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1981/11/13 第95回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第095回国会 石炭対策特別委員会 第4号
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1981/11/13 第95回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第095回国会 石炭対策特別委員会 第4号

#1
第095回国会 石炭対策特別委員会 第4号
昭和五十六年十一月十三日(金曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 森中 守義君
   理事 愛野興一郎君 理事 三原 朝雄君
   理事 渡辺 省一君 理事 岡田 利春君
   理事 中西 績介君 理事 小渕 正義君
      太田 誠一君    北口  博君
      久間 章生君    倉成  正君
      古賀  誠君    保利 耕輔君
      塚田 庄平君    八木  昇君
      鍛冶  清君    稲富 稜人君
      小沢 和秋君    石原健太郎君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  田中 六助君
 出席政府委員
        通商産業省立地
        公害局長    神谷 和男君
        資源エネルギー
        庁長官     小松 国男君
        資源エネルギー
        庁石炭部長   福川 伸次君
 委員外の出席
        通商産業大臣官
        房参事官    檜山 博昭君
        労働省職業安定
        局失業対策部長 加藤  孝君
        商工委員会調査
        室長      中西 申一君
    ―――――――――――――
十一月十日
 石炭鉱害復旧関連法の再検討及び期限延長に関
 する陳情書外二件
 (福岡県田川郡方城町議会議長山田忠市外二
 名)(第二四二号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 石炭対策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○森中委員長 これより会議を開きます。
 石炭対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古賀誠君。
#3
○古賀委員 古賀誠でございます。
 今回の夕張新鉱の事故からもう一カ月近く経ているわけでございますけれども、今回の事故によりまして九十三名、大変多数の犠牲者が出たわけでございます。とうとい人命を落とされました犠牲者の方々はもちろんでございますけれども、残されました御遺族の方に謹んでお悔やみを申し上げる次第でございます。
 また、田中通産大臣におかれましては、事故発生後直ちに災害対策本部を設置していただき、みずからその本部長として就任していただくと同時に、政府の調査団の団長といたしまして現地に直行されましたことは、不安の中で一条の光といたしまして心強く勇気づけられたと、現地の方々が大変喜んでおるということをお聞きいたしております。その積極的な行動に心から敬意を表しますと同時に、お礼を申し上げる次第でございます。
 さきの委員会で先輩の委員の先生方からお話をお聞きいたしておりますけれども、私も初めに大臣に、現地の状況を大臣御自身御自分の目でお確かめになったわけでございますから、第一にそれについての率直な感想と申しますか、そういったことをお伺いできればありがたいと思っております。
#4
○田中(六)国務大臣 十六日に事故が起こりまして、十七日に私は現地に行ったわけでございますけれども、まず会社側それから労働組合側、もちろんその前に札幌保安監督局長から概要を聞きまして、労使双方、職員組合も含めましで事情聴取をいたしまして、その後遺体を引き上げた家族の一部の方、それからまだ遺体が埋没しておる人々の家族とお会いし、また酸欠で救済されてそのまま病院に入っておる九人の人のお見舞い、それから夕張市の代表の方々にそれぞれ非常に短時間ではございましたけれどもお会いしまして、いろいろな各方面からの事情を聴取したわけでございます。
 いずれにしても、私どもまず遺体の収容ということ、それから原因究明、それから注水取り明けというような段取りをしておるわけでございまして、九十三名という大災害でございますし、ガス突出、この事態は一応そういうふうに言われておりますけれども、原因究明というものがされなければなりませんし、私は本部長として四回本部会議を開きまして、いろいろなできるだけの範囲の原因究明はやっております。御承知のように技術調査団というのが九、十と行ってまいりまして、その調査結果も、原因究明についてまだはっきりとことんまではいっておりません段階でございますけれども、私ども遺家族のことを思えば、いろいろな対策を講じなければなりません。
 ただ、この炭鉱の再開についてどうしろこうしろ、はっきりしろというようなことを言われておりますが、私どもはもちろん閉山をするという前提でこの処置を考えておるわけではなくて、いかにしたらこれが再開できるかということは考えておりますけれども、そこまでいくのにどうなのかということで非常に苦慮している、私が現地に行って調査した結果、現在における段階は大体概要はそういうところでございます。
#5
○古賀委員 ありがとうございました。
 そこで、現在まだ依然として坑内に残されている人々が五十八名でございますかいらっしゃるように承知いたしております。その家族の方々の気持ちを考えますと本当に胸が痛むわけでございますけれども、何といいましても、一日も早く安全にかつ早急に残された方々を収容することに当面全力を挙げて取り組んでいただく必要があると私は考えております。
 また、それと同時に今回の罹災者の御遺族の方々に対する補償、これが最も大事なことは言うまでもないことでございます。特に、今回聞いておりますと、罹災者の中には下請としての作業員の方々も大変多くいらっしゃると聞いているわけでございます。こういった方々を含めまして、補償については大変重大な問題になってくると思うのでございますけれども、会社は現在どのように対応しようと考えているものか、また、政府はこれについてどのような措置をとっておるのか。これは非常に重要なことだと私は考えますので、ぜひとも大臣に御答弁をお願いしたいと思います。
#6
○田中(六)国務大臣 古賀委員のおっしゃるようにまずその遺家族の対策、遺体収容ももちろん重要でございますが、残っておる人々をどういうふうに救済していくかということが何よりも先決な問題だというふうに考えております。したがって、労災保険というものとそれから労使の協定というものがございます。いまのところ、いろいろ計算の方法もあるでしょうけれども、一千七百四十万円というような数字も出ておりますが、私どもは、できるだけそういうあらゆる方法で弔慰金と申しますかそういうものが多く出るような方策を考えるように指導していきたいと思いますし、御指摘の請負夫といいますか、つまり組夫のことですが、これとの差別あるいは格差とかいうようなこともないように、また、労使双方の協定は組夫の方にもあるでしょうし、そういう点につきましては差別のないように、御指摘のように十分配慮しなければならないと考えております。
#7
○古賀委員 ぜひひとつそういうことで、本当に残されました御遺族の方々にはできるだけの御配慮をしていただきたいということを重ねてお願いを申し上げておくところでございます。
 そこで、これは立地公害局長にお聞きしたいのでございますが、ただいまもお話をいたしましたように、残されました坑内の罹災者の収容作業について、前回の委員会の段階では注水開始までの概況について御説明を伺っていたかと思っておりますが、その後かなりの日数が経過しているわけでございますが、その間どのような作業がとり行われてきたのか、また今後の見通しにつきましてお話をお聞きしておきたいと思います。
#8
○神谷政府委員 その後の状況について御報告させていただきます。
 先生御指摘のように十月二十二日に注水を開始いたしまして、二十八日に注水を完了、その時点で坑内火災は消火したというふうに認定をいたしまして、その後、区域内の点検あるいは保安設備の整備といったようなものを行いながら、揚水、取り明けの準備を進めていったわけでございまして、まず三十一日の午後九時から試験的に一部揚水いたしましたが、水の位置に至るまでの運搬施設等がかなり破壊されておりまして、ポンプを持ち込んでいくとか、あるいは落ちております崩落したズリを取り上げるというようなことが困難でございますので、運搬施設の整備等、特にこれは入気サイドでございますけれども、時間がかかりました。
 それらを一応行いまして、十一月五日から、われわれは本格的揚水と呼んでおりますが、本格的揚水、取り明けの作業に入ったわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、人気サイドではかなり坑道が傷んでおりまして、岩盤等崩落いたしております。それの取り明け等の作業がかなり難航いたしております。排気サイドは、いまのところ非常にむずかしい部分もあるのでございますけれども、そのあたり特別の問題もなく、ただガスが若干問題ございますので、その辺を非常に注意しながら揚水を行っております。したがいまして、排気サイドでは一日平均八メートル強のテンポで進んでおりますが、人気サイドはズリの取り上げ等で三メートル強しか現在のところは進めません。この山を越えますと少し進むのではないかと期待いたしております。
 したがいまして、これまで本格的揚水から延べ八日かかっておるわけでございますが、ラウンドの数字で申し上げますと、九十メートル強進んでおるという状況でございます。これはいわゆるシーレベルの問題でございませんで、坑道の延距離でございます。会社の計画では、御承知のように全体として四カ月程度を見ておるわけでございますが、いま申し上げましたように、逐次水を揚げてまいりまして進んでいきますと、坑道がどうなっているかという状況、これがまだ現段階ではわかりませんので、それによって期間はかなり左右されると思いますが、御指摘のように安全は最大限に確保し、留意しながら、しかし迅速に取り明け作業を行うよう、現地の監督局にもそのような指導を行うよう指示いたしております。
#9
○古賀委員 私、先ほども申し上げましたように、まだ収容されてない御家族のお気持ちを察しますと大変胸が痛むわけであります。どうかひとつ、いま御説明を伺ったとおり、安全を確保しつつ敏速に収容を急いでいただくことを重ねてお願いを申し上げておきます。
 ところで、本年の八月でございますか、石炭鉱業審議会第七次答申では二千万トン体制の維持が打ち出されておりますのは御案内のとおりでありますが、今回の事故を見るにつけ、やはり何が何でもこの二千万トンの生産というやり方にどうだろうか、無理があるのではないかというような意見が出てきているのも事実でありまして、むしろ価格的にも、御承知のとおり一般炭はそれほどでもないにいたしましても、原料炭においてはまだかなり価格の安い海外炭にもっと依存すればよいではないか、もっと海外炭をよけい輸入すればいいのではないかというような意見があるのも事実でございます。
 しかし私は、今後の総合安全保障の立場から考えた場合、その一つの柱でありますエネルギー問題というものを考えるときに、わが国の唯一のエネルギー資源であります石炭でありますだけに、今回のこの第七次答申の二千万トン体制の維持というものには大変意義があると考えているわけであります。そういう意味で、二千万トン体制の維持というものは、それだけの意義があると思いますだけに、生産に当たってはどうしても、これは当然過ぎるほどの当然でありますが、あくまで保安第一というものを大前提として行うべきではないか、考えるべきではないかというふうに思うのですが、その点につきまして部長にお聞きしたいと思います。
#10
○福川政府委員 先生御高承のとおり、第七次の石炭政策におきましては、内外の石炭をめぐります諸環境の評価から出発をいたしておりまして、二度にわたります石油危機以後石炭の環境はかなり好転をいたしておるわけでございます。石油ももちろん相当の値上がりをいたしましたし、また海外の石炭もそれなりに価格が上昇してまいりまして、国内の石炭の競争条件は、もちろんまだ自由に市場条件で競争し得る状況ではありませんが、かつての状況から見ますと、かなり好転をしてきているという評価が与えられるのではなかろうかということが、答申の考えのまず基本の認識であったと思います。
 それを前提にいたしまして、もちろんこれから奥部化、深部化するというような状況がございますが、いま先生のお話のように、国内資源としてのエネルギーの安全保障の立場から、当面現在程度の生産水準を維持していくということは、いまの考えられる国際競争の条件より悪化させないで維持していけるということは、石炭鉱業の合理化努力あるいはユーザーの協力、それに政府の支援ということがあれば可能であろうということで、当面現在程度の生産の維持を基調としていこう、今後さらに需給環境等が改善をいたしますれば、あるいはまた石炭企業の体質を改善させていけますれば、増産の可能性もあり得る、そのためにたとえば消滅鉱区の再開発等を考えていこうではないか、こういうことであったわけでございます。したがいまして、将来においては二千万トン程度の生産も期待し得るという評価をいたして、それを前提にいたしまして政策体系をつくり上げることを提案いたしておるわけであります。
 しかしながら、保安の点は先生の御指摘のとおりでございまして、この答申の中でも保安の確保は石炭生産のすべての基礎であるということを強調いたしておるわけでございまして、保安を無視してしゃにむに二千万トンを強行するというのは適切でないという点は、先生のお気持ちのとおりこの答申に出ているというふうに思うわけであります。したがいまして、私どもとしても、今後の石炭鉱業の生産に当たりましては保安を第一として、そしてさらに現在程度の生産の維持を基調としていくという方向で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#11
○古賀委員 いま石炭部長の説明の中にもありましたように、四十八年の暮れと五十二年、わが国は二回にわたりまして石油ショックを受けたわけでございますけれども、それ以来わが国は政府の御指導もありまして、国民の大方の理解と協力を得まして省エネに努めてまいったところであります。同時にまた政府を中心といたしまして、代替エネルギーの問題についても積極的に取り組んでまいっております。太陽熱や地熱等の新しい技術開発等に積極的に取り組んでいることは私も認めるところであります。しかし、いまもお話の中にありましたように、今後のエネルギー資源として考えた場合、やはり一番頼りになると申しますか一番ウエートを占めるのは私は石炭ではなかろうかと思うのです。
 この一番大きな要素は、今日までの石炭が果たしたエネルギー源としての実績、そしてまたいろいろな資料等で説明されておりますが、恐らく埋蔵量にいたしましても石油の四倍ぐらいの埋蔵量があるんではないか、そういったこと、そしてまた価格等から考えた場合も、どうしても今後わが国のエネルギーの中に占める石炭のウエートというものはますます増大してくる、そしてまた重要なものだということを考えていかなければいけないと思っております。
 こういった中で、いまお話がありましたような国内炭の安定的な生産の維持とあわせまして、海外炭の長期的な安定的な確保をどう進めていくかということが、私は非常に大事な問題として今後検討されていかなければいけないのではなかろうかと思っております。そういった中で、政府といたしましては海外炭の長期的な確保についてどのような措置を講じていこうとしているのか、お聞きしておきたいと思います。
#12
○福川政府委員 先生の御指摘のとおりに、代替エネルギー、石油にかわりますエネルギーの開発というのは、わが国にとりましてもあるいは世界経済の安定にとりましてもきわめて重要な課題でございまして、いま御指摘のとおりに、石炭を確保いたしますのに国内炭の供給確保と海外炭の供給の確保、これの調和の上に立って石炭の確保を図っていかなければならないというふうに思っております。当面は石油がかなりのウエートを占めますから、石油の開発、供給確保あるいは備蓄といった政策をもちろん並行していかなければならない点は申すまでもございません。
 海外炭に関して言いますならば、私どもも、先生の御指摘のような観点から、この一月以来、海外炭の確保のあり方を、関係者の方にお集まりいただきましていろいろ御議論をいただきました。
 ポイントといたしましては、一つは地域的な供給源の多角化を図るということでございます。現在は過半のものを豪州一国に依存をいたしております。もちろん、豪州もこれからも重要な供給源になることには変わりはございませんが、それなりの安定性を確保するということからいいますと、石油の教訓にまつまでもなく、地域的な分散化を図るということから、中国、カナダあるいはアメリカといったあたりへの多角化を図るというポイントが指摘をされておるわけであります。
 二番目は、低品位炭の利用拡大によります利用炭種の多角化でございます。先生御指摘のとおり、現在石炭は約二百三十年分ほど世界的にあると言われておりますが、その埋蔵量のうちの三割程度は低品位炭であるわけでありますが、今後石炭の供給確保を図っていくためには、利用技術の開発を図っていくということを進めながら、利用の範囲を拡大していくということが安定供給につながるという視点から出た提言でございます。
 それから三番目は、私どもは一般にコールチェーンシステムと称しておりますが、海外の鉱山から港へ出します施設、さらに港湾、海上輸送、それから日本での受け入れ施設、受け入れ施設から消費地への輸送、さらに消費地におきます公害防止あるいは灰の処理といった一貫したシステム的な体制をつくるということが非常に重要である。この三つの視点が提言されておるわけであります。それを、民間の活力を使いながら政府としても所要の支援を行っていく、こういうことで海外炭の確保を図っていこうということでございます。
 私どもといたしましても、このような提言を踏まえまして、探鉱資金の低利融資でございますとか開発資金の債務保証、開発銀行あるいは輸出入銀行等の助成措置というようなことを組み合わせながら、国内炭の供給との調整を図りながら海外炭の確保についての支援活動を助長して、海外炭の安定的な供給の確保に遺漏なきを期したいと考えております。
#13
○古賀委員 いまの石炭部長の説明の中にもありましたように、石炭の確保と同時に、もう一つ大事なことは、今後石炭の利用の拡大を進めていくことが必要だと私は考えております。そういう意味で、石炭のガス化の問題、液化等石炭利用技術の研究開発はこれからのきわめて重要な課題だろうと私は思うのでございます。今回、不幸にして日、米、独の共同プロジェクトであったSRCIIの問題がアメリカ、西ドイツ等の国内的な事情で、ことしの八月十四日でございますか正式に中止の決定を見たわけでございますが、私としてはこれは大変残念なことだと思っております。しかし、わが国としては、ただいま申し上げましたような観点から、どうしても引き続き石炭利用技術の研究開発というものを推進していく必要があると考えております。
 そういった中で、この研究開発の現状と見通しというものについてどのようにお考えになっているか、お伺いしておきたいと思っております。
#14
○福川政府委員 石炭の利用を図るという点にはいろいろの観点があると思っております。もちろん、石炭は固体でございまして、流体のエネルギーと違いましてそのハンドリングが困難であるといった取り扱い上の問題と、さらにこれを利用いたします場合の公害あるいは効率的な燃焼といったような視点等があると思っております。
 このような観点から、当面の必要な技術対策として、まず燃焼面では、たとえば流動床燃焼をする、あるいは石油とまぜましたCOMの利用の拡大を図る、さらにハンドリング技術等の改善をするといったような点がございますし、それからまた、石炭火力発電所というようなことで、電気エネルギーに変えてまいります形態におきましても、たとえばばい煙の処理あるいは脱硫、脱硝、さらに集じんといったような技術開発を進めておるわけでございます。さらにいま御指摘のとおりに液化あるいはガス化、これは固形エネルギーを流体エネルギーに変えるということで、これはユーザー面においても、あるいはまた輸送面においても画期的な効果を発揮するものでございまして、国産技術といたしましてサンシャイン計画ということの中で、まだ規模は小そうはございますけれども、日本にとって非常に重要な問題であるというふうに思っておるわけでございます。
 いま御指摘のとおり、日、米、独の液化プロジェクトは、予想を超えますコスト増大によりまして中止のやむなきに至りましたが、そのほか、たとえば褐炭におきます液化のプロジェクト、あるいはアメリカとの共同でやっておりますほかのプロジェクトもございます。さらにアメリカあるいはドイツは、そのほかにも幾つかのプロジェクトを進めておるわけでございます。
 そのように、日本の国産技術でありますサンシャイン計画とともどもに国際的な研究開発協力ということをねらいまして、今後、あるいは液化、さらにはガス化、これを一九九〇年代あるいは二〇〇〇年に向けて十分技術開発をしていくということが重要な視点である点は御指摘のとおりでございまして、先生の御意見を体しまして、私どももこの問題には意欲的に取り組んでまいりたいと思っております。
#15
○古賀委員 ただいま説明をお聞きいたしましたが、そういった広範囲におきます石炭の利用、研究開発というものについては、どうかひとつ積極的に取り組んでいただきたいというふうに考えております。
 限られた時間でございまして、私の時間がありませんので、最後にこれはもう一度大臣にお尋ねをしておきたいと思っております。最初の御答弁の中で大臣もちょっと触れておりましたけれども、今回の夕張新鉱の再建の問題でございます。
 大臣も御承知のとおり、私は炭鉱の町であります大牟田市の出身でありまして、また大臣も、かつては筑豊炭田の中心でありました田川の御出身であります。それだけに、わが国の石炭鉱業に対しまして大臣は非常に深い関心と御理解をお持ちであるというふうに私は理解をいたしております。
 炭鉱の閉山が地元に与える影響の重大さというものは、そういった地域の者でなければわからないいろいろな面を数多く持っているのではなかろうかと私は思っております。もし仮にこの夕張新鉱が閉山になると仮定しますと、地元の地域社会が崩壊をしてしまうということは言うまでもないことでございます。
 そういう意味で、これまで幾たびか北炭の危機というものは叫ばれてまいりました。特に、たとえば本年三月の再建に当たりましても、北海道庁が七億円、夕張市そしてその地域の住民の方々が本当に血のにじむようなお金を出し合って六億五千万円、そういった多額の支援をもって、今回の北炭の再建に大変な強い要望を持って当たってきたという過程をも私は承知いたしております。そういう意味で、私は、今回の災害に対して行政当局の最高責任者としての大臣の素直な、率直な、再建に対する御意見をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#16
○田中(六)国務大臣 御指摘のように地域住民、夕張市約四万一千人の人口がおるわけでございますが、与える影響というものは非常に大きいわけで、古賀委員も大牟田市出身でございますし、私も筑豊地帯の出身で、痛いほど、地域住民のそういうものに対する関心はだれよりも熟知しているつもりでございます。したがって、この炭鉱の再開ということにつきましては、私も自分で皮膚で感じておりますし、まあ同じような夕張市民の気持ち、それをそのまま受け継いで対処していきたいというふうに考えております。
#17
○古賀委員 時間でありますので終わります。ありがとうございました。
#18
○森中委員長 中西積介君。
#19
○中西(績)委員 私は、北炭新夕張鉱問題につきましては後で塚田委員の方から詳細にわたって質問を申し上げますので、これを外しまして、一般的な質問を申し上げたいと思います。
 そこで、まず第一は、去る八月に策定をいたしました昭和五十七年度石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計概算要求について質問を申し上げたいと存じます。
 まず第一点は、石炭勘定の歳入額、原重油関税収入が千三百六十四億円、そして剰余金等が一億円で、計千三百六十五億円で歳入額を決定しています。そこで、この財源については、特に関税収入面から見ますと不安材料がたくさんあるわけでありますけれども、まず本年度の分からお聞きしたいと思いますが、五十六年度予算の歳入額と現状から見た不足額推計額、この点を明らかにしていただきたいと思いますし、もし不足額が生じた場合、これから後どう対応していくのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
#20
○小松政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘の、今年度の石炭勘定関係の歳入の見通しでございますけれども、御指摘がございましたように、確かに最近、代替エネルギーの開発導入、それから省エネルギーの推進、さらには内需が相当沈滞しておるということで、石油の輸入量が相当落ち込んでおります。そういう意味で、当初予想いたしました額に比べて原重油関税収入は相当落ち込むのではないかというふうに思われますけれども、現段階でどの程度落ち込むかという点については、まだ見通しを私どもとしても決めておりませんし、この段階で幾らぐらい不足するということを申し上げることはまだできない状況でございます。いずれにいたしましても、相当減少することは確実でございます。
 ただ、五十六年度の予算につきましては、特会の総則でも、まず石炭勘定の方を先取りして繰り入れるということを決めておりますので、五十六年度の予算の執行についてはそう心配はないのではないか、かように考えております。
#21
○中西(績)委員 いまのお答えでは、減少することについては恐らく間違いはないであろうけれども、それを具体化することについてはできないということでありますが、最後にお答えいただきましたように、石炭勘定を優先するというこの考え方については、従前から論議の過程でも確認をしてきたことでありますので、この点だけは今後変更ないよう、ひとつ努力をしていただくよう要望しておきたいと思います。
 そこで、五十七年度の要求額、この財源見通しは、五十六年度減少することが必至であるということからいたしますとどうなっていくのか。いま立てられておる原重油関税収入千三百六十四億円、これに向けての見通しが果たして可能かどうか、この点についてお答えください。
#22
○小松政府委員 五十七年度の概算要求の段階での収入見通しの基礎といたしましては、一応今年度の石油供給計画を前提といたしまして計算をいたしております。そういう意味で、石炭勘定は非常に苦しいわけでございまして、そういう中で石炭政策を進めるということでございますので、考え方としては従来の路線でやっておりますが、石炭政策の充実という観点から、どうしても石炭勘定で十分財源措置がとれないような面もございましたので、たとえば埋蔵炭量の調査というようなものは石油代替エネルギー勘定で見るとか、そういう工夫をいたしまして、現在大蔵省に対して概算要求をしておるわけでございます。その概算要求の中身としては、石炭対策を充実するという観点から、十分その対策の推進ができるような予算を現在大蔵省に要求している段階でございます。
#23
○中西(績)委員 そうした面で見通しが確かに――石油供給計画、それに基づいてその中から財源を見通し、そして石炭の政策充実ということを重要視してやっておられるということでありますけれども、私が一番懸念するのは、いま挙げられておる石炭勘定の歳入額、この点が確保できるかどうか、このことが一番懸念するところであります。この点、少なくともこうした内容でもって措置できるという確信をお持ちかどうか、この点をお聞かせいただきたいと思います。
#24
○小松政府委員 来年の石油の見通しというのは、予想がなかなかむずかしいわけでございますけれども、少なくとも、現段階が原油の輸入という面から見ますと一番厳しいのではないか。来年以降の見通しは、そういう前提で、私どもとしては今年度に比べましては若干、もうちょっと楽観的な見方をしております。ただ、そういう場合でも問題が起こらないように、概算要求の段階での原重油収入は一応かた目の見積もりをすると同時に、その勘定の中でなかなか対策費を織り込めないというものには、理由のつく限り他の勘定の中に計上するというようなこともいたしまして、現在概算要求を大蔵省にしているわけでございまして、この要求額については、私どもとしては今後の見通しとして十分可能であるというふうに考えております。
#25
○中西(績)委員 この関税収入はかた目に見積もり、そして可能であろうということをお答えいただきましたので、私もこうなってほしいという願望を持つものであります。
 そこで、問題は歳出額、概算要求の中身を見ますと、これから後財源問題あるいはゼロシーリング、さらに行革絡み、こうしたことでもって大変厳しくなってくるのではないかと思いますけれども、いまそうして財源が大体確保できるという確信をお持ちのようでありますから安心はいたしますけれども、大蔵省では大変厳しく見積もっていく可能性もありますし、そうなってまいりますと、大蔵省の査定は、これから後、いま出されておる概算要求の歳出額で大体とまるであろうかどうか、ここら辺の見通しについて……。
#26
○小松政府委員 現在大蔵省と折衝中でございまして、まだ大蔵省の方から最終的な査定の方針というようなものは示されておりません。ただ、私どもが今回織り込みました対策は、七次答申の線に沿いまして石炭対策を今後とも充実していくという観点に立っておりますので、ぜひこの要求案は実現してまいりたい、こういう心構えで今後とも大蔵省と折衝してまいる所存でございます。
#27
○中西(績)委員 まだ最終的な段階に入っておりませんから、そうした問題について詳しくはできないと思いますけれども、この点は特別会計でもありますし、そうしたことからして、いまより以上これを減額するということになれば石炭政策は大きく狂うわけでありますから、この点は最後までがんばってほしいと思います。
 そこで、五十七年三月三十一日に石炭石油の特別会計法が期限切れになるわけでありますけれども、これから後の日程なり、あるいは具体的にはどう措置をされるのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
#28
○小松政府委員 私どもは、現在予算要求をしている段階では、現特別会計法が今後ともむしろ継続されるという前提のもとで、それから考え方につきましても従来路線で、一応対策のための収入その他は可能であるということで現在概算要求をいたしております。ただ、今後とも事態はどんどん変わってまいりますので、最終的には今後大蔵省と予算を折衝し、来年度予算が確定する段階でそういう特別会計のあり方についても相談をしていきたいと思っております。少なくとも概算要求段階では、現状の方針で何とか石炭対策はやっていけるというふうには思っております。
 そういうことでございますので、今後大蔵省との折衝の過程を通じまして、来年度以降の特別会計のあり方についても対策を充実する方向で検討していきたい、かように考えております。
#29
○中西(績)委員 いままでこれが不足する場合には一般会計からということもありましたけれども、特別会計としてこれを措置してあるので、その枠内でしかいままで施策がなされてこなかったわけですね。したがって、この特別会計法は、これから後財源が厳しくなればなるほど、そしてさらに一般財源がいまのような状況になってくれば大変厳しくなってまいりますから、この点は、特に期限の延長並びに内容の充実、そうしたものすべてを含んで、この延長方、促進をしていただくよう強く要請をしておきたいと思います。
 そこで、次に鉱害対策の問題について質問を申し上げますけれども、先般から長期にわたって調査をいたしておりました残存鉱害量の調査結果、これはどうなっておるのか、簡単にお答えいただきたいと思います。
#30
○福川政府委員 お尋ねの、全国の鉱害量調査につきましては、五十四年度の初めの時点で調査をいたしまして、それで関係市町村あるいは有資力炭鉱等から提出されました調査票をもとにいたしまして、石炭鉱害事業団の協力を得てことしの六月末にこの概略を取りまとめたわけでございます。それで、五十四年度初めの鉱害量といたしましては約六千六百七十億円程度というふうに判明をいたしたわけでございます。もちろん、その後、五十四年度、五十五年度、さらには五十六年度で鉱害の復旧工事等を行っておりますので、現在時点では、これよりもう少し減ってはおりますが、五十四年度初めの時点では約六千六百七十億円程度ということでございます。
#31
○中西(績)委員 いま言われましたように六千億を超える残存鉱害量、このことが確認できたということになれば、それに基づいて、いま行われておる石鉱審鉱害部会での討議、この進捗状況はどうなっておるのか、そしていつごろこの答申が出てくるのか、この点どうでしょうか。
#32
○福川政府委員 鉱害部会におきましては、六月三日、通商産業大臣より石炭鉱業審議会に対しまして、今後の鉱害対策のあり方を中心に諮問があったわけでございますが、現在まで六回にわたって審議をいたしております。その間、八月には九州におきまして現地視察を行う、あるいはまた被害者など関係の方から意見聴取をさせていただくというようなことで、これまで六回にわたりまして鉱害対策全般について御審議をいただいたわけでございます。
 今後の予定でございますが、鉱害部会で答申の起草のために小委員数人をお願いをいたしまして、これから起草に入るところでございまして、これまでの審議内容を踏まえながら、今後答申を作成していただくということでございます。
 最終的な答申のスケジュールはというお尋ねでございますが、私どもとしては、最終的には本年中に答申をいただく。それで来年の七月に期限が参りますが、それに備えまして所要の法的な措置等の準備に入らねばならないというふうに思っております。
#33
○中西(績)委員 いまのお答えなり、そして前回からの本委員会における討論の中身からいたしましても、大体臨鉱法あるいは賠償法すべて延長するということを前提でいま検討が進んでおるものと確認をしたいと思いますが、この点はよろしいですね。
#34
○福川政府委員 もちろん、まだ審議会で御討議の最中でございますので、その結論を私どもの方からこうなるであろうと申し上げるのは差し控えたいと存じますが、現在、いまだかなりの残存鉱害量が残っておる、こういう前提で今後の施策のあり方ということを考えているということから考えますれば、私どもとして、これは推測の域を出ませんが、恐らく延長という方向が織り込まれた形でおまとめになられる雰囲気で審議が進んでおるということを申し上げさせていただきたいと思います。
#35
○中西(績)委員 審議がいま進められておるということになりますが、その際、いままでの経過、そして総括の上に立っていまこうした論議が進められておると思います。そこで、もし延長する場合の問題点の整理はどのようにされておるのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
 特に、いままで出てきた多くの問題があるわけでありますけれども、たとえば有資力関係が非常におくれておる。これについてこれからどう措置をするのか。あるいは金賠済みのものが関連の事業でさらに復旧される場合とされない場合、あるいは赤水湧水の場合、あるいは農地、家屋の追加工事。さらに山林原野、いま臨鉱法では対象外になっておりますけれども、人家に近い場合には大変危険な内容等もあるわけでありますから、こうした山林原野を対象にするのかしないのか。さらに、現状では鉱害処理体制が非常に弱いと言われています。行革問題との絡みもありますけれども、仕事がある以上これはしなければならぬわけですから、そうした処理体制問題。さらに地方公共団体に鉱害復旧についての財政負担が物すごくのしかかっておるという現状があります。地方財政の圧迫は大なるものがある、こういうことが多く聞かれております。まだ挙げればたくさんありますが、こうした問題等を含めて、どのように整理をしていっているのか、お答えください。
#36
○福川政府委員 鉱害部会におきましては、いま鉱害関係で各方面から指摘されております問題点、これは現地での御要望等も踏まえまして広範な分析、検討をしていただいておるところでございます。
 まず鉱害量の調査結果とその分析の評価ということが一つの大きな問題になっておるわけでございますが、いま申し上げましたように、六千億を超える鉱害量があるということから、今後の対策をいかにすべきかということが一つの基本として出てくるわけでございます。さらにまた、御指摘のように、復旧対象がどういうことになるかという問題もございます。具体的に御指摘がございました幾つかの問題点ももちろん検討の対象として検討していただいております。まだ審議の途中でございますので、その方向がどうであるかということは差し控えさせていただきたいと思いますが、その幾つかの問題点につきまして、法律的な観点あるいは現状の評価といったあたりからいろいろ詳細な検討をされております。
 さらにまた、復旧の体制につきましていま先生から御指摘がございましたが、この復旧の体制はどういうことが一番合理的であるのか、もちろん、予算上の制約あるいは事業団としての能力その他いろいろな問題が出されておりますが、そういった復旧体制についての問題をどう評価するかという問題がございます。さらにまた、復旧の手続等につきましてのいろいろな問題点もございます。こういった幅広い観点からいま御審議をいただいておるところでございます。
 また、その過程で、いま有資力関係の鉱害の復旧がおくれているのではないかという御指摘がございましたが、もちろん、そういった有資力の鉱害賠償のあり方、現在ございます法律的な諸制度、さらにまた鉱害賠償資金等の融資制度といったような問題も含めて、そういった助成制度も議論をされておるわけでございます。
 いま申し上げましたようにそれぞれにいろいろな問題点がございますが、いま申し上げたような形で整理をして、これから答申に向けてその方向性が出されていくというふうに思っております。
#37
○中西(績)委員 私は先ほど例を挙げて申し上げましたけれども、そうした諸問題も含めて検討されておる、こう理解してよろしいわけですね。――延長する際にはそうした多くの問題か欠落をしないように十分対応していただくよう、事務当局の方からも審議会の鉱害部会に対しまして要請なり何なりを強めていただく、こういうことを要請をいたしておきたいと思います。
    〔委員長退席、岡田(利)委員長代理着席〕
 そこで、概算要求を見ますと、石炭鉱害事業団出資金が十二億八千万円。昨年は六億です。倍額になっています。さらにまた融資事業規模六十九億。これも拡大をされておりますし、金利は、本年度三・五%を概算要求ではゼロに、期限についても五年を十五年にというように有資力に対する助成措置を相当考えられておる。このことは、結局先ほど申し上げたように大変なおくれをとっておるということを意味すると思います。したがって、私は、このような助成は有資力関係の年次計画のおくれを取り戻す施策として重要だと思いますけれども、この程度で波及効果がどれだけあるのか、拡大できるかと思うのですが、数字的にある程度明らかにできますか。
#38
○福川政府委員 今後の制度の延長の過程の中で有資力の鉱害の復旧ということをどのように促進をしていくべきかという点は、さらに鉱害部会でも御議論があろうかと思いますが、私どもといたしましては、とりあえず、いま委員も御指摘のとおりのことで鉱害賠償資金の融資条件の改正の要求を出しておるわけでございます。もちろん、融資制度ということでございますから、鉱害の賠償の処理にいますぐどういうふうな効果をもたらすものであるかということを定量的に算定をいたすことは困難ではございますが、最近、有資力の賠償義務者の中には、経理内容等から見まして鉱害賠償資金の捻出に困難を感じておる企業がございますので、こういった企業の鉱害の復旧を促進いたしますために、こういった融資に当たりまして、条件をある程度改善をいたしながらも、復旧の促進をその過程の中で企業に要請していくということで復旧の促進を図りたいというふうに思っております。
 先ほど予算についての委員からの御論議がありますように、今回の予算要求というのは一般的に言えばかなり苦しい問題がございまして、今後予算折衝の過程でこのような条件改定が認められるかどうか、まだ予算が大詰めの段階まで来ておりませんので予測はむずかしいと思いますが、私どもといたしましては、できる限りこれの条件改定、融資規模の拡大の実現を図ってまいりたいと思っておるわけでございます。
#39
○中西(績)委員 石炭産業については私たちこうした公的なものを追求すべきではないかという質問をいたしますけれども、私企業でということがいままで絶えず政府答弁として出てきておるわけであります。そういうことになってまいりますと、法的には企業責任としてこれは明確にしなければならぬわけですから、そうした際に、うんともうけているときには、他の産業にどんどん手を出したり何かして事業拡大までしていっておるのに、こうなってまいりますと、これができないということで住民の多くの皆さんに大変な迷惑を及ぼしておる、このことを私は許すことはできないと思うのです。
 したがって、このようにして一定の資金援助なりあるいは融資制度なり、いろいろなことでの助成措置はいたしますが、それがどのように波及するかということを考えずにこうした措置をしていくと、ますます甘えの構造が強まるのではないかと私は思うわけであります。したがって、こうした点をある程度予測しながらこうした措置をとらないと、将来にかえって禍根を残すことになりはせぬかということを考えるわけであります。したがって、この点については、将来的に十分そうした波及効果なり拡大がどう進んでいくかということあたりを追跡しながらこの点は拡大をするなら拡大をする、さらに鉱害のおくれを取り戻させる、こうした点を明らかにしていく必要がありますだけに十分留意していただきたいと思うわけであります。この点、決意を言ってください。
#40
○福川政府委員 有資力の賠償資金につきましては、石炭の操業中のものあるいは終閉山はしたけれども、関連部門の収益を回しているもの等があるわけでありますが、いま先生お話しのとおりに、それぞれの会社内で鉱害の方に資金を回していく、そして鉱害の復旧を促進させていくということで、こういった助成制度というのはそれなりのインセンティブを持つというふうに思うわけでございます。私どもといたしましても、この有資力の鉱害の復旧という点については十分意を用いるべきものと認識をいたしておりますので、今後その助成制度の運用に当たりましては、有資力の鉱害の復旧事業につきましては、万全を期すように対応してまいりたいと思っております。
#41
○中西(績)委員 次に、私は、産炭地振興対策問題について二、三の質問を申し上げたいと思います。
 その中で、先ほど私が申し上げましたように、現状では鉱害等につきましても資金の捻出が困難だというようなこと等が出てきておりますと同時に、全体的に見ますと、産炭地域振興対策を遂げていくために、こうした企業の論理というのは、そこで利益をうんと上げ、自分だけもうければいいというものが貫徹されておる、このことをまず私たちは十分認識した上でこうした問題を論議する必要があるのではないかと思っています。
 と申しますのは、大体全般的に見ますと、大企業が進出をしてきた特に筑豊あたりを見てみますと、資本の利潤追求だけであって、そこには何も残っておらないというのが実態です。戦前における人間無視、そうした中でのエネルギー生産、それを中心にして収奪をしていった、と同時に、今度はようやく人間を回復できる条件が戦後になって生じてきた、一定のところまでいこうとした途端に今度は国の施策によってこうした問題が、エネルギー転換という名によって炭鉱をつぶされてしまうという状況が出てきた。ですから、市町村段階で申しますと、依拠する率を見てみますと、五〇%以上その産業に依拠した市町村が大部分であるわけです。多いところでは六〇%をはるかに超えるところだってある。それが一挙に壊滅状態になったわけでありますから、そこには何も残ってない、ということになれば一必然的にそれをどう興していくのか、再生を求めるのかという場合に、これから立てる基本計画あるいは実施計画はどうした基調を持ってこれからやらなければならぬかということが大変重要な課題だろうと私は思うのです。
 この前、この法律策定に当たっての論議の過程の中でも私たち相当論議をいたしましたけれども、とうとう最後までかみ合わずに終わりました。特に私が申し上げたいと思いますのは、そうした状況の中で行われておる基本計画、実施計画――先般の討論の中でも要求をいたしましたように、法の一条、二条というところで、文化、教育、こうしたものをやはり条文の中に入れるべきだということを私は主張しました。その理由というのは、いま言ったように、資本の論理そのもので追求をして、そして今度また再び同じような資本の論理でこれを立て直そうとしたって、この回復あるいは再生はおおよそおぼつかないであろうと考えたからであります。大臣が言う自助自立の精神構造というのは、そうした基盤なしには絶対にでき得ないと私は思うのです。
 こうしたことを考え合わせていきますと、法は確かにできたけれども、これからつくられるであろう基本計画あるいは実施計画の内容、そうした基調が資本の論理で貫かれていくということが再び行われていった場合には、私はとうてい不可能だろうと思います。
 ですから、これは後にかかわる問題でもありますけれども、たとえばそれぞれ各地域での経済生活圏の設定等につきましても、筑豊で言うならば北九州あるいは福岡、こうした経済圏との関係の中で経済生活圏を設定しようとしている。ところが、先ほど私が申し上げたように、経済一点張りの論理からする北九州あるいは福岡の位置づけは、経済管理都市としての位置づけしかないわけですね。ここに起爆的なあるいは牽引車的な役割りを果たさせようとしても、私は不可能だろうと思うのです。われわれがいま論議をし、その地域に助成措置をする、そのすべての財政措置というのは、経済の論理から言うならば、そうしたところにむしろ今度は逆に吸収されるという論理しか成り立たないだろうと私は考えるわけです。
    〔岡田(利)委員長代理退席、委員長着席〕
 しかも、こうした地域における人口の構造からいたしましても、戦前、戦後における状況からいたしましても、安い労働賃金、そして筑豊の場合には安い石炭をということでもって、斤先掘り、下請、そうしたものによってこれが行われてきて、ちょうどそこに集中されたのは朝鮮人であったし、部落大衆であったし、そうしたものの重層的な構造の中においてこの問題をどう再生させるのかということになれば、一元的な、画一的な経済の論理のみによってこれを回復させることはとうてい不可能だと私は思うのです。
 こうしたことを考えますと、何としても、いま立てられておる基本計画、実施計画の策定というのは、従来のような経済優先の画一的な計画で再生を図ろうとしても困難だ、このことをまず基底に置いた中で物を発想するということがなければとうてい不可能であろうと思うわけです。ということは、たとえば筑豊の場合の特性を十分認識した上で実施をしなければとうてい困難だと私は考えます。
 そうした意見を私は持っておるわけですが、いまそうしたことは、この基本計画あるいは実施計画を策定するに当たってどのように考えられておるのか、さらに各省庁間ではそうした問題がどう計画され検討されておるのか、この点についてお答えいただきたい。
#42
○福川政府委員 いま先生御指摘のとおりに、この産炭地域振興臨時措置法の延長の過程におきまして、今後産炭地域の社会的な疲弊をいかに回復していくかという点がいろいろな観点から御議論がございました点は、私どももよく認識をいたしておるところでございます。現に当委員会におきましても、附帯決議におきまして、そういった今後の生活圏を定めるに当たって、あるいはまた今後の発展の方向を見出していくに当たりまして、地域社会の調和のとれた浮揚が可能となるように考えていけという御指摘があった点は、私どもも十分認識をいたしておるところでございます。そのために、経済生活圏の発展計画、地域で自主的に考えてまいります発展計画との整合性を勘案しながら必要な見直しを行って、実効性を確保するようにという御指摘があったわけでございます。
 いま先生御指摘のとおりに、終閉山が相次ぎまして産炭地域が疲弊した。したがいまして、経済、社会的にもいろいろ問題があるということでございまして、所得水準が非常に下がった、あるいは失業状態が起こる、こういうことを回復するには、一つの大きなポイントは、そこに将来発展性のある産業を誘致して雇用機会をつくるということが一つの基本ではあろうというふうに考えております。しかしながら、そうかといって、経済一点張りでその地域の生活状態がよくなるということではないことは先生の御指摘のとおりでございまして、そのために、いろいろ公共事業等に関しましては、それぞれそのかさ上げ等の措置の対象の中に、経済部分だけではなくて、それぞれ生活に関連する部分あるいは福祉に関連する部分、こういうものを取り込んでいくべきであるという点はこの体系の中に盛り込まれておるわけでございます。
 さらに現在、経済生活圏の設定につきまして、各市町村あるいは道県の意見を聞きながらそれぞれ地元でその作業が進められておるわけでありますが、その上に立ちまして地域の発展計面がつくられていく。その発展計画の素案ができますれば、これを地域振興の基本計画あるいは実施計画の見直しの中に反映をしていくという仕組みでいま作業を進めておるところでございます。
 いま九州の事例を挙げられまして、北九州あるいは福岡をどのように筑豊への波及効果を期待していくかという問題も一つの大きな議論になっておるわけでありますが、それぞれの中核となるような経済的な活力あるいは文化的な活力を順次それぞれの周辺の市町村にも波及をしていく、こういう考え方はいま地元でもいろいろ議論をされておるわけでございます。もちろん先生御指摘のとおりに、すべてが資本の論理のものだけでは生活はよくならぬじゃないかという点につきましては、私どもも理解し得るところではありますが、失業の状態を改善していく、雇用機会を創出していく、その過程で生活環境も十分意を用いていくということで、この地域の総合的な発展の方向を見出していくということが必要ではなかろうかと考えておるわけでございます。
 現在地元でも、たとえば福岡県ではそれぞれの予算も準備をされて、相当膨大な検討組織をつくられて、発展計画を練っておられるところでございます。私どもも、それぞれ地方の自主性を尊重し、これは当委員会でもいろいろ御議論があり御指摘があった点でございますが、いまお話しのようなポイントも含めまして地方の自主性を尊重する形で発展計画がつくられ、私どもといたしましても、それを基本計画あるいは実施計画の中に吸収していくということで考えておるわけであります。
 各省庁間でどのようになっておるかというお話でございますが、私どもも、当委員会でも御指摘をいただきました点を尊重して、現在関係各省庁間の連絡体制を強化いたしておりまして、それぞれの連絡調整等は従来より増して緊密にいたす体制をつくり、現に作業をいたしております。それぞれ道県等がつくります発展計画をまだ作成中でございますので、これは今後出てまいりました段階で関係省庁とも十分相談をして、産炭地域の振興が非常に広い観点から整合的になっていくという方向でぜひ努力いたしたいと思っております。
#43
○中西(績)委員 取り入れてやっていくということでありますけれども、そこで大臣にお聞きした
 いと思います。
 私は、こうした経済生活圏域設定、そして先ほど九州の例を挙げましたけれども、北九州なりあるいは福岡ということに圏域を全部設定をしておるわけですが、むしろそうしたところをより主体的に、大臣がいつも言うようにその地域が自主的にどう再生をしていくか、それに向けて活力を与えるための施策というものをわれわれは考えていくべきではないか、こう私は考えます。
 そうした場合に、たとえば後では答えが出ると思いますけれども、時間がありませんから私の方で申し上げますけれども、経済生活圏域設定が、たとえば福岡で言いますならば有明を含めると四つということになるわけですね。そうではなくて、有明は一応別にいたしましても、筑豊という地域をそのように分けるのではなしに、そこをやはり一つの基盤にしてどう再生させていくか、このことが追求されるべきではないか。十年ということを設定すればするほど、そうしたものを強めていくということでなければ大変困難ではないかと私は思っております。この点、大臣どうでしょう。
#44
○田中(六)国務大臣 直接お答えする前に一言私の見解を申し上げておきたいのですが、中西委員の資本あるいは経済というものに対する考え方と私どもが大きく違うということを、私はいまのお話を聞いておって認識をさらに深めるのです。
 私どもは、資本とか経済そのものを収奪というふうに実は考えていないわけでございまして、資本そのものを収奪というふうに規定するのはマルクス、エンゲルスの資本論とかあるいは共産党宣言などには明らかにそういうことを書いておりますけれども、私どもは、資本というものはあくまでも一つのカウント、つまり勤労意欲、額に汗を流していくというところから貯蓄、それから節約、そういうものが自然と資本主義の一つの精神であるというふうに思っておりまして、わが自由民主党は、資本はただ単に収奪ということでなくて、それが結局大きく花を咲かしていくという考え方、そこが根本的に認識とか物の考え方がベースとして違うのじゃないかということを強く感ずるわけであります。
 それは別といたしましても、それなら筑豊地帯をどうするのだということでございますが、私も端的に申し上げまして自分のふるさとでございますし、このことについては、私自身、中西さんと同じ選挙区でございますし、地盤でございますので、あの地方をどういうふうに復興させていくかということについては、中西さんともども超党派的に考えておるわけでございます。
 したがって、具体的にはどうだということですが、産炭地振興法を十年延長いたしたわけでありまして、これは実施計画あるいはいろいろございますけれども、その法律の中に、私どもはやはりこれに依拠したものにふさわしいもの、これがある間にどうするか。十年延長しなくともいいんじゃなかったかという大きな声もございますけれども、これは審議会にかけた答申でございますし、その結果でいろいろな作用はあったとしても十年間延長、その間に、この期間中にこそ私どもは産炭地の振興というものをやっていかなくちゃいかぬ。
 やはりここには資本というもの、経済原理、原則というものを加味したものでなければ、おのずから――少なくとも、私とも計画経済あるいは共産主義経済でございませんし、自由主義の経済というものをとっておる限り、そこに利潤の追求――利潤の追求という意味は、私が言いましたように広い意味の利潤の追求でございますが、そういうもののない限り資本というものは逃げていくと思うのです。やはりそれをそこに定着させるのには、どうしても自助努力と申しますか、活発な一つのみずみずしい活力というもの、そういうものと結びついたものでなければできない。
 そういうものを勘案しますと、この十年間にどういうふうにしていくか。地域住民、地場産業といっても、石炭というものがなくなってしまった後それがあるわけでなく、そこに種をまき、それを実らせるということ以外にないわけでございまして、そこには資本の流入あるいはそれに似たものがなければなりませんし、そういうところで、それならどういうふうに定着さしていくかという問題でございます。
 これはその地方の一つのビヘーピアと申しますか、そういう気構えというものがなければならない、やはり自助努力というものを私は第一に置かざるを得ませんし、その環境づくりにこそ産炭地振興法の十年間延長というのがある。私は、やはりいまの経済体制では異例のことであると思います。その環境づくりイコール十年間の産炭地振興法の延長というのがありますから、その枠内でいかにして地域住民の人たちが対処していくか、それにはもちろん私ども政治家も、資本の流入、導入ということについて、それはもう少しわかりやすく言いますと、どういう企業を持っていくか、誘致するかというようなこと、幸いに、近くに日産の自動車産業が、これは私自身いま通産省を担当しておりますと、将来拡大の方向にございますし、いろいろな分工場、つまりすそ野の広い産業でございますので、その周辺をそういうことにする。そうなれば、また住宅もできるでしょうし、道路も整備しなければならない。そういうことによって非常に活況を呈するようにしなければならないというようなことで、筑豊地帯というものを、それは一部の考えでございますが、考えております。
 それからもう一つは、私ども全国的にいま展開しておりますテクノポリスの構想がございますけれども、これは筑豊地帯には今回選択の余地はない、率直に言って、決めておりませんけれども、直方に中小企業大学校というものを設置するということを、筑豊地帯の一部でございますけれども、これは私は私なりの考えがあって実は誘致したことでございまして、そういうものを中心に、ただ大企業とかいうことじゃなくて、いかに中小企業を、安定したものを誘致するかというようなこと。
 つまり筑豊地帯を一つの経済圏としてどういうふうな展開をするかということは、この十年間のうちに大きな自助努力をもって進めるということでやっていきたい、時間が限られておりますので、ほんの一部の私の考えを申し上げたわけでございますが、そういうような考えで進めていきたいというように思います。
#45
○中西(績)委員 討論する時間がありませんからなんだけれども、いま私の意見に対して資本は収奪でないということを言っていますけれども、花を咲かせるのだと言っておるけれども、筑豊に花が咲いただろうか、咲いてない。
 同時に、私は先般国政調査で荒尾市に行った場合に非常に強く感じましたのは、荒尾市の現状としていまだに中央公会堂もないという状況です。そうした疲弊した状況、ところがそれを聞いた三井資本の皆さんが三池で事情聴取をしたときに何と言ったかといったら、代表者の皆さんが言っておるのは、調子のいいときには考えつかなかった、いま気がついたけれども財政的不如意の時期になっております、こういう弁解をわれわれにしたわけです。このことをもってすれば、指摘をされて初めて気づくぐらいですから、いかに収奪の体制というのが強かったかということ、このことを具体的に示しておると私は思うのです。
 ところが、地場資本の場合の、北海道でいうならば釧路、太平洋炭鉱の場合見てください、あるいは宇部をあるいは常盤を見た場合に、中央資本とはうんと違いがあると私は思うのです。この点はやはり私たちは見落としてはならないのではないか、こう思うのです。この点はもう討論する意思はありません。
 そこで、時間が参りましたので、産炭地振興で、臨時交付金の中で五十六年度予算で事業促進調整額の配分がどうなっておるのか。そして概算要求では十二億五千万円ということに十一億から一億五千万円の増額がされておるわけでありますけれども、従来のように個々市町村の計画でなくて、経済生活圏域を想定した中でやはり効果を考えていかなくてはならぬと思うわけですけれども、そのことが昭和五十六年度予算交付金の配分の中で生かされておるかどうか、その点について、簡単でよろしいですからお答えいただきたい。
#46
○福川政府委員 特定事業促進調整額につきましては、現在、地方あるいは審議会で検討しております地域の発展計画あるいは振興基本計画及び実施計画、これを踏まえまして、その中に織り込まれる特定の事業を対象とする考え方をとっておるわけでございます。現在関係道県におきまして発展計画の取りまとめが急がれておるわけでございますが、私ども、これを踏まえましてこの調整額の配分を考えたいというふうに思っておるわけでございます。今年度の予算、通常、先生御高承のとおりに、この予算のかさ上げ等は次年度で精算されますが、これは年度内で執行するということになっておりますので、私どもできる限り急いで地方の発展計画をつくっていただき、それを基本計画、実施計画に織り込んで年度内の執行を考えてまいりたいということで、その点につきまして地方の考え方、広域発展計画がうまくいくような配分を年度内に実施をいたしたいと思っております。
#47
○中西(績)委員 いまお答えどおりぜひこれを早急に確定をしていただきたいと思います。
 そこで、地域特例補助金の削減等についてお聞きしようと思いましたけれども、時間がありませんから割愛をします。
 そこで、炭鉱離職者緊急就労対策事業費補助金として概算要求では六十六億三百二十八万円になっています。ところが、この対象人員が二千四百五十人から二千百人へ三百五十の減、特例措置四百人、特例措置の単価が百万ということでもって組まれておるわけでありますけれども、これとあわせまして、地域の開発就労事業についても三千二百人から三千百人、百人減になっておる。
 ところがこれを考える場合に、炭鉱労働者が年齢的にどう老齢化していったかということを考えてみますと、これは筑豊の例ですけれども、二十五歳未満の場合が一九五三年には二四・一%おったものが七〇年には四・一%になったわけです。五十歳以上になると逆転して六・九%が七〇年には二五・一%、こういうところで閉山になったわけでありますから、いま当然年齢がずっと高い者が残る、こうした事態はもう明らかであります。そして現状はどうなっているかといいますと、完全失業率を見ますと、全国で大体二・三です。これは古い資料でありますけれども、五十年ごろです。ところが福岡の場合には、筑豊でどうなっておったかといいますと五・二です。筑豊の内部に入ってみますと、最も高いところは二一・六%、そして低いところで一一%台。最も低いところでは八%台がございますけれども、大体一〇%を超えておるという実態です。
 それに比べて月間有効求人倍率はどうなっておるかといいますと、もらった資料からいたしますと大変小さな倍率にしかなってません。これを見ますと五十六年、最も新しいところで、全国平均〇・七六であれば筑豊は〇・二四、そして低い月になりますと〇・一六という状況があるわけであります。こうした状況からいたしまして、では今度は、年齢的に高年齢の場合どうなっておるかということを見てみた場合に、このことはさらに顕著になってくるわけであります。五十五年の十月現在で見てみますと、全国の場合が〇・七七。これが全体的なものでありますけれども、そうしますと、五十歳以上全国〇・五一の場合に筑豊の場合には〇・二二、五十五歳から五十九歳までが全国〇・二六が筑豊では〇・一一、六十歳以上〇・一六が筑豊では〇・一二という状況。こういうような内容から見ますと、特にこの地域におきましては、いつも私が申し上げるわけでありますけれども、地域特有のものとして同和対策事業なり鉱害対策、それから失業対策事業、こうしたものを含めて、これが中心的な労働者収容の場所になっておるわけであります。
 いま申し上げたような状況の中で、では雇用計画はどうかというと、七百七十企業を福岡県だけで誘致はしましたけれども、そこではほとんどわりあい若い女子雇用型であります。したがって、こういう地域ではそうしたものが当然であったために、いままでこのことが継続をされてきたと見るべきだと私は思います。そういうことを考え合わせてまいりますと、こうした緊就あるいは開就の問題について、いまこのようなきわめて厳しい条件がつけられておりますけれども、私は、こうした地域の特性というものを十分認識した上でこれからどう処置をしていくのか、このことをさらに厳しく追求をしていくのかどうか、この点についてお答えいただきたいと思うのです。
#48
○加藤説明員 筑豊地域におきます失業状態が全国的に見ましても非常に劣悪な状態にあるということは御指摘のとおりでございまして、そういうような情勢の中でいろいろ企業誘致等の努力もされてはおりますが、現時点においてまだはかばかしく進んでいないという中で、非常に失業率も高いあるいはまた生活保護率も高い、こういうような状況にあるわけでございまして、この炭鉱離職者のための緊急就労事業あるいはまた炭鉱関連企業離職者のための開就事業につきましても、たてまえとしてはそういう人たちに対する一時的な就労の場ということで開設をいたしまして進めてきたものではございますけれども、そういう他に就労の場がないというようなことで、今日なおこれを継続せざるを得ないというような状況にきておるわけでございます。
 しかしながら、特に緊就事業でございますが、すでに昭和三十年代にこれが開設をされまして現在までやってきております中で、次第に就労者も高齢化をしてきておる、あるいはまた、これが本来は一時的な就労の場でありながら固定化をいたしまして、他へ就労をしようとしないというような問題、あるいはまた、これが手作業的な形で行われておるというようなことに伴う事業の非効率の問題等々、いろいろ問題もございまして、先般の産炭地域振興審議会からも、引き続きその合理的運営を図るということで、合理的運営についての検討を要請されておるというような事情にもあるわけでございますし、さらにまた、先ほどから問題になっておりますように、石炭特会の財政状況も非常に厳しい状況になってきておる。こういうような情勢を踏まえまして、私どもとしても、いろいろそういう諸般の厳しい情勢の中でぎりぎり実施可能なものとして、またこの緊就、開就を継続する前提に立ちながらも、その合理的な運営を図っていかなければならぬ。
 こういうような観点から、いま先生おっしゃいましたような緊就事業について枠で三百五十人、人数にして四百人、また開就事業については枠で百人という減の要求をいたしておるということでございまして、具体的にどういう方たちがやめていただくというようなことにつきましては、今後就労団体等とも十分いろいろ話し合いをしていきたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、基本的な考え方は、もう相当高齢化した方もあるわけでございますので、そういう方たちを中心に、この際自立、引退を願っていきながらこの緊就、開就事業というものを産炭地振興計画の中にしっかり位置づけまして、本当に地域の振興に役立つ事業としてこれをさらに継続していく、こういう前提に立ちながら、なお合理化すべきものは合理化していく、こういうような構えで来年度進めていきたい、こんなふうに考えているわけでございます。
#49
○中西(績)委員 いま最後の部分で言われた産炭地振興との絡みの中でこれを維持していくということについては、また発展をさせるということについては異議がありません。ただ、条件としては、先ほど申し上げたように、私たちがこういう大変な地域であるということの認識をしておかないと、先ほど申し上げるように、そこにいる労働者の就労の状況というものが、三つの柱のうちの一つになっているというこうした中身であるということをぜひ御認識をいただきたいと思うのです。
 最後に、炭鉱保安の問題で、先般出てまいりました六月十一日、三池炭鉱の災害で六名の災害者を出すという結果を生じました。詳しくは申し上げませんけれども、こうした中で、私たちが直接現地、現場に入って見た場合、いろいろ多くの問題があると私は感じました。特に、保安日であったにもかかわらず果たして配役がされただろうか、現場のチェックがされただろうかという問題から始まるわけですね。そしてそこには対策が十分であっただろうか、断層あるいは亀裂、水つき、すべてのものに対して、枠の問題一つを取り上げても問題があるんではないか。あるいは作業指示、手順が的確に行われておるだろうか。さらにまた、無理な作業が行われたんではないか。断層のために払いがおくれておるということからして無理にされたんではないか。さらにまた、作業形態そのものの中に、一、二番の交代時間にそうしたコンベヤーの設置、原動機の取りつけなどを含めて、しかも残業時間帯の中で短時間に密度の高い作業を実施しようとしたのではないか。挙げてまいりますとたくさん問題があるわけです。
 こうなってまいりますと、その後結果がまだ全然報告されておりませんけれども、当時は警察の手が入ったとかいろいろなこともありまして遠慮しておったのですが、北炭の問題とあわせてこうした問題が続発をするということになれば、これらの問題についての対応の仕方がまた再考されなくてはなりませんから、この点について、現状のみについて報告いただきたいと思うのです。
#50
○神谷政府委員 六月の三池の落盤事故のその後の捜査状況についてまず簡単に御説明いたします。
 現場検証、事情聴取等の捜査業務を地検検事の指揮のもとで県警と私どもの監督局、密接な連絡をとりつつ合同捜査を進めてまいったところでございます。近くこの三者がおのおのの見解あるいはいろいろなデータを持ち寄りまして総合的な意見調整、それによって原因究明等々の統一見解が固められていくものと考えられております。このような最終的な結論を待ちましてさらにわれわれとしても必要な指示、対策を講じていかなければなりませんが、私ども、事故が起きまして早速、当該炭鉱についてはもとより全炭鉱に対しまして、重量物つり上げ作業管理の強化であるとか、いろいろな規格の見直しあるいは坑内保安規程の見直しといったようなものを指示するとともに、山元教育の強化徹底について強く要請してまいっておるところでございます。捜査の結果を待ちまして、さらに要すれば指導あるいは対策を講じてまいりたいと考えております。
#51
○中西(績)委員 この種問題についてはまだ申し上げたいことがございますけれども、捜査ということですべてが隠されますので意見をなかなか出しにくいわけです。しかしいずれにいたしましても、行政監督庁として今後こうした問題等についてはより具体的に問題点を指摘していかないと多くの問題を残すのではないか、私はこう考えます。
 以上要望いたしまして、終わります。
#52
○森中委員長 塚田庄平君。
#53
○塚田委員 時間もございませんので、簡潔に要点だけを質問していきたいと思います。
 まず大臣、今度の北炭夕張鉱の問題につきましては、大臣自体が現地に赴き、また現地でいろいろと大臣の所感等も発表され、その後関係方面の陳情等も受けられて、あるいはまた、この間の委員会そしてきょうの委員会と質問に応じた大臣の答弁の中で、北炭というよりもむしろあの山は再建の方向で今後ひとつもろもろの検討を進めていくということでございますが、大変くどいような質問になりますけれども、とにかくあの山はつぶしません、あの山をどう再建していくかについて、鉱害、保安、技術、採算、各方面にわたって政府自体も検討を進めていく、こういう御答弁に受け取っていいかどうか。まあ当然そうだと思いますが、大変くどいようですが、この点についての大臣の御答弁を願いたいと思います。
#54
○田中(六)国務大臣 私としてはそういう一つの施策ということを考えているわけでございまして、たびたび国会でも私は皆様の御質問に答弁しておりますが、何と言っても会社と組合と申しますか、そういう人たちの自助努力というものが、私企業でございますし前提だと思います。それから先立つもの、つまり金融、まあ実態は十分委員も御承知だと思いますけれども、非常に累積債務というものがございますし、金融機関との関係もございます。したがって、そういう関連の債権者の態度というものも無視はできない。特に再開までに非常に長期的になるとすればますますそういう点の配慮というものがあるわけでございます。
 それから全体の国のエネルギー政策の一環としてどういうふうにとらえるかということ、それから、もうたびたびこれも多くの人々から陳情を受けておりますけれども、四万一千人の人口を抱えておる夕張市民の声というもの、これも一つの重要な要件として私どもも考えなければならぬ。そういうもろもろの条件というものを頭に置いておかなくちゃいけません。こういうことを総合して私どもは対処いたしますけれども、そこに持っていく一つの考え方といたしましては、これを廃鉱にするとかいうようなことではなくて、何とかそういう諸条件を踏まえた上で再開できる方向に考えていきたいという私の願いでございます。
#55
○塚田委員 というのは、石炭各社はこれが私企業であることは間違いないです。しかし世間では、私企業ではあるけれどもその実質は、極端な言い方をしますと通産省あるいは石鉱審経理審査小委員会の共同管理会社だ、こういうことを堂々と論文に書いておる学者もおるわけですね。私は、そのこと自体が正しいかどうかは別にして、ある面では真実をついておるのじゃないか。今度も関係方面の北炭自体の再建計画の提出を待ってということですが、恐らく再建計画の内容等につきましても、この点は政府はどうしてくれるのだろうか、この点は政府はめんどう見てくれるだろうかという心配も兼ねながら、仮に独自の案として出たとしてもなかなか自信のある、かたいものじゃない。これを受けてまた政府としては、いろいろな注文が出てくるだろうし、あるいは関係金融機関を初めとしてユーザーからも注文が出てくるということの中で、じんぜん――じせんぜんじゃないですけれども、そういう努力の積み重ねで日を過ごしていたのでは、いま大臣の言われたきつい願望、決意があるにもかかわらず、実態としては残念な事態に進んでいくのではないか。残念な事態というのは、なかなか持ちこたえられない事態がくるのではないか。
 特にいま罹災者の収容の問題あるいは遺族の補償の問題等を抱えて、やはり政府が一歩前へ出て、具体的にその作業過程において政府の意向を交えながら一つの再建計画を立てなければならない事態に来ておるのじゃないか。また実態は先ほど言ったとおり、通産省並びに石鉱審の実質的な管理会社ですから、この点を含めて、もうきょうはきれいごとではなくて、あるいは領域問題をがちっと限ってこうだこうだと言うのじゃなくて、そういう状況だと考えますので、率直にひとつ御意見を承りたいと思います。
#56
○田中(六)国務大臣 私どもも、率直に申しましてこれをきれいごとで済ますとかごまかしていこうという考えはさらさらないだけに思い悩むわけでございます。特に、この山が自然条件といたしましてガス山であるということです。したがって、諸条件、つまりまず私どもは遺体の収容ということが第一課題でありますけれども、原因の究明を待たずして、たとえば金融措置を第一にして再開に向けてこうしてああするということを言ったといたしましても、やはり法的な措置を含めました原因究明というものをやらずして次の段階に移るということは、この山が山だけに非常に危険ではないか。また、もしそういうことになりますと、生産第一主義だ、保安はどこに置いた、人命尊重はどこだというような批判、そしりは私は甘んじて受けてもいいと思いますけれども、人命というものはこれこそ千鈞の重みのあるものでございまして、石炭の二千万トン程度とか一千八百万トンというようなこととすりかえられないと私は思うのです。
 したがって、そこに私ども考えが及ぶわけでございまして、別にここできれいごとで済ましてごまかしていこうということでは断じてないわけでございまして、十分原因の究明をあらゆる角度からした上で、私どもが先ほど申しましたような、少なくとも四つの条件も加味した上で考えていかなければならない事態ではないか、真剣に私は日夜考えておるわけでございます。
#57
○塚田委員 大臣の言うことは十分わかりますし、私も同感です。
 そこで、原因究明となりますと、政府の第一次調査団は行きましたですね。しかし、取り明け作業も終わっておらない段階ではできない。現地における言明では、四カ月くらいはかかるのじゃないか、あるいは五カ月、来年の四月ころになるのじゃないか、こう言っているのですよ。そこで原因の究明、罹災者の救出というか収容、それから遺家族の救援対策ということ自体を考えてみても、それまでの間は政府としてはやらなければならぬことがあるのじゃないか。つまり原因究明と並行していま言った遺体、遺族、そういった者に対する対策というものをあわせてやらなければならぬじゃないか、こう思うのですが、大臣、これはそのとおりでしょう。どうですか。
#58
○田中(六)国務大臣 全くそのとおりでございまして、遺家族の方々の救済、聞くところによりますと、小学生、中高校生を含めましてかなりの数の人々、幼い子供たちがいます。したがって、そういうことを含めまして、私どもはこれを放置することは社会問題でもあろうかと思います。したがって、こういう対策につきましては、私ども直接の指導ということはできないまでも、少なくとも行政指導という非常に大きな見えざる手がございますし、そういう面で万遺漏ないようにやっていきたいという気持ちはいっぱいでございます。
#59
○塚田委員 そこで、北炭の実態、これはもう大臣はよく知っておりますが、いま言ったとおり北炭がそういうことでやっていく、これは会社ですから責任があるわけですね。どんどん進めていかなければならぬ。それから遺族に対する補償も早急にやらなければならぬという中で、この十一日に出ました小委員会の「当面の考え方」を見ますと、政府に対する対策としては、できれば返済猶予等の措置を講じながらめんどうを見なければならぬ、こういうあれが出ているのです。そこで、時間がありませんので、つなぎ的な運転資金、遺族に対するあれも含めて、これは何とか考えてやるという意図を持っておりますか。
#60
○福川政府委員 ここに書いてあります「返済猶予等」ということにつきましては、これはとりあえずの措置で、会社の方が当面の資金対策等まだ計画ができておりませんけれども、とりあえずまず応急措置として返済猶予等の措置をしろ、こういう御意見と理解をいたしています。「返済猶予等」というのは返済猶予及びそれに準ずる措置という御趣旨であると理解をいたしておりまして、したがいまして、ここで考えておりますのは、「等」の中はたとえば借りかえというようなことでございます。現に北炭幌内に対しまして本日返済期が参ります経営改善資金につきまして借りかえの措置を講ずる、こういうことでございます。
 その後どのような資金計画ができてくるかという点は、いま御指摘のように罹災者の救出と遺族の補償、こういうことに最重点を置いた形で資金の配分をいたしますと会社は言っております。その計画が出てまいりました段階で、この当面の措置をどういうふうにいたしていったらいいか、会社の計画を見て私どもも細心の注意を持って検討もし、必要があればその措置も検討をいたしていくつもりでおります。
#61
○塚田委員 それに関係して、大臣、特定災害の復旧資金というのがあるんですよ。これはかつて幌内が災害に遭ったときにできた資金なんですけれども、これはいまのところ法律的に見ましてなかなか適用困難ですけれども、先ほど大臣から答弁がありましたとおり再建するんだという前提に立つならば、この特定災害復旧資金の運用といいますか、これについて検討してみる余地があるのじゃないかと思うのですけれども、若干法律の改正等もあるいは必要かもしれませんが、ひとつ検討してみようということになりますかどうか、御答弁願いたいと思います。
#62
○福川政府委員 塚田委員御承知のとおり、この特定災害復旧資金制度は幌内で活用いたしたわけでございますが、現在の制度によりますと、災害によりまして年間の生産量が前三年の平均生産量の三分の一減産となるということと、それから生産再開後経済性を保持し得る適切な復旧計画を有するということと、長期にわたる適切な経営計画を有し、かつ適確に遂行し得る見込みがあることというのが法令上の要件となっているわけでございます。
 大臣が御答弁申し上げましたように、今後災害の原因究明が行われ、保安上の観点から生産再開が可能であるかどうかということは十分見きわめなければならないわけでありますが、その上に立ちまして会社が再建の方途を探っていくという場合には、私どもとしても、もちろん企業のそういった方向を十分検討の上、この要件を満たすかどうかということは十分検討してまいりたいと思っておるわけでありますが、その点、再建ということに向けて動き出す場合には、この制度自身はもちろん検討の対象の中に含めて考えていくつもりであります。
#63
○塚田委員 大変時間がないので大急ぎの質問になりますが、北海道においても災害資金を出すという情勢でございますので、いま言ったような、法律を四角四面にとればなかなか困難な面もあろうかと思いますけれども、再建するという観点からこの適用についてひとつ十分考えてもらいたい。そして幌内のときにはたしか八十九億が出る前に、市中銀行その他金融機関から百三十億くらいの資金援助をすでに前にしている。それが肩がわりになっていくわけですね。
 ところが、現在の北炭の状況を見ますと、こういった情勢は今度の場合はないわけです。関係金融機関、どういうあれを持つかわかりませんが、前倒しと言っては何でございますが、幌内のときのような百三十億の下支えがないという情勢の中で、行政サイドで、法律を改めるのだったら若干の手直しをしても思い切って活用をやる必要があるのじゃないか。これは私の意見ですから、時間がありませんから、ひとつそういうことで考えてみてください。
 そこで、十一月の十一日、今度の事柄について小委員会からの考え方が出ました。これについて私も検討しましたが、これは持って回ったような言い方で、どこにポイントがあるのかなかなかっかみづらいのですが、幾つか問題が出ております。
 時間がございませんので、まず第三の再建に当たってはという条件、「再建の方途を探る場合には、」という前提がありますけれども、「必要に応じ関係金融機関、石炭業界等の協力を得て、経営管理体制について見直す」たしか三月とか九月とか、いろいろ小委員会から北炭についての意見が出ているわけですけれども、「経営管理体制」という言葉が出てきたのは今回が初めてだと思うのです。これを一体通産省はどう受けとめておるかということについて御答弁願いたいと思います。
#64
○福川政府委員 ここの「経営管理体制」と申します点は、今後、この会社が仮に再建に向けてその方途を探ってまいるということに作業が進んでまいりました場合、現在の保安、技術あるいは経営等のあり方に関しまして、現在のその陣容等あるいはその管理をいたしますシステムとの連関におきまして、現在の体制に不備がないかどうか、その改善の余地を検討してみろということを求めたものだと理解をいたしております。御承知のように、九月前半に石炭協会があっせんをいたしまして、現場管理の診断、指導等を行いましたが、かなり改善の余地ありということを指摘されておりまして、不幸にして災害に至りましたが、会社側もその辺の改善をしようとしておるわけであります。
 さらにまた、災害の際あるいは災害後の処理に関しまして労務管理、保安管理の面等でもいろいろ改善をしなければならないのではないかという点が会社の内外から指摘されておるわけでございまして、そういったものを全体として経営の管理のあり方を見直せ、こういう趣旨であるというふうに思っておるわけであります。
 さらにまた、その場合必要があれば同業他社あるいは債権者等の助言、支援、援助等も得てやれ、こういうことであるというふうに考えておるわけでありまして、この「経営管理体制」という言葉は非常に広い意味で使われておるというふうに理解をいたしております。
#65
○塚田委員 かなり広くなって、わけのわからないものになっているのですけれども、この場合、北炭の経営体制の刷新というか、もう端的に言います、そういうことが含まれておる言葉かどうか。というのは、この発表がありましてから各紙の内容を読んでみますと、たとえば通産あるいはエネルギー庁の首脳の言としては、当然それは含まれる。はなはだしいのは、現経営陣の交代や他社による肩がわりなんということまで御丁寧にずっと並べておるわけですね。これは通産、資源エネルギー庁ではとなっております。あるいはこの諮問、答申が出る過程において、通産省あたりは検討事項の重要課題として経営体の刷新等なんというようなことが出てます。率直に言ってください。そういう問題も含めて「経営管理体制」という言葉を使ったのかどうか。
#66
○福川政府委員 いま御指摘のような経営の刷新あるいは経営体の変更、こういうことはその意味として排除はされてないと思っておりますが、特にそこにウエートを置いてこの御意見が出たとは考えておりません。これはむしろ企業体が関係債権者等々と相談をして、企業自体が決めることであると理解をいたしております。
#67
○塚田委員 そこで、十一日にこれが出まして、恐らく直ちに関係者を呼んだと思うのですね。特にユーザーあるいはまた銀行等を呼んで、通産省としては、資金の援助要請、支援要請という言葉が適当かどうかわかりませんけれどもやったと思うのですが、結果はどうですか。
#68
○福川政府委員 この「当面の考え方について」の4にありますように、私どもも、この経理審査小委員会の議論の過程、それからそこにおきます林社長のお考え方の概略を御披露申し上げ、ここで他の関係者、いわゆる債権者等につきましても資金上可能な配慮をお願いをいたしますということを申し上げたわけであります。債権者自身といたしましては、これからさらに会社の資金計画を待って今後のあり方を御検討になるということでございます。特にこれについてすぐ具体的にどうこう措置をとりましょうとか、そういうところまで話はいっておりませんでしたが、少なくともこの委員会が考え、私どものお願いしたことの意のあるところは御理解をいただいたと思っております。
#69
○塚田委員 時間もございませんので大臣、これが最後になりますが、石炭業界の協力を得て、ここでは「私企業体制の原則」に立って、他社の協力を得てということですが、石炭業界というのももうそれぞれ全部私企業です。そこで、この石炭業界の協力の意味なんですけれども、まず第一に、いまの私企業体制の中で協力のできる可能な方法というのは一体何を考えておるのか。
 第二点は、これは私の個人的な見解ですが、たとえば業界による管理会社的なものとする考え方、これはすでにドイツではトラストがやられております。もちろん入ってないものもありますけれども、大部分そうですね。すでに、昭和四十二年かと思いましたが、ここで一社案だとか国有化案、あるいは管理会社案、あるいは植村構想とかいろいろな案が出たけれども、結局は私に言わせれば財界の反発の中で全部消えちゃった。ドイツは成功していっていますね。冒頭言いましたとおり、多かれ少なかれいま日本の炭鉱は全部もう通産省と小委員会、言いかえると国の管理形態の中にあるという場合に、こういった事故を契機にして、もう一遍石炭企業体制の大変革を考えなければならぬ時期ではないか。以上についてひとつ答弁願いたいと思います。
 時間がないので、公害局にあわせて質問をして、二人から答弁を願いたいと思います。
 いま言ったとおり、北部についてはいろいろとこれから原因の究明がなされますけれども、いまの状態のまま時間がたっていけば、西部にもどうも怪しいといいますか、あるいは崩壊、自然発火、手をつけてないのですからそういう情勢等もあるので、現地では何とか西部の保安を確保したい、こういった声がやはりあるわけですね。ところが、いま不見識な、あれは違いますけれども坑口は一緒ですから、下に遺体があるのにということでいろいろと議論の出るところですが、もし西部の方にも同じような災害が起きた場合には、もう何のかんの言ったってあの山はパアになってしまうわけです。その点について、西部の保安確保あるいは保安確保のための入坑等について、保安操業についてどう考えるか、この二つについて、最後ですが、ひとつ御答弁願いたい。
#70
○福川政府委員 第一点は、石炭業界の中で可能な支援の方法があるかどうかというお尋ねでありますが、石炭協会にもこの北炭関係でどういう支援ができるかということを構成メンバーで会議体をつくって検討をいたしております。当面は、先ほどちょっと触れましたように、たとえば技術指導、技術管理の指導あるいは管理システムの改善といったような指導、診断は可能であろうと思っておりますが、それ以上突っ込んだどういう支援ができるかという点については、まだ北炭の方の意向が固まらないためにそこまでの検討は進んでおりません。
 それから、業界による管理会社的なものが可能か、こういうことにつきましては、もちろん一つの案として考え得る方法だとは思いますが、現在の体制の中でそのような業界全体の管理会社ということになりますと、かなり経営責任等々の問題が不明確になるという問題がございます。また、現在業界の考え方あるいは受け入れの雰囲気からいって、そこまでの案になり得るかという点については私どもはむしろ疑問ではなかろうか、そこまで踏み込んだ体制というのはいまのところはむずかしいのではないかと考えておるわけであります。
 さらに、企業体制全体を大変革を起こして考えるべきかどうかという御提言につきましては、これは第七次策にも、最近の石炭をめぐります内外の環境を踏まえて、当面私企業体制をベースにしてユーザー業界の協力と政府の支援でいけ、こういう御答申をいただいております。私ども、現状ではその施策はそのとおり踏襲すべきものというふうに考えておるわけでありまして、いま企業体制の大変革をこれを契機に考えるということよりも、むしろこの北炭をどのようにしていくか、大臣が申し上げましたような方向で再建の可能性を探るということで鋭意努力をしてまいりたいと考えております。
#71
○神谷政府委員 御指摘のように、西部も放置をしまして災害が起きては大変なことになりますので、当然のことながら、会社は保安点検というのは現在も御承知のように行っており、必要な緊急措置は行っておると承知をいたしております。それから、私どもの監督官も西部にも週一回という形で点検のために入坑をさせております。その入坑検査等で状況を見ながら必要な措置は指導していくということで、保安上必要最小限の緊急措置は現在とらせておる、こういう状況でございます。
#72
○塚田委員 最後に、大臣、いまこもごも答弁をいただきましたけれども、事態は現地では非常に急迫しております。十一月、果たして資金的にジャンプできるのかどうか、あるいは十二月、特に正月を前にしての遺家族の気持ち、あるいは自宅待機の労務者の気持ち等考えますと、その点についてとにかく大丈夫なんだということが、経営者はもちろん、政府にもそういった対策の核心に触れた表明を恐らく待っておるんじゃないか。下手するとこれは年を越してということになりますと、むしろほかの面からせっかくの大臣の意向が音を立てて崩れるということも考えられますので、この点についての決意のほどをひとつお聞かせ願って、質問を終わりたいと思います。
#73
○田中(六)国務大臣 塚田委員の御意見、私どもも十分考えて、先ほどから申しますように、原因究明というものをあわせて行っておけば、その過程においていろいろな手当てもしなくちゃいけませんし、人間の生活でございますし、まず年末までにどうするかというようなことも、環境としては非常に大変なことでございますので、そういうものも含めまして、私どもは十分な体制あるいは対策をとっていきたいというように思います。
#74
○塚田委員 終わります。
#75
○森中委員長 この際、暫時休憩いたします。
 なお、本会議散会後直ちに再開いたしますので、御了承願います。
    午後零時十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十三分開議
#76
○森中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。鍛冶清君。
#77
○鍛冶委員 午前中に北炭の問題が各委員から取り上げられましたが、この再建問題について大臣から答弁もあっておりますが、重ねて北炭の再建につきまして、大臣の所信をお伺いいたしたいと思います。
#78
○田中(六)国務大臣 北炭の再建問題につきましては、各委員会あたりで私るる述べてまいりましたが、結論から申しますと、やはりこれは何とかして再開をしたいという願望を持っておりますけれども、これは条件というものがある程度整わなければいけませんし、それには労使の自助努力、それから、債権者と申しますか融資をいままでしてきたところの態度、あるいは関連会社のそういう協力の姿勢、まあ全般的なエネルギー施策の中の一環として考えるということ。それから、これはいつも私強調しているのですけれども、夕張市の市民の方々の意向というようなこと。というのは、御承知のように夕張市は炭鉱ででき上がっているような町でございますし、そういう点も十分考えなければなりません。
 そういう点もひっくるめまして、私どもはいま鋭意検討中でございますけれども、その前に、まず何よりも遺体の収容、それから、もうすでに専門的な技術調査団は九、十の二日間派遣しておりますけれども、原因の究明というような段取りもこれは重要であるというふうに現状では考えておるわけです。
#79
○鍛冶委員 一昨日、十一日に、石炭鉱業審議会政策部会経理審査小委員会から「北炭夕張炭鉱一株一に関する当面の考え方について」こういうことで、その考え方をまとめ、発表をしているわけでありますが、これも午前中若干議論がやりとりされておりましたが、この考え方について、この内容について見てみますと、北炭再建については厳しい指摘が大分なされているようでありますが、その内容の要点を簡潔にひとつお答えをいただきたいということと、この点について政府はどういうふうに受けとめ、どのように取り組みをされていくおつもりか、お聞かせをいただきたいと思います。
#80
○福川政府委員 御指摘のとおりに、十一日に経理審査小委員会におきまして、今後の審議の方向の大筋を当面の考え方としてまとめられたわけでございます。
 まず第一点は、会社の方は御承知のように遺族の補償と遺体の救出に最大限のウエートを置いてやると言っておりますが、資金計画をつくり、また運用するに当たっても、この点について十分重点的な配分をする。特に、これらの問題が本来企業の自己責任に属することでもございますので、資金面において十分の配慮をしろというのが第一点でございます。
 それから、会社は再建の方途を探りたいと言っておりますが、その場合には、災害原因の究明と保安が十分に確保できるかどうかということをまず前提として考え、再建のあり方としては私企業体制の原則でやれということでございます。
 さらに、その再建を考える場合の考え方といたしまして、保安の確保を第一にして、自然条件、技術能力等につきまして経営上の視点をも踏まえまして徹底的に再検討をして、経営管理体制についても考え直す必要がある。
 さらに資金面におきましても、労使の自己努力、企業の自己努力、さらに北炭関連各社の協力を基礎として、これまでの災害復旧支援のあり方などを踏まえて関係者が納得をして支援し得るような体制をつくる。
 こういう考え方で再建案を考えるようにということが第二のポイントであったと思います。再建の方途の大筋の考え方であります。
 第三点といたしまして、当面の資金対策といたしまして、これは会社が資金計画をさらにつくってきた上ではありますが、時間的な余裕もないということから、とりあえず政府としても返済猶予、借りかえ等の措置を講ずると同時に、関係金融機関等、その他の関係者においても可能な配慮を期待いたしたいということが指摘されておるわけでございます。
 今後の取り扱いにつきましては、現在会社が当面の資金対策、さらに中間的な展望、これをいま会社において、さらに数日官の余裕を欲しいと言っておりますが、数日の間にこの検討がなされる予定でございます。その具体案の提出がございますれば、私どもといたしましても、その実現可能性あるいは妥当性を検討を加え、その過程におきまして、関係金融機関等々の支援の見通し、さらには地域経済社会の影響、これらを踏まえまして、この経理審査小委員会の意見を聞いて、再建の方途はどういうふうにすればうまくいくのかということで、再建の方途を探るという姿勢で検討を進めてまいりたいと考えております。
#81
○鍛冶委員 いま内容をお聞きしても、指摘されたどの項目も大変大切なことであろう、こういうふうに私は思うわけですが、その中で、北炭の再建について、その再建がいわば決定されるには、いまの御答弁の中にありましたように、再建の方途としてまず前提に三つの問題点があるというふうに指摘をされてあるようです。いまの御答弁によっても、この三つが満たされた場合に本当に再建ということが具体的になってくる、こういうふうにも受けとれるわけですが、その点について、この三つがもし満たされないということがあった場合北炭夕張炭鉱の再建はできない、中止ということになるのか、この点について具体的にお聞きをいたしたいと思います。
#82
○福川政府委員 先生御指摘のとおりに、災害原因の究明と保安の確保の可能性、さらには再開に当たっての経営管理体制の見直し、それから資金面におきます全体としての納得のいく支援体制の形成というのが、今後再建を考えるポイントとして当面三つ挙げられておるわけであります。私どもとしては、この三つのハードルを何とかクリアして再建の道を見つけ出したいということで検討しておるわけでございます。
 これはもちろん人命にかかわることになる問題でございますので、特に保安の問題というのは大きな問題でございます。もちろん、私企業であるわけでございますから、企業としてのあり方、十分な経営の遂行、もちろん、保安を第一にしながらの経営の遂行が可能であるのかどうかということが非常に重要なポイントであるわけでありますが、もし仮にこのいずれかが満たされなかった場合には再建が不可能かという仰せでございます。その場合には再建は非常にむずかしくなりますが、そういうことにならないように私どもとしても関係者の意見を聞き、また会社も督励、督促しながら、ハードルを越える方途はどうすればいいかという姿勢で取り組みたいということでございます。
#83
○鍛冶委員 これは、最初に大臣から再建の考え方について御答弁もございましたし、この問題はまた単に北炭だけでなく、地元夕張の地域経済への影響、また雇用問題等を考えるとゆるがせにできない問題でもございますので、ぜひひとつ再建への方向を探りながら何とかこれを達成する方向で努力をしていただきたい、御要望を申し上げておきます。
 次いで資金繰り等の問題、当面の資金繰り、つなぎ資金等の問題は午前中やりとりがございましたので、これは飛ばさせていただきまして、次に移りたいと思います。
 新聞等で見ますと、大臣がたびたび言明しておりましたように、政府の北炭夕張新鉱ガス突出対策本部は十一月九、十日の二日間にわたって技術調査団を現地へ派遣しておられるわけでありますが、その調査の項目、調査結果、また、その調査の結果については北炭の再建にどういうふうに影響を与えるのであろうか、いろいろと思うわけでありますが、そういった点について当局のお考えをひとつお聞かせいただきたいと思います。
#84
○神谷政府委員 御指摘のように、夕張新炭鉱事故調査委員会を私ども設置いたしまして、十一月の九日、十日の両日現地に派遣したわけでございますが、先生も御承知のように、むしろこの現地派遣が最初の顔合わせになっておるわけでございます。私どもからも石炭課長が同行いたしまして、現地でいろいろ事情聴取あるいは今後の調査事項あるいは調査方法等を議論していただいたわけでございますが、いずれにいたしましても最初のものでございますし、さらに取り明けあるいは監督局の調査もまだ途中段階にございますので、いわばこの委員会の活動がスタートした、こういう状況でございます。したがいまして、結論といったようなものは御理解いただけますようにまだ出ておりません。
 ただ、今次災害が過去に類を見ないほどの大規模なものでございますし、相当複雑な要因が絡み合って起きているのではないか、こういうふうに先生方も見ておられますので、どの先生も一定の予見などを持たずに、白紙の立場に立って考えられる点をすべて徹底的に、慎重に洗っていきたい、こういう御意向のようでございます。したがいまして、調査を慎重にかつ効率的に進めるためということで、ガス突出の問題と二次災害の問題というふうに一応二班に分けまして、特に北海道代表の先生にはその後もしばしば現地で調査もしていただき、寄り集まっていただきながら、効率的ではございますが慎重に、万全を期しての調査の進展を考えたいと思っております。調査期間は、やはり取り明け後ということになりますので若干時間がかかりますが、それまでも知見し得たところはできるだけ議論をしながらまとめていっていただきたい、こういうふうに考えております。
#85
○鍛冶委員 調査結果、大分かかるようでありますけれども、これはやはり正確にやっていかなければならない、こう思います。その結果の北炭再建に対する影響、たとえば今回の事故がガス突出で不可抗力であるといったような場合に、再建はむずかしいということが調査結果によっては出てくる可能性もあるような気がいたしますが、そういった影響は、調査の結果を待たなければいかぬということにはなるのかもわかりませんが、相当大きな影響があるような気がいたしますが、そういう点についてはいかがでしょう。再度お尋ねいたします。
#86
○神谷政府委員 調査の進展も見ないで私どもから余り予見的なことは申し上げられないのでございますが、一般論として私ども申し上げますれば、深部化に従って自然条件が非常に厳しくなってきておる、ガス等の問題非常にむずかしい問題が出てきており、非常な注意と細心の保安上の手当てをしながら採炭していかなければならないということは事実でございますが、私どもといたしましては、自然条件の変化を十分見きわめてそれに合った対策というものを十分とっていけば、現状技術をもって、一般的にこのようなむずかしい条件には対応可能であるというふうに考えております。ただ、本件に関しましてしからばどこがどうであったのかという問題、それに対してどういう手を打たなければいかぬのか、それが経営上どういう問題を生じさせてくるかということは、今後の調査にまたなければならないと思います。
#87
○鍛冶委員 今回の事件によって、特にまた炭鉱の保安ということが浮かび上がってきておるわけで、鈴木総理もたしか国会での質疑に答えて、全炭鉱の保安状況の調査をやろうということでそういう指示を出されたということを聞いておりますが、その件については具体的にどういうふうに進んでいるのか、もし結果等が出ておるのであれば、その内容についてお聞かせをいただきたいと思います。
#88
○神谷政府委員 まず第一に、十月十九日に立地公害局長名をもちまして関係鉱山保安監督局・部長を通じ全石炭鉱山に対して保安の総点検を指示いたしました。この通達を受けまして全国十三の炭鉱において十月中に予知、予防対策の見直し、それから保安設備機器の点検と整備を中心にいたしました緊急の労使総点検が実施され、さらに改善した方がいいだろうという点については所要の改善措置がとられたという報告を受けております。この総点検の結果については、さらにその後現地の監督局において今後逐次追跡検査という形で検査を実施してまいるという手順になっております。
 そのほか、十一月二日に石炭協会会長及び石炭各社の社長に私のところにおいでいただきまして、私から保安の確保に万全を期するよう、さらに類似災害が発生することのないよう強く要請をいたしたところでございます。
 さらに、ガス突出防止のための予知、予防対策の見直し強化につきましては、業界あるいは炭鉱会社挙げて引き続き鋭意検討、研究が進められておりますし、国としても今後、今次災害のような大規模な災害の再発防止のために、原因究明調査の推移を見守りながら諸般の対策を検討してまいりたいと考えております。
#89
○鍛冶委員 いま御答弁の中で、調査をやった上で幾つかの指摘もされたというふうなことも言われておりますが、具体的にはどういうふうな内容のものがあったのか、いまおわかりでございましたらお知らせいただきたい。
#90
○檜山説明員 お答えいたします。総点検の主要な項目でございますが、三点ございまして、まず第一点は、先進ガス抜きボーリング関係の点検項目でございますが、ボーリングの実施状況、これは規格との適合状況といったことのチェック、そういった点が一つ。それから、第二点は発破関係でございますけれども、発破の点火位置、発破前後の報告、その警戒時間の遵守状況といった点のチェック、これが第二点目でございます。第三点目は緊急時の設備関係、これは救急設備の設置状況とかあるいはガス自動警報器、電源遮断装置の配置状況あるいは集中監視指令室の管理状況といった点のチェックをしまして、そしてそれぞれ、先進ボーリングの徹底とかあるいは集中監視の確立とか、異常時対策のさらに再見直しといいますか、そういった点をやっております。
#91
○鍛冶委員 調査の結果いろいろ指摘をなされたという具体的な内容がわかりませんけれども、調査時点では、大きな事故が起こるような過失的なもの、保安に対するミスというものは大体なかったというようなことですか。
#92
○神谷政府委員 基本的には、御指摘のように基準的なものは守られておるのでございますけれども、やはりこういう事故がありましたので、もう一つ慎重を期した方がよかろうというような点についての一歩前進が行われた、こういうのが全般的な概括でございます。
#93
○鍛冶委員 人命というのは、大臣の答弁の中にございましたように、確かに何物にもかえがたい大変大切なものでございますし、保安についてはどれくらい気をつけてもこれでいいということはないと思います。そういう意味での指導監督は通産当局にあるわけですから、これはひとつ今後も真剣に厳重にやっていただきたいと思います。それに伴って私自身もいろいろ考えさせられることが多いのですが、石炭を掘っておりまして、やはり大なり小なり毎年事故により亡くなられる方、負傷する方が出てくるというふうな事故がありますし、今回のような大変な大惨事も起きておるということ、これはもう本当に残念なことでございます。
 新聞等を見てみますと、北炭夕張に働いていらっしゃる方の中では若手の中で、もう職業をかえた方がいいのではないかというような動きもあるようだという報道も伝えられています。二千万トン体制との絡みの中で労働力の確保と絡んで、私はこれは大変重要な考えなければならぬ問題だと思いますが、これに伴って、やはり採炭現場において無人化していこう、こういうふうな考え方も新聞報道等出ておりますし、私も、そういう方向にいけるのであるならそういう対策をとっていいのではないかというふうにも思っておるわけでございますが、この件について、ひとつ当局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#94
○福川政府委員 無人化採炭あるいはロボットによる採炭は、これまでも各方面から関心が持たれておるわけでございます。ヨーロッパは、先生御承知のように、日本と同様にかなり深部採炭でございまして、いろいろ自動化のための努力というのがなされておるわけであります。アメリカでももちろん合理化という観点からそういった自動化が進められておりますが、ロボット等によります無人化採炭というのはまだ実用化の段階には至っておりません。しかし、今回のようなこういう事故を思うにつけ、やはり無人化というのは十分検討していかなければならない一つの重要な研究課題であろうというふうに思うわけであります。
 従来、日本におきましても、炭鉱の掘進、採炭、運搬等の機械化ということはかなり研究開発を進めてまいりまして、石炭技術研究所等におきまして、石炭の企業、さらに鉱山機械メーカーの協力のもとに、水力採炭あるいは切り羽の機械化の研究開発が進められて、これがそれぞれの生産性の向上、労働条件の改善に寄与してまいったわけであります。このロボット採炭というのは、あのような非常に高温多湿、粉じんが多いという条件で精密な無人化操業が可能かどうかという点につきましては、現段階ではまだその技術的な解明にまたねばならない点を残しております。残しておりますが、今後、先生の御指摘のようなことで、いまの研究段階から将来の実用化段階に向けて、長期的な課題としては積極的に取り組んでいかなければならない課題であろうと考えております。
#95
○鍛冶委員 このロボットを使うという件については、ほかの産業関係、特に自動車関係にしても相当実用化されて、日本は世界の約八〇%以上、企業でもうすでに使ってやっている。しかも、これは労働者との摩擦もなくうまくいっているというようなことも言われておりますし、真剣に取り組むことによって一日も早く実用化が図られていくだろう、またそうしなければならぬだろうというふうに思います。具体的には、石炭技術研究所というところがあって、現在三池で採炭装置を遠隔操作で動かして実験をやっているように聞いているわけですが、その内容、それから実用化の見通し等がわかっておりましたらお聞かせをいただきたいと思います。
#96
○福川政府委員 お尋ねの石炭技術研究所が三池で行っております研究の内容でございますが、昭和五十二年度から五十六年度までの五年間の計画で事業費二億七千五百万、これは二分の一のうち半額を国庫で補助をいたしておりますが、それで石炭技術研究所が採炭設備の遠隔操作についての研究を行っておるわけでございます。この目的は、従来作業員が自走支保の中で行っておりました自走支保とカッターの操作を切り羽の両側から遠隔操作をしよう、こういうシステムをつくるということでございます。現在は基本システムにつきまして現場の試験を実施するための準備を行っている段階でございます。一応今年度でその主要な問題点の解明、設計等が終わるということでございますが、さらにその研究成果を待ちまして、今後実用化に向けて研究開発を進めていくという段階にございます。
#97
○鍛冶委員 さらに、日本産業用ロボット工業会で採鉱切羽ロボット調査委員会というものを設置して基本構想づくりに着手しているというような報道を読んだのですが、この点について具体的にわかっている内容があれば、お聞かせをいただきたい。
#98
○福川政府委員 日本産業用ロボット工業会が、金属鉱山、石炭鉱山での坑内作業を代替いたしますロボットの開発を目的といたしまして、鉱山業界、ロボットメーカー、それに学識経験者の協力を得まして、今年度から採鉱切羽安全自動化システム算定専門委員会を発足させて研究に取り組んでおります。委員長は東京大学工学部の西松教授がその中心の役割りを担っておられるわけであります。
 この委員会におきましては、採鉱切り羽でのロボット導入の方向づけを鉱山業界に対して示していこうということでございまして、今年度はまだ五百万円の予算で、主として金属鉱山の削鉱作業のロボット化をするためのシステムの設計を行うということでございまして、第一段階に着手したということでございます。いずれにいたしましても、このような研究成果というのは将来への展望を大変明るくするものでございますので、私どもとしましても、この委員会の研究成果を十分見守りながら、さらにその成果の上にロボット化への研究を進めてまいる点について努力また支援をしてまいりたいと考えております。
#99
○鍛冶委員 ロボット化、無人化についてはひとつ積極的に政府も取り組んでいただきたいわけですが、いまいろいろお聞きいたしましてもなかなかすぐに実用化に至るということにはなりにくいようでありますけれども、現段階でそういったものを総括して考えてみましたときに、大体どの程度期間があれば実用化できるというふうな見通しが立つのだろうかということが一つございますが、これも当局でおわかりであればひとつお聞かせをいただきたいと思いますし、今後政府が積極的に協力していかなければならないということがありましたけれども、具体的にこういう点についてはどういうふうにやっていこうというお考えをお持ちなのか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#100
○福川政府委員 先ほども申しましたように、採炭作業のロボット化につきましては、採炭場内におきます自然条件の変化に対しまして的確にロボットとして対応していくということが重要でありますが、その点が環境変化にうまく適応し、さらに円滑な作動ということができるかという点が問題であると思います。特に高温多湿、粉じん等の環境のもとで、精密機械の円滑作動あるいは維持管理ということでございますので、その辺に一つの大きな困難な問題があるというふうに思っておるわけであります。
 先ほどから鍛冶委員の御指摘のとおりに、長期的な課題としてこれは今後非常に意義のある研究テーマでございます。今後、石炭技術研究所でいま行っております先ほどの自走支保及びカッターの遠隔操作といったことが一つの足がかりになると思います。さらに、御指摘のロボット工業会等の研究作業、これはほかのロボットの活用されております分野をそういう鉱山部分にも活用していくということでございますので、そういった成果を踏まえて、その上でさらにこれの集大成という形に持っていくということでございます。
 しからば時間的にそれでどのくらいになるかという点につきましては、まだ展望を明確には持ち得ませんけれども、いまいろいろ行っておりますような研究成果の上にさらに今後の解決の課題に取り組んで、意欲的にロボット化への実現に向けての努力ということを、これまたいろいろ保安等々今後の石炭政策の努力ともども進めていく所存でございます。
#101
○鍛冶委員 最後に大臣にお尋ねをいたしますが、この北炭夕張新鉱事故に絡みまして石炭の二千万トン体制というもの、今後これを維持していけるのかどうかということが一つ大きく問題になってくると思います。この点についてどういうふうにお考えなのか。そしてさらには、今後北炭再建が具体的に調査その他いろいろ進む中で、また先ほどの三つの条件等が提示されてくる中で最終決断というものがなされるだろうと思いますが、そういう中で今後の国内炭生産のあり方ということ、二千万トン体制ということを検討するということもあり得るのかどうか。この点について最後に大臣にお聞きいたしたいと思います。
#102
○田中(六)国務大臣 御指摘のように、石炭鉱業審議会の第七次答申におきまして二千万トン程度という数字が入っておるわけでございまして、現実には御承知のように千八百万トン程度でございますが、私どもは、国のエネルギー資源の保全、育成というふうな観点から、新鉱の開発とか、将来また旧鉱をどうというようなことで整備が整えば二千万トン程度は実現できるのではないかと思います。といって生産第一主義とかいうふうに指摘されておりますようにいろいろあれもございますし、生産第一主義というようなことのないように保安、安全第一主義、そういうものも加味してそう無理のない程度の採掘、しかし、二千万トン程度の目標は、努力目標あるいは目的達成の目標として置いておくのは答申のとおりでいいんじゃないかと思います。
 といって、何度も申しますように是が非でも、何が何でも二千万トンということでなく、あくまでこれは生産目標、努力目標でございます。したがって、エネルギー政策の一環としてこれを考えておるわけでございまして、将来もそういう答申の線にのっとってこの石炭政策を進めていきたいというように考えます。
#103
○鍛冶委員 最後に要望ですが、北炭事故について一いよいよ正月を迎え真冬を迎えるについて、午前中も質疑がございましたように、遺家族の方々大変な状況であろうと思います。こういうことを含めて、当面の金融面、資金面、つなぎ面において、また生活を守るために万全の対策を政府は講じていただきたいし、また二千万トン体制の維持につきましても最高の努力をしていただきたい、これを要望申し上げて、私の質疑を終わります。どうもありがとうございました。
#104
○森中委員長 小渕正義君。
#105
○小渕(正)委員 本日の質疑はほとんど北炭夕張新鉱の災害を中心にしたものが議論されたのでありますが、その点についても私なりに御質問したいと思うわけであります。
 今回の北炭夕張新鉱の炭鉱災害が、改めて国民の前にわが国の石炭産業のあり方という点にまで大きな関心を持たせたと思います。いろいろマスコミからの報道がされておりますし、極論を申し上げますならば、わが国の石炭政策の結果がこういうものをもたらしたという見方もあるし、またそんなにしてまで、そういう危険な状態の中でまであえて国内炭に力を入れていかなければいかぬのかどうかという問題提起、いろいろな角度から大きな関心を呼んでマスコミからのいろいろな論調がされておるわけであります。
 そういう点で、北炭新夕張の今回の事故について、北炭新夕張だけの独自性のものなのか、それとも一般的に共通する問題なのか。いろいろとまたその点についてのとらえ方はあろうかと思いますが、私は、そういうことで、現在の状況の中で次の点についてまず実態だけは明らかにしておっていただきたいと思う立場からお聞きするわけでありますが、今日まで北炭新夕張に対しまして政府として助成、支援をされてきておるわけでありますが、それらの実態、内容、そういうものを金額的に明らかにしていただきたい、かように思うわけであります。
#106
○福川政府委員 この夕張新鉱は四十五年の十月から開発の準備に入ったわけでございます。それで、開発期間として五十年六月までかかって、以後営業の出炭に入ったということでございます。現在まで、この開発段階から今日に至りますまでの合計額で申しますと、補助金額にいたしまして約百億、それから融資額におきまして約二百四十七億の助成が行われておるわけであります。合計いたしますと約三百五十億弱という数字に相なっておるわけであります。このほか、経営改善資金と申しまして運転資金の融資が行われております。これは短期でございますので、融資額ということではなくて残高で申すといたしますと、五十五年度末で約四十億の融資残高がございます。
#107
○小渕(正)委員 年のためにお尋ねしますが、これらの政府からの支援、助成策の根拠というものはどういうところにあるわけですか。
#108
○福川政府委員 これは御承知のように、未開発炭田の開発ということでございまして、これは石炭合理化法にその根拠を置き、それに毎年度の予算措置で予算的な手当てがなされたということでございます。そのほか、営業出炭に入りました後、坑道の補助金、保安の補助金、安定補給金といったようなものが交付をされ、また、先ほど申しましたように、経営改善資金の融資が行われておりますが、それの大まかな根拠は石炭合理化法にもございますが、金額的なものあるいは融資条件等の内容は、予算措置においてこれが決められるということになっております。
#109
○小渕(正)委員 それぞれそういった石炭鉱業合理化臨時措置法その他の関連法の中でこれらの支援措置がとられておるということでありますが、これらの金額の、こういった支援の上限といいますか、大体どこらあたりをめどに許されるのか、そういった意味での何か一つの考え方があるのか、法的な規制があるのかどうか、そこらあたりについての状況をお尋ねいたします。
#110
○福川政府委員 この政府資金の助成につきまして、何か限度、上限等はあるかどうかというお尋ねでございますが、これはそれぞれ、たとえば坑道の補助金でございますれば、坑道の作業所要金額に対して一定割合というようなことでございますし、さらにまた、近代化資金というような融資でございますれば近代化設備に対して一定割合の融資率、こういうことでございまして、それぞれ個別の助成制度につきましては、その制度の目的に即した融資条件等あるいは助成条件等が付されておるわけでございますが、一般的に、しからば特別の企業に限度として幾らというようなことはございませんが、それぞれの助成をいたします目的に即しました条件、個別にそのような条件が設けられております。
#111
○小渕(正)委員 現在、それぞれの法律の中で予算化されて、それに従って助成並びに補助、そういったものはわかりますが、先ほどの最初の質問の中で出されましたこの三百五十億というのはそういった性格とはちょっと違うのではないかという気がするのですが、その点はいかがですか。
#112
○福川政府委員 開発以来総額で三百五十億円程度の補助金と融資が行われたということを申し上げましたが、開発段階におきましては、最初に申し上げましたように、未開発炭田の開発ということでの助成措置で根拠を設けておりますし、また、営業出炭に入りました後の補助金あるいは融資と申しますのは、先ほど申しましたように、坑道の補助金とかあるいは保安の補助金とかあるいは近代化資金の融資といったようなことで、それぞれの設備投資を中心にいたしました企業に実際に行いましたものに応じて助成をする、こういうことでございまして、それぞれの個別の助成制度に即したものの総額を申し上げたわけでございまして、いま申し上げましたような融資条件、たとえば七割融資とか六割補助とかいったようなものがそれぞれの項目ごとに付されておるものでございます。
#113
○小渕(正)委員 わかりました。
 次にお尋ねいたしますが、わが国が石炭産業に対して一つの国の政策としていろいろな助成その他、法的措置によってやられてきておるわけでありますが、ざっと見ましても、四十二年に元利補給金交付、第一次肩がわりと言われている内容のものですが、このほか安定補給金の交付とか閉山交付金、炭価の引き上げとか石炭対策特別会計の創設とか、逐次四十二年から四十四年度、四十八年度というふうに、それぞれ新しい方向を出しながら今日まで石炭産業に対する国としてのいろいろな助成がかなり行われているわけでありますが、これらのもの、総額的に見て今日まで大体どれくらい政府資金がそういう形の中で投入されておるのか、その総額についてひとつお知らせいただきたい、かように思います。
#114
○福川政府委員 ただいま委員が御指摘のように、昭和四十二年度に石炭対策特別会計が創設されたわけでございますが、それ以降昭和五十五年度までについて計算をいたしてみますると、石炭鉱業合理化安定対策費ということで石炭対策に計上されました金額は、先ほどの四十二年度から五十五年度までで総額約八千二百億円ということでございます。そのうち閉山関係で約千四百億円、その他の合理化対策が六千八百億円ということでございまして、総額で約八千億強の財政資金が投入されております。
#115
○小渕(正)委員 そうしますと、四十二年から五十五年度までに総額大体八千二百億円ということで、そのうちの閉山対策費が千四百億円、残り六千億ぐらいがそれぞれの生産対策として使われたというふうに理解していいわけですね。
#116
○福川政府委員 企業の体質改善あるいは合理化といったようなことに使われた予算でございます。
#117
○小渕(正)委員 話を少しもとに戻しますが、今回の事故を契機に北炭のあり方その他がいろいろな角度からマスコミ等で取り上げられておるわけでありますが、先ほど御質問いたしました北炭新夕張が三百五十億、政府関係からの補助または融資、その他いろいろ受けておられるという報告でしたが、その他借入金がかなりあるように聞いております。これはいまそれぞれ操業している石炭の鉱山の状態の中では、政府の資金がこれだけ投入されておるということは特異なのか、大体これくらいはまあまあ使われておるのかどうか、そこらあたりに対する判断はいかがでしょうか。
 というのは、北炭だけが特別に政府の助成が強く今日まで行われ、それが結果的には北炭を今日のような会社経営の体質、ああいう形にしてしまったのではないかというようなマスコミの一部論調もあるわけです。そういう意味で、北炭というのはやはりほかの石炭の会社と違った特異なものであるのかどうかということを、いろいろそういう形で知りたいわけであります。そういう角度から実はお尋ねしているわけでありますが、その点いかがでしょうか。
#118
○福川政府委員 これはいろいろな分析の仕方がございます。また、時期の取り方によっても非常に異なってまいると思います。夕張の場合には新坑で当初にかなり資金を投下しなければならないという状況でございまして、したがいまして、いま夕張はかなり助成が強く行われている段階にある企業であると申してよろしいかと思っておるわけであります。
 そういう意味で言えば、先ほど申しましたように、かなりの財政資金を投入をいたしまして石炭鉱業の自立を目指しておるわけでございますが、財政資金と企業の実際の営業活動ということを対比をしてみますと、夕張につきましてはかなり政府の助成の程度は高い。それはまだ開発段階であるということでございますからやむを得ないことだと思っておりますが、助成の割合等から言えば通常の石炭鉱山よりもかなり高い助成が行われております。さらにまた、特にこの山自身がかなり断層がありましたり、自然条件が他よりもむずかしい問題があるというようなことでございますと、たとえば保安の補助金とかあるいは坑道の補助金とかいうようなことも多く出ることになる。こういった環境がございますが、現段階で申します限りは、かなりほかの山よりは助成の程度は高いということになっております。
#119
○小渕(正)委員 部分的現象だけ見ていろいろ論じるわけにはいかないと思いますが、マスコミの中にもそういった論調があります。北炭という一つの体質がそういう形の中で特異なものとしてつくり出されて今日でき上がってしまったんだ、そういう非常に厳しいような批判もありましたので、そういったことを含めてちょっとお尋ねした次第でございます。
 それで、先ほどからこの北炭の再開問題につきましては、田中通産大臣も強い願望を持たれておるし、何とか前向きな形で取り組まれるようなお話が前回からされておるわけでありますし、一部のマスコミの中にも、通産大臣とのインタビュー記事の中でそういう決意が披瀝されたやの記事もあります。そういう意味で、大臣として前向きに取り組まれておることについてはそれなりに敬意を表するわけでありますが、ただ一点、私どもとして気になる点があります。
 大変失礼なことになりますが、大体今月末にも鈴木内閣は改造だということで、マスコミは盛んにいろいろな予測をしておるわけであります。私どもの判断からいきますならば、実力者としての田中大臣は大体そのまま留任じゃないかという説もいろいろ強いようでございますが、そういう中でこういう大事な方針が、これは仮定の話で非常に失礼だと思いますが、田中通産大臣がもしおかわりになってほかのポストにおつきになった場合に、後になられた通産大臣の方がいま田中大臣がお持ちのような見解の中で前向きに取り組まれるのかどうか。これは通産省としての方針と大臣としての見解がそれぞれ若干、どういうふうな関係になるかわかりませんが、われわれといたしましては、ここで大臣の見解が示されるということは通産省の方針が示された、こういうふうに理解をすべきじゃないかと思うのでありますが、その点についての大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#120
○田中(六)国務大臣 政策の持続性あるいは責任の持続性というものは政治にはなくてはならぬと私は思います。したがって、私がいまのポストを去ろうが去るまいが、たとえば去っても、私の考えと事務当局の考えは一致しておりますし、この方針を貫いていくつもりでございます。それからまた、私の後から座るであろう大臣に対しましても、その点は十分引き継ぐと同時に、そういうことのないようにしていきたいと思います。
#121
○小渕(正)委員 関係者にとりましては大変力強い御発言をいただいて感謝するわけでありますが、ぜひそういう意味での持続性をひとつお願いしたいというように私からもお願いしておきたいと思います。
 次に、エネルギー関係についてお尋ねいたしますが、現在、わが国はエネルギーに対する一つの目安をつくり、将来的には、エネルギーの中に占める石油の依存度を五〇%以下にしようということで長期暫定需給見通しというものができ上がっておりますが、そういう作業をされた当時と最近のエネルギー事情というのはかなり状況が変わっているんじゃないかという気もするわけです。
 というのは、先般のOPECにおいて三十四ドルの統一価格が決まったように、ここ二、三年来の世界の先進諸国における省エネルギー、代替エネルギー、そういった開発その他いろいろな努力の結果、石油の需要はこれ以上伸びないのじゃないか。また、いろいろ見方はありますが、経済成長が二%から三%程度、国際的、世界的に伸びたとしても、いまの石油の需給状況の中ではそんな大きな伸びはない、かえっていまからは七〇年代のときの状態を維持していくんじゃないかという見方が強くされている向きがありますし、昨日あたりの一部の新聞でありましたが、アメリカのある機関においては、場合によっては石油はまた十何ドルぐらい下がるのじゃないかという見方さえできるように、エネルギー事情というのがここ一年以内の中で非常に変わってきたという気が私はするわけであります。
 そこらあたりのエネルギー事情のことについて、すぐ論断するのは早計だと思いますが、現在のこういったOPECの統一価格の動き、減産体制その他、そういう各種の諸条件を勘案して、将来的なものを展望するのは非常にむずかしいとは思いますが、現在の段階で結構ですから、エネ庁としてそういったものについてどのような御見解をお持ちなのか、その点をお尋ねしたいと思います。
#122
○小松政府委員 先生御指摘のように、最近の国際石油需給状況というのは非常に緩和状態が続いてはおりますけれども、長期的に見ますとエネルギー需要というのは相当伸びていくというふうに見ざるを得ません。先進国の段階では、先ほど先生お話しございましたように、代替エネルギーの開発導入、省エネルギーが相当進んでおりますので、石油に対する需要の伸びというのは鈍化傾向にございますけれども、発展途上国その他、こういう地域におきましては、今後とも経済成長が高くなる、また生活水準が上がるということで、急速にエネルギー需要は伸びてくるというふうに考えざるを得ないと思います。
    〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
 そういうことになりますと、世界全体で見た石油に対する需要、それからエネルギー全体に対する需要というのは、今後とも相当堅調に推移していくというふうに考えざるを得ないと思います。
 一方、石油の供給サイドの問題でございますけれども、現在は確かに需要が非常に緩んでおります。先般、統一価格ができた直後に、サウジアラビアが九百三、四十万バレル・パー・デーのものを約八十万から百万バレル落としまして八百五十万バレルという減産をいたしておりますし、さらに、現在の需給緩和の一つの要因として、高い在庫水準にございまして、その在庫が急速に取り崩されているという問題がございます。これは恐らく来年の三、四月ごろはそういう在庫の取り崩しが終わって、石油需給は一定のバランスの段階に到達するんではないかというような見方をしている向きがございます。ただもちろん、一方楽観的に見ますと、現在のOPEC諸国の生産水準は非常に低いわけでございまして、そういう形で需要が出てまいりますれば恐らく生産余力はOPEC諸国その他相当持っているというようなこともございますので、当面需給がすぐ堅調になるということは考えられませんけれども、長期的にはエネルギーないしは石油に対する需要の伸びは非常に大きい。
 それからさらに、石油の依存している地域、六割以上は中東に依存しているわけでございまして、中東をめぐる国際情勢というものを考えますと決して楽観できないのではないか。そういうことで、今後とも石油の量の面、それから先ほどお話の出ました価格の面で安定を図ってまいりますためには、今後のエネルギー需要の増大分をできるだけ代替エネルギーの開発導入で賄っていく必要がある。こういう考え方でIEAでも先般、世界全体の現在の石油に対する依存度は五〇%くらいでございますが、これを四〇%くらいに下げたいというふうに言っております。
 日本の場合は、昨年度の石油依存度が六六%という数字でございますが、これを私ども、昭和六十五年度には五〇%程度まで持っていきたい。そのためには原子力、石炭、LNG、太陽エネルギーを初めとしたその他の新エネルギーの開発導入をいたしまして、できるだけ代替エネルギーで今後の需要増大分をカバーする、こういうことで石油の需給を緩和させることによって量的な確保を図るとともに、エネルギー全体の価格の安定を図っていくことが今後とも必要である。そういう意味で、当面需給は緩んではおりますけれども、エネルギー政策の基本路線というのは今後とも維持し、また拡充していく必要があるのではないか、かように考えております。
#123
○小渕(正)委員 わかりました。
 では時間もありませんので次に移りますが、これは労働省にお尋ねします。
 今日までの一つの政策として炭鉱離職者に対する援護対策がずっととられているわけでありますが、そういう援護対策がいろいろな項目の中で実施されております。ところが、第三者的に見ますならば、炭鉱離職者対策というのが、緊急就労対策とか就職促進手当とか、そういう形の中でいまだに今日でもなお行われているのかという点について非常に奇異に感じられるのが普通だと思います。そういう意味でお尋ねしますが、現在これらの炭鉱離職者援護対策の対象となっている人員は大体幾らか。それから、こういう人たちは離職後もう何年になっているのか。平均的なもの、長い人、短い人、そこまでわかればなお結構ですが、そこらあたりをひとつ御説明いただきたい、かように思います。
#124
○加藤説明員 現在、炭鉱離職者対策でやっておりますのは、一つには、いわゆるマル炭手帳というのを発給いたしまして、そして離職後三年の間就職促進手当を支給しながら再就職を図る、こういう対策。それから緊就事業、開就事業、こういったのが特に炭鉱離職者のための特別の対策になっておるわけでございまして、昭和五十五年度のマル炭手帳の発給件数七百十人、こういうことでございます。この方につきましては、最高が三年ということでございますので、平均いたしますれば二年程度、二年ちょっと強、こんなようなところでございます。
 それから炭鉱離職者緊急就労事業は、五十六年度の事業規模が二千四百五十人でやっておるわけでございますが、これらの方々は、事業が昭和三十三、四年のころに開始いたしておりまして、その後再就職される方が必ずしもはかばかしく進んでいないということもございまして、すでに十年以上緊就事業就労者という方も相当おられるということでございます。
 それから産炭地域開発就労事業につきましては、現在三千二百人の枠で実施をいたしておりますが、これは昭和四十四年から実施をいたしておるものでございまして、一番長い方でも十一、二年、こういうことでございますが、平均いたしますれば五年前後、こんなようなことでございます。
    〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
#125
○小渕(正)委員 実態がわかりましたが、この内容については後日またいろいろと質疑をする機会があろうかと思いますので、時間もありませんので次に譲りたいと思います。
 最後に一点お尋ねいたしますが、これは午前中の質疑の中にもありましたが、現在、鉱害部会の中で、残存鉱害についていろいろ法律の延長問題とも絡んで討議されているやに聞いているわけであります。この中で、鉱害復旧のあり方については私なりに関係者の方からもお話を承りましたところ、有資力、無資力、そういったものを統一的な形でひとつどこかの機関できちっとしてやってもらえればというのが非常に強い関係者の要望であるわけでありますが、そういう問題も含めて、現在鉱害部会の中では当然検討されているというふうに理解していいのかどうか、そこらあたりいかがでしょうか。
#126
○福川政府委員 鉱害対策の今後のあり方につきましては、いま鉱害部会で鋭意検討が進められておるわけでございます。御指摘のように、今後の鉱害の復旧工事を施行するに当たりまして、有資力、無資力を通じて鉱害復旧事業団等でもう少し一元的に処理できないかという御意見がありますことは、当部会で関係者からの意見聴取の際に問題点として指摘されておるところでございまして、この点も論議の対象になっておるわけであります。いま有資力につきまして、その鉱害の原因者たる鉱業権者にその責任を果たさせるということ、さらにはまた、鉱害事業団の施行能力に制約があるといったような諸般の事情を考慮いたしまして、有資力につきましては鉱業権者が納付金を負担して鉱害復旧工事を施行する、こういう制度に相なっておるわけであります。鉱業法のもとで私企業たる鉱業権者が賠償義務を負う、こういうことになっておるわけでございまして、したがって、これを一切事業団に肩がわりをして復旧または賠償を行うということになりますと、民法あるいは賠償法体系の原則との問題が出てまいるわけでありまして、その辺の実現にはいろいろ法律的にも問題が指摘されているところでございます。
 いずれにいたしましても、石炭鉱業審議会におきまして、御指摘の点も含めまして今後の鉱害二法の延長が検討中であるということでございまして、その審議会の結論を得た上で私どもとしての意見を固めて、必要に応じまして法律の延長問題についての最終的な意見を固めてまいりたいというふうに考えております。
#127
○小渕(正)委員 最後に田中通産大臣にお願い申し上げておきますが、先ほどから北炭の再開問題については前向きに取り組まれる、そういった姿勢を見せられておるわけで、そういう意味では大変力強く思うわけであります。どのような形での再建、再開になるのか、それはまたかなりいろいろ問題点がありますから慎重な検討が必要かと思います。しかしながら、あの地域の雇用情勢その他地域経済に及ぼす波及効果をいろいろ考えますとこれは前向きに取り組まざるを得ない問題だと思いますから、そういう意味では、積極的にこれからもそういった姿勢で推進されることを特にお願いいたしまして、私からの質問はこれで終わりたいと思います。
#128
○森中委員長 小沢和秋君。
#129
○小沢(和)委員 まず最初に大臣に一言お尋ねしたいと思うのですが、いま北炭の再建ということが非常に大きな問題になっておりますが、私たちも、もともと国内の石炭資源というのは大切にしなければならないという立場に立っておりますから、当然民主的な再建をしなければならないというふうに考えておりますけれども、この再建、再建という声がかかるにつれて原因あるいは責任を徹底的に究明するということの影が少し薄くなってきているのじゃなかろうかと、私大変心配をしておるわけであります。これは私は、再建の前提としてどうしても徹底的に究明しなければならない問題だというふうに考えますが、大臣はいかがでしょうか。
#130
○田中(六)国務大臣 北炭夕張新鉱の災害事故の問題につきましては、まず私どもは遺体を完全に収容する、それから原因究明を徹底的にやるということがあくまで先決でございまして、この二つの問題が片づいてそれから再建、再開ということになるわけでございまして、それ以前のこと、手前の橋から十分渡っていくという体制は変わりはございませんし、これからもこのことは堅持していかなければならないと思っております。
#131
○小沢(和)委員 私は、そういう再建を願う立場から、そのためにも原因と責任を徹底的に究明したいと思って、きょうも若干の質問をいたしたいと思います。
 私ども、いままで何回かの質問の中で、例の一・五%のガス濃度に達するとブザーが鳴っているわけですね、このブザーが鳴ってもなおかつ作業をさせられているという労働者の切実な訴えがあるということを何遍か指摘したのですが、いままで、いやそういうようなことは信じられぬということで、何か頭から労働者がうそを言っているか、私がうそ言っているかのような扱いのようで、私は大変不愉快に感じられたわけであります。その後、こういう議論をしてから一定の時間もたっておりますけれども、実際に調査をされたかどうか。されたとすれば、あなた方が信じておられたとおり一・五%のブザーが鳴ったら作業を中止するなり退避させるなり、あるいは保安作業に切りかえるなりということが北炭で確実にやられておったということがあなた方確認できたのかどうか、お尋ねいたします。
#132
○神谷政府委員 しばしば論じられた問題でございますので、若干論点を整理してお答えさせていただきたいと思いますが、ブザーが鳴っておったかどうか、鳴っておったときに作業が行われておったかどうかということと、二%以上の鉱山保安規則に違反した状態において、働いている方々の生命危険の状態で保安無視の作業が行われていたのかどうかという問題、この二つがかなり渾然として議論をされておりますので、正確に分けて申し上げたいと思います。
 まず第一に、先生御指摘のようにガス警報器は一・五%で鳴るように設置されておるわけでございます。したがいまして、一・五%になりますとガス警報器が鳴りまして電源が遮断される。しかし、鉱山保安規則により、特に可燃性ガス発生量が多い個所であって、保安統括者または保安技術職員が付き添って作業を行う場合には、一・五%を超えても二%までは引き続き作業を行えることになっておる、こういうことになっておるわけでございます。したがいまして、俗な言い方をいたしますれば、下五%で警戒警報が鳴る。そういたしますと、そこでガス濃度を係員等が慎重にウオッチしながらその付き添いのもとにおいて作業が行われる、要注意のもとで作業が行われる、御承知のようにこういう状況になっております。
 したがいまして、夕張あるいはまたその他の炭鉱等においてもあり得ることでございますが、ガス警報器が鳴っておるということはしばしばあることでございますし、そのもとにおいて一定の作業が行われるということはあり得る。ただし、私ども現在までいろいろな事情聴取等を行っており、捜査の現段階において最終的結論は何も出ておりませんが、現時点までいま申し上げたような状況はあったにいたしましても、保安規則違反の作業が行われていたという事実の報告は特にございません。
#133
○小沢(和)委員 この席には、傍聴席に、あの災害の当日実際に命からがら脱出することができた森谷さんあるいは後藤さんというこの道三十年になるようなベテランの人がおるのです。この人たち自身が、北炭の坑内ではブザーが鳴っても、保安係に言っても鳴るのはあたりまえだと言って取り合おうとせぬ、そして同じような作業をそのままさせられるという状態がごく普通だった、私はいまさっきも聞いてそのことを確認しているのですよ。あなた方は、これだけ多くの労働者が証言をしているのに、なおかつ北炭では二%以内の場合は係員が付き添いながら作業をするという条項の範囲内で全部おさまっておったと断言できるのですか。
#134
○神谷政府委員 現時点ですべての事情聴取が終わったという報告は受けておりませんが、たとえば救出作業その他で現在まで事情聴取が行われていない方々もおられますので、最終結論は出ておりませんが、現時点までのところで特にそういう事実があったという報告を受けていないというのが先ほど申し上げたことでございます。最終的な結論というのはすべての捜査の終わった段階で出てくると思いますが、現時点で私どもとしてそういう報告を受けていないということのみ申し上げられますが、それ以上は申し上げられない段階でございます。
#135
○小沢(和)委員 いま少し答弁が怪しくなったように思うのですけれども、現地の鉱山保安監督局に二、三日前にわが党の代表が行っております。そのとき行った人も、児玉さんという方ですが、ここに来ておられます。この方から私が話を聞いたところでは、わが党の代表に対して谷口鉱務監督管理官が、監督官が実際に巡回中にもガス警報器が鳴りっ放しという状態のところに出つくわしたということは認めたんですよ。大体あなた方が考えてみても、ガス警報器が鳴り出したらすぐに保安係が飛んできて対処をする、手を打たなければならぬはずだから、その段階でこの警報器はとまるわけでしょう。だから、この谷口という人がこういうことを認めたということ自体もきわめて重大な事実じゃないかと私は思うのです。
 しかも、これだけこの問題が大問題になっているさなかに、いま水没現場で取り明け作業が行われておりますけれども、十一月三日に北部排気斜坑の取り明け作業中にガス警報器が鳴りっ放しの状態になったんですよ。ところが、労働者に対して仕事は途中なので終わるまでやってくれと言って作業を続行させておるんですね。われわれが確認したところでは、夕張鉱山保安監督署の署長は、北部区域でガスがないということなので、一般作業としてこれを再開させたんだ、だからこういうことが事実であれば厳しく対処をするというふうにそのとき約束をしたわけですが、一体どういうように対処されたわけですか。
#136
○神谷政府委員 谷口管理官の回答と申しますか、説明につきましては私どもも承知しておりますが、私が先ほど御答弁申し上げたのと同じ趣旨と了解をいたしております。
 それから、今回の取り明け作業中にガス警報器が鳴ったという事実につきましては、まず十一月の二日ごろでございますけれども、排気斜坑の方から取り明け作業を行っております際に、天盤の崩落個所にメタンガスが滞留していることが認められた。一般的にすでに素面作業が許されるようなガス濃度になっているわけでございますが、御承知のように崩落いたしておりますと天盤に穴があいておりますので、その中に濃い濃度のメタンガスが滞留することは容易にあり得ることでございまして、これに関して直ちにガス吸引の実施をしたわけでございます。
 恐らく御指摘の十一月三日の問題であろうと思いますが、当該個所の山固め中に警報器ブザーが鳴り、坑外の集中管理チャート等にもメタンガスのある程度の動きが示されておりますが、このチャートから確認したところでは、監督局ではそのときの濃度一・六ないし一・七というふうに承知をいたしております。したがいまして、ガス警報器は鳴る状況にございますが、先ほど申し上げました二%以下の段階であり、しかもその原因として天盤に滞留していた個所の山固め中の問題である、こういうことでございますので、もちろん、今後の作業を進めるに当たっては細心の注意を払ってやっていった方がよかろうという指示はいたしましたが、坑内の係員等は当然その状況をそのように認知しながら指示したものというふうに了解をいたしております。
#137
○小沢(和)委員 いまの局長の答弁を聞いておりますと、何か問題がないように聞こえるのですけれども、実は署長の方から共産党に対して回答が来ておるのですよ。この回答によると、共産党が指摘をしたとおりである。それで、警報器が鳴った場合には、今後も労働者を退避させるとか作業を停止させるなど、厳正に守ってほしいとこれまでも勧告をしてきたし、再度今度のようなことがあったら、技術職員を法に照らして処置をするというふうに署長は約束をして、だからこれからもこういうことがあったら連絡してほしいと言っておるのですよ。何も問題がなければ、再度同じようなことがあったら技術職員を法に照らして処置するなどというような連絡をわざわざしてきますか。その点どうですか。
#138
○神谷政府委員 先ほど申し上げましたような状況でございまして、崩落個所にガスが滞留をいたしましたり、あるいは御承知のようにこういう状況でございますから、水中からメタンガスが常時出てきておるという状況でございまして、これに対する対処の仕方というのはいろいろな方法を講じております。したがいまして、まず私ども承知しております限りにおいては、現地においてはこういう状況あるいはお申し入れの趣旨を体しまして、ガス測定を非常に綿密に実施しろという指示を行いながら、安全に万全を期せという指示をしております。
 それから第二に、より安全を期すため、ガスの低減対策に関しての強化を指示し――強化と申しますより改善方法、この方がその地域といいますか個所の実情あるいはガスの状況に照らしてベターであろうというふうに私ども判断いたしておりますが、低減対策に関して改善の指示、アドバイスをした、このように承知をいたしております。
 それ以上、特に法律違反の事実があったという報告は私どものところには参っておりません。
#139
○小沢(和)委員 署長がいま言ったようなことを私たちに連絡しておるという一つの事実を見ても、私は、署長が問題を認めたということはもうはっきりしておると思うのです。そして世論が保安軽視だったのではないかというようなことをこれだけ言っているときに、なおかつそういう注意を受けるようなところに会社の体質というのがあらわれているというふうに私は言わざるを得ないと思うのです。
 この点ばかり議論をしていると時間がなくなりますので、次の問題ガス抜きボーリングの問題についてお尋ねをしたいと思うのです。
 前回、九月二十五日の石鉱審の経理小委員会で政府などが上半期の計画の未達成ということを非常に厳しく追及したために、会社が北第五で来年の三月から出炭する予定だったものを一月にするということで掘進スピードなど非常に上げた、その直後に今回の事故が起こったということを指摘をいたしました。もともと三月というつもりでボーリングなどもやっていたはずでありますけれども、それを二カ月も早めるということになれば、このガス抜きボーリングなどで保安の手抜きというようなことにならざるを得ないのじゃないか。私は前回もこの点は言っておったと思うのですけれども、こういう点についても調査をされたかどうか。果たして保安規則の百二十八条の四で言う「必要なガス抜きをした後でなければ、」という規定から見て、その要件を十分満たしておるような状態にその当時あったと言えるのかどうか、この点はどうですか。
#140
○神谷政府委員 まず第一に、六カ月先行のガス抜きという方針があるのに北第五の出炭を繰り上げて、これでは間に合わぬのではないか、あるいは基準を十分達成できないのではないかという点についてでございますけれども、それは御指摘のとおり、六カ月先行のガス抜きを完了しておらなければ、私どもの保安当局といたしましては、採炭を認めないという方針を持っておるわけでございますが、北第五区域で最初に出炭することになります北第五上段ロングについて見ますと、当該区域に係る先行ガス抜きは六月初旬から行われていたわけでございます。したがって、時期的には一月採炭の開始ということになりましても、六カ月先行のガス抜きが行われていたことにはなるわけでございます。ただ、もちろん当然のことでございますけれども、ガス抜き作業が所定の実績を上げていたかどうかということにつきましては、採炭開始の時点に至らないと正確には評価ができない問題でございます。
 それから、今回の事故に関連してガス抜きボーリングがどうであったかという点は、まさに技術調査委員会等の調査検討項目の非常に大きな柱の一つでございまして、鋭意データを集め分析を行っていくことになろうかと思います。
#141
○小沢(和)委員 会社の保安計画、あなた方もこれは承認をしないとならないことになっておるわけでしょう。この保安計画では、六カ月という要件のほかにもさらに条件がくっついているというふうに聞いております。これはもうお尋ねしませんけれども、湧出量とか、そういうようなものがさらにもう一つくっついておる、そういうふうに聞いているわけですが、それだけ厳しい保安計画というのを守っておるかどうかということなんですけれども、いま局長は六月の初めからガス抜きボーリングを始めたというふうに言われたんですが、この地域全体のボーリングを完了したのはいつですか。
#142
○檜山説明員 ガス抜きの先行六カ月という問題は、採掘個所に入って、採掘が始まるときそれに先立つ六カ月ということでございまして、あそこは採炭区域を非常に広くとっておりまして、御承知のように二十五メーターのメッシュでもって先進ボーリングをやる、炭層ボーリングをやるということになっております。したがいまして、六カ月前に採炭する個所のボーリングが行われていればいいということになりますので、非常に広い区域ですから、まだこれから先も当然炭層ボーリングというのは実施していかなければならない、こういうふうな状況になっております。
#143
○小沢(和)委員 それは私は承知をしておるのです。だから、全部ボーリングをやらなくても、まず最初に来年の一月から掘り始めるところが基準を満たしていれば、それは私も違反だとまでは言いませんよ。時間がかかっていればかかっているほどいいと思いますけれどもね。
 ところが、私どもが調査をいたしましたところでは、実際に北第五上段ロングですか、これを一月から始めるため、その周辺のボーリングは北第五盤下坑道の三座あるいは三座というようなところから打っているわけですけれども、二座も、このガス突出が実際に起こったこの周辺の完成日というのを見てみると、八月二十四日とか二十七日とか二十八日とか、そういう日になっているのですね。そしてこの二座の一番遅いものはいつかというと、九月二十三日にボーリングを打ち終わっているんですよ。そうすると、九月二十三日からだったら、一月にそれを掘り始めるということになったら、これは六カ月は全く満たしてないんじゃないですか。せいぜい四カ月とか……。これは、いまあなた方自身も確認した六カ月という基準から見て明確に反しておるというふうに私は言わざるを得ないと思うのですが、いかがですか。
#144
○檜山説明員 私どもの承知しているところでは、払いの始発部、スタート時点のところの区域のガス抜きボーリングというのは六月中に終わっているというふうに聞いております。
#145
○小沢(和)委員 聞いているとあなたは言うけれども、私がここで持っておる資料からすると、まさにその北第五上段ロングというところをつくる、そのところを打っているこの二座というところのボーリングというのは、確かに局長が言った六月十一日から始まっているけれども、打ち終わっているのは九月二十三日なんですよ。
#146
○檜山説明員 私の御説明が少し足りなかったかもしれませんけれども、ボーリング座から扇状にボーリングをメッシュでもって打つわけでございますが、払いが始まるその部分についてのボーリング座からのボーリング、それは六月中に終わっているということでございまして、そのボーリング座のボーリングというのはまだこれからも続いていくということで、そこのところの私の御説明がちょっと足りなかったかもしれません。
#147
○小沢(和)委員 いまあなたが言ったことを聞いても、私は何の説得力もないと思うのですよ。この第五上段ロングを、実際に来年の一月から炭を掘るその周辺のボーリングが、私がいただいている資料では九月二十三日までかかっておるのだから。あなたが言ったことはそれに対する反論になりますか。
#148
○檜山説明員 先生お持ちの資料のような状況なのかどうか、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。私がいままで聞いているところでは、六月にその分は終わっているというふうに聞いておりますので、ちょっともう一遍確認いたしたいと思います。
#149
○小沢(和)委員 それは確認をしてもらいたいと思いますけれども、ここでまさにガス突出が起こっているわけですから、あなた方が私に対して即座に私自身がなるほどというような説得力のある説明をいただけぬだけに、このことについてははっきりつかんでおるというのは当然じゃないかと私は思うのです。
 それから次にお尋ねをしたいと思いますのは、北第五での採掘を二カ月早めたということが問題になっているわけですが、これは前々からある計画をことしの三月時点で、いわゆる新再建計画という形で出されたものをただそのまま二カ月早めたというだけのものであったのかどうか、お尋ねします。
#150
○福川政府委員 三月で新しい再建計画をスタートさせましたときに、この北第五の切り羽としての採炭の準備は一応十二月中に終わる、一月、二月は予備切り羽として持っておる、そして三月から出炭開始というのが三月にできたときの計画でございました。その後作業を続けまして、一部に断層を発見したというようなことで、会社は実施の計画は見直しをいたしまして、六月に入りまして、それの作業の手順の変更と同時に、この出炭を三月から一月に繰り上げるということを六月十九日に労働組合と協議をしたというふうに聞いております。
 したがいまして、再建計画というのは、これは会社の大筋の計画ということで、もちろん、個別の具体的な作業まで入っているわけではございませんので、そこは三月のときと作業内容は一部修正にはなっておるというふうに私どもは聞いております。新再建計画を新たに変更の認可をするというほどのものではないと考えておりますが、全く同じかと言われれば一部作業内容は変わっておった。しかし、三月の出炭を一月に繰り上げたということは、六月に労働組合との間で話をいたしたというふうに聞いております。
#151
○小沢(和)委員 いま部長は一部変更したというふうに言われるのですが、私は、このボーリングに無理があったということと、いま部長が認めた一部変更ということとはこれは関係があるんじゃないかということからそのことをお尋ねしたのです。
 というのは、この図面でごらんのとおり、ことしの三月段階の計画では、北第五上段ロングというのは、この三月採炭予定というここのところからこちらの方に掘っていくということになっておったわけですね。それからしばらくして七月には、今度はこちらの方まで坑道を延ばして、こっちからも掘っていくということになっておったわけです。
 私どもは、実際ボーリングを打ってある状態というのをチェックしていってみると、明らかにこちらの方で早く採炭を始めなければならないだろうということを意識してじゃないかと思うのですが、こっちの方でもう一年以上も前からボーリングを打ったりしているような実績があるんですね。ところが、掘進などもなかなか思うようにいかないということで、一方であなた方の方からもっと掘らぬかと言ってしりをたたかれるという中で、当初はずっと掘っていって、どうもここのところが、私の見るところでは終掘の予定になる線だったように思うのですが、ここのところから逆にこっちを掘っていく。そうすれば、もう坑道が現にあるからということで、急遽この辺をやるということを六月ごろに考えて、それでまさに大あわてで六月からボーリングを始めた。それでも来年の三月からということで間に合うと思うておったら、しりたたかれて一月ということになったんじゃないんですか。私はいま若干推測を交えて言ったけれども、この私の推測が違っているんであれば、どこが違っているということをはっきりおっしゃっていただきたい。
#152
○福川政府委員 いま先生お示しになられた図面でいきますと、私どもから見ますと、確かに当初は右から左に向かって掘っていく計画でございまして、そういう準備を、当初計画は三月の時点ではそうでございました。それがその後いろいろ操業しております過程で、そのずっと先にかなり大きい断層があるということを発見をいたしたわけでございまして、その後ずっと先へ掘進が進みにくいということになりましたために、そして途中でその断層の前で切り羽の展開を一応やめるということのために、今度は左の方から右に掘っていく方がより炭層が長く掘れる、こういうことで会社は計画を六月時点で変更をしたということでございます。
 そこで、もちろんガス抜きボーリング、これは十分やらなければならないことは保安上当然のことでございます。したがいまして、特に三月を一月に繰り上げたということは、もちろんその作業、切り羽の操業準備が一応十二月に完了する、こういうこと自身の点については変更はなかったと聞いておりますが、展開の仕方が、断層がありましたために、右から左へ行くところを左から右に最後に変えた、こういうことだと私どもは聞いております。
#153
○小沢(和)委員 だから、私が認識したことは大筋でいまむしろ裏書きをされたんじゃないかと思うのです。そういうふうに六月の時点で変更をした、だから、当然その前はボーリングなども、向こうの方から掘るということで、そっちの方をボーリングをどんどんやっていっておったのを、六月から今度は逆だ。そら、こっちの方を急いでやらなければいかぬぞ、こういうことで、ボーリングは結果として六カ月というのがどうしても無理なような状況が生まれてきたということじゃないか。局長はどうですか。
#154
○神谷政府委員 先ほど参事官が申し上げましたように、実際に採炭が始まったわけでございませんので、採炭開始の時点で、採炭のところのボーリングがどうなっていたかというのは、もし事故なかりせばその時点で十分慎重にチェックがされてしかるべきものだというふうに考えておりますが、私どもの入手しております情報では、六カ月前から特に、当然のことでございますけれども、切り羽の着手するところから先にボーリングをしていくことになろうと思いますので、そこのところはガス抜きのボーリングは行われておったというふうに承知をいたしております。
 しかし問題は、先ほども申し上げましたように、ガス抜きがどのように行われ、かつその結果がどういうふうに推移していったのか、それが当該地帯の自然条件等を勘案し、他と比較してどういう特徴を持っており、どういうふうに考慮されるのかというのは、実は技術調査団の先生方のまさに調査の関心項目でございまして、それには先生方は全く予見もなしに調査に当たってくださる、こういうことでございますので、私どもは、その調査の結果を待って、御説明できる際には御説明させていただきたいと思っております。
#155
○小沢(和)委員 それでは時間が来たようですから、最後に大臣に一点だけお尋ねをしたいと思うのです。
 というのは、坑内の保安の状況が西の方で悪くなってきている。だからいわゆる保安出炭をしたいというような話が新聞などに会社の意向として出ております。私どもは、坑内の保安を最善に保つように努力をしなければならぬということは賛成ですけれども、しかし、そういう保安の作業と、それから保安出炭などと称してずるずると生産を始めるということとはきちっとけじめをつけなければ、また後で非常に問題を起こすことになりはしないかというふうに考えます。この点について大臣から明快なお答えをお願いしたいと思うのです。これで終わります。
#156
○田中(六)国務大臣 保安出炭という言葉を余り過去において聞いたことはございませんが、いずれにいたしましても、私どもは出炭が直ちに行われるということは考えてもいませんし、まず手前の橋を渡って、遺体の収容、それから十分な調査あるいは原因究明というものをやらなければならない、それが前提でございます。
#157
○小沢(和)委員 終わります。
#158
○森中委員長 質疑通告者の質疑は全部終了いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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