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1949/03/16 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 通商産業委員会 第14号
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1949/03/16 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 通商産業委員会 第14号

#1
第007回国会 通商産業委員会 第14号
昭和二十五年三月十六日(木曜日)
   午後二時五十九分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○産業復興公団法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○輸出信用保険法案(内閣送付)
○不正競争防止法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋啓君) これより委員会を開会いたします。
 産業復興公団法の一部を改正すの法律案の質疑をいたしたいと思いますが、御発言ありましたらどうぞ。
#3
○結城安次君 本案は、産業復興公団に今まで貸しておつた復興金融金庫が貸出業務を停止するので大蔵省預金部というものを加える、こういう意味なんで、これはもう問題なく私は賛成です。大体これは早く決めちやつた方がいいんじやないか。
#4
○委員長(高橋啓君) 只今のは動議ですが、外に御意見ありませんか。
#5
○下條恭兵君 結城さんから質疑打ち切りの動議が出たようでありますから賛成いたします。
#6
○委員長(高橋啓君) 只今質疑打ち切りの動議が出まして御賛成があるようですが、それについて外に御発議ありませんか。
#7
○平岡市三君 討論を省略して直ちに採決いたす動議を提出いたします。
#8
○委員長(高橋啓君) 只今平岡委員から討論を省略して直ちに採決に入るべきことの動議が出ましたが……。   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(高橋啓君) 御賛成であるようですから、この動議は成立いたしました。それでは直ちに採決に入ります。原案通り可決することに賛成の方の御挙手をお願いいたします。
   〔総員挙手〕
#10
○委員長(高橋啓君) 全会一致決定いたしました。依つて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によつて予め多数意見者の承認を受けなければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとして、御承認願うことを御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(高橋啓君) 御異議ないものと認めます。それから本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書につき、多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とされた方は順次御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
   島   清   廣瀬與兵衞
   平岡 市三   中川 以良
   境野 清雄   鎌田 逸郎
   駒井 藤平   下條 恭兵
   結城 安次   山内 卓郎
   深川榮左エ門
#12
○委員長(高橋啓君) 署名漏れはございませんか。――署名漏れはないものと認めます。
  ―――――――――――――
#13
○委員長(高橋啓君) それでは輸出信用保険法案の政府の説明並びにいろいろな交渉経過等について説明を求めることにいたします。
#14
○説明員(照田弘久君) 輸出信用保険につきましては、前回の国会で御承知のように、一二陳情の御案も懸つておりましたが、その後いろいろ政府の方におきましても研究いたしまして、又関係方面の意向も十分お伺いいたしまして、今回の提案に相成つたわけでありますが、前回の案と主に違つております点は、前回は貨物の船積後の危険を補填するということに相成つておりましたのですが、それでは輸出振興に十分な役割を遂げることができませんと考えまして、今回は輸出契約ができましてから、保険契約を結ぶことができるということにいたしました。これによりまして、金融も保険証券を担保として受けることができるであろうし、輸出振興に貢献することが大なるものがあろうかと、かように考えまして、そういうふうに変更して提案されておるような次第でございます。それから尚業界等の要望もございまして、例えばバイヤーの破産したような場合も、保険事故として保険の対象になし得るということが要望されておるのでございますが、これは関係方面の意向もございまするし、今回の提案よりは除かれております。その理由といたしましては、当事者の責に帰することができない事故を保険するのが本保険の目的でございますので、バイヤーの破産等につきましては、当然当事者が十分に注意をして取引なすべきであるというような考え方からいたしまして、今回の案から除かれておるような次第でございます。大体違つておりますことは以上の通りでございます。
#15
○委員長(高橋啓君) 本案について御質疑がありましたなら、御発言を願います。
#16
○結城安次君 ちよつと説明者にお伺いしたいのですが、根本の方針はどこにあるのでしようか。船積みの前に保険する、その根本の目的は……。
#17
○説明員(照田弘久君) 根本はやはり輸出契約ができましてから、船積みされまして、向うに着いて荷物が完全に相手方に到着して、代金が決済される、その間の保険事故を保険するということを目的としておりますので、前回のように船積み後でありますと、相手の事情によりまして契約いたしましてから、貨物の製作を始めましたけれども、船積みしない中に契約が履行できなくなるという場合に負担をも、今回の案では保険することができる、こういうことになりまして、輸出業者に取りましては、前回案よりも余程便益が多いかと、かように考えておる次第であります。
#18
○結城安次君 坐つて失礼しますが、そうしますと船積み前の保険ということは、契約ができたから、同時に保険若しくは再保険をする、その場合に、船積みまでの間に相手方から解約された場合、或いは積出しの不能に陷つた場合、滅失の場合でしようけれども、特に船積みまでの間を保険するということが、相手方のバイヤーの信用、その他については、何か御考慮なさつていらつしやるのですか、これを裏から申しますれば、相手方を結託して、これを契約してくれんかとコントラントできると思う。それでシツピングの前に相手からキヤンセルして貰う。政府はこれに対して補償をする、こういうことを想像しましたか。
#19
○説明員(照田弘久君) 只今の御質問の点でございますが、普通にバイヤーと契約をいたしまして、バイヤーが一方的にキヤンセルをする、そういうような場合は、この保険の対象にはいたさないということに、第三條の保険の実体的な規定に規定しているような次第でございまして、結局バイヤーと契約ができまして、物資を生産しておりまする中に、先方の或いは為替取引の制限でありますとか、輸入の許可の制限とか、取消ということに、つまり当事者の責に帰することのできない危険に対しまして保険するということで立案されているのでございます。
#20
○結城安次君 重ねてお伺いしますが、第三條四号の「前各号に掲げるものの外、本邦外において生じた事由であつて、輸出契約の当事者の責に帰することができないもの。」というのは、エキスポーターだけですが、バイヤーも両方含むのですか。
#21
○説明員(照田弘久君) 両方の当事者でございます。
#22
○結城安次君 これで輸出契約というのは、バイヤーもこの中に含むということについて、法制上差支ないと考えますか。
#23
○説明員(照田弘久君) お答え申上げますが、この第四号の場合は、例えば仕向国におきまするストライキでありますとか、ボイコツトでありますとか、バイヤー、セラーの両当事者の責に帰することのできない事由による場合に保険事故のことを規定しているのでありまして、当事者のバイヤーの責に帰すべき事由によつて契約取消しになる、不履行になる、或いはマーケツト・クレームというようなものに対しては、この保険の対象には考えていない、こういう次第であります。
#24
○委員長(高橋啓君) 外に御質疑ありませんか。
#25
○下條恭兵君 第二條の第五項に「政府は取引上の危険が大であるとき、その他この法律による再保険事業の経営上必要があるときは、将来にわたつて、再保険を引き受ける輸出信用保険の保険金額を制限し、又は再保険の引受をしないことができる。」というふうにありますね。これはどういう場合ですか。
#26
○説明員(照田弘久君) 御説明申上げます。本項につきましては、これは再保険契約の場合も法定約款というような意味で規定しておるのでございまして、例えば或る地域に戰乱状態が起りましたり、或いは又、輸出貿易上の危険が非常に増大した、或いは又その契約が非常に金額が大きくありまして、非常に膨大な金額でありまして、それを保険に付することによりまして、万一事故が起きた場合においては、この政府の輸出信用保険特別会計の独立採算制を建前とする再保険事業の運営が危なくなる、こういうような場合、或いは又、予算におきまして、政府の支拂保険金の増額が、国会の議決の金額を超えることができませんので、それを超えるというような惧れのある場合におきまして、保険会社が輸出品の保険契約を締結します際に、一定金額以下に制限したり、或いは又、その後保険会社が輸出信用保険契約を結んでも、その全部又は一部を再保険しないということができるように法定約款として本法に規定しておる次第でございます。
#27
○下條恭兵君 次の第六項には「政府は、再保険契約に基いて支拂うべき保険金の総額が国会の議決を経た金額をこえない範囲において、再保険契約を締結するものとする。」云々とあるのですが、只今の五項の御答弁によると、仮に輸出が非常に活発になつたというような場合、この国会の議決を経た金額を超えたというようなことが起つてくるような事情は、現在の問題としてあることを予想しておられないのかどうか、お尋ねします。
#28
○政府委員(宮幡靖君) 衆議院の方の委員会に出て遅れまして申訳ございません。途中でありますので、或いは少し政府委員の申した説明と或いは字句上で喰違うかも知れませんが、お尋ねの点につきましては、現状の見通しといたしましては、二十四年度の補正予算の計上いたしました金額、及び二十五年度の只今こちらで御審議を願つておりまする特別会計の基金、これによりまして賄い得る見通しでありますが、幸いにいたしまして、雪出が振興いたしまして、これではどうしても賄い切れないという事態が参りました場合、又はこれは一種の再保険に対しまする保険給付の立替え拂いの基金でありますので、それが、その期間がいろいろな情勢によりまして延びまして、所要資金が増大するというような事情が出て参りましたならば、これは輸出振興の大きな建前から、大蔵省とも打合せまして、是非補償の処置を取りたい、かように考えておりますが、現在としましては二十五年度はこの程度で賄い得ると、かような観点に立つておるわけであります。
#29
○下條恭兵君 政務次官に概括的なことを一つだけお尋ねしたいのですが、それは再保険が独立採算制を採られるように承わつておるのでありますが、そうしますと、この民間の保険会社から更に再保険、この費用全部が輸出貨物のコストに掛つて来ると思うのですが、この場合非常に保険料が高率になりまして、これが外国との商品の概争に支障を来たすような心配は全然ないものでしようか、どうでしようか。
#30
○政府委員(宮幡靖君) 下條委員の御意見は一応御尤だと思います。大体保保料は仮に千分の五程度と考えておりますが、これも可成り強くなりまして、諸外国の例に比べまして、一応競争の條件として惡條件になるだろうということは考えられるわけでありますが、それにも増して若し輸出金融の方を梗塞されますと、これが隘路となるだろう、この独立採算制によります事務費の支弁等については又国の方で然るべく考えたいということを通産省当局としては考えておるわけであります。現在まだ海外にいろいろな情報機関を持ちません関係で、英国流の輸出信用保険というものが行われにくいのであります。従いました保険のリストの中に、バイヤーのキヤンセル、或いは相手方の破産というようなものを除いておるような状況であります。この適用範囲につきましては只管……この法律の出発をすでに御承知と思いますが、貿易に対して金融をつけたい、保険証券を以て担保せしめる、こういうようなところから出発いたしまして、お話のような高い保険料によりまして相当輸出状況を惡くするというような弊害は必ずしも根絶されていないわけであります、これは将来に亘りまして一つ研究しまして、この点を是正して行きたい。若し許されるならば、現在政府が考えております信用保険制度が関係筋と御了解を得られるならば、この点は是正されると思う。たとえこれが御審議の結果法制化されまして実施に移されましても、現在万全のものとは考えておりません。御意見に対しては全く同感だと私は思つております。私も是非資金運用の点及び保険に対しまする実際の運用面におきまして、あらゆる面において保険料が低率にされまして、業者に惡條件を附加しないような努力は続けて参りたい、かように考えております。
#31
○中川以良君 お尋ねをしたいのは、この法案によりまして大体保険をされますところの取引は全体の額をどのくらいを政府としては見込んでおられるかという点を一点伺いたいのです。それからそれに関連いたしまして、保険特別会計の收支の内容というようなものはどういうふうになつておるのでありましようか、これについて一つ御説明願いたいと思います。
#32
○政府委員(宮幡靖君) どの程度の範囲のものが私は保険の対象となるか、こういうことになりますと、一番輸出業者が保険してほしいのは、キヤンセルと破産でありますが、これがリストから除かれておりますので、範囲は或る程度縮小されはしないか、併しながら現在の国内の金融状況を考えますと、思惑や見越生産というような資金は到底これは供給することが許されない状況でありますので、正常なる契約があり、正常なる輸出オツフアーがあり、尚且金融がつかないものを全面的に拾い上げたいという趣旨でございます。従いまして大部分はこの保険会社の事務的の運用さえ円滑に行くならば、先ず輸出の五〇%以上は必ずこのうちに入つて来るだろう、かように想定しております。併しながらこの法律の本当の効果というものは、むしろ外国商社、或いは日本人のサイブライヤーにいたしましても不安なる契約、或いは支拂方法も確実かどうか分らないときに、徒に貿易という名に隱れまして、十分な検討を加えるこのなしに紊りに契約するという弊を抑えて行くという効果も半面に狙つておるわけでありまして、大体五〇%以上のものが、これによりまして契約の思典に浴するのであろうという見通しを持つております。独立採算に対します收支につきましては政府委員の方から御説明申上げます。
#33
○説明員(照田弘久君) 特別会計といたしまして二十五年度の総收入を十三億五千二百万ばかり見ております。その内訳を申しますと、保険料の收入におきまして二億七千百万、その運用利子收入二千二百五十万、それから一般会計より五億の資金を受入れまして、前年度の剩余金の受入五億五千八百万、合計十三億五千二百五十六万六千、歳出といたしまして保険金の支出は一億九千六百万ばかり見ておるわけであります。その他事務取扱費七百五十九万七千、予備費十一億四千八百万、合計いたしまして十一億五千二百万の歳出を見込んでおるような次第であります。
#34
○中川以良君 今の数を何かでお示し願います。それで十分賄つて行けるだけの確信があるのでございますか。
#35
○政府委員(宮幡靖君) 先程も申上げましたように、二十五年度の見通しといたしましては、大体貿易計画は暦年になつておりますから会計年度とのずれがございますので、そこで或いは喰違いができると思います。それ以外は只今の見通しとして大体これで賄つて行けると思います。数につきましては別に資料を作つて差上げることにいたしたいと思いますが、予算の明細書に大方の数字が列挙してございますから、御覧頂きたいと思います。
#36
○中川以良君 この法案が通過いたしますと、輸出は相当進渉を見るであろうと思います。又そうでなくてはならないと思います。これによつて一体政府として輸出が殖えると考えておるか、殊に朝鮮、台湾に対しても、最近朝鮮との貿易もできるようであります。併しこれには不安があるが、これが適用されるとこの方も活発に動くのではないかと期待します。そういうような点について何か計数的なものを政府の方でお考えになつておれば伺いたいと思います。
#37
○政府委員(宮幡靖君) 輸出がこの法案の成立によりまして活発になるだろうということは、これは常識的のことであります。又これを計数的にどんなふうに考えておるかというお尋ね御尤でありますが、ただこの輸出金融の途が開けましただけで、現在の運出が非常に殖えて来るということを單純に申上げられない事情であることは中川委員も御承知の通りであります。現在お示しの日韓協定もできております。台湾との貿易も差支ない状況にあります。その他最近日タイ貿易協定もできております。その地各方面に貿易協定もできまして、輸出の盛んとなるべき基本的の條件は整つておる。而もこれは昨年の六月三十日を契機といたしまして、日英協定が一応中絶されました形のときでも、概算いたしまして一千万ポンドぐらいの僭越勘定でありまして、その後日英協定は昨年の十一月と思いますが、七月一日に遡つて効力を持ちまして成立いたしたわけでありますが、その後ローガン構想、自由貿易というベースによりまして行われました結果は、飢餓輸出が満腹輸出に振替えになつたという大きな見通しと共に、十二月末現在までの輸出契約の金額について調べて見ますると、約四百五十万ポンドぐらいこちらが僭越しという状況になつておるのであります。僭越しというのではいけないではないかというお叱りを頂く御意見もあるだろうかと思いますが、楽観論ではございませんが、一面で、これを善意に解釈いたしまするというと、かような僭越しができたということは、日本の生産が上つておりまして滞貨も相当ある。これがデツド・ストツクであろうが、ランニング・ストツクであろうが、とにかくあるという状況であるから、ある品物が良いもので、値段さえ引合うものなら出て行く。そうして輸出がいよいよ振興して行くという望みも持てるという解釈ができるわけであります。そういたしますと、当然に輸出は、かねがね予定しておりますところの数字よりも上昇して参らなければならないのに、残念なことに、東南アジア地区を始めとして印度その他の国のいろいろの感情も勿論でございますが、そういう情勢から行きまして、ライセンスがなかなか下りない。折角契約ができて計画が建てられましても、日本のものをなかなか買つけて来ない。買つけてもL・Cというような非常な、單に本法によつと解決せられますところの輸出振興のネツクだけでなく、他にいろいろな情勢ができておりまするが、大勢としましては只今申上げましたように、僭越しになつたものはこれは物で返さなければならない。かようなことから、輸出は或る時期におきまして、かような述べましたようないろいろな要求が解決いたしますれば振つて参る、振つて参りますれば、どのくらいの……、この数字については、これも見方といたしまして、これは申上げてよいかどうか分りませんが、適当な品目別にこれを申上げなければ妥当でないと思いますが、根本は協定貿易でありますから、品目別に申上げることにいたしまして、今の見通しとしては、今年計画いたしました暦年度の輸出計画は達成できる。こう考えて頂きたいと思います。機械を始めとして、織維品、ゴム製品、かような主なものにつきましては、後刻これは品目別に大体見通しを作りましてお知らせいたしたいと思いますが、現在では年間計画が達成される、この程度の見通しでありまして、それ以上は諸種の事情がありまして申しかねるのであります。御了承願います。勿論協定貿易の数字を並べれば出るのでありますが、協定貿易の数字は、これは数量金額共秘密に属しておるのでちよつと申上げかねるのであります。御了承願います。
#38
○中川以良君 今度の輸出の進展につきましては今大変力強い御言明があつたのでありますが、今の産業状態を眺めますと、諸産業の、殊に鉄のごときは相当なやはり困難性が見受けられております。今日の新聞にもございましたごとく、石炭に又補給金をつけるとか、或いは別に鉄鋼業に対する助成政策を取るというようなことをしなければ、今後国際市場に処して日本の輸出がやはり困難じやないかということを政府も懸念しておられるようでありますが、この点につきましては、新聞にあつたような御計画を只今いろいろと御立案中であるかどうか、その点を一つ伺いたいと思います。
#39
○政府委員(宮幡靖君) 新聞記事も暼見いたしまして、さような記事のあつたことも承知いたしておりますが、通商産業省といたしましてはあの考え方とは現在違つた方向に動いております。或いは総合官庁としての安本でさように考えられたかも知れませんが、鉄鋼に関しましても、海外市場においては七十五ドルと言われておるようでありますが、内地の価格は御承知の通り、致底これは採用されておりません。これを解決して行きます問題は、製鉄の生産の合理化を図るということ、原料炭の輸入の点、或いは国内産の原料炭の活用、並びに輸入炭との混合の割合というようなことは、司令部の指導もありまして非常にやかましくやつておるのでありますが、一層これを解決いたします問題といたしましては、日本の本当の重要産業の筆頭と言つても差支ない造船業の合理化の点において甚だ遺憾の点があると思つております。新聞にも出まして御承知と思いますが、運輸省から出ましたスクラツプ・ビルドという法律案があります。これは老朽船をぶつぶつして、その価格を補償するという意味におきまして、新しい制度に値するもので助成するという形であろうと思いますが、併しながらこれは根本は、もう真つ向から戰時補償法に該当するものでありまして、かような法律は許されるものでないと私共は確信いたしております。かような形で助成いたしました造船業というものは合理化されないのでありまして、あくまでも、若し外国の安い船がありましたら外国の船を傭船し、或いはその船を輸入するということによつて日本の造船業の今隱されておる面をはつきりと見せて頂きまして合理化を促進する、それにつきましてもその根本を造船業者に昔れば、必ず鉄鋼の円高ということを申されます。この点につきましてもそれぞれ合理化を推進いたしまして、御承知のように産業合理化審議会なるものを作り、そこに鉄鋼部会を設け、その他に一般部会、総合部会を設けまして合理化の研究をいたしております。補給金制度を更に開始すべき方向にありますものは夏に強化いたしたり、或いは増額したりいたしまして、これの保護助成をいたしたいと思つております。十分その合理化の中に吸收されまして国際価格にまで近寄ることができるものと現在通商産業省では考えて指導いたしております。何分にも電力の問題とか原料炭の問題というような隘路も沢山ございますが、これを一つ一つ採上げて、原料炭も開らん炭のようなものは非常に輸入が容易な実情におかれておりますが、こちらに要求されます代替物資と申しますか、それが残念ながら現在の貿易管理法の上におきまして輸出を許されないので十分でないのであります。いずれにいたしましても補給金制度を強化いたしたり増額したりしまして、一時的には非常に困難があるかも知れませんが、これを是非克服いたしまして、国際経済に順次近寄つて、先ず為替に好影響を與えまして、レートを円高に持つて行く。又国内の物価もそれに準じて安定させる、両方共順次ぎりぎりながらその線まで押して行くということが、国として考えるべき……通産省として考えておる只今の方針であります。
#40
○中川以良君 今のお考え方は私共もよく分るのでありますが、補給金をどんどん削つて行く、そうして産業の合理化、運営の自立化に邁進をしなければならんことは当然であります。これにつきまして大きな政策におきまして、又国際情勢その他国際市場の変転極まりない今日の状態に対処いたしまして機動性を持ちますることは当然でありますが、その根本政策について今承りますと、どうも安本と通産省とがさながら対立しておるかの如くに受取れるのでありますが、こういうような面は、何かの間違いかも知れませんが、一つ十分安本とも御連絡を取つて頂きまして、ああいうようなものが出ますると、やはりいろいろな点において産業人としての考え方に対し大きな影響を齎すと思いますので、是非喰違いのないように一つお進を頂きたいというふうにお願い申上げます。
 それからもう一つ、円建の貿易をやるということが最近いろいろと論議されておりますが、若しこれが可能であれば結構でありますが、幸い、それに対してこういう保険法ができました場合には、相当やはり私は効果を期待できると思います。これについては一体どの程度にお考えでございましようか。
#41
○政府委員(宮幡靖君) 円建でいわゆる保険料も運賃も円の受取り、これは船の関係も勿論ありますが、仮に傭船にしても自国船を動かした場合に、円建の貿易ということにいたしたいということは、私共も皆さんも直ちにお考えだと思いますが、それに進んでおります。この点につきましてはむしろ報道の方が速くて、実行の方がやはり遅れるというような嫌いはありますが、関係筋との交渉も漸次進んでおります。御承知のように国内におきましてドルで販売いたしておりました、例えば進駐軍向けのOSS関係、OASというようなものも順次円建に変つて来ておる、現在三万台の自動車が走つております。あの自動車に配給しておりますガソリンは、大体最近には、これもドルの拂いでありました。今度は円建にいたしまして、円で以て通帳でこれを配給するということに、一応日本経済の中に順次一角から加える。こういうようなことで、又現在このようなTSフアンドのごときも、これは終戰処理費を通じて得る資金でありますが、物価審議会の方を通じまして、まだ為管の方へ十分移り換えがしていませんが、これらを、又TSフアンドも日本の賃金に加えて行く。こういう方面で順次一つ一つ解決して行く。而して我々の待望している円建貿易の実現を期しております。決して安易な考え方でないと考えますが、……。
  ―――――――――――――
#42
○委員長(高橋啓君) 本案に対する御質疑は次回に引続きやることにいたしまして、新たに提案になりました不正競争防止法の一部を改正する法律案について政府側から提案理由の説明を求めます。
#43
○政府委員(宮幡靖君) 只今提案いたしました不正競争防止法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明いたしたいと存じます。
 経済上における自由競争は、現代の経済発展の原動力でありまして、大いに奬励さるべきであります。併し、この自由競争も適正な手段によつてこそ始めて経済再建の基盤となり得るのでありますが、我が国の事業者の中には、往々にしてただ目前の個人的利潤を追求するに急なあまり、ややもすれば不公正な方々を用いるものがあり、例えば他人の氏名、商標等と類似のものを使つて商品の誤認、混同を生ぜしめたり、原産地表示を詐称したり或は他人の信用を毀損したりする者がありまして、従来、国内におきましても問題があつたばかりでなく、国際市場におきましても我国の信用を落したことがしばしばあつたのであります。そもそも現行不正競争防止法は、国内法制の欠陷を充するためよりも、工業所有権保護同盟條約のヘーグ改正條約に加入する準備として昭和九年に制定せられたものでありまして、條約に基く最小限の義務を規定しているに過ぎない状況でありますから、今後貿易の振興を図り、事業者の公正健全な活動と国際的信用を確保するためには、この法律を現状に即して改正することが望ましく、又我が国の事業者の要望にも副うものと思われるのであります。尚、本改正法案の中、「商品の原産地又は品質、内容、数量等について虚僞の印象を與えるような表示を禁止」する点につきましては、関係方面より特に強く指摘せられている関係もありますが、政府としては、かかる指摘も待つまでもなく、自由競争に立脚した経済の健全且つ公正な運営のために、不公正な競争を行うことのないように、法制上の措置を構ずる必要を痛感しておりましたので、ここに本改正案を上提する次第であります。
 以下、本改正案の要点を御説明申上げます。
 第一は、不正競争防止法第一條第一項各号に掲げる行為をする者に対しては、その者が不正競争の目的を以てすると否とを問わず、被害者はその行為の差止を請求し得ることとした点であります。即ち、不正競争防止の範囲が拡大されることになつたのであります。
 第二は、故意又は過失により、不正競争防止法第一條第一項各号に掲げる行為をする者は、損害賠償の責に任ずることであります。即ち善意の行為者にはその行為の差止を請求し得るのみとし、故意又は過失の場合にのみ損害賠償の請求をなし得ることといたしました。
 第三は、不正競争の目的を以て不正競争防止法第一條第一項第一号乃至第三号に掲げる行為をした者及び後で述べますように本條に新たに加えました行為をした者に対し、刑罪を科することとした点であります。即ち現在は、第四條の違反行為以外については罪則の規定はなかつたのでありますが、新たに三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金の規定を設け、不正競争の目的を以てする行為者に対する制裁を強化いたしました。
 第四は、不正競争防止法第一條第一項第一号及び第三号に掲げる行為について、新たに輸出する行為を加えた点であります。即ち單に国内において商品を販売若しくは拡布する場合のみでなく、その商品を輸出して、仕向地で誤認をおこす場合を追加しましたのは、今後の外国取引において一層国際的信用を確保せんがためであります。
 第五は、商品若しくはその広告にその商品が産出、製造若しくは加工された国以外の地において産出、製造若しくは加工された様な誤認を生ぜしめる表示をなし、又はこれを表示した商品を販売、拡布若しくは輸出する行為も不正競争防止法第一條第一項各号に掲げる行為と同様に扱うこととした点であります。これは、従来我が国の商品が往々外国産の商品であるかの如き誤認のおそれある表示をして、外国人から非難せられましたので、今後貿易の振興をはかる一方において国際的信用を確保するために設けたものであります。
 第六は、商品若しくはその広告に、その商品の品質、内容若しくは数量につき誤認を生ぜしむる表示をなし、又はこれを表示した商品を販売、拡布若しくは輸出する行為も本法第一條第一項各号に掲げる行為と同様に扱うこととした点であります。これも、従来我国の商品には、その品質、内容又は数量について誤れる印象ら與えるような表示をしたもの少からず見受けられましたので、今後消費者の保護および我が国の国際的信用を確保するために新しく設けたものであります。
 第七は、第五條の罰則の強化その他若干軽徴な字句の整理をしたことであります。
 以上申上げました諸点が、此の法案提出の理由並びに改正の要点であります。何とぞ愼重御審議の上速やかに可決されんことをお願いいたします。
#44
○委員長(高橋啓君) 本案に対する御質疑に入ります。御発言はありませんか。ありませんでしたら、次の委員会に継続して行うことにいたします。
  ―――――――――――――
#45
○委員長(高橋啓君) 中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案についての御質疑に入ります。ありませんでしたら、今日はこれで散会いたします。
   午後三時五十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     高橋  啓君
   理事
           島   清君
           廣瀬與兵衞君
   委員
           下條 恭兵君
           中川 以良君
           平岡 市三君
           境野 清雄君
          深川榮左エ門君
           鎌田 逸郎君
           山内 卓郎君
           結城 安次君
           駒井 藤平君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       宮幡  靖君
   通商産業事務官
   (通商企業局
   長)      石原 武夫君
  説明員
   通商産業事務官
   (通商振興局経
   理部長)    照田 弘久君
ソース: 国立国会図書館
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