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1949/02/06 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 通商産業委員会 第6号
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1949/02/06 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 通商産業委員会 第6号

#1
第007回国会 通商産業委員会 第6号
昭和二十五年二月六日(月曜日)
   午後一時四十八分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○中小企業振興対策に関する調査(本
 調査に関し証人の証言あり)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小畑哲夫君) 只今より委員会を開きます。
 本日は中小企業振興に関する調査の第二回といたしまして、中小企業金融に関しての調査を行ないたいと思います。そこで業界の代表の方に証人として御出席願つておるのでありますが、ちよつと御了解を得て置きたいのは、証人の方の中で、公報で御通知いたしました方々の中に、全中協の大塚さん、それから問屋協会の板倉さんが御都合が惡うございまして、それぞれ中島さん、赤司さんが代つて御出席下さいましたので、その点一つ委員の御了承を願いたいと思います。
 本日の会議の順序といたしまして、先ず最初に中小企業庁の金融実態調査の御説明を願つて、それから後、業界の御証人の方のいろいろ御説明を願うと、そうして質疑を行ないまして後に、官庁側のこれに対する対策を、そのうち大臣も出席する筈になつておりますので、対策を一つ御説明を聞きたい。かように考えております。そこでこれより御出席の順序によつて御発言を願いますが、その前に宣誓書に捺印をお願いします。
   〔証人宣誓書に捺印〕
#3
○委員長(小畑哲夫君) 証人の方に一言御礼申上げますが、本日は大変御多忙の中を、我々委員会のこの中小企業金融に関する調査のために御出席願いまして誠に有難うございました。一同に代りまして御礼を申上げます。
 それでは中小企業庁の振興部長から、金融実態のお話を願いたいと思います。
#4
○政府委員(記内角一君) 中小企業の金融実態についてお話申上げたいと思います。実は今資料を印刷しておりますのでやがて届けて参るかと思います。概略はそれによつて御覧を願いたいと思います。
 この金融の実態調査は、昨年の十一月末日を期しまして六大都市の工業及び商業について調査をいたしました結果が纏まりましたので、その中で工業についてだけ只今整理がつきまして、以下申上げるのは主として工業についてでございます。調査の件数は六千件を各都市一都市一千件という計算でいたしました。調査票を送りまして調査したのであります。そのうち四千九百六十三件、約五千件の回答が参つております。これをいろいろ分類集計しまして調査をいたしたのであります。調査の方法としましては、工場の密集地帶を特に選定しまして、その中にある工場の名簿から適宜抜き出してやりました。従いまして全体の調査ではありませんし、又その中にも狙いをつけてどうしたという特定の方法を採つたものでもありません。同時に調査の内容も細かい数字に亘るようなのはできるだけ避けまして、大体の傾向だけの回答に対して丸をつけて貰う、それに該当する部分に丸をつけて貰うというふうな方法でやりましたので、一つの傾向としての調査にはなろうかと思うのであります。これによつて直ぐ具体的にどれだけの決まり方だというふうな数字的な結論にはなり難いということを御承知願いたいと思います。
 一般の概況としまして、主として調査いたしました内容は、生産の状況、売行の状況、滞貨の状況、金詰りの状況、金詰りの原因、それから借入金、金融機関に対する借入の申込の概況、申込の成果、その借入金の用途、それから借入不能に終つた場合の対策という、大体大きな項目といたしましては、こういう概況で調査を進めたわけであります。それによりますと、生産状況でありますが、生産状況は生産が減つておるものが四九%、変化がないものが三六%、上昇しているものが一四%、不明のものが〇・八%、一般に下降の勢いが強いということに相成つておりますが、これを規模別に見ますと、五人未満の規模では下降しているものは生産が減つておるものが六三%というので非常にこの生産が減つておるというのが多いわけでありますが、従業者が多くなるに従つて景況が必ずしも悪くない、上昇しておるものが、例えば百人から百九十九人までの間には上昇しておるものが三九%、下つておるものが一九%というふうになつております。
 それから業種別に見ますと、不振の度の弱いのは紙及び類似品製造業というのであります。それから化学工業等で不振の度の強いのは皮革工業、家具及び建具製造業を初めとしまして、紡織製材及び木製品製造業というふうになつております。売行は、「売れない」ものが三五%、「どうやら売れる」ものが五二%、「よく売れるもの」が八%、「不明」が四%ということで、「売れない」から「どうやら売れる」というのが大部分を占めておつて、一般的に不振であります。これを規模別に見ますと、五人未満の規模では、「売れない」ものが第一位で五一%、「よく売れる」ものが僅かに二%という状況であります。業種別に見ますと、大体不振ということになつておりますが、比較的不振の度合の少いのは、生産状況に同じく、紙及び紙製品、化学工業、売行の良くないのが紡織工業及び家具及び建具製造業、衣服及び衣裳用品製造業、皮革工業、製材及び木製品という状況であります。それから滞貨の状況は、「滞貨していない」ものが四四%、「段々滞貨の傾向にある」ものが四二%、「激増している」ものが八%「不明」が五%という状況でありまして、段々殖えておるということになつております。業種別には衣服及び衣裳品製造業、皮革工業、土石及びガラス工業等が滞貨が多い。特に滞貨の激増しておることの日立つのは精密、光学、医療及び理化学機械製造業、これは一四%、皮革工業の一三%というふうな状況であります。金詰りでありますが、金詰りの状況につきましては、「非常に苦しい」ものが三八・三%、普通の「苦しい」というのが三八%、「何とかやつている」ものが二二%、「割合楽だ」というのは〇・九%というのでありまして、「不明」が〇・八%、それでこれを規模別に見ますと、五人未満のものでは、「何とかやつている」ものが僅かに一六%「苦しい」ものが四一%]非常に苦しい」ものが四二%というのであります。これが百人から百九十九人という相当大きなものにつきましては、「何とかやつている」ものが三七%で一番多いのであります。「苦しい」ものが三一%、「非常に苦しい」ものが二九%、「割合楽だ」というのが三〇%、比較的この方面では苦しみ方が少いという状況であります。金詰りの原因としまして輸出不振を含めまして売行不振が一二・四%、親工場、問屋の支拂遅延を含む売掛金回収の不円滑が二・〇八%、貸倒れの増加、滞貨による資金の固定化等販売関係に基因するものが四四・五%、以上申上げますように貸倒れの増加、或いは滞貨による資金の固定化等の販売関係に原因するものが四四・五%、税の負担加重と徴税の強行によるものが一九・五%、貸出制限、借入金の回収の状況、その他銀行関係のものが一二%ということで、これらのものが原因になつているようであります。売行きの不振という面におきましては、規模の小さいもの程著しいのでありますが、銀行関係で困つているものは、規模の大きい程困り方が烈しいということになつております。借入金の申込状況は金融機関に申込をしたことのないものが五三・五%、約半数以上であります。それから申込みをしたことがあるというのは、四六%ということでありまして、したことのないのが過半数を占めているという状況であります。借入の申込みをした割合は五人未満では僅かに一五%、五人から二十九人では五八%、三十人から九十九人までは申込みをした方が八二%、百人から百九十九人は八八%という工合に規模が大きくなる程申込みが多いということであります。申込みをしなかつた理由といたしましては、金融機関は貸出さないものと諦めたものが三三・六%ということであります。それから親戚、知人、或いは個人の金融業者から借入れたというものが二七・五%、借入を必要としなかつたものが二四・一%という状況であります。こういうふうに過半数は借入の申込をしなかつたのでありますが、借入をしたものに対して半分以上借りられたものが二九%、借りられたものは半分以下であつたというのが二六%、全部借りられたものが二一%、全然借りられなかつたものが八・五%という状況であります。全部借りられたものが二一%、半分以上借りられたものが二九%。約半数は、申込んだ半分以上が借りられたという状況であります。即ちもう一度申しますと、五千件のうちで借入の申込みをしたものが約半分、そのうちの半分は半分以上借りられたということが逆に言えるかと思います。全然借りられなかつたものの規模は小さくなればなるほど比率が高い。五人未満では三一%、百人以上百九十九人では僅かに四%であります。貸出の拒絶の理由については、金融機関から借りられなかつた場合の、その理由につきましては、回答のないものが相当ございまして、二四%ございますが、回答のあつたものは融資準則の順位が低いとき、いわゆる丙種であるというような意味において断わらましたのが一四%、金融機関の手持資金がないためというのが一三・五%、尚百人から百九十九人の場合におきまして、業界の前途が不安のためというのが二九%あつたことが著しい目立つた点であります。それから借入金の用途は設備資金が一〇%、長期、六ケ月以上の運転資金が一〇%、短期の運転資金が、六ヶ月未満の運転資金というのが七〇%ということで、大部分が短期の運転資金として借りたいという希望になつております。それから借りられなかつた場合にどうしたかというようなことにつきましては、個人の知人から借入れた、親戚等から借入れたもりが約一七%、税金支拂を延したというのが一四%、取引先への支拂を延したというのが一一%、販売代金の回収をやつたというのが一〇%というのが重なものでありまして、親工場、問屋組合、協同組合等から借りたというのは極めて蓼々たるものであります。税金の滞納はいずれの規模にも殆ど同じような一四・一%から一四・五%、一四%程度のものは、先ずどんな規模のものについても滞納でしのいでおるという状況であります。それから親戚知人或いは個人の金融業者から借りておるというのが、規模が小さくなる程多いということは、この結果においても現われておるわけであります。それから給料の遅拂、人員の整理というのも、五人以上の規模では共通的に一四・五%結果としては現われております。概略申上げますと、大体そういう状況であります。
#5
○委員長(小畑哲夫君) 質疑はあとにいたしたいと思いますが、よろしうごごいますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(小畑哲夫君) それでは証人の方の御説明を願いたいと思いますが、本日のこの業界の代表として市中銀行と、それから商業方面の方をお招きしておりませんですけれども、これは決してその方面を軽視したというのではありませんで、次の機会にこれらの方に御出席を頂いて、御説明を聴きたいと思つておりますが、今日は多少何と言いますか、工業方面が多いのですがね、そういうことになつておりますが、これも一つ御了承願つて置きます。順序は別にありませんが、一つ東京商工会議所の五藤さんからお願いいたします。
#7
○証人(五藤齋三君) 刷物を頂いておりますが、これにございます項目順に申上げてよろしうございましようか。
#8
○委員長(小畑哲夫君) 順序はもう御自由に一つこの中のどれからでもよろしうございます。或いはこの順序でやつて頂いても結構でございます。
#9
○証人(五藤齋三君) それでは甚だ潜越でございますが、私から申上げたいと思います。証人御喚問の肩書が東京商工会議所の理事となつておりますが、実は私は東京精密器機工業協同組合の理事長をやつておりまして、これは極めて零細な規模で経営いたしております比較的精密を要する機械器具の製造業者の集団であります。その集団を代表いたしまして、商工会議所に出ておるのでございまして、商工会議所の分野から申しますと、非常に広い範囲に亘つていろいろな意見を申上げられるかのようにお考え頂いているかも分らんのでありまするが、実は甚だ狭い、私共の極めて小さな業界の中の一、二の実例を申上げて、同時にそれに関連した私共の見解を申上げさせ頂きたい、こう存ずるわけであります。工業に関してはお隣りに御列席の全日本中小工業協議会の中島さん、商業に関しては先程小灯委員長から証人の方を余りお呼びになつていないとおつしやいましたけれども、ここに全国問屋協会の常務理事赤司さんがおいでになつておりますので、大局的な広い面に亘つての御意見はそれぞれそれらお二人の権威の方々から御証言のあることと存じます。私は今申上げましたような東京精密器機工業協同組合のごく零細な精密業者の中における一、二の実態を御証言申上げたいとこう存じますわけでございます。
 さて、この頂戴いたしました刷物にお書きになつている順序に従いまして申上げてみたいのでありますが、金詰りの実態、如何なる資金が融資を受けられなかつたか、こういうことがありますが、それに対しまして一つの実例を申上げてみたいと思います。
 一つは昨年の上半期におきまして、私共極めて零細な業者が、まあスクラムを組んで光学機械の輸出に進出をしたい、こういう希望に燃えまして、それに対しては多少の設備資金を要し、或いは運転資金を要するからというので、当時復金の保証融資の制度が行われておりました当時でありましたので、商工中金を通じましてそれの融資方を懇請申上げました結果、いろいろ御調査の結果、ほぼ貸出が可能であるというふうになりましたときに、ちようど復金制度の改革が取り上げられまして、保証制度が打切られる、こういうことになつて、遂にその融資を実現せていただくことができなかつた例がございます。これはそれらのことが一つ原因にもなりましたが、その後零細な業者が共同して輸出の面に進出をしようという意欲が、いろいろと努力いたしましたけれども、よき実を結ぶに至らなかつた、僅かサンプルを一ダース輸出をいたしましたくらいで、その後進展をよう見なかつたという実例があつたのであります。
 今一つは、中小企業の中の上くらいの、従業員が四、五十名という程度のやはり光学機器の製造業者が昨年の年末に当りましんて、年末決済資金及び長期建設的な設備の拡充資金等に充当をいたすべく、百万円程度の融資を希望いたしまして、組合といたしまして商工中金、興銀或いは東京都信用保証協会、それらの方面に百方連絡いたしまして、いろいろ斡旋いたしましたけれども、昨年中にはこれが実現をいたしませんで、その問題を本年に持越して現在までその融資斡旋を続けておる一つの例がございますのであります。これは大体輸出に関する業務を昨年の下半期から始めまして、一ケ月大体百万円程度の受註を持ち受けておる、こういつたような状態でございますが、従来戦時企業から転換をいたしまして、平時産業に切換えましたために、長きに亘つて仕事が軌道に乗らなくて、そのためにかなり無理な操業を続けて参りましたために、金融面におきましても無理な融資を受けている面もあるかのようでありまして、多少高利の金を借りておるというような面もあり、或いは税金の滞納が十数万円もあるといつたまうな面もあるようでありますが、これが大体輸出を百万円程度月額やれるようなふうの見通しがついて、退会三ヶ月ばかりそれを実行いたしておりまして、大体その状態が続いておる、こういうような状態にあるのでありまするが、これに対しての金融機関及び保証協会側の御意見を総合してみますと、今日それぞれの機関の方もお見えになつておられますが、第一信用保証協会におかれましては、百万円程度の輸出をするのに対して、つなぎ資金としては、一ヶ月分の資金があれば足るだろうと思うが、それには百万円はいらないだろう、大体五十万円程度の融資保証をすれば足りるではないかという御意見であるように聞き及んでおるのでありますが、当業者といたしましては、その程度では足らない、税金の滞納あり、旧債があり、自由に行かないのであるから、是非百万円の融資を希望したい、こう切望しておるわけでありますが、希望の半分しか融資が得られないというこのとで、今一応も二応も交渉を続けて所期の目的を達したい、こういう希望を持つておるのであります。又商工中金におきましては、御承知の通り中金の法律の上で個人融資ができない建前になつておりますので、協同組合に融資をして、協合組合からその組合員に融資をするという方法をとる、それに対しては、組合の理事者の個人的な連帶保証を必要とする、こういうことに対しまして今日の過渡期における組合の認識の面が、組合の役員が一丸となつて連帶保証をして特定の業者のために融資を図つて差上げるという程度まで十分になつておらないために、これが非常な暗礁に乗上げておるわけでありまして、その点で中金とのお取引ができにくい、興銀に対しまして御懇請を申した結果によりますと、興銀の方では、輸出産業に対しては少くも六ヶ月程度の実績がほしい、今少し先まで模様を見さして貰つて、六ヶ月以上の実績が証明ができた曉においては、融資の可能性も考えることができる、こういつたような御意見で、これ又早急には行かん、こういつたようなことに追い込まれておるような状態であります。これらの点から考えて見ますと、工場は土地建物も持つておると思いまするし、機械も或程度中の上くらいの整備いたしました機械設備を持つておりますし、工場の組織もやや整つておる形にありまするので、これらの物的信用を対象といたしまするならば、或程度融資は可能の状態であるのではないかと考えるのでありまするけれども、一面におきましては国家的な金融政策的に考えられます融資のやり方ということに対して、それぞれのいろいろの枠をお作りになつておられる関係上、そういつたようなことが実現を見ないような状態ではなかろうかと思つておるのであります。どのような融資が受けられなかつたという実例に対しましては、この二つの例を申上げるに止めますが、私共の協同組合は至つて零細な業者が多い関係から、一般銀行に取引のないという業者も多々ありまするし、或いは銀行に取引がありましても到底銀行からは融資が得られないという一つの諦らめを持つて、銀行に融資を頼む意欲を喪失しておるといつたような業者も多々あるように見受けられるのであります。そういたしまして大体個人の親戚、知友から金融を受けましたか、或いはやむを得ない場合には相当市中のいわゆる高利の金を借りておる、こういつたような状態も相当にあるように思われるのであります。又その中には問屋の仮受を対象といたしまして、操業を続けておる工業もあるのでありまするが、それらの業者の意見を聞いて見ますと、戦前においてはいわゆる問屋金融というものが相当物を言つてくれて、聞屋の発註と共に前渡金といつたような融資が得られたけれども、今日はなかなかそれが得られない、むしろ問屋の売掛金が業界においてできて、なかなかそれが回収できないような情勢が強くて、問屋金融というのが事実上今日行われていないのであります。何か他の方面で融資の方法がないかということをしきりに組合に申出るというようなこともあるのであります。そういうような状態でありまして、実際金融の問題について私共の組合といたしましても、今日資材の配給等に少しも魅力を感ずることのできないような時代になりまして、金融こそ現下の商工業の今後の発展を期待する唯一の方途だと考えますので、いろいろ斡旋をしますが、実情としてはなかなか実現が困難なような状態にあるのであります。
 企業がどうして倒れないかという御設問がありますが、これは今申上げました銀行からは金が借りられないが、親戚、知友から金を借りる。或いは高利の金を借りて何とかしのいでおるというのが現状ではなかろうかと思います。まあこれもだんだんそういう無理が重なりまして、それらの企業が没落の方向に向つておるということが実情でないかと思うのであります。
 そうしてその夫に中小企業の利率は高くとも差支えないかという御設問がありますが、これは私も会議所の会合等でも申上げておるのでありますが、中小企業の金融関係の方では、中小企業は小口のものを多く扱わなければならないし、調査をするには大企業と同じような手数がかかるので、とかく金融企業として採算が取りにくいという声もたびたび承わるのでありますが、これに対しては中小企業としては、金利の多少の高さは殆んど問題にしていないというのが実情であろうと思うのであります。大体銀行その他の公けの機関を利用できない向は悉く無理な金融をいたしまして、相当高い金利を拂つておる。或いはたまたま問屋等に金融をつけますためには、非常に安い値段で物を売るというような予約の下に無理な金融をつけて貰うといつたようなことが多いように思われますので、分けの金融機関から金融が得られます際に、相当の高率の利子を拂つても十分足りるのじやないかと思います。そういうものに比較いたしますと、むしろ非常に安い金利で、而も金融機関としては相当採算の取れる金利をお取りになつて差支えない、十分にそれは中小企業としては堪え得るものであるというふうに私は考える次第であります。一般金詰りの原因といたしては、売行不振が先程企業庁の方からお話がありました通りでありまして、昨年下半期以来だんだん受註が減つておる状態であります。又売上げの回収の速度も非常に遅くなりまして、回収率が不良であるということも事実であると思います。
 滞貨の問題でありますが、私共の組合の中で最も組合員数の多い光学機械、理化学機械といつたような会社は、先程企業庁の統計の御説明の中に、非常なる滞貨があるというふうに話があつたのでありますが、これは私共の零細な企業の中ではむしろそうではないと思うのであります。多くの、非常に沢山の滞貨をする程の余力を到底零細企業では持つていない。むしろ企業庁の統計に現れておりますのは、光学精機協会あたりの輸出の双眼鏡の滞貨、或いは写真機械の滞貨、そういつたようなものがその中に含まれて、非常な大きな滞貨があるような統計が出ておるのではないかと思います。昨年の下半期におきまして、今日ではそれは消化されておるのでありますけれども、双眼鏡などは四万箇からの滞貨があつたと聞いておるのであります。これはいずれも輸出の滞貨であつたと思いますが、私共の組織をいたしております極小の協会の中では、非常な沢山の滞貨があるということはないと思います。ただ漸次売行の不活溌のために滞貨が漸増する傾向にあることはまぎれもなき事実であると思います。そうして、どうして金詰りが来たかということが、経済政策に由来するものといたしましては、まあ融資準則に阻まれてたまたま借りられるような資格があるものでも非常にそれを阻まれておる、こういうこともあると思います。私共の業界では、公団の廃止等に影響をせられたものは殆んどございません。ただ租税の関係でありまするが、これはもう間違いなく租税の重課に一般に悩んでおるのでありまして、これにつきましては別にいろいろの意見がある次第でありまするが、御承知の通り中小企業者に対しましては、従来丁度組織の不備その他のために、すべて見込課税をせられます関係上、とかく実態以上の課税を受けるような場合が多いわけであります。今度のシヤウプ勧告案によつて多少の税の軽減が期待せられますけれども、尚且つその結果いたすところによりましても、課税の過重に若しみまして、これが金詰りの一因をなすということは、今後も継続すべき状況ではないかと思われるのであります。税の問題に対しましては、金融とこれは不可分の問題にあると思いますので、是非予算委員会におきましても大蔵省所管の問題になりましようけれども、租税の関係と、それからして金融問題についても十分な御調査を願いたいと考える次第であります。
 次に対策の問題でありまするが、この制度に関するものの第一に掲げてあります不動産金融機関の問題でありまするが、これは是非不動産金融機関が戰前におけるような状態に再発足が早くできますことを熱望してやまないものであります。中小企業の中にも、中には工場の敷地、建物等の不動産を所有しておる業者も相当にあるのでありまするが、これらが資金化する途を全く鎖されておりますことが、今日の金詰りを来しております一つの原因であります次第であろうと思います。又多少は証券等も持つておる向きもあるかと思うのでありまするが、この証券金融に対しましても全然今融資の方法がありませんのでありまするから、動産。不動産を問わず、金融統制というものの面から金詰りの原因を招来しておる面があると思うのでおります。不動産金融の再開に対しましては、勧銀で以てこれをおやりになつた方がいいとか、或いは又別の機関を作つた方がいいとかいろいろ御異論があるようでありまするけれども、いずれにいたしましても不動産金融の疎通が早急に行われますことを熱望いたしますものであります。
 信用保証協会の制度でありますが、これ亦今後ますます需要を拡げて行かけなればならん問題であると思います。まあこれにつきまして先程一つの例について申上げましたように、是非百万円の保証をお願いをしたいという希望に対しましては、保証協会としての保証の総額に対する振合もおありになると思いますが、その企業に融資の返済に対する十分なる物的担保力があるといつたような見通しのある場合は、或るべくその希望を適えてやるようにお扱いを願いたいものだと思います。中小企業金融の特殊機関の問題に関しましては、私は商工中金の拡充が現下の実際問題として一番やるべきことであり、又効果の多い問題ではないかと考えております。復興金融金庫の存続の問題は、従来これは大企業に偏重せられました融資を行われましたために、いろいろの問題を起したことに鑑みますれば、復興はたとえ行われましても中小企業の面に多くの期待が持てるや否やということは、私共といたしましては大変疑問に考えておるのであります。新機関の設立の問題はこれはできれば中小企業だけを対象といたします金融機関ができますことを我々は熱望をいたします。いろいろの情勢から判断いたしまして、しかくこれは容易な問題ではないと思いますので、先程申しましたように商工中金の拡充ということが差当り望ましい問題であるように思われます。ただこのときに是非実現して頂きたいことは、商工中金が現在の法制下におきましては組合金融しかできない、こういうことが多くの隘路をなしておるのでありまして、是非所属組合の個々の企業に対しても融資ができますように、或いは預金の受入れができますように、所属組合個々を対象とする金融ができますように、法令の改正を見ますように熱望して止まないところであります。これは恐らく当局においてもそういう希望を持つておられるかのように私は聞き及んでおりますが、立法機関においてそれをどうお扱いになつておられるか分りませんが、どうもこの希望が達成せられないような状態に置かれておるように私は考えますので、今後是非この問題が解決いたしますように熱望をいたします。信用協同組合の問題もこれは従来の事業協同組合に準ずる新しい信用協同組合が続々できまして、これがそれぞれの中小業者の自己の金融機関として運営ができますように発達をいたしますことを熱望して止まないのでありますが、ただここに私はよく研究いたしておりませんから誤りであるかも知れませんが、大蔵省の御方針として一都府県に対して一つの信用組合しか許可をしないというような方針があるかに承つておりますが、若しこれがそうであるとするならば、これを是非是正して頂いて、多数の信用協同組合ができ得るような方途が開かれることを熱望して止みません。資金に関するものといたしましては見返り資金、預金部資金を是非今後中小企業分といたしまして枠を拡充して頂いて、この方面に多くの資金が流れますように御配慮を願いたいと思います。殊に見返り資金、預金部資金が信用協同組合に流れますようになりますことが今後是非共望ましい次第でございます。と角現在の零細な企業形態におきましては、信用組合或いは今後できますところの信用協同組合或いは国民金融公庫といつたような零細なる資金を扱います面を通じて、融資を受けております者が非常に多いと思いますので、それらの面に対しましても見返り資金、預金部資金が流れますような方途が今後講ぜられるべきであろうと思います。財政金融に関するものといたしましては、融資準則は日銀政策委員会におかれましても、大体は撤廃の方向に意向が向いておられるかのように昨年の夏以来承つておりまするが、未だこれが実現を見ませんのは私共としては非常に遺憾に考えておる次第であります。金融統制も国家財政等と絡みまして非常に必要なことであろうと思いますけれども、一般に自由経済に戻りつつある現下の国家政策と睨み合せまして、金融統制も順次緩和せられまして、融資が有効に利用できますように希望して止まない次第であります。今日におきましては、先程申しましたように不動産や証券を持つておりましても、これを資金化することができない、こういうことが一つの隘路でありまするし、又單に輸出産業であるとか、或いは重要産業であるとかいつたような国家的な政策にマツチするものでなければ、融資が受けられないというような融資準則等に煩わされまして、実際には個々の企業の中にはこれあるために国民生活の上に大きな寄與をし、或いは一国の文化のために相当の寄與をしているというような企業が顧みられないといつたような状態に非常になつておると思いますので、今後一日も早く融資準則の撤廃をして頂きたいと私は思つております。利子率につきましては、先程申しましたように、中小企業の利子は特定の高い利率で貸出をおやりになつて差支ない。勿論銀行その他の公の金融機関が高利貸をおやりになる気遣いはないのでありますから、採算のとれる程度に利子をお上げになつて無論差支ないと思うのであります。
 次に租税政策、青色申告制の問題でありますが、これは申すまでもなく青色申告制は今後企業の明朗化のためにやらなければならんことであると思いますけれども、租税政策にこれは多く関連を持つた問題でありまして、二、三日前の、新聞に掲げておりました日本における外国経済人の所得税、或いは外資に対する所得税を減免するという特例の法律をお作りになろうとせられております現状から考えましても、シャウプ勧告案を読んでみますと、外国経済人もこの勧告案の結果からするところの税くらいは我慢をして拂うだろうというふうに書いておられるようでありますけれども、実はそうでないのが実情でありますことは御承知の通りであります。外国経済人としては、とのシャウプ勧告案のごとく税をとられたら日本にいることができない。日本にいる経済上の魅力は少しもないというように述べておりますように、この結果でも税というものは非常に過重な状態にあるということは申すまでもない。これは日本の戦後の再建のため敢えて忍ばなければならないことは当然でありますけれども、尚企業が自立いたしますために、本当の資本を蓄積いたしまして、それによつて自立経済に一歩前進をいたしますためには甚だ税が過重である。これは今後順次減税が行われましようけれども、こういう、ことが春色申告というものが非常に低調にしか申告せられないということも、こういうことによつて来たる情勢ではなかろうかと思うのであります。受入態勢に対するものといたしましては、企業の合理化、これは申すまでもなく推進をして行かなければならないことであります。高能率な生産を続けて行かなければならない。労働生産性の高揚を図らなければならない。これはもう企業としては十分考えなければならない問題でありまして、申告いたしております組合等におきましても、企業合理化については特に意を用いまして努力いたしておりますが、この記帳運動に関しましても、記帳が明瞭でなければならんということは当然のことでありまして組合等におきましては、できるだけこの記帳をやるように推進をいたしております。ただ先程申上げました租税政策とマッチいたしまして、たまたま収益の低い企業或いは赤字の企業は正確な記帳をしても、少しも租税政策に対して恐るるところはないが、たまたま健全なる企業が成立ち、相当の利潤を挙げる企業はなるべく記帳を差控えた方が、自己資金による自立経済の推進が図れるといつたような考えを持たざるを得ないような、今日の租税政策がそういうふうになつておりますので、一面におきましては、記帳運動を大いに推進をいたしておりながら、それが十分なる成果が挙げ得られないということが、現状であると思うのであります。非常に長く申上げましたが、一般的には私共の狭い視野から、極めて零細な工業の実態を基礎といたしまして、甚だ雑談的なことを申上げまして私の証言を終ります。
#10
○委員長(小畑哲夫君) ありがとうございました。只今五藤さんから非常に広くお話を願いましたが、お手許にお配りしております中小企業金融に関する件というこの刷物は、実は、私共が中小企業金融問題について考えて行こうと思う点を並べたのに過ぎませんので、皆さん方の御証言は必ずしもこれに拘泥する必要はありませんので、率直に忌憚のない実情を御証言頂けば結構だと思うのであります。尚沢山のお方に御出頭願つておりますので、成るべく多くの方からお聽きしたい関係で、只今最初でありますから全般に亘つてお話願いましたが、あとの証人のお方は、重点的にお話を願えば結構かと、かまように思います。それでは中島さん一つ。
#11
○証人(中島英信君) 私は全日本中小工業協議会の中島であります。私も大体ここに出されました問題についてお話をいたしたいと思いますが、只今委員長の御注意もありましたし、時間の都合もあると思いますので、先程五藤さんの言われたことに重複しないように、成るたけ同じ点は避けまして、違つた点であるとか、その他特に要点と思われるような問題についてだけ概略私の意見を述べさして頂きたいと思やます。
 一般的な問題でありますけれども、これは普通最近でも、金詰まりは中小企業も大企業も同じではないか、金融難と言つても中小企業だからという特殊なものはない筈だ、同じような考え方でいいではないかという意見を時々やはり伺うのでありますが、やはりこれは中小企業の金融というものは特殊の性質があり、又特に中小企業であるが故の金融難というものが確かにあると我々は考えているわけであります。金詰りと金融難というような問題は言葉の問題でありますが、よく同じように使われる場合もありますけれども、我我としては一応若干区別して考えた方が、問題を掴まえるのに便利じやないかと考えます。詰りこれを、企業の経営に即して考えた場合には、金詰りということは、その企業資金の需給のバランスが取れないことでありますが、詰り営業上の収支のバランス、アンバランスということと、営業間のアンバランス、特に資金調達に関する問題というものは一応別なものである。それで特に厳密な意味で金融難といつた場合にはむしろあとのほうであつて、資金の直接の調達であるというふうに考えられるのじやないかと思うのであります。それで一般的に金詰りという点を考える場合に、確かに大企業と中小企業は同じはうな原因から同じように苦しむ場合も少くないと思います。但し若干原因や在り方に相違が出て来ると思つておりますが、特に非常に違いが出て来るのは、資金調達上いう方面に関係した場合、その差が著しく出て来る、こういうふうに考えられるのであります。つまり資金を調達する場合にも自己資金を調達する場合と、外部からの資金を調達する場合があります。自己資金を調達する場合でも、現在は中小企業では証券市場を利用することはできないというような点は大企業と違います。それから資本を蓄積して行くという面においては、これは租税の制度と関係いたしますけれども、特に中小企業における課税は総体的に重くなつておるのである。そのためにその面から資本蓄積を妨げられる。こういう点も出ております。それから中小企業というのは、多く問屋或いは親工場と関係を持つて下請的な立場に立つものが少くないのであります。こうい場合には、その仕事の全体の繋がりの中で、收益の分配という点から行くとやはり下請の中小企業につきましては不利な立場に立つ。こういうような面から来る点において特徴を持つておると思うのであります。それから外部からの資金を調達する場合はやはり一番問題になると思いますが、この点でやはり中小企業というものは大企業と同じように行かない。仮に資金の需要の強さという点から見ればやはり大差はないと思います。若干の相違はあると思いますけれども基本的な相違はないと思います。従つて工業の生産額は、掴まえれば凡そ半分はやはり中小企業の生産に属しておると思うのでありますが、これに対して資本がどういうように供給されておるかというと、ここに非常識な差が出て来ると思います。以前復金の融資が行われておつたような際には、全体の中で中小企業の融資が五%であつた。産業融資だけについて見ても、普通産業融資だけについて見ても、五%だとこういう差がありますが、又二十三年六月現在大蔵省が調査されたものについでも、全国の銀行について調査されて、一件二百万円以下の貸出を調べられたところ、それが二二%くらいにはなつておつたようでありまして、金額にして六百二十一億になつておりますが、ところが預金を一口百円以下のものについて見た場合には、千百五十四億といつた点が推算されて、その間に五百億の差があるのではないかという点が指摘されております。この解釈には問題点があると思いますけれども、併し一つの示唆を與えるものではないかと思いますが、そういつた点にも現れておりますし、まあ慨して中小企業に対する資金の供給が需要に対して少い。これは即ち大企業と比較して少い。その意味で中小企業難というものは広い意味から見た場合には、社会的に蓄積された資金を配分する場合の不均衡ということがこの中小企業の金融難に現れて来るものであろうというふうに私らは考えるのであります。それがどういう原因から出て来るかということになりますと、やはり一つは経済的な関係や経済情勢から来るのではありますが、その中において中小企業の占める地位と実力といつたものから来る点は問題であります。その他は政策上から来るものであり、又更に金融の機構といつた面から出て来るというふうに考えて差支ないのではないかと思うのであります。そういつたことを一応前提として考えまして大体戰後の状況の極く概略を見ますと、初期の時代にはインフレーションに因つて来る資金の需要ということ、これが殊に中小企業においては非常に強く又出て来たのでありますが、特に中小企業の金融問題について全国に著しく出て来た特徴は、戦時中及び戦後を通じて著しく変つた点の一つとして、問屋関係及び親工場の関係が著しく変化した。従いましてその方面から受けて虫おつた金融の面が閉ざされて来て、一方企業としては、自分の足で立つて行かなければならないことになつて来た。そのために従来その方面から受けて吹おつた金融が止まつて、そうしてその途をどこに求めるかというときに、これはどうしても普通の金融機関の方へ行かざるを得ないということになつて来たということが、この中小企業金融問題に新らしい特徴を與えたものであると考えなくちやならん。これに対して政府の採られた金融政策というのはやはり経済復興政策と関連して傾斜的な金融政策が採られた。この面から中小企業への金融の途が著しく狭められて喰おつたということが特徴であつたと思うのであります。その後経済九原則の実施を通じて現在のような、まあ或る意味において安定恐慌の時期に入つてきてからの特徴は、一般的な金詰りの原因としては、何といつても購買力が減つて来て売行が少くなつて来たということが原因だろうと思うのです。これ」は先程中小企業庁の実態調査の報告の中にも比較的正直に数字が出て来てているのではないかと思う。それと大企業も同じように金融には困つておる。或いは販売の面においても若干問題を生じておると思いますが、その皺寄せが小企業へ来る。従つて親工場が代金を支拂わない。その他売掛金の回収困難というような問題が相当出て来ておりますが、そういつたことが現在の金詰りの一番やはり強い原因になつている。それに製品の問題が当然加わつて来るわけであります。これに関し、まあ戦後の時期を今二つに大体分けて考えたのでありますが、前車に較べますというと金融政策の上においては可なり前進したというふうに言われるのであります。又金融機関の方面における中小企業金融に対するいろいろな理解等も可なり進んで来たと見ら九る点が可なりあると思うのでありますが、併し依然としてこの点にやはりいろんな問題がある。特に大きな機構院の問題としては、普通の銀行は中小企業に対する金融の面において、一つは中小企業の信用の問題があり、一つは銀行自体の採算の関係から、中小企業の金融はなかなか困難であるといつた問題が出て来ておるわけであります。統計的に見ますというと、割合に普通銀行がやはり中小企業に相当出しておるようでありますが、実際は中小企業者が普通銀行から金を借りるということはなかなか困難であり、特に取引を持つていないような場合には全然駄目であるというような関係になつております。尚従つてそういつた関係のために中小企業に対する専門の金融機関系というものが或る程度あるわけでありますが、これは資金の関係その他においてやはりいろんな問題を持つておるわけであります。こういうとこるを改善して行くということが現在のやははり一つの当面の問題になつて来ておるわけでありますが、従つて一般の中小企業者の金融機関に対する考え方としては、各普通銀行及び特殊金融機関を通じて中小企業者に対する融資を積極化して行つて貰いたいということが一番中心でありますけれども、特に最近著しく現れて来ている傾向としては、普通銀行へ預金を持つて行つてもなかなか自分達に戻つて来ないから、これは自分達の方へ戻つて来るようなところへなるたけ預金を持つて行つた方がいいことになる。それから預金部の資金もこれを中小産業の方面に還元するということはなかなか困難であるならば、これはやはり自分らの方へ還元するところへ金を持つて行つたらばいいじやないかというような傾向が一般に出て来ておる。そうして結局方向としては、既存の金融機関を使うと同時に或る程度中小企業者が自分達が参加し利用する金融機関というものをどうしても持つ必要があるじやないかということが強い要望になつて来ているのでありますが、これが信用協同組合の問題その他と関連して強く出て来ているわけであります。大体に一般にそういう状況であると思いますが、この項目に従いまして特に気のついた点を若干細かい点について申上げたいと思うのであります。先程委員長の御注意もありましたので成るたけ要点でないと思うところは拔かしたいと思います。
 如何なる資金が融資を受けられないかという問題でありますけれども、これは大体先程企業庁から御報告がありましたから略したいと思います。一般に調査の方に現れておるのは、運転資金が非常に需要としては現れておりますが、実際には長期資金は借りるのになかなか困難であるというので、その面においては調査の面と実体の面に、実情においてやや即して行くことが必要であるのではないかと考えております。そこで中小企業庁がこの前に調査されたものと今度調査されたものを比較しますというと大体最近の傾向というものが随分出て来ますが、これは企業庁の方から説明があると思いますから略しまして、融資を受けられない理由の面は、これも先程具体的に五藤さんからお話がありましたが、大体心の中に基本的な関係が、実際はこの旧具体的なものの中に出ておると思うのであります。でそれ要約しますというと、中小企業の形態的な不安ということが一つの理由となつておると思います。これは先程の調査にも業界の見透しが不安だからというのでことわられたことも相当出ておるようでありますけれど、つまり業界について、その業界自身が行詰つておる、製品がなかなか売れないということが相当出て来ておつた。それと、ついては業界においても特にその中小企業の経営の不安定といつたことが指摘される場合が少くないようであります。例えば或る会社が或る銀行について金融を申込むと、その銀行で調べて見てこの業種では他にこういう会社とこういう会社とこういう会社の有力な会社があつて、必要な需要についてはここでもつて生産に間に合つておる、お前の方一で幾ら金を借りて生産を拡大しようと思つても、その面において、すでに競争の中に伍して立上つて行くということは困難であると思われるというようにしてことわられるときもあるようでありますが、こういうふうにして、この経済自体の不安定と見透しの不安というような点が考えられておる場合が最近は特に多いのじやないかと思います。第二には経営の実態を金融機関が余り信用しない。それからこれをよく考える場合においても、大企業に貸した場合は、大企業は組織の力でもつて行つておる。中小企業は割合に個人が投資し経営しておる場合が多い。個人が生きておる場合はよいが、何か変更があつた場合は駄目になる。大企業の方けは現在やや状況が惡いようであつても、はつきりした資本的な基礎を持つておるし、経営の組織が確立しておるら、これは最後まで引続いた場合には金を回牧し損なうということは割合に少いといつたような面から出て来る場合もあつて、第二の点としては、この経営の実態に関する金融機関側の考え方といつたものが一つ出て来ておると思うのであります。それから割合に重要な問題としては、普通銀行等の立場からした場合には、金融上の採算の問題があると思います。つまり前に見ました点は、リスクの問題でもありますけれども、もう一つは小口で多数になるというと、それだけ原価が高くなるといつたようなことがあつて、これはやはり確かに普通銀行が中小企業に九金を貸す場合の制限になつておるということであります。もう一つ最後に重要な点として、中小企業と銀行とのいろいろ繋がりの点がありますが、これは事実的の面では取引がないといつたような場合には殆んど金融の融資の対象にはならない。尚興業銀行のような場合には、若干例外として、これは全然取引のない業者にも貸すわけでありますが、これは制度、伝統、その日の関係があつて、多少別個の性質のものと思いますが、一方は普通銀行の場合には、全く取引がない場合には融資の対象にならん。このことをもう少し突込んで考えますというと、一般に言われておりますように、もつと基本的な点において銀行と産業との結び付きというものが、中小企業の場合には大企業に比して非常に少いということが、やはり実際上一つの原因になつているのじやないかというふうに考えられております。それでこの銀行融資が受けられない場合においては、果て企業が弱体かどうかという問題をここで話をすると長くなりますから、この点はちよつと端折りまして、こういう企業が必ずしも倒れないのは何故かというと、これは先程り企業庁の調査の申に大体幾らか答が出ておつたと思うのでありますがつまり納税を遅らせるそれから支拂を延ばす、それから銀行以外の方面から金を借りて来るということによつて繋いでいるという状況であると思います。それにも拘らず尚倒れて行くのが相当あります。この倒れて行く場合には、金融難と併せて、つまり売行不振の問題、この二つの問題が非常に結び付いて来た場合には相当倒れて来るのが出て来る、こういう事情であると考えるのであります。それから利子の問題でありますが、これは先程三鷹さんから言われたように、利子が高くても辛抱するという実情がありますが、これは利子の高いことを望んでいるのでなくて、背に腹は替えられないから、つまり銀行で金を貸して呉れないから、高利貸に行く、高利貸に借りることを思えば少しぐらい高くても辛抱できるという話でありまして、これが経営の合理化と結び付いて行く場合には、やはり高い利子は企業の負担に堪えない。特に健全な企業であればこういうような負担に堪えないのが実情であります。その意味から言うと、現状避くへからざる悪として認めておるわけでありまして、やはり将来の方向としては、利子の点はできるだけ低いことを考えなければなちんではないかと思います。
 それから銀行採算による小額金融の限度の問題、これは銀行の方の專門でありまして、我々が言うべき問題じやないのでありますけれども、併し業者としても若干金融全体のシステムを考える上に重要性を持つているので、関心はやはり持たざるを得ないのでありますけれども、結局こういう利子を決めるものは、銀行が使います資金の源泉がどういうものででき上つておるか、利子がどうであるかということ、それからどういうような資金を貸出して、その率が幾らであるか、というこそのあとは経営の規模及び事務管理の能率等のファクターによつて決まると思いますけれども、従つて社債のようなものを相当使われ、長期の資金を貸出される、調査を厳重にする、こういうような銀行になるというと、現在では五十万円以下では恐らく採算が採れない、場合によつて、七、八十万、場合によつては百万円ぐらいのところに限度が来ておるのじやないかと思います。これが信用組合のようなところになりますと、忠実に零細金融をやつておるところでは、五六万、やや大雑把にやつているところでは二三万ぐらいのところに限度があるのじやないかと思います。普通銀行の場合には信用組合よりも少くて、支店長が自分の采配でやつて行けるところは二三万程度でやつて行ける。一々本店の許可を得るものについては十万を超えているというふうに想像できます。これはあとで制度のことを考えるときに非常に重要な点として出て来る問題であります。金詰りの原因の方は先程出ておりましたし、これは一般にも分つておる問題ではないかと思いますので、飛ばしまして、ただ滞貨の問題でありますが、これは先程五藤さんから指摘されましたけれども、あれはちよつと企業出日の報告の若干の聴き違いの点があつたのではないかと思います。現に滞貨があるという結果でなしに、滞貨の傾向にあるということが出ておつたので、その点は中小企業の場合には、現実に滞貨を多く抱え込んでしまうということによつては持つて行けないというのが、少くとも小企業の場合の実情であろうと思うのであります。結局対策の問題で特に重要だと思われる点だけを一、二申したいと思うのでありますが、政策としては最近いろいろな議論が方々から出ておりますから、それを集約して御覧になれば殆んど盡されていると思います。それで私の気が付いた点だけを申しますと、信用保証協会の制度は、これは各地の状況によつて違うけれども、東京の場合などによつて見ますと、業者の期待は相当に大きかつたのでありますけれども、実際問題として、これはやはり金融の問題としては第二義的な問題であるということになつているのではないかと思うのであります。つまり貸す銀行の立場からは、たとえ保証があつても、銀行自体がその企業に対する確実な見透しが持てない限りは貸せない。担保があるから大丈夫だ、銀行は損をしないかち大丈夫だという考え方では貸せないというのが、一般の銀行の方の御意見のようでありまして、そういう意味から言つて單に保制証度を作るということだけでは、尚中小企業の方に金が廻らないという実情になつているのであります。これは非常に重要な問題でありますけれども、やはり要点としては、中小企業の方に金が廻つて行くことを考える方が先決問題であるというように考えられます。それから普通銀行については先程申しましたような点でありますが、これは普通銀行の中に含まれる問題ではありますけれども、地方銀行については、やはり地方の中小企業者の意見を聴き、或いは状況を見てみますと、やはり設備資金に可なり困つているようであります。ここに地方銀行の一つの難点があるということと、やはり相当の支店を使つてやつておりますので、それぞれの支店にやはり活動の一つの限度がある。そのためにそれぞれの町なり村なりにおける金融をする場合に、全く自主的にやれないという点に若干の難点があると考えられております。
 不動産金融機関は、これも中小企業者としては非常に要望しておりますが、ただこれを要望するのは、中小企業の中でも小企業及び極小の場合が主であると思います。これは以前と違つて、土地その他不動産の流動性が非常になくなつているし、それを利用して收益を挙げるという面において困難になつている関係がありますのと、その他の面から言つて、なかなか採算上困難と思われますけれども、恐らく不動産銀行が作られた場合に、一番逃げる先は中小企業であると思いますので、この点については一般に中小企業としては不動産金融機関の独立ということを非常に強く要望しているわけであります。
 特に金融機関で申上げたい点は、信用協同組合についてでありますけれども、これが中小企業等協同組合法によつて信用協同組合が今作られようとしておりますが、実際には大蔵省が認可の基準を持つておつてそこでいろいろ査定をして許可をするということになつております。そのために実際には作れそうであつてなかなか作れない。だからこの点は特に議員の方々にお願いをしたい点なのでありますけれども、立法上折角法律ができたに拘らず、行政の面でその法律の効果が非常に失われているというところに非常に問題点があると思います。現在、先程どなたかからもお話がありましたように、非常に厳重な認可の基準を作つている。ところがこれをアメリカの方の場合と比べて見ますと、日本では認可の基準は約四千万円ぐらいの賠金であります。人数三百人以上と言つておりますけれども、仮にアメリカなどの例を見ますと、一九三二年のアメリカの信用組合の平均の人数は二百十五人、一九四五年には多少殖えておりますけれども三百人、これが少し遡つて一九二五年頃は六百人を超えております。六百人から二百人ぐらいに下り、今約三百人ぐらいといつたような状況になつているようです。それで、この出資額及び預金額は、一人当りの出資が一九三三年一のときに六十二ドルでありましたけれども、全体の資産としては、これに二五%を増したくらいでありまして結局現在の日本の金に換算するというと、四百七、八万円見当になつておるようであります。一九四五年のところを見ましても、大体千四百万見当の金で平均して運用されておる状況であります。特に非常に人数の少い場合には、五、六十人でやつておる。それで結構成立つておる状況でありますが、これは実例から見ても分る通りでありまして、例えばバーモント州の場合には、わずか平均して一組合二百四十万くらいの資本で、平均そのくらいの資金でやつておるようであります。この点について私共特に考えなければならん点は、信用協同組合の本質は、中小工業者が寄り合つて本当の自己金融をやる、お互いに信用のできるものが安定してやることが必要だと思います。これはお互が金融をして行くというところに本質があると思う。これは中小企業協同組合が活かされて行く趣旨であると思うのでありますが、それを全然殺してしまつて、普通の銀行の取扱うことをそのまま信用協同組合に要求して行くという点が、余りに強過ぎるのではないかと思います。運用上に難点があれば若干これを監督することは必要でありますけれども、もう少し業者の自由意思と、人格と民主的に運営する能力とを信頼して、もう少し自由に作らすべきだと思います。この行政的な認可基準のために折角の立法の趣旨が懷されておる、この点は特に議員の方にお願いしてこの点を御考慮願いたいのであります。尚信用協同一組合はこの意味において、相当な重要な意味を持つておるのでありますからして、政策上からいろいろな援護をする場合に、信用協同組合に対しても今後も十分に採上げてこれに対する政策を考慮して頂く必要があると思います。
 それから商工中金の問題は、これは当然改善され拡充されて行くということが中小金融の上に極めて重要なことであると考えております。ただ個人の金融の問題については、或いは考えようによると、本来の組合金融のシステムを壊しやしないかという点に若干の疑問の点があるのではないかと思いますが、尚農林中金に比べて商工中金の難点は中小業者の預金の吸收が非常に少いという点であります。ここに組織的の欠点が横たわつておると思いますが、この点で商工中金の方向については、特に考えるべき問題があると思つておるのであります。
 尚復金の存続の問題でありますけれども、これは復金が活動しておつた時分には、非常に中小企業に対して金融の比率が少かつた。且ついろいろな問題が多くて一般の評判は余り芳しくないのでありますが、現在の状況において非常に回收している資金を一定の期間更に再貸出をすると、その限度の範囲内において活動をするということを認めるとするならば、それは必ずしもインフレの要因にはならないし、現在の経済政策にそれ程強い変化を與えるものでもないと思うのであります。そうして性格をもつと全変然えてて、むしろ金額が減る代りに、それを中小企業の方向へ向ける、こういうようなことを考えれば、これは一つのやはり更生策として成立つのではないかと思うのであります。大きく考えまして中小企業の資金をどうして得るかという場合に、協同組合その他を通じて協同で得る方法と、それから大きく国家的に蓄積されたものをやはり使うという点と、二つあると思いますが、今日の租税の政策で、租税の負担は非常に中小企業に重くなつている。シヤウプ勧告の中でも指摘しているように、税金の大部分が直接税である。歳入の大部分は税金であつて、その中の半分を超えて直接税である。それの九〇%は、中小企業を含む少額所得者の税金ででき上つているという状況でありますからして、当然そこに、そういう点から見ても国家的な資金を中小企業の面に還元するということは、当然過ぎる程当然の考えだと思います。その意味から言つて、復金のようなものが、ああいうような変化を自然にして来たものを、逆に利用して、禍を転じて福となすというような意味において更生策を考えることも一つの問題だと思います。尚その他の新機関の問題についても我々は考えておるのでありまして、私は意見を若干持つておりますが、その点を少し長くなりますから、略したいと思います。大体金融機関の機構については、そういつたような考えを持つているわけであります。
 政策については、ここに書いてあります通り、やはりできるだけ資金の配分については、冒頭に申上げましたように、中小企業の金融の特に問題となる点は、社会的に蓄積された配分の不均衡の問題であると私は考えておりますので、その意味において中小企業に対して適正な資金量を廻してやるという意味において、見返資金、預金部資金その他をこれに向けるということに重点を置かなければならんと思います。但しそれの前提として中小企業の在り方について考えよということをしばしば言われますが、これについても非常に意見がありますけれども、ちよつと長くなりましたから省略いたします。いずれにしても、経営の合理化は必要であることは申すまでもない。但し日本経済の全体の生産復興を考える場合において、中小企業の場合は、当然中小企業を存立させることが一つの問題として出て来ていると思います。企業の合理化の場合にも、ただいたずらに書齋の中で考えられるような企業合理化というものを押付けるよりも、先に中小企業自体というものを一応安定させる方法を考えることが必要だと思います。
  尚二、三申上げたいことがありますが、時間も多少すぎましたから、一応これで終ります。
#12
○委員長(小畑哲夫君) 有難うございました。あとになる証人のお方に、一つそこを成るべく重複を避けて、大変どうも恐縮に思いますけれども、エキスを一つ御発表を願いたいと思います。では赤司さん、どうぞ。
#13
○証人(赤司篤俊君) 私は全国問屋協会の常務理事をしておりますが、その外に、横山町、馬喰町の、一般に問屋街という所の問屋約三百軒で問屋連盟というものを組織しておりますが、その理事長をやつております関係上、そういう面から一つ問屋ということについて、問屋の立場から申上げたいと思います。
 実際我々問屋も、金融と税金の面で苦しんでいることは事実で、ありまして、何故それならば昔のように、問屋が問屋の金融的役割を果し得ないかといいますと、販売業者というような立場から、その金融準則も最初は丙順位になつておりますし、段々乙というような関係に変つては来ましたが、なかなか思うようにおいそれと金融がうまく行かない。それから現在の税法では、相当儲けた者も殆んど皆持つて行かれるというような実情にありますので、昔のよう、問屋が問屋機能を発揮することができない実情にあります。青色申告、青紙申告にでもなれば税率が大分安くなりますから、税金の面については今よりも余程楽になる。真面目にやつておれば、自分で儲けたものもそれだけ自分の自己資金として活用することが今後はできるんじやなかと思うんですが、やはり問屋の中でもいろいろありまして、金融面については、それぞれ自己信用で以てお互いにそれぞれ金融はして貰つているのですが、中小企業等協同組合法に基く協同組合を作つたらどうかというような関係でいろいろやつて見ておりますが、実際問題はなかなかそう簡単には協同組合が作れない。まあこのことにつきましては時間も相当長くなりますから後日に讓りまして、そういう関係でこれは是非それを作らなければとうしてもやつて行けないという立場ならばできると思いますが、それぞれ問屋は問屋としての自己資金で以て生活をして行つている現状でありますので、何とかしで融資を受けたいという気持はあつても、自分の現在やつていることをそのままにして一つの協同組合を作るというところまでは実際問題として行かない、こういう立場にあります。そういう関係上どうしても、この問屋という制度を復活して金融統制といものを外ずして貰つて、自由経済、即ち戰前の金融に戻して貰いたい、こういうふうに考えるのでございます。で一つの方針を決められると、それを守つて一律に行われているような傾向にあるように思われるのです。自由経済となりますと、個々的に皆違うわけでざいます。信用の篤い入から段々に或る一定の額を決めて貸出をして貰いたい。それで銀行でも相手方の経済状態を調べて貸せばいいように思われますし、返還の確実性とか、資金の使途、それから有効需要、即ち取扱商品が廻つているかどうか、それから販売市場の関係、そういうようなものをよく個々的に調べて、そうして貸出をして貰う。戦前は各市中銀行でそういう状態をよく調べて、個々的に貸出をしていたのですが、現在では手も足りないので、そういうような方法もなかなか実情を調べるのが困難だというようなわけで、まあ一律にこういうような現状であるからというようなことで、折角信用があつても、又こういう場合に是非金が要ると言つて、その人がはつきりしていても、なかなかそれを順位があるために容易に貸出ができなかつた、こういう実情がありますので、どうしても個々的に一つ信用を調査して、そうして貸出して貰うようにお願いたい、こう思うのであります。それからいろいろ手形制度が復活しまして、金融面も非常に楽になるかのように思われたのですが、中に手形の不渡りが出て来る、又一般的に手形の不渡りが多いというような声がありますので、銀行もなかなか手形を容易に割引いてくれないし、実際その手形が相手方の信用あるいい手形ならば、これを限度を設けなくても、個々的調査してそうしてできるだけの貸出をするならば、問屋はそれによつてメーカーの方にも金融がつき、又手形によつて小売屋にも相当の品物を融通することができる。こういうふうに戦前の状態に還るならば、この金融難ということも打開されると思いますから、この点を一つ是非お願いしたい、こう思うのであります。先程来いろいろな点が相当述べられましたので、私はこれを以て終ることにいたします。
#14
○委員長(小畑哲夫君) ありがとうございます。引続いて安田さん、お願いいたします。
#15
○証人(安田元七君) 商工組合中央金庫の安田でございます。私共の方に中小企業者の方々がいろいろ融資のことについて御相談に相成るわけでございまするが、その点で私共の方から見まして、金融の線に乗りにくいというその点を中心に申上げてみたいと思いますが、凡そ三点あると思うのでございます。
 第一点は、先程からお話がありましたように、制度から来ることでございまして、私共の銀行は特殊の銀行でございまして、商工組合中央金庫の名前の示します通りに、組合でなければ融資ができないというその点でございます。
 第二の点は従来発行を許されておりました商工債券が、只今のところでは発行を許されておりませなんで、従つて長期の設備資金というものにつきましての道が途絶えているという点であります。
 第三の点は、資金量の問題でありまして、預金がやはり組合よりの預金ということに限定されまする関係上、資金量が不足いたしておりまして、中小企業者の方々に満足し得るだけの資金がないというその点でございまするが、設備資金並びに資金量の問題につきましては、近くこの議会に提出されるように承つておりますところの見返資金の引受による優先株の発行ということによりましてこの二つの点は解消するだろうと思うのであります。即ち私共の方の承つておりますところによりますれば、私共の出資が只今一億五千万円でございまするが、それを自己出資を五億に増加いたしまして、見返資金によりまして尚五億の優先株が発行できる。即ち十億の出資といたしまして、それの二十倍即ち二百億の商工債券並びに預金の合計が二百億まで行けるというこの線が確立いたしますなれば、先き申しました長期資金並びに資金量の不足という問題は解消するかと思いますが、第一点の、制度から来ますところの組合のみに融資するという問題につきましては、今後もやはりこの問題は残り得る問題でございます。
 第一の問題から御説明申上げまするなれば、中小企業者のいろいろの政策を組合というものを中心にやつて行くという政府のお考えは尤もであると思うのでございまして、私共もその線に沿つて金融の面においても考えて行くということは当然と思うのでございまするが、ただ私共のお願いいたしたいと思いましたことは、組合の組合員というところまで降りて、そうしてその組合の組合員に直接融資するという事柄も、決して組合を中心にして行政をやつて行くという線を破るのではないと、さように考えておつた次第でございます。只今では転貸という形で組合の組合員に貸しておりまするが、転貸でありまするので借主組合でございまして、飽くまで組合が責任を持つので、先程五藤さんのお話のありましたように、個人が如何にしつかりいたしておりましても、私共といたしましては、組合の役員の個人連帶保証というものを制度上取らなければやつて行けないという形になつておるのでございます。若しも組合の組合員まで直接貸出でき、そうして組合がいろいろ調査をして、その調査の報告を添えて来たものに対しましては、安心してその個人の力を見て直接貸出できるということの制度が認められるといたしますなれば、劃期的な飛躍になるのではないかと思うのでございます。この方面は関係方面の御了解が得られなかつたので、私共は残念に感じておる次第でございまするが、今後ともこの望みは捨てておりませんので、各位の今後の更に御援助をお願いいたしたいと思うのでございます。組合を中心に考えるにいたしましても、資金の性質上、例えばこの運転資金というものにつきましては、共同で例えば資材を購入するというものの資金というので、相当この組合の共同仕入という問題はあり得ると思うのでございまするが、設備ということに考えをいたしますなれば、共同施設という、設備ということだけでその中小企業者が救済されるかどうかということは甚だ疑問でございまして、組合による共同施設の外に、各個人の、個々の施設というものが改良されるに非ざれば、中小企業者の救済というものは期待し得ざるものではないかというふうに思う次第でございます。この点から申しましても、特にこの設備資金という道が今後開かれることに相成りまして、そののときにおいて私共は組合の組合員に直接貸し得るような体制ができることを熱望する次第でございます。
 第二に設備資金でございまするが、先程申しましたように、只今のところでは商工債券の発行が許されておらないのでございます。従いまして日銀の別枠の資金を日銀の御了解を得まして、二年なりせいぜい一年半、長期とは申せない中期の程度のものを廻しておるのでございまして、従つてこれは設備の新設というところまではできにくいのでありまして、せいぜいが補修、改良という程度の資金を僅かに見ておる程度でございます。
 次にこの資金量でございまするが、これも組合のみの預金ということに法律上限定されております結果、私共の預金は、ここで申上げるのも恥しい程度で、僅か三十億程度でございます。これが組合の組合員、即ち先程の貸付の方におきまして組合の組合員の方に直接貸せるのと同様に、預金を預る方も組合の組合員の方から直接預金が預かれるという道が開かれるとするなれば、相当程度この預金ということも期待できるのではないかと思つておる次第でございます。只今では、日銀の別枠といたしまして十四億程度更に府県並びに市の公共団体から私共が預金を預りまして、その土地のそれぞれ中小企業者特有の設備に資金を廻しておりまする金、即ち公共団体から預つておりまする金が六億程度でございまするが、その預金と、日銀の別枠、県の預り金、そういうもので賄つておる程度でございます。併しながら先程申上げましたように、近く提出されるであろうと承つておりますところの見返資金による優先株の引受の法律が通過いたしますなれば、この第二と第三の問題は解決すると思うのでございまするが、これにつきまして一言お願いいたしたいと思いまする点は、先程申しましたように二十倍の預金並びに商工債券、二百億でございまするが、預金を只今二十億いたしますなれば百八十億の商工債券でございまするが、これの消化につきましては、一般募集というような考え方で参りまするなれば、私共の非常に力の不足並びにそれのコスト高という点から申しまして、甚だむずかしいのではないかと思いまするので、これは是非この預金部資金による引受という点を各位においてもお考え願いまして、これが実現をお諮り願いたいと思う次第でございます。甚だ簡単でございますが……
#16
○委員長(小畑哲夫君) どうもありがとうございました。
 ちよつと委員の方にお諮りいたしますが、私三時半に資源庁へどうでも行く約束をしておりまして、理事の方が今いらつしやいませんので、どうも大変失礼ですが、結城先生一つ代つて進行を暫くお願いしたいと思うのですが、皆さん御承認願えますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○結城安次君 私も時間があるのですが、何時頃まで……
#18
○委員長(小畑哲夫君) ちよつと行つて三十分程で帰れると思います。大変どうも失礼ですが……
#19
○結城安次君 三十分で帰りますね、では。
   〔委員長退席、結城安次君委員長席に着く〕
#20
○委員長代理(結城安次君) それでは暫時、三十分程代理をいたします。それじや市田さんにお願いします。
#21
○証人(市田禎藏君) 私日本銀行の融資斡旋部の市田でございます。先程から各界の権威者が縷々お話しになりましたので、時間の節約上、簡單に私共の仕事上感じておりますことを二、三申上げてみます。
 私共の方に中小金融斡旋課を作りましたのは昨年の四月でございます。それまでとても一般の融資斡旋といたしまして、決して中小企業の金融問題を、ないがしろにしたわけでありませんでしたけれども、融資斡旋の建前が重要産業の材料の資金需要、これを各銀行の協調で賄つて行く、各銀行間の資金の有無の疏通とか、資金の分散とかいうよな実質的な建前で運んで参りました。従つてどうしても中小の数多くの金融問題が対象になり難かつたのであります。ところが昨年の四月ドツジラインの実施以後の金融状況、特に中小の企業の金融状況の深刻化に伴いまして、中央銀行といたしましても、中小企業者の金融相談に乗り、且つそうすることによりまして、中小金融の実況を我々もよく勉強いたしまして、全体の金融施策に貢献するような気持で始めたわけであります。融資の斡旋でありまするから、戦時中のように命令をするわけにも勿論参りませんが、何とかして中小金融に乗らないものを金融に乗るように、業者の方の相談に乗ろうということに努力して参つたわけであります。ところがいろいろ御相談に乗つて参りますると、先程記内さんからお話しがありましたように、銀行等に来まして、借りた、借りるということを一遍もやつたことがない。一体どういうふうにしたらいいものかというような方が非常に多いのであります。又制度もよく御存知なく、最近始めました見返資金による中小融資、これは借りる人もよく御存知ないし、又それを扱われる金融機関も末端においては必ずしも熟知をしておられるという段階に達しておらないような状況でありまして、この間両者の接近を図るということが非常に重要に感じられたわけであります。それから何と申しましても経理がちやんとしておりませんし、それから今後どうやつて行くかその合理化等についての具体的な対案をお持ちにならん人が随分多いのであります。そうしてまあ惡く申しますれば拔け駈けで何とか泳いで行こうというような考えを持つておられるやに見受けられる方が多いのであります。これを何とかレールに乗るように、こうすれば借りられるんだというような智慧をお互いに額を集めて相談する。勿論どこどこにしたらいいというよなそういう話ではございませんで、自分の経理を明らかにする、金融を受けるだけの将来の方針をはつきりさせるというようなことの相談に乗つておるわけであります。そういう工合にしまして四月以降去年の年末までに約四百八十件ばかりこれは私共本店だけでありますが、各地を合せますればその数倍になると思いまするが、約十二億程の金額のものを御相談に乗つております。併しながらなかなか直ぐそれでは金融を受けられる態勢というものは整いませんで、今まで金融を受けられたという報告がありますのは約四分の一百十件ばかり、金額にして六億五千万円程度であります。まだまだこれから借入れられる方も努力されて、今後この成績が上り得るものと存じております。尚私共が話を聞いております範囲で気の付きますのは、企業が弱体だから借りられないというのは、概ねそういうものは多いのですけれども、中には必ずしも弱体ではないけれども従来借入れの実績がなかつたとか、或いは営業の実績が余りなかつたというようなために、どうしても金融の対象にならんというのが相当あるように見受けられます。これなどは金融の側も業者もお互いに両方努力して行き得られる企業については何とか金融をつけて行けるようにやつて行きたいと存じております。それから金利の点でありまするが、一昨年でありますが、ドツジ・ライン以前は金利なんてものは問題でない、どんなに高くても構わんというようなお話がありましたが、昨年の春以降は余り高利のものを無暗に使うというような野放図な考えは大体なくなつて来て、程々の金利のものを使つて行きたいというふうに考えられておるようであります。但し現在の金融機関から出されておる金利が高いというような話にはまだなつておりませんようであります。
 尚信用保証協会、これは今日お見えでございまするが、ここを成るべく利用して頂きたいと思うのであります。興銀それから協和、勧銀その他の銀行では大いに利用をしておられまするが、まだ利用しておられない銀行もありまするので、この制度を何とかいたして中小金融の疏通に貢献して行きたいと私共も考えておる次第であります。
 尚融資準則の話が大分出ましたけれども、これは昨年中に可なり緩和しております。私共は実際にはそう支障ないものだと思つております。これとそれから今年から始まりました見返資金からの中小企業への融資、これは日本銀行の資金局が相当しておりますが、委員長如何でございましようか、資金課長を連れて参りましたがその方から簡単に説明して貰つたらどうでしようか。
#22
○委員長代理(結城安次君) どうぞ。
#23
○参考人(國安信夫君) 証人ではございませんが資金局の國安でございます。先程から融資準則の話がございましたのでちよつとこの席をかりて御説明して置きます。実は融資準則は金融措置令といたしまして爾来ずつと行われましたが、実は昨年の八月これに大きな改正を加えまして、八月までは融資準則丙種に属しますものこれにつきまして金額五十万円以上のものにつきましては、一々銀行から大蔵省宛の承認申請をして貰つておりますが、これに八月改正を加えまして当時問屋、証券業こういつたものは従来の丙から乙に引上げました。同時に従来の個別申請をやめまして銀行としては自由にやつてよろしい、但し銀行の貸出の十五%までに止めて貰いたい。従つて十五%を超えました際はその月中のものをまとめて幾ら超えたかということを銀行を通じて大蔵省の方に承認申請をして頂きたい。従つて各業者から申請をする必要がなくなつた。実際問題として今どれだけのものが丙種として出されているかと申しますと、大体銀行の貸出のうちの七%乃至八%のものが丙種になつておる。従つてもう融資準則というものは死文化されておる。従つて昨年の夏頃までは融資準則があるからというので、これを楯にしまして銀行が若干貸出を澁つたということはあろうかと思いますが、現在においてはこれは全然ないものと私共考えておりまりす。従つて先程来融資準則を楯にしていろいろお話がございましたが、大体これは去年の八月頃までの話であつて、最近においてはそれはないものと、而も証券金融につきまては、去年の八月乙に甲に引上げたことは皆さん御承知の通りであります。
 もう一つ先程からお話が出ました見返資金で中小企業に金融することが最近始められたのでありますが、これがどの程度一般に分つておりますか、若も説明の足りないところその他もあろうと思いますので、この席をかりて御説明して置きます。今日本銀行の別枠融資というものが三十三億ございますが、そのうち設備資金に廻つておりますものは十七、八%かと思つております。従つてあとの八割、それ以上のものは運転資金に廻つておるのであります。ところが先程お話がございましたように、中小企業の問題については設備資金に非常に窮屈を感じておる。見返資金は御承知のように大企業に出しておりますが、これを大企業ばかりでなく中小企業にも出したいというので、昨年ドツジさんが二回目に来朝せられました頃から話が持上りまして、今年の一月六日に伺う側からメモが出まして、実は最近店開きをいたしたようなわけで、中小企業に対しまして見返資金を運用いたしますというのは、大体一四半期に三億ぐらい向けて行きたい。と申しますのは、十五ヶ月予算で来年の三月まで十五億この方に向けたい。そうして市中銀行に半分持つて頂く。見返資金が半分持つ。従つて見返資金で来年三月まで十五億出るとしますれば、全般として中小企業の設備資金として三十億出るという計算になります。どういうように出すかということになりますと、大体三つの相手を考えておりますが、一つは輸出産業、もう一つは生活必需産業、三番目は重要産業の関連産業、いろいろなものがございます。こういつたとこにろ一つ出して行きたい。金利は一般金利よりも安い。結局今見返資金を大企業に出しておりますような七分五厘の金利で出す。勿論市中銀行が一般にお出しになります場合は一割一分といいますか、今の金利を以てお出し願う。期限はどの程度かと申しますと、最長五年、五年間は貸出ができる。その間市中銀行から出しますものは優先弁済、先に返して貰う。見返資金からのものは後から返して貰う。大体五年までいうことで先月終り頃からこれをやつておりまして、先日新聞でも御覧になつたかと思いますが、三十日に七件程、八百六十五万でありますが実施いたしました。近々二回月の実施をやりたいと思つております。今のところまだ市中銀行さんの方でいろいろな調査その他もございますので、まだ本調子になつたとは申しにいのでありますが、大体今月中には可なりの申込があるものと期待いたしております。私共とすればできるだけ、勿論この資金は十分使つて、足りないところは又更に増額を図つて貰うよう懇願するといつたようなやり方でやりたいと思つております。実際の事務は市中銀行でやつて頂きまして、私の方でまとめて、日本銀行の本支店でまとめたものを本店で認可して、実際は資金は見返資金特別会計から、いわゆる大蔵省から資金を受けまして、これを市中銀行に流し、市中銀行から業者の皆さんに資金をお渡しするということで只今やつております。
#24
○委員長代理(結城安次君) どうも有難うございました。次に永井さんお願いいたします。
#25
○証人(永井三郎君) 私日本興業銀行の永井でございます。委員長の御注意もありましたので、一般論はやめまして、大体興業銀行の窓口から見た中小企業の金融状況と申しますか、そういうことを簡単に御説明したいと思います。
 御承知のように興業銀行は長期金融機関でございまして、一般市中銀行とその点性格の違う点がございますので、一般の銀行と違た見方と申しますか、説明になるかと思いますが、その点は御承知置き頂きたいと思います。私共の方の取扱い状況で見ますと、昨年来大体日を追つて資金の申込件数が多くなる一方でございまして、毎日数十社の方が金融の御相談に見えるという状況で、その面から申しますと、相当金詰りと申しますか、金融難が察せられるわけでございます。御相談に参ります業者の方を見ますと、その業者なるものは誠に千差万別でございまして、そういう業種的なと特別な傾向はないのでございます。又私の方といたしましても、こういう業種は取上げるとか、取上げないとか、そういうふうな取決めは何もいたしていないのでございますが、ただ本来申上げました長期金融機関であるという関係上、短期の商業金融は一般の市中銀行の方に廻つて頂くということにしておる次第でございます。申込の内容を見ておりますと、過去においては私共の方は大正十二年から中小工業部という特別の部を設けて中小工業金融の方を担当しておるのでございますが、過去においては長期の設備資金の相談が圧倒的に多かつたのでございまして、運転資金は一般銀行にやつて貰うというのが多かつたのでございますが、最近の状況では長期の運転資金の相談が非常に多い。これは先程からもいろいろお話がございましたが、親会社の支拂の遅延とか、いろいろ売掛金或いは滞貸の増加というような傾向からどうしても資金の回転が遅くなる、従つて従来一般金融機関で短期で面倒を見て貰つておつたようなものではやり廻しがつかないということから、御相談に見えるというふうな状況でございまして、この傾向が日増しにどうも強くなつて行くような状況でございます。そういうふうに資金の需要が非常に多いものでございますから、銀行の行員やなんかにいたしましても、大体労働力の許す限り御相談に応じておるわけでございますけれども、なかなか中小工業金融と申しますものは手数がかかりまして、貸出した後でもそのまま放置して置いたのでは、なかなか内入りも支拂いもして下さらない。場合によつては出掛けていろいろ督促もしなければならないというケースが非常に多いのでございまして、従つて需要が余り多いと、どうしてもその中から相当嚴格に選択をしなければならないということになるのでございます。従つて余り手数をかけないようなものを選ばざるを得ないということに自然ならざるを得ないということに自然ならざるを得ないのでございます。
 それからもう一つ、これは最近に限つたことではないのでございますけれども、銀行というものはまあ金融機関でございますから、貸出金の回牧の安全性ということをどうしても考えるものでございますけれども、これと一種の救済機関と申ますか、社会政策上の機関とを考え違えしておられるといふうような業者が可なり多いのでございましてそういう面に関しましては、金融機関としては如何ともなし難いのてございます。こういう金詰りを来しました原因などにつきましては、先程来いろいろ御説明がありましたし、殊に中島さんから詳細理論的に御解明がございまして、一々我々も納得ができるところなのでございますから、重複を避けたいのでございまそが、ただ一つ我々として痛切に考えておりますことは、何といつてもこういう金融機関の数が足らんのじやないか、金融のコースが足りないのじやないか、従来は問屋金融というふうな面もありましたし、又親工場から下請工場に対する前渡しというふうなこともございますが、最近は逆に親工場がむしろ利拂いを延ばして中小工業を喰物にしておるというような傾向すら見られるのでございます。又昨年の四月以来復金が機能を停止いたしまして、積極的に金が出なくなつただけでなしに、これがどんどん回收を図られる、而も第一順位の抵当権は復金に押えられておるというふうな状況でございますので、ますます以てこの長期金融の途が狭くなつて来ると言わざるを得ない状況なのでございます。こういう状況でございますから、これに対する対策といたしましては、これも先程来いろいろ述べれられましたことと重複する点もあるかと思いますのでございますが、私共といたしましては、先程来商工金の安田理事からもお話がございましたが、商工中金の機能の拡充ということも是非やつて頂きたい。又中島さんから御提案のありましたような、復興金融金庫の存続と申しますか、ああいう面も是非希望したいのでございます。殊に不動産金融機関の設立につきましては、我々、政府の方でもいろいろ研究をしておれらるようにも聞いておるのでございますが、従来の勧銀、或いは北拓といふうなものがなくなつたという点も大きな金詰りの一つの原因になつておるように思いますので、是非こういう不動産金融機関の設立を急いで頂きたいと私共は希望する次第でございます。
 それから只今日銀さんの方から、中小企業者に対する見返資金の活用というとについてのお話もございました。これも確かに中小企業者の設備資金に対する打開の第一歩でございまして、こういう途が開けたということに関しましては、私共も極力御協力したいというふうに考えておるのでございますが、何と申しましても先程のお話のように、一ヶ月一億円、これを全国の金融機関で扱うというふうな、金額的にも不足でございますし、又いろいろと手続上面倒だといふうな條件もございます。そういう面についても一つできるだけ扱い易い形にして貰えるというふうなことを、私共としては希望しておる次第でございます。簡単でございますが……
#26
○委員長代理(結城安次君) どうも有難うでざいました。
 次に田中さんお願いいたします。
#27
○証人(田中猛君) 私信用保証協会の田中でございます。今日の案件は、中小企業の我が国におきまする経済上社会上占める重要性に鑑みまして、これが振興を図るために中小金融難を如何に解決すべきかということであると思います。つきましては、最前よりこの中小企業の状態原因等につきまして中小企業庁の次長さん、その他業者の代表者の方、又各学者、專門家において種々論議されておりまして、すでに御承知のことと思いますから、私からこれは省略させて頂きます。そこで中小金融難の解決の一方策といたしまして、私が関係しておりまする信用保証制度について極く簡単に御説明申上げたいと思います。
 御承知の通り保証制度は、非常に古い資料でありますが、フランスの総合保証会社、或いはドイツの信用保証協会、若くは組合、英国の輸出信用保証、米国の信用保険会社、いろいろありますが、それぞれその国情、経済の状態に基いてできておるのでありまして、直ちにこれを我が国に取りいれるということは、いろいろな支障があると存ずるのであります。で、現在の私共の関係いたしておりまする我が国における信用保証制度は、最も日本のこの実情に即して経営されておるものと自負いたしております。で、協会の保証方針といたしましては、御承知の通り物的の信用の偏重を排しまして、対人信用、即ち無担保、無保証によつて資金の円滑を図る。即ち業者の方々の信用力、担保力を協会の保証によつて強化してそれによつて金融の円滑を図るということが眼目になつておるわけであります。但し中小金融等は御承知の通り飽くまで事業資金でありまして救済的慈善的な金融でないのであります。併しながら一面私共の考えでは、中小金融は公益性を多分に持つておる、かよに考えております。従いましてこの中小金融、いわゆる業者の振興策を、どの程度まで社会政策的な見地かちにれを考えて、そうして救済的な要素をこれに加味して行くかということが非常にむずかしい問題と論ぜられるのでありますが、殊に終戰後の財界の変動、或いは敗戦に基きます異常な事情の発生によりまして、この中小金融が常道を以てこれを行うことは甚だむずかしい問題と考えております。従いましてしの際公益性いわゆる営利性を離れまして、社会政策的に、或いは公共的にこれが解決を図らなければならん。併しながら現在の場合におきましては、国家がこれに保証するといことは望まれない実情でありまして、ここ当分はどうしても金融機関にこれが御援助を仰がなくてはならない。併しながら金融機関も又一面営利機関であり、又預金者保護の原則というようなものに制約されましてこの中小金融の解決というものを全部金融機関にお願いすることにできない。従いまして保証協会がその間に立ちまして安全保証制度によつて中小金融の円滑を図り、そこにおきまして金融機関の営利性を満足せしめると同時に、一方又公共性を大いに発揮して頂く。かように考えて保証協会は一つの確信を持つてやつておるわけであります。
 で、現在の協会の内容につきましては、勿論自立経済の原則によつて協会が十分の信用の保証能力を備えて置くことが非常に望ましいのでありますが、なかなか現在においてはさよう行かないのでありまして実際は自治体が大半この損失の発生した場合のロスをカバーして行く。これは各県でやつておりますのは、大体御承知の通り政府並びに自治体の直接保証というのが許されてはおりませんので、各地方におきます、例えば東京に例を取りますと、経済局におきまして中小産業の振興費としてこれを補助金という形で保証協会に金を交付しておるわけでありまして、現在東京都は五億の保証金を予算に計上いたしまして、これを元にして目標の保証融資を図るというとにやつております。大体全国よ大なり小なり東京の制度を真似しまてやつておりますから、大差ないものと考えます。
 現在の東京の、保証額を御参考までに申上げますと、二十四年度の申込額は千八百六十一件、金額にいたしまして十億一千九酒八十七万円くらいになつております。それで保証を與えました額は、件数におきまして、これは二十四年の四月一日から二十五年の一月二十五日の期間の保証額でありますが、一千四百七十四件、金額にいたしまして約七億六千万円、かようになつております。
 その種別は、パーセンテージはここに出しておりませんが百万円以上は百八十五件、五十万円以上は百八十九件、三十万円以上は百六十八件、二十万円以上は百三十六件、十万円以上四百六十八件、こういう件数を示しております。
 これにつきまして今日まで全国にできました保証協会は約四十九所に及んでおりまして、大体各県に一協会を原則といたしておりますが、六大都市におきましては例外を認める。こういうことで大体五十二三ヶ所のものが近近中に設立するものと考えております。各地方の要望もありまして、近々中に全国的な保証協会の連合保証協会的なものを作らなければならないというふうに考えております。我々といたしましてはこの連合会的なものを作りますのも特別法に基いた全国のいわゆる国家の再補償というようなものを非常に望んでやるわけであります。又協会が窓口で受けましても金融機関の立場御事情からこれを受けて頂けなかつた場合が多々あるわけでありまして、この場合におのおの各地方の実状に即しまして特別の保証協会に枠を頂きたい。いわゆる窓口並びに更に金融機関のコネクシヨンのないものを拾い上津て振興すべき業者を振興して行くということで枠を頂きたい。これが全国の業界の声であります。最前保証協会の現在は第二義的で扱うのじやないかというお言葉がありましたが、これは御承知の通り保証協会の本質から考えれば保証協会それ自身が金融をやることでいわゆる目的の示す通りの事業をやつておりますから結局金融的に見れば第二義的であるかも知れませんが、終局の目的から行けばやはり金融が円滑に行われれば十分な使命が果し得るということは考えております。金融のあるところまあ大体において保証人が要る、担保物件か要るということは今後も考えられることであります。それが無担保無保証をする協会の存在は必ずしも無意義でないと思います。最前永井部長がおつしやつたように、中小金融は固定的に一線を画して金融機関を作らなくても、あらゆる方面から方策と方法を以て中小企業の振興を図ることが望ましいのじやないか、中金その他協同組会或いは特殊金融機関も必要でありましようし、そういう場合ができましても只今申上げましたように保証協会の存在価値は決して無税さるべきでない。金の流れるところに対しましては担保保証金というものが考えられているのでありまして、今後協会の情勢は逐次業績が挙つております。年度内においてはまだスタートいたしまして日が経ちませんので、大体二十四年度は協会の保証できるという額が十五六億だろうと思つております。二十五年度は相当目標に近い業績を挙げるると確信いたしております。以上簡單でございますが、協会の現状を申上げまして……
#28
○委員長代理(結城安次君) 目下非常に大きな問題になつておりますが、中小企業の経営の困難な実状及びその対策について種々その衝に当つておられます皆様から詳しくお話を頂きまして、誠に有難うございました。非常に参考になりました。この点厚くお礼申上げます。お忙しいところ甚だ恐縮でございますが、もう少しお体を拜借して質疑をいたしたいのでありますが、どうぞ一つその点御了承願いたいと思います。
#29
○証人(中島英信君) ちよつと一言、誤解があつた点もあるかと思いますから……保証協会は第二義的だと申しましたのは重要性がないという意味ではなかつたのでありまして、これは中小企業は勿論重要性を持つておるのでありますが、銀行によつては必ずしも十分理解を持つておらないところがある。そいう銀行については理解をして積極的に活用して貰う必要があるというのが私の言おうとした意味であります。
#30
○委員長代理(結城安次君) これから皆さんの御質疑に入りたいと思いますが……速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#31
○委員長代理(結城安次君) 速記を始めて下さい。
#32
○中川以良君 いろいろ有益なるお話を承わりまして非常に我々も参考となり、勉強さして頂いたのでありますが、一、二お伺いいたしたいことは中小企業庁が一昨年発足をいたしましていろいろ中小企業関係には熱心なる指導をし、又それに対する調査研究等をしておられるのでありまするが、本日は金融の問題であるからかも知れませんが、中小企業庁に対する御希望とか、或いは中小企業庁ができてから中小企業がどういう恩典に浴したか、どういうふうに善導されて来たかという点についてはうもお話が触れていないのでありますが、この点に関しまして一つ御意見を、率直なる御意見を承わりたいと思います。金融の方面は無論役所は金の枠を持つておりませんし、又資材の方面も実際に中小企業庁は絶対に資材を使つておりませんし、中小企業者の方は中小企業庁並びに直接の関連のあるところの担当の各部局との関係等もございましていろいろお困りな点もあろうし、又御便利等もあろうし、又これに対する率直なる御希望等もあると思いますからこの点……
#33
○委員長代理(結城安次君) 如何です、中小企業庁ができて平たく言うとどういうお手伝ができましたかということですが……
#34
○証人(赤司篤俊君) 中小企業庁ができまして我々商業者は大変我々の声を企業庁を通じて政府の方々にお伝え願つた、そういうような意味で私非常に心強く思つておる次第であります。企業庁長官蜷川さんなんか再三問屋街に見えましていろいろの実情を御視察になり、そうして中小企業組合へ協同組合というようなものも大いに作らなければいけないということを力説しておられるのでありますが、我々としてもそういう方面に力を注いでそうして何とかこの金融の打開策を講じなければいかんということで一生懸命にやつておるのでありますが、先程もちよつと言いかけて実際具体的に申しませんでしたが、元来その業者が本当に協同組合というものの趣旨を理解していない点があるのであります。それでなかなか協同組合を例えば作つても、さて作つたがどのくらい金を貸して呉れるか、先ず借りることだけを先に考えるだから私はそういうことよりも先ずいいものを作ればいいのだ、長官もそう言つておられるのだ、そうして実際の運営をやつて行けばどれだけでも要求するだけはとにかく出して貰えるのだと、こう言つてはおるのでありますが、併し今までがなかなかそう政府の金をたやすく借りられなかつた、そういうような実情から言つて、それではこういうふうにして作ろう、ああいうふうに作ろうという声がまだ問屋街には出ておりませんけれども、いろいろ問屋の実情というようなもの、それから商工業者が中小商工業者が打開して行かなければならないそういうようなことにつきまして、直接政府の方々にお話しする機会も今までは余りなかつたようなわけですが、この中小企業庁を通じましていろいろ我々の声を聞いて頂いているというところに私は大いに価値があると、こういうふうに思つておるのであります。
#35
○委員長代理(結城安次君) 外に何か御質疑ございませんか。
#36
○証人(安田元七君) 私共の方は中小企業庁とそれから大蔵省の両方の関係がありますので一言申上げて見たいと思いますが、大蔵省の方では普通の銀行局の中に特殊金融課というものを設けて貰つておるわけでありますが、やはり中小企業の本体というようなことに関しましては、中小企業庁程大蔵省の方は認識も願いにくい。やはり普通の金融機関の眼を以て見られ勝ちなわけなのでございます。私共の方は両方に関係しておるので中小企業庁の方から中小企業の本体と本質というようなものをよく大蔵省の方に連絡を願つておるというふうに私共思つております。
#37
○証人(中島英信君) 中川さんからの御質問、ちよつと一言だけ私の意見を申したいと思いますが、私共企業庁ができたのは一つは業者の団体が非常に力が弱いということが原因だつたと思いますけれども、併し我々の団体では企業庁ができるときに一応これは政府の中小企業対策の一歩前進であるという意味において支持したのであります。その後の状況については一つの役割がまあスボークスマンであるという点にあつたようでありますが、官庁内において、或いは政府の部内において中小企業の立場をいろいろ説明さす、理解を進めさせる点においては相当努力をされて来たのじやないか、その点についてはやはり相当功績があるのじやないかと思うのです。もう一つは中小企業のいろんな状況を調査する面において、我々の団体ではやはりどうしても大きなセンサスというものをやることが困難であります。その面において中小企業庁が割合に、中小企業の実態について全般的に広い調査をやつて来られたということは一つのやはり大きなプラスになつたのじやないかということを考えております。それから指導の面においては若干或いは多少問題があるかと思いますが、この点は余り首脳部の点に触れてはいかんと思うのでありますが、問題は今後に実はあると思うのです。今長官の人事問題なんかも出ておるようでありますが、現在までは首脳部の人達は熱心にやつて呉れたのじやないかと思つていますが、やはり機構ということは機構の問題と他の問題と関連しますから、別に誰という意味でなしに、やはり本当に機構を生かして使う人というものが非常に重要な問題であるということを考えるわけでありまして、それで現在まではそういうふうでありますが、今後企業庁はどうなるかということは尚一般的な問題が相当にやはり横たわつているというふうに考えておるわけです。
#38
○中川以良君 もう一つお伺いいしたいのは、統制経済が大幅に整理改善をされまして、沢山の種目が撤廃をされたのでございますが、これに伴つて従来ややともすると統制経済の間隙を縫つて金融工作というものが相当あると思うのであります。こういうようなものが今日非常なる打撃を受けまして、従来は作りさえすれば物が売れる、いいものも悪ものも殆んど技術も顧みられないでできているというようなところに今日従来の放漫な経営が如実に暴露されまして非常に打撃を受けておるというものが非常に多いと思います。こいうものに対しまして無論中小企業庁も非常によく指導しておられますが、業者自体が反省をして早く経営方針を変え、又企業の合理化に対しまして熱意を傾倒しなければならんと存じまするが、こういう時期において中小企業の中に多少国全体の経済の安定のためにそういう正しくない考えを持つているものは自然に淘汰されるということはこの過渡期においてはある程度止むを得ないのではないかと思います。そういう点につきまして、先程お話のあつたようないわゆる組合を対象にして貸出しをするとういところに非常に困難な点が今日あるのじやないか。いわゆるまじめなお業者に対し、まじめなる企業家に対し組合員個々を対象とすれば銀行は貸せるけれども、併し組合を対象とすればその不まじめな者が一掃されないから、どうも思い切つた貸出しができないという点が多分にあるのじやないか、こ点を一つ業界並びに金融方面の方から承わりたいと思うのであります。
 もう一つは見返資金の方から我々待望の中小企業に出すということが漸く決定をされたのでありますが、方々田舎を廻つて見ましてもなかなかこれが徹底しない。殊に市中銀行においてそういう面倒なことはむしろやりたくないという考え方を持つておるのが非常に多い参のであります。先程お話のあつたように、もつと中小企業の実態或いは中小企業が国の再建に伴つて如何なる役割を果すか中小企業というものは極めて重要性を持つておるのだという点に対する銀行員の方の勉強なり、努力なりが非常に足りないのじやないかと思います。この点も日銀からも御指摘になつた通りでございますが、こういうような点をもう少し市中銀行に徹底をせて頂きたい。折角の制度が活用されていないのであります。この点は先程赤司さんのお話があつたことも全く同感のように感ずるのであります。こういうような点に対しても一つ金融界方面の更に積極的なる御努力を特に切望する次第であります。
#39
○委員長代理(結城安次君) どうでしよう。このあと企業庁の記内さんから……。今まで大分お話を承つておりましたから何かお考えのことがありましたら……
#40
○政府委員(記内角一君) 今中川委員からもお尋ねの点がありますので、これはむしろ業者側の方、或いは金融機関の方からお答え願つた方が適当かと思います。尚今までお話のありましたことに関連いたしまして、私共の考えておりますこと、或いは実施いたそうと、或いはいたしつつある問題につきまして概略御説明申上げたいと思います。
 先ず第一は中小企業者の短期の資金の面でございますが、これは先程日銀からもお話がありましたように、日銀の中小枠というのが去年の春から実施されまして、最初は二十五億ぐらいの予定で目標にスタートしておつたのでありますが、昨年末におきまして三十二億、極く最近になりまして三十三億まで拡大せられました。これは御承知の通り短期の資金でありまして、まあ九十日ぐらいを目安に置いて、勿論中には一年近くも融通できるということにはなつておりますが、建前は三ヶ月ということになつておりまして、これを回転して参りますと、年間に百億円くらいの金には運転できるということになるわけであります。ただ貸出の金融機関が只今のところ興銀、勧銀、商工中金に限定せられておりますので、今後この取扱金融機関の点についても検討を加えたいというふうに考えておるわけであります。長期の資金特に設備資金につきましては、先程からお話のありました見返資金を何と申しますか、銀行を通じていわゆる銀行の自己資本と協調融資をする建前になつておりまして、今後十五ヶ月間に十五億円を限度に銀行の自己資本を合せますと三十億ということが目安になつております。これは実施したばかりでございますが、最近各地の情報を聽きますと、相当動きつつあるようにも伺いますので、これらの情勢によりまして更にこの十五億を極く短期の間に、半年とか何とかもつと繰上げてやる。結局年間を通じてはもつと増額して貰うというような方向に持つて参りたいというふうに考えておるわけであります。尚昨年の九月から実施されることになりました例の日銀の国債を買上げる、市場操作によりますいわゆるオ―プン・マーケット・オペレーションによる融資の問題でありますが、これも最近いろいろ聽いて見ますというと、見返資金の直接融資の問題と絡みまして相当動きつつあるようにも思われます。ただこの問題は当初は非常に金融機関も希望しておつたのでありますが、年末金融対策或いは株価対策等で国債の買上げが無條件に大分進展しました。来年度の国債償還が相当多額に行われるということで、金融機関としての興味がなくなつたという面も確かに否定できないのです。併し我々といたしましては、これを諦めないで十五億の直接融資の分と合せてやはりこの面を推進して参りたいというふうに考えておるのです。
 荷捌の商工中金の拡大の問題につきましては、商工中金の安田理事からお話がありましたように、極く最近のうちに国会に提出しまして、銀行等の債券発行等に関する法律という題名の法律を大蔵省から提案上たいというふうに考えております。で、その内容におきまして、商工中金は先程お話がありましたように、自己資本の二十倍までの債券発行ができる、但し預金を差引くということになります。それから尚見返資金で以て五億円までの優先出資が引受ができる。で、商工中金自体は現在の一億五千万の資本金を五億円まで引上げる。従いまして自己資金、民間資金五億円、見返資金五億円、合計十億円で似て資本金とし、これの二十倍即ち二百億円まで債券と預金とで債券の発行並びに預金の受入ができる。商工中金の預金は現在まで余り伸びておりません。今後も余り多きを期することはできないと思います。まあ従いまして今後債券といたしまして百七八十億円発行したいというふうに考えておるわけであります。ただそうなりますというと、商工中金も相当資金的に余裕ができて参りまして、活動も活機になし得ると思うのでありますが、問題は債券の引受の点でありまして、我我としましてはこれを預金部の資金の運用によつて賄つて参りたいというふうに希望いたしておるわけでありますが、まだ関係方面と的確なところまでのお話は進んでおりません。併しこの方式を一応通しまして、それができ上つた上で更に債券発行の点について、債券引受けの問題について総司令部と折衝したいというふうに考えておるのであります。
 尚商工中金が先程来各方画から意見がごいましたように、直接融資ができる、組合ばかりでなくて、少くとも組合のメンバー、組合員に対しまして直接融資ができるという方式も採りたいということで、しばしば折衝を重ねておるわけでありますが、まだこれも十分な了解を得る段階にまで立至つておりません。併し我々としましては、あらゆる機会を通じまして向うの関係方面の御了解を得て是非これを実現いたしたい。併しその前に先ず自己資本、この資金量を増加するための増資の問題或いは政府出資の問題、或いは預金部引受の問題ということを片付けてから、更にこれと並行しながらこの問題を解決したいというふうに考えておる次第でございます。
 荷預金部資金につきましては、当初はなかなかこれが政府資金であるということで民間融資を御承認が願えなかつたのですが、年末金融対策の一環ともせられまして或いは預金部の資金の運用というような面から、昨年の暮に百億を限りまして一般銀行その他金融機関に預託金の形で預金をして頂きました。商工中金に対しましても現在二億五千万円預金されております。でこれは、こういう考え方は昨年の夏でありましたが、政府の徴税で余つた余裕金を極く短期に運用したこともございますが、預金部の今度はその二回目でございます。預金部の資金は相当固定して長期の性格を持つておりまして、年末対策を兼ねて出された資金も相当長期に運用される趨勢にあります。従いまして我々としても、まあこれをうまく活用して貰いたいとも思つておるわけでございます。いずれにしましてもまあ我々としましては、政府資金を財政と金融との分離、従つて政府資金を金融面に廻すわけには行かない、こういうところから一歩前進して頂いたものというふうに期待いたしておるような次第でございます。
 荷信用協同組合の問題が出ましたが、信用協同組合は御承知の通り組合の設立は自由でありますが、信用活動を行うためには大蔵大臣の免許が要ることになつております。従いましてこの信用協同組合の活動については、大蔵大臣の免許を受けなければ、事実上組織できないという情勢になつておるのであります。現在までのところ不幸にして、内認可は相当いたしておりますが、正式に認可を得たというものは今までのところ一つもないというような状況で、私共も非常にこれは残念に思つておるわけです。大蔵省の考えをいろいろ伺つて見ますと、これにも無理からぬ点もあるわけでありますが、併し余りに大事を取り過ぎますということでは、中小信用協同組合を作るという根本の趣旨にも反するわけでありまして、その辺のところはお互いに歩み寄りまして、これを適切な運用に持つて参りたいというふうに考えまして折角構想を重ねておるような次第でございます。
 街信用保証協会の問題でございますが、我々もこの必要は認めまして、実は関係方面と非常に折衝をいたしておるのでございますが、御承知の通りこれは事業者団体法に抵触するということで、相当これに対しては難色があるわけでございます。最初は社団法人で出発いたしたわけでありますが、そういうふうな関係もありまして、これも最近財団法人に全部切換えるということにいたしました。我々としてはこれをただ単なる民法上の財団法人というだけでは十分でないのでありまして、やはりこれを特例の法制の下に制度として確立したいというふうに考えていろいろ折衝を続けておるわけであります。まだ十分な御理解を得るに至らないという点を非常に遺憾としております。これもまあ絶えず接触を保つて十分な御理解を得られるように努力をいたしたいというふうに考えておるような次第でございます。それと相並びまして、我々は例えばそれに対する国家の再補償、或いは国家直接の融資の保証、損失補償というふうなことも考え、或いは保険というような点も検討いたしたいとも思つておるわけでございますが、遺憾ながらまだそれを制度化するまでに立至らない、予算の関係もありますし、又財政と金融との分離というふうな非常に大きな政策の問題も関連いた上て参りますので、現在までまだ解決を見ておらないということを非常に残念に思つておるわけであります。まあこういう方面で金融制度としましては、中小企業の面にもいろいろ手を打つておるわけであります。又半面先程御指摘のありましたようにこれは單に金融制度だけから見るわけにも参りません。又それだけでは解決しないのであります。どうしてもやはり中小業者が結局金融を受けられる態勢を作つて行かなければならん。そのためには組合協同化という問題もありましようし、或いは又個々の企業の政善合理化、勿論これも資金と絡んで来る問題でもありますが、又資金と離れてもそれ自体として合理化、改善ということは是非必要であろうというふうに考えております。この面につきましても、企業庁の開設以来例の診断指導というものを進めて参つておるわけであります。ただこれは非常に金融の面と違いまして、なかなか中小企業者も乗つて来ない、乗つたところは非常に感激もして貰つておるわけでありますが、まだこれが全般に受入れられ、喜ばれるというところまで至つておらないのを遺憾とする次第であります。以上概略を申上げました。
#41
○証人(中島英信君) 中川議員の質問に一言だけ申上げて置きます。商工中金の拡充は必要だというふうに中小業者一般はそう思つております、問題は協同組合のことについての問題でありますが、中小企業には自由企業的な性質があるので協同組合万能というわけには勿論行かないのですが、併し協同組合が中心になつているという点から考えて、特に今後は協同組合の総合的な組織というものを頭に考えなければならんのでありますが、その在り方という点から商工中金の問題を検討されておる点が非常に少くて、一般に出て来ておる意見はこれとややズレておるのではないかという応じがするのであります。
 第二の点として個人に貸出せるようにしたらいいという問題がありますが、これは私も原則としてはやはり商工中金の資金が個人にまで及ぶということは必要であると思います。併しそれをただ直接に貸出せるという形で持つて行くと組合の原則と衝突して来て、恐らくいろいろな問題が生ずると思うのであります。従つてその精神を、両方の原則を生かして行くというために実際的に採る方法としてはやはり転貸の方法をできるだけ活用するということと、今度新らしく出て来る信用協同組合との結び付きの問題を検討して、その問題を解決すべきではないか、そういうふうに思つております。
#42
○委員長代理(結城安次君) 別にございませんか……いろいろお忙しいところを長時間有益なお話を有難うございました。
 それでは本日はこの程度で散会いたします。
   午後四時四十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     小畑 哲夫君
   理事      廣瀬輿兵衞君
   委員
           栗山 良夫君
           下條 恭兵君
           中川 以良君
           小杉 繁安君
           阿竹齋次郎君
           結城 安次君
           山内 卓郎君
           駒井 藤平君
  政府委員
   通商産業事務官
   (中小企業庁振
   興部長)    記内 角一君
  証人
   東京商工会議所
   理事      五藤 齋三君
   全日本中小工業
   協議会中央副委
   員長      中島 英信君
   全国問屋協会常
   務理事     赤司 篤俊君
   商工中央金庫理
   事       安田 元七君
   日本銀行融資斡
   施部長     市田 禎藏君
   日本興業銀行中
   小工業部長   永井 三郎君
   東京信用保証協
   会専務理事   田中  猛君
  参考人
   日本銀行資金局
   資金課長    國安 信夫君
ソース: 国立国会図書館
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