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1981/11/27 第95回国会 参議院 参議院会議録情報 第095回国会 エネルギー対策特別委員会 第3号
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1981/11/27 第95回国会 参議院

参議院会議録情報 第095回国会 エネルギー対策特別委員会 第3号

#1
第095回国会 エネルギー対策特別委員会 第3号
昭和五十六年十一月二十七日(金曜日)
   午前十時四十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二十六日
    辞任         補欠選任
     小柳  勇君     川村 清一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         森下  泰君
    理 事
                遠藤 政夫君
                亀井 久興君
                小野  明君
                市川 正一君
                井上  計君
    委 員
                岩動 道行君
                川原新次郎君
                熊谷太三郎君
                熊谷  弘君
                高橋 圭三君
                竹内  潔君
                西村 尚治君
                福岡日出麿君
                阿具根 登君
                大森  昭君
                川村 清一君
                高木健太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○エネルギー対策樹立に関する調査
 (北炭夕張炭鉱株式会社夕張新炭鉱における災
 害に関する件)
 (派遣委員の報告)
○閉会中の派遣委員の報告に関する件
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(森下泰君) ただいまからエネルギー対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十月二十六日、小柳勇君か委員を辞任され、その補欠として川村清一君か選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(森下泰君) エネルギー対策樹立に関する調査のうち、北炭夕張炭鉱株式会社夕張新炭鉱における災害に関する件を議題といたします。
 まず、先般本委員会か商工委員会と合同で行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。市川君。
#4
○市川正一君 北炭夕張炭鉱株式会社夕張新炭鉱における災害の実情調査のための委員派遣について御報告申し上げます。
 派遣委員は、井上理事、対馬委員及び私の三名であります。
 また、商工委員会から降矢委員長、上田理事、阿具根委員、再場委員及び森田委員か派遣され、両委員会の合同調査となりました。
 なお、岩本議員、北議員、高木議員、藤原議員及び小笠原議員か現地参加されました。
 派遣期間は、十月二十二日及び二十三日の二日間でありました。
 まず、その調査日程を申し上げますと、私たち一行は、十月二十二日、千歳において、札幌通商産業局、札幌鉱山保安監督局、北海道労働基準局から災害の概況及びそのとった措置について説明を聴取し、質疑を行いました。
 翌二十三日は、まず夕張炭強病院を訪れ、入院中の負傷者をお見舞いし、吹いて夕張新炭鉱に赴き、鉱務監督官を激励し、坑口の繰込神社に参拝し、集中監視装置を視察し、救護隊員を激励いたしました。さらに、夕張市民研修センターにおいて御遺族を弔問した後、会社、労働組合、職員組合及び産炭地対策夕張市民会議の代表からそれぞれ災害の事情説明及び要望を聴取し、質疑を行いました。
 次に、災害の概況について申し上げます。
 災害発生は十月十六日午後零時四十一分ごろでありまして、坑外の集中監視装置室で、北第五盤下坑道並びに北第五盤下上部坑道に設置してあるガス自動警報器かメタンガスの異常値を示しているのを発見しました。
 災害の原因はガス突出でありまして、災害発生個所は、海面下八百十メートル、坑口より約三千メートルの北部区域北第五盤下坑道と推定されていますか、調査中であります。
 災害発生後、直ちに救護隊を送って罹災者の救助活動を開始し、救助に当たったのでありますが、同日午後十時二十分ころ、北部入気斜坑下部方面より火災が発生したと見られ、黒煙が発見されました。この直後、坑内で救出活動を行っていた救護隊五名と会社の職員五名の計十名との交信がとだえました。また、北第五盤下後向き坑道のビニールハウス内に退避して交信を行っていた十五名との交信もとたえました。こうして救護隊十名を含む五十九名の方か残念なから行方不明に。なったのであります。当日一番方として北部方面に配番となっていた百六十名のうち、自力で脱出した者六十八名、負傷して入院した者九名、残念ながら死亡か確認された者三十四名となっております。
 さらに、この火災により坑内の状況が悪化したため、十八日午後六時三十分、空気袋によって入気側二カ所の通気制御に着手し、午後十一時に完了いたしました。このため一時火災は鎮静化の傾向か見受けられましたか、その後膠着状態か続き、会社側は、二十一日に至り、この坑道密閉の方法では火災の消火は困難であると判断し、最終手段としての注水による方法をとることを決意し、行方不明者五十九名の全家族の注水同意書を二十二日中に得た上で、札幌鉱山保安監督局のチェックを経て、二十三日、同監督局に注水計画書を提出、その認可を受け、同日午後一時三十分注水か開始されました。当日は私たち一行か訪れているときてもあり、まことに痛哭のきわみでありました。
 この注水計画によりますと、海面下八百四メートルの北第五上段ゲート冠水まで注水した場合、注水日数は三 五日、取り明け完了まてに約三カ月を要することになっており、また、海面下七百五十七メートルの北第五上部坑道冠水まで注水した場合には、注水日数は六 五日、取り明け完了までに約四カ月を要することになっております。
 次に、一酸化炭素中毒健診の結果については、健診者延へ人数四百五十六名全員異常はないということであります。また、九名の入院患者も経過は良好であり、比較的短期間に退院できるということでありました。
 次に、当時死亡の確認された三十四名に対する遺族補償については、扶養親族のおられる二十九名には平均百五十万六千四百六十円の遺族補償年金、五名には平均七百七十五万一千円の一時金か算定されており、さらに労災特別支給金三百万円及び葬祭料四十九万八千円が支給されることになっております。
 以上が今回の災害の概要であります。
 ところで、夕張新炭鉱は、本年八月末現在で、従業員二千八百六十九名、昭和四十五年十月開発工事に着工し、五十年六月から営業出炭を開始し、良質の原料炭を生産しており、五十五年度の生産量は八十六万二千トンでありました。本年度の出炭計画は日産三千九百十トン、年産百十六万八千七百三十トンであり、本年四月から九月までの上期の生産実績は五十万九千九百四十八トンで、計画に対して七万六千七百三十二トンの減少でありました。このため同社は来年三月出炭予定の北第五部区域について予定を二カ月繰り上げて来年一月から出炭を開始することとし、その準備作業に入っているやさきでありました。
 次に、鉱山保安監督局、労働基準局、会社及び労働組合との質疑応答の主なるものについて申し上げます。
 まず、保安監督局に対してであります。
 「今回の災害は予想外のものであったのか、また、保安上問題はなかったか」との質問に対して「ガスの多い炭鉱で警戒区域に指定しておりガス突出は当然予想されたが、その規模の大きさは予想外であった。保安上問題はあった。今後調査する」との答弁がありました。
 また、「九月十三日、北部地域の第三盤下坑で山鳴りがし、坑道の圧縮があったと言われるが、事実か」との質問に対し「いまデータがないので調査する」との答弁があり、「先行ボーリングの実施について確認しているか」との質問に対して「監督官が現場を見、また、作業日誌を見て、確認している」との答弁がありました。「災害発生時、下請、孫請も含め入坑中の人員について正確な確認ができなかったのは、平素、人員の掌握ができていないからではないか」との質問に対しては「監督局にも人員確認の情報が入らず、遺憾であった」との答弁がありました。
 さらに、「北炭夕張新鉱については、他社からの応援技術者によると、北炭の技術水準は低下しており、注意しても耳をかさないから大災害が起こりはしないかと危惧していた。これについて、どう考えるか」との質問に対して「北炭夕張新鉱の技術水準については横並びの検討会、保安センター、保安技術講習所の活用によって対処したい。ガス突出そのものを防ぐか、ガス突出が発生しても人災が起こらないようにするか、専門部会で検討していきたい」との答弁がありました。
 次に、労働基準局との質疑応答について申し上げます。
 「補償について直轄鉱員と下請鉱員と格差なく行われるか」との質問に対して「労災保険上格差なく補償される」との答弁がありました。
 次に、会社との質疑応答について申し上げます。
 「北部区域の採炭開始予定を来年三月から一月に早めたことが掘進作業を急がせて保安の無視、災害の発生につながったのではないか」、また「山鳴りなどの前兆については会社に通知していたという労働者の証言があるが、事実か。事実だとすれば、なぜ対応措置をとらなかったのか」との質問に対し「掘進作業について無理はしていない」「山鳴りの件については、聞いていない」との答弁がありました。
 また、「会社の行う補償については、直轄鉱員と下請鉱員と格差なく行われるか」との質問に対し「格差なく補償する」との答弁がありました。
 次に、「ガス抜きは完全にしていたと考えているか」との質問に対し「力を入れてはいたが、完全にガスが抜けていなかったのではないかと考えている」との答弁がありました。
 さらに、「林社長に対しては、北炭再建のかぎは保安確保にあるのに、会社の技術体制には欠陥があるとエネルギー対策特別委員会における質疑でも指摘されている。これについてどう考えるか」との質問に対して「自分の炭鉱は、自分で守ることが最大限必要であると考えている」との答弁がありました。
 次に、労働組合に対しての質疑応答について申し上げます。
 「昨年九月二十三日に労使間で締結された、いわゆる九・二三協定による合理化計画が保安軽視につながったのではないか」との質問に対し「九・二三協定の基本は出稼率の引き上げ及び人員配置の適正化にあるのであって、この協定と今回の事故との直接の関係はないと理解している」との答弁がありました。
 また、「山鳴りなどの前兆があったのか」との質問に対し「前兆はなかった」との答弁があり、さらに、「九月二十五日の石炭鉱業審議会の見解を受けて会社側から生産計画達成のための提案があったか」との質問に対して「九月三十日に会社側から説明があり、その後、具体的な検討に入ったが、最終的な決着がついた部分とつかない部分とがある」との答弁がありました。
 次に、現地における要望事項等について申し上げます。
 労働組合からは全罹災者の早期収容、政府の専門調査団の派遣、遺家族対策、この災害を理由とする閉山・縮小の回避、保安監督指導体制及び深部化に伴う保安技術の開発研究の強化など九項目の要望があり、また、中田夕張市長を議長とする産炭地対策夕張市民会議からは被災者の援護、北炭再建、中小企業者の資金対策確立、市財政援助の四項目について陳情がありました。
 当夕張新鉱については、昨年十一月十二日の本委員会においても多大な関心を持ってその技術体制、保安のあり方について論議していたにもかかわらず、今回のような大きなガス突出事故が起こり多数の労働者が犠牲になりましたのはまことに遺憾にたえないところであります。
 現在、世界のエネルギー情勢が厳しさを増す中で、貴重な国産エネルギー資源である石炭の見直、し論議が高まり、政府が第七次石炭政策を進めようとしているときであり、この大惨事がわが国エネルギー対策の前途に暗影を投じないよう政府当局に対し一段の配慮を強く要望いたします。
 以上御報告申し上げます。
#5
○委員長(森下泰君) ありがとうございました。
 本件に関する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(森下泰君) 次に、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中、当委員会が行いましたエネルギーに関する諸問題の実情調査のための委員派遣については、各班からそれぞれ報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(森下泰君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(森下泰君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 エネルギー対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(森下泰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(森下泰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#11
○委員長(森下泰君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(森下泰君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時五十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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