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1949/03/02 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 通商産業委員会 第11号
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1949/03/02 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 通商産業委員会 第11号

#1
第007回国会 通商産業委員会 第11号
昭和二十五年三月二日(水曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○中小企業等協同組合法の一部を改正
 する法律案(内閣送付)
○帝国石油株式会社法を廃止する法律
 案(内閣提出)
  ―――――――――――――
   午後一時五十三分開会
#2
○委員長(高橋啓君) それでは只今より委員会を開きます。本日は公報を以て御通知申上げました通り、先ず今回提案にかかりました、中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案の提出理由について政府側の説明を求め、ついで本院先議の帝石法の廃止法案の質疑を行い、終つて近く提案予定の鉱業法について政府当局の説明を聽取したいと存じますが、右の順序で進行して御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(高橋啓君) それではさよういたします。それでは政府委員。
#4
○政府委員(宮幡靖君) 只今議題となりました、中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案提案の理由を御説明申上げます。
 中小企業等協同組合法は昨年七月一日施行されました中小企業の協同組織に関する基本法でありまして、旧商工協同組合法に基く商工協同組合は本年二月末日までに本法の事業協同組合に、旧市街地信用組合法に基く市街地信用組合は本年八月末日までに本法の信用協同組合に組織変更することを要することと相成つておりますが、中小企業金融の現状に鑑み右の市街地信用組合の組織変更は特に早急になされることが要望されております。而して市街地信用組合におきましては、組合員数の千人を越えるものが可なり部分を占め、中には一万人以上の組合も珍らしくない現状であります。この傾向は、今後信用協同組合の発達に伴いますます著しくなると考えられますが、これらの組合においては現行法の総代会に関する規定の下では円滑なる組合運営は勿論のこと信用協同組合への移行すら不可能であります。従いましてこの点からいたしまして特に次の三点の改正即ち
 第一に総代の選挙は総会以外でも行いうるものとすること。
 第二に総代の定数は、選挙時毎に法定数を下らなければ差支えないようにすること。
 第三に総代の任期を法定すること。は急を要すると考えるのであります。
 先ば右の第一点について御説明申上げますと、現行法によりますれば総代は総会において選挙することになつておりますが、総代会を設けることができるような組合は組合員数も多く地区も広汎でありますので、総代を必ず総会に於て選挙するということは、ときに非常な困難を伴いますので、これを全組合員の意思が公平且つ容易に反映されるよう、地区別に選挙区を設けて選挙を行うことが、その他定款の自由に定める方法に委ねることが必要であります。
 第二点につきまして、現行法は、総代の定数が常時組合員総数の十分の一であることを要求しておりますが、協同組合は自由加入、自由脱退を原則とするため組合員数は常に変動いたしますので総代の定数に関しまして一定の基準時点を明確にすることが必要であります。
 第三点は現行法によれば、総代の任期には制限がありませんが組合民主化の見地から総代の任期の最高限を定め、組合員の総代に対する批判の機会を與えようとするものであります。この際総代の任期は、役員のそれと歩調を合せて最長三年とするのが妥当であると考えております。
 本改正案は、法律案としては極めて簡單なものでありますが、先にも述べました通り市街地信用組合の信用協同組合への組織変更に関連し特に急を要しますので、何とぞよろしく御審議の上速かに御賛成あらんことをお願いいたす次第であります。
#5
○委員長(高橋啓君) 本件に関する審議は次回で十分やりたいと思いますが、この際短かい時間だけ御質疑を願いたしと思いますが、御異議ありませんか、若しありませんでしたら次回に讓りたいと思います……。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(高橋啓君) 直ちに帝石法の質疑に入りたいと思いますが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(高橋啓君) それでは帝石法の質疑に入ります。
#8
○下條恭兵君 帝石法の改正につきまして二三の点をお尋ねしたいと思いますが、石油が産業活動に非常に大きな影響を持つものであるということは、私が今更申上げるまでもないと思うのでありますが、国産原油につきましては、石油類の需要額が厖大なものであつて、一方国産原油がその一割見出しかないという点からしまして、一般国民の国産原油に対する認識は非常に低いと思うのでありますが、これはまあ以上申上げましたような状況で止むを得ん点だと思いますけれども、政府の方でもこの国産原油に対して非常に軽く考えておるのじやないかという疑いを持つておるものでありますから、従つて私は以下二、三のことをお尋ねしてみたいと思うのでありますが、先ず第一に私がお尋ねしてみたいと思いますのは、この提案理由の説明の中に帝国石油会社が特殊会社としての性格を変更しまして、商法による会社として存続させる必要があります云々と述べておられるのでありますけれども、この帝国石油を改組する場合に、私共はこれが地下資源であり又液体資源であつて、而も日本の油田が外国の油田よりももつと深層にあつたりしまして、技術的にもむずかしい点があつたり、こういうような関係からしましても、私はむしろ特殊会社としての存続が不可能な場合には公社形態かなんかにして、国営でやる方が民族の財産を丁重に扱い有効に利用するという意味からして、よいのではないかと考えておるのでありますけれども、政府におきましてはこの変更に対してそういう点の御研究なすつたことがあるかどうか、こういう点を先ずお尋ねしたいと思います。
#9
○政府委員(宮幡靖君) 下條委員の御意見の点は国産原油が全体の消費見込額に対して一割程度である、今後いよいよ地下資源の開発を行わねばならないという見地から申しまして一つの見方だと存じております。併しながらこれを国営方式がいたしたがよろしいか、或いは今回帝石法を廃止いたしまして、特殊会社として民間の企業意欲に訴えまして、これをやらした方がよいかというところに暫らく決定的な議論はできないものだと考えますが、地下資源の開発の重要性、特に石油鉱業に対しまする国内資源の不足を、どうしても解決していきます一つの方法といたしましては、この帝国石油等の会社が民間の自由企業となりましても、国家といたましては適切なる助成をいたしまして、新たなる油田の開発その他の点につきまして、怠らずこれを指導して参りたい、又奬励して参りたい、かような考えから所要の予算等も組んであるわけでありまして、このところ暫く一つ民間の企業意欲に訴えまして、民間人のお持ちになりまする創意工夫の下に、一つ乏しき資源をより多く開発のできます方向に、政府も共にやつて参りたい、かような考えを持つている次第でございます。
 尚詳細な数字等につきましては鉱山局長からお答えることにいたします。
#10
○政府委員(徳永久次君) 私から数字に亘りまして附属して申上げたいと思います。この国会に提案になつております予算の中に、資源の開発行成のための費用としまして、石油関係では約一億三千万円の地質調査及び試錐の助成金が組んでございます。これはまあ今後の資源開発に相当な危險も多いことでございますが、昔からある制度でございますが、依然として引続いてやりたいという考えの下に、只今申しました金額を入み予定いたしておるわけであります。さようにいたしまして終戰後同様な措置を続けて参つておつたのでありますが、新らしい資源の発見と申しますか、推定といたしまして約千四百万キロぐらいあるのじやなかろうかという地質の專門的な人の見込になつておつたのでありますが、その確定的な埋蔵量として畑明いたしましたものは終戰後逐次増加いたしておりまして、二十一年頃約二百万キロものでありましたものが、最近ではその後の探査試錐の結果約三百五十万キロぐらい確定埋蔵量として増加して参つておるわけであります。勿論この数字は現在の生産の数字との比例的な関係から申しまして、もう少し生産量に対する確定埋蔵量の割合というものを高めるごとく所要の調査というものをやることが必要であろうと思います。差当り私共の目安といたしておりますることは、まあせめてそのときどきの生産額の十五年分くらいの確定鉱量を持つべくやりたいということを目安として努力しておるわけであります。終戰後のやり方は御承知と思いますが、どこの地点をどう開発したらよいかということにつきまして、日本の最高の專門的な知識経験を持つておられる方々のお集まりの下に審議会を設けまして、そこで総合的に相当精密な全員の研究の下に、どこからどういうふうに手を載けたらいいかということで組織的に探査が行われているというようなことが、私共その成果に非常な期待を持つておるというような状況であります。幸い先程申しましたごとく、逐次終戰後成績が向上して確定鉱量が増し、それによつて石油業の基礎としての事業の基礎が逐次増加しつつあるという工合に見ておるわけであります。
 それからもう一つの大きな問題は石油の値段がどうなつて行くであろうかということであります。これは前国会の際におきましても、皆様から国産資源について重大な関心をお持ち頂きまして輸入の原油が安いようだか大丈夫かというようなお尋ねがあつたことを記憶しておるわけであります。その後現実に原油が若干入つて参つておりますが、これもまだ十分軌道に乗つた入り方というところまで考えが来ておりませんので、只今までのデータだけで輸入を予測するにはは若干資料が不十分だということはございまするが、態勢としまして原油の値段が現在のマル公を決めました際よりも相当下つておるということは橋らかでございまするし、その際に国産原油地下資源の開発の最終点にどういう影響を及ぼすであろうか、又及ぼすものの解決の仕方をどういう具合にしたらいいものかということにつきまして、まだ最終的な結論を得るに至つておりませんが、一つはまあ関税の問題としてこの前も研究しておりましたところを御説明申上げたのであります。関税の問題につきましていろいろと関係方面とも折衝を続けられておりまするが、十分時間的に早急の結論が出そうにもないような気配も感ぜられまするし、そうなりますると関税以外の方法ということも我々としては考えらるべきではなかろうかということで、只今輸入原油と国産原油との価格のプールというようなことを、これを只今事務的には考え方の問題になるのであり、或いは計算上の問題等折角今研究中でございまして、まだ十分関係方面と折衝する段階に至つておりませんが、日本政府部内の事務当局間におきましては或る程度そういう方向でやるということで、適切な方法として十分行い得るという程度の原則的な或る程度の了解は得ておりまして、まあ折角作業をやつておるというような状況でございます。
#11
○下條恭兵君 只今鉱山局長から大変御親切に、私がお尋ねした範囲よりも遥かに越えて全般的に御説明頂いたのでありますが、私も時間の節約上要点だけお尋ねしますから、お尋した要点だけについて一点ずつお答え願いたいと希望いたします。私が今お尋ねしましたのは大体民営に移す前に国営か何かの方法も検討されたかということをお尋ねしたのに対しまして、政務次官からは先ずどちらがいいか分らんから、取敢ず民営にしてみるのだというお答えがあつたように思うのでありますが、それは政府の見解がそうであるとすればその点はそれといたしまして、今民営に尚且つ資源の開発が十分できるような措置を講ずるというお話であつたのでありますが、大変結構なことと思います。で私は試掘の点についてお尋ねしたいと思いますが、大体私の聞いている範囲におきましては、一本の井戸を試掘するのに場合によれば二億或いは一億ぐらいの資金が必要だというふうに聞いておりますが、そういうところへたつた一億三千万ぐらいの助成を出しまして、そうして而も国産原油の開発ということが十分して行けるというふうに政府の方ではお考えになつているのかどうか、この点を一つ伺いたと思います。
#12
○政府委員(宮幡靖君) お尋ねの点御尤もだと思いますが、一億三千万円の助成金で以て十分だと考えておらないことはもとよりであります。のみならず今度鉱業裁術の振興という面から考えまして特段の手配をいたしまして、毎年次におきましてこれらに要しまする予算措置をできる限り大きく、財政事情の許す限り大きく計上いたしまして一層これを続けて参りたい。ただ本年の一億三千万円というものはこういう方向に向うのだという方途を示したようなものでありまして、甚だ御不満の点もあろうと思いまするが、現在の事情といたしましては、基本的な考え方を示す数字といたしまして或いは御指摘のような二億かかる井戸もありましようし、一億の井戸もありましよう、その点も十分考えまして、若し企業資金が御入用の方に対しましては、その個々の件を取上げまして、でき得る限りの御斡旋その他の方法によりまして足らざるところを補いつつ、結論といたしましては資源の開発ということには重点的な一つの政策としてお仕事は民営にお願いいたしまするけれども、これらの開発を怠らない、そういう点について遅れて行かないという施策については今後ますます努力を加えて参りたいと、かように考えておる次第であります。
#13
○下條恭兵君 私はよく知りませんけれども、確か石油資源開発法というのがあつたと思いますが、そうして現在も尚生きているのだというふうに聞いておりますが、その法律との関係はどういうふうになつておりますか、ちよつとお尋ねします。
#14
○政府委員(徳永久次君) あの法律は現存して生きておるわけでありますが、実は若干あの法律が戰時中の立法でございまするので、この帝石会社法を廃止いたします際に、できますならば若干の手直しをいたしたいという工合に考えておつたのでありますが、これは政府部内でも十分に意見がまとまりませんが、遂にこの国会に間に会わなかつたというようなふうになつております。併しながら大筋といたしましては、あの法律は開発を助成いたします際の助成金のやり方、及びそれに関連いたしまして助成金を貰いました企業の国に対する義務、というようなものを規定いたしておる法律でございまして、この点につきましては現行法のままでも運用がどうにもつかないというようなことはないのでありますが、若干まあ政治的なその際の字句がちらちら残つておる点に差障りがあるだけの問題でございます。
#15
○下條恭兵君 私は実は先程申しましたようの、国営でもないとなかなか十分な開発はできない事業の性質を持つておると考えておるのでありますが、併しこれを民営に移されるにつきまして、少くもこういう民営であるが尚且つ政府が相当バツク・アツプして企業が安心してやつていけるといる態勢を作つて、民営に移すのが私は親切なやり方であると考えておりますが、事務的にただ間に合わなかつたかどうか知りませんが、事務的に間に合わなかつたとすれば止むを得ないが、近い将来に十分強化して、民間の石油鉱業が安心して経営できるよう、自由企業である民間の石油鉱業の経営者が安心してやつていけるという態勢を作る必要があると思いますが、そういう点についてこの際政府は或いは次の国会でこうするとか何とかいうことをはつきりおつしやつて頂く方が、これは今民営に移す石油会社にも少くも万を越える従業員がいると思いますし、これに附随した関連産業の方の従業員なんかを加えると厖大な数になる者の、つまり生活権に対する将来の見通しの問題にもなると思いますので、この点に対してはつきりした見通しを承わつておきたいと思うのでございます。
#16
○政府委員(宮幡靖君) 国営にすることを考えないか、或いは国営にした方がよいのではないかという御意見はこれは承わつておきますが、今度この帝石が民営に移りますということは、政府の考え方だけでいたしたものでないこともこれも又御承知のことと存じますが、帝石が解体しなければならなかつたことは、御承知のように経済力集中排除法の指定に基くものであり、従つて組立てられましたものは再建整備法によります戰時補償打切りによります損失約三億かを補填いたしまして、新たに発足いたしましたいわゆる民間会社としての性質を持ちました第二会社が、今度自由企業の形で残るわけでございまして、根本から国営を排除いたしまして民営に持つて行つたという趣旨でないことを、是非御了承を頂きたいのであります。
 尚石油資源開発法の問題は、政府出資の株式の処分ができますことは、前国会でお願いいたしまして御協賛を頂いたのでありますが、その当時においてもたびたび御説明申上げましたように、石油資源開発法が実態に副わないならばこれを十分改正いたして行きたい。只今鉱山局長から事務的の都合で今国会に提案の運びに至らなかつたことも申上げましたが、御承知のようにこの初夏か或いは盛夏の時期になりますか分りませんが、大体臨時国会の召集も予想されておりますので、是非ともその時期までには諸般の状況を勘案いたしまして、成案を得まして皆様の御審議に備えて参りたいと思うのであります。
 結論といたしましては、現在の推定埋蔵量二百四十万キロというもの、一千五百万バーレルくらいに当るでありましようか、そういうようなものと全体の世界の石油の地位に対します割合は大体二分三厘か四厘に当つておると考えております。こういうものを絶対的に国産原油ですべてを賄うというところまで推進すべきか、或いは或る程度の現在の基準を保ちでき得べくんば石油の増産、かような方面に行くべきかというところにこの開発法を改正する本当の狙いがあろうと思います。御指摘の十万に余る従業員に不安を與えるようなことは非常に困ると、この点も十分勘案しなければならないことでございますので、これらも考えましてでき得ましたならば次の国会に是非とも石油資源開発法というものの一部改正等をいたして行きたいと思います。勿論それによつて所要の予算措置が必要があるならば大蔵省にも要求いたしまして、補正予算等の手配等もいたして行きたいとかように考えます。
#17
○下條恭兵君 大変明確に政務次官からお答え頂きましてその点は大変結構だと思います。是非そういうふうに御盡力を願いたいと思うのでありまするが、次に私お尋ねしたいと思いますのは、私は冒頭に一割しかないという関係からして、軽く見ておられるのじやないかというふうに指摘したのでありますが、只今のお言葉の中にも、国産資源が貧弱だから或る程度以上の開発はできないのじやないかというお話があつたのでありますけれども、これは石油の需要量が非常に厖大であるために、金額的にいうとなかなか大きいものだと思うのです。従つてこの国産の仮に二十万トンか二十五万にしましても金額に直しますと、これが二十億になるか、二十五億になるか、つまりそれだけのものが私は輸入を防止し得ると思うのです。そこでつまり国際收支の面からいつても、貿易政策の面からいつても、そういう観点に立つてこの国産原油というものを検討してみる必要があるのじやないかというふうに考えますので、特に最初から政府の認識の点について疑問を持つておつたわけでありますが、そういう考え方からすると、私は仮にこの二十億としましても、輸入価格に直しても少くも二十億以上のものが、国内に出ておつて、これだけのものが輸入をそれだけ減らし得るのだというような考え方に立つことができると思うので、そうしますと輸出で逆に二十億稼ぐということはなかなか大変だと思いますから、これは何らかの方法を講じて、政府は助成してでもなんでも国産原油を殖やせばそれだけどる資金なりポンド資金が節約できるというか、そういう方向に持つて行こうという考え方を持つておるのです。
 先程鉱山局長から為替政策の問題がありましたが、この点につきまして政府は近いうちに国産原油が現在九千幾らですか、それから輸入繁油だと六千円ぐらいだというふうに考えておりますので、この差額をその面から国産原油を保護する意味の保護関税をかけるようなことに対して、どの程度お考えになる準備を進めておるかとを尋ねしたいと思います。
#18
○政府委員(宮幡靖君) 前段下條委員からおつしやいました御意見につきましては全く同感でありまして、同時に政府が一割しかないからこれを軽く見ておるのじやないかというような響きに、若し私共の答弁がなつておりましたならば、それは言葉の言い現し方が惡かつたのでありまして御了解を頂きたいと思うのであります。大体只今向つております大方針としましては、地質調査研究所とか、試験所というものが通産省の中に設けられておりますが、戰時、戰後を通じまして、今日までは予算の関係もありましようがいろいろの事情に迫られまして余り活溌に活動しておりません。石油によらず地下資源のすべてを睨み合せますと、これらの研究機関をよりよく活動いたしまして、お説のように一割のものならば、せめて二割なり三割なりそうした輸入原油或いは油入、精製油というようなものを防遏いたしまして、若干でも国際收支の均衡を図るために努力すべきである、この御指摘に対しては聊かも異論を持つておるものではございません。従いまして只今外国から繁油が入りまして、太平洋岸の四ケ工場の再開を許されております中で、私共の記憶では大体四ケ工場が試験操業と申しますか、本格的な操業を始めておるそれぞれの原油の種類によりまして、結果はいろいろ出て参りますが、只今のところで推定いたしますると、キ体国内価格で六千二百円乃至六千三百円程度になろうと思います。只今は石油の国内価格のマル公は九千三百二十五円、こういう程度でありまするから、三千円ばかりの開きとなつております。これをまあどういうふうに調整すべきか、その調整する狙いはもう下條委員の御指摘の通り国内の石油産業というものも保護育成するという以外にはございません。そこで価格公団によりまするプール制度を考えるか或いは輸入関税をかけまして、これによりまして願内産業に対する保護関税措置を講じまするか、この二つを検討いたしましたが、大体価格プールという点につきましては、現在の考え方といたしますればでき得べくんばこの方法を避けたいのであります。でどうしても熱意を以て解決しなければならない問題はこの保護関税設定でありまして、最近の関係筋との交渉では、その外の物件につきましても保護的な関税を設けることを順次許されておりますので、これらにつきましては若干の見通しも以ちまして、是非とも保護関税措置によりまして国産原油等の市場を惡化しないような方策をとつて参りたい。この可能性につきましてはこの際何月何日からどういう割合でというまでは進んでおりませんが、見通しといたしましてはこれらが可能ではないか、かような状況にまで進んでおる次第でございます。
#19
○下條恭兵君 只今の御答弁の方向は大変結構でございますけれども、果して国産原油が立つか立たないかというその税率につきまして、政府は大体まあ折衝中であればはつきりしたことはお答え願えないと思いますけれども、大体におきましてその国産原油が成り立ち採算がとれる程度に、或る程度の試掘なんかをやりながら会社の経営ができるような程度にかけられるお見通しでございますか。
#20
○政府委員(宮幡靖君) 若し保護関税政策を採るといたしましたならば、その效果が微温的であつてはならないと考えています。これはその保護の目的を達成する税率を許されるように交渉もいたしておるわけでもあり、又交渉いたしたいと思つております。これの可能性については、これを直接石油の場合について申上げることはどうかと思いますので、外の点で御説明申し上げますと、最近許されました自動車の輸入につきまして今回関税を設けることを許され、相当高率な関税であります、これは終戰後におきまして自動車工業が軍需工業に近いというので自動車の生産は極度に抑えられておりましたが、いろいろと折衝の結果只今では大幅にその制限が許されまして、いよいよ小型自動車のごときは輸出品として東南アジア地区等へ進出しなければならない、かような状況になりました。こういう場合におきましては終戰後抑えられておりました自動車工業の育成ということを考えなければならん。そこでこの自動車の輸入に対しましては輸入関税を今後設けまして、そうして国内にあつてかけておりましたいわゆる物品税を軽減いたしまして、消費者に対しましては輸入関税と物品税の負担によりまして従来と同じような形になる、併しながら生産者の立場から考えますと、この保護関税によつて国内の生産の原価が或る程度保護される、かようなことに成功いたしております。又繊維製品に対しまするレーヨン・パルプの輸入、或いはこれに伴いまするとSP、KPと申します繊維のパルプにつきましても、これが僅かでありますが国内品とカナダ、アメリカ物等では相当開きがありまして、これをこのまま輸入いたしますと、乏しい日本の資源を費やしつつ苦しい経営の中にありまするパルプ製造業者その外の関連繊維産業というものが至大の影響を受けますので、これ又交渉いたしまして、五%程度でありまするがこの輸入関税を認められまして、実施の段階になつておるような次第であります。保護関税として許されるといたしますれば、どうやら国内の石油の産業を守れると、こういう限界までは進めて行けるものであり、又許されるものであるとかように信じておる次第であります。
#21
○下條恭兵君 いろいろ懇切な御答弁を頂いて大変結構に存じますが、私は帝石は特殊会社であるために戰争中随分無理して経営させられて来ておつて、終戰後もまあ最近政府から提出された資料を見ましても随分産業も回服してきておりますけれども、多少の保護関税なんかを掛けて貰つても、現状維持程度の経営はどうか存じませんが、十分な改革をやつて行くというようなことに対しては、まだなかなかむずかしかろうと見ておりますが、その点についてはどうも宮幡次官と私と、国営論と民営論とで見解が違うようでありますから、これはもう議論しても始まらんと思うのでありますが、私が希望いたしますのは、あと帝石は法人税の特典が一、二年くらいでありますか遠からずなくなつて、このような免除の特典がすぐなくなると思いますし、そうした事態になりましても十分成り立つような措置を政府が講ずることを希望いたしまして、私の質問は一応これで打切ります。
#22
○委員長(高橋啓君) 外に御質疑はありませんか。ないようでありますから本件に関する質疑は大体終了したものと認めて差支ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○委員長(高橋啓君) それでは次回の委員会で本件に関しては討論の上採決を行いたいと思います。
#24
○下條恭兵君 実は今日社会党からの委員は私一人しか出ておりませんので、若し誰か質疑の希望者が出たら、討論の前に若干の質疑を一つ許して頂きたいと思います。これだけお願いしておきます。
#25
○委員長(高橋啓君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     高橋  啓君
   理事
           廣瀬與兵衞君
           玉置吉之丞君
   委員
           下條 恭兵君
           中川 以良君
           平岡 市三君
           境野 清雄君
          深川榮左エ門君
           山内 卓郎君
           駒井 藤平君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       宮幡  靖君
   通商産業事務官
   (資源庁鉱山局
   長)      徳永 久次君
ソース: 国立国会図書館
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