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1981/10/14 第95回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第095回国会 農林水産委員会 第1号
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1981/10/14 第95回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第095回国会 農林水産委員会 第1号

#1
第095回国会 農林水産委員会 第1号
本国会召集日(昭和五十六年九月二十四日)(木
曜日)(午前零時現在)における本委員は、次の
とおりである。
   委員長 田邉 國男君
   理事 菊池福治郎君 理事 津島 雄二君
   理事 羽田  孜君 理事 福島 譲二君
   理事 新盛 辰雄君 理事 松沢 俊昭君
   理事 武田 一夫君 理事 稲富 稜人君
      逢沢 英雄君    上草 義輝君
      小里 貞利君    亀井 善之君
      川田 正則君    木村 守男君
      岸田 文武君    北口  博君
      北村 義和君    近藤 元次君
      佐藤  隆君    菅波  茂君
      田名部匡省君    高橋 辰夫君
      玉沢徳一郎君    丹羽 兵助君
      保利 耕輔君    三池  信君
      渡辺 省一君    小川 国彦君
      串原 義直君    島田 琢郎君
      田中 恒利君    竹内  猛君
      日野 市朗君    安井 吉典君
      吉浦 忠治君    神田  厚君
      近藤  豊君    寺前  巖君
      野間 友一君
―――――――――――――――――――――
昭和五十六年十月十四日(水曜日)
    午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 田邉 國男君
   理事 菊池福治郎君 理事 羽田  孜君
   理事 福島 譲二君 理事 新盛 辰雄君
   理事 松沢 俊昭君 理事 武田 一夫君
   理事 稲富 稜人君
      逢沢 英雄君    上草 義輝君
      小里 貞利君    亀井 善之君
      川田 正則君    木村 守男君
      北口  博君    近藤 元次君
      田名部匡省君    丹羽 兵助君
      保利 耕輔君    渡辺 省一君
      串原 義直君    島田 琢郎君
      田中 恒利君    竹内  猛君
      安井 吉典君    吉浦 忠治君
      神田  厚君    近藤  豊君
      野間 友一君    阿部 昭吾君
      田島  衞君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  亀岡 高夫君
 出席政府委員
        農林水産政務次
        官       志賀  節君
        農林水産大臣官
        房長      角道 謙一君
        農林水産大臣官
        房審議官    大坪 敏男君
        農林水産省経済
        局長      佐野 宏哉君
        農林水産省構造
        改善局長    森実 孝郎君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    小島 和義君
        農林水産省畜産
        局長      石川  弘君
        農林水産省食品
        流通局長    渡邉 文雄君
        農林水産技術会
        議事務局長   川嶋 良一君
 委員外の出席者
        厚生省環境衛生
        局食品化学課長 藤井 正美君
        農林水産省経済
        局国際部長   塚田  実君
        通商産業省貿易
        局輸入課長   横山 太蔵君
        通商産業省基礎
        産業局化学製品
        課長      鈴木  晃君
        労働省労働基準
        局安全衛生部労
        働衛生課長   福渡  靖君
        農林水産委員会
        調査室長    小沼  勇君
    ―――――――――――――
委員の異動
九月三十日
 辞任
  玉沢徳一郎君
同日
            補欠選任
             阿部 昭吾君
十月三日
 辞任         補欠選任
  日野 市朗君     山田 耻目君
  安井 吉典君     岡田 利春君
同日
 辞任         補欠選任
  岡田 利春君     安井 吉典君
  山田 耻目君     日野 市朗君
同月十四日
 辞任         補欠選任
  阿部 昭吾君     田島  衞君
同日
 辞任         補欠選任
  田島  衞君     阿部 昭吾君
    ―――――――――――――
九月二十四日
 総合食糧管理法案(安井吉典君外八名提出、第
 九十四回国会衆法第三二号)
 農産物の自給の促進及び備蓄の確保のための農
 業生産の振興に関する法律案(安井吉典君外八
 名提出、第九十四回国会衆法第四三号)
 栽培漁業振興法案(武田一夫君外三名提出、第
 九十四回国会衆法第四四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会申入れに関する件
 国政調査承認要求に関する件
 農林水産業の振興に関する件(昭和五十六年産
 畑作物の価格問題等)
 昭和五十六年産畑作物価格決定等に関する件
     ――――◇―――――
#2
○田邉委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 すなわち
 農林水産業の振興に関する事項
 農林水産物に関する事項
 農林水産業団体に関する事項
 農林水産金融に関する事項
 農林漁業災害補償制度に関する事項
以上の各事項について、衆議院規則第九十四条により、議長に対し、国政調査の承認を要求することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○田邉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○田邉委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 まず、てん菜、てん菜糖、芋、でん粉及び大豆をめぐる最近の情勢及び米国加州における地中海ミバエの発生に関する植物検疫上の対応状況について政府から説明を聴取いたします。渡邉食品流通局長。
#5
○渡邉(文)政府委員 それでは、てん菜、てん菜糖並びに芋、でん粉関係の状況につきまして御説明申し上げたいと思います。
 お手元に「てん菜及びてん菜糖関係資料」と「いも・でん粉関係資料」というものがお配りしてあると思いますが、それによりまして要点を御説明申し上げたいと存じます。
 まず、てん菜関係の資料の一ページをお開きいただきたいと思いますが、そこに砂糖全体の需給が載っております。総需要量といたしましては、従来二百数十万トン、三百万トンございましたものが、ここ一、二年急激に減ってきておるというのが一つ出ております。それから供給面では、国内産糖の欄のてん菜糖の欄をごらんいただきますとおわかりいただけますように、ここ一、二年急激な増加が見られるわけでございまして、数年前の三十万トン前後に対しまして、五十三万五千トンというふうに約七、八割の増加になっておるわけでございます。鹿児島、沖繩等におきます甘庶糖につきましては、ほぼ横ばいないしは若干の増加というふうになっております。したがいまして、需要から供給を引きました輸入実績といたしましては、一番右の欄から二番目にございますように、二百数十万トンございました外糖の輸入が、五十五砂糖年度におきましては二百万トンを大幅に割り込むという実績に相なっておるわけでございます。
 次に、二ページに国際的な糖価の動向が載っておりますが、五十一年から五十六年のごく最近までをごらんいただきたいと思います。一番最近におきまして上がりましたのは、四十九年十一月にトン当たり六百五十ポンドまで上がったわけでございますが、その後鎮静化いたしまして百ポンド前後ということで、昨年の十一月にまた三百数十ポンド台に上がりまして、昨年の十二月に最高四百十ポンドを記録したことがあるわけでございます。ごく最近におきましてはややそれが鎮静化してきているというふうに読み取れるわけでございます。一般的に申しまして、外糖の価格変動の幅は数倍にわたって動くというのが特徴であろうかと思います。
 それを受けました国内の卸売価格ないし小売価格の推移でございますが、三ページにございますような状況でございまして、外糖の変動の幅に比較いたしますと比較的落ちついた動きをいたしております。これは現在の糖価安定法によります上下限価格の制度によります運用の結果でございまして、特に小売価格につきましては、外糖が上がった場合におきましても二百円台でとどまっているというように相なっておるわけであります。
 次に、てん菜及びてん菜糖の生産関係でございますが、四ページに作付面積、生産量等の実績がございます。作付面積をごらんいただきますと、四十六年ごろに五万数千町歩でございましたものが、五十年前後に四万二、三千町歩に落ちまして、その後また順調に回復してまいりまして、特に今年産は昨年度に比べまして一万町歩近い増加になっております。ヘクタール当たりの収量でございますが、そこにございますようにほぼ順調な増加傾向にある。今年度産につきましては、水害等の関係で若干の減が見られるわけでございます。それに歩どまりを掛けました産糖量が、一番右の欄にございますように五十三万トンにまで達しておるわけでございます。
 それから価格関係でございますが、五ページにございますように最低生産者価格と製品であるビート糖の買い入れ価格がございますが、最低生産者価格につきましては、四十九年度からいわゆる奨励金というものがつきまして、括弧書きが農家手取り金額になっておりますが、現在、五十五年の最低生産者価格は一万九千三百八十円、農家の手取り価格は二万四百八十円になっております。買い入れ価格は二十四万六千三百円でございます。
 生産費は六ページにございますが、これも一番右の欄のトン当たり第二次生産費をごらんいただきますと、昨年度におきまして一万六千百四十六円ということで、農家の手取り価格を大幅に下回っておるというのが昨年度の状況でございます。
 なお、てん菜の対策関係予算等につきましては七ページに載っておりますし、最近のパリティ指数は八ページに載っておりますが、時間の関係で省略させていただきます。
 次に、「いも・でん粉関係資料」につきまして御説明申し上げます。
 一ページをお開きいただきたいと存じますが、まずカンショでございますが、これは全国的な作付面積でございますが、ここ数年六万数千町歩台で推移しておりまして、今年産も六万五千町歩というふうに見込んでおります。価格決定の際に対象になりますでん粉原料用のカンショにつきましては、このうちの鹿児島ないし宮崎等にございます二万数千町歩の面積のうちの約半分くらいが、原料用カンショとして流通するということに相なるわけでございます。春植えバレイショでございますが、これも全国と北海道とございますが、価格決定の対象になりますでん粉原料用としてのものは北海道でございまして、北海道の作付面積はここ数年六万数千町歩で推移しておりまして、本年も六万七千九百町歩と見込んでおるわけでございます。でん粉原料用として使われますバレイショの数量は、おおむねここに書いてあります収穫量の半分強、六割前後というふうに相なっておるわけでございます。
 二ページでございますが、その生産されましたでん粉原料用のカンショないしバレイショからできます甘でん、馬でん並びに小麦でん粉あるいはコーンスターチ等のでん粉の国内におきます生産実績が書いてございます。合計欄にございますように百七十七万トンが過去一年間のでん粉の総生産量に相なっております。
 それからでん粉の需給表、全体の需給でございますが、三ページにございますように、ただいま申しましたように甘でん、馬でん、コーンスターチあるいは一部の外でんの輸入、小麦でん粉等、でん粉の種類は多岐にわたるわけでございますが、五十五年の見込み欄をごらんいただきますと、供給といたしましては、政府の払い下げ分四万五千トンを含めまして百八十八万五千トン。一方、需要欄は、下にございますように異性化糖、水あめ、ブドウ糖のような糖化製品向けがそのうち百十四万トン、水産練り製品あるいは製紙、繊維、段ボール等あるいは化工でん粉、ビール、グルソ、その他含めまして、まだ内訳は詳細な調査結果が出ておりませんが、七十四、五万トンが見込まれております。政府買い上げはいまのところございませんので、全体といたしましての需給は百八十八万トン前後というふうに見込んでおるわけでございます。
    〔委員長退席、菊池委員長代理着席〕
 一方、価格関係、カンショでん粉、バレイショでん粉、コーンスターチの価格関係でございますが、まずカンショでん粉につきましては自力で流通するものがほとんどございませんために、全量輸入トウモロコシからできますコーンスターチとの抱き合わせ制度で消化をいたしております関係上、市価が形成されておりません。したがいまして、五十二年以降のところはブランクになっております。一方、馬でんでございますが、ごく最近十七、八万円で流通をいたしておりますが、このバレイショでん粉はバレイショでん粉として、固有用途と言っておりますが、バレイショでん粉独自の用途として流通するものの価格でございまして、それ以外のでん粉につきましては、年々約十万トン前後でございますが、甘でんとあわせましてコーンスターチとの抱き合わせの対象として流通さしているわけでございます。一方、コーンスターチの価格は十万円前後というのがここ二、三年の傾向でございます。
 五ページでございますが、価格決定の対象になりますカンショ、バレイショ及びそれからできます政府の買い入れ基準価格、カンショの平切り干し等につきましては、そこにございますような数字に相なっております。
 それから六ページでございますが、生産費でございますが、これもカンショにつきましては、一番右の欄にございますようにトン当たり三万三千九百七十三円となっておりまして、この前のページにございますカンショの原料基準価格のほかにございます取引指導価格とのバランスにおきましては、生産費の方が下回っているということになっております。
 バレイショの生産費でございますが、これは、バレイショの一万五千八百五十九円というのが昨年度でございますが、買い入れ基準価格の範囲内におさまっておるわけでございます。
 なお、八ページ、九ページに、てん菜の場合と同様、関係の予算ないしパリティ価格の動向が載っておりますが、省略をさせていただきます。
 以上でございます。
#6
○小島政府委員 五十六年産大豆の基準価格関係資料の御説明を申し上げたいと存じます。
 資料の一ページに大豆の年次別の生産状況が出ております。本年の場合、水田転作などをきっかけといたしまして作付面積は全国でかなりふえております。内容別に見ますと、後にも出てまいりますが、北海道が昨年の冷害などの影響もございましてやや減少いたしまして、かわりまして都府県の方は大幅にふえておるわけでございます。
 それから一枚めくっていただきまして、その作付の内訳でございますが、全体で十四万九千ヘクタールの作付面積のうち、たんぼでつくっておりますものが九万八千八百ヘクタールということで、大体三分の二ぐらいを水田転作でつくっておるという状況でございます。さらに、北海道の内訳でございますが、全体としても減少しておりますし、また、たんぼでつくっておりますものも、きわめてわずかでございますが、減少いたしておる状況でございます。都府県も同様、畑作については減少いたしておりますが、それを上回るところの水田転作がございまして、全体としてはふえておる、こういう状況に相なっております。
 次のページは、主要生産県の作付面積と予想収穫量でございまして、北海道はいま申し上げたように面積も減っておるわけでございますが、本年の場合には低温あるいは豪雨、台風などの影響がございまして、作況指数が八一と低うございます。それから東北地方におきましても青森、岩手、宮城等は作況指数が一〇〇を下回っておるわけでございますが、反面西日本の方の作が非常にいいということがございまして、北海道除きの主要生産県の作況指数は一〇九ということになっております。平均いたしまして一〇三という作況指数に相なっておるわけでございます。
 四ページは作柄概況の説明でございまして、お読みいただければと存じます。
 それから五ページには大豆の年次別の需給状況の数字が出ております。上の表の下から二行口にございますように、需要合計では四百四十万トンということで、年々少しずつ需要は伸びてきておるわけでございます。生産量の方につきましては、これは本年の場合、生産量は大体二十万トンを超えるのではないかと見ておりますが、出回り量で十六万トン、自給率からいたしますとそれほど高いものではございませんが、下にございますように、六十五年見通しでは生産量を今日の倍ぐらいの水準の四十二万トンまで持っていきたい、これは食用大豆の七十万トンの約六割、こういう水準を想定いたしておるわけでございます。
 それから輸入大豆の価格の状況、それから国産大豆の販売価格の推移でございますが、これは外国の豊凶の変動にもよりますし、また国内価格ということになりますれば為替レートの変動ということもあるわけでございます。輸入価格、五十四年、五十五年と比較的高位に推移いたしたわけでございます。国内産の方も、右側の下の方にございますように、五十五年産の大豆につきましては、見込みでございますが、一俵七千四百円ということで、前年あるいは前々年に比べますとやや高目の水準で販売が行われております。
 それから次の七ページでございますが、基準価格等の推移でございまして、中ほどにございますように、昭和四十九年産から生産振興奨励金が出されております。五十二年に至りましてそれが価格の中に取り込まれまして、今日では基準価格一本ということになっておりまして、五十五年産の価格は六十キロ当たり一万六千七百八十円、こういう水準に相なっておるわけでございます。
 それから生産費の状況でございますが、年次別に書いてございますが、一番右側の第二次生産費でごらんいただきまして、十アール当たりでは毎年多少ずつの生産費の増加が見られるわけでございます。増加の要因といたしましては、真ん中辺にございます農機具費、それから光熱動力費などの奇与率が高いように思われます。六十キログラム当たりということになりますと、これは年による豊凶変動が非常に効いてまいりますものですから、五十三年のように非常に豊作であったということで六十キロ当たりの生産費が非常に低く出ておる年もございますし、反面五十五年産のように冷害年であったということを反映いたしまして、比較的高く生産費が出ておるという年もあるわけでございます。
 それから九ページは、交付金の実績でございまして、最近におきましては、五十三年産が百七十四億ということで大変な金額を必要といたしましたが、五十四、五十五年産はいずれも百五十五億前後、こういう実績でございます。
 それから十ページは、大豆の生産振興に直接関係あります予算の推移でございます。お読みいただければと思います。
 以上で大豆関係の資料の説明を終わらせていただきます。
 なお、お許しをちょうだいいたしまして、引き続きアメリカのカリフォルニア州におきますチチュウカイミバエの発生に関係いたします植物検疫上の対応状況を御説明いたします。
 順序は逆でございますが、一番最後のページにこの虫自体の形質、特性といったものが記してございます。原産地は地中海沿岸のヨーロッパでございますが、今日ヨーロッパ、アフリカ、中南米大陸、ハワイ、オーストラリア、中近東に分布をいたしておりまして、果実、果菜類の大害虫として知られておるわけでございます。アメリカ合衆国本土はこの虫の生息地ではなかったわけでございます。
 ところが昨年の六月、サンフランシスコ近郊の住宅地域でこのチチュウカイミバエが発見されまして、以来アメリカにおきましても懸命な防除作戦が展開されてまいったわけでございますが、その努力にもかかわらず、一たん下火になりましたものがことしの夏ごろ以降また活発になってまいりまして、八月十三日以降は果実の商業生産地域の一部にも発見されるに至りました。その後八月下旬にはロサンゼルス近郊でも発見されるに至っております。
 終わりから二枚目に現在の検疫規制区域、これはミバエの発見されました区域とその周辺部分を取り込みまして、アメリカの方で検疫規制区域というものを設定をいたしておりますが、現在、ここにございますような七つの郡、全部のところもございますし、一部のところもございますが、規制区域になっておるわけでございます。このうち昨年の夏の時点におきましては、上の方のサンマテオ、アラメダ、それから一つ飛んでいただきましてサンタクララ、この三郡のみが発生地域でございましたが、八月に至りまして、やや飛んでおりますがスタニスラウス郡の一部、これはサンホアキンバレーという果実の商業生産区域でありますが、そこに飛び火をいたしました。そのほか同じように住宅地で、隣接しておりますサンタクルツ、それからサンベニート、そういうところにも飛び火をいたしております。それからロサンゼルス郡の一部は、一番下にございますようなところで、これも住宅的な区域でございます。
 そういう状況でございましたので、私どもといたしましては、この検疫規制区域のものは昨年の十月以降わが国に対する輸入を禁止しておるわけでございますが、それ以外の地域といえども必ずしも将来に向かって安全であるという保証はないということで、八月十七日付をもちましてアメリカに対し未消毒の加州産生果実の対日輸出の自粛等を要請いたしたわけでございます。その結果、八月二十二日以降日米の植物防疫専門家の会議が持たれまして、純検疫的な見地から当面の検疫措置について次のような合意が得られております。
 合意事項は六項目ございます。第一は、検疫規制区域以外の加州産の生果実、果菜を含んでおりますが、次による消毒を行い、その旨アメリカ側で証明してあるものについては、わが国は通常の検査方法で受け入れる。レモン、オレンジ、グレープフルーツにつきましては低温処理またはEDB薫蒸、ブドウ、キウイ等の生果実については低温処理、アボカドにつきましては臭化メチル薫蒸プラス低温処理ということでございます。
 それから加州産以外のものにつきまして、加州を通過する場合においては海上コンテナまたは密閉型トレーラーで輸送され、そういう輸送方法をとったということをアメリカ側が確認し、証明したものについては、日本は通常の検査方法で受け入れをする。
 それから第三の点でございますが、アメリカはイチゴ類それからメロン、数品種のレモンにつきましては、この虫の寄主植物ではないという見解をとっておりまして、国内的にもこういうものは規制の対象外にいたしておりますが、わが国は世界の通説に従いまして、これらの果物も瀞主植物として扱っておるわけでございます。この点意見の食い違いがございまして、今後とも引き続き検討するということになっておりますが、それまでの間、わが方としては従来の見解によって措置をする方針でございます。
 それから四番目は、こういう消毒あるいは密閉輸送という方法をとらなかったものにつきましては、わが方としては全量検査またはこれに準ずる厳重な検査をするという方針を国内的にも国外的にも明らかにしておるわけでありますが、それは日本固有の検疫問題でありますから日本の自由であるけれども、関係者に十分周知徹底させてもらいたい、こういうアメリカの要望がありまして、そのとおりすることにいたしております。
 第五は、わが国が専門家調査団をアメリカに派遣するということでございます。
 それから六番目は、今回の合意の前提となっておりますのは現在の発生状況を前提としたものでございますから、その状況に基本的変化があればさらに必要な措置をとる、こういうことにいたしております。
 この合意に基づきましてすでに実行に移されておるわけでございますが、またこの合意事項の一つであるところの専門家の派遣につきましては、九月十三日以降、植物防疫課長を団長として専門家の調査団を加州等へ派遣をいたしております。その結果といたしましては、アメリカ側としても非常に本格的な体制をもって防除に取り組んでおりまして、状況としては悪い方に向かってないという判断を持つに至っております。また、問題点の一つでございました寄主植物の範囲につきましては、ハワイの研究所における専門家同士の話し合いの結果、イチゴ類、メロンにつきましては、アメリカ側もどうも余り自信がないということでおりたようなかっこうになっております。レモンにつきましては、アメリカ側はこの虫はレモンには非常につきにくいということを証明をいたしておりますが、絶対につかないという確証が得られないままに物別れになっておりまして、引き続きレモンについては寄主植物として扱っておるわけでございます。
 以上のような体制をとっておりますので、この虫がわが国に侵入するという懸念はないものと思っておりますが、万々が一ということがございますので、早期発見体制ということで、主要な輸入港、市場それから主要生産県の消費地近接の果樹生産地帯等につきまして誘殺トラップを仕掛けまして侵入警戒調査を実施いたしております。そういう状況で、今後ともこの害虫の侵入防止には万全を期する考えでございます。
 なお、このことに関係いたしまして最近の状況でございますが、発生状況は九月、十月と日を追って発見される虫の数も減ってきておりますし、また発見されておりますものもこれまでの検疫規制区域内でございますので、新しい検疫規制地域の拡大は行われてはおりません。また、輸入の状況でございますが、一部の旅客携帯手荷物を除きましては、未消毒の生果物は輸入されておりません。若干のものが誤って入荷されたものがございますが、これは荷主の了解のもとに全量廃棄処分をいたしております。それから加州産以外のもので加州を密閉状態で通過した果物につきましては、九月九日現在で千八百六十八トンの輸入が行われております。それから薫蒸されました果物につきましては、去る十月八日、加州産の果物でEDB薫蒸されたものが、オレンジ三十六トン、レモン三十六トン、横浜港に入荷しておりますが、この問題につきましては、港湾荷役の労働者の方方がEDBの残留濃度を気にして荷さばきが昨日現在行われておらない。したがって、まだ通関も行われてないという状況にございます。
 昨日現在におきまして、横浜港の港湾労働組合、いわゆる船主、それから荷主並びに労災防止協会の四者が会議を持ちまして、厚生省が許容濃度基準の暫定的な基準として定めました〇・一三PPm以下のものであるということで、関係官庁が責任を持って安全宣言を行わない限りヤード内から搬出しない、こういう申し合わせが行われております。したがいまして、検査の結果そういう濃度以内であるということが判明すれば貨物は動き出すのではないか、こういうふうに見ておるわけでございます。
 駆け足でございますが、御説明を終わらしていただきます。
#7
○菊池委員長代理 次に、本年八月の台風等による農林水産業関係の被害状況とその対策等について、政府から説明を聴取いたします。大坪大臣官房審議官。
#8
○大坪政府委員 それでは、本年八月上旬の北海道におきます豪雨と台風第十二号及び同月下旬の台風第十五号によります農林水産業関係の被害状況とその対策等につきまして御報告申し上げます。
 これらの台風は、北海道、東北、関東地方を中心に農林水産業に大きな被害をもたらしたわけでございますが、以下、その被害状況とこれに対する農林水産省としての対策につきまして御報告申し上げます。
 まず、被害状況でございますが、お手元に関係の資料をお配りしてございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 まず、八月三日から六日にかけての豪雨と台風第十二号によりまして、北海道では道央を中心といたしまして農林水産業に大きな被害が発生しております。
 まず、農作物についてでございますが、統計情報部の調査によりますと、総被害額は四百二十二億円でございまして、これを作目別に見ますと、浸、冠水、倒伏、穂発芽等の被害が発生いたしました麦類の被害が最も大きく、被害額は二百十九億でございます。次いで被害の大きいのは水陸稲でございまして、被害額は百億円でございます。このほか、野菜、雑穀、豆類等にも被害が発生したわけでございます。
 また、北海道庁からの報告によりますと、農地、農業用施設の被害は三百九十二億円でございまして、そのほか営農施設等につきまして十四億円の被害が発生しております。
 また、治山、林道等林業関係につきまして二百十九億円、水産施設、漁具等の水産業関係で十三億円の被害が発生しておりまして、農林水産業関係合計では千六十億円の被害となっておるわけでございます。
 次に、八月下旬の台風第十五号でございますが、台風第十五号は、その進路に当たりました関東、東北、北海道を中心といたしまして農林水産業に大きな被害をもたらしたわけでございます。
 まず、農作物についてでございますが、統計情報部の調査によりますと、総被害額は千六十九億円でございます。これを作目別に見ますと、もみの変色、白穂、倒伏等の被害が発生いたしました水陸稲の被害が最も大きく、被害額は四百九十七億円でございます。次いで被害が大きいのは果樹でございまして、被害額は二百六十四億円でございます。また、このほか野菜、工芸農作物、雑穀、豆類等にも大きな被害が発生しております。
 また、都道府県からの報告によりますと、農地、農業用施設に三百九十八億円、営農施設等に七十八億円の被害が発生しております。
 このほか、林業関係では、林地の荒廃、林道等の被害のほか、暴風によります造林木の折損等の被害が発生しておりまして、被害額は三百二十五億円となっております。
 さらに、水産業関係では、漁港、水産施設等に六十五億円の被害が発生しております。
 これらを合わせまして、台風第十五号によります農林水産業関係の被害の合計額は千九百三十五億円と相なっております。
 このような災害の発生と被害の状況に対処いたしまして、農林水産省といたしましては適時適切な災害対策の実施に努めてまいっているところでございます。
 すなわち、災害の発生後、直ちに担当官を現地に派遣する等によりまして、被災農作物の管理、病害虫防除の適正実施等の技術指導を行いますとともに、次季作用種子が不足しないよう実情に応じた適切な指導を行ってまいっております。
 また、農業共済金の早期支払いと既貸付金の償還猶予等、貸付条件の緩和につきましても、関係機関に対し指導を行ってまいっているところでございます。
 さらに、被災農林漁家が必要といたします経営資金等の確保につきましては、八月上旬の北海道の豪雨と台風第十二号関係につきましては、すでに自作農維持資金の融通を行うほか、九月二十二日に関係政令を公布いたしまして、天災資金の融通を行いますとともに、同災害を激甚災害に指定することによりまして、貸付限度額の引き上げ等の特例措置を講じたところでございます。なお、台風第十五号関係につきましても、天災融資法の発動等を行うべく、鋭意手続を進めているところでございます。
 また、農地、農業用施設等の災害復旧事業につきましては、査定事務の簡素化と早期査定に努めますとともに、査定が終了し次第、逐次復旧事業に着手しております。特に緊急を要する個所につきましては、早期に事業の完了を図るよう努力しているところでございます。また、林地の荒廃につきましては、緊急なものから緊急治山事業を実施してまいっております。
 なお、農地、農業用施設、林道の災害復旧事業等に係ります激甚災害の指定につきましては、八月上旬の北海道における豪雨と台風第十二号関係につきましては、すでに九月二十二日に関係政令を公布したところでございますが、台風第十五号関係につきましても、そのための手続を鋭意進めているところでございます。
 なお、森林被害につきましては、現行激甚災害指定基準の改正を行いまして、地域的な激甚災害に対する指定基準、いわゆるB基準でございますが、これを追加の上、台風第十五号につきましても激甚災害の指定を行うべく、目下手続を進めておるところでございます。また、あわせまして、局地激甚災害指定基準の改正も行うことといたしているところでございます。
 以上でございます。
    ―――――――――――――
#9
○菊池委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島田琢郎君。
#10
○島田委員 最初に、きょうアメリカからブロック農務長官を団長にするかなり大がかりな代表団が日本にやってきております。その目的や意図するものについては新聞でもかなり詳しく報道がなされているわけでありますが、この際、こうした目的を持ってやってくるということを前提に、日本側の対応が大変重要な意味を持つ、こう考えられますので、大臣から、こうした訪日代表団の対応といいますか、そういう点についての考え方を冒頭にお聞きをしておきたい、こう思います。
#11
○亀岡国務大臣 御承知のようにきょう二時からアメリカの農務長官ブロック氏が私のところに表敬に実は参るわけでございます。大平・カーター会談の共同声明の中で、日米食糧会合を定期的に開くということにいたしておるわけでございます。その会合のためにブロック長官と一緒に農務省の諸君もやってくるわけでございまして、まあ目的というのは、日米食糧会合ということでやってまいるわけでございます。そのときにたまたま農務長官が日本に来る、こういうことに相なったわけでございます。
 そこで、農務長官が参りまして、もう少し農産物を買ってほしいという意思表示、柑橘類あるいは牛肉等についての来年、再来年までの約束をしてあるわけですが、その先のこともそろそろ話し合おうじゃないかというお気持ちでお見えになるようですが、私としては、とにかく穀物につきましては安定的輸入を図ることも農政の大きな問題でありますので、この点については十分実情を話をいたしたい。いままで以上に備蓄をよけいにするとかあるいは小麦をよけい買うとかということは、日本の財政事情並びに過剰米等もある折からそういうことを考えてはおらないということをよく納得してもうおう、こう思っております。
    〔菊池委員長代理退席、委員長着席〕
 と同時に、牛肉と柑橘類につきましては、とにかく約束したことはこちらは忠実に実行してきており、向こうもそれを認めてきておるわけございますから、向こうの政権がかわったからといって、約束した年月は約束した問題としてこれを忠実に実行するというところに重点を置いて、来年の終わりころか再来年の初めころから話し合いを始めても遅くはないじゃないかということで、その線で私はきょうは対処しよう、こう思っておる次第でございます。
#12
○島田委員 事務レベルにおける定期協議がブロック農務長官一行とドッキングしてちょうど日本に来る、こういうかっこうになっているのだというお話でありますが、かなり向こうは意図的である。大臣は、いま予測でおっしゃっているようでありますが、こういう問題を持って日本に行きますよ、表敬訪問というけれども、ブロック長官の大臣に対するかなり異質な訪問、こういうことになるということをいまおっしゃっているようでありますが、それにしても向こうは次官、上下両院議員まで引き連れる、こういうことでありますから、日本に対して相当強い姿勢でくることは予測される。いま大臣から、八三年いっぱいの日米の約束事は忠実にこっちも果たしているのだし、そんなに早くから話を始めることはないということも含めて十分理解を得たい、こういうことを言っておりますが、今度農務長官がこういう問題を持って来日するという背景は一体何なのか、この点も少しく解説をしてほしい、こう思うのです。
#13
○亀岡国務大臣 レーガン政権ができる過程において、アメリカとしては農産物の農業政策に重点を置いて、農作物の輸出を強化していこうというような政策が確立されて、アメリカ大統領選挙の際に明らかにされたことは御承知のとおりでございます。しかるところ、ことしは近来まれに見る大豊作という話も聞いておりまして、トウモロコシあるいはコウリャンはもちろん、小麦、大豆等についても史上最高の豊作じゃないか、こういうふうに言われておるわけでございます。御承知のように、そういう背景のもとに特にブロック農務長官が前々から言っておったソビエトに対する穀物の輸出の禁止を解こうというような事態にあったわけですが、これも解除をされて協定を結ぶという情勢になっております。
 よくアメリカの制度を検討してみますと、相場がどんどん下がってきますと不足払いをしなければならない。そうなると、アメリカの財政事情容易でない、インフレ収束のためにレーガン政権が全力を挙げておるというときでもありますから、そういうときにおいて不足払いなんてするような事態になれば大変だというアメリカの考え方があろうかと思います。したがいまして、そういう事態を回避するために農務長官としてはできるだけ穀物の輸出を促進をしていきたいという考えに相なったのではないか、そういう背景があるのではないか、これは私が推測をいたしておるわけでございます。それが日本にも来て、できるだけ多くアメリカの農作物を輸入してほしいという要請になるであろう、こういうふうに推測をいたしておるわけであります。
 したがいまして、私どもといたしましては、何しろ過剰米を抱えながらとにかく一億一千万、腹いっぱい食べて、しかも二・六カ月の備蓄までちゃんと用意をして食糧に不安なからしめる状態をきちんとつくり上げておるというこの事態において、これ以上外国からの農作物を輸入することは、もうとうてい受け入れられる問題ではない。胃袋で消化する限度は決まっておるわけでありますから、限度いっぱい食糧事情を抱えておる日本といたしましては、これ以上はもう買うわけにはまいりませんよということを私は率直に理解してもらおう、こう思っております。もしアメリカの方をふやすとすればどこか削らなければいかぬという問題がやっぱり起きてくると思うのです。それでなくとも、牛肉にいたしましてもあるいは小麦にいたしましてもあるいはトウモロコシにいたしましても、アメリカにふやした分は必ずどこかの国のシェアが縮んでおる、こういう状態をここ二、三年続けておるわけでありますから、その事情等もよく話をいたしまして理解をしてもらう、こういう腹を固めておるところでございます。
#14
○島田委員 私は、レーガン政権の一連の対日政策の一環としてこれをとらえるということが必要だ、特にオタワにおけるサミットの日本側の対応というのが、ややもすればアメリカ追従型だという指摘をわれわれはしてまいりました。つまり、日米安保条約のもとにおいて、日本はアメリカからの輸入を受け入れるという姿勢で今日まで来て、その間、東京ラウンドを初めとして大変な貿易の攻防が行われた。今回は第二の東京ラウンドの前哨戦だという位置づけで対応してまいりませんと、八四年以降の問題には対処し切れない。背景としては確かにアメリカの国内事情、豊作という状況を背景にして輸出という問題が考えられていると単純に考える部面もないとはいえないでしょう。しかし、それはもっと大きな背景があって、そこから対日政策が始まっている。経済政策にしても軍事政策にしてもそうでありますが、そういう一連のものだというとらえ方をしておかないと対応に誤りを犯すといま私は考えているわけであります。
 この問題について、いま長い時間費やすことができません。限られた時間でありますから、私は大臣の決意を率直に受けとめて、日本農業がこういったアメリカの対日貿易政策によって大きく崩れるなんということがあったら大変でありますので、大臣のその決意でひとつきょうあすのアメリカとの話し合いについてはやってもらいたいと思っています。必要によっては、私は、わが党の理事にも先ほどから申し上げているのでありますが、当委員会としては大臣を支援するという立場で決議ぐらいしてもいいじゃないかと考えています。これはひとつ理事会で御検討いただきたいと思って、委員長に要請をしておきます。
 さて、いよいよことしの最終版であります畑作三品、沖繩のサトウキビがまだ少しずれますけれども、価格決定のときを迎えまして、この際、これら価格決定に当たって、とりわけてん菜を考えます場合に重要な政治課題として幾つか問題がある。その点を農政の基本として十分大臣の認識をお聞きした上でなければ価格決定ができないという前提に立って、若干私の考え方を述べて御見解を承りたいと思っているのであります。
 てん菜というのは北海道に限定されている作物であります。そしてまた北海道にとっては重要な基幹作目である。これは否定し得ない事実として、いま北海道でてん菜の生産が進んでいるわけであります。しかし、政府は、減反政策が日本の農政の一つの柱だという位置づけのもとに第二次減反政策を強行された、そのリスクをもろにかぶっているのが北海道だ、こういうことが一面では言えるわけです。つまり、北海道農業というのは、いま好むと好まざるとにかかわらず再編成を迫られている、またそれは大変な勢いで進んでいるというとらえ方をしなければならないと思うのです。特にてん菜は――米は減反で面積が半分も減らされた。こういう中において、北海道の生産農民は拡大という方向に向かって、重要な戦略部門としてこれを消化していかなければならない。しかもその拡大の戦略部門においててん菜はまさに旗頭である、こういうことになっているのであります。
 といたしますと、てん菜の占める位置はきわめて大きいことになるのでありますが、残念ながら、私は当農林水産委員会で幾度も強調しておりますように、てん菜の位置づけというものはいまだに明確とはいえない。確かに閣議においては七万七千ヘクタールという目標を掲げて、自給率を高めていくという目標は一つできていますが、それが確実に受け入れられるというような状況にはなっていないままに進んでいる。平たく言えば、受けざらづくりがおくれている。面積と砂糖の生産量だけはどんどん先行していくけれども、これは受け入れの現地において大変な苦労を伴い、リスクもしょい込みながらいまがんばっているというのが実態であります。といたしますと、北海道の農業の再編成という立場で考えるならば、縮んでいくわけにはいきませんから、この際、拡大の方向に向かっていかなくてはならない。その拡大の最大の戦略部門は何かといえば、いまやはりてん菜ということになるわけでありますのに、行政はそれに的確に対応するという形には相なっていない。いままでも繰り返して言っておりますから、いま改めて長い時間を費やして中身を説明する必要はない、大臣もすでに御認識のとおりです。この際、そうした基本的な構えというものを明確にした上で、さてそれではことしの価格をどう決めていくかということにならないといけない、こう考えるので、大臣の御見解を承りたいと思うのです。
#15
○亀岡国務大臣 てん菜は、北海道農業の基幹をなしておる部門の一角であることは御指摘のとおりで、私もそのように考えております。と同時に、この転作関係と関連しまして急速に作付面積が増大してきておることも御指摘のとおりでございまして、その受け入れ体制のおくれということも私自身としても認めざるを得ないという感じも持っております。御指摘のとおりでありまして、北海道農業を確立してまいりますためには酪農、てん菜、麦類といったようないわゆる輪作体系と申しますか、そういう形で北海道農業が確立されることが望ましいという場合において、このてん菜に対する総合的な施策を充実していかなければならないと考えまして、私どももその手を打っておるわけでございますので、これからも御指摘のようにてん菜に対する確たる態勢をとって、そうして北海道の農民諸君の安心感を得られるような体制をつくり上げていかなければならぬと考えております。
#16
○島田委員 まことに抽象的な御見解でありまして、私としては不満でありますけれども、重ねて強調しておきたいのは、てん菜だけのプロパーで物を考えることはできない、これはあたりまえのことですね。つまり、砂糖部門だけを考えても、てん菜が一体どういうふうになっていくのかというのは砂糖需給構造にも大変大きな影響を及ぼす。七割以上外糖に依存しなければならぬという実態がある限り、そこは避けて通れないわけです。しかも、今日は異性化糖という新たな問題もここに提起されている。いま大臣は総合的なと、こういうことをおっしゃった。その意味の中にそれがすべて包含されていると私は受けとめたいのです。とすれば、それはやはり具体的にどうするということが出てこないと総合対策とはなり得ない。全部ひとり歩きしていくわけであります。ひとり歩きしていくとはいいながらも、かつ影響を持ちながら、引っ込んだり出たりするところを事前調整のかっこうで調整しながら進められていくというのがいまの実態です。したがって、ビートをつくっている生産農家にしてみればきわめて不安だ。確かに北海道の畑作の体系は輪作をしっかり守っていくということが大事な、いわゆる経営の柱でありましょうが、そういうことだって政府のいまの姿勢の中では崩れていっている。自殺行為だとわかりながらもそういう行為に走らざるを得ない。先ほど申し上げましたように、拡大の方向に向かっていかなくちゃならぬのですから、これは最大の戦略部門なんですから、そういう中で選択をしていくとこういうことになる。そうするとビートに走る。ここで、だからビートにこれ以上伸びられては困るから価格で抑制する、ストレートに生産面積の抑制を行うというふうにいったらそれこそ北海道農業は壊滅してしまう、こういうことになります。その辺のところが整理されないままにいま経営は継続されている。私は、何回もここでいわゆる砂糖なら砂糖の部門だけでもいいから受けざらづくりを急げということを言ってきました。もう私は三年も四年も前から言っているわけであります。いまになって、これほど予測しない急カーブで面積がふえていくとは思わなかったという泣き言だけが聞こえる。私は行政の怠慢と言わざるを得ません。一体どうするのかという声を突きつけながら、いまだに答えが返ってこないというのが実態であります。だからこの際、しっかりしたてん菜の基本的ないわゆる構えというものを行政のサイドから示してもらいたいと思って、大臣の見解を承ったのであります。確かに総合的なとか、あるいは北海道農業における大事な輪作体系を守るとか、いろいろなお話がございましたから、そこのところは私なりに大臣のおっしゃりたかった具体的な内容を推測しながら、私の考えているような方向に進んでもらえるんだなというふうに理解はいたしますけれども、しかし、いままでのやり方を見ておりますと、どうも具体的になかなかそういう方向になっていかないという点をこの際ぜひ、本日の指摘を踏まえて、農林省としてはしっかりした考え方を示してもらいたい、ここは要望として申し上げておきます。
 さて、大臣のいらっしゃる間に聞いておきたいことがいっぱいあるのでありますが、次に、大豆の点について触れておきます。
 大豆も日本の今日の自給率を考えますときに、これでは食糧の安全という立場からいえばきわめて不安が多い。しかし、これはまたさっぱり自給率が高まっていかない。依然三%か四%のところで低迷をしているというのが実態でありましょう。これは細かに事務当局と後ほど話をさせてもらいますが、いまやはり急がれるのは、品種改良とか耕作面におきます具体的な指導とかいったものにもっと力を入れていかないと、いまのままなら百年待ったって自給率は上がっていかないだろう。交付金制度でやっているんだから十分われわれだって大豆の生産振興に力を入れていますよ、こうおっしゃるかもしれぬが、しかし、かつて日本で大豆がつくられた時代のことと比較して考えると、まことに大豆に対してはお粗末に過ぎる、こういう感じがひとつします。大豆のこれからの取り組みについて大臣としてのお考えがあれば示していただきたい。
#17
○亀岡国務大臣 自給力を向上させる、強化をするということはもう本院の基本的な御決議をちょうだいしておる、院の意思でもございますので、私ども行政府といたしましては、この意思を基本として農林水産行政を強力に進めて、自給力を強化してまいるということを農政の基本にいたしているゆえんもそこにあるわけでございます。
 その中で、いま科学技術の活用による品種改良という問題を提起されたわけでございますが、私もその考えには全く同感でございまして、在任中私もその方面に対しましては特に力を入れ、特に畑作物、麦、あるいは大豆、小麦等々の品種改良については日本は非常におくれておるという指摘を外国からさえも受けるということをこの一年の間に私は体験いたしました。そういう事情でありますので、同じ労力で、同じ面積で、しかも味のいいものをたくさん収穫のできる品種をつくり上げていくということは、これはもう私どもの大きな課題であり責任である、こう考えておりますので、来年度の予算要求に当たりましても、その点特に意を用いて概算要求をいたしているところでございます。育苗とか種子関係の行政につきましても、特に農林水産省としても意を注ぐようにということで指導をいたしておるところでございます。
#18
○島田委員 ところで、先ほど十二号、十五号の台風被害の実態が報告されました。北海道においては確かに未曽有の大被害を受けました。胸の痛い思いをわれわれもいたしているわけであります。ただ、こうした台風なり低気圧の被害による部門だけに目を奪われて、ややもすると北海道全体が農作物の被害として抱えております春以来の長雨による湿害、そして低温によります冷害、こういうものが陰に隠れてしまうという心配を私はしています。先ほど、十五号台風の被害に対する天災融資法の発動はこれからだ、近いうちにやりたい、こういうお話でありました。また、B基準や局地激甚指定基準の見直しもやってまいりたい、こういう報告が実はあったのでありますが、この際、そうした直接受けたところはもちろんですけれども、それ以外、全道的にまたがる冷湿害という問題をどのように災害として取り上げていこうとお考えになっているのか、この辺をひとつ大臣からお聞きをしておきたい。
 また、十五号台風に対する天災融資法の発動はいつおやりになろうと考えているのか。
#19
○亀岡国務大臣 御承知のように、ことしの四月、五月、六月ころは、これはもう冷害が二年来るんじゃないかというほどの低温であったことは私も十分承知をいたしております。その上に湿害という問題もありまして、実は道庁の方からもその実情が報告になって来ておるわけでありますので、私といたしましても統計情報部の方に指示をいたしまして、その実情を統計的にきちんと把握できるものかどうかということを検討を命じておるところでございます。これは、北海道を中心にして東北の北の方、同じような情勢にあるという感じを私も向こうに参りまして、北海道にも参り、また東北農政局の方にも参りまして、そういう事情も報告を受けておりますので、調査を実は命じてございます。その調査の結果を待って対策をどうしたらいいかということを考えていきたい、こう考えております。
 それから、十五号台風の政令公布のための閣議決定はいつかということでございますが、来たる十六日の閣議で十五号台風の天災融資法の発動並びに、私どもの所管ではございませんけれども、激甚法の指定という閣議決定も十六日の閣議にいたしたいということで準備を進めさしております。
#20
○田邉委員長 新盛辰雄君。
#21
○新盛委員 政府の先ほどの説明がございましたチチュウカイミバエの取り扱いについて、大臣の見解をこの際ぜひお聞かせいただきたいと思うのであります。
 発がん性のおそれあると言われておりますエチレンディブロマイド、いわゆるEDBの薫蒸措置によっていま加州産のレモン、オレンジが横浜の埠頭に着いているわけであります。約五百トンと言われておりますが、この問題について、実は荷役作業が現地の港湾労働者の阻止行動によっていまだに宙に浮いている、こういう現状であります。さらに、EDBのミバエ殺虫剤の基準というのは一体どうなっているのかということ等についても、これは農林省なりあるいは厚生省あるいは直接輸入をつかさどる通産省、そうした関係の面でも十分な一致を見ていないように思うのでありますが、昨日、実は現地におきまして三者の話し合いが持たれたというふうに聞いております。それによって、いまこの取り扱いがさらに具体化していくということになっているわけでありますが、先ほどの説明を聞いた限りにおいては、きわめて危険千万なこのチチュウカイミバエのいわゆる防除措置をとったとはいえ、完全にシャットアウトができるのかどうか。そして、これからの手だてとして、疑問に思われる発がん性のこうしたレモンとかオレンジのPPmが〇・一三以下だと、いわゆるこの内容から見ましても――〇・五PPmぐらいまでは基準はいいんじゃないかという、これは世界保健機構のWHOの方で決められている基準だそうでありますが、しかし、それにしてもこうしたものが消費者に出回るということは非常に大変なことだと思うのであります。現に私は、鹿児島県の奄美群島に発生したウリミバエの防除対策等においても、現地でああした果実とかあるいは野菜が植物防疫法によって全然内地に入ってこない、それほどの強い処置をしているにかかわらず、加州に発生したこれらのミバエの対処についてやはり毅然たる態度をとるべきではないかと思うのでありますが、御見解をいただきたいと思います。
#22
○小島政府委員 まず今回の措置によりミバエがわが国に侵入するおそれがないかどうか、こういう問題でございますが、先ほど申し上げましたように、現在すでにこの虫が発生しておる区域、それからその周辺部分を含めましてアメリカ側において検疫規制区域というのを定めております。その区域内のものはわが国には一切持ち込ませない、こういうことにいたしておりまして、今回消毒措置の合意を見ましたものは、現在虫が発生していない区域、その区域におきましても将来発生する心配があるということで予防的に消毒措置を講じさせるようにいたしたものでございます。その意味におきまして侵入のおそれはまずないものというふうに確信をいたしております。
 それから、この消毒措置の一部にEDB薫蒸というのがあるわけでございますが、これに発がん性の疑いがあるということにつきましては、米国の環境保護庁、いわゆるEPAが昨年の十二月に発表いたしておりまして、そのことは日米の合意をするに当たりましても、私どもも承知をいたしておったわけでございますが、同時に、本年の八月にアメリカのEPAが、果実の消毒に使用した場合には数日で蒸発、揮発をいたしまして、消費者及び取り扱いの労働者の健康に害はないという発表もいたしておりますので、また同時に、これまでわが国におきましては輸入を解禁するに当たりまして、ほかの国からの果物の輸入、あるいは奄美群島及び沖繩の一部の果物、野菜、そういうものの消毒にも使ってきた実績がございますので、合意に当たりまして特に危険なものとは考えていなかったわけでございます。
 しかしながら、アメリカのカリフォルニア州におきまして、港湾の労働者とかあるいは大手スーパーが受け入れを拒否するということで、改めてこの問題の安全性が議論になっておりますので、その安全性につきましては、責任官庁である厚生省及び労働省の見解に従って対処してまいりたいと思っております。
#23
○新盛委員 大臣、ぜひひとつ……。
 この八月の二十八日に、日本社会党として大臣のもとに申し入れをいたしました。チチュウカイミバエの防除対策等について日米植物防疫専門家会議の合意事項があるわけでございますが、私どもから見ますと非常に不十分である。また植物防疫法上も、これから内容を深めていけばいくほどいろいろと疑問が生ずる。この際、農務省長官がこちらへ来ているわけでありますが、それらの問題も含めて、ぜひひとつ再度日米の間における交渉をしていただきたい。防疫上の関係では、いま担当省の方では大丈夫だというお話でありますが、私どもはきわめて危険だと思いますので、ひとつ大臣の御見解をいただきたいと思うのです。
#24
○亀岡国務大臣 私もこの問題につきましては、チチュウカイミバエがもし一匹でも日本に入ってきたらこれは大変だ、農林水産大臣の一人や二人腹を切っても済むことじゃない、こういうくらいの意気込みで実は事務当局にその対処を命じたわけでございます。御承知のように、事務当局もいろいろとアメリカから当初は強い申し入れ等もあったようでございますが、これはもう政治的な、政策的なそういう配慮の入るべき余地の全くない純然たる科学的な問題である、こういうことで専門家の検討を十分しろ、こういうことで向こうからも五人ほど専門家が飛んで来、こちらでもその専門家が集まりまして、ずいぶん微に入り細をうがって検討をして合意に達した点でございます。したがいまして、私はいまの時点において、この点で一匹も入ってこないように防除することはできる、こう確信をいたしております。もしもアメリカの産地の実情に変化があるというような事態になるならいざ知らず、いまのところ大体逐次鎮静化しつつあるという報告も来ておりますので、また改めてここで専門家会議をやり直しをして、アメリカに対してまた特別の要請をするというようなことはいまのところ考えておりません。
#25
○新盛委員 この問題についてはまた後日、二十一日にこの委員会においてこの問題だけをとらえて議論をしたいと思っておりますので、これでおきたいと思います。
 時間がございませんので、大臣にぜひ今回の畑作三品の取り扱い問題でお聞きしておきたいと思います。
 南の方ではサトウキビ、そしてカンショ、カンショでん粉など、基幹作物としてこれからの農業振興の中できわめて大きな役割りを果たしていくわけでありますが、昨年、この価格の引き上げ等においてはいろいろ問題がありました。下方修正だとか、いやもっとそれ以上に配慮したとか、いろいろと政治的な取り扱いもあったようでありますが、去年の五十五年産のサトウキビあるいはカンショあるいはカンショでん粉、大豆、これは原料基準価格あるいは行政指導価格はともに基準価格を一〇・一%パリティアップしたわけであります。その計算によったわけであります。その結果、大豆が七・三%、カンショが七・三%、サトウキビ七・六%、カンショでん粉九・九%、こういうことでこの基準価格の一応の決着を見たのでありますが、今回の場合は一体どうなるか。統計的に申し上げて全国の勤労世帯実収入はことし七・四%増だ。しかし、農家の所得は一・六%しか上昇してない。このことから原料用のたとえば昨年のカンショを例にとれば、三十七・五キロで千七百三十一円ということになっているのです。いわゆる評価がえ生産費の状況等を把握すると、われわれの計算ではそうなるのでありますが、現実、現行取引指導価格は千三百二十五円、こうなっている。そういうふうに非常に実態とかけ離れている面がある。したがって、勤労者と比べて農家の所得の動き、そうした面で農作物振興の中で特に畑作の役割りは大きいわけでありますが、農家の所得を確保して再生産への意欲を持たせていくために、ことしは現にパリティが幾らになっているか。四・六%とかいろいろ言われておりますが、この際、価格を引き上げるつもりでおられるのかどうか、明確にひとつ大臣からお答えいただきたいと思います。
#26
○亀岡国務大臣 御承知のように、サトウキビの価格につきましては、砂糖の価格安定等に関する法律に基づきまして、パリティ価格を基準として、物価その他の経済事情を参酌し、甘味資源作物の再生産を確保することを旨とせい、こういうふうに法律できちんと示してあるところでございますので、この法律の趣旨を十分体しまして決めてまいりたい、こう考えております。その際、てん菜などほかの畑作物等の価格決定に当たりまして、麦類等でございますが、そういうもののバランス等も考え、また国の財政事情、経済事情等も非常に厳しいということも価格決定の際に考えなければならない一つの要素であろう、私はこう思います。
 私も沖繩に行って詳しくサトウキビ耕作農家の話等も聞いてまいりましたし、今後も品種改良はもちろん基盤整備、特に干ばつにならぬような土地改良の施行というものは非常に大きな問題を残しておりますので、そういう面からの生産者に対する国の責任を果たすということ等もあわせて考えていきたい、こう思っております。
#27
○新盛委員 終わります。
#28
○田邉委員長 野間友一君。
#29
○野間委員 時間が限られておりますので簡潔にお伺いをいたしまして、それに即した答弁をいただきたいと思います。
 最初にお伺いしたいのは、同僚の議員からも話がありましたけれども、ブロック農務長官が来られて、きのうの農水大臣のお話ですと、きょう午後二時から約一時間お会いになるということ、さらにあした第三回の実務者の定期協議が行われるということであります。先ほどの答弁でもございましたけれども、私はやはり相当腰を据えてくるのじゃないかという感じがしてしようがないわけです。
 御案内のとおり、レーガン大統領が生まれまして、各国の大使に対しましても、大使は皆セールスマンたれというような檄を飛ばし、その中でブロック農務長官も就任早々の記者会見から連続して今日まで、特に日本に対する農産品の輸入、輸出の問題については相当声を大きくして言っておられる。特に、大臣も言われたように、穀物等の備蓄の積み増しあるいは八四年以降の牛肉あるいは柑橘交渉の繰り上げということは、相当な強腰でくるのじゃないかと思うのです。それについて再度大臣の決意のほどをまずお聞かせいただきたいと思います。
#30
○亀岡国務大臣 日米関係は、野間委員御承知のように非常に親善関係、信頼関係を確立してきておる両国でございますから、アメリカが農務長官として腰を据えてくれば、こっちは日本の農林水産大臣でありますから、向こうよりも腰を据えて、日本の農家のため、一億国民の食糧の安定供給のためという立場から言いたいことは言って、そして相手に望みたいことは十分言っていくという立場で、お互いに理解をするということが大変大事ではないか、こう私は思います。アメリカも政党政治で、民主党、共和党それぞれが選挙で戦って国政を運営しておる方々ですが、こちらもやはり政党政治をやる立場、自由民主党という立場も忘れるわけにいかない。そういう点を十分考慮しながら、農務長官と本当に打ち解けた、さらに信頼関係をより大きく築くことのできるような方向に持っていくための話し合いをしたい。それがためには、アメリカの言うことばかり聞いておったのでは日本の農業というものは成り立っていかないわけでありますから、そういう点も十分考慮しなければいけませんし、アメリカのシェアをふやせば豪州なりニュージーランドなり、日本の友好国で長く日本にえさあるいは肉類等を供給してくれておる国々に対する信頼を失うということにもなるわけでありますから、そういう点も過去の実績等を十分お互いに分析をして、そして話し合いをしていきたい、こう思っております。
#31
○野間委員 大臣との会談あるいはあすの協議会の中でぜひ提起してきっちりやっていただきたいと思うのは、チチュウカイミバエの問題であります。先ほど局長の方からもいろいろと、いままでやってきた合意やあるいはその中身についての報告がありましたけれども、このチチュウカイミバエはアメリカにおきましていま下火にあるというような評価を農水省はやっておられるようでありますけれども、一番新しく発見されたのはいつ、どういうところで、何が何匹ぐらいと理解されておりますか。
#32
○小島政府委員 最も最近の発見は、ロサンゼルスのウエストコビナというところで十月十一日に成虫一匹が発見されております。
#33
○野間委員 きょうの農業新聞、ごらんになったと思いますけれども、ロサンゼルスの郡農業委員会が正式に発表した中身が書いてあります。これを私は報道記者にも確認したところが事実だということであります。これによりますと、十二日の発表ですが、空中散布をする対象地域外で繁殖性のチチュウカイミバエが新たに八日から七匹見つかった。しかも、これが空中散布の対象地域外で発見されたということで、相当大きな問題になっておるということのようですね。
 したがいまして、昨年の六月そしてことしの八月、さらに、下火になったと言い条、いま申し上げたように新たに地域外からこういうものが発生しておるということから考えましたら、農水省は大変甘いのじゃないか。むしろ植防法によりまして禁止の対象地域にすべきじゃないかと私は思っております。ただ、これは時間の関係で午後に回したいと思いますけれども、いまの実態をどう把握して、これでいいのかどうか。この点は大臣、会談の中でさらに正確に問いただして、そして粗漏のないように、ぜひひとつ措置をとっていただきたい、こう思いますが、いかがでしょう。
#34
○亀岡国務大臣 御指摘のとおりで、ブロック長官にはその点はやかましく言っておきたい、こう思います。
 と同時に、日本からミカンを輸出する際に、アメリカが日本に要求してきておりますいわゆる諸条件、やはり植物防疫の見地から非常にやかましいことを日本に要求しておる。日本としても、チチュウカイミバエが入ってこないようにということで、農作物の輸出をストップすることが一番いいわけでありますが、消毒をして大丈夫という確証があればそれは特別入れましょうということにしておるわけです。その辺も十分話し合って、とにかくチチュウカイミバエのいるうちは安心して輸入できないわけでありますから、その点は強く話をしたい、こう思っております。
#35
○野間委員 特に、農水省の把握が不十分だという点から考えましても、ぜひもっときちっとやっていただきたいと思います。
 時間がありませんので畑作の問題について若干質問をいたしたいと思います。
 きょう委員会が始まる前に北海道の皆さんからも陳情を受けましたし、それからきょう局長の説明でもいろいろ災害の問題が言われておりますけれども、この畑作地帯は、北海道の場合には低温やあるいは集中豪雨、鹿児島では干ばつと、大きな災害被害を受けておるわけですね。その上に価格の抑制ということになれば、二重の打撃を受けることになりまして、これはもうとうてい容認できないと私は思います。きのうも農水大臣に、価格の問題については適切な値上げをしてほしいという申し入れをしたわけでありますけれども、ところが残念ながら、いまの巷間あるいはいろいろなうわさを聞いておりますと、どうもその価格がまた抑制されるのじゃないかというふうな気がしてしようがないというのが農民の偽らざる気持ちなんですね。甘味資源作物あるいは大豆については、自給率をどうしても高めなければならぬ、特に転作との絡みでもっともっとこれを力を入れて高めなければならぬ。いままでのその耕作面積等との推移などを見ましても、やはり奨励金制度が大きな励みになって、そしてこの耕作面積もふえておるということも事実なんですね。ところが、ことしの麦の買い入れ価格などを見ますと、パリティ計算には従うと言いながら、この奨励金部分のいろいろな操作でずっと削ってくる。今度のこの畑作の場合でも、私は、昨年の経過からしてもてん菜が一つのモデルとして使われるのじゃないかと思いますけれども、これで奨励金部分を切ってくるというようなことの不安が農民の中にあるわけです。ことしの価格の決定については、いつ決定するのかということと、やはり農民の意向を聞いてぜひ再生産を確保するだけのそういう適切な価格を決めてほしい、こう思いますけれども、大臣いかがでしょう。
#36
○亀岡国務大臣 先ほど申し上げたように、法律に示してある諸条件をよく吟味をいたしまして、そして、甘味資源の自給力を上げるためには農家の再生産の意欲を失ってはいけないわけでありますので、その点を十分考慮して価格は決めていきたい、こう思っております。乳価決定の際にもあるいは米価決定の際にも、非常に厳しい環境の中でほとんど据え置いたという状況の中で、まあしかし、畑作物の方は伸ばしていかなければならないという立場から、若干ではありますけれども値上げをしてきておるというその私どもの趣旨も農家の方々には理解していただけるのではないか、そんな気持ちで決定をしていきたい、こう思っております。
#37
○野間委員 パリティ計算でやると、これは生産性が向上してその分農家に還元されるということをいままでいろいろ言われてきたわけですけれども、どうも、麦の決定のときのいろいろな農水省の文書等を見ますと、今度は逆に、生産性が上がったからということでこの奨励金部分は切ってくるということはもう一つの特徴として出ておると思うのですけれども、昨年のこの委員会の中でも論議がありましたが、そうでなくて、ここは農家の手取りとしては同じものでありますから、適切な、パリティに従った価格、これは基準価格もそしてその奨励金部分も、これをぜひその点できっちりやっていただきたい。これは強い要望ですけれども、これは十六日に決定されるわけでしょうか、あとは、細かい点は午後に続けて私は質問したいと思いますけれども、再度その点についての要望を申し上げ、大臣の答弁を求めて質問を終わりたいと思います。
#38
○亀岡国務大臣 趣旨を十分わきまえて決めていきたい、こう考えております。十六日ころには決めれるかな、こう思っておりますが、よく検討をいたしたいと考えております。
#39
○野間委員 終わります。
#40
○田邉委員長 この際、午後一時から再開することとし、暫時休憩いたします。
    午後零時九分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二分開議
#41
○田邉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。島田琢郎君。
#42
○島田委員 午前中の質疑の中で、大臣の基本的な畑作三品の価格決定に当たってのお考えは、望洋としておりますけれども、ある程度理解をしたという前提に立ってこの話をしてまいりたいと思っております。
 まずビートから先にやりますが、ことしは残念ながら、先ほども触れましたが、春以来の長雨と低温によりまして、本来寒地作物のチャンピオンと言われているビートも惨たんたるありさまであります。これらの災害対策はどういうふうに進めるかというのは、先ほど総合的な調査が終わったところで考え方をまとめて対処したい、こういうことでございますから、その点についてはビートも――ビートだけという限定ではございませんが、とりわけビートはそういうものに強い、こういう常識であったものがことしは大変遺憾な状況になった、こういうふうに言うことができるだろうと思うのであります。
 それで、昨年が格別の年でございましたから、それと比較をするのが必ずしも適当かどうかという議論は一つあると思います。しかし、率直なことを言えば、昨年のような勢いでビートがどんどん伸びていったらこれはたまらぬと思っていたので、面積は約一万ヘクタール伸びた、しかし収量は二十万トン落ち込んだというのは、農林省にしてみればほっとしているという気持ちは率直に言えるのではないだろうかと思うのですが、ほっとしていられたら私どもは困るのでありまして、そこで先ほども、こうしたビートの生産に正確に対応する行政の姿勢が欲しいということを言ったわけであります。まず、何といってもいま急がれるのは価格の問題でありますから、この価格がどう決まるかというのは大変生産者にとっては、いや生産者ばかりではなくて、いまや北海道の大事な基幹作目として経済、産業に及ぼす重要な位置づけを持っているビート、このことを考えますときに、これは無関心でいるわけにはまいらない。しかし、諸般の情勢はなかなか厳しいから、特に財政当局からの厳しい制約が行われる中で価格の決定をやろうとするのでありますから、それなりに大変な苦労が伴っていることは私も十分理解し、その御苦労に対して私は一定の敬意を払うのにやぶさかでありません。しかし、やはり長期的に見ると、この価格が今後のビートを考えていく場合には重要なファクターでありますから、この際、われわれが考えております点を明確にしておく必要があるだろうと思うのであります。
 そこで、私は昨年のこの決定の方式というものを見ておりまして、こうした皆さんの御苦労ということを十分承知しながらも、この決定の方式についてはやや疑問なしとしません。しかし、大事な局面を迎えているときでありますから、戦術戦略あるいはテクニックといったような範疇で理解をしておかなくてはならない、こう思っております。したがって、中身についていろいろ細かにただしていくことはこの際避けておきたい、こう思いますが、すでにパリティが発表になっていると思うのでありますが、幾らですか。
#43
○渡邉(文)政府委員 今回の畑作物の価格決定に際しまして使用されるパリティの数値は、四・三八%ということでございます。
#44
○島田委員 大事なのは、いまそうしたパリティを基礎にして、法二十一条の一項に基づきまして価格を決定していくわけであります。同時にまた、法二十二条に基づいて買い入れ糖価も決めていく。これはそれぞればらばらなものではなくて、やはり重要な関連性を持っている、こういうことが言えるわけでありますから、そのパリティの扱い方というのはきわめて重要な意味を持ちます。同時にまた、そのパリティを使っていく場合に心しなければならない幾つかの点は、私なりに一つの考え方を持っております。
 まず一つだけお聞きをしておきますが、昨年おとりになった算定の方式といいますか、やや緩めて言えば様式といいますか、こういう考え方を大体基本にして決めたい、こうお考えになっているのかどうか、そこのところだけは聞いておきたい、こう思います。
#45
○渡邉(文)政府委員 今回の価格決定についての基本的な考え方につきましては、先ほど大臣から御答弁申し上げた次第でございますが、私ども事務方といたしましてもその趣旨を体して、パリティ指数に基づいて算出される価格を基準とし、他の畑作物との関係あるいは作物ごとの収益性等にも、あるいは財政当局から指摘がございます最近における厳しい財政事情等、いろいろ総合的に勘案をいたしまして最終的には決定をいたしたい。現時点で、昨年と同じ方式をとるということを方針として決めているということではございません。
#46
○島田委員 ところで、砂糖の需給関係はさらに厳しさを増している、こういうことは一口に言って言えるだろうと思うのです。九月十八日に公表されました需給表によると、非常に従来と違った形になっていく。これは、それぞれ四半期ごとに見直しを図っていくわけですから、国際糖価の動きが敏感にここに作用してくることになるわけであります。
 そこで、一つの問題としてやはり真剣に考えなければならないのは、年々キャパシティーといいますか、消費構造が変わってきたということだけの理由ではないにしろ、パイが小さくなってきている。長期的な見通しの中でも、国民一人当たりの消費量というのは減退傾向に歯どめがかからないままどんどん低下しているということは事実である。ですから、やはりこれだけ国内の砂糖の自給率を高めていくという一つの政治課題に取り組む以上は、これが余り急角度で落ち込んでいくというようなことになれば整合性を失っていく、需給関係のバランスというものもそれぞれ個々に崩れていくということになるので、この辺のいわゆる対策といいますか、見通しを立てる中で、具体的にどういう手を打たなくてはならないというような策がおありですか。
 つまり、消費拡大というふうな大がかりな言葉は使わないにしても、いまの消費量というものはやはり一定程度確保するということから始めなければならない、その次には拡大の方向に向かっていかなければならない、こうなるのでありますが、いまはもう大変ないわゆる下降線をたどりつつあるということです。消費拡大といっても近ごろは余り砂糖を食うとどうとやらこうとやらと言われるものですから、全体的には砂糖は消費拡大などと言い出すのにはまことにどうもぐあいが悪い、こんな感じのときでありますが、しかしそれにしても、やはりいろんな考え方を持って対処するということは必要だと思っていますが、この点の対策というものをどのようにお考えになっているのか、その辺をまずひとつ聞いておきたいと思います。
#47
○渡邉(文)政府委員 御指摘のように、最近におきます砂糖の一人当たりの消費量、従来の傾向からいたしますと激減しているという言葉に合うほどの減少ぶりなわけでございます。トータルといたしまして、砂糖以外に異性化糖、あるいはそれ以外の代替甘味料等が出てきているということもあるかもしれませんが、異性化糖も広い意味での砂糖的なものでございます。そういう意味では異性化糖も含めた全体の甘味料の一人当たりの消費量というものは、ただいま先生御指摘のように、最近の国民の食生活の動向からいたしまして、傾向といたしましては減少の傾向をたどっている一方なわけであります。
 確かに、御指摘ように、大事な国内の甘味資源作物であるビートの今後の生産の方向を確定する意味におきましても、そういう甘味料の消費の動向を野放しにしておいたままでよろしいかという点につきましては私も全く同感でございますが、いかんせん甘味料を含めました全体の食生活の方向といいますものは、消費者個々の選択に待たざるを得ないわけでございまして、私どもとしてできますことは、一つは、欧米に比べましてまだ日本人の一人当たりの消費量ははるかに少ないというようなこと、あるいは必要以上に甘味の害を宣伝する向きに対しまして、そういうことはないというようなことでの広い意味でのキャンペーンについての参加をする。たとえば精糖工業会におきましても、私も拝見いたしましたが、かなりわかりやすいそういった意味でのPR資料等もつくっておりますし、そういったことにも私ども力をかしながら、できるだけ現在の一人当たりの低下方向が必要以上に進むことのないように心がけてまいりたいというように考えております。
#48
○島田委員 私の期待したお答えは返ってきませんでした。
 そこで、一つ問題を提起いたします。たとえばココア調製品、無糖じゃなくて加糖、砂糖の入ったもの、いま幾ら入っていて、それに含まれる砂糖の量は幾らと推定していますか。
#49
○渡邉(文)政府委員 恐縮でございますが、いま資料をちょっと調べておりますので……。
#50
○島田委員 調べておけと予告をしておらなかったから、きわめて意地悪い質問ということになるかもしれない。しかし、私は、たとえば消費構造、つまりそのパイを大きくするという一つの手だてとして、こういう、あなた方に言わせれば細かいと言われるかもしれぬ部門に、やはりを目みはらなければいけないのじゃないかということを指摘したいから言ったのです。
 われわれにしてみれば、ココアは確かに日本の国内にはないから、それは入れてくるのは結構でしょう。しかし何もミルクも砂糖も入れてくれとぼくら頼むつもりはない。よけいなものをいっぱい入れてくるのですね。これはいまココア調製品だけをぼくはやり玉に上げましたが、こういうものはいっぱいあるわけです。しかし国民の皆さんの腹に入るのには、統計数字上はいま局長おっしゃったように下がっているかもしれぬが、私の推定だけれども、そんなに下がってないと見るのです。つまり、そういう海外から入ってくる、まあこれも一口に言えばまがいもの製品だとぼくは思うのですが、そういうものによって砂糖の分野の蚕食されている、シェアを取られていく、これではいわゆるパイを守ることもできないのではないか。だから、具体的にそういう対策だってありますよということを期待しながら局長の答弁を求めたのですが、その辺のところの御配慮が足りないのではないかとぼくは思う。決して少なからざる砂糖の量になっているはずであります。お調べ願いたいと思う。直ちにその数量が発表できないとしても、十分ひとつここのところは重大な関心を払ってもらいたい。それは貿易上の問題だとかいろんなことがあるでしょう。また、ユーザーの期待があるとかなんとか、いろんな理屈はあるでしょう。しかし、そうやってどんどん、どんどん、シェアが縮められ、やがてはそのパイも小さくなっていくということは、これはゆゆしき一大事だ、私ども砂糖に携わる者にとっては見過ごすことのできない重要な問題だというふうに私は認識しているのであります。ひとつそれは御検討願いたい。
 さて、それでは前へ進みますが、そういう一つの、やはりつくった砂糖が消費されていくというところがこれは大事だということをいま指摘をいたしました。それにしても、現在時点で考えるならば、それに対する需給計画というものが一つこれはやはりつくられていかなくてはならない。だから九月の十八日に需給見通しを発表になったわけであります。この根拠になっている重要な部分は何と何なのか、お知らせ願いたい。
#51
○渡邉(文)政府委員 御指摘の四半期ごとに現在の特例法の運用上必要なものとしてつくっております需給計画におきましては、もう先生御案内のように、トータルとしての消費量を規制する一番大きなものは異性化糖の動きでございます。
 御案内のように、昨年いろいろな背景がございまして急激な伸びを示したわけでございますが、今後一年間あるいはその中の第一・四半期というものを設定する場合にも、砂糖の全体の消費の動向に過ちなきを期すために、過去の実績だけに頼ることなく、今後の伸び等も若干見込んで安全度を期したつもりでございます。別途、砂糖全体といたしましては、そういう要素も考慮しながら、一人当たりの消費量、消費税の課税高、人口の動き、そういったものを考慮して今後一年間を出し、そのうちの第一・四半期分を計上した。御指摘の一番大きな要素は何かとおっしゃれば、一つは、一番大きな要素としましては異性化糖というものが挙げられるのではないかというふうに考えます。
#52
○島田委員 私の期待したお答えが初めて返ってまいりました。異性化糖という問題が提起されました。
 そこで、需給見通しに、異性化糖を勘案しとはなっておりますが、異性化糖そのものは入っていない見通しになっている。いまの局長の御説明によれば、異性化糖はやはり重大な関心を払わざるを得ない甘味品の一つである、こうなるのです。そうだとすれば、やはり異性化糖を含めた需給見通しというものが出てこないといけないのではないでしょうか。いかがですか。
#53
○渡邉(文)政府委員 事柄の性質といたしましては、先生御指摘のとおりだろうと思います。ただ、私どもの発表いたしております需給計画、特に四半期ごとの需給計画は、現在施行されております特例法に基づきます一定数量までは事業団が直ちに瞬間タッチで売り戻しをするけれども、一定数量を超えたものにつきましては、輸入しても一定期間使うことができないような仕組みがいまの特例法の基本をなしておるわけでございますが、その一定数量を幾らにセットするかということが直接の目的でございますので、あの表自体には異性化糖の数字は出てまいりませんが、その背後には異性化糖の数量をトータルとしてどう考え、どう差し引きずるかということを考えた上で計上してございますので、御指摘の点は内容的には入れてあるつもりでございます。
#54
○島田委員 わかりました。
 そこで、先ほど大臣から総合的な甘味対策が必要だということが述べられました。私もまさに同感であります。そういう総合的な甘味対策ということになれば、異性化糖をアウトサイダーに置くわけにはいかないという認識では一致しますね。
#55
○渡邉(文)政府委員 御指摘のとおりでございます。
#56
○島田委員 さて、その異性化糖のこれからの見通しなんでありますが、局長はこの異性化糖のこれからの状態はどうなっていくというお考えでおりますか。
#57
○渡邉(文)政府委員 先生大変異性化糖の問題についてもお詳しいので、いまさら申し上げるのもなんでございますが、発生史的には六、七年前から従来のブドウ糖メーカーが、ある種の酵素を使ってブドウ糖の一部を果糖というものに異性化することに成功し、それを工業化するということによって、従来のブドウ糖とは違いまして甘さにおいて十分従来の砂糖に対抗できるものを市場に供給することができるようになってきたという経過があるわけでございます。さらに、その異性化糖の甘味度につきましても、昨年の春ごろまでは、製品である異性化糖にいわゆる砂糖をまぜて流通させなければ一定の甘味度が得られないという程度のものであったわけでございますが、昨年の春以降、果糖の成分よりも非常に強い高果糖分異性化糖というものが市場に出回りましてから、砂糖の需要に対する影響はさらに大きくなってきたわけでございます。
 ただ、御案内のように、異性化糖につきましては現在のところ、流通の性状、形といたしましては液状でしか流通できないという一つの欠点と申しますか、問題がございますし、それから、熱を加えますと色が若干変わるという欠陥等もあるわけでございますし、また、液状でしか流通しないということもございます関係上、家庭用にはなかなか入りにくいということもございます。それからユーザー側にしてみれば、従来砂糖を使ってある種の食品をつくっていたメーカーにいたしますと、異性化糖を使ったために従来の自分の会社の製品がどう変わるかということについての不安もございますために、ある意味では試験的に、あるいは恐る恐る使うというような期間もあったわけでございますが、最近はかなり定着してまいりましたが、そういった物理的な性状の性格からいたしまして、清涼飲料、コカコーラあるいはサイダー、その他ジュース類に使われておるものが大部分でございます。そのほか、たとえばアイスクリーム、一部のパン、一部の菓子等にも、まだ量的には微々たるものでございますが使われ出しているという現実がございますが、主たるものは清涼飲料関係でございます。
 その清涼飲料についてはおととし、去年、さらにことしということで、たとえばコーラ類にも最初はある会社だけが使っておったものが他の会社に波及する、一部分しか使わなかったものが全量それを使い出すという形で急激にふえてまいりましたが、最近、私どもの調査によりますと、清涼飲料で行き渡るところ、使い得るようなところはほぼ埋め尽くしているという実感がございます。それ以外のパン、菓子、かん詰め等に今後どれくらい伸びるかということでございます。これはなかなか予測はむずかしいわけでございますが、関係の業界の話を聞きましても、使用上の欠点もあるというようなこともございまして、今後は、過去二年間において伸びたような伸びはまず示さないだろうというのがユーザーから受ける感じでございますし、また、メーカー側もそのようなことを言っておりますので、従来のような伸びはない、しかし少しずつはやはりふえていくのではなかろうかというのが実態でございます。
#58
○島田委員 そこのところの認識は私と少し違うと思うのです。少なくとも現状の五十万トン程度のもので、恐らくそれ以上、過去二年間の急伸の状態というものは頭打ちであろう、こういう認識であります。しかし、いまお話にあった高果糖、異性化糖、つまり五、五タイプというのが新たに開発されたわけです。異性化糖の分野は、まだまだそういう技術開発が余地として残されている甘味品の分野だと私は思っている。だとすれば、現状の数量でほとんど頭打ちなどというような認識で異性化糖に取り組むと間違いを起こすというのが、局長と私のいささか認識の違いであります。したがって、総合甘味対策の中で異性化糖を位置づけしなければいけないという主張がそこに生まれるわけです。いま程度で、大したことはないよということになれば、総合甘味対策ということの場合の異性化糖は、あくまでもアウトサイダーで置いておくという考え方にしか立たないわけですから。私は、そうではない、やはりその辺のところは十分検討をしていかなければならない異性化糖ではないか、こう思っているのです。
 さて、そこの議論はその辺にしておきますが、こうやって見てまいりますと、もう一つ国内産糖、これが一体どういう傾向値をたどるのかというのが一つ出てまいらないと総合的な甘味対策ということになりません。見通しとしてはどういうふうにお考えになっていますか。
#59
○渡邉(文)政府委員 一番大きなものは北海道のてん菜糖でございます。あと、次が沖繩の甘庶糖、南西諸島の甘庶糖という順になろうかと思いますが、御案内のように南西諸島ないし沖繩につきましては、耕地面積上の物理的な限界がございますので、過去、現在までの動きを見ましても、そう大きな変動なく来ておりますし、今後とも単収の伸びは見込めるにいたしましても、面積的には拡大というのはなかなかむずかしいのではなかろうかと思っております。
 一方、北海道のビート糖につきましては、ここ数年、過去の動きを見てみますと、単収の減あるいはそのときどきの天候、気象等によりまして単収が減ったというようなことを受けまして、その次の年あるいは二年くらい続きまして面積が減ったという事態が数年前に一、二度ございましたが、傾向といたしましては順調な伸びを示しておりまして、特に一番大きな伸びを示しましたのが昨年からことしにかけての面積の伸びであるわけであります。
 今後それがどうなるかということでございますが、私どもは、御案内のように六十五年の一応の各作目別の見通しを持っておるわけでございます。御案内のように、ビート糖につきましては、作付面積といたしまして北海道において七万七千町歩というものを考えておるわけでございます。これは見通しでございますから、それ以下になる場合もそれ以上に超えることもあろうかと思いますが、恐らく六十五年までにはその面積は優に達成することができるのではなかろうかというふうに考えております。
#60
○島田委員 そうなってまいりますと、それぞれのシェアというのは大変変わってくる。とりわけ国内産糖と常に密接に絡んでくるのが輸入糖でありますから、精製糖業界のキャパシティーは、大きくなり得ないという条件をここに持つことになるわけです。しかし、せんだって発表になりました輸入糖の輸入量は、実量において、粗糖において百九十三万二千トン、こういう発表であります。国内糖は、昨年に比べて、ビートが大変減収でありますから、砂糖の量もそれにつれて減る、歩どまりも昨年みたいな歩どまりを見込むことはなかなかむずかしい、こういう状況であります。しかし、本年のような状況を一つの基準に考えるかどうかというとらえ方は一つありますけれども、傾向値としてはやはりいまお話しになったように、一定のいわゆる上向きカーブで国内産糖が生産されていくであろう、こういうことになります。前段で申し上げましたように、全体の消費のパイというものはなかなか大きくなり得ない、こういう条件下に置かれているから、結局は粗糖と国産糖とのシェアの分捕りみたいなかっこうになっていく。そこで、精製糖業界、つまりクリーニング業界は、やはり相当の窮屈さを感じなければならぬということに相なります。
 ところで、この際、精製糖業界が持っております溶糖能力というものは一体どれぐらいあって、現在の操業率はどれぐらいになっておるのか、ここをちょっとお尋ねしておきたいと思います。
#61
○渡邉(文)政府委員 現在のリファイナーの持っております溶糖能力は、年間四百万トン強でございます。これは設備の見方にいろいろございますが、常識的な設備の稼働状況を前提にした場合の溶糖能力でございます。別途、現在は、ただいま先生御指摘のように輸入糖が激減いたしておりますために、操業度といたしましては、社によっても違いますが、五〇%前後という非常に低い数字になっておるわけでございます。
#62
○島田委員 クリーニング業界は、弱肉強食の世界だなどとも言われているわけでありますが、しかし、私どもが見過ごしてはならないのは、やはり一定の砂糖を供給するという責任と、正確なる義務を果たしてきたという点では、これは否定しようのないものがあります。しかも、そこで働く労働者の人たちは、とにかく砂糖づくりに一生懸命がんばってきたわけであります。こういう点で言えば、戦国時代を形成するということは、やがては自殺行為になるというところから、御存じの特例法が出された。特例法をおつくりになったのは、ほかならないいまの渡邉文雄局長でございます。
 さて、その後始末というのが大変問題になる。私は、きょうはこの点に深い議論をしようとは思いません、価格決定の時期ですから。ただ、総合甘味対策を構えますという大臣のお話があったから、それなら総合的にそういう面も十分見通して、小まめに対策を組んでいかないと総合対策にはならないという前提に立って、私はいまクリーニング業界の実態にも触れたのであります。
 そこで、本題に戻りますが、ビートは、御存じのとおり、七万七千ヘクタールの閣議決定を目標にして、そこをターゲットにして生産者は大いに努力をし、そして、やがてそこに近づきつつあるということは、国内自給率を高めていく。つまり、砂糖の国内における自給率を高めていくという点で言えば、大変喜ばしいことであります。ただ、私が大臣に質問したときに申し上げましたように、しかし、どんどん面積がふえて、ビートがたくさんつくられていけばいいというものではない、ここに悩みがある。つまり、受けざらがない中で生産されている、こういうことでいいんだろうかという問題が一つあるということを指摘したのであります。ことしは原料が二十万トンほど落ち込みましたから、昨年と比較すればやや余力のある精糖能力になっています、裁断能力になっている。しかし、将来の見通しからいっても大体こういう傾向をたどるであろうという局長のお話でございますから、そうだとすれば、まず価格決定と同時にやらなければならない受けざらづくりという問題は急がれるであろうというふうに考えるのです。しかし、これも総合甘味対策という新たな問題に――きょうでなくて別な時間にもう少し深い議論をしなくてはならないので、きょうはそこのところはさらっとしておきますが、そういう問題を考えていく中で価格をどう決めていくかという問題が一つあるでしょう。しかし、これも政府側から言わせれば、だからこそ価格を抑えて、余り生産を伸ばすようなことはしたくない、刺激したくない、こういうことになるのですが、私どもは、そうではなくて、先ほどもくどくど大臣のところで申し上げたのですけれども、北海道における農業の再編成というものについて考えるならば、ここのところは、どうしても北海道としては重要にとらえておかなければならない戦略作物である、こういうことになりますから、価格決定に当たっての関心は決して低くていいはずがない、こうなるわけであります。しかし、諸般の情勢を考えてまいりますと、なかなか価格を大幅に上げていくというような情勢下にないということは、繰り返し農林省からも説明がされておりますけれども、私は、いまのこの価格メカニズムの中でも最大限の努力を払って、やはり一定の原料価格を維持することは決して不可能ではない、こういうふうに考えているのです。だからさっき私は、ことしも昨年と同じ手法で価格決定に取り組むのですかと聞いたのは、そういう点であります。
 そこで、いろいろ問題がありますけれども、当面、原料価格を決めると同時に買い入れ糖価というものも決めていかなければならない、こうなっていますから、原料ビートのところと区切って言えば、原料ビートのことしの生産の実態という中で、どうしても忘れてならないのは災害、冷湿害が起こっている、さっきも申し上げたとおりです。しかし、実際には、そう言うと、いわゆる畑作共済がありますからと、こう言いたいかもしれません。しかし、御承知のとおり畑作共済は、特にビートは、ビートにしてもバレイショもそうでありますけれども、この制度はまだ発足して二年でしかありません。ところがビートは、大勢はやはり既存のいわゆる畑作地帯に耕作されているとは言いながらも、実は新たに水田のところにもビートがつくられている、こういう状況であります。ところが、御承知だと思いますが、共済制度は、北海道でだけ限定して言っても、北海道全域にわたって畑作共済が行われているわけではない。十勝と北見と上川にしか行われていない。そうすると共済でも救いようがない。つまりアウトサイダーのところがあるのです。そういうところを救済していくためには、やはり価格で救済する以外にいまのところ道がないということになりますから、価格は決しておろそかに考えられないというのは、そういう面からも言えると思う。私の言っていることについてお考えなり異論があればおっしゃっていただきたいと思うのですが、どうですか。
#63
○渡邉(文)政府委員 ただいまの先生の御指摘に対しまして、特に異論があるということではもちろんないわけでございますが、ただ、一つだけ御理解をいただきたい点がございます。それは、価格決定と申しますよりも、先ほども申しましたように、私ども、六十五年の生産の目標数字に向かって順調にビートがふえていることは大変に喜ばしいことと思っておりますが、ビートは砂糖の原料作物でございますから、ビートがふえればおのずから製品である砂糖がふえるわけであります。しかし、余り急激に原料がふえ、したがって製品である砂糖がふえますと、従来それを使用するというなじみのなかった需要業界に強引にそれを売り込まなければならないということも起こるわけでありまして、そういった場合には商売の常といたしまして、値引きあるいはそれ以外のいろいろなトラブルも起こってくるわけでございまして、できればビート等の増産が、ビート等の販売先の確保とバランスをとって同じようなテンポで順調にふえていくことがいろいろな意味で一番望ましいのではないかというふうにも考えているわけでございますが、この点はひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 さらに、価格決定につきましては、先生御指摘のように、ことしの災害あるいは冷湿害等の実情にありますことは私十分承知をいたしておりますが、これがための災害対策等は全力を尽くしてやっておるわけでございますが、これを直接かつ具体的に価格の中に織り込むということは、価格決定の従来の仕組み等からいってなかなかむずかしいという点も御理解いただけるのではないかと思います。私ども、今回の価格決定に当たりましては、直接それを云々するということではございませんが、今回の冷湿害等があるということも十分念頭には置いて、最大限の努力を払ってまいりたいというふうに考えております。
#64
○島田委員 重ねて申し上げておきますが、畑作共済でカバーできるのは四八・六%、五割であります。したがって、私は、一定の価格政策でこれをフォローする以外に道はない、こうなるのではないですか、こう申し上げたのであります。
 ところで、歩どまりが価格決定の大事なポイントになります。幾らと考えていますか。
#65
○渡邉(文)政府委員 歩どまりは製品価格を決定する場合のかなり大きな要素をなすわけでございます。これは私ども、製品価格を決める場合に毎年非常に苦労をする点でございますが、時期時期の圃場における根中糖分とその年の実績の歩どまりとの相関等をとってみましても、必ずしも一律にいっているわけではないわけですが、何がしかの関係はあるわけでございます。
 一方、たとえば九月なら九月末の、あるいは十月上旬なら十月上旬の根中糖分とその当該年の実績としての歩どまりとの間にもある程度の相関が見受けられるわけでございますが、そういったことでかなり経験を生かして毎年の歩どまりを決定してきておるわけでございますが、残念ながら価格決定時に使用いたしました歩どまりと、結果として実績として出てまいりました歩どまりとの間には若干、年によりましてはかなり大きな差が出ることが過去の実態であったわけでございます。特に昨年におきましてはかなり大きな開きが出まして、見ようによりましては、結果的には喜んだ向きもある反面、財政的には別な意味での苦渋もなめたわけでございますが、今回はそういった経験もさらによく検討の上、今年のビートの品質、根中糖分等も十分勘案の上に、実績歩どまりと価格決定に際しまして織り込みました歩どまりとの差がなるべく少なくなるように、十分な検討をいたしてまいりたいと思っております。
#66
○島田委員 幾らかと聞いたのですが、説明の方が長くて時間がすっかりなくなってしまいまして、あと一分少々ということになってしまいました。したがって、私の方から要望だけ申し上げて終わりにしたいと思います。
 確かに、砂糖の買い入れ価格というのは糖価の全体に及ぼす大変大きな問題でありますから、もう少し詰めた話をしたかったのでありますが、時間がなくなりました。ただ、買い入れ糖価を決めるに当たって、やはりこの一年間における製造コストというのは相当上がっているということは一つ言える。たとえば人件費にしてもそうだ。あるいは油にしてもそう。それから電力料金にしてもそうでありますし、また集荷に当たっての運賃の部面などもやはり配慮を加えなければならない。タリフでいえば、一〇%以内でということになっておりますが、実態は六%程度でやっている。これも企業のいわゆる努力の中で消化をしている、こういう実態がありますが、これはいつのときかきちっと見てやるということがないと、これはやがては運送業者の方にまで影響していく、運転手のところにまで影響していくということになるのでありますから、この辺のところは正確に満度見るという姿勢に立って、買い入れ糖価を決定してもらいたい。買い入れ糖価はそれは糖業の話だということにはなりません。それは生産者の方にはね返ってくる話でありますから、こういう点を心してもらいたいと思います。
 時間がなくなっちゃったので最後に一つ私の方から、せっかく通産省からおいでだから。
 これも答弁をしていただく時間がもうなくなりましたが、九日の日に雑豆の外貨割り当てが行われた。私は輸入課長にも申し上げたのです、驚くべき数字だが一体これは実態なのかねと。たとえば小豆、インゲンについてでありますけれども、ドル勘定でありますが、全体の外貨の割り当てでありますから単価が幾らで数量が幾らでということはこれではわかりませんが、表数字を見ただけでも、ことしの上期、下期を通しますと、昨年のおおよそ二・三倍くらいの割り当てになっている。特に下期は大変な割り当てであります。そうでなくても国内における雑豆、菜豆、インゲンの生産は十年前に比べますと半減しているという状態であります。こういう状況の中で、国内でつくられないから外国から入れてこなくてはならぬというユーザーの期待にこたえる通産省の基本的なお考えというものはわかるにしても、これは農林省と協議をしているので輸入課長のところに責任はないといえばないのかもしれないけれども、需給表そのものというのは私はかなり疑問があるという気持ちでいっぱいであります。しかし、年間小豆でいえば十万トン必要とするところに国内では三万トンぐらいしかつくられないのですから、差し引き計算すれば六、七万トン入れてこないといわゆる国内消費を満たすことができません、とこういうふうになるのでありますけれども、ここのところはどうも私は一遍もう少し時間をかけた論議をしておく必要があるなという感じを持っているのであります。時間がもうすでに二分間超過いたしておりますから答弁を求めるということにはなりませんけれども、この辺のところはひとつ問題として私は提起をしておきたい、こう思うのであります。せっかく通産省その他から来てもらっておりながら答弁の機会を与えなかったという点はまことに申しわけないと思いますが、一つの課題として私はひとつ提起をし、きょうのところはこれで終わりにしたい、こう思います。
#67
○田邉委員長 新盛辰雄君。
#68
○新盛委員 五十六年度産のサトウキビの最低生産者価格は、生産奨励金を織り込んで適正な所得補償をしてほしい、そしてまた再生産が確保できるようにしてほしいと昨年も強く要望いたしました。ことしの状況は、御承知のようにすでに塩害だとかあるいはまた沖繩のあたりでは干ばつ、こういうことで、先般鈴木総理も奄美郡島に入って直接トウキビをつかんで大変なことになっているという実感を持たれた、新聞にそう報道されています。鹿児島県産では収穫面積は約一万三千ヘクタール、単収六・九トン、生産量は八十九万四千トン、こう見込まれているわけでありますが、今回の台風十八号による塩害で生産量がかなり落ち込んでいる。また沖繩県の方でも干ばつで、七月中旬の大変な降雨によりまして、これで若干は回復したそうでありますが、単収七トン、生産量は百五十八万九千トンというふうになっておるようであります。
 こういうことで、ひとつお聞きしたいのは、昨年もいろいろ議論がございましたけれども、ことしはこの灌漑排水施設だとか圃場あるいは農道等の生産基盤の整備促進あるいは地域の特殊事情を十分に勘案をして財政措置を特別にする、こうした状況が踏まえられていたのでありますが、実はゼロシーリングあるいは行革という大変状況がむずかしい時期にありますだけに、ある意味では農業構造改善事業の一環として例の沖繩振興法あるいは奄美振興法、これは来年切れるわけでありますが、これを継続をしてほしい。巷間伝えられるところでは、まあ継続をすることになるんじゃなかろうか。まだ明確じゃございませんから、この際、かさ上げの部分とかあるいは地域振興のこういう畑作問題を中心にしたことについて、ぜひひとつ前向きのお答えをいただきたい。そして前段申し上げました生産意欲をかき立てる新しい価格の決定に当たっては、きょうは大臣は午後いませんから、次官の方からその決意のほどをひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#69
○森実政府委員 基盤整備事業の補助率の扱いの問題と沖繩の特別措置法の問題の御質問がございましたので、その部分につきまして、まず私から答弁させていただきます。
 今回の行革特例法の中では、御案内と思いますが、市町村営事業、土地改良区営事業等の小規模事業、これは農林水産省の事業としては大宗を占めるわけでございますが、これは明確に除外しております。まあわれわれの主張が認められたものと思っております。また国県営事業等につきましても、補助率のかさ上げ分のカットは行われますが、有効な財政措置、起債、基準財政需要額への算入、さらに特別交付金の交付等の措置が講ぜられることとなっておりまして、支障なく運営できるものと思っております。
 ただ、沖繩の法律につきましては、来年の三月の末に法律が切れるものでございますから、行革法で決めておりますのは来年度予算以降の問題でございますので、今回の法律には触れておりません。問題は、結局、沖繩振興の特別措置法をどう扱うかという問題でございます。これにつきましては、現在政府部内で鋭意検討中でございますが、農林水産省といたしましては、この特別措置法はなお重要な役割りを担っている、まだ廃止すべきではないという主張を持っておりまして、われわれといたしましてもこの延長の問題に、政府部内の議論の形成に当たっては努力してまいりたいと思っておるわけでございます。
#70
○志賀(節)政府委員 畑作物の生産者価格については、農業パリティ指数を基準として、物価その他の経済事情を参酌し、再生産の確保を図ることを旨として定めることとされていることは御承知のとおりでございます。すでに大臣からもお話がございましたとおり、五十六年産についてもこの趣旨を踏まえつつ鋭意検討中でございますが、その際、他の畑作物の価格決定とのバランスを見ること、それから現下の厳しい財政事情などを総合的に勘案して適正に決定してまいりたい、これが農林水産省の基本的な姿勢でございまして、当然私は大臣の御答弁と変わるものではございません。
#71
○新盛委員 森実局長の方からきわめて適切な前向きの答弁がございましたが、これは例のかさ上げの部分というのは六分の一の段階で地方起債ということになっているわけですが、その補助、助成というのはそれらと見合った形でというふうになっているように思われます。この奄美振興法の中でもそのことも一応入っているものと理解をしますが、このことについて確認をしておきたいと思います。
 それと灌漑排水のいわゆるいろいろな設備の問題でありますが、施設の関係についても新年度予算の中で配慮しなければならない問題だとは思いますけれども、いわゆる圃場、農道あるいは生産基盤の確立、こうした面では生産可能な拡大をして収益性が上がるようにこれからも努力をしていただく。その予算措置を、もし差し支えなければ、まあいま概計で要求の段階ですから、お知らせをいただきたいと思うのです。
#72
○森実政府委員 お答え申し上げます。
 奄美都島の特別措置法は、今回の行財政改革のための特例法の対象立法になっております。これにつきましては、ただいま御指摘のように国県営事業については有効な地方財政への手当て、起債、基準財政需要額への算入、さらに特別交付金の交付等の措置が講ぜられておりますし、実は大宗を占めております市町村営、土地改良区営等の団体営事業は除外しております。
    〔委員長退席、菊池委員長代理着席〕
 なお、今後の予算措置でございますが、御案内のようにゼロシーリングのもとで実際は物価も賃金も上がっておりますので、事業費予算の確保が非常に困難な状況でございます。その意味で私ども新規地区の抑制、さらに重点的な事業実施等には十分配慮していきたいと思いますが、この場合、奄美、沖繩等何といっても土地改良事業として整備がおくれている地域の問題については、できるだけ限られた予算の中でも最大限の確保を図っていきたいと思っております。急な御質問でございますので、私、実は県別の数字を持っておりませんで抽象論で恐縮でございますが、できるだけの努力は乏しい条件のもとでもやっていきたいと思っているわけでございます。
#73
○新盛委員 また、それは具体的に後ほどよろしくお願いをいたします。
 続いて、カンショ、でん粉、この種のものの買い入れ基準価格、あるいは特にでん粉の問題では加工経費が非常に上がっている。これもまた排水処理の経費、こうしたものが出てくるわけでありますが、昨年もこの問題で議論をいたしましたけれども、もうすでに五十六年度完全にこのでん粉工場のいわゆる排水施設等については処理施設を拡充をした。昨年の御答弁では七十一工場、八十六セット、でん粉公害を起こさないようにということで処理をされたというように聞いているわけでありますが、現実はどうなっているでしょうかね。
#74
○渡邉(文)政府委員 御指摘のようにでん粉――芋の、カンショの値段を決めますと同時にでん粉の値段を決めるわけですが、でん粉の値段の中で今年度非常に大きな問題になっておりますのは、ことしの六月から適用されます排水処理基準に該当させるためのかかり増し経費がどれくらい従来よりかかるかということでございます。御指摘のその施設でございますが、過去三年ないし四年にわたりまして国の方から助成をいたしまして、御指摘のような数の工場に排水処理関係の施設が全部完成をいたしまして、今年度の芋を擦るときからそれが実用に供されるというふうになっております。
#75
○新盛委員 時間がないので次々に行きます。
 御承知のように、全国のカンショの作付面積、大体六万四千ヘクタールから六万五千ヘクタールというふうになっているのですが、特にその主要な生産県である鹿児島県、この作付面積も、単収もことしは大体五十万トン見込まれているのです。これらのカンショ、これから畑作振興の一つとしてもちろんでん粉への移行もございますけれども、この際、水田利用再編成対策の中でてん菜だとかあるいは大豆は奨励金の面で特例措置がしてございます。ところが、カンショの方はそういうふうになっていないのですね。したがって、こういうものを転作の一つの主作物として奨励金などを配置してやっていく気はないのか。というのは、いまソフトエネルギーという課題が非常に大きくなっています。アルコールをカンショによってつくっていく、そしてそれをアルコール工業として拡大をしていくという方向がいろいろ研究されているようでありますが、そういうものをも含めて、いま転作の中で困っている農民の皆さんの畑作への意欲をもまたかき立てるのではないかと思うのでありますが、そのことについて農林省としては一体どういうふうにお考えになっているか、お聞かせをいただきたいと思うのです。
#76
○小島政府委員 転作作物につきましては、御承知のように麦、大豆を初めといたしまして、自給率から見ても今後生産拡大の必要性が高いものを生産いたしまして、米の需給緩和に寄与するとともに安定した農業生産をやってもらう、こういう趣旨で作物を選んでおるわけでございます。
 お話しありましたように、原料用のカンショにつきましては、これは原料用のバレイショも同様でございますが、転作の世界におきましては奨励金対象作物外として扱っておるわけでございます。そのことの理由は、まずそのでん粉用につきましては、御承知のように国産でん粉の流通、消費を図るために食品流通局の方で大変な御苦労をしておりまして、輸入のトウモロコシからつくりますコーンスターチとの抱き合わせなどによりまして処分をいたしておるわけでございますが、いまなお食管にでん粉の在庫を持っておる、こういう事情にございます。また、お話しございましたアルコール原料用ということになりますと、これは現在でもきわめて十分でございますが、アルコール専売の方に原料として引き取っていただいておるわけでありますが、なかなか原料として割り高なものであるということもございまして、アルコール原料用によりました場合には、農業生産の中で物財費を償えないほど粗収益が低いというふうな事情がございます。その意味でなかなかアルコール原料としても定着性が乏しいのではないかという意味で現在対象外といたしておるわけでございます。
 ただいまのアルコールは飲用を念頭に置いた生産のはずでございます。燃料用というふうなことになりますれば、さらにまた一段と低い価格でなければ売れない、こういう事情が出てまいります。将来エネルギーのコスト自体が変わってくるとかあるいは画期的な技術革新でもございますればまた事情が変わってくるかと思いますが、いまのところはそういうことで余り明るい見通しはないわけでございます。
#77
○新盛委員 時間がないのでもっと議論を深めたいと思いましたけれども、また次の機会に譲りたいと思います。
 そこで、芋でん粉のかすの有力な消費という形になっておりますクエン酸でありますが、最近非常に輸入量が増加をして国内生産を圧迫をしていることは御存じだと思うのです。もうすでに最近では発展途上国からクエン酸が約五千トン輸入されております。国内の需給見込み量というのは、一万一千八百トン、その四二・三%というふうに言われているのでありますが、五十五年実績で一万二百五十八トンということになっておりまして、こういう需給の状況から見ましても、これは非常に問題がある。きょうは通産省からも来ていただいていると思いますが、第一、この特恵関税の枠が設定されているにもかかわらずどういうわけか制度の網の目をくぐって、それこそ関税枠の八倍もこの輸入が行われているというのは一体どういうことか。一億二千八百五十一万円に対して十億四千四百四十六万円、現実はそうなっています。いわゆる八・一倍であります。これは一体どういうふうにこれから――枠拡大がこの特恵関税でも行われておりますし、輸入の面でも五千トンもこうして入っている、これは国内のでん粉かすによるクエン酸を製造する皆さん方にとっては大変でありまして、国内消費が大変困っているという状況でありますから、ひとつこの辺の輸入の面について、通産省の方ではどういうふうにお考えになっているか、そしてまた、農林省としては畑作振興の立場でこの問題についてどう対処されるのかお聞かせをいただきたいと思うのです。
#78
○鈴木説明員 クエン酸につきましては、先ほど先生の御指摘のとおり近年輸入が増大しておりまして、その半面国内生産は頭打ちといった状況であるわけでございます。現在の輸入でございますが、関税は二八・五%という比較的高い関税をかけているわけでございますけれども、特恵国からの輸入につきましては、一定枠内に限り関税ゼロということになっておりまして、現在その特恵枠につきましての日別管理というのを大蔵省の関税局の方で実施しているわけでございますけれども、実際問題といたしまして、輸入数量の集計を終わる以前に枠以上のものが入ってしまうというのが実態でございまして、枠を相当量上回る輸入が無税として入ってくるというのが実態でございます。
 こういうことに対処いたしましてどのような方策がとられるべきかということにつきましては、現在通産省の中におきまして関係当課と一緒に検討をいたしているのが現状でございます。
#79
○渡邉(文)政府委員 先生御指摘のように、南九州地域におきますでん粉の製造過程で生じますでん粉かすの大半は、クエン酸の原料として使われておるわけでございますが、その処理が円滑に行われるかどうかというのは当該でん粉工場の操業上も大変重要な問題であるわけでありまして、今後の南九州の畑作農業の安定のためにも、でん粉かすを使用してクエン酸を製造するメーカーの役割りは大事なものだというふうに私ども考えております。
 御指摘のように、最近開発途上国からのクエン酸の輸入が増加しておるわけでございまして、それで国内のでん粉かすの処理に支障を来しておることは御指摘のとおりでございますので、ただいま通産当局からも御答弁がございましたように、私どもとしては円滑なでん粉工場の操業ができますように何とかこの問題を処理をしたいということで、鋭意通産省と協議中でございます。
#80
○新盛委員 これは本年度の価格決定に当たって、これからの生産意欲、そしてまた生産者の皆さん方の生活権の問題にもかかわることでありますから、早急に結論を出していただくように関係省庁の御努力をいただきたいと思います。
 引き続いて、竹内委員の方から関連質問をいたします。
 ありがとうございました。
#81
○菊池委員長代理 竹内猛君。
#82
○竹内(猛)委員 先般、第九十四国会で本委員会が、行政改革の一環という形になると思いますが、蚕糸振興事業団と糖価安定事業団の合併について、それぞれ参考人を招きながら真剣な議論をいたしました。私たちはそのときに、合併についてはいろいろと議論があるけれども、将来によい前例をつくるためにということで、四月十五日には本委員会におけるところの二点にわたる、あるいはまた、五月七日には参議院において三点にわたる附帯決議を付して賛成をして通したわけであります。
 まず、その附帯決議の内容についてもう一遍確認をしたい。
#83
○小島政府委員 本委員会における附帯決議としては二項目ございまして、一つ目は、「新事業団の発足に当たっては、従来両事業団の果たしてきた機能が損われることのないよう業務の的確かつ効率的な運営に努めること。」二つ目は、「両事業団の合併に当たっては、職員の継続雇用を確保するとともに、その給与等の勤務条件については不利益を生ずることのないよう十分に配意し、円滑な移行に努めること。また、内部人材の登用を含め適材適所による人員配置を行うこと。」以上が決議であります。
#84
○竹内(猛)委員 参議院においても、三点ではありますが、やや同様の決議をしておるわけです。
 そこで、一番心配した不利益の問題に関して、蚕糸事業団と糖価安定事業団との関係においては、従来から、数は少ないけれども古くから労働組合をつくって政労協のもとで運動していた蚕糸振興事業団の方が政労協型の給与体系、それから糖価安定事業団はどちらかというと役所型の給与体系を持っております。
 ところで、これが合併をした直後において、大蔵省の指示として、財源がないために大変手落ちであったけれども、数の多い方に従わざるを得ないということを通告してきたという。これははなはだけしからぬ話である。それは確かにいずれの日にか交えて調整をしなければならないことになるかもしれないが、理解を得ないままに、数が多いからそれに従えという形になれば、これから数の多いものと少ないものとが一緒になったときには、常に多数のものに従っていくのかどうなのか。これは別に蚕糸と糖価だけではなくて、日本住宅公団と宅地開発公団でも同じような合併をした。今後もいろいろな形であるかもしれない。あるいはないかもしれませんが、そういう妙な前例をつくらないために、少なくとも国会で決議をしたものについては誠実に守ってもらわなければ困る。これはどうですか。
#85
○小島政府委員 この十月一日に発足いたしました蚕糸砂糖類価格安定事業団におきましては、ただいま、職員の俸給表につきまして一本化するための話し合いが労使間で行われております。その生い立ちの違う事業団が一緒になったわけでありますから、それぞれに適用になっております俸給表はもちろん相違があるわけでございまして、一つの事業団になりました以上、一つの俸給表の適用があってしかるべきものということで鋭意努力をいたしているわけであります。
 ただ、お話のありましたように、いかなる俸給表をつくりましても、現在おられる職員の方がそれに移行いたします際に、いままでもらっております俸給よりも下がるということはあり得ないわけでございまして、通常はその直近上位に格づけをするというのがルールでございますから、一人一人について見ますと翌月から収入が減る、こういう扱いにするつもりは毛頭ございません。ただ、一つの俸給表になりましたことによって、いままでよりも非常に極端に財源がよけい要るということになりますと、言葉は悪うございますが、焼け太り的な現象ができるわけでございまして、この統合の一つの目的といたしまして財政の効率化、こういうねらいもあるわけでございますから、そういう財源は極力抑制するようにという財政当局の方針があることは事実でございます。ただ、よっていかなる俸給表をもって決めるべきであるということまでは、これは労使間の問題でありますから、これまでの両事業団においても大蔵省から直接干渉を受けたことはございませんし、現在もそういうことは言われておらぬわけでございます。
#86
○竹内(猛)委員 ここで、大蔵省がこう言ったという形で圧力をかけられているような節がある。そして給与表を数の多数いる方、つまり糖価の方の給与表をとらざるを得ないというような話もある。そういうことではなくて、指導の局としては、いまあったような形でどれをとるということではないが、少なくともいままでの審議の過程で出たように不利益にならないような指導努力をしてほしい、これが第一です。
 第二は、だれだれがどうということは申し上げませんが、繭の価格の決定が三月中には何とかなるであろうということでこの委員会でずいぶん審議をしてきました。ところが三月には決まらない。四月も見送った。五月になって、去年の価格から七百円値を下げて一万四千円という形で四・七%の値下げをしてようやく決まったわけです。そうすることによって在庫がだんだん減ってくる、需給関係が緩和される、こういう展望のもとに指導をしてきたはずであります。ところが、現状は逆に在庫は十七万俵になるし、なお消費が前進をしない、こういうような状態のときに、その指導をした局長が副理事長に就任するということ、これはどうかという批判がある。これについてはぜひ委員会で苦言を呈してくれという強い声があります。私もそう思う。そこでこの中の二項目目に、内部登用をして活力のある公団に前進をしていくのだ、天下りというのはなるべく少なくしていくのだということを言っておりますけれども、これはどうしても適当ではないのじゃないか。もう少し別なところに行くのなら話がわかるけれども、その自分の指導をしたところに行って、状況がよくなるという指導をするならいいけれども、そこに座っておられるのではどうもうまくない。この点については、世論が、行革の中であるだけにこれは承知しにくいものがある、こういうふうに思いますけれども、この辺はいかがなものでしょう。これは政務次官の方から答えてもらおうかな。
#87
○小島政府委員 両事業団、統合するに当たりまして、人事の面では、何と申しましても異なる物資を所管いたしておるわけでございますから、両方の物資についての事情に明るい人ということが当然要求されるわけでございまして、なかなか、民間の方ということになりますと、いずれかの問題については明るいけれども、他の物資についてはほとんど経験も知識もない、こういうことになりますものですから、副理事長の選考に当たりましても、両物資についてかなりな経験を有しておられる方ということになりますと、勢い行政経験のある人、こういう経過で決まったものと承知をいたしております。
 それから内部登用の問題でございますが、両事業団とも、これまで職員の中から役員に登用したという経過がございます。新しい事業団発足に当たりまして、かなりな人事一新をいたしましたが、その際におきましても、従来職員であられた方の中から理事に任命するということをやっておりますし、今後とも適材適所の観点に立ちまして、適当な人があればどんどん役員あるいは役員以外の高級な職員にも登用をしていく、こういう考えを持っております。
#88
○竹内(猛)委員 私は、法案を通すためにこの審議は審議としてやり、そして行政は行政として別な方向で行くというそのことについて、非常に心配をするわけです。これからも行政改革が行われていく中で、それぞれ公社、公団、事業団、こういうものが統合したり、また新しくできたりするということがあると思います。ないということはないと思う。そのときに、ここでの議論は議論としてやり、そして行政は行政で別なことをしていくのでは意味がない。やはりここで附帯決議をつけた場合には、それを忠実に守ってもらいたいということをこれは私の方から要求をしたいと思うのです。これは政務次官、ひとつしっかりした答えをしていただきたい。
#89
○志賀(節)政府委員 御承知のとおり、私は私学の出身でございますし、また、私は官僚経験者でもございません。ただいまの先生の御意見を承っておりまして、大変私も感ずるものがございます。ただ、ただいま小島局長が答えました内容も事実でございまして、この二つの事業に行政経験があって明るい人、余人をもってこれにかえがたいからこういう人事になったというような趣旨の答えでございましたが、私ども民間出身者も、野に遺賢なからしむるような、そういう民間人ができていくような、育っていくような土壌をつくらなければいけない。これは政党政派を超えて共通の基盤に立っておる者といたしまして、私、先生方ともども、この点はこれから先考えさしていただきたい。そうでないと、御指摘のとおりこれから公社、公団あるいはそのような特別な事業団ができました暁には、常に行政経験者のみが行ってしまうという、いわば従来の慣例を断ち切ることができない。これをやはり新しい流れに変える努力を、これは口先だけでなしにともどもやらなければいけないことではないだろうか、このように考えますので、私からもこの点を特に御指導をお願いする次第でございます。
#90
○竹内(猛)委員 時間が来ていますから、これでおしまいにしますが、これは委員長にお願いをするわけですが、養蚕、蚕糸、絹業の問題については非常に危機的状況です。現状がいままでに議論してきたようになっておりません。そして特に、操業整備ということで機屋が二五%も閉鎖をしなければならない、こういう状態もありますし、その他の心配をする向きがたくさんありますから、別な日にちにひとつ議論をしたいということで、いままでの経過についても十分に尊重してもらって、私はこれで終わります。
#91
○菊池委員長代理 武田一夫君。
#92
○武田委員 余り時間がございませんので、御答弁は少し簡潔に、要点だけお願いしたいと思います。
 御承知のとおり、いま、畑作物というのは非常な問題を山積しているわけであります。輸入の問題とかあるいは転作あるいは災害、そして価格の問題、こういうような問題を抱えているだけに、そういうものを生産する立場の方々は非常な危機感を強く持っているのが現況ではないか。こうしたときに、間もなく芋あるいはてん菜、大豆の畑作三品の価格の決定があるわけでありますが、そうした危機感を払拭するような政府の対応をひとつお願いしたい、こういうふうに私は思うわけであります。昨年もこの問題につきましてはいろいろと質問したわけでありますが、その際亀岡大臣からも、十二分に農家の皆さん方の趣旨をくみ取って、再生産に意欲を燃やし得るような立場に立った価格の決定をしたいというかたい決意があったのを私は記憶にとどめているわけでありますが、今回のこの価格の決定に当たりましても、そうした決意、これはもちろん、大臣の決意即農林水産省全体の決意と私は受けとめるわけでありますが、そうした観点に立ってのいわゆる生産費と所得を補償し、再生産が十分確保できる価格水準という、この問題に十分に対応していただけるものと期待しているわけでありますが、その点につきまして、まず次官の方からひとつ御見解を伺っておきたい、こういうふうに思います。
#93
○志賀(節)政府委員 先ほど、先生おいででございましたかどうか、お答えいたしましたが、総合的に価格は決定しなければならないということが農林水産省の基本的な方針でございまして、ただ単に畑作物一つに焦点を置いて考えておりますと、バランスが他の作物との関係で崩れます。その他、さまざまな他との関連を十分にしんしゃくしながらこれを決定してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
 ただ、御指摘のとおり、大臣がさきに申されたように、農林水産省としては、この作物生産に従事しておる農民各位の再生産意欲に水を差すことのないような配慮を十分加えながら検討しておる、こういうことでございます。
#94
○武田委員 聞くところによりますと、いずれも、作目につきましてもかなり低く抑制をする方向ではないかということをちらっと聞くわけであります。
 その理由として、一つは、国産価格が国際価格よりも割り高で、食品産業界などから反発が強いということがその一つである。二番目には、昨年の農政審議会で需給優先の価格政策を打ち出しているというこの線に沿っていかなければならない。三番目には、現在政府が行政改革に取り組んでいる、こういう諸情勢を考えたときに、いずれの品目にも農業パリティ指数どおり上げることはせずに、据え置きに近い価格アップを考えているのじゃないかということが報道されているわけでありますが、こうした事実は果たしてあるのかどうか、この点を確認しておきたいのですが、どうでございましょうか。
#95
○渡邉(文)政府委員 ただいま先生御指摘のように、食品業界あるいは財政当局からの財政事情に関する指摘等があることはもちろん事実でございますが、私どもといたしましては、そういうことではなくて、先ほど来大臣がたびたび御答弁申し上げましたようなことを基本といたしまして、農家の再生産を確保するというのを基本的な立場に置いて十分な検討をし、適正な価格の決定をしてまいりたいというふうに考えております。
#96
○武田委員 農家の皆さん方は、たとえば芋類につきましては、原料バレイショの基準価格はトン当たり二万二千四百四十円は最低必要であるという計算をしている。てん菜にいたしましても、最低生産者価格をトン当たり二万一千円以上のものがなければ、いわゆる再生産、そういう意向には沿わない、そういう要求を出しているわけでありますが、そうした方向への努力はするのだというように伺って差し支えないでございましょうか、もう一度お尋ねいたします。
#97
○渡邉(文)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、法令に基づきまして農業パリティ指数というものがやはり一つの大きな基準になることは事実でございます。それに物価その他の経済事情を参酌をし、再生産の確保を図るというのを旨として価格を決めるということになっておるわけでありますが、それを基本とし、そういう法律の趣旨を踏まえながら、次官からも御答弁ございましたように、生産性の状況、あるいは他の畑作物との価格の相互関係、あるいは現下の激しい財政事情というものにも配慮をしながら、総合的な立場で適正な価格の決定に努めてまいりたいというふうに考えております。
#98
○武田委員 一例を申し上げますと、たとえばこのでん粉の原料用カンショについて九州の農政局鹿児島統計情報事務所がまとめたその内容によりますと、五十五年産の原料カンショの十アール当たりの生産費が前年比を七・三%上回っているのに対して、所得が五・三%の伸びにとどまっている。生産費の上昇というのが経営を圧迫しているという一つの地方のデータでございますが、これは一例を申し上げますが、こういうふうにかなりいろいろな面で農家の皆さん方は大変御苦労をなさっているということは御承知だと思うわけでありますが、どうかそういう意味で、農家の経営事情というものを十分よく把握して、それに対応して価格の決定はすべきだ。しかも私は思うに、こうしたものは各地方のいわゆる基幹産業であるということでございまして、こうしたものの価格の動向、ことしは特に台風等の影響がございまして、いろいろとまた影響もあるというわけでありまして、そうした収入が減るということになりますと、これは農家の経営の問題のみならず、地域経済までも相当左右するということは、これは米を中心とする東北などわれわれと同じようなものでございますから、そういう点はよく御承知いただいていると思うわけでありますが、どうかひとつそうしたことも踏まえての価格の決定を私は切に要望をしておきたい、このようにお願いをする次第でございます。
 それで、次にお尋ねしますが、てん菜の生産振興並びにてん菜糖業の健全な発展のための対応、この点につきましてどのようにいま取り組まれ、今後どのように取り組んでいくかということでありますが、てん菜糖の事業団買い入れ価格につきましては、実態コストに基づいて適正に引き上げをしてほしいという強い要望もあるわけでありますが、当局はこれに対してどのように取り組んでいかれますか、お尋ねをいたします。
#99
○渡邉(文)政府委員 御指摘のように、今回定めます基準価格は、てん菜について申しますれば、てん菜の最低生産者価格と、それに基づいて計算されますてん菜糖の事業団の買い入れ価格と二つ決めるわけでございますが、事業団の買い入れ価格につきましては、先生ただいま御指摘のように、原料てん菜の生産状況あるいは品質あるいは最近の物価等十分に勘案をいたしまして、適正な事業団買い入れ価格を決定するように努めたいと考えております。
#100
○武田委員 その点の実態コストに基づいた適正な中身をよく煮詰めてひとつ進めていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
 次に、三番目に、いわゆるビートの転作を定着化させていく努力をしているわけでありますが、昨年もこれは問題になったのでありますが、非常に予想外のスピードでこれが伸びているということでありまして、やはり今後こういう増反が進んで増収が図られるというときに、その受けざらというのはどうなんだという心配がある。いま現地の方から聞きますと、製糖工場の能力は限界に来ているということ、あるいはてん菜の生産拡大に製糖能力が追いつかないというようなことで、いまこれは緊急の課題になっているということでありますが、そういうふうな対応は十分にお考えなさっているものかどうか、その点一つお尋ねをしておきたい、こう思います。
#101
○渡邉(文)政府委員 先生御指摘のように、ここ数年てん菜の作付面積、したがいまして生産量も順調に伸びてきているわけでございますが、そういう意味でもてん菜の北海道の農業経営に占める地位はますます高まってきておるわけでございます。
 一方、そういったてん菜の量的な増加がございますと、これは原料農作物でございますので、当然ながら原料処理能力、工場の能力がそれにうまく合致するかどうかということが話題になるわけでございますが、現在までのところ、収穫期の繰り上げによります操業期間の延長とか、あるいは地域間、工場間の原料の移送等によって対応してきておるわけでございます。
 今後の問題につきましては、御指摘のように原料の生産量と工場処理能力を合わせていくことが当然必要なわけでございますが、今後の作付動向を十分見守りながら検討してまいることにいたしております。
 いずれにしましても、基本的には私ども、工場の増設ということではなくて、当面は、在来ございます八つの工場の機械設備の更新時におきます能力のアップというものを図るという方がより現実的な解決の方向ではないかというふうに考え、そのように措置をしてまいりたいというふうに考えております。
#102
○武田委員 そうしますと、新工場の建設とかあるいはビートの搾汁工場の新設というようなプログラムについての検討というものは、いまなさっているということではない、こういうことですか。
 そうしてもう一つ、もしそうだとすれば、今後どんどんこういうものがふえていったときに、製糖能力が追いつかないということでこれ以上つくってはだめだ、こういうふうに言う方向への転換をするつもりか。先ほどそちらの控え室で北海道の方々から陳情がありましたときも、非常な深刻な問題として、どんどん転作をしていく、それに従ってどんどんふえてくる、しかしながらこれは余りつくっては困る、別なものに切りかえた方がいいのじゃないかというような話もされる、こういうこともあったわけでありますけれども、やはり処理能力がなくてどんどんつくっていくとなると、これはどういうふうになるのか、そういう問題をどういうふうにお考えになっているのか、ひとりお答えください。
#103
○渡邉(文)政府委員 ここ一、二年の急激な増産に伴いまして、そのような御心配、御意見、私もたびたび承っております。その都度私も申し上げておるわけでございますが、将来の問題として、現状よりもかなりの大幅な量的な増大がもしあるとすれば、現在の工場能力の部分的な向上で対応し切れないという時期もあるいは来るかもしれないわけでございますが、ここ一、二年の増産傾向のみで直ちに新しい工場の建設――これは大変多額の投資を伴うわけでございまして、それは直ちに加工費あるいは製造コストが大幅に引き上がることにもつながるわけでございますので、いま直ちにそういうことを考えるのは必ずしも適切ではない。むしろ各工場それぞれ持っております機械の更新時等におきます能力というものを伸ばした方が、より問題の現実的な処理に役立つのではないかというふうに考えているわけでございます。
#104
○武田委員 そういう考えであるならばそれによった指導を徹底しながら、生産農家が支障を来さないような努力はぜひ進めていかなければいけない、このことだけ要望しておいて、時間の都合で次へ移らせていただきます。
 次は、ことしの豪雨被害などで水田地帯に広がった転作が非常な打撃を受けたというように伺っておりますが、非常に不安定なこの生産構造の問題をどうするかということ、すなわち基盤整備の問題に論及していきたいと思うわけであります。
 このてん菜を基幹とする合理的な輪作体系の確立と水田地帯における転作作物としての定着化を図るためには、きちっと土地の基盤整備を積極的に進めるというのは当然のことでありますが、全体的に畑地の基盤整備の状況を見ていると、私はどうもその歩みが遅いのではないかという心配をしているわけであります。
 まず最初に、畑作の基盤整備の状況がどうなっているのかということ、整備率だけでもここ二、三年の状況がおわかりであればひとつ聞かせてもらいたい。そして、てん菜の場合、特に水田地帯への広がりのある転作に対する、要するにしっかりとした定着化のための基盤整備というものに今後どのように取り組まれるかという問題。もう一つは、昨今行革の中でゼロシーリング等々で予算に非常に制約があるということになると、そうした基盤整備の整備率がさらにおくれる心配がないものかどうかというこの三点についてひとつお答えをいただきたい、こう思うわけです。
#105
○森実政府委員 お答え申し上げます。
 畑地の土地改良事業にはいわゆる畑灌とかあるいは一般の水田とあわせ行う灌漑排水、農道の整備、さらに総合的な整備事業等各般のものがございまして、畑地分がどれだけというのはなかなか特掲しにくい点もございますが、便宜、畑地の総合整備事業で代表して答弁させていただきますと、土地改良長期計画に比べまして、現在までのところ面積で算定してみますと、実は整備率がまだ九カ年間で一三・七%という非常に低い率になっております。これは御案内のように、わが国の土地改良事業自体が畑地の整備に本格的に着手いたしましてから約十年でございます。いま申し上げましたような畑地総合等の事業は、大きな地区についてはまだ地区完了というところまでいっておりません。そういう意味で、これから事業進度を上げていかなければならない問題と思っておりますが、現状ではまだ思うようなところまでいっていないということは否定できないところだろうと思います。
 そこで、予算の編成に当たってどう考えるかという問題でございます。私が申すまでもなく、ゼロシーリングということは、実質的に賃金、物価の上昇とか設計変更等の実態がありますので、前年並みというノミナルな金額であってもそれを実質的に下回る結果になることは事実でございます。こういう状況のもとでは、どの地区でも事業の確保ということについて非常に強い要望がありまして、私どももその配分に苦慮していることは事実でございます。ただ、私どもといたしましては、そういった中でもできるだけ事業に特徴を与えながら実質的な効果を早期に上げるように努力したいと思っております。
 その意味で、はなはだ不本意ではございますが、来年度からは新規の採択地区数を県が調査してまとめてきたものの大体半分に抑えるということで、まず継続地区の工期をこれ以上延ばさないようにするということに最大の力点をおきたいと思います。また、工種ごとにはそれぞれ大変強い要望がありまして、なかなかむずかしい問題がありますが、今日的な政策課題ということを頭に置きまして、畑地の総合整備あるいは排水対策特別事業、これは畑作物をつくるという場合においても水田の汎用化とつながって、特に稲転との関係で考えなければなりませんので、この二事業については乏しい中でも若干特徴を与えながら予算の拡大に努力したいと思っているわけでございます。
#106
○武田委員 てん菜の場合、これからもっと積極的な基盤整備が必要だと思うのですが、どうでしょうか。いま全体的な畑作のことを聞きましたけれども、てん菜それ自体に限って言った場合、どういうふうな対応をしていこうと考えているのか。
#107
○森実政府委員 てん菜の場合、二つの場合があるだろうと思います。一般の畑作地帯においては結局農道の整備をどう考えるかという問題だろうと思います。これはいろいろな形で事業を行っておりますが、私ども、基幹農道の整備はかなり進捗したという認識を持っております。やはり一番大きな問題は、稲作転換との関係において地下水位を下げるという努力の問題があると思います。
 これは率直に申し上げますと、先ほど申し上げましたように限られた予算の制約のもとで耕地整備の進度率はなかなか確保できないという問題、あるいは新しい特別排水改良事業を制度化いたしまして三カ年経過いたしましたが、まだなかなか地区完了までいってないという事情もあるわけでございますが、さらに実は整備水準を上げてほしい、もっと地下水位を下げる努力をしてほしいという要望が非常にございます。私どもも将来の畑作を考えればこれは重要な課題だと思っておりますが、そのこと自体は実は非常に事業費の単価の増高を招くという点がございます。
 そういった点で、予算の制約のもとで苦慮している点でございますが、ビートに限定して物を言うならば、今日的な課題では、先ほど申しました特別排水改良事業を、三カ年で採択は終わりましたが、来年は延期いたしまして、二期計画ということで新規採択を行うという形で、結果として稲転でビートを行う等の可能性も出てくるのではないだろうかと思っているわけでございます。
#108
○武田委員 それじゃ、また別の問題に移らせていただきます。
 時間の関係でもう一つだけ聞かしてもらいますが、生産振興対策、いわゆる地域農業生産総合振興対策事業という長たらしい事業があります。これは五十三年度から始まっている。生産総合事業、こう言っているそうでありますが、地域の実態に即した生産振興対策の拡充強化という問題についてちょっとお尋ねいたします。
 これは大豆のこととも多く関係あるわけでして、ひとつ一緒に答えていただきたいと思うのですが、まず、機械化による省力化の問題にどのように取り組んでいるかということが一つ。それから二番目が栽培技術の改良普及の問題についてどのような取り組みをしているか。それから三番目には単収並びに品質の向上という面についてどのような対応をなさっているか。四番目は、大豆を組み合わせた輪作体系の確立という問題についてどのように取り組んでいるかということについて、ひとつ個々に関係当局の御答弁をいただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
#109
○小島政府委員 まず機械化の問題でございますけれども、特に北海道のてん菜、バレイショも同様でありますが、いわゆる大型の機械によります一貫体系というのがほとんど確立をいたしておりまして、そういうこともてん菜生産の生産性の向上、ひいては面積の増大ということに非常に大きく貢献しておるものと思っております。もちろんこれがために必要な機械施設等の助成はこれまでもやってまいりましたし、今後も継続してまいるつもりでございます。
 それから大豆、これはほかの豆類も同様でございますが、特に収穫以降の問題、収穫、乾燥、脱穀調製、そういうふうな作業の過程につきましては、どうもいままでのところ完全な機械化ができない、かなり手作業が残るというふうなことが生産のネックになっております。これは北海道のようなかなり大規模な生産をやっておりますところでもそうでございますし、水田転作などを主体といたします内地の大豆作ということになりますと一層そういう傾向が顕著でございまして、これは何としても新しい技術を開発しなければいかぬということで、実は私どもの方でも高水準の農業生産流通技術向上事業というふうな長い名前でございますが、その中で大豆の収穫以降の作業を実験的に機械化してやってみる、こういう仕事を全国三十カ所ほどでやっておりまして、機械そのものの改良進歩も見られてきておりますし、次第次第に好転しておるのではないかというふうに見ております。
    〔菊池委員長代理退席、委員長着席〕
 それから、単収向上ということになってまいりますと、てん菜等につきましてはすでにかつてに比べましてかなり単収が上がっているという実績がございますが、同じく大豆の場合には近年少し好天にも恵まれまして単収が上がった経過はございますが、過去に比べまして必ずしも際立って高いというものではございません。これが改善のためには、何といってもその地域に適した品種、大豆の品種の適応性というのは非常に狭うございますから、適した品種を見定めるということと同時に、適期における防除の徹底ということが非常に大きな寄与をするものと考えておりまして、大豆作の生産向上については一つの主眼を置いて進めておるところでございます。
 したがいまして、いま申し上げましたようなことを総合的に組み立てていく。同時に、北海道畑作の場合で申しますと、各種の作物の組み合わせによる適正なローテーションを組んでいくということが、栽培技術としても一番大きな改善になろうかと思います。その意味で、お話がございましたような今度の新地域農業生産総合振興対策というのは、作物のいわば縦割りの行政を離れまして、その地域地域に応じました適切な作物、それから総合的な援助ということを進めていくわけでありまして、お話のございましたような総合的な栽培技術の確立ということに大きく貢献するのではないかというふうに考えております。
#110
○武田委員 この生産性向上ということを強調しましていろいろと努力なさっているわけです。その中でいま私が申し上げたものは一つ一つその要素になっているわけですから、十分そうした取り組みをしていかなくてはいけない、こういうふうに思うのでありますが、栽培技術の改良普及の中で普及員の問題についてちょっと論及したいことがあるのです。
 今後は、地域農政とかおのおの工夫努力をしながら少ない金の中でやらなくてはいかぬというような雰囲気ですよね。そうなると人というものが非常に大事でないかというときに、どうも行管の方からは普及員を減らせというような横やりが入っているようでありますけれども、やはりこういうことに対して地域の皆さん方はそれはとんでもない、逆行することだというようなことがあるのです。農林省としてはそういう考えはさらさらないと思うのですが、どうもこういうところの改良普及員等々の存在というものが十分に理解されていないような言葉が飛んでくることを私は心外に思うのですが、どういうふうにこの問題について今後取り組んでいかれるか。私は栽培技術の一層の向上ということによって、低迷したそうしたものを打開していく、生産性向上への大きな力にしていく、これは品質の面でも同じであります。単収の増加の面でも同じではないか、こういうふうに思うのでありますが、その点についてどういうふうに今後取り組んでいくかお尋ねをしておきたい、こういうふうに思うのです。
#111
○小島政府委員 お話がございましたように、農業の改良普及事業と申しますものは、土地基盤整備あるいは農産物の価格支持政策と並びまして最も基幹的な行政手段の一つであるというふうに確信をいたしておりますし、そういう事情は今後とも変わらないのではないかと思っております。私どもといたしましては、農業及び農業を取り巻きますいろいろな社会経済情勢の変化に即応いたしまして、普及事業の重点的な課題というものもそのときどきに対応をして変えてまいってきておるつもりでございますが、今日に至りましてもなお、農業外の人及び農村内部の方々からも一部いまの普及事業についてのいろいろな注文、御要請というものが出てきております。したがいまして、私どもとしても今日の時点におきます普及事業のあるべき姿というものを冷静に見直しをいたしまして、今後普及事業がいかにあるべきかということについて大いに勉強いたしたいと存じておりまして、先月から普及事業についての研究会を発足させた経過もございます。各地域のさまざまな普及に対する御要請もますます強いというふうに考えておりますので、その意味で今後とも最善を尽くしてまいりたいと思っております。
#112
○武田委員 最後に一つ、共済の問題でお尋ねしておきます。
 実は、ホップの問題なんですが、これは五十六年度から本格的実施をなさる、実施県として岩手、秋田、山形、福島、長野、こういうふうにあるようでありますが、私の宮城県では余り乗り気でないような状況なんですが、実は鹿島台とかあるいは大和町とか岩出山町という三つの地域で大体三十八世帯の方が総合計二十八ヘクタールのホップを生産しているわけです。これは十年以上になっていると思うのですが、この間の雨風でやはりずいぶんやられまして、特に岩出山町などというものは壊滅的な状況である。しかもこういう方方はいわゆる転作作物としてホップをつくっていまして、中にはまるまるたんぼをホップに転作したというところもあるわけです。ところが県の方に行きましても共済連が乗り気でないとか、量も少ない、人も少ないといってどうしようもない、こういうわけです。私も県に行きますと、県の方でも共済連の方、共済組合の方に声をかけているのだけれども、どうも量が少ないことだし、人が少ないので、いろいろと財政的な面その他の面で共済を取り入れるのがこわい。となりますと、こういう方々は、これはどうしたらいいのかということで本人たちは悩んでいまして、中にはそれじゃ毎年こういうことがあるのではもとのたんぼに戻そうというような動きも出ています。いい土地なものですから、米はうまい米なんです。ですから、そういうふうになりますと、これは困ったものだな、こういう場合の取り組みというのはどういうふうにしたらいいものかという知恵をおかし願いたいと私は思うわけですけれども、この点についてひとつ御見解というかお考えを聞かせていただきたい、こういうふうに思うわけです。地域の方々が非常に悩んでおるものですから、よろしくお願いします。
#113
○大坪政府委員 ホップ共済につきましては、ただいま先生御指摘のように本年度から畑作物共済の一つとして開始したわけでございますが、開始に当たりましては、関係県あるいは関係の団体とも十分相談をしながら、申し出のあった県につきましては引き受けを開始したという経緯があるわけでございます。
 そこで、宮城県でございますが、先生御指摘のように、ことしホップの共済を実施していないわけでございますが、その理由といたしまして、県からの報告によりますと、宮城県下における五十五年産のホップの栽培は、作付面積が三十ヘクタール、また栽培戸数は三十八戸というきわめて小規模な栽培規模でございますし、かつまたその作付が四カ町村に及んでいるという実態にあることから、関係の共済組合におきましては、ことしからの本格的実施につきましては農家全体としての意思がまとまらなかったというようなことが、本年度からの実施を見送った理由であるというふうに承知しているわけでございます。
 そこで、今後の問題でございますが、宮城県並びに宮城県下の共済団体におきましては、今後どうするかにつきましては現在検討中であるというふうに承知しているわけでございますので、その検討ぐあいを見ながら、私どもといたしましても県あるいは共済団体とも協議いたしまして、ホップ共済に必要な諸費用の整備あるいは保険設計等必要な作業を進めまして、できるだけ早急に実施に移せるよう体制整備を図ってまいりたい、かように考えている次第でございます。
#114
○武田委員 それでは、時間が来ましたので、終わります。
#115
○田邉委員長 稲富稜人君。
#116
○稲富委員 最初にお尋ねいたしたいと思いますことは、農産物の価格安定に対しましてはいろいろ法律があります。まず、農産物価格安定法には第一条に、「この法律は、米麦に次いで重要な農産物の価格が適正な水準から低落することを防止し、もつてその農産物の生産の確保と農家所得の安定に資することを目的とする。」「農産物の生産の確保と農家所得の安定」ということをうたってあります。さらに砂糖の場合もそうでございます。砂糖の価格安定等に関する法律の中で、その第一条に、「この法律は、輸入に係る砂糖の価格調整その他砂糖の価格の異常な変動を防止するための措置並びに国内産糖及び国内産ぶどう糖の価格を支持するのに必要な措置等を定めることにより、砂糖の価格の安定を図るとともに国内産糖及び国内産ぶどう糖に係る関連産業の健全な発展を促進し、もって甘味資源作物及び国内産でん粉の原料作物に係る農業所得の確保と国民生活の安定に奇与することを目的とする。」ここでもはっきり「農業所得の確保」というものがうたってあることは御承知のとおりであります。さらに、大豆及びなたねに対しましても、交付金の暫定措置法がありまして、この暫定措置法を見ましても、第一条に、長くなりますから省きますが、「その生産の確保と農家所得の安定とに資することを目的とする。」いずれも農産物の価格に対しましては、農家所得の安定、こういうことを各法律ともうたってあります。
 ところが、実際、価格を決定されますと、なかなかこれが農家所得の安定に資せないような不安な状態の価格が決定される。どこにその原因があるのか、なぜその法の目的に沿うようなことがなせないのか、まずこの点を率直にひとつ承りたいと思うのであります。
#117
○渡邉(文)政府委員 私が所管しております甘味資源作物につきましては、先生御指摘のような規定が「目的」にあるわけでございます。さらに、大変恐縮でございますが、糖安法で申しますれば第二十一条に、具体的な最低生産者価格を決める場合には「パリティ指数に基づき算出される価格を基準とし、」云々という規定があるわけでございますし、農安法の場合にも同様に、価格決定に際してはこういうパリティを基準とし云々という規定があるわけでございますので、具体的な価格の決定に当たりましては、そういった最低生産者価格あるいは原料基準価格の決定に際しての規定を踏まえまして従来も運用してまいったわけでございまして、結果的にパリティ価格が基準となった価格で従来推移をしてきておるわけでございます。そのことによって法律の目的、ただいま御指摘にありましたような農家所得の確保ということには資しているというふうに私ども考えております。
#118
○稲富委員 いま局長の話を聞きますと、それによって農家の所得に十分資している。農家は、現在の農産物価格に対しては非常な不満を持っているのですよ。これは、あなた方の方が十分それで目的を達しているんだ、こういうような考え方を持ってやっていらっしゃるところに、私たちの腑に落ちない点があるわけでございます。その点を、なぜそういうことにならなければできないかということを私はお尋ねしたわけでございますが、この問題につきましてははっきり答弁ができない。後でまたつけ加えてこの問題をお尋ねしたいと思います。
 さらに、次にお尋ねしたいことは、農産物価格安定法の第二条の二項、「農林水産大臣は、前項の規定による農産物等の買入れをしようとするときは、生産者団体の意見を聞かなければならない。」ということを書いてある、明記してあるのですよ。生産者団体の意見をどれほど聞いていらっしゃるか、生産者団体とは何を指していらっしゃるのか、この点をひとつ具体的に承りたいと思うのです。
#119
○渡邉(文)政府委員 ただいま先生御指摘の農産物価格安定法の第二条は、でん粉価格が一定のラインを下回った場合に政府が買い入れる場合に、その関係の団体の意見を聞けということでございます。大変恐縮でございますが、同じ法律の第五条に、価格を決めるときにも生産者団体に諮り、その意見を尊重して農林大臣が定めるという趣旨のことが価格の方にもございます。
 従来どういう運用をいたしているかと申しますと、まず製品の買い入れの方でございますが、現実の市価が、政府が決めました買い入れ価格を下回りました場合に、食管の農安勘定で買い入れることになるわけでございますが、でん粉を持っておりますのは生産者団体、具体的には、農協系の工場の場合には全農、それから工組系の場合には全国澱粉協同組合連合会、俗称全澱連と称しておりますが、その二つの団体から、意見を聞くというよりもむしろ話し合って、相手方から買い入れの申し込みがあるというのが、具体的にはそちらの方が先でございますので、十分な意見はそのときに聞いておるわけでございます。
 価格の方につきましても同様でございまして、価格を決定する前に両方の団体の首脳部を呼びまして、これは昨年の例でございますが、全農の会長、理事名あるいは全澱連の会長名で、今回の価格決定については異存がないという旨の公文書をいただいているわけでございます。
#120
○稲富委員 ただいま御説明になりましたように、第二条の第二項は生産者団体の意見を聞かなければならないということを義務づけられている。これは意見を聞けばいいことになっております。ところが、いま局長が指摘されました第五条には「買入基準価格」、その基準として、「生産者団体にはかり、その意見を尊重して農林水産大臣が定める。」意見を尊重することになっている。この場合は聞くばかりじゃないのですよ。尊重しなければならない。本当に尊重しているならば、生産者の希望するような価格が決定されなければならぬ。生産者が希望しないような、不満を持つような価格が決定されるということは、恐らく生産者の意見というものは聞くだけであって、尊重されていないという結果になるのじゃないかと思うのですが、この点のいきさつはいかがになっておりますか伺いたい。
#121
○渡邉(文)政府委員 先生御指摘のような条文になっておりますし、運用も先ほど私申し上げましたような運用になっておるわけでございます。確かに価格決定の際には各生産農家の要望を踏まえまして、それぞれの生産者団体がそれなりの価格の要望を持ってまいるわけでございますが、私ども最終的に決定するまでの過程におきましては、種々の事情につきまして議論も農業団体の幹部の人たちとは交わすわけでございまして、そういった結果、政府の案が固まりました段階で団体の意見を聞くという段取りになりますために、最終的に団体から意見をちょうだいいたしますときには、その価格についてはやむを得ないものと思うという趣旨のお答えをいただいてきたのが従来の経過でございます。
#122
○稲富委員 それで、どうもよく農林省は政令をおつくりになりますね。その政令というものは、法の基本的な精神を曲げることでは政令の意味はなさないと私は思う。その法の基本的な目的を達成するための政令でなくてはいけないと私は思うのですよ。ところが、政令をつくることによってその法の目的をゆがめるようなことになることが往々にありはしないかと思うのですが、これに対してはいかがでございますか。
#123
○渡邉(文)政府委員 一般的なお答えになって大変恐縮でございますが、法律で基本的なことが決まっておりまして、それを具体化するため、あるいは手続等につきまして、あるいは期日を定める等につきまして政令を定めることが往々にしてございます。農安法について言えば、価格の決定に当たってのパリティ等のあれにつきましての政令事項もあるわけでございますが、いずれも現在ございます政令の規定はそれなりに法律の趣旨にのっとっているもの、大変一般的な答えで恐縮でございますが……。
#124
○稲富委員 こればかりやっていますともう時間がありませんので、いま申しましたような基本的な考え方にのっとって今後農産物の価格というものは決定すべきものであるという、この基本的な考え方で次の問題を質問いたしたいと思うのでございます。
 まずそういう意味から、今回のてん菜糖、カンショ、バレイショ及び大豆の生産者価格の算出に用いる農業パリティ指数の平均値はどう見積もっていらっしゃるか承りたい。
#125
○渡邉(文)政府委員 パリティ指数は、その前年の生産期間と今年産の生産期間との間の物価の変動率を反映させるというのが基本的な考え方でございまして、運用といたしまして、たとえば昨年の価格決定に際しましては、五十四年の四月から八月までの数値の平均と、五十五年の四月から八月までの数値の平均というものを使いまして、今年産につきましては五十五年の、昨年の四月から八月までの各月のパリティ指数の平均値と、今年の四月から八月までのパリティ指数の平均値とを分子、分母に置きまして、その得た数値を使おうと思っておるわけでございますが、結果的な数値といたしましては、その間の上昇率は四・三八%というふうになっております。
#126
○稲富委員 そうしますと、本年度のパリティ指数を用いる五十六年産の予想価格、これは四・三八%といいますと幾らになりますか、予想されておる公定価格は。
#127
○渡邉(文)政府委員 四・三八%を昨年の価格に単純に掛けた場合の数値が御質問でございましょうか。
#128
○稲富委員 てん菜糖、カンショ、そういうもののそれぞれの予想価格というものは、パリティ指数から五十六年度は幾らに想定されておるかです。
#129
○渡邉(文)政府委員 大変失礼いたしました。
 私ども具体的に価格を決めますときには、たとえば一つの例として御理解いただきたいのでございますが、カンショの場合には原料基準価格というものがございまして、昨年が九百九十六円となっておるわけでございますが、実際に農家の手取りとなりますものは、先生御承知のような過去の経緯におきまして、カンショの場合について申しますと、カンショの価格は、法律の規定に基づきまして決めます原料基準価格のほかに、農家の手取りになりますのは、指導価格制度いうものをやっておりまして、指導価格の方の変動がそのまま農家の手取りの変動になるわけでございます。それで、原料基準価格の方に、仮にただいま申し上げました四・三八%を乗じますと千四十円になろうかと思います。
#130
○稲富委員 そういうようなパリティ指数の計算が出ますね。問題は、行政価格を決定される場合は、経済事情を参酌するということによって価格というものが発表されることになってくる、ここに非常に問題があるのですよ。その経済事情を参酌するということを一緒にして、パリティ指数で基本価格を決め、経済事情を参酌して発表される。そうなりますと、それがごっちゃになってしまって、経済事情を参酌するというのは何を参酌したか。これがまた非常にあいまいな点が出てくるのです。もしもそれを承ることができるならば、経済事情を参酌するということはどういうことを想定されておるのか、この機会に承れれば承りたいと思うのであります。
#131
○渡邉(文)政府委員 法令にございます趣旨にのっとりまして、私ども他の事情を参酌する場合には、具体的には、昨今の例から申し上げますと、当該作物の生産性の上昇の状況とか、あるいは同じ甘味資源作物同士の価格の均衡問題とか、あるいは経済事情の一つといたしましての厳しい財政事情というようなものが参酌事項として挙げられようかと思います。具体的にはそういったものを十分総合的に勘案をいたしまして価格の決定を行っているということでございます。
#132
○稲富委員 まだ聞きたいことがたくさんありますけれども、時間が迫ったそうでございますから結論を申し上げたいと思うのでございます。
 私は、農産物の価格を決定するに当たりましては、やはり生産費を認めるということが一つ。パリティ指数が決定されましたならば、こういうような経済事情を参酌してこれほどになったのだという結論を出さなければ、パリティ指数で出たものと経済事情を参酌したものがごっちゃになって出てまいりますと、一般国民から見るとはっきりしない。これに対して生産者が本年度はバレイショは幾らにしてもらいたい、こういうような希望が出る。米の場合もそうです。そうすると、一般国民から見ると、国が発表した本年度の価格はこれだと言っておるのに、農民はこの価格を要求する、こうなりますと、農民が非常に不当な要求をしておるというような感情を持つことは非常に私は遺憾だと思う。そういうことで物事を解決されると、農民は非常に価格決定に不満を持つ。価格決定に不満を持つことは、農業生産に意欲を少なくするということなんです。農業生産に意欲を少なくするということは、生産にも非常に影響することになるわけです。それで、経済事情を参酌するとするならば、本当の価格はこれだけである。しかしながら、こういうような経済事情を参酌すればこれでがまんしてもらわなければいけないのだ、そういうように決定の仕方をはっきりしなければ、農民に対する不満、そして農業に対する意欲というものはなくなってくると私は思う。そういうような価格決定の方式をやることが生産者農民に対して非常に忠実なるゆえんであると私は思うのです。繰り返して申しますが、こういうようにパリティ指数がこれだけになったのだ、しかしこういうような経済事情を参酌するとこれだけになるのだ、この点をやられなければ、ごっちゃにして発表されると国民はわかりません。農民は非常に不当な要求をしているように思われる。こういう取り扱い方をすることが必要であると思うのですが、これに対しては政府はどういう考え方を持っていらっしゃるか承りたい。
#133
○渡邉(文)政府委員 ただいま先生から従来の価格決定の公表の仕方等につきましての御注意をいただいたわけでございます。御指摘の点私もよく理解できるわけでございます。たとえば、先ほどの例に籍口して申し上げますと、カンショの場合でございますと、従来は原料基準価格というものが一本であったわけですが、四十九年のあの激しい経済変動のさなかに、農家の強い御要望を踏まえまして取引指導価格を別に設定された経過がございます。その形が現在までずっと続いておるわけでございまして、カンショの場合は原料基準価格のほかに指導価格があることは関係の農家の方は十分知悉しておられると思いますし、昨年の例で言いますと、原料基準価格はパリティアップをした、しかし現下の厳しい財政事情、あるいは前後に決定されました畑作物の価格との関係で、原料基準価格と取引価格との差額につきましては特にパリティアップをすることはしなかった、前年ほぼ同額に据え置いた。その結果、手取りとしてはパリティとイコールではなくて、それよりも若干下がったということ等につきましてより懇切な説明といいますか、理解を深める努力をすべきであるという御指摘だと私は受けとめますが、今後よく注意をして努力してまいりたいと思っております。
#134
○稲富委員 時間がないので結論に入ります。
 いま申しましたように、農家の経営を維持すること、農家の経営を安定させる、そして農家、生産者に希望を持たせるために多くの法律はできております。法律の目的がそうなっているのです。ところが、なかなかその法律の目的に沿わないということは、いま御説明もありましたような、政令でいろいろ定めてみるとかあるいはまた幅の広い経済事情を参酌するとか、こういうあいまいなものによってこれをばかされてしまう、これが農民の生産意欲を少なくし、農家経営が不安定な状態になるというような問題があります。われわれは農民に対しまして忠実に知らしめて、がまんすべきものはこういう事情だからがまんしなさい、経済事情を参酌するというのは、その点をつまびらかに経済事情も説明するのだ、実際言えばこれほどの生産費はかかっているのだ、これを知らせることが必要である。たとえば米の問題でもそうなんです。
 私は米の問題を例に引きますが、米価を決定する場合でも、政府が米価審議会に諮問する場合に、本年度の米価は、本当は生産費は物価も上がっているからこれが相当なんだ、しかし、いろいろな経済的な事情、需給関係等があるからこれを諮問するんだということをはっきりしなければ、一般の農民から見ますると、もうこれほど資材その他が上がっておるにもかかわらず米価が上がらない諮問をする、いかにもこれは矛盾しているじゃないかという感じを持つ。そういう感じを持つことが生産意欲をなくすることになるのです。それは他の農産物においてもまたしかりなんです。その点は懇切に、やはり生産者が理解のできるような方途をもって農産物の価格を決定するということが必要なんです。ひとつ政府としても、行政の面に当たられる方もその点を十分に理解し得るような方法で決定するということが将来の日本の農業というものを健全なものにし、農民が納得しながら農業生産に従事する、この気持ち、精神を持たせるために必要なことであると思うのです。どうか本年度の米価あるいはこの農産物の価格の決定に当たりましてもそういうようなことを十分含んで、ひとつこの法律に示してありますように、農家の経営を安定せしめるような決定方をしていただきたいということを特に申し述べまして、ございますなら政府としてのこれに対する決意のほどを承りまして、私の質問を終わりたいと思います。
#135
○渡邉(文)政府委員 ただいま先生から御注意を含めましての、あるいはお励ましの言葉もいただいたつもりでございますが、そのお話を十分体しまして、今回の価格決定に努力をしてまいりたいというふうに思います。
#136
○稲富委員 終わります。
#137
○田邉委員長 野間友一君。
#138
○野間委員 最後の質問者になったわけですけれども、午前中に続いて畑作物の三品についての価格の問題を質問したいと思います。
 かなり論議が尽くされましたが、私は基本的に何を押さえるかということになりますと、先ほど稲富委員が言われたし、昨年の本委員会においてもわが党の寺前委員からも価格形成の問題について法の趣旨や目的を踏まえてということで提起をされたわけですけれども、私は何としても価格を決める際にはこの点を基礎にして適切な価格を決めていただきたい、こう思うわけであります。ところがことしになりましてからの農畜産物価格決定の推移と申しますか足取りを見てみますと、三月末には乳価の据え置き、それから基準糸価の引き下げ、それから麦価、米価、いずれも前年の算定方法を改悪して抑制してまいりました。ことし最後のこの畑作物の価格についても抑制されるやもわからぬということで大変な不安を農家の皆さんは感じておるわけでありますが、農家にとって積極的に増産に取り組む作物、これがいまのような価格決定の経過からしたら、何もないじゃないかということにもつながると私は思うわけであります。甘味資源作物あるいは大豆、いま審議中のものについても、増産に取り組む必要はあっても、価格を抑制してこれを抑えるという理由は全くないと私は思うのです。
 午前中にも申し上げたんですけれども、あのパリティ方式あるいはとりわけ奨励金制度、これは増産に励めばそれだけ農家に還元される、こういうことで一生懸命やってこられた。ところがことしの麦価の決定についての農林省の資料によりますと、生産性の向上を勘案してということで、純粋のパリティ指数を掛けて算出するのではなくて、この奨励金分については五十四円私たちの計算では削減している、こういうふうになるわけですね。つまり、さあ増産せい、増産して生産性が上がればあなたたちの利益になるんだということをやられた。実際に一生懸命生産性を上げた。ところが、生産性が上がったから、これを参酌してこのパリティ指数の計算よりも下がった価格で決定する。これではまるで農民をだましたようなことになるんじゃなかろうか、こういうふうに私は思うわけであります。
 大豆などを見ましても、これはきょうの報告にもありましたけれども、要するに畑作の大豆はずっと横ばいから減っておるわけです。ところが転作でこの大豆の作付面積もふえておる。これは特定作物にてん菜とこれが入れられておるということで、奨励金も一つの励みになって一生懸命やっておるわけであります。
 私は、やはり農民の期待にこたえるような形で、この法の趣旨に従った価格の決定をぜひして、自給率を高め、そして農家の経営を安定してほしい、このことをまず申し上げて答弁を求めたいと思います。次官、いかがですか。
#139
○志賀(節)政府委員 野間先生の御意見、十分に承りました。
#140
○野間委員 大変そっけないあれなんですけれども、もう十六日に決めるわけでしょう、十六日に。いま大蔵との協議もずっとやっておると思いますし、もう大詰めに来ておるわけですよ。午前、午後の論議を十分聞いた上で、農家の期待を裏切らないだけではなくて、農家が積極的に生産意欲を燃やす、納得のいくようなそういう価格の決定をするというふうに受けとめてよろしいですか。
#141
○渡邉(文)政府委員 ただいま御指摘ございましたように、ことしに入りましてから幾つかの価格決定が行われたわけでございますが、私どもは直接のその作物についての所管ではございませんが、それぞれの作物の置かれております需給事情等を十分考えられて価格の決定がなされたものだというふうに考えておる次第でございます。今回、私どもが明後日決定したいと思っておりまののは、それぞれ甘味資源ないしは輪作体系の中に組み込まれておりますいろいろな意味での共通の畑作物でございますが、先ほど来政務次官から御答弁がございますように、法律の規定を十分体しまして、他の畑作物の価格の相互関係等にも十分配慮しながら、適正な価格決定をするように考えて努力をしたいというふうに思っております。
#142
○野間委員 具体的には検討中ということで、なかなか具体的なものが出てこないのでなかなか論議ができない。大変残念だし、いまのお話を聞いておっても非常に抽象的で、具体的にどのようなものができるのかということがなかなかわれわれには理解しにくい。そういう状況で、大変残念に思うわけであります。
 しかし、時間の関係もありますので質問を次に進めたいと思いますが、いまブロック農務長官とちょうど会談の最中ではなかろうか、こういうふうに思うわけであります。午前中にはいろいろ心構えについてお伺いをいたしました。午後にはひとつ別の質問についてお尋ねをしたいと思うのですけれども、牛肉あるいは柑橘についての一九七八年の日米間の取り決め、これは一九八三年までの期間があるわけであります。この期間を一体どう見るのかということであります。これについては御案内だと思いますけれども、ブロック農務長官にしてもあるいは日米賢人会議の第二次の報告、提言、これによりましても、いろいろなことが書かれております。つまり、国内の生産とそれから消費、これを調整する期間が一九八三年までなんだ。いわゆる調整期間というふうに賢人会議でもブロック長官も言っておりますけれども、これについて日本側の見解はどうなのか、聞かせていただきたいと思います。
#143
○塚田説明員 お答えいたします。
 ただいま先生御指摘のように、最近では賢人会議のレポートあるいは先ほどまでアメリカの農務長官、亀岡大臣と会談しております。それで、その際、貿易問題についていろいろ語られているわけでございますが、私どもは貿易問題の見方を、いろいろの角度で見方があろうと思いまして、それで、七八年の農産物交渉の結果についての見方についても、日米間ですべての点について完全に合意しているわけではございませんので、私どもは何はともあれ、八二年度末にいまのところ合意されております協議に当たりましては、その時点での国内事情等いろいろな事情を総合的に勘案しまして、また実際問題として米国側がどういうような対応を行ってくるかわかりませんので、具体的な予測は困難でございますけれども、私どもとしては当該産品に即して需給動向等をよく踏まえ、いずれにせよ国内農業に悪影響を及ぼさないように対処する考えでございます。
#144
○野間委員 どうも私の質問には直接答えてないわけで、ブロック長官の一九八一年七月十三日の合同経済委員会通商小委員会、ここにおいての声明があるわけですね。これを見ますと、「基本的に吾々は牛肉とオレンジと柑橘ジュースの増加のためのMTN実行期間を日本農業のための過渡期と考えています。」こういうことを言っているわけですね。それから第二レポート、あのワイズメンのものを先ほど引いたわけですけれども、「五年間の調整期間を設けることが両国の間で取り決められて」おる。別のところでは、「日本の生産者のための調整期間とする」こういうことが取り決められた。これが、牛場座長と向こうのインガソル座長の責任者でつくったこのレポートの中にあるわけですね。こういうようなものが果たして七八年のときの取り決めのときの両方の合意事項であったのかどうか、こういう点なんです。
#145
○塚田説明員 お答えいたします。
 ただいま先生御指摘の賢人会議のレポートは、これは民間のレポートでございます。それからブロック農務長官の議会での発言、私ども承知しております。七八年の農産物交渉の結果について米側がそういうような発言をし、また民間の賢人会議のレポートが、準備期間である、あるいは調整期間であるというふうな発言をしておるのは、私ども承知しておりますが、私ども農林水産省として現在までそういうような言葉を使ったことはございませんし、私、その当時の交渉の直接の当事者でありませんけれども、私はそのようなことについて合意をしたというふうには聞いておりません。
#146
○野間委員 行政庁は一体ですから、だれがやろうと同じなわけですけれども。
 そうすると、いま私が取り上げたこの中には――民間人とおっしゃいましたけれども、これはたしか大平さんとカーターさんですか、この共同声明に基づいてつくられたもので、しかも国会の中でも鈴木総理が、これはできるところからやる、大変評価するということを答弁された、こういうものなんですね。しかし、いまのあなたの答弁は、こういうブロック長官やあるいは賢人会議の提言、これは日本の牛場さんも含めた中での提言なんですけれども、これとは政府の認識とが食い違いがある、こういうことですね。だとすれば、私はそれはそれで結構だと思うのですけれども、私が心配するのは、これは一九八四年度以降、貿易の自由化、もっと開放経済で農産物をもっと入れろ、こういう要求が随所に出ておりますね。こういうことを踏まえて考えたときに、この間出しました昭和六十五年を見通した柑橘の振興計画とか、農業の長期的な見通しですね、需給計画、これの根本が狂ってくることになる。だからこそ私は申し上げているわけですね。
 これは農蚕園芸局長にお聞きしますけれども、あの六十五年見通しの果樹の振興計画、これはたとえば柑橘について言いますと、アメリカからの輸入は一九八三年度の最高の量をそのまま横ばいさせて、あるいは試算して輸入の量を決めたということになるわけですね。それだけ確認しておきます。
#147
○小島政府委員 あの長期見通しを決めます時点においてはっきりしております輸入量は、織り込んでおります。それ以降のものについては、はっきりいたしませんので、六十五年の見通しはお話のありました数量を織り込んでおるわけです。
#148
○野間委員 ですから、この交渉の際によほどきちっと――認識がいまずれがあるということを認めましたけれども、これは次官もよく聞いておいてほしいと思うのですけれども、こういういまの日本の政府の姿勢というか認識は私は正しいと思うのですけれども、その立場を踏まえてきちっとやらなければ、これはえらいことになってくる。長期見通しの全部が狂ってくる、こういうことを警告申し上げて、この点について十分検討された上で協議にも臨んでいただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 次に、午前中に、同僚の委員からも取り上げられましたEDBの問題、これは厚生省、労働省、お越しになっておられますね。実は、午前中の農水省からの報告の中でも、チチュウカイミバエの防除についてEDB、二臭化エチレンですか、これで薫蒸処理をして日本に入れる、こういうことをやればただの一匹もチチュウカイミバエは入ってこないというような確信を持ってやられた、合意もされたし、それでいま実施されておるということを私たちはここで聞いたわけです。ところが、問題は、その消毒と申しますか防除のためのEDB、二臭化エチレンの問題なんですね。これについて厚生省は、これがどういう物質で、人体、生命に対してどのような関係、影響があるのか、その認識の度合いについてお聞きしたいと思います。
#149
○藤井説明員 エチレンダイブロマイドは二臭化エチレンと称されているものでございまして、非常に簡単な臭素の入った有機化合物でございます。この化合物は非常に古くから薫蒸剤として使われていたわけでございますが、一九七七年以降、アメリカにおきます各種の動物実験におきまして経肺暴露、いわゆる空気から入ってくるガスの量によって一部鼻孔のがん、その他乳がん、こういったものが動物実験で発生することが知られております。また、EDBの環境濃度におきまして、男性の生殖器の機能が低下するという動物実験の結果が出ております。
 こういった関係から、アメリカ当局におきましては、エチレンダイブロマイドの薫蒸につきまして防毒マスクを使うとか、あるいはまた他に適当な代替品があるならば代替品にかえるというような政策を去年の十二月、フェデラルレジスターに提案した物質でございます。
#150
○野間委員 要するに、発がん性物質の疑いがあるということですね。これについて、たとえば柑橘の薫蒸についてアメリカでは規制の方針をいま決めておりますが、どういう方針でしょうか。
#151
○藤井説明員 柑橘の薫蒸についてアメリカでは、現在、労働環境の場としての作用というものを検討中でございます。はっきりとした許容基準というものについては、連邦政府としては検討中でございますが、カリフォルニア州政府といたしましては、暫定的に〇・一三PPmというのを労働環境の基準として決めております。
#152
○野間委員 一九八三年七月一日をもってこれの柑橘の薫蒸は禁止するという方針を決めていますね。
#153
○藤井説明員 そのように聞いております。
#154
○野間委員 これは労働省どうなんでしょうか。いま横浜の埠頭等々で問題になっております。これは、荷役の港湾労働者が開梱することを拒否して三者の協議が開かれたとかどうだとかいろいろ新聞報道にも出ております。
 私は、まず労働省にお聞きしますけれども、この点についていま厚生省から話がありましたが、労働省としては、人体、生命に対する害の度合いについてはどのようにお考えでしょうか。
#155
○福渡説明員 お答えをいたします。
 いま厚生省の方から答弁がございましたけれども、動物実験において口あるいは気道等にがんが発生するということは承知をしておりますが、人についての報告というのは、いまのところ私どもの方では持っておりません。一般的には、動物実験でこのような結果が出た場合には、人に対してもある程度の影響があるというふうに考えられておりますので、そういう点は十分に踏まえて考えてまいりたいというふうに考えております。
#156
○野間委員 労働省が出された「労働衛生のしおり」、労働基準局編のもの、五十六年度版、これはお持ちだろうと思いますけれども、これによりますと、「有害化学物質等の有害作用、許容濃度等」というところ、八十四ページからですね、これに関連して二臭化エチレンのところ、百四ページのところを見ますと、「A2 人に対するがん原性を有するおそれがある疑いがある物質。」こういうふうに労働省のこの本の中でも書かれておるわけで、これは厚生省にしても労働省にしても、要するにがんの発生の疑いがある物質として押さえておられるわけですね。しかもアメリカでは、一九八三年七月一日でもってこの柑橘の薫蒸は禁止するということまで決めておる。ところが、農水省、こういうもので薫蒸して日本に持ってくるということを八月に合意されたわけですけれども、こういう実態を知った上でされたものかどうか。
 もう一つは、厚生省は許容量〇・一三PPmと言いましたけれども、きょうの説明でもあるいは農水省からもらった資料の中でもこういうのは一切出てこないわけですね。これは労働者も知らぬ、あるいは消費者も全く知らない。しかし、こういう大変危険なものであるということなんです。この点について農水省の姿勢は一体どうなのかということと同時に、厚生省、こういうものは直ちに食品衛生調査会等にも諮って、そして本当に人体その他に害がないかどうか、これをきちっとしなければこれは使えない。あるいは労働者に対してはそれなりの、こういう物質に当たらないような措置をするとか、これはきっちりしなければ大変なことになるのじゃないかと思うわけですけれども、農水省と厚生省双方に聞きたいと思います。労働省も後でお伺いしたいと思います。
#157
○小島政府委員 日米間におきましていまの消毒の取り決めをいたします際において、EDBの薫蒸というのは一つの方法として認めたわけでございますが、その時点におきましてこの物質は発がん性の疑いがあるということについては私どもも承知をいたしておりました。ただ、同じEPAの発表の中におきまして、果物の消毒に用いました場合に、数日を経てあらかた成分が揮発して、人間に危ない状態ではないという発表もございますし、また諸外国から現に私どもの日本国に輸入されておりますいろいろな果物類、それからほかの国におきましても現に使われている、アメリカ国内においても現在消毒に使われておる、こういう事情がございますし、日本国内でもいわば平穏公然と使われておるわけでございますので、その意味で消毒に使った場合に直ちに危険度が非常に高まる、こういうことではないのではないかと理解をいたしておったわけでございます。
 それから、EPAのこの問題に対する処理の仕方で、ただいま八三年七月からはもう禁止というふうにお話がございましたが、アメリカのこの種の問題の処理の仕方は、一応そういう方針を出しまして、それに対する各方面からのいろいろな意見を徴する、その結果最終的に判断を決めるということでございまして、禁止がもう確定した方針になっておるということでは決してないというふうに理解をいたしております。
#158
○藤井説明員 EDBの発がんのレベルというものは決して強いものではございません。しかしながら、発がん性が動物実験で証明されているものを人為的にできる限り少なくする、あるいは痕跡以下にとどめるというのは厚生省の行政として当然の考え方でございます。幸いにいたしましてEDBは揮発性が非常に強い。柑橘に使用して殺虫の目的を達した後、これは速やかになくなっていくものであるというような性格を持っております。問題は、このなくなっていくのがどのくらいの量以下であるならば完全に痕跡程度以下に流通期間においてなるかという点が一つの焦点になるわけでございますが、私どもは〇・一三PPmという柑橘についての残留の、港における限界というのを暫定的に決めて今日運用しているわけでございますが、この数字につきましてはWHO、世界保健機構では〇・五PPmという数字を決めております。このデータを検討したわけでございますが、そういうような数字で流通した場合に、消費者に渡るときにゼロになるという根拠が必ずしも明確に読み取れなかったという関係から、非常に乱暴ではございますが、アメリカにおける暫定的な労働衛生の基準〇・一三を柑橘の方に当てはめたわけでございます。
 しかしながら、これを実験室的に科学データとしてはっきりすることはできるわけでございますが、あくまでこれは実験室でございまして、アメリカから持ってきた柑橘について実態を把握したデータ、こういうものをそろえた上で明確にして、どこまでが安全なのかということをやらねばならないと思っております。現在、入荷した柑橘を使ってそういう科学データを蓄積し、さらに安全性について検討を加えたいと思っております。
#159
○福渡説明員 私どもの方は労働環境の問題としてこれをとらえていくことになるわけでございますが、私どもの方で、いままでアメリカで発表されたデータあるいは動物実験の結果等を十分に検討いたしまして対処していきたいというふうに考えておりますが、当面は私どもの方もアメリカで暫定的に決められた〇・一三PPmというものを準用しながら運用してまいりたい、このように考えております。
#160
○野間委員 もう時間が参りましたので、最後に、いま緊急を要するこれらの処理についてどういう方針を持っておられるのか、農水省に聞きたいと思います。
 先ほど申し上げたように横浜とか神戸にレモン、オレンジが着いておる。ところが、荷役が拒否されて、いまそのまま港におるわけですね。三者の協議をきのう開いたとか開かぬとかいう報道も私は承知しておりますけれども、いまのEDBの持つ意味、これを前提にして一体どのようにこれを解決をつけていくのか。もうついたならいいわけですけれども。これらのことと同時に三省に対して、アメリカから発表されてアメリカでああだこうだという話がありましても、こういうものが発表されたら直ちに独自にやらなければ生命あるいは人体にとって非常に危険だというふうになりますから、きちっと横の連絡をとりながら、これらが人体や生命、健康にとって安全だということを、ぜひそこまで措置をしなければならぬ、こう思うわけでありますけれども、農水省に対してこの点について、それから私のいま最後に申し上げたことについて次官から答弁いただいて、質問を終わりたいと思います。
#161
○小島政府委員 昨日、東京、横浜の港湾労働組合、それから荷主、船主、そういう人たちの間で話し合いが行われまして、関係官庁によって安全性が確認されれば荷扱いをする、こういうふうな方針が打ち出されたというふうに聞いております。私どもはこの問題につきましては、先ほど申し上げましたように日米間の取り決めをした段階では、先ほど申し上げたような考え方に立っておったわけでありますが、国内の健康問題ということになりますればそれぞれ責任官庁があられるわけでありますから、そういうところの見解に従いまして円滑に事態が解決されるように望んでおるわけであります。
#162
○志賀(節)政府委員 ただいまお聞き及びのとおり、政府といたしましては十分生命の安全を目途としてこれに取り組んでおるわけでございます。もとより、この薫蒸の問題以前にチチュウカイミバエが絶滅されればいいわけでございますから、このチチュウカイミバエの撲滅につきましても、きょう亀岡農林水産大臣からブロック農務長官にも強くこれを希望する旨申し入れておるはずでございます。そのような源からまた途中の、発生した以上はどうしても出てまいりますこの点につきましては、人道的な見地を踏まえて人間の生命を十分に維持し、これを損なうことのないよう今後努力をしてまいる所存でございます。
#163
○野間委員 終わります。
    ―――――――――――――
#164
○田邉委員長 ただいま松沢俊昭君外五名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合の共同提案による昭和五十六年産畑作物価格決定等に関する件について決議されたいとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。松沢俊昭君。
#165
○松沢委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブ・民主連合の共同提案に係る昭和五十六年産畑作物価格決定等に関する件の決議案について六党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    昭和五十六年産畑作物価格決定等に関する件(案)
  農業生産の再編成と地域農業の総合的推進のため、畑作振興のはたす重要性にかんがみ、政府は本年産てん菜、甘しょ、馬れいしょ、甘しょでん粉、馬れいしょでん粉及び大豆の生産者価格等の決定に当たっては、左記事項の実現に努めるべきである。
        記
 一 てん菜、甘しょ、馬れいしょ及び大豆の生産者価格については、最近における生産資材費等の上昇を適正に勘案し、農家の所得と再生産の確保が十分図られる価格とすること。
   なお、てん菜については生産奨励金の運用に留意すること。
 二 てん菜糖の事業団買入価格及び甘しょ、馬れいしょでん粉並びに甘しょ生切干の買入基準価格は、集荷、製造経費、とくにでん粉加工での排水処理経費を適正に反映して決定すること。
 三 てん菜、甘しょ、馬れいしょ、大豆の生産振興を図るため、土地基盤整備の促進強化をはじめ、優良種苗の開発普及、病害虫防除の徹底、機械化作業体系の確立及び合理的な輪作体系の定着等の実効ある生産対策を講じ、併せて自給力の向上に努めること。
 四 砂糖の需給調整を図り、かつ価格安定を図るため、異性化糖を含む総合的な甘味対策を早急に検討するとともに、製糖関連対策をも十分講ずること。
 五 コーンスターチ製造用とうもろこし等については、秩序ある輸入が行われるよう処置すること。
  右決議する。
 以上の決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて各位の十分御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。
 何とぞ全員の御賛成を賜りますることをお願い申し上げまして、提案理由の説明にかえます。(拍手)
#166
○田邉委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本動議に対し、別に発言の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 松沢俊昭君外五名提出の動議のごとく決するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#167
○田邉委員長 御異議なしと認めます。よって、本動議のごとく決しました。
 ただいま議決いたしました決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。志賀農林水産政務次官。
#168
○志賀(節)政府委員 ただいまの御決議につきましては、十分検討し、適切に対処すべく努力いたす所存でございます。
#169
○田邉委員長 ただいまの決議について、議長に対する報告及び関係当局への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#170
○田邉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#171
○田邉委員長 この際、連合審査会開会の申入れに関する件についてお諮りいたします。
 すなわち、行財政改革に関する特別委員会においてただいま審査中の内閣提出、行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案について、同委員会に連合審査会開会の申し入れを行いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#172
○田邉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、連合審査会の開会日時等は、委員長間で協議の上、追って公報をもってお知らせすることといたします。
 次回は、来る二十一日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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