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1981/11/27 第95回国会 参議院 参議院会議録情報 第095回国会 本会議 第12号
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1981/11/27 第95回国会 参議院

参議院会議録情報 第095回国会 本会議 第12号

#1
第095回国会 本会議 第12号
昭和五十六年十一月二十七日(金曜日)
   午前十時七分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十一号
  昭和五十六年十一月二十七日
   午前十時開議
 第一 供託法の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第二 外国人登録法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第三 日本放送協会昭和五十三年度財産目録、
  貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関す
   る説明書
 第四 婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃
  に関する条約の早期批准に関する請願
 第五 婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃
  に関する条約批准に関する請願(九件)
 第六 婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃
  に関する条約の批准促進に関する請願
 第七 婦人差別撤廃条約の早期批准に関する請
  願(二件)
 第八 婦人差別撤廃条約の批准促進に関する請
  願
 第九 漁港の整備促進等に関する請願
 第一〇 林業木材業等不況緊急対策に関する請
  願
 第一一 農業の基盤整備並びに農村環境整備の
  現行補助制度の存続等に関する請願
 第一二 台風十五号による被災農家の救済等に
  関する請願
 第一三 食管制度、昭和五十六年産米価、農業
  基盤整備事業等に関する請願
 第一四 畜産経営の危機打開に関する請願(二
  件)
 第一五 農協金融の機能拡充強化に関する請願
  (二件)
 第一六 林業危機の打開に関する請願
 第一七 国民健康保険組合療養給付費補助金等
  に関する請願(五十八件)
 第一八 保育所の建設と施設運営の改善等に関
  する請願(三件)
 第一九 身体障害者福祉法の改正による中途失
  聴者及び難聴者の救済に関する請願(三件)
 第二〇 保育振興対策等に関する請願
 第二一 身体障害者福祉法の対象範囲拡大等に
  関する請願(十件)
 第二二 重度内部障害者収容授産施設の設置に
  関する請願
 第二三 民間保育事業振興に関する請願(三十
  三件)
 第二四 手話通訳の制度化等に関する請願
 第二五 無認可障害者作業所の助成に関する請
  願(三件)
 第二六 海外残留遺族等に対する援護措置に関
  する請願
 第二七 保育所振興対策の確立に関する請願
 第二八 住宅・宅地政策に関する請願(百八十
  九件)
 第二九 第六次治水事業五箇年計画の推進に関
  する請願
 第三〇 第六次治水事業五箇年計画の策定に関
  する請願
 第三一 急傾斜地崩壊対策事業の拡充促進に関
  する請願
 第三二 交通渋滞対策のための堤防利用に関す
  る請願(二件)
 第三三 民間金融機関の発展強化に関する請願
  (二件)
 第三四 国籍法等の改正に関する請願
 第三五 通り魔的犯罪の防止に関する請願
 第三六 私学助成の大幅増額等に関する請願
  (四件)
 第三七 学校教育における教科内容に関する請
  願
 第三八 大幅私学助成に関する請願(十四件)
 第三九 私学の学費値上げ抑制等に関する請願
 第四〇 私学の学費値上げ抑制・大幅私学助成
  等に関する請願(四件)
 第四一 私学の学費値上げ抑制・私学助成の拡
  大に関する請願(二十五件)
 第四二 教育の充実に関する請願(二件)
 第四三 私学の学費値上げ抑制、教育研究の発
  展に関する請願(二件)
 第四四 私立大学に対する国庫助成の削減反対
  等に関する請願
 第四五 郵便貯金の現行制度の存続に関する請
  願(二件)
 第四六 旧満州棉花協会等を恩給法による外国
  特殊機関指定に関する請願(十件)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、故議員鍋島直紹君に対し弔詞贈呈の件
 一、故議員鍋島直紹君に対する追悼の辞
 一、皇室経済会議予備議員の選挙
 一、国家公務員等の任命に関する件
 一、日程第一より第四六まで
 一、行政改革を推進するため当面講ずべき措置
  の一環としての国の補助金等の縮減その他の
  臨時の特例措置に関する法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
 一、台風十五号による災害復旧対策に関する請
  願外六件の請願
 一、委員会の審査及び調査を閉会中も継続する
  の件
     ―――――・―――――
#3
○議長(徳永正利君) これより会議を開きます。
 議員鍋島直紹君は、去る十六日逝去されました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。
 同君に対しましては、すでに弔詞を贈呈いたしました。
 ここにその弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 参議院は議員鍋島直紹君の長逝に対しつつしんで哀悼の意を表しうやうやしく弔詞をささげます
    ―――――――――――――
#4
○議長(徳永正利君) 瀬谷英行君から発言を求められております。この際、発言を許します。瀬谷英行君。
   〔瀬谷英行君登壇〕
#5
○瀬谷英行君 本院議員鍋島直紹君は、去る十一月十六日、東京女子医科大学病院において脳梗塞のため逝去されました。
 昨年七月、自由民主党参議院副会長に再度就任され、党内の衆望を担い、今後の一層の御活躍が期待されておりましたところ、本年二月、病に倒れられました。一日も早く回復され、お元気な姿を見せていただきたいという私たちの願いもむなしく、ついに幽明境を異にせられました。まことに痛惜哀悼の念にたえません。
 私は、皆様の御同意を得て、議員一同を代表し、故鍋島直紹君のみたまに対し謹んで哀悼の言葉をささげます。
 鍋島君は、明治四十五年五月、佐賀県鹿島市でお生まれになりました。佐賀鍋島家の鹿島藩第十五代当主に当たられたとお聞きしております。昭和十一年、九州帝国大学を卒業、戦前は農林省に職を奉じ、戦後は佐賀県森林組合連合会会長、鹿島町農業協同組合長等を歴任されましたが、昭和二十六年には佐賀県知事に推され、県民の圧倒的な支持を受けて、弱冠三十八歳で当選の栄を得られました。
 当時、全国の自治体はいずれも深刻な地方財政の危機に悩み、佐賀県も例外ではありませんでした。あなたは二期八年の間、身を挺して県財政の再建に当たり、県民福祉の向上に日夜涙ぐましい御努力を傾けられました。
 その知事のときの貴重な体験を国政に生かし、地方自治の振興に尽くしたいという切実なお気持ちが、参議院選挙に出馬をする決意を固められたものと推察いたします。
 昭和三十四年、佐賀県地方区より参議院議員に初当選、以来今日に至るまで連続四期、二十二年有余にわたり国会で御活躍されることとなりました。その間、参議院議院運営委員長、予算委員長を初め、大蔵政務次官、国務大臣科学技術庁長官等を歴任、また自由民主党の党内要職を数々経験され現在に至りました。また、議員としては、地方行政委員会に長く籍を置かれ、地方制度調査会の委員として活躍、自由民主党の政策立案に多大の寄与をされております。
 特に、あなたの長い間の議員活動をしのぶとき、議会運営のすぐれた手腕力量、人徳の輝かしい側面を思い出さざるを得ません。
 議院運営委員長の存在期間は、昭和四十一年より同五十二年の間、通算五年に及び、その公正な運営とベテランとしてのみごとな采配は、いまだに与野党の別なく関係者の語りぐさとなっております。
 昭和四十九年の参議院議員通常選挙以降は、いわゆる保革伯仲の時代を迎え、議事運営は特段にむずかしい時期となりましたが、このような状況にもかかわらず、あなたは常に冷静に対処され、適切な判断で円滑な議事の進行に努められました。これはあなたの識見や決断だけではたく、与野党の別なく親しまれた人柄のしからしむるところも大であったと思います。
 良識の府にふさわしい議会運営のルールづくりに懸命に取り組まれ、議会制度の発展に著しく貢献されたあなたの御功績に対しては、改めて心からなる賛辞を惜しまないものであります。
 あなたはまた陶芸の研究などの面でも、文化人としての多才な一面を持っておられました。由緒ある家柄のお生まれながら、きわめてきさくで高ぶらず、明朗な人柄は党派を超えてだれからも親しまれ愛されておりました。
 政治家として、自由民主党のすぐれた指導者として、その将来が嘱目されていただけに、あなたの速やかな御回復を心から念じておりました。それだけに、あなたの訃報に接し残念でたまりません。御家族の御心情さこそと思われます。
 議運理事当時からの温かい御指導、本当にありがとうございました。長いおつき合いを回想し、あなたのありし日の温容をまぶたに浮かべながら、院を代表し謹んで御冥福を祈り、哀悼の言葉といたします。
     ―――――・―――――
#6
○議長(徳永正利君) この際、欠員中の皇室経済会議予備議員一名の選挙を行います。
#7
○堀内俊夫君 皇室経済会議予備議員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名されることの動議を提出します。
#8
○小山一平君 私は、ただいまの堀内君の動議に賛成いたします。
#9
○議長(徳永正利君) 堀内君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、皇室経済会議予備議員に丸茂重貞君を指名いたします。
     ―――――・―――――
#11
○議長(徳永正利君) この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、原子力委員会委員に島村武久君を、
 科学技術会議議員に芦原義重君、鈴江康平君を、
 公害等調整委員会委員に島谷六郎君を、
 公害健康被害補償不服審査会委員に春日斉君、岸野駿太君を、
 中央更生保護審査会委員に岩崎隆彌君、緒方節郎君を、
 社会保険審査会委員に岡本和夫君、松浦十四郎君を、
 運輸審議会委員に高橋正八君を、
 労働保険審査会委員に溝邊秀郎君、山本秀夫君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 まず、原子力委員会委員、科学技術会議議員の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成青起立〕
#12
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、いずれも同意することに決しました。
 次に、公害等調整委員会委員の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#13
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、これに同意することに決しました。
 次に、公害健康被害補償不服審査会委員のうち春日斉君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#14
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、これに同意することに決しました。
 次に、中央更生保護審査会委員、運輸審議会委員及び公害健康被害補償不服審査会委員のうち岸野駿太君の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#15
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、いずれも同意することに決しました。
 次に、社会保険審査会委員、労働保険審査会委員の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#16
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、いずれも同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#17
○議長(徳永正利君) 日程第一 供託法の一部を改正する法律案
 日程第二 外国人登録法の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長鈴木一弘君。
   〔鈴木一弘君登壇、拍手〕
#18
○鈴木一弘君 ただいま議題となりました両法案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 まず、供託法の一部を改正する法律案は、国の財政の現状にかんがみ、国の歳出の縮減を図るため、昭和五十七年度から昭和五十九年度までの間、供託金に利息を付することを停止しようとするものであります。
 委員会におきましては、本法案提出に至る経緯、供託金運用の現状、本法案が国民に与える影響、供託制度の見直しの必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 次に、外国人登録法の一部を改正する法律案は、外国人登録事務の簡素化及び合理化を図り、財政支出の効率化に資するため、都道府県知事の行うこととなっている登録写票の分類整理事務の廃止、返納された登録証明書を市町村長から法務大臣に送付させる手続の廃止等を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、本改正案と行財政改革との関係、外国人登録事務委託の状況、外国人登録証明書及び資格外活動の問題、難民の処遇等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 両法案について質疑を終わり、別に討論もなく、順次採決の結果、供託法の一部を改正する法律案については多数をもって、外国人登録法の一部を改正する法律案については全会一致をもって、それぞれ原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
 まず、供託法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#20
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。
 次に、外国人登録法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#21
○議長(徳永正利君) 総員起立と認めます。
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#22
○議長(徳永正利君) 日程第三 日本放送協会昭和五十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長勝又武一君。
   〔勝又武一君登壇、拍手〕
#23
○勝又武一君 ただいま議題となりました日本放送協会昭和五十三年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書につきまして、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本件は、日本放送協会の昭和五十三年度決算に係るものでありまして、放送法の定めるところにより会計検査院の検査を経て内閣から提出されたものであります。
 その概要を申し上げますと、同協会の五十三年度末における財産状況は、資産総額一千八百八十五億六千万円、負債総額七百二十六億七千九百万円、資本総額一千百五十八億八千百万円となっております。
 また、当年度中の損益は、経常事業収入二千百四十一億三千六百万円に対し、経常事業支出二千九十九億一千四百万円であり、差し引き経常事業収支差金は四十二億二千二百万円となっており、これに固定資産売却損益等の特別収支を含めた事業収支差金は三十四億一千九百万円となっております。
 この当期事業収支差金は、翌年度の事業収支不足額を補てんするための財源に充てております。
 なお、本件には、会計検査院の「記述すべき意見はない」旨の検査結果が付されております。
 委員会におきましては、収支予算等が適正かつ効率的に執行されたかどうかを初め、経営の効率化、国際放送の拡充強化、テレビ難視聴の解消促進、第二臨調の審査とNHKの自主性との関連、衛星放送、多重放送等ニューメディアの実用化などの諸問題について、政府及び協会当局に質疑を行い、慎重審議の結果、本件は全会一致をもってこれを是認すべきものと議決いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#24
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
 本件は委員長報告のとおり是認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#25
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、本件は委員長報告のとおり是認することに決しました。
     ―――――・―――――
#26
○議長(徳永正利君) 外務委員長外九委員長から報告書が提出されました日程第四より第四六までの請願を一括して議題といたします。
#27
○議長(徳永正利君) これらの請願は、各委員長の報告を省略して、各委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。
 委員会の審査状況に対応するため、これにて休憩いたします。
   午前十時二十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後七時二十二分開議
#29
○議長(徳永正利君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。行財政改革に関する特別委員長玉置和郎君。
   〔玉置和郎君登壇、拍手〕
#31
○玉置和郎君 ただいま議題となりました行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案につきまして、行財政改革に関する特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、行政の合理化、効率化を推進するための一環として、財政再建に関する緊急な課題に対処する等のため、本年七月十日に行われた臨時行政調査会の行政改革に関する第一次答申の趣旨にのっとり、行政改革を推進するため当面講ずべき措置を講じようとするものであります。
 その内容は、昭和五十七年度から昭和五十九年度までの間を特例適用期間とし、その間における補助金、負担金等に係る国の歳出の縮減措置その他の特例措置を講じようとするものであります。
 本法律案は、去る九月二十四日国会に提出され、十月三十日、本委員会において中曽根行政管理庁長官から趣旨説明を聴取した後、審査に入り、長時間にわたり熱心な質疑が行われました。その間、連合審査会の開催を初め、中央公聴会、委員派遣による地方公聴会を大阪及び札幌の両市で行うほか、参考人より意見聴取を行うなど、きわめて慎重な審査を行いました。
 委員会におきましては、行政改革の理念と今後の展望、五十八年度以降の増税なき財政再建の見通し、不公平税制の是正、厚生年金等の国庫負担減額分の補てん措置の明確化、児童手当制度の運用と存続、四十人学級と教職員の定数改善、特定地域のかさ上げ補助等の引き下げに伴う財政措置、医療費の適正化と医療保険対策、特殊法人の見直し、公共工事の適正実施等、行財政改革の全般にわたり質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 本日、質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して野田理事が反対、自由民主党・自由国民会議を代表して坂野理事が賛成、日本共産党を代表して佐藤委員が反対、公明党・国民会議を代表して峯山理事が賛成、民社党・国民連合を代表して小西委員が賛成、新政クラブを代表して森田委員が賛成の旨、それぞれ意見を述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は賛成多数で原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#32
○議長(徳永正利君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。山田譲君。
   〔山田譲君登壇、拍手〕
#33
○山田譲君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました法律案について、反対の立場から討論をいたします。
 政府は、今回の臨時国会において、相互に全く関連性のない三十六件の法律改正を無理やりに行革に関する一括法案として提案し、特別委員会の設置を強行して一括審議にゆだねたのであります。
 わが党は、かねてから、行政改革を行うに当たっては、何よりもまず日本の平和と国民の福祉を最優先にするということを基本理念としながら、行政上のあらゆるむだを省き、住民が積極的に参加できるような分権・自治の確立を図ることにより、民主、公正、効率の三原則を貫く、真に国民のためになる行政改革を推進すべきであるということを主張してまいりました。
   〔議長退席、副議長着席〕
 総理は、口を開けば、現下の行財政の危機を打開するために国民各層に痛み分けをしてもらいたいと言っておられます。しかしながら、このような危機的状況をもたらした自民党政治の失政に対しましては、何ら反省の色を示すことなく、ただ一方的に国民大衆の側に犠牲を強いているばかりか、空然の利潤を上げている大企業に対する補助金等の優遇措置については、依然としてこれを継続しようとしているのであります。
 すなわち、文字どおり財界主導と言われる臨調の答申を受けて出されたこの行革法案なるものは、まことに行革とは名ばかりで、その内容たるや、厚生年金を初めとする各種共済年金等に対する国庫補助の削減、児童手当の切り捨て、四十人学級の停止、地域特例措置のかさ上げ率の削減、住宅金融公庫の貸付金利の引き上げ等々、どれをとっても、国の財政のつじつまを合わせるために国民へのしわ寄せを行い、また地方自治体への負担転換を図るものばかりであります。そして、このことは、各地で行われた公聴会でほとんどすべての公述人が異口同音に述べているところでもあります。
 現在の低成長経済のもとにおいて、多くの国民は生活不安にあえぎながら、とりわけ教育と医療の荒廃の中で、しかも、急速に歩み寄る高齢化社会への対応等に苦慮しているのが現状であります。このたび出された行革法案が、このような国民に対して果たして前途に明るい展望を抱かせることができると言えるでしょうか。私は、むしろ逆に、大変な不安と幻滅を感じざるを得ないのであります。
 私は、二十日間にわたる審議を通じ、改めて次のような問題点を指摘せざるを得ません。
 第一は、各種年金給付に対する国庫負担の削減の問題であります。
 特例期間終了後には削減分を返還するとは言うものの、その条件としては、ただ漠然と「国の財政状況を勘案しつつ、」というのみであって、その時期、方法が何ら明確になされておりません。その背景には、この機会を利用して制度の改悪を図ろうとする陰険なたくらみさえも感じられてならないのであります。
 ことに、五十七年度予算において年金のスライド時期の繰り下げを行おうとしていることは、ただでさえ物価高に苦しむ年金生活者に対し、ストレートに重大な悪影響を及ぼすものであり、とうていこれを認めるわけにはまいりません。
 第二は、児童手当の所得制限の引き上げについてであります。
 言うまでもなく、本措置によって、現に児童手当を受けている多くの家庭が本制度の恩典から締め出されることになるのであります。なお、本法案の中で、本制度について「その全般に関して速やかに検討を加え」云々として、暗に児童手当制度が単なる低所得者対策の一つとして取り上げられようとしていることは、本制度本来の目的を全く理解していないしわざであると言わざるを得ません。
 第三は、四十人学級延期の問題であります。
 四十人学級については、長い間の念願がやっとかなえられて、昭和五十五年度から実現し始めたばかりのものであります。すでに欧米先進国では相当以前から、四十人はおろか、二十五人学級、三十人学級が実現されており、先進諸国の中でいまだに四十五人学級などを実施しているところはわが日本しかないのであります。それにもかかわらず、いまさら四十人学級の実現をさらに延期しようとしていることは、政治の基本である教育の重要性を全くないがしろにしていると言わざるを得ません。しかも、児童の自然増に伴う教職員の増員すらも大幅に削減しようとしていることは、児童に対し行き届いた教育をこいねがう国民全部の期待を全く裏切るものであります。
 また、五十七年度の予算措置として、教科書を有償にしようとする動きがありますが、このことは、義務教育の無償をうたう憲法の精神に真っ向からもとるものであって、絶対に承服することはできません。
 第四に、特定後進地域に対するかさ上げ補助金減額の問題であります。
 ただでさえ、打ち続く不況の長期化の中で、地域の発展がますますおくれつつあるときにもかかわらず、あえてこのような措置を講ずることは、何としても理解に苦しむところであります。
 第五に、五十七年度予算編成に当たって、国民健康保険、児童扶養手当、特別児童扶養手当について、国の負担金の一部を地方自治体に肩がわりさせようとしていることは、国の財政赤字の責任を不当にも地方自治体に転嫁させようとするものであって、地方財政にとって大きな負担になることはもちろん、地方自治に対する重大な侵害行為であると言わざるを得ません。
 第六は、最近、毎日のように報道されている談合その他の公共事業をめぐる不正事件の問題であります。
 死肉に群がるあさましいハゲタカのように、一つの公共事業をめぐり何人かの悪徳業者が相集まって不当な暴利をむさぼり合っている事実を、あえて目をつぶって放置してきた政府の怠慢を許すわけにはいきません。そして、このようなところにこそ徹底的なメスを加え、不正を正すとともに、財政のむだを省くことこそが真の行政改革の第一歩でなければならないと確信するものであります。
 以上、私は、本法案の内容及びそれに関連する幾つかの措置について、どうしても納得できない多くの問題点を指摘してまいりましたが、最後に特に強調しておかなければならないことがあります。それは防衛費の問題であります。
 すなわち、臨調の答申では、防衛についてはきわめて抽象的にわずか数行しか触れておりませんが、本法案においては防衛については全くノータッチであります。まさしく、いうところの聖域扱いなのであります。それのみか、まことに恐るべきことには、五十七年度の予算においては、実に七・五%増という大幅な軍事費を増額しようとしているのであります。国民生活に最も関係の深い福祉、文教の予算を削減して、逆に膨大な軍事費の捻出に役立たせようとしているこの法案は、まさしく国民大衆に背を向けて、ひたすら軍事大国化への道を突き進もうとするものであって、これこそ行革に名をかりた軍拡法案であると断言せざるを得ないのであります。
 私は、このような法案に対し改めて強い反対の意を表明しながら、討論を終わります。(拍手)
#34
○副議長(秋山長造君) 降矢敬義君。
   〔降矢敬義君登壇、拍手〕
#35
○降矢敬義君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特別措置に関する法律案について、賛成の討論をいたします。
 申すまでもなく、行財政の改革は、今日におけるわが国内政の最大の政治課題であります。そして国民が最も強く要望するところであります。われわれはこれにこたえなければなりません。その第一歩がまさに増税なき財政の再建に着手することであります。
 御承知のとおり、わが国は、第二次大戦後の混乱から立ち直り、三十年余の間に先進国家としての確固たる地歩を固めてまいりました。また、二次にわたる石油危機を初めとする幾多の困難を乗り越えて、経済の安定と発展を確保してまいりました。この成果は、言うまでもなく国民の英知とたゆまぬ努力によるものであり、また私は、この間において行財政が果たしてきた大きな役割りを高く評価するものであります。
 しかしながら、今日のわが国の行政を顧みますと、高度成長社会から安定成長社会への移行という時代の大きな流れの中で、高齢化社会の到来、増大する国際責任の分担、巨額の赤字を抱える財政の再建等、新しい課題に行政がいかに対応していくかが問われております。高度成長による自然増収のもとで形成されてきたわが国の行財政の体質には、現状では必ずしも十分に適応し切れない面があることは否定することができません。とりわけ、わが国の財政は、今年度末には八十二兆円にも上る巨額の公債残高を抱えるなど、非常に厳しい局面を迎えているわけであります。
 私は、このようなわが国の転換期とも言うべき過程の中で、行財政に対する構造的な改革の必要性が生じていると考えるものであります。すなわち、今日取り組むべき行財政の改革は、新しい日本を築くため避けて通れない道であり、二十一世紀へ向けての新しい国づくりの基礎作業とも言うべき大事業であると存じます。しこうして、このような抜本的改革の第一次の着手として当面の財政再建に取り組まなければならないと考えます。大幅に国債に依存する財政の体質を改め、財政の健全性と対応力を早急に回復する必要があります。しかも、財政再建に当たっては行財政のあり方そのものを見直し、真に時代の要請にこたえ得るものとする努力をまず徹底して行うべきであります。安易に増税に頼るようなことは絶対に避けなければなりません。私は、ここに今日の行財政改革の基本的意義があると考えるものであります。
 さて、いま議題となっているいわゆる行革関連特例法案は、このような状況を踏まえ、行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環として、昭和五十七年度から五十九年度までの間、補助金、負担金等に係る歳出の縮減措置その他の特例措置を取りまとめたものであります。
 本法案は、今後推進すべき行財政改革の第一歩であり、差し迫った財政再建のための不可欠の方策を内容とするものであります。その第一歩さえ踏み出せないという事態になりますと、今後の本格的な行財政改革はもちろん、昭和五十七年度予算において増税に頼らない財政再建を進めることさえできないのであります。本法案につきましては、財政収支のつじつま合わせとか、福祉、文教のねらい撃ちとか、そういった意見が一部にありました。しかし、そのような認識は、今日、行財政改革が国民的課題、国家的課題であることを十分理解しない短絡的な物の見方であると考えます。
 いわゆる聖域なき見直しという基本方針のもとに、行財政の簡素化、合理化を図ろうとすれば、経済や国民生活の各分野に何がしかの影響が生ぜざるを得ない面はありますが、この点につきましては、これまでの本院における審議の中で明らかにされましたように、政府は、行財政の立て直しの緊急の必要にこたえつつも、その具体的な実施に当たりましては、真に必要な分野に対する必要な施策を維持しつつ、国民生活への影響、地方公共団体の事情などに配慮し、その影響を極力緩和すべく適切な措置を講ずることに努力しているのであります。
 また、今回の行革関連特例法案による歳出削減効果は約二千五百億と言われています。一部においては、その削減効果がわずかであるとして本法案を過小評価する意見も聞かれますが、こうした意見もまた、本法案の行財政改革に対する位置づけを理解しないものと言わざるを得ません。
 本法案は、来年度概算要求における補助金の一律一〇%のカットや公共事業の抑制などと並ぶ、当面の財政改善方策の一環としての意味を持つものであることは言うまでもありませんが、本法案はまた、まとまった形の歳出削減のための法律案としては、昭和二十九年の補助金等の臨時特例等に関する法律以来の試みであり、三十六本もの歳出関係法律について措置しているという点で異例とも言うべきものであります。政府の行財政改革に対する並み並みならぬ決意を示すものであります。
 このような意味において、本法案は、今後の本格的な行財政改革の第一歩であり、増税なき昭和五十七年度予算編成のための不可欠の措置であり、今国会においてぜひとも成立させなければなりません。
 以上が行革関連特例法案に賛成する理由であります。
 行財政改革を進めていくことは、いまや時代の要請であり、天の声であります。今後における行財政のあり方を全般的に考えてみますと、行革関連特例法案を成立させるだけでよいということでは全くありません。今後において行政改革が追求すべき課題は、行政環境の変化と行政の役割り、行政機構と行政運営の問題、特殊法人、公務員制度のあり方、国と地方との機能分担及び地方行政の改善、許認可問題などを初めとして広範に及ぶものであります。
 われわれは、増税なき財政再建を突破口としてこうした本格的な行政改革に取り組み、これを成功させなければなりません。鈴木総理は行政改革に対し政治生命をかけると言われました。私は、総理が今後とも強力なリーダーシップを持って、あらゆる困難を乗り越え、行財政の改革を断行されることを心から期待して、本案に対する賛成討論を終わります。(拍手)
#36
○副議長(秋山長造君) 山中郁子君。
   〔山中郁子君登壇、拍手〕
#37
○山中郁子君 私は、日本共産党を代表して、行革一括法案について、断固反対する立場から討論を行います。
 わが党は、政府・自民党が進めようとしている臨調路線なるものが、国民に一方的に犠牲を押しつけ、軍備大拡張と大企業奉仕のために行財政機構、政治、経済社会の仕組みの反動的再編を目指すにせ行革であることを強く指摘し続けてきました。このことは、鈴木内閣がその橋頭堡と位置づける本法案の審議を通じて、いや応なしに鮮明になり、多くの国民も重大事態を知り始めています。「臨調路線」粉砕を叫ぶ請願が連日国会を囲み、地方自治体の多くが意見書を採択するに至っています。とのことをまず最初に指摘して、以下反対の理由を明らかにするものであります。
 反対の第一の理由は、鈴木「行革」なるものが、レーガン政権の強い要請にこたえた空前の大軍備拡張に道を開くものだという点であります。
 世論調査によっても、軍事費削減こそが平和の願いとも結びついた国民の痛切な声であることははっきりしています。ところが、本院行特委でのわが党の追及に対し、大村防衛庁長官は、来年度防衛庁概算要求でのF15、P3Cなどの繰り上げ発注がアメリカの要求にこたえたものであることを認めました。まさに鈴木「行革」は、レーガン大統領の要求には卑屈に耳を傾けて、軍事費を聖域化し、GNP一%を突破さえする大軍拡への歩みを進める一方で、国民の切実な願いには冷酷に背を向けるものだと言わなければなりません。
 反対の第二の理由は、財界の財界による財界のための行革だという点であります。
 真の行政改革を進めるために、真っ先にメスを入れるべきは、三兆円を超える大企業優遇税制であり、また、莫大な利益を上げている電機産業大資本への補助金、あるいは大手海運業界向けの船舶建造費利子補給金など、大企業優遇の行財政であります。しかし、臨調答申も政府の行革大綱も、その点について一言も触れていないばかりか、来年度概算要求では、造船、航空機、コンピューター産業などの大企業向け開発補助金を逆に増額さえしているのであります。まさに、国民には痛みを強要し、大企業の利益は保障するものと言わなければなりません。
 しかも、この根源には、わが党が経団連資料や臨調審議の内容に基づいて具体的に指摘してきたように、第二臨調は、人選と構成に至る設置そのものから審議内容、その答申に至るまで、徹頭徹尾財界主導という臨調の体質そのものがあります。土光会長が、ロッキード事件で起訴されている田中角榮元総理に協力依頼を行い、さらに慰労会まで開いてもらったことを「枝葉末節の問題だ」と言った鈴木総理の姿勢では、とうてい国民の望む腐敗の一掃、清潔な行政改革が期待できるはずがないのであります。
 反対の第三の理由は、これらのしわ寄せをすべて国民に押しつけようと企てていることであります。
 臨調答申や政府が言う「活力ある福祉社会」とは、児童手当の支給制限を強化し、四十人学級編制を凍結し、厚生年金の国庫負担を削減して抜本的改悪に道を開くなど、国民生活の全分野にわたって給付の切り下げと負担の増加を強要するものにほかなりません。これが、長期にわたる国民の運動によってかち取られてきた社会保障、福祉や教育、地方自治の諸制度の根幹を突き崩そうとするものであることは、本法案の審議を通じていよいよ浮き彫りにされてきました。
 さらに、国民生活関連部門に集中した補助金カットによる負担増や、所得税課税最低限の据え置きによる実質増税、また五十八年度以降には一般消費税型新税導入さえあり得ることを示唆していることは、「増税なき財政再建」という鈴木内閣の宣伝文句が二重三重の欺瞞であることを如実に示すものではありませんか。
 反対の第四の理由は、行政改革の原点とも言うべき不正腐敗構造の一掃に全く手を触れないばかりか、温存さえしようとしていることであります。
 今国会の審議を通じても、教科書をめぐる業界、政治家、文部官僚にまたがる献金疑惑、近畿電電不正経理での公社による組織ぐるみの隠蔽工作、本四架橋、新幹線建設などをめぐる公団と一体となった大手建設業者の悪質な不正談合入札問題、解同と行政が一体となった土地転がしなど、政財官の癒着構造が引き起こした汚職腐敗の数々が明らかになりました。ところが、鈴木総理は、抜本的対策を講じようとしないばかりか、戦後最大の構造疑獄ロッキード裁判への三権分立を侵犯し、事実上の指揮権発動につながる奥野法相のいわゆる「人の道」発言を容認し、当然の罷免要求をも拒否しているのであります。この点にも鈴木「行革」の本質があらわれていると言わなければなりません。
 反対の理由の第五は、本法案の審議のあり方についてであります。
 そもそも、三十六本の法改正を無理やり一本化し、一括審議を行い、わが党の徹底した審議の要求にもかかわらず、不十分な審議で終わらせたことは、国会の審議権を軽視し、国民の批判をないがしろにするものとして、断じて容認できないところであります。
 また、行革特別委員会におけるわが党の市川議員の奥野問題についての発言を封殺しようとした玉置委員長の行為は、議員の自由な発言を保障した国会法、参議院規則に照らしても明らかに不当であり、私がさきに抗議並びに陳謝要求をいたしましたが、ここに重ねて主張するものであります。
 最後に指摘しておかなければならないことは、今日、世界の情勢が、レーガン政権によってヨーロッパとアジアの限定核戦争構想や、日本への戦域核配備が公然と計画され、これに「軍事的均衡論」で対抗するソ連との間で核軍拡の悪循環が進行し、戦争か平和かの重大な岐路に立たされていることであります。三十日から始まる米ソ戦域核制限交渉を控えて、レーガン大統領はゼロオプションを提案し、ブレジネフ書記長は現状凍結を前提とする戦域核の一方的削減を提案しました。しかし、いずれもヨーロッパの危険な核配備の現状を解決し得るものではなく、ヨーロッパとアジアからのすべての戦域核兵器の撤去、そして根本的には核兵器全面廃棄という課題の緊急性はいよいよ明らかとなっています。
 こうした中にあって、レーガン政権に追随して「行革」の名で大軍拡の方向にわが国の歩みを変えることが、日本の安全、世界の平和を一層脅かすものであることは明らかであります。ところが政府は、昨日の国連総会第一委員会で、四たび非核保有国への核配備禁止決議にアメリカなどとともに反対投票を行いました。これは、唯一の被爆国であるわが国がとるべき道では断じてなく、わが党は厳しく政府に抗議するものであります。
 わが党は、国民生活を破壊し、軍事大国への道を歩む臨調路線と断固として闘い、国民が望む真の行政改革、すなわち、軍事費の大幅削減、大企業向け補助金の廃止など補助金制度の抜本的改善、公共事業のむだと不正の一掃、天下り規制など特殊法人の腐敗構造の改革、情報公開など開かれた行政と国民奉仕の簡素で効率的な行政の確立、地方自治の拡充、不公平税制の抜本的是正を実現するため、引き続き奮闘することを表明し、反対の討論を終わります。(拍手)
#38
○副議長(秋山長造君) 和泉照雄君。
   〔和泉照雄君登壇、拍手〕
#39
○和泉照雄君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました行革関連特例法案に対し、賛成の立場から討論を行います。
 言うまでもなく、行財政改革の推進は当面の最大の政治課題であります。巨額の赤字公債を抱え、身動きのとれなくなりつつある財政を再建することはもとより、高齢化社会の到来を初め時代の変化に対応する行財政の体制整備を進めるためにも、行財政改革は不可欠の要件であると言わなければなりません。それだけに、「国民の納得いく行財政改革」を進めなければならず、財政の帳じり合わせ的な歳出削減が優先し、本来的課題である行政の簡素合理化、効率化などが後回しにされるようなことがあってはならないのであります。
 私どもは、今日まで、行財政改革推進の立場を堅持しつつ「国民の納得いく行財政改革」を目指して努力してまいりました。公明党が、民社党、新自由クラブ、社会民主連合とともにまとめた昨年九月の「行政改革に関する四党合意」、あるいは本年九月の「行財政改革に関する当面の基本方針案に対する四党共同要求」も、こうした見地に立ったものにほかなりません。私どもは、今後とも国民の立場に立つ行財政改革を目指すことをまず明らかにし、本法律案に賛成する理由を申し述べます。
 賛成する第一の理由は、率直に言って本法律案は、私どもの目指す行財政改革とは必ずしも全面的に合致するものではありませんが、本法律の成立によって本格的な行財政改革への突破口が開かれると考えるからであります。
 本法律案は、厚生年金等に係る国庫負担の繰り入れ等の減額を初め、児童手当に係る公費負担の削減、第五次学級編制及び教職員定数改善計画等の抑制など、その八割までが福祉、文教関係の削減で占められているのであります。政府の行おうとする行財政改革の姿を、「かたち」を見てしか知ることのできない国民が、疑問と不安を抱くことはやむを得ないと言わざるを得ません。しかしながら、部分的に問題があるとはいえ、本法律案を本格的な行財政改革の突破口としていかなければならないことも事実であります。
 本法律案が未成立に終わるとするならば、盛り上がりつつある行財政改革の機運が大幅に後退することは必至と見なければなりません。本法律案の実質的内容を改善して成立させ、これをてことして、中央省庁の統廃合を初め、肥大化した行政の機構、組織にメスを入れ、さらに地方分権化を図り、行財政の効率化、合理化を推し進めるべきだと考えるものであります。また、来るべき本格的行財政改革に当たって、予想される圧力団体や官僚などの妨害を排除しなければなりません。私どもは、総理が「痛みを等しく分かち合う」行財政改革をどのように実行していくか、厳しく監視していく決意であります。
 賛成する第二の理由は、本院の行財政改革特別委員会の審議の中で、私どもが指摘し要求した本法律案の問題点に対し、不十分とはいえ、政府が責任を持って善処することを確約したからでございます。
 私どもが指摘し要求した主な事項は、第一に、あいまいになっている厚生年金等に係る国庫負担金の繰り入れ等の減額分の補てんを明確にすること、第二に、住宅金融公庫等の貸付金利を現行どおり据え置くこと、第三に、教職員定数改善計画の抑制に当たっては、特殊学級、特殊学校等に十分配慮すること、第四に、特定地域に係る国の負担、補助金等のかさ上げ率の引き下げに際しては、十分な財政金融上の措置を講ずること、第五に、児童手当制度の存続を明示すること等でありました。これらの要求について政府は、不十分ではありますが、その履行を約束したのであります。
 私どもの要求は、国民の立場に立った行財政改革を進める上で最小限の範囲のものでありますが、厚生年金等に係る国庫負担分の補てんの明確化、児童手当制度の存続の明示等は、国民の抱いていた本法律に対する不安を払拭し得るものであり、評価するものであります。そして、ここに改めて鈴木総理に対し、政府が約束した事項の完全な履行を求めるものであります。
 以上、本法律案に賛成する理由を申し上げましたが、本法律案では、政府はみずから描く本格的な行財政改革の青写真を具体的に示そうとしておりません。したがって、私どもは、国民の立場に立つ行財政改革を名実ともに勇断をもって政府は実行すべきであると強く要求するものであります。
 この観点から、五十七年度予算編成に関し、鈴木総理に一言申し上げておきたいのであります。
 私どもは、今日まで「増税なき財政再建」を強く訴えてまいりました。総理も「増税なき財政再建」を口にする以上、まず五十八年度以降においてもあくまでも大衆増税は行わないという姿勢を堅持すべきであります。と同時に、最近財界等から出されている不公平税制の是正は「増税なき財政再建」に反するとの意見にはっきりと一線を画し、五十七年度においては、租税特別措置の改廃など不公平税制の是正に真っ正面から取り組むとともに、実質増税となっている所得税の減税を断行していただきたいのであります。
 不公平税制の是正は、第二臨調第一次答申にも盛られていることはすでに御承知のとおりであります。総理が言う「痛みを分かち合う」行財政改革は、不公平税制の是正が手始めになると言っても過言ではありません。また、五十二年度改正以来据え置かれている所得税の課税最低限度額の引き上げも急務であります。財政再建と一見相反するように見える所得税の課税最低限度額の引き上げが、税負担の公平確保だけでなく、景気の回復、税収の確保という財政再建の条件づくりになることを政府は特に認識すべきであります。
 以上、討論を終わるに当たり、重ねて総理に、国民の立場に立った真の行政改革を勇断をもって実行されることを強く要望して、終わります。(拍手)
#40
○副議長(秋山長造君) 柳澤錬造君。
   〔柳澤錬造君登壇、拍手〕
#41
○柳澤錬造君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となっております行政改革特例法案に対し、賛成の立場に立って討論を行います。
 まず第一に、この法案は、行政改革への第一歩を踏み出した歴史的意義を持つものであります。
 わが民社党・国民連合は、一貫して行財政改革の重要性を指摘し、すでに昭和五十二年には「第一次行革三カ年計画」を提唱し、五十四年には「第二次提言」を行い、本年六月には「第三次提言」を行うなど、絶えず行革断行のための具体的提案を行ってまいりました。しかし、これまでの歴代自民党政府は、行政改革の看板だけは掲げるものの、高度経済成長とともに肥大化した財政構造、行政機構にはほとんどメスを入れようとせず、その態度たるや、それこそ羊頭狗肉そのものであったと言っても過言ではありません。
   〔副議長退席、議長着席〕
 民間産業では、第一次石油ショック後の深刻な不況に直面したときは、徹底した減量経営と合理化の遂行によって、そこに働く労働者は血のにじむような苦しみを味わったものであり、また、第二次石油ショック以来いまだに続く素材産業、中小企業の合理化などから見れば、国、地方を通じての行政部門の現状は、国民の目からは天国のように映ったものです。それが今回、鈴木内閣は、第二臨時行政調査会を設け、その答申をもとに行財政改革に取り組む姿勢を示し、わが党の考えも取り入れてこの法案をまとめているのであり、その点わが党としても評価をし、賛成の態度を決めたものであります。この特例法案が本格的行政改革への第一歩を踏み出した歴史的意義はきわめて大きいと判断するものであります。
 第二としては、国民のための行政改革を断行することです。
 鈴木総理は、機会あるごとに、「納税者の立場に立つ政治をしたい」と答弁されておりました。ということは、政府のための行財政改革をするのではなく、苦労して税金を納めている国民のための行財政改革を断行するということでありましょう。鈴木総理はこの精神を堅持して、この行財政改革を推進されますよう、要請をいたします。
 そのためには、一、むだをなくすことです。非能率でむだな浪費をする陳情による補助金決定のあり方を改め、わが党が主張している第二交付税制度を創設することです。
 二、不公平税制を改めることです。国民がクロヨンという言葉を使わなくなるようにすることであり、それどころか、積極的に所得税の減税を考えることです。
 三、格差をなくすことです。年金、退職金などに見られるような官民格差をなくすこと、賃金などの国家公務員と地方公務員の官官格差をなくすこと、民間でも厚生年金の適用もされない人々の民民格差をなくすことなどです。
 四、不正を正すことです。会計検査院を強化して、税金のむだ遣い、不正入札の防止をするとともに、国税庁を強化して脱税の防止を徹底させることです。
 五、行政を簡素化することです。地方自治体が強く要望している都道府県、市町村に義務づけている行政機関、附属機関を地方自治体に任せてしまうことです。
 これらを着実に実行していくことこそが行政改革の重要な点であり、生きた政治であると言えましょう。
 第三としては、明年夏の第二臨調の本格的答申にどう連動させていくかです。
 この特例法案は、当面の予算編成を中心とした三年間の時限立法であります。言うならば、この法案が成立しても、それは行財政改革へのスタートでしかありません。むしろ、これからが行財政改革への正念場を迎えることになると言えましょう。本来ならば政府みずからが決断して提案すべきものを、第二臨調のお世話になってこの特例法案を提案していることを謙虚に反省することであり、その意味からも、明年夏に予定されている第二臨調の本格的答申は、これを全面的に採用し、実施に移すことを決断すべきです。その決断が国民の共感と支持を得ることになるのであり、行政改革も成功すれば、財政も再建し、国民生活も安定することになると言えましょう。鈴木総理はその決意を持って実行してこそ、「行政改革に政治生命をかける」と言われたその言葉が生きてくるというものでしょう。
 最後に、いまここに鈴木内閣の手によって本格的な行政改革への歴史的第一歩を踏み出したことを高く評価し、敬意を表するものであります。鈴木総理も不退転の決意を持って、これを出発点として、国民が期待している、額に汗してまじめに働く人々が報われる福祉国家への新しい国づくりという目標を持って、この行政改革を推進することを強く要請し、賛成討論を終わります。(拍手)
#42
○議長(徳永正利君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#43
○議長(徳永正利君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#44
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、本案は可決されました。(拍手)
     ―――――・―――――
#45
○議長(徳永正利君) この際、日程に追加して、本日災害対策特別委員長及び行財政改革に関する特別委員長から報告書が提出されました台風十五号による災害復旧対策に関する請願外六件の請願を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。
#47
○議長(徳永正利君) これらの請願は、両委員長の報告を省略して、両委員会決定のとおり採択することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。
#49
○議長(徳永正利君) この際、委員会の審査及び調査を閉会中も継続するの件についてお諮りいたします。
#50
○議長(徳永正利君) まず、社会労働委員会において審査中の老人保健法案について採決をいたします。
 本案の委員会審査を閉会中も継続することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#51
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、本案の委員会審査を閉会中も継続することに決しました。
 次に、公職選挙法改正に関する特別委員会において審査中の公職選挙法の一部を改正する法律案について採決をいたします。
 本案の委員会審査を閉会中も継続することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#52
○議長(徳永正利君) 過半数と認めます。
 よって、本案の委員会審査を閉会中も継続することに決しました。
 次に、各委員長要求に係るその他の案件について採決をいたします。
 これらの案件は、いずれも委員会の審査または調査を閉会中も継続することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○議長(徳永正利君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも委員会の審査または調査を閉会中も継続することに決しました。
     ―――――・―――――
#54
○議長(徳永正利君) 今期国会の議事を終了するに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 今国会においては、当面する諸問題について終始熱心に審議に当たられ、ここに円満に会期を終了する運びに至りましたことは、ひとえに御協力のたまものと衷心より感謝の意を表する次第であります。
 内外の情勢まことに多事多端の折から、各位におかれましては、今後とも御健康に御留意の上、一層の御活躍をお祈りして、ごあいさつといたします。(拍手)
 これにて散会いたします。
   午後八時十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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