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1981/10/20 第95回国会 参議院 参議院会議録情報 第095回国会 地方行政委員会 第3号
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1981/10/20 第95回国会 参議院

参議院会議録情報 第095回国会 地方行政委員会 第3号

#1
第095回国会 地方行政委員会 第3号
昭和五十六年十月二十日(火曜日)
   午後一時四十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月十六日
    辞任         補欠選任
     川原新次郎君     岩上 二郎君
     梶原  清君     後藤 正夫君
     内藤  健君     鍋島 直紹君
     関口 恵造君     玉置 和郎君
     小野  明君     佐藤 三吾君
 十月二十日
    辞任         補欠選任
     玉置 和郎君     関口 恵造君
     鍋島 直紹君     田代由紀男君
     小谷  守君     和田 静夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上條 勝久君
    理事
                亀長 友義君
                名尾 良孝君
                志苫  裕君
                伊藤 郁男君
    委 員
                加藤 武徳君
                金井 元彦君
                後藤 正夫君
                関口 恵造君
                田代由紀男君
                原 文兵衛君
                小山 一平君
                佐藤 三吾君
                和田 静夫君
                和泉 照雄君
                大川 清幸君
                神谷信之助君
                美濃部亮吉君
   国務大臣
       自 治 大 臣  安孫子藤吉君
   政府委員
       人事院総裁    藤井 貞夫君
       人事院事務総局
       任用局長     斧 誠之助君
       自治大臣官房審
       議官       小林 悦夫君
       自治大臣官房審
       議官       矢野浩一郎君
       自治省行政局長  砂子田 隆君
       自治省行政局公
       務員部長     大嶋  孝君
       自治省税務局長  関根 則之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
   説明員
       行政管理庁行政
       管理局管理官   石坂 匡身君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方公務員法の一部を改正する法律案(第九十
 三回国会内閣提出、第九十四回国会衆議院送付
 )(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十六日、川原新次郎君、梶原清君、内藤健君及び小野明君が委員を辞任され、その補欠として岩上二郎君、後藤正夫君、鍋島直組君及び佐藤三吾君が選任されました。
 また、本日、小谷守君が委員を辞任され、その補欠として和田静夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(上條勝久君) 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○和田静夫君 今度の地方公務員法の改正案が通りますと、一九八五年から地方公務員に定年制が導入をされるということになるわけでありますが、私はまず最初に、一九八〇年代の後半、昭和六十年代というのは一体いかなる時代になるのだろうか、あるいはいかなる時代なのかということが考えられなければならないと実は思うのであります、また政策も、政府の側は責任を持ってそういう時代の展望というものを明らかにすべきだと、そういうような時代認識を持たなかったならば、私は法律案が立案をできるそういう状態にはない時代である、こういうふうに考えます。
 特に、私は本委員会のきょうの質問を命ぜられて、十二年前に皆さん方と定年制法案をめぐってたくさんの論議をやりました。あのとき私一人で恐らく五日間ぐらい皆さんと論議を交わしたわけでありますから、あの当時のことを思い浮かべながら、この十三年間でやっぱり雇用の状態というのは非常に変わってきたということに着目をいたしましたし、政治的、社会的、経済的、時代的な条件というものも大きく変化をしてきた。そういうことを考えましたがゆえに、私たちはこの法律案ができ上がった将来に向かって責任を持たなければならない、その将来というものはいかなるものであるか、その辺のところをまず自治大臣並びに人事院総裁と一応見通しを語り合っておきませんと、今後の問題については入り切らぬのじゃないだろうか。
 特に定年制という問題は、後ほども触れますが、公務員法体制ができるときには、十三年前にも論議をいたしましたが、私の諭理をもってすれば、日本国憲法上これは許容できない、したがって国家公務員法、地方公務員法にも定年制は導入をされなかった。本来ならば、亡くなられた前人事院総裁に参考人としてここにお見えに願って、立法当時の模様というものをお聞きをしなければ一歩も進まぬのじゃないかという感じを持っているのでありますが、そのことはいま不可能でありますから、論議の途中で、当時具体的に自治庁の内部で執筆をされた方、あるいは政府の内部で起案に当たった方々を参考人としてお招きして、次の機会にはそこらのところを掘り下げてみたいと、大臣の答弁によっては思っているのであります。
 ともあれ、戦後の公務員制度を抜本的に手直しする、定年制の導入ということはそういうことであるわけでありますから、そのような大改革を行うに際しては、八〇年代後半の雇用情勢、労働市場、そういうものについてある程度明快なイメージをお互いが持っていなければならないと思います。提案理由でも、高齢化社会が近づきつつあるとされているわけでありますから、高齢者の労働市場についてまずどういうような像を描かれながら本法律案を立案をされ提案をされたのか、ここのところを冒頭まず自治大臣並びに人事院総裁から、人事院総裁の場合は人事院のいわゆる書簡などをお書きになる際にどういうことをお考えになったのかということを含んで答弁を賜りたいと思います。
#5
○国務大臣(安孫子藤吉君) 昭和六十年代を展望いたしますと、必ず言えることは、非常に高齢化が進むということ、これはもう間違いのない事実でございます。したがいまして、雇用関係におきましても、経済が順調に発展しておる限りやっぱり労働力というものの欠如が出てくる。したがって、年をとりましても働く場を求めなければいかぬ。また、そういう職場もつくらにゃいかぬと、そういうことにはなるだろうと思うんです。どうしてもこの高齢化というものに対応するそうした社会建設をしていかなくちゃならぬ、こういうふうに思っております。
#6
○政府委員(藤井貞夫君) いま自治大臣のお述べになりましたことと方向は同じでございますが、私も、今後の社会情勢というものを展望いたしまする際に、一番大事な基本的な要因として挙げておかなければならないことは、何といっても第一にはやはり高齢化社会ということがあると思います。しかも、この高齢化というのは、単に平均余命が延びるというごとだけではなくて、元気な方々、健全な能力を持った方々の層がふえていく、総体的にいってふえていくということが一つあろうかと思います。
 それから、もう一点無視ができないのは、高学歴化ということだろうと思います。ことしの全体の動向等を見ますると、高学歴化の中で一番柱になります大学進学率というものがやや鈍化といいますか、頭打ちというような傾向が見えてきておるというようなことが統計上報告されております。ことしの場合はなるほどそういうことでございましょう。全体の国民の生活に対する態度等から見まして、この高学歴化、特に大学進学率が無制限にふえて一〇〇%近くまでいくということは、恐らく、そう近いうちに当然のこととして前提とするわけにはまいらないのじゃないかと思います。しかし私は、この高学歴化というのも、一進一退はございましても、やはり着実にふえていくということは必然ではないかという感じを受けておるのであります。
 したがいまして、そういう高年齢化と高学歴化というものは着実に進んでいく。その間において公務員の世界はどういう変動をしてくるだろうかという点、なかんずく公務の場においては国民のための行政を進めてまいります。その担い手であるわけですから、公正であることはもちろんのことながら、さらに能率を上げていく、そういうことを並行して考えてまいらなければなりません。そういうことから、やはりいろんな面であらかじめ施策を漸次進めていく。何か事が決定的な段階に来たときにあわてふためいてやるというようなことではこれは間に合いませんので、大体の展望というものを頭に描きながらこれに対応する施策というものを着実に逐年的に行っていかなければならぬというふうに感じておる次第でございます。
 そういう意味で、先生も御承知のように、人事院といたしましてはこれらの情勢の変化に対応いたしまして長期的な施策を考えていかなければならぬ時期に来ておるということで、去年の給与勧告に際しての報告でそのことを指摘をいたしまして、それらの展望のもとに長期施策というものを考えていかなければならぬということを申し上げました。それを受けて本年度から本格的にこの作業に従事をするということを決定をいたしまして、本年の勧告においてもその旨を明確にいたしたのであります。
 これは、事柄は単に給与ということだけではなくて、それらの社会情勢の変動に対応するものとして任用制度全般、それから給与のあらゆる面における再検討、その地やはり研修の問題、それらを含めまして、また、さらにはやはり能率の問題等も含めて長期的な対策を立てていく必要があろうということでこの方針を宣明いたした次第でありまして、本年度を起点にいたしまして本格的な調査に入り、私の考えといたしましては大体六十年をめどに長中期対策が実施に移せるように諸般の事柄をやっていかなければならぬのではないかというふうに考えておりますが、それもやはり将来の展望としては今後における日本の必然的な進む方向、いわゆる高年齢化とそれから高学歴化とこれに対応する施策というものを着実に進めていかなければならぬという観点から来ておるものであるというふうに私は考えております。
#7
○和田静夫君 大臣、一般的に、いまの人事院総裁の御説からいっても、高齢者の労働市場の需給関係ですね、これはかなり厳しくなるだろうというふうにとられますが、その辺は一体どういうふうにお考えになっていますか、具体的には。
#8
○国務大臣(安孫子藤吉君) 労働市場はある程度苦しくなるのじゃなかろうかと、こういうふうに思っております。
#9
○政府委員(藤井貞夫君) これは、いろんな要素がございますので、私の立場として将来どういうふうになるかということを断定的に申し上げるのは無責任になると思いますけれども、大きな方向といたしましては、高年齢化というものが進んでいくということになりますれば、やはり労働市場というものは楽観を許さない。そのほかに、世の中が進展し、機械化が進んでまいりますと、どうしてもロボットの普及だけじゃなくて、やはり全体の合理化というようなものも進んでまいりますので、それらの間において労働市場というものは非常に厳しくなるという方向ではないかというふうに推測をいたしております。
#10
○和田静夫君 そこで、人事院では昭和六十年、六十五年、この辺の労働市場の需給ギャップとでも申しますか、そういうものをどういうような程度に見積もられているわけですか。特に六十歳以上の需給ギャップは総裁はどういうふうにお考えになっていますか。
#11
○政府委員(藤井貞夫君) これも社会経済全般のこれからの進みぐあいというようなものを見きわめませんと、はっきりとした断定を下すことは危険だろうと思います。ただ、先刻私が申し上げましたように、単に老齢化が進むということでなくって、やはり生きがいといいますか、そういうものを同時に進めてまいりますことが、大きく言って、福祉社会の建設ということから言ってこれは大変大事なことでございますので、したがいまして、能率の問題を考えますると並行して、やはりそういう方々、高齢化された方々のいろいろの暮らし方というものについても、同時に検討を重ねてまいらなきゃならぬという感じでおります。
 したがいまして、その間において公務の場がいま申し上げたようなことでどういうような役割りをしていくかというようなことについても、諸般の事情等を掘り下げて検討して、長中期対策の樹立をやりまする際には、そういった点についてもある程度の見通しというものを立てていかないと、非常に現実に即さない絵そらごとになって、これは間違った方向に行く可能性がある。したがって、そういう点もじっくりと見きわめた上での対策が必要ではないかというふうに考えております。
#12
○和田静夫君 ちょっといまのところ自治大臣は、まず自治省としてどういうふうにお考えになっているのか、同じ質問で。
#13
○国務大臣(安孫子藤吉君) いま人事院総裁がお述べになりましたような方向であろうと自治省も考えております。
#14
○和田静夫君 私は、先ほどからの二人の答弁を聞いていると、いよいよこの法律案は要らないんだなという感じがするのでありまして、何も法律でもってわざわざ決めてもらわなくてもいいなという感じがいたします。もともとそういう立場でありますからあれですが、それぞれ自主的にその地域地域におけるところの経済の展望あるいは人口動態などというようなものをそれぞれの自治体が自主的に考えながら、御存じのとおり、勧奨退職が行われたり、労使間協議によるところの定年が協定をされたり、実施をされているわけでありますから、国が画一的に、明確な将来展望というものを示さずに、法律でもって決める、こういうような形というのはもう実は大変無用だというふうに思っています。
 その辺の論議は後ほどさらに深めますけれども、ことしの六月に雇用政策調査研究会の「労働力需給の長期展望」というのが出ていますが、これは大臣も人事院総裁もよくおわかりだと思うんですが、これはじっくり検討をしてみますと、一九九〇年、昭和六十五年の失業率が一・八%になっているわけですね。これは全体の数字で、雇用者失業率は二・四%となっています。しかし、これは年率五%の成長を維持した場合の数字ということになっているわけです、成長率がもっと落ちた場合には、これは失業率は上昇する。まあいまのサッチャー政権下におけるイギリスのような状態になるのかもしれません。日本経済がいまのような状態を維持すればそれでもよいかもしれませんけれども、しかし、そうはいかないんじゃないですか。これは後ほども触れたいと思いますけれども、日本の経営者の八二・四%が一九八〇年代スタグフレーションに落ち込む、しかもそれは内的な事情ではなくて諸外国の外的な事情でもってそうなっていくんだと、こういうことを明確に経済企画庁のアンケートに答えているわけでありますから、そういう時代がやって来る。
 そうすると、経営者やエコノミストの八割以上が八〇年代は日本はスタグフレーションに落ち込むという予測をする。経済白書だけが――これは政府が出したものですから自治大臣も関係があると言えば閣僚として責任があるんでしょうが、第二次石油ショックで日本がスタグフレーション化しなかったのは、経済白書の言葉をかりれば、われわれ政策担当者の政策運営のよろしきを得たからだと、創造性白書などと自画自賛しながらことしの経済白書を出しているわけですね。一方では賃上げがマイルドであったからという前提もあるわけでありまして、日本の労働者階級はまだ力がないからおかげさんでこういうことになった、こういうふうに、大変政府側は高姿勢で誇示されているわけです。そうすると、こういうような経済白書の自画自賛というものがいつまで通用するのだろうかということを実は考える。
 人事院、自治省は、昭和六十五年の六十歳以上の失業率が仮に四%実質成長率のときにどのぐらいになるとまず踏まれましたか。それから、三%成長率のときにはどのくらいになると自治省は見られましたか。あるいは、人事院総裁はあの報告を出されるに当たってこの辺をどういうふうに踏まれましたか、まずお答え願いたいと思います。
#15
○政府委員(大嶋孝君) 自治省の方でどういうふうに見たかという御質問でございますが、正直に申し上げまして私の方に適切なデータはございません。
#16
○政府委員(藤井貞夫君) いま御指摘になりました資料の問題でございますが、これは、われわれの方で政府に対して書簡を出しました際には、それはまだ出ておりませんでしたので、そのこと自体は私の頭の中では参考にいたしておりません。ただ、全体の見通しとしてはやはり頭の中にそれとなき資料というものがございますし、そういう点も腹の中におさめながらやってきて、非常識なことにならないようにという配慮は結果的にはいたしたつもりでございます。
 要するに、将来の雇用市場あるいは労働市場というものの需給状況等の問題もむろんこれは大事なことでございましょう。ございましょうが、国家公務員について定年制をやらなければならぬというふうに考えましたことは、民間との対応の問題がございまするし、それと、話は少し具体的になりますが、勧奨退職その他の点でなかなかむずかしい面がどんどん出てきた。従来円滑に推移しておったものが、機能してきたものが十分に機能しなくなってきた。その機能しなくなる度合いというものが、将来のことを考えれば、ますますそれが濃度を増してくるということになるのではないだろうか。そういうような現実の見通しの問題に立ちまして、立脚点に立ちまして、問題はやはり新陳代謝その他のことを促進をいたしまするためには必要ではないかという施策として打ち出したというのが書簡の精神であったわけでございます。
#17
○委員長(上條勝久君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#18
○委員長(上條勝久君) 速記を起こして。
#19
○和田静夫君 人事院がいま見えましょうから、それまでの間ですが、ちょっといまの自治省の答弁、大変不満でありまして、それじゃもう論議にならぬわけで、自治大臣、やっぱり、ちゃんと政府の関係の調査研究会が出した資料に基づいて私は質問しているので、私が当てずっぽうに言っているわけじゃありませんから、ここのところは明確に、四%成長率のときの失業率、三%成長率のときの失業率、この辺のところの合意が成り立たなけりゃ、もうこの法律案要らないわけですよ。
 いま人事院総裁が、お帰りになってから言うのはあれですが、退職勧奨の問題だって、どこかで詰まっているようにお話しになりますけれども、大変みんな良識的に職員団体は構えていまして、それじゃ、たとえば金井先生がいらっしゃった兵庫県で詰まっていますか。自治大臣がいらっしゃいました山形県で詰まっていますか。能力のある首長のところでは、まあ加藤先生も一緒でありますが、当事者能力のある首長のところでは全部スムーズに動いているんですよ。そんなことを言っちゃいけませんけれども。雇用の状態も、縁故関係で、どこどこの町会議員や村会議員がこういう形で持って来られた方をこういうふうに入れましたというような形の町村で詰まっているんでしょう。そんなものの救済措置、無能力な首長たちの救済措置をこれでやろうと、そんなあなた便法はありませんよ。したがって科学的な数字でもって合意ができる、こういう状態になりたいと思うのです。
 あえて申し上げまするならば、この委員会だって十二年前は与党が絶対多数でありました。与党絶対多数、野党は全くわずかしかいなかったんです。しかし、お互い論議をしましょう、そしてどちらの論理に合理性があるか、それによってこの法律案は取り扱いましょうと。与党の皆さん方、各省の次官を経験せられた方、あるいは県知事を経験された方、首長を経験された方、皆さん方お聞きになっていて、時の文部次官を経験された内藤地方行政委員会委員長は、それは自治省側の答弁に無理がある、和田質問の方が合理的である、よって法律案はやめましょうということで、十二年間これでとまってきたわけであります。
 私はきようはそういうつもりで、与党の皆さんにも十分経験を踏まえながら、お聞き願いながら、無理を言っていないというところで合意が成り立つか成り立たないか。この法律案の取り扱いは私はそういうものだと思うんです。それこそ天井がない状態でもって雇用をされて入ってきて、そして五十五というような形で将来設計を考えているそういう人たちが、いま六十ではっとやられようとするんですからあたりまえのことなんでして、少し合理的な数字の答弁をお願いをいたします。
#20
○国務大臣(安孫子藤吉君) またデータにつきましては説明をさせますが、いまおっしゃるように、円滑にいっているところもあるかもしれませんけれども、円滑でない度合いが非常に伸びておるわけですね。これはもう事実です。だんだんとそのことはむずかしくなってきておる。
 それから、十年前にやっぱり非常に困っているところもたくさんあったんです。そこで地方団体といたしましては、どうしてもこれは定年制をしいてもらわにゃならぬということは長年の間の地方団体の一致した意見であったわけでございます。だんだん情勢が、その事態が顕著になってきておりますので、ぜひこの際定年制をしくべきであろう。当時は国家公務員についてございませんでした。今回は国家公務員につきましても定年制というものが制定をされた。したがって、地方公務員についても定年制を実施するということがきわめて必要であると、こういうふうに考えているところです。
#21
○政府委員(大嶋孝君) 先ほど申し上げましたように、経済企画庁なり労働省の方で一度調べました上でこの数字については、また御説明を申し上げたいと思っております。
#22
○和田静夫君 これ、理事会の取り運びにしてもらいたいんですがね、ここのところは非常に重要で、これから論議をするのに基礎的な数字ですから。したがって、休憩時間があるわけですね、この休憩時間が終わるぐらいまでには出ようか、あるいはそこのところで出ないと言うのならば、恐らくきょう私の質問が残るわけでしょうから、二十二日に私の質問になるのか、そこまでに出すのか、その辺のところをちょっと理事会で……。
#23
○委員長(上條勝久君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#24
○委員長(上條勝久君) 速記を起こして。
#25
○政府委員(大嶋孝君) 早急に関係省と相談をしてみたいと思っております。
#26
○委員長(上條勝久君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#27
○委員長(上條勝久君) 速記を起こして。
#28
○和田静夫君 それで、人事院お見えにならぬものだからあれだが、もう少したったら来るんだそうですが、自治大臣、これ、何もいやがらせで言うつもりは全然ありませんけれども、いまの答弁ちょっと気に食わないのは、前々から非常に希望していたんだと、こう言うんですが、安孫子さん最初の知事のときは私は政策協定をやった覚えがありまして、よく思い出していただきたいんですよ。あのときだって、山形県職と、そして食糧庁からお見えになる安孫子さんと、いわゆる党との関係におけるところの政策協定が終わった後、三十年、三十一年に向かって定年制の論議が非常に高揚しているときでしたから、何も安孫子知事候補ばかりではありません、当時の長野の知事候補、あるいはここに議席をいまお持ちになっている岩上さんなどなど、あるいは新潟の北村知事など、私は中央のある責任者でありましたから、全部細かく定年制についての御見解を求めました。それについては、いわゆる労使間合意の上でやっていけるものであるから、将来にわたって――まあ長い将来であったかどうかというようなことは別問題として、いわゆる法律事項や条例事項として取り扱っていくというようなことについては、そんなことは考えませんと。それじゃひとつ安孫子藤吉さんやろうじゃないかということでもって、画期的な知事選挙が行われたことをいま思い浮べるわけであります。
 そういうようなずっと経過を踏まえながら、実はもうほとんど良識的にそれぞれ話が進んできているんですよ。詰まっているのは、大臣がどんなに抗弁されようとも、それはもう当事者間におけるところの能力がないところなんですよ。この辺のところは、当事者能力を持たせるようにさえしていけばちゃんと解決していく、そういう筋合いのものであるということだけを申し上げておきますよ。
 それで、何かこうわれわれは定年制に全部、一定年齢でもってあれしていくことに全く何でも反対だという立場で反対しているようにとられても困りますので、われわれはこの法律条項なりあるいは条例というようなものでもって制限が加えられていく、雇用の条件に制限が加えられていく、そのことは間違いだ。後ほどもう一遍憲法論に戻って――私は憲法違反である、したがってでき上がった国家公務員法も憲法違反だと思っているのでありまして、国家公務員法ができ上がったから地方公務員法もという論理にはなりません。これはもう憲法違反問題は後ほど論議をいたしますが、そういう立場で論議をさせていただいているということだけをまずひとつこの機会に申し上げておきますが、その辺は御理解願えますか、
#29
○国務大臣(安孫子藤吉君) ずいぶん昔の話をいま出されたわけでありますけれども、まあそのときはそのときのことでございまして、十年、二十年たってまでそれに拘束されるという性質のものじゃなかろうと私は思っております。
 また、その当時から特に市町村におきましては、御承知のとおりにぜひ定年制をしいてもらいたいというのが一般的な議論でございました。そういう事情、それからまたその後における社会情勢の変化に応じまして、どうしても定年制というものをしいてもらわにゃいかぬというのが大体共通した自治体の意見でございます。やはりそういうものをも十分に尊重してわれわれはやらなくちゃいかぬ。
 また、国家公務員の定年制、いま憲法違反というお話がございましたが、しかしこれが法律として制定されておるわけでございまするので、これと平仄を合わすという意味におきましても地方公務員の定年制というものをこの際実施すべきであろうと、こういうふうに考えて御提案を申し上げているわけであります。
#30
○和田静夫君 そこで、この「労働力需給の長期展望」、昭和五十六年六月の雇用政策調査研究会のレポートでありますが、この長期展望は、実は今後の高齢者雇用問題につきまして非常に示唆深いことを指摘、提言をしているんです。十六ページでありますが、「今後は急速に高齢化が進展することから考えると、高年齢者の雇用のあり方はきわめて重要な課題となる。企業が若年者選考に固執し、中高年齢者の技能、経験を活用しようとしなければ、それは国民経済的損失をもたらすであろう。」と。国民経済的損失をもたらすであろうとまで指摘をしているわけであります。こういうような指摘に対しまして自治大臣はどういうふうにお考えになりますか。
#31
○国務大臣(安孫子藤吉君) それはそのとおりじゃなかろうかと私は思っております。
#32
○和田静夫君 答弁をうまくはぐらかされるわけですが、その辺はずんずん積み重ねていきまして後から論議をしていきます。
 人事院見えたようでありますが、先ほど人事院総裁からちょっと答弁をいただいたんですが、人事院はこの昭和五十四年八月の書簡の中で高齢者の労働市場に言及をされていますけれども、これは当てずっぽうですか。――前段、人事院総裁の答弁があったんですからね。
#33
○政府委員(斧誠之助君) 人事院が高齢者の雇用状況が厳しいということを申し上げましたのは、労働省の定年到達者調査、これは五十四年に行われておりますが、これで見ますと、五十五歳から五十七歳までの職員が退職いたしますと、雇用希望を持っておる者が五四%ぐらいいるわけです。
 それで、求人倍率の方はどうなっておるかと申しますと、これは労働省の年齢別常用職業紹介状況報告によるものでございますが、昭和五十四年で見ますと、五十五歳から五十九歳層では〇・二六、六十歳から六十四歳層では〇・一六というふうに、非常に求人倍率が低くなっておりまして、就職状況は大変困難であるという状況が見られておるということでございます。
#34
○和田静夫君 そうですね。
 そこで、さっき人事院総裁にも伺ったんですが、あなたの方は、昭和六十年、六十五年の労働市場の需給ギャップを、特に六十歳以上の需給ギャップというのはこのときはどういうふうに判断されましたか、もっと少し数字で教えてくださいよ。
#35
○政府委員(斧誠之助君) 特に六十年の状況がどうかという数字の推定はしておりませんが、先ほど御質問もありましたように、これから国の雇用政策として高年者の雇用促進ということも進められていくでありましょうということはございますが、しかし、現在のこの求人の実勢というものはただいま申し上げましたような状況でございますので、これがそんなに六十年までに、この高齢者雇用が非常に推進されるという状況はなかなか期待できないのではないかという想像をしております。
#36
○和田静夫君 そういう想像をされながら、六十年に定年制でもって数多くの人間をほうり出してしまえというような形の報告、書簡ということになっていくのはどういう筋道ですか。
#37
○政府委員(斧誠之助君) 定年制と申しますのは一新陳代謝それから定年までの雇用の保障、そういう両面から業務の能率面に非常に効果の大きい政策である。翻って公務員の状況を見るというと、次第にこの五十五歳以上層というのが年々増加してきておる。こういう高齢層職員がいまのような状況でなかなか引退しないということになりますというと、新陳代謝は阻害されますし、それから組織の活力というものも低下する、あるいは若者の昇進関係にも影響を及ぼすというようなことで、能率面への影響が無視できない。公務員の立場といいますのは、片や身分保障を受けて十分に保護をされなくちゃならないわけですけれども、片や国民に対して能率的な業務を提供するという、そういう両面がございますので、公務能率の維持増進という見地から定年制度はこの際導入するのが意義あることではないかという御意見を申し上げたわけでございます。
#38
○和田静夫君 人事院総裁はさっきそう述べられなかった。能力の向上というものは大変着実に前進をするだろう。こういうふうなことが第一に高齢化社会の中のあれとして述べられているわけです。あるいは、高学歴化、そういうものも一〇〇%一挙にいくとは思っていないけれども、着実に伸びていくだろう、そういうふうに述べているわけですよ。
 あなたは、言ってみれば能率面において首を切ることが効果が多いんだ、こういうふうに述べられているんですがね。これは大変答弁に食い違いがありますよ。ちょっと人事院総裁と調整してくださいよ。
#39
○政府委員(斧誠之助君) 昭和六十年に原則六十歳とする定年、これは現在の状況下における定年年齢としては非常に妥当である。これは政府側が民間に対する定年制の指導に当たってもそういう方針でございますし、民間側もいまそういう方向へ向けて非常な努力をしておる、そういうことで六十歳定年制ということの見解を述べたわけですが、将来に向かってだんだんこういう高齢化社会になります過程で、高齢だけで能力が極端に低下するというような状況も、次第に国民の健康管理でありますとか、あるいは社会活動の幅広さでありますとかというようなことから、だんだん見直しの場が出てくるということは人事院も否定しておるわけではございませんで、総裁はその点を申し上げたのではないかと思います。
#40
○和田静夫君 それだから、いまあなたが言われましたように能率の面でもって落ち込んでいく。そういうことを一つの年齢を基準としながらお考えになるということは、私は後ほども触れますけれども、大変な誤りがある、そう考えているわけです。
 後ほど触れるというのは、先ほど来問題にしているこのレポートです。このレポートの同じ十六ページで、「加齢とともに、労働生産性が低下するかどうかについて、一般的に低下するという見方が強いけれども、内外の調査結果には、そのような傾向が見出されないとするものがある。」、そういうふうに書いてあるわけですね。それで、通俗的な年齢とともに労働生産性が低下するという見解に疑問を提起しています。私は、今回のこの提案理由をずっと見てみまして、いま任用局長もお答えになったが、通俗的な高齢者能力低下説、そういうものをうのみにした上で行われている、こういう気がして仕方がないのです。
 人事院、自治省両方から承りたいんですが、この点の科学的根拠はどういうものなんですかね。これはまあ当然検討をされて立案されたんでしょうから、その検討結果をひとつつまびらかにしてほしい。
#41
○政府委員(斧誠之助君) 人事院としましては、たとえばですが、労働科学研究所の「労働の科学」という雑誌の四十年一月号に、加齢現象と心身機能の特徴というような研究結果が発表されておりますが、そういうようなものも参考にいたしました。しかし、いま現在科学的に加齢と労働能力というものを完全に結びつけるという、そういう何といいますか、公に顕著なといいますか、認知されたそういう研究成果というのはまだ出ていないというふうに人事院は思っております。
 ただ、たとえばいま申し上げました労働科学研究所の研究結果で言いますと、精神機能と知能要素とか、筋作業持久能力であるとか、あるいは速度に関係した運動機能であるとか、あるいは筋力とか、いろんなそういうものと加齢の現象の関係を一応研究しておりますが、その中に、加齢とともに減退してくる能力としては、筋力でありますとか、筋作業持久能力でありますとか関節可動度、それから精神機能、そういうものはだんだん落ちてくると。しかし、感覚機能と平衡機能とか、それから調節能力とか、そういうようなものはずっと持続されるというようなことも出ております。
 こういうものが一つの定説として日本の中で定着するようになりますれば、私どもの方もそれを大いに参酌したいというつもりでおりましたんですが、いろいろいろんな機関あるいは研究団体から試み的な研究発表は行われておりますが、これぞというものはまだなかったように思っております。一般的には、加齢とともに総合的ないろんな肉体能力、判断能力、記憶能力、そういうものはだんだん落ちていくというのが一般説でございまして、それによったということと、もう一つは、こっちの方がわれわれは重要なんですが、組織の活力の維持、それから組織としての能力発揮の条件、そういうものはやっぱり新陳代謝というのが非常に効用があるということの見方をとったわけでございます。
#42
○政府委員(大嶋孝君) 自治省におきましても、いま人事院からお答えにありましたようなことを基本的に考えております。高齢者でございましてもその能力あるいは勤労意欲というものには個人差があろうと思いますし、また、平均寿命の延び、健康管理の発達によりまして就労可能年齢も高まっていることは事実でございます。
 しかし一般的に言えば、やはり人の能力は一定年齢以後は漸次減退していくものでございますし、高年齢者は働き盛りの職員に比べると、程度の差はございましても、事務処理上の能率が低下することは否めないだろうと思います。したがいまして、高齢者の新陳代謝が円滑に行われないというような場合には人事の停滞をもたらす、そして組織全体の士気あるいは能率の低下ということにもつながろうと思います。
 そういう意味で職員の新陳代謝を促進をいたしまして、組織として能率の維持向上を図るということのために退職管理制度を整備するということは、これはやはり人事管理上必要であろうと、このように考えておるところでございます。
#43
○和田静夫君 このレポートの引用もいいかげんにやめますけれども、とにかくこのレポートは御存じのとおり私企業に対して国民経済的見地から協力を呼びかけているわけですよ。いまや私企業であっても、個々のエゴイスチックな利潤動機からの高年齢者の切り捨てをやめなさいと言っているわけです。そんな情勢に立ち至っているときに、公共部門が、科学的に説得できる材料を持たずに、また計算もせずに定年制を導入しようとしている。これは私は全く安易であって、時代錯誤的な提案であると言わざるを得ないわけです。
 さらに、御存じのとおり、この長期展望は、高年齢者の就業機会の確保のための提言を書いているわけですね。そして、「高年齢者の急増に対し、その雇用の安定を図るためには雇用に関するシステムとして、高年齢者の解雇とか離職が避けられるような仕組が必要である。」と、解雇とか離職が避けられるような仕組が必要であると二十一ページで明確に書いている。そして、「六十五歳程度の年齢まで雇用の延長が図られることが望ましい。」、こうしているわけです。
 この雇用政策調査研究会は、単なる民間の研究会でないことは御存じのとおりであります。「今後の長期的な雇用政策の目標と基本的な対策の方向について示唆することをねらいとして」と書いたわけですからね。それで設けられた研究会であると、こうなっているわけです一中
 そうしますと、今後十年間に高年齢者の解雇とか離職を避けようと、民間の私企業に対して政府の関係の研究会はめどを六十五歳とまで述べながら出している。そのときに、他方で公務員には六十歳定年を押しつけようとする。私はこれは政府の雇用政策にそごを来すものだと思うんですよ。ここのところをひとつ一体人事院の側、あるいは自治省の側、必要ならば労働省も来てもらわなければいかぬでしょうが、その辺ちゃんと明確にしてください。
#44
○政府委員(大嶋孝君) 今回の定年制度の導入につきましては、公務員の適正な退職管理制度をつくるということでございますけれども、この場合に、御指摘のように、高齢化社会に即応するための雇用政策にも十分配慮しなければならぬということは言うまでもないと思います、現在、政府におきましては、民間企業におきます定年制度が長期的に見ますと定年延長の傾向にあるということでございますけれども、五十五歳を中心といたしまして比較的年齢の低い者もかなりの割合を占めておる実情にかんがみまして、昭和六十年までに六十歳定年を実現するように指導しておるというような状況にあると理解をいたしております。
 今回の改正案におきましては、このような事情を考慮いたしまして、現在地方公務員の退職勧奨年齢がおおむね五十七、八歳というところでございますけれども、これを昭和六十年におきまして原則六十歳の定年制度を実現しようというものでございまして、政府の中高年齢者の雇用政策と矛盾するというようなものではないというふうに考えております。
#45
○委員長(上條勝久君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、鍋島直紹君が委員を辞任され、その補欠として田代由紀男君が選任されました。
 この際、午後三時五十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後二時三十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時三分開会
#46
○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。
 地方公務員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
 この際、休憩前の和田君の質疑に対する政府の答弁を求めます。大嶋公務員部長。
#47
○政府委員(大嶋孝君) 先ほどお示しの、「労働力需給の長期展望」につきまして申し上げたいと存じます。
 先生御案内のとおり、雇用政策調査研究会は労働大臣の私的な諮問機関でございまして、今後の労働政策の参考とすべき事項についての提言を行ってもらうということでございます。需給ギャップにつきましては、五%実質成長の場合について推計を行っておるところでございまして、その他のケースについては、これを推計することは非常に困難であるということで御理解をいただきたいと思います。当面、政府といたしましては、五十四年に閣議決定をいたしております新経済社会七カ年計画の達成ということに努力を傾注してまいるということになると存じます。
#48
○和田静夫君 大変不満なんですが、政府として、私が提示した三%あるいは四%の成長率に見合うところの失業率などの計算というのはなかなか出てこないと、こういうことでありますので、さらに具体的に後で相互で煮詰めてみたいと思います。
 ところで、休憩前にいろいろ「労働力需給の長期展望」――雇用政策調査研究会のレポートをもとにして論議をさせていただきました。それで、結果的に言えば、一方で高齢者の首を切るなということを提言をしているわけですね。ところが他方では、いま定年制を設けて首を切る、こういうことを政府はやろうとする。人事院の説明によりますと、高齢化社会になってきて高齢者の労働市場が狭くなってきていると言っている。そこで公務員の首は切るんだ、民間に対しては首を切るなと、たとえば行管の、勧告ではありませんが労働者の定年延長を指導強化する、こういうような形であります。ここのところは私には全く理解がてきないところです。
 しかも、人事院にしても自治省にしても、昭和六十年代の高年齢者労働市場についての明確なイメージをお持ちにならない。抽象的には大臣も人事院総裁も答えられましたが、しかし明快なものではない。また、高年齢者層の労働生産性の低下についても、先ほど来論議をしましたように、科学的根拠をお持ちにならない。これではらちが明かないわけでありまして、しかし、このことに基礎を置いていろいろ私は申し上げておったら何かいやがらせのようにも聞こえますから、このことはこのことで一応おくとします、おくとしますが、次回の委員会に、雇用政策調査研究会の会長、一橋大学の名誉教授馬場啓之助さんを参考人としてお招き願いたいと思います。
#49
○委員長(上條勝久君) 理事会において検討いたします。御相談いたします。
#50
○和田静夫君 ところで、昭和五十一年十月から、中高年齢者等の雇用促進に関する特別措置法、これによりまして、雇用率の設定による高齢者の雇用促進を行っているわけです。行管庁、どうですか。民間の基準に比べてどういうような水準にあるか、おわかりになりますか。
#51
○説明員(石坂匡身君) ただいまちょっと資料を持ち合わせておりませんので、恐縮でございますけれども、お答えできません。
#52
○和田静夫君 行革国会ですから、行管庁が主体のこの国会なんですからね。そういうことで皆さん方よく行政改革特別委員会に対処しているものだと思うのです。
 これ、自治省の方はどうですか。地方公共団体は民間の基準に比べてどういうような水準にありますか。
#53
○政府委員(大嶋孝君) 地方公共団体におきます全在職者中に占める五十五歳以上六十歳未満の人につきましては、十六万三千人余でございまして、全体の五・二%というふうになっております。民間企業におきましては定年延長の指導が行われておるわけでございまして、確かに高齢者の雇用の安定の視点から行われておるわけでございますが、一概に比較して論ずるというわけにはまいらないかと思っております。
#54
○和田静夫君 行管庁どうですか、国家公務員の状態はどうですか。
#55
○説明員(石坂匡身君) 五十四年の人事院の調べの数字でございますが、五十五歳以上で八万四千人、六十歳以上で二万一千人という在職状況になっております。
#56
○和田静夫君 基準との関係ではどうなんですか。
#57
○政府委員(斧誠之助君) 私どもの方で給与法上所管しております給与法適用職員についてお答えいたします。
 給与法適用職員は、五十五年で、五十五歳以上六十歳未満の者が四万三千三百八人でございまして、全体の約八%でございます。雇用促進に関する法律につきましては、基準が六%になっておりますので、ちょっと超えておるところでございます。
#58
○和田静夫君 これから高齢化社会を迎えまして、高齢者雇用の重要性が増進していくということがきょうの質問のやりとりを通じても明らかになったと思うのでありますが、この雇用率の設定は当然高まらなければならない。これは自治体であろうとも同様だろうと思うんですが、これは行政局長、いかがですか。
#59
○政府委員(砂子田隆君) いま大要申し上げましたように、五十五歳以上の人が全公共団体の中で約六%を占めることになるわけであります。こういう数字が、これからの高齢化社会に入ってまいりますと、当然にその部分がいまの年齢推計から言いましてもふくれ上がっているわけでありますから、その雇用を求める人というのが多くなってくるというのは当然だろうと思っております。
#60
○和田静夫君 この際、せっかくの機会ですから大臣にぜひお聞きしたいのでありますが、現在行政改革が大問題になっているわけですね、この論議の中で、小さな政府論というのがいわばファッションとなっています。大臣は、いまの日本の政府は一体大きいと考えられているのか、小さいと考えられているのか、どちらですか。
#61
○国務大臣(安孫子藤吉君) まあ適当なところじゃないかと思いますね。大きいとか小さいとかというのもこれは相対的な問題でありまして、大きく肥大しているわけでもございませんし、また、非常に少ないというわけでもありませんし、まあほどほどのところだろうと、こういう認識です。
#62
○和田静夫君 地方自治体はどうですか。
#63
○国務大臣(安孫子藤吉君) 地方団体になりますと、いろいろ議論がありまするように、最近におきましては若干低下いたしましたが、相当定数がふえているという事情はあるわけですね。そうすると、定数の関係だけで肥大化しているかどうかという判定をすれば、相当ふえておる事実だけは見逃すわけにはいかぬ。しかしながら、そのふえているということがいろいろな政策の面におきましてこれはふえているわけでございますから、もっと効率を上げるという問題はありますけれども、定数増という関係は、最近は停滞しておりますが、高度成長期におきまして相当ふえたということだけは否定し得ないだろうと思います。
#64
○和田静夫君 国家政策的な部分がふえているという意味でとらえておきませんと、全部ふえているんだというふうには、これは合意はできませんから……。
 ところで、中庸を得ているという、いい言葉で言えばそういうことの答弁で、小さな政府、大きな政府論であったわけですが、問題は、何を基準にしてはかられるわけですかね、ここを。
#65
○国務大臣(安孫子藤吉君) やっぱり行政の事務というものがそのファクターになるだろうと思うんですね。それができるだけ能率的に行われるかどうかと、こういう点が一つ問題があるだろうと思います。
#66
○和田静夫君 そうすると、効率のよい政府という場合に、何をメジャーにして効率をはかるということになりますかね、
#67
○政府委員(砂子田隆君) 小さな政府の議論というのは、国会の中で大変議論されておりまして、何をもって小さい政府とするかという基準を政府が示したことはまだありません。ただ、御質問の中で外国の公務員より少ないことでありますとか、あるいは日本の国の租税の負担率が低いとか、そういう議論はございました。しかし、私はやはりいま和田先生おっしゃいますように、全体的に日本の行政改革の基本になるのはやはり効率性の問題であろうと思っております。
 効率性は何によってはかるかというのはこれはまた大変むずかしいことだと思います。一人一人の能力を一々実証するというのも大変むずかしいことではありますけれども、私は、日本の政府自身がやはりスリムであってほしいと、こう思っているわけであります。非常に弾力的に人間が動ける、あるいはいろいろな住民からの需要に対して非常に小回りがきいて弾力的に動いていける、そういう公共団体であってほしい。そういうものが一般的に抽象的に効率的であるというふうに言われているゆえんであろうと思っております。
#68
○和田静夫君 もう一遍、ちょっとここだけ確かめておきますが、公務にとって効率とはどういうふうに考えたらいいんですか。
#69
○政府委員(砂子田隆君) 公務というものは、やはりこれは住民のサービスのためのものでございますから、そういうものが住民側にとりましてきわめて能率的にうまく住民のニーズに応じてくれているということがやはり基本であろうと思っております。
#70
○和田静夫君 私は、かつて一九六九年にやはり地方公務員の定年制導入に関しまして、当時、亡くなられた野田自治大臣、あるいはいまの岡山県知事の長野行政局長、鹿児島県知事の鎌田公務員部長の皆さんと延々と論議を交わしました。その際、私はまず何よりも憲法に保障されている基本的人権を構成するところの生存権的基本権あるいは労働権に照らして、定年制を法制化することが正しいことなのかどうかという論点を提起して議論をさせていただいたのであります。
 急遽当時の論議を読み返してみましたが、結局私はこの議論において納得のいく答弁を得ることができませんでしたし、先ほどもちょっと触れましたが、良識の府と言われるだけあって、参議院の与党の皆さん方もなかなか答弁が納得できない、したがって、御存じのとおりあの法律案は論議の中で廃案になっていった。与党絶対多数という、数の上では見えていた状態でありましたが、論議の中でああいう結末になったことは御記憶のとおりであります。
 それから十年余の年月が流れました。今日また定年制の導入が図られようとしているわけでありますが、前の国会のこの委員会での議論も詠みました。そうして、この十年前の議論、憲法に保障されている労働権との関係、そういうものは、国家公務員法の論議の衆参の通過の経過などを読み返してみても、結果的には定年制を法制化することが適法なのかという論点は残念ながら素通りをしています。
 そこで、私はぜひこの機会に、前の経験も思い浮かべながら局長にまずお聞きをしたいのでありますが、私がかつて論議として提起をした問題というのはすでに解決済みであるとお考えになっているのかどうか。
#71
○政府委員(砂子田隆君) 四十四年のころに地方公務員法の改正を提案いたしましたときの議論というのがほうふつされるわけでありますが、その中で、一つはやはり勤労の権利、憲法の二十七条の論議、あるいは二十五条の生存権に関する議論というのを大変やっておられまして、そのときにも、勤労の権利に関しましては当時の高辻長官からお話がございました。それから、生存権に関しましても、当局としてのお話は申し上げたつもりでありますが、当局としては一応御納得いただけたものだというふうに理解をいたしております。
#72
○和田静夫君 なかなか理解をしていないのでありまして、したがって引き続きずっと非公式には定年制問題というのは皆さん方と論議をしてきたつもりでいます。その基本はやはりあそこにさかのぼっての論議であったわけであります、
 私は、やっぱりこの問題というのは、定年制問題を論議するに当たっての前提的な問題である、そう考えます。
 そこで、二、三労働基本権と定年制問題との関係論とでもいいますか、そういうものを確認をしておきたいわけでありますが、改めて言うまでもありません、現行の日本国憲法は、国民の生存権、労働権をすべての国民に保障しているわけであります。このうち特に労働権は、この十九世紀的な自由権とは異なる性質のものとして、いわゆる社会権としてワイマール憲法以後二十世紀憲法の常識として確定されてきたと考えます。ここのくだりというのは野田自治大臣は素直にそのとおりですと前にはお答えになったと思うんですが、安孫子自治大臣もお変わりありませんでしょうね。
#73
○国務大臣(安孫子藤吉君) そのとおり心得ております。
#74
○和田静夫君 しかもこの労働権は、時代がたつに従って、実は職業選択の自由であるとかあるいは社会政策的な失業時の生活保障といったそういう消極的なものから、積極的な労働生活全般にわたる基本権として把握されるようになってきた。このことはもう認識は共通だと思うんですが、ここのところは局長いかがですか。
#75
○政府委員(砂子田隆君) 憲法の二十二条の職業選択の自由の問題がいま御提起になられましたが、やはりそれは、全体的に見まして、国民が自己の従事すべき職業というものを決定する自由を有するんだということがその憲法で規定をしておる問題であろうと思っております。そういう意味では、国民が特定の組織というものに当然に雇用されるんだという権利があるというふうな意味ではないというふうに理解をしておりますが、少なくとも、前段申し上げましたように、国民自身が自分の職業というものを自由に選択し得る権利があるということまでは全く同感であろうと思っております。
#76
○委員長(上條勝久君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#77
○委員長(上條勝久君) 速記を起こして。
#78
○和田静夫君 では、任用局長、ちょっと人事院総裁の分答えてもらいましょう。藤井さんがお書きになったようなことをいろいろ言いますから、お書きになった部分で、あなたが責任持てなければそこのところは――まあ答弁次第によってはとまりますけれどもね。
 いまも答弁にありましたけれども、憲法二十七条のこの規定というのを限定的な労働権の保障だとする見解があるわけですね、これは。皆さん方の立場。私は、これは労働権を具体的な権利としてではなくて、将来の政治、政策の基本的な方向を示したものであるとするわけなのですから、その立場に立つと仮にしましても、憲法制定以後三十年余りたったわけです。三十年といえば一世代の交代を意味するわけですね。その間、この基本的な方向を実現する方向で政策がずうっと立てられてきたわけですよ。これは自由民主党政府といえどもそのらち外に立ったわけじゃありません。憲法の趣旨からすればそうでなけりゃならぬわけですね。
 最近の労働法学の中でクローズアップされてきている雇用保障法の考え方にしても、実はそういう一連の流れの中でずっと出てきている。少なくとも私はそう考えます。また、これも有権的なものだろうと思います。一九六六年に施行された雇用対策法というのは、こうした労働権の拡張の事例の一つに挙げることができると私は考えているわけです。
 私は、この法律はいろいろと問題があることをずっと指摘をしてきましたけれども、少なくとも雇用問題を、失業対策から失業予防あるいは雇用の拡大、そういう形に転換したものと考えることはできると考えているわけです。現在の政府の労働政策の流れというのは、仮に憲法二十七条の規定が限定的労働権であるという解釈に立つとしても、私が言ったような形で進んできている、ここのところは、これは人事院総裁に本当は問いたかったんですが、人事院はそう考えていらっしゃるでしょうね。あるいは自治省もそう考えていらっしゃるでしょうね。
#79
○政府委員(砂子田隆君) ただいま二十七条に関します御議論がございました。この勤労権と申しますか労働権と申しますか、この議論は、いまおっしゃられましたような雇用保障法まで及ぶ問題ではありますが、もともと国家が、勤労をしよう、労働をしようという国民に対しまして、その職を与えるというために適当な雇用政策を講ずるというのがこの法律の根幹にあるものだと思っております。そういう意味におきましては、雇用保障法というのが、特定の職業につけるという意味ではなくても、少なくとも労働者の保護という観点から雇用を促進をしていくということに重点があったことは私はそのとおりだと思っております。
#80
○政府委員(斧誠之助君) ただいま行政局長からお答えしたと同じでございますが、この二十七条は、働く意思と能力、そういうものがある者に対して就職機会を国の政策として拡大していく方向で努めなければならないという趣旨であろうと思います。
 したがいまして、累次国がいろいろ雇用政策上とってきました制度、法律もそういう方向で展開されてきたものであろうということはそのとおりであろうと思っております。ただある特定の一つの組織とか企業、そこにどうしても雇わなくちゃいかぬということまで要請しているものではなかろうというふうに考えております。
#81
○和田静夫君 そういうようなこの労働権の拡張の流れと無関係に公務員労働問題というのは議論されるべきでないことは当然である。公務員だからといって、このような動きと切り離されて処理されるべきでもない。公務員は確かに国民の利益、公益を確保するために一定の労働基本権の制限が課せられる。しかし、それは必要最小限といいますか、最低限のものでなければならない。これも私は常識に属すると思うんですが、論議を煮詰めるためにちょっと見解を求めておきたいと思うんです。
#82
○政府委員(砂子田隆君) いまおっしゃられましたようなことであろうと思いますが、ただ、その最低基準という議論が必ずしもすぐに妥当するかどうかというのはむずかしい問題であろうと思います。労働基準法のようにやはり最低の基準を決めていくという筋合いのものと、あるいは今回の定年法で決めておりますような、国家公務員を基準とするというような基準の決め方というものとはおのずからやはり差異はあろうとは思いますが。少なくとも、いまおっしゃられましたように、労働者というものをどういうふうに保護していくか、あるいは雇用の機会を多く求めようということに対する政府の配慮が必要であることは申し上げるまでもないと思います。
#83
○和田静夫君 何かその最低基準、最小基準のところがちょっと問題になったようでありますから、私はこれはもう全く多数学説だと思うんですね。公務員が個人として、また勤労者として持つ基本的人権は十分に尊重されなければならない。全体の奉仕者または公共の利益のための公務員の労働関係の制限というのは、憲法十二条の趣旨に照らして、真にやむを得ない最小限度にとどめなければならない。これは局長、ここのところは何も、であるから云々あるいはそこのところがというようなことではなくて、これはまさに有権的なまさに多数学説であって、ここに異を唱えるというようなことにはならぬと思うんですよ。
#84
○政府委員(砂子田隆君) 私、別に異を唱えたわけでは毛頭ございませんで、少なくとも公務員であるというのは、一般の民間に従事している人とその職務の性格上違っておることは事実でありますから、そういう面での制約を受けるということはあり得るということを申し上げただけであります。
#85
○和田静夫君 私がなぜこういうことを言ってきたかというと、実は労働権がいまのような形でずっと理解をされてくれば、何人も労働者から職を奪うことはできない。したがって、一般論として、労働する権利は二足の年齢をもって制限されるべきものではない。そういうふうに言えるんですね。
 これは人事院、局長どうですか。この一般論まで否定はされないでしょう。
#86
○政府委員(斧誠之助君) 勤労者を雇用する場合におきまして、年齢による、つまり定年制というものが憲法違反であるかどうかという問題につきましては、これはかって、学説ということではなくて実務的に申しまして、そのことが問題にたったことはございませんで、現に国家公務員につきましても、大学の教官でありますとか検察官につきましては定年制があるわけでございますが、そのことが憲法上問題になったということは過去ございませんわけです。そういう実務的な立場に立ちまして考えます場合に、社会通念からいきましても、あるいは現在の労働雇用関係の慣行からいきましても、そこに合理的な年齢の設定がなされるならばこれを憲法違反と言うわけにはいかないのではないかというふうに考えております。
#87
○和田静夫君 あなたがそういう論議をするのなら、これは十二年前の蒸し返しで勝負がついていることでありますけれども、大学教授は、たとえば東京大学の教授が六十歳でおやめになる、地方の国立大学に六十五歳までお行きになる、それから私立大学に七十有幾歳までお行きになる。これはもう再雇用の道はずっとついているわけですね。それから、いま言われた裁判官が七十歳でおやめになるとちゃんと弁護士として登録をする。これまたちゃんと後は保障されているわけです。われわれは後保障されないことがわかるわけですからね。
 しかもきょう冒頭申し上げた――あなたいらっしゃらなかったんですが、一九八〇年代後半は、外的な要件によってこの国はスタグフレーションの中に落ち込みます。もうちょっとやそっとの年金生活などというものはその中においてことごとく壊されていきますという展望をこの国のエコノミストや経営者が八二・三%まで経済企画庁のアンケートに答えている。そういうような一方で、この国の支配権力の側にいらっしゃる方も展望があるわけですよ。
 こういう社会的な条件の中で、いま私たちは、まさに手段を持つことができないでやめていかなければならないだろうと思われる、そういういわゆる公務員の皆さんの論議をしている。こういうことになるわけでありますから、その前提というものを抜きにしてはそこの話はならぬ。蒸し返すというのなら、前の速記録そっくりあるわけですから、同じ論議をやればいいわけですがね。その、ことは十分に考えておいてもらいたいと思います。いかがです。
#88
○政府委員(斧誠之助君) これから将来に向かって、日本の人口構成でありますとか、あるいは労働の実態でありますとか、あるいは日本の経済動向がどう展開していくかというようなことにつきましては、私、あるいは人事院が十分に掌握しているということではございません。将来そういう方向に行くであろうということは、厚生省の統計でありますとかあるいは労働省、企画庁等で研究されていますいろんな資料によってそういう予想は立つわけでございます。そういう予想が実現しましたときにどういう対応をするか、公務員の雇用関係についてもどういう対応をするかということは、おいおい社会の変化とともに考えていきたい、こういう立場でございます。
#89
○和田静夫君 わかって論議していることですから、それ以上の深追いはしませんが、労働する権利を一定の年齢をもって奪い取っていくということはこれは許せません。このことは必ずしも定年制を違憲とすることではないかもしれません。しれませんが、仮に定年制を設定する場合に、十分に再雇用の道が開かれていなければならない、しかも、それは単なる再雇用ではなくて、本人が望むような職場、労働条件がこれまでの職種を勘案した形で私は当然もたらされなければならない。これまで働いてきた経験を生かすような仕事、そういうものをだれしも再雇用に当たって望むわけですね。そういう再雇用の道が開かれていかなければならないわけです。こういう点は一体どういうふうにお考えになりながら人事院は報告を出されたのですか。
#90
○政府委員(斧誠之助君) 近未来といいますか、昭和六十年代、その辺を現在の状況から推定しまして、公務員の現在の職員の在職状況、そういうものを見ますというと、高齢化がどんどん進んでいくという徴候が現にもうあらわれておる。これをそのまま放置すると公務能率にも大変影響が出てくるということを考えまして、昭和六十年、その時点における現在の適切なる施策としまして、原則六十歳の定年を設けるのが公務能率上の見地、それから職員の身分保障の見地、そういうことからいって適当ではないかということを考えまして、見解を述べたわけでございます。
#91
○和田静夫君 人事管理というのは非常に科学的でなきゃならぬわけでしょう。どうも任用局長の答弁を聞いていると、まさに科学性というのは全然ないんですね。つかみでもって物を考えているような形。そうじゃありませんか。
#92
○政府委員(斧誠之助君) 在職状況でちょっと御説明をいたしますと、給与法適用職員について申し上げますと、五十五歳以上の職員が昭和四十五年で約三万九千、八・二%ばかり、これが五十年になりますというと四万六千、九・四%、五十四年――見解を表明した、書簡を出した年でございますが、このときで五万一千、一〇・二%ということで、逐次増加しておるわけです、
 それで、給与の方の公務員実態調査であらわれできます年齢階層別の職員の状況を見てみましても、この趨勢が六十年代まで続いていくということは十分推計できるわけでございまして、こういう状況を踏まえて、公務員に定年制を導入することの是非ということについて検討したわけでございます。
#93
○和田静夫君 釈然としませんけれども、そんな形で出されたのじゃ大変迷惑な話ですね。
 行政局長、十三年前の論議、終わったと言われたのですが、実は全然終わっていないんですよ。あのとき約束した資料だって今日まだ出ていないんですからね。十三年前に要求した資料、ここへ全部出してください。そうでなかったらこの委員会は一つも進みませんよ。
 そのうちの一つ、私はあのときこういうふうに言っていて、そして、いまの岡山県知事も鹿児島県知事も、調べてみたけれども結果的にわからなかった、これから努力してということで幕切れになっているのですが、その一つは、地方公務員法が制定されたとき定年制が排除された。それまでは八百八十八団体にあったんです、定年が。定年があったし、さっきから自治大臣が何遍も答弁をしているように、定年制を設けてくれという意見が市町村長からあった、確かに。私をして言わせれば当事者能力のない諸君からあった。あったけれども、定年制をいわゆる法制化することができなかったのは、唯一私が言っているところの労働基本権というものと憲法の関係なんですよ。そのことは明確だから、あれだけの学識経験者が集まったが、国家公務員法、地方公務員法の制定に当たって一時に地方公務員法の制定に当たって、八百八十八団体の首長たちが定年を持っておったけれども、その意見を法律の中に生かすことができなかったのですよ。ここが非常に重要なところなんですよ。したがって、制定当時の事情はどうだったんだろうかということを十三年前にもくどく聞いた。その当時、なぜ定年制が設けられなかったのかという理由について、結果的に答弁はなかったのです。調査はできなかったのです。それからこんなに空間があったのですからね。ゆっくり勉強をされたはずですから、ひとつ十有余年の歳月の流れの中で、ここの部分についてどういうふうにお調べになり、どういうふうな形でこの提案がなったのか明らかにしていただきたい。
 人事院だって、このことを抜きにして報告を出したと言われるのであったならば大変心外なわけですから、これは藤井人事院総裁が当事者でありますから一番聞きたいところですが、いまお見えになりませんから、かわってお答えにならなきゃならぬつらい立場はわかりますけれども、明確にしてください。
#94
○政府委員(砂子田隆君) いまお話にございましたように、地公法ができますときに定年制をなぜ設けなかったのかというようないきさつにつきましては、お話しのとおり、いろいろ調べましたけれども、結果的にはわかりませんでした。わからなかったから資料も提出できなかったという事情であったろうと思います。
 ただ、御案内のとおり、いまのお話にもありましたが、八百八十八の公共団体が定年条例を持っておりまして、そのためにこの地公法ができたときにも、御案内のとおり、いろいろな議論がございまして、条例でこのまま残してくれという論議もございましたし、それから、法律でこう書いてあっても条例をつくれるじゃないかという議論もございましたし、いろんな議論がございました。しかし、結果的には自治省といたしまして、法律に定年制が書かれてない以上は定年制というのはできないんだという見解を表明したわけであります。それに従いまして、現在まで、もし定年制をしこうとするならばどうしても地公法の改正が必要であろうということで実は参ったわけであります。
 ただ、先ほどからの勤労権の議論あるいは職業選択の自由の問題、いろんな観点から憲法上の論議として出てきたこともこれも事実でありますけれども、最終的には、先ほどから申し上げていますように、一つの雇用関係を終了させる、しかしその人々の雇用を全部失わせているというわけではない。いろんな議論がございまして、最終的に、そのほかの検察官でありますとか裁判官でありますとか、いろいろな方に定年制が施行されているという現状から見ると、その事実をもってすれば違憲ではないのではないだろうか。また、このような御答弁を申し上げているはずであります。
 そういうことの繰り返しをしてまいりまして、現実に定年制の施行に関しましては違憲ではないだろうという形で現在まで来ておることも事実ですし、今回の提案に当たりましても、そういう形で御提案を申し上げているわけであります。
#95
○政府委員(斧誠之助君) 国家公務員につきましては、戦前から一部大学教官、検察官などを除きまして、定年制はずっとございませんでした。それで、退職管理はどうやってやっていたかということになりますと、後進に道を譲るとか、勇退するとかというようなことで比較的若い年代で退職が行われて、新陳代謝も適正に行われておった。国家公務員法が制定されますときに、定年制を導入すべきかどうかということについての論議は、私どもが調べた限りではなかったようでございます。
 戦後、昭和三十年半ばぐらいまでの給与表適用職員の平均年齢を見ますと、はっきりした数字はいま的確には申し上げられないんですが、大体二十年代の初めぐらいで二十歳代の後半ぐらい、三十年半ばで三十歳の半ばぐらいのところでございました。それがここへ来て現在では、ことしの勧告で四十・何歳ですか、四十歳強になっておるわけですが、そういうことで、非常に公務員の状況が変わってきた。片や民間の方の定年制の普及状況というのも非常に広がってきているというような日本の国の全体の雇用関係、それから公務員社会におけるその在職の状況、そういうものが変化してきておるということを踏まえまして、そういう変化の状況のもとで退職管理制度というものをこの際設定したらどうかということで御意見を申し上げておるわけです。
 地方公務員法につきましては、私がお答えする限りではございませんのでお答えしがたいんですが、ただ、総裁が、この公務員法の解説の中で地方公務員に定年制導入は地方公務員法違反であるということを解説しておられまして、内閣委員会の方でそのことについていろいろ質疑をお受けになったわけですが、その際のお答えとしましては、制定当時の地方公務員の在職状況から見ては、そういう定年制は導入しないという政策が非常に適正であったのであると、しかし、その後公務員の状況、地方公務員の状況、それから社会一般の定年制に関する状況、そういうものが逐次変化してきている。そういう変化についてそれに対応する定年制というものをこの際新たに考えるということは、それは状況が変わっておるのであるからして、総裁が地方公務員法について解説したその当時といまと、矛盾するわけではないのではないかというお答えをしているようでございます。
#96
○和田静夫君 全く矛盾するので大変苦しい答弁ですが、御本人じゃないからそれ以上言いませんが、私はもう一遍ここで、六九年の審議の際も繰り返し繰り返しこの点はお聞きをしています。これは御存じのとおりであります。
 ちょっと十年前のこの議事録を読ませてもらいますが、
   〔委員長退席、理事亀長友義君着席〕
六九年の七月十日の当委員会の議事録です、ここで私はこう言っているんですね、
 この問題に関連してこういう質疑が実は行なわれているのです。昭和三十一年の二月二十八日の参議院の地方行政委員会でありますが、いまも現職でいらっしゃる社会党の加瀬完さん、
これは前の副議長ですが、
 もう一つ、国家公務員法なり、地方公務員法が制定されましたときに、停年制なり、あるいは待命制度なりというものが特に設けられなかった理由というのはどういうことであったのですか、これは委員会における質疑、あるいは法案制定の過程におけるこの問題についての見解でも、資料がありましたら、あわせて御提出いただきたいと思います。」、で、当時鈴木俊一さん
いまの都知事ですが、
 が説明員でありますが、「手配をして差し上げたいと思います。」、
と答えたわけです。そうでしょう。そして、
 委員長の松岡平市君、それでは、これは調査室の方でもそういうものについてはかねがね研究しておられることだと思いますから、資料を探されて、自治庁でも探されて、そうしてなるべくすみやかに自治庁で何か資料があれば提出するようにお骨折り願いたい。よろしうございますね……。
と念を押しているわけです。議事録の八ページにこう書いてある。
 それで、私はいままた要求しているわけですね。この要求しているのは三回目ですよ、加瀬完さんから始まって。その間二十年、二十年の年限ですよ。その都度自治省は――いまはまだ資料を出すとは言いませんけれどもね、とにかくさっき読んだ答弁にあったように、出すと答えているんです、調べると言っているんです。砂子田行政局長だけが心臓が強いものだからまだ出すとは言っていないのかもしれませんけれども。
 今回は、私はもう国公法が片づいている状態の中では、どうしてもここの部分というものは議論をしなきゃなりません。議論の基本です。これは資料を出してください。私は、なぜ出してくださいと言うかと言ったら、われわれ政治家の責任だからです。前の各項でも言いました、あなた方は憲法九十九条によって憲法を遵守する義務を持っている。われわれ政治家が判断を誤ってここで多数で押し切ってこの法律案が通る、そしてこの基礎的な資料がない。後ほど憲法違反だということになったら、われわれがあなた方に憲法違反を犯させることになる。そんな責めを私たちは政治家として負うわけにはいかない。したがって、ここのところははっきりさせなきゃなりませんから資料を出してください。
#97
○政府委員(砂子田隆君) 先ほどお答え申し上げましたように、実は、そういうことがございましたから、その後倉庫のすみずみまで探しましたわけであります。しかし、結局その資料がなかったわけであります。ないものをどうも出しようもございませんものですから、それはお許しを願いたいと存じます。
#98
○志苫裕君 ちょっと関連をして。
 その点については、四十二年法案の審議でそういういきさつがあります。いまあなたがお答えになったように、なぜ制定当時に定年が盛り込まれなかったのか。公務員制度本来からいって排除をされたのか、憲法との関連で排除をされたのか、アメリカさんが言わなかったので忘れておったのか、いろいろ議論があったようです。あったようですが、わからぬということになっているわけです、答弁において。本国会に入って、衆参を通じての答弁の中に、その当時はそういう必要性がなかったんだろう、年齢構成や社会環境その他から見てその当時は定年制というものの必要性が薄かったんだろうという答弁をしていますよね、衆参を通じて。これは一体どういう判断からそれが出てきたんですか。わからぬということになっているのに、その当時は必要がなかったんだろうという答弁はどこから曲がって出てきたんですか。
   〔理事亀長友義君退席、委員長着席〕
#99
○政府委員(砂子田隆君) 私が記憶するところでは、そういう御答弁を申し上げたのは佐藤三吾委員からの御質問に対するお答えであったと思っております。ただ、それは、当方がお答えをしたわけではございませんで、人事局の方がお答えになった御答弁であったと記憶いたしておりますが、この間私の方の公務員部長からもお話しを申し上げましたように、実はこれはこの間もそういう御質問がございました。しかし、やはりなかったものですから、出せないという御答弁を申し上げたはずだと思っております。
 ただいま志苫委員からもお話がございましたが、当時のいろいろな本を見てみまして、先ほど斧任用局長も話をしておりますが、藤井さんは公務員法の解説の中で、これはできないんだと、こうおっしゃっておられましたし、いろいろな当時の同じ職務に当たる人たちの中でも意見の相違があったということを考えてみますと、やはり当時の自治省に勤務をしておりました人の間にも統一的な考えはなかったと私は思うわけであります。ですから、そういうことから見ますと、そういう議論はしたけれども、その資料というのはやはり、それは議論の上にだけ存在しておって、ないというのがむしろ正確ではなかろうかと思っております。
 御案内のとおり、先ほど若干説明を落としておりますが、地公法ができて結局分限の規定ができました。その分限の中では免職の条項というものを明らかにいたしております。それ以外のことは、やはり公務員の職を奪うということはできないんだというのが公務員法をつくったその一つの考え方であったことは事実だと思います。ですから、そういうことに立って分限の条項に今回は改正を加えようということでございますので、いろいろな資料の御提出の御要求がありましょうが、実はこの問題に関する限りは、どうも私の記憶でもなかなかその資料が見つかりませんので、これはお許しをいただきたいと思います。
#100
○志苫裕君 私がいま問題にしているのは、憲法上のかかわりなのか、制度本来の問題なのか、あるいはその当時の必要性の問題なのか、あるいはうっかり忘れておったのか、このいろんなどれかなんでしょう、きっと。われわれそこのところをはっきりさしていきたいわけです。政府が一四十三年法のときには率直に言ってわからないと、その答弁は自治省の間で一貫しているのです。しかし、この間の審議のあの場面ではそれなりの説明をしているわけです、当時の職員構成からと。地方団体との違いまで言って。ということは、この制度を盛り込んだときの何か根拠があって答弁されているのかとぼくは聞いておって、私の質問でそれをただそうと思った。ただいま和田さんの質問でそういうことになりましたね。そのときどきでいいかげんなことを言って答弁を済まされては困る。
 憲法違反のそしりがもしあるのであれば、われわれが責任を負わなきゃならぬという発言にかんがみて言えば、その辺の答弁は、撤回するものは撤回して、わからぬならわからぬで筋道通してもらわなければいけませんよ、これは。
#101
○政府委員(砂子田隆君) ただいま申し上げましたように、自治省としては一貫して考え方を述べておりまして、途中で変節をしたことは私はないと思っております。三十一年の地公法の改正をお願いをいたしましたときから現在まで、自治省自身の考え方は全く変わっていないと思っております、
#102
○志苫裕君 わからぬで済むか済まぬか、質問者こちらですから。いずれにしても答弁の食い違いは政府全体としてありますよ、はっきりさしてください。
#103
○和田静夫君 だから統一見解を出してもらわなければしようがないですな、これは。
#104
○国務大臣(安孫子藤吉君) いろいろの経過を聞いておりましても、やはりないものはないわけでございますから、その点はひとつ御了承を願わにゃいかぬだろうと思います。それにはいろいろその当時まあ理屈があったんだろうと思うのですね。それで一つは、そういう必要がないという議論もあったのでしょう、恐らく。そういうことはやらない方がいいんだという考え方もあったでしょう。それからまた、それはやった方がいいという議論もあったろうと思うのです。内部でいろいろ議論したけれども、いま行政局長が言うように、一つのまとまった見解というものまでには集約はされなかったんだろう、したがって資料もないと、こういうことだと思います。
 その当時から見ますと、また社会情勢、一般情勢も最近においては非常に変わってきておる。そしてまた、憲法の問題もあるとおっしゃいますけれども、国家公務員についても定年制がしかれた、それから社会情勢もそういうことをやっておる、今後の見通しからいっても、そういうものが必要である、地方公共団体の運営上もそれは必要だとこういうことになれば、地方公務員についても定年制を設けるということで御提案を申し上げておるということは、私は正しい道筋だろうとこう思うんです。
 ところが、今度はその問題は憲法違反になるんじゃないか、その責任はわれわれにあるんだと、こうおっしゃいますけれども、少なくとも第一義的な責任者は提案者でございます。その点についてはわれわれはその責任を負うつもりでございます。
#105
○委員長(上條勝久君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#106
○委員長(上條勝久君) 速記を起こして。
#107
○和田静夫君 いま申し上げましたように、ここのところ非常に私は重要に考えていますし、二十年間の懸案の問題でもありますから、一遍政府としては、自治大臣のような言い方もありますけれども、委員会が始まってから、少なくともたとえば総理府と自治省の答弁が食い違っている。それらのところはやっぱり整理をしていただきたい。整理の仕方については理事会にお任せをいたします。
#108
○委員長(上條勝久君) 理事会等で、ただいまの件については御相談をいたしたいと思います。
 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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