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1980/04/27 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
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1980/04/27 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号

#1
第094回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第4号
昭和五十六年四月二十七日(月曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         上田  稔君
    理 事
                伊江 朝雄君
                北  修二君
                中野  明君
    委 員
                板垣  正君
                稲嶺 一郎君
                岡田  広君
                川村 清一君
               目黒今朝次郎君
                藤原 房雄君
                立木  洋君
                田  英夫君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       外 務 大 臣  伊東 正義君
   政府委員
       総理府総務副長
       官        佐藤 信二君
       総理府北方対策
       本部審議官    藤江 弘一君
       外務省北米局長  淺尾新一郎君
       外務省欧亜局長  武藤 利昭君
       外務省条約局長  伊達 宗起君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 源三君
   説明員
       北海道開発庁計
       画官       滝沢  浩君
       水産庁海洋漁業
       部参事官     茶谷  肇君
       建設省道路局国
       道第一課長    田中淳七郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (北方領土の日に関する件)
 (北方地域旧漁業権者に関する援護措置に関す
 る件)
 (北方領土隣接地域安定振興対策に関する件)
 (北方領土問題に関する件)
 (北方領土周辺の漁業に関する件)
 (沖繩の国道整備に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(上田稔君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○川村清一君 私は、最初に外務大臣に対して御見解を伺いたいことが一点あるわけでございます。
 そのことはどういうことかと申しますと、当委員会の発足は昭和四十二年でございます。発足当時は沖縄問題等に関する特別委員会ということで、沖縄復帰運動が非常に盛んなときでございまして、それに対応していろいろ国会で議論するということでできた委員会でございます。その翌年、四十二年になりまして北方領土の問題も大きく浮かび上がってまいりまして、北方領土の問題を議論する場としてぜひ国会にそういう委員会を設けてもらいたいという強い意見等が出てまいりまして、この沖縄委員会に今度は北方問題を取り上げることにして、四十三年以降沖縄及び北方問題等に関する特別委員会という名称になって、この委員会がずっと今日まで活動を続けてまいってきておるわけであります。
 私は、実は四十二年、この委員会ができた当初からの委員でございまして、今日まで十六年間参議院でお世話になっておりますが、その間よその特別委員会にいったのは二年間でございまして、あとは全部この委員会に所属しております。もちろん沖縄が復帰以前からでございまして、佐藤総理大臣が一生懸命になってこの問題の解決のために努力されておった、それに対応いたしまして、国会といたしましても復帰以前に、沖縄の調査ということで正式に委員派遣で参りまして私は、三回ぐらい沖縄を訪ねておるわけでございます。その当時は、沖縄返還という大きな問題を抱えておりましたので、当委員会には外務大臣が常に出席されておったわけでございます。ところが、一九七二年に沖縄復帰が実現いたしました。その後、御承知のように、沖縄開発庁設置法という法律ができ、沖縄開発庁という役所ができ、沖縄開発庁長官という専任の大臣が置かれるようになりましてから、沖縄の問題はいろいろ民生上の問題もありますので、もちろん総理府長官、沖縄開発庁長官が出席されまして、この委員会をずっとやってまいりましたが、沖縄問題が解決しました途端に、外務大臣はこの委員会に出席することはほとんどなくなったわけでございます。これは調べていただけばわかることでございますが、とにもかくにも通常国会のうちにただ一回御出席になられ、しかもその出席時間は二時間、これが一つの慣例になってきております。宮澤外務大臣のときも園田外務大臣のときもしかり、特にひどいのは伊東外務大臣の前の大来外務大臣のときは、所信表明をされたままついに一回も出席されないで、志村愛子委員長の時代でございますが、この問題に対応しての議論というものが一回もなされなかったというくらい、歴代の外務大臣は当委員会に対しましてはきわめて冷淡であるわけでございます。この北方領土の問題がいまや日本の国政上きわめて大きな問題になっているときに、政府は一生懸命にやっておるのでありましょうけれども、政府と同じように国会としてもいろいろな活動を展開しなければならない。そのためには現状をよく承知し、政府が何を考えているかということもお聞きをし、そしてわれわれの考えも述べて議論して、そういうものの積み重ねの上に立って北方領土の返還というものも実現されると思うのでありますが、こういうようなことできわめて歴代の外務大臣が当委員会に対しましては、冷淡というのか、怠慢というのかわかりませんけれども、出ておらないという事実を私は指摘申し上げまして、そういうようなことがないように、問題が大事であれば大事なほど、政府の意見と食い違うような意見があっても、それはお互いに出し合ってそうして究極的には一致した形においてこの問題解決のために努力していくのが国会に課せられた一つの使命であるとも考えておりますので、これを申し上げたわけでありますが、これに対する伊東外務大臣の御見解をまずお伺いいたしたいと思います。
#4
○国務大臣(伊東正義君) 川村さんのおっしゃることまことにごもっともでございまして、何も北方、沖縄のこの問題を軽視しているというようなことは毛頭ないわけでございまして、私も時間の許す限りは出席して皆様の御質問にお答えするということを今後もやってまいりたいと思いますので、何か前の大臣のとき一回も来なかったというお話、ああそんなことがあったのかと私はいま初めて伺ったのでございますが、時間の許す限り、国会の中の各委員会の日程をぜひ委員長の方で差し繰っていただいて、私も極力出席するようにいたしますから、その点はひとつ御了承願いたいと思います。
#5
○川村清一君 外務大臣の外交日程が非常に詰まってお忙しいことは重々わかりながら、こういうことを申し上げているのはあるいは失礼かもしれませんけれども、やはりそうやっていただかなければならないと私は考えて申し上げた次第でございます。
 そこで、まずお尋ねいたしますことは、昨年の十一月二十八日、参議院は北方領土問題等の解決促進に関する決議案を採択いたしました。
  今日まで、北方領土問題解決促進に関する国会決議が再三行われてきたところであるが、いまなお解決をみないのは、誠に遺憾である。
  よつて政府は次の事項につき適切な措置を講ずべきである。
 一、北方領土の早期返還の実現を促進するため、諸行事等の設定などを検討すること。
 一、北方地域旧漁業権者等及び北方領土元居住者等に対する救済援護措置を拡充すること。
 一、北方領土隣接地域の振興のための強力な措置を講ずること。
 一、北方領土におけるソ連の軍事的措置の撤回を要求し、北方領土の早期返還をはかり、平和条約を締結して日ソ間の安定的平和友好関係を確立すること。
  右決議する。
ということでございますが、そこで第一の「北方領土の早期返還の実現を促進するため、諸行事等の設定などを検討すること。」この決議についてお尋ねしますが、この「諸行事等の設定などを検討すること。」、「諸行事」でありますから行事がいろいろ考えられるのでございますけれども、そのいろいろな行事の中で、政府は二月七日を「北方領土の日」と制定する、そしてことしの二月七日は東京及び下田において政府主催の集会を持たれた、こういう選択をしたわけでありますが、この「北方領土の日」を制定したということがいわゆる決議案の究極の目的である「北方領土の早期返還をはかり、平和条約を締結して日ソ間の安定的平和友好関係を確立する」ということに結びつけてどんなメリットがあると判断されてこういう措置をなされたのか、まず第一点としてそれをお尋ねいたしたいと思うわけであります。
#6
○政府委員(佐藤信二君) いま川村先生御指摘のように、両院の決議の中にある「諸行事」の一部として「北方領土の日」を制定させてもらったことは御案内のとおりでございますが、実は「北方領土の日」を設けるに当たっては民間のいわゆる懇談会というものをつくりまして、そこでいろいろ検討してもらったわけでございますが、私たちはあくまでもこの北方四島というものは歴史的にも国際的にも日本の領土であるという認識に立って、それをしかも平和裏に返してもらおうということで、そうした歴史的国際的な意義というものを国民の各層に広く理解してもらおう、いわゆる日本の国論の統一ということを図りたいということでこのような日を設けさせてもらったわけでございます。これを受けてやはりソ連に対して粘り強く平和的にまた要求をしていこうということでございます。
#7
○川村清一君 ただいまの総理府副長官の御答弁は、その日を設けることによって国民の世論の統一、世論の高揚を図る、それをバックにして粘り強く平和的に折衝していくという御答弁でございますが、そこで、ソ連といろいろ返還要求、その実現のための交渉、この衝に当たられるのは外務大臣でございますが、外務大臣はこういう「北方領土の日」というものを制定したことによって対ソ連交渉、早期返還実現に向けてメリットがあると御判断になっておるかどうかということをお尋ねしたいと思います。
#8
○国務大臣(伊東正義君) いま御説明がありましたとおり、日ソ関係の長期的といいますか、安定的といいますか、友好関係が結ばれる前提はやはり第二次大戦後の未解決の問題として領土問題がある、この問題が解決された上に初めて相互の真の理解に基づいた平和友好関係ができるのだということは、これは日本政府の一貫した方針でございます。その中で「北方領土の日」というのは、これは下田条約が締結された日であって、その日を期して当時のロシアと日本との間に友好関係ができたという、これは友好の始まりの日と言っちゃなんでございますが、そういう日というふうに考えておるわけでございますので、この「北方領土の日」というものをつくったことは、日ソ関係が基本的に長い友好関係が結ばれるということの出発点がこの日なのだということを国民にも知ってもらい、そういう未解決の問題があるのだということを全部の国民に知ってもらう、その上に立って平和友好、こういうことの記念の日ということでございますので、この日をつくったということはいまおっしゃったように国民の総意だということを新たにみんなが思い起こすということで、日ソの間に友好関係をまた結んでいくのだという説明がございました。私らもそういうふうにこの日をつくったことを考えておるわけでございますので、私はこの間ポリャンスキー大使に会いましたときにもそのことも話して、本当に友好関係を結ぶということであれば、やはりこの領土の問題というものを解決して初めてできるのだということを私は向こうへも話したのでございまして、この領土の日をつくったということが領土問題を解決する日本国民の意思をはっきりここにあらわしたということで私は意義がある、こういうふうに考えておるわけでございまして、この日をつくったから遅くなるのだとか早くなるのだとか、そういう意味でつくったのではないわけでございまして、日本国民が一致して日ソ関係の平和友好を祈るのだ、期待するのだという日だというふうに感じておるわけであります。
#9
○川村清一君 その問題はまた後でいろいろ議論をしたいと思います。
 決議の第二項であります「北方地域旧漁業権者等及び北方領土元居住者等に対する救済援護措置を拡充すること。」この決議に対しまして、担当行政府は総理府だと思いますので、総理府はどういうことをお考えになっていられるか、具体的にその考えを述べていただきたいと思います。
#10
○政府委員(佐藤信二君) いま川村先生御指摘のように、この北方地域の漁業権者及び元居住者に対する援護の問題でございますが、これらの人たちが置かれている特殊な地位というようなものを考えて、政府としては、これらの方々が営む事業そしてまた生活に必要な資金を、低利で融資するという道を講じてまいりました。その融資枠の拡大というようなものに関する御要望がございましたが、五十五年ではいままでの六億円を八億円というふうに拡大し、さらに五十六年度はこの八億円を十億円というふうに拡大する措置を講じてまいりました。そしてまた、そのほかの援護の措置として、元居住者がつくっている唯一の団体である千島歯舞諸島居住者連盟というのがございますが、その連盟が行っている生業の研修または後継者の育成というための事業に対するものを本年度も引き続き拡大していくというふうな方針をとっております。
#11
○川村清一君 ただいまお聞きした範囲、程度では、私としましては特別に本院においてこういう決議をしたことに、具体的に拡充するということを考えていらっしゃらないのではないか、従来やってきているものを若干ふやす程度のものであって。副長官御存じのように、北方領土問題についてはこれは数回衆参両院において国会決議はしておりますけれども、第二項、第三項に関するこういう決議をしたことがないのですよ。特にこの決議をしたということは非常に重みのあるものではないかと思うのであります。
 そこで私は、特に北方地域旧漁業権者に対する援護措置の問題ですが、これは副長官もすでに御案内だと思うのでありますが、一九四六年のだしか一月二十九日だと思いますが、連合国総司令官のマッカーサーの覚書が出まして、その結果千島が完全に日本の行政権が及ばない、つまり行政権がここで分離されたわけであります、そしてそういうことがあって、昭和二十四年に日本の漁村の民主化を図るということで漁業法が全部新しく改正された、そのために古い漁業法に基づいて許可されておった漁業権というのが全部政府の手にこれは買い上げたといいますか、政府がこれを補償したわけです。結局古い漁業法に基づいて与えたところの漁業権というものが全部なくなった、白紙に返った、そうして新しい漁業法ができた。この新しい漁業法に基づいて今度は新しく免許であるとか、それから許可であるとか、漁業権が与えられた、そういう経過があるわけです。その新しい漁業法に基づいて与えられた免許、許可によって現在の日本の漁業構造というものがなされている。これは外務大臣伊東さんは元水産庁の長官もなさっておられたので十分御承知のことだと思うのです。ところがこれは日本じゅうのいわゆる漁業権を持っている漁業権者に対しては政府が補償したわけです。全部補償したわけです。ところが、千島は、これは択捉も、国後も、歯舞群島、それから色丹、全部漁業協同組合がありい漁業者がいるのでありますが、これは行政が分離されてしまって、その時点に日本の法律がなくなった、死滅した。したがって、その古い漁業法律によって与えられた漁業権というものは全部消滅してしまった、なくなった。ですから、二十四年に新しい漁業法ができて、この漁業法によって全部補償されたけれども、この地域は漁業法がもうない、漁業権がないのだからここは補償できないということでいわゆる択捉あるいは国後、歯舞、色丹のいま言っている北方領土に居住しておった方々に対しては漁業権の補償というものがなくなってしまった、これを国会でずいぶん議論したわけです。固有の領土、固有の領土というならばここになぜ補償できないのかというような立場からいろいろ議論しましたけれども、政府の統一見解ということでできなくなってしまった。そこで、これを若干でも援護するという形か、昭和三十六年に、この元居住者に対して政府国債十億円が交付されまして、その十億円の国債交付金の利子大体六千万円、これを運用して元漁業権者に対しての援護措置をなされてきた。現在続けられておる。その国債が昭和四十六年には現金にかわりました。最初は六千万の利子運用でやってきたのが、今度は金が返ってきたから二億になり、四億になり、それに対して政府はいろいろ融資をして利子補給というかっこうでいまは十億か十二億かそのくらい回っているのじゃないかと思いますけれども、いまおっしゃっていることは、それをさらに融資をふやす、低利の利子にするといったような程度であるならば、私はこの第二項の決議に対してこれを実行したとは考えられないわけであります。ですから、強いて言うならば、いま社会党が北方地域旧漁業者等に対する特別交付金の支給に関する法律案というものを、これは衆議院に出しているのですが、このくらいのこと、いわゆるもう死滅してしまった漁業権でありますから、これを買い上げるとか補償するとかということはめんどうだ。したがって、新しい立法措置としてそういう方々に特別交付金を交付する、支給するというような法律をつくるべきではないかということで提案しているわけでありますが、この辺まで踏み切ることができないかどうか、もう一度御答弁願います。
#12
○政府委員(佐藤信二君) 私の方では、この融資枠の拡大ということに関しては現地の旧漁業権者から十億円というのがほしいというふうな熱望がございまして、実はこの枠に拡大したわけでございますが、いま先生がおっしゃる漁業補償の件でございますが、これは衆議院の方に付託されているのか、まだ提案理由が済んでないのかよくわかりませんが、実は大変申しわけない言い方でございますが、この方の管轄になりますと農水省の水産庁の方の管轄になりまして、私の方の総理府としては、うちの方の役所のできる範囲でもって目下協力しているということでございます。また、そうした法律が提案された場合には衆議院並びに参議院における委員会の御審議というものを尊重していきたい、かように考えます。
#13
○川村清一君 時間がないのでいろいろ詰めてはいけないのですが、副長官、先ほど申し上げました一九四六年一月二十九日のマッカーサーの覚書、「若干の外廓地域を政治上行政上日本から分離することに関する覚書」の中身ですね、いわゆる行政権を分離した地域というものが事細かく、もうちゃんと地名まで挙げてあるわけですね。その中にずっとあるわけでありますが、たとえばいま言う千島につきましては、千島列島、歯舞群島(水晶、勇留、秋勇留、志発、多楽島を含む一という歯舞群島の名前を全部挙げて、それから色丹島と名前を挙げて、ここにはもう行政権が存在しないということを明確にうたっている。同じように、沖縄の各島であるとか、それから小笠原島というものもはっきりここにうたっているのですね。ところが、小笠原につきましては、これは復帰後漁業権を補償しているのですよ。小笠原については漁業権を補償しているのですよ。ところが、千島については漁業権を補償しておらないというところにやはり行政上の不公平があると私は考えているわけです。これ何せいまから三十年前の話をしているわけですから、ちょっとよくおわかりにならないと思いますが、ひとつよく勉強して検討していただきたい、こう思うわけです。
 それから、この決議の第三項ですが、「北方領土隣接地域の振興のための強力な措置を講ずること。」、こうあるのですが、これにつきましては、総理府の方にお尋ねしたら、これは北海道開発庁の仕事だ、こういうことでございますので、北海道開発庁としてはこの問題についてどのようなことを具体的に考えていらっしゃるのか、ちょっと御報告いただきたいと思います。
#14
○説明員(滝沢浩君) 北方領土の安定振興対策に関する施策につきましては、この地域が長期にわたって北方領土が返ってこない状況から非常に不安定な状況に置かれておるという関係を認識しまして、北海道知事並びに関係市町村からも去年の春先以来この対策を強力に講ずるような、そういう要請を受けておったわけですが、この要請に対処するため、去年の十二月八日に関係省庁の事務次官会議の申し合わせによりまして、政府部内に関係省庁の窓口の担当課長レベルの連絡会議を設けまして、この問題に前向きに取り組むための体制の整備を行ったというのが第一点であります。引き続きまして、十二月十七日に第一回の会議を開きまして、北海道から具体的にどのような安定振興対策の方策があるかということについて要望を聴取いたしました。たまたま政府の予算案決定が迫っておりましたので、内容を検討したところ、一部については予算編成段階に配慮する、それから他の大部分については予算の実施計画の段階で地元の意向を尊重しながら対処するというようなことで、十二月十七日の第一回の会議はそういう申し合わせをしたわけでございます。
 その後、年が明けましてから北海道の方で、政府予算案を編成した段階において具体的な実施計画をどういうふうに盛るべきかということについて要望を出してもらいまして、現在のところ、道からの要望は基幹産業の振興だとか、基幹交通施設の整備とか、教育関係の施設の整備とか、そういう数項目にわたる事項につきまして要望が出ておりまして、総額約百五十億円に近い事業費ベースの要望を受けておりまして、現在その実施計画の配分作業を進めておりまして、公共事業関係についてはほぼ取りまとめが終わった段階でございまして、非公関係はもうちょっと時間のかかった段階で取りまとめていくということで、五十六年度の対策を連絡会議の中で進めるような体制をとっておるわけでございます。
#15
○川村清一君 ただいまの御答弁も、具体的にはまだ何にもないようでございます。この前の項とただいまの項、この二つの問題は、先ほども申し上げましたように、決議したことがないので、いままでは早く返還を実現せいとかあるいは北方領土にソ連軍が軍備を増強していくことはけしからぬからこれを撤去させようといったような決議は二回、三回やっておりますけれども、こういう民生安定といいますか、こういう面の決議はないわけです。この点については、私は新聞紙上で承知したのですが、鈴木総理大臣が特に閣議でこういう発言をしたというようなことも聞いておりますので、だとするならば、もっともっと具体的に強力な政策というものを考えてしかるべきではないかと思うのであります。その際に、先ほど申し上げましたような問題につきましても総理府では十分ひとつ御検討いただきたいと、こう思います。いろいろ詰めたいのですが、時間がありませんので、まあこの程度でとどめますが、またいずれかの機会にいろいろ議論したいと思います。
 そこで、最後に伊東外務大臣でございますけれども、どうしても二月七日の「北方領土の日」制定の問題について、私どもの意見を述べておかなければならないと思うのであります。
 私は、問題が二つ、三つありますが、第一の問題は、この二月七日、これは何の日だと、こういうことになれば、一八五五年二月七日、下田において日ソの通好条約を決めた日である、この通好条約におきまして明らかに択捉島と得撫島の間に線を引いて、得撫島から南はこれは日本の領土と、それから得撫島から占守島に至る十八島は、これは当時の帝政ロシアの領土と、こういうふうに分けた、であるからと、こういうことであります。
 そこで、私ども社会党として一番問題にするのは、この日を制定したことによって日本の要求する北方領土というものの範囲は完全に国後、択捉というものに限定された。それで、ちょっとこれ誤ってはいけないので、こんな認識はないと思いますが、歯舞、色丹というのは、これは千島列島ではございませんから、これはもともと北海道の一部、根室市の一部なので、決してサンフランシスコ平和条約で放棄した千島列島ではこれはないわけでありますから、そこで千島列島の方の二島にいわゆるもう限定されたと、あと得撫島から占守島の十八島は完全に放棄したと、こういうことになるわけであります。そこでこれは従来の社会党の主張、それからサンフランシスコ条約で決まっておっても、サンフランシスコ条約には社会党は御承知のように反対の態度をとったという、こういういきさつもありますし、われわれはこの固有の領土というものの範囲を決して国後、択捉というものに限定していないわけであります。と申しますのは、これはサンフランシスコ条約で千島列島を放棄いたしましたが、それはポツダム宣言を日本がのんで、そして終戦になってこういうことになったのでありますが、ポツダム宣言の前にはカイロ宣言があり、その前には大西洋宣言があり、大西洋宣言、カイロ宣言の原則を受けてポツダム宣言があり、そしてサンフランシスコ条約というものが持たれたわけでありますが、そこで、サンフランシスコ条約で日本政府が千島列島を放棄したということに対して重大な関心を持っておるわけであります。つまり得撫島以北占守島に至る十八島も、これは決してカイロ宣言でいうところの武力をもって奪取したようなところではなくて、一八七五年に日本と帝政ロシアの間で南樺太と千島列島の交換条約によって日本の領土になった次第であって、これは完全に固有の領土であるという考え方を持っておるわけであります。これを主張しているわけであります。それを、サンフランシスコ平和条約で放棄したということは、こういうことを言うとまたしかられるのでありますが、昭和四十四年の予算委員会で私が当時の佐藤総理にこういうことを申し上げましたら、佐藤総理がもう顔を真っ赤にして怒ったことがあるわけでございますが、要するにこれは日本政府の一つの責任である、単に日本政府の責任だけでなくて、これを日本にやらせたところのアメリカを主軸とする連合国四十八カ国、調印国の重大な過誤であるという認識を持っておるわけであります。もちろんそこにヤルタ協定などというものがありますが、ヤルタ協定などというものはこれはもう日本の全く関知せざるものであって、われわれは何も拘束されるものはいささかもないわけでありますから、これは秘密協定でありますから。しかし、ヤルタ協定に対しましては後から一九五六年にアメリカ国務省がいろいろなことを言っておりますけれども、しかし当時ヤルタ協定を締結した時点においては、これはチャーチルとそれからルーズベルト、スターリンとの間の約束であることは違いない。その約束の中に、ソ連が参戦するならばこの「条件」、「条件」ということをはっきりうたっております。「条件」としてこうこうと、そして千島列島をソ連に引き渡すということがきちっとそのヤルタ協定には書いてあるわけですね。そんなものはわれわれの知ったことではないけれども、しかしイギリスやアメリカは責任があると思うわけてあります。もちろんそれはないということはアメリカは否定していますよ。それは一九五六年に否定しておりますが、そういう経過の中で、われわれはあくまでも全千島をいわゆるわが国の固有の領土として将来に要求しなければならないということを強く考え、それを主張しておるのでございますけれども、この二月七日と制定されたことによってもう国後、択捉、そしてこちらの方の歯舞、色丹というものに限定されて、あとは全部もう放棄してしまったということであって、ここのところがわれわれとしては承知のできない点があるところであります。
 もう一つは、時間がもう二分ほどありますから申し上げますが、このことによって確かに国内的には政府の考えでいるように、世論はまとまり、あるいは高揚する、これをねらってやったというのならそのねらいは合っているでしょう。しかしながらいまだれが考えても千島列島を返してもらう、いわゆる北方領土を返してもらうためには三つの方法しかないのですよ。一つは戦争をやってこれを奪い取ることですよ。そうでしょう。一つはサンフランシスコ条約がもとなのだから、サンフランシスコ条約にあるように、この問題を国際司法裁判所に提訴することですよ。しかし第一点のこんなことを考えているのはだれもいないでしょう。もしこんなことを考えている者がいるとするならばこれは気の狂った人でなければ考えないですよ。こんなことをやったら日本列島どころか下手すると世界の人類が破滅するようなことにもこれはつながっていくのですから、第一項のこんな問題はだれも考えないでしょう。第二項の国際司法裁判所にこれを提訴するといったところでソ連はサンフランシスコ条約に調印しておりませんからソ連は応訴しないでしょう。応訴しなければこれは裁判にならないわけです。第二項もだめでしょう。そうすると第三の道しかないでしょう。第三の道とは何か、これは話し合い、平和裏に話し合い話し合いをしていって、これを実現するより方法はないでしょう。しかしこの話し合いをするその場所、その時期、それをつくるために日本外交は徹底的にひとつ努力すべきことではないのですか。伊東外務大臣に与えられた最大の任務は私はそこにあると思うのであります。で、そういう観点から考えたときに、二月七日、この「北方領土の日」を制定するということは、果たしてこれはいい政策であったかどうか、国内的にはこれはいい。政府の思惑どおりになるかもしらぬ。しかし、対ソ連との話し合いに向けては、これは効果があったかなかったか、メリットがあるのか。私はメリットがないと、こういうふうに思うわけであります。もう時間が参りましたからこれだけ申し上げまして、またいずれこういう機会があればいろいろ議論をしたいと思いますので、ひとつ伊東外務大臣、簡単でいいですから、一言だけ御返答いただいて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#16
○国務大臣(伊東正義君) 二つおっしゃったのですが、第一番目の問題、日本政府は、千島四島、歯舞、色丹、国後、択捉というのは一回も外国の領土になったことがないのでございまして、いわゆる千島の範囲には含まれないということで、サンフランシスコ条約で放棄したのは得撫以北という態度を一貫してとっておるわけでございます。先生たちの御主張があることは伺っております、それは知っておりますが、日本政府はそういう態度でいるわけでございまして、四島についてはしかし国民全部の方が認めて、得撫以北は先生方の御意見があるということは知っておりますが、そういう政府の考え方で、一貫して四島は日本の固有の領土ということでやっているわけでございます。
 それから、次の問題でございますが、北方領土の日をつくったことはむしろ邪魔じゃないか、話し合いの。まずいじゃないかという御意見でございます、この間も日ソ善隣友好協会でしたかの方々からそういう抗議文を私はもらったのでございますが、しかし、私どもは、確かに先生おっしゃるように日ソ間の話し合いで、また国際世論も起こしながらということでやっているわけでございますが、この日をつくったことが私はそういうことの邪魔になるという考えは毛頭持っていないということだけ申し上げておきます。
#17
○北修二君 北方の諸般の問題について、外務大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 御案内のように、終戦後今日に至るまで、北方の問題がいまだに解決をしていない。実は私もちょうど終戦時に、戦争に行ってまいりましてソビエトに四年ぐらいいたわけでございます。戦争の諸般の情勢、あるいは今日までの経過については、北海道出身でもございますので十分理解をいたしておるわけでございますが、いまだに納得がいかない、かように思っておるわけでございます。しかし、先ほどからお話がございますように北海道あるいは島民の皆さんは、北方領土を、返れということでこの三十六年間非常に熱心に叫び続けてまいりました。私も北海道のあの根室地域に参りますと、夜遅くなりまして、いま休もうとすると、手を合わせて北の方を向いておる島民の皆さんの姿を見て胸が痛む思いであります。それほどこの北方領土の返還に本当に命をかけて、子々孫々に至るまでわれわれはがんばっていかなければならぬ、こういう決意でおることは外務大臣も十分御理解をいただけるものと、かように存ずる次第であります。しかし、政府も今日まで非常に努力をし、北方領土館あるいは北方館というようなものもつくり、さらに二月七日という北方領土の日もつくって、国民全体のこの北方領土の返還というそういう総意に相なっておることについては心から敬意を表したいし、一日も早くその実現をわれわれは期したいものだと、かように考えておる次第であります。
 そこで、具体的に四、五点大臣にお聞きをいたしたいと、かように存ずる次第であります。
 北方四島に対するソ連の態度について外務大臣の所見をお伺いいたしたいと思うのでございますが、ソ連は、戦争終了後間もなく、一九四五年九月二十日より国内法をもって一方的にソ連領土に編入して、一九五一年のサンフランシスコ平和条約の席上、ソ連はこれらの諸島の領土権がすでにソ連に移っているかのごとく主張し、さらに一九五五年六月に、日ソ交渉の席上、領土問題はすでに解決済みと主張し、その後もしばしば領土問題は解決済みと公式に発表しているが、ソ連の主張する論拠は何にあるのか、何と理解をしておるか、その点について外務大臣にお聞きをいたしたい、かように存じます。
#18
○政府委員(武藤利昭君) 北方領土問題に関しますソ連の立場というものは、先生よく御承知のとおり、くるくる変わるわけでございまして、一九五六年日ソ共同宣言の時点におきましては明らかにソ連は領土問題は存在するということを認めていたわけでございますが、その後いろいろな変遷がございまして、最近では、一九七三年でございますけれども、当時の田中総理が訪ソされましたときの共同声明におきまして、未解決の問題があるということで領土問題の存在をまた認めたわけでございます。ところが、その後再びソ連側は領土問題は解決済みと言っているわけでございますが、その際ソ連が申しておりますことは明らかな法律的歴史的事実により云々というような、そういう抽象的な言い方でございまして、具体的に、かくかくしかじかの理由によりかつてはあった領土問題が存在しなくなったという説明はないわけでございまして、この点につきましては、日本側といたしましては、繰り返し繰り返しソ連側に対しまして、そのようなソ連側の言い分には理由がない、北方領土問題が厳然として存在するということを申してきている次第でございます。
#19
○北修二君 北方四島に関して、日ソ共同宣言についてお伺いをいたしたい。
 一九五六年十月十九日、日ソ共同宣言においてソ連は、日本に対して歯舞群島及び色丹を引き渡すことを同意した。それから四年後、一九六〇年一月二十七日にソ連政府の対日覚書が渡されたわけでございますが、これによりますと、一部でございますが、ソ日関係の発展にとって支障となる新しい軍事条約がある、したがって締結されておる、こういう措置に対して黙認することはもちろんできないし、よってソ連政府は、日本領土から全外国軍隊の撤退及びソ日間の平和条約の調印を条件としてのみ歯舞及び色丹が一九五六年十月十九日付でソ日共同宣言によって規定されておるとおり日本に引き渡されるであろうということを声明いたしておるわけでございます。このことから見ても、いかに国際関係において批准された正式の国際文書、共同宣言であっても、ソ連側の解釈で一方的に変更している。そのこと自体を考えても、北方四島の返還問題を日ソ両国の交渉のみで実現できると考えるか、外務大臣の見解をお聞きをいたしたい。
#20
○国務大臣(伊東正義君) いま北さんがお読みになったのは、新安保の後ソ連が一方的に日ソ共同宣言の内容を否定するような声明を出したわけでございまして、それは、まさに日ソ共同宣言というのは日本とソ連との間の国交、基本関係を律するような共同宣言であったわけでございますので、それを一方的に否定するようなものというのは、国際的にこれは認めるわけにいかぬのでございまして、私は、日ソ共同宣言にあった歯舞色丹は平和条約とともに引き渡す、それから交換公文で、その後の領土問題の懸案事項は相談をしていこうということはあった、これはそのまま生きている。昭和四十八年でございましたか、田中総理がおいでにまったときも、第二次大戦後の諸懸案事項というものには領土問題が含まれているということ。また一回ブレジネフ書記長が認める。その後は、そういうことはないと、転々変わっておるわけでございますが、共同宣言を一方的に否定するというふうなことは、それは国際的な信義の違反でございまして、そういうことは認めもことはできないわけでございまして、日ソの問題、領土問題についてはひとつ粘り強く日ソ間でやっていく必要があるというふうに思いますし、また、国際的な世論もそういうことを認識してもらえるということで、実は去年国連総会で私は演説したわけでございますが、これはもともと日ソ間の問題でございますから、日ソ間で解決に努力をする、一方、国際的にもそういう認識をもってもらうということを今後ともやってまいりたいというふうに思っております。
#21
○北修二君 四月二十四日でございますか、朝日新聞の記事によりますと、日本商工会議所の永野会頭がソ連のジャーナリスト代表団に対して、「北方領土問題の「期限付きタナ上げ案」を提示、日本側はこれに基づいてシベリア開発を行うので一ソ連側も日本側の意をくんで、将来、領土問題解決に積極姿勢を示すよう、申し入れた。」と言われております。領土問題は五年でも十年でもたな上げしておき、シベリア開発の進展で日ソ関係の友好ムードが盛り上がったときに改めて日ソ交渉を行って最終的な解決を図りたいと永野会頭が申し入れているわけでございますが、私は、ソ連との経済的交流はもちろん必要と考えますが、いわゆる領土問題が先決と考えるのであります。北方領土四島に近い北海道の現地では経済的にも精神的にも深刻な状況にあるとき、五年でも十年でも領土問題をたな上げしてシベリア開発を先にという、返還について国民的合意を得られるかどうか、これについて、このたな上げ問題に対しまして大臣の所見をお伺いをいたしたいと、かように存じます。
#22
○国務大臣(伊東正義君) 私も新聞で見ただけでございまして、永野さんに直接お会いして真意を、いま外国に行っておられますので、まだ聞いておりませんのでよくわからぬのでございますが、その新聞を読んだときに、直感で、いかにも企業家だなという感じを私は持ったのでございますが、永野さんの真意がよくわかりませんので詳しい論評はできませんが、どういう意味でございますか、たな上げというのは、現実に存するものを一時そばへ置いてという意味で言っておられるのか、ソ連はもともとない、存在しないと、こう言っておるわけでございますので、ソ連から言えば、あったものを横へ置くということじゃないので、もともとないのだというのがソ連の主張でございますので、その辺のところがよくわからぬのでございますから、論評することは、聞いたわけでないのでできませんけれども、まあ率直な感じを申し上げますと、政治は別だと、領土問題は全然別だと、そういうものは別にして経済問題だけやろうというようなことであれば、私はそういうことは考えるべきじゃない。やはりこれほど領土問題というものが相互理解の基本になっていることでございますから、そういうものの存在、あるいはそういうものを避けて全然別だということで、経済だけやろうということは私はとるべき態度ではない、こういうふうに思っております。
#23
○北修二君 外務大臣の見解については理解がいくわけですが、御承知のように、羅臼を中心にしてポリャンスキーが先日行かれて、会員証などを出されて、地元は大変混乱をしておるのですね。精神的にもいろいろ大変な状態にあるわけでございまして、またいまのような問題が提起されるということに相なりますと、現地といたしましては、北方領土の日も決めてくれたし、いろいろ力は入れてくれておるのだが、一体本当にやる気になっておるのかどうか、こういうような非常に疑問を持つような情勢に相なりますので、しっかりした考え方で対処をしてもらいたい。地元が混乱のないようにしていただきたいことを特にお願いをしておきたいものだと、かように存じます。
 さて、次に平和条約調印諸国の見解についてお伺いをいたしたいと思います。
 サンフランシスコ平和条約の千島列島の範囲について歯舞、色丹諸島が含まれていない点は調印四十九カ国の一致した見解であり、一方、国後、択捉島については条約上明確化されていないことについて日本の全権吉田元総理が、平和会議において特に発言を求めて日本の考え方を述べ、記録にとどめ、問題を将来に残した記録があるが、千島列島の範囲についてこの調印諸国はいかなる見解を示しておるのであろうか、この点についてお伺いをいたしたい、かように存じます。
#24
○政府委員(武藤利昭君) サンフランシスコ平和条約署各国の千島の範囲についての見解でございますけれども、先生御承知のとおり、サンフランシスコ平和条約の起草の責を担ったのは米国でございますが、米国は平和条約の主たる起草国として日本国の見解と全く同一の見解を有しているわけでございます。その他の当事国につきましては、明らかにその見解を明示しているということがないわけでございますが、日本の立場をこれを従来から内外に宣明してきているわけでございまして、そのような日本の見解はこれらサンフランシスコ平和条約署各国も承知しており、かつそれに何ら異議を表明していないということで従来まで至っているということでございます。
#25
○北修二君 アメリカを初め平和条約調印四十九カ国が、千島列島の範囲について、国後、択捉、歯舞、色丹の諸島が含まれていないことで見解が合致すれば、その統一見解に基づいて世界の世論を喚起する上に重要な事項と思うが、その見解についてお伺いをいたしたい。
#26
○政府委員(武藤利昭君) 北方領土問題は、日ソ間で本来これは解決すべき問題であることは当然でございますが、このように長い時間を経過していることでもございますし、国際的に世論を喚起するということも重要だと考えております。そのような考え方から日本の立場を国際的に周知するという努力は今後さらに続けてまいりたいと思っております。
 ただ、平和条約署各国四十六カ国でございましたか、この統一見解を改めて取りまとめるというようなことが特に真に意義がある方法であるかどうかというような点も含めまして今後の課題として考えてまいりたいと存じております。
#27
○北修二君 国際的世論の支持についででございますが、日ソ共同宣言で戦争状況が終結し、二十五年を経過した今日、日本は自国の領土内に何ら協定も締結もないソ連軍の駐留を認めざるを得ない。しかも、軍事施設を拡充強化していることも目の当たりに見ながら、何ら打つ手もない。ソ連はいまもなお日本領土を不当に占拠を続けている。北方海域に依存している多数の漁民の苦境は、いまでは精神的にも、経済的にも限界に来ているのが実態である、
 そこで、前段で申し上げましたとおり、条約調印四十九カ国の協力を得て、世界世論を喚起するとともに、次回の国際連合総会において外務大臣より、北方四島のこの問題解決のために日本の立場を改めて強く主張していただきたい。北方四島の返還に関して、わが国の主張を高めるたびごとに、ソ連は必ず報復措置を講じてきております。現地漁民は、もろに報復手段の被害を受けることはまことに忍びがたい問題でありますが、領土問題はわが国にとって重要な基本問題であります。外務大臣は、勇気を持って、全世界の世論と支持を得るために対処していただきたいと思いますが、その見解についてお伺いをいたしたいと思います。
#28
○国務大臣(伊東正義君) 北さんおっしゃるとおりでございまして、これはもともとは二国間の問題でございますけれども、やはり国際世論をバックにするということも、非常にこれは必要なことでございますので、私、昨年の国連総会の演説で北方領土の問題が解決をしないから日本とソ連との間には平和条約は結べないのだということを世界の人々に認識してもらうということで、国際世論に訴えたわけでございますので、これは機会あるごとに、日本としてそのことは世界に知らすべきだというふうに思っております。ことしの九月、国連総会でどういう演説をするかということはまだ決まっておりませんが、北さんのおっしゃることは私もよくわかりますし、十分そのことを頭に入れて検討したいと思っております。
#29
○北修二君 貝殻島のコンブ漁業問題についてお伺いをいたしたいと思いますが、貝殻島のコンブ採取については、昭和五十二年以来四年連続して採取に関する民間協定が妥結を見なかった。昨年の交渉において、今年も交渉を継続すると、日ソ双方の当事者間で合意されているわけであります。ことしも交渉の時期に来ていると思いますが、外務省として、交渉をめぐる情勢をどう見ておられるか、それについてお伺いをいたしたいと思います。
#30
○政府委員(武藤利昭君) 貝殻島のコンブ漁業につきましては、よく御承知のとおりでございまして、一たんは民間協定としてコンブの採取が認められていたわけでございますけれども、突然向こう側の方からいろいろむずかしいことを言ってまいりまして、従来どおりの方式で貝殻島のコンブを取ることができなくなったということで、私どもといたしましても、現地の漁民の方々の御苦労というものは十分承知いたしておりまして、何とかお手伝いできないかと考えているところでございますけれども、御承知のとおり、いま問題がむずかしくなっておりますのは、ソ連側が持ち出しております条件に、北方領土絡みの問題があるということでございまして、その辺のところをどうやって解決して、民間の方が貝殻島のコンブが取れるようになるかという、その方法につきまして、関係者の方々が外務省にもよくお見えになりますし、御相談をしながらやっているわけでございますけれども、ことしはまたできるだけ早い機会にソ連側との交渉を始めたいということのようでございまして、民間の交渉でございますから、まあ政府として表に立つわけにはまいらないわけでございますけれども、そのような形で側面的にできるだけ御協力したいと思っているわけでございます。
 現在の状況がどうかというお尋ねでございますけれども、残念ながら、過去二、三年に比べてことしは状況が特によくなっているという判断も下しかねるわけでございますけれども、先般外務大臣がポリャンスキー大使に会われましたときにも、ポリャンスキー大使に特にこの点は指摘されまして、本国政府に伝えるようにということを言われたわけでございますが、ソ連政府の方がこの件につきまして日本の実情を理解して、従来どおりの方式で民間協定が締結され、コンブ漁業が再開されるということを期待いたしております。
#31
○北修二君 昭和五十四年においては北海道水産会が窓口でソ連側との間で交渉が行われてきましたが、ソ連側から従来にはなかった新しい提案がなされたため、日ソ双方の立場が折り合わず、交渉は妥結に至らないわけであります。いわゆる三原則があるわけでございます。昨年もソ連側の態度はかたく、妥結に至らない。ことしもこのような、このままの交渉状態で推移いたしまして、不幸にして五年連続の採取不能となった場合は、漁民の経済は深刻な状態に悪化する。あるいは、国際的にも最悪の事態をわれわれ憂慮をいたしておるわけであります。と申し上げますのは、目の前にコンブがあると、いろいろ交渉がむずかしいというならば、まあみずから行って取ってくると、われ関せずという、実はそういう最悪の事態になる可能性が強いわけで、われわれは何とか話し合って問題を解決いたしたい、こういうように言っておるわけです。そういう無法はやめてもらいたいということをまあ再三言っておるわけでございますが、非常に大変な事態にあるわけでございます。領土問題は国の基本であり、四島をソ連に譲歩することは絶対にこれはできないわけでございます。そういう観点からいたしましても、ことしの交渉に当たっては現地の実情――民間交渉に入る前に外務当局の適切なアドバイスが必要と考えるが、大臣のお考えをお聞きいたしたい、かように存じます。
#32
○国務大臣(伊東正義君) 私もこの問題は非常に心配しているのです、実はこの間ポリャンスキー大使と会ったときも、いろいろ大きな問題、信頼醸成とかいう話がございますから、そういう問題の前にこういう問題は解決しとくべきじゃないかと、そういうことを認めないで信頼醸成と言われてもそれはやっていることと違うじゃないかということを私も大使に言ったのでございますが、必ず本国政府に取り次ぐということでございましたが、まだ回答は実は来ていないわけでございます。今村長官がこの間サケ・マスの交渉に行きましたときに、この話を長官もしたのでございますが、まだ実は解決に至っておりません。要するに、ボールは日本に投げてある、領土絡みの問題を認めればすぐ解決するのだというのが向こうの態度でございますので、いま北さんもおっしゃったように、領土の問題というのはもうこれは厳として認めるわけにいかぬわけでございまして、そういう中にあって民間の協定とはいえ、やはり政府も心配してあげなければいかぬ問題でございますから、私も頭を痛めている問題の一つでございます。まあ今後とも、民間がやられることでございますが、政府としてもできるだけの協力をしてあげるということの考え方でこの問題と取り組まなければいかぬというふうに思っております。
#33
○北修二君 いろいろ領土の問題あるいは漁業問題等質問をさせていただきました。非常に難問題でございます。先日も、自民党の三役がソ連のポリャンスキーとも懇談をし、領土の問題その他についても相当突っ込んで話をしたというように聞いておるわけでございます。われわれ北海道――日本はもちろんのこと、現地の者も本当に大変な事態、いろいろ混乱もあるわけでございまして、より一層力を入れて返還の実現に最善の努力を払っていただきたい。また、その他コンブの問題を初め、先ほどからいろいろ先輩議員からもお話がありました多くの課題があるわけでございます。最善の努力を払っていただくことを特に要望いたしまして私の質問を終わりたいと思います。
#34
○藤原房雄君 北方問題につきまして、外務大臣に若干の質問を申し上げたいと思うのでありますが、外務省所管の事項につきまして、過日いろいろお話がございました。私は、鈴木内閣としましては、確かに、外務大臣みずから、また総理府総務長官、現地へ参りまして、また北方の日を設定するとか、こういう運動面につきましては、また国内世論、これを背に受けてそれを一歩でも二歩でも前進させようというその意欲は私は十分くみ取れるのであります。それは碑を建てるとか日を決めたとかいうことで達成できることじゃございませんで、今後とも粘り強い推進というものが大事なことになるのだろうと思うのでありますが、しかしながら、日本とソ連との間には、ただいまもいろいろお話がございましたように、大きな見解の相違といいますか問題が横たわっているわけでありまして、日本がよかれとして、よかれといいますか、国民世論の上に立って北方領土の日を設定するということにしますと、それに対して非友好的だというキャンペーンが張られるという、こういうことで大きな考えの隔たりがあるわけでありますから、当然のことだと思いますが、そういうことに対しまして過日の大臣の所信では、粘り強い今後とも交渉といいますか話し合いを進めるのだというお話でございますが、領土の帰属についてのいろいろな見解等については、いまもお話がございましたし、また私どもも考え方を持っておりますが、本日は短時間でもございますので、当面する二、三点にしぼってお伺いするわけでありますが、まず政府が定めました北方領土の日、この問題につきまして、ソ連がいろいろなことを言ってまいりました。そういうことを一つ一つ着実に政府の見解というものを粘り強く訴え、そして理解を求める、平和的な話し合いをするのだ、こういう大臣のお話があったわけでありますけれども、今日までの間に、ソ連の大使館を初めとしまして、対ソ外交といいますか、こういうことの中で話し合ってまいりました経緯といいますか、今日までその具体的な問題についてのお話し合い、努力していらっしゃいました経過といいますか、そういう問題についてひとつ経過を御報告いただきたいと思うのであります。
#35
○国務大臣(伊東正義君) 去年九月でございましたか、国連総会で国際世論に訴え、グロムイコ外相とも会いまして、いろいろな問題を話した中で、特にこの領土問題についてグロムイコ外相と私は話し合いをしたわけでございます。その後は根室に行きまして現場を見るとかいうことをやってまいり、北方領土の日ができるあるいは根室地区、道東地区に対する振興策をまとめて考えようじゃないかということを閣議で決めましたり、また私はポリャンスキー大使と会いまして、北方問題等相当時間をかけて話し合いをするということを実は領土問題絡みではやっておるわけでございます。ただ、それだけでこの問題が解決するとは私どもは思っておらぬわけでございますので、貿易協定、支払い協定については五年間さらに延長するとかいろいろな方法を考えながら、的は領土問題に頭を置いてしぼりながら、交渉なり話し合いをするという態度でいま臨んでいるところでございます。
#36
○藤原房雄君 やはりわが国の政府のしておることに対しましてソ連の見解が述べられ、非難を含めていろいろなことがあるだろう。そういうことに対しては一つ一つ日本の立場というものを着実に訴え話し合う、こういうことが大事なことだろうと思いますし、また今日までも続けられてきたことだろうと思います。今日まで外務大臣も国連総会における一般討論演説、これを大きく機会あるごとに訴えておるわけでありますが、こういう国際の場でももちろん大きく訴えていただかなければならないと思いますけれども、やはり個々の積み重ねというものが非常に大事なことであり、そういう一つ一つのことの理解を訴え、話し合い続けるという粘り強い当局の努力というものも大事なことだろうと思うのであります。こういうことで今日まで取り組んでいると思いますけれども、さらにまたきめ細かにひとつ訴え続けて進めていただきたいものだと思うのであります。
 先月当委員会がございまして、その席上でも私いろいろ総理府長官に申し上げたのでありますが、こういう外務省所管として外交的な問題については先ほども答弁もあり、またいまも申し上げたのでありますが、国際的には日本の立場とか日本の北方領土に対する執念といいますか、こういうことについてはいろいろな面で考えていかなければならないことだと思うのであります。そういうことで、私もある専門の方からお聞きしましたことから通しまして、世界地図とか地球儀とか、こういうものが北方領土ということについては日本は全然関心が払われていない、こういうことで世界的なといいますか、これはアメリカのリプルーグル社という地球儀の大きなメーカーがございますが、そういうところでのものや、地図が中心でありますが、地球儀も出しておりますランド・マクナリー社という、こういうところの会社でつくっているもの、こういうことについて非常に注意が払われていない。これは総理府長官、この問題については非常に大事だということでありますが、総理府としては、国内に入ってきた問題等についてはいろいろなことがあるのかもしれませんが、外国での製品ということになりますと、外務省も大いにこういう問題については配慮を払っていただきませんと、またこういうものについて関心を持って――何もこれは地球儀だけのこと、地図だけのことじゃないのですけれども、そういう国際世論の土台づくりといいますか、こういうことの積み重ねというものが非常に重要だということをこの前総理府長官に申し上げたのであります。ぜひこれは、本当は当委員会、外務大臣、総理府長官一緒にいらっしゃればよかったのでありますが、きょうは外務大臣だけでありますので、このことについて外務大臣にもぜひ御認識をいただいて、地図のこともありますし、さらにまた地球儀というような問題もございますし、何もこのことだけではございませんが、そういう身近な問題についてもぜひひとつ積み上げていくような努力というものを外務省としても払っていただきたい。日本で言えば、国土地理院ですか、これに匹敵するような内務省の下部機関がアメリカにありまして、そこで国境の画定とか地図の製作等についての基本的な基準というものが定めもれて、それによってアメリカのこれらの会社がつくっているようであります。そういうことでありますから、日本のやはり立場をいろいろなお話し合いをする、そういうことについての認識というものがあればまたそういうことについての配慮が払われる、こういう面も十分にあるのではないかと思うのであります。このことについてはいままでもちょっと、先月ですか、総理府にもお話も申し上げたし、外務省でもお聞きになったかどうかわかりませんが、もし御検討なさったり、この問題についての何か御見解があればお話をいただきたいと思いますが……。
#37
○国務大臣(伊東正義君) いま藤原さんからおっしゃったこと、国会でそういう御注意もございましたので、早速私の方で、あれはたしかサンフランシスコ条約に署名した国々を相手にして大使館に連絡をしまして、地図等でそういう誤って書いてある地図があればそれを訂正してもらうということも、これはまあ一つの注意喚起の方法じゃないかということで早速照会をしまして、そういうところが出ているところにつきましては、それを訂正するようにというようなことを大使館を通じて訓令を出したことがつい最近ございます。詳しくは政府委員の方からお答え申し上げます。
#38
○政府委員(武藤利昭君) 外国で発行されました地図につきまして北方四島の部分をソ連領としか書いていないものもあるわけでございます。そのような地図につきましては、いま大臣から申し上げましたとおり、在外公館、大使館を通じまして日本の立場を説明いたしまして、この次、地図を再発行する場合には、このような日本の立場を考慮に入れるようにという申し入れをいたしまして、会社によりましては日本の立場はよくわかりましたと、この次改訂版を出すときにはそれを考えましょうと言っているところもあるわけでございます。大変、これは相手がそれぞれの国の地図を発行する民間の会社ということでもございまして、大使館としてはできるだけのことはいたす所存でございますが、必ずしも一〇〇%われわれの言うとおりになるかどうかはわからないわけでございますが、おっしゃいますとおり、この地図の記載ということも国際的な認識という点からいたしますと大事でございますので、今後時間をかけながらいま申し上げましたような努力は継続してまいりたいと、このように考えております。
#39
○藤原房雄君 まあ地球儀とか地図とか、ランド・マクナリー社というのは大体英語圏に出しているようでありますけれども、NASAとか国防省の基準に準じてつくられているということでありますから、これはいま一〇〇%とか何かお話がありましたけれども、いままで気を使っていなかったところに対して十分な配慮をするという、また今後努力するということにおいては重要なことだろうと思うのであります。世界の地球儀とか地図とかという、これはヨーロッパにおきましては、西ドイツとかスウェーデンとかフランスとか、こういうところでも輸出するといいますか、こういうものをつくっている有名なところがあるわけでありますから、やはりきめ細かに努力をする、ということで先月ですか、総理府総務長官には申し上げたのです。一部日本に入ってくる。一部といいますか、日本に輸入する際に、輸入会社が地図については添付書類をつけておりまして、これは外国製なるがゆえにこうなっているのだというそういっただし書きがついているのもあるのですね。あるというよりは日本の方に輸入になっているものは大体そういうふうにしているようでありますが、これは実は北方領土関係団体が申し入れをしてそういうふうにしたというのですね。やはり北方領土の関係団体というのは、そういうところまで気を使ってやっておるということで、これとタイアップして、それじゃこういう、小さいということでは決してないだろうと思うのでありますが、国内的なことについては文部省が目を光らしていろいろなことは御検討なさるのだろうと思いますけれども、外務省としても対外的なこと、または一生懸命関係団体がなさっていることについても、それぞれひとつ援助といいますか、力を尽くしていくのは当然のことだろうと私は思うのでありますけれども、今後ともそういう外務省としても御努力を払っていただきたい、援助をしていただきたい、こう思いますが、いかがでしょう。
#40
○国務大臣(伊東正義君) おっしゃるとおりでございまして、十分これからも気をつけてまいりたいと思います。
#41
○藤原房雄君 それからさっきお話がございましたが、日本商工会議所の永野会頭の、これは経済ベースから考えますとこういう考え方も出てくるのだろうと思いますが、政経一致、政教分離、こういうことがよく議論になるわけでありますが、領土問題というものは何といっても日ソ間の最大の重要課題であるという、この基本原則を崩してはならぬだろうと思います。
 で、現状として一ころとは大分また様子が変わってまいりましたので、お聞きをするのでありますが、現在日本が対ソ経済制裁をとっております問題ですね。現状はどうなっておるか。アメリカにおきましても穀物等については緩めるような方向を打ち出されておるようでありますけれども、そういう状況に伴いまして、今後また対ソ経済政策というものをどのようにいま検討なさっているのか、現状と今後の見通し、推移についてお伺いしたいと思うのであります。
#42
○国務大臣(伊東正義君) アフガニスタンに対する軍事介入、それから北方領土に対する軍備の増強というようなことを契機にしまして対ソ措置というものを考えましたのは御承知のとおりでございますが、いまやっておりますことは、非常に高度の技術を要する製品につきましては、これはココムの場で世界統一して共産圏への輸出ということを規制しておりますので、これは世界の場で相談をしておるわけでございます。
 それから日本とソ連の関係だけの問題につきましては、政府ベースの信用供与ということについては、これはケース・バイ・ケースで考えようということで、たとえば石炭とか、石油とか、天然ガスとか、森林開発とか、そういう双方にとって利益のあるものということにつきましては認めていこうというようなことで、ケース・パイ・ケースでひとつ物を考えようということを政府の信用供与の場合にはやっておるわけでございます。そのほかは、政府のいわゆるハイレベルの親善交流とか、そういうことはいまストップしているというのが現状でございます。
 いま先生おっしゃったアメリカの穀物の対ソ輸出禁止の問題でございますが、これはつい二日前のことでございまして、アメリカからはこういうことをするという事前の通告はあったわけでございますが、考え方については対ソのいわゆる経済措置といいますか、そういうものを特に緩めるということではない。あるいはソ連のアフガニスタン介入というものを認めるものではないというようなことを中で言ってきておるのでございます。日本としましては、日本の自主的な判断でいままでのような措置というものを考えている。第三世界に入るということはえらいことでございますし、日本の北方領土に軍備増強という特殊な事情もソ連との間ではございますので、日本がこれは自主的に、独自にどういうふうに考えたかということはこれからも協議をする必要があるのかもしれませんが、いまここでソ連の態度は何も変わっていないわけでございますので、日本のいわゆる措置というものをここで大きく変えるとか、そういうことは考えてはおらないというのが現状でございます。
#43
○藤原房雄君 時間もございませんので次に移りますが、過日、ソ連の太平洋艦隊の駆逐艦が青森沖の日本海で無通告で百ミリ砲の砲撃訓練を強行したという、そのときにはその沖近くに十数そうの操業中の漁船があったということで、私どもはこれは非常に重大なことだと思うのであります。公海上とは言いながら、無通告というのはちょっといままで慣例がないことでもありますし、このいきさつ等については新聞紙上で私どもは伺う範囲内のことでありますけれども、タス通信ではこれは通告したと言っておりますし、また日本では正式の通報がなかった、無通告なんだと、こういうことです。沖合いの、しかもこの好漁場というところで漁船が漁業しておるすぐそばということになりますと、これは非常に重大なことで、外務省としてもソ連に対しましていろいろな話し合いをしたり、または対処をなさったんだろうと思うのですけれども、この間の事情について、そしてまた現在外務省がとられた処置等について御報告をいただきたいと思います。
#44
○政府委員(武藤利昭君) 四月二十二日のソ連艦艇の射撃訓練でございますけれども、二十三日付のタス通信は事前通報したと言っているわけでございますが、この津軽半島沖合いでの射撃訓練に関しましては事前通報はなかったのでございます。その付近のソ連の射撃訓練に関する事前通報、これはソ連側の航行警報という形で出るわけでございますが、二件ございまして、一件は四月二十四日、二十五日及び予備日として二十六日にカムチャッカ半島の東南沖で射撃訓練をするという通告はあったわけでございますが、これは日付が違いますし、場所も違うわけでございます。それからもう一つの航行警報、これは四月二十一日から二十四日にかけての危険水域の設定でございますから、時期的には合うわけでございますが、これはまた場所が全然違いまして、沿海州の沖合いにおける射撃訓練についての通告ということでございまして、四月二十二日、津軽半島の沖合いで行われました射撃訓練に関しましては何らソ連側から事前通報がなかったというのが事実でございます。
 そこで、外務省の措置でございますけれども、この射撃訓練が行われました場所は、これは一応日本の領海十二海里の外でございますので、公海ということにはなるわけでございますけれども、日本の漁船が操業しているそのすぐ近くで射撃訓練を行ったというようなこと、これは従来ソ連がきちんきちんと事前の通告をしてまいったことから判断いたしましてきわめて理解に苦しむわけでございまして、なぜ今回そのような突如の射撃訓練を行ったかということにつきまして、われわれ自身理解に苦しむのでございます。そこで早速、二十二日でございますけれども、在京ソ連大使館員を外務省に呼びまして、事前通報はなかった、そのような日本のすぐ近くの沖合いで射撃訓練をやったというようなことはよく事情がわからぬ、なぜそういうことをしたのか釈明してほしいということを申し入れたわけでございます。それで、外務省に参りましたソ連の大使館員はもちろん事実関係は承知しておりませんでしたので、早速本国政府に照会するということを申して帰ったわけでございます。
 そこで、公海上で行われましたわけでございますので、国際法上の違反ということになるかどうかという、その辺の判断の問題がございます。抗議の対象になるかどうかというようなこともこれは判断しなければいけないわけでございますが、いずれにいたしましても大事なことは、なぜそのような射撃訓練が行われたかということについてのソ連側の真意を確かめることでございますので、まずそれをいまやっているということでございまして、ソ連側から回答がありました段階で、その後とるべき外交的措置については検討したい、このように考えているのが現状でございます。
#45
○藤原房雄君 非常にこれは、操業している漁船があるすぐそばでもあります。もう十マイルか二十マイルしか離れていないという、こういうところですから、どういう意図にあるのか返事がないということですけれども、二十二日にお話ししてまだ返事がないというのはどういうことなのかわかりませんが、これはひとつ、来るのを待っているということよりも、制裁とか法的に云々ということよりも、やはり安全操業という観点からこの問題についてはもっと積極的にお話し合いをしていただいて、再びこういうことのないように、起きたことについてはそれはどういうことなのかということの究明ということも必要かもしれませんが、それとともに、また再びこういうことの起きないような対ソ交渉というものをぜひ進めていただきたい、こう思うのですが、大臣どうでしょう。
#46
○国務大臣(伊東正義君) 当然でございまして、何ら通告なく、事前の連絡なしに近海で、日本の周辺でそういうことが行われるということは、船舶の安全航行とか漁業者の安全操業にこれは非常に危険なことがありますので、政府としましてもソ連側に十分その辺は伝えて、こういうことの二度と起こらぬようにという努力を当然すべきだと思っております。
#47
○政府委員(武藤利昭君) ちょっと失礼いたします、いまソ連側に申し入れましたのを、あるいは誤まって二十二日と申し上げた記憶もございますが、ソ連側に申し入れを行ったのは二十三日でございますので、訂正さしていただきます。
#48
○藤原房雄君 時間もありませんので最後になりますが、いま北方地域につきましては地域振興ということで取り組もうという、これは鈴木内閣としましてはこの地域を疲弊さしてはならぬ――昨年は非常に漁業の漁獲量が少なかったり、漁業が不振だったという、この地域にとりまして漁業不振というのは非常に大打撃であります。これはもう前々から私ども農林水産委員会や、また当委員会におきましても、この地域の振興策ということについて訴えもしましたし、政府もわずかながらではありますが予算をつけてやっているようでありますが、しかし何せ限られた地域のことであり、そしてまた非常に制約された中でのことでありますから、なかなかこの地域の振興というのはむずかしゅうございまして、これは各省庁が一つになりまして、そして開発庁が昔頭を取ってやろうということでありますから、私ども大いに期待をしておりますが、過日の委員会でもいろいろお尋ねしましたが、具体的なことについてはまだ決まってないようでありまして、いまいろいろ煮詰めているようであります。漁業というのはその年によりまして大きな波をかぶり、非常に不安定な一次産業ということでありますから、こういうことについては外務省はそれは所管事項でないと言うかもしれませんけれども、この地域の振興ということについては十分に配慮をし、また協力をいただきたいと思うのでありますが、それに伴いまして、地元では地方交付税等についてもぜひひとつ考えてもらいたいということがあるわけでありますが、これは歯舞につきましては根室市になっておりますから、この四島については道としましてはこれを交付税の対象になっているのですけれども、また歯舞島については根室市になっておりますから交付税の対象になっていますが、色丹とか国後とか択捉、この三島については交付すべき対象地域がないということで、町村段階では実際はないわけなんです。ここに関係する交付税も実は三島でおよそ六億三千万ぐらいになるのじゃないかというふうに言われているわけでありますが、このことについては、これは自治省に今後のことについてはいろいろな私どもも話し合いといいますか、しなければならぬと思っているのですが、外務省としましては、ソ連側が四六年に千島を行政区域に編入したそのときに、日本としましては何ら手を打たないといいますか、そのままにしてきたのでいまさらそういうことにするといろいろ支障があるのじゃないかという、外務省として非常に何かこの問題についてはかたいといいますか、渋い態度をとっているように私どもは見受けられる。これはいままで直接お話ししたこともございませんし、正式な見解を伺ったこともないのでありますけれども、地域振興という上からいきましてもこれはぜひ必要なことだろうと思います。何らかの施策、町村合併とか何かむずかしい条件がいろいろあるようでありますけれども、あるいはこの地域振興のためにいろいろなことがいま考えられて、地元としましてもこういうこともぜひ検討してもらいたいということが強く言われているわけです。外務省は、対外的な方面からの反響とか影響とかということを中心にお考えになるのでしょうけれども、ぜひひとつこれは国内的にも配慮をしなければならない重要な課題だと思うのですが、外務省としましてこの問題についてはどのように、いろいろ分析し、お考えになっていらっしゃるのだろうと思いますけれども、もしそういうお考えがあればお伺いしたいと思います。
#49
○政府委員(武藤利昭君) ただいまのお話、この問題そのものは自治省の所管でございますので、外務省の方からお答えすることは適当ではないと存ずるわけでございますが、ただ、外務省として対外的な説明という見地からの関心はあるわけでございます。
 それで、御指摘の三つの島でございますけれども、これは従来からもわが国の行政区域として存続してきたわけでございますので、いまお話のございましたような措置がとられるといたしますと、その趣旨は単にわが国の行政区域内における区画の変更ということに相なるかと存ずるわけでございまして、その点はしっかりしておくことが必要だろうというのが外務省として関心がある点でございます。従来、日本の行政区画の中になかったものを改めて日本の国内行政区画の中に入れるというような誤った説明が行われますと、これは対外的にもいろいろ波紋も呼ぶということでございますので、先ほども申し上げましたとおり、もしそのような措置をおとりになるとする場合には、あくまでもこれはわが国の行政区域の中における区画の変更ということをはっきりさせることが重要であろうと、そのように考えておる次第でございます。
#50
○立木洋君 大臣、先日の当委員会において外務省の所管事項を説明なさった中で、北方問題に関して、アフガニスタンにおけるソ連軍の軍事介入ですね、さらには北方におけるソ連の軍備増強また領土問題等々を取り上げられて、きわめて厳しい情勢にあるという御指摘があったと思うのですね。先ほども問題になりましたように、レーガン政権で今度対ソ穀物の輸出禁止を緩和するという措置が発表されたり、あるいはソ連の二十六回大会等々があったわけですが、こういう状況の中で、日本の政府としては対ソ関係の上でどういう基本姿勢をおとりになっていくのか、これが一つと、それから、当面日ソ関係を打開する打開策、当面の打開策としては何かお考えになっておられるのかどうか、この二点をまず最初にお伺いをしたいと思います。
#51
○国務大臣(伊東正義君) 二つお話しがございまして、一つは当面の問題と、それから当面打開策の糸口といいますか、何か考えるのかということが一つと、基本的に対ソ関係をどうしていくかというお話と二つあったわけでございますが、対ソ関係は、お話のようにアフガニスタン軍事介入、領土問題、軍備増強ということで厳しくなったということは私も国会で申し上げたのでございますが、それは、私はそのこと自体は全然変わっていないと思うわけでございます。しかし、ソ連というのはこれは隣国の大国でございますので、このソ連と恒久的な平和関係を維持していく、何も対決とか敵視とか、そういうことでなくて、そういう状態が来ることはこれは望ましいことでございますし、アメリカに行きましたときも、私は米ソというものの平和関係が維持できるということが世界の平和にとって大切だということも言って、米ソの話し合いということも私は日本としての意見を述べたわけでございまして、基本的には恒久的な平和関係が維持されることが望ましいということには変わりないわけでございます。しかし、国会で外交方針を述べましたときとソ連の態度には、演説その他はありましたが、現実の態度には何も変わりがないということでございますので、基本的には私はいまの対ソ関係というのは当分、ソ連が変わらぬ限り対抗は続けていくというのが考え方でございます。
 糸口の問題でございますが、私はソ連側が誠意のある態度をまずしてもらいたい、すべきだ、その上に立って話し合いの糸口を見つけるべきだということを申しておるのでございまして、誠意ある行動とは何だということでございますが、私の方から何もこうあるべきだということは言っておりませんが、領土問題が懸案事項になっているということを前提にした平和条約の交渉というようなことも一つの、そういうことをやろうじゃないかということも糸口かもしれませんし、私は、いろいろソ連側がどういうふうに考えられるかということで、私の方からこうしてください、こうすべきだと言うことは、それでないと誠意ある行動だとは言えないというような例示をして言うべきことじゃないと思っておりますが、原因がアフガニスタンに対する介入、あるいは北方領土への軍備増強ということでございますから、そういうことに前向きな行動がいろいろとられるということであれば、これは、そういうことが原因になったのでございますから糸口になることはこれは間違いないと、こういうふうに思っております。
#52
○立木洋君 アフガニスタンの事態が起こったとき、政府の方としては、先ほども述べられましたようにココムについてのいわゆる輸出規制を、これに対して協力的な態度をとっていくという点と、さらには人的あるいは経済面での交流ですね、これも慎重にして、あるいは高いレベルの人的な交流なんかについては規制する、規制するといいますか、そういうことは行わないとかいうふうな態度をとってきたと思うのですね。
 この点については、先日、アメリカの穀物輸出禁止を緩和するという問題に関連して宮澤さんが発言された中では、当面変わらないという、当面というふうな表現があるわけですが、いまの大臣のあれでは、アフガニスタンの状態が変わらない限り変わらないという述べ方をしているわけですが、アメリカの説明いかんということはこの対ソ関係の上で考慮に入るというふうに判断していいのでしょうか。
#53
○国務大臣(伊東正義君) 穀物禁輸に関係しまして宮澤長官が言われたというのは、私は御本人から意見を聞いておりませんので、ここではどういうことを言われたか意見を言うのを差し控えますが、アフガニスタンから撤兵しなければ絶対変わらないということを私は言っていないのです。北方領土の軍備増強の問題もあれば、アフガニスタンに介入したのだから、それに対して撤兵の明るい兆しといいますか、何かというものも一つの糸口であることは間違いありませ人と、こういうことを言ったわけでございますので、何がなければ絶対変わらぬのかと、こういう御質問でございますが、その点は私はいろいろあると思うのです。いろいろあると思うのでございまして、この間も実はポリャンスキーと話したとき、何か日本側から経済問題その他で提案はないのかというようなことを言ったときに、墓参の問題だとかコンブの問題とか、私は一つの例としてまずあんたの方が、信頼信頼と、こう言うなら、そういうことから解決すべきじゃないかというようなことを言ったことがございますが、今後の人的交流とかあるいは政府ベースの信用供与の問題とか、そういう問題につきましてこれから私どももやはりソ連の出方というものを見ながら検討していくということを考える必要があると思っております。ただ、アメリカの穀物の問題はアメリカも八百万トン輸出しているのです、もともとのベースの。その上は出さないと、こういうことを言っているわけなんで、全然穀物ゼロだったわけじゃないのです。八百万トンは従来からも出しておるわけでございます。でございますから、それにつけ加えてどうするかという問題の解除なのでございますが、日本は御承知のようにソ連とは穀物輸出はまあゼロでございますし、その辺のところをどういうふうに考えるかということにつきましては、あれはおとといの問題でございますので、もう少し様子を見ながら時間をかけて検討していきたいという考えでおります。
#54
○立木洋君 対ソ関係の問題に関して今度近く日米首脳会談が行われるわけですが、対ソ関係という問題に関して日本政府は日米首脳会談でどういうふうな姿勢で臨まれるのか、一部の新聞報道等によりますと、アメリカが現在行っている対ソ軍備増強といいますか、これについては評価をするという姿勢を日本政府としてはとるというふうなことも新聞に報道されているように見受けるわけですが、この点に関しては日米首脳会談で、つまり対ソ関係にどういうふうな立場で臨まれるのか、この点についての説明をお聞きしたいのですが。
#55
○国務大臣(伊東正義君) 私もこの間アメリカへ行きまして、世界情勢の認識の問題でございますとか対ソの話をいろいろ向こうからもありこっちも意見を述べたのでございますが、アメリカの基本的な考え方が、まず経済再建計画で自分の国を経済的に力強いものにするということをやり、その上で防衛費の増額を考えていく、それは主として東西関係の力のバランスということを考えて、これは将来、過去の傾向でいけばバランスが崩れるおそれがあるということで、それは力のバランスというものは保たなければいかぬということを言っておられるわけで、その点は日本としてもわかるということをこの間も私は言いました。ただ力のバランスだけではなくてやはり話し合いで平和を保つということも必要ではなかろうかという見地から、米ソの首脳会談でございますとかSALTの交渉でございますとかこういう話し合いということを呼びかけてありますし、ソ連から、日本としても、米ソがもしも全面的な対決をして核戦争になるということになったらこれはもう世界の破滅につながるようなことでございますので、米ソの平和関係が維持されることは日本としても非常に望ましいことなのだ、その意味で話し合いということが必要ではなかろうかという意見を言ったときに、アメリカ側はそれは話し合いの窓口はあけておくのだ、ただ、ソ連がいろいろ言うけれども、ソ連の行動というものをもっと、言われることと行動が違ってはこれはいかぬので、行動をもう少し見守って慎重に検討するのだということでございましたので、私どもとしましては米ソの力のバランスの問題とともに話し合いの窓をあけておいて、話し合いをして平和を保つということが必要だということを思っておりますので、私もそういうことを言ったのでございますので、総理も恐らくそういう意味のことを言われるのじゃなかろうかと私は思っております。
 もう一つは、ソ連が他国に軍事介入をするというようなことがあれば、これはそういうことをやればソ連も手痛いやけどを負うのだということがわかるように、西側としては十分に連絡協調をして、ソ連に対しての措置ということについては考える必要があるというふうな話し合いをしましたので、もしもそういうことがあれば日本側は西側の一員として十分協議協調をして行動する。その場合でも日本が特殊な事情、領土問題とか漁業問題とかいろいろあることはもちろんでございますが、そういうことを含めて特殊な問題があるということでございますから、十分連絡協調の上自主的な行動をとらなければならぬだろうというふうな話をしたわけでございます。
#56
○立木洋君 大臣がいまおっしゃったバランスという問題に関しては、私はまた異なった意見があるのですが、きょう時間がないのでそれについて申し上げることができないのは残念ですが、話し合いによって問題を解決していく。これは先般の外務省の所管事項の説明の中でも大臣が強調されている点だと思うのです、北方領土の問題等々。それで、力をいわゆる強調する、拡大するというふうな問題については非常に危険性を感じているので、改めてもう一遍念押しのためにお聞きしておきたいのですが、最近新聞でも出されておりますが、あした国防会議が開催されて五六中業が正式の計画に決定される、そして五六中業によって六十二年までにその中業つまり防衛計画大綱を達成するという方針を確定して、そういう方針で日米首脳会談に臨まれるというふうなことが述べられておりますが、これは事実なのでしょうか。またそれについては外務大臣はどのようにお考えになっているか。けさのNHKのニュース等々でも大臣のお顔を見てきたのですが、どのようにお考えになっているのか、その点ひとつ。
#57
○国務大臣(伊東正義君) あした国防会議があるということは承知しておりますが、議案の内容までは私ども承知しておりません。きょうたしか関係省の次官が集まってそういうことの相談があるということは私聞いておりますが、まだ具体的にぴしゃっとこうだということは私聞いていないわけでございますが、私はアメリカとの関係だけのことについてはある意見を持っているわけでございます。それは日米首脳会談というハイレベルで会談をされるのでございますから、まず一つは日米首脳が個人的にも非常に親しく関係が結ばれるということが非常に大切であり、一般的な国際情勢の認識あるいは二国間の経済問題でございますとか、あるいは文化の問題とか、技術の問題とか、政治の問題とか、防衛の問題とか、そういう問題を高い広い立場に立って相談をされる、意見の交換をされるということが大切だというふうに私は考えておりますので、首脳会談で具体的な数字が出たりあるいは何か具体的に特に防衛の問題で約束をするとか、そういうふうにとられることがあってはまずいのじゃなかろうか。数字等を出しますと、いままでの例もそうでございますが、数字が一人で歩くのです。数字が一人で歩くというようなことになるおそれがあり、また過剰な期待を与えるというようなことになってはまたまずいのでございます。できるものとできないものというのは総理はいつも言っておられる、はっきり総理は言う、こう言っておられますから、私はそういう態度で総理が首脳会談に臨まれるのはいいのではなかろうかというふうな意見を持っておることだけは確かでございますが、国防会議の議題、そこでどういう考えかというようなことにつきましては私はまだ議題そのものをはっきり伺っておりませんので、いまここで述べることは差し控えたい、こう思います。
#58
○立木洋君 最後に、七月のオタワ会議に向けての問題ですが、これについても政治サミットにするかどうかということで、つまり対ソ戦略の色彩がきわめて強くなるのではないかというようなことが述べられております。今度の日米首脳会談ではそういうサミットの問題に関して政治サミットにするというようなことが提起されるのかどうか、あるいはさらにはその後サミットの前に首相がヨーロッパ諸国を歴訪されるわけですが、これも、つまり政治サミットにするという考えを踏まえての歴訪なのかどうなのか、その点についての最後の見解をお伺いして、私の述べたいことは次の機会に述べさしていただきますが、きょうはお尋ねだけにして終わります。
#59
○国務大臣(伊東正義君) 七月のサミットはまだ議題が決まっておりませんので、どういう問題が議題になるかということについてはここでお答えする段階にないと思います。
 ただ、サミットはいままで国際経済が中心でございまして、金融の問題でございますとか貿易の問題あるいは南北問題とかそういうことが主になってやられてきて、それぞれのときに、ある解決のめどを出されたということで非常に有意義だったと思っております。去年ちょうどベニス・サミットが行われるときにアフガニスタンに対する軍事介入がございましたので、首脳間で意見の交換をされて、何も声明とか決議とかでなくて、地元のイタリアの首相がそのことについて内容を発表するというようなことがあったわけでございます。ことしのサミットがどうなるか議題が決まっておりませんのでここで申し上げかねますが、世界の首脳がお集まりになるのですから、やはり政治問題についての意見が出ることは、これは普通だと私は思っております。意見の出ない方が不自然で、出る方があたりまえだと思いますが、それがどういう問題であるか、あるいはどういう形でそれを外へ発表されるかというようなことは、これはこれからの問題でございますので、私はここで申し上げることを差し控えたいと思うわけでございますが、サミットというのは国際経済問題が中心になる、おそらく今後もそうじゃなかろうかという感じがいたします。
 ヨーロッパへ行かれますのはそういうことを相談に総理が行かれるということでなくて、サミットで集まられる首脳と事前に友好を温めておかれるということが一つの目的でございましょうし、あるいはおいでになれば当然日本とヨーロッパの貿易とか経済関係がこれはもう出るだろうと思われますし、ポーランドの情勢等も話し合いに出るということもこれは当然想像されることでございますが、オタワ・サミットをそういう政治サミットにするというような打ち合わせのために行かれるということでは全然ございませんので、その点だけははっきり申し上げておきます。
#60
○田英夫君 ソ連と北朝鮮との絡む問題を二つばかり伺いたいと思います。
 実は私、先日北朝鮮を訪問いたしましたが、その北朝鮮側との会談の中で、われわれの考えとして、ソ連のアフガニスタン侵攻はきわめて遺憾なことである、また日本の北方領土に基地を建設し占領していることは不当であるという見解を述べましたが、これに対して北朝鮮側は、自分たちの方からの発言の中では、ソ連に対する態度あるいは中国に対する態度を含めまして全く触れませんでした。で、われわれの質問に答える形で中ソいわゆる等距離論を展開いたしました。私の認識では、数年前までは北朝鮮側はいわゆる中国の言う覇権主義に当たる言葉と思いますが、支配主義という言葉を使って、間接的ながらソ連を批判すると思える発言をしていたと思いますが、今回はそうした言葉は全くあらわれませんでしたし、まさに中ソ等距離論ということを非常に慎重な発言の中で展開をしていたのでありますが、外務省は、この北朝鮮とソ連との関係というものを現在どういうふうにお考えになっていらっしゃるか、伺いたいと思います。
#61
○国務大臣(伊東正義君) いま田さんお述べになりましたが、私どもも北朝鮮のことでございますから、北朝鮮がどう考えているということを論評する立場にはないわけでございますが、私ども従来から見ておりますのは、やはり等距離論というのは考えられることじゃなかろうかと。中国に日中議員連盟の人がおいでになったことがございますので、中国の考え等もいろいろ承ったり何かしておるのでございますが、等距離論ということが現実じゃなかろうかというふうに私ども考えております。
#62
○田英夫君 言うまでもなく、ソ連、中国そして朝鮮半島との関係というのはわれわれにとってきわめて重要であるということで伺うわけですけれども、いずれ、もう少し時間がありましたら、外務委員会等でも意見を述べ合いたいと思いますが、いささか気になりますのは、私は、北朝鮮が非同盟諸国会議に参加をするという形でソ連ともある程度の距離を置くという姿勢をむしろとり続けてきたと思いますし、現在ももちろん非同盟諸国会議にきわめて熱心に参加をしているわけでありますが、最近の北朝鮮を訪問する各国代表団などを見ておりますと、その非同盟諸国会議の特にアフリカの発展途上国の代表団が非常に目につくのであります。そういう中にはもちろんキューバを含めましてソ連との関係がきわめて密接な国々がかなりあるということの中で、一時、中ソの間でどちらかと言えば中国に七、三ないしは六、四ぐらいの形で等距離ではなくなっていた北朝鮮が、最近ややソ連に傾いてきたというような印象を持ちましたのでいま伺いました。この点は短時間でお話し合いをできる問題でもないと思いますので、きょうはこの当委員会で直接の問題でもありませんしこの程度でとどめますけれども、この点はぜひまた外務省でも御検討をいただきたいと思います。
 もう一つ、これは具体的な問題でありますけれども、いわゆる二百海里時代になりましてから、日本の漁業のきわめて困難な状態がいろいろな面で起こっているわけでありますが、日本の、特に日本人の食糧としてスケソウが水産加工品の原料としてきわめて重要であるというにもかかわらず、この二百海里の影響で漁獲量が減るとこういう状況で、ソ連あるいはその他の国でとれるものを日本に輸入するというような問題も出てきている。日本の漁民の皆さんを保護するという立場から非常に重要な問題と思いますけれども、北朝鮮とソ連という関係で実は一つ伺いたいのは、北朝鮮は御存じのとおり漁業はきわめて小規模であって、沿岸漁業にプラスわずかな船を出しているというにすぎないようでありますけれども、最近北朝鮮側が二百海里で余ったといいましょうか、日本の百トンから二百トン程度の漁船の提供を受けられないだろうか、それによってスケソウをとって、北朝鮮で消化し切れない分を日本に輸出することもやぶさかではないということをきわめて非公式に表明してきております。そういう場合に、私の承知している限りでは、同じようなことが韓国に対して日本の漁船が、これは民間の商業ベースでしょうけれども、提供をされたという結果、日本の北方の漁民の皆さんにかなりの影響を与えている。現に先日釧路へ参りましたら、釧路近海でも日本から提供した韓国漁船が問題を起こして、いま現地の漁業の関係の皆さんの間では大きな関心を集めているというようなことがありましたから、慎重でなければならないことは十分にわかりますけれども、日本の加工業者にとってはプラスである。一方でソ連からもスケソウの提供を非公式に申し出ているという話も聞くのでありますが、水産庁の方おいででしたら。この辺のことをちょっと御説明いただきたいと思います。
#63
○説明員(茶谷肇君) 水産庁でございますけれども、漁船の輸出につきましては、先生いま御指摘ございましたように、影響が余り日本の漁民に及ばないように十分配慮をいたしながら一定の条件のもとで漁船の輸出は認めているわけでございます。
 それから、スケトウダラにつきましては、これにつきましても、日本の零細な漁民に大きな影響を及ぼすというようなことがないように配慮をしながら、たとえば、冷凍のスケトウダラ、そういったものにつきましては、一定の数量のもとであれば輸入は認めているわけでございますし、また加工業者のためのすり身の原料でございますけれども、そういったものにつきましても洋上で加工する、そういったものにつきましては認めているわけでございますけれども、ただ、なかなか北朝鮮の場合は数量がまとまるとか、あるいは品質の点あるいは価格の問題でございますけれども、そういったようなもので、なかなか交渉がまとまらないというようなことがあるというふうに聞いております。
#64
○田英夫君 これも、短時間で、こういう委員会の席で話ができる問題ではないと思いますけれども、先日の予算委員会で鈴木総理から南北朝鮮の問題についての御答弁の中で、北朝鮮との関係は、人的、文化的な交流、あるいは経済的な関係を深める、強化するということを方針としていきたいというお話もありましたし、北朝鮮側も、いまほとんど日本との貿易では北朝鮮側の方が半分の入超といいますかね、向こう側から言えば、そういう形で、もっと自分の方から日本側に出すものを拡大したいということを希望していて、その一つのアイデアとしてこういう考え方が出てきているのだと思います。いまの御答弁のとおり、日本の漁民の皆さんに迷惑がかからないということがまず第一の条件だと私も思いますから、この点については、いわゆる民間協定という形にならざるを得ないと思いますが、水産庁の方でも、われわれがもっと詳しくお話しできますので御検討いただきたい。また、漁船の問題も、日本の漁民の皆さんはむしろ向こうに提供するという形でプラスになることもあり得るというふうに私はいま思いますけれども、この点も専門の皆さんに御検討いただかなければなりませんが、ぜひこの北朝鮮との関係を御検討いただきたいと思います。
 同時に、これは外務大臣おいでですから申し上げますけれども、ソ連との関係をどうするかということにも触れてくると思うのですね。つまり、ソ連側はソ連から日本に魚を提供するという形の中で一つの道を開こうと考えているやに思いますけれども、それと北朝鮮とのかかわり合いというような問題は、外務省は一つの外交としての御配慮が必要かと思いますので、あえていま申し上げました。
 大臣、いかがでしょうか。
#65
○国務大臣(伊東正義君) 私、まだソ連から魚を入れて何かそれが一つの糸口というようなことを具体的に存じませんので、それと今度は北朝鮮からの、北からの魚の問題――先生おっしゃることは競合の問題だと思いますが、具体的にまだそこまで私話があるということを聞いておりませんが、もう少し調べさしていただきまして検討してみたいと思います。
#66
○田英夫君 終わります。
#67
○喜屋武眞榮君 私は、時間の都合で北方問題に触れ得ないことを大変遺徳に思っております。
 それで、大臣の所信表明を読ましていただき、また最近における日本の周辺の情勢とをにらみ合わせて大臣にお尋ねしたいことは、大臣は沖縄に対する理解にずれがあるという一点と、それから対米姿勢に対して私は疑問を持つ、この二つの点から申し上げたいと思います。
 大臣は、安保に基づく米軍がわが国と極東の平和と安全に寄与しておる、こう述べておられます。日本の安全に寄与しているはずの米軍が例の原潜の最近の事故、何らの救助活動もしていない、事故の通報さえも三十五時間後になしておる。この事実を外務省はどう考えておるのか、当時から今日までどのような対処をして。こられたか、こういった疑問を持つものです。
 その原潜は、在日米軍基地から発進した対潜哨戒機P3Cですね。オライオンと共同訓練をしておると聞いています。その原潜は核装備の原潜と言われておるのが常識であります。P3Cはどこの基地から発進したのであるか、それを把握しておられるのであるかどうか、こういった点に非常に大きな疑問を持つものでありますが、一問一問お尋ねし御返事もいただきたいのですが、一応疑問点を述べまして、後でまたもう一点申し上げたいのであります。
 このような原潜がわが国の領海内を通過しておるのかいないのかということについての実態の把握はどうなっておるのであるか。ということは、その実態によっては当然事前協議の問題あるいは非核三原則との関係が出てくるわけであります。
 次に、原潜はソ連側の人工衛星や艦船、航空機などにその位置を知られることを恐れて、それを避けるために現場を離れだということも聞かされておりますが、このことから感じ取ることは軍事目的のためには一般民間人の人命は問題にしない軍隊の性格がよくあらわれておるのではないか、これでも米軍はわが国の安全に寄与しておると、こう言えるだろうかという疑問を持つものであります。
 次に、外務省は沖縄基地に対して整理統合を求める県民の声が強いことは十分承知しておると。基地の整理ということについては沖縄県民は基地の整理統合を求めておるのではありません。基地の整理縮小であります。そうして、その整理緒小は行く行くは沖縄から最終的には基地をなくしていくという基地の撤廃であります。ここにも認識の違いがあります。それから、安保条約の目的達成との調整を図りつつ県民の要望にこたえると、こう表現されております。このことからも、県民や国民の声よりも安保優先という政府の姿勢がよくあらわれておると私は思っております。これで一体いいのであるか。そして次に、沖縄の米軍施設地域の整理統合計画については、今日まで相当程度が実施されてきたと、こううたわれておるのでありますが、県民要求に沿った基地の整理統合が一体どこにあるかということなのです。ずばり言いますならば、県民要求に沿った基地の返還はないということなんであります。返還個所もすべて、米軍の都合次第に、しかも細切れで使いものにならぬ状態の中で開放されてきたというのが今日までの実情であります。米軍が用がなくなったときに返しておるという、こういうことがその実情であります。そこで、沖縄基地機能はいま再編強化されつつある。で、基地の長期安定使用と戦略的位置づけ、運用問題等が新たに日米間でいま話し合われつつあると理解しております。こういう状態ではありませんか。これをいかにも国民の生命、財産あるいは県民の生命、財産、こういうことを言われたときに、私はそれに抵抗を感ずるわけであります。その外務省のこういった対米姿勢を問題にしながら、私はいままで申し上げた中にも御返事をいただきたいことがたくさんありますが、一応質問の問題点は四つにしぼります。
 第一点は、沖縄はこれまで日米両政府によって軍事上のかなめとして位置づけられてきましたが、大臣は沖縄をどう位置づけておられるのかというこれが第一点。
 次に、米軍基地の整理緒小についてどのような施策を持っておられるかということなのです。さきの私の申した実情も受けて御答弁いただきたい。
 第三点は、国民の生命、財産を守る立場から、今回の原潜事故に対し、日米首脳会談前にもし事故の解明がなされない場合には、この問題を当然日米首脳会談で取り上げていただくべきだと思うのですが、いかがでしょうかということ。取り上げてもらえるかどうかということ。
 第四点は、今回の原潜事故とも関連しまして、わが国の非核三原則について改めてアメリカ側に申し入れる用意がありますか、ありませんかということなのです。よく非核三原則と言われますけれども、これは国内における非核三原則、対外的、国際的には非核三原則は通用しないということも聞かされておるからであります。以上一応申し上げまして、大臣の御所見を賜りたいと思います。
#68
○国務大臣(伊東正義君) いま四つにしぼってお話がございましたが、沖縄の位置づけの問題でございますが、沖縄返還なりましてから沖縄の振興でございますとか、沖縄開発庁の設置とか、政府としましては沖縄の開発と経済安定というために努力をしておりますことは御承知のとおりでございますが、今後ともこの点は私は積極的にやっていくべきだというふうに考えております。特に先生おっしゃったように、沖縄につきましては基地施設がほかの県と違いまして非常に多い、密度が高いことはもう確かでございまして、これが片方で日本の安全を守るという大きな目的と、民生の安定ということの調整につきまして、非常に大きな問題があるわけでございますので、今後ともその基地の問題、施設の問題と民生の安定とどういうふうに両立させていくのかということを念頭に置いて、政府は十分な経済対策とかそのほかの対策を立てなければならぬと思うわけでございます。実は私も国会中に一回沖縄に参りまして、この目で基地の状況あるいは現地の人々の意見等も聞いてまいる、国会中に行ってまいるつもりで計画をしています。沖縄の方々が非常に苦労しておられるということはよく承知しておるつもりでございます。
 それから、基地縮小の計画につきましては、これは施設庁なりあるいは政府委員の方からお答えしますので、お許しを願います。
 それから事故解明、原潜の問題でございますが、これはアメリカに申し入れをしまして、事故の再発防止という意味からどうしてこういう事故が起こったのか、通報がなぜおくれたかあるいは衝突の後の人命の救助ということをどういうふうにやったのかということは、国民がいままでのところでは疑問に持つ点が多い、なるべく早くこの点を解明して、真相を報告してもらいたい。それからあわせて事後処置、損失補償でございますとか、そういうことは十分やってもらって、日米の信頼関係に傷がつかぬようにすべきだということを実は何回も向こうへ申し入れをしたのでございます。今週も私はまた大使とやりますが、向こうはレーガン大統領から総理あての親書が来まして、自分としてもこの問題については非常に遺憾に思っておるし、大きな関心を持っている。ついては首脳会談の前に双方で、必要な十分なことが果たせるような事態の進展があることを期待しているというような大統領から親書が来たわけでございます。それで私どもは大統領が親書をよこすと、その中にいま申し上げたようなことが書いてありますので、アメリカ側も誠意をもってこれに取り組むだろうということを評価しながら、首脳会談の前にある程度のことがわかる、損失補償の準備が進むというようなことになることを、心から期待をしているところでございます。これは先生おっしゃったように首脳会談の前に何にもわからぬということであれば、国民は政府は一体何をしているのだろうかというような不信感が出てき、それがひいては日米間の信頼関係も損なうということになりますので、何としても事前にある程度わかるようにということを督促しているというのが現状でございまして、何にもなければ総理も向こうへ行かれた場合にどうなっているかということは、当然言われると私は思っておるわけでございます。
 それから、非核三原則の問題でございますが、これは先般の太平洋軍司令官のロング大将に私会いましたときも、このことを向こうに話したわけでございます。そのときロング司令官もアメリカとしては非核三原則は今後も尊重する、従来もそうであったが今後も尊重するということをみんなの前ではっきり言っておったわけでございますので、これはアメリカへ行きましたら、この問題がどういうふうに進展しているかは別でございますが、ヘイグ長官等に私はまた会って話しますから、当然、その問題ははっきり話すつもりでございます。
#69
○喜屋武眞榮君 建設省見えていますか。簡単に申し上げます、時間が迫りましたので。
 沖縄復帰十年を迎えまして、社会資本の道路、港湾、空港、これが整備しておることは、これは何人も認めるところであります。ところが、国道の現状が、沖縄における国道がどう整備されておるか。それから買い上げの問題がどういう状態にいま買い上げられておるか、このことも聞きたいのですが、これはもう後に回しまして私が急ぎたいことは、これをお見せしますのは、(地図を示す)ことしから中城湾港の開発が大きなプロジェクトが始まります。それからこの黒い部分が国体の主会場になるのであります。その二つを踏まえた場合に、この赤い線が国道の三百二十九号線ですが、どうしてもこれを早急に整備しなければこの開発事業に大きな支障を来すわけであります。交通網がますます混乱、混迷を来すわけであります。それでそのことに関連しまして、実は私がすぐ手を打ってもらいたいのは、三百二十九号線は四車線になっております。この国体主会場の近くに高原自動車整備工場という工場がありますが、復帰十年にもなるのにこの四車線がこういうかっこうになってこの一線がここでこれにはさまれて、これは二車線ですね、ここがちょうどカープに、下り坂になっているのです。ここが事故のもと、安全の面からも、ということで、三年前に私はこれを指摘している。これはガードレールは敷いてもらっておるのです。ところがいまだに放置されておるのです。大変なことであります。復帰十年にもなって国道の整備さえもまだこういう状態である。このままでいくというと、このプロジェクトの中城湾開発、それから国体主会場の整備、ますます支障を来して不安、危険きわまりない状況になります。これをいち早く完全に四車線としての整備をしてもらいたい、安全な整備をしてもらいたいと思うのですが、ひとつ明確に答えてもらいたい。いつまでにこれを解決するか。そうしませんと、この作業に大きな支障を来す。以上、お尋ねします。
#70
○説明員(田中淳七郎君) 国道三百二十九号線につきましては、いま先生具体的に御指摘の個所については今後調査いたしますけれども、現在のところ一応整備率と申しますか、舗装率、改良率が一〇〇%でございます、先生御案内のように。名護市から東海岸を通りまして那覇市へ行く線でございます。いま先生御指摘の具体的な個所は、私不勉強でちょっとよくわからないのでございますが、何というところでございますか。恐縮でございますが。
#71
○喜屋武眞榮君 これ、与那原から三百二十九号線ですね……。
#72
○説明員(田中淳七郎君) じゃ先生、早速地名を調べまして具体的に御返答申し上げたいと思いますが、ちょっと場所がわかりませんので。
 それから御指摘の国体は昭和六十二年でございます。それから中城湾の開発計画はことしから実施測量に入って六十五年に完成と聞いておりますので、具体的に場所さえわかりましたら、それまでに何とか解決するよう努力したいと思います。
#73
○委員長(上田稔君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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