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1981/10/22 第95回国会 参議院 参議院会議録情報 第095回国会 内閣委員会 第4号
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1981/10/22 第95回国会 参議院

参議院会議録情報 第095回国会 内閣委員会 第4号

#1
第095回国会 内閣委員会 第4号
昭和五十六年十月二十二日(木曜日)
   午前十時三十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         遠藤  要君
    理 事
                伊江 朝雄君
                林  ゆう君
                矢田部 理君
                柄谷 道一君
    委 員
                板垣  正君
                岡田  広言
                源田  実君
                竹内  潔君
                林  寛子君
                桧垣徳太郎君
                堀江 正夫君
                片岡 勝治君
                野田  哲君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                安武 洋子君
                秦   豊君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       中山 太郎君
   政府委員
       人事院総裁    藤井 貞夫君
       人事院事務総局
       管理局長     加藤 圭朗君
       人事院事務総局
       給与局長     長橋  進君
       総理府人事局長  山地  進君
       自治省行政局長  砂子田 隆君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
   説明員
       内閣参事官    中村  徹君
       大蔵省主計局給
       与課長      水谷 文彦君
       大蔵省主計局共
       済課長      野尻 栄典君
       労働大臣官房統
       計情報部長    江田  茂君
       労働省職業安定
       局業務指導課長  若林 之矩君
   参考人
       名古屋大学教授  室井  力君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律
 の一部を改正する法律案(第九十三回国会内閣
 提出、第九十四回国会衆議院送付)(継続案
 件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(遠藤要君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として名古屋大学教授室井力君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認めます。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(遠藤要君) 国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います、
#5
○野田哲君 まず、自治省に地方公務員の退職手当の幾つかの諸問題について伺っておきたいと思います。
 地方公務員法の第二十四条「(給与、勤務時間その他の勤務条件の根本基準)」、この二十四条の第五項、「職員の勤務時間その他職員の給与以外の勤務条件を定めるに当っては、国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。」と、こういうふうに規定をされておりますけれども、退職手当は、この二十四条の五項の「給与以外の勤務条件」、この中に含まれると解していいわけですか。
#6
○政府委員(砂子田隆君) そのとおりでございます、
#7
○野田哲君 同じく地方公務員法の五十五条、「(交渉)」という項でありますが、この五十五条においては、「地方公共団体の当局は、登録を受けた職員団体から、職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、及びこれに附帯して、社交的又は厚生的活動を含む適法な活動に係る事項に関し、適法な交渉の申入れがあった場合においては、その申入れに応ずべき地位に立つものとする。」と、こういうふうに規定をされています。したがって、先ほどの二十四条によって退職手当が給与以外の勤務条件の中に含まれるということであれば、当然退職手当の改正に当たっては、一方的な条例改正の手続によるのではなくて、事前に当該関係の労働組合と交渉によって合意を得ることが前提条件として必要だと考えられますが、これについてはいかがですか。
#8
○政府委員(砂子田隆君) 御案内のとおり、五十五条の規定、先ほどの二十四条と同じでございますが、「給与」の中には当然給料も退職手当も入っておるわけでございますから、当然に組合と申しますか職員団体との間の交渉というのはやられてしかるべきものだと思っております、ただ、ここの規定は一般的な職員団体の規定でございまして、地公労に関する規定は、御案内のとおり労働組合法上適用を受ける、あるいは地公労法上適用を受けることになっております。
#9
○野田哲君 その地公労法の適用を受ける組合の場合には、退職手当というのはどういう形で定められることになるんでしょうか。
#10
○政府委員(砂子田隆君) 御案内のとおり、地公労法の七条一号の給与に関する事項に該当さえすれば、当然にそれは団体交渉の対象たり得ることになるわけであります、
#11
○野田哲君 地公労法に基づく団体交渉の対象になる、そして取り決めは労働協約による、こういうことになりますか。
#12
○政府委員(砂子田隆君) そのとおりでございます。
#13
○野田哲君 地方自治体の退職手当の制度については、それぞれの地方自治体において条例で定めているもの、それから地公労法適用の組合との間で交渉の結果を協約によって定めているもの、それ以外に退職手当組合という地方自治法に基づく一部事務組合によって運営している、こういう制度があると思うんですが、これはいま全国で数としてどのぐらいあるんですか。
#14
○政府委員(砂子田隆君) 地方公共団体におきます退職手当の支給に関しましては、ただいまお話がございましたように、公共団体がそれ自身で支出しておるもの、あるいは退職手当のみを支給するために、地方自治法の二百八十四条の規定に従いまして一部事務組合として退職手当組合をつくって支給しているもの、この二通りがあると思います。後者に関します組合の数というのは、いま全国で四十六ございます。
#15
○野田哲君 四十六というのは、これは行政局長あれですか、一ヵ所どこか抜けているかと思いますが、各県で大体一つずつ退職手当組合があると、こういう状態になっているわけですか。
#16
○政府委員(砂子田隆君) いま主に退職手当組合をつくっておりますのは市町村がその加入の大部分でございまして、いまこの中でつくっておりませんのは大阪府だけでございます。あと、残りの都道府県につきましては全部、市町村で退職手当組合をつくっているものがございます。
#17
○野田哲君 この退職手当組合という方式については、退職手当というのが地方公務員にとっては重要な労働条件の一つでもあるし、そしてまた退職管理と重要なかかわりを持っているものだし、そしていま言われたように、職員団体が存在をする場合には地方公務員法五十五条によって交渉事項として認められている。そういう退職手当でありながら、人事管理の責任者である、直接の使用者である市町村長がみずからその責任をとった制度をつくろうとしないで別のところにこれを委任をしてしまう、こういうやり方は自治体当局の大変な責任回避ではないか。だから、たてまえとしては、当然私はそれぞれの自治体で責任を持って制度をつくっていく、これが当然の措置ではないかと思うんですけれども、こういう退職手当組合、現にいま各県で一つずつ存在をしているわけですからこれ以上ふえることはないと思うんですけれども、これは行政指導上は自治省としては好ましい形と考えているんですか、それとも、退職手当組合加入の自治体もできるだけそこから離脱をして個々の自治体で責任を持って対処をしていく、こういう形がいいと考えているんですか、どっちなんですか。
#18
○政府委員(砂子田隆君) 御案内のとおり、地方自治法の一部事務組合というのは特別地方公共団体でございます。ここに一つの制度として、退職に関する部分を公共団体の中で共同してつくろう、そういう事務を処理してつくろうということは、法の前提として当然あるわけでございまして、基本的には、おっしゃられますようにそれぞれの公共団体で退職手当を払っていくというのが原則であろうとは思います。しかし、ある公共団体で大変多くの退職者を出す、特に小さい町村でそれに耐え得るかとか、いろいろなことが私はあると思います。そういう地域的な実態、そういうものを考慮しながら、公共団体の中で退職手当に関して住民と申しますか、職員に離職後の不安を抱かせないというためには、むしろ退職手当組合をつくってその中で退職手当を支給していくという方法も一つのやり方であると思いますし、地方団体それ自身が自律的な機構の中でやっていくわけでありますから、このよしあしについてどちらがいいのかということは、やはり職員に不安のないやり方を管理者が考えてやっておられることだと思いますから、それなりの理由は組合にもあると思っております。
#19
○野田哲君 それなりの理由というのは、これは一種の保険的な理由しか私は意味としてはないと思うんですよ。保険的な意味合いであれば、制度そのものを退職手当組合という形で一部事務組合に委任をしてしまう、委譲をしてしまう、そういう形ではなくても、基金というようなことで私は保険的な意味だけならば方法はあるじゃないかと、こういうふうに思えるんです。
 この退職手当組合、私は別のこれは問題にすべき意味があるんじゃないかと思うんです。それは、職員の退職手当の基金が退職手当組合という形のところに集中をされている、これを別の形で、短期的な融資、一時借り入れ、こういう形に運用をしているところに私は便宜的な意味合いを、いまむしろ退職手当の制度よりもそっちの方に意味を感じて運用をされているんじゃないかというような感じがしてならないんです。
 しかし一応、法で認められている、自治法に基づく一部事務組合ですからそれはそれなりに理解をするとして、問題はそういう形で、一つの県の都市で言えば主として小都市それから町村、こういうところが寄り集まって退職手当制度について
 一部事務組合をつくっている。当然その一部事務組合に加入している自治体の中では、個々の自治体で職員団体が存在をする自治体と、そして職員団体が存在しない自治体とが混在をしているわけですね。職員団体が存在をしている自治体において退職手当制度について町長なり市長と交渉をやろうとしても、町長なり市長には当事者能力は全くないと。したがって、先ほど局長が言われた地方公務員法五十五条の交渉事項だとは言いながら実際は交渉ができない。じゃ退職手当組合の方へ行こうかということで退職手当組合の方へ行っても、なかなかこれは直接の労使関係にないということでうまく機能していない、こういうトラブルを往々にして私どもも耳にしているわけですね。
 この点について、退職手当組合という形で県下で町村が連合して一部事務組合で退職金の制度をつくっている場合には、その中の幾つかに職員団体があるとすれば、その職員団体との交渉は当然退職手当組合が地方自治法に定める当局者として交渉に応ずべき私は責任、義務があると思うんですが、その点いかがですか。
#20
○政府委員(砂子田隆君) 御案内のとおり、地方公務員法の五十五条の規定によります職員団体またはその連合体、そういうものが退職手当の共同処理をする事務を行っている組合というものも交渉を行うということは当然のことだと思っております。
#21
○野田哲君 その場合には、地方自治法に定める職員団体の連合組織、県下的な連合組織も当然この交渉の当事者として交渉に当っていく、これに一部事務組合としても応じる、こういうことは当然のことであろうと思うんですが、いかがでしょうか。
#22
○政府委員(砂子田隆君) 混合的な団体でない限りは当然そういうふうになると思っております。
#23
○野田哲君 地方自治体における退職手当の制度、これについては、先ほど局長から述べられたように勤務時間その他の勤務条件の一つだと、こういうふうに確認をしたわけでありますから、そのことについて職員の側は交渉で合意を得ることができなかった、一方的に当局の意向によって制度の変更が行われた、こういう場合には、地方公務員法に基づく人事委員会、公平委員会等に対する措置の要求、こういうこともあわせて当然のこととして考えられると思うわけですが、そういうことでいいですね。
#24
○政府委員(砂子田隆君) 先ほども申し上げましたように、二十四条に掲げます「給与」の中に当然退職手当が入るわけでありますから、それについて職員団体が交渉することは五十五条で許されている範囲であります。ただ、そういう職員団体との交渉がまとまらないという意味で退職手当条例というものが可決をされる、そういう可決をされた退職手当条例について非常にその支給の状態が不利益である、そういう問題があって人事委員会に提訴をするということは、それはあり得るだろうと思っております。
#25
○野田哲君 行政局長もういいですから。
 次に、人事院の方に伺いますが、国家公務員法の八十六条「勤務条件に関する行政措置の要求」、これによりますと、「職員は、俸給、給料その他あらゆる勤務条件に関し、人事院に対して、人事院若しくは内閣総理大臣又はその職員の所轄庁の長により、適当な行政上の措置が行われることを要求することができる。」と、こういうふうに規定をされておりますが、ここに言うところの「あらゆる勤務条件」、これには当然退職手当も含まれると思うんですが、この点はいかがでしょうか、
#26
○政府委員(長橋進君) お答えを申し上げます。
 この八十六条の行政措置の要求、こういう制度ができました昭和二十三年当時について申し上げますと、つまりこの当時におきましては、国家公務員法の中にはいわゆる退職手当に関する事項というものは規定事項として予定されておりませんので、したがいまして、制度として見ました場合に、八十六条の「あらゆる勤務条件」という中には一応退職手当というものは予定をされておらなかったというふうに私どもは理解をしております。
#27
○野田哲君 つまり、どういうことなんですか。八十六条に言うところの「あらゆる勤務条件」には退職手当は含まれない、こういう意味なんですか、いま言われたことは。
#28
○政府委員(長橋進君) 一応、行政措置要求制度が制定されました当時の事情としましては、入らなかったというふうに私どもは理解をしております、
 それから、ここで書いております公務員法の勤務条件ということにつきまして、「あらゆる勤務条件」ということでございますから、この法律をもって規定すべきことが予定されております勤務条件のほかに、そのほかのものも入る場合もあるかと思いますけれども、制定当初における制度の理解としましてはそのように考えております。
#29
○野田哲君 ちょっと最後がよくわからなかったんですが、この「あらゆる勤務条件」の中には入るんですか、入らないんですか。
#30
○政府委員(長橋進君) 現時点におきましては、消極的には解しておりません。したがいまして、行政措置の要求がございました場合には受け付けるというつもりでおります。
#31
○野田哲君 消極的ではあっても、要求があれば受け付ける、こういうことは、つまり入るということですね。そうですね。
#32
○政府委員(長橋進君) 現時点におきましてはそのように考えております。
#33
○野田哲君 そうすると、この国家公務員法の百八条の五ですね、勤務条件に入る、これは当然だと思うんですが、そうなると、これはこの百八条の五によって「その他の勤務条件」の中に含まれるものとして交渉の対象になると思うんですが、いかがでしょうか。
#34
○政府委員(長橋進君) 権限のある当局は交渉の対象となると思います。
#35
○野田哲君 権限のある省庁との交渉の対象になるということであれば、その権限のある省庁というのはどこでしょうか。
#36
○政府委員(長橋進君) 退職手当制度を所管しておりますところの総理府が第一義的に権限がある当局ということになるものと考えております、
#37
○野田哲君 総理府の方は、この国家公務員法百八条の五による交渉の申し入れが関係の職員団体からありましたかどうか、どうですか。
#38
○政府委員(山地進君) 退職手当法の改正の議論、五十二年の調査から行われているわけでございますが、私どもといたしましては、各種の公務員団体と私のレベルあるいは総務長官のレベルにおきまして会見をしておるわけでございます。ただその際に、この百八条の五に基づく申し入れがあったというふうな厳密な意味のものであったかどうかということについては私どもとしてその都度確認しているわけではございませんで、ただ広く意見を交換する、あるいは組合の方の方々の御意見も拝聴するということでやってきているわけでございます。相手の職員団体も、ここで名前を申し上げていいのかどうかしれませんが、たとえば公務員共闘というような場合に、この職員団体に当たるのかどうかということ自体もいろいろ厳密な意味から言うと問題があるわけでございますけれども、私どもとしては努めて、組合の方々からお申し出がある場合においては、その都度会見に応じてきているというのが実情でございます。
#39
○野田哲君 それは、私も公務員の組合の代表を大臣のところへ何回か案内をしたこともありますし、公務員共闘の代表が局長や長官と何回も断続的に会っていることは承知をしております。しかし、この会い方というのは、事いま法案として審議をしている退職手当に関する限りは、国家公務員法百八条の五に言うところの「交渉」というものではなくて、あなた方の方が結論を出して切り下げを行うということに対して抗議を行い、撤回を求める、こういう性格の会い方であって、退職手当制度についての交渉、こういうものでは私はないんじゃないか、こういうふうに思うんですよ。あなた方の方がこの切り下げを行おうということを内々考えて、結論を出すまでにそのことを関係の組合に提示をし、それに対する交渉を行った、こういう形はないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#40
○政府委員(山地進君) この改正案を出す以前と以後と二つに分けて、交渉をどういうふうにやったかという私どもの記録というのもあるわけで、改正法案を出す以前からお話をしていたということは事実であるわけでございます。ただいま先生のおっしゃるいわゆる労働組合との交渉の何といいますか、やり方というものが、通常に言う、民間で言うような交渉とどこか違うんじゃないかというようなお感じをお持ちだと思うんでございます。それは、いま再三先生のお口からも公務員法の条文百八条の五の申し入れがあった場合にはこれを受ける地位に立つという意味で交渉――これは慣行上の問題だと思うんでございますけれども、こちらから組合に申し出て御相談をするというような法文の立て方にはなっていない。ただ、私どもとしてはそういうことであってはならないんで、事前によくこういうことについては御連絡したいという形でやっていたんだろうと思うんです。
 私自身も、今回いろいろなことがあるわけでございますから、努めてお会いするという機会をつくってくれということを組合には常々申し上げているところでございまして、今後とも組合との間では折に触れて、その節目節目はもちろんのことでございますけれども、十分に話を詰めていくということが必要であるというふうに私自身は考えております。
#41
○野田哲君 いまの山地局長の言葉じりをとらえるわけではないんですけれども、交渉ということについてあなたがいま言われたのは、申し出があれば受けるんだと、こういうことで、あなたの方から交渉をやろうということで申し出をすることはないんだというような意味を言われた。これは、私は人事管理の当局者としてはとんでもないことだと思うんですよ。「交渉」というのは、労働条件の変更を要求する場合も、あるいはそのことを使用者側として考えたときにも、それぞれが相手方に対して問題を提起をし交渉するのが「交渉」、こういうことじゃないでしょうか。それは私は、また労働法の専門の同僚の矢田部君がおりますから、後で残してたっぷりやってもらいますが、そういうことはやっぱり問題があると思いますよ。
 そこで、退職手当の制度を所管している総理府として、退職手当には三条、四条、五条とあるわけですが、四条、五条の制度の運用について、この退職手当法の対象になっている国家公務員それから三公社、そこにおいていわゆる退職勧奨という形がどのように制度化され、どのように運用されているのか、これは全部把握されているんですか。
#42
○政府委員(山地進君) 実はこれ、私ども資料を持っておりますけれども、人事院が定年制の導入についていろいろ御調査をして御意見賜っているわけでございますけれども、その際、人事院の方で各省庁の退職勧奨の状況というものをお調べいただいて、それを私どもの方にも報告していただいているわけでございます。ですから、お調べいただいたのは人事院でございますから、そのことを御説明するのは人事院が適当かと思うんでございますが、私もそれを持っておりますので、私の方から御説明をさしていただいてもよろしいかと存じます。
#43
○野田哲君 どっちでもいいですからちょっと説明してください、
#44
○政府委員(山地進君) 人事院でお調べいただいた機関の四十二省庁の勧奨退職の基準年齢というのを調べたわけでございますが、退職勧奨の基準年齢を設けていない省庁というのが十省庁でございます。十の省庁は基準年齢をつくってない。つまりケース・バイ・ケースの退職勧奨をやっていたと。それから、基準年齢を設けているところでは、課長とそれから課長補佐と係員、そういうものに分けているわけでございますが、課長クラス以上の場合には五十八歳というところが十二省庁、それから六十歳が十三省庁、それから六十一歳以上が三省庁ございます。それから、課長補佐クラスでございますけれども、五十八歳が十一省庁、それから六十歳が十三省庁、それから六十歳以上が五省庁。それからまた、係員クラスでございますけれども、六十歳未満が三省庁、六十歳が十九省庁、六十一歳以上が十省庁になっています。これは行(一)の職員でございますが、行(二)の職員につきましては、六十歳が八省庁、六十二歳が十二省庁、六十五歳が七省庁になっております。
 それから三公社五現の方でございますけれども、これは管理職相当職員では、五十五歳が二機関、二つの公社ですね。それから五十七歳が一機関、五十八歳が二機関、五十九歳が一機関、六十歳が二機関。これはいまの管理職相当の職員です。それから、その他の一般職員とそれから行(二)相当の職員で見ますと、五十八歳が三機関、五十八歳六月といいますか、が一機関、五十九歳が一機関、六十歳が二機関、六十二歳が一機関、こういうふうになっています。
#45
○野田哲君 退職手当については総理府で一元的に所管をされているんですけれども、このやめさせる制度については各省庁、機関別にそれぞれが実情に合ってやっている。そのために、いまお話がありましたように、かなりばらつきがありますね。そうすると、結局退職手当の実額としては、その勧奨の年齢によって金額的にはかなりばらつきがあるわけですね。これは、まあやめたんだから、働く年数によって払われるんだからやむを得ないんだと言ってしまえばそれまでですけれども、各省庁、機関別に決められている退職年齢によってかなり金額的にばらつきが出てくると、こういうこと、これはやむを得ない措置というふうに考えておられるのか、それとも、この前定年制が成立したんだからそれによってばらつきはなくなる、こういうことの理解なんですか。
#46
○政府委員(山地進君) いまのお尋ねの点は、退職勧奨年齢の基準が違うと、ある同じ一定の年齢で、たとえば五十七歳でやめた場合に、ある省では勧奨退職基準年齢以下だから退職勧奨にならないかどうかと、こういうことが含まれているんでございましょうか。――ここで、もしそういう理解で御説明させていただきますと、退職基準年齢というものの意味といいますか機能といいますか、そういうものをまず考えてみますと、それぞれの省庁における人員構成なり仕事の内容なりによってこういったことが決められていると思うんでございますけれども、これは必ずその年齢になったらやめなきゃならないという、職員側からしてみればやめなきゃならないということには公務員法はなってないわけで、退職勧奨がやられても、私はいますという人をやめさせるということは現行の公務員法上は不可能でございます。
 したがって、退職勧奨年齢の基準をつくったという意味は、それこそ職員の中の年齢構成の問題も含めて、若い人たちの昇進というようなこと、あるいは老齢者の待遇の問題も含めて、まあ全員の幸せをどの辺で決めていくかということで、一応それぞれの省庁における退職勧奨に応じた方がいいだろうという了解だと思うんです。
 そこで、では、その基準年齢に達しないでやめた人について退職勧奨をしないかといえば、これは全体ではないと思いますけれども、それぞれ事情に応じて退職勧奨はしていたということになろうかと思うんです、そこで、この基準年齢を超えてもなお退職勧奨があり得だろうし、前でもあり得たと思うんで、この退職勧奨の基準年齢というものと退職手当法上の退職勧奨ということとは直結びついてはいないというふうに私どもは理解しております。
#47
○野田哲君 定年制との関連ですけれども、今後の運用として四条、五条の適用については定年制制定後も従来どおりにやっていくと、こういうことでいいわけですか。
#48
○政府委員(山地進君) 定年制の問題につきましては、衆参それぞれにおきまして総括締めくくり質問で総理大臣から御答弁をいただいているわけでございますが、その一つは、定年制の開始される六十年以後において退職勧奨制度というのは残るのかという趣旨の御質問、これは当委員会でも行われたと思うわけでございますが、その答弁は、総理大臣として、「政府といたしましては、定年制度等導入の趣旨にかんがみまして、人事管理の必要上、幹部職員についての個別的な退職勧奨をする場合を除きまして、組織的、集団的退職勧奨はなくなっていくものと考えております。」と、つまり組織的、集団的退職勧奨というのは、いわゆる組織として退職勧奨年齢というものの基準をつくっている場合には、どうしてもその年度になればその大御自身も退職勧奨に応ずることを円満に決意するということがこれまでの慣行であったわけでございますが、今後は、定年制度ができた場合には組織的、集団的な退職勧奨制度というものはなくなっていくものだと、こういうふうに総理大臣から御答弁申し上げたわけでございます。
#49
○野田哲君 今回の退職手当法のこの比較のあり方について伺っておきたいと思います。
 労働省に伺いたいと思うんですが、労働省では、昭和五十二年に退職金制度の調査報告というのがあるわけですが、これ以降の調査の結果はまだ出ていないんですか。
#50
○説明員(江田茂君) 五十三年度以降は五十六年度、つまり本年度でございます、実施をいたすことになっておりまして、来年一月に実施をすべく目下準備中でございます。
#51
○野田哲君 昭和五十三年の退職金制度の調査をやった民間企業における退職金制度の状況について、まず御報告を概括的にお願いしたいと思うんです。
#52
○説明員(江田茂君) 昭和五十三年度に行いました調査では、調査産業の計、また企業規模でも計でございます、大卒男子の退職金、これは退職一時金だけの分でございますとモデル退職金で九百六十六万円というような数字になっております。五十年に比べまして二六%ばかりの上昇でございます。高卒男子の場合でございますと八百七十二万円というような状況でございまして、五十年に対しまして約一九%ばかりの上昇になっております。中卒の男子の生産労働者の場合でございますが……
#53
○野田哲君 いや、部長ね、どういう調査をやったのか。中身は後で聞いていきますから、調査の方法、対象、そういうところをまず……。
#54
○説明員(江田茂君) 五十三年度の調査でございますが、これは産業は大分類で九産業でございます。三十人以上の常用労働者を雇用いたしております民間企業というものを対象にいたしております。
 調査の方法でございますが、都道府県の労働基準局を経由いたしましてこの調査を行ったわけでございます。昭和五十二年十月一日から十一月十日までの間に、昭和五十三年九月分までの状況を調査いたしております。
 以上でございます。
#55
○野田哲君 まず、この調査の結果によって、民間企業の退職に際しての制度はどういうものがあるか。一時金あるいは加算金制度とか企業年金とか、いろいろありますね。どういう制度になっているのか、その制度の概況を御報告いただきたいと思うんです。
#56
○説明員(江田茂君) ただいまの点でございますが、五十三年度の調査では、退職一時金のみという企業が六二%を占めておりまして一番高いわけでございます。そのほか、退職一時金と退職年金制度の併用をとりますものが二二%、退職年金制度のみをとりますものが一六%、こういったような数字になっております。さらに、退職金の中身を見ますと、会社の都合による退職と、それから自己都合退職、この間に若干の差を設けているものと、こういったようなものが見られるわけでございます。
#57
○野田哲君 退職年金制度ですね、企業年金、これの傾向としては、五十三年の調査以降はまだ数字的には傾向は明らかになっていないわけですが、傾向としてはどんな状況を示しておりますか。
#58
○説明員(江田茂君) 五十年の調査に比べまして、退職一時金のみとりますものは五十年の六七%に対しまして五%ばかり落ちまして六二%と、こんなような状況になっております。これに対しまして、退職一時金制度と年金制度を併用いたしますものは五十年に対して二%ふえております。また、退職年金制度のみをとりますものも同じく三%増加してまいっております。
#59
○野田哲君 定年退職者に支給した実退職金という数字が出ておりますね。第14表ですか、「学歴及び規模別定年退職者一人平均実退職金 退職一時金のみの企業」、これの金額をちょっと説明していただきたいと思います。
#60
○説明員(江田茂君) この第14表でございますが、これは、実際に昭和五十二年の十月から五十三年九月までの一年間に定年で退職した者に支給した実額でございます。三十年以上勤続の退職金、これを労働者一人当たりに平均いたしますと、14表の一番左の方にございますように、大卒では千六百四十一万円、旧中・新高卒では千三百六十六万円、小学校・新中卒の生産労働者では千二十四万円、こういったような水準になっております。
#61
○野田哲君 いまのは、26表にあるものの三十年以上のところだけを述べられたわけですね。そうですね。
#62
○説明員(江田茂君) さようでございます。
#63
○野田哲君 26表の5の1ですね、いまのは。5の2というのがありますね、規模別で千人以上分類されている。ここの退職一時金の金額、三十年以上のところをちょっと報告してもらいたいと思うんです。
#64
○説明員(江田茂君) ただいま同じ表の千人以上の分をとりますと、大卒でございますと千七百七十四万円、旧中・新高卒の分でございますと千五百五万円、小学校・新中卒の生産労働者で千百三万円と、こういったようなレベルになっております。
#65
○野田哲君 5の3の金額を示してもらいたいと思います。
#66
○説明員(江田茂君) 5の3は三百人から九百九十九人の規模でございます。この規模でございますと、大卒でございますと三十年以上で九百七十七万円でございます。それから旧中・新高卒の分でございますと千百七十万円、小学校・新中卒の生産労働者でございますと九百六十万円、こういったような数字になっております。
#67
○野田哲君 いまの26表の5の3ですね、二十五年のところになると、旧大・新大卒のところ千二百九十四万円になっていますね、それが三十年以上のところ、旧大・新大卒のところだけが急激に低下をする。これは調査の結果、何か特に理由があったわけですか。
#68
○説明員(江田茂君) ただいまの御指摘の点でございますが、私どももこの理由につきましては明確にはつかんでおりませんけれども、二十五年ないし二十九年という勤続年数の労働者に対しまして、三十年以上という場合には、恐らく調査の対象になったサンプルが多少少なかったというようなことから、サンプルのゆがみが出てまいったのじゃないかと思われるわけでございます。それともう一つ考えられます一つの原因といたしましては、二十五年過ぎましてこのくらいの方でございますと、役員の方に上がってまいると、こんなことから高いところが抜けたのではないかと、かように思うわけでございます。
#69
○野田哲君 27表の5の1、いわゆる年金のみの場合の企業規模のトータルですね、ここのところを三十年以上がどういうふうになっているのか、この報告をお願いしたいと思います。
#70
○説明員(江田茂君) 退職年金のみの分でございますが、企業規模の計の大卒でございますと三十年以上勤続で千五百四十二万円、これは年金の額でございますので、将来支給されます額を総計いたしまして、そこから利子を差し引いて現在の価額を出すわけでございますが、そういったような額になっております。それから旧中・新高卒でございますと千四百十五万円、小学校・新中卒の生産労働者でございますと六百二十六万円、以上のような数字になっておるわけでございます。
#71
○野田哲君 その内訳ですが、27表の5の2、千人以上の規模のところでは、この退職年金の現価額はどういうふうになっておりますか。
#72
○説明員(江田茂君) 大卒以上でございますと千六百七十六万円でございます、旧中・新高卒の分でございますと千七百八十二万円、小学校・新中卒の生産労働者の分でございますと九百四万円と、以上のような数字でございます。
#73
○野田哲君 次は28表ですね。一時金とそれから年金の併給という状態がありますね、これの総括表28表の5の1ですか、ここをちょっと示していただきたい。
#74
○説明員(江田茂君) 企業規模の計の年金と一時金の併給の分でございますが、大学卒でございますが、退職一時金の額千二百六十四万円、退職年金の現価額五百九十九万円、合計で千八百六十三万円でございます。それから高卒の分でございますが、退職一時金の額が千百六十六万円、退職年金の現価額が四百四十七万円ということで、合計千六百十三万円というような数字になります。それから小学校・新中卒の生産労働者の場合でございますと、退職一時金が七百三十六万円、退職年金の現価額が三百三十五万円、両方合わせますと千七十一万円というふうな数字になるわけでございます。
#75
○野田哲君 ですから、この28表の5の1で見ると、一時金と年金の併給の制度のところでは旧大・新大卒の普通事務・技術労働者の場合三十年以上勤務した場合には両方合わせると千八百六十三万円、旧中・新高卒の場合は千六百十三万円、こういうふうになっていますね。
 次に、その28表の一時金と年金併給の企業の千人以上のところはどういうふうになっておりますか。
#76
○説明員(江田茂君) 千人以上の大卒でございますと、退職一時金が千三百十二万円、退職年金の現価額が六百十二万円、合計千九百二十四万円となります。それから旧中・新高卒の場合でございますと、退職一時金が千二百二十六万円、退職年金の現価額が四百七十九万円、合計で千七百五万円でございます。小学校・新中卒の生産労働者の場合でございますと、退職一時金の額が七百六十二万円、退職年金の現価額が三百四十九万円、合計いたしまして千百十二万円と、このような数字になっているわけでございます。
#77
○野田哲君 28表の5の4というのがありますね。百人から二百九十九人、そこはどうなっておりますか。
#78
○説明員(江田茂君) 百人から二百九十九人までの規模の大卒の場合でございますと、退職一時金の額が千七百八十六万円、退職年金の現価額が七百六十四万円、合計で二千五百五十万円となっております。旧中・新高卒でございますと、退職一時金の額が千百四万円、退職年金の現価額が三百五万円、合計で千四百九万円、このような数字でございます。それから小学校・新中卒の生産労働者の場合でございますと、退職一時金の額が三百七十万円、退職年金の現価額が二百二十五万円、両方で五百九十五万円、かような数字になっておるわけでございます。
#79
○野田哲君 三十五年というのは統計上は出ていないんですが、これはわかりますか。
#80
○説明員(江田茂君) 五十三年度の調査では三十年以上というところでとどめております。三十五年以上はわかりません。
#81
○野田哲君 五十三年の労働省の調査、かなり詳細な資料があるんですが、人事院に伺いますが、あなたの方で五十二年に調査されたのは、いま労働省が報告されたような形とほぼ同じような形での資料になっているわけですか。
#82
○政府委員(長橋進君) 私どもで調査いたしましたのは、学歴について申しますと大学卒、高枝卒ということでございます。したがいまして、先ほど御紹介ありました新中卒等は入っておりません。それから、つまり定年退職者を対象にしております。長期勤続で定年によって退職した人を対象にしております。それから職種は事務、技術ということでございまして、学歴別に、職務段階別に調査をいたしております。
 以上でございます。
#83
○野田哲君 そうすると調査内容としては、いま労働省が述べられた調査内容とほぼ見合った形になっているわけですね。
#84
○政府委員(長橋進君) ほぼ見合った形になっております、
#85
○野田哲君 そういたしますと、これはどっちになるんですか、資料は総理府の方へそっくり渡されたということなんですが、いま労働省が述べたような分類で内訳の報告ができますか。
#86
○政府委員(山地進君) どちらかというお話でございますので、民間の調査の方は人事院の方でおやりいただいたのですが、いまのような分類でできるかどうか検討してみます。
#87
○野田哲君 いま労働省が五十三年調査の報告を述べられたわけですが、どうしても私は、総理府の資料による官民比較の表ですね、勤続二十五年で国家公務員が千四十七万円で民間企業が九百二十一万円、三十年のところで公務員が千四百六十三万円で民間企業が千三百三十九万円、三十五年で公務員が千八百三十七万円に対して民間が千六百八十二万円、この比較が基礎になって改正が出ているわけですけれども、いまの労働省の報告された資料によると、私はどうもこの簡単な比較表ではこれは理解ができないんです。いまの報告にありましたように、28表の5の4表、企業規模の百人から二百九十九人、こういう小さい規模のところでも、退職一時金と年金を併給する企業では二千五百五十万円、大卒については。高卒について千四百九万円、こういう数字が労働省の統計資料では出ているわけです。そしてさらに、28表の5の2、ここでは千九百二十四万円、千七百五万円、こういうふうに一時金と年金の併給の企業のところはこの比較よりも相当高い数字が出ているわけです。さらに、一時金のみのところについても、三百人以下の企業規模のところを除いては全部、いまの労働省の御報告ではこの比較よりも民間の方が高いわけですから、一昨日の質問の中でも人事局長は、企業年金については現価額に引き直して比較したんだと、こう言われたわけですけれども、いまの労働省の調査による企業年金と一時金の併給のところ、企業年金だけのところ、そこを見ると、私はどうもこの比較、これは納得できないんです。
 そこで、いま労働省の報告のような形での比較表ができる、こういうことであれば、それをひとついまの労働省の五十二年の資料に見合った形で示してもらいたい、こういうふうに思うんです。
#88
○政府委員(山地進君) もちろん人事院の方で各企業別の個票というのをお持ちだろうと思うんです。私どもの方に個票が来ているかどうかは私、定かでございませんけれども、こういったものを集計するときは、その個票に基づいて集計しなきゃなりませんので、もしそういったことについて資料提出する場合には、私どもとしては喜んで何でも提出しますけれども、時間がちょっとかかるということが懸念されるわけでございます。
 そこで、これは先日ここで申し上げましたとおり、年金についてはいま労働省の御説明になったような現価額に引き戻して、企業負担部分についてですね、引き戻してやっていることは間違いないわけでございますから、ただそれが一恐らく労働省の統計と私どもの統計では、私どもの方はサンプルは千五百社でございますので、そこでたとえば、労働省のいまの御説明のように、年金のみの企業というのは全体の一六%であるというような御説明ありましたように、その私どものサンプルの千五百社について、一体企業年金の制度がどれぐらい行き渡っているかと、そこのパーセントから合っているかどうかということがまず問題が出てくるだろうと思うんです。これはただ四十八年以降の、二回しか実験してないわけでございますけれども、官民の比較の方法をどう正確度を増していくかという問題にはつながってくるかと思うのでございますが、私どもとしては現在のやり方でいかざるを得ないかなと。
 いずれにいたしましても、その個票からどれぐらい時間がかかるかということはございますが、調べまして資料というものをつくってみたいと、かように思います。
#89
○野田哲君 そうすると、私、残り四十五分ありますから、それはひとつその資料を受け取ってから後でやらしていただきたいと思うんで、これで終わりたいと思うんです。
#90
○政府委員(山地進君) いまの資料の作成について、人事院とちょっとどれくらいかかるか打ち合わせたいと思いますので、暫時時間をいただけますでしょうか、
#91
○委員長(遠藤要君) ちょっと速記をとめて。
   〔午前十一時四十五分速記中止〕
   〔午前十一時五十九分速記開始〕
#92
○委員長(遠藤要君) それでは速記を起こしてください。
 暫時休憩いたします。
   正午休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十四分開会
#93
○委員長(遠藤要君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#94
○片岡勝治君 まず初めに、今度のこの退職金減額にかかわる法案は、いま政府が旗を振っております行政改革のいわば突破口だというようなことを関係者は言っておるわけでありまして、そういう点から、行革との関連においてしかと関係当局の見解を承りたいと思っていたわけでありますが、本日は、行政管理庁関係は衆議院で公聴会をやっておる関係で出席できないということでありますので、この部分につきましては他日に譲りましてしかと承りたいと思いますので、あらかじめ委員長の方にお伝えをいたしておきたいと思います。
 なお、本日の審議に当たりまして、名古屋大学の室井先生においでをいただくことになりました、委員各位の御賛同によりまして参考人として御出席願えることになりましたが、この御手配をいただきましたことについて厚く御礼を申し上げたいと思います。
 なお、先生には大変お忙しいところを当委員会に御出席をいただいたことを、お願いをいたしました当人として、心から感謝を申し上げたいと思います。
 まず初めに、人事院総裁と総務長官にお伺いをいたします。
 退職手当とは何ぞやという課題は古くて新しい問題でありまして、今度の法律審議に当たりましてもすでに関係者の御質問にもございました。静かに答弁をお聞きいたしましても、率直に言って人事院あるいは政府、総務長官のお答えも必ずしもその性格づけということが明確でないと私は感じ取っておるわけであります。しかし、その性格いかんによっては、いわゆる受給者、一般公務員のみならず働く一般労働者の賃金あるいはその生活に深くかかわる問題でありますので、これは将来とも大きな課題として検討されると思うわけでありますが、今日時点で人事院はどのような性格づけをしているのか、公務員の給与全般に対していわば責任的な立場にある人事院総裁、そして総務長官のまず見解を承りたいと思います。
#95
○政府委員(藤井貞夫君) 総理府の方から先にお答えいただくのが筋ではないかと思いますが、御指名が先にございましたのでお答えをいたします。
 退職手当の性格いかんということは、いまお述べになりましたように、いまのところ実ははっきりとした遺憾ながら定説がないという状況で推移をしてきております。すでにいままでもやりとりがございましたように、長期勤続に対する報償説であるとかあるいは賃金の後払いであるとか、いろんな論議がいままでもなされておるのであります。ただ、従来から人事院あるいは政府、総理府もそうでございましょうが、大体どちらかといえば長期勤続に対する報償という性格が強いのではないかという立場をとってきておるのであります。これは、後払いということになりますと、実はさらにその性格づけ、毎月の給与というものとどういう関係になり、どういう割合がそういうことになるのかというようなことで、これまたやはり考えてみればいろいろ大変むずかしい問題が出てくるというような点もございます、そういうようなことで、どちらかといえば報償説というものに強く傾いておることは事実でございますが、それはそれとして、これも先刻来から申し上げましたように、われわれといたしまして、やはり大変大事な勤務条件であるということは間違いのないことであろうと思っております。
 そういう角度から、人事院といたしましても大変な関心を持っておるわけでございまして、これは総理府からの御依頼のあるなしにかかわらず、大体民間の状況はどういうふうになっておるんだろうかという実態はやはり把握しておく必要があるということで、おおむね五年ぐらいを目当てにしていままで実態の調査を進めてきておるわけでございます。今回の法案の基礎になりました調査については、総理府の方から御依頼を受けまして調査をいたした結果を総理府に御報告を申し上げたということになるわけでございます。
 ただ、今度の改正法案の附則等にも、やはりこの問題は大変重大だから、その調査技法その他を含めて民間の動向等さらに精査した上で、そのあるべき姿というものについて調査検討をして結論を出しなさいという仕組みになっております。したがいまして、そのうち総理府の方からも御連絡があるかと思いますが、われわれといたしましても、非常に重要なこれは問題である、特に勤務条件としてやはり大変重要な意味を持っておるというふうに理解をいたしておりますので、人事院といたしましても、積極的にその調査の技法なり問題点のあり方なりというようなものにつきましては、掘り下げた検討を今後ひとつ積極的に進めてまいりたい、かような態度で本問題に取り組んでおるわけでございます。
#96
○国務大臣(中山太郎君) いま人事院総裁からるるお述べになりましたが、総務長官としては、長年公務に従事した者に対する報償制度であるという一貫した態度をとっております。
#97
○片岡勝治君 いま、総務長官並びに人事院総裁の見解を承ったわけであります。人事院総裁の冒頭の御発言にありましたとおり、率直に言っていろいろ定説があるということであります。
 そこで、冒頭申し上げましたように、本日名古屋大学の室井先生においでをいただきまして、いま審議されております国家公務員等退職手当法の改正案につきまして、まずその基本的な性格、あるいはこれに関連いたしまして法律の扱い等につきまして、この際、参考人の御意見を拝聴いたしたいと思います。
#98
○参考人(室井力君) 室井でございます。
 いまもお話がありましたけれども、退職手当の性格につきましては、説がいままでのところ大体三つあると思います。長年の勤続の功労報償説、生活保障説、それから賃金の後払い説でございますが、どういうふうに見るのかというふうに考えた場合に、私はどれか一説ですべてが説明がつくとは思えないし特にわが国の場合には、特殊な勤務制度のもとで承認されているものでございますので、いま申しました三説のどれか一つで説明がつくかどうかというのは疑問に思っております。
 つまり、あえて言えば三説のいずれもがそれぞれの部分において並列的に説明ができるようなニュアンスのものかもしれないとも思っているわけですが、ただ、現行法の取り扱いを見ますと大変わかりにくいんでございまして、国家公務員法には退職手当についての規定はございません。したがって、給与準則におきましても各種のさまざまな手当についての規定を設ける旨の条文がございますけれども、退職手当についての規定はありません。地方公務員法でも、同じ公務員法ですが、やはりはっきりした条文はございませんで、どういうふうに見ていいのか、明示的な根拠はありません。ただ、地方自治法という法律に、二百四条ですけれども、そこに「給料・旅費・諸手当」という項がございまして、そこでいろいろな手当と並んで退職手当も定められております。そうしますと、地方自治法という法律で言う地方公務員に出される退職手当は、広い意味での給与の性格を持つかのようにも言えると思われます。つまり、公務員法に言う給与として退職手当を理解するかどうかについて法律が必ずしも明確な規定を持っていないと言えるように思うわけです。
 ただし、そうは申しましても、先ほど人事院総裁の方からお話もありましたが、四十三年の最高裁第三小法廷の判決にもありますように、国家公務員等退職手当法による退職手当が労働基準法十一条に言う労働の対償としての賃金であるという点についてはほぼ異論がないかと思います。
 いずれにいたしましても、国家公務員法、地方公務員法の上ではっきりと給与に入るかどうかは明確ではございませんが、地方自治法との関係で申しましてそれを推定できるというにすぎません。結局「給与その他の勤務条件」というかっこうで一括しますと、当然そこには入ってくるわけでして、非常に重要な職員の勤務条件の一環をなすということは恐らく異論がないと思います。つまり、簡単に申しまして労働基準法十一条――これは一般に民間の従業員のそれを問題にしているわけですけれども、当然に特別の異論あるいは合理的根拠を持った排斥理由がない限りは公共部門の職員にも当てはまりますのでして、この労基法十一条に言う「賃金」であって公務員法上の「給与その他の勤務条件」の一種であるということが法律の上では言えるように思います。それ以上のあれこれの議論は、現在の退職手当法改正案の審議そのものについて、その際、当然に密接なかかわりがあるかどうかは私自身は疑問に思っております。
 以上です。
#99
○片岡勝治君 退職手当の性格についていまお話しをいただきまして、私どもも退職金の持つウエートというものが昔と違って非常に大きくなってきておると思っております、労働者にしてみれば、もちろん毎月の給与そして退職時の退職金、退職後の生活を保障するという意味の年金――今日労働者の生活を支えている、あるいは将来の労働者の生活と言ってもそういう要素もありますけれども、この三つがいわば三本の柱だろうと思うわけであります、そういう意味では、退職金の性格というものをもっと明確にすべきではないかと常日ごろ考えているわけであります一。
 そこで、いま先生のお話のことから、いずれにいたしましても重要な勤務条件の一つである。これは人事院総裁もそのことを非常に強く強調されておるわけであります。重要な勤務条件の一つであるということはほぼ明確になってきていると思うわけであります。
 そういたしますと、先ほども野田委員からの質問にも触れられましたけれども、この重要な勤務条件の決定ということの過程の中におきましては、当然労使の関係、すなわち使用者側と被使用者のもとでの交渉というもの、三公社で言えば団交権というものが当然ここにあってしかるべきだろうと思うわけであります。しかし今日、この退職金に関しましては、公務員、三公社五現業その他公務員関係全部網羅した一つの法律になっておりまして、そういう関係も恐らくあるのではないかと思うんでありますが、この団交権というものが保障されていない、こういう現実でございます。重要な勤務条件の一つであるということになりますれば、当然団交権というものがその裏づけになっていかなければならぬと私は思うんですが、参考人はこの問題についてはどのような見解をお持ちですかし
#100
○参考人(室井力君) お答えします。
 御存じのとおり、現行法でまいりますと、いわゆる非現業職員につきましては変形的な団交権と申しますか、しかございませんし、公労法適用職員及び地公労法適用職員につきましては協約締結権を含む団交権が承認されております。
 退職手当について考えますと、いま御質問にありましたように、国家公務員等退職手当法という法律は、あらゆる国家公務員及び三公社の職員のすべてについてその退職手当を規定しております、地方公務員のレベルで申しますと、これは地公労法適用職員の場合におきましては、退職手当は労働協約の中身としての交渉事項になっているはずです。地方公務員におきます、いわゆる非現業職員の場合におきましても条例でこれを決定するわけですけれども、その事前の当局との交渉は法律上承認されているはずです。といたしますと、国家公務員の場合にも、退職手当法改正における事前の交渉ということはあってもよろしいし、別に支障はないわけですけれども、一つだけ地方公務員のレベルと国家公務員のレベルでアンバランスがございますのは、地公労法適用職員の場合には完全な団体交渉の対象事項である、協約事項である。けれども、国家公務員あるいは三公社の場合には、公労法適用職員について退職手当法という法律がその内容を決めますので、団体交渉事項あるいは協約事項でないという点が違っているように思います。
 したがって、その限りにおきまして、たとえば公労法八条一号なり四号の規定による団体交渉事項に、もし国家公務員等退職手当法がなければ当然に入るわけですけれども、その法律がありますので、いまは団体交渉事項、労働協約事項になっていないというそういう現行法の事実だと思います。もちろん、これは法律事項でも条例事項でもそうですが、事実上法律を提案する者と労働者との間において、職員団体との間においてあれこれの交渉をすることは当然あってよろしいし、むしろ好ましいというわけです、
 つまり、簡単に申しまして、非現業職員については地方公務員の場合も国家公務員の場合も違いませんけれども、公労法適用職員と地公労法適用職員におきましては同じ対象でありながら法制度が異なっておるという、ある意味では理解に苦しむ状況、現状があるというふうに考えまして、その点についてはやはりいろいろの沿革、理由があるんでしょうけれども、立法論的に、あるいは立法政策論としましてはきわめて理解に苦しむところであるというふうに思っております、
 以上でございます。
#101
○片岡勝治君 大変問題点が浮き彫りにされてきたわけでありますが、さてそこで、いまのように一つの法律の中に国家公務員とそれから三公社五現業という公労法適用職員の退職金が一括、一本になっているところに、そういう立法上の技術的ないわば矛盾といいますか、そういう点がこの退職金にいろいろ大きな影響を与えていると思うんです。
 そこで、今度は非現業の国家公務員、一般国家公務員の場合の勤務条件につきましては、いわゆる民間準拠という原則により、もっと基本的には国家公務員の労働基本権のいわば代償としての性格という意味もありまして、人事院の勧告ということで給与が決まるというそういうシステムになっております。ところが、この退職金につきましては、いままで人事院総裁は、まあ気持ちの上では大分意欲がありそうにうかがえるんですが、法のたてまえといいますか、あるいは役所のなわ張りを侵してはいけないという倫理観からかもしれませんが、非常にこの委員会における答弁でも、率直にいって遠慮がちなんです。
 そこで、われわれからすれば、国家公務員の退職金というものが勤務条件の先ほど指摘されました重要な要素の一つということであれば、当然この退職金の決定に当たり、あるいはその変更に当たっては、人事院が民間準拠をも含めていわば客観的な資料に基づいてこれに対する意見、見解、勧告、そういうものがあってしかるべきではないかと思うんでありますが、今日ではそういう仕組みになっていない、この問題について参考人はどのようにお考えになっておるでしょうか。
#102
○参考人(室井力君) 人事院の給与等の勧告制度は、いわゆる労働基本権の制約に対する代償措置であるという言い方が最高裁などで行われております。で、非常にこれは大事な制度でございますけれども、退職手当が給与その他の勤務条件に当たることに異存がないならば、一般論として、人事院が国家公務員法三条二項によって権限を有する勤務条件の改善に関する勧告権を有するはずであります。ところが、御案内のように国公法の十八条の二で、同じく国の中央人事行政機関として内閣総理大臣の権限が定まっております。そこでは総理大臣、これは具体的には総理府になりますけれども、職員の能率、厚生、服務等に関する事項を所掌します。ただ、先ほど読みました三条二項の人事院の所掌に属するものは除外するとなっておるわけです。
 そこで、退職手当に関する事務というのはどこが所掌をするんだろうかということについてあれこれ条文をひもといてみますと、結局総理府の人事局にその所掌が定められておるようになっております。つまり、総理府設置法六条の三第四号に「国家公務員等の退職手当に関すること。」という文言がございます。ところが、先ほど読みました国家公務員法十八条の二第一項の総理大臣の権限としましての職員の能率、厚生、服務等に関する事務につきましては、総理府設置法六条の三第三号に規定してあるわけです。すなわち国家公務員法では、退職手当に関する事務を総理府に当然にゆだねることは予定していないものであります。国家公務員法で総理大臣の権限とされている事項は、設置法の六条の三第三号に書かれているものでありますから、そうしますと、この総理府設置法六条の三第四号というのが、実は総理府が退職手当に関することを所管する根拠規定になってくるわけです。
 これは立法論として、国家公務員法の「給与その他の勤務条件」にこの手当が入りますならば、きわめて異常な立法例であろうかと思います、つまり国家公務員法三条二項の人事院の権限、十八条の二、一項の総理大臣の権限の規定を踏まえまして、総理府設置法六条の三第三号及び第四号、この三つの関係を見てみますと、どうもしっくりわからないところがあります。ただしかし、それは一応そういう立法論としての、つまり立法技術的な疑問は別にいたしましても、人事院の権限に属するものについては、国家公務員法十八条の二第一項が示しますように、総理大臣はその権限としてこれを行えないとなっておりまして、結局問題は、総理府設置法六条の三第四号があるがゆえに、およそ人事院は国公法における職員の給与その他の勤務条件に関する改善に関する勧告権を退職手当については持っていないと言えるかどうかの問題なんですね。
 私によれば、なるほどいまの国家公務員等退職手当法の対象とする職員はあらゆる国家公務員でございますので、国家公務員法の適用のある一般職職員でない者も入っています。したがって、その限りにおいて人事院の勧告権限というのは及ばないものがあるかと思いますけれども、しかし人事院の勧告制度の代償措置性の重要性をかんがみますならば、理論上は、特に国家公務員の一般職に属する職員の退職手当についての改善に関する勧告権を全く持っていないと言わざるを得ないかどうか、これは多分に疑問でありまして、理論上は一般職の職員の退職手当については勧告権がないと言う必要はないんじゃないかという解釈もあるように存じます。
 つまり、一方における国家公務員等退職手当法という非常に画一的な、非常に機械的な、ある意味では非常に単純など申しますか、非常に安易な法律を前提に、そこからすべての国家公務員法等の規定を逆に読み込んでいくという姿勢じゃなくて、国家公務員法の精神あるいはこの人事院制度の代償措置性ということを重視しますならば、確かにいまお話ししましたような解釈も十分可能でありまして、そうしますと、国の省庁間の職務権限の分配という観点が現行法では必ずしも十分に明確になっていないと思われます。人事院の権限を排除するという規定はどこにもないわけですから、そうすると、国家公務員法の精神に乗っかった解釈でもって人事院の勧告権限が一般職職員についてはなおも残っていると言うことができるような気もいたします。そういう意味で、現在の運用と申しますか法の運用、慣行的な運用が絶対的なものかどうかは若干疑問を持っております、
 以上でございます。
#103
○片岡勝治君 退職金の性格というものから、その権限、これを所管する役所等いろいろ複雑な問題があるこの退職手当法でありますが、私がこの問題について考える場合に、一つには、したがっていま先生のおっしゃるようなことを、私は法律家ではありませんが、素人考えでありますけれども、立法技術上の一つの課題としては、まず国公、つまり国家公務員関係の退職金と三公社五現業の退職金、そういうものは本来分離して立法すべき問題ではないのか、そういうような一つの立法上の技術的な問題を解決することによって、全部解決するとは思いませんけれども、一つの区切りといいますか明確になる部分があるような感じがいたしますが、この点についての先生の御見解。
 それからもう一つ、いまいろいろ人事院の職務権限と退職金の関係の御説明がございました。大変よくわかってまいりましたけれども、さてそこで、いま先生の御見解を踏まえた上で、私どもとすれば、この法律が所掌する対象は国家公務員に三公社五現業が含まれているわけです。したがって、人事院はたから勧告ができないということではなくして、その法律を適用される職員の大宗ということではありませんけれども、相当な部分が国家公務員でありますから、その国家公務員を対象にして退職金はかくあるべきであるという人事院としての見解、勧告、そういうものが自律的に出されてしかるべきではないかと思います。この点について人事院としてもっと積極的にそういう事実行為としての意見具申というものをわれわれは期待するわけでありますが、こういう点について先生のひとつ見解をもう一度承りたいと思います。
#104
○参考人(室井力君) まず第一点の立法論でございますが、私は、やはり現行法の仕組みというのは、先ほどもお話ししましたように若干整合性を欠いていると思いますので、でき得べくんばやはり公労法、地公労法及び非現業地方公務員、非現業国家公務員の二段構えの法構造を前提にしますならば、退職手当につきましても、国家公務員等につきましては、それぞれ公労法適用職員については別途の協約対象事項とするような法制が望ましいと思いますし、また裁判官あるいはいわゆる労働基本権または団体交渉権を有していない国家公務員等につきましては、別にこれは制度をつくる方が現実的にも妥当性を持つし、理論的にも好ましいと考えます、
 そして、第二の人事院の勧告権限に関しましては、先ほど私は、現行法下でもなおも一般職職員についての勧告は退職手当についても可能であるかのように申しました。これは、かなりある意味では大胆など申しますか精神をくんだ法律論でして、総理府設置法六条の三の三号と四号を見ますと、三号には先ほどお話ししました国家公務員法十八条の二、一項と同じような条文、つまり人事院の所掌に属するものを除いた公務員の能率、厚生、服務等に関することとなっておりますが、第四号ではそういう括弧書き、「(人事院の所掌に属するものを除く。)」という括弧書きがないわけですので、この点から、全く形式論的には、いやこの退職手当については人事院はおよそ関係がないという解釈も可能でありましょう。けれども、私はそれはそうじゃなくて、はっきりと明文で規定していない限りは、人事院制度の持つ現行公務員法下での意義を重視し、労働基本権とのかかわりにおいても代償機能性を注目するならば、いま先ほどお話しをしましたような解釈も十分に可能である。もう立法論としましては、私はほかの勤務条件と同じように、退職手当に関しましても人事院の勧告権の対象にすべきであると考えております。
 以上です。
#105
○片岡勝治君 いまの点に関連いたしまして、国家公務員法の第二十二条がございます。「人事院は、この法律の目的達成上、法令の制定又は改廃に関し意見があるときは、その意見を国会及び内閣に同時に申し出なければならない。」と、いわゆる給与の勧告権とは別にこういう条項がありますから、いま先生のおっしゃるように、退職金に関し人事院が一定の勧告というようなものを出すということと同時に、この第二十三条の、たとえば今度の退職金の改正等についてこの第二十二条には適用事項にならないのか、つまり二十二条を適用して人事院は今度の退職金の改正案について意見を申し出ることが、われわれ素人考えで言うと当然申し出ていいじゃないかというふうに考えるわけなんですがね、この条項を使って、この点はいかがでしょうか。
#106
○参考人(室井力君) この第二十三条は、一般的な意見具申し出義務ですね、人事院の国会と内閣に対して同時に意見を申し出る義務があるわけです。したがって、もし退職手当法の改廃に関して意見を人事院がお持ちであれば、当然のことながら申し出る義務があるというだけでありまして、意見をお持ちにならなければ終わりであるということなんでございますね。だから問題は、したがって人事院がそういう意見をお持ちになったかどうかですし、その意味で先ほどの勧告権についてなおも非常にむずかしいとお考えならば、この二十三条の制度を利用することも一つの手法、システムを使う手法であろうかと思いますが、それは人事院の御判断で決まってくるわけでございます。
#107
○片岡勝治君 いままで人事院に対して、総裁に対していろんな角度から質問を私どもしておりますけれども、冒頭申し上げましたように、相当意欲を持っておられるようなんですよね、この退職金について、人事院の方も。まあ腹のうちを見たわけではありませんけれども、二足の見解もお持ちのようなんでありますが、どうもちょっと公式の場では遠慮されているような気持ちがするわけでありまして、これは後ほど人事院の方にもお伺いいたしますが、せっかくこういう二十三条の規定がありますから、われわれとしては人事院の――これまでも率直に申し上げまして人事院に対して私どもは大きな評価をいたしております。特に人事院勧告の完全実施を、ずっとその実績をつくったということにつきましては、人事院――もちろん人事院ばかりではありません、総理府、政府の御努力も私ども評価をするわけであります、
 そういう人事院の存在価値というものが非常に高まってきておりますから、そういう点で、この退職金に対する人事院の見解というものも相当明確なものを持っているのではないか。しかし、この法案の審議に当たってはなかなかその御意見が出てこないという点を私ども残念に思います。これはいろんな制度等の問題もあるでありましょうし、われわれ国会自身が法改正その他についてもっと人事院が見解を表明できる、そういう法的な措置というものも当然考えていかなければならない国会自体の問題があると思います。それはそれとして、私ども大いにこれから勉強していきたいと思います。
 そこで、せっかくの機会でありますから、この退職金を算定する計算をする基礎になるのは、公務員、これは三公社五現業も同じでありますけれども、給与でありますね、月々の給与である。それが経験年数によって若干のいろんな条件がありますけれども、その年数倍にしていくというこういうことになっております。したがって、給与とは無関係でありません。給与が低くなれば自動的に退職金も少なくなる、こういう連動をしておるわけであります。
 先生御承知のように、いまこの人事院勧告をめぐりまして、時あたかも行革ムードといいますか、そういう旗が振られておりまして、そういうことからでありましょう、この人事院勧告について値切ったらどうか、値切るという手法にはアップ率そのものの率を下げるとか、あるいは実施時期を繰り下げるとか、こういうことが巷間伝えられております。私どもはよもやそういうことはありますまいと信じております。信じておりますが、そういうことが風の便りに聞こえるものですから、非常に心配をしております。先生も行政法ということが御専門のようでありますので、この人事院勧告について、勧告制度あるいはその実施について、この際、せっかくの機会ですから御見解をお伺いをいたしたいと思います。
#108
○参考人(室井力君) 人事院の勧告制度はわが国の非常に特異なものでございまして、私の記憶でも、ILOの第一回公務合同委員会というのが一九七一年にございました。私そこへ参席しまして、政府の代表として当時の総理府の人事局長の方がいらっしゃいましたが、そのときに、そのILOの公務合同委員会の会議場で政府の方が、わが国は公務員の争議権を一律に禁止しておるけれども、そのかわりに人事院の給与勧告制度があってそれが完全に実施されておる、十分に機能しておる、だから結構なんだと、むしろ他の国々がわが国の制度を模範にしたらどうだというような発言があったのを記憶しています。あるいは最高裁全農林判決その他のそれ以降の判決におきましても、勧告制度というものが争議権全面一律禁止の重要な代償措置の一つであることは繰り返し説かれております。もっとも全農林警職法事件最高裁大法廷判決における二裁判官の追加、補足意見の解釈につきましては、私も当時ある物にも書きまして、つまり代償措置が十分に機能していなければストライキをしてもよいというふうに簡単には読めないように思いました。政府がそれなりに努力していけばそれでいいんだというような――最近、宮澤官房長官が新聞等で御発言になっているのを読みましたけれども、そういうニュアンスに読めないものでもないような表現であります。けれども、それにもかかわらず重要な代償性であることは恐らく異存がないと思います。言いかえますと、国際会議の場における日本政府の代表の発言や最高裁判決が、争議行為一律禁止を合憲とするその理由の重要な一環として人事院勧告制度を強調をして挙げているわけなんです。
 第二次臨時行政調査会の中でも、私、若干資料を拝見しますと、人事院総裁もそのことを非常にヒヤリングで強調されておったようです。ところが、今年度の人事院勧告を見て感じますことは、一つは、やはり第二臨調第一次答申の厳しい公務員の給与抑制策を目前にしまして、公共企業体等労働関係法、つまり公労法適用職員のそれよりも低い勧告を人事院はなさっておる。つまり、第二臨調第一次答申を頭に描いて、一応従来と違った自粛的な、自己抑制的な勧告をなさっておるということが気になります、第一に。
 第二には、その自己抑制的な人事院勧告を、最近の報道によりますと、政府がまたもう一歩抑制しようということの動きがあるかのようですが、これは二重に不当であると思います。つまり、現行公務員法制における人事院勧告というもののわが国の特殊な伝統、歴史、従来の運用等を見まして、やはりよほどの異常なことがいま起きる可能性があるという、起きかかっているという点について、法律家としてもその不当性について大変大きな疑問を持っています。
 以上です。
#109
○矢田部理君 関連。
 室井参考人がおいでになっておりますせっかくの機会でございますので、人事院総裁と室井参考人の御両者にちょっと伺っておきたいと思うんですが、先ほど片岡さんから触れられました国公法の二十八条の関係です。二十八条には、御承知のように「この法律に基いて定められる給与、勤務時間その他勤務条件に関する基礎事項は、国会により社会一般の情勢に適応するように、随時これを変更することができる、その変更に関しては、人事院においてこれを勧告することを怠ってはならない。」と書いてあります。先ほど御両者とも、退職手当の法的性格についていろんな議論がありましたが、共通しているのは、重要な勤務条件だという点では一致しているわけです。
 そういたしますと、人事院総裁、この二十八条で言う「給与、勤務時間その他勤務条件に関する基本事項、」という、この「勤務条件」には当たるというふうにお考えなのかどうか。当たるとすれば、どうしてこの勧告権を発動しなかったのか。従来の説明によりますと、退職手当法の対象が非現の一般公務員だけではないというようなことも一つの理由にされているように受けとめているわけであります。それはそれとして、少なくとも非現の一般公務員に限ってはこの条項を適用すべきではなかったのか。それをやらなかったのは怠慢ではないのかという点で、私は非常に疑問を持っております、
 この点の論議は、いずれ私に与えられた質問のときに改めてやることにいたしますけれども、その見解を承っておきたい。同時に、その人事院総裁の見解について承った後で、室井参考人として反論があればひとつ出していただきたい。以上です。
#110
○政府委員(長橋進君) 足りませんところは総裁から補ってもらうことにいたしまして、現行二十八条の「情勢適応の原則」の条文におきましては、「この法律に基いて定められる給与、勤務時間その他勤務条件に関する基礎事項」ということになっておりまして、御承知のとおりこの「基礎事項」というのは法律事項というふうに考えておりますが、この「法律に基いて定められる給与、」ということになっております。
 先ほど室井先生の方からもお話がございましたように、現行国家公務員法に規定されております「給与」という中に退職手当が入るかどうかということになりますと、給与準則に規定すべき事項あるいは給与準則が制定されるまでの間機能しております一般職の給与法を見ましても退職手当に関する規定はないということから申しまして、少なくとも国家公務員法に言う「給与」の中に退職手当が入っておらないということは当然のことでございますけれども、この法律に基づいて定められる勤務条件、基礎事項ということまでもくくって読みましても、その中に公務員法では当然に退職手当までも含むということを予定していなかったのではないかというふうに考えておりますので、二十八条のいわゆる勧告権の発動ということについてはやはり問題があるのではなかろうかというふうに考えております。
#111
○政府委員(藤井貞夫君) 二十八条の解釈については、いま給与局長から御答弁申し上げたとおりだと私も理解いたしております。先刻来、室井先生お忙しいところを御出席をいただいて、大変有益なお話を伺いまして私も大変参考になりました。お礼を申し上げますが、せっかく、ちょっとございましたので、お許しをいただいて、二点だけ。論争じゃございませんから、そこはひとつお許しをいただきたいんですが、気のついたことを二つだけ申し上げたいと思います。
 一点は、人事院の権限についての三条について言及されました。しかし、この三条というのは、むしろこれは授権的なというか、ずばり人事院に権限をこの条文によって与えるという趣旨のものではなくて、これは、公務員法その他の法律におきましてそれぞれ具体的に規定をいたしておりまする人事院の権限を集約列挙したというふうに解釈をいたしております。したがって、現行法上の解釈としては、先刻非常に明快にいろいろ問題点を指摘せられましたように、退職手当については人事院の権限というものはこれは消極的に解せざるを得ないということに考えております。三条自体で授権をするものではないというふうな考え方を私はとっております。
 それから、もう一点だけでございますが、われわれが、臨調の今度の答申がございましたので、それを大体頭に置いて抑制的な勧告をしたのではないかと、これはとんでもない話でございます。われわれはそういうものには抑制を受けません。政府自身としては尊重されるといったてまえはこれは結構でございますが、人事院は、従来の方針どおり厳密に較差を求めて、較差が出だからこれを申し上げました。それと官公労との関係とは、これはまた説明をすれば長い、いろいろ原因がございます。われわれとしても自信のある言及もできるわけでございます。態度としてはそういうものではございませんので、これはひとつ誤解のないようにお願いを申し上げます。
#112
○委員長(遠藤要君) なお、御発言の前に。
 答弁者側の討論的な言葉でなく、ひとつ質問者に対してお答えを願うということで御協力をちょうだいいたしておきたいと思います。
#113
○参考人(室井力君) 人事院の権限の規定の解釈でございます。国公法二十八条の「この法律」云々という文言から限定されるとおっしゃるわけですけれども、これは、全く先ほど言いました形式論理的にはそういう解釈が可能であります。ただしかし、そうは申しましても、この法律にいろんなことを書いてございまして、給与に入るか入らないかも、これは必ずしもはっきりしないわけですね。給与準則に規定することは必ずしも要求されていない、けれども、給与準則に規定してはならないという条文でもないわけです。つまり、そうしますと、この退職手当というものの理解によってそれが職員の勤務条件というふうになりますならば、これは一般にこの法律の定める「給与、勤務時間その他勤務条件に関する基礎事項」の一部に退職手当の問題も入ってよいというふうな解釈も可能であります。
 だから、これは恐らく従来の解釈では、この法律があるから国家公務員の中で一項一句書いてある勤務条件だけのことを指しているんだと、退職手当は別の法律で決まっているから関係はないということをおっしゃるんでしょうけれども、しかし、この法律の定める「給与」に入るか入らぬか、一つの議論であります。入るという議論もあるでしょう、入らないという議論もあるでしょう。「勤務時間その他勤務条件に関する基礎事項」、勤務時間、勤務条件といった場合に、退職手当がこの法律で定める「勤務条件」に入っていないということを断言する規定はないわけです。入っているとも入っていないとも書いてないわけです。書いてないわけですから、ただ、現行退職手当法が別にあるから、その法律は別の法律だから、だから権限がないという解釈をなさるのでしょうけれども、私は、さきにお話ししましたようなこの人事院勧告制度の重大性、国家公務員における人事院制度の重大性を注目しまして、広く人事院の権限を認める方向で解釈をする方が条理にかなうという意味で申し上げたわけです。
 以上です。
#114
○矢田部理君 ありがとうございました。
 室井先生からお話がありましたように、文理解釈上は両論成り立ち得ると思うんですし問題は、人事院制度の置かれた意味、果たすべき役割り等々から両論ある場合には結論を導き出してしかるべきだと、どうして人事院が下がってしまうのか、みずから与えられた機能をフルに活用しようとしないのかというようなことが実態的にもあるわけでありますが、それはこの次の議論に譲ることといたしまして、室井先生、どうもありがとうございました。
#115
○片岡勝治君 室井先生、ありがとうございました。私の室井参考人に対する質問は以上で終わりたいと思います。
 お忙しいところ、感謝を申し上げたいと思います。
#116
○委員長(遠藤要君) 室井参考人には御退席いただいて結構でございます。
 ありがとうございました。
#117
○片岡勝治君 それでは、引き続きまして関係の総理府あるいは人事院に対しまして若干の質問を続けさしていただきます。
 いま参考人とのやりとりの間で、政府は政府、総理府は総理府としての見解はきっとおありでありましょう、人事院にも人事院の見解があると思うんですが、やはり静かに聞いてみて、国家公務員から三公社五現業から裁判官から、何もかもひっくくって一つの退職手当法をというところに他の制度との関係で矛盾点が出てきているという、そういう点では皆さんもお感じになったと思うんです。だからといって、すぐこれをどうするということについていろいろ検討の時間も必要であると思うんですが、いかがでしょうか、この際、この退職金についてその対象が非常に性格の異なる要素があるわけでありますから、将来これを分離していくというそういう点について検討するお気持ちはありませんか、たとえば国家公務員に対しての退職金の法律ということにしておけば、人事院とのかかわり合いにつきましても比較的すっきりした法体系ができるのではないか。人事院が民間準拠というそういう一つの手法をもって、いわゆる第三者機関としての立場から、退職金はかくあるべきだという一つの見解がもっとストレートな形で出てくるのではないか。そういたしますれば、これを審議するわれわれといたしましても、あるそうした客観的な資料に基づいてわれわれの判断も比較的しやすい、このように考えるわけであります。
 それからもう一つは、団体交渉権をいわば基本的に持っております三公社五現業、労働協約との関係もありますから、これと分離することによってそうした労使の関係も非常にスムーズになってすっきりしていく。もちろん広い意味では、三公社五現業といえども国家公務員の退職金と全くかけ離れて高いとかあるいは低いということは常識的に考えられません。そこには一定の、何といいますか水準というものは当然考えられてくると思うんですけれども、しかし、いまの一本の法律ということに若干の矛盾を感ずるわけでありますが、将来の検討課題にすべきではないかと思うんですが、これはどちらかというと総理府ですか、総務長官はどういうふうにお考えになるでしょうか。
#118
○政府委員(山地進君) いろいろの考え方、私もあろうかと思います。私も、常々立法論的にはどういうふうなものがあるかということについては、そういう方法もあるだろうということは申し上げているわけでございますが、過日野田先生にお答えした際、ちょっと蛇足になりましたけれども、過去どういういきさつでこれができたのかということを申し上げたわけでございます。
 これは、やはり戦後の退職手当、民間も非常に大きくなってくる、大きくなって普及してくるという中で、非現、現業すべてを含めまして、公務員の退職手当のあり方というのはどうなんだといったときに、やはり問題になりましたのは年金との関係だったわけです。いま民間でも、年金と退職金というのをどういうふうにするんだというのが問題があるように、これはやはり個々の公務員の生涯設計としても退職手当と年金の位置づけ、それから、払う政府といたしましてもどういうふうに考えたらいいのかということで、共済年金制度の成立と同時に退職手当法というのがいまの全公務員並びに公社に適用になってきているわけです。
 そこで、その共済組合法の方は一体どうなっているのかと言いますと、これは国家公務員共済組合法というのは、現業と非現の公務員を一緒にしているわけです。それから、三公社の方は公共企業体職員等共済組合法になっているわけです。いま、そこで何が起こっているかというと、共済年金の統合の問題が起こっているわけです。そこでは、いまの御議論と違って、三公社五現、公務員を含めて一本化するということができないだろうかというような議論も行われているわけです。したがって、労働関係から言ってどういうふうにしたらわかりやすいんだという議論ももちろんありますけれども、制度というのはやはりいろんな角度から議論されなきゃいけないんで、私は何も現状を維持するのがすべてだとは申しませんけれども、やはり私どもといたしましては、この退職金制度は過去これだけの長い歴史、しかも安定して持ってきているわけでございますから、こういう制度というものについてさらに大切に育てていくべきじゃないだろうか、これは私どもの考えでございます。
#119
○国務大臣(中山太郎君) いろいろ御議論が出まして、私も先ほどからずっと伺っておりましたけれども、いま人事局長がお答え申し上げましたような姿勢を総理府としては当分堅持をしてまいる。ただし六十年をめどに公務員制度、給与、いろんな問題を全般的に再検討するという人事院の意思がございますから、そういう中でやはりこの問題もあわせて検討されることも適当じゃなかろうか、このように考えております。
#120
○片岡勝治君 同じ問題で人事院総裁の見解をお願いします。
#121
○政府委員(藤井貞夫君) 本問題に対する人事院の見解は繰り返し申し上げておりますような次第でございまして。いま総務長官からもお述べになりましたようなことに尽きると思います。大変これは沿革がございましてこういうことになって来ておるんだというふうに私も理解をいたしております。形式的に見ますと、ちょっとほかに例のないかっこうで整合性が欠けているんじゃないかという批判も私はあると思います。そういう感じも当然ありまして、制度として考えていくのであれば、給与の勧告と同じように、給与については一般職でございますけれども人事院でもって勧告をする、それを受けて法案を御審議をいただく、つれて、これとの見合いで他の特別職なり何なりというものの給与が決定をされていくわけでありますから、それと同じような体系をつくるということ、これは制度的に言って不可能なことでも何でもございません。
 したがいまして、この点につきましては問題点の御指摘は前々から承っております。私も十分承知をいたしておるつもりでございますが、先刻総務長官からもお話のありましたように、直接いま人事院でもって所管ということにはなっておりませんけれども、大変重要な勤務条件の一つであるということは間違いのないことでございますので、将来にわたる長期的展望の間において、総理府とも十分御連絡をとりつつ対処してまいりたい、かように考えます。
#122
○片岡勝治君 今度の法案の提案説明を見ましても、あるいはこれまでの答弁をお聞きいたしましても、今度の改正につきましては、民間における退職金の実情にかんがみ、これを是正する必要がある、こういうことで、これしか理由は書いてないわけですね。
 退職金の改正というものは、前回の改正におきましても民間準拠、民間に比して二〇%のかさ上げをする、積み重ねをする、こういう提案でありました。今回はそれと逆に、民間と比べるとちょいと高い、だから一〇%削るんだ、こういうことであります。つまり退職金の改正というものは、その理由の九割九分というか、一〇〇%民間準拠ということですからね。そうなれば、政府あるいは総理府、つまり人事院とか民間ということを離れて、独自の一つの政策あるいは恣意、そういうものではない、まさに民間がこうなったんだから、いわば横並びで自動的にこうなるんだよと、これが提案説明ですよね。そういうことになれば、なおさらこれは人事院としてのかかわり合いがあってしかるべきだ、こう思うんですよ、
 そういう手法でこれからも退職金ということを考えていくならば、第三者機関である人事院がもっときっぱりかくあるべきだという、民間の実態調査はなれているんですから、そういうことで人事院としての機能をもっと発揮すべきだ、そういう意味では法的にも整備したらいいじゃないかと思うんですよ。このことをやったからといって、私は政府や総理府がいささかも自分の権威が失墜するということにはならぬと思うんですよ、むしろ、そのことの方が国民の理解を深める上でより合理的な理由というものが出るんじゃないかと思うんです。人事院は法律をつくる機関ではないので、政府に対してそういう意味では多少遠慮がちな意見に私ども承れるんですが、やっぱり人事院はこの際ですから、これもひとつおれの方にやらしてみろというぐらいのことで大いに意見を出してもらいたいと思うんですよ。これは一つの希望として十分検討していただきたいと思います。
 いまのに関連してやっぱり感じますのは、民間の退職金の実態調査に基づいて一つの資料をまとめ、それに基づいてこの法律をつくった、こういうことであります。ところが、その資料の内容に触れますと、いやもうそれはわれわれの方で調査をしたけれども、総理府にみんな資料を渡しちゃっている、こういうことですよね。ずばり言えば、人事院に対しての質問の答弁はそういうことです。
 ところが、総理府の方にお聞きすると、いやいや、もういろんな個票は全部人事院に行って、まとめだけわれわれはもらって、それに基づいてということなんですよ。ですから、そういう点について率直に非常に感じますのは、不明朗である、こう思うんですよ、これは。人事院の給与実態調査、民間のね、給与勧告のときには詳細な報告書が出ますね。ですから、民間の退職金を人事院が総理府から委嘱されて調べたと、こういうことでありますが、これは委嘱した方が予算は出したんですか。それとも人事院の方の独自の予算を使ったんですか、この調査をしたというのは。予算関係についてちょっと御説明してください。
#123
○政府委員(長橋進君) 一言で申し上げますと、特に退職金調査についての予算というものを組んでいるわけではございませんで、既定経費のやりくりで調査をしたということでございます。
#124
○片岡勝治君 そうすると、あらかじめ人事院はそういうことを予測して予算を計上し、最終的には政府が決定したと思うんですが、いわば予算上からすれば人事院の自主的判断で予算を組み、それを人事院の手続によって行使をした、執行した、こういうふうに理解していいでしょう、つまり、これは人事院の自主的な一つの行為としてそういう実態調査をした、もっと広く言えば人事院の機能を発揮するために自発的、自主的に調査をした、こういうふうに理解していいんでしょうか。
#125
○政府委員(長橋進君) この退職金の調査につきましては、先刻御案内のとおり、昭和三十六年以来、部内の検討といたしまして、つまり退職手当が国家公務員につきまして大変重要な勤務条件であるということでございますので、やはり人事院としましても民間におきます退職手当の動向というものは把握しておく必要があるということで、三十六年以来ほぼ五年ごとに調査をしておるということでございます。したがいまして、その調査の基本姿勢というものは従来からと変わっておるわけではございません。たまたま五十三年につきましては、総理府の方から特に退職手当について調査をしてほしいということでございまして、私どももちょうど五年目になりますので調査をいろいろ計画しておりましたので調査をいたしまして、そして依頼がありましたので資料をお届けしたということでございまして、給与につきましては詳細な資料を公表しておりますが、三十六年の調査以来、これは部内検討用ということで調査したものでございますので、一般的に資料は公表していないということでございます。
#126
○片岡勝治君 つまり、偶然総理府から依頼があった。もちろん総理府だって五年ごとにやっているということも御存じでしょうから、全く偶然とは言いがたいと思うんですが、まあ偶然という言葉を使わしてもらえるならば、偶然一致したということであります。
 いまのお話のように、人事院としても五年ごとに重要な勤務条件であるから人事院として調査をする、そういうために予算も組んでありますからね。しかし、それは調査するに意義があるんじゃなくて、調査した資料をもとにして人事院でも検討されているわけでしょう。調査しっ放しだったら、そんな、それこそ行革ムードで吹っ飛ばされますよ、そういう予算。それは調査をした。その調査に基づいて、現在民間の退職金はどうなっているのか、人事院が調べる以上、それは民間の退職金をふやすために調査するんじゃなくて、国家公務員の退職金との関係において調査をするわけですから、さて国家公務員の方はどうだということでいろいろ検討されるわけでしょう、そういうための調査でしょう、これは。そういうふうに理解してよろしゅうございますね。
#127
○政府委員(長橋進君) 民間の退職手当の支給状況につきまして、一般的にその動向を把握するということで調査をしたわけでございます。
 それから、調査をしました結果につきましては、現行の国家公務員の退職手当法がどうなっておるかということももちろん念頭には置いておりますけれども、基本的には民間の退職手当の動向がどう変わりつつあるかということの一般的な動向を調べるということで調査をしてまいったということでございます。
#128
○片岡勝治君 いや、それは一般的な動向を調査すると言っても、何か目的がなければ――調査することに意義があるんですか。
 しからばお伺いしますが、あなた方が出しているこの「人事院月報」昭和五十六年臨時増刊号三百六十五号、これは人事院がかくかくしかじかのことをやってきた、「公務員制度と人事院の役割り」、大変すばらしいことが書いてありまして、大変結構な書物なんです。私も感心していろいろ勉強、一通り読ましていただきました。この中にこういうことが書いてあるんですよ。人事院はあれもやる、これもやっている、大変結構でありますが、退職金についてはこういうことが書いてあるんです、四十四ページ。
 ちょっと重要な部分だけ読ましていただきます。「しかしながら、何十年にもわたっての月給や年金を全部足し合わせて論ずること自体の意味は大いに問題だと思われますし、まして、そうした不確定なものを根拠として、月々の給与を決めることは本末転倒した結果になりかねません。」と、これはいろいろ前文がありますからちょっと意味がよくわからないと思うんですが、次にこういうことが書いてあります。「人事院は、最も基本的な収入である月々の給与について先ず官民の均衡をはかり、退職手当なり年金についてはそれぞれ個別の立場から比較検討を加えるのが正しい対応であると考えています。」と。
 もう一度読みますよ。「退職手当なり年金についてはそれぞれ個別の立場から比較検討を加えるのが正しい対応であると考えています。」と、比較検討しているんですよ、あなた方は。「そして、それぞれの種目ごとに官民のバランスがとれていれば、結果としての生涯給与も官民調和することとなるのは当然のことです。」と、ここは「生涯給与」というそういう項目で論ぜられているわけでありますが、人事院はかくかくしかじかのことをやっていますよと。あなた方が書いた文章です。「以上に述べたような基本的立場にたって、人事院は、毎年四月に民間給与の調査を行い、これとの均衡をはかるよう給与勧告を行ってきています。また、退職手当についてはほぼ五年おきに民間の実態を調べ、その結果に基づいて公務員の退職手当を検討してきています。」と、はっきり書いてあるんですよ。
 ですから、単なる調査じゃなくて、ちゃんと検討しているんですから、予算を使って検討している、そういうことをはっきり書いてあるじゃありませんか。これ間違いですか、調査することに意義があるんですか、間違いだったら、これちょっと訂正してくださいよ、あなた方が出したりっぱな本ですから。紙もいいし、本当に。もし間違いだったら訂正してください。これはもう秘密文書じゃなくて、相当部数出ておりますから。間違いだったらいまここで訂正してください。
#129
○政府委員(長橋進君) いまお読みいただきました「人事院月報」の四十四ページにはそのとおり記載してございます。
 前半の、給与は給与、退職手当は退職手当、年金は年金でそれぞれ正確な比較を行うということは正しい方法であるということは、これはもうそのとおりであろうと思います。
 ただ、実際の作業段階になりますと、給与につきましては人事院が調査し、しかもなお給与の実施につきまして人事院が責任を持っておりますので、給与については正確な比較をいたしまして、適当かどうかという報告なりあるいは改善についての勧告をするという仕組みになっております。しかしながら、退職手当につきましては人事院の所管になっておりませんので、給与とはやはり違ったかっこうになるわけでございまして、しかしここに書いてありますように、退職手当についてもいろいろ検討しておるということは事実でございますけれども、それはあくまでも人事院の現行制度の中における可能な範囲内におきましていろいろ検討しておるということでございまして、給与と同じような姿勢、それから対応、そういうこととは若干の違いがあるということはやむを得ないことだというふうに考えております。
#130
○片岡勝治君 いや、同じだということを言ってないんですよ。いま読み上げたように、給与については勧告をしていますと書いてあります。退職手当については、調査をした結果、官民格差についてどうあるべきか、公務員の退職手当を検討していますと、こういうことですから悪いことじゃないんですよ、私は大変りっぱなことだとほめているんですよ。だから、人事院はすでにその退職金の実態について調査をし、官民との格差についていろいろ検討されておる。大変りっぱなことだ。だから、それをひとつ御発表いただきたい。あるいは民間の退職手当について人事院が調査をされているんですから、自主的に、これをすべて発表しなさい。これは、この退手法を審議する上で私たちは重要な参考になる。
 これは総理府が言っているんですから。総理府は調査機能をもちろん持っておられます。りっぱに持っていますけれども、事給与関係については人事院が専門家だからそこに頼んだ方がいい調査ができるだろうということで、退職金について調査をお願いした。人事院も自主的に退職金について五年ごとに調査をして検討をしているということでありますから、その調査の結果及び検討した結果、人事院はどういう見解をお持ちなのか、これをこの際全部ここに御発表いただきたい、これ秘密文書じゃないでしょうから発表していただきたい。できないんですか。
#131
○政府委員(長橋進君) 検討の問題につきましては、部内で検討しておるということでございます。
 それから、調査結果の資料の問題につきましては、総理府の方からいろいろ依頼を受けて調査したということもございますので、その資料の取り扱いにつきましては、総理府の方で御判断していただくというのが私どもとしては適当じゃなかろうか、かように考えております、
#132
○片岡勝治君 ですから、私は、冒頭申し上げましたように、総理府からお金をもらってこれでひとつ頼みますよとひそかに頼まれて調査をしたというんなら、それはわかるんですよ。そうじゃなくて、ちゃんと五年ごとにおれの方でも調査している、予算もちゃんと人事院にあるんだと、こういうことを言っているでしょう。だから、仮に総理府の委嘱がなくたってやるんでしょう、これは。やったんでしょう、偶然一致したと言うのですから、さっき、だから、総理府がいようがいまいが、頼まれようが何しようと、あなた方は自主的にやったというんですから、総務長官がそこでおっかない顔をしていたって、あなた自主的にやったというんなら堂々と発表されたらいいじゃないですか。そのための人事院でしょう。政府の機構と離れて、第三者機関としての人事院だ。そこで客観的な調査をした。こういうことですからね、堂々と発表したらいいじゃないですか。
 われわれはそれを見て、ああそうか、なるほど一〇%公務員が高いな、まあこの際は公務員にがまんしてもらおうということになるんじゃないですか、そういうことになるならば。秘密にしているから何かあるんじゃないかと、さっきの野田さんに対する答弁だって、ついに、これから資料つくってお答えになるようですけれども、ですから、非常にそういう点は問題ですよ、これは。総理府とは関係ないじゃないですか。ところが、そういうことを聞くと、総理府がいるから総理府にやっちゃったんだからと、それは理由になりませんよ。そうでしょう、私の方の論理の方が正しいでしょう。
#133
○政府委員(藤井貞夫君) 繰り返してのお答えになってはなはだ恐縮でございますけれども、われわれとして、民間の退職金、退職手当についての調査は、勤務条件についての一般動向というものについてやはり目を向けている必要がございます。そういうことですが、これは給与と違いまして、その制度自体というものがそうやり方が毎年毎年変わるという筋合いのものでもないという点もございます。そういうこともございますので、こちらの調査能力の点も考えまして、大体五年ごとにやるということで進めてきておるわけでございます。大体五年ごとというのはルールができておりまするので、この点はことしは退職手当の方も調査するからなということで予算要求もいたしましたて、大蔵省の方もその点は了解をして腹に入れて若干手心を加えて予算がついてくるということでやっておるわけであります。
 ただ、これにつきましては、また繰り返すようですが、所管が総理府所管ですから、まだ私の方でこれでもって意見の申し入れとかなんとかというようなところにまでは熟しておらないという解釈をいたしております。おとといも申し上げましたが、やはり権限がちゃんと明記されておるものについて人事院が出しゃばっていくというのもこれはいかがかという点の配慮もございます。そういうこともございまして、内部資料としていろいろ検討の資料としております。内部資料として調査をいたしまする点はそのほかにもいろいろあるわけでありまして、これを公表するかしないかということは、そのときの情勢いかんで判断をしてやっておるわけでございます。(「情報は公開じゃないか」と呼ぶ者あり)この点につきまして、総理府の方から五十二年の調査につきましては資料をくれということがございましたので、その資料を提供したということでございます。順序として、御依頼を受けて出したわけでありますからして、その取り扱いについてはやはり総理府で御判断いただくということが筋ではないかというふうに考えてやってきてまいっておるわけでございますので、その点はひとつ御了承賜けたいと思います。
#134
○片岡勝治君 いま私の質問は、本当は人事院として意見を出してもらいたいということは先ほども申し上げたんだけれども、いますぐそれは無理だろう。そこまでは私は要求していないんですよ。ですから、繰り返し申し上げましたように、人事院が自主的に調査をした。予算もそうだし、五年ごとにやるというのは人事院のいわば本来的な一つの仕事として積極的に取り組んでおられる。私は大変敬意を表しているんですよ。ですから、仮に総理府の委嘱がなくたってやったんでしょう、そのとおり、ちょうどその年が来ているんですから。ですから総理府にそう遠慮しなくたって、お金だってもらったわけじゃないんだから、遠慮しないで発表したらいいじゃないですか。それよりも、あなた方の資料を総理府が使って引き下げるんですからね、給与を。
 私も国会議員になって人の月給なり退職金を引き下げるというのは初めてなんですよ。非常につらいんですよね。できるだけたくさん上げるというのが私の性分ですから、引き下げるというのは私もつらいですから、よほどの客観的な資料に基づいて私も審議をしたい。そのためには、人事院というのはいままでりっぱな機能を果たし、職責を果たしてきた。その人事院が調査をしたというんですから、これはひとつ御発表いただきたい。いまもここでやじが飛びました――やじじゃない。正しい意見が出ましたけれども、総理府が要求して出した。委員会でわれわれが要求しても出せないというなら、ちょっと考えがありますね、これは私も。ちょっと審議ができませんよ。余りこういうことを私は言うのは好きじゃないんですがね、率直に言って。非常に不満ですね、これは。国会が、広く言えば国民が要求しているのと同じなんですよ、大げさに言えば。しかし、そんなことは国民に言えないというなら、はっきり言いなさい。ちょっと考えがある、そういう態度なら。
#135
○政府委員(藤井貞夫君) その点の御趣旨は十分わかりましたので、午前中の野田さんの資料提出の要求等もございまして、その取り扱いの問題とも絡めて総理府とよく相談してみたいと思います。
#136
○片岡勝治君 すぐ相談してください。
#137
○委員長(遠藤要君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#138
○委員長(遠藤要君) それでは速記を起こしてください。
#139
○政府委員(長橋進君) ただいま御要求のありました資料につきましては、一両日中に提出いたしたいと思います。
#140
○片岡勝治君 冒頭申し上げましたように、この件について――この件というのは、退職手当法について行政改革との関連もあって行管庁の意見も聞きたい。その部分は、きょうは行管庁の方はだめだというんでそれは他日に譲りたいと思いますから、いまの資料についても若干、そう時間とりませんから、他日にひとつ譲りたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。
 それで、これは総理府、その資料に基づいて――どういう資料がわかりませんが、総理府はその資料を人事院からもらって詳細検討されたと思うんですが、この退職金というのは非常に範囲が広いですね。一般公務員から、さっき言ったように現業から三公社から、裁判官からお医者さんまであるわけでありますが、民間対比の場合に、今度は裁判官の退職金はどうなるんですか。これは、やっぱり引き下げになるんですか。ちょっと初歩的な質問で申しわけないんですが。
#141
○政府委員(山地進君) 同じ取り扱いになります。
#142
○片岡勝治君 民間対比で裁判官まで引き下げる。どこを対象に比べて高いか低いかという――総理府は頭脳明晰な方が多いから、どこを対象にして比較されるんですかね。同じように、たとえばお医者さん、ある日突然一〇%下げたということですから、きっとびっくりすると思うんですがね、裁判官も、しこれは、この対象はどういうふうに考えて官民比較をなされるんですか。
#143
○政府委員(山地進君) きわめて基本的な問題にお触れになっているわけでございますが、まず、過日も野田委員の御質問に一部お答えしたと思うんでございますけれども、公務員と三公社合わせて二百万ぐらいの方々が、いろんな方がいるわけです。そうすると、官民比較というのはどうやってやるんだと、まずその手法が大変な問題になってくるわけです、人勧でも同じようなことが起こるわけでございますが、人事院勧告の場合には、ラスパイレスという方式でそれぞれの職務と責任を勘案していろいろの計算をされて出される、それは非常にわかりやすい、かつ精度の高い方法であろうと思うわけでございます。
 ところが退職手当というのは、これは退職手当法というのが最終の俸給月額に支給率を掛けるということで、総理大臣から国鉄の職員に至るまですべてを包含する単一の方式で、これはわが国の公務員社会に定着してきているわけです、こういったものをどうやって民間に準拠するのかと、全部のパート、総理から国鉄職員に至るまで、それぞれその職務の責任と内容に応じた比較をするというのもそれは一つまた方法なのかもしれませんけれども、ここで考えられたのは、やはり比較の簡単なものをとって同じ方式で計算するんだから、どこか民間と比較しやすいところで比較して、一体この公務員社会の退職手当というのは高いのか安いのかというのを比較すればわかるんじゃないかということで行政職の(一)の高校卒、これは公務員五十万のうち行(一)は二十四万か五万、半分ぐらい占めておるわけですが、その二十四万のうちの半分ぐらいというのが高校卒でございます。そこで、その事務職でございますから、これは民間と比較がしやすい。しかも公務員の行政職の中ではマジョリティーを占めているということで、民間の高校卒のいわゆる事務職の者との比較をしたわけでございます。
 この比較の結果、高いか安いかということを判断したわけでございまして、この手法は四十八年の、民間と比べて公務員の方が低いんだと言ったときの判定方法と同じでございます。そういうことで今回は比較したわけでございます。恐らくほかの部分でやれば、その差がどうなるのかというのは問題になるわけでございます。そこで、私どもとしては検証といたしまして公企体、現業――三公社五現業ですね、公労法の関係の方々の給与と退職金というものを調べました。調べる場合には、公企体の関係の方々については中卒が多うございます。生産労働者が多いわけでございますから、この生産労働者の中卒の方々の退職金というものを民間の中卒の生産労働者の退職金と比較をいたしております。これも二十五年、二十年、それぞれについて比較しております。この部分においても、やはり民間の方が低いということが出ているわけでございます、それから指定職につきましても、これも民間と比較してみまして、これについてはやはり官の方が少し高いというのが出ております。
 そういうことで、全部のパートについて民間と比較するということもはなはだむずかしいわけでございますけれども、俸給掛ける支給率という画一的な方法それ自体を改めない限り、なかなか完璧な、どの部分を切っても民間と同じという方法にはなり得ないものでございますので、私どもの方法で、前回と同じ方法で比較してきたということでございます。
#144
○片岡勝治君 一般的に給与を上げたりあるいは退職金を引き上げるという場合にはさほど問題にならぬと思うんですね、みんな上がるんだから。今度はみんな下がるということを言えばそれまでなんだけれども、今回の場合には特定の人が対象になっているわけではない、いわば給与引き下げ、退職金の引き下げということになりますと、もう本能的にこれはどうしたことだろうというふうに考えますよ、常識として。ですからそういう意味では、いままでの手法からすればおっしゃるとおり大変無理な話だけれども、しかし受ける側の方からすれば民間準拠だそうだと、じゃあ民間の病院のお医者さんは、そうかやっぱり下がっているのかなあというふうにすぐ比較すると思うんですよ。さっき言ったように、裁判官は比較の対象にならないからこれはしようがないとしても、あるいは大学の先生だってある資料によれば国家公務員よりも高いという資料が出てきております。あれ、おかしいじゃないかというような疑問が出てくる。
 したがって給与を引き下げる、退職金を引き下げるという場合には、やっぱり合理的な理由というものがある程度明確にならないとなかなか理解が得られない。給与改定、退職金を改定する場合でも、上げる場合は別として、下げる場合にはそういう点についてある合理性というものが私は必要なような気がするんですが、おっしゃるとおり、いまの方式で言えばしょせんそれは無理だろう。無理だろうと思うけれども、しかし受給者にしてみれば大変大きな疑問を感ずるに違いない。これに対して政府は一体どう対応するんだろうなと、人ごとながら私も心配をしているんですよ、下げる方ですからね。何かうまい方法ありますか、総務長官。
 それから、これは指定職のことをいまちょっと触れられましたけれども、指定職は別にいまちょっと比較対照したというようなお話があったけれども、そういうことですか。
#145
○政府委員(山地進君) まず前段のお尋ねでございますけれども、確かに上げるときと下げるときはそういう問題意識はあろうかと思うんでございます。ただ、ちょっと理屈っぽくなりますけれども、やはり国民の理解というものを得ないと、なかなかそういったことについて上げる場合でも下げる場合でも、やはり国民の理解をどうやって得るのかということが私どもでは必要ではないだろうかと思っているわけでございます。
 それから四十八年に上げたとき、これも先生御承知のとおり、これは退職手当法の本則の方を全然いじっていないわけです。附則に入れてあるわけです。附則の文言というのは当分の間百分の百二十にするという規定になっているわけです。二割上げたときもかなり臨時的な考え方で上げてきているわけです。それから五年たって、当分の間だったのかどうかということになろうかと思うのでございますが、今回もこれを恒久的にするというつもりはございませんで、やはり当分の間ということを残しまして百分の二十を百分の十に下げていく。したがって、この四十八年に上げたときから、それから私どもの今度の改正も、恒久的に公務員の退職手当をどうするんだという考え方は実は持っていないわけでございます。
 そこで、いまの第一の御質問の、今後どうするのかということでございますが、六十年の見直しという規定が入っております、これは、そういった当分の間という形でやるのがいいのかどうかということも含めて検討したいと私どもは考えているわけでございます。つまり四十八年に新しくそういった官民のアジャストをする、根本的な制度は変えないで何かそこに係数を掛けて官民の比較をして民間準拠にするんだという考え方、それをもう少し何らかいい方法で国民に御理解の得られるような方法があるなら、さらにそれを検討したいというのが見直しの規定の一つの意味でございます。
 それから二番目の、指定職についての官民比較ということでございます。指定職の場合、非常に民間との比較がしにくいのは役員になられているわけです、会社の方々は、指定職相当の方々は。そうすると役員の期間の長短によってそれぞれ違ってくるわけでございますが、仮に公務員と同じような年限、局長ぐらいの方々で役員期間が相当ある、平均的には六年ぐらい役員をされているわけです。そういった役員期間を合算いたしますと、公務員と民間との比較というのは、やはり公務員の方が少し高目に出ているというのが実情でございます。
#146
○片岡勝治君 退職金を引き下げれば、どうしておれたちまで引き下げたんだということで、一般公務員ももちろんそうですよ、一般公務員だって大きな不満があるけれども、とりわけお医者さんとかあるいは特殊な技術者とか、そういう職種については非常に不満が出ると思いますね。すぐ対象が近く、しかも特にお医者さんなんかは、たとえば公立と私立の病院の関係も非常に深いわけですからね。そういう点で大きな不満が出る。こういう不満に対してあなた方は解明をしていく立場にある。もちろんわれわれのところにも来ますけれども、当面はあなた方ですからね、そういう点、合理的な答えというものがしにくいだろう、そういうことを一律方式で言えばこれまた大きな矛盾としていろんな各階層から出てくる、こういう一つの矛盾があるわけであります。しかし、これもおっしゃるとおり大変むずかしい課題ですから、今後の検討材料にしていただきたいと思うんです。
 なお指定職の場合の退職金の算定基礎となる給与には、これも初歩的な質問なんですが、管理職手当も入っている、扶養手当も入っているんですか、あるいは時間外手当に相当するもの、管理職手当にはそれが含まれているという説もあるんですが、この諸手当はどういうことになっていますか。これはどちらですか、人事院か総理府か。
#147
○政府委員(長橋進君) 指定職俸給表の適用を受けます職員に支給されております手当は、期末手当それから調整手当、これは地域手当の一種でございますが、調整手当とそれから期末手当、それから一部の職員につきましては寒冷地手当が支給されております。なお、筑波研究学園都市の研究機関等に勤務しております指定職の職員につきましては、筑波研究学園都市移転手当が給付されております。で、指定職につきましては、指定職俸給表に定められました俸給月額のほかに、いま申し上げました手当が支給されているというかっこうになっております。
#148
○片岡勝治君 そういたしますと、指定職俸給表が別に俸給表としてあるわけでありますから、その俸給表の中には一般公務員が受けている諸手当も要素としては入っているというふうに理解していいわけですね、これは。
#149
○政府委員(長橋進君) 指定職俸給表の俸給月額を決めるに当たりましては、民間の五百人以上の企業の専任役員、その給与を参考としながら、他の俸給表の適用を受ける職員との均衡をも考慮しながら決めています。したがいまして、そういう意味におきましては、入っておるとも入ってないとも、まことに、こうはっきりした形で申し上げかねるわけでございますけれども、一般の職員に支給されております通勤手当でございますとか住居手当でございますとか、そういうものは入っておりません。ただ、その俸給月額の中に、いわゆる一般職員に支給される手当相当分が入っておるかどうかということになりますと、先ほど申し上げましたような考え方で指定職俸給表月額を決めておりますので、なかなか明確にはしがたいということでございます。
#150
○片岡勝治君 何十万円の中に幾らというそういう分析はできないけれども、そういう要素が入っているということは、これはもう常識的にわれわれも理解しているんですよ。一般公務員の俸給表行(一)と比べればそれは明らかですけれども、当然そういうものが含まれていなければ逆に不公平になりますからね、それは含まれておる。そういうことになりますと、何でお偉い方は扶養手当もあるいは管理職手当も超過勤務手当に相当する部分も退職金の計算の基礎になるのかという不満があるんですよ、これは、あなた方もお聞きだろうけれども。
 そういう点についてはもうたくさん質問があるんでありますけれども、重要な点は後日質問しなければなりませんので、本日のところは以上で終わりたいと思います。あと若干時間が残っておりますけれども、これは申し上げましたような事情で他日に譲りたいと思います。
 以上です。
#151
○委員長(遠藤要君) 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#152
○委員長(遠藤要君) 速記を起こして。
#153
○片岡勝治君 この指定職の最近の動向を御発表いただきたいと思います。
 これも当初は、できたころは指定職というのは次官級だと、政務次官じゃなくて事務次官、大臣の次に位する事務次官を対象にしたというのがそもそもの出発だそうでありますが、最近の数字を見ると、私は詳細な資料を持っておりません、相当年々次官級がふえてきたということでありますが、最近の動向はどういう傾向になっておりますか。人数それからこれは俸給哀別に、もしおわかりあればその動向をお知らせいただきたいと思います。
#154
○政府委員(長橋進君) 指定職俸給表適用人員、これを最近十年間でよろしゅうございますか。――最近十年間について申し上げますと、四十七年、これは七百七十二人でございます。そのうち、行政職俸給表いわゆる行政職関係と言ったらよろしいかもしれませんけれども、行政職関係が三百十九人、それから教育職これが三百四十人、研究職六十二人、それから医療職五十一人。それから四十八年が総計九百二人になっておりますが、行政職関係が三百九十人、教育職が三百八十六人でございます。それから研究職が六十七名、医療職が五十九名。四十九年総計千五十七人、行政職関係が四百七十人、教育職関係が四百五十一人、研究職七十人、医療職六十六人。五十年総計千百八十二人、行政職関係が五百十一人、教育職関係が五百二十二人、研究職が七十八名、医療職が七十一名。五十一年千二百七十九人、うち行政職関係が五百五十三人、教育職が五百六十八人、研究職が八十一人、医療職が七十七人。五十二年総計千三百六十一人、行政職五百七十四人、教育職六百二十一人、研究職八十四人、医療職八十一人、五十三年が千三百七十二人、行政職が五百八十五人、教育職が六百十四人、研究職が八十九人、医療職が八十四人。それから五十四年総計千四百三十八人、行政職五百九十八人、教育職六百六十一人、研究職九十二人、医療職八十六人。五十五年千五百十四人、行政職六百二十四人、教育職七百二人、研究職九十五人、医療職九十二人。五十六年千五百五十五人、行政職六百四十人、教育職七百二十八人、研究職九十六人、医療職九十一人。――先ほど五十二年のところで研究職八十四とあるいは申し上げたかもしれませんけれども、八十五の誤りでございます。
 以上でございます。
#155
○片岡勝治君 この十年間を見ましてもほぼ倍、特に行政職の場合にはほぼ倍になっています。多少職種によって違いますけれども、俸給表によって違いますが、おおむね二倍、また非常に少ないところもあるわけでありますけれども。これも当初申し上げましたように、次官クラスが、あるいは次官に匹敵するようなところを指定職として別な俸給表をつくったということになっておりますけれども、これだけ大量になってまいりますと、指定職という俸給表を別につくるという意味がないんじゃないですか。いまの行(一)の俸給表をもう少し変えて、すっきりした、行政職全体が見通せるようなそういう俸給表にすべきじゃないですか。そもそも、ごく特殊的な人たちに対する給与体系としての指定職というものをつくったんですけれども、もう千何百人、行政職だって何百人――六百四十人ですか。
 行政職の一等級の最高はいま何人ぐらいおりますか、人数は。正確な資料でなくてもいい、概算で結構なんですが、
#156
○政府委員(長橋進君) 行政職俸給表(一)の一等級最高号俸は十五号俸でございますが、四人おります。
#157
○片岡勝治君 一等級全体で何人ぐらいおりますか。
#158
○政府委員(長橋進君) 一等級全体では千二百六十三人でございます。
#159
○片岡勝治君 一等級よりも指定職の方が多いということになりますか、そうすると、人数としては。
#160
○政府委員(長橋進君) これは、指定職俸給表の適用を受けます職員の中には、教育職俸給表(一)から適用になってくる方もございますし、それから研究職俸給表から適用がえになる方もおられます。それから医療職俸給表の(一)から指定職俸給表の適用になる方もございますので、したがいまして指定職俸給表は、いま申し上げました行政職俸給表(一)、それから教育職俸給表(一)、医療職俸給表(一)、そういったものの上に乗っかっておるというような関係になろうかと思います。
#161
○片岡勝治君 いやいや、行政職じゃなくて指定職、行(一)ですでに当初の倍ぐらいの指定職になっておりますよね。ですから、ごく特殊な人に対する給与という意味で、私はこの指定職というものも当初その設置の意義があったと思うんですよ。しかし、こう膨大になってまいりますと、特に行(一)関係について膨大になってまいりますれば、ごく一部の特殊な人、特殊な任務についている次官クラスというようなことじゃなくて、もうほとんど局長はそうでしょう。そうじゃないですか。総理府で指定職になっているのはどういう人たちですか、職種で言うと。言いにくいですか。
#162
○政府委員(長橋進君) いま総理府の前に。
 指定職俸給表が最初創設されましたときには次官級と局長級が入っておりまして、指定職俸給表は甲乙と二つに分かれておりまして、局長級も指定職俸給表の適用を受けておるということでございました。
#163
○片岡勝治君 甲乙のうち甲が次官、乙が局長ですか。甲乙というのは昔の評価だね、これは。
#164
○政府委員(長橋進君) いま御指摘のとおり、甲乙と二つに分かれておりまして、そういう関係にございました。
#165
○片岡勝治君 しかし、いま甲といっても次官じゃないのでしょう。もう局長が甲に行っているんじゃないめ。そうでもないんですか。次官が甲で局長はやっぱり乙ですか。局長以外だっているんでしょう、指定職がいっぱい。次官、局長よりはるかに多いんでしょう、その方が。ですから、当初の設置と大分性格が変わってきたんじゃないですか。そういうふうにお認めになれませんか。
#166
○政府委員(長橋進君) 御指摘のように、指定職俸給表ができましたときは適用数も少うございましたけれども、その後やはり行政庁におきます職責評価の仕方、違い、そういうものもございましょうし、さらにはそれとの見合いで研究職、医療職についても相応の処遇をしなければならぬということで、指定職俸給表の適用者の数がふえてきております。
#167
○片岡勝治君 ですから、これも一般公務員の側から見れば、そもそも俸給表、行(一)で例をとれば一等級から八等級ですか、そういう給与体系の上に全部が網羅されている、非常に整然とした給与体系であったわけですよね、当初は。それが次官、局長を枠外に出して特別に給与体系をつくる。それがだんだん広がって、もはや局長だけじゃなくてもう次長もそうですか。審議官、参事官、いろいろここに書いてありますけれども、そういった人たちもどんどんどんどん適用されてきますね。私は、これは本来の給与体系のあるべき姿ではないと思うんですよ。そういうふうにお思いになりませんか。
 やっぱり公務員全体の給与体系という一つの体系があって、次官はここ、次官は仮に別枠にするならば、局長から一般の公務員に至るまで給与体系が整然としておるというのが本来の給与体系じゃないのですか。しかも、いまの人数と見ましてもだんだんだんだん枠を広げるということによって――なぜこういうことを申し上げますかというと、そういった人たちは超過勤務手当やあるいは家族手当や、一般公務員はそういうものは退職金の基礎の給与の計算の中には入らぬわけですからね。そういうものはちゃんと加味されて退職金がもらえる。こういうことですから、最高でいくとどのくらいになりますか、相当な額になるんですか。
 これはちょっと資料が古いんでありますけれども、指定職で最高――しかも、これは一般の会社のように職員をやめて重役になるというシステムと違いますからね。すべて勤続年数にはつながる。指定職になったからといって、公務員をやめて公務員重役になるわけじゃない。全部勤続年数がつながりますから。私の手元にある最高クラスで約六千万円ぐらいになる。そういうことになるでしょう、六千万円ぐらいに、どうですか、私の試算。多いのをねたむわけじゃありませんけれども。つまり特別職になりますと、給料の計算の基礎にそういうものが加味される。一般公務員はそういうものが加味されない。こういうところにも不公平といいますか割り切れないものを感じている。私が一公務員だったら同じように感ずると思うんですよ。
 したがって、そもそも指定職というものをこの際見直すべきだと私は思うんです。こう膨大になってくれば特殊、特別の職種にある者に対して特に例外的に一つの給与を与えるということではない、もう千何百人もいる。当初の恐らくつくったときの二倍ぐらいになっているんじゃないですか、人数からすれば。そういう膨大な人数ということになれば、特に行(一)については考え直す必要があるんではないかと思うんですが、どうですか。そういう見直しについての見解はいま全然ないんですか、
#168
○政府委員(長橋進君) 指定職俸給表は給与上の観点から設けたものでございますので、したがいまして、確かに御指摘のようにいろいろ退職手当という観点から見ました場合には必ずしも問題がないわけではないということであろうかと思いますけれども、しかし、その点につきましても、給与上の観点からの問題とそれから退職手当支給上の観点からの問題と分けて、退職手当についてやはり退職手当自体として適正、合理化を図っていくという検討がよろしいんではなかろうかというふうに一応は考えておりますけれども。
#169
○片岡勝治君 これは地方公務員の場合にもあるんですか、指定職制度というものが。これは、あなた方担当じゃないけれども、よく研究されておりますからあえて質問いたしますけれども、条例でやっぱり国家公務員に準じて給料表をつくっておりますが、私が関係したときにはそういう制度がなかったような気がするんですが、地方公務員の場合にはどうなんですか、指定職制度というものがあるんですか。
#170
○政府委員(長橋進君) 地方公務員のことで、正確には承知しておりませんけれども、指定職給料表というものがあるように承知しております。
#171
○片岡勝治君 それは特別の、たとえば副知事とか教育長とか、そういう職種の条例というのはあるんですが、そういうものがありますか、ちょっとそれ研究してくださいよ。
 待ち構えている次の質問者がいらっしゃいますので、この辺で私の質問を終わりまして、残余の分は次回にお願いをいたしたいと思います。御清聴ありがとうございました。
#172
○中尾辰義君 この法案は、御承知のとおり、前国会の衆議院におきまして公明党、民社党の要求によりまして一部修正をされてきた法案でございますが、その原案の修正内容は、施行期日を九ヵ月おくらせる、そして五十七年の一月一日からこれを実施するとともに、減額の率、これを経過措置として原案の二年から三年に延長する、そういうことになっておるわけでありまして、わが党もこれは賛成の立場に立っておるのでございます。しかしながら、退職手当の算定は最終俸給月額が基礎となっておるのでございまして、その意味におきまして、質問の順序として、去る八月の七日に出された給与勧告の取り扱いがいまだ決まっておらない、この点は非常に遺憾に思うわけでございます。
 そこで、総務長官に何回も質問をして余りはっきりした答弁もありませんけれども、お伺いしますが、四十五年以来給与勧告は完全実施をしてきたわけでございまして、労使協調、これは慣熟した制度になっているわけですが、労使間の安定のためにこれは今後も遵守されなければならない。そこで、改めて質問の冒頭に、総務長官に、人事院の存在意義とあわせて勧告遵守についての基本的な見解をまずお伺いしたいと思います。
#173
○国務大臣(中山太郎君) 御案内のように、人事院制度は公務員の労働基本権制約の代償機能、こういうことが基本的な理念として人事院が設立されておる、このように認識をいたしております。そういうことで、昭和四十四年ぐらまでは人事院の勧告というものは完全実施することができなかった。その背景には、やはり日本の成長期における国庫の歳入、そういうものが非常に枯渇をしておった時代には人事院勧告を完全実施することはできなかったということでございますが、昭和四十五年以来は人事院勧告が完全実施をされまして、日本の労使関係というものはきわめて安定した状態になって、今日の発展までの大いなる貢献をしてまいったと私は考えております。
 そういうことで、絶えずこの日本の財政事情ともこれは不可分の関係にある。だから、人事院が勧告を出して、直ちにそれがそのまま即刻完全実施されるというような理想は持っておりますけれども、現実問題としては絶えず財源が関連をしてきたという経過から見まして、私は、昨年度のいわゆる人事院勧告の出ました時点から、やはり財源難ということで十月二十八日までそれぞれ関係閣僚が協力をしながら誠意を持って当たって、昨年は十月二十八日の深夜に給与関係閣僚会議を開きまして完全実施ということに相なったわけでございます。
 本年は昨年と比べまして財政事情はきわめて悪い。そういう中で八月七日に人事院が五・二三%のいわゆる引き上げ率を勧告してきたわけでございますが、自来、八月七日その当日と九月十八日、二回にわたって給与関係閣僚会議を開き、財務当局から財政事情等の説明を受けましたが、九月十八日、現時点では昨年に比べて第一・四半期の税収が昨年度よりうんと悪いので、その時点でのいわゆる実施に関する意思を決定するわけにまいらない、引き続き財政の状態を見きわめる必要があるということが今日に至っておる経過でございますが、私どもといたしましては、できるだけ早く第三回の給与関係閣僚会議を開いて、その後の税収状態を精査の上、誠意を持って問題の解決に当たってまいる所存でございます。
#174
○中尾辰義君 誠意を持って努力する、これはたびたび長官にお伺いしているわけですけれども、大体新聞情報では三公五現の方は仲裁裁定については完全実施をする、履行するようにすると、こういうようなやや明るい見通しもあるようなわけですな。国対の方でいろいろやっておるようでありますが、この辺の見通しと言っても長官は同じような答弁かしりませんが、再度お伺いしておきます。
#175
○国務大臣(中山太郎君) 三公五現に関しましては、すでに仲裁裁定の問題についてすべて国会にお任せをいたしておりますので、国会の御意思がどのようになろうか、私どもはただただそれを見つめておる状況でございます。
#176
○中尾辰義君 それでは人事院総裁に。
 これもたびたびあなたの方に質問がされておるわけですけれども、人事行政の公平な確保、職員の利益保護等のために人事院制度、これは欠かせないことでございますけれども、いろいろとやかくの最近はうわさがございまして、この人事院制度のあり方についていろいろと批判がましいこともあるようでありますし、公務員はもとより、これは国民各層の期待と要望にこたえるために人事院の一層の努力、奮闘をわれわれとしては望んでおるわけですが、こういったような人事院無用論とか、極端な言葉ではありますが、そういう批判に対して人事院総裁としてどのような決意を持っていらっしゃるのか、
#177
○政府委員(藤井貞夫君) 人事院は、創設以来三十四年をけみして今日に至っております。幸いにして、その創設の趣旨に沿って運用も確保されて今日に来ておると思うのでありますが、専門でお詳しい先生に対してとかくのことを申し上げる必要もないかと思いますが、人事院のこの使命というのは、大筋といたしましては公務の民主的、能率的な運営を保障するということがその終局のねらいでございまして、そのための制度的な措置といたしまして、公務の公開、平等と成績主義の原則、それと公務員についてはその職掌柄、労働基本権の制約ということがやむを得ず規定をされておりますので、それに対する代償機能を果たす。これによって職員、公務員の利益と福祉を保護していくと。この大きな二つの使命を全うするために中間的な半独立の人事院というものが設けられておるものと理解をいたしております。
 この趣旨によっていままでも皆様方の御協力を得て運営をしてまいっておりますが、この制度は、やはりそれなりに大きな成果を上げて今日まで来ておるというふうに自負をいたしております、
 最近とかくの論議があることは私も十分承知をいたしております。今度の臨調の御審議の過程において、私も一度出てきて説明をしろということがございましたので、去る五月の十一日でありましたか参りまして、人事院の沿革なり使命なりということについてるるお話を申し上げたという機会もございました。
 この制度につきましては、何か給与だけの問題に集約されて論議されておりますが、先刻申したように、人事院は給与だけではなくてその他公正な人事行政の確保という大きな使命も担っておりまするし、それなりの労働基本権制約の代償というような機能も果たしておるわけでございますので、人事院制度というものを論議をする際には、何かの部分的なものを取り上げてこれを論議するということでは片手落ちになります。したがって、総合的な見地から公務員制度自体のあり方というものを含めて、その中の一環としての人事院制度の役割りなり使命というものについて広範な、また広い立場からの御論議をいただかないと事を誤るおそれがあるということを切実に痛感をいたしております。
 私といたしましては、人事院制度というものがよって生まれました経緯というものから比べまして、現行制度がございまする限り、この制度の背景になっておりまする、また、その背景によって生まれておりまする機能というものは、従来どおりはっきりとした態度を持って堅持をしていくつもりでおります。
#178
○中尾辰義君 総裁の意向は大体わかりました。
 次に、この法案に入りますが、今回の退手法改正案の行革の位置づけですね、それと財政効果、こういう点からお伺いしますが、この法案は、前国会で成立をいたしました国家公務員の定年法、これとともに、鈴木内閣におきましては最初の行財政改革法案である、こういうふうに言われておるわけですけれども、しかし、本案が官民の退職金の格差是正を内容としておるそういうものでありますので、行革との関連性がどうも余り明確でないような気もするのです。そこで、この行財政改革法案に位置づけている政府の認識ですね、これは総務長官、どうお考えになりますか。
#179
○国務大垣(中山太郎君) この退職手当法案は、七月に答申のございました第二臨調の中間答申の中にも、この退職手当法改正案につきましては、行財政改革の推進を図る観点からその早期成立を図るという一項目が入っておりまして、今回の行革全般の中には一つの柱として位置づけられていると、このように認識をしております。
#180
○中尾辰義君 それでは、いま行革特別委員会を衆議院でやっておりますが、今度のあの特例案は七項目で歳出の削減が二千四百八十二億、こうなっておりますね。この本案はどの程度の財政改革に寄与すると理解してよろしいのか、その辺の試算の根拠を含めて、この財政効果をひとつ説明していただきたい、
#181
○国務大臣(中山太郎君) 政府が当初法律の改正案を国会に提案をさしていただいて御審議をいただき、さきの通常国会で原案のまま成立さしていただきましたとするならば、年度間において今年度約五百億の財源の節約ができる、こういうふうな見通しみ持っておったわけでございます。ただ、衆議院の御審議の段階で一部の修正が行われ、さらに四月一日を五十七年一月一日と改正をされて参議院に送付をいただき、ただいま御審議をいただいておりますが、この臨時国会で御審議をいただいた上で、このただいまの衆議院の修正案どおり御議決をいただきますならば、五十七年一月一日以降五十七年三月三十一日までの間における節約の金額というものは約六十億程度に達するだろうと思います、一〇中尾辰義君 四半期で六十億で、では平年度でどのくらいですか。その四倍ですか。
#182
○国務大臣(中山太郎君) 現在の見通しては、五十七年度は三百八十億円、五十八年度が七百六十億円の減、五十九年度以降は一千億円単年当たり減になろうと見通しております。
#183
○中尾辰義君 次に、財政効果はわかりましたが、人事院にお伺いしますけれども、これは施行期日が原案より九ヵ月おくれまして、五十七年の一月一日から実施すると、こういうふうに緩和をされて延長になった、これはわれわれ公明党や民社党の方で要求したわけでございますけれども、退職者の方に急激な支障が起こらないようにということで、やむを得ない措置としてわれわれは認めたわけでございます。
 そこで、人事院はこの退職者の生活実態調査をしたことがあるようでございますが、退職手当の果たしている役割りについてどのように分析、把握をしておるのか、お伺いしたい。
#184
○政府委員(長橋進君) 昭和五十三年度の退職者につきまして、退職手当の使途別割合を調査いたしました結果は、宅地住宅関係に二六%、それから生活費に二二%、子弟の教育等に一二%、その他の使途としまして、借金の返済三%、事業資金二%、その他一〇%。なお、使用予定なしというのが二五%ございました。
 以上でございます。
#185
○中尾辰義君 それは野田君の質問にもありまして、私も聞いておりましたけれども。
 それから、退職手当法は総理府の所管となっておるわけでありまして、給与のように人事院が勧告する仕組みになっておらないわけですが、現在人事院で、六十年を実施のめどとして人事行政諸制度の課題全般にわたって検討を進めておる。これは先ほどからもいろいろ答弁があったようですが、退職手当の扱いについてどのように考えておるのか、その辺、現在の時点でまだまとまってないかもしらぬけれども、答弁願いたい。
#186
○政府委員(藤井貞夫君) 人事院の方では、現行の制度が約三十年ばかり続いてきておると、特に最近は高年齢化、高学歴化という情勢が非常に急速度に進展をしつつある。こういう社会経済情勢の変貌ということもございますので、この際公務員制度全般について再検討し、見直していく必要が出てまいっておるのではないかというふうに考えまして、昨年八月に、今後の長期的な見通し、検討の課題等について言及をいたしたところでございます。
 人事院の考え方といたしましては、本年度から本格的な調査をいたしまして、来年度はこの調査の取りまとめと問題点のだんだん摘出ということもやりながら、要すればやはり補足的な調査も並行してやっていかなきゃならぬと思いますが、目途としては、やはり六十年度ということから実施に移せるように、そういうような心構えで一応仕事を進めるべく、目下関係各局を督励をいたしまして作業を進めておるような段階でございます。
 この間におきまして、いまお話しの退職手当制度の問題でございますが、これは随時御説明申し上げておりますように、直接的には、これは人事院の現行制度上は所管ではございません。ございませんが、しかし公務員の立場に立って申しますれば、重要な勤務条件であることには間違いがないわけでありまして、そういう意味で非常な関心を持って退職制度のあり方等についても注視をしてまいっております。その一つのあらわれとして、大体五年ごとに民間の調査もやっておるということでございますが、今度の退職手当法の改正法案の附則におきましては、はっきりと時期も明示して、六十年度までには再検討してさらに措置をとるべきことがあればやりなさいということが義務づけられておることもございます。したがいまして、人事院の直接の所管ということではございませんが、重大な関心を持っておることもございまして、どうせそれまでに民間の調査というものもやらなければなりませんですし、その際に、前提となるやはり調査の技法、やり方等についても検討を加えるべきことが多々あろうかと思います。したがいまして、それらの点について検討を深めますとともに、総理府等とも緊密な連絡をとりながら、この問題について掘り下げた検討をしていきたいというふうに考えております。
#187
○中尾辰義君 まあいいでしょう、もう一つ明確でない点があるが。
 次に、特殊法人の退職金につきまして大蔵省にちょっとお伺いをいたします。
 先ほどお尋ねをいたしましたけれども、本案は行財政改革の一環として位置づけておるわけですが、この行財政改革の観点から言いますと、公社公団等の特殊法人、これの退職手当についても当然検討をすべきであると、こう思うわけでございます。そこで、お伺いしますけれども、国家公務員の退職手当につきましては民間準拠が原則になっておるわけですが、今回五十二年の人事院調査の結果、官が民を一〇%上回っておる、こういうことでそれを是正する内容になっておるわけですが、それでは公庫公団等の特殊法人の役員、職員の退職手当は、これは何に準拠をして定めておるのか、また改定をされるのか、まずお伺いいたします。しこれは大蔵省主計局ですか。
#188
○説明員(水谷文彦君) 公庫公団等の特殊法人の退職金につきましては、役員、職員ともにそれは公団等の定めます退職金規程に書かれております。それで職員と役員とは若干その取り扱いを異にしますけれども、御案内のように職員につきましては労働三権がございますので、まず労使交渉によりまして団体交渉によって労働協約としてお決めになるというのが基本でございますけれども、特殊法人につきましては公共性がございますので、ただ単に労使交渉というだけではなくて、それにつきまして主務大臣がかかわり合いを持っているという状況でございます。
 現在特殊法人は百六特殊法人がございますけれども、そのうちで公団等の設置法によりまして特殊法人の役員、職員の退職規程につきまして、それを定めたり、あるいは変更するときに主務大臣の承認が必要とされ、あるいはそれにつきまして大蔵大臣が協議に応ずるというような機関が全部で五十六特殊法人ございます。そういったものにつきましては大蔵大臣がかかわり合いを持っていると。それから政府関係機関は十五ほどございますけれども、それも労働関係によって若干異にしますけれども、予算調整という形であずからせておっていただいております。
 それでその際大蔵大臣が協議に応ずる場合のたてまえでございますけれども、そういった場合、特殊法人もやはり公共性がございますので、基本的には、職員につきましては可能な限り国家公務員の退職制度によることが妥当であるという考え方をとって協議に応じております、
 それから特殊法人の役員の退職金につきましては、特定された任期内におきまして、独立体としての法人の経営に責任を負っているということでございますと、それは民間の企業の役員と類似をいたしておりますので、やはりその点につきましても、民間役員の退職金規程等によりまして、できるだけそれに準拠するような形で定めさしていただいておるわけでございます。
#189
○中尾辰義君 一般職員につきましては国家公務員、役員については民間準拠というようなお話ですけれども、この特殊法人の退職手当は再三決算委員会等でも問題になっておるわけですので、ちょっと筋論から外れるかもしれませんけれどもお伺いしますが、問題は、職員は国家公務員同様、勤続年数で計算をされておるわけですな。それから役員は、在職のこれ月でしょう、月数で計算をされておる。こういうふうになっておるんですが、ごらんになったでしょうけれども、いろいろ新聞等にもでかでかと出ておるわけです、天下りの記事がね。
 これは一九八一年、政労協の天下り白書、お読みになったでしょうけれども、これなんか見ますと、役員が在職期間、これは平均五十二ヵ月ですけれども、もう長期の人は、これは大蔵省、おたくの方ですよ、大蔵省。おとは略しますけれども、大蔵省出身の方で十三年十ヵ月、約六千万円、いろいろこう出ておりまして問題にもなっておるわけですが、平均にしますと、平均は下がるんですけれども、平均千五百十八万円ぐらいになっておりますが、問題は、特に渡りの場合が非常に問題になっておる。だから、参考にちょっとこれを読みますと、「特殊法人全役員のうち天下り官僚の占める比率は、世論の批判を反映してわずかながら」、わずかですよ、減少をしておるけれども、依然として全役員の四分の三は天下りの役員、「四人に一人は、公団や事業団を転々と歩く”渡り鳥官僚”」である、こういうふうになっているんだよな。非常に書き出しが文学的でありますが、これはいいでしょう、細かいことを言いますと差しさわりがありますからね。
 それで、ひどい人は何ヵ所くらい回っているのかといいますと、二ヵ所回った役下り役員が八十五人、三ヵ所の企業を回ったのが二十四人、四ヵ所の企業を回ったのが――企業と言うか機関か知りませんがね、五人。最高六ヵ所回っている。渡り歩いているんですな、そしてこのような高額な退職金をもらっている。片方の方は、本法案は約一〇%削られるわけですね。こういうような実態について、総務長官、これは総務長官には関係ないかもしれないが、一遍これは聞いておかなきゃいけない。総務長官は、給与担当大臣としてどういうような御見解を持っていらっしゃるのか。これは官房の方かしらぬけれども、一応あなただって国務大臣なんだから、自分のことですよ。
#190
○国務大臣(中山太郎君) 所管外でございますが、国務大臣としての考え方を率直に申し上げれば、渡り鳥と言われる高級官僚の一部の人たちが退職金を高額に、まあ普通の公務員をやめるときに受け取られる退職金なら、これはもう当然のことだ。ただし、次の場所に移っていくと、そこは月数で計算をするわけですからきわめて高い退職金を受け取られる。それも一ヵ所ぐらいならしんぼうもできますけれども、何ヵ所も渡って、渡りに渡るというケースは国民から見るときわめて不愉快なことである。何とかやはりこれは、国民がなるほどきっちりと世の中は仕組まれているというふうな認識を持つようなことにせなければならないと私は国務大臣としてはそのように思っております。
#191
○中尾辰義君 そのとおりなんだよ。その答弁は何回も言っているんですけど、一向これ御意見拝聴ばっかりでね、これは実証してもらわなければ何にもならないでしょう。
 問題はいろいろありますが、いま長官がおっしゃったように、役員の退職手当は、いいですか、職員の場合は支給率を年数に掛けるのですな。役員は月に掛けるんだ、これは、ふわっと大きくなるんだ、これが。この辺がこれでいいのかどうか。これでいいとおっしゃれば、あとの方、何らかの支給率とかそういうものをいじくったり、これも少しは下がってきているんですが、どうもそれにしても、いま読んだように、これは大蔵省出身の人ですけど、大蔵省のとき一遍もらったんだ、これもらってからまた、あなた、六回も回って六千万もかせいでいるんだよ。これは行政改革の面から、八十二兆円も国は赤字を持っているんですから、閣議でひとつ声を大きくして、大臣、改正できるようにやってくださいよ。
 それから、人事院は民間の役員の退職金の実態調査を行っていると、こういうふうに伺っておりますが、その内容はどうなっていますかな。やっていませんか、大蔵省。
#192
○説明員(水谷文彦君) 私どもの方から人事院に依頼をいたしまして、民間の役員の退職金の実態調査をお願いしているわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、特殊法人の役員の退職金につきましては、基本的には民間役員の退職金の実態に応じまして扱っているわけでございます。
 それで、現在の退職金の算定方式は、退職時の俸給月額に役員の在職月数を掛けまして、それに支給率を掛けるということでございますが、これは、民間の退職金の実態はいろいろでございますけれども、調査をいたします際に、そういったことに簡便化をいたしまして、現在の特殊法人の退職金規程というのは民間と同じような形でやらせていただいておりますので、その点につきましては、先ほどお話ございましたように、職員は年数だけれども役員につきましては月数だというような御批判は当たらないんで、そこは民間もそういった形に換算をいたしまして、両者をそろえてやっている状態でございます。
 それで問題は、その退職金の支給率が問題になるわけでございますけれども、現行は三六%でございます。これにつきましては、五十二年に人事院の方へ調査を依頼いたしまして、その結果、当時で申しますと三七・八%という数字が出てきたわけでございます。三七・八%が五十二年の調査で出てまいりまして、それ以前は役員の方は四五%でございました。四五%のものを二割をカットしまして、三六%にさせていただいたという経緯がございます。
 さらに、昨年また人事院の方に調査をお願いいたしましたところ三七・六%という結果が出てまいりまして、それは、現行の三六%というものは人事院調査にございます三七・六%よりも低いということで三六%現行のまま据え置かさせていただいていると、こういう実情でございます。
#193
○中尾辰義君 あなた、大蔵省もちゃんとやっているんだ、やっていますというような言い方をするけれども、いままであなた国会で何遍もやっているんだよ。それからだんだんだんだんとこういうふうに追い詰められてきて、世間体も悪いのでなったんだから、そういうような、ちゃんとやっていますよというような態度は非常に不愉快だね、ぼくは。
 公務員の方は一〇%削るんだから、当然臨調においても、特殊法人退職手当については引き続き同調査会において検討するとなっているんだから、それを待つまでもなく、大蔵省はやっぱり考えなきゃならぬ問題だと思いますよ。もう一遍答弁……。
 ここは委員会――あなたはここの委員に答弁をするようなことを言ってはだめだよ。国会の委員会ですから、国民に対してこういうふうにやっておりますというような姿勢で答弁しなければまずいと思います。もう一遍答弁してください。
#194
○説明員(水谷文彦君) 私どもといたしましては、民間の実態にできるだけ沿うようにという形で人事院にも調査をお願いしてやってきているわけでございます。したがいまして、ただいまお話にございましたような特殊法人問題につきましては、臨調で御検討いただいており、かつ、この特殊法人役員の退職金問題につきましても同様に臨調の検討事項とされております。したがいまして、私どもといたしましては、民間役員の実態を十分に今後とも見きわめるとともに、臨調の検討の成果等も踏まえまして適宜適正化を図っていくべきものであるというふうに考えております。
#195
○中尾辰義君 まあ大臣も約束されたんですから、所管外と言わず、ひとつがんばってください。
 それから、四十八年度の改正法との関係性につきまして二、三お伺いしますが、四十八年度のこの退手法の改正法では長期勤続者の二割増しの特例を措置したわけですが、そのときの経過、経緯等を簡単にひとつ。
#196
○政府委員(山地進君) 四十八年の改正の経緯でございますが、昭和四十六年に人事院が民間企業の退職金調査をいたしました。千五百四十七社を対象にいたしまして、四十六年の十月三十一日現在の退職金の調査をしたわけです。そのときも、今回と同じように高卒の事務・技術職員の定年によるモデル退職金並びに定年加算金の実態を調べまして、モデル退職金と公務員の高卒の事務・技術職員の勧奨退職によるモデル退職手当を比較したところが二割の差があったということで、法律の附則に、当分の間二割高くするという規定が織り込まれたわけでございます。
#197
○中尾辰義君 四十八年の改正におきましては、いま説明があったんですが、功労加算とか定年加算、こういうものを上積み、相当額分が民間において官を二割りほど上回っておる、こういうことでございましたが、勧奨による離職促進の効果も期待しておったんじゃないかと思いますが、割り増し措置の特例によりまして離職対策としての実効がどの程度上がったと思うのか、むずかしいかもしれませんが、わかっておったらひとつ。
#198
○政府委員(山地進君) 先生御承知のとおり、公務員の退職する場合の理由というのは種々さまざまだと思うんです、確かに、退職金が低いよりも高い方が離職促進には有効に働くだろうということはおっしゃるとおりだと思うんでございますけれども、この退職手当を改正する場合の動機といいますか、それはやはり民間と同じようにするということ、言ってみれば一般的な待遇改善でございまして、間接的に退職促進という効果があっただろうと思うんでございますけれども、それが直接の目的ではなかったものでございますから、その後の退職は、私の理解するところではさして従来の型から変更があったとは思えない。ただし、高齢化という社会、公務員社会にも高齢化が進んでおりますから、高齢者の数がだんだん多くなる。そういう意味では退職者の数は逐次ふえてきている。それは退職手当の改正だけであったんじゃなくて、高齢者の数が全体がふえた、絶対数がふえたからやはりふえたんじゃないかと私いま考えております。
#199
○中尾辰義君 そうすると今回は逆になるわけですが、それで、行政改革の面から財政効果につきましては先ほど答弁があったとおり。ところが、離職促進という面から考えた場合にこれは余り期待できないえじゃないか、こう思うんですが、何か対策を考えておるのか、その辺お伺いしましょう。
#200
○政府委員(山地進君) ただいまも申し上げましたとおり、退職の理由というのは種々さまざまでございます。おっしゃるように、退職金が下がればそれだけ退職するのに問題があるということはそうだろうと思うわけでございますけれども、私の得ている感じでは、各省それぞれ努力いたしまして――退職のいわゆる高齢者が多くなるわけでございます。ぜひ退職を促進するということに努めてまいる以外にはないだろうと。その結果退職者が減ってもこれはやむを得ないことだと、かように考えております。
#201
○中尾辰義君 それでは退職手当の見直しの問題、何回も見直しされているんですが、退職手当は過去四回、五年ごとの人事院の調査の結果、改正が行われておるわけですが、次回の調査は昭和五十七年ごろと思われますが、この本案には再検討の規定が生きておるわけですが、退職手当の見直しの問題につきまして、二、三人事院にお伺いします。
 最初に民間の退職金の動向、これは無視できないと思いますけれども、民間における退職金の現状、それと企業年金との関係、これにつきまして最近の状況はどうなっておるのか、その辺わかりませんか。
#202
○政府委員(長橋進君) 民間企業におきましては、通常、退職金と申します場合には、退職一時金とそれから企業年金とを合わせまして一般に呼んでおるようでございます。五十三年の調査で、その企業年金との関係も調査したわけでございますが、対象事業所のうち約六〇%のところが企業年金を設けておるということでございまして、その企業年金のうち約九割が選択一時金制度をとっているというような状況でございます。
 中身を詳しく申し上げますと、退職一時金制度のみというのが三百六十四社・企業年金制度のみというのが五十二社、退職一時金制度と企業年金の制度を併用しているところというのが合わせまして五百九社というような状況でございます。
#203
○中尾辰義君 労働省見えていますか。――では一問だけ。
 民間における選択定年制度を導入している企業があると聞いておりますけれども、この実態並びに趨勢につきましてお伺いします。
#204
○説明員(若林之矩君) 先生御指摘の選択定年制でございますけれども、企業によりまして名称がいろいろございます。転進援助制度、自由定年制、早期退職優遇制度、さまざまでございますけれども、定年の一定期間前に退職した場合、退職金を上積みいたしましたり定年扱いいたしますなどの優遇を行っている制度ということで、私ども五十五年一月に雇用管理調査でその現状を調査いたしました。それによりますと、定年制を定めております企業でこのような選択定年制を設けております企業は、従業員三十人以上の規模の企業で三・二%でございました。設けていない企業は九四・二%というふうになっております。で、規模別に見てみますと、選択定年制を設けている企業は、五千人以上で三四・一%、千人から四千九百九十九人で一九・八%、三百人から九百九十九人で六・七%ということでございまして、規模が大きいほど採用が多いというのが現状でございます。
 内容でございますけれども、制度の対象は、役職とか職種にかかわりなく、年齢や勤続を基準として設定している企業が大半でございまして、この対象となります年齢は大体五十歳前後を設定をしているものが多いようでございます。四十五歳前後というのもずいぶんございました。それで、制度を利用する人の退職金でございますけれども、これにつきましては定年扱いの退職金算定係数を適用しているケースが大半でございます。これまでの利用状況は、まだ制度が発足して間もないということもございまして、非常に少ないというのが現状でございます。
#205
○中尾辰義君 それじゃ結構です。
 いま労働省の方から概略民間における動向、これを承ったわけですが、そこで総理府にお伺いしますけれども、定年制導入、これが決まったわけですね、国家公務員の場合。そうしますと、管理職の一部を除いて勧奨制度はなくなると思いますが、退手法においても選択制度の考え方に基づく算定方法、そういうようなものを導入する考えはないかどうか、その辺いかがですか、必要はないかどうか。
#206
○政府委員(山地進君) 定年制を導入した場合に、総理からも御答弁申し上げましたとおり、一部の幹部職員を除いては組織的、集団的な勧奨退職はなくなるだろう、六十年以降は、ということでございますが、一部、勧奨退職というものは残るわけでございます。
#207
○中尾辰義君 残るの。
#208
○政府委員(山地進君) はい、幹部職員等でですね。
 それで組織的、集団的ということの意味でございますけれども、現在はほとんどの省庁では勧奨退職の基準年齢というのをつくっておりまして、それによりますと、たとえば五十七歳、五十八歳が多いわけでございまして、五十七歳、五十八歳になりますときわめて円満に勧奨退職に応じるということが行われているわけなんです。今後そういったことはなくなる。五十七歳になれば、自分は本来はいやなんだけれども、まあ自分の属している社会のひとつの暗黙の合意だと思うんでございますけれども、その年齢になったらやっぱり身は退くのがいいと。ただし、その年齢になって残れないかといいますと、従来も、現在もそうでございますけれども、退職基準年齢になっても残るという人をやめさせるということはできないわけです。公務員社会では。そういう意味で勧奨退職基準年齢というものは六十年以後はなくなるわけでございます。ただし、そういった個別的な幹部職員についての退職勧奨というのは、やはり組織の若返りを保つという意味で残るだろうということで、一部勧奨退職ということと現在の退職手当法にも定年ということがあるわけでございまして、そういう意味で両方をあわせて運用するということになろうかと思うんです。
 それから、いまの選択定年制というような考えは、若い時代に退職ということをするということが非常にいい場合、一つは、やはり企業として人員整理等がある場合、これは希望退職というようなかっこうになるわけでございますが、それは組織自体としてそういうものを設ける意味が一つあるわけでございまして、そういたしますと、そこでひとつのフェーバーを、定年と同じようなことで退職を奨めていいぞということでこちらの方も提示をして向こう側が受けると、これも円満な一つの方法だと思うんです。
 公務員社会で一体そういうことが今後起こるだろうかということになるわけでございます。たとえば五十歳、四十歳の節目で公務員社会から出ていってもらうといいますか、出ていくならひとつ円満に出ていってもらうというようなことが起こるかどうかということでございますけれども、なかなかそういった民間におけるような非常にはっきりした動機とか目的とかというものがあるかどうか、これは研究に値する問題だとは思うんでございますけれども、先ほどの御質問のございました見直しの中で、民間におけるいろんな問題というものを私どもとしては十分参考にさせていただかなければいけない。そういう意味では、そういったことについても考えていきたい。ただし、それをぜひ必要だから考えるという意味じゃございませんで、民間でそういうことがあるというのはそれ相当の理由があるだろうから、ひとつそういう点は勉強させていただくと、こういう意味から検討させていただきたいということでございます。
#209
○中尾辰義君 それでは、これは第二臨調との関係ですが、人事院で先ほどもおっしゃったように、行政制度の課題全般について検討されるということですが、第二臨調でも公務員制度の検討が行われるわけですが、これとの関係についてどのように本案の再検討と調整をされていくのか、その辺のところをひとつ。
#210
○政府委員(藤井貞夫君) 臨調でも公務員制度関係について今後御審議を進められる面が出てくるんだろうと思います。またしかし、具体的にどういう点で、どういう方法で、どういう方向でという点は明確になっておりませんから、われわれの方で推測をするわけにはまいらないわけでございますが、しかし臨調で行われることと、あるいは人事院の方で昨年来着手いたしておりますこととが無用の摩擦と申しますか、大変能率の悪い、効率がダブってしまうというようなことでも、これは同じ政府機関の一種でございますからして、そういうことはやっぱり避けた方がいいと思います。
 しかし、私の方で臨調はかくやりなさいと言うことは、これはむろん注文を出したりできる筋合いのものではございませんので、そういう意味からは改めて臨調に対して注文を出したりなんかすることはいたしませんが、ただ緊密に、人事院としてはこういうことをやっておりますと、こういう点とこういう点はどういう調査をやりまして、こういう点は検討の対象としておりますと、さらにその作業が進んでまいりますれば、こういう点で、この点についてはこういう方向でいくつもりですと、そういうような点については緊密に向こうの事務当局と連携を保ちまして、お互いに意思の疎通を図って、結果的には効率が上がるように、非能率でダブってつまらないロスが出ないように、われわれの方としては十分な配慮をしていきたい、かように考えております。
 人事院といたしましては、人事行政の分野でわれわれ専門的にいままで研究してきておることもございまして、そういう点についてはいささか自負している面もございますので、そういう点はやはり確信を持って申し上げて参考にしてもらうということにしたいと思っております。
#211
○中尾辰義君 それで、これは五十七年、退職手当の実態調査をまた行ってその結果どうするかということになろうかと思いますが、減額の経過措置期間中に必要があれば速やかに退手法の改正を提出する場合もあるやもしれぬ、そういう点はどうなんですか。次期調査時期と、必要があれば再引き上げをするのかどうか、この辺いかがでしょう。これは総理府から。
#212
○政府委員(山地進君) 五十七年に調査をいたしますと、これは五十七年度の退職手当でございますので、五十八年度に人事院が御調査になるわけでございます。その結果に基づいて上げる場合も下げる場合も、私どもとしては迅速にやらなければならないということは一向に変わりません。これはやはり調査の結果によるわけでございますけれども、どんな場合でも迅速に対応したい、かように考えております。
#213
○中尾辰義君 それから、これは先ほどの質問とちょっと関連しているんですが、現行法では退職手当は裁判官、検察官、大学教授、こういうのは定年と勧奨が同一扱いになっておる。そうしますと、定年制導入後は六十歳以上になるわけですが、そうした場合に勧奨退手の取り扱いはどうなるんですか。六十年三月定年制が導入をされる、そうすると六十歳定年制になるわけだな。そうした場合に退手法における勧奨退手の取り扱い、これどうなんです。
#214
○政府委員(山地進君) 現在の退職手当法の五条には「定年」という言葉が入っておるわけです。その「定年」という言葉は――現在は国家公務員には定年がないわけでございます。ただし、定年制のある裁判官とかそういった方々については、すでに定年のときにはそういった割り増しといいますか五条適用ということが確立されているわけでございます。私どもとしては、定年制が今度は一般の職員に適用になる場合も、従来から定年制の方々が適用になっていたと同じような状態で定年の場合の退職手当の計算を持っていけばいいんじゃないだろうか、まず、この定年制に入る方についてはそう考えるわけです。
 それから、依然として勧奨退職の残る人がいる。先ほどちょっと一部いると申し上げましたが、それについてもやっぱり定年と同じように扱うべきじゃないだろうか、これはいまも勧奨退職の方を扱っているというのはそういう理由でございますので、今後も勧奨退職の方、これは従来と違って一部になるわけでございますけれども、大部分の方は定年となり一部の者は勧奨になるということで、いまの法文自体を、これはいろいろと研究するわけでございますから、いまからその研究の結果を予断するわけにはいきませんけれども、現在時点で私どもとしてはそんなふうに考えておりますへ。
#215
○中尾辰義君 それから、退職手当の性格の問題も何回も議論があったんですが、先ほどもありましたけれども一なかなか意見がまとまってないようですけれども、政府の方はこれは長期勤続の報償的なものだ、こういうような解釈のようでございますが、報償となれば――これは何も報償であれば民間と官と同じようなレベルにせぬでもええやないかと、これは報償なんだと、報償まで民間と一緒だと、この辺はどうだろうかと思うが、その辺いかがですか。
#216
○国務大臣(中山太郎君) 大変微妙な御質問でございます。民間準拠するのは報償だからしなくてもいいじゃないかというような御趣旨だと思います。(「多くたっていいんだよ」と呼ぶ者あり)いや、だから多くたって少なくたっていいという御意見もございましょうけれども、皆さんが納得していただいていただけるような金額というのは、いまのような政府の考え方がいいんじゃなかろうか、このように考えております。
#217
○中尾辰義君 民間は景気のいいときはぐんと来るわけよね。まあ、いいでしょう。何かこれは議論してもなかなか詰まりませんので。
 それから、この法案の提出の契機になったのは五十二年度の民間の実態調査。昭和四十八年の改正のときはモデル調査、今回は実額調査方式をとっておられるわけですが、この実額調査をとった理由、それと調査内容、調査方法が正確であるのかどうか――これは失礼な話かもしれませんが、正確の度合い等についてひとつ説明してください。
#218
○政府委員(長橋進君) 最近は退職手当の調査につきまして実支給額調査が二、三ございますけれども、いままでの退職金の調査につきましてはモデル調査というのが一般的でございました。したがいまして、前回までの調査におきましてはモデル調査をいたしますということでございます。ところが、いろいろ考えてみますと、モデル調査ということになりますとどれをとるかによってかなり違った結果が出てきます、モデルにどれをとるかによってですね。たとえば同期に採用された人が何人がおりますときに、退職金でございますが、在職期間はかなり長期になりますから、その間に個人別に差が出てしまうと。そうすると、そのどれをモデルにとるかによって結果に影響してくるという問題もございます。
 それから、国家公務員の場合でございますと俸給表というものがきちんと法定されておりますけれども、民間の場合ですと必ずしもそういうものを、サラリースケジュールというものが決まってないというところもございましょうから、やはりなかなかモデルの代表性ということはむずかしい、分布内容が。それからモデルをとりますと一社一人ということになりますので、多少にかかわらず一人ということになりますので、ウエートが効いてこないということがございます。
 なお、モデル調査をいたしますと、いわゆる加算金として功労加算金のようなものがございました場合に、多分に属人的な要素を考慮した加算金ということになりますので、なかなかつかみがたいというようなことで、これまでモデルということで調査してきたわけでございますけれども、私どもとしましては、やはり退職金の水準というものをできる限り実態に近い形で把握するということで考えますと、実支給額の調査の方が望ましいんではなかろうかということで、かなり戦後期間がたっておりますので、企業につきましても長期在職者の数というものもふえてきておることであろうと考えまして、実支給額ということで調査に踏み切りましてもそれなりの調査結果が得られるのではなかろうかということで、今回実支給額について調査をしてみたということでございます。
 それから、調査の正確度とその他のお尋ねでございましたが、今回の調査におきましては、調査対象といたしまして千人以上五百社、これは実地調査をいたしまして集計企業数は四百六十一社でございます。したがいまして回収率としては九二%ということになります。それから千人未満につきましては、五百人から九百九十九人までこれは五百社、百人から四百九十九人までは五百社ということで選びましたけれども、これは千人未満につきましては通信調査ということをいたしたわけでございまして、五百人から九百九十九人につきましては集計企業数は二百十八社ということで、回収率は四三・六%。それから、百人から四百九十九人につきましては集計企業数二百五十社ということでございまして、回収率は五〇%ということでございます。したがいまして、千五百社を対象にいたしまして九百二十九社について回収いたしておりますので、六一・九%という回収率になります。この種調査といたしましては六〇%を超えております回収率でございますので、まあまあではなかろうかというふうに考えております。
 それから調査につきましては、私どもとしましては実地調査という場合、通信調査も同様でございますけれども、約五葉にわたる調査票を設計いたしまして説明をし、実地調査については私どもの訓練された職員が実地に赴きまして調査をいたしました。それから通信調査につきましては、回収したものにつきまして疑義がございます場合にはさらに照会をしたということでございますので、調査結果についてはそれなりの正確な調査をし得たということで自信を持っている次第でございます。
#219
○中尾辰義君 大体わかりましたが、次に、これも先ほどちょっと質問があったんですが、退職手当につきましては国家公務員法に全然規定がないわけですな。退職年金の方は百七条にちゃんと規定をされておるわけです。それから在職中の給与につきましても六十二条、六十三条等に出ておるんですが、退職手当は全然これは規定がない。そこで、なぜこれに明記してないのか、これも法体系を整備して退職手当も規定すべきじゃないかと思うんですが、この辺のお考えはどうなのか、なぜ入れないのか。どうですか。
#220
○政府委員(藤井貞夫君) 退職手当につきましては国家公務員法に規定はございません。これはなぜかということにつきましては、退職手当自体の従来の沿革なり、その特殊性なり、また対象の問題なりということが絡み合いまして現行制度のようになってきておるわけでございます。しかし、この点は他の委員からも御指摘がございましたように、全体として体系的に見る場合に、しからばといって非常に整合性のあるきちっとした体系かといいますとそうは言い切れない、もう少しやっぱりすっきりした方がいいんじゃないかという御議論は私はもっともな点があるだろうというふうに思っております。ただ現在は、総理府の所管ということで総理府設置法等に明確に規定されておりますので、その線によって運営をしておるわけでございますが、しかし、これは公務員の勤務条件についての重要な一環でございますので、人事院といたしましてもこれに対しては重大な関心を持って所要の調査なり何なりをいたしておるということが現在までの状況でございます。しかし、その後もやはりいろいろ御議論もございますし、われわれ自身もこの問題の処置に対する問題意識を明確に持ちまして、今後の長中期の展望ということの中において御所管の総理府等とも十分に緊密な連絡をとりながら、さらにいい制度があればということで検討を続けていく所存でございます。
#221
○中尾辰義君 何でも答弁は、結論を聞きますと最後は検討ということになってくるんですよな。前段階が非常に長いんだけれども。
 それで、もう暗くなってきたから、最後に財政再建と国務大臣の退職手当の問題について、いやな質問かしりませんが、これは参考に聞くだけですからね。これは国家公務員共済年金は長期組合員期間が二十年以上と、こうなっておるわけですが、ところが内閣総理大臣及び国務大臣は特別職の国家公務員でありますが、この共済組合法七十二条の規定によって長期組合員から除外されておるわけですけれども、その理由はどういうことになっているんですか。これは大蔵省。
#222
○説明員(野尻栄典君) お答え申し上げます。
 国家公務員共済組合法の年金に関する規定の部分が、いま先生がおっしゃいましたように、国務大臣等の適用が除外されておりますが、これは国家公務員共済組合法のもう一つ根拠になっている法律が国家公務員法でございまして、国家公務員法の百七条では、「職員が、相当年限忠実に勤務して退職した場合」、そういう場合における「その者又はその遺族に支給する年金に関する制度が、樹立し実施せられなければならない。」というような規定がございます。この規定でも明らかでございますけれども、この国家公務員共済組合法の長期給付に関する規定は、公務員として永年勤続することをたてまえとする職員に対する年金の制度というかっこうに考えておるわけでございます。したがいまして、職員の中でも永年勤続をするということがちょっと想定しにくい職員であります方々についてはその年金の制度から適用を除外すると、こういう趣旨に相なっているわけでございます。
#223
○中尾辰義君 しかし、内閣総理大臣及び国務大臣は退職手当を支給されることになっているんですが、これは法的根拠はどこにあるんですか。
#224
○説明員(中村徹君) 国家公務員等退職手当法に規定がございます。
#225
○中尾辰義君 そこのどこ。
#226
○説明員(中村徹君) 国家公務員等退職手当法の第二条に、国家公務員が退職手当を支給されることを規定してございます。二条の一項でございます。
 それで、国家公務員の退職手当でございますけれども、国家公務員につきましては特別職とそれから一般職に分けられておりまして、特別職もやはり対象者として認められておる、こういうことでございます。
#227
○中尾辰義君 それに関連してちょっとお伺いします。
 われわれ国会議員はこれは何ですか。国家公務員でもない、特別職でもない。どういうことなのかな。
#228
○説明員(中村徹君) 国会議員につきましては、国家公務員法の特別職の例示の中には入っておりません。
#229
○中尾辰義君 それじゃ何ですか、
#230
○説明員(中村徹君) したがいまして、現在なぜ入っていないかということでございますけれども、国会議員につきましては常勤を要しない者というような――常勤を要する者について退職手当が支給されるわけでございますので、常勤を要しない者というので該当しない。ただし……
#231
○中尾辰義君 ぼくが聞いているのは、退職手当をどうのこうの言っているんじゃない。われわれの身分は何かと、それを聞いているんですよ。特別職の国家公務員でもないわけね。そうしますると、どうなんですかな、その辺。
#232
○政府委員(山地進君) 国会議員につきましては、国会法の三十六条でございますか、規定がございまして、第三十六条には「議員は、別に定めるところにより、退職金を受けることができる。」と、できると書いてあるだけで……
#233
○中尾辰義君 いや、それを聞いているんじゃない。われわれ身分を聞いているんだよ。
#234
○政府委員(山地進君) 身分は、司法、立法、行政とございまして、少なくとも行政府の方では全然身分は違うわけでございます。ただし、国会議員でも政務次官とか大臣になりますれば、これは国家公務員になってくるわけですね。私の申し上げているように、広く国民からいろいろ何といいますか、国費から出ているものを公務員という考え方もそれはあるのかもしれませんけれども、現在私どものあれでは、国家公務員というのは行政府に属する人が国家公務員でございます。ですから、公僕とかなんとかという広い概念がございますですね、そういうものでは国会議員というのも、それは広く選出されてはいるんでしょうけれども――これは私は、国会の議員は国会議員として別の身分を持っておられると思います。
#235
○中尾辰義君 まあ、いいでしょう、時間がない。
 それで、最後に一問、これも参考にお伺いして終わりにいたしますが、これは総理及び国務大臣でどの程度退職手当をいただいているのか。それと受給者はどのくらいあるのか。それ一つで終わりにしましょう。
#236
○説明員(中村徹君) 私どもの方で把握しておりますのは、内閣及び総理府の関係の八人の大臣及び内閣総理大臣について把握しているわけでございますが、その方々のここ数年の間の平均在職年数は大体一年程度でございます。仮に一年程度といたしまして計算いたしますと、支給額は六十七万八千円ということになっております。税込みでございます。
#237
○中尾辰義君 佐藤総理なんかは長かった。
#238
○説明員(中村徹君) 佐藤総理大臣は七年九ヵ月在職されましたが、四百七十二万五千円でございます。
#239
○中尾辰義君 あんまり際どい質問しちゃいかぬから、これで終わります。
#240
○委員長(遠藤要君) 中尾君の質疑は終了しました。
 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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