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1981/10/30 第95回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第095回国会 法務委員会 第6号
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1981/10/30 第95回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第095回国会 法務委員会 第6号

#1
第095回国会 法務委員会 第6号
昭和五十六年十月三十日(金曜日)
    午前十時十分開議
 出席委員
   委員長 高鳥  修君
   理事 青木 正久君 理事 熊川 次男君
   理事 横山 利秋君 理事 鍛冶  清君
   理事 岡田 正勝君
      井出一太郎君    今枝 敬雄君
      大西 正男君    太田 誠一君
      亀井 静香君    高村 正彦君
      小林  進君    前川  旦君
      沖本 泰幸君    塚本 三郎君
      安藤  巖君    岩佐 恵美君
      田中伊三次君
 出席政府委員
        法務政務次官  佐野 嘉吉君
        法務大臣官房長 筧  榮一君
        法務大臣官房司
        法法制調査部長 千種 秀夫君
        法務省民事局長 中島 一郎君
        法務省刑事局長 前田  宏君
        法務省矯正局長 豊島英次郎君
        法務省人権擁護
        局長      鈴木  弘君
        法務省入国管理
        局長      大鷹  弘君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局捜
        査第二課長   森広 英一君
        警察庁刑事局保
        安部保安課長  内田 文夫君
        防衛庁装備局管
        理課長     村井  仁君
        外務大臣官房領
        事移住部旅券課
        長       池田 拓治君
        外務省北米局安
        全保障課長   加藤 良三君
        通商産業省貿易
        局為替金融課長 広海 正光君
        通商産業省機械
        情報産業局航空
        機武器課長   坂本 吉弘君
        建設省計画局公
        共用地課長   氏家 悦男君
        建設省計画局建
        設業課長    北村広太郎君
        最高裁判所事務
        総局人事局長  大西 勝也君
        最高裁判所事務
        総局民事局長  川嵜 義徳君
        法務委員会調査
        室長      清水 達雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月三十日
 辞任         補欠選任
  林  百郎君     岩佐 恵美君
同日
 辞任         補欠選任
  岩佐 恵美君     林  百郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 裁判所の司法行政、法務行政、検察行政及び人
 権擁護に関する件
     ――――◇―――――
#2
○高鳥委員長 これより会議を開きます。
 お諮りいたします。
 本日、最高裁判所大西人事局長、川嵜民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○高鳥委員長 裁判所の司法行政、法務行政、検察行政及び人権擁護に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。横山利秋君。
#5
○横山委員 さきの通常国会におきまして、いわゆる堀田ハガネ会社が韓国へ大砲の砲身を売却したという問題が非常な課題となりまして、一連の問題から武器輸出三原則のありよう、さらに進んで国会の決議とまで発展をし、武器輸出禁止法の制定については必ずしも各党の意見が一致をしなかったので、そのままになっておるわけであります。しかるところ、神戸地検がこの堀田ハガネを不起訴にした、こういうニュースが各紙に大々的に報道をされました。国会としてあれだけの大問題になったことが不起訴になったということは、かなりの国会の論争なり決議なり、そういうものに対して水をかけるような結果を招来したと思われます。
 この際、神戸地検における不起訴の理由、それに関連する経緯について御説明を求めます。
#6
○前田(宏)政府委員 お尋ねのいわゆる堀田ハガネ事件でございますけれども、ただいまお尋ねございましたように、去る八月二十二日に神戸地検で不起訴処分にいたしておるわけでございます。
 その理由は、本件では、当該物品といいますか貨物といいますか、そのものが輸出貿易管理令の別表第一の一九七に掲げられておりますところの銃砲の部分品に当たるかどうかということが主たる問題であったわけでございまして、神戸地検におきまして慎重に捜査をし、いろいろな証拠を集めたわけでございますけれども、その捜査によって得られました証拠によりましては、やはり刑事裁判というのは御案内のとおり厳格な証明を必要とするものでございますので、本件貨物がいま申しました別表第一の一九七の銃砲の部分品に該当するということで起訴をして有罪判決を得るということが困難ということで、不起訴にしたわけでございます。
#7
○横山委員 堀田ハガネの問題は多くの人が知っており、その問題の砲身が他に転用が不可能であって、実際問題として大砲の一部品であるということはもう自明の理でありますが、現物が大砲の砲身であるということが確認されながらそうでないという論理を、もう少し具体的に聞かせてもらいたい。
#8
○前田(宏)政府委員 いまおっしゃいましたように、そのものがどういうものかということが現実の問題になるわけでございますけれども、先ほど申しましたように、輸出貿易管理令の別表第一の一九七に掲げられております銃砲の部分品というものの解釈でございますけれども、これは銃砲の部分品たる外観を有しておって、材質その他の諸要素から見て銃砲の部分品として使用されることが客観的に明らかであると認められるもの、こういうふうに解せられるわけでございます。そういう解釈による部分品に当たるかどうかということをしさいに検討したわけでございますけれども、確かに御指摘のような、間もなく砲身として使われる可能性がある、こういうことであろうかと思いますけれども、まだその部分品と言うまでには若干至ってないというふうに見ざるを得ない面もあるのじゃないかという、その辺の判断でございまして、やはり刑事裁判でございますから、明確に部品に当たるというだけの認定ができないものは無理であろう、こういうことになったわけでございます。
#9
○横山委員 その砲身が大砲の部品以外に転用ができるという判断をなさったのですか。
#10
○前田(宏)政府委員 転用できるかどうかという問題は現実の問題でございますけれども、さっき来、同じことの繰り返しで恐縮でございますけれども、そのものの現状の状態において、先ほど申しましたような解釈による部分品であるかどうかということでございますから、将来どうなるかというよりも、その時点でそのものをどう見るかということであろうかと思います。
#11
○横山委員 あなたの話はよくわかりません。少なくとも、たとえば鉄の素材であるとか、あるいはまたほかの、銅の素材であるとか、そういうものが将来大砲になる可能性はあるけれども、汎用品であることは言うまでもありません。しかし、少なくとも砲身であることは、だれしも認めたことであります。国会の論争の中でも、それは明らかにそうだと認めた。新聞によりますと、この不起訴の理由が、大砲の砲身の中の旋条ですか、それが刻んでいなかったとか、あるいは材質がやわらかかったとか、そういうことが書いてあったように思うわけでありますが、そういうことが判断の基礎になったのでありましょうか。少なくともこれは、どう見ても、加工していけば砲身になる、それ以外にはあり得ないというのが常識であったわけであります。
 私は、地検が政治的判断をするところだとは思いません。思いませんが、この不起訴というものが、何かの政治的判断をされたような気がしてならないのであります。どう考えても砲身であること、そして将来それが大砲の重要な部品になること、それはもう国会の討議の中では常識ではなかったか。何か小理屈をつけて、法廷でその立証ができないということをおっしゃるけれども、きわめて常識的な問題を、一体なぜ不起訴になさるのか、その点が私どもにはどうにも納得できないのであります。
#12
○前田(宏)政府委員 ただいまの横山委員のお言葉にもありましたように、加工していけば砲身になる、こういう過程の……一横山委員「それ以外にはあり得ない」と呼ぶ一それ以外にはあり得ないといたしましても、その過程にあるわけでございます。ですから、言葉は正確でないので、余り使いたくないのでございますけれども、部分品のいわば半製品の段階であるというふうに見ざるを得ないわけでございます。将来加工していけばそういうふうになり得るであろう、また、恐らくは砲身として使われるであろうということは推定されるにいたしましても、やはりその当該時点でといいますか、そのものの現状の状態において、まだいわば半製品というものであれば、法律解釈上はなかなか部分品に当たると言うわけにはまいらないという問題があろうかと思います。
 そこで、これはむしろ法律問題というよりも、そのものがこれに当たるかどうかという事実認定の問題でございまして、その点をいろいろと慎重に考えました結果、もう一息ということであろうかもしれないけれども、まだ足りないというような感じを持っておる、こういうことでございます。
#13
○横山委員 通産省にお伺いいたしますが、通産省は本件について、これが貿易管理令に違反をするという立場をおとりになったと私どもは推定をしています。通産省としては、なるほど通産省の立場と地検の厳格な立場とに若干の違いがあるだろうということは私は想定いたしておりますが、いまお話のあったような不起訴にした理由と貿管令のこれからの運用について、一体どうお考えになりますか。
#14
○坂本説明員 ただいま先生から御指摘の点につきましては、司法当局における最終的な判断ということに関しましては先ほど来刑事局長から御答弁のあったとおりでございます。私どもといたしましては、いわば行政解釈として、司法上の問題とは別に行政的な法の運用の問題として本件に関しまして経緯を申し上げれば、捜査事項照会を受け、これにつきまして専門家の鑑定を経て解釈をいたしまして、これについて銃砲の部分品に該当するものという解釈をいたして回答したわけでございます。その後は、当然のことながら司法上の御判断にゆだねざるを得ないというふうに考えております。
 今後の貿管令の運用の問題に関しましては、私どもとして同様な立場で、本件のようなものが起こるかどうか、当然のことながら事前にそういったことを防止することについて十分対処していかなければならぬと思いますし、不幸にしてこういったようなケースが発生した場合には、私どもとして従来の立場で本件のようなものを処理してまいりたい、かように考えております。
#15
○横山委員 そう御答弁をいただきますと、法務省としてはきわめて厳格である、通産省としては貿管令運用解釈については誤りなかった、こういう二つの違った立場が生ずるわけであります。こういう点では、これは困る。国会側としては、当然不起訴になるべき理由はない、あの経緯をたどってみますとそういう結論になるわけであります。どういうふうにこれは解釈したらよろしいのでしょうか。もし貿管令の内容を地検的解釈をなさるとすれば、これは通産省としては遺憾なことだということになるでしょう。そうだとすれば、貿管令の解釈について法務省側と通産省側との統一的な見解が必要ではないかと思われるのですが、これはどちらからお答え願ったらよろしいのでしょうか。
#16
○前田(宏)政府委員 先ほども申し上げましたように、輸出貿易管理令の別表第一の一九七には銃砲の部分品というだけの表現であるわけであります。それがどういう意義を持つかということにつきましては、銃砲の部分品たる外観を有し、材質その他の諸要素から銃砲の部分品として使用されることが客観的に明らかであると認められるものをいうのであろうという解釈をとっているわけでありますが、この点は、私どもと通産省とは全く一致しておるわけでございます。ですから、法律解釈に食い違いがあるというわけではなくて、そういう解釈を前提としてその当該物品がこれに当たるかどうかという事実の当てはめといいますか、事実認定の問題として見方が違った、こういうことでございます。
#17
○横山委員 結論は同じことではありませんか。事実認定について、通産省は明らかに違反だという立場で国会で対処される、地検はそうでないという立場で対処される。それはもう仕方がないということでは済まされない。これから通産省が行政運営をする。まず、こういうものはいかがでございましょうかといってあの武器輸出各党担当者会議で各省に実効ある行政措置を迫ったところ、文書で回答され、それによっていろいろと事前審査的なものも行われる。そういう事前審査的なもので通産省がこれはいけませんぞと言う。そういう解釈と法務省の解釈の違いというものは歴然たるものが堀田ハガネの問題で露呈したと私は思われてならないのであります。
 これは双方言い合っておってもなにでございますが、委員長、お聞きのとおりでございます。堀田ハガネ事件は国会のわれわれが、通産省を含めて、まずまずあれは貿易管理令違反として考えた、しかし、地検は現物を見て解釈が違うということなんであります。いま短い時間でこの結論をつけることはできませんが、両省のこの食い違いについて、ひとつしかるべき機会に委員長のおとりなしを願いたい。
#18
○高鳥委員長 承知いたしました。
#19
○横山委員 最近、堀田ハガネの問題の後で、対米武器輸出、技術協力、それらが出てまいりまして、行革委員会におきましても各種の委員会でも論争の焦点となりました。
 そこで、各省にお伺いをいたします。
 まず、外務省にお伺いをいたしますが、九月二十七日読売の外務省見解として伝えられるところによりますと、「軍事目的が明白な技術提供でも、原則として武器輸出三原則の制約は受けない」、これは武器輸出三原則と日米相互防衛援助協定に関連しての見解が報道をされました。「その根拠として、1日米安保条約に基づく「日米相互防衛援助協定」によって、米側から要求があれば、条約上、原則として拒否できない2政府の武器輸出三原則という政策は、通産省の政令である輸出貿易管理令に基づいて適用されるが、当然、政令より条約が優先する」、こういう報道がされました。これは事実外務省の見解でございますか。
#20
○加藤説明員 お答え申し上げます。ちょっとかぜで声が出にくくなっておりまして、お聞き苦しいところがあろうと存じますが、御容赦願います。
 日米間の防衛技術の交流問題につきましては、かねて米側より、従来の米側からわが国への一方的な技術の流れを相互的な流れに変えていくべきである、こういう形で一般的な期待の表明は行われておりますが、実は米側から特定の技術についての具体的な希望が表明されたということはないわけでございます。政府といたしましては、基本的には、米国につきましても武器輸出三原則及び政府統一方針に基づいて対処する考えであるということについては変わりございません。ただし、対米関係につきましては日米安保条約等との関連もございますので、目下この点について関係省庁において検討を行っている段階でございます。先ほども申し上げましたように、米側から具体的希望が出されているわけではございませんし、この問題について何らかの結論を出した、外務省の見解をまとめたというようなことはございません。
#21
○横山委員 そうすると、新聞にございます「当然、政令より条約が優先する」というこの文字はどうなんですか。もちろん貿易管理令は政令であるが、同時に、国会の決議というものもある。その国会の決議、政令、条約との関係をどうお考えになります。
#22
○加藤説明員 ただいまの政令と条約との関係でございますが、対米武器技術提供という問題との関連で御質問が出たものと存ぜられますので、この点につきまして一般的、抽象的な回答を差し上げることは必ずしも適当でないと考えております。いずれにいたしましても、政府として国会の決議といったようなものを尊重することは当然でございます。しかし、いずれにいたしましても、本件については、先ほども申し上げましたとおり、米側から具体的な要求があったわけでもなく、政府の関係省庁において一般的な考えを検討しているという段階でございます。これを改めて申し上げたいと思います。
#23
○横山委員 具体的な問題があったときに考えるとおっしゃるのですが、すでに宮澤官房長官は、統一解釈は出ていないけれども、しかしながら、これは各省で相談をしておると、具体的な問題がなくても相談をしておると言われておるわけであります。九月二十六日の記者会見によりますと、「軍事技術協力についての政府の統一解釈は、まだない。外務省で検討中だ」、そして、汎用軍事技術は武器輸出三原則の制約なしに対米提供できるという防衛庁の見解を事実上修正をしたとあります。さらに、「「汎用物資なら武器輸出三原則に触れないという点は問題ない」としながらも、「対米技術協力が条約上の義務なのか、そうでないのか、外務省で解釈を調整中であり、政府としての統一解釈はまだない」」、こう宮澤さんか述べておられるのであります。
 結局、これは条約上の重要な解釈でございますが、この日米相互防衛援助協定その他、これに基づく役務だとか装備だとかいろいろなものを提供するということは、これは日本政府にとってもアメリカ政府にとっても、一体義務なのか、それとも相手が要求する権利なのか。受ける方は義務であり、相手は権利と解釈をするのか、その点はいかがですか。
#24
○加藤説明員 繰り返しになって恐縮でございますが、まさに武器輸出三原則の存在とそれから日本とアメリカとの間にある安全保障条約等との関連ということを踏まえまして、現在各省庁において検討が行われている段階でございまして、結論が出たということは一切ございません。
#25
○横山委員 結論が出ていないと言ってお逃げになるわけでありますが、これは具体的な問題が提起をされない限りは各省の統一見解はしない、こういうことなんですか。それ以前に条約、協定上の当然の解釈がはっきりしないということは、ゆゆしいことだと私は思うのであります。具体的な問題が出なければ意思統一はしないというばかな説明は、国会には通用しない。現に動いておる条約であり協定の解釈を迫っておるのに、それはわかりません、お答えできません、各省ばらばらです、そんなばかな答弁はだめですよ。
#26
○加藤説明員 まだ米側より本件につきまして具体的な個別の要請というものが出されたわけではございませんので、関係各省庁において一般的な考え方の枠組みというものを鋭意検討しているところでございます。その検討を踏まえた上で政府としての考え方というものを検討するという段取りになろうと存じます。
#27
○横山委員 通産省としてはどういうことになりましょうか。これがもし義務である、日本政府としては装備その他条約、協定に基づいてアメリカ政府に出さなければならぬという解釈が成り立ったとするならば、通産省は、三原則並びに国会の決議があっても、これは提出すべきものだという解釈に立っているのですか。
#28
○広海説明員 米国に対しましても、三原則、政府統一見解並びに先般の国会決議に準拠いたしまして対処するというのが、通産省としての基本的な立場でございます。ただ、アメリカに関連しましては、安保条約その他の条約との関連がございますので、その点につきまして外務省においていま検討中と承知しておりますが、まだその結論が出ていないというふうに聞いております。その結論が出た段階で政府全体としての方針が検討されるものだというふうに考えております。
#29
○横山委員 ところが、九月二十五日の報道によりますと、和田装備局長がアメリカへ行って二十三日に帰国して、防衛庁で記者会見して、デラウアー国防次官ら米側担当者との会談内容について明らかにしたところによりますと、「民間技術で軍事にも利用できる“汎(はん)用品”は米国に輸出が可能である」第二に「その他の軍事技術の対米供与については、武器輸出三原則のほか日米安保条約、地位協定などを踏まえたうえで、できる限りの努力をする――むね説明して米側も了解、さらに「軍事技術の共同研究・開発で協力する」ことで双方が一致した」と述べておるわけであります。解釈をどうやらこうやらと言っている間にどんどん進んでいるではありませんか。その点は防衛庁はどうなんですか。
#30
○村井説明員 お答え申し上げます。
 和田装備局長が先般訪米いたしましたときに、米側から、とりわけて防衛技術の相互交流と申しますか、こういうことにつきまして一般的な強い要請がございましたことは事実でございます。それからさらに、防衛技術の共同開発の方途の探求でございますとか研究開発分野の拡充を今後一層推進していきたいというアメリカ側の希望が表明されましたことは事実でございます。これに対しまして和田局長の方からは、そういうことが可能かどうか、共同開発が可能か否か、可能とすればどのように進めるべきか双方で検討してみよう、こういうことは答えましたが、あわせまして、この関連で、武器輸出に関する国会決議の存在、それから政府統一見解あるいはそのもとになりました輸出三原則、こういったようなことの存在を指摘いたしました。今後の協力拡充に当たりまして考慮に入れるべきこういう事項があるということを指摘しておるわけでございまして、御指摘のような軍事技術の共同開発について米側と基本的に合意した、さような事実は全くございません。
#31
○横山委員 この相互防衛援助協定に基づく防衛目的のための技術的資料及び情報の交換に関する書簡の交換を拝見しておるのでありますが、協定といい、この交換といい、「装備、資材、役務その他の援助を」という文句になっておるわけであります。この辺では武器という言葉を、協定及びこの書簡でも一切使っておりません。一体装備と武器とはどう違うわけでありますか。この協定及び書簡の中における装備と、貿管令、自衛隊法等における武器とどこが違うのでありますか。
#32
○加藤説明員 お答え申し上げます。
 相互防衛援助協定の第一条に申しますところの「装備」という言葉については、具体的な定義というものが存在しているわけではございません。同協定におきますところの装備というのは、資材とともに援助の対象となる防衛関係の物資、これを総称しているものでございまして、先生が御指摘になられました自衛隊法等に言う武器よりはより広く解すべきものであるというふうに考えます。したがって、ここに言う装備の中にいわゆる武器が当然含まれているということについては、日米間においても見解の相違はないわけでございます。これに基づきまして、現にわが国政府が従来から米国から相互防衛援助協定の第一条に基づいての武器の供与を受けてきていることは、御承知のとおりでございます。
#33
○横山委員 装備というのは武器を含んだ広範なものだ、こういう解釈については私は納得しない立場であります。しかしながら、あなたのおっしゃるように、武器を含んだ広範なものだ、それについてアメリカにこの協定あるいは書簡その他に基づいて提供ができる、そういう解釈ですね。いいですね、あなたのはそういう解釈ですね、間違いありませんね。
 つまり私の質問は、三原則があっても国会決議があっても、防衛庁としては協定及び書簡等によって、装備という言葉は武器を含む広範な解釈であるから、これはアメリカに求められれば提供する義務がある、こういう解釈でございますか。
#34
○加藤説明員 お答え申し上げます。
 ただいまの点につきましては、まさにそのような武器輸出三原則といったものの存在、それから片や日米安全保障条約等が存在しているということとの関連、これらを踏まえまして、どのような一般的な考えをなすべきかということについて各省庁において検討中であること、これは先ほど申し上げたところでございます。
#35
○横山委員 どうも納得できないですね。和田装備局長が協力すると一致をしたということはない、しかしながら、先ほどのあなたの答弁によりますと、装備というものは武器を含む広範な解釈である、それは協定及び書簡によってアメリカに提供することになっておるということを言いながら、さて三原則や国会決議との調整をしておるということは、自分自身で言っておって矛盾を感じませんか。
#36
○加藤説明員 お答え申し上げます。
 私の先ほど申し上げました装備というのは、武器、装備の定義ということの関連で申し上げただけのことでございます。
#37
○横山委員 九月八日に外務大臣は、武器の共同開発については問題があるという答弁を国会でされておるわけであります。このことについては御存じでございましょうね。外務大臣が国会で答弁されたこととあなたの言っていることとの間に矛盾はないでしょうね。武器とは装備という意味を含んでいるのですよ。
#38
○加藤説明員 この点につきましては先ほど来申し上げておりまして、繰り返しになって恐縮でございますが、まだ外務省としての見解というものをまとめた段階に至っておりません。やはり武器輸出三原則の存在、統一方針の存在というものと日米安全保障条約等との関連というものを踏まえまして、綿密な検討を行っている段階であると御承知願いたいと存じます。
#39
○横山委員 余りやりとりしてもなんでございますが、そういうことであれば、各省の意見が、要するに三原則、国会決議、それから協定、書簡等の問題については、統一見解を求めるべく調整中であるということに結論を置かざるを得ないと思うのであります。
 ただ、私どもが申し上げたいのは、現に生きておる法律なりあるいは条約なり協定の解釈について、たとえば問題提起いたしました、これは提供義務なのか、日本政府の義務なのか、あるいはアメリカ政府の要求する権利にとどまるものかという点についてもお答えが十分でないわけであります。そんな、具体的な問題がなければお答えできないということではなかろうと思うのですよ。もうこれらが発効いたしましてから数年たつのに、私どもが一体その関連は解釈はどうするべきであるかという点について、いつまでもいつまでも放置することは許されないことだと思います。一体いつごろこの統一見解はまとまるのでありますか。責任ある答弁をどなたかからいただきたいと思う。
#40
○加藤説明員 先ほど来申し上げましたとおり、ただいま鋭意検討中でございます。ただ、検討を進めたいということで作業をしておるわけでございますが、いついつまでにこの作業がまとまるというような日付、日時、時期といったものは定まっておりません。
#41
○横山委員 私は二つの問題を提起いたしました。一つは、堀田ハガネについて不起訴になったことと通産省の見解が異なる、このままでは放置ができないという問題提起をいたしました。もう一つは、その統一見解ができないままに事態が動いておるということを指摘をいたしまして、一刻も早く各省の統一見解について報告を求めたい、そういうことを強く指摘をしておきます。
 次に、統一協会の問題について質問を続けたいと思います。
 私が入手したところによりますと、世界基督教統一協会は、昨年末か本年初め、米国におきまして八百四十三組の婚約式を行いました。本年に入りまして五月七日、韓国で五百十二組の婚約式を行いました。その中では日本人が二十五名入っておりまして、男が六名、女が十九名。本年の六月十四日にドイツで三百二組の婚約式が行われまして、その中には日本人六十三名、男十八名、女四十五名が婚約式に参加したと言われております。そして、伝え聞くところによりますと、本年の暮れ、日本におきましてこの集団結婚が行われるといううわさがあるわけであります。先般来、これを憂えましたこの青年男女の父母の諸君が全国から集まりまして、数寄屋橋で座り込みをいたしました。
 この心配というのは、結局、かつて韓国において日本人が主力となりまして集団結婚をいたしました際に、各位想起してもらいたいのでありますが、それに基づいてどんなことが起こったかといいますと、まず第一に、韓国へ参りますときに渡航費や費用を含めまして一人当たり大体五十万円、それぞれの該当者が必要とされたのであります。その五十万円を調達いたしますために、朝鮮つぼを親戚縁者、その他知り合いに非常に高く売りつける、あるいは朝鮮ニンジンを売る、戸別訪問をする、訪問販売法に違反をする、そういう問題が一つ。
 それから、名も知らぬ、見たこともない人と結婚をすることになったものでありますから、父母が大騒ぎをいたしました。中には、外国人と結婚するということにもなりましたので大変な騒ぎがありまして、統一協会へ父母が押しかける、外務省へ押しかける、法務省へ押しかけるという問題が惹起をいたしました。もちろんこの家庭は完全な破壊、そして該当の青年男女は父親を母親をサタンと呼び、そして家を出、音信不明という事態になりました。
 私は、国際結婚を否定するものではない。また、本人同士が好きならこれもいたし方がないという日本の状況からいって、ある程度甘受すべきことと思いますけれども、この集団結婚が、日本における常識、習慣、それから祝福さるべき結婚、そういうものから全く外れておる、大変な騒ぎを起こすということについて、常に本委員会で警鐘を乱打してきたわけであります。
 まず、最初に警察庁にお伺いをいたしますが、この最近の伝えられる集団結婚あるいは婚約式について、警察庁はどんな情報を把握しておられるでしょうか。
#42
○内田説明員 お答えいたします。
 いま先生の御指摘になったことにつきましては、うわさあるいは情報といいますか、そういうことで聞いてはおりますけれども、具体的なことについては十分な承知をいたしておりません。
#43
○横山委員 ここに世界基督教統一神霊協会の機関誌の抜粋がございます。これによりますと、「統一協会での結婚は、自分だけの幸福のみならず神と後孫のためにおこなわれる。相対者選択の第一義は、神のみ心にかなうものであるか、生まれてくる子女が幸福になり繁栄するか、である。そのために、まず神の意向をたずね、次に父母、兄弟、親族の意向を考え、最終的には自分の意志で相対者を決定する。」こういうふうに書かれています。「まず神の意向をたずね、」ということはどういうことであるかといいますと、御存じのように、この神霊協会の国際的な会長は韓国人の文鮮明師であります。要するに、文鮮明が神であるという立場なんであります。文鮮明が、おまえはあれと結婚しろ、おまえはあの娘と結婚しろと言えば、神の意向なんであります。これが見も知らぬ、全くある日忽然としておまえの相手はこれだ、それが外国人である、白人である、黒人であるということが今日までも例示されておるわけであります。こういうことでありますから、父母が大変な心配をすることは当然であります。
 私はきわめて常識的に物を考えておるわけでありますが、政務次官はどうお考えでしょうか。この「まず神の意向をたずね、」結局それは文鮮明が自分で全部数百組の組み合わせをするわけじゃありますまい。側近なりしかるべき人があれとこれ、これとあれというふうに振り分け荷物にして、それを文鮮明の名によっておまえはあの娘、おまえはあの男というふうにやらせるということについては、私は全く日本の習慣なり婚姻なり家庭の破壊に通ずると思いますが、どうお考えでありますか。
#44
○佐野(嘉)政府委員 おっしゃられた事実をよく承知いたしておりませんし、だからいまどういうふうに申し上げていいか、自分でもまだ的確にわかりません。
#45
○横山委員 これは、あなたが統一協会のことをよく御存じないだろうから、わざと常識的に聞いておるわけであります。
 たとえばあなたの娘が、ある日突然、文鮮明の指示によって外国人と結婚をする、それはどういう男だ、知りません、神様のお告げによって私は結婚します、そういうことをまともに信じているのですよ。それじゃ会わせろ、私も会ったことがない、どこでやるんだ、それは今度韓国へ行くんだとかドイツでやるんだ、アメリカでやるんだ、そう言われたとき、あなたは親としてどうお考えになるでしょうか。
#46
○佐野(嘉)政府委員 自分の娘が十分に考えてそういうことであるというなら、娘の意思を尊重するということもなくはないかと思いますけれども、親としては余り望ましいことだというふうには考えないと思います。
#47
○横山委員 まさに私はそれが常識だと思うのであります。しかも、これがすべてと言っていいほど親が反対をしておるやけであります。まず会わせろ、まずどんな人間か親、親族としても会いたい、見たいということですけれども、これがとんとわからぬ。某月某日来て、そして並んで、おまえはあれだ、ああそうですか、ということなんであります。一時はちょっと下火になったわけであります。最近また父母の会から法務省にも私の方にも、子供と会わしてくれ、行方不明だ、どうなっているか安否を知りたい、そういうことが続出してまいりました。明らかに集団婚約式かあるいは結婚式が間近に迫っておる証左だと私は思うのであります。
 法務省の人権擁護局としては、最近のこの統一協会に関する父母の訴えにどういうふうに対処していますか。あるいはまた、その訴えの中から集団結婚についてどういうふうな情報に接していますか。
#48
○鈴木(弘)政府委員 お答えいたします。
 私ども、統一協会のことがしばしば国会でも取り上げられておる、あるいは新聞等で報道されているということから、いろいろ調査もいたしたわけでございます。一口に申しますと、現段階で直ちに人権侵犯というようなことで調査に入るのは問題だと思っておるわけでございます。
 しかしながら、先ほどから先生御指摘のように、統一協会の布教活動や入信した人たちの信教活動が、一方において親子の間を断絶する、あるいは家庭の団らんが破壊されるというようなことを招来している面があることも否定できないところでありますので、われわれ人権擁護機関といたしましても、この問題を広い意味での人権に関する問題としてとらえて、何とかこのようなことを防止し、あるいはその影響が最小限に食いとめられるように努めなければならないと考えておる次第でございます。
 こういう観点から、去る昭和五十二年に統一協会と話し合いいたしまして、入信者の親たちが入信者の所在を捜したり面会を求めたりする場合には、東京法務局に申し出れば東京法務局が統一協会との仲介をしてその実現を図るという制度をつくりまして、その後現在に至るまで多数の親たちから依頼を受けて、入信者の所在の確認や親子の面接等を実現してまいったところでございます。
 そういうことを人権相談というような形でもやっておるわけでございますが、昭和五十二年ごろは相当件数は多うございましたが、ここ二、三年は年数件というところでございます。今年に入りましてから六件ございますが、そのうち三件は所在を確かめ、そして面会にまでこぎつけております。あとの件も所在を確かめて、なお手続をやっておる、こういうことでございます。今後ともこの活動を続けますとともに、全国各地の法務局におきましても、人権相談等の形で両親たちの相談に乗るなどして問題の解決に協力してまいりたい、かように思っておるわけでございます。
#49
○横山委員 十月十六日の報道によりますと、ニューヨーク発でこういう記事が載っております。
  米ニューヨーク州を本拠地として“布教活動”の名の下に事業を行い、不動産などを手広く買っていた統一協会の文鮮明師と、最高幹部である日本人、神山威氏の二人が、脱税や偽証、司法妨害などの容疑で十五日、米国税庁の摘発を受け、連邦大陪審から起訴された。
  起訴状によると、文鮮明師は韓国から渡米後、一九七三、七四、七五年の三年間に、個人所得税の虚偽の申告をしたほか、同じ期間に、銀行に預金した百六十万ドルに対する利子十一万二千ドルを個人所得として申告していなかった。
  また、同協会は、人参茶などの韓国製品を輸入、米国で販売する「トンギル(統一)エンタプライズ社」という会社を設立、文鮮明師が会長、神山氏が副会長におさまったが、七三年に文師が同社の株五万ドル相当、夫人が二万ドル相当を取得したのに申告漏れだったという。
とあって、一方では、文鮮明師かこの前後韓国へ帰ったという報道がされています。
 他方では、イギリスのデーリー・メールの新聞を少し抜粋いたしますと、
  英国の多数の著名な大学教授たちは、韓国の実業家であり説教師であるというサン・ミヨン・ムーン師
これは文鮮明のことでありますが、
  を教祖とする世界キリスト教統一神霊教会主催の年一度の「世界科学者会議」に関与することに反対してこれまで意見を表明してきました。
  このたびの学者たちの声明は、「名誉棄損」として告訴していた統一教の敗訴によって、回教に対する警告としてなされたものである。すなわちデーリー・メール紙が「統一教会」を家庭破壊と洗脳によって世界制覇を企図する陰謀団体であると報道した事に対して、統一教会はこれを取り上げ、デーリー・メール紙を「名誉棄損」で告訴していたものだが、最近の陪審院の判決により、デーリー・メール紙が勝訴しているが、それを契機に出されたものである。
そのほかイギリスのこのデーリー・メールのいろいろな記事がございますけれども、これは省略をいたしますが、少なくともイギリスにおける統一協会の巨大な営利企業、陰険な政治活動を陰謀団体としてデーリー・メール紙が指摘をしておることを承知をしておいていただきたいと思います。
 さて、この問題につきまして、私は委員長にお願いをしたいと思います。
 それは、私は宗教の教義その他についてとやかく申すわけではございません。統一神霊協会がどんな教義をお持ちであろうとも、そのことについて必ずしもとやかく言うものではありません。しかし、次の疑問がございますから、この疑問に答えるために、ひとつ統一協会の代表者を参考人としてしかるべき機会に呼んでいただきたいと思います。
 その第一は、集団結婚は日本の家庭の慣習を破壊するというふうに思われる。たとえば先ほど指摘いたしましたように、神の意向を尋ねる、それが集団結婚なり婚約の基本になる、その神とは一体何か。どういう方法で神の意向を尋ねるのであるか。それから神の意思に家庭が反しておる、反対しておる、したがって家庭破壊に通じておる。そして結婚ないしは婚約した後、数年間は無料奉仕だと言われる。あるいはまた、数年間は夫婦ないしは婚約した者が別居しなければならぬと言われておる。これが事実であるかどうか。事実であるならば、それはいかなるお考えでそうなるのか、これが第一であります。
 それから、統一協会を母体に国際勝共連合が一九六八年に設立されています。この日本における代表者は久保木修巳という人でありますが、両方の会長をなさっておられるのであります。ここに宗教と政治との一体化が行われています。こういうことが国際勝共連合の最近の活躍状況からいって、資金が宗教団体である統一協会から流れておる節がきわめて強い。したがって、名前は違うけれども一体ではないか、そのことについて私どもとしては疑問がある。
 第三番目に、統一協会の原理講論と言われる文書がございます。この原理講論は、日本におきます統一協会の教義の根本をなすものだと私どもは理解しておりますが、この根本は韓国でできたものでありまして、それを日本語に翻訳をして国内に流しておるわけであります。ところが、この韓国語における原理講論と日本語版とは重要な点で幾つかの違いがあるわけであります。韓国語におきます原理講論の中には、日本と中国はサタンの国家である、イエスが再臨される東方の国とは韓国である、世界は韓国に吸収される、韓国語はすべての民族の祖国語になる、日本帝国主義による朝鮮の侵略がある、こういうことが韓国語の原理講論にあると伝えられているわけであります。それがいろんなところで信じられておるのであります。それが事実であるかどうか、もし事実であるとするならば、この種の政治的判断といいますか、この種の物の考え方についてぜひとも伺いたい。
 それらの問題を含めまして、統一協会の代表者を参考人としてぜひ本委員会に出席を求めたいと思いますが、委員長の配慮を願いたいと思います。
#50
○高鳥委員長 理事会で御相談いたします。
#51
○横山委員 この統一協会につきまして、質問の最後に、各政府機関にお願いをいたしたいことがございます。これは伝えられるように、本年末に東京において集団婚約式あるいは集団結婚式等がいきなり唐突に始まるおそれがあるわけです。そうだといたしますと、これは先ほど冒頭挙げましたように、韓国、ドイツ等の例からいきますと、外国人との結婚が相当中に入ると思うのであります。文鮮明師はかつて日本に来たことがあるわけでありますが、この文鮮明師が集団結婚のために入国してくるということも考えられるわけであります。
 外務省にお願いをいたしたいことは、この種の問題について、お役所としては、正当な理由があれば入国、出国を認めざるを得ない、合法的なものであるならば認めざるを得ないということは、それはわかるわけでありますが、先般韓国でやりましたときにも、単におれは知らぬことだ、そんなことは知らぬと言うて、親が外務省に尋ねても、それは私ども事務的にやるだけだと言わないで、その機会に十分親子の対話ができるように、家庭の納得づくで旅券事務にあずかってもらいたいということをお願いをしたのでありますけれども、それらのあうんの呼吸について外務省としては配慮してもらいたい。
 それから、警察庁にお願いをしたいのは、集団結婚が東京、いまは東京と言われておるわけでありますが、外国で行われる場合等を含めて全国的に家庭に大騒動が起こり、全国の家庭の父母がすべて東京へ集まってきて、統一協会へ押しかけたり、あるいは政府、政党に要望したりということの中で、やはり問題が生ずることは必然だと思います。かつて私は、本委員会で最初取り上げたときに、渋谷警察署が統一神霊協会の本部に近いものですから、一体どちらへあなたはついているのと言うたことがございます。そのころには、脱税容疑、人権じゅうりん容疑、あるいは自殺、他殺容疑、あるいはその他法令に反することが山ほどございました。今日それは少しなくなっておるとは思いますけれども、トラブルには警察庁として十分配慮、注意をして、遺憾のないようにしてもらいたい。
 それから、法務省につきましては、一番窓口になっておるのが法務省でございますから、家庭破壊のないように、今日までの努力を、全国的に発生するおそれがあるわけでありますから、全国にも十分注意を払ってこの問題について対処をしていただきたい、そういうふうに思います。
 御同意を願えるならばお答えは結構でございますが、何か特に御意見がございましたらいただきますが、よろしゅうございますか。――それじゃ代表して法務省からでもお答え願いましょうか。
#52
○鈴木(弘)政府委員 先生の御趣旨を踏まえ、かつ、先ほど来申し上げましたように努力を続けたい、かように思っております。
#53
○横山委員 きょうは大臣お見えになりませんけれども、政務次官、お聞きのとおりでございます。これは、もしそれが実現をされるということになりますと、大問題が発生をするわけでありますから、またその節にはいろいろと問題提起をいたしますから、お願いをいたしたいと思います。
 さて次に、建設省からお見えになっておりますが、最近、静岡県の建設業協会の談合事件、それから神奈川県の小学校校舎建築に絡む汚職事件の談合、それから東京都におきます都畜産試験場庁舎の建設工事における談合、これらが続出をして、今後さらに波及をする傾向がございます。先般来の行革委員会で談合の問題が議論されました際に、建設省としては一切あずかり知らぬことではあるが言語道断である、徹底的に調査したいと言っておられたのでありますが、その調査の結果はどうでありましたか。
#54
○北村説明員 お答え申し上げます。
 静岡の事案につきましては、新聞報道等によって存じ上げておるほか、公正取引委員会から立入検査をした事実を伺っております。そのほか、静岡県の建設業協会からただいま事情聴取をしております。ただいま公正取引委員会で立入調査中の事案でございますので、その経緯を見まして、建設業法違反の事実が明らかになれば厳正に処断したいと存じております。
 それから、神奈川県の事案でございます。
 神奈川県の事案につきましては、捜査当局の逮捕等の事案が行われまして、直ちに関係業者の意見聴取を行い、なおその後の起訴、裁判等の事案を注目しておりましたが、先ごろ関係の多田建設につきまして第一審の判決がおりまして、その控訴がなくて判決が確定しております。直ちに建設業法の規定によりまして聴聞、処分という手続に移りたいと思っております。
 それから、東京都の事案でございます。
 東京都の事案につきましては、これは関係する業者の半ば以上が東京都知事の許可業者でございますし、また東京都の発注工事でございます。現在、東京都におきまして関係業者の事情聴取等を発注部門と建設業担当部門の双方で行っておりますので、その報告を受けた上で、大臣許可業者等につきましての処分を検討したいと存じております。
#55
○横山委員 これは、いやしくも建設業界を知る庶民の常識でありますが、随所で談合が行われておる。知らぬと言うのがおかしい、建設省、よくもまあ白々しく言えたものだというのが実は偽らぬ常識なのであります。
 で、どうしたら談合ということが削除できるのかという点について、建設委員会でも議論になっておるのですが、あなた方はなかなかそれに対して私どもを納得させるお答えをしておりません。一体今後どうしたら談合をやめさせることができるか、具体的な提案があったら聞かしてもらいたい。
#56
○北村説明員 私ども、かねて関係法令の遵守につきましては、業界に強く指導しているところでございますけれども、今後とも、いろいろな手段を通じまして、建設業者の関係法令――公正取引委員会関係の独占禁止法、それから安全衛生法、もちろん刑法等もございます。関係法令の遵守につきましては強く指導してまいりたいと思いますが、一方、発注側の現在の会計制度等の問題もございます。よく発注サイドの方と打ち合わせまして、今後再発の防止に努めてまいりたいと存じます。
#57
○横山委員 本件談合問題について、警察の報告を求めます。
#58
○森広説明員 御指示のございました三つの事案のうち、神奈川県の事案につきましては、贈収賄罪等で事件を検挙し、送致をしております。
 他の東京都及び静岡県の事案につきましては、当該都道府県警察が捜査を開始したという報告は受けておりません。
#59
○横山委員 報告は受けておらぬとおっしゃるのですが、これほどの問題についてなぜやっていないのでしょうか。
#60
○森広説明員 伝えられる事案の内容につきまして、県警としては関心を持ってはおろうかと思いますが、犯罪の具体的容疑をもって捜査を開始したという報告は受けておりません。
#61
○横山委員 とにかくこの談合問題は、ここで一回、建設省なり――建設省ばかりてもございますまいが、各省、各地方自治体、それから法務省、検察庁、呼吸を合わして、この際とことんまで追及をし、改善策を講じさせなければとても解決ができない。一罰百戒ということを私は必ずしも言うわけではありませんけれども、この際、談合問題に重大な決意をもって臨まなければ、私は百年河清を待つようなものだと思います。通達さえ出せばよい、あるいは地方の警察に任せればいいということでなくして、関係各省が談合をやめさせるための共通的な意思をもってがんばらなければいかぬと思いますよ。この際、特に注意を喚起をしておきたいと思います。
 次に、法務省に伺いますが、刑事局長は、この間、私の行革における質問に対しまして、建設省関係の都道府県の三月末未竣工工事を竣工したとして処理をし補助金をもらった会計検査院の報告について、あれは公文書為造だと断言をされました。事実また、そのとおりであります。
 ところが、自治大臣は、その処分をどうするのかと言ったら、それは地方に任せるという趣旨を言われました。私は、自治大臣、わかって物を言っているのか、わからずに物を言っているのかと言ってひやかしたわけでありますが、公文書為造をしたのは県知事であり、市長であり、市町村長ですね。それに、おまえ、処分をしろと言うことはおかしなことだと思います。
 会計検査院の院長は何と言ったかといいますと、地方公務員について検察庁に通告をしなければならぬ義務は私どもはない、こう言ったわけであります。
 そして、行管に最後に、社会党に政府から統一して「未竣功工事の防止について」という最終回答をもらったわけでありますが、この問題について注意はした、何かかんかこれから指導をすると言っておるわけでありますが、いやしくも法務省刑事局長が、あれは公文書偽造だと言ったことの事案の解決については何らも触れていないわけであります。
 会計検査院にはあなたに通告する義務はないと言う。自治大臣はそらっとぼけておる。あなたは、会計検査院の報告というのは公文書ですね、公文書で公文書偽造が行われたということは明記されておる。そういう言葉は使っていないけれども、明らかに公文書。あなたは国会で公文書偽造だと断言をした。そうだとすれば、堂々と二万件の公文書偽造が行われていることについて、あれは偽造ですと言って知らぬ顔しておっていいのでしょうかね。一体どういうふうにこれは最終措置をすべきものですか。
#62
○前田(宏)政府委員 この前の行革特別委員会におきまして、横山委員から、公務員が作成すべき文書に虚偽の事実を記載したものをつくれば刑法の虚偽公文書作成罪になるのではないかということでございましたので、それはそのとおりであるというお答えをしたところでございます。
 ただその実態につきましては、いろいろとまだ十分把握していない点もございますけれども、当時御議論がございましたように、工事は工事としてりっぱに完成をしておる、ただその竣工がおくれた場合に、若干その日付をさかのぼった経理処理といいますか、書類上の、手続上の処理をしている、こういう実態であるように思われるわけであります。それが決していいとは申しませんけれども、それにつきましては、検査院の方の指摘もあり、また監督官庁におきましてそれぞれの是正措置が講じられておるということでございますので、私どもの立場といたしましては、これが刑法上違反になるということは明らかでございますけれども、直ちにそれを全部犯罪として処理をするということについては、なお検討を要する点があろうと思います。
#63
○横山委員 これが何か別な角度で公文書偽造が明らかである、刑法に反することも明らかであるということだったら、あなたの方はほかしておきはしないでしょう。しかしながら、会計検査院の綿密な報告に基づいて地方自治体が公文書偽造した。あなたもここでお認めになるように、明らかに刑法の公文書偽造に該当すると断言をされておる。そのことについて、いままで法務省刑事局あるいは検察庁としても何ら考慮を払わなかったんじゃないんですか。何の考慮も払わなかった。何の手当てもしなかったのじゃないんですか。
 私の追及にいまあなたは腹の中では、まあまあ犯意もないんだから、その人のポケットに入れたんじゃないんだからというお気持ちがあるかもしれません。けれども、三月末に工事が未竣工なのを竣工と称して国家の金を支出をして、出納官吏が持っておって――出納官吏が持っているのですよ、個人として別の預金通帳で。持っておって、それが半年先、一年先、四国のやつは一年半先に竣工した。その竣工の度合いに応じて払っていくわけですよ。そうすると、その工事が予定の自分が預っている金よりも安く済んだらどうなるのか、高くついたらどうなるのか。そうすると、出納官吏の思うままになる。全く自由裁量にゆだねられる。それはもちろん、それぞれの地方自治体の建設部長ですか、土木部長ですか、そういう者が意見があるだろうと思うけれども、全く役所から離れた裁量権が自由になる金というものの行方というものは、汚職の温床ですよ。そうでしょう。
 調べてないから、跡追い追及をしていないから、ポケットへ納めたものじゃないと言えるかもしれないけれども、跡追い追及したら、必ずそれはその金額のまま工事が行われたとは言いがたい。余ったか足らぬか、どっちかですよ。その処理をめぐって汚職があるというように、当然私は推定するわけであります。
 そういう点では、あなたはいままで検討したことないんでしょう、本当は。それが公文書偽造、それは実態はどうか、検察庁に命じ、検察庁としてもそれを跡追い追及したことは全然ないんでしょう。そういうことは許されませんぜ。私は特にこの問題やかましく言っておりますのは、方法は別にあるのにもかかわらず、そういうことがいまの官僚制度の大きなポイントになっておるということだから追及しておるんですけれども、今後もしこのようなことが起こって、そして検察庁、法務省が、あれは犯意がなかったんだからまた告発しませんでした、あるいは起訴もしませんでしたということがあったら承知しませんぜ。どうなんですか。
#64
○前田(宏)政府委員 これまで全然放置しておったかということになりますと、何件か捜査の対象になったものがございますが、そういう例を見ますと、ただいま横山委員仰せになりましたように、実質的には違法といいますか不当はなくて、まあいわば手続面での不適正というようなことで、起訴猶予になっている例が何件かあるわけでございます。
 ただ、いま御指摘のように、そういうものがたくさんあって、いわば慣行化しているということは大変好ましくないことでございます。従来そういうことがあったのが、また一面、そういう慣行といいますか、安易な考えで処理がなされていたということであろうかと思いますので、それをこの際全部洗い出してやるということはいかがかという気もいたしますけれども、御指摘もあり、また建設当局におきましても次官通達等を出して、将来の措置を厳正にやるということを明言されておるわけでございますから、今後そういうようなことがありました場合には、やはり法に照らして厳正な処理をすべきものと、かように考えております。
#65
○横山委員 最後に、公共嘱託の問題について質問をいたします。
 建設省を初め各省が法務局に対します登記その他諸問題につきまして、かなりの公共嘱託事件があるわけであります。私が推定いたしますと、年間に約一千万件くらいこの公共嘱託事件があると思います。その中で役所が直接やっておりますのが六、七百万件ではないでしょうか。そして司法書士なり土地家屋調査士の方へ回っておりますのが約三、四百万件ぐらいではないでしょうか。
 かねて本委員会で、公共嘱託を促進する、役所が自分でやることのないように、なるべく土地家屋調査士あるいは司法書士の専門家にやって、敏速にそれをやれるようにということを言ってまいりました。法務省もそれを多とし、建設省も中央用地対策連絡協議会を各省間でつくりまして、私の承知するところによりますと、報酬についてガイドラインをつくって、一般の報酬の六四%ぐらいで安くやるからというガイドラインをつくって、それで各官庁及び中央、地方にわたって指導をなさっておられるようでありますが、なかなかこれが、公共嘱託が軌道に乗りません。で、司法書士会、土地家屋調査士会は公共嘱託登記委員会をつくり、中央、地方に受けざらをつくっておるわけでありますが、それとても、人格なき社団のために役所が十分これを契約対象の相手としていないというために、あらゆる努力も実を結ばないというような状況であります。私も、この問題を取り上げることもう再三に及んでおるわけでありますが、現状においてはどうしても各関係機関を鞭撻督励をしなければならぬと痛感をいたしておるわけであります。時間の関係上、端的にお伺いをいたしたい。
 まず法務省に、この公共嘱託登記委員会が人格なき社団から法人格を持つことが役所に対しても非常に説得力のあることであるから、その法人格を持たせる、結局それは司法書士法、土地家屋調査士法の改正になるとは思うのでありますが、その問題についてどうお考えでありますか。
#66
○中島(一)政府委員 現在の公共嘱託登記委員会でございますが、こういった公共嘱託登記を受託する機関というものが法人格を持つということは、一方、委託者の方から申しましても、受託者の責任の所在が明らかになるという点もございますし、受託者の側から申しましても、これまた責任の所在が明らかになるばかりでなしに、事務が簡素化、合理化されるというようなこともございますので、大変好ましいことであるというふうに考えて、私どももその推進にそれなりに協力をしてきたつもりでございます。
#67
○横山委員 なぜそれがうまく、早くやれないのですか。
#68
○中島(一)政府委員 やはりこれは、現在司法書士会と土地家屋調査士会と連合で委員会をつくっておられますが、さまざまの立場がございます。それで、それぞれ法人化ということをおっしゃいますけれども、その法人化を言う人それぞれにその内容について考えておられることに違いがあるというようなこともございます。
 法人化ということになりますれば、責任財産をどうするかとか、あるいは役員の構成というのはどういうものになるか、あるいは損害賠償に対する責任はどういうふうにして負担するかというようなさまざまな問題が起こってくるわけでございますが、そういう点につきまして、事柄は司法書士なり土地家屋調査士なりの日常の業務に関する問題でありますから、やはりある程度のコンセンサスを得ていただきませんと、私どもが余り積極的にこの問題に介入をするということもいかがであろうかというふうに考えるわけでありまして、私どもとしましては、機会あるごとに、ひとつ司法書士なり土地家屋調査士の方で法人化の具体的内容についての議論を尽くしていただきたいということをお願いしておるわけでございます。
#69
○横山委員 承ると、むしろ、法人化について法務省は原則的に異存はないけれども、両会の内部事情、意見がまとまらぬからということを暗に示唆しておみえになるようだと思う。私も本問題についていろいろな検討をしたわけでありますが、結局、現在あります公共嘱託登記委員会、両会の合併してやっているそのままに法人格を与えることは、事実上現実問題として至難ではなかろうか。まあ、それもいいですけれども、それよりも、法人格を与えるときには、司法書士と土地家屋調査士とは職分が違うのでありますから、それぞれの法人格、司法書士受託法人、土地家屋調査士受託法人、そういうふうに割り切って、そして一つの物件がありましたら、双方、その受託法人同士で合議をするというやり方の方が、今日までの経緯からいうときわめて現実的ではないかと思うのですが、いかがですか。
#70
○中島(一)政府委員 確かに司法書士会と土地家屋調査士会と連合でという御意見がある一方、司法書士と土地家屋調査士は別々にという強力な御意見もあるように伺っております。その辺のところは、両方それぞれプラスの面、マイナスの面というようなものがあるように考えるわけでありまして、私どもも、そういうことで話を進めるということであれば、また具体的な検討をいたしてみたいというふうに考えております。
#71
○横山委員 私も、質問するに先立ちまして、両会の意向を打診をいたしました。原則的に私の意見に同調をされる模様であります。両会それぞれの受託法人をつくる、それが事案によって協議機関を別個につくってやっていくということで両会がまとまれば、あなたの方としては異存はございませんか。
#72
○中島(一)政府委員 そういった点を含めまして両会とも直接話をいたしまして、よくいろいろ実情を聞き、真意を確かめまして、検討してみたいと思っております。
#73
○横山委員 建設省にお伺いいたしますが、中央用地対策連絡協議会がガイドラインをつくって中央、地方に流した、そういうことだけの仕事で、いっかなこの公共嘱託の促進ということについてあなたの方は動いていないようでありますが、これが公共嘱託を法人格をつくってやるとなれば、建設省のみならず、この連絡協議会の機構を通じ各省に、受託がもっとふえるようにされるおつもりでありますか。
#74
○氏家説明員 お答えいたします。
 先ほどからお話がございますように、実は公共嘱託の非常に大きなネックというのが、契約上のそういう法人化というような点にあるわけでございます。したがいまして、そういう問題が解決されれば非常に大きな促進のきっかけになる、かように考えております。
#75
○横山委員 きょうは理事長においで願わなかったわけでありますが、両省に承知をしておいてもらいたいと思います。
 先般、私が本委員会で取り上げましたいわゆる岡山県総合協力事業団、この問題は、法務省の御努力にかかわらず、まだ解決していないようでありますね。岡山県では、この種の総合協力事業団を県庁の業務のバックアップ組織として、社団法人をつくって県庁の仕事の下請機関的なことをやっておる模様であります。そこでも登記事務が行われておる。ところが、一応どういう方法でやっておるかといいますと、県庁の職員が半日事業団へ出向して、県庁の職員として登記事務を行う、昼からになると県庁へ帰っていくというようなことをやっておる模様であります。これを指摘いたしましたところ、先般の質問の際には法務局も一応調査をするというお答えをいただきました。
 私は、この司法書士なり土地家屋調査士及びその団体の健全な発展を願いますがゆえに、最近私も法務及び建設の両方を担当しておりますが、建設関係の事案が、工事が、開発がとみに少なくなっておるわけであります。したがって、両会員の業務量もきわめて少なくなっておりまして、その点、恐らく報酬制の問題もまたいま出ておると思うのでありますけれども、その一方で、そういう岡山のような脱法すれすれの仕事、あるいはまた資格のない人たちの事件、そういうものがございます。
 また、たとえば法務局における状況をつぶさに見ておりますと、官庁の中で最も繁忙だ。登記所の混雑というものはもう十分庶民が知っておる。それかあらぬか、私が先般北海道等へ行ったときにも申し上げたわけでありますが、行管が役所のサービス状態を調査したところ、案に相違して、税務署がサービスがよくなった、法務局のサービス、登記所のサービスが悪いという指摘が行管の調査で出てきておるわけであります。この繁忙、この人員、そして繁雑な業務内容等を考えますと、ただサービスが悪いということだけでは律しられないものを私は感じておるわけであります。そういう一環としてもこの種の問題が改善されるように要望したいのでありますが、局長の御答弁を承って、私の質問を終わることにいたします。
#76
○中島(一)政府委員 法務局の大変多忙な実態につきまして御理解ある御発言をいただきまして、感謝いたしております。国民サービスの向上につきましては、今後とも一層努めてまいりたいと考えております。
#77
○横山委員 終わります。
#78
○高鳥委員長 岩佐恵美君。
#79
○岩佐委員 私は、きょうは裁判官のただゴルフ問題から端を発しました非行問題について伺いたいと思います。とりわけ、板垣判事の問題について伺ってまいりたいと思います。
 最初に、板垣判事の調査は、山形地裁、仙台高裁、最高裁で行われたというふうに伺っていますが、それぞれ何回行い、そして調書は何通ありますか。
#80
○大西最高裁判所長官代理者 東京地方裁判所民事二十部、いわゆる破産部に関する不祥事件につきまして、ただいま仰せのように板垣裁判官、最終的には仙台高裁で分限の裁判を受けたわけでございますが、その過程におきまして何度か板垣裁判官から事情聴取を行っております。
 およその回数といたしましては、まず山形で最初に一回調べたことは間違いございませんが、そのほかにも電話で聞いたり、その他いろいろしたこともございますが、一応本人に直接会ってこの問題ということで聞いたのは、たしか一回ではなかったかという記憶でございます。それから、最高裁判所の方では、これもたしか何回か、二月ぐらいにわたっておりますけれども、五回ぐらい調べたのではないかという記憶でございます。そのほかにも、仙台の高等裁判所におきまして分限の申し立てをする前にも一回調べておりますし、分限事件が係属いたしましてから、分限裁判所におきましても、いわゆる審問というのを行いますが、その審問ということで事情聴取を行っておるわけでございます。およその取り調べの経過というのは、以上のようなことになろうかと思います。
#81
○岩佐委員 調書は何通あるかということを伺っているのですが。
#82
○大西最高裁判所長官代理者 ただいま申し上げました事情聴取の都度調書をつくっておりますので、それだけの通数あるというふうに御理解いただいていいのではないかと思います。
#83
○岩佐委員 私が聞いたところでは、仙台高裁でも一回聞いていて、それの調書があるという話を伺っていますけれども、その調書について、訴追委員会にお出しになったかどうか、伺いたいと思います。
#84
○大西最高裁判所長官代理者 訴追委員会の方からは調査結果ということでの御要求がございまして、その調査結果を記載したもの、つまり調書の要旨を書いたものを差し上げてあるはずでございます。
#85
○岩佐委員 そうすると、訴追委員会で要求がなかったからまだ出していないということなわけですか。そうすると、私は全文を訴追委員会に出すべきだ、すべて出すべきだというふうに思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
#86
○大西最高裁判所長官代理者 ただいま仰せになりましたように、訴追委員会からは調書ということでの御要求がございませんし、この問題につきましては最高裁判所長官ないしは最高裁判所から訴追請求ということをやっておるわけのものではございませんし、仮に訴追委員会の方からそういう御要請がございました場合には、その時点で検討さしていただきたいと思います。
#87
○岩佐委員 私は、その調書については出すべきだということを重ねて要請をしておきたいと思います。
 次に、板垣判事の破産部在任中に井上弁護士を破産管財人に選任した事件が二件ありますね。それぞれの事件についての報酬決定の時期と、その金額を言っていただきたいと思います。
#88
○川嵜最高裁判所長官代理者 まず、一番目の事件でございますが、これは日本建装株式会社という会社の破産事件でございまして、五十一年六月二十三日に申し立てがあり、七月二日に破産宣告があった事件でございます。これの管財人は井上恵文弁護士でありますが、報酬決定は二回にわたって行われております。まず第一回が五十二年二月十六日三百万、五十三年二月一日百十万、この第二回目の報酬決定は、板垣裁判官ではございません。
 次が新日本興産株式会社の破産事件でございますけれども、これは御承知のとおり五十一年九月十六日破産宣告の申し立てがございまして、十月十二日に破産宣告がなされ、管財人に井上恵文弁護士が選任された事件でございますが、この管財人に対する報酬決定は、まず第一回が五十一年十二月二十四日でございまして四百万、五十二年三月二十五日五百万、同年十一月七日五百万、五十三年五月十六日五百万、五十四年一月十日五百万、同年六月十一日五百万、同年十二月七日五百万、五十五年七月八日五百万、合計三千九百万ということになっております。
#89
○岩佐委員 この報酬額から見ると、板垣判事が梓ゴルフ場事件は破産廃止になりかねない事件だから友人の井上弁護士に頼んだと説明したと最高裁は国会で答弁をしておられますけれども、とうてい破産廃止などとは言えない、そう思います。それどころか、最高裁自身が参議院の法務委員会で説明しておられるように、会社更生事件に非常に似ているというのが実態ではないかと思いますけれども、その点いかがでしょうか。
#90
○川嵜最高裁判所長官代理者 破産宣告の当時、この事件においてどれだけの財団が収集できるかという見通しがどうであったかということは、私どもちょっとわかりかねるわけでありますが、その後、御承知のとおり、栃木梓ゴルフ場というのが唯一の財産である、ほうっておけば野原になって価値はなくなるということで営業継続という決定がなされて、管財人はそういう営業継続形態の管財業務を行ってきたということでございます。そういたしますと、そのゴルフ場の経営によりまして収益が上がってまいります。おっしゃるとおり更生的破産手続という形をとった、それがこれだけの報酬を支払えるだけの収益は上げていたんだろうというふうに推測されるわけでございます。
#91
○岩佐委員 東京地裁破産部で三カ月間という短期間に一人の人に破産事件を、前の事件が終わっていないのにまた選任する、こういうことは異常ではないかというふうに思うのですが、いかがですか。
#92
○川嵜最高裁判所長官代理者 三カ月の間に重ねて同じ管財人を選任したという例は非常に少ないかとも思います。その点の調査は十分いたしておりませんので、きわめて異例であるかどうかというところまでは、ちょっと申し上げかねるわけでございます。
#93
○岩佐委員 私は全国の例を言っているのではなくて、東京地裁という管内でどうかということを伺っているのです。
#94
○川嵜最高裁判所長官代理者 東京地裁の事例におきましても、先ほど申し上げましたとおり実態を承知しておりませんので、ちょっとお答えいたしかねるわけでございます。
#95
○岩佐委員 私は、こういう細かい点について調査をしてなかったということ自体が非常に腑に落ちないわけですけれども、これは恐らく異常で異例だというふうに思います。
 さらに、梓ゴルフ場の破産宣告、井上弁護士の破産管財人選任が五十一年の十月十二日午後三時であったわけです。そして、その日のうちに井上弁護士からタイプ印刷で営業継続の許可申請がされ、板垣判事はやはりその日のうちに許可をする、そういう異常な速さであったわけです。普通、営業継続という重要な事柄は、破産管財人も裁判官も時間をかけて慎重に対処をするものだと思います。それをその日のうちに決定するというのは、双方事前に打ち合わせがあったからではないかと疑われるわけであります。結局、事件を熟知している板垣判事が、破産廃止どころか、先ほど説明されたように営業によって収益を上げることができ、破産管財人にとってうまみのある事件を井上弁護士に任せた、そういうことになると思うのですが、いかがですか。
#96
○川嵜最高裁判所長官代理者 仰せのとおり、破産宣告の日に営業継続許可申請が出されております。破産宣告の申し立ては、先ほども申しましたように、五十一年九月十六日でございます。そして宣告が十月十二日でございまして、約一カ月間ある。その間、本件の場合どうであったかはつまびらかにいたしませんが、通常の場合でありますと、この破産事件についてはどういう人を管財人に選任しようかということをまず考えます。適材を得たいということで考えるわけであります。当該事件については営業継続をすべきかどうかということも、あらかじめ検討がされるだろうと思われます。そして、具体的に管財人になってもらおうという人と交渉をいたしまして、こういう事件だから管財人になってもらいたいということを、事案を説明するはずであります。そういうときに、この事件は営業継続が見込まれるということも、当然事前に話し合いはされるケースがあるというふうに思われます。本件の場合、その経過がどうであったかということは、ちょっとつまびらかにはいたしません。
#97
○岩佐委員 破産宣告があり、その日のうちにタイプでもって営業継続の申請を出して、その日のうちに許可をする、これはきわめて異例だ。普通は、いろいろなケースを伺っているのですけれども、少なくともそういう重要な決定は二週間や一カ月はかかるものだ、大体皆口々にそうおっしゃっているわけです。ですから、その点についてどうかということを伺っているわけです。
#98
○川嵜最高裁判所長官代理者 東京地裁に現在八百件くらい破産事件が係属しておりますけれども、営業継続をしている事件というのはきわめてまれでございます。数件だろうと思われます。したがいまして、いま御指摘のように、営業継続が予測される事件について、宣告後二週間あるいはそれ以上かけて十分検討するのが通例であるか、あるいは先ほど私が申し上げましたとおり、あらかじめ検討して、宣告と同時に営業継続の許可をするというのが通例であるか、ちょっとわかりかねるわけでございます。
#99
○岩佐委員 そうすると、私が先ほど言ったように、井上弁護士と板垣判事は事前にいろいろと話し合いをしていたから、こういうことが起こってもおかしくはないんだということですね。
#100
○川嵜最高裁判所長官代理者 私がいま申し上げたのは、きわめて一般的なことを申し上げておるわけでございまして、本件の場合どうであったかということは、ちょっと申し上げかねるわけでございます。御了解をいただきたいと思います。
#101
○岩佐委員 本件の場合どうかと言うと、例が少ないから、一般論で言われるとそれはこの例には当てはまらない、こういう答弁ではどうしようもないというふうに思うのです。
 債権者集会で営業継続が決議された三日後の五十一年十二月二十四日には報酬四百万円が、三カ月後の板垣判事交代の数日前に、また置きみやげのように先ほど説明された五百万の報酬が支払われています。しかもこの間、一般債権者への配当は全くありませんでした。管財人だけが何回も報酬を受けている。こういう例もまた非常に異常だというふうに思いますが、いかがですか。
#102
○川嵜最高裁判所長官代理者 本件の破産宣告申し立てのときに、申し立て債権者は予納金として五百万円を予納しております。これは当然管財人の報酬にも回し得るものでございます。五十一年十二月二十四日、第一回報酬決定で四百万円支給しておりますが、これは恐らくはこの予納金から支出されたものと思われます。三月二十五日の五百万円は、その営業継続の結果得られている、毎日日銭が入ってくるわけでありますが、その収益から支払われたのではなかろうかと推測いたします。
 管財人がその時点までにどういう業務を行っていたか、それに値する業務を行っていたかどうかということになりますと、これは記録を詳細に検討いたしませんと何とも言いかねるわけでありますし、また、裁判所がこれを相当と認めて決定したものでございますので、ちょっとそれは相当であるかどうかということをチェックするというわけにもまいらない事柄でございますので、御了解をいただきたいと思います。
#103
○岩佐委員 非常に多額であって、しかも一般債権者に配当が行われないのに、こんなに短期間に多くのお金が管財人に支払われる。これは一般的に言っても大変異例なことで、これだけ破産管財人というのは金をもらえるのか、うらやましい、弁護士の人たちはへえと言って驚いているわけです。同時に、同じ時期ですけれども、この板垣判事に、補助者という破産財団からお金が支払われるそういう人たちについての申請を出しているわけです。それが井上弁護士のところで働いている人たちを補助者という形で出していて、十月十六日に出している分だけでも七人出ていて、これも即刻許可されているというふうなことで、大変双方の癒着関係というのがこのあたりからも言えると思うのです。
 次に、板垣判事の任官後現在までの報酬、これは三千万円ぐらいというふうに言われていますけれども、井上弁護士の庭先と我孫子を買い求め、そして、その土地代金のうち支払ったものだけで三千万円になる。井上弁護士が設立した東京二十への出資金、これも六百万円、とうてい板垣判事が支払えるものではないというふうに思います。資金源については調べたのですか。
#104
○大西最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘のとおり、板垣判事は井上弁護士の所有する土地の一部を買っておりますし、千葉県の我孫子の土地も購入しておるわけでございますし、なお御指摘のように数百万円の貸し金というものをやっておりまして、先生おっしゃるとおり、どこからその金が出てきたのかということは私どもも非常に疑問を持ち、いわば最も重点を置いて、何回も何回も繰り返し本人に聞きますとともに、いわゆる傍証と申しますか、ほかから集め得る資料、調査委員会は強制力も何もございませんので限界はございますけれども、でき得る限りの努力をいたしたわけでございます。
 そういうことで、十分に納得がいったかというふうに言われますと、なお疑問が全くないんだというふうには申し上げかねる面はございますけれども、ただ、月給のほかに、お父さんがお医者さんでもございましたし、その遺産というものも言っておりますし、奥さんの持参金というふうなことも言っておりますし、それと、できるだけ有利な運用をしてこういうふうにたまってきたのだという説明を個々的に伺ってまいりますと、全然不可能とも言えないという面もないわけではないような状況でございまして、最初に申し上げましたように、調査の結果、全然疑問がないというふうに胸を張って申し上げるというわけにはいきませんけれども、といって、それではどこから来ているのかということをはっきりさせるほどの証拠もないというふうな調査結果であったわけでございます。
#105
○岩佐委員 私は、これだけ大事な問題について、裏づけをとった上で納得できる結果に達していない、それで板垣判事の言い分だけをうのみにする、これは非常におかしいと思うのですね。板垣判事は、これらの土地を担保に、井上弁護士のために一億円の根抵当をつけさせている。さらに、自分自身が五千万円保証して井上弁護士に融資をさせている。これらは何のためにやったというふうに板垣判事は言っているのですか。
#106
○大西最高裁判所長官代理者 確かに板垣君は、いわゆる物上保証ということで、井上弁護士が銀行から金を借り入れるにつきまして担保権を設定しておりますし、個人保証もしておるわけでございますが、それもいわゆる共同抵当でございまして、問題となっている板垣君の土地だけではなくて、井上弁護士のもっと大きな土地をも含めてのものでございますし、保証につきましても、それは物上保証人につきまして限度額をどうするかということにつきましては、これは井上弁護士からも板垣君からも聞きましたけれども、限度額等は井上弁護士が銀行との関係で決めておるわけでございまして、そういう意味では、担保提供はしておりますけれども、それほど高額という、たとえば一億円もするというものではないわけでございます。
 そこで、それでは一体どういうわけで井上弁護士に対してそういう物上保証したり人的保証、個人保証したのかということでございますが、この点も岩佐委員御指摘のとおり、卒然と聞きますとちょっと首をかしげる面があるわけでございまして、そこら辺もいわば執拗に聞いていったわけでございますが、その説明といたしましては、板垣君と井上弁護士はそれこそ修習生のとき以来の非常に親しい友人であり、井上弁護士が本件破産事件で、当時は板垣君はもう鶴岡に行ってからのことでございますけれども、非常に苦労して、先ほども出ました本来最初破産廃止になりかねないような事件を、いわば金融業者と折衝いたしまして土地を取り戻すというようなことをやって、非常に苦労してやっておる、それで、債権者の多数もそれを応援しておる、そこで、非常に苦労しておるので、破産事件をできるだけうまくいくようにという井上の努力に対して、男の友情と申しますか、そういうことで自分は個人保証とか物的保証をしてやったのだ。板垣君の説明によりますと、そこには何らやましいことはない、たとえば、対価とか見返りとかいうものを期待してやったものではないという話でございますし、井上弁護士にもその点を何回も追及はいたしましたけれども、そういう約束は全くない、そういう調査結果であったわけでございます。
#107
○岩佐委員 つまり、東京二十の出資のために、あるいは東京二十に協力をするというために板垣判事は協力をした、そういうことであるわけですね。
#108
○大西最高裁判所長官代理者 板垣君はこの点特に強調しておりましたけれども、東京二十ということの認識はそれほどあったわけではございませんで、むしろ井上個人ということのようでございます。ただ、井上弁護士がそういうゴルフ場を買い受けるという受けざら会社をつくっておるということはもちろん承知しておるわけでございますし、そういう資金に使われるであろうという認識はもちろんあったわけでございますが、あくまで井上個人に対する援助であるということを板垣君は申しておりますし、井上弁護士もそのとおりであるというふうに言っておったわけでございます。
#109
○岩佐委員 東京二十というのはゴルフ場買収のためにつくられた会社である、このことについてはいかがですか。
#110
○大西最高裁判所長官代理者 それはそのとおりのようでございます。
#111
○岩佐委員 東京二十への井上弁護士の出資は全株の四七%になります。社長は井上弁護士の妹(三女)の夫。それから、取締役七人のうち四人までがいわゆる井上弁護士の身内、関係者ですね。一人は妹一長女一の夫、同じく妹一四女一の夫、それから井上弁護士の事務員、運転手というふうになっています。それから、監査役は井上弁護士の実弟。まさにこの東京三十というのは井上弁護士の個人会社であると思います。このことを最高裁は御存じですか。
#112
○大西最高裁判所長官代理者 その辺は、もちろん調査の早い段階でよく調べまして、御指摘のことは重々承知しておったわけでございます。
#113
○岩佐委員 先ほどの説明からも、板垣判事本人の資産がどれだけあるかわからない、それの裏づけをとっていない、年俸については限度がある。それなのに、六百万円の出資をした上に五千万円の融資を自分が保証して銀行に出させる、あるいは買った土地を担保に井上弁護士のために一億円の根抵当をさせる、これは私は常識では考えられないことだと思います。この点、なぜだと突っ込んで思われますか。
#114
○大西最高裁判所長官代理者 確かにおっしゃいますように、ごく普通の常識からいたしますと、普通の人がそういうふうにするかどうかというふうにおとりになられますと、ちょっと首をかしげる面はあるわけでございます。それだからこそ、あれだけ何回も、長時間にわたって板垣判事も井上弁護士も調べていったわけでございますけれども、ついにはっきりした証拠は得られなかったというのが実情でございます。
#115
○岩佐委員 何か成功報酬のような見返りがあると考えるのが普通だと思います。いずれにしろ、自分が破産宣告をしたゴルフ場買収のためにこんなに肩入れする、これは異常だと言えます。このようなことが裁判官として許されるのでしょうか。
#116
○大西最高裁判所長官代理者 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、井上弁護士がいわば個人会社のようなそういう受けざら会社をつくって、破産事件で問題となっております破産財団を構成するそういうゴルフ場を買い受けるという事実そのもの、まずこれの評価が一つの問題でございますが、これは客観的な資料ではっきりしておることでございますけれども、井上弁護士としては正規に債権者集会の承認を得てやるという方針でやっておったということははっきりしておりますし、買い受けようとしておった値段そのものがそんなにおかしいということも言えないというふうな状況であったわけでございます。
 ただ、そうは申しましても、板垣君は当時その破産事件を担当はしておりません、もう大分前に担当を離れまして鶴岡へ行ってといったことではございますけれども、そういう過去において自分か担当し事件について管財人か――しかも管財人が自分の友人であるという関係もございますが、そういう管財人が買い受けをしょう、それは違法とか著しく不当だというふうに言えないものであるにいたしましても、そういうことを管財人がやろうとしておるにつきまして、担保を提供したりお金を貸したりするということは、やはり裁判官としてはよくないことであろう、特に裁判所の公平、公正さを疑われる問題であろうというふうに私どもも考えます。
 ただ、そうは申しましても、最初に申し上げましたように、井上弁護士のそういう行為自体違法とか著しく不当とかいうふうにも言えない、板垣君は現在その担当でもない、ずっと前に担当しておった事件である、それに関与したにすぎないということでございまして、裁判官としては確かによくないことではあるけれども、それほど著しいものとは言えないのではないかというふうな判断から、裁判所の内部といたしましては分限の申し立てをし、分限の裁判をしたわけでございます。ただ、よくないからこそ分限の裁判が行われた、こういう結果でございます。
#117
○岩佐委員 破産管財人と会社の買収行為というのは、片方は破産財団の債権をふやすことが主目的で、買収側はなるべく安く買おうとする、そういうことで相反するわけです。現に井上弁護士は、五十五年一月十一日の裁判所あての報告書では、東京二十が梓ゴルフ場を二十二億円で買い受ける、そういうふうに明記をされています。しかし、現在債権者たちは、いま二千四百名の方々が一人一人百五十万円出して、目標額三十数億円を集めて買おうという計画を持って進めています。この間には厳然と十数億円の開きがあるわけです。こういう場合に、当然破産管財人をやめるか、あるいは買収会社の設立をやめるかすべきなんではありませんか。
#118
○大西最高裁判所長官代理者 確かに御指摘のとおり、買い受ける側と売る側との間の実質的な同一性に疑いがあるというふうな、そういう問題はございます。確かにその仰せのとおりでございまして、そういうことは避けるべきであるというふうに私どもも思います。
 ただ、先ほど申し上げましたのは、破産業務というものは、つまり大多数の債権者のために行っていくものであるということで、本件の場合では、債権者の大多数、従業員等がぜひそれをやってくれという要請が強かったということが、いわば事柄を紛糾させた一つの原因をなしておるのではないかというふうに私どもいまにして考えておるわけでございます。
#119
○岩佐委員 もし仮に、現在あるいは過去にその事件を担当した裁判官がこのような事実を知った場合に、どう対処をすべきなんでしょうか。
#120
○大西最高裁判所長官代理者 ちょっとただいまの御質問の趣旨を十分理解できなかった面がございますけれども、裁判官は、自分が関係しなかった事件であっても、そういうものにはできるだけ近寄らないようにすべきであるわけでございますが、いわんや、現在担当していない事件であっても、かつて担当しておった以上、そういう事件からはできるだけ遠ざかるべきであるというふうに言わなければいけないというふうに考えます。
#121
○岩佐委員 仮に板垣判事が東京二十の設立を井上弁護士に勧めていたとしたら、これは裁判官として許される行為でしょうか。私は許されないと思いますけれども、いかがですか。
#122
○大西最高裁判所長官代理者 仮に板垣判事が東京二十の設立を勧めて、おまえは買えというふうなことを言っておるといたしますと、そうでなくても、もうそもそもそういう事件に関与することがいけないということを先ほどから申し上げておりますけれども、もちろんいけないというふうに言わざるを得ないと思います。
#123
○岩佐委員 その点、板垣判事について最高裁は調査をされたのですか。そして、調査結果はどうでしたか。
#124
○大西最高裁判所長官代理者 東京二十の設立につきまして板垣裁判官が何か関与しているのではないかという疑いは私どもも持ちまして、板垣判事にも井上弁護士にもそこら辺のところを事情聴取いたしましたけれども、そういう関係はちょっと認められなかったわけでございます。
#125
○岩佐委員 そうすると、最高裁は、板垣判事が井上弁護士に東京二十の設立を勧めたということはないというふうに判断しておられるわけですね。
#126
○大西最高裁判所長官代理者 いろいろ努力して調べましたけれども、そういうことを認めるに足る資料はなかったというわけでございます。
#127
○岩佐委員 この資料をちょっと提出したいのですが。これは板垣判事か五十四年十二月十四日に井上弁護士にあてて出した手紙であります。よく左側を見ていただきたいのですが、「井上恵文様」となっていて、板垣範之さんが出しています。筆跡の問題もあると思うので、ちょっと済みません。(資料を示す)これは破産宣告の資料です。山形の鶴岡から出しています。私信ですので、私の部分は全部抜いてあります。私、読み上げます。
  次にゴルフ場の件ですが、やはり会社を設立し、そことゴルフ場(破産会社の積極財産)を売買する方向で早急に決めたほうがよろしいと思います。先生が借金してその金が設立会社の資金に回ったことが一般に知れたとしても、破産会社(管財人)と新会社との売買価格が相当と思われる限り一般債権者を害することにはならないわけですから、この辺で決断されるのもよろしいのではないかと思います。ただ設立会社は対外的にみて外観の整ったもの(例えば代取には公平と考えられる人を配置するなど)にする必要はありましょう。種々に考えてみましたが、結論としてはこんなところになりそうです。この中で、板垣判事は井上弁護士に買収会社設立を勧め、そのやり方まで細かく注意、アドバイスをしています。これこそ梓ゴルフ場買収のための板垣判事と井上弁護士の共謀の決定的証拠と言えます。
 板垣判事は担当裁判官であったからこそ、事件の内容、会社の実情など、先ほどるる説明されましたけれども、必要な情報を知る立場にあったわけです。その地位を利用して今回のように買収会社を共謀してつくるなどということが野放しに行われることがあったら、これは大変です。当然、板垣判事は地位を利用して買収工作を行ったのだから罷免をすべきだというふうに思いますが、いかがですか。
#128
○大西最高裁判所長官代理者 ただいまお示しいただきました手紙、これは筆跡はどうかということでございますが、私かなり板垣君の筆跡も見ておりますので、非常に似ておるということはまず申し上げられると思います。
 内容をいま一読させていただきましたけれども、確かにこういう具体的事実自体私どもいままで知り得ておるわけではございませんけれども、一般論といたしましては、井上弁護士が板垣君のところへ、山形にも行ったこと、鶴岡に行ったことがございますし、まあ委員も御承知と思いますが、いわゆる月岡温泉の密会というふうに新聞に報道されました事実もあるわけでございまして、月岡温泉でも井上弁護士が板垣君と何らかの相談をしておるということは、十分われわれも推測しておるわけでございます。そういう意味での本件の破産事件に関する井上弁護士と板垣判事とのそういう関係、いわば相談を受けたとか相談に乗ったとかいう関係、これもある程度はわかっておるわけでございます。
 この事実自体は、いま手紙を初めて拝見いたすわけでございますが、そういう意味で、かつて担当した事件であるとはいえ、そういう事件に近寄ることはよくないということは先ほど来申し上げておるところでございますが、この問題自体が一体裁判官についてどういう評価を下すべきか、よくないことは先ほど申し上げておるわけでございますが、よくない程度がどの程度のものかということは、周辺の事情も含めましてなお検討を要する問題であろう、かように考えるわけでございます。
#129
○岩佐委員 私は、この直接証拠というのは、本当にいままでこれがないから、状況証拠がいろいろあっても不十分な調査に終わっている、そういう点では決定的な証拠であるというふうに思っているわけです。その点、最高裁がきちんと対処されるよう強く要請をします。
 次に、井上弁護士の行為は破産管財人として不適当な行為であり、背任罪の疑いがきわめて濃厚であります。破産管財人は、一般債権者のために破産財団を管理し、それをできるだけ高価に換価する義務を負っています。ところが、井上弁護士は、自分の利益を図るために、その義務に反してゴルフ場の買い取りを図ろうとし、一般債権者に損害を与えようとしました。
 板垣判事は、井上弁護士の背任行為の共犯者の疑いが非常に濃いわけです。板垣判事は、井上弁護士が東京二十を設立してゴルフ場を買い取ることが一般債権者の利益に反するということを自分の裁判官としての立場から十分に知っていて、井上弁護士と協力をして、井上弁護士に東京二十の会社設立をやらせている。板垣判事のこのやり方は組織的、計画的であり、きわめて悪質な知能犯罪です。もしこの手紙が発見されていなければ、板垣判事は井上弁護士の背任を手助けしたというにとどまったかもしれませんけれども、この手紙によれば、むしろ板垣判事が井上弁護士を指導して背任をやらせていたという疑いが非常に濃厚です。
 この点について、刑事局長の見解を伺いたいと思います。
#130
○前田(宏)政府委員 先ほど最高裁当局からいろいろと御説明をしておりますように、板垣判事の行為につきましては、種々問題はないとは言えないと思いますけれども、いま伺った限りにおきまして直ちに犯罪になるということにもまいらないんじゃないかと思います。
#131
○岩佐委員 検察庁として板垣判事について調査をしたのですか。
#132
○前田(宏)政府委員 一般的に申しまして、どういう犯罪でどういう捜査をしたかということは、捜査の秘密という面もございますし、人権の問題もございますから、具体的にはお答えいたしかねるということで通させていただいておるわけでございます。
 ただ、いま申しましたようにいろいろと問題はあろうかと思いますけれども、やはり捜査当局といたしましては、犯罪の嫌疑ありという場合にそれなりの措置をとるものでございます。
#133
○岩佐委員 私は、これは直ちに捜査を開始をすべきだと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
#134
○前田(宏)政府委員 先ほどお答えしたとおりでございます。
#135
○岩佐委員 この点、ちまたのうわさでは、検察が今回の事件について非常に手ぬるい。それはなぜか。私も証拠としてここに持っているんですけれども、検察官がただゴルフをやっている、そういうただゴルフの中に名前が出てきている、あるいは東京二十への出資者が検察官の中でも五人いる、そういうことがあるから検察は手を出せない、あるいは出さないんだ、そういうふうなことが言われているわけです。この点について国民の疑惑を晴らす、そういう意味できちっとした態度を検察がとるべきだと私は思いますが、いかがですか。
#136
○前田(宏)政府委員 検察当局といたしまして、犯罪の嫌疑ある者につきましては厳正な態度で対処するということは当然でございます。
 ただ、いまお尋ねの中でただゴルフをしているというような御指摘もございましたけれども、そういう事実はないと承知しております。
#137
○岩佐委員 このただゴルフの点については、私の方もただゴルフをしたという証拠、これがありますので、再度きちんと身を正していただく上で調査をしてもらいたいというふうに思いますが、検察がこの点で自分の身が危ないから、だから裁判官の問題についてやれないんだというようなことが決してないように、私はまた再度強く要請をしておきたいというふうに思います。
 次に、最高裁は板垣判事の判決未済について調査をしたでしょうか。
#138
○大西最高裁判所長官代理者 本件の問題が明らかになりました時点で、所長がいろいろ調べております。
#139
○岩佐委員 その結果はどうでしたか。
#140
○大西最高裁判所長官代理者 いま手元にデータを持っておりませんので正確なことは申し上げかねますが、若干の判決言い渡し未了があったというふうに承知いたしております。
#141
○岩佐委員 鶴岡支部では、五十六年四月現在で、鶴岡在住の一人の弁護士が担当している事件で結審後一年有余判決をしていない、そういう判決末済が十二件にも上っています。このことについては当然承知をされておられるんでしょうね。
#142
○大西最高裁判所長官代理者 先ほど申し上げておりますように、いまちょっとデータを持っておりませんので正確なお答えはできかねますが、私の記憶といたしましては、一年半以上のものが十二件というふうに大量にあったというふうにはいま記憶いたしておりません。
#143
○岩佐委員 一年経過してなお十二件ということです。
#144
○大西最高裁判所長官代理者 数は、いま突然のことでもございますし、ちょっと正確なお答えはできかねます。しかし、ある程度のものはあったということは最初に申し上げたとおりでございます。
#145
○岩佐委員 さらに、五十六年三月三十一日に行われました鶴岡支部での灯油裁判の判決、これが一部報道機関に事前に漏れていました。私は、この灯油裁判の原告側輔佐人として、六年間法廷活動でも活動してまいりました。そういう点で、四月の初めに、私たちの代表が最高裁に抗議とともに調査要請に伺いました。最高裁も余りの符合に、つまり一部新聞の報道と判決の内容が余りに似ている、符合している、そういうことで驚いていたというふうに述べられ、調査を約束されました。その後どうなったかということで問い合わせをしたところ、調査はしたけれども結果は言えない、そういうことだったわけですが、その点はどうなっているのですか。
#146
○大西最高裁判所長官代理者 ちょっど本件が新聞報道されました直後の、たしか三月三十日か三十一日の言い渡しであったと思いますが、その後で最高裁判所の方と山形地方裁判所の方へそういうお申し出があったということは、私、承知いたしております。そこで、この問題につきましては、山形地方裁判所でもかなり徹底的に調査をいたしましたし、私も、最高裁判所では特に板垣君につきましてそこら辺を相当詳しく事情聴取をいたしましたけれども、いま先生が御指摘のような判決が漏洩したという事実はどうしても見当らなかったわけでございます。
#147
○岩佐委員 結局、私が前段からずっと述べてきた流れと同じなんですけれども、最高裁の調査の仕方というのが、その調査権限がないからということにいつも逃げ隠れていて、なかなか肝心なところについてはきちんと調査をしていない。事前に判決内容が漏れていたということは、もうマスコミの間では公然の事実として受けとめられているのです。判決未済にしろ事前漏洩にしろ、板垣判事の行動というのは裁判官としてあるまじき行為だというふうに思います。
 さらに、きょうは時間がありませんので詳しくは触れられませんけれども、板垣判事のただゴルフについて、これも私が調査をしたところ、背広を脱いで軽くやったなんというものではありません。ワンラウンド、これは二回やっています。ワンラウンド半が一回あります。しかも二回は破産部に在籍中にやっているのです。金額にしても三万六千円になります。これも私は裁判官としてあるまじき行為だと思うのです。こうしたことを最高裁が全く触れないでいるというのはおかしいと思うのですが、その点はいかがですか。
#148
○大西最高裁判所長官代理者 ゴルフの点は、板垣裁判官よりは、まず谷合裁判官の方で問題になりまして、板垣裁判官も同様問題になったわけでございますが、両方ともその点、相当突っ込んで調べたわけでございます、ただいま岩佐委員御指摘のような態様、しかもそれだけの金額のものだということは、どこからそういう計算が出てまいるか、いまのところ私どもちょっとわかりませんが、全然問題にならないと言っているものではございませんで、よくないことではあるというふうに思います。
 ただしかし、谷合裁判官につきましてもそうでございますけれども、もっと大きな事実がある。検証の機会にゴルフをしたということはよくないことではございますけれども、もっと大きな事実の方があるということで、いわばそれを直接問題にしていない、表面立って問題にしていないというだけのことでございまして、招待ゴルフというものが全くないんだというふうに言い、それで問題がないんだというふうに理解しているわけのものではございません。
#149
○岩佐委員 私は、この点についてももっときちんと調査すべきだというふうに思います。
 次に、武藤判事、田尾判事の東京二十への出資はいつ判明したのか、それぞれ幾らであったわけですか。
#150
○大西最高裁判所長官代理者 田尾所長、武藤判事のいわゆる出資の問題につきましては、何月何日に判明したかという記憶はございませんが、本件板垣判事の問題につきまして調査をいたしております過程におきまして、そこら辺のところも明らかになってきたわけでございます。
 まず、田尾所長の場合は、募金目的が達成の礼状が来た後でございますけれども、昭和五十五年の十二月上旬ごろに夫人名義で三十万円を貸与したということを認めておられます。武藤教官の方は、昭和五十五年の十二月中旬ごろに、これも武藤夫人が東京二十設立の祝儀として、これは貸し金ではございませんで、祝儀として十万円を井上弁護士に贈ったという事実が調査の結果わかっております。
#151
○岩佐委員 武藤教官は井上弁護士の東京二十の設立についての相談に乗ったというふうに最高裁の報告の中にありますけれども、そのとおりですか。
#152
○大西最高裁判所長官代理者 武藤教官も井上弁護士と研修所時代の師弟の関係でございまして、その後親しいつき合いがあったようでございますが、この東京二十の設立に伴う法律問題について井上弁護士が武藤教官に意見を聞いたという事実はあるわけでございます。
#153
○岩佐委員 幾ら師弟関係といっても、祝儀に十万円というのは多過ぎると思うのです。それから、名義は奥さんということですけれども、私は本人名義であると承知をしています。最高裁はきちんと納得のいく証拠によってこれは確認をされたことですか。
#154
○大西最高裁判所長官代理者 井上弁護士、武藤教官双方から、その名義及びお金の趣旨につきまして、これも何回も事情聴取を行っておりますが、結論としては、井上弁護士は、夫人である、ただ、何らかの書類に御本人名義を、井上弁護士はいわば箔をつけると申しますか、そういう趣旨で本人名義を書いたけれども、それは間違いなく実質は夫人名義であるということは、井上弁護士も終始変わらない供述をしておったと記憶しております。
#155
○岩佐委員 東京二十の問題についてどの程度武藤教官が相談に乗ったかわかりませんけれども、しかし、いずれにしろ、私が前段でずっと述べてまいりましたように、東京二十の設立自体にいろいろな問題があります。それについて裁判官として相談に乗ってほしいと言われた場合、それに相談に乗り、しかもアドバイスまでするということ、これは許されないことである、全く理解ができないわけです。奥さん名義だけれども本人だということで記載したということであるならば、これは従前から問題になっているように、東京二十に箔をつけるために、その会社設立を促進させる、そういうために利用されているわけです。武藤教官が筆頭教官、そういう重要な任務についている、そういうことからいって、今回の最高裁の対応というのは全く不十分だ、何の処分もしないというのは非常に不十分だ。
 谷合判事補、板垣判事の例は例外ではないというふうにいま言われています。新聞紙上では、東京地裁のある幹部は、谷合判事補、板垣判事がいたということは、今後も似た裁判官が出ておかしくない、こう言ったという記事があります。きょうも裁判官の自殺があったし、私自身も、鶴岡で突如として左陪席の若い人が自殺をする、そういうことにも遭って非常にびっくりしたわけですが、今回の一連の事件というのは最高裁の姿勢が問われる事件だというふうに思うのです。
 私は、直接証拠として板垣判事の井上弁護士にあてたこれほどはっきりした証拠はないというふうに思います。当然板垣判事を罷免しなければ、最高裁は国民に対して、一体どういう姿勢で最高裁がいまの司法に対応しているのかということが説明できない、そういう事態に立ち至っていると私は思います。この点について最高裁のきちんとしたお考えを伺いたいと思います。
#156
○大西最高裁判所長官代理者 ことしの春以来のこの東京地方裁判所民事二十部にかかわります不祥事につきましては、当委員会でも前にも御質問もいただきましたし、裁判所としてはまことに申しわけない、遺憾なことである、まことに国民の皆様に申しわけないことであるというその考え方自体は、いまも全く変わりはないわけでございます。
 裁判所といたしましては、二度とこんなことが起きないように、いま岩佐委員のこういうことはこれからも起こりかねないことであるというふうな御指摘、これは私どももそのとおりだと思います。いわゆる通常事件、訴訟事件と違いまして、特にこういう非訟事件にかかわります部におきましては、そういう問題がともすれば起こりがちな、そういうところであるということもよくわかっております。その事件の処理のあり方、裁判官の配置の問題、それから裁判官の研修の問題、その他いろいろな問題を含めまして、二度とこういうふうな問題が起きないような施策を考え、実行していきたいという決意は変わっておりませんで、いまもその方向に向かいまして努力を続けておる次第でございます。
#157
○岩佐委員 板垣判事のことについてはいかがですか、再度伺っておきたいと思います。
#158
○大西最高裁判所長官代理者 板垣判事の問題は、きょう手紙をお示しいただきましたけれども、こういう直接証拠そのものはきょう初めてでございますけれども、板垣裁判官がそういう意味での相談というものを井上弁護士から受けておるということは、私ども調査の過程で全然わかっていないものではございませんで、ある程度は承知しておることでもございますし、これをどう評価するかという問題に帰着するわけでございます。よくないことは先ほど来よくないと申し上げておるわけでございますが、これをどういうふうに評価するかということを含めまして、検討いたしたいというふうに考えております。
#159
○岩佐委員 時間が来ているわけですけれども、当然最高裁として、これはもう大変なことだ、これはもう罷免に値するのだというような考えがすぐ伺えるというふうに私は思ったのですけれども、何かきょう伺っていると、直接証拠が出たけれども、そんなこれは大したことないよ、大体いままでこんなようなことはわかっていたんだからというふうに聞こえて仕方がないのですけれども、そうなんですが。
#160
○大西最高裁判所長官代理者 こういう手紙を出したこと、こういう具体的問題についてこういう形で意見を述べたこと自体、いままでわかっておったというふうに申し上げておるわけではございませんが、このこと自体が即罷免かどうか、あるいは罷免になるかもしれません、そうでないかもしれません、そういうことはやはり検討させていただきたいというわけでございます。
#161
○岩佐委員 私は、最高裁がそこまで板垣判事をかばうといいますか、これだけ証拠が出てきても、なおかつそういう答弁に終始をしている、これは非常に重大だというふうに思います。
 私は、訴追委員会でこの問題についてはより突っ込んでやってもらいたい、あるいは法務委員会でもやっていただきたいということを要望申し上げ、そして最高裁については、国民が納得がいく、そういう結論をきちんと出すべきだということを再度要請をして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#162
○高鳥委員長 次回は、来る十一月十三日金曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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