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1981/11/26 第95回国会 参議院 参議院会議録情報 第095回国会 逓信委員会 第4号
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1981/11/26 第95回国会 参議院

参議院会議録情報 第095回国会 逓信委員会 第4号

#1
第095回国会 逓信委員会 第4号
昭和五十六年十一月二十六日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     山中 郁子君     沓脱タケ子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         勝又 武一君
    理 事
                長田 裕二君
                成相 善十君
                大森  昭君
    委 員
                小澤 太郎君
                亀井 久興君
                郡  祐一君
                志村 愛子君
                新谷寅三郎君
                高橋 圭三君
                西村 尚治君
                片山 甚市君
                太田 淳夫君
                白木義一郎君
                沓脱タケ子君
                中村 鋭一君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  山内 一郎君
   政府委員
       郵政政務次官   澤渡 紘三君
       郵政大臣官房長  田辺 茂生君
       郵政省電波監理
       局長       田中眞三郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        酒井 繁次君
    説明員
       臨時行政調査会
       事務局主任調査
       員        稲葉 清毅君
    参考人
       日本放送協会会
       長        坂本 朝一君
       日本放送協会技
       師長       高橋  良君
       日本放送協会専
       務理事      山本  博君
       日本放送協会専
       務理事      武富  明君
       日本放送協会理
       事        板倉 孝一君
       日本放送協会理
       事        田中 武志君
       日本放送協会理
       事        海林澣一郎君
       日本放送協会理
       事        渡辺 伸一君
       日本放送協会理
       事        荒井 治郎君
       日本放送協会経
       営総務室長    片岡 俊夫君
       日本放送協会経
       理局長      青柳 保夫君
    ―――――――――――――
 本日の会議に付した案件
○日本放送協会昭和五十三年度財産目録、貸借対
 照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書
 (第九十一回国会内閣提出)
○郵便貯金の現行制度の存続に関する請願(第八
 七三号外一件)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(勝又武一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 日本放送協会昭和五十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○大森昭君 臨調の任務は、いまさら私が言うまでもないのでありますが、「行政運営の改善に関する基本的事項を調査審議する。」ということになっておるわけであります。とりわけNHKは特殊法人というように位置づけをされておりますが、言論報道機関として他の特殊法人とは少し異なるように思いますが、臨調のNHKに対する調査審議のあり方について前回もいろいろ質疑を行いましたが、郵政省はどのように理解をして、どのように対処をするというお考えですか。
#4
○政府委員(田中眞三郎君) 先生御指摘のとおり、臨時行政調査会設置法の第八条におきまして、所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、特殊法人から資料の提出等の協力を求め、また特殊法人の運営状況を調査することができると規定しておるわけでございます。
 NHKは、放送法に基づき設立された法人でございますから臨調設置法に言う特殊法人に該当することとなるわけで、調査の対象となるわけでございます。しかしながら、NHKは、その言論報道機関としての性格からしまして放送法制上経営の自主性は高度に保障されておりますし、政府の監督権限も必要最小限にとどめられておるわけでございまして、他の特殊法人とは異なった取り扱いがなされておるというふうに理解しておるわけでございます。そのため、郵政省といたしましては、臨調におきましてもNHKのいま申し上げましたような特殊性が十分反映されるよう取り扱われることを期待しておる次第でございます。
#5
○大森昭君 いろんな意見を聞いて、むだなことをなくしたりあるいはより前進をさせるということについては否定をいたしませんが、いま局長の言われたようなことで十分ひとつ対処していただきたいと思います。
 次の問題でありますが、これはこの委員会でもしばしば議論されているわけでありますが、いずれにいたしましても、NHKの経営の合理化といいますか、効率化といいますか、あるいは受信料の安定化ということについて附帯決議もついておりますし、いろんな議論もありますが、今日までこの厳しい経営環境にかんがみましてどのように効率化について努めてまいったわけでありますか。
#6
○参考人(武富明君) お答え申し上げます。
 五十五年に当委員会におきまして附帯決議をいただき、その後も協会といたしましては、一つには公共放送としての使命を果たすために、一つには受信者の要望なすっていらっしゃる効率化というものにこたえてまいりますために、いま鋭意効率化をやっております。
 具体的に申しますれば、要員の効率化につきましては、五十五年度以降五年間にわたりまして現行業務について要員の七%を効率化しようということを自主的に目標として掲げております。五十五年度には百人、五十六年度には二百人、五十七年度には三百人、この三年間に六百人、さらに五十八、五十九の二年間にそれぞれ三百人ずつ、合わせて千二百名の効率化をやりたいというふうに考えております。
 そのうち、五十五年度につきましては、本部部局の三局を廃止するとか、あるいは管理監督部門を縮減するとか、あるいは業務体制の見直し、統合再編成をやるとか、あるいは外に業務を出していくことが可能なものにつきましては出す、そういうことで、まず初年度の目標百名、これを実現したわけでございます。しかしながら、同時に、どうしても受信者サービスあるいは業務の自然増というものにこたえてまいりますために五十名の要員配置をいたしまして、実際の実減員というのは五十五年度におきましては五十人の削減をいたしたわけでございます。
 それから五十六年度におきましても、ただいま申し上げました二百人という目標のうち、業務量増につきまして八十名の増というものを見込みまして百二十名の実減員ということに向かっていま鋭意努力をいたしておるわけでございます。現状は、このようでございます。
#7
○大森昭君 厳しい経営環境でありますから、効率化については十分促進をしていただきたいわけであります。ただ問題は、そこに働く人たちの理解を得なきゃいけないわけでありますが、いまのお話の内容以外でも労使関係の中で特に問題になっていることがあるのかないのか、さらにどういうかっこうで効率化が進められていくのか、再度ちょっと御質問します。
#8
○参考人(武富明君) お答え申し上げます。効率化につきましては、五十四年の六月に労使の間で委員会を設置いたしまして、この効率化計画の基本構想あるいは基本計画あるいは各年度の具体的な計画、これらにつきまして計画の進展に伴いましてそれぞれ話し合いを重ねておりますけれども、問題が問題でございますので、組合の合意を得るには至っておりません。今後の事業運営の基盤整備ということも必要でございますし、また効率化につきまては、先ほど申しましたように視聴者からの強い要望もあるという点から、協会といたしましてはこれはどうしても実施をしていかなきゃいけないことと使命として感じております。
 しかしながら、先生の御指摘にございましたように、この効率化を実現してまいります上にはどうしても労使関係抜きには考えられない面がございます。したがいまして、この実施の計画に当たりましては、また機会をとらえて十分に労働組合と話し合いながら具体的に事を進めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。こういう委員会で論議をしているというのが現状でございます。
#9
○大森昭君 組合との協力関係をひとつ図ってやっていただきたいと思います。
 次に、国際放送の関係でありますが、これもしぱしばマスコミを通じて流されておるわけでありますが、いずれにいたしましても、国際放送の交付金というのは一般の補助金と性格を異にいたしますし、とりわけ臨調の答申などを見ましても、国際社会に対する貢献の増大というのが行革の理念とされておるようなこともうたわれておるわけでありますが、今回の予算を見ますと、補助金の一割削減という関係もあるんでしょうか、二千五百万円の減というふうになっております。三十九年の臨放調査会答申によりましても、国際放送の問題については少なくとも国際理解を深め、国際親善に役立つようにしなきゃならないというようなことが言われておるわけでありますが、この国際放送の充実強化という視点につきますと、少しこの二千五百万の削減というのは問題じゃないかと思うのでありますが、郵政省はどのように考えてこのような措置をとられるわけですか。
#10
○政府委員(田中眞三郎君) 先生御指摘のとおり、国際放送につきましては、その重要性にかんがみまして従来から交付金の増額というものに努力してきたところでございますが、五十七年度予算要求におきましては、国際放送交付金も他の補助金等の一律削減の対象とされたわけで、減額要求せざるを得なかったものでございます。まことに残念でございますけれども、私どもは国際放送の充実強化を図ることが喫緊の課題であるというふうな考え方に立ちまして、何とかその辺の打開を図りたいということで、五十七年度の概算要求におきまして、国際放送の真のあり方につきましての調査研究をするために調査費を要求しているところでございまして、そうした中におきまして国際放送の充実強化を何とか図りたいという形で検討を進めておるところでございます。
#11
○大森昭君 どうもすかっとしませんね。
 こればかりやっていると時間が長くなるからあれですけれども、臨調の中身を見ましても必ずしも全部削減じゃないんですね。たとえば通産の予算の説明などを聞きましても、エネルギー開発などについてはむしろ増額しているようなこともありますし。したがって行政改革ということで一律でということになると、郵政省内部の問題としては、国際放送は補助金ですから当然その枠の中でということになるんでしょうけれども、もう少し、これは放送事業の根幹でありますから、大蔵省の方から一割削減と言われたからということで機械的にやられるということはどうも納得いきません。しかし、納得しないといって、ここでいろいろ局長と議論してもしようがないのでありますが、こういうことのないようにひとつやっていただきませんと、何回か委員会でもこの国際放送の問題を議論しておりますし、先ほども言いましたように、国際社会に対する貢献の増大ということでの行革の理念も何も皆吹っ亡んでしまうわけでありますから、今後またこのような問題が起きないようにぜひひとつ配慮していただきたいと思うのであります。
 そこで、この問題と関連をいたしまして、せんだってもちょっと質疑がありましたけれども、一千万円の調査費を要求しているわけであります。そしてまた、この新聞の報道によりますと、どうも国際放送をNHKから切り離しまして国営放送構想が検討されているというようなことが記事として載っておりますが、そういうことになればこれは大変な問題だと思うのでありますが、郵政省が行う調査といういわゆる一千万月分使途、あるいはマスコミでいろいろ言われておる国営放送構想などについての問題はどういうふうにいま考えておられるか、ひとつ明確に御答弁していただきたいと思います。
#12
○政府委員(田中眞三郎君) 一千万の使途でございますけれども、技術的な改善の面も含めまして総合的な調査研究を行いたいということで約一千万ということになっておるわけでございます。
 技術的改善に資するための部分でございますが、SSBという新しい技術を二倍の効率で使える技術を開発するための電波伝搬調査費が約半分でございます。あとの半分でございますけれども、果たしてわが国の現在の国際放送がわが国の国際的な地位に応じた適当な規模であるかどうか、放送のあり方がいまのままでいいのか、あるいは財源等をどこに求めていくのが一番適切であるか。従来の方式でわれわれ十数年努力してまいったわけですけれども、重要性は叫ばれながら現在のところせいぜい実際に使っている金の二六六%しか交付金が出ぜていないというような問題があるわけで、各方面からもいろいろ御談論が行われているところでございます。しかしながら、現在NHKが行っておりますわが国の国際放送は現在でもかなり高い評価を得ているという実態も認識しておるわけでござい寒して、そうしたもろぎろの実態をよく踏まえた上で一属強化するにはどういう方法があるか、そういうことを総合的に検討するための調査費ということで要求しておるわけでございます。
#13
○大森昭君 局長の話だと、もろもろのというお話ですからよくわからないんですが、そうすると、新聞報道されていますように国有化論も必ずしも否定されてない。というのは、この記事によりますと、「沢田官房長が」「国際放送を改善するための委員会新設へ」、こう書いてありますね、新聞を読みますと。そうすると、委員会を新設してこの委員会の中で、いま局長が言うようにもろもろの問題、財源の問題だとか、もちろん機構の問題も技術の問題もみんな入るようにちょっと受け取れるんですが、そういうことでこの委員会の中で検討してもらう、こういうことなんですか。
#14
○政府委員(田中眞三郎君) 委員会形式をとりますか、あるいは外部委託の形をとりますか、その辺もまだ現在のところ予算要求の段階でございますのでわかっておりませんけれども、私どもは、わが国の国際放送の現状はより強化さるべきであるということについてはコンセンサスを得られておるというふうに考えておるわけでございます。そのために画期的な財源の拡大を図る必要があるだろう、あるいは実施主体がそのままでいいのかどうなのか。いま先生の御指摘にありましたような論は、委員会なりあるいは委託機関の中の意見の一つとして出てくることは十分可能性があろうかと思っておりますけれども、私が先ほども申しましたように、現在NHKが行っている国際放送というものは、諸外国、先進国に比べて電力その他において遺憾な点がございますけれども、その番組の評価は非常に高いというふうに私ども認識しておるわけでございまして、そうしたもろもろの実態を踏まえた上で、よりわが国の国際的立場にふさわしい強力化を図るにはどうしたらいいか、そういうふうなお知恵を拝借したいという考え方でございます。
#15
○大森昭君 国際放送の強化はいいんですよ。それからいまNHKがやっておられる国際放送をより技術的にも充実強化するのもいいんですが、どうも局長のお話を聞いていますと、いわゆる経営主体の変更もあり得るというふうに聞こえるんですが、この委員会を新設いたしまして、どういう方がこのメンバーにまたなるかわかりませんが、国際放送についてとにかくいろんな意見を言っていただきたいということなのか、答申をいただくのか。この間の郵貯懇じゃないけれども、あるいは報告書みたいなものをいただくのか。そういう形で進めていくということですか、これは。
#16
○政府委員(田中眞三郎君) 議論の中ではいろいろ出てまいろうかと思います。それで、また新聞に書かれておるようなことも私ども読んでもおるわけでございますが、いずれにいたしましても、現在の国際放送がいかにあるべきか、最も適切であるかという辺につきましての御議論あるいは強化論というようなものをいただきたいということでございます。
 ただ、毎度申しておりますように、現在NHKが行っております国際放送の評価については、私どもその番組等につきましては高く評価しておるという認識の上に立って御諮問申し上げておる、こういうことでございます。調査会等で御議論いただくわけでございますから、結論というわけではなくて、その中の一つの議論としては、先生の御指摘のようなNHK以外のより適切なものがあり得るかどうかは存じませんけれども、そうした論議も中に入ってくる可能性はあるかもしれないということでございます。私どもとしては、繰り返しますけれども、現在のわが国の国際放送をどうすれば最もいいのか、実施主体、その実力、あるいは届く範囲等々含めて何が一番適切なのかという方途を求めたいということでございます。
#17
○大森昭君 NHKの国際放送を評価しながら、片っ方では何か経営主体をかえるという意見が出されればそれも尊重してもいいようなこと、よくわかりませんがね。もちろんいま局長が言うように、調査会をつくってということですから、それ以上言えないのだろうと思いますが、そうすると、具体的にこの予算が取れて調査会をいつごろ発足させるというお考えなんですか。
#18
○政府委員(田中眞三郎君) 予算でございますが、いずれにしましても、この問題は、十数年来の問題であると同時に、ごく最近もことに関心をお持ちの方が多いという問題でございますから、予算成立次第早々にも発足させたい。それ以前には、当然予算の成立の可能性を期待いたしまして検討を進めるわけでございます。
#19
○大森昭君 そうですが。これ以上あれでしょうけれども、いずれにしても私大変心配しますのは、冒頭に経営委員の指摘もいたしましたけれども、この調査会の委員のメンバーで大分偏った意見になるような危険を感じます。したがって、国際放送をより強化するということについて否定はいたしませんが、調査会ができて、いずれにしても郵政省がその報告を参考にしてということだろうと思うんですね、それでぴしゃり決まっちゃうという意味じゃないんでしょうから。ですから、ひとつ真に国際放送の強化という視点で、偏らずにその調査会が運営されるような人選をしてやっていただくことをお願いしておきたいと思います。
 それで、この国際放送の交付金と同じように、テレビの辺地難視聴の解消促進関係の補助金も二五・一%、五十六年度では二億一千九百万が五十七年度では一億六千四百万、こういうことでこの共聴施設に対する補助金がこれまた削減されているわけであります。国民の多くの要望があって、辺地の難視の解消については再三この委員会でも議論されているわけでありますが、これまた大幅な補助金削減ということで予鐸が成り立つということになりますと、従来から難視聴地域の解消に重点を置いての施策を郵政省はやっておったわけでありますが、こういうことになりますと、今後の問題としてどういうことになるんでしょうか。
#20
○政府委員(田中眞三郎君) テレビ難視聴解消予算につきましても、御指摘のとおり総枠を今年度の一割減にするという閣議決定によりまして、テレビ放送共同受信に対する補切金につきましてもそうした方針に基づきまして要求額が今年度の一割減の一億九千七百万円にならざるを得なかったわけで、そうした線で現在要求しておるわけですけれども、この補助金をできる限り有効に活用するという形で従来以上の成果を期待しながら難視聴の解消を促進してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#21
○大森昭君 予算がこれだけ減りまして、それでいま局長が言うようなことを言われてもどうもつじつまが合わないんですがね。政府の大方針だからということなんでしょうけれども、国際放送もそうでありますし、この難視の問題もそうでありますが。国民の文化と教養を高め、国際親善を図るというこういう問題も、いわゆる高度成長で肥大化した行政を改革するというようなものも、何もかも一緒くたにやられたのじゃ、これはわれわれとしては長い間積み重ねてきた議論というのが何にもならないということになりますので、政府の大方針なんでしょうから郵政省としてはやむを得ないということになるのかわかりませんが、少しこういう点は、郵政省全体として予算も厳しいわけでありますが、電波の関係は違った視点でひとつ今後取り扱いをしていただきたいと思うんですね。
 次の問題に移りますが、NHKは五十八年度に放送衛星を打ち上げるわけであります。そうすると、この辺地の難視は解消されますが、これまでNHKの辺地施設あるいはサテ局の共同建設などを推進してきたんですが、NHKの便宜供与による民放の難視解消の促進がこれを行うことによって期待ができなくなるというふうに思われるのでありますが、衛星打ち上げ後の民放の難視の解消については何か抜本的な施策が必要となってくると思うんですが、この対策について何かお考えがあるわけですか。
#22
○政府委員(田中眞三郎君) 五十八年度にNHKが難視聴対策ということでBS−2を打ち上げれば、その後NHKの辺地の従来方法による形での置局はなくなるわけでございますけれども、そうしたことから、民放が現在NHKに比べまして三倍程度の世帯が難視聴でございますが、その辺をどうするのかという御質問かと思いますけれども、この難視聴対策につきましては、私どもといたしましても従来から放送事業者に対しまして強くアピールするとともに、その地域に対する密着性というようなことで、幸い大多数の民放事業者は経営的にも良好であるというようなことで、私ども機会があるたびにいろんな方途で、たとえば年度の当初から何%は難視聴解消に充てるのだとか、あるいは放送衛星の出現の場合いろんな形で民間放送事業者としても影響があるというふうにお考えを言われるわけですけれども、それにはやはりすでにその地域に密着した、その地域の放送が辺地まで流れておるということが真に従来存在しておる民放自体の重要性というものを地域の人人から支持を受ける具体的な方策ではないだろうかというようなことで、ローカル性の番組も含めると同時に、難視聴対策については再免許の際あるいはその他のあらゆる機会においてその設置促進をアピールしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#23
○大森昭君 考え方はいいんですけれども、これは五十八年に上がるでしょう。そうするとNHKの辺地の難視聴は解消するでしょう。それから、いま民放はもうかっているからやってもらうんですと局長言うけれども、電電公社じゃないけれども、もうかっているから政府が召し上げるなんということは、簡単に法律を通してあなたたちはやるわけだけれども、民放の経営者の人がもうかっているから、それを郵政省が何%出して難視の解消をやれなんと言ったって、そんなことはできっこないですよ。民放の経営者がそれは困りますと言えばおしまいになっちゃうんだから。
 だから、少なくとも五十八年度に上がって、それで民放が難視解消していないところなんと言ったってもう遅いわけだから、五十八年にはそうなるわけだから、当然NHKが難視解消すればNHKの方は金を出さないわけでしょう、そこへ。だから早急に、この衛星が上がってNHKの辺地の難視聴が解消されて民放だけ残る部面なんというのはいまごろから調査をしておいて、計画を立てざして、そして難視の解消をやるということを、行政指導になるかあるいは話し合いになるのか知らぬけれども、それをやっておきませんと、社会的問題と言うと少し大げさになるかもわかりませんが、NHKだけがばちっと見えて、あと民放の方がちらちらしていたのじゃこれまた問題になりますからね。だから、早急にやはり、五十八年度放送衛星が成功するか不成功かなんという問題じゃなくて、打ち上げれば技術的に大体成功するのだろうと思うのでありますが、その上に立っての民放難視の解消については十分対処していただくということにしないと問題が起きると思うんですが、どうでしょう。
#24
○政府委員(田中眞三郎君) 先生御指摘のとおり、民放の難視聴解消の成果が十分であったとは私どもも考えておるわけではございませんけれども、繰り返しますが、再免許その他のあらゆる機会をつかまえまして、現実としておたくの局は何方世帯どこのあたりにおいて届いていない、あるいは次の再免許までの三年間においてどういう計画がおありになるかというようなことで、私ども民放難視の実態をつかまえると同時に、その場所の指摘もし、年度ごとの計画等を聴取するという形で進めてまいっておりますし、今後もその努力を一層進めるとともに、その者の地域に対する密着性というものをよくお考えいただいて、放送衛星等の新しい事態の出現にも対応していただきたいというふうに努力してまいりたいと思っておる次第でございます。
#25
○大森昭君 今度は都市難視の関係でありますが、これも新聞報道によりますと稲城市に第二東京タワーが建設されるようであります。この第二東京タワーの建設構想と検討状況というのはどうなっているんですか。
#26
○政府委員(田中眞三郎君) 第二東京タワーというような言葉で報ぜられたようでございますが、私どもは、これにつきましては多摩ニュータウンを中心といたします多摩地区及びその周辺の地形難視があるというふうに考えておるわけでございます。現在のところ九千六百世帯程度が難視聴であろうかということで、ここに従来方式の中継局を必要とするということでようやく機運も盛り上がってまいったわけでございまして、ニュータウン完成時にはただいま申しました九千六百の難視世帯数が二万二千世帯程度にふえるというようなことも含めまして早く地形難視の解消を進める必要があるということで、関係のところと話し合いを進めておるわけでございます。
 その話が、実はこの中継局一多摩を中心とする地形難視でございますけれども、使い方によりましては、新宿あるいはサンシャインを中心といたしますところの都市難視解消についてもやり方によりましてはある程度の副次的な効果が期待できるということで、そうした場合にどの程度の経費の増があるか、あるいは実際のところどの程度までいわゆる都市難視、ビル陰障害に当たるものがこの多摩ニュータウンにおける従来形式の中継局によって救済されるか、そういうことの検討を進めておるわけでございますが、その辺の新聞報道がされたというふうに理解しておるわけでございます。
#27
○大森昭君 このタワーは、都市の受信障害解消とあわせて、いま言われましたように辺地の難視の解消にも役立つのだろうと思うのでありますが、ただ、これは新聞報道ですからよくわかりませんが、この建設資金は、東京都、それから不動産業界、放送各社などの共同で出資をしてやるということが言われております。
 そして、従来からこれもいろいろ議論しているわけでありますが、少なくとも都市の受信障害については原因者負担で解消するということが貫かれておったわけでありますが、このタワーを不動産業者などからお金をいただいて建てていくということになりますと、都市難視の原因者負担というような原則が崩れていくのじゃないかと思うんですが、この点はどういうふうに判断されておりますか。
#28
○政府委員(田中眞三郎君) 多少重複した御説明になろうかと思いますけれども、話題に出ております中継局は、あくまでも基本的には多摩地区におきます地形難視解消のためでございます。そうした場合に当然電波というものが要るわけでございますが、都市難視につきましても建築業界等の希望としては何とかUHFを使わしてもらいたいというふうな話も出てくるわけでございます。そういたしますと、周波数に限りがございますので、その辺との関連といたしまして出てきた話でございます。
 繰り返しになりますが、あくまでも多摩の地形難視のための中継局である。その副次的効果として都市受信障害を解消する可能性がある。この中継局のつくり方、高さ、規模、指向性等々によりまして副次的効果として一部の都市受信障害が解消されるということで、逆の意味といたしまして、その都市受信障害の個別対策として行うものではございません。したがいまして、受信障害の個別対策に対します私どもの従来とっております原因者負担の原則は変わらないわけでございまして、関係者の共同負担によりましてその副次効果に期待できる部分というものについてのある程度の金の出し方といいますか、出資するという可能性等々についての話し合いを進めておるということでございます。
#29
○大森昭君 局長、私いまなぜこういうことを言うかというと、現在行われている基本的施策がきわめてあいまいなところへもってきて、実はこの多摩タワーというんですか、第二東京タワーというんですか、これをこういう不動産業界の方々とか、そういう方々に金を出していただくというところに問題点があることを指摘しているんですよ。局長、いま、たとえばサンシャィン、新宿の副都心のビルの障害は全く少ない形なんでしょう、この難視を解消しているのは。大多数がこの難視の解消措置をしていないんですよ。複合障害だとかあるいは遠方の反射障害ということですから広範囲にわたるし、なかなか実態的な把握もむずかしいのかもわかりませんが。そういう現状の中で第二東京タワーをそういう形でやっていきますと、ますます都市における難視の解消というのは原因者負担というものが薄れていくんじゃないですか。
#30
○政府委員(田中眞三郎君) 私ども、都市受信障害の解消というものはあくまでも原因者負担の原則という形がよろしい、妥当であると考えておるわけでございますが、先生のただいまの御指摘の中にもございましたように、複合障害あるいは遠方障害等々によりましてあなたの責任ですよと御納得いただく理屈、あるいはその規模が余りにも大きくなってきたというようなことで、私どもといたしましてもいろんな制度的解消の方法等々探ってまいっておるわけでございますが、そうした中におきまして、多摩ニュータウンの問題が従来からありましたわけですけれども、こうした効果、通常ならば多摩ニュータウンの大きさというものにはタワーの中継局の規模というものは非常に小さな規模、あるいは高さにしましても百メートル程度の規模という形で十分かと思いますけれども、この貴重な電波を使います際に、多摩で使えば当然その近くでは使えないわけでございまして、その副次効果としてでも非常に大規模にわたっておる遠方障害等々のかなりの部分が解消されるという効果があるならば、その解消の部分については原因者と考えられる方々にお願いしてでも解消したい。
 そういう可能性があるかどうか、そういう話にお乗りいただけるかどうかという形で私ども話を進めておるわけでございまして、その辺の考え方。関係者は建設業界あるいは開発公社あるいは放送事業者等々あるわけでございますが、その関係者の間におきまして、従来私どもがとってまいりました都市難視に対する原因者責任主義あるいは地方の地方難視に対する放送事業者の責任、その辺り考え方を含めまして御納得いける線はどういうことであるか、原則を変えず、ということで話を進めておるということで、あくまでも現在模索中と申しますか、御理解をいただける線はどういうことになるかということでお話を進めておる次第でございます。
 なお、ついででございますけれども、新宿副都心ビルによります障害は、御指摘のとおり十五万に及んでおるわけでございますが、対策完了世帯数として私ども現在把握している世帯数は二万六千ということで、この二万六千を対策するために要した経費は十五億円というような数値になっておるわけで、何分にも価格もさることながら、残っておる未対策世帯数と申しますか、遠方反射等に入る部分が非常に多いということで、いろんな考え方で御理解を得られるようにという対策の一環としてお話を進めておりますのが第二東京タワー構想と報ぜられたものでございます。
#31
○大森昭君 私が心配しますのは、十五万の世帯が障害を受けているわけでしょう。それで、いままでやったのが二万六千だというのでしょう。そうすると、この第二タワーで開発公社だとか不動産業界みたいなのが幾ら出すかわかりませんが、ある程度は――これはいま局長言われるように十五億もかかったわけですから、二万六千直すのに。仮に三十億でも五十億でも出しましょう、そのかわり新宿副都心ビルのあと残っているやつなんかはやらない、サンシャインのあと残っているやつもやらない、みんなチャラですよと。それから今後起きるビル建設に基づく障害も、もう第二タワーにそれだけのお金を出したんですからと。そういうことになるのじゃないですかと言っているんですよ。
 ですから、こういうものは、そういう何かみみっちい話じゃなくて、東京都だとか、放送業界だとか、あるいは国だっていいわけですよ、出して、そういうものからいただかないで、従来から高層ビルを建てて障害が出た場合には原因者が負担するんですよというふうにやっていきませんと、こんなところで幾らもらうか知りませんが、もらったおかげでこれからできるビル障害に基づく難視の問題は原因者負担なんかする人はいなくなっちゃうですよ。そこをどういうふうにあなたは割り切っているか、考えているかということですよ。
#32
○政府委員(田中眞三郎君) 先生御指摘りような現在まで長い期間かかりまして打ち立ててまいりました原因者責任主義、そうして不十分な部分は残っておるわけですけれども、大多数のものについてはその原則に沿いまして現在まで来ておるわけでございます。ですから、このとうとい原則というものを否定するといいますか、せっかく築いてきていままで解消に役立ってきた方策というものを変えるつもりは全然ないわけでございます。
 そうした中で、なおその原則は変えないで、お話し合いの上で、協力があるならば、出せるお気持ちがあるならば、関係者の理解が得られるならば、多摩につくる中継局の、単なる地形難視解消で本来あるべきでございますけれども、使い方によりましては都市難視の解消にもせっかく役立てられるものでございますので、そういう方法もございますということで、あくまでも副次効果として都市難視が救える分については従来の原因者責任主義によりまして、もう少しわかりやすく申しますと、多摩ニュータウンで地形難視を救う程度ですと十三億なら三億という程度で仮に済むといたしますと、これを新宿の西方面を中心といたしますところの都市ビル障害の解消のためにある程度技術的に使えるということになりますと仮に十億かかる。そういたしますと、十億の部分についてはあくまでもその利益を受けるのはビルと申しますか原因者である、そういう考え方でございます。
 そうした考え方がビル業者なり建築業者なりに受け入れられるならば、話を簡単にいたしますと、中継局は放送事業者が三億でつくる。それで十億よけいかけまして、ビル障害の部分が十億起こるといたしますと、十億の分は原因者責任主義でございますビル建築業者なりが出していただけますかと、こういう話をしておるということでございますので、決して私どものこの方策によりまして、お話し合いはまだ成立いたしておりませんけれども、矛盾のない範囲内で、今後の残っておるところのビル障害なども第二東京タワーだけで一部が救われたことによって原則を台なしにするというような話の進め方をするつもりは全然ないわけでございます。
#33
○大森昭君 だから、タワーを建てて辺地だとか都市難視の解消を促進するという点はいいんですよ。それからいまあなたが言うように、しかし、ここにお金を出していただいても原因者負担主義という原則は崩さないのだというのもいいんですが、しかし必ずしもそういうぐあいにはいかないのじゃないかという心配を私はしているわけです。
 そこで、この議論をしていても、あなたがいやそういうことじゃないんですと、とにかくお金を出していただいて多摩にタワーを建てて、辺地、都市難視の解消促進にもなるし原因者負担主義も貫くんだというわけですから、その点では意見は一致しているわけですからあれですけれども、ただ、これはいま新宿副都心ビルとサンシャインの話だけで十五万の中の二方六千でしょう。そうしますと、東京都内でどのぐらいのビル建設によって障害を受けている人がいて、この解消が十分に進んでいないということはもう明らかなんですね。そうでしょう。だから、そこの抜本的な対策を少し怠っておって、第二タワーでもって開発業者、不動産業者と書いてありますが、そういうところから余り深入りした話をしていきますと、それは業界の方は必ずそういう金を出せばどこかでもって差し引き勘定を考えているのが大体ですよ。だから、そういう意味合いで心配して質問しているんです。
 そこで、そういう再度からいきますと、これは都市難視の制度的解消を図るのにはもっときちっとした法律か何かつくってもらった方がいいと思うんですが、しかし実際問題としては、建築の主体的な方からいろいろ抵抗もあると思うんですね。そういうことを法的に制度的に規定つけられたのでは、ということになるのだろうと思うのでありますが、しかし、いまのような状態ではこれはもう迷惑するわけです、とにかくこの障害を受けた人はなかなか改善されないわけでありますから。したがって、五十七年度の予算を見ますと、何か新たに都市受信障害解消策として三千三百万程度の補助金を考えているようでありますが、その具体的な構想というのはあるんですか。
#34
○政府委員(田中眞三郎君) ただいま話題になりました第二東京タワー構想によりましてかなりな程度の解消は行われるというふうに申しましたけれども、まだ残るわけでございます。そうした問題について、非常に大きな問題でございますが「受信障害の原因が複合しておりまして将定できないというようなことで、長期間にわたって障害が未解消となっている部分がなお第二東京タワー構想というものが進んだとしても残るわけでございます。そうしたものの解消のために、共同受信施設設置費の四分の一を東京都が補助するという考え方がございます。それに対しまして国がその二分の一、つまり八分の一でございますけれども、そうしたものを補助したいということで、特に五十七年度においては補助対象世帯数といたしましては、そういうもののひどい三千三百世帯を対象といたしまして郵政省としては三千三百万要求しておるということでございます。
#35
○大森昭君 東京だけの話をしておりましたけれども、ビルというのは大阪にも名古屋にも都市にあるわけでありますから、ひとつ今後は大都市に対する対策も十分検討していただきたいと思います。
 そこで、八月二十七日付の「次期通常国会提出予定法律案」というのを見ますと、「放送法の一部を改正する法律案検討中」ということになっております。放送法の抜本的整備の問題は別といたしまして、当面、文字多重放送の実施に関連しての放送法の改正問題があると思うのでありますが、五十一年十二月の多重放送に関する調査研究会議の提言があり、また放送の多様化に関する調査研究会議でも検討が続けられていると思いますが、この多様化会議の検討状況と答申の時期の見通しについてはどうなっておりますか。
#36
○政府委員(田中眞三郎君) 多様化に関する調査研究会議でございますが、昨年七月に設立されまして、自来十五回の会議を開催していただいております。
 これまでわが国及び諸外国におきます放送の現状、ニューメディアの概要、わが国におけるニューメディアの開発状況等放送全般の現状の検討を行いますとともに、さらに多重放送、衛星放送等の新しい放送サービスを導入する場合の利用方法あるいは実施主体をどのようにするか等につきまして検討を加えておる段階でございまして、ぼつぼつ御答申をいただく報告書の項目的内容の詰めというようなところに入っておりまして、私どもとしては年度内に報告が提出されるようお願いをいたしておるところでございます。
#37
○大森昭君 年度内というのは、来年の三月という意味ですか。
#38
○政府委員(田中眞三郎君) さようでございます。
#39
○大森昭君 来年の三月。そうしますと、それから具体的な立法化といいますか、放送法の改正案といいますか、それをつくり上げる、こういうことですか。
#40
○政府委員(田中眞三郎君) 必ずしもそれがなければできないというふうには考えておりません。と申しますのは、その方法の中身でございますけれども、中身でどの程度のことをお聞きできるかということが問題になろうかと思いますけれども、たとえばその中心的なもののうちの多重放送についての法改正ということを仮に予定するといたしますれば、一応いままでの会議におきましてもその辺の先生方の御意向等々はございますので、必ずしもこの放送多様化の結論を待った上で立案しないと改正はできないものというふうには理解しておりません。議論の分かれていないコンセンサスの得られている部分というものが予測されればその部分は成文化もできるというふうに考えておる次第でございます。
#41
○大森昭君 明年三月の年度末を目途に答申を出していただくようにという話があって、また必ずしも答申にこだわらずに放送法の改正をやる、こういうことですね、いまのお話を聞いていますと。どちらがどうだかよくわかりませんが、そこで、あるものは答申にかかわるもの、あるものは答申にかかわらないものということなんだろうと思うんですね、一口で理解するとすれば。そこで、当面整備しなきゃならない課題というのは具体的にあるんですか。
#42
○政府委員(田中眞三郎君) 放送法改正全般についてのお話かと思いますけれども、従来から御指摘がありますとおり多くの問題がございます。そうしたものにつきましてそれぞれ議論がありあるいはコンセンサスの得られやすいものもあろうかと思いますけれども、法改正の内容については当面緊急を要する問題、たとえば前国会でもお約束をしたと申しますか、議論に出ました外国人等による放送会社の株式取得に関する措置、あるいはただいま先生が御指摘になりました調査研究会議の中で議論されております多重放送の可能性についての結論が得られやすいと申しますか、出席いただいておる委員の方の御賛成が得られればその部分については盛り込めるというような点もあろうかと思っております。いずれにしましても、そうした当面緊急を要する問題といいますか、そうしたものを中心にして改正の検討を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#43
○大森昭君 ちょっと問題をしぼりますが、多重放送の問題については放送事業者以外の利用いわゆる第三者利用が問題になっているようでありますが、この第三者利用については民放のサイドからは制度上、経営上の問題があると主張されておるようでありますし、逆に新聞協会などからは第三者利用の要望がなされているようでありますが、現時点で郵政省はどのような考え方を持って対処しているのかが一つと、受信料支払いの義務化でありますが、前回は見送ったわけでありますが、この問題は当面の問題としてはないんですか、あるんですか。
#44
○政府委員(田中眞三郎君) 最初の御質問は、多重放送の独立利用について第三者利用をどのような考え方で現在おるかという御質問かと思いますけれども、音声多重あるいは文字、静止画筆の各種の多重放送についてでございますが、多重放送に関します調査研究会議の報告書、五十一年度のものでございますが、それにおきましてはいずれも新たな放送媒体として位置づけられ、これらの放送の実施に当たってはマスメディアの集中排除との関連において検討されるべき旨の指摘がされておるわけでございます。郵政省といたしましても、独立利用の場合の第三者利用につきましては特に電波の公平利用の観点から利点があるという考え方もございまして、具体的実施に当たってはその利用方法、経営り可能性、需要動向、こういつた実現の可能性につきましても種々検討が必要だということで、いま先生御披露になりましたように、関係の放送事業者あるいは新聞等から意見を現在徴しているというのが現実でございます。
 二番目の点につきましては、九十一国会に提出されました放送法の一部改正案の問題でございますが、これをどうするといま考えているかという御質問かと思いますけれども、その改正案は現在のNHKの受信料制度の趣旨の一層の明確化と同時に受信者の負担の公平を図るということで必要であるとは考えておりますけれども、その再提出につきましてはまだなお関係方面の意見なども考えながら今後さらに検討してまいりたい。現在りところ、はっきりした方向を決定していないという段階でございます。
#45
○大森昭君 特に支払い義務化の問題というのは進んでいないということですね。当分ないということで理解していいんでしょう。
#46
○政府委員(田中眞三郎君) 失礼でございますが、ただいまお答えしたとおりでございまして、今後さらに検討をしてまいりたいということでございます。
#47
○大森昭君 長い今後でひとつ検討してください。
 NHKの事業の状況を見ますと、大変努力をされておりまして、三カ年計画で事業が行われているようでありますが、これは従来の歴史からいきますと、五十一年から五十三年度の三カ年計画では百五億の黒字を出しまして五十四年は受信料の据え置きを行ったわけでありますが、それをずばり当てはめるわけじゃありませんが、五十五年―五十七年の計画で、大変当事者の御努力もあるわけでありますが、事業が進められていっているようでありますと、この状態からいきますと五十八年は受信料は据え置きでいくんじゃないかと思いますが、どうですか。
#48
○参考人(山本博君) ただいま御指摘がございましたように、五十四年度は受信料の改定の時期が過ぎた年でございましたけれども、受信料の改定を行わないで経営努力によってこれをしのいだという過去の歴史がございますが、五十八年度にそれがストレートにそのまま当てはまるかどうかということを現段階において確実に申し上げるということは、いろいろ未知の要素がございますので、たとえば五十五年から五十七年度までの三カ年間につきましては、いまお話がございましたようにいろいろ減収の要素もございまして、三カ年間で約百四十億ぐらい減収要素がございます。しかし、この減収を何とか経営努力で補ってまいりまして、三カ年間としては所期の経営計画を実施することがほぼできるだろう、収支の面でもこれは赤字を出さないで経営努力で三カ年間総計で相償できるのではないか、そういう見通しを現在立てております。
 しかし、五十八年度にはどうかということになりますと、これは現在進行いたしております五十六年度の予算運営をもう少し私たちは詰めてまいりたい。詰めてまいった結果どのぐらいの経営効果が上がってまいりますかということが、予箕上以上の努力をしたいということが一つございます。
 それから五十七年度の予算を今後作成いたすわけでございますが、この過程においても収支相償以上の努力を何とかしたいということを基本的な考え方としては持っております。
 しかし、それが具体的に五十八年度にどういうぐあいに影響してくるか、五十八年度の状況を決定的に判断するというところまでまだいっておりませんので、もう少しもろもろの経済状況とか、あるいは先ほど来お話がありました行政のいろいろな措置というものがどういうふうになってまいるのか、こういうものも踏まえて総合的に勘案してまいりたいと思いますが、いずれにいたしましても、できるだけいい仕事をするのと同時に視聴者の御負担をできるだけ軽くする方向、こういうことについては今後一番大事な基本的な考え方として努力をしてまいりたい、そういうふうに現段階では考えております。
#49
○大森昭君 ひとつ、そういうことで最大限努力をしていただきまして、五十八年度の受信料は据え置きというようなことでやっていただきたいと思うのであります。
 少し細かくなりますが、受信料の滞納件数だとか契約拒否者なんかはどういうぐあいになっているんでしょうか。
#50
○参考人(海林澣一郎君) まず、滞納状況からお答え申し上げます。
 滞納状況はここ両三年好転してまいりまして、実数で申し上げますと、五十三年度が九十二万九千でございました。五十四年度になりまして五万五千ふえて九十八万四千、昨年の末でこれが七千の増加ということにとどまりまして九十九万一千ということでございます。
 今年度の業績について申し上げますと、昨年は料額の改定をいたしましたので、何としてもこれを定着させなければいけないということでそこに重点をしぼりましたので、実は昨年の契約の増につきましては、ことしの上半期の末と比べますと、昨年は五十五万の目標に対しまして四万一千ふえたということでございました。ところが、ことし五十六年の九月現在で集計いたしましたところでは、五十五万の目標に対しまして二十二万一千、進捗率は四〇%強ということでございますので、契約につきましても順調に推移しているというふうに御報告申し上げられると思います。
 まとめて申し上げますと、昨年に比べましてことしの営業の実態は、契約及び収納ともに順調に推移しているというふうに御報告できると思います。
#51
○大森昭君 きょうは、時間がなくなってきましたので具体的には指摘できませんが、新しい視点で番組の編成などもやられておりますが、いろいろな人がありましていろんな意見がありますから、どれがということじゃないのでありますが、たとえば敬老の日だとか勤労感謝の日だとかいうような場合には、それにふさわしく番組を編成してもらった方がいいのじゃないかという話などもあります。具体的にどうという意味じゃないし、また見ますと、必ずしも全然それは無視しているようなことではないのでありますが、一年に一回何か思い出させるなんというのは余り私自身も好きじゃないのでありますが、極力ひとつ努力をしていただきまして、番組の編成に配慮していただきたいと思います。
 次の問題として、再三北海道テレビの問題で質問をしているわけでありますが、どうも大変な内容が次々と、新聞発表しかよくわかりませんが、出てきているわけでありますが、一体この自主的再建に向けてどういう形で今日動いておるのか、そしてまた郵政省はこれにどう対応していこうとしているのか、御答弁いただきたいと思います。
#52
○政府委員(田中眞三郎君) 放送事業者の経営についてでございますけれども、自主的な判断にゆだねることが適当である、言論報道機関の自主性を高度に尊重するという立場が必要かと考えておりますけれども、そうした公共性の高い放送事業の経営のあり方が今回の北海道テレビの場合問われた事件だというふうにとらえておりまして、私ども郵政省としても強い関心を持って会社側から折に触れて報告を受けながら事態の推移を見守っているというのが実情でございます。
 具体的に申しますと、北海道テレビは、事件発生後、会社を何とか自主再建するという方向で役員及び株式構成面での岩澤色の一掃のために、役員につきましては九月の臨時株主総会を経まして新しい体制が発足いたしまして、株式につきましても適正な再配分を行って近く名義書きかえが終了するというふうに聞いております。株式の構成の変更でございますが、岩澤株として一〇%あり、その関連株式会社の株として全体の三九%というふうに伺っておりますが、その名義変更を行いつつあるというふうに聞いております。その名義書きかえが近く終了するというふうに聞いておるわけでございます。
 また、債務の弁済についてでございますけれども、最大の債権者集団であります外国銀行十二行との話し合いがまとまりまして、現在、生保、損保等国内債権者との話し合いを進めているというふうに把握しております。
 こうした経過をたどりまして、北海道テレビの自主再建は一応の路線に乗ったというふうに理解しておりますけれども、なお、今後におきましても引き続いて会社の再建状況というものを注視してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#53
○大森昭君 再建の見通しがついたということで理解していいんですか。
#54
○政府委員(田中眞三郎君) その路線に乗ったというふうに理解しております。
#55
○大森昭君 終わります。
    ―――――――――――――
#56
○委員長(勝又武一君) 質疑の途中ですが、委員の異動について御報告いたします。
 ただいま山中郁子君が委員を辞任され、その補欠として沓脱タケ子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#57
○太田淳夫君 それでは、NHKの昭和五十三年度決算の審議に当たりまして最初に会長にお尋ねしたいんですが、ことし一年間を振り返ってみますと、まだ一月以上日にちがございますが、NHKにとりましても非常になかなかむずかしい事件等がございました年じゃないかと思います。この一年間、会長としていろいろ御苦労されたと思いますが、振り返ってごらんになって、その回顧と、また国会が終わりますと来年しかお会いすることができませんもので、来年、また新しい年に臨んでの会長の決意を一言お伺いしたいと思います。
#58
○参考人(坂本朝一君) 先ほど来御審議の中にもございましたように、昨年度受信料改定をお願いいたしまして、そのことによってNHKの経営の安定を図りたいということでございましたけれども、正直言ってなかなか厳しい状況を昨年度は経過したわけでございますが、おかげさまで、本年度に入りましてそういう点について徐々に受信者の方々の御理解が深まりつつあるのではなかろうか。その一つといたしましては、私、会長就任以来、日本放送協会というからには何といっても番組の充実を図ることによって受信者の理解を深めたい、こういう念願で努力してまいりましたことについて、全協会的にそのことについて努力してくれました結果、多少おこがましいのでございますけれども、トータルとしてはNHKの番組はかなり評価されつつあるのではなかろうか。そういう点についてやや自画自賛めいて恐縮でございますけれども、ことしにつきましては、その点については実りある年を送れたのではないだろうかというふうに考えております。
 なお、そういう安易な考え方で来年度を迎えるというような状況ではない、その点は十分心得ておるつもりでございまして、特に、先ほどの大森先生の御質問等にもございます、いろいろなニューメデアにどう対応していくか、一九八〇年代どうNHKがあるべきか、こういうことを考えますと、正直言って身の引き締まる思いでございます。たまたま、現在NHKといたしましては、長期ビジョン審議会を設置して諸矢生方からいろいろとアドバイスをいただいておりますので、それらのことを踏まえ、また経営委員会等とも密接な連携をとりまして、来るべき年をさらに飛躍の年にしたいというふうに考えている次第でございます。
#59
○太田淳夫君 最初に、特殊法人問題に関連してでございますけれども、政府は、この特殊法人問題につきましては、整理統廃合について、あるいは役員の縮減、役員給与、退職金の抑制等についてしばしば閣議決定を行っているわけですが、NHKは言論報道機関ですから、また受信料収入で財政が賄われている、そういう点から見ますとほかの特殊法人とは性格が異なるわけでございますけれども、広い意味での特殊法人と位置づけられておりますので、この政府の閣議決定にはある面では拘束されるのじゃないかと思うんです。
 たとえば五十二年十二月の閣議決定では、五十三年以降の役員退職金にりいては在職期間一月について俸給月額の三六%、このようになっているわけですが、また本年八月の「行財政改革に関する当面の基本方針」でも、「役職員の給与については、国家公務員の給与抑制措置に準じて対処する。」、こういうふうになっているわけですが、この点についてNHKはどのように措置されておりましょうか。
#60
○参考人(武富明君) お答えいたします。
 職員の給与に関しましての御質問かと思われるわけでありますけれども、私ども、やはりいまの財政の許されました範囲の中で全職員の給与について考えているわけでございますけれども、同時に、私どもが考えていかなきゃいけない職員給与というものについては絶えず二つの方向から物を考える必要があるかと思うわけであります。
 協会の職員につきましては、いま公共放送としての使命を達成していく賀任と能力というものをこれに求めているわけでございますので、それぞれの分野にふさわしい秀でた人間というものを確保していきたいという念願が一方にございます。したがいまして、そのためには、やはり職員の給与というものも同種企業、すなわち主要な新聞とかあるいは主要な放送局とかそういったところと、関連企業に比べまして遜色のない状況というものをつくりたいという願望が片一方にございます。しかしながら、受信料で運営をいたしております協会の人件費のことでございますから、この給与につきましては社会的な認識というものが符られなきゃならぬという状況が一方にございます。
 こういう観点から、実は協会の職員の給与につきましては、財政状況や同種他企業の動向、あるいは民間企業の給与水準、そういった社会的な状況というものを勘案しながら総合的な判断を下してこの職員の給与を定めているというのが職員に関しましての協会の考え方でございます。
#61
○太田淳夫君 先ほど申し上げましたのは、役員の退職金についてということでお話しさせていただいたんですけれども、これは国会の決算委員会でも問題になったことがございます。在職期間一月について俸給月額の三六汚といまなっているのじゃないかと思うんですが、その点はどうでしょうか。
#62
○参考人(山本博君) 先ほどお尋ねの二つの問題でございますが、一つの退職金の問題は、これは先ほどお話がございましたけれども、NHKの性格といたしまして、放府が決めたから直ちにNHKもそのとおりだというふうには思っておりません。したがいまして、これは経営委員会が自主的に権限として持っておるものでございますので、これは経営委員会の判断で、現在いまお示しの三六%という数字に経営委員会判断として処理されております。
 それから役員の給与でございますが、従来、これは国家公務員と並べて判断をいたしておりませんで、たとえば国鉄であるとか電電公社であるとか、こういうような公社の役員の給与とほぼあわせて判断を経営委員会がいたしております。しかし、現在のNHKの経営状況から見まして、大体三年に一遍ぐらいしか給与の改定は役員については行われておりません。現在でも私たちは凍結をされておるという状況でございまして、全体としましては現在公社よりもむしろ少し見劣りしておるのではないかということでございますが、これも繰り返しますけれども、経営委員会り判断で、政府が決めたからこうということではございません。経営委員会が全体の状況を見て判断しておるということでございます。
#63
○太田淳夫君 次に行きますけれども、この五十六年度の収支予算を見ますと、給与費が五十五年度と比較して、基準内給与費で七・〇%、基準外給与費で〇・三%、合計で七、三%の伸びとなっているわけですが、新聞報道によりますと、給与の引き上げ率というのはNHK側の発表では七・九八%になっているそうですが、労働省発表の民間賃金引き上げ率は七・六八%、あるいは日経連の調査では七・五九%、こうなっているわけですが、その点でわれわれとしては団体交渉に介入するつもりはありませんけれども、給与の引き上げと予算との関連、これはどうなっておりましょうか。
#64
○参考人(武富明君) お答えいたします。
 私どもの人件費の策定に当たりましては、やはり一年間のベアによります増とか、あるいは時間外の増とか、そういった可能性を含めました増要素というものと、それから一年間に職員が約三百ないしは三百五十くらい退職をしております。一年間のうちに定年退職をしていくのがそのくらいの数でございまして、高職位、高年齢の職員がそれだけ減っていく。したがいまして、年度当初から年度の終わりまでだんだんと人件費が少なくなっていくというのが数字の上でははっきりしています。したがいまして、その増要素というものを可能な限り予測をし、一方、定年退職というのは日にちがはっきりつかめるわけでございますから、その人件費の減要素、そういったものを見比べまして一つの人件費予算の原資を確保するわけでございます。
 ただいま先生が、昨年の予算、時間外の増〇・三、人件費七と、こういうふうにおっしゃいました。それは全体の枠につきまして、前年度に比してそれだけの増があるということでございます。したがいまして、ただいま申し上げましたように、年度の初めから終わりにかけましてだんだんと人間が減っていくということは、その中で人件費の多少のやりくりができる、こういうことでございます。つまり、その七・三以上のことができないということではございません。したがいまして、われわれとしては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、二つの要請にこたえるべく、その中で最も妥当な線というものを考え、そして労働組合と交渉しながらその最終の線を定めたというのが、先生がおっしゃいました七・九八という回答をしたゆえんでございます。したがいまして、そういうことはすべて織り込んで予算枠というものをつくり一そして実際のベア交渉は交渉の中で、その中でやりくりのつくベアというものを行っているというのが現状でございます。
#65
○太田淳夫君 それでは、細かくなりますけれども、臨調の第二部会で要員の削減ということが話題として出た、論議がされたということですが、NHKは、四十五年から五十四年までの十年間で千百六十人を効率化した、それから五十五年度以降、現業業務については要員数を七%効率化することを目標に、五十五年から五十七年度の三年間で六百人、五十八年、五十九年度でさらに六百人、計千二百人の効率化をする計画を立ててみえる。五十五年度で百人、増員が五十人でプラス・マイナス五十人の減、五十六年度二百人で、これは増員が八十人ありましたのでプラス・マイナス百二十人の減、こういう効率化を図っていくということですけれども、五十五年度の実績と五十六年度の進捗状況はどうなっておりましょうか。
#66
○参考人(武富明君) 私どもが持っております自主的な計画は先生のおっしゃったとおりでございます。
 五十五年度につきましては、百人の効率化、五十人の実減員ということは計画どおりに進捗をいたしております。
 それから五十六年度につきましては、現在進行中でございますけれども、二百人の効率化は私可能だと考えておりますし、また増員は八十名で抑えることができる、このように確信をいたしております。
#67
○太田淳夫君 次に、決算の方に入りますけれども、この五十三年度の決算というのは、五十一年から始まった三カ年計画の最終年度に当たっておりますので、三カ年計画の総決算ということですが、そこで、この三カ年間の経営計画とその実績について概要を説明していただきたいと思います。
#68
○参考人(渡辺伸一君) お答えいたします。
 五十一年から五十三年度までにどういう計画を実施したかということでございますが、主要なものについて御説明いたします。
 まず、受信契約者でございますけれども、三年間に二百十万件の受信者を新たに加える、こういう計画でございましたが、残念ながらこれにつきましては百七十五万件という実績で終わりまして、当初計画に対しては三十五万件未達であったという結果になりました。
 それから放送。国内放送、国際放送につきましては、当初お約束したとおりの時間の中でその年度その年度に充実した番組を組んでまいりました。
 建設計画でございますが、テレビジョン中継局はこの期間中に六百地区つくることにしておりましたが、それは全部成就をいたしました。
 それから共同受信施設につきましては二千七百施設、これも全部完成をいたしまして、三十万件の難視解消を予定しておりましたのが三十一万件を超す解消をもって終わったわけでございます。
 それからFM放送局につきましても二十局を予定しておりましたが、これも予定どおり完成をいたしました。
 ただ、建設計画で若干ごの期間外に繰り延べざるを得なかったものといたしましては、東京あるいは札幌の増力移転につきましては若干計画期間外に繰り越さざるを得なかったという事情にございます。
 事業計画につきましてはそういうことでございまして、一部を繰り延べた以外はほとんどこの計画どおりに実施したということでございます。
#69
○太田淳夫君 きょう何点かお聞きいたしますけれども、三カ年計画は五十二年に若干の補正が行われているわけですけれども、当初計画でも補正後の計画でもいずれも三カ年間で収支相償となっておりますけれども、収支過不足額はゼロというふうになっているわけですが、しかし実績を見ますと百五億円の剰余金を生み出しておりますし、これが五十四年度の受信料据え置きにつながっているのじゃないかと思うんです。この百五億円の剰余金を生み出したのは支出の節減にあったと思うんですけれども、その其体的な理由ほ何でしょうか。
#70
○参考人(渡辺伸一君) お答えいたします。
 これは四つ理由を挙げることができると思っているのですが、いま申し上げましたように、建設計画の一部を繰り延べざるを得なかったと申しましたが、これは五十一年から五十二年までの収支均衡をどうしても取り戻したいということから発想いたしまして、計画の一部を繰り延べたということが一つでございます。
 それから、この計画期間中に外部資金の返還を予定しておりましたが、そのうち五十年度の赤字に起因いたしますものについての返還金につきましては、五十年度の決算が予定よりも二十七億ほど改善されましたものですから、その間の借入金につきましては返還を要さないということになりましたのが二つ目でございます。
 それから、この期間中に副次収入を上げる等の収入の確保を図りましたほかに、かなり節減について上積みをしてまいりました。それが三番目でございます。
 そして四番目は、これが大きな力になりたわけですが、経済事象の好転でございます。物価にいたしましても金利にいたしましても、あるいは円高という状況も生じまして、これらがこの事業支出の抑制に非常に効果があったということでございまして、以上四つの理由で百億を超えるものが五十四年度に繰り越されたということでございます。
#71
○太田淳夫君 資本支出充当について見ますと、当初計画では三百四十六億円、これは三カ年間における資本支出充当二百十七億円と、五十年度の欠損金のうち借入金の補てん分としての百二十九億円をプラスしたものとなっていますけれども、これが補正では五十億円減額されて二百九十六億円となっているわけですが、実績では三百十三億円と計画よりも十七億円オーバーしているんですが、この理由は何でしょうか。
#72
○参考人(渡辺伸一君) いま申し上げましたように、計画全般を詰めてまいりましたその中に、この資本支出充当つまり外部資金の返済についても検討を加えていったわけでございますが、申し上げましたように、建設計画の一部繰り延べということによって、この予定しておりました債務の償還が一部減額をするという問題が発生いたしました。それから五十年度、いま申し上げました収支の改善によりまして二十七億の外部資金の返済を要さないという問題が出てまいりまして、当初計画に比べますと三十三億円の減額が可能になったわけでございます。
 ところが、五十二年度においてはそのような状況がまだ現出しておりませんものですから、厳しく資本支出充当を抑制してまいりますと全体として五十億を繰り越さざるを得ないという状況を覚悟したわけでございまして、それが結果的に三十三億の減で済んだわけでございますので、途中の見込みから参りますと、先生おっしゃるとおり十七億を回復した結果になるわけですが、当初からしますと三十三億の減額になっておるということでございます。
#73
○太田淳夫君 この資本支出充当の表を見てあれでございますけれども、いまいろいろと御説明がございましたように、NHKの節減努力とか、あるいは経済情勢の好転とか、それが予定以上の収支差額を生み出した。そういった努力は私ども評価したいんですけれども、単純に考えますと、NHKの自己資本比率は他の企業に比べますと非常に高いわけです。ですから、債務償還を計画以上にやる必要はないのじゃないかと私は思うわけです。むしろその資金は次年度の赤字補てんに充当すべきじゃないか、こう思うわけですが、その点いかがでしょうか。
#74
○参考人(渡辺伸一君) 自己資本比率が高いというお話でございますけれども、これは大変私どもの事業がむずかしい事業でございまして、余り外部資金を借り込んでしまうということによっての、いろいろと事業に差しさわりがあるということを防ぐ意味でこの点は注意しておるわけでございますけれども、特にこの辺がこの年度においてふえたという問題でもございません。
 それから、いま改善されたら赤字の補てんに回してはどうかというお話でございますが、これは当初考えておりましたのが、ちゃんと受信料金の計算に入っておりました資本支出充当でございまして、これに関しては減っているわけでございます。ですから、当初予定よりもふえたという問題ではございませんものですから、その点は御運解いただきたいと思います。
#75
○太田淳夫君 郵政省にちょっとお聞きしますけれども、放送法四十二条では、放送債券を発行した場合その一〇%を償却積立金として積み立てる、こういうふうに定めておりますけれども、これはどういう理由ですか。
#76
○政府委員(田中眞三郎君) 放送債券を闘った者の利益を保護するために全体的に規定しておるものでございます。
#77
○太田淳夫君 これは、制定当時の状況はちょっと私どもわかりませんが、その当時は恐らくNHKの財政事情の見通しが暗い時期じゃなかったかというふうに思うわけですが、そのために債券を買われた方々の利益を守ろう、こういう趣旨であったかと思うんですが、今日ではこの規定が不要になっているのじゃないかと思うんですね。むしろその資金を効率的に活用するという見地からも、この条項については削除をすることを検討されたらいいのじゃないかと思うんですが、その点どうでしょうか。
#78
○政府委員(田中眞三郎君) その辺につきましては、日本放送協会とも相談の上検討を進めてまいりたいというふうに考えます。
#79
○太田淳夫君 検討を進めていただきたいと思いますが、それでは五十三年度の単年度の収支予算ですが、これを見ますと二十九億三千六百万円の赤字予算になっておりますが、この赤字は五十一年度の繰越金の九十八億二千万円と五十二年度の繰越金の二十億一千万円、合計百十八億三千万円から補てんしようとするものであったんですが、決算を見ますと三十四億一千九百万円の収支差金を出して、その繰越金からの補てんは必要なくなっているわけですが、このように赤字予算が黒字に転じたその理由はどんな理由でしょうか。
#80
○参考人(渡辺伸一君) お答えいたします。
 先ほど三カ年間で申し上げましたのと同じような理由でございますけれども、おっしゃるように、当初は収支差金として二十九億赤字であったわけでございますけれども、これが三十四億逆にプラスになったわけでございますから、その間は六十三億の回復ができたということでございます。
 これは、まず経済情勢を見てまいりますと、物価でございますけれども、物価につきましては、当時予算編成しますときには政府の見通しでも六・八%というふうな見通しがございましたけれども、最終的にこれは三・四%と大変低い率におさまったということでございます。
 それから公定歩合。これは私どもの借入金利に影響するわけですが、公定歩合につきましても、この年度に三・五%という戦後最低の公定歩合になったというふうな事情がございました。
 それから先ほど申し上げました円対ドルの関係にいたしましても二百円というふうなことで、さらに電力、ガスの円高差益還元などという私どもとしては初めての経験の事象が起きてまいりました。
 こういうことで、全般的に節減を強化した上に物価等による支出の節減が可能でございましたものですから、全体として、事業計画を十分にやりながら収支の改善がなされたということでございます。
#81
○太田淳夫君 また、五十三年度は受信料の収入が予算額に比べますと二十七億円減っているわけですけれども、それが副次的収入や特別収入をふやしたことによって事業収入全体では十五億七千万円の落ち込みにとどめているわけです。一方、事業支出というのは予算額に比べまして七十九億円の節減をしているわけですが、それを大きなところで見てみますと、国内放送費、営業費などがあるわけですが、この国内放送費が節減できたというのはどういう理由でしょうか。
#82
○参考人(渡辺伸一君) お答えいたします。
 国内放送費は、確かに三十五億ほど予算に対して節減することができましたが、この事情は全般的な事情と同じでございまして、まず経済環境の好転によるものがございます。
 これは国鉄運賃の改定の時期がおくれたということも加わって、全般的に番組制作にかかわる旅費とか、あるいは物価が低位に推移したということによる放送資材の値上げが比較的低位に抑えられたということもございます。
 それから外国取材に参ります場合の、ドルに換即いたしましての対ドルレートが大変好転いたしまルたものですから、これが比較的残ったという経済事象によるものが大変大きいわけでございます。
 そのほかに、番組制作上の工夫といたしましては、たとえば野球中継の場合に民放との相乗りによっての中継権料を少なくいたしますとか、それから衛星中継の場合でも民放との共同受信によるというふうな工夫を至るところにやっていったわけでございます。
 そのほかに、技術関係につきましては、これは国内放送でございますから技術関係の経費も入っているわけですが、たとえば撮像管でありますとか、そういうものの運用につきましては特に工夫をして寿命の延長を図ったというような問題がございます。
 そのほかに、番組の実施の上では、たとえば御要望にこたえてアンコールの回数をふやす、あるいは番組の実験的な試作のものがうまくできたのでそのまま本放送に使えたというような事情が重なりまして、ここに約六%の節約が可能になったわけでございます。
#83
○太田淳夫君 次に、また決算の資料を見てみますと、受信料の未収金が八十一億六千四百万になっていますが、この点につきましては郵政大臣の五十三年度業務報告書に対する意見でも、「昭和五十三年度末の未収受信料は約八十二億円であり、前年度に比べ七億円の増加となっているが、受信料の確実な収納を図るため、更に一層の努力を要する」というふうになっているわけですね。受信料の確実な収納を図ることについては本年春に五十六年度予算に対しても当委員会の附帯決議がついておりますし、このことは受信料の据え置きにも通ずることにもなりますけれども、この収納対策はどのように努力されておりましょうか。
#84
○参考人(海林澣一郎君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のとおり、受信料の未収金の額、五十三年決算で見ますと、五十二、五十一と比べまして確かにふえてきております。しかしながら、五十四年度につきましては、同年度の収納率におきましては五十三年度と同率になりまして、二年で一応くくっておりますが、翌年度の末の最終収納率でございますけれども、わずかながら〇・〇一でございますけれどもふえまして、余り楽観的なことは申し上げられませんけれども、未収については歯どめがかかってきたというふうに認識している次第でございます。
 先生が二番目におっしゃいました、しからばどういう対策かということでございますが、いま先生御承知の大都会を中心とする態様を見ましても、とにかく単身世帯あるいは共働きの世帯というお宅が非常にふえている。五十五年の国勢調査を見ましても、単身世帯が、その前は全世帯の一八%強だったのが二〇%になるというようなことで、とにかく単身世帯の方にお会いできないというのがわが営業当局の泣きどころでもあるわけでありまして、それに対する重点施策を講じなければいけない。
 この単身世帯にどのぐらい会えるかということでございますけれども、五十二年の秋以来営業に特別営業対策員というのを設けまして、それが訪問した数字が出ているのでございますけれども、五十五年までに二百五十六万七千件訪問しまして、お会いできたのが百六万八千件、四一%という大都会における面接率でございます。」
 しかし、これを何としても克服しなければいけませんので、二、三例を挙げますれば、たとえば行ってもお会いできなければ手紙を差し上げよう、それから電話番号を調べましてお電話をかけよう、それから訪問する時間、夜の何時が適当かという議論もございますけれども、九時半ぐらいまではお訪ねしてもいいのではないかというような本当に細かい施策を一つ一つ講じまして、大都会における面接困難というものを克服していく。
 さらに申し上げれば、口座振替でございますけれども、これをふやしていく。直接これが影響出るか出ないかについては議論がございますけれども、少なくとも口座化していただければ、その後はその契約者につきましては安定収納が得られるわけでございますので、長くなりますが、その辺のところを事細かに立案して実施している。それが、冒頭御報告申し上げましたように楽観は許されませんけれども、若干未収の率がよくなってきたということだと認識している次第であります。
#85
○太田淳夫君 この放送受信料の収納に関しましては従来から不公平の是正ということが言われておるわけですが、先ほども同僚の大森委員の方から受信料の支払い義務化の問題が提示されまして事務局からも答弁がございましたが、この放送法第三十二条の改正問題の取り扱いについて郵政大臣から御見解を承りたいと思います。
#86
○政府委員(田中眞三郎君) 受信料の問題につきましては、ただいま先生からいろいろ御指摘もございましたように、NHKにとりましてもいろんな角度から検討を進めておるところでございます。
 なお、この改正を考えているかということにつきましては、先ほどもお話の出たところでございますけれども、やはり受信料収納の円滑化と負担の公平化という点については役立つ面があるという考え方でございますけれども、それを近い国会に提出するかどうかにつきましては、いま少しく検討を続けさせていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
#87
○太田淳夫君 そちらからいただいた資料によりますと、滞納件数もふえています」、契約拒否をされる方も年々ふえているんですね。こういう契約を拒否される方がふえるということは、受信料負担の公平ということが先ほどからも論議されておりますが、きわめて問題があるのじゃないかと思うんです。
 五十四年は十万二千件、五十五年が十万七千件、こういう契約拒否者、これはいままでどういう状況なんですか。いままで契約された方の中からそういう拒否者が出る。次はもう契約しませんと出るのか。新しく訪問されたところで契約はしませんと、うちは。どういう状況でしょうか。
#88
○参考人(海林澣一郎君) 契約拒否すなわち未契約という範疇でございますけれども、実は、いま年間の世帯の移動率というようなもりは非常に多くなっておりまして、引っ越しをされるときには廃止をして次の住居に移られる。そういう部分での未契約数というのが概算三百万という数がございますけれども、これは転居されれば一カ月なり二カ月後にお訪ねして契約ができるという形をとっておりまして、それから一歩踏み込んでと申しますか、いま先生の御質問の部分でございますけれども、転居してきた方にお会いした、あるいはそこに長くいらっしゃる方でもそうでございますけれども、何らかり理由で、まあ一番ポピュラーなのはNHKは見ていない、民放きり見ていない、あるいは隣が契約していないというような理由をおつけになって、われわれが実際にお会いできて、面接をして、契約をしていただきたいということを慫慂しながらそれを拒否される、これが先生がいまお挙げになりました、五十四年度の十万二千、五十五年度の十万七千という数値に相なっているわけでございます。
#89
○太田淳夫君 拒否される方はいろいろな理由があろうかと思いますが、一般的に言いますと、NHKのいわゆる硬派番組と申しますか、それに対する支持はかなり高いと言われているわけですが、しかし、こうした番組の視聴率は低いのじゃないかともまた反面言われているわけ存す。この原因についてNHKとしてどうそれを受けとめてみえるかという点ですね。そしてまた、余り視聴率にこだわりますと、その硬派番組を好んで見ているNHKの固定的な視聴者をおろそかにする結果になろうかと思うんですが、その点の調和についてNHKとしてどのように考えてみえますか。
#90
○参考人(田中武志君) お答え申し上げます。
 御存じのように、放送法におきましてわが国の放送がNHKと民放との二本立てになっておりまして、いい意味での競争原理が導入されまして、お互いに特色を出し合っているというのが現状でございます。そういった中で私ども、報道番組、あるいは教育番組一教養番組、娯楽番組之いったところを、四つのそれぞれの分野におきまして調和をとりながら放送しているのが現状でございます。
 なお、これにつきましては、こういった調和のとれた番組の編成を行うためには、これも御存じだと思いますが、各種の世論調査とか、あるいは視聴者とのひざを交えた懇談会とか、そういったところから皆さん方の御意向を受けとめて、その各分野の調和ある番組の基本的な考え方を定めているというのが現状でございまして、現在、週間でいたしまして部門別の比率は、報道番組が三三%ぐらい、それから教育番組が一七%ぐらい、それから教養番組が二五%ぐらい、それから娯楽がやはり二五%ぐらいというような一応の比率をもちまして五十六年度も編集の基本計画を策定しているわけでございます。
 なお、こういったような番組り中で、いま先生御指摘のように、できるだけ中身の濃いいい番組を出していきたいということでいろいろ私ども努力しているわけでございまして、そういった意味合いで、いま申し上げました比率につきましても、できるだけ一方に偏らないような、分野的に偏らないような方向で今後ともひとつ努力していくつもりでございます。
#91
○太田淳夫君 いろんな番組の部門別編成比率、いまお話がありましたけれども、この比率で今後も番組編成を考えていきたいということだと思いますが、娯楽番組が二五%ぐらいどいうことでございましたね。報道機関としての性格から報道番組の比率が筒くなるのは当然だと思うんですけれども、娯楽悉組の比率が二五%ということですが、民放とは競合しない方向で努力したいとおっしゃっておりますが、この娯楽番組に対する考え方はどのような考え方でしょうか。
#92
○参考人(田中武志君) ただいま申し上げました比率は総合テレビジョンでございまして、これも御存じだと思いますが、教育テレビジョンにおきましては、当然のことでありますけれども教育部門が八〇%以上ありますし、教養部門が一八%以上ある。それから、そのあとが報道というようなことになっております。そのほか、ラジオ第一放送、あるいは第二放送、FMというところでも、それぞれの波の特色に応じまして部門比率を決めておるわけでございます。
 そういった意味合いから、娯楽が総合テレビジョンではいま御指摘のように正確には二四・七%ございますけれども、この辺についてはできるだけ中身の濃い良質の番組を五十六年度におきましても種々開発したつもりでございます。今後ともその辺につきましては、一味違ったNHKらしい、ひとつ皆さんに楽しんでいただける娯楽番組を開発して水準を保っていきたいというふうに思っております。
#93
○太田淳夫君 アメリカではほとんどニュース専門局みたいのがあるようでございますが、NHKの性格上もっと報道番組の比率が高くなってもいいのじゃないかという感じもするわけですが、その報道、たとえばニュース等ですが、NHKは一番ニュース、情報を求める国はどこが一番多いんでし上うか。
#94
○参考人(田中武志君) いま先生一番最後におっしゃったのはどういうことでございましょうか、大変失礼でございますが。
#95
○太田淳夫君 たとえばニュースに登場する頻度の高い国と低い国とがあろうと思いますが、その点はNHKどうでしょうかとお聞きしたんです。どの地域、アメリカですか、ヨーロッパですか、アジアですか。
#96
○参考人(田中武志君) ニュースをたくさんやっているところは、日本のこのNHKも非常に朝早くから御存じのようにやっておりますし、それからいわゆる報道の競争の熾烈な面からいえばアメリカ、そういったところではなかろうかというふうに思っております。
 なお、ヨーロッパの方は、私どもの見たり聞いたりしているところによりますと、それほど報道の面での、ニュースの面での競争は激しくないように見聞きしております。
#97
○太田淳夫君 ある調査の結果がここに出ておるんですけれども、各国のテレビ局とNHKとかTBSとか、いろいろ比較して調査された結果だそうですが、これは五十五年十」月と書いてありますが、これで見ますと、テレビニュースの中に占める海外の関連ニュースの割合は、NHKは三八・四%、TBSは三五・九%、アメリカは四三・八%、イギリスは四一・一%、オーストラリアは四六・〇%、マレーシアは四七一四%、香港は六〇・三%ということですが、日本はアメリカとイギリスといった先進国に似たような傾向を示している。そして、そのニュースに登場する頻度の高い国と地域は、国ではアメリカ、地域では西ヨーロッパとなっているそうです。特にごの傾向が強いのは日本だと。NHK、TBSともに、ニュースに登場する国全体の中でアメリカは三〇%、西ヨーロッパは一六%、日本が属するアジアの国に関連するニュースはNHKで一五%、TBSで一三%にすぎないということです。
 これに対してアジアのテレビ局、マレーシアと香港では、いずれもアメリカよりもアジアにウエートを置いた編集がされているという一つの調査結果があるわけですが、やはりニュースに登場するのはアメリカ、西ヨーロッパということになるんでしょうけれども、もっと私たち日本の置かれている地域、アジアの報道というものももっとウエートを置く必要があるのじゃないかという提示がされているんですが、その点どうでしょうか。
#98
○参考人(田中武志君) 私ども海外に、御存じのようにいろいろ特派員も派遣いたしまして、東南アジア、そういったところがらのニュースの取材を数々行っておりますけれども、特にことしの初めからは中国からも週間定時でニュース交換などもしながらニュースの素材を受けております。そのほか東南アジア、特にタイあたりからも将来そういったことも考えてみたいということで、いまいろいろ検討を慎重に加えております。そういった意味合いで、これから御指摘のように東南アジア、アジア地区でのニュース取材につきましても十分努力をしてみたいというふうに思っております。
#99
○太田淳夫君 五十六年六月の全国視聴率調査、この結果を見てみますと、このように書いてあります。例年、男については七歳から十二歳、十二歳から四十歳までは大きな変化はないけれども、五十二年前後から全般に漸減傾向が見られる。また、女については七から十二歳が五十一年以降減少傾向にある。二十代では五十五年、五十六年がそれ以前に比べて約二十分少なく、三十代では五十一年以降やはり減少してきている。こういうふうになっているわけですが、視聴者の理解と協力を得て、NHKの財政基盤を強固にするためには、先ほども収納努力の中にございましたけれども、都市部あるいはその他の若年層に対する理解と協力がなければこれはなかなかむずかしいのではないかと思うんですが、この調査の傾向についてNHKとしてどのように考え、また努力されますか。その点をお聞きしたいと思います。
#100
○参考人(田中武志君) 御指摘のように、若年層の調査結果につきましては、私どもの方でこの六月に調べたところでも、やはりテレビにおきましては特に女性の二十代あたりのところでやや減少傾向というものが出ているのは事実でございます。しかし一方では、ラジオの方におきましては若年層で、若干ではありますけれども、このところふえてきております。そういったような調査結果がありますし、私どもにとりましては、このいわゆる若い人々に対して、現在の取り巻いておる社会状況の変化とか、あるいは若者自身よりはわれわれ中高年層の方の側から見た若者たちのとらえ方あるいは引きつけ方、そういったものなども十分考えなければならないというような基本的な考え方でこれから番組なども、過去もつくってまいりましたし、これからもそういった考え方、認識のもとで制作したいというふうに思っております。
 特に、いま申し上げたような点を踏まえまして、若年者の方々の価値観とか行動、あるいはそういったものを多角的にアプローチしながら、若者向けの番組の提供というものについて今後特に充実していきたいということを考えておワます。現在、私どものやっております若年層向けの番組といたしましては、教育テレビの「若い広場」とか、あるいは総合テレビの「中学生日記」とか、あるいは総合テレビの「600こちら情報部」といったようなところが大変好評を得て支持を得ているのじゃないかというふうに考えております。
#101
○太田淳夫君 先ほども国際放送についての質疑がございましたけれども、五十六年度の郵政省からNHKに対する国際放送の交付金は九億九千七百六十万九千円となっておりますが、このうちの放送費は六億二千三百九十六万円です。しかし臨調答申の補助金等の一割削減という要請もあって、五十七年度の予鎌要求額は九%減の五億六千八百四万円となっておりますけれども、これは国際放送の充実ということが当委員会でも非常な議題になっております。そういった点から考えますと非常に好ましくないのじゃないかと思うんですが、この結果、番組内容の低下を来すのじゃないかという心配もあるんですが、このような措置についてNHKとしてどのようにお考えでしょうか。
#102
○参考人(坂本朝一君) NHKといたしましても、国際放送の充実ということを念願にいたしておりますので、そういう意味でNHKの内容的なところにしわ寄せがこないことを念願しておる次第でございます。
#103
○太田淳夫君 先ほども、大森委員の方からお話がありましたけれども、国際放送についての改組案がいろいろと報道されている。郵政省としても一千万円の調査費を要求しているようですけれども、NHKに対する交付金も五十七年度から五十九年度までの財政再建期間中というのは増額が困難だという見通しからすると、抜本的な改善方策が検討されてしかるべきじゃないか、こう思うわけですけれども、ここで調査費の要求が出てきた。先ほど局長からもいろいろと答弁がございましたけれども、やはりどんな方向で調査するのか、もう一度御答弁いただきたいと思います。
#104
○政府委員(田中眞三郎君) 国際放送の重要性については、本委員会でも十数年来たびたび狙上に上っておるところでございます。私どもといたしましても、少ない予算の範囲内ではございますけれども、特にこの国際放送については私どもへの予算のつき方においては平均をはるかに超えてまいったわけでございますが、なお不十分であると。先ほど御指摘ございましたように十億に満ちておりません、足りておりません。それが現在一割の削減というようなことで、努力によりまして人件費を除いてもらいまして二・五%の削減要求ということで、現在一割に比べまして二・五%という努力まではこぎつけておるところでございますが、諸外国、先進国等々に比べると格段に差がある。
 外国へ行かれまして聞こえなかったというようなお話がたびたび出てまいるわけで、その辺の原因を技術的にもいろいろ調べておるわげでございますが、やはりその程度り従来と同じような努力の仕方では、最近とみに高くなっておる国際放送の重要性の御期待に沿えないのではないかというようなことから、国際放送を抜本的に強力化、充実するのには従来の手法ではいかぬのではないのか。
 手法を含め、財源の生み出し方、あるいは放送を含めての放送実施のあり方、あるいは国際協力の一環としてのお金の出し方というようなことを含めまして多角的にいろんな議論は出てまいりましょうけれども、国際放送の重要性というものを認識した場合に何が一番適当であるのか、現在方法よりもより抜本的な名案は出てこないものかというようなことを、まだ決めておりませんけれども、委員会形式ないしは他のシンクタンク等に御相談するというような考え方のもとに、技術的方策を含めて一千万円の要求をしておるという次第でございます。
#105
○太田淳夫君 放送実施のあり方というお話ですが、これは技術的な問題だけですか。
#106
○政府委員(田中眞三郎君) 技術的な問題を含めて、その他のいろんな議論は出てまいろうかと思いますけれども、私ども、こうした方法ということで予定しているものではございません。
#107
○太田淳夫君 これは今年限りで、一年間の五十七年度予算だけですね。
#108
○政府委員(田中眞三郎君) いまのところ、そのつもりでございます。喫緊の課題であり、早急に方策を見出すべきであるというふうに考えております。
#109
○太田淳夫君 先ほどの大森委員の質疑の中で、経営主体の変更もあり得るというようなことをおっしゃったんですか、局長答弁で。
#110
○政府委員(田中眞三郎君) やはり人間が考えることでございますので、いろんなアイデアが出てまいりまして、それが適当であり御賛同を得られればそういうこともあり得るのではないかというふうに、ただ予想といいますか、何とか方策を見出したい、いい名案を見出したい、そういう苦し紛れの答弁でございます。
#111
○太田淳夫君 御苦労されたと思いますが、NHKさんもいままで一生懸命国際放送については努力されているわけですから、余り変わったような御意見が出てこないようにひとつよろしくお願いしたいと思うんです、局長もいろいろ苦労されると思いますが。
 NHKさん、どうでしょうか。NHKさんとしては、これまでいろいろと国際放送については、いま局長のお話の中で人件費等のいろいろな努力をされながら努めてみえたわけでございますので、こういった経営主体を含めてどうのこうのというような変な動きが出てこないように私たちも願っているわけですが、その点、会長としてどのようにお考えでしょうか。
#112
○参考人(坂本朝一君) 御承知のように、現在の非常に複雑化している国際情勢の中で、日本の国際放送というのは大変大きな責任、さらに期待を持たれているのではないかと思っております。NHK自身といたしましては、現在実施しておりますNHKの国際放送それ自身は海外においてもかなり高い評価を得ているのじゃないかという確信を持っておるわけでございまして、今後といえども国際放送は私どもが実施したい、そういう考え方でおりますので、たまたま機会を与えられましたので、そう申し上げたいと思うわけでございます。したがいまして、ぜひ今後の調査の中において私どもの考えも十分御配慮いただきたいということを申し添える次第でございます。
#113
○太田淳夫君 次に、放送衛星のことにつきまして質問さしていただきますが、五十八年に放送衛星BS−2が打ち上げられる。成功を祈るわけでございますが、世界的にチャンネルプランを八チャンネル日本に割り当てられている。その割り当てられた資源というのを有効に使わなければなりませんが、衛星放送は非常に地上系に比べますと多くの利点がある。この衛星放送の活用方策というのを決めなければなりませんけれども、この放送衛星の政策目標についてお伺いしたいと思います。
#114
○政府委員(田中眞三郎君) 現在、日本に割り当てられました放送衛星用のチャンネルプラン、八チャンネルございますけれども、その貴重な資源をどう使うかという全体の利用計画は必うなっているのかという御質問かと思いますが、そういうことでお答え申し上げたいと思います。
 御存じのように放送衛星は、NHKの難視解消あるいは放送大学のように全国的な区域を対象とする場合にはその性格上同一ビームで非常に広角度、真上から送ってくるということで全国を一挙に解消できる、カバーできるということで有効でございますけれども、反面、その利用のあり方、どこが利用するかということになりますと、そのやり方いかんによりましては、現在すでにできております放送秩序と申しますか、単純に申しますと民間放送でございますが、それに対する大きな影響も可能性としてあり得るわけでございます。そうした観点をも考えた上で、昨年七月に設置いたしました放送の多様化に関する調査研究会議におきましても、つい最近の第十三回、十四回、十五回の会合においても中心テーマになったわけでございまして、鋭意検討をしているところでございまして、そうした場でのお答えも踏まえながら、できる限り早急にこの貴重な放送衛星用の電波の利用のあり方というものを検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#115
○太田淳夫君 そうしますと、今後その利用形態というのは決められることですけれども、政策目標乏して、その利用形態を決定される前に一応NHKに二チャンネル割り当てられているということですが、難視聴の解消が可能となり、また全国一律放送ができるということですが、NHKにはローカル放送が義務づけられておりますし、NHKとしてはこのBS−2後のローカル放送の充実についてどのように考えておみえになるんですか。
#116
○参考人(高橋良君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおりに、放送衛星が上がった場合に全国的に難視は解消できる、その主目的でもって当面BS−2の利用を考えているわけでございますが、ローカル放送につきましては、この前の委員会でも申し上げましたように、受信機の普及ということにもかかわってまいりますので、衛星が打ち上がったからといって地上放送設備というものをなくすということにはまいらないと思っております。したがいまして、当面の間はきめ細かいローカル放送のサービスというものは地上施設でもって賄っていぐというような考え方をしておるわけでございます。
#117
○太田淳夫君 次に、この打ち上げの費用ですけれども、費用は大体六百億円と言われておりますけれども、BS−2打ち上げの費用約六百億円ですけれども、これに限ってみますと、実用と開発の両面があるので、国が四〇%、NHKが六〇%、約三百六十億円の負担をNHKはする、このように言われているわけですけれども、この実用と開発の両面を持っているBS−2のどの部分が実用でどの部分が開発と考えたらいいのかというような問題もあるんですが、この比率の決定にもいろんな論議があったと思いますが、その点がどうかということと、わが国の宇宙開発の技術というのはアメリカに比べて大きな差がありますが、このBS−2に限って考えた場合には、国が負担する打ち上げ経費の四〇%という部分は国としての宇宙開発技術増進のための費用、こう見るのが相当だと思いますが、その点どうでしょうか。
#118
○政府委員(田中眞三郎君) 御指摘のとおりBS−2に要する経費は六百十二億円ということでございますが、開発の部分があり、実用の要素がある。そういうことで、国が開発経費を持ち、また利用者でありますNHKが実用の部分を受け持つというような考え方で、国として四割、NHKが六割ということになっておるわけでございますが、細かいそれぞれのロケット部分あるいは載っかっております送信機部分、コントロール部分、アンテナ部分といいました場合に、どの部分が開発に当たり、どの部分が実用化されておるものであって開発経費を要しないものかというのは、非常に複雑でございまして申し上げにくいかと思いますが、一応BSの場合は国産化率というようなものが、お答えになるのかどうかちょっとわかりませんけれども、国産化率で申しますと、BSの場合一五%、BS−2の場合、いまお話しになっております場合には三一%程度に国産化率を上げるというような違いがございます。
 また、打ち上げロケットについて申しますと、BSについてはデルタ二九一四というアメリカのロケットをそのまま借用した場合でございますが、BS−2の場合にはNIIという国産化のより高まった、つまり開発経費を投じたもので予定しておるということで、その第一号機は今年春成功したというようなことで、たしかBS1−2の場合はNIIの五号機と八号機を使って打ち上げる予定というふうに伺っておる次第でございます。
#119
○太田淳夫君 この放送衛星の寿命というのは五年と言われておるわけですが、BS−2が五十八年に打ち上げられますと、大体その寿命は六十三年ごろまでということですね。そうすると、六十三年にはBS−2にかわる次期衛星、BS−2にかわるものですからBS−3と言われているわけですが、このBS−3についてはどのように検討されておりますか。
#120
○政府委員(田中眞三郎君) いろんな角度からの検討がございますけれども、BS−3の利用の仕方についてどう検討が進んでおるかということかと思いますけれども、これにつきましては部内の、多重放送に関する調査研究会議もそうでございますが、実用衛星部会BS−3分科会というところでBS−3のあり方につきまして検討を進めておるということで、宇宙開発の場合、実は非常に複雑でございまして、通常は概念設計、予備設計、それから基本設計、詳細設計というふうな段階に入るわけでございますが、BS−2の場合で申しますと、現在、本年の二月に先ほど申しました第三段階の基本設計を開始して九月末に基本設計を終わった、そうして、なおその次の段階の詳細設計も並行して行っておるわけでございますが、本年末からは一部衛星本体の製作に着手する予定、こういうふうなぐあいになっておるわけでございます。
#121
○太田淳夫君 いまBS−2のお話がありましたが、BS−3の場合、衆議院の委員会でも御答弁があったようですけれども、いろいろ乏これから設計等を進めながら開発をしていくわけですけれども、打ち上げまでに約四年ぐらいの年月が必要であると言われておりますし、それから逆算しますと、六十三年に打ち上げるためには五十九年ごろまでにはBS−3の活用形態とかユーザーとか決定しなきゃならないということになろうかと思うんですが、衆議院の委員会では、BS−2については民放の乗る余地はない、BS−3については一つだけ余地があるという局長の御答弁でしたけれども、郵政省としてもこのBS−3の利用形態についてあるいは活用方法についてある程度の結論をまとめているのじゃないかと思うんですが、その点はどうでしょうか。
#122
○政府委員(田中眞三郎君) BS−3の利用のあり方でございますが、御指摘のとおり、百ワット程度を予定いたしますと四チャンネルの余裕がございます。百五十ワット程度の空からの送信機電力を予定しますと三チャンネルということで、NHKの難視解消のための二チャンネル分と放送大学用の一チャンネル、余裕といたしましてもう一チャンネルあり得る場合があるということでございますが、その四番目と申しますか、これについての論議も、実はつい昨日の放送の多様化に関する調査研究会議にも私どもいろいろな角度からの案を提示いたしまして御講論いただいたわけでございますが、そのときに、先生方の御意見でございますが、それよりも四番目のチャンネルを使う主体がどこになるのかというようなこと、あるいはどういう使い方が最も魅力的であるか、その辺についてはなかなかまだ決めにくいというようなことで、先生方の方からはこれについての明確な回答を要求するのかという御質問が私どもに参りましたわけですけれども、その辺、先生方としても大変むずかしいなというような御返事でございまして、それよりも前に、こうしたものを受ける放送用受信機の普及というものからは、何か特定しないで放送用受信機の普及を図れるような方策、たとえば第四番目については、合同した、宇宙放送の拡大に関心を持つような各種の団体の実験的なものが考えられないだろうか、いずれにしても受信機の側での普及というものが一番問題であるというふうなお話が出たところでございます。
#123
○太田淳夫君 いま検討は進められておるようでございますが、百ワット四チャンネル、百五十ワット三チャンネル、あるいは主体者をどこにするか、あるいは活用方法ということでございますが、もしも四チャンネルになった場合には当然これはユーザーがふえるという形になりますので、打ち上げの費用についてはそのユーザーの負担ということでNHKの費用負担は減るんですね。
#124
○政府委員(田中眞三郎君) その辺の段階までのまだ話が進んでおりません。ということは、放送大学の利用につきましても、放送大学学園法案の審議中に放送大学が放送衛星を利用する場合の利点あるいはその辺を含めましていろいろ御議論になったわけでございますけれども、その場合にもお答えしたところでございますが、まだ文部省当局とも、また新しくできます放送大学学園ともその辺詰めていないわけで、ただ非常に有益であり、私個人といたしましては、技術的に非常に余力がありますので、まず放送衛星の利用の中に乗っかるということは十分考えられるわけでございますけれども、財政当局とも話していなければ文部省ともその辺を話を詰めていない。したがいまして、その次に参りますもう一つのグループが第四チャンネルを利用する場合にどうなるのかということは煮詰まっておりませんけれども、当然お話の、普通の常識的な考え方としては、三チャンネル、四チャンネル乗りました場合にその中におけるNHKの利用が二チャンネルということであれば、当然それなりのNHKが負担すべき分というものは軽減されるという話になるであろうというふうに考える次第でございます。
#125
○太田淳夫君 もう時間があれですが、この放送衛星の寿命も考えますと、大体五年ぐらいということですが、そうしますと、NHKとしても第二、第三世代の衛星を打ち上げると考えてみますと、五年ごとに多額の費用負担を要するわけですけれども、この多額の出費と受信料の兼ね合いをどのように考えてみえるのか、あるいは受信料への影響は当然軽減しようとして努力されると思いますが、その点いかがでしょうか。
#126
○参考人(高橋良君) お答え申し上げます。
 確かに、この国産衛星のBS−2の六〇%相当の負担ということにつきましては、NHKにとっては多額の軽費負担だというふうに考えておるわけでございます。それで、これの低廉化につきましては前々からも関係機関にも要望してまいったわけでございます。しかし、今後地上施設でもって難視解消を全部行うということになりますと、残りの散在地域の約四十二万というものの経費が、われわれの地上における、紙の上の計画でございますが、二万二千施設ぐらい必要になるのじゃないか、経費としては現在の地上施設の延長で参りますと一千億をオーバーする、これに比べれば三百六十億の負担ということは経費的にも効率化ができるというふうに判断してまいったわけでございます。
 BS−3につきましては、いま局長のお話のように経費負担は何も決まっておらぬわけでございますが、NHKの経費負担の原則といたしましては、まず一つの考え方としては、先ほど先生のお話にもございましたように、実用と開発という考え方からいたしますと、ミッション機器等についてのNHKが実利用をする部分についてはNHKが負担する、それ以外のロケット及び打ち上げの経費については国に負担をしていただきたいというのが当初の発想で、折衝もし、御協議していただいたわけでございますが、六〇%負担ということになったのですけれども、今後といたしましても、もしそれも無理であるならば、ロケット及び打ち上げの費用を含めまして国際市場価格、これを上回るものについては国の方で負担をしていただきたいものであるという考え方で今後関係機関にも御努力を賜っていきたい。
 なお、具体的に申し上げますと、BS−2のような小さい衛星でございますとこれは寿命も非常に短く五年ぐらいでございますが、大型になってまいりますとこれは経費的にはチャンネル当たり安くなる。先ほど局長のお話にございました電波利用開発調査研究会におきましての試算でいきますと、大体七年ぐらいもつような衛星になりました場合の年経費はBS−2よりも二分の一ぐらいの勘定になるのじゃないか。これはチャンネル当たりでございます。
 そういう見当もついておりますので、この大型衛星について上げることは結構でございますし、それによりまして、いま局長から御答弁ございましたように、チャンネル当たりの経費というものについて安くするという方向つけ、さらに受信料のかかわりでございますけれども、これにつきましてはNHKの考え方は当然でございますが、いままでの難視解消に充ててまいりました建設費並びに事業費相当でもって賄っていくということを一つの考え方として打ち立てておるわけでございますから、そういう意味では今後直接受信料の値上げにはね返らないように経費の低廉化についてなお一層関係機関と協力してやってまいりたい、そのように考えているわけでございます。
#127
○太田淳夫君 いまユーザー側としてのNHKの御意見がございましたが、NHKはやはり受信料を収納してそれで経営をやっているという面がございますし、その点も郵政省として考慮していただきたいと思うわけです。これは、いま国際価格以上のものというお話がございましたが、やはり国家の宇宙政策に協力するという立場から、あるいは自主技術の開発という、そういった至上命令があってNHKさんとしても非常に苦しい中で費用分担されているのじゃないかと思うんですが、その点で郵政省として、やはりユーザー側のいろんな考えも取り入れて今後進めていただきたいと思うわけです。大臣の所見をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
#128
○国務大臣(山内一郎君) BS−2につきましてぱ、すでにNHKと国の負担割合が決定をいたしておりますので、このとおりやってまいりたいと思いますが、BS−3につきましてどういうことになるか、電波監理局長もいろいろ申し述べましたけれども、これからの問題もございますし、いろいろ検討さしていただきまして、NHKの負担についてもこれまた十分考慮してまいりたいと考えているわけでございます。
#129
○委員長(勝又武一君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十八分開会
#130
○委員長(勝又武一君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本放送協会昭和五十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#131
○中村鋭一君 申しわけございません。私、腰を痛めまして、ちょっと立ったり座ったりが不自由でございますので、座ったまま質問させていただいてよろしゅうございますか。
#132
○委員長(勝又武一君) はい、どうぞ。
#133
○中村鋭一君 おとといの委員会が暫時休憩のまま再開されることなく終わりまして、政府委員並びに参考人の皆さん、せっかくお越しいただいたのに質疑に入らなくてお帰りいただいたわけで、大変恐縮でございました。おわびを申し上げます。
 放送大学学園法案が成立して、放送大学学園から文部大臣に放送大学の設置認可の申請が出された、こう聞いているんです。ですから、本格的に放送大学が軌道に乗るといいますか、その構想が具体化しつつあるわけですけど、この法案に関してNHKの第三チャンネル、それから受信料の性格との関連ですね、こういった点について論議がいまも交わされていると思いますが、NHKとして、この放送大学学園構想が本格化していることについての現在の対応の仕方と御見解を、まずお伺いいたします。
#134
○参考人(坂本朝一君) 先生御指摘のように、放送大学が正式に設立されることになったわけでございます。そういたしますと、しばしば申し上げておりますように、昭和二十五年以来NHK、民放という二本立てのわが放送の基本制度の中に新たに国費を財源とする第三の放送事業が誕生する、こういうことになるわけでございます。
 ただ、現実に放送大学の運営とかあるいは番組がどういうふうになるのかということは漸次明らかになるとは思いますけれども、NHKといたしましては、いかなる事態になりましてもNHK自身今後とも国民的放送機関としての視聴者の要望、それに沿って本来の使命を果たしていきたいというふうに考えているわけでございます。したがって、いま先生御指摘の特に影響を受けるのではないだろうかと言われております第三チャンネル、教育番組につきましても、そう申しては何でございますけれども、多年の実績、そういうものをもとにいたしまして、より一層すぐれた番組を放送して視聴者の生涯教育に対する要望にこたえるとともに、教育番組の放送の質の向上を図っていきたいというふうに考えております。
 したがいまして、受信料関係につきましても、たとえ放送大学が誕生したとしても、広く国民の間にNHK並びにその受信料制度というものに対する理解と支持を得られるようもろもろの施策を講じてまいりたいというふうに考えているわけでございます。したがいまして、放送大学の出現によってNHK並びに受信料制度への影響というものを生じないように努力するというのが私の使命であろうというふうに考えて努力する次第でございます。
#135
○中村鋭一君 そうしますと、将来これが軌道に乗った場合NHKとしては、人材、機材、それから既存のNHKの放送設備の提供等を含めてこの放送大学については全面的に協力の姿勢を貫きたい、このようにお考えでございますか。
#136
○参考人(坂本朝一君) その点につきましても、当委員会で私の見解を表明する機会があったかと思うのでございますけれども、いま申し上げましたような立場で共存するということでございますが、NHKの従来のいろいろなノーハウその他を含めて放送法、法律の許す範囲において御協力申し上げるべきところは御協力すべきではないかというふうに思っております。したがいまして、いま放送大学の方にも、私にとっても先輩でありますNHK顧問がそのお手伝いに上がっているというような状況でございます。
#137
○中村鋭一君 私は、この放送大学学園法案については反対の立場を終始貫いてまいりました。けれども、現実に法律案は成立をしたわけで、大学ができるわけですから、とすれば、一番理想的な形で本当に国民の皆さんの役に立ついい大学になるようにNHKも協力をしてくださるように指摘をしておきたいと思います。
 次に、オリンピックなんですけど、昨年のモスクワ・オリンピックは民放一社が放送権を独占して、結果は日本の選手は参加しない、新聞、佳ま等では二十億円のむだ遣いというようなことで、テレビ朝日の重役の進退問題にまで発展したことは周知の事実なんですけれども、この次のロスのオリンピックにつきまして、これは先般の委員会でも白木委員がお尋ねになっていらっしゃいましたけれども、現在の放送の交渉の進捗状況と、それからNHKと民放との話し合いの現段階における状況をお教え願いたいと思います。
#138
○参考人(田中武志君) 御存じのように、オリンピックは回を重ねるごとに放送権料というものが非常に高くなっておりまして、いまお話の中にありましたように、符に前回のモスクワ・オリンピックのときのわれわれ反省にも立ちまして、おととしの十一月にNHKと民放連との間で共同記者会見をいたしまして、ロサンゼルス・オリンピックにつきましては共同交渉、共同制作、いわゆるモントリオール方式でいこうということで合意して内外に発表したわけでございます。
 それで、昨年の十一月に、こういった決定のもとに私と民放連の川手さんとでロサンゼルスに行きまして第一回の交渉をしてまいりました。その席上、ロサンゼルス・オリンピックの組織委員会の方からは、当初は約四千三百万ドル、その後二千八百万ドルぐらいまでは下げてまいりましたけれども、大変な高い金額でございますので、一応昨年の第一回交渉は決裂というような形で戻ってきたわけでございます。
 そして、この後、公式、非公式に二回ほど折衝してまいりましたけれども、特にこの九月の末にも交渉いたしまして、向こう側は二千八百万ドルを若干下げるような感触を得てまいりましたけれども、御存じのようにまだまだわれわれの考えている数字とはかなりの差がありますので、私どもとしては、この辺の格差のところを今後の交渉によりましてできるだけ早く詰めていきたいというふうに考えております。
 なおかつ、その間、御存じのように九月末の西ドイツのバーデンバーデンで七年後はソウルということに決まりましたので、私どもといたしましては再び民放連の方と話し合いをいたしまして、まだロスの方の交渉が終わりになっておりませんけれども、七年後のソウルの放送権についてもロサンゼルス同様、共同交渉、共同制作ということでやっていこうということを、先月の二十六日に私どもの坂本会長と民放連の浅野会長が共同記者会見をいたしまして内外に発表したわけでございます。
 このような形でNHKと民放連との強い協力関係というものはますます今後も強めなければならないというふうに考えておりまして、今後ともお互いに手を取り合って共同歩調でオリンピックのこの交渉権の問題について取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#139
○中村鋭一君 今度は民放と仲好くおやりで大変結構なことだと思うんですが、会長、最近日本のオリンピック選手の活躍が余り見られませんので、全般としてオリンピックの中継放送そのものに対する関心といいますか、テレビについて言えばこれが視聴率の低下につながってきているわけですね。
 そこで、お伺いですけど、NHKとして現在そのオリンピック取材に対してどの程度の陣容で臨まれるおつもりなのか。それから実際の放映は生何%、あるいはフィルム取材、VTR取材等何劣を予定しておられるのか。それから民放との共同取材ということになりますと、アナウンサー、ディレクター等の派遣についてもこれから話し合いを進めていかなければならないわけですけれども、ごく具体的に言えば、たとえば開会式、閉会式、水泳、バレーというような人気種目等はNHKがアナウンサーをおとりになるのか、それは民放とお話し合いになるのか。その辺、具体的にわかっている範囲でひとつお教え願いたいと思います。
#140
○参考人(田中武志君) 先ほど私が説明いたしましたように、現在はロサンゼルス・オリンピックにつきましては、放送権料をNHK、民放と一緒になりましてできるだけ安い値段で獲得するということで鋭意やっているわけでございまして、いま御質問の件につきましては、放送権が獲得できました後私どもと罠放連との間で十分お互いの意見を打ち明け合ってひとつ詰めていきたいというふうに考えているところでございまして、先日もロサンゼルスでホストの放送機関でありますアメリカのABC放送が世界各国の放送機関を集めまして、その辺の技術的な面での話し合いはありましたけれども、日本国内ではこれから青写真をつくって、いま御質剛のありましたVTRあるいは生、そういったことについての詰めをこれからやるという段階でございますので、まだ内容的にははっきりしていないというのが現状でございます。
#141
○中村鋭一君 しかし、過去の実績等から界出いたしまして、青写真というものはNHKの方でおつくりじゃないんですか。たとえば大体何人ぐらいロスへ持っていくとか、人の面で。それはないんですか。
#142
○参考人(田中武志君) 今回は、先ほども申し上げましたように共同で制作していこうと。ラジオで言えば、この前のモスクワのときのNHKと民放が共同制作をしたというような形になりますので。ただ、まだ、これまでテレビの方につきましてはそれほどきっちりとした話し合いをしていないということでございますので、テレビについては、話し合いの上で派遣人員それから技術的な面での青写真、そういったものをこれからつくるところでございます。
#143
○中村鋭一君 現実に放送することになりましたならば、最近民放のスポーツアナウンサーの実力も非常に向上しております。これはプロ野球の中継なんか聞けば、いわゆるスポーツ放送のスターアナウンサーというのはむしろ客観的に民放の方が多くいるようなそんな感じがしないでもありませんので、一緒に取材をされる場合はひとつその点に十分配慮をして、いい放送を国民の皆さんに提供してくださるようにお願いをしておきたいと思います。
 NHKの「紅白歌合戦」のメンバーが発表されましたね。それで、司会はたしか山川アナウンサーと黒柳徹子さんというように発表されました。山川アナウンサーはこれで何回目でございますかね、司会をおやりになりますのは。四回目だったですね。国民的関心のある「紅白歌合戦」で毎年同じ山川アナウンサーが登場しているんですが、どうなんでしすう、山川アナウンサーにかわるべき、国民的行事である「紅白歌合戦」のいい司会者というのはNHK内部には見つからないわけでございますか。
#144
○参考人(田中武志君) いま御指摘のように、「紅白歌合戦」の司会者につきましては、男性軍の方につきましてはずっとNHKのアナウンサーを起用しておりますし、女性軍につきましては、司会の能力にすぐれて支持の高い、そういった女性のタレントの方をお願いしているという経緯がございます。こういった形がここ長い三十年間の経緯の中で一応ほぼ定着した形になっておりますので、視聴者の指さん方の御嵩見を伺いましてもそういった面で共感をいただいているというふうにも思っておりますので、私どもといたしましては、男の司会の方はことしも山川アナウンサーをいま御指摘のように起用したわけでございます。これの理由といたしましては、「ウルトラアイ」その他の大変幅広い番組の経験を持っておりますので、また非常に各年代層からの支排もあるというふうに思っておりますので、私どもとしましてはNHKの最後の一年を締めくくる番組にふさわしい人物ではなかろうかというふうに考えまして起用しているわけでございます。
#145
○中村鋭一君 女性の司会者はわりによくかわっておりますし、外部の方を起用しておられますね。いまのお話を伺いますと、別にNHKとしてお決めになったわけじゃないんですけれども、不文律といいますか、「紅白歌合戦」の男性司会者はNHKのアナウンサーをもって充てるというふうにこれはもう不文律でなっているわけですね。そう理解してよろしいわけですね。
#146
○参考人(田中武志君) いまのところ、一応そういう形が、先ほどもちょっと触れましたように、視聴者の皆さん方その他からの共感もあろうかと思いますので、そういうふうに考えております。
#147
○中村鋭一君 女性アナウンサーの頼近さんでございますか、おやめになって民放の方へ移られましたですね。これまでにもたくさんのNHKのいわゆるスターアナウンサーの方が、局をやめて民放の方へ専属契約を結んでお移りになっていらっしゃいますけど、そういうふうにいいアナウンサーが育つとやめていかれる。どういう点に理由があるとお考えですか。なぜやめていくのか。
#148
○参考人(田中武志君) 最近では、いま御指摘の頼近アナウンサーが移籍したわけでありますけれども、私どもといたしましては、アナウンサーの皆さん方には単にアナウンスをしていただくということのほかに、やはり番組に対する幅広い知識経験、そういったものがテレビの画面からあるいはラジオからにじみ出るような方向で、いろいろその方の見識というものが、知識というものが出てくるような形で指導しております。そういった意味合いで、現在も男性アナウンサーはもちろん、女性アナウンサーの中でもきわめて有能な方が数多くおると思います。そういった中で今回民放の方へ移られたわけでありますけれども、われわれのところでの厳しい研修、それから番組面でのいろんな知識を持っていかれて、先ほど会長の方からお話がありましたように、NHK、民放がいい意味での競争をやっている現状の放送体系の中でそういった方たが活躍されることは、全体とすれば私どもいいことではないかというふうに思っております。
#149
○中村鋭一君 ちょっと筋違いの御答弁をいただいたような気がするんですけれども、なぜやめるのかということをお脅ねしているわけです。NHKとしても、せっかく人気のある、いいアナウンサーが育ってくる、そうなるとよその局へとられてしまうのじゃつまりませんよね。ですから、山川さんのような方がおられる一方では、そういうふうに局をやめていくアナウンサーがいるということですね。これはどうなんでしょう、給料が安いからですか。ということは、逆に、引き抜きにかかる側が多額の契約金でうちへ来てくださいと、こう言うからですか。それとも、本人にNHKよりももっとすばらしい腕をふるう場が与えられるから、だからやめていくんでしょうか。田中さん、どのようにお考えですか。
#150
○参考人(田中武志君) 移られましたアナウンサーの方々の、それぞれの個々の事情があろうかと思います。その辺については私どもつまびらかにしておりませんので、わからない点が多いわけでありますけれども、特に給料が低いとか、いま御指摘のようなそういった点はなかろうかと思います。
#151
○中村鋭一君 ですから、私もNHKをおやめになった元NHKアナウンサーの方と仕事上のつき合いがありまして、よくその話をするんですけど、率直に申し上げますと、一つには、やめてよそへ移れば収入が飛躍的にふえる、これが大きな理由です、率直に申し上げて。それからもう一つは、活躍の場がNHKですと、いわゆるおやめになった方のお話を伺うと、NHKカラーから出ることができない、自分の個性を存分に発揮することができない、だからやめるんだということをおっしゃるわけですよね.それからもう一つありますね。これも申し上げにくいことなんですけれども、NHKのアナウンス部と言うんですか、アナウンス局ですか、アナウンサー室でございますか、そのアナウンサーの方々の部署で、ある一人が大変人気が出ますと、たとえば同期のアナウンサーの方が、おれだって彼には負けないだけの力があるのにチャンスが与えられない、彼はた顧たまチャンスが与えられて人気が出たと、一口に言いますといわゆるジェラシー、嫉妬、頼近さんなんかはそのことをおっしゃっていたようにも思いますよ。こういうこともあるわけですね。
 そこで、NHKとして、たとえばそういう人気の出たアナウンサーと契約制を採用するというようなお考えはございませんか。NHKの職員であることをやめて、そうしていわゆるタレント契約の形で専属をしていただく、そういうお考えはございませんか。
#152
○参考人(武富明君) お答えいたします。
 やはり職員の一つの担務としてアナウンサーという職を持った職員を採用いたしておりますので、私ども、去られた方もいらっしゃいますけれども、やはり後に続々とその人材を育てて、そして職員でやってまいりたいというふうに考えておりますので、当面契約によってその業務をやるということは考えておりません。
#153
○中村鋭一君 おっしゃるのはわかりますけれども、それだったら、見方によってはNHKは養成機関になって、いいアナウンサーが育つと飛び出していく。いまおっしゃったように、われわれとしてはちゃんとやっておりますから、後から後からいいのが育っておりますから出ていく人は結構だ、去る者は追わずだ、どうぞ御自由にお引き抜きをくださいと言っているようにもとれますが、それではやっぱりぐあいが悪いので、やはりNHKとしては、せっかく育てたすばらしいアナウンサーがおやめにならないように、いろいろな面で転出防止策といいますか、こういうものを不断に講じてくださるようにお願いをしておきたいと思います。
 地方局のアナウンサーの方ですね、伺うところによりますと、一たん地方局へ出てAKに、東京の放送局の方へ帰ってくる確率は非常に低いと聞いておりますけれども、そのパーセンテージはどれぐらいでしょうか。
#154
○参考人(武富明君) お答え申し上げます。
 現在、全国で五百四十名程度の男子のアナウンサーがおります。これの内訳でございますけれども、約六五%が地方の放送局におります。それから二〇%が大阪、名古屋等の管内担当放送局におります。それから約一五%が東京勤務となっております。したがいまして、比率は東京一といたしますと地方局全体で五という割合になります。
 そして、いまなかなか帰ってこないというお話があったのでございますけれども、確かにこの比率のとおり、東京勤務をしたアナウンサーというものの数が低いことは、これは先生の御指摘のとおりであります。しかしながら、やはりアナウンサーという業務は、ほかの職務に当たった人をそこに入れかえるということのできない業務でございまして、したがいまして、われわれとしては、そういうなかなか東京に帰ってこられないということはございますが、東京ばかりが天下ではございませんので、その地方局の在留の間に管担局、たとえば先ほど申し上げました大阪とか名古屋とか大きな管内担当放送局に帰し、そしてさらに一方では東京と各地方局との間の交流というのをより活発化することによってこの状況を救いたいといま努力をしているところでございまして、かなり改善されていると思いますけれども、基本的には先生のおっしゃったような、東京への帰ってくる年限というのはそう簡単にまいらないということもまた事実でございます。
#155
○中村鋭一君 NHKのアナウンサーは、全部一括まとめて毎年採用されるわけですね。それから、それぞれの行く先といいますか、東京、大阪、地方局というふうにお分けになっておられるわけですね。そうしますと、一たん地方局へ配偶されますと、なかなかいまおっしゃったように東京へ帰ってくることができない。おいおい改善とおっしゃっていますけれども、現実にはほとんど余りないように思うんですね。
 しかし一方、アナウンサーの、私も長年アナウンサーの経験ありますけれども、率直な気持ちを申し上げますと、だれだって北海道や鹿児島や四国やそういったいわゆる地方局よりも、全国中継のネットに乗って自分の腕をふるいたい、できれば山川アナウンサーのように「紅白歌合戦」の司会もやってみたい、これはもう一人残らずのアナウンサーの率直な気持ちだと私は思うんです。だから、少なくともチャンスを与えるという意味でもっともっと、東京と言わず名古屋、大阪といったようなビッグステーションにアナウンサーの人が少なくともローテーションで帰ってくるチャンスを与えるという方法はとれないものでしょうか。
#156
○参考人(武富明君) ただいま先生がおっしゃってくださいましたことは、まさしくわれわれも同時に考えていることであります。しかし残念ながら、冒頭に申し上げましたように、一対五という比率をこれを均等にやりますためには、本当に今度は東京へ帰ってきますと、一年くらいたってまた地方局へ出てもらわないと全部のアナウンサーに東京を経験させるということができないという事情もございますので、先生の御指摘ではございますし、またその趣旨に沿ってわれわれも鋭意努力をいたしておりますので、ちょっと例を申し上げますと、十年前は東京に帰ってまいりますアナウンサーというのは年に二、三人だったのでございます。最近では八名程度、十名に近い人間というものを帰すべく努力をいたしておりますので、その辺もひとつ御賢察の上、われわれが努力をしていることもまた御理解をいただきたい、こう思うわけでございます。
#157
○中村鋭一君 せっかく、ひとつよろしくお願い申し上げます。新聞社でも、朝日にしても毎日新聞にしても、いわゆる練習生として採用されます新入社員は地方の支局へ参りまして、適性をよく見た上で、大阪本社でありますか、東京本社でありますか、そういう本社へ帰ってまいりまして、それで社会部なり政治部なりで存分に活躍するチャンスを与えられているわけですね。ですから、才能があればやはり存分に中央で腕がふるえるような、そういう人事をやっていただくようにお願いをしておきたい、こう思います。
 五十三年度の未収受信料は幾らぐらいですか。
#158
○参考人(渡辺伸一君) お答えいたします。
 八十一億六千万円でございます。
#159
○中村鋭一君 その未収をなくすために、五十三年度はどういう努力をなさいましたですか。
#160
○参考人(海林澣一郎君) お答えいたします。
 いまの未収でございますけれども、一面また滞納受信料というようなことを言っておりますけれども、その滞納対策につきましては、五十三年度、とにかく各御家庭を御訪問して、たかなかお会いできないとかいろんな事情がある、また特にNHKの放送は見ないとか、あるいは逆に言えば民放だけ見るとかいうようないろんな事情が重なっております。それに対しましてはへもちろん先ほどからも出ておりますように、いいNHKの放送が出るということが基本でございましょう。しかし、営業の現場を預かる者といたしましては、たとえば五十三年度訪問対策というりをやっておる。これは未契約あるいは滞納していらっしゃる方のお宅へ特に伺ってNHKの状況を知っていただくような活動をする。件数で申し上げますと二百四十六万三千件お訪ねしている。それから夜遅くならなければお帰りにならないというような御家庭、それはその時間に訪問することはできません。したがって、文書対策、手紙を差し上げます。その手紙が八十一万八千件、それら合わせまして三百二十八万一千件というような件数で、契約してくださらない方あるいは滞納の方に接触をするというような、一例でございますけれども、そういった具体的な対応を進めております。
#161
○中村鋭一君 この対応についてはほかの委員の皆さんもお尋ねでございますから、余り多くはお尋ねしませんけれども、NHKの地方局の放送局長さんに対して、五十三年度以降、特に去年もことしも未収をなくすために、受信料をちゃんと取るためにがんばりなさいという督励はしていらっしゃるんですね。
#162
○参考人(海林澣一郎君) これは私がお答えするのはどうかと思いますけれども、たとえば全国の放送局長会議が十二月にもございます。それから管内担当局長会議も年間二回もしくは三回ある。そのときに会長みずからそういったことについて窓癒し、私が現場としてそれを引き受けて、私は具体的に、たとえば無理解の方がいらっしゃるところでは実は視聴者懇談会というようなあるいは視聴者会議というような、視聴者会議は全国五十三カ所でやっておりますけれども、そういったところへみずから赴いて御説明申し上げろというような、まことにある意味では苛敬謙求に近い形の指導をしているということでございます。
#163
○中村鋭一君 放送局長さんは、放送局長におなりになる前の職場はどこにおられた方が多いんでしょうか。たとえば報道出身の方、営業出身の方、いろいろあると思いますけれども。
#164
○参考人(武富明君) お答えいたします。
 各分野から成っておりますけれども、比較的には報道がいま多いかと思います。
#165
○中村鋭一君 比較的に報道が多い。そして参考人がお答えになりましたように、いま苛敬謙求に近い形で受信料をちゃんと納めていただくように指導をしている、こうおっしゃいましたが、会長、お尋ねいたします。放送局は、特にいわゆる地方局でございますね、何のためにあるのでございますか。
#166
○参考人(坂本朝一君) これは釈迦に説法でございますけれども、放送法に定められておりますように、NHKは全国放送と地方放送をするということで、ローカル放送のかなめでございます各放送局に局長を配置いたしまして、全国放送並びにローカル放送の一つの拠点の責任者としているわけでございます。
#167
○中村鋭一君 拠点の責任者ですが、その地方局が何のために存在するのか。それは地域文化を向上させ、最も良質なローカル色あふれる番組を提供し、地域社会に貢献するためではないんでしょうか。
#168
○参考人(坂本朝一君) 私が申すことをかわってお述べいただき、恐縮でございます。
#169
○中村鋭一君 しかも比較的に報道出身の方が多い。ということは、いまおっしゃったようなローカルステーションの存在意義に沿う点だと思うんですよ、たとえば報道出身の方が多いというようなことは。ところが一方、いまお答えいただいたように、苛斂誅求に近い形でとにかく受信料を取り立てなさい、しっかりと銭集めをしなさい、おまえたちの仕事は放送よりも何よりもまず銭を集めることだ一受信料を取ることだ、それがその人たちの能力査定の第一義になっているような印象を受けるんですが、その点についてひとつお答えをお願いします。
#170
○参考人(海林澣一郎君) 恐れ入ります。ちょっと訂正させていただきます。
 私、苛斂誅求という言葉を少し情感的に使いましたけれども、そういう意味じゃございませんで、私が営業総局長の立場として全国の局長にいろいろと指導するということが、何と申しますか、厳し過ぎるのじゃないかというみずからの反省のような意味で申し上げたので、この言葉は適切でないと思いますので指導というふうに訂正させていただきます。
#171
○中村鋭一君 それは指導でもいいんですが、情感としてでもそのようにお感じになるということは、幹部の皆さんがそのように指導をされるということは、指導をされる側の局長さん方にすればいい番組を編成するよりも何よりも未収をなくすることだ、とにかく受信料を集めることがおれが早く東京へ帰れる、もっと出世をする近道なんだというふうに考えやしませんかということをお伺いしているんです。
#172
○参考人(坂本朝一君) 何と申しましても、NHKの基本的な基盤は受信料制度を守って、この受信料制度によって、そしてNHKの放送の自主性を保つということでございますから、放送番組の中身を改善し向上するというのはそれはもう番うまでもないことで、NHKの職員であれば当然考えなきゃならないことでございます。しかし、それを支えるのは受信料制度であり、受信料制度というのは、制度だけじゃなしに現実に受信料をいただかなきゃならぬ、そのことのために努力するのは当然のことではないだろうかと思いますので、放送出身であれ技術出身であれ、少なくとも放送局長ということになれば経営の責任者の一人でございますから、そのことについては私は当然のことではないかというふうに思います。
#173
○中村鋭一君 お言葉を返すようですけれども、会長、やはり本末を転倒しないように御指導をお願いしておきたいと思います。
 放送局、放送人は何よりも文化の提供者である、そのことをいつも念頭に置いていかなくてはいけないと思います。とすれば、第一義的には最も良質にして効率のいい番組をそのローカルステーションにおいて提供する、これが第一義であって、車の両輪のごとくにまずそれを支える受信料収入というものを図らなければいけませんけれども、そのことばかりに頭がいかぬように適切な指導をひとつお願いをしておきたい、こう思います。
#174
○参考人(坂本朝一君) 私、全くその点は先生のおっしゃるとおりでございまして、中には、番組がよくなったことによって直ちに滞納が減るというふうになかなかつながらない、そこら辺のところが言ってみれば一つの悩みであるというようなことを打ち明ける職員もなくはございませんけれども、私は、番組がよくなかったら話にならないじゃないか、直接その番組がよくなったことによって滞納が減る減らないということにつながらなくともそれはまず番組をよくしなぎゃだめだよという、そういう意味での指導はしておるつもりでございますので、御理解賜りたいと思います。
#175
○中村鋭一君 そのお言葉を聞いて安心いたしました。放送局長が、おれはいまからあちこち訪問して金集めに行くからきょうのローカルニュースはおまえたち適当にやっておいてくれとデスクに言って局を留守にして走り回っているような状況は好ましくありませんので、ひとつよろしくお願い申し上げます。
 大臣、この受信料の未契約者を解消することを目的にした放送法の改正は一たん廃案になっておりますけれども、これは再び改正案をお出しになるおつもりでございますか。
#176
○国務大臣(山内一郎君) ただいま検討をいたしておりますけれども、出すようなところまでいくかどうかということは一まだいまのところ御説明できないような状況でございます。
#177
○中村鋭一君 会長は、この放送法の改正についてはどのようにお考えでございますか。
#178
○参考人(坂本朝一君) これはたびたびこの委員会でも御質問いただいているのですけれども、何と申しましても、この受信料制度を守るというのがNHKの会長といたしましては本来の考え方であろうかと思っておるわけでございます。支払い義務制というのは、言ってみればより一層受信料制度の趣旨を明らかにするということでございますので、私はそれはそれなりに当然意味のあることであろうというふうに理解しておるわけでございますけれども、その後いろいろの状況もございまして、現在NHKといたしましても、長期ビジョン審議会等にもいろいろの御意見の開陳をお願いしているような次第でございます。したがいまして、政府筋の状況の中でわれわれも一層検討を進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#179
○中村鋭一君 なるたけ会長の御趣旨に沿うように、大臣、ひとつ積極的にお願いをしておきたいと思います。やはり恒産がなければ恒心もないわけでございますので。
 都市部の難視聴の解消のためにいろいろ努力をしていらっしゃると思うんですが、難視聴解消のための例の多摩丘陵にタワーを建てるという話を聞いておりますが、この計画は進んでいるんでしょうか。
#180
○政府委員(田中眞三郎君) 多摩地区の難視聴でございますけれども、現在多摩丘陵一円の難視聴世帯数は私どもでは約九千六百世帯あるというふうに把握しております。そうして六十五年がニュータウンの完成時だそうでございますけれども、計画戸数が六万八千四百、六十五年当時において六万八千四百になるだろうということですけれども、そのうちの難視は、これもあくまでも地形等からの予測でございますけれども、二万二千八百世帯程度にふえるであろう、そういうことでその多摩ニュータウンを中心といたします地形難視を解消するということで中継局を設潰する計画があり、また開発公団等からも要望を受けておりますので、現在検討を進めております。関係者とお話し合いを詰めておるという現状にございます。
#181
○中村鋭一君 NHKは関連企業からいま幾らぐらいお金入っていますか、年間にして。たとえば昨年度を例にとれば。
#182
○参考人(渡辺伸一君) お答えいたします。
 いま申し上げました外部団体から入ってまいりますのは、番組の二次使用、これは国内、国外を問わず二次使用、それからテキストの発行に伴う手数料というものでございまして、五十五年度で参りますと全体で十一億ほどのものが入ってきております。
#183
○中村鋭一君 三月の委員会で、私、この点について相当詳しくお尋ねをさせていただきました。こういった関連の企業といいますか、外部団体に対して年間およそ九十億円金が出ておる、それに対して還流される金額は七億数千万、こうお伺いいたしました。私は、そのときに、その御答弁をいただいただけで、出ている金と入ってくる金との性格の違い等についてお伺いをしませんでしたが、改めて出ている命と入ってきている金について念のために御説明をお伺いしておきます。
#184
○参考人(渡辺伸一君) 三月のときに先生のお尋ねによってお答えいたしましたことですが、五十六年度の予算に組まれておる外部団体にいく予算は幾らかということでございましたので、外部団体というところを明確にしておりました予鈴という意味で九十億ということを申し上げたわけでございます。
 それから入ってくるのは幾らかというお尋ねがございました。五十六年度は七億を予定しておりましたものですからその数字を申し上げたわけでございますが、九十億出て七億かというふうに因果関係をお尋ねでございました。全くこれは収入を上げるために支出しているものでございませんで、それぞれの団体にはそれぞれの事業目的がございまして、放送と密接な関連のもとに放送の普及発達の一翼を担っているものでございますから、そのための金でございまして、収入を上げるための直接のコストでの支出ではないということでございまして、七億はむしろNHKの番組の二次使用というような関係で上がってくる金でございますので、根源が違うということを申し上げておきたいと思います。
#185
○中村鋭一君 そのことは、私もいまはっきりと認識さしていただきました。あの節、私は九十億も金を使ってたった七億しか返ってきてないのかというような質問をしたんですけれども、それは私も訂正をして認識を改めておきます。
 しかし、だからといって、その二次使用を含めた外部団体から入ってくる収入が低くてもいいというものでもないと思うんですね。ですから、やはりこれは拡大を図らなければいけない、こう思うんですが、現にNHKはそういう点についてどのような方策を講じておられますか、二次使用等の収入増加について。
#186
○参考人(渡辺伸一君) これにつきましては、基本的にはNHKの番組の二次使用でございますとか、あるいは研究所で研究いたしましたいわゆる工業所有権の使用というようなものに限られております。これについては機会をできるだけ多く持つようにということは努力しておりますが、少なくもいまのところはNHKの番組の二次使用あるいはNHKの放送をよくするための技術研究からきた成果を利用していただくということでございますので、この面に関してあらゆる機会を逃さないようにということは努力しておりますけれども、土台はそれを目的にして利益を上げるとかという発想でございませんから、おのずからその限界はあろうかというふうに思っているわけでございます。
#187
○中村鋭一君 五十三年度の給与なんですけど、いわゆる四条の流用、それから六条の予備費ですね、これが使われていないようですけど、この五十三年度のベースアップはどのように処理されたんでしょうか。
#188
○参考人(渡辺伸一君) 五十三年度の給与予算として計上いたしましたのが総額七百六十四億でございましたが、この七百六十四億の中で五十三年度は組合と折衝をして協議が調いましたので、限度内でおさまったことでございますから総則の適用をしなかったわけでございます。
#189
○中村鋭一君 じゃ、当初の予算で初めからそのベアを見込んでおられたわけですね。
#190
○参考人(渡辺伸一君) 当時考えられます社会水準からのベアは見込んでいたわけでございます。
#191
○中村鋭一君 NHKの職員のベア要求について、NHKは何を基準に算定しておられるんですか。
#192
○参考人(武富明君) お答えいたします。
 NHKの職員の給与につきましては、この面が二つございまして、一つは、やはり放送というものを預かる有為な人材というものを育成しなきヤいけない。そういう面からそれに応分の処遇をしなきゃいかぬという一面がございます。したがいまして、本来から申しますと同種他企業に対して遜色のないものでありたい、こういう願望を一方では持っております。しかしながら一方では、受信料制度によって賄われている協会財政の中で人件費を払うわけでありますから、したがいまして、社会的に納得のいく額、そういうものでなけりゃならぬという一面もまた持っているか、こういうふうに思うわけであります。
 したがいまして、そういう二つの考え方からやはり協会の財政状況というものを考えなきゃいけませんし、同種他企業の水準というものを考えなきゃいけませんし、また民間諸企業の水準というものを考えながら、そういうものを考え合わせながら全体的な総合判断の中で決めているというのが実情でございます。
#193
○中村鋭一君 どうなんですかね、NHKの職員の給与は、民放と比較してあるいは公務員と比較して高いんですか、低いんですか。
#194
○参考人(武富明君) お答えいたします。この給与の比較ということにつきましては非常に比較がむずかしゅうございます、諸条件ございますので。入手し得るデータの範囲とか、給与体系とか、あるいは労務構成とか、あるいは勤務の内容亡か、そういうものが絡みますので一概に比べることはできませんけれども、五十六年度の基準賃金で比べますと、協会は二十二万二千円であります。大手の新聞、放送では、同水準から約三十万までの間に分布しております。したがいまして、まことに残念でありますけれども、低位と言わざるを得ないと思います。
#195
○中村鋭一君 先ほどお伺いしたように、NHKをおやめになるアナウンサーの方がいらっしゃる。その中には、やはり給料が安いということも率直におっしゃいます。それからNHKの職員の方と私世間話しておりましても、同業の民放の同年齢の方のボーナスと比べてみてください、本当にわれわれ低いんですということをおっしゃるわけですね。ですから、なるほど受信料収入ですから大変だとは思いますけど、長期的にいい人材を確保しておくためにも、ひとつ職員の皆さんの給料をもっともっと、いまおっしゃったように相手は三十万でしょう、新聞、民間放送は。NHKは二十二万、やっぱりこれは低いと思いますから、ひとつ大いに努力をして、魅力ある職場づくりと、いい給料を差し上げるために、幹部の皆さん、せっかくひとつ努力をしてくださるようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 午前の委員会でも国際放送についてのお尋ねがございました。まず何よりも、国際放送をやっている以上は聞いてもらわなきゃいけない、こう思うんですが、国際放送についていま年間使われておりますお金は幾らぐらいですか。
#196
○参考人(渡辺伸一君) 五十六年度の予算で申しますと、総額で三十七億円でございます。
#197
○中村鋭一君 乏しい予鎌の中から三十七億円使っているわけですね。これをさらに拡充強化していくということになりますと、お金はまだまだ要るわけですね。
 そこで、一つ、私、提案をさしていただきますけれども、どうなんでしょう、いま長期ビジョン審議会でもいろいろな審議をしていらっしゃいますけれども、この議題に、たとえば国際放送にスポンサーをつけるというようなことをお考えになるお気持ちはございませんでしょうか。いきなりの質問で恐縮でございますが。
#198
○参考人(坂本朝一君) 国際放送のあり方等についていろいろ御議論のある中で、そういう御意見、そういう御議論も確かにございます。ただ、私に言わさせていただければ、私は、やはり国際放送にもこの種のスポンサーを直ちにつけるというところまでの考え方は多少どうだろうかと、疑義を持っておる次第でございます。
#199
○中村鋭一君 ですから、一つの長期的な課題として検討されたらいいと思うんですよ。現に、いま郵政省も郵便はがきにスポンサーを見つけてきて、日本航空だとか、こういった銘柄をちゃんと印刷をして、そのかわりに五円安く提供しておられるわけですよね。ですから、国際放送にコマーシャルというと何か次元がぐうっと引き下げられるような感じがしないでもないですけど、考えてみたら、会長、朝日新聞だって、毎日新聞だって、読売新聞だって、サンケイ新聞だって、やっぱり新聞広告が最も大きな収入になっているわけでしょう。民間放送は一〇〇%スポンサーによって成り立っているわけですね。だからといって、新聞や民放の提供している番組がスポンサーによって制肘されたり牽制されているということはないわけでございますからね。経済的にもいいし、それからまた外国に対しても、たとえばトヨタとか日産のような大きな自動車メーカーがコマーシャルを提供することによって世界じゅうの皆さんに親しみを持っていただく。ごれは日本の国益にもかなうゆえんだと思いますので、大臣も、ひとつ機会があればこの点について御研究をお願い申し上げます。
 時間がありませんので最後の質問に入らせていただきますけど、音声多重、これはすでに突施されているわけですね。ここに来て問題になっておりますのが文字多重なんですけど、現在この文字多重はどのような検討の過程にあって、免許はいつごろになる予定でしょうか。
#200
○政府委員(田中眞三郎君) 文字多重についての実施はいつごろからかということでございます。まず、開発状況でございますけれども、文字多重につきましては、すでに報道もされましたように、パターン方式というものとコード方式という二つの方式が考えられておるわけでございますけれどもへ技術的にパターン方式につきましては、電波技術審議会の方からこの三月に答申を得ております。したがいまして、技術的にはパターン方式についての実用化はいつでも可能であるわけですけれども、その利用方法、実施主体等をどのようにするかといういろいろ検討すべき問題があるわけで、その辺の検討を進めておるわけでございます。
 また一方、考えておられますコード方式についてでございますが、これにつきましても昨年来電波技術審議会において審議が行われております。その方式は、伝送速度が速いあるいは番組数が多いという長所も指摘されると同時に、反対に受信機側において文字発生器というようなものが必要であり、多少割り高になる、あるいはその性質上、文字誤りが発生しやすいという欠点もあるということで、この方式につきましても鋭意検討を進めておるわけでして、いま申しました表示方法あるいは信号の誤り訂正方式等の検討を技術審議会においてできる限り早く進めてもらいたいというふうに考えておる次第でございます。
#201
○中村鋭一君 時間がありませんので、私から申し上げさせていただきますが、民放連、特に大阪の朝日放送が開発いたしましたコード方式ですね、いま二、三の難点があるとおっしゃいましたけど、こういったデメリットはパターン方式のデメリットと比べても大きくはないと私は思います。メリット、デメリットを相殺いたしますと明らかにパターンよりもコード方式の方がすぐれていると思います。だから、両方の方式を採用すれぱいいじゃないかという論もあるかと思いますが、これは視聴者が混乱をいたしますから、私は、ひとつ積極的にこのコード方式ですね、最近ICの技術も進歩していますから、アダプターにしたってこれは非常に値段はどんどん安くなっているわけでございますから、コード方式一本にひとつしていただきたい。
 それが一つと、それから大臣、最後に、第三者利用ですけど、これについての御見解をお伺いしておきたいと思います。
#202
○国務大臣(山内一郎君) なかなか非常にむずかしい問題でして、いま放映されているテレビの一部を文字多重に利用しようという案が出ているわけでございます。したがって、いま放送をやっている放送業者ともし別の人に文字多重をやる権利を免許した場合にその辺がどうなんだろうということをいま検討の最中でございまして、ここではっきりと申し上げられるような段階にはないので、しばらく検討を続けさせていただきたい、こち思います。
#203
○中村鋭一君 第三者利用、具体的に言えば新聞社が文字多重をやりたい。すでに全国の主な民間放送は、はっきり申し上げてほとんど新聞社の系列に入っているわけでございまして、そこへ新聞社の文字多重をやるということになりますと、いまNHKの方でも御研究でございますけど、将来はたとえば静止画だとかあるいはファクシミリだ乏か、こういうものが実用化してまいりますと、そのすべてに第三者である新聞、ジャーナリズムがおれにもやらせろ、おれにもやらせろということになりますね。これはやっぱり情報が余りにも一方に偏し過ぎるのじゃないかと私は思うんですけれども、その辺を、ひとつ大臣、念頭に置いて御検討をよろしくお願い申し上げておきたいと思います。また、次の機会にこの件につきましては質問をさしていただきます。どうもありがとうございました。
 終わります。
#204
○沓脱タケ子君 それでは、簡単に二点ほど問題をお聞きしたいと思います。
 最初に、お聞きをしたいと思っておりますのは、NHKで働く職員の健康問題についてお尋ねをしたいと思います。最近五年間を見てみますと、亡くなられた職員の数の経過を見ますと、五十五年、昨年は格段に多くなって、三十四人の方が亡くなっておられます。いただいた資料を拝見いたしましても、この五年間ずっと見ますと、五十一年が二十四名亡くなって、五十二年が十四名、五十三年が三十一名、五十四年が二十四名、五十五年が三十四名と格段にふえているわけでございます。NHKはこういう状態をどのようにお考えになっておられるか、最初にちょっとお聞きをしておきたいと思います。
#205
○参考人(坂本朝一君) 職員の健康管理ということにつきましては、私も常々心配しておるところでございまして、特に最近のような環境の中でそういう傾向が強いということについては、正直言って心を痛めておるものでございますが、そのために格別の手段としては、健康診断を残りなく受けてもらって、そして万全を期したいというようなこと。その他具体的な面については担当から補足させますけれども、基本的には最も心を配っていることの一つであるというふうに申し上げたいと思います。
#206
○参考人(武富明君) ちょっと補足させていただきたいと思います。
 ただいま先生がおっしゃいましたように、年度の数はまさしく先生のおっしゃったとおりでございます。しかし、その数字でも明らかなように、この死亡した件数というのは年度によって区々たるものがございます。昨年は確かに三十名を超えましたけれども、本年は、たとえば昨年同期、昨年のいまの状況を考えますと二十六人でございましたけれども、ことしは十四人にとどまっているというふうに年々区々としておりまして、平均して申しますと一年二十五人くらいというのが平均だというふうに考えます。
#207
○沓脱タケ子君 それは若干のでこぼこはあると思うんですが、私は、五十五年度の亡くなられた方の数が三十四名で、そのうちで亡くなられた方の年齢を見ますと、四十五歳から四十九歳の方が十一名、それから五十歳から五十四歳の方が十一名、合わせて二十二名ですね。三十四名中二十二名が四十歳代の方々から亡くなった数が急速にふえているという状態を見まして、やっぱりその年代というのは長年NHKで御苦労されて中堅幹部になってきておられるのではないかと思うんですね。中堅神部、特に管理職としてがんばっておられる方々ではないかと思いますので、こういう育て上げた中堅幹部が亡くなっていくという問題というのはこれは無視できないのではないかと思いますので、こういった点について、い充だいた資料を見ますとかなりよく健康診断などはやっておられるようですけれども、ちょっとこの対処の仕方について簡単にお話を伺っておきたいと思います。
#208
○参考人(武富明君) 確かに、先生がいまおっしゃいましたように、年齢別に申しますと四十五歳からやはり高まっております。特にがんの場合でございますと、四十五歳以上ですと死亡者の八〇%を占めております。したがいまして、われわれとしてはやはり予防措置ということ、あるいは早期発見ということに最大限の力を入れて、先ほど会長も申しましたように、健康診断ということあるいは健康管理ということにいま意を用いているわけでございます。
 健康管理の内容について若干御報告をいたします之、安全衛生法に定められました法定項目のほかに、胃のエックス線検査、これを三十五歳以上の希望者に毎年行っております。また心電図関係につきましては、三十五歳、四十歳、四十五歳、五十歳、五十五歳、この五刻みの年齢を関門年齢といたしまして、そしてこのほかにも希望者に検診を受けさしてその検査に当たっているということ、あるいは肝機能血液検査を二年ごとに希望者に実施するなど、法定以外の検査につきましてもいま鋭意やっております。特に私どもとして御報告を申し上げたいと思いますのは、これら一遍検診をいたしました者につきましてさらに後必要なときには医者が追跡管理をするというようなことを鋭意やっておりまして、先ほど会長が申しましたように、健康診断というのは毎年やっておりまして、この受検率は一〇〇%、これによってできるだけ発見するなら早く発見したい。そして確かに四十五歳以上、これはどうしても避けられないことかと思いますけれども、その年齢の病気による死亡とかあるいは長期欠勤というのを未然に防ぎたいという努力を重ねておるわけでございます。
#209
○沓脱タケ子君 御報告がありましたように、健康診断は法定あるいは法定に加えてよくやっておられるわけですね。私も、このがんの死亡者の数が三十四名中十三名でしたね、かなり多いので、そういういわゆる成人病検診等がどの程度やられているかと思ってお伺いいたしましたが、かなりよくやられていると思うわけです。それで、なおかつ、こうしてがんで亡くなられる方というのは率が大変高い。
 あわせて長期休業者の方々を拝見いたしますと、このいただいた資料は五十五年度でございますが、休業件数が三百二十五件で休業者数が二百九十四名でございますね。そのうち外傷性の者が約五十人ということでございますが、その内容を見てみますと、たとえば消化器が非常に多かったり、これは人数としても率としても消化器関係の方が百十五名、それから循環器系の方が四十一名というふうな状態がありますから、当然成人病とのかかわりというのが非常に大事だと思うことと、それから消化器病の関係が非常に多いというのはストレスによる胃潰瘍、十二指腸潰瘍等がかなりあるようにお見受けをするわけでございますが、そういう点についてもNHKとしては対処をされているように見受けます。にもかかわらず、たとえばことしの九月の末でも報道局の外信部で仕事中にばったり倒れて相当長時間意識不明になったというふうなケースも出ているやに聞いておりますが、そういう方も管理者の方ですね。そういうことがどうして起こってくるかというあたりがやっぱり一つの問題点ではなかろうかな、こう思うわけでございます。そういう報道局等では当然夜勤その他いやおうなしにやらざるを得ないというふうな問題もあるわけでございますから、こういった点で、たとえば夜勤をやった後の休業体制あるいは休養体制というのがどういうふうにうまく運用されているかというふうな問題、これはなかなかむずかしいかと思うんですが、そのことと関連をいたしまして、いわゆる年次有給休暇というのがどういうふうに消化をされているかということとも関係するのではなかろうかと思うわけでございます。
 それで、年次有給休暇、これはお聞きをしていると時間がかかるので、私が事前に資料をいただきましたところでは、五十四年が一般職の方々が十八・三日ですね。管理職の方が九・七日。五十五年度は一般職の方が十八・三日で同じでございますが、管理職の方は八・八日ということで少なくなっているんですね。これは、NHKは労働協約等で基準法に基づく有給休暇を含めて何日になっていますか。
#210
○参考人(武富明君) 一年間に有給でとれます休暇日数は二十一日でございます。
 なお、先生いま五十五年の一般職の勤労休暇数は十八・三日、それから管理職は八・八日とおっしゃったように聞こえましたが、九・八日が正確な数字です。
#211
○沓脱タケ子君 それで、いずれにしても管理職の方が格段に少ないというところに一つの問題点がありはしないかと思うわけです。職場では、直属の上司がなかなか年休をおとりにならないので現場ではとりにくいんだというふうな意見を私どももお聞きをすることがございます。そういう点から見ますと、それにしたら一般職十八日からとっているということになりますと、全国平均の労働者の水準から見れば少しはよくとれているのじゃないかとは思いますけれども、一番死亡者等が多くなってきている管理職のところが年休がとりにくいという点が一つの問題点ではなかろうかと思うわけです。
 これは、労基法が決められたのが三十年前です。三十年前と今日との労働環境というのは全然変わっているわけですね。科学技術の発展進歩の中で非常に労働の密度も高くなってきているし、そういう中では、本来ならさらに体を休めて英気を養う条件というのを確保していかなければならない環境になってきている状態だと思うわけですが、その点で私は特に注意を喚起しておきたいと思っておりますのは、もともと報道関係でございますからスピードがその本命の仕事だと思いますが、そういう中で科学技術の進歩に伴って緊張の連続が続くというのがかなり長時間しなければならないわけなので、NHKといたしましてもこの辺のところはやっぱり考えていただかなければならないのではないかと思うわけです。
 特に心配をいたしますのは、臨調行政改革路線という問題もございますし、効率化という名前のもとでNHKでも五カ年計画の合理化計画などをお持ちでございますね。現行でこういう状態なのだから、これは人さえ減らせればよいという問題ではなくて、本当に中で働いている職員の健康管理等に十分配慮のできる労働条件、労働環境というものをつくっていかなければならないのではないかというふうに思いますが、そういう点についての御配慮、どういうふうにお考えになっておられるか、それをお伺いしておきたいと思います。
#212
○参考人(武富明君) お答えいたします。
 先生がいまおっしゃいましたとおり、私ども効率化というものをぜひ実施したい、こう考えておるわけでございますけれども、この効率化の実施に当たりましては、業務の集約、再編成、あるいは業務処理方法の改善とか、あるいは外部団体の活用とか、あるいは業務の外部委託の拡大というふうな、そういういろんな施策を総合的にやりながらこの効率化を図ってまいりたいと思いますので、決して労働条件の低下というようなことは夢にも考えませんし、またその効率化をやりますにつきましては細かな管理というのをやりながら、十分な配慮をもってこれをやってまいりたいというふうに考えております。決してこの効率化ということによって職員の健康を害するような、そういう施策は私はとってまいる気はございません。
#213
○沓脱タケ子君 心配をしておりますのは、現行でさえも管理職の方々が九・八とか十日足らずしか年次有給休暇もとれない、これは平均でしょうけれどもね。とれないからとってないと思うんですよ。とれるけれども返上しているという状態ではなかろうと思うんですね。だから、年次有給休暇がいまでも消化し切れないという状態のままでさらに六百人の合理化計画というのがやられますと、そういう状態がもっとひどくなるのではないかという心配がございますので、そういう点は、これは業務の遂行との絡み、同時に職員の健康や命にかかわる問題でございますので、そういう点はどういうふうにお考えになっているかという点で、特に御配慮を賜りたい分野だと思うので御指摘を申し上げているわけでございます。会長、その点についての基本的なお考えだけ最初に伺っておきたいと思う。あと臨調に行革関係でお伺いをしていきたいと思いますので、お願いします。
#214
○参考人(坂本朝一君) 武富君が申し上げたのも、決して先生の御心配に逆らって申し上げているのではさらさらございませんで、先生の御心配は大変ありがたく拝聴し、なおかつ、もう一方の効率化というものも行わなければならない。しかし、そのことによって、いま先生が御指摘になりましたようなそういうところがさらに悪化するというようなことになってはこれは大変なことでございますから、そういうようにならないように工夫をこらしていきたいということでございますので、御理解賜りたいと思います。
#215
○沓脱タケ子君 臨調の事務局の方おいでですね。――臨調ではNHKを行政改革の対象に考えておられますか。
#216
○説明員(稲葉清毅君) お答えいたします。
 臨調の第四部会では、ただいま全特殊法人につきまして整理合理化並びに経営の合理化等につきまして検討中でございます。NHKにつきましても、その一環といたしましてただいま論議中でございます。
#217
○沓脱タケ子君 そこで、昨年の四月二十四日の本委員会で、実は私、行政管理庁設置法の一部改正に絡みまして御質問を申し上げているわけでございます。そのときに坂本会長は、会議録を引っ張り出してみたんですけれども、こういうふうにお答えになっているんですね。
 今回の行政管理庁設置法の改正案におきましては、特殊法人の一つとして一括されて行政機関の業務の実施状況の監査の対象とされるということにつきましてはかなりわれわれといたしましても関心を持ちまして、そして一番問題の放送法の基本理念、特に放送番組編集の自由の原則がいささかも損なわれることのないように考えて、このことにつきましては強く郵政省にもお願いした次第でございます。こういう御答弁をいただいたわけでございますが、そのお立場、お気持ちというのは、いまもお変わりではございませんか。
#218
○参考人(坂本朝一君) 私としては全く変わっておりません。
#219
○沓脱タケ子君 臨調の事務局にお伺いをしたいんですが、昨年、行管庁設農法の改正の鼎談をされましたとき、参議院内閣委員会で附帯決議をつけられましたけれども、この決議の内容は御承知いただいておるでしょうか。
#220
○説明員(稲葉清毅君) 承知いたしております。
#221
○沓脱タケ子君 よく御承知だと思いますが、念のために申し上げたいと思いますけれども、もう申し上げなくてよろしいですか。――この同じときの論議で、当時の宇野行管庁長官がこういうふうにおっしゃっているんですね。「やはり特殊法人というのは、先ほど申し上げましたとおりに、法律をもって強制的に設立されておるところの政府の別働隊ではございますが、政府そのものではない」という立場、それから「つまりNHKは、では国営放送かと言えば国営放送では絶対にございません。第一セクターが政府。じゃ民間かと言えば、民放ではありません。第二セクターは民間ですが、それでもありません。だから第三セクターだと、」云々ということで、やはり特殊法人というのは政府の別働隊でございますということをおっしゃっておられるわけでございます。臨調は、そういうふうにやっぱりいまもお考えになっておられますか。
#222
○説明員(稲葉清毅君) 私、臨調の事務局の職員でございまして、行政管理庁とはおのずから立場が違う面もございますが、ただ、御趣旨におきましては、臨調といたしましてもNHKにつきましては、たとえば憲法あるいは放送法で保障されておりますところの言論の自由、報道の自由というものは当然に尊重されてしかるべきものではないか、特殊法人と申しましてもさまざまな形態がございますけれども、その中でもNHKの審議につきましてはその点は十分に尊重していくべきものであろう、そのように存じておるわけでございます。
 ただ、いままでの審議におきまして、これは審議と申しましても、ただヒヤリングを行い、かつ、それに基づいて郵政省からお答えをいただいたという限りのものでございますけれども、経営一般につきまして、たとえば経費の節減等の合理化が行えないものかどうかという委員からの御質問があり、これに対して郵政省の方からは、そのように指導もしているし、NHKの方でも努力をしている、このようにお答えになった、そういう経緯でございます。
#223
○沓脱タケ子君 それで、特殊法人の一つとしてNHKも同列にということになってきているわけですが、この際、郵政省にもお伺いをしたいんですが、特殊法人がいま百五になったんですかね。百五の特殊法人の中のNHKと他の特殊法人、たとえば郵政省関係でKDDだとか電電公社もその一つでしょうが、そういう特殊法人とNHKの一番大きな違いというのはどこにあるかという点を、ひとつ伺っておきたいと思います。
#224
○政府委員(田中眞三郎君) 高度の自主性を保障すべき言論機関であるという点かと承知いたしております。
#225
○沓脱タケ子君 衆議院の逓信委員会でも田中局長は、NHKは高度な経営の自主性を保障されるべきであるという御答弁をされておるようでございます。保障されるべき経営の自主性というんですか、NHKは高度の経営の自主性が保障されるべきであるとお答えになっている、保障されるべき経営の自主性というのは具体的に何々ですか。
#226
○政府委員(田中眞三郎君) NHKは、先ほども申し上げましたように、言論報道機関としての性格から経営委員会というものを最高の意思決定機関として自主的な経営を確保するよう放送法においても配慮されておるというふうに考えておるわけで、具体的には郵政大臣のNHKの経営面に関する監督権限でございますが、それは非常に限定的になっておるところがございます。他の特殊法人と異なっておりまして、たとえば電電公社、日本航空あるいはKDD等に対しては一般監督条項がございますけれども、NHKの場合にはいわゆる一般監督条項がございません。また、NHKが作成いたしました収支予算等についても単に郵政大臣の意見を付して国会に提出するという形になっております。また、会長以下の役員の任免につきましては、経営委員会の任命または同意とされており・郵政大臣は事後に報告を受けるのみであるという、以上のような点においてその自主性が保障されておるというふうに考えておる次第でございます。
#227
○沓脱タケ子君 いまおっしゃったように、放送法に基づいて公共放送としての番組編集の自由、これは当然のこととして、経営については当然両院の同意を得た経営委員会が経営の責任を持つ、それから財政上も国から独立をしているという問題、それから四番目は、政府の監督権限がおっしゃったように最小限に限られている、大体大まかに言って四つぐらいと見てよろしいか。
#228
○政府委員(田中眞三郎君) のように理解しております。
#229
○沓脱タケ子君 臨調の方はどうでしょうか。どういうふうに見ておられますか。
#230
○説明員(稲葉清毅君) 大筋においてそのように理解しております。
#231
○沓脱タケ子君 私は、昨年、行管庁設置法の改正のときにNHKを行政監察の対象にするということは危険を伴うということで反対をいたしました。それは言論、表現、放送の自由を侵す危険があると考えたからでございます。今回の行政改革につきましても全く同じ心配を抱いておるわけでございます。
 報道されるところによりますと、先ほどちょっとお触れになっておられたようでございますけれども、十月七日の第二臨調の第四部会で郵政省から特殊法人について、特にNHKについてのヒヤリングが行われたと報道されています。この問題について、たとえば番組の制作の費用をかけ過ぎているのではないかという質問が出ているんですね。それからもう一つは、経営委員会が機能しているのかどうかという問題ですね。それから要員の合理化、NHKの職員の合理化についても質問がなされているというようでございますけれども、これに対して郵政省はどういうふうにお答えになられましたか。
#232
○政府委員(田辺茂生君) 先ほど臨調の方からもお話し申し上げたところでございますが、NHKの経営の効率化、合理化という観点からの御質問がございまして、私どもといたしましては、NHKは受信料を基盤にした事業でございまして、それなりの努力というものをやっているし、また私ども郵政省といたしましては、予算等につきましては郵政大臣が意見を述べるという立場だけでございますが、そういう観点からの経営の合理化等についても努めるようにというような意見をつけた経緯もございます。そういった意味で、私なりにいろいろNHKとも話はいたしておるし、NHKもそれなりに経営の努力、合理化の努力というものをやっているものと考えている、こういうふうなことをお答えをした次第でございます。
#233
○沓脱タケ子君 ここは郵政省、よほどしっかりしてもらわないといけないところではないかと思うんですね。臨調の方ではヒヤリングという形で出てはおりますけれども、番組の編成、制作に費用をかけ過ぎているのではないか、こういう御質問については、これは番組編成上の問題にかかわらてぐると思うんですね。そうなってくると、番組編成上の問題にかかわるということになれば、これは経営の自主性にかかわる心配も出てきはしないかということでございます。あるいは要員の削減をもっとできないかというふうなことが出てくるということになりますと、先ほども健康問題で御指摘申し上げたように、合理化だけに目を奪われるということになるととんでもないことが起こってくる。もちろん報道に関係する問題にも影響しますし、中で働く職員にも大変な問題が起こってくるというふうなことがあると思うわけですね。
 きょうは限られた時間ですので、私、全面的に申し上げるつもりはございませんけれども、こういう形で見ていきますと、うかうかすると憲法で保障されたという、憲法を引き合いに出すまでもなく放送法に規定されている基本原則、言論の自由、報道の自由あるいは公共放送としての立場、そういったものが本当にきちんと守っていけるかどうかということをきわめて心配をするわけでございます。
 そこで、はっきりしておかなければならないなと思うのは、NHKというのは政府の施策を遂行するための法人ではないんだという点ですね。したがって、当然行政の補助機関でもないわけですね。この辺のところを明確にしておかないと、臨調行革路線という形で一括的にやられますと大変なことが起こりはしないかという心配がございますので、その点についてはひとつ大臣の御見解を承っておきたいと思います。
#234
○国務大臣(山内一郎君) いま沓脱先生のおっしゃったとおりでございます。これは放送法によりまして、NHKがどういう立場にあってどういうふうに経営をするか、番組の編成等全部規制をされておりまして、それに基づいて言論報道機関としてやっておる、こういうことでございますので、その根本が崩れますと、これは私は大変なことになると思います。いろいろ臨調でも調査をされるでしょうけれども、その点は郵政省としてはがっちりとひとつ説明をいたしまして、御理解をいただくようにやってまいりたいと考えております。
#235
○沓脱タケ子君 終わります。
#236
○青島幸男君 私は、NHKに対する質疑の時間をいただきますたびに経営委員の任命のあり方についてもう少し何とかならないものかというお話を申し上げていて、受信料の領収書をもって一票の権利として公選にしたらどうだろうというお話を毎回のように申し上げているんですが、一向に進展を児ないようでございます。これが最善の策とは私別に思っているわけじゃございませんが、省が推薦をして国会で承認をする、そういう形で任命ざれるということ自体が国民の方々の理解に遠いところにある。しかも、そういうかっこうで任命されているのをそのまま放置しておりますから、いまだにNHKは国営放送なんじゃないかという認識をお持ちの方もおいでになりますし、その辺がNHKがまだ十分に受信者の方々、契約者の方々に理解されていない重大なネックだとも私考えているわけですね。ですから、公選制にしたらどうだろうという私の提案の趣旨は、NHKの経営の主体は受信者なんだということの意味とか、NHKというものはわれわれの手ではぐくみ育て、しかもそれをなお確固としたものにしていくことが民主主義的な国の発展に深くかかわり合いがあることだという認識をお持ちになれば、不買同盟などで結束なさっている方にも十分に御理解がいただけると思うんですよね。
 そういう意味合いからそういうお話を申し上げているんですが、当委員会が始まりましてすぐ、大森委員もかなりの時間をお割きになりまして、この経営委員の問題について御質問になりました。その質疑を私伺っておりましたが、官房長は御答弁の中で、私が口を酸っぱくしてずうっと言い続けておヶます趣旨を全然御理解いただいてないようでございまして、十年一日と申じますか、十年ぐらい前から私ここで申し上げているんですが、御答弁は一向に変わりがないので、これ以上重ねてごの問題について質問することはいたしませんが、省といたしまして、NHKをやっぱり指導監督するという立場にあって、受信料の問題なんかについても口を差しはさむようなことがあるんでしたら、NHKがもっと国民の方々に理解されるように協力、努力して差し上げるという態度も必要ではだかろうか。文句ばかり言っていないで少しは協力してあげたらどうですかということを私申し上げたいです。この問題につきましては、時間を改めてまた再々御質問することもあると思いますけれども、何も公選法に限ったことじゃございませんが、もう少し明確に、あるいは明瞭に、国民の、受信者の方々に御理解いただけるような経営委員の選考のあり方について御検討いただきたいということを、いまは要望をいたしておきます。大臣にも、そのことを心におとめいただきまして、御検討いただきたいと思います。
 それから海外放送の件につきましてお尋ねをいたしますけれども、もともとNHKが海外放送を担当なさっていらっしゃるというのは、どういう経緯でそうなっているのか。その辺からお尋ねしたいと思いますが。
#237
○参考人(坂本朝一君) これは放送法第九条の二に、NHKは国際放送を行うものとすると規定されておりまして、このことは、国際放送がNHKの本来業務であるということを意味しているのではないかと理解しておる次第でございます。したがいまして、今後の国際社会において国際放送の果たす重要な役割りというものを私としては十分認識してこれに当たっていきたいと思っておる次第でございます。
#238
○青島幸男君 それはそのとおりなんですけれども、一般の方が受信料を払ってNHKの放送を見たり聞いたりさしてはいただいているけれども、その金で海外放送の分――実際には一般の受信者というのは海外放送を側かないわけですね、国内放送があるわけですから。とすると、われわれの受信料が海外放送に使われているというのはちょつとおかしいんじゃないか、これはまた別建ての機関が国際放送は行うべきであって、われわれの受信料の一部を割いて国際放送に使うくらいだったら国内放送の分を充実してわれわれに還元してほしいというような見解をお持ちになってむそう不思議ではない。放送法のたてまえは別にいたしましてね。そういうお考えからNHKが国際放送をやることの適不適を考えている方もおいでになるんじゃないかという気がするんですけれどもね。
 しかし、現実の問題といたしまして、NHKさんが努力をなさっていらっしゃるのはわかるんですが、十八方向に向かって二十キロから二百キロですかの電波で放送をしている。場所によっては届かないところもあって明瞭に聞き取れない。このままの状態で、先ほどからも話が出ておりますように、なお補助金も出てこない、削減されるというような状態になりますと、NHKさんだけにこの問題を強いるのもちょっと過酷なような気も実はいたします。しかし、だからといって国際放送をないがしろにするわけにはまいりません、会長おっしゃるように。
 私は、一つ質問を用意いたしまして、放送法のたてまえはそうであっても、NHKにとっては国際放送をやっていることが実はお荷物なんじゃないか、本当はやりたくないけれどもそうなっているからやっているのか、ほかに機関ができたらそちらに譲ってもいいとお考えなのか、あるいはこのままNHKが放送主体として続けていくお気持ちなのかという質問を実はしようとしたんですが、先ほど会長から太田さんへの回答で、このままのかっこうで放送していくことが適当と思うという意味の御回答があったように伺いますが、それはそのとおりでよろしゅうございますね。
#239
○参考人(坂本朝一君) 前段で、先生から、受信料で国際放送をやるということについて一般の方の中に多少疑問を持つ向きがあるのではないだろうかという御指摘がございましたけれども、私は、やはり国際放送というのは日本の国益を守りながら国際間の親善と理解を深めるということでございますから、少なくとも公共放送であるNHKの大きな使命と任務の一つであろう、そのことは国内の受信者といえどもこれだけ世の中が国際化してきている現状において御理解賜えるのではないだろうかと思って、なおごの点についてはNHKこそやるべきだという信念に燃えております。
 後段の御質問につきましても、私は、やはり今後といえどもそういう姿勢で進むべきだという確信を持っております。
#240
○青島幸男君 よくわかりました。確かにその方向で御活躍いただくことが望ましいとは思うんですが、しかしお金もかかる問題ですからね。
 現実の問題としてよく聞こえないというところもあるようでして、たとえばせんだっての閣議で、さる閣僚の一人がどこかお出かけになったら海外放送がよく聞こえてない、そのことを山内郵政大臣にこぼされて、大臣はそこで何とか善処するようにしたい、改善するようにしたいというような御発言もあったやに伺いましたが、確かに幾ら一生懸命内容を充実したものを放送しても聞き取りてもらえないようでは困るので、ますます電波を強力にするなりあるいは中継所を建てるなり、さまざまの手だてはおありでしなうけれども、よく聞こえるようにしていかなきゃならないという努力はこれからも積み重ねていかなきゃならぬと思います。
 予算上の問題などもありまして、それもかなりネックになってくるのだろうと思いますが、一部には、これだけ日本も経済的にも国際的な立場も大きくなってきているんだから、従来のものよりもっと電波も強くするし、よくアメリカのVOA並みにしたらどうだろうかというぐらいの御意見もあるようでして、これが単にNHKだけに任せておくとなかなかそういうふうにはならないから、いっそのことこれを独立させて、むしろ外務省の所管になりますか、海外協力基金だとかそういうもの、海外への宣伝の機関とするわけですから、そういうところからも金が入るようにするために独立した機関にした方がいいのではないかという意見もあり、そんな角度から検討するためにせんだって一千万の予算を要求なすったというようなふうにも伺いましたけれども、その辺を明快にしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#241
○政府委員(田中眞三郎君) せんだって私ども要求しております一千万の使い道はどういうことかという御質問かと思いますけれども、先生ただいま御指摘のように、近来ますます国際化する社会において日本の立場も高まっておる、そういうもとにおいて従来方式での国際放送、これは私どものできる範囲内で努力してまいったわけですけれども、結果的には抜本的に改善されたという評価をいただくところまでにはいっていないということでございまして、技術的な調査の面もございますけれども、ただいま先生がおっしゃいましたような形で何とか飛躍的に財源を求め強化する方法はないか。つまり国際放送の財源をどこに求めるか、あるいは実施主体をどうするか、それがどういう形が一番適切であるかということも含めまして御講論いただき、御調査いただきたいということで一千万を要求しておるということでございます。二言で申しますと、先生がただいまおっしゃられたようなことは当然御議論あるいは御提言の中におきまして検討さるべき問題であるというふうに私は理解しております。
#242
○青島幸男君 その辺を私はとても心配しているんですねつNHKの手を離れて全く別の機関になって、しかも国から総額出るというようなことになりますと、まる抱え国営放送というかっこうになりまして、しかもこれは海外放送ですからね。海外放送のやることというのは、国際理解を深めることのさまざまのことを解説したり報道したりするんでしょうけれども、特に国際間の問題なんかに対する政府の見解などを明確に放送するわけですね。これを重要な任務にしておりますが、ここが誤りを犯しますと、特に国際摩擦や紛争のさなかにありまして、あるいは偏ったニュースが流れたりしますと重大な問題になると思いますね。特に国交が開かれておりまして、報道関係者が相互に深く立ち入って隠し事ができないような状況に、オープンになっている国々ならいざ知らず、よく何々新聞が聞いた何々放送によるとかようであった、国際紛争あるいは国際摩擦のさなかで政府の見解が偏ったかっこうで放送されるようなことがありますとこれは重大な事件を生みますので、それをチェックする機関としてどういうところが当たるのかというようなことまで考え合わせますと、大変そら恐ろしい感じがするんです。
 大臣、この辺ちょっとよくお聞きいただきたいんですけれども、NHKがいま担当しているわけですね。ですから、国の直接の機関じゃございませんので、第三者機関が報道として流しているのだからより信憑性が高いであろうという意味で、ある種国際的な信頼があるわけですね。これをNHKから外して別の独立した主体にしまして、しかも国家まる抱えの予算で運営するような事態になりますと、もし偏った放送がなされたような場合郵政省としてチェックする可能性はあるでしょうけれども、それが国民的な規模でなされるとは思えないんですね。ですから、とても危険なことになると思うわけです。
 少なくともNHKが主体になってやっている場合は、そういうトラブルが起こったような場合は当委員会のような場所で公にその問題が論議されるという、そういうシステムになっておりますね。ところが、そうでないシステムになった場合、この責任はどこにいくんだろうかとか、あるいは国際紛争なんか巻き起こった場合に重大な問題になるという懸念を私は深く持っておりますので、その辺どういう検討をなされて、どういうかっこうに発展していくかわかりませんが、その辺に深く御留意をなすって、よく行方を見定めていただきたいと思いますが、御決意と、いま私が申し上げました話についての御感想でも結構ですが、承りたいと思います。
#243
○政府委員(田中眞三郎君) 私、先生にお答えする点におきまして特に重大な点を落としましたので、その点を少し補足さしていただきたいと思います。現在の国際放送の受信改善等の必要性と申しますか、論議がされている中でありながら、私どもとしましては、現在NHKにやってもけっておる国際放送は現在でもその内容においてかなり高い評価を受けているという認識をしておるわけでございます。
 それから先生のお話の中に技術協力というようなお話も出てまいりましたけれども、私、その辺、財源の出し方といいますか、抜本的にお金を強化するというような意味においては、現在も国際技術協力というのは非常に叫ばれておりますので、そういう方途からも一部財源を求め得るというような考え方もあるかもしれない、そういう議論が特に頭にありまして、先生のおっしゃるような財源強化策もあろうかと思いますというふうに申し上げた次第でございます。
#244
○国務大臣(山内一郎君) 国際放送の重要性等については、よく認識をされておりますので申し上げませんけれども、いまNHKが国際放送をやりましてかなり高い評価も受けていることも事実でございます。
 ただ、先般の閣議において、ASEAN地区でよく聞こえないところがあるじゃないかという点の発言がございまして、それでは郵政省としてはこれに対処をしていきましょうということで一千万円の予算要求をしたというのがこの根拠になっているわけでございます。したがって、どうやればよく聞こえるようになるか。設備の改善もございます。あるいは中継地をどこにつくればどういうふうに聞こえるかとか、ほかの中継地を借りるのはどうすればいいかという、具体的に設備の改善計画といいますか、それを重点に置いて調査費を使ってまいりたいと思うわけでございます。
 ただ、いろいろNHK以外にやらさしたらどうだろうなんという話も出ている程度でございますけれども、そういういい意見でももしあれば、その中で、調査費で研究してもいいのじゃないかぐらいの程度は考えておりますけれども、主体は、よく聞こえるようにはどうすればいいかという点に重点を置いてやってまいりたいと考えております。
#245
○青島幸男君 技術的な問題で電波がよく届くように、聞こえるようにするという御検討は幾らなされても結構だと思うんですね、事の重要性から。ただ、その放送主体の問題などにつきましては軽々しく結論を出されるとか、あるいはそうされては困るんだ、重大な問題も起こるだろうということを御警告申し上げているわけです。たとえば、よく国際問題、いつでも、予算委員会でも外務委員会でも問題になるのは、外交文書などにおいて特に訳の問題がありますね。一つの国語を他の国語に翻訳する場合におけるニュアンスの違いが、それこそ国会が空転したりとまったりするほどの率態まで引き起こすようなこともありますし。ですからへ故意に曲げて放送しようと思いますと、特に外国語にトランスレートして放送するような場合は、故意に曲げようというような放送主体の考え方はかなり効果的にあらわれてしまうと思いますね。
 ですから、第三者機関もしくはこういう国会の場などで公に論議できるというNHKのようなところが放送主体となって事を行うことが最も民主的でかつ安全なんではなかろうかという気がいたしますので、NHKさんは予算の面からも大変冊の折れることなんでございましょうけれども、ますます海外放送の充実をお図りいただいて、仮にもNHKから外して別の主体で国のまる抱えでやろうというようなお話が台頭してくるような余地を与えないような充実した放送を行っていただきたい。もちろん技術的な面でよく聞こえるようにしていただくということは、それは御努力いただかなきゃならないことですけれども、そのことだけを強く私は要望と期待を申し上げまして、残余の問題は重複いたしますので、この辺で終わります。
#246
○委員長(勝又武一君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#247
○委員長(勝又武一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#248
○委員長(勝又武一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 日本放送協会昭和五十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書につきましては、これを是認すべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#249
○委員長(勝又武一君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって是認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#250
○委員長(勝又武一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#251
○委員長(勝又武一君) 次に、請願の審査を行います。
 第八七三号郵便貯金の現行制度の存続に関する請願外一件を議題といたします。
 今期国会中本委員会に付託されました請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおり二件でございます。
 これらの請願につきましては、理事会において慎重に協議いたしました結果、第八七三号郵便貯金の現行制度の存続に関する請願外一件は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#252
○委員長(勝又武一君) 御異議ない之認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#253
○委員長(勝又武一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#254
○委員長(勝又武一君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#255
○委員長(勝又武一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#256
○委員長(勝又武一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#257
○委員長(勝又武一君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のための閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#258
○委員長(勝又武一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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