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1981/11/12 第95回国会 参議院 参議院会議録情報 第095回国会 逓信委員会 第2号
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1981/11/12 第95回国会 参議院

参議院会議録情報 第095回国会 逓信委員会 第2号

#1
第095回国会 逓信委員会 第2号
昭和五十六年十一月十二日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月九日
    辞任          岩崎 純三君
 十月三十日
    辞任         補欠選任
     中村 鋭一君     藤井 恒男君
 十月三十一日
    辞任         補欠選任
     藤井 恒男君     中村 鋭一君
 十一月十一日
    辞任         補欠選任
     山中 郁子君     神谷信之助君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         勝又 武一君
    理 事
                長田 裕二君
                成相 善十君
                長谷川 信君
                大森  昭君
    委 員
                小澤 太郎君
                亀井 久興君
                郡  祐一君
                志村 愛子君
                新谷寅三郎君
                高橋 圭三君
                西村 尚治君
                片山 甚市君
                八百板 正君
                太田 淳夫君
                白木義一郎君
                神谷信之助君
                中村 鋭一君
                青島 幸男君
    国務大臣
       郵 政 大 臣  山内 一郎君
    政府委員
       郵政省貯金局長  鴨 光一郎君
       郵政省電気通信
       政策局長     守住 有信君
       郵政省電波監理
       局長       田中眞三郎君
    事務局側
       常任委員会専門
       員        酒井 繁次君
    説明員
       外務省経済協力
       局技術協力第二
       課長       堀内 伸介君
       大蔵省主税局税
       制第一課長    滝島 義光君
       大蔵省理財局資
       金第一課長    安原  正君
       日本電信電話公
       社総裁      真藤  恒君
       日本電信電話公
       社総務理事    山口 開生君
       日本電信電話公
       社総務理事    小川  晃君
       日本電信電話公
       社総務理事    西井  昭君
       日本電信電話公
       社総務理事    前田 光治君
       日本電信電話公
       社技術局長    村上  治君
       日本電信電話公
       社監査局長    森谷 昭夫君
       日本電信電話公
       社計画局長    岩崎 昇三君
    参考人
       日本放送協会理
       事        田中 武志君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
 (日本電信電話公社の経営の在り方に関する件)
 (公衆電気通信事業の将来展望に関する件)
 (高度情報通信システム(INS)に関する件)
 (日本電信電話公社の福祉施策に関する件)
 (日本電信電話公社の研究開発に関する件)
 (日本電信電話公社等の雇用確保に関する件)
 (データ通信回線利用の自由化に関する件)
 (国際放送の拡充強化に関する件)
 (オリンピック・ロスアンジェルス大会の放送
 権料に関する件)
 (日本電信電話公社の不正経理に関する件)
 (山科電報電話局職員の交通事故に関する件)
 (郵便貯金の伸び率鈍化に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(勝又武一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十月九日、岩崎純三君が委員を辞任されました。
 また、昨十一日、山中郁子君が委員を辞任され、その補欠として神谷信之助君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(勝又武一君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本放送協会関係の付託案件の審査、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、放送に関する事項の調査のため、日本放送協会の役職員を参考人として必要に応じ随時出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(勝又武一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#5
○委員長(勝又武一君) 次に、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○片山甚市君 まず、冒頭に郵政大臣にお伺いいたしますが、電気通信事業の今日までの公企体として運営されてきた理由、どのようにお考えになっておられるか、お答え願いたいと思います。
#7
○国務大臣(山内一郎君) 昭和二十七年八月に電電公社が設立をされたのでありますけれども、それまでは電気通信省が自分で仕事をやっていたという状況であったわけでございます。
 そこで、官庁組織そのものがこういう事業を実施するにつきましてはいろいろな細かい制約を受ける、十分な活動ができない、こういう点を考慮されまして、公社組織として電電公社法によって運営した方がいいのではないかということで設立をされた、こういうふうに聞いているわけでございます。しかし独占事業でございます。しかも公共的な事業でありますので、多少の制約といいますか、たとえば料金の設定の問題あるいは予算の問題、こういう点につきましては財政の民主主義からいっても国会の御審議をいただいて実施をするわけでございまして、その範囲内において大いに、経営委員会を設けてありますので、運用していただいて自主的に活動していただく、そういう点が公社ができた趣旨だというふうに解しているわけでございます。
#8
○片山甚市君 電電公社の総裁にお伺いしますが、いま大臣がおっしゃられておりますが、所見を述べていただきたいと思います。
#9
○説明員(真藤恒君) 全く基本的にはいま大臣のおっしゃったとおりでございまして、あの時代の社会情勢あるいは日本の経済力、特に民間の経済力の状態で公社制度をつくられたということは、まことに時宜に適した良策であったというふうに私は解釈しております。
#10
○片山甚市君 そこで、欧米諸国においてはアメリカを除いて国営または公企体で運営されていますが、この現状についてどのように御判断をされますか。まず、大臣からお答え願いたいと思います。
#11
○政府委員(守住有信君) 先生御指摘のように、アメリカにおきましてはその歴史と申しますか、物の考え方、長い経緯があるわけでございまして、これだけが例外でございますけれども、欧州諸国におきましては郵便も含めましての郵便電気通信省というふうな形で行われておりますし、最近英国の方で少し変化が起こり出しまして、すでに郵便電気通信省を公社形態にいたしておりますけれども、それを分割してより積極的な電気通信の発展を図るということで、ブリティッシュテレコムという形でこの十月一日から公社制度として分割されて発足をした、このように把握しておる次第でございます。
#12
○片山甚市君 アメリカの場合は、FCCの強い監督のもとで民営でありましても行われておるということを承知しておるのですが、そこで、公衆法第一条の目的になります条文、「この法律は、日本電信電話公社及び国際電信電話株式会社が迅速且つ確実な公衆電気通信役務を合理的な料金で、あまねく、且つ、公平に提供することを図ることに上って、公共の福祉を増進することを目的とする。」、こう書かれております。それと同じように公社法の第一条に書かれておるんですが、それについて大臣はこの趣旨を今後とも守っていかれるというおつもりでありますか。
#13
○国務大臣(山内一郎君) 日本電信電話公社法、これによって先ほど申し上げましたように電電公社が設立をされまして、これでいま電電公社としてはいろんな技術の開発あるいは企業的努力をされてりっぱな業績を上げられていることを私は認識をいたしております。
#14
○片山甚市君 私がお聞きしたのは、社会福祉の増進をするということで公衆法がつくられておるということについて御同意を願えるかどうか。公衆法ですよ。
#15
○国務大臣(山内一郎君) いま先生がお読みになりましたように、公共の福祉を増進する目的でこれはできているのでございますから、私の先ほど申し上げましたように、これによってやっているということを申し上げたわけでございます。
#16
○片山甚市君 総裁にお伺いしますが、日本電信電話公社法の第一条の目的、これについて総裁としても同じようにお考えでございますか。
#17
○説明員(真藤恒君) 全く同じでございます。
#18
○片山甚市君 去る九月に臨調第四部会の説明資料として当局が「公衆電気通信事業の特質と経営形態」ということで意見書を出されていますが、その趣旨を大臣は御了知の上で出されましたか。
#19
○国務大臣(山内一郎君) 臨調の方から説明を求められましたので、出していることは承知をいたしております。
#20
○片山甚市君 内容について。
#21
○政府委員(守住有信君) 多少補足をさせていただきます。
 大臣も御承知でございますが、臨調の方でいろんな、電電公社の合理化の問題もございますけれども、その他各般にわたりましてのヒアリングというのがいま続いておりまして、私どもといたしましては郵政省という立場から資料を提出しておりますけれども、その中で特に、「公衆電気通信事業の特質と経営形態」という形で、あるいはまた「情報化社会と電気通信の役割」という点で、私どもといたしましては、公企体等基本問題会議の意見書と申しますか、そういうものも踏まえながら、私どもでとらえた公衆電気通信事業の特質という側面から現状の特質なりあるいはまた現状の諸制度なりを説明いたしたところでございます。
#22
○片山甚市君 私が特にお聞きしたいのは、
  電信電話を中心とする公衆電気通信事業は、国民生活に必需なサービスを、合理的な料金で、あまねく且つ公平に提供する等高度の公共性を有すること、また、全国的な電気通信網が統一されたシステムで構成される必要があるとともに、その整備のため巨額な設備投資を必要とするが、国民経済的な効率性の見地から二重投資の弊を避ける必要があること等の特質を有する。これらに加えて、事業の合理的且つ能率的な経営体制の確立を図るという観点から、公衆電気通信事業は、事業の独占的運営が認められ、公社形態が採用されている。
 そこで、事業の公共性の確保、独占的運営を認めることに対する利用者の保護及び事業運営の健全性の保持という観点から、国会及び政府による公的関与を受けるとともに、電波利用、資金調達等について保護、育成の措置がとられている。こういうように言われていることについて、これからも大体そのような方向でいかれたいと思っておりますか。大臣ないし局長から答えてください。
#23
○政府委員(守住有信君) 私ども、現在の電電公社の本質なり姿というものをこういう形でとらえまして臨調の諸先生に御説明をしたということでございますが、また臨調の方では、聞くところによりますと、官業、民業のあり方等々、いわゆる公企体等基本問題会議のときはもっぱらスト権問題が論議、観点の中心でございましたけれども、そういう角度からも含めまして、あるいはまたいろんな企業の活力という角度からもとらえられましてこれの見直しを行うということを臨調みずからが答申の中でおっしゃっておられますので、そういう面に対しましていろいろな御質問等があろう、現にあっておるわけでございますので、私どもはこういう立場からいろいろその特質を御説明しておる、こういう状況でございます。
#24
○片山甚市君 政府の態度はいま読み上げたようなものであるということで理解をして上るしいか。
#25
○政府委員(守住有信君) これを踏まえていろいろ対応、御質問等にお答えをしておる、こういうことでございます。
#26
○片山甚市君 わが国の電話については、名目的には一世帯一電話を達成し、電話のない生活は考えられない状態で生活必需品となっておりますが、それはすでに通信白書で明らかです。しかし、まだ普及率はアメリカに比べて低い。すなわち、百人の人口に対して電話機数は、アメリカで七七%、日本では四四・二%で、電話機数の比率は世界で第八位でありますが、住宅用比率は、アメリカでは七三・五%、日本では六六・八%。これは一九七九年度の数字であります。
 そこで、総裁にお伺いするんですが、総裁は電話の時代はもう終わったと言っておりますが、電話事業は年々まだ八%程度の高い伸びを示しておりますが、この電話について今後の展望をお聞かせ願いたいと思います。
#27
○説明員(真藤恒君) これはもっぱら日本の社会の経済力の伸展ということにつれて動くものと思いますので、電話だけがひとり歩きするとは考えておりません。現在、電話は一年間に約百二十万から百万の間なお伸び続けております。したがって電話の伸びは、全体が約四千万ございますので大体三%ぐらいの伸びをいま示しておる。しかし、過去電話の数の伸び率はだんだんだんだん落ちてきておりまして、明らかに統計的には飽和状態を示しておるという現状でございます。
 それともう一つ、最近の技術開発によりまして電話線を電話以外に非常に広範囲に利用できることが具体化しておりますので、しかも、そういう用途に対して日本の社会構造がだんだん需要が出てくる。要するに、そういう要求が出てくるということが歴然と見えておりますので、そういう意味で、電話の時代は終わったのじゃございませんで、電話の時代がさらにほかのものに多様化していくという時代だという意味のことを考えております。
#28
○片山甚市君 総裁は、電話の時代が終わったのじゃなくて電話を基礎にして新しい情報メディアが発達していく、こういうふうにお答えを願ったように思いますが、私から重ねてお聞きします。
 現在、電話加入数は、総裁がおっしゃったように四千万加入でありますが、その収入は事業収入の約九〇%を占めております。公社の最高責任者として、この電話加入者、利用者、ことに加入電話の七〇%を占める住宅用電話を大切にする事業運営、施策を進めるべきだと思うが、どうでしょうか。総裁として具体的な御提言を願いたい。
#29
○説明員(真藤恒君) 私ども住宅用の電話というものを非常に重視いたしておりますので、去年、ことしにおける長距離電話料の値下げはもっぱらこの住宅用の電話の御利用者に最優先的に値下げを進めておるということで、私どもがこの住宅電話に対してどう考えているかということを御了解願いたいと思います。
#30
○片山甚市君 総裁として具体的にどういうことをやられるかというお考えがあったら引き続きお答え願いたいんですが、現在の電話事業は日本の現状から見てまだまだたくさんやらなきゃならぬことがあると思っているんですが、公社としての施策はどうでしょうか。
#31
○説明員(岩崎昇三君) お答え申し上げます。
 先ほど電話の量の拡大について総裁からお答え申し上げましたが、そのとおりでございまして、しかし量的には、改めて申し上げますが、現在は伸び率が毎年三%でございますけれども、だんだんこれは逓減いたしまして十年後には恐らく一%程度の毎年の伸びに減ってくるものと思われます。しかし、電話そのものは特にファクシミリとかデータ通信とか非常に発達して減ってまいりますけれども、家庭におきます通信手段としては非常に重要なものがございまして、私どもとしてもそれを十分御活用いただくような手だてを常々考えておりまして、実施していきたいと考えているところでございます。
 なお、過疎地につきましては、御要望があればすでに常におつけするという体制にはございますが、制度的な面で非常に経済的な負担がかかるということで電話をつけにくい方もおられるわけでございますが、それらにつきましても前向きな手段を考えまして、五十七年度から実施していきたいというふうに考えているわけでございます。
 それから日本全体におきます電話サービスにつきましても、現在有しておりますネットワークというものをさらに便利に利用していただくようなサービスも開発いたしまして、できるだけ早期にそういうようなものの普及も図っていきたいし、また移動通信サービスというようなものにつきましても積極的にそのサービス提供地域の拡大を図りながら電話の効用を高めていきたいというふうに考えております。
#32
○片山甚市君 国民のニーズにこたえるということでは、やはり一軒一電話とか、特に従来から問題でありますところの福祉に寄与する。福祉というのは、全般的にいろいろありますからこれということをここで言いませんけれども、してもらいたいと思うんです。
 そこで、電気通信事業の今日的あるいは今後についてでありますが、電信電話だけでなく、先ほど総裁も言われたように、多様な情報手段の媒体としての役割り、その発展をさせるべき任務を負うものと思いますが、そのことが事業の質的転換、電信電話から情報通信手段の媒体として新しい仕事を始めるということで質的転換を図られるかどうか、お答え願いたいと思うんです。
#33
○説明員(岩崎昇三君) お答え申し上げます。
 電気通信サービスの拡充、改善に当たりましては、今後、情報化の進展に伴いまして年々需要が増大しつつございますデータ通信、ファクシミリ通信等の非電話系サービスの拡充、開発に積極的に努めていくことといたしまして、このような多様化するサービスにこたえるための通信網の高度化を推進する必要があるというふうに考えております。
 そのためにでございますが、先ほど総裁の御答弁の中で、家庭用の電話を重要視して料金の値下げをするというようなことがございましたけれども、単に家庭用ということだけではなくて、電話料金そのものをできるだけ現行料金の水準を維持していくということが大事でございます。そのためには、やはり電電公社の電気通信産業と申しますのは設備産業でございますので、設備をできるだけ経済的に作製していくということがまず基本にございます。
 そのために、基礎サービスにつきましても、経済的にそのサービスを提供できるというために、電気通信のこれは技術用語でございますが、ディジタル化ということを進めてまいりまして、なお、そのディジタル化というものを進めますと、それによりますネットワークというものが、高度化、多様化いたします各種のサービスに対しましてより安く、より便利で、より豊富にそういうようなものを提供できるようになるということでございます。
 いまデータ通信とかファクシミリ通信網、そういうようなものがそれぞれ別網で提供されておりますけれども、将来は電話のサービスに使います設備と一体化した設備で、われわれの言葉では高度情報通信綱、略称といたしましてINSというような言葉で呼んでおりますが、そういうようなものを形成いたしまして、それらができましてくる過程におきましても料金の見直し、また、できました段階におきましてさらに制度、料金等すべて見直して合理的な使いやすい電気通信サービスというものを提供していきたいというふうに考えております。
#34
○片山甚市君 INSのお話も出ましたが、特にデータ通信を初めとする情報通信システムは今日的社会のあらゆる分野において使われておりますが、たとえば各種オンラインに見られるように、経済社会の仕組み、機能に深くかかわっておるところでありますが、情報通信システムのちょっとした故障も、場合によっては社会機能を麻痺させ、混乱させることになりかねない。せんだってから銀行のオンラインの問題、電子交換機の故障の問題等大変問題がありました。特に災害対策や社会秩序の確保のためにもこの情報通信システムが大変大きな役割りを果たすと思うんです。
 そこで、まさに情報化社会とは、国民経済、社会体制が情報と情報システムに依存する社会体制だと言うことができると思いますが、どうお考えでしょうか。
#35
○説明員(山口開生君) 先生おっしゃいましたように、高度化あるいは複雑化してまいります社会の中におきまして電気通信の手段というのはきわめて重要でございまして、そのためにも、先ほど説明しておりますように、電電公社は今後の情報化社会に対応してまいりますように種々の点から検討してまいりまして、新しいネットワーク等を構築していくわけでございますが、その段階におきましても、先ほどお話のありましたような、たとえばコンピューターのきわめて単純といいますか、ささいな原因でネットワーク全体が故障してしまう、ダウンしてしまうという現象は社会的な影響がきわめて大きいわけでございまして、その点につきましても十分に考慮を払いながら進めてまいりたいと思っております。
#36
○片山甚市君 総裁にお伺いするんですが、より高度な公共性と社会的責任を情報化時代を迎えて電電公社が負うというように理解してよろしゅうございますか。総裁にお伺いしたいんですが。
#37
○説明員(真藤恒君) 実は、これから先のいわゆる高度情報社会という中での電電の役割りというものを考えますと、これは相当な責任がかかってくるというふうに私ども考えております。
 いまお話のありましたような災害に対する問題あるいは故障の問題、いわば通信機能が予測せざる原因によって阻害された場合の対策というものをどうするかというふうなことで考えなきゃならぬ問題と、それから社会のあり方、世の中の変化のあり方に足を引っ張るような新しいサービスの供給不足ということが起こってはならないというふうに私ども考えておりまして、いま鋭意そういう方向についての変革していきます考え方を公社の中で論議を進めておる状態でございます。
#38
○片山甚市君 私が特にお聞きしておるのは、ちょっとした故障でも社会経済を混乱させるということの社会的な責任、公共性を持っておるということで、いま総裁か言われたように、そのようなことについてのニーズにこたえることもおねらいのようでありますが、特にその点について私から注文をしておきたい。これから電電公社は従来よりも公共性を強め、社会的責任をうんと負うことになる、こういうことで情報化社会を迎えたいと思うのであります。
 そこで、このことは、情報化社会における電気通信の社会的役割り、責任について、電気通信政策懇談会の提言において「インフラストラクチャー」と位置づけられておることはまさにそのとおりだと思うんですが、大臣はいかがお考えでしょうか。
#39
○国務大臣(山内一郎君) 電政懇談会というものを、これからのいろんな電気通信の問題がございますので、私的の諮問機関として設けましていろいろ検討してもらったわけでございます。その報告の中にいま片山委員の言われたことが書いてございますが、電気通信は、先ほどの質的の転換、こういうことによりましてわが国の社会基盤としてますます大きな役割りを果たすようになってくると考えておるわけでございます。したがって、今後のわが国の経済の安定成長とか、いろいろな新しい通信の活用によっては省資源、省エネルギーにもなるわけでございますし、また国民福祉の向上等多くの問題を抱えておりますが、これらの課題に対応して電気通信は、産業構造の高度化、国民生活の一層の充実等を図るため、高度かついろいろなサービスを提供をすることによって今後の経済社会の要請に対して大きく貢献ができるものと考えております。
#40
○片山甚市君 先ほど総裁からこれからの情報化社会における電気通信の役割りについてお話がありましたが、いま私が申し上げた電気通信政策懇談会の提言について、総裁の御所見を承りたいと思います。
#41
○説明員(真藤恒君) あの懇談会の答申の御趣旨には当然私ども対応すべくやる義務があるというふうに考えておりまして、いま郵政省の方で具体的にそういうことの取りまとめをしていただいております。その線に沿って完璧な対応をしたいと思っております。
#42
○片山甚市君 この上に立って、公社の最高責任者としての総裁は今後電気通信事業をどのように発展をさせていこうとお考えであるか、御所見があればお伺いしたい。
#43
○説明員(真藤恒君) いまの状況から考えますと、やはりわれわれの責任を持っております通信網に世の中の必要ないろんな多様化された電気通信に対応できる性能を持たせるように現在の設備を改造しなくちゃならぬということが、まず当面の私ども当事者としての具体的な研究問題だというふうに思っております。幸いに、そういうことに必要な技術はわれわれの研究所の方でほとんど実用できるめどのついた技術がそろっておりますので、まことに幸いでございますが、他人の技術をかりる必要はないというふうにその点は自信を持っております。
#44
○片山甚市君 以上のように、情報化社会における電気通信事業の公共性は電信電話時代のそれよりもさらに拡大し、また社会的責任もより重大となっておると思うんですが、大臣いかがでしょうか。
#45
○国務大臣(山内一郎君) いまちょっと簡単な御質問で趣旨を理解しかねますけれども、私は大体そのように考えているわけでございます。
#46
○片山甚市君 私が簡単に聞いておるのは、情報化社会における電気通信事業の公共性というのは電信電話の時代よりはずいぶん責任が重くなってくるということですから、当然のことを聞いておるわけです。
 電気通信事業は、単に国民に利便を提供するだけでなくて、社会生活、経済生活を全部制約するような状態になってくるということで非常に重い公共性を保つ。公共性というと何か漠然としているようでありますが、日本の政治経済、社会活動に非常に大きな役割りを果たすということで、私から補足をしておきます。
#47
○国務大臣(山内一郎君) 片山委員の御趣旨、そのとおりだと私は考えております。いままでは単なる電話でございましたけれども、質的の変換が図られまして、いろいろとデータ通信その他、衛星通信もだんだんと行われるようになりますし、公共性はさらに重大なものになる、こういうふうに考えられます。
#48
○片山甚市君 そこで、情報と情報システムの主権の確立の問題についてお伺いします。
 情報通信システムの国際化により、情報の流通も国境を越えて活発化しておりますが、情報化時代として情報の価値が高まっている今日、情報孤児とならないために、情報は広く収集し、流通も活発にしなけりゃならないと存じます。しかし、一方、情報や情報通信システムが他国の支配、介入を受けることになれば、国益という立場から重大な問題だと存じます。
 せんだっての予算委員会で、プライバシーを中心に私は大臣にお伺いしたことがありますが、特にヨーロッパでは、アメリカの資本に対抗するためにECではユーロネットワークを組んでおるようでありますが、今後、日本の電気通信事業としては情報の主権の問題を重視すべきと思いますが、まず、大臣から御所見を承りたいと思います。
#49
○国務大臣(山内一郎君) だんだんと情報に関しましても、国内だけでなくて国際間の流通といいますか、それがいまでも盛んになりつつございますけれども、これは大変な勢いで伸びてくるものと思われます。そのときに、国内でもあることでございますけれども、いわゆる情報主権の問題、外国に余り知られたくないような点もあろうかと思いますし、しかし、それがいつの間にか流れるとか、そういたしますといろんな問題が発生をいたすわけでございますので、その点は慎重に配慮をしながらやっていかなければいけない問題だ、こういうふうに認識をいたしております。
#50
○片山甚市君 公的データベースを公的な機関で確保する、または民間におけるところのデータベースも公的機関がコントロールできるようにすべきでないか。これが情報化時代における問題であるし、特にデータベースは先行投資を必要といたしまして、いまこれが利潤に合うということにならない。そういうことで日本の国はどのような状態であるのか、お答え願いたいと思います。
#51
○政府委員(守住有信君) 先生御指摘のように、良質で豊富なデータベースというものが便利でかつ安価に広く利用できるということは、科学や技術や、あるいはまた経済、社会等の発展に大きな影響を与える、このように認識いたしております。
 御指摘のとおり、データベースの作成というものにつきましては非常に多額の資金と多くの要員を要する、こういう性質を持っておりますので、国の助成策の必要等々についても議論がなされておるところでございますが、国の各省庁におきましても、たとえば科学技術庁におきましては科学技術情報というふうなことでの情報データベース、あるいはまた経済企画庁等におきましてもいろんなわが国の経済指数等々の経済関係のデータ、こういうものにつきましていろいろやっておられるわけでございますが、なお、各省庁それぞれの問題意識、力でおやりになっていただきたいと思っておりますし、また、民間におかれましてもいろんな情報のデータベースが逐次できつつある、こういう状況で把握をいたしております。
 一方、通信主管庁としての郵政省といたしましては、この情報の中身と申しますか、そういう観点ではなくて、そのそれぞれのデータベースの情報が自由に広く通信回線を通じて利用される、そこでデータベースの振興にもつながっていく。そういう角度から現在取り組んでおりまして、たとえばデータ通信を利用してのデータベース・アクセス手順、いわゆる相互接続の手順の標準化とか統一化とかそういう面、あるいはまた異なる幾つかのデータベースをデータ通信で自由に使いこなしていく技術の開発の推進等、私ども、少額ではございますが、予算の中でそういうことについての、電気通信サイドに立ちましての施策をいまやっておる、こういう状況でございます。
#52
○片山甚市君 電電公社からINSを中心とする非電話系の利用の回線網の問題がございました。それを受けて、アメリカでもそうでございますが、VANのような付加価値通信が始まっておるんですが、そのためにはどうしてもデータベースが、公にも民間的にも蓄積されなければならないし、特に国家的なものは国家的にきちんと確保されてコントロールされて管理されなければならぬと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#53
○国務大臣(山内一郎君) そのとおりだと思います。いろいろな情報がやたらに管理もされないで流れるということは大変な問題が起きるかと考えておるわけでございますから、片山委員のおっしゃるとおりでございます。
#54
○片山甚市君 総裁の御所見はいかがでしょうか。
#55
○説明員(真藤恒君) 大臣の御所見と全く同じでございます。
#56
○片山甚市君 真藤総裁は非常に慎重なお答えでありますが、実はデータベースの問題は、これから非電話系のデマンドといいますか、需要が起こるかどうかということにかかわってきますから、国としては、データバンクあるいはデータベース、これをきちんとそろえてやってもらうように希望をしておきます。
 そこで、以上のように、電気通信業は社会的に重大な任務を負っておるものでありますが、したがって、電気通信事業の運営や経営を考えるに当たっては、単に企業的な採算など経済的な側面のみ――これは総裁が、財政確立のないところで公共性がないじゃないか、企業が倒産しておって何ができるかと言っておるのは十分わかっておるんですが、そこで、経済的側面のみを重視することは問題があると思うが、どうか。公企体の任務としては、社会的側面を重視しながらも、先ほど申しましたように財政基盤のないところに――そんなことありませんけれども、そのところについて、まず総裁から、あなたの得意な、もう倒産をしておるように宣伝をすることの好きな総裁からひとつお答え願いたいと思います。
#57
○説明員(真藤恒君) 私の常平生申しております財政基盤というものは、いま先生がいろいろおっしゃるような公共性を維持するための財政基盤でございまして、財政基盤そのもののことを重視しておるわけじゃございません。
#58
○片山甚市君 大臣、いま総裁がお答えをしたんですけれども、私は、いわゆる情報と情報システムの主権の確立をするためにも、やはり国民から社会的側面で電電公社が果たしておる役割り、社会的に大変大きな役割りを果たしておるんだと言ってもらえるような電気通信事業にしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#59
○国務大臣(山内一郎君) 電電公社の任務というのは、やはり公共性が第一であるというふうに私は考えております。しかも、独占性でございますので、たとえば経済的に成り立たないような地域に対することに対しましても、国民の全般の利益からやはりやらざるを得ないというようなこともございますので、そういうような経済的に成り立たないようなところをカバーしながら、総体的にひとつ企業努力をしていただいてりっぱな経営をやっていただくべきである、こういうふうに考えておるわけでございます。
#60
○片山甚市君 総裁から、公共性を強めるということならば財政基盤を確立しなければできないことじゃないかというお話がございました。それはしかと承っておきたいと思うんです。
 そこで、電気通信事業の特殊性というものについて御説明を当局から願いたいと思います。
#61
○説明員(小川晃君) 公衆電気通信事業は、技術先端産業としまして今後におけるわが国の経済社会活動の発展、国民生活の向上に寄与すべき中核的な存在でありまして、特に量の面より質的に今後飛躍していく事業であるというふうに考えております。
 また、次に、公衆電気通信事業というものは大規模な固定設備が必要でございまして、かつまた技術的統一性をも必要とする産業でございまして、不可避的に独占的性格というものを持っております。
 次の第三番目の特質といたしましては、国民の要望にこたえまして良質また低廉、多彩な電気通信サービスを提供するために、技術基準の推進、効率的、機動的な事業運営によりまして財政基盤を確立していくという、独立採算を維持すべき企業であるというふうに考えております。
 最後に、公衆通信事業は国の経済社会活動におきましてきわめて重要な役割りを持つわけでございまして、国民生活に必需的なサービスを独占的に提供いたしますので、利用者保護等の観点から公共的規制を受ける事業であるというふうに考えております。
#62
○片山甚市君 そうすると、政府あるいは関係の人たちの言葉で要約すると、技術的統一性、自然的独占性、主権の確保などというものが柱になって、国民に対するサービスを国家的に独占的に行っていくというような事業体だと存じますが、そこで、通信の技術的特性、また社会資本の重複投資を避けるためにも、電気通信網は一元的に、所有、運営されることが最も望ましいと思うのでありますが、どうでしょうか。アメリカにおいても、民営といいましてもベル系が八〇%以上市場を占めておる事実から、総裁の御所見をまず承りたいと思います。
#63
○説明員(山口開生君) 先生がおっしゃいましたとおり、電気通信ネットワークというものは、西欧で見ますように国家が運営しています場合におきましても、さらにアメリカのように民営でございましてもやはり一元的に運営する。アメリカの場合でもやはり地域的にはネットワークの独占ということがなされておりまして、そういう世界的な見地から見ましても、電気通信事業の特にネットワークにつきましてはやはり一元的に運営すべきものだと考えております。
#64
○片山甚市君 総裁、電気通信網は一元的に、所有、運営されることが望ましいと思うんですが、いまのお答えのとおりでよろしゅうございますか。
#65
○説明員(真藤恒君) これは、いま日本は全部が一元的になっておりますが、一元的にするか多元的にするかということは、その国の歴史、社会状況あるいは物理的な国土の状況というふうなことからおのずと決まってくるべきもので、一元的にするという状態が現在までの日本では一番有効だったはずでございます。また、当分の間この一元性というものをここのところで急に見直すという必要はないというふうに考えております。
#66
○片山甚市君 総裁の本音のところがちらっとわかりましたから、これはまた後日お会いをするときにお聞きをさらにしたいと思います。
 そこで、国民の共有の財産である電気通信網は主要な社会資本であります。高度な技術による高品質な設備をより安く、あまねく公平に提供することは、国民生活、産業、経済の発展のためにきわめて重要な任務だと考えるのでありますが、どうでしょうか。そのためには、公的に運営されることが最善策だと考えております。と申しますのは、電気通信については、分断または私的所有では公平な発展、統一的基準、統一的技術、公正な料金の確保は大変むずかしい、こう考えるんですが、これについてお答えを願いたいと思います。
#67
○説明員(西井昭君) ただいま公社側からいろいろ御答弁いたしましたとおりでございまして、全国的な技術統一性でございますとか、設備産業であります関係上の自然独占性とか、そういった意味での独占性がある。独占性があるということにつきましては、これは当然のことながら公的規制がかかるべきであろう、こういうふうに考えているところでございます。
 ただ、その中で、現在でもそうでございますが、各種の付属機器でございますとか、それからデータ通信等民間の活力を導入するのが適当な分野も電気通信の中には私は存在するのではないかと思っております。そういったものの中で電電公社がどういった法的規制を受け、どういう部分を公社が一元的に提供するのが好ましいか、また、どういうものについて民間の活力を導入するのが好ましいかということについては、これはすぐれて通信政策の大きな問題であるかと思います。
 先ほどからお話の出ております郵政省で開かれました電気通信政策懇談会におきまして、その辺のところがかなりのウエートでいろいろ議論をされましたところでございまして、私どもの考えでおりますところでは、あの電気通信政策懇談会の考えというものには、先ほどからもございますように、基本的に公社も賛成でございます。大体ああいう考え方に向かって今後の電気通信というものは発展し、また規制、統一されていくべきだと考えている次第でございます。
#68
○片山甚市君 私の質問が言葉足らずになっていますから、また、たくさんしゃべったからわかりにくかったと思いますが、電気通信網は主要な社会資本でありますから、これは公的に運営されるべきだと先ほどお答えを願ったこと、何回でも聞いているわけです。きょうは申しわけないんですが、同じようなことを何回も聞いてみて、あらゆる角度で聞いてみて本物か、うそいうものか確かめたいと思うんです。本当は一言で済むんですが、十分か五分で。十分か五分で済まないのは、あらゆる角度から聞いてみて本音がどこにあるのか、こういうことでありますから、いまお答え願っておるんですが、守住さんでもいいし、大臣でもいいが、とにかく公的に運営されることが最善策だと考えるがどうかということについてお答え願いたい。
#69
○政府委員(守住有信君) いま西井総務理事からもお話がありましたように、政策懇談会の中で、先生御指摘の回線網と申しますか、その設備、それにつきましてはやはり電電公社が一元的に提供すべきである、こういう御議論の結論でございましたので、われわれはまたそのように受けとめておるという次第でございます。
#70
○片山甚市君 利用の方法あるいは国民の参加の問題についてはこれから御議論を願うことでありますから、私の本日の主題でございません。民営にするかとか、いわゆる別にするかというふうな話を毛頭聞くつもりはないわけです。現状について政府はどう考え、電電公社はどのように考えて対処しておるのかということを聞き、臨調にかかっておる問題ですから、そのあたりを十分に聞きたいと思いますから、質問を続けます。
 そこで、高度情報通信システムの問題、INSの問題がありましたが、公社がすでに実験に入っておりますところのINS構想についてお聞きしますが、だれのためにこの開発が行われ、結果的にどのような利便が与えられるか。これについては先ほど総裁からも若干お話がありましたが、まとめてお伺いしたい。
#71
○説明員(村上治君) お答えいたします。
 いままでの御説明と多少ダブるかと思いますけれども、今日、電話は国民の電気通信手段としましてあらゆる活動の場において深く浸透しておるかと思います。今後は、そういった電話に加えまして、社会経済活動の一層の効率化、あるいはそういったためにデータ通信であるとかあるいはファクシミリなどの画像通信などが飛躍的に発展するものと考えられます。そのために、これに効率的に対処するために電気通信網の高度化というものが要請されていると思います。電電公社といたしましては、このような要請にこたえまして、国民の皆様により安く、より便利で、より豊富な電気通信サービスを御利用いただけるというような観点から、高度情報通信システムを実現していきたいというふうに考えておるわけでございます。
 いささか技術的なことになるかと思いますけれども、この高度情報通信システムにおきましては、ディジタル技術をベースといたしまして、高度な電気通信網を中核といたしまして、多彩な機能を有します宅内装置あるいは情報処理センターが有機的に結合されてでき上がるものと考えております。こういったものにつきましてもう少し具体的に申しますと、ディジタル技術を利用することによりまして、ネットワークを構成いたします交換機あるいは伝送路などの大幅な経済化、こういったことが達成されますと、現在問題になっております料金の遠近格差というようなことの是正にも大いに役立つのではないか。あるいは現在個別に構成されております電話あるいは電報あるいはDDXといいますかデータ通信のためのネットワーク、こういったものが個々にサービスが提供されておるわけですけれども、ディジタル技術を中心といたしましてネットワークの統合化が図られるというふうに考えております。こういうネットワークの統合によりまして、さらに一層の経済化が図られると思いますし、また、利用者の面から考えますと、電話はもとより、データ通信あるいはファクシミリ通信あるいはその他の画像通信等も、一つのネットワークに加入することによって自由に御利用いただけるということになろうかと思っております。
 また、こういったネットワークの統合化によりまして、料金体系もいわゆるビットを基本とするといいますか、そういった形で統一が図られると思いますので、そういったサービス間の相互の接続というふうなことも可能になってくるのではないか。さらにはネットワークの中の各種の処理機能というふうなことを付与いたしまして、より柔軟なサービスの提供が可能ではないかというふうに考えておるわけでございまして、こういったことが来るべき高度情報化社会におきまして、国民全般のいろいろな諸活動の効率化あるいは人間性の回復あるいは地域社会の充実、生産の効率化あるいは省エネルギーというふうなことに大いに貢献すると思われます。国民的な立場でこういったネットワークの高度化というものは非常に大事なことだというふうに考えております。
#72
○片山甚市君 技術面でのお話を承りましたが、日経産業新聞によると、「夢の通信INS ねらいは料金体系是正」、そういうことで十五年後には情報量の課金にしたい。いまの距離と伝送時間によっての料金を変えていきたい。結果的に昭和七十年には一対十。いまは一対六十ですが、この料金が安くできるようになる。すなわち、現在の料金体系の矛盾を解決するためにも役に立つと言っておられますが、国民生活にどのようないわゆるメリットがあるのか、お答え願いたいと思います。
#73
○説明員(岩崎昇三君) お答えいたします。
 先ほどからの御議論にございますように、電気通信というものはいろいろ発達しておりますが、まだ電話が現在主体でございますので電話という面でまず見てまいりますと、先ほどからのINSということを達成することによりまして料金が安くなるという形のメリットがまず第一にございます。ですから、遠近格差がそれによって急速に縮む。その新聞報道をお読みになりましたけれども、恐らく大体のところは当たっているのではないかというふうな感じがいたします。まだ確定しているわけではございません。
 それで、INSと申しますのは、簡単に申しますと、通信のネットワークにコンピューター並びに端末というものがつながっておりまして、端末−端末間、あるいは端末とコンピューター、コンピューター−コンピューター間、これはデータベース等も含みましての話でございますが、それらが自由に通信できる手段でございます。そうなりますと、たとえば現在OAというものが非常に華華しく宣伝されておりますが、OAというものは一つの事業所の中での事務の効率化というようなことにまだ現在では限定されているわけでありますが、そういうINSというようなことになりますと、各地域にありますOAというようなものが有機的に結合されまして機能するというようなことになります。
 たとえば注文を受ければ、資材の購入から製品の積み出しとか、そこいらまでのものが一挙に全部名働くものに示されて非常に効率的に経済活動が行われる。あるいは行政面におきましても、現在、これは私どもちょっと口幅ったいことかもしれませんが、行政のためのいろいろ資料を集めるというようなことでも、資料を集めるということが非常に大変で、より精緻な判断をするのに困難があるというような場合もあるわけでございますが、そういうような問題に対しまして経済的にそれを解決する手段を与えることになります。
 また、家庭生活等におきましても、この家庭と申しましても、たとえばいま主婦の方あるいは老人の方、高齢化社会を迎えまして老人の方の職というようなものも非常に重要な問題になってまいります。また、身障者の方で通勤等ができない、しかし、その他はみんな正常な方もたくさんおられるわけであります。そのような方々に家庭におきまして職を与えるというようなことも可能になるわけであります。
 その他、地域社会等におきましても、大都会におきます大病院の高度な医療というようなものもへんぴなところにおきましても情報としてそれを受け取って、簡単に言いますと、田舎におりましても大病院の治療を受けられるというようなことになります。
 あるいはそのINSというようなものになりますと、テレメーター、テレコントロールという遠隔監視、遠隔制御というような機能でございますが、そういうようなものが現在のものよりも非常に自由になります。たとえば交通というようなものにつきましても、社会資本の大きなものであります道路というものの有効利用というようなものにつきましても、いままでよりさらに進むというようなことが考えられます。
 そのような社会生活全般にわたりまして非常に有効なものであろうというふうに考えまして、それらについてわれわれとしては全力を挙げてその完成に向かって努力しなければならないというふうに考えておるところでございます。
#74
○片山甚市君 私が聞いておることには余り答えなくて、先ほど技術の方から話がありましたからそのことはよくわかっておるんですが、「「近距離値上げ」を実現させたい考え。北原副総裁も「現行の六十倍の遠近格差を最終的には十倍以内に縮小したい。そのためには中間段階で格差を縮小しておくのがベターで、当面、三十倍程度にしたい」と述べており、「INS時代の情報量課金」が電話料改定作業における「遠近格差是正、そして近距離値上げ」への環境作り」だというように書かれておるんですが、そのあたりを具体的に端的にお答え願いたいと思います。
#75
○説明員(真藤恒君) 端的に申し上げますと、現在、一加入当たりの毎月の平均払い込み金額が大体八千五百円ぐらいでございます。仮に物価なり人件費が現状のままでINSという形になりました場合に、電話以外のいろんなサービスが利用できてもいまの一加入当たり八千五百円の二割ぐらいふえたところで使えるようになるというぐらいのことを目標にして転換を図りませんと、技術的にはできましても経済的に役に立たないということになるかと思います。ことに、家庭の加入者の方々にとってはそれは非常に重要な問題だと思います。
 問題は、私ども当事者として現状からそういうことができるようにどうやって転換していくかということでございまして、技術的にはそういうことができるということは歴然といたしております。あと社会問題、人事問題その他をそれに適合できるようにするのにどういうこれから先の経営をやらなくちゃならぬかということが私ども当事者にとっての最大の問題でございますし、また、この転換については国会からもいろいろ御指導、御援助をいただきながらやっていかなきゃならぬこれは大仕事でございます。幾ら技術的にできるできる、便利だ便利だと言ったって、それが経済的に使えないものだったら何にもなりませんので、その辺のところが一番問題だということでございます。
#76
○片山甚市君 家庭の電話を守りながらそれにふさわしい体系をつくっていきたい、こういうことについてお伺いしました。
 そこで、これは真藤総裁が就任以来執念のようにおっしゃったことですが、電気通信ネットワークが公共性が強いというなら、通信衛星もまた同様の立場に立って考えられるべきだと思いますが、総裁は通信衛星に対して積極的な姿勢を持っておると思いますが、その立場からどういうようにこの通信ネットワークを通信衛星から求められるか、お伺いしたいと思います。
#77
○説明員(真藤恒君) 通信衛星につきましては、今後どういうふうにどのくらいのスピードで技術的に伸びていくか、いまのところちょっと想像ができないような形で技術的に進んでおりますが、私ども国内通信だけの立場から申し上げまして、果たして、いま申しましたINSの姿になったときの通信コストと、それから通信衛星の方を通しての通信コストの方どちらが安いかという問題が一つありますが、いまのところちょっと見当がつきませんが、問題は、そういうこともさることながら、国として公衆電気通信というものは、いままでいろいろお話がありましたように、地上のネットワークを一元的に国の監督のもとに統制していくという必要があるならば、宇宙衛星を通じての公衆電気通信回線もやはり国内に使う限りにおいては一元的に国の統制のもとに置かれるべきだというふうに私個人的に考えております。もし、これがそうじゃなくて勝手勝手にやれるんだということになりますと、将来、これはサイエンスフィクションみたいな考え方でございますけれども、一軒の家の上におわんみたいなものを勝手勝手につければ勝手勝手な通信ができる、全く統制外の形になってしまいます。その辺のことをどういうふうに考えるかということについては、今後慎重な勉強をしていかなきゃならぬ問題だというふうに考えておる次第でございます。
 それと、日本の宇宙開発事業団の目的と、そういう大型の通信衛星がアメリカあたりを中心に世の中に出てくるタイミングの問題と、この辺のこともどういうふうに考えるのか、これは非常に重大な問題になってくるのじゃないか。また、国際間の問題も出てまいりますので、私どもは国内通信だけを見ておりますから、国内通信の立場で考えましても、これはそろそろ本気に勉強しなくちゃならぬ問題じゃないかというふうに考えております。
#78
○片山甚市君 いま真藤総裁からお言葉があったんですが、大臣、それについて所見を述べていただきたい。
#79
○国務大臣(山内一郎君) これから衛星時代が到来するということは、私は間違いないと思います。ただ、それと、それによるいろんな手段と在来の手段との関連性、それがどうなるかというのも相当研究しないといけないと思いますが、いわゆる離島とか僻地の通信、これは衛星通信によった方がうまくいくような気がいたしているわけでございます。いろんな研究の開発の途上でございますので、その見通し等についてもいま盛んに検討している段階でございまして、電電公社でもいま総裁が言われたとおりだというふうに私は理解をいたしております。
#80
○片山甚市君 ネットワークについていろいろとお伺いしましたところ、通信の主権の問題としてもこれは重視して一元的に管理しなきゃならぬということになっておるようでありますが、電気通信事業の社会的責任、高度な公共性はすぐれて電気通信ネットワークにおいて言えると思います。この立場から電気通信網の高度化、技術革新、安全の維持はきわめて重要であります。その立場から電気通信ネットワークについては今後も人的、物的なかなりの投資が必要であり、また安全維持、保守についても万全の体制を電電公社としては持たなけりゃならぬと思いますが、いかがでしょうか。
#81
○説明員(小川晃君) 先生御指摘のように、INSに向かいまして高度化、多様化いたします電気通信のニーズにこたえるために、ED関係のサービスの拡充とかあるいはネットワークの充実であるとかあるいは交換機の電子化、こういったことを推進していく必要があるわけでございます。ディジタル技術を初めとするこういう新技術の広範な導入、また新しいサービスの拡充、こういったことをやっていきますためには職員の特に技術力の大幅な向上が欠くことができないわけでございまして、これまでもかなり技術革新には公社として対応してきた経験がございますし、さらに一段高度な技術に対しまして、多数の職員に対しこういったものに対応していける再訓練、高度な技術力、こういったものを持つ職員の確保、こういったことに今後一段と力を入れていく必要があろうというふうに考えております。
 また、通信網の高度化あるいは技術開発に当たりましては、できるだけ投資の経済化、効率化に配意しながら着実に進めていく必要がございまして、このため設備の増設、更改時に合わせましてこういったことを計画的に今後着々と進めてまいりたいというふうに考えております。
#82
○片山甚市君 地域社会の発展に寄与する任務として電気通信がどのような役割りを果たさなきゃならぬかということでお伺いしたいと思います。
 電話を初め電気通信サービスが国民生活に深くかかわっている今日、電気通信事業は単に設備を提供すればよいというだけでなく、コミュニケーションの立場から、地域社会に根づき、発展に寄与する責務があると思いますが、いまの電電公社としては十分でないように思うんですが、今後、公社はそのために積極的な施策をどのようにとられるのか。どうも地域との間に、独善というか、余り十分にかかわりを持たないような風潮があるように指摘を多くからされておりますが、それについてお答えを願いたいと思います。
#83
○説明員(小川晃君) お答えいたします。
 先生も御承知のように、電電公社が発足いたしました当時は、地方の電気通信局を経営の中核体ということで経営管理を進めてまいりました。しかし、今日時点で考えますと、いまや各県にございます通信部、これが当時の通信局と同程度の規模の管理をしておるという状態でございまして、そういった角度から見ましても、地域社会に密着した事業運営というものをやりますためにはどうしてもやはり公社として分権というものをさらに一段と強化していく。言葉をかえて言いますと、通信部、現場に主体性を持たせるようなそういう事業運営というものに配意していかなければならないというふうに考えております。今日までもかなり分権はやってまいりましたけれども、なお、自主的に通信部以下でそういう判断をし、実行に移せるような体制というものをつくることがきわめて大切であるというふうに考えております。
#84
○片山甚市君 いま私がお聞きした次第は、加入者、市民、利用者と電報電話局との関係はもっと緊密に行き来をするような状態をつくるべきではないか。総裁、お願いします。
#85
○説明員(真藤恒君) これは私、着任以来、電電公社の広報制度のあり方ということを根本から見直しておるということを国会でも御説明申し上げました。その中に、電話局を中心といたしまして、電話局の管内の加入者の皆様方と私どもの局内の職員全員とがどういう形で対話を進めるかということについての大体の案ができましたので、それをぼちぼち実行するという段階に差しかかっております。本格的には来年度からそういうことを組織的に始めていきたいというふうに考えております。
#86
○片山甚市君 そこで、小川総務理事の方からお答えがありましたけれども、地域社会に密着した、そして市民のニーズに対応できることが、今日でも電力会社等では相当配慮されておるんですが、いま総裁がおっしゃったように、市民の皆さんに、地域の皆さんに融合していくというか、溶け込んでいくように一層の努力を願いたい、これが一つです。
 公社としては、そのような体制をとるためには思い切った地方分権が必要だと思いますが、どうでしょうか。
 総裁は、不正経理の問題もあり、それを根絶するために、また経営が一目瞭然にわかるために月次決算方式を提起されておりますが、当然だと思います。これは企業の経理としては当然であります。
 それで、関連して聞くんですが、本社の通信部に対するチェック等が強く打ち出されておりますが、チェックだけであれば中央集権の強化になり、企業の活性化に逆行すると思います。そこで、通信部に対してこれから企業活動として十分こたえ得るような機能を与えて責任をとらせる。たった八十人ほどしか通信部長、管理部長おりませんのですから、そういうようにお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
#87
○説明員(真藤恒君) いま説明いたしましたように、私ども今後通信部を中心にして具体的な経営を進めていくということにいたしまして、それについてしからば具体的にどうしていくのだということをいままでずっと勉強してまいりました。大体の見当がつきましたので、その前段階として通信部長並びにその直下のトップスタッフという者の計画的な研修プログラムをつくりまして、いまその研修プログラムを強力に進めておる段階でございます。まず教育をしてそれから実行させるという形で、これも一応実行の手習いを来年度あたりから始めることができるように、いま計画的な集合教育あるいは実地教育、そういうことを始めております。御趣旨に沿って、できるだけ早く通信部を中心に経営の単位ができていくという形で、そこで通信部単位に業績の評価ができるという形に持っていきたいということで具体的に進めております。もう少し時間をかしていただきますと、大分様子が変わってくると思います。
#88
○片山甚市君 総裁にもう一度お伺いしますが、通信部で仕事がしやすいように仕事の機能については当然配分をする、こういうことで理解をしてよろしゅうございますか。
#89
○説明員(真藤恒君) したがいまして、私が申し上げているような方向に持っていくのには、やはり通信部長に責任と権限というものを明確に渡していかなきゃできないことでございますので、その辺のこともいま具体的に考えている次第でございます。
#90
○片山甚市君 福祉についてといいますと、総裁は、福祉電話か、小乗的だな、こういうふうに言うのが好きでありますが、私は、国会議員になって以来、社会福祉についてレギュラーとしてやってきました立場から、電電公社に対して要望があります。
 電話を初めとする情報手段、システムを積極的に社会福祉に活用できるようにしてもらいたい、これが一つです。そのためには、ことに巨大な独占企業である、また公的な企業としての公社としては、社会的責任としてボランティア的精神を発揮してやってもらいたいと思います。遠距離について遠近格差を引き下げるということで御努力を願っておると同じように、福祉に対しても料金面を含めて具体的にやってもらいたい。
 西井総務理事などは、これは厚生省がやるべきで、おれはやるべきでないなどと言っている。そして総裁は、都合のいいときは国営だと言う。都合の悪いときには、これはなわ張りで厚生省の仕事だと。電話に関する社会福祉というものについてはスズメの涙ほどのお金でできることでありますから、総裁は冷血漢でない、血も涙もある、人から言われるような者でないということにするためにも、社会福祉問題について十分にこれをやってもらいたい。私は福祉電話を具体的に提案をするものではありません。もうすでに開発をしておるものでありますから、その使い方について、公社としてどういうようにやっていくのかについてお答えを願いたいと思います。
#91
○説明員(西井昭君) ただいま片山先生から厳しく御注意をいただきましたところでございますが、先生に誤解をいただいたということになるとまことに申しわけないところでございますが、私どもは、福祉問題について後ろ向きとか断るとか、そういう立場でいるのではないということをまず御理解をいただきたいと思います。
 ただ、公社といたしましてどういう方にどういう内容の福祉を行うべきかということについては、これはただいま先生からお話のございましたように、厚生省等が国の責任省として総合的にお考えになることだ、こういうふうに思っておるわけでございます。そして、そういった国の総合的な福祉政策の中で電電公社がどういうものを分担しどういう施策をとるべきかということについては国の総合的な福祉施策の中でお考えをいただくことで、そういう御要請がありましたら別に公社は逃げ隠れをする、こういうものではございませんと、こういうことをいままで申し上げてきた次第でございます。また、片山先生もすでによく御存じのとおり、公社は、そういう意味でいろいろ御要請のありましたものを公社の中で、できる範囲の中におきましていろんな対策もとってまいってきておるところでございます。
 なお、今後ともそういう福祉施策につきましてはいわゆる国の総合的な施策の中で公社として行うべきものは行っていきたい、こういう考えでいる次第でございます。
#92
○片山甚市君 これはなっておらぬですね。とにかく秋草総裁のときもそうでありましたが、真藤総裁になっても金もうけのことは一生懸命やるが舌を出すのもいやだというようなど根性では、国民からもうこんなものは信用されません。
 たとえば、いわゆる公衆電話の場合、その出入り口を御承知のようにとびらが開きやすいようにしてもらいたいという要求をしても、それについてはまともにこたえられない。また、障害者が電話局へ行くのについて通路を通りやすくしてもらいたいということになってもできない。付加装置について経免をしてもらいたいと言ってもできておらない。そういうことについて具体的に新聞でたたかれたり議論をされたならばそのところはやっておるんでしょうけれども、前の予算分科会でも議論をさしてもらいましたが、いまの西井総務理事のお答えは厚生省の仕事だと言っていますが、電電公社が取り扱う福祉電話について具体的にどのようにこたえていくのか、もう一度答えてください。
#93
○説明員(西井昭君) ただいま簡単に申し上げましたので御理解を賜りませんでして、まことに失礼いたしました。
 先ほども申しましたとおり、公社としてできる範囲内におきます福祉関係につきましては、公社としていままでいろんなことをやってまいってきたところでございます。
 一つは、福祉電話の名義の問題でございますが、これは先般の公衆電気通信法の改正によりまして、福祉電話につきまして住宅用の基本料が適用できるということになりました。これは経過的な問題でございますが。
 そのほか、そういういわゆる福祉関係の機器といたしましては、盲人用のダイヤル盤でございますとか、盲人用の中継台でございますとか、シルバーホンといっております一連の機器、シルバーホン「あんしん」でございますとか、「めいりょう」でございますとか、「ひびき」でございますとか、それから耳の遠い方が日で見られるフラッシュベルでございますとか、それから周波数の違う耳の遠い方でも聞き取りやすいシルバーベルでございますとか、それから難聴者用の公衆電話でございますとか、それからただいま先生から御指摘のございました公衆電話等につきましても、車いすの方が入れますような床面積の広い、電話機が高さの低い、そういう公衆電話の開発でございますとか、電話局の出入り口のスロープ化でございますとか、いろんなことをやってまいってきております。特に、本年度中には肢体不出由の方の電話機というものを開発いたしましてそういう方につきましての対策を、新しい肢体不自由者用電話機というものを開発していきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#94
○片山甚市君 大臣にちょっとお伺いしますですが、電電公社がこのような福祉電話を開発し、また型式、いま使いやすいようにする努力をしていると言っておりますから、障害者が使いやすいような料金の問題、利用方法について、電電公社が申請をすればそれについて協力してくれますか。
#95
○国務大臣(山内一郎君) 電電公社がいろいろ身障者に対して電話機等を相当開発をされていることは知っておりますけれども、普通の公衆電話を利用するように便利な構造にしていく、こういうこともお始めになったようですが、これは大いにやっていただいて結構だと思っているわけでございまして、大いにもっと促進をしてもらいたいというふうに考えているわけでございます。
#96
○片山甚市君 福祉の問題ですけれども、公社のデータ通信における気象観測、食料品の流通情報、救急医療等、あるいは心電図の伝送による無医村対策等について、公社の技術は国民の生活や福祉充実のために、直接寄与しておると思いますが、こうしたことは今後ともさらに充実させるべきだと思う。福祉というと何か福祉電話みたいにとられますが、国民生活にとって欠くことのできないこのようなものについて、ナショナルレベルで具体的に発展させるべきだと思いますが、総裁いかがでしょうか。
#97
○説明員(真藤恒君) だんだんそういうことに力を注がなきゃいかぬというふうに考えておりますが、現状において、まだそういうものを自由に便利に使うだけのデータバンクがまだできておりませんので、そういうふうなものを考えながらいくべきだというふうに考えております。
#98
○片山甚市君 大臣、いま総裁がおっしゃるように、具体的に国民生活に必要なものになりますと、データベース、データバンクが必要だということにお気づきだと思います。それをつくるに当たりましては、やはりプライバシー問題、情報の機密の保持の問題等もございますが、とにかく公的な関与も必要ではございましょうけれども、特に配慮してもらいたい。御答弁は要りませんから。そういうように具体的になりますと、データベース、データバンク、こういうものはいわゆる金がもうからぬ分で、公的に備えつけなければできません。それを何かよその国から安かったら借りたらいいじゃないかというようなわけにはいかない。借りるのはいいんですが、日本の国にあるものは日本のものでしなきゃなりませんから、そういう意味で注文をしておきます。
 これらのことについてですが、福祉のプロジェクトによる技術開発はきわめて有意義だと思います。これは公共企業体、公的な企業だからやれると思いますし、こういう意味で特に技術開発について電電公社は御努力を願いたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#99
○説明員(山口開生君) お答えいたします。
 ただいま先生がおっしゃいました福祉関係はもちろんそうでございますが、公社は過去五次にわたります、ただいま第六次に入っておりますけれども、五カ年計画の中におきまして、特に技術開発、研究開発につきましては格段の努力をしてまいりました。御承知のように、積滞解消それから全国自即化に向けましてあらゆる努力をいたしまして、近代の電子工学を駆使いたしましてこのような設備を整えてまいってきたところでございます。
 今後も、先ほどから総裁もお答えしていますように、今後の情報化社会に向けまして、電子関係の技術というものはまだまだ飛躍的に伸びていくことが予想されるわけでございますが、それらに対しましては、十分に電電公社の研究所を中心といたしまして技術開発を進めていくつもりでございます。
#100
○片山甚市君 私は、福祉のプロジェクトによる技術開発というものについては、もうからないものでありますから、公企体のような経営をしておるものについては特にこの開発のために努力を願いたい。恐らく、総裁は哲学者でありますから私の申し上げることはわかると思いますが、お金を始末するならしてもいいけれども、きちんと、こんなところで使ったら返ってくると思うんですが、いまのお答えは一般論です。私は、福祉プロジェクトについて、もっと身体障害者、そういう方々が使いやすいようなものを開発するためには御苦労されていいので、手になり、耳になり、口になるのでありますから、そういう意味で、そのようなことについて本当にそういうプロジェクトをつくってやっておられるかどうか。やってもらいたいし、そういう努力をしてもらいたいと思いますが、もう一度それについてのイエス、ノーの答えをしてください。
#101
○説明員(山口開生君) お答えいたします。
 先ほどお答えいたしました福祉電話関係につきましても、電電公社が開発する過程におきまして、そういった実際にお困りの方々にいろいろテストしていただきまして、いわゆる人間工学的にもデザインをいたしております。そういうことでございまして、今後とも、実際に開発してお使いいただく場合には、やはりそういう方々の御意見を十分に反映したものを開発していくつもりでございます。
#102
○片山甚市君 特に力を入れてもらいたいと申し上げておきます。
 そこで、雇用確保に関する問題について若干御説明を願いたいと思います、質問しますから。
 公社を中心とした関連業界の構造と労働者の数等についておわかりのところを、実態について明らかにしてもらいたいと思います。
#103
○説明員(前田光治君) お答えいたします。
 電電公社が公衆電気通信事業を営んでまいりますことに関連いたしまして、電気通信設備を建設する業務でありますとか、あるいはこれに必要な機器類、こういったものを製造する製造の業界、こういったところが主たる関連をする業界になると存じております。これらを合わせました総体の雇用といいますのは大約七十万ないし八十万ぐらいというふうに推定をいたしております。このうち、電気通信の建設に従事いたします業界が大約十万程度というふうに承知いたしております。
#104
○片山甚市君 公社はもとより、公社に依存度の高い業界に働く労働者の雇用を守ることは公社の重要な社会的責任であると考えますが、公社として具体的にどのようにお考えでしょうか。
#105
○説明員(前田光治君) 公社の業務を運営してまいります上で必要な先ほども申しました関連する業界、こういうところの雇用の問題についてのお尋ねかと思っております。
 個々の、この関連企業の雇用にかかわる問題につきましては、直接雇用関係にあります当該の企業の責任ということがこれは第一でございまして、当該企業の責任において対処すべきものと考えてはおりますが、当然これらの関連する企業が健全な経営、健全な雇用というものをもって安定に運営をしておるということは、ひいては電電公社の事業を安定に効率よく推進するという上で大変重要なことでございます。そういった意味から、電電公社はそういった工事あるいは物品の発注者という立場において種々配慮をしておるところでございます。
#106
○片山甚市君 先ほどお話がありましたように、電気通信事業の質的転換を図ることになりまして、関連業界のあり方も重要な影響を受けることは当然だと思います。そういう意味で関連業界、メーカーや通信建設株式会社等に対するリーダーシップをとっていただきたいと思いますが、具体的にどのようなことになるだろうか。これは今日まで公社の仕事を成功させるために協力してきたという立場からも、その切り捨てをせずに発展さしていく指導というものが必要だと思いますが、いかがですか。
#107
○説明員(前田光治君) お答えいたします。
 基本的に、先生のおっしゃられた御意見のとおりであろうと存じます。いま質的な転換の大きな時点に達しておりますことは、先ほどから総裁初め公社側いろいろ御答弁を申し上げているところでございますが、こういった質的な転換に関連する業界が即応できますように、いろいろ技術的な指導、あるいは工事の質の変化によりまず変動というものが地域的あるいは時期的等に異常な集中をして非常に稼働が不安定になるといったような状況を合理的に防いでいくように、種々配慮をいたしておるところでございます。
#108
○片山甚市君 昭和五十一年の十一月二日、参議院における附帯決議がございます。「電信電話事業発展のため、労使の信頼関係を確立するとともに、労働条件の向上および雇用の安定に一層努力する」ということで結んでおるのでありますけれども、特にお聞きいたしますが、関連業界に対しては事業の安定のために一層この趣旨に沿って実現を図るように公社として重ねて努力をされることをお聞きします。
#109
○説明員(前田光治君) お答えいたします。
 先生おっしゃいました昭和五十一年公衆電気通信法の一部を改正する法律案につきまして、七十八臨時国会で、この参議院逓信委員会においてつくられました附帯決議、この中にいま先生のおっしゃった条項があるというふうに承知いたしております。当然電電公社は、その趣旨を十分に尊重いたしまして事業の運営をいたしておるところでございます。
#110
○片山甚市君 研究開発における公社の任務についてお伺いします。
 電気通信における公社の技術は世界最高のレベルにあると言われています。その意味では創造性こそ今後の研究開発の基本であると思いますが、どうでしょうか。過去、現在を問わず、先進技術の開発に当たっては国または公的企業などの任務が大きいということは洋の東西を問わないのでありますから、そういう意味で電電公社の役割りについてお伺いしたいと思います。
#111
○説明員(山口開生君) いま先生がおっしゃいました研究者の創造性の問題もちろんでございますが、個々人の創造性を高めるということは本質的にその個人に備わったものかとも思いますが、それと、さらにシステム的に物事を開発していくということが、今後の設備を改善していく、公社が今後ねらっておりますINS構想等に向けましては、そういったものをやっぱり含めてシステム開発が必要でございますので、多くの研究者が協力をしてシステム開発をしていくことになろうかと思います。
#112
○片山甚市君 先進技術の開発に当たっては、国または公企体のようなところが持つ任務が非常に大きいと思いますが、それはいかがでしょうか。
#113
○説明員(山口開生君) これは直接公社が推進しているわけではございませんが、たとえば通産省で第五世代のコンピューターの開発等をプロジェクトとして組まれておりますが、そういった非常に大きなあるいは将来志向の技術につきましては、やはり公共の立場といいますか、政府の立場でリーダーシップを握っていただきまして、そういった中に電電公社も協力をしていくのが今後の方向ではないかと思っております。
#114
○片山甚市君 特に、私は主語があるんです。電気通信における公社の技術でありますから、一般論を言っておりません。通信研究所というものを軽く見るならば別でありますが、一年間に八百億円程度の研究費を使う機関というのはそうざらにあるんでないです。私は、総裁が口を開けばうちには技術があるのだと言われておるんですから、それについてリスクまたは先行投資、こういうものを覚悟の上でやれるのは公的機関ではないだろうか、国家的機関ではないだろうかと思っています。いまのようなお答えをいただこうと思っていません。そういう意味で、情報化社会における公社の研究開発における任務はますます重大だと思いますし、その経費はどんなことがあっても確保して技術革新に向かわなきゃならぬと思います。
 公社としての今後の展望を聞きたいと思いますのは、アメリカでは先端技術の開発はほとんどがペンタゴン――国防総省のイニシアであります。わが国においても超LSIや大型コンピューターについては通産省のイニシアでありますけれども、通信技術の基礎的なことについては、総裁、日本電信電話公社が過去果たした役割り、これから果たさなきゃならぬ役割りというのは社会的に非常に大きいし、大きな公共性と国家の利益をもたらし、人類のいわゆる夢を実現させる道具になっていくのではないだろうか、こう思いますが、総裁のお言葉をいただきたいと思います。
#115
○説明員(真藤恒君) 技術開発につきましては、私、現在の通信研究所の日本の技術社会における地位、立場、それから日本の将来の通信技術のあり方というものとの関連ということで、研究関係につきましては経常的に漸次研究費をふやしながら進めていくつもりでございまして、現在でもすでに第四研究所の建設について厚木で工事を始めておりまして、今後とも、研究の進展の状況あるいは世の中の要求というものを先取りしながら必要な経費はここには入れていく方針でおります。
 現在、私どもの研究所には、総人員で三千三百という人間がおりますが、三千三百のうちに研究能力を持った技術者が約三千ちょっと切れるぐらいおります。こういう人員構成の研究所というのは、たとえばアメリカのベル研究所と比べてみましても、はるかに人間の質の高さというものが比較にならないような状態になっておりまして、ベル研究所では大体一年間に二千六百億、私どもが大体年間八百億使っておりますから、三倍半ぐらいの金を使っておりますが、私どもの三千三百の人員に対して向こうは二万五千おります。
 なぜ、そう人員が違うのだということになりますが、アメリカのいまの研究体制といいますものは、一人前の研究能力ができますと、皆それにタイピストか何かの女の子のセクレタリーをつけて、アシスタントを一人、二人つけている。だから、私どもの研究員の二人ぐらいの仕事をやっているのに大体少なくとも八人か六人ぐらいの人間がかかっているようなかっこうで動いておりますから、現在のところ、ちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、研究所の中の人間当たりの研究効率といいますか、これはちょっとほかに比較にならぬような姿で動いているのじゃないかというふうに私は考えております。
 この特徴をますます生かしていくような方向で、もう少し第二世代、第三世代の基礎的な問題に手を出すような余裕を持たしていきたいというふうにいま考えております。したがいまして、研究所の研究の実力というものにつきましては、幸いここまで伸びてきておりますものをさらに伸びていくようにというふうに本気でかかっておるということを御説明申し上げておきたいと思います。
#116
○片山甚市君 そこで、大臣にお伺いするんですが、十一月の三日の日本経済新聞の報道では、「入札一番札の富士通敗退 日米合意に違反 郵政省抗議」ということになっておりますが、せんだって東京ガットラウンドの関係から三トラックをいわゆる合意をして、電電公社も、総裁の言葉をかりて言えば、アメリカから文句を言われないようにきちんと守ってやっておると言われています。そこで、郵政省が抗議されておるといわれる内容について御説明願い、これからどうされるのかについて所見を承りたいと思います。
#117
○政府委員(守住有信君) 問題の概要については先生もうすでに御承知かと存じますので、郵政省としてどういうことをやったかということから御説明申し上げたいと思います。
 この内容がもし事実だとしますれば、昨年の十二月、御承知の大来・アスキュー会談の書簡によりまして合意に達しました日米調達問題に関しましたものとこれは関連いたしますので、今回のATT社の光通信ケーブル入札問題が非常にその書簡に抵触するというふうに考える。したがいまして、現在、外務省を通じまして米国側にこの事実関係の確認あるいは注意の喚起等を行ってもらっておるという状況でございます。
#118
○片山甚市君 この問題は国防上から来ておるように書かれております。先ほど言いますように、先端技術につきましてはIBMあるいはATTも含めてレーガン政権は安全保障の産業である、こう言っておる。アメリカの政府は公言しておるのでありますから、今回の光ファイバーケーブルの入札の問題をめぐって、先ほどから議論しましたところの回線網の公的ないわゆる確保、こういうことについても留意をしてもらいたい。いまお答えがありましたから、これ以上突っ込んで聞きませんけれども、とにもかくにもせっかく結んだ日米間の協定が死なないように、相互に協力しながらやっていけるように政府としては見守ってもらいたいと思います。
 そこで、公共企業体は本来民間の長所を取り入れることが趣旨で設立されたと思います。公社設立の原点、公社法の立場は、経営の自主性をかなり確保されていると考えますが、仮に公社法どおりに運営することが可能になったならばかなり経営の主体性を持ち得ると思いますが、どうでしょうか。そしていわゆる企業の活性化も生まれると思うんですが、大臣からお答えをまず承りたい。
#119
○国務大臣(山内一郎君) 最初に申し上げましたように、電電公社のできました趣旨は述べたとおりでございますけれども、したがって、いまの電電公社法においてそれを実施をしていただければ、経営委員会の自主的な経営、その他いろんな自主性が持たれますので、十分にその点を生かしていただいて力いっぱい国民のためにやっていただきたい、こういうように考えているわけでございます。
#120
○片山甚市君 真藤総裁にお伺いするんですが、大臣はそうおっしゃっていますけれども、総裁の言葉をかりるならば、予算拘束制から始まるもろもろのいわゆる制約があって電電公社の自主性というものについては非常に阻害されている、言葉をかえて言えば、大企業における工場長程度の機能しか持たないで社長と同じような仕事をしようというのは大変不都合だという意味のことを雑誌等でも発表されておるんですけれども、いわゆる公社にしたけれども、民間の長所を取り入れるということでできておる公社法が生かされておらないと私は思うんですが、総裁は、法律を変える前に、まず一〇〇%総裁というものを政府が信用して任命しておるのなら、信用したようにこれを運用してもらうようになっておるのかどうか。私は、政治的なこと、いろんなことで十分にそれができておらないから、総裁がいら立ちを感じ、職員に対する悪口雑言ばかり言うのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#121
○説明員(真藤恒君) なるほど現在の公社法というのはりっぱな法律になっております。ですから、あの法律の言葉どおりに私どもが動くことができれば必ずしもとやかく申し上げることはないのでございます。ところが、国の大きな組織のごく一部の中でございまして、しかも行政組織じゃございませんで作業組織でございます。そして独立採算という別のまた条件がついているわけでございます。
 そうしますと、長い間の歴史の中でいろんな問題があったらしゅうございまして、その結果、実際の経営の運営については公社法に書いてない問題が相当実際入ってきております。そういうふうな形に長い時間の間になっておるということをここでひとつ見直していただかない。さっき私が申し上げましたように、INSという技術的な能力はありながら経済的にお役に立たないかっこうにしかなり得ない。さっき申しましたような形にするためには、かなりいまの組織も変えなきゃなりませんし、まず第一に、現場の職員のほとんど全員に再教育、再訓練、再配置がえをやらなきゃ、まるで違った技術に対応しなきゃなりませんので、その辺が非常にやりにくくなっておるということでございます。
 で、そういうふうなことを、これからの変革に即応できるという形にするために、いろいろ悩んでおったのでございますが、臨調というふうなことでああいう第一次答申が出ましたので、私どもも当事者として、いま申し上げましたようないろんな問題を解決する具体案というものをいま考えておるところでございます。臨調なり何なりから御要求があればそういうものを提出することができる資料をいま整えておるというのが実情でございます。
 もちろん、現状でもやれるところはやれるじゃないかという御議論もございます。その限りにおいては、私いまさっきいろいろ御説明申しましたように、いままでのやり方とずいぶん方向を変えたやり方をいろいろ具体化し始めておるところでございますが、幸い組合の方も管理職の方もそういうことに同意を得まして、できるところはぐんぐん進めておりますが、やはりそこに限度があるということでございます。
 端的に申し上げますと、公社ができたときはまだ日本は開発途上国の状態であったはずでございます。それがこういう先進国の社会状況になって、なおかつ公社をつくったときの考え方を維持していっていいものかなという疑問は私個人としては持っております。その辺のところをお考えになり御決定願うのは国会であり政府でございますので、私どもはそういうお考えに必要な資料を整えておく義務はあると心得て、いま勉強を始めておるところでございます。
#122
○片山甚市君 総裁が慎重な言葉を選びながら御自分の所信を述べられましたから、それはお聞きをしておきます。
 そこで、せんだって新たに対応する労働組合が議決機関を開いて公社のあり方について一定の見解をまとめたようでありますが、総裁は御承知でございましょうか。それについての評価というか、意見があれば述べてもらいたい。述べることができなければよろしゅうございます。
#123
○説明員(真藤恒君) 企業の活性を増大する、生産性を上げる、そういうことによって独占公共企業体の責任をまず全うしようじゃないか、その方法として組合としてはこういうふうに考えるというのがこの間からの組合の申し合わせ事項だというふうに私は了解いたしておりまして、電電公社のこれから先の基本的な動きについてあの組合の決定というものは、具体的な現実社会の実情に応じた大きなプラス面の決定だというふうに私は非常に高く評価いたしております。
#124
○片山甚市君 公共企業体が独善や放漫に陥らないためにも、経営としての責任を国民に明確にし、国民に対して開かれた経営にする必要があると思いますが、どうでしょう。最近、公社は広報活動に力を入れておられますが、開かれた経営は、コマーシャルの強化ではなくて、経理の公開や国民の参加や、または国民の意見を経営に反映させる体制につくらなきゃならぬと思います。
 特に、ここで一言お聞きをするのでありますが、利用者委員会が地方ブロックごとに全国十一ございますけれども、先ほどの通信部に対する経営のあり方を位置づけるということになりましたなら、そこに速やかに、利用者の声が集まってくるように利用者委員会を、いまの十一の地方フロックを各府県単位程度に広げていくような御努力もなきゃならぬと思いますが、いかがでしょうか。
#125
○説明員(西井昭君) ただいま先生からお話のございましたとおり、公社といたしましては、広く国民の皆様の御理解をいただくために報道発表を積極的にいたしますほか、公社の実態を知っていただくために、事業報告書でございますとか、公社の監事の報告書でございますとか、その他いろんなPR話とかパンフレット等を配布いたしまして、公社の経営を含めます実態というものを国民の皆さんにお示しをしますとともに、国民の御意見を事業に反映するために、ただいま先生のおっしゃいました利用者委員会その他いろんな施策をとっておるところでございます。
 で、ただいま先生のおっしゃいました、通信部層に正規の利用者委員会を設置をしたらどうかという御意見でございますが、私どもといたしましては、現在のところ通信部あるいは電話局ごとにいろんな形で利用者の皆様方の御要望を吸収する組織でございます。各通信部なり現場の局で名前はいろいろ違っておりますが、電信電話を語る会であるとか、調査会という名前はさすがに使っておりませんが、電信電話会であるとか、いろんな名前のものがたくさんございます。公社といたしましては、そういったものをさらに内容を充実し積極的に行っていただきますほか、従来から行っておりました奥様モニター等の組織化、それから奥様モニターといいますのは一定期間でございますので、それをおやめになった方も、そういうふうに実態的に利用者委員会のようなことを進めていくとともに、ただいま先生のおっしゃいましたように、それを正規の利用者委員会に組織化をするかどうかということにつきましては、そういうまず実態をつくりました上でそういうことについても検討を進めていきたい、こういうように考えておるところでございます。
#126
○片山甚市君 昭和五十一年の議論のときに各通信部にまで置きたいということだったのが、あなたの方の都合で、閉鎖的な公社だからやらなかっただけです。経理の公開をしてくれと言っておるんですよ。私は広報などしてくれと言っているのではないんです。経理については公開をしてくれ、聞きに行ったらわかるようにしてくれ、利用者委員会というのを正式につくって、各通信部がかつての通信局と同じ機能を持って仕事をしておるのだからというのなら、そこへ移すのはあたりまえじゃないですか。黙っておればいいかげんにのたまうな、勝手に。西井君の言っておるのは、先ほども言うように、福祉の問題もそうだが、できるだけいわゆるブラックホールにして電電公社を包もうとしておる。終始誠意がない。
 いま私が申し上げておるのは、利用者委員会をなぜするかといったら、電電公社をチェックせいと。総裁が御承知のようにマスコミの方々、国会の方々、OBの方々というものについて敬意を表しているのは、チェックをしてもらえる機能だからと思う。電電公社の現場では国会は通用しない。一番するのは利用者です。利用者がそこに参加できるように、通信局段階にあるならば、通信局よりもむしろ通信部に置くということが積極的に国民に対する開かれたものじゃないですか。答弁は要りません。
 総裁、私は余りこんなことを言いたくないんです。しかし、形式的なことじゃありません。なぜ通信局に置いたかということを言うのではなく、利用者がそれぞれ責任を持って話をしてもらう。いろんないわゆる任意団体をつくることはよろしい、反対はしませんけれども。いま申しましたように経理の公開、それと利用者委員会についてどういうように総裁は、西井君と同じようにお答えをされるのか、お答えを願いたいと思います。
#127
○説明員(西井昭君) 私の御説明でちょっと足らないところがあったかと思いますので、補足をさしていただきたいと思います。
 まず、先生のおっしゃいました経理の公開でございますが、これはそういう先生のおっしゃいましたような経緯もございまして、予算、決算、そういったもののパンフレットを現在のところ十分に……
#128
○片山甚市君 広報は要らぬ。公開と言っておるんだ。広報と違う。
#129
○委員長(勝又武一君) 質問に答えてください。
#130
○説明員(西井昭君) それから公社の決算そのものはもちろん国会にも御報告いたしておりますし、それから一番公社の経理の内容をいわゆる詳細にチェックをされておりますのは公社の監査報告書でございます。この監査報告書も現在のところ各取扱局に全部配備をいたしまして、国民の皆様方に供覧をしておりますところでございます。
#131
○片山甚市君 そんなことをのたもうても、不正事件が起こったり何かした原因からいっても、やはり多くのチェックを必要とすると言っておるんです。独占がいけないだの、独善がいけないだのとのたまうけれども、いざチェックをしてもらう機関をつくることになったらすぐに後ろを向いている。任意団体をつくって何であれですか。ちゃんと任命をされた公式のところをつくって、それで経営委員会も監査委員会も全部体系を立てる、こういうことはもう当然であります。それはいまのところ具体的に提案されておりませんけれども。
 そこで、電気通信事業が国民生活に役立ち、また今後の情報化社会の発展に大きく役立つということを自覚するときに労働者は働きがいを感ずるものであります。これからの社会にわれわれはこれだけの役に立っておるんだということがわかったときにはよく働くと思います。したがって、公社としてはそういう体制を確立する義務があるし、先ほどお話がありましたが、労働組合とは十分に協議をし合意を前提として事業経営を進めてもらう、これは総裁の考えだと思います。というのは、ことに企業は人なりという総裁の精神から言えば、当該の従業員に対して自分の意見が通らないようで一般国民の方々に意見が通る道理がない、私はそう思います。そういう意味で、積極的に経営者と労働組合との間にこういうような国民に対する社会的な公共的な責任を果たしていく積極性を持たしてもらいたいと思いますが、総裁、いかがでしょうか。
#132
○説明員(真藤恒君) さっき申しましたこれから先の、いまから変えようとしておる電電の広報の基本的な根元は、さっきちょっと申し上げましたように、電話局の職員と加入者と管理者に定期的に懇談してもらう、そして組合の職員の立場も説明し加入者のいろんな問題も話し合う、管理職の立場の説明もしながら、そこでまずこの地域社会と電話局と職員の間の相互思忠の疎通ということをやれば、いろんな組合関係の問題あるいは管理側と組合との問題、いろいろ過去にもあったようでございますが、そういうものが、管理者であろうが組合員であろうが世の中の利用者のために働くにはどうすればいいかということがおのずと、皆おのおの良識を持っておりますからそこでお互いが教育し合うだろう、そこが事の始まりだというふうな考え方で、私は今後そういう組織に変えていこうということでございまして、いま西井君の説明はちょっと先生の御質問を取り違えたようでございまして、現状を言っておりますが、私がさっき申し上げたのはこれから先こういうふうに変えていこうということを申し上げましたので、これは私責任を持って実行するつもりでございますから、さっき申しましたように、しばらく時間をかしていただきたい。それが軌道に乗りますと、おのずと今度は県単位の通信部と、県の自治体と、それから利用者と職員の間にまたそこに交流が出てくるわけでございまして、それがなくてこの公共事業体というものが公共事業体と言えるのかというのが民間から来た私の基本的な考え方でございますから、そういうふうに持っていくことは責任を持ってやりますから、しばらく時間をおかしいただきたいと思います。
#133
○片山甚市君 時間がありませんから、一問だけいたします。
 企業の自主性とか活性化というときには、政府の監督という介入がきわめて強く、たとえば新サービス等の認可に見られるように強い規制がございます。国民の要望に迅速に対応できない。これでは企業の活性化は生まれてこない。この点についても、自主性を持たして電電公社にもう少しきちんとさすべきだと思いますが、どうでしょうか。
 郵政省は電気通信政策審議会の設置の提起をしておりますけれども、そのことが公社経営を規制するようなことになってはならないと思いますが、どうでしょうか。大臣にまずお答えを願いたい。
#134
○国務大臣(山内一郎君) 郵政審議会というのが現在ございまして、電気通信についても審議していることはもう御承知のとおりでございます。ところが、いろいろ電気通信も発達をしまして、これから政策面も重要な政策も出てまいるわけでございまして、決して公社の活動をあるいは規制するというようなことでなくて、逆にもっと新しいものはどういうことかということを御審議を願おう、こういう趣旨のものでございます。ただ、予算要求中でございますので、まだはっきりしたことをお答えする段階ではございません。
#135
○説明員(真藤恒君) 私、まだ就任日が浅いものですから、いまの御質問のことについて具体的な経験がございませんのであれでございますが、現在、郵政の当局と私どもの当事者の間のやりとりを見ておりまして、総裁といたしましてとやかく申すような状態ではないというふうに了解いたしております。
#136
○委員長(勝又武一君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時五分に再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時七分開会
#137
○委員長(勝又武一君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#138
○白木義一郎君 初めに、本日の日本経済新聞には郵政関係で大変な問題が載っております。「三公社の定員大幅削減」、国鉄二十五万ないし二十七万人体制、電電公社は定員の五万人を削減、あるいは専売公社も二割カットする、臨調がそういうような方針を固めだというような報道がされております。
 で、並行してやはり同紙に、米国から昨日、日本の市場開放について二十一項目の要請をしてきましたが、これはわが国にとっても非常に大きな問題を含んでいると思わなければなりません。そして来月の八日、九日、十日に行われる通商円滑化委員会、また日米貿易グループ会合で論議をすることになっているそうであります。その中で特に、すでに市場開放の協定がなされていながら十分な伸び率を示していない電電公社の資材調達にしても、その協定を早期に改めるよう要望してきているとのことでございます。
 これに対して郵政省、大臣はどのようにお考えになっていらっしゃるか、対処をされるか、所見を最初にお伺いしておきたいと思います。
#139
○国務大臣(山内一郎君) けさ私も新聞を見ましたけれども、「三公社の定員大幅削減」「電電5万人」という記事が出ていたわけでございます。そこで、従来からなるべく定員を減らして合理的に経営をすべきであるというのは郵政省も考えておりますし、それから電電公社でもこれはお考えになってやっているわけでございますが、この五万人の妥当性、そういうものについてはまだ臨調から詳しい説明も聞いておりませんし、基本的な方針は先ほど申し上げたとおりでございますが、この数字的な問題については、それを聞いてからお答えをした方がいいかと思うわけでございます。
 もう一つの市場開放の問題でございますが、まず電電公社の資材調達の問題、これは長年の問題でございまして、昨年私が大臣に就任しましてからいろいろと外務省等と連絡をとりながらやっと昨年の十二月に大来・アスキュー会談で書簡の交換が行われまして、これで全く相互主義でやっていこうじゃないか、こういう取り決めがしてございますから私はその線でやればこれはお互いにうまくいく、こういうふうに考えておるわけでございます。
 そのほか、データ通信などのサービス業の自由化の問題。これにつきましては、まだこれからいろいろ話を聞いてから対策を講じたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#140
○白木義一郎君 先ほども申し上げましたとおりに、電電公社の資材調達も大幅に伸びがないというようなことでこういうことになったのだろうと思いますが、そこでまたコンピューターや半導体、通信機などの高度技術製品の市場開放も要求をしてきております。わが国進出を果たしている米国企業を日本の官民共同プロジェクトに参加をさせるべきだ、こういう要望も来ているようですが、その点について大臣はどう対処されるか、お伺いしておきたいと思います。
#141
○政府委員(守住有信君) 御承知のとおり、電電公社の資材調達と別に自由市場という問題がございますが、電電公社につきましては、黒電話一個を除きましてはいろんな宅内装置あるいはデータ通信の端末類、その他テレックス類等々、これはオープンになっておるわけでございまして、そういうふうな問題につきましては、いわゆる輸出、輸入、製造業、こういうことで通産省所管の問題として外務省との間に関係がある。私ども通信主管庁といたしましては、いわゆる電電公社自体の問題につきまして大きな関心を持っておるという問題でございますので、今後いろんな半導体その他、先端企業の民間における問題につきましては、そういうところの情報等も集めながら対応していきたい、こう思っております。
 なお、一つございましたいわゆるサービスの自由化。銀行とか保険とか海運その他いろんな問題がございますが、もう一つデータ通信の自由化という問題につきましては、OECDの中でもこれはまた議論をされておる問題でございますけれども、われわれも正確な情報を集めながら適正に対処していきたい、このように考えておる次第でございます。
#142
○白木義一郎君 いずれにいたしましても、貿易摩擦それから政治摩擦に発展しかねない問題だろうと思って関心を持っている次第です。
 次に、電信電話に次ぐ第三の通信と言われているデータ通信について若干お尋ねをしておきたいと思います。
 最近、コンピューターの有効活用を図るため、各界からデータ通信回線の自由化問題が提起をされているようであります。郵政大臣の私的懇談会である電気通信政策懇談会も、去る八月に提言を取りまとめ、その中で「緊急課題」として「データ通信回線利用の自由化」をうたっておりますが、その要点と、この提言に対し郵政当局ではどのような措置を講じようとしているのか、その基本的な構想、お考えを承っておきたいと思います。
#143
○政府委員(守住有信君) 御指摘のとおり、データ通信の回線利用の自由化という問題でございまして、回線の設備の建設とか提供という問題ではなくて、それはあくまでも電電公社、KDDが一元的に行う。午前中もお話が出ておりましたように、一元的に行うわけでございますが、その利用の仕方の自由化、こういう角度で民間利用者の要望として経団連でもいろいろ御意見をおまとめになって提言が出ておりますし、一方、通産省の方の産業構造審議会の中で情報産業部会というのがございますけれども、そこにおきましても、「情報化および情報産業の基盤の整備」というテーマの中で「通信回線利用制度の見直し」というふうなことでの要望ないし御提言が出ておるところでございますし、私どももそういういろんなものを踏まえまして、お尋ねのとおり、大臣の私的諮問機関である電気通信政策懇談会におきます緊急提言、このような要望を踏まえながら、他方、わが国における公衆電気通信事業という問題あるいは従来からの電信電話という問題等も踏まえながらこれについて対応しようとしておるところでございます。
 その提言の趣旨を十分尊重しますとともに、各方面からの御要望等も踏まえて対処しようと思っておりますが、この回線利用の自由化につきましては、いわゆる八〇年代におけるわが国の産業構造そのものの転換という面がまずございますし、もちろん社会の情報化の促進という観点もございますが、他方、そういうコンピューターの高度利用と申しますか、あるいは情報処理の発展という角度と同時に、他面、公衆電気通信秩序の維持という観点も忘れてはならない重要な点ではないか。そういう両面から真にわが因のデータ通信の発展に寄与し得るような新しいデータ通信制度というものにつきましての必要な法的措置をやらなければならぬ、このように考えておりまして、目下鋭意その法案につきましての検討を進めておるという状況でございます。
#144
○白木義一郎君 この政策懇談会の提言内容について、業界では基本的には自由化の方向が打ち出されたことを歓迎しながらも、他人使用については許可制等を含む何らかのチェックをしなければならない、相互接続についても個別認可とすることなど依然規制が強いという批判が行われております。また、行政管理庁は、七月のデータ通信に関する監察結果において「公衆電気通信業務に重大な影響を及ぼすこととなる特定の場合を除き、通信回線の使用に関する現行の規制を廃止する必要がある。」との勧告を行っております。
 ただいまの御答弁によりますと、この提言を踏まえてあらゆる角度から郵政省としては検討を進めておられる、こういうことですが、そこで、データ通信回線の自由化を進める施策としては、省令化で措置ができるもの、あるいは公衆電気通信法の改正によるもの、またはデータ通信法等単独立法による抜本的措置等があると思いますが、当局では今後の自由化をどう推し進めていくのか。また、業界の意向あるいは行政管理庁の勧告等を含めて、その方針を承っておきたいと思います。
#145
○政府委員(守住有信君) お尋ねのように、データ通信回線の自由化に対しましての法制面の問題といたしましては省令レベルあるいは公衆電気通信法レベル、さらには広くこの自由化を行いますためのものとして、いわゆる電気通信の他人使用の条項の中に入ってまいりますけれども、広く不特定多数を相手とする、これを業として行うという業界の新しい出現、こういう問題もございます。したがいまして、省令レベルでは、現行法律制度の枠内でございますので非常に小さな改正しかできませんので、やはりこれは法律レベルでの改正が必要ではないかというふうにとらえておる次第でございまして、お尋ねのような公衆法レベルあるいは新しい単独立法の問題等々も含めまして、この法的整備につきまして鋭意検討しておるというところでございます。
#146
○白木義一郎君 そうしますと、現時点では法的整備はまだお考えがまとまっていない、こういうふうに伺ってよろしいですか。
#147
○政府委員(守住有信君) 現在、その法的整備の前に法技術が入りますので、法的整備の前にこれに取り組む基本方針というものを固めておりまして、また、この問題につきましても各界からの意見、要望もございますし、他方、わが国の公衆電気通信を預かっております電電公社の立場、意見というものもあるわけでございますので、そういう方面についていろんな意見を具体的にすり合わせしながらわれわれとしては政府レベルでやっていきたい。しかし、またこれがいろんな各方面の関連もございますので、そこらあたりのところをいろんな場でコンセンサスを得ながらやっていきまして、法案の形で最終的にはまとめ上げたい、このように考えておる次第でございます。
#148
○白木義一郎君 この問題は、将来展望しにくいような経過をたどってきた通信を含む技術革新、こういうことから現状を踏まえた上での整備とか法案の充実というようなことではこれは将来においていろいろ問題を残すのじゃないか、そういう心配をしているわけです。端的に申し上げれば、十年前にはわれわれこうなるとは考えていなかったわけです。それが現在こうなっている。十年先、二十年先にはわれわれの想像の及ばないような技術革新あるいは発展がなされることは火を見るより明らかだと思いますので、その点を含めて、いわゆる自由化については非常に大事な問題を含んだ政策として取り上げていかなければならないだろう、このように思うわけです。
 そこで、このデータ通信回線の自由化は、したがって電電公社の事業に大きな影響を与えることになると思いますが、公社の自由化に対する基本的考え方を総裁からお伺いしたいと思います。午前中と重複するかもしれません。
#149
○説明員(真藤恒君) いま、ああいう答申に基づいて郵政御当局でいろいろ具体的に御研究なさっております。その方針に従って、できるだけ早くああいう世の中の要求が満たされるように対処したいということで、折々準備を進めておる状態でございます。
#150
○白木義一郎君 最後に、この自由化にまつわる規制という問題について、やはり将来の展望の上から、これはいろいろ論議、複雑な問題があることはよく理解ができるわけですが、やはり将来を展望した場合にはできるだけ規制という枠を外していく方向であるべきじゃないか、こういうように判断をするのが賢明じゃなかろうか、こう思っているんですが、その点はいかがでしょうか。
#151
○政府委員(守住有信君) 御指摘のとおり、私どももそのような物の考え方の基本と申しますか、これでおるわけでございまして、現在のいろんな規制を非常に大幅に緩和しよう、こう考えておるわけでございます。しかし、ここにいままでは全く認められていなかった、このデータ通信のネットワークをいろいろ複合的に組み合わせまして、そこに付加価値をつけまして、いままでの情報通信業という形ではなくて新しい姿のものがここへ出現をしてくるわけでございまして、アメリカ風に申し上げますればVANと称せられるような新しい仕事というものができる業界が出てくるわけでございます。
 ところが、他方、この業種、サービスと申しますのは、いわゆる不特定多数に対しましての顧客との間に非常に自由な通信ができるという仕組みに相なります。したがいまして、その通信の中には、いわゆる電信電話と申しますか、そういう業務も同じ回線の中でこれは実は利用できるわけでございますし、その他第三者に対してこれを提供する業でございますので、その加入者の保護の問題、午前中にも出ましたような通信の秘密とか、データの保護とか、いろんな面がここへ新しく出てくるわけでございますので、そういう部分、そういう分野についてはこれは何らかの規制が必要ではないか、このように考えておる次第でございます。
#152
○白木義一郎君 それでは、掘り下げた内容の問題については郵政当局の法案提出というふうな際に立ち入った議論が行われなければならないと思いますので、次の質問に移ります。
 次は、NHKの国際放送についてお尋ねをするわけですが、八月八日の毎日新聞によりますと、郵政省は国際放送を改善するための委員会新設で一千万円の予算要求をしたと報道されております。仮にこれが認められたとして、どのような構想をもって委員会をつくり、あるいはメンバーその他いつごろまでにこの作業をなされる方針か、最初にお伺いしておきたい。
#153
○政府委員(田中眞三郎君) ただいま御指摘のとおり、私ども来年度予算に向けまして、国際放送を充実するための調査費という形で一千万円要求しておるわけでございますが、その背景は、最近、皆様御高承のとおり、国際放送について充実強化を図るべきだという形でいろいろの御意見をいただいております。
 そして、この調査費の考え方といたしましては、技術的な調査も含めまして、総合的と申しますか、放送のあり方、強化の方法、いろんな総合的な調査研究を行おうとする考え方でございます。
 したがいまして、その内容も非常に多岐にわたるわけでございまして、まだ予算要求の段階でございますけれども、当然一部民間の有識者にも入っていただきまして、そうした中で総合的に検討する、あるいは検討をゆだねることが適当であるというふうに考えておりまして、場合によりましては民間の調査機関に一部調査研究を請け負っていただくというようなことも考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、予算成立次第できる限り早く結論を得るような形で仕事を進めてまいりたい、このように考えております。
#154
○白木義一郎君 そこで、いまお答えいただいた点を含んで、大変国際的におくれているわが国の国際放送が、主要先進国と比較しておくれている点、それから当面改善を要求する点を明らかにしていただきたいと思います。
#155
○政府委員(田中眞三郎君) まず、主要国と申しますか、米、英、西独あるいはフランス等の主要国に比べまして、やはり送信機というものが要るわけでございますけれども、いま申しましたような国は、いずれも送信機は二十台以上で、しかも電力が二百五十キロワットから五百キロまで多くあるようでございます。そしてしかも、それらの国は大部分自分の国の外、つまり海外中継局も有しているというふうなデータを持っております。
 これに比べまして、日本の場合どうかということでございますが、日本の国内送信施設は、百キロワット八台、五十キロワット二台、二十キロワット二台というようなことで、百キロワットにつきましては二台並行運転で二百キロというような運転もやっておりますけれども、基本的な送信機は百キロワットが一番大きいものでございます。それから海外中継局でございますけれども、ただ一つポルトガルのシネス送信所というものの利用を五十四年度から始めた、こういう形になっておるわけでございます。
 それで、その次の御質問の、おくれている点はどういうことかということでございますが、ただいま、まず送信機の能力というものについて申し上げましたわけですけれども、海外中継と申しますか、日本は極東と申しますか、非常に主要国から遠い国に離れておるという地理的条件が非常に大きなマイナスになっておるというふうに考えております。したがいまして、それなりに海外中継局も欲しいわけですし、また電力も大きくする必要がある、そのように考えております。
#156
○白木義一郎君 NHKの国際放送は、米国向けなど遠距離向けは二百キロワットと言われていますが、二十キロワットの出力の方向もあり、先目、たとえばマニラなどで感度が悪くて、自民党の閣僚から不満の発言があったことを承知しております。ラジオ・ジャパンが世界各地で聞こえるようにするためには、米国の海外放送ボイス・オブ・アメリカのように出力を全方向二百キロワット以上にした場合には、どのくらいの予算が必要なんでしょうか。
#157
○政府委員(田中眞三郎君) 送信機あるいは空中線等という機械設備だけに限定させていただきたいと思いますけれども、まず、先ほども申し上げました送信機を上げるというような送信機の価格、空中線の新設も必要でございますし、改造も必要でございます。それに比べたまた電源装置。そういうところで機材費だけにさしていただきますと五十億一千万円というような試算をいたしております。
#158
○白木義一郎君 わが国の国際放送としてその効果を発揮するために海外に中継基地を設けたとした場合に、やはり膨大な経費が要るだろうと思いますが、その経費はどのぐらいにお考えになっておりますか。
#159
○政府委員(田中眞三郎君) 御存じのように、五十四年十月からポルトガルのシネスの施設を借用いたしまして一日一時間の放送というものを実施いたしまして、その結果、ヨーロッパ及び中東方面の受信状況については大幅に改善されたというふうに考えておるわけでございます。現在、南北アメリカについて中継局を設置する可能性はないか、その辺の必要性も考えまして、いろいろ接触と申しますか、外務省とも相談いたしておるわけでございますけれども、その借用のやり方あるいは場所等につきまして、それで非常に変わってこようかというふうに思っておりますが、いろんな角度から試算中でございまして、その数字について、どういう海外中継局の使い方をさしていただくかによりまして大変数字が変わってまいりますので、その点遠慮さしていただきたい。現在のところ申し上げても非常に確実性が薄いと申しますか、変化があるというふうに考えております。ただ、その面、いろんな角度から実際の試算はしておるというふうにおとりいただければありがたいと思います。
#160
○白木義一郎君 そこで、現時点で、非常に立ちおくれている時点で、わが国の国際放送の効果といいますか、成果といいますか、影響といいますか、そういう点のとらえ方、あるいはその調査等の結果が何かございますか。
#161
○参考人(田中武志君) 私ども国際放送を実施しておりまして、大体年間海外から約五万通ぐらいの投書、意見、そういったものをいただいております。それはニュースあるいはニュース解説といったようなものを中心に、現在六〇%ぐらいのパーセンテージでやっておりますけれども、そういったものに対して海外の在留の邦人の方からは、イラン、そういったときにも大変役に立ったというような激励をいただいております。また、そのほかの海外のそれぞれの地域の皆さん方からは、日本国内の文化あるいは政治経済、そういったものについての実態をいろいろ放送によって知り得たというようなことなども数多くいただいております。
#162
○白木義一郎君 その五万通の意見あるいは報告等の内容は、大ざっぱに言って海外にいる同胞とそれから現地の外国の人たちに分類してどのくらい、五万通の中で。
#163
○参考人(田中武志君) 五十五年度の例を引いて申し上げますと、海外の在留邦人の方からは五万通のうち約四千通ぐらいでございます。残りが、それぞれの外国の方々から約四万五千通ぐらいいただいておるということでございまして、さらに中身をもう少し分析いたしますと、特にそれぞれの地域の外国の方からは、アジア地域から約二万六千通ぐらい来ておりまして、これはお隣の中国あるいは東南アジア、そういったところからきわめて数多く来ている、その次がヨーロッパというようなことになっております。
#164
○白木義一郎君 そこで、この海外放送の充実については大変金のかかる問題ということですが、現在自民党筋などから出ている構想では、国際放送はNHKから分離、独立をさせ、郵政省からの交付金だけじゃなくて、ほかからの援助も受け入れやすい組織に衣がえを検討すべきじゃないか。そして新しい海外放送がどんな形になるかは今後の検討課題とされてはいるものの、そうなりますと、国営放送的色彩の濃いボイス・オブ・ジャパンといったような構想がすでに自民党サイドから出ておるようであります。これは放送法の目的である放送の不偏不党及びNHKの中立性とも絡んで今後大きな議論を呼び起こすことは明らかでありますが、そういった点についてどのように検討されておるでしょうか。
#165
○政府委員(田中眞三郎君) 先ほどからもいろいろ、国際放送の充実強化と申しますか、その強化についての御議論があるわけでございますけれども、それを充実すると申しますか、改善する、より強力にするためには当然多額の経費を必要とするわけでございます。ところが、現在のところ政府交付金とNHK自体での自主的な放送の部分というようなことで三十数億、三十七億ぐらいだったかと思いますが、そういう状況でやっておるわけでございますけれども、御存じのように国もまた非常に厳しい財政状況にある。そして従来方式での交付金の増額についてでございますが、毎年のように国会でも御指摘を受けまして十数年努力してまいったわけでございますけれども、非常に年々増額はいたしておりますけれども、現在のところ二六・六%というような程度にとどまっておるわけでございます。
 また、御承知のように、NHKの財政事情についても非常に厳しい状況にあるというふうに理解しておるわけでございますが、そういう環境の中にありながら、なおこの重要な国際放送をどう強化していくべきかというような角度からいろんな検討を進めておるということで、一番最初に御質問のございました調査費等もかけまして、形も、先生ただいま御質問の形も含めまして、どういう形が最もこの重要な国際放送の強化のために役立つのかということを今後慎重に関係方面と協議するというのが現状の状態でございます。
#166
○白木義一郎君 そうしますと、現時点では、政府及びNHKだけではなくて他の機関からもこの放送に要する費用を拠出をという考えが、具体的にこういうところからというようなところまではいっていない、そのように伺ってよろしいでしょうか。
#167
○政府委員(田中眞三郎君) そのとおりでございます。いろいろ私ども作業レベル、あるいは御関心のある方はそれぞれお考えはお持ちだと思いますけれども、まだまとまった形でディスカスの場も私どもの段階では持っておりません。そういうような意味でいろんな可能性がある。要は、現在以上の番組的な評価をなお上げつつ、技術的と申しますか、よく聞こえるようにという方向に持っていくのには何が一番いいのかということを検討していただく、それは今後の問題である、いまスタートしたばかりであるというふうにお考えいただきたいと存じます。
#168
○白木義一郎君 私としては、この一千万の予算を要求したということは前向きというふうには受け取れますが、全体としては非常に国際放送についての政府の取り組み方について私は不満を多分に持っているわけであります。
 そこで、国際放送の放送番組については、放送法第四十四条の五で「協会は、国際放送の放送番組の編集及び放送又は外国の放送局に提供する放送番組の編集に当つては、わが国の文化、産業その他の事情を紹介してわが国に対する正しい認識をつちかい、及び普及すること等によって国際親善の増進及び外国との経済交流の発展に資するとともに、海外同胞に適切な慰安を与えるようにしなければならない。」とうたわれておりますが、NHK及び郵政省はこの条文を通して国際放送の役割りをどのように受けとめられているか。改めて、大変立ちおくれている、あるいは力の入れ方が非常に不足しているという立場で御意見を伺っておくわけであります。
#169
○政府委員(田中眞三郎君) 先生ただいま放送法第四十四条の五を引用していただいたわけでございますけれども、私どもの国際放送の役割りというのはまさにそのとおりであるというふうに考えておるわけでございますけれども、今日はますます国際社会との関連がふえてきた。それなりにわが国の国際社会において果たすべき政治的、経済的役割りはますます大きくなってきておる。同時に、幸いなことに世界各国の日本に対する関心も非常に高まってきておるというようなことで、わが国の実情もより正確に、より正しく伝えて理解してもらうということが従来にも増して必要になっておるというふうに考えておる次第でございます。そのために、このただいま問題になっております国際放送というものはきわめて有効な手段であり重要な役割りを果たし得ると考えておりますので、今後ともそういった観点からもいよいよ力を入れて何とかより充実さすべき方向に方途を探るべきだというふうに私ども考えております。
#170
○白木義一郎君 そこで、いま御答弁の中に、政治的、経済的な面を通して世界にわが国の理解を求めるためにはぜひ国際放送の大活躍が望ましい、こういうことですが、さらに私は、現在は防衛あるいは軍備、大変きな臭い世の中になっているような気がいたしますが、この防衛について積極的防衛ということを文化と教育の面で果たしていくのが真のわが国の世界における歴史的な立場、現状からいっても非常に大事であるというよりはそこに全力を挙げて平和への先駆をしていかなければならないのがわが国の立場であろう、このように思います。金を出して軍備をするのはこれは簡単なことです。権力を持てば簡単にできるわけです。しかし、ユネスコ憲章にもうたわれておりますように、平和は人の心の中に築かなければならない。世界じゅうの人々の心の中に平和のとりでを築いていくためには、文化的、教育的な防衛を積極的にこれからのわが国はしなければならない。
 このような観点から、この国際放送の充実には総力を挙げていかなければならないと考えているわけですが、そこで、郵政大臣の留任を希望しながら、私のいま申し上げた積極防衛の先駆を果たさなければならない文化的、教育的な国際放送のあり方について御意見をお伺いしたいと思います。
#171
○国務大臣(山内一郎君) 白木委員の非常に貴重な御意見を承ったわけでございますが、日本がいま非常に経済的にも恵まれ、世界の一、二を争っているわけでございまして、これは一に平和であるということがわが国にとっても世界にとっても一番重要なことである、こういうふうに私も考えているわけでございます。したがって、いままで国際放送についていろいろ御提言があり御指摘があったわけでございますが、そういう観点からいっても、やはり国際放送というものを強化いたしまして、いま白木委員のおっしゃったような点を強調して一層ひとつ世界平和のために貢献すべきものである、こういうふうに考えているわけでございます。
 いま国際放送をNHKで懸命にやっていただいて、その評価も認められておりますけれども、総理が先般ASEANにおいでになったときに、聞こえにくい、途中ですぐガーガーいうとか、いろいろ話が閣議において出まして、私もそのときいろいろ考えさせられまして、ひとつ来年度は調査費でもいいから獲得をして、いわゆる設備の改善の問題、そういう点について重点を置いて、もっとせっかくの放送を各国の人に十分聞いていただくように努力をすべきであるという点でいま予算要求をしている最中でございます。したがって、その点について対策を早急に講じまして、白木委員の言われた線に沿ってひとつ国際放送を強化してまいりたいと考えております。
#172
○白木義一郎君 ぜひひとつ留任を希望して、留任されればいまの御決意をさらに強力に実践に移していただく、あるいは他のポストヘ進まれればなおさらのこと、自民党の有力な国際放送に対する理解者として今後力を注いでいただきたいと、お願いをしておきます。
 最後に、オリンピック放送の点についてお尋ねしておきますが、もう御承知のとおり、ソウルか名古屋かと大変にぎにぎしく行われた問題もソウルに決定したわけですが、そこで思い出すのは、例のモスクワ・オリンピックの放映ということについていろいろな問題あるいは障害が起きたわけですが、われわれは、次に行われるロサンゼルス・オリンピックの放送は国民の大半はぜひひとつNHKでやってもらいたい。大変モスクワ・オリンピックのテレビは国民としては物足りない、さみしい思いをしたわけです。すでにNHKと民放との間で基本的な合意ができ上がっておりますが、その後のその点に関する進捗状況はどうなっているか、最初にお尋ねしたいと思います。
#173
○参考人(田中武志君) 最近のオリンピックにつきましては非常に規模が巨大化いたしまして、それにつれて膨大な経費がかかる、あるいはその他権料も非常に高くなってきているというようなことでございます。そういった意味合いから、前回のモスクワのああいった経緯を十分踏まえまして、私ども実は昭和五十四年、おととしのいまごろ、NHKと民放連とお互いに話し合いまして、今後はこういった放送権料につきまして、あるいは共同の番組の取材、制作につきましても、ひとつモントリオール方式でやっていこうという合意をいたしまして、ロサンゼルスにつきましてはその後いろいろ交渉も共同でやってきている実績がございます。
 それで、いまお話に出ましたように、その次の、ロスの次のソウルにつきましても、七年後ではありますけれども、ロスのこういった経緯を踏まえて、ひとつソウルについてもNHKと民放連とが同じような形で共同で交渉し、共同で番組を制作をしていくという方式をそのまま延長してやっていこうという話し合いがようやく詰まりまして、先月の二十六日に私どもの会長と民放連の会長が二人一緒に共同記者会見をやりまして、今後ともソウルまでとにかくこういったことで共同でやろうという共同の発表をしたわけでございます。今後ともNHK、民放連ともにお互いに手を携えて、このオリンピックの権料の問題、制作の問題については共同歩調でひとつ取り組んでいきたいというふうに思っている次第でございます。
#174
○白木義一郎君 いまのお話ですと、大変さわやかな方向へ進んでいるようにうかがえるんですが、さらにこれから具体的な問題になるとアメリカ側の提示した金額あるいはそれに見合うNHKと民放との比率、そういったことが気になるわけですが、差し支えない範囲でお知らせいただきたい。
#175
○参考人(田中武志君) 実は、ロサンゼルス・オリンピックの放送権料の交渉につきましては、昨年の十一月に第一回目をやりまして、これは先生の御質問にも過去答えたかと思いますが、昨年の十一月の段階ではアメリカ側から約四千三百万ドル、それからその後交渉を詰めましたら二千八百万ドルぐらいまで昨年は詰まったわけでございますけれども、まだまだ大変膨大な金額でございますので、その後下交渉を積み重ねながらことしの九月の末の交渉に入ったわけでございます。その席上、私ども相当詰めて話し合いをしましたところ、二千八百万ドルからさらにロス側は二千万ドルの低い段階のところまで下げてくれるような私ども感触を得ております。しかし、御存じのようにモスクワのときの権料がそれに比べますと半分以下というような状況でございますので、まだまだその間のわれわれの見ておるところとはずいぶん差がございますので、この後交渉を重ねながらできるだけ安い放送権料を獲得したいというふうに思っておる次第でございます。
 さらに、分担につきましては、われわれできるだけこういった交渉の権料が大体煮詰まった段階でNHKと民放連との間でいろいろまた分担比率については国内的の詰めた話をしたいというふうに現在考えておる次第でございます。
#176
○白木義一郎君 最後に、大臣にちょっとまたお願いやら提案を申し上げたいんですが、いまお聞きしたように世界各国が開催地の当事者にテレビの放送の権利、その値切り合いをするわけですね。それについて、これはもう四年に一遍は間違いなしに、冬季オリンピックを入れると四年に二回は行われるわけで、世界じゅうの人々に平和と楽しみを与える大事な祭典、それについてしょっちゅうこういう値切ったり値切られたりするようなことではなくて、何とかこれを世界的な、いわゆるオリンピック精神も含めた話し合いができる方法がありはしないかというようなことを考えてみたわけです。
 そこで、たとえば国際連合の場だとか、あるいはサミットあるいは南北サミット等の議題の一項目にこの問題を加えて、アマチュアスポーツの祭典ですので、これも世界的な行事としてさわやかにスムーズに行われるように提案をしたらどうかなと、こういうように考えておるんですが、機会を得てこういったような提案をしていただくお気持ちがあるかどうか伺って、私の本日の質問を終わりたいと思います。
#177
○国務大臣(山内一郎君) 私も、オリンピックの放送権それから放送料というのでございますか、毎回いろいろと各国放送局あるいはオリンピック委員会との間で話がスムーズにいかないことを開いているわけでございます。何とかもっとスムーズな方法はないかということも考えさせられておりますけれども、ただいま白木委員の御提案は、国際的ないわゆる場に持っていったらどうかと。しかし、それは私はちょっとなじまないような気がいたしまして、せっかくオリンピックというりっぱな組織があるのですから、そこで十分御検討いただいて、放送についても平和のうちにひとつスムーズにいくようにしてもらうのが一番いいというような気がいたしているわけでございます。せっかくの御提案でございますけれども、私の考えは以上のとおりでございます。
#178
○神谷信之助君 まず、総裁にお伺いしたいと思います。
 御承知のように、電電公社の不正経理といいますか、乱脈経理の問題について、しばしばわが党は取り上げてまいりました。昨日も衆議院の逓信委員会で村上委員の方から指摘をしたわけであります。これは電電公社が国民の電気事業を預かって運用している限り国民の信頼を失ってはならない、そういう不正経理、乱脈経理の根絶を一日も早く図らなきゃならぬという立場からであります。
 そこで、総裁にお尋ねをいたしますが、そういう不正経理、乱脈経理の原因をどのようにとらえ、そしてその改善の方向についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
#179
○説明員(真藤恒君) 不正経理の問題が起こって私着任いたしたわけでございますが、中に入りましていろいろ実情を調査してみましてまず気がつきましたのは、経理措置のやり方がいつの間にか年度の予算、決算という行政官庁並みのやり方になってしまっておりまして、事業体として非常に不適切な経理の措置のシステムになっておる。したがいまして、いろんな費用で使うお金が出た場合に、その金の行方が果たしてどうなっているかということをチェックするのが実質上非常にルーズになっておるということに気がつきまして、私ども民間では毎月月次決算というものをやりまして、その数字を見ながら次を計画していくというやり方でおりますが、そういう測度を導入いたしましてこの四月からその月次決算の制度を実際実施し始めております。一カ月以内にチェックするわけでございまして、それもただ事務的にチェックするのじゃなくて、当の責任者がチェックしながら進むというやり方に変えました。
 一方、業務改善推進委員会というのをつくりまして、私がその委員長ということで、能力のある次長、課長クラスをその委員にいたしまして、現場を、必要な場所を必要なときに自由にチェックするということで、そういう金の使い方が起こる原因を除去するということを強力に進めてまいりました。現在のところ、この四月以降の数字を見ておりますが、おかげで不正経理の起こるような可能性のある費目についての実際の経費の動きというものが、前年度あるいは前々年度に比べましてさま変わりに変わりながらいま移動しております。たとえば会議費という名目の飲食代でございますが、これが現在のところ、九月までの実績を見ますと前年度あるいは前々年度の半分以下になって動いておるというふうな効果が出てきつつあります。
 そういう管理の事務的な問題だけでは問題が解決いたしませんので、もう一つ業務改善推進委員会の方で、多分に精神作興的ではありますけれども、そういうことを進めると同時に、私自身が地方を回りまして全部の機関長を集めていろんな話をしたり、二部の機関長を集めて話をしたりというふうで、そういう精神作興運動と、私の新しい考え方を現場の管理者にじかに三時間、四時間という時間をかけて問答をやりながらこのことを進めるという、いろんなそういうふうな方法を並行しまして、また副総裁は副総裁としてそういうことをやる、局長は局長としてそういうことをやるというふうなことで、東京の考え方を現場の機関長まで徹底的に伝えるというやり方でいま進めております。漸次みんなの考え方も多分に変わってきたようにも思いますし、数字の上でもかなりの変化が出てきておりますので、この調子であと二年、三年としんぼう強く押していけばこういう問題は再発は防げるんじゃないかと思います。
 まだいろいろやっておりますが、そのほかに、この前の国会でもお願いしたんですが、会計検査院から人に来ていただいて経営委員会に直属している監事の機能を従来よりもうんと強化いたしまして、いまその監事も徹底的に会計検査式の手法で必要なところの調査を進めておりますが、従来と違ったいろんなデータがたくさん出てき始めております。そういうものについて今度は業務改善推進委員会の動きでそれを直していくべきところは直していくということでいま活発に動き出しておりますので、あと一、二年これをしんぼう強く進めていきたいというふうに考えております。
#180
○神谷信之助君 総裁が新しい角度から改善の努力をなさり、一定の効果も出てきているということをお伺いいたしましたが、私は、具体的な事実で、そういう改善をやっていただく上で総裁にこの点もひとつ考えてもらいたいということで問題を提起したいというように思うんです。
 これは、去る十月八日の夜に、京都市山科区の国道一号線で、電電公社の職員が来日中の外国人の研修生ひき逃げ事件を起こしたわけであります。そこで、外務省に来ていただいておると思いますが、ひき逃げされて死傷された外国人研修生、これは国際協力事業団の招きで来日中の中国人段福林さんら三人だということですが、外務省の方で、この研修生らはどういう性格の研修生なのか、どういう目的で来日中だったのかという点が第一。第二は、被害当日の状況について。第三は、事件後外務省なりあるいは事業団としてどういう措置をおとりになったのか。以上三点、ひとつ簡潔にお願いしたいと思います。
#181
○説明員(堀内伸介君) お答え申し上げます。
 政府は、技術協力を国際協力事業団を通じて行っており、毎年多数の研修員を受け入れておりますが、先生御指摘の中国人及びチリ人の研修員はこの一環として先方政府の要請に基づいて受け入れたものでございます。これは国際協力事業団が開催しております環境技術研修コースという九月十七日から約四十日間の期間をもって組織しました研修コースでございます。
 十月八日の事件当日は、中国人研修員及びチリ人研修員等全部で十三名の研修員が、わが方の関係者の引率のもとに八日の大阪市における視察を終えまして、翌九日に予定されております琵琶湖の水質保全関連施設の視察のために大阪より京都に移動いたしまして、宿舎に夕方投宿しました後、中国人研修員は他の研修員とともに近くのレストランに行きまして夕食をとりました。夕食後宿舎に帰る途中、九時四十分ごろに自動車事故に遭遇したものと思います。中国人研修員につきましては、不幸にして翌九日未明に死亡いたしました。チリ人研修員は左足大腿部つけ根に骨折の傷害を受けました。
 事故発生当時より外務省及び国際協力事業団は、在京の中国大使館及びチリ大使館、またわが方のそれぞれの北京大使館、チリ大使館に連絡をとりまして、関係者及び御家族との連絡も誠意をもって処理に当たっております。
 亡くなりました中国人研修員につきましては、早速中国大使館を通じまして御遺族の意向を聞き、御遺族の方では遺体のまま本国へ送還してほしいということでございました。また、御遺族は引き取りには来日しないということでございましたので、御遺体を移送するに先立ちまして、在京中国大使館、それから外務省、国際協力事業団総裁を初めとしまして、関係者一同をもって仮葬儀をとり行いました。また、現地においては本葬儀が行われましたが、このときは、わが方大使館から公使、関係者が出席いたしまして、御遺族及び先方関係者に対して弔意を表明しました。大使及び事業団総裁などからも花輪を供えました。
 チリ人研修員につきましては、本邦にて手術を行いましたが、その後回復も非常に順調だったので十一月十日に帰国いたしました。
 今回の自動車事故に伴いまして、国際協力事業団より遺族に対しまして見舞い金が給付されることになっております。また、チリ人研修員の傷害事故については、同じく医療関係費全額及び手当が支給されることになっております。そのほかに、被害者に対する損害賠償としましては、自動車の損害賠償保険、それからまた被害者の御家族による直接損害賠償請求の件がございますが、この手続につきましては在京の中国大使館及び御遺族に対しては十分に説明をいたしまして、事業団としては弁護士を雇いましてできる限りのお手伝いをするということでございます。
#182
○神谷信之助君 それで、この事件が十月八日の夜九時四十分ごろに起こったわけですが、犯人は、ひき逃げで、四日後初めて出頭したわけですね。そこで、外務省にお伺いしてみますと、もし犯人がそのままつかまらないということになるとこれは重大な国際問題になるということで、特に警察庁にも万全の対応を申し入れたりなさっておったというふうに聞いておりますが、それは間違いありませんか。
#183
○説明員(堀内伸介君) 間違いございません。
#184
○神谷信之助君 そこで、いま申し上げましたように、重大な国際問題にもなりかねない事態だったんですが、幸い十二日に本人が山科署に出頭するということになって、そうして犯人が山科電電局の職員であるということがわかったわけです。電電当局の方ですね、こういう職員がそういうひき逃げ事故を起こしたということを知ってからの措置について報告をしてもらいたいと思うんです。
 私が特に問題にしたいのは、この問題で、本人が十二日に出頭して、そして送検をされ、二十三日に起訴されました。ところが、二十四日付の地元の京都新聞では、「外人ひき逃げ死傷の電電職員」「直前、幹部らと飲酒」「局ぐるみで隠ぺい」「出頭前に口裏「あの件頼むで」」という見出しで報道されているわけです。だから、その点を中心にひとつ皆さん方のお調べになった内容で報告をしてもらいたいと思います。
#185
○説明員(森谷昭夫君) このたび電電公社の職員が、先生のおっしゃいましたようなひき逃げ事件を起こしましたわけでございますが、私どもとしても非常に遺憾であると存じております。被害者の方に対しては、まことに痛ましい事故でございまして、何と申してよろしいか、お気の毒に存じ上げておる次第でございます。
 私ども、御指摘のように、本人がこの事故を起こしたことに気がつきましたならば、道路交通法所定の手続によってすぐ申告をするというのが当然でございまして、これは勤務時間外における個人的な犯罪ではございますけれども、私どもとしては、自動車運転の心得として常々注意をしておったところでございます。ところが、本人は気が動転しておったのであろうと思いますけれども、十月八日九時四十分ごろ事故を起こした後しばらくしまして、十月十一日の日曜日でございますが、日曜日の十時半ごろだったと思いますが、山科電報電話局、これは中奥というこの本人の所属しておる電報電話局でございますが、この庶務課長の自宅に電話をしてまいりました。大事なことで御相談したいので来ていただけませんかということでございます。
 そこで、十一時三十分、夜でございますが、庶務課長が中奥の自宅を訪問しましたところが、実はこういうふうな事故を起こしたようである、自分としてははっきり交通事故でひき逃げということはその時点では言わなかったようでございますが。ということで、庶務課長も、これはもう大変なことだということで強く自首を勧めたというふうに報告を受けております。
 その日は深夜まで家族の人なんかも集まって話し合いをしたものですから、翌日になってから、朝の八時十分、庶務課長が上司である次長に報告をいたしております。たまたまこの日は局長が二時間の年次休暇をとっておりまして、出勤してきたのが午前十時ごろだったものですから、すぐ次長から局長に報告をいたしました。これは早速自首すべきである、これは時間外のことでもありますが、電電公社の職員としてやっぱり管理者からそういうふうに勧めた方がいい、勧めるべきであるということで強く話をしまして、十四時三十分に中奥本人が弁護士さんを同道しまして山科警察署へ出頭して自首をいたしました。
 それで、取り調べの結果、同夜逮捕され、十月二十三日に起訴せられております。これは業務上過失致死傷及び道路交通法違反という疑いで起訴されております。
 先生から、一部の新聞に報道されておりました隠蔽工作があったやの報道について御質問がありましたが、これはわれわれ調べましたのですが、隠蔽工作というのが、飲酒運転をしておったということを局ぐるみで隠したというような形の報道がなされておるわけでございますが、京都新聞だったかと思いますが、事故直前に公社幹部と飲酒、しかし、その飲酒運転が漏れたのでは困るので飲んでなかったということを口裏を合わしたという内容なんでございますが、これは私の方でも慎重に現地に問い合わせましたが、そういう事実は全くございません。
 たまたま八日の勤務時間終了後、本人たちが近くの食堂で食事をしておったようでございます。そこへ後から山科の局の次長と庶務課長がやはり夕食をとりに行きました。そのときに、これは顔見知りでございますからちょっとこちらの席に来まして、そのとき次長と庶務課長が酒を飲んでいたものですからちょっとつき合ったというような事実はあったわけでございますが、まさかそのとき飲酒運転をして帰るというふうなことは夢にも考えておらなかったものですから酒を勧めたわけでございます、結果的には飲酒したまま運転して事故を起こしたということになったわけでございますが。このようなことにつきましては、その後捜査当局の方にもお話をしてありますし、局ぐるみで隠蔽したという事実は全くございません。
#186
○神谷信之助君 先週の土曜日、これは重大問題ですから、藤原ひろ子衆議院議員と私が午後四時ごろから六時過ぎまで局長に具体的に事実をお聞きをいたしました。
 その局長の報告の中で、十二日の朝八時半ごろに、出頭させるために二人の課長が中奥の自宅に出かけました。そして、いまお話しのように午後の二時半ないし三時ごろに弁護士とともに二人の課長と本人が山科署に出頭したわけです。その前に、その弁護士事務所で弁護士の方が、おまえがひき殺したのかと聞いたら、その自覚はない、しかし、かもしれぬという話。酒飲んどったんやろうと、こう言って弁護士が聞いたら、いや一滴も飲んでいませんと。そこには一緒に飲んでいた庶務課長は同席しているんだ。その庶務課長は、いやおまえうそ言うな、一緒に飲んでたやないかということは言ってない。これは局長の話です。そうすると、客観的には十一日の衣かあるいは十二日の二時半に出頭するまでの間が知りませんが、酒は飲まなかったことにしようという話し合いができている、そう考えざるを得ないじゃないですか。その点はどうですか。
#187
○説明員(森谷昭夫君) 私どもが調べた事実では、食堂と申しますのはそう大きな食堂じゃないようでございます。
#188
○神谷信之助君 知っています。私は見ているんだから。
#189
○説明員(森谷昭夫君) はい。
 それで、いす度とそれから何か畳の部屋が小さいのがあるそうでございますね。本人中奥はいず席の方で食事しておりまして、次長と庶務課長は奥の方の座敷のところで……
#190
○神谷信之助君 時間がありませんから、簡単にしてください。いま私が問うたところだけ言ってください。
#191
○説明員(森谷昭夫君) そこで、飲酒の事実につきましては、やはり次長と庶務課長がおるところにあいさつに来ましなので、ちょっとつき合い程度に飲ましたということは事実でございます。
 先生おっしゃる弁護士宅の経緯は、私どもが調べた中では、確かに中奥がそのときは酒を飲んだということは否定したようでございますが、庶務課長としては、これはまことにその点は問題があろうかと思いますが、やっぱり本人が否定しているのに、自分のところでは確かにちょっとだけは飲んだけれども、いす席の方で幾ら飲んでいるかわかりませんですからあえて申し上げることは差し控えた、こういうことのようでございます。
#192
○神谷信之助君 そんな弁解は通りますか。中奥は、係長と係長代務と三人で六時からずっと飲んでいるんです。それから次長と課長が来たのは七時過ぎでしょう。七時十五分か二十分ごろ来たんですね。そして中奥が先に一人帰りましたが、そのころは大体八時前、そういう時間でしょう。だから、合流をした七時半ごろないし四十分ごろから八時近くまで一、二杯飲んだというのが局長の報告ですが、一、二杯かどうかわかりません。ということになっている。現実に飲んでいるんですよ、それまでに。庶務課長と次長が来るまでに、その食堂で。飲んだのは中ジョッキ一杯とビールをコップに二杯ぐらいや、こう言っている。お酒は飲めぬ方か、飲むのが好きな方か、どうや言うたら、三人とも普通やと言う。一人よけい飲むならわかりますけれども、わずかそれだけの中ジョッキ一杯を一時間二十分もかかって飲むというのはどんな飲み方をするんだ、ビールをコップに二杯。つき合いがいい方でよくお酒を飲んでいる人です、中奥という人も。これも職場の人たちにも聞きました。明らかに飲んでいたことは事実なんです。だから口裏を合わせてそういうことになっている。
 それからもう一つお伺いしますが、いまお話しのように、前日、十一日の夜に庶務課長のところに奥さんの方から電話があって、どうしても相談をしたいということで、十時半過ぎから出ていって十一時半に長岡京の寮まで行くわけです。課長は大阪の枚方です。自分の車で行ったわけです。そのくらいの時間かかりますと。深夜そういうところまで行って、そこで具体的に聞きますと、京都新聞の事故の出ておったあの九日付の朝刊の記事を課長は見たかと言ったら、覚えていないと、こう言うんだよ。それで、私はそのとき局長に聞いたら、課長はその新聞見せいと言ったのかと言うたら、新聞がなかったと言うんですよ。なけりゃ近所から借りてきたらいいじゃないか、そうしないと事件わからぬと。重大な事件ですよ。先ほど言いました外交問題に発展をするような重大な事故なんです。ところが、なぜか知らぬがその努力もしていない。寮ですから隣近所は電電公社の職員の仲間です。普通の関係じゃないですね。夜、確かに十一時半ごろで時間違いでしょう。しかし、そういう関係ですから、ちょっと京都新聞借りてこいということもできるわけです。そういうことはしなかったと言うんです、聞きますと。私はこの点も解せません。
 で、おっしゃるように重大な問題です。普通ならばすぐ上司に連絡をするなり何なり、電話でするなり措置を相談するということになるでしょう。そういう事態です。幸い十二日の日に出頭しましたが、警察の方では、十二日の朝にはもう車種は割れておって、ラジオで放送したりして犯人捜査をやり出していますから、早晩犯人が逮捕されるという事態になっているところに出頭したわけですね。そういうことなんですよ。
 しかも、その新聞に山田章局次長が談話を発表しているんです。「いつも職員の管理面では注意をしているのですが、国際的な使節の方に大変なご迷惑をおかけした。本人には一刻も早く警察へ届け出て欲しかった。申し訳ない。」と言っているんですが、自分も一緒に飲んでいるんだよ。そらぞらしいにもほどがあると私は思う。いや実はあのとき私も一緒に飲んでいましたよと。その点でも申しわけないとは言っていない。そういう事態ですよ。
 こういった問題について二十四日にそういう報道が出た。これは電電公社の名誉にかかわる重大な問題でしょう。それに対してはどういう措置をとられたんですか。調査をなさったとおっしゃいますが、調査はだれがやったのか。簡単に答えてもらいたい。
#193
○説明員(森谷昭夫君) この京都新聞の記事に対してどういう対応をとったかということについてわれわれも報告を求めたわけでございますが、上局である近畿電気通信局にこういうことが出たということを報告しておりますが、その記事の内容につきまして抗議をしたかということを聞いたわけでございますが、そういう行為はしておりませんということでございました。
#194
○神谷信之助君 局長はどういう調査をしたのかと言えば、次長、それから課長、それから係長、係長代務、一緒に飲んでおった四人を呼んで聞いた、そして先ほどお話ししたような事実がわかった、したがって京都新聞のような事実はない、これは信じてもらいたいと口を酸っぱくしておっしゃっていました。それで事実がわかるでしょうか。一緒に飲んでおって、しかも、それを弁護士が指摘をしても知らぬ顔をしておるそういう人に本当のことを言いなさいと局長が聞いても、本当のことを言うでしょうか。
 私ども、念のために山科署の方も調べました。池田交通課長と古谷係長に聞きました。そうすると、飲酒は当初否認をしていたんだと、こう言っています。弁護士が同道で出頭したときに、弁護士の方から、本人は飲んでいないと言っていますのでよろしくという話があったんだと。しかし、大体ひき逃げ事件というのは、一つは飲酒運転、一つは無免許運転、そういう場合大体逃げてしまうんですね。そういう勘がありますから、警察はこれはおかしいということで飲酒の事実を追及して、結局先ほど言いました連中と一緒に飲んだということを認めざるを得なかった、こうなっているんですよ。
 ですから、一緒に飲んでおったということも認めています。そして警察の方も、これは局の幹部同士で旦具合わせをやっているんじゃないかという疑いを持った。だから、十七日土曜日に「局長に、関係者四人月曜日出頭するようにというそういう申し入れをして、月曜日に来てもらったと。そこで初めて関係者はいまおっしゃったような飲んだ話が出てきたわけであります。だから、警察の方はまさに旦具合わせをやっているというように見ざるを得ないと思う。ただ、起訴事実の中に飲酒の問題を触れていないのは、その当時の現場で飲酒量がどうだこうだという、この辺の確認なりいわゆる証拠、立証がきわめて困難だという点、これも考慮してその点は起訴事実の中には入っていないけれども、警察としては、警察から送検をするときにはその点は指摘をしている、こう言っています。
 それから当日、中奥は先に出ました。局長の報告によると、出て二十分ほどパチンコをして、それから車に乗って帰る途中で事故になっている。事故を起こしたものですから、本人は自分がひいたという感じはないと言っているんですけれども、とにかくそのすぐ先の、いま出ました留学生の皆さんが泊まっている東急イン、ここへ行く通路でUターンをして戻って、そしてその夜は局で泊まっているんですよ。家へ帰るのをやめた。そうすると、相当量飲酒をしておって、パチンコで酔いをさまして、まあいいだろうということで乗っていって事故になって、このまま車を運転するのも危ないということでなったのか、あるいは事件を起こして大変だということでなったのか、それはわかりませんが、自宅へ帰るのはやめて局で泊まったと、こうなるんですね。そういうことが考えられる。しかし、いずれにしてもそういうことに、局の方も一緒になっているんですよ。本人が出た後、残った次長とそれから課長と係長と係長代務の四人はその後九時半ごろまで飲んでいます。そして、その食堂を出て帰りました。
 で、私ども調べてみますと、これも警察の話ですが、警察の話では、その四人を調べてみたら、中奥が飲み食いした金、飲食代は中奥本人は払っていない。それから終わって帰るときに、当日雨が降っていましたけれども、これ使えと言って自動車のチケットを渡して、そうして帰っています。それで、次長は大阪の枚方、課長も大阪の枚方、係長は大阪の高槻市、係長代務は滋賀県の守山です。大体一緒に帰った。同じ方向なら一緒に帰っているかもわかりませんが、別々に乗れば大体五千円ぐらいの料金の要るところです。これが局のタクシーのチケットを渡して帰らしているんです。何台に分乗したか、それはちょっと警察もわからなかったようですけれども。それで、公社というところはえらい乱脈なところだ、めちゃくちゃやなあと、そこの刑事は話しています。ああいう自動車のチケットというのは軽う使えるんやと、こう言っているんですよ。これが私ども警察で調べてみた中でわかった事実です。
 そこで、こうなりますと、私は、問題は非常に大きい。もう時間がありませんから結論に移りますが、わが党の東中議員や沓脱議員が昭和五十四年に指摘をして、タクシー券の乱脈な使い方、たとえばバーのホステスにばらまいたり、あるいは労働組合の幹部にばらまいたり、飲み食いの帰りに使ったり、あるいはゴルフ通いに使っていたということを指摘しました。こういう乱脈な使い方については会計検査院からも指摘されて、公社も自粛、改善をしてきているという報告は聞いておったんですが、現実にはそうではない。中奥が何で夜電話をして、深夜に課長が行くようなそういう関係になるのか。普通なら本人が課長のうちに行って実はこうだと、こう言うんでしょう。何でそんな関係なんやと聞いたら、中奥は組合の分会長なんで、庶務課長と団体交渉、そんなあたりでいろいろあるのでそういう関係で呼ばれて走ってきたと、こうなっているんですね。
 そうすると、ここにやっぱり残っているのは、一つは不正を隠そうという、あるいはできるだけ小さくしよう、累を広げないようにしようというそういう考え方と、もう一つはやっぱり労働組合幹部の懐柔工作あるいは癒着、こういったものがいまなお改善されていない、残っているというように言わざるを得ぬと思うんですよ。問題は、私はそこのところがきわめて重要だというように思うんです。仕事が済んで――課長と次長は残業を七時までやったわけですよ。残業が済んだ後二人で酒を飲んで、そこにおった係長、係長代務と一緒に飲んだ。それで九時半ごろ終わったら局のチケットを使って帰っちまう。平常そういうことが行われておるわけです。たまたまこのときにそうなったということではない。こういうことはいいはずがないんですね。やっぱりそういうやつが残っているんですよ。だから、労働組合懐柔のための対策あるいは不正があればそれをお互いに包み隠すという体質、これが存在をする限り、私はこの改善というのはなかなかできてこないというふうに思うんです。
 そこで、五十三年、五十四年、そして五十五年度のタクシー券の使用状況、各通信局ごとの使用金額、件数、これを後ほどでいいですから私の方に報告をしてもらいたいというふうに思うんですが、いかがですか。
#195
○説明員(森谷昭夫君) 先生のいまおっしゃいました、飲食が終わってからタクシーのチケットで帰ったという話は私も初耳でございまして、タクシーのチケットにつきましては、確かにおっしゃるように前々から厳重に規制せよということで私ども指導しておりますのでございますが、仕事が遅くなりまして、もうバスがない、帰る電車もないというようなときにタクシーで帰らせるということが原則でございます。あるいはお客さんに対してはやっぱりタクシーのチケットでお帰りいただくということは……
#196
○神谷信之助君 もう時間がないですから、簡単にしてください。いまの報告はもらえますか。
#197
○説明員(森谷昭夫君) わかりました。
#198
○神谷信之助君 もう時間ありませんが、総裁いまお聞きのように、冒頭お伺いしますと非常に努力をして改善をなさり実績も上げておられるという報告でしたが、私がたまたま新聞報道で具体的にこうずっと調べてみると、いま明らかにしたような事実がわかったわけです。事は小さいようですけれども、全国そういう状態が続いているとすればこれは大きな問題である。やっぱり不正経理の根源の中には、そういうお互いが不正をかばい合うそういう体質が一つあったはずですよ。それから労働組合対策で、しかもそのことをお互いに知り合いながら裏金づくりもし、やってきたという問題があったわけですよ。ですから、ここのところをやっぱりはっきりさせないと、なかなか根絶するということは困難ではないか。総裁は精神作興的なことも考えて、地方にもよく出かけていろいろそういう改善の道、考え方というものを徹底させるために努力をなさっているというように思うんですが、そういうことを感ずるんです。この点で、ひとつ総裁の見解をお聞きをしておきたいと思います。
#199
○説明員(真藤恒君) さっき申しましたように、そうやりましても、いまのように端的に出てきますように、なかなか徹底するものでないことは私もよくわかっております。さっき申し上げたように、しんぼう強くやっていくよりほか仕方がございません。さっき申し上げたように、しんぼう強くやっていくことでいま進んでおるわけでございます。
#200
○神谷信之助君 私は、こういうことを本当に根絶しなければ国民の信頼を回復することはできないというように思います。そういう事故が起こったものについて単に報告を上級機関が聞いておくというだけではなしに、やっぱりそういう問題が事実かどうかということで別の角度から調査をする。局長に調査をせいと言ったってこれは事実が出てくるはずがない。局長は部下を信頼して仕事をしているんだし、そうしなきゃまた仕事はできないわけでしょう。別の角度からの調査というものをやらなければ本当のことは出てこないというように思うんです。氷山の一角でなければ幸いですけれども、私はこういった点を再び起こさないためにも制度的にそういう点についての改善を研究されるように要望して、私の質問を終わります。
#201
○中村鋭一君 郵便貯金の十月中の増加額ですけれども、三百六十二億円、前年同期に比べて九一%の減であると伺いましたが、その辺の数字をまずお教え願って、それから局長さん、なぜこんなに落ち込んだのか、これほど落ち込むということを予想していたかどうか、お教え願います。
#202
○政府委員(鴨光一郎君) 郵便貯金の十月中におきます伸びの状況でございますが、五十六年度の純増加額が三百六十二億円でございます。四月から十月までのトータルで申しまして一兆九千三百五十億円、こういう数字になっております。
 いまお話のございました状況でございますが、長期的に見ました場合に、昭和五十三年度以降、昨年の七月から十一月期いわゆる一時的急増現象がございましたけれども、長期的に見まして伸び悩みの状況ということは私どもも把握をしていたところでございます。現在の状況もその長期的な伸び悩みの傾向の延長線上のものではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。
 特に、この理由でございますが、昨年十二月に御承知のように金利の改定がございまして、それまでのいわば一時的な急増現象というものが鎮静化をした反動というふうなものが一つあろうかと思います。同時に、一般的に申しまして、経済の安定成長という状況のもとで家計の可処分所得の伸び率が低下をしてきているということが一つ。それから住宅ローン、進学ローンといった各種の消費者ローンの残高が年々増大しておりまして、返済の負担が大きくなっているということが一つございます。それからまた、個人の金融資産選択、国債とか投資信託といったような形で個人の金融資産選択が多様化する傾向にある。こういったことが一般的な伸び悩みの理由であろうかというふうに分析をしている次第でございます。
#203
○中村鋭一君 景気の伸び悩みだとか、可処分所得が多くないとか、それからいろいろな選択がふえたということは、これは予測できるわけですよね。一つの傾向であったわけですから、それがこんな急減につながるとも思われませんね。その中の一つに、民間の金融機関の新規商品の開発ということがあると思うんです。さきの国会で私も御質問申し上げたんですけれども、むしろあの節私は大蔵省に対して、郵便貯金が非常に増加しているのをどうも民間金融機関は余り快く思っていないようだ、それで大蔵省もそのことについて余り快く思っておられないようだけれども、民間金融機関はどんどんと新規商品を開発したらいいじゃないかということを私も申し上げたように思います。現にいろいろな、たとえば期日指定定期預金でありますとか、そういうものを開発されたわけでございます。そういった民間金融機関の努力といいますか、新規商品の開発がこの郵便貯金の伸び率の極端な減少につながっているというふうに理解をされておいでじゃないんですか。
#204
○政府委員(鴨光一郎君) 先ほどお答えいたしました理由の中の、いま先生御指摘の金融資産選択の幅がふえたということは、私どもも伸び悩み傾向の一つの理由であるというふうに把握をいたしておりますけれども、特に昨年の伸びが一時的に非常に大きかったためにことしの落ち込みがまた反動的にも大きくなっているという要素があろうかと思います。
 いま御指摘の民間の新しい商品につきましては、いまお話がございましたような期目指定定期預金といったものが一つの例でございますけれども、そういう形で新しいものが出てきているという面はございますが、この点は、私どもの郵便貯金の大宗を占めております定額郵便貯金というものは、これまで申し上げておりますように、収益性あるいは流動性といった面から申しまして依然としてお客様のニーズに決して見合っていないものとは言えないというふうに考えているわけでございます。ただ、ただいま申しました民間側でもいろいろな商品を開発されているという状況にございまして、いわばそれぞれ一長一短があるわけでございますけれども、国民の皆様の方でもニーズが高度化、多様化しているというふうなことでございますので、そういったことがそのほかの理由と複合いたしまして現在のような状況になっていようかというふうに考えております。
 なお、ちなみに、一昨年との対比で申しまして、四月から十月までの数字で申しますと、大体五十四年の八一%というふうな数字になっているところでございます。
#205
○中村鋭一君 きのうに変わるきょうの姿と言いますが、きのうの源氏はきょうの平家といいますか、えらい違いでございますが、いろいろおっしゃるにしても、少なくとも郵政省の見込み額が達成できていないわけでございますから、これは見通しを誤ったと言ってもいいんじゃないかと思いますが、今年度の郵貯の見込み額は幾らでございましたか。
#206
○政府委員(鴨光一郎君) 五十六年度の総体の増加額の見込みといたしましては、八兆九千億円を予定いたしておりました。
#207
○中村鋭一君 このままいきますと、見込み額は達成できないんじゃないですか。
#208
○政府委員(鴨光一郎君) 郵便貯金の増加状況につきましては、経済の諸条件、もろもろの影響を受けるわけでございます。したがいまして、現在十一月でございますが、正確な予測を立てて今後の増加額を見込むということはむずかしい面がございますけれども、四月以降前年の実績を下回る状況が続いている。十月末現在の数字は先ほど申しましたようなことでございまして、最近の状況の中でも特に低調な状況ということでございまして、先ほど申しましたように、正確とは申しませんけれども、今後の増加額を推計いたしますと、目標の八兆九千億円に対しましておおよそ一兆円余りの不足が生じるのではないかというふうに現在の段階では見込んでいるところでございます。
#209
○中村鋭一君 一兆と一口に言いますけれども、大変な金額でございまして、これはやっぱり見込みが誤っておったということになると思うんですが、大蔵省にお尋ねいたします。
 いま一兆円とおっしゃいましたけれども、郵貯の見込み額が達成できない場合、いわゆる資金運用部資金が不足いたしまして財政投融資計画に支障を来す、こういうおそれはないんですか。
#210
○説明員(安原正君) ただいま郵政省の方から御説明がございましたように、郵便貯金の五十六年度の増加目標額といたしましては八兆九千億円と見込んでおるわけでございますが、四月から十月までの実績の状況を見ますと、昨年が著憎いたしましただけにその反動も大きく、かなり大幅に増加が下回っておるわけでございます。
 そこで、郵政省の方では一つの試算として、ただいま年間を見通しまして七兆九千億円程度になるのではないかという試算もあるということをおっしゃいましたのですが、われわれとしてもいろんな試算はいたしておりますが、なお確たる見通しを立てられない状況にございます。と申しますのは、例年冬のボーナスが出ます十二月に郵便貯金の増加が大きいわけでございまして、十一月、十二月どの程度郵便貯金がこれから増加をするのか、そこら辺の動きをよく見きわめないとなかなか正確な年間の見通しは立てられないというぐあいに考えておるわけでございます。そういうことで、われわれといたしましては当面なお郵便貯金の増加状況を注意深く見守ってまいりたいと考えております。
 それから財投としましては、確かに郵便貯金が原資の大宗を占めておるわけでございますが、ほかに年金資金等の原資もございますので、これの増加が目標を上回るのかどうか、そこいら辺も見きわめる必要がございますし、それから一方、財政投融資計画の執行状況を見守る必要もございます。財政投融資計画の執行はどうしても年度後半に大きく偏ってまいりますので、そこの資金需要につきましての見きわめもつけていかなければならないというぐあいに考えておりまして、郵便貯金が伸び悩んでおりますので心配はいたしておりますが、現段階ではなお全体の状況を見守ってまいりたい、対応策を検討しながら状況を見守ってまいりたいというぐあいに考えております。
#211
○中村鋭一君 検討しながら見守りたいということですが、もっと具体的に教えていただきたいんですがね。たとえば財投の計画を縮小するのか、それともこちらの方に金が回ってこなければほかにこれを補う手段を大蔵省として何か考えていらっしゃるのか、少し具体的にお伺いしたいと思います。
#212
○説明員(安原正君) ただいまも申し上げましたように、郵貯の増加実績が目標を相当下回っておるという大きな要素はございますが、財投の原資あるいは執行の全体の状況を十分見守っていかない限り、いまどうこうするということを具体的にはなかなか申し上げられないわけでございます。いろいろ検討はしていかなければならないと考えておりますが、現段階でここで具体的な方策について言及することは差し控えさせていただきたいと思っております。少なくとも現段階では、いまの財投計画を縮小するとかそういうようなことは考えておりません。いずれにいたしましても、事態の状況を十分見きわめながら財投計画の実施に支障が生じないように適切に対処してまいりたいと考えております。
#213
○中村鋭一君 それはいろいろ表現はなさいますけれども、要するに、競馬でいったら馬なりですな。成り行き任せで様子を見ていて、そうなったらなったでそのときに考えようじゃないかと、そういうことですね。いま大蔵省として具体的に、もうこれははっきりしているわけですよ、そう伸びないということは。そういうように理解していいですか。要するに、成り行きを見守るということは文字どおり成り行き任せで、現実にそういう結果が招来されてから、そのときに薬をつけるのかばんそうこうを張るのか考えようじゃないかということですね。
#214
○説明員(安原正君) 繰り返しになりますが、年末あたりまでよく郵便貯金の増加状況を見きわめ、また財投計画の執行状況あるいはその他の原資というものをよく見きわめまして、財投計画の実施に支障が生じないようにその時点時点で適切に対処してまいりたいと考えております。
#215
○中村鋭一君 繰り返しになりますからやめますけれども、どうももう一つぴんとこない御答弁をいただいたように思います。
 貯金局長、来年度の増加額は幾らと予定していらっしゃいますか。
#216
○政府委員(鴨光一郎君) 五十七年度の増加目標額といたしましては、七兆九千億円を予定いたしております。
#217
○中村鋭一君 その増加額は、いまのこの低い伸び方、これを前提としてお出しになったものですか、それともそうじゃないんですか。
#218
○政府委員(鴨光一郎君) ただいま申し上げました数字は、八月末に概算要求をまとめますときに立てました来年度の目標でございまして、その時点までの最近の金融経済情勢、これは実は、この現象と申しますものは昨年の十二月の利子の引き下げ以降こういう現象が出てきておりまして、したがいまして、それから以降この概算要求を立てますまでの間の金融経済情勢あるいは郵便貯金の増加状況といったものを反映させて出したものでございます。
#219
○中村鋭一君 大蔵省にお尋ねいたしますが、来年度の財投計画案でございますけれども、もう一遍お尋ねいたしますけれども、こういった郵便貯金の低い伸び率が続いていって実際にその資金がショートするというようなことはないんですか。それとも、さっきから何遍もおっしゃいますように、そのときはそのときで適切な手段を講じたいということなんですか。
#220
○説明員(安原正君) 五十七年度財投計画についてのお尋ねということでお答え申し上げたいと思いますが、ただいま郵政省の方から五十七年度の増加目標見込み額は七兆九千億円と見込んでおるというお話がございましたが、私たちもその数字をいただいておりまして、五十七年度原資におきまして、郵便貯金につきましてはその七兆九千億円という数字を前提にして計画編成に当たらなければならないと考えておるわけでございます。
 御案内のとおり、私ども資金運用部は、郵便貯金あるいは年金資金等の資金を受け入れまして、それを国債引き受けと財投計画の方に運用しておるわけでございまして、郵便貯金あるいは年金資金等を自動的に受け入札ましてそれを運用するということでございますので、あくまで自動的に受け入れます原資の範囲内で運用をしていくということにならざるを得ないわけでございます。一つ性格の異なった原資としましては政府保証債というのがございます。民間資金を調達します場合に政府保証をつけまして財投機関が調達するわけでございますが、これは若干資金の性格は異なりますが、それほど大きなウエートのあるものではございません。郵便貯金等の増加が伸び悩んでおるということでございますので、われわれとしてもできるだけ民間資金の活用等に努力いたしまして、必要な原資の確保には努めていきたいとは考えております。しかし、いずれにしましても、郵便貯金が財投原資の中で大宗を占めておりますので、その原資が対当初計画比で申しまして一兆円減るということでございますと、他の資金がある程度伸びましても原資全体としてはそれほどの伸びは期待できないのではないかと考えております。
 そういう限られた原資を引き続き国債引き受けにも配慮しながら財投計画の方に回していく、そういうことで限られた原資の中で五十七年度の財投計画を編成せざるを得ませんので、五十七年度財投計画はきわめて厳しいものになるのではないかというぐあいに考えております。現在、財投計画編成作業を進めております段階でございますので、まだ確たることは申し上げられませんので御理解賜りたいと思います。
#221
○中村鋭一君 これは質問通告しておりませんけれども、ですから、できれば大蔵省職員であるあなたの個人的な見解でございますからお答えいただきたいんですが、あなたはこんなに郵便貯金が落ち込むということは予測はしておられましたですか。
#222
○説明員(安原正君) 昨年著しく伸びましたのは、いろんな要因があったと考えておりますが、一つの要因は、グリーンカード論議の影響があったのではないかと言われておるわけでございます。そういうことで非常に著しい増加でございましたので、五十六年度におきましてはある程度伸びは鈍化するのではないかというぐあいには考えておりました。が、この四月から十月までのような実績をたどるかどうかという点につきましては確たる見通しはございませんで、大変な落ち込みであるというぐあいには考えております。
#223
○中村鋭一君 どうなんでしょう。これはいまになってみれば、ちょっと大蔵省は郵政省をこの貯金ではいじめ過ぎたんじゃないかというふうにあなたは理解をしていらっしゃいませんか。
#224
○説明員(安原正君) 郵便貯金につきましてはこれまで相当大幅な伸びをしてまいったわけでございますが、特に五十六年度に入りまして、御議論いただいておりますように相当伸びが鈍化してきておるということはそのとおりだと思います。ただ、郵便貯金の増加額といたしましては対前年で考えますとそういうことでございますが、残高の伸び率というものは、鈍化はしてまいっておりますが、たとえば五十六年九月の数字をとってみましても一四・九%程度の伸びは維持しておるわけでございます。それに対しまして、全国銀行預金残高の同じ月の伸びを見ますと九・九%ということで、全国銀行預金の伸びをまだかなり上回った形で推移いたしております。
 いろいろ郵便貯金と民間預金との関係について御議論があったわけでございますが、私どもといたしましては、民間銀行への預金と郵便貯金がバランスをとって伸びていくのが望ましい。その結果といたしまして、従来よりは郵便貯金の仮に伸びが鈍化するということがありましても、私ども財政投融資計画の策定に当たっている者としましては、先ほども述べましたように、あくまでお預かりしてそれを運用するということでございますので、そういうバランスのとれた形で伸びて入ってまいります郵便貯金、それを重点的、効率的に運用していくということではなかろうかと考えておりまして、その伸びが鈍化しました、あるいは原資がそれだけ少なく従来ほどは入ってこないということでありましても、その限られた原資を重点的、効率的に運用していくべきものであるというぐあいに考えております。
#225
○中村鋭一君 ですから、大蔵省がやり過ぎたというふうに理解をしておられるかどうかを私はお尋ねしたわけで、いまのあなたの御答弁ですと、決してやり過ぎていないというふうに理解をしていいんじゃないかと思うんですが、貯金局長、先ほど理由を幾つか挙げていただいたんですが、やはり一番大きなものがあなたの答弁の中に欠け落ちていたと私は理解いたします。それは何かと言いますと、やはり郵便貯金にグリーンカードが五十九年の一月からですけれども適用される。やはり国民の皆さんは非常に敏感でございますから、これまでは郵便貯金の方へシフトしていったものが、いよいよグリーンカードだということで、これが実は一番大きな郵便貯金不振の原因である、私はそう思うんですけど、郵政省の見解はいかがでございますか。
#226
○政府委員(鴨光一郎君) グリーンカードの関係でございますが、グリーンカード制度は御指摘のように五十九年の一月からスタートをする、郵便貯金も同じく窓口の取り扱い上グリーンカードを御提示いただくということに制度的になったわけでございますが、いま御指摘の中で伸び悩みの理由がグリーンカードではないかという点でございますが、昨年郵貯が伸びましたのはやはり金利の天井感があったのではないであろうか。逆に、その金利の天井から金利が下がりましたのが昨年の十二月一日でございますけれども、それから以降の数字がことしに入りまして引き続き落ち込んできている。グリーンカードの問題につきましては、郵政省、大蔵省間で昨年末に、正確には十二月の二十八日に合意を見ているところでございますが、預貯金金利の改定のございました十二月の一日の改定以降の数字が前年を下回ってきているというふうな状況がございまして、私どもは、郵便貯金にグリーンカードが適用されるということが増加に及ぼす影響という点では、仮にそれがあったといたしましても、ごくわずかなものではないだろうかというふうに考えております。先ほど申し上げました一般的な傾向、状況というものが郵貯の伸び悩みに通じているのではないかというふうに考えている次第でございます。
#227
○中村鋭一君 それは文字どおり見解の相違ということだと思います。私は、やはりこのグリーンカードが非常に大きな原因だと見ているんですが。
 大蔵省にお尋ねいたしますが、現在すでに預けられております郵便貯金、主として定額ですけれども、これを引き出す際にグリーンカードあるいは車の運転免許証等でチェックをして限度額が守られているかどうかを確かめるのかどうか。これをしないと、グリーンカード制施行の前に預け入れた郵便貯金が架空名義であった場合、名寄せをいたしましても限度額管理がしり抜けになってしまう、こういう主張、心配があるんですけれども、それについてお尋ねをいたします。
#228
○説明員(滝島義光君) お答えいたします。
 昨年の九月二十六日でございますが、郵政大臣、大蔵大臣の合意事項として次のことが決定されております。ちょっと読み上げさしていただきますと、「郵政省は、昭和五十八年十二月三十一日までの間に預入された郵便貯金については、昭和五十九年一月一日以降払戻される際に本人確認を行い、その結果、架空名義のもの及び郵便貯金法第十条に規定する貯金総額の制限額を超えているものについては、国税庁に通知する。」。ほかにもございますが、お尋ねに関連する部分は以上の点でございます。したがいまして、お尋ねの問題につきましては、この合意の線に沿って郵政省で措置されるものと考えております。
#229
○中村鋭一君 この大臣間の合意事項と、それからこちらに私持っておりますけれども、読みませんけれども、政令との関連でございますね、これについて郵政省、お答えをお願いしたいんでございますが。
#230
○政府委員(鴨光一郎君) 先生いま御指摘の政令は、この十一月の五日に公布をされました所得税法施行令の一部改正政令だと存じます。その中での郵便貯金に関します部分を概略申し上げますと、これは当然のことに五十九年一月以降の預貯金の際のポイントになるわけでございますが、まず、郵便局におきまして預金をされる方はカードの提示をしていただくということが、その一つのポイントになっております。手続的なことでございます。それをいただきました郵便局では、その番号を通帳等に記入をするという手続がございます。それから通帳等にカードの交付番号の記載のない郵貯の取り扱い。これは法律とも関連をいたしますけれども、通帳にカードの交付番号の記載のないまま郵貯の利子の支払いをした場合には、翌年の一月三十一日までに氏名、住所、支払い利子額等を記載した書類を税務署に提出をする。それから課税扱いになる郵便貯金の範囲といったものをこの政令の中に盛り込んであるわけでございます。
 これは、第一番目に申し上げました預金者が郵便貯金の預入をする際原則的にカードを提示していただくということが、先ほどお話のございました昨年の合意とも関連をいたしてまいります。これは昨年の合意の中では、いま大蔵省側からお話がございましたようなことでございますけれども、われわれこの本人確認につきましては、グリーンカード制度が実施される以前の段階、つまり現在の段階におきましてもいろいろな形で本人確認を、郵便貯金をお預かりをいたします際に証明する資料の提示を求めるというふうなことをいたしております。もちろん、かねがね申し上げておりますように、郵便局と申しますものは非常に地域性の濃い職場ということでございまして、お顔見知りのお客様も多数おいででございます。現在の段階では、そういう御本人であるということが非常に明確なお顔見知りの方の場合には、当然のこととして改めての御確認ということをしておりませんけれども、その本人確認ということはいろいろな形で実施をいたしておりまして、お顔見知りでないような場合につきましては、何か証明をしていただける資料の提示を求めるというふうなことでやってきておるわけでございまして、いわゆる入り口でこの本人確認ということには現在でも十分に努めているところでございます。その結果としてのいわゆる名寄せということにつきましても、地方貯金局におきましてこれを厳重に実施しているというところでございます。
 昨年の合意で、五十九年の一月一日以降につきましては払い戻しの際に、架空名義あるいはいわゆる貯金総額の制限額、現在三百万円でございますが、この貯金法に規定をしております総額の制限額を超えているものにつきましては国税庁に通知をするということで合意をし、決着をいたしておるというところでございます。
#231
○中村鋭一君 合意をし、決着をしているということですけれども、大蔵省とそれから郵政省のこういった合意等について、それぞれにいわば自分の方に有利な解釈をなさるとすればそれは決着でも何でもないわけでございますから、その辺を適切かつ厳密に運用してくださることをくれぐれもお願い申し上げておきたいと思います。
 郵貯懇の答申の扱いについてお伺いいたしますが、例の金利一元化の問題なんですけれども、郵政省と大蔵省と内閣官房の間で話し合いが行われまして一応の合意は成立した、こう聞いておりますが、短簡にこの経過と今後の扱いについてお伺いいたします。
#232
○政府委員(鴨光一郎君) いま御指摘の郵貯懇答申につきましては、預貯金金利の決定のあり方等の問題につきまして、去る九月の三十日に郵政、大蔵、内閣官房長官、三閣僚の間で合意が成立いたしました。これが十月二日に閣議報告されたところでございます。
 合意の中身につきましては、「預貯金金利の決定の在り方」というのが一つございます。これは現行の制度をいささかも変更するものではございませんで、これまでどおりの方式の中で大蔵省と郵政省間で十分意思疎通を図りながらやっていこうということでございます。
 それから、そのほかの問題については引き続きそれぞれの関係のところで検討をしていくというふうなことが内容になっております。
 この合意が成立をいたしましたことで、昨年来のいわゆる郵便貯金問題につきましては決着がついたというところでございます。
#233
○中村鋭一君 郵政大臣は十分この件につきましては御納得でございますか。
#234
○国務大臣(山内一郎君) 従来どおりの金利の決定でございますので、納得をいたしております。
#235
○中村鋭一君 きのうの衆議院の委員会でも委員から質問があったそうでございますけれども、私も重ねてお尋ねをいたしますが、例の銀行協会から国民協会に対して献金がされているわけですけれども、新聞で承知したところによりますと、銀行協会の方は、自由民主党のいわゆる郵政族の皆さんにはどうもわれわれの気に入らぬことをなさるのでこれからはお金を差し上げないでおきたいというふうな意思表示があったようでございますけれども、大臣も自由民主党員でございます。それから、ここには同僚の自由民主党の委員の先生方もいらっしゃいます、いわゆる郵政族と言われている方かとも思いますけれども。これにつきまして大臣の見解をお聞かせ願いたいんですが。
#236
○国務大臣(山内一郎君) 私、新聞を拝見して内容は知っております。ただ、郵政大臣がこういうような委員会の場でそれについて見解を申し上げることはどうかと思いますので、それは差し控えさしていただきたいと思います。
#237
○中村鋭一君 献金をするのがいいか悪いかという論議は差しおいて、従来国民協会に対して献金をしている銀行協会が、その中で特に指定をして郵政議員の皆さんにはお金を差し上げないということは、民間の金融機関が郵政省、その行政、あるいはその行政を円滑に行うために協力をしている逓信委員会の委員に対して非常に不快感を持っておられるということの端的な表明である、こう思います。したがって、私は、こういうことは銀行協会は絶対に口にしてはならないことでございますし、その政党の政策に共鳴をして献金をする以上は、その配分方法だとか使い道に対してとやかくの制肘を加え牽制をするというのは実にけしからぬことである、こう思いますので、これははっきりと委員会の議事録にとどめておいていただきたい。献金をする以上は、それはぜひひとつ逓信委員会の自由民主党の委員方にも全く同様にひとつ配分をしていただくようにこの委員会を通じて申し上げておきたい、こう思う次第でございます。
 電電公社にお尋ねいたします。
 先ごろ、当委員会が横須賀の通研に視察に寄せていただきました。大変、私御案内いただいて感銘を受け、また勉強にもなったんですけれども、ただ、冒頭にちょっと苦情を申し上げますと、皆さん実に御熱心に説明をしてくだすったんですけれども、私も文科系の学校を出ておりますので、テクニカルタームを駆使して横文字が七割ぐらいで、これ大臣ね、たとえばDIPSと、こう言われてもわかりませんね。それからDCNA、こうおっしゃるわけです。よく聞いてみますと、DCNAというのはData Communication Network Architectureの頭文字ですね。それからDIPSはDendenkosha Information ProcessingSystemだとおっしゃるんです。この中で私が理解できたのはDendenkosha だけでございまして、こういうふうな御専門の方が余りテクニカルタームで立て板に水で御説明いただいても私の理解を超えておりますので、これから視察に参りましたときには、当委員会に限らず、ひとつ素人にもわかりやすい説明をぜひお願いを申し上げておきたい、こう思う次第でございます。
 それから、きのうの新聞ですけれども、これは神谷委員もお尋ねになりました。近畿電電の不正経理についての第一回公判が地裁でございまして、そのときに、検事の論告の中に「自己らの利益をはかり」、こう言ったことについて弁護人の方が、その「ら」というのはどこまでを含むのか、こう質問なさいまして、検事の方がこれは本法廷の三人の被告だけではなくて、ほかに部内に北新地あたりで遊び歩いた人物がいるということであります、三人おります、何ならその名前を申し上げてもよろしいと検事が言ったところ、あわてて弁護人は、いやいや、もうその名前は言っていただかなくても結構です、こう言ったわけですね。これは総裁、とりもなおさず、電電公社のこういった悪いことをした人たちが、おれたちだけじゃないんだ、おれたち以外にもいっぱい悪いことをして北新地で飲み歩いたり、ゴルフに行ったり、サウナふろで三百万使っておるんですよ、サウナぶろだけで。みんな仲間でやったことなんだから、われわれだけが摘発されて法廷に引っ張り出されるのは不本意だというふうな誤れる仲間意識というもの、そういう連帯感があるから弁護人がこういう質問をしたんだと思いますが、この点は総裁、これからも厳正にひとつやっていただきたい、こう思います。
 それに比べて、この横須賀通研は実にみごとなものでございまして、本当に私、ここまで情報革新は来ているのかと感を深くした次第でございますが、時間もありませんので、一、二例を挙げて、この間私どもが説明を受けました新規に開発されております端末について御説明をお願い申し上げます。
#238
○説明員(西井昭君) 先生にごらんになっていただきました中で一、二申し上げますと、たしか自動車電話機でございますとか、それから新しいファクシミリの端末機器でございますとか、磁気カードの公衆電話機、それからカラーインクが噴き出しますプリンターでございますとか、それから携帯型の漢字プリンターとか、そういうものをたしかごらんに入れたかと思います。
 その中で自動車電話機につきましては、御存じのとおり、一昨年の昭和五十四年から東京の二十三区の地域でサービス開始をいたしまして、現在、東京の周辺並びに大阪、京都、神戸、奈良、こういったところでサービス開始をいたしておりますところでございますが、現在の端末機を大幅に小型化をいたしまして、従来よりも体積で約四分の一、重量約三分の一、消費電力を約三分の二と小型化、軽量化いたしまして、そしてそれをさらに経済化を図る、こういうものをごらんに入れたかと思います。これにつきましては、できますれば五十六年度の終わりから五十七年度の初めにかけて導入を開始したいということで研究所で研究をいたしておるところでございますが、さらに研究所ではこれをもう一歩進めまして、いわゆる携帯といいますか、車の中から外にも持ち出せますような、そういうものについても実用化を現在研究中でございます。
 それからファクシミリ端末、これは現在でも実用化されておりますものを、さらに高速のものを研究いたしておりまして、現在、予備試作を行っているところでございます。
 それから磁気カードの公衆電話機につきましては、現在の公衆電話は十円あるいは百円玉をお使いになっていただいておるわけでございますが、これをさらにカード式、キャッシュレスの世の中の傾向に沿いましてカード式にいたしまして、磁気で記録されましたカードを用いて通話できる公衆電話機を開発研究中でございまして、これは五十七年度の下半期を目途に、大体導入をいたしたい、こういうふうに考えているところでございます。
 それから、あと携帯型漢字プリンター等につきましては、御存じのように、日本の漢字というのは非常にたくさんの種類がございまして、これをプリンターの中に入れますとどうしても非常に大型になりまして高価になりますが、これをいわゆるラージ・スケール・インチグレーション――LSIと言っておりますいわゆる電子部品化に成功いたしまして、三千余りの漢字を収容いたしました小型で非常に安価なキーボードプリンターというものを開発いたしておりまして、これはこの五十六年の四月から三〇〇簡易型漢字データ装置として情報、案内サービスに提供しておるところでございます。
 大体そういうところをごらんになっていただけたかと思いますが。
#239
○中村鋭一君 どうぞ。
#240
○説明員(村上治君) ただいま西井総務からおおむね御説明あったかと思いますので……。
#241
○中村鋭一君 では最後に、総裁、一方で大阪でああいう悪い事をする人がいるわけでございますが、横須賀通研なんかでは実に技術革新のトップを切って世界に冠たる電電公社、本当に私、自信を深めると同時に、まさに日本がグローバルに、いや、むしろ宇宙的にこれからこういった電波をリードしていくんだという感を深くいたしました。その最高責任者であります総裁に、二言今後の展望についてお伺いをいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#242
○説明員(真藤恒君) 私どもこういう通信関係の技術開発といいますものは、実はいま電電公社の研究所を中心にしてやっておりますが、案外これが今後の近い将来での国際間の総合的な国力の基本の力になる可能性が多分にございます。そういう意味で、多分に国際間の競争というものを、先進国間の競争というものを意識してやっておるというのが研究所の中の研究者の大体心理状態でございますが、その方向は間違っておらぬと思います。また、私どもが国内の通信サービスによりよいものを合理的な値段で提供できるという原動力も実はここにしかございませんので、そういう意味で、研究所に対する投資あるいは教育あるいは指導というものはわれわれの生命の源泉という考えで進めております。
#243
○委員長(勝又武一君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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