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1981/10/27 第95回国会 参議院 参議院会議録情報 第095回国会 内閣委員会 第5号
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1981/10/27 第95回国会 参議院

参議院会議録情報 第095回国会 内閣委員会 第5号

#1
第095回国会 内閣委員会 第5号
昭和五十六年十月二十七日(火曜日)
   午前十時三十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二十六日
    辞任         補欠選任
     柄谷 道一君     三治 重信君
 十月二十七日
    辞任         補欠選任
     山内 一郎君     関口 恵造君
     岡田  広君     田沢 智治君
     林  寛子君     仲川 幸男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         遠藤  要君
    理 事
                伊江 朝雄君
                林  ゆう君
                矢田部 理君
    委 員
                板垣  正君
                源田  実君
                関口 恵造君
                田沢 智治君
                竹内  潔君
                仲川 幸男君
                桧垣徳太郎君
                堀江 正夫君
                片岡 勝治君
                野田  哲君
                山崎  昇君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                安武 洋子君
                三治 重信君
                秦   豊君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       宮澤 喜一君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       中山 太郎君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  大村 襄治君
   政府委員
       人事院総裁    藤井 貞夫君
       人事院事務総局
       給与局長     長橋  進君
       総理府人事局長  山地  進君
       北方対策本部審
       議官       藤江 弘一君
       行政管理庁行政
       管理局審議官   古橋源六郎君
       防衛庁参事官   新井 弘一君
       防衛庁防衛局長  塩田  章君
       大蔵省主計局次
       長        宍倉 宗夫君
       自治省行政局長  砂子田 隆君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
   説明員
       臨時行政調査会
       事務局資料課長  片岡  勒君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律
 の一部を改正する法律案(第九十三回国会内閣
 提出、第九十四回国会衆議院送付)(継続案
 件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(遠藤要君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十六日、柄谷道一君が委員を辞任され、その補欠として三治重信君が選任されました。
 また、本日、山内一郎君が委員を辞任され、その補欠として関口恵造君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(遠藤要君) 国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○山崎昇君 最初に、官房長官の時間もあるようでありますから、お伺いしたいと思うんですが、先日来の衆議院におきます行革特別委員会の論議をめぐりまして与野党の国対委員長会談がしばしば持たれまして、これと関連をして、仲裁裁定の扱いについて一定の国対としては方向が出されて、政府としては総理のお帰りもお待ちのようであったんですが、きょうの何か閣議で仲裁裁定の扱いについては了解というんですか決定というんですか、一応の線が出されたと私どもはいま聞かされておるものですから、官房長官から、まずこの仲裁裁定の扱いについて閣議としてどういうふうになったのか、お聞かせをいただきたい。
#5
○国務大臣(宮澤喜一君) 仲裁裁定につきましては、すでに公労法十六条第二項の規定によりまして国会の御判断にお任せをいたしたところでございまして、国会の御議決いかんを待っておるわけでございますが、御指摘のように、これにつきまして与野党の国対委員長間でいろいろお取り扱いについてお話し合いが進んでおるように承知をいたしております。
 そこで、お話し合いの段階におきまして、いろいろお話し合いが整ったときには政府として仲裁裁定の議決に備えて配分交渉に入ってもいいというそういう方針を閣議で決めることが望ましいと、こういうお話し合いが先週進行いたしておりまして、私どもとしてもそのような各党の話し合いがまとまれば閣議でそのような了解を与えようと、こういうふうに考えてまいっております。
 しかるところ、このお話し合い全体が今朝の時点でまだ最終的にはまとまっておりません。他方で、今朝政府は閣議を開きましたので、私としましては次回の閣議が金曜に普通でございますとなりますので、かねてのお話し合いの大筋に沿いまして、今朝の閣議で、国会の御議決に備えて配分交渉に入ることを閣議として了解を願いたいということを申し、ただし、このタイミングについては各党間のお話し合いがなお進行中であるので、改めて私から企業体を担当しておられます所管大臣方に配分交渉にお入り願って結構ですということを申し上げますので、そのときまでこの閣議の了解はいわば停止条件つきのものとお考え願いたい、こういうことで今朝の閣議の了解を得た次第でございます。
#6
○山崎昇君 何かわかったようでわからぬわけでありますが、私の理解が間違えばいけませんが、整理して改めて官房長官の見解をお聞きをすると、与野党の国対委員長会談で方向として出ております仲裁裁定については完全実施の方向はそれでよろしいと、一つ。
 それから、それに基づいて各企業体といいましょうか、それは仲裁裁定の配分について話し合いに入る。それはなぜかと言えば、政府がすでに議決案件として国会に出しておりますから、その議決に備えて政府としてそういう了解をする、これがあわせまして二点になると思うんです。
 ただ、三点目が少し気になるんですが、政府部内の手続として、関係の大臣と言えば恐らく労働大臣あるいは運輸大臣あるいは郵政とか、企業に関係する大臣との話し合いも多少残る、そういうことはあるけれども、基本としては、仲裁裁定については仲裁裁定の趣旨にのっとって完全実施をする方向を政府としては了解をするんだ、そして、その最終的な何といいますか、意思表示といいますか決定といいますか、そういうものは次回の閣議で行うんですと、こうなりますか。何かその辺違いありますか。
#7
○国務大臣(宮澤喜一君) 公共企業体を所管しておられます大臣は、運輸、郵政、大蔵、通産、農林、五大臣でございます。そこで今朝の閣議で、配分交渉に入られて結構だと、私からしかるべきタイミングに各大臣にお伝えをするということは閣議のいわば委任を受けておりますので、したがいまして、各党のお話し合いがまとまりまして仲裁裁定の御議決の方に話が進んでいきます段階で、私から各大臣に配分交渉にお入り願って結構だということをお伝えできるような準備を完了いたしておるわけでございます。
#8
○山崎昇君 そうすると、これ疑問が残ってはいけませんので重ねて私はお聞きしたいんですが、閣議としては完全実施はもう了解である。そこで官房長官としては、関係の大臣に公労法の十六条ですか、によって議決案件として出されておるものが議決できるような方向にするために、それぞれの大臣に配分交渉に入るようにあなたから連絡をいたします、残っておるのは連絡だけであると、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。
#9
○国務大臣(宮澤喜一君) 閣議といたしましては、仲裁裁定は国会の御議決にお願いをいたしたわけでございますので、閣議がどうこうという決定をするわけにまいりませんで、しかしながら各党間のお話で国会が実行すべしという御議決をなさるような動きでございますので、それに備えて配分交渉の準備をしようではないか、いつ現実に配分交渉に入るかについてはおまえが連絡をすればいいことになっておるのか、こういうお尋ねでございますが、そのとおりでございます。
#10
○山崎昇君 そうすると、しつこいようでありますけれども、私どもの理解としては、閣議そのものとしては、議決案件ではあるけれども各党の話し合いが進んでおるので、完全実施の方向は一応確認をしておる、そして議決案件がスムーズにいくためには、何といってもやっぱり関係する大臣がきちんとした見解を持たなければいけませんから、その準備の一つとして配分交渉に入っても結構でありますと、その連絡は官房長官に一任されておりますので、タイミングを見ながらそれは各大臣に連絡をいたしますと、こういう理解になるわけなんですが、ですから、ひっくるめて言えば仲裁裁定に関してはもはや完全実施の方向を、政府としても、各党がその方向でありますだけに、まだ手続としては議決というものが残っておりますけれども、方向としてはそのとおりでいくんだと、こういうふうに理解して差し支えありませんね。
#11
○国務大臣(宮澤喜一君) 大筋としてはおっしゃいますとおりでございます。
 つまり、これは国会で御議決なさることでございますので、国会の御議決はこういうことになるようであるということを各党のお話し合いから私ども大体想定ができますので、それに備えて云々と、こういうことでございます。
#12
○山崎昇君 そこで関連して、これは、仲裁裁定はいろいろありましたけれども、いまの御答弁で完全実施の方向に向いたわけでありますが、もう一つの人事院勧告については、当然これは私はやっぱり完全実施の方向にならざるを得ないと思うんですが、一体政府としては、歳入の見込みの問題とかいろいろあるようでありますけれども、いつころまでにどういうふうにこれを処理なさろうとするのか、あわせてひとつ人事院勧告についてお聞きをしておきたい。
#13
○国務大臣(宮澤喜一君) 人事院勧告につきましては、勧告がなされまして以来二度にわたりまして給与関係の閣僚会議を開いておりますが、ただいまのところまだ議がまとまるに至っておりません。議論になっておりますことは、臨調のいわゆる答申において、何らかの適切な抑制措置を講ずべきである云々という答申、そのことについては政府は基本的に閣議で基本方針として決めておるわけでございますけれども、他方で、今日までこのように好ましい労使関係が維持されているという事実、また別の方向からは財政の事情等々いろいろな要素がございまして、たとえば財政を担当せられる大蔵大臣は、今年の経済の動向あるいは税収の帰趨等々定かでないので、なお相当の時間を経なければいかにすべきか決定ができないというような御主張もあったりいたしまして、誠実に検討を進めておりますけれども、まことに申しわけないことでございますが、いつまでに結論を得ることができるかについてただいま申し上げられるような状況になっておりません。
#14
○山崎昇君 仲裁裁定と人事院勧告に多少の制度上に差のあることは私も承知いたします。それから、行革委員会あるいは当委員会でももうたびたび多くの委員から、憲法論なりあるいは労働基本権なりあるいは人事院勧告の持つ重み、今日までの慣熟した制度あるいは労使間の問題、あらゆる角度から議論されておる問題でありますから、私はこの場でこれをまた蒸し返すという考え方はそう持っておらないんです。しかし一方で、ぎくしゃくした点はありましても、仲裁裁定のやはり本旨というものを考えられて与野党間の話がまとまり、政府もそれに応じていま完全実施をしようという段階に来たわけですね。したがって、当然残されましたあと一般公務員の人事院勧告だけがいまだに不明確だという点は、やはりわれわれから言えばなかなか納得しがたい。これは早急に結論を出すべきものではないんだろうか、これもやっぱり完全実施する以外に方法がないのではないんだろうか、こう判断をされるんです。
 したがって、重ねて長官に決意を促しておきたいんですが、ただ私はせっかくの機会で、余り官房長官とお会いすることができませんので、一つだけ申し上げてみたいと思うのは、林修三さんが「官界」という雑誌に臨調の批判も少し行っておりますけれども、この人事院勧告についてかなりやっぱり批判を加えております。そして、もしこれが完全実施されない場合には大変な事態を招来するのではないかという心配点なんかも述べられておったり、あるいはまた一部の閣僚が言われておりますように、岸、天野の補足意見に対しても、あれは判決の一部をなすものではないんだ、単なる補足意見であってそれを強調することはおかしいのではないかとか、まあ一々読み上げません。
 私はいまここに「日本官僚建国論」という月刊「官界」という雑誌に書かれました林さんの論文を持っているわけなんですけれども、やっぱりこの臨調の答申そのものにわからぬ点がいっぱいあると。特に私が申し上げてみたいと思うのは、「やはり、経済人的な発想だなと思われるような視野のあまり広くない、目先の効果ばかりをねらったところがないでもない」という批判が最も、やわらかい言い方ではありますけれども、私は痛烈ではないかと思っているんです。さらにまた、人勧に関連してもいろいろ述べられておりますけれども、そういう点を判断いたしますと、せっかく政府は仲裁定をそこまで踏み切られるというならば、人事院勧告につきましてもやっぱり踏み切って、一日も早く公務員の皆さんに安心をさして公務の能率を上げさせるべきではないんだろうか、こう思うんです。
 またさらに、細かくは申し上げませんが、かつて人事院の事務総長をやりました尾崎さんも、最近「言論人」というこれまた雑誌に一文を書きまして、長年人事行政を扱った専門の立場から「財政再建と公務員の労使関係」という一文を書いておるわけなんですが、これを見ましても、今日までの労使関係というのはきわめて重要である。もしこれがやっぱり人事院勧告が不完全実施なんということになると大変であろう。また最高裁の判決にいたしましても、昭和四十二、三年ごろの判決と、そして完全実施成った後のたとえば四十八年以降の判決とでは、内容的にかなりの違いがある。言うならば、最高裁としても代償機能としての人事院勧告という重みを中心に据えた判決ではないかということが趣旨として述べられておるわけなんですね。
 こういう点を私は考えますというと、やはりこの人事院勧告についても早急にひとつ政府は結論を出して、当委員会に給与法の改正案として私は出すべきではないんだろうか、こう思うんですが、重ねてひとつ長官の見解を聞きたいと思うんです。
#15
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまるるお説をお述べになりまして、虚心に承ったわけでございます。人事院勧告制度が労働基本権との関連で代償的な意味を持っておるということは御指摘のとおりでございますから、この実施に向かって政府は誠実に努力をいたさなければならないということは御指摘のとおりであると存じます。ただ今年の場合、先ほど申し上げましたようないろいろな事情もございまして、給与関係閣僚会議でなお検討をする必要がある。現在のところそういう状況でありますことを御理解いただきたいと思います。山崎委員の言われましたことは、十分大切な御指摘として拝聴をいたしました。
#16
○山崎昇君 重ねて長官、この仲裁にしましても人事院勧告にしましても、本来賃金問題でありますから労使間の問題なんですね。ただ公務員というある程度の制約を課して、そのかわりあなた方がいまの公務員法なり仲裁制度なんというものをおつくりになった。それを政府みずからこれを破るということになると、これはゆゆしいことである。そういうこともありまして仲裁裁定は一定の前進を示しているわけでありますが、この人事院勧告が、どうも新聞報道でありますとかいろいろな報道から見ますというと、余りにも私は政治的に扱われるんではないか、国会対策上の政治の場にあんまりにも利用されすぎるんではないだろうか、もう少し、労使間の賃金問題ならやはり労使間に返す、それが本旨でありますけれども、ただしかしそれにはいまの制度を直さなきゃなりませんから、そう簡単にまいりません。しかし、それにしても余りにも政治的な扱い過ぎるんではないだろうか、こういう気持ちがいたしますね。
 そういう意味で言うならば、重ねてあなたに要望しておきますが、あと国会も来月の十七日まででありますから、言うならばそう長い時期ないわけですね。それから、公務員諸君が長い間、皆さん方に陳情なりあるいは要請なり交渉なりで伝えられておるのは、早期支給という点もまたこれきわめて大きい課題の一つになっているわけですね。いずれにいたしましても、従来は十二月の末、自治体の、町村のごときは翌年の三月ぐらいでなければ差額がもらえないというところがたくさんある。これでは、せっかくのこの勧告制度が、人事院が努力されて仮に八月に勧告されても、手にもらうのは翌年の三月ぎりぎりなんというところもある。これではどうにもならぬというので、早期支給ということが強い要望の一つになっているんですね。
 そういう点から考えますというと、ことしは行革の問題もございましたけれども、早目の臨時国会が召集されて、すでにあと残り少ないんですね。そういう意味で言うならば、長官の努力というのは、私はこの臨時国会で処理をするというそういうお考えで誠意を示す、こういうことに理解をしておきたいと思うんですが、よろしゅうございますか。
#17
○国務大臣(宮澤喜一君) るる御説を承りまして、十分肝に銘じておりますが、この臨時国会中に法案の提出ができるかというお尋ねにつきましては、申しわけございませんが、ただいまのところ定かにお答えをすることができませんので御了承をお願いいたしたいと思います。
#18
○山崎昇君 この臨時国会中に出す努力をするぐらいはあなた、やっぱり決意を述べてもいいじゃないでしょうか。それは、これだけ局長クラスの皆さん、月給高いかもしれませんけれども、やっぱり月給の低い公務員の方が多いんですからね。そういう意味で言えば公務員の皆さんもどうなるだろうか。まあ仲裁裁定はここまで来たよ、われわれの人事院勧告はどうなるんだろうか、これがいま一番やっぱり職場の関心事であり、心配じゃないでしょうか。本当にあなた方が公務能率を上げさせようというなら、それはそれでやはりきちっとすべきではないか。したがって私は後で、この間こう言ったからどうだなんていう食言みたいなことは考えるつもりはありませんが、少なくとも官房長官としてはこの臨時国会中に処理をするように努力いたしますと、それぐらいの決意はきょう披瀝してもらいたい、こう思うんですが、どうですか。
#19
○国務大臣(宮澤喜一君) お言葉ではございますけれども、誠実にできるだけ早く結論を得るように努めたいというふうに考えております。
#20
○山崎昇君 これ押し問答やってもどうにもならぬので、本当は晩まで押し問答やっていれば私の方が勝つのかもしれませんけれども、そうもまいりませんので、約束の時間もありますから、官房長官に対する質問はこの程度にしておきたいと思いますが、重ねてひとつ長官、来月の十七日が会期末でありますから、それまでに公務員給与法を処理する、私どもは仲裁裁定との関連からそう理解をしておきたいし、長官の方は誠実にその方向に向かって努力をしていくんだ、そういうふうに私自身理解をしておきたいと思いますので、ひとつ十分なる御努力を願いたい、こう思います。よろしゅうございますか。
#21
○国務大臣(宮澤喜一君) 誠実に努力を続けることにいたしたいと思います。
#22
○山崎昇君 官房長官、いいです。
 それでは、きょう退職手当の法案がメーンの法案でありますから、後ほどこれは少し質問さしてもらいたいと思うんですが、当面しております行政改革も、定年制やあるいは退手がそのはしりという政府側の言葉もあるようでありますし、関連もあると思いますから、行革問題で少しくお尋ねをしておきたいと思うんです。本来ならきょう行管長官に御出席願う予定でありましたが、何か衆議院の特別委員会に出ておられるそうでありますから、政府委員にお尋ねしておきます。
 まずお伺いしたいのは、第二臨調が三月の十六日に正式に発足いたしまして、ずいぶん部会もあります。あるいは専門委員の方々の会議を開かれる。参与の会議を開かれる。しかしその内容については、ほとんど私ども国会議員は知るすべがありません。そういう点から、第一臨調のときには会議録が公開になりました。また、各省から出されました資料もほとんどがこれ出されておるわけなんですが、第二臨調に出されております各省からの資料、それから臨調の会議録、そういうものを最も所管いたしますこの内閣委員会に提出願いたいと思うんですが、まず、その点からお聞きをしておきたいと思います。
#23
○説明員(片岡勒君) 臨調事務局よりお答え申し上げます。
 会議や議事録等の公開につきましては、調査会でも論議が行われました。第一回の調査会におきまして、調査会の会議の公平、自由な論議を確保するという観点から、非公開ということに決定されているわけでございますけれども、その論議の中身というのは国民の強い関心を持っているところでございますので、できるだけその中身は詳細に御報告しようということで、調査会ばかりでなくて、部会が終わりました都度、直後に記者発表等を通じまして逐次詳細に御報告申し上げております。提出資料につきましても、できるだけその際提出いたしまして公開に努めているところでございますけれども、なお先生の御趣旨を体しまして努めて努力をしてまいりたいと、かように考えております。
#24
○山崎昇君 なおって、私の手元に何もありませんよ。私は国会に参りましてから、行政機構改革についてはかなり議論している一人のつもりでもあります。しかしほとんどありません。国会の調査権がほとんど及ばないような状況になっている。わずか九名の臨調の委員の秘密会合で日本のこれだけの行政機構改革がなされるなんということはあり得ない。私は私なりに手に入れたものもありますけれども、各省から相当な資料が出ておりますが、これも私どもが言えば持ってこない。また私どもも、直接でなくて調査室を通じてあなた方に提出を求めてもあるいは説明を求めても、拒否されることが多い。これでは、これだけ大きな国政上の政治課題というものが密室で行われちゃう。何にもわれわれはわからぬのですよ。
 ですから、重ねてあなたには申し上げます。委員長にもお願いしますが、今日までの調査会におきます会議録、これはだれがこう言った、かれがこう言ったという詳細なことまで私は言うつもりはありませんが、要約したもの、各省から出されました資料、それから部会あるいは専門委員間で議論された点、そういうものは行管で整理をしまして当委員会に提出をしてもらいたいと思うんです。どうですか。
#25
○説明員(片岡勒君) 検討さしていただきますけれども、各省から提出された資料を臨調事務局で公開するというわけにはなかなかまいらないと思いますけれども、議題になりましたものなどは、逐次臨調の広報誌でございますこれなんかにも比較的細かに載せまして、できるだけ公開しておりますので、なお先生の御趣旨に沿うよう努めてまいりたいと、かように思っております。(「情報公開をやると言うんだから秘密にしちゃだめだ」と呼ぶ者あり)
#26
○山崎昇君 いま矢田部理事から情報公開の話が出た。私は、そこまでは飛躍して物を言っているわけじゃないんです。しかし、少なくともあなた方のところへ各省からいろんなものが出ている。私も多少は持っているつもりです、私自身は、しかし当委員会としては全く何も知らない。ですから、各省から出されたものがあなたの方へ行って、あなたの方が出すことができないということはあり得ないと思う。これは委員長に、後で理事会で私は御相談願いたいと思いますが、これはいまや最大の政治課題でありますだけに、私もやっぱり国家行政組織法とも関連して議論してみたいと思う一人でありますだけに、詳細なものを出してもらいたい。いままでの分をある程度整理して、一括して出してもらえますか。
#27
○説明員(片岡勒君) いまここで私が一存でお答えすることはできませんけれども、検討さしていただきます。
#28
○委員長(遠藤要君) なお、山崎君に委員長として申し上げておきたいと思いますが、ただいまの要求の件、理事会において検討して、これは臨調関係のみで出せないということになれば、各省庁にも関係があろうと思いますので、できるだけの努力はしたいということを申し上げておきます。
#29
○山崎昇君 大変、委員長から前進しましたお話をいただきまして、ありがとうございました。いずれにいたしましても提出を願っておきたいと思います。
 それから、なるほど非公開も私は全くだめだなんということを言っているわけではありません。これは会議でありますから、非公開もあれば公開した方がいい場合もあるし、いろいろあると思うんです。しかし、少なくとも私は臨調の調査会の会議録ぐらいは公開して何が悪いのかという気がいたしますね。特に国の行政機構の基本にかかわることとか運営にかかわることを答申として出すんでしょう。その間の過程、ぼくら何も知らぬで、出てきた文書だけで議論せいと言われてもそんなことは議論できない。そういう意味では、私はこれは臨調に言わにゃいかぬことなんですけれども、やはりもう一遍、私は、できれば当委員会に土光さんに来てもらいまして、それらのことは土光さんじきじきに言いたいという気持ちはありますが、きょうは衆議院でやっているようであります。行管のあなたに言っても調査会の会議録のことまではあなた答弁できがたいと思う。と思いますが、そういう強い要請のあったことはひとつ調査会にお伝え願いたい。どうですか。
#30
○説明員(片岡勒君) そのように取り計らってまいりたいと思います。
#31
○山崎昇君 そこで、具体的にお聞きをいたしますが、政府は八月の二十五日でしょうか、第六次の定員削減ですか、決定したですね。日にちがちょっと間違っていたら訂正されて結構でありますが、そこで、第五次の定員削減を二年で打ち切っちゃって第六次の定員削減をこれから五年間でやることになるわけなんですが、その概要。
 それから、第一分類から第四分類まであなた方されておるようでありますが、第一分類に属する職種、第二分類に属する職種等々、その四つの分類に分けました内容については詳細な説明を願いたい。
#32
○政府委員(古橋源六郎君) まず、第六次定員削減計画の概要について御説明を申し上げます。
 いま御指摘のように、この八月の二十五日、閣議決定によりまして、臨調の一次答申、五年五%の定員削減を行うべきであるという御答申を受けましたので、それに従いまして五年五%、五十七年度から六十一年度まで五年間に五%の定員削減を行うということを閣議決定をいたしまして、さらに九月の十一日にそれの各省庁別の定員削減の目標というものを閣議決定をいたしたところでございます。これによりまして昭和五十七年度以降、全体といたしまして四万四千八百八十六人の定員削減を行うということを目標といたしております。その内訳は、非現業職員が二万七千百七十九人、五現業職員が一万七千七百七人でございます。
 なお、五年五%というものを各省庁別に配分いたしますに当たりましては、まず各省庁の合理化あるいは効率化の難易度あるいは職種の状況あるいは現在の定員事情と、こういうものを勘案いたしまして、各省庁と協議をいたしまして、その協議の結果定めたところでございます。
 いま御質問の、第一分類から第四分類というお話でございますが、これは政府部内におきまして、適宜職種に応じましてそれを分類いたしまして、たとえば第一分類につきましては看護婦であるとか教員、第二分類につきましては公安職員であるとか税務職員、第三分類については監視職員、第四分類については一般職員と、こういうものでございまして、それに対しまして、たとえば、第四分類でございますれば〇・五%、第一分類でございますれば一一・七%というような削減率を掛けまして目標を出しまして、そして各省庁の中におきます各部局別の配分は、各省庁がその定員事情に応じまして全体の総枠の中で決定をしていくと、こういう仕組みをとっておるところでございます。
#33
○山崎昇君 そこでお聞きしますが、昭和五十五年九月の十二日、行政管理庁は、「今後の行政改革に関する基本的な考え方」という閣議決定を行った。このときに、五十六年度初年度でしょうか、定員削減もこの中に入っておりました。そのときに、いまあなたの説明のありました第一分類が九・九%、第二分類が六・九%、第三分類が三・九%、第四分類がゼロ、こういう内容でありましたね。それが、いまお聞きしますというと、第一が一一・七、第二が八・二、第三が四・七、第四が〇・五、こう変わった、その変更した理由。それから第一分類は看護婦とかそういうものが多いんですが、こういうものが一番多く整理される状況になっておる。一般職が〇・五で一番少ない形になっておる。したがって、もう少し私はこの第一分類から第四分類までの中身について詳細な説明をやっぱり求めておきたい。
 それから、なぜこの五十五年の九月の十二日に設定したものがわずか一年ちょっとで変えざるを得ないのか。それは、七月十日の第一次答申が出たからそれに合わせて変えたと言うんだろうと思うんです。しかし私は、あなた方が決めたこの要旨一つとってみても、「当面の検討課題」というこの要旨を見ましても、約七つぐらいに分かれましていろいろ書いてありますね。一体、これと今度の第六次の定員削減とはどういう関連になってくるんだろうか。何でこんなに一年か二年で変えなきゃならぬのだろうか。
 私は、これは総務長官、あなたは国務大臣だから、きょう行管長官いませんので一点だけ聞いておきたいんですが、閣議決定というのはそんなに権威がないものなんだろうか、どうも私は最近しみじみと思わざるを得ないわけです。たとえば、これは多少内容はいろいろありますよ。ありますけれども、私の手元にありますものだけでも、昭和五十四年十二月二十八日閣議決定、五十四年十二月二十九日閣議決定、五十四年九月二十六日閣議決定、五十四年十月十二日閣議決定、五十四年十月二十三日閣議了解、五十四年十二月十八日閣議了解、五十五年三月二十八日閣議決定。中身は少しずつ違いありますよ。しかし、行政改革に関する限りは一年のうちに四回も五回も閣議了解とか閣議決定だとかやられる。中身は少しずつは違うけれども、ほぼ同じようなものばかり載っている。そして、どれもこれも満足にやったものがない。一体閣議決定というのは何なんだろうか。そして、今度は十日に臨調の答申が出たら、五十四年の九月二十六日の「昭和五十五年度以降の定員管理について」というこの決定がなくなって、第六次の定員削減計画に変わっている。臨調といえども諮問機関ですよ、性格は。行政の最高機関であります閣議決定というのは何なんだろうか、
 そして、これも関連して聞きますけれども、第二次、第三次の臨調の答申が予定されておる。そこでは、中央省庁の改編から出先の機関から、さまざまなものが入ってくると思う。そうなれば来年また、いずれにいたしましても事務が変更になったり許認可事務がどうなったり、こういうことになってくると、また定員計画は変更せざるを得ないんではないんだろうか。どうも最近の閣議のあり方といいますか、事行政機構改革に関する限りは、乱発というのはいい言葉がどうかわかりませんけれども、権威も何にもないんじゃないでしょうか。そして、何かむずかしくなれば臨調べ、何か起きれば臨調べ、これがいまの閣議の態度ではないでしょうか。あなたはきょう、行管長官じゃないんだけれども、国務大臣の一人として、一体この閣議というものについてどういうふうにお考えでしょうか。まずそれをお聞きしたい。
#34
○国務大臣(中山太郎君) 閣議は内閣の最高の意思決定機関であるというふうに存じております。
#35
○山崎昇君 そんなことは私も知っています。それがこんなにメジロ押しに変わって、前の決定が何もされないうちに次にまた二、三ヵ月過ぎると決定される。それがまた何もやらないうちにまたやられてくる。ただ私は、全部同じだとは言いませんよ。ここにありますが、少しずつは中身の違ったものもありますが、ほぼやっていることは、公益法人がどうだとか許認可事務がどうだとか、あるいは府県単位の機構がどうだとか、そう大した違ったことをやってないですね。そういう意味で、最高機関である一体閣議というものが、いまあなたの答弁ではありますけれども、それではとても私は満足するわけにはいかない。どういう権威をあなた方はお持ちなんですか。
#36
○国務大臣(中山太郎君) 閣議で決定される事項はいろいろと各省に関するものがございます。私ども、他省のことは私の権限外のことでございますので、ここで閣僚として申し上げるわけにはまいりませんが、私が所管をしております総理府あるいは沖縄開発庁につきましては、たとえば一例でございますが、沖縄電力の民営移管ということがすでに閣議で決定をされております。この電力の民営移管につきましては、九九・五%が大蔵省が株主でございますので、これを民営移管にするとすれば、この電力会社の株を公開して公募をするかどうか、そういうことからの手続を所管省がそれぞれやっておりますけれども、御案内のように赤字会社でございまして、株を民間に引き受けていただくということにいたしましても、累積赤字の解消をどうするのか、そういう問題の目鼻がつかないと株式の引き取り手がないというのが現状でございまして、ただいま私の所管します関係の部門におきましては、この閣議決定を踏まえていかにして民営移管を行うかということにつきましては、地元沖縄の経済界の方々とも十分相談をしながら鋭意努力しておるというのが現状でございまして、閣議決定ということには全力を挙げてその目的の遂行に努力をいたしております。
#37
○山崎昇君 そこで、事務当局に聞きますが、第五次と第六次で私から申し上げたように率が違う、それは一体どういう理由に基づくものか。それから、第一分類から第四分類までもう少し詳細に説明願いたい。
#38
○政府委員(古橋源六郎君) いま御指摘の第五次の場合でございますが、第一分類が九・九、それが一一・七になり、六・九が八・七になり、三・九が四・七になり、第四分類は看護婦さんたちがやっていなかったものが〇・五%ということでございますが、まず全体といたしまして前回は四・二%というものでございました。それが臨調答申で五%の削減を行うべしと、こういうことでございますので、大体二割上がったわけでございます。したがいまして、全体の率につきましても第五次の分を大体二割アップしたところを目標にして削減率を上げ、それを各省庁と協議をしながら現在申し上げたような数字に決めたわけでございます。
 なお、看護婦さん、教員等につきましていままでやっていなかったものにつきまして、今回最小限の〇・五%の削減率を掛けたわけでございますが、その人数は看護婦さんが約二百名、教員は約四百名程度でございまして、全体の四万四千八百八十六人というものの中において非常に少ないところでございます。これらのことにつきましても、臨調の答申におきまして、あらゆる分野において聖域なく合理化、効率化の努力をしてほしいと、こういう御答申をいただきまして、それを政府といたしましては最大限に尊重をするという閣議決定をいたしましたので、こういうところにも工夫をしていただく、こういうことで掛けたわけでございます。
 なお、前回の五次から六次まで二年もたたないうちになぜこういうふうに変えるのかと、こういうお尋ねでございますけれども、これは臨調等におきまして、現在におきます行財政をめぐります厳しい情勢、社会一般の公務員に対しますいろんな御批判等もございまして、常にわれわれは、行政部内においてもそういう点につきまして行政の効率化、合理化ということについては常に検討をしていかなければいけない。こういうことで、二年という途中ではございますけれども、この隠そういう御要望にも沿うという考え方のもとにおいてこの第六次計画というものを実施すると、全体として削減率を二割上げると同時に、期間もさらに六十一年まで延長ということになるわけでございますが、そういう厳しいことをやっていくということでございます。
 そして、これによりまして今後これを実施していきますように着実に努力をしていくということでございますが、さらに先ほど、今度臨調でいろんな答申が出た場合にどうするのかということでございますが、今後そういうような臨調でいろんな答申が出た場合におきましては、現在のこの第六次定員削減計画を実施していきます場合に、非常にそういう御意見というものは役に立つというふうに考えておりまして、答申の内容にもよりますけれども、現在のところ、第六次定員削減計画というものを途中で修正するという考えは持っておりませんで、これを着実に実行していくという考え方でございます。
#39
○山崎昇君 だからもう一遍、第一分類というのはどういうものが入って、第二が何が入って、第三が何が入って、第四が何をやると、もう少し中身、職種、言ってください。
#40
○政府委員(古橋源六郎君) 第四分類は医師、教官、看護婦等でございます。先ほど申し上げましたように、第三分類は税務、公安職員等それから登記職員等も入っております。それから第二分類は監視要員等でございます。それから第一分類はそれ以外のものでございまして、一般の職員ということでございます。
#41
○山崎昇君 そこでいまあなた、臨調の答申出でもこれを変えるつもりはありません、こうあなたは言っている。しかし、少なくとも第五次のを決めるときにはあなた方なりに一応の項目が洗われている、内容としては。ここに私は五十五年九月十二日の行政管理庁の出しました資料を持っているわけですが、これを見ても一応のあなた方の、何でそういう定員を減らすのかという基礎になるような物の考え方というのはここに一応ありますわね。ただ、今度の場合は臨調が五%という話を出したから、二〇%アップにしていまの言う率に変えましたというだけであって、合理性なんぞは一つもないじゃないですか。
 それから、いまあなた途中で変えないという話だった。しかし、これから臨調が出先機関をなくしますとか統合しますとか、中央省庁を統合しますとかなくしますとか、あるいは管区の機関をどうするとか、あるいは中曽根さんがいつも言っております事務減らしをやりますとか、そういう問題がきちんとなってきた場合にこの第六次でおさまるわけがない。私はどんなに考えてもおさまらないと思う。それに基づいてまたあなた方は定員の削減のやり方を変えなかったらできないんじゃないでしょうか。どうして定員だけがそんなに先走りしてやらなきゃならぬのか。
 それからいまもう一つ、あなたは五十七年から六十一年と、こう言う。六十年に定年制がございますね、三月三十一日に。ここで大量の首切りが法律的に行われるわけです。だから、そういうものもあなた方は頭に入れてこの第六次の定員削減というのをやっているんじゃないんでしょうか。どうも私はいまの行管のやっていることを見ると、何でも臨調様々のようでありますが、途中でこれは変更せざるを得ないのではないかと思うがどうですか。もう一遍聞いておきますよ、これは。
#42
○政府委員(古橋源六郎君) 先ほど申し上げましたように、臨調の答申の内容にもよるがということを申し上げたわけでございまして、臨調の答申が現在私どもが予定しておりますようなものよりも非常に抜本的な改革というようなものでございますれば、そのときにはそれに応じた定員削減計画がそのときの状態において考慮されるということはあると思います。しかし、臨調が今回の第一次答申におかれましていろいろと定員削減についての内容について、たとえばいろんなことを言っておられますが、そういうものを着実に実行していくことによってこの第六次削減計画を実行していきたい、こういうことを第一に申し上げたわけでございます。
#43
○山崎昇君 それならあなた、そんなに違いないじゃないですか。あなた方がせっかく閣議で決めた第五次を実行していればいいんじゃないですか。第五次を実行していて、その間にあと二年後には――二年までならぬかもしれませんが、本格的な臨調の答申が出るんでしょうが、機構の改革も交えて。そういう意味で言うと、乱やっぱりさっきに返るんだけれども、この閣議決定というものが全く私は粗末に扱われるといいますか簡単に変更されるといいますか、一諮問機関の答申でがらっと変わってくる。こういうものの私は閣議の発想だけはきちんとしてもらわなきゃいかぬ。
 それから、第四分類〇・五、この前はゼロでありました。聖域がないと言う。そうすると、私はいまここにこれ、臨調の専門委員をやっています加藤寛さんの本です。この人が書いていますが、「防衛費も例外ではない」という中で幾つかの疑問を出している。これはあなたに言っても――これは午後私は防衛庁長官に聞きたいと思っているんですけれども、たとえば「防衛施設庁は、果たして十分に行政改革を行なっているのか、そこに冗費はないのか。そればかりではない。陸上兵力は果たして、海洋国日本にとって絶対必要なものなのか。」と、臨調の専門委員をやっている特別部会長である加藤さんが――これは贈ってもらいましたから私は読んでいるんですけれども、そうすると防衛だけは、あなた方は聖域ないと言うけれども、聖域化して何もやっておらない。これは臨調の答申もそうだからあなた方は答申どおりと、こう言うんでしょうけれども、必ずしも全般的に検討されてあなた方やっているわけでもないんだよ。
 そして、いま聞きますというと、第二分類の監視職員等の八・二%を削ると言う。第三分類、税務でありますとか登記事務。登記事務なんかふえてどうにもならぬで、たとえば土地の登記なんかは一部農協の職員に肩がわりさせているところさえあると言われている。そういうところが削られる。前よりも多くなってくる。さらには監視の問題で言えば、一番ひどいのが労働基準監督です。私は北海道の労働基準監督局へ行って聞いてみた。どんなにがんばっても一つの企業を監視に行くのに十四年かかるというんです。十四年ぶりに一遍しか行かれない、いまの陣容で。それがいま中小企業におきます労働災害の続発なんですよ。
 そういう実態からいくと、第二分類がかつて六・九であった、八・二になる、そしていままで対象にならなかった看護婦や医師が、仮に〇・五にいたしましても、看護婦と医師で六百名。これは国民のニーズと余りにもかけ離れるんじゃないだろうか。何でも臨調が物を言ったらそのまま閣議はやらなきゃならぬなんという私は仕掛けのものでないと思う。そして、何回も言いますが、あなたは答申にもよるがと言うが、これから本格的な答申が出てくるんでしょうが、どうしても私はその点は納得できないことが一つ。
 それからもう一つは、年次別にあなた方各省に対して、大体五年間でありますから、五十七年はどれくらい、五十八年はどれくらいと年次別に率をある程度示しているんじゃないかと思うんです。できればその説明を願うと同時に、さっきちょっと触れましたけれども、昭和六十年に、国家公務員の定年制がもう通りましたから、三月三十一日でかなりの人がやめられることになるわけなんですが、それと第六次のこの定員削減計画との関連はどういうふうに考えられたのか。
 さらに、これも臨調から出ておるわけでありますが、昭和六十年の定年制まで漫然と待っているわけにいかないから、退職準備制度なんというものを検討したらどうですかと言う者も出ておる。そこで、行管はそういうものを一体どういうふうに考えられたのか。考えなかったのか、考えなければならないで結構でありますが、聞いておきたい。
 そして、重ねて聞きますが、昭和六十年の定年制までの間、私はいままでの離職率というものは低下をしてくるのではないか。私の承知する限り、大体年間離職率は四%ぐらいと、省によっては多少違いますが、聞いています。しかし、六十年の三月三十一日に定年制が施行になるわけでありますから、そういう意味で言えば離職率というのは減ってくる。やめさせられる者から言えば六十年まで待つという考え方だってあり得る。そういうものとの関係は一体行管はどういうふうに判断をされたのか。さらに、どうしてもあなた方が年次別に決めた離職率でやっていくということになるというと、極端な場合には強制解雇ということがあり得るのではないか。そんなことは考えていないとは思うが、一応聞いておきたい。
 私はなぜこの点を聞くかというと、総定員法をいじっているわけじゃありませんから、恐らく予算定員でやっているんだろうと思うんです。あるいは政令におきます配置定員でやっているんだろうと思うんだけれども、かつて総定員法と分限のことについて私は当時の大臣と論議いたしました。そのときに、総定員法と分限の関係については、これは分限に関する限りは死文であります、発動いたしません、こういう答弁がありまして、強制的な私は解雇はないものと思っています。七十八条の四号で、定員が減ったとか職制が変わったとか機構がなくなったとかという意味であなた方が強制解雇をよもやしないだろうとは思うが、かつて議論した一人として、この機会でありますからもう一遍確認をしておきたいと思うんで、いまの点についてひとつ答弁願いたい。
#44
○政府委員(古橋源六郎君) たくさんのお尋ねでございますので、順次御説明申し上げたいと思います。
 一番最初に防衛庁関係のお話がございました。午後防衛施設庁が来られると思いますけれども、防衛庁の職員につきましては、自衛官につきましては定員削減計画に含めておりません。これは部隊の編成でありますとかあるいは装備等の関連において決定されるべきものであるという考え方に立ちまして、一般の公務員とは事情が異なっておる。したがいまして、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊おのおのにつきまして、防衛庁設置法におきまして国会の御判断を仰ぐというふうになっておるわけでございます。なお、防衛庁の職員におきましても、一般の職員につきましては定員削減計画の中に含めて削減をいたしておるところでございます。
 その次に、現在登記事務であるとか労働基準監督署であるとか、そういうところは非常に忙しいではないかと、そういうところはどうするんだと、こういうお尋ねでございますけれども、そういうところにつきましては、一般として、すべて事務の合理化であるとかそういうことによりまして削減を片方においてやっていただくと同時に、片一方におきまして増員をいたしておりますが、その増員のときにおいて、国民が現在必要とするニーズの方向を私どもが見きわめまして、そういう必要なところには重点的に配慮していくという考え方のもとにおきまして定員管理というものをやっておるところでございます。
 第三番目に、定員削減につきまする年次別の計画はどうかと、こういうお尋ねでございますけれども、これは閣議決定におきまして削減目標数の五分の一ずつを毎年削減をしていくということを決定したところでございますが、どうしてもその結果、たとえば先ほどの強制解雇になるような事態になってはいけませんので、そのときには行管庁と協議をしていただくと、こういうふうに考えておりまして、各省ともこの閣議決定の線に沿いまして最大限の努力をしていただくという必要があると考えております。
 それから、定年制とこの第六次定員削減計画との関係でございますが、私どもは、最初に申し上げましたが、この削減計画を実施するに当たりましては、職種を分類いたしまして、それにある程度の削減率を掛けて決定すると、こういうやり方を考えております。そしてそれを各省庁が、自分のところの定員事情であるとかあるいはいろいろなことを考えまして、各省庁ができるかできないかということを協議してまいりまして、したがいましてそういうことを私どもが定年制だからどうだというようなことを特に配慮したことはございませんで、各省庁との協議の段階において、各省庁がそういうことを配慮してやっているかもしれませんし、それは私どもの方ではわかりません。しかし各省庁協議いたしまして、各省庁ができると、この五年間ではこういうことでできるということで合意をいたしましたので決定したところでございます。
 第四番目に、退職準備制定のお話がございました。これは臨調の一次答申の中でそういう提言がございました。私どもといたしましては、今後高齢職員というものの構成比がふえてくる、戦後のいろいろな事情から高齢の方の割合が大分ふえてきておりますので、こういう方々についてどういうふうに人事管理上やっていくのかどうか。しかし、これは行管限りではできません。したがいまして人事局であるとか人事院の方々、そういう方々のお知恵を拝借しながら、政府一体として高齢者の方々の今後の退職あるいは人事というものをどういうふうにしたらいいかということを研究する必要があるということで、とりあえず現在行政改革本部の中にこういうことを研究する窓口をつくってはどうかということで次官会議の申し合わせをしたという段階でございまして、今後こういうことにつきまして、どういうふうにしたらいいかということを研究していく段階でございます。
 それから、先ほど国家公務員の定員削減と分限との関係で、先生の、国家公務員法の七十八条四号との関係のお話がございました。私どもは、国家公務員法によってその定員が過員したときには解雇できるという規定がございますけれども、何度も国会においても御説明申し上げましたとおり、中曽根長官も過去において国会において御発言をいたしておりますけれども、強制にわたる解雇はいたさないということを明らかにしておきたいと思いますし、これは国会における附帯決議がございますので、その附帯決議を尊重するということは現在も変わりはございませんということを明らかにしておきたいと思います。
#45
○山崎昇君 いま重要な答弁ありましたので、これ総理府と人事院に関連して聞いておきますが、退職準備制度については次官会議で検討をすることにしたといういま答弁がありました、行管でね。一体これ、総理府の人事局はその中に入っているんですか。それから人事院はそれに入っているんですか。
#46
○政府委員(山地進君) 退職準備制度につきましては、いまの次官会議の決定に基づく機構のメンバーの一人として人事局が入っております。
#47
○政府委員(藤井貞夫君) いまの点は、人事院の性格としてこのメンバーには入りません。ただ、意見をその審議の段階でいろいろ聞かれるということがございますれば、これはわれわれ、われわれの考えがございますので、それはその都度申し上げていきたいということでございます。
#48
○山崎昇君 そうすると、次官会議ではどういうことを決めたんですか、参考までに聞いておきたい。
#49
○政府委員(古橋源六郎君) 八月三十一日の「事務次官等会議申合せ」というのがございまして、その中で「定員管理の円滑化対策」というのがございます。その中で、読み上げますが、「高齢職員の管理の適正化を一層推進するため、勧奨退職の積極的な推進を図り、勧奨退職者の嘱託としての活用及び高齢者の昇給抑制措置の強化につき検討を行うとともに、特別の勤務制度(退職準備制度)の導入の可能性等について検討を進めるため、行政改革本部に「高齢職員管理問題協議会」を設ける。」と、こういう申し合わせでございます。
#50
○山崎昇君 これは改めて私はまた聞きますが、きょうはお聞きをしておく程度にしておきます。
 それから行管に、先般衆議院でわが党の小川国彦代議士から、特殊法人等の天下りの人事の問題についてもかなり質問があった。そこで、私から一点だけ聞いておきますが、政府はことしの八月二十五日の閣議決定で、これから五十九年度までの間に常勤役員でしょうか、これを二〇%ぐらい削減をするという方針を決めたようでありますけれども、一体具体的にどう進めるのかさっぱりわからぬものですからね、この閣議の決定を受けて行管としては具体的にどんな作業をやっているのか、この一点、説明を聞いておきたい。
#51
○政府委員(古橋源六郎君) 特殊法人の役員の関係は、政府部内におきましては内閣官房の方でやっておられますので、そちらの方から御答弁をお願いいたしたいと思います。
#52
○山崎昇君 いやいや、きょうは官房を私は呼んでない。それは特別委員会の中で中曽根長官が答えているんですよね、衆議院の行革で。だから臨調中心にやっているわけでしょう。そして行管中心にやっているわけでしょう。ところが、閣議決定はあったけれども、具体的な方針がさっぱり出てこないんだ。どういうふうに、どうするのかわからぬものだから、一体中心になっております行管としてどうするんですかと、いま聞いているんです、これ。中曽根さんが答えているんですよ。
#53
○政府委員(古橋源六郎君) 私どもは、その関係につきましては窓口をいたしておりますが、内閣官房の方にお願いをいたしまして、今後三年間で二割削減をやってほしい、その具体的な各省庁との折衝は内閣官房の方でいま鋭意折衝をしておられると、こういうふうに伺っております。
#54
○山崎昇君 時間がありませんので、行管関係はまた改めて私はいろいろお聞きしますが、きょうはこの程度にしておきたいと思います。
 そこで、自治省に関連してお聞きをしておきますが、一つは、七月の十日に第一次答申が出まして、地方自治体にわたるようなこともずいぶん述べられておる。そこで、これについてはいろんな方々の意見もありますが、わけても自治省出身であります知事の方々の批判というのが痛烈なものがある。そういう点から考えて、第一点として、この第一次馬調の答申に対して自治省としてはどういう考え方をお持ちなのか、それが一点。
 それから第二点は、先般も北海道庁の天下り人事の問題がありましてずいぶん議論になったわけでありますが、一体自治省として、各都道府県や政令都市、市町村も含めまして、どれくらいの者が俗に言う天下り人事として地方に行っておるのか、説明願いたい。
#55
○政府委員(砂子田隆君) いまお話のございました臨調の答申に対しまして、公共団体がいろんな意見を述べていることは私も承知をいたしております。ただ、臨調の審議対象といたしまして、地方自治の問題を取り上げます場合には、少なくとも国の関連においてやるんだということが事前の政府の統一見解としてお示しをしているところであります。それに従いまして答申が出されたものだと。しかも、その中に林敬三さんが入っておられまして、よく調整をしていただいたものだとわれわれは思っております。
 ただ、今回の各公共団体側の御意見にもありますように、地方分権の問題でありますとか、そういうことについて余りこの臨調答申は述べていないという批判が大部分であろうと思いますけれども、私たちといたしましては、今回の答申か、増税なき予算編成ということが一つの主眼であるという点が非常に多く述べられておりますし、少なくとも今後は、臨調として行われております第三部会の中でもそうでありますが、国と地方との機能分担でありますとか財源配分のあり方、そういうことがやられるということになっておりますので、今後の臨調の中で、少なくとも地方制度調査会がいままでいろいろと述べてまいった見解、そういうものが考慮の中に入って審議されるということを大変期待をいたしておるというふうに考えております。
 それから、お話のございました天下りの問題でありますが、御案内のとおり、自治省が各都道府県あるいは市町村に人を出しておるという問題につきましては、大部分が公共団体側の要請に基づいて行っているものでございます。いまお話ございましたように、天下りというものがどういうものであるかという考え方、これいろいろあろうと思いますが、自治省から人事交流によって公共団体に出しておる職員というのは、特別職、まあ副知事というのは議会のある意味では承認を得ているという人事でございますが、そういう人を除きまして、おおむね百五十名ぐらいでございます。
#56
○山崎昇君 そこで、つい最近、北海道庁の総務部長問題をめぐりまして、私も官房長に二度ほど会いましたし、また現地の組合の諸君も参りまして、お会いをしていろんな話し合いをしているわけですが、そこで北海道庁の組合で、現職の部課長に対して実名でアンケートをとったんですな。実名でアンケートをとりまして、全部が全部来たわけではありませんが、相当数の方が回答を寄せられました。これは実名――名前書いて回答したわけですが、そしてそれを見ますと、やっぱり、たとえば道庁で言えば総務部長なんという職はほとんど自治省の指定職みたいですね。そして自治省の人事がかわるときにかえられる。言うならば、中央の都合で北海道の総務部長というのはかえられる。そこで、労働組合は知事との間に天下り反対で協定がある。だんだん減らしていこうと、こうなっているんですが、さっぱり減ってないわけ。
 そこで問題が起きるわけなんですが、このアンケートによりますと、天下り反対の組合の、まあストライキまでまいりませんけれども、行動についてはやむを得ないという見解が八割を超すんですね。それから地元に人材がいないわけでもありません。それから将来はやっぱり暗くなると言うんですね。それはそうだと思うんです。年齢の若いような、いままで北海道に縁もゆかりもないようなのがぼっと来て、そして主要なポストについて、長くて三年、短ければ一年半か二年ですうっと東京にお帰りになる。言うならば、道庁なら道庁の中で言えば、決していい職場体制ではないんですね、そういうものに対して。
 そういうことを考えるときに、いまあなたは、なるほど形は自治体から要請があるからやっているんだとこう言う。しかし、そうでない分野もあるわけですね。これも形は自治体の要望だけれども、実態はあなた方の定数外で二十名も三十名も、かつての公務員試験の採用者みたいなのがみんな配置になっている。二、三年で全部入れかえ作業になる。こういうやり方が、いまの俗に言う天下り人事ということで議論になるわけなんです。こういうことについて一体――私はその行かれた人に対して、この間も問題ありましたけれども、行かれた人は命令で行くわけですから、その人に私どもそう闘争の矛先を向けてもいかぬではないかという意味で組合をある意味では説得したりしますけれども、しかし問題はやっぱり根が深いんですね。そういう意味で、自治省は一体そういうものについてどういうふうに判断されますか。
#57
○政府委員(砂子田隆君) 具体的な人の人事の問題に関しましては、私も官房でございませんので、詳細に存じておりませんのでお答えを差し控えたいと思いますが、一毅的に自治省自身の仕事というのが、御案内のとおり地方公共団体に関する事務をやっているわけであります。そういう考え方から申しますと、少なくとも自治省自身が地方公共団体のいろんな部分について承知をしておくというのは、国の行政をやる上においても大変私は必要なことだと思っております。そういう点で、あるいは公共団体の方も将来のそういう国全体、国と地方とがこれからのやはり新しい行き方として併立協同部な考え方でこれからの行政を進めなきゃならぬという観点に立つとすれば、やはり国と地方との間でいろんな部分を、国あるいは県自身もいろんな国の職員の人に知ってもらうという必要は私はあるだろうと思っております。
 そういう意味から、公共団体の中に私たちの方の職員を派遣をすることによりまして、いろんな部分でこれからの公共団体との間の意思が非常によくうまく疎通をしていくということも考えられますし、お互いにやはり地方の実情を知って切磋琢磨するということもありましょうし、そういう利点をこれからの国の行政の中に生かしていくということが大変私は大事だと思っておりますので、こういう国と地方との間の人事というのは、ある程度やはり私は容認されるべきではないのかという考え方を持っております。
#58
○山崎昇君 ある程度容認なんというのではないんだ、あなた。一つの職が一言うならば私も道庁出身でありますけれども、ほとんど総務部長なんというのは自治省出身者でなきゃなれないんですよ。二、三人は道庁から上がった人おりますよ。たとえばいま私の手元にあるのだけ言ってみましょうか。総務部長、これはこの間がわりましたね。地方振興室長、衛生部長、農務部次長、水産経済課長、東京事務所の税務課長、労政課長、森林計画課長、石炭対策事務主幹、保険課長、国民年金課長、帯広保健所長、釧路の所長、教職員課長、各般にわたりましてこのポストはほとんど中央からでなければこれできないんですよ。そして中央の人事の都合で突然と発令になるんですよ、これ。発令になった方ここにおられるから言いにくいけれども、十五日にあなた通告して十六日に発令ですよ。
 そういうやり方で、私はあなたの言うように、私はかたくなにそんな考えません、多少の交流はあってもいいでしょうし、中央が地方の事情を知ることもいいでしょうし、地方の諸君がまた中央へ来て企画的なことをやるのもいいでしょう。私も柔軟に考えてもいいと思うが、しかし余りにも特定の職がすべて中央で握られる、それも大体はこっちで言うと各部の主幹課長みたいなものはほとんど握られる、そして中央の都合で発令が行われる。こんなばかなことを地方自治体が繰り返しておったら、地方自治体で育った者はいやになっちゃうですよ、本当に、総務部長になれないんですから。ですから、あなたの意見は私は全部が全部否定するわけじゃありませんけれども、少なくとも自治省は各省に対して、そういう地方自治を守るという意味からやっぱりこの人事問題等については慎重にひとつ扱ってもらいたい。これは官房の仕事かもしれませんが、あなたは行政局長でもありますから、地方の行政全般を見るわけですから要望しておきたいと思うんですが、どうですか。
#59
○政府委員(砂子田隆君) いまお話がございましたように、各省それぞれ県との人事の交流をなさっておるのだと思います。お話がございましたので、私の方も各省にそういうお話があったことをよく伝えておきたいと思います。
#60
○山崎昇君 それでは、午前中の時間がだんだんなくなってきましたから、大蔵省にちょっとお聞きをしておきます。
 今度の行革法案の第四条関係だと思うんですが、国家公務員の共済組合に対する国の負担金の払い込みの特例が盛られているわけですね。私も条文を読んでいるわけですが、頭が悪いせいかよくわかりませんので、一体あれは具体的にどういうことになるのか。たとえば負担率ではどういうふうになるのか、あるいは掛金率ではどういうふうになるのか、まずその説明をお聞かせ願いたいと思います。
#61
○政府委員(宍倉宗夫君) 御説明申し上げます。
 ごちょごちょ書いてあることは事実でございまして、先生ごらんになってなかなかおわかりにならないということでございますが、話は簡単な話でございまして、御承知のように国は国家公務員に対しまして国庫負担をしておるわけであります、共済組合に。一五・八五%やっておりますが、それを約四分の一減らすと、こういうことでございます。そういたしますと、いまおっしゃいました掛金の方は一体どうなるだろうと、掛金の方は前と変わらないわけでございます。そうなりますと、いま共済組合では掛金と国庫負担と積み立てているわけでございますから、積み立てる分が国庫負担の四分の一相当分だけこの措置をやらないよりは少なくなるわけであります。少なくなるわけでございますから、仁の措置三年間やっていくということでございますので、三年間分の累積、大体二百四十億円ぐらいになろうかと思いますが、その分だけ少なくなってくるわけであります。
 でございますから、そうなると、何も共済年金ばかりでございませんが、そうでなくても年金というのは将来どうなるんだという問題があるわけでございますね。いまの状況からいたしますと、国家公務員共済組合が二百四十億円ぐらい三年間で積立額が少なくなりましても、国家公務員共済組合から支払われる年金がびくともするわけでもございません。もらうものは前と変わらないわけでございます。しかし、いろいろ心配もあろうということでございますので、四条の二項にはそういった措置によりまして「将来にわたる国家公務員共済組合の長期給付」、つまり年金でございますが、その年金財政の安定が損なわれないように、それから国の財政状況も勘案しながら、「特例適用期間経過後」といいますから昭和六十年度以降でございますが、その二百四十億円というのは、つまり本来いままで負担する額一五・八五と四分の一減った分のその差額の分の払い込み、それからその他の問題というのは利息の、いわゆる利息といいますか運用収益といいますか、そういったものも含めまして「その他の適切な措置を講ずるものとする。」ということで、国はそういった措置を講ずる責務を負うということになっているわけでございます。
#62
○山崎昇君 私、あの条文を読んで自分で数字ちょっとはじいてみたから、私の方から言って、間違ったら言ってください。
 一つは負担の割合ですが、政府が公的な負担として一五%ですね。ですから、全体を一〇〇として一五を引いてその半分ですから、四二・五%というのが労使折半でいまやっているわけですね。ところが、先般の共済組合法の改正の際六十歳支給になりましたから、その分一%は政府が持つということですから、一〇〇から一引いて百分の十五掛けますと一四・八五という数字になる。そこで政府がどれだけいま労使折半の問題になるかというと、一〇〇%から一を引いてそれからさらに一四・八五を引いてその半分ですから、現実的に労使折半の四二・五というのは、現在は労働者側の折半というのは四二・〇七五になっているはずですね。これは間違いありませんね。そこで、国は公経済として一五%に一%、それに労使折半の分を足して五七・九二五%というのがいま国が使用者としての負担と公的負担とを足した分ですね。間違いありませんか。
#63
○政府委員(宍倉宗夫君) そのとおりでございます。
#64
○山崎昇君 そこで、今回の改革で五十七年から五十九年国庫負担の四分の三を基準として予算で定める額に減額、四分の一をカットするというのですね。そこで、これも私時間の都合もありますから自分で計算をしてみているわけなんですが、一五%の四分の一というと三・七五のわけですよね。ところが、現実はさっき申し上げましたような一%の問題もありますから、一四・八五の四分の一で三・七一二五、それから支給年齢引き上げについての一%の四分の一で〇・二五、この二つを足しますと三・九六二五、結局どういうふうになるかというと、一四・八五に一足して一五・八五、その三・九六二五カットするというのですから、言うならば一一・八八七五がカットする分ということになるのかどうか。これが負担割合の数字なんですが、どうですか。私があの条文を読んで計算してみると何かそんな気するのは間違いですか。
#65
○政府委員(宍倉宗夫君) 数字はそういうことなんでございます。お伺いしたところ、ちょっと違うみたいな気がしますのは、三・九六二五がいわゆる減額相当分でございまして、それを一五・八五から引きますから、おっしゃる一一・八八七五というのはそれが負担する額でございます。
#66
○山崎昇君 そういうことになる、それはいいですれ。
 それから掛金率について重ねてお聞きをしておきます。これも予算の都合でいろいろやるようでありますが、現在厚生年金と合わせまして所要財源率の八〇%に修正してやっているわけでしょう。そこで、八〇%を土台にして言うと百分の百二十三になりまして、これが公務上の年金分というんで〇・五%引いて千分の百二十二・五、それに負担率の四二・〇七五%掛けまして五一・五四一八七五になるんだが、現在俸給月額の掛金率というのは千分の五十一・五になっている。これ間違いありませんね。
#67
○政府委員(宍倉宗夫君) そのとおりでございます。
#68
○山崎昇君 そこで、今度国はその千分の百二十三から千分の五十一・五を引くというと千分の七十一・正負担率になるわけ。ところが、国家公務員の俸給月額のトータルとして七・一五%何か削減していいんじゃないかと、こう言われているんですが、五十六年度予算で七・一五%分に相当するというのが、私ども聞いているんでは九百五十九億ぐらいになる。ところが、今度の措置で、計算は申し上げませんけれども、四分の一程度をカットすることによって、結果として一般会計で八十一億ぐらい、特別会計で五十九億くらい、合わせまして百四十億ぐらいがカットされるんではないか、こうあの条文で計算すれば私はなるんじゃないかと思うんですが、どうですか。
#69
○政府委員(宍倉宗夫君) そのとおりでございます。
#70
○山崎昇君 数字を確認いたしましたので、そこで、あわせましてこの百四十億については、いまあなたが先ほど答弁がありましたけれども、三年後に利子の分も入れて見直すと、こういうわけですね。お返しするということだと思うんです。
 そこで、私の一つの心配は、昭和五十九年の十月に再計算期にぶつかるんですね、再計算期に。そうすると、昭和五十九年度というのはまだ財政の再建期間中に当たる。そうするとこの再計算といまあなたに申し上げた数字を確認した百四十億に利子がついて、あなた方が支払わなきゃならぬものとの関係はどういうふうになってくるんだろうか。私は先回りして心配して言えば、再計算の中で何かごちゃごちゃにされちゃって、言うならばごまかされちゃうんじゃないか、そういう気持ちがしてならないんですが、整理して物を言えば、五十九年の十月の再計算は従来方針どおりの再計算をやって、あなた方がカットした分についてはいま答弁ありましたように百四十億にその利子分つけて、それがどういう再計算になろうともお返しするんです、こういう理解でよろしゅうございますか。
#71
○政府委員(宍倉宗夫君) 百四十億というお話で、その数字はそのとおりでございます。それは一般会計のベースで言いますと八十二億、大体その三倍、先ほど申し上げました二百四十億、それで利息といいますか運用収益といいますか、その分が二百五十億円ぐらいになりましょうか、全部合わせましてそのことと、それを六十年度以降適切な措置を講じていくということと、それから五十九年度に再計算が予定されていることは御指摘のとおりでございますが、その再計算の問題とは別個の問題でございますと、こういうふうに行革特別委員会でも何度も御答弁してまいったわけであります。したがいまして、再計算するときには、別個の問題でございますから、それはそれこれはこれということで考えてまいるということになろうと思います。
#72
○山崎昇君 それは明らかになりましたから結構です。
 それから、もう一点聞いておきますが、大蔵省内に共済研究会が発足しておりまして、私ども聞くところによりますというと、何か来年の十月ごろまでに一つの成案をつくって、来年の十二月の通常国会には共済組合の何か抜本的な改正案を出したいという考え方があるやに聞いておりますが、一体大蔵省内にありますこの共済研究会がいまどの程度の状況にあって、大体どういうことが検討されているのか、概略で結構でありますが、お聞きをしておきます。
#73
○政府委員(宍倉宗夫君) 共済年金制度基本問題研究会というのが正式な名前でございますが、第一回目五十五年の六月に始めまして十九回今日まで審議を重ねております。どういうことを御議論いただいているかと申しますと、年金財政を踏まえまして職域年金制度としての共済年金はどういうあり方がいいのかというようなこと、それから他の公的年金制度との整合性とこれらの給付との調整をどうするかといった問題、それから御案内のように、国鉄共済が非常に先行き危ないんじゃないかというようなことが言われておりますが、この国鉄共済の問題を含めまして、共済年金制度全体の財政の問題はいかにあるべきかというようなことを御議論をいただいてございます。
 この後どうなるんだというお尋ねもございましたが、五十八年のまあ春か夏か、そのくらいまでにはひとつ共済年金制度基本問題研究会としての今後の共済年金制度のあり方に対するお考え方をおまとめいただきまして、そのおまとめいただきました結果を、これ見てみないとわかりませんでございますけれども、それに応じまして必要な法的措置がございますれば、また国会にお願いをするということもあろうかと考えております。
#74
○委員長(遠藤要君) 午後一時再開とし、休憩いたします。
  午後零時八分休憩
     ―――――・―――――
 午後一時五分開会
#75
○委員長(遠藤要君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、岡田広君及び林寛子君が委員を辞任され、その補欠として田沢智治承及び仲川幸男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#76
○委員長(遠藤要君) 休憩前に引き続き、国家公務員等退職手当法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#77
○山崎昇君 それでは、退職手当についてお聞きをしたいんですが、その前に、先般成立はしたんですが、総理府と人事院に定年制の再任用に関して一言だけお聞きをしておきたいと思います。
 実は、法律では、一年を超えない範囲内で再任用をすることができる。そして、三回までは更新できるというかっこうになっているわけなんですが、その際、新規採用という形をとりますというお話であったわけですが、そのときの一体給与はどの程度に決めるのか私ども聞いておりませんので、たとえば通常で言う新規採用というと、その等級の三号どまりとかいろんな形があるんですが、この場合は何か六割とか七割という話も聞いたり、いろいろあるものですから、どういう形の俸給になるのか、総理府と人事院からこの点ひとつ聞いておきたいと思います。
#78
○政府委員(長橋進君) 定年制実施後の再任用についての給与決定についてお尋ねでございますが、再任用の場合に確かに任期は限られるわけでございますけれども、どういう職務につくかということで給与上の基本になります等級が決められると思います。
 いろいろなケースがあると思いますけれども、初任給の決定につきましては、号俸の決定でございますけれども、それにつきましては、原則としまして現行におきます中途採用者の初任給決定方式でいくつもりでございます。
 なお、制度の趣旨、運用等今後の問題あるかと思いますけれども、それは今後民間の動向なども調べた上で対処してまいりたいと思っておりますが、現在はそういう考えでおります。
#79
○山崎昇君 中途採用者の考え方でいけば、たとえば経歴換算とか――しかし、経歴はそのまま続くわけですから十割換算になりますね。そうすると、考えようによっては、俸給については最終俸給に近いものになる場合もあるんではないか、最終俸給に。そういうことにも受け取れるんですが、おおよそのあなた方、中途採用者はいろいろこれケースがあるものですから一概に言えませんが、どの程度のことをお考えになっているのか。私は、この再任用の場合はどうしてもこの人でなきゃだめだという職種の場合になってきますから、当然いままでの経歴はそのまま一〇〇%移行しますね。そういう意味で言うならば、最終俸給と似たようなものがやはり俸給としてなるんではないだろうかと、こう思うんですが、どうですか。
#80
○政府委員(長橋進君) 先ほどお答え申し上げましたけれども、つく職務によりまして等級が決まります。そういう関係で、現行のその中途採用者の初任給決定方式によりますと、一号上位等級の初号とオーバーラップするところが頭打ちになっておりますので、原則的にはそういうかっこうになろうと思います。
 ただ、いろいろその均衡問題等も起こることでございましょうから、その点につきましては個別の事態に応じまして、現行においても調整措置がございますし、いまおっしゃられましたように、特にこの人をもってかえがたいというような場合について再採用というような事態が生じますれば、その個別個別の事態に応じて調整というものは考えたいというふうに思っております。
#81
○山崎昇君 実際は勤務の延長と事実上は変わりはないわけですよね。ただ、再任用という制度をとりますから新規採用という形にはなりますけれども、事実上の行為からいけば勤務の延長とそう差はないんではないだろうか。そういう意味でいけば、中途採用者の規定をとるにいたしましても、これは相当弾力的に運用しませんと私はまずいんではないんだろうかという気が一つするわけです。
 それから、勤務の延長の場合にはそのままいって、そして共済組合につきましても年金期間が通算になって最後に計算されるわけですが、この再任用の場合には、間がたとえば一日であろうが何であろうが切れるとすれば、再就職でありますから当然共済組合年金は支給はならないわけ、支給は停止になるわけです。計算の方は別ですよ。停止になる。そうなるというと、再任用は願ったけれどもかなり低い俸給で採用されるということになると、仕事は前と同じような仕事をやっておって、言うならば月給だけはかなり低いというんでは私はまずいのではないだろうかという気がしますから、その点はひとつ配慮が必要じゃないかというように思います。
 それから、これは元人事院の事務総長をやられましていま日本人事行政研究所におられる尾崎さんのところで出された報告書なわけですが、ことしの六月に「将来のあるべき人事管理を考えるための基礎調査」ということで民間のものを主として調べているわけですけれども、私は一つの参考でこれを見ますというと、厚生年金とそれから再採用の場合の月給、これはもちろん今度の定年制に言う再任用とは異なりますけれども、再採用の場合に厚生年金が高い割合の場合には月給は多少低くしている。しかし厚生年金の割合が低い者は採用するときの月給を高めておって、平均的に言えば二十万というのが一つの単位だというのがこの報告書なんですね。
 そういうことで、私は民間の場合で尾崎さんのこの報告書を見ますというと、これは将来あるべき人事管理というわけですから、そうすると、定年制が六十年の三月にいたしましても、再任用したときに、やっぱり一つのめどとしては、いま公務員の平均が二十二、三万円ですね、平均。二十万ということになると、ざっとやっぱり八割がそこらぐらいの俸給を出さなければその人の生活そのものはがくっと落ちるということになる。言うならば、仕事は従前のような重要な仕事をやらせながら給与の面だけはずっと落ちるというんでは私はやっぱり魂が入ってこないんじゃないか、そういう気がするものですから、重ねて確認をしておきたいんですが、人事院でこれから、規則があるいは指令か何か知りませんけれども、再採用の場合の俸給の決め方というのは相当ぼくは慎重にやってもらいたいし、それから総理府にもお願いをしておきたいんですが、総理府でも現実的に採用するわけでありますから、その場合に十分考慮して私はやってもらいたい、こう思うんですが、どうですか。
#82
○政府委員(長橋進君) 再任用につきまして、任命形式上再採用という形式をとった関係もございまして、したがいまして初任給の決定方式につきましては、原則としてやはり中途採用者の採用の場合ということがたてまえになると思いますけれども、いまおっしゃられましたように、再任用につきましてもいろんなケースがあると思いますので、そういうケースを十分検討した上でいまおっしゃったような趣旨に沿って考えてまいりたいと、このように思っております。
#83
○政府委員(山地進君) ただいま人事院の方の御答弁ございましたように、私どもといたしましても、初めての運用に当たりましては人事院と十分御相談をして、運用に滞りのないようにしてまいりたいと考えております。
#84
○山崎昇君 それでは、退職手当について少しく質問をしていきたいと思うんですが、これはもうすでに、当委員会でも相当な面から、あるいはまた内容的にもかなりな議論がされている点がありまして、私もなるべくダブらせないようにというふうに考えてはおりますけれども、いかんせん、問題点としてはそう幅の広い問題でないだけにかなりダブった点が出るかもしれませんが、ひとつ私ども素人でありますのでお教えを願いたい、こう思っているわけです。
 まず第一に、改めて今度のこの退職手当法案の提案の理由とその内容についてまずお聞きをしていきたいと思います。
#85
○国務大臣(中山太郎君) 国家公務員等の退職手当につきましては、さきに人事院の昭和四十六年における民間退職金調査に基づいて官民比較を行った結果、公務員の退職手当が民間の退職金より二割程度下回っていたので改善することとし、昭和四十八年に退職手当法を改正いたしましたが、今回も人事院の昭和五十二年度における民間退職金調査に基づいて官民比較を行った結果、公務員の退職手当が民間退職金より一割程度上回っていると認められるので、官民均衡を図るための是正を行うこととして改正法案を御審議をお願いしているところでございます。
#86
○山崎昇君 そこでお聞きをしますが、官民比較を五十二年の調査でやられた、しかし現実に払うのはいまの金で払うわけですね。そこにもうすでに期間的に言えば四年ぐらいの差が一つ生じているということと、もう一つは、一〇%でありますが、これが十二で割りますから、私どもの承知する限りは官民の格差が八・三%になる。したがって八・三%下げたら民間並みになるんですよと、こう理解していいですか。
#87
○政府委員(山地進君) まず後段の一〇ポイント下げるということでございますが、附則で書いてございますのは、「当分の間、百分の百二十」ということになっておりますのを結果的に百分の百十にする、つまり十だけ下げるわけでございますが、分母は百二十であるということで、先生の御指摘のとおりであろうと思います。
 それから五十二年の調査で、現在時点で言えば四年間たっている、そういうお話でございますが、五十二年度の退職金、年度間の退職者の実態を調べる関係上、五十二年度が終わらないと調査ができないということが一つ、それから五十二年度に入りまして調査をするわけでございますが、それを分析して法案にまとめますのにどうしても時間がかかるというと、調査の時点からすれば一年半以上はどうしてもかからざるを得ない。そこで法案の提出は五十四年度にいたしたわけでございますが、いろいろの事情があって今日まで長引いている、かように考えております。
#88
○山崎昇君 そこでお聞きをしたいのは、附則で言う百分の百二十を百分の十にする。分母が十二だから八・三%になる。したがって八・三%下がれば民間並みになりますよと、こういうことになりますかとまず聞いているんです。
#89
○政府委員(山地進君) これは私どもの調査で、二十五年、三十年、それから三十五年ということ、あるいは二十五年から三十五年にわたりましてそれぞれの年度におきます公務員の方の行政職(一)の高校出の事務職の人とそれから民間の高校出の事務職の人というものを比較した結果、まあ九二%とか八八%とか出入りはございますけれども、おおむね八・三%ぐらいということで、数字の切りで言いますと一〇ポイントだけ下げるということでほぼ民間と均衡するのではないだろうか、かような判断に達したわけでございます。
#90
○山崎昇君 だから私が聞いているのは、計算するときには最終俸給に掛けるわけなんですが、八・三%結局下げることになるわけだね、現実的には。だから、いまの措置をとれば、八・三%下がれば民間並みになるんですかと聞いているわけだ。もし八・三%以上下がったらどうなりますかという議論もあるんだけれども、一つのラインは八・三%にあるわけですね。ですから私は、八・三%下がったら民間並みになる、こういうふうにまず理解していいですかと聞いている。
#91
○政府委員(山地進君) そのとおりでございます。
#92
○山崎昇君 もしそうだとすれば、八・三%以上下がったらどうなりますか、あなた方。
#93
○政府委員(山地進君) 下がったらというときの話でございますけれども、この退職手当をどういうふうに民間と合わせていくのかという手法の問題が一つあるわけでございます。これで四十八年度に改正をして、四十六年度の調査に基づいて四十八年度改正したわけでございますが、五年ごとに調査をいたしましてそれで民間と合わせていくと、つまり四十八年度に上げたときに、下がったらということもあったかと思うんです、民間の方が下がったら。ただし、それについては五十二年度に調べるということだったわけでございまして、五十二年度にちょうど民間と合わせるということを、調整措置を講じました後また上がったり下がったりすると思うんです。これをやはり五年後の五十七年度の調査に基づいて調整をする、これが現在の四十八年度に始まりました退職手当の是正の一つの方法だろうと思うんです。
 ただ、そういう方法が五年というインターバルでなくてもっと短かくてもいいんじゃないか、あるいはもっと長くてもいいんじゃないか、いろいろなお考えもあろうと思うんでございまして、したがって今回の法案には六十年度までに見直しの規定というのを設けまして、一体こういう調整方法というのを今後どういうふうにやったらば国民の納得のいくことになるだろうかということについて見直しの規定を設けているわけでございます。
#94
○山崎昇君 官民比較のあり方は後で私は聞きたいと思う。四十八年のときは、これはかなり比較の仕方が別な方法をとっていました。五十二年のは行政(一)だけでやっているわけです。だから比較のやり方は後で聞きます。聞きますが、八・三%下がったら民間並みになる。いまから八・三%以上下がるということが明らかになった場合は、当然国会としては是正をしなきゃなりませんね。これは国家公務員法二十八条で情勢の適応原則もありますが、その際に人事院は勧告を怠ってはいけないというから人事院の意見を聞かなきゃなりませんが、私は、数字のことですから私の方から申し上げてみたいと思うんだけれども、これはあなた方が出した数字で、なおかつ衆議院で修正されたのが原案でありますから、ここで議論するのは原案でありますから、三段階になっているわけです。それから、これは後で議論になると思うんですが、五十七年の三月三十一日で俗に言う勧奨退職等の特昇が廃止になるということになっている。そういう点等を加味してあなた方の出された二十五年、三十年、三十五年の数字で言うと、五十七年の四月一日で八・四%下がることになる。
 これは数字で申し上げてみましょうか。三十五年が千八百七十九万円と言うのだ、あなた方。これが特昇もなくなって、そして百分の百十七になりますが、そして五十七年の三月三十一日で特昇がなくなって計算をすれば、これは八・四%、千七百五十一万円にしかなりません。八・四%下がります。すでに八・三%を超える下がり方になる。これが百分の百十三ということになれば、たとえばそのまま特別昇給が存続したとしても五・九%になります。それから特昇がなくなったとすれば一〇%下がる。言うならばあなた方の原案で計算してみても、いろいろなファクターで計算をしますと八・三%よりはるかに低い退職手当になってくる。いまからこれ予見されるのです。この数字が誤りならば私は別だけれども、あなた方の数字で計算してそうなるのだが、どうなりますか。
#95
○政府委員(山地進君) いま御指摘の点は、五十六歳でその定昇の期間を延伸と、それから五十八歳で定昇のストップと、こういうことに関連して計算をされたのだろうと思うわけでございますが、この人事院の方でお決めになっておられる規定につきましては経過措置というのがついております。これは五十五年の四月一日現在におけるその人の五十六歳になっているとか五十八歳になっているとか、それぞれによりまして緩和措置というのが講じられておりますのは先生よく御承知のことだろうと思うのであります。
 そういたしますと、一つは、三十八条でございましたか九条でございましたか、規則の特別昇給というのは二号俸特別昇給じゃなくて、二十年以上してやめる場合には、これは当然のことながら一号アップという規定がございます。先生のおっしゃるのは四十二条に基づいてやられるわけで、そういうことで二号アップになるということを前提にいろいろ御計算になっているわけでございますが、私どもの計算を詳しく申し上げるとあれでございますが、そんなに差が出ない。五十七年から八年になってもぼちぼち一号ぐらい差が出る方がおられるかなということがあるわけでございまして、先生のおっしゃるようなふうにきちっと二号下がるなり三号下がるなり、比較して下がるというような事態は少なくとも五十八、九年までは出てこないんじゃないかというのが一つございます。
 それから、これは官の方だけは明確に下がったから、したがってそれは官民の格差が逆転するとか、そういうことになるんじゃないかというお話でございますが、私どもの承知する限り民の方でも相当の地殻変動をしている。たとえば、鉄鋼会社あたりが六十歳定年を執行したときに決められておりますのは、五十五歳の退職金をそのまま横ばいにするということを協定で結んでいるわけでございまして、したがって民の方も相当動いているから時々刻々調査をしながらやるということは望ましいことでございますけれども、やはり五年ごとに調査をしてこれをアジャストするというのが適切じゃないかと、かように考えております。
#96
○委員長(遠藤要君) 五分ほど休憩いたします。
  午後一時二十八分休憩
     ―――――・―――――
  午後一時三十分開会
#97
○委員長(遠藤要君) それでは再開いたします。
#98
○山崎昇君 そこで、いま答弁あったんですが、民間もその間下がっているかもしれぬではないか、こういう話なんですよね。しかし、それはこれから改めてあなた方は調査すると言うんでしょう。調査した時点であなた方の出されたデータで、それで計算をすればこれだけもうすでに下がりますよと。何なら、これは私が計算したものですが、たとえばいまあなた方のやったのは二十五年、三十年、三十五年とありますが、三十五年を一応基礎にして、百分の百二十で二号俸上げて計算して千八百七十九万円になっております。一号俸だと千八百四十二万円なんです。昇給がなければ千七百九十六万円なんです。これを基礎にして、そしていまの法律を適用していくとすれば、たとえば三段階になりましたから来年の一月一日から来年の三月三十一日までは一応上げようと思えば二号俸上げ得る、一号俸も上げ得る。しかし、四月一日以降はあの通達がなくなるということになると、恐らく特別昇給ということはあり得ないんではないだろうか。
 そういうことも想定をしながら、上げた場合、一号俸の場合、全く上がらない場合、三段階で計算をしますと、五十七年の四月一日以降十二月三十一日までは、これは百分の百十七ですよ、これで計算するといまより八・四%下がるんですよ、法律が改正になる前よりも。だから、冒頭に聞いたように、八・三%下がったら民間並みになるんですかと言ったら、そうですと言うんですから、すでにこのときにもう八・四%下がりますよと。それからその次に、時間が過ぎて百分の百十三なり百分の百十になったときにどうなるか、昭和五十九年の一月以降になったらどうなるかと言えばこれは一二・三、言うならば五割増しぐらい下がる。これ計算すればそういう数字になるんですよ。
 後で聞こうと思ったが、そのほかにどういう現象が起きるかといったら、五十六歳から昇給延伸です、五十八歳から停止です。言うならば、仮に六十歳の定年制を一つの時点と見ても、それまでの間にこの人はせいぜい昇給して、普通の人は四号上がるところ二号しか上がらない、そういうダウンがある、そこへもってきて、これは後で総務長官と人事院勧告をまたやりとりしなければなりませんが、人事院勧告の実施期日いかんによってはかなりまた下がる。それが今度の法律の中身なんですよ。私は、条文でいくら議論してもしようがないから、必死になって計算してみた。手前がやめたらどのぐらいの退職金をもらえるんだろうかと計算してみると、あなた方の出された数字で計算しても、もう来年の四月一日以降になれば、施行になって三ヵ月後には、残念であるけれども三十五年勤務の者は八・四%下がる。これは数字だからごまかしようがない。
 そしてあなた方は、聞けば五十七年とか八年に再検討するというならば、当然今度の法律はやめてそのときに再検討をとったらいいじゃないか、てれはもう、すでにこういうことは予定されるわけだから。やはりもらう公務員諸君から言うと、数字の問題でありますだけに、これは私はあいまいにできない。条文をどう解釈するなんということは多少の幅があるにいたしましても。総務長官、どうですか。現実的にこういう数字になるんですよ。
#99
○政府委員(山地進君) いま休憩前に若干御説明をいたしたわけでございますが、先生非常にお詳しいのでこんなことを一々申し上げなくてもおわかりだと思うのでございますが、まず四十二条、条文の話でございますが、人事院の四十二条に基づく通達というのがございます。この通達に基づいて二号俸アップというのがあるわけでございますが、この通達の第一号に、要するに二十年以上の場合に二号できるんだという原則があるのですが、一項の一号の括弧の中ですが「退職の日に現に受ける号俸が給与法第八条第六項括弧書き及び第九項本文の規定の適用がなかったものとした場合に受けることとなる号俸と同一の号俸である者を除く。」と、つまり昇給延伸とか昇給停止ということが行われてもその影響のない人について――そもそも影響のある人を対象に二号俸やろうというのが原則でございますね。
 そこで、それでは影響のある人というのはどんな人なんだというと、それはまた経過規定がございまして、五十五年四月一日現在五十六歳である者、あるいは初めて五十六歳がくる人とか、あるいは停止の場合五十八歳、前からある人とか初めてなる人と、それぞれについて十八ヵ月というような規定がまだ依然として適用されるという経過規定があるわけです。そうすると、誕生日がいつ来るのかとか、それから定昇の時期がいつとか、何歳でやめるのだとか複雑に絡むわけでございますけれども、先生よく御承知のことで申しわけないのですが、そういうことを考えますと、五十七年の四月一日から直ちに二号俸下がるという人はきわめて少ない、私のいろいろ調べましたところによると。そういう方々が一部出てくることは事実だと思うのです。それは五十七年度中に一部出るかあるいは五十八年度中に一部出るか、これはやめられる人の年齢に若干関係してくるわけでございます。
 そこで私どもとしては、そういう人が一部でも出たらどうするのかという御議論があるわけでございますけれども、全体的に出てくるのはかなりおそくなるんじゃないだろうかというのが一つでございます。したがって、公務員社会だけ見た場合に、その上の方が定昇の延伸なり停止なりによって影響を受けることはあるけれども、それは直ちにではないというのが一つでございます。
 それから第二点は、民間の方は、これはいろいろの民間の調査もあります。それから現に、私が申し上げましたような鉄鋼会社あたりの、鉄鋼五社の協定書も私見せていただいたわけです。そうすると、何と書いてあるかといいますと、五十五歳における退職金というものをそりまま横ばいで適用するというようなことが鉄鋼会社の協定書に書いてあるわけです。ちょっと本文を読ましていただきますと、「退職金」と書いて、「六十歳定年制のもとにおける退職金の老後保障機能の相対的上昇等の事情を考慮し、現行勤続三十年(満五十五歳)定年退職金水準を新三十五年(満六十歳)水準に移行することを中心とする退職金制度の改正を行う。」と、これは一つの例でございますけれども、民間においても、同じような長期勤続者についての待遇というものは変わりつつある。
 これは数量的にとらまえていないじゃないかという御議論はあろうかと思います。しかし、平均的に見て民間でも行われているし、それから官の方でもそういう傾向はあるけれども、直ちに影響は出てないということをかれこれ勘案いたしますと、これは五十七年度の調査に基づいてまたいずれあらわれることでございますけれども、現在直ちにこういったことについて改正ということを必要としないんじゃないか、かように考えておる。これはもう一つは、退職金を五年ごとにするという基本的な考え方をどうするかということに関係してくる、かようには考えておるわけです。
#100
○山崎昇君 それでは、人事院にお聞きしますが、いま人事局長からいろいろ答弁ありました。そうすると、人事院の通達によります五十七年の三月三十一日限りという、あれは勧奨退職上の私は問題じゃないかというふうに見ているんですが、あれはどういうふうになりますか。私は一般的な給与で、たとえば一年の定期昇給、それから成績優秀とか、いろんなかっこうで特別昇給させる場合がある。あるいは研修上で何かあったり、あるいは特異な何か成績を上げた場合に特別昇給という特別昇給制度もあります。だから、それは全体的にかぶるものではありませんで、きわめて限定された者に対する特別昇給制度があることは承知しています。あるいはまた、人事院の指導方針だろうと思うんですが、いま各省庁別に大体一年間に一五%程度ぐらいで特別昇給ということもやっているようであります。ですから、やめる人にそういうものを当てはめる場合もあるし、当てはめない場合も私はあると思う。
 しかし、そうでなくて、五十七年の三月三十一日までの、十年以上だったでしょうかね、勤務した者に対する一号俸ないし二号俸というのは、これは五十七年の三月三十一日になくなるわけでしょう。これは延びるんですか。延びなければ、いま人事局長の言っておりますように、五十七年の四月一日以降はそんな簡単に特別昇給する者はいませんよ、それは。ただ、あなたの言っているのは、五十六歳から昇給延伸になる、五十八歳から停止になる、その者がやめるときに、その実損をどう回復するかという意味の特別昇給はさせるんなら、またその話は別です。それ以外にありますか。私の記憶ではないと思っておりますが、この点は人事院、どうなりますか。
#101
○政府委員(長橋進君) 特別昇給につきましては、表彰を受けたとか、そういう特別の事由によって特別昇給をする場合、これは別といたしまして、長期勤続者が勧奨で退職する場合の特別昇給につきましては、元来が当分の間ということでございましたので、もう十年以上経過しておりますので、したがいまして、五十七年の三月三十一日限りこの措置は廃止したいという方針を決めまして、それは現在もそのつもりでおります。
#102
○山崎昇君 だから、そういうものが一つではなくなるわけね。だから、私がいまあなたに言ったのは、あなたの方から出された数字で、それが仮にあったとした場合に、二号俸上がる場合、一号俸上がる場合、それがなくなってゼロになった場合、そういうもので計算をして、そして衆議院で三段階に修正されましたから、その率で当てはめていけば、五十七年の四月一日以降にやめる者は、いまあなた方が計算した額よりも、八・四%下がることは明らかだと言うんですよ。八・三%下げれば民間並みになるとあなた方言うんだけれども、八・四%これで下がりますよと。それが百分の百十三なり百分の百十なり、日にちがたっていけば、一番最後になると、私の計算では一二・三%下がるんですよ。これは御存じのとおり、五十七年の一月一日から五十七年の十二月三十一日までは百分の百十七、それからその後五十八年の十二月三十一日までは百分の百十三ですね。そういうもので計算していけば、明らかにいまから数字的に予見できるのは、八・三%以上に下がることがもう明確ですよというんですよ。
 そういう法律を私たちがここで議論して、そしてあなた方に聞けば、来年か知りませんが、再計算というんですか再検討というんですか、やりますと、こう言うんだよ。それならば、いま出されているものを撤回して、そのときに再検討したらいいではないですか。私は規則や何かのことで、解釈論で言っているんではない。あなたの出された数字で計算すれば八・三%以下になっちゃう、現実的に。そして、いま人事院に聞いたら、五十七年三月三十一日でいまやっておりましたあの特別な措置はなくしますと、こう言うんですよ。私はこれが仮に――仮にですよ、六十年三月三十一日から定年制が施行になるわけでありますから、そのときまで仮になったとすれば、私の計算では、三十五年の者で百分の百十になったときに初めて八・四%の削減になりますよ、民間並みになりますよ、民間よりそれでも低く、なる、それでも。
 だから、問題はたくさんある。後で人事院とやりとりしなきゃなりませんが、三月三十一日のやつはこれ、延ばしてもらいたいという気持ちも一つある。そのほかに、いま人事院勧告によって事実上五十六歳では昇給延伸になって、十八ヵ月から二十四ヵ月になる、五十八歳からとまってしまう。だから、定年でやめるときに実損回復すれば別ですけれども、しなければその者の退職手当というのはぐっと下がりますよ。そういうことがもうすでに明らかなのにこの法律をぼくら審議するというのは、きわめて私は遺憾だと思っているんですよ。本当は印刷してあなたに配ればよかったんですけどね、これは数字ですから、いいかげんなことを言っているわけじゃありません。たとえば百分の百十になったときに、仮に五十七年の三月までのあの制度が残って二号俸上げたと仮定して千七百二十二万、八・四%下がる。なければ千六百四十七万となって、一二・三%いまの千八百七十九万より下がる。これが数字ですよ。だから最初に、八・三%下がったら官民の格差がなくなって民間並みになることですねと言ったら、そうだと言うから私はこれを聞いている。この数字にあなた反論があったら、してください。
#103
○政府委員(山地進君) 私どもも、恐らく先生の方のいろいろお調べいただいた資料と思われるようなものについて承知しております。それらについて、そのいろいろの年齢、それから誕生日がいつだと、あるいは定昇日がいつだと、経過措置がどうなんだということを当てはめまして、まあ非常に、後でお届けしてもよろしゅうございますが、詳細に計算してみたわけです。このケーススタディをやらないとなかなか出てこない。その理屈上と、実際この四月、七月、十月、一月と昇給期がある。そうすると今度経過措置があって、どの人がこの二号俸アップの四十二条の適用を受けるのか受けないのか、そういう判断も一つございます。それからもう一つは、これ受けない人については三十九条の一号アップ。これはもう三十九条も四十二条も成績良好な者ということが前提でございますから、成績良好であるという前提でこういうふうにアップしてみるというようなことで全部トレースしてみますと、先生のおっしゃるようなふうには、五十七年の四月一日から直ちに二号俸違うというようなことにはならないんじゃないだろうかというのが一つの結論に出ているわけなんです。
 それで、これは規則の適用と、そういったかなり細かな計算の問題があるので、いまおっしゃったような差というのは、ぼちぼち出てくるのはいるわけです。たとえば四人に一人ぐらいあるとか、あるいは六十歳と五十八歳でやめる人については差が違って、若くしてやめる方が影響が出やすいということはそのとおりだろうと思うんです。そういったことを逐次計算してみますと、これは上がるということよりも下がるということの要素があるわけですけれども、それは全体的に下がるということではないんじゃないだろうかということで、この五十七年から直ちに影響が出てくるということにはならないというのが私どもの計算上の結論なわけです。
 それからもう一つは、民間の方と比べなきゃならない、その比較の問題として、こういうふうに退職金と年金の問題について官民ともに非常に神経をとがらせている時代になって、民間の方もいろいろの民間調査によると、退職金と年金ということを選択制にするとか、あるいはベースアップを直ちに退職金に反映させないというような制度が一般的になっているとか、私ども知る限りでは民間の方も相当の知恵を働かして、退職金の増騰、それをコストというものに反映しないような努力ということは相当やっておられると。まあ実感でございますから、数量的にどれくらいだということはちょっと私どもは把握しておりませんけれども、そういうことで、やはりこういったことは、よほどのことがない限り五年ごとの調査の実際の支給額の比較しか正確な議論というのはできないんじゃないだろうかと思っておるわけでございます。
 そこで、いま先生のおっしゃるような、官としては幾らか下がるかもしれない、したがって退職手当というものについては再考すべきではないか、あるいは是正措置を講ずべきじゃないのかということには、私どもとしては、いまではやはりこの方式で直していって、五年ごとに直すということしかないんじゃないだろうかと。最後の結論になりますと、非常に規則のすべてについて御精通になっておられるんで、私の御説明に間違った点があればまた御指摘いただかなきゃいけないと思うのでございますけれども、私どもとしていろいろ御質問を受けて勉強した結果については以上のようでございます。
#104
○山崎昇君 そうでないんだよ。私は単純なんだよ。この法律がなかったら、あなた方が言われる退職金は三十五年で千八百七十九万円。そしてその基礎というのは、人事院でやっております来年三月三十一日で切れるのが切れないで二号俸上がった場合、あるいは人によっては一号俸上がった場合とありますが、そういうものを、あるいは一号俸上がらぬで計算した人も全部ひっくるめて、もしこの法律がなかったらこれだけの金額をもらえますよと。しかし、あなた方が提案されたこの法律で、来年の三月で人事院でやっております通達がなくなりまして、そういう措置がなくなりましたらこの入は一体幾らもらえるのかと計算したら八・四%下がりますよ、少ないものしかもらえませんよと。それが三段階でありますから、百分の百十三、百分の百十になったらどうなりますかといったら、同じ人、が仮にやめると仮定すれば、千六百四十七万円で一二・三%下がりますよ、これが現実ですよと。法律がある場合とない場合と、一番簡単なんだよ。それ以外に私ども議論のしようがないんですよ。
 だから、いまから適用したらそれだけ下がる法律をあなた古来年また再検討すると言うん一だから、私どもはそれはやめたらどうですかと言っているわけです。それは、私も個々の人によりまして違うことは承知していますよ。公務員百万もいるんですからね。個々によって履歴も違えば号俸も違うわけですから、それは承知する。しかし、同一の人間がこの法律の適用になるかならないかで計算したらこういうことになる。ざっと五割増し下がるんですよ。民間並みなんというものではないですよ、これは。そういうことが同一人間で計算してみて予見をされるわけ、正直に言って。ですから、これはせめて――私は、この法律はなかなかあなた方に撤回せいと言ったってそうですかということにはならないことは承知していますけれども、気持ちは撤回してもらいたいという気持ちを強く持っています。
 そこで、これを幾らかでも救済するために、せめて民間並みにあなた方がしたいと言うんで、救済するためには最大のものは何かというと、これは人事院にもお尋ねしておかなければなりませんが、来年の三月三十一日で切れるというのをやっぱり延長して、せめて昭和六十年の三月三十一日まで――これは勧奨退職でやめるものが中心なんですから、そのかわりに定年制というものを設けるというんですから、そういう意味で言うならば、せめて三月三十一日で切れるものはあと二、三年延ばして救済策をやらなければ民間よりがたっと落ちるということになっちゃう。そういう意味で、これは後で聞こうと思ったんですけれども、いま議論になっちゃったから、私は人事院は篤とこの点は考えてもらいたい。
 それから、あなたの言っている四十二条、三十九条も、これはすべての人が成績優秀だといって特昇すればいいですよ。しかし、そうではないわけですから。その点は、じゃ、あなたの方が幅が広いんですな。まあ救済と言うことはよくないけれども、適用については相当な弾力性を持って特昇というのを考えているんだ、そう理解していいですか。
#105
○政府委員(山地進君) 三十九条というのが人事院規則にございますが、これは「勤務成績の特に良好な職員が次の各号の一に該当する場合」ということで、その該当する場合の一つに、先生のおっしゃったような研修の参加等あるいは勤務成績の向上とか、そういった認定行為が要るようなほかに「二十年以上勤続して、退職する場合」というのが入っておるわけです。これは三十九条の一号特昇でございますが、これも「勤務成績の特に良好な職員」という限定がございます。それからいまの退職手当の二号俸特昇、定昇延伸とかそれから定昇のストップというときの、まあ言ってみれば、いまおっしゃったような保障措置といいますか、そういうことを規定しているのが四十二条でございますが、これは「(特別の場合の特別昇給)」、これの四十二条も「勤務成績の特に良好な職員が」という限定がございます。ですから、特別昇給というのは両方ともすべての人にということではないのが前提でございます。
 したがって、ある一人の人が、こういった規則がなくなるかどうか、あるいは退職手当法ができたときにどうだという議論をする場合は、成績が優秀な者が前提でございます。それじゃないとそもそももとからかかってこない、特別昇給というのはないわけでございますから、特別昇給がかかってくるのは成績がいい人。成績のいい人同士で比べたらどういうことが起こるんだというのが先生の御議論であったろうと思うんです。したがって私どもとしては、あくまで前提として、勤務成績が良好な者であるというのがこの議論の前提だったかに私は理解しております。
#106
○山崎昇君 いまの人事局長の答弁でいくと、長い期間勤めてやめられる人は成績が優秀なんだと、そういうふうに考えておりますと、こう理解しておけばいいんですな。いまあなたの説明でいくとそうなる。それが前提でございますと言うから、私は、それじゃ弾力的な幅があって、相当弾力性というものがあってあなた方が考えるんですねと言ったら、あなたはいま、特別昇給というのは成績優秀な人ですと。しかし、長く勤めてやっていくというその前提は成績優秀だというふうに考えるんだと、こう言うから、それならば長い期間勤めて、たとえば三十年も三十五年も勤めてやめるような人は特に成績優秀ですと、そういうふうに私ども理解をしておきたい。そういう意味であなた方は特昇というものを考えておる、こう理解していいですな。
#107
○政府委員(山地進君) 私、どんな方が勤務成績が特に良好であるかという議論は、これは任命権者なり何なりの判定する問題でございますので、私としてはどんな人が良好なんだということについては意見は差し控えたいと思うわけでございますが、少なくとも規則には、勤務成績が良好の者にこれが適用されるという、規則の文言をちょっと御披露したということになるわけでございます。
#108
○山崎昇君 では、苦心の答弁のようでありますから……。それは当然ですよね、任命権者としては個々の判定になるんだけれども、しかし法の解釈、運用は相当あなた幅を持ってやるんだ、こう理解をしておくわけです。
 なぜ私がそういうことを言うかというと、法の運用とか解釈というのは時によってずいぶん変わる。人事院総裁おられますから申し上げてみたいと思うんですが、国家公務員法が最初にできたとき、私は道庁の人事課におりましてずいぶん中央に呼ばれて講義を聞いた。そのときに、定期昇給というものについて、満足すべき状況で一年間勤務したら昇給させますと、こうなっておった。満足すべき状況というのは何かと言ったら、不満足だという状況がない限り全部満足だという当時説明だった。言葉をかえて言えば、一年が来たら全部昇給させるんですよという解釈だった。最近は、勤務成績良好だという証明がなければ上げないというふうに、同じ条文であって一つも三十何年変わらぬのに運用や解釈で変わる、法律というものは。だから私はいま念を押しているわけなんだけれども、あなたがいま、任命権者が個々について判断するけれども、運用に当たってはきわめて幅の広い、弾力性を持っておるものだと私はいま解釈しましたから、そして前提としては、長く勤務する者は成績優秀なんだという前提だとあなたは考えているような説明だったから、それも了解をしておきたいと思うんです。これは明快にしておきたいと思うんです。
 それから次にお聞きをしたいのは、これは人事院と総理府の数字にちょっと違いがあるんではないかと思うんですが、この人事院の任用状況調査、五十二年によりますと、五十五歳以上で三等級以上というのが四〇%未満という数字になっている。しかし、総理府では三等級以上というのが六〇%という数字がありまして、これは前にも何か指摘があって、両者の違いについては再検討してお答えをするということになっておったと私は記憶しているんですが、この数字は一体間違いですか間違いありませんか。なぜ私これ聞くかというと、人事院が調査されて総理府の説明によっております退手の千八百何万というものは、これは三等級の十六号以上でないと該当しないんですよ、この数字は。だから三十五年たったら全部三等級十六号以上でやめるのかなという気持ちもありまして、いま一体三等級以上の者というのはどれぐらい分布するんだろうか。こう見てみるというと、人事院の数字と総理府の数字に多少違いがあるんではないか、こういう気がするんですが、私の指摘が間違いなら。間違いで結構でありますが、もしそうでなかったらどっちが正しいのか、明確にしておいてください。
#109
○政府委員(山地進君) 人事院がお調べになっている間に、あるいはちょっと当たってないかもしれないんですが、お答えをしてみようと思いますのは、私どもの方で五十二年の調査に基づく退職手当が三十五年勤続の方で千八百三十七万円、それから三十年が千四百六十三万円、二十五年が千四十七万円というようなことでございまして、この五十二年の数字というのは、その年にやめられた相当な人数の方の実績でございますから、この平均的な数字で何等級かということを申し上げても実際はばらつきがあるわけです。そこで、標準的なことでこの二十五年、三十年、三十五年を見ますと、これは二十五年の方は四等級の十三号、それから五等級であれば五等級の二十、それから三十年の方の千四百六十三万円というのは三等級の十二号か四等級の十八号、三十五年の方は四等級であれば枠外の一号、三等級であれば十五号というようなことでございます。
#110
○山崎昇君 私の聞いているのは、あなたの方のいま説明があったようにモデルで言えば、千八百三十七万は三等級の十六号に該当しますよと。あなたの方の実績だってとったモデルがそれなんだから、そこで実際に三等級の十六号以上でやめる者がそんなにおるのかなと私は疑問を持つものだから、職員の分布図を見ると、私の資料に間違いかなければ、人事院が出した任用状況調査という昭和五十二年のがあるんですが、それによると五十五歳以上で三等級以上というのが四〇%未満だというんですよ、人員がね。それから総理府で言うのは三等級以上というのが六〇%以上いますと、こういう数字であったと記憶するものですから、間違いでしょうかと聞いているんですよ。これが六〇%以上の人が三等級だというならば、あなた方のモデル三十五年千八百幾らということも私はある程度了承するけれども、そうでなければ該当者が少ないんですよ、この数字は。実績だとあなた方は言うけれども、千八百三十何万もほとんどの職員がやめるときもらうなんということにはならぬですよ。だからその数字についてお聞きをしているんですよ。誤りですか。
#111
○政府委員(山地進君) 人事院の方のお調べもついて、そちらの方から御報告があるかと思うのでございますが、私どもの方でお配りしてある資料の三十五年の退職者の数字でございますが、これは高校卒の行(一)の事務職の分布でございます。したがって、この数字で見ると三等級が五十五人で四等級が三十五人で二等級が二十四人、こういうふうなばらつきがあって、平均的に言うとさっきの号俸になるわけです。
 それから人事院の任用調査の方は、恐らく行(一)の高卒とかそういった限定の数字であったかどうかということについては、人事院の方からお答えがあると思います。
#112
○政府委員(長橋進君) いまお尋ねが任用状況調査でございますので、資料を至急集めております。
#113
○山崎昇君 いいです。どうも数字ばかり言って申しわけないが、もう少しやっぱり私は正確に、こういうのは何円という問題ですからね、議論しているので申し上げておきたいと思うのです。
 さてそこで、次にお聞きしておきたいのは、官民の比較のやり方についてお聞きをしておきたいと思うのです。四十八年の人事院の調査のときに、私はここで一つの資料を持っているわけでありますが、これは相当細かにモデル別に調査をしているのですね。それは、たとえば旧制大学卒、旧制中学卒、二十年、二十五年、再採用で三十四年とか、そして役職、それから民間の場合には千人以上、五百人から九百九十九人、百人から四百九十九人、その場合の国家公務員の統計はどれくらいか、そして自分の都合及び会社の都合でやめた場合のモデルはどうか、相当細かに言うならばモデルを挙げて四十八年の調査は行われて二〇%アップということをやっておる。ところが今回の調査を見ますと、行(一)だけ調べて四十八年のモデル調査とは全く違うやり方をとっているわけです。これは私はどうしても納得できない。ずいぶんあなた方は調べたようなことを言うけれども、実際に資料を当たってみるとそうはならない。
 そして、国家公務員ずいぶんおりますけれども、一般職の給与で言えばなるほど半分は行(一)であります。しかし、あなた方がモデルに使っているのは、いま言ったように三等級の十六号以上、言うならば幹部クラスですよ。三等級というと大体課長補佐以上ぐらいです。そういうものをモデルにして民間と比較をしてやっているわけなんです。ところが、四十八年のはいま申し上げましたように相当細かな調査をやって比較をやられておる。どうして四十八年の比較の方法と五十二年の比較の方法が違うのか、まずこれを人事院にお聞きをすると同時に、総理府自体は人事院に調査をお願いしたのでしょうからその数字でやったと思うのですけれども、こういうことについて一体総理府はどういうふうにお考えになりますか。
#114
○政府委員(長橋進君) 四十六年度の調査と五十三年の調査を対比してのお尋ねでございますが、四十六年の調査におきましては、調査対象企業、調査方法、これはモデル調査については同じでございます。ただ、五十三年の場合には実支給額の調査をしておりますので、これが違うわけでございます。そこで、四十六年の調査におきましても、定年退職者の状況それから企業年金制度、学歴別、勤続年数別、役職段階別、モデル退職一時金額及び企業年金現価、こういうものを調査しております。それから、これは追加調査でございますけれども、四十六年のときにはいわゆる加算金の調査をいたしております。それから五十三年のモデル調査について申しますと、いま申し上げましたような学歴別、勤続年数別の調査をしております。ですから調査の対象、やり方としてはほぼ同じようなやり方をしております。
#115
○政府委員(山地進君) いま人事院のお答えしたとおりに、民間の調査そのものは変わってないと思うんですが、モデルと実額とどっちがいいのかということになりますと、モデルというのは、実際にそれで支給しているかどうかということはわからないわけです。モデルはあるけれども退職者がいないというような会社もあるわけです。したがって、実際にそのモデルでやって、しかもどんな、何年ぐらいで、やめた人が出るのかという実情というものの把握ということには必ずしもモデルというのは適さない。そこで、今回の五十三年の調査というのは、人事院の方ではモデルの方もおやりになっているけれども、実額の方の調査というものに相当力を入れていただいているんだろうと思うわけでございます。
 そこで、民間の方はそういうことでございますけれども、官側の方については三等級というふうなことをおっしゃるわけでございますが、私どもの方は何も三等級の調査をしているわけじゃない人で、先ほど申し上げましたとおり、たとえば三十五年でやめる方は百三十二人いるわけです。これは実際にやめた方でございまして、一等級は二人、二等級は二十四人、三等級は五十五人、四等級は三十五人、五等級は十五人、六等級は一人と、これは実際の支払われた人の調査結果を集計したものでございます。したがって、その三等級という余り代表的じゃないというようなものを選んでいるわけじゃございませんで、単に高校卒の行(一)の三十五年勤めた事務職の方を選んで集計したものが官側にあるわけです。民の方もホワイトカラーの高校卒の方を対象に選んで比較をしておる。
 そこで、何で高校卒なんだと、大学卒もあるじゃないか、こういうお話になろうかと思うんでございますが、そこは、官民比較というときに、一体官側のやめる方々の層というのはどんなのがあるのかというと、上は総理大臣から下は国鉄の職員まで全部入っている。それは同じ方式でやっている。したがって、この民と官と比較をするにはどこが一番適切かという判断でございます。そこで私どもとしては、役人の中で一般職の中の、先生も御引用になりましたように、半分が高校卒でございます。それから行。に至れば六十何%は高校卒でございます。しかもホワイトカラーの比較ということがわりと比較的わかりやすいということを考えて、四十八年も高校卒の人の比較をしているわけでございます。今回も高校卒の方を比較をする。そこで、官側の代表選手というものを選んで比較をしているというのが実情でございます。
#116
○山崎昇君 私は、あなたの方の出した資料をみんな写してここに持っていますよね。たとえば「勤続年数別等級別退職者数調」というあなた方の調べがある、勤続年数は二十五年から三十五年まで。数字を言えば二十五年が六十一名、二十六年が七十三名、二十七年が百十二名、二十八年勤続百三十五名、二十九年百六十四名、三十年二百三名、三十一年百七十一名、三十二年百五十七名、三十三年百六名、三十四年九十四名、三十五年勤続百三十二名、合計一千四百八名。等級別は一等級七名、全部で。二等級が百六名、三等級三百九十九名、四等級四百六十八名、五等級三百八十一名、六等級四十七名、七と八がない。どうしてこれで三等級の十六号が一応のモデルみたいになって計算されなきゃならぬのか。
 あなたの方は実績だと言って、私の方も支出簿を持っているわけでありませんから数字で疑う以外に方法がないんだけれども、あなた方が出されたデータというのを、詳細にいろんな分野から民間の調査のものも持っていますがね、調べてみて、公務員の方だけは何か高いものを出してきて、実際見たら四等級、五等級で半分以上ですよ、これ。三等級の十六号以上でなきゃ該当しないんですから、千八百三十七万円なんていうものは。それからあなたの方で出している資料を別な角度からまた見れば、別な資料ももちろんありますよ。だから、私は五十二年の調査とそれから四十八年の調査でまず調査のやり方が違うし、それから実態から言っても、私はあなた方の出しているのはどうも納得ができない。そういう意味で、私は今度のこの退手というのはやっぱりもう少し時間かけてやる必要があるのではないだろうか。
 それからもう四年も経過してしまって、来年また再検討するというんだからやるべきではないだろうか、そう思うんですが、どうですか。
#117
○政府委員(山地進君) 退職手当の調査というのは、四十六年もそうでございますけれども、今回の場合は五十二年度にやめる人、これ実際に五十二年度中にやめてもらわなきゃ統計ができませんから、五十二年度にやめる方を官も民も実際に調べるわけです。そうすると、どうしても五十三年度に調査をしなきゃならないわけです。それで、その集計をいろいろ比較をして法案にすると、そうすると今回のように五十四年度にならないと法案が出てこない。この調査と実際の対応策というものにタイムラグというのはどうしてもつきものだと思うんです。私どもとしては、直ちに五十四年度に法律として提案をして御審議をお願いしたわけでございますけれども、いろいろの事情で今日まで来ている。私どもの調査に基づけば官が高いという状態が現在まで続いてきているわけでございまして、やはり一員も早くこの官民の比較の是正というのはなされるべきではあろうということが私どもの考え方でございまして、ただし五十七年度には次の調査をして、官が高くなっているかあるいは民が高くなっているか、これはそのときに比較をしてまた是正措置を講ずるということで、若干のタイムラグを置きながら、官民の比較ということで是正をするというのが実際的ではないだろうか。もちろん、いま先生の御指摘のように、慎重の上にも慎重にやるべきであるという意味では見直しの規定を設けまして、官民の基礎調査の比較の方法あるいは時期等も含めて十分に今後は深く御審議をいただかなければいけないというふうに考えているわけでございます。
#118
○山崎昇君 本当は私は人事院調査、詳細に見ています。ここにほとんど要点は数字も入れて持ってきているから、これ一つ一つについて議論していきたいという気持ちも持っているんですが、見れば見るほどやっぱり違うんだね、あなたの言っていることと。残念ながら私余り時間ありませんのでそれは省略いたしますけれども、いずれにいたしましても、私はこの四十六年の調査と五十二年の調査でやり方が違うということと、それからいまあなたが幾ら説明してもあなたの数字で私はとても納得できるものではないということ、これだけは申し上げて、この数字論争を一応終えておきたいと思うんです。
 それから三番目にお聞きをしておきたいのは、これは片岡委員が相当細かに室井教授も来てもらいまして議論した問題でございますが、重ねて私から退職手当の性格についてお聞きをしておきたいと思うんです。
 私も余り勉強をしておるわけでもありませんが、私の承知する限りいま集約すれば、前の片岡委員の質問にありますように、およそ三つぐらいの範疇に分かれると思うんです。しかし学説的に言えば九つあるんですね、私の承知する限り。これ、もしできたら説明してほしいと思うんです〇一つは、全国産業団体総連合というところで出している恩恵説というのがあります。第二番目が、これが退職手当の現状その他について労働管理または奨励給与説というのがある。三番目が福利給与説、賃金後払い説、社会的義務説、生。活安定説、負担力学説、勤続報償説、勤続給与説、学者の論文というのはざっと私の知る限りこの九つぐらいある。そして、これを集約して現在大体三つくらいに分けてこの間片岡委員が相当議論をしたんじゃないかと思うんだが、それがあなた方が言っている勤続報償説、それから賃金後払い説、それと社会保障的な意味で生活保障説、この三つぐらいに分かれると思うんですが、総理府は一貫して勤続報償説を唱えているとこう言うんですが、それで間違いありませんか。また人事院は、この退職手当の性格というものをどういうふうにお考えになっているのか、お聞きをしておきます。
#119
○国務大臣(中山太郎君) 総理府といたしましては、従来どおり勤続報償説、その説をとっております。
#120
○政府委員(藤井貞夫君) 退職手当の性格についてお尋ねでございますので私の考えておりますことを申し上げたいと存じますが、その前に、先刻のお尋ねのありました点について任用局の方と調整をいたしました結果がわかりましたので、給与局長がちょっと先に。
#121
○政府委員(長橋進君) 大変おくれまして申しわけございません。
 先ほど任用状況調査からの資料のお尋ねでございましたが、これは五十二年は、最近三年間の行政職(一)における等級別ということでございまして、勤続年数の長短にかかわらず、しかも学歴計で入っておりまして、御指摘のとおり三等級以上四五・一%というかっこうになります。総理府の場合、三十五年以上の高校卒でございますので、数字のとり方が違っております。
 以上でございます。
#122
○政府委員(藤井貞夫君) 山崎先生はこの道の非常に権威者でありまして、大変よく御勉強もいただいておるのでございますでその日ごろの蓄積した学識の一端をちょっとお漏らしになったわけなんですが、退職手当については、いまちょっとお触れになりましたようにいろいろな学説がございますが、具体的にお挙げになった、関西関係の方面から出ておる見解といたしましては、これを集約いたしまして、たしか九つの説があるというふうに類型化されておるというそういう主張がございます。私たちもその点は承知いたしておりまして、検討の資料にさしていただいておることは事実でございます。
 ただ、これを類型的に分類をいたします場合は、これも御指摘になりましたように、大体現在のところは三つということになっておりまして、なかんずく、その典型的なものが報償説とそれから賃金の後払い説ということに大体集約できるんじゃないかと思います。いろいろな公式の取り扱いあるいは各段階における裁判所の見解等についてもまだ終局的に確定をしたところにまで至っておりませんで、いろいろな角度からの論議の論点も違いますけれども、報償的なものと言ってみたりあるいは後払い的なものと言ってみたり、いろいろございます。しかし、これを通じて見ますると、これについては、やはり公務員としての実質的な勤務条件に大変つながりのあるといいますか勤務条件自体と言ってもいいほど重要な問題なんだと。したがって、その認識を持って事に当たらなきゃならぬというそういう背景あるいは立脚点、精神については、これは私は異論のないところであろうというふうに考えております。
 ただ、それはそれといたしまして、性格論について言えば。これは総理府からもお話がございましたように、私もどちらかと言えば従来からやはり勤続報償――報償といいましても、これは長期勤続に対する報償、あるいは功績報償とかいろいろなまた定義づけがあるようですが、私はやはり勤続に対する報償という性格が一番強いのではないかというふうに考えております。ただ、そのほか、この間の室井先生ですか、参考人としてお述べになりましたように、いまの段階ではやっぱりいろいろな性格をあわせ持っておるんだというふうに解釈するのがむしろ無難じゃないんだろうかというふうに私自身も考えております。
#123
○山崎昇君 そこで、総裁にお聞きします。
 これは佐藤達夫さんの「国家公務員制度」という本です。昭和五十年の九月にあなたが序を書かれているわけですね。これの百六十ページに「退職手当」の項がございまして、「退職手当は、職員が退職(死亡による退職を含む。)した場合に、過去の勤労に対する報償として、かつ、退職後の生活の保障を与えるための給与として、その者(死亡による退職の場合には、その遺族)に支給される一時金である。」――「給与」と明確に前人事院総裁は規定をいたしましたね。あなたがこれ序文を書いている。
 そうすると、確かに性格の一端は勤続の報償としてということもあるが、「かつ」で点で切られて、かつ何かといえば、これは退職後の生活を保障するための給与である、その一時金である。給与だということになれば、これは勤労者の請求権の問題に関連をしてきますよ。単なるその他の勤務条件ではありません。
 そうなると、いまあなた方がこの法律案を提案をしているわけなんですが、それまでの間に一体どれだけ関連する労働組合と、俗っぽい言葉で言えば団体交渉を行ったのか。そういうものなしに、先ほど来指摘されたような、四十八年と違ったようなやり方で、人事院の一方的な調査だけでこの法律案を提案すること自体に問題がある。ですから、この佐藤達夫さんの説が正しいとするならば、当然これは給与ですよ。
 ですから、恐らく片岡委員の方から指摘されましたように、一体人事院は勧告をするんですか、しないんですか。二十三条に言う意見の申し出をするんですか、しないんですか。そういうことが具体的に起き上がってくるんではないんでしょうか。単なる――最も関係のある勤務条件なんぞというしろものではないです、この退職手当というものは。人事院の見解です、これ。あなたがこれ否定すれば別ですが。
 もっと言えば、先ほどあなたも三つに大体集約した。私もそうだと思う。しかし、私の少しく調べたところによれば、勤続報償説というのは、かつて末広厳太郎という教授が主として言われたと言われています。それは、資本主義以前の伝統的な労働関係に端を発して、のれん分けに類する伝統に由来するんだと。言うならば、でっち小僧から長く勤めて、のれん分けするために与えるものが一つの退職報償金みたいな考え方であったというのが勤続報償説という内容をなしているわけです。
 二つ目の賃金後払い説というのは、これはかつて電産が要求したといいます、電気産業労働組合が。そのときは労働基準法の二十四条とこれ関連してくるわけですが、最近は生活保障説に近づいているけれども、退職金は労働者が資本家に与えた剰余価値の中から支払われるものであって、労働者は当然受ける権利がある。だから賃金の後払いである。そういう意味でこれが一つの範疇として定着をしたと言われている。
 三つ目は、御存じのように、ここにも書いておりますが、退職後の生活保障金の一時金として与えるべきものであるという意味で、生活保障説というものに集約されてきている。そういう意味で言うと、総理府が一貫して勤続報償説をとっておりますなんということ自体、誤まりとまでは私は言いませんけれども、少し単純過ぎるんじゃないんでしょうか。
 さらにこれ総務長官、総府人事局参事官山口健治という人の本がある。これも退職手当についてずいぶん書いてある。この人はどっちかと言うと勤続報償説に近い考えをとるが、しかしそれだけではどうにもならない、やっぱり後払い説も考えなけりゃいけませんと、簡単に言っておりますけれども述べてある。
 こういうことを私は考えると、この退職手当の性格というのは、一つは労働者が請求する権利を持っている給与である、それから長い間勤務してやめた後の生活保障であるということ、こういう点を考えると、先ほどのような、単純にただ民間とだけ比較して、そして私の先ほどの数字が正しいとすれば、もうすでに来年の四月以降になったら八・三%以上の落ち込みになる、民間のレベルより落ちる、こういう法律をこの国会で私は論議するということは、本当にさびしい気持ちでいま議論しているわけです。
 ですから本来ならば、何回も言うようですが、撤回して来年また再検討してから改めて議論するのはいいんだけれども、そこまでいかぬならば、やっぱり私が指摘するようなことがあなた方そうだと思うなら、落ち込みをどれだけどこでどういうふうに救済するのか。一つは、さっき弾力的なことを人事局長から話ありました。一つは、人事院総裁も私は決断してもらいまして、来年の三月で切れるものはせめてあなたやっぱり六十年の三月まで延長するという考え方ぐらい決断すべきじゃないでしょうか。総理府もまた人事院をバックアップしまして、どうだ人事院、やっぱりそれぐらいの通達を考えてみたらどうだ、こういうことになりませんか。どうですか、人事院総裁。
#124
○政府委員(藤井貞夫君) 前段いろいろ補足的に御意見の御開陳がございました。全体の方向としては私も異存はございません。報償と言ったのは、学説としてどちらかと言えばどれをとるかというお尋ねでございましたので申し上げたのでございまして、私も従来からも申し上げておりますように、この退職手当というのは、単なる報償とかなんとかというようなことで恩恵的なものとして片づけるとか、そういったものではこれはあり得るはずがないんで、やはり大変大切な勤務条件自体であるという認識に立っておるということははっきり申し上げておきたいと思います。
 したがいまして、直接には国家公務員には労働基準法の適用はございませんけれども、これは各種の判例でも示しておりますように、やっぱり退職金、退職手当というものは、これは労働基準法に言う賃金である、十一条の賃金である。したがって二十四条も、物によってはというか原則的には適用があるということを言っておりまして、それは私も全然同感でございます。そういう種類のものであろうというふうに考えておるわけでございます。しかし、この点は総理府の方でいろいろお考えになりました結果、やはり世の中にいろいろ議論がございますように、退職手当についても官民の均衡というような点は考えていくべきであろうという方向で御処理をなさっておるというふうに理解をいたしておるわけでございます。
 なお、これに関連をして、特昇の取り扱い等についていろいろ御議論がございましたが、これは先生もよく御承知のように、特昇自体の取り扱いについては、非常に暫定的なこととしていままでやってまいっておりました。それとこの退職手当の何は、直接にはつながりがないわけでございます。したがいまして、この点は別の角度からする国会の御論議もございまして、やはり公務員の場においてももっともっと成績本位の原則というものを運用上取り入れるべきであろうというような一環として特昇の取り扱い方等がしばしば論議をされておるわけであります。そういう点もございまして、国民の御納得を得るというような面からも、言葉は悪いですが、余り野放図といいますか、そういう乱に流れるというようなことがあってはいけません。従来、乱に流れておるとは私は思っておりませんけれども、そういうような点からいろいろ検討いたしましたし、特に高年齢者の昇給延伸あるいは昇給停止ということに関連をしての措置として打ち出したことでございます。それはそれとして、私は意義のあることではないかというふうに考えております。
 ただ、御指摘になりましたように、その運用いかんによっては、個々の人を具体的に適用してみないとわかりませんけれども、それはそれとして、やはりこれがもしも特昇があったのであればこうなったろうというようなそういう比較というものは、これは確かにあり得るわけであって、それが現実に少なからざる金目ということになって影響してくるわけですからして、そういう点について全く私はそういうことは知らないぞという立場にはおりませんし、そういう態度はとっておりません。
 したがって、いまの点は、私はやっぱり特昇の取り扱い自体としてはそれなりの意味がはっきりあって、これと退職手当の額との比較検討において直接に論議するということはいかがかという感じを持っておりますけれども、先刻来の御議論、また質疑に対する御答弁というようなもの、いろいろ私も聞いておりますので、そういう点は腹におさめながら相談し得べき点については相談をしていくということは考えていきたいと思います。
#125
○山崎昇君 いま総裁から、大筋私の意見に賛成だと、こう言う。ですから、私はあなた方の方の出したこの解説書でやっているわけですけれども、少なくともやっぱり公務員の生活上の問題でありますだけに、私は条文だとか解釈だとかだけで言っているんじゃない。数字でやっぱりお聞きをしているわけです。そういう意味でいま総裁から大筋私の意見に賛成だと言いますから、それはそのまま受け取っておきたいと思うんです。
 そこで、次にお聞きをしておきたいのは、退職公務員の生活実態調査についてお聞きをしておきたいと思うんです。これは昭和四十八年に調査を一遍やっているようでありますが、最近もし調査したものがありましたら御説明いただきたい。
#126
○政府委員(長橋進君) 退職公務員の退職時における生活実態につきましては、四十七年の退職者それから五十三年の退職者につきまして調査をしておりますが、いま退職手当法との関連で退職手当の使途別について調査結果を申し上げますと、昭和四十七年度の退職者につきまして四十八年に調査した結果は、宅地住宅関係に三一%、生活費に二三%、それから子弟の教育等に一一%、借金の返済三%、事業資金一%、その他四%、当分の間使用予定なしというのが二七%でございます。それから五十三年度の退職者につきまして調査した結果は、退職手当の使途別割合としましては、宅地住宅二六%、生活費二二%、子弟の教育等一二%、借金の返済三%、事業資金二%、その他一〇%、当分の間使用予定なしというのが二五%ということでございます。これは、いま申し上げましたのは退職手当の使途別状況でございますが、そのほかに扶養家族数、それから自宅の居住率、就業率――退職後就業をしているかどうか、あるいは平均収入の月額とか、平均年金月額、月当たりの平均家計支出額、それから健康の状況、そういったようなものも調査しております。
#127
○山崎昇君 私も、少し古いんですが、四十八年でしょう、これは人事院給与局研究課主査清藤さんというんですか、この人の「退職公務員はどう暮しているか」というのを前から読ましてもらいまして見ているわけです。そこで、少しこれ古いんですけれども、いま新しいあなたの五十三年の数字ちょっと聞き漏らしたんですが、そう変化がないようです。これでいけば、いまあなたが述べられたように、私も数字を書いてみているんですが、もらった退職金のうち住居関係が三割ぐらい、三〇・五%、貯金、信託等が二六・九、生活費への充当が二三・二、子弟の結婚、教育等に一〇・九、その他四・三、借金の返済三・〇事業資金一・二、まあこんなことが、そう違いがないと思うんですが、この中身として書かれております。
 そこで、さっきの定義に従って、退職後の生活を支える給与の一つである、一時金である、こういう性格からいきますと、私は少なくとも生活費への充当、それから貯金、信託もひっくるめてもいいと思うんですが、あなたの方の出しておるモデルの千八百三十七万円をこの率で計算をしてみるというと、信託もひっくるめまして、生活費に充てるべき数字というのは大体九百十七万円ぐらいになります。恐らく所得税も取られるでしょうから、まるまるこれを使うというわけにはいくまいでしょう。しかし、それを私なりに、所得税がどれぐらい取られるかわかりませんが、二割ぐらいと仮定して十二等で割ってみればおおよそ月三万四、五千円ぐらいにしかなりませんね、言うならば生活に直接充てる退職金の使い方というものは。
 そうすると、さっき申し上げましたけれども、尾崎さんの民間調査で言う、仮に民間の人が再就職しても平均二十万の生活費程度を見ていると言うんですね、年金とひっくるめて。それから、この委員会でたびたびやっておりますが、あの郵便年金を議論するときに大体月十六万という数字、総理府の統計数字を見ますというと七十歳以上で月十七万という数字、こういうものを見て、いま国家公務員の年金の平均というのは大体年間百五十六万といいますから月十三万程度、そうしますと、仮にこの人がやめて退職金があなた方の言うとおり千八百三十七万円もらって、税が仮に取られるとしましても貯金すれば幾らかふえるでしょう――入れて老後の生活をやるとすればぎりぎりいっぱいですね、年金をひっくるめまして。だから、その退職手当を削ったら一体どうなるかということになるわね、千八百三十七万円もらえなかったらどうなるかという議論にまた返ってくるわけです。
 そういう意味で私はあなた方の、一生懸命こういう若い人、これ研究しているんだと思うんです。私これ読ましてもらいまして、本当によく数字も挙げて検討されておりますよ。あるいは山口さんにいたしましても相当詳しい調査をやっている。あるいはそのほかに、自治省の給与課で中川という人も退職手当制度の適正化とか、さまざまな――私は主として公務員の皆さんが直接行政をやっているだけに、政治家が考えるのとまた違った意味で詳しいデータで私は研究しているんじゃないかと思うから、できるだけ集めて読ましてもらっている。そういうデータで計算してみましても、千八百三十七万もらっても、いまの共済組合の年金の平均で言うならば、大体私が承知する限り、共済は三十三年、六十・一歳でもらっている計算になっておりますが、これで月十三万程度、そしていまこの計算でいくと、私の計算でいくと三万四千七百五十八円、こうなるんですが、多少数字の使い方によって違うと思う。三万五千円ぐらいになる。そうすると月十六、七万ですね。言うならば総理府の統計局で言っていると十歳以上のお年寄りが月で生活する十七万とどっこいどっこいになる。尾崎さんのこれでいくと二十万が単位だと、こうなっておりますけれども、それから言えばかなり低い、そういう状況なんですね。
 そういう意味で言うと、私は民間の人はどう考えるか知りませんけれども、この退職手当の減額措置というやり方はやっぱりこれ再考を要するんではないだろうか。まるまるあなた方のデータを使ってみたってこんな数字しか出てこない。一体これ総務長官、どう考えますか。朝から私は数字ばかり言って本当に恐縮だけれども、事柄は数字ですから、できるだけデータを集めて私は言っているつもりなんだけれども、どうですか。これでもまだあなた、減額しますか、撤回しますか。
#128
○政府委員(山地進君) いまの退職手当が十分かどうかということを考える場合、いまのような、先生のおっしゃるような、実証的に平均的に一体どれぐらいになるんだということも一つの方法であろうかと思うんです。
 ただ、ここらになりますと、官民格差論というのをどういうふうにまとめていったらいいか。片方では例の生涯給与論というのがございます。生涯給与論というのは、日経連の出している数字については私どもとしてはいろいろの批判というのがあるわけでございます。ただ、その生涯給与論にしても、いま私どもでやっている民間準拠方式にしても、あるいは公労委あるいは人事院でやっておられる民間準拠にしても、それぞれトータルでやるかあるいは個々にやるか、やはり国民の税金を使う以上国民の納得を得る方法というのは何かということを模索してやらざるを得ないと思うんです。
 そこで、私どもとしては給与は人事院の民間準拠方式ということで是正してきた。それから退職手当についても民間準拠ということでやったらいいじゃないか、年金についてもいまの官民格差論というのがございますけれども、そういうものについては十分議論したらいいじゃないかという立場でこれはやっているわけでございまして、いま先生のおっしゃるような年金と退職手当の給与相当分といいますか生活費に使える分というものを足して議論する場合、これも先生の御議論をそのまま民間に当てはめて、今度は民間のそういうものはどうなんだということに結局はなってくるんだろうと思うんですね。
 そうすると、私どもの言う論法でいけば、千八百万円というのが民間と比べてどうなんだと、仮に同じ額とすれば、民間の方も給与といいますか生活に使う部分というのは公務員と似たり寄ったりになる。やっぱり官民格差というところがそこで出てくるんじゃないかというふうに私は思って、それぞれの、給与は給与、年金は年金、退手は退手というふうに比較していくのがやはり現実的ではないだろうか、かように考えるわけでございます。
#129
○山崎昇君 しかし、生活できないようなものを与えて、それであなた、どうしますか。いまやっている制度でもとんとんというのに、それより下がるようなものをあなた方与えて、よろしゅうございますなんということにはなりませんよ。
 私は先ほど申し上げましたけれども、総理府人事局の山口さんという人もずいぶん検討されておりまして、私もこれ読ましてもらいました。そして、これによると、たくさんのことが書いてありますけれども、一、二申し上げれば、やっぱり民間との比較をするときにこういうことを留意すべきだということをみずから書いていますね。
 それはどういう意味かというと、民間の場合には結局どういう図式かというと、退職金それに加算、役職の場合には慰労金、そういうような制度がやっぱり民間では一つの図式としてある。役所はそういうものがありません。そういうものをもどう一体把握するんだろうか。最近は民間の場合は一時金をやめて企業年金というような形にするが、ほぼ私は十五年ぐらいが単位というふうに聞いておりました。しかし、最近のように平均寿命が延びるということになるというと、それがまた違ってきますね、企業年金といいましても。そういうものも、一体それじゃいまの高齢化社会を迎えてどういうふうに判断をするというのか。ですから、やっぱり客観的な正しい調査が必要であるということ、それから各分野からの専門的な検討が必要だということ、こういうことを山口さんがかなり書いておられますよね。
 しかし、いまあなた方のを見ていると、人事院の調査だけで、行政職だけて対比して出しているだけでしょう。そういう意味でいくと、私は出されている今度のものはやっぱり欠陥が多いのではないか、そういう気が議論すればするほどしてくるわけ。しかし、法律が出されて論議も大詰めに来ているわけですけれども、いずれにいたしましても、そういう点についてはもっともっと私はやっぱり時間をかけてこれは議論すべき性格のものではないんだろうか、こう思っているわけなんですよ。
 それから、民間比較のときも少多申し上げましたけれども、やっぱり四十八年と違うしね。それから、先ほどのこの退手の性格からいけば当然これは交渉事項になる。そうすると、一つの法律で三公社五現業もひっくるめるというやり方は――まあ五現業は公務員として、三公社も入れたこの退手法というのはやっぱり見直してみなきゃならぬ一つの点ではないんだろうか。三公社が問題になってくるとすれば、当然五条の二の百分の九十七という規定もこれまた検討せねばならぬであろう。ところが、今日まであなた方は、まあ組合と会って話は聞いたかもしれませんが、俗に言う団体交渉めいたことはやったわけではない。組合側とある程度の話し合いがついて提案したわけでもない。言うならば一方的ですよね。こういうやっぱりやり方というのは、これは長官、私は考え直してもらいたい、そう思っているんですよ。
 しかし、いかんせん、ここまで来ていまから団体交渉し直して、そして提案し直せと私は言いたいけれども、なかなかそうもあなたが動きそうもないので残念に思っているわけですけれども、いずれにしても私は、今後再検討する場合でも十分そういう性格論から来るものを把握をして、そして組合との間に相当な交渉を持たれて、その上で直すものは直す、そういう態度だけは明確にしてほしいと思うんですが、どうですか。
#130
○国務大臣(中山太郎君) 先生から大変貴重な御意見を賜りまして、私どもも先生の御意見を十分踏まえて、人事院が申しております昭和六十年をめどに公務員の給与あるいは退職手当等すべて含めた物の考え方というものの再検討いたすようなときに、必ずそのような御意見を十分尊重さしていただきたいと思います。
#131
○山崎昇君 それから、次にお聞きをしておきたいのは、修正案が来ているわけなんですが、一部プラント関係は通算措置をとりました。しかし、まだ自治体によってはこの通算するという条例のないところもあるやにぼくらは聞きます。これは本当は自治省に聞かなきゃならぬのですけれども、この点について総理府で把握していますか。もし把握していれば、どういうふうにしますか。
#132
○政府委員(山地進君) 私どもの把握しているところでは、都道府県には全部通算規定がございます。それ以下の地方公共団体になりますと、ちょっと私どもとしては把握しておりません。
#133
○山崎昇君 これは本当は自治省に聞かなければなりませんが、やっぱり事柄は退職手当で、府県あるいはその他の国策会社等の場合は通算措置を今度もとるわけでありますから、自治体等で最近都道府県から市町村に天下るというのもまた多くなってきまして、そういう意味で言うと、それらの点はやっぱり積極的に把握して、それらの自治体に対する問題の解決に私はしてほしいということを申し上げておきたいと思います。
 それかう次に、総務長官も御存じのように、常勤労務者というのがいるんですよね。この人たちについて一体退手の第五条はどういうふうにいたしますか。私は適用するのが本筋だと思うんですが、どうですか。
#134
○政府委員(山地進君) いまの常労といいますか常勤職員給与の目から支給されている人というのは、これは二ヵ月以内の勤務を定めて、雇用されているということから、理屈上の話になるわけでございますけれども、期間の限りがあるわけでございますものですから、勧奨退職という観念がないわけでございます。したがって、第五条の適用がないということになりまして、仮に二十五年以上勤務して退職したという場合には、第四条の自己郡合退職ということになるわけでございます。
#135
○山崎昇君 二十五年以上の場合には第五条を適用するという意味ですね。
#136
○政府委員(山地進君) 五条というのは勧奨退職でございますので、仮に二十五年勤続して退職しても法第四条の自己都合になる。要するに、この常勤職員の給与の目からなれるものは、二ヵ月ということで期間の定めがあるわけです。したがって、勧奨退職という観念がないわけでございますので、そういう方には勧奨退職の規定の適用がないということになるわけでございます。したがって、法四条ということになるわけでございます。
#137
○山崎昇君 主として多いのは北海道開発局ですが、二十五年も三十年も勤務しているのがいるんですよ、現実に。日々雇用で二ヵ月更新じゃないんですよ。
 それから、これもさっき示した人事院の解説です。これによると、国家公務員で国家公務員等退職手当法による退職手当の支給を受ける者は常勤の職員に限られるが、非常勤の職員でもその勤務形態が常勤の職員に準ずる者については、公務上の傷病または死亡により退職した場合に支給される退職手当の規定に限り適用される場合もあるが、そうでない点についても考えでいいのではないか、こう私ども思うものだから。実はこれは退職の場合等に限定をして書かれてはおります。しかし、実際に北海道開発局なんかに行きますというと、十ヵ月雇用という名前で、開発局設置以来、その前の道庁勤務時代からいろいろと三十年、三十五年というのもおるんです。こういうものは当然常勤労務という形でやっているわけですね。毎年雇用しているわけです。確かに切れるんですよ、幾らか、確かに。そういうものは当然ぼくはやっぱり考えてしかるべきじゃないかと思うんですが、どうですか。
#138
○政府委員(山地進君) いま御指摘になりました法律関係でございますけれども、退職手当法の第二条に、まずは本則として、常時勤務に服する者というふうになっておりまして、第二項に、前項各号に掲げる者のうち常時勤務に服することを要しない者で政令で定める者ということになって、政令で、国の一般会計または特別会計の歳出予算の常勤職員の目から俸給が支給される者と、それからそれ以外に非常勤的に勤める者と、こういうようなことで法律が整備されているわけでございます。
 そこで、お尋ねの点は、定年に関連して、定年制が施行されたらどうなるのかということがこの前の国会でも問題になりまして、定年制を導入した場合には常勤職員にも定年制が適用されるということになれば、当然この点については定年制という規定はございますから、そちらの規定で第五条の方にいくということになり得るわけでございます。
#139
○山崎昇君 本当は細かにはもっと聞きたいんですけれども、きょうは予定してこれからちょっと防衛問題も聞きたいということがあるものですから、退手の問題はこの程度にしたいと思うんですが、最後に総務長官、官房長官にもきょうちょっとお聞きをしたわけですが、人事院勧告、これはやっぱり総務長官としてはそれこそあなたの政治生命かけて、仲裁裁定が完全実施になることになったわけですから当然私はなるものだと思うんですが、重ねてあなたの決意をお聞きをしておきたいと思います。
#140
○国務大臣(中山太郎君) かねて申し上げている私の決意と毫も変わっておりません。私は、給与関係閣僚会議を第三回を速やかに開いて、その後の国の歳入状態を財務当局から聞き、この安定した労使関係を維持するために誠意を持って努力をいたしたいと思っております。
#141
○山崎昇君 きょう、官房長官にははしょって、臨調の答申にきわめて批判的だし、それからやっぱり公務員には優秀な人材が集まるようにしなきゃいけませんよということを林さんは盛んに主張されておられますよね。それから、この人の言葉がいいか悪いか私はわかりませんが、「私企業の場合は、たまたまよくない人物が責任の地位にいても、その私企業が倒産したり、あるいはその周辺にいる者を傷つけるだけですむことであるが、しかし、立法・行政・司法を問わず、国政に参画してその方向を決定するのに責任をもつ公務員ないし官僚の中に妙な人物がいては、その被害は国民全体に及んでくる」、だから汚職とか倫理については厳しくやれと、しかし反面、やっぱり制度としてでき上がった人事院勧告制度は守るべきだというのがこの林さんの見解ですよね。法制局長官を十年ぐらいやられた方でございますけれども。あるいは人事院の皆さんにとっては先輩かもしれませんが、尾崎さんもかなり心配していろんなことを書かれておる。
 こういう点は、私は一々もうここにはありますけれども読みませんが、重ねて一つ長官、この臨時国会中に国家公務員給与法、出るんでしょうね。私ここで議論したいんだよ。この間もちょっとだけ中身聞いたんだけれども、いっぱい聞きたいことあるものだからもう一遍あなたと議論したいんだけれども、する機会ありますね。
#142
○国務大臣(中山太郎君) まだ会期も十七日までございますので、十分時間があろうかと考えております。
#143
○山崎昇君 総務長官、これは給与問題でありません。あなたが九月に総理大臣と北海道視察に行かれたわけですね。私は沖縄北方特別委員会でも理事でもありますから、これは改めてまた少し詳細にあなたと議論してみたいと思っていますが、きょう一点だけ聞いておきます。
 視察に行かれて、簡単で結構ですが、どんな日程で、そしてどんなことをやってきて、帰ってきてから、総理もあちこち行かれているようですが、どんなことをやっているのか。まず、その点からお聞きをしておきたい。
#144
○国務大臣(中山太郎君) 先生も御案内のように、昨年の八月の末、北海道・東北県民会議がございまして、地元の振興に力を入れること、それから北方領土の日をつくること、総理の現地視察を早急に実現することという強い御要望がございました。この中で北方領土の日は、すでに御案内のように一月六日の閣議で決めさせていただきましたし、地元の振興策につきましても昨年の十一月の閣議で総理から特定の御指示がございまして、北海道開発庁を中心に関係各省の連絡会議を開いて、目下その具体策について検討しておるところでございますが、この総理の現地視察、九月の十日に行われました。私も随行いたしましたが、当日はまれに見る晴天で、北方四島はよくわれわれにとってもその姿を見せたわけでございますけれども、視察後に地元の漁民の方々あるいは市町村の方々から、地元のいわゆる漁民の救済対策というものを積極的にさらに力を入れていただきたいと、こういうふうな御要望がございました。
 その後一体何をしたかということでございますが、その後園田外務大臣がニューヨークの国連総会におきまして、グロムイコ外務大臣と個別会談の中で、この領土問題について北方領土返還の要望を伝えられ、グロムイコ外務大臣はその話を聞いておられたと。あえて反論をされなかったことがいままでの日ソの関係とはまた違うということと、その会談を通じて事務レベルでの今後の日ソのパイプを強めていこう、こういう話になっておると報告を聞いております。
 私どもとしましては、今後とも日ソ両国間の外交パイプを通じての交渉がさらに拡大をされ、一日も早く首脳会談の席がつくられるように格段の努力をいたしてまいりたい、このように考えております。
#145
○山崎昇君 いつ聞いても同じような答弁しかないんでね、進展がほとんどない。
 そこで、きょう時間ありませんから一点だけ聞いておきますが、あなた方が北海道へ行かれる前に北海道新聞で世論調査をやりましてね、そしてその結果、これは七月の二十二日から二十二日に調査を行いまして、八月の十二日に発表になった数字であります、ことしの。一体北海道民はこの北方領土というものについてどういう考え方を持っているんだろうか。あなたも御存じだと思いますが、全千島の返還を求めるもの三〇・五%、全千島だが当面四島が一九・六、全千島だが当面二島が八・九、四島だけの一括返還一一・九、四島返還だが当面二島三・五、歯舞と色丹の二島〇・四、漁ができるなら返還を求めず一〇・九、返還要求は要らない〇・七、わからない、答えないが二二・六、こうなっております。
 そうすると、総理まで行ってあなた方がやっている、北方領土の日まで決めてやっている四島返還というのは、必ずしも北海道民から言えば少数なんですな、簡単にまあ言葉を縮めて言えば。言うならば完全な世論形成などはできてない。また、近くあなたの方は山形で何か返還要求大会みたいなのをやるようでありますけれども、現実に住んでいる北海道民というのは、むしろ社会党が主張する全千島要求の方が三分の一ですよ。そして、全千島だが当面四島というのを入れますというとざっと五〇%ですね。半分ですね。こういう世論を踏まえて、政府は外交といいますか、これからこの問題に対処しなければ、単なる北方領土の日をつくったから、どこかで返還運動をやったから、それだけでは、この問題の解決にはならぬのじゃないんでしょうか。この世論調査に対してどういう感想を持ちますか。
#146
○国務大臣(中山太郎君) 政府が直接に行いました世論調査ではございませずに新聞社がやられた世論調査でございますので、私どもとしてはその世論調査に対して、政府としては判断というものは一応待ちますけれども、それをコメントする立場にないと考えております。
 なお、私どもがこの北海道の要望を受けて、そういうふうな三点の御要求というものに対してそれを実現するよう努力しているということは、北海道知事初め県議会、地元市町村からの御要望に対して政府としては行動をとったのでございまして、どうかその点はひとつ御理解を賜りたいと考えております。
#147
○山崎昇君 行かれたことを私は悪いなんて言っているわけではない。あなたにコメントを求めて……。しかし、やっぱり新聞社であろうと、一番北方領土に近くて問題を持っている北海道の道民が、北海道新聞社の世論調査ではそういう結果だということをあなた方はやっぱり踏まえてもらいたい。
 それから、これはあなた方の方にも行っていると思いますが、私の先輩でもありますけれども、かつて道庁に昭和十四年から十九年まで千島調査所というのがありまして、そこに勤務していた鈴木吉蔵さんというんですが、この人が最近「北方領土物語」というのを書いておりまして、これを読んでみましても、政府のいまやっていることについてはずいぶんやっぱりいろいろ問題点が指摘をされている。いずれこれは委員会で私はやりますが、いずれにしてもいまあなた方は、ただ北方領土の日だとか、どこか集まってソ連の悪口を言っていれば返ってくるものではないんですな、外交問題もちろん絡むんでしょうけれども。私は、貝殻島のコンブ漁一つとってみましても、四年間ソ連に通いましたよね。去年行って北海道水産会を社会党の推薦する団体として交渉して、外務省も最後は了解をしたんですが、あの北海道コンブ漁というのができ上がった。その前には、高碕さんたちのあの民間外交というのが実っておるということはそのとおりだと思うんです。
 そういう意味で言うと、私は、この反ソキャンペーンだけやっていれば北方領土が戻ってくるなんという錯覚だけはやめてもらいたい。そういう官製の運動だけでは北方領土は返ってくるものではないんだということだけきょう申し上げて、いずれこれは改めて特別委員会でやらしてもらいたい、こう思うんです。
#148
○国務大臣(中山太郎君) 政府は決して反ソ運動をやっておるわけではございません。政府といたしましては、かつての鳩山訪ソの際、あるいは田中訪ソの際の両国首脳の話し合いの中での事実を踏まえて、最近、北方領土問題解決済みというソ連政府に対して、日本政府としては一九七三年の日ソ外交交渉のいわゆる両巨頭の話し合いのところまで事態を戻してもらいたい、そうして平和条約締結の交渉に入りたいと、こういうことを申しておるんでございまして、毫も反ソという態度ではなく、一日も早く日ソ平和友好条約を締結いたしたい、これが政府の念願でございます。
#149
○山崎昇君 それでは、あと余りありませんが、防衛庁にお尋ねをいたします。
 これは長官、事前に通告を私しておりませんでしたが、重要だと思いますからまず冒頭にお聞きをしておきたいんですが、十月の三日から四日、航空自衛隊は全国的な総合演習をやりましたですよね。これはどんな演習ですか。
   〔委員長退席、理事林ゆう君着席〕
#150
○政府委員(塩田章君) 航空自衛隊の場合、毎年金航空自衛隊を使いました演習を実施いたしておりますが、ことしも例年の例によりまして、総隊演習といたしまして御指摘の期間に実施いたしたものでございまして、航空自衛隊のほとんどの部隊、いわゆる実動部隊ほとんど使った演習でございました。
#151
○山崎昇君 それはあれですか、たとえば目的といいますか、それから、ことしならことしの総合演習はこういう点に重点を置くとか、そういうものはあるわけですか。ことしの十月にやった総合的なこの航空自衛隊の演習というのは、中心はどういう目的で何が主眼でやったのか、できたら説明願いたい。
#152
○政府委員(塩田章君) 当然毎年演練項目を定めまして、重点項目を決めました上で実施いたしております。ただ、御指摘のことしの演練項目、主たるものが何であったか、ちょっと突然のお尋ねでございますし、担当参事官もおりませんので、ちょっと私からは詳しくはお答えいたしかねますが、演練項目を決めてやったことは事実でございます。
#153
○山崎昇君 これは長官、知らぬというわけにはいかないんでしょう。長官のところへ――局長のところには参事官来ないかもしれませんけれども、長官のところには当然参事官なり幕僚長なりから、ことしはこういう計画で総合演習やりますということは報告はあるでしょうし、終わったら、こういう状態でしたという報告があるんじゃないでしょうか。長官、どうですか。
#154
○国務大臣(大村襄治君) お尋ねの件でございますが、ちょっと手帳を見ますると、十月三日から十月九日の間、航空自衛隊の総合演習を実施すると、こういう記録がございますので、年次の訓練計画に基づく総合訓練をこの期間において実施したものと承知しております。
#155
○山崎昇君 最高指揮官であるあなたにはその程度のものですかな。もっと、何にも報告はないんですか。あるいは事前に、こういう計画ですなんというもっと詳しいものはないんですか。
#156
○国務大臣(大村襄治君) 内容については、事前に航空幕僚長から詳しい説明がございました。また、終了後、無事に終了したという報告を受けております。
#157
○山崎昇君 だから、その概要を言ってくださいよ。
#158
○国務大臣(大村襄治君) ちょっと手元に資料がございませんので、記憶だけで申し上げるのも不正確だと思いますので、しばらく御猶予願います。
#159
○山崎昇君 では、局長でいいから。
#160
○政府委員(塩田章君) いま大臣からお答えいたしましたように、事前には当然計画についての説明がございます。ただ、終わった後の、いま大臣がおっしゃいましたように、終わったという報告はもちろんございましたが、これは常に検討会を経ました上で改めてその成果についての報告がございますわけですが、それはまだ来ておりません。
#161
○山崎昇君 いや、どうも私は不思議なんだね。毎年金国的にやっている航空自衛隊、その他の部隊の演習でもそうですけれども、概要すら何か手帳がなければあなた答弁できないという司令官というのはないんじゃないでしょうかね。参事官でなけりゃ何にもわからぬなんという、こんなあほなことは私はないんじゃないかと思うが、しかしあなたは答えないから、やむを得ぬから次に移りますけれどもね。
 そこでお聞きをしたいのは、三沢から八雲の飛行場にC1輸送機が使われて、弾薬あるいは資材あるいは人員の輸送訓練が私は行われたと聞いているんですが、その概要はどんなものですか。
#162
○政府委員(塩田章君) 御指摘のように、八雲の方にC1で輸送するという計画が演習計画の中にあったことは承知していますが、いま申し上げましたように、その具体的な内容についていま手元にございませんのでお答えいたしかねます。
#163
○山崎昇君 いや、だから具体的に、たとえば弾薬をどのぐらい運んだとか、あるいは資材をどのぐらい運んだとかをいま聞いているわけではないけれども、今度の演習の計画の中では、三沢から八雲に対してC1という輸送機を使ってそういう輸送の訓練が行われた、そうぼくら聞いているんだけれども、それは間違いありませんか。
#164
○政府委員(塩田章君) そういう訓練を行いました。
#165
○山崎昇君 次にお聞きをしておきたいのは、千歳からファントムジェット戦闘機四機が八雲に着陸をしている。これは一体どういうことなんだろうか。十月の八日とぼくら聞いているんですが、これはどういう理由で、千歳のファントムジェット機が四機、八雲に着陸をしているのか。
#166
○政府委員(塩田章君) 恐縮ですが、その中身をいま――私ども計画は聞いたはずなんでございますけれども、いまちょっとお答えできるだけの資料を持っておりませんので、ちょっとわかりかねます。
#167
○山崎昇君 私どもの聞いている限りでは、八雲の飛行場というのは千八百メーターの滑走路で、とうていジェット機がおりれるところではない。そこで、当日私どもも現地の者から聞いたところによれば、航空母艦に飛行機が着艦すると同じようにバリアというやつでとめて八雲の飛行場にこのジェット戦闘機を着陸をさせている、こうぼくら現地から聞いているわけです。何のために千八百メーターの滑走路しかないこの八雲の飛行場にジェット戦闘機を航空母艦のやり方までとって着陸をさせるのか。これは長官、何の報告もないんですか、そういうものは。防衛局長というのはそういうことは何にもわからぬわけですか。参事官でなきゃわからぬわけですか。
#168
○政府委員(塩田章君) 訓練の前に、計画につきましては私も計画を聞きます。その上で長官に報告いたしたわけでございますが、先ほどから申し上げておりますように、いま資料が手元にございませんので尋ねの点について具体的にお答えができないということでございまして、いま御指摘のようなことは確かに計画の中にあったというふうにいま記憶しておりますが、それ以上の詳しいことをいま御説明できないということを申し上げているわけでございます。
#169
○山崎昇君 そして現地の諸君の話によると、八雲の飛行場というのはふだんそういうことになっておりませんから、防衛庁としては場外着陸場として扱っているというんですね。全国でただ一ヵ所だというんですね。それは、これは私どもの推定でありますが、千歳が有事で使えなくなった場合に大変だから今度八雲を使う演習を行ったんではないか、こう言われているわけです。そして、お聞きをしたいのは、場外着陸場を指定をする、これは八雲だけだそうでありますが、それを使う場合には必ず事前に空幕長から防衛庁長官に申請書が出て、長官の許可がなければこの場外着陸場というものは使えないことになっている。当然長官に事前の許可申請が行ったものと私は思うんですが、長官どうですか。なければ大変だよ。
#170
○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。
 ちょっと事前の御通告がなかったものですから、調べて御報告いたしたいと思います。
#171
○山崎昇君 これは「プレイボーイ」という雑誌、十一月の三日号です。これに――お見せしますよ、「北海道・幻の八雲基地」というので、約四ページにわたりましてファントムジェット機が着陸したのが全部載っています。これちょっと長官に見せてください。(資料を手渡す)
 そこで、現地ではこれはもう大変びっくりしまして、着陸できないようなところを航空母艦に着艦するような方法でワイヤをひっかけてとめて着陸をさした。そして、事前に私ども聞いたところでは、関係する町長、自治体には何の連絡もなかった。突然そういうことが行われた。そこで、私の方に現地からぜひ長官の見解を聞いてほしいというのは、こういうことを積み重ねていって、やがて八雲の施設というものをジェット機が自由自在におりれるように施設の拡充を図るということではないんだろうか、それから事前に自治体に対する、八雲町あるいはその他関係団体に何のあれもなしに、ただ航空自衛隊の全国的な総合演習という名前だけでそういうことが強行されるということは一体何なんだろうか。こういう、言うならば住民から言うと大変な不信感を持たれている。そういうことが――事前にあなたに言いませんでしたけれども、私にちょうどまた休憩時間中に電話が入りまして、それでその雑誌を送ってきたんですわ、正直なところ。これは長官、やっぱり三軍の司令官であるあなたがほとんど何にも知りませんではこれ済まされないんではないでしょうか、どうですか。
#172
○国務大臣(大村襄君) 今回の航空自衛隊の総合演習につきましては、あらかじめ航空幕僚長から各地区の計画について説明を受けたところでございます。ただ、八雲の問題につきましてきょうお尋ねがございましたが、ちょっと記憶がすぐよみがえりませんものですから、その点についてのお尋ねの点につきましては、調査の上お答えさしていただきたいということを申し上げておるわけでございます。
#173
○山崎昇君 まあ、あなたは記憶ないし、どうだというけれども、言うならば事前に長官の許可がなければ場外着陸場として使用できないものを、仮にやらないでやったとすれば、これは大変なことになりますよ。ですから、私はもう少しやっぱり長官というのは、これはいまこれだけ大きな防衛問題というのは課題になっているだけに、記憶がないとか手帳がありませんとか、メモありませんとか、そんなことで済まされる問題ではないと思う。しかし、あなたがどうしてもそう言うことでありますから、ひとつこれ詳細に調べて報告してもらいたい。どうですか。
#174
○国務大臣(大村襄治君) 調査の王なるべく早く御報告申し上げます。
#175
○山崎昇君 次に、私はこれは長官の見解だけきょうお聞きをしておきたいのですが、ことしの「法律時報」という法律の専門雑誌でありますが、これの五月号に公法学会員――憲法、行政担当者あるいは弁護士、判事、検事等々日本におきます公法学をやっておられる方々、会員が八百八十六名、そのうち八百七十三名にアンケートを求めまして回答が四百十八名来たと報道されています。そこで、第九条と自衛隊の関係について違憲か合憲かでアンケートを求めたところ、公法学会員の七一・三%は違憲である。合憲は二六・八%。続いて海外派兵は、違憲が八八・五%。徴兵制をしいた場合どうか、八八・八%が違憲。憲法改正についてどうか、特に第九条、反対七八・七、賛成一八・九。天皇陛下の元首化、反対九〇・四、賛成六・二。こういう日本におきます、言うならば専門と称される公法学会員が回答を寄せられておりますね。あなたのところとか、きょう法制局長官呼んでおりませんが、法制局長官は合法説をとっているわけですが、少数派ですね、公法学会から言えば。こういう専門家の見解について、防衛庁長官、どうお考えになりますか、この点だけきょうお聞きをしておきます。
#176
○国務大臣(大村襄治君) 公法学会のメンバーに対するアンケートの結果についていま御指摘がございまして、私の所見を言えというお話でございますが、私の私見を申し上げますれば、九条について違憲か合憲かで違憲が大変多いという点はまことに遺憾だと考えております。あと徴兵制、海外派兵につきましては違憲が多いという点は、必ずしも私どもの見解と異にするものでないという感想を持っておるわけでございます。その他の点については、ちょっと所見を申し上げることを控えさしていただきます。
#177
○山崎昇君 これは単なる学者ばかりではありませんで、行政官も入り、それから全部ではありませんけれども判・検事、弁護士、憲法学者、そういうものもひっくるめた学会員が八百八十六名というんですから、こういう方々が議論して違憲説が七一・三%と、核武装した場合には八五・二%と、こういう数字です。ですから、やっぱり自衛隊について国民がまだもやもやした気持ちを持っているんです。すとんとしたものはない。災害出動のときには、ああ出てくれたなあという感謝の気持ちがあるかもしれませんが、あなた方が防衛力増強を叫ぶようなことにはならぬのですね、こういう点からいけば。そういう意味で篤とことしの「法律時報」の五月号というものを見てもらいまして、そして防衛庁のあり方というものを再検討を私は願いたい、そういうふうに思うわけです。
 それから第二点として、本当はきょうもう四時ぐらいまでのようですけれども、時間がなくなりましたので多くのことを聞きませんが、ことし出されました「日本の防衛」という皆さんの白書、これ全部詳細に読ましてもらいました。本来ならこの内容についていろいろお尋ねしたいことがたくさんあるわけです、が、一、二点にきょうしぼっておきたいと思っておるわけです。
 そのうちの一つに、最近は民間防衛体制というのですか、民防、こういうことについてかなり触れられておって書かれておるわけですが、そこで、一体防衛庁としてはこの民間防衛というものについてどんな計画を持って、そしてこれからどんなことをやっていこうとしているのか。これだけ、書いただけ読んだのではよくわかりませんので、具体的なものがあれば説明を願いたいと思います。
#178
○国務大臣(大村襄治君) 民間防衛について防衛庁としてどういう考えを持っておるかというお尋ねでございますが、諸外国におきましては、従来から政府あるいは自治体の指導のもとに民間防衛のための施策が行われておりますが、わが国では、現在、防護シェルターの整備を初めとする国民の防災・救護、避難誘導体制の整備等の民間防衛につきましては、国家施策として取り組む状況にはなっておらない次第でございます。しかしながら、民間防衛の問題は重要かつ多岐にわたるものでありますので、今後わが国としましても、政府全体で慎重に検討しなければならない問題であると考えておるわけでございます。また、民間防衛を進めるに当たりましても、国民のコンセンサスが必要でございますので、そのコンセンサスを得ながら検討を進めていく必要があると考えておるわけでございます。防衛庁も関係ございますが、やはり政府全体としてそういった方向で検討を進めていく問題であると、さように考えておるわけでございます。
#179
○山崎昇君 だから、防衛庁としては具体的にどんなことを考えているのですか。ここで二、三触れていますよね。たとえば「防災・救護」、サイレン鳴らしたり、ラジオ、テレビ等で知らせることだとか、「住民の避難誘導」だとか、多少のことは書いてありますね。
   〔理事林道君退席、委員長着席〕
一体、今後防衛庁としてはどんなことを一応あなた方なりに考えておられるのか、ひとつ明らかにしてほしい。
#180
○政府委員(塩田章君) 現在どういうことを考えておるかというお尋ねでございますが、防衛白書の百八十ページにも書いてございますように、実態的に現在わが国の場合「民間防衛に関してはみるべきものがないが」、云々と、こう書いてございますが、この記述のとおりでございまして、実際上の民間防衛の施策としての現在わが国で取り上げられておるものといえばほとんど見るべきものがないという状況でございますと私どもは思っておりますが、防衛庁自身も、民間防衛の必要性、特にもしわが国が侵略を受けた場合の住民の避難誘導といったようなことを考えた場合の重要性ということについて、非常に大きな関心は持っております。関心は持っておりますが、具体的にいま何を考えておるか、あるいは今後どういうふうに持っていこうとしているのかということにつきまして、防衛庁としていま具体的な案を考えたり、あるいは将来の計画を持っておるという段階ではございません。
#181
○山崎昇君 これは直接民間防衛という問題ではないのかもしれませんが、元陸上自衛隊北部方面総監広瀬栄一さんという人がいましたね。この人の書いているものを見ますと、「私が北部方面の総監時代に、町村知事」――いまの自民党の会長さんですが、「町村知事に「北海道開発は、ある程度防衛政策を織り込んでやってください」とお願いしたことがあるんです。「どういうことですか」と聞かれるので、「稚内の付近の山寄りの排水溝は隊員が入れる深さにしてください」と話したんです。そうすれば散兵壕ができているのと同じことになりますね。それからまた「石狩の堤防の傾斜は戦車が上がれないような傾斜にしてください」とも話したんです。」そうしたら「知事から「日本の全般的な防衛意識が盛り上がっていないのに、ローカルな地域で開発に防衛を織り込んでやったということになると、中央の国会で政府がいじめられるといったいへんなことになりねない。そうなると気の毒だから、このことは将来のことにしましょう」という話があって、結局採用されなかった」という記事があります。これは北部方面総監の記事であります。
 そうすると、私は直接民間防衛という問題では関係もあると言えばあるし、ないと言えばないかもしれませんが、少なくとも防衛庁の第一線の方々は、その地域の開発問題の中にこういう意味でかなりこの防衛態勢というものをやらせているんではないだろうか。知らないのは中央のあなた方だけであって、実際の第一線はこういう形で開発の中にも入り込んでいくんではないだろうか。ある意味では、これは散兵ごうというんですから、住民だって誘導できないわけでもないんですよ。これは町村さんが知事というんですから昭和三十四年から四十六年までの間ですね、十二年間ですから。いまから二十年も前に、すでに第一線の方々というのは、こういう意味で民間防衛と直接言えるかどうかは別として、私はやっているんじゃないだろうか。こういう点は一体長官どうですか。これはお見せして結構でありますが、「自衛隊のみたソ連軍」という、元自衛隊の制服の方々がいまいろいろな角度から書いておりますが、折に触れて質問いたしますけれども、書いている内容です。どうですか。
#182
○政府委員(塩田章君) いまのお話は、承った限りでは、民間防衛と言いますよりも陣地構築の観点からの話題であったんだろうと思います。北部方面の例でいま出たわけでございますが、御承知のようにわが国の場合、百三条の政令もまだできていないという状況におきまして、第一線の部隊の人たちは陣地をいつからつくれるかということについて非常に心配はしておるわけでございます。それは、第一線の部隊の人は、第一線になればなるほど一日も早くつくりたいというのがこれは心情であると思いますが、そういう意味から、恐らくそういう話があったとしても雑談的にそういう話が出たんだろうと思いますが、お断りしておきたいのは、そういうことをやらせておるんではないかというお尋ねでございましたが、そういうことは決してございません。そういう第一線の部隊の指揮官として、そういった陣地構築問題に平素から関心を持っているということのあらわれとして知事さんとの間にそういう対話が出たんであろうというふうに、私は、いまお話を聞いた限りでそういうふうに考えておるわけであります。
#183
○山崎昇君 陣地構築なんという問題じゃなくて、開発計画そのものの中にすでに防衛的な要素を入れるというやり方を第一線はとってきているんだ。たまさか、いまこれは石狩川の堤防とそれからその排水溝、それを散兵ごうにしなさい、こう言うんでしょう。言うならば、そういう意味で言えば自衛隊員が使うという意味にとれる。しかし昔で言えば、散兵ごうなんと言えば一般住民だってやはり使った場合もあり得る。私も昭和二十年で復員するまでは北海道で陣地構築をやっていましたから、工兵隊ですからよく承知しています。そういう意味で言うと、中央でやらせていないのか、やらせていないというあなたの話ですけれども、もしやらせていないとすれば、いまこういうものを書くからぼくらわかりますが、現実的には全国でどんなことをやられているのか、正直に言いましてやはり大変なんだなという気持ちが一つありますね。
 それから民間防衛、これからあなた方いろいろなことをやるのでしょうけれども、たとえば一つの例で聞いてみますが、東京の高島平みたいなああいう何といいますかマンションのたくさん建っている住宅街、北海道で言えば真駒内もそうですが、約四、五万おります。あんなところは一体どういうふうに、仮にやるとしたら、あなた方どんな民間防衛施設というのをつくるんですか、ああいう地域なんかの場合。かつて第二次大戦前みたいに、日本があんなの余りなくて一戸建ちの家がたくさんあって、そしてまだあいているところがたくさんあって、そういう場合にはあちこち穴を掘ったり排水溝をつくったりすることは可能かもしれません。しかし、いまみたいにああいう団地がたくさんあってもはや人がひしめいてやっているときに、どういう民間防衛体制というのを防衛庁は考えるのか。一つの例ですけれども、後日何もこれだからどうだという意味ではありませんが、長官のお考えがあったら参考までに聞いておきたい。
#184
○国務大臣(大村襄治君) 大変重要な問題についてのお尋ねでございますが、こういった問題に対する政府としての全体の取り組み方がまだ整っておりませんので、主管の官庁がどこになるかという点も決まっておらないような状況でございます。私ども防衛庁といたしましても関係があるわけでございまして、当然関心を持たなければいけない問題でございますが、ちょっと具体的なブランということになりますると、いまのところ残念ながらここで申し上げることはいかがかと思うわけでございます。
 しいて感想でも言えと言われますと、現在災害の場合に対処する仕方として、いろいろ避難場所を選定するとか、そういったことが災害対策の一環として行われているわけでございますが、民間防衛をさらに徹底していくということになりますると、そういった点も参考にしながらさらにそれに必要なものを加えていくとか、そういったようなことが行われるのではなかろうか、そういう感じがいたすことを申し上げておきます。
#185
○山崎昇君 そうするとあれですか、いまのところ防衛庁の中に民間防衛をどうするというような機構があるのかないのかですね。あるとすればどんな程度の機構でやっているのか。それから、各省と関係があるとすればどういう各省との組織的な構造になっているのか、あったらひとつ説明してくれませんか。
#186
○政府委員(塩田章君) 現在、御指摘のような機構は防衛庁の中にございません。ございませんものですから、官房の方で対外的な話ということになりますと出ていくわけでございますが、役所としてのいま御指摘のような意味での機構はまだございません。
#187
○山崎昇君 いまのところないと言う。長官、そうすると近くそういうものをつくるというお考えはあるんですか。しかし、それはなかなか大変だからしばらくそういうことをしませんと、ただ重要な項目の一つだから防衛白書に書いておいた程度だと、こういうふうに理解しておいていいですか。
#188
○国務大臣(大村襄治君) ただいま防衛局長がお答えしましたように、防衛庁内にはそれを担当する機構は現在ないわけでございます。繰り返して申し上げますが、政府全体として取り組まなければいけない問題でございますので、その取り組み方が決まりましたならば、それに相応して防衛庁も協力をすると、こういうことになろうかと思いますが、その時期はまだ定かでございませんので、現在全くないということを申し上げたわけでございます。
#189
○山崎昇君 ないことだけわかったから、確認をしておきます。
 そこで最後に、本来ならこの中にあります各国の軍事力についてもいろいろお聞きしたいと思ったのですが、もう時間がなくなってきましたからやめることにしまして、最近、防衛をめぐります問題の一つに、鈴木さんが日米共同声明に調印をしまして以来、御存じのように、簡単な言葉で言うとシーレーンというのが大変大きな課題になってきているわけですね。そこで、このシーレーンをめぐります問題については、私もできるだけ専門家の本を読ましてもらったり、話を聞いたり、また資料等を集めて見せてもらったりしておりますが、おおよそで言えば、一番極端なのは海原さんですけれども、戦前もあんなことはやったことがない、できるわけがない。その他自衛隊の制服の皆さんの、大ざっぱでありますけれども、実際はあんなことできるわけではない、こういう意見が多いと思うんですが、一体、防衛庁はあのシーレーンというのは本当にやれると思っているんだろうか。まずここから私疑問なものだから、私は防衛は素人でありますから、防衛庁としてはやれるとお思いなのかどうか、まずお聞きをしておきたい。
#190
○国務大臣(大村襄治君) シーレーンは守れるかどうかというお尋ねでございます。この問題は、相当複雑多岐にわたる問題を控えておりますので、簡単に申し上げることはいかがかと思われるわけでございますが、とりあえず私の見解だけを申し上げたいと思います。
 近年、原子力潜水艦等の出現によりまして、航走速力、深度、潜航距離の増大等、潜水艦の能力向上には目覚ましいものがあることは申すまでもないところでございますが、他方、これに対応して対潜技術も劣らず発達してきております。とりわけ、対潜哨戒機の広域捜索、早期攻撃能力の向上などや、また水上艦艇の対潜ヘリコプター搭載等による対潜能力の向上には目覚ましいものがあると考えておりますので、これらの整備を進めることによりまして、対潜作戦をこれまでよりもかなり有効に維持していけるものではないかと、さように考えておるわけでございます。
 そこで、私どもといたしましては、防衛計画大綱に基づきまして、中期業務見積もりの所要の防衛力の整備を整えることによってシーレーンの防衛力を引き上げるように現在努力いたしているわけでございます。
 非常に簡単ではございますが、以上申し上げておきます。
#191
○山崎昇君 できるのかできないのかよくわからぬです、いまの答え聞いていたら。
 そこで、ちょっと、私も四、五時間でっかい声出したら疲れてきたから、まだ時間あるらしいけれども、もう二、三にしたいと思うんですが、全く私は素人でよくわかりませんが、軍事の専門家、そういう方々の意見を聞きますと、たとえば総理が言ったように、日本の周辺千海里ですか、あれだけのことをやるにしても、これは関野英夫さんという軍事評論家の説明によれば、小型空母が三隻要る、ミサイル潜水艦二十七隻、ヘリ搭載駆逐艦九隻、ミサイル駆逐艦十七隻、駆逐艦五十三隻、護衛艦三十隻、高速哨戒艇四十隻、まず最低これくらい要る。あわせてそれに航空部隊がつく。で、これらを五十五年度予算のベースで直して言えばざっと四倍。言うならば、GNPに占める防衛費というのはこれだけで二・七%ぐらいかかるであろう。これが一つの見解でありました。
 もう一つは、軍事科学研究会というところの説明によりますというと、海上自衛隊の護衛隊群を十七個に増強、主要艦艇総数百三十六隻。小型空母が十七、対空ミサイル駆逐艦三十四、多目的駆逐艦八十五、総経費三十兆円、年間GNP三%ぐらいだと、これだけでですね。これだけのものがなければ、あの総理の言ったあれだけのシーレーンさえやれないというのが、まあ私は素人でわかりませんが、話を聞けば、軍事専門家の言うことですね。
 一体こんなことが防衛庁でできるのかできないのか。それから、もしあれだけの海域を守ったとしても、それから先は一体どうなるんですかと、アメリカはそれは守れませんと、アメリカではですね。言うならば、海原さんじゃないけれども、シーレーンなんていうのは、そんなものは考えたってできる仕掛けのものではない。今日までそういうことによって沈められた船なんて余りないんだというのが海原さんの意見でもありますが、そういう意味で言うと、いま盛んに防衛庁長官が、まあ何が何隻とかといま言いましたけれども、一体本当に防衛庁はやれると思ってあなた方はやっているんだろうか。やれないものなら――また私は、いまの日本の財政事情からいってとてもやれる仕掛けのものではないんじゃないだろうか、こうも素人ですけれども判断されますね。
 それから、ここに私は運輸省で出しております海運白書というのを持っているわけですけれども、これは五十五年度の版ですが、日本に入ってくる船、詳細言いません、相当なものです。とてもこんなものをやれるだけの仕掛けなものではない。
 それからまた、さっき紹介しました制服の方々のいろんなものを読んでみると、戦前の商船というのは大体、船長さんとかそれから船員の皆さんは、予備士官だとかあるいは海軍の経験があるとかそういうことですから、たとえば軍艦と共同行動をとるにしましてもある程度のことはやれたという。いまはそんなことは全然できないから、護衛艦の一隻や二隻行ったところで、とてもではないけれどもできる仕掛けのものではない。これが偽らざる制服の皆さんの意見ですね、簡単に言って。
 それから、一番極端な意見は、元陸上自衛隊第九師団長三岡健次郎さんの考え方ですが、私はここで一つ言っておきたいことがある。ソ連の脅威があるから日本の国防をやらなければならないなんていう考えはおかしい。ソ連が脅威の場合もあれば、中国やアメリカが脅威になる場合もある。三十五年前は鬼畜米英、暴皮膚懲で、ソ連は平和の仲介として頼みになる友邦であったと思っていた。日本以外はみんな脅威だ。――これがまた自衛隊の制服の意見なんですなあ。やめたらみんなこういうことを書くんだ、やめたら。やめたらこういうことを書いて、いまの自衛隊では何にもならぬというような趣旨のことをいっぱい書くんですよ。制服の間じゅうは増強しなさい増強しなさいといっていろんなことを言う。
 私は大変本当に防衛庁長官に失礼なことばかり言っておりますが、できるだけ私は、防衛庁におった人とか、かつて制服だとか、あるいは軍事評論家だとか専門家だとか、そういう方々のものをできるだけ集めて日を通しているつもりでありますけれども、読めば読むほどいまの防衛庁のやっていることなんぞというのは一体何をしているんだろうかという気持ちにならざるを得ない。その集約がさっきの「法律時報」のああいう違憲論になってくる。
 いま幾つか私、一方的にしゃべりましたけれども、こういうことについて一体防衛庁長官、どうですか、やれますか本当に、三十兆円も五十兆円もかけて。
#192
○国務大臣(大村襄治君) シーレーンは守れるかという先ほどのお尋ねでございますので、確かに攻撃する相手側の潜水艦の性能も向上しております。また、前大戦においては船団護衛方式による対策が必ずしもいい成果を上げ得なかったという事実もあると思うわけでございます。しかしながら、日進月歩の最近の軍事技術をもってしますならば、先ほど申し上げましたように、哨戒機における広域の哨戒、深い海域における潜水艦の所在の探知技術、その後の通報等についても格段の進歩向上の跡があるわけでございます。また、それに相応する海上艦艇の性能の向上、またこれと密接な連絡を持つ航空機の整備等によりまして、必ずしも護送船団方式ばかりに依存しなくても海の護衛は達成することができるんではないかと、さように考えているわけでございます。当面は防衛計画大綱の範囲内で極力その能力の向上を図りたいというふうに考えておるわけでございます。
 まあ、いろいろな御意見があるようでございますが、それを全部やれば物すごく予算がかかるという計算も可能かと思うわけでございますが、私どもは現実に即して堅実に防衛力の整備向上を図っていかなければならない。また、そうでなければ、海外資源にもっぱら依存する日本の国の経済も国民生活も守ることはできない保のではないかと。そのために、必要最小限のものはどうしても備えていかなければならない。そしてその上で、日米安保条約もございますので、米国側との協力も求めながら万全の体制を備えていく必要があろうかと私は考えておるわけでございます。
#193
○山崎昇君 もうこれで私もやめますが、さっき冒頭に聞いたように、あなたはいろんなことを言うけれども、事前の演習の中身もろくにわからぬ、結果もろくにわからぬ。そして、あなたの許可がなければ場外着陸できないけれども、その許可受けたかどうかもわからぬ、参事官がいなければわからぬ、これでは私はもう防衛庁の責任者として全く遺憾だと思うんですよ。もう少し、庁内のあり方にも関係するんじゃないかと思うけれども、あなたに苦言を呈しておりますが、本当に防衛庁にもっともっと私は聞きたいことがたくさんありますけれども、いずれまた別な機会にさしてもらうことにしまして、きょうは防衛庁のそういうことに対する苦言だけ申し上げて、私の質問を終えておきます。
#194
○安武洋子君 では、私は人事院勧告の問題につきまして最初例質問申し上げたいと思います。
 まず、前提としてお伺いいたしておきますけれども、けさ官房長官がお越してございました。官房長官の御答弁を伺っておりますと、仲裁裁定につきましては、これはあたりまえのことですけれども、完全実施という基本的な方向が出たというふうなことで、遅まきとはいえ、これは一応結構なことです。ところが、人事院勧告については全く進展をしていないというふうなことで、この人勧について触れられていないということにつきましては、これは私は後で御質問を申し上げたいと思います。
 ところで、仲裁裁定の基本的な方向、完全実施の方向が出たというふうなことの中で、これは公務員二法の審議の決着を見守りながらなどというふうなことが言われておりますが、これはもちろん国会運営を行っております各党間の話のことでございまして、このことを私は長官に御質問をするというふうなことをしようとは思ってはいないわけです。しかし、公務員二法といいますと、当参議院の内閣委員会で審議をいたしております退職手当の削減をする法案、これが関係しているということは、これは私が申し上げるまでもないことなんです。
 長官は当委員会でこの趣旨説明を行われたわけでございますし、現在この審議が進行いたしておりまして、私もいまからその審議に参加をさせていただこうと、こう思っているわけでございますが、この審議に当たりまして、この法案は賛成する会派それから反対する会派、もちろんございます。しかし私どもは、この審議を進めるに当たりまして与野党、賛成する会派も反対する会派もよく話を行いまして、その合意に基づきまして現在一定のルールに基づいて審議を進めております。
 この合意というのは、たとえば審議の順番を決めております。それから質疑の時間はそれぞれ要求をいたしておりますけれども、一応一巡というのは、反対党の議員というのは要求時間のうちまず四時間をめどにやっていこうというふうなこと、それから賛成なさっている会派は、一時間の要求の会派もございますし、二時間のところもございますが、その時間はおやりになっていただこうというふうなことで審議を尽くそうといたしておりますし、長官とそれから要求する大臣さえ来てくだされば、私どもは一日石、六時間の常識的な時間の範囲内で審議を尽くそうというふうに言っているわけで、延々と審議をやろうというふうなことではございませんし、私も質問要求いたしております時間というのはわずか六時間でございます。その第一巡目は一応四時間ということで一巡しようという、この合意も達しておりますし、きょうは大体一時間前後ということで御質問に立っているわけです。そして、一巡をいたしましたその時点で、反対党の質疑、要求いたしておりますから、私なら一応六時間ということで残時間があるという点は一応確認するという、ここまでの合意には達しているわけです。この合意に基づきまして私どもはまじめに審議をしていると思います。ですからこの法案は、私は賛否を問わずに、やはり問題点についてはすべて明らかにしていくというのは、国会議員としましてはこれは国民から審議を尽くせという負託を受けているわけですから、は国民の負託にこたえるということで当然のことだと思っているわけです。
 そこで、ここからは長官への御質問になりますけれども、長官は、この私どもの参議院の内閣委員会に退職手当の削減法、これを趣旨説明なさったということで、こういう法案が私どもが合意に基づいて一定のルールに基づいて審議を尽くしているということについては、やはり審議を尽くされるべきだというふうな立場を私はおとりになると思うんですが、基本的な長官の御姿勢をまず最初に伺っておきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#195
○国務大臣(中山太郎君) 民主主義の中で、国権の最高機関である当参議院の運営につきましては、委員長初め各派の理事の方々の御決定により議事進行されているわけでございますので、その点について政府としてとやかく申し上げる立場じゃないと考えております。
 ただ、審議が十分尽くされることはもとより望ましいことであると考えております。
#196
○安武洋子君 当然とは言いながら、結構な御答弁をいただきました。
 それで、次に人事院勧告についてお伺いをしてまいります。
 人事院勧告については、先ほども一言このことに触れられていないというふうなことで申し上げたわけですけれども、仲裁裁定はなるほど完全実施の基本的な方向が示された。人事院勧告について触れられていない理由につきましては、これは官房長官のけさほどの御答弁は、ひとつ臨調の抑制方針が出ているんだと、しかしながら、それは出ているけれども、いままで慣熟した制度によって労使間がスムーズに来たと、保たれてきたという歴史もあるんだと。それからまた、一方には財政的な面で大蔵大臣の方から、経済の動向を見きわめなければならないし、財政収支の見通しも立たないしと、そういうことで相当期間の検討も要するんだと。しかし、実施については誠実に努力をしたいと。
 何だかもうちょっとよくわかったようなわからないような御答弁があったわけですが、ここに官房長官がいらっしゃらないので、その点について私は御追及をするということではありませんけれども、私は、今度のこの人事院勧告というのは、公務員が民間に比べて給与が低いからその分だけ是正しようというふうなことで、これはいま審議をしている退職金に、何度も出ておりますけれども、非常に深い関連を持つわけです。ですから私は、削減をすることだけを先行してどんどんどんどんやっていくというふうなことはやっぱりおかしいと。是正をするということにはさまざまな理屈がつくというふうなのは片手落ちであると。だから、こういう退職手当の削減を審議をしていく前提条件が整っていないから、こういう審議には入るべきでないということをいままで主張はしてきたわけです。
 そこで、私はお伺いをいたしておきたいわけですが、この仲裁裁定は完全実施の基本的な方向が出た、人勧は全然このことに触れられていなくて、まだ相当期間云々という官房長官の答弁もあったというふうなことで、私は人勧の勧告者である藤井総裁にまずお伺いしたいわけですけれども、一体このような事態をどのように見て、どういう御感想をお持ちなのかということをまず藤井総裁にお伺いし、次いで、その勧告を実施するお立場にある担当大臣の中山総務長官の御見解も伺っておきたいと思いますので、お二人の御答弁を求めます。
#197
○政府委員(藤井貞夫君) 人事院勧告の性格なり何なりについて大変いろんな方面で御激励なり御指摘をいただいておりますことでもありまして、私といたしましては、事改めてここで云々することはあえて差し控えさしていただきたいと思いますが、基本的に申せば、ことしの場合におきましても、給与に関する人事院勧告というのは、従来のペースに従いまして官民給与について較差があればこれを埋めていただくというのがその本来の趣旨でございます。したがいまして、本年も精細に官民の比較をいたしました結果較差が出ましたので、これをひとつ埋めていただきたいという結論に到達をいたしまして、去る八月七日に勧告を申し上げたのでございます。しかもこの勧告については、これを、勧告の趣旨からいって当然に御尊重いただかなければならぬからして、この勧告の趣旨を実現するために早急にひとついろんな措置を講じていただきたいということも申し上げておる次第でございます。
 これからの取り扱いについては、内閣なりあるいは国会に対して勧告をいたしておるわけでございますので、いろいろな御事情を踏まえて処理をしていただくという従来の慣行になるわけでございますが、人事院としては、あくまで勧告でございますからして、これを完全にひとつ実施をしていただきたいということと、できるだけ速やかに四月にさかのぼってということでございますので、おくれればおくれるほどそれだけ公務員の立場から見れば不利になることですから、できるだけ速やかにこれを実施に移していただくようにということは繰り返しいままで申し上げてきた次第でございます。
 そういう面から言いますと、私は、やはり仲裁裁定と人事院勧告との取り扱いについて、なるほど従来のいきさつというものはございましょう。この案件については、先般の国会ですでに付議されておったというようなことがございます。その背景にはいろんな事情がございまして、私がとやかく言うべきことではございませんが、そういう手続上の相違点はむろんございます。ございますが、私は、やはり仲裁裁定と一般の公務員についての給与の勧告というものは、その制度の仕組みというものこそ若干の相違はございますけれども、しかし仲裁裁定どこの勧告というものは実質的には同じ意味を持つものでございまして、これはやはりあくまでも完全実施のために諸措置を従来どおりに講じていただきたいという基本線は譲るべきではないし、当然これは御尊重いただかなければならぬ。そのために一日も早くひとつ御結論を出してやっていただきたいということを念願をいたしておるのでございます。
#198
○国務大臣(中山太郎君) 総務長官といたしましては、八月二十五日の行財政改革に関する当面の方針を尊重するという閣議決定、またこの逼迫した国の財政状態、しかし一方においては慣熟した十ヵ年にわたる労使の安定した環境、こういうものを維持していかなければならない。こういうふうないろんな諸条件の中で給与関係閣僚会議をすでに二度開いておるわけでございますが、第二回の給与関係閣僚会議における大蔵当局の説明に、今年度のいわゆる税収状況というものの見通しが全く立たないという段階では、給与のいわゆるベースアップ率というものをここではっきりと決定するわけにはまいらない。そういうことで、すでに一ヵ月近く日数がたっております。そういうことで、私といたしましては適当な早い機会に第三回の給与関係閣僚会議の開催を要求いたしまして、その後の国の財政状態、税収状態を大蔵当局から説明を求め、誠意を持って安定した労使関係の維持に努めてまいりたいと考えております。
#199
○安武洋子君 その第三回の給与担当大臣のあれはいつ大体予定なさっていらっしゃるんですか。
#200
○国務大臣(中山太郎君) ただいま各方面と連絡中でございます。
#201
○安武洋子君 臨調答申というのは、公務員のなるほど給与の抑制を打ち出しております。しかし、臨調臨調と申しますけれども、この臨調というのは一諮問機関にすぎないわけですね。私は、いまも財政の問題をおっしゃいましたので、財政の問題は後で反論申し上げたいと思いますけれども、いまの政府の姿勢といいますのは、私は臨調答申を何だがわが国の最高の決定機関の決定でもあるような、そういうふうな扱いをなさっていらっしゃる向きがあるのではないか。まるでにしきの御旗にしようとしてなさるような節がないとも思えないわけです。これはおかしなことだと思うわけですね、一諮問機関なのに。
 今回の給与の改善計画といいますのは五・二三%です。ところが、五十五年度の消費者物価の上昇率というのは七・八%です。物価上昇率にも追いつかぬわけですね。所得減税もなされておりません。そうすると実質賃金は、改善がたとえなされたとしても、これは目減りをするわけですよね。だからこそ、先日の新聞報道にも出ておりましたけれども、これは文部省の本省の四十歳の係長のお方です。このお方は四等級の九号俸ですか、本給が二十一万五千円と、諸手当はつくが、共済年金の掛け金や税金、官舎の家賃などを引くと手取り十八万円余り。これで妻と三人の子供を養うのはぎりぎりと。これは、私は客観的に見ましても十八万円余りで妻と三人の子供、御自分も入るわけですから、五人の生計を維持するというのはまさにぎりぎりだと、決して楽な生活とは思えないわけなんです。こういうふうな現状。一部の特権官僚の方、こういう方は論外です。しかし物価上昇にも追いつかぬ改善計画であると、こういうふうな状況の中で臨調が抑制せよと言っている。それで私は、こういう抑制を一体本当に正しいと思っておられるのか、こういうことを長官に重ねてお伺いいたします。いかがなんでしょうか。
#202
○国務大臣(中山太郎君) 臨調の答申を正しいと思っておるかどうかというお尋ねでございます。第二次臨時行政調査会は、国権の最高機関である国会――衆参両院におきまして議決をもって設置が決められた機関でございまして、その法文には、臨調の答申は内閣は尊重しなければならないと、こういうふうに明記されておりますので、政府としてはその答申に対してはこれをやはり無視するというわけにはまいらない、国会に対するそれは大変な批判になろうかとも考えております。
#203
○安武洋子君 確かに設置は国会で決定はいたしております。当参議院の内閣委員会にかかってまいりました。しかし、この臨調の答申の是非をやはり政府としてはどう踏まえるかということは私は重要な問題だと思います。といいますのは、いまも申し上げたように、改善をされたとしても実質賃金は物価上昇にも追いつかないわけですよ。そして所得減税がなされないから目減りしていくということがはっきりしている中で、なぜ抑制をしなければならないんだと。それがいまの家族を養うのに十分であるというなら、それはそういうことがあるかもしれません。しかし私は、ここに一つの例を挙げたように、十八万円余りで家族五人の生活を維持していくというのは、これはだれが見ても客観的にぎりぎりではないか、これでなぜ抑制をしなければならないんだと、論理が合わないじゃないかと、公務員の実態を反映していないではないかと、こういう臨調の答申というのは。そういうことをお伺いしているわけなんです。
 それで、ことしの一月の国公労連のアンケートもあります。これは七千三百余名のアンケートなんですね。ここで暮らし向きについてアンケートをとっておりますけれども、暮らし向きが苦しいと答えた人が七四%です。この七四%という数字は、七七%の人が給与が二十五万円以下というんです。だからこの暮らし向きが苦しいという人は、二十五万円以下七七%いるこの人たちの数字とほぼ見合うということになるわけですね。そうすると、いま大体一世帯の平均収入三十万というふうなことが言われている中で、こういう公務員の人たちは共働きや内職や家族の収入を加えて生活をしなければならないというところに追い込まれているからこそ、去年に比べて内職とかあるいは家族の収入を加えて暮らしておりますという人が三・四%もふえているわけですね・
 こういうふうな一般公務員の生活実態というのは、私は民間労働者がいいとは言いません、でも、民間労働者に比べて決して楽であると、こういうことにはならない。民間労働者に比べて公務員が高いというふうにならないと思うんです。この点、人事院総裁それから総務長官にお伺いをいたします。
#204
○政府委員(藤井貞夫君) 民間よりも高いというようなことは私は言った覚えもないし、そういうふうには考えておりません。やはりせめて民間並みの給与は公務員については保障してほしいという一貫した観点から毎年の勧告を申し上げておるつもりでございます。
#205
○国務大臣(中山太郎君) 先生から、昨年の消費者物価指数上昇率七・八%、人事院勧告は五・二三%、これではとてもやっていけないということでございますが、勧告につきましては、これは人事院の中立機関という立場でのことでございまして、総理府としてはその計数についてとやかく批判する立場にはない。ただ、政府といたしましては、決して民間よりも安いということじゃなくて、民間準拠ということが人事院の基本的精神であると承っております。
#206
○安武洋子君 だから、民間よりも公務員がいま安い、賃金ベースが低いということだからこそ人事院の勧告が出ているわけなんですよね。それだから、人事院総裁がいまお答えになったように、民間より公務員が高いと言ったことはないと、せめて民間並みにということで勧告をしているんだというお答えが出たわけです。
 だから私は、臨調の答申で公務員の給与を抑制せよというのは何だと、せめて民間並みにと。私はこれでも民間並みにまだならないよとは言っておりますけれども、百歩譲って人事院勧告を実施して民間並みということであれば、なぜこの臨調が抑制方針を出すんだと。そのことを政府はにしきの御旗として掲げて公務員の賃金の抑制というふうなことをやろうとなさるのか、全く解せない。そのことを長官にお伺いいたしております。もう一度御答弁願います。
#207
○国務大臣(中山太郎君) 政府は臨調がけしからぬというふうには言えない立場にございます。それは、先ほど申し上げましたように、国民の代表される国会で臨時行政調査会の設置法というものが成立をし、その中に政府はこの臨調の答申を尊重しなければならないというふうに法文で明記されております以上は、政府はそれを尊重しなければならない義務と責任が生じておる。そういうことで、それをかぶって政府はただいま作業しているわけでございまして、そこですべて政府が最終決定をするわけではございません。先生も御案内のように、いろいろと給与関係閣僚会議で協議を続けまして、一応の成案ができましたならば給与関係法の一部改正法案を国会に提出さしていただいて、国民の代表のいらっしゃる国会で改めて御審議をいただいて御決定をいただかなければ給与の決定ができないわけでございますので、私どもの立場も御理解を賜りたいと考えております。
#208
○安武洋子君 答申を尊重するというそのことと、そのとおり決定をしていくということと、これは違うわけですよね。ですから、私はいまの論理としては、公務員の方が給料が安いんだ、人事院勧告で給料をせめて民間並みにしなくちゃならないんだ、こういう状態にあるということを踏まえていただいて、いやしくもこの臨調のところで出ているから公務員の給与抑制、人事院勧告を不当に値切っていくんだという姿勢を示していただいては困るということを強く申し上げておきます。
 国民が何だか公務員に批判を持っているんだとかいろんなことを言いますけれども、国民の批判というのは、公務員といってもこれは一部の特権官僚ですよ。高額の退職金を受け取っていくとか、こういう人たちね。それから、そういう人たちの政界、財界への癒着、汚職、いままでもいろいろありました。近ごろでは教科書汚職などもはっきりさせてほしいとか、そういう国民の要望というのはいっぱいあるわけです。ところが、それがあたかも何だか一般公務員全部にすりかえるというふうなことがやっぱりやられてしまっているんじゃないかというふうに思うわけです。
 大部分の一般公務員というのは、これはまじめに仕事をしていますよ。まじめに仕事をしておれば、賃金というのは私は必ずしも民間に準拠して云々というそういう論は持っていないんです。これはまた後々申し上げたいですけれども、やっぱり賃金というのは、これは憲法に保障されたように、健康で文化的な最低限度の生活を保障するそういう賃金を支払わなければならないというふうに思っているわけなんです。
 賃金論ということはさておきましても、七四%が暮らし向きが苦しいと訴えるような状況。こういう人たちは、暮らし向きが苦しいから何とか賃金を上げてほしいと思ってもスト権がないわけですよね。こういうものを奪っている。労働基本権を奪っている。そして、その代償措置として人事院が設けられている。しかし、この代償措置の人事院の機能を発揮させない状態が続いているということは実にゆゆしい。いまの公務員の生活実態から見てもこれはなおざりにできないと思うわけです。こういう点、一体いかがお考えなのでしょうか。
#209
○国務大臣(中山太郎君) 決して人事院の勧告をなおざりにいたしているとは存じておりません。昭和四十五年以来、ずっとこの完全実施をやってまいったわけでございまして、それで労使関係が安定をして日本の社会の発展に大変な寄与が行われたと、これはもう明白な事実でございます。私どもとしてはできるだけそのような安定した労使関係を今後とも維持したいと、そういうことで、国の歳入状態が一体どうなっているのかということをまず検討をし、確かめた上でなければ政府としては責任のある決断が下せないというのが今日の現状であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#210
○安武洋子君 財政の問題については後ほど申し上げますが、しかし人事院をなおざりにはしていないと。それで、その代償機能を完全に発揮させてこそいままで完全な安定した労使関係が保たれてきたということであれば、私はこの人事院勧告は値切りなしにできるだけ早期に実施をしていくと、こういうことで確認はさせていただいてよろしゅうございますね。
#211
○国務大臣(中山太郎君) やはり、すべて国の財政というものを無視して、これを全部人事院の勧告どおり直ちに政府で決断をするというふうにはまいりません。昭和四十五年の完全実施に至る経過を見ましても、その間完全実施のできなかった一つの歴史は、すべて国の財政事情が非常な困難な状態にあったために完全実施をできなかった。昭和四十五年の議事録を拝見いたしましても、当時の政府の答弁あるいはまた質問者の御質問、そういうものを踏まえましてもその間の事情が明白に物語っておるのでございまして、私どもといたしましては、財政事情が許せばそれはもう人事院勧告の完全実施ということは本来われわれの方でぜひやらなければならないというふうに考えていることには変わりがないのでございます。
#212
○安武洋子君 財政は後で申し上げます。まあ、それでも一言で言えば軍事費ぐらい削減すれば簡単なことだと、一言で申し上げますがね。
 そこで、ちょっと観点を変えます。これは山地人事局長さんにお伺いをいたしますが、以前国鉄においでということで三公社五現業の職員の労働条件にもお詳しいと思います。
 そこでお伺いいたしますけれども、三公社五現業の職員とそれから一般職の公務員の労働関係ですね、現行法上の相違というのは一体どんなところなんでしょうか。
#213
○政府委員(山地進君) 国家公務員は、団結権それから交渉をするということが国家公務員法上許されておりますが、団体協約締結権というものはございません。それに反しまして三公社並びに五現業におきましては、国家公務員の持っている権利のほかに団体交渉の結果、協約締結権まで持っているということが一番の違いかと思います。ただし、両者とも争議権はないということでございます。
#214
○安武洋子君 いま御答弁のように、三公五現の場合、これは第十七条で争議権は剥奪をされております。そういう代償措置ということで、代償措置というのはそういう争議権を結局制約しているということで存在をするということですから、制約が多ければ多いほどそういう代償措置というのは十分に機能を発揮させなければいけないというのは、これは理の当然だろうと思うわけです。それでなければ何のための代償措置だということになりますので。いま御答弁になったように、片方の三公五現、この争議権がないということは私はけしからぬことだとは思っておりますけれども、しかし一般職の公務員、これがさらにまだ締結権もないというふうなことで制約が多いわけですね。そうすると、代償措置というのはより働かさなければならないということになるわけです。ですから、現在の労働基本権の代償措置の人事院勧告それから仲裁、この均衡状態というのは崩すべきではないというふうに私は思います。そういうことで、一応人事院の御見解と総務長官の御見解を伺っておきます。
#215
○政府委員(藤井貞夫君) これは先刻の御質問に関連して申し上げましたとおり、いろいろ制度の仕組みというものにつきましては若干の相違はございますけれども、しかし、その物事の本質というものについては、私はやはり仲裁裁定というものと人事院勧告というものは実質的には同一のものであるという理解に立っております。また、事実上そういう認識がありますればこそ従来まで同じ取り扱い、同一レベルの取り扱いがここ十年以上の慣例になっておるものである、それがまた非常に正しい取り扱いだというふうに信じております。
#216
○国務大臣(中山太郎君) 三公五現の仲裁につきましては、政府はすべて国会の御判断にお任せをしておるというのが現状でございます。これは、もう政府の手をいま離れた形での御審議の経過を、私どもとしてはどういう結果が出るか、それを政府が忠実に実行するという責任を持たされている。一方、人事院勧告につきましては、給与関係閣僚会議を早急に第三回を開いて、誠意を持ってこの問題の解決のために努力をいたしていくと、こういうのがただいまの状況であると存じております。
#217
○安武洋子君 それは現状であり、経過であるわけです。
 私がお伺いしているのはもっと基本的なことで、争議権を剥奪していると、その代償措置として、労働協約の締結権それから団体交渉権はあるけれども、争議権がない。それから片方は締結権ありませんね。こういうふうに、こういうものを奪った代償措置として人事院があり公労委がありというふうなことであれば、私はいまのところこういう均衡を崩すべきでないと、同じような代償措置なんだからこういう均衡状態は崩すべきでないということをどう思われるかということをお伺いしている。
#218
○国務大臣(中山太郎君) どういうふうな結論がこの両者の間に結果として出てまいるか、私としてはまだ予測をいたす段階に達しておりません。仲裁の率にいたしましても人事院勧告の率とは少し違いもございますし、そこらはやはり非常に似通ってはおりますけれども、その歴史から見ておのずから違いというものがそこに厳然として存在しているであろう、このように理解しております。
#219
○安武洋子君 そうはおっしゃっても、労働基本権の代償措置であるという、その一番基本的なところは変わらないわけです。変わらないなら両者は均衡を保たれるべきだと、これは理の当然ではありませんか。もう一度御答弁ください。
#220
○国務大臣(中山太郎君) 均衡を保つと申しますか、いろいろとその算定基準のやり方等につきましても、人事院は人事院でおやりでございますが、大体例年の経過を見ますと均衡していると私は判断をいたしております。
#221
○安武洋子君 代償措置があるわけですからそれを機能させるべきだ。いまのところ、片方は基本的な方向を打ち出して機能したと、片方はまだ機能していないから昇急に完全に機能をさせるべきだと、私はそういうことをさっきから繰り返し申し上げているわけです。
 財政財政とおっしゃいますので、財政の問題を申し上げますけれども、この給与改善費の当初予算といいますのは、一九六九年から七八年これは五%組んでございました。それから七五年には二・五%です。八〇年には二%、それから八一年には一%と、これは全く年々低くなっているわけですね。予算編成どきの経済見通しの中で消費者物価の上昇率、これは八〇年度は六・四%と、こういう見通し立てておられます。ところが人件費の改善予算というのは二%。八一年はもっとひどくて、消費者物価の上昇率の見通しに対しまして――これは五・五%ですけれども、一%と。ということは、人件費の引き上げを事実上組んでいないと言われても仕方がないと思うんです。
 それで、私は総務長官にお伺いいたしますけれども、予算編成当時の閣議で一%と、こういうことを組むのを黙ってお見過ごしになったんでしょうか。
#222
○国務大臣(中山太郎君) 御指摘の点は、きょう御指摘いただくまでもなく、給与担当大臣としては、予算編成方針閣議におきましてこの一%の点についてこれをどう扱うという確認をしておることは翌日の新聞にも報道されているところでございます。政府といたしましては、その後の経済の状態あるいはまた税収の状態、人事院勧告が八月に出るという時点で給与関係閣僚会議を開き、例年どおり十分誠意を持って対処するという方針を堅持しておるのでございます。
#223
○安武洋子君 その席上で、担当大臣である総務長官は一%についてどういう態度をおとりになったのでしょうかと御質問を申し上げております。
#224
○国務大臣(中山太郎君) 重ねてのお尋ねでございますから重ねて申し上げますが、消費者物価の上昇傾向、それから今年度の予算編成方針における人件費の伸び率一%というもののアンバランスというものはどう考えるべきであるかと、これについては配慮をどういうふうにされるかということは、私はすでにその時点で確認をいたしております。その結果といたしまして、例年の一つのパターンとして、国の次の年度の税収状態、あるいはまた何と申しますか民間のいわゆる給与の引き上げの実態というものが、四月のベースアップによって初めて人事院は調査機能を活動して政府に勧告をするわけでございますから、その勧告を見きわめた上で誠意を持って安定した労使関係を維持するように努力する、処理をすると、こういうことで今日に至っていると御理解いただきたいと思います。
#225
○安武洋子君 物価が五%から六%も上昇すると、こういう見通したと。そして人件費の改善予算は一%だと。こういうことであって、いま人事院勧告を実施しないその大きな要件として、財源の見通しが立たないとか財源がないとか、それから税収の見通しが立たないとかというのは私は逆立ちした理論だと。これは公務員の当初から給与を抑制するというふうな、やっぱり改善は引き延ばすというふうな意図的な予算のやり方だと、いろいろおっしゃいましたけれども、私は言われても仕方がないんじゃないかと。やっぱり少なくとも消費者物価が上昇するという見通しをお立てなら、それに見合う人件費の改善措置を含んだ予算にしていく努力をやられるべきだというふうに思いますよね。ですから総務長官、私は人件費の改善措置を含んだ予算編成、これに改めていくべきだというふうに思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
#226
○国務大臣(中山太郎君) 昨年、五十五年度の予算編成の際は二%の予算編成をしたわけでございます。その当時二%の予算を組んでおりましたが、人事院勧告は四・六一%出たわけでございます。人事院勧告が出ました後、直ちに昨年は給与関係閣僚会議を開きましたが、やはり税収状態というものが非常に芳しくないと。しかし、とにかく何とかして労使の安定した関係を維持するためにもできるだけ完全実施をするよう誠意を持ってやらなきゃいかぬと。こういうことで回を重ねまして、第四回の給与関係閣僚会議でやっと税収の見通しが見えたと。これで安心してこの人事院勧告四・六一%の完全実施ができるということで政府は決定をし、給与法の一部改正法案を国会に御審議をお願いしたと。それが昨年の十月二十八日、つまり今年で言えばあすになるわけです。
 ことしは去年に比べて経済状態が悪いわけでございまして、そういう中で、政府はただいま公務員諸君の生活安定のために誠意を持って努力を続けておるということをひとつ十分御理解をいただきたいと思うのであります。
#227
○安武洋子君 御努力のほどを否定したりとか云々じゃないんですよ。私は、最初から消費者物価の上昇率に見合った人件費の改善措置を含んだ予算編成を努力なさるべきではないかと。それでなければ、後で、二%しか組んでないのに四・六%の勧告が出たと、だから四回もいろいろして、努力したんだと。これはやっぱり逆立ちになってしまう。物価上昇が五%なり六%あるというふうに見通されるなら、人件費の改善予算も当然これぐらいだということでめどがつくわけですから、そういう予編算成に改めていこうというそういう努力の方をなさるべきではないか、その点はいかがでしょうかと申し上げております。
#228
○国務大臣(中山太郎君) わが国は自由主義経済の国家でございまして、計画経済をやらないということが基本的な国の経済組織でございます。ただいまの自由民主党政府の経済運営でございまして、私どもといたしましては、あくまでもこの経済活動を活発にやっておられる民間のいわゆる景気による給与の状態が労使の間でどのような形で話し合いがつけられるのか、四月のベースアップがどうなるかということを一応決定の後の人事院勧告というものをつかまえて、政府としては最も筋の通った努力をしなければならない、こういうことでございますから、どうかひとつ計画経済下にないということだけはよく御理解をいただきたいと思うのでございます。
#229
○安武洋子君 おかしいです。物価の上昇の見通しは立つと。物価は上昇していく、それよりも以下に公務員の賃金を抑えろというのなら別ですけれども、物価の上昇の見通しの計画はちゃんと大体立てると。なら、やっぱり人件費の改善計画はそれに見合って立てるべきですよ。こんなのは計画経済だ云々だというふうなむずかしい論議をやらなくたって、これは常識的な問題です。ですから私は、こういう姿勢でなくて、本当に公務員のことを思われるなら、いまの苦しい公務員の生活、やっぱり物価上昇率に見合った人件費の改善ということは頭に置かれて予算は編成していくというのがこれは常識的。そして私は、ここでもうこんな論戦をしておりましたら時間食うばかりですから次に移りますけれども、ここで、人事院勧告については早期に値切りなしにやっぱり先ほどの努力をうんとやっていただいて実施をしていただきたい。そのことでもう一度ちょっと御答弁を求めて次に移ります。御答弁を願います。
#230
○国務大臣(中山太郎君) 改めて政府の姿勢に対してお尋ねでございますが、昭和四十五年以来の一貫したわが自由民主党政府の誠意のあるこの歴史的事実をひとつよく御認識をいただきたいと思います。
#231
○安武洋子君 ということであれば、もう値切りなして早期に実施をいただけるというふうに解釈をして、次に移ります。
 去る十月の十五日でございますが、当委員会で私が人事院勧告の問題でやはり御質問を申し上げました。そのときに、法制局長官が御出席でございまして、このときの御答弁の中に、政府の考え方というのは基本的には最高裁と同じだというふうな御答弁がございました。この点、総務長官、相違はなさらないと思いますけれども、政府の考え方というのは基本的には最高裁の判決と一緒だというふうなことで間違いございませんでしょうね。確認をさせていただいておきます。
#232
○国務大臣(中山太郎君) 最高裁の判決と同様でございます。
#233
○安武洋子君 では一般的な意味でお伺いをいたします。これは局長さんにお答えいただいたらいいです。
 これは一般的な意味で、最高裁の判決といいますのは、たとえば人事院の公平審査の判定とかそれから下級審の判決とか、あるいは公労委の命令とか、こういうものがありますけれども、こういうものよりも優先をいたしますね。
#234
○政府委員(山地進君) いろいろの争いというのは、最後まで争われれば最高裁までいかなければ決着を見ないという意味では、最高裁が一番最高の権威があるものであるということは御説のとおりであります。
#235
○安武洋子君 では、退職手当法のいままでの審議をお聞きしておりますと、退職手当の性格につきましていろんな御議論がされておりました。この中で、退職手当の性格については報償的な性格を有するという御答弁、あるいは賃金の後払い的な性格があるとか、それから老後の生活保障的な性格の側面もあるとかというふうな御答弁をなさっていらっしゃいます。何か九つの学説があるとかいろいろありますけれども、そこで私は聞きます。
 この退職手当金の法律上の性格は何なんでしょうか。
#236
○政府委員(山地進君) 退職手当金と一般的に言われる場合のものでございますと、まずは民間も含めての議論というのがあるわけでございまして、退職手当が賃金に入るのかどうかという点については、これは労働省の方の二十六年あるいは二十三年の通達というのがございまして、これは就業規則あるいは労働協約にある場合にはそれが賃金であるというふうなことが決められております。したがって、それは請求権がなければ賃金と言えないという意味でそうなっているわけでございまして、労働基準法の八十九条には、退職手当を就業規則に定めをした場合にはそれを届け出るというような規定がございます。したがって、退職手当そのものが何か請求権を発生させるというふうには一般的には考えられてないというのがまず前提にあろうかと思います。
 そこで、今度は公務員の場合はどうなのかといいますと、退職手当法というので退職手当の支給要件というのが全部法定されております。したがって、それについては請求権があるという意味では、これは賃金その他の給与という観念に入るのではないだろうかと思います。
#237
○安武洋子君 私は、いま公務員等の退職手当法に基づいてこの審議をしているわけですから、もちろん国家公務員等退職手当法云々のことでお伺いをしたわけで、民間でお伺いをしたわけではないわけです。ですから後の御答弁でいいわけですが、ここに私は一つの判例を持ってきておりますが、四十三年の最高裁は、「国家公務員等退職手当法に基づいて支給される一般の退職手当は、労働基準法第一一条所定の賃金に該当し、」と判決で述べております。その理由として、「退職した国家公務員等に同法八条に定める欠格事由のないかぎり、法定の基準に従って一律に支給しなければならない性質のものであるから、その法律上の性質は労働基準法一一条にいう「労働の対償」としての賃金に該当し、」と、こう明確に労働の対償としての賃金と述べているわけです。すなわち、退職手当金の法律上の性格というのは賃金であるということで、これはさっきの御答弁と一緒だと思いますので、もう一度確認しますが、よろしゅうございますね。
#238
○政府委員(山地進君) ただいまお読みになられたのは、国家公務員の退職手当の債権を譲渡することができるかということについて争われた最高裁の文言であろうかと思いますが、その文章の中にそういうことが入っていると、私はこの意味は、退職手当というのが国家公務員等退職手当法に基づいて請求できるという点から考えて、労働の対価としてその法律上の性質は労働基準法に言う労働の対価としての賃金に該当しているということを言っているんだろうと思います。
#239
○安武洋子君 だから、法律上の性質というのは賃金であると、最高裁の判決であるから政府の姿勢はこれと変わらないということで先ほど確認をさせていただいたので、こういうことで話を進めていきます。
 とすると、公労法の第八条です。これは、賃金は団体交渉の適用の範囲であるはずなんですね。このことは御否定なさいませんね。
#240
○政府委員(山地進君) 公労法の八条に「賃金その他の給与」でございましたか、そういう規定があって、その他の賃金、その他の給与そのものは、いまおっしゃったように一般的な退職手当も含むというところまではそのとおりだろうと思うんでございますが、しかし退職手当そのものが国家公務員等の退職手当法で決めている場合にはこれは判断の余地がございませんから、その支給についての法律で決められていないことについてもしあるならば、それは公労法上の退職手当の扱いとして何らかを交渉をする余地はあるわけでございますが、額そのものを決めているので、法律で決めていることについてここで議論すると、団体交渉の対象になるということはあり得ないと、かように考えております。
#241
○安武洋子君 いま、そんなことをお伺いはいたしておりません。いま何をお引きになったかというのも大体わかりますけれども、退職手当金というのは、いまも申し上げたように法律上の性質というのは賃金であるということであれば、退職手当金は団体交渉の範囲ということになると、このことは御否定なさいませんでしょう。もう一度伺います。
#242
○政府委員(山地進君) 最高裁の判断というのは、先ほど申し上げましたように、法律上の性質はどうだということを言っているのと、法律の適用に当たってすべての法律で賃金と読むということとはやはり違うんじゃないんだろうかと思うわけでございまして、公労法の八条に言う「賃金その他の給与」という観念に退職手当ということが入るというところまではそのとおりだと思うわけです。ただし、これは法律がなければ団体交渉の対象になる、しかし片方で法律で決められていればそれは対象にならない、こういうことだと思います。
#243
○安武洋子君 公労法には退職手当を交渉の範囲から除くという規定はありますか。
#244
○政府委員(山地進君) 明示の規定はございません。
#245
○安武洋子君 では、最高裁で退職手当が交渉の範囲でないという判決はありますか。
#246
○政府委員(山地進君) 最高裁の判決でそのようなものは私は寡聞にして知りません。
#247
○安武洋子君 いま私は、これは額についてここのところに日本電信電話公社の、これは……。
#248
○政府委員(山地進君) 三十四年。
#249
○安武洋子君 御親切に――三十四年十二月十五日なんです。これは確かに私も知ってはおります。しかし、一番最初に確認をいたしましたように、こういうものよりも最高裁判決が優先をするということは御答弁になりましたでしょう。そして、いま三十四年十二月十五日云々だとおっしゃいましたけれども、最高裁判決の方がはるかにこれが後なんですよね。そういう事実もあると、最高裁判決は昭和四十二年だと。この公労法の制定ときには退手法はすでに制定をされているわけです。ですから、退職手当を、交渉対象から除外するなら除外規定を設けるべきなんですね。
 こういうことになってまいりますと、退職手当の割増率とか減率、こういうことについては、これはいまから法に明文するわけですから、法定されているこの額をいまから変えるわけですから、団体交渉をやらなければいけない、私は明確にこの範囲に入ると思いますが、いかがですか。
#250
○政府委員(山地進君) ただいまの御質問の趣旨は、法律で決める場合に、その法律事項が、法律で決めることが決める前の団体交渉事項であるかどうかという御質問でございましょうか――要するに、法律で決められていることを団体交渉で違うように決めるということは法律と違う決定をするということになるわけでございまして、これは法律で退職手当というのを支給額を決めている以上、この法律で決めている額以上のことを支払うということにはならないわけでございます。
#251
○安武洋子君 いま、退職手当というのは退職手当法で額を決めている、法定をしておりますね。これを変更しようということをあなた方は持ち出されているわけです。ということであれば、退職金というのは明らかに賃金である。賃金というのはこの団体交渉の範囲に入る。だったら、こういういま変えようとすることについては、団体交渉をやるべきだと、団体交渉の範囲に明確に入りますねと、団体交渉をやらなくてはいけませんねと、こういう質問をしております。
#252
○政府委員(山地進君) 最高裁の判決というのが、退職手当というものは、これは譲渡に関連してその法律的な性格がどうだということをここでは議論しているわけでございまして、その債権を譲渡できるのかできないのかということがここで議論されて、そういう関係では法律上の性格は賃金であるというのがこの最高裁の判断の趣旨だと思うんです。
 そこで、先ほど私が申し上げておるのは、法律上の性質はどうだということをここは判断を下しているわけでございまして、すべての法律の適用に当たって退職手当は賃金だとか給与だとかということは言ってないわけでございます。
 そこで、公労法の規定の適用に当たって、給与だからしたがって退職手当法で何を決めようがそんなことは関係なく自分たちで決めればいい、こういうふうにはならないわけです。これは法律で決まっているから、法律で決まっていることについては団体交渉の余地がないというのがわれわれの解釈でございます。
#253
○安武洋子君 おかしいですよ。これは、裁判としては確かに退職金の譲渡の問題について争われました。しかし、この判例は、私が先ほども読み上げましたように、退職金の経済的な性格というのは、確かにあなたたちがいままで御答弁なさったようにいろいろあります。しかし、ここのところで退職金についての明確な法律上の性格は何だということで規定してあるが、「賃金に該当し、」――これは別に譲渡するからしないからとか、いろんなあれがありますから私は全部読んでおりますけれども、こういうことにかかわりなく、その退職金の法的性格をここで明確にしております。それでないと判決なんかできないわけですから。
 だから賃金に該当するじゃないかと、賃金に該当するなら公労法の第八条に基づき団体交渉の範囲になるんじゃないかと、だから本来ならばこういうものを私は団体交渉によって決めていくべきものであると、しかし、額は法定されております、確かに。法定されているけれども、それをあなたたちが変更しようとするなら、労使で交渉する賃金なんだから、労使で交渉して合意に達して、そして国会に出してきて法定すべきなんですよ、これが筋なんです。いかがお考えですか。
#254
○政府委員(山地進君) 再三申し上げておるとおり、この最高裁の判断の読み方だと思うんです。それで先生の方は給与なんだから、これはすべての法律の適用に当たって給与として取り扱わにゃいかぬというような御解釈でございますけれども、私どもは、この最高裁の判断というのは法律上の性質はこういうものであると――法律上の性質はそうだと、すべての法規にわたって給与に該当するとは言ってないんですね、「法律上の性質」と言っているわけです。これは注意深く使っている言葉だと思うんです。すべての法律の適用に当たって賃金であるというふうに言ってないんです。そこがこの判決の非常にむずかしいところだと思うんです。
 このことについてこれ以上申し上げても同じだと思うんでございますけれども、私どもとしては、退職手当法というのがあってこれは法律で決めているから、立法論として退職手当法から公企体を除くとか五現を除くとかというのは、どっちがいいんだという御議論はあるわけですけれども、法律で公企体の職員にはこういうふうにして退職手当を払うということを決められている以上、法律に反する決定ということはあり得ないということを言っているわけでございます。
#255
○安武洋子君 幾らでも論戦になるわけですけれどもね。経済的な性格というのは私は別に否定しておりませんよ。経済的な性格が云々ということで、給与の後払いの趣旨とか云々とかというのもここに書いてありますからね。だけれども、これは国家公務員法の八条に定める欠格事由のない限り、法定の基準に従って一律に支給しなければならない性格である、動かしがたい性格と規定づけをした後で、だからこれは労働基準法の十一条に言う労働の対価である。これがどこが読み方によって違ってくるんですか。私は全く不思議だと思う。
 それから、百歩譲って、あなたが先ほど出された日本電信電話公社ですか、これにしたって、このときは退職の額を動かすという話が出ていない。だからこういうことについては、交渉は「団体交渉を拒否するにつき正当な理由があると解されるが、同法において何ら規定のない事項、又は規定されていてもその適用についてある程度の幅又は具体化が認められていると解される趣旨の規定のある事項等については、その事項の性質により団体交渉に応じなければならない場合があると解される。」と、この額の何にも変更のないときでもこういう決定が出されていると。だったらこういう額の決定、あなたたちが額を削減するというときに、なぜ、団体交渉をやって、そしてきちっと合意に達して、そして出してきて法定をしないんですか。私は納得できません。
#256
○政府委員(山地進君) いろいろの退職手当の決め方というのは、立法論としてはおっしゃるようにそれぞれの企業体で決めていくということもそれは一つの方法であろうかと思うんです。ただ、私どもとしては、長年の歴史があって退職手当法というのは三公社五現、国家公務員すべてに広く適用してきた。これが三十四年でございますか、広く適用にされて以来綿々として今日まで続いてきている。それで四十八年の法律改正、これも額の変更があったわけでございますけれども、別に団体交渉、協約を結ぶというようなこともなく法律によって改正してきたわけでございます。今回も法律によってそれを変えていくということを私どもとしてはいま御提案申し上げているわけでございます。
#257
○安武洋子君 最初に確認しましたように、政府の基本的な態度は最高裁の決定であると。最高裁は、この退職金の法的性格は賃金であると。賃金であるなら公労法の団体交渉の範囲に入る、賃金は団体交渉の積み重ねで決めてきている。で、賃金であるこの退職手当をいま変更しようとしている。当然団体交渉の積み上げによって、合意を前提にして給与を決めてきたわけですから、この退職手当ももちろんそういうふうにやるものと。これでなかったら何のための団体交渉権の保障であり、労働協約権の保障になるんですか。一体どこで担保するんですか。この基本的な賃金のところで最高裁と食い違うようなことをおっしゃって、歴史だ、積み上げたと言っても、基本的にはやっぱり最高裁の態度が政府の態度だとおっしゃっている。何だかおかしいと思いますけれども。
#258
○政府委員(山地進君) 最高裁に依然としてお触れになっておられるので申し上げますと、この後の方に、「その法律上の性質は労働基準法一一条にいう「労働の対償」としての賃金に該当し、」ということはいままでおっしゃっているわけです。「したがつて、」というところ以下は、「退職者に対する支払については、その性質の許すかぎり、」しかも「性質の許すかぎり、」ということです。「同法二四条一項本文の規定が適用ないし準用されるものと解するのが相当である。」と。やはり最高裁が「その法律上の性質は」と断り、その「支払については、」と言っている点は、まさにこの事案については請求権の譲渡が問題になっているわけです。そこでこういう判断を下している。
 再度申し上げますけれども、多いろいろの法律の適用について賃金というふうに適用するという判断を別に下しているわけではないわけでございますから、私どもとしては、この最高裁の判断と私どもが現在御提案申し上げている法律の考え方というのは矛盾しない、かように考えているわけでございます。
 したがって、先ほど来申し上げておるように、公労法の八条の「賃金その他の給与」ということに一般論としては入りますけれども、法律で決められている事項は法律に従うのが当然でございまして、法律で決められていない事項、これは三十四年の電電の件についても、法律で決められていない支払い事項について何かあれば、それが団体交渉の対象になるということは否定することはできないというふうに言っているわけでございますから、その限りでは団体交渉ということが何らかあるのかもしれませんが、私どもの知っている限りでは、ほとんどのものは法律で決められておりますから、団体交渉の余地というのはあり得てもきわめて少ないだろうと、かように考えております。
#259
○安武洋子君 山地局長、あなたの理屈でいきましてもおかしいんですよ。法律で決められていない範囲はと、こうおっしゃったね。まだ法律でこの退職手当の削減の率というのは決まっていないわけですよ。私は法定しているところまでいま動かせとは言っていない。この削減率についてなぜ交渉やらないんですか。これはまだ法定されていない、決まっていない範囲になりますよ。ですからこの範囲について、ちゃんと団体交渉権、労働協約権があるんだから、ちゃんと交渉して何%にするんだとかやらないんだとかやるんだとかということをきちっと決めて合意を前提にして出してくるべきだ。そうやらないとおかしいじゃないですかと言っております。
#260
○政府委員(山地進君) 法律の改正は国会で御審議いただくというのが当然でございまして、法律の改正について何らかの意見をどこかに聞くという場合には、その法律の中にそういった手続を織り込むというのが当然だろうと思います。
#261
○安武洋子君 一般的な法律の改正を言ってない。ここ、いまのところは、具体的に挙がっておりますのは三公五現の人の労働条件に関する問題ですよ。そして、ここでも先ほどあなたが言われたように、その他労働条件に関する事項ということであるわけですから、交渉は。ですからまだ法定されていないその賃金の削減率の問題については、これは当然やらなくちゃおかしいじゃないですか。何のための団交権、労働協約権なんですか。どこで担保するんですか、そんなこともおやりにならなくて。全然論理が合わない。
#262
○政府委員(山地進君) 労働条件の担保というものはいろんな方法があるわけでございまして、交渉というのを一体どこまで、その交渉の、何といいますか権限のあるものにゆだねあかというのは非常にむずかしい問題だと思うんです。これは、たとえば三公社五現の当局というものと、使用者と雇用者の間の話が交渉になるわけです。交渉する当事者というのは法律改正するということについて何らの権限も持っていないわけですね、法律は国会で決めるわけでございますから。そうすると、交渉する当事者というのは、何らかの協定を結ぶということについては権限のないものを結ぶということになるから、これはそもそも当事者能力がないわけでございまして、それを決めるということ自体が意味がない話になるわけで、先ほど来申し上げているように、退職手当法で法定されているから、法定されているものの中で当事者として当局が何らかの権限を持っていることについては、それは当局で交渉するという余地はあるでしょうけれども、それ以外のことについては交渉するという余地はないと、かように考えておるわけでございます。
#263
○安武洋子君 そんなへ理屈をいまごろおっしゃったら大変なことになります。いまのような論議の中で、定年退職のときもそうです、今度の退職手当の削減もそうです、当該の労働組合なりそういうところと十分話し合いを何度も重ねてきました、誠意を持ってやってきました、こういう御答弁の繰り返しなんですよね。それなのに、そういうところは何にも、法定――法律は国会で決めることなんだから、そんなことはやらなくてもよいんだというふうにいまの御答弁は聞こえちゃう。私は、そんな大変なことを御答弁されてはもう許しておけないと思いますよ。これは労働条件の問題なんです。労働条件の重大な変更なんです。
 そうすると、その相手側の、もちろん国会で最終的には法律で決めることであっても、両方が団体交渉権もあり労働協約権もあるなら、その変更について合意に達するということにならなくちゃおかしいんじゃありませんか。この公共企業体等労働関係法の目的だって、平和的、友好的に調整を図ろうというふうなこと、それから団体交渉のこの慣行とそれから手続を確立することにあるんだ、主張の不一致というのは友好的に調整するために最大限の努力を尽きなければならない。この原則を踏みにじられるんですか。
#264
○政府委員(山地進君) 私もかねがね、こういった改正について組合の方々の意見を聞くということを私どもの方として非常に大事なことであると申し上げておるわけでございまして、今回の退職手当法の改正に当たりましても、事前に提案前に組合の方々の御意見を十分聞く機会を持ったつもりでございますし、今後もこういう改正に当たってそういうことを十分に聞いていきたいという気持ちには変わりないわけでございまして、ただ、ここで交渉事項なのかと、こういうことになりますとそれはまた別な話でございまして、私どもがいろいろな方々の意見を聞いて、十分最良のものを選んでいきたいということと交渉事項であるかということとは別でございます。
#265
○安武洋子君 賃金、そしてここの団体交渉の範囲の中に退職金を除外するとは書いてないですよ。最高裁で退職手当が交渉の範囲でないという判決もありませんよ。そして、私がさっき申し上げたように、除外規定も公労法制定のときにはもう大抵はあったわけですから、だから退職手当をこの交渉の対象から外すということであれば除外規定を設けるのは当然ですよ。そうして、この中にいろいろありますけれども、「前各号に掲げるもののほか、労働条件に関する事項」、もう当然労働条件ですよ。だから、私は聞くということはいいですよ、聞きっ放しと違う。これは団体交渉を正式にして、合意に達して、そうして出してくるべきだ、出し直すべきだと。こういう手だてが抜けて出されてこられたこういうものはとても審議にたえない。これはもう一遍撤回して出し直しという手続を踏んでいただきたい。それでなければおかしいんです。三公五現の職員とそうでない一般職員を横断的に退職手当法というこういうことでくくって適用するというところに、そもそも法律の整合性に欠けるわけですよ。
 ですから私は本法案を撤回して、三公五現、これはもちろん正式に団体交渉し、そして合意に達し、それから国家公務員についてもやはり誠意を持って交渉する――交渉するということは合意に達するということが前提です。それを前提にして退職手当法を出し直すということを要求して、きょうは私の予定時間を超過してしまいましたのでこれで質問を終わりたいと思いますけれども、その点について二人の御意見、答弁を伺って質問をきょうは終わりたいと、一応です、終わります。
#266
○政府委員(山地進君) 私どもといたしましては、先生の御意見は御意見としてございますが、退職手当というものは法律で決めてきているということでございますので、団体交渉する余地はないという考えには変わりございません。立法論として、それぞれ公企体は公企体で別に団体交渉していくという上で、賃金と同じように決めていくんだ、それがいいんだというような考え方はあるわけでございますけれども、私どもの現行の法律というのはそういったてまえをとってない、退職手当については法律で決めていくんだということでございますので、この法案を撤回するという考え方はいまは持っておりません。
#267
○国務大臣(中山太郎君) ただいま人事局長がお答え申し上げましたとおり、政府といたしましてはこの法律案を撤回さしていただく予定はございません。
#268
○安武洋子君 引き続いて追及させていただきます。
 きょうはこれで終わります。
#269
○委員長(遠藤要君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 これにて散会いたします。
  午後五時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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