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1949/04/26 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 通商産業委員会 第23号
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1949/04/26 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 通商産業委員会 第23号

#1
第007回国会 通商産業委員会 第23号
昭和二十五年四月二十六日(水曜日)
   午後三時一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○臨時石炭鉱業管理法の廃止に関する
 法律案(内閣送付)
○鉱工品貿易公団事件に関する件
○小型自動車競走法案(衆議院提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋啓君) 委員会を開会いたします。
 臨時石炭鉱業管理法の廃止に関する法律案を議題に供します。先ず提案者の説明を求めます。
#3
○衆議院議員(神田博君) 提案者一同を代表して臨時石炭鉱業管理法廃止法案の提案理由を御説明申上げます。臨時石炭鉱業管理法は、石炭の緊急増産のために昭和二十二年九月二十五日当時の政府より衆議院に提案せられ、同年十二月八日成立し、翌年四月一日に施行せられたのであります。当時におきまして、本法の効果につきましては種々論議せられたところでありますが、昭和二十三年十二月いわゆる経済九原則が実施せられ、日本経済が自由競争と自主性の回復の要請の下に置かれて以来、石炭鉱業におきましても、急速に出炭能率の向上と経営合理化の努力が積極化いたしまして、昭和二十四年度におきましては、いわゆる四千二百万トンの出炭能力をほぼ恢復いたしたのであります。従つて昨年夏以来、石炭の需給状況は急速に緩和せられ、公団方式による買取統制の必要も消減いたしましたため、昨年九月石炭統制は一部の銘柄を除き、価格、配給共に全面的に統制を解除したのであります。このような環境の下におきましては、本来石炭増産のため臨時的に立法された臨時石炭鉱業管理法はすでにその意義を失うに至りましたのみならず、この法律に基ずく複雑な管理組織と、この法律が石炭業者に対して要求する煩鎖な手続は、もはや石炭の増産を必要としない今日においては却つて企業の自主性を阻害する向きすら少くないのであります。更に、増産施策の後退によつて行政事務の分量が相当縮小した現在、特に石炭の生産行政のために石炭局のような独立した地方機関を存置することが、その必要性に乏しいことは申すまでもないことでありまして、臨時石炭鉱業管理法の廃止とこれに伴う石炭局の廃止は、行政機構の簡素化及び国費の節約という意味合いにおきましても、極めて必要なことであります。よつて、我々は来年三月の本法失効の日を待たずして本日ここに法律廃止の提案をいたした次第であります。
 本法案提案の理由は右に盡るのでありますが、臨時石炭鉱業管理法の廃止に伴いまして、石炭増産のための整区の調整と石炭鉱業権についての使用権合せますると、今日この臨時石炭鉱業管理法を廃止し、石炭行政制度を簡素化することは、石炭鉱業の自主性を恢復し、我が国民経済を正常化する意義におきまして、最も機宜を得た措置と考えられるのであります。衆議院の通商産業委員会においては昨日議決を了し本日の本会議において審議中であります。参議院の当委員会におきましても何とぞ愼重審議の上御協賛あらんことをお願いいたします。
#4
○委員長(高橋啓君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#5
○委員長(高橋啓君) 速記を始めて下さい。
 次に鉱工品貿易公団に関する件を議題といたします。本件に関しては去る四月二十日の本委員会においてこれを取上げ、当日は高瀬通産大臣、宮幡政務次官及び岡部通産振興局長等からそれぞれ説明乃至は答弁があつた次第でありますが、本日は通産省当局関係者の外、特に藤澤鉱工品貿易公団総裁以下同公団の首悩部を政府側説明員として出席を認めてあります。念のために申上げましすが、只今出席しておる政府委員としては宮幡通商産業政務次官、岡部振興局長、それから鉱工品貿易公団総裁藤澤次郎君、同総務部長仙波健君、同鉱産部長水谷九二吉君、説明員はその通りであります。
 御承知のごとく公団事件が新聞紙上に大々的に取扱われて以来、国民大衆が公団運営に寄せる関心は異常なものと感ぜられます。もとより事件は未だ捜査の途上にあり、これが取扱い方については愼重を要すべきものであるかと存じますが、国会は国会独自の立場において事件の真相を質し、以て国民の疑惑を可及的に解明する要もあると思いまして、敍上の点をお含みの上で委員各位において順次御質疑下さるようお願いいたします。尚御発言の際は御着席のままでお願いいたします。
#6
○島清君 公団の公正事件というものは、国民と共に頗る遺憾の出来事でございまするが、本日は幸い公団の首悩部の方々が見えておられますので、單刀直入に率直にお伺いいたしまするが、公団は経理の面から見ましても、その未收代金は月別に逐次増加して行つて参りまして、十二月現在ですでに百五十億という巨額な額に達しておつたと私達は聞いておるのであります。又不正事件の面から見ましても、これが発覚いたしておりまするのは十二月でございます。それから従業員の諸君がかかる不正事件を予想してか知りませんが、去年の夏頃に確か決議文を総裁の方に申達してあると聞いております。こういつたような不正事件は諸條件が発覚をする前に揃えられておつた。而も事件が十二月に発覚をされまして、尚且つ公団の首悩図は直接の監督官庁である通産省に三月の下旬にしかこれを報告に相成つていない。私達思うのでございまするが、その間の公団首悩部の諸君の怠慢を私達は感ぜざるを得ない。従いまして、私は率直にお聞きいたしまするが、この間において公団の首悩部の諸君は良心的にこの運営に当つたかどうか、又公団首悩部の諸君が良心的に運営に当つたとするならば、それだけの諸條件が揃つておるのでございまするからして、これを未然に防止することもでき得たでありましようし、又それができなかつたといたしましても、この範囲を最小限度に食止めることができたのではないかと私達は思うのであります。従いまして、それだけの諸條件の下において公団首脳部の方々は如何ようにこれを善処されたかどうか、これを先ずお聞きしたい。
#7
○説明員(藤澤次郎君) 只今御指摘を受けましたこの度の事件につきましては、誠に相済まんことと存じております。未收金の問題につきましては各他の部長から、いろいろ性質がありますのでお答え申上げたいと思います。私はこの事件のことにつきましてお答え申上げたいと思います。この事件が発覚いたしましたのは本年の一月中旬でございまして、丁度十二月のこの銀行預金尻を合せました際に発見いたしましたので、その際首謀者とみなされるところの早船何某につきましては、築地署に届出をいたしまして、二月の初めにはすでに逮捕状が出ておりました。只今御指摘を受けましたように何を公団幹部はその間にいたしておつたかという御質問につきましては、誠に御尤もだと存じております。ただ私共におきましては、この件は單に一個人のみにて行わるべきものではなくして、公団内部にも関係者もあるべしとの考えから、我々は我々の立場から経理部面における各担当者を風つぶしに当りまして調査を進めまして、遂に通産省に私共が御報告申上げた程度の損害がそこにすでに起きておつたということを只今の調査において確かめ得たのでございます。私共の考えといたしましては、公金、つまり国家の金を單に一個人が無闇やたらに使つたものではなかろう、これは必ず言うところの金融的なものに使つておるのだろう、それについてはどうしてもよく洗いあげて回收すべき金はこの際回收すべきだ、つまり私共の課長以上を鞭撻いたしまして、その金がどういう方面に散らばつておるであろうか、その点につきまして熱心なる調査を遂げまして、甚だ通産当局への私共の申出は遅れましたけれども、申出て参りましたときには、全部までは行きませんけれども、大体のところまで突止めまして、かくかくになつております、かくかくの方法をとりつつありますということを添えまして申出でた次第でございまして、その間一日も袖手傍観いたしたわけではございません。ただ前に御指摘を受けました三月末近くまでこの報告を完全にいたしませんでしたことにつきましては、重々お詑び申上げます。未收金のことにつきましては、ちよつと性質を総務部長から申上げたいと思います。如何でございましようか。
#8
○委員長(高橋啓君) どうぞ……。
#9
○説明員(仙波健君) この未收金関係のお尋ねのことにつきましては、主管部長は経理部長でございますが、本日出席いたしておりませんので、私経理部長の代りに概略だけを申上げます。
 未收金と一口に申しますものは、これは公団が輸入物資を扱います。これは政府の輸入物資を公団がお預りしておるものでございますから、私共の方はこれは保管品勘定に挙げておりまして、そうして政府の代りに代理取立というものを起して、この代理取立というものが即ち未收金勘定、今お話のそれだと思うのでございますが、これは十二月には百億ございましたが、三月末までに多少取立てまして、三月末には九十三億に減つております。減つておりまするが、この九十三億の内容を検討いたして見ますると、最も大口のものはこれは他の公団関係、つまり同様に政府勘定に属するものが非常に多いのでございまして、私共としましてはそれにつきましては、政府が又別個の措置をして頂きまして、この取立を急速に行うべきものだと信じておりますので、従つて三月末の九十三億というものを解剖いたしますると、大体十六億くらいが私共が全力を挙げて今後取立てなければならんもんだ。併しいろいろこの滞貨に対する金融措置等も政府がお取計らい願いました結果としまして、十八億の中四月中には恐らくは三分の一くらいのものの取立を完了するのではなかろうか、こう考えておる次第でございます。
#10
○島清君 只今の御答弁の中で、又後でお聞きしたい点もあるのでございますが、次に現在尚相当巨額な未收代金があるように承つておりますし、更にその未收代金の中で回收不能なものが相当多額に上つて予想されておると言われますが、それが果して回收不能視されておりまする額がどの程度予想されておるか、それをちよつとお答え願いたい。
#11
○説明員(仙波健君) どうも甚だ主管部長がおりませんために、十分なるお答えができませんのを申訳ないのでございまするが、私共といたしましては、その殆んどいわゆる焦げつき、非常に回收不能であろうと思いまする分は訴訟にまで持つて参りました。これは私共総務部の中に訟務委員会というものを設けまして、顧問弁護士を置いてこれは訴訟にまで持つて行つておるのでございますが、その金額は約一億七千万円でございます。
#12
○島清君 只今御答弁の中にありました訟務委員会でございますか、これは取立てる費用よりもその費用の方が上廻つておるというふうに伝えられておりますし、更にそういつたような関係にございますると、当然にここに赤字が出て参るわけでございますが、この赤字を如何ようにして補填されるつもりであるか。乃至は又国民は今税金で非常に苦しんでおりまするが、この国民の税金によつて、これを埋合せようとされておられるのかどうか、ここら辺をちよつと聞きたい。
#13
○政府委員(宮幡靖君) 只今お尋ねの点でありますが、貿易二公団につきましては、本年末日を以ちまして大体解散の運びに至る段階で進んでおります。現在の状態におきましては国有品等の処分、或いは加工いたしたものについても若干の差益等も見込れておりますし、全般につきましての赤字の見通しは、只今のところ相立つておりません。つい昨年末に推定いたしますと、全体といたしまして八、九億程度の赤字が出るのではなかろうか、かように推定経理もいたしておりますが、その通りになるだろうと、只今確定的にお答え申上げる運びになつておりません。尚、鉱工品公団におきまする主な滞貨は、錫、鉛、染料、化学品でありまして、これらの中には将来に備えます備蓄物資として処分いたしますようなものもございますし、鉛のごときは最近関係方面の御了解を得まして、必要な地区へ輸出いたしたいということで、協議を進めておりますので、これらが完全に行えまするならば、赤字の程度というものは極めて範囲が狭まるではなかろうか。とにかく通商産業省といたしましては、いわゆる異状滞貨、ランニング・ストツクに属しない部分につきまして、この処分の愼重を期しまして、是非とも公団解散時におきまするところの赤字の出ないように、今後とも努力を続けて参る方針でございます。併しながら事志と違いまして、万が一にも赤字の事態が出て参りますならば、他の公団同様、残念ながら一般会計からの繰入補填を以て処理いたすということになりますことは、現在の財政法並びに政府機関の予算措置に伴いまする法律等につきまして、想像される状態だろうと考えております。
#14
○島清君 只今の政務次官の御答弁の中からも察せられる通り、これを赤字補填するということになりますると、結局は国民の税金によつてこれを穴埋めしなければならんというような必然的な結果に陷ると思うのでございますが、これは公団の首脳部におかれましては痛切に責任を感じておられることだと思いますし、更にその責任上総裁は何か進退伺いとやらをお出しになつたようでございますが、併し今朝の新聞を見ましても、お辞めにならない、こういうことをはつきりと言つておられまするが、このお辞めにならないということは責任をお感じにならないということであるか、乃至は又お辞めにならないということとこの進退伺いというものとはどういう関係なのか、あんたの一つお考を……。
#15
○説明員(藤澤次郎君) お答え申上げます。公団の赤字如何につきましての責任問題は、これは先程政務次官から御説明ありましたごとく、実は公団というものは赤字も黒字も出さない建前になつておりますので、その点は通産政務次官がすでにお引取を願つて御説明願つております。私の進退につきまして、今日の新聞に出たことをおつしやいましたが、実は昨日、現在残つております公団職員の訓示を與えたことが出たと思うのでありますが、私の申しましたことは、現在残つている連中は、まさに整理の段階にありまして、いろいろな公団がこういう不祥事件を起しましたために、優良な職員達も動搖しては困る、我々の仕事は余りはえない仕事だが、今整理の段階にある、総裁ももとより整理をしておる、共に手を携えてやるべきである、自分は如何に事が面倒であろうと、政府の方から辞めて呉れとおつしやらん限りは諸君と共にこの整理を全うしたい、そういう事見を述べましたのでありまして、多分その辺が新聞に出たのじやないか。今私が、総裁がただ自分が苦しいから困る、辞めるというような態度は、彼ら職員に対しては申されない。たとえ私共が遠島になりましようとも、それまでは一生懸命働く、諸君も働いて呉れ、これは整理の段階の最も大事なことです。こういうようなことを訓示に述べたのであります。そういうように御了承願います。
#16
○委員長(高橋啓君) 外に御発言ありますか。
#17
○境野清雄君 只今の鉱工品公団事件が起りましてから、藤澤総裁の言動、その他が一般国民を極度に刺戟しておるということは事実なのでありまして、この点について二三簡單にお伺いしたい。これは四月二十日かの読売新聞に出ておりましたものによりましては、一億円くらいの細かい問題を問題にしないで、公団としての大きな貢献を何故認めないのだというような放言があり、又そのときに最後のところで責任を感じて総裁は辞職するのじやないかというような話が出ましたときに、そうじやない、あれは進退伺いだ、ただ役所の慣習によつて出したんだというような点がありましたので、これは一般国民が相当その憤慨を以て見ておりますし、又一般に與える影響というものは非常に大きいので、この点に対して一言御説明を願いたい。併せて四月二十日かに、これは内容はよく分らんのでありますが、公団の労組の諸君がお会いになつたのか、お会いになることを拒否したのかどうか分りませんが、この際における模様を一応お聞きしたい。この二点を先ずお聞きしたいと思います。
#18
○説明員(藤澤次郎君) お答え申上げます。多分只今の御質問は、読売の漫画記事ではなかろうかと推察いたしまするので、それはあの記事になります二、三日前に、私も多忙でありましたのではございましたが、読売からお二方お見えになりましたので、ちよつと暇もありませんでしたが、十五分乃至二十分ばかり実は非常な友好的な空気の下にお話し申上げたのであります。同記者も私が一億円のごときは何でもないと申したとはおつしやつておりません。表題に書いてありますが、私が申上げたことが甚しく口下手でありましたか、私が軽卒にお見えになつたか、そういうふうな感じをお受けになつたのだと思う。併しその文章をお読みになりますと、一億円なんぞなんとも思わんという人間でもありませんし、そういうことはないと思います。当時の記憶を私も思い出せませんけれども、少なくとも十五分乃至二十分間懇談いたしましたことですから、ああいう短かい文章におまとめのことだから、或いはそういう間違い、誤解が生じたかと存じます。只今初発に私が申上げましたように、この件につきましては、非常に相済まんことと思つておる考え方は前とちつとも変りません。その辺一つ御了承願いたいと思います。
 それから辞職云々の問題でございますが、ただ問題が起きたから勝手に辞職するということは、私は公務員としてできません。一にかかつて通産省の方の御判断に待つ。その間は私共は仕事をうつちやることはできません。只今申上げましたように、如何に諸君から唾をかけられましようとも、自分のなすべき仕事を敢行して行く、これが今日私が課せられておる責任であり、義務であると感じております。
#19
○境野清雄君 今のお話によりますと、ここに新聞もありますが、私又これを見ましても読み違いでないので、そういう点はありませんが、確かにそういうお話をしておる。又若しこの一応読売新聞というような大新聞が出しましたものは、全国津々浦々まで行くのでありまして、若し総裁が自分の言つた問題が、こういうような重大問題である場合に、多少でも違つておつたというような場合なら、これは取消しを出さなくちやならんじやないか。そういうような点に関して取消しをするなり、或いはこのままでよろしかつたという判断をしていいかどうかをお伺いいたします。
#20
○説明員(藤澤次郎君) 私は総裁がかような実に不まじめ至極であるということを国民全体に與えたといたしますならば、私は爾後の所信において、さような不心得を考えてる者でないということを申上げたい。併し漫画に出たことを一々取上げまして申しますよりも、爾後の自分の態度におきまして、国民諸君に愬えたいと思つております。
#21
○境野清雄君 それではその問題は甚だ不本意ですが、この辺で打ち切りまして、次に総裁の発表しておりまする中に、横領された公金は万全を盡して回收されるというお話が先程もありましたのですが、この問題は万全を盡して回收するということは、すでに相当日にちが経つているので、幾分見通しはあるや否や、今までの見通しがどの辺まで来ているかという点についてお答え願いたいと思います。
#22
○説明員(藤澤次郎君) 見通しにつきましては、正確にいつ何日に入るだろうということはちよつと申上げかねますが、かような次第でありますので、取るべき処置、公団として取るべき対策につきましては日夜やつております。私は本部長になりまして、この度の事件の対策本部を設けまして、弁護士も入れ、各方面の人々を吸收いたしまして、公団がなさねばならん程度のことは絶対にやる、そういう心掛けを以て今やつております。
#23
○境野清雄君 公団の組織が非常に複雑でありまして、責任の帰趨がどこにあるかというような問題はなかなか簡單には答えが出ないのでありますが、併し如何に複雑でありましても、鉱工品貿易公団の取扱う商品が非常に多いし、この間に不正が行われても発見することが困難だということは、私共も一応考えているのでありますが、責任の帰属が甚だ不明瞭であるということは遺憾千万でありまして、私共といたしまして、この法律上の面から行きまするなら、一応最終の責任者はやはり安本長官だ、通産大臣は現場監督という立場で参るものでありますが、この安本長官に最終の責任があるといたしましても、総裁としての責任は、どの範囲までお考えになつているかどうかという問題をお聞きしたいと思います。
#24
○説明員(藤澤次郎君) 私、みずから自分のどう処置されるかにつきましては、一にかかつて通産省の御判断に任さざるを得ません。
#25
○兼岩傳一君 私はこの全貌がですね、まだ本当に明瞭になつていないと思うのです。そうしてそれについてですね、どうも表面的に出ている以上にこの問題に不明瞭なものがあるのじやないかと思われる点を簡單に一つずつお尋ねして行きたいと思います。
 第一はですね、この問題がそもそも発生いたしましたのは、組合の不正摘発に端を発しているのでありますが、我が党の土橋代義士がこの問題について藤澤総裁にこの点なじりましたところ、藤澤総裁はこんな問題は、いわば女中がつまみ食いをした程度の問題であるということを放言しておる。又牛久保計理部長は組合の発行いたしておりまする不正摘発特集号の記事に対して、飛んでもないデマである。よくこんなデマを白々しく書くなという放言をいたしておりました。ところがこういう状態になつて来ておる。一体その当時総裁は土橋君の質疑に対して、女中のつまみ食いだというような放言をしておられるか、その程度に考えておられたかどうか、先ずこれを一つ聞いて置きたいと思います。
#26
○説明員(藤澤次郎君) お答え申上げます。土橋委員長の訪問された節には、今のいうところの不詳事件は出来しておりません。それは余程前の事実でございまして女中のつまみ食いというお話は時間を拜借すると、実はこういう話であつたと思います。土橋代議士の御訪問を受けました節には私共の労組の……、すでに罷免された労組の連中が告訴しております。我が方の拂下げ古繊維の取扱い、そこに我占禁止法の違反があるであろうという件で通産大臣及び私共を告訴しておりまするが、その件について、その件が一件と、他の件もありますが、お話を短くするために申上げます。その件について私に御質問がありましたので、独占禁止法違反云々の問題は、当公団といたしましては何ら関知するところではありません。仮に一万歩譲りましても、それは当公団は通産省の命を受けまして物を渡し、物を引取る。これが私共の仕事でございますので、独禁法の問題は私共関係ありません。段々土橋さんからいろいろ御質問がありまして、併しながら古繊維のごときはいろいろ盗難に会つたり品数が合わんというようなことを起すのじやないかという御質問がありましたので御返事を申上げました。軍の拂い下げの古繊維は今日取れ、直ぐ取れという命令が出ましたので、軍のヤードから私共の荷物を保管するところに持つて来ましたので、トラツクにぶち込んで取つて来る、もとより拂下げのものでございますから、そこにはびつこな物、上衣があつてズボンのない物、ズボンがあつて上衣のない物、中には汚れておる物が混つておりますので、それを急いでトラツクに積んで外のヤードへ持つて参ります。そこは雨濡れになつておるので腐つてはいかんというので拡げて干す、そういうようなものが古繊維の取扱いの状態でございまして、他の置場から他の置場へ持つて運びまするまでに、ときたまには物の不足が生じます。これはもう如何ともいたし難い状態でございまして、恰かも配膳の女中のつまみ食い程度のことであろう。このぐらいはいたし方ございませんということをお答え申上げました。本回の件について何らそんな発言をいたしたことは絶対にございません。
#27
○兼岩傳一君 藤澤総裁はこの組合の不正摘発の際に中闘の首を切らなければあれの首が危ないということを言われたということを私は聞いております。事実、この中闘の組合員十二名が馘になつておる。綿貫農水産部長は、前に申しました不正摘発特集号の組合版はああいうことを怪しからん、壊せということを言つておる、もつと露骨に木村特殊輸入部長は、中闘の連中は不正摘発をやつたから首を切つたのだというようなことを放言しておられる、こういう事実から我々は判断すると、中闘十二名の馘にされたということがこの組合の不正摘発を恐れ、組合の不正摘発を反対、もう少し惡くとると、何か揉消しをされようといたのだと思われるようなふうに、我々はこれらの事実から考えざるを得ないのですが、その点は総裁如何ですか。
#28
○説明員(藤澤次郎君) 詳細に亘りましては、総務部長にお願いいたしたいと思いますけれども、今知つておる範囲のことをすべて申上げたいと思います。総裁が、彼らを馘にしなければ自分が馘になるということは、これは法を守つておるものでありますから、公務員法の施行については総裁は大責任を持つたおるのであります。何も総裁が非合法を敢えてした者を切つたのではなくて、法が馘つたのであります。私共は公務員をお預りしておる総裁といたしまして、総裁の関する範囲におきましては総裁が責任をとり、法を守らなければ総裁の責任である、そういう意味であります。総裁の一存において人を馘る、かようなことは決してこの時代にすることじやない。公務員法の定めるところに従つて事分されたのであります。
#29
○兼岩傳一君 それじや次に進んで、そういうあなたの言われる通りだと仮定して次にお尋ねしたいのは、このような腐敗事件の起らないために幹事室というものがある。公団内部には幹事室というものがあつて、副総裁は幹事室を十分活用して来たというようなことを世間に対して発表しておられるが、併し我々の聞いておる、知つている事実によると、凡そそれは正反対である。何故かと申しますと、荒川、佐竹、川村の三名逮捕されました湯島の天神前の料亭の新松というのは、元幹事室の室員でありました者の経営であるし、それから現にそこでこの連中が逮補されておる。それで井上幹事がこの幹事室というものを預つてやつておられたけれども、こういうような腐敗分子が幹事室に元勤務しておるような連中と深い繋りを持ち、而もこういう場所で逮補された。而も料亭の新松を経営しておる元幹事室員という人物は、井上幹事の縁故者であるというような点から考えますると、井上幹事は果して本当に腐敗の防止に努力されて来られたのか、腐敗に何らか関係があつたのじやないかという疑惑を我々は持たざるを得ない、これに対して総裁はどういうふうに考えておられるか。
#30
○説明員(藤澤次郎君) 簡單にお答え申上げます。
#31
○兼岩傳一君 簡單でいいです。
#32
○説明員(藤澤次郎君) 私はおでん屋の名前は何というか知りませんが、御覧の通り、公団には飲み食いするところの大きな予算は少しも持つておりません。ただ私共が調査いたしましたときに、向うが最後には犯人になるのではなかろうかというふうな人と飲食することについて、彼らに勘定を持たせることは相成らんと私は申しました。併し経費がないと申しますので、たまたま自分の部下の使つておるおでん屋を……道の不便なところに行つて安い勘定でおでんを食うくらいな程度でやらしたわけでありまして、公団に金がありますれば、大きな堂々としたところで料理を食いながらやつておりますけれども、公団に金がありませんので……、さようなところを……下検をして下されば分ると思いますが、私共のごときはまだ行つておりませんが、勘定をお調べになれば、この事件について今までの調査にどのくらいの程度しか公団が金を拂つていなかつたかということも判明すると思いますので、この点は通産省の方にも御報告申上げましたが、私が如何にまじめにこのことを扱つたかということは、却つて立証されるだろうと思います。
#33
○兼岩傳一君 次に進んでお尋ねしますが、そのように総裁が非常に愼重に金を使わないように、大きな穴をあけておるのだが、その小さな金を使わないようにというようにいろいろ考えておられるとするならば、そのことは一月の中旬からすでに発覚しており、国民に対して非常な責任を感じなければならない幹部の諸君、藤澤総裁、三木副総裁、仙波総務部長、樋口経理部次長らが三月十五日に、年度末の金が余つたというか、その金で大阪方面に旅行をしておるが、実際大した用件があつたような資料は僕のところに集まつて来ないのでありますが、反対にこれはいわゆる大名旅行じやないかと言われておるようなそういう行動をしておられるのは、これはどういうわけですか。
#34
○説明員(藤澤次郎君) さようなことについては返答はできません。
#35
○兼岩傳一君 答弁ができないという意味はどういう意味ですか。そういう事実はなかつたという事味ですか。事実はなかつたととつていいのですね。
#36
○説明員(藤澤次郎君) 申上げます。当公団におきましては、さようなことはいたしませんです。たまに出張というような場合には、必ずそれ相当の理由を持つた出張で、総裁が判を押さなければ出張いたさせません。大阪に通商産業省の事務引継のため三木副総裁を三月頃に出張させたことはありますが、そういうことはありません。
#37
○兼岩傳一君 総裁みずから出張されたということはないのですね。三月の十五日から二十五日にかけてはないということですか……。いや、なければそれでいいのです。
#38
○説明員(藤澤次郎君) ちよつとお待ち下さい。私の記憶にありませんが、お調べ願いましたら……通産省の方に御報告いたします。
#39
○兼岩傳一君 それから今度は人事問題ですが……。
#40
○委員長(高橋啓君) ちよつと、今藤澤総裁が通産省に御返答申上げるということを言いましたが、今委員のためにあなたに答弁を求めているのだから……。
#41
○説明員(藤澤次郎君) はあ……。
#42
○委員長(高橋啓君) こちらに答弁……通産省に答弁する資料があつたらこの委員会で答弁して貰いたいと思います。
#43
○説明員(藤澤次郎君) 記憶にありませんが、帰りまして若し、たしか二月とか三月とかに出張しまして、出張理由はちやんとありますので、それを御報告いたします。
#44
○兼岩傳一君 僕はそういう漠然たることを聞いているのではなくて……それじやはつきりいたします。三月十五日から二十五日、いわゆる年度末出張という形で予算が余つたという形で藤澤総裁、三木副総裁、仙波総務部長、樋口経理部次長が大阪方面に旅行をしておられるようだが、このような犯罪がもうすでに明らかになつている状態において、このようなことをされたということは甚だ面白くないじやいいかと、こういう質問なんです。これに対してあとで一つ委員会に御答弁願いたい。
#45
○説明員(藤澤次郎君) 今名前が出ましたのは、三月末に小職は出張していないと記憶いたしております。仙波総務部長及び三木副総裁の出張は、記憶を辿りますと、先程申上げましたように通産省の引継の問題、人員整理の問題、何と申しましても大阪、神戸は大きい支部だございますので、私が参りません場合は三木副総裁に出張をさせております。特に総務部長は人事関係一切を持つておるので、その件について出張されたことと記憶しておりますが、はつきりした日附は記憶いたしておりません。
#46
○兼岩傳一君 それじやそれはあとで御報告願うとして、次に人事の問題について非常に納得できぬ点がある。川付哲というのは暴力団の顔役というような話を私は聞いている。こういう人物に重大な経理の事務を預けられたということの責任、それから経理課員の村上というのは住所不定の甚だ信頼しにくい人物だという、そういう人物をどうして採用されたかという問題、それからもう一つ現在の人事課長の宮本君というのは、もと京橋の警察の欠席で特高事務を扱つておられたそうで、ただこれが非常に短かつたためにパージはまあ免がれたという、こういう人の採用の妥当、不妥当という問題もありますが、そういうことは仮に一歩讓りまして、警察上りの人事課長がおられる。まあ或いはそういう関係でむしろそういうことになつたのか、どうしてその川村とか村上とか、そういうような者を国民の貴重な金を預る重要な仕事に、そういうような住所不定或いは暴力団だと言われているようなものを御採用になつたか、この点をお尋ねしたい。
#47
○説明員(藤澤次郎君) 少し專門的に亘りますので……あなたが知つている……。
#48
○委員長(高橋啓君) 仙波総務部長。
#49
○説明員(仙波健君) 私公団の人事についてお答えいたします。
 公団組織のできます以前には、貿易の輸出入取扱機関というものが七十二あつたわけでございます。そのうちの四十二で鉱工品貿易公団を作つたわけでございます。そうしてその四十二の職員は全部新規採用という形でなしに、代行機関からそのまま公団に引継がれたのでございます。従つて私は公団発足当時から人事はお預かりいたしておりますけれども、直接個々の人物についていろいろな審査を加えることなしに、一応代行機関の人事は、人はそのまま引継ぐという形で引継ぎました。それから途中で採用いたします者につきましては、私はその定員の枠からそれを各部へ、或る部には何人、次の部には何人というふうな大体の枠だけを抑えまして、そうしてその枠の中でそれぞれの部長の責任において人を採用される、私共の方はそれをその手続をする、こういう形になつておつたのでございます。又現在でもそういうふうな人事をいたしております。
 それから今人事課長をいたしております宮本については、成る程そういうお話もございますが、宮本君は以前食糧貿易公団の人事課長をいたしておりまして、昨年の四月に食糧貿易公団を当公団に合併吸收いたしました際に、食糧貿易公団は農水産部という形で参りましたので、そこには人事課長を設けずに庶務課長という形でやはり依然といて農水産部関係の庶務、人事を預かつて参りました。この際更にもう一つ機構を縮小いたしまして、農水産部という独立した部がなくなつたものでございますから、彼が食糧貿易公団時代にいたしておりました人事課長のポストを更に私の方でも與えた、こういうわけでございます。
#50
○兼岩傳一君 それではもう少し聞きたいのですが、その今の農水産部、元の農水産部の経理をしていた或る者が、一昨年の秋から昨年の冬にかけて一千万円からのものを横領して目下逃亡中であるというようなことを聞いておるが、そういう事実はあつたのか、なかつたのか。
 それから尚それについて昨年の末に幹部が五百万円を埋められたというようにも聞いておるが、さような事実があるのかないのか、総裁にお尋ねします。
#51
○説明員(藤澤次郎君) さようなことは少しも私共は存じておりません。さようなことはないと申上げます。
#52
○兼岩傳一君 最後にもう一つだけ聞きましよう。二月の十八日附で早船とか佐竹、荒川というような者は免職処分になつておる。そうして退職金まで貰つておる。ところがまじめに公団の腐敗を摘発したその中闘の十二名は懲戒処分というような扱いを受けておる。こういうような破廉恥な者が正規の待遇、正規の退き方をして、まじめに労働組合のために闘つた者が懲戒処分になつておるというような事実を総裁はどういうふうに考えておられますか。
#53
○説明員(仙波健君) 今回の不祥事件に対する犯人と申しますか、その容疑者に対する公団側の処置につきましては、これは今のお話のように或いは十分でなかつた点があるかも知れないと私は未だに憂慮いたしております。と申しまするのは、公務員たる身分を取得しております者の進退については、公務員法の規定によりまして、どういうケースの場合にはどういう処置をしていいか非常にむずかしいのでございまして、私共の方では人事院に一々伺いを立てましてその処置をしているわけでございまするけれども、本件の川村のごときは昨年の六月頃に退職をいたしたと思つております。その当時においては私共は全然そういう事件を予想しなかつたわけでございますから、一応彼らは依願免職の形で退職いたしております。それから早船その他のものにつきましては、やはり二月になつてこれは公務員法七十八條によつて、公務員として不適当だという形でこれは免職処分いたしておるのでございますが、これについても更に進んでこれを懲戒処分できるのではないかということで只今人事院に対してこういう措置が、我々のやつた措置は妥当であるかどうかという伺いを立てておるので、又遡及してそういうものに事件発生後に、発生以前の処分について更にこれを改めることができるかどうかということも目下人事院に伺いを立てておるわけで、人事院から何分の御沙汰がございましたらその通りに変えようと思つております。それから先程おつしやいましたまじめな中闘十二名はどうして懲戒処分になつたかと申しますと、これは組合運動をやつたために彼らは懲戒処分になつたのではございません。御承知のように、私共公団の職員は労働組合法の規定の適用を受けるのではなくて、これは公務員法の規定の適用を受けることはもう皆さん方も御承知の通りでございます。公務員法第九十八條第五項によつて、彼らの自分の奉仕者たる国民に対する怠業的行為、即ち昨年の十二月二十三日に行いました二十四時間ストという、この公務員法違反の事実によつて、而も公務員法第九十八條第六項には、そういうふうに同盟罷業をしたものはみずから雇用権を放棄したんだ、こういう規定もあるわけでございまして、それに基いて私共は十二名のものを懲戒処分にしました。従つて只今おつしやいましたように、彼らが不正摘発をしたから懲戒処分をした、こういうことはあり得ないことでございまして、又事実さような不正摘発をしたから懲戒処分に付せられたというようなことはこれは絶対にあり得ないことでございますから、その点はどうぞお間違いのないように一つ御了承願いたいと思います。
#54
○島清君 経済調査庁は勿論監査を行なつたと私達は信じておりまするが、公団の方は経済調査庁の監査を何回受けられて、いつ頃最初受けられたか、そうして経済調査庁の方からその運営について忠告なり或いは警告等がなかつたかどうか、この辺の経緯をちよつと……。
#55
○説明員(仙波健君) 経済調査庁の監査ははつきり記憶ございません。いずれ確かな取調べをいたしまして、御書面で申上げたいと思いまするけれども、私の記憶いたしておりますところが正確としますれば、一番最初に経済調査庁の監査を受けましたのは昨年の七月頃から始まりまして、これは監査部の監査でございまして、確か七月頃から始まつたと思うのでございますが、それが始まりまして、監査部の監査は非常に量的に多かつた場合、少なかつた場合いろいろございまするけれども、今日まで引続いて行われております。別に物資調査部からの監査が本年一月以降始まつておりますが、目下継続中でございます。
#56
○島清君 只今の総務部長のお答えは、調査庁の方から忠告なり警告を受けたことはない、こういうことでございますか。
#57
○説明員(藤澤次郎君) これも日をはつきり記憶いたしておりませんが、経済調査庁が、先程仙波さんが申しましたように七月頃から始めまして約半年ばかりやりましたので、講評があるというので参りましたが、一月頃、それも木村部長が今日御出席になつておりませんので、日附は覚えておりませんが、私共幹部及び課長以上を集めまして講評がございました。私は確かに受けましたのでございますが、講評の内容全部は覚えでおりませんが、一二の点は私も記憶いたしております。
#58
○島清君 何か総裁及び首脳部の方々と従業員諸君が対立的な関係にあつたことが只今の兼岩委員の質問によりましておぼろげながら何か推察できるのでございますが、そこでそういう対立的なことはどうであろうとしても、とにかく昨年六月、公団従業員組合の中央委員がその合理化と民主化について総裁の方に進言をしておりますが、この進言は耳を傾ける価値のない進言であつたのかどうか。若しあつたとしたならば、如何様にその後運営の面において、その進言に基いて改善をされたのかどうか。この点を……。
#59
○説明員(藤澤次郎君) これは従業員の誰でありましようと、小使から言われたことでも総裁側幹部側はよいことはすべて取上げております。何も文書にしたものを持つて来たから我々がそれをかれこれ言いません。我々みずからが公団の運営をよくやつて行こうということについては常に関心を持つていることでありますから、かれこれ従業員が申したことを私共は等閑に附するというようなことは又考えられぬことでございます。私共みずからが公団の運営をよくして行こうという努力をしておる一方なのであります。何かそこは話が食違つているのではないかと思います。
#60
○島清君 保險のことについてちよつとお聞きしたいのですが、公団扱いの物資の倉庫業の保險料について保險取扱代理店等から手数料といたしまして八百万円公団に支拂われた形になつておりますが、この保險料の使途が明確でない、こういうふうに伝えられておりまするが、この真僞について御説明を願いたい。
#61
○説明員(仙波健君) 御承知のように公団は政府機関でございますから、保險代理店からの割戻金というものは受取れない仕組になつております。従つて今お話になりましたような八百万円の割戻金というものは、公団には入つて来ないのであります。勿論公団がそういうものを受取れる仕組になつておりますれば、それは恐らく雑收入に上つて来るのだと思いますけれども、遺憾ながら公団は保險代理店の割戻料を取れない仕組になつておりますから、そういうものを一切受付けておりません。
#62
○境野清雄君 公団の監査資料の方で見ますと、預金の残額の例を見ましても昨年の十月に、公団側の帳尻では当座と普通合せて八億数千万円も公団側に不足しておる。これを公団側では支拂人が銀行宛に支拂うことを銀行が通知して来ない、未達勘定だというような見解をとつているのでありますけれども、これは公団側に支拂われてから四ケ月、長いものは一ケ年半以上も経過しておるのに、銀行或いは支拂人から通知が来ないと称して帳簿漏れになつているということは、即ち一定期間同受取金を浮貸その他に流用しておつたということは、その当時幾分そんなような点はお分りになつているかどうか。
#63
○説明員(藤澤次郎君) 私も数字は完全には記憶いたしておりませんが、今の御質問は銀行の帳尻と公団側の帳面とが違うということだろうと思いますが、それは時期的には毎日その点はあるのであります。例えばこれは殆んど月末近くになつて業者が金を納めて参ります。それは銀行預金になりますけれども、帳面の方にはこれは未達になります。勘定はそこまで参りませんので、銀行預金というものと帳面の上において差が、ずれが必ず出て来ますので、その点は決してそこに不正があるというわけじやなしに、ただずれが生じて来るのだと思います。
#64
○境野清雄君 そのずれが簡單な、日数の少いものならともかく、多いものは四ケ月、ひどいのは一年半以上もそのまま未達勘定になつている……。
#65
○説明員(藤澤次郎君) これも私も全部が全部総裁が知つているわけじやありませんので、私はビジネスをやつておりました関係上……。それは未達勘定になりますのは、こういう場合であつたと記憶しますが、間違いだつたら訂正いたします。輸入品などを渡しますときに、やはり瑕疵担保の責任が公団にあるわけです。中を開けて見たら数が足らなかつたとか、開けて見たら薬が気が拔けていて使えなかつたというような場合がありまして、薬を何梱売つたという場合には公団は業者から必ず金を取らなければなりませんが、業者は開けて見て、あとでクレイムすることができるのですが、業者は開けて見て少々のびんの壞れなんか許しておけというので言つて来ない。ところが公団というものは甚だ政府機関の何ですが、それを直ぐ業者が言つて来ないから、もう渡してしまつたから未達勘定にして言うて来るのを待つている。というのは業者から先に金を頂いて、業者からクレイムが来るのを待つているというような形が生じた、そういうふうに私は了解しております。例えばその方の支拂を先に受けて、計算が済んでしまうまで待つておるという場合があります。つまり業者の方の御怠慢で金の請求をなさらん。百個の電球を受けたが九十個しかなかつたから十個分返せと言つて来ない場合に、開けてみたら初めの條件に足らん場合は返してやるということがあるが、そういう点から未達勘定が暫く年月が経つてなかなか解決しないのだと思います。私の考えが間違つておりますれば訂正いたします。
#66
○境野清雄君 今度の事件も結局未達勘定を巧みに利用した犯罪、こういうふうに私共は考えているのでありますけれど、これについて公団からはすでに通産省に宛てて報告書が出ているという話を聞いておりますが、ただその報告書の中に市中銀行が数行入つているので、この事件の落着まではこれを公開しないというような話を聞いているのでありますが、鉱工品貿易公団としてこれの経過報告というものは通産省へ出しているかどうか。
#67
○説明員(藤澤次郎君) 完全な報告はできているとは申されませんが、我々が調べ得ました範囲のことは申上げておりましたが、御案内の通り、すでに検察当局に移つておりますので、今日私は内容の全貌はもとより掴んでおりませんし、個々のことについて申上げる自由は持ちませんので、その辺は御了承願いたいと思います。
#68
○境野清雄君 未收金の問題ですが、厖大な未回收金がまだある。昨年末では鉱工品公団として百五十億ばかりのものがあつたのが現在でも九十余億ある。その九十余億あるうちの半分以上の五十二、三億というものが配炭公団にあるというような形になつておるのでありますけれども、このような未收金が公然と見過されていいか惡いかという問題に対して一応総裁から御返事を願いたいことと、この未收金の責任について、金でなくいわゆる未收金の責任について総裁はどう考えておられるか。
#69
○説明員(藤澤次郎君) 御返答を申上げます。お言葉を返すようになりますが、公団の性質上その点について通産省と十分協議いたしまして、通産省側の御意向に従いまして、未收金のそれは決まると思います。
#70
○島清君 只今の境野委員の御質問に関連をいたしまして、その回收不能になつておりまするところの相手方の大手筋の会社、それが何軒ぐらいで、どういう原因で回收不能になつておるか、これをお伺いいたします。
#71
○説明員(藤澤次郎君) 金額において一億数千万円とか申上げましたが、甚だ不勉強ながら、名前全部を覚えておりません。非常に何でございますが……。
#72
○島清君 幸い総務部長も見えておるので大手筋の相手だけでも結構ですが、覚えておられませんか。
#73
○説明員(藤澤次郎君) 甚だ不勉強で小さいことはちよつと私は記憶がございませんが……。
#74
○島清君 総裁は非常に細かいこととおつしやいましたが、一億以上の金が回收不能と言われておりますが、それは非常に少い額じやないのです。巨大な額なのですが、併しそれをお答えできなければ止むを得ません。併し言葉を返すようで気の毒ですが、それだけの額というものは細かい数字でないということだけは……。
#75
○説明員(藤澤次郎君) 別に一億が小さいとは申上げるのではないので、一億ぐらいだと記憶いたしております。あとで詳細を申上げます。
#76
○境野清雄君 今度の鉱工品貿易公団の不正事件は私達の考えでは或る程度未然に防止できたのじやないかというような考えを持つておるのでありまして、それは事件発覚に狼狽した政府当局において、先般の委員会で局長から説明がありましたように、三点を指摘してあとの問題が起らないようにするというような、三点を指摘して呉れたのでありますけれども、こういうような措置はやろうと思えば別に三月末でなくても、いわゆる百五十億に近い鉱工品貿易公団の未回收金のあつたときに、もう関係者にとつて異常の関心を持たれておつたので、真にやろうと思えばできたのじやないか。こういう事件が発生してからやつたのであつて、この三点の問題は先般説明されたので重複を避けますが、こういうような問題によつてこの公団自体の運行が完全に行くものなら、なぜこれを早くやらなかつたのかという点についてこれは局長から一つお答え願いたいと思います。
#77
○政府委員(岡部邦生君) 御説明いたします。一番難点でございましたのは、業務部その他の統合ができなかつたので、事務所が非常に分散しておりましたので、こういうことになりました。漸く三月末になりまして事務所が一本になりましたのでこれが行い易くなりました。前々からこういうことをやりたいと思つておりましたけれども実際上できなかつたのであります。
#78
○兼岩傳一君 僕は局長にそれと関連してちよつとお尋ねしたいのは、監督官庁としてこの問題に対して通産省がどういうふうに考えて来たかということ。どういうふうに監督したか、どういうふうに愼重な態度で取扱つたかというようなことですが、先程からの総裁のお話を伺つておりますと、余り総裁の方に手落ちがなかつたようですが、これも我々は非常な、これには表面に出ている以上の腐敗があるというふうに考えざるを得んのですが、その一つ、例えば川村の自供によつて見ても、三年前の二十二年の秋頃からこの不正なことが鉱工部の経理関係で行われており、それだけども私の手許の資料によりますと、小切手の紛失事件がもうその頃から発生しておる。そのことが局長のところへ一体報告を受けているのか、受けていないのか。つまり局長はそのような二十二年の秋頃から鉱工部の経理だけで数回に亘つて小切手が紛失しているというような事件を知つておるか、記憶にさえないのかあるのかということをちよつと聞いて置きます。
#79
○政府委員(岡部邦生君) 何分私在職中じやございませんのでよく分りませんですが、今聞いて見ましたところ、そういう報告はなかつたそうです。
#80
○兼岩傳一君 報告はない……。それからもう一つ、この今度の問題になつておる浮貸しその他の事件ですね。これを労働組合は三月の二十八日に発表しておる。それでそれに対して通産省の局長へ総裁から正式にこの事件の詳細を報告を受けられたのはいつでしよう。
#81
○政府委員(岡部邦生君) 三月の二十九日でございます。口頭報告でございました。
#82
○兼岩傳一君 口頭報告が三月二十九日……。
#83
○政府委員(岡部邦生君) はあ。
#84
○兼岩傳一君 労働組合が発表したのは二十八日で、口頭報告が二十九日で、ここであなたが金貌を知られたというわけですね。監督官庁としての衝に当つておられるあなたがね。
#85
○政府委員(岡部邦生君) 組合の報告を私は見ておりません。総裁からの報告で初めて知つたのであります。
#86
○平岡市三君 本日の日程ではこのあとで以て法案の審議をやることになつておりますから、若しもこの点について御質問があるならば簡單にして頂いて、大体切上げたらどうかという緊急動議を提出いたします。
#87
○委員長(高橋啓君) 只今平岡委員から緊急動議がありましたが、あとの法案もありますから、今後の御質問は極めて簡單な要旨を御発言願うようにお願いしたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#88
○島清君 それでは平岡委員からの御動議もあることでありますからして、私は結論的なものをお聞きしたいと思うが、不正によりまするところの赤字、これはあの連中から回收しようと思つたつて、これは恐らく不可能なことだと思うのです。この一億近くの金はこれは赤字になつて、結局は一般会計からこれは穴埋めをするということになると思うのでございまするし、更に私達はその不正事件によるところの赤字ばかりだけかと思つておりましたが、更に回收不能の額が相当巨額に上つておるということを只今承りまして、びつくりしているような次第ですが、ところがこういつたような聞けば聞く程、洗えば洗う程その腐敗振りがその極に達しておるというような状態でございまするし、更に総裁の言は、或いは新聞に或いは又漫画記事に非常に国民大衆に向いまして誤解を受けておる点があるのでございまするし、更に私達は今又総裁からお聞きいたしまして、いろいろ重要な点になりますると、書類がないとか言うのでございまして、正直なところを申上げますると、私達が今日お越しを願つておりますこの公団の中の不正事件についてお聞きしたいというようなことはお察しが願えたと思いまするし、又そういう意味でお越しを願つたのでございまするから、十二分の準備があつて然るべきだつたと私は考えておるのです。そこで総裁はこの際一つどういう心境で国民乃至監督官庁に対しましても良心的な責任を感じておられるかどうか、こういつたようなことを、ちよつと行過ぎのような気はしまするけれども、心境の一端を一つこの際お述べになつた方がよろしいかと思います。
#89
○説明員(藤澤次郎君) お答え申上げます。本日御質問を受けました当初に私が申上げましたことが私の心境でございまして、誠に相済まないと、我々公団の幹部としてはこの際回收すべきものについて專念してこれを回收し、国家に対する損害をできるだけ少なくしよう、こういう気持を以てやつております。不肖私が事件の対策本部長になりまして、弁護士以下すべてをここに集めまして、我々はできる限りのことをいたしております。これがやはりこの事件に対する自分の信念とする態度であり、国民にお詫びするところでもある、こういうふうに考えております。
#90
○委員長(高橋啓君) 外に……。
#91
○結城安次君 私は今までの各委員からの御質問で、あらゆることを盡したように思いまするから、改めて御質問いたしませんが、この善後策を政府にお伺いしたい。この善後策をどうするか、いわば昭和二十四年の末の商品残高から処分のし得ないもの、つまり背負込み品というものが昭和二十二年からのがずらつと並んでいる。こういうことは一体どうしてできたか。これは監督官庁も相当に惡いかも知れませんが、衝に当つている人がつまり熱心でなかつた。或いは商売は上手であろうが熱心でなかつた、即ち保險の戻しのお話でもそれは役所で受取れないのだ、誠の御同感であります。役所では受め取れません。役所では保險を付けませんから、大体公のものには付けてないから役所は割戻しを取ることは知らん。そうさしたかも知れないが、付けるならばそれを民間その他では割戻しのないところは殆んどない。それを御承知ないというならば余りに無関心です。又知つておつて、これは何かここにおかしなことが出やしないかということにお気が付かなかつたとすれば誠にこれは怠慢だ。こういう方々にお任せしたのが惡かつたのではないが、私は前からよく申上げますが、公団或いは営団というようなものは民間の惡いところ、役所の惡いところ、両惡兼備だというところまで申上げたが、今度は振興局長中心でやるのですが、どういうふうにしてこれを整理して行くか、その案がまだできてないとすれば、でき次第私は一応お聞かせ願いたい。これは質問ではありません、希望であります。整理の方法を一つ……。
#92
○政府委員(岡部邦生君) 滯貨の原因につきましては、見込が違つた沢山入つて来たので、或いは入つた来たものがすでに粗惡であつてどうにもならん、そういうようなものでございまして、併しながらこれにつきましては我我はできるだけ処分もいたしまして、早くこの方の損害を少なくするように処分いたしたいというので、その点鋭意努力いたしているわけです。段々と処分できるものは処分し、滯貨金融もその意味においてやりました。具体的に最終的にどういうことになるかということはまだ見当つきませんですが、我々としてできるだけこれを処分したいつもりではやつております。
#93
○結城安次君 私の伺つたのは、努力なさることは当然だが、今までのような方法ではいけないのじやないかと私は申上げた。いわばこれはお調べ願いたいのですけれども、只今鉱工品公団の持つている商品で、取れなくなつたので又買上げた品を拂下げる。そのとき買上げ代金の二割何分かで売つた人、つまり売上げた人ですが、そこへ戻して、而もその金が未收になつているというようなことは、これは噂ですが、あるかないかをこれはお調べ願いたい。つまり甲から買つて、それはたまたま品が惡いか、或いは外国に輸出に適当しないか存じませんが、これを仕方がないから処分する。これは二割一分だと思いますが、二割一分で拂下げて、而もその金は入つておらんというようなことであつた。これは噂かも知れませんが、併しそういうことを耳にしておつて、たまたま今度のことで成程と思われることなんですが、ちよつとお調べ願いたいと思います。
#94
○説明員(藤澤次郎君) 只今のお話、まあ段々話しますと、公団にできた滯貨とか、保有物資が多いということは、今五分や十分お話いたしましても分らんと思います。只今の最後の一点だけは、私は何が何であつたか、それが何の商品であつたか、何の何兵衛であつたか存じませんが、輸出するために持つておつたところの保有物資なんです。これを保有物資と申します。例えば自転車を輸出するために自転車を買上げて売れなくなる。後からできた自転車は非常によいものができる、前に作つたものが惡いともう売れなくなる。そういうことが生じておるのです。これは日本の戰後、今日までにおける産業技術の進歩ということを半面物語つておると思います。例えばコツプの一つにしましても、戰後にできましたものは余りに曇りだらけです。今はとても街で売られませんのです。当時石炭も惡ければ、恐らくソーダも惡かつたと思いますが、そういうときでも資材を與えて物を作らしておる。貿易しなければならんから……。ところが日本の産業は石炭が足らん、電気が足らんと言つているうちに非常な進歩で、最近できるコツプなんかは前日の比ではないのですね、前のものが売れないのは当り前です、こういうことなんです。ですから前にできたというものを公団が買上げて、政府の勘定で買上げてやつておるということは、何もその人のためにやつているのではない、日本の国家貿易の促進のためにメーカーが作つたものである、それが売れなくなる、メーカーだけの責任ではない、いいものが段々できて来る、いいものが段々できて来ると惡いものは売れない。公団では大体通産省の命によつて必ず入札でやるのです。入札を何回やつても売れん場合にはこれを買上げてやる場合が生じて参ります。これは十分検討した上でやるので、一割だろうが、二割だろうが、思い切つてやらんならん場合には通産省へ申上げて、早く御処分なさつては如何ですかということを申上げる。これが初めの売手に帰するやら、誰に帰するやら分らん。その間に敢て不正がないということを断じて申上げます。その点を申上げて置きます。
#95
○結城安次君 只今総裁の言われたように今まで行われておつたとすれば、こういう不正事件は起きなかつたと思う。併しすでに起きてしまつたので、今後又そのような方法で、総裁がこのような方法でやれば不正は起きないのだと言つても、事実起きた場合はこの損害は我々国民が負担しなければならないというならば、ただあなたが大丈夫だという言葉を信用して、そのまま政府にお任せするわけにはいかん。それで政府に向つてこの通りですが、或いは又案を立てたときにお聞かせ願いたいという要求を、我々としてはこういう註文があるということをお願いしたんです。
#96
○島清君 幸い政務次官が見えておられるので、ちよつと私公団当局の責任の所在についてお聞きしたいのですが、岡部振興局長は大変……、渡米される予定だつたのですが、この責任を痛感されて渡米は何か見合されたように聞いておりますが、併し私はこれはこの責任は貿易庁にあたり非常にあるのではないか、而もこの商工省におきましては、貿易庁を作りました当の責任者である白洲君は何か総理大臣の特使として渡米されたようでございますが、そこで宮幡政務次官にお聞きしたいのは、一体この責任の所在を不明確にするといいますか、何といいますか、当然に白洲あたりに責任が来るだろうというので、これをすり替えて或いはアメリカの方にお遣りになつたか、私がお聞きしたときにはそうじやないとお答えになるに違いございますまいが、若しこれがこれから先調査して参りまして、責任の所在が貿易庁の方にあるのだというふうに当然断定されると思いまするが、そういう場合に一体この責任を持つておる諸君に対しまして、明確にこの責任の所在を調査いたしまして、これを国民大衆の前に明白にする決意があるかどうか、それだけの考えを持つておられるかどうか、その点を明確にして貰いたいと思います。
#97
○政府委員(宮幡靖君) 次官としては、島委員のお尋ねを待つまでもなく、皆さんの御質問が終えました後、政府側としての見解を一応申上げまして、御了承を頂きたいと思いまして、委員長まで申出て置いたような次第であります。幸いと申しますか、島委員のお尋ねを頂きましたので、この機会に只今公団の総裁以下との間に質疑応答がございまして、その間に現われましたことで、通産省として責任ある立場におきまして申上げねばならないことを取りまとめて極く簡單に申上げさして頂きます。
 先程進退伺いの件でのお話がありまして、この問題については総裁は辞めないのだということを表明されておりました。これは尤もだと思います。元来進退伺いが出て来たということは、私が口頭で報告を受けましたときに、これは通産省の事務のやり方としてはどういうことをするのか、或いはこれは辞職するのか、休職するのか、どういうことをするのが適当であるか。若しこれによつて辞めることによつて責任が果てるというような考え方の進退伺いであつたら返す方がよかろう。辞めて済むべき問題でない。これは徹底的にこの原因と結果を究明しなけりやならない、かようなものはむしろ世間を衒うような書類としか見えないから、こんなものは公文書として取扱う値打についても疑問がある。かようなものでこういうような問題につきましても最後の最後までこの公団というものの内容を剔抉いたしまして、国民の前に公表して、嚴重なる御批判を頂きたい、かような考え方を持つております。
 又島委員のお尋ねのうちにありましたが、幹事室の活動の問題について総裁の答弁は極めて私不満足に感じております。幹事室の活動は全く休止の状態であつたと見ることが正しいので、この点につきましては先程岡部局長からは口頭で伺つて、その前にいろいろ注意をしてなかつたかというようなお尋ねに対しましても、極めて漠然と答えておりますが、実は公団のかような失態のできる以前におきまして、通産省としましては事務次官を筆頭にいたしまして、我々政務に関連いたします人間までも、あらゆる機会において総裁、副総裁、総務部長に御注意申上げております。ここに総裁もおられますが、かようなことなきを期するためにあらゆる方法によつて、甚しきときに至りましては憎まれ役まで買いまして、事件の現実の問題に踏込んでこれを指摘して徹底的取締を要求し、完全とは申し難いけれども、公団のできまして当時の、片山内閣のときに作りました経理規定があるのであります。この経理規程を遵奉してやること、各部門が十三部門もあるから、うまく行かんだろうという遁辞はいけない。いわゆる内部組織というものによつて、責任さえ怠らなかつたら確実に内部でお互いに牽制を受けることによつて不正を防止せられるのが当然である。これはその経理規程というものを怠つていない、若しそれに欠陷があるならば、総裁としてこれに補足を加えて十分やるべきであるという注意はここで総裁の眼前ではつきり申上げますが、処置を怠つてはおりません。然るに今回のような不祥な事件を起して頂きましたことは、極めて国民の前に対して申訳ないと同時に、個人といたしましては残念に堪えません。かようなことを一を以ちまして十を推理させますことは、我々たとえ短期間でも、通産省の行政の一端に携わる者として誠に遺憾千万であります。従いまして今回四月一日から、御承知の通り実は設置法が遅れましたので、現実は少し遅れて二十三日に発足しておりまするが、四月一日から公団の業務を本省に集中いたしまして、整理事務を発足いたしております。これによりまして、併せて今後の不正事件に備えるために、個々の手段は別といたしまして、監査委員なるものを組織いたしまして、これによつて公団の内部を嚴重に通産省としても監査いたしまして、諸般の原因結果を極めて参りたい、かような方向を取つておりますので、検察庁のお調べはお調べ、又総裁自身が最終的にやるところの後始末も併行的に進んで参ると思います。要約いたしますれば、通産省といたしましては、この内容を十分何らこれをかばつたり、弁疏したりする意味でなく、徹底的に糺明いたしまして、改めて皆さんの御批判に備えたいて思います。責任論に関しましても、法律的には安本長官に最終的責任があるということでなく、大体どこにあるか、法律論的に通産省の局長や、担当の部長が責任がないというような回避論は言わないつもりでおります。どうぞさような意味で、十分この事件は御監視の下に、暫く進行をお見守り商いたいと思うのであります。
 先程お尋ねのありました中に、赤字の場合の補填をどうするのだという御質問は、私は率直に一般会計からの繰入れになるのだ、そう申上げて置きましたが、貿易特別会計には若干特殊の事情がありますので、これも申上げて置きます。今年の予算にもありますように、大体貿易特別会計の全般は六百億程度の黒字が出ることになります。これは前のガリオア、イロアの資金は特別会計を設けずに処置いたしました関係上、もつと本当ならば残るべきでありますが、黒字は見返資金特別会計ができますまでの間にありましたところのもので、これはただで貰いましたものであります。これの残つたのが六百億、うち五百億は為替資金に繰入れたいということが政府全体の考えであります。現在推測して参りますのに、六百億は残りそうもない、五百億強、五百五十億か六十億、さような状況に納まるのではなかろうか、従つて特別会計に赤字ができたときは一般会計から繰入れるのでありますが、終末におきましては、これで直接国民の税負担になるという結果にならんことを御了承頂きたいと思います。併しながらいずれにいたしましても、もつと残るべきところが残らないと赤字処理ということになりますが、言いわけではありませんが、特別会計の最終の見越しといたしましては、現状はさような状況になつておるのであります。
 それから白洲さんの渡米のことでありまするが、これは私からお答えすることは甚だ不適当でありまして、外務省の研修所の顧問であります白洲さんを、外務省の手続において、外務省の費用において出張させておるようでありまして、その任務等においては総理大臣から直接任命されておる。このことについては参議院の外務委員会において御質問が集中いたしておるようであります。内閣官房長官が代つてお答えしておる筈であります。後で速記録や口頭でお聞通りを願いたい、さよう御了承願いたいと思います。
 結論といたしましては、何人に責任があるかは別といたしまして、本件はどこまでも追及いたしまして、皆さんの疑惑、国民の疑惑を拂拭いたしたい、努力いたしたいというのが通産省の考えであります。
#98
○境野清雄君 今日の総裁以下公団の幹部、並びに只今通産政務次官からの答弁を伺いまして、甚だ不満足なのでありますけれども、平岡委員からの動議も出ておりますので、時間も刻々に迫るからこの辺で打切りたい。ただこれが結局只今のお話の法的の責任は云云というようなお話がありましたが、結局安本長官並びに今日お見えにならなかつた公団の経理部長もお呼び願つて次に質疑をやりたい、こういうことをお諮りを願つて質疑を打切りたいと思います。
#99
○委員長(高橋啓君) この程度にいたしまして、この際委員長から政府当局並びに公団当局に御注意申上げて置きたいことは、最近公団等の解散気構えの際、いわゆるどさくさまぎれにいろいろなことが現われて来ておるのでありまして、全く職員その他の規律が弛緩する傾向がありますから、このような事態になつて国民が非常な疑惑を持つておる際でありますから、明瞭な経理をとつて、できるだけ国民に迷惑をかけないような整理をして頂きたい。そしてそれらの経過については、ときどき委員会の方に御報告を願いたい、こういうことにいたしたいと思います。それでは本件については、質疑終了したものとして御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#100
○委員長(高橋啓君) それでは終了いたしたものとして、この問題はこれで終ることにいたします。
  ―――――――――――――
#101
○委員長(高橋啓君) 次には、小型自動車競走法案について御質疑に入ります。本案に対してどなたか御質疑ありませんか。車輛部長、それから提案者代表が出ておりますから……。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#102
○委員長(高橋啓君) 速記を始めて下さい。今日はこの程度にて散会いたします。
   午後四時四十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     高橋  啓君
   理事
           島   清君
           廣瀬與兵衞君
           玉置吉之丞君
   委員
           下條 恭兵君
           平岡 市三君
           境野 清雄君
          深川榮左エ門君
           結城 安次君
           兼岩 傳一君
           駒井 藤平君
  政府委員
   通商産業政務次
   官       宮幡  靖君
   通商産業事務官
   (通商振興局
   長)      岡部 邦生君
  説明員
   鉱工品貿易公団
   総裁      藤澤 次郎君
   鉱工品貿易公団
   総務部長    仙波  健君
ソース: 国立国会図書館
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