておるらしいから審査課長、もう少し答弁が十分でないところがあるから、いま再答弁を要求するからこれも答えなさい。
#233
○丸谷金保君 委員長、別の問題を先にやってしまわなければ。
 労働大臣、いまお聞きのとおりの労使の状況でございます。労働組合がなかっただけに、大鵬薬品の労働組合に対する不当労働行為というのは目に余るものがあります。いま私たちのところに来ているのでも、研究管理課長が十二月の人事で、この組合員はみんな吹っ飛ばすぞというようなことも言っているくらいの緊急を要する問題でございますから、至急にこれは調査をしていただくということをもう一度お願いいたしたい。
#234
○国務大臣(藤尾正行君) お答えをいたしますが、先ほどもお答えをいたしましたとおり、組合からの不当労働行為提訴が寸一月の十七日に地区労働委員会に提出をされておるわけでございます。でございますから、いまだ三日しかたっておりませんけれども、その受け付けをいたしました以上は、責任を持ちまして素早く、そうして徹底的に、さような不当労働行為の起こらないようにきちっとした調査を進める、これはもう当然でございますからそのようにすると思いますし、私からもさせるようにきちっとやりますから、どうぞ御安心願いたい。
#235
○丸谷金保君 ちょっと時間内にもう一問あるのでね。
 保健所の強化ということで、先ほど本会議で質問したのに対して、自治大臣は強化してやると言っております。しかし、いまもう六十以上のお年寄りがたくさん保健所の所長で、医者でなければだめだと言う。定年制をしくでしょう。しかもほかに比べて非常に薄給なんです、お医者さんとしては。本当に強化できるのですか。自治大臣、その自信ありますか。私は現場のいろいろなことを聞いていても、本当に保健所の所長さん、医者の資格を持ってあんな薄給で、定年制をしいて、そんなに集まるというふうに信じられないのです。しかし大変自信のある先ほど強化の答弁があったので、もう一遍それだけお願いしておきます。
#236
○国務大臣(安孫子藤吉君) 定年制の施行につきましても、国に準じまして勤務延長でございますとか、そうしたいろいろな善後措置を講ずる余地を残しておりまするので、これは十分に対応していけるものだと思っております。保健所の職員あるいは保健所長の問題につきましては、予防医学の問題が一つありますので、学校教育の面もひとつ十分考えていかなくちゃならぬ、そういう性質のものだと思っております。
#237
○委員長(玉置和郎君) 代田審査課長。
#238
○丸谷金保君 いいです、時間だから。この問題はこれで了解したことでなく、答弁を保留して、質問をまだ……。
#239
○委員長(玉置和郎君) 答弁させますから。まだ社会党の持ち時間があるから。
#240
○説明員(代田久米雄君) 追加で発言させていただきます。
 マウスのデータの、何といいましょうか、マウスを追加提出されましたものにつきましては、私どもはメーカーの言い分どおりのものを了承しているわけではございません。したがいまして、マウスのストレインについて、肥満の問題とか、そういう問題がありますので、その辺については非常に微妙な判断が必要であろうということでございますので、私どもは薬事審議会の専門家の御判断をお願いしておるという段階でございます。
 それから、先ほど二種類の動物が必ずしも必要かどうかということにつきましては、いろいろ意見がございまして、少なくともダニロンの判断におきましては、ラット一種類のデータにおいて薬事審議会の専門家は十分な判断をされたということでございますので、私どもとしては、発がん性の問題はその段階におきましては問題はないという判断をしたわけでございます。しかし現在、マウスの追加のデータが出てまいりましたので、これにつきましては引き続き専門的な御判断をお願いしておるということでございます。
#241
○委員長(玉置和郎君) 小野明君。
#242
○小野明君 人事院勧告について質問をいたしますが、いままでこの人事院勧告につきましては、大蔵大臣の財源の問題あるいは中曽根長官の臨調答申問題等が主たる要因になって、なかなかこの回答が出てこない、これが実情であろうかと思います。
 そこで、この人事院勧告が完全実施にかげりがある、なかなか難航しておる、こういったときに、人事院総裁の御発言がなかなか聞かれない。それで私はあえてきょう総裁においでをいただいたわけですが、私は、これはそういう観点からの見方ではなくて、憲法二十八条にかかわる、憲法判断にかかわる問題だと思っております。そこで、人事院総裁のあなたが国会と政府に勧告をしておられるわけですから、改めてこの場で勧告についての御所見を伺いたいと思います。
#243
○政府委員(藤井貞夫君) 参議院の本委員会においては御指摘のように初めてでございますが、いままで各委員会、関連委員会においていろいろ発言の機会を与えていただきまして、その都度私の立場、人事院の立場というものは詳細に申し述べておりますので、その点は御了承を賜りたいと思います。
 いまお尋ねでございますので、改めて申し上げたいと存じます。
 申し上げますまでもなく、給与に関する人事院勧告というのは、長い積み上げた慣行というものがすでに定着をしておるというふうに思っております。勧告が時期を含めて完全に実現をいたしましたのは四十五年でございますから、すでに十年以上を経過しておるということで今日までまいっておるわけでございます。それと、この勧告というのは、論議されておりまするように、あくまで公務員についての労働基本権制約の代償機能としての重要な意味を持っておる制度でございます。したがって、これは人事院といたしましても完全実施をしていただかなければ困るのであります。むろん政府といたしましてもいろいろ困難な事情があることは私自身も承知をいたしますけれども、しかし事柄が制度の問題、制度がある限りは完全実施をお願いしなければいけないという、これは不変の立場に立っていままでもお願いをしてきております。そういう意味から国会並びに内閣に対してお願いを申し上げておりますので、勧告が出ましてすでに三ヵ月を経過しております。民間においてはすでに春闘というものが終わり、また三公社五現業についても完全実施の線が出ておるわけでありまして、ひとり一般公務員についての勧告の取り扱いがなお残されておるということは、私としても耐え得ないところでございます。年末も差し迫っておることでございますので、できるだけ速やかにひとつ結論を出して完全実施に持ち込んでもらいたい、これは私の心からなる念願でございます。
#244
○小野明君 りっぱな正しい御見解だと思います。
 総理も、総裁としての立場も兼ねておられるわけですが、今日までのいろんな閣内における議論も踏まえておられることであろうと思います。この国会も会期をわずかに残すまでに相なりまして、私はいまの人事院総裁の見解を踏まえて、早期に完全実施の御態度を表明さるべきであると思いますが、総理の御所信を伺いたい。
#245
○国務大臣(鈴木善幸君) 私も、人事院制度のあり方、人事院制度が非常に重要な立場にありますこと、そして人事院の勧告の重要性、こういうことは十分わきまえておるつもりでございます。したがいまして、この勧告の実施につきまして給与閣僚会議をしばしば開いて、そして政府として誠意を尽くして、これを何とか完全実施の方向に努力したいということを、議論を何遍もやっておるわけでありますが、なかなか御承知のように今日の国の財政事情、非常に危機的状態にございます。そして税収等につきましてもまだ、大蔵大臣からもしばしば御答弁申し上げておりますように、めどが立っておりません。しかし臨時国会も、会期ももう余すところございません。国会の先生方もこの問題につきましては重大な関心を持ち、また御心配もいただいておるところでございますから、政府としてもできるだけこの国会の間に大方の方向づけ、めどというものをお示しできないものだろうか、こういうことでせっかく努力をいまいたしておるところでございます。
#246
○小野明君 そうしますと、総理の御方針としては、早期に完全実施の方向でこの実現を図りたい、基本的な方向はそうだと、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。
#247
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、人事院勧告の持つ意義の重要性というものは十分わきまえておりますから、これを尊重していきたい。その答申を実現することに最大限の努力をしたい、こういうつもりでおるわけでありますが、一方におきまして、いま申し上げたような財政の状況、税収のめどもまだ立っていないというようなことでいろいろの角度からいま検討を進めておる、これが偽らざる政府の現在の立場でございます。しかし、この国会の会期ももう余すところ幾ばくもございませんから、何とかこの国会の間にめどを国会に御報告のできるように努力をしたいということで、いませっかく政阿部内及び党三役、これは政党内閣でございますから党三役等とも相談をして、誠意をもって努力を続けておる、これを御理解をいただきたいと、こう思います。
#248
○小野明君 給与担当閣僚会議もたびたび開かれておると思うんですが、総理の基本的な御態度というのはわかりました。そこで給与担当閣僚会議、これはもちろん大蔵大臣も入っておられると思うのですが、所管である総理府総務長官のひとつ御所見を伺いたいと思います。
#249
○国務大臣(中山太郎君) 給与担当の総務長官といたしましては、四十五年以来人事院勧告が完全実施されてきた、その結果、非常に労使関係が安定をした状態で今日の日本の社会の発展に多大な貢献をしていると私は思います。民間企業も公共企業も、あるいは政府の労使関係におきましても、信頼関係が崩れるということは大変なことでございますので、私どもといたしましては、今日の良好な労使の信頼関係というものを今後とも維持できるように、誠意をもって給与関係閣僚会議で努力をしているところでございます。
#250
○小野明君 次の問題に移りますが、総理、この十七日にいわゆる中教審ですね、中央教育審議会を閣議で御決定になりました。二十四日発足ということですが、総理の今日の教育における当面、あるいはこれは長期的な課題でありますから、御認識といいますか、それを伺いたいわけであります。と申しますのは、同時に青少年対策本部の副本部長が中山総務長官、本部長として総理が座っておられるわけですね。ですから、総理としての教育における今日的課題、この御認識を御説明いただきたい。
#251
○国務大臣(鈴木善幸君) 今回、政府におきましては、新しく中教審を再発足をさせまして、そしてそこに時代の変化、時代の趨勢にかんがみまして、初等中等の教育を国民の皆さんが御要請なさっておるようなりっぱな教育ができるように、この教育制度及び教育の内容等を見直してもらいたい、こういう趣旨の諮問をいたしておりますことは御承知のとおりでございます。
 このような、政府が中教審にあえてこの時点で諮問いたしましたゆえんのものは、小野さんも御心配いただいておりますように、最近における青少年の非行の問題でありますとか、あるいは学校暴力の問題でありますとか、いろいろ父兄を中心として国民の皆さんが御心配をなさっておるような状況にあるわけでございます。そういう観点から子弟の健全育成、教育の中におきましては何といっても初等中等の学校教育というのが中核でございますから、その点をしっかりとひとつ見直しをして、時代の推移に即応するようなりっぱな教育をしていただきたい、こういうのが趣旨でございます。
#252
○小野明君 時間が大変迫っておりますが、総理、今日一番中教審として取り上げなければならぬ問題は、青少年の非行、校内暴力、これを科学的に、根本的にえぐっていくことが将来の日本をこしらえ上げることになる。将来の国家社会を健全なものに、あるいは個人の完成を図るということになると私は思うんです。この教育の荒廃をこそ中教審のテーマにしてもらわなきゃならぬ。
 ところが、いまおっしゃるように、時代の変化という言葉を総理はおっしゃったのですが、この時代の変化というのは非常にこれはあいまいな言葉でありまして、最近、教科書に対する攻撃が、この前玉置委員長も質問をなさっておったのだが、自民党の諸君からの教科書攻撃あるいは財界からの教科書攻撃、これらを受けてこの時代の変化という言葉であれば、これはとんでもない認識の間違いだと思うんです。いま一つは、教育内容というお話がございましたが、実は高村象平新会長ですか、中教審の。彼を会長として五十一年末にこの中教審はすでに「ゆとりと充実」ということで答申を出しているんです、教育内容の。それは小学校では去年の四月から、中学校ではことしの四月から発足したばかりなんですよ、この教育内容についてはね。
 そういう本質をつかないでそらしたような、教育に対して政党が介入してくる、これを許容するような中教審、まあ人選等にも非常に問題がありますが、そういうことでは国民の期待する中教審になり得ないと私は思うんです。そういうふうに私は思いますが、総理は、今回の中教審の答申はまさに教育の的を射たものである、このように御認識でしょうか、いかがでしょうか。
#253
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほども御答弁申し上げましたわけでありますが、中教審に諮問を申し上げておりますものは、非常に幅広くあらゆる角度から初等中等教育を御検討願う、こういうことなんでありますが、そういう諮問を中教審にお願いするゆえんのものはと、こう言って私は小野さんが御指摘になったような問題をお話をしたわけでございます。子供たちの学校暴力でありますとかいろいろな非行の問題でありますとか、そういう子供たちの将来にとって憂うべき問題が発生をいたしております。そういうようなことを踏まえまして、いま申し上げたような諮問を申し上げておる。これは非常に幅広く御検討いただかなければならない問題だ、こういう認識でございます。御了承をいただきたい。
#254
○小野明君 最後ですが、この中教審については、憲法、教育基本法という問題を忘れてもらっては困る。教育の根幹をなすものは、憲法、教育基本法である。いろいろこの中教審の発足に当たって文部大臣も総理も見解をお述べになることがあるでしょう。ですから、できるならば私は教育の荒廃こそ根源的にえぐってもらいたい問題だ、憲法、教育基本法に即しながら。これに沿うようにひとつ、委員の諸君にも私は若干人選に先ほど申し上げたように不満を持っておりますが、そういう中教審になるようにしてもらいたいと要請をしまして、最後にこれは総理でなくて文部大臣になりますか、それで私の質問を終わります。
#255
○国務大臣(田中龍夫君) 先ほど来いろいろと御意見も承り、私も申し上げた次第でございます。総理もお見えになりましたこの席におきまして、先生の御意見に対しましては確かに拝聴いたしました。
#256
○小野明君 終わります。
#257
○委員長(玉置和郎君) 柏原ヤス君。
#258
○柏原ヤス君 総理に質問をいたします。
 私は、今日まで続けられている義務教育教科書無償配付制度は、憲法二十六条で規定された「義務教育は、これを無償とする。」という条文を受けて実施されておるものと思っております。文部省もこの見地に立って、今日まで定着している無償配付制度の存続を守り、さらに五十七年度も概算要求をしているものと思います。五十八年度以降も、財政再建の過程にあっても当然存続すべきであると考えております。総理はどうお考えになっておられますか。
#259
○国務大臣(鈴木善幸君) 憲法に述べております義務教育無償の趣旨は、私は、義務教育に対して授業料等を無償にする、国家がそういうことを保障するということをうたっておるものでございまして、教材、教科書等も無償でこれを交付しなければいけないと、こういうものまで憲法は命じておるものとは認識いたしておりません。
 しかし、政府といたしましては、今日まで父兄の教育に対する負担を幾らかでも軽減をさせていきたい、こういうような趣旨で今日まで続けてまいりました。五十六年度予算においてもそのような措置をとっておるところでございます。しかし、財政非常に厳しい折から、臨調答申におきましては存廃をも含めてこの問題は検討すべきである、こういう御答申をいただいておるわけでございまして、政府も今後各方面の御意見を十分お聞きしながら、この問題につきましては慎重に対処していきたい、こう思っております。
   〔委員長退席、行財政改革に関する特別委員会理事嶋崎均君着席〕
#260
○柏原ヤス君 総理の趣旨についての御意見に私は納得いきません。これはまた機会をいただいてお聞きしたいところでございます。
#261
○委員長代理(嶋崎均君) 高木健太郎君。
#262
○高木健太郎君 私は、日本学術会議で第九期、十期の二期にわたりまして会員でございまして、それだけに学術会議の将来、ひいては科学の振興、特に基礎科学の振興に深い関心を持つものでございます。また、最近マスコミで取り上げられ、一般国民や科学者の関心の高い会議法の改正につきまして、政府と会議の間にかなりの食い違いのあるということを聞きまして、深く憂慮しているものでございます。
 御存じのごとく、この会議は戦後間もなく設立されたものでありまして、その後、昭和三十一年には日本学士院が分離し、学術振興会が独立し、その他学術審議会、科学技術会議の設立がありまして、さらに急速な科学の進歩と細分化、専門化などが進みまして情勢の著しい変化がありましたので、会議におきましてもこれに対応すべく、ここ十数年来、会員の選挙法、内部運営などの改革に熱心に取り組んでこられたことは長官もよく御存じのことと存じます。
 会議の重大な目的の一つは、政府とは独立に、科学者としてのとらわれざる意見を政府に勧告することにあると存じます。そのために、会員は政府の任命によらず、科学者の自主的選挙によって選ばれ、会長もまた会員の互選によって選ばれております。しかも、財政的には政府によって援助を受けているという、世界にもユニークな会議形態をとっていることも御存じのとおりと思います。その他の活動としましては、国際的には国際科学連合などを通じまして、世界の科学者、学会と緊密な連絡をとりまして、科学に関する各種問題に対応しているというのが、他の機関には見られないこの会議の特徴であります。こうして、国外的には国際協力的な科学調査研究、国内的には種々の重要なる研究所の設置に政府と協力してきたことは、万人の認める大きな功績であろうと思います。
 しかしながら、科学技術よりも、むしろ基礎科学の振興の対策に力を置いた会議に対する予算、定員は、ここ十数年来据え置かれたままでありまして、これがこの会議の発展阻害の一つの大きな原因であろうと私は考えております。本日は時間もございませんので、大筋だけをお聞きしまして、詳細はまたの機会に譲らさせていただきます。
 まず第一番目に、会議の会員並びに委員の数に対しまして審議関係経費が非常に少ないと思いますが、どのようになっておるかをお聞かせ願いたいと存じます。
#263
○政府委員(大濱忠志君) お答えいたします。
 お尋ねの件でございますが、学術会議に要する経費につきましては、審議の運営に支障のないように従来から配慮しておりますけれども、今後とも審議の実態に応じましてなお努力していきたい、かように存じております。
#264
○高木健太郎君 総額七億円ということを聞いておりますが、非常に多額であるというふうにも考えられますけれども、実際の審議費というものにつきましては一億数千万であるということも聞いております。これは会議を進行させていく上においてはなはだ少ないのではないかというのが私の考えでございまして、この点ではまたぜひ善処をしていただきたいと、そう考えます。
 第二番目に、この学術会議におきましては、研究連絡委員会あるいは常置委員会、特別委員会等多くの委員会が設置せられております。その会議の開催数は非常にたくさんであろうと思いますが、現状、事務職員の数は七十五人でございますが、その七十五人のうち、管理あるいは建物の維持等その他を除きまして、実際にこれに関係をしている職員数はどれくらいであるか、そのことについてお尋ねします。
#265
○政府委員(大濱忠志君) 先生御指摘のように、確かに事務局の事務量は非常に多いわけでございます。ちなみに、五十五年度に開催された各種の委員会数約五百回を超えるような現状ではございますけれども、私どもとしましても、事務局長を含めまして七十五人の職員がこれに当たっておるわけでございますけれども、その管理運営につきましては十分に職員の適正配置ということに努力いたしまして、審議に支障のないように十分に今後ともなお努力したい、かように存じております。
#266
○高木健太郎君 ほとんど五十人ぐらいの事務職員でもって五百ぐらいの会議を受け持っておられる。なお、このほかに東京並びに各地で開かれるシンポジウムもあるわけでございまして、こういうものを合わせると六百近い数が開かれている。各会議に二名ずつの事務員が出ましても、かなり事務員に対しては負担になるのではないか。こういうこともこの会議が余り華々しく活躍ができない一つの大きな理由になっている、こう思いますのでお聞きしたわけでございます。
 いま一つお聞きしますのは、国際学術交流というのがございまして、これは出張をしていろいろ向こうの学者と交流するわけでございますが、この経費はどれくらい計上されているものでしょうか。また、その経費のうち昭和四十年度、四十五年度及び本年度の予算額、並びにその国際会議に派遣されました数は何名程度になっているかをお聞かせ願いたい。
#267
○政府委員(大濱忠志君) ただいまの御質問にお答えいたします。
 国際学術交流関係の経費といたしましては、国際会議開催経費とか国際学術団体への分担金とかいろいろございますが、これらの諸経費は昭和四十年度は六千八百万円、昭和四十五年度が一億六百万円、本年度が一億六千五百万円となっております。
 以上でございます。
#268
○高木健太郎君 実はいまのには少し余分なものが入っておりまして、派遣費としましてはどれぐらい入っているのでしょうか。いわゆる学会の負担金というものを入れない派遣費はどれくらいになっているかということでございます。
#269
○政府委員(大濱忠志君) 代表派遣費について御答弁申し上げます。
 四十年度につきましては約四千三百万円、四十五年度が約五千六百万円、五十年度が約五千二百万円、五十六年度が約五千五百万円ということでございます。
#270
○高木健太郎君 ありがとうございました。
 これは学術会議ができました当初からほとんど変わっていないということなんです。四十年度からの派遣費をお聞きしましたけれども、いまお答えになりましたように四千三百万円、大体五千万内外でございます。ところが、実際の渡航費というものはこの十年間非常に大きく増大をしておりまして、そのために派遣人員を減らさざるを得ない。ところが一方、国際学会の数は専門化によりまして、あるいは細分化によりまして非常にふくらんでおります。そういう意味で、とうてい学術会議はこれに対応して世界の学者と交流するということがほとんど不可能であろうと私は考えているわけでございます。
 また、ついででございますから申し上げますけれども、御存じのように、研究連絡委員会というのがございまして、これは各専門学会に対して対応してつくられているものでございまして、その数は全体で五十八でございます。現在五十八でございますが、この五十八という数字も、ここ十年間全くふえていないわけでございます。医学だけでとりましても、長官もよく医学関係は御存じだと思いますが、非常に膨大にふくれております。また、ビッグサイエンスであるとか、あるいはヒュージプロジェクトであるとか、コンピューター関係であるとか、その他最近になって遺伝子工学もその中に入りますし、全部含めてバイオテクノロジーが非常に大きく発展をしてまいります。そういうものだけを考えましても、とうていこの五十八という数字ではこれに対応し切れるものではないと考えております。
 聞くところによりますと、内部的には研究連絡委員会以外の連絡会というようなもの、あるいはその他の会議をおつくりになりましてこれに対応する、しかも予算はほとんどふえていない、こういう苦しい中で実はこの任務を果たそうとしている。会議の内容も長官は御存じでございましょうが、もしこの意義をお考えになりますならば、これに対応するだけのことをしていただく。そのことによって、最初に私が申し上げましたような会議の任務を果たすことができるのであろうと思いますので、この点はぜひ御考慮をお願いしたい、こう存じます。
 次にお聞きしますのは、この会議の改革につきましては第八期から進められておりまして、もうすでに十年以上を経過しておりますが、今後の改革のスケジュールは一体どうなっているのか。先般、十月二十三日の学術会議の総会の声明におきましては、政府と本会議との関係をよりよい方向に改善し、改革案の作成及び実現については政府の積極的な協力を期待する、そう声明に載っております。その具体的な方法をどのようにされるのかを会議側からお聞きしたいと存じます。
#271
○政府委員(大濱忠志君) 学術会議の改革の今後のスケジュールでございますが、内部の改革委員会が中心となりまして、さきの総会でいろいろ議論が出されました。その意見を踏まえまして、来年の四月の総会において今後の改革の具体案を作成するということで審議をいま進めておるわけでございます。
#272
○高木健太郎君 私が言ったのは、先ほど申し上げましたように、政府と会議の間である程度の摩擦があるように思う。ところが、その総会で声明をお出しになりまして、よりよい関係に持っていきたい、そうして積極的な協力を期待する、そういう声明を出されておるが、具体的には会議側はどうなさるおつもりか、こういうことを聞いているわけです。いまおっしゃった四月までにするというようなことはどこにでも書いてあることで、そんなことをここでお聞きしようとは思っておらぬわけです。
#273
○政府委員(大濱忠志君) 早速、総会が終わりまして、会長それから副会長が総務長官のところにお伺いしまして、今後の改革の進め方等について御相談を申し上げたわけでございます。
#274
○高木健太郎君 御相談申し上げたのはわかるのですけれども、会議としてどのように具体策をお考えになっているかという、具体策を言いなさいというのを、相談しましたというのじゃ答えにならぬじゃないですか。
#275
○政府委員(大濱忠志君) 作業の中心といたしましては内部の改革委員会がございますので、改革委員会におきまして、いろいろ総会の資料を集約して検討しているわけでございますが。
#276
○高木健太郎君 改革委員会があって一生懸命おやりになっているということは、先ほど私が申し上げたとおりです。だから、長官と本当に具体的にどのようにお話になっているかということです。長官は大変御心配になって、そして会議側と十分話し合いたいという御意思をお持ちになっておるわけです。そういうことをただ相談しましたというのでは、いまの私の質問に対する答えにはならぬ。それじゃあなた、長官の意思も無視することになりますよ。そういうことじゃ私はだめだと思うのです。だからうまくいかないのですよ。まあ答えは、私はいまの事務局長よりも私の方がよく知っていると思います。だからこれ以上聞かぬでもいいと思います。
 次に、長官にぜひお聞きしたいと存じます。
 政府と会議の間には対立関係があるというか、そのような報道が私は目につくわけです。これは本当に遺憾なことでございまして、本当のところはどうなのか。ことしの五月二十九日に科学技術委員会がございまして、そこで長官は、田名部氏の質問に答えられて、学術会議の内容の充実、権威の高揚のために、会員の先生方の御意見を聞きながら今後十分検討せねばならないと言われておりますが、そのお気持ちに変わりがないかどうか、そして今後どのようにこれをお進めになるか、長官の御所見を承りたい、こう存じます。
#277
○国務大臣(中山太郎君) 先生も、かねがね学術会議の関係者として大変御苦労いただいておることも、私よく敬意を払っておるところでございます。
 私どもといたしましても、学術会議との十分な意思の疎通ということが必要である、政府が独立機関である日本学術会議に対してとやかく言う問題ではない、運営には当然総理大臣といえどもこれに干渉する権限というものがないわけでございますから、そういう意味では独立した形の機関と政府との間で意見を交換することはいいのじゃないか。こういう私は基本姿勢に立ち、しかも憲法二十三条に決められた学問の自由を保障するという、日本の憲法の精神というものを踏まえて意見を交換していくことがきわめて国民も納得することではなかろうかと、こういうふうな考えで推移してまいりましたが、伏見会長とのいろいろな御協議の中で、私と伏見会長との公的会談が、それは会長の個人の会談だというようなことで、会議体ではそれを否定される。
 こういうふうな経過もあり、せっかくお約束したこともそれは全部キャンセルだというようなことから、先生と七月十五日に最終会談をいたしまして、私はぜひひとつ、日本学術会議が十年来改革委員会でいろいろ論議されてきたと思います、その論議の内容について御指導いただきたいし、お知らせをいただきたいと実はお願いをしたわけでございます。
 そうしたら先生は、それじゃそうしましょう、ただし固まった意見は出せませんよ、それは結構でございます、どんなテーマがあるのかということで、八月末でいかがでしょうかと申し上げたら、八月末は間に合わない、じゃあ九月末にいかがでございましょうかと、九月末では結構です、ただし自分はウィーンに行っておるから帰るまで待ってもらいたい、ああそれはお待ちしましょうということで、十月四日お帰りになって時差もとれたころに、どうぞひとつゆっくりお話をさせていただきたいというので、十月七日か八日ということでお約束したのでございますが、その後の会議体内部のいろいろな問題があったと思いますが、先生からは私信をもって、延期したいと、こういうお話でございましたので、私は総務長官として、予算を、国民の税金でございますから、大蔵大臣に概算を要求した責任上この問題だけは私信で片づける問題ではなかろうということで、私信はお返しをいたした。
 こういう形の後、学術会議会長として公文書で、改めて会いたい、この間のお約束のほごはまことに申しわけなかったと、こういうおわびの手紙もついてまいりましたので、先日第三回の会談をいたした、こういうことでございます。
#278
○高木健太郎君 まことに誠意あるお答えをいただきまして、ありがとう存じました。
 第十四期でなければ改革案による選挙はできないということでございますが、学術会議内部は総会がすべての決定権を持っておりまして、その総会は一年に二回しか開かれない。また、改革委員会を開こうにも年二回しか開く予算がない。こういうことで非常に無理をして手弁当でやっているという話も聞いております。そういう意味で長官のお考えになるような迅速な応答ができなかった、また、その間に立つ伏見会長にも大変御苦労があったと、こう私は思っておりますが、いまのような新聞記事にあるようなことではなくて、改革委員会の委員もお入れいただいて、もし改革に向かうならば、そのような何か会議形態をおつくりになりまして、力を合わせてこの学術会議の育成に当たっていただきたい、このように強く要望する次第でございます。
 最後になりましたが、ちょうど総理もお見えになりましたので、二つ三つお聞きしておきたいと存じます。
 総理は、この学術会議、いまお話をお聞きになりまして、また長官からもお聞きいただいていると思いますが、この学術会議のあるべき姿をどういうようにお考えになるか、これが第一点です。第二点目は、政府との関係はどうあるべきであろうか。第三点目としまして、学術会議の改革は両者の協力がなくては私はできないと思いますが、そうした話し合いの場をつくることについて、何かお考えをお持ちでございましょうか。
 この三点についてお答え願えればありがたいと思います。
#279
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、日本学術会議に期待するところが非常に大きいわけでございます。これは国民の皆さんも、大変学術会議が十分その役割り、機能を果たしていただくことに期待を寄せておる、このように思うわけでございます。しかるところ、この学術会議の改革なるものが取り上げられましてから、各方面から叫ばれましてから十年近くになるわけでございますけれども、またそれが改善をされていない。率直に申し上げまして、何とかこれを改善をして、そして真に日本の科学技術の中心の最高機関として機能するようになっていただきたい、このことを私は強く念願をいたしております。そういう意味合いから、この改革の問題につきましては政府も協力をいたしてまいりたい、こう思っておりますし、独立機関ではありますけれども、あらゆる面から政府としてもこの学術会議がりっぱに機能し、使命を果たしていくように協力をしていきたい、こう思っております。
#280
○高木健太郎君 総理から理解のある言葉をいただいて、大変私も心強く存じます。学術会議は、最初に申し上げましたように非常にユニークな独特な機関でございまして、他にいろいろの機関はございますけれども、しかしこれでなくてはできないという面も持っている重要な機関であると私は考えておりまして、この点、長官また総理とも同じような気持ちを私は持っているものであると思います。それにつきましても、最初に申し上げましたように、改革をしようと思っても、その改革委員会を開く経費がない。そういうこともございますし、海外出張費にしましてもここ十年来全くの据え置きである。また、国際会議のいろいろの分担金というのもございますが、それが年々ふえていく。それに対して総額の枠がほとんどふえない。総額の枠がふえているのは人件費だけの上昇分である、こういうことで、会議そのもののいわゆる膨張あるいは科学技術の発展というものに対して、現在の学術会議ではほとんど対応でき得なくなっているということもぜひ御理解をお願いいたしまして、今後の善処方を強く要望するものでございます。
 どうもありがとうございました。これで終わります。
#281
○委員長代理(嶋崎均君) 佐藤昭夫君。
#282
○佐藤昭夫君 総理御出席の場でもありますし、私も日本学術会議の問題について、まず角度を変えて若干御質問をいたしたいと思います。
 先ほども学術会議の活動を活発に進めるための予算措置について御質問が出ておりましたが、少し内容を変えて私質問いたします。
   〔委員長代理嶋崎均君退席、委員長着席〕
 たとえば会員や委員め先生方の調査研究費、それから学術会議の活動を全国の有権者、研究者、この方々に広く知らせていくための広報活動費、こういったようなものは予算の上ではどういうことになっているでしょうか。
#283
○政府委員(大濱忠志君) 学術会議の審議に当たりましては、担当委員会が中心になりまして関係の調査研究を進めるわけでございますが、特に政府関係につきましては、学術会議法の第六条によりまして、いろいろの関係の資料、あるいは必要な場合には関係者に出席を求めまして説明も聞くというような配慮もされております。
#284
○佐藤昭夫君 背景説明はよろしいから、ちょっと時間がないので私の質問していることを。
#285
○政府委員(大濱忠志君) その他委員会には専門委員が置かれております。その専門委員がそれぞれの任務に基づきまして必要な調査研究をやっているということでございます。また、この委員会で主催するいろいろな審議の経過におきますところのヒヤリング等につきましては、参考人を置けることにもなっております。
 以上が大体この研究調査でございます。
#286
○佐藤昭夫君 私がお尋ねしているのは、委員の方々の調査研究費という予算はどうなっていますか、調査活動をするための。学術会議としての旺盛な活動を進めていく上の調査活動費、あるいは学術会議の活動自体を広く全国の研究者の方々に知らせていくための広報活動費、これは予算の上ではどうなっていますか、ここを答えてくださいよ。背景説明ばかりして、肝心の聞いていることを何にも答えていない。時間の空費ですよ。
#287
○政府委員(大濱忠志君) 専門委員手当、これがございます。
#288
○佐藤昭夫君 手当を聞いてない。
#289
○政府委員(大濱忠志君) 専門委員の……
#290
○佐藤昭夫君 聞いてないことをなぜ答えるの。
#291
○政府委員(大濱忠志君) いや、調査研究のために専門委員というのが置かれておりまして、その専門委員によって調査研究が行われておるわけでございますが、これが本年度の予算でいきますと約一千三百万円、六十委員会の中に約七十名置かれておることになっています。それからそのほかに参考人の謝金も若干予算が措置されております。また、広報関係費でございますが、これには学術会議の月報あるいはしおり、アニュアルレポートがございます。この広報関係諸経費、総計では今年度が約四百万円計上されておるわけでございます。
#292
○佐藤昭夫君 もう全く時間の空費だけに終わると思いますけれども、私がいろいろお聞きをしたり調べましたところでは、長官御存じかと思いますけれども。会員の先生方の調査研究費はゼロだというのですね。それから広報宣伝費、学術会議の月報というものが出されておりますけれども、予算上は七千部、しかし単価が非常に安いがために、学術会議で実際に印刷なさっておるのは月に三千七百部ぐらい。御存じの二十二万六千の有権者の方がおられる。そうしますと、この有権者の全国の研究者、この研究者の一・五%にも満たぬぐらいしかこの月報というものが届かない。こういう状況では、本当にこの学術会議の活動を広く全国の研究者に知らせて、力を合わせて活発な活動をひとつやっていこうということには、ほど遠い状況だというふうに言えると思うのです。
 もう一つ別の角度でお尋ねをいたしますが、お配りをしておりますこの資料の左側の欄の一番下、そこにも数字として挙げておりますように、日本学術会議に対して政府がどういうふうに諮問をしてきたか。その数字にも歴然とあらわれておりますように、創立の初期は、学術会議の学者の方々の知恵をひとつ引き出して国の施策に生かしていこうということで、二十二件諮問がされた。これが目に見える形で年々低下をしていって、最近に至っては一件。こういう形になっておりますように、この学術会議の、そこに結集をしておる日本の頭脳、これを本当に最大限生かしていこうという、こういう姿勢が果たして政府にあったのだろうか。一方、この諮問に基づいて学術会議の側が答申を出されるわけでありますけれども、これも調べてみますと、答申を行政にどう具体化するかということでの、たなざらしが非常に多い。
 こういう形になっているわけでありまして、こうした点で、前段で申し上げました予算を保障するという面で、また学術会議の英知をどうくみ上げるかというこの点において、政府の長年にわたる施策、これが学術会議の役割りを結果として低めるようなことになってきたのじゃないかということを私としてはどうしても考えざるを得ないのですけれども、この点についての所見はどうでしょうか。
#293
○国務大臣(中山太郎君) 政府は、日本学術会議というものを独立機関として日本の研究科学者の内外に代表する機関だという位置づけをもちまして、日本学術会議の会長を、日本の科学政策の意思決定の最高機関である科学技術会議、これは法律に基づいておりますが、議長はもちろん御存じのように総理大臣であります。そうして大蔵大臣、それから文部大臣、こういう方々十一人で構成されている日本の最高意思決定機関、そこに日本学術会議会長というものが常任の議員として位置されている。それをごらんいただいても、いかに政府が日本学術会議の権威というものを高く尊重してきたかということは歴史的に御理解がいただけると思います。
 また、いまの答申が、あるいは諮問が少なくなってきたとか、あるいはまた学術会議の勧告が十分に生かされていないという御指摘でございますが、科学技術会議の実務機関である、その下にある日本科学技術会議部会の審査部会長は日本学術会議の会長がやっていらっしゃるわけであります。そういうことであれば、当然日本学術会議の意見というものは、科学技術会議の本会議において、日本学術会議の会長からこの日本の最高意思決定機関において議論されても私は決しておかしくない、それが果たして行われてきたかどうか。ここらの問題を私どもは注目をして見ておるところでございまして、鈴木内閣になってから改めて総務長官、農水大臣あるいは通産大臣、厚生大臣が初めて議員になったぐらいの権威のある機関でございますから、どうか日本学術会議の存在、また代表としての会長の地位というものを政府がいかに尊重してきたかということだけは御理解をいただきたいと思います。
#294
○佐藤昭夫君 ただいま総理府総務長官いろいろおっしゃいましたけれども、総理にお尋ねをいたしたいと思います。
 私、先ほど来予算の措置という点から、また政府として学術会議というものにどういうふうに対処をしてきたか、こういう角度から私の意見を述べてきたわけでありますけれども、いま政府として必要なことは、学術会議の活動が旺盛に進められるように、その役割りが十分発揮できるように、こうした予算面で政府としての対処という点で、一層政府としての努力をやっていただくことが、いま何にも増して肝心なことではないかということが一つ。
 それと、いわゆる改革の問題について、先ほど来の質疑で長官の方も、決して政府といえどもこれに干渉をする権利はございません、学問の自由を尊重する立場で学術会議側の活発な議論また提言、こういったようなものを期待しておるんですというふうにおっしゃっておりますから、このことで本当に政府が貫いていただくならば結構であるし、またそのことがどうしても大切な問題だというふうに私は思います。
 ただいま全国の研究者の中で不安を呼んでいますのは、政府側が結論を性急にお求めになるがために、そのことのために学術会議側の自主的な改革のための議論と努力、これが待っていられぬという形で事がむずかしくなっていくのじゃないかということに不安を感じておる人たちがたくさんある。そういった点で、総理にぜひ基本的態度をお尋ねをいたしたいわけでありますけれども、政府としてはあくまで学術会議側の自主的改革の議論と努力、これを最大限保障をしていく、いやしくも性急に結論を求めて干渉にわたるようなことは避ける、やらない、こういう基本態度を総理の方から答弁を求めたいと思います。
#295
○国務大臣(中山太郎君) 先生御案内のように、この日本の内外に対する代表機関ということに関しましては、海外においても評価がきわめて低いという事実がございますし、私もそれは日本の全科学者に会ったわけではございませんけれども、いろいろな第一線の人力にお目にかかって意見を聞いてみても、第一線の優秀な研究者は学術会議を高く評価しておりません。こういう現実をどう解決するか。しかもそれに対して予算を私は大蔵大臣に要求する立場にある。学術会議から要求された予算は、概算要求でそのまま要求しておりますけれども、こういうことが果たして今後とも続いていっていいものであろうか。国民はそれを納得するのだろうか。私は、独立機関でございますから、国会において、国家の最高の権威のある機関である国会において議論をされ、そうして新しい日本のこれからの将来を決する科学技術振興、そういうものにいかにこの組織が体質を変えるべきかということは、国民の代表者の手によって決定されるべきであろうと思います。このように考えております。
#296
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、日本学術会議に対する国民の期待、また政府も同様に、これが真に機能をし、また使命を果たしていただくことに期待を持っておるわけでございます。そういう意味で、各方面からその改革を要請されておる問題に対しては早急にこたえてもらいたい。国民から評価されないような現状におきましては、こういう行財政改革、厳しい財政の中で予算をつけるといっても、これはなかなかつけられない。真に国民の基盤の上に立つ、信頼される、期待される、そういう姿になった場合において、国会の御承認を得て、これは予算もふやしたい、このように思います。
#297
○佐藤昭夫君 総務長官並びに総理の御答弁があったわけでありますけれども、私はあくまで学術会議側の、せっかく先ほども話が出ておりましたように来年の二月の臨時総会、四月の定例総会、ここへ向けて改革案をまとめ上げようということで努力がやられておるそのさなか、これに対して干渉にわたるような、こういうことにはならないようによくよく慎重に対処をしていただきたい。そうして、新聞でも報道されておりますように、自由民主党が、この問題についての改革案をつくるプロジェクトチームが、作業を始めるというふうに報道されておりますけれども、総理、自由民主党総裁として要求をしておきたいと思いますけれども、これこそが学術会議の自主的努力に対しての不当な干渉、介入にわたるおそれがある、こういうことは断じてやめていただきたいということを強く要求をいたしまして、もう時間が参りましたので、私、終わります。
#298
○国務大臣(中山太郎君) 自由民主党にプロジェクトチームができたということについて、これはやめてほしいということでございますが、これは言論の自由も保障され、あるいはこの憲法のもとで、私は自民党のみならず、広く各政党の中で論議をしていただき、国民が何を求めているか、国家のためにどういうものが必要かということを広く論議をしていただいて、最終的には国会で法律によってこれをどう決めるかということは、国会議員の大きな責任であろうと考えております。
#299
○委員長(玉置和郎君) 山田耕三郎君。
#300
○山田耕三郎君 総理にお尋ねをいたします。
 いま行革の論議が熱心に続けられております。私は行革の中で欠落してならないものは、政治の中から利権の体質でありますとか汚職の体質というものは明確に取り除いていかなければならないと思います。議場を通じまして、総理は痛みを分かち合っていきたいということを常に。申されます。痛みを分から合うことについての国民的共感が得られるためには、政治に対する国民の信頼がなければならないと思います。そういった信頼を政治が取り戻すためには清潔な政治、すなわち政治倫理の確立が何よりも大切だと思いますが、こういったことに対する総理の御見解を承りたいと思います。
#301
○国務大臣(鈴木善幸君) 政治が、そして行政が国民の信頼を得るように倫理を確立をし、姿勢を正すということは、これは最も重要なことでございまして、行政改革に当たりましても、国民から信頼されるようなものでなければ真の行政改革にはならない、こういう山田さんの御主張、これは全く同感でございます。政府といたしましても、この行革を進めるに当たりまして、そういう方向で最善を尽くしてまいりたい、こう思っております。
#302
○山田耕三郎君 そういう立場からながめておりますと、最近やっぱり気にかかることがございます。たとえば教科書偏向攻撃がありますと、教科書会社からの政治献金がふえた。その実態は私は存じません。ただ、一番心配いたしますのは、最近、銀行関係団体の皆さんから自由民主党に対する政治献金は凍結をするという報道がされておりました。おのれのために好ましくない方向に進むものを、おのれのためになる方向にひん曲げようとするために、政治献金というお金の力を活用をしようとしておられるのではないかとさえ、悲しく私はその記事をながめておりました。もしそういうことでありとしますと、政治献金というものはすべて悪になってまいりますと思います。ただいま総理が答弁をなさいましたその精神に従っていけば、もしもそういったたくらみがあるとするものであれば、はっきりとお断りをなさる必要があるのではないかと思いますけれども、それらに対するお考え方をお尋ねをいたします。
#303
○国務大臣(鈴木善幸君) 政治献金と政治家の政治活動、これが直接結びつくようなことになりますと、いろいろそこに国民の指弾を受けるようなことになるわけでございます。したがいまして、そういうひものついた政治献金というようなものは厳にこれは排除しなければいけない、私はこう思います。正当な、正しい、そして本当に純粋な政治活動を応援しよう、支援してやろう、こういうものは私は大いにあってしかるべきである、こう思うわけでありますが、直接ひもつきでつながるようなものは、これは厳に排除しなければいけない。このような認識で取り組んでまいります。
#304
○山田耕三郎君 以上の答弁のとおりに今後の行動できちっと示していただきたい。私を含め国民の皆様方は、やっぱり疑惑の目を持ってながめておいでになりますということを申し添えさせていただいて、質問を終わります。
#305
○委員長(玉置和郎君) 以上をもちまして本連合審査会は終了いたしました。
 これにて散会いたします。
   午後六時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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