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1981/11/13 第95回国会 参議院 参議院会議録情報 第095回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第2号
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1981/11/13 第95回国会 参議院

参議院会議録情報 第095回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第2号

#1
第095回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第2号
昭和五十六年十一月十三日(金曜日)
   午前十時四十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         坂倉 藤吾君
    理 事
                山東 昭子君
                増岡 康治君
                馬場  富君
                沓脱タケ子君
    委 員
                中村 鋭一君
                石本  茂君
                梶原  清君
                亀長 友義君
                関口 恵造君
                内藤  健君
                森下  泰君
                戸叶  武君
                丸谷 金保君
                小平 芳平君
                中野 鉄造君
                江田 五月君
                美濃部亮吉君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  鯨岡 兵輔君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       仲山 順一君
       警察庁交通局長  久本 禮一君
       環境庁長官官房
       長        山崎  圭君
       環境庁企画調整
       局長       清水  汪君
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  七野  護君
       環境庁自然保護
       局長       正田 泰央君
       環境庁大気保全
       局長       三浦 大助君
       環境庁水質保全
       局長       小野 重和君
       運輸省自動車局
       整備部長     宇野 則義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局取引部景
       品表示監視課長  高場 俊光君
       厚生省環境衛生
       局食品衛生課長  寺松  尚君
       厚生省環境衛生
       局水道環境部水
       道整備課長    田中  収君
       通商産業省産業
       政策局消費経済
       課長       牧野  力君
       通商産業省基礎
       産業局化学製品
       課長       鈴木  晃君
       資源エネルギー
       庁公益事業部火
       力課長      廣瀬 定康君
       運輸省自動車局
       保障課長     黒野 匡彦君
       建設省都市局下
       水道部下水道企
       画課長      幸前 成隆君
       建設省道路局企
       画課長      萩原  浩君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関
 する調査
 (公害及び環境保全対策に関する件)
 (交通安全対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(坂倉藤吾君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、公害及び環境保全対策に関する件及び交通安全対策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○梶原清君 最初に自動二輪車の問題でございますが、最近自動二輪車が大変ふえてまいっているようでございます。私は日ごろその運転ぶりを注意して見ておるわけでございますけれども、どうも無謀な運転をする人が大変多いんじゃないだろうか、このように思われてならないわけでございます。バス関係者等からも、自動二輪車の無謀運転をする人が多くて大変困っておると、このような話もしばしば聞くわけでございまして、恐らく自動二輪車が直接間接に影響して惹起される自動車事故というのが大変ふえてまいっておるんではないだろうか、このように思うわけでございます。私はこの自動二輪車の運転者を十分に指導監督していくことが今後の事故防止対策上きわめて大切ではないか、このように思っておるわけでございますが、まず交通局長にその実態なり対策について簡単に御答弁をいただきたいと思います。
#4
○政府委員(久本禮一君) お答え申し上げます。
 まず自動車及び二輪車の台数の推移でございますが、これは運輸省の資料をお借りいたしているのでございますが、最近五年間に、と申しますのは昭和五十年末から五十五年末までの間に自動車の台数は三五・四%増加しているのでございますが、中でも原付自転車を含む二輪車は同じ期間に三八・三%増加をしているのでございまして、この中で自動二輪車の増はやはり目立っておるというふうに言えるかと思います。
 なお、事故に関して申し上げますと、御案内のとおり交通事故は最近顕著に減少していたのでございますが、昭和五十三年からわずかではございますが増加に転じております。また死者につきましては、昭和五十五年に十年ぶりに実は増加に転じたわけでございまして、本年も減少はしているとはいいながらその推移はかなり横ばいで楽観を許さないという状況でございます。こういった傾向の中で二輪車による事故もやはり昭和五十三年から増加を続けております。交通事故の発生につきましては、最近昭和五十二年をベースにいたしますと、五十五年におきましては一四%増加をしておりまして、内容的には特に原付自転車の増加がはっきりしておるということでございます。こういった傾向は交通事故全体の増加の主要なとは申さないまでも、かなり重要な一因にはなっているというふうに考えるのでございます。
 こういった事態に対応いたしまして、交通安全施策というのはもともと総合的なものではございますが、安全施設の整備あるいは街頭における警察官の指導取り締まりというものも当然でございますが、特に今後は体系的な運転者教育を進めるなど、人の面からの対策を総合的に推進する必要があると考えているのでございます。
 特に二輪事故対策といたしましては、自動二輪免許の教習時間の延長、技能試験課題の強化を行いますとともに、街頭におきまして無謀運転の取り締まりをこれは強力に進めてまいりたいと思うのでございます。やはり警察に寄せられます一一〇番の内容等を見ましても、二輪が無謀運転をして駆け回っておるというような内容は依然として多いわけでございまして、原付技能講習あるいは年少二輪免許取得者に対する特別講習、原付のヘルメット着用の普及などの二輪車運転対策はいまでも推進しているところでございますが、今後は特にこういった点につきまして力を入れてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#5
○梶原清君 今回の行財政改革の一環といたしまして、国民負担軽減の見地から、運転免許証の有効期間、車検期間の見直し等が検討されておるようでございます。御存じのようにわが国はまさに車社会でございます。自動車ほど便利なものはございませんけれども、これが走る凶器になることだけは絶対に防がなければならないわけでございます。最近交通事故による死者数が減っているようでございますけれども、年に八千八百人近い死者を出しておるわけでございます。それもその四四%が交通弱者と言われる歩行者等で占められておる現状でございます。人命の安全は何物にも増して大切なはずでございます。そのためにこそ関係当局におかれまして、教育の面、取り締まりの面、施設の面と、各般にわたる大変な御努力を日夜続けていただいておるところでございます。しかしながら何といってもその根幹になりますのは制度の問題でございます。この制度の問題につきましてきわめて慎重でなければならない、このように私は強く信じておるところでございます。
 そこで、まず建設省の企画課長にお尋ねをいたすわけでございますが、最近運転免許証の有効期間の問題あるいは車検期間の問題、こうした問題が議論されますときに、諸外国との対比がよく引き合いに出されるわけでございます。しかし、その前提として交通環境が日本と諸外国と比べてどのようになっておるのか、このような交通環境というものを無視した議論というものは絶対にしてはならない、もしもそうした無視した議論をいたしますと大変な誤りを犯すんではないだろうか、私はこう思っておるわけでございます。
 日本の国はわずか三十七万平方キロメートルの狭い国土でございます。そのうちの平地面積といいますのはわずか二一%、そこに一億一千七百万人の人が住んでおって、約四千万台の自動車が走っておるわけでございます。先進諸国とは比較にならないほどの過密交通の状態にあるのではないか、私はこのように思うわけでございます。交通事故、交通渋滞、それから自動車の排気ガスによる公害問題、こうした問題を惹起しやすい環境にあるのではないかと、このように考えるわけでございますが、交通の過密度合いを比較した具体的なデータといいましょうか、こうしたものがありますかどうか、御説明をお願いしたいと思います。
#6
○説明員(萩原浩君) お答えいたします。
 わが国の幹線道路の整備状況を示します指標といたしまして私どもは整備率という指標を使っております。その整備率という指標の中で、道路の交通容量、キャパシティー以上に交通が通っている道路、これはやはり道路としてはまだ十分な機能を発揮してないということが言えようと思いますが、そういう道路というものがまだ幹線道路ではかなりあるということが整備率の指標でおわかりいただけると思います。
 ちなみに整備率は、現在一般国道四万キロのうち六〇%でございます。四〇%はまだ未整備という数字になっております。都道府県道十三万キロにつきましては四四%、残り五六%はまだ未整備ということになりまして、平均をいたしますと整備率は四七%ということで、約半分以上はまだ未整備という数字になってまいります。
 諸外国のいろいろな混雑状況を示します指標という御指摘でございますが、遺憾ながらそういう指標は私どもまだ入手をいたしておりません。それは先進諸外国では、朝夕のラッシュ時はともかくといたしまして、一日じゅう混雑をしているというような幹線道路はまずないわけでございます。したがいまして、なかなかそういう混雑の程度をあらわす指標というものがうまく出てこないという実態でございます。
 ちなみに、舗装延長当たりの自動車台数あるいは自動車の走行量というものにつきましてはデータがございます。これは舗装の延長でございますから幅というものについては考えておりません。わが国の道路は大体二車線でございまして、四車線以上の道路というのはごくわずかでございます。ところが、諸外国ではもう四車線以上というのが普通の幹線道路では大体そうなっておりますので、その幅の面を無視いたしまして延長だけで見ましても、自動車の保有台数は、イタリアに比べまして一キロ当たり三倍の車が日本では走っておりますし、フランスに比べますと七倍でございます。一方自動車の走行量にいたしますと、イタリアの二・七倍、それからフランスの五倍というような非常に過密の状況が示されるのではないだろうかというふうに考えるわけでございます。
#7
○梶原清君 ありがとうございました。
 運転免許の保有者数は四千三百万人を超えておるように聞いております。まさに国民皆免許時代であるということが言えると思います。ただ、一口に国民と申しましても、いわゆる暴走族もおりましょうし、そして不心得者もいないわけではないわけでございます。わが国の現代社会は残念ながら社会的責任の観念が決して旺盛というわけにはまいらない。率直な言い方をしますと、社会的責任、この観念が著しく低下しておる昨今ではないか、このように思うわけでございます。したがいまして、制度の問題を考えます場合にどういうところに標準を当てて検討をしていくかということが一番大切になるのではないだろうか、このように思います。要するに、制度のあり方、制度のつくり方いかんによりまして全体として交通秩序が乱され、安全が阻害されるということだけは絶対に避けなければならないと、このように私は思うわけでございます。このことを十二分に念頭に置いていただいて制度の問題を御検討いただきたい。
 そこで、警察庁交通局長にお尋ねをいたしたいわけでございますが、運転免許の有効期間、これは私は運転免許の有効期間の問題というのは交通安全対策の中心的な課題であり、いわゆる運転者管理が交通安全対策上きわめて重要であるということを確信をしておるわけでございますが、もしもこれを延長します場合に、三年を五年というふうに延長をいたしました場合にどのような問題が起き上がってくるのか、どのような弊害が惹起されるのか、このことをお尋ねをいたしたいわけでございますが、同時に、過般新聞で報道されましたところによりますと、警察当局において国民負担軽減の見地からきわめて適切な改善措置がとられたように聞いておるわけでございます。この点もあわせて御答弁をいただきたいと存じます。
#8
○政府委員(久本禮一君) 運転免許制度、これを中核といたします運転者管理という問題の交通安全上の重要性につきましては先生御指摘のとおりと私どもも思っておるところでございます。
 現在の更新制度は、御案内のとおり三年間を一つの期間にしているわけでございますが、この更新制度によりまして、私どもはいろいろ交通安全上の問題の支えになっていると思うわけでございますが、この制度は、まず第一に年間約四十万人という運転の適性に問題のある人々が発見をされ、それぞれ是正あるいは排除をされているという事実がございます。
 第二に、この運転免許更新という機会は、講習を行うのでございますが、この講習の機会は交通事故の実態あるいは道路交通法令の改正状況あるいは最近の交通情勢から見て特に運転者に対する情報として伝えておかなければならないような事項といったようなものを運転者に十分周知させるという唯一の包括的な機会であるということでございます。
 それから三番目に、先生御指摘のとおり四千万人を超えるという運転免許人口は、いわば非常に国民そのものとも言ってもいい状態にあるわけでございますが、こういったいわば運転者の波に埋没をしてしまいました個々の運転者に対して、更新という機会はいわば安全意識というものを呼び起こしていくという意味で不可欠の機会であるというふうに思うのでございます。さらに、こういった車社会におきまして違反行為を行う、あるいは交通事故を発生させながら出頭しない、あるいは行政処分を免れようとするといったような、いわば善良でない運転者を効果的に排除をする有効な機会でもあるということでございます。
 こういった点で、この更新制度は道路交通の安全と秩序を維持する上においてきわめて重要な機能と役割りを持っているというふうに思うわけでございます。
 そこで、こういった制度であるということを踏まえまして、現行の三年という期間を延長いたしました場合にはこういった機能がやはり相対的に低下をするというふうに考えるわけでございまして、全体としての交通安全、ひいては交通事故の将来への課題等が強く懸念をされるところでございますので、この点については十分慎重に対処してまいりたいというふうに考えております。
 ただ、これも御指摘のとおり四千万人を超えるという大きな免許人口があるという事実は、私どもといたしましても率直にこれを受けとめて対応しなければならない。したがいまして、こういった更新手続というものが国民に過大な負担を負わせるものであってはいけないという認識は先生御指摘のとおりでございまして、そういった意味で七月十日に臨時行政調査会の第一次答申が行われたわけでございますが、私どもといたしましてはこの趣旨を踏まえまして十分にこの内容を実施しなければならないというふうに考えているわけでございまして、庁内にその検討の機関を設けまして、更新に伴います手続の簡素化並びに講習の合理化等につきましては特に重点を置いて検討したところでございます。
 具体的な改善策といたしましては、運転免許試験場におきまして運転免許証の手続に更新者が来られたその日に免許証を差し上げる、そういったいわゆる免許証の即日交付制度というものは従前もこれを目指したところでございますが、この機会にこれは早急に実現してまいりたいというふうに考えるのでございます。しかし、この制度は同時に警察署において手続をする方々がまだ幾らか残るわけでございますので、こういった方を含めまして、いわゆる善良なドライバー、要するに無事故、無違反者といったような善良なドライバーにつきましては、大体これは一遍でもうすべての手続が済んでしまう、しかもきわめて短時間に済んでしまうといったような形の手続にいたしたいというふうに考えておりますとともに、現在も試験的にやっております特別講習制度も併用いたしまして、こういったものを受けるという形で積極的に安全意識を持って参加されるという方については、いわゆる無事故、無違反ということではなくてもこういった便宜を受けられるように処置してまいりたい、そういうことでございます。
 また、この制度とうらはらでございますが、臨調の答申にもございましたように、一定基準の無事故、無違反者といった方に対しましては講習をきわめて簡略に、実感としてはほとんどないも同然だという程度のきわめて簡素なものにいたしまして、更新講習の負担感というものを大幅に軽減してまいりたいというふうに思うわけでございます。なお、これにとどまらず、更新に必然的に伴います申請窓口の利便性の改善等につきましても、これは積極的に図ってまいるという所存でございます。
 これらの改善策は、ただ題目として掲げるだけでは意味がございませんので、運用の目途がつき次第、早いものにつきましては来春ぐらいからでも実施に移してまいりたいという形で現在検討を進めているところでございます。
#9
○梶原清君 ありがとうございました。
 次は車検制度の問題でございますが、この問題につきましては、運輸大臣の諮問機関でございます運輸技術審議会において鋭意検討を進められておるということは承知をいたしておるところでございますが、何といいましても車検期間の問題はきわめて重要で、その影響するところも広範であるわけでございます。今日までは事故防止、公害防止という強い全国民的な要請を背景にいたしまして規制強化を進めてまいった、こういうことになっておるわけでございます。
 その際、制度を一つ改善するにしても改正するにしましても、十分な検討期間を置いて進められてきたということは事実だと思うわけでございますが、特に私が強く強調いたしたいと思いますのは、交通事故にいたしましても交通違反にいたしましても、当事者はこれをなるべく表面に出したくない、隠したいというのが人情の常でございます。したがいまして、統計数字というのは実態をそのままあらわすものではなくて、実態よりも過小にあらわれてきておるということは否めないところだと思います。高速道路等で車両が故障いたしまして大勢の人に迷惑をかける、そのときに謝る人はだれもいないわけでございます。しかしながら、今度問題になっておりますように、お金がかかり過ぎるとか手数がかかり過ぎるとか、こういう苦情だけは表面に非常に大きく出てくるというのが、これはこの世の常でございます。
 そこでお願いをいたしたいと思っておりますのは、運輸技術審議会で議論をし審議を進められます場合に、単に表面にあらわれた数字だけでなくて、実際に実物を見、目で確かめ、そして足でこの実態をつかんでいただいた上での結論を出していただきたい、私はこのように強く希望するわけでございます。委員さんは全部その道の権威者でございますでしょうけれども、念が上にもそうした実態をつかんだ上で、実態を把握した上での十分な審議、検討を進めていただきたいということを強く希望するわけでございます。
 例が悪いかとは思いますけれども、日本の国は海岸線が非常に長うございます。海岸近くにある自動車というのは潮風の影響を受けて傷みが早いわけでございます。仮にそれが二年が三年になりました場合に、もちろん定期点検整備制度というのがございます。しかしながらその実施率は五〇%前後だと思います。義務づけられておるけれども罰則がないために一〇〇%の実施というのが行われていない現状でございます。そうするならば、定期点検整備をしないで三年間海岸近くにある潮風の影響を受ける、そういう状態にある自動車が正常な状態で三年、この車検の期間までもつかどうか、こういうことを具体的に検討をしていただかなければならないのではないだろうか、このように思うわけでございます。
 この問題につきまして答弁をいただくということはちょっとむずかしかろうと思うわけでございますが、特に私がこの席で強調をいたしておきたいと思いますのは、新聞報道で伝えられておりますように、車検期間が二年から三年に延長いたしたと仮にいたしましょう。その場合に、全国に七万八千の中小零細の整備工場があるわけでございます。二年が三年になりました場合に、恐らく三〇%以上の工場が仕事がなくなって、いわゆる整備作業量が少なくなって転廃業を余儀なくされるということはこれは火を見るよりも明らかである。
 国の方針によって、法律改正によってそういう措置を講ずるということになりますと、仕事が減り転廃業をさせられるところの町の整備工場、油にまみれて経営者自身が努力をしておるところの整備工場が転廃業を余儀なくされるということは私はゆゆしい問題である。必ずやいままで投下したところの資本といいましょうか建物とか設備、それから器具、工具というものを買い上げてくれという要請が出てくるのは当然でございます。私は当然の要請だと思うわけでございます。政府がこれをどのように受けとめるかどうかはわかりませんけれども、また受けとめられるかどうかはわかりませんけれども、整備工場の皆さんとしては当然の要請だと思います。もしもこれを不問に付していくということになればまさに切り捨て御免だと思います。
 そこで、仮に設備を買い上げるといたします場合に、私が計算しますと四千億から五千億になると思います。少なく見積もってそのくらいになると思います。これを出さなければいけないということになりますならば、何のための行財政改革であるかということが言えるんではないか。必要でない国民負担というものを課するわけにはいきません。やはり国民負担は軽減しなければいけませんけれども、この法律改正によって、二年を三年にすることによって仕事がなくなり、転廃業を余儀なくされる。労働者も相当失業することになると思いますが、この問題をやはり避けて通るわけにはいかないだろう、こういうのが私の切実な訴えでございます。原因者である以上、その原因をつくった国が何とか措置を講じなければいけないだろう、これが当然だと思うわけでございます。
 そこで、特に私が心配をいたしておりますのは、仕事量、いわゆる整備作業量が減って、そして非常に過当競争になる。その場合に一番心配されますのは、大福帳的に経営をやっております整備士の数が二人とか三人というような、だんなさんと家族ぐるみでやっておるような町工場は、これはどうしても生きていかなければいけませんので、それで手抜き整備をやってでも何とか生きつないでいこうと、こういうことになると思います。一番の影響があらわれてきますのは、政府当局がいままで力を入れてやってこられました既成整備工場、いわゆる民間車検、それから構造改善事業によって進めてまいった協業化をした工場、これが一番先に転廃業を余儀なくされてくる、非常に苦しい状態に置かれて倒産になり解散の状況に追い込まれていくんではないか。そうするならば、現在の整備行政といいましょうか自動車行政の根幹が揺らいでくる。安全というものは一体どうなるんだろうか、安全がそれで保たれるんだろうかという強い心配をいたすわけでございます。
 この問題につきまして現在運輸技術審議会で鋭意検討中でございます。私は政府当局から明確な御答弁をいただくということは非常に困難だと思います。しかし、私が申しておりますことが、切実なこの訴えというものが決して間違いでないと私は確信をしておるわけでございます。整備と検査というものが一体になって初めて安全というものが保たれると、適正整備、適正料金が実施できるような環境づくりをしてやらないことには、絶対にその安全というものが確保できないということを強く確信をするものでございまして、この点につきまして若干感想でもお述べいただけますならば御答弁をいただきたいと思います。
#10
○政府委員(宇野則義君) ただいま先生から自動車の検査問題につきまして、これからの作業についての御注意をいただいたわけでございますが、私どもも現在この車検、整備問題につきましては運輸技術審議会におきまして審議をいたしておるところでございます。これまでの間に自動車部会を三回開き、それから検査整備小委員会を八回開きまして慎重に審議をしてまいったところでございます。先生御指摘のように、この車検問題あるいは整備問題につきましては、安全、公害にかかわる問題でございますので、慎重な上にも慎重に審議をお願いをしておるところでございまして、なお若干の時間がかかります。答申をいただく段階といたしましては来年の一月の末になろうかというふうに考えておるわけでございます。
 また、この検査、整備が制度的にいろいろな検討をなされるわけでございますけれども、現在の時点で申し上げますと、まだ運輸技術審議会の結論が出ていない現段階におきましていかなる影響を及ぼすかということにつきましては申し上げようがないわけでございますけれども、いずれにいたしましても答申をいただいた時点におきまして行政的な所要の措置を講ずることになるわけでございますけれども、その所要の施策を講ずるに当たりましては、ただいま先生から御指摘をいただいたような各方面にいろいろな問題が出てくる可能性がございますので、十分そういう問題点を踏まえ、さらに整備業等につきましても健全な運営に留意しつつ検討をしてまいりたいというふうに考えております。
#11
○梶原清君 終わります。
#12
○丸谷金保君 長官、本年の七月十一日の琵琶湖サミットで長官は、自然は先祖から受け継ぎ子孫から預かっているものだというふうな、大変理想的な立場に立っての、あるいは人道的な立場に立っての御発言をしておるということが各新聞に出ておって、大いに意を強くしておるところでございます。そういう姿勢でやっておられる長官でございますから、きょうは満足のいく御答弁が得られると思ってまいったわけでございます。
 最初に、知床横断道路の二酸化窒素汚染の問題、これは去る十二日、北海道新聞で大きく取り上げられて地元でも大変心配しております。けさもこの記事の中にあります午來さんという方に電話をいたしましたが、地元ではこの工事が始まるときから、道路そのものに反対するわけではないけれども、道路の構造等についてはこのようにひとつ注意してくれということを再三要求したけれども入れられなかったと大変残念がっております。
 実は、私もこの横断道路あるいは奥地の開発等については、東京や大阪の人たちが田舎に出かけて環境の保全ということの運動をするのについては非常に疑問に思っております。自分たちの住んでいる東京や大阪をこんな緑のないところにしておいて、そこの闘いをしない連中が何で田舎まで来てやらなきゃならぬのだと、地元のことは地元が一番よく心配するんだから任せておいてくれればいいと、こういう田舎者の論理で実は対応してまいりました。それだけにこの問題はゆるがせにできないのであります。
 すでに質問通告で記事の内容等は御承知と思いますが、問題は国立公園内における自然の植生あるいはあの地域の魚族資源等にも影響を及ぼす問題を含んでおります。これに対する今後の対応、御所見を伺いたいと思います。子孫に残していかなければならない自然ということで地元でも大変心配いたしておるということでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
#13
○国務大臣(鯨岡兵輔君) わが国の自然の状態は先祖から受け継いだものでもあると同時に子孫からの預かり物であるとも言える、これに対して手を加えることはできるだけ少なくしなきゃならぬ、その考えは環境庁を預かる私の基本の考えであります。
 知床の横断道路の問題についても、毎々環境庁はかなり意を用いましてこれをやったわけでございますが、市民団体が調査した結果非常にNOxなどが多いと、それはその自然の生態系を乱すおそれがあるという話が出まして、それが新聞に大きく心配されていることを承知いたしております。そしてその市民団体の方々の熱心な調査に対して敬意を表します。
 そこで、われわれは本格的にこれを調査しなければならぬと、こう考えて、その用意をいたしておるわけでございます。本格的に調査をいたしまして、やはり市民団体の方が調査した結果と同じような答えが出るということになれば、われわれとしては所要の措置を講じなければならないと、こう思っておるわけでございます。
#14
○丸谷金保君 大臣、やはりよくわかってないんですよ。もう早急に調査できないんです、雪で。いいですか。それと、この調査した時点のような最も七月という観光シーズン、このときにやってもらわないと、早急に調査したからいいというものでない。ここでひとつ明年の七月ないし八月にかけて市民団体が調査した時点と同じような日程のとり方をして環境庁として調査をすると、こういうことをお約束いただけませんか。
#15
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 言葉が少なかったですが、なるほどそれはいまから調査しようとしても二つの点でだめです。一つは雪で埋もれて行かれないということと、仮に行かれてもいまごろは余り自動車が通りませんから、そんなところへ行って調べても役に立たないので、一番自動車の通るときに調べなきゃならぬことは言うまでもありません。だから来年の自動車が通るときには環境庁は本格的に調べなきゃならぬ、それは言うまでもないことであります。
#16
○丸谷金保君 実は言うまでもないことがなかなか行われないので、この機会に大臣から明確にやるとおっしゃっていただかないと申し送り事項に入らないんです。いいですか。それでここで特にそのことは明言していただきたい。
#17
○国務大臣(鯨岡兵輔君) これはやらないわけにいかないことなんですから御心配なく、必ずやります。
#18
○丸谷金保君 さすがは名長官、明確に言っていただいて地元も大変ありがたいと思います。特にこのことにつきましては、林道なんです、産業開発用の林道。これは私たちも道路のつくことはもう大変期待していましたし、地元もずいぶん便利になるんです。しかしそのことと同時に、環境汚染の心配からたとえば峠の頂上に駐車場なんかつくらぬでくれと。羅臼と宇登呂がすっと行き来できればいいんで、事実林道はそうなんですから。そういうことの陳情が一切退けられてやはり観光中心。観光もいいですよ。しかし観光も車の中からずうっと見ていくんならいいんですが、観光用にそういう駐車場をつくるということ、こういうことについては環境汚染という立場から特に来年の調査の中では御検討いただきたいと思います。
#19
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 承知いたしました。
#20
○丸谷金保君 それでは次に、最近合成洗剤の無燐洗剤というのが盛んに売り出されて、いろいろこれについての問題が出てきております。
 まず最初に、琵琶湖条例、これの有燐合成洗剤の使用禁止後の成果、こういうものについて何かデータが出ておりましたら御報告願いたいと思います。
#21
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 成果については水局長の方から詳細に報告をさせることにいたしますが、滋賀県の知事が琵琶湖の富栄養化について非常に心配している、それから住民もまたこれに非常な協力をしている、業者もまたこれに協力をしている、私はそのことに対して最大の敬意を払っているわけであります。このごろ霞ヶ浦でもそういうようなことにならってきておりますが、なかなかむずかしい問題もある中で、それを克服して申し上げましたような努力をそれこそ官民一体になってやっておられることについて心から敬意を表しているわけであります。
 その成果については水局長から報告させます。
#22
○政府委員(小野重和君) 御案内のように、琵琶湖の条例は富栄養化防止条例でございまして、燐、窒素につきまして合成洗剤を含めまして総体的に削減する、こういう考え方の条例であることは御案内のとおりでございます。
 合成洗剤についてだけ申し上げますと、滋賀県におきましていま無燐の洗剤は九〇%を超えている状態と考えられます。以前は六、七割ぐらいのところでございましたけれども、それだけ無燐化が非常に進んでいるということでございます。それから燐全体でございますが、これは琵琶湖の条例ができましたのは去年でございますけれども、その前の五十四年とそれから五十五年を比べてみますと、琵琶湖自体におきまして燐が北湖はちょっと減っているかと、それから南湖は相当に減っているというようなことになっております。また琵琶湖に流れ込んでいる川の中の窒素、燐、これを調べてみましても相当減っていると、そういうデータが出ております。
 いずれにしても、この水質をよくするというのは非常に長い時間がかかるものでございますけれども、窒素、燐が減りつつあるということは今後の琵琶湖の水質に非常によい結果になるのではないかということを期待しておるわけでございます。
#23
○丸谷金保君 これらに関連しまして、昨年の三月に環境庁から官房長官以下各省庁に対して燐を含む合成洗剤の使用自粛を、環境庁の庁内はもちろんですが、各省庁に呼びかけておりますね。これで、その要望に基づいて使用を中止したというふうなことでそれぞれ回答を受けておれば御報告願いたいと思います。
#24
○国務大臣(鯨岡兵輔君) その回答の詳細についてはこれまた水局長から報告をいたさせますが、湖沼の富栄養化を防止するためにその要因物質の一つである窒素、燐の栄養塩について、終局は環境基準を設定しなければならないと私は考えているわけであります。そのための準備等についてもいたしておるわけでございますが、その前に私どもの方で、いま先生申されたように、富栄養化の原因となるこの燐を含む洗剤等の使用についての制限方を各方面にお願いをいたしました。その結果、先ほど話題になった琵琶湖それから霞ケ浦等が、まあこれはそれよりも前からのことですがやってきたわけでございまして、終局はやはり基準をつくらなきゃならぬだろうなと実は考えて準備いたしておりますが、私どもの方から使用についての自粛方をお願いしたその成果はどういうものであったか、それはいま局長から答えさせます。
#25
○丸谷金保君 琵琶湖や霞ケ浦は要らないんで、省庁ですからね、答弁間違えないように。
#26
○政府委員(小野重和君) 各省に無燐の洗剤を使うように、無燐洗剤ないし石けんも含みますけれども、無燐化を進めるようにというお願いをいたしておるわけでございますが、年度ごとに各省が買いますから、そこで去年の実態というもの――五十六年度につきましては数字はあるわけでございますが、ただその以前の数字を実はつかんでおりません。よくわからないわけでございますが、したがいましてまたその一年ごとの数字を調べまして無燐化が各省庁で進んでいるかどうかチェックしたいと、かように考えております。
#27
○丸谷金保君 私の質問は、要請をしたのに対して使用を中止したというような報告が各省庁からあったかと聞いているんです。もちろん環境庁は使っていないと思いますから聞かなかったので、ないのならないでいいんですよ。
#28
○政府委員(小野重和君) 特にそういう通知を受けている例はございません。
#29
○丸谷金保君 大臣、この環境行政のむずかしさというのはここら辺にあると思うんです。言いっぱなしですね。私がちょっと調べた範囲でもやはりまだ使っているところはあるんです。ですから、これはもう一度やはり一遍通達出したからいいんだじゃなくて再通達をして、再要請をしてその後の状況の追跡確認をする意思がございますか、どうです。
#30
○政府委員(小野重和君) そういうことでしたいと思います。
#31
○丸谷金保君 実はこの洗剤の問題につきましても、たとえばわが党の前議員の島本虎三さんを初め、国会あるいはまた内閣に対する質問状その他でいろいろ非常に心配だということを申し上げておりましたが、しかし実際にはなかなかこれはもう絶対にいけないということの結論が出なかったんです、ここ十数年来。ここへ来て環境庁は、少なくともそういう要請を各省庁にしたということは、燐を含む洗剤というのはどうもやはり環境汚染というふうな面では有害だということを認識されたからというふうに受け取ってよろしゅうございますね。
#32
○政府委員(小野重和君) そのとおりでございます。
#33
○丸谷金保君 それで、今度厚生省にお伺いいたしたいんですが、環境庁はそういう態度でおります。しかし、厚生省の方では合成洗剤の安全性についてはいわゆる通常の使用状態では害がないと、こういうことを再三答弁しておられます。ここで言う通常の使用の状態ということをわかりやすく、端的にひとつ御説明いただけませんか。
#34
○説明員(寺松尚君) お答えいたします。
 通常の使用方法というのは、これは食品衛生法に基づきまして洗浄剤の使用基準に従った使用方法のことでございますが、いま先生がおっしゃいましたようになかなか言葉はむずかしゅうございますが、一応御紹介しておきますと次のようなことでございますが、脂肪酸系洗浄剤にあっては界面活性剤の濃度が〇・五%以下、脂肪酸系洗浄剤以外の洗浄剤につきましては界面活性剤の濃度が〇・一%以下となるようにして使用しなければならないと、こういうことになっておるわけでございますが、実際その容器等に表示してございますのは、家庭用品品質表示法に基づきます表示の規程の中に通常、標準使用量というのが書いてございまして、たとえば例示いたしますと、水一リットルに対して一・五ミリリッター、料理用小さじ一杯は約二ミリリッターであるというような趣旨のことが書いてございます。そのほか食用に供します野菜でございますとか果実なんかは五分以上はつけたままにしないでくださいとか、そういうような趣旨のことが書いてございます。
#35
○丸谷金保君 食品の立場から見たいま御答弁だと思うんですが、通常ということの意味と、それからそれは注意書きしてあるということもよくわかるんです。しかし、たとえば野菜をつけっぱなしにして、赤ちゃんがぎゃあぎゃあ泣くからあわてておしめの取りかえをしているうちに、またほかの用事があったというようなことで、五分間以上つけないでおいてくださいというふうなことがそう簡単に守られるかというとなかなかそうもいかないんですね。だから、これは毒性があるんだということをもう少し商品表示できちっと大きく書いておけば注意するんですが、虫めがねで見なきゃ、天眼鏡ででも見なきゃわからないような小さな字で書いてあるところなんて余り読まないのです。こういう点についてどうも私はこの洗剤の問題に対する当局側の取り組み方全体として非常に弱いという気がしてならないんですが、環境庁はとにかくそういう要請出したのですが、一体環境庁の方では、それでは合成洗剤の毒性だとか人体への影響というふうなことについては、富栄養ということだけですか、あと何か基準なり影響というふうなものについて調査をしたことがございますか。それを一つお尋ねします。
#36
○政府委員(小野重和君) 私ども洗剤問題、いろいろ問題があるかと思いますが、先ほど来お答えしているように、各省庁に自粛方を要請したり、あるいはたとえば滋賀県で富栄養化防止条例をつくる、そのねらいはあくまでも燐、窒素が特に閉鎖性水域に入った場合の汚濁原因になるという点に着目しての問題でございまして、そういう観点からは有燐の合成洗剤、これを無燐の合成洗剤あるいは石けん、それに切りかえてほしいと、こういう観点でございます。
 合成洗剤自体が人体に対して有害であるかどうかということにつきましては、これは厚生省で調査されているわけでございますが、普通の、通常の使用の量では特に影響はないというふうに私ども承っておるわけでございます。
 私ども、繰り返しになりますが、やはり有燐、これにつきまして汚濁原因になる可能性がありますので、それの低減化を図りたいと、こういうことでございます。
#37
○丸谷金保君 いまの二つの答弁を聞いておりまして、結局合成洗剤というのは燐を含むものです、環境庁はこれはなるたけ使わないでくれという要請はしているけれども、厚生省の方はいまだに何でもないと言っているのです、通常の使用であれば。これは所管が厚生省だから、環境庁としてそういう追跡調査をしたり、人体とか環境以外の問題についてはそれは関係ないのかもしれませんが、同じ政府の中でこれはちょっとやはり、できるだけ抑えるべきだという環境庁の見解と、厚生省のいまの御答弁では通常の用に使っていればいいんですね、有燐でも。
#38
○説明員(寺松尚君) お答えいたします。
 私どもは通常の使用の状態であれば安全だと考えております。
#39
○丸谷金保君 先ほど説明のあったように、一体どれだけの量を何分間だけ水につけるのならいいとか、こういう注意書きをしなきゃならないものが通常の状態であれば安全であると言い切れるだろうか。実は、この洗剤の問題というのは先輩議員もいままでずいぶん取り上げてきました。二番せんじ、三番せんじの問題ですが、私はやはりこれはずっと記録を読んでみていても、何回でもやっていかなければいまの厚生省の考え方は改まらないと思うんですよ。断じていいと言っているんです。こういうばかなことで、しかもいろいろな機関では、これはもう有燐洗剤だけでなくて、界面活性剤を含む無燐洗剤についても環境汚染その他いろいろ提言がなされてきている時代、いまだに厚生省としてはそういう考え方から抜けていない。このことについては長官ひとつ十分横の連絡の中でこうした問題との取り組みをお願いいたしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#40
○国務大臣(鯨岡兵輔君) お話の趣旨はよくわかります。全く御心配のとおりだと思います。たとえば食物を洗うという場合に通常の使い方では何でもないということは厚生省のことです。それが今度流れていきますと、それに燐などが入っているような場合には私の方で困ってしまうんで、そこには十分の連携がなきゃならぬと、お話を承りながら全くそう思います。十分そういう点に留意をしながら、連絡を密にしてやっていかなければならないと思いますし、やりたいと考えております。
#41
○丸谷金保君 それで、今度は琵琶湖問題を中心にして、有燐洗剤の有害性というふうなことが非常に世間を騒がせるようになりました。それで洗剤メーカーは、これはいずれ売れなくなるという心配からか、急遽無燐洗剤の開発が進んで、いまはもう盛んに無燐です、無燐ですというPRが行われ始めております。
 そこで、それでは果たしてその無燐洗剤であれば一体いいのかと、こういう点について問題を展開していきたいと思いますが、まず最初に通産省に合成洗剤の非イオン系界面活性剤、これらの生産量についてお答え願いたいと思います。五年くらい、総量だけでいいですから。
#42
○説明員(鈴木晃君) お答えいたします。
 合成洗剤の過去五年の生産推移を申し上げますと、五十一年は六十七万九千トン、五十二年は七十一万九千トン、五十三年は八十二万三千トン、五十四年は九十三万三千トン、五十五年が七十七万五千トンというふうになっております。
#43
○丸谷金保君 これは燐を含まない合成洗剤の生産量ですか。
#44
○説明員(鈴木晃君) いや、これは有燐、無燐を含めた数字でございます。
#45
○丸谷金保君 そうでなくて、私の言っているのはこのうち燐を含まないもの。
#46
○説明員(鈴木晃君) 燐を含まないものの生産数量は、実は本年一月から統計をとり始めておりまして、以前の数字はわかっておりません。
#47
○丸谷金保君 これは質問通告の中でこの数字を聞くということになっていたでしょう。これは何日もあったんですよ、通告してから。調査できなかったんですか。
#48
○説明員(鈴木晃君) 前回御質問の予告がございました内容は、最近五年間の合成洗剤の生産推移、それからあとは非イオン系界面活性剤の生産数量ということでございますので、ただいま合成洗剤の生産量をお答えしたわけでございますが、無燐についての御質問は事前に予告がなかったというふうに理解いたしております。
#49
○丸谷金保君 そうすると、非イオン系界面活性剤の生産量はどうなんですか。
#50
○説明員(鈴木晃君) 五十一年が十六万四千トン、五十二年が十九万七千トン、五十三年が二十二万トン、五十四年が同じく二十二万トン、五十五年が二十一万三千トンでございます。
#51
○丸谷金保君 問題は、非イオン系界面活性剤を使った合成洗剤が逐次伸びてきているし、さらにこれは全体の数字が横ばいの中ですから、その分だけ有燐洗剤が減っていったということになるだろうと思うのですけれど、通産省では有燐だろうと無燐だろうとこれはまだやはり洗剤というふうに認めてるんですね。あなたのいまの答弁を聞いてもね、簡単に、常識的には。
#52
○説明員(鈴木晃君) 有燐洗剤、無燐洗剤含めましてこれは合成洗剤という理解をしております。
#53
○丸谷金保君 この非イオン系界面活性剤の主成分、これはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル――ずいぶんむつかしい名前なんですが、であると言われております。これはどのような物質で、どのような毒性を持っているものなんですか。
#54
○説明員(鈴木晃君) ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルにつきましては、アルキルフェノールまたはアルキルナフトールに酸化エチレンを付加重合させたものでございまして、比較的安定的な物質でございます。それからかなり温度の高いところでの使用も可能であるというふうに考えております。
 毒性につきましては、われわれ直接あれでございますが、現時点で特段の毒性があるというふうには聞いておりません。
#55
○丸谷金保君 このいわゆる無燐洗剤、非イオン系界面活性剤使用の洗剤、これらがいまのところは有燐ほどの問題になっておりませんが、環境に及ぼす影響、それからその結果水生生物――魚介類その他を介して人体に及ぼす影響、こういうことが今後きわめて重要な問題になってくるんじゃないかと、かように考えられる次第でございます。たとえば米なんかだって、水田の取り入れ口から入ってくるんですから、浄水しないやつがですね、やはりそういうところにも問題が出てくるというように考えられるんです。
 それで、環境庁としてはこういうものの蓄積に対する今後の取り締まりあるいは取り組み方というふうなものについてはどのような検討をいたしておりますか。
#56
○政府委員(七野護君) 先生の御質問にまず一般的にお答えをさせていただきますが、現在環境庁ではいわゆる化学物質の環境中の調査を現在やってきております。先ほどから話題が出ております非イオン系界面活性剤、これにつきましても、その中で最も代表的と言われております、先ほど名前が挙げられましたポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、これにつきまして五十二年、五十三年の二年間に環境中の調査を実施いたしました。
 調査の結果を簡単に申し上げますと、水質からは〇・一九ないし〇・九三PPm、底質からは二・一ないし四九・五PPmの範囲で検出されております。これのいわゆる生態影響、蓄積性、そういうものにつきまして簡単に申し上げますと、生態影響試験を実施いたしてございますが、ミジンコであるとかメダカでありますとか、いわゆるLC50、これの値を測定いたし、また蓄積性の試験もマウスを使った試験の結果が出ておりますが、いずれにいたしましても、生態影響試験は特段強い生態影響は現時点では見られないということでございますし、蓄積性の試験につきましても現在のところ蓄積性が高いという傾向は見られておりません。
 ただ、五十四年度の「化学物質と環境」、私たちがよく言っております黒本という黒い表紙で編集しておりますが、毎年「化学物質と環境」でその年度に行いました化学物質の環境調査をまとめてございますが、その中でもいま申しましたポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、これの評価をいたしてございます。その結果、現在先ほど私が申し述べましたような濃度でございますが、環境調査の結果検出されました濃度レベルでは、魚や水生生態系に及ぼす影響は直ちに考慮するほどではないと考えられる。しかし底質中から平均して一〇PPm程度のレベルが検出されるということなどを考慮いたしますと、今後モニタリングを行っていく必要がある、かように評価いたしてございます。
 これにつきましては、当委員会の委員長からたしかことしの六月に御質問をいただいたわけでございますが、そのときにも、私たちはいま申し上げました環境中の濃度、それから生態影響調査などを考慮いたしまして、五十二、五十三年度に行いましてその後調査はしておりませんが、委員長の御質問にもお答えしましたように、来年度にでもひとつ検査をする用意はございます。
 以上でございます。
#57
○丸谷金保君 ちょっと数字が違うんですが、これはおたくの方の調査のあれだと思うんですけれども、いまのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、これが大津市の吾妻川で〇・五PPm、それから川崎市の鶴見川〇・四五PPm、それから川底というのですか、底質では同じく吾妻川の四九・五PPm、岡山市の旭川の三八・七PPm、こういうふうに私の方には報告が来ているんですが、ちょっと数字が違うようですけれども、いかがなんですか。
#58
○政府委員(七野護君) いま私が申し上げましたのは、底質それから水質ともにいま先生が御指摘になりました川崎市の鶴見川も調査の中に入ってございます。おのおの水質、底質を検査いたしておりますが、五十二年、五十三年の両年にわたっておりますが、たとえば水質の一番最も低い値が五十二年の甲府市の市内の河川でございますが、ここで〇・一九ないし〇・二三という検出範囲で検出してございます。ですから、一番下限は〇・一九でございまして、〇・九三という値は水質でございますので、広島県の太田川、ここでの〇・九三という値がこれが一番高い値であろうかと思っております。ですから、いま申し上げましたように、一番低い値が水質の場合は〇・一九、一番高い値が〇・九三。底質の場合には二・一が一番低い値、それから一番高い値が先ほど先生御指摘の四九・五PPmという範囲で検出されているということでございます。
#59
○丸谷金保君 これは、いま来年ぐらいにしなきゃならぬという話ですから、さらにまた現況、これは五十二年、三年ですから、これからまたやられると思うのですが、やはりこの種の、この程度の反応の出たところは環境庁は毎年やる必要があるんじゃないですか。といいますのは、いまの答弁で私非常に気になるのは、いま直ちに問題はないという、この種問題ではいつでも直ちにと言うのです。これは五十五年の三月に同僚議員の高杉委員がこの問題をやはり質問しているのです。これは社労でやったんですが、そのときにもまだ直ちに影響を及ぼすというふうには考えておりません。そうなんですね、ここでかみ合わなくなるのです。
 いいですか、大臣もお聞きいただきたいと思うのですが、答弁する方は直ちに影響はないということなんです。それは水俣だって直ちに影響が出るまでにはずいぶん時間がかかっているんですよ。直ちに影響あったら大変なんでわれわれは質問している。将来にわたって心配ないかということについて自信のある答弁をいただきたい。それでないととても心配でかなわないんです。子孫になんか残せないでしょう。直ちに心配はないという答弁しか返ってこないんですよ。これじゃ困るんだよ。こういうふうにして濃度がだんだん蓄積されてきた場合に、将来にわたって心配ないということを言ってもらわなきゃ困るんだが。
#60
○政府委員(七野護君) 先ほども申し上げておりますように、五十二年、五十三年の両年度にわたりまして水質、底質の調査を行い、その当時の環境濃度、さらに生態影響調査、蓄積性試験から見まして、先ほど私から申し上げましたような評価をいたしたわけでございまして、今後一切調査をしないと申し上げているわけではございません。今後ともモニタリングを行っていく必要があると私たちは考えておりまして、五十七年度にも、来年度にもひとつ調査をしてみようと、そういう調査をする用意はあると先ほどから申し上げているわけでございます。
#61
○丸谷金保君 長官、お願いしておきたいんですが、この種調査はやはり毎年やっていただかなければ困るし、まあ来年おやりになって結果が出たとする。そうしますと、山梨県と川崎市ではずいぶん違うんです。こういうふうに濃度が多くなってきましたというだけでなくて、どうしてそういうふうに違うのかという原因の追求までやっていただかなければ問題を解決していく道につながらない。この点についての長官の御所見を伺いたいのです。
#62
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 細かい科学的な問題については私は知識がないので十分お答えすることはできませんが、ぜひお聞き取りをいただきたいと思いますことは、実はきのう私はアメリカから帰ってまいりました。日米の環境保護協定に基づく毎年の会議がことしはアメリカでありましたので、国会のお許しをいただいて九日、十日とその会議に出てまいりました。そこで感じましたことは、大気の問題についてなどは日本の方がかなり進んでおりますけれども、化学物質の問題についてはアメリカの方が進んでいるんじゃないかなという感じがいたしました。化学物質についてはアメリカは非常に関心を持って、いま先生の御心配のようなことをやっておりました。
 翻ってわが国の状態を考えてみますと、そういうものがどんどん世の中の進展に伴って製品化されてきております。そしてそれは当面非常に便利なものがあります。燐を含む洗剤等もその一例になると思います。厚生省は、そのものが人体に直接影響があるかないかということについてはとても心配して、勉強しておられることは先生も否定はなさらないだろうとは思います。それから通産省は、業者がそのことによって、あるいはそのことを否定されることによってどういう影響があるかということについてはとても心配していること、これも御否定はなさらないだろうと思います。それから環境庁は、そういうものが環境にどういう影響を及ぼすかということについて心配しているということも、これは一生懸命やっていることをどうかひとつお認めいただきたいと思うんですが、残念ながらその三つの省の中に横の連絡がどれだけ十分であるかということは、これは私はとても十分とは言えない、平生そう思っておりますし、この環境庁をお預かりして今日まで非常にその感を深くしているわけであります。それでそれは、いま直ちに影響がないというような答えは返ってくるけれども、いま直ちに影響がないということは、将来はどうなるかわからぬということであって、そんなことではだめではないかという御意見は全くそのとおりに思います。
 そこで、アメリカを見てまいりましても、わが国もそういうものが製品の中に使われる度合いが多くなってきたんですから、そして当面それはとても便利なように見えるものがあるけれども、しかし後から大変なことになるという例はいままでにずいぶんありましたし、これからも十分考えられることでありますから、厚生省、通産省、環境庁はもっと密接な連絡を持って、それは通産省が業者を保護するのはそれはあたりまえなんですが、そして厚生省は後々のことまで考えるんじゃなしに、それがいまお台所で使われて手に影響があるかとか、あるいは人体に影響があるかとかということについては十分研究していますが、それが後々どういうことに――それはたまっていくんですから、空気中にたまったりあるいは湖の底にたまったりするんですから、そのたまったときにどうなるかということについては、それは環境庁がやればいいんで、おれたちの知ってることじゃないというようなもし考えであればこれは大変なことになりますので、そういう点についての御心配だろうと、終局は先生の御心配はそこにあるんだろうと思いまして、全く同感だというふうにお答えをいたします。
#63
○丸谷金保君 それで、これは厚生省にお聞きするんですが、大変心配をしていただいておる水道水の問題ですが、山梨県立の衛生研究所に依頼して水道水中の非イオン系界面活性剤の分析方法の検討を行っているというふうに聞いておるんですが、その検討の趣旨や目的はどういうことなんでしょうか。
#64
○説明員(田中収君) 先ほど来のお話にもございましたが、近年、界面活性剤全体の生産量に占めます非イオン系の活性剤が生産の割合が漸次増加の傾向にあるところでございます。したがいまして、厚生省といたしましても、水道水中にあります非イオン系界面活性剤の動向に注意を払ってまいりたいというふうに考えているわけでございまして、お話のございました山梨県立衛生研究所の先生方にも参加していただいて、現在この非イオン系界面活性剤の分析方法が一定したものがございませんので、分析方法の検討をまず進めているわけでございます。分析方法については近く結論が得られる見通しでございます。
#65
○丸谷金保君 それで、今度は直ちにやってもらいたいと思うんですが、そういう方法が決定したら直ちに水道水の非イオン系界面活性剤の水質基準の設定、こういうことをやる意思があるかないか、厚生省。
#66
○説明員(田中収君) 水質基準に非イオン系界面活性剤の項目を加えるということでございますが、現在これにつきましては、水道水の原水中におきます非イオン系界面活性剤の先ほど申しましたように分析方法をまず確立いたしまして、その結果それが確定いたしました場合に実態把握をいたします。さらに非イオン系界面活性剤の毒性あるいは発泡性というふうなことを検討いたしまして、生活環境審議会の意見もお聞きいたしまして、必要に応じまして水質基準の設定についても検討してまいりたいというふうに考えております。
#67
○丸谷金保君 本来ならそういう検討が済んで安全性が確認されてから使用の許可が出るのがしかるべきだと思うんです。これは日本はその点では全く反対で、空気の方はアメリカに比べると面積が狭い島国ですから空気の量も少ないのでこれは大変だということになるわけですけれども、水が豊富だということでどうしても水の方がなおざりになりがちです。
 今度は下水道の方をお聞きしたいんですが、これは社労の委員会で同僚の高杉委員が質問したのに対して、三島市の光ケ丘団地の下水処理について、非常に界面活性剤、合成洗剤等の処理は石けんに比べてしにくいというふうなことの指摘に対して、これは現在土木研究所の関係機関で影響について調査研究しておると、こういう答弁がされております。この結果はどうなりましたか。
#68
○説明員(幸前成隆君) お答えいたします。
 下水道の終末処理場の処理方法といたしましては、先生御承知のように活性汚泥法が一般的に採用されておるところでございまして、この活性汚泥法を一口に申しますと、好気性の微生物の活動によりまして下水中の有機物を除去する方式でございます。この微生物の活動に対する洗剤の影響につきまして、昭和五十五年度、昨年度、建設省の土木研究所、下水道事業団等の関係機関の協力を得まして調査を行いました。この調査は、処理場におきます洗剤の現状等を把握いたしますとともに、市販の各種洗剤を用いまして室内実験によりましてそれぞれの生物分解性、活性汚泥によりどの程度除去されるかという生物分解性、それから下水処理に与える影響等について調べたところでございます。
 その結果によりますと、洗剤の生物分解性につきましては、洗剤の種類によりまして差はございますけれども、概して申しますといずれの洗剤もおおむね良好な分解性を示してございます。それから下水処理への影響につきましては、これまた洗剤の種類によりまして幾分差はございますが、通常の下水処理場の流入汚水において見られる程度の濃度でございますれば、いずれの洗剤の使用によりましても下水の処理能力が低下するということは認められませんでした。ただ燐につきましては、有燐合成洗剤の場合他の洗剤に比べまして原水中の燐濃度が高くなりますために放流水中の燐濃度も高うなってございます。
#69
○丸谷金保君 そうしますと、三島でやった実験、要するに石けんの方が合成洗剤、特に界面活性剤使用よりも非常に処理能力が上がるということについてはそういうことはないと、こうおっしゃるんですか。私は実は下水、屎尿処理なんかの関係、小さな町でやっておりまして経験的に体験あるんです。これは学問的でないですが、私は経験的には違うという感じなんですよ。合成洗剤がふえてくるとどうも活性汚泥法でやる場合にも能率が落ちると、だんだんと落ちてくる原因がやはりそういうところにもあるんでないかという体験を持っているんですが、そんなことはございませんか。
#70
○説明員(幸前成隆君) 昨年度行いました実験の結果によりますと、先ほど申し上げましたように、通常の下水処理場に入ってきます程度の濃度の場合でございますれば、BOD、SS等につきまして差はございません。
#71
○丸谷金保君 ここでも通常なんですが、そうすると、この試験の結果のデータを後でちょうだいいたしたいと思います。
 それぞれちゃんとやりますとどうも違うというのが素朴な疑問なんですが、通常のとかなんとかまくら言葉をつけないで、違わないと言い切れますか、あなた。それが大事なのです。直ちに影響がないとか通常では変化がないとかという全部逃げをつくっているんです。通常を使わないで、いや私は石けんも界面活性剤を使った洗剤も下水処理では同じだと思いますと、どうですか、言い切ってごらんなさい。
#72
○説明員(幸前成隆君) 実験いたしました条件が、その下水処理場に入ってまいります流入水の洗剤の濃度はMBASにいたしまして通常の処理上の場合には五ないし一〇PPmでございます。それから住宅団地の場合でございますと一〇ないし二〇PPmでございます。これをめどにいたしまして、一〇PPmの場合、それから二〇PPmの場合でいたしまして、この場合にはただいま申し上げましたような状況でございます。
 それからもう一つ、非常に高濃度の五〇PPmの場合でやってございます。これは通常の処理場の七ないし八倍の場合でございますが、この場合はならしますと、といいますことは事前に活性汚泥の適応能力を増大させておきますと、影響はない、こういうような結果になってございます。
#73
○丸谷金保君 活性汚泥法でそれはふやしておけば影響ないと、当然のことですよ。同じに使ってですよ。じゃ影響あるということでしょう、いまの言葉は。引っくり返せばそうでしょう。そういうふうに受け取ってよろしゅうございますね。――まあいいでしょう、これはもうあれですから。
 それで環境庁にお尋ねしたいんですが、この洗剤と石けん――洗剤と言ってもこの場合はこれからどんどん進んでくる無燐洗剤です。無燐の合成洗剤と石けんと環境保全上はどちらが好ましいというふうに感じますか。
#74
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 石けんがいいです。
#75
○丸谷金保君 そこで、これはもう石けんがいいと大臣が言い切ってくれたんで大変話が進めやすくなりましていいんですが、実は今度は、問題は石けんと洗剤で石けんの方が落ちにくいという、洗剤はもう、すぐ落ちるというコマーシャルがどんどん流されています。これにわりとお母さんたちが幻惑されてしまうんですが、この環境保全上非常にいい、溶解も早い、そういう石けんの使用の推進についてひとつ環境庁がんばっていただきたいと思います。
 実は、私から北海道の帯広市の地区の主婦協会の会長の塚本さんという人にお願いして、粉石けんでもって使ってもらったアンケートをずっととったんです。そうしますと、石けんを使った洗い上がりの方が実感としていいと、合成洗剤よりも汚れが落ちるというふうな人がほとんどで、どっちでも同じようだというふうな人もありますけれども、合成洗剤だけが特別に落ちがいいというふうなことにはアンケートの結果がなってないんです。
 ところが、いわゆるいまの宣伝の効力で非常に合成洗剤、無燐洗剤というふうなものが伸びて環境上いいはずの石けんの使用がなかなか伸びない。それだけでなくて、今度は輸入のヤシ油の問題であるとかいろいろなことが言われております。しかし、同じこの粉石けんを別な町村で使うと、どうも粉石けんの方が落ちが悪いというあれも出ております。これは調べてみますと、軟水と硬水の関係もあるなというふうな気がいたしました。実は、水道の水を川からとるのでは将来にわたって心配だという考え方から、地下水のくみ上げに切りかえた町村が同じ地域にございます。ここでは鉄分が非常に多いとか、いろんなことの除去はやっておりますけれどもちょっと落ちが悪い。しかし、それも先に攪拌するなりいろんなことをちょっと工夫すればそう落ちは悪くないというふうなことで、石けんが必ずしも洗剤に比べてそれほど悪くないというふうな報告が一市一町で調べた結果出てきております。
 こういうことについて、やはり石けん使用の推進ということについて環境庁はもう少し腰を入れていただけないものかと思いますが、いかがでございましょうか。
#76
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 環境を保護する意味では石けんがいいと、こういうことは言えるんです。
 そこで、使う人はどちらが便利かと言えば、これはやはり便利なのは洗剤の方が便利なんじゃないでしょうかね。ただそれが環境に悪いということであれば洗剤を使うのをやめて石けんにしようと、石けんだって影響はないですよということを言ってくる人がずいぶんいます。われわれの方もずいぶん心配していろいろな方面から聞いておりますが、やはり一般は、便利なことを言ったらそれは洗剤の方がいいですよと、しかしそれが閉鎖性水域などに非常に影響を及ぼすというんなら洗剤を使わないで石けんにしようと、そして石けんたってやり方によっては――何かめんどうくさいそうですよ、先に攪拌するとかなんとかいろいろめんどうくさい。だけれども、そういうことを除けばそんなに影響はないですよと言ってくる婦人の方も、団体もおりますので、われわれの方は、それは多少めんどうくさいかどうか知りませんが、閉鎖性水域などは特に燐なんかが入ると困るんですから、なるべく石けんを使ってくださいなということを言うているわけでございます。
#77
○丸谷金保君 そこで、だんだんそういう空気が強くなって石けんの見直しが進んできました。これは先ほど通産省、大変そういう点で企業に対してもいろいろ注意しているというふうなお話もございましたが、今度は合成洗剤を石けんという名称をつけて売ろうとするような動きが急速に高まってきているんです。一方で石けんの方がいいよと、やはり環境保全、いろんなことを考えてみんなで考えようというお母さんたちがふえてくるのに従って、石けんに切りかえさせちゃ大変だということがあるかどうかわかりませんが、私はあるんじゃないかと思うんです。要するに、合成洗剤の問題について、通産省にお伺いしますが、消費者の意識が非常に高まってきたということから、品質表示、このことについて、どうして石けんと洗剤というぴたっと二つの表示に整理することができないのか。何かまた今度もいま出ておりますね、扇谷さんが委員長をやっている委員会に、基準、わざわざ紛らわしい。
 実は、同じ主婦からくつ下が届いているんです。これは石けんに関係のあることではないですが、ナイロンが四六%で毛が五四%、これは毛とナイロンと書いていいんだそうですね、いまの通産省の規程では。これはいいことになっているんだそうです。これはよけい入っている方を先に書けばいいと言うんですよ。しかしやはり、五一と四九でもいいわけですから、そういったものが堂々とまかり通るということはおかしいじゃないかという主婦からの、これは滝川の西村さんという人から抗議してわざわざ実物を送ってよこしたんです。もう少し国会でしっかりせいと怒られたんですが、石けんの問題もまさにそのとおりなんですね。石けんを五一で無燐洗剤なり洗剤四九なら、これは何とか石けんという名前をつけられるんでしょう。これはおかしいと思いませんか、通産省。
#78
○説明員(牧野力君) お答えいたします。
 現在、いわゆる石けんにつきましては洗たく用石けんあるいは洗たく用複合石けんという表示が許されているわけでございます。洗たく用石けんにつきましては、いわゆる純石けん分が一〇〇%、あるいはその他の界面活性剤でありましてもそれが三%未満のものであれば洗たく用石けんという表示がなされておる。それから純石けん分を主体としつつその他の界面活性剤が三%以上のものについては洗たく用複合石けんという表示がなされているわけでございます。これにつきましては、製品安全及び家庭用品品質表示審議会、これは消費者の代表、専門家を含めまして、十分な審議を経まして五十一年に規程ができ、現在まで至っているわけでございます。
 御指摘の問題は、要するに純石けん分以外の界面活性剤が少しでも含まれているものについて石けんという表示をすることについて問題があるのではないかということであろうかと思いますが、五十一年の制定当時の状況を申し上げますと、洗たく用石けんにつきましては、その他の界面活性剤が三%未満であればその性能その他について問題はないという結論が出されたということ。それから当時石けんを生産をしております業者、中小企業が非常に多うございまして、合成洗剤と石けんを同じ設備でつくっておったと、製造技術上の制約が非常に強かったというような点も配慮いたしましてこうなったと承知しております。ただ、純石けん分以外のものを少しでも含めているものにつきましては、石けんという表示を許しておりましても、コメントとしましてそれぞれのどういうものがどれだけ含まれているかということを示しまして、消費者に要するに情報を与えておったということが現状になっているわけでございます。
 御指摘のように、ただ品質の表示という問題は、そのときどきの情勢に応じまして消費者の声その他の要求も十分にくみまして最も適切なものにしていくということであろうかと思いますので、最近のいろいろな情勢にかんがみまして、私どもといたしましては、本年の三月からこの石けん、合成洗剤の表示について適正な方法は何かと、どうすべきかということについて、先ほど申し上げました製品安全及び家庭用品品質表示審議会に諮問をいたしまして、現在検討を行っているところでございます。
#79
○丸谷金保君 それで、諮問している改正要綱ですね、これいま説明がありましたように、洗たく用の石けん一つとってみても界面活性剤を入れても洗たく用石けんというふうな、それから台所用石けんについてもそのような――これは公取も来ておると思うんですが、いいですか、石けんと洗剤とは本来違うものを、足して二で割るようなものに石けんという名称をつけることは表示規程から言って問題ありませんか。いまこれ要綱出ているんです。審議中なんです。
#80
○説明員(高場俊光君) お答えいたします。
 景品表示法は、御存じのとおり表示してある事項と事実が著しく相違がある場合に問題になるわけでございますが、これを判断する場合に、まず商品名がございましたら、その商品名という表示が前提になりまして、その上でそのベースに立ちまして事実がそれと違うかどうかを検討するわけでございますので、まず商品名の決定が先決でございまして、石けんの場合には、いま検討中でありますように、石けんという名前そのものではございませんで、洗たく用複合石けんというように工夫をこらしてありますし、名前を決定するのはそういう家庭用品品質表示法などに基づいてまず決めていただいて、その上で不当表示防止法の観点から検討したいと、そのように考えております。
 以上でございます。
#81
○丸谷金保君 公取としては決まってからいいとか悪いとかと言うんで、決まらない前から干渉はできないと、こういうことになるわけですね。
#82
○説明員(高場俊光君) いや、そういう意味ではございませんで、私が申し上げたいのは、ちょっと表現がむずかしいわけでございますが、まず自然的な商品ですと名称と成分というのがはっきりわかっているわけでございますが、このように工業製品ですと製品と成分というのが決まっていないわけでございますので、まず商品名というものを定義でもってはっきり決めていただくことが必要になるわけです。その決める段階では私どもではもちろん誤解を生ずるような名称をつけてもらうのは困るわけでございますが、ある程度審議会などで消費者の意見も聞いて社会的に認められる表示であれば問題ないというように考えているわけでございます。
#83
○丸谷金保君 この石けんの表示の問題ですが、これについてもそれぞれ消費者から相当意見が通産省の方には出ております。しかし歯牙にもかけないという言葉がぴたっと当たるくらいに問題にしないで、大手メーカーの考える方向にどうも決まりそうなんで、大変実は私たちはこれについて心配しておるんです。
 たとえば質を改めるということはよくすることに使う言葉ですね、これ通産省ね。ところがこの場合あれでしょう、純石けん分でつくった石けんは純石けんだと。それから石けん分が五〇%以上入っていれば、あとは合成洗剤との混合物を何で改質石けんなんというような形のものにしなきゃならないんだ。質を改めるというのはよくするということで、これは悪くなるんだ、純石けんより。これ見ていると、こういう話聞いていると、改質した方がよくなるんだよ。どうして洗剤は洗剤、石けんは石けんというふうにぴしっと決められないんですか。大手の方は石けんという言葉をだんだん使いたくなってきたけれど、洗剤の方が安くできるしいろいろな面でプラスになるから、環境庁が言うように水質の保全、そういうふうな環境上の影響もこれはだんだんと出てくるし、蓄積されていくということがわかっていながら、なおまだここで洗剤と石けんをチャンポンにしたようなものに石けんというふうな名前を使わせなければならぬのですか。
#84
○説明員(牧野力君) お答え申し上げます。
 いま先生御指摘になりましたものは、私どもいわば先ほど申し上げました審議会の検討のたたき台といたしまして、事務局といたしまして原案を出してその中にいま御指摘の改質石けんという名称をとったらどうかという案を示しているわけでございますが、それを示すその一応根拠でございますけれども、純石けん分だけを使った石けんでございますと、たとえばそのかすがたまって洗たく物に付着をいたしますとか、あるいは冷水に溶けにくいといったような欠点があるという指摘もございます。したがって、そういうものをその他の界面活性剤を配合することによりまして補う、性能を高めると、そういう意味合いをもちまして改質という一応の原案をたたき台として出しているわけでございます。
 なお、いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたようにこの審議会で現在鋭意検討中でございまして、私どもといたしましては、当然この審議会には消費者代表の方もいろいろ入っておられまして鋭意検討を行っておることでございまして、消費者の要求を歯牙にもかけないというようなことは行っているつもりはございません。
#85
○丸谷金保君 消費者代表も入っていましてと言いますけれども、その消費者代表はおたくの方で選ぶんですよ。この種審議会いろいろ私らも見てきましたが、おたくの気に入らない人はすぐ外されますね。外されている例も知っているんです。大体方向を決めておいて、イエスというような答案の出てくるような人を集めて消費者代表入っていますと、それは逃げにはならないです、審議会からどういう答案が出てこようと最終的に決めるのは行政府なんですから。審議会でこう決めたからそのとおりやりましたなんという逃げは、私も町長時代はたまには使いましたよ。だけれど最終的な責任はそんなことじゃ済みませんよ。あなたたち自身がそれでいいと思うかどうかなんです。あなた自身どう思います。何で洗たく用石けん、半分半分に入れて、さっきのくつ下みたいなもので。
 それで半分半分に入っているということの成分表なんというのは、もうあれ見ると本当に小さくて、だれも見ないようなところにちょこっと書いてあって、見ないですよ。これがちゃんと一番上の方に、これは石けんと洗剤半分ずつですというのがよく消費者にわかるようにぴっと表示してあるなら別ですよ。半分ずつのもので石けんですと、こういうんならわかりますけれども、できるだけそういうところは隠して、恐らくテレビのコマーシャルで、新しい石けんができました、洗たく用のと、こういうふうなことにすりかえられる。そうしてそれは積もり積もって環境の悪化につながることに手をかすことに通産省なるんです。あなたのお孫さんくらいのときに大変なことになったらどうします。もう少しそこら辺ではっきりさせるという考えございませんか。
#86
○説明員(牧野力君) いまの前半の御質問に対しましては、何度も申しますが現在審議会で検討中でございますので、私どもといたしましてちょっといまの段階で意見は差し控えたいと思います。
 なお、いま先生がいろいろ御指摘になりました点につきましては、十分に認識をいたして今後行政に当たっていきたいというふうに考えます。
#87
○丸谷金保君 それで今度は環境庁にお願いをしたいんですが、私は石けんと洗剤、環境には石けんの方がいいんだと、こういう角度で言えば表示は二つでたくさんだ。何か妙に、洗剤を入れて石けんという名前をつけて、そういう環境上悪いんだということの明らかなものをすりかえて名前をつけて売るというふうなこと、こういうことについて環境庁としてはどうですか。現在の洗剤、石けん、この二つでわかりやすくしておいてもらった方がいいとお思いになりませんか。石けんという名前で洗剤が入ってくると、こういうことについてどうお考えになります。
#88
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 環境保護の面から言えばいまの段階では石けんが好ましいということは先ほど申し上げたとおりであります。
 そこで、そんなに環境問題で石けんが好ましいなら石けんを使おうかという婦人団体もしくは個人の方がだんだんふえていることは、私どもの方としては歓迎すべきことであります。そこでそういう人たちのために関心を買うということですかね、言葉は適切じゃありませんが、これ石けんですよというように紛らわしいことをやるということは、これは商業道徳上けしからぬことだと、こういうふうに思います。石けんは石けん、洗剤は洗剤。それでもし石けんの中に洗剤を少し入れることが決して環境を悪くしないんであって、これでむしろ純然たる石けんよりもいいんだというんだったら、そのことをよく説明に書いて、一目してわかるようにしなければ、それで選択者の選択に便利にするようにしなければ商業道徳上もよくないと思いますが、それは通産省の問題でありまして、私どもの方は石けんがよろしいということをもう一回申し上げてお答えにいたします。
#89
○丸谷金保君 問題はそこで、商業道徳の問題なんです。商業道徳の問題としてテレビの不当コマーシャル、このことについて公取にお聞きいたしたいと思うんですが、五十四年の九月に日本消費者連盟から公取に対して三社の洗剤の不当コマーシャルについての申告をしたことがございますね。それでこれはその後注意して改善されたというふうにも聞いておりますが、この場所で、どういう注意をしてどういうふうに改善されたか、記録に残したいんで明確にひとつ、言い伝えだけじゃ困るんで。
#90
○説明員(高場俊光君) お答えいたします。
 まず要望の内容でございますが、日本石鹸洗剤工業会に対しまして要望書を出しておりますが、その内容をかいつまんで御説明いたしますと、テレビコマーシャルの中に映像、音声を用いて汚れのひどさと洗浄効果の完全さを対比させるなど、洗浄力についてことさら強調した表示が見られたということでございます。これに対しまして、洗浄効果について一般消費者に誤認を生じさせるおそれがあるものと認められるので、今後改善してほしいという内容の要望を行っております。
#91
○丸谷金保君 最後に、そのことでもう一つお伺いしますが、問題は、それは要望したということですが、消費者連盟の方ではこれは明らかに景表法違反だということでしているんですが、そうすると公取はこれは違反にはならないというふうにお思いなんですか、こういったトリックコマーシャルが。申告の中でも明らかにされているように、最初から真っ白いものを洗ったと、そしてこんなに白くなったというふうな事実がわかってきているんでしょう。これは違反でないんですか。あなたたちの方は違反だという申請に対して、直せという要望をしただけでこれを済ませるんですか。
#92
○説明員(高場俊光君) お答えいたします。
 確かに洗浄力につきましては誇大な表現があると思いましたので調査したわけでございますが、その結果もやはり誇大だということでございましたが、正式な法律上の措置といたしましては排除命令というのがありまして、その手続で行いますときには景品表示法違反ということを明確にするわけでございますが、警告であるとか要望の場合には、そういう言葉を使うわけにいきませんので、おそれがあるという表現を用いているわけでございますが、改善させる必要性というのはもちろん認めているわけでございます。
 先生御質問のように、その後どうかということでございますが、テレビコマーシャルはまさに印象の問題でございますので、どこがどうということを明確に申し上げることはできませんが、よくテレビごらんになるとおわかりになると思いますけれども、前に比べたら大分よくなってきていると思っております。
 それで、現在業界の方でも公正競争規約というものをつくって適正なコマーシャルのあり方を検討しているわけでございますので、その規約設定というものを指導してまいりたいと考えているところでございます。
#93
○丸谷金保君 それじゃ最後にこのことで確認をしたいと思いますが、公正取引委員会としては誇大広告であるという認識のもとにテレビコマーシャルの放送内容の改善を要望した、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
#94
○説明員(高場俊光君) そのとおりでございます。
#95
○委員長(坂倉藤吾君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩をいたします。
   午後零時四十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十二分開会
#96
○委員長(坂倉藤吾君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、公害及び環境保全対策に関する件及び交通安全対策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#97
○美濃部亮吉君 長官は、しばしば自然というものはわれわれが先祖代々引き継いだものであって、これを損傷しないで後世の人たちに引き継ぐというのが現在のわれわれの責任であるということをこの委員会でもしばしば伺っておりました。私も全く賛成でございます。また国民の大多数の人たちもそう考えているのではないかというふうに考えるのでございますが、それにつきましては、「自然保護に関する世論調査」というのを総理府内閣総理大臣官房広報室がやりまして、その結果がことしの六月に調査をいたしまして十月に発表されましたが、長官ごらんになりましたでしょうか。
#98
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 十分見ております。
#99
○美濃部亮吉君 それでは私が言うまでもないことでございますけれども、少しその重大な点だけを申し上げますと、野外の自然の多いところに出かけたかというのは六六%出かけた。それでどのくらいの回数かというのに対しては一年に一回ないし三回。そうして何のために行ったかというのは、野外のレクリエーションを楽しむためというのが五四%でございます。それから自然の美しい風景を守るためにこれ以上観光施設を整備する必要はないと答えた者が四八%であって、イエスと、整備しなければならないと答えた者がわずかに二三%。それから自然を保護することが大切だと思うかというのは、実に九四%の人たちが自然を保護することが大切であると思いますという答えをしております。それでなぜ自然を保護することが大切かという問いに対して、自然は人間の心にやすらぎや潤いを与えてくれるからというのが七九%でございます。それから自然や歴史的遺跡などを保護する運動は大切と思うかというのにも、六九%が大切に思うと。その次は、自然保護に対する政府の取り組みは積極的であると思うかということに対しては、二〇%しか積極的であると思う人はいないで、四二%が消極的であると思うと答えております。
 世論調査というものは、国民がどう考えているかを正確に知ることはできないけれども、大体において動向を知ることができると思いますけれども、長官はこの世論調査の結果についてどういうふうにお感じになるでございましょうか。
#100
○国務大臣(鯨岡兵輔君) いま美濃部先生言われたように、六月に実施いたしまして十月にまとめたんですが、対象は三千人。それで有効な答えをいただいた方が何と二千四百十七人、八〇%でございまして、この種のアンケートにしては非常に多いんですね。
 それから、恐縮ですが、美濃部先生いま、自然保護に対する政府の取り組み方の評価について、積極的にやっていてまことに結構というのが二〇%、それから消極的でだめだというのが四二%と言われましたが、五七%なんです、本当は。もっと多いんですよ。まことに残念なんです、これは。
 そこで、全体で私が感じたことは、国民の方々は自然保護ということに対して非常に熱心である、もうわれわれが考えている以上に熱心であるということですね。これは非常にありがたく力強く思いまして、わが意を得たりという考えなんです。ただ、まあ今日のような経済情勢の中でございますから、われわれ一生懸命努力しているんですけれども、国民の目から見ればだめだなあという感じがあるんだなと感じまして、まことに残念であり申しわけなく思っておるわけでございます。
#101
○美濃部亮吉君 私もこの結果を見て、国民が自然保護に対して非常な熱意を持っているということに非常に感服したのでございます。そうして政府の態度が消極的であって積極的でないということは、私が目で見ましてもやはりそうとしか映らないんでございます。
 それで、その私が見たことを中心として申しますと、たとえば小樽の運河を埋め立てるという問題つまり自然の破壊が行われようとしているか、行われつつあるか、あるいは行われてしまったかというふうな個所を数えてみますと、いまの小樽の運河、これはつぶしてしまおうと、破壊しようという計画でございます。それから苫小牧の東部の埋め立て、これは参りましたけれども、一面に埋め立てをしまして、大事な湿地帯が台なしになっていて、しかも企業はほとんど全く来ないという状況になっております。
 それからむつ小川原、これもまた実にひどいんでございまして、自然を破壊して埋め立てて、企業が来るという高度成長の政策に沿って埋め立てたんでございますけれども企業は一つも来ない。そうして巨額な漁業補償をやりまして、その漁業補償をもらった漁家が一ところに非常なりっぱな家をたくさん建てて、中には菊の御紋をつけた家まである。そうして企業が一つも来ないので働くところがないので、みんな出かせぎに行って昼間はもう森閑としているという、惨状を呈しているという状態でございます。
 それからまた、原子力船の停泊をする港をつくるというのが、やはり陸奥海岸につくろうという計画だそうでございます。それから先ほどもお話に出ました霞ケ浦、諏訪湖、琵琶湖、この汚染というものも、対策にいろいろ努力はされておりましょうけれども、いまなお進んでいる。それから東京湾にはフェニックスプランというべらぼうなものができまして、千代田区全体くらいのごみの捨て場をつくろうという、名前は大変美しいフェニックスプランというものが立てられております。それからまた羽田空港、それから関西の空港の拡張、これももう非常に慎重にしない限り東京湾及び関西の海が汚れてしまう。それから四国の四大橋、これがやはり自然の破壊になっていると言わなければならないと思う。
 それから志布志湾の埋め立て、これは毎々申し上げますとおり、これから行われようとする大規模な自然破壊の計画を立てていると思います。それからまた、この間問題になりました宍道湖の中海の埋め立ての問題、それから沖繩の金武湾の埋め立ての問題、それから日高山脈の横断道をつくろうという問題、こういうふうにどうも自然破壊の企画あるいは自然破壊の何といいますか計画の実現というものがどうとうとして全国的に進んでいる。
 これはまあ私の考えるところですと、やはり建設及びそういう工事をするのにいろいろの不正、このごろの新聞にたくさん出ておりますように不正があって、非常にもうかるというために政府、県などを動かしてこういう大規模な工事を始めるという企画及びその実行が進められているのではないだろうか、そういうふうに思うんでございます。こういうような状況について長官はどうお考えになるでございましょうか。
#102
○国務大臣(鯨岡兵輔君) いま美濃部先生いろいろの場所の例を挙げてお話しでございましたが、それらを一々お答えをする必要もないかと思いますが、これを総じて言いますと、ずっと前に計画を立ててそれでもうできちゃったものがあります。それで、それは企業を誘致するとかあるいはお米が足らないからお米をつくる農地にするとかいうようなことで、当時としてはそれは大事なことだというんで計画を立ててすでにできちゃった。できちゃったけれども、いま先生言われたように、その後情勢が変わりまして工場の誘致なんか何にもないから空き地になっている。あるいはお米は今度は余っちゃうという、減反しようというんですから、農地をつくってもしようがないというのでそのままになっているというようなところが目につきます。本当に計画というものはむずかしいなあとつくづく思うんですが、それはできちゃっているんですからこれをどうしようかという問題、これは一つあります。
 それから計画は立てたけれどもつくってなかったものがあります。計画は立てたけれども今日までいろいろな事情で、オイルショックや何かでできてなかったものがある。これは私に言わせれば、いまになってみれば必要か必要でないかということを考えて、やるのならやるべし、これは要らないなと思ったらやめたらいいと思うんです、改むるにはばかるなかれで。だけれども、どういうものか考えたことはどうしてもやらなゃやならぬといってどんどんやっている傾向がありますので、これらについてはいろいろ私の方から、どうだろう、前に計画を立てたとは言いながら――そしてまたその組織があるんですね、人がついていて。だからどうしてもやりたいと思うんでしょう。だけれどもそれはつまらぬことじゃないかというようなことでやっているのもあります。
 それからもう一つは、美濃部先生のお話の中にもありましたが、これから計画を立てようというものもあります。これはわれわれの方に制度上聞いておかなければならぬものもありますから、そういう点についてはわれわれは真剣に考えて、どうしてもやらなければならぬものはアセスメントを十分にしてやっていく、目を光らせてやっていく。それからどう考えても要らぬことだなと思うようなものもないわけじゃありませんから、そういうものについては賛成できないということでやっていることは御承知のとおりであります。
#103
○美濃部亮吉君 いま申し述べたいろいろな場所は、もうでき上がってしまったというものは全部のけてございます。たとえば八郎潟の埋め立てというものはでき上がっておりますから、これも大変な自然破壊でございますけれども、もう済んでしまったことですからすっかりどけて、進行中のもの、それから計画だけできてまだ着手はしていないもの、それから計画中のもの、そういうものを挙げたのでございます。まあいまもお話の中にございました君子は過ちを改むるにはばかるなかれと、過ちだと思ったらぼくは改めるのが本当で、たとえば私、飯田堀を許可いたしましたけれども、最近になってはこれはよくないと、もしぼくが知事であったならばもう一回当然再検討すべきであって、過ちは改むるにはばかるなかれである、そういう態度をぜひともとっていただきたいというふうに思うんです。
 そこで、私はここではわずかな時間でございますけれども、日高の問題を取り上げてみたいと思うんです。
 これは十月の一日に国定公園になりましたばかりでございまして、北海道庁あるいは北海道開発庁の計画はございますけれども、国定公園の固まった計画というのはまだないのではないだろうか、つまり計画をこれから立てようという問題の場所だと思うんです。それで、私及び地元の人たちの最も心配しておりますのは、静内といいますか、静内から非常にむずかしい名前のところまでの横断道路をつくろうということで彼らの心配しておりますのは、この日高山脈の地域というのは原始林がそのままの状態で残っている最も広い地域である、そこに横断道路をつくってしまっては自然の生態、植物、動物の生態その他に非常に悪影響を及ぼす。何とかしてこれをいまのままに、原始林のままにとっておきたい。
 それからもう一つは、北海道などのこの道路の何といいますか有効性は、つまり釧路と苫小牧を結ぶ幹線道路をつくりたいということを第一に掲げているようでございますけれども、その道路は何号線でございますか、国道二百七十四号線と、それからこれはできてはおりませんけれども大樹と浦河を結ぶ横断線がある。それで二百七十四号線を通って釧路から苫小牧に行くのに三百十六キロだそうでございます。それからいまのできつつある道立線だと三百二十六キロ、それからいまつくろうと思っています横断道路だと三百三十キロあるんです。つまり三本同じような目的の道路ができるわけであって、そのうちでも今度つくろうと思う道路が一番遠いということなんでございます。
 それで、第一に伺いたいのは、これどうもいろいろ諸説紛々といたしまして、私も自分で調べたりそれから方々で聞いたりいたしましても明白ではないんでございますが、国定公園の中に横断道路をつくるということは、環境庁はそれにどういうふうな点において関係しておるのか、最終的な決定権は環境庁にあるのか、あるいは同意のあれがあるのか、あるいは意見を述べるのがあるのか、どういうあれがあるのかよくわからないんでございます。それは環境庁としてはどういうふうにお考えになっているんでございましょうか。
#104
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 私がこの問題についてどう考えているかということは後段にお答えをいたしたいと思いますが、いま先生の御質問は、どういう手順になるのか、制度上どうなっているのかというお話でございますから、それは自然保護局長から答えさせます。
#105
○政府委員(正田泰央君) 自然公園法上のいまこの問題の位置でございますが、先ほど先生がちょっとお触れになりました計画ということでございますが、公園を指定いたします場合には基本となります公園の保護とか利用の計画というのがございますけれども、これは審議会の答申を得て私ども環境庁が決めております。したがいまして、いま先生が御指摘になりました道路の問題は、計画とか何かの問題ではございませんで、公園の管理者でございます北海道知事が、地元と申しますか、いろいろな関係者の要請に基づいて、それが必要かどうか、管理者としてその道路を通していいかどうかということをまずお考えになる。仮に考えられます場合には、知事がそれを道の審議会などに意見を聞くこともありましょう。それから事柄の性質上、環境庁長官等にこれでいいだろうか、こういう協議を求めるといいますか、そういうような筋道になろうかと思っております。
#106
○美濃部亮吉君 私の調べたところによりますと、自然公園法の十二条の2項というので「国定公園に関する公園計画のうち、利用のための施設に関する計画で政令で定める施設に関するものは、環境庁長官が、関係都道府県の申出により、審議会の意見を聞いて決定する。」というふうに書かれております。それで施行令におきましては、いまの「第十二条第二項に規定する政令で定める施設は、国定公園の利用上重要と認められる道路とする。」とあるんでございます。その「国定公園の利用上重要と認められる道路」、ぼくはこれは横断道路は当然それに入るんじゃないかと思いますけれども、北海道庁ではそれは入らないという意向だということを聞いております。その点はいかがでございましょうか。
#107
○政府委員(正田泰央君) これは先ほど申し上げたとおりでございまして、許可の権限は北海道知事になっております。しかしながら特別保護地区とか第一種特別地域という特別な地域でございます。そういうところで開設する道路につきましては、処分に先立ちまして環境庁長官に協議するように昭和五十四年の自然保護局長の通知をもって行っておりますので、制度上このようになっております。したがいまして、北海道事務当局はいま先生のお話のようなことはないと思っておりますし、当然知悉していると、こういうふうに私どもは理解しております。
#108
○美濃部亮吉君 特別保護地区と第一種何とかいうその地区にひっかかると、これは環境庁長官の承認といいますか、決定が要るということになっているんでございますが、その第一種何とか地区に五キロかかっているんだそうでございます。それを逃れるために地上を通さないでトンネルを掘るということになるとそれはひっかからないというんだそうですよ。それはぼくはトンネルを掘ればなおのこと道路をつくるよりはもっと自然破壊になるというふうに考えるのでございますが、どうでしょうか。
#109
○国務大臣(鯨岡兵輔君) いろいろお話がありましたが、いま問題になっている、いま美濃部先生の言われている道路をつくろうとすれば、環境庁長官がいいと言わなければできないんです。
#110
○美濃部亮吉君 それを伺って非常に心強い気がいたします。それではぜひともこの横断道路、これをつくりますならばその自然破壊というものははかるべからざるものがございますので、どうぞ絶対に許可しないようにお願いをいたします。
 これで私は終わります。
#111
○国務大臣(鯨岡兵輔君) きわめて慎重に検討いたしております。
#112
○中野鉄造君 私は、まず最初に今日の交通事故、それもきわめて悪質な人身事故に関して二、三お尋ねしたいと思いますが、先般当委員会でも御質問申し上げたことがございますが、いわゆる覚せい剤常習者によるところの交通事故、これはもうまさに気違いに刃物的なそういう悪質な問題である、そういうことで警察庁にこの取り締まり方の現況をお尋ねしたわけでございますが、御承知のように最近の新聞で見ましてもまたまたこういった事例が散見されるわけです。覚せい剤の取り締まりとは別であるからというお考えもあるかと思いますが、そうした覚せい剤常習者による運転免許証の所持、そしてまたその人たちが運転をしていると、こういう現況を見てどういうふうに思われますか。
#113
○政府委員(久本禮一君) 先生御指摘のとおり覚せい剤を使用いたしまして運転をするということは、交通安全の面から見ますと黙視できない重要な事態でございます。おっしゃるとおり覚せい剤事犯というのは、カテゴリーとしては保安警察が見ているわけでございますが、交通警察もやはり道路交通の面でこういった現象が起こらないよう現実の指導取り締まりの機会におきましては十分そういった着意で当たりますとともに、覚せい剤の常用者といたしましては、これは運転免許行政上危険性帯有者として行政処分をいたしております。
#114
○中野鉄造君 どうしてもやはりそうした重大事故が起こってからこの運転手は覚せい剤の常習者であった、あるいは過去にそういうようなことで検挙された前歴者であったというようなことがよく述べられますけれども、少なくともそうした――余り突っ込んだことになりますとこれは人権問題になりますのでできないかもしれませんけれども、そういうリストアップというか、そういうことはできているんじゃないかと思いますけれども、そういうものが仮にもしあるとするならば、それらによって事前のそうした監視体制というものはできないものですか。
#115
○政府委員(久本禮一君) 先生おっしゃいますとおりこれはなかなかむずかしい問題ではございますが、まあリスト云々ということもさることながら、やはり警察のあらゆる部門が覚せい剤は治安上許すべからざる対象であるという着意で、相互の関連を持ちながら警察活動を有機的に行うというところに意味があるというふうに存じております。したがいまして、交通警察でございますれば運転免許、そういった危険な人物が運転免許証を所持して運転するということにおきまして、それから保安警察でございますればこういった形の国民の健康に害毒を及ぼす事案が蔓延するという意味におきまして、刑事警察におきましては暴力団がこれに介在をしていろいろな犯罪に及ぶという面におきまして、いろいろな部門に関連がございます。こういった関係の情報を緊密にとりながらこの根絶を期していくというところに実効があると考えておりますので、交通警察といたしましてもそういった点に着目をして積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#116
○中野鉄造君 当然懸命にその辺の努力はなさっておるとは思いますけれども、現実には一向に絶えないでますますそうした悪質交通人身事故が続出しているというのが現況ではないかと思います。これはやはり、この間私ちょっと提案申し上げたんですけれども、免許証の取得の際に、あるいは更新の際に、尿検査だとかあるいは血液検査だとか、そういったようなことでこの人が常習者であるかないかといったようなことを判断するというか、そういうあれはできませんか。
#117
○政府委員(久本禮一君) いろいろやり方につきましては問題でございますが、交通警察上常用者として運転免許証を交付するのは危険であると言えるような人物につきましては、運転者管理センターにおきまして手配登録をいたしております。これを有効に活用いたしまして、こういった危険な人物に免許証が渡らないような措置をしているわけでございますが、この点につきましては今後とも充実をしてまいりたいと存じております。
#118
○中野鉄造君 どうかひとつ、先ほども申し上げておりますように一向に減らないという、減るどころかますますふえるような現況にかんがみまして、その辺の取り締まりは厳重に行っていただきたいと思います。
 次に、私、交通遺児家庭の現況と申しますか、これに関連いたしまして数点お尋ねいたしたいと思いますが、交通遺児家庭の生活難というものが訴えられておりますが、これは非常に私たちが想像する以上に厳しいものもあるわけでございまして、調査したところによりますと、交通遺児家庭のうち九〇%に当たる母子家庭でいろいろなアンケート調査をとったわけですけれども、交通遺児育英会の調査によれば、一人当たりの実収入が一般家庭の四五・八%、非常に厳しい生活苦を強いられているわけでございます。しかも、そのまた生活苦によりまして一家を支えているお母さんの健康というのも、これは日ごとにむしばまれているというような二重苦の現況がそこに浮かんでくるわけでございまして、まことにこれはもうお気の毒としか言いようがないわけでございますが、こうした社会的弱者救済というその政治責任を私ども強く感じるわけでございます。したがいまして、こういう現況についてどのようにとらえ、またこの救済対策をどういう措置をもっていま臨んでおられるのか、お尋ねいたします。
#119
○政府委員(仲山順一君) 交通遺児の生活苦につきましては、われわれの方では、昭和五十五年度に交通事故の被害者の援護に関する総合調査、それから昭和五十一年度には交通遺児等実態調査報告などを調査しておるわけでございますが、これを見ましても大変いま御指摘のとおり交通遺児の生活は厳しい状況にあるということが示されておりまして、そこで政府といたしましては、事故による損害賠償が適正に行われておることがまず大切なことでございます。そのためには、自動車の損害賠償の補償制度の充実はもとよりのこと、損害賠償の請求についての援助等が十分に行われているかどうか。
 それから、特にいまの交通遺児を対象とした施策といたしまして、自動車の事故対策センターの奨学金、奨学資金等の貸し付けの制度、それから交通遺児等の高等学校授業料の減免の制度、それから財団法人交通遺児育成基金によります交通遺児育成基金の制度、さらに交通遺児育英会、これは総理府と文部省と共管でございますが、これの育英資金等の貸し付けの制度、さらに財団法人道路施設協会によります奨学資金の援助、これらそれぞれの制度がございまして、これを広く実施、活用しておると。さらに地方公共団体におきましても交通遺児を対象といたしました施策をそれぞれ実施しているというわけでございまして、これの援助につきましては関係団体等とも十分に協力援助していただくように、それぞれわれわれとしてできるだけの施策、努力をしているつもりでございます。
#120
○中野鉄造君 いま述べられましたようないろいろな諸制度がもうここ数年来相次いでできましたものの、こうした年ごとに上がっていく物価、そういったような時代の流れについていけなくなっているんじゃないかと、そういうような気がするわけですが、どうでしょうか。
#121
○政府委員(仲山順一君) 最近の調査でございますが、昭和五十五年に調査いたしました交通事故の被害者の援護に関する総合調査、これで見ますと、交通事故によって死亡または重傷を負ったという人の世帯の年段階級別の分布を見ますと、年収が二百万円未満という世帯が全体の一八・九%、そのうち死亡者の世帯では二六・五%となっておりまして、調査の性格上その比較は必ずしも適切でないかもしれませんが、総理府統計局の昭和五十四年度の家計調査におきますと、年収二百万円未満の世帯が全体の一一・五%となっておりますから、確かに先生おっしゃられますとおり、そこに低所得世帯の割合が高いということで見ますと、おっしゃるような厳しい状況に置かれておるんじゃないか、こういうふうに思います。
#122
○中野鉄造君 この事故補償ということにつきましても、アンケート調査によりますと、自損事故で補償金ゼロまたは五百万円以下というのが圧倒的に多いわけでして、これが八一%となっております。二千万を超えたのはわずかに二%であります。こうしたことも遺族の生活基盤を支えるにはまことに頼りないという一つの証拠になるわけですけれども、この悲惨な現況を踏まえて現行の制度のあり方にも多少問題があるんじゃないかと思います。
 私、ここに交通遺児育英会によって「つぶやき日記」という全国の交通遺児家庭から寄せられたものを持ってきておりますけれども、約五、六千の交通遺児の家庭の中からある日ある時のお母さん方のつぶやきをここに実録したものでございます。
 青森県のある電気部品を内職にしている四十八歳の主婦の人、「私は給料をもらうと一番に米を買う。米があればなんとかなる。」、あるいは兵庫県の三十九歳の経理事務をやっている主婦の人です、「いただき物と冷蔵庫の中の残り物等で五、六日過す。」、福井県の四十二歳の内職の主婦です、「カレーをする。家では沢山作るので三食から四食はたべられる。煮返した方がおいしい。子どもがお年玉を使わないでためていた貯金を無断で引き出してしまった。思いがけない金ばかり今月はいったので仕方がない。子供には悪いがいつ返せるかわからない。」、また栃木県の四十九歳の洋裁をやっている方です、「四月には税金や二男、長女の学費、いくらやりくってもとまらない出費におどろく。食費を節約するほかないのである。長男の預金を下してしまうので、さみしそう。今が一番大変な時だから協力してねとたのむ。仕方なさそう。」、富山県のプレス工を内職にしている主婦の方です、「食費を今日も一日節約したのに、子供の学校集金とは残念。二千円も出費した。」、こういったようなもうたくさんの痛ましいというか、本当にわびしいお気の毒としか言いようのない生活を繰り返しておる方々がいらっしゃるわけなんです。
 こうした交通遺児家庭の実収入の目減りからその家庭に占める教育費の割合が、これはもう近年とみにふえている傾向にございます。これは育英会のアンケートによれば、一般家庭が二・八%に対して遺児家庭は一〇・一%と非常に高くなっております。一方、高校、大学の入学金、授業料あるいは通学費等、年々これは高くなるばかりでありまして、その結果進学を断念せざるを得ない、あるいは進路を変更せざるを得ないといったような種々な問題もこれに派生してくるわけでございまして、このような現実を踏まえてせめて少しでも教育費の負担を軽くしてあげる、そういったような軽減を考えていくべきじゃないか、前向きに取り組んでいくべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#123
○政府委員(仲山順一君) 御指摘のようなことでございますので、現在交通遺児育英基金による交通遺児育英基金制度、それから交通遺児の育英会の育英資金等の貸し付け、それぞれの問題点、会議等においてその点は指摘されておりまして、額を上げるようにする必要があるとか、それぞれできる範囲内においてやる必要があるということは目下審議されているというふうにわれわれ承知しております。
#124
○中野鉄造君 審議はされておりましょうけれども、見通しとしてそれは上がりますか。
#125
○政府委員(仲山順一君) これは自賠責の方の基金との関係、全体のことがございますので、そちらの方に働きかけをやるようにいま進めておるというふうに聞いておりますが。
#126
○中野鉄造君 いまおっしゃった交通遺児育英会についてお伺いいたしますけれども、この育英会の財政状態といいますか、それと実績についてお聞かせいただきたいと思います。
#127
○政府委員(仲山順一君) 育英会の昭和五十六年三月末現在の資金状況でございますが、これは発足以来十二年間の寄付金、補助金等の累計額が百二億八千四十五万円に上っておりまして、手持ち資金三十三億円、うち基本財産は十八億、それから運用財産が十四億八千万ということで、基本財産は取り崩しのきかない、利子だけしか使えていないで、手持ち資金では一年間の奨学資金しかないというふうな状況のようでございます。
#128
○中野鉄造君 非常に財政的にはいまピンチであると、こういうことですね。
#129
○政府委員(仲山順一君) そういうことです。
#130
○中野鉄造君 したがって、いま御説明があったようなこの育英会の資金調達を見ると非常に苦境に立っているということですけれども、その中にあって過去大学生を中心とした四十五年から始められました募金運動はことしで十億円に達していると、こう聞いております。交通遺児の救済にこれは大きく貢献したということになると思いますが、しかしそれ以外の寄付金の伸びというのは余りこれは芳しくないということも聞いておりますけれども、やはりそうした一時期的な学生等による街頭の募金といったようなことではなしに、やはり常日ごろのそうした寄付金の伸びというのでなければ、なかなかこの財政というものの明るい見通しが立たないんじゃないかと思いますけれども、また一方国からの補助金というのもこれは三分の一となっておりますけれども、こうした民間からの募金だとか寄付に期待を寄せると同時に、国としてもそのためのこれは一層の努力が必要じゃないかと思いますし、先ほど申し上げましたような交通遺児家庭の貧困の現状にかんがみまして、この補助率をアップしていくと、そういうお考えはございませんか。
#131
○説明員(黒野匡彦君) この交通遺児育英会に対しましては運輸省の自賠保険の運用益から従来から助成をしてまいっておりまして、いま先生御指摘のように三分の一という補助率でやってまいっております。ちなみに今年度の予算が二億七千八百万という額でございまして、来年度はこの補助率を上げるということで、現在二分の一の補助率、額で申しますと四億三千二百万の要求をしておりまして、今後予算折衝の段階におきましてこれを何とかかち取りたい、かように考えております。
#132
○中野鉄造君 ぜひひとつよろしくお願いいたします。先ほども申し上げましたようにこの教育費といったようなものはもう絶対額としてこれは出費されるわけでして、食料だとか衣料費をどんなに切り詰めたとしてもこの教育費だけはどうしようもないということになりますし、また青年の将来を思うときに可能な限り学問のチャンスをつくってやらなければいけないし、またつくってやりたいとするのが親の心情でもあろうと思いますし、また政治の責任でもございますので、ひとつこの意味からもぜひこの点については御努力をいただきたいと思います。
 交通関係はこれで結構です。
 次に、地熱発電関係のことについてお尋ねいたしますが、オイルショック以来エネルギー源の多様化あるいは代替エネルギーの開発というのが進められてまいりましたけれども、資源の少ないわが国としてはやはり地熱開発が有望な代替エネルギーと見られておりますけれども、まずこの地熱開発の現況と地熱発電の供給目標についてお尋ねいたします。
#133
○説明員(廣瀬定康君) 現在わが国では七地点、出力にいたしまして十六万五千キロワットの地熱発電所が運転中でございます。このほかに建設中のものとして一地点、五万キロワットがございます。また、昨年十一月に策定されました石油代替エネルギーの供給目標におきまして昭和六十五年度までに開発すべき地熱の供給数量の目標といたしまして石油換算で七百三十万キロリットルとしております。このうち発電用としては設備容量にいたしまして三百五十万キロワットを見込んでおります。
 以上でございます。
#134
○中野鉄造君 地熱開発でいま最も問題になっているのが何と言っても地熱の賦存地域の多くが国立あるいは国定公園の中にある。地熱開発と自然保護、景観保全の調整というのがやはり問題になってきますけれども、現在七カ所ですか、七カ所に限って地熱発電所が建設され稼働中でありますけれども、早いところで昭和四十一年から開発されておりまして、その経験から公園内における地熱開発の問題点などを分析評価し、また今後の方向についていろいろお考えになっておると思います。申し上げるまでもなく地熱発電のもたらす景観を阻害する点だとか、あるいは水質にどういう汚染を、あるいは大気にどういう汚染を及ぼしたかといったような過去のデータ等もあるんじゃないかと思いますけれども、そこを説明していただきたいと思います。
#135
○政府委員(正田泰央君) ただいま先生七カ所とおっしゃいましたが、公園内で四十一年からやっておりますのは六カ所でございます。
 いま御指摘の問題点の分析評価ということでございますが、できているものもございまするし、まだいろいろむずかしい問題もあります。特に私どもの景観の一番大事な問題、それから生態学とかそういった面から見て非常に大事な重要な地域と重なる面が多うございますので、今後はそういったようなことを避けるような考え方を持っておりますが、特に発電所は非常にスケールが大きゅうございますから景観上非常に問題があるとか、あるいはそこから放熱をする場合のいろいろな植生に与える影響というものもございます。それからパイプの敷地でございますね、それから井戸でございますね、こういったことが従来の火力、水力にない発電所の一つの景観上の問題がございますので、こういったものについては景観上厳しく考えて管理しなきゃいかぬ、こういうふうに考えておりますが、一番大きな問題はやはり風致景観上の問題、こういうふうに理解をいたしている次第でございます。
#136
○中野鉄造君 先ほどもちょっと触れましたけれども、賦存量の定義というものがいままだきわめてこれは不明確であるということも聞いておりますし、また賦存量と可採量、この区別が明確じゃないと、こういうことも言われておりますが、この辺はいかがですか。
#137
○説明員(廣瀬定康君) 先生御指摘の賦存量と可採埋蔵量については定義上解釈の差があるわけでございますが、現在正直申しまして、わが国の地熱賦存量をまだ的確あるいは正確に把握しているという状態ではございません。このため特に五十四年度から全国地熱賦存量調査というのを現在行っている段階でございます。
#138
○中野鉄造君 そうすると、現在はまだそれが的確に把握できていないと、しかしながら将来の計画に向かって一応の推量として立てられた目標でございますか。
#139
○説明員(廣瀬定康君) いま申し上げました正確に把握してないということでございますが、ただ現在までに国といたしましても五十数カ地点、基礎調査等を行いまして把握している数量がございます。その中から開発可能性の早いものから逐次開発に向かって努力しているというのが現状でございます。
#140
○中野鉄造君 現在稼働中の地熱発電を見ましても、その発電所の工作物による景観の問題、あるいは環元する水の中に含まれている砒素あるいは大気に飛散する硫化水素の問題、温泉への影響、そういったようなさまざまな問題がありますし、これらのものによって起こる影響というものが未知である、未知の部分が多いということも言われておりますし、ある意味で申しますならば、この地熱発電というものは現段階ではきわめて手探りの状態であるということも言えるのではないかと思うわけです。
 こういう状況にあって、今後国立あるいは国定公園内における発電所の建設について、環境庁の取り組み方についてお尋ねいたします。
#141
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 先ほど自然保護局長からもお答えをいたしましたように、どういうものですか、まだ手探りの段階であることは中野委員言われたとおりですが、国立公園や国定公園の中でも、特に特別保護地区とかあるいは特別地域とかそういうような、簡単に言えばわれわれが一番大事にしているところがそれに適するというようなことが考えられるわけなのです。そこで私どもの方としては、そういうわれわれが大事にしている国立公園、国定公園というものはそう手をつけないでこれを子孫に譲っていきたい、こう考えておりますので、原則的に困るというのがわれわれの基本の態度であります。
#142
○中野鉄造君 原則的に困るということは、今後そうした国定、国立公園の敷地内には絶対に許可しないということでしょうか。それとも例外もあり得るということでしょうか。
#143
○国務大臣(鯨岡兵輔君) いま申し上げましたのは特別保護地区とか特別地域とかいうようなところですが、国定公園、国立公園の中に普通地域というのがありますから、そういうところならば考える余地がある。逆に言いますと特別保護地区や特別地域は許可しない、これが私どもの考えであります。
#144
○中野鉄造君 国定公園だとか国立公園という、ここは国立公園とする、ここからここまでは国定公園とするという、そういうものを認定した時点では、今日のようなこういう地熱発電の開発だとかそういったようなことはおよそ予期されなかった時代のことじゃないかと思うのです。だから、いま長官がおっしゃったようなそうした普通地域といえどもそういうばかでかいものができるということになると、これはやはりちょっと、本来はそれは普通地域であってもそういうものができるとこれはやはり景観上よろしくないと、そういうような問題も起こってくるのじゃないかと思いますが、普通地域であればいいというわけにはいかないはずだと思うのですが、いかがでしょうか。
#145
○政府委員(正田泰央君) 御指摘のとおりでありまして、長官がお答え申し上げましたのは一応の範囲として普通地域ということをお答え申し上げました。いまおっしゃったとおり普通地域の中でもいろいろなところがございまするし、普通地域ならば当然いいということで申し上げたつもりでないわけでして、御了解いただきたいと思います。
#146
○中野鉄造君 五十四年十二月の自然環境保全審議会からの答申を見ますと、「公園以外の地域においても、今後地熱開発関連技術はもとより、環境保全のための技術開発の確立及び関係法益との調整を図りつつ、総合的観点から慎重に進められる必要がある。」と、こういうように提言しておりますけれども、これは環境庁が地熱開発に伴う公害防止のための何らかの技術指針を示すというようにとらえてもいいわけでしょうか、
#147
○政府委員(正田泰央君) 先般審議会から御指摘のような答申をいただきまして、それを大きな原理原則といたしまして現在でも運用し、今後も運用しようと思っておりますが、その骨格は先ほどちょっと触れましたように重要な地域を避けるということが基本でございますが、いま特に御指摘の部分につきましては、本来的に地熱発電に伴う関連の科学というものが相当成熟したものもございますし、あとは必ずしも成熟してない問題もずいぶんありますので、そういったものは今後とも、関係者、技術者の意見も考え方もずいぶんいまも集まっておりますし、また寄せまして考えていきたい。ただし、基本的な指針みたいなものにつきまして、今後ともいろいろ学者の意見を聞いてできればまとめていきたいということは私どもかねてから思っております。
#148
○中野鉄造君 次に、八丁原発電所において二期増設工事が許可されましたし、また葛根田発電所においても二期計画が許可される方向だと聞いておりますけれども、この許可に至る経緯とその理由をお聞かせいただきたいと思います。
#149
○政府委員(正田泰央君) 当該発電所につきましては、その地点において増築をしたいという話がございますので調査をするということで認めておりますが、考え方といたしましては、環境庁ができる前に先ほどお話し申し上げたように六地点できております。その中にはいろいろな地域もございますが、当初からその二地点につきましては増築という構想があったということは事実でございますが、一応ともかく調査をしてみろ、それで出るのか出ないのか、また自然保護上どうなのかということをやってみる、こういうことでいま進めておる最中でございます。
#150
○中野鉄造君 この問題については昨年の当委員会において坂倉現委員長が委員として質問されたことなんですけれども、この葛根田の二期計画についてそのときもいろいろと論議されたところでありますけれども、どうもニュアンスが違うような気がするわけですね。私は、こうした二期工事についてはむしろ環境庁としては否定的にとらえていると、こういうように理解していたのですが、どうでしょうか。
 もう一つは、このことが公園内の開発をなし崩し的に既成事実化していこうとするんじゃないかというようなそういう心配もあるのですけれども、いかがですか。
#151
○政府委員(正田泰央君) 御指摘のように、先般の本委員会で坂倉先生からるる御質問をいただきまして長官と私でお答え申し上げました。もちろん基本的には地熱発電の基本方針としては先ほど申し上げたとおりでございますが、当該地点につきましては十分調べてみたい。そのときにあわせて、経過的なものでございますので、その点もよく含めて考えたいということを申し上げておりました。
 それから、後段のいまおっしゃった点につきましては、そういうことは毛頭考えておりません。
#152
○中野鉄造君 大体地熱発電というのが非常に経費がかかるわりに効果というようなものから見ても必ずしも採算に合うものかどうかということが疑問視されるわけですが、たとえて言えば、非常に引き揚げポンプのパイプが早く目詰まりするとか、また還元パイプも早く目詰まりがするとか、大体パイプの耐用年数が五、六年しか持たない。あるいはパイプ一本が二億円する。こういったようなことから考えてみましても、採算ベースに合うのかどうかということが非常に私は疑問に思うのですけれども、その点いかがなんですか。
#153
○説明員(廣瀬定康君) これはコストの考え方はいろいろあるわけでございますけれども、たとえば発電コストという形で現在の五万キロワット発電所をとりまして考えますと、一番最近のもので十七、八円でございまして、過去のものですと十一、二円からございます。ということで、石油火力に比べまして単に国産ということだけではなくコスト的にも十分公共事業の用に供し得るものだと考えます。
#154
○中野鉄造君 こうした地熱発電の供給目標は、昭和六十五年度までに三百五十万キロワット、七十年には七百万キロワットと非常に高い目標を掲げておられますけれども、こうした公園内で開発しなければならないと今後思われるのは、先ほどのもうしないという一つの大原則がありましょうけれども、そういうものがもしあるとすれば何%ぐらいですか。
#155
○説明員(廣瀬定康君) 供給目標は、基本的には政府の石油代替エネルギー政策の効果等を勘案いたしまして、官民の最大限の政策努力目標として定められたものでございます。個々の地点の積み上げによる目標ではございません。このため目標達成のための公園内で開発することとなる地点が何%かということを正確に申し上げることはできない現状でございますが、現在各地で進められている調査地点をベースに判断いたしますと、大体開発地点数の半ば程度が公園内あるいは公園関連地域になると思われます。
#156
○中野鉄造君 現在、この公園内における地熱開発というのは、昭和四十七年に環境庁と通産省の間で結んだ覚書が一つの歯どめになっていると思いますが、今後この地熱開発に当たってこういう問題をどのようにとらえられますか、今後の問題ですけれども。
#157
○説明員(廣瀬定康君) 地熱有望地域の多くが国立・国定公園等の自然公園内にあり、地熱の開発目標を達成するためには、自然環境の保全に留意しつつこれら公園内開発を進めていく必要があると考えております。すなわち自然公園内の地熱開発につきましては、自然環境の保全との調整が可能なものについてはケース・バイ・ケースで慎重に対処することとし、その具体的な取り扱いにつきまして環境庁、通産省両省庁間で協議中でございます。当省といたしましては、今後ともこの方針、やり方に沿って対処してまいりたいと思います。
#158
○中野鉄造君 長官も御承知と思いますが、十月十九日に福岡で、通産省側の発言でございますが、公園の外ばかりの開発では有効ではない、場合によっては環境庁との間にある覚書の見直しも含めて極力緩和のために力を尽くしたいという政府高官の談話が新聞で発表されておりますけれども、この発言の真意は一体何なんであるか。環境庁との間にすでに覚書の見直しというものが内々のうちに進められているのではないかというような気さえもするんですが、いかがですか。
#159
○国務大臣(鯨岡兵輔君) そういう見直しの話などはありません、まず第一点。
 それから、そういう見直しの話がないときに、環境庁との話はあるけれどもそれを見直してもやらなきゃならぬというようなことを言うたとすればまことに軽率な発言であると思います。
#160
○政府委員(正田泰央君) 覚書は御指摘のようになってございます。長官が先ほどから御答弁申し上げておることはそれに関連しておりまして、私の申し上げたこととも関連いたしておりますが、厚生省時代に、環境庁設立前に行われたものの六地点についてはいわば経過的に考えておりまして、新しいエネルギー問題に対応いたしまして先ほど来申し上げているような重要地域を避けてやりたい、こういう基本方針をいま持っておりまして、これは関係の業界その他にもそういうふうに話をいたしております。
#161
○説明員(廣瀬定康君) 地熱は貴重な国産資源、国産エネルギーでございます。また石油代替エネルギーの開発の促進のためにもその開発を推進することは重要であると考えておりまして、そのように努力しているところでございます。
 先生の後半の土俵づくり云々の件についてでございますが、私どもといたしましては、今後の地熱開発について自然環境の保全との調整が可能なものについてはケース・バイ・ケースで慎重に対処する、処理するとの了解事項を踏まえまして、地熱の環境保全技術の現状及び今後の地熱調査地域等について両省庁間で協議を続けてまいりたいと思っております。
#162
○中野鉄造君 もう一つ、現在の国定公園、国立公園内にこういう地熱発電の開発というものはこれはもう絶対しない、どうしてもやるとするならばこれ以外のところでやるというようにひとつ決めてもらいたいですね。エネルギー供給目標を達成のためという大義名分のもとに公園内の開発はいたし方ないというか、そういう大義名分であればこれはもう当然じゃないかというような、こういう気持ちがもし通産省にあるとするならば、これはもう大変な間違いだ、国民の怒りを買うことじゃないかと私は思うんですが、国民的財産とも言えるこうした国立・国定公園の開発は、これはもう絶対に避けていただきたいというのが私の心情でございます。まだまだ地熱開発の技術の開発、環境への影響、そういったようなデータだとかあるいは検討しなければならない事項が非常に多いし、また先ほどからも言っておりますように、この地中の深いところの部分のことでもありますので私たちの未知のことがたくさんあると思うんですが、非常にくどいようですけれども、今後もまたこういったようなことはもう絶対繰り返さないということを環境庁長官ひとつお約束できませんか。
#163
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 先ほどからもお答えをいたしているように、国立公園、国定公園の中に特別にわれわれが大事――われわれというのは国民がですよ、大事にしているところがあるんです。そこは手をつけてもらっては困る、手をつけさせないという考えでおります。それから普通地域というのがありますが、それはいいというんじゃないんですよ、先ほど自然保護局長がお答えしたようにそこはいいというんじゃないが、そこならばあるいは――ケース・バイ・ケースと先ほどから通産省が言っていますが、ケース・バイ・ケースの中に入れて考える場合もあろうということでございます。
 ちょっとよけいなことを言うようですがお許しをいただいて聞いていただきたいのは、景色を害するということだけじゃないんですよ。いま先生が言われたように、地球の中から出してきますからね、どんな有毒なものが出てくるかわからぬのです。そんなものが一遍出てきてしまいますと、神様がせっかく地球の奥の方にしまっておいたものを人間の浅知恵でもってそれを出しちゃって後始末がつかなくなる、そういうこともありますし、温泉なんかというものは貴重なわれわれの財産でもありますが、温泉が出なくなるなんということも考えられます。それはもう電気がなきゃしようがないんですからその計画を立てていることは当然なんですが、ひとつ見直しというんなら電気を使わない算段の見直しもしなきゃならない、これは。いつも言っているように、空きかんのアルミかん二十億本は百万人の人口の町の電気ですから、これをほったらかしておいて、一回だけ使って捨てておいて、そしてその方には余り手をつけないで、電気つくらなきゃならぬ電気つくらなきゃならぬ。貴重な石炭を掘るために三千メートルも中へ入っていって、五十人も入っているところへ水埋めて、これやって石炭山を守らなきゃならぬ。それほどまでにしてつくった石炭で電気をおこして、トルコぶろのネオンサイン照らしておくことはいかがなものか。そういうことを考えたらどうかというふうに、これは多少言葉は過ぎるかもしれませんが、電気を使わない算段を国民に要求することも政府、政治としてやらなきゃならぬことだと思います。
#164
○中野鉄造君 時間もありませんので次に行きますが、地熱開発と既存温泉への影響についてお司いいたしますけれども、地熱開発に伴って近在の温泉が枯渇するとか、あるいは温度が下がるとか噴気が出なくなると、こういったような影響があることをちょくちょく耳にいたします。それは海外の二、三の例からも言われておりますけれども、日本温泉協会もことしの決議文としてこういった地熱発電に対し非常に将来の危惧を訴えておるわけですけれども、この地元の人々にとってはもしそういう事態が起こればこれはもう生活にもかかわってくる問題でもありますので、これらの人々に対する保護というものはこうした地域ではどういうように行われておりますか。
#165
○政府委員(正田泰央君) 地熱発電と温泉の関係でございますが、温泉対温泉、地熱対温泉、地熱発電対温泉、それぞれの関係において影響があるかないかということで、あるという話も相当ございますが、現在、先ほどから申し上げているようないわゆる環境破壊の問題以外に、温泉のサイドから見たいわば温泉の水位の低下とか泉量の減少とかもろもろのことが起こっておりますので、温泉に関係する市、町の存亡にかかわるわけでございますので、一ところ挙げていろんな問題を検討し、四囲の情勢を研究しているというふうに私も聞いております。私どもの方も、そういったような角度で関係者の意見など聞いたりして、少しでも科学的な判断ができるかどうか、そういうようなことについてもいま検討している最中でございます。
#166
○中野鉄造君 それから、先ほど長官もおっしゃったように、いろいろな果たして何が出てくるかわからないというようなお話もあったんですけれども、いまわかっているだけでも、あの熱水の中にはかなりの砒素が入っていると、こういうことが言われておりますし、また蒸気から大気の中に発散する硫化水素ガス、こういったようなものに対する脱砒素除去装置といいますか、そういったようなものは何かありますか。
#167
○説明員(廣瀬定康君) 脱砒素装置は現在開発されております。
#168
○中野鉄造君 それから硫化水素。
#169
○説明員(廣瀬定康君) 硫化水素については現在拡散する方式をとってございますが、さらに技術の進展を図るために、たとえば五十七年度二億二千三百万で硫化水素除去装置、技術を開発中でございます。
#170
○中野鉄造君 それから、くみ上げのときのモーターの消音装置をつけますね。もちろんつけていると思いますけれども、あれをつけた大体半径百メーターぐらいのところでどのくらいのホンになりますか、騒音。
#171
○説明員(廣瀬定康君) 現在の技術で十分基準内におさめることは可能でございます。
#172
○中野鉄造君 基準内……。
#173
○説明員(廣瀬定康君) はい。
#174
○中野鉄造君 現在、この地熱開発というのは、温泉法の規制によりましてボーリングをするわけですけれども、各都道府県知事の許可を受けなければならない、こうなっておりますが、その場合知事は温泉審議会に諮問することになっておりますね。それでは、他の温泉への影響について先ほどからちょっと触れましたけれども、安全性というものは何%の確率で許可あるいは不許可になるのか。何%という表現はちょっとどうかと思いますけれども、何かそうした基準がありますか。隣接の温泉への影響について。
#175
○政府委員(正田泰央君) 何%というのはちょっとむずかしいと思いますが、実際、温泉審議会で都道府県知事がいろいろ資料、データを出していますが、地質その他あらゆる資料を出していますが、そこで地質学者、地球物理の専門家、そういった者の討議によって結論を導いているようでございますので、詳しい傾向とか、その辺がちょっと数字的なものを把握しておりません。
#176
○中野鉄造君 最後に、ことしの四月に大分県の別府市の伽藍岳で二千五百メーターの規模の二本のボーリング調査の申請が出されましたけれども、温泉審議会の答申を待たずに九月にその申請を取り下げてしまいました。いまは再度申請を出すかどうか非常に流動的な状態にあるわけですけれども、この申請を取り下げた背景には地元別府市と住民の強い反対がこれはあったからだとも言われておりますけれども、この場合も科学的データをもとに申請を却下したのではなく住民の反対で申請者側が取り下げたという、何だかあいまいな形で今日に至っているわけですけれども、こうしたものの経過を見まして思うことは、地熱開発の影響を判断するのにはいろいろな面でまだまだ材料が不足しているんじゃないかというような気がしてならないんですけれども、いかがでしょうか。
#177
○政府委員(正田泰央君) 別府の件は御指摘のとおりでございまして、数字的なものを含めて、あるいはそれ以外のものを含めて、地元の市民、関係業者の反対と申しますか、そういった実質的な問題でああいうふうになったと思うのでありますが、先ほど来申し上げましたように未知数が非常に多うございますので、私の方でもいろいろな検討会をつくって専門家で少し研究と申しますか、してみたい、こういうふうに思っております。
#178
○中野鉄造君 この別府の伽藍岳の地熱開発は、いまも申しますように東洋のナポリと言われたようなああいう日本有数の温泉地にわずか数キロしか離れていない、そういうところでの開発自体の是非がやはり問われているんじゃないかと思いますが、私はそういったような意味から別府などのこうした非常に大きな温泉地の近くでの地熱開発というのはやるべきではない、こういう気がしてなりません。現在七十数カ所でいろいろな調査が行われているということを聞いておりますけれども、これからもこうした例が出てぐるであろうし、温泉保護の立場からも何らかのひとつ線引きが必要じゃないかと思いますが、最後に環境庁長官、ひとつお願いいたします。
#179
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 線引きしてあらかじめここはだめとかここはいいとかというようなことは、いまのところなかなかむずかしいのではないかと私は質問されたいまはそう思いますが、ただすでに国民の自然公園として国立公園とか国定公園とかというものを決めたところ、しかも重要な特別地域とか特別保護地区とかいうようなところは絶対にお断りするということはいまの段階で決めておくというふうに考えております。
#180
○中野鉄造君 最後にもう一つ。
 まあそれはそうですけれども、いま即座にここでどうしてくれということじゃございませんけれども、私が線引きと言うのは、そうした国定公園あるいは国立公園とそれに準じたところはやはり好ましくないというような、それに準じたそういう地域を今後ひとつ指定していただければと、こういう意味のことでございます。
#181
○国務大臣(鯨岡兵輔君) せっかくのお話でございますから、その面でひとつ考えてみたいと思います。
#182
○中野鉄造君 終わります。
#183
○沓脱タケ子君 それでは環境庁にお伺いをいたします。
 環境行政に対しましては、数年来加害者である大企業あるいは経団連などからたび重なるプレッシャーがかかり続けてきたわけでございます。そういう中でいわゆる臨調路線というのが出てまいりまして、この臨調路線が環境行政に対してどういう影響を及ぼすかということはきわめて重大でございます。
 きょうは、限られた時間でございますから、その問題についてるる論議はできないわけでございますけれども、たとえばことしの四月の二十日に、これは経団連の幹部と臨調委員であります宮崎、瀬島両氏との懇談会において経団連はこう言っているんですね。「民間の活力を阻害しているものとしては、」一つは「煩雑な許認可、」、二つは「適正を欠く環境規制、」、三つ目は「行き過ぎた福祉が要因としては大きいので、」これを是非改めて「民間活力発揮の条件を整備してもらいたい。」、こういうことを言っておるということが経団連週報に発表されておるのでございます。
 このおっしゃっていることを見ますと、たとえば事環境行政についてだけ見るならば、「適正を欠く環境規制」というんですから、明らかに環境規制は緩めてもっと企業活動というのが自由にやれるようにしたい、そのためにぜひ改めろ、こういうことになるわけでございます。きわめてゆゆしい問題だと思うわけでございますが、長官、これでは環境行政の後退どころか、もう環境行政が必要でなくなるというところまで追いやられるというおそれもあると思うわけでございますが、こういったことに対して長官の基本的な御見解を伺っておきたい。
#184
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 経団連の方が言われたことはどういう意味で言われたのか、私はそれを詳細に聞いたわけでもなければ読んだわけでもありませんのでよくわかりませんが、民間活力を阻害すると言っても――民間活力を阻害する面はあるんですよ。民間活力をそのままにやっておけば弱肉強食になっちゃうんですから、そのままで許しておくんだったら政治は要らない。そこでいろんな形で民間活力をできるだけ阻害しないように配慮しながら、しかも多少の活力の阻害になるかもしれないけれども、それをやらなかったら福祉政策は何もでき得ませんし、環境行政だって何もできなくなってくるので、われわれは民間活力をしばしば阻害すると思われる点もあるかもしれません。しかし後世のためにそれは仕方がないんですからがまんしてもらわなきゃならぬ。こういう考えで環境行政は指導しております。
#185
○沓脱タケ子君 やはり私は、そういう点で環境庁の基本姿勢というもの、長官がおっしゃったようにきちんと背筋を伸ばしてもらわないと大変なことに次から次になるんだなあというふうに思うわけです。
 たとえば具体的なあらわれの一つでございますが、経団連は企業の許認可に関するアンケート調査をしておられるんですね。そしてこの調査をもとにして臨調の第三部会に提言をいたしております。それはことしの十月の二十九日、ついこの間ですね。その内容というのは原子力発電など電源立地に関して許認可事務を迅速化せよということなんです。つまり電源立地の促進を提言しているわけですが、この問題一つを見ましても、これは事務の簡素化だけではなくて環境問題にきわめて強い影響が起こるのではないかという心配をするわけでございます。
 そこで、二十九日にこういう提言がなされて、十一月の三日には直ちに――十一月三日というのはお休みなんだけれども報道によると十一月三日にやったことになっている。三日に直ちに通産省のエネルギー庁は手続を見直すために各省庁との協議に入った。そして、直接の関係法律三十三本、許認可の六十六種、この事務の簡素化をして二年間の時間の短縮を図りたいということを言われている。これはきわめて事は重大でございますが、関係各省庁と協議に入ったと言われておりますが、環境庁はこの協議には参画をいたしましたか。
#186
○政府委員(清水汪君) ただいま御指摘の協議でございますが、これは通商産業省から協議をしたいという申し出がございまして、それは文書で受けております。したがいまして、これから私どもも協議に応じていこう、こういうふうに考えているわけでございますが、さてそのどこをどういうふうにというのが通産省サイドの提案であるのかというような具体的な中身につきましてはまだ話がよく届いておりません。したがいまして、今後通産省としても、ほとんどの全省庁相手にの話でございますし、私の理解では、三十三の法律、六十六の許認可というものをリストアップしてその資料がついているわけですけれども、環境庁としての直接行政処分というような意味で関係に巻き込まれているようなものはそう多くないように思います。思いますけれども、具体的にどういうふうなお話になるのか、それを待ちまして対応していこうと。
 しかしながら、私どもはやはり対応の基本的な考え方というのはあるわけでございまして、大臣が毎々申し上げておりますように、やはり環境の保全というのが私どもの役割りでございますから、そういう役割りというものをよく踏まえて、しかしながらまた、今回の申し入れの主たる趣旨というものがだんだんとわかってくるとは思いますけれども、とりあえず受けとめられるところといたしましては、何せ数が多い許認可処分を非常にたくさんの省庁にばらばらに分かれて処理をしているというのがいまの電源立地をめぐる情勢であるわけでございまして、とりあえずはそうした各手続間の何といいますか、合理的あるいは能率的な運用というようなところの改善ということを考えただけでもかなりの中身がありそうな気もいたします。ですから、恐らく話はまずそういうところから出てくるのではなかろうか、こんなふうに考えているわけでございます。
#187
○沓脱タケ子君 そういうことで協議の申し入れを受けているというわけですね。
#188
○政府委員(清水汪君) はい。
#189
○沓脱タケ子君 それで、直接関係法の三十三本あるいは許認可の六十六種の問題については、これは追ってまたお聞きをしなければならない時期があろうと思いますが、私は特にこういうことが言われているということについて心配をしておりますのは、たとえばアセスメント法の中で電源立地が外されるという事態が起こっているわけです。そういう中でこういうふうに手続の簡素化と称して、いま余り電源立地の確定、認定には時間がかかり過ぎるから二年ほど短縮したいんだ、そのためにはということで、いまでもいろいろと無理が起こるわけでございますけれども、電源立地の確定の時間短縮をするために、単なる事務手続の簡素化でなくて、本当に住民の意見、必要な影響評価、調査その他がおろそかにされるということになると大変だという点がありますので、特にこの点についての御指摘を申し上げたわけでございます。
 電源立地の問題につきましては、原発はもちろんでございますけれども、石炭火力が急速にふえてきている。これは以前にも私は指摘をいたしましたけれども、石炭火力の急増の中で、すでにこれは手続の簡素化だとか何だとかどころではなくて、ずいぶんこれはSOXにしてもNOXにしても、あるいは発がん物質であるような多環芳香族の種類の問題だとか重金属だとか、ずいぶんたくさん汚染物質が排出をされている。しかも排出基準というのが石油と比べてきわめて甘い。これは強化をする必要がありはしないかということで、ことしの本委員会で私も指摘をしたわけですが、そのときには三浦局長は、総合的な調査結果を踏まえて排出基準の見直しを検討したいということをお述べになっておられる。そういう相拮抗する問題でございますので、そういう点では、これはそういう通産省の側から法律あるいは許認可の見直しという問題が提起をされておりましても、そういった検討の中でいわゆる環境基準の緩和というようなことになるようなことは絶対にしてはならないと思うわけですが、その点について、これは長官、簡潔で結構ですから御決意だけ伺っておきたい。
#190
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 石炭を使って電気を起こすということがこれからどうしても重要になってくる、その場合に環境基準の見直し等について少し緩和してやっていくというようなことはいまのところ別に考えているわけではございません。
#191
○沓脱タケ子君 石炭火力については、むしろ基準を緩和するのではなしに、ことしの前国会で御指摘を申し上げたように、強化をしなければならないという事態にきているわけですね、発がん物質等の指摘というのは非常にこれは内外で問題になっているわけですから。
 それに加えて、これは先日報道されておりましたように、ディーゼル自動車の排ガス問題、このディーゼル自動車の排ガスの中に新たに強い発がん性の物質が明らかにされたという研究成果が発表された。これは国立がんセンター研究所と福岡県衛生公害センターの共同研究だというわけでございますが、問題の物質というのは、多環芳香族炭化水素にNO2がついてニトロピレン、それから、ニトロフルオランテンですね、これは従来から同種の発がん性物質として知られていたベンツピレンより強い毒性を持っているのではないかというふうに言われています。
 そこで、ディーゼル車の排ガス規制強化というのは一日もゆるがせにできないということになっておると思うわけですが、環境庁の対応ですね、これは発表されたんだからすぐにそんなことを言われてもという問題はあろうと思いますけれども、発がん性物質であるということが明らかにされた以上、これは一日たりともゆるがせにできないと思うわけなので、環境庁の対応は一体どうなさるのか、この点についてまずお聞きをしたい。
#192
○政府委員(三浦大助君) 先生御指摘のディーゼル車の黒煙の中には、先生御指摘の物質だけではなくてたくさんの発がん性物質があるのではないかという疑いがあるわけでございまして、私どもすでにその辺を重視しまして、昭和五十五年から黒煙と健康影響という問題につきましてすでに調査研究に着手しておるわけでございます。この結果を待って、黒煙の規制強化も含めて検討していきたいというふうに考えております。私ども、アメリカが一九八二年つまり昭和五十七年に実施しようとしております黒煙の規制の程度につきましては、昭和四十七年にもうすでに五〇%減という規制をかけております。その後の問題につきましては、研究結果を待って、規制強化を含めて検討していきたいというふうに考えておるわけでございます。
#193
○沓脱タケ子君 アメリカの例などが出てまいりましたが、ディーゼル車の率が違いますね。まあ局長もアメリカの実情をよく御承知でしょうが、日本では非常にディーゼル車の率が多い。特に昨今では、燃費の問題がございましてディーゼル化が非常に進んできているという事態もございまして、楽観できないと思うわけでございます。
 そこで、私はちょっとお伺いをしたいのは、従来から乗用車規制よりもディーゼル車の規制の対策がおくれてきた、段階的にずれてきたことは事実でございますね。で、これをどうしても促進しなければならないと思うわけです。
 時間がありませんから細かく伺えませんけれども、時たまたま厚生省の成人病の死亡率地図というのが出ましたね。発表されたのを見てみますと、肺がんが山手よりも海岸べり、しかも都市部であって中都市よりも大都市に多い、つまり産業活動と肺がんとの関連性というのがきわめて濃厚に疑われる心配が出ているわけですね。
 それからもう一つは、これは国立公衆衛生院の鈴木院長がいろいろな論文の中にもお述べになっているんですけれども、SOXというのは六〇年代の汚染物質、七〇年代はNOXであった、八〇年代はこの汚染物質というのは多環芳香族になるのではなかろうかと御指摘になっているという向きもございまして、こういう点から見ますと、局長もおっしゃったように、今度明らかになった二つの物質ではございますけれども、この種の無数にまだ明らかにされていない危険性のある物質というのはたくさんあると思うんですね。
 そういう中で、国民の健康保持の立場から見ますと、この規制というのは待ったなしだと思うんですね。だって発がん性物質を毎日毎日沿道の人たちが吸うているということになったら、政治の立場としてこれを見てほっておくというわけにいかないわけです。規制することができないんだったら走るのをとめさせなきゃならぬという関係にもある問題だと思うのですが、そういう点でこれからぼつぼつ調査をしてということなんですけれども、この規制をできるだけ早くやるべきだと思うのですが、大体めどをつけられますか。いつごろになったらやれるというふうなめどはつくでしょうか。
#194
○政府委員(三浦大助君) ディーゼルの規制のお話ですか、多環芳香族炭化水素の規制のお話でございますか。ディーゼルの方のお話でお答えしてよろしゅうございますか。――確かに先生おっしゃるように、肺がんというのは小都市より大都市が多い、農村より都会が多い、それから大気汚染の少ないところよりも大気汚染の高い地域の方が多い、こういうことはがんマップで明らかになっております。ただそれだから都会の産業活動と、こう結びつけるにはまだちょっといろいろ、個人のたばこの問題もございますし、いろいろな問題やらなければいかぬと思っております。御指摘の先生いまおっしゃられましたこれからの汚染物質というのは、確かに多環芳香族炭化水素、この問題が石炭も含めて大きな問題になってくるだろうと思います。
 そこで、ディーゼルの問題は、確かに最近ディーゼルが非常にふえておりますけれども、これの規制というのはガソリン車のように触媒が使えないというところに非常にむずかしい問題がございます。ございますけれども、私ども何とかこれを技術的に克服して直接噴射式の五十八年規制までいま進めてきているわけでございますが、さらにその上の目標まで私どもこの五月に設定しておると、こういう段階でございまして、NOXの方につきましてはかなり着々と進んでおりますが、ただその黒煙の問題につきましては、NOXを規制するとかえって黒煙がふえるという二律背反の関係がございまして非常に技術的にむずかしゅうございます。しかしそうも言っておられませんので、これらの研究を急いでやりたいというふうに考えております。
#195
○沓脱タケ子君 これはまた別の機会にお聞きをしたいんですが、いわゆる黒煙を抑えるとNOXがふえる、NO2がふえる、二律背反なんでという問題は、だから技術的にむずかしいからということになるんですが、かねて乗用車の五十一年規制の場合にもそういうことが言われた。技術的に困難だということで五十一年規制は具体的には五十三年まで伸ばされたという経緯がございます。しかし、今日の技術水準ですれば、本当にやらなければならない、やらせなければならないという立場に立つかどうかによって必要な技術水準というものは確保されるという段階へ来ている。
 その辺のところの決意を持って、明らかに発がん性物質だということがわかっている黒煙をまき散らして走らせるということをとめるためには、やらさなければならないという点で本当に環境庁が決意をお持ちになって通産省とも強く折衝されるという構えがないと、これはまた前の五十一年規制ががたがたしていろいろありましたね、そして五十三年規制までいやおうなしに伸ばされたという苦い経験があるわけで、二度とああいうことをしてはならないと、そういう立場で長官はこの問題には対処をしていただきたいと思うのですけれども、決意だけきょうはお聞かせをいただきたいと思います。
#196
○国務大臣(鯨岡兵輔君) NOXを減らさなきゃならぬと、直接噴射式の方はなかなかむずかしいというので、私大臣就任以来トラック会社等へ行って、そしてやっとのことで一三%ぐらい減らすということになりましたことは御承知のとおりですが、そしたら今度は二律背反で、それがうまくいくとだめになる、むずかしいぞと、それでそれは肺がんの原因になるぞというようなことになってまいりましてまことに困りますが、どうしても両方解決しなきゃならないんですから、それは強固な意思を持って両方解決できるように努力いたしたいと思います。
#197
○沓脱タケ子君 これは国民の命にかかわる問題でございますので、御決意を持って対処していただきたいということを重ねて要望しておきます。
 時間が余りありませんので、あと公害健康被害補償関係についてお聞きをしたい。
 本来、地域指定の問題あるいは指定疾病の問題あるいは認定業務に関する諸問題等についてお聞きをしたいわけですけれども、限定された時間でございますので、公害医療の診療報酬についてお聞きをしておきたいと思います。
 ことしの三月十八日の本委員会におきまして、私の質問に対して長官はこういうふうにお答えになっているんですね。「結論を申しますと、中医協における社会保険診療報酬改定の動きを見ながら検討をいたしていきたい、」とお答えになっている。御承知のように社会保険は六月一日に改定をいたしましたとおりです。その後御検討になっていらっしゃるんであろうと思いますけれども、公害医療につきましてはいつから改定をされるおつもりでございますか。
#198
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 鋭意勉強いたしておりまして、私はこの年度内にはどんなことがあっても改定ができるように、しかしながらそれを待たずにやれるものならできるだけ早くやるように事務当局に指示をいたしておるところでございます。
#199
○沓脱タケ子君 それで、これは公害健康被害補償法が発足をした当初から毎年改定をするというお約束をしておられた。そして昭和五十三年までは毎年毎年おやりになったんですね。五十三年以降は三年八カ月になりますがストップされている。その間、物価、人件費の高騰がございます。もう一つは、この健康被害補償法による問題というのは、公害医療というのは公害の加害者が恩恵でやるものと違うんですね、御承知のように。民事責任を前提として費用を負担すべきものなのです。そうでしょう。その医療費は被害者の健康回復について必要かつ十分なものでなければならないわけです。
 たとえば労働災害保険法ですね、労災はどうしているかというと、これは六月一日に健康保険の改定があると同時に、準用の部分については六月一日から準用されています。そうして特別診療報酬の検討については、六月以降御検討になって、労働省では九月一日からすでに実現をしている。労働災害と言え、あるいは公害患者と言え、本人の責任でかかってる疾病ではないんですね。こういうものについて、これは必要にして十分な診療が受けられるという事態を保障しなければならない義務があろうと思うのですが、これがなかなかおやりになれない。
 私ども交渉の中でお聞きをしますと、特別点数がどうも環境庁の中でもおかしいんだ、特別点数の扱いについてはおかしいんだというようなことを言っておられて、環境庁内部でも意見がまとまっていないというように承っております。これはもってのほかだと思います。というのは、この問題を決めた経緯というのはどういうことになっているかということをもう一遍思い出していただきたい。
 これ時間があったら細かく聞きたいんですけれども、時間がありませんから私が申し上げますけれども、一番はっきりするのは昭和四十九年八月二十八日の中央公害対策審議会の答申ですね、これに書いてあることだけでも非常にはっきりしてるんです。
 こう書いてあるんですよ、「診療報酬について」という項では。「環境庁においては昭和四十八年度に日本医師会に委託して公害医療の特殊性に関する研究を行った。」と。これはあれですよ、環境庁が日本医師会に対して研究を委託している。「この研究は全国九地域の約六、〇〇〇名の第一種地域に係る四指定疾病及び第二種地域に係る水俣病、イタイイタイ病の認定患者について調査したものである。この研究の結果、公害医療に関し以下の事実が判明した。」ということで五項目を出して、「このような公害医療の特殊性という質的要請をふまえて、診察や検査等の技術料と公害医療における医師と患者との関係を重視し、環境汚染と人間の疾病や健康に係る新しい医療保健体系を展開していくという見地より診療報酬を設定することが重要であろう。」という中公審の答申なんですね。
 そういう事態で、いきさつでできてきた今日の診療報酬の体系が環境庁内部で意見がまだまとまっていない、ちょっと部分的にはおかしいんだというようなことをいまごろ言うてるというのは私はおかしいと思う。それじゃこの中公審の答申の時点と今日の時点と何か変わったことがあるんでしょうか。ないでしょう、何にも。あるはずがないんですよ。この問題については、だからあれですよ、診療報酬についてこういう扱いをすると、そのかわり税金は高くとるんですという大蔵省との話までできてるんですね。そういうことがちゃんと背景にある問題なのに、迅速に対処しないというのはきわめて不可解ですよ。何が障害なんですか、はっきりしてもらいたい。
#200
○政府委員(七野護君) 先ほど長官からの御答弁にもありましたように、長官からこの公害健康医療補償制度の公害診療報酬の検討を命ぜられております。それにつきまして私たち前々から申し上げておりますように、公害診療報酬の体系、これは当然独自のものではございますが、その多くは健康保険の診療報酬の体系によっておるのも事実でございます。端的に申し上げますと、公害医療の特殊性ということを踏まえましていわゆる特掲診療というものを設定いたしておりますが、その後、薬剤料、レントゲン料は健康保険に準ずる、その他のものは健康保険の一・五倍ということで設定されてございます。
 そこで、今回の健康保険の改正、六月一日に健康保険の改正がなされたわけでございますが、今回の健康保険の診療報酬の改定は従来の改定とやや趣を異にしていると私たち承知しております。具体的に申し上げますと、いわゆる無形の技術料を尊重するという考えのもとに、初診料であるとか再診料であるとか各種の指導料を充実した改定というふうに私たち承っております。従来、先ほどから申し上げておりますように、公害診療の報酬体系はまさにこの初診料、再診料であるとか、そういういわゆる無形の技術料を非常に多く尊重した体系ということで、先ほど沓脱先生の御指摘のように、発足当時の中公審の答申に沿って特掲診察料が設定されておるということもございます。
 そこで、健康保険の方がそういう形で無形の技術料を尊重するという形で、非常に従来の改定とは改定のスタンスが違う、改定の中身が違うという形で改定されておりますので、六月一日の健康保険の改定のいわゆる公害医療への影響が一体どの程度であろうかということを私たちは一応見きわめる必要があろうかというふうに考えております。具体的に申しますと、六月一日に改正された以後、一・五倍の自動的にスライドされた分はもう当然すでにアップになっております。そういうことでございますので、今回の健康保険の改正の影響を見きわめまして、それによりまして、さらに日本医師会など関係機関の意見も十分聞きまして早急に検討を進めていきたい、先ほど長官からのお話がありましたとおりで作業を進めていきたい、かように考えております。
#201
○沓脱タケ子君 もう時間がありませんので最後にお願いをしておきますが、長官、いまおっしゃているように今度の健康保険の診療報酬の改定の様子は確かに違う。しかし片方で、労災だって同じようにそのことで六月一日から健康保険の点数改定がやられて、検討して九月一日からやっているわけですよ。これは真剣さの度合いが違うというふうに言われてもしようがないですよ。
 たとえばどういうふうなことが起こってくるかというと、水俣病なんというのは今度の健康保険の診療報酬の改定でいきますと、水俣病のあの手や足の感覚の麻痺したような人たちの訓練に水療法だとか温熱療法だとかいう理学療法をやるわけですよ。これが今度の健康保険の点数だと丸められて三十点か五十点にちょんと切られるわけですよ。そういうことになっている部分はすぐまともに取り上げて、水俣病の人たちが安んじて治療が受けられるようにというふうに改善をするということで影響を見るというんなら、これはもう書類で見ただけでもわかるんですよ。
 それを、こんなものが六月一日から実施されていてきょうは何日ですか、もう十一月の下旬ですよ。やはり怠慢だと言われてもやむを得ないということになるので、どうしても一日も早く本来の姿で解決をしていただけるように、長官、最後に御見解を伺っておきまして終わりたいと思います。
#202
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 先ほど申し上げましたように、今年度中にということを最後にしてできるだけ早くと言ってたんですが、段々のお話を承りまして、できるだけ早くやるように指示をいたします。
#203
○中村鋭一君 先ごろ、筑波にあります国立公害研究所を本委員会で視察にまいりまして、大変勉強もさせていただきましたし、感銘も受けた次第でございます。少ない人員と予算でいろいろな測定機器等が、世界最新鋭のものが置いてございまして、心強く思った次第でございます。
 国立公害研究所の今年度の予算、それから来年度の予算の見込みについてまずお教え願います。
#204
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 細かい点の御質問でしたら局長おりますから答えさせますが、五十五年度は四十二億三千余万円です。それから五十六年度は約一割上がりまして四十六億円余になりました。来年は御承知のようなことで三%上がりで四十八億というふうにいま考えて、御審議をいただこうと思っております。
#205
○中村鋭一君 この間も所長さんが、ちょうどこの公害研究所の予算は国家総予算の一〇〇PPm分だとおっしゃいましたから、これは四十九兆に対して四十九億、ちょうど一〇〇PPmぐらいになるわけでございますが、もっと充実をしていただきたいと思うんです。それはいろいろ行財政改革で、われわれも要らぬ予算は切り詰めるという方向で一生懸命審議してるんですけれども、いつも申しますように、環境公害行政は五十年、百年後のわれわれの子孫に良好な環境を保障するために存在しているものですから、このことには金は惜しんじゃいかぬと思いますので、長官、三%とおっしゃらないで、要る金は惜しみなく要求もし獲得するという方向でがんばってくださるようにお願いをしておきたいと思います。
 この間参りましたときに、あちらに環境心理研究室というものが設置されたと伺いました。これはいつ設置されて、現在の人員は何人ぐらいで、将来はどういうふうに充実をし、それからこの心理研究室の主たる研究課題、その目的とするところを簡潔にお教え願います。
#206
○政府委員(清水汪君) ただいま御指摘の環境心理研究室は、本年の十月一日、この研究所の環境保健部の一環として設置されたわけでございます。まだスタートしかかっているというのが実情でございまして、その定員は一名でございますけれども、この定員一名自体の充足について、とりあえずいま、なるべく早く人選を終えたいということでやっているということでございます。
 この研究室の課題といたしましては、各種の公害の人体への影響に関する研究のうちで、とりあえず騒音を中心に、それの精神的あるいは心理的な面についての研究を進めることに予定をいたしております。われわれといたしましては、この研究を効果的に進めるためには、精神医学とかあるいは神経生理学等の専門家を相当数擁することが必要であると考えているわけですけれども、御案内のように現下の厳しい行財政改革の折でもございますので、なかなか思うようにはいかない事情があるわけでございますけれども、しかしなかなかこれは非常に重要な基礎的な研究である、あるいはわれわれの環境行政の基盤になるという重要性がありますので、できるだけ充足を早めて、成果が上がるように最善の努力をしていきたいと、このように決意しておる次第でございます。
#207
○中村鋭一君 最近はアメニティーということを言いますね。当然ながら快適な環境条件をつくり、そしてわれわれが楽しく、いいところに住んでいるなと、こう思いながら暮らしていける、そのためにアメニティーと、こういう言葉が出てきたんだと思います。
 そのためにも、長官、この心理研究室ですね、いまもお答えいただきましたけれども、まさにこれからの環境行政の基盤になることですからね。それが発足したのは結構なんですが、たった一名でおいおい充実をしたいと、それも目的はとりあえず騒音が心理に与える影響をやっていきたいというようなことではちょっと私、余りにもパッシブじゃないかと思うんですね。だから、ここはもっともっと、さっきの予算も含めて、騒音だけじゃなくて、環境というものが特にこの都市生活者の心理条件に及ぼす影響というのは非常に複雑多岐にわたってきているわけですね。たとえば低周波公害なんということが言われますね。これも数年前までわれわれ想像もつかなかったようなことであります、高速道路を走っている自動車の低周波による公害ですね。こういうことも含めて研究課題をもっともっとふやしていく、同時に人員もふやす、優秀な人をというふうにお願いをしたいと、こう思うんでございますが、長官、その点についての御見解を。
#208
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 全く同感でございまして、まず研究から始めて、できるだけ確かな知見を持ってそれで対策を立てていくというのでなければ、もちろん学問だけしているわけじゃありませんから、知見が確かにならなければ何もやれないというのじゃないんですけれども、それにしても基礎データが大事ですから、国立公害研究所のあらゆる機関が大事なんですが、いま言われたその機関も、まだ店開きをしたというだけで何も商売してないと同じような状態では困りますので、鋭意考えていかなければならないと、こう思っています。
#209
○中村鋭一君 それから、この間参りましたら、外国からたくさん、まあ私詳しくは聞かなかったんですが、研修のためにかあるいは視察のためにか、共同研究のためにかいらしていたんですけれども、余り芳しくない言い方かもしれませんけれども、日本は公害先進国で、特にこの開発途上国の皆さんは、いま皆さんの国は良好な自然環境が保障されているかもわかりませんが、しかし今日の日本の姿が数十年後の開発途上国の皆さんの姿にならぬとも限りません。そのためにこそ、外国から勉強にいらっしゃる方によく日本の公害の現状を見ていただき、そうして公害をなくすためにはどうしたらいいかということを御勉強いただくことは大切なことだと、こう思うんですけれども、こういった外国から公害の勉強に来る人の受け入れ体制ですね、これは現在どうなっているんでしょうか。公害研修所、それから国立公害研究所に外国人を受け入れると、こういう考えはございませんでしょうか。
#210
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 海外研修生の受け入れにつきましては、技術援助の一環として主として国際協力事業団が行っているところでございますが、公害の分野のものにつきましては環境庁としても積極的に協力を行っておりまして、現在環境行政研修及び環境技術研修を行うほか、随時研修生の受け入れなどを行っているわけでございまして、東南アジアなど各地から百六十名ほど受け入れてやっております。
 それから公害研修所の方でございますが、これは環境行政に携わる国、地方公共団体の職員等の養成及び訓練を行うことを目的に設置されておりまして、外国人を受け入れるための施設も整備されておりませんので、外国人の受け入れはいまのところ困難なのでございます。
 また、国立公害研究所は、公害防止に関する試験研究などを目的として設置された機関でありまして、単なる研修を目的とした外国人を受け入れることはできない状態にございますが、研究活動を進める上で外国の研究者などとの共同研究を行うことが有意義な場合もあり、すでに実施しているところでございます。これは研究生ではなくて、研究者があそこにおることはお目にとまったかとも思いますが、これらのケースについては今後とも前向きに検討をしていこうと考えております。
#211
○中村鋭一君 ひとつせっかくよろしくお願い申し上げます。
 次に、これも先般視察に参りました鳥取、島根両県で、あのときに大山鏡ケ成国民休暇村に参りました。あそこで、国立公園の管理所長さんでございましたか、ちょっと私正確な職名は記憶しておりませんけれども、まあいずれにしても環境庁の職員であって、長年の間良好な公園をメインテナンスするためにがんばっていらっしゃる方にお目にかかって、私ようやっているなと、こう感心したんですね。レンジャーというんだそうでございますね。このレンジャーの方が、私がお会いした方は大分御年輩でございましてね、非常に情熱は持っていらっしゃるわけです。長年の間国立公園を順に回っていることに対して不満はお持ちじゃないんですよ、不満はお持ちじゃない。ですけれども、ちょっとその言葉の中から、子供がだんだん大きくなりますと、何年かごとにこうかわってまいりますと、子供の教育の問題、特に大学に行くぐらいの年ごろになりますとやはり都市に近いところがいいというようなことをふと漏らされたわけでございますね。
 ですから、私はこのレンジャーの皆さんのこういった仕事に対する情熱は大いに評価しますし敬意も払いますけれども、だからといって環境庁が、大臣以下本省の皆さんが、あの連中は好きでやっているんだから、自然が好きなんだからまあそこそこの年になるまで置いときゃいいよというようなことでほっぽらかしにするのもまたいかがかと、こう思うんですね。ですから、やはりあの人たちのその仕事に対する情熱と、一方では子供の教育とかそういうことも常に配慮をして、よくあの方々の本当の気持ちを聞いてあげて、プロパーマン・イン・プロパーニッチといいますか、まさに適材適所を貫いてくださるようにお願いをしたいと、こう思うんですが、その辺の状況のちょっと御説明を正田さん。
#212
○政府委員(正田泰央君) 御配慮を賜りましてありがとうございました。
 このレンジャーの諸君につきましては、まあ一カ所に長くいるのもどうか、また本人の本庁指向的なものがあるのかないのか、地域のレンジャーをやはり一生やりたいのかどうか、そういう指向、それから家庭の環境、そういったことを、特に昨年度から本人の申告と申しますか調査を中心にいたしまして配転をやっていきたいと思っております。先般も来られたんでございますが、ぜひ東京に帰ってきてほしいという人間でもやはり一生レンジャーがいいという人もいる。子供も含めて田舎に置いておきたいというまれな方もおります。それ以外の方も御指摘のようにございます。いかんせん国土面積十何%のうちをたった百二人ぐらいで、特に国立公園だけでは百人ぐらいで管理しておりますので、仕事も大変なものですから、私どもそういった観点から見て、せめて配置について本人が納得いくような、気持ちよくやってもらえるようなことでもしてあげないといかぬと、こういうことを一番の念願にいたしております。
#213
○中村鋭一君 よろしくひとつお願いします。きめの細かい配慮というものを、特にレンジャーの皆さん中央から遠く離れてがんばってくださっているんですから、お願いをしておきたいと思います。
 先般、新聞等にも報じられているんですけれども、たとえばこれは朝日新聞の十一月一日付でございますけれども「アセス法案棚ざらし 骨抜きと野党反発 自民も「行革優先」」ということなんですが、「骨抜きと野党反発」とありますけれども、私の所属しております会派では、現在の衆議院の方に宙ぶらりんになっておりますこのアセス法案が、私は少なくとも骨抜きとは考えておりません。現在考えられる限りのベストなものをお出しになっているんだと思います。だから、先般の委員会でも私申し上げたんですけれども、まず何よりもこの委員会という土俵に出していただいて、その上で論議を尽くしてやるべきだと思います。それ以前に通産省がどうだとか与党の自由民主党の中でどうだとか言っている場合じゃないと、こう思うんですよ。骨抜きであれば本委員会で骨抜きであるかどうかを討論すればいいことなんですね。ところがまたも足踏みと、こう出ているわけでございますが、これにつきましてひとつ長官の御決意、やるんだということをここでもう一遍確認をいたしたい、こう思いますが、その前に現在の状況をちょっと御説明をお願い申し上げます。
#214
○国務大臣(鯨岡兵輔君) いま衆議院に継続審議になっておりますことは御承知のとおりであります。この次の委員会にまあ俗に言うお経読み、提案理由の説明ができるという段階まで与野党の間で話し合いができたと承っておりまして、私は安堵して喜んでいるわけでございます。まあ申されるとおり私が政治家として考えた場合にこれで万全だと思っているわけではないです。けれどもあれ以上のものを政府案として考えることはできなかったんですから、そこで国会の方でこれをお引き取りいただきまして審議をしようということになったんですから、あとは私ががんばるということよりは、早く私を呼んで提案理由の説明をさせてくださればいいんです。そういうことでもっぱらお願いをしておりましたら、近くそれができるという段階に立ち至りまして、いろいろの方の御考慮に対してお礼を申し上げているわけでございます。
#215
○中村鋭一君 おっしゃるとおりわれわれもがんばりますけれど、会期はもう十七日までですからね、あと余りありませんので、早くアセスを何とか国家百年のために本委員会で審議ができる日が一日も早いことを希望しておきたいと思います。
 この前、島根県、鳥取県を視察しましたときに湖を幾つか見てきたんですね。この委員会でも私が報告をさせていただいたんですけれど、非常にやはりたとえば宍道湖、中海等も湖が汚れているわけなんですね。たとえばCODでは〇・五PPmから二九PPmとおよそ六十倍の開きがあり、特に汚濁しているのは米子湾付近、ヘドロからの燐の溶解によって富栄養化が急速に進んでいるということなんですね。これはもう宍道湖、中海にとどまらず全国の湖に共通のことだと思います。
 再三指摘をしておりますけれど、いわゆる湖沼法案でございますね、湖沼浄化のための。これにつきまして長官の現在の心境並びにこの湖沼法案上程についての見通し、その決意をお伺いいたします。
#216
○国務大臣(鯨岡兵輔君) これはまことに申しわけない次第でございます。そしてまた私としてはまことに残念至極でありますが、いまだ政府間で話がまとまっておらない。どういうところでまとまっておらないかということは、いままでは余り早く申し上げて委員の先生方に御心配をかけても、どうせ法案として出てくればいろいろ御心配いただいて御審議を願わなきゃならないんですから、原案がまとまるまではと思っていたんですが、ここへまいりますとそうも言っておられませんから、まとまらない最大の理由を申し上げますと、要するに一日もゆるがせにできないわけです。こうやって話ししている間にも閉鎖性水域なるがために汚れがどんどん進んでくるわけでございます。
 これは九日と十日にアメリカで会議を開いたときにも、日本の代表的な問題として私が提案した問題なんです。そこでこれに対して総合法をつくってやりたいということについて、これは知事さんが自分のところにある湖ですからいろいろ計画を立てるようにして、それで知事さんの立てた計画を国の方で見て、これでよかろうということになった場合にはできるだけの支援をするということなんですが、知事さんにお任せする前に一つの物差しをつくっておかなきゃならぬ。
 そこで、排水の問題についていろいろ交渉をしてきたんです。通産省は湖の回りにできる工場について、われわれは量の問題もありますが、量の問題で初めはいろいろ意見が合わなかった。それで先生方につくっていただいた、むしろ議員提案でできた瀬戸内海法では日量五十トンなんです。瀬戸内海というところは工場が多いですから五十トンにでもしておかなければしようがないということだったんですが、普通の湖は必ずしも瀬戸内海ほどの工場が多くありませんから、これを倍の百トンにしてもいいかなと、あるいは先生方からこれはしかられるかもしれないけれども、原案としてはわれわれは百トンでもいいんじゃないかなと思ったんですが、通産省は当初三千トンというわけです。三千トンじゃこれは話にならない。そこでだんだんと少なくなってまいりまして千トンになりました。千トンでも話になりません。これは五百トンになりました。そこで、五百トンということで仮にいいということになれば、瀬戸内海とのバランスでそれはどうにも説明も何もできませんです。
 そこで、それは何とかなるまいかなと交渉をしていたんですが、このごろはその問題ではないんです。工場などをつくる場合に許可制にしなきゃならない、アメリカは許可制ですからね、あれほど大きい国でもアメリカは許可制ですから、許可制にしなきゃならぬというんですが、許可制は困ると。許可制というのは役所の――私は役人育ちじゃありませんからわかりませんが、許可制というのは文字どおり許可制で、許可する場合もあれば許可しない場合もある、きれいな水だったら何ぼ流したっていいんですから、それは。だから許可制でいいじゃないかなと、まだそうしなければ意味ないと、こう思っているんですが、許可制は困ると、これは届け出制ならば話はわかるというんですが、届け出制では何のために法律をつくるのかわかりません。
 そこで今日までもめてまいりましたが、いまだ解決がつかないということで原案がまとまらないんです。これはこの国会に提出することをあきらめざるを得ない。ただ、あきらめざるを得ないと言ったってそう言っている間にも汚れているんですから、そうしたらこれをどうするんだということは私どもの方としても対策を考えていかなきゃならない、知事さんだってみんな心配しているんですから。この前、俗に湖沼サミットと言われて二十幾つの知事さんが集まりましてね、早くつくってもらわなきゃ困るというような意見のあったことも御承知のとおりでございます。そこで私はいまどうしたらいいかなと思って、ここで最後にどう決断したらいいものかなというふうに思い迷っているところでございます。願わくば先生方の方からこうしたらいいじゃないかというようなことが御教示いただけたらまことにありがたいと思います。
#217
○中村鋭一君 ではお言葉でございますので私がその方法をお教えいたしますが、届け出制、これは長官、たとえば風俗営業法でスナックなりキャバレーなんかやりますね、あれみんな届け出制ですな、たしか。それででき上がってみればピンクサロンとかピンクキャバレーになるわけです。で、どうも芳しくない、おもしろくない、地域の住民の人たちが反対なさるというようなことが起きてくるわけですね。だから、この届け出制というのは話にならぬ、やはりこれは許可制にしなきゃいけないわけですね。じゃどうすればいいかといいますと、長官の蛮勇であります。思い迷うんじゃなくて、断固として行えば鬼神もこれを避くであります。幸いに大石長官以来の名長官である鯨岡長官です。国民が長官の後ろについているんですから、率直に長官が、たとえば記者会見で、あるいはテレビやラジオを通じて置かれている現状を憶せずおっしゃったらいいと思うんですよ。
 たとえば、いま浄化槽の問題で通産省がこういういちゃもんをつけておりますと、許可制にしちゃいけない、届け出制にせいということを通産省が言っているんです。国民の皆さん、環境庁長官である私の言っていることと通産省の言っていることとどちらをおとりになるんですかと、はっきりと世論に訴えられれば、それはもうたなごころを指すごとく国民こぞって長官の勇気とその情熱に敬意を表するんですから、これはもう簡単なことでございますから、ひとつぜひこの湖沼法はなるたけ早く国会に提出をしてくださるよう、少なくともこういうふうに新聞に、湖沼法案の作成断念、通産抵抗、自治体頼みにと、こんな記事が出るようなことは環境庁として恥ずかしいことでございますから、がんばっていただきたいと思います。
 いま申し上げました中海ですけれども、農水省はこの間の報告にも申し上げましたけれども、干拓事務所の言い分を聞きますと、あそこを閉め切って淡水化いたしますと水質面では改善の方向に作用すると、こうこの間説明を受けたんですよ。水中生物も、フナだとかコイだとか、そういうものが繁殖をして非常によくなりますと、いいことずくめの説明を受けました。しかし一方、長官ね、常識で判断しても、あの日本海の膨大な海水が汽水として中海へ入っているそのときの中海の状況と完全に閉め切って淡水化してしまった場合とどちらが富栄養化しやすいかということは、まあ常識で考えてもあの広大な海の水が自由に出入りしている方がいいだろうということは容易に予測がつくと思うんですが、その点長官はどうお考えになりますか。
#218
○国務大臣(鯨岡兵輔君) いままで海の水が入ってくるところをとめて、とめたことによってきれいになったという例はないです。どこにもないです。むしろとめたら大変なことになっちゃったというところは幾つも例を挙げることができます。たとえば児島湖を初めとして幾つも例を挙げることができます。
 ですから、農水省の方が言っていることも、いま直ちに閉めちゃった方がというんじゃなしに――それは閉めちゃえばだんだんと淡水化してくるんですから、いまの魚と違う魚が出てくるのはあたりまえの話で、そのかわりいまいる魚はいなくなっちゃうんですから。あそこは大阪、京都、神戸あたりの人のシジミ、あの黄疸に効くというシジミの大産地なんですよ。そのシジミはいなくなっちゃうかもしれません。ですから閉めた方がいいということではありません。しかし閉めるのには閉めるための準備が要る、いままでの苦い経験から言って。たとえばあの周りにある下水等を完備して、それでもう周りの汚いものが入ってこないというようにしておいてから閉めるんなら順序として間違いありませんが、順序を間違えたらそれはいままでの轍を踏むことになるのではないかと私は心配しているのであります。
#219
○中村鋭一君 ですから、農水省がいま盛んに観測塔も建てまして調査をしていると言っているんですけれども、環境庁もそういった調査をぜひやっていただきたいと、こう思うんですが、すでに着手はされているんでしょうか。
#220
○政府委員(小野重和君) 水質の測定自体は、環境基準に合っているか合ってないかという調査、これは全国の公共水域で私ども、具体的には県が主体でございますが、建設省もありますが、調査いたしております。その点については中海、宍道湖についても同様であります。
 問題は、淡水化といいますか、閉め切ることによって水質がどう変わるかということについて農林水産省がいろいろ御調査をしているということはございます。環境庁といたしましても、四十九年ごろでございますけれども、島根、鳥取両県の委託を受けましてどういうふうになるであろうかという調査をしたことがありますが、これはまあ両論あるわけでございますが、一般的にはもちろん閉め切れば悪くなるということでございますが、よくなる面もあるという論もあるわけでございまして、その辺をさらに継続して検討する必要があるというような一応の結論に当時なっておりますけれども、いずれにしましても一体水質がどうなるのかということを予測して、それに応じて対策を立てるということをする必要があるわけでございまして、そういう方向で私ども県を指導したいと、かように思っております。
#221
○中村鋭一君 県を指導するのも大切だと思うんですね。島根県の知事さん、この間の湖沼サミットにも欠席されていますしね、人ごとのように湖沼法できればいいですなというような話で。県でもどんどん条例をつくってアセスメントもやっているところあるわけですよ。ですから、それは強力にひとつ環境庁から指導していただくと同時に、いまのようなやったこともありますがとかこれからおいおいにじゃなくて、長官がいまおっしゃったようにもう一秒一秒湖は汚れていっているんですからね。そういった広い意味でのアセスメントを含めて、具体的には中海を淡水化したらどのように自然条件が変わるか等は、やはり環境庁の方で積極的にやってくださることをお願い申し上げておきたいと思います。
 それから、自然保護団体から、ハクチョウがやってこなくなっているんで何とかハクチョウがやってくるように、中海等にハクチョウの居留地というのですか、こういうところを環境庁に設定してもらいたいという陳情がございまして、われわれこの前視察に行ったときにたしかそれをお取り次ぎしたように思っておりますが、その後この件につきまして何かなさいましたですか。
#222
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 私も実は行って見てまいりました。それで現地の渡り鳥を愛好する人たちにも、前々こちらへ来たときにも会いましたが、今度は向こうで会い、それから現地も見てきました。その結果、せっかくシベリアからコハクチョウという貴重な渡り鳥が来るのですから、それの条約もあるんですから、それがこの海を越えて飛んできたならばもといたうちがなくなっちゃったというのじゃこれは困りますから、何とかそこのところを一部割愛して鳥が来るようにしたいものだと、こう考えまして、農水大臣にも私からお願いと相談をいたしました。農水大臣もそのつもりでございまして、それはそうしてやった方がいいと、しかしどうだろう、人間がうちをつくってやってその人間のつくったうちへ来るだろうかと、どういうふうにつくったら目的が達せられるだろうかということは考えなければならないからひとつ一緒に考えてみようじゃないかと、せっかく農水大臣もそう言ってくださいましたので、その旨を知事さんのところへ私、私信で手紙を出しました。それで、こういうふうになっておりますから、あなたの方もそのつもりでいてくださいということになっておりますから、非常に明るいことでございましてね、きょう余りいい話がなかったですが、これだけはとてもいい、うまくいっているということを申し上げておきます。
#223
○中村鋭一君 島根県や鳥取県の皆さんも大変お喜びになると思います。こういうのはもうセクト主義を越えて、本当に省際間といいますか、県と中央なんかもしっかりと仲よく相談をして、鳥たちが心地よく来れるようにお願いしたいと思います。
 最後に、長官のたとえば本日の委員会でも積極的な御答弁をいただいて、私本当に委員の一人としてうれしく思っている次第でございますが、この間から見ておりますと、たとえば中川科学技術庁長官、中曽根行政管理庁長官、田中通産大臣、こういった皆さんは公式的にか非公式にかわかりませんけれども、来るべき内閣改造には私は閣内にとどまるんだ、留任をするんだといち早く意思表示をなさっておいでのようでございます。十七日に本国会は終わるわけでございますね。ですから、私は再び申し上げますけれども、大石長官以来の名長官であり、環境行政に情熱の限りを傾けておられる鯨岡長官にぜひ留任の意思をこの際明らかにしておいていただきたい。これはまさに国家百年のために喫緊の課題である、こう考えますので、できれば本日この席で、私はもし内閣改造があっても去るつもりはないんだ、環境行政をしっかりとこれからも続けていくんだという意思を明らかにしていただきとうございます。
#224
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 私は、留任するとかしないとかいうことがときどき新聞に出ますが、あれを見るたびに法律はどうなっていたのかなと思ってちょっと疑問に思うんですが、留任を決めるのは、留任とか新しい――とにかく大臣を決めるのは総理大臣ですから、自分が留任と言ったってしようがないと、これはおかしいなと思っているんですが、私も総理大臣が決めることを、私は留任しますとかそんなことはちょっと言いにくいです。
 ただ、いろいろな方面から留任してもらいたいというようなお話をいただいていることは、この環境庁の職員の重大な補佐で今日までやってきたことが幾らか認めていただけたのかなと。認めていただけなかったかもしれませんよ、さっきの統計によると余り熱心じゃないというのが七〇%もあるんですから。そういうふうにも思いますが、しかしそれでも一生懸命やっていたなと思っていただけたとすれば、大勢の職員の人の、局長初め若い人たちの応援のたまものでございまして、冥利に尽きるとは思いますが、私留任をしますなんというようなことは、これは私の口から言うべきことじゃございませんので、どうぞ御勘弁を願いたいと思います。
#225
○中村鋭一君 ひとつ牽制ということもあるんですから、ぜひがんばってこれからも環境庁のために仕事を続けてくださることをお願い申し上げて私の質問を終わります。
#226
○委員長(坂倉藤吾君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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