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1981/10/06 第95回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第095回国会 本会議 第6号
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1981/10/06 第95回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第095回国会 本会議 第6号

#1
第095回国会 本会議 第6号
昭和五十六年十月六日(火曜日)
    ―――――――――――――
  昭和五十六年十月六日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一
  環としての国の補助金等の縮減その他の臨時
  の特例措置に関する法律案を審査するため委
  員四十人よりなる行財政改革に関する特別委
  員会を設置するの件(議長発議)
 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一
  環としての国の補助金等の縮減その他の臨時
  の特例措置に関する法律案(内閣提出)の趣
  旨説明及び質疑
    午後一時三分開議
#2
○議長(福田一君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 特別委員会設置の件
#3
○議長(福田一君) 特別委員会の設置につきお諮りいたします。
 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案を審査するため委員四十人よりなる行財政改革に関する特別委員会を設置いたしたいと存じます。これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#4
○議長(福田一君) 起立多数。よって、そのとおり決しました。(拍手)
 ただいま議決せられました特別委員会の委員は追って指名いたします。
     ――――◇―――――
 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#5
○議長(福田一君) この際、内閣提出、行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣中曽根康弘君。
    〔国務大臣中曽根康弘君登壇〕
#6
○国務大臣(中曽根康弘君) 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 先般、政府は、行政の合理化、効率化を推進するとともに、財政再建に関する緊急な課題に対処する等のため、去る七月十日に行われた臨時行政調査会の行政改革に関する第一次答申を最大限に尊重し、速やかに所要の施策を実施に移すとの基本方針を決定いたしました。この基本方針に基づき、今般、この法律案を取りまとめ提出した次第であります。
 この法律案は、同答申の趣旨にのっとり、行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環として、昭和五十七年度から昭和五十九年度までの間、すなわち特例適用期間における補助金、負担金等に係る国の歳出の縮減措置その他の特例措置を定めることを目的としております。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、特例適用期間における厚生年金保険の保険給付に係る国庫負担については、現行の規定による国庫負担額の四分の三を基準として予算で定める額に減額して繰り入れるものとするとともに、この措置により厚生年金保険事業の財政の安定が損なわれることがないよう、特例適用期間経過後において、国の財政状況を勘案しつつ、減額分に相当する額の繰り入れその他の適切な措置を講ずるものとすることといたしております。
 また、船員保険の年金たる保険給付等に係る国庫の負担、国家公務員共済組合及び地方公務員共済組合の長期給付に係る国または地方公共団体の負担並びに私立学校教職員共済組合の退職給付等及び農林漁業団体職員共済組合の給付に係る国の補助についても、これと同様の措置を講ずることといたしております。
 第二に、特例適用期間における地震再保険に係る事務費の一般会計からの繰り入れば、借入金のある年度を除き行わないことといたしております。
 また、自動車損害賠償責任再保険事業、自動車損害賠償保障事業等の事務費の一般会計からの繰り入れについても、これを行わないものといたしております。
 第三に、昭和五十七年六月から昭和六十年五月までの月分の児童手当に係る所得制限額は、老齢福祉年金の受給者本人に係る所得制限額を基準として政令で定めるものとすることといたしております。
 また、児童手当に係る所得制限により児童手当が支給されない被用者または公務員であって、政令で定める一定の所得未満のものに対し、第三子以降の児童一人につき月額五千円の特例給付を行うものとし、当該特例給付に要する費用のうち、被用者に係るものについては、一般事業主から徴収する拠出金をもって充てるものとすることといたしております。
 なお、児童手当制度については、これらの特例措置との関連をも考慮しつつ、その全般に関して速やかに検討が加えられた上、この特例措置の適用期限を目途として必要な措置が講ぜられるべきものとすることといたしております。
 第四に、特例適用期間に係る公立の小中学校の学級編制等の標準についての政令を定めるに当たっては、特に国の財政事情を考慮するものとすることといたしております。
 第五に、特例適用期間において、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律等十七法律に基づき都道府県または指定都市が行う事業等で、これらの事業のうち災害復旧その他災害による危険に緊急に対処する必要のあるものを除いたものに要する経費に対する国の負担または補助であって、通常の国の負担または補助の割合を超えて行われるものについては、当該かさ上げに相当する額の六分の一を減ずるものとすることといたしております。
 また、首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律等三法律に基づき都道府県が特例適用期間において発行を許可された地方債の国による利子補給については、当該補給金額の六分の一を減ずるものとすることといたしております。
 なお、これらの措置の対象となる都道府県または指定都市に対し、その事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう、財政金融上の措置を講ずるものとすることといたしております。
 第六に、住宅金融公庫法及び農林漁業金融公庫法等に基づく貸付金の利率については、特例適用期間において、当該貸付金の貸し付けを行う政府関係金融機関に係る政府からの借入金の最高利率が年六・五%を超える場合には、政令で、当該超える部分の範囲内で、貸付金の区分または種類ごとに当該貸付金の利率に加算する利率を定め、またはこれを変更することができるものとすることといたしております。
 この場合、居住環境の良好な住宅の建設等の促進または農林漁業の健全な発展のために当該貸付金の融通を円滑にすべき社会的、経済的必要性と国の財政負担との調和が図られるよう、考慮しなければならないものといたしております。
 第七に、内閣総理大臣または国務大臣が、特例適用期間において、給与の一部に相当する額を国庫に返納する場合には、当該返納による国庫への寄付については、公職選挙法第百九十九条の二の規定は、適用しないものとすることといたしております。
 以上のほか、これらの措置に伴う所要の規定の整備等を図るものといたしております。
 なお、この法律は公布の日から施行することといたしております。
 以上が、行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#7
○議長(福田一君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。中山利生君。
    〔中山利生君登壇〕
#8
○中山利生君 私は、自由民主党を代表して、ただいま提案されました行革関連特例法案の趣旨説明に関連して、鈴木総理並びに関係閣僚に対し質問を行いたいと存じます。
 冒頭に当たり、まず申し上げておかねばならないことがございます。
 いまからちょうど三十年前、昭和二十六年九月八日、わが国は、有史以来初めて経験をいたしました第二次世界大戦における敗戦と米国による占領という屈辱から脱し、自由主義国の一員として国際社会に復帰したのであります。
 当時、わが吉田総理は、全面、単独講和論が論議される中で、大いなる勇気を持って決断し、サンフランシスコにおいて自由民主主義連合国と平和条約を締結いたしたのであります。
 以来三十年、わが国は恵まれた国際環境のもとで、旺盛な活力と英知にあふれる国民の勤勉な努力によって、あの戦後の復興期から、最近における二度にわたるオイルショックも無事に乗り切り、今日の平和と繁栄を築き上げ、国際的にも目覚ましい地位の向上をなし遂げたのであります。
 私は、まずもって、この誇り得る祖国日本をつくり上げた諸先輩の御労苦に対し、深甚なる敬意を表しますとともに、さらに、わが国、わが民族が、かくのごとき発展をなし得たのは、サンフランシスコ体制以来、一貫して自由と民主主義の政治体制を堅持し、その中で国民の活力を最大限に発揮してきたからであると強く確信するものであります。(拍手)
 しこうして、われわれがいまなさねばならない最重要の仕事は、このわが国の平和と繁栄と、それを裏打ちする自由民主主義体制を強く守り、正しく育て、とれを子々孫々に伝え、来るべき二十一世紀が輝かしく確かな未来となるよう、限りない努力を積み上げていくことであります。
 しかしながら、この大仕事を成功させるためには、幾多の試練を乗り越えていかねばなりません。今日、最大の政治課題となっております行財政の改革に積極的に取り組むことも、また大きな試練なのであります。
 総理は、先般の所信表明において、行財政改革は、国家百年の大計であると申されましたが、まさにそのとおりであり、われわれは国民の理解と協力のもと、この難関を突破してまいらねばなりません。
 さて、わが国の財政は、第一次石油ショック後の昭和五十年以降、大幅な赤字を抱えるに至り、公債発行残高は、昭和五十六年度末で八十二兆円にも達することは御承知のとおりであります。しかし、この公債発行は、第一次石油危機後の世界的な不況の中で、わが国が景気を回復し、国民生活を安定させるため、財政政策としてあえて踏み切ったものであり、その後、公共投資を促進する一方、福祉や教育を充実しながら不況から脱出し、国民生活を安定することができたのであります。
 世界じゅうがまだオイルショックの後遺症に悩みつつある中で、わが国のみが今日、優等生と言われる地位を築くことができたのは、この公債発行政策があったからであります。たとえて言うならば、日本という、オイルショックに悩む苦学生に、公債という育英奨学資金を与えたればとそ、今日の安定と自立ができたのであると確信するのであります。
 わが日本経済も、緩慢ながらようやく安定軌道に乗りつつある現在、苦学生の時代、大切に使った奨学金を着実に返済していく気持ちで、財政再建に真剣に取り組むことが、今後の日本経済発展のため、当然とるべき方途であると考えるのであります。
 また、行財政の抜本的改革は、来るべき高齢化社会の到来に備えて、福祉の充実、経済と国民生活を支えるエネルギー対策の推進、科学技術と教育の充実、社会資本の整備、国の安全と平和を守る総合安全保障政策の拡充等の国の基本的な政策を実行するため、また、簡素にして効率的で、新しい時代に対応力のある政治行政体制を築き上げるため、解決をせねばならない基本的課題であり、最大の目標であります。
 こうしたことを考えてまいりますと、行財政改革の推進は、今日進行しております来年度予算編成の課題を解決するだけでなく、より高い視野に立って日本の将来を展望した行財政の改革でなければならないと考えるのであります。
 鈴木総理に、まず第一にお伺いいたしたいと存じますことは、総理がお述べになりました二十一世紀を展望する国家の大計としての行財政改革を、今後どのように進めていかれるおつもりであるか。言葉をかえて言えば、これから行おうとする行財政改革全体の青写真をお示しいただくとともに、今回の行革関連特例法案は、その中でどのように位置づけておられるのか、お伺いしたいと考えます。
 第二に、行財政改革は、明るい未来を築き上げるためとはいえ、それ自体としては国民生活や産業に何がしかの痛みを伴うものであります。指導者は、真剣かつ誠実なリーダーシップを発揮して、国民の理解を得ていく必要があります。
 本法案の立案、提出に当たって、総理はどのようなリーダーシップを発揮しましたでしょうか。また、その結果、法案の中に、その意思がどのように結実しているのか、お伺いしたいと存じます。
 第三に、最近一部の人たちから、今回の行財政改革の推進は軍備増強のための行財政改革であるとか、財界主導型の行財政改革であるとかの声が出されたのでありますが、私は、これらの意見は、現在の厳しい行財政の現状を理解していない暴論であるとともに、わが党及び政府の行財政改革への姿勢を曲解した以外の何物でもないと考えるのであります。(拍手)
 総理は、このような見識を欠く意見に対しては妥協することなく対処すべきであると考えますが、御決意のほどを伺いたいと存じます。
 先般の代表質問において、わが党の加藤議員も申し述べられましたが、行財政の改革は、いつの時代にあっても最重要の政治課題であるとともに、また反面、総論賛成、各論反対が通りやすく、実行のむずかしい課題でもあります。総理の御奮闘を期待するものであります。
 次に、中曽根行管庁長官にお伺いをいたします。
 御承知のとおり、わが党及び政府は、夏休みを返上してスケジュールに従い、行財政改革の推進に真剣に取り組んでまいりました。
 すなわち、まず第一に、本年六月五日、昭和五十七年度予算の概算要求を原則として前年度の枠内にとどめるという前例のないゼロシーリングの方針を決定いたしました。
 第二に、七月十七日、政府の臨時行政調査会が提出された第一次答申については大筋を了承し、これを尊重しつつ昭和五十七年度予算については増税なき予算編成を推進する旨の基本方針を党議として決定いたしました。
 次いで、八月二十五日、本答申に関連して、「行財政改革に関する当面の基本方針」を党及び政府で決定いたしました。
 本法案は、この基本方針に基づいて提出されたものであり、昭和五十七年度より三年間の財政措置がその大宗をなしております。
 しかしながら、行財政の改革は本法案にとどまらず、政府の臨時行政調査会においても第二次、第三次の答申を出されるやに伺っておりますが、行財政改革の今後のスケジュールと、取り組まれる課題についてお伺いしたいと存じます。
 第二に、先般述べましたように、本法案が、七事項三十六件の法律について一括して一本の法律案にまとめられたものであるだけに、国会において特別委員会が設けられ、きょう審議に入るまでの過程で、一括法案は国会を押し通すための手段であるといった意見も出されたのであります。
 私は、この行革関連特例法案が多くの法律を一括してまとめられ、特別委員会で審議されることこそ、国民の側から問題を明確に把握することができるものと考えるのでありますが、本法案の所管大臣である中曽根長官の御見解を伺いたいと存じます。
 第三に、今後の行財政改革に当たっての最大の問題である国家公務員、地方公務員、特殊法人等、行政の簡素効率化に関する問題であります。
 私は、公務員が憲法に言う全体の奉仕者であるとの精神を踏まえて、定員、給与の合理化が図られるべきであり、国、地方、特殊法人等を通じ、全体として簡素効率化が図られなければならないと考えます。臨調の御答申のあり方とも関連して、今後の御方針を承りたいと存じます。
 次に、渡辺大蔵大臣にお伺いいたしたいと存じます。
 第一に、私は先ほど、八十二兆円に達する公債の発行残は、日本が第一次オイルショックの影響から脱し、安定した経済成長の持続と国民生活の福祉向上を図り、世界の優等生となるための育英奨学資金であって、いまや、わが国が自由主義国として三十歳の壮年に達したからには、苦学生時代に借りた借金は着実に返済すべきであると申し上げたのであります。
 しかし、先般の代表質問において、日本社会党の飛鳥田委員長は、この公債の八十二兆円は、自由民主党の政策失敗の多年のツケが回ってきたものであって、わが党はあずかり知らぬとの趣旨の御発言があったのでありますが、財政再建に命をかけておられる渡辺大蔵大臣としては、いかなる御見解であられるか、お伺いをいたします。
 第二に、来年度財政についてであります。
 先ほど発表された各省庁の昭和五十七年度一般会計概算要求額は四十九兆四千六百六十一億円であって、本年度予算額の五・七%増となっておりますが、この四十九兆円に上る概算要求は、去る六月五日決定したゼロシーリング要求によって積み上げられたものであります。
 大蔵大臣は、今後、増税なき来年度予算編成という大基本方針のもと、どのような編成作業をお進めになるおつもりか。また、行革関連特例法案で予定されている縮減額二千五百億円に、補助金等の見直しによる縮減額千六百億円を加えても四千百億円の節減にしかならないのであります。本年度当初提出された来年度の予算編成における要調整額二兆七千七百億円にはほど遠い額であります。
 そこで、本法案と来年度予算編成との関係、また、来年度以降に臨む御方針についてお伺いいたします。
 第三に、本法案に示された福祉関係、地域特例の見直しについてであります。
 福祉関係にあっては、厚生年金等は、国民が長年にわたってみずから掛金を納付し、老後の安定のために積み上げてきたものであります。今回の法律案においては、いわば国民の血と汗の結晶である年金等について、その国庫負担分を減額するものでありますが、減額したままにしておくわけにはとうていまいらないと思うのであります。大蔵大臣は、この法律案に即して、どのように対処してまいられるのか、お伺いいたします。
 また、地域特例の見直しについてでありますが、各地域特例は、それなりに設けられた意義があるのであります。たとえば災害対策についての特例措置の見直しが外されたことは、きわめて当然のことでありますが、過疎対策や離島振興対策などを進める地方団体にとっては、この特例の見直しは、まことにつらい、厳しいこととなるのであります。幸い減額された分については地方債によって補てんされることになっておりますが、本法律案に規定する起債措置等は、地方公共団体にとって重大な関心事であります。大蔵大臣は、この問題についてどのような御見解をお持ちか、お尋ねいたします。
 第四に、租税政策についてであります。
 来年度については、増税なき予算編成を推進する旨の方針を決定しておりますが、国民の眼は、すでに来年度以降に向けられているのであります。所得税の負担のあり方、直接税と間接税の割合等、租税負担の公平論、執行面等について検討すべきであると考えますが、御見解を伺います。
 最後に申し上げますが、行財政改革の推進のための本法案はその第一歩であります。今国会においては、さきの国会から継続審議となっております行革関連法案ともども成立を図り、行財政改革推進の門出としなければなりません。
 行財政の改革は言うべくして実行の困難な課題であります。しかしながら、これによらずして、わが国家は民族の平和と繁栄を確保し、二十一世紀に向けて明るい未来を切り開いていくことは不可能であります。わが党は、戦後一貫して政治を支えてきた責任政党として、国民の協力を求めつつ、あらゆる困難を克服してその推進に努めることを申し上げ、質問を終えさせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕
#9
○内閣総理大臣(鈴木善幸君) 中山さんにお答えをいたします。
 まず、行財政改革を今後どのように進めるか。また、その中で、今回の行革関連特例法案はどのように位置づけられているかとのお尋ねでありました。
 これから行おうとする新しい時代が求めている行財政改革は、第一に、高度成長時代に肥大化した行財政の思い切った縮減合理化を行い、変化の多い内外状況に機動的に対応できる体制を整えることであります。
 第二点は、多額の公債残高を抱える財政危機を克服するため、当面、赤字公債依存の財政体質から脱却するとともに、安定成長に移行した今日、行政需要と、それを充足すべき財政収入のギャップを解消し、財政の健全化を図ることであります。
 第三点は、政府と民間、国と地方との適正な機能分担のもとに、簡素で効率的な政府を実現することであります。
 第四点は、公正で民主的な行政運営が行われ、国民から信頼される政府、心の通った政府を実現することであると私は考えております。
 また、行財政改革の進め方につきまして、このような中長期的課題を検討しつつ、当面着手し得る改革事項は着実に進めるという手法をとってまいります。
 このため、臨時行政調査会に、昭和五十七年度の予算編成に向けて当面なすべき具体策について御提言を願い、これを最大限に尊重するという方針のもとに、目下答申の内容の実施に努めておりますが、今回御提案いたしました行革関連特例措置は、当面緊急を要するものであり、また、行財政改革の第一着手でもありますので、できるだけ早く成立することを念願いたしております。今後も臨時行政調査会の答申を得次第、その趣旨を最大限に尊重しつつ、行財政改革を一歩一歩進めてまいる所存でございます。
 第二に、本法案の作成に当たり、私がどのようなリーダーシップを発揮したかとの御質問でしたが、行財政改革は、鈴木内閣が当面する最重要課題でありますので、関係閣僚が一致協力して本法案をまとめ上げたものであります。関係者がみんな痛みを分かち合って行財政改革を進めたいという意思が、法案の中に結実しているものでございます。
 最後に、今回の行財政改革の推進は、軍備増強のための行財政改革であるとか、財界主導型であるとかの一部の意見もあるが、そのような声に惑わされることなく行革を進めよとの御鞭撻がございました。
 私は、所信表明でも申し上げましたとおり、国内にあっては活力ある福祉社会を実現し、対外的には国際社会に一層貢献するために行財政改革を推進しております。これは国家、民族の将来のため避けて通れないことであるとの信念のもとに事を進めているのでありまして、軍事大国になるためとか、財界のためにとかきめつけることは、中山議員御指摘のように曲解でございます。私は、今後とも信念を持って行財政改革に取り組む所存でございます。
 以上、お答えいたしましたが、残余の件は、所管大臣からお答えをいたします。(拍手)
    〔国務大臣中曽根康弘君登壇〕
#10
○国務大臣(中曽根康弘君) まず、今後のスケジュールでございますけれども、第一次答申に対しましては、中山議員お話しのとおり、八月二十五日に基本方針を閣議決定いたしまして、補助金、負担金等の削減、あるいは定員問題あるいは給与問題等に対するわが党の基本方針を決め、また閣議決定もして、今回は補助金等に当たる部分を法案として提出しておる次第でございます。
 第二次答申につきましては、来年の初夏を目途に答申していただくように期待しておりますが、これらの中におきましては、まず今度の行革の理念、体系、それから第二に中央省庁の統廃合、公務員制度の問題、それから地方制度あるいは出先機関の整理統合の問題、それから官業と民業との分界点、政府の果たすべき役割り、さらに三公社五現業、特殊法人の問題、あるいは情報公開、あるいはプライバシーの保護、こういう新しい課題にも挑戦いたしまして、答申をお願いしたいと思っております。
 第三次答申は、臨調が終わる時期であります五十八年三月のころを期待しておりまして、大体締めくくりの答申になるだろうと考えております。
 第二に、法案を一括して提出申し上げましたのは、やはり特例期間が皆同じで三年間としていること、あるいは負担金や補助金等の縮減に関する点において共通している、そういう点から総合審査をお願いした方が効率的である、そういう観点からでございます。
 第三に、国家公務員、地方公務員、特殊法人の職員の問題でございますが、これらについては極力簡素効率化するという方針のもとに、いま政策を展開中でございます。
 なお、人事院勧告や仲裁裁定の問題は非常に重要な問題でございまして、内閣といたしましても誠実に、かつ慎重に検討しているところでございます。(拍手)
    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕
#11
○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えをいたします。
 一つには、八十二兆円に及ぼうとする公債の残高、これはだれがつくったんだ、どういう役に立ったんだという御趣旨でございます。
 これはもうすでに中山議員が御指摘されたとおりでございます。一言申し上げますと、たとえば昭和五十五年の三月末で約七十兆円の国債残高がありますが、そのうち四十一兆が建設国債、二十九兆が赤字国債、こうなっております。しかしながら、これは第一次石油ショック以来、世界じゅう不景気と失業に悩んでいるさなか、日本でもそうなっては困るということで、国が、税金が上がらないから借金をして、公共事業を大幅にやって失業者を救ってきたという事実がございます。
 その結果、日本の景気は現在でも、よその国はマイナス成長だというのに、日本は去年でも四・八、ことしもまあ四%以上、四・八ぐらいのものがさらに持続できるであろうという状況になっております。
 もう一つは、赤字国債の方は、これも御承知のとおり、たとえば昭和四十八年は老齢福祉年金も一人約五千円だった、ところが去年は二万二千五百円、ことしは二万四千円ですから、四・五倍ないし四・八倍になっております。一事が万事そういうようなことで、社会保障費は、この七年間に約四倍になっております。その間、税金は二倍にしかなっておらぬわけですから、そうすれば、これは収入よりも出費が多い部分は借金になるに決まっておる話でございまして、その分が要するに社会保障の充実あるいは教育の充実というようなものに充てられたわけでございまして、国民の血となり肉となってきた、そう言っても差し支えない、かように考える次第でございます。(拍手)
 しかし、これ以上に借金を続けることは、その利払いにおいて大変だ、そういうことで、まあここらが限界であろう。したがって、これ以上どんどんふやすということにはブレーキをかけていかなければならぬという点から、財政の再建ということが強く言われるようになったわけでございます。
 その次は、財政再建をやるに当たって、今回法案を出したりして見直しをやっても二千五百億円、あるいは補助金の整理で千六百億円、四千百億円ぐらいしか節減にならぬじゃないか。そうなってくると、来年度は二兆七千億円も要調整額があるというのにとても足らぬじゃないか、四千億ではどうして二兆七千億の差額が埋まるのかという御質問でございます。
 しかし、これは御承知のとおり中期展望では、たとえば投資部門を仮に来年九兆四千五百億円にふやすというようなことを考えておるわけでございますから、これについても九千億円ぐらいのものが増加するという前提に立っておりますが、しかしこれは増加させない、公共事業は来年は横並びだ、ことしとまた同じだということにすれば、八、九千億円というものがそこで少なくなるわけであります。
 あるいは一般の経費につきましても、いままでと同じようなペースで支出が行われる、あるいは人件費がどんどん上がっていくというような状態であるならば別でございますが、そういうようなものについてできるだけ抑制というものが働いていくわけでございまして、たとえば、ことしの概算要求を見ましても、大体前年対比六・五%ぐらいの枠と思っておったところが、五・七ぐらいの概算要求におさまってきたということは、すでに、その中でもう切るものはかなり切られて要求が出されておるということでございます。したがいまして、これは各省庁ともいろいろと工夫をいたしまして、何とかゼロシーリングの中で来年度の予算をおさめたいという願望に基づいてやっておるわけでございます。
 したがって私は、増税がなくとも、明年度予算においては、皆さんの御協力を得て健全な予算の編成が大きく踏み出すものと考えております。
 それから次には、社会保障、地域特例の見直しの問題でございますが、これらにつきましても、これはこの前もお話し申し上げましたように、この特例期間後におきまして年金財政の安定を損なわないようにいたします、それだけの措置を講じてまいります、減額分の繰り入れその他適正な措置を講じますということを申し上げておるわけでございます。
 地域特例においても、ほぼ同様なことを申し上げておるわけでございます。地域特例においては、この元利償還に要する額の二分の一に相当する額を臨時地方特例交付金として一般会計から交付税特別会計へ繰り入れます。なお、地方財政の状況に応じ、必要がある場合においては、この臨時地方特例交付金の額について配慮する方針であります。これは全額繰り入れると言ってないのです。二分の一ということを言っておるわけでございまして、地方におきましても、それなりの節減合理化ということについては、一緒になってやろうじゃありませんかということを申し上げておるわけでございます。
 次には、もう一つ税金の問題でございますが、税の問題につきましては、いろいろ国会の御論議等を踏まえまして、国民の負担能力に最も適応した形で考えていかなければならない、かように考えておるわけでございます。特に、その中での不公正の是正という点で、執行面、制度面について一層の配慮をせよということでございますが、十分御趣旨を踏まえましてやらせていただくつもりでございます。
 以上、お答えといたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○議長(福田一君) 武藤山治君。
    〔武藤山治君登壇〕
#13
○武藤山治君 私は、日本社会党を代表して、鈴木内閣の方針と見解を求めるものであります。
 今回上程された行革関連特例法案は、三十六本の法律を一括し、特に議員立法に係る十一法律まで束ねて特例法で処理しようとするものであり、立法府に対する行政の無原則な介入であり、民主主義の議会のあり方を否定する暴挙と言わなければなりません。(拍手)これらの点は、今後委員会において徹底的に解明し、行政府を追及するつもりであります。
 ただいま上程された行革関連特例法案は、行革とは言えない内容のものであります。総理、行革とは、簡素で効率的な行政に改めることであり、その第一歩として、むだな支出を削減することである、これこそ国民がこの臨時国会に期待している課題なのであります。
 特例法案による削減額は二千四百八十二億円と政府は言っておりますが、本当はわずか百二十二億円しかない。あとの二千三百六十億円は国債の発行と変わるところがない借入金に相当するようなものであります。政府は、行政改革の第一歩を踏み誤ったのではないか。(拍手)国民の期待に背くこのような数字合わせではなく、真に行政の冗費を削るべきであり、そのための法案を提出すべきであります。総理の考える行政改革とは、赤字公債からの脱却のみを財政再建と考え、一体行革とは何かを国民の前に鮮明にしておりません。明らかにしてください。
 不急な公共事業の圧縮、大企業に対する実質的な補助金である租税特別措置や補助金、あるいは租税正義に反する内部留保への非課税措置の整理、薬価基準の是正などによる医療費の節減、防衛費の抑制等を断行すべきであります。(拍手)これらで優に五千億円の不急費用の節減が可能であります。行革の第一歩として、これらをこそ優先実施すべきではないでしょうか。(拍手)総理の行革方針を聞きたい。
 削減すべき支出を削減していない政府は、来年度公債金収入を十兆四千四百億円に抑えることができないのではないか。いまの行革のきっかけの一つである大蔵省の財政中期展望の要調整額二兆七千七百億円は、増税なしと、国債一兆八千三百億円減を前提にしております。もしも、政府が、この国債発行減ができないとすれば、財政再建を危うくするだけでなく、行革の前提の一つを崩すことになるだろう。心配ないのか、計画を明示せられたい。(拍手)
 政府が、厚生年金等への国庫負担金の減額分を繰り入れると言っている時期、すなわち昭和六十年以降の財政はどんな状況になるのか。
 昭和六十年度の国債残高は百十兆四千億円、利払い費八兆四千億円、定率繰り入れ一兆七千百億円で、国債費は十兆二千億円程度となるだろうと思われます。いまの一・五二倍にもなる予想であります。さらに、国債整理基金の余裕金残高は、六十二年度の途中で底をつき、同基金への予算繰り入れを六十二年度よりしなければなりません。このため、昭和六十三年度の国債費は、約十三兆七千億円の巨額になると思います。しかも、まだ建設国債は依然として発行され続けるのでありましょう。日本の財政が一層の困難に直面する時期に今回の減額分を返済すると、いま約束するのは空手形になるのではないのか。総理、本当に厚生年金、共済年金の今回のカット分を本気で返済するつもりでおるのか。
 そればかりではない。いま行うべき支出削減を行わず、財政がより大きな困難に遭うそのときにツケを回す今回のやり方は、財政を破綻に導く要因となります。(拍手)特に、防衛費の後年度負担の増もその原因の一つとなることは確実であります。したがって、繰り入れ減額と返済というやみの赤字国債に逃げるのではなく、前述した不要経費の削減を行わなければならないのであります。
 さらに、やみ国債は、このほかに住宅金融公庫の利子補給金の一部に用いている財政投融資資金がある。こうしたやみの赤字国債は、財政法第四条の脱法行為の疑いもある。これは法律によって明確に禁止されなければなりません。そうでなければ、健全財政の再建はできないと思うのであります。
 財政再建とは一体どういう姿なのか、総理の描く長期的な財政再建の青写真はいかなるものであるかを国民の前に明らかにしてください。(拍手)
 厚生年金等への国庫負担減額分は、特例適用期間後において必ず繰り入れするのか。繰り入れは何年までに行うのか。その場合、運用利益減額分も返済するのか。総理が返すと言うなら、この三点は明らかにしなければなりません。
 厚生大臣は、必ず繰り入れる、返すと言っている。大蔵大臣は、そのときの財政事情あるいは適切な措置を講ずるとして、必ず返すと言っていない。法律というのはひとり歩きしてしまうのであります。いま渡辺さんがここで、そのころに何とか返すようにしたいと言っても、その当時、あなた一大蔵大臣じゃない、あるいは総理大臣でないかもしれない。そこで、法律というものは、はっきり条文の中で、返すならば返すと書かなければなりません。(拍手)
 ところが、法律案の条文は、「厚生年金保険事業の財政の安定が損なわれることのないよう、」「国の財政状況を勘案しつつ、」「繰入れその他の適切な措置を講ずるものとする。」となっておるのであります。必ずしも繰り入れるとは読めない。特例期間中に保険料率の引き上げや年金支給開始年齢の引き上げを行い年金勘定がバランスするか、または国の財政が厳しいなら、繰り入れなくともよいことに、この条文ではなるのではないか。したがって、単に返すというのは食言となる可能性の方が大きい。国民を欺瞞してはならない。
 こんなことをするよりも、年金のことをいじるとするならば、高級官僚出身の国会議員あるいは特殊法人の役員で高額の年金を受給している者が相当数ある。高収入を得ている間ぐらいは、これらの年金の併給はストップすべきであります。(拍手)こういうことこそ、まず行政改革の第一に着手しなければならぬ問題である。総理はどう考えるか。
 さらに、特定地域に対する補助金等の減額分四百六十億円を地方債で穴埋めし、この元利償還経費の半分を国が繰り入れると説明しているが、本当か。大蔵大臣、法的保障は一体あるのか。自治、大蔵両省の合意文書を明らかにしてください。国が後年度に補てんするのであれば、法案にもそのように明記すべきである。しかるに、法案は、「その事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずるものとする。」となっている。返すなどと書いてない。財政金融上の措置の中身は一体どういう合意になっているのか、ごまかさずに、はっきり厚生大臣もしくは大蔵大臣から答えてください。(拍手)
 地域特例に関するこの措置は、国の歳出を削り、その分、地方債を増額すること、言いかえれば、国債のかわりに地方債を発行させるものであります。これでは、地方を含めた行政機関の債務も歳出も削減にならないじゃありませんか。したがって、これは行政改革の範疇に入らない。そればかりでない、地方負担をふやし、地域振興意欲をそぐというマイナス効果しかない。このような条項はとうてい容認できないし、大平前総理が口にした地方の時代に水を差し、分権と自治を後退させるものである。(拍手)鈴木内閣は、地方の時代、分権、自治を放棄するのか、真意をお尋ねしたい。
 法律案の他の主な事項、児童手当の削減、四十人学級の停止、住宅金融公庫等の金利引き上げへの弾力化、公的保険事務費国庫負担の停止等々は、ほとんど勤労者、子供、婦人に負担と犠牲を負わせるものであります。これよりも、特に四十人学級の抑制を選ぶよりも、文部省予算の中では主任手当など百十六億円をまずばっさり削減すべきではないのか。(拍手)政府は優先順位を誤ったのではないか。今回の措置を撤回し、予算査定で適切な措置をすべきであるが、政府の見解を承りたい。(拍手)
 総理は、行革で痛みを分かち合うと言っているが、この法案で、大企業、富裕者が分かち合う痛みが一つでもあるのか、あったら具体的に示してほしい。行革とは、このように弱者、勤労者に一方的に負担を強い、さらに地方自治に困難をもたらすものであってよいのか。
 行政改革は、高度成長で高利益を得てきた大企業、富裕者に負担を求めるところから始めなければなりません。(拍手)そうでなければ、国民の行革への支持は得られないと私は思うのであります。(拍手)したがって、このような国民に一方的負担をさせる事項は削除すべきであります。
 総理は、乏しきを憂えず、等しからざるを憂える政治を行いたいと公約をしたがへ今回の措置は公平、公正を欠いているのではないか。
 次に、来年度概算要求における予算削減額は一体幾らになるのか。大蔵大臣、わが党の試算によれば約九千三百億円になる。このうち、医療が約四千億円、年金が二千六百億円、福祉が四百億円、教育が七百億円であり、社会保障、教育だけで七千三百億円と、全削減額の八〇%を占めております。地方自治体への負担転嫁は約四千億円、やみ国債約二千億円となり、国民負担増は合わせて一兆円になるおそれがあります。行革関係法案だけでなく来年度予算においても、政府は、またまた勤労者、老人、病人、子供に大きな負担と犠牲を負わせようとしているのであります。(拍手)
 総理は、行革は天の声だと言っております。これが天の声か。天の声とは、公正、公平、道理を求めることではないのか。総理の言う天の声とは、財界の声、レーガンの声しか聞こえないのか。(拍手)鈴木内閣が行革でやろうとしていることは、不公正、不公平、冷酷、弱い者いじめである。何と弁解しようとも、行革に対する政府の方針を根本から改めない限り、この事実は消えないのであります。
 大蔵省は、今後概算要求以上に来年度予算を切り込むと言っているが、幾らくらい、どの部門の予算を切るつもりか、医療保険事務費の保険財源への切りかえや、大学授業料の値上げ、公団家賃の値上げ等、国民負担をさらにふやす予算削減を行うのではないか心配だ。租税正義の実現と防衛費の削減を、今後の査定で実行すべきである。このことを大蔵大臣、いま約束できるかどうか。
 総理は、財界主導の行革を改め、もっと国民の声に耳を傾けなければならない。国民がいま行政改革に優先的に求めているのは不公平税制の是正であり、最も強く反対しているのは医療、年金、福祉の後退であり、防衛費の抑制も強く求めていると新聞は報じております。(拍手)
 ところが、鈴木内閣が行おうとしている行革は、国民が求めていることは行わず、国民が反対していることのみを強行しようとするものである。総理には、この国民大衆の声が聞こえないのか。(「それは独断だよ」と呼ぶ者あり)独断ではない、新聞の世論調査が発表しておる。平沼君、よく新聞を読みたまえ。(拍手)
 国民が最も求めている租税正義の実現、すなわち、不公平税制の是正のため、直ちに大法人の内部留保に対する課税強化、収入基準による申告制の導入……
#14
○議長(福田一君) 武藤君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#15
○武藤山治君(続) 当面、利子配当分離課税四〇%への引き上げなど、これらの不公平税制是正の断行こそ行革の前提でなければなりません。(拍手)
 時間が参りましたから結論を申し上げますが、最後に、防衛費の増額が二千四百億円増となり、さらに明年以降の後年度負担は驚くほどの巨額となり、来年度には二兆二千六百億円となる。新規契約額は一兆六千七百億円に達し、いよいよ防衛支出が激増の道をたどろうとしております。恐らくこれから七年後には、日本の軍事費は米ソ中に次ぐ世界第四位の軍事国家になることを心配するのであります。
 総理行革と軍拡、相似て相似ず。この鈴木内閣がいまやらんとする方針は、行革にあらずして、まさに軍拡の道を歩まんとするものと断ぜざるを得ない。(拍手)
 総理大臣の行革に対する見解と、国民の声に率直に耳を傾ける民主の政治家の方向を目指すべきことを強く警告をして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
    〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕
#16
○内閣総理大臣(鈴木善幸君) 武藤さんにお答えをいたします。
 まず、行革の第一歩として優先的に実施すべきものは、今回提案した法律に含まれるような事項ではなく、ほかの事柄ではないかとの幾つかの事例をお示しになりました。
 御指摘の事項につきましても、もちろん検討してまいりますが、今回の行革関連特例法は、財政再建を突破口として行財政改革を進めるべきであるという臨調の第一次答申の趣旨に沿い、当面の財政収支の緊急な改善に資するよう、七つの項目について、昭和五十七年度から五十九年度までの間の臨時特例措置を取りまとめたものであります。いずれも、当面の行財政改革において欠くことのできない施策でありますので、御理解を願いたいと存じます。
 文教予算について、主任手当のカットをしてはどうかとの御提言でしたが、教務主任、学年主任等は、学校における各種の教育活動について連絡調整及び指導、助言に当たっておりまして、校長を中心に学校全体が協力一致して充実した運営を行う上に重要な職務を果たしております。いわゆる主任手当は、これに対して支給されるものでありまして、施策のプライオリティーは高いのではないかと存じます。
 なお、これに関連して、いわゆる四十人学級の実施の過程で、「特に国の財政事情を考慮するもの」とした規定の撤回をしてはどうかとの御意見でございましたが、撤回するつもりはございません。
 私が行財政改革で痛みを分かち合うと言っているが、今回の法案の中に大企業や富裕者が分かち合う痛みがないではないかとの御意見がありました。
 今回の措置の中には、年金制度に関するもののように、富裕とか貧困とかに関係がないもの、児童手当についての規定のように、豊かな階層に厳しくしたもの、内閣総理大臣または国務大臣が給与の一部を国庫に返納できるようにするための改正などが含まれておりまして、富裕者優先とか大企業優先とかいう性格のものではございません。
 今後、行財政改革を進めるに当たって国民が等しく痛みを分かち合う気持ちが必要であると私は考えておりますが、常々申し上げておりますように、社会的、経済的に見て弱い立場にある方々に対する真に必要な施策は確保してまいる所存でございます。しかし、それと同時に、社会保障であっても、悪平等を是正したり、むだは省かなくてはなりませんから、給付と負担の両面にわたり見直しを進める必要があると考えております。
 防衛費の削減を断行せよとの御意見がございましたが、常々申し上げておりますとおり、憲法及び基本的防衛政策に従い、経済、財政事情を勘案し、また国民の理解を得つつ、文民統制のもと、節度ある、質の高い防衛力の整備のため、着実な努力を行ってまいる方針であります。
 以上、御質問にお答えいたしましたが、残余の件につきましては、所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕
#17
○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えを申し上げます。
 財政中期展望の要調整額二兆七千七百億円は、増税なしと国債一兆八千三百億円の減を前提にしておる。そういうことだが、本当にこの国債、予定どおり一兆八千三百億円の減が増税なしでできるのか、こういうふうな趣旨に受け取ったわけでございますが、別にいま一兆八千三百億円減額するということを実は決めているわけではございません。これは御承知のとおり、財政中期展望で一定の増収見通しというものがございまして、それと同時に、やはり支出の増大というものが両方あるわけでございます。これらの問題について、とりあえずわれわれとしては、その支出の増大は、極力これをまず抑え込んでいくということを、いまやっておる最中でございます。
 財政の収入問題については、極力われわれとしては景気の持続を図って、あそこに示されるぐらいの税収を図りたいという努力は継続してやるつもりでございます。しかしながら、やはりそういうことになれば、当然一兆八千億円程度の国債減額はやらなければなるまい、こう思っておるわけでございまして、正確に申しておりますのは、五十九年度で赤字国債から脱却しますということを言っておるわけで、中期展望というものは、ただ一応計算上張りつけただけであって、あのとおりやりますということを言っておるわけではございません。
 その次は、不急不要な公共事業の圧縮、大企業に対する補助金とか、いろいろなそういうようなものをみんな切れというようなことでございますが、われわれとしては、不急な公共事業については、これは抑制措置を図っていく、そういうつもりでございます。
 大企業に対する実質的な補助金である租税特別措置というようなことを言っておりますが、租税特別措置の中では、大企業にたくさんの補助金を出しているというようなことはないと思います。それから非課税措置の整理その他、特別措置の中身の整理につきましては、今後とも実情に合ったように、いままでも直してきましたが、今後とも、それは整理をしていくつもりでございます。
 それから、薬価基準の是正と医療費の節減について。
 これは臨調答申の中にも書いてございますように、われわれとしては薬価基準の是正や医療費の節減をやってまいります。したがって、その結果として医療費が減って社会保障費が減るということならば、これは結構なことだと私は思っておるわけでございます。
 防衛費の抑制を断行せよということでございますが、防衛費といえどもこれは聖域ではございませんので、(発言する者あり)その中身につきましては、われわれは最小限度どうしても必要なものだけは認めますが、そうでないものは、これはやはり査定をするわけでございます。
 その次でございますが、厚生年金の国庫負担繰り入れ減額の点でございますが……(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。住宅公庫の利子補給金の一部財投資金、これらがやみの国債ではないかということでございますが、やみの国債だというようにはわれわれは思っておらないわけでございます。
 その次は、特定地域に対する国の補助金等の減額分四百六十億円の問題についてでございますが、御指摘のとおり、元利償還の二分の一に相当する額を臨時地方特例交付金として一般会計から交付税特別会計に繰り入れる方針について、実は自治大臣と大蔵大臣の間で合意ができております。
 法律に書いてないから、それを書けというようなことでございますので簡単に申し上げますが、九月十八日に両大臣が集まりまして、その特例のかさ上げの問題についての協定をいたしております。その協定の中で、覚書でこういうふうなことを言っておるわけでございます。特例措置でカットされる分については、その「元利償還に要する額の二分の一に相当する額を、昭和五十八年度以降の各年度において、臨時地方特例交付金として国の一般会計から交付税特別会計に繰り入れるものとする。なお、地方財政の状況に応じ必要がある場合においては、この臨時地方特例交付金の額について、配慮するものとする。」こういうように両大臣間で文書を取り交わしておりまして、この内容については、すでに自治大臣から実は公表をされておるものでございます。
 それから、年金の問題について結局どうなんだ。厚生大臣と意見が違うではないか。厚生年金についての四分の一の特例期間中のカットについて、後で元利について償還するというのだが、元金の部分は償還しますというか繰り入れる、一般会計から充当していくということはわかったけれども、利息のことについてはどうも、厚生大臣の方ははっきり返してもらうと言っているのに、大蔵大臣の方は言っていないということでございます。
 私は、そのときの財政事情等も勘案しながら、保険財政に支障のないように、利息についても返還は十分考えておりますということでございます。それは利息に相当する部分も、われわれとしては返還することを考えておりますということを申し上げておるわけでございます。
 それから、高級官僚が退職後、国会議員になっている、それで年金をもらっている者が百名もいる。こういうようなものをまずやめてからやれというようなお話でございますが、これは、国会議員や特殊法人の役員にだけ限って支給制限をするということは、一般民間会社への再就職等との均衡上、非常に極端に不公平になるという問題が一つございます。ただ、御承知のように国会議員や特殊法人に限らず、一般の高額給与所得者に対しては――国会議員ばかりでないですよ。共済年金をもらっている人、その人は、共済年金の支給制限措置というものをこしらえまして、五十四年の法改正から、これをやっておりますということを申し上げております。これは前年の年金以外の給与所得が……(発言する者あり)ですから、そういう措置をやっておるのであって、国会議員だけを対象にして、それをするということは、年金制度の本旨からいっていかがなものであろうか。また、非常にむずかしい問題でありますということをお答えしたわけでございます。
 それから、優先順位の話でございますが、特別措置を初め、医療、年金、こういうようなものに対しても、カットすべきものはカットするし、限りある財源の中で充実すべきものは充実するように工夫をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
 最後に、防衛費の問題でございますが、防衛費の一%以内ということは、総理もおっしゃっておるとおりでございます。それでも、日本のGNPは大きいから日本の防衛費は非常にでかく、軍事大国になるのじゃないかというようなお話でございます。
 しかし、われわれといたしましては、やはり日本の国柄にふさわしいだけの必要最小限度の防衛の確保というものは、自民党内閣としては、それはやっていかなければならない問題でございます。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣村山達雄君登壇〕
#18
○国務大臣(村山達雄君) いま、私に対する質問は二点あったかと思います。
 一つは、いま大蔵大臣が答えました減額分、それに対して元本並びに運用収益相当分を確かに入れるのか。それからもう一つは、今度の国庫負担の減額分をやるということは、よく、長く考えてみると一種の隠れた国債のようなもので、財政効果はあるのか、ないのかというふうな趣旨に聞いたわけでございます。
 第一点につきましては、いますでに大蔵大臣が言いましたように、これは財政再建期間が終了後繰り入れていただくことは当然でございまして、大蔵大臣もそれを言っているわけでございます。
 ただ、その繰り入れ期間をどうするか。運用収益を入れてもらうわけでございますから、ですから年金会計の財政としては困るわけはないわけでございます、正当な運用利益を入れていただきますから。国家財政を勘案しつつというところは、一体どれくらいに、期間をどうするのか、そこが一つ問題であろうと思いますが、そのときの状況等によって十分協議してまいりたいと思っております。
 それから、第二点の問題でございますが、これは非常に違うわけでございます。言うなれば、国債で発行いたしますれば、当然それだけ財政規模が非常にふえるわけでございます。今度の場合は、財政規模はそれだけふえないことになります。それから同時に、翌年からすぐ利息を出さなければならぬということになるわけでございますが、それはないわけでございます。つまり、償還期限あるいは利息の問題、こういったものは、発行時において、国債を出す場合には、すべて決まらなければなりません。それからまた、引き受け手があるかどうかということも、これはわからぬのでございます。この点では、今度の措置で完全にそれは保障されるわけでございまして、三年間を通じまして、われわれの計算では六千七百億ぐらいの財政効果がある。そして、この期間において、一番大事なときでございますので、経済も財政も、そのときどきの状況を見て機動的に動くということが非常に大事でございますので、この間における元本の縮減、それから利息を支払わないで済むということは、財政効果だけでなくて、起債市場にも大きな影響を持っておるものと私は思っておるのでございます。(拍手)
    〔国務大臣中曽根康弘君登壇〕
#19
○国務大臣(中曽根康弘君) 武藤さんから、負担金、補助金の問題について厳しい御批判をいただきました。
 もとより、政府の案は完全無欠なものとは思っておりません。しかし、当面の財政再建を行うために緊急措置として財政収支の改善を行う。この期間中に再建のめどをつけて、そして次への展望を開く。そういう点で非常に苦心してつくったところでございまして、増税を回避するという大目的のために、天の声と同時に武藤さんの声も十分聞いて、これはつくったものと考えるのであります。
 第二に、地域特例の問題でございますが、地方自治の本旨ということが憲法上明記されておりまして、地方の立場を十分考えてやらなければならないのでございます。そういう意味におきまして、地方に納得して御協力をいただくということが、今次行革の一つの大事なポイントでもございまして、そういう意味において、地方財政の運用に将来支障を来さないような配慮のもとに、これも地方の御理解を得つつ実行しつつあるのでありまして、どうぞ御了承をお願いいたしたいと思います。(拍手)
#20
○議長(福田一君) 鈴切康雄君。
    〔鈴切康雄君登壇〕
#21
○鈴切康雄君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりましたいわゆる行革関連特例法案に関し、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 さきの第二臨調答申にもあるとおり、行政改革とは「行政の在り方を大きく改めることを通じ、国家と国民を合わせた国全体の歩み」を変えることであると言われている以上、そのあるべき方向とプロセスを示し、国民の理解と協力を得ることが大前提であります。
 いまや、複雑多様化する社会経済情勢にあって、国民のニーズにこたえて適切に対処するために、まず総理は、二十一世紀を見通し、内外諸情勢を洞察した上でのわが国のあるべき姿を想定して、簡素で効率的な行政機構とはどのようなものになるのか、そのためにはいま何をなすべきか、これから何をしようとしているのか。ポスト行革にはどのような展望が開けてくるのかを、国民の前に明確に示す必要があると存ずるものであります。
 総理は、所信表明の中で、行政改革は、国家百年の大計であり、その目指す方向は、国内的には活力ある福祉社会の実現であり、対外的には国際社会に対する貢献の増大を基本理念とすることを強調されました。これだけでは余りにも抽象的、美辞麗句の羅列としか言いようがありません。
 問題は、そこに至る手段と方法と、それに伴う内容が必要であり、行政改革の青写真の第一段階として、五十七年度は増税なき財政再建であるという位置づけが明示されてこそ、国民的合意が形成されるものと信ずるものであります。
 しかるに、今回提案された行革関連特例法案が、ただ単に、五十七年度の財政の赤字を、国民の負担と地方への肩がわりによって減らそうとするための数字合わせであると言われるのも、しょせんは、これからどのような改革が行われるのか、国民が持つ不安に対して総理は何ら答えていないからであります。
 私は、長年なし得なかった行政改革に、政府が前向きに取り組もうとしている姿勢は一応評価するにやぶさかではありません。
 しかしながら、現実に行われようとしている行政改革が、総理の言われる理念ないし目標にふさわしい内容であるかどうか、率直に言って国民には理解できないのであります。
 そこで、総理にお伺いしたい第一は、二十一世紀を展望した行政改革の青写真について、八月二十五日決定された「基本方針」の次に、どのような具体的構想をお考えになっておられるのか、総理の御所見をお伺いするものであります。
 次に、「行政改革基本方針」と本法律案の関係についてお伺いをいたします。
 本法律案の中身は、五十九年度で特例国債発行から脱却するための一環としての歳出削減効果をねらったものであります。したがって、これが歳出削減の一部であることは言うまでもありません。総理は、本法律案を行財政改革の中でどう位置づけられるのか、その点を明確にしていただきたい。
 総理は、行財政改革の突破口とすると言われておりますが、本法律案による削減額は、五十七年度予算編成で、財政の中期展望によると要調整額二兆七千七百億円の削減から見れば、わずか十分の一に満たないものであります。むしろ、これからの予算編成までの過程の中で、隠された部分の方がより大きいのでありますが、その点、何をどうされようとしているのか、お答えをいただきたいのであります。
 また、本法案の特例期間三年間で、果たして特例国債発行から脱却し、五十九年度限りで特例措置をなくして現行制度に復元できる状況を醸し出す自信と見通しがあるのかどうか。これらの点について、総理及び大蔵大臣の明確な御答弁を願いたいのであります。
 今日までの総理の御答弁では、増税なき五十七年度予算編成は示されたものの、五十八年度以降は総理の御答弁に明快さを欠き、むしろ増税に含みを持たせているのではないかと疑問を持たざるを得ないのであります。
 総理は、増税によらず、行財政改革によって財政再建を推し進めることを公約しました。としますと、五十八年度以降、少なくとも臨時特例措置の期間中は増税なき財政再建を目指すのか。さもなくば、五十七年度だけが増税なき財政再建であって、五十八年度以降は現行税制に何らかの手を加える必要をお感じになっておられるのか。この際、改めて、総理及び大蔵大臣の御所見をお伺いするものであります。
 質問の第三は、本法律案の内容についてお伺いをいたします。
 総理は、活力ある福祉社会を目指して行財政改革に取り組むと言われております。
 しかしながら、本法案では歳出削減を目的として、年金、福祉等の国庫負担軽減に重点が置かれ、あたかも、今日の財政悪化が社会保障費の膨張にあったと言わんばかりであります。そうして厚生省所管の五十七年度予算編成の概算要求を見た場合、社会的に弱い立場にある人に対する思いやりでなくして、福祉を救貧対策に限定する方向さえ見えます。
 総理は、自立自助、社会的連帯、適正負担によって活力ある福祉社会を実現すると言っておられますが、これは一面から見れば、とりもなおさず国民に負担を増大させようということにも受けとめられます。
 総理が基本的な視点として考えておられる福祉社会実現の上で、公共的部門が受け持たなければならない範疇と、総理が言う自立自助の自助と社会保障の境界をどのように考えておられるのか。また、ナショナルミニマムの領域と水準を今後どう設定しようとお考えになっておられるのか、総理の御所見をお聞きしておきたいのであります。
 次に、本法案における厚生年金等の国庫負担の減額分相当の繰り入れについては、それ自体、制度の変更につながりかねない問題だけに、六十年度以降の一般会計からの補てんは、なおさら明確にしておかなければなりません。
 試算によると、厚生年金関係だけで、元本、運用収入を含め、約七千四百億円という膨大な金額に達するのであります。年金会計に支障を来さないように、また、国の財政状況を勘案しつつ、一般会計からの繰り入れ返済すると言われますが、果たしてどういう財政状況であれば補てんが可能であると考えておられるのか。また、国の財政状況いかんによっては返済を繰り延べる余地を残しているのか。この際、大蔵大臣に明確な御答弁をお願いするものであります。
 また、児童手当制度につきましては、本法律案によりますと「当該特例措置の適用期限を目途として必要な措置が講ぜられるべきものとする。」とされております。
 近年の統計を見ますと、わが国は出生率が激減し、急速に高齢化社会を迎えております。したがって、老人の社会的扶養看護の問題について、長期的、かつ、きめ細かな対応が迫られております。
 この問題と、将来社会の担い手である児童の健全な育成の問題は表裏一体の関係であると考えますと、児童手当制度は、さらに発展させるべき制度と考えるものでありますが、総理自身、児童手当制度をどのようにお考えになり、展望されておられるのか、お答えいただきたいのであります。
 さらに、関連してお尋ねいたします。
 私は、五十七年度概算要求に盛り込まれている年金の物価スライドの繰り下げ、高額医療費の自己負担限度額の引き上げ、国民健康保険給付費、児童扶養手当、特別児童扶養手当の一部都道府県への肩がわりには、地方財政を圧迫し、反対であります。
 肩がわりの問題について、政府は、予算編成の段階でしか結論が出ないと、これまで答弁されてきましたが、総理及び大蔵大臣は、一体いかなる落着を考えておられるのか、率直に承っておきたいのであります。
 次に、第五次学級編制及び教職員定数改善計画についてお伺いをいたします。
 本計画は、六十六年度に間違いなく達成するのか、確認しておきたいのであります。
 とりわけ、複式学級、特殊学級、特殊教育諸学校等の改善には、特段の配慮をすべきだと考えますが、文部大臣の御所見をお伺いいたします。
 質問の第四は、行政改革に必要なものは仕事減らし、器減らし、人減らしであります。
 公務員の定員削減計画では、削減数は明示するものの、一方、増員数については抑制するというだけで、実質的に定員削減のめどを明らかにした計画ではありません。
 現実には、純減数は五十五年度で七百七十人、五十六年度で百一人という状態であります。人件費を抑制するのであれば、当然に純減数の目標を明示した削減計画を立てるべきでありますが、なぜ削減計画の中に純減数の目標設定をする努力をしないのか、明確にしていただきたいのであります。
 あわせて、特殊法人についても、国家公務員に準じ、純減数をふやすべきだと考えますが、行政管理庁長官の御答弁をいただきたいのであります。
 次に、公務員給与改定及び三公社五現業職員給与改定に関する問題についてであります。
 人事院勧告制度が、公務員の労働基本権抑制の代償措置として制定されたものであり、政府は、ILOに対し、人事院勧告の完全実施が定着していることを明らかにしてきたことも事実であります。
 政府は、人事院勧告を真摯に受けとめ、尊重した上で、それを完全実施することは、むしろ当然であります。人事院勧告の重みというものがあればこそ、そのことが労使間の信義の確保、さらに、公務員が全体の奉仕者として勤労意欲を確保する上からも、欠くべからざる条件となっております。
 このことは、三公社五現業職員の給与改定に対する公労委の仲裁裁定についても同様であります。
 政府としては、人事院勧告の取り扱いを含め、いかなる措置を、いつまでをめどにされて実施するのか、総理にお答え願いたいのであります。
 最後に、私ども公明党は、民社党、新自由クラブ、社会民主連合とともに、「行財政改革に関する当面の基本方針等に対する四党共同要求」をまとめ、九月三十日、政府に申し入れをいたしました。総理は、参議院本会議で、これをきわめて示唆に富むものだと評価する御発言がありましたが、どのように評価されておるのか、その具体的な内容についての御所見をお伺いいたしまして、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕
#22
○内閣総理大臣(鈴木善幸君) 鈴切さんにお答えを申し上げます。
 まず、行財政改革に対する基本的な考え方のお尋ねがございました。
 わが国の行財政をめぐる内外の情勢は、きわめて厳しいものがございます。国内的には、安定成長への移行過程で、国債残高約八十二兆円にも及ぶ財政赤字を生ずるとともに、人口構成の高齢化、価値観の多様化などがあり、また、国際環境も、その厳しさを増しております。
 このような情勢のもとで、活力ある福祉社会の建設と国際社会への一層の貢献を果たしていくためには、思い切った行財政の改革により、行財政の基盤を確固としたものとしなくてはなりません。
 このため、当面、財政再建を強力に推進をするとともに、行政の合理化、効率化を進めることとし、政府と民間、国と地方との適正な機能分担のもとに、簡素で効率的な政府を実現することが必要であると考えております。
 行財政が円滑にその役割りを遂行していくためには、国民の政府に対する信頼を確保することが必須の条件であります。効率的でむだのない政府を実現し、公正で民主的な運営を行い、国民から信頼される政府、心の通った行政を実現したいと考えております。
 以上のような考え方に立ちまして、当面は臨調の第一次答申の内容の実現に全力を挙げ、さらに臨時行政調査会の答申を得次第、その趣旨を最大限に尊重して、行財政改革を一歩一歩進めてまいる所存でございます。
 次に、きょう提出をした法律案の行財政改革の中における位置づけについて、お尋ねがございました。
 行財政の改革は、避けて通れない国民的課題であり、国家百年の大計ともいうべき大事業でありますが、これに当面どこから手をつけるかという場合に、臨調第一次答申において指摘されておりますように、現下の緊急の課題である財政再建を一つの突破口とすることが適切であると考えます。
 今回の行革関連特例法案は、このような観点から、当面の財政収支の緊急な改善に資するための臨時特例措置として取りまとめたものであり、当面の行財政改革において欠くことのできない施策でありますが、同時に、それは、今後行われる一連の改革の第一着手ともいうべき性格のものであります。このことを御理解の上、御協力を賜りたいと存じます。
 次に、自助と社会保障の境界をどう考えるかとのお尋ねでありましたが、活力ある福祉社会は、個人の自立自助、家庭や地域社会での連帯を基礎として築き上げられるものと考えます。
 この中で社会保障の果たすべき役割りとしては、国民が生涯のどの段階においても不安なく生活設計を立て得るような基礎的条件を整備することではないかと存じます。
 ナショナルミニマムを国民生活における基礎的条件の整備水準と理解いたしますと、近年、年金、保健医療、社会福祉の各分野にわたって充実が図られた結果、わが国の社会保障は、西欧諸国に比しておおむね遜色のない水準に達していると考えられますが、今後とも社会保障が国民生活の基盤として長期的に安定し、有効に機能していくよう、給付の重点化、効率化を進めてまいりたいと存じております。
 なお、児童手当制度についてでありますが、今回の特例措置は時限的な措置でありまして、この制度のあり方については、従来からさまざまな意見が出されておりますので、制度全般について別途検討を行い、その結果、特例適用期限を目途として所要の措置を講ずることとしております。
 また、人事院勧告の取り扱いについてでありますが、これまで維持されてきた良好な労使関係、現下の厳しい財政事情など、諸般の事情を総合的に勘案して慎重に判断する必要がありますので、引き続き給与関係閣僚会議において検討を行うことといたしております。
 最後に、「行財政改革に関する当面の基本方針等に対する四党共同要求」につきましては、私は、去る十月二日、参議院本会議において公明党の多田省吾議員の質問に対しまして、「見解を異にする部分もございますが、きわめて示唆に富んだ御提言もございます。」と申し上げました。
 四党共同要求は、政府が去る八月二十五日に決定した「行財政改革に関する基本方針」についての申し入れをされたものでありますが、行財政改革を幅広い視野からとらえているものと拝見いたしました。その中には、所得税減税についての考え方、また歳出削減についての考え方などに見解を異にする部分もございますが、前国会で継続審査とされている公務員二法の早期成立とか、行財政改革に聖域なしを原則とするとか、租税特別措置の厳しい見直しであるとか、公務倫理の向上、綱紀の粛正であるとかの、全く私と思いを同じくする御提言、また、国、地方、特殊法人の定員削減、給与の適正化、一般行政経費の節減強化など、その方向について共感できる御提言が含まれており、これらはきわめて示唆に富むものであると考えております。
 以上お答え申し上げましたが、残余の点につきましては、所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕
#23
○国務大臣(渡辺美智雄君) 鈴切議員にお答えをいたします。
 五十七年度予算編成で、財政中期展望の要調整額二兆七千七百億円あるけれども、行革関連法案ではその一割にも満たない財源しかできない。そんなことでそれだけの削減ができるか。
 これは先ほども、武藤議員だったと思いますが、質問に対してお答えをいたしました。確かに要調整額は二兆七千億ございますが、これは御承知のとおり、たとえばこの中では公共部門で九千億円ぐらいふえるという前提に立っております。しかし、こういうのは、こういう時期でございますから公共事業費はわれわれ抑えたい。そうすると、ゼロでいくということになれば、そのぐらいの金はそこでも出てくるということにもなります。
 それから、いろいろなゼロシーリングをやって、それによって、みんなそれを了解してもらって、各省ともゼロシーリングの中へ詰め込んでありますから、かなりのものが繰り延べられたりカットされたり、実はなりておると思います。その中身の一つ一つについては、大蔵省が目下真剣に検討を始めた段階でございまして、さらに切らなければならない問題もあるでしょう、あるいは復活要求されるものもあるでしょうが、いずれにいたしましても、われわれといたしましては、あの四つの例外で約六千億円ぐらいの金は大きくなるわけですが、それ以上のものは財源の関係からも、とてもあり得ないというようなことで、ぜひとも、その中におさめてまいりたいと考えておるわけでございます。
 それから、特例期間三年間で特例公債の発行から脱却をして、五十九年度限りで現行制度に一体戻れるのかという御心配でございます。
 これは、本当にだれもが心配をするところでございまして、私どもとしても安心しているわけでも何でもございません。非常に心配をしておるわけであります。しかしながら、財政の中期展望で示したような形が一応あるわけでございますから、それについては景気の維持持続、経済成長というものの安定的な成長を続けながら、一方において毎年度予算編成時には思い切った歳出削減というものを臨調答申に従ってやっていく、こういうことで五十九年度以降は何とか、先ほど言ったようにあちこち繰り延べたりなんかして払わなければならないものもあるわけでございますが、そういうものに対応できるだけの体質にしてまいりたいと考えておるわけであります。
 それから、五十八年度以降、臨時特例期間は増税なしでやるのかということでございますが、これは私どもとしては、五十七年度予算については増税なしで、歳出削減によってこれを進めるということを公約をしておるわけであります。では五十八年度は増税するのかとすぐ言う方がありますが、これは何ともわからぬわけでございまして、問題は、歳出削減をする、抑え込んでいくと申しましても、ともかく毎年、五年も六年も――何年かぐらいはできるでしょう、あるいはできるかもしれませんが、そう長い期間にわたって、たとえば老齢化社会が進む、年金がふえる、医療費がふえるというようなことになってまいりますと、それを全部、現行の歳出を切り詰めて、ほかの歳出をなくしていって社会保障費の方だけ充実していくんだといっても、物には限界があるわけでございますから、それらのところはどういうふうな道をとるかは、そのときになって国民との御相談になろうか、こう考えております。
 われわれは、いずれにいたしましても、ともかく当面は身軽な政府、効率的な政府にしなければならぬ、歳出削減によって減税までもできるぐらいまでやってみようというぐらいの意気込みでやっておるわけでございますから、五十八年度以降はどうかということについては、それ以上のことは申し上げることができません。
 それから、六十年以降の厚生年金の補てんの問題。
 これは先ほども、繰り延べしたものを返済するということにつきましては、村山大臣もお答えをいたしました。私も答えたつもりでございます。これは保険財政に支障のないように、財政事情を見ながら、よく相談し合って厚生省とやってまいりたいと思っております。
 それから、物価スライドとか、高額医療費の問題、国民健康保険給付費の地方一部負担、児童扶養手当、特別児童扶養手当等の都道府県一部負担の問題等にどういうふうな決着をつけるか。
 これは、私どもといたしましては、ともかく限りある財源の中で社会保障の充実を図っていくということになりますと、やはり余裕のある人は多少がまんをしてもらっても、本当に困った人に手厚くしようということで、限りある財源を使うわけですから、そういうように処置していきたいということでございます。具体的にどこでどういう決着をつけるかということは、まだ各省間との話も本格的にやっておりませんので、まだ見通しがございませんが、われわれとしては、こちらが申し上げたようないまの方針に従って決着をつけたい、そう考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣田中龍夫君登壇〕
#24
○国務大臣(田中龍夫君) お答えをいたします。
 御質問の第五次学級編制及び教職員定数改善計画、いわゆる四十人学級の問題でございますが、本件につきましては、御案内のとおりに、財政再建の当面の期間中、これが若干の調整をせねばならぬことは当然でございますが、ただいま御質問の昭和六十六年度までに全体計画の達成をするということ、その点は明確にいたしておきたい、かように存ずるのでございます。過ぐる予算委員会におきましても、総理大臣並びに大蔵大臣からも明確にこのことはお答えを申し上げております。
 なおまた、財政再建期間中でございましても、五十四年来、御案内の養護学校義務制に基づきまする訓練担当の教員でありますとか、あるいはまた、急増地域におきまする緊急対策等、これらの問題につきましては改善処置をいたしてまいります。
 右、お答えいたします。(拍手)
    〔国務大臣中曽根康弘君登壇〕
#25
○国務大臣(中曽根康弘君) 公務員、特殊法人職員の純減数を明示せよという御質問でございます。
 実は、純減数を明示したいというのは私は全く同感なのでございますが、非常にむずかしい状態にあります。
 今回の行革によりまして、五年間五%国家公務員を縮減するということを決めまして、約四万五千人の人間を減らすことになっております。しかしながら、増員の要求もまた熾烈なものがありまして、また無理のないものも多いのでございます。たとえば外務省、国税庁、それから大学、特に新しくできる各地方の大学、医科大学、それから国立病院の医師と看護婦、それから登記所、それから各地方にできているジェット機化による航空管制要員、それから海上保安庁で船が続々できてまいりまして、これを補充する職員が必要であります。あるいは地震対策、こういう面につきましては新しい行政需要が続々わいてまいりまして、いかにこれらに適正に配分するかということがわれわれの苦心しているところなのでございます。
 実は過去十三年間におきまして、総定員法を国家公務員に対してつくりまして、約一万人弱純減いたしました。しかし、その中でも一般職の行政職員は約二万七千人ネットで減らしております。この減らした分を、実は国立の医科大学や国立病院の先生や、あるいは各地方の大学の増員で全部食ってしまっておるわけなのであります。こういう状態がまだ今後も当分続くのでありまして、そこで、五%全部ネットで減らすということは、きわめてむずかしい状態にございます。
 しかし、今回の縮減計画におきましても五%ということを一応決めましたが、省によってその比率が違います。たとえば農水省におきましては八・五五%減らす予定でありますし、文部省や厚生省は三・六%にとどまるということで、弾力的にこれを考えておるわけでございます。しかし、それらの計画を実行していく上で、各年次によってかなり要求の増員数が変わったり、行政需要によって、予算化の状況によって、また違ってくるわけでございます。そういう面もよく考えながら極力純減数を思い切ってふやしていく、そういう意味で厳しい査定をしていく、こういう考えに立って実行してまいりたいと思っております。
 特殊法人につきましても、国家公務員に準じて同じように厳しくやってまいりまして、これらにつきましては、各省庁からわれわれの方に、やった結果の報告を受けまして、われわれの方で不十分と考えるところは、さらにこれを実行していくようにお願いいたしたいと思っております。
 以上であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#26
○議長(福田一君) 米沢隆君。
    〔米沢隆君登壇〕
#27
○米沢隆君 私は、民社党・国民連合を代表し、ただいま提案されております行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案に関連いたしまして、若干の質問を行います。
 私は、いま長々と本法案の正式名を読み上げましたが、本法案は、まさに、これこそ行革の対象と言えそうな、長ったらしい、厚化粧を施した、仰々しい名称の法律案であります割りには、その内容たるや、行政改革とは何かという視点もなく、行革の目指す方向も展望もうかがい知ることのできない、ただひたすら歳出削減のための財源を探して、それを羅列したにすぎない、まことに貧弱な内容のものであると言わねばなりません。(拍手)
 その上、みずからの行政減量は素通りにして、福祉、教育など、社会的弱者や地方自治体に負担を肩がわりさせ、国だけがひとり財政のつじつまを合わせようという安易な姿勢がうかがわれます。それゆえ、その歳出削減の対象の選択も、政治的な圧力が強いところは配慮してか、全体としてバランスを欠き、負担が一方に偏っておりますことは、政治生命をかけると言われる鈴木行革の先行きをかいま見る思いで、まことに遺憾にたえません。
 さて、かかる観点に立って、まず第一にお伺いしたいことは、さきの第二臨調の答申や総理の言われる行革の基本理念とその観点というものと、この補助金削減法案との関連性についてであります。
 御承知のとおり、さきの第二次臨時行政調査会の一次答申は、行政改革の基本理念を、国内的には「活力ある福祉社会の実現」、対外的には「国際社会に対する貢献の増大」の二点にあるとし、総理も、その所信の中で同様のことを表明されました。また、行政改革の基本的な観点として、第一に「変化への対応」、第二に「簡素化、効率化」、第三に「信頼性の確保」を掲げております。
 ところで、本法案の内容にきましては、五十七年度予算編成に向けての時限的、緊急の外科手術の一環として位置づけられておりますことは重々承知をいたしておりますが、しかしながら、本法案が、行政改革の推進の一環としてと銘打たれ、これからの行革の突破口として位置づけられておりますならば、先ほど来の行革の基本理念と基本原則に無関係であるはずがありません。
 そこで、この際、本法案に掲げられる、たとえば厚生年金等の国庫負担金の減額や、四十人学級計画の抑制など、削減対象七項目が、どのようなことで活力ある福祉社会の実現に役立ち、どのようなことで三つの基本原則、すなわち「変化への対応」、「簡素化、効率化」、「信頼性の確保」と合致するのか、総理並びに行管庁長官に、国民にわかりやすい言葉で、その関連性につき御答弁をいただきたいと思います。
 第二に、本法案の歳出削減対象の選択が、全体としてバランスを欠いておりますことは、すでに指摘をいたしましたが、第一次答申の中の「緊急に取り組むべき改革方策」を一読いたしましても、今回取り上げられております削減七項目以外にも、七項目と同じ痛みを適用するならば、もっと切り込んで、同列に扱ってしかるべき問題が数多く存在するのであります。
    〔議長退席、副議長着席〕
 歳出の洗い直しに当たりましては、例外は一切認めないというのが臨調の基本方針であったはず。また、総理が再々言及されますように、国民各界各層が等しく痛みを分かち合うというのが今行革の基本精神であるならば、この削減対象のしぼり方は全くもって不公平のそしりを免れません。もし、圧力の強さや声高きがゆえにメスが鈍るとするならば、国民の信頼を失うのは必然であります。
 そこで、お伺いしたいことは、七項目以外の問題につきましては、予算編成の過程で検討がなされると言われるならば、特に、この際、このたびの臨調答申の「緊急に取り組むべき改革方策」に述べられております「支出に関する個別的方策」の中の「経済活動と行政」すなわち公共事業、大規模プロジェクト、農業、エネルギー、中小企業その他産業育成、助成等についての問題指摘について、並びに「国際社会と行政」すなわち経済協力、防衛についての問題指摘項目につき、どのような検討がなされ、五十七年度予算に間に合うのはどのようなものであるか、行革の展望とその具体策につき、大蔵大臣並びに行管庁長官より明らかにしていただきたいと思います。
 同時に、大蔵大臣、歳入確保努力の観点から、租税特別措置の見直し、課税執行上の不公平の是正等につき、どのように検討、改革がなされ、その結果、五十七年度予算の歳入面での骨格はどのようになるのか、明らかにしていただきたい。
 さらに、行政の担い手であります各省庁自体並びに特殊法人の合理化、効率化については、これこそ最優先さるべきものであります。五十七年度予算にどの程度織り込まれるのか、大蔵大臣並びに行管庁長官に明快な御答弁をお願いしたいと思います。
 第三に、本法案を見る限り、補助金削減の方策として、国から地方へ、一般会計から財投へ、現在から後年度へと歳出を移転させる、いわゆるツケ回しによって成り立っているという非難は免れません。確かに、ツケ回しによって来年度予算の抑制は実現し、一般会計は少々軽くなるでありましょうが、その分、地方財政は悪化するし、財投には負担がかかる。五十八年度以降の予算にも重圧がかかるのは当然でありまして、全体的な把握が必要になってまいります。
 そこで、自治大臣、地方財政は国に比べて余裕があるという理由で、地方財政へのツケ回しが頻繁でありますが、実態はいかがなものでありますか。大蔵大臣は、この点どのように認識されておられますか。
 また、財政投融資計画につきましても、一般会計圧縮分の振りかえ増は無論のこと、原資の伸び悩み、国債引き受け増の要請、郵政の自主運用の要請など、財投計画も抜本的な見直しの時期に来ていると思います。どのような方針で洗い直すのか、その洗い直しはどの程度進んでいるのか、大蔵大臣にお伺いをいたします。
 さて、次は、第二臨調の第一次答申に関連をし、行革と地方自治の課題につき政府の見解をただしておきたいと思います。
 御案内のとおり、今回の臨調答申の中におきましては、国も地方もともに小さな政府であるべきことは示してありますが、行革の向こうべき方向として、分権化及び地方自治の強化拡充という視点が欠落いたしておりますことは、中央官僚の意図的な作為かどうかはわかりませんが、まことに残念であります。
 なるほど、答申の中では、この問題は「今後の検討方針」ということで、臨調の本格的な行政改革の検討課題として取り上げられ、「国と地方との機能分担及び地方行政の改善」という項の中では、「地方自治の原則と行政サービスの全国的公平性、統一性の確保の要請との最適な調和をめざして、国と地方公共団体のかかわり方を抜本的に見直す」という視点が設定されておるのは事実であります。しかしながら、この地方自治の原則と全国的に公平性、統一性を確保するという要請との調和を図るという、との使い古された、少々は私どもわからぬわけではありませんが、この論理こそは、地方自治を主張する力が弱いがゆえに、全国的公平性、統一性の確保を主張する中央官庁の力に押されまして、過去におきましては、結局、ナショナルミニマムの確保は国の責任である、国の行政が主体となり責任を負うべきだという口実を与えて、各省は競って地方出先機関を多数設置し、時とともにそれは膨張し、また、機関委任事務という形式で権限を国に留保しつつ、国庫補助金を大量に流すことによって、地方行政の細部にわたってコントロールするという現体制を築き上げた元凶だったと言わねばなりません。(拍手)
 行管庁長官、自治大臣、私のこの認識に間違いはないと思いますが、いかがお考えでしょうか。
 その結果、国は、この体制を維持するために膨大な組織や職員を抱え込み、地方は補助金獲得のために多額の経費をかけて、巨額のむだ金が使われているのであります。そして、このことこそ、現時点における最大の行革対象だというわけなのであります。(拍手)
 しかも、出先機関では重要なことは何にも決まらない、本省まで出向かなければならないのがほとんどといいます。こんなばかげた話がありますか。
 このことに思いをいたしますとき、政府が、国の行政改革を本気で推進しようとされるならば、国と地方との機能分担をとらえる視点は、地方自治とナショナルミニマムの調和ではなく、より端的に言えば、地方分権の推進であり、地方公共団体の自主性、自律性の強化である。国の行革の重要部分は、地方自治の充実強化によってしか、なし遂げられないと言っても言い過ぎではないと思うのであります。(拍手)総理、自治大臣並びに行管庁長官の見解を求めます。
 そして、そのための具体的な改革の処方せん、すなわち国の地方出先機関の廃止、国の事務の地方公共団体への移譲、地方事務官制度の廃止、補助金の整理合理化、メニュー化、地方財政の強化等々につきましては、総理の諮問機関であります地方制度調査会などがすでに何回となく提示しているところでありまして、それがなぜかいつも無視されている。あとは、いますぐにでも総理が勇断を持って、政治生命をかけて実行に移されるかどうかの段階にかかっているのであります。
 臨調が、いまさらこの問題を白紙から検討し直さねばならない論点は、ほとんど何もないと言うべきでありまして、臨調が今後の検討課題とおっしゃって時間かせぎがされるならば、それは、かかる行革をしたくないと思う官僚群の陰謀でしかありません。総理、御決意のほどはいかがでありますか。(拍手)
 次に、私は、国と地方を通ずる行政改革、地方の自主性の尊重という観点から、補助金整理のあり方について質問をいたします。
 先般、わが党の永末議員が、補助金整理につきまして、単に補助金は一律に削減するだけではなく、現在の一件査定主義による補助金行政のあり方を根本的に改革しなければ行政改革にはならないことを強く主張いたしました。このことは、わが党がこの六月に実施いたしました地方議員アンケート調査結果でも、その必要性が強く叫ばれております。
 その一端を申し述べますと、一件査定主義による補助金行政のむだに関し、たとえば、五千円の補助金をもらうために、県の職員が一日がかりで取り組まねばならないとか、県の財政課長は、補助金をできるだけ多く獲得するために、年間少なくとも六十回は出張するなどということが報告されております。その上、名にし負う縦割り行政の弊害、同じ施設に文部、厚生、農林の補助金になる三つの入り口があるなどの笑えぬ話があることは、総理もつとに御存じのはずであります。(拍手)
 このように、従来の補助金行政がいかに地方自治体の自主性を奪い、またいかに多くのむだが強いられているか、はかり知れないものがあります。この観点から、補助金の件数等につきましては思い切った統廃合が必要であり、国のセクショナリズムの打破が必要なのであります。
 その一環として、わが党は、建設関係補助金を地方自治体に一括交付する第二交付税制度の創設を提案したのでありますが、鈴木総理の答弁は、建設関係については国の全国的な計画に従って事業を行うべきものであり、第二交付税は不適当であると頭から拒否し、本来の補助金行政の改革については、きわめて消極的な姿勢を示されたのであります。総理、あなたはここでは、地方の自主性は認めたくない、行革はいやだと言っているのと同様なのでありまして、全く遺憾な態度と言わざるを得ません。(拍手)
 われわれが考える第二交付税制度におきましても、その方法を工夫すれば、国の策定する長期事業計画と十分に整合性を保って実施することができ、従来の大幅なむだ金を排除することができるのであります。地方自治体の自主性をまず尊重する姿勢があるのかないのか、それが問題であります。地方の自主性を生かすために第二交付税制度について再度検討され、今後前向きに取り組む姿勢を示すべきだと考えますが、総理並びに自治大臣の答弁を求めます。(拍手)
 さて、最後に、行政改革における政治の責任の問題について、質問をいたします。
 わが国のこれまでの行政改革は、いかに画期的な改革案が示されましても、実効性ということになりますと、いつも竜頭蛇尾に終わっております。その結果として、行政の組織、運営につきまとう古い体質は一向に改善されないままに、病根はますます深くなるのみでありました。
 わが国で行政改革が実行されないのは、国の各省庁のすさまじいばかりの抵抗もさることながら、政治のあり方という観点からも大きな責任を痛感すべきだと考えます。
 行政改革は、今日の日本の利権と既得権がはびこる政治の仕組み全体にメスが入れられなければ、本当は成功しない根深い問題をはらんでいると言わねばなりません。
 総理は行革に政治生命をかけられると言うならば、その成否は一にかかって政治の仕組みの近代化、蔓延する政治不信解消のためにも総理が命をかけられるかどうか、ここにかかっておりますことを強く申し添え、総理の所信と決意のほどを伺って、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕
#28
○内閣総理大臣(鈴木善幸君) 米沢さんにお答えを申し上げます。
 まず、臨調第一次答申に言う行財政改革の理念や基本方針と、今回提出した法案の内容とが、どう合致するのかとのお尋ねでございます。
 臨調の答申に述べられておりますように、行財政の惰性的運用を克服し、新しい国民的、国家的課題を担い得るような行政システムを構想し実現することが、行財政改革の本来の課題であると存じます。臨調の第一次答申に示された増税のない財政再建を図ることは、いわば緊急の外科手術であって、一時的な痛みはあるものの、これを第一歩として長期の体質改善へつないでいくことが第一次答申の位置づけであります。
 このような性格を持つ第一次答申を受けて、その答申内容のうち、当面立法措置を要する臨時の特例措置を取りまとめたものが今回の法案でありまして、御指摘の臨調答申の理念や基本的課題につながる必要不可欠な措置でありますので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、国と地方の機能分担の問題でありますが、御指摘のとおり、これは重要な課題であることはよく承知しております。
 これまでも広域的行政需要への対応の必要等に十分配慮しながら、地域住民に密着する行政はできる限り地方に移譲していくという考え方をとってきております。
 したがって、これまでも国の事務の地方公共団体への移譲、補助金の統合、メニュー化その他の対策を講じてきておりますが、大変重要な問題でありますので、目下、御指摘の諸問題を含め、国と地方との関係のあり方について審議している臨時行政調査会の動向などを注視しながら、政府としても今後の検討を逐次進めてまいりたいと存じます。
 第二交付税制度の問題でありますが、御承知のとおり、公共事業については道路、河川など各種の事業があり、これらは、その性質上、おのおのの事業について全国的観点から整合性をとりつつ計画的に実施する必要がございます。
 したがって、公共事業の実施に関して地方に財源を一括して付与し、その使途を地方に任せるということにつきましては、種々慎重に検討すべき問題があると考えられ、御提案には賛成をいたしかねます。
 しかし、御提案の趣旨も踏まえ、地方の自主性を生かすよう、補助金等の統合、メニュー化は今後とも推進してまいりたいと考えております。
 最後に、行財政改革はとかく竜頭蛇尾に終わりがちであるとの御指摘がございました。
 行財政改革がきわめて困難な課題であることは私もよく承知しておりますが、御指摘のように竜頭蛇尾に終わらぬよう、できるところから着実に一歩一歩進み、この困難な仕事を達成する決意であります。何とぞ御理解と御協力を賜りたいと存じます。
 以上、お答えをいたしましたが、残余の点は、所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣中曽根康弘君登壇〕
#29
○国務大臣(中曽根康弘君) 行革の理念についてお尋ねをいただきましたが、今回の行革は、次に来るべき大きな改革への突破口であり、切り口を開くものである、そのように考えております。
 われわれの基本理念におきましては、ここで過去の後始末をするという面がございますが、むしろ未来に向かって挑戦する、そのための活力と機動力を回復しておく、そういう考えが基本にございます。たとえば、高齢化社会というものがもう駆け足でやってまいりますが、それに対応し得る行政の体系あるいは資金的措置、そういうものを講じておかなければならないということはもう常識になっております。そういう意味においても、行革は急を要する仕事になっておると思うのであります。
 そこで、行革の考え方としまして、できるだけ地方のものは地方に返す、地方のものは地方に与えよ、中央のものは中央に帰せよ、そういう考えで、できるだけ中央から地方に還元していくという考え方。それから官業、官が持っておるもので、もう必要でないものは民に渡す、官から民へ。それから許認可等につきましては、これを自由化して、思い切って行政の自由化を断行して民の活力を回復する、そういうような基本理念を持って、われわれは進んでいきたいと思っております。
 しかし、日本の現状を見ますと、やはり日本はまだ混合社会的要素がかなりあるのでございまして、社会資本のストックにおいては、欧米と比べればまだまだ足らぬところがあります。たとえば都市再開発の問題あるいは住宅の問題、あるいはひとしきり言われました湖沼の汚染ぐあいとか、あるいは福祉の問題等々、考えてみますとまだまだ、ある程度公共の関与しなければならぬところもあるわけでございまして、何でも民に任せればいいという段階ではございません。これらの点につきましては、お互いの機能を損なわないように、この過渡期をいかにうまく進めていくかという点を考えてまいりたいと思うのでございます。
 それから、地方の問題についてお尋ねでございますけれども、地方につきましては今回は特に力を入れまして、中央に準じて諸般の改革をやっていただくことにしております。たとえば定員の問題等につきましては、中央においてはすでに総定員法を施行して凍結しておりますけれども、地方にはまだこういう措置がございません。そこで、今回は、たとえばモデルをつくりまして、これぐらいの工業力で、これぐらいの人口の県ならば職員数はどれぐらい、そういうようなモデルをつくりまして、そしてそれに合わせるように自治省で強力に指導していただく。あるいはラスパイレスの非常に高い市等におきましても、できるだけこれを平準化するように行政指導でコントロールしていただく、こういうように考えております。
 この際、いま御指摘がありました補助金のメニュー化とか統合という問題も、われわれも非常に共鳴する点でございまして、広域性を考えると同時に、このメニュー化という点も大いに考えなければならぬ。それと同時に、国からの出先機関等につきましても、もう必要でないと思うものは、この際思い切って整理をする。それと同時に、地方も、たとえば東京には府県の東京事務所というものがございますけれども、こういうものはもう要らなくなるようにしなければならない。昔の江戸詰め家老みたいに近ごろ駐在しておりますけれども、こういうものはもう要らなくなるような思い切った行政改革をやらなければならぬと心得ております。(拍手)
    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕
#30
○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えをいたします。
 行革関連特例法の削減対象外のものにつきまして、どういうふうにするかということでございますが、これはたくさんの項目がございます。したがいまして、これらについて一つ一つまだ結論が出ておるわけではございませんが、一言言えることは、第一次臨調答申の精神に従ってそのように査定をしてまいりたい、そう考えておるわけでございます。
 それから、歳入確保努力の観点から、租税特別措置の見直し、課税執行上の不公平の是正について、どのような検討がされているかということでございますが、これも御承知のとおり、特別措置法につきましては、昭和五十一年以来これは整理合理化を進めてきたところでございます。したがいまして、四十七年度法人税の中で九%も減税部分があったのですが、五十六年では一・九、百分の二ぐらいに非常に合理化をされたということでございます。
 しかし、さらにまた、いろいろな面において、もう少し切り詰めてもいいんじゃないかというような点もございますので、その点は頭に置いて、さらに努力をしてまいりたいと考えております。
 それから、五十七年度予算の歳入面での骨格はどのように予想されるかを明らかにしろということでございますが、五十七年度の税収については、五十七年度の経済見通しというものがまだ決まっておりません。五十六年度さえもまだはっきりしないという現況であって、非常に変動きわまりない世界情勢の中でございますので、五十七年度の税収見通しについて具体的な見通しを立てることができない段階でございます。これも十二月の半ばを過ぎましてから、例年のように経済見通しができますから、それと一緒に税収の見通しも立ててまいりたいと考えます。
 したがって、公債金収入の問題でも、現時点では明快な見通しを申し上げることは非常に困難でございます。ただ、五十九年度に特例公債の依存から脱却するという政府の方針がありますから、これを目指して着実に財政再建を推進していく、公債の発行減額に努めるということを申し上げるにとどめたいと存じます。
 それから、行政の担い手である各省庁の予算並びに特殊法人の経費の節減合理化についてでございます。
 これは五十七年度予算につきましても、現在、概算要求でございますが、これを非常に精査をいたしておる最中でございまして、そこのところが、どこのところでどれぐらい切れるかということは、これからの勝負どころでございます。いずれにいたしましても、臨時行政調査会の答申を忠実に守って、極力抑制をしてまいりたいし、特殊法人についても、これに準じた取り扱いをしたいと存じます。
 それから、今度の行革は、補助金の削減というようなことを言いながら、国から地方へのツケ回し、一般会計から財投へのツケ回しになってはならぬ、なるんじゃないかというような御批判でございます。
 そのような御批判があったのでは困るわけでございますから、そういうことにならないように努力をしていかなければなりません。行政改革に当たっては、国も地方も等しく、その痛みはお互いに分け合うという必要があると私は思います。したがって、地方におきましても可能な限りの行政改革の実を、地方は地方なりにひとつ示していただきたい、こう考えております。国、地方の財政状況の比較から、国の負担を地方にツケを回すという考えは、したがってございません。
 国、地方の経費負担等のあり方につきましては、国、地方を通じ、全体として行政が効率的に、しかも適正に行われるのにはどういう仕組みがいいのかというような観点から、さらに一層検討してまいりたいと思っております。
 財投の問題についても、いままでもなかったというわけではなくて、ややもすると、片一方で一般会計で締めれば財投がうんとふくらむというようなことはなかったわけではございません。しかし、それでは御指摘のようなことになって、財投ばかりばかでかくふくれて何にもならぬじゃないかということになります。
 ところが、今回は幸か不幸か、五十七年度の財投の見通しというものは、郵便貯金の伸び悩みというようなことも現在非常にありまして、余り財投の原資というものについて楽な見通しを立てることもできない、そういうような事情もあります。それから、いま御指摘のように、財投をふくらましてもいけないという原則もございます。この両面から、財投が安易に流れないように厳正にチェックをしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣安孫子藤吉君登壇〕
#31
○国務大臣(安孫子藤吉君) 三点についてのお尋ねがございました。
 第一点は、地方財政の実態はどうかというお尋ねでございます。
 地方財政は、昭和五十年度以降毎年度、大幅な財源不足に見舞われてきておることは御承知のとおりであります。これを補いますために、地方交付税の原資の借り入れと、また、地方債の増発を行ってまいりました。
 そこで、五十六年度末の地方債残高が約三十二兆円であります。交付税特別会計における借入金の残高は約八兆円であります。合計いたしますと、地方財政全体で約四十兆円に上る膨大なる借金を抱えておるのが現状であります。
 この地方財政の財源不足額は、厳しい歳出の抑制措置等によって逐次減少してきておるところではございますけれども、この巨額の借金の返済が、今後の地方財政にとって大きな負担となってきております。地方財政収支の均衡を回復するとともに、累積した借金の返還に対応し得る健全な財政構造を確立することは、なかなか容易なことではなかろうと考えておるのでございます。
 特に、地方財政は、言うまでもございませんが、三千有余の団体の財政の集合体でございまして、平均的な数字のみでは論じかねる面もございまするが、一般財源総額中、公債費に充当する一般財源の占める割合、いわゆる公債費比率、これの警戒ラインと言われておりまするのが一五%でございまするが、それに達しておる団体というものが、すでに全団体の約二割にも上っておることからいたしましても、個別の地方団体の財政はその硬直化が進み、きわめて厳しい状況に立ち至っておると判断しなければなりません。
 このように、国の財政に比べまして地方財政に余裕があるとは決して言えないのでございまして、今後ともきわめて厳しい状況が続くものと考えております。したがいまして、国の歳出削減の結果が、地方財政への負担の転嫁となるようなことは当然避けるべきであります。また、単なる負担の転嫁は、国、地方を通ずる行政改革にならないものだと考えておる次第であります。(拍手)
 第二点の御質問は、国と地方との関係についての現状認識、あるいは地方分権を推進する方向で改革をする必要があるのではないかという点についてのお尋ねでございます。
 戦後の地方自治は、社会経済の急激な変化に応じまして幾多の変遷を重ねてきたところでございますが、現在のように国民の身近な行政が増加し、他方、地方公共団体の行財政能力も戦後三十余年を経まして著しく向上しておる状況から見まするならば、国、地方を通ずる行財政の簡素効率化、地方分権の推進に資するために、国の地方出先機関や国庫補助金制度の廃止、整理合理化などの必要が生じてきたことは否めない事実でございます。
 申すまでもございませんが、国と地方公共団体との基本的な関係は、国民福祉の向上という共通の目標に向かいまして、それぞれ機能と責任を分かちつつ相協力するものであると承知をいたしております。
 臨時行政調査会におきまして、今後、国と地方との機能分担等の課題が検討されるに当たりましては、このような基本的認識に立脚して、国、地方を通ずる行財政の簡素効率化及び地方分権の推進を図るという方向で行われることを期待いたしておるものでございます。
 そのためには、住民の身近なところで住民の意思を反映しながら総合的な行政を行うとされておりまする地方公共団体の自主性、自律性を強化するための改革が行われなければならないと考えております。
 その際に、具体的には、国、地方を通ずる行財政の簡素化、行政事務の再配分、国の地方出先機関の整理縮小、国庫補助金等の整理合理化などの諸点につきまして、適切なる配慮がなされるべきものであると考えておる次第でございます。
 第三点は、いわゆる第二交付税制度についてでございます。
 現在細かく分かれておりまする各種の補助金を総合化してまいりますることは、地方の自主性、自律性を高め、補助金交付に伴う膨大な事務を省くという観点から、必要なことだと考えております。しかし、御提案のように公共事業関係補助金のすべてを第二交付税として一括交付することは、国と地方の事務配分問題につながる事柄であると同時に、道路、河川の整備等、国政の目的に沿う特定の施策を実現するという国庫補助負担金制度の意義を大きく変革することにも相なりまするので、慎重に対処する必要があると考えております。
 なお、国庫補助金、負担金のうち総合化が必要なものにつきましては、先ほど申し述べました趣旨からいたしまして、積極的に推進してまいるべき問題であると考えておる次第であります。
#32
○副議長(岡田春夫君) 金子満広君。
    〔金子満広君登壇〕
#33
○金子満広君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりましたいわゆる行政改革推進のための一括処理法案に対して、総理大臣並びに関係大臣に質問をいたします。
 今国会の男頭における総理の所信表明及び衆参両院の審議を通じて明白にされたことは、いま政府・自民党が推進している行政改革とは、紛れもなく国民犠牲の臨調答申そのものの具体化であり、国民の願いに全く反するものだということであります。
 それは、どのような言葉を使って否定されようとも、事実の流れは何よりも空前の大軍拡に道をあけるものであり、同時にそれは、戦後わが国民が粘り強い運動を通じて築き上げてきた福祉、教育、地方自治などの諸制度を、行政改革の名によって一挙に破壊して、国民に耐えがたい犠牲を強要するというものであります。これが今後、一層の軍備拡大、財政危機、大増税に道をあけることは明らかであります。
 いま、この行革に対して、世間では、「車いす、そこのけそこのけ戦車が通る」と歌って、痛烈な批判をしていますが、これこそまさに鈴木内閣が進めている行政改革の核心をついた批判であります。(拍手)国民のこうした批判をどのように受けとめるか、まず最初に、このことを総理並びに行管庁長官に伺っておきたいと思います。
 さて、そこで私は、法案に即して具体的な質問をいたします。
 まず第一は、厚生年金等の国庫負担率の引き下げ問題についてであります。
 政府は、特例期間三カ年が過ぎれば利子をつけて返すかのように説明をしておりますが、果たしてそれが可能かどうか。厚生年金の五%分は五十七年度でも千八百億円でありますが、厚生省の試算によれば、五十八年度以降毎年これがふくらんで、もとの制度に戻るという六十年代には、三千三百億円の財政負担が復活するわけであります。これに元本、利子の返済分、その他の年金分を合わせれば、何とそれは実に六千億円の歳出増加になるのであります。
 六十年度というこの年は、また赤字国債の本格的な償還が始まる年であり、国債費が十兆円を超え、わが党がかねてから指摘した第二の財政危機になることは必至であります。
 総理、一体その中で六千億円の財政負担が本当にできるのですか。返済の約束が守れますか。もしできるというのであれば、法案にわざわざ「国の財政状況を勘案」とか、あるいは「繰入れその他の適切な措置を講ずる」とかの文章を書き込む必要はないはずであります。この点についても総理の見解をただしておきたいと思います。
 また、中曽根長官は、去る九月十四日、経団連幹部との懇談で、「きわめて微妙な問題だが、時限立法は期日が来たら廃止するのが原則なので、できれば廃止したいものの、その時点で情勢を見て判断することになろう」と述べまして、早くも延長の可能性を示唆しております。総理も同じ考えかどうか、行管庁長官とともに答弁を求めるものであります。
 さらに重大なことは、臨調答申が、国庫負担率の引き下げのみならず、年金の支給開始年齢の引き延ばし、保険料の連続値上げなど抜本的な改正、つまり改悪を要求していることであります。本法案で言う「適切な措置」とは、この答申内容を実行に移すことを意味しているのではありませんか。
 政府は、臨調答申は全面的に尊重すると繰り返し、閣議決定までしていますが、そうであれば、こうした内容を持った抜本改正をやるのかやらないのか、わずか三年先のことでありますから、総理、行管庁長官、厚生大臣、ここで明確に答えていただきたいのであります。
 第二の質問は、児童手当制度についてであります。
 総理、今回の措置によって約十四万人の子供たちがこの手当を奪われますが、その大部分は、五人未満の零細企業に働く労働者、零細な自営業者の子弟であります。総理は、先日の代表質問に対する答弁の中で、「真に救済を必要とする人々の福祉は守る」と述べました。しかし、総理、劣悪な労働条件を強いられ、厚生年金も健康保険の適用もなく、景気の落ち込みを最も深刻に受けているこれらの人々から児童手当を奪うことは、あなたの答弁にも全く反することではありませんか。
 政府が児童手当で浮かそうとしている金額は六十億円、ところが、限られた大企業、たとえば電子計算機の開発のための補助金はそれだけで六十一億であります。まさに福祉切り捨て、大企業奉仕ずばりの姿ではありませんか。この点をどう考えるか、総理の所見を承っておきたいと思います。(拍手)
 第三は、全国民が注目している四十人学級制の凍結問題であります。
 すでに国会は、これまで二度にわたる決議と昨年の法改正で、四十人学級制を国民に約束したのであります。また欧米では、文部省自身認めているように、三十人前後の学級制はもはや常識となっております。ところが政府は、この国会の意思に反し、世界の流れに逆らって、四十五人というすし詰め学級の固定化を図っているのであります。
 非行、落ちこぼれをなくして、行き届いた教育を行うために、四十人学級を一日も早く実現してほしいということは、いまや国民の切実な要求であり、願いであります。児童数に対する教職員の適正配置こそ、教育立国の基礎の重大な一つであります。
 私は、ここで、改めて四十人学級に対する政府の基本姿勢についてただしておきたいと思うのです。(拍手)
 総理も御存じのとおり、来年度予算の概算要求では、日本国民の四十人学級の実現の要求をたな上げにしておきながら、他方では、在日アメリカ軍の小学校には、米軍地位協定にも何らの根拠もない、いわゆる米軍への思いやり予算を増額して、何と二十五人学級制実現のための校舎の増改築費まで計上しているのであります。神奈川県の大和、綾瀬両市にまたがるアメリカ海軍厚木基地の米軍小学校がそれであります。四百人の米軍人子弟が通う同校に、米軍基準の一学級二十五人を上回る二十九人学級が幾つかあるというので、これを解消するのがその理由とされています。
 よろしいですか、米軍人子弟は二十五人学級制の保障です。日本人の子弟には四十人学級制はたな上げですよ。総理、この事態をどう考えます。
 地元のお母さん方は、日本人はプレハブ教室で勉強させられているのに、アメリカにしてあげることがなぜ日本人にはできないのか。また、私たちの四十人学級をつくるお金を回して米軍の二十五人学級をつくるというようで、腹立たしいと怒りの声を上げています。
 総理、国民の切実な願いに背を向け、このような米軍に対する思いやりこそ、決して小さな問題でなく、政府のアメリカ従属の屈辱的な姿勢を国民の前にまざまざと示したものではありませんか。(拍手)
 財政危機を理由に四十人学級をたな上げにし、何ら国際的にも義務のないこんなところに国民の血税がつぎ込まれてよいかどうか、このような思いやりは直ちにやめるべきであります。政府の最高責任者である総理はどう考えていますか。
 基地周辺では、鈴木内閣は一体どこの政府なのかとの批判の声まで出ていますが、全国民的な問題でありますので、事実に基づいて具体的な答弁を求めるものであります。
 第四の質問は、地域特例のかさ上げ補助率の引き下げ問題についてであります。
 本法案は三年間の時限特例法とされていますが、本法案に含まれている十七の地域特例法には、三年以内に期限の切れるもの、つまり終期を迎えるものが多数あります。ところが、政府が最大限に尊重すると強調している臨調の答申は、この地域特例法について、終期到来時には廃止等を含め抜本的に見直すとはっきり述べているのであります。
 そこで、五十七年度で期限の切れる離島振興法、人口急増地に対する義務教育国庫負担法の特例、同じく五十八年度に終期となる奄美特例法及び消防施設強化促進法などは、まさにそれに該当しますが、これらの終期を迎えるものについてどのような措置を講じようとするのか、その点を伺っておきたいと思います。この点は自治大臣にもお願いをします。
 最後に、総理は三日、本院の予算委員会で、行革関連の一括法案は、それのみで終わるものでなく、行財政改革の突破口だと述べました。議会制民主主義に挑戦して、三十六本もの法案を一つにまとめ、一挙に切り開こうとする、その突破口とは、まさに国民総犠牲による大軍拡と新たな財界奉仕への道であります。
 総理、いま国民が求めているのは、軍事費を削って福祉、教育、暮らしに回せという真の行革であり、大企業優遇、利権、腐敗の根源にメスを入れ、むだを省き、簡素で効率的な行革を進めることであります。
 私は、国民の大多数の願いに立脚して、わが国とわが国民を危険な方向に導く鈴木内閣の行革に反対し、その突破口となるこの一括処理法案の撤回を強く求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕
#34
○内閣総理大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。
 まず、現在進められている行財政改革は、福祉、教育切り捨ての軍拡路線ではないかとのお尋ねでありましたが、今回の行財政改革に当たっては、いわゆる聖域を認めず、行財政全般にわたって思い切った見直しを行ってまいりますが、社会的、経済的に弱い立場にある方々に対する真に必要な施策は確保する方針でありますので、福祉などの切り捨てとか軍拡路線とかの批判は当たらないところでございます。(拍手)
 次に、今回の年金の国庫負担の減額に関する特例適用期間後の減額分の「繰り入れその他の適切な措置」が本当に実行できるかとのお尋ねでしたが、この措置を、いつから、どのような期間にわたって講じ得るかについては、年金財政の安定に配慮しつつ、その際の財政状況を勘案して、関係省庁間で十分協議をさせてまいりたいと考えております。
 次に、在日米軍の学校建設の問題でありますが、日米安全保障体制の堅持を防衛の柱としているわが国としては、米軍の駐留を円滑かつ効果的ならしめることが肝要であると考えており、この観点に立って、在日米軍駐留経費について、今後とも地位協定に従い、自主的判断により負担してまいる所存であります。
 五十九年度までに終期の到来する地域特例法についてのお尋ねでありますが、終期到来の時点で、臨時行政調査会答申の趣旨を踏まえ、適切に対処してまいる所存であります。
 最後に、法案を撤回せよとの御意見でありましたが、行財政改革は緊急の課題であり、わが国の将来の基盤を確かにするため、避けて通ることができません。行革関連特例法案は、行財政改革の第一着手であり、国会における総合的な御判断を期待して一括したものでありまして、したがって、法案を撤回するつもりはございません。(拍手)
 以上、お答えを申し上げましたが、残余の点につきましては、所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣村山達雄君登壇〕
#35
○国務大臣(村山達雄君) 私に対する質問は二点あったかと思います。
 その一つは、臨調の方で各種年金を通じて抜本的改正をすべきであるということを答申しておる。それから一方において、今度出しました特例法案の中で、厚生年金に対する国庫負担を減額する、それの返済について適切なる措置を講ずる。その適切なる措置の中に、臨調答申で言うところの抜本的改正――あそこで言っておりますものは、国庫負担の引き下げとか、あるいは保険料の段階的引き上げであるとか、あるいは支給開始年齢の各年金を通じてのバランスとか、こういうことをうたっているのでございます。この点については全く違うのでございまして、臨調が言っております抜本的改正というものは、これは長期的視点に立ちまして、各種年金の間の格差を解消していく、同時に、それぞれの年金が長期的に安定するということでございますので、非常に長期的な問題になるわけでございます。したがって、今回出しております臨時特例法の中には、そういうことは含まぬのでございまして、減額に伴って、それで財政措置をどうするか、これだけであるということでございます。
 それから第二点は、今度の児童手当法の改正で、五人未満の零細企業の人たちが、十四万人くらい児童手当を受けられなくなるのは不公平ではないか。また、福祉の切り捨てではないか。こういう御質問でございます。
 今度の児童手当は、臨調の答申に基づきまして若干所得制限額を引き下げてございます。その結果といたしまして、結果から申しますと、自営者あるいは五人未満のところでは、いままで大体九割もらっておられたものが、対象児童が大体一割くらい下がって八〇%くらいになるわけでございます。
 そして所得制限は、これは大企業も中小企業も、また自営者も被用者も全然変わりがないのでございまして、一律に下げるのでございます。したがって、児童手当の面では、その所得制限という点では十分公平は保たれております。ただし、それを下げますと、被用者の方は現在すでに給付水準が七〇でございまして、それが非常に下がるわけでございます。
 そこで、財源は国の負担によらないで、事業主の拠出金から成るものを財源といたしまして、支給対象を自営者と同じ八割程度まで上げることによりましてバランスをとろう、これが今度の趣旨でございますので、決して不公平でもなければ、不当に切り下げているということにはならないと存じます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣安孫子藤吉君登壇〕
#36
○国務大臣(安孫子藤吉君) 地域特例の見直しについてのお尋ねでございますが、これは去る七月十日の臨時行政調査会第一次答申におきまして、「地域特例については、終期到来時には廃止を含め抜本的な見直しを行う」こととされております。
 地域特例は、言うまでもございませんが、財政的、経済的に貧弱な地域を対象とするものが大部分でございます。国土の均衡ある発展を図るためのそれぞれの政策目標に従って定められているものでございます。したがいまして、その見直しに当たりましては、それぞれの制度の目的の達成状況や、関係地方団体の財政運営並びに地域経済に及ぼす影響等を十分に考慮して対処する必要があると考えておる次第でございます。(拍手)
    〔国務大臣中曽根康弘君登壇〕
#37
○国務大臣(中曽根康弘君) 地域特例そのほか特例法について、期限の御質問でございますが、特例法の期限が過ぎたら特例法はやめるのが原則であります。将来のことは将来考えるということであります。
 また、防衛について御質問がありましたが、国家の防衛を罪悪視することは間違いであります。(拍手)およそ平和は与えられるものではなくして、各国の協力によって築き上げられるものであると確信しております。(拍手)
 日本が、現在の国際情勢の中で、憲法に従い、内外から見て適当であると思われる節度ある防衛力を築くことは、非常に大事なことであると思っております。それが国際的に孤立化を防ぐという大事な日本の道であると考えております。(拍手)
 終わります。
#38
○副議長(岡田春夫君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#39
○副議長(岡田春夫君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  鈴木 善幸君
        大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
        文 部 大 臣 田中 龍夫君
        厚 生 大 臣 村山 達雄君
        自 治 大 臣 安孫子藤吉君
        国 務 大 臣 中曽根康弘君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 角田禮次郎君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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