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1980/04/24 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 エネルギー対策特別委員会 第6号
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1980/04/24 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 エネルギー対策特別委員会 第6号

#1
第094回国会 エネルギー対策特別委員会 第6号
昭和五十六年四月二十四日(金曜日)
   午後二時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     吉田 正雄君     小柳  勇君
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     小柳  勇君     吉田 正雄君
     市川 正一君     佐藤 昭夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         細川 護熙君
    理 事
                遠藤 政夫君
                亀井 久興君
                中尾 辰義君
                井上  計君
    委 員
                岩動 道行君
                大木  浩君
                熊谷太三郎君
                高橋 圭三君
                竹内  潔君
                阿具根 登君
                大森  昭君
                川村 清一君
                対馬 孝且君
                吉田 正雄君
                佐藤 昭夫君
                森田 重郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   田中 六助君
   政府委員
       科学技術庁原子
       力安全局次長   後藤  宏君
       資源エネルギー
       庁長官      森山 信吾君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        高橋  宏君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  石井 賢吾君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   参考人
       日本原子力発電
       株式会社取締役
       副社長      大神  正君
       日本原子力発電
       株式会社取締役
       発電管理部長   加賀山 正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○エネルギー対策樹立に関する調査
 (日本原子力発電株式会社敦賀発電所における
 放射性廃液流出事故に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(細川護熙君) ただいまからエネルギー対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨二十三日、市川正一君が委員を辞任され、その補欠として佐藤昭夫君が選任されました。
#3
○委員長(細川護熙君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 エネルギー対策樹立に関する調査のうち、日本原子力発電株式会社敦賀発電所における放射性廃液流出事故に関する件の調査のため、本日の委員会に日本原子力発電株式会社取締役副社長大神正君及び同取締役発電管理部長加賀山正君に参考人として出席を求め、その意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(細川護熙君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(細川護熙君) エネルギー対策樹立に関する調査を議題といたします。
 本日は、日本原子力発電株式会社敦賀発電所における放射性廃液流出事故に関する件の調査を行います。
 この際、通商産業省当局から発言を求められておりますので、これを許します。資源エネルギー庁長官官房高橋審議官。
#6
○政府委員(高橋宏君) まず、私の方から、日本原子力発電株式会社敦賀発電所の放射能漏れにつきましてその概要を御報告させていただきたいと思います。お手元に資料がございますので、これを読み上げまして説明にかえさせていただきます。
 日本原子力発電株式会社の敦賀発電所の放射能漏れの件につきましては、現在、当省の職員を現地に派遣いたし、立入検査を実施いたしておりますが、現在までの経緯及び調査状況は次のとおりでございます。
 四月十八日に、日本原電株式会社から当省に対しまして以下の報告がなされました。
 浦底湾の放水口対岸付近に自生いたしておりますホンダワラの分析におきまして、最近の測定値に比較して約十倍程度のコバルト6〇などが検出されたこと。同社敦賀発電所の取水口付近の一般排水路出口だなに堆積した土砂からコバルト6〇が六十一ピコキュリー・グラム当たり及びマンガン54が十ピコキュリー・グラム当たり検出されたことでございます。
 同日、当省の職員を派遣いたしまして立入検査を実施いたしました結果、一般排水路のマンホール堆積泥のうち、放射能が最も高かったKポイント――後の図面に記載してございますが――及び放射能が検出されたJポイントのマンホールは、放射性廃棄物処理建屋内に存在していることを確認いたしました。その後、もう一つのマンホールが、別系統ではございますが、建屋の中に入っておるという事実も確認いたしてございます。
 現在、汚染の経路、汚染物質の量などを推定するため、建屋内におきます機器の配置、建屋内部の構造、改造修理履歴などの総合的な観点から調査を継続いたしております。
 なお、立入検査の過程で敦賀発電所から事情を聴取いたしましたところ、去る三月八日、放射性廃棄物処理建屋のフィルタースラッジタンク室で相当量の放射性廃液がオーバーフローいたし、放射性廃棄物処理建屋内に流出した事実があることが判明いたしました。本件事故の詳細はなお調査中でございますが、今回の放射能漏れとの因果関係につきましては、今後十分に検討を行う必要があると考えております。
 添付資料としまして、原子力発電株式会社の概要、それから見取り図等が載っておりますので、御参考にしていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#7
○委員長(細川護熙君) それでは、これより本件に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○熊谷太三郎君 わが国のエネルギーの現状から見まして、昭和六十年までには三千万キロワット、また六十五年までには五千万キロワット、それから七十年までには七千万キロワットの原子力発電所の開発の達成を目指してその推進を図らねばならぬわけであります。そこで私は、この原子力発電所を推進する立場から今回の廃液事故の問題につきまして一つ二つお尋ね申し上げたいと考えるわけでございます。実は大臣がおくれて来られますので、少し順序が逆になりますが、まず、今回の廃液事故に対する損害の補償という問題についてお伺いをいたしたいと存じます。
 今回の事件の影響によりまして、地元のいわば罪なき住民が有形無形のはかり知れない損害を受けたわけであります。特に、海産物関係におきましては、たとえば京都、大阪、神戸、名古屋など関西、中京方面からの取引拒否、あるいは金沢港を初め各港からの入荷激減、また付近漁業の操業停止、あるいはスズキ、クロダイ、メバル、イカなどの魚類やワカメなどの海草類の値崩れ、あるいはかまぼこを初めとします加工品の販売不振など、多大の損害が生じておることは御承知のところであります。現地の漁連の支所や県水産課の見込みなどを総合しますと、今後予想されます分を含めまして、大体その被害の総額は十億円にも達する見込みであるということであります。
 言うまでもなく、これらの関係漁民は今日まで原発を理解し、信頼し、また支持してきているものであります。したがって、この事件に関するいろいろな処置などとあわせまして、これらの損害をまずもって確実に補償することは、人心を安定して、原発に対する信頼を回復するためには何よりもの先決問題であると考えておるのであります。したがって、これに対しまして当局のお考えを承りたいと考えるわけでございます。
#9
○政府委員(石井賢吾君) 福井県及び科学技術庁の計測によりまして、環境放射能の魚類への影響についてはほとんど認められない、よって安全であるということの御発表がございまして、この点を関係者の皆様に十分御理解をいただき、不安感を取り除いていくということが当面最も重要であろうかと思いますが、またその方向で現に進みつつあるというふうに承知いたしておりまして、この問題が一日も早く解決することを私ども期待いたしておるわけでございます。
 それで、お尋ねの漁業の操業低下あるいは漁業の販売量あるいは価格の低下等々に基づきます損害に関しましては、現在、日本原電と県漁連との間におきまして覚書が締結されております。発電所の保守運営等に起因して漁業者に損害を与えた場合は、それに対しまして適正な措置を講ずるということになっておりまして、私どもは、この趣旨にのっとりまして誠意をもって日本原電が関係者と対応していく、それで問題を早期に解決するということを期待し、またその方向で指導をしていきたいというふうに思っております。
#10
○熊谷太三郎君 漁連との、漁業者との関係に関しましては、大体いまお話のあったようなことを漏れ承っておるわけでございますが、これは漁連だけでいいか。あるいは魚商という関係もありますし、あるいは加工関係もありますし、そういう面につきましてもやはり損害を受けたことは同様でありますから、どこが何を持たれるかということはこれは第二の問題でありますが、当局とされましては、そういう点については公正な御調査を願って、そういう点でいやしくも不信が残らないようにしていただきたい。これが私の重ねての要請でありますが、そういう契約がなされているという、以外か中に入っているのかわかりませんが、そういう漁業者以外の損害に対してもひとつどういうお考えか承りたいと思います。
#11
○政府委員(石井賢吾君) これまでいろいろ漁業に対して、放射能によって魚類が汚染されている疑いがあるというようなことで、原子力発電所をめぐりまして風評による魚価の低落その他がございました。そういった問題と今回とを比べてみますと、一般排水口を通じまして現実に放射性物質が出ておるわけでございますので、この点につきましては、先ほど申し上げました原子力発電所の保守運営等に起因するものである、それによって発展してまいります因果関係がどういう範囲に拡大していくかという問題がございますが、日本原子力発電所が地元の理解と協力を得て今後この原子力発電所を運営していく立場にあるわけでございますから、私どもとしては、誠意をもって、同時に福井県あるいは敦賀市等地方公共団体の指導を得ながら関係者と十分誠意をもって対応していくことを期待し、またそう指導していきたいというふうに思っております。
#12
○熊谷太三郎君 大体御発言の趣旨は了承いたしましたが、どうかひとつそのとおりに誠意をもって善処していただきたいということを重ねて御要望いたします。
 ところで、今回の事件でございますが、これは言うまでもありませんが、本来、内部における保安管理及びその監督に関する問題でありまして、外部に大きな影響を与える性質の事件ではなかったと思います。しかるに、これによりまして今回の場合国民に大きな不安を与え、地元に莫大な損害を及ぼし、今後の原発推進の重大な障害になったわけでありますが、その原因の一つは、私はこの事件に関する当初の発表の状況が大いに関係が深かったということを感じているものであります。
 そこで、まずお尋ね申し上げますが、一体今回の事件の中心は何であったか。一口に言えばどういうことが今回の事件の特色であったかということについて、お考えがあれば承りたいと思います。
#13
○政府委員(森山信吾君) 今回の事件の特色を申し上げますと、まず、一月の十日と二十四日の二回に分けまして第四給水加熱器に事故が起こったということがございました。これが私どもに報告がなかったということで、その理由等につきまして調査をしておりましたやさきに、先ほど審議官が御説明いたしましたホンダワラから放射能が出たということでございまして、その追跡をいたしましたところ、放射能が出るべからざる一般排水口から放射能が見つかった、これが今回の事件の大きな特色ではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
#14
○熊谷太三郎君 いろいろお話がございましたが、前段の部分はとにかくとしまして、結局、出てはならないところから放射能が出た、これが私は今回の事件の一つの特色であったと考えるわけであります。しかし、そういうことが、発表されましたこの発表文の中には出ていないと考えております。お見せするまでもありませんが、ここに発表の文書がありますが、こういうことであるからということがこの発表の中に入っていないということを私は一応指摘しておきたい。
 それから第二の問題に際しまして、この発表文の中にあります、コバルト6〇が六十一ピコキュリー及びマンガン54が十ピコキュリー、一グラム当たりというわけでありますが、一体このような数字を発表されましても、一般国民はもちろん、恐らくこれがどれくらいの放射能の強さであるかということはわからぬわけであります。これについてはいろいろ説明も後でされた由でございますが、科学技術庁にちょっと参考のために一応ここで承りたいと思いますが、この六十一ピコキュリーとかあるいは十ピコキュリーというのは、そう正確な計算は別ですが、一般の人にわかりやすく簡単に説明するためには、どの程度の数値であるかということについてのひとつ説明をしていただきたいと考えます。
#15
○政府委員(後藤宏君) お答えいたします。
 こういった堆積土でございますので、それを直接食するといったようなことはないと存じますが、仮にこういったものを一年間ずうっと魚と同じように毎日四十グラムぐらいずつ食したといたしましても、それに伴います影響と申します範囲は、年間許容被曝量でございます五百ミリレムに対して、大体オーダーとして百分の一以下になる程度の被曝しかしない量の問題であると……
#16
○熊谷太三郎君 百分の一といいますと、何の百分の一ですか。
#17
○政府委員(後藤宏君) 年間許容被曝量であります五百ミリレムに対してということであります。
#18
○熊谷太三郎君 五百ミリレムの……。
#19
○政府委員(後藤宏君) はい。
#20
○熊谷太三郎君 これはもう通産省も十分この程度のことはおわかりかと思いますが、年間許容量五百ミリレムの百分の一、一年じゅうかかって毎日四十グラムかそこら食べてもそういうことだということでございますが、要するにこれはきわめて微量であるということははっきり言えると思います。しかし、この発表文の中には、後の説明ではあおりになったかしれませんが、そういうことが出ていないと考えます。
 そこで、どういう性質の事故であり、またそれによって出た放射能の強さがこの程度であるということが明らかにされないままに、早朝の五時に報道記者を集めて発表されたということが、私は、いろいろ三つの点が絡んで非常に大きな事故のように――無論ある意味では事故でありますけれども、外部に与える影響が非常に大きいように印象づけられたということは、これは何人も否むことができないと考えるわけであります。
 私は敦賀でございますが、ここに私の地元の新聞、福井新聞という新聞がございますが、十九日の新聞ではこのように大きな見出しで「敦賀原発で放射能漏れ排水路汚泥から一万ピコキュリー」、こういうなにが出ているわけであります。通産省が発表されたのは、排水路汚泥から一万ピコキュリー出ておるから、あるいはマンホールなんかのなにをとればそういう数値があったのかもしれませんが、発表のコバルト6〇が六十一ピコキュリー、あるいはマンガンが十ピコキュリーというのとは大変な違いがあるわけでありまして、その御発表は何らの役をしていないということになるかと思います。しかし、これは何もうそを書いているわけではありませんので、通産省の御発表についてはこういうことが出ております。この数値については、「この結果十七日深夜になって出口から高レベルの放射能を検出」という、これだけしか出てない。これは通産省の発表とは書いてないんで、日本原電が分析したと、こう書いてあるわけであります。
 それじゃ、通産省が発表されたということは全然ないかといいますと、それも出ている。高レベルの放射能を検出したと、こういうことが出ているわけでありまして、少しも通産省で意図されますようなそういう趣旨のことが地元の福井県の福井新聞という新聞に出ていない。しかも、これと同じような内容のNHKの放送が十八、十九日、七回にわたってもう頻々と字幕にあらわれまして住民を脅かしているのであります。
 福井県には福井新聞のほかに日刊福井というのがございます。これはそういうことは言っておりません。「敦賀原発で放射能漏れ 通産省が発表人体には影響なし」ということをこのとおりはっきり書いているわけであります。しかし、この場合、やはり福井新聞というのが従来からある新聞でございまして、どうしても数が多いわけでございますから、これが福井県民に大きな影響を与えた。それから中央の大新聞では、私よく読んでおりませんが、朝日新聞にはそういうことが出ていたそうでございますが、ほかの新聞にはやはりそのような正確な情報が出ていなかった。しかも、そういう情報を、発表をもとにして次々あらわれた事柄をつかまえて、二日、三日はほとんどの新聞は一面、二面にわたって大きな報道を続けている。まさにスリーマイルアイランド事件の日本版のようなそういう印象を、影響を与えたように思うわけであります。
 ですから、私は何も過ぎ去ったことをかれこれここで繰り返して申し上げる趣旨はありませんけれども、率直に言えば、釈迦に説法かもしれませんが、こういう場合にはやはりありのままに、出るべからざるところに微量の放射能が出た、放射能はきわめて微量であるけれども、しかし出るべからざるところに出たわけであるからこの問題を重視して徹底的に調べのんだ、こういうふうなことが――そんな朝五時にわざわざ集めなくても、あたりまえの時間になって報道されましたならば、私は今度の事件はこのように大きく世間を騒がすことはなかったと考えますので、どうかこの上ともそういう点について、大変失礼なことを申し上げますが、ひとつ十分の御配慮をいただきたいと思うことが私のこれは要請でございます。これに対しまして何かお考えがありましたら承りたいと思います。
#21
○政府委員(森山信吾君) いろいろ御要望いただいたわけでございますが、私がいま感じておりますことをお答え申し上げますと、まず発表の中身でございますけれども、正確に事実関係を報道していただきたいということでああいう発表をさしていただいたわけでございます。これが特定の専門家の方にはそのピコキュリーがどの程度のものであるかということは直ちに御理解いただけただろうと思うのでございますけれども、国民一般の方から見ますと、判断がなかなかつきにくいということもあったのではないかと思います。
 私どもも発表に際しまして、人体に対する影響につきまして全く懸念をしていないということもあわせて発表したわけでございますけれども、数字の方がどうも重要視されたのではないか、こういうようなことでございます。余り無用の不安を与えてもいけないという配慮は別途持ちつつも、正確さを期したいということもございましてああいうかっこうになったわけでございます。今後は、事実の報道と同時に、それが一般の国民の皆様方にも理解されるようなことをコメントとしてつけ添えていくということに努力をしてまいりたいと、かように思います。
 それから早朝の発表につきましては、最近はテレビの電波というものが大変マスメディアの媒体として大きくなっておりまして、テレビの最初のニュースの時間が朝の六時ということもございまして、そういう観点から五時の発表となったわけでございまして、別に他意を持ってやったわけではございません。確かに、五時という時点を見ますと異例な発表であって、とんでもない大事故が起こったのではないかというような印象を与えたかもしれませんが、そこの点につきましては十分に中身で御説明を申し上げるという努力をしたつもりでございますけれども、必ずしもその努力が結果となってあらわれなかったのではないかという点につきまして、私ども今後の発表の仕方につきまして十分に検討を加えてまいりたい。十分な検討といいますのは、事実の正確なる発表と、それを国民の皆様に理解していただけるような発表をあわせて行うということにつきまして最善の努力をしてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
#22
○熊谷太三郎君 いまおっしゃったところで十分了承さしていただきますが、くれぐれも、重ねてくどいことを申し上げますが、五時の発表ということだけを問題にしているのではございませんので、この発表の際に、たとえばこの発表文の中に、数値もそうでございますが、まず微量のということぐらいは入れていただいて、そして括弧して、まあ立ち入ったことを申し上げますが、数字を入れて、その数字がいまおっしゃったようなことに該当するというところまで入れていただく。そして、この事件は出るべからざるところに出た、その点も特に重視してこうやるんだと。くどいようでございますが、それぐらいの具体的な御配慮、どういう場合にもそういう御配慮をひとつしていただきたい。何としましてもいま原発は国民の、特にそういう所在地の方々の素朴な、またそういう面にはきわめて知識の疎い人を対象として、その方々から信頼を受けねばならぬという時代でございますから、どうかその点をいまの御見解のとおりにひとつ今後やっていただきたいということが重ねての念願でございます。
#23
○岩動道行君 いま熊谷委員から御質問があって、人体に影響のない微量なものであったということがいまわかったといたしましても、ピコキュリーとかあるいは何とかレムとか言いましても私どもにはわからないし、それが何万倍であったとが、こういうことになると大変なことだなと、こういうことの印象の方が強いのです。
 そこで、たとえば「むつ」の原子力船のときだって、大したことないのにああいう大騒ぎになって今日に至っている。そういたしますと、この際私は、この場で、一体、微量であったけれども、これはたとえば人体でレントゲンを毎日一年間とってもそれ以下であったのか、あるいはその程度であるのかどうか、その辺の具体的なことをこの国会の場で明らかにして、そして国会を通して国民に理解をさせるような御返答をひとつこの際お願いしたいと思います。
#24
○政府委員(石井賢吾君) 熊谷先生の御指摘もあり、私どもといたしましては、常々原子力発電所に関するPA対策に腐心いたしておるわけでございまして、前回の発表の際にも、人体に影響のないものであること、本来検出さるべきところでないところに検出されたというところが問題であるという旨は明確に付記して発表いたしておるわけでございまして、すべての報道が私どもの発表とおり、あるいは意図どおりにやっていただけることを期待いたしておるわけでございますが、現実に御指摘のような報道があったということについて、われわれも今後十分反省をしていきたい、工夫をしていきたいと思っております。
 それで、岩動先生のお尋ねでございますが、私どもその際に、ホンダワラから発見されました、測定されましたコバルト及びマンガンにつきまして、本来ホンダワラは非食性でございますが、仮にこれを一日四十グラム食してこれを一年間続けた場合に、その人に対する影響は〇・二一ミリレムであると。これは一年間の許容量五百ミリレムに比較いたしますときわめて微量であるという旨を付して説明をいたしたわけでございますが、これらについて十分な御理解、御認識が得られるような状況で出ていなかったというおしかりはわれわれ甘受しなくちゃいけませんが、これらの数値についても明確に示しておるわけでございます。
 それで、たとえば、われわれ自然放射能を受けておりますが、通常日本の場合には、日常の生活をいたしておりましても年間百ミリレム程度の放射能を受けるわけでございます。それから御指摘の胸のレントゲンの場合には、これは一回受けますのがほぼ百ミリレムでございますし、胃のレントゲン等の場合には千五百ミリレム程度に当たるであろうというふうに言われております。そういうふうな数値からいたしまして、本来非食性の海草を食するという前提がおかしいのでございますが、今回の浦底湾の海域でとれましたホンダワラにかかわる放射性物質の人体への影響はほとんどないということが明確に言えるのではないかというふうに思っております。
#25
○熊谷太三郎君 時間がございませんので、きょう予定しましたことは十分尽くせませんから、いずれまた次回にお願いしたいと思いますが、いま一つお尋ねしたいのは、この発表の動機になりました一般排水路の出口だなの泥土の問題、泥土に対する検出、あるいは対岸のホンダワラに十何日かに検出されたという、これは大体何に――まあよくわかっていますが、県の衛生研究所、それに原電が御協力されたというようなふうに承っております。
 私が大変これについて痛感しますことは、大体保安規定によりますと、原子力発電所の敷地内のモニタリングといいますか、放射能の正常か異豊かを検測しますときは、これは当然事業者でおやりにならねばならぬようでございますが、しかし、それにしても、一般排水路は放射能が出ないということで敷地内でありながらモニタリングをおやりにならなかった。これは当然と言えば当然かもしれませんが、しかし、今日原子力発電所については安全性ということがこのようにやかましく言われている事態から考えれば、たとえ出るべきところでないにせよ、発電所の敷地を流れて外海に出る、そういう放水路等におきましては、やはり適当な時期時期に念のために放射能のあるなしの検討をさるべきが当然と言っては失礼になるかもしれませんが、私は今後は考えていかれるべきではないかということを考えるわけであります。
 それから、この敷地内こそ保安規定によっておやりになりますが、敷地外は一体どこが責任を持っておやりになるのかという点でございます。それは一般的な場合を言えば、あるいはそういう放射能に関しては科学技術庁でおやりになるかどうかわかりませんが、この場合、敦賀湾内におきましては県の衛生研究所がやっている。それに対して国から交付金を出しておられるという状態でありますが、仮に、県がもし排水路の出口から外の湾内をしていなかったら一体どういうことになるかということを考えるわけでございます。
 私が思いますのに、やはりこういう場合に、普通の温排水の場合もありますが、せめて敷地内あるいは出口ということに限定しないでもう少しこの一定の範囲を拡大されて、そしてそういう県がするからさせるというような消極的な態度ではなくして、事業者そのものが、ある敷地の範囲で、外であっても一定の距離の区間は定期的に検査をするというくらいの放射能に対する厳格な厳密な考え方を持って臨まれなければ、こういう不慮の放射能漏れを検出するということは不可能じゃないか。今度も幸い県の衛生試験所が進んでやっていたからこそわかったのであって、そうでなければ国として、あるいは事業者としておわかりにならなかったということになるのではないか。
 ことに、排水路の出口だなというのは放射能のすぐ出口ですから、ただ境界という名前だけの線があるだけで、それからちょっとした外でもそれはもう知らぬのだ、こういうことは放射能のシビアな管理をする上で非常に問題じゃないか。これは私は一原電さんの問題にとどまらないで、監督官庁であります通産省とされまして、ある範囲を広げて、そうしてモニタリングを必ず定期的にやらせる。どこまでということはここで申し上げられませんが、それは適当な技術的な線が出ると思いますが、そういうことを通産省で御検討になるお考えはないかどうか、それをひとつ承っておきたいと思います。おわりでございますか。
#26
○政府委員(森山信吾君) 技術的な問題もございますので後ほど担当部長からお答え申し上げますけれども、考え方として申し上げますと、いま熊谷先生の御指摘はまことにごもっともな御指摘だというふうに思います。
 ただ一点、また別な角度で考えますと、いまの環境モニタリングのシステムが、電気事業者以外がやっておるということにも一つのメリットがあるのではないかということでございまして、国民のサイドから見ますと、電気事業者がまた電気事業の敷地の外で計測をいたしまして数値を発表いたしますよりは、公平な第三者にこういうことになっておりますよという調査をしていただくいまの仕組みの方がより安心をしていただけるのじゃないか、こういうようなこともございますから、制度を変えるということは私はちょっと必要ないのじゃないかなという気がいたします。
 いま熊谷先生の御指摘は、恐らくそういう制度を前提にした上で、電気事業者も敷地内だけでなくてその敷地の外についてもある程度の責任を持って計測したらどうだ、こういう御指摘だというふうに理解いたしますので、そういう点につきましては検討してみたいと思いをする。
 なお、詳細につきましては石井公益事業部長から御説明させていただきます。
#27
○熊谷太三郎君 時間がありませんから、いろいろまた後で聞きますが、私が申し上げますのは、それはどこがやって――むしろ県がやった方がいいというお考えも決して否定いたしませんが、しかし、それは県がやるからやってもらうだけであって、こちらから県に勧めて、県の方でひとつ責任を持ってくれと言われたわけではないんでしょう。県が心配してそれをやってくれる、やってくれるから交付金をやる。まあ交付金をやればそれで義務づけになりますけれども、私はもっとその点積極的にそういう考えを持っていただきたい。第三者が見てくれた方がかえって信頼感があるんじゃないかと言われることは否定しませんから、それはどこがやってくれてもいいと思いますが、いまのところ、ただやってくれるからしてもらうというそういう考え方に、ちょっと私は検討すべき点があるのじゃないかということを申し上げたのです。私は質問をこれで一応切ります。
#28
○政府委員(石井賢吾君) ただいまの熊谷先生の御質問にお答えする前に、先ほど岩動先生から御質問のございました数値につきまして、一けた誤って申し上げましたので、きわめて申しわけないと思いますが、訂正をさしていただきたいと思います。
 〇・二一と申し上げましたが、〇・〇二一でございまして、せっかくの機会を与えていただきながら正確な数値を申し上げなかった点、非常に申しわけないとおわびいたします。
 それから熊谷先生のお尋ねの一般排水路及びその出口等々その周辺は、県のみに任せないで電気事業者あるいは国としてやるべきではないかというお尋ねでございますが、まず一般排水路の方について申し上げますと、われわれとしては本来出るべきところでないという観点でこれまで見ていなかった。それが敦賀発電所におきまして発見されたということで、念のため、四月二十日に他の電気事業者全部に対しまして、一般排水路と管理区域との放射性物質の混入あるいは漏洩のおそれがないかどうかの総点検を指示いたしました。あわせて、放射能の一般排水路、出口等における測定を指示いたしましたが、これまで、最終的な報告ではございませんが、中間報告段階では、敦賀発電所のような一般排水路が管理区域の建屋の下を通っているというような状態はないということが確認されておりますし、またこれまでの放射能測定成果では放射能は検出されなかったということが報告されております。したがいまして、さらに一般排水路にかかわる発電所構内の全体の詳細図面の提出を求めておりますので、それらを受けました段階で今後一般排水路の取り扱いを検討してまいりたいというふうに思っております。
 それから電気事業者は管理区域及び構内及び境界線等の放射能測定を行っておりますが、さらに構外におきましてモニタリングポストを設けて自主的に測定を行っているところがございます。そういうような形で、できるだけ電気事業者もその原子力発電所の境における影響等を考えまして、十分な措置をとっていただくように今後指導していただきたいというふうに思っております。
#29
○政府委員(後藤宏君) お答えをいたします。
 原子力発電所の敷地外におきます環境モニタリングにつきましては、現在、地方自治体が住民の安全と健康を守るという観点から主体的にこれに取り組んでおられまして、国といたしましては、これに対する技術的な指導のほかに、電源特会等を通じましてそれに必要とする経費をいろいろ支援しているのが実態でございます。
 これにあわせまして、いま御説明のございましたように、電気事業者も一部自発的に敷地外のモニタリングをいたしておりますし、また非常の際等につきましては、現地にございます国の連絡調整官事務所の職員といったものもこれに協力するといった形をとっております。この点につきましては、先生の御指摘も含めまして、今後の拡充その他について十分検討してみたいと思っております。
#30
○吉田正雄君 ただいまの熊谷委員の質問に対する政府の答弁を聞いておりまして、私は実は背筋が寒くなる思いがいたしたわけであります。それはどういうことかといいますと、そのことがまた原電当局や現場の管理者の感覚というものを麻痺させたり、放射能汚染の恐ろしさに対する認識不足を生じさせておる大きな原因ではないかというふうに思っておるのですけれども、まず最大の政府答弁の誤りは、自然放射能と、それから原子力発電所から出る放射性物質による、放射能ですね、放射能による放射線というものを同一視しているということなんです。皆さんがよく何ミリレム以下だから大丈夫だというふうなことをおっしゃいますけれども、皆さんがキャッチできる、つまり現場でもってキャッチをしている放射線の強さというのは、フィルムバッジであるとかあるいはポケット線量計なんです。これはガンマ線しか測定していないわけです。しかも、内部被曝については全然測定できないわけです。
 一番危険であり毒性が強いと言われておりますプルトニウム239、これは特に肺がんとか気管支に重大な損傷を与えるということではもうどなたも否定できないきわめて有毒物質です。地球上の物質の中でも最大の毒物の一つであろうと言われておるわけでして、わずか一グラムで一千万人ぐらいの人間を肺がんにするであろうと、それほどすごいものなんです。ところが、皆さんがおっしゃっている、マンガンだとかあるいはコバルト何ピコキュリーだから心配がないというふうな言い方をしていますけれども、それは全くそういうフィルムバッジだとかポケット線量計、そういうものでとらえられるガンマ線しか測定していない数字ですよ。特に、一番危険な内部被曝についてはほとんど測定されていない、測定されていないと言うよりもできない、これが現状なんです。
 それを、いまの話を聞いておりますと、非食性植物やそういうものであっても食べても支障がないなんという非常に非科学的というか、きわめてそういう説明というのは国民をばかにするというか、とんでもない私は誤解を与えることになると思うのです。そういう点では国際放射線防護委員会、ICRPとかBEIRとかあるいはアメリカの環境保護庁、EPA等のいろいろなものをもうちょっと読んでいただきたいと思うのです。そんな自然放射能と比較をしたり、それからエックス線の歯の治療とか胸の照射一回受けるときに何百ミリレム受けるとか、比較にならないものを比較しているんですよ。比較の対象、やり方が全然違っている。
 きょうは時間がありませんから、この点は改めてまた集中審議をやる場が出てくると思いますから、ここでいま部長に聞いたって答えられないですね、専門家でも何でもないんだから。専門家でない人がそういう説明するから私は危険だと言う。そういう説明がまた原電幹部であるとか管理職、特に私は一番言いたいのは、安全だと言っている人ほど事務系統の人である、現場に入らない人ですよ。皆さんは各電力会社の現場職員がどういうふうに思っているかわかりますか。ほとんどが早く帰りたい。子供はつくらない、若い人は。うっかり子供をつくったらとんでもないことになるという人が非常に多いわけです。これはもう私がたびたび委員会でも言ってきたとおりなんです。知れば知るほど原発というものは危険なものであるということがわかってくるんですね。安全だとおっしゃる方はメーカーですよ。それは放射能が出ないからです。新しい機械、金属、原料でただ原子炉をつくるだけの話だ。ちっとも放射能なんてこわくない、出ないんですからね。
 それから本社の机に座って御用学者が書いた、安全だと。御用学者自身が放射能のこわさを知らぬですよ。全く机の上の単なるペーパー計算でしかないわけです。しかも、一番こわいアルファ線とか内部被曝については全く影響を考えていな、い。こんなものをもとにして安全だと言うから、一線の管理者、あるいは本社の机でのうのうと座っている人たちが、食べたって安全だなんてとんでもないことを言うことになるんですね。これは私はいずれまた時間をとってお聞きしたいと思うのですが、そういう点で私は政府のそういう説明はよくない、きわめて危険だと言うんです。そのことをまず当初に言っておきたいと思うのです。
 ついでにもうちょっと聞きましょうか。セシウム137が出ていますね。答えられたら答えてください。セシウム137というのは自然界にあるのかどうなのかということと、それから皆さんの言う許容量というのはどんなものなんです。
#31
○政府委員(石井賢吾君) 私、物理を専攻いたしませんので的確なお答えをするのが非常に困難でございますし、かつまた、答えますと、よく知らない者が答えるということで怒られますが、一応今回の事故に関連いたしまして勉強した限りで申しますと、セシウム137につきましては三カ所のマンホール地点で一応計測されております。これはフィルタースラッジを回収するタンクに――これは一次冷却材とそれから使用済み燃料をつけておきます水を洗います段階でたまるスラッジでございますが、その中には、大体コバルト及びマンガンが主体でございますが、ごく微量のセシウムがあるのではないかというふうに言われておりまして、こういうものが出たのではなかろうかという推測はいたしておりますが、現段階ではまだ最終的な結論を得るに至っておりません。
#32
○吉田正雄君 セシウム137というのは、原子炉で核燃料が燃えて出る俗に言う死の灰の一つ、核分裂生成物質であることは、これはお認めになるでしょう。
#33
○政府委員(石井賢吾君) 核燃料面に付着いたしております微量の核燃料物質から生成される可能性がございます。
#34
○吉田正雄君 先ほど聞いて答弁がないのですが、皆さん方の言う許容量というのは幾らですか、このセシウム137。
#35
○政府委員(石井賢吾君) 後ほど調べましてお答えさせていただきたいと思います。
#36
○吉田正雄君 後で調べてという、これは問題ですよ、これだけ事故で重要な問題になっているというのに。
#37
○政府委員(後藤宏君) ただいまのセシウムの許容量は、三カ月間の平均濃度が二掛ける十のマイナス四乗マイクロキュリー・パー・cc、こういったことになっていると思います。飲料水としての許容量でございます。
#38
○吉田正雄君 ICRPの基準値の設定についてもいろいろ意見のあるところなんです。学者によっては、このセシウム137というのは半減期が物理的には二十八日、それから生物学的には十七日ということが言われているわけです。これは間違いないわけですが、これは一平方メートル当たり一万分の一キュリーでもそれがある程度時間的に長くなると非常に危険だということも言われておるわけです。このICRPの値というのはもともと何十年もかかって実験して出てきた結果じゃないんですね。大体いま言ったようなレントゲンというエックス線からの推定値でもって出てきたわけです。ですから、一九二〇年ころの許容量というのはレントゲンの場合は二十五レムなんていう数字を出しておったわけですね。今日では五レムということになって五分の一になっているわけですけれどもね。
 そういうことでこれを考えますと、私は何も国民に不安を与えるために言うんじゃないんです。いまの考え方からいくならば、原子炉百万キロワット級一年間で出てくるセシウム137なんていうものは大体五百八十万キュリーですから、一平方メートル当たりいま言った一万分の一以下ということで汚染をされるということになると、六万平方メートルの地域が――これは全部出た場合ですけれども、そんなことはないけれども、しかし出たとするならば六万平方メートルの地域が汚染される。北海道の約四分の三というものが汚染をされるということになってくるわけですよ。これがそこで停滞したらこの期間というのはそこには住めない、こういうことになる。そういうことで、この放射能の危険性についての政府の説明というのはきわめて安易、意識的としか思えないような安全を強調している。このことが私は逆に原発運転についての安易な態度につながっていくと思うんですよ。
 いまさら申すまでもないと思うのですが、原子力の危険性というのは放射能の危険性なんですよ。放射能からいかに人間を隔離するか。逆に言うならば、放射能というものをいかに人間環境から完全に隔離をし保管できるかということにかかわっておるわけなんです。ところが、いまの敦賀のこの問題を見ますと、もう完全に環境内に放射能がたれ流しになったということで私はきわめて重大だと思う。その科学論争は譲ります、素人の皆さんを相手にやったってしようがないのでね。
 そこで、原電当局にお聞きをいたしますが、皆さん方のパンフレットを見ますと、「わが国における原子力開発の先駆的役割を果たしてきた」と書いてあるんですよ。逆に言うならば、事故や故障というものは、設計の改善であるとかあるいは技術開発、信頼性の確立、こういうものにとってきわめて貴重なデータなんですね。あってはならないのですけれども、現実には貴重な資料になるわけなんです。したがって、今後の安全行政上これはきわめて重要なものなんですね。
 ところが、事故や故障というものを隠蔽をするということは、これはとても許されるものでないんですね。しかも、今回の事故は内部からの告発によって明らかになってきた。告発がなければ、これは発電所の幹部も、それから原電の本社の皆さんも、さらには通産省が派遣をした派遣専門官までが全然気がつかなかった。これは後ほど政府の方のそういう怠慢について、あり方についてお聞きをしたいと思うのです。
 そういう点で、今回の一連の事故で私はその隠蔽をしてきたということは明らかですから、こういうものについて一体原電本社はどういうふうに反省をされているのか、責任を感じておいでになるのか、まずそのことをお聞きしたいと思います。
#39
○参考人(大神正君) お答えをいたします。
 まず、今回の事故の問題につきまして、私ども内部の問題につきましても、また先ほど熊谷先生からの御指摘がございました原子力発電全般につきましても大きな影響を与えたこと、さらには社会的な不安、不信というものを招来したことにつきまして、心から大きな責任を感じておりますし、おわびの言葉もない次第でございます。
 これから申し上げたいと存じますことは、いささか弁解がましくなるとは思いますけれども、私どもとしては、現場の実態を調査いたしました結果は、故意に隠蔽をしようという意図はなかったと判断をしております。と申し上げますのは、あの廃棄物処理建屋の施設は、あのタンクが全部壊れましてもその中に閉じ込められるというそうした機能と目的を持って建てられておるわけでございまして、そうした面からいたしまして、オーバーフローの問題はその建屋の中で処理し得るということを実は考えたわけでございます。したがいまして、この点について何とかその建屋内で、あるいは建屋といいますのは、もう一つ言いかえますならば、タンクと同様な機能を持っているという判断から、そうした現に問題にされておりますような措置をとったということでございますが、その点はまことに弁解がましいことになるわけでございますけれども、現地の判断はそういう事実があったということをまず申し上げたいと存じます。
 しかしながら、この問題につきましては……
#40
○吉田正雄君 簡潔にやってください。時間がないから簡潔に。
#41
○参考人(大神正君) はい。
 警報装置の問題あるいは信号の問題等を含めまして、必ずしも十分な機能を発揮しなかったという点もあったようでございますし、そうした点の問題が事故を拡大した、こういう事実でございまして、この点につきましては、いまの設備の問題並びにこれをどのように処理するかという各級責任管理者の判断の問題、管理能力の問題、こうした点からもいろいろ今後究明をした中で解決をし改善をしていかなければならないたくさんの問題があろうかと思いまして、この点についてはせっかく現在の状況を十分に前提といたしましてさらに十分の措置、対策をとってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#42
○吉田正雄君 お願いをしておきますが、質問したものだけに答えてください。というのは、非常に時間が限定されているんですよ。
 そこで、おたくから出されております同じくパンフレットによりますと、この敦賀発電所についてはどういうことが書いてあるかというと、「慎重に工事を進め、厳重な検査と試験を重ね」云々ときて、「米国ゼネラル・エレクトリック社が設計したもので、一般の産業では考えられないほど、十分な安全設備や装置を採用しています」と、こうなっておったんですが、ちっとも十分でなかったということですね。私どもが従来指摘してきたとおりのことが起きたわけですよ。全然信用できないということだ。これ、実証したわけですよ。言葉じゃない、実証した。
 そこで、まあそういううたい文句は今後十分気をつけてもらうことにしまして、私がここで腑に落ちないのは、建て増しをした廃棄物処理施設建屋というものが前の古いマンホールの上につくられたのだということなんでして、これは常識では考えられないことなんですね。したがって、この廃棄物処理建屋の増築は当時の科学技術庁の安全審査を受けたのかどうなのか。それから通産省の工事認可を正式に得たのかどうなのかということと、それから設計の段階で、会社側として、前との関連があるわけですからね、それをチェックをしたのかどうなのか。それから原電はその工事に立ち会ったのかどうか。まずこのことをお聞きしたいということ、これを簡潔に答えてください。
#43
○政府委員(高橋宏君) まず、安全審査、認可関係でございますが、安全審査におきましては、概念設計の許可ということでございますので、ここまでは細かい設計は見るたてまえになっておりません。
 そこで、工事計画の認可段階でこれがどういう立場になるかということでございますが、まず一般排水路それ自体は電気工作物でございませんので認可の対象にはなりません。しかしながら、本体の方、すなわち廃棄物処理設備そのものは、これは改造、増設の際には認可を必要とするものでございます。
 そこで、本件につきましても認可申請が行われ認可されておるわけでございますが、本件につきましては、この認可申請がなされ、工事計画のよしあしがそこで審査されるために必要な添付書類が要求されておりますが、その添付書類においてこの問題の一般排水路及びマンホールに関します記載がございません。また、今回の事態はきわめて異例なケースであると言うべきだと思いますが、そういうことから私どもとしましてはきわめて遺憾でございましたが、工事計画認可に際しこの点をチェックし得る状況になかった次第でございます。
#44
○吉田正雄君 いまの政府答弁を聞きますと、その工事計画書というものがきわめてずさんだと。しかも、一次冷却水のスラッジ、それをためるタンクであり、またそれをきれいにするための水がそこにも入ってくる、排水が入ってくるわけですね。こういうきわめて重要な廃棄物処理施設が一般排水系統の上に建てられているのかどうなのかをチェックしないで工事をすること自体これは問題なんですよ。その点では通産省はわからなかったと言うから、これは通産行政の安全審査のあり方自体がもう問題なんですね。そういう点では基準の見直しなんかも将来行わなきゃならぬと思うんですが、原電本社でわからなかったんですか、その辺。
#45
○参考人(加賀山正君) 本社で私ども大変申しわけありませんが、そのときわかりませんでした。ただ、建屋といたしまして、耐震Bの設計にいたしまして岩着の構造になっております。その上に、排水管につきましては、一メートルのコンクリートマットの中に、従前はヒューム管でございましたのを鋳鋼管にかえて、われわれとしては万全の策をとったつもりでおったわけでございます。
#46
○吉田正雄君 わからなかったと。わからなかったけれども、万全の策をとったつもりだといういまの答弁なんですがね。
#47
○参考人(加賀山正君) 私自身……。
#48
○吉田正雄君 それじゃ、設計はだれがやったんですか。
#49
○参考人(加賀山正君) 設計は竹中工務店でございます。
#50
○吉田正雄君 竹中工務店がやった場合には、その増築部分の下に、前のマンホールですね、そういうものがあるということは皆さん方の方から通知をしなきゃわからぬわけですね。その辺の連絡はどうなっておったのですか。
#51
○参考人(加賀山正君) 細かいその時点におきます経過につきましては、まだ現在調査をしております。
#52
○吉田正雄君 これだけの事故が起きて大分日がたって、私が質問をするというのは、私が部外者で詳しいことはわからなくても問題だと思っていま質問しているのに、事故を起こした当の方がまだわからぬで、どうなっているかわからぬからこれから調査をするんですとか、段階ですなんて、そんなことだからぼくは問題だと思うんですよ。それはいいです、時間がないですからね。いずれまた来てもらいますけれども、そんな答弁じゃこれはしようがないんです。
 しかし、もう一つ基本的な問題で聞いておきたいと思いますのは、これはもう事故隠しであることは間違いないわけです。これはもう刑事事件に発展しても仕方がない問題だと思っているんです、何も罪人をつくれということを言っているわけじゃないですけどね。しかし、少なくとも企業の社会的責任上、刑事責任の追及とは別に、一体社内の体制の刷新、責任の所在、こういうものを関係者全部含めてどういうふうに考えているのかどうなのかということが一つと、それから漁民やいろいろな関係者がこの事故によってそれなりの損害なり精神的な苦痛なりというものを受けているわけですから、そういうものに対する損害補償等ですね、こういうものについてはどういうふうに考えておるのか。
 それからもう一つは、これも私は驚いたのですが、あふれた水をポリバケツですくって出したなんて、とてもじゃないけど放射能のこわさを知っている人にはできっこないですよ、そんなこと。これは私は下請労働者に対する安全教育というものが徹底されていないと思っている。こんなものをポリバケツでくみ出すなんて、そんな安全教育が許されること自体がもはや根本からまずなっていないということがはっきりしているんですけれども、これも大したことがないというふうな言い方を原電の幹部やあるいは通産省の担当者の一部が言っているということになったら、これはもう許せないことなんですよ。
 そういうことで、被曝をした人たちのほとんどが下請労働者なんですね。したがって、下請企業に任せるのでなくて、私は、原電なり、しかもこれを許可した通産、国にも責任があるわけですから、原電や国の責任において専門的な病院等で徹底的な検診と、そして自後予想される被曝損傷については、これは国なり原電の責任において徹底的にそのめんどうを見るべきだ。仮にがんであるとか白血病というふうな事態になった場合には、当然労働災害としてこれは取り扱われるべきだと思うのですが、以上三点についてはどのようにお考えでしょうか。
 きょうは時間がありませんので、いずれ細かい詳しいことはまた後日の機会に譲りますが、以上で一応原電に対する質問は終わります。
#53
○参考人(大神正君) 最初の社会的責任をどのように果たすかという御質問でございますが、これにつきましては、私ども、ともかくも今日の事態を速やかに回復をする、これが第一番にやるべき措置だと存じます。その点を考えますために、この問題に直接的に従来かかわってまいりました幹部全員を入れかえるという措置をとりまして、それからまた現在考えておりますことは、この事態を十分に今後の全体的な体制の問題等にも反映させるべく改善策を考えておる次第でございます。今回の事態が特に管理者の管理能力、判断能力、それからまた主任技術者の関係等の問題もあるわけでございますので、この点につきましても速やかにこれに対処していくという措置をとった次第でございます。
 また、その上に社会的な責任を考え、あるいは所内の人心の一新を考えますためには、これから十分に検討をいたしまして責任の所在を明確にする。これは現場のみならず、経営を含めまして責任の所在を明確にするという処分措置を今後とってまいりたいと存じております。そういうことを含めまして、この社会的な責任に対処してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
 次の損害に対します処置でございますが、私どもは、この損害の実態を十分に現地の方々にお聞きをいたしまして、これに対しましては誠意をもって対処してまいりたい、こう考えております。
 また、被曝をしたであろうと思われる方々の検診についきましてでございますが、私どもは、入域をいたします前にポケット線量計あるいはフィルムバッジをつけることを義務づけておりますと同時に、ホール・ボデー・カウンターで体の状況も調査いたします、放射線の問題につきまして。さらに、退域をいたしました点でホール・ボデー・カウンターにもう一度かけまして、この点についての被曝の異常がなかったかどうか、どの程度の被曝があったかということについては、これはすべてチェックをしております。その上で、さらに異常が見つかるということになりましたならば、次の段階といたしましてはさらに汚れた個所の洗浄というような措置もとると同時に、その後の措置もとってまいるということを私どもの内部としてはルールとして決めておる次第でございまして、そうした点から今回の被曝問題を考えてまいりますと、現在そうしたさらに突っ込んだ医療的な診断と申しますか、そうした大きな被曝はなかったという結論を現在は持っておる次第でございます。
#54
○吉田正雄君 ちょうど時間が来たんですけれども、私が聞いているのは、原電の単なる計測機器等で診断をして被曝は大丈夫だろうという、そういう判断自体がきわめて危険ですから、そういう点で専門病院等で徹底的に私は検診を受けさせるべきではないかということを聞いているんですよ。それは原電なり国の責任でやるべきじゃないかと言っているのに、被曝がないと思っておりますからそういうことはやりません、従来の検査方法をもう一回所内で繰り返してありますというふうなことでは、話にならぬじゃないかということを聞いているんですよ。その点どうなんですか。
#55
○参考人(大神正君) 私どもは、そうしたいままでに申し上げましたような措置をとっておるわけでございまして、さらにすべてについて今後も特別な検診をやれと、こういうお話でございますが、いままでの措置としてやっておりますことは、やはりそれなりの理由があるわけでございますので、ひとつそうした点で考えてまいりたいと同時に、今後さらに慎重にこういうことに対しまして対処してまいりたい、こう思っておる次第でございます。
#56
○中尾辰義君 最初に、原発の参考人の方にお伺いします。
   〔委員長退席、理事亀井久興君着席〕
 今回の原電敦賀発電所の事故につきましては、その安全管理体制がいかにいいかげんであったかということを、いろんな新聞の報道等におきまして私は憤りを感ずるわけでございます。
 そこで、時間がありませんので要点をひとつお伺いしたい。本当は会社側の責任を、これは国民の前にどのような気持ちでおわびをするのか、それを聞きたかったんですけれども、時間がありません。先ほどちょっと質問がありましたので、それで了解します。
 次に、事故の報告体制ですね、これが一体どのようになって、どういうふうに上司の方にいくのか。ことしの一月には二度の事故があった。これも全然運転日誌にも書いていないし、事故報告もない。今回の事故は三月の七日ですね。これはフィルタースラッジ貯蔵タンクのバルブが開いて、普通ならそのバルブというのは十分くらいあけておけばいいように私は聞いておりますが、それがその翌日の八日の十一時四十五分ごろやっとわかって締めたと。だから十四時間もたれ流しできているわけでしょう。その事故が、たれ流しでその辺一体ざあっと広がっていったわけです。それが四月の十八日まで約四十日の間これが全然報告がなかった。これはきわめて問題ですよ。こういうところに今度の原電の体質があるわけですから、徹底的に追及されてしかるべき問題です。このいいかげんな報告体制、管理体制について副社長はどのように反省をしておられるのか、まずこの場であなたの気持ちをおわびの意を含めてお伺いします。
#57
○参考人(大神正君) お答えをいたします。
 このたびの事故は、御指摘のとおり、非常に社会的にも大きな影響を与えたということについては、強く社会的な責任を感じております。
 ただ、申し上げたいことは、管理体制の問題あるいは報告体制の問題でございますが、この点は一応私どもは現在でも整っておると思っております。問題は、やはり何といいましても、その体制をどのように運営していくか、あるいは判断をどうするのか、この点に今回の問題につきましては大きなウエートがあったと存じます。したがいまして、この直接的な問題につきましては、やはり十分な管理者としての管理能力あるいは判断能力、運営の責にあります者のそうした能力を十分に持った者の選任、あるいはそうした能力を十分に持たせるための教育その他、こういうことにまずもって重点を置きたいということで、今回の幹部の人事措置もそういう意味合いで考えたわけでございます。しかしながら、この体制自身が現在のままでいいかという点につきましては、やはりより一層拡充強化するということが何よりも大切でございますので、私どもはこの体制なり組織機構なり、そうした面を総合いたしまして、より強化充実をしていくという点に私どもの改善の重点をひとつ置きまして、この問題の善後処置を考えておる次第でございます。
#58
○中尾辰義君 それじゃ具体的にお伺いしますけれども、現場の事故の報告書ですね、この事故の報告書はどのような経路を経て、どのような書類で所長のところにいくのですか。
#59
○参考人(大神正君) 私、技術的な関連がございますので、加賀山に答えさせようと思いますが、いかがでございましょうか。
#60
○参考人(加賀山正君) お答えいたします。
 まずは、日々の件につきましては、普通運転日誌というものに問題がある項目については記されます。それと同時に、緊急を要する場合には関連課長の招集を行うこともございますし、定例的に一週間に一遍所内会議をやって、そういう事故は所長まで報告されることになっております。
 以上です。
#61
○中尾辰義君 次に、この敦賀原発の所長が三月の八日のオーバーフローの事故を知ったのは一体いつなのか、これをお伺いします。
#62
○参考人(加賀山正君) お答えいたします。
 あの件に関連いたしまして、直接所長にいろいろ問い合わせをいたしましたが、所長が知りましたのは四月十八日の昼過ぎでございます。
#63
○中尾辰義君 そこで、私は今度現地に行ってきたんですけれど、そのときに、おたくの浅田常務さん、あの人の答弁によりますと、事故に気づいた発電課長から十日の所内の会議で報告を受けたと。つまり、発電課長から十日の日に会議があってその席で所長は報告を受けた、こうなっているでしょう。これはどちっが本当なんですか。
#64
○参考人(加賀山正君) お答えいたします。
 三月の十日は、いまお話ございましたように、所内におきまして会議がございました。しかし、所長はその日は東京の方に参っておりまして、それには同席いたしておりません。
#65
○中尾辰義君 それじゃ、三月十日の会議のときに、当然事故があったということがあったわけです。その会議の事故報告はだれにあったんでしょうか。あなたは、所長は東京へ行ったと。所長はおらなかったかしれませんが、だれが報告を受けたんですか。
#66
○参考人(加賀山正君) お答えします。副所長以下各技術系課長が集まっております。
#67
○中尾辰義君 その会議の結果は、副所長は所長に報告しなかったんですか。
#68
○参考人(加賀山正君) その直後にはしておりません。
#69
○中尾辰義君 そういう点がおかしいんですね。あなた、所長はつんぼさじきなんだよ。私どもは所長に報告があったものと聞いておったわけですけれども、いまのあなたの話は、東京へ行って留守だったと。副所長は聞いたと。副所長は所長に報告しなかったと、これはあいた口がふさがりませんよ。このときに報告しておけば、七日、八日事故があった、それが十日にわかったんですからね、会議で報告があったんですから。それが本社に行けばすぐ手を打たれておるんですよ。そこら辺にも大きなあれがあるわけです。
 それから、もう時間がありませんので、通産省の方、運転管理専門官という人が向こうに行っておるわけでしょう。その専門官は一体何をしておったか。その辺をちょっと説明してください。納得がいきません。その専門官の中にもいろいろあるそうです、新聞を見ると。農林水産省の米検査官で十日ぐらい研修を受けて行った人もあると。敦賀へ派遣された専門官は本当にきっすいの専門官なのか、それとも農林水産省出身の、一夜づけと言ったらおかしいけれども、十日ぐらい訓練を受けて行ったのか、どっちなんですか。その専門官はどうしておったか。
#70
○政府委員(高橋宏君) まず、最後に農林水産省から配置転換で来ております職員のお話が出ましたので、そこからお答えいたしますが、私どもこの制度をつくりましてその充実に努めておるところでございますが、その一環としまして、農林水産省から五名の配置転換による職員増強を得ております。この皆さんはお米ではございませんで、統計事務所あるいは営林局関係の仕事に携わっておった方でございます。当然でございますが、こういう関係のお仕事には未熟な方でございます。ただし、地元の事情には詳しい方でございます。
 私どもは、こういう方々に現在八事務所、十サイトの専門官の補助事務をやっていただいております。大変誠実にやっていただいておりまして、決してどうのこうのと言われる筋合いは私は全くないと確信いたしております。もちろん現地に入っておりますのは正式の資格を持った検査官でございまして、これが十名でございます。それからいまの補助員が五名でございます。これらの方々は、現地に行っていただくに際しまして、十日間の予備勉強はしていただいております。将来、こういう経験を積みまして、かつ勉強しまして一定の資格が得られれば、本当の現地検査業務をやっていただきたいというぐあいに私どもは期待しておりますが、そういう方々でございますので、申し述べさしていただいたわけでございます。
 そこで、それでは検査官は何をしておるか、本件をどうしてわからなかったかということでございますが、もうすでに御存じだと思いますので簡単にいたしますが、現在の監督官の業務は、会社側からその日の朝、前日にあった主要な出来事及びその当日の主要な予定、これは運転、補修、それから出力変動、変化といったようなものも含みますけれども、そういうものを事情聞きまして、そして必要に応じ日誌等の資料を見まして、その中から当日の検査官の行動を決めるわけでございます。
 御承知のとおり、発電所は膨大な設備でございまして、記録類も膨大でございます。私どもは検査官を派遣して一生懸命やっておるわけでございますが、現在私どもがやれるぎりぎりの線はそういうような形のもとにある業務ではなかろうかと思っております。ただし、本件の問題がございましたので、謙虚に私どもとしましてもこの制度の改革、よりいい方法、業務方法の再検討等はやるつもりでございます。そして、こういうことが何とか発見できるようなシステムを考えたいと思います。しかし、基本的には、先ほど申し上げましたように会社側の事情説明ということがベースになることは御理解いただきたいと思います。
#71
○中尾辰義君 それじゃ、ここに廃棄物処理設備運転日誌というのがある。これは向こうでもらってきたのですね。これは三月の八日の分です。これには「NFSIStE」、ここまで頭文字だろうと思いますが、「オーバーフローにより」「汚染あり」。それ自身はちゃんと報告しておる。これを専門官は見ているのか、また所長はこれ見たのかどうかですね。たしかにここには課長まで判こ押してある。どうなんでしょうか。
#72
○政府委員(高橋宏君) まず、私どもの方に対する御質問でございますが、先ほど申しましたように、会社側から説明を求めまして必要に応じて記録を確認する、その業務の一環としてはそれは見ておりません。補足しますと、運転日誌、そのときに報告と同時にいろいろと見ております運転日誌には、そういうことは書いてなかったというぐあいに承知いたしております。
   〔理事亀井久興君退席、委員長着席〕
#73
○参考人(加賀山正君) ちょっと追加さしていただきたいと思いますが、その日誌は発電課長まで行っております。
 もう一件、先ほど所長が三月十日にいたということを成田常務が申し上げたというお話でございましたが、所内会議と所長がいたということと多少の混同があったかと思いますが、けさほどの商工委員会で訂正いたしておりますので、一言つけ加えさしていただきたいと思います。
#74
○中尾辰義君 商工委員会で訂正している……。
#75
○参考人(加賀山正君) はい。
#76
○中尾辰義君 だから、十日の日に会議があって、そこに事故があったという報告があったんでしょう。そこには所長がおったと、浅田常務はそう言っているわけだ。ところがいまあなたの報告では、所長は東京へ行ったと、副所長がおったと。ただし副所長は聞いておるわけだ。だけれども、東京から帰ってきた所長には報告はしてなかった。そこら辺に問題があるように思う。しかも、これは課長は見ておるけれども所長は見ておらぬという。ここにも問題があるじゃないですか。ちゃんと「汚染あり」と書いてある。この体質はどうしてもあなた方はもう少し真剣に直さなきゃだめだよ。
 それから、時間がありませんから、事故の原因につきまして、これは新聞等にはフィルタースラッジタンクからあふれた廃液が、廃棄物処理施設の建屋の床、フロアーを三十センチぐらいだあっと流れたわけでしょう。それをポリバケツでくんでマンホールに入れたという説もあるし、もう一つは、廃棄物の処理施設の増設、継ぎ足しをこっちへやったと、その継ぎ足した継ぎ目のところに何かひびがあってそこから漏れていったんじゃなかろうかと、こういうようなことも聞いてきたんだけれども、その後どうなっていますか、調査の結果は。どっちでもいいです。
#77
○政府委員(高橋宏君) いま御指摘のように、この漏れたルートがいろいろ考えられるわけでございます。私どもは、ナンバー3あるいはナンバー2といったマンホールを通じて出たルートと、それから建屋の床、壁等の何と申しますか割れといったようなものがありまして、そこから地下にしみていったという二つの経路につきまして現在鋭意調査をしております。現段階でどちらということがまだ確定いたしておりませんが、早急に、なるべく早い機会にそういう漏れのルートの確定、推定をしたいというように考えて、現地でいまやっておるところでございます。
#78
○中尾辰義君 マンホールから高濃度のマンガンなどが出ているわけですけれども、それはいまわからないとおっしゃるならこれ以上聞きません。
 次に、その廃液タンクからあふれ出た、オーバーフローした廃液の量はどのくらいですか。どのくらい流れたのか。これもどうもいいかげんなんだ。最初の日本原電の発表では八十リットルのバケツで二十杯ぐらいと言ってみたり、あるいは地元の敦賀市には四トンぐらいだったとか、それから四月の二十二日私ら公明党調査団が行ったときは、浅田常務は十六トンもあったと。この十六トンという数字はこれは確かでございますとか、あるいはそのほか新聞報道では六十トンという数字も出ているんですが、これは一体どうなっているんですか。その辺のところどうなんですか。
#79
○政府委員(高橋宏君) 本件は、何とかどれだけ漏れたかということを推量いたしたいというぐあいにいま努力中でございます。
 ところで、長くなりますので簡単にいたしますと、現状はもうないわけでございまして、推定する方法としましては、バルブが何時間あいていたか、平均的にどれだけ流れていたかというようなアプローチ、それからいまお話ししましたけれども、バケツで何杯くんだかということも事情聴取いたしておりますが、何杯ということ、それからサンプポンプでもとに戻しておりますけれども、その量がどれだけだったかという推定、それから床ファンネルから中和槽に行っている量の推定、そういうものを合計したものという推定方法がございます。現在そういうようないろいろな漏れた先のチェックできるポイントをつかみまして、そこでどれだけふえた、その合計値といったような角度から検討いたしております。したがいまして、私どもとしては現在何トンという確定した数字をまだ申し上げる段階になっておりません。
#80
○中尾辰義君 それじゃ、あなた、いままで四トンだとか十六トンだとか、バケツ二十杯とか、みんなでたらめですか。そんないいかげんなことを言うから、国民がみんな惑っちゃうのですよ。
#81
○政府委員(高橋宏君) 私どもは言ったつもりはございませんで、はなはだ申しわけありませんが、そういう原電側の情報につきましては、私ども自身が最終的に確認、納得のいくまではうのみにできないという立場から現在やっておるところでございます。
#82
○中尾辰義君 時間がありませんが、それから、直接これは原因になりました、復水タンクの移送管から廃液タンクに管がついて、そこにバルブがついているわけですね、さっき言いました。そのバルブのことでお伺いしますが、そのバルブの開閉というのは中央の制御室でコントロールできるものなのか、あるいは現場へ行って手で回す手動式なのか。それから、今回の事故の原因になったのは、バルブがあいているにもかかわらず、閉まっておる青いランプがついていたと、こういうわけですけれども、これはバルブの故障なのか、ランプの故障なのか。それとも人間の方で、運転員がランプを見誤ったのか、その辺はどうなんですか。
#83
○参考人(加賀山正君) お答えいたします。
 最初の御質問に対しまして、バルブの制御をいたしますのは中央制御室ではございませんで、廃棄物処理系の制御室が別にございますが、そこからいたすことになっております。
#84
○中尾辰義君 制御室ですか。
#85
○参考人(加賀山正君) ラドウエストの制御室がございます、旧の。私どもその後にさらに新しいラドウエスト系をつくっておりますが、もとの、初めからありました再処理施設に附属しております制御室からその開閉ができることになっております。
 それからもう一つのバルブの表示灯の件でございますが、いまお話のございましたとおり、本来なれば開いておれば赤信号がつくところが緑がついておりますと、これはランプのリミッタースイッチの欠陥でありまして、これは数日後に修復しております。
 以上です。
#86
○中尾辰義君 どうも言葉がはっきりしないね。結論的にランプの故障なんですか、バルブの故障なんですか。
#87
○参考人(加賀山正君) ランプの故障です。
#88
○中尾辰義君 ランプが故障。そこにも問題がある。
 それでは時間がありませんのでもう一問で終わります。
 それから一般排水路に、これは今回マンホール、どこから行ったか知りませんが、コバルト、マンガン等が出ておるわけですが、いまある一般排水路はこれは将来どうされるのか。そのまま使用されるのか、それともこれをもう全然やめて新しく原子炉と関係のない一般排水路を増設されるのか、その辺はいかがですか。
#89
○参考人(大神正君) 一般排水路の将来をどうするかということにつきましては、目下原因を調査中でございますし、この一般排水路に関係いたしまして施設との関連もあろうかと思いまして、この辺の調査を十分にいたしました結果、この問題については別途措置をしてまいりたい、こう考えておる次第で、せっかくその問題を措置するための基礎的な調査をさらに進めている状況でございます。
#90
○佐藤昭夫君 私も非常に限られた時間ですけれども、まず参考人に若干の点をお尋ねをいたしたいと思います。
 ただいまの同僚議員の質問を聞きながら、私はますます疑問を強くするわけですけれども、参考人といいますか、副社長あるいは管理部長、会社側は管理体制、報告体制には問題はない、問題は管理者の判断能力だ、こういう言い方を冒頭されたわけですけれども、ところが、先ほどのずっと質問の中で明らかになったのは、オーバーフローがあったという、これについては課長までの作業日誌の報告、これにはそういう事故が起こったということは記載があった。ところが、それよりも上の上司はそういうものは知らないし、見てもいないし、またそういう報告も上がってないという、こういう言い方。これは私ども共産党の衆議院、参議院の調査団が会社の方へ出向いてお尋ねをしたときにも、上部まではそういう報告は出ていないということを会社側の責任者は明言をされているんです。
 そうなると、ポリバケツでくみ出して、その程度のことだから、そういうものは一切上司への報告をしなくてもよろしいというしきたりに一体なっておるのか。仮にオーバーフローによって漏れが起こったということでなくても、安全に、万全に措置ができたということであるにしても、当然そういうことは上司に報告があってしかるべきではないか。かくかくの措置をいたしましたという報告が上がってしかるべきではないかと思うんだけれども、そういうことは上がらないし、上げなくてもいいようなしきたりになっているかのごときお話ですね。一体こんなことで、管理体制、報告体制に別に問題はございませんというふうに、まさに開き直るかのような言い方をされているわけですけれども、本当に問題がないと思っているんですか、依然として。
#91
○参考人(大神正君) 私は開き直ったつもりはないわけでございますが、いずれにいたしましても、現在の時点におきましてもそうした体制はございます。そしてさらに、所長の職務権限等のことから考えますと、当然にこういうような事態につきましては、所長まで報告が行くことになっておるわけでございます。それがそこまで行かなかったというところにやはり管理の問題、判断の問題等の個人的な問題にかかわるようなことがあったということを申し上げたわけでございますし、それをさらに補完するような形での体制の見直し等につきましては、十分に私は反省をしまして、再度このようなことが繰り返されないような見直しをやっていきたいという決意を持っておる次第でございます。
#92
○佐藤昭夫君 そう言われながら、そうであれば管理体制あるいは報告体制、これについて改善をしようということはいまは考えておられるんですか。
#93
○参考人(大神正君) まさにその点について考えております。しかも、その点については、でき得る限り漏れのないようなチェックシステム等も入れまして、この問題についての改善を図ってまいりたい、こう考えております。
#94
○佐藤昭夫君 そうならそうで最初からそういうふうにはっきり……。
 次は、派遣専門官の役目の問題ですけれども、これはスリーマイルアイランドの事故が起こって、いわば通産省なり科学技術庁なり、ここらあたりが鳴り物入りで、ああいうような事故を日本の原子力発電所には来さないということで、国から直接の検査官、専門官を現地に常駐をさせて、常時いろいろ目を配っていくんだということを当時説明をしておった。国の費用も使って、そういう人間を配置をしながら今回これが発見できなかった。会社側と通産当局とがいわばぐるになって事故隠しをしたんじゃないかというふうに疑わざるを得ないような結果になっているわけです。
 この専門官がこういう事故を発見できない原因、これは、会社側が専門官に見せてくれる運転日誌というのは非常に雑なもので、細かいことまでは記載がされていないから、専門官は発見がしにくいというのか、それとも専門官が怠け者だから発見ができないというのか、どっちだと思っているんですか。
#95
○政府委員(高橋宏君) 専門官の業務のやり方でございますが、御承知のとおり、専門官を派遣しました目的は二つあったわけでございます。
 一つは、日常の発電所の運転に関します監督業務でございまして、これは一般監督業務でございます。と申しますのは、別の意味で言いますと、常に強制立入権を持ったそういう検査ではございません。そういうものを通じて管理監督をする業務でございます。もう一つは、何か事故があった場合に直ちに本省に連絡をする等連絡役を機動的にとると同時に、本省の指示によりまして立入検査権限を付与しまして事故の措置の迅速を図るという、そういう二つの目的で設置されたものでございます。スリーマイルの問題が端緒になったわけでございます。
 前者の方でございますが、何しろ膨大な記録作業が毎日行われておるわけでございまして、運転記録があるわけでございまして、逐一全部それに目を通して自分で判断をするということは現実問題として不可能でございます。そこで私どもは、あらかじめ発電所の責任者から当日の作業予定、運転予定、それから前日の主要な作業、改修、運転上の特徴等につきまして報告を受けまして、そして必要に応じその記録を確認して監督官のその日の行動を決めるという方法によっております。現状ではそういうことでやむを得ないんじゃなかったかと私どもは判断いたしておりますが、そういうことでございますと、御指摘のように、会社側から報告なり何なりがなければ発見できないかということになりますと、現在そういうことになっております。
 この辺を今後どうするかという点につきましては、今度のことを重大な反省材料としまして、どういうぐあいに仕組みを改善していくか、改善し得る余地があるかどうか、これは会社の安全管理体制の見直しと申しますか、仕組みとの関係が漂うございます。その辺を踏まえて検討していきたいというぐあいに考えております。
#96
○佐藤昭夫君 最後に一問、参考人にお尋ねをいたしますが、先ほど来るる議論をされておりますように、原子力発電所の事業所側の非常にずさんな管理、これは起こってはならないはずのことが、スリーマイルのときにもそういうふうに言われましたけれども、今回も起こってはならないようなことが起こっておるんです。こういう事態になってきていると思うんですけれども、いわば原子力発電所のずさんなそういう管理運営の象徴が、いま、はしなくも日本原電の敦賀発電所で露呈をしたということです。
 一方、同僚の社会党の委員の方の質問の中でも触れられていましたけれども、おたくの方のパンフレットには、いわば世界最高の技術を集中をして、万全を期するために最高のそういう技術を注入をして発電所をつくってきているんだということが誇らしげに書いてある。そうすると、最高の技術を集めてつくった敦賀発電所でこんな事故が起こるんだから、あなたたちがちょっと技術が低いなというふうに見ておられるほかの発電所はどうなんだろう。こういうところも、そのうちに陸続として事故が起こってくるんじゃないかというふうな不安を持たざるを得ないわけですけれども、直接管理をしておられる参考人の方の率直な意見をお尋ねしておきたいと思います。
#97
○参考人(大神正君) 御指摘のとおりに、今回の問題につきましては心から恥ずかしい思いをいたしております。この点につきましての汚名の回復については、最善の努力をしてまいりたいと存じておるわけでございますが、しかし、こうした事故は私は他の発電所にはない、これはただ敦賀発電所の問題であったということを確信しておるわけでございまして、その点はぜひひとつそのように御理解をちょうだいしたいと存じます。
 さらに、技術が他のところは低いとおっしゃられたわけでございますが、私どもはすでに二十年の原子力発電の技術経験を積んできたわけでございまして、その点につきましては、私は原子力発電会社、私どもの会社のみが技術レベルが高くて、他は低いんだという評価は、これは間違っている評価であって、ぜひひとつそのようなことでないというふうに評価をしていただきたいものだと存じておる次第でございます。
#98
○佐藤昭夫君 時間ですから終わります。
#99
○森田重郎君 私は、原電さんに二、三、会社の体制といいましょうか、組織といいましょうか、そういう問題についてお伺いしたいと思うんですが、この事故が起きまして役員会何回開かれましたか。
   〔委員長退席、理事亀井久興君着席〕
#100
○参考人(大神正君) お答えいたします。
 この事故が起こりましてからというよりも、前回の問題が起こりまして以来ほとんど連日役員会はやっておりまして、この問題についての報告を聞き、そうしてまた、会社全般としてのこれに対する対応を連日検討しておる次第でございます。それと同時に、私どもは四月の三日には社長を長といたします特別対策委員会を設置いたしまして、ここから調査団の派遣あるいはその他対応策の検討、そうしたものを連日開いておる次第でございます。
#101
○森田重郎君 そうしますと、従来は取締役会というのは大体週一回とか二回とかございましょう。どうでしょうか。
#102
○参考人(大神正君) 取締役会と申しますのは、社外の役員も含みますので、これは原則として三カ月に一回開いております。それから常駐の役員の会合といたしましては週二回でございます。
#103
○森田重郎君 私、どうも原電さんの社内体制といいましょうか、その辺を新聞その他で承知する限りにおいては、下意上達というか、上意下達というか、その辺に大きな一つのやっぱり欠陥があったんじゃないか。これは言うなれば、余りにも縦割り的な会社の運営といいますか、横との連動というふうなものが欠けておる。私たち技術関係者じゃございませんので、むずかしいことはよくわかりませんけれども、やっぱり英知、衆知を集めて、こういった問題が起きたらどうだろうかというようなことを、すぐにでも緊急役員会を開催してばっとやると、いい意見がいろいろと出ると思うんですね。そういう中での対応の姿勢というのが、私は非常に欠けておったんじゃないかと思うんですけれども、その点いかがですか。
#104
○参考人(大神正君) 御指摘の点につきましては、従来は私どもは打てば響くような、何でも常務会あるいは社長へ持ってくるということについて非常に誇りを持っていたと申しますか、そういうような感じを持っていたわけでございますが、
   〔理事亀井久興君退席、委員長着席〕
今回の事故につきましてはその点が非常に問題であったということが明らかになったわけでございますし、だんだん組織が大きくなるにつれまして、そうした点の、われわれが従来打てば響くような状況下にあったことが、実情といたしましては薄らいでまいったということは否定できない事実でございまして、その意味からいたしましても、毎年の経営方針等につきましても、横の連携ということについては、常に大きな声で強謝しているわけでございますし、そうした点を十分に今後やってまいりますためにも、全体としての組織あるいは体制の見直しということを考えてまいりたいと考えております。
#105
○森田重郎君 増設の設計図面というようなものは、常勤の役員の方全部ごらんになっておりますか。いかがでしょうか。担当の部署からずっと上へ上がってきて、担当役員から社長決裁というような形になっておるのか。先ほど私が申し上げた役員会のようなものを開いて、大ぜいの役員の方々の中で、たとえばマンホールの上に建物なんか建ったとか、それはおかしいじゃないかと、そういうような御意見がほかの役員の方からは出なかったのか、その辺はどうなんでしょうか。
#106
○参考人(加賀山正君) お答えします。
 ただいまの設計図面その他に関連しましては、当社の中の回議書という制度にのっとって、担当者から社長に決裁を得るようになっております。
#107
○森田重郎君 そうしますと、要するに、担当役員からずうっと上へ上がってきて、ほかの常勤役員の方はその設計図面は見ていないと、こういうことですか。
#108
○参考人(大神正君) 設計内容につきましてもいろいろな種類のものがあるわけでございまして、少なくとも私どもとしましては、担当の技術常務、そこまではいっておるわけでございますし、さらに重要なものにつきましては、その結論に基づいて常務会の場に図面まで持ってきて、審議の内容がこの点で問題になっているというようなことは、常務会の席まで持ち出されております。そして、その場でわれわれ事務系をも含めましていろいろな意見を言い、修正すべきは修正をする、そういう段階を経ておるわけでございますが、今回の廃棄物処理施設の設計の問題につきましては、社長までの常務会の中での審議ということは行われなかったということは申し上げられます。
#109
○森田重郎君 会社は取締役会規則というのをやっぱりつくらなくちゃならぬ。これはもう御承知のとおり、商法にその明文があるわけですね。取締役会に付議、上程する、その辺についてどんなふうな社内体制になっているんでしょうか。こういう非常に大きな、言うなれば今回の事故の原因というのは、まさに原設計にあったわけですね。その辺は役員会に語らなくていいんですか。どうなんでしょうか。
#110
○参考人(大神正君) これは非常に大きな社会的な問題を引き起こした事態でございます。したがいまして、私どもは三十日に取締役会を、四月の三十日でございますが、取締役会を開きまして、今回の事故の問題並びにこれらの対処の問題等につきまして、重点的な報告事項として取締役会に報告することにいたしております。
#111
○森田重郎君 この原電さんのことをどうこう申し上げたくないんですが、一部の方々の、私自身も若干そんな感じがしないではないんですが、役員構成等も承知する限りにおいては多分に混成旅団的な、実はきのうも商工委員会で大臣にちょっとそういう意味合いのことを申し上げたんですけれども、混成旅団的な組織といいましょうか、また運営等につきましても、そういうような会社の体質があるやに仄聞をしておるわけですね。したがいまして、私は余りに縦割りになり過ぎているというようなところに問題があるんじゃないかというふうな感じがしてならないわけです。
 ですから、先ほど来責任体制のあり方をひとつ十分検討するとかいうような意味、あるいはまた十分陳謝したいというようなお気持ち、その辺はわかるんですが、会社の体質と同時に、組織運営のあり方というものを具体的に抜本的に見直していかないと、またまたこういう問題が起きやせぬかという私は気持ちが非常に強いものですから、そういう意味で、ひとつ会社全体の見直しというものをお考えになったらいかがか、かようなことを御提案申し上げて、私の質問を終わります。
#112
○参考人(大神正君) 役員の構成等が混成だと御指摘を受けたわけでございますが、母体はいろいろあるわけでございますが、しかし、すでに二十年たっておりまして、その中で育った人間の方が多うございます。また一般の管理職の問題にしましても、もはや出向という形のこだわりは中にはないというふうに信じておるわけでございますが、しかしながら、やはり人間がいま千百人を超えておりますが、こうした大きな組織になってまいりますと、やはり組織的な縦割りという性格がかなり強く出てくるだろうということを、最近しみじみ感じておる次第でございまして、そうした点を含めまして、会社全体の体質を改善するための組織機構の見直し、体制の立て直し、これを十分にやってまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#113
○森田重郎君 私は質問を実は取りやめようと思ったんですけれども、一問だけ最後に申し上げたいことは、事故が起きたというのはすでに現実なんです、事実なんですよ。しかし、会社の歴史的な経過というものが二十年ほどたっておると、したがって会社の運営なり組織というものにあたかも間違いがないというような意味の御発言に私は受けとれたわけです。ですから逆に言えば、二十年たったんだから、この辺でこの事故を契機に改めて抜本的な見直しをしていきたいというような意味の御答弁があってしかるべきじゃなかったかと、こう私は思うんですよ。いかがでしょう。
#114
○参考人(大神正君) 私は遺憾の点がなかったということを申し上げたつもりでございませんでしたが、言葉足らずで申しわけございませんでした。
 ただ、混成という形におきますいろいろな欠陥というものは、これはもう私どもはないと確信をしておるということを申し上げたかったわけでございますが、現に御指摘のとおりに今回事故が起きたわけでございますから、それを再び起こさないように、さらにもっとよい体質の会社に改善するように、この機会を契機にいたしまして御指摘のとおりの最善の努力をしてまいりたいと考えますので、御了承を賜りたいと存じます。
#115
○森田重郎君 終わります。
#116
○熊谷太三郎君 大臣がお見えになりましたので、最初に申し上げたかった点でございますが、一応御所見を承っておきたいと存じます。
 今回の廃液事故は、事故そのものはもとより、発生以来現在までの対応を含めまして、原発の推進にいまだかつてない大きな打撃を与えたわけであります。原発に対する国民の信頼がこのように大きく崩れたことは言うまでもありませんが、特に地元の影響は深刻であります。
 御承知のように、問題の敦賀を基点とします福井県の嶺南地区には、日本全体の原発千五百万キロワットのうち六百万キロワット、すなわち四割の原発が動いております。これらの原発は、従来地元の市町村長、市町村議会を初め多数の住民の理解と信頼に支えられまして、十数年にわたって平穏なムードの中に運転を続けてきたわけであります。したがって、これらの地区はわが国原発推進のいわば一大拠点とも言うべきものであったのであります。それが残念ながら今回の事故によって無残にも崩壊してしまったわけであります。
 ある新聞にも、原発を受け入れ信じてきた住民や原発従業員の間からでさえ、次第に原発不信の声が高まっていると書かれておりますが、全くそのとおりでありまして、地元の私どもの同志からさえ原発はもう御免だという声が頻々として私どもの耳に伝えられてくるのであります。
 御承知かと思いますが、地元や県内自民党系の県議員、国会議員の非常な熱意にもかかわりませず、従来の福井県当局が原発推進にきわめて慎重でありましたことは、たとえば高浜原発三、四号の増設の経緯等に関しましても通産当局の熟知されるところでありますが、はしなくも今回の事件を機としまして、数日前、県では次のような声明、すなわち、安全性や公開の原則を信じて立地を認めてきたのに裏切られた、原電や国が信頼回復措置をとらない限り、県の原子力行政に前進はないというような声明を出しまして、一層その態度をかたくする姿勢を示してきております。
 言うまでもなく、原発の立地は住民の信頼の上に初めて成り立つのでございまして、こういう状態では、ただでさえ半ば空想の域を出なかったわが国原発の十年後、十五年後の目的達成はもはや一場の夢にすぎなくなったと言っても過言ではないと考えます。しかしながら、わが国のエネルギーの前途を思いますと、ここでくじけてはならない、何としてもいま一度国民の信頼を回復してその推進を図ってまいらねばならぬと信じているのであります。そのためには、私といたしましては、先ほど来エネルギー庁の幹部の皆様に申し上げましたことを大臣においても御聴取の上、今回の事故に関して、十分尽くすべき点は尽くし、正すべき点は正し、改むべき点は改めてまいりまして、この際、原発推進の一層の進展を図るべきであると考えるわけであります。
 十分意を尽くしませんが、十分この問題つにいての御理解も御認識もお持ちになっておられることと存じますので、この際、担当の通産大臣の御決意を一言承りたいと考えるわけでございます。
#117
○国務大臣(田中六助君) このたびの日本原子力発電株式会社の敦賀発電所における事故、つまり給水加熱器の漏洩問題に端を発しておりますこの案件は、保安管理体制という観点から、私どもはまことに言うに言われない感慨であります。特に、報告義務を怠りまして修理体制を行うというような事態、これは明らかに電気事業法の違反でもございますし、原子炉等規制法の違反にもなっておりますし、事情聴取の段階でございましたそういうやさきに、今回再び漏洩と申しますか、放射能の検出を排水口から、これも一般排水口でございますけれども検出されたという事態、私どもはいま立入検査をやっておりますし、係官を増員いたしまして調査中でございます。私は、速やかに、しかも冷静に、厳重に調査をするよう命じておりますけれども、この結果につきましては厳正な態度で臨みたい。
 熊谷委員御指摘のように、原子力発電所はわが国の民生、経済、国の発展にとっても私どもは声を大きくして大事な事業であると、そのために安全性ということを頭に置き、口にして、国民の信頼を得ようという長い間の官民挙げての努力に大きな傷跡を残したと言い得ると思います。しかし、私どもはこの問題につきましては、ただファナティックになることなく、冷静に取り組んで、この結果の処置をしなければならないと思っております。したがって、近くあらゆる諸条件がそろってデータが出てくるでしょう。私は、この点につきましては、処分という内容を含めまして考えていかなければならないと、反省の上に立って、しかもこの問題はどうしても前進させなければならない原子力発電所の問題でございますので、その点を心に期して対処してまいりたいという所存でございます。
#118
○吉田正雄君 大臣にお尋ねをいたします。
 今回の一連の重大事故が内部告発から露見をし、政府は会社や県からの通報がなければわからなかったということ自体、安全確保や今後の安全行政上多くの問題を含んでいるというふうに私は思います。しかもひそかに、これは大臣よく聞いていただきたいんですが、ひそかにまだ隠している部分があるんじゃないかというふうなことも言われているんですね。単に原電だけでなくて、従来の通産省や科技庁、政府としての手落ちも、私は今回の事故の一連の経過を見てあるんじゃないかというふうに思っているんです。たとえば、原電の事前安全審査や増改築に当たってチェックがなかったとか、きわめて甘かったということは、これは原電一社の責任に帰すべき問題ではない。まさに今日の日本の原子力行政、安全審査そのものの私は根本が問い直されておる問題だと思うんです。
 そこで大臣にお尋ねをいたしたいんですが、事故の原因や連絡、管理体制など、今回の事件については徹底的に真相を究明することが今後の安全確保、行政推進上きわめて重要だと思うわけです。したがって、国会の調査、審議に当たり、政府として必要な資料の提出を初め、積極的に協力をすべきだと思うんです。今日まで政府は積極的な協力を行ってきていただいているんですが、この点事故の詳細な経過等を含めて、あるいはデータ等の提出を含めて、そういう意思がおありかどうか、改めて当初にお聞きをいたします。
#119
○国務大臣(田中六助君) 御指摘のように、敦賀発電所の保安管理体制というものが万全であったという断定はさらさらできないと私は思います。したがって、この保安管理体制についてメスを入れる、これは私ども通産省におきましても、現地の敦賀発電所そのものを責めるということもさることながら、私どもにもやはりどこか気の緩みあるいはなれというようなものが蓄積しておったんじゃないかという強い反省をしております。
#120
○吉田正雄君 いま申し上げましたように、専門官が事故のキャッチができなかったということや、十分任務を果たし得なかったという理由はいろいろあると思うんですけれども、まず一つとして、専門官の増員あるいは専門教育の充実など、チェック機能というものを強化すべきだと思うんですね。この点についてはどのようにお考えですか。
#121
○国務大臣(田中六助君) もちろんそういう点の細部にわたる強化体制というものは頭に強くあります。
#122
○吉田正雄君 被曝者対策についてお聞きをしたいと思うんですが、その前にもう一回原電側にお聞きをしますけれども、先ほどの答弁で、会社側としてはいろんなことをやってきておると、ホール・ボデー等もやっておるというふうにたしかおっしゃいましたね。そうですか。
#123
○参考人(大神正君) そのとおりでございます。
#124
○吉田正雄君 これはやっていないという答弁がほかの委員会で行われているんじゃないんですか。どういうことなんですか。政府側の調査でどうなっています。
#125
○政府委員(高橋宏君) 現在調査中でございまして、途中段階でございますが、たとえばお尋ねのホール・ボデー・カウンターにつきましては、発電所に入るとき、そしてそこで仕事が一日あるいは数日続きまして、出るときに行っておるというところまでは確認いたしております。
#126
○吉田正雄君 私は先ほど具体的に質問したんですよ。除染作業に従事して被曝したと思われる人が五十数名という報告があったわけでしょう。それについてどういうことをやったのかと聞いたら、そういうこともやったという答弁があったんですけれども、別の委員会ではそれを取り消されたんじゃないんですか、やってないということで。どういうことなんです。
#127
○参考人(加賀山正君) お答えいたします。
 いまの御質問ですが、私どもの入っております業者は、先ほど御説明がありましたとおり、入所と退所時にホール・ボデーはやっております。
#128
○吉田正雄君 これは後ほど各委員会での原電側の答弁を記録で見ればわかりますから、いまこの場で時間もありませんからそれをやりません。やっていないですよ。いいですか。やっていないって答弁またし直しされたんです。それをまたここで先ほどやったとおっしゃった。そのこと一つとってみてもきわめてずさんであるということなんです。
 そこで大臣、私は被曝という問題、先ほど大臣おいでにならなくて残念だったんですけれども、通産省当局の説明や答弁がそうですし、原電当局もそうなんですけれども、本当の意味で被曝の恐ろしさというのを全然御存じない。だから、私は今回の事故も起きてきたと思うんです。少しぐらい放射能出だって大したことがないという認識、放射能に対する教育の不徹底、こういうものから私は今回の事故というものが起こるべくして起こったと思うんです。しかし、起きた以上、今後絶対起きないように、徹底的に今日までの安全行政のあり方、そういう審査体制等について、全般的に私は見直す必要があると思うんですが、この被曝者対策については、私は、原電の現地でそんな専門の施設を持っているわけでもないし、専門の医者がおるわけでもないと思うんですね。したがって、いまのうちにやはり一流の大学なり一流の専門設備を持つ、そういう専門的な医者がおる施設に、被曝したと思われる作業員については、これは下請企業ですので下請企業の責任でやれといってもできないんです。そういう点で原電なり、あるいは政府が原電に対してそういう指導をすべきだ。後からまた発病したということでは遅いわけですから、あくまでも事前に十分チェックすべきだと思うんですね。そういう措置を講ずるべきだと思うんですが、いかがですか。
#129
○国務大臣(田中六助君) 私は専門的なことは知りませんけれども、私のところに来ている報告は、たとえば、魚と人間をたとえて非常に恐縮でございますけれども、魚の部分については被曝の状況が食べられないというようなそういう量はさらさらないということを聞いておりますし、関係しておった人々についても同様なことをいま調査中であるという報告でございまして、現実に大きな被曝があってそれが大きなダメージを与えるというようなペースではございません。しかし、それはまだ結果がはっきりしておらない現段階でございますので、私は、やはり事の重大さということを十分認識して、徹底的に調べると同時に、それの対策をやっておかなければいけない。こういうことが、一種のごまかしかどうかわかりませんけれども、二度と再び日本のどこかであるならば大変なことになるという認識の方が正直に申しまして強くありますので、この対策については、いずれにしても微に入り細に入り詳細に私どもは対処しておきたいという気持ちでございます。
#130
○吉田正雄君 詳細に対処したいということで、原電の現場に任しておったんでは十分できないので、たとえば、先ほど聞いてもホール・ボデー・チェックをやったやらないと言って、わかっていないわけですね。そういうことで私は大臣に言っているので、時間がありませんから、徹底的にそれをやると、詳細に調査もそれから今後問題が起きないようにやるというふうにおっしゃっておりますから、そういうことでぜひやっていただきたいということで要望いたしておきます。
 そこで、さっき大臣は厳正に会社に対しても臨んでいきたいということを答弁されたんですが、たとえば処分という問題も含んでというふうなこともおっしゃっておるんですが、刑事事件の可能性についてはどういうふうにお考えになっていますか。
#131
○国務大臣(田中六助君) 刑事事件というような断定をすることは私はまだ早計だと思いますし、いずれにしても各面から調査をして、その結果いろんな問題が出てくると思います。したがって、それはそのときにいろいろ判断すべきではないかというふうに考えております。
#132
○吉田正雄君 原子炉等規制法、あるいは電気事業法、あるいは安全審査基準ですね、こういうものの改正など、原子力行政、安全行政の抜本的な私は見直しを行うべきではないかというふうに思っているんですが、その点はいかがでしょうか。
#133
○政府委員(森山信吾君) 先ほど大臣からお答えございましたように、徹底的な原因追求を現在急いでおるところでございまして、一般論として申し上げますと、会社の保安管理体制の再点検、それから国の安全審査のあり方、あるいは安全管理のあり方、こういった面につきまして十分見直しをする必要がある、こういう判断をいたしております。そこで、いま御指摘の法律改正の問題につきましては、その検討課題の一つとして検討してみたいと思っております。
#134
○吉田正雄君 そこで、具体的な問題としてお聞きをいたします。
 これは大臣、けさの午前中の本会議で、わが党の志苫議員の方から、実は新潟県の巻に現在立地が予定をされております東北電力の老原発について質問をいたしたんですけれども、質問のやり方が悪かったのか、あるいは大臣の方で質問をすれ違って受けとめられたのか、質問と答弁がかみ合わなかったんですね。まあ十五分という短い中での質問なものですから、そういう点で食い違っておるというか、かみ合わなかったことは事実でありますので、そこで改めてお尋ねをいたしますが、いま申し上げましたように、国の安全審査、このチェックのあり方についていろいろ問題があるということだけは、これは事実であるわけです。
 具体的な問題として申し上げますと、たとえば地元における公開ヒヤリング、これも今度第一次、第二次の公開ヒヤリングというふうに、できるだけ地元住民の意見も十分に聞いていこうという趣旨で発足をしたはずでありますけれども、どうも公開ヒヤリングの実態、運営の方法等を見ますと、必ずしもそうではない。いまその内容についてここでとやかく言っている時間もありませんですが、巻の問題だけについてしぼってお尋ねをいたしますが、いま御承知のように、いろいろ問題が出てきておるわけです。事務当局でも、法改正等も含めて安全審査のあり方や審査基準等についても、調査結果を踏まえてやっぱり改めるところは改めなきゃいかぬという答弁をされておるわけですね。
 ところが、聞くところによりますと、巻町の地元からは、交付金を早急に支給してもらいたいという金欲しさから、そちらの方が先に立っちゃって、とにかく早いところ公開ヒヤリングをやってくれと、それが済まぬうちは交付金も来ないというふうな、金の立場からいまこういう問題が起きておるというそのときに、そういうことが通産省に申し入れがあったということを聞いておるんです。私は、これは主客が転倒しておるんじゃないか。これだけいま敦賀で大きな問題が起きて、事務当局も原電当局も、原因がどこにあるのかということで、安全行政全般の見直しがいまあわせて進行中だと思うんですね。
 そういうことで、私は、今回の事故を契機にして、安全審査基準とかあるいは安全行政上のあり方、こういうもの、あるいはいま言ったヒヤリングのあり方や運営方法、このもろもろの全般的な見直しというものをこれを機会にひとつやってもらうと、そういう通産当局の今後の方針や対策というものが明確になるまでは、地元が金が欲しいからといって、あわ食って私は公開ヒヤリングなどというのはやるべきじゃないんじゃないか。一時たな上げをして、この調査結果が出、今後の具体的な方針が出た段階で、公開ヒヤリングの運営の改善も含めて、そこで改めてひとつ実施をするなら実施をすると、こういうふうにやるべきではないかというふうに思っているんです。けさの質疑の中では、何か交付金を出すとか出さないとかいうふうなことで、若干すれ違った面があるようなんですが、この点ひとつ改めてお聞きをいたします。
#135
○国務大臣(田中六助君) こういう現実に逢着している段階でございますので、第一次ヒヤリングの運営あるいはそのやり方、内容、それから交付金を含めた諸問題については、弾力的な考えを持ってもいいというふうに考えます。
#136
○吉田正雄君 そこで、弾力的な考え方を持っていいという点はわかりましたが、地元がとにかく早くやれ早くやれといって、いままだこの問題の調査段階でもせかしておるということを聞いているんですね。だから、私はそれは次の問題であって、やはり通産当局として今後の安全行政上の方針、そういうものが明確になるまでは、あるいは公開ヒヤリングの運営をどういうふうに少し改善しようかとか、そういう検討がなされた後でいいんじゃないか。それまでは一時、やるなと言うんじゃないんですが、一時凍結をしたらどうかということを言っているんですが、その点はいかがですか。
#137
○国務大臣(田中六助君) 一時凍結という問題がまた非常に長くなってみたり、それから運営そのものに大きな変革を与えたりするというようなこと自体につきましては、やはりこの問題の本質との比較あるいは本質との調整という点もありますので、私がいまそれを全部はっきりしてしまって、それからいろんな現実との調整が完成してしまってやるんだという断定はできないと思います。いずれにいたしましても、先ほどから申しますように、こういう事態でございますので、一切合財を予定どおり強行するとか、あるいはその運営を実施するということにつきましては、私はやはり大きな疑問を持ちますし、弾力性のある運営を図っていくことの方が得策ではないかというふうに考えます。
#138
○吉田正雄君 これは事務当局にちょっとお尋ねしますが、御承知のように玄海の二号機ですか、三号機になりますか、に関しまして先般九電の環境影響調査が閲覧に供されているわけですね。ところが、これは五百何十ページという膨大なものなんです。一般の人がそんなものを役所や電力会社のPR館のようなところに出しておっても、とても見切れるものではない。期間も短い。と同時に、この環境影響調査の中には、実は放射能についての評価がないわけなんです。ところが地元の皆さんにとって、また反対をする人たちにとって一番の問題は何かと言えば放射能なんですね。繰り返し申し上げておりますように、原発の安全性というのは本質的には放射能の問題なんですね。そういう点で地元の人が一番知りたい放射能の事前評価について、そういうものが全然述べられておらない。それは二次公開ヒヤリングの際に明らかにすればいいじゃないかという説明では、これは地元の人は納得しないわけですよ。
 そういう点で、この影響調査等の内容あるいは項目、あるいは閲覧期間あるいは意見の申し入れ等全般的に、公開ヒヤリングもそうですが、そういう問題についても今回改めて私は本当に地元住民の意見というものが十分に反映をされるような、そういうものに変えていく必要があるんじゃないかと思うんですが、これをお聞きして私の質問を終わります。
#139
○政府委員(高橋宏君) 私どもは早くから、発電所の立地に際しまして温排水等の環境影響調査をいたしまして、広く縦覧に供するといったてまえから行政を行ってきたところでございますが、思い出しますと、五十年ごろに原子力行政懇談会ができまして、今後の原子力行政の基本いかんという審議をされました。そしていまのダブル・チェック・システムができたわけでございますが、その折にも、この環境調査の中に放射能懐係を入れるかどうかということはかなり議論になりまして、そしてこの問題は原子炉の構造、安全規則と密接な関係があるということで、むしろ環境調査といったような場ではなくて、安全審査の場で一緒に包括的に検討すべきであるという結論が出て、私どもそういう線に沿ってやっているわけでございます。
 いずれにしましても、そういうことを含めまして、立地のためには皆さんの理解と協力が必要でございまして、第一次公開ヒヤリング等におきましては、安全審査前でございますけれども、すべての問題につきまして皆様方の御意見をお伺いするといったてまえになっております。環境影響報告書自身は、放射能をさっき申したような理由で除外しておりますけれども、第一次公開ヒヤリングではその問題も自由な御質疑をいただきまして、皆様方の御意見を十分お伺いして進めておることでございます。今後もそういうような線に沿いまして努力をいたしたいと、こういうふうに考えております。
#140
○中尾辰義君 最初に、汚染廃液が廃液タンクからオーバーフローしている時間が大体十四時間ぐらいですから、その間ずっと建屋の床の上に流れておった。それから十数時間後気がついて、その除染の作業に従事した作業員は何人ぐらいですか。
#141
○参考人(加賀山正君) まず最初の時間についてお答え申し上げますが、発見いたしましたのは翌日の十一時過ぎでございますから、締め忘れてからの時間はそうなるかと思いますが、床面にオーバーフローいたしますのは、いわゆるタンクにまだ空の部分がありますので、それを埋めまして、それからサンプピットに参って、サンプピットの水位が床面に達するまでの時間がございます。そのときにサンプピットの水位が上がりますと、ポンプが回り出して回収するということになっておりますので、サンプピットのポンプが運転を開始しましたのが翌日の八時半でございます。したがって、床面にあふれて出た時間というのは、約七時間余りだと考えております。そのような時間でございます。
 それから第二の御質問の作業員でございますが、八日の午前の第一直におきまして発見をいたしまして、急速応急処理をいたしまして、第二直でそれに引き続いてやったわけですが、最初の直で二名、その次の直で六名、これは当社員でございます。それから翌日九日から原子力代行の作業員が四十八名で作業をいたしております。
 以上です。
#142
○中尾辰義君 全部で何人ですか。
#143
○参考人(加賀山正君) 五十六名でございます。
#144
○中尾辰義君 五十六名のうち職員が何名で、下請作業員が何名ですか。
#145
○参考人(加賀山正君) 先ほど申しましたように、最初の一直の二名とその次の直の六名の八名でございます。翌日から原子力代行の四十八名が、われわれの依頼先の除染作業員でございます。
#146
○中尾辰義君 職員はおうちの職員ですから、これは名前もわかっておる。下請は名前がちゃんとわかっておるんですか。
#147
○参考人(加賀山正君) はい、わかっております。もしあれでございましたら名前……
#148
○中尾辰義君 いいです。
 それで被曝の状態はかなりひどいらしいんですね。新聞等を見ますと、ちり取りですくって捨てたとか、バケツで捨てたかどうか知りませんが、その辺の被曝の状態につきましては調査いたしましたか。
#149
○参考人(加賀山正君) しております。
#150
○中尾辰義君 しておる……。
#151
○参考人(加賀山正君) はい、その間の被曝量は全部わかっております。
#152
○中尾辰義君 あなたの方で被曝の量はわかっておるんですか、下請の人も全部。
#153
○参考人(加賀山正君) はい。
#154
○中尾辰義君 一番高濃度でどのくらい被曝を受けているんですか。それわかっていたら教えてもらいたい。
#155
○参考人(加賀山正君) 私記憶が多少ございませんが――表が参りましたが、請負での最高の被曝は百五十五ミリレムだと記憶しております。
#156
○中尾辰義君 百五十五ミリレムというのはそれはどうなんですか、人体に及ぼす影響は。
#157
○政府委員(高橋宏君) 現在の規定では、作業者につきましては三カ月間で三レム以下、一年で五レム以下という基準が許容基準でございます。レムでございます。
#158
○中尾辰義君 ミリじゃないんだな。
#159
○政府委員(高橋宏君) 五レムというのは五千ミリレムでございます。
#160
○中尾辰義君 大体、原因がまだはっきりしないということですが、マンホールに捨てたのか、あるいは建屋と建屋の間のひび割れからしみ込んでいったのか、その辺はっきりしないというんですが、この五十六人の作業員等によく調査をしてそういうことがまだわからないんですか。マンホールには絶対に捨てていない、あるいは捨てたのか、その辺はっきりしないのか。
#161
○参考人(加賀山正君) いま調査を続行しておりますけれども、私の考えから申しまして、あそこでバケツにくみましてマンホールに参りますのには、六十メートルないし八十メートルございます。しかも、その間ドラム詰めの場所とかそういう狭い場所を通って参らなければなりませんので、そういうことをしたとは考えられないと思っております。
#162
○中尾辰義君 それでは大臣に一問お伺いします、時間がありませんので。
 いずれにいたしましても、今回の敦賀の原発事故は一月に二回も事故があって、それも何も報告がなかったと。今回の事故も三月の八日から四月の十八日までですよ、約四十日も報告がなかったわけですね。その辺のところに日本原電のおかしな体質があるわけでして、安全管理の不十分な点があるわけです。だれでもそう思うんです。国民も非常に怒っていますよ、この問題は。
 そこで、大臣も深刻に考えていらっしゃるでしょうけれども、このような体質の改善が私は先決だと思うわけですが、この体質の改善のために、大臣はどのような処置をお考えになっていらっしゃいますか。まずその辺お伺いします。
#163
○国務大臣(田中六助君) 先ほどから申し上げますように、現在事情聴取、立入検査、保安管理体制から見る調査というものを調査員を増加してやっている最中でございますので、いずれにしても、その結果に対して私どもは厳正な態度で臨みたいということを考えておりまして、さらに具体的に言えと申しますならば、たびたび申し上げておりますように、処分の内容を含めて検討したいというふうに考えております。
#164
○中尾辰義君 処分の内容を含めてはいいんですが、そのほかのいろんなことをやっていかなきゃならない、それを聞きたかったんですけれども……。
 それからもう一つは、原電はいろんな電力会社の役員の寄り合い世帯だ、だから中ががたがたしているんじゃないか、そういうふうなことが言われております。私がいま調査したところで、日本原電の重役連中は、まず東電出身が四名です。関西電力が三名、電源開発一名、通産省一名、日本開発銀行一名、それから自営の人が一名、こういうような構成でございますが、この重役の構成というものを大臣はどうお考えになっていますか。あるいはこういうところで責任がおろそかになっていくんじゃなかろうか、そういう風評があるわけですが、いかがでしょうか。
#165
○国務大臣(田中六助君) 役員、重役の構成が寄り合い世帯だからばらばらで、方向や体質が変になっていくというような考え方、見方もあるかもしれませんけれども、いろんなところから知恵を結集して集まっておるから、より一層結束が成り立つという考え方もあるんじゃないかと思います。いずれにしても、私は今回の事故というものは、そういうばらばらであるからとか、あるいは一致しておるからというようなことで、この問題にアプローチすることはいかがかというふうに考えておりまして、いずれにしても、私どもは足らないところを補う、あるいはまたいろんな欠陥があるところを衆知を集めて考究、究明いたしまして、その穴埋め、その対処については一致協力して善処してもらいたいというふうに考えます。
#166
○佐藤昭夫君 まず最初に大臣にお尋ねをいたしますが、今回の事態について原電側の責任が明白であることはもう言うまでもありません。そうした立場から、きょうも大臣は処分を含む厳しい措置をとっていきたいというふうに発言をされています。一方、こうした事故に至った経過の一端として、政府としても今日までの原子力行政に甘えがあったというような意味の発言をなさったのではないかと思いますけれども、こういう事故を経て、政府としてどのように国民に責任をとっていくのか、その点についてまずお尋ねをいたします。
#167
○国務大臣(田中六助君) 責任の所在という問題に焦点を合わせますと、これは上から下まで大きな責任があるわけでございまして、それに一つ一つ取り組んで解決するということも、これはいろいろな方法論の一つかもわかりませんけれども、私どもがやはり焦点を合わすべきまず第一の案件は、原子力発電所というものが、やはり下手をすると非常にそら恐ろしいことになる。われわれが責任をとってもとっても、責任というような言葉で解決できないことになるという重要な問題の意識ですね、そういうことについての認識の徹底、それを私はあらゆる段階で、この問題に携わっているあらゆる階層に認識してもらいたいと思います。
 それが第一で、第二は、やはり人的な構成とか、いろんな装備並びに点検、そういうものの不備があったでしょう、あるいはあるかもわかりません。そういう点についての穴埋めと申しますか、そういうことを十分配慮して、いまおっしゃっております、なれとかあるいは甘えとか、そういう観念を少なくとも原子力発電所に関係のある人々には、非常に常にテンションという、つまり緊張ということで人間は終始することは不可能かもしれませんけれども、それに近い態度で原子力発電所関係の事故については処理あるいは対応していかなければならないということが、第二の責任だというふうに思っております。
#168
○佐藤昭夫君 ただいま大臣の御答弁で、それの具体的なあらわれとしては、たとえば今回の放射能物質が漏れたという排水路、こういう排水路の立地、設計、ここも含めて政府の安全審査方針、基準、これをもう一遍きちっと見直しをするという問題とか、定期点検のあり方、監督体制を一層厳重にする、その体制をどうつくっていくかという問題、多々あろうと思います。
 実は、先日二十二日に鈴木総理と各野党の責任者との会談がやられておるわけでありますけれども、わが党からは、今回の事故の問題にかかわって、本当に安全な原子力発電を、どうやって国民に信頼をされる体制、仕組みにつくっていくかという点で、政府や企業はもちろんのこと、政府からも独立をした学者、専門家の英和を総結集をする、そういう特別の委員会のようなものを設置をして、そこで十分原子力発電のあり方について議論をする、問題を検討すべきではないかということを総理にも提起をしているわけですけれども、こうした方向も含めて、本当に国民の信頼に値する安全な原子力発電の方向をどういうふうに練り上げていくのか、現状で改善すべき点はどういう点を改善するか、この問題を十分担当大臣として検討を願いたいというふうに思うんですが、どうでしょうか。
#169
○国務大臣(田中六助君) 私どもは、いま現在でもいろんなチェック方式もございますし、各経験者あるいは学識あるいはその他有能な人々から組織しております原子力委員会の安全委員会ということもございまして、ダブルチェックの組織もございます。しかし、それでもなお現実にこういうことがあるわけでございますので、いま委員御指摘のように、さらに国民の信頼を得るため、あるいはまた安全という観点から、より以上のそういう審査体制の強化のために必要な組織というものは、私は十分考えてもいいというふうに思います。
#170
○佐藤昭夫君 企業の側が事故隠しをしても、それを事前に早期に発見できるような通産省の体制、専門官の体制、派遣をする専門官体制をどう強化をするかという問題が、きょうも私も含め他の同僚委員からこもごも出されておるわけでありますけれども、そうした点で専門官の増員、権限強化、必要と判断したときには立入調査がいつでもやれるような権限強化をどう図るか。
 それと、きょうも出ていましたけれども、専門官の中には農水省からの転勤、かわってきた人が、補助者という説明をされていましたけれども、そういう人たちがいる。果たして本当に専門的知識を持って、十分これは安全に運転をしておるのか、危ないという徴候を専門家としても早期発見できるような、そういう能力を持った人が十分配置をされるということが大切だと思うんですね。
 そこで、時間がありませんので一つお聞きをするんですけれども、言うならまだ十分専門家として育っておられないようなそういう専門官、この人たちが十分役目を果たせるようにマニュアルをきちっとつくって、仕事をやってもらうということが十分できていないんじゃないかというふうな気がするんです。実は、きょう私代理で、かわって質問に参ったのですけれども、私どもの党の市川議員がお尋ねをしたところ、マニュアルのようなものはありませんと、そういう仕事の手引書ですが、こういう返事が返ってきているんですけれども、そんなことでは、ますますもって無責任なことじゃないかというふうに思うのですが、一体マニュアルはあるのか。あるのであれば、一遍私たちもどういう指針になっているのか内容を見たいので、資料として私どもに提示を願いたいということを意見を含めて質問をしておきます。
#171
○政府委員(高橋宏君) 運転管理専門官の執務要領につきましては、現在庁内で作成を検討しているところでございます、御承知のように、この制度は昨年の四月、五月ごろから逐次発令されまして……
#172
○佐藤昭夫君 もう一年たっている。
#173
○政府委員(高橋宏君) 全部整備されましたのが昨年の七月ないし八月でございます。約一年の経験を踏まえまして、そのマニュアル等の整備を図っていきたいということで、素案等をつくりまして、いろいろと意見等も聞いておるところでございますが、今度のようなことがございましので、改めてこのマニュアル等につきましては、今度の件も十分踏まえた上で整備してまいりたいというように考えております。
#174
○委員長(細川護熙君) 以上で、政府及び参考人の方々に対する質疑を終了いたします。
 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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