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1949/03/23 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 通商産業委員会 第15号
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1949/03/23 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 通商産業委員会 第15号

#1
第007回国会 通商産業委員会 第15号
昭和二十五年三月二十三日(木曜日)
   午後一時四十四分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○連合委員会開会の件
○派遣議員の報告
○輸出信用保険法案(内閣送付)
○中小企業等協同組合法の一部を改正
 する法律案(内閣送付)
○不正競争防止法の一部を改正する法
 律案(内閣送付)
○鶴岡纖維製品検査所川俣支所の本所
 昇格および小高支所設置に関する請
 願(第一四一号)
○金属鉱山の危機打開のための鉱業政
 策確立に関する請願(第一六八号)
○中小企業救済に関する請願(第六〇
 五号)
○岡山、福山両市に神戸纖維製品検査
 所支所設置の請願(第六七五号)
○帝国石油株式会社讓渡の石油鉱業権
 返還に関する請願(第一二三一号)
○中小企業等協同組合法中一部改正に
 関する請願(第一二八八号)
○中小企業の設備資金融資に関する陳
 情(第七九号)
○中小企業の金融難打開に関する陳情
 (第一二一号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋啓君) これから通商産業委員会を開会いたします。先ずお諮りいたしたいことがありますが、小型自動車競争法案について地方行政委員会から連合審査の要求がありますが、同法案の審査について地方行政委員会との連合委員会を開くことについて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(高橋啓君) 御異議ないと認めまして、この法案については連合審査をいたすことにいたします。つきましては日時は追つて公報でお知らせいたすことにいたします。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(高橋啓君) 次に派遣議員の報告をお願いいたしたいと思いますが御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(高橋啓君) それでは境野さん、派遣議員の御報告をお願いいたします。
#6
○境野清雄君 私から、先般宮城、福島、山形の三県に派遣を命ぜられましたので、中小企業を中心として各種産業の視察を行いました御報告を申上げます。日程は十一日の夜行で上野を発ちまして十五日の夜行で帰りました。ですから中四日を視察に用いたわけであります。第一日は石巻、第二日目は塩釜、仙台、第三日目は川俣、福島、第四日目は福島、米澤とこの各地を視察したのであります。派遣されましたのは私一人でありまして、始終專門員の小田橋君に同行して頂いたわけであります。視察の個所は、東北振興パルプ株式会社の石巻工場、仙台の工芸指導所、川俣の織物工場数個、福島の日東紡工場、米澤の猪俣工場、及び米澤織物会社工場でありました。そして各地で県市の要路者、商工会議所、協同組合等を中心とする座談会を開いて貰いまして、中小企業の実情について詳しく説明を聽く機会を作つて貰いました。そこで今回の視察によつて得ました結果を簡單に皆さんに御報告申上げたいと思います。
 その第一は、東北地方の特殊性ということであります。それは東北地方の産業としては農業、水産業、鉱業等のいわゆる第一次的産業、原始産業があるけれども、製造工業と商業は余り発達していない。即ち東北にあるところの天然資源を直接に利用する産業が発達しておるだけでありまして、他から原料を持つて来て加工するという産業は殆ど芽生えていないということであります。現在東北にある工業立地條件といたしましては、只今申上げました農業、水産、鉱業の資源と、労働力と電気であります。そこで動力としての電気を何とか確保しようということが目下最大の問題でありまして、電気問題についての関心は実に著しいものがあることを特に申添えて置きたいと思うのであります。この資源と労働力と電気があつても、肝腎の資本が足りないために工業は起きないのであります。そこで資本殊に国家資本をどれ程東北に活用できるかということが問題になつて来るのでありまして、これについても、東北は明治以来頗る惠まれない地位にあるのでありまして、今後国土の総合開発という際には大にい考慮すべき点であるということを痛感したのであります。
 視察しました中の東北の大工業について申上げまするなら、東北振興パルプを視察したのでありますが、秋田県で人絹パルプ、宮城県の石巻で製紙パルプを製造しておるのでありますが、石巻だけで八百人に近い労働者を持ち、林業その他の関連産業を通じまして、東北に多くのエンプロイメントを與えている点は見逃せないのであります。自然発生的の工業といたしましては、福島の日東紡を視察したのでありますが、但しこれは福島県のみに工場がありまして、それ以北にはないのであります。東北が如何に工業立地的に不利であるかということが如実に分るような気がするのであります。
 次に視察して参りましたうちの中小企業について申上げまするなら、東北には従つて中小企業も少ないのであります。大企業が少ないのでありますから、下請機関の中小企業の少ないことは勿論であるのでありますが、他地方の需要に応ずるような中小工業は川俣、米澤、會津を中心として東北南部には相当にあるのでありまするが、その他地元の需要に応ずる中小工業は到る所に見受けられるのでありますけれども、これら中小企業の現地の声を聽くことが私共の今回の視察の主眼であつたのであります。この各地の中小企業を主といたしまして、座談会その他によつて得ました大きな問題だけを一、二申上げたいと思うのであります。
 第一は現在各地で問題になつておる金融問題であります。何といつても金融問題に対する声が大きかつたのでありまするが、金詰りは今や全国的な問題でありまして、東北で問題としておりますのは地方銀行の増設と、不動産金融機関の設立の要望が強いのであります。中央銀行の支店と地元銀行の預金と貸出しの比率を見ますと、宮城、秋田、山形三県の調査を貰つたのでありますが、これによりますと、地元銀行が七〇%前後をこの貸出ししておるに対しまして、支店銀行では六〇%を超えるものが極く少い。即ち支店銀行は預金を吸收するだけでありまして、地元に貸付ける割合が少いということになるのであります。併しながら金融機関を利用しておる度合は非常に東北においては少いということを見たのであります。商工中金の仙台支所は別枠資金を三千万円持つておるのでありますが、貸出しは千五百万円程度に過ぎない。従つて申込みに対して九七%までは貸出しておるという状態でありまして、これは商工中金の仙台支所から金が沢山来ておるのに利用者が少いというような発言をしたのでありまして、これは大いに注目すべき点ではないかというふうなことを感じたのであります。福島では小売商店の一割ぐらいきり銀行との取引がないという報告を受けたのであります。いわゆる中小企業は金融機関の利用方法を知らないというような点も、大いに感じられたのでありますし、又銀行とは縁がないのだというような点を、初めからもうそういうような考えでかかつておるのでありまして、中央の金融と、又地方との間に相当の喰違いがあるのではないかというようなことを痛切に感じたのであります。東北ではこの点が特に著しいのではないか、他の地区におきましてもそういう点もあるのでありまするが、東北では特にこの点が著しい、そういう意味で中小企業金融の手続きの簡素化が必要でありますことと、東北では金融の斡旋指導が急務であると思うのであります。銀行や商工中金に対しまして行きにくいものも信用組合や、無盡会社えは行きよいらしいというような点を見たのでありまして、それだけに信用協同組合の設立について認可を速やかにして欲しいという声が至るところで叫ばれておつたのであります。又信用保証協会も現に設立されておるのでありますけれども、これに対して国家信用の裏付けがなければ活動は不十分である、そこで中小金融に対する損失補償制度の確立が望ましいということで宮城、福島両県の要望であつたように見受けられるのであります。
 次に大きな問題といたしまして税の問題でありまするが、金融と並んで問題になつたのは税金攻勢ということであります。その深刻さに比べていわゆる青色申告制度が甚だ不評でありまして尚且つ無関心であつた。この制度が難解でありまして、計理士を依頼しなければ活用でき得ないというような点から見まして、制度の簡素化を考慮すべき点ではないだろうかこういうふうに痛感したのであります。
 次に同じように協同組合の問題でありますが、協同組合は現在改組中のものが多く、改組されたものにつきましても、協同組合の精神がとの点まで理解しておるか不安なものがあるのでありまして、信用協同組合の設立の認可を速やかにすべしという声は、今申上げました通り、各方面にあるのであります。協同組合の協同施設に対する国庫補助は、一部に増額してほしいという声が強かつたのであります。
 次に企業の経営の合理化という点につきまして申上げまするならば、川俣の羽二重、米沢の絹織物を見まして感ずることは、如何にも織機が疲れておることであります。半木製のものが大部分でありまして、鉄製のものはごく少量きりない。これは川俣の機業が輸出物でありまして、いわゆる統制の非常に強かつた時代に輸出物を主にしておりましたので、利益が非常に少かつた。設備を更新する機会がなかつたというような点があるのでありますが、又米沢についても何分市場に遠いので、現在バイヤース・マーケツト時代には不利ということが、どうしても免れない。この市場に遠いということは、東北の産業の一般に言えることでありまして、この不利益は何らかの面で克服しなければならないのに、かくのごとく設備が老朽化しておるということは致命的の欠陷でありますから、更新を促進しなければならないのでありまして、そこにも金融難があるというような状態であります。そうして、この関東方面或いは他の地区に比較いたしましてどうしても東北の産業は一般的に遅れておる。まして企業の合理化には、技術の向上が必要であるのでありますが、これについて仙台の工芸指導所が果した役割は大きいのであります。指導所では、東北に多いプナ材の木工の研究などを実施しておりましたが、東北の地理的環境からいたしまして、東北の資源と労力を利用し、東北の風土に適した産業の発見は重大な事業であると思うのであります。
 以上のような形でありまして、極簡單な御報告でありますが、東北の産業に対しましては、通産委員会といたしましても大いに取上げて、そうして東北の開発が日本の期待しておる経済復興に役立つ要素をもつておるということを感じましたので、是非とも今後東北の産業の復興に対しましては、当委員会の格段なる御協力を賜わりたいと思う次第であります。以上甚だ簡單でありますが、視察の御報告を申上げます。
#7
○委員長(高橋啓君) どうも有難うございました。
 次は輸出信用保険法案の質疑に入りたいと思います。発言がありましたら……。
#8
○深川榮左エ門君 その前に中小企業に対する只今の報告に関連いたしまして、金融のことについて一言御質問したいと思います。中小企業の金融が非常に困難に陷つておるということはこれは周知の事実であります。最近見返資金といたしまして月に一億五千万円、見返資金からの融資を中小企業に対してお出しになつておるということに対しては、我々中小企業は、甚だその当を得たことを衷心より喜んでおるような次第でありまするが、そのことにつきまして、実はお伺いしたいのは、いわゆる中小企業というものはどういう線以下のものを中小企業と言われるかという点です。例えば日銀の今後の見返資金の貸出しにつきましても、資本金三百万円以下の企業に対しては、融資の途がないということになつておる、これを常識的に考えますると、資本金三百万円の企業というものは、これは当然中小企業に属しておるものであらねばならない。戰前に比較いたしますと、もうこれは非常な小企業であるというのが我々の常識であります。然るに政府といたしましては中企業に対しても、小企業に対してもその中小企業による重要性は十分認めておられると思いますが、最近の二十二日の吉田総理大臣の参議院予算委員会における御説明の中にも、中小企業の今後の育成については十分力を盡して行きたいというようなお話のように新聞紙上で、又委員会で承つております。そういう事情にありますけれども、事実は只今の線の引き方が三百万円といたしますと、いわゆる小企業はそれに対して非常に見返資金による融資を受けるけれども、中企業に対しては融資の途がないというような点が、非常にこれは私はまあ不公平な処置でないかというようなことを痛切に感ずるものであります。で一応三百万円という線を政府の方で出しておられる関係からかも知れませんが、二、三日前の時事新報に書かれております制限店舗というようなものを設置の意向があるらしいのです。それに対してやはり三十万円以下の資本金に対しては、いわゆる金融の途を講ずるというような意味のことが書いてあるように思うのであります。その点を、中小企業は如何なる線で中小企業といわれるか、抽象的な問題の中小企業というものは、どういう具体的な考え方からそれに対する融資の対象としておられるかという点を一つお伺いいたしたいと思います。
#9
○政府委員(宮幡靖君) 中小企業の定義ということのほどではございませんが、中小企業と申しますると、今一応目安をつけておりますのは、資本金三百万円未満、従業員百人未満、こういうものを取りまして一応中小企業と認めておるのでありますが、勿論これの根拠につきまして何かあるのかということになりますと、法律ではつきりさように決めたという線もないわけでありますが、御承知の中小企業と協同組合の組織の上におきましては、やはり百人未満のものをとりまして、一つの目安としておるというような規定がありまして、現在中小企業庁の中で取扱つております金融措置、その他の指導、斡旋ということは、資本金三百万円未満、従業員百人未満の線でいたしております。それを超えますと、例えば四百万円とかいう方の金融措置につきましては、産業資金の供給は企業局にあります産業資金課というものがありまして、ここに御申出を頂きましたこれに証明を附しまして興銀なり、或いはその他の市中銀行なりに対しまして融資の斡旋を一件々々取扱いをいたします。これに対しましても相当の実績を挙げておる次第であります。尚時事新聞に書かれておつたという御質問の專門店舗ということは銀行店舗の意味だと思いまするが、若しそうでありますと、都市銀行の中の或る店舗を指定いたしまして、それを中小企業專門の金融機関を指定するということに大蔵省側との話合いが進んでおりまして、而も近くこれを実現いたしたいという意向のように承つております。併しながら私の方の考え方から行きますと、單に店舗を指定いたしまして、中小企業專門といたしましてもなかなか巧く運用ができない、特に中小企業の大部分と申してもよいものは、金融機関との取引の事実がない、そういうものが非常に多いのでありますので、これらと親しませます上において銀行も朝は九から開店いたしまして、三時になると閉鎖をして幕を降してしまうというような行き方では中小企業と密着する店舗にはなれないし平時経済の当時にありましたいわゆる晝夜銀行というような組織も取入れまして中小企業の專門店舗を置いたら、せめてこの晝夜銀行のような意味で何ときでも応じられる、どんなに少額の金でも預つて貰える。かように金融機関との親しみを増すような方法を更に考慮して頂きたいという條件を附しまして、只今大蔵省と交渉中であります。
#10
○深川榮左エ門君 私がお聽きしたいのは、いわゆる中企業も、小企業も同じに見返資金の月一億五千万円、それの融資の対象になるべきものであるという趣旨からお尋ねしておるのでありまして、それに三百万円の線を引かれたのはどういう意味であるかということをお尋ねしておるのであります。この点について一つ。
#11
○政府委員(宮幡靖君) 先刻も申上げましたように、三百万円、百人未滿というようなことは、これは中小企業の協同組合の規定に則りまして、そこに線を引いたわけでございます。これも法律で嚴格にそうしなければならんということはありませんで、所要資金が仮に三百万の資本金でありますけれども、その所要額が一千万円も二千万円も欲しいというようなものがあれば、これは産業資金課において現に斡旋をいたしておる。先程も申しましたように、四百万円とか、五百万円とかいうことでありましても、これをやはり取上げてむしろ総括的ではなく、一つ一つの御斡旋をいたしておりまして、これは相当成績を挙げておる。ただ資本金が小さいと、金融機関の行き方によりますと、資本金額の三倍以上の金額は困難であるというようなものもあるようでありますが、これに対しましてもやはり特別のものは特別のものといたしまして、御斡旋をいたしておるような次第でありまして、中企業を見捨てまして、小企業を重点的にするために三百万円、百人未滿というような取扱上の線を引いておるのではないことを御了解頂きたいと思います。
#12
○深川榮左エ門君 中企業は前に申しましたような非常に金融的に困つておるのであります。大企業になりますと、その事業の種類が限られておるものでありますが、中企業に対する金融の枠と申しますか或いは対象と申しますか、その点については非常に対象が少い。日本における中企業の重要性はこれは国家として決して忽せにすることができない大きな使命を持つております。私は考えますのにいわゆる資本金によつてその線を引くのでなく、大企業は大きな資本が必要であるから従つて大きな金融措置を願うし、中企業は中企業並の金融をお願いするであろうから、三百万円という線を引かれることは、これは不必要じやないか、中小企業ということは大体抽象的の言葉である。それに具体的な数字の三百万円というような線を引かれることは、当を得ないじやないかという工合に考えるのですが、この点を伺います。
#13
○政府委員(宮幡靖君) 御意見は一応御尤だと思います。平均三百万円という線を引きましても、それは固定して動かないものではございません。現在のようにインフレからデイスインフレ或いはこれから将来デフレ的の傾向になるのかも知れません。こういう過程におきまして資本構成の中に同じ名目表示の上におきましては三百万円でありましても、内容を相当異にしておる企業があるのであります。戰前の構成資本そのものを、そのまま帳簿価格に維持して参りましたものは再評価によつて調整されるわけですが、その点は除外いたしましても、内容におきましては相当の懸隔がある。又企業再建整備法によりまして、再建整備をしました第二会社、或いは新旧勘定の合併の認可を得た会社等は、いずれも増資等をいたしております。これらによつて脹くらみました資本というものは、旧態そのままの資本と比べますと、相当の矛盾のあることは事実であります。従いまして三百万円の線は絶対不動の数字ではございません。一応の目安として設けたのでございます。実情に即しましてこれらは一つ一つ解決して参りたい。但し申上げて置きますが、三百万円以上のものには不平等な待遇をいたすというような考えはありません。中企業はなんとしても小企業よりも件数が少いことでありますから、事実問題としては親切に御世話できるのではなかろうかと考えております。尚御了解しにくい点がございましたら、個々の問題につきまして御協力頂きますならば、それに対して適当な措置を講じまして万遺憾なきを期して参りたいと考えております。
#14
○深川榮左エ門君 それでは中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案の審議のときに又質問します。これで終ります。
#15
○委員長(高橋啓君) それでは輸出信用保険法案に対する質疑に入ります。御発言ありませんか。
#16
○中川以良君 先般もこの点は伺つたのでありまするが、尚本日明確なる御答弁を頂きたいと思いますることは、この制度を運用いたしまするための輸出信用保険特別会計をこのたび設けられることに相成つております。これの基金は二十五年度の一般会計からこの間のお話では五億円、それから二十四年度の剰余金から五億五千万円、合計確が十億円ばかりのものを以てやられるのでありますが、その外に再保険を、保険会社からいわゆる契約についての保険料を徴收をされる。それからこれを以ちまして、いわゆる保険の支拂とこれに対する事務費とを支出せられることになるのでありますが、これの一体收支計画というものは、はつきり政府の方で以て予定を立てておられるのか、この辺を一つお伺いをしたいと思います。
 殊に損失のいわゆる危険率というようなものはどういうふうに考えておられるか、それから先般のお話であつたと存じまするが、二十五年度の輸出はFOBで以て約六億三百万どる見込んでおられるように承つたのでありますが、一つこれらに対する根拠と現在の状態から見まして、その計画通りに大体行くかどうか、非常な狂いはありはしないかというような点等につきまして、その收支計画と一緒に一つ御説明を願いたいと思います。
#17
○政府委員(宮幡靖君) 中川委員から御指摘のこの再保険の限度につきましては、二十四年度の補正予算において十億計上いたしております。それから二十五年度においては御承知の通り十五億、あとはまあ保険料を徴收いたしまして独立採算制で行くということになつております。
 それから輸出貿易を対象として考えると六億二千万ドルくらい、このうちのまあ三分の一程度はこの保険を利用して金融措置を講ぜられるものと思いまして予算を編成した次第であります。
 貿易の実情についてはいろいろ御意見もあろうかと思いますが、一応ボンド地域のこの輸出が只今不振の現状にあります。これは一つの一時的な現象でありまして、輸入が超過したということであります以上、協定貿易でありますからには、必ず日本のものが良質で廉価でありますれば買取つて頂ける。非常に輸入が超過したということは、逆説になるかもしれませんが、やがて輸出が振興するであろうということに期待を持つておりまするので、当初予算の暦年度におきまする六億二千万ドル程度の輸出はできよう。その三分の一は保険管理、かような形で睨み合わしてできております。
#18
○中川以良君 今私のお伺い申上げましたのは、いわゆる危険率であるとかこれの收支計画等につきまして、もう少し数字的に御説明を願いたいと思うのであります。
#19
○説明員(照田弘久君) 御説明申上げます。二十五年度におきまする大体の輸出計画と申しますか、今の見込計画が二千百七十三億円ばかりに見込んでおりまするが、そのうち約三分の一程度が本保険に加入するものと仮定いたしました。又その保険価額のうち保険金額は百分の八十というふうに考えておりますので、三分の一の百分の八十でございますので、大体輸出契約額の二五%程度が保険の加入金額と相成ろうかと考えておるのでございます。それに対しまして支拂保険金の関係でございますが、危険率を大体千分の四・八程度と見込んでおりますので、大体千分の四・八程度の保険金の支出が生じた場合におきましては、二億六千百万円程度の支拂保険金に相成ろうと考えておるのでございます。そのうち現実に会計年度が始まりましてから、保険金の支拂が三ケ月くらい遅れるのではなかろうかという観点から、十二分の九を予算に計上いたしまして、一億九千五百万円という支拂保険金の予算の数字に相成つておるのでございますが、それとは別個に予算総則におきまして、政府の支拂保険金を支拂いし得る限度を十五億円ということに抑えておるような次第でございます。
#20
○中川以良君 只今のお話の千分の四・八というのはいわゆる対象事故の発生率でございますか。
#21
○説明員(照田弘久君) お答えいたします。大体従来の実績から勘案いたしまして、危険率が一%一程度に相成るのでございまするが、そのうちで輸出の契約の履行をできないとなりますると、船積の費用でありますとか、或いは海上保険料とか、その他の船賃などが節約されることに相成りますから、そういう節約が大体二割見当あるのではなかろうか、そういたしますると八〇%程度が契約額の危険率ということになるのでございますが、そのうちで更に貨物を国内におきまして処分いたしたりいたしますると、大体四五%程度が転売等によつて回收することができる、八〇%のうち不回收に相成りますものが四四%程度になるのではなかろうか、更にその四四%の先程申しました危険率が一%一程度でございますので、総じまして保険金額の千分の四・八程度に相成るのではなかろうか、かように考えておる次第であります。
#22
○中川以良君 一つ今の数字をプリントにでもして頂載いたしたいと思います。
 それから輸出契約の條件につきましては、これは何か政令で規定をされるわけでございますか。どうでございましようか。
#23
○説明員(照田弘久君) お話の通り政令で規定することにいたしておりますが、それは普通の決済方式のもの、いわゆる外国貿易関係の標準決済方式のものにつきましては、普通にこの保険に充てることができる、それ以外のものは例えば無為替輸出をいたしますとか、或いはポンド、ドル以外の資金で決済をするとかいうような異例のものにつきましては、それぞれ輸出貿易管理令によりまして、通商産業大臣の承認を必要といたします。或いは又大蔵大臣の許可を必要とする、こういうことに相成つておりますので、そういうものはその許可を得たものに限るというふうに考えております。
 その他輸出契約ご成立いたしましてから輸出に船積できますまでの間が長期のものにつきましては、いろいろ事情の変更もありますので、本保険に付するのは如何かと考えられますので、大体契約後船積まで六ケ月以内のものを本保険の対象にして行きたい、かように考えておる次第であります。
#24
○中川以良君 この保険と再保険の料率、手数料とにつきまして、一つ簡單で結構でございますから御説明願いたいと思います。
#25
○説明員(照田弘久君) 再保険料は大体におきまして千分の五程度を予定いたしております。それから保険会社が輸出者と結びます元請保険につましては、大体のところ千分の六程度、つまり千分の一程度が事務費に相当するように考えておるような次第であります。
#26
○中川以良君 この保険の対象が、この度は輸出手形から輸出契約に変つたのでございますが、これはまあ大変危険の範囲が拡大されましたので、非常に結構だと考えておりまするが、結局これによりまして、業者は金融を受ける範囲というものが拡大された。又便宜を受けられるようになつたかというような点に疑問があるのでありますが、是非そうしなくちやいかんと思うのでありまして、この点は十分当局でも御考慮を頂きたいと存じますが、その金融関係につきましては、政務次官はどういう考えを持つておられますか。
#27
○政府委員(宮幡靖君) 御承知のようにこの法案を御審議願います前におきまして、輸出信用保証法というものが出発でありまして、輸出の金融を政府の保証によりまして達成いたしたいという、こういうことが現在の情勢の上に許されず、結局保険組織で保険方式で行こうということで、この提案になつたわけであります。前国会におきましても概略を申上げたような次第でございます。従いましてこれによつて輸出金融がどれだけ円滑になるかという問題については、先ず表向きの方法で参りますと、保険証券に対しまして、手形を付して割引をして頂く。これが表向き申す金融方法でございます。反面におきましては契約が完全に成立いたしておる、特にこの保険事項の中からバイヤーの都合によります完全なキヤンセルとか、或いはバイヤーの破産というようなものを保険のリストから除いてあるような関係で、これは輸出契約をカバーする。むしろ不安定な契約をしないということで、消極的にカバーして行こうというような趣旨もありますので、輸出契約の成立いたしておるものに対しましては、特段の曾てのスタンプ手形の方法で輸遇いたす方針も方えております。これを保険証券によつて裏付することができましたならば従来とはまさりました金融措置が講ぜられることを期待しておるような次第でございます。
#28
○中川以良君 金融措置に関しましては、どうぞ今後も特段の御配慮をお願い申上げたい。
 本法案によりまして受けまする一つの大きな利点ともなるように是非お願いいたしたいと思います。
 それから第三條につきまして、前の案では航海の中断や、航路の変更によりますところの諸掛り、運賃、保険料の増加が危険の範囲に入つておりましたところが、今度の法案ではこれは削除されておるのでございますが、その理由は、通常保険がカバーするからいいというような御説明でございまするが、こういうような点がまだこの法律の上におきましては明確に規定されていないのでありまするが、これで差支えないものかどうか、その辺を一つ承わりたいと思います。
#29
○政府委員(宮幡靖君) 前国会で御審議願いました第六項目に掲げておりました條件は、これは一般の保険で危険担保をすべき筋合のものであつて、貿易取引の方の危険負担とは認め難いとの関係向の意向で削除されているのであります。私もその実例につきましていろいろ調べて見ましたが、乏しき資料でありましたが、実例も極めてまれでありまして、ことさら取上げまして保険事項の対象とするというような程のこともないと思いまして、一応関係向きの意見に従つて削除したようなわけです。三條の第四号に例挙いたしましたその他の「前各号に掲げるものの外、本部外において生じた事由であつて、輸出契約の当事者の責に帰することができないもの。」と、この解釈につきましては、相当彈力を持つて判断して貰いたいという考えでおるわけであります。
#30
○中川以良君 今の点は、大体政府の方ではそういうふうにお考えであればいいのでありまするが、どうも多少明確を欠いておるのではないか。何となれば前の法案にああいうようなことがあつたものですから、それが頭にこびりついているわけです。その点今後問題が起きた場合に、疑問が起きわせんかということを私はただ心配をいたす次第でございます。
 それからもう一つは、第五條に関連をいたしましてお伺いいたしたいのでありまするが、保険会社が輸出業者に支拂いますところの保険金の支拂いの時期でありまするが、これが遅滯なく支拂われねばなりませんが、これに対しては何ら規定をされておらないのでありまするが、こういうような点について、やはり遅滯なく、一保険会社が支拂いを明確にするという点が謳つてなければいけないのじやないかというふうに考えるのでありますが、如何でございましようか。
#31
○政府委員(宮幡靖君) この保険契約につきましては、保険会社との契約自由の原則を認めるような立法の仕方をしております。そこでこの約款の必須な條件をここに指摘してあるわけでありますが、その他の約款の内容につきましても、それぞれ適切な監督指示をいたしまして、保険金給付の時期を明確に指定いたしまして、その履行を怠らないようにいたして参りたい、かように存じます。
#32
○中川以良君 更にお尋ねいたしたいのは審議会の件でございますが、審議会の委員が民間人と官庁側から出るのでありまするが、こせれに対しましての割振り等につきまして、何か具体的の案をお持ちでございましようか。
#33
○政府委員(宮幡靖君) これは、審議会の構成について中川委員から御尤もなお尋ねでございますが、一応通産省としては考え方を持つておりますが、それが適当でありますかどうかということにまだ決定的な判断を持つておりません。それでは大変遅いのじやないかというお叱りもあろうと思いますので、大体の構想を申上げますが、これはもうそれが固定の、動かすべからざるものではないので、その点お含みの上お聞取を願いたいと思います。
 大体構成は民間人五、官界から四というような比率で、そのうちの割合は貿易関係から二人、保険業者から二人、金融関係から一人、その他学織経験者といいますか、特別な技能をお持ちの方を差挾みまして委員会を作りたいと、かように考えておるのが只今の段階でございます。
#34
○中川以良君 一つ審議会に対しましても、早く具体的の案をお示しを願いたいと思います。本法案を実施いたします上において、最も重要なる問題であろうと思いますので、多少政府の方で不用意であられるのじやないかと思います。それからこの法案が実施をされました場合に、一切必要なる方面はどの地域であろうというような点、何かやはり政府の方でお見通しをお付けになつているかどうか。つまり輸出先ですね。最近国際情勢は非常にめまぐるしい変化をいたしておりますので、これは容易に判断し難いのでありますが、一体どの方面の輸出に対して最もこれは適用されるのだというような点、そのために輸出がこういうふうに振興するのだというような、何か見通しがおありじやないかと思いますが……。
#35
○政府委員(宮幡靖君) 法案といたしましては全輸出を対象といたしまして、各仕向地と見合いましての考え方でありますが、特にどういうふうに考えているかと申しますと、我々の輸出の通常の状況を考えますと、先ずドル地域からの原材料の輸入、加工品若しくは製品はポンド地域へ輸出する。これが恐らく通常の形であろうと思います。従いまして輸出信用保険法であります以上、ポンド地域を対象にして、具体的に申しますれば東南アジア地区を仕向地といたします貿易に対しまして、この法案が運用されることを期待しているわけであります。
#36
○中川以良君 それから在外事務所が最近ニユーヨークを初め各地に置かれるようになつたのでありますが、当初私共は産業人といたしましての立場から、通産省の担当官が多数出られることを新聞等で承わりまして、心ひそかに喜んでおつたのでありますが、その後殆んど首脳部は外務省関係の方が行かれるようになつたのですが、これに対する一つ当初の御計画と多少変つたというような点は、どういうことにあつたのかということをお伺いいたしたい点が一点、それからこの在外事務所が今後具体的にどういう仕事をするのであるか、殊に通産省としてはどういう点に重点を置かれ、要望しておられるかという点を承わりたい。
#37
○政府委員(宮幡靖君) 在外事務所の問題につきましては当初の方針が変つたとは思つておりません。これは吉田外務大臣が貿易に限らず、外交一元化ということが現在の国情におきましては適切である。そういうことで領事或いは商務官、財務官というようなものが、それぞれ国で違つた行政官庁に直結されておつたという曾ての制度は一応考え直さなければいかんだろう。この際渉外関係をやつている外務省に一元化して行く方針の上におきましては、内は通産省なり或いはその他の関係省と連絡するということは必要であるが一応表には外務省で代表しております。その後変更あつたようには聞いておりません。人選の問題になりますが、通産省といたしましては状来ある人物を送り込みたい、かようなことで現在の身分といいますか、その公務員としての地位の上では左程上級でない方でも、状来育成の上日本の貿易のために非常に活躍を期待される方を、或いは状壯のみを派遣したいというので名簿を提出いたしまして選考を頂いたわけであります。その権限につきましてはこれはここではつきり全部申上げることはどうかと思いますが、大体現在ではスキヤツプ事務所の事務に対します在留日本人等の戸籍に関する問題、その他財産に関する問題等を主としてやる。それに対して直接的な指示を出したり、立案する等の権限はないように承つております。勿論状況を調査いたしまして、これを連絡いたすこと等は許されるだろうと考えております。併しながらこれによりまして貿易振興の全部が達成されるなどとは考えておりませんので、只今省内の案といたしまして英国のベトロの制度を至急やりまして、各地区に情報機関と申しますか、貿易に関しまするあらゆる施策を講ずるようなものをやる、予算措置等も考えまして交渉をいたしましたが、本国会でこれを実現する運びに至らなかつたのであります。併しながらそれを設けたい熱意は未だ変つておりません。従いまして今後の機会を捕えまして、さような機関を設けまして是非とも貿易振興、少くとも盲貿易というような御非難を受けないようにいたして参りたい、かように考えております。
#38
○中川以良君 最後にもう一つ伺いたいのは、先般新聞の報道でございましたが、GHQが民間物資の中共向の輸出を正式に許すというような記事があつたのでありますが、これらは何か正式にそういうすでに折衝が行われているのでございましようか。
#39
○政府委員(宮幡靖君) 占領下におきます日本の貿易協定は、日本政府に司令部が代位いたしますことでありまして、でき上つたものについて公表の運びになりますれば日本政府に通知を頂く、こういう形でありますので、事前の交渉前はあまり承知いたすわけには参りません。最近司令部の好意によりまして、各種貿易協定にオブザーバーを送りましてこれに参加いたしております。一つの進展はいたしております。
 併しながら御指摘の中共貿易に対しましては、先般新聞ラジオ等で発表がありましたが、只今のところ正式に日本政府に対しまして何らの交渉はないような状況であります。併し現在におきましても今日の中国を相手といたしまする貿易というものは、エスクロ・バーターによりまして決済協定もございますが、條件が整いますれば必ずしも不可能ではないのであります。敢し現在の政府が中国の貿易を拒否するという態勢は取つておらないということを御了承頂きたいと思います。
#40
○兼岩傳一君 私は肥料の輸出の問題でお尋ねしたいのでありますが、この問題は非常に化学肥料にとつても重要でございますし、又農業生産にとつても重要でございますので、特に大臣をお願いしたのでありますが、大臣は御都合が惡いそうでありますので次官にお尋ねし、尚技術的に亘る点は他の政府委員から適当に御答弁頂きたいと思います。従つて私は大臣に予定いたしておりました部分は次の機会に留保いたします。そして次官並びに課長にお尋ねいたします。先ず第一点は肥料を輸入するのか食糧を輸入するのかという問題ですが、その筋から政府に言つて来たというので新聞で非常に論議されておりますが、これに対して政府はどういう答申をされたか、若しまだ答申されていないとすればどういうふうに答申されるお考えか、或いは各省関係の折衝の内容、その他についてはどんなふうに進めておられるか、先ずそれをお尋ねしたいと思います。
#41
○政府委員(宮幡靖君) 御指摘の点ですが、肥料で輸入するか、食糧で輸入するか、こういう問題はその所管省は御承知の通り農林省でありまして、私の方で直接決定的な意見を申上げかねるわけでありますが、いろいろ論議されております。只今私のところに事務当局から報告を頂載いたしております段階では、まだ確定的な結論に達しないようでありますが、通商産業省としまして考えております肥料政策につきまして一応申上げますると、御承知のように日本は世界屈指の硫酸国でありまして、先ず硫化鉄鉱を増産いたしまして、硫酸の製造をいたし、そうしてこれを輸出すると共に硫安等の国内需要を賄い、更には肥料といたしまして外国に輸出したい。不幸にいたしまして只今まだ硫化定鉱の統制がありますために意のごとく硫化鉄鉱の増産ができないという状態であります。これを統制撤廃して自由価格といたしましてやりましたならば、剃てのごとく日本国が世界第一と申しましてもよい程の硫酸生産国になろう。これによりまして肥料の生産面から考えましたいろいろの隘路は速かに打開できるものと確信を持つておるわけであります。これは将来に亘ることで御質問の、当面の問題といたしましての考え方は、肥料の課長から詳しく申上げることをいたします。
#42
○説明員(日野水一郎君) 只今の肥料輸入か、或いは食糧輸入かといふ問題につきましては、次官から御説明がありましたように決定的な回答を出す段階には至つておりません。事務的にどういうことをやつておるかと申しますと、先ず第一に安定本部を中心といたしまして先般第一回の打合せをやりました。結論といたしまして、安定本部におきまして我が国のいわゆる技術的な肥料需要量の算定をいたしております。つまり技術的並びに経済的にどれだけ一体我が国の農業生産確保のために必要であるかという算定を先ず第一にやりまして、その次の段階に参りまして一体どの点まで肥料の生産が伸びて行つた場合に、輸出を開始した方がいいかというふうな非常に複雑な、これは多くの推定を前提にした作業になるわけであります。それを今進めております。それで現に本年度の肥料の需給計画上、差当つて我が国が肥料輸出をする可能性があるかどうか、又仮に可能性がありとした場合において我が国の肥料を諸外国に買つて貰うだけの経済的なコストの面に引合うかどうかという問題につきまして申上げますと、今肥料年度、肥料年度と言いますのは、昨年八月から今年七月までの期間をいうのでありますが、今二十四肥料年度におきまして、窒素肥料におきまして百九十六万トンの配給を予定したわけであります。ところが国内生産におきまして当初予定いたしたよりも十三、四万トンを増産したわけであります。更に当初輸入は三十二万トン予定しましたものが、今の見込みでは恐らく五十一、二万入るだろうというふうな、輸入の面でも更に二十万トンばかりの増加が見込まれるに至つたのであります。これがために年度末におきまして、硫安換算で三十五、六万トンのものが余る、こういう見通しになつて参つたのであります。勿論この数量は当初の計画よりも更に肥料の増配をしたらよかろうというので、約九万トンばかり増配をいたしまして、結局二十五六万トンが来年度に繰越されるという計算になります。従いまして需給推算上から参りまして、十万トン程度のものであれば窒素肥料を輸出するという能力はあるわけであります。
 それから次にコストの面で、果して日本において肥料が輸出できるかという問題でありますが、先程次官から申しましたように、硫化鉱の面では相当豊富になつておる。從いまして硫酸の価格が非常に諸外国に比較しまして安いのであります。ところがアンモニアの価格におきましては、アメリカに比較しまして、若干割高になつております。御承知のように我が国の硫安は水の電解による電解法、それから石炭コークスを使いますガス法と二つあるのでありますが、電解法の、安い方のアンモニアの価格を取りましても、アメリカの天然ガスを原料とする硫安に比較しまして、若干割高になつております。更に我が国といたしましても、鶴力しなければ向うの市場を確保するまでに行かんのじやないか。それで最近の情報によりますと、大体南方地域で硫安一トン当り六十ドル乃至八十ドルの価格で貿易がなされておるということを聞くのであります。で現在我が国の硫安の生産者価格は約二万円でありまして、これが五十五六ドルになつております。従いましてフレイト十ドルを掛けたといたしましても、六十ドルを突破することになりまして、相当これは努力をいたしますれば市場を確保することができるかも知れませんが、合理化できなければこれは外国にやられるという現状になつております。以上が窒素肥料の状況でありまして、過燐酸、燐酸肥料につきましては、従来から燐酸肥料は外国よりも安いということが言われておつたのでありますが、だんだんこの燐鉱石を、ガリオアでなくて、民間貿易によつて入れなくてはいかんということになりますと、燐鉱石の価格が過燐酸のコストの八割乃至九割を占めるということで、今後におきましては、燐酸肥料が輸出できるかどうかということは、燐鉱石を安く買えるかどうかということにかかつて来るのじやないかというふうに考えております。ただ今年度の肥料需給におきましては、燐鉱石のストツクが非常に少くて却つて、減産されるという状況でありますので、ちよつと輸出の余力がない。従いまして輸出するためには更に燐鉱石を入れなければならんというふうな状況になつております。
#43
○委員長(高橋啓君) ちよいとお諮りいたしますが、政務次官は衆議院に行かなければならないので、そうしないと参議院の予算委員会に大臣が出席できないそうですから、できるだけ簡單に次官に対する質疑を先にして頂きたいと思います。
#44
○兼岩傳一君 僕は簡單に……。最近ですね、南方……、今もちよつと課長が触れられた南方諸地域に対して、日本の肥料を持つて行つて、それで米をそちらの方から持つて来るという考えが一部にあるようですが、次官はこれをどう考えておるか。若しも輸出するとすれば、どの程度まで今の技術的なことと関連さして持つて行くという考えを持つておられるか。その辺をちよつと……。
#45
○政府委員(宮幡靖君) 只今のところでは海外へ国産の肥料を持つて行くという余力があろうとは考えておりませんし、又肥料を持つて行つて米を貰つて来るというような契約もいたしておりません。大体米の産地と言われておりますもので貿易協定のありますものは、日タイと、最近二十一日に、一応内容を別として、表向公表されましたビルマとの通商協定、これは輸入品目、協定品目におきましていずれも米の輸入が主要の協定でありまして、これに代りますものは繊維品に近いその他でありまして、肥料を対象といたしまして協定貿易を実行しよう、輸出えのバランスを取ろうというような協定になつておりますが、通産省としましてはさようの権間を只今持つておらないと御了承頂きたいと思います。
#46
○兼岩傳一君 まあおらないということですね。じや今持つていられないという御答弁でありましたので、それはそれとして、それではこういうことを、日本の対してアメリカから従来硝安を持つて来ていろいろな問題を起しておる。まあよく聞くけれども、土地を酸性にしてしまうといういろいろなもので問題を起しておりますが、このアメリカからそういうものを持つて来られる、そういう輸入の計画を今持つておられるかどうか、これをお尋ねしたいのですが……。
#47
○政府委員(宮幡靖君) 曾ての管理貿易の時代におきましては、まあ不必要なものも或いは入るというような事例も一、二あつたかと思いますが、只今の場合におきましては、まあコンマーシヤル・ベース、自由貿易の範囲におきましてはこれは業者の考え方でありまして、政府がこれに干渉しないわけでありますが、まだ品目別割当をやつておりまするそういうものがあります。特に輸入については外貨予算の閣僚審議会で編成するようになつております。只今組んでおります予算が、将来に亘りましても、国内にも是非……、課長が申しましたような天然ガスを利用いたしまする硫安の製造というようなことも、それぞれ研究が進んでおる次第でありますが、極力従来の方針に拘わらず、外から参ります肥料というものは輸入いたしたくない、政府がやりますことはさような考え方を持つております。だけれども民間ベースのやりまするものは必らずしもこれを阻止しなければならない、又阻止する権限を持つておるかどうかということについては、十分研究の上でなければ申上げられない、かように思つております。
#48
○兼岩傳一君 最後に駄目押しの意味ではつきりしておきたいのですが、実は我々非常に心配しておる。日本で足りん肥料を南方へ持つて行つてアメリカから肥料を、特に硝安のようなものを輸入されるというような三角関係は非常にまずい。国内的の見地からいつても、又国際的な関係からいつてもまずい三角関係でないかということを心配して、実はお尋ねを、大臣に対してもその点はつきりして貰おうと思つてお尋ねしたのですが、以上の次官の答弁を総合いたしますと、そういう心配は全然なくてよろしいということをはつきり申されるものと拜聽してよろしいか。その点を最後に……。
#49
○政府委員(宮幡靖君) 足らざるものを輸出しまして、これに代るものを輸入する、そういう何か交換によつて格別の利点があります場合には特別、さようでない場合には只今のような貿易は正常なものと考えておりませんので、私の方ではこれは絶対にいたさない方針を取りたいと思います。尤も農林省といたしまして、反当硝安を幾らというような計画を立てて要請がありました昔の時代におきましては、硝安八万トンを輸入するなどの計画も俎上に上つたこともありますが、只今はそういうことは考えておりません。さよう御了承願います。
#50
○中川以良君 政務次官は大変お急ぎのようでありますが、もうちよつと二点だけ質問をいたしたいと思います。それは輸入関税の問題でございますが、最近いろいろ通産省の御調査になつて将来の輸入関税に対する資料を只今御調整中のように承つておりまするが、今般日本といたしましては従来のような関税の障壁を徒らに設けることはこれは許されないと存じまするが、ただ日本の産業が国際市場に今後伍して発展をして行きまする途上にある今日におきましては、皆が一生懸命で合理化、これの充実化に邁進をいたしておりまする際でございまするので、これらやはり産業の育成助長の意味におきまして正当なるところの、適正な税率というものは輸入品に対しては私は必要であろうと存じます。これを誤まりますると、やはり国内の折角の生産の合理化も非常に支障を来しますし、又市場も非常に混乱と相成ることと存じます。最近承わりますると、何か生活必需物資につきましては輸入品は全部無税にするというような有力なる意見が出ておるように承つておるのでありまするが、これも若しそのまま実施をされるといたしまするといたしますると、いろいろな国内の生産工業に大きな影響を私は及ぼすのではなかろうかと思つて懸念をいたしております。例えて申しますれば靴のごときが全部無税になるといたしますると今日日本の製革工場、製靴工場等折角合理化の途上にありまするものが非常な大きな衝撃を受けることになるのです。これらの点につきましてその事実があるかどうか、又御当局とされてはどういうような御意向であるかという点を一つ承わりたいと思います。
#51
○政府委員(宮幡靖君) 関税定率法に関します問題はこれは大蔵省の方の担当ではございまするけれども、すでに中川委員から御指摘のございましたように育成途上にある、又再建途上にありまする弱き産業を保護育成するために保護関税を設けることは、これは必至であります。現在食糧に対する輸入関税を免除しておるようなこともありますが、これは関税定率法を変えて廃止したのではなくて、一時一年間ならば一年間期限を区切つてその課税をやめる、こういう形をとつておるのでありまして、輸入関税を置くということが一応現在の政府の基本的な方針であります。従いまして若干日用必需品が最近非常にやかましく言われます、靴もありますが、石鹸の問題もあります、或いは国内産のパルプ、R・Pによらず、S・Pによらず、K・Pによらず、これらを無税にする運動などを業者でなさる方が一部にはあります。併しながらそういう産業を育成して行く立場から申しますれば適当なる保護関税を設け、現在の国際上許されまする程度の保護関税を設けて、いずれも正常なる国際関係にありますると同じような観念で是非処理して行きたい、これがためにいろいろの困難が伴いますが、それはあらゆる方法を講じまして了解を求めまして、関税によりまして国内産業を圧迫いたすということは是非いたしたくないということを念願いたしております次第であります。
#52
○中川以良君 今のお話はよく分りますが、是非そういう御趣旨で以て今後とも御対処願いたいと思います。それから最近進駐軍の放出物資が相当多く放出されております。先般も新聞にいろいろなものが出ておるのでありますが、最近進駐軍の靴が相当大量に放出せられ、聞くところによりますと数百万足、年間契約よりも多いような靴が放出されるというような噂すら飛んでおります。これが若しも実現されますると、これ又やはり先程申しましたように国内の生産業を圧迫するようなことになります。こういうような事実がございまするかどうか、この放出につきましても是非そういう折角再建途上にある後進産業の保護育成というようなこともお考え頂きまして、十分なる御交渉をなさいまして、関係方面の意向をそのままに一つお呑み頂かないように是非お願いをいたしたいと存ずる次第であります。
#53
○政府委員(宮幡靖君) 御指摘の靴の放出の問題は私まだ聞いておりません。従いましてそういう事実があるともないともここではお答えできません。方針といたしましては公団の滯貨処理の問題は三月三十一日までと、殊にこれは纖維品を中心としたものでありますが、さような指示を受けましたが、現在これを濫りに低価格を以て市場に放出いたしますことは、各産業に対しまして壞滅的な打撃を與えることは御承知の通りであります。その後現在の国情においては行き過ぎと思いますけれども、数度この問題につきまして交渉を重ねまして、公団の滯貨につきましては一応三月三十一日の期限もいらないし、市場価額を壞すような放出をしなくともよろしいというような状況になつております。これは一番大きな問題の纖維、皮革、ゴムというようなものにつきましては一定の価格を設けまして、その価格を見合いといたしまするビツドを進めて参りたい。従いまして或る意味から申せば、市場にありますものはその線まで価格が保持されて来るであろうということを期待してやつております。若し只今、これはまあP・Xのものか何か分りませんが、御指示の靴のようなものが若し放出が国内にあつたといたしますれば、これもさような方法によりまして、一応市場の状況と見合いまして処理して参りたい、こう考えております。この点につきまして細かいことは皮革課の方の誰か見えておりますので、若し何かあつたらお答を願います。
#54
○深川榮左エ門君 次官が非常にお忙しいようですから、一点だけお伺いしたいと思いますが、いわゆる中小企業に対する対象の範囲を資本金を三百万円ということ、これは今後堅持される御意思であるかどうかということと、それから若しもそれ以上の資本金に対してはどういう政策で融資されるかということを一つお伺いしたい。
#55
○政府委員(宮幡靖君) 先程も申しましたように、三百万円はこれは固定して動かすべからざるものではございませんので、今後ともこの範囲を拡大して行くとか、或いは縮小するというような必要がありましたならば、その措置を講じて参りたいと思います。凡そ産業資金の供給というものは、大中小合せまして、全産業を対象として考えるべきものであると存じております。特に商工中金の今度機能が拡充されまする関係を利用いたしまして、是非ともこれは各産業の段階に向いまして、円満な金融のできますよう引続き努力をいたして参りたい、かように考えております。
#56
○兼岩傳一君 これは次官からでも課長からでもよいのですが、課長がさつき非常に増産の説明がありました。ところが僕らの耳にしておるところでは、二十四年度分として最近のうちにアメリカさんの硫安が二十万トン到着するばかりになつておると申されておるが、これは真疑のほどは如何なものでございましようか。
#57
○政府委員(宮幡靖君) その点は今担当官もおりませんので、細目の事務的なことは計画としては耳にしておりませんから、若し不確実な御答弁を申上げては恐縮でございますので、次の機会に保留させて頂きます。
#58
○委員長(高橋啓君) それでは引続き係官がおりまするから御審議を願います。
#59
○中川以良君 たまたま本日は皮革の担当官が見えておりますので、今の放出物資の点につきまして御説明願いたいと思います。
#60
○説明員(橋本徳男君) 只今の軍靴の放出でございますが、まだ関係方面からはつきりした通知もございませんし、話もございません。併しそういう噂が飛んでおりますが、あるとすれば昨年軍靴の放出を公団で買上げましたものが百四十万足ございまして、そのうちに前年度において拂下げしたものが約七十万足ございます。そのうちの十万足は、残の七十万足のうちの十万足、これは殆んど廃靴のような形でありまして、これは靴としての用をなさないもののように聞いております。あとの六十万足、これは順次産業用に放出せよという指示が昨年来来ておりまして、この配分に当りましては、国内の製靴産業の障害になるような方法をできるだけ避けまして、一気に一万程度ずつ今日まで出して来ております。その点につきまして、まだ、ラジオで放送がございましたが、はつきりした関係方面の動きは今のところございません。
  ―――――――――――――
#61
○委員長(高橋啓君) 外に御発言ありませんか。ありませんければ、公報には出してありませんけれども、中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案の質疑に入りたいと思います。御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○委員長(高橋啓君) それでは、これに関連した事項について質疑をお願いいたします。
#63
○境野清雄君 中小企業庁長官が今いられるので二、三御質問したいと思います。大体先程申上げました東北方面の中小企業の実態を見ましても、大体事業協同組合と信用協同組合と併設したいという意向が強いのでありまして、例えば事業協同組合における預金の受入れをそのまま許可して貰いたい、そういうような意見があります。これは勿論協同組合の法規上から行きましても許可でき得ないことと思うのでありますが、事業協同組合と同じ看板で、言い換えれば、一軒の家に事業協同組合と信用協同組合の看板を一緒に掛けられるというような形態にでき得るや否やということにつきまして、中小企業庁長官から御答弁を頂きたいと思います。
#64
○政府委員(小笠公韶君) 御承知の通りに、信用協同組合の設立につきましては、最低三百名という構成人員の制限がございます。最低の制限が、例えば事業協同組合につきましては、一般の例を引きますと、四人でできる。こういうような状況になつておるわけであります。従いまして極端な例の場合は、同じ組合で両方の看板を掛けるというわけには行きません。併し信用協同組合の構成要件を満たした事業協同組合について、同一メンバーを持つて両組合を作るということは可能であります。ただ問題は、信用協同組合につきましては、事業の性質上相当程度の組合員がないと経営がやりにくいという問題がありますので、これらの要件を充足しておる場合には、両方の組合制度で行けるということができると考えております。
#65
○境野清雄君 この間のお話で、事業協同組合が、例えば十名くらいの人員で一つの事業協同組合を作る、そこに勤労大衆なり或いはその他の方面から三百名以上の人員を集めまして、いわゆる只今申上げました事業協同組合の指導者である十名ばかりが音頭取りになつて、三百名以上の人員を集めて信用協同組合を作るということは可能であるというふうに、そういうふうに承知してよろしいわけでございますか。
#66
○政府委員(小笠公韶君) 理屈の上からいうと可能であるというふうに申上げる外ないのであります。信用協同組合におきます構成要素は、いわゆる庶民階級といいますか、中小階級だけでも作れますし、又中小業者が入つてもよい。そこで構成要件は三百名ということになつております。従つて今お挙げになりましたような例の場合にも作り得る。そういう場合に二つの看板を掛けた方が便利だという要請とは必ずしも合わないのじやないかというふうに私実は考えております。
#67
○境野清雄君 信用協同組合がなかなか許可に相成らん。最近は非常に許可を始めたようでありますが、大体信用協同組合というものを認可する基準というものが、中小企業庁にあるかどうかという点について承わりたい。
#68
○政府委員(小笠公韶君) 信用協同組合の認可基準というものにつきましては、御承知の通り監督関係の行政庁が大蔵省に実はなつておるわけであります。大蔵省の金融行政の一環として、大蔵省の銀行局が扱つておるわけでありますが、基準といたしましては、私の承知いたしております範囲におきましては、特にはつきりした基準というものもないようであります。問題は事業計画が決定要件を備えておつて、事業計画が妥当であるかどうかというところに重点があると思うのであります。ただ特に預金保護という考え方が相当強く出るということも否めないことかと思うのでありますが、いわゆる信用事業の健全な運営ができるかどうかという事業計画の認否によつて決まつて来るというふうに承知いたしております。
#69
○境野清雄君 大体地方におきましては、今の信用協同組合が最近非常にクローズ・アツプされて来ておるのでありますけれども、信用協同組合の指導官庁が、果して今お話になりましたように信用協同組合の認可は大蔵省でやるのか。又従来の事業協同組合なり信用協同組合なりも、今まで中小企業庁で各方面に話をしておられたので……、この信用協同組合の指導官庁は大蔵省であるのか、中小企業庁であるのか、この点を明確に一つお話願いたいと思います。
#70
○政府委員(小笠公韶君) 信用協同組合の認可、監督は、昨年協同組合の行う金融事業の監督に関する法律と申しますか、そういう法律が組合法の施行と同時に行われておりまして、これによりまして大蔵大臣が主管大臣ということに実は相成つております。
#71
○境野清雄君 指導官庁の方は依然として中小企業庁と承知してよろしいですか。組合を立てるということに対する……。
#72
○政府委員(小笠公韶君) 指導官庁というものをはつきり特定するかどうか、こういう問題があろうと思うのでありますが、中小企業庁といたしましては、中小企業の振興、少くとも今日の諸般の事情から見て困難なところを少しでも打開して行くというのに必要な制度というものを管掌して、そうしてその方面に持つて行くというのが一つの仕事の狙いだというのが一つの仕事の狙いだと実は考えております。従いまして直接の監督権の有無に拘らず指導して、大蔵省の監督権があるときは大蔵省と交渉なり連絡をして、その方向に持つて行く、こういうふうに実はいたしておるのであります。信用協同組合の指導官庁というものは、実は中小企業庁だけには実は行かないから……、大蔵省自身に本来から言えばあるのじやないか、こういうふうに思います。
#73
○境野清雄君 次に事業協同組合に大企業が入つた場合に、従来各地区に相当、百名以上も使用しておる大企業が入つておるのでありますが、これに対して今まで公取で拒否した例があるかないか。この点に対してお答え願います。
#74
○政府委員(小笠公韶君) 御承知の通り常時おる従業員百人までが信用協同組合の構成の限界になつておりますが、これ以上超えた場合には加入は可能でありますが、ただ届出を要するということに従来なつております。この届出に対しましていかんといつた例は実はまだ聞いておりません。これははつきりしたことを申上げにくいのでありますが、正確なところは後刻調べて申上げますが、そういう例はまだないように聞いております。
#75
○境野清雄君 拒否した例はないといたしましても申込をしたときに、お前の方は入らない方がいいだろうというような点は公取がやつておるかどうかという点を合せて後刻で結構でございますが、お取調べを願いたいと思います。
#76
○政府委員(小笠公韶君) 一応事実関係だけを先に調べましてお答え申上げます。
#77
○委員長(高橋啓君) ちよつと委員長から伺いますが、この問題は或る程度協同組合を組織する上に問題になつておるのですが、届出主義で一応拒否した形ではないかというのを、それの大きいか小さいか判断する公取委に届出でたときにこれは駄目だということは、結局法律の方で拒否したと同じ結果になるのじやないか。そういうことに対する公取の見解も添えて今の問題の御報告を願います。
 それでは他にありませんか。
#78
○政府委員(小笠公韶君) 先程政務次官にお尋ねになりました中小企業の限界の問題、大きさの規定の問題でありますが、中小企業の定義が非常にむずかしいことは御案内の通りであります。そこで具体的な施設をやるに当りましてこの制度における中小企業というものはこういうものを指すのだというふうに決めておるわけであります。見返賃金の問題におきましては資本金三百万円、従業員が常時二百人というものを借受け得る資格條件にいたしております。一方日銀の中小企業の枠を資本金五百万円以下で、従業員二百人以下ということに実はいたしておるわけであります。そういうふうに事案によりまして幅を決めておるわけであります。見返資金の問題につきましては一応今申上げましたような三百万円以下、二百人以下ということにいたしておりますが、これを若干上廻る場合であつても必ずしもいかんということでなしに、若干上廻つた場合でも事業の性質等を考えまして出し得ることに大体いたしております。
#79
○深川榮左エ門君 その若干というのはどのくらいの程度ですか。
#80
○政府委員(小笠公韶君) 余りはつきり言いにくいのでありますが、大体五百万円見当まではアロワンス的に考えておる、こういうふうに実は考えております。
#81
○深川榮左エ門君 その五百万円という基準からまだ少し若干ということになりますとどういう解釈になりますか、その点を一つ……。
#82
○政府委員(小笠公韶君) 五百万円という一つの目安では更にアロワンスがつくかどうかというお話だと思いますが、大体三百万円で一つの線を引いて、そこで資本金の内容と申しますと、古い会社の三百万円と戰後の三百万円と質的に非常に違うわけであります。そういうような志情から見て会社の事情によりましては、五百万円程度まではまあ実態が余り変らんものと認められる範囲において認めて行こうというふうな運用上の手心であります。併し物価指数等を考えますと、昔の三百万円とでは釣合が取れんではないかというお話があるかも知れませんが、そうなりますと、五百万円の線をどこにするかという問題に帰つて来るわけですが、只今運用上の心持としてまあ五百万円見当で特に最近増資したりしてやつているものについては、その程度で行くというふうなことであります。
  ―――――――――――――
#83
○委員長(高橋啓君) 他の御発言がなければ、次に移りたいと思います。
 不正競争防止法の一部を改正する法律案について質疑いたしたいと思いますが、御発言がありませんか。
#84
○平岡市三君 この法案の構成字句などにつきましては、別に何ら質問する点もないかと思うのでありますが、実際問題を考えて見たときに、いろいろな問題が起きはしないか、こういう意味で御質問申上げるのでありますが、例えば靜岡のお茶が一番出ますのは京都なんであります。京都え行きましてあすこで積替えをする、或いは多少の手入れはするかと思いまするが、結局靜岡のお茶が京都に行きまして、京都の宇治の茶として出るわけでありますが、そういう場合に結局原産地といい、商標といい、あらゆるものが変つて来るわけでありますが、その点について五條の規定などは、どういうふうに御解釈なさるのか、ちよつと御説明頂きたいと思います。
#85
○政府委員(佐久洋君) 京都の宇治のお茶の原料が靜岡であるという場合には、京都え行きましてその原料に加工をして最終の製品として宇治の茶となるわけですが、その場合には、宇治の茶の原産地ということになるわけであります。原料を表示をする場合には、靜岡の原産地、こういう表示をすればいいわけであります。
#86
○平岡市三君 ところが物によりますと、ただ積替えて宇治茶として出す場合には、これはこの法律にどういうふうに引掛かるでしようか。事実それが行われておるようですが……。
#87
○政府委員(佐久洋君) 若干の疑問はございますが、今までの解釈から申しますと、差支がないように思うのであります。尚非常にデリケートな問題でありますのでもう少し検討さして頂きたいと思います。
#88
○平岡市三君 差支がないとすれば、どうも法文にちつとも合わないようであります。第五條の第一号にもそういうのが書いてあるのですが、それは事実トラブルは余り起らないのでありまして、結局それは第二條に引掛かつて来るのではないかと思いますが、御解釈は如何ですか。
#89
○政府委員(佐久洋君) それが従来の慣習として長く行われているような場合には問題が起らないと思います。
#90
○平岡市三君 その点についてはそのくらいにい平しますが、こういう場合があると思うのでございますが、外国のバイヤーが参りまして、日本の製品につきましてこのマークを付けるな、或いは外国の生産地或いは外国のマークを付けて作つて寄越せ、こういう場合が実はあるわけなのであります。そんなような場合におきまして、これが若しも嚴格にこの法規に適用されますと、私は輸出が減少するのではないかと思うのでありますが、その点はどういうふうに御解釈になりますか。
#91
○政府委員(佐久洋君) そういう事例は現に過去にありまして、可なり日本の商品に対する信用を失墜しておつたのであります。最近一つの方法を講じまして、そういう場合には外国の商品、例えば外国の或るプリント模様を作つて貰いたいというような注文を受けた場合には、成るべく外国の商標、或いは意匠権に牴触しないというバイヤーの誓約書を求めまして、そうして輸出をする。こういうような方法で只今のような問題を救済をいたしております。
#92
○委員長(高橋啓君) 外にありませんか……、御発言がなければ次に引続き質疑をされることにいたしまして、今度は請願陳情の件を議題にいたしたいと思います。
   〔委員長退席、理事玉置吉之丞君委員長席に着く〕
  ―――――――――――――
#93
○理事(玉置吉之丞君) お諮りいたしますが、只今問題と相成りましたこの請願陳情合せまして三十件、うち請願十四件、陳情六件については、それぞれ各委員のお手許にすでに印刷物をお配り申上げております。これにつき御審議を願いたいと思います。一応小田橋專門員の説明を願います。
#94
○專門員(小田橋貞壽君) それでは請願、纖維関係の二件について御説明申上げます。
   〔理事玉置吉之丞君退席、委員長着席〕
 第百四十一号は、川俣の羽二重の検査をやつている検査所が鶴岡に本所を持つておるのでありますが、その鶴岡に本所があつては非常に不便であるから、川俣の支所を昇格さして貰いたい。それから小高支所を設置して貰いたい。こういう請願なんであります。これはすでに実は何回もこの委員会に提案されて採択されておる請願であります。
 第六百七十五号はやはり纖維製品の検査所でありますが、これは岡山と福山の両市が纖維製品の生産の中心地であるが、ここに支所がないために非常に不便であるから、神戸の纖維製品検査所の支所をこの二つの場所に設置して貰いたい。そういう請願であります。
#95
○境野清雄君 この百四十一号の鶴岡纖維製品検査所というのは、第二国会において採用してありますし、併せて同じ問題が第五国会で採用されておりますので、この問題はなにか先般私聞きましたら、川俣支所は鶴岡の纖維製品検査所から離れて、横浜の纖維製品検査所の川俣支所になるというのであります。又川俣が支所になれば便利であるから、非常にいいので、私がこの間参りましたとき川俣から聞いて参りましたことですが、この請願はその方を一応調べて頂いた方がいいのじやないかと思います。
 又第二の六百七十五号というのは何回でしたか、前の第五国会でしたか、提案されたときに、神戸纖維製品検査所に、廣島岡山を括めるというのは委員会でこれは削除したのでありますが、これは委員会でやりましたので、政府の見解を聞かんと、この二つの問題はどうかと思うのですが……。尚その、今の二番の方の請願六百七十五号の方は、何か岡山における検査件数が非常に少いからというようなことでありましたので、その当時と、請願以来非常に殖えておるという点がないとこのまま採用するのもどうかというような考えがありますが……。
#96
○委員長(高橋啓君) 政府側の御答弁をお願いいたします。
#97
○説明員(森崎久壽君) 第一番の川俣支所昇格の問題でございますが、現在は鶴岡の支所になつておりますが、川俣支所を本所に昇格いたしますと、鶴岡と川俣の二つに分れる関係になります。ところが現在纖維製品検査所は全国で八ケ所ありまして、その規模におきまして、又検査の件数におきまして、この川俣支所と鶴岡を分離した場合に、均衡がとれるかどうかというような問題を考えますと、非常に小さな範囲になるのでありますから、これを本所に昇格さすというよりも、むしろ実質的に現在川俣支所が非常に鶴岡についているために不便であるというような点を解消する方が早道であると存じますので、これを只今お話がございましたように、横浜検査所の支所に変えるというふうな形に持つて行つたらどうかと考えております。これは設置法の改正という形ではございませんで、支所の配置の改正でありまして、省令改正によりまして直ちに変えることができるのであります。
 それから第二点でございますが、実は中国の関係におきまして、岡山、廣島の二ケ所に支所を設置するという話は、第五国会におきまして提案をいたしたのでありますが、その際には御決定を見ずに終つたのであります。その後我々の方におきましていろいろ検査件数その他を研究いたしました結果、やはり検査件数が殖えて参りますし、今後又殖える見込でありますので、設置いたして見たいとは思いますが、ただ支所を設置する程度ではなくして、それよりも規模の小さい出張所の程度に止めたらどうかと現在考えております。尚この問題につきましては、只今関係方面の御了解を折衝中でございます。
#98
○委員長(高橋啓君) 只今説明がありましたが、これは保留することに……。
#99
○境野清雄君 これは保留がよくはありませんか。
#100
○委員長(高橋啓君) はつきりした資料が集まるまで保留することに……。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○委員長(高橋啓君) それでは請願第百四十一号と、第六百七十五号は保留いたすことにいたします。
  ―――――――――――――
#102
○委員長(高橋啓君) 次には中小企業関係の請願二件、これは請願六百五号、それから請願千二百八十八号、この二件を一括議題にいたします。
#103
○專門員(小田橋貞壽君) 第六百五号は集中生産の犠牲になつて、中小企業が危殆に瀕しておるから、この際中小企業を救済するために、中小企業に資金資材を支給して貰いたい。働ける者には職を、又働く者に働いただけの賃金を給與して貰いたい。中小企業の税の軽減と、勤労所得税の廃止をお願いしたい。社会保障制度の拡充、失業対策の確立等の処置を講ぜられたいという非常に多数項目の請願をしておるのであります。
 第千二百八十八号は先程問題になりました中小企業等協同組合法中一部を改正して貰いたいという請願でありまして、この請願の中には実は今回の法案として提出されておるのもありますし、未だ提出されておらない事項もあるのでありますが、その主なる点を拾つて見ますと、先程の法案にない項目では、外の法律で設立されておる協同組合が、事業協同組合の組合員になれるようにしろというようなこと、或いは企業組合が組合員に拂戻す配当は課税上損金扱をして呉れというようなこと、或いは一定の制限の下に員外理事を認めて貰いたいというようなこと、或いはこの法律の中に損害保険事業を行うことを目的とする保険協同組合の制度を入れて貰いたいというような項目が多数列挙されておるのであります。
#104
○委員長(高橋啓君) 只今請願の内容を申上げましたが、この両件に対する御意見を承わりたいと思います。
#105
○平岡市三君 目下これは審議中のものですから、やはりこれも今としては保留にしたらどうかと思います。
#106
○委員長(高橋啓君) それでは請願第六百五号、請願第千二百八十八号を保留することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(高橋啓君) それではこれを保留することにいたします。
  ―――――――――――――
#108
○委員長(高橋啓君) 次は陳情第七十九号中小企業の設備資金融資に関する陳情、この趣旨を説明いたさせます。
#109
○專門員(小田橋貞壽君) 陳情第七十九号は中小企業の設備資金融資に関する陳情でありまして、これは曾て中小企業庁から指示した国債買入操作による融資が事実上できなかつたからこれを何とかして呉れ。従つて中小企業の設備資金を外の形で融資して呉れという陳情であります。
#110
○委員長(高橋啓君) 次に関連しておりますので陳情百二十一号も……。
#111
○專門員(小田橋貞壽君) 第百二十一号は中小企業の金融難打開策について見返資金からの融資を増額すること、商工中金に対する政府出資の増額、債券発行等の方法により資金を豊富にすること、それから中金法を改正して個個の企業者にも直迷融資できるようにすることというような処置をとつて欲しいという陳情であります。
#112
○委員長(高橋啓君) これに対して政府側の説明を求めます。
#113
○政府委員(小笠公韶君) 七十九号の関係をお答えいたします。昨年の秋に日銀のマーケツト・オペレーシヨンによりまして、中小企業に対する設備資金として融資を銀行に対しましてその手持の国債を買上げて金を廻わして行こう、こういうようなことが実施せられたわけであります。ところがいろいろな事情からして十分な成果を見ずに遺憾ながら終つたわけであります。そこど中小企業に対する設備資金の供給の基として一月見返資金から出すことに相成つておりまして月一億であります。でこれは協調融資でありまして、見返資金一億に対して取扱銀行が一億出すということになつておりますが、ヒイフテイ・ヒイフテイにいたしておりますので、一月から三月の間に六億を出す、こういうふうな計画でスターとを踏み出したわけであります。これは幸い制度の周知徹底に伴い、昨日か一昨日までの間に日銀で受付けました金額の総額は三億八百万円になりまして、三億の予定をすでにオーバーするというような状況に相成つておるのであります。順次消化がよくなつて参りますので、来年度の分を四月以降の分を更に繰上げて三月中に進めて行くという手配を実はいたしておるのであります。特に金額を拡げる方向で話を進めておるわけであります。そういうような実情で設備資金につきましては見返資金が幸に順調に動いて参つております。それから日銀の中小企業枠、現在貸出残高三十九億の分でありますが、これも一部設備資金、補修改善のような資金に使えということであります。六ケ月乃至一年の期間に使えとありますので、これも一時設備資金として使えることになろうかと考えております。
 次に陳情第二十一号の問題でありまするが、これは見返資金からの融資の増額の問題でありますが、この点は先程触れたところであります。順次拡げて行くというような方向に努力いたしたいと思つております。融資に当つてこれはこの陳情ではいわゆる見返資金の融資についてのみ書いてあるようでありますが、一般中小企業に対しての、金額に対しての損員補償制度を布いて貰いたい。広く読みまして中小企業の融資の円滑を図るために損失補償制度をどうするかという問題につきましては、まだ腹を決めておるわけでありませんが、具体的には前からいろいろ検討を進めておるわけであります。できるだけそういう方向に持つて行きたいという意図の下にするわけであります。それから商工中金の増資問題につきましては、御承知の通り現在の一億五千万円を三月二十五日までに三億五千万円増資いたしまして五億になるわけであります。これ又順調に運んでおるわけであります。それに対しまして目下の予定といたしましては、見返資金から五億を優先出資をいたしまして十億によるということに進んでおる。それに対して二十倍の債券発行をする。但し二百億になるのでありますが、細かく申ますと商工中金の預金総額を差引いた金額が限度になるわけでありまして、推定百八十億見当になろうかと考えますが、これを早急にやりたいと考えております。そういうことになりますと、中小企業に対する相当落ち着いた資金融通ができるというふうに実は考えて、この案の早急なる実施を意図しておるわけでございます。
 最後に商工中金法を改正して、商工中金が組合融資の機関でありまするが、直接に固々の商工業者に貸付けるようにするかどうか、こういう問題でありますが、これは従来懸案になつておるのでありまするが、諸般の事情からまだ検討の途中にあるわけでありまして、できるだけそういう方向に持つて行くべく努力いたしたい、こういうふうに実は考えております。
#114
○委員長(高橋啓君) 外に御発言ありませんか。
#115
○平岡市三君 この両陳情は、願意妥当だと思いますから、追択の動議を提出いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#116
○委員長(高橋啓君) 只今平岡委員の動議に御賛成の声がありますが、これに対して御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(高橋啓君) それでは御異議がないものと認めます。これより陳情第七十九号、陳情第百二十一号、この両件を議題に供します。本陳情を採択することに御賛成の方は挙手をお願いいたします。
   〔総員挙手〕
#118
○委員長(高橋啓君) 全会一致と認めます。よつて本陳情は採択することに決定いたしました。
  ―――――――――――――
#119
○委員長(高橋啓君) それでは鉱業関係の請願二件を議題に供します。請願第百六十八号、それから請願第千二百三十一号、只今趣旨を説明いたします。
#120
○專門員(小田橋貞壽君) 請願第百六十八号は、金属鉱山の危機打開のために鉱業政策を確立して欲しいという請願でありまして、第五国会で実は金属鉱山復興に関する決議がされたのでありますが、その後なかなか思うように行かない、従つて金属鉱山の危機を打開するために、産金奨励、鉱石価格の引上げ、融資の実現、貨物運賃の特別割引ということをやつて貰いたいという請願であります。
 第千二百三十一号は、帝国石油株式会社へ讓渡してありました石油鉱業権を、帝国石油株式会社法廃止に伴つて、その元の所有者の日本鉱業株式会社に返還して貰いたい。それは、日本鉱業株式会社が多大の犠牲を拂つて今までやつておつたのを、戰時中の強制命令で帝石に譲つたのであるから、今それが元に戻る際に、是非日本鉱業株式会社にこれに返還して貰いたいという意味の請願であります。
   〔委員長退席、理事玉置吉之丞君委員長席に着く〕
#121
○理事(玉置吉之丞君) それでは、鉱業関係の請願二件について、政府委員の御説明を願います。
#122
○政府委員(徳永久次君) 私から、請願に対しましてどういう工合に考えておるか、又どういう工合に処置しておるかということを概略御説明申上げます。金属鉱山の問題につきまして、昨年電気銅に関します補給金の撤廃等いろいろな問題があつたのでありますが、この処置といたしましては、具体的には滯貨に対する融資の斡旋及びそれまで関係方面関係で事前許可を必要といたしておりました輸出につきまして、或る程度日本政府が国内の需給関係を見まして、過剩の分については、日本政府限りで判断を決めて輸出をなし得るというような措置をとるということによりまして、その後比較的順調に滯貨が事業を圧迫するということなしに経過いたしております。それから更に、その後幸いにいたしまして、電気銅の海外市価も逐次上昇いたしまして、その結果として、まだ十分満足ではございませんが、市況は次第に明朗に推移いたしておる次第でございます。一方その間に事業者といたしましても、大巾な補給金の撤廃がございましたので、その影響も相当ございまして、その第生産費の切上げのために、いろいろ合理化を努めてもおつたわけでございまして、その面と相俟ちまして、只今の処置により、概ね政府が予定いたしておりましたプログラムと申しまするか、私共は約一ケ年経過すれば、その間に十分に後が健全になつて行くのじやなかろうかというふうに見ておつたのでありますが、予定のプログラム以上に早くその事態が実現しつつあるというようなふうに見てよろしいのではないだろうかと思つております。
 それから更に金の問題につきましては、先般将来におきまする金の重要性に鑑みまして、その対策につきましては、閣議決定をいたしまして、その内容といたしまするところは、金及び金と密接な関係がございまする銀の買上げ価格につきまして、それぞれ五%乃至六%の値上げを決定し、第二に金の増産のために、戰時中政府の金鉱の整備によりまして整備されました製練、選鉱の設備の復元につきまして、所要の資金の斡旋に政府が努めるということにいたしまして、只今事務的には、一部見返資金もその復元のために供給することを計画もいたしておりまするし、更に日銀その他の関係の金融機関に対しまして、その資金の調達方につきまして、私共としてできる限りの斡旋、援助をいたしておるというような状況であります。又細かい問題になりまするが、この請願中にございまする鉄道運賃の割引につきましても、約二割の運賃の割引をやつて頂くことにいたしまして、それは運輸省におきましても了承し、具体的にその手続が著々進行中でございます。更に加配米その他労需物資の増配とかさような処置につきましても、他の従来の量に比較いたしまして金鉱業については、特に優位に取扱うべき処置いたしておるような次第でございます。あらかたさような処置によりまして、私共は今後金鉱業の復元、復興ということに力をいたしたいと思つておるわけであります。尚ちよつと申遅れましたが、炭鉱奬励金につきましても、今後、明年後も約一千四百万円の額を予定いたしておりまするが、事業の復興の進捗に応じまして、私共としては、できるだけの援助というものをいたしたいという工合に考えておるわけであります。以上がこの請願第百六十八号に対します政府側といたしましてとつておる処置の概要でございまして、これによりまして、請願の趣旨に対するお答えというふうに御了承をお願いいたしたいわけであります。
 次に出ております請願千二百三十一号の、帝国石油株式会社に戰時中に讓渡しました日本鉱業鉱区の返還に関する請願でございますが、この点につきましては、実は私共としまして、この通りに全面的にいたしますというふうにお答えし難い事情にあるわけでございます。と申しまするのは、御承知のごとくこの帝国石油は、集中排除法の適用を受けまして、そこにおきまして、今後の再建の集中排除の適用の具体的な内容というものが決められたわけでございますが、その内容になつておりますところは、この鉱区に対しましては、掻い摘まんで申上げますると、帝石の事業体そのものの大きさというものは、国内の資源開発会社、石油資源の採油会社として見ますると非常に大きく見えるわけでありまするけれども、これを国際的なレベルに比較して見ました場合に、聊かも大きくないので、むしろ石油という特殊の事業の性質から見まして、その事業体を二分割にするとか三分割にするとかいうような分割の方法を採ることは適当でないので、むしろ小さきに失するくらいであつて、これを分割すれば、さなきだに、石油資源の合理的な発掘をやるということに不十分というような考えが背景に含まれまして、事業そのものは分割するに及ばずというような決定になつておるのであります。ただ帝国石油が持つておりました鉱区につきましては集中排除法の関係の、いわゆる五人委員会におきまして十分その内容を検討いたしました結果、日本全体の石油鉱区の過半数を帝石が持つておるという事実に着目いたしまして、これは独禁法等の趣旨から見まして、全国の五割以下になるごとくその所有鉱区を減少すべきである。その鉱区数の割合で申しますと、二度に亘りまして減少が命ぜられまして、約三割何分の減少ということになつたわけでありますが、そうすることによりまして帝石の事業体としこの大きさは先程申しましたごとく、現在聊かも大きくはないけれども、現に利用してない鉱区としても過半数のものを持つておるということは、石油鉱業について新たに事業者が與えるということについて、それを制限するという弊害を生ずる虞れがある、従つてそれを過半数にならないごとく処分しろという考え方にあるわけでございます。而してその鉱区の処分振りにつきましては、現に稼動しておる鉱区と密接な関連がありまして、引続き採掘を予定しなければならない鉱区については、先程申しました帝石の事業体が大きに失しない、むしろ小さいくらいであるというような趣旨から、開放しなくてよろしい、利用予定の目下ついておる鉱区を開放しろというような指令になりまして、その個々の具体的な処分計画というものが持株整理委員会によりまして整理、検討されまして決まつたわけであります。さような経緯によりまして現実に日本鉱業が受取りました鉱区は極く僅かでございますが、一部はあるわけでございますけれども、ここの請願に出ておりまするのは、只今帝石が活発に仕事をしておりまする鉱区が、たまたまこの帝石ができました際に日本鉱業から提供した鉱区であつたというところに主眼があり、それを返還して貰いたいという趣旨であろうと思うのでございますが、帝石に対しまする日本鉱業からの出資は、当時といたしまして正当な法的手続を経て行われたということのみならば、只今申しました帝石の鉱区の処分につきまして集排法の指定により持株整理委員会が具体的にその処置振りを決定し、それによつて開放が行われておるという経緯に即して考えまして、私共としては直ぐにこの請願の趣旨に即して政府として処置をとるというふうに参りかねるような事情にあるわけでございます。尚参考まででございまするが、終戰後集排の指令がありまする前、終戰直後、二十一年の三月に政府としまして今後の帝石を中心といたしました石油鉱業を如何に再建すべきであろうかということにつきまして、その企業運営方式その他につきましてこの研究をなすべく臨時石油鉱業調査会というものを設けておつたのでありまするが、その際の結論といたしましても、この帝石を二分割乃至細分することは適当でないということが委員会におきましても確認されていたというように私は承知いたしておるわけでございます。只今申上げましたこの鉱区の問題につきましては、政府が直接処置したという建前ではございませんで、集排法に基いて持株整理委員会において具体的に、而も個々の鉱区について処置が決定されたというような経緯でありまして、請願のような処置は政府として処置し得るということがお答えし難いような事情であることを御了解頂きたいと思います。
#123
○平岡市三君 この二つの請願の内容は、これは甚だ重大でありますからして、ここで決定することは不可能だろうと思うのであります。従いまして一層研究する必要がありますからして、一応留保にしたら如何かと思いますが……。
#124
○理事(玉置吉之丞君) 只今平岡委員から、この二つの案件について留保いたしたいという御意見がありましたが……。
   〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○理事(玉置吉之丞君) 御異議がないようでありますから、留保することにいたします。
 尚参議院規則第百七十條によりまして採決された請願陳情については、その審査の結果に従いまして院議に付して内閣に送付することを要するか否かについて議院に報告することになつておりますが、この請願陳情を院議を経て内閣に送付することを要するものと決定いたして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○理事(玉置吉之丞君) 御異議ないものと認めてそのように計らいます。これで散会いたします。
   午後四時五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     高橋  啓君
   理事
           玉置吉之丞君
   委員
           下條 恭兵君
           中川 以良君
           平岡 市三君
           境野 清雄君
          深川榮左エ門君
           阿竹齋次郎君
           結城 安次君
           兼岩 傳一君
           駒井 藤平君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       宮幡  靖君
   資源庁次長   田口 良明君
   通商産業事務官
   (資源庁鉱山局
   長)      徳永 久次君
   中小企業庁長官 小笠 公韶君
   特許庁長官   久保敬二郎君
   通商産業事務官
   (特許庁総務部
   長)      佐久  洋君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       小田橋貞壽君
  説明員
   通商産業事務官
   (通商振興局経
   理部長)    照田 弘久君
   通商産業事務官
   (通商化学局化
   学肥料部化学肥
   料第二課長)  日野水一郎君
   通商産業事務官
   (通商雑貨局皮
   革課)     橋本 徳男君
   通商産業事務官
   (通商纖維局監
   理課長)    森崎 久壽君
ソース: 国立国会図書館
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