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1981/10/29 第95回国会 参議院 参議院会議録情報 第095回国会 文教委員会 第4号
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1981/10/29 第95回国会 参議院

参議院会議録情報 第095回国会 文教委員会 第4号

#1
第095回国会 文教委員会 第4号
昭和五十六年十月二十九日(木曜日)
   午前十時九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二十七日
    辞任         補欠選任
     田沢 智治君     岡田  広君
     仲川 幸男君     林  寛子君
 十月二十八日
    辞任         補欠選任
     岡田  広君     田沢 智治君
     林  寛子君     仲川 幸男君
     板垣  正君     藤井 裕久君
     塩出 啓典君     高木健太郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         片山 正英君
    理 事
                大島 友治君
                世耕 政隆君
                小野  明君
                佐藤 昭夫君
    委 員
                田沢 智治君
                内藤誉三郎君
                仲川 幸男君
                降矢 敬義君
                松浦  功君
                宮之原貞光君
                本岡 昭次君
                高木健太郎君
                小西 博行君
   国務大臣
       文 部 大 臣  田中 龍夫君
   政府委員
       文部大臣官房長  鈴木  勲君
       文部省体育局長  高石 邦男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瀧  嘉衛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本学校健康会法案(第九十三回国会内閣提出
 、第九十四回国会衆議院送付)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 日本学校健康会法案を議題といたします。
 本案は、先国会衆議院より可決送付され、当委員会において継続審査中の法案でございます。
 趣旨説明は先国会においてすでに聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○本岡昭次君 前国会の最終段階のところで、いま審議に供せられたこの日本学校健康会法の提案理由の説明を文部大臣から受けましたが、その後この提案理由の文章を再々私も読ませていただきました。しかし、よく理解のできない部分がございますので、なぜ健康会というものをつくるのかというところについて幾つか質問をしてまいりたいと思います。
 まず初めに、提案理由の説明の文章の中にこういう文章がございます。「特に最近、児童、生徒等の心と体の健康に関する種々の問題が生じており、児童、生徒等の健康の保持増進に関する諸施策を総合的に推進することは、文教行政の重要な課題となっております。」というくだりがあります。これは私も一番心を痛めているところであり、この文章にはさらに「きわめて」というふうな言葉を入れてもいいほどの状況だと私は思っております。つまり、文部行政のきわめて重要な課題となっておりますと言っても言い過ぎでないような状況が児童生徒の心と体の健康に関する問題で起こっていると、こう認識をいたしておるわけですが、そこで、この日本学校健康会法案を提出する理由の文章の中にこのように書かれる以上、文部省としてその裏づけになる実態、状況、そうしたものを科学的にあるいはまた実態的にしっかりと押さえられた上でのこうした文章表現であろうと考えます。
 そこで一体、児童生徒の心にあるいは体に、その健康に関する問題が具体的にどのような事柄として起こっているというふうに文部省は押さえておられるのか、できるだけ詳細にひとつ説明を文部大臣にお願いしたいと思います。
#4
○国務大臣(田中龍夫君) これからいろいろと御審議をいただくに当たりまして、ただいま本岡委員からの冒頭の御質問に対しまして、私からまずお答えを申し上げたいと思います。
 ただいま御指摘のように、児童生徒の健康の保持増進に関する施策を総合的に推進することは文教政策の重要な一点でありますが、このお諮りいたしておりまする健康会、つまり申すならば給食会と安全会というふうな面会の仕事は、いずれも児童生徒の健康の保持増進に関するものであって、その業務を総合的に推進することがより効率的であり、いいことだと、こういう論拠に立って御審議をお願いいたすわけでございます。ただいまも御指摘のように、各市町村等の責任において実施し、あるいはまた父母の方々にも大変に御協力を願わなければならない重要な案件でございますが、なお、しさいの問題につきましては逐次担当の政府委員からお答えいたします。
#5
○政府委員(高石邦男君) いま御指摘のありました心と体の健康に関する問題でございますが、まず体の面から申し上げますと、最近、体力・運動能力の調査というのを毎年やっておりますが、この調査結果によりますと、ここ十年の比較をずっとしてまいりますと、背筋力というのが低下している。ほかの一般的な反復跳びであるとか、それから握力であるとか、そういうようなものはよくなっておりますけれども、背筋力というのが低下しているというデータが出ております。これはどういうことかと言いますと、背筋力というのは体全身の力、ばねをあらわすものでございまして、幼児期から小学生に至るまで、家庭環境、社会環境が大きく変わって、子供が力いっぱい相撲をとったり、野山を駆けめぐるというようなチャンスが少ないために、結果としてこういう背筋力の低下というようなことが運動能力の面でも出ているわけであります。また、病気の点で申し上げますと、虫歯――齲歯、これが昭和三十五年から五十五年までの推移を見てみますと、やはりその状況がふえているわけであります。また近視、そういうものも毎年ふえているというような状況でございます。また、よく骨折事故が非常に多くなっているというようなことで、これも四十七年から五十三年度の推移を見ますと、やはりそういう事故がふえてい各というようなことで、体全体について何となくひ弱いような状況が感じられるというのが、こういう調査統計の結果からも出ているわけであります。
 また、心の問題につきましても、いろいろ最近の子供は甘えっ子であるとか、何となく精神的にしんほう力がないというようなこともいろいろ言われておりますし、そういう面で、子供の教育を健全に育てていくという観点で、両方の問題は今後の教育の課題としてきわめて重要であると、こういうことでございます。
#6
○本岡昭次君 もう少し体と心の健康の問題ということについて詳しく私は知りたいのですが、ここでそのことを直接やりとりするのが目的じゃありませんので、いまから私の言います問題について、ひとつ資料として提供していただきたいと思うのです、
 いまおっしゃったように、背筋力の問題とか、齲歯、近視、それから骨折が多くなる、あるいはまた背骨が曲がっている子供が非常にふえている。パーセンテージでも非常に高いのです。それから肥満児、大人の病気、すなわち成人病といわれている糖尿とか、高血圧とかいうふうなものまでにも子供がかかりかけているという状況、こうした体に関する問題について、ひとつ詳細なデータを最近十年間ぐらいのものについて提出をしてほしい、こう思います。
 それからもう一つ、心の健康の問題、いま甘えとか、何かそういうようなことをおっしゃいましたが、心の健康の問題というのはそういうことじゃないんじゃないんですか。私が思うのは、心の病気にかかっている子供の最近の状況というのは、登校拒否、いわゆる学校ぎらいになっているとか、あるいはまたノイローゼになるとか、それが最終的に追い詰められた状況では自殺をするとか、そうした一連のものが心の病気、心が健康でないという状況ではないかと思うんですが、この私の認識は間違っているでしょうか。
#7
○政府委員(高石邦男君) いまおっしゃったようなことももちろん入るわけでございますが、そういう登校拒否だとか、精神的なもろさによって自殺をするという、その基礎になる心がもっと一般的にしっかりしているということを含めて申し上げているわけでございまして、先生の御指摘の問題の内容を当然含めて考えているわけでございます。
#8
○本岡昭次君 いや、そんな私の言ったこともじゃなくて、種々の問題が生じているというのはこのことなんでしょう。あなたのおっしゃった甘えだとか何とかということじゃなくて、心の健康の問題としていま種々の問題を生じていると、ここに書いてあるんでしょう。その種々の問題というのは、学校ぎらい、登校拒否というものが非常にふえている、これはもう事実ですよね。それからノイローゼでしょう。そうした問題が行動にあらわれると、いわゆる校内暴力とかあるいは家庭内暴力とか言われるようなところに発展をしていく、あるいは自殺になる。そうしたものは、やっぱり心が健康でないということから起こる問題というふうに文部省が押さえていないとするならば、非常にここには状況の認識が甘く、何か常識的な形でしかここの問題点がとらえられていないのじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#9
○政府委員(高石邦男君) 具体的な事象としてそういう形にあらわれてくると思います。ただ、その前提として、そういう子供たちの精神構造がもっと基本的にしんほう強いだとか、それから規律正しい自律心を持っているとか、そういうようなことがやっぱり基礎になっているわけでございまして、そういう意味で申し上げているわけでございます。
#10
○本岡昭次君 そこで、文部省がここに「特に最近」というふうに強調して書かれておる以上、先ほど言った体や心のそうした健康に関する問題が急激に問題になってきたということの表現だと思うので、文部省がこうした文章表現をされるについてのその裏づけとなった資料というものをひとつ十年間程度のものを私はぜひいただきたい、このように思うんですが、出せますか出せませんか。
#11
○政府委員(高石邦男君) 先ほど申し上げました体力・運動能力の調査というようなものを毎年やっておりますので、そういうものを整理して提出したいと思います。それから、学校基本統計調査でもそういう子供の病気に関するいろんなものを毎年やっておりますので、これも整理して提出したいと思います。
#12
○本岡昭次君 そこで、いまやりとりをしたような状況に子供が置かれていて、それではいけないと、それを何とか解決していかないといけない。つまり、ここの文章表現をかりると「児童、生徒等の健康の保持増進に関する諸施策を総合的に推進することは、文教行政の重要な課題となっております。」、こういうふうに来ているわけですね。そこで、日本学校健康会というものを給食会と安全会を統合して新しくつくるということは、「児童、生徒等の健康の保持増進に関する諸施策を総合的に推進する」ということのために行われるんだというふうに文脈上から理解できるんですが、それでいいわけですか。
#13
○政府委員(高石邦男君) 日本学校健康会として、両法人を統合いたしまして子供の健康保持増進のための諸施策を展開する一歩前進であるということはもちろん考えるわけでございますが、そのほかに、文教施策全般の問題として子供の健全育成という観点で統合するだけではなくして、一般的な文教施策の中で展開していかなければならない課題もあるわけでございます。
#14
○本岡昭次君 文教政策一般という中で、「総合的に推進する」という言葉がありますが、それでは何かいま具体的に構想など持っておられたらお聞かせ願いたいと思うんです。
#15
○政府委員(高石邦男君) まず、子供を健全に育てていくために何を考えるべきかということでございますが、一つは、まず子供の健全な発育の前提になるためには、栄養のバランスのとれた食事をしていく、そういう正しい食習慣を身につけるということが出発点になるわけであります。そういうために学校給食を実施しているということ、そしてまた、そういうバランスのとれた食事を摂取した子供たちが適正な運動をしていくという環境づくりをしていくということが必要になってくるわけであります。したがいまして、そういう観点で学校における体育とか、それから地域社会における子供の自然との触れ合いにおけるいろんなスポーツ活動の促進というようなものを整備していかなければならない。また、そういう形で、さらに子供の健康管理ということで子供を病気から守るための仕事をしていかなければならないわけであります。
 そういう点で、学校保健の面で、子供の健康診断を初めいろんな安全のための教育をしていくというような形で、いままでも展開してきておりますし、今後もそれからの内容についてより一層充実した展開をしていくことが大切であると、こう思っておる次第でございます。
#16
○本岡昭次君 別に目新しいお話は聞けなかったわけですが、いま学校給食会及び学校安全会を統合することは児童生徒等の健康保持増進を図るということについて一歩前進だというふうなことをおっしゃいましたが、どういう意味で一歩前進なんですか。
#17
○政府委員(高石邦男君) 安全会は、基本的な業務として学校の管理下における児童生徒の災害に対する給付事業を主たる業務として展開しているわけです。これは、各学校の管理下で、一体どういう理由で子供がそういう災害ないしは病気にかかるかというような形での分析を総括的にデータとして整理できるというところが特殊法人としての安全会の強みであるわけであります。そういうような中身を十分に分析しながら、一方において学校の健康、安全教育を推進していく、また学校給食会も、先ほど申し上げましたように、子供たちに栄養のバランスのとれた食事教育、食事を提供するということを通じて子供の健康管理のための仕事をやっているわけであります。本来、この二つの業務はいずれも子供の健康管理についての仕事をする特殊法人であるということで、別個の形でやるよりも一つの法人になることによってその内容がより緊密化し、連携をとって総合的な施策が推進できる母体ができ上がる、こういう意味で一歩前進であると申し上げているわけでございます。
#18
○本岡昭次君 具体的に言ってください。二つあるものを一つにしたら子供の健康管理の問題でよくなるだろうと、連絡もよくいくだろうと、連携を密にしてやったらうまくいくだろうということじゃなくて、一歩前進というのは、別々にあったものが一つになったらいままでになかったこういうものがそこでできますとか、学校の児童生徒の健康管理の問題で、いままでは別々でやればこういうことまでしかやれなかったけれども、一つになったらいままでやれなかったこういうこともできますという、そういうこともなければ、あなたの言う一歩前進なんというのは、私はそうですかと言うわけにはまいりませんね。
#19
○政府委員(高石邦男君) たとえば、骨折という事故が学校で非常に多くなっていると。一体骨折の原因は何かということをいろいろな原因分析をしていかなければならないわけであります。その際に、やはり食べ物との関係というのは非常に密接な関係を持ってあろうと思います。したがいまして、骨折がふえていく、そしたらどういう食事をしているか、どういう面の食事をしなければならないかというようなことを、この両法人が一緒になればいままで以上に密接な関連を持って事業の展開ができるというようなことを考えるわけでございます。
#20
○本岡昭次君 いや、それだけですか。骨折が多いと食べ物に関係あるんじゃないか、そして給食の内容を改善するということが一つになったらできると。二つであったらできないですか、それは。文部省が上におるんでしょう。もっと基本的なことでごつが一つになったらということはないですか。少なくとも特殊法人を二つを一つにするんでしょう。そして、ここに児童生徒の健康という問題にかかわって必要だと、こうおっしゃっているんですけれども、ここの場であなたが私に聞かせてもらえるのはそれだけですか。骨折をなくしていくのに――骨折は大事じゃないと言っているんじゃないですよ、大事なことですよ、少なくしていくための食生活の改善という、もしそこに大きな原因があるならね。もうほかにないですか、ここであなたがおっしゃられることは。
#21
○政府委員(高石邦男君) 一つの例示で申し上げたわけでございまして、安全会の業務はもっと多方面に及んでいるわけであります。それと学校給食会の業務も給食全体に及んでいるわけでございます。したがいまして、ここでこういう場合はこう、ああいう場合はこうと、一々羅列して申し上げれば、ある意味では切りのない話でございまして、例示としてそういうことを申し上げておりまして、その別々の形での法人格を持ったものが連絡をとりながら仕事をやればいいじゃないかといっても、なお一体となって仕事をすることによってより営業の効率的な運営が期待できると、こう思っておるわけでございます。
#22
○本岡昭次君 遠慮せぬと、あれこれ言ったら切りがないと、切りのないこと言ってくださいよ。それ全部、費やしてもろうても結構ですわ、私の持ち時間。全部言ってください、あれこれいうの。
#23
○政府委員(高石邦男君) たとえば、最近学校の健康診断で心臓疾患だとか、それから肝臓の疾患だとか、それから背骨が曲がっているとか、およそ病気に関係するいろんなものがたくさんあるわけですね。そういうものを一体どうしていくか。それは一つは食べ物の関係もあろう、一つは運動のこともあろう、一つは日常生活における子供のしつけの問題もあろうというようなことがありまして、そういうことを考えていった場合に、それらのいずれも子供の健康に関することでございますので、そういうものが食事の面、それから安全の面、それから子供の健康の実態の面、そういうものをつなぎ合わせて総合的に推進していくことは、いままで両法人が別であったときよりも一歩前進である、こう考えるわけでございます。
#24
○本岡昭次君 その程度のことであれば、あれこれ時間をかけて聞く必要はないと思いますから結構です。
 ぼくはもっと、あなたのおっしゃっている一歩前進というのは、その一歩前進させるべき中身は別のところにあると思うんですよ。統合して、そして新しいものをつくって、さらにその新しくできた健康会というものが児童生徒の心や体の健康をつくり、そして安全を守っていってやるということをしていくために、たとえば安全会の業務の中に、学校管理下において児童生徒が病気やけがというふうな状況になったときに給付が行われている。そこには過失とか無過失とかいろんな状況判断があるわけですが、しかし、その給付の認定の問題なり、あるいは相互扶助という基本的なたてまえに立って互助精神ということから掛金を掛けていくということが基本にある。つまり、これは保険システムあるいはまた互助会システム、いろんなものをこう当事者の知恵、親や学校の教職員や関係者の知恵ででき上がったものを学校安全会が全国的なものをまとめているということじゃないかと私は素人考えに思うんですね。そして、全国ほとんどのところにこれが定着を公立学校関係ではしているという状況下にあって、あとなすべきことというのは、三年ほど前ですか、衆議院の文教委員会の中で学災法小委員会というものがつくられて、そこでこの問題の基本的な検討をした。その結果、給付の改善等見るべきそこに成果はあったわけですけれども、学校災害補償法といったより基本的なものに迫るところまではいかなかったということがあるわけですね。したがって、やはり学校安全会というものの業務なり性格なりというものをより一歩前進させていく基本は、この統合を契機に、学校災害補償法というものをつくり上げて、学校管理下における児童生徒の病気や傷害、そうしたものを国家的な補償のもとに置いていくというふうに進めていくというきっかけになるとすれば、私は非常に意味のあるものだと、またむしろ、そういうことを強化されたというのが学校健康会なるものが当然目指すべき性格のものであろうと、こういうふうに思うんですね。また、給食会の問題にしても、米飯給食の問題に絡んで、あるいはまた自校方式があるいはまたセンター方式かということで、実際給食をやっている学校、食べている子供、お金を負担している父母、いろいろな意見を持っているわけなんで、そうしたものをこの健康会が吸い上げて、真に教育的観点から学校給食法あるいはまた指導要領の中に入っているそうした趣旨、目的にかなうような方向に大きく一歩踏み出していくんだというふうな事柄をあなたの口から私聞けるのかなと、こう思っておったんですよ。ぼくはそういうふうなことが、いまこの健康会法提案理由のここから見る限りは、やはり積極的に打ち出されてくるべきだと思うんですがね。大臣、いかがですか、統合というのはそんなちっぽけなことなんですか。骨折したときに、やれ食べ物がどうこうとか――ちっぽけと言ったらいかぬね、これは大事なことなんだけれども、そういう個々の現象的な問題を連係プレーができるということだけであってはいかぬと思うんですね。もっと基本的な問題の解決にやはり迫っていく力を持つ一つの統合なんだというふうに理解をしていかなければ、これだけの前文を書いた意味がないと、私はこう思うんですがね、大臣のお考えいかがですか。私の考えは考え過ぎなんですか、それとももっともなんですか。
#25
○国務大臣(田中龍夫君) ただいまいろいろと御討論をなすっておられますことはよくわかりますが、今日のいろいろな問題があるということは事実でございまして、その問題の深さ、あるいは幅、内容の面におきましてもいろいろなことが考えられます。こういう問題を積極的に推進していくことが今日の文教行政に課せられた一つの課題ではございますが、今回学校給食会と安全会との統合という問題に関連しました健康会というものが、これを機会に、ただいま御指摘のような一歩前進する形におきまして児童生徒の健康の保持増進を図っていこう、こういうことも当然考えられるわけでございますが、今後総合的にこういった問題を推進して、そうしてこれからでき上がります健康会というものをさらにりっぱなものにしてまいらなくちゃなりません。ただいま御指摘のような、また局長がるるお答えいたしましたようなことといささか段階的な差があるように思うんではありますけれども、そういうふうなものも今後御相談してまいりたいと考えております。
#26
○本岡昭次君 私は前向きでこの問題をいまとらえて論議している、後でまた別の立場から言いますけれども。少なくとも別々の目的を持って生まれた特殊法人、そしてそれぞれの歴史と伝統を持って一定の仕事と任務を果たしてきた組織を一つにするというふうなことは、そう簡単なことじゃないという認識を持っているからいまのようなことを言っているんです。どこかのだれかのように、数を合わせるとか減らせとか、多過ぎるからどうせいとかいうふうなことであってはならないという認識があるからいまのような話を私はさせてもらっているんです。それは理解してもらいたいと思うんです。だから、文部大臣がおっしゃるように、私の言った学災法の問題であるとか、あるいは学校現場で行われている給食、地方自治体が進めている学校給食が、現状必ずしも教育的観点から見てこれでいいということじゃないんです。さまざまな問題を持っているんです。しかし、それが学校給食会、安全会、あるいは文部省という、どういうのですか、さまざまなセクションがあって、十分そうしたものに総合力を発揮し得ない。だから学校健康会というものをつくり、そしてそこに文部省がいて、そうした問題を解決していくために力を持ち得るんだ、力になり得るんだというふうに私がこの統合の問題について考えていいのかどうかということなんですが、この点はいかがですか。
#27
○政府委員(高石邦男君) 両法人がそれぞれの歴史的な背景で今日まで独立の歩みを続けて仕事をしてきたわけでございます。そこで、この両法人をこの際統合するに当たって、単なる形式的に二つのものを一つにするというだけであれば、まさに形式的なことで余り大した意味がないんじゃないか、こういう議論があろうかと思います。ただ、基本的には、特殊法人を全体的に国の施策としてもふやさないというような方針の中で、なおその両法人が類似性のある業務を持っているという観点に着眼してこれを一つにしていこうという方策をとろうとしているわけでございます。
 そこで、その両法人を統合していった後に、現在以上に子供の健康、安全の面で前進できるような姿にしていくということが大切なことであろうと思います。したがいまして、統合された暁には、この両法人がいままで果たしてきた業務をなお一層充実強化していくというようなことは当然考えていかなければならないし、そういう方向での業務の運営ということを考えるようにしたいと思っているわけでございます。
#28
○本岡昭次君 最後に、この問題に関して文部大臣に再度くどいようですが、子供の給食問題、あるいはまた子供の学校管理下における安全の問題、こうした事柄について、先ほど私が言いました学災の問題のより真剣な追求であるとか、あるいはまた、より教育的見地に立つ学校給食の実施というふうなものについて、文部省がより関心を持ってこれからもかかわっていくことになるんだというふうに理解させてもらってもよろしいですか、文部大臣の言葉を聞いて次へ行きます。
#29
○国務大臣(田中龍夫君) 私がいま申し上げたように、このいまの両法人が機械的に合体したというだけではまことに意に満たないものがある。これを機会にさらに一段と高い見地まで考えるような、本当にこれを機会に一歩前進したいというのが先生のお気持ちと私は存ずるんです。その問題につきましても、しかし同時に、実を言いますと問題が余りにも多いんでありまして、たとえば安全会の問題を一つとりましても、なお処理しなければならない問題がたくさんありまするし、給食の問題にいたしましても相当なやはりただいま御指摘になりましたような実務上の問題が多々あります。それから、さっきおっしゃいました心の問題という一つのことを取り上げてみましても、これまた児童生徒、青少年期における、これから伸びていく子供たちの持つ心の問題は、これまた非常にいろんな問題を抱えておりますし、体力の問題でも同様でございます。それをどの限度でもってこの健康会というものが把握していくかということは、これは非常に議論を呼ぶ問題とは存じますが、事務当局におきましても、あるいはまた委員会の皆様方におきましても、いろいろな問題をお抱えになっておられまするが、今日まで当局の方で勉強もし御提案いたしましたその大体の限度でひとつ御審議をいただいたらどうだろうかと、こういうふうに考えます。
#30
○本岡昭次君 それでは次の問題へ移りますが、学校給食会と学校安全会の補助金についてお伺いします。
 昭和四十五年、昭和五十五年、昭和五十六年、そして五十七年度の概算要求というところまで含めて、各年度ごとに給食会、安全会、それぞれどれだけの額の補助金が出ていたのか、ここでひとつ報告をしていただきたいと思います。
#31
○政府委員(高石邦男君) まず、日本学校安全会から申し上げます。
 昭和五十四年度の国庫補助金二十八億二千三百万、五十五年度三十億三千九百万、五十六年度三十二億一千百万、五十七年度三十六億六千五百万というのが国庫補助金の五十四年度から五十七年度までにおける状況でございます。
 それから、日本学校給食会は五十四年度三億三千万、それから五十五年度三億二千四百万、五十六年度三億二千二百万というのがその推移でございます。
#32
○本岡昭次君 ありがとうございました。
 ただいま給食会の方の五十七年度の概算要求というのは出していないわけですか。
#33
○政府委員(高石邦男君) 五十七年度は、先ほど安全会のところで申し上げました五十七年度の中に実は入った健康会法一本の補助金でございますので、正確に申し上げますと、いま安全会で申し上げました五十四年から五十六年までは純粋に安全会そのものの補助金、五十七年度の三十六億六千五百万と申し上げたのは、従来安全会に対して給付していたものと日本学校給食会に出していた三億余りの金が合体されて三十六億六千五百万ということになるわけでございます。
#34
○本岡昭次君 そうすると、五十七年度の概算要求の中では、すでに健康会に対する補助金という概算要求をされているわけですか。
#35
○政府委員(高石邦男君) そのとおりでございます。
#36
○本岡昭次君 私はよくわからぬのですが、こういうことはいいんですかね、法律が通っていないのに概算要求ではもうすでに一本にまとめてしまっていると。前回のときは、それぞれ学校安全会、学校給食会と別々に予算要求はされていて、そしてもし統合ということになれば、というのは要するに法案が成立するということで、国会の審議が終わって成立した段階では、その両方のを一つにして使うと、こういうこと。ぼくはその方が筋が通っておると思うんですが、いまここで審議をしているのに、もう概算要求では健康会一本でこれをやっているという、こういう手続はこれ許されるんですか。
#37
○政府委員(高石邦男君) これは予算要求、それから予算編成、それから法律の成立といういろんなそれぞれの段階がございまして絡み合うわけでございますが、通常は、すでに五十七年度、法律としてこういうことを国会で御審議をいただき成立を願いたいという前提で、たとえば五十七年度からは姿としてその両法人が合体するという形での政府提案を国会にしている事項につきましては、予算要求の形態としては、その後の姿の形で予算要求をするというのが通常の行政のやり方でございます。
#38
○本岡昭次君 そうすると、前回のときはそれを別々にしたというのは、そういう方法でもいいということなんですか。
#39
○政府委員(高石邦男君) 前回は、五十六年の七月にその両法人を合体するという提案になっていましたので、予算要求としては五十六年の四、五、六についてはそれぞれ別個、それから七月以降は一緒に合体するという形の予算要求をしたわけでございます。
#40
○本岡昭次君 わかりました。
 そうすると、あくまで健康会そのものの成立が、文部省が考えておられるようにうまくいかなかったという仮定の問題ですが、仮定の問題でも論議はできると思うんで、そういうときは三十六億六千五百万というこの予算というものは、これは従来のその率によって改めて案分をするんですか。
#41
○政府委員(高石邦男君) もしこの法案が五十七年度四月以降成立施行されない場合におきましては、その概算要求している中身をまた案分して執行するという形になるわけでございます。
#42
○本岡昭次君 わかりました。
 そこで、このいまの補助金の金額を見る限りにおいて、給食会はほぼ同額が続いている、まあ少し減っているようなんですが。安全会の方は、業務の内容もあるということでしょうが、ずっと少しずつふえているということで、それぞれ独立した特殊法人の業務、すなわちそれは必要性というふうなこと、そういうようなことに応じて補助金が出ていくと思うんですね。だから補助金の金額を見る限りは、学校給食会も学校安全会も、それぞれ独立した特殊法人としての存続というものの必要性からこういう補助金が出されているというふうに、この補助金からはうががえるわけです。
 ところで、二つの組織を統合するという場合、このようにそれぞれが独立して、個別の法人としてその任務を遂行していける状況、また現に業務の内容も、補助金からしてそれに何ら問題のないような状況にあって、それを一つにするということがここに行われているんですが、本当の統合というのは、特殊法人の持っておる使命あるいは目的、そういったものが果たすことができたと、あるいはまた、もうほとんど果たせる状況にまで来た、しかしそれをいまつぶすのは都合が悪い、だからそれをひとつ別の法人と一緒にしようじゃないか、あるいはまた、両方ともそういう状況で一つの特殊法人として維持するということはやはり問題があるから、二つあわせて一つの法人としてその任務なり使命を遂行させていこうと、こういうことが通常の統合を考えていく上での立場ではないかと思うんですが、これを見る限りでは、学校給食会も学校安全会も、どちらも現状必要であると、それぞれ独自の大切な任務を遂行しなければならないんだという前提に立ちながら、しかもなお一緒にしてきているということですね。したがって、こういう統合の場合は、統合する効果として、いわば両方の法人が一つになっても、そこに経済的効果というふうなものは、まあいわば実際はほとんど期待できない形の統合であるというふうにぼくには推察されるんですがね。一方の、補助金はどんどんどんどん減っていって、もうこれは廃止してもいいんだというふうな直前にあるものを、もうしばらく仕事を残しておくから統合しようじゃないかということになっていないわけなんですね。そういうふうな分析ができるんですが、そういう立場から、この二つの法人の統合というものは、どういう立場からなされていったというふうに考えたらいいんですか。
#43
○政府委員(高石邦男君) まあ基本的には、両法人の持っております業務は継続していかなければならない業務の内容でございます。日本学校安全会は給付事業を展開していくということで、この事業につきましては年々その給付事業の金額もふえていくということで、今後ともその傾向は変わらないわけでございます。それから、日本学校給食会の行っている基本物資のあっせん、それにつきましても同じようなことが言えるわけでございます。したがいまして、本来両法人の持っている基本的な業務そのものは、統合によって縮小するとか減少するというようなことはないわけでございます、その限りにおきましては。ですから、そういう意味で、ただ一般的に管理業務につきましては、合理化できるものは合理化していくという方向での合理化は考えられるわけでございますけれども、事業そのものについては、両方ともの事業は、今後ますます発展充実させていかなければならない事業であるというふうに考えるわけでございます。
#44
○本岡昭次君 そこで、昭和五十四年十二月二十八日の閣議決定、大平首相のときの五十五年行革と言われているものなんですが、そこの文章の中に、五十五年度以降の行政改革計画の実施について、「第一 特殊法人の整理合理化 一、公団、事業団等特殊法人の統廃合等」ということで、ここに十六の項目が挙がっています。文部省関係が(10)、(11)、(12)と三つの項目で挙がっているわけです。(10)が、「日本学校給食会と日本学校安全会とを、昭和五十五年十月に予定されも放送大学学園設置の時に統合する。」と、このことは衆議院の方で相当いろいろやりとりがありましたが、(11)に、「オリンピック記念青少年総合センターについては、既定の方針に沿って速やかに廃止し、文部省直轄の社会教育施設とする。」、その次に十二番があります。「上記(10)及び(11)の措置の完了後、文部省主管の特殊法人を一法人減ずることとし、その具体的内容については、昭和五十五年度中に結論を得るものとする。」という項目もここにあるわけです。ここで、この(12)の問題ですね、これはその後どうなっているんですか。
#45
○政府委員(鈴木勲君) これは、ただいまお読みいただきましたように、「上記(10)」と申しますのは「日本学校給食会と日本学校安全会とを、昭和五十五年十月に予定される放送大学学園の設置の時に統合する。」という、その(10)を受けているわけでございますけれども、これは御案内のように、放送大学学園法が成立いたしましたのは前国会の終盤でございまして、学園そのものの設置が五十六年の七月でございます。そこで、その措置の完了後の片方の要件は満たされておるわけでございますけれども、もう一つの学校給食会と安全会との統合がまだ実現していないと。いまこの両者を統合した日本学校健康会の法案の御審議をいただいているわけでございます。したがいまして、その(10)を受けてこの(12)の文句があるわけでございまして、統合がおくれておりますことから、具体的な内容につきましては結論が得られていないわけでございますけれども、私どもとしては統合が速やかに行われますことを期待しつつ、閣議決定の趣旨に沿って現在検討を進めているという段階でございます。
#46
○本岡昭次君 「五十五年度中に結論を得るものとする。」ということは、統合がまだ実現していないと、学校安全会と学校給食会が日本学校健康会として新しくスタートするということがまだ起こっていないと、統合が完了していないということで、この「昭和五十五年度中に結論を得るものとする。」ということについての制約というふうなものは現在ないということですか。
#47
○政府委員(鈴木勲君) これは(10)を受けた条文でございますので、その統合が実現しない以上、五十五年度中に結論を得るということは、この点に関しては空文になると。したがって、五十六年度中に私どもとしてはこの趣旨を受けて検討を進めているということでございます。
#48
○本岡昭次君 五十六年度中に結論を得るように検討中だというふうにいまおっしゃいました。五十六年度中というのは来年の三月末までであろうと思います。そうすると、「文部省主管の特殊法人を一法人減ずる」という問題は、来年の三月末までに文部省としてこの法人を減らすんだということを、これを受けてやり切るんだということの腹を固めているということなんですね。
#49
○政府委員(鈴木勲君) これは、統合がおくれます各段階におきまして、主管の行政管理庁等とは協議をしているわけでございますけれども、五十五年度中の結論は、これは実際的にもう得られないということは明白でございますので、できるだけ早期にその結論を得るように努めたいというふうな形の協議をしているわけでございます。したがいまして、現在お願いしてございますこの日本学校健康会法案の成否に私どもは期待をしているわけでございますが、その統合が実現いたしました段階におきまして、これが五十六年度中であれば、その年度内に閣議決定の趣旨に従いまして一法人減ずる、その法人についての結論を得るということで検討しているということでございます。
#50
○本岡昭次君 特殊法人を一法人減ずることについての結論を得るために協議するんだということですが、その協議の中身は、一法人を減ずることの可否の問題も含めて協議するのか、一法人を減ずるということはもう既定の事実でこれは曲げられないと、どの法人を減らすかということについて協議するのだと、こういうことになるんですか、どちらですか。
#51
○政府委員(鈴木勲君) 一応閣議決定の趣旨に従いますれば、一法人を減ずるということがここに明確に書かれてございますので、その方向に沿って協議をするということに相なろうかと思います。
#52
○本岡昭次君 それでは、文部省が主管している特殊法人は現在どういう法人があるのか、言っていただけませんか。
#53
○政府委員(鈴木勲君) これは、文部省の所管の特殊法人は十ございまして、国立教育会館、放送大学学園、日本育英会、日本学術振興会、国立競技場、それからただいま御審議をいただいております日本学校安全会、日本学校給食会、それから日本私学振興財団、私立学校教職員共済組合、国立劇場と、この十の特殊法人でございます。
#54
○本岡昭次君 そうすると、いま読み上げられた中で、放送大学学園をなくするというようなことは、この間できたところだから幾らまあ朝令暮改をよくやられるところでもこれはないと思う。学校安全会、学校給食会、いまは一つそれが焦点にある。そうすると、大体残りのところのどれかをという、こうやり玉に上がるわけですね。そして、一つ減ずるというのは、一つをなくしてしまうというふうに考えるんですか、今度のように二つあるものを一つにまとめて、結果として一つ減ったというふうになるんですか。
#55
○政府委員(鈴木勲君) これはいろいろな考え方があろうかと存じます。本岡先生のおっしゃるように、統合によって減ずるという場合もございましょうし、あるいは一つのものを民間に移管をするというふうな方法もございましょうし、いろいろな方法があろうと思いますが、私どもとしては、そういう方法も含めてどうするかということを検討しているということでございます。
#56
○本岡昭次君 いまはもう十月の末ですよね。五十六年度中というのはもうあと五ヵ月、検討をするとすればもう始めなければならない。私のいま言ったことは基本的な考え方ですよね。百近く特殊法人がもしあるとすればどうしようかということだけれども、わずか十、しかも、検討をしなければならないのは六つか七つぐらいの特殊法人じゃないかと思うんですが、それをまだいまの段階になって、二つを一つにして数を減らすのか、あるいは一つそのものを減らすのかということについて考えていないというのは少しおかしいんじゃないか、基本的な考えは文部省として持っているんじゃないですか。その二つを一つにするのか、一つをどうするのかというぐらいの基本的な考えがなければ進まないでしょう、この問題については。
#57
○政府委員(鈴木勲君) これは本岡先生のお言葉ですが、数が少ない、そういう特殊法人を抱えている文部省といたしましてかえって非常にむずかしい問題なんでございます。したがって、どれをどうするかということは、これは今後の文部行政のあり方にもかかわりますし、またそこで勤務しております大ぜいの職員の身分とか、いろんな問題にかかわりますので、私どもとしては慎重に対応せざるを得ない。したがって、方法論を先に決めてどれというふうにはまいりませんので、それを含めてどうするかということを非常に苦慮しながら検討せざるを得ないと、検討しつつあるということでございます。
#58
○本岡昭次君 行政改革は天の声だということで、いま行政改革問題が三十六本の法律を一つにまとめて特別委員会で審議されて、きょうは衆議院でそれが採決されるという状況に来ておりますが、いま私たちが論議しているのも行政改革のうちの一つであるわけですが、私がずっと初め論議したように、行政改革は天の声だといって、数さえ減らせばいいんだ、整理統合ということだけが前に出て、そこで、いまあなたもおっしゃったけれども、働いている職員の皆さんの問題、いままでやってきた仕事の問題、それに関係する子供や親や教職員や国民一般、そういうものとどう関係するのかということを抜きにしてやられたんではこれはもう大変だと思うんですね。だから、学校安全会と学校給食会が一つになる。という理屈、まあここに書いてあることはそうだと納得はできなくないんですが、余りにも安易だと思うん、で、また今度は、これを見ると国立競技場、国立教育会館、国立劇場なんか、国立だから、同じだから一つにしたらどうやというふうなことがまた出てくるんじゃないか。あの三十六本の法律を一つにするのでも、何かわけのわからぬこじつけが行われますからね。だから、これをどうするかという問題は、あなたがおっしゃったように、単なる数合わせというふうなことだけで行政改革を進めてくる管理庁との間で屈服しないように、それぞれの持って生まれてきた使命があり、目的があり、そして国民とのかかわりがみんなあるんですからね。そんなごろ合わせのようなこと、名称が似ているからというような、同じ国立という冠がついているからというふうなことのようなばかげたことで特殊法人を減らすということについて、簡単にぼくは行政管理庁との関係において応じないようにすべきじゃないか、こういうふうに思うんですが、文部省としての態度はどうですか。
#59
○政府委員(鈴木勲君) 基本的な考え方につきましては本岡先生と同感のところがございます。ただ、行政改革を推進するという政府の方針がございまして、文部省としてもその大きな方針のもとに検討を迫られているということでございまして、現在の第二臨調の第四部会におきましても、過般いろいろな議論がございまして、文部省だけではございませんが、今後そういう特殊法人のあり方について種々検討が加えられるであろうというふうに考えます。
 そういう中で、私どもはできるだけ行政の水準を落とさないように、諸般の事情を考慮しながらどうしたらそういう行政改革の趣旨にも沿い、しかも文部行政の水準を落とさないようなことが可能であるかという点を種々勘考しながらこれに対応しなければならぬということでございます。
#60
○本岡昭次君 五十六年度中に行政管理庁との間でこの閣議決定問題についての結論を得るよう話をするということなんですが、その向こうに、いまあなたおっしゃったように、第二臨調がさらに結論を出してくるときに、残された文部省主管の特殊法人のさらに統合というふうなことが起こり得る可能性があるのかどうか、そこらはどうですか。もうこれで最後になるんですか。また、ずっとそういう統合というものが、第二臨調のいまあなたのおっしゃったような状況の論議から見れば続くのかどうか、それはどうですか。
#61
○政府委員(鈴木勲君) その点につきましては、現在のところ私として申し上げるべきものは持っていないわけでございますけれども、私ども文部省としては、これまでオリンピック青少年総合センターの直轄化というのを一つやりましたし、また、現在御審議をいただいている形の二つの法人を一つにするということもいま御提案申し上げているわけでございますし、できるだけ協力はしてまいっているということでございますので、これ以上のさらなる特殊法人の削減なり、整理ということについては、そう簡単には応ずることはできないというような気持ちでございます。
#62
○本岡昭次君 閣議でこうしたことがいろいろ論議になると思うんですが、文部大臣、文部大臣としてこの文部省主管の特殊法人、いま鈴木さんも言われたけれども、少ない特殊法人の中でそれぞれが重要な任務を持っているということは、減らしてもいいと、統合してもいいんだというようなものは文部省主管の中にはないんだという前提だと思うんですよね。いや、これは大丈夫だというようなものがないということの苦しい一つの表現だと思うんですが、文部大臣が閣議等に出ておられて、次々と文部省主管の特殊法人の統合問題、いわゆる数減らしというものが起こっていくような状況にあるのかどうかということと、文部大臣が、現在の特殊法人を文部省が主管しておられる立場から、そうしたことにまた応じられる状況というものがあるのかどうかということについての文部大臣自身としての現在の御判断はいかがですか。
#63
○国務大臣(田中龍夫君) まずその前に、先ほどお読みになりました前内閣のときの行政整理といいますか、既定事項というのがありますが、ただいま御審議をいただいております健康会もそれに基づきます一つの具体的な問題でございます。それならば、現時点において、いま何らかそういうことが俎上に上っているかと申すならば、それは何にもありません。
 それから、今後臨調その他の問題で、どういうふうな行政の簡素化なり、あるいは統廃合というものが出てくるかということは、全く現時点におきましては予想ができませんということでございます。
#64
○本岡昭次君 まあ予想はできないでしょうが、文部大臣として文部省が主管しておる特殊法人、一つはすでに任務を終え、それからもういまその第二段目をやっている。また第三段が次に出てくるというんですね、またこの上に。それは行政改革とかいう形の中で、特殊法人を減らせ減らせと、機構を縮小せよとか簡素化せよとかいうことは、その筋からは出てくるにしても、文部省として必要があって設立した特殊法人、現在重要な任務を果たしているその特殊法人を見た場合に、さらにそうした形に応じて、この法人を文部省直轄にしたらやれるんではないかとか、あるいはこの法人とこの法人を一つにまとめてもやれるんではないかとかいうようなものの内部としての主体的なものがなければ、やはり一要するに問題は、文部省のそうした特殊法人の仕事を通してサービスを受ける国民やら父母やら子供の立場から考えれば、よりサービスが充実していく方を願うんであって、そのことによって低下すればどうにもならないわけで、文部大臣の現在の判断として、そうした統廃合というふうなものを、もうこれ以上――いまいけば三つやることになるわけですよね、さらにその上にといったことについて、もうそういう状況に文部省はないというふうなことをやはり私はここでおっしゃっていただきたい。またそういう状況ではないかというふうに思うんですが、いかがですか。
#65
○国務大臣(田中龍夫君) 別に私セクショナリズムを言っているわけじゃありませんけれども、そんなに次から次に減らせと言われたって困るんです。
#66
○本岡昭次君 そのとおりです。だから文部省として、やはりいまある特殊法人の任務、そしてやっている仕事、国民あるいは父母、子供、そうしたものにどういうふうにして教育、文化の面についてのサービスということについて密着していくのか。むしろ積極的にそういうので、これ以上特殊法人を次から次に減らしていくというようなことはもうできないんだという、内部の積極的なそういう力というものをぼくは持つべきだということで言っているんです。
 そこで、もしこういうことで次々と特殊法人減らしというものが数合わせみたいな形で行われるんでしたら、国民の側から、あるいは子供や父母の側から、文部省の行き届いたサービス、行き届いた文部行政、文化行政というものを、文部省、特殊法人も含めて期待するという立場からすれば、あと、何ですか、まとめれば九つになるんですか八つになるんですか、そんなものもういっそのこと全部一つにしてしもうたらどないですか。一つにするということを文部省が言って、一つにしてしもうたらもう減らしようがないじゃないですか。そして、もっと強大な機構と力を持って国民に行き届いた文化教育行政をやっていったらどうですか。そうすると天下りも減るし――そうでしょう、一番問題になっておるのは天下り人事。それは文部省の皆さんにとったら、いやおれの行き先がどうなる――わからぬわけでもないけれども、やっぱり考えるんならそこへずばっといったらどうですか。そうしたら、もうすべてが私は片づくように思うんですが、これはむちゃですか。そうせぬとこんなもの次から次にいきますよ。
#67
○国務大臣(田中龍夫君) 大変な御高見を拝しましてありがとうございます。御激励のほど厚く御礼申します。
#68
○本岡昭次君 いや、御激励じゃないんですよ。これは後ほど行政改革特別委員会なり、あるいはまたこの文教委員会で論議するようになると思いますが、あの特別委員会の中にかけられているあの法案の中に四十人学級なども出てくるでしょう。四十人学級を三年間凍結するとか、あるいは教職員の定数改善とか自然増もやっぱり抑えるとかいうものが出てくるでしょう。ぼくはあれを見ると、文部省は大変なものを人身御供に出したなと思うんですよ。社会的影響力は強い。しかし実際は、四十人学級といっても金はわずか八億円だ。全部合わせても五十六億円。わずかな金額で社会的影響力のあるもの。それは考え方としてまことに賢いことをやったと。しかし、出された人身御供の四十人学級、教職員定数増を抑えるなんというようなことは、これは大変なことなんですよね。金額はわずか。そういう形を見るときに、行政改革を本当に進めていくというんなら、そうした直接子供の生身にかかわるような問題に大なたをふるって私が言ったような人身御供的な形にするんじゃなくて、ちびりちびり、言われたら一つ減らし、言われたらまた一つ減らしというのじゃなしに、特殊法人そのものをもっと大胆に抜本的に見直して、そして、小さく分散されて、職員の皆さんもそこで仕事をすることについての気力とかやる気というようなものは、やっぱり一定の職員数、力を持たせなければ、四十人や五十人がぱらぱらぱらぱらいて、県段階へ行けばどこに安全会の支部があるのか何もわからぬわけですよ。やはりもっと大きな形での組織をつくって、そしてやっていくということにすれば、四十億や五十億のお金というようなものは、役人の現在おる人たちの分だけずっと減らしてある一定の小ちんまりとした管理機構に据え直せば、職員の数は減らさず、そして管理機構だけを縮小して民主的な組織にしていけば、ああした四十人学級の問題というようなものまでも突き出さずとも、文部省としての行政改革、しかも実際は国民にもっと行き届いたサービス、文化教育行政というふうなものを期待していけるんじゃないかという気がするんで、単に話の行きがかり上、そんな全部してしまえというふうにぼくは言っているんじゃないんですよ。それに対して文部大臣、何か言いま私の言ったことについてあるんでしたらひとつお聞きしておきたいと思うんです。いかがですか。
#69
○国務大臣(田中龍夫君) いま衆議院を本日通過いたします行革法案、これまた御審議を直ちにいただくわけでございますが、いろいろの御構想もございましょうが、当面、四十人学級を初め明日から御審議いただきます法案につきましてよろしく御協力のほどをお願いいたします。
#70
○本岡昭次君 それはよろしくお願いされなくてもよろしくやりますけれども、文部大臣が困るほどやりたいと思うんですが、私の本当にお聞きしたいのは、特殊法人の整理合理化という問題をもうとめどもなく次から次へとやっていくということについて、ただ受け身に回って、それでは一つ、また一つ、そのときに何か整合性もない、何か合理性もない、無理やりにいやがる男女をひっつけるような形のようなものをやらざるを得ぬようになりますよ、だんだん、これ、とどのつまりとして。だから、文部省としてそうした問題をもっと大胆に積極的に考えていくべきではないかということを申し上げたんです。
 それでは、次の問題に入ります。次は、統合する二つのうちの一つの学校給食会の問題と、それから学校安全会の問題があるわけですが、時間の関係で、安全会関係の方を先にちょっとお聞きしておきたいと思います。
 学校安全会で、現在掛金が義務制の場合四百円、それから高校が七百円ですか、この掛金の負担ですが、私の出身の兵庫県でも個人負担、父母負担になっているところと設置者負担になっているところが市町ごとにばらばらであるわけです。安全会として掌握している設置者負担をしている市町村は全体としてどのぐらいあるのか、できたら県別に知りたいんですが、そこは県別にここで答弁していただくのは時間がかかりますから、県別の資料はひとつ後でいただくことにしまして、全加入市町村に対してその市町村自身が負担をしているパーセントはどのぐらいになるのか、お聞かせ願えますか。
#71
○政府委員(高石邦男君) 掛金の設置者負担につきましては、政令によりまして、十分の四から十分の六が政令によって定められている負担の割合でございます。その内容を超えて、なお金額市町村が負担しているというところもあるわけでございます。そこで、義務教育諸学校について申し上げますと、まず公立て申し上げますと、十分の四、これが一%です。十分の五、これが七一%です。十分の六、これが七%です。それから十分の十、全額負担しているのが二一%、トータルしますと一〇〇%ということになります。それから、高等学校について申し上げますと、政令による負担割合は十分の一から十分の四まででございます。県立ては大体平均的に十分の二・五、これが県立の一〇〇%であります。それから、市町村立高等学校では十分の二・五が三三%、十分の五が六七%というような状況になっております。これはいずれも義務教育については五十二年度における調査、高等学校におきましては五十三年度における調査の概要でございます。
#72
○本岡昭次君 五十二年度、五十三年度の調査のようですが、最近の状況はこれとの変化の関係はどうですか。大差はないのですか、それともある程度の動きがあるのですか。
#73
○政府委員(高石邦男君) その後調査しておりませんので明確なことは申し上げられませんが、大勢としてはいま申し上げた数字に大きな変動はないと思っております。
#74
○本岡昭次君 今度は逆に、いまの数字の中から父母負担、小中学校義務制の場合四百円という掛金、これはぼくの認識の間違いですか。四百円の掛金が父母だけの負担になっているというようなところはあるんですかないんですか。
#75
○政府委員(高石邦男君) 五十五年度で申し上げますと、義務教育諸学校における一人当たりの共済掛金の額が四百円でございます。この四百円を、先ほど申し上げましたように、十分の五設置者が負担しておりますと個人の保護者の負担は二百円ということになるわけでございます。それから、高等学校につきましては、全日制が七百六十円が掛金の額であります。それから定時制が二百九十円、通信制が八十九円。それから高等専門学校、これは千二百六十円、幼稚園百三十円というふうになっております。
#76
○本岡昭次君 わかりました。それで、十分の四から始まって十分の五、十分の六、一〇〇%が二一%もあるわけで、一〇〇%というのは、義務制の場合、これは四百円掛ける公立小中学校の児童生徒分ということをそれぞれの自治体が負担しているんですが、ずっと過去の状況から見て、父母負担の割合というものがだんだんと減少していって、設置者負担という部分がだんだん増大していく傾向にあるんではないかと私は想像をしているんですが、そうした傾向はどうですか。
#77
○政府委員(高石邦男君) 各年度ごとにその状況を調査しておりませんので、どういう推移の傾向にあるかということをちょっとデータとして調べておりませんので断定しにくいわけでございます。
#78
○本岡昭次君 そこで、文部省として、父母負担の軽減ということもあるし、現に二一%も義務制で一〇〇%ということで全額負担をしているところがあるわけで、行政指導の立場から、この問題については設置者がやっぱり全額を負担をしていくと、設置者側の増をしていくという行政指導がやっぱり望ましいと、こう思うのですが、そうしたあたりの行政指導の問題はどのようにされておりますか。
#79
○政府委員(高石邦男君) この共済制度は、国と地方公共団体と保護者の三者による制度として発足しているわけでございます。そういう点では独特の共済の仕組みであろうと思うんです。そこで、設置者の負担につきましては、政令で先ほど申し上げましたように十分の四から十分の六ということを示しておりますので、制度としては十分の四から十分の六の範囲内で設置者に負担をしていただくということになっておりますので、これを全額設置者による負担にしてほしいというようなことを行政指導としてすることは非常に困難でございます。政令としてそういうことを定めている以上は、その政令の線に従った行政指導をしなければならないということになりますし、それかといって、それ以上の選択をして設置者が一〇〇%持つことについて、特に違法であるというわけではございませんので、それをとめるということはしておりませんけれども、ちょっと一〇〇%に全部持っていけという行政指導を現在の仕組みの中で指導していくということは非常に困難でございます。
#80
○本岡昭次君 それでは、学校給食会の業務の方を少しお尋ねをしていきますが、学校給食会というのは日本学校給食会法に基づいて現在実施されているわけです。日本学校給食会法によると、学校給食会の業務は、学校給食用物資を買い入れ、そして売り渡し、その他供給することを通して学校給食の普及充実を図り、もって児童生徒の健康の保持、増進と、心身ともに健康な国民の育成を期すということになっているわけなんですが、この点について、学校給食会が昭和三十年から昭和五十五年、今日まで業務として行ってきた学校給食物資の供給状況、供給物資の品目とか、数量とか、仕入れ先メーカーとか、取り扱い金額、売り渡し先、そうしたものが一体どういう形で今日まで経過してきたかということについて、私はひとつ知らせていただきたいと、こう思うんですが、この点については、ここで全体を逐一報告されるということは非常にむずかしいと思いますので、詳しい内容は資料としてひとつ提出をしていただいて、概括的に日本学校給食会がどのような供給活動を今日まで行ってきたかということについてひとつ説明をしていただきたいと思うんです。
#81
○政府委員(高石邦男君) 昭和三十年から四十五年にかけましては、日本学校給食会は主として飲用の脱脂粉乳を中心に取り扱ってまいったのでございます。その間、バター、チーズ、水産かん詰め、クラッカー、こういうような若干の数量を取り扱ってまいったのでございます。
 昭和四十五年から米利用実験に伴う米飯を行いまして、昭和五十年度まで取り扱ってまいりまして、今日米につきましては、全体的に週二回実施するという考え方から、日本学校給食会が一括全面的に取り扱うようになっております。
 それから、昭和四十六年から四十八年にかけましては、従来食糧庁で取り扱っておりました学校給食用小麦粉、これを日本学校給食会が取り扱うようになったわけでございます。これに伴いまして、パンの副原料である油脂類、砂糖類を取り扱うようになったのでございます。また、並行してミカン、パイナップルのかん詰め等を取り扱い、昭和四十八年度からは輸入牛乳を取り扱うというような変遷をたどっております。
 それから、これは昭和四十九年から五十六年度現在までの方向としては、学校現場から強い要請のある一般物資の取り扱いということを拡充してまいってきております。
 こういうことで、現在の状態では、その基本物賃である米、それから小麦粉、それから脱脂粉乳、それから輸入牛肉、こういうものが取り扱いの約三百億の金額になりますし、あと一般の物資、これが五十億程度というような形での数量を取り扱っております。
 なお、詳細なデータにつきましては、後で整理いたしましてお届けいたしたいと思います。
#82
○本岡昭次君 学校給食会がそういうふうに物音を都道府県に対して供給をしてきた。また現場に対して供給をしてきたんですね。そして、それぞれの都道府県なりあるいはまた市町、学校はその物資を中心にしながらさまざまな物資を調達し、購入して、学校給食を今日まで続けてきたわけなんですが、臨調答申のその中に、あるいは閣議決定の中に、こうした学校給食を民間委託ということについて検討せよというふうな事柄が出ています。この問題についていろいろ文部省の考えを聞いていきたいわけなんですが、この臨調答申では、はっきりと学校給食について民間委託等も検討せよということが書いてあります。閣議決定の中には学校給食という言葉は入っていませんが、第二臨調の答申の部分を要約して、学校給食という部分を含めての民間委託という言葉がそこに出てきている。そういうことを考えると、文字はないけれども、閣議決定の段階でもやはり学校給食の民間委託という問題の検討ということが入っている、閣議決定の行革大綱というのですか、このように考えているんですが、その点は大臣、私の認識で間違いありませんね。
#83
○国務大臣(田中龍夫君) いまおっしゃいました八月二十五日の閣議決定の「公共施設等の民営化、管理運営の民間委託、複合的な施設」云々という「行財政改革に関する当面の基本方針」の問題、いま一つは七月十日の臨調の学校給食共同調理場方式への転換云々ということでございますが、これにつきましていろいろその間の経過もございますので、いま局長からお答えしたような線で考えてよろしいんだろう、かように考えております。
#84
○本岡昭次君 局長の方答えたって、局長は何にも答えてないですよね。
#85
○国務大臣(田中龍夫君) いまお話は、民間委託でなければいけないのではないか、つまり臨調のあれを受けての閣議決定だから、文部省もこの健康会の問題についての学校給食については、その方針で考えなければならないという非常にかたい姿において受けとめなければいけないんじゃないかというのが先生の御質問でもあろうと思うのでありますが、しかし、われわれの方といたしましては、いままでの経過並びに学校を預かっております者としてのいろいろとその間の協議も重ねてきた段階から、いま事務当局がお答えしたような考え方で進んでよろしいんだうう、こういうふうにお答えしたわけでございます。
#86
○政府委員(高石邦男君) 先ほど大臣の方から、閣議決定の中身と臨時行政調査会の内容については御説明いただきましたが、これを具体的に学校給食の実施に当たってどう考えるかという問題でございます。
 その実施に当たりまして、基本的には民間委託とか民営化ということが流れの姿勢でございますけれども、学校給食につきましては、従来から調理業務については直営方式によってそれを実施していきたいというのが文部省の態度でございます。したがいまして、この臨調の方向を生かすというか、臨調の方向に沿うという点についてもある程度考えていかなければならないわけでございますが、その場合、たとえば共同調理場から各現場へ配送する配送業務、これは直営でやるよりも民間の配送業務に委託をしてやった方が合理的、迅速であろうというような点につきましては、民間の業務に委託をしていくというような考え方をとろうとしているわけでございます。したがって、調理業務自体について基本的な考え方は民間委託しないと、そして直営でやるということについては従来からの姿勢を変えるつもりはないということでございます。
#87
○本岡昭次君 学校給食の民間委託ということは、文部省としては考えていないというふうにいまの答弁は判断していいんですね。
#88
○政府委員(高石邦男君) 先ほども申し上げましたように、調理業務自体については民間委託は考えない。しかし、それに付随するいろんな配送業務であるとか、そういうものについて、委託した方が合理的なものについては委託ということは考えていかなければならないということを申し上げているわけでございます。
#89
○本岡昭次君 学校給食でいまあなたのおっしゃっているのは、要するにセンター方式の場合をおっしゃっているわけですね。センターがあって、そこからつくられたものを各学校に配送するということをおっしゃった。しかし、それはまた後ほど尋ねますが、自校方式でやっている分についてはそうしたあなたのおっしゃっているようなことは全然ないわけで、これは全く民間委託とかいうふうなことについて一切出てこない、これはまさに直営で責任を持ってやっていくんだという文部省の態度、こういうふうに承っていいわけですね。
#90
○政府委員(高石邦男君) 直営方式、単独校方式の場合にもいろいろ考えられると思うんですが、給食の調理そのものは別といたしまして、たとえば、給食費の徴収というようなものは、いま盛んに銀行とかそういう金融機関を利用して、親が直接振り込むというような形で金を納入していただいているわけでございます。そういうような給食業務に関連する内容によって民間のそういうルートを利用することがより適切であり、管理上もいいというような点については活用していかなければならないということを考えておりまして、全く給食の実施の単独枚方式は一切ないと、そこまでは断言しにくいわけでございます。
#91
○本岡昭次君 そんな給食費の徴収問題を民間だとかどこだとかいうようなことじゃないでしょう、それは。それは付随する業務の問題で、私が言っているのは、学校給食というのは子供が学校で食事をするという、その事柄がだれの責任によって行われるか、このことを言っているわけですよ。そのお金の支払いは父母がするのか、あるいは市町がするのかというのは、それはまた学校給食に付随する業務であって、私の言っているのはそこの点なんですよ。だから、子供が学校で食事をする、そのことが学校教育活動の一環であるという立場で押さえていく限り、民間のさまざまな事業が――民間というのは要するに営利を追求する、利潤を追求するということ抜きにしてこれは民間の業務はあり得ないわけなんで、子供たちの給食という事柄にかかわって、そうした民間のいろんな力を導入するということはおのずからそこに営利というものが入ってくるわけで、そうした。事柄が先ほどからずっと述べてきた子供の体や心の健康の問題といろいろまじり合っていくということは好ましくない、こう思うんです。だから、あなたがおっしゃった調理の問題については直営であるが、搬送等は民間に任せてもいいと、こう言うけれども、それを搬送することを民間に任せるということは、要するに自治体がみずから職員を抱えてやるよりもその方が安くつく、経済的にその方がいいんだと、こういうことでやっぱり経済性の追求ということにかかってくるんですね。しかし、車によって運ばれている物自身は子供の食べる給食であるわけなんで、食べる給食そのものが教育的価値というものをどれだけ持つかということについて、あなたのおっしゃっているように、ぼくは、搬送の部分もそう簡単に民間にその部分は任せましょうと、つくるところは責任を持って、また学校は学校で責任を持ってというふうなことで、本当に学校給食の持つ目的というものが達成されるんかということになると、さまざまなこれから憂慮すべき問題がそういう考え方からは出てくる、こう思うんですね。だから、学校給食問題をそのように簡単に郵便物を運ぶとか、そのほかいろいろな物を運ぶというようなことじゃなくて、もっと子供の心と体、そして教育そのものと結びついたという観点で、国が、地方自治体が責任を持ってこれはやり遂げるんだという強いやはり信念というか、文部省の意思統一というか、そういうものが必要だと。あなたのように、何か民間でできるものがあったら少しでも民間にというような考え方は、私は給食そのものの持つ本来の意味も失う、このように思いますね。いかがですか。
#92
○政府委員(高石邦男君) 学校給食が学校教育の一環として実施される以上は、その食事内容についての責任、そういうものは当然学校ないしは地方公共団体が責任を持って実施していかなければならないわけでございます。そこで、でき上がった食事を教師が生徒とともに食事をしながら心の交流の場にするとか、そういういろいろなことを考えながら給食は行われるわけでございますが、具体的にその食事の完成に至るまでにはいろいろな作業の過程を必要とするわけでございます。したがいまして、その作業の過程が、そういう学校ないしは設置者の責任で行われるから全部学校ないしは学校の職員ないしは設置者の公務員、それによって実施されなければおかしいというふうには必ずしも結びつかない。やはりそこにおいては、でき上がった食事が最も子供の食生活にとって望ましい食事であるということが問題でございまして、そういうことが一つ。
 それからもう一つは、やはり経済原則ということをある程度考えていかなければなりませんので、たとえば、どのような食材料を購入していくか。その食材料を購入するのには、どう安く、低廉な価格で物を買うかというような苦労もしていかなければならない。そうしないと父兄負担へのはね返りというものが出てくるんで、そういう意味での食材料の購入選定に当たりましては、最大のメリットのある方式を考えながら物を購入していく。そしてまた、配送業務がどうしてもつきまとうという場合に、配送業務につきましては、市町村が車を直接買って配送するコストよりも、その業務そのものについては、民間のそういう業者に委託した方がコスト的には安いということであれば、それは選択して利用するというくらいの幅はあっていいんじゃないかということを考えておりまして、そういう意味で、配送業務等については民間委託の入り得る余地はあるということを申し上げているわけでございます。
#93
○本岡昭次君 いまあなたの話であれば少し幅があるということがわかったんですが、やはりぼくは経済性の追求をしていく中に問題が起こると思うんです。だから、基本はやはり自校方式、それぞれの学校で調理場を持って、そして、そこでつくった物をすぐ子供に食べさせられる状況、これが一番安全で、そしておいしく食べられると、こういうことになるんですね。だから、センター方式というやり方は、給食そのものを本当に教育的に、また子供の心と体の健康のためという場合はよくない。このことは後で論議をさせていただきますが、民間委託という問題について、自校方式であればほとんど余地はないけれども、センター方式では、いまあなたがおっしゃったように、経済性を考えていくときに、その材料の仕入れというのは、これはいいですよ。問題は、調理をしてそれを子供に食べさせるというそこの関係が私は非常に大事だと思うんですが、たとえば搬送するときに経済的であるということは、あなたがおっしゃったようにコストが安いということですね。そうすると、業者そのものがコストを安くするということにおける無理というもの、たとえば、いまトラックで物を送るときに、過重という――四トン積みでなければならないものが六トンも八トンも積んで走るというふうな事柄が起こる。また一正の定められた時間の中で二回よりも三回、三回よりも四回往復すると、そういうことによって経済性を、経済効果を生み出しているんですね、あの搬送業務というのは。だから、その中に詰められている物は子供の食事で、そのような経済性が追求されて、コストが安いからといって市町村が安易に民間の業者に委託する。すべて問題が起こるとは思いませんが、やはり問題が起こるとすれば、そういうところからぼくは問題が起こると思うんで、もちろん地方自治体が選択することであるけれども、学校給食問題をそうした分野でまず民間というふうにしていけば、やはり最終的には、ぼくの危惧するのは、給食そのものも、調理も含めて全体を民間にしてもらったらいいじゃないかと。もし、それがだめだと言うなら、われわれは外で外食できないんじゃないかという理屈にまで発展していくわけですね。外注されたものを学校に運び込んで食べればいいじゃないかというところまでいくぼくは危険があると思うんです。だから、民間委託の問題は、経済性云々というふうな形での論議じゃなくて、教育的観点から、文部省、そして今度新しくできる学校健康会ですか、そうしたところがいろいろ研究、指導ということも含めてやるならば、もっともっと教育的な意味からのあるべき姿の追求、そういうようなものをぼくはやるべきではないか。そして、経済性というものを上回る論理、そして、経済性というものではやはり論議できないだけの教育的な観点からの学校給食のあり方というものの正しい立論、そうしたものをいま積極的に打ち立てておかなければ、すべて官がやるのが悪くて民でやればいいんだと、民間がやれば活力があって、官がやれば怠けて何にもやらないんだというふうな風潮の中に学校給食までが持っていかれる、学校の教育の問題までがそういう形の中で取り込まれていくということについては私は絶対に承服できないんです。だから、この問題について、民間委託という問題をいまあなたがおっしゃるような形で安易にかかわってもらいたくないということを強く申し上げたいんです。いかがですか。
#94
○政府委員(高石邦男君) 学校給食が、まず第一義的に教育的な配慮、そして、食事ですから衛生安全の管理ということを考えるのが第一義的な観点でございます。しかし、給食には、食べ物につきまとう食材料の負担は親の負担とされております。また、それを実施する市町村の施設設備とか人件費の負担、そういう経済的なものを全く無視して論議はできない。したがって、第一義的には教育的な配慮、そして食事における衛生安全の確立ということを中心にして考えますけれども、付随して経済的な効率性ということもあわせて考えていくことは、給食という中身の性格から当然必要になってくるであろうと思います。
#95
○本岡昭次君 午前中はこれで終わりますが、文部大臣、いま私と局長のやりとりですが、この学校給食という問題を文部省は軽視せずに、非常に重要に考えて、文部行政の中に考えて健康会というものをつくったという認識があるかと私は盛んに言っているのですよ。別の立場で言うなら、こんなものはなくしてしまえ、経済性ならこんな厄介なものは地方自治体も何とかなくしたいと思っているところはいっぱいある。文部省は理屈ばっかり言っていてちっとも金をよこさぬから、自治体ばかりが重荷を負うて、できたらこんなものはやめたいと言っているところも現にあります。そこの理屈を乗り越えてやはりこの学校給食というものを定着させていかなければいかぬ。そのために健康会をつくったんだというふうな理屈だと私は一生懸命言っているのだけれども、何か、そこのところはすかっとおさまらぬわけですよ。ひとつ文部大臣、この民間委託の問題についてはもっときちっとした立場を文部省が持つということについての答弁をいただいて、午前中は終わりたいと思うんです。
#96
○国務大臣(田中龍夫君) この健康会の問題の沿革は申し上げるまでもありません。しかしながら、少なくとも、健康会というものをつくったそれを一つの契機として、学童の健康に関する行政を総合的にさらに一段と前進させるというこの理想と気魄と、それからまた、それに対する地元負担とか、あるいは父兄の負担とかといったような、そういう具体的な実態的な問題、これらを御相談いたしておるわけでございまして、さらに一層、これをつくったということがただ単に二つのものを合わせたというだけではまことに残念な話で、一歩進めてまいりたい、こういう気持ちでございます。よろしくお願いします。
#97
○委員長(片山正英君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五分開会
#98
○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本学校健康会法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#99
○本岡昭次君 日本学校給食会の業務の問題につきましてしばらくお尋ねをしてまいります。
 まず、昭和五十四年度「日学給取扱物資のご案内」というのがありまして、これに基づいて、現在日本学校給食会は、学校教育現場あるいは地方自治体にそれぞれ配付して、これを見て各都道府県の学校給食会に必要な物資の注文をしている、こういうことであります。したがって、これは非常に重要なパンフであると私は考えています。というのは、ほとんど見本がなく、このパンフでもって注文をするというんですから、このパンフ自体の信用度というんですか、ここに書いてある事柄の信頼性、そういうものは現場にとって非常に重要な事柄になってさます。
 そこで、冒頭も論議しましたように、子供たちの体という事柄について、栄養の面からと、もう一つは子供の体に有害なものは食べさせない、安全な食べ物、栄養があっておいしい食べ物という事柄が物資を供給する観点では大切であると思います。そこで、有害な物というものをことさらこの中に示されるというふうなことは当然ないわけですが、細心の注意を払ってやっていかなければならないことは食品の添加物の問題であろうと、このように見ています。そういうことを気をつけながらこのパンフを見ていきますと、「配合割合」というところに、たとえば「ミルク入り中華めん」あるいは「いちごジャム」等々のところに、添加物の含有量、添加物の名前とその含まれている割合が記載されてあります。しかし、そのほかの部分には全く白紙のままずっと下に送られているんです。ここに書いてある品名の中で、果たして食品添加物というのは、いま私の言ったミルク入り中華めんとかあるいはイチゴジャムだけなのかという事柄ですが、文部省としてどのように扱い物賢の中における食品添加物を押さえておられますか。
#100
○政府委員(高石邦男君) いま御指摘のありましたように、日本学校給食会の取り扱います物資につきましては、細心の注意を払いながら子供の健康の観点で問題のない食品を厳選してあっせんをするという基本的態度で一般の物資を取り扱っているわけでございます。そこで取り扱っている物資の中には食品添加物が添加されている内容のものもあります。その際には、現在の栄養強化の観点、また品質の改善、鮮度の維持というような観点で、どうしてもやむを得ない最小限の添加物が使われているというものももちろんこの中に入ってあっせんされている食材料の中にはあるわけでございます。
 そこで、添加物につきましては、これは食品衛生法の十一条に、添加物については表示しなければならないというような規定があるわけでございます。したがって、日本学校給食会が取り扱う物資につきましては、そのケースとか品物のそのものには、製造業者の場において、製造業者の段階において、ここではこういう添加物が使われているというレッテルの張られた品物をあっせんするということにしておりますので、したがって、末端に行って品物が手に入ったときには、この商品についてはこういう添加物のものであるということはわかるわけでございます。
 ただいま御指摘のありました「日学給取扱物資のご案内」の中に、そこまでの表示のない食品のあっせんの案内、パンフレットが配られているという点についての問題かと思うんです。そこで、一般的に日本学校給食会が物資をあっせんする際に、常識的にこの品物はどういう内容のものであるかという本来の品名であるとか、包装とか、それから目方であるとか、品質の規格、配合割合、こういういわば普通の人が見てなるほどこういうものがあっせんされているかというわかる範囲内でこのパンフレットがつくられておりまして、添加物に至るすべての食品の全体が細大漏らさず表示された内容のパンフレットになっていないことは事実であります。しかしながら、以上申し上げましたように、日本学校給食会の扱っている具体的な物資については、基本的に先ほど申し上げたような立場に立ちながら十分な注意を払って食品のあっせんを行っているというのが現状でございます。
#101
○本岡昭次君 この扱いの案内は、だから不十分であるという意味のことをあなたもおっしゃったと思うんですね。日教組がこの扱いに対して非常に不安を持って「日本学校給食会理事長代行石川二郎殿」ということで、日学給取扱物資の内容に対する質問を行っています。私が見てもわからない点がいっぱいある。空白がいっぱいあるんですね。そうすると、この質問に答えて学校給食会の方は、食品添加物の含有量をずうっと詳細にわたって質問に答えてきているんです。この「小麦粉クラッカー 強化米 たら正肉 はるさめ ソフトカレールウ」というふうなものに全然書いてない食品添加物が添加されているんだというようなことを詳細に報告をしてきている。そしてその後の資料については克明にそういうものが出てきたというんですね。なぜそれではそういう食品添加物というものをここに記載しないで、できるものまでしないで、わかっているものまでしないでやったのかということについて、本当に子供に安全なものを食べさせるという事柄についての神経というのか、そういうようなものについての無神経さというものにはまことに驚くんですよ。そのことについて一体、文部省が指導的な立場にある観点で、なぜそのようなものを発行させていたんですか。そしてまた、この「備考」のところにいろいろなことが書いてあるけれども、さっぱりわからない。「精白米」と書いてある、一体どこの米か、そんなことも書いてない。われわれ米買うときに、一体これどこの水かというようなこと、産地なんていうのはみんな意識して買いますよ。しかしこれには何も書いてない。書けないほど古い米、悪い米、そういうようなものを結局学童に食べさせているのかということになるじゃないですか、これ。それからこの外国産の分は何かニュージーランド、オーストラリアとか、いろいろ書いてありますけれども、この空白のところは、何か書くと都合が悪いということで、これ皆書いてないんではないかという疑いを十分持てるような中身です。一体どこの米をあっせんしているんですか。そして先ほど言ったように、添加物をわざわざ隠したということはけしからぬことだと思うんですがね。一体こういうことの安全な食べ物――安全な食べ物というのは、食べ物自身が腐敗しているかしてないかでなくて、食べる子供にとって、子供の体にとって有害なのか、いや有害でないのかということなんですよね、安全な食べ物というのは。そういうことについてまことに無神経な形でこれが出されている。これは文部大臣の責任ですか、そういうようなことがまかり通ってやられているということは。そこをはっきりしてください。
#102
○政府委員(高石邦男君) 御指摘のように、食品の添加物につきましては非常に注意を払いながら、一般的な食材料自体についての給食だけではなくして、添加物問題はかなり論議のあるところでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、食品衛生法にも具体的にその品物を買う場合にどういうものが添加されているかということを表示すると、その表示の義務は製造業者ないしはそのものを具体的に、輸入製品なんかもございますから、販売する業者、そういう者に義務づけられているわけです。そこで、日本学校給食会が取り扱っている品物は、製造業者の段階で、ないしは販売業者の段階ですべてその添加物についての表示のあるものをあっせんしているわけであります。ただ、たまたまこのパンフレットの中で細大漏らさず品物の概況、全容がわかるような中身まで書いていないという点でございます。そこで、一般的に商取引のPR資料をつくる際に、主なその品物の主体がわかるような形でPRをするということが一般的に行われておりまして、そういう観点で日本学校給食会も大体の傾向のわかる範囲内にとどめて、その商品の全部の配合だとか細大漏らさず書いたものでないという点についてはそのとおりでございます。したがいまして、日本学校給食会に日教組の方から質問があった際には、そういうことは何も包み隠すことではないので、詳細に具体的に御返事を申し上げたというのがいきさつでございます。
#103
○本岡昭次君 文部大臣、いまの答弁聞いておられておかしいと思われませんか。日教組から言われたから細大漏らさず言うと。しかし、実際それを使う学校現場なり、市町に対して紹介するときは、一般の食料品を紹介すると同じような形で出しているんだと。そういうことをやるんなら学校給食会なんて要らぬということになるんでしょう。何も学校給食会だけがこれを売っているわけじゃないんですよ。学校給食会が扱う品物だからこそ一般と違った細かいそういう細心の注意が払われていると。添加物の問題についても、いろいろ子供にとって有害ではないかということが、そういう疑いがいろいろなことで論議されている。あ、背中が曲がったとか、近視だとか、骨が折れるとか、何か子供の体にいままでなかった異状が起こっているのは、子供の食べ物に原因があるのではないかということがいろいろ疑いを持たれているんでしょう。そうなれば、一番そこのところに神経を細かく使って、そして、こういうものに一般の商品と、ああ日学給の出しているものはなるほど違うなということがあって初めてこの存在価値があるんでしょう。あなたのおっしゃるようなことで、一般がそうやってるからやってるんだと、尋ねられたら言うんだというようなことだったら日学給なんて要らぬじゃないですか。やはり体に有害なそういう食べ物は、疑いのあるものも食べさせないようにしていこうと、栄養があって体に本当に役に立つものだけをということについての指導的な立場をとっていくのが日学給の立場なんでしょう。とすれば、あなたが何らそのことについて、このやり方はおかしいと思う、それはやっぱり間違いだろうということについてもいささかも述べておられないし、ということでは文部大臣どうですか、あなたが指導監督の立場にあるんでしょう。私は大変なことだと思うんですがね。
#104
○国務大臣(田中龍夫君) 私、まことに申しわけなかった次第でありますが、そういう事実のあることを存じませんでしたが、しかし、事文教に関する限り、いろいろな事象がございましょう、直接間接すべて私の責任であることについては決して間違いございません。
#105
○政府委員(高石邦男君) 日学給の取り扱っている食品に添加物が混入されたものがあるわけでございます。しかし、その際には子供の成長、健康にとって有害であるとか、害のおそれのあるというようなものは一切排除して、そういうことの心配のない製品だけを選んでまず日学給はあっせんをしているという基本的な姿勢に立っているわけであります。したがいまして、具体的商品をあっせんする場合には、日学給で検査部門がありますので、そこで十分な検査を行い、これならば子供に食べさせても全く健康上心配ないという内部上の規制をしながら、コントロールをしながら品物のあっせんをやっていく、そこの用心深さは日学給は持っているわけでございます。
 ただ、御指摘のように、具体的なPR、案内にそこまで書いていないのはおかしいじゃないかという御指摘については、どこまで書いた方がいいのか、どこまで書いた方が妥当かという一つの考え方もございましょうけれども、一般的な商取引の際に、資料としてPRする際に品物の内容がわかる程度のものを表示してPRをするというのが商取引の一般の状況ではないかということを申し上げているわけでございます。
#106
○本岡昭次君 私は一般のを聞いてないです、特定して聞いているんですよ。日学給としてこれが適当であったのかどうかということ。添加物として有害なものは扱っていないと。そしたらなぜその添加物の書いておるところと書いてないところがあるんですか、添加物と書いているのもあるでしょう。そしたら書かなければいいじゃないですか。ミルク入り中華めん、イチゴジャムとちゃんと添加物が書いてある。あなたのおっしゃるその書くということは、こういうものが入っていますよということを特に言っておかなければ、買う側がやっぱり後で問題が起こったら困るということでわざわざ添加物の書き上げてある品物があるんですか。書かなければ、全部書かなければいいじゃないですか、あなたの論理だったら。全部有害でないのだと言うなら書かなければいいじゃないですか。なぜ書いてあるのがあって書かないのがあるんですか。そんな無理に現状を擁護しないで、やはりこれからこういうものについては、学校給食というものの観点から見て、細大漏らさず添加物のそういうものは書き上げて、有害なものは排除するようにやっていきますということでいいんじゃないですか。何もこれを無理にあなたが強がりのような答弁をせぬでもいいでしょう。今後ともこういうもの出していくんですか。問題は、もう出てしまったものは仕方がないんです。これからさらに学校健康会になってもこんなものを出していくんですか。こんな不親切な、一般でもこれをやっておりますからやっているんですというようなことをやるんですか。問題はそこなんですよ。
#107
○政府委員(高石邦男君) およそ食品を販売するについて学校給食用であろうと一般の市販のものであろうと、有害な食品が売られることは、これは許されないことであります。そういう観点で、食品衛生法その他において、そういうものについてのいろいろな取り扱い、取り決めがなされているわけであります。その中にあっても、なお子供の成長過程における健康管理ということを考えて、日本学校給食会が物資をあっせんする場合には、みずから検査をし、そしていろいろな調査、検討を重ねた結果、まあこういう添加物は品質の維持上やむを得ないという範囲内のものをあっせんするという基本的態度で物資の取り扱いをしているわけでございます。したがって、一般の市販の食材料を買うとき以上に最大の注意を払って取り扱いをしているという基本的立場は持っているわけであります。ただ、おっしゃったように、表示について細大に書いてないじゃないかという御指摘については、確かにそういう点がございます。したがって、今後この取り扱いの案内についてどういう形でより徹底した、そして皆さん方により深く理解できるような形の案内にするかは検討の余地がある問題でございますけれども、それが全然抜けているから欠陥商品を扱っていると、いいかげんなものを売っているというふうにはならないと思っているわけでございます。
#108
○本岡昭次君 私は何も欠陥商品を売ったと言っているんじゃないですから。学校給食という立場から見て、特に学校給食会というものがあるんでしょう、この組織が。その意味を問うているんじゃないですか。だから、当然、添加物をあるんならあるできちっと表示をして、そしてその添加物そのものは無害なんだと、子供の体にとって有害なものでないんだということをはっきりさせて疑いを晴らしていくというふうにすべきじゃないですか。このままだとそういう疑義を持たれるじゃないですか。だから、これは五十四年度版ですが、引き続いてこれから学校給食会が存続するんなら、こういうものを出されるんでしょう、あっせん上の見本として。そういうものをきちっと書くべきだということを言っているんですよ。書いてくださいよ。あなたの話じゃ、まだ検討すると言うけど、検討することはない。書けばいいんでしょう。何か書くと都合が悪いことがあるんですか。簡単なことじゃないですか。事実を事実として書くことがなぜ悪いんですか。小麦粉にはこういうものがありますと、グリーンピースにはこういうものが入っていますということを書くことがなぜ悪いんですか。書いてはいけないという逆に法律があるんですか。ここまで書けばいいという一般的なものを、それにさらに加えてより親切にやっていくということがぼくから言わしてみればこういう日学給というものの持っておる存在なんでしょう。一般よりも一歩先んじて子供の体のためにそういう添加物の問題を細心の注意を払ってやっていますというところこそがその存在価値なんじゃないんですか。
 もうそれはよろしいわ。どうもあなたのそういう話を聞くと、私はこんな健康会をつくるのが何の意味があるのかということになってくるんですよ、何にも変わってない。
 あっせんしている米はどこの米ですか。
#109
○政府委員(高石邦男君) 学校給食用に使っている米は原則として当該県で生産された米を使用しております。当該県のみで不足する場合は他県から入れたものを使っているわけであります。そして、銘柄米混入の比率は、全国的に対応可能なおおむね銘柄米が四〇%、非銘柄米が六〇%でかつ新米を利用するということで、かなり品質のいいものを学校給食に使っているわけでございます。
#110
○本岡昭次君 いや、私はここに書いてある精白米のことを尋ねているんですよ。米、品名、精白米。それで、この後ろの「備考」のところには一体どこでとれたかとかいうようなことを皆書いてあるんですよ、どこで製造されたかというようなことが「備考」というところに。書いてなかったら、私は古い、もう捨てようとするような古米を子供に食べさせるのかというふうに勘ぐっているんですよ。わからぬですか、これはどこのお水か。
#111
○政府委員(高石邦男君) 米の取り扱いについては先ほど答弁申し上げたとおりの取り扱いでやっているので、どこのものを食べさせているかということになると、四十七都道府県名を全部書くということに極端に言うとなります。で、それを表示するのが適当かどうかというよりも、日本学校給食会自体は、そういういま申し上げたような品質の米をあっせんするということに心がけてそういう品物のあっせんをしているので、古米を勝手にやらせるとか売っているとか、そういうことはしていないわけでございます。むしろ、書いているか書いていないかというよりも、扱う品物が信頼できる品物を扱う体制であるかどうかということがより重要であろうと思います。
#112
○本岡昭次君 そうすると、この「備考」というのは何のために書いてあるんですか。この「備考」というのは何を一体知らせるために書いてあるんですか、この「備考」というのは。
#113
○政府委員(高石邦男君) 一般的にこの「備考」の状況を見ますと、普通の食材料も、一般に市販されているものでかつ安全なものをということで選定してやっているわけでございますが、一般に市販されてないで、栄養価を表示し、日本学校給食会自体が一般には流通していないけれども、新しい食品として開発したというようなものはそういう中身を表示しながら「備考」に書いているということでございまして、別にこれだから入れる、これだから外すというような他意は全くございません。
#114
○本岡昭次君 日学給の開発商品というのがあちこちにありますが、これあなた自信を持って答えておられるようですけれども、それならお尋ねしますけれども、日学給の開発製品というのはそれぞれどこで製造されているのですか。どこのメーカーが日学給にかわって皆生産しているのですか、説明してください。
#115
○政府委員(高石邦男君) まず、日本学校給食会ではどういう食品を製造してもらうかという委託製造をする場合があります。その場合には、たとえば……
#116
○本岡昭次君 たとえばじゃないんです。ここに書いてある。忠実に言ってください。
#117
○政府委員(高石邦男君) カルシウムが何ほどか、そういういろんな規格を示しながら具体的な会社に委託をして食品をつくらせるということで、一ヵ所ではないわけであります。
#118
○本岡昭次君 私が言っているのは、ここにあるでしょう。「小麦粉製品 日学給の開発製品」「ミルク入り中華めん 日学給の開発製品」、それからかん詰めの「さば 日学給の開発製品」「フィッシュボール 日学給の開発製品」「牛めしの素 日学給の開発製品」「はるさめ 日学給の開発製品」「ソフトカレールウ缶詰 日学給」と書いてあるでしょう。これ一つ一つどこにそれでは委託してやっているんですかと聞いているんですよ。
#119
○政府委員(高石邦男君) 非常にたくさんありますので、ここで全部読み上げるのはどうかと思いますので、後で先生にこれを整理して差し上げたいと思います。
#120
○本岡昭次君 一つだけでも言ってください。そんなたくさんあるじゃないじゃないですか。
#121
○政府委員(高石邦男君) たとえば小麦粉製品につきましては、梶谷食品株式会社に委託して製造しておるわけであります。
#122
○本岡昭次君 それでは後でその資料をひとつ私の方にいただきたいと思います。
 そこで、これは要望になりますが、官業が悪くてそして民業がいいと、官業悪、民業善というふうな最近の行革の中で言われている状況の中に、「日学給取扱物資のご案内」でこのパンフをすっと下へおろしておけば、少々内容の説明が不十分であっても商売として成り立つんだ、仕事として成り立つんだというふうな安易さ、無神経さというふうなものの象徴ではないかということで私言っているんです。だから、日学給みたいなものは要らぬじゃないか、廃止したらいいじゃないか、一般的に商品はいっぱいそこらにあるじゃないかということになる。だから、これには親切に民間の販売ということにかかわって、どれだけたくさんの広告があり、そして宣伝活動があり、そして資料、パンフにしても、実に詳細な、消費者がそれを手にとってすぐ購買欲をそそるような形のものがどんどん出てくるわけで、そこらに民間の取り柄というようなものがあるような気がしてならない。だから、この薄っぺらなこれで大変な事業をいま日学給がやっているとすれば問題があるし、特に私が問題にしたいのは、子供の体にとって有害でないものがここに販売されているんだという立場、そして栄養がある、そして子供の健康にとって日学給の品物をとにかく使うことが一番いいんだというふうなその気持ちのあふれた、そして現場もそういう形で日学給と取引をどんどんこれからもしていくようになるというふうなものをつくるべきであろう。その立場から見れば、まことにこれは不親切であり、不備であるということを私は申し上げておきます。恐らくこれ五十四年度ですから、五十五年度、五十六年度はどういう形になっているか知りませんが、まあ一番最新のものをまたひとつ取り寄せて、私はその傾向をずっとこれから見ていって、日学給というふうな、学校給食会というものが必要か必要でないかという私自身の判断をそういうところからさせてもらいたいと思います。行政改革が云々じゃなくって、実際そのサービスを受ける子供の側、親の側、学校の教職員の側から、この日学給の存在を私はそういうところから見てみたい、このように思います。あなたの答弁ではいささかもその誠意を感じられません。
 それから次に、先ほども若干論議しましたけれども、こうした品物が現場におりてきて、そしてそれぞれの地方自治体は自校方式あるいはセンター方式というふうなことをやっております。そこでお聞きしたいのは、現在の小中学校の給食の実施状況と、その給食の実施が、自校方式で行われているところがそのうちの何%で、センター方式で行われているところが何%か、その問題についてひとつお尋ねをいたします。
#123
○政府委員(高石邦男君) まず小学校について申し上げますと、学校給食の完全給食の実施率は、学校数で九二・六%、児童数で九七・六%であります。その他補食給食、ミルク給食を入れますと、児童数で言いますと九九・四%ということで、ほとんどの学校で学校給食が実施されているということでございます。
 そこで、小学校の単独校で調理されているものと、共同調理場で調理されているものの比率でございますが、共同調理場で処理されているものがその中で三六・四%でございます。あとは単独枚方式でございます。
 それから中学校で申し上げますと、学校数で完全給食は六四%、生徒数で五六・二%、あと補食給食、ミルク給食を入れますと、生徒数で八二%でございます。完全給食の生徒数で見ますと、六六%が共同調理場方式で、あとが単独枚方式でございます。
#124
○本岡昭次君 そうすると、小学校の方に自校方式が多くて中学校の方に自校方式が少ないということになっているんですが、私は、給食というものが教育活動の一環として見る限りにおいては、これはもう自校方式でなければならぬ、このように考えるんですが、局長はどうお考えです。
#125
○政府委員(高石邦男君) 単独枚方式で実施をするか、共同調理場方式で実施をするかは、具体的には地域の実態に応じて市町村の選択にゆだねるというのが今日までの文部省の態度でございます。
 なぜそういうふうにしておるかといいますと、たとえば形式的に共同調理場方式が全部いいんだということも言いづらい地域の事情のところもあります。また、全部が単独枚方式がいいんだということを言いづらい地域の実態もございます。そういうことで、単独枚方式か共同調理場方式かは市町村の選択、判断によって決めていただくということにしているわけでございます。
#126
○本岡昭次君 言いづらいから判断に任せるという。文部省が学校給食を教育の一環として取り入れて、そして指導要領の中にまでそれを書き上げる。そして給食の時間は、教職員にとってそれは給食指導という勤務時間の一つであるというところまで位置づけられていて、いまのような答弁というのは全く納得しがたいんです。
 そこで、文部時報の千二百四十号、去年の九月号ですね。これは「学校給食の充実」ということで特集をしています。その中に、解説として「今日の学校給食 その現状と課題 体育局学校給食課」ということでずっと書き上げてあります。その四十六ページ、「食事内容の充実」という項があるんですが、お手元にこれを持っておられますか。――持っておられるならそこを見てほしいんですが、この「食事内容の充実」というところを読む限りにおいて、こういう食事内容をしようとすれば、そのいま二つの方式であって、共同方式、いわゆるセンター方式と、あるいは自校方式、単独枚方式、どちらでなければこうした食事内容の充実ができないか。逆に言うたら、どちらの方式をすることによってこの食事内容の充実というものが図れるかという答えは、すぐ出てくると思うんです、これ。答えはどちらが出てきますか。
#127
○政府委員(高石邦男君) 先ほどの答弁に補足しますと、共同調理場方式でも結構である、単独枚方式でも結構であるというのが文部省の方針であります。したがって、その選択は市町村で考えてほしいということで指導しているということを申し上げたわけでございます。
 そこで、食事内容の、郷土料理など特性を生かした献立をつくるというのは、単独校の場合でも。共同調理場の場合でも、十分にできる体制を持ちながら学校の給食の施設設備の整備を行っているというふうに考えております。
#128
○本岡昭次君 できるんですかね。ここにはこういうことが書いてある。「栄養豊かで魅力ある食事内容を確保するためには、献立を作成する学校栄養職員、直接調理にたずさわる調理従業員の手腕によるところが大きく、」、これはそのとおりで、ここはいいです。その次に、「郷土料理など地域的特性を生かした新しい献立、学校行事と連携をもたせた楽しい食事、米飯を中心とした新しい献立などが各地域の学校により工夫され、実施され」、そうでしょう。それからまた「地域や学校の実態を考慮した食事内容の多様化が各地で進められてきている。」「調理の際の手間の問題などがあるが、子ども達の健やかな成長のためにも、関係者の一層の創意、工夫が望まれている」と、こう書いてあるんですよ、これ。そうすると、共同センター方式で一万食以上なんてあるんですよ、五千食といってね。学校を十五も二十校もずっと配送しているところに、ここに言っているように、郷土料理あるいは地域のいろんな問題あるいは学校行事に絡めると、まさにそのことが大事なんですよ、教育的配慮の問題として。しかし、その共同方式なんていうのはそういうことはできないでしょう。きょうは運動会だからこうしようとかきょうは学校のこういう行事があるからとかね、あるいはきょうは卒業生を送るからこういうことをやろうじゃないかと、あるいはきょうはよその学校から交流に来たから、この子に給食を持たそうとか、そんなものは、何万食とつくるところでできるんですか。だから、ここに書いてあることは私はもっとだと思うんですよ、これ。そのもっともなことから派生してくるのは、やっぱり単独枚方式でしょう。できないでしょう、こんなことは連携方式であなたはできると言うたけれどもね。どないしますか。いま私の言ったようなことで、学校行事、地域のいろんな問題、あるいは郷土色豊かななんというようなことに対して、一つの町で一つのセンターでやっているというようなところなんか、そうするとその給食に合わせて全部行事も合わさないかぬというようなことが起こるでしょう。
#129
○政府委員(高石邦男君) 共同調理場は、市町村の規模とか実態によっていろいろ違いますけれども、大きな都市になりますと、幾つかの共同調理場ということで、三つとか四つとかいう共同調理場をつくってやる場合があるわけです。その場合に、郷土料理の作製というのは、共同調理場であっても単独校であってもつくれるわけであります。だから、郷土料理をセンターがつくれないということはございません。そこで、各学校の行事計画に合わせてその給食の献立を考えるという点につきましては、単独校と共同調理場の場合には、単独校の方がやりやすいという点はございます。しかしながら、共同調理場でも複数献立をつくりながら、きょうはあの学校は運動会があるから、こういうものを給食として搬送するということを工夫しながら共同調理場でもやっているわけでございます。したがいまして、共同調理場か単独校かというのは、それぞれの一長一短があることは事実でございまして、共同調理場は悪くて単独校はいいというふうに断定できないと思っております。
#130
○本岡昭次君 そうしたら聞きますが、単独校の悪いところはどういうところですか。
#131
○政府委員(高石邦男君) 単独校は一般的にコストが高くかかります。人件費を一人当たりの児童生徒数に割ってみますとコスト高になる。それと、物資の購入につきましても、単独校よりも共同調理場でまとめて物を買った方が安くなります。そういうような問題もあるわけです。それと、一方において食事内容から言うと、小回りのきく対応が単独校ではできるという長所もございます。そういう意味で、長短それぞれあるということを申し上げているわけでございます。
#132
○本岡昭次君 共同センター方式の方の長短を言ってください。
#133
○政府委員(高石邦男君) 先ほど御答弁申し上げましたように、共同調理場では、一括物を購入して、安い価格で食材料を手当てすることができる。したがって、それは父兄負担の軽減につながるということが言えます。また、共同調理場の人件費の割合というのは、単独校よりも低くて、公費の支出が少なくて済むという経済的な問題もあるわけでございます。
#134
○本岡昭次君 その短所は。
#135
○政府委員(高石邦男君) 共同調理場は、先ほど答弁しましたように、学校の実態に合わせて、それぞれの学校の行事計画とか、いろんなもののきめ細かな一つ一つのものに対応できる小回りのきくような食事内容の多様化という点については、若干難点があろうかと思います。
#136
○本岡昭次君 そこで、文部省が学校給食に責任を持つ立場のときに、どちらでもいいということでやっていくということは、ぼくはまことにおかしいと思う。やっぱり教育的に見たときに、食事を社会的に子供にどこで食べさせるんかという問題についてであれば、そういう観点で論議すればいいけれども、教育活動の一環として指導という面を、給食指導というふうなものが加味されながらやられるという場合には、どちらの方式が好ましいか、しかしそれぞれには長短がありますと言う。文部省としての一つの基準みたいなものは、二つあるものに対してどちらがというものを持ち得ないということは、それもまた学校給食に対して、文部省というのは教育的な面では余り真剣に考えていないんだな、やっぱり経済的な、コストが安いとか、人件費がどうとか、物資を購入するときにはどちらがいいんだという面でしか……。そうすると、文部省はこれを扱う必要はないわけですよ。もっとほかが扱えばいいんだ、それなら。農水省とか、どこかほかで扱ってもらったらどうです、そういうふうなものでやはり文部省が論じていくんなら。私はやっぱりこれは反対の方に回りたいですね。これ意味がない。だから、そこに文部省の指導性というのがあって、そうして、しかしそれを実現していくためにはそれぞれ地方自治体の実情があるということならわかるんですよ。しかし、両方持ち出して、それはもうどちらかにお任せしますと。文部省に学校給食課なんていうものがあるんですか。その課こそなくしたらどうですか、機構改革、行政改革で。要らぬじゃないですか、そんなものは。こういうものをきちっと書いても、このことについてどうだという指導性は発揮できない。給食の時間はゆとりを持ってやりましょうと言ったって給食の時間は一体学校でどうなっているんかと。四十五分、そしてあとの三十分子供を遊ばせると、最底それだけのものがなければ、給食をするということと、子供が遊ぶという事柄を含めて、ゆとりのある楽しい学校にするというふうなことを何ぼここで書いてみたって、そのことを具体的に指導する力も何にもない。ぼくはそういう学校給食の文部省のいまの状況というようなものを非常に問題にします、これね。だからもうこの問題について答弁は要りません。どうも文部省の給食課自身が私は不必要な気がしてきました。私はこれから給食課不必要論を展開をいたします。
 それで、次に学校健康会法の条文にも若干触れておきたいんです。そこで、第十七条のところに運営審議会の項目がございますが、安全会法の第十六条の運営審議会と異なる中身になっています。一言で言うなら、学校安全会法に言う運営審議会の方が民主的である。そして、職務権限、機関権限というものを明確にそこに指示してある。しかし、健康会法十七条の運営審議会は非民主的である。理事長の権限だけが強化されて諮問機関という形に変形してしまっている、こう見ていますが、なぜ学校安全会法の示す運営審議会というものを健康会法の中に位置づけなかったのですか。
#137
○政府委員(高石邦男君) 一般的に特殊法人の諮問機関の審議事項について二つの書き方があります。
 いま御指摘のように、当該法人の根拠法の中で諮問事項を列記して書く場合と、諮問事項を列記しないで総括的に書く方法とがあるわけであります。文部省の所管の特殊法人についてもその差がありますが、大体最近の立法例は、いま現在この法案に出してあるように総括的な形での規定というような方式をとっているものでありまして、最近の立法例にならって、新しい健康会につきましては法律を整備したということでございます。
#138
○本岡昭次君 法律を整備したといま言われましたが、整備したという言葉の意味は、いままでの学校安全会法の中の十六条として存在をしていた運営審議会の運営の方法、またそこで審議すべき重要事項の指定、こうしたものがそこにありましたが、そういうようなものの中身はそのまま引き継がれて、言葉の上で理事長の諮問に応じるとか、あるいは理事長に意見を述べることができるというふうになったと理解をしていいのですか。
#139
○政府委員(高石邦男君) 別に理事長の権限を強化するとかなんとかという考えはございません。したがって、法律の形態としてはここに述べてあるような形になっていますが、具体的には、従来安全会の評議員会でいろいろな審議をしていただいた事項については、新しい法律の制定後も審議会に諮問をしながら御意見を賜りたいと、こういうふうに考えております。
#140
○本岡昭次君 いまおっしゃったように、最低、安全会法第十六条の重要事項指定というふうなことでもって、新しくここに十七条に規定された運営審議会がその権限と責任を果たしていくということをやっていただきたい。いまもそういう答弁であったと理解します。
 そこで、運営審議会の委員が二十五名ということに今度はなるわけですが、この運営審議会の委員二十五名はどういう形で選出しようとされているんですか。また、どういう人々をもって構成をされようとしているんですか。
#141
○政府委員(高石邦男君) 審議会の委員につきましては、この法律案で書いてありますように、「健康会の業務の運営に関係を有する者及び健康会の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、文部大臣が任命する。」ということになっているわけであります。したがいまして、具体的な人選としては、そういう業務に関係する者ということになりますと、たとえば、学校の設置者の代表であるとか、具体的に学校の代表、保護者の代表、それから医師会、歯科医師会の代表ないしは給食を実施している県学校給食会の代表、それから学識経験者というようなことが考えられるわけでございます。
#142
○本岡昭次君 それで、いままで、安全会あるいは給食会にもそれぞれこうした運営のための審議会あるいは評議会みたいなものがあったと思うんですが、そこには、それでは学校設置者の代表とか、あるいは保護者の代表という立場でどういう方々が入っておられたんですか。
#143
○政府委員(高石邦男君) これは学校給食会、安全会若干違いますが、たとえば、学校給食会では、設置者としては市の教育長、それから県の給食会の理事長、それから栄養士協議会の栄養士の代表、それから給食の強化指導に実際に当たる給食指導関係の指導主事、それから国立栄養研究所の代表、それからPTAの代表というような形で人選をしているわけでございます。
 安全会につきましても、都道府県の教育長、それから市の教育長、それから町長、中学校長、小学校長、高等学校長、幼稚園長、それから養護教員部会の代表、それから交通安全協会の副会長、それから医師会、歯科医師会、薬剤士会の関係者、PTAの関係者というのを選んでいるわけでございます。
#144
○本岡昭次君 また後ほどそれは資料としていただきたいんですが、要望を申し上げておきます。
 運営審議会の委員の構成について、直接そのサービスを受けている子供、またその業務を行っている学校教育現場、また地方自治体、そういう人々の声ができるだけ直接反映できるような委員構成というものをぜひ検討をしてもらいたいということを、その点については要望しておきます。その点についてやりとりしますと時間が長くなりますので、要望にとどめておきます。
 そこで最後に、きょう三時間余り質問をさせていただいたんですが、全体として感じることですが、文部省が、形の上では非常に大きな文部省自体が持っておる子供の心と体の健康ということに関しての課題というものを踏まえ、一方ではその第二臨調、行革という面からの特殊法人を減らさなければならないという、そういう問題にかかわってこの学校健康会なるものがいまここに論議をされております。そこで、子供の側から見た論議というのは私はもう全然納得がいかないわけなんですね、文部省の消極的な対応ということについて。学校健康会が仮にできたとしても、ここに書いてあるような、文部大臣が趣旨説明をされたようなことは望むべくもない、このように思わざるを得ません。
 それはまた別のとき論議をするにいたしましても、問題は、第二臨調でまた次々と行政改革問題が論議されているわけで、特殊法人問題あるいはまた各省庁の合理化、簡素化というふうなものについては、いわゆる小さな政府をつくれということでいろんな対応がこれから出てこようと思うんですね。
 そこで文部大臣にあとはひとつお答えをいただきたいんですけれども、ここで私たちが論議をして学校給食会と学校安全会を一つの健康会にしようとした。私はこんなもの成立させない方がいいと思っておるんですが、仮に成立したとしませんか、そこに新しく生まれる、そうすると生まれたその健康会の中そのものをまたさわられるということになるんじゃないですか、第二臨調の側から見れば。絶対ありませんか。日本学校健康会というものはできたけれども、その中には安全会と、それから給食会という業務を持ってきて一つつくったんです。そうすると、私も先ほどちょっと答弁に腹立てて、こんな給食みたいなものやめておけと、文部省、給食会も要らぬわと言いましたけれども、周りの見るところ、給食というふうなものはどうするかということはずうっと論議は続くと思うんです。いまみたいな文部省対応をしておったら、給食なんて外してしまえということは、これはもう出てくると思うんですね、そんな対応の仕方では。そうすみと、健康会はつくった、また健康会もさわられてまたそこからもつまみ出されるというふうなことになれば、一体何をわれわれは論議しているのか。また、行政改革というのはそれほど見通しもなく、行き当たりばったり、そのときそのときの思いつきでやっているのかということにぼくはなると思うんです。だから、ここで文部省が責任を持って、これ健康会にするんだという以上は、できたものは中はもうさわらぬと、これでおしまいなんだと、ここの部分は、という文部大臣のきちっとした確信ある答弁がない限り、いまずうっと大きな流れが動いておるところで、あっちをつまみこっちをつまみ、また気がついたらいままでさわったものをまたさわり直すというふうなことになっては、これはこの文教委員会の論議自身も権威がないし、する意味がなくなると思うんですがね。もうここの中身の問題については臨調では触れぬ、これでおしまいなんだということをはっきりと文部大臣責任を持って言ってください。でなければこれは審議なんてできないでしょう。また、何年かしてあったら、いやあれはああでしたなんというようなことは、そんな無責任なことはないでしょう。いま臨調が論議されている中でのこの問題のはっきりとした答弁をひとつしてください。
#145
○国務大臣(田中龍夫君) 御案内の本件につきましては、経過は御承知のとおりであります。同時にまた、臨調それ自体が一次答申は出した。これから二次以下の問題に触れるんだと、こういうことを言われております。同時に、その問題につきましては、臨調の行管の方、あるいはまた法制局の方とも、事務当局といたしましては折衝をいたしながらこの原案を御提案いたしておるわけであります。いま先生が御指摘になったようなことが、これは私はあるべきことではないと、かように確信を持っておるんでありますが、しかし、先生の御懸念は御懸念として素直に承っておきます。
 しかしながら、先ほど来三時間にわたるいろんな御質疑等を通じまして、われわれは児童生徒の健康という重大な問題について詳細にわたっての御質疑をいただいたことは本当にありがたいと思います。同時にまた、現場におられて、われわれが理屈で考えたのとは違った感触も持っておられるわけでありまして、よかれと思っていろいろとありがたい御注意を賜ったことを厚くお礼を申し上げて、今後ともに本件の成立について、なお一層の御協力と御支援を賜りますよう改めてお願いをいたしまして、お答えといたします。
#146
○本岡昭次君 終わりたいんですけれどね、いまの文部大臣の御答弁ありがとうございます。文部大臣こそそういう立場に立ってやっていただきたいんですが、それで、いまたしかそういう懸念もあるんではないかということを文部大臣も考えておられるような御答弁であったと思うんですがね、たしかその懸念はぼくは一〇〇%近くあるんじゃないかと、ずつと経緯がありますから。だから、それに対して文部大臣初め文部省としては、もうそこのところについては明確に、そうしたことについては責任を持って、そういうかかわり合いというものはさせませんと、文部省としてもそこは明確にやってまいりますということをそこでおっしゃっていただかなければ、一年か二年たったらまたこのことをぞろぞろやるというふうなことになっては大変でしょう。絶対そういうことはないと、架空の論議をするなとおっしゃっても、おっしゃるように第二臨調は動いて、この問題が論議されるということはもう書いてあるんですから、えらいくどくて申しわけないけれども、もう一遍だけ、本岡さん安心しなさいと、そんなこと絶対ないですよということを言ってください。大臣として、閣僚として。
#147
○国務大臣(田中龍夫君) 先ほど申しましたように、臨調のメンバーなり、あるいはまた行管の諸君なりと事務当局はずっと折衝を続けてきているんです。また、大蔵省の主計局並びにいまの各方面とも、法制局等々とも折衝をしながらこの御提案をいたしておるわけです。そういうことから申しまして、いま先生のおっしゃるようなことがあったら、これはもう国の行政機構というものは成り立たないですね。また、いやしくもわれわれが国民に対しまして文教の府をお預かりいたしておる責任から言っても、さようなことがあったとすればとんでもないことだと私は思うんであります。御懸念に対しては本当にありがとうございますが、今後ともよろしくお願いします。
#148
○本岡昭次君 終わります。
#149
○田沢智治君 日本学校健康会法案の実質的な審議に入ったわけでございますが、私はこの法案が提出されるに至る経過と基本的な考えを文部大臣にただしたいと思います。
 本法案は、先般成立した放送大学学園を設置するための必然的な措置として、学校給食会と学校安全会が統合し日本学校健康会としたのか、また両法人が統合した方が、その目的、使命を遂行することにより、より合理的であり、より能率的であるとの判断もあってこういう法案を出すに至ったのか、その基本的な経緯をまずもってお伺いしたいと存じます。
#150
○国務大臣(田中龍夫君) 放送大学学園を特殊法人として設立することに関連いたしまして、行政機構の合理的な再編成を図る観点から、文部省所管の特殊法人の整理、合理化についての検討がなされました結果、日本学校給食会と日本学校安全会の業務はいずれも児童生徒の健康の保持、増進に資するものであるので、面会を統合して日本学校健康会を設立して、それで面会の業務を総合的に推進することによって、りっぱな健康な児童生徒の育成に資するんだ、こういう趣旨で進んでまいったのでございまして、このことは最近の児童生徒等の心と体の健康に関しましていろんな問題が指摘され、また児童生徒等の健康の保持、増進に関しまする施策を充実することが、文教行政の上から申しましても重要な課題となっておるという次第でございまして、ただいま先生の御質問に相なりました設立するに当たりましてのこれが基本的な考え方でございます。
#151
○田沢智治君 ただいまのお話を承りますと、学校健康会法案は、心身ともに健康な児童生徒の健康保持、増進に必要な施策の充実を図るとい。観点から、日本学校給食会と日本学校安全会を統合して、両法人の業務を日本学校健康会が引き継ぐことであると理解してよろしゅうございますか。
#152
○政府委員(高石邦男君) この新しい日本学校健康会は、従来行っておりました安全会の業務と、それから日本学校給食会の業務、それを引き継いで充実して執行していくというような基本的な内容でございます。
#153
○田沢智治君 もしそうだとするならば、日本学校給食会と日本学校安全会のそれぞれの業務実績の実態を、概要だけでよろしゅうございますが、お聞かせいただきたいのでございます。
#154
○政府委員(高石邦男君) まず日本学校給食会について申し上げますと、学校給食用物資の供給事業、具体的には基本物資である米、それから小麦粉、脱脂粉乳、輸入牛肉、そういうようなもの、それから一般的に取り扱いが強く要望される一般物資を供給するという二つの物資の供給事業を行っております。また、日本学校給食会では、それだけではなくして、各種の業務を展開しておりまして、給食の調査であるとか、それから献立の研究、そういうようなものないしは食品検査、そういうような機能をあわせて実施しているのが日本学校給食会であります。
 日本学校安全会につきましては、学校管理下における安全というものについての共済給付事業を展開しております。この給付事業は、いわばわが国の中でも独特の共済制度でありまして、国と地方公共団体と保護者が相協力して一つの新しい共済制度をつくり、学校における教育活動が安定した基盤の上で展開される、生き生きとした教育活動の展開を図っていただく、その際における災害についてはこの安全会が給付事業を実施して、後の心配のないような体制をつくる、そういうような給付事業を行っております。
 また、そういう給付事業を実施するに当たりまして、安全に関してのいろんな要因分析、そしてそれに対する対応というようなことで、安全のための普及事業の活動というような仕事をやっているわけであります。したがいまして、二つの法人が行っていました事業を今後なお一層充実いたしまして、いままで以上に緊密な連携のもとに、子供の健康に関しての保持、増進ができるような事業を展開していきたいと思っております。
#155
○田沢智治君 そこで、学校給食の実施状況を見ますと、小学校におきましては千百七十五万人、九九・四%、中学校が四百十八万人、八二・〇%、夜間定時制高校が十二万人で八九・九%、特殊教育諸学校が七万人で七五・五%と実施の実態が出ているんですが、小学校、中学校、夜間及び特殊学校の入らない、まだ実施していない学校というのはどういうケースの学校でございますか。将来、こういう学校も条件さえ整えば実施できるのか、あるいは独自で、自分たちで委託でやらせているのかどうか、その辺のところをお聞かせいただきたいんです。
#156
○政府委員(高石邦男君) まず、小学校につきましてはほとんど、完全給食の実施率が九七・六%ですから、あと若干でございます。これも補食給食といって、これはおかずだけを給する内容のものを実施しているのが〇・四%、それからミルク給食で牛乳の飲用だけをやっているのが一・四%というようなところでございまして、小学校において実施されていないのは、主として非常に山間僻地と申しますか、なかなか給食施設を整備するだけの条件が整いにくいような地域の実態のあるところではないかと思われます。したがいまして、小学校においては条件を整えながら、全部の学校でこういう学校給食が実施されるように、これは小学校、中学校ともに言えることでございますが、そういう姿勢で指導をしているところであります。
 中学校の実施率がおくれておりますが、これは主として都市部においての実施が非常におくれております。大都市で給食の実施が行われない。文部省としては常に関係者に対して、中学校においても学校給食の実施を早く普及、充実していただきたいということをお願いしておりますが、なかなか実施の段階まで踏み切れないというような状況がございますのはまことに残念でございます。
#157
○田沢智治君 ただいまのお話を承りますと、山間僻地の学校がややおくれている。私はそういうところにこそ文部省は力を入れられて、少なくとも義務教育におきましては完全実施というような方向性の中で位置づけられるという努力は、せっかく新しい法人をつくるならばそのぐらいの意欲を持ってやってほしい、こういうふうに私は思っております。
 なお、調理方式等については自校調理方式と共同調理方式とがございますが、委託方式等についてどうなのかという議論もいろいろ私も聞いておるんでございますが、この辺に対する御見解はいかがでございますか。
#158
○政府委員(高石邦男君) 先ほどの御議論の中でもその問題ございまして、基本的には調理業務については直轄で実施するというような考え方でございます。全面的に給食そのものの調理を委託するという考え方はとっておりません。ただ、給食の業務の中にも、先ほどの例で申し上げましたように、共同調理場から配送する運送の業務というようなものは、委託になじむものは委託で、経営的にもコストの合理化ということも考えていかなければならぬ面もございますので、そういうことは十分考えていきたいと思っております。
#159
○田沢智治君 安全会の方もなかなか大きな実績を上げられておるし、実質的にはかなり子供自身のいろいろな傷病に対する救済方法なり給付率等もがなりいいように私は思っておるんです。これはこれなりに充実、強化していくということは大変意義の深いものであると確信させてもらいました。そういう意味で、両法人の今日までの実績をお聞きしますと、本法案の重要性も理解できますし、この新しくつくろうとする法人の早期成立というものも国民の教育次元の中でも御父兄が求められる声ではないかと、私はそう思わせてもらいます。
 ただ問題は、両法人が統合することによって、現在の両法人の役員と職員も統合されることになると思いますが、そう理解してよろしゅうございますか。
#160
○政府委員(高石邦男君) そのとおりでございまして、両法人を統合することによりまして、役員が非常勤で三名、常勤で二入減るわけでございます。そういうことで、主としてこの統合は役員の数の減少ということで、職員につきましては統合の時点では一人だけの減少という程度でございます。
#161
○田沢智治君 ただいまの局長のお話しされた数は現存する両法人の役員の欠員もございましょう。現在いる方々の足し算による数を申されたんですか。
#162
○政府委員(高石邦男君) 現在両法人の役員の定員は十三人でございます。その十三人の内訳は常勤が七名、それから非常勤が六名でございます。これを新しい法人に統合いたしますと役員の数が十三から八人になります。その八人の内訳は常勤が五人で非常勤が三人というような役員構成になるわけでございます。
#163
○田沢智治君 職員数はいかがですか。
#164
○政府委員(高石邦男君) 職員数については、両法人の統合を閣議決定した職員数は両法人で二百九十七人であったわけであります。その後順次減員いたしまして、統合後は二百九十三人ということで、若干の職員についても減少するわけであります。
#165
○田沢智治君 そうしますと、必然的に役員と職員が合体して足し算という形の中で結果が出るわけでございますけれども、いまのお話によりますと、役員は十三人が八人、職員は二百九十四人が二百九十二人で一名減ということで、結果的には多少の合理化になるというように思っておるのでございますが、そう理解してよろしゅうございますか。
#166
○政府委員(高石邦男君) そのとおりでございます。
#167
○田沢智治君 私は、この二つの法人が統合するに当たって、両法人の職員が、それぞれのいままでの法人の違いがありましょうし、ここで新法人の業務を推進するということになりますと、和合一体の実益を上げるということがせっかくつくった法人の目的、使命遂行になくてはならない私は基本的条件だと、こう思うんです。そういう意味で、企業は人なりと言われるとおり、やはり一つの法人を運営するにも人間が私は大事だと思います。そこで、この法人のやはり担い手ということになりますと理事長さんであり、理事者であると、こう思います。そういう意味では複雑な二つの法人を一体化していくという業務もなかなか大変でございましょうし、やはり児童生徒の育成強化というものを、心身ともに健康なものを育てるということになりますと、天下り的な人事は、文部大臣、私は排除していただいて、みずからを律して、職員を大切にするような有能な人材を広い視野から求めて人事の構成をきちっとなさられることがなくてはならない条件だと思うんですが、そういう点に対する大臣としての決意のほどをお伺いしたいと思います。
#168
○国務大臣(田中龍夫君) まさにお言葉のとおりでございます。
#169
○田沢智治君 そしてまた、その運営審議会という一つの機関を設置するということになっておりますけれども、この構成につきましても、この法人の業務内容そのものに明るい方を、私はやはりいろいろな各界各層から選ばれて御任命されるというようなことも私は大事だと思うんです。やはり、これからの世の中というものは日進月歩でございますし、一つの領域の中でいいと思っても、社会全体の中から見た場合そのいいものは悪なる結果を生み出すということも数多くございます。どうかそういう意味で運営審議会の委員構成においても御配慮をいただき、ああやっぱりいい人を選んでくれたと言われるような人事の推進を行ってほしいと思いますが、文部大臣、この件についていかがでございますか。
#170
○国務大臣(田中龍夫君) そのとおりでございます。
#171
○田沢智治君 文部大臣がそのとおりでございますと言うから、間違いないと私は確信しております。特に私は日本の将来を担う児童生徒がよりたくましく成長し、しかも心身ともに健康で発育することは、これは全国民の私は願いだと思うし、そのためには児童生徒の健康の保持、増進を図ることが国家の使命であるし、私たちの責任でもあると思います。
 そこで、最近特に児童生徒の体位は向上したが体力が低下して、骨折を含む負傷事故が増加していると言われておるのでございますが、このような現実的事実に対して文部省はどうとらえ、どう対処をしていくべきであるか、お考えになられておると思うのでございますが、その一端をお聞かせいただければと存じますが、局長さんにお尋ね申し上げます。
#172
○政府委員(高石邦男君) まず事例として骨折の事故について申し上げます。これは昭和四十七年の調査から五十二年にかけての年間の推移を見ております。
 まず小学校で申し上げますと、負傷件数の中で骨折という事故の発生率を見てみますと、昭和四十七年が三%、それが昭和五十三年になりますと三・〇九%、人数でも六万八千八百八十から八万二千六百ということで、骨折による災害というのが絶対数においても、それから負傷に占める発生率においても増加の傾向を示しているわけであります。中学校でもやはり同じことで、昭和四十七年度の骨折が五万八千五百、発生率が四・六%が、昭和五十三年度に至りますと骨折の件数が六万八千二百六十、発生率が五・二三%ということで、いずれも増加の傾向を示しているわけであります。
 これは、その原因はいろいろあろうかと思います。いろいろあろうかと思いますが、一つは食べ物の影響もあるのではないかというふうに考えられます。それともう一つは、小さいときからトレーニングをすると、そういう意味での幼児期からのトレーニング不足というような問題もあろうかと思うんです。そういう両面から、この骨折についてはできるだけ骨を強くする、筋肉を強くするというような方策を講じていくことが必要であろうと思います。
#173
○田沢智治君 私はまあ非常に興味を持って、昭和二十五年と五十五年の幼稚園五歳児、小学校、中学校、高等学校の男女の身長、体重、胸囲、座高等をこう調べてみますと、男子におきましては昭和二十五年と五十五年、三十年たちましてどのくらい身長が伸びたかというと、七・一センチ、ちょっと昭和二十五年の八歳児の背丈を現在の六歳児が維持している。これ大変体位は向上しております。中学生の場合は十三・七センチ伸びておるということに相なって、これも今日の中学一年生が昭和二十五年の体位から見ると、三年生に匹敵する。すべての面でも言えると思うんです。
 特に女子の場合は、身長としては六歳児は昭和二十五年の八歳児、中学一年生が高校一年生の身長よりもやや高く位置づけられている。座高は余り伸びておりませんけれども、身長が伸びたということは八頭身美人がふえてきたということも反面において言えるんじゃないだろうか。胸囲も、女性は一番大きくなるということになりますと、この実態から見ると、中学の一年生、二年生というような数字が七・七センチ、七センチということで出ておりますが、そう見ますと、非常にバランスのとれた食生活は維持されつつあるのではないだろうか。これはやはり、戦後食糧事情が非常に乏しいときに、いち早く学校給食というものが制度化しようという機運の中で位置づけられ実施されてきた実績だと私は思うんです。ですから、この実績を大事にしていくということは、日本人の体位というものの向上にかなり大きく貢献してきた歴史というものはこの数字を見ても位置づけられる。ただいま言うように、体位は向上したけれども、体力がどうなっているかということになると、先ほど局長が話されたように、筋肉の強靱なる訓練が足らない。骨折事故が年々ふえているという実数から見ましても機敏さがなくなっている。これは筋肉運動の減退だと思うし、体が大きくなればなるほど、それを支えていく心身の健全性というものは、調和のとれた体位を体力に還元していくという、一つの大きな転換すべき時期が私はあると思うんです。ですから、そういうような現実的な数字、実態から見まして、新しい法人がやらなきゃならない業務というものは、従来やってきた二つの法人をただ継承すればいいというような物の考え方じゃなくて、新しい時代に資して、やはりこれからこういう分野をこう手直しし充実していくならば、もっと国際社会の中にたくましく生きられる日本人が形成されるんだという一つの理想と使命というものを持たれながら検討していくことが大事じゃないかと、私はこう思うんですが、局長いかがですか。
#174
○政府委員(高石邦男君) 御指摘のとおりでございまして、両法人が今日までやってきた業務そのものを充実することはもちろんながら、その両法人の事業とされている安全、それから給食の分野につきましても、なお領域を広めながら、そういう面でいままで以上に、新しい事業の範囲内でやれることに積極的に取り組んでいくということは当然やっていかなければならないことだと思います。
#175
○田沢智治君 児童生徒に、より安全性の高い教育環境の中で充実した教育を施すことは、これはもう文部当局、われわれ文教委員、教職員の先生方、もちろん御父兄の方も含めてやらなきゃならない大事な仕事だと思います。そのためには、児童生徒が学校での事故や通学時の交通事故等を起こさないために、事故防止を含む学校における安全教育の果たす役割りの重要性が私は叫ばれると思います。学校における安全教育はどのように今日行われているのか、今後どういうような形でより推進しようとするのか、その辺の見通しについて局長さんに、お伺いしたいんです。
#176
○政府委員(高石邦男君) 御指摘のように、社会の変化で、交通安全問題を含めて安全教育というのは学校で非常に重要な事項になっているわけでございます。この安全教育そのものは、たとえば体育であるとか理科であるとか社会であるというような教科指導の中であるとか、ないしは道徳教育の中で実施するというような形での教育の徹底、そのほかに特別活動として学級指導――ホームルームと言いますけれども、そういう中で安全教育そのものを教育そのものとして子供たちに教育をしていくというようなことが大切であろうと思うんです。
 また、それだけでは十分ではございませんので、地域との連携を十分に行いながら、児童生徒が日常生活圏の中でいろいろな問題に当面するわけですから、そういう場合についても地域の協力の全体の中で子供の安全というようなものをやっていくことをしていかなければならないと思います。
 そういう意味で、従来学校が行っていました教科指導であるとか一般の教育の上に、近時は学童の安全教育というものを重視しなければならないということで、そういう面での先生方の注意を、研修の機会を与えるということで、その手引書をつくったり、校長さん、教頭さんないしは教職員に対してそういう研修の機会を持たせながら学童に対する安全教育の徹底を図っていくというような対策を具体的に行っているところであります。
#177
○田沢智治君 そこで私は、先ほど局長さんがお話しになられたように、小学校においては、昭和五十三年について負傷件数が三十四万四千三百八十件、中学におきましては二十六万三千件、高等学校におきましては十三万七千百十件というように、かなりのやはり負傷総数が出ておるということを見たときに、先生が生徒に安全教育を施すことも大事でしょうけれども、実際一番大事なのは、先生方が相互に安全教育についての連帯性なり研修なり、あるいは地域社会との定期的なそういう問題に対する連絡調整協議会とか、そういう総合的な学校安全に対する、御父兄も入れての機関がやはり当然ないと、生徒に安全教育を施すだけでは私は徹底しないと思うんですが、そういう意味において、教職員間における学校安全教育に関する研修とか、そういうものについては具体的な施策を施しておられるんですか。
#178
○政府委員(高石邦男君) 御指摘のようなことはきわめて大切なことでございますので、従来も校長さんとか教職員を対象にした研修会等行って、その指導の徹底に当たってきたわけですが、なお一層充実することが必要であるということで、来年度、非常に厳しい状況下に置かれている予算要求でございましたけれども、そういう面での事業予算の拡充をお願いしているところでございます。また、地域とのかかわり合いということもきわめて重要なことでございますので、地域ぐるみの安全対策ということで、学校の場から出て地域社会と連携をとりながら、そこで全体として安全対策を講じていくというような事業の展開をもモデル的に推進しているところであります。
#179
○田沢智治君 そういう意味で、年々増大している学校事故という件数を減らす努力を一方において予防措置としてやるべきであると、こう思いますが、共済掛金の実態と共済の給付額について、かなり内容的には私は高い――高いという表現は妥当かどうかわかりませんけれども、いい水準を維持しているのではないかと、こう思っておるんですが、最高の給付額はどういうものを具体的にお示しいただく中で、たとえば死亡した場合はこれだけ、これだけのけがをした場合はこれだけの給付をするんだというような、具体的なものがあれば、二、三御発表いただきたいと思います。
#180
○政府委員(高石邦男君) まず、給付事業として実施しておりますのは、医療費の給付、これは健康保険並みの、医療に対して費用の十分の四を給付しております。それから廃疾見舞金、これは最高が千五百万、一級から十四級、三十三万円までの、その程度に応じて給付を実施しているわけであります。それから死亡見舞金、これが千二百万を給付しているわけであります。
 それから、それに要する本人の負担は、先ほども申し上げましたが、義務教育諸学校の場合は、大体一人当たり四百円、高等学校の全日制の場合には七百六十円、幼稚園の場合は百三十円というような掛金。これも保護者負担だけではなくして、保護者の負担と設置者の負担、両方合わせた金額でございますが、その年間一人当たりの掛金をいただきながら、申し上げたような事業を実施しているわけであります。
#181
○田沢智治君 掛金等も非常に少なく、義務教育諸学校においては四百円、そのうち二分の一が父兄負担とすると二百円前後になると。私はこれは非常にいい制度だと思うんです。やっぱり自分の子供を学校に出すということにおいて、けががなく、もちろんそういうようなものに遣わない努力もありましょうけれども、人間生きておるのでございますから、運が悪ければ事故を起こさざるを得ない。しかし、そういう次元で安全会が補償するというようなことは、親にとってみれば大変ありがたいことじゃないだろうか。こういう事業をさらに推進してほしいと、こう思うんですが、私、いまやはり時代というものは日進月歩で大きく進展いたします。特にこの分野の災害救済給付事項を将来拡大しなければならないんじゃないかというような業務内容等について、前進する方向性の中で思われる点があればお答えいただきたいと思うんですが、いまなければよろしゅうございます。
#182
○政府委員(高石邦男君) 現在のところ、いま直ちには具体的な内容を持っておりませんが、御指摘のように時代の趨勢でいろんな事故が発生していきますし、そういう意味でその給付事業を学校の教育の円滑な活動の基盤になるというような観点で拡大していくということは考えられるわけであります。
#183
○田沢智治君 そういう意味で、ひとつ新しい法人が設立された次元の中で、新しい法人になるについてはこういうようなメリットもあるんだと、こういう分野においても前向きでやるんだというようなやっぱりたくましい姿勢というものが、父兄に対する信頼を文部省も回復することでありますし、教える先生方も安心して児童を教えるという意味における教育環境の整備の充実の一環として私は位置づけられると思います。どうかそういう意味で、父兄負担を少なくしつつも、内容の充実を図ってもらいたいということを御要望させていただきます。
 次に、学校給食についてお伺いを申し上げたいと存じます。
 わが国の学校給食は、学校教育活動の一環として行っているところに特質があると私は思っております。学校給食の目的とその教育的効果について具体的にお答えいただければありがたいと思いますが、局長さん、お願いできますか。
#184
○政府委員(高石邦男君) 学校給食が戦後食糧難のときにアメリカの援助物資をもって始められた、そのイメージを持ち続けている方もございますが、現在の時点での学校給食は相当内容が進歩し安定した形になってきております。そして、いまや世界の中で注目される日本の学校給食とまで成長してきているわけであります。先進諸国では、日本の学校給食を、教師が生徒と一緒に同じものを食べる、同じかまの飯を食べるというところに非常な教育的な効果があると。諸外国では食堂に行って好きなものをカフェテリア方式で食べるということで、教師とともに食事をするというような仕組みがないのでなかなか心の触れ合いの場が少ないということが言われているわけであります。
 そういう意味から言いますと、いろいろな歴史的な経過はありますけれども、現実は学校教育の一環として、しかも、制度上も位置づけられた内容としていまのような給食の実態が行われているというところに注目をしているわけであります。
 また、後進諸国におきましては、日本の学校給食が戦後、体位の向上に大きく役立ったというようなことで、先ほども話がありましたような戦後著しい身長、体重の伸びを示している。これは食生活の一般の改善とともに、学校給食が栄養のバランスを考えて食事を給してきたというところに大きな役割りがあるというので、後進諸国は日本の学校給食に注目をしているわけであります。
 そういう意味から、私は、日本の学校教育というのは単なる知的教育だけではなくして、心と体をつくるところに相当力を入れております。したがって、狭い国土の中で運動場を持って大いに体育を進めてきた。そして心の教育もしてきたということで、戦後新しい形での日本の学校給食の導入ではありましたけれども、その学校給食の持っている教育的な役割り、機能というものを大いに生かして、子供の健全な成長に資するということが大切ではないかということで、食事に対する正しい食習慣を身につけさせるという手段にもなりますし、あわせてそれは国民の食生活の改善にもつながる。そして、いまや学校では集団生活の中で子供たちが共同の作業をするということは非常に少なくなっております。そして、同じ食材料を運んだり、それから食後の片づけをするというような中で、お互いに共同しながら子供たちが作業をしていくというようなことも、きわめて現在失われつつある一つの教育の面でございますので、そういうものが給食活動にあるということを考えているわけであります。
 そういうことで、学校の教育としてもきわめて新しいものではありますけれども、この内容を利用すれば相当子供の心と体を育てる内容の教育として役立つというふうに考えているわけでございます。
#185
○田沢智治君 私の友人も諸外国の教育事情を視察して先般帰国しましたが、局長さんが話されたように、日本の学校給食は制度化され内容が充実している、非常にそういう意味では客観的に見てすばらしい実態だと思うと、こうほめておりました。
 そこで、五十一年度より文部省が指導してきている米飯給食の普及状況でございますが、その後いかがなる数字になっておりますか。
#186
○政府委員(高石邦男君) まず五十一年度の状況から申し上げてみます。
 五十一年度の状況では、学校数で約三六%のところが米飯を取り入れまして実施してきたわけでございます。児童生徒数も大体三〇%程度の実施率であったわけであります。これが毎年ふえていきまして、五十六年度の状況では、学校数では約九〇%が米飯給食の導入をしております。子供の数でも約八七%実施をする。それから一方、月回数を見てみましても、五十一年度は月二・五回ですから週に一回までいかない程度でございましたけれども、現在の時点では月六・四回ということですから、週一・六回というようなことで二回に近づきつつあるということで、米飯給食については導入の際にはいろいろな意見がありましたけれども、やはりわが国の食糧、農業政策との絡みで、わが国の国土でとれるものを正しく食事をするという食習慣を身につけることは日本として当然やっていかなければならないということで、米飯給食の導入を積極的に進めてきているところであります。そして、このこと自体については、子供たちも米飯そのものについて非常にまあ好きだと、パンもいいけれども米の方がもっと好きだというような状況が子供の面からも出されているわけでございます。
#187
○田沢智治君 学校教育は、父兄の信託を受けて行っている観点からPTA関係者の要望に耳を傾けることも私は大事だと思います。
 そこで、学校給食の是非についていろいろ意見があるかと思いますけれども、文部省は調査を行ったことがあるように私は伺っておりますが、もしあったとすれば、その結果がどうなっておるのかお聞かせいただきたいと存じます。
#188
○政府委員(高石邦男君) 昭和五十一年度に教育モニターの人たちに対して、給食について必要であるかどうかというような実態調査をしたことがございます。それによりますと、必要であるとすみ者が八九・六%、約九〇%でございます。したがって、大部分の方は今後も学校給食の実施が望まれるというような方向を示しているわけであります。
#189
○田沢智治君 ただいまの調査結果を聞きますと、学校給食は父兄の願いであると、九〇%ということになるとかなり高く見ていいと思うんですが、そこで、はしの使用運動と父兄の給食参加運動を呼びかけているというような趣旨も聞いております。私も全国を講演に歩いていく中で、給食を始めたころは、子供そのものがはしを使うという一つの作法ができずに口を持っていっちゃって食べちゃう。犬みたいだ。カキをむかすについてもむき方ができない。しかも実を捨てちゃうようなことをしておる。食べ方にも十人十色の食べ方をしている。一体日本人の一つの礼儀作法がなくなっちゃうんじゃないだろうかと大変気にしておったと、こう申しておりましたけれども、昨今の状況を見ると、そういう意味では教育の一環として学校生活の中に給食というものを導入しつつ、先生と生徒が一堂に会して同じものを公平、平等に食べるという中での大変教育的効果が上がってきたので、はしの持ち方もうまくなったし、食べ方についてもごあいさつをして食べ、終わったときもごあいさつし、食べたものを自分で運ぶというような一つのルール、いい意味における人間的な心のルール化ができつつある。これは非常に大きな成果を上げたという一つの利点であるのではないかと、こう申しておられる方が多うございますが、こういうような問題を含めて、先ほど申したような、はしの使用運動と父兄の給食参加運動の実態、目的、効果、こういう辺のところについてお聞かせいただきたいと存じます。
#190
○政府委員(高石邦男君) 学校給食でどんな食器を使うかということで、従来はややもすると後始末の問題その他で壊れなくて簡単に簡素に処理できるものというようなことで、食器類もついスプーンを使ってはしは余り便わないという形態がずっと流れてきたわけであります。しかし、考えてみますと、日本人の食生活とはしというのは欠かせることのできない、切り離すことのできないものであります。そういうものを学校教育の場で、給食の場で取り上げなければ本当に正しい食習慣を身につけさせるということにならないのではないかということで、実は思い切って全部の学校にはし使用運動を推進していきたいということで、まず手始めに、局長名で各学校ではしの利用がどのように使われているかの実態調査を始めまして、いま市町村にその実態の集計をお願いするわけでございまして、来年の二月ぐらいにはその内容がまとまってくると思います。そして、現在成人した成年男女でも、はしの使い方ができないというような人たちもかなりふえているということを言われますので、学校の場でも、このはしの正しい利用というものを積極的に進めていくということが必要ではないかということでございます。
 それから、母親の給食への参加でございますが、本来食生活の正しい習慣を身につけさせる第一義的な基本的な役割り分担というのは家庭にあると思うんです。お母さん方が、やっぱり幼児期から子供に正しい食習慣を身につけさせる、そして正しい食事を提供していく。正しい食事というのは、バランスのとれた子供の成長、発展にふさわしい食事を調理してやるということがなければならないのであります。最近ややもすると、学校に行けば給食があるということで朝飯も十分に食べないというような傾向があると言われる地域もございます。そういうことではいけないんではないか。やっぱり学校給食が大きな時代の流れで今後の教育活動の一環として実施するものではありますけれども、やっぱり家庭との協力、連携、そして母親のそれに対する正しい理解ということを求めていかなければ、真に正しい食習慣を身につけさせるということにはならないというふうに感ずるわけであります。これは学校教育の中で、特に保健であるとか安全であるとか給食であるというのは、家庭との協力を最も密接にしなければならない分野であると思います。そういう意味から、私の方でも学校給食にどういうものが出されているか、学校給食の献立はどういうふうな考え方でつくられているか、そして給食指導の実態はどう行われているかということを具体的に親たちに知ってもらう給食への参加運動、これを進めていかなければならない。そして、できるならば給食の調理そのものについてもどういう形で行われているかということも理解してもらうということと、そしてそこで得た知識、理解をまた家庭の毎日の食生活の中で生かしてもらうというようなことで学校教育と家庭教育が手を握ると、そしてより安定した中で子育て教育を完成していくということが必要ではないか、その橋渡しになるのが学校給食であるということで母親の給食参加運動を進めていきたいと思っております。
#191
○田沢智治君 大変結構なことだと思います。これを強力に推進していただくということは、父兄と先生と生徒が一体的な次元の中で教育的充実を図るということは私は民主的だと思うんです。ですから、やはり意欲を持ってそういう運動を強力に推進していただくということは、日本の教育にとって大変プラスになると私は思いますから、ぜひやってほしい。最近ごく一部の方々から、学校給食は終戦直後と異なり、食糧事情も好転した現在やめてもよいのではないかというような意見も聞くのでございます。私は、児童生徒の調和のとれた体力を増進させ、学校教育の一環として、先ほど申したような内容の充実を図りながら、学校給食の使命を考えるとき、これを継続し充実を図ることが、わが国の教育の実績を向上をさせるに値すると私は確信しておるんですが、文部大臣いかがですか。臨調等の問題があって、給食問題もやり玉に上がるなんというようなことが言われておりますけれども、これは断じて許しがたい言動であると私らも思っておりますし、われわれ与野党ともいい意味において共通点があるならば、いいものはやっていくぞというような姿勢で取り組むぐらいは必要ではないかと思いますが、文部大臣の決意のほどをお伺いさせてもらいます。
#192
○国務大臣(田中龍夫君) 給食の沿革は、御案内のとおり、最初は非常に食糧難というふうなことから進駐車による救済政策として行われたんであります。しかしながら、その後の今日までの経過というものは、むしろそういった食糧難の時期を脱しまして、新しい意味の教育効果というものを非常に評価されてきておる。ただいま局長からお話ししましたように、ただでさえ学校と家庭との間の断絶でありますとか、あるいは青少年非行問題だとか、そういうふうな問題ともあわせ考えまして、今日における学校給食の実態というものは、むしろ非常な教育効果を上げておると、こういうふうな新しい見方、新しい価値を評価しておる次第でございます。
#193
○田沢智治君 まあ、珍しく文部大臣はっきり物を申されたと思うんですが、私はやっぱりそういうことはなくてはならない。小野先生そうでしょう。やっぱりこういうものはきちっとしなければならぬだろうと、こう思うのでございますが、まあ時間も来たようでございますが、私は、わが国の教育力は世界一であると自負しておるのでございますが、この実績をさらに積み上げ、世界の平和と人類の福祉に貢献する人材を育成するということは、これは大変日本にとって大切な要素だと思っております。今回提案されました日本学校健康会法案は、未来を築く日本の宝である児童生徒の健康の保持、増進を目的としたものでございますし、単に給食会と安全会が統合して業務の充実を図るだけではなく、総合的視野に立って児童生徒の健康に関する施策の充実を推進する唯一の機関となると思っております。そういう意味で、多くの人々の意見を聞きつつも一日も早く本法案が成立することを私も望んでおりますので、野党の先生方も一生懸命協力してもらいながら、ひとつこれをまとめていくような方向でお互いさま努力するのが文教委員会の使命であると確信しております。そういう意味におきまして、文部大臣のもう一声意見が欲しいと思うのでございますが、御決意のほどをお伺いさせていただき、私の質問を終わりたいと思います。
#194
○国務大臣(田中龍夫君) 先ほど本岡委員にも申し上げたように、この健康会法というものを一つの契機にいたしまして、そうしてこの学童の健康に関する行政を総合的に、かつ一段と前進しなければならない。やはり今回の健康会法には、ただ単に両方のものを合体して当面を糊塗するというようなものではなく、より高い見地に立ってこれが一段と教育躍進のよすがになればありがたい、かように考えますので、どうぞ御提案申し上げました本件につきまして、皆様方の各党挙げての御協力、御支援を改めてお願いを申し上げる次第であります。
#195
○委員長(片山正英君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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