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1981/11/27 第95回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第095回国会 大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第1号
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1981/11/27 第95回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第095回国会 大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第1号

#1
第095回国会 大蔵委員会税制及び税の執行に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和五十六年十月十六日(金曜日)
委員会において、設置することに決した。
十月十六日
 本小委員は委員長の指名で、次のとおり選任さ
 れた。
      麻生 太郎君    今枝 敬雄君
      大原 一三君    木村武千代君
      笹山 登生君    椎名 素夫君
      白川 勝彦君    平沼 赳夫君
      柳沢 伯夫君    沢田  広君
      塚田 庄平君    戸田 菊雄君
      渡部 一郎君    玉置 一弥君
      正森 成二君    小杉  隆君
十月十六日
 大原一三君が委員長の指名で、小委員長に選任
 された。
―――――――――――――――――――――
昭和五十六年十一月二十七日(金曜日)
    午前十時三分開議
 出席小委員
   小委員長 大原 一三君
      麻生 太郎君    今枝 敬雄君
      木村武千代君    笹山 登生君
      平沼 赳夫君    柳沢 伯夫君
      伊藤  茂君    戸田 菊雄君
      鳥居 一雄君    竹本 孫一君
      正森 成二君    小杉  隆君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  保岡 興治君
        大蔵省主計局次
        長       窪田  弘君
        大蔵省主税局長 福田 幸弘君
        国税庁次長   小山 昭蔵君
        国税庁間税部長 篠原 忠良君
 小委員外の出席者
        厚生省医務局医
        事課長     吉田  勇君
        大蔵委員会調査
        室長      葉林 勇樹君
    ―――――――――――――
十一月二十七日
 小委員小杉隆君十月十九日委員辞任につき、そ
 の補欠として小杉隆君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
同日
 小委員麻生太郎君同月十日委員辞任につき、そ
 の補欠として麻生太郎君が委員長の指名で小委
 員に選任された。
同日
 小委員塚田庄平君、渡部一郎君及び玉置一弥君
 同日小委員辞任につき、その補欠として伊藤茂
 君、鳥居一雄君及び竹本孫一君が委員長の指名
 で小委員に選任された。
同日
 小委員伊藤茂君、鳥居一雄君及び竹本孫一君同
 日小委員辞任につき、その補欠として塚田庄平
 君、渡部一郎君及び玉置一弥君が委員長の指名
 で小委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 税制及び税の執行に関する件
     ――――◇―――――
#2
○大原小委員長 これより税制及び税の執行に関する小委員会を開会いたします。
 税制及び税の執行に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。戸田菊雄君。
#3
○戸田小委員 最初に、主税局長に質問したいと思います。
 大蔵省は本年度の税収は非常に厳しい、こういうことを言っておるわけでありますが、税収の見通しはどう考えておりますか。
 また、政府の五十六年度予算において、自然増収見積もりは四兆五千億ということを言われておったのでありますが、この中で所得税に発生する見込みはどのくらいあって、さらにその中で給与所得税のケースのものがどのくらいあるか、それもあわせて質問いたしたいと思います。
#4
○福田(幸)政府委員 まず、五十六年度の税収の見込みでございますが、その前に五十五年度の決算は最終的に四百八十四億の黒であったわけでございますけれども、税の方は二千七百億へこんでおったという問題がございます。その後を受けて五十六年度は進行中でございますけれども、何しろ九月末までしかまだわかっておりません。九月末までの税収の合計で申し上げますと九兆七千四百七十六億ということで、予算額は三十二兆二千八百四十億でございますので、その進み方といいますか入り方の割合、いわゆる進捗割合で申しますと三〇・二%ということでございまして、昨年の入る進捗割合が同じ時期で三三・一でございましたので、われわれその三三・一と三〇・二の比較でことしの入り方を見るわけですが、二・九ポイント下がってます。いずれにしましても、三〇%程度の税収でございますので、これでもってあと七割方残ってます本年度をどう克服するかというのはなかなか見方がむずかしいかと思います。特に後半に経済がどう動くか、来年三月の決算が最大のポイントでございますし、その辺の見通しを現在いろいろなデータでいろいろと検討しておるところでございます。
 そういうことで、ことしの見通しは非常に困難でございますけれども、余りよくないというのが事実でございまして、先ほど申しました五十五年度がやはり悪かった、それを受けながらの経済回復がどうなっていくか、特に物価の方は安定いたしておりますが、税収の方では名目でございますので伸び悩んでおるのがいままでの形です。ただ、七割方の税収がどうなるかは今後の経済の動きにかかると思います。
 そういうことで、ことしのところでは自然増収は出ないという感じは、相当はっきりした感じを持っております。ただ、へこむところがどうなるかは変動要因が多いので確たることを申し上げられない。
 あと、来年度の問題になりますと、これは経済見通しがまだ出ませんので、現在模索しておるというか、それを待っておる感じであります。
 あと、お尋ねの今年度の自然増収の中での給与所得の割合でございますが、五十六年度の自然増収は四兆四千九百億でございまして、給与所得は約一兆二千億で、全体に占める割合は二七%であります。自然増収四兆四千九百億、うち所得税分二兆七千七百億とございますが、その中には、源泉所得税としては利子分がありますので二兆八百億ありますけれども、いま申しましたように給与所得分は一兆二千百億、申告所得が六千九百億余、したがって給与所得分は自然増収の中の二七%ということになります。
#5
○戸田小委員 三〇%程度の税収ということで、あとの七〇%近いもの、こういうことですが、いままでの行革等を通じての大蔵大臣あるいはまた経企庁長官等々の答弁などを見ますると、前途は相当厳しい、二兆八千億くらい減収等々の話もあったように聞いているのですが、やはりそういう状況でいきますか。
#6
○福田(幸)政府委員 ことしの予算額に対してどうなるかは、自然増収は出ない感じははっきりした感じに近くなっております。と申しますのは、自然増収を引き当てにいろいろな施策が講じられないと非常に危険であるという感じまでははっきりいたしておりますが、どのくらいへこむかというのは先ほども申したように非常にむずかしいので、いまの進捗割合で単純に割り戻すというだけですと非常に大きく出ますけれども、今後の先ほどの七割方、特に来年三月の決算あたりがどうなるか、そこにかかっておりますので、いま幾らと先ほどのような数字は単純には計算できない、こう思っております。
#7
○戸田小委員 その後の二つの問題でありますが、これは大体四兆五千億、自然増収総額四兆四千九百億ですね。こういう見通しでありますが、私の計算でいきますと、所得税に発生すると見込まれる総体金額が二兆八千億、総体の大体六二%強、このくらいあるんじゃないだろうか。その中でさらに給与所得税のケースのものが大体二兆一千五百三十億、局長の説明ですと一兆二千億、それから六千九百億、これをプラスして大体二兆ちょっとになりますが、これはどうでしょう、私の言うのは間違いでしょうか。
#8
○福田(幸)政府委員 もう一度申し上げますと、四兆四千九百億が自然増収である。うち所得税分が二兆七千七百億で、自然増収四兆四千九百億円に対して六一・七%でございます。そうしまして、所得税の内訳といたしますと、源泉所得税分が二兆八百億ということになります。自然増収の四六・三%、その源泉所得税の中で給与所得税、給与所得分というのが一兆二千百でございます。そうすると、全体の自然増収の二七・〇%、それから申告所得税分といいますのは源泉所得税分と並ぶわけですが、これは六千九百億、一五・三%です。ですから源泉所得税二兆八百、それに申告所得税六千九百、足して二兆七千七百億、こういうことになります。給与所得税分だけですと一兆二千百で、二七・〇%、こういうことになります。
#9
○戸田小委員 いずれにいたしましても、自然増収に占める給与所得者あるいは所得税関係者等々の割合というものは非常に大きいわけですね。そういうところにさらに五十二年度以降課税最低限も税率も全然変わりはなし、減税はなし、こういうことになりますから、国民はいま相当な重税感を肌に感じているという状況じゃないかと思うのですね。
 そこで、来年度の予算編成に当たっての大蔵省の考え方でありますが、大蔵省は不公平な税制を直す措置を考えているというようなことを言われておる。現に十一月二十四日税調が再開をされまして、一定の総理諮問案というものを出したわけですね。その内容等については、どうでしょう、これから五十七年度予算編成で――この間主計局長にいろいろとお伺いをしましたら大体二十日ごろまで、いずれにいたしましても年内編成、これを終わりたい、こういうことを言っておりましたが、すでに税収部面においても大体詰まってきているのじゃないかと思いますが、どのくらい見積もって、さらに税調等に対してどういう内容を検討、諮問しているのか、非常に微妙なところでしょうけれども、ひとつできるだけ具体的に説明を願いたい。
#10
○福田(幸)政府委員 今年度の税収がそのような、先ほど申し上げましたような状態で、いま非常に計算に、見通しに苦慮しておるところでありますが、また来年度と、こうなりますとさらに困難がいまの時点では非常に大きいわけで、もう少しすればだんだんそれがはっきりしてきます。と申しますのは、経済見通し、今年度の実績及び来年度の見通しが出ますので、それを踏まえませんと、いずれにしろ来年度の感じを税だけが出すわけにいきません。また、そういう経済見通し的なものはバックにしながら、実際の税収というのは非常に細かな積み上げでやっていきますので、その作業をできるだけ新しいデータで詰めようということでやっております。いずれにしろ、ことしは予算額はオーバーしないであろうというのはほぼはっきりしております。その次の年度は経済の回復過程の両年度にわたる見通しの問題でございますので、この辺もやはり相当慎重に見きわめなければいかぬということに考えておりますが、見通し自体の問題と、今度は税制改正の問題になろうかと思います。
 税制改正の方は、臨調答申にもございますように、負担の公平ということで制度及び執行面においてそれを図るようにというのがございまして、あと各論的なところで租税特別措置の見直しをいろいろな基準を示しているわけです。そういう意味で、税の見通しの問題とは別に、負担の公平の問題というのは行革論議の一環として、また従来われわれがずっとやってきたわけでありますけれども、五十一年以来毎年租税特別措置を中心にした検討、改正をやってきましたけれども、特にことしはまたそれを受けながらも進めたいということで、その増収論とは別に、制度及び執行の公正化という面から特に租特を中心にして見直しを相当厳しくやりたい。その結果がどういう税収になるかはこれは別の問題で、むしろ適正化を図るということに重点を置きたいと思っています。
 公平の概念をどう整理するかの問題は、従来からこの委員会で御議論もあったかと思うのですが、そういう意味で税の見通し、自然増収の話とは別に、増税論議とはまた別に、不公正の見直しのところを制度自体としてきっちりやる。その結果が、自然増収とは別のどういう増収になる、増税になるかということについては、まだ金額を見定めておりませんのは、歳出の方でまたどういうふうな財源需要が出るのか、その辺の問題も絡みますけれども、いずれにしましても、不公正の見直し自体はそれ自体として重要な問題として取り組みたい、こういう姿勢でございまして、いまどれほどの自然増収及び増税、増収額が出るかというところまでは数字としては申し上げにくい段階であることをお許し願いたいと思います。
#11
○戸田小委員 制度、執行面から厳密な見直しをやりたい、内容には触れられませんがそういう答えですから、具体的に項目ごとに聞いてまいりたいのです。
 制度上の問題としては、昨年の税調答申によって一応租税特別措置、これはやや一段落の状況だというような答申があるわけです。私は、まだまだ内容的には検討するものがあるだろう、こういうように考えているわけですが、租税特別措置の改廃等を考えているのかどうか、これが一つ。
 それからもう一つは交際費課税ですね。現行二百万――四百万の控除、そして残高に一〇%の課税、こういうことになっているのですが、こういった交際費課税、これの引き下げ等を考えておるかどうか。
 それからもう一つは、企業貸し倒れ引当金の非課税枠の引き下げですね。こういったものを考えられているのか、どうか。
 それから退職金引当金、この非課税の引き下げ、印紙税の適用拡大等が考えられる、こういうことも言われておりますが、この点はどうなんですか。
 新税措置としてギャンブル税あるいは広告費課税、こういったものがいろいろ検討されていると聞いておるわけですが、これに対してどう考えておられるか。
 それからもう一つは、価格変動準備金の延長期限の廃止を考えているようですが、この辺はどうでしょうか。
 それから利子配当課税の特例等につきましては、大体五十九年度以降これは総合課税に切りかえるということが決まっております。しかし、その間五十六年度予算でいきますと、私の記憶で七百億見当減収措置をとられた、こういう状況にあると思います。
 もう一つは、社会保険診療報酬の所得計算の特例ですが、これは大体この前の改正でもって一応五二%程度まで五千万円超のものについて近づけてまいりましたから、漸次年数を経るに従って強化の方策にあるわけですが、この辺の内容についても検討されているように承っておるわけでありますが、以上の諸項目に対して一体どう考えておられましょうか。
#12
○福田(幸)政府委員 最初は租特の御質問でございますが、租特の整理合理化、これはいままで申し上げました方針で厳しくやっていきたいということで、これにつきましては、租特自体は企業関係で約二千億の減収になっておるのは御存じのとおりでございますが、その中で千二百億が一般の企業に対する公害その他のエネルギー等の政策税制の中身になっておりますし、八百億は中小企業関係であることは御承知のとおりでありますが、これは五十一年以来当委員会で御審議を願った整理合理化によって相当手をつけておりまして、対象に対して八五%のカバレージで整理合理化をいたしておるわけでございます。内容はいろいろございますが、八五%の整理合理化割合ということになっております。現在その結果が二千億という減収にとどまったわけでございますが、そういうことで法人の税収全体に対しますこの減収割合と申しますのは、五十年度では五%であったわけです。それが現在五十六年度は二%足らず、一・九%に落ちております。しかしながら、現在の状況、財政事情もさることながら、税負担の公平に対する国民の関心、これは臨時行政調査会の議論で見られますようにさらに高まっておりますので、御指摘のような租特についての整理合理化は、従来以上に厳しく引き続きやりたいということであります。
 引き続きやっておるということがわれわれの態度の前提になりますけれども、今回やります整理合理化の方針としまして、先般政府の税調で示しました方針案と申しますのは、新設、拡充、これは原則的に行わない。それから既存のものにつきましては、政策目的が薄れてしまったり、政策効果が乏しいと認められるものにつきましては、負担の公平を欠いておるという問題の比較におきまして、これは個別に検討して廃止をするということで廃止項目をできるだけ厳しく選別いたしたい、こう思っております。現在各省にこれを折衝中でございますが、それ以外、期限の到来いたしますものが特に対象になりますので、いまの廃止にならないにいたしましても、特別償却の率とかいうものにつきまして一率に大幅削減をいたしたいということで、三割カットという厳しい姿勢で臨んでおるわけであります。それから、期限の定めのないものにつきましても、やはりこれは放置することはできませんので一率カットの対象にする。それから、過去に整理合理化をいたしましたものでも、経過期間をつけておりますので、これにつきましてはその期間の廃止ないし短縮を行うということで、先ほど御指摘の価格変動準備金、これは廃止になっておりますけれども、経過期間がついておりますので、これを期間を短縮するないし物によってはその中のあるグループについては廃止をする。直ちにその経過期間を取っ払うということも含めまして、現在交渉をいたしておるわけでございます。
 その次に、今度は交際費課税の問題で、交際費課税までが特別措置の問題であろうかと思います。このグループがありますが、まずいまの特別措置、非常に狭い意味の特別措置、これはいまの価格変動準備金を含むわけでありますが、これが現在すでに整理合理化の交渉を進めておるグループであります。その次に交際費課税、これは特別措置でありますが、本来経費のものを否認するという意味の特別措置の対象であります。これにつきましては今後その具体案を詰めたいと思っておりますけれども、従来から社用消費的な面がございまして、金額的に見ましても大きな金額がこの交際費に支払われております。現在五十四年度までの数字で見ますと、二兆九千億という大きな数字がこの交際費で払われております。この年度での会社の支払い配当は二兆一千億でありますので、企業活動としましても過大な資金がこの交際費で払われるというのが社会的なバランスとしてどうか。この内容といたしましても、どうしても社用消費的な支出態様になるというのが社会的批判を受けるわけでありまして、そういうことで現在御承知の定額控除というのが資本金一千万で四百万の定額、さらに三百万があって、五千万を超えますと今度は二百万ということ、また否認割合も九〇%までは引き上げられておりますけれども、いずれにしましても、この辺の否認割合及び定額控除につきましても、交際費というものが社会的にどう受け取られているかという民間における企業の姿勢も行革の姿勢としては求めるべきであるという感じもいたしますので、この辺の厳しい見直しを図りたいということをわれわれとしては考えております。
 その次のグループが貸し倒れ引当金及び退職給与引当金のグループであると思うのです。これは引当金でございますので、準備金等とは違いまして、本来会計制度として意味のあるものでありますから、この扱いはむしろ繰り入れ率が正しいかという問題になっていくわけであります。貸し倒れ引当金は評価性の引当金でございますし、退職給与引当金は債務性の引当金で、それぞれ意味はあるわけでありますが、実際の貸し倒れの率に比べて繰り入れ率がどういう現状にあるか。そこは余り開きがございますと無税の内部留保ということになってきますので、この辺の開き、特に貸し倒れにつきましては、実績基準というので、実績が高い場合は実績の高いものを選択する制度がすでに導入されておりますので、その辺をにらみながらこの貸し倒れ引当金の合理化を進めるということを検討を進めているわけです。それから退職給与引当金も同じく繰り入れ率の問題でございます。これは債務の発生がございますけれども、常に引当金が実際の取り崩し額に比べると大きな形で残っておるというのは、その間余裕がその企業にあるということで自己資金として運用されるわけでありますので、その辺、今後年金制度にどう移行するかという問題もございますが、むしろ内部留保的な形で退職給与というものがいまのままで合理的説明ができるかどうかいままでの計算のやり方をもう一回見直す、そうして説明のつく範囲でこの是正を図れるようにということで鋭意検討を進めておるところであります。
 その次のグループといいますか利子所得課税の問題、これはやはり総合課税の問題からくるわけでございますが、五十五年度の改正で、五十九年以降総合課税へ移行するということに方針がすでに当委員会の議を経て定まって、国会の議決を経ていますので、グリーンカードの少額貯蓄等利用者カードを手段としましてそれの実現に向かうわけでございます。これは過般の政令、省令の公布によりまして具体化を進めておるわけで、郵便貯金を含む非課税貯蓄の限度管理を的確にやると同時に、課税貯蓄につきましても、利用者カード等によりまして本人確認をするという形での適正化を進めるということがこの利子所得課税の解決の方向であろうと思います。
 それから医師優遇税制でございますが、これは五十四年度の税制改正で抜本的な改善が三十年ぶりに行われたわけでございます。その内容はその後そのままに据え置かれておりますので、実際上は相当厳しい効果があらわれておるように思われるわけであります。具体的に申しますと、社会保険診療報酬五千万を超えますものの割合、すなわち五千万を超えますと当時実績と見られた五二%という率が適用になるわけでありますが、この五千万超の五二%適用を受ける人の割合と申しますのが、五十年に答申がありました当時の四十八年の数字で申しますと、開業医の数%であったのが増加しまして、現在五十四年で見ますと三分の一程度がこの五二%の方の率の適用を受けておるという厳しい状況になっています。したがって、またいろいろな租税回避的な動きがあるかと思います。それはそれで対応すべきでありますが、これ自体厳しい形で適用されておるということになります。また青色申告を行っている開業医のうち、実績経費、概算経費率でなくて実額の経費で控除するという選択を行っている者は五十四年で四割台になっておりますので、こういう形で適正化が行われておる、それから水準が据え置かれておるという問題が現在医師優遇税制に対する回答及びその後の成果であろうと思いますので、やはり地域医療に専念しておられる方に対する現在の配慮を織り込んだ制度は当分やはり見守るのが良識的であり合理的であるという気がいたします。
 印紙税の見直しにつきましては、五十六年改正で引き上げが行われておる、その結果もあって、いろんな回避行為が行われているかどうか現在実態調査を行っておりますので、それによりまして印紙税の中身をどういうふうに合理化するかはその実態調査の結果を待ってでなければならないという気がしますので、いま直ちにこの印紙税の見直しをどういう方向でやるかということの具体案はいまのところはございません。いずれにしましても、取引の実態に即したものにすべきであろうということは常時考えておるわけであります。
 あと広告税、ギャンブル税、ちょっと時間を食いますけれども、最後のグループがギャンブル税と広告税でございまして、ギャンブルに対する課税につきましては、従来からこれは税制調査会においても毎年検討課題とされてきておるわけでございまして、これはさらに広い角度から勉強したいと思っておるわけであります。これは払戻金に対する課税、本来一時所得で納税されるべきものをどういうふうにして処理するかということで、払戻金に対してどういうふうな課税方法でこれが解決し得るのかどうか、または売り上げに対して一定率をかけるということも一つの方法でありますし、また、現在二五%とされておる中での納付金問題、いろんなアプローチがあろうかと思うのですが、課税技術としての検討をいたしておるわけであります。
 それから広告税の問題でございますが、これもやはり従来から税調において議論が行われております項目でありますので検討課題といたしておるわけでありまして、特に新しく取り上げたという問題ではございません。広告課税についてはいろいろと議論がございますが、課税を行うべきであるとする意見と適当でないという意見と両論ございまして、これは引き続き検討いたしておる段階であるということであります。課税を行うべきであるとされておる論拠は、交際費の課税とのバランスという見方、それから過剰広告的な対策という見方、それから課税を行うべきでないとする論拠としましては、広告費には社用消費的要素がない、交際費と同一視するのはおかしいという議論、それから過剰広告対策を税で取り上げるのは適当でないという言い方、さらに言論に対する干渉の問題等ございますので、いろんな角度から慎重に検討しなければいけない、こう思っております。
 以上でございます。
#13
○戸田小委員 いま局長の説明で大体検討内容はわかったのでありますが、ぼくなりに一つの試算をやってみたのですが、いま指摘をした項目のそれぞれ、課税対象、引き下げ、その他やりますると、総体において大体一兆円になるようですね。時間がないですから、私項目的に言いませんけれども、総体的に一兆円見当に及ぶのじゃないだろうか、こう考えるのです。臨調の兼ね合いでもって増税対策は一切やらないというのが基本になっているようでありますが、広告費、ギャンブル各税は五十九年あたりに持ち越されるという想定ですがね、いずれにしても一兆円。どうでしょう。
#14
○福田(幸)政府委員 いずれにしろ計数はどういう是正をするかによって決まるものですが、ある金額をめどにそれに対して増収策を講ずるという性格ではないと思います。したがいまして、そんな大きな数字を目指していろんな増税をやるということは新税的な感じが強く出ますし、増税の感じが出ますので、やはり不公正是正ということ、また、それが合理的に説明できる範囲で着実にやるということが大事であろうと思います。したがって、おっしゃるような大きな数字はとうてい出そうなことではないと思います。ただ、どういうふうな予算編成過程に入るかまだわかりませんが、いずれにしろ税自体の観点で合理的な範囲での是正を図るというのが基本的姿勢でなければいかぬ、こう思っております。
#15
○戸田小委員 時間がありませんので、国税庁の次長でございますね、定員問題についてひとつ質問してまいりたいのでありますが、その前に資料を二つほど確認をしたいのであります。
 一つは、いまいろいろな税制に対する不満あるいは執行上からくるいろんな不整備によっての不満、いろんな角度で国民にはいま税制に対して大変な不平不満というものがうっせきをしているわけでありますが、ことに課税所得の捕捉率のアンバランスがやっぱり相当国民としては納得できかねるという考えだと思うのであります。したがって、この捕捉率がトーゴーサンとかクロヨンとかいろんな表現で言われておるのでありますが、この原因は一体どこにあると思いますか。次長、どうですか。
#16
○小山(昭)政府委員 お答え申し上げます。
 それぞれの所得の種類に応じて所得がどのように正確に国税庁当局によって捕捉されているかということにつきまして巷間いろんなことが言われていることは私どもも重々承知しているところでございます。確かに、たとえば営業所得等でございますと、源泉徴収されます給与所得に比べましてその捕捉が相対的に困難であるということはこれは言えるかと思うのでございます。しかしながら、私ども実際の税務の執行に当たっておる者の実感といたしましては、世に言われておるような形での捕捉率の格差がそれぞれの所得の間にあるというふうには実は考えていないのでございます。先生の御質問の趣旨はそういう大きな格差があるのじゃないかということを踏まえた上での御質問だと思いますが、率直に申しまして、たとえば営庶業というようなものがございます。確かに、自主申告納税制度でございますが、申告者の方が一〇〇%正しい申告を全員がしておられるというふうには思っておりませんが、しかしながら誠実な青色申告に基づいて誠実な申告をしておられる方も非常にたくさんおられます。たとえば三百万以上の所得の方ですと、青色申告に加入しておられる方は、個人でも八〇%を超えておりますし、法人ですともう九〇%台に乗っております。そういうような実情でございますし、さらにまた、私どもが、たとえば何らかの資料、端緒があるとかあるいはどう見ても所得額の申告が少な過ぎるのじゃないかというようなことで、限られた職員でもって対象をしぼりまして事後調査、実地調査をいたしておりますが、この実地調査の結果出てまいります増差所得の額から見ましても、世に言われているような実態とは違っておりますし、ましてそれはいま申し上げましたように特別な対象を選んで実地調査しているわけでありますから、これはすべての申告納税者、事業所得者の実態として非常に大きな捕捉の漏れがあるというようなものではないのではないか、このように私どもは考えております。
#17
○戸田小委員 時間がありませんから私の資料に基づいて質問を進めますが、現在、国税庁統計年報書、これと、国民所得統計年報、これの対比によってなされた所得の捕捉率、給与所得は九四%、それから事業所得が二二%、農林水産所得が八%、こういうふうに言われておるのですね。それから現に課税当局の課税事績によれば、申告漏れ所得金額及び税額、これは大変膨大なものなんですね、想定ですけれども。たとえば所得税、これは申告件数が九百四十二万件、実調件数が一三万九千件、実調率が一・五%、増差税額が八百九億円、申告漏れ税額、想定ですが一兆六千億円、法人税の場合は、申告件数が百七十一万七千件、実調件数が十七万九千件、実調率が一〇・四%、増差税額が三千億、申告漏れ税額が三兆円、こうなるわけですね。それから源泉所得税、申告件数が三百八万五千件、実調件数が三十四万三千件、実調率が一二・三%、増差税額が三百九十六億円、申告漏れ税額想定が三千二百二十億円、合計いたしますと、増差税額が四千二百五億円、申告漏れ税額想定が四兆九千二百二十億円、こういう膨大なものと大体想定されるのですがね。
 それからもう一つ、現在のこの課税時効年限、これは三年から五年ということになりますが、前回改正をいたしまして、六十年以降ですか、七年になると思うのでありますが、この申告漏れ税額四兆九千二百二十億円、この程度が大体時効完成によって言ってみれば免除されているわけですね、これはどうですか。
#18
○小山(昭)政府委員 大変恐縮でございますが、ただいま先生一番最初におっしゃいました所得の捕捉率に関する数字、私ちょっとその出所をつまびらかにいたしません。あるいは石教授の論文に出ていた数字なのかなというふうにいまちょっと思いますが、もしそうであるといたしますと、それはかなりいろいろな仮定を置いた上での計算でございまして、学術的な論文としては非常に価値の高いものだと思いますが、私どもちょっとこの場でそれに対する御意見を申し上げる立場にはございません。
 それから、私どもの実地調査に基づく増差所得あるいは増差税額、これは先生がおっしゃった数字だと思いますが、それを踏まえて全体の脱漏税額が何兆円になるというような御指摘ございましたのは、これも私ちょっとよくわかりませんが、あるいはその実調率から逆算してそれを一〇〇%に直せば総体でそのくらいの漏れがあるのではないか、こういうようなあるいは御推計ではないかなと思いますが、先ほど最初に御答弁申し上げましたように、私ども限られた定員でもって限られた事務量の中で実地調査をいたすわけでございますので、無作為抽出的な調査をいたしておるわけではございません。一番増差の出てきそうな相手を選んで調査いたしておるわけでございますから、その率を全体に引き伸ばして幾らの漏れがあるというふうに私どもは思ってないわけでございますので、その点御了承いただきたいと思います。
#19
○戸田小委員 そこで、問題はいまの税務職員の雇用状況なんでありますが、これは国税会議というのがありますね、そこで調べたものをちょっと引用させていただくのですが、五十六年度定員が五万二千七百八十九人、その算式方法いろいろあるんでありますが、一応五十五年度末から六十九年度まで実質稼働力予測調査なんですが、それによりますと、五十五年度は新規採用が千七百名、それから退職者予想が千九百名、五十六年から五十七年、新規採用が一千九百名、退職者予想が二千五百名、それから五十八年から五十九年、新規採用が二千五百名、退職予想が三千名、六十年から六十一年は、三千名と四千二百名、六十二年から六十三年は、採用が四千二百名、そして退職が四千九百、それから六十四年から六十五年、新規採用が四千九百、退職が千九百、六十六年から六十七年は千九百と千四百、六十八年から六十九年が千四百と千百名、こういう想定ですね。一応実質稼働力予測というものをやっておられるようです。これによってまいりますと、現行の税務職員の構成内容を見ますると、大体四十五歳から六十一歳、これが一番多いんですね。数にしまして二万名という状況であります。ですから、このまま推移していきますと、いずれ私はこの税務職というものはもうストップされてしまうのじゃないか、こんな気がするわけですね。こういう問題について次長、どういうふうにお考えでしょう。
#20
○小山(昭)政府委員 ただいま先生から税務職、国税の職場における特異な職員の年齢構成、それを踏まえて今後の退職あるいは新規採用、そういうものの見通しあるいはそれが国税の職場における事務処理能力に与える影響等についてのお尋ねがあったかと思います。確かに御指摘のように、私どもの職場におきましては、四十五歳以上の職員が全部で約一万八千名、全職員の三六%を占めております。これらの職員は、いずれも豊富な経験と知識を持ちまして、現在職場の中核となっている人たちであります。そして、これも先生の御指摘のように、これらの職員が今後急速に退職年齢を迎えることになるということも事実であろうかと思います。その場合、われわれの職場における事務処理能力が低下するのではないかという懸念を抱いておることは私どもも同感でございます。現に退職者の数は五十年度に千百名でございましたが、昨年度五十五年度にはこれが千八百人にまでもうすでにふえてきております。国税庁におきましては、このような事態に対処いたしますため、従来から大学卒並びに高校卒を含めましてできるだけ資質の高い職員の採用確保に努めてまいりましたし、また若年層の職員を中心にいたしまして、税大における研修のほかさらに各種の職場研修を充実をすることといたしまして職員の資質、能力の向上に努めてまいったところでございます。しかしながら、私どもに課せられております使命の重要さにかんがみてみますと、余り急激な世代の交代が生じることはできるだけ避けることが望ましいのではないか、このように考えておるところでございまして、そのためにはたとえば勧奨退職制度の運用を今後少し工夫してみるというようなことを含めまして、経験豊かな中高年職員が大量に退職するという事態をできるだけなだらかにしていくというようなことも当面の重要な検討課題ではないかと考えております。今後は、これらの施策を総合して事態に対し適切に対処してまいりたい、このように考えております。
#21
○戸田小委員 それからもう一つ、これも国税会議の資料を引用させてもらいますが、「増員−増収関連表」というものがありまして、たとえば五百人増員をしたということになりますと、申告漏れ所得で六百四十八億円、増加税収が二百二十九億円等々の増があるということになっているんですね。以下、この刻みで一千名、二千名、三千名、五千名、一万名等々で全部出ておりますが、時間がありませんから省略しますけれども、こういうことがあって、なおかつこれも「国税労働者五万の群像」という投稿したものがあるのですが、組合で職員にいろいろな調査をなされたようです。
 その調査の中身を若干引用させていただくのでありますが、たとえばいまの税務職員の職員像といいますか「世帯構成」は、世帯持ちが六四・四%、独身者が三五・五%。また、家族数は、四人家族が二八・〇%、三人家族が二〇・一%の順。子供数も平均一・六八人と、いずれも前二回の調査とほとんど変わっていない。「家計収入構造」というものがありまして、本人の収入のみが六七・一%、前々回は六一%でありますが、それよりもふえている。共働き一六・四%、妻の内職・パート三・六%、本人以外の収入にも依存しているものが三二・九%あると。いずれにいたしましても、生活は余り楽ではない。
 ことに、その調査によって、「暮らし向き」について一端の調査をやっておるわけでありますが、苦しくなったというのが五五・六%、それから前回は四三・九%でありますが、特に四十歳から四十四歳等、この年齢層には大分苦しいというものが多い。それは高校、大学生を抱える層が教育費などの増によって大変悩まされておる、こういうことが調査によって出ているわけですね。ですから、いまの税務職員の、これは税務職員のみならず、各勤労者、サラリーマンの大勢が恐らくそうだろうと思うのでありますが、そういう状況で苦しみを訴えておるわけであります。
 それからもう一つ引用したいのは「今後の生活についての不安と悩み」、こういう調査に対しましては、収入のことが三二・一%、次いで健康二八・八%、物価上昇による生活の圧迫二五・〇%、こういう順序で、それぞれやはり苦しいということを訴えている、こういうのがいまの現状だというのでありまするが、整理をいたしますると、何と言っても現行の退職年齢では老後が非常に心配である、あるいはその中でも四十歳代というのが非常に苦しい状況にある。
 それから、不公平な人事に高年層は強い不満を持っているというんですね。この人事は非常に不公平だと言っているわけです、調査の中で。それは何かというと、国税職場に対する意識調査で明確に出ておるのが、仕事がきつくなっているが六一・三%、これが一位です。五十一年の四〇・六%よりはるかに上回っている。それから二位は、人員が仕事に追いつかない、これも五八・九%、非常な高率を占めている、こういう状況でございます。だから人事に不公平、具体的にこういうことがありましたということはないのでありますけれども、一応この質問のアンケートに対してはこのような回答が出ているというのがいまの実態だと思いますね。
 それで国税会議としては、一万人の増員体制を要請するということは、恐らく国税庁長官に出ていると思うのでありますが、五十六年度――おおむね概算要求をいたしまして、定員その他の問題についてもいろいろ検討されておると思うのでありますが、一万人の要員増が一番理想像だ、いまこう言っておるのですが、そこまではとてもむずかしい状況だと思いますが、この面の要員増について可及的に、でき得るだけ国税庁長官として努力をしてもらいたいと私は思うんですね。この辺の見解はどうですか。数はいいですよ。数は、これからいろいろ詰めましょうから結構です。
#22
○小山(昭)政府委員 ただいま先生のお話にありましたように、私どもも、第一線の税務の職員は限られた人員でもって非常に増大する納税者数、あるいは複雑困難になっております経済現象の中で、非常に高い士気を持って、実によくがんばってくれている、こういうふうに考えておる次第でございます。
 そこで、給与面そのほか処遇の面につきましては、人事院、主計局その他関係方面の非常な御理解のもとに税務職俸給表についての格段の御配慮を本年の人事院勧告でもしていただきましたし、また等級別定数等についても、予算の査定等の際に非常な配慮をしていただいてきているところでございます。これらの点につきましては、今後とも一層努力してまいりたい、こういうふうに考えております。また、事務処理の合理化、効率化によって、できるだけ職員の方たちの事務の負担がこれ以上大きくならないように、たとえばADP化を一層推進するとか、こういった事務の効率化、合理化というようなことについてもさらに工夫改善をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
 さらには、地方税当局とかあるいは外部の関係民間団体等の協力関係を一層密接にしていって、そういう方たちの力もかりていくとか、あるいは基本的に言えば納税環境の整備といいますか、青色申告の普及あるいは広報、租税教育等を通じて納税者の方たちによりよい申告をしていただく、こういうことが基本になるのじゃないかと考えております。
 しかし、これらの諸施策を総合的に実施いたしました上でなおかつ必要となる国税庁の増員といいますか、最小限必要な定員につきましては、こういう厳しい行財政改革の環境の中ではございますが、関係方面の御理解をいただきながら何とかその確保に努力してまいりたい、このように考えている次第でございます。
#23
○戸田小委員 最後に一点だけお伺いをしますが、国税庁の資料で、国税庁定員の推移について資料をいただきましたが、御存じのように五十二年度から五十六年度までの五カ年間の内容をいただいたわけですが、これを見ますと、五十二年の増減が百名増、五十三年が七十一名の増、五十四年が百名の増、五十五年はマイナス九、五十六年はこれからということになりますが、恐らく概算要求でいろいろ検討なされて努力をされていると思うのでありますが、そういう中にはグリーンカード制度の導入に伴っての要員等は入れていきますか。これはどうですか。それともこれは別枠で今後対処をする、こういうことですか。
#24
○小山(昭)政府委員 お答え申し上げます。
 八月末に国税庁といたしまして大蔵省の官房を経由いたしまして機構、定員の概算要求を提出いたしました時点では、少額貯蓄等利用者カードの実施の細目に関する政省令がまだ固まっていなかったというようなこともございまして、その事務手続なり手順なりがどういうふうに私たちの職場に具体的に影響してくるかということが十分見定められなかった関係から、その時点では、先生御指摘の少額貯蓄等利用者カード関係の事務に関する定員というのは要求数字の中に入っていなかったわけでございます。その後、これらの政省令も決まりましたし、私どもの国税の事務全体の中でこれをどのように受け入れ、対処していくかという事務的な詰めも漸次詰められているところでございますので、現時点におきましては、これらの事務を適切に処理していくために必要な人員を含めまして、どのようにこれを国税庁全体の増員の中で実現さしていただくかにつきまして関係方面といろいろと御協議さしていただいているのが現状でございます。ただし、それはやはり大蔵省全体の増員のシーリングの枠内であるということは申すまでもないことでございます。
 以上でございます。
#25
○戸田小委員 行革等通じまして本当に厳しい状況のさなかですから、世並みからいけば、ふやすなんということはきわめて不穏当であるというようなことを国民は考えるかもしれません。しかし、いままでのいろいろな審議を通じまして、税務職員の数は絶対少ない、これはふやさざるを得ない、適正業務あるいは執行の強化等々を含めて
 これはやらなければどうにもならないんだというところから、大蔵大臣も、本問題については適正配置に努める、非常に抽象的でありますけれども、一応前向きの答弁はいままでやっていると思うのであります。したがって、今後予算の要求その他を絡めて、大体公務員の五%一律削減とあるけれども、そういう画一的に、機械的に削減をするということではなくて、むしろ必要なところにはどんどん必要定員というものは配置する、こういうことがあっていいと思いますから、そういう面でひとつ御努力をお願いしたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#26
○大原小委員長 正森成二君。
#27
○正森小委員 戸田委員がるる御質問になりましたので、重複しないように、戸田委員がお話しになりましたことをほぼ前提として質問さしていただきたいと思います。
 最初に、主計局からも来ていただいておりますので伺いますが、昨今の報道によりますと、ベースアップ等が約千八百億円余り追加歳出となることも絡んで、本年度やはり補正予算で財源が足らないのではないか。新聞報道によりますと、たとえば建設国債を二千七百億円ほど増発するというように大蔵省が決めたとか、いや、予備費が少なくなったとはいえ、そのやりくりとか歳出の不用額とか決算調整資金とか、そういうもので何とかできるとか諸説がありますが、どう考えておりますか。
#28
○窪田政府委員 御指摘のありました新聞の記事は、おおむね推測記事でありまして、私どもまだ決めておるわけじゃございません。一昨日の与野党のお話し合いで給与の問題が一応話し合いがおつきになったということでございますが、政府といたしましては、できるだけ早く給与関係閣僚会議を開きまして正式に決めるわけでございまして、まだその辺も決まっておりません。
 ただ、御指摘になりましたように、ことしは史上最大の災害もございますし、農業共済の問題とかいろいろな要素が重なりまして、財源的には非常に苦しい状況であることは御指摘のとおりでございますが、いまお話しのありました国債その他の問題を含めてどうするか、まだいま鋭意検討中でございまして、いまの段階では、こういうふうにするということを申し上げる段階ではないわけでございます。
#29
○正森小委員 きょうは税制の小委員会ですからこれ以上聞きませんが、たとえばきょうのある新聞の論評記事なんかを見ますと、これはそもそも人件費を一%アップしか見込まないで、そして予算を編成したというところに問題がある、言ってみればこれは粉飾予算ではないか、粉飾決算まがいの粉飾予算ではないかという報道を一流紙がしているのですね。これはわれわれが予算編成のときに、たとえば経済社会七カ年計画等を見ても、政府が一定の物価上昇率を見ているのに、当然人事院勧告は一%というようなことはあり得ないのに、一%という額しか見込まないで予算を組んでおるというところに問題があるというように言っておりましたが、総理も人勧を値切るということは今年限りにしたいというようなことも言明されたように伺いますし、私は、主計局としてはそういう無理な粉飾的な予算編成をやるべきではないということを、この機会に強く指摘しておきたいと思うのですね。いかがですか。
#30
○窪田政府委員 一%は、給与改定財源は御承知のように五%からだんだん二・五になり二%になり一%、これは一%でいいと思っているわけじゃございませんで、一%しか計上するゆとりがなかったということでございまして、人事院の勧告があればまたその段階で誠心誠意検討さしていただく、こういうことでございますので、その辺は御了承いただきたいと存じます。
#31
○正森小委員 一%しか計上できなかったというのもわからぬではないですが、つまりそれだけ他の予算案を切り込まなかったということにもなるわけで、われわれの主張からすれば防衛予算そのほかいろいろあるわけですから、やはり普通の新聞から粉飾予算だったと言われるようなことのないようにしていただきたいと思うのです。
 もう少しおってください。主に主税局ですが、あるいは出てくるかもわかりませんから……。
 次に、来年度の予算編成についてもいろいろ言われております。来年度の予算についても、閣僚の中には建設国債というのを相当出してもいいんじゃないかととられる発言をしておられる積極財政論者がおるようですし、いろいろですが、それに並んで地方交付税交付金から三千億円ばかり借り上げてそれを福祉や文教へ回そうという考え方も出ておるようですね。これは国民健康保険などの地方自治体へのツケ回しがどうも困難であるということになりますと、三千億というとちょうどその額に匹敵するのですね。なかなか官僚というのは頭のいいものだと思うのですが、そういうような考えも増税路線、増税については、主税局長に伺いますが、一方にあるというのですが、これはいかがですか。
#32
○窪田政府委員 これもある新聞がそういう記事を二遍ほど書いたことがございますが、現在まだ地方財政の収支も自治省から来ておりませんし、私ども具体的にそういうお話し合いをしたことは全くないのでございます。ないのでございますが、国と地方の財政関係、これは長い沿革があることは御承知のとおりでございまして、やはり国と地方は車の両輪のように両々相まって国民に対する行政サービスをいたすわけでございますから、その両者の財政関係をどうするかということは、今後五十七年度予算編成に向けまして非常に大きな問題になるとは思っておりますが、交付税を借りるというふうな具体的な提案をいましているわけではございません。
#33
○正森小委員 それでは主税局長に伺います。
 戸田委員がいろいろお話しになりましたが、その中でいわゆるギャンブル所得税というのですか、その問題について伺いたいと思います。
 この問題は、渡辺大蔵大臣も十日の参議院の行財政改革特別委員会で、中央競馬会は収入の一部を納付金として国に納めているが、競艇や競輪についても研究させてもらうという発言をしておられるわけであります。そして報道によりますと、売り上げが大体五兆三千億円とか五兆五千億円とか言い、そのうち二五%は頭から天引きして、経費や、あるいは競艇の場合には地方自治体やあるいは笹川さんの何とか会というのに分けるということになっているわけですけれども、そのほかに七五%の配当金の中から一部源泉として取ったらいいんじゃないかとか、あるいは売り上げの中から初めから売上税のような形で取ったらいいんじゃないかとか、二説ないし三説あるようなんですけれども、まず伺いたいのは、ギャンブルで損をした人もずいぶんあるでしょうが、もうかった人があることは間違いないのですが、国税庁にギャンブルでこれだけもうかったと言うて申告してきておる数はどのぐらいありますか。
#34
○小山(昭)政府委員 お尋ねでございますが、国税庁におきましてはそのような統計数値を持ち合わせておりませんので、お答えいたしかねます。
#35
○正森小委員 統計数字がないよりも何よりも、そもそも競馬でこれだけもうかった、競輪でこれだけもうかったと言うて申告に書いてくる者が一人もないんじゃないですか。われわれはそういうように承知しておるんですね。統計がないなんて言うと聞こえがよくて、申告は大いにやるんだけれども、たまたま分類で調べたことがないというように聞こえるんだけれども、そもそも世の中に証拠のまず全く残らないギャンブルで、おれは競艇できょうはたまたま三百万もうけました、あるいは競輪で何ぼもうけましたと、もうけた人がおることは間違いないんですよね、ともかく四兆円から配当があるわけですから。だけれども、そういうものがないということは、これは国税庁鋭意徴税に努力しておるんでしょうけれども、ないんじゃないですか。統計がないということは、同時にそういう申告者もいないということじゃないんですか。
#36
○小山(昭)政府委員 お言葉でございますが、私どもその種の統計を持ち合わせておりませんので、確認いたしかねるわけでございます。
#37
○正森小委員 主税局長、そういう前提に立ちまして、国民の中から五兆数千億円の売り上げがある。なるほど二五%を天引きするというのは諸外国に比べて若干高いとか低いとかいうことがありましても、ともかくそれで損をした人もおるかもしれないけれども、もうかった人もおることは間違いがない。その中で中央競馬会だけは納付金というような形で国の目はちゃんと行き届いておるが、それ以外の競艇だとか競輪だとかいろんなのが相当大きな売り上げを占めておって、それについては十分な国の関与がない。地方自治体が相当もらっておって、そのほかにいろんな、競艇の関係の笹川さんだとか幾つかの振興会がお金を分けておる。
 新聞報道によりますと、だれがドンに鈴をつけるかという見出しで、一兆六千億円も競艇では売り上げがある。主催者が売り上げの二五%を取って、残り七五%が全部ファンに払い戻しだ。そして、競艇の場合は売り上げの二五%から諸経費を引いた千五百億円を都道府県が取る。これは結構ですね、都道府県がとにもかくにも使っているから。五百四十億円を船舶振興会に交付しておる。この船舶振興会で大分テレビコマーシャルなんかでやっているところを見ると、余裕があるんじゃないか。「一日一善」なんて言うておるなら、「一日一善」精神でせめて財政再建期間中だけ納付金を出してくれないかと大蔵省は思い悩んでおる、こう書いておるのですね。われわれもテレビを見て、あの笹川氏が例の特有の顔で出てきて「一日一善」なんて言うておるのを見ると、これは大蔵省が思い悩むのも無理はない、こう思うのですね。
 この点について、だれがドンに鈴をつけるかというようなそんなことを言わさずに、やはり国が本当に困っているなら、任意に船舶振興会などがあっちにこれやろう、こっちにこれやろうというんじゃなしに、国が納付金としていただくべきものはいただいて、そしてしっかりした国会の議決を経て、しかるべきところへ支出するというように一定の期間しても当然じゃないかと思いますが、いかがですか。
#38
○福田(幸)政府委員 ギャンブルに対する課税、これは従来税調で御議論があったわけで、その要点をちょっと振り返ってみますと、「競馬、競輪等ギャンブルに関連する消費の実情等にかえりみ、」こう言っている点があるのですが、これはいま御指摘のように、五十五年度の売り上げでは約五兆三千億、こうなっておるわけであります。五兆三千億で、払戻金が約四兆ということで、この辺の消費の実態をどう見るか。社会的な見方がそこから出てくるかと思うのです。
 また、これは新規の課税を行うかという問題になると、課税技術の問題になってくるわけで、課税の方法というのはいまお示しになったようなことかと思うのですが、一つは、これは新規課税に近くなるかもしれません、全体の売り上げに何%かけるか。それから払戻金の方にどうするか、こうなりますと、払戻金に対する課税は、一時所得として申告すべきもので、これは実際申告されておるかは、いま統計がないと申しますが、常識的になかなかおいでにならない性格のものだろうと思います。しかし一方において、一時所得ですと五十万控除があって、二分の一であるということ、そういうことですと、源泉徴収的にかけれるか、または源泉分離的にまとめて払ってもらうか、これは現行税制の中での処理がどこまでできるかという問題だろうと思います。
 もう一つは、二五%の払戻金以外の分を納付金としてどうするかという問題、これは中央競馬会はあるわけですが、ほかの施行者のところには――施行者というのは地方団体なんですが、そっちの方に残りは全部行っておるわけでありますから、それは公共的支出に充てることになっております。まあしかしその辺二五%の中身がどうかということはいろいろ議論があるところですから、沿革的にはすべて国に入って――すべてかどうかはまだよく見ておりませんが、国に入って歳出に回した時期がずっとあったと思うのです。それで予算規模が一兆円かというようなことで限定された時期に、それは相当の方法で歳出から外れてきたという経緯もあろうかと思うのです。ですから、やはりその辺公共的に支出するというのは、地方団体に行って使われる分は別としまして、二五%の中で公共と言われるときに、やはりそれが本来の、国民から見ましてどうかという問題は確かにあります。ただ、これは納付金として考えれば、税の話ではなくなってきますので、予算的には主計局の問題でございますが、いずれにしろやり方は具体的には三つ考えられるかと思います。したがって、税の範囲でどうするか、新税的に処理するか、または二五%の中の問題として納付金で処理するか、やはりいろいろなこの辺のやり方を詰める必要があろうかと思います。沿革を踏まえ、また実態に即してやる必要がある。そういう意味がございますが、それによって公営競技にどういう影響が出るか、売り上げがどうなるか、それからのみ行為というのがどういうふうに大きくなるかという問題がいろいろ言われておりますし、それから地方財政の方にもそれだけ影響があるんじゃないか、こういうのが大体いままでの議論のようでございます。
 また、その収益の均てん化というのは、開催地とその周辺、その府県、広くはまた国まで考えてもいいんでしょうが、最近のあれは収益の均てん化、収益をどう分けるかという問題であろうと思います。開催地は、地方財政としては非常に収益はいいわけですね。ところが、周辺が非常に困ってしまう。その辺をどうならすかという問題が最近議論されておりますが、それは広く考えれば国の問題まで考えていいんじゃないかということかもしれません。
 いずれにしましても、いまのような財政事情の際にこういう巨大な支出があるというものをどういうアプローチで処理したらいいかということは、やはり幅広く全体の共感、コンセンサスをどう得るかという問題で、ただ売り上げが最近ずっと減っておるという問題もございまして、そういうことでいろいろな角度から検討を十分に進めていこうと思っております。現在そういうことで検討中であります。
#39
○正森小委員 主計局、いまお話が出ましたように大体三つくらい考えられる案のうち、一つは主計局も大いに関係する内容で、もちろんギャンブルにこっている人の中にはそんなもの真っ平だという人もおるでしょうけれども、中には奥さんが、主人がこって困る、何とかしてくれというわけで、のみ行為などを逆に警察に摘発したり、あるいはわれわれのところに何とかしてほしいと言うてこられる方もあるわけで、そういう点も配慮するなら、やはり増税はしないという政府の方針にも反しない限度でいろいろ考えてみる必要があると思うのですね。そういう点は指摘しておきたいと思います。
 それから時間が残り少なくなりましたので、医師の税務行政の問題について伺いたいと思います。
 まず、国税庁に伺いますが、私どもは何も脱税がいいとか過少申告がいいとか言うておるわけでは毛頭ありません。それは、国民として納税の義務に基づいて納めるべき税金は納めなければならないというのが大前提であります。しかし、それにもかかわらず徴税の過程で、国民に認められ、法律でも規定されている権利を不当に侵害するというような形で徴税に精を出すということになれば、これはやはり正しいあり方ではないというように言わなければならないのです。
 最近、医師からの訴えを聞きますと、税務職員が診療中に、ひどい場合には十名ぐらいどかどかっと入ってきて、これから税務調査だ。私が実際に聞いた滋賀県の例では、十名のうち、あたかも押収、捜索、逮捕に来た警察目のように、五名は出入口を固めて、五名は院長の身辺にまつわりついて、院長がどこへ行くのにもついてくるというようなことをやって、そして整形外科などで手術の最中にやってきて、院長出てこい。もちろん手術を途中でやめるわけにいかぬから、適当なところでやっていくわけですが、その間に心が動揺しますから医療過誤が起こる可能性があると思って、院長が自発的に手術を途中で切りのいいところでやめて、全部終わらずに税務署との応対に出たというようなことも報道されているんですね。税務行政としてできる限り事前通知を行うということは国会でも言われていることですから、なるべくならそれを励行するということはやっていただきたい、私はこう思うのですね。これは次長がもし何かのときに、手術でも受けているときにそういうことがあれば、ちょっと税務職員として行き過ぎだなと思うときがあると思うのですね。
 それからもう一つは、何でもかんでもカルテを見せろ、こういうことを言うんだそうですね。まずいろいろなものを調べて、それにもかかわらずなかなか真実に合致しないとか疑問だという点について、カルテに基づいて答えてくれと言っていろいろ質問検査をするというのはあり得ることでしょうけれども、幾ら帳簿を前へ置いておいても、こんなものは見ても仕方がない、カルテを見せろと言って、カルテを見せると、今度はそのカルテを署へ持って帰って調べると言って持って帰って、そして今度返してくるときはよその医院のカルテが紛れ込んで返してくるというようなこともあったと言って、私に実にもう慨嘆にたえぬと言って報告しているのですね。これはカルテの何物たるかということもわきまえない話じゃないかというように思うのです。
 そこで、厚生省の医事課長来ておられますから、前に昭和五十二年にも一度この種の問題でお答え願ったことがありますが、カルテについては、たしか私の知っておりますのでは、医師法の施行規則の二十三条で必要的記載事項というのがございますね。そして、それを見ますと、私、カルテをそこへ見本を持ってきましたけれども、皆患者の病気の名前、症状を書くことになっているんですね。それを見ますと、たとえば性病だとか精神病だとかそれから妊娠というのがありますから、これはそんな病気にかかったおまえが悪いんだと言えばそれまでだけれども、しかし、それは個人としてはやはり非常に名誉にかかわることもあるし、特に未婚の女性などの妊娠あるいはその中絶等の場合は、これは重大な問題になるんですね。そんなものを勝手に持っていって、よその医院のを紛れ込まして返すというようなずさんな扱いをしておる。コピーされるかどうかもわからぬというようなことになれば、これは釈迦に説法ですけれども、刑法及び刑事訴訟法でやはり秘密を守らなければならぬ。押収でさえ拒むことができるというように刑事訴訟法の百五条ではなっているわけですから、これはゆゆしい一大事だと思うのですが、厚生省の考え方をまず伺っておきたいと思うのです。
#40
○吉田説明員 先生ただいまおっしゃいましたように、確かに医師が作製します診療録につきましては個人の秘密に属するようなことが多々記載されております。それで、これは一般論でございますけれども、一般的には医師にはその患者につきまして刑法上の守秘義務というものが課せられておるというように私ども考えております。ただし、他の法律で、たとえば医療法の第二十五条のような規定がありまして、そういうような場合にはその守秘義務は免除されるのじゃないかと考えております。
#41
○正森小委員 そこで、国税庁に、残念ながらもう時間が来たようですから結論部分だけで結構ですが、行き過ぎた税務上の調査は法律によって保護されている権利との利益考量の観点からやはり慎むべきであるというように思うのですが、いかがですか。
#42
○小山(昭)政府委員 ただいま先生からお話がありました件について、具体的なお話としては私承知しておりませんのでお答えを控えさしていただきますが、一般論として二点、お尋ねの点についてお答えいたします。
 まず、事前通知を行うべきではないかという御質問の点についてでございますが、私どもも原則として可及的に事前通知を行うように指導いたしておりますが、特別調査であるとかその他特に事前通知をすることが困難であると思われるような特別なケースにつきましては、やむを得ず事前通知なしに調査に臨むことがあるということは、これはまた事実でございます。
 もう一点、カルテの取り扱いについてでございます。カルテにつきましては、これも先生御指摘のとおり個人のプライバシーにかかわるものがその内容に記載されておるということ、あるいは刑法上医師に守秘義務があるということ、あるいは医療法上当該職員にも守秘義務が課せられているということ、これらのことはよく承知いたしております。しかしながら、また私どもも所得税法あるいは法人税法に基づきまして質問検査権の行使が適正な課税を実施するために所得調査の上で必要な帳簿、書類そのほかに対しては行えることになっておりまして、医師の医療行為に伴う収入金額その他、所得の把握上どうしてもそのカルテを閲覧することが必要だというような状況になりました場合には、たとえばどのような薬をどのくらいの期間にわたって幾ら投与しているかとかそういうことを事実を確認するということは、これは原始記録であるカルテによるほかないわけでございまして、そういう場合には医師の同意のもとにそういうものを閲覧さしていただく、こういうことは現に行っているところである、こういうふうに理解いたしております。
#43
○正森小委員 時間がないからあれですけれども、医師の同意を得てやっているなんていいましても、入ってくるなりいきなりカルテを見せろ、もうそれから始まるんです。だから、どうしても必要がある場合なんというようなものじゃないし、それから金額とかあるいはこういう薬を使ったということがどうしてもあなたの場合には疑問点があるから知りたいというような、そんなのじゃないんですね。ですから、医師の証言拒否権というのは、普通の人間の場合には裁判所に行って証言を拒否すれば処罰されるんですね。それでもお医者さんの場合は証言拒否してもよろしいと言うているのだから、質問検査権があるから当然だなんというような考えはよほど制限されて考えなければならないのですね。ですからそのことを指摘して、すでに国税庁にも直接出向いて言っておきましたが、あなた方としてのしかるべき基準を立てられ、あるいはこういう場合には見せてもらうあるいは医者にそれに基づいて答えてもらうという手順、そういうものをやはりお決めになる必要がある。そうでないと、いきなり五人、十人でどかどか行って、カルテを見せろ、それでカルテをばっと持って帰って、それでコピーしたのか何したのか知らぬけれども、返してもらったときはよその医者のカルテがまじっておるというような、そんなやり方では、われわれだっておちおち医者にかかれないですよ。あなた方がいつでも税務官吏の守秘義務、守秘義務と言うのは、われわれが言ったらその人の秘密が守れないだけではなしに、そういうことがあり得るというので一般の国民はわれわれに本当のことを言ってくれなくなる、だから守秘義務は大事なんだといって自分らのことは精を出して言うじゃないですか。それでは医者が事税務署に関してはカルテは持っていかれるわ、コピーされるかもしらぬわ、よその医院と紛れ込んで返されるわというようなずさんなことで、秘密なんか一切ないということになれば、これは医者にだって本当のことが言えなくなるということになるのですから、そういうことのないようにしていただきたい。
 自分らは守秘義務があるから幾ら知っておっても言うおそれはないから大丈夫でございますというような答弁では、とても納得できないということを申し上げておきたいと思います。ありがとうございました。
#44
○大原小委員長 小杉隆君。
#45
○小杉小委員 私は自動車重量税の還付という問題とその徴収方法について質問をしたいと思います。
 もうすでに日本の自動車というのは非常に大衆化しておりまして、運転免許の所有者は四千三百万人、これは免許取得可能年齢の十六歳以上の人口の約五〇%ということでございますから、二人に一人は免許証を持っている。そしてまた自動車の保有台数もいまや四千万台に近く、乗用車だけで二千百万台を超えようとしております。したがって、いまや自動車というのは広く一般大衆のものであり、社会、経済活動だけではなくて国民生活にとっても不可欠なものになっている。
 私は先般の行財政改革特別委員会で車検制度と免許更新制度について取り上げましたけれども、この問題をいろいろ研究してみますと、国民の中に検査とか整備に対する不信感から自動車の整備料金が高いという声が非常に強いということを感じました。こうした自動車整備料金が高いという声の中には、いわゆる車検整備の際に一般に自動車重量税と自賠責の保険料などをあわせて支払うところから、これらも整備料金の一部じゃないかというような錯覚というか誤解から生じているものも少なくないわけです。したがって、これは誤解だから余り議論するつもりはありませんが、ただその中で、自動車重量税については大変不合理な点があることは事実であって、これがユーザーとかあるいは整備工場の中に税制に対する不信感、この点についての不信感というのが非常に多いということも私はいろいろ調査してみてわかったわけでございます。
 そこで幾つかの点を伺いたいわけですが、まず重量税による税収は大体どのくらいあるのか。
 それから、自賠責保険の場合は有効期間であれば、一たん廃車した後の再車検登録後も有効であるのに対して、重量税の場合は一たん車検をしてまた登録をとってもまた税金を払わなければいけないということで、これは二重課税じゃないか、二重納税じゃないかという点があるわけですが、こういったケースが大体どのぐらいあるか調査をされたことがあるかどうか。私は、本来ならば自動車税とか自賠責保険の場合のように一たん廃車したものについては還付措置を講ずるべきだと思いますけれども、そうした場合に、いま仮に還付措置をした場合にどのぐらいの金額になるか、そういうことを調査されたことがあるかどうか、お答えいただきたいと思うのです。その場合に減収というのはどのぐらい予測されるか、まずその点からお答えいただきたいと思います。
#46
○福田(幸)政府委員 五十六年度の自動車重量税税収は五千五百七億円ということでございます。国分が四千百三十、地方税分が千三百七十七となっておりますのは、制度上税収の使途が四分の三が国の一般財源、残りの四分の一が地方に譲与される、こうなっておるためでありまして、税の性格としましてはこれは普通税でございまして、目的税ではないというのが第一点でございます。
 それから、税の性格についてはまた御質問に応じてお答えいたしますが、車検の際に重量税をいただくということになっておるわけでありまして、車検を受ける際、それを受けることにより、また届け出を行うことによって、御承知のとおりですが、自動車が走行できるという法的な地位をそこで得るということがこの根拠でございます。したがって、その後廃車になったからといって還付するという使用期間的な考えはございませんので、また道路の使用ということに対する目的税でもございませんので、したがって、有効期間中に廃車になったからといって期間割的に還付をするということは考えられません。したがって、そういうことを前提にした調査もやっておりません。また、それをやることによる還付の金額も相当なものになろうとは思いますが、そういう金額も計算はやっておりません。また、事務負担もそれによって相当なものになろうと思います。現在、重量税をいただいておるのは車検の際でありますから、還付というのが途中で必要になればその事務量というのは相当なものでございます。いずれにしましても、税の性格からしてその種のことはできませんのでその種の調査もやっていないという現状でございます。
 先ほどちょっと御質問の中にございました自賠責保険というものは返されますが、これはその期間に応じた保険でございますので、廃車すればそれ以降保険会社の負担は消滅するわけですから期間的な概念で還付されるということで、これと一緒に取られておるから返ってくるだろうというのは誤解と申しますか税の性格が違う、税と保険の違いであろうかと思います。
 また、この際申し上げますと、自動車税は保有課税でございますから期間的な月割課税でございます。軽自動車も保有課税でございます。したがって、従来月割課税を行っていたのですが、五十六年度改正で課税事務が大変であるという簡素合理化の趣旨から月割課税は廃止されたということで、やはり執行面の事務負担ということも重要であろうかと思います。
 それから、廃車の理由が何であるかというのもよく詰めませんと議論が進まないと思うのですが、車検の有効期間が残っておりますれば、ほかに譲渡する際には必ずしも廃車にする必要がないという問題もございますし、交通事故等で廃車を余儀なくされるというときにはその賠償をどうするかという中に込められての問題でございますので、何か廃車の際は直ちに還付すべきだというのが法律的には出てこないという趣旨のものであろうかと思います。
#47
○小杉小委員 否定的なお答えばかりなんですけれども、先ほど申し上げたように車検の問題というのは国民すべての関心の的ですね。ですから、私は、調査もやってないというのは非常に問題だと思うのですね。いま検討されている、運輸大臣の諮問機関の運輸技術審議会の答申が近く出る予定ですけれども、新聞やマスコミでも報道されているように車検期間がいまの二年から三年に延長される可能性が強いということになりますと、今度ユーザーにしたってあるいは整備工場にしたって三年分、しかもこれは前払いで払わなければいかぬ。いまですら車検を受けるのに十二万から十四万ぐらい平均かかっていると思うのですね、車種によって違いますけれども。そのうちの大体半分が自動車重量税と自賠責保険ですね。そうしますと、今度三年分の前払いということになると、もう自動車整備料金よりもはるかに高い重量税あるいは自賠責保険が取られてしまうということになります。しかもその実態は、そのときユーザーが全部即金で払ってくれるならいいのですけれども、この代金がかなりかさむものですから、特に月払いで払っていくということになると、自動車の整備を受けるときにはこれは整備工場は全部代行して一括して払っちゃうわけですから、その分は今度は中小零細企業の整備工場の負担になるわけです。いま日本の整備工場の実態を見ましても、実に五人以下という零細工場が七万八千、これは全体の七割にも達しているわけです。十人を超える指定工場というのはわずか一割にしか過ぎない。そうしますと、たとえば三年に延長された場合に、いままでと同じように代行して支払うということになると、こういう零細の工場の負担も大変になってくる。もちろんユーザーも三年分一緒に払うということになると、これは大変な負担になるわけですね。これだけ大衆化した自動車の車検の問題について、私は全然研究していないというのは非常に問題だと思うのですね。いまの徴税の方法、大変手間がかかるということをおっしゃられましたし、また税金を取り損なうことのないようにということで、いま車検と同時に取っているのですけれども、たとえば自動車税と同じように、委託をして自動車税と一緒に取っていただくというふうな徴税の方法は考えられないかどうか、そういうことも含めてお答えいただきたいと思うのです。
 ですから、一つは三年に車検期間が延長される可能性がいまあるわけですけれども、その場合にどう対応していくのか。それから、いまの徴税方法を変える必要があるのじゃないかというふうに思うのですが、それらの点に関してひとつお答えいただきたいと思います。
#48
○福田(幸)政府委員 先ほどから申し上げていますように、この自動車重量税の性格が、非常に法律的なお答えになりますけれども、車検の際に単なる徴税技術の問題というよりも、車を走行し得るという地位を得たということに対してこれを課税しておるということで従来から説明されておりますし、またそういうものであろうかと思いますので、それが三年になりましてもその性格は変わらないわけで、ただ税率の基準のところ、税率といたして考えますと、その車検期間が三年となったからといって減税になるわけではございません。したがって、税率の改正というか見直しは当然にございませんと公平でなくなる。すなわち、車検期間が延びたから税金が安くなるという趣旨の合理化ではないと思います。それは、車検を頻繁にやることを要するか要しないかという運用の方法の行政の観点、それから使用者、ユーザーの便宜の観点からの合理化として行われるものですから、もしその期間が延びましても税の性格は変わりませんし、またその負担が軽減されるという趣旨ではないと思います。
 先ほどおっしゃっていました、車検によって相当な金額がかかって、その半分が自動車重量税であるということでございますけれども、十四、五万かかりましても自動車重量税は二万五千円であるということもやはりお忘れいただかないようにということでございまして、その金額……(小杉小委員「いや、自賠責も」と呼ぶ)自賠責はまた別の問題でございますので、私のお答えしているのは御質問に応じてこの重量税のお話をいたしておるわけですから、金額が二万五千円であるということは、期間が延びてその走行する期間が長い権限を与えられれば、やはり税の立場ではその調整を要するということでございますので、その辺の性格が変わったりまた還付の必要が生ずるというものではないと思います。
 調査をしてないと申しましても、現在登録の台数は自動車重量税でございますから当然把握いたしておりますし、抹消台数も承知しておりますけれども、廃車の理由がどういうところからくるのか、また御要望がどういうところから生じており、どういうどころにユーザー自体が本当に困っておるかという問題は、やはり突き詰めて御調査――われわれもまた調査をしても結構でございますが、それによって直ちに還付という問題を必要とするかどうか、また必要とする実態の趣旨はどこにあるか、十分に実態としては検討いたしますけれども、税の性格としては非常に答えにくいものであるというふうに答えざるを得ないわけでございます。
#49
○小杉小委員 これは走ることができる権利を得たんだから、それに対する税金だと言いますけれども、一般のユーザーなり車検工場の人というのは、税金をこれはこういう性格の税金だとか、これはこういう性格の税金だとかなんて、そんな厳密に考えてないですよね。一般に、もう自動車に関連する税金として一緒くたに考えていますから、そうすると一方の自動車の関連の税金が廃車した場合には還付されるのに、何で自動車重量税だけ還付されないのだ、こういう誤解というか不信感というものがあるわけですから、もしそういう権利を創設したための税金なんだということを主張されるならば、ユーザーなり車検工場にその性格を徹底されるようにもっと努力すべきだと思いますし、これはこれから三年になると大変な負担になって、いま二万五千円ということでしたけれども、私はさっき自賠責等も含めてそういうふうに一般の国民が感じているということを申し上げたのであって、やはりそういう点でこれは一つの重要な課題としてぜひ研究をしていただきたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 また、この問題については引き続いて後日やりたいと思います。ありがとうございました。
#50
○大原小委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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