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1981/11/10 第95回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第095回国会 物価問題等に関する特別委員会 第2号
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1981/11/10 第95回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第095回国会 物価問題等に関する特別委員会 第2号

#1
第095回国会 物価問題等に関する特別委員会 第2号
昭和五十六年十一月十日(火曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 井上  泉君
   理事 青木 正久君 理事 岸田 文武君
   理事 谷  洋一君 理事 小野 信一君
   理事 武部  文君
      今枝 敬雄君    小澤  潔君
      亀井 善之君    木部 佳昭君
      田名部匡省君    牧野 隆守君
      五十嵐広三君    金子 みつ君
      春田 重昭君    中野 寛成君
      岩佐 恵美君    依田  実君
 出席政府委員
        経済企画政務次
        官       中島源太郎君
        経済企画庁調整
        局長      井川  博君
        経済企画庁物価
        局長      廣江 運弘君
        経済企画庁調査
        局長      田中誠一郎君
        資源エネルギー
        庁石油部長   野々内 隆君
 委員外の出席者
        総理府統計局調
        査部消費統計課
        長       井出  満君
        国土庁土地局地
        価調査課長   福本 英三君
        外務大臣官房外
        務参事官    遠藤  実君
        大蔵大臣官房調
        査企画課長   大山 綱明君
        大蔵省主税局税
        制第三課長   真鍋 光広君
        大蔵省関税局企
        画課長     長富祐一郎君
        食糧庁業務部需
        給課長     武田  昭君
        水産庁漁政部水
        産流通課長   嶌田 道夫君
        通商産業省貿易
        局輸出課長   伊藤 敬一君
        資源エネルギー
        庁石油部流通課
        長       長田 英機君
        運輸省鉄道監督
        局民営鉄道部長 犬井 圭介君
        運輸省航空局監
        理部監督課長  土坂 泰敏君
        建設省都市局都
        市計画課長   田村 嘉朗君
        建設省住宅局市
        街地建築課長  片山 正夫君
        特別委員会第二
        調査室長    秋山陽一郎君
    ―――――――――――――
十月二十日
 公共料金値上げ政策反対等に関する請願(広瀬
 秀吉君紹介)(第七四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 物価問題等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○井上委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。五十嵐広三君。
#3
○五十嵐委員 最近、灯油の値上がりが消費者に非常に不安を与えているわけでありますが、九月末あるいは十月末の灯油の小売価格の状況についてちょっとお話をいただきたいと思います。
#4
○長田説明員 お答え申し上げます。
 通産省のモニター調査によりますと、今年九月の灯油の配達価格は、十八リッター当たり千六百七十七円でございます。前年同月が十八リッター当たり千四百九十九円というふうになっております。
#5
○五十嵐委員 ここに札幌市議会でこの前、灯油に関して意見書の議決をした書類もあるわけであります。この要旨によりますと、九月の下旬調査で、札幌市内で一リットル当たり九十円などという高値も出ているという話であります。四月と八月の初めそれから八月の末ごろ再々値上げが行われた。九月八日の札幌市の調査によりますと、八十店を対象にして調べて、三十店のガソリンスタンドのうち十六店が九十円灯油、大変な高値の販売がなされているわけです。大体三系列くらいの店だということであります。しかもこの調査に当たりましては、小売店側からも、業界での申し合わせ的な値上げの感じがあって非常に不満が道の灯油問題協議会でも出されていたようであります。聞きますと、札幌通産局も関係団体に厳重に注意した、こういう報道なんかもわれわれは聞いているわけであります。
 あるいはガソリンにしても、これもこの間報道で出ていましたが、全国各地のガソリンスタンドの店頭の安売り看板を一斉撤去した。しかもこれは全石商の会長が各支部長に対して強く要請をしたということのようであります。これにつきましては、公取委の方から独禁法違反の疑いがある、こういう警告をしたというように聞いているわけであります。どうも全国的にきわめて意図的な値上げが最近見られているのではないか。北海道も東北の場合も、ついこの間から大変な雪になって、ああいう寒地では、本当に灯油はいわば食べ物と同じようなもので、欠かすことのできない重要な生活の糧でありますが、これが消費者の納得のいかないままにどんどん値上がりの傾向を見せている。
 しかも一方、これは九月十七日、北海道の中小企業家同友会が会員企業を対象に調査した結果によりますと、今年の燃料手当の平均支給額は、世帯主で十二万四千八百八円、去年に比べて一万二千二百六十一円アップしていますが、アップ率は一〇・九%、灯油の実勢からいうと、とてもこれでは追いつかないわけですね。去年はドラムかんで七・五本、ことしはこれでいくと七・一本くらいしか買えぬという計算になる。ここにも実は実質的な寒地の労働者の賃金の目減りといいますか、非常に厳しい冬を迎えなければならぬという実態があるようであります。寒冷地における燃料というのは、いま言いますように、生活者にとってはいわば命にかかわるような問題である。ですからある意味では、石油政策だけでなくて社会福祉や労働行政や地域問題などからのアプローチも必要だろうと思います。たとえば生活保護における扶助費あるいは福祉施設への燃料の措置費、あるいは長い間の課題である年金生活者の寒冷地燃料費加算あるいは身障者、母子家庭、老人などのいわゆる社会的弱者に対する福祉灯油、こういうものの実施が強く望まれているところなわけであります。
 そこでこの際、あらゆる面から非常に重要な灯油をめぐる石油情勢について、以下いろいろ御質問申し上げたいと思います。
 まず、灯油の最近の在庫状況についてお伺いしたいと思います。あるいはまた、この冬場に需給の見通しはどうかということについてお聞かせいただきたいと思います。
#6
○野々内政府委員 灯油の九月末の在庫は、私どもの調査ではいま七百十四万キロリットル程度というふうに見込まれておりまして、石油供給計画では九月末在庫を六百七十万キロリットルというふうに計画をいたしておりましたので、これを十分上回る水準を確保できていると考えております。
 それから、需要でございますが、九月あたりから需要期に入っておりますが、九月の灯油の販売実績が前年同月比で九二・四%ということで、マイナス八%程度とかなり落ちついた情勢になっております。他方、石油供給計画では前年同期比下期では一〇二・九%、前年に比べまして約三%の需要の増加を見込んでこれに対応した灯油の生産が予定をされております。したがいまして、今後石油供給計画に見合った生産を行うことによりまして、ことしの需要期の灯油の安定供給というものは確保が十分可能であると考えております。
 そのほか、石油全体としましては、九月末に備蓄が百二十一日と非常に高水準でございますので、その面からまいりましても当需要期の安定供給は十分可能であると考えております。
#7
○五十嵐委員 毎年冬になると灯油の需給というものが消費者にとっては非常に心配なことで、価格もさることながら安定して供給されるかどうかということは非常な心配であります。そうすると、いまの石油部長のお話は、つまり灯油のこの冬の供給量は全く心配ない、いわば安全宣言というか安定宣言というか、そう受け取っていいですか。
#8
○野々内政府委員 御指摘のとおり、特に突発的な何か大事故でもございません限りは十分大丈夫、安全宣言と申してもいいかと思います。
#9
○五十嵐委員 まあ量の方は心配ない、供給はだぶついている、この冬の需給はいまお話しのように安全宣言である。じゃ、価格の方はどうかということですね。
 後で少し詳しくお聞きしたいと思いますが、原油も四月以降下がっている。あるいはこの前、OPECの統一価格も決まった。格別なことのない限りは、来年の末まではほぼ心配がない。あるいは円レートも好転をしている。ことに円レートではこれからの見通しについても、国内の主要企業なんかの見通しをいろいろ見たり聞いたりしますと、大体そろってむしろ強気の見方をしているということからも、まず心配ないのではないか。あるいは生産段階における灯油の得率もかなり高くなってきている。いろいろな面からいって、価格の面でも安定宣言を出せるような状況でないかと思うのですが、いかがですか。
#10
○野々内政府委員 御指摘のように原油の価格につきましては、イラン・ショック以来相当な上昇がございまして、ドルベースで見ますと、たとえばイラン・ショックの寸前の五十三年十二月では、バレル当たり十三ドル六十九であったわけですが、それが急速に上昇してまいりまして、本年一月では倍以上の三十五ドル七十八ということで、九月現在では三十六ドル七十八、これはイラン・ショック前に比べますと、約二・七倍という急激な増加を示しております。
 他方、先生いま御指摘の為替レートにつきましても、本年初めから急速に円安の方向にまいりまして、原油の価格を円で計算いたしますと、イラン・ショック前がキロリットル一万六千九百二十五円でございます。これが、ことしの一月には四万五千九百十一円、九月には五万三千二百七十二円と、イラン・ショック前に比べまして三倍以上という非常に大幅な値上がりがございまして、これが反映をいたしまして、御指摘のようにことし、かなり石油製品価格の上昇があったわけでございます。
 これからどうなるかということでございますが、ドルベースで見ますと、OPECの今度の価格の統一によりまして、従来、アラムコ、非アラムコの格差がございましたが、これが一本化されたということで、日本全体で見ましては若干のコストダウンかなと見ております。きのうの晩現在、私どもずっと入ってきております情報を見ますと、バレル当たり十四セントのコスト増になっておりますが、まだ値下げ通告のない国もございますので、これをまとめてみますと、ドルベースでは多分とんとんから若干のコストダウンかと見ております。これがあと来年いっぱい本当に凍結されるかどうか、これは私ども何ともわかりませんで、OPECの専門家では、これはあとは先進工業国がどのように需要を抑制するかにかかっているということで、需給次第だということだと思います。
 それから円レートにつきましては、これは私専門家でございませんので何とも申し上げかねますが、いま現在、実は毎日ユーザンス差損が発生をいたしております。これがもし二百三十円くらいで安定をしてくれれば、年を越せばユーザンス差損が発生しなくなると思います。したがって、そういう点から言えば、あと原油コスト面からくるコストアップというのは余り大きくはないというふうに見ておりまして、あとは国内のいろいろな合理化その他諸情勢によりましてどう動くかですが、私はそう大きな変化はないと見ていいかと思っております。
#11
○五十嵐委員 では、そのそれぞれについて少しお聞きしてみたいと思います。
 ドル建てで見ると、原油価格はここ半年くらい下落を続けているわけです。大蔵省の日本貿易月表で見ると、CIFで一バレル、ことしの四月が三十八ドル四十九セント、これをピークにして五月は三十八ドル四十一、六月が三十八ドル二十四、そして七月、八月と下がって、九月はさっきもお話がございましたが三十六ドル七十八、去年の平均輸入価格がたしか三十四ドル六十一かであったというふうにお聞きしていると思うのですが、そうすると、去年の価格から見て今年四月三十八ドル四十九までの値上げのほぼ半値は戻ったという計算になりますね。それは間違いないですね。
#12
○野々内政府委員 昨年のドル価格の平均、私いま手元に持っておりませんが、五十五年一月が二十九ドル二十セント、それから十二月が三十四ドル八十セントでございますから、中ほどでとりますと三十二、三ドルかと思います。五十五年度のドルベースの平均価格はバレル当たり三十二ドル九十六でございます。
#13
○五十嵐委員 この前の八月値上げのときの基準原油価格は幾らでしたか。
#14
○野々内政府委員 八月値上げの場合には、各社ごとにコストが異なりますので、基準原油価格というのはございませんが、八月段階におけるCIFは通関統計では三十七ドル十でございますが、その前に入ってまいりました各社のコストをもとに計算いたしておりますので、これは各社ごとに異なりますが、通関統計では七月が三十七ドル六十六、六月が三十八ドル二十四、こういう状態でございます。
#15
○五十嵐委員 だからそれは明らかに原油価格は下がってきているわけだね。まあ円レートは別にして、本当のドル建ての原油価格という意味からいうと間違いなく下がってきている、それは言えますね。
#16
○野々内政府委員 御指摘のとおり、通関統計によりますと本年の四月をピークといたしましてドル建てでは低下傾向にございます。
#17
○五十嵐委員 つまり、四月に値上げし、八月に値上げした。八月の値上げのときの、企業別であろうと何であろうと同じだが、そのときの基準原油よりは明らかに下がってきているということは言えるでしょう。
#18
○野々内政府委員 もちろん各社別には差はございますが、日本全体としては当然下がってきております。
#19
○五十嵐委員 次に、この前のOPECのジュネーブ臨時総会、ここでああいうような決定を見て、あるいは各国ごとにまたその後価格の通知を受けているわけだが、このOPECの臨時総会をどういうぐあいに受けとめておられるか、ちょっとお話しいただきたい。
#20
○野々内政府委員 二つくらい意味があると思いますが、一つは、従来国によりまして大きく価格に差がございまして、サウジアラビアから輸入をいたしておりますアラムコ系の企業とそれ以外の企業との間では、バレル当たり五、六ドルの大きな調達コスト差がございます。これが日本国内の石油の安定を非常に阻害をしておったわけですが、今度の価格の統一によりましてこの格差が非常に縮まってまいりました。したがいまして、今後の石油の安定的な供給に非常にプラスになると考えています。
 もう一つは、来年末までの価格凍結を決めた。これは石油のように非常に重要な物資につきまして長期的な安定が示されたということで、私どもは高く評価をいたしております。
#21
○五十嵐委員 少し上がるのもあるし下がるのもある、それぞれ各国からの通告も出そろったといいますか、やや感じは全体的につかめるものだと思うのです。
 この前新聞に出ていましたが、エネルギー経済研究所の試算では平均輸入価格は一バレルで五十セント程度オールジャパンで見れば値下げになるのではないか、こう言っているわけですが、この際、通産省としては、ややそういうことというふうにお思いになっておられるか。もちろんもういろいろ計算はしておられるんだろうから、大体の見当をお聞かせいただきたいと思います。
#22
○野々内政府委員 いま刻々各産油国から通報が参っておりまして集計いたしておりますが、昨晩現在までに通報を受けた分を集計いたしまして、これを七−九月のわが国の油種別の輸入シェアで計算をいたしますと、バレル当たり十四セントぐらいのアップになっております。ただ、まだ未通告の部分をこちらの想定で計算いたしますと、大体とんとんから若干のコストダウンぐらいかなと思います。これが日本全体としての評価でございまして、エネルギー経済研究所が五十セントと言ったのはどういう前提かわかりませんが、若干多いかなと思います。
 ただ、あとは今度は会社別に、アラムコ系の比率あるいは各油種の比率、これが異なりますので、その辺になりますと、まだ私どもも計算いたしておりません。
#23
○五十嵐委員 この前OPECの決定直後に、会社によってはまた値上げするというような発表といいますか、動きが出ていたようでありますが、まあ各社ごとにすれば多少のそれぞれでこぼこはあると思うが、しかし、どうもそんなようなことではないんでないか、安易な便乗は困るというふうに思うのですが、どうですか。
#24
○野々内政府委員 このあたりは非常にわかりにくいところでございまして、日本全体としてコストが下がったのにどうして値上げがあるかということでございますが、実はまだ各社から値上げをしたいという申し出は受けておりませんので、私どもも個別の検討をいたしておりませんが、理論的に考えられる点といたしましては、アラムコ系の企業はアラムコ系の油の比率が高いわけでございます。したがいまして、値上がりする油と値下がりする油をミックスいたしますと結果的に値上がりするものがある、こういうことでございます。それで、非アラムコ系につきましては、結果的に値下がりする会社がある、こういうことになります。
 ところで、現在の石油の市況は、アラムコ系の企業に引きずられて値が決まっております。したがいまして、非アラムコ系の企業は、アラムコ系の企業よりもコストが高いにもかかわらず、そこまで価格が取れてない、赤字であるという状態にあるわけであります。したがいまして、もしアラムコ系の企業がコストがアップをしたということで値上げをいたしますと、当然、非アラムコ系の企業は従来から値上げを努力をしても値上げができなかったわけでございますけれども、アラムコ系の企業が上がりますと、その部分非アラムコ系の企業も上がって赤字が消えてくるということになりまして、結果的には日本全体としては価格が上がるという、非常に理解しがたい状態が起こるわけでございます。
 したがいまして、まだ実はOPECの価格の動きの結果によってそれが各企業にどう影響するかという問題、それから今後の円レートの動きによってそれがどう相殺されるかという問題、こういう問題がまだこれから起こりますので、いま一概に一体どうなるかということを申し上げるのはむずかしいというふうに考えております。
#25
○五十嵐委員 これはこの間上げたばかりだから、こんなことで再三再四上げられてはかなわないわけですよ。いまのお話を聞いても、どうも消費者としてやあそうだろうなということには、部長さん、なかなかならぬのではないでしょうかね。それは一部の企業で確かにそういう点もあるかもしれぬ。しかしいまお話しのように、非アラムコ系で言えば、これはむしろ逆にきわめて有利になる。じゃあそっちの方は下げてくれるのかということにもなるわけで、これは全体として、いま上限価格を変えるとか値段を上げなければいかぬなんというような状況とはだれが考えても納得がいかぬのじゃないか、理解できぬのではないかというふうにぼくは思いますね。
 そこで、円レートは一体どうか。五十六年二月以降、円安傾向で進んだ。ようやく八月初めに至って一ドル二百四十六円を底として反転になった。きょうは二百二十六円くらいですか。この前、通産省の資料によれば、「為替差損益の分岐点」というのが出ていた。それで九月は二百十六円、十月は二百二十二円、十一月は二百二十五円、十二月は二百三十三円、つまりこれは五カ月の為替支払い期限を見ながらこういう分岐点というものが出てきているわけですね。ですから先まで大体決まるわけですね。
 この差損益をめぐるいろいろな問題については後でもう少しお聞したいと思うが、それではこの為替差損益の分岐点は一月、二月、三月、つまり現在十一月ですから、五カ月先までは大体わかるわけですね。一月、二月、三月までは分岐点はどのようになるか、お知らせをいただきたいと思います。
#26
○野々内政府委員 最新の資料、私ども平均価格としては九月まで持っておりますが、九月の原油価格の換算レートが二百三十円でございます。そういたしますと、通常、四カ月半から五カ月くらいはユーザンス期間でございますので、大体一月か二月ごろが分岐点が二百三十円くらいということで、八月をベースにした分岐点よりは若干下がってくるというふうに思います。
#27
○五十嵐委員 大体私どもなりに資料をいただいたりしてやってみているのですが、一月は二百三十四円、二月は二百三十一円、三月で二百三十三円、このくらいになるのじゃないかというふうに感ぜられるのでありますが、そう違わないですか、どうですか。
#28
○野々内政府委員 正確な数字はいま手元に持っておりませんが、大体そのあたりかと思います。
#29
○五十嵐委員 この前、エコノミストの十月二十七日号で日本の主要五十二社が円レートの見通しをアンケートに応じて出していますね。これを見ると、大体一ドル二百十円台が多数の見通しのようであります。富士銀行が二百十五円、住友銀行が二百二十円、山一証券が二百十五円、三菱商事が二百二十円、三井物産が二百十八円、あるいは日本郵船が二百十五円、新日本製鉄が二百十円から二百二十円、東京瓦斯が二百二十円、トヨタ自販が二百二十円、日産自動車が二百十円、松下が二百十円、日立が二百二十円、東芝が二百十円、三菱電機が二百十五円、ソニーが二百十円から二百二十円というところですね。
 それは先のことだから行ってみなければわからぬだろうが、おおよそ国内の主要の企業がそういう見通しをしているわけですが、現在の想定される諸条件からいうと、まあまあそんなところかとも思うが、いかがですか。
#30
○野々内政府委員 円高になりますと輸出中小企業がお困りになるかもしれませんので、私はそうなってほしいということを申し上げるわけにいきませんが、石油政策上はぜひそういう企業の予測が当たって、石油企業に今度は逆に為替差益が発生をするというような事態になった方が、石油企業の過去の膨大な累積赤字を消すという意味からもプラスになると思います。ただ、私どもの行政がそういう予測のもとに行動できるかどうかという点になりますと、これはなかなかむずかしいところがあるかと思います。
#31
○五十嵐委員 それにしても、円相場一ドルで一円変化すると製品コストで一キロリットルで大体二百七十円くらい上下するのですか――そうですね、大きいですね。つまり、いまお話しのように現状も見通しも好転してきているということは言えますね。それは当然コストの上に大きく影響してくる。つまり、上げ志向でなくて下げ志向だということは間違いないですね。
#32
○野々内政府委員 原油の輸入価格自体が安定的に推移するであろうと予想されますし、円レートもそういう識者の御意見がもし当たると仮定すれば、コストとしてはマイナス要因になると言ってもいいかと思います。
#33
○五十嵐委員 わかりました。
 灯油の需要は少し下がってきているようですね。これは、値段は上がるし消費者としては一生懸命節約する努力をいただいているわけでありますから、本当に寒い中で切り詰めて需要を落としているんだろうと思いますが、前年比あたりから見て需要は低下しているということでしょうか。
#34
○野々内政府委員 九月の販売実績で、前年同月に比べますと九二・四%ということで減少いたしております。
#35
○五十嵐委員 在庫は、さっきお話をお聞きしましたように、去年はたしか六百五十万くらいでしたですね。ですから、非常に大幅にふえている。で、需要は去年よりもかなり下がっている。石油製品の生産における得率も、これは好ましいことだと思いますがかなり上がってきているようですね。昭和四十年には六・八四%くらいであった。これが四十九年で八・八六%、ことしは一二%くらいいくのじゃないですか、どうですか。
#36
○野々内政府委員 五十六年度の上期で灯油の得率が一〇・一七ということで相当上がってきております。下期にはもう少し上がるかと思います。
#37
○五十嵐委員 五十六年度の供給計画によれば、私の計算では一一・八二%くらいになるのですが、そうですか。
#38
○野々内政府委員 灯油の得率、いま手元に年度トータルでございますが、これですと一〇・九七でございます。上期が一〇・一七でございますから、下期の得率は御指摘のように一一を超えるかと思います。いま手元に数字はございません。
#39
○五十嵐委員 ことしは大分灯油を輸入しているようです。今年輸入した数量、それからそれの平均的なものでいいですが、価格についてお知らせください。
#40
○野々内政府委員 本年九月には二十六万九千キロリットルの灯油が輸入されております。十月はまだ確定的数字はございませんが、私どもの見通しといたしましては十五万九千キロリットルくらいが輸入されるであろうと思います。
 価格につきましては、キロリッター当たり七万六千円から七万七千円程度で、ほぼ国内並みかというふうに考えております。
#41
○五十嵐委員 ちょっとそれは違うのじゃないですか。九月は六万六千円くらいじゃないですか。
#42
○野々内政府委員 実は入るものによりましていろいろ違いますが、先生が六万六千円とおっしゃいましたのは多分CIFの円換算かというふうに思います。
#43
○五十嵐委員 そうですね。輸入加重平均価格で九月は六万六千百六十円、十月は六万七千二百八十円ということなようです。これはレートで二百三十円計算でですね。しかし諸掛かりがかかるわけでしょうね。これはどの辺から入れたもので、どのくらい諸掛かりがかかるか、したがってそれが加算された価格は国産の灯油価格と比較するとどうか。
#44
○野々内政府委員 実は輸入をいたします国によりましていろいろ差がございますので、いま先生おっしゃいましたように加重平均をした数字が九月で六万六千円ということでございますが、これに諸掛かりが約九千六、七百円かかりますので、合計いたしますと、九月では大体リッター当たり七十六円くらいじゃないかと思います。
 それで、国内の元売りの仕切り価格でございますが、日本経済新聞の市中相場から九、十をとってみますと、東京で七十七円から八十円、大阪で七十七円から七十九円でございますが、特約店マージンを二円程度引いてみますと、先ほど申し上げましたリッター七十六円に相当する価格は、東京で七十五円から七十八円くらいかと思いますので、大体似たような値段になると思います。
#45
○五十嵐委員 諸掛かりの九千六、七百円というのは高いような気がしますがね。関税、石油税、これは当然のことですが、諸経費あるいは製油コストなんかでいくとどういうことになるのか、七千円くらいになるわけでしょう。これでは原油精製並みじゃないですか。どうですか。
#46
○野々内政府委員 実は御指摘のとおりの状態でございまして、日本の灯油は非常にきれいな質になっておりまして、したがいまして、輸入をいたします灯油についてはもう一度リファインしないと一般家庭に売れないという状態でございます。そのためにこのコストがかかるということになってまいります。
#47
○五十嵐委員 一遍またこのコスト等についてはいろいろ勉強させてほしいと思いますが、何にしても、いまの御説明によりましても、輸入価格は国内価格とほぼ同じぐらいのところで入っているようであります。いまずっとお聞きすると、在庫はだぶついている。需給の見通しも、需要は減って供給は心配ない。原油価格は下がっている。また来年いっぱいは、格別なことができれば別だけれども変わらない。円レートは好転した。またこれからの見通しも大体いい。得率もよくなっている。輸入価格もそこそこだ。何が上がる根拠があるのですか。こんなもので上げたら大変じゃないですか、うまくないですよ。どうですか。
#48
○野々内政府委員 価格が上がるか下がるかというのは、まだこれから情勢を判断する必要があると思いますが、上がる条件として何があるかと申しますと、結局は先ほど申し上げましたように、アラムコ系の油の比率の高い企業にとってコストアップ要因になるということが上がる要因でございまして、そのほか円レートがもし御指摘のように円高に推移すれば、それが相殺をされまして値上がり要因が出ない、こういうふうに思います。したがいまして、これからまだしばらく様子を見る必要があると考えております。ただ、いま申し上げましたのは元売り仕切り価格の問題でございまして、あと国内の流通段階における値動きというものはまた別かと思います。
#49
○五十嵐委員 別なことないですよ。しかし慎重にしなければならぬといういまの御発言でありますから、ぜひ慎重にしてほしい。
 しかも灯油はこの五、六年で見ても、通産省の資料等もそうでありますが、日銀の「石油製品卸売物価指数の推移」、これによると、五十年を一〇〇にして、石油製品の平均指数は今年九月で二三九・三、これに対して灯油は二七八・八ですね。内訳を見ると、ガソリンは一七六、これは税込みです。ナフサは二三〇・五、これは少し変わるのかな。まだ未定の要素がある。ジェット油が二五九・五、軽油が二五二・三、A重油で二六一・〇、C重油で二七五・一、いずれよりも灯油は高い。この数字は間違いないですね。
#50
○野々内政府委員 日銀の卸売指数によりますと、そういうことになっているかと思います。
#51
○五十嵐委員 最近の半年、この三月から九月比くらいで見ましても、大体値上がりは灯油の一二〇に対してC重油は一一〇ぐらい、ガソリンは一〇九、ナフサは未定要因があるが一〇四か五か六か、ジェット油が一一四、軽油が一一九、全石油製品平均が一一二の指数にぼくの計算ではなります。灯油は突出高じゃないですか。この上、上げなければだめだなんということは、消費者から見るといずれの点からいっても納得がいかぬ。いまの数字はほぼ間違いないですね。
#52
○野々内政府委員 いま先生のお読み上げになりました数字は多分指数の差をおとりになったのだと思いますが、私、指数そのものは持っておりますけれども、差そのものは計算いたしておりませんので、指数からおとりになったのであれば数字としてはそうなるかと思います。
#53
○五十嵐委員 言うまでもないですけれども、石油業界としてはナフサだとかC重油に関しては最近の不況業種があるわけですから、そういう中で非常に頭が痛いということもよくわかります。よくわかるけれども、そこのところを灯油やガソリンのところにかぶせていく。新しい体系の価格バランスをそういうことでつくり直して抵抗力の弱い大衆のところに値上げを持ってくる。もしそういう考えがあればこれは困りますよ。なるほど石油化学にしたってアルミにしたってパルプにしたって、そういうさまざまな不況業種がある。素材産業は大変だ。大変だけれども、構造的な不況業種に対する救済は救済策として政府で別途考えてもらわなければ、そういうものを石油ブロックのところにみんなかぶせてこられては、ぼくはかなわないのじゃないかなという感じもする。ですから、くれぐれもそういうようなものを灯油やガソリンのところに一方的に転嫁するというようなことはないように要望しておきたいと思いますが、いかがですか。
#54
○野々内政府委員 実は石油の価格は幾らが適正であるかというのは非常にむずかしい問題でございまして、これを競合燃料との差で見るのか、あるいは過去からの値上がりの状態で見るのか、あるいは需要家の支払い能力の点で見るのか、いろいろな考え方があると思いますが、いずれにいたしましてもそういうものはむしろ政府が行政介入するよりは市場メカニズムを通じてそういう価格が形成されていくというのが望ましいと私ども思っております。ただ、御指摘のようにそういう過程で不当な行為が行われるというのは容認されるべきでないと考えておりますので、十分慎重に行われなければならないと思います。
#55
○五十嵐委員 どうもいまの発言を聞くと、少し怪しいなという感じがしますね。もう少し後で、その辺についても議論したいと思います。
 もう一つは、石油会社は非常に経営内容が悪い。最近の状況は、一時は非常に危機的状況が伝えられたほどであった。したがって、こういう主として為替差損による会社の赤を価格に入れていくというようなことの考えがもちろんあるのだろうと思うが、これはぼくらやはり納得がいかないのです。
 この間、日石の中間決算が出た、あれを見させていただきました。百二十九億の赤字を出している。しかしあの決算に同時に言われているのでは、下半期はレート二百三十円と見て経常利益は二百五十億円ぐらい出るだろう、こういうことを言っているようですね。しかし、ぼくはよくわからないのです。教えてほしいと思いますが、決算書に目を通して見た。体質的に、ぼくは経営の内容は悪くないんじゃないかと思う。日本石油は資本金三百七十八億、この中で法定準備金だとか石油資源開発準備金だとか別途積立金だとか、この種のものがかなりあるようですね。それが悪いと言うのじゃないですよ。それはあった方が体質は強いということですし、それをどうこう言うわけじゃないのだが、これらのものが相当額あるようですが、どのぐらいになりますか。
#56
○野々内政府委員 御指摘のとおり、日石を初めといたしますアラムコ系の企業は原油コストが非アラムコ系に比べて安いものですから、従来からもかなり内部留保があるというふうに考えていいかと思います。私もここに日石の発表したものを手元に持っておりますが、当中間期、五十六年の九月三十日では法定準備金が四百十二億、剰余金が八百三十八億ということかと思います。
#57
○五十嵐委員 そのとおりですね。合わせれば千二百億ぐらいです。資本金三百七十八億なんです。赤字は今度百三十億ぐらい出る。しかし一方では千二百億ぐらいの社内留保はあるわけです。そういうことですね。これはかなりしっかりしているじゃないですか。もっともどの企業も日石並みとは限らぬわけで、非常に厳しい企業が一方であることも事実だろうと思いますが、たまたまこの前発表になったものですから、そういう感想を持ちました。たな卸しは二千百六十七億というのですね。これはこの種のたな卸しの評価の仕方というのは税法上いろいろあるようですね、何種類かあるようです。それはいずれも認められていることだからどれを適用してもいいわけで、それが適当でないとかなんとかと言うのじゃないわけです。じゃないが、これはやはり原油なり製品の現在価格から比較すれば相当な含み利益があるということも間違いのないこと、それぞれに差はあるけれども。ことにここ二年ぐらいで倍にも上がった。そうすると、この種の含み利益というものは相当なものだということは間違いないでしょうね。どうですか。
#58
○野々内政府委員 先生いま御指摘のように、各企業によりましてたな卸し資産の評価方法というのはいろいろございますから一概には言えません。私も日石がどの方法を用いているかというのはわかりませんが、九十日を超える原油在庫を持っておりますから、当然その分は評価的に含み利益があると思います。ただ、それが従来の決算期でどの部分が使われたかということは関係があるかと思います。
#59
○五十嵐委員 いま一々それをさらにどうこう言おうとは思いませんが、こういう点をずっと見れば、恐らくこれは、さっきもちょっと説明がありましたが、備蓄は大変なものですね。民間備蓄にしたっていま百八日分ぐらいあるのですか、量にすれば大変なものだ。これの持つ含み利益なんてものは膨大なものですよ。金額にするとどうですか、三兆円ぐらいあるのですか。へそそろばんでどんなことになるのですか。これは大変なものですよ。それがまたいいとか悪いとかと言うのじゃないが、そういうことも腹に入れながら灯油の価格はやはり決めていかなければならぬ。いま企業がどうにもならないような危機的な状況で、しかも一方ではC重油とかナフサだとかいう関係もあって、抵抗力の弱いガソリンだとか灯油だとかというところにばかり持ってくる前に、こういう点もよく目を通しておいてほしいというふうに思いますよ。だからこそ、また下半期の見通しがあるからこそ中間配当金は、赤字にかかわらず、日石も一株三円、二十二億七千万円計上しているわけですね。大和証券の調査によるものとしてこの前新聞に出た。しかし、いろいろ聞いてみると必ずしも明確なものでなくて、ぼくはおたくの方からは明確な資料をむしろ欲しいなというぐあいに思うわけだけれども、いまのようなことをざっと考えてみると、この大和証券の調査と称する発表の記事もそう狂ってはおらぬのではないかという感じがするのですね。一転していい状況になってきておる、あるいは大手都銀の調査というものでも収益見通しはかなりよくなってきておる。上期は四千四百億ぐらいですかの赤字総額だが、下期は二千五百億ぐらいの黒になるだろう、あるいは見方によってはもっとという説もあるようです。もちろん繰越赤字も大きいから当分はなかなかその重圧というものもあろうとは思うけれども、しかし明らかに好転はしている。ただしかし、石油業界が持っている構造的な問題点、これは確かにやや手つかずにあるのでないかと思う。
 わが国の精製設備は現在日産五百九十四万バレルですか、現在の操業率はどの程度になっていますか。皆さんから見て過剰と見るのはどのぐらいですか。
#60
○野々内政府委員 先生御指摘の日石の経理内容等につきまして、私も感覚的には先生の御指摘のとおりと思うのですが、ただ二点だけ指摘させていただきたいのは、一つは日石という非常に優良企業をお取り上げになっているという点で、相当ひどい企業が多いという点と、もう一つは私どもどこまで経理介入すべきかという点、これはなかなかむずかしい点でして、ある企業が相当困っているときあるいはいいときに、その経理内容に対して介入をして、値上げ、値下げを指導するというところまで入っていくかどうか、これはなかなか政策論としてむずかしい点があるというのを御指摘させていただきたいと思います。
 それから次に、構造問題でございますが、稼動率はことしの上期で五六・三%でございまして、九月は五一・九%と大体半分ぐらいの稼働でございます。
 それから、現在、設備は常圧蒸留装置、トッパーで、設計能力が五百九十四万バレル・パー・デーございます。これのうちのどの程度が過剰であるかということでございますが、長期需給見通しによりますと、十年後では、昨年現在でつくりましたものでは大体一割程度過剰という状態でございますが、現在、長期エネルギー需給見通しの改定を行いつつございます。これによりますと、十年後のエネルギー需要が、従来、トータル七億キロリットル相当であったということになっておりますが、むしろこれは一割かあるいはそれ以上ダウンするのではないかというふうに見られておりますので、これができ上がりましてからの判断になりますが、そういたしますと、一割以上の過剰が存在することになるというふうに判断いたしております。
#61
○五十嵐委員 そうですね、この問題は大変ですね。
 去る十月の十六日に石油連盟の永山会長は記者会見でこの設備の廃棄問題に触れて言っているわけですね。「私個人としても多いとは思うが、どれだけをどのようにして廃棄するかは石油供給計画をつくり、これによって必要な設備規模を示している通産省がめどを出すべきだ。」こう言っているのですね。通産省としてはどう考えますか。
#62
○野々内政府委員 この問題につきましては、現在、石油審議会の石油部会におきまして御議論いただいておりますので、年末までには何らかの方向が出されるものと考えておりますが、私どもとしましては、確かに永山さんおっしゃるように、全体としてのめど、こういうものにつきましては私どもにおいても責任があるというふうに考えております。ただ、個別企業についてのめど、この辺になりますと、どこまで行政的に介入していくかというのはかなり慎重に考える必要があるというふうに考えております。
#63
○五十嵐委員 大変なことですけれども、御努力いただきたいと思います。
 それから、関連して、中間留分の問題が常に最近は不安があって大きな課題になっているわけですが、この中間留分の確保の上から、重質油の分解設備共同化というようなことも通産省としてもいろいろお言いになっておるわけであろうと思うのですが、通産省としてこれらについての誘導策というようなものはお考えになっていますか。
#64
○野々内政府委員 御指摘のとおり灯油など中間留分の確保というのが今後非常に重要な問題になると思っております。
 この重質油分解装置というのは膨大な投資を必要としますので、なかなか一社ではむずかしい点もございます。したがいまして、御指摘のとおり共同で投資するということが、経済的にもあるいは業界の構造改善からも適当であると考えておりまして、現在共同投資のための調査を五十七年度で行うことを考えておりますし、また、こういうものについての共同で投資をするという場合には開銀から低利融資をするということも考えてみたいと思いまして、現在大蔵省と話し合いいたしております。
#65
○五十嵐委員 次に、為替リスクの問題を少しお聞きしたいと思います。
 決算にあらわれるユーザンス差損益だけで、五十四年度は四千七百十六億の損、五十五年度は、今度は五千八百三十五億の得、それで五十六年はいまのところ上半で二千五百億くらいの損、まあ大変な大きな額が行ったり来たりしているわけですね。これは、買い取った原油に産油国やメジャーの支払い期限が一カ月くらいですか、つく。これが業界全体で四十五億ドルぐらいの借りになる。期限が来ると、石油会社は外国為替銀行などからドルの借り入れをして支払う。このドル金融がいわゆる輸入ユーザンスで平均四カ月になるわけだから、百六十五億ぐらいの額になって、合わせると二百十億ドルぐらい、二百三十円のレートで言うと四兆八千億くらいになる。すごいものですね。この巨額の金額のドルと円の間のところに入って、まさに大きな波にもまれるだけもまれているという状況にあると思うのですが、しかしそれは業界だけの危険性でなくて、結果としてはそれがどうも消費者に損なんかのときにはツケ回しされてくるということもあって、この為替リスクの問題というのは、こういう不安定な問題というのは国民的な非常に大きな関心の的だというふうに実は思うわけですね。
 さっきも言ったけれども、円レート一ドル当たり一円変化すると製品コストで見ると一キロリットル当たり二百七十円上下するというのでありますから、ストレートにかかわりが出てくる。どうもぼくはここら辺がよくわからないのですけれどもね。石油産業というのは、わが国の産業やあるいは国民の暮らしの本当に大事なところにあるわけですね、基幹的な存在として。これがいまのような非常に不安定で危険な、ある意味ではギャンブル的な要素さえもあるということは全く適当でないんではないか、やはりもっとここら辺については政府としてがっちりした方針を出し指導する必要がある。いまだってやる気ならば、これは取引した都度先買いをしていけばいいわけですから。そうですね。やる気ならばぼくは何も不安定ではないと思う。きちっとそういう手続といいますか、つないでおけば……。しかし、そうでない。この問題をどういうぐあいにお考えですか。
#66
○野々内政府委員 御指摘のとおり石油産業における不安定要因の非常に大きなものとして為替リスク対策というものがございます。したがいまして、石油審議会では先ほどのお話の過剰設備処理などと並びまして、中長期対策として為替リスク対策をやるべきだという提言がなされておりまして、現在、石油部会の中にワーキンググループをつくりまして検討中でございまして、近く結論が出ると思います。
 それで、ヨーロッパの例で見ますと、ヨーロッパの場合には一カ月のシッパーズユーザンスの後、それを直ちにマルクなりフランなり自国通貨に転換をするということをいたしております。これも一つの方法ですし、それから御指摘のようにドルの先物の予約をするということによってコストを確定するという方法もあるわけでございまして、この問題はできるだけそういうリスクを回避するという方向で今後指導していきたいと思っております。
 ただ、その場合一つの問題は、実は従来からこの為替リスクというものが外国における為替変動を国内に波及させる一つのバッファーになっておりまして、たとえば円安になりますときに、それを水際で円に転換をいたしますと、直ちにコストアップになって製品値上げをしなければならぬ。しかしながら、それを先まで延ばしていくことによりまして製品値上げの時期を後ろに持ってくる、あるいはそのときに逆に円高になることによって結果的には後の値下げが可能になる。ある意味ではバッファーの役割りを果たしていたわけでございます。ただ、そのバッファーも余りに大きくなりますと、従来の、たとえば年間数百億のオーダーでございますとまだ吸収可能でございますが、いまのように年間数千億のオーダーになりますと、バッファー機能を超えて産業自体を不安定にし、それが日本経済の不安定さにあるいは影響するかもしれないという非常に大きな問題になっておりますので、御指摘のとおり、為替変動につきましてはできるだけヘッジをするという方向で今後指導していきたいというふうに考えております。
#67
○五十嵐委員 しかし、それは予約をしてつないでおけば、途端に上げるものは上げなくちゃいけぬことになるんではないか、そういうものの弾力的なものには、まあいまのようなリスクもあるが、しかしメリットもあるんだというお話だけれども、ぼくはちょっとその辺でおかしいと思うのは、買った物が船で来るのに一月ぐらいかかりますか、それからストックはいま民間でいっても百八日ある。それから精製してから末端まで行くのにどのくらいですか、半月くらいあるんですか、これだけのものというのは、これは相当な比率ですよ。そうですね。買った値段のものがここまでいってからその値段のものが売られることになるわけですから、消費者が素朴に考えると、そんなにすぐ上がるというのはおかしいんでないか、そこには相当な時差があるはずではないか。これはだれしもそう思うんですよ。通常、皆さんの場合には二月ぐらいという計算でやっているようですけれども、まあ二月なんかできかないんじゃないかなという気がしますね。その辺も一遍ぼくは改めて何かの機会にお聞きしたいなというふうに思っているところなんです。
 そこで、この際お聞きしてみたいのですが、概算でいいんですが、円が変動相場制に移行した昭和四十七年以降、十年たっているわけですね、今日までの為替差損益は総トータルで一体幾らくらいになっているものか、為替差益はどのぐらいで、差損がどのぐらいで、差し引きはどんなことになっているのか、大筋でいいですから、ちょっとお知らせください。
#68
○野々内政府委員 四十八年の二月十四日にスミソニアン体制が崩壊をいたしまして、三百八円から変動相場制に移行したわけですが、そのとき、昭和四十八年度から昨五十五年度までの八年間をとってみますと、ユーザンスに基づきます差益が約一兆三千億、損の方が約五千億、その差額が約八千億になっております。
#69
○五十嵐委員 大きいものですね、八千億の差益を八年間で。まあことしは損をしている。損しているとか、おととしはどうだとか、しかし、全体からいうと八千億の差益を得ている。それはそういうことでしょうね、この八年間で基調としては円が強くなってきているわけですから。結局、何だかんだ言っても、業界にはこういう円高基調というもののメリット期待といいますか、そんなものがあるから、小高下はしながらも大筋では上がっていくわけだから、したがって、一時的には損があっても、長い目で見れば相当な利益になるというところに、やはり踏み切れぬものがあるのじゃないですか。それはどうですか。
#70
○野々内政府委員 実は私もそういう印象を受けております。ただ、石油業界の方は私どものそういう印象に対して反論いたしておりますが、私も先生御指摘のように、そういう為替差益には期待をしない、そのかわり為替差損も発生をしない、そういう企業経営があるべきではないか、こういうふうに考えております。
#71
○五十嵐委員 そういう点からいうと、まずひとつそういうような指導をぜひしっかりしてほしい。同時に、消費者から言うと、そういう流れを見ると、もうかったときは自分のもの、損したときは価格に転嫁するよというようなことは困るよ、長い目で見れば八千億も取っておるではないか。それはもうかったのは税金で出していただいているわけでしょうけれども、しかし相当なものだ。ぜひひとつそういう点でも、ぼくは価格を決めるときなどそういう背景を頭に入れながら決めてほしいというように思います。
 そこで、上限価格の問題です。これは一体通産省はどうしようと考えていますか。
#72
○野々内政府委員 さきのイラン政変に基づきます国際的な原油の値上がり、これが国内の製品価格に反映をいたしますときに、便乗的な値上げをいかにしてチェックするか、こういう観点から、いま先生御指摘の、上限価格という言葉をお使いになりましたが、値上げの前に、事前に私どもがヒヤリングをする、そして便乗的なものがないかどうかを指導する、こういう制度を導入したわけでございます。従来までこの制度が運用されておりましたが、今後国際石油情勢も鎮静化してまいっておりますので、あのときのような異常な値上がりというものは考えられないと思っておりますので、事態が平常化すれば、ああいう緊急事態にとられた措置というものは撤廃をしていきたいと考えております。ただ、いつの時代でもこういう非常に国民生活上重要な物資でございますから、非常識な便乗値上げ等がないように、当然行政としても監視をしていかなければならぬということは考えております。
#73
○五十嵐委員 これは部長、いまの御発言は重大なことだと思いますよ。いま生産調整をしているわけでしょう。どうですか。
#74
○野々内政府委員 現在、石油供給計画に基づきまして適正な需要供給が保たれるように指導いたしております。
#75
○五十嵐委員 市場メカニズムにまるっきり任しているということじゃないですね、通産省が介入して、まあ介入というのはおかしいが、そうでしょうね。しかもこの前は供給計画を二月ほどで改定をして、そして生産調整をしているわけですね。そうやっておいて、値段の方は市場メカニズムに任して自由だよということにならないでしょう。生産調整をやめるのですか。どうですか。
#76
○野々内政府委員 どうも生産調整という言葉の響きといたしましては、何か需要に比べて供給を逼迫させるというような響きがございますが、私ども現在やっておりますのは、石油業法に基づきまして石油供給計画を作成し、それに沿って生産が行われるように指導するという形でございまして、特に供給を締めて値上げをさせるようにするというようなことは全く考えておりません。たとえば、最初に本日御答弁申し上げましたように、灯油につきましても去年に比べて相当量の在庫もございまして、十分な供給が行われている。供給を締めて値上げが行われるような状態ではないというふうに私どもは判断いたしております。
#77
○五十嵐委員 いや、そんなことを言ってもうまくないですよ。やはり需給の関係を自由にしているというものじゃないのですからね。そうしておきながら一方で上限価格は、天井の方は外す。おかしいのではないですか。しかも、さっきも言ったように、ここ数年の為替の差損益の荒れ方というのは大変なものですね。これは異常でなくて正常なのかどうかという判断はあるかもしれぬけれども、いやひどいな、これは異常だなというのが本当じゃないですか。何千億単位のものが去年はもうかった、ことしは損したということになるのですから、そんなものが価格にストレートに転嫁されてくることは正常でないでしょう。違いますか。
#78
○野々内政府委員 為替が確かに非常に激しく動いておりまして、そのために国内の製品価格にそれが反映をするという状態が起こっておりまして、確かに為替の変動は異常だというふうに思います。ただ、これから先につきましては、先ほど先生御指摘のように、余り異常な変動はないのじゃないかというふうにも考えております。万一国際的な原油価格あるいはその他の経済情勢で異常な状態が発生すれば、また私どももそれなりの手を打つ必要があると考えておりますが、ここ当面正常な状態になり得るのではないかと考えておりまして、現在その状態を見ながら最終判断をいたしたい、かように考えております。
#79
○五十嵐委員 標準額の設定をこの前見送ったわけですね。ピンチのときにいろいろ心配したわけだけれども、それは非常に結構だったと思います。しかしいまも発動の待機姿勢は続けているわけでしょう。そうですか。
#80
○野々内政府委員 石油審議会に対する委員会からの報告は準備をしておくようにという状態が続いております。
#81
○五十嵐委員 下支えのためには標準額発動の待機を続ける、そうでしょう。それで上値のところは外そうというのはおかしいんじゃないですか。これはどの点から考えてもシーリングの解除はおかしい。簡単に今年度いっぱいでどうだとか、撤廃についていま考えるとか、そんなことは言わないでほしいと思いますね。もっともっと慎重であってほしい。こんなものは、外すのはもっともっと先でいいじゃないですか。そう思いますよ。
 十月二日に経済対策閣僚会議があった。ここで物価に関して指摘を受けているのは二点、冬野菜と灯油ですよ。「需要期を迎えている灯油等石油製品については、国民生活に支障を生ずることのないよう円滑な供給の確保に努めるとともに、元売・小売段階における価格監視を実施する。」こう言っているわけでしょう。これは冬野菜とともに、物価政策の二つの目の玉ですよ。そういう経済対策閣僚会議の方針がありながら、いま上限価格をどうだとかこうだとかと言うのはおかしいですよ。絶対に慎重を期すべきだ。もう一遍答えてください。
#82
○野々内政府委員 上限価格の廃止の問題につきましては、この灯油等石油製品が国民生活に非常に重要な物資であるということは私どもも十分認識いたしておりますので、今後の原油の事情、為替の事情、石油企業の実情、そういうものも十分、事態の推移を見守りながら検討いたしていきたいと考えております。もちろん慎重に判断する予定でございます。閣僚会議の決定によります価格の監視につきましては、この上限価格には限らないわけでございますので、いろいろな方法があると思いますが、今後ともそういう価格監視は続けたい、かようと考えております。
#83
○五十嵐委員 限らないといったって、上限価格も含めてやっていかなければだめだな。そういうときにわざわざそれを後退させて外すという必要はないわけですから、含めて、多角的にちゃんと抑えていかなければいかぬのじゃないですか。もう一遍、どうですか。
#84
○野々内政府委員 実は上限価格の問題というのは、あれを行いますことによっていろいろなひずみが発生いたしておりまして、あれは緊急対策として導入をしたということで、事態が正常に戻ればなるべく早く撤廃をしたいと考えております。ただ、いままさに需要期の盛りでございますので、撤廃をすることによる心理的な効果等も考え、そのあたりは慎重に判断をしたいと思っております。
#85
○五十嵐委員 だめだね。納得いかないですよ。さきの答弁よりももっと悪くなっちゃった。つまり、慎重にというのは、この冬は慎重にという意味ですか。前段のお答えはもうちょっと、それこそ慎重であったように思う。そういうことを決めてかかるというのはうまくないのじゃないですか。決めてかかるというのは慎重にということではないですよ。そこのところは、何も今年度で決めるとか、春になればどうだとかということではなくて、もっと長期的に慎重に状況を判断しながらいく、あるいはいまのような考え方がそのうち出てきたら、またこういう点をお互いに論議しながらやっていくということにすべきでないでしょうか。それはいまの状況からいって、あるいはこういう物価に対する基本的な経済対策閣僚会議等の方針からいって、いまここで春になればとかどうだとかというような状況では全くないと思う。もう一遍、もう一遍お答えください。
#86
○野々内政府委員 どうも基本的な考え方と現実の処理という二つの問題について御答弁申し上げるので非常にわかりにくいかと思いますが、多分五十嵐先生も未来永劫上限価格をつくろうとお考えになっているのではなしに、落ちつくまでやれということだろうと私も理解をいたしまして、異常事態における制度というものは、異常な状態が解消されたら撤廃するという基本的な考え方と、それから、それをいつ撤廃をするかということとはまた別の問題かと思っております。そのあたりは十分慎重に判断をしたいと思っております。
#87
○五十嵐委員 為替リスク対策なんかもいまいろいろやろうとしているわけですね。それから生産調整も業界の体質改善に関連しながらどういうことになるのか、こういうでっかい問題があるわけでしょう。こういうような問題をそのままにしてというのはおかしいと思う。やはりこういう問題はこういう問題で解決させながら、そういう中で一体シーリングの問題をどうするのかという論議が出てくるのなら、そのときに、いやそれはやはり残すべきだ、どうすべきだというようなことで改めて論議したいと思うのですよ。しかし、いまそれは為替リスクの問題だって手つかずでしょう。業界の構造改善の問題だって手つかずでしょう。それで生産調整をしているわけでしょう。そういう中で今年度でだとか落ちついたからだとか、そんなことを言われたってうまくないですよ。これ以上言っても、なかなか返事はそう出てこないのかもしれぬが、それはぼくは断じてうまくないと思う。そのことを申し上げておきたいと思う。
 時間も余りありませんから、あともう少しお聞きしたいと思いますが、LPガス、これの製品輸入価格もどうも矛盾がある。――いや、輸入価格は矛盾がない。これは大幅に値下げしているわけですね。あるいは卸売価格も下がっている。しかし、小売価格は余り下がらないわけですね。これはお手元に資料があろうと思いますが、もしあれでしたら、輸入価格、これは大蔵省通関統計などからでしょうが、それから卸売物価、これは日本銀行の調査による指数あたりでしょうか、家庭用小売価格、これは通産省の調査によるものだと思うのですが、これを比較してどういう傾向になっているか、ちょっと御説明いただきたいと思います。
#88
○長田説明員 御説明いたします。
 LPGの原料代は、趨勢としましては五十四年、五十五年にかけまして原料代が非常に上昇いたしまして、五十五年の途中から原料代は下降傾向をたどっております。片や家庭用の小売価格でございますけれども、これは比較的ゆっくりしたペースで徐々に上昇を続け、最近に至りましてほぼ上で一定の価格でとまっておる、こういうような状況でございます。
 卸売物価につきましては、ほぼ全体の趨勢としましては原料代の価格の趨勢に伴いまして同様な動きをその後示しております。
#89
○五十嵐委員 もう少し数字で言っていただきたいと思うが、ともかく大筋でいって輸入価格は下がっておる。ことに今年に入ってから下がっておる。卸売価格も下がっておる。小売の方はさっぱり横ばいだ。これはうまくないと思いますよ。しかるべき指導をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#90
○長田説明員 LPGの小売業は、ほかの石油製品業と比べまして特色がございまして、非常に販売経費の割合が高い、そのほかいろいろな保安経費というものが非常に増大しているというような点から、小売価格が高い水準にあるというようなことでございますが、私どもといたしましては昭和五十二年度に近代化促進法の業種指定ということを行いまして構造改善事業ということに取り組んでいるわけでございます。したがいまして、こういうような事業を通じまして今後小売段階における流通の合理化ということを図り、コストの低減に努めていきたい、こういうふうに考えております。
#91
○五十嵐委員 これはやっぱり、言ってみれば上限価格がないわけだね。一番いいですよ。こういうことになるのですよ。いま課長のお話を聞いても、構造改善について指導して、行く行くはそうなれば安くなるだろう、そんなような話だものね。これは全国の消費者はこういう数字を見ると納得がいかないですよ。いまのような課長の答弁でいいのですか。ちゃんとよく見てしかるべき善処方をお願いしたいと思うが、部長、どうですか。
#92
○野々内政府委員 実は先ほどの御議論で中間留分対策というのがございましたが、家庭用の灯油とLPガスと比べますと、LPガスの方がかなり高値になっておりまして、これが下がりますと灯油との競合が起こって灯油需給が非常に緩和をしていいという判断をしておりまして、何とかLPガスの小売価格ももっと下がるのが望ましいと考えておりますが、ただ、御承知のように実は非常に中小零細企業が全国にばらまかれておりまして、しかも流通コストそれから保安コストが相当な金額になっておりますので、通産省として末端の小売業者に対して価格を指導するというのは非常にむずかしい問題がございますので、一般的には中間留分である灯油と競合可能なような価格になり、それによってLPガスの取扱量がふえて、逆に流通コストが下がる、こういうのが量も望ましいのではないかという形で指導をいたしておる状態でございます。
#93
○五十嵐委員 それは、もちろんコストの構成から言えばいろいろ手間はかかるという部分が大きいということもわからぬものではないですが、しかし、少なくたって、相当の割合を占める輸入価格なり卸売価格は間違いなく下がってきているのですから、そういう点は小売価格にも反映されるように指導してほしいというふうに思います。
 それから、同じLPGで、これはかねがね言われているのだけれども、北海道価格というものと全国平均といつでも差がある。今度いただいた資料でも、九月で見ると、十キログラム当たり、全国平均で二千四百六十一円、北海道は二千七百八十四円、ですから三百二十三円、一三%高くなっている。しかも、北海道の中で見ましても、札幌と、それから稚内の方だとか留萌の方だとか北見の方だとか地方に入れば入るほど、北海道価格というもののほかに留萌価格だとか名寄価格だとか稚内価格だとかいうのが存在しているようなアンバランスもある。かねがねこういう価格差というものは解消するように通産省は指導し努力をしてもらっているのだろうと思うけれども、この際なお実情を把握していただいて、そういうことのないような御指導をいただきたいと思いますが、いかがですか。
#94
○長田説明員 北海道と本州におきますLPGの価格差がなお依然あるわけでございますが、最近特に拡大したという事情はないと思いますが、これの理由は、一店当たりの販売量が少ない、あるいは流通段階が非常に複雑であるとか、そういうような事情に起因するわけでございまして、こういう流通段階の問題の解決は一朝一夕にはできないなかなかむずかしい問題だろうと思います。しかしながら、北海道庁におきましてもいろいろ熱心に取り組んでおりますし、私ども国としましても、中小企業近代化促進法の構造改善事業ということでこれから鋭意真剣に取り組んで、問題の解決に努力していきたい、こういうふうに考えております。
#95
○五十嵐委員 きょう、少し物価減税の問題でやりたいと思っていたのですけれども、きょうは大臣が御都合が悪いようでありますし、またいずれ改めてやらさしていただきたいと思います。
 そこで、国土庁お見えになっておりましたね。実は私もけさ新聞で見てわかったのですが、かねがね確かに土地価格については公示地価が実勢と合ってないなという感じは国民の皆さんはお感じになっていたのじゃないかと思います。伝えられるところによると、これは三鷹のケースでありますが、何か実勢と公示価格のギャップが非常に出てきた、そこで困っちゃって標準地の選定がえをする、新しい標準地は実勢価格に近づけていく、従来のまま継続させた地点については上昇率を抑える、えらい苦肉の策でありますが、そのためにいわば公示価格に二重価格みたいなものが出てきている、それについて不動産鑑定士がいろいろ実はこうなんだというようなことをお話をしているというのでありますが、こういう事実はあるのですか。
#96
○福本説明員 まず先生の御指摘の地価公示と実勢価格が非常に違うではないかという問題でございますが、実勢価格をまず何と考えるかという問題が実はございまして、公示価格そのものは、従来、いわゆる実勢価格、不動産が不動産屋で売られております店頭の標準価格であるとか、実際に売買される価格とか、そういう価格と違うではないかというような御指摘があるわけでございますが、もともとそういうものとは公示価格というものは違う性格のものでございまして、実勢価格と乖離しているという問題は必ずしも正確ではないのでございますが、しかし公示価格というものは、判定をする場合に、いわゆる取引事例から取引事例比較法というものによりまして選んだ比準価格というものがありまして、それを一つの基礎にいたしまして判定する、こういうようなことがございまして、そういうものと公示価格とのバランスというものが保たれなければいかぬわけでございますが、そういう目から見ますと、確かに一部の標準地についてバランスが失しているものがあるということは事実でございまして、そういうものが非常に問題になっていることもわれわれ承知しておるわけでございます。
 それともう一つ、選定がえの問題でございますが、選定がえも決してそのようないま前段に申しました問題と結びつけてやっているわけではございませんで、標準地というものが従来、四十五年からこの制度が始まったわけでございますが、十年以上たってまいりますと標準地の態様がいろいろ変わってまいりまして、その土地が分割されるとか、分筆されるとか、あるいは用途が変更になるとか、さらにまた標準地が増設をときどきやっておるものでございますから、そういうもの、新しくふえました標準地との関連で変わる、そういうようなことで選定がえを実は行っておるわけでございます。そのときに、決してそのようなことはないと思っておりますが、選定がえされたものとそれからされてないもの、古い継続的な標準地との価格につきまして、結果的にアンバランスのようなものがあるというのも一部にあるようでございます。この三鷹の例が果たしてどうかというのは、われわれも実はきょうの新聞でございますので、まだ詳細な調査をしておりませんので、これが正しいかどうかという点についてはちょっとわかりませんが、そういうものも一部にあるということもあるわけでございます。
 そういうことで、選定がえなりそういうことで非常に問題があるというように思っておりますので、地価公示については土地鑑定委員会というところがいろいろ判定をしてやるのでございますが、そういう問題を踏まえまして、実はこの新聞にはっきり書いておりませんが、問題がありということで、地価公示制度調査小委員会というものを昨年の十二月に鑑定委員会の中に置きまして検討を続けておりまして、実はこの七月に中間報告をもらったわけでございますが、さらにまたそれを踏まえまして、いろいろ問題があるのを前提としまして、今後そういった選定がえなりいま申しました比準価格との均衡の問題などについても、われわれとして鑑定委員会のその小委員会で検討を進めていただきたいと思っておりまして、そういうことでいま考えておるわけでございます。
#97
○五十嵐委員 つまり、そういう事実はある。三鷹は新聞に出たけれども、必ずしも三鷹がどうこうというよりは、やはりそういうような矛盾、二重価格というかそういうアンバランスというものはあるとお認めになるわけですね。
#98
○福本説明員 そういうような問題、まあどれぐらいあるか量的によくわかりませんが、そういう問題があるということを踏まえまして、そういう委員会で検討して改善に努めたい、このように考えておるわけでございます。
#99
○五十嵐委員 事柄は非常に重大なことですから、一遍改めて、いろいろぼくなりにまた調査したりしてお聞きしたいと思うが、ぜひひとつ国土庁としてもよくお調べいただいて、そういう事実はありそうだ、ある、ややそんなようなことで、それを踏まえていまいろいろなことを考えているということでありますから、その事実の把握と、それから、これをどういうぐあいに是正をして公正な全国の地価というものを公示していくかということ等について、ぜひひとつ善処方をお願い申し上げておきたいと思います。
 十二時から本会議のようでありますから、以上で質問を終えたいと思います。
#100
○井上委員長 この際、休憩いたします。
    午前十一時五十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時十九分開議
#101
○井上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いまします。中野寛成君。
#102
○中野(寛)委員 幾つかお尋ねするのですが、若干単発的な質問を先にさせていただいて、後、財政そして収支、税収等について最後にお尋ねをしたいと思います。
 先般、総理府の方の調査で、十月三十日に消費者物価地域差指数というのをお出しになりました。今度出たのは五十五年の平均ですが、その傾向として、地域差指数ですから、物価が高い地域、安い地域、それぞれに出されているわけでありますけれども、その内容がどういう傾向であるのかを端的にまとめて御答弁をいただきたいと思いますし、同時にこの指数をこうしてお出しになるからには物価対策がその後にくっついてこなければいけないわけです。そのための教訓がこの中から生み出されてくるのがまた当然でもあろうと思うのです。そういう意味で、まず総理府の方からその指数を出しました中身と、目的、そしてこれを受けて経済企画庁としてどのような教訓を得、またどのように対処していこうとされるのかということについてお聞きをしたいと思います。
#103
○井出説明員 お答えいたします。
 総理府統計局では物価の地域格差を見るために年一回消費者物価地域差指数を計算しております。先生がおっしゃられましたその昭和五十五年平均の結果を見ますと、都市の規模別に分けてみまして、全国平均を一〇〇としまして大都市が一〇四・五と最も高く、続きまして中都市が九九・〇、人口五万以上の小都市が九七・五、人口五万未満の小都市が九六・〇、町村が九五・七となっておりまして、人口規模が大きい都市が高くなっている。町村と大都市の比較をしてみますと、大都市の方が町村に比べて九・二%高い、こういう結果が出ております。
#104
○廣江政府委員 地域ごとに差があるという実情につきまして総理府の方から御答弁があったわけでございますが、地域ごとには所得水準も違いますし、消費者の選好及び需給といった経済的要因が異なりますため、物価の水準にもこれらの要因から生じます差異が出てくるのはやむを得ないところだと思っております。たとえて言いますと、賃金水準の高い大都市地域におきましてサービス関係の物価が高くなる傾向があるとか、食料、工業製品等で地域に密着しているものにつきましてはその地域で安くなる傾向があるといったような傾向がございますし、さらに一般的に言いますと、地代等に差のあります家賃について大きな差が出てくるといったものも考えられるわけでございます。
 いずれにいたしましても、地域ごとの経済的要因の相違から来ます物価水準にも相違が出てくるのはある程度やむを得ないと考えておりますけれども、合理性のない不自然な価格差が生ずるようなことがあってはなりませんものですから、私どもといたしましても需給それから価格の監視等に努めておるところでございますし、今後もそう努めてまいりたいと思っております。
 さらに、このような物価の地域的動向を踏まえまして、国といたしましても地方公共団体とも密接な連携をとっておりまして、必要な調査等も実施いたしております。そうして物価動向や物価行政に関する情報の交換も行いますし、生活関連物資等の需給安定、流通機構の改善等の物価対策の円滑な推進に努めるようにいたしているところでございます。それからまた、地方公共団体の方でも国の物価対策と相まって関連施策を立案実施し、地方物価行政というようなものの推進に努めていると私どもは承知いたしております。
#105
○中野(寛)委員 総理府としてはこの出た結果を、この程度ならばというふうに考えておられるのか、単に機械的に統計としてお出しになった、後はどうぞ担当の方で御分析くださいということなのか、この出た結果に対してどのような御意見をお持ちなのか、お聞きしたいと思います。
#106
○井出説明員 私どもの方は客観的な統計数字を出すというのが統計局の務めでございますので、一応、そういう物価地域差指数を出しまして利用に供する、こういうことで出しておりまして、この結果についてどうこうするということはいま考えておりません。
#107
○中野(寛)委員 わかりました。わざわざお越しいただきましたが、結構でございます。
 続いて、この出た結果について、言うならば後は経企庁なりそれぞれの担当のところがげたを預けられたわけでありますが、この統計を一つの参考として、この程度ならばそれぞれの内容からいってやむを得ない、むしろ順調に推移していると読まれるのか、この中から、こういうところはちょっと大変だ、所得水準とこの物価指数との関係からいって国民生活の中身そのものにアンバランスがあると読むのか、そのようなことについてどのように経企庁としては御判断になりますか。
 また、出てきた結果の内容から見て、土地の値段やまたは食料品の値段それぞれの差があるわけでありますが、これを参考にして何らかそのような問題に対して手を打つべき必要性をお感じになっておられるのか、また、それがあるとするならばどういうところに問題点をお感じになり、どういうふうにしようとされますか、そういうことについてお聞きをしたいと思います。
#108
○廣江政府委員 総理府の統計の数字は、先ほど来申されました程度の差でございまして、私どもは総体的に申しまして許容できないほどの差だとは考えておりませんけれども、その物価の差異自体はそれをそのままに受けとめまして、先ほども申し上げましたように、そのよって来るゆえんを調査いたします。これは国もいたしますけれども、地方もいたします。そして、そういうものが仮に、たとえば流通に問題があるというようなことになれば、それぞれ国全体といたしましても流通改善といったものに努力いたしているわけでございますし、それをそういう努力をする一つの足がかりといたしまして利用し、かつこれからの物価行政に生かしていかなければいけないと思っておりますが、最初にも申し上げましたとおり、ある程度の差というものは物価の持つ意味からして当然出てくるだろうと思っておりますが、極端な差が出てくるといったようなことになりますと、それは一応問題がどこかにあるわけでございます。こういうものを手がかりにして探求して行政に生かしていって改善をしていかなければいけない、こういうふうに思っております。
#109
○中野(寛)委員 問題があればというふうにおっしゃったのですが、この中からは問題意識はお持ちになっていない、こういうことですか。
#110
○廣江政府委員 私どもといたしましてこれからすぐ、言葉が少し悪うございますが、短絡的にどうだ、いい悪いという判断までいたす自信はございませんけれども、まあまあの差にとどまっておるのではないかと思います。ただ、一つ一つの商品ごとにとったりしてみますと、いろいろこの委員会でも問題にされるような商品等もございますし、そういうものについては常々心がけなければいけないと思っておりますし、全般的な流れといいますか流通の問題といったようなものにつきましては今後とも十分に心がけていかなければいけない、こう思っております。
#111
○中野(寛)委員 この問題については以上にしたいと思います。
 ただ、この機会にちょっとお聞きしたいと思いますが、ここ一週間ほど大変寒い日が続いているのですね。秋野菜その他にまた影響が出てくるのではないだろうかという心配をする向きもあるわけであります。これからまた年末を迎えるに当たって、家計を預かる主婦の皆さんはやはりそういうところにも神経をとがらすというふうな事態があるわけであります。そういうことから考えて、これは質問申し上げるという事前の通告をしておりませんけれども、どういうふうに感じておられるか。そしてまた、その危険性があるとすれば、やはり十分な手を打っておく必要があるだろう、このように思いますけれども、ひとつついでといってはなんですけれども、この機会にお尋ねをしておきたいと思います。
#112
○廣江政府委員 御質問の趣旨、まことにごもっともでございます。私どもといたしますと、通常、夏場におきましては生鮮食品等特に野菜等につきましての心配は比較的少ないわけでございますけれども、秋冬にかけましては、そういう点気象の条件にも左右される、先生いま非常に寒くなったと言われたわけでございますけれども、非常に左右されるわけでございますので、特に配意しなければいけないということで、ことしも過去何年かの苦い経験にも徴しましていろいろ対策をとっております。
 基本的に申しますと、ことしの三月の経済対策の中にも述べておりますが、十分な供給を図るという観点から、重要な野菜等を中心といたしまして作付けをたっぷりやっていただくというような指導をいたしてもらっております。それはそれなりの効果を上げております。さらに通常の栽培地外におきますいわゆる契約栽培等も昨年より増量いたしましてこれに対処してまいるとか、あるいは貯蔵のきく野菜等の保管につきましても、これを昨年より増強してやるというような対策も講じております。
 さらに、十月終わりあたりに時ならぬ台風等によって大変な被害をこうむったという過去の苦い経験にも徴しまして、ことしあたりはかねて予備苗等の手当てもいたしておったわけでありますが、幸い十月下旬の台風は、余り急所にさわらなかったのでこれを逃れ得たと喜んでおる次第でございます。
 現在の野菜等を中心といたします生鮮食品の価格の動きにつきましては、急に寒波が襲って寒くなってはおりますが、まだ市場の動向等について見る限りは、それほど心配する状況には相なっておりませんで、まずまずの段階でいっていると思います。ただ、ことしの夏の台風等の影響で、一部の野菜に非常に高いものが出ておりますが、これあたりにつきましても十分対策を講じていかなければいけないと思っておりますが、総体的に見ますと、まず順調にいっておるのではないかと思っております。
 以上でございます。
#113
○中野(寛)委員 そうすると、台風の被害というものがなかった、これは本当に幸いなことだと思うのですけれども、この寒波によって、いまのところ、現在今日段階で大した影響は出ていないということでありますが、むしろこれは、やはり何日間かずれてその影響が出てくるわけであります。そういう意味で、十分生産については配慮してきた、こういうことでありますけれども、ことしは比較的物価そのものが安定をしているとはいえ、やはり社会的な負担、いわゆる税金や社会保険負担等々、そういうもので、また後ほどこのことについては質問で触れるわけでありますけれども、内需そのものがまさに伸びないというのと、その理由をなしているものは結局家計が厳しい、そして始末しながら家計運営をいまやりくりしているというのが国民生活の実態でございます。そういう意味では、この寒波によって野菜が値上がりをするというふうなことがあるとすれば、それはまさに国民生活の台所に直接、それも敏感に反映をしてくる。そして国民の意識というものはなお一層この寒波以上に寒さを感じるということになるわけでありまして、そういう意味では対策は十分講じられて安心だというふうに思っていいということの御答弁でしょうか、再度確認をしておきたいと思います。
#114
○廣江政府委員 私どもといたしますと、いろいろ対策を考え、またそれを講ずるわけでございます。常にそれで十分だというところまでは、相手が気象といったようなものでございますためになかなかいかない点もあろうかと思いますが、先ほどお答えをいたしましたように、できる限りの対策をとっておるということが一つ。それから今後も必要に応じてできるだけの対策を可及的速やかにとるという気構えであるということを申し述べさせていただきたいと思います。
#115
○中野(寛)委員 十分御配慮をいただきたいと思います。
 それで、総理府の方、結構でございます。どうもありがとうございました。
 続いて運輸省にお尋ねをいたしますが、航空運賃の値上げの申請が出されているようでございます。近距離ほど割り高になっているという内容のもののようでございますけれども、一九・八%の値上げ申請。昨年来、値上げラッシュが続いて、国民の方としてもなおさら生活に対する危機意識というものを強めたわけでありますが、これらの一つ一つのことについてやはりわれわれはより一層慎重でなければならぬ、このように思うわけであります。この申請に対して運輸省としていまどのように対応しようとされておるのか、お聞きをしたいと思います。
#116
○土坂説明員 十月の十六日にいま御指摘のありました航空運賃の改定申請が各社から出てまいりました。平均改定率は一九・八%でございます。
 改定の理由としておりますのは、前回の改定が昭和五十五年度に行われたわけでございますが、その後の諸物価の上昇、これに対応して企業努力をしておるわけでございますが、やはりそれだけでは吸収できないということで、企業努力にあわせて経営の安定を図るための増収をしたいという申請でございます。これが出てまいりまして、運輸省といたしましてはいま運輸審議会に諮問したところでございます。すでに運輸審議会の審理が始まっておりまして、三回審理が行われたということであります。
 今後のことでございますが、いま申し上げた運輸審議会のほかにも、先生御案内のように、これは物価安定政策会議への付議であるとか、あるいは物価関係の閣僚会議の検討であるとか、そういう一連の検討の場が必要でございます。運輸省としましてはそういう一連の調整を踏まえながら、単に申請者の経営状況だけでなくて、利用者への影響というようなことも十分考えまして、適切な、処理を図ってまいりたい、こういう段階でございます。
#117
○中野(寛)委員 そうすると、運輸省としてはもちろん審議会等で諮るわけでありますが、単に任せっぱなしではなくて、運輸省は運輸省としての見解が当然あり、そしてそれなりのリードをされる。これは運輸省の責任でもあろうと思います。そういう意味で現段階で運輸省としてはどういう態度でもって臨んでおられるのか、それをもう少し詳しく聞きたいと思います。
#118
○土坂説明員 運賃の査定に当たりましてというか、運賃の申請の処理に当たりましてわれわれが配慮しなければいけないことは、やはり申請者の経営状況、コストがどうなっておるか、それが適正なものであるかどうか、そういうようなことを厳格に見ていくということが必要であろうと思います。それと同時に、そういうことが運賃改定となって実現した場合に、利用者にどういう影響が出るかというようなことについても、十分配慮しなければいけないと思います。いま具体的な調整作業を各方面で意見を聞きながらやっているわけでございますが、基本的な認識としましては、申請者の経営状況、適正なコスト、利用者への影響、こういったようなことを十分に配慮して適切な姿にまとめていきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
#119
○中野(寛)委員 経企庁としてはどのようにお考えですか。
#120
○廣江政府委員 運輸省からの話をまだ承っていないわけでございますが、一般的に申しまして、経営の徹底した合理化がまず前提になるわけでございます。しかる後、どの程度のものが必要か、あるいは必要でないかということを判断するわけでございますが、その場合におきましても、物価、国民生活への影響等も十分配慮いたしまして調整に応じたい、かように考えております。
#121
○中野(寛)委員 現在審議をされている内容でございますから、きょうの御出席の方々ではそれ以上のお答えは無理かとも思いますけれども、いずれにいたしましても、航空機、これも言うならばいまや決してぜいたくな乗り物ではない、まさに国民の足である、そういうふうになったということは近来よく言われることであります。そういう意味では、国民の生活に、また貨物輸送も含めましていろいろな面から大きな影響を与えることは否めないことであります。そういう意味で、十分に慎重に対応していただきたいと思いますし、とりわけ、航空行政や経営の将来の見通し等、いろいろあるかと思いますけれども、この航空業界の場合には、国民的な視野から見ますと、決してそんなに大きな赤字を出しているとか危機状態にあるとかという認識では見られていない実態もあるわけであります。この時期に何でこれほどの申請がという気持ちさえもむしろ働いているというのが率直な感想だと私は思うのであります。そういう意味で、このことについては十分の上にも十分に慎重に対応していただくということを私としては要請しておきたいと思いますが、運輸省にもう一度お聞きしたいと思います。
#122
○土坂説明員 航空が国民大衆の足としてすでに浸透しておることは全く御指摘のとおりであると思います。したがいまして、いま先生が御指摘をなさいましたようなことを十分踏まえまして今後の作業を進めていくようにしたいと思います。
#123
○中野(寛)委員 それでは運輸省の方は結構でございます。どうもありがとうございました。
 さて、これから若干経済の問題に入っていきたいと思いますが、けさも石油の価格等について質疑応答がなされました。私も、この原油のことについて一点だけお聞きしておきたいと思うのであります。
 先般、価格統一がなされたわけでありますけれども、原油の価格統一に伴うわが国への影響についてどのように分析しておられますか、もう一度お聞きをしたいと思います。八二年末まで据え置くというふうに言っているわけでありますけれども、本当にそうなるだろうか、その申し合わせば守られるだろうか、これは破られる危険性はないだろうかということが第一点であります。
 同時にもう一つ、こういう民間の機関の研究があるわけですね。国民経済研究協会では、石油価格の動向について、八〇年代を通じて実質価格は横ばいであろう、こういうふうに見ておられるようでありますし、かと思いますと一方では、日本エネルギー経済研究所のように、一九九〇年には名目価格九十八ドル、実質五十一ドルになるだろう、驚異的な数字が出されているわけであります。横ばいであればわが国にとってこれほど幸いなことはありません。しかし、これが名目価格九十八ドル、実質五十一ドルなどというふうに、後十年もたたない間になっていくとすれば、これはまさにわれわれとしては十分警戒をし、その対応を講じていく必要もあるだろうと思います。経企庁としてこれをどういうふうに見ておられるのか。これらの予測について大変むずかしいことは百も承知をしておりますが、しかし経企庁の見通しによって経済運営は変わっていくことも事実であります。
 同時にまた、それが意図的につくられてはなりませんけれども、厳しければ厳しいほどやはり代替エネルギー等の開発というのは急がなければならないと思います。代替エネルギーの開発は、いずれにしたって急がなければいけないのだという意見は当然あると思います。そのとおりだと思います。しかしながら、やはりそれに対する熱意や国民の意識や、そのようなものはむしろこの石油価格の動向についての見通しによって大きく変わると思います。そういう心理的なことも当然経済には反映されるわけでありますから、われわれとしては十分な対応が必要であろう。そういう観点に立って、この将来の石油価格の動向についてどう見ておられますか、お聞きをしたいと思います。
#124
○野々内政府委員 まず、今回のOPECの総会によりまして、来年末までの基準原油価格の据え置きというのが決定されまして、これは私どもにとりましても非常に歓迎すべき事項だと思います。ただ、これが守られるかどうかという問題になりますと非常にむずかしゅうございますが、実は先般サウジのペトロミンのターヘル総裁が来られまして、私、その方といろいろ意見交換をしたのですが、結論的には、先進工業国がどの程度油の消費節約をやるかというところにかかっているだろうというのが彼の結論でございまして、確かにそういうことがあると思います。したがいまして、私どもは、何とかして、先生もいまおっしゃいましたような省エネルギーあるいは代替エネルギーの開発に努力をいたしまして、何とか需要が大きくふえないような状態というものをつくり出す必要があると考えております。
 それで、長期的な見通しになりますと非常にむずかしゅうございますが、基本的には産油国ではやはり資源温存政策という方向に行くだろうと思います。そういたしますと、どうしても中長期的には石油需給というのは逼迫化の傾向があると考えざるを得ないと思っております。そのほかにも、中東情勢がどういうことになるかという不安定要因もございますし、また、今度のアブダビ総会ではOPECの価格の長期戦略が議論をされて、従来の案でありますと、先進国の成長率あるいは価格上昇率に沿って値上げをするというような案もございまして、これは今度見直されるようでございますが、そういうものの動向なども見な、ければ、将来どうなるかはむずかしいと思いますが、いずれにいたしましても、省エネルギーと代替エネルギーの開発ということを進めることによって、石油需要が増大をしない形、こういうものをとるということが非常に大事ではないかというように考えております。
#125
○中野(寛)委員 見通しではなくて対策といいますか、こういうことが肝要だという方のお答えにすりかえてしまったわけでありますけれども、いろいろな要素があることは、それはもう見通しを立てる上において十分配慮しなければなりません、当然のことだと思います。しかしながら、やはり将来の危険性というものを見通して、いま御答弁のありましたような対応を講じていく、また、それをやる上においても国民の協力の意識というものが形成をされていくということも事実だろうと思います。言うならば相関関係があって、その二つがそれぞれに、また三つが影響を与えながらこの対策というものは進んでいくし、また、そうしなければならないであろうというふうには思いますけれども、その前提として、やはり産油国の情勢、国際情勢というふうなものを、いわゆる日本に与える外の影響というものをわれわれなりに分析をしておく必要は十分あるというふうに思いますし、また一方で、先般南北サミットの際にメキシコへ総理初め行かれた、向こうではメキシコ原油の輸入についてまたメキシコサイドの要望が日本に対して出されている。今日、少なくとも産油国を裏切るような、もしくは産油国との約束を破るような、または産油国の望んでいない、逆の方向の政策をとるようなことがあれば、これはまた将来にとって悪影響を与えることにもなるでありましょう。われわれとしては十分そのことを配慮して、日本の場合には慎重の上にも慎重に対応していく必要があるであろう、このように考えるわけです。
 そういう意味で、将来の展望を含めて見通しを改めてお聞きしたいわけで、こういうふうにわれわれとしては注意していく必要があるということではなくて、その見通しもあえて私としてはお聞きをしておきたいと思うわけです。
#126
○野々内政府委員 見通しというのは実は非常にむずかしゅうございまして、いま先生御指摘のあったその二つのレポート、私も勉強はしてみましたが、両方の違いは、一つは経済成長とエネルギーの消費がどの程度リンクするかという点からの需要増大の見通し、それからOPECの供給の限界の見通し、このあたりが両方の考え方に微妙な差があるのではないかと思います。
 私どもは、まず経済成長についてはかなり石油消費とのリンクが断ち切られてきておりまして、現実に、実質的な経済成長がありながら石油消費が落ちるという状態がここ続いておりますので、かなり落ちるとは思いますが、しかし石油消費はこれから数年間は徐々に伸びていくと思います。それから、国際的には発展途上国のエネルギー消費、これが相当急速に伸びると思います。したがいまして、世界的には石油消費は伸びると考えられます。
 それから、石油の供給につきましては、アラビア湾岸諸国以外がだんだん枯渇してくるおそれがありまして、将来はまたアラビア湾岸諸国への依存度が高まるのではないかというおそれがございます。したがいまして、中長期的には逼迫傾向にあるというふうに考えざるを得ないと思っております。先ほどメキシコのお話がございましたが、いまのような中東への依存が余りにも大きいということは、中東の政治的な不安定性を考えますと非常に安全保障上問題があると考えておりますので、何とかして中東以外への依存、これは一つはアメリカ大陸、メキシコ、ベネズエラ、それからアラスカも話題になっておりますが、ああいうアメリカ大陸、それからアジア、これはインドネシアそれから最近では中国の開発が進んでおりますが、こういうものへの依存ということで、できるだけ供給先を分散をするという方向にぜひいきたいと思います。したがいまして、産油国との関係につきましては、先生おっしゃいますように限界はございますけれども、できるだけ意思の疎通を図り、お互いに繁栄する形に持っていく必要があると考えております。
#127
○中野(寛)委員 中長期的には逼迫状態にあるだろうということです。それは決して三十年とか五十年の先の話ではなくて、やはり五年、十年の幅で考えても、われわれとしては十分警戒をしなければいけない、こういうことでもあろうと思います。ただ、たとえばきょうの午前中の質疑でもございましたように、この冬の灯油は大丈夫ですか、こういう質問に対しては、それこそ声を大にして、安全宣言を量的な部分についてはお出しになるということですが、そのようなことがややもすると、いわゆる国民サイドから見ますと、気の緩みにつながっていくことも事実であります。われわれとしては十分に警戒を要し、その見通しの上に立って、対応策を具体的にそして積極的に講じていく必要がある、このように思うわけでありますけれども、その中長期的な対策というものについて、具体的にどのようにお考えでしょうか。
#128
○野々内政府委員 エネルギー全体といたしましては、対策的には、まず第一に省エネルギーということで、エネルギー消費をできるだけ節約をしていくという方向。それから二番目に代替エネルギーの開発、これは特に電源開発が重要かと思います。三番目に石油の安定供給かと思います。
 これにつきましては、開発と備蓄それから技術及び需要面とございますが、新しい油田の開発、これはぜひ今後ともやる必要がございまして、七〇年代に入りましてすでに消費している油の量と新たに発見をされる油の量を比べますと、消費している油の量が多いという状態が出ております。最近は消費も落ちてまいりましたので、大体とんとんぐらいかと思いますが、このまま油断をいたしますと、開発される量の方が消費される量よりも少ない状態がまた出てきますので、ぜひ開発を促進したいと思っております。わが国はいま輸入の大体八%ぐらいを自主開発原油が占めておりますが、これを今後ふやしていきたいと思っております。
 それから備蓄につきまして、これは繁急対策用でございますが、繁急に石油の供給が途絶した状態で何をするかということで、これは備蓄が一番効果的でございますので、法律で民間に九十日の備蓄保有を義務づけると同時に、国家備蓄として三千万キロリットル、大体四十五日分くらい持つということで現在やっておりますが、IEA諸国では百七十日分くらい持っておりまして、まだ日本は十分ではございませんが、財政あるいは事情の許す範囲で備蓄をふやしていきたいと思っております。
 それから技術面で特に重要なのは、けさも議論になりましたが中間留分対策でございまして、今後原油の質がだんだん重たくなってまいります。それに比較いたしまして、逆に石油の需要は軽いところが中心になります。したがいまして、重い油を持ってきて軽い油をつくるという技術が必要になります。これはただ非常にむずかしゅうございまして、現在あります技術はガソリンをつくる技術でございます。ところが日本では灯油、軽油をつくる技術が必要でございまして、これは国際的にまだ確立されておりません。もし水素が非常に安くできますと可能ですが、日本は水素が電気分解で高いものですから、そういうものを使わないでやる方法が必要ということで、実は五カ年計画で現在開発中でございまして、わりに順調に進んでおりまして、年度内にパイロットプラントの建設ができるのではないかと思っております。これを急いで技術開発をいたしまして、そして共同投資等によって建設を促進をするという形に持っていきたいと思っております。
#129
○中野(寛)委員 もう一点だけお聞きしますが、やはり価格の問題をわれわれとしては抜きにできません。大変大切な問題です。いまのプラントも、一つは価格に対する好影響を与えるであろうというふうに私期待をしたいと思いますが、流通部門を含めて石油業界の再編強化というようなことが一つ言われております。もちろん取引をドルでやるか円でやるか、いろいろな為替レートの問題もこれまた大きな影響が出ております。これらについて、量の上では比較的だぶついておるけれども値段が高くなる、不思議な傾向だといってけさもその論議がされておりました。これはいつに変わらず、われわれとしてもどこに行ってもよく聞かれる質問でもございます。そしてこれに対して、われわれとしてはしかとした答えがなかなか国民の皆さんにできないという実態もあります。端的にこれからのこれに対する対策というふうなもの、これはやはり業界に対する政府の指導というものも必要ではないかと、もうすでに言われ始めて久しいと思います。政府の方としてはかなり慎重に対応してこられたように思うのでありますけれども、現段階においてどのようにお考えでございますか。
#130
○野々内政府委員 石油産業を中長期的に安定したエネルギーの供給の担い手として育成をしていくという必要があるかと存じますが、石油審議会の石油部会で現在御検討いただいておりまして、近く結論が出ますのが、まず第一が為替リスク対策でございまして、これは毎年四、五千億の為替利益と損が交互に出るという非常に不安定な経営でございますので、このリスクを排除するということが第一でございます。
 これにつきましては、ドルユーザンスを円ユーザンスに切りかえる、あるいはドルの先物予約をする、あるいは差益分についてはむしろ積み立てて差損が発生したときにそれを埋めるような形をとる、いろいろな対応があると思いますが、そういう方向で考えていきたいと思っております。
 それから第二番目に、過剰設備の処理でございます。これは、現在あります約六百万バレルの常圧蒸留装置のうち一割以上が過剰ではないかと思います。ヨーロッパの場合には実は日本と同じ状態でございまして、次々と製油所が閉鎖されております。ところが日本の場合には製油所の閉鎖をいたしましての雇用の移動というものが非常にむずかしゅうございますので、なかなか簡単には製油所の閉鎖ができません。したがいまして、各社でも雇用の安定を考えながら何らかの効率的な工場への集中生産を考えざるを得ない。そこが非常に地元対策、雇用対策上むずかしいかと思っておりますが、何とかそういう方向に持っていきたいと思います。
 それから過当競争が非常に激しい業界でございまして、何とか秩序ある競争というものが行われるように、販売部門あるいは各種の機能面での提携関係、集約化、こういうものが必要ではないかと思っておりまして、これが現在の石油審議会の議論では年末までかかることになっておりますが、なかなかむずかしい問題でございますので、時間をかけてじっくり取り組む必要があるというふうに考えております。いずれにいたしましても、これらの対策を通じて、石油が安定的に供給されるような、しっかりした石油企業というものをつくっていく必要があると考えております。
#131
○中野(寛)委員 十分に前向きな積極的な対策を期待をしたいと思います。石油関係の質問は以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。
 次に、経済見通し等についてお尋ねをしたいと思います。
 昭和五十六年度経済見通し暫定試算というのを十月二日に経企庁がお出しになりました。今年度の税収実績、上半期の実績について十月六日に大蔵省の方で御発表になりました。そういうものを一つ一つ拝見をいたしますと、景気回復のもたつき、そして物価の予想以上の落ちつきというふうなものを反映して、税収が予想を相当下回っている。大蔵省としては、いまの調子でいけば今年度予算における税収の確保、さらには来年度予算編成についても重大な支障が出かねないと心配をしているということのようでございます。ちなみにきょうの日経新聞には、歳入欠陥が一兆円になるのではないかというふうな書かれ方もしておりました。物価の安定が税収の伸び悩みをもたらすという、皮肉な結果を現出させているわけであります。
 十月二日に改定されました政府の経済見通し暫定試算で、今年度の物価上昇率が下方修正をされた。物価の上昇率が下方修正をされるということは大変ありがたいことですが、しかし、それがどのような影響を与えるかということの影響の方は別途の対応が必要であろうと思います。言うなれば、物価上昇率が下方修正をされ、それを受けて名目GNP成長率も下向きに修正をされた。そして、そういうことを理由にして、予算額を上回る税収というのは期待できないどころか、むしろ税収というものは大幅に下回るのではないかというふうなことが見られているわけであります。税収は物価の伸びも含めた名目の賃金、そして企業収益に左右されるわけでありますけれども、今後の税収の見通しについて、上期はそれこそ年度を通じての予測の約半分、九・七%増にとどまった、これが下期はどうなるのかというふうなことも含めて、まず大蔵省にその見通しをお聞かせいただきたいと思います。
#132
○真鍋説明員 先生の方から、本年度上半期の税収は必ずしもうまくいってないじゃないかというふうな御指摘でございます。先生御承知のように、九月末までの累計で本年度の税収を見てみますと、予算額に対しまして進捗割合は三〇%ということでございます。前年同月の対決算進捗割合が三三%でございますから、約二・九ポイント下回っておるということでございます。そういった意味合いから、これを単純に二・九%劣っておるということでいろいろ計算いたしますと、やはり場合によりましては歳入欠陥がかなりの金額になるのじゃないかということは、単純計算として言えるかと思いますし、あるいは先々の――結果としてどのようになるか、これはわかりません。しかしながら、いまのところまだ三割程度しか要するに歳入が進んでいないという状況でございまして、私どもとしては、いまの段階で本年度の税収がどうなるということを云々することはむずかしいと考えております。ただ、これまでの実績が低調でございますし、とりわけ五十五年度の決算額が補正予算額に比べまして御承知のとおり二千八百億円ばかりいわゆる減収でございましたから、こういったいわゆる土台減を回復するというところまでいまのところ至っておりません。そんなわけで、年度内の予算額を超える増収というのはなかなか見込み得る状況にないといった厳しい状況にあることは事実でございますが、本年度がどういう形でおさまるということはいまのところ確たることを申し上げられない。ただ、いろいろ民間企業者等の下期の経済のピックアップといいますか、そういったものの様子を見てみますと、さはさりながら明るい展望もあるわけでございまして、そういった意味合いにおきまして、再度繰り返しになりますが、いまの段階では今年度の税収がどうなるかということについて確たることを申し上げる段階にないということでお許し願いたいと思います。
#133
○中野(寛)委員 大変慎重なお答えですが、たぶん内心の方はずいぶん心配しておられるはずであります。やはりこれにはこれなりの対応策というものが十分立てられる必要があると思いますが、これは十一月二日の新聞ですが、国民生活局長がこういう対談に応じておられますけれども、ここでも率直にお答えになっておられる。内容的に、私どもも同感といいますか、考え方を同じくする部分が多いわけでありますけれども、こういう御発言等をお聞きしておりましても、結局、個人消費の低迷が最近の景気の回復というものをおくらせている。また、個人消費の低迷はなぜかというと、結局、物価が安定しているにもかかわらずこういう状態、また、七%以上の賃上げであったにもかかわらずこういうことになるのはどういうことか。皆さんが見通しを誤ったとこうおっしゃっておる。しかし、結局それはなぜかと言えば、税金や社会保険料等の非消費支出の急増に伴って可処分所得が実情マイナスまたはマイナスに近い状態になっているということが最大の原因であり、それが結局内需を抑えさせ、そして今日の事態を招いているという以外の何物でもないというふうに思うわけであります。そういう意味では、先ほど本会議で一人五百円の減税法案が通過をいたしましたけれども、しかしながらそういう形式論のものではなくて、むしろ本当に大幅減税をやるぐらいの気構え、またそれをできる態勢というものをつくっていくことが必要ではないか。税収をふやすための減税、きわめて矛盾しているような言い方ではあるけれども、しかしながら、経済論、財政論から言えば、むしろそのことがいまは正論なのではないのか。これに近いといいますか、その趣旨の御発言を河本長官もしておられるようです。何もことしや来年度ということではないけれどもという前置きつきではありますけれども、私は、でき得る限り早い時期にその状態をつくり出すことが必要ではないかと、このように思うわけであります。
 時間が参りましたので、これが最後の質問かもしれませんし、お願いを申し上げて答弁のために来ていただいた方々にまことに恐縮なんですけれども、そのことを一点お聞きをしたいと思いますのと同時に、一つは、やはり日本は貿易立国です。貿易の問題を抜きにして考えることはできません。先般、新聞によりますと、この貿易のアンバランスを是正するために輸出課徴金のことも一部で検討されているというふうなことも報道をされておりますけれども、これとてもまた、きのうの行革特別委員会等では、これはまたそうではなくて、輸入をふやすことによってバランスをとるということでなければならないという答弁等もなされているようでありますけれども、これらのことについても、私どもとしては決して判断を間違ってはならない。大変重要な時期に来ているだけに、そのこと等も含めて御判断をいただかねばならないのではないか、こう思うのであります。政治判断等も含めまして、御担当から端的にお聞きし、最後に政務次官から政治判断的な基本的な姿勢についてお聞きをしたいと思います。
#134
○井川政府委員 個人消費の問題、ひいては所得税減税の問題につきましては、ただいま先生のお話にいろいろ御説明としてございましたが、実はそのとおりだと考えております。国民生活局長は参っておりませんけれども、彼が言った趣旨は、家計調査で見ましても、このところ実収入に比べて可処分所得の伸びがさらに低い、それは非消費支出の伸び、ということは税金あるいは社会保障費等々が高いから、こういうことを言ってございます。消費が伸びないというのはこれだけの理由ではございませんけれども、やはりそれが一つ大きい理由であろうということになりますと、当然減税ということは考え得るわけでございますが、御承知のとおり、政府としては現在行財政改革ということで取り組んでいる最中でございまして、現段階、それができ得る状況ではない。河本大臣が常日ごろ言っておりますことは、来年度においてそれができないにしても、環境が許すならばできるだけ早い機会にそういう方途を考えるべきじゃないかということを言っているわけでございまして、環境が許すというのはどういうことかということで、実はきのうも参議院の行革委で、そういう質問があって大臣が答弁をしておるわけでございますけれども、経済運営よろしきを得て、いわば、先ほど税収の話が出ましたけれども、予定以上の税収が出る、あるいは行革が成功して、まあ予定以上に余裕ができる、そういうめどがつきさえすれば所得税減税を考えていいんじゃないか、こういう考え方で申されているわけでございます。したがいまして、四十八年以降の問題として、この問題はわれわれとしても検討してまいらなければならぬだろうと考えているわけでございます。
 それから、もう一つの輸出課徴金の問題につきましては、実は十月二日の政府の経済対策の中で、「貿易の拡大均衡」というふうなことをうたっておりまして、しかもその一項目に、今後輸入の増大のための具体策を検討していくということを載せてあったわけでございます。われわれといたしましては、先ほどおっしゃいました暫定見通しにおいて、五十六年度経常収支、大体七十億ドル黒字になるというふうな暫定見通しを出したわけでございますが、四−六に続いて七−九の数字が出てみますと、黒字が定着して、それ以上になりそうである。それであれば、何かこの際、先ほどの引き続き検討する対策というものを至急検討する必要があるのじゃないか。時たまたま、政府の出しました稲山調査団がECを回りまして、非常にEC各国からいろいろな要求、要望が出された。先週土曜日に、総理のところで経済閣僚が全部集まりまして、稲山調査団の報告を聞いたわけでございます。そういうことから、今週から経済企画庁に、そうした貿易摩擦を回避し、いわば大幅な黒字になることを防ぐというふうな対策をひとつ集めて検討していこう、経済対策閣僚会議で検討しようということで、実はわれわれのところで各省の意見を集めているところでございます。その場合、当然、輸出についてどうするかということも議論になろうかと思います。しかしながら、そういう議論を経てみないとわからないわけでございますけれども、私たち経済企画庁としての考え方としては、いわば輸出を抑え込むということよりは、やはり輸入を拡大するという方向で対処すべきではないか。わが国の貿易立国というふうなことを考えてまいりますと、制度的に輸出を抑え込むという方法をとることは必ずしも適切ではないのではないかというふうに考えておるわけでございますけれども、これらの点についてはまた、関係各省と十分打ち合わせをしていかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
#135
○伊藤説明員 お答えいたします。
 わが国の貿易政策についてでございますが、経常収支の黒字幅を縮小しまして、先進工業国との調和ある発展を図っていく観点から、貿易立国でありますわが国といたしましては、自由貿易原則のもとで貿易の拡大均衡を目指すことが第一であるというふうに考えております。
 御指摘の課徴金構想についてでございますが、こうした貿易立国、貿易の拡大均衡という基本的な方向に逆行いたしますとともに、変動相場制のもとにおきましては、輸出課徴金によってたとえ輸出が減退したといたしましても、為替レートの円安から、輸入をも抑制し、結局は目的を実現しない可能性もあるのではないかというふうに考えております。
 さらに加えて、輸出意欲を喪失させるのはもちろんのことでございますが、民間設備投資をも衰退させ、わが国経済を失速させることにつながりかねないというふうにも考えられるわけでございます。
 つづめて申しますれば、貿易立国でありますわが国経済におきましてこうした措置を現在とることは、企業の輸出努力をいわば罪悪視するという結果になりまして、今後の国民経済の安定的拡大の重大な障害になりかねない。したがって、輸出課徴金構想は経常収支対策の検討課題たり得ないと通産省としては考えております。
#136
○中島(源)政府委員 局長のお答えで大体尽きておると思うのです。しかし、先生の中で、本年度の経済成長の見通しを五・三から四・七に下方修正というお言葉があったわけでございます。これは御存じのとおりでございますが、四十五年基準を五十年基準に、基準年を改定いたしました。それによりまして、約〇・六%は大体当初目標どおりというふうに私どもは考えておるわけでございます。そういう中で、もちろん可処分所得がふえないということは問題でございます。しかし、財政再建が現在の大きな目標でございますから、減税という方法は確かにあるわけでございますが、それができる条件整備をするということが大きな前提だと思います。
 それと同時に、可処分所得をふやすもう一つの方法は、物価の安定を引き続きやる。これは二年ぶりで三%台になっておりますけれども、これから冬にかけましてさらに物価安定に全力を注ぐということで、十月二日の、経済の当面の見通しにおきましても、物価の安定を最優先に掲げたのもそこにあるわけでございます。
 それから輸入と輸出課徴金につきましては、いま申し上げましたように、自由貿易によります拡大均衡を私どもは考えていくのが当然でございますので、縮小均衡になるようなものは慎重に扱わざるを得ない、このように考えております。
#137
○中野(寛)委員 終わります。
#138
○井上委員長 岩佐恵美君。
#139
○岩佐委員 私は、最初に灯油の問題について伺いたいと思いますけれども、まず経企庁に伺いますが、灯油の現在の小売価格上昇の実態について説明をしていただきたいと思います。
#140
○廣江政府委員 通産省が行っております消費者価格モニター調査によりますと、九月の灯油価格、これは十八リットル配達価格で、全国平均では千六百七十七円となっております。また、東京都の生活文化局の調査によりますと、十月の灯油価格、これは東京でございますが、十八リットル同じく配達価格で千七百三十三円、こういうふうに承知いたしております。
#141
○岩佐委員 小売価格の上昇の実態というふうに申し上げたのです。
#142
○廣江政府委員 最初に申し上げました全国のモニターで、九月千六百七十七円は、対前年比一一・九%になります。それから東京都の調査、十月分は一一・七%の上昇でございます。
    〔委員長退席、武部委員長代理着席〕
#143
○岩佐委員 これは国民の負担額ということで考えますと、全国平均では一家庭四人としまして一万円の負担増、また北海道等灯油をたくさん使うところ、そういうところでは一冬で二万円の負担増、そういうふうになると言えると思いますけれども、いかがでしょうか。
#144
○廣江政府委員 計算にいろいろあろうかと思いますが、通産省の消費者価格モニターの調査は、先ほど申し上げましたように現在九月がわかっておりますが、仮にこの価格がこのままで推移するという前提のもとで年間の家計負担増を、家計調査等をベースにいたしまして推計をいたしますと、全国平均で三千三百円程度という数字が出ますし、北海道は一万七千円程度となるものと考えております。
#145
○岩佐委員 全国平均が少し低いような気がしますし、また北海道でも実際に使っている人たちの負担増では二万円という価格が出ているわけですが、これもいろいろな数字の取り方があると思いますので、そこの議論はさておいて、これだけの負担増になるという現実はあるわけです。先ほども議論になっているところですけれども、現在、勤労者世帯の実質所得、これは八月でも実質で前年比減少になっているわけです。国民生活が非常に厳しくなっています。このような状況のもとで灯油価格が上がるということ、このことは大変深刻な事態だというふうに思いますけれども、経済企画庁の考えを伺いたいと思います。
#146
○廣江政府委員 灯油の価格が家計に及ぼす影響につきましての評価は、それだけ厳しいものになってくるということは事実だと思います。
 ただ、原油価格の上昇等のコストアップ要因があるわけでございますから、そういうものが市場を通じて価格に適正に反映されるということは、これはある意味ではやむを得ないものではないか、こういうふうに思っております。
#147
○岩佐委員 通産省とそのコストアップ要因については議論をしようかと思っていたわけで、経済企画庁の国民生活を守る、あるいは消費支出を伸ばすという立場からどうかということを伺っているわけです。
#148
○廣江政府委員 物価が安定する、それぞれの個別の商品の価格が安定して国民生活が充実するということは、非常にその点で好ましいことではございます。われわれもそれを大いに望むわけでございますが、また一方、その部面だけではなくて、マクロで見まして経済全体の健全な発展ということを考えなければいけませんので、先ほどコスト要因に言及させていただいたわけでございます。
#149
○岩佐委員 灯油だけでこれだけ家計にはね返るわけですから、この点については後でもまた総合的なところで経済企画庁の考えをきちんと伺っていきたいと思いますけれども、次に、国民生活の水準から見て、灯油の値上げが大幅にされるということは好ましくない、このことは、みんながそういう認識であるはずだ、少なくとも政府の中で経済企画庁はそういう御認識であるというふうに確認をすることができるわけですけれども、もしそういうことであれば、灯油の値上げというのが一体妥当なのかどうか、これは厳しくチェックをしていかなければならないというふうに思います。
 これは私が一つの考え方として試算をしてみたわけですけれども、石油資料月報等の資料を用いて計算をしてみると、去年の九月のCIF価格、この単価は四万七千六百七十五円、キロリットル当たりとなります。ことしの九月のCIF単価、これは五万三千二百七十二円。ですから、CIF価格のアップ分というのは五千五百九十七円になります。これに、どうしても必要だと思われる増額分、たとえば石油税増額分、キロリットル当たり百九十五円、あるいは自家燃費増額分二百七十九円、金利増額分三百九十三円、これをプラスをいたしますと六千四百六十四円、このコストアップはあると言えるだろうと思います。
 実際に、じゃ、灯油やガソリンの値上げ、これはどうだったのかと見てみると、灯油はキロリットル当たり一万円以上、ガソリンに至っては一万五千円値上がりをしているわけです。実際のコストアップの、灯油で言えば一・五倍近い、あるいはガソリンで言えば二・三倍以上というような値上がりをしているわけです。このことは、非常に値上げし過ぎである、つまり便乗値上げではないかということが言えると思うのです。たとえば灯油であれば三千五百三十六円、ガソリンであれば八千五百三十六円値下げ可能なんではないか、そういうことを示しているというふうに思いますけれども、この点についての意見を伺いたいと思います。
#150
○長田説明員 お答え申し上げます。
 いま先生が御指摘になりました円ベースのCIF価格でございますが、御指摘のとおり、昨年の九月と本年の九月を比較いたしますと、五千五百九十七円、キロリッターということになります。
 実は石油製品のコストでございますけれども、いま先生、原油代のほかに税金関係、自家燃関係をおっしゃいましたけれども、非常に大きな割合を占めておりますのが金利、それから精製費あるいは備蓄費ということで、先生、いま御指摘になりませんいろいろなコスト要因がございまして、こういうコストから考えまして、われわれとしては、この間における価格の上昇といいますか、コストの面で不当なところはないと考えているわけでございます。
 さらにガソリンにつきまして十五円という御指摘がございましたが、この面につきましては、流通段階におけるコスト、そういう面も考えなければいけないと考えております。
#151
○岩佐委員 今回のC重油、ナフサの値上げ幅、それは、それぞれC重油の場合には五千三百円、キロリットル当たり、それからナフサは五千五百円となっていて、値上げ実施時期も、ナフサはことし一月の値上げの要請、これがやっと九月の中旬、それからC重油も七月のものが九月の中旬に決まる、そういったように非常に値上げが大幅におくれています。その間の金利支払いだけでも、石油業界にとっては相当の負担になっていると思いますけれども、その点の御意見はいかがですか。
#152
○長田説明員 C重油とナフサにつきましては、企業間における話し合いが行われてきておるわけでございますが、御指摘のとおりその値決めに当たりましてはなかなか難航している状況でございます。C重油につきましては七−九月まで決まり、ナフサについては四−六月までしか決まっておりませんが、その後の交渉が現在行われているというような状況でございます。
#153
○岩佐委員 もう少しはっきりと、そういう状況が石油業界にとっては金利の支払いだけでも相当な負担になるのではありませんかということを伺っているわけですけれども、どうですか。
#154
○長田説明員 金利の支払いを具体的に計算した資料を持ち合わせておりませんが、石油業界にとりましてはこの値決めのおくれというものは非常に重大な問題だと思っております。
#155
○岩佐委員 日本エネルギー経済研究所が五十六年度の石油三十四社の損益推計による製品販売原価、これを試算をいたしております。この数字が「石油文化」という業界の雑誌に載っているのですが、Aケース、Bケースとありますけれども、この中で高い方のBケースをとってみますと、キロリットル当たり七万一千九百七十九円から七万三千七十九円くらいになるというふうに計算がされています。この計算をもとにいまのC重油やナフサの問題について考えてみたいと思うのですが、日石と東電あるいは王子製紙との間で決まったC重油価格というのは、七−九月で〇・三%サルファのC重油でキロリットル当たり六万三千五百円です。三%サルファはC重油で五万七千円です。実に〇・三%サルファで八千四百七十九円から九千五百七十九円の単純に見て赤字が発生をする。三%サルファでは一万四千円から一万六千円の赤字になる。またナフサについても六月価格が五万八千五百円ですから、これも一万三千五百円から一万四千五百円の赤字となる。そういう計算が成り立ちます。つまり、売れば売るほど損をする、そういうことになるということが言えると思います。通産省はこうしたC重油やナフサの価格について、一体先行き上がると考えておられるのかどうか、この点について伺いたいと思います。
#156
○長田説明員 C重油とナフサにつきましては、石油会社とユーザーの間に一定の交渉のやり方と申しますか、一つの基本となるルールがございまして、それにのっとりまして値上げの折衝が行われるということでございまして、長期的に見ればコストの上昇に伴って値上げが行われているというふうに考えられるわけでございます。
#157
○岩佐委員 通産省がC重油、ナフサというのは、いまよりもずっと価格が上がるのだ、先行き強含みなんだというふうに考えて推定しておられるかどうかということについて伺っているのです。
#158
○長田説明員 C重油とナフサの価格につきましては、石油業界が直面している非常に大きな問題と重要な関係がございます。C重油につきましてはそれぞれユーザー業界が他の燃料に転換をする、ナフサにつきましては石油化学業界がなかなか厳しい状況にあるということを考えますと、なかなかその値段の実現という面は厳しい面がございます。ただ基本的には値段は需給に応じて決まりますから、その需給を反映した値段が実現される、こういうふうに考えております。
#159
○岩佐委員 そうすると、C重油、ナフサの大幅な価格の引き上げ、それは現在の価格水準から見て、いま私が数字を具体的に挙げて説明をしたような、いわゆるコストと販売価格とのギャップ、それを埋めるような価格に到達するということはとうていあり得ない、つまりこのC重油やナフサの価格によって石油業界が赤字を負うということ、これは現在の状況では仕方のない体質といいますか、そういうことになっているのではないかと思うのですが、こうしたC重油やナフサの赤字、これをなくすために通産省は一体どうしたらいいというふうに考えておられるのですか。
#160
○長田説明員 先生いまC重油、ナフサの赤字とおっしゃられましたけれども、石油製品のコストはトータルとして決まっておりまして、C重油のコストあるいはナフサのコスト、ガソリンのコストというふうにはなかなか決めにくいわけでございます。したがいまして、それぞれの需給に応じて価格形成が行われていくということで、われわれとしてはそういう市場メカニズムというものに基本的に任せていく、こういうふうに考えておるわけでございます。
#161
○岩佐委員 この点について私が先ほど申し上げたようにエネ研の製品販売原価、この一つのトータルのコストがあるわけですね。それと現在の販売価格を比較した場合に、非常にC重油やナフサが低いではありませんかということを言っているのであって、これはやはり石油業界の赤字、経営を困難にしていくそういう要因をつくり出していることははっきりしているわけで、その問題について、通産省は今後一体どういうふうに解消されていかれようとしているのか、どういう方向が考えられるのかということを伺っているわけです。
#162
○長田説明員 人為的にその価格を想定することは非常にむずかしいわけでございますけれども、大体諸外国の例を見ても、重油は非常に安い価格、そういうことでおのずと――若干いろいろな油種間の価格差というのはございますけれども、一概にあれが安い、これが安いということをきめつけることはできないだろうと思います。ただ、先生おっしゃるように、C重油の値段がもっと高ければ、それは石油業界の経営にとって非常にいいことでありますし、この石油製品の値段の実現ということを期待しているわけでございます。
#163
○岩佐委員 OPECの臨時総会で原油統一価格三十四ドルの決定を契機に、日石などが値上げをするということを言っているわけですけれども、この問題について、日石のサウジ原油の依存度は四五%であって、他の五五%はサウジ原油以外の原油であるわけです。ですから、たとえサウジが値上げをしたとしても他の原油の値下がりで相殺され得る状況があると思います。さらにサウジ依存度の低い会社、昭石、丸善、三菱、大協、そういうところもそれに追随しようとする、つまり日石と一緒になって値上げをしようというようなことがいま行われようとしているのではないかというふうに言われているわけですけれども、私は非アラムコ系はむしろ値下げをすべき状況なんだというふうに思いますし、いわゆる日石等のアラムコ系の十二月値上げというのは必要ないというふうに思いますけれども、その点いかがでしょうか。とりわけ灯油の需要期を迎えているそういう大事な時期に、灯油はもうすでに生活協同組合等値決めがされてしまっているわけですね。そういうところにとってこうした十二月の値上げというのがかなり大きな影響を与えてくると思うのですが、その点についての意見を伺いたいと思います。
#164
○長田説明員 今回のOPEC臨時総会によります国内の石油製品価格に対する影響の点でございますが、サウジ、特にアラビアン・ライトに対する依存度の高いアラムコ系企業につきましては、コストが上昇するという一つの要因だろうと思います。しかし、石油製品の価格ということを考えます場合に、将来の為替レートがどういうことになるかという点が重要な要因でございますので、その点を加味しますと、値上げがあるのかないのかということは非常に不透明ということになっています。
 それから非アラムコ系の企業につきましては、これは原油のFOB価格から言えばマイナスの要因ということになると思いますが、この非アラムコ系企業は、現在なおそのコストの回復のために努力している、すなわちコスト割れの状況にあるという点を考えますと、今後のFOB価格が各社どうなるか、あるいは為替レートがどうなるかということによりますけれども、今後とも非アラムコ系企業はコストの回復ということに努めていくんではないだろうかというふうに考えます。
 それから、なおこういう時節におきます灯油への影響でございますが、基本的には灯油の価格もマーケットメカニズムによって決まるわけでございまして、その過程を通じてコストの上昇というものがマーケットに反映され、小売価格に反映されていくということはやむを得ないことだと思います。しかしながら、いま申し上げましたように、これからの石油会社における値上げがあるのかどうか、石油会社が今後の状況に対応して判断をすると考えております。
#165
○岩佐委員 通産省は石油製品の価格についてのシーリングを外していくというようなことが伝えられているわけですけれども、たとえば灯油の需要期である今冬については、シーリングの問題は外さないという態度で行かれるんですか。
#166
○長田説明員 今回、仮に石油製品の値上げというようなことを石油会社がやるというふうに仮定いたしますと、その場合には私どもはこのシーリングに基づきまして事前のヒヤリングを行うという考えでございます。
#167
○岩佐委員 そうすると、十二月の値上げについてはそういうことを行われるということになるわけですね。
#168
○長田説明員 さように考えております。
#169
○岩佐委員 そうすると、十二月のシーリングでチェックする場合に、先ほどからの議論を伺っていますと、日石等のアラムコ系、この会社は目いっぱいシーリング価格までいっている。しかし非アラムコ系はシーリング価格まで目いっぱいいっていない。つまり日石の価格に引きずられて低いところにあるんだ、そうすると日石がアラムコ系の原油価格が上がることによって値上げをすれば、必ず非アラムコ系の価格が引きずられて、そして上がっていく、シーリングのところまで目いっぱい上がっていくというような状況が当然生まれてくるわけですね。それが私は非常に問題だというふうに思うわけですね。それは生活協同組合等、かなり量をまとめて長期契約をしている、そういうところに値決めの段階で一方的に値上げ通告が来て、そしていままで値上げをのまない場合には、やれ実績主義だとか、昨年の販売以上は売らないだとか、おつき合いないところには売らないだとか、そういういろんな事態、トラブルが起こってくるわけですね。そういうことがあるし、またこれ以上灯油の価格が上がるということは国民生活に非常に大きな影響を与えるわけで、その点について一体どの程度の十二月の値上げになると通産省は考えておられるのか、またそれが多少の程度だったら厳しくチェックをして、今冬は値上げを認めないんだというふうな、そういう決意があるかどうか、伺いたいと思います。
#170
○長田説明員 石油製品価格への影響につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、将来の為替動向あるいは具体的に原油構成がどうなるかということを見なければわからないものでございますから、現段階で上がる下がるということはなかなか言いにくいことだろうと思います。そうして販売面のトラブルの点を先生御指摘になりましたけれども、流通段階において、数量が出ないとか、あるいは価格についていろいろトラブルがあるというような点につきましては、私どもとして、具体的なケースがあれば通産局なり地方公共団体なり、そういうところに言ってきていただければ、個別のケースとしていろいろ問題を処理していくというふうに考えております。
#171
○岩佐委員 今需要期が終わった後、シーリングを外すという話があるわけですけれども、このシーリングを外すということを本当にやられるのかどうかという点と、何のためにシーリングを外すのか、その点について伺いたいと思います。
#172
○長田説明員 現在通産省が実施しておりますいわゆるシーリング制、価格のチェックでございますが、これは五十三年以来のイラン危機というものを契機といたしまして、OPECが数回にわたり値段を上げる、こういうような、言うなれば非常に異常な事態ということに対処するために、通産省が、元売り企業が仕切り価格を上げる際に、事前に事情を聴取するというふうにして出発いたしました特別の制度でございまして、本来私どもとしては、石油製品の価格形成には行政的に介入しない方が望ましいというふうに考えておるわけでございます。そういう原則的な考え方からいたしますと、そういう特殊な事態を背景として生まれましたこのシーリング制といいますのは、本来は廃止してしかるべきものではないかというふうに一応考えるわけでございます。ただ、しかしながら、石油製品といいますのは国民生活上も非常に重要なものでありますし、今後の原油の事情がどうなるか、為替レートも含めまして、それから石油企業の実態がどうなるかというようなことをいろいろ勘案して今後検討していきたい、こういうようなことでございます。
#173
○岩佐委員 このシーリングを外してほしいというのは、私が先ほどC重油やナフサの実態を挙げて言いましたように、C重油、ナフサでは他の石炭とか競合燃料との兼ね合い、あるいは輸入製品との兼ね合いでもう上がりようがない、そうなると灯油やガソリンでもって値上げを通産省から一々チェックをされていたのではかなわない、そういうような石油業界の強い要望があるというふうに聞いているわけです。
 このことについて、日本石油の常務が雑誌の中で、一月一日に原油が値上がりしたら、製品価格もその時点で上げるということであれば石油会社の財務体質も強化されるわけで、為替リスク対策よりもこの方が基本的なことです。つまり値上げをどんどんとやりたいんだ、原油が上がったら即明くる日から値上げをしたい、そういうような非常に強い要望を出していて、この値上げができるということは、為替リスク対策よりもずっと効果があるのだ、こう言っているわけです。こういうもとでシーリングが外されると、ガソリンや灯油など、力の弱い消費者が使っている製品の値上がりが野放しになってしまう、そういう事態をつくり出すのではないかというふうに私は思うわけです。ですから、このシーリングの問題について、シーリング自体本当に価格を厳密にチェックしているのかどうか、非常に私自身疑問があるところですけれども、しかし、これが全くなくなるという事態、これは非常に大変な事態になるというふうに思います。灯油というのは全国的に二千二百万世帯の方々が使っている非常にポピュラーな家庭用燃料であるわけです。それで、こうした家庭用燃料というのはたとえば電気やガス、そうした重要なものについてはいわゆる認可制になっている。公聴会で意見を述べることもできるし、あるいは国会を通じて、たとえば消費者米価や麦価、こうした国民生活に非常に影響の強いものは意見を聞くことになっているし、あるいは審議会を通じて国民の声を反映できるようになっている。それなのに灯油の場合には全く野放しという状態であるわけです。この点について、通産省としてどう考えられるか、お考えを伺いたいと思います。
#174
○野々内政府委員 シーリングと申しますのは非常に中途半端な制度でございまして、緊急事態に対処するためにやむを得ず導入をしたわけでございます。先生御指摘のように、公共料金になりますと公定価格ということで、その企業なりその産業のコストというものを計算いたしまして、再生産可能な水準に公定価格を設定するわけでございます。もしそうであれば、その価格で売ればその企業は再生産可能になるわけでございます。ところが、石油の場合にはそういうシステムになっておりません。したがいまして、もし永続的にコストを各企業ごとにチェックして上限を設定するということになり害すと、むしろその企業の経理内容にどこまで入っていくかという問題を誘発することになると思います。
 私どもは、自由主義経済におきまして、企業の活力というものに依存をしてエネルギーの安定供給を行いたいと考えておりますので、できるだけ自由な体制をとりたいと思います。ただ、あのイラン・ショックに見られますような異常な事態におきましては緊急対策として上限価格というものを設定いたしました。
 ただ、来年あたりになりますと、けさほどからも議論がございますように、原油の価格も落ちついてまいります。あと、円レート、これがどうなりますか問題でございますが、まあ落ちつく方向に行くのではないかということで、世の中も落ちついてまいりますので、そう大きな石油価格の上昇はないという判断をいたしております。したがいまして、緊急事態として導入いたしました制度はできるだけ早く撤廃をしたいと思います。ただ、流通課長が御説明いたしましたように、非常に重要な物資でございますので、いろいろな点を勘案をいたしまして最終的な結論に持っていくというふうに慎重に考えたいと思います。
#175
○岩佐委員 石油審議会という審議会がございますけれども、こういうところでもっと消費者の代表をふやして、そして価格問題についても消費者が納得がいくような、理解ができるような議論を十分していくべきだというふうに私は思うのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#176
○野々内政府委員 あらゆる場面でそういう価格なり供給の安定の問題を議論するということは非常に重要だと思います。石油審議会にも生協代表それから消費者代表が入っておられます。これは、数にかかわりませず、むしろ非常に活発な御議論をいただいておりますので、その点の御心配はないかと思います。私どももいろいろな方の声を伺いながら判断をいたしてまいりたいと思っております。
#177
○岩佐委員 審議会の問題については後でまた――後でというか、別の機会に少し議論をしたいと思いますけれども、二人が幾ら精いっぱい活発に発言したとしてもやはり二人にしかすぎないわけで、御本人たちももっと消費者委員がふえないと大変だということを言っておられるわけで、この点については検討していただきたいというふうに思います。これで石油問題は一応終わらせていただいて、次にモチ米の問題について質問をしたいと思います。
 去年もモチ米を、ちょうど年末に向かって非常に心配になって、当委員会で私、取り上げたわけです。ことしは大丈夫だろうというふうに思っていましたら、そうではなくて、いまモチ米は、私自身が先週の日曜日それから先々週の日曜日に買って体験をいたしたところでございますけれども、一キロ七百五十円になっています。そしてこれは昨年のキロ六百円というところから見ますと二五%の上昇になっているわけです。
 じゃ一体モチ米の量は本当に大丈夫なのかということを見てみると、モチ米の申し込み限度数量から見ると、冷害のひどい北海道は作況指数が八七、それから東北が八六、新潟が九六、こういう米どころが四〇%を占めているわけです。ですから大変な事態だと思うのですが、この点、いかがでしょうか。
#178
○武田説明員 お答え申し上げます。
 本年のモチ米でございますけれども、いま先生御指摘のように、供給量につきましては、予約申し込み数量が二十二万四千トン、それから私ども手持ちのモチ米、外国産のモチ米でございますが、これが二万六千トンございまして、合計で二十五万トンということに相なっております。一方、実需者からの購入申し込み数量でございますが、これまた二十五万トンということでございまして、予約申し込み数量を集荷することができますならば需給上はとんとんになる、こういうことでございます。
 ただ、いま先生御指摘のように、ことしのお米の作柄が平年作に達しておりませんで、下回るというふうに見込まれてございます。特に、御指摘のように北海道、東北が悪い。モチ米につきましても、北海道、東北は大きな供給源でございますので、実はモチ米、ウルチがそれぞれどういう生産見込みであるかという調査はないわけでございますけれども、おっしゃいますように、モチ米についても作が余りよくないのではないかということは想像できるわけでございますし、またもう一つ、本年の場合、作がおくれているということがございます。
 そこで、私ども、ただいま集荷業者などの協力も得まして一生懸命集荷に努めているところでございますが、ちょうどこれから集荷の最盛期を迎えますので、なお一層集荷に全力を挙げまして、需給に心配のないようにしていきたいと思っております。
#179
○岩佐委員 去年は二十五万トンの予約に対して十六万トンしか集まらないという状況があったわけです。これはもちろん、冷害という要因があったと思いますけれども、かなり自由米市場に流れた、そういうことも考えられるのではないかと思います。ことしも、新聞等の報道によれば、値上がりを予想してモチ米の集荷が容易ではない、そういう事態だと言われておりますけれども、この点について、いかがでしょうか。
#180
○武田説明員 先ほど申し上げましたように、本年の作柄もございますし、私ども、現在、御指摘の不正規流通をなくすことに全力を挙げているわけでございますが、それとも並行いたしまして、あわせまして、御存じのとおり、モチ米は自主流通ルートでもって流通するわけでございますので、そのルートできちんと集荷ができるように全力を尽くしてまいりたいと思います。
#181
○岩佐委員 去年もこの委員会でお約束をされたことですけれども、こういう非常に危険な事態、そういう場合には緊急輸入を含めてきちんとした対応をしていくべきだというふうに思うのです。末端の価格がいま非常に上がり始めている、そういう状況の中で、早急にこのことは検討されなければならないことだと思いますが、このことについての考え方と、それから末端の価格が大幅に上昇しないように監視をする必要があると思いますけれども、これについてどう考えられるか、二点について伺いたいと思います。
#182
○武田説明員 実は、先ほど来御指摘のありますように、昨年はまれに見る大冷害でございまして、モチ米の生産も非常に少のうございました。そこで、昨年は六万トンほど外国のモチ米を輸入をしたわけでございますが、本年につきましては、生産量につきまして正確な数字は、先ほど申し上げたようにわからないわけでございますけれども、昨年のようなことはないわけでございます。したがって、繰り返し申し上げて恐縮でございますけれども、私どもとしてはとにかくまず集荷に全力を挙げるということでございます。そこで、その集荷の状況を見て、集荷が第一ではございますが、その状況を見て必要があれば輸入等の対策についても検討してまいりたいというふうに思っております。
 それから価格の点でございますが、価格につきましては、私どもの調査によりますと、十月の東京の小売販売価格、これは平均ということになりますけれども、キログラム当たり六百五十円ないし六百六十円ということでございます。そこで、これから年末も控えまして、実は本年の自主流通米の値段というものはまだ決まってないわけでございますが、これから決まりますけれども、それはいまの需給事情なりあるいは経費の増高等を考えますと、若干の値上がりは避けられないであろうかとは思います。しかし、それに関連をいたしまして、小売レベルでもって便乗的な値上げが行われたり、そのようなことのないように、価格の監視、指導というものはきちんとやってまいりたいというふうに思っております。
#183
○岩佐委員 すると、私が買った七百五十円というのはどうなんでしょうか。高いんでしょうかね。
#184
○武田説明員 申し上げましたように、いま東京の平均が六百五、六十円でございますので、ちょっとお高いものを買われたということになろうかと思います。
#185
○岩佐委員 そういう人がたくさん出ないようにきちんとこの問題は対応していただきたいと思います。
 次に、これも年末商品に関係をすると思いますが、エビの値段がやはり最近上がってきている。特に中国タイショウエビ、これが農水省の十月の冷凍水産物需給情報調査結果でも価格は前年同期より高水準、つまり二〇%くらいの値上げになっているということです。中国タイショウエビの価格はエビ全体の価格水準に大きな影響を与えるというふうに聞くわけですけれども、今回のエビの高値も中国タイショウエビの価格高騰が原因と言えるのではないかと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
#186
○嶌田説明員 エビの価格につきましては、昨年からことしの前半にかけて輸入増加等を反映いたしまして、低水準に推移してきたわけでございますが、先生いまお話しのように、中国のタイショウエビがことしは不漁でございまして、そのために特に中国タイショウエビの大型サイズのものを中心といたしまして値を上げております。この大型サイズに引きずられまして中型のものが上がっておるという状況でございます。ただ、小型のものににつきましてはそれほど上がっておりませんで、大体値上がりいたします前の本年前半の価格を前提といたしますと、小型のものは大体七%くらいというような上昇率になっております。
#187
○岩佐委員 「水産週報」という業界誌があります。この七月中旬の「エビ時評」というところで「大手商社をはじめとする友好商社の訪中が相次いでいるが、各社とも現地での中国大正の契約という以上に、日本側マーケットの現状説明、さらに、今後のオファー制限を要求する声に一致するようだ。これは、春先からの中国大正の搬入増が予想以上に日本側マーケットを圧迫したとする意向から、今回の要求になったものだ」というふうに書かれているわけです。そして実際には七、八月は中国側からのオファーはストップをしているわけですが、この事実については御存じでしょうか。
#188
○嶌田説明員 先ほど申しましたように、ことしは渤海でとれます中国タイショウエビが不漁であったということと、それから中国側の中国タイショウエビの在庫が少なかったということから、いま先生おっしゃいましたようなことで一時期オファーが停止したということでございます。
#189
○岩佐委員 さらに、同じ「エビ時評」の七月下旬のところでは「大手商社、友好商社の訪中での7、8月は中国側からのオファーはストップ。」「今後の中国大正の展開は、交易会の積み残し玉と国内での拾い買いによる以外ないということになる。」「それだけ仮需から実勢へつながる要因が強いわけで、すでに中旬値150〜200円がらみの高値オファーも目立ってきている。夏需要での中国大正の強含みリードは期待したいところだ。」しかも中国タイショウの高値でインド二キロも値上がりしている、そういうふうに書いているわけです。まさに私はここにこそ、価格を上げるための商社の操作があったんじゃないかというふうに思うのですが、その点はいかがでしょうか。
#190
○嶌田説明員 先ほど申しましたように、エビの値段はことしの大体六月ぐらいまで非常に低水準で推移してきたわけでございます。このような事情を反映いたしまして、実需者側の方も在庫を余り持ちませんで、もっぱら当用買いに徹していたというような状況にございます。そういうことがございまして、七月以降中国タイショウの不漁がほぼはっきりした時点で、今後在庫を持ちませんと仕事にならないというようなところもございまして、そのために在庫を一部持ち始めたというようなのもございます。そういうような事情がございまして、私ども、必ずしも仮需であるとは考えていないわけでございます。
#191
○岩佐委員 エビの取引については、中国タイショウエビが長いこと赤字だったということで、取引が資金力のある大手商社にしぼられて中小商社が落ちていってしまった、そういう背景が春から夏にかけてあって、大手商社がかなり中心的に市場を左右することができる、そういう状況が生まれてきていたというふうに聞いています。それで現在は、三井物産の担当者だそうですけれども、二年間損したので、ことしはもうけさせてもらいますよというような発言をしているというふうにも伝えられています。現在のエビ相場では名義変更で価格を引き上げている、そういう話がエビの取引関係者からも出されているわけで、この点についての実態調査をされているかどうか、つかんでおられるかどうか伺いたいと思います。
 それから、中国タイショウエビが品薄になったということで、二級品のタイショウエビ、黒ずんでいるしっぽなどを漂白をして一級品に見せかけて市場に流されている、そういう実態もあると聞いておりますけれども、この点についての事実はいかがでしょうか。
#192
○嶌田説明員 まず前段の調査でございますが、調査はいたしておりません。ただ、最近エビが上がっておりますこともございまして、輸入商社、場外問屋等を呼びまして、その実態につきましてはヒヤリングをいたしました。その結果、現在の値上がりといいますのは、いま申しましたように中国タイショウエビ、それからメキシコのエビがことしは一カ月ばかり漁がおくれておりまして、先行き入ってくるのがおくれるという情報がございます。そのような情報を反映いたしまして、現在値上がりしているというようなことでございます。
 それから後段の、先生おっしゃいました、エビを漂白いたしまして、二級品を一級品に何か見せかけて売っているというようなお話でございました。これにつきましては、エビは、酵素の働きによりまして漁獲後黒くなる性質がございます。黒くなりますと市場価値が落ちるというようなことがございまして、これを煮るとか、それからあとは低温にして酵素の働きを弱めるとかいうようなことをやっております。そのほか漂白剤を使いまして色の黒くなるのを防止するというようなことも、これは食品衛生法上ある一定の基準値までは認められております。すでに黒くなりましたものを白くするということにつきまして、漂白剤を使うということ、これはかなりの量を使わなければいけませんので、このような事例は私どもないのではないかと思っております。もしそのような事例があるといたしますれば、厚生省とも相談いたしまして、十分調査いたしたいと思っております。
#193
○岩佐委員 冷凍水産物については非常に毎年問題になるわけでございます。それで現在国内の倉庫の冷凍魚介類の数量、これは東京、大阪の倉庫で調査をされているわけですけれども、それだけじゃなくて、蔵置期間あるいは転売回数の調査、これを行う必要があると思います。そしてまた保税倉庫の調査についても大蔵省に協力を依頼して、一度ではなく、かつてやったことがありますけれども、恒常的に、転売だとかあるいは蔵置期間の調査、それをしていくことが価格流通安定上必要なのではないかというふうに思いますが、農水省のお考えはいかがでしょうか。
#194
○嶌田説明員 現在、私ども冷凍水産物の需給情報の検討を行っております。その参考資料といたしまして全国の主要冷蔵庫を対象といたします冷蔵水産物流通統計、これは農林水産省の統計情報部の公表するもの、それからいま先生おっしゃいましたように東京と大阪の一万トン以上の冷蔵庫五十二工場を対象といたします在庫情報を参考といたしております。通常、冷凍水産物の需給情報を把握する上におきましては、現在の在庫統計でほぼ必要な情報を知り得る体制になっていると考えております。ただ、需給状況に比べまして価格が異常に高騰するような場合におきましては、倉庫の転売回数の公表であるとか、蔵置期間等につきまして担当のところに御協力いただければ、流通関係者の指導等につきましても非常に効率的にできるものと考えております。
#195
○岩佐委員 もう一問、営団地下鉄の問題について、きょう来ていただいているもので質問したいと思います。
 営団地下鉄というのは非常に限られた地域を走っているわけですけれども、都民にとっては非常に大事な乗り物であります。現在の営団地下鉄の初乗り区間の利用状況を見てみると、一−三キロで三三・九%、つまり三分の一以上。二区合わせて、つまり一−七キロで七二・六%、一−十キロ、十キロ以内では八九%。近距離の利用者が非常に多くて、しかも安いということで切符で乗る人たちが多いわけで、この営団地下鉄の値上げというのが非常に国民生活への影響というのは大きいと考えられるわけです。じゃ本当に営団地下鉄の値上げが必要なのかどうかということについて私どもなりに考えてみたわけですけれども、減価償却等引当金を合わせていわゆる内部留保、これが昭和五十二年から五十五年まで見ると、午三百億円から二千二百六十八億円、つまり一千億円近い内部留保がふえているわけです。あるいは五十三年の減価償却方法を定額から定率に変えられましたけれども、これで九十五億円浮くというか負担増になる、そういう関係になっていて、これらを見ると値上げをする必要がない、そういうふうに思えるわけですが、この点について伺いたいと思います。
#196
○犬井説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、五十六年の九月二十一日に営団から運賃の改定申請がありまして二十四日に運輸審議会に諮問いたしまして、現在鋭意検討中でございます。いまいろいろお話がございましたが、確かに前回五十二年に改定があった以後、営団の収支はずっと黒字でございます。ただ、その後収入も伸びておりますが、同時に資本費とか、あるいは人件費を中心とする経費も伸びておりまして、その当期損益は逐次減少して、五十五年度では八億円ということでございます。なお、そのほかに累積欠損が百五十億ございます。営団の申請によりますと、運賃をこのまま据え置きますと、経費の高騰等によりまして五十六年度においては五十三億円、それから五十七年度においては百十億円、いずれも経常ベースでございますが、それだけの赤字が出るということで今回の申請に及んだわけでございます。われわれとしましては申請を受けまして、その内容につきまして慎重に審査をして結論を出したいというふうに考えております。
 なお、先生から御指摘がございました内部留保のお話でございますが、二千二百六十八億という御指摘でございましたが、そのうち千七百八十七億という金額は、貸借対照表の左側、つまり資産の欄にいままで行われた減価償却の金額が参考のために計上されております。これが千七百八十七億円でございまして、これは貸借対照表の右側、つまり資本、負債の欄に計上される留保性のある内部留保というものとは若干性格を異にしているわけでございます。したがいまして、貸借対照表の右側に計上されております留保性のある引当金、これは退職給与引当金とか特定鉄道工事償却準備金というものが主なものでございますが、これが約四百八十一億円ということでございます。したがいまして、営団の内部留保は大体四百八十一億円というふうに考えるのが妥当ではないかというふうに考えております。
 それから、償却方法を変えたじゃないかという御指摘がございましたが、この点につきましては五十三年に確かに変えております。ただ、いかなる償却方法を行うかというのは企業の自主性にゆだねられているということでございますので、われわれも運賃査定にあたりましては、過去に取得したものの減価償却につきましては会社が採用している減価償却方法による、それから実績年度から後、つまり今度の場合には五十六年度と五十七年度でございますが、それの償却につきましては車両は定率、それ以外のものは定額ということで査定をするという方針をとっております。今回もそういうことで査定をさせていただくことになるかと思います。
#197
○岩佐委員 内部留保については鉄監局長にお目にかかりましたときに、五十二年の数字から全部その基準でもって話をしているわけですから、その内容がこういう見方もある、ああいう見方もあるというその説明はさておいて、トータルとしてはそういう一つの数字が示されているわけですから申し上げたわけです。それは着実にふえているということは間違いがないことだと思います。
 それから、減価償却の仕方についても、当委員会で電力料金の引き上げ等について審議がありましたけれども、北海道電力の場合には大変経営内容が苦しい、値上げ幅が大きくなる、しかし道民の生活を守らなければいけない、そういうところで減価償却を全部一遍に定額から定率に変えるということはしないという措置もとられていて、それなりのやり方というのはあるというふうに私どもは考えているわけです。
 以上、私はきょう灯油、モチ米、エビ、営団地下鉄と国民生活に非常に関係の深い商品を取り上げてきたわけですけれども、最後に経済企画庁にお願いしたいのですが、物価は安定しているからということでその上に安心して乗っかっていられない。もう八月の家計の赤字というのが、そう安心してはいられないという実情を如実に示していると私は思うのです。その点でぜひ今後とも経企庁としても努力をしていただきたいというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
#198
○中島(源)政府委員 おっしゃいますように、物価の安定が一番の問題でございます。特に経企庁としては国民生活の安定とそれから民間活力の安定、これを大きな柱と考えております。十月二日の当面の経済運営でもごの点を重視いたしまして、物価の安定を最前提に掲げておるわけでございます。今後とも、おっしゃるように物価安定には一層努力をしてまいります。
#199
○岩佐委員 終わります。
#200
○武部委員長代理 次は、依田実君。
#201
○依田委員 まず最初に、最近問題になっています貿易摩擦の解消、これをどういうふうにしてこれからおやりになるのか、まあ十七日に経済対策閣僚会議が予定されておるわけでございますけれども、今日各省でどういうことをお考えになっておるのか、その辺を伺わせていただきたいと思うわけであります。稲山調査団の報告、あるいはまたきのうアメリカからステッセル国務次官が参りまして外務省にいろいろお話をしているはずでございますけれども、きのうのステッセル国務次官のこの貿易摩擦に対する意見を外務省はどういうふうに受け取られておるか、その辺からお話を承りたいと思います。
#202
○遠藤説明員 昨日ステッセル国務次官が外務省に参りまして話しました内容は、アメリカの議会におきましては、防衛問題それからこの貿易摩擦、こういったことをかなりリンクして考える向きがある、もちろん行政府としてこういったことが正しいと思っているわけではないけれども、したがって、いずれにしても貿易不均衡の問題、この点については外務大臣に対して特にヘイグ長官からよろしくお願いしたい、こういうふうなことを言っております。国務省としてはといいますか、アメリカの行政府としてはそういったリンクした対策が望ましいと思っているわけではない、こういうことでございます。
#203
○依田委員 そうしますと、具体的にどういうという要求は出さず、とりあえずこの十七日の日本側の経済対策閣僚会議の成り行きを注視している、こういう程度ですか。
#204
○遠藤説明員 アメリカとの間ではいろいろな機会を通じまして、この貿易、経済問題というのが話されております。したがいまして、日本におきましては経済対策閣僚会議が近々予定されてはおりますけれども、その機会のみならず、そのほか日米の貿易協議、これがまた十二月にも予定されておりますし、いろいろな機会を通じて意思疎通を図っていこうというふうに私ども考えております。
#205
○依田委員 きょうは企画庁長官がいらっしゃいませんけれども、伝えられるところによりますと、企画庁長官の考え方は、輸出抑制策はとらないというお考え、これが基本方針であって、その範囲内でいろいろ対策を立てていきたい、こういうことをおっしゃっておるわけであります。そうなりますと、ではどういうふうになさるのか、そしてまた、当面貿易摩擦を解消するためにどのくらいの額を日本側として用意をしておるのか、その辺について企画庁のお考え方を伺いたいと思います。
#206
○井川政府委員 実はこの十七日という日にちも含めまして、現在政府部内でいろいろ打ち合わせをしているわけでございまして、経済企画庁としては関係各省のあらゆる意見をいま集め、取りまとめ中というところでございます。新聞でいろいろ伝えられておりますのも、それは現段階での感触ということでございまして、最終的にそこらがどうなるか、それはあくまで政府部内及び経済対策閣僚会議で議論した結果によって見なくてはなりません。
 しかしながら、大きく言いまして、現在言われている問題としては貿易アンバランス、したがって日本からの輸出で被害を受けている、何とかしてくれ、こういう声、これに対してどうするかという問題があるわけでございますが、基本的な考え方として、輸出を抑制するというような制度自体は貿易立国のわが国としてどうであろうか、それよりもやはり輸入を拡大するという方式に力を入れるという方向であるべきではないかという考えを持っておりますけれども、そういう点については、関係各省の意見を十分たたき込んで、全般的に議論をしてみる必要があるだろうと思います。
 なお、いまお話の中で何億ドルぐらい云々というお話がございましたが、それを決めているわけではございません。しかしながら、去る十月二日に経済の基本的方向と五十六年度の暫定試算というものを出したわけでございますが、この暫定試算におきましては経常収支の黒字を七十億ドル程度と言ってございます。しかし、この七十億ドル程度というのは、手放しでおいて七十億ドルになるというわけのものではございませんで、現段階、すでに上期の黒字が、季節修正で四十数億ドルになっておるわけでございます。やはりそこに輸入の拡大策が必要である、こういう感じがあるわけでございまして、いかなる輸入拡大の策をとるか、緊急輸入の問題であるとか関税率の引き下げであるとか輸入手続の問題であるとか、海外から要望されているものあるいは国内で考えられているもの、いろいろな案がございますけれども、それらをすべて取りまとめた上、今後閣僚会議で検討していってもらおうと考えておるわけでございます。
#207
○依田委員 一つ確認させていただきますけれども、そうしますと十七日の会議では必ずしも具体的なアイテムは決まらない、こういうことですか。十七日が出発点になる、こういうことですか。
#208
○井川政府委員 いかなるものが関係各省から集まるかということにもよるわけでございますが、問題がきわめて広範でございます。したがいまして、十七日の討議で一部は決まるのか、あるいは全体的な論議をして、さらに次の機会あるいはそれ以降というふうなことになるのか、そこらあたりは現在まさに取りまとめ中でございますので、問題がどういうものが集まるかということと、第一回の会合でどの程度煮詰まるかということによって決まるので、現段階で、もう十七日で決めてしまおうということを決定しているわけではございません。
#209
○依田委員 もう一つ、紙上にちょっと流れました大体五十億ドルぐらいをめどに決めていくのだ、こういうお話が流れたのでありますが、この額は、その根拠はありませんか。
#210
○井川政府委員 われわれの政府見通しとしては特に五十億ドルという数字はないわけでございますが、先ほども申し上げたように、黙っておって七十億ドルになるとは思えないというふうなことでございます。それでは黙っておればどの程度になるか、これは紙上いろいろな数字がございます。九十数億ドルであるとか百億ドル程度であるとか百二十億ドル程度であるとかいうふうなことが言われておるわけでございますが、五十億ドル云々というのは、要するに抜本的な対策を立てるという、そういう気合いの数字、こういうふうにお考えいただいたらと思います。
#211
○依田委員 外務省にお尋ねいたしますけれども、外務省はもちろん世界の自由貿易の推進上、やはり輸出を抑制するということについては反対だろう、こう思うのでありますが、外務省の基本的考え方はどういう方向でしょうか。
#212
○遠藤説明員 ただいま経企庁の方からも御説明がございましたように、外務省といたしましても、貿易立国を国是といたします日本といたしましては、輸出の規制ということは非常に好ましくない、特に世界の、ことに欧米の経済が現在低成長あるいはインフレ、失業、そういった経済困難を抱えまして、非常にその保護主義圧力が高まっているわけでございます。高まっているわけでございますけれども、少なくとも各国の行政府はこれに必死の抵抗をしている、そういう状況でございます。
 また、この輸出規制ということになりますと、縮小均衡ということに結果としてもなるわけでございますし、そのこと自体が世界貿易に与える影響も非常に憂慮されますし、また各国といたしましても、結局輸出規制ということになれば当然物資の価格は上がるということで、各国がとっておりますインフレ対策にも反する、そういう結果にもなるわけでございます。したがいまして、この貿易問題の解決というのは、基本的には輸出の規制あるいは抑制ということではなくて、結局輸入の拡大を通じまして拡大均衡を図る、そういう政策をとっていくべきだというふうに考えております。
#213
○依田委員 そうしますと、先ほど企画庁の局長、井川さんが申されましたように、緊急輸入だとか関税率の引き下げだとか、そういう世間一般で言われておる内容になってくるのでございましょうけれども、大蔵省にお尋ねをさせていただきたいのでありますが、いまいろいろ言われているそういう輸入拡大、たとえばウイスキーだとか菓子類だとか、そういうものの関税率を下げたらどうだ、そして少し輸入をしたらどうだ。きのうあたりの何かえらい方のお話し合いでは、いまの日本の状態で、糖尿病の多い中でそういうことができるかというお話が出たそうであります。しかし、そういうことを別にいたしまして、緊急輸入、関税の引き下げ、こういう問題に解決方法がなってきた場合に、大蔵省としてはいかがでしょうか。
#214
○長富説明員 関税率の引き下げの点につきましては、いろいろ部内でも検討いたしておりますが、関係各省庁、各方面等との調整で大変にむずかしい事情にあることも事実でございます。したがいまして、先ほどからお話がございましたような臨時的な措置として、輸出を正常化するための何らかの調整的な措置がとれないかということも含めて検討しているというのが大蔵省部内の実情でございます。
#215
○大山説明員 ただいま先生の御指摘の中に緊急輸入という点がございました。先ほど経済企画庁調整局長からお答えがございましたとおり、いま各省庁におきましていろいろ議論を詰めておる段階でございますので、まだ方向性について出たわけではございません。したがいまして、ちょっと今後を予測するわけにはまいらないわけでございますが、私ども緊急輸入につきましては、その緊急輸入というものが、本当にECなり米国なりがこれを輸出したいというものを日本が輸入することになる、それは諸国に評価されるものであるかという点を十分に見きわめた上で態度を決めたい、そういったポイントから検討いたしているところでございます。
#216
○依田委員 世間でよく言われますこの対策の中に金融、保険サービスの自由化、こういうのがよく出てくるのであります。大蔵省に伺いますと、いやもうそういうものは大いに自由化しておって、何か向こう側に誤解があるのじゃないか、こういうような意見がいつも返るのであります。この金融、保険サービスの自由化、これは具体的に外国側はどういうものを要求しておるのですか。どういうサービスを自由化しろと言うのですか。
#217
○大山説明員 まさに先生御指摘のとおりのことを私ども思っておるのでございますが、それでは具体的にどういうものを金融について自由化せよと言っているかと申しますと、たとえばCDというものがございます。CDを発行する場合に、いまわが国におきましては五億円以上でなければならないとか、あるいは期間は六カ月までとかそういう期限を行政的に区切っておるところでございますけれども、それは外国の銀行が発行いたしますもののみならず、日本の銀行が発行いたしますCDについても当てはまる規制でございますが、そういったものについてもっと自由にせよというような希望が出ております。こういったものは日本の銀行、外国の銀行両方にひとしく適用されるものでございますので、これは国内の行政上の問題であるという答えをしているのでございます。
 それから、外国、国によりましては、銀行や保険会社を設立いたしますのは認可が要らない、自由にできるという国もあるわけでございますが、日本の場合にはこれは免許とか認可とかに係らしめられているわけでございます。これは内国民も同じでございますが、そういった点について外国と同じ法制のもとで自由な活動をさせよというような要望もあるようでございます。それは各国各国の法制なり行政の問題だということで私ども対応しているところでございますが、こういった点について、国内の法制について十分な理解が外国になされていないという問題がございます。
#218
○依田委員 支店の設置の自由だとかいろいろ言われるのですが、いまおっしゃる大山さんのお話を聞いておると、要するに日本側の法制に対する理解が足りない、こういうことですか。
#219
○大山説明員 おっしゃるとおりでございまして、日本の行政規制が行われておりますゆえんのものをよく説明すれば、日本には日本の事情があるなということが理解されるものだと思っております。そしてまた、それは外国の銀行だけに対する規制ではございません。日本の銀行に対しても同様な、イコールフッティングの規制でございますので、それは理解させる努力を私どもとしていたすべき事柄かと思っております。
#220
○依田委員 毎回この問題が外国側から出されるわけでありまして、ひとつ理解させるように努力をしていただきたい、こう思うのであります。
 ところで、大蔵省ではいま、先ほどの外務省や企画庁と違って、何らかの輸出を抑制する、つまり輸出課徴金を検討し始めている、こういうニュースが流れておるのですが、これはどういうふうになっておりますか。
#221
○長富説明員 先ほどから御指摘がございますように、ただいま欧米との貿易インバランスというのが大変な問題になっておりまして、政府部内でもいろいろ検討いたしております。この対策としまして、輸入をどのように拡大していくかということとともに、集中豪雨的というような批判も出ております、急増しております輸出につきまして何らかの調整的な措置をとることはいかがか、各方面にいろいろ御批判もございますけれども、大蔵省部内ではいまこういう観点からいろいろ検討いたしていることは事実でございます。
#222
○依田委員 これは世界の貿易の縮小にもつながるような、あるいはまた法律をつくる間の駆け込み輸出みたいなものがある、そういうことでなかなかむずかしいと思うので、輸出課徴金というのは大変なことじゃないかと思うのであります。これはよほど慎重におやりいただかぬといかぬのじゃないかと思うのでありますが、要は、今後一年半ぐらいは日本の経常収支というのはどうしても黒字になる。そうなりますと、ここで多少いろいろ緊急対策、貿易摩擦の解消策を図っても、一時しのぎなものにすぎないのじゃないか、こういうことです。要は、内需を喚起する、つまり輸出に頼る景気浮揚じゃなくて内需に頼る景気回復、これが基本的な問題じゃないか、こう思うのであります。
 ことしの初めに経済企画庁長官にお尋ねしたときは、ことしは個人消費が盛り上がって景気はそれで回復していくんだ、こういうお話だった。私はそうは見通せないということでここでお話をしたわけでありますけれども、どうも個人消費がひとつ盛り上がらない、こういう状況になっていると私は思っておるのでありますが、いま経済企画庁は、内需の回復、その中の個人消費の回復、これをどういうふうにごらんになっておるのか。そしてまた、それが盛り上がらないならば、なぜ盛り上がらないのか、その理由をお尋ねをさせていただきたいと思います。
#223
○田中(誠)政府委員 最近の景気の動きでございますが、需要別に見ますと、先ほど来お話がございましたように輸出は堅調でございますし、設備投資は大企業を中心にして堅調でございます。御指摘の個人消費は一進一退の状況でございますけれども、基調としては回復を示しているのではないかというふうに思います。その反面、住宅建設はなお低水準で推移しているというような状況にございまして、需要全体としましてもかなり跛行性が見られるという状況かと思います。御指摘の個人消費でございますが、このところ実質消費支出は全世帯で見ますと七、八月マイナス一二一%でございます。勤労者世帯はほぼ横ばいでございますが、一般世帯がマイナス三・六%ということでございます。一方、農家世帯は四・五%でございまして、比較的順調な推移を見せているわけでございます。このように勤労者世帯が伸び悩んでおりますのは、一つには中小企業関係の勤労者世帯の収入が全体に比べまして低いということもございますし、所得自身も伸びが総体的に低うございますし、さらに実質消費支出の増加等もございまして可処分所得の伸びが低いという状況もございます。一方、一般世帯につきましては、何分にも一般世帯は個人営業が主体でございますけれども、消費なり個人住宅に関連のある部分でございまして、そうした分野が低迷をしているということがまた一般世帯の消費の低下を示しているということかと思います。そういった状況にございますので消費自身は一進一退でございますが、最近のデパートの売り上げを見ますと七%を若干上回るという状態で推移しておりますし、乗用車の売れ行きが九月、十月と一〇%をやや上回る状態でございます。一方、耐久消費財の年末にかけての売れ行きも期待が持てるというような状況にございますが、全体として見通しはなお一進一退という状況かと思います。
#224
○依田委員 この間出ました国民生活白書、これを読ませていただきましても、勤労者世帯の所得の伸びが悪い。特に規模別に賃金格差が開いてきている。大企業の社員はまあまあなんでありますが、中小企業の社員の賃金が非常に悪くなっている、こういうふうなことが書かれておるわけでございます。そういうことをいろいろ勘案されて、この間経済企画庁長官は所得税減税について思い切ったことを言われたわけでありまして、いまの政府の中では特異な考え方を述べられたわけでありますけれども、きょうは長官がいらっしゃらないから仕方がありませんが、経済企画庁としてはこの所得税減税についてどういうお考え方を持っていらっしゃるのか伺わせていただきたいと思います。
#225
○井川政府委員 実はわれわれが年間の経済見通しあるいは長期計画として七カ年計画を持っておりますが、特にその中で所得税減税というものをメンションをしているわけではございません。先ほど先生のお話にもございましたように、所得税減税という問題は河本経済企画庁長官がそういう事務的なレベルの検討を超えて政治家として経済的な信念を吐露されたというように考えておるわけでございます。大臣の考え方はわれわれそばにいましてしょっちゅう聞いておるわけでございますが、考え方といたしましては、やはり現段階消費が伸びないという理由の一つとしては、税金が高い、したがって非消費支出というものが相当大きくなっているということがあるのではないか。サラリーマンの重税感、国際的に見ればまだまだ税負担率は低いとはいいながら、サラリーマン自体にそういう重税感があるとすると、やはり所得税減税ということによって消費を健全に伸ばしていくことが必要ではないだろうか。ただしその時期としては、現段階、特に来年度、五十七年度は行財政の改革ということでそんな余地は全然ないけれども、環境さえ許すのであれば必要な所得税減税をすべきじゃないか、こういうお考えのようでございますし、環境が許せばというのは要するに経済運営をうまくやってそういうゆとりが出るような運営にしていきたい、こういうお考えが基礎にあるとわれわれいつも聞かされているわけでございます。
#226
○依田委員 減税したからといって、それが消費に回るか貯蓄に回ってしまうか、これはまだ前もってわかることではございませんけれども、しかし課税最低限が五十二年から据え置きになっている、あるいは税率が四十九年から据え置きになっておる、こういう中で所得税減税をやってみるということは一つの経済政策家としての御意見じゃないか、こう思うのであります。
 いずれにしましても、貿易摩擦、こういうものはいままでの小手先なことじゃなくて、思い切った財政金融政策の転換、こういうところまでやらないと長期的にはなかなか解決できないのじゃないかというようなことで、新しい内閣にかわったくらいからそういうものが出てくるかどうか、われわれは期待しておるわけであります。
 最後に、先ほどの話の内需が盛り上がらないという中に、住宅、この産業がここのところしばらく沈滞しておる、こういうことでございます。よく言われる理由は土地の値段が高い、こういうことに尽きるわけでありまして、宅地並み課税などこれから実施させるということでございますが、私は宅地並み課税をやっても土地の値段が安くなったり住宅が建ってくるというようなことにはならぬと思うのであります。私は前々から言っておるのでありますけれども、この際、思い切って、東京都などが最近検討しておる、こういうことでございますが、きょうは建設省の方にいらしていただいているのですが、もう時間がありませんので一言で結構でありますが、東京で言えば、いわゆる第六環状内の低層制限、つまり高層制限じゃなくて低層制限、こういうものをぜひ早急に実施することが大事だろう。あるいはまた、東京都区部内の夜間人口が非常に減るところ、昼間に比べて夜間の人口が非常に減るところ、千代田区であるとか港区だとか中央とあるわけであります。オフィスだけがあって人が住んでない。こういうところは法律を設けまして、ある一定以上に人口が減っている区内についてはオフィスに必ず何%か住宅部門を併設させる、これが大事じゃないかと思うのであります。
 いま国も金がない、個人も金がない、まあ持っているのは大企業だろうと私は見ておるわけでありまして、大企業が東京の都心にたくさんりっぱなビルを建てるわけでありまして、きょうも、もとのNHKのところに国際何とかビルというのができるようでありますけれども、オフィスができるのも結構ですが、そういう上には必ず社宅をつくる。社宅をつくって、その上から下へ通うというのが味気なければ、同じ系列の人を住まわせればいいわけであります。三菱重工のビルの上には三菱銀行の人を住まわせておけばいいのでありまして、そういうふうにして都心の夜間人口、つまり昼間人口と夜間人口との差がある一定以上になるところは必ず住宅を併設しなければビルを建てさせない、こういうことをやるべきだろう、こういうふうに考えるのですが、建設省、いかがでしょう。
#227
○田村説明員 先生の最初の環状六号線以内の地域につきまして高層化を義務づけるような制度化を考えられないかという御趣旨の御質問だったかと思いますが、まず用途地域の中に第一種住居専用地域という制度がございまして、これは高さが十メートルを超えるものは建築できないというような制限があります。東京都におきましては、環状六号線の中のようなところではこういう地域をなるべく少なくしようということで見直しを進めてまいりまして、ことしの六月に最終的な決定をしたわけでございますが、その結果、こういう地域では第一種住居専用地域はかなり少なくなっております。このほかに高層化にかかわる制度といたしましては、建築物の高さの最低限度、つまりこれ以上低い建築物は建てられないというような制限を定める最低限高度地区、それから高度利用地区あるいは特定街区、こういった制度がございます。これらは地方公共団体が地域住民の意向を踏まえまして都市計画として定めるものでございますが、こういう地域におきましては確かに高度利用の促進という面では必ずしもこれらの制度が十分に活用されていないかと存じます。
 そこで、建設省といたしましては、大都市の既成市街地で土地利用が細分化されている、あるいは公共施設が不足しているというふうな地域におきましては、なるべく合理的かつ健全な高度利用を推進するということで、これらの制度を活用しながら、あわせて規制措置を含めまして再開発の施策を積極的に講じているところでございます。なお、先般改正されました都市再開発法という法律がございますが、これに基づきまして都市再開発の長期的かつ総合的なマスタープランとしての都市再開発方式というものを定めることになっておりますが、こういうものを積極的に、速やかに定めるということと、さらに、その他の措置を含めまして再開発の一層の推進を図ってまいりたいというふうに考えております。
#228
○片山説明員 後段の御指摘の住宅設置義務のことについてお答え申し上げます。
 確かに、夜間人口が減少しております都心地区に住宅の供給の促進を図ることは非常に重要なことだとは思っておりますが、しかしながら、都心に立地いたしますビルに一律に住宅の設置を義務づけることにつきましては、現行の土地利用に関します建築の規制が、その利用いたします土地に、都市計画として指定されております用途地域に応じまして、ふさわしくない建築用途のものを排除するというところにとどまっている建築規制という現行の問題を考慮いたしましたとき、特定の用途のものを土地利用いたしますときに義務づけるという規制形態は、権利制限としてきわめて厳しいものと考えております。したがって、これを制度化することはきわめて困難なことではないかと考えております。しかしながら、都心部に住宅の供給を促進することは非常に重要なことでありますので、このための方策といたしましては、地方公共団体あるいは住宅・都市整備公団等の団体が、そういう住宅の促進事業を積極的に実施する一方、さらにまた誘導的な方策の活用、たとえば市街地再開発事業につきましては、住宅の供給を含むものにつきましては財政助成を一般のものより手厚くしておりますが、そういうことの活用、あるいは住宅金融公庫によります中高層建築融資の活用、そういう誘導方策を活用する一方、さらにそれらも今後は充実強化して、市街地住宅の供給の促進を図ってまいりたいと考えております。
#229
○依田委員 いまお聞きすると、なかなか法律的にはむずかしい、こういうことでしょうけれども、いまみたいに二時間も通ってくるのじゃ、これはとてもかないません。ひとつむずかしい中を何とか切り抜けて、前進する方向へお考えを持っていっていただきたい、こういうふうに思います。
 もう時間が過ぎましたので、これで終わらしていただきます。
#230
○武部委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会します。
    午後三時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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