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1980/03/18 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号
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1980/03/18 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号

#1
第094回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号
昭和五十六年三月十八日(水曜日)
   午前十時三十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鳩山威一郎君
    理 事
                中西 一郎君
                松浦  功君
                小谷  守君
                多田 省吾君
    委 員
                小澤 太郎君
                金丸 三郎君
                田中 正巳君
                名尾 良孝君
                中村 禎二君
                降矢 敬義君
                円山 雅也君
                片山 甚市君
                福間 知之君
                大川 清幸君
                山中 郁子君
                栗林 卓司君
                野末 陳平君
   衆議院議員
       発  議  者  片岡 清一君
       発  議  者  後藤田正晴君
   国務大臣
       自 治 大 臣  安孫子藤吉君
   政府委員
       自治省行政局選
       挙部長      大林 勝臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第二課長    漆間 英治君
       自治省行政局選
       挙部選挙課長   岩田  脩君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鳩山威一郎君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 この際、安孫子自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。安孫子自治大臣。
#3
○国務大臣(安孫子藤吉君) ごあいさつを申し上げます。
 このたび自治大臣に就任いたしました安孫子藤吉でございます。大変時期がおくれて失礼をいたしておりまするが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 私の敬愛する石破前自治大臣が入院加療のために大臣を辞任せられましたことは、われわれにとりましてまことに残念でございまするか、前大臣には一日も早く快癒され、再び国政の場におきまして敏腕をふるわれることを願ってやまない次第であります。
 選挙の関係につきましては、平素から委員各位には格別の御高配にあずかり、厚く御礼を申し上げます。申すまでもございませんが、選挙は民主政治の基盤をなすものでございます。民主政治の健全なる発展のためには、常に国民の政治意識の涵養に努めますとともに、公正かつ明るい選挙の実現に積極的に努力してまいらなければならないと存じております。私といたしましては、その責任の重要さを痛感いたしまして、最大の努力を傾けてまいる考えでございまするので、どうぞ御指導、御協力のほどをよろしくお願いを申し上げてごあいさつといたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(鳩山威一郎君) 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、発議者衆議院議員片岡清一君から趣旨説明を聴取いたします。片岡清一君。
#5
○衆議院議員(片岡清一君) ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由と内容の概略を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近の選挙の実情にかんがみ、選挙の公正を確保し、あわせて金のかからない選挙の実現に資する等のため、選挙事務所の移動の制限、任意制ポスター掲示場の拡充、後援団体等の政治活動のために使用する文書図画の掲示の制限の強化、選挙の期間中における政党その他の政治団体の政治活動の規制の適正化並びに連座制の強化を図るとともに、選挙人名簿登録の制度の改善その他所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。
 第一は、選挙事務所の頻繁な移動が選挙に金がかかる等の弊害の一因ともなっていることから、選挙事務所ごとに、一日につき一回を超えて移動することができないことといたしました。
 第二は、後援団体の立て札、看板や、公職の候捕者等あるいは後援団体の事務所・連絡所等を表示するポスターがはんらんし、批判を招いておる実情にかんがみ、後援団体が政治活動のために使用する事務所において掲示することができる立て札及び看板の類の数は、同一の公職の候補者等に係る後援団体を通じて政令で定める総数の範囲内とすることとし、また、公職の候補者等の氏名等または後援団体の名称を表示するポスターで、当該公職の候補者等もしくは後援団体の政治活動のために使用する事務所もしくは連絡所を表示しまたは後援団体の構成員であることを表示するためのものは、掲示できないことといたしました。
 第三は、都道府県の議会の議員、市町村の議会の議員及び市町村長の選挙における任意制ポスター掲示場制度の改善についてであります、これらの選挙については、従来の任意制ポスター掲示場制度による場合のほか、都道府県または市町村が条例で定めるところにより、義務制ポスター掲示場の場合と同様に、一投票区につき五カ所以上十カ所以内において政令で定めるところにより算定した数のポスターの掲示場を設けた場合には、選挙運動のためのポスターは、当該掲示場ごとに公職の候補者一人につきそれぞれ一枚を限り掲示するほかは、掲示することができないこととする制度を新設し、従来の制度との選択ができることといたしました。
 第四は、選挙運動のための街頭演説をする者及び街頭政談演説を開催する確認団体は、長時間にわたり同一の場所にとどまってすることのないように努めなければならないことといたしました。
 第五は、政党その他の政治活動を行う団体の自動車及び拡声機の規制についてでありますが、選挙時に機関紙誌の普及宣伝のためとして多くの自動車が使用され、また拡声機による宣伝告知が行われていることが、選挙の公正を害すると同時に騒音公害とも言われている現状にかんがみ、政党その他の政治活動を行う団体が自動車を使用して行う機関紙誌の普及宣伝については、確認団体が政策の普及宣伝及び演説の告知のために使用することができる自動車を使用して行う場合のほかは、これをすることができないこととし、また、政策の普及宣伝及び演説の告知のための拡声機の使用については、機関紙誌の普及宣伝をする場合を含め、確認団体が、政談演説会の会場、街頭政談演説または政談演説の場所並びに政策の普及宣伝及び演説の告知のために使用することができる自動車の上においてする場合のほかは、これをすることができないことといたしました。
 第六は、連座制の強化についてであります。現行の親族連座は、公職の候捕者と同居している父母、配偶者、子または兄弟姉妹をその対象といたしておりますが、同居していない場合でしあっても、これらの者が、候補者等ど意思を通じて選挙運動をし、買収及び利害誘導罪等の罪を犯したため禁錮以上の刑に処せられ、刑の執行猶予の言い渡しを受けなかったときは、当該当選人の当選は無効とすることといたしました。
 第七は、選挙人名簿の登録制度の改善についてであります。現在、九月十一日から十月十日までの間に投票日のある選挙を行う場合においては、九月十日に定時登録が行われた直後でもあり、選挙事務のふくそう期に登録を行うことによる名簿の正確性を損なうおそれを避ける趣旨から選挙時登録は行わないことといたしておりますが、市町村選挙管理委員会の登録事務の改善合理化が進んできている現状から、できるだけ多くの有権者を登録するという要請にこたえるため、選挙が行われる場合には必ず選挙時登録を行わなければならないこととし、あわせて、これに伴う所要の改正をすることといたしました。
 最後に、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することといたしております。
 以上がこの法律案の要旨であります。なお、本案に対する衆議院における修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 本修正は、選挙期間中における政党等の自動車による政策の普及宣伝活動等に資するため、確認団体が政策の普及宣伝及び演説の告知のために使用することができる自動車の台数を、現行のおおむね二倍程度に増加するものでありまして、その台数につきましては、衆議院議員の総選挙においては六台以内、所属候補者が二十五人を超える場合には、五人を増すごとに一台をこれに加えた台数以内に、参議院議員の通常選挙においては六台以内、所属候補者が十人を超える場合には、五人を増すごとに一台をこれに加えた台数以内に、都道府県及び指定都市の議会の議員の一般選挙においては一台、所属候補者が三人を超える場合には、五人を増すごとに一台をこれに加えた台数以内にそれぞれ改めるものであります。
 以上が修正の概要であります。
 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#6
○委員長(鳩山威一郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○片山甚市君 ただいま片岡先生から御提案がありました本法改正に当たりまして、若干の質疑を行いたいと思います。
 安孫子大臣がただいまおられませんから、大臣に対する質問事項は後に回しまして、本法案に関する諸問題についてとりあえずお聞きをしたいと思いますから、お答えを願いたいと存じます。
 御承知のように、都道府県選挙管理委員会連合会及び全国市区選挙管理委員会連合会から要望書が出されておりますが、それはどのように措置をされてきたのかお答えを願いたいと思います。
#8
○衆議院議員(片岡清一君) 都道府県の選挙管理委員会からいろいろ要望が出されておりますが、それらの中には非常に従来からいろいろ問題になっておりました点が指摘せられておりますわけでございます。それらの問題を党においていろいろ検討いたしまして、そして次のような事項を取り入れることに意見が一致いたした次第でございまして、御提案申し上げた次第でございます。
 その一つは選挙登録の問題でございます。
 先ほど提案理由の御説明を申し上げましたとおり、九月十一日から十月十日の間に選挙が行われます場合及び選挙の期日前一カ月以内に選挙時登録が行われました場合には、いままで選挙時登録が行われていなかったんでございますが、それもひとつ選挙時登録を実施することにするという案を取り入れた次第でございます。
 それから、次は後援団体の政治活動用の立て札、看板の総数規制の問題でございます。また、政治活動用のステッカーの規制等につきましても意見が出ておりますので、これが余りはんらんし過ぎていろいろ弊害を生じておる、そして、金のかかる選挙になっておる。そういう点で、今回これを規制する案を取り入れた次第でございます。
 それから第三には、機関紙誌の拡販車、ハンドマイクの規制等でございまして、これらは騒音公害その他の立場からいろいろ意見が出ておりましたので、これを取り入れて、これらの規制を意図した次第でございます。
 もちろん要望はその他多岐にわたっておりまして、まだ実現を必要とするものが数々あると存じますが、引き続き今後とも研究をいたしまして、皆さん労相互に意見の交換をしながら、機会をとらえて要望が実現するように今後とも努力をしていきたいと、かように存じておる次第であります。
#9
○片山甚市君 ただいま御答弁を聞きますと、制限をすることには非常に熱心でありますが、たとえば都道府県選挙管理委員会連合会の文書の十六ページにございますように、「戸別訪問は、人数および時間等の制限をして、自由にできるように改正すること。」、理由としては、「候補者等の人格、識見等を知り、または知らせるためには良い機会であり、その弊害は適当な制限と選挙人の自覚により除去さるべきである。また、一般にも禁止を解除すべしとの要望が強い。」というように言われておるんですが、これをお取り上げになってない。これは私の方の党も戸別訪問の自由について選挙の基本的な問題として取り上げてきましたが、これが今回何ら取り上げられなかったということについて、非常に残念に思います。その間の御討議の内容がありましたら、お知らせ願いたいと思います。
#10
○衆議院議員(片岡清一君) ただいま戸別訪問の問題について御意見がございましたが、われわれもこの戸別訪問を自由にすべきであるという強い御意見、世論といいますか、そういう意見については十分耳を傾けて、これの選択について議論をいたし、研究をいたしたのでございます。ところが、この戸別訪問禁止は、わが国の長い選挙制度の歴史から言いましても、なかなかこれを自由にするということにはかなり問題がある。ことに戸別訪問がもし自由になるとすれば、これが選挙の一番主体をなすようなことになる可能性がある。そういたしますと、これはかえって選挙民自体にも非常に御迷惑をかけることとなるし、また場合によってはこれを大きな計画のもとに動員をされるというようなことになりますと、かえってそれが金のかからない選挙に逆行する結果になる。こういうようなこと等を考え、また今日相当選挙違反については改善をせられつつありますけれども、やはりこれらの戸別訪問が買収、供応その他に結びつく可能性もなきにしもあらず。そういう点でさらにさらに十分慎重な検討を要する、こういうことで今回はこれを取り上げなかった次第でございます。
 さらに、その他今回は制限が多くて選挙の自由ということに余り考慮が払われていないではないかという御意見でございますが、選挙はやはりあくまで自由濶達に行わるべきものでございますけれども、しかし同時に、やはりこれが国民の福祉あるいは公共の福祉にも沿ったものでなければならぬ。騒音公害でありますとか、美観を損ねるとか、いろいろな点で国民生活に関係のある点については、十分な配慮を加えていかなければならない、かような立場から、先ほど提案理由の御説明で申し上げましたような配慮のもとに、いろんな規制をやむを得ないものとして考えた次第でございます。その点御理解を賜りたいと存じます。
#11
○片山甚市君 その次に、「違憲訴訟等選挙の規定自体の不法達法を請求の原因とする争訟は、選挙の効力に関する争訟の対象外とするか、または被告を自治大臣とすること。」というふうに要請がありますが、選挙管理委員会が被告になっておるんですが、それを改めてもらいたいということについては、どういう御討議をいただきましたか。
#12
○衆議院議員(後藤田正晴君) 従来の選挙訴訟、御質問のように選挙管理委員会を相手にして公選法二百四条によって訴えられておるのが現状でございます。ところが、選挙管理委員会というのは適法な選挙法に従って手続を進めて、その手続に大きな瑕疵があって選挙の結果に影響を及ぼしておるといったようなときに、その救済規定として二百四条を規定をしてあるわけでございます。したがって、その場合には選挙管理委民会としても適格要件があるわけでございますが、今日の選挙の憲法違反についての訴えというのはそういうことではなくて、選挙法自体が違憲であるということを訴えているわけでございます。その際に、選挙管理委員会に果たして当事者能力があるのかないのかということで、選挙管理委員会としては大変疑問に思っておるわけでございます。自分たちは適法な選挙法を前提にして選挙の手続をやっておるんだ、ところが選挙法自体が憲法違反だと言ってわれわれを選挙の当事者とせられることは迷惑だと、こういうことでそういう御意見が出てきておると思います。
 この点はまさに最高裁判所は従来二百四条による違憲訴訟を取り上げておりますから、それについて私自身は意見を持っております、二百四条による訴訟を、適法な訴訟の手続であるという前提に立っての訴訟についてはこれはおかしいと。そこで、従来から高裁等での判決があった場合には、二百四条による違憲訴訟の取り上げ方は、これはぐあいが悪いということでいつも選挙管理委員会としては上告をしておるといったようなことでございます。昨年の暮れの東京高裁の判決等についても同じような理由で上告をしております。したがって、選挙管理委員会がそのようなことを訴えてこられるのは当然のことであろうと思います。
 そこで、これをどう考えていくかということになりますと、多くあるのは損害賠償であるとかいろんな訴えがありますが、それは裁判所取り上げておりませんが、定数是正の点については二百四条の訴えを取り上げておるんですが、こういうことについては、私は本来はああいった訴訟は司法の判断にはなじまない、これはやっぱり立法府の責任だと。立法府はやはり各党間でよく話し合いを遂げて、そして定数に仮にふぐあいがあるとするならば、それは国会みずからの手によって解決していくべき筋合いのものではなかろうかなと、かように私自身は考えておるようなわけでございます。
#13
○片山甚市君 いまの答弁について後から関連します定数是正については御質問いたすといたしまして、とにもかくにも、選挙管理委員会がこのような裁判をやる被告側に立つことについてはなじまない、こう言っておるんでありますから、真剣に自分のこととして考えてもらいたい。選挙管理委員会は任命をしてやってもらっておるんでありますから、御苦労さんと言ってもいいけれども、それは裁判のところに立たすべきものではない、こういうように考えます。
 以下、改正案について具体的な問題について御質問したいんですが、後援団体等の事務所の立て札、看板類等の総数について、各党間での話し合いは進んでいるのか。政令を定めるに至るまでのプロセス、その内容はどのような手順を踏まれるのか御説明を願いたいと思います。
#14
○衆議院議員(片岡清一君) 立て札、看板の類の制限につきましては、衆議院の審議の段階でいろいろ御審議、御意見があったわけでございます。御承知のように、従来は一つの事務所あるいは後援会連絡所それぞれ十本以内ということで制限をいたしておりましたが、その連絡所ないし後援会の事務所、そういうものについての数が総体的に規制せられておりませんでしたために、非常にはんらんをいたしたわけでございます。これをできるだけ金のかからない選挙という目標のもとに制限を加えていくということで、いろいろ協議をしたわけでございます。
 そこで、まだはっきりした数は決定いたしておりませんが、審議の段階でいろいろ出されましたのは、総数二十本ぐらい――立て札、看板の類は総数で事務所については十本、そしてその他後援会の表示については全部で十本ぐらいというようなことがどうだろう、もっと三倍ぐらいにしてもいいんじゃないかという意見も出ております。いろいろ審議をいたしたのですが、これは人によって非常に本数の多い人と、そうでない人とがございまして、それらのいろいろの意見をまとめていきますと、まあ大体総数二十本ないし三十本ということぐらいではないかという話し合いが進んでおる程度でございまして、皆さん方の御意見を伺いながら、これは政令でどう決めるかということを、最後的に決定していきたいと思っておる次第でございます。
#15
○片山甚市君 そういたしますと、この参議院の特別委員会が終了するまでの間に、どのような政令の内容にするかということについての各党間の話ができ上がるものと考えてよろしゅうございますか。
#16
○衆議院議員(片岡清一君) そのとおりでございます。
#17
○片山甚市君 しっかりと話をするときはしてもらいたい。賛成、反対の問題は別としても、政令で一方的に決められてしまって、にっちもさっちも動かないことになれば大変なことであります。このごろ数を頼んでどんどんと前へ進むのが好きな自民党のことでありますから油断もすきもできません。
 そこで、政党その他の政治活動を行う団体の宣伝告知のための自動車及び拡声機についてお聞きをいたします。
 自治省の答弁といたしまして、二月十八日衆議院の公特の大林選挙部長のお言葉によると、確認団体以外のいわゆる「政治活動を行う団体」は、機関紙誌の宣伝も含むをことを前提として、「政策の普及宣伝、演説の告知のための自動車、拡声機は選挙期間中は使えないことのことだが、現行法でも選挙期間中は禁止している政談演説会、街頭政談演説以外に、どのような活動が規制の対象になるのか、お答えを願いたいと思います。
#18
○政府委員(大林勝臣君) 先般の衆議院の委員会におきまして類似の御質問がございました。そのときにお答え申し上げた内容は、現在選挙期間中――特に確認団体制度のございます選挙期間中におきましては、確認団体でない「政治活動を行う団体」というのは、一定の政治活動の仕方というのが制約をされております。これは御承知のとおりでありますが、今回の規制は、改めて機関紙誌の宣伝普及を含む自動車の使用であるとか、あるいは機関紙誌の宣伝を含む拡声機の使用というものが加わったわけでありますので、確認団体でない団体につきましては、選挙期間中こういうものも使えなくなるということでございますけれども、おっしゃいますように、今回の改正によりまして、特に拡声機の問題につきましてはいろいろ御意見があったわけでありますけれども、現在において、もうすでにいわゆる一政治活動を行う団体」の集会といたしましては、街頭政談演説でありますとか、あるいは政談演説会でありますとか、そういうものについてはもうすでに規制が行われておるわけであります。したがいまして、今回の改正の趣旨そのものは、それ以外の政策の普及宣伝のための拡声機の使用ということになります。そうなりますれば、街頭政談演説にも当たらない、あるいは政談演説会でもないということになりますと、街頭あるいは路地裏その他におきまして、いわゆるハンドマイクを使っていろいろ政策の普及宣伝をする、こういうものがかなり騒音公害の原因となっておるという御意見があちこちからございまして、自動車とともに規制をしたものと承知をいたしております。
#19
○片山甚市君 そうすると、路地裏作戦というものを封じ込めると、こういうことだと理解してよろしゅうございますか。
#20
○政府委員(大林勝臣君) 改正の御論議の中には、そういう御論議が多かったものと思います。
#21
○片山甚市君 先ほど申しましたように、政談演説会、街頭政談演説会以外について規制の対象と改めてしたというのはどういうことですか。
#22
○政府委員(大林勝臣君) 現在確認団体でない「政治活動を行う団体」の選挙期間中の活動につきましては、政談演説会であるとか、街頭政談演説会であるとかポスター、立て札、看板、あるいはビラ、そういったものについて限定的に規制が加えられております。そのおります上に、従来また自動車の規制もございましたけれども、機関紙の宣伝を目的とする自動車の使用につきましては、果たしてこの自動車の中に入るのかどうか非常に疑義がございましたところ、最近の自動車の使用形態というものを考えまするに、政治活動の自動車の規制をくぐるために機関紙の宣伝と称して、そういった実態が行われておるということもございますので、改めて機関紙の宣伝を含む政策の普及自動車というような規制をいたしますとともに、政策の普及宣伝のための拡声機の使用というものの規制を加えたわけでありまして、要するに、従来選挙期間中に確認団体でない一政治活動を行う団体一について規定されておりました規制にプラスいたしまして、その二点の規制が加わったということでございます。
#23
○片山甚市君 そこで選挙部長にお聞きするんですが、労働組合法の第二条に、御承知だと思いますが、労働組合の条件が書いてあるんですが、「主として政治運動又は社会運動を目的とするもの」は労働組合の範囲に入らないことになっておるのでありますが、これは御承知ですか。
#24
○政府委員(大林勝臣君) 承知いたしております。
#25
○片山甚市君 ことさらに、いわゆる「政治活動を行う団体」というものを労働組合の中に入れて、選挙期間中の規制をそれに当てはめようと強調するものがおりますが、これは労働組合あるいはその連合体などが、いかにもこれらに該当するがごとき発言でありまして非常に納得できません。これは労働組合の目的や機能を知らぬ意見であり、またこれらを類推させるように誘導する飛躍した質問もありますが、そのいずれも労働組合を知らないか、労働組合を政治団体と錯覚して発言しているのではないかと思います。労働組合が組合員を対象に通常の周知の方法で、通常というのは特定の組合員ですよ、労働者の地位、労働条件の向上を目的として活動することが規制されるのなら、これは大変なことだ。労働組合は政治運動を主たる目的としていないが、労働組合法で言うところの社会的地位を高める、こういうような政治的な要求を掲げ、その解決のために活動することは当然であり、これが規制される対象だということになるかどうか。たとえば、労働組合の組合員による自主的な集会に、必ずこれからお話によると警察官が来て、立ち会って政治的な要求があるかどうか確かめて、もしあれば弁士中止のように集会中止をさせる。そしてその発言の内容によれば、選挙違反だと言って取り上げることになる。そんなことが強調されておるように考えられますが、今度の改正はそれが目的でつくられたんでしょうか、お聞きいたします。
#26
○政府委員(大林勝臣君) そういうことが目的でつくられたとは承知いたしておりません。
#27
○片山甚市君 それではどんな態様が問題だというのか、具体的に列挙してもらいたい、つまり従来どおりの労働運動の範囲における諸活動は否定されていないと思います。紛らわしい行為だということで、警察権の勝手な判断で、正当な労働組合の日常活動まで規制されるおそれは全くないと言い切れましょうか。
#28
○政府委員(大林勝臣君) 労働組合の問題でいつも引き合いに出されるわけでありますけれども、この問題は、根本的には今回の規制というよりも、現在の公職選挙法の二百一条の五以下に書いてあります「政党その他の政治活動を行う団体」という主語の中に、労働組合が入るんではないかというような疑義が従来からありましたために御意見が出ておるんだろうと思います。
 ただ、この二百一条の五以下に言う、つまり選挙期間中に規制をされます「政党その他の政治活動を行う団体」という場合の「政治活動を行う団体」の範囲ということにつきましては、これは非常に長い沿革があるわけでありまして、一番最初は「政治活動を行う団体」という表現ではなくて、昭和二十三年の政治資金規正法におきまして、「政党、協会その他の団体」と、「協会その他の団体」というような表現になっておったわけであります。
 その際の「協会その他の団体」とは何であるかという解釈につきましては、当時も非常に議論をされたわけでありますけれども、必ずしも政治活動を行うことを主たる目的とする団体に限らないんであって、副次的に政治活動を行う目的を有する団体も「協会その他の団体」に入るんだと、こういうことで解釈はされてまいりました。
 公職選挙法もその解釈を引き継ぎまして、確認団体制度につきまして運用してまいったのでありますけれども、昭和五十年に政治資金規正法が大改正をされまして、それまでの「政党、協会その他の団体」という範囲を非常に狭めまして、政治資金規正法上の「政治団体」というのは、政党あるいは政治活動を本来の目的とする政治団体のほか、継続的に主たる政治目的を持って活動する団体というふうに、非常に従来の「協会その他の団体」の範囲を狭めたわけであります。政治資金規正法の趣旨に基づいて狭めたわけでありますので、公職選挙法の方では従来どおりの扱いにする必要があります。そのために「協会その他の団体」という表現を「政治活動を行う団体」というふうに昭和五十年に改正をされました。
 その時点でもその範囲について非常に大きな議論があったと承知いたしておりますけれども、それ以降今日まで「政治活動を行う団体」というのは、一貫して改正前のいわゆる政治資金規正法に言う「協会その他の団体」の範囲と全く同じである。つまり政治活動を行うことを主たる目的とする団体に限らず、副次的に従として目的とする団体であっても「政治活動を行う団体」である。こういうことに実は現在なっておるわけでありまして、特定の団体がそういった「政治活動を行う団体」に当たるかどうかという問題は、その都度の事実認定の問題として今日までまいっておるわけであります。もちろん労働組合が、そういった政治活動を行うことを主たる目的とするということは労働組合法で禁止されておりますので、そういうことはないと私どもは承知しておりますけれども、「政治活動を行う団体」の範囲及びその認定につきましては、いま申し上げたとおりでございます。
#29
○片山甚市君 そういたしますと、昭和五十年の改正時に議論がありまして、いわゆるビラの配布の問題で特定の者が特定の者に渡す、労働組合が労働組合員に渡す場合についてはこれに該当しない、こういうことで合意をしたことがあるんですが、これと同じように理解をしてよろしゅうございますか。
#30
○政府委員(大林勝臣君) いわゆる政治活動というものをどう理解するかという問題になるわけでありますが、いろいろ選挙運動でも同じであります。政治活動でも同じでありますが、要するに選挙運動であれ政治活動であれ、これはやはり不特定多数の方々、つまり言いかえれば外部の方を含めて、そういった活動の対象とするという場合、選挙運動であるとか、あるいは政治活動であるというようなことになるんであろうと思います。全くの内部的な関係というものにつきましては、公職選挙法で考えております政治活動という範囲には入ってこないんであろう、こう考えております。
#31
○片山甚市君 私は不特定多数の話をせずに、労働組合が労働組合の目的を持ち、労働組合員に対して行う行為について適用されるかどうかということを聞いておったんですが、そのとおりに理解してよろしゅうございますね。
#32
○政府委員(大林勝臣君) そういうことでございます。
#33
○片山甚市君 どうも今回の改正はポスター、立て看板の総量規制といい、選挙期間中の自動車、拡声機使用の規制といい、街頭演説の時間の制限といい、所轄の警察の判断にウエートを置いたと見られるものばかりのように考えられます。これで公職選挙法に言う「選挙人の自由に表明せる意思によって公明且つ適正に行われることを確保」できると言えるのかどうか、疑義がありますのでお答え願いたい。
#34
○衆議院議員(片岡清一君) その問題につきましては、先ほど申し上げましたようにこれは選挙の理想といいますか、それはやっぱり自由濶達な選挙運動ができるということが理想の姿であると存じますが、しかし、その自由を余り奔放にいたしますと、そこにいろいろの弊害が出てくる、たとえば、騒音が余りやかまし過ぎるとか。したがって、いまの選挙法でも選挙運動の時間を制限をしたり、いろいろの方法についても制限を加えておる、こういうことはあくまで本体論は自由であるべきであるが、しかし、やはり選挙のやり方については公衆の迷惑にならぬように、社会の静ひつを害するようなことのないように、そういう点もやはり考慮に入れなければならぬし、あるいはまた、選挙に費用が余りかかり過ぎるために選挙の公正を期しがたいというような場合には、やはりお互いに話し合って、できるだけ金のかからない選挙にする、そういった点でやはりある程度自由に対する規制をしなければならぬ、こういう点になってくると存ずるわけでございます。
 今回、先ほど趣旨説明の中で申し上げましたように、すでに地方の選挙管理委員会でいろいろの議論があって、要望のあった点等を考えながら、それらをあわせ検討いたしまして、いま提案をいたしておりますような規制を加えることにいたした次第であります。
#35
○片山甚市君 選挙法の解釈については所轄の警察署によって非常に大きな違いがあると感じられる。非常に警察官の裁量行為があるように考えられますが、このようなことは今度の改正案については起こりませんか。
#36
○衆議院議員(片岡清一君) これは私は今回の制限のために警察が介入をして選挙の自由を妨害する、さようなことは起こるべきでないし、またそういうことは起こらないということを確信いたしております。
#37
○片山甚市君 議員立法ですから、後日問題が起こったりすると所在が明らかでないので、しっかり議論をしておきたいと思うんですが、とにかく私たちが非常に心配するのは、選挙に警察が介入してくるというような事態を起こさないために、自由を求めたり、公正を求めたり、公平を求めたりしておると思います。そういう意味で、今度の場合非常に心配するのは、解釈の問題で警察権の介入が起こらないためにどうするか。これは後、まだ先生方が御議論されましょうから、それしっかり歯どめをしておいていただきたい、こう思います。
 次に、政党などの機関紙誌の販売は従来経済活動、商業活動として認められた普及宣伝行為でありました。それを政治活動として規制の対象とすることはどうかということであります。この実態については先ほどお話がありましたが、もう一度どうしてもこれをせなければならない理由について御説明願いたい。拡販車の禁止をしました理由をもう一度説明してください。
#38
○衆議院議員(片岡清一君) 拡販車は、これは御承知のように、本来あるべき姿はそれぞれの機関の機関紙誌の拡張宣伝のために使われるのが普通で、本来の姿であるべきであります。ところが、この拡販車が従来選挙にいろいろの面で候補者の当選を期する、あるいは政策の宣伝、その他いわゆる選挙運動に紛らわしいふうに使われる場合が相当出てきた。これが一般の騒音公害の段階に至って、非常に社会の静ひつに影響あるような使われ方をしてきたということで、これをぜひ規制すべきである。したがって、本来の機関紙誌の拡販にだけ制限せられるならばいいですが、選挙に紛らわしいものになる可能性があるので、そこで、いままで選挙法で規制せられておった自動車の数の中へひとつ入れて、そうして広範囲にそれが脱法行為に使われ、紛らわしい行為に使われることを防いでいこう、こういうことでこの問題を取り上げた次第であります。
#39
○片山甚市君 片岡先生のおっしゃったように、仮に選挙運動と紛らわしいものがあったとすれば、その行為を規制することが、禁止じゃなくて規制をすることができないでしょうか。
#40
○衆議院議員(片岡清一君) これは規制をするやり方が大変困難であり、またこれは広範囲にわたり、そうしてこの規制を効果的にするというためには相当なやはり努力を要する、こういうことになるわけでありまして、したがって、やはりこれはお互いに話し合い、お互いに土俵をつくって、そうしてそういうことのないようにしていこうというのが今回の規制でございます。
#41
○片山甚市君 大臣がおられる時間があと限られるようでありますから、初めに省略しました分を大臣に質問します。
 冒頭に、まず公職選挙法の意義と目的について大臣はどのように御理解をいただいていますか。
#42
○国務大臣(安孫子藤吉君) やっぱり選挙は民主主義の基礎でございまするので、その選挙が公正であり、適切に行われるように、そういうことを目的といたしまして公職選挙法が成り立っておるものだと考えております。
#43
○片山甚市君 昭和五十年の七月の本法改正に当たりまして、わが党は抜本改正を主張し、選挙公営の拡大を中心とする前進的な改正をされるように努力いたしましたが、決して十分なものでありません。今回の改正はこれらに関連して言えば、場当たり的なその場に必要なものを手直ししたにすぎないと思いますが、いかがでしょうか。
#44
○国務大臣(安孫子藤吉君) 公営の問題については、やはりこれをできるだけ拡大をしていかなくちゃならぬ、これはそのとおりだろうと思います。しかしながら、当面緊急を要する選挙の実態についての適切でないものを是正しよう、こういうことで今回の提案、御審議を願っておる、こういうふうに私は理解しております。
#45
○片山甚市君 月日は六年たちました関係から、当面と言われる間に公職選挙法特別委員会は開かれておりました。その間に議論もありましたが、進みませんでした、今回の公職選挙法の改正に当たりまして懸案となったものがありますが、その解決策はどういうように考えていますか。昭和五十年にいわゆる改正したときから懸案になっている問題があります。それを今回はどのように対処するようにお考えでしょうか、
#46
○国務大臣(安孫子藤吉君) その当時から問題になっておりますのは、いわゆる定数の問題が主として議論の対象になっておったと私は理解をいたしております。
 そこで、定数の問題になりますと、これはなかなか複雑な要素があるわけでございます。私から言うまでもございません。各党の考え方もございまするし、それからまた地域社会との関係もございまするし、特に参議院の地方区の場合になりますと、半数改選というような問題もありまするし、あるいはまた定数の絶対数をどうするかという問題だってきわめて重要な問題になってくるわけでございまして、その辺のことをいろいろ検討をして結論を得なくちゃならぬ。この問題こそがやっぱり立法府におきまして、特に各政党間におきまして論議を尽くされて結論を得るべきものであろうと、これこそが最も各党におきまして論議を尽くして結論を得ていただきたい問題である、そういう性質のものだと私どもは理解をいたしております。
#47
○片山甚市君 言葉を返して非常に失礼でありますが、かりて昭和五十二年の四月八日に、御承知と思いますけれども、社会党、公明党、共産党、民社党の各派を代表して、十八名増に基づくところの野党側のおおむねの意見の一致をしたいわゆる定数是正の案を私が代表をして提案しました。しかし、これは議員立法でありますから御説明をしただけで、神田特別委員長にあの世にまで持っていかれてしまいました。
 私は、選挙制度が真に民主的な政治を実現させ、政治に対する国民の信頼を高めるには、金権選挙をなくすることと同時に、何よりも法のもとにおける平等、平等な選挙権が行使されるべきだと思う。そういう意味で、一票の重みに対してもっと真剣に取り組んでいただくのが当然ではないか。定数の問題は政党のそれぞれの浮沈にかかわる問題でありますから、大変むずかしいことでありましても、野党がこれだけ足並みをそろえれば、与党の方がきちんとこれにこたえていく。総理大臣に歴代聞けば、各党で話をしてくれと言う。各党は全部できておるんです。自民党ができてないんです。おわかりですか。各党各党と言われるのはちょっと物が言いにくいんでありまして、そういう意味で今度の改正について、大臣から私の意見についての御所見をいただきたいと思うのです。
#48
○国務大臣(安孫子藤吉君) 私が各党と申しましたのは自民党を含めての各党でございまして、その辺の合意を得られるようにひとつ御努力を願いたいと、こういうことでございます。
#49
○片山甚市君 まあ主として、自民党多数で自民党が反対すればできないということでありますから、責任は挙げて自民党にある。ときどき野党は頼りないなどと言いますが、しっかりやるとやり過ぎだといって批判を受ける、こういうことですから、言論では幾ら勝ってみても数では負ける、こういうことになりますので、数もさることながら理屈も合わせてもらいたいと思います。
 私は、本委員会で発言の機会を得るたびに、定数是正について速やかに取り組むべく言い続けてきました。しかし、これらに対してはお互いいまお話しのように、党利党略の視点から一歩も出ておらない。今日まで議論が繰り返されていることについて非常に憤慨にたえません。
 そこで、最近では、先ほどお話がありましたように、参議院選挙制度の根幹に触れる問題、全国区の問題を自民党としては多数を頼んでむき出しの党利党略案をマスコミに乗せておるようでありますが、地方区の定数是正については年来の懸案事項でありながら、国民の目をそらせようとすることで躍起のように思います。何といっても、全国区の問題もさることながら、地方区の定数是正というのは、参議院の特別委員会における最も大きな課題だと思います。確かに全国区はお金がかかり過ぎるということ、大変命にかかわるような選挙をしなければならぬという候補者のつらさ、これはあります、しかし、それは一票の重みとは関係ないんであります。そういう意味でありますから、一票の重みということになれば、地方区の問題の解決を急いでもらわなきゃならぬ。しかし、それについては別にいま議論をしておる最中でありますから、一票によるところの参議院の全国区、地方区一体の話もありますが、そういうことでわれわれの目をそこに集中させようとしています。しかし、いかにすりかえようとしても、私が主張するように一票の重みという問題はこれから深刻化していく。というのは、先ほどから御議論のあるように、昨年の十二月の二十三日の衆議院定数違憲訴訟に対する東京高裁の判決は、またまた平等の原則を最優先にとらえ、国会の怠慢を指摘しておるが、私自身としてははなはだ迷惑であります、一生懸命やっておる者が言われるんですから。大臣、これはどうしても最高裁にいくまでの町に立法府として解決してもらいたいと思いますが、いかがですか。
#50
○国務大臣(安孫子藤吉君) あの判決につきましては私どもとしてはやっぱり問題があると、こういうふうに思っておりまするので、これは現地の選挙管理委員会におきましても上告をしておるし、また国といたしましても考えにゃならぬ問題がある、こういうことで、これからの推移を見なくちゃならぬわけでございまするが、それはそれといたしまして、やっぱり定数の問題というのは、おっしゃるとおりに重要な問題でございます。そしてまた、複雑な要素を持っております。繰り返すようで恐縮でありますけれども、この問題についてはひとつ自民党も含みまして、十分に論議を尽くして、結論を得ていただきたいというのが私の真意でございます。
#51
○片山甚市君 自後の質問は、大臣ちょっと急ぐそうでありますから、部長の方に答弁をお願いしますから、御退席してください。
 衆議院においては、昭和五十年に定数是正をして、なおかつ問題があるという高裁の判決がありました。地方区については先ほどから議論をするように、どのような形で検討をしていくのかということについて、後藤田さんの方が適当であれば後藤田さん、片岡さんがよければ片岡さんの方で答弁してください。
#52
○衆議院議員(後藤田正晴君) いまのは参議院の地方区の問題ですか。
#53
○片山甚市君 そうです。
#54
○衆議院議員(後藤田正晴君) 参議院の地方区の定数の問題ですが、参議院の方は衆議院と若干性格が違いますから、地域代表という性格が色濃く出ているわけでございます。今日の定数を決める場合にも、地域に少なくともいわば基礎数といったような考え方で、一名は必ず配置するということになっておりますし、同時にまた、六年任期、三年ごとの選挙ということでございますから、どうしても二、四、六、八、十と、こういうような偶数にならざるを得ないといったようなこともございまして、衆議院とは性格が違っているように思います。
 それから、裁判所が司法判断を下すということについては私は大変疑問を持って、これはやはり立法府で解決すべき問題だという基本的な考え方はありますけれども、まあ立法府でなかなかやらぬということで裁判所がおやりになるんでしょうが、参議院の定数の問題については、今日までいまだ違憲訴訟で違憲であるという判断は裁判所もいたしておりません。これはやはり衆議院とは定数問題も違った考え方でやるべきであろうと、こういうことでしょう。
 そこで、今日五十五年国調でどれくらい開いておるかというと、一対五・七まで開いております、参議院の場合は。これは神奈川県と鳥取県の比較であったと思います。従来裁判所の方では、参議院については一対五幾らでしたか、それについては違憲にあらずと、こういうような判断も下されております。しかしいずれにいたしましても、私は地域代表であるとはいっても、余り大きく開くということ自身は好ましいことではない。やはり人口というものは、参議院の場合でも重要な要素であるということだけは、これは否定できません。しかし、やはり定数という問題は、人口もさることながら、同時にまた、それぞれの行政区画であるとか、あるいは人口構成、あるいは産業の構成、地理的な条件あるいは過密過疎の評価の問題、いろいろございまするので、それらをかみ合わせながら定数是正というものは考えるべきであろう。私は、参議院についての地方区は、これは今日直ちに是正をする段階には、私自身は至ってないのではないか、かように考えております。
 ただし、やはりふぐあいだなと思うのがあるんです、参議院について。それはなぜかといいますと、いわゆる逆転選挙区というのができているんです。一例を言いますと、北海道と神奈川を比較してみますというと、今日、神奈川県の方が人口は相当北海道よりは多うございますが、神奈川県の方が定数は少ない。こういう逆転の選挙区は、これは自由民主党として決定をしておるわけではありません。ありませんが、私はやはり参議院の選挙制度について基本的な改正を行うといったようなチャンスがあるならば、その際には少なくとも逆転選挙区というものは是正をすべきであろう。そうなれば神奈川県というものはやはり定数がふえざるを得ない。そうすれば勢い今日の一対五・七、このアンバランスも縮まってくると、こういったような考え方が私は妥当な考え方ではなかろうかなど、かように考えているようなわけでございます。
#55
○片山甚市君 後藤田先生の御所見は聞きました。
  さて、去る第七十五回国会、昭和五十年ですが、そのときに自民党、社会党、民社党三党の申し合わせ事項があるんですが、これは選挙部長御承知ですか。
#56
○政府委員(大林勝臣君) 承知いたしております。
#57
○片山甚市君 その内容は御承知のようですが、読んでみます。
  参議院地方区の定数については、人口の動態の著しい変化にもとづき、これを是正する要あることを認め、次期参議院通常選挙を目途として実施するよう取り計らう。この場合公職選挙法改正の過去の事例を参照するものとする。
  なお、全国区制度の改正については別途検討をすすめる。
 こういうようにして、前の昭和玉十年の第七十五国会で改正案ができたわけです。
 いま後藤田先生がおっしゃるのは先生の御意見ですが、私たちは河野参議院議長を含めて、このことについてはお互いに公党間で実施をしようではないかと言ってきておることを弊履のごとくやらない。私の方は出しておるんですよ。先ほど言ったように十八名増でありますけれども、それを出して議論の俎上に上せておる。こういうことは、やはりお互いに選挙法を取り扱う場合、党利党略に陥り過ぎるんではないだろうか。われわれとしてはどうしても、今度の改正に当たって問題になりますのは、人口がそれぞれ減ったのではなくて、ふえ方が、神奈川県が工業地帯ですからうんとふえた。北海道もこの選挙法決めるときの人口よりふえておるんであります。人口全部減ったというんじゃなくて、少しでもふえた。ところが、いわゆる産業政策上、経済活動上うんと人口ふえたところが、いま後藤田先生がおっしゃるような逆転現象が起こっておるんであります。そういう意味で、日本の経済が大きく変わったという意味で、そういう価値判断をされるならそれでよろしいんですけれども、私たちは自然な形で、一人一人の人間がどこにおられようとも、同じ権利の行使ができるということにすることが望ましい。こういうような立場、いわゆる為政者の立場じゃなくて国民の立場からこれを論じてみたい、こう思っています。
 きょうはこの区割り制の結論を得ようとしているのじゃなくて、私は先ほど言いましたように、地方区を土台にして全国区の選挙をやめにできるように一本化、地方区の投票によって全国区の候捕者を選ぶような案が、自民党にいまでき上がりつつある。非常に不公平な形のままやられることについては賛成できませんから、そういう意味で意見を述べておきます。
 そこで、衆議院と同様の定数是正が参議院では今日まで行われておらないということで、一票の重みの格差は無視されたままでおることは国民に対する、有権者に対する冒涜だと考えます。何としても後藤田先生と意見が違うんですが、この速やかな是正をする努力をしてもらいたいと思っていますが、それは片岡先生でもよろしいが、お答え願いたいと思う。
#58
○衆議院議員(片岡清一君) この人口の問題は、ただ単に数だけの問題を主体にした考え方には、私も必ずしも賛成できないのでございまして、これはやはり選挙制度の地区割りというものは、いろいろ経済情勢あるいは地域の情勢あるいは経済その他のいろいろな昔からの関係等も考慮され、そしてまた、政治の上にそれがどう反映すべきかというようなことも考えられて決めらるべき問題でございまして、それはやはりお互いに選挙の土俵づくりの立場から各党十分話し合って、そして決定せられる。これが立法府として独自の立場からやはり決定せられるのが望ましいことである、かように思っておる次第でございます。
 ただしかし、その中でもこの人口問題は非常に大きな要素であることは先ほどから申しており、お互いに話し合っておられるとおりだと思います。今後これらの問題につきまして、十分各党と話し合いながら結論を得られるように努力を重ねていきたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
#59
○片山甚市君 先ほども述べましたが、十二月の二十三日の判決では格差二対一を越せば違憲だと判断を示しました。後藤田先生は新聞では、政治判断ではないかと、こういう反論をしておるようでありますが、現実は二倍や三倍でなく、先生のおっしゃるように五・七倍を超えておるのが参議院の場合の状態。衆議院の場合は四・幾らですか、そういうことであります。
 ところが、そのときに大林選挙部長は判決の当日のマスコミの発表によれば、立法府の高度の政治判断と裁判所の憲法判断の兼ね合いの問題でもあり、いずれ当事者、被告選管が最高裁への判断を求めるだろうとおっしゃって、人ごとのように悠長なお答えでありますけれども、これは部長にお伺いするんですが、こういう言い方しかできなかったのかもわかりませんが、先ほど申しましたように都道府県の選挙管理委員会連合会から、裁判の被告になるのほかなわない、ひとつ自治大臣かどなたかにかわってほしいと言っておるときに、こういうような御発言をされる心理状態というか厚かましさというか、それはどういうお考えで言っているのですか。
#60
○政府委員(大林勝臣君) まあ、こういった憲法判断の問題に関連をします選挙無効訴訟が起こるたびに、実際にどう是正するかについて、全く当事者でない選挙管理委員会が被告となるということについて、選挙管理委員会は非常に迷惑をして。おるという御意見が前々からございます。そこで、そういう問題は、まあ迷惑であるとか迷惑でないとかいう問題より前に、結局はこういった訴訟自体が公職選挙法の二百四条の選挙訴訟の対象と一体なるのかならないのかという根本問題があるわけであります。
 私どもの考えとしましても、二百四条というのはあくまで選挙法で定められております選挙の執行手続、そういうものに瑕疵があった場合に選挙が無効となる、それで再選挙でその無効を是正するということを前提とする。つまり公職選挙法の規定自体が正しいということを前提として起こす訴訟であろうと、こういうふうに前々から思っておりますし一現在でもそう思っております。したがって、そういう二百四条の趣旨がそうでありますれば、そういう条文にのっとって違憲問題を内容とする選挙無効訴訟というものは、そもそも法律自体が予定してないんではないだろうか。その予定してないというのは、まあいろいろ理由があるわけでありますけれども、そこには三権分立の問題もありましょうし、あるいは統治行為のような訴訟理論もあったでありましょうし、いろんな哲学があって二百四条というものが構成されておるんだろうと思います。そういう前提のもとで、裁判所が今後そこをどういうふうに判断されるか、まずそれを確かめる必要があろう、こういう意味で申し上げておるわけであります。
#61
○片山甚市君 具体的な数字を示すまでもなく、十三万票ほどいただいても当選ができない人もおれば、二万五千票ぐらいでも当選ができる選挙区もある。こういうことで、大変国民にとっては不公平な不平等な印象が、印象というか意識が非常に強い、こういうことについては立法府としてこたえたいと思います。立法府としてこたえるために、参議院では、自民党にとっては御都合が悪いけれども、野党は先ほど言ったように意見をおおむね一致させて、あれから一致できたかどうかわかりませんが、あなたが応じぬからやっておるんでありますから、ひとつ非のあるところは改めて、自民党を攻撃することだけでとどまりませんで、私たちとしては、定数是正は根本的に立法府で解決しなければならぬことだ、裁判所から割り当てられるまで待つ必要はないだろう、こう思います。
 そこで、公党間の約束を先ほど河野議長のあっせんでやったと言いましたけれども、いま自民党の方では後藤田先生のおっしゃるような増減案、あるいは全国区制をセットにしたようなお話をされておるんですが、これからどのようにされるかお聞かせを願いたいと思います。
#62
○衆議院議員(後藤田正晴君) 御質問のように、全国区制については残酷区であるとかいろんな批判があるし、同時にまた、選挙人の方の立場に立ちましても、百何名の候補者の中からどれがいいのか判定に苦しむといったようなことがあって、全国区制はいまのままではぐあいが悪いじゃないかというのが、大方の世論であろうということで、それを取り上げまして、自由民主党の中の選挙制度調査会でいろいろ検討をいたしております。事は参議院に関連することでございますので、党としては参議院の議員さんにプロジェクトチームをつくっていただいて、昨年の八月以来検討していただいて、それがことしの二月でしたか、党の選挙制度調査会に上がりまして、そして昨日、参議院でおつくりになったこの案を、選挙制度調査会の了承を得て、そして今後の扱い方については、これは会長に一任を願って、会長の方でこれから矢野党の皆さん方にもいろいろ御意見を承り、お互いに話し合いをさしていただいて、同時にまた、党の中では政調なり三役なりそれぞれの役職がございますので、それらの方とも話し合いをして、これは何しろ党の消長に影響しますし、同時にまた、個人の運命にも関することでございますから、慎重の上にも慎重に手続を踏まえながら、でき得べくんば改正をしたいということで、今日作業を進めておるような次第でございます。
 で、その際の考え方は、従来の全国区と地方区という二つの選挙制度というものを改めて、参議院議員の選挙ということで、一つの選挙制度として考えていきたい。その際に、各県ごとの選挙の選挙区選出議員と、同時にいま一つ拘束比例代表制で出てくる議員と、こういうような二つの考え方に分けまして、そして一本の選挙制度として考えてまいりたいと、これが参議院のプロジェクトチームでおつくりになった原案で、われわれの調査会でも了承した案でございます。しかし、いずれにいたしましても、今後十分皆さん方とも御相談を申し上げたいと、かように考えます。
 それから、その際の定数をどうだというお話でございますが、定数については、これまた裁判所の判断に待つまでもなく、本来立法府でやることでございますから、これは国会の本来私は裁量権の範囲の問題だと、こういう基本的な考えというものを持っておりますが、そういう点については、野党から御意見が出ておることも承知をいたしております。ただ、あのときの案はたしか十数名議員をふやそうという案でなかったかと思いますが、今日これはちょっと無理であろうと思いますね、行政改革のやかましいさなか、立法府だけが数がふえるというのはこれは私は無理であろうと、やはり現定数の中でどのように考えていくのかといったようなことを、各党間で話し合いをしてまいりたいと、こう思いますが、その際にお忘れのないようにひとつ自由民主党も入れていただいて、そして全党が納得ができるようなことでなければぐあいが悪いであろうと、こう思います。
 そして、私は、少なくとも全国区制を廃止をして、一本の参議院議員選挙にするという以上は、これは先ほど言いましたように、党として決まっておりませんので、その点は念のために申し上げておきますが、私はそういう際には、やはり少なくとも地方区の逆転選挙区というものは、このままにおくのはふぐあいであろうと、あるいはそう言うとこちらに座っていらっしゃる自由民主党の参議院の方におしかりを受けるかもしれませんが、私はさように考えておるわけでございますが、そういう点も含めてひとつ野党の皆さん方とも十分に話し合いをさせていただきたいと、かように考えているわけでございます。
#63
○片山甚市君 後藤田先生の御所見は聞きましたけれども、憲法違反ということを問われないようにきちんと処理をしてもらわないと困る。私たち党の中では、拘束名簿比例代表というような形を考えた時期、またいろいろ検討して党の中でもまとめたこともありますが、自民党のように、拘束名簿比例代表制にしても大変全国区は苦しい。物はついでに地方区、主として一人区が非常に多うございますから、そこで大変楽な選挙をしようと考えたのか、政権を安定させようと思ったのかわからぬが、そういうような形になることについてだけは非常に納得できないし、それからいま参議院議員選挙ということで、全国区と地方区とをなくすということになれば、憲法上の規定をどのように変えていくのかということについてまで深く考えないといけません。そういう意味で、議論はよろしゅうございますけれども、実際いまおっしゃったように、野党も結束したならば自民党と合意をするようにと言われたけれども、間々それと逆に、自民党さえ派閥連合ができて意見が一致すれば、暴走するのはあなたの方の暴走族ですから、非常に困るわけですね。ぱあっと行きよるわけです。あれよあれよと思って、議長が来て、まあまあちょっと後ろへ下がれと、まあ下がってまた突っ込むという、こういうことのないように、選挙法に関する限りは、私たち党にとって、選挙民にとって、国民にとっては命の綱でありますから、これを今回いわゆる規制をする、あるいはいろんなことをされるということになれば、真剣に討議するのは当然でありますから、お聞きを賜りたい。
 そこで、先ほどマイク等の使い方の問題を含めて労働組合についての話をしましたが、次は街頭演説の時間制限についてでございますが、地域住民に対する騒音公害だとするのであれば、時間や音量に対して具体的な規制をする必要があるんじゃないか、それはどう考えていますか。
#64
○衆議院議員(片岡清一君) この点は具体的に決めるとなると大変厄介な問題がございます。たとえば場所の範囲内をどう決めるか、あるいはまた時間をどういうふうに決めるかということになりますと、大変むずかしい段階になると思いまして、いろいろ検討いたしたんですが、これはやはりお互いに各党、各候補者が話し合って、そうして良識に従ってお互いにやっていこうと、そして余り付近の人に御迷惑にならぬように、あるいはまた選挙運動が公平に行われるように、そういうふうにお互いに良識で話し合って進んでいきたい、かように規定をつくったわけでございます。
#65
○片山甚市君 そうすると、候補者相互間の譲り合いのための訓示規定にすればいいのではないでしょうか。
#66
○衆議院議員(片岡清一君) そういうお互いに話し合って決めて、そしてその足がかりとしての訓示的な規定を置いておく、こういうふうな考え方で言ったわけです。
#67
○片山甚市君 この場合警察が介入するということになると選挙妨害になるんでありますが、そのようなことはない、この訓示規定があるために警察が介入するということはありますか。
#68
○衆議院議員(片岡清一君) 警察が介入する場合というと、これはきちんとした規定があって、その規定に違反したということでないと、これは警察権が発動してくるはずはないのでございます。あくまでもお互いに話し合っていくということで言っておるのでありますから、警察の介入の段階では全然ないと、かように考えております。
#69
○片山甚市君 ある団体から弁士中止の現代版として、長時間にわたる演説については警察がやってくるに違いない、こういうふうに言われておるんですが、このことについては別のときに警察当局の方によく聞きたいと思いますが、立案者の方はそうでない、こういうふうに理解をしておきます。
 それに引き続きまして、ポスターの掲示場制度の創設についてですが、衆議院における答弁、これは二月の十二日大林選挙部長が行われたのでありますが、現行の任意制ポスター掲示場を設置している市町村の選管からの要望に沿って改正案に入れたとおっしゃっております。一方、自治省の選管の意見聴取の結果の報告を見ると、ポスターの掲示場の設置場所の確保がむずかしくなっており、掲示場の数の減少も検討してほしいということになっております。これは二つとも矛盾しておりますが、これは都道府県の選挙管理委員会連合会のいわゆる文書に載っておるんですが、立てる場所がなくて困っておるんだというむしろ掲示場を減少させたいという意見があるときに、もう一つは強制的にといいますか、任意ポスターの掲示場を強制にさせる理由について御答弁願いたいと思います。
#70
○政府委員(大林勝臣君) 選挙管理委員会からのいろんな御意見、要望事項についてはいまおっしゃいましたような二通りの御意見があることは事実であります、
 まず最初の御意見として、現在義務制のポスター掲示場は一投票所当たり五カ所ないし十カ所つくっておりますけれども、義務制の掲示場でない、つまり衆議院、参議院の地方区あるいは都道府県知事まではこれは義務制で掲示場をつくらぬといかぬわけでありますが、それ以外の選挙におきましては任意制のポスター掲示場と申しまして、地方団体が条例でポスター掲示場をつくることができる。ただこの場合は義務制と違いまして、あくまでポスターを張る場所の便宜提供という段階でありまして、それ以外の場所にも実は張れることになっておるわけであります。それが現在の義務制の掲示場と任意制の掲示場の大きな違いであります。そこで選挙管理委員会としましては、いろいろ都道府県あるいは市町村の議会の先生方の御意見も聞いておるのでありましょう。任意制のポスター掲示場ではどうもよく徹底がしない。やはりこの際、町の美観その他張り場所もむずかしいんだから、義務制のポスター掲示場並みの扱いをしてほしいという御意見が従来からあったことはまた事実であります。
 そこで、義務制のポスター掲示場にするためには、やはり現在の国会議員の、あるいは知事の義務制のポスター掲示場と同じように、少なくとも数としましては一投票区当たり五カ所ないし十カ所と同じような数でないとまたぐあいが悪いだろう、こういうふうに今回の改正ではなっておるわけでありますが、しかしながら、片方やはりなかなか設置場所もむずかしい、あるいは候補者数が多過ぎて、とてもポスター掲示場はつくれないというところもまたこれ多々あろうかと思いますので、あくまで今回のポスター掲示場制度の改正は地方団体の条例で、つまり地方団体の議会でいろいろ御意見を賜った上で条例でつくっていただく。つまりあくまで今回の改正に乗るか、あるいは従来どおりの任意制ポスター掲示場のままでおくか、あるいはもうポスター掲示場は一切つくらぬか、そういう点については全く地方団体の選択に征しておるところであります。
#71
○片山甚市君 任意制ポスター掲示場について、昭和五十年の統一地方選挙の実情を見ると、市町村議会議員選挙で千七百五十四自治体のうち九十一自治体、すなわち約五%が設置をし、一自治体の掲示数は単純平均ですと約四十六でございます。こういうような状態の中で選挙の公平を確保することが、本法の改正の目的とされていることから考えても、現職候補と新人候補という条件の異なる者の間に公平を確保することが必要だと思うんですけれども、どうでしょう。
#72
○衆議院議員(片岡清一君) あくまでこれはいま説明がありましたように、それぞれの地方団体の任意に選べる問題でございます。したがいまして、それぞれの条例をつくってやるかやらぬか、それはそれぞれの判断によって決められる問題でございますので、その点は私は十分不公平がないものと、かように考えております。
#73
○片山甚市君 条例をつくるところは議会でつくるはずであります。そうすると、現行法においても新人は不利と言われているのが通説ですが、改正案ではステッカーの貼付を禁止され、選挙運動用のポスターも法定枚数が都道府県市議では千二百枚、町村議では五百枚であるにもかかわらず、現職議員のみの決定する議会で条例が制定されれば、その枚数の十分の一以下の利用しかできません。公平を期するという点では条例制定が任意に選択できるということはありましても、これはわざわざ法文化する必要はないんじゃないか、それほどいいものならば任意にしておいていいと思いますが、いかがでしょう。
#74
○衆議院議員(片岡清一君) これはあくまで任意に選ぶことができることになっておりますのでありまして、ただいまおっしゃいましたように、いろいろ規制することは新人の進出に非常に不利ではないかという点が若干考えられるわけでございますが、しかしながら、それらの問題につきましても、同じ土俵の上でやるということを考えますときに、いろいろの点で新人の進出についても考慮が払われておるわけでありますから、私はそういう点でそう大して違いがある、こういうふうには思っておりません。
#75
○片山甚市君 表現の自由の仕方がありまして、一カ所に集められて三十名、四十名、五十名、六十名というような山をつくられましても、立候補する市町村によればそのぐらいおりますね、大変なことになりますよ。ですから、あるところでは公営掲示場はできるがあるところではできない。ところが、そのできるときには先ほど言いましたように現職議員が条例を決めるんでありますから、現職優位のやり方ということで非常に適切でないですね。条例制定は議会で制定するんでしょう、議会以外のところでしないんですから。そうすると、その議員が賛成をしたということになれば現職優先であります。そこで、先ほど言いましたように公営掲示場の設置場所の確保が困難になれば、これらポスターによる宣伝が一層規制をされていくことになる。そういうことでありますから、これについてはもう一度検討していただきたい、これは強制をしないで、義務制にしないで、いままでとおり任意制にしてもらいたい、こういうように意見を述べるんですが、いかがですか。
#76
○衆議院議員(片岡清一君) 非常に数の多い場合には、義務制のポスター場をつくるということについてはかなりむずかしい面もございます。それらのことを考えますと、なかなかその条例をつくって実行するという上においては、いろいろな配慮が要ると思います。それらのことをそれぞれ考えながら、まあ条例をつくるのは現職の議員さんたちがやるんだから、現職の人に有利なように決めるんじゃないかということをおっしゃいますけれども、その条例も市町村民の世論の監視の中に行われることでございますので、そういう合意ができればやはりそれに従ってやる、そして公営の段階がそれに加わっていくということは、やはり安上がりの選挙というためには必要でありますし、また、最近の任意制のポスター掲示場というのが、非常にあちらこちらと散乱をいたしますために、美観を損ねるというような場合もございます。そういう立場からいろいろ意見が出ておるところでございますので、その点はひとつ十分いろいろの面を考えて選択せられるべき問題であろうと存じます。
#77
○片山甚市君 任意だするかどうかはその市町村において決めることだから、法律的には公営掲示板ができれば義務にするというだけだ、こういうふうにお話がありますからそこでとめておきましょう、採用するのは地方自治体でありますから。
 連座規定の問題ですが、本法の改正では親族連座について同居要件を外したことはよいけれども、わざわざ「意思を通じて」を残しておりますが、親族が総括主宰者等と違い、必ずしも選挙運動の主体じゃないということはわかりますが、親族という固有の人間関係が、たとえば、買収の意思を通じていなくても、悪質なものには同罪に値すると扱われるべき性質のものだと思いますが、いかがでしょうか。それは親族という固有の関係を規定するものであって、意思を通じたかどうかが問題ではない。立候補しておるということがわかっておれば、意思を通じてと同じだ。ことさらに推定規定を設ける必要はないと思いますが、なぜ設けられましたか。
#78
○衆議院議員(片岡清一君) 親族で同居をしておるんだから、すべての点で推定規定でいいではないかという御意見、それらの点についても実はいろいろ検討をいたしました。しかしながら、やはり家族といえども総括主宰者ではございません。したがって、選挙そのものに大きく責任を持つという立場にないわけでありますから、したがって、これがもし立候補をしておることを知っておって、同時に選挙運動についても意思を通じておる、こういう場合には、そして、しかも買収についても意思を通じておるという場合は、いわゆるこれは共同正犯でございます。しかしながら、そこまでは知らないが、選挙に立候補しておるということだけでは、これはなかなか責任を負わせるということは大変むずかしいことであり、したがって、選挙運動をするということについて合意がなければ、これはいわゆる連座制を適用するということにすることは無理であるという立場で考えておるのでございまして、いまお話しのように、単に立候補しておることを知っておるだけでいいんだという考え方といいますか、そういう実例、そういうことにはなっておらぬ、こういうふうに理解をしておりますので、こういう取り扱いをしたわけでございます。
#79
○片山甚市君 抜け穴にならないようにしてもらいたいと思うんです。
 そこで、日常的な選挙啓蒙、周知の事業が非常に大切でありまして、公明選挙、公平な選挙をやろうとすれば、日常の選挙啓蒙が必要だと思いますが、私は第八十五国会においても、本委員会で常時啓発事業費予算が昭和五十年度から漸減の方向にあるではないか、補助金の増額を要望したところ、補助金はふやしておるんだ、こう言っておるんですが、昭和五十五年十一月にまとめられたところの全国市区選挙管理委員会連合会の要望事項には、啓発事業貸の増額を求められています。今日、行政改革といえば補助金を切れということでありますが、この補助金は切らない方がいいと思うんですね。良質な補助金です。できるだけ公明選挙ができるように、選挙管理委員会が行いやすいようにしておかないといけないんじゃないか。そういうことでは、今回の改正に当たって、予算に当たってどういうようにお考えになっておるんですか、部長の方からお答え願いたい。
#80
○政府委員(大林勝臣君) 大変ありがたい御意見でございまして、私ども常時啓発費につきましては、昭和五十一年以来十二億の予算規模を何とか確保してまいったんでありますけれども、おっしゃるように、最近の国の財政問題、特に行政改革の一環としての補助金の整理の問題、こういった問題が絡みましてなかなか増額ができない現状にあるわけであります。できるだけ今後とも国の財政ともにらみ合わせながら増額の努力を続けてまいりますとともに、現在の規模におきましても、なおかつ従来よりも一層効率的な使用に励んでまいりたいと存じます。
#81
○片山甚市君 大体裁判所に行かされて被告にされて、踏んだりけったりになりながら、それで、そういう人間が一生懸命やっておる。これだけ分厚い要望書について、つまみ食いをするような形で選挙法の改正を提案はしてほしくないと私は終始言っておるんです。これ全部私の時間は一時間三十分しかありませんから言いませんけれども、もっともだもっともだと思いながら、これはどうかなあと思うようなものがありますよ。もっと取り入れてしかるべきじゃないか、もっとやっぱり選挙部長の方から、自治省の方から提案してもいいんじゃないか、予算の問題については。特に予算は、大蔵大臣にも言いたいんでありますが、とにかくふやしてもらいたい、そして啓発してもらいたい。そして不正やあるいは買収や、そういうことが起こらないように、きちんと法律もわかってもらうような運動、有権者の意識も高まるようにしてもらいたいと思います。これは私の意見です。
 最後にもう一度聞きますけれども、今回の改正をしたことによって、政治団体に関係する問題で終始聞きましたけれども、従来と定義が変わってない――私が聞いたのは、労働組合等の特定の会員が集まって何々ホールで会議をしておる、マイクで演説しておるところに警官が入っていって、何を演説するかといってメモをとったり、その内容はどうであるかなどというようなことにはならない、こういうふうに選挙部長お答え願った。従来と変わってない、こういうふうにお答え願ったと思いますが、いかがでしょう。
#82
○政府委員(大林勝臣君) 政治活動を行う主体としまして、労働組合がそれに含まれるか含まれないかという問題については、全く従来と変わっておりません。
#83
○片山甚市君 終わります。
#84
○委員長(鳩山威一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時から再開することとし、休憩いたします。
   午後零時八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三分開会
#85
○委員長(鳩山威一郎君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#86
○大川清幸君 今回提案をされております改正法案のことについて関連をして幾つか質問をいたします。
 今回の改正案では、選挙の公正を確立することとあわせて、金のかからない選挙の実現に資するために提案をしたと、こういうことになっていますが、このことについては間違いございませんね。
#87
○衆議院議員(片岡清一君) そのとおりでございます。民主的で公明かつ適正な選挙が行われるように、そして金のかからない、こういうことをねらって改正をしたわけです。
#88
○大川清幸君 そこで、まず第一に選挙事務所の移転についてでございますが、一日に一回を超えないことと、こうなっておりますが、実際には運営上具体的な弊害の事例等がおありになってこういう制限をお設けになったのでしょうかどうでしょうか。
#89
○衆議院議員(片岡清一君) これは人によって違うのでありますが、選挙事務所を非常に頻繁に変えて、そしてそれが同時に何か供応のための一杯酒を飲むというような場所に使われるというような問題がございますので、そういうことのできるだけないようにこれを規制する、こういうふうにしたわけでございます。
#90
○大川清幸君 それで、実は全国市区選挙管理委員会からの要望も出ておりまして、これは事務的な問題にもなるのですが、百三十条では選挙事務所を設置したときに届付を出せばいいことになっていまして、移動もこれと同じような読み方になるわけでございます。実際には、いままで事務所の移転をして後でまとめて事後報告みたいなことをするということで、地方の選挙管理委員会では、実際何か問題があった場合に通報連絡をした場合に実際にはそこに事務所がなかったというような行き違い等があるそうでございますので、今回この法案が通るかどうかわかりませんけれども、一日一回を超えないことということであれば、この要望どおりに事前に届けを出すみたいな指導なりそうした措置はできますか。
#91
○説明員(岩田脩君) 選挙事務所の移動につきましては御指摘のとおりでございまして、届け出はなるべく速やかに出さなければいけないという形になっております。ただ、お話のように、これを必ず事前に出さなければならぬということにいたしますと、さてそこで、予告でございますから、その後で予定が変わったとか、場所が変わったとかいうようなときに、改めてまたそれの手直し、移動届けの修正みたいなことをしていただくとか、それからそれを義務づけるということになると、果たして事前だったか事後だったかをあらかじめ確認しておく手続とか、えらい事務的なことばかり言ってすみませんけれども、そういうことにもなっていきはせぬか、お互いに手間がかかるのではないかということも考えます。それで、とりあえずは今回一回ということになりますならば、またこれはそのもとにおける届け出の状態とか、そういうことを見せていただきまして、選挙管理委員会の方の意見も聞きながら、今後また検討をさしていただきたいというように考えております。
#92
○大川清幸君 次に、後援団体等、政治活動のために使用する文書図画の掲示の問題でお伺いをいたしたいのですが、今回は後援団体等が使用する事務所等に掲示する立て札及び看板のたぐいですが、これは同一の候補者について後援会等を通じて総ぐるみで総量の規制をするということでございますが、この目的はどういうことですか。
#93
○衆議院議員(片岡清一君) これは一つには、まあなるべく金のかからないという一つの目標もございます。それから同時に、あちらこちらと、たんぼの中とか、いろいろなところにこれが掲示せられて外観上余り好ましくないというような非難も出てまいりました関係から、こういう規制をすることにしたわけであります。
#94
○大川清幸君 そこで、看板等の総量規制の御趣旨はわかるのですが、実例として伺うところによると、北海道とかあるいは岐阜県あたりでは、後援会事務所の数が特定の政治家というか、候補者についてかなり多いというようなことを聞いておりますが、実情はどういうふうになっていますか。
#95
○説明員(岩田脩君) この件につきましても、やはり選挙区というか、そういった場所によってやはりかなりの差異がございます。おっしゃいましたように、特定の選挙区ではかなり多くの団体をつくっていらっしゃるということもございまして、一概には申し上げられませんけれども、北海道を含めまして、ごく簡単に全国平均をしますと、衆議院ペースで申し上げまして、お一人の方当たり大体百本ぐらいの数になっているのではないか……
#96
○大川清幸君 百本ですか。
#97
○説明員(岩田脩君) はい、と思います。
#98
○大川清幸君 そこで、たとえば後援会というのは特定の公職の候補者、いわゆる政治家ですね、その方の手腕なり識見などを信頼したりということで国民の間から支持層が固まって後援会等の団体ができるわけでございまして、これが自然発生的にできるか呼びかけるかは別として、幾つかできた。看板が百本というのは、一事務所十本としても十カ所という計算になるのかどうかわかりませんが、後援団体がかなりの数できた場合に、総量規制で立て札、看板等の規制をいたしますと、こうした善意によってできた後援会等の団体が自分のその団体の名称も表示できないようなことが起こってきますけれども、この辺についてはどんな御検討をなさり、またどんな御意見を持っておられますか。
 憲法の第十四条や第十五条、これは国民個人の権利を規定したものでございますし、それから、二十一条は集会、結社というようなことを擁護するために決められた規定でございますが、この辺との抵触等の疑義があるのじゃないかというふうにも思うのですが、いかがでしょう。
#99
○衆議院議員(片岡清一君) この数を幾らに制限するかという問題にも関連いたしますが、憲法との関係においては、これは選挙はどこまでも自由で濶達に、余り制限をしないということが私は理想的な姿だろうと存じますが、先ほどから申し上げましたように、いろいろの立場上、余り醜くいろいろなものが立っておる、あるいはまたそのためにお互いに競争してもう金をふんだんに使うというようなことがやはり選挙の公正を害するもとになる、こういうようなことから考えまして、やはりこれを何本に規制するかということは、これは皆さん方とともに十分よく相談の上で決めなきゃならぬのでありますが、衆議院の段階においては、事務所及び連絡所、後援会の連絡所等を通じまして、二十本から三十本ぐらいでどうだというような案が各党とも大体コンセンサスを得られる数として話し合われたわけでございます。いずれ、さらに皆様方とも御相談をして最後決定をして政令に持っていきたい、かように考えておる次第でございます。
#100
○大川清幸君 先ほど片山委員の質疑の中でも出ておりましたが、ただいま御答弁の中にありました政令ですが、これを決めるめどは先ほどの御答弁どおりに受け取っておいてよろしいですね。
#101
○衆議院議員(片岡清一君) いま申し上げましたように、大体衆議院の段階では二十本ぐらいでどうだろうという意見が非常に多うございました。まあそれでは少ないからもう少しという意見もございました。十分よく検討して、最後決定をすべきだと、こういうふうに思っております。
#102
○大川清幸君 次に、公職の候補者等もしくは後援団体の例の名称を表示するポスター、ステッカー等でございますが、これは町に大分はんらんしていて美観を損なう等の御批判も確かに町の中にありますので、この規制はまあ全面禁止になるわけで、すっかりなくなるということですから、これが全面的にいいのかどうかということはちょっと疑問が残りますが、具体的な問題でお聞きをしたいのは、たとえばシンボルマークとかあるいは似顔絵とか、それからシンボルカラーですとか、いろいろあると思うのですが、それに政治スローガン等を印刷したものを町の中に張ることについては、これには抵触いたしませんね。
#103
○説明員(岩田脩君) 御返事を申し上げます。
 私どもの理解しておりますところでは、今回のステッカーの禁止といいますものは、公職の候補者の氏名を記載した文書及びその氏名類推事項を記載した文書、または後援団体の名称を表示した文書ということがまず前提でございますので、だからそれに当たらないものは今回のステッカー議論の中には入ってこないのだというように考えております。
 したがいまして、いまお話しのありましたシンボルマークのみのものというのは、これは理屈を考えますと、本人のお顔をシンボルマークにするということも考えられないことはないかもしれませんし、かつまたシンボルマークそのものがその方のお名前を表示しておるシンボルマークということも考えられないことはないかもしれませんけれども、そういう変なせんさくをせずに申し上げますならば、シンボルマークのみのものというのは今回の規制の直接の対象にはならないと考えております。
 ただ、そういったようなものを、たとえばいままでのは、ここが後援会の事務所ですから後援会の事務所というのを張っておったのですよという口実があったわけですけれども、今回はそういうものなしに、要するにシンボルマークだけのもの、要するにお名前といったようなものをそこらじゅうにお張りになるということになると、これはもう従前からすでに百二十九条の事前運動の問題とか、そういった点で問題を起こしてくる可能性が高いのではないかというように考えております。
#104
○大川清幸君 事前運動等のからみについては、大変これは判断が微妙なんで、いまのシンボルマーク、あるいはその方が長く掲げていた政策、これを掲げたことについての判断をどこでするかということになると、先ほど午前中の論議でもあったように、取り締まる立場にある地元の警察その他では、こういう微妙な問題は取り扱いが非常にめんどうだと思うのです。
 そこで、もう一つ予想される事例で伺いたいのですが、たとえばスローガン・プラス候補者、ないしはスローガン・プラス後援会名、こういうようなスローガン、これはしかし、今回の規定で言うと、当該「公職の候補者等若しくは後援団体」の名称を表示する――「に使用する事務所若しくは連絡所を表示し、」となっていますね。いま私の申し上げたのは、後援団体の構成員を明らかにする問題でもないし、事務所も明らかにしない、連絡所等も刷り込んでいないということですが、これはどうなりますか。
#105
○衆議院議員(片岡清一君) 名前とかあるいは連絡所あるいは事務所の表示のない単なる本人の似顔であるとかあるいは名前だけ書いたものというのは、これは従前からも事前運動の対象にされる場合が非常に多うございますので、それはそういう段階で取り締まりになると思います。
#106
○大川清幸君 次に、今回の改正案で一番やっぱり論議を呼んでおるのは拡声機の使用にかかわる制限の問題だと思うので、これは相当慎重にやらなければならない問題だと私たちも思っているわけでございまして、たとえば労働団体や経済団体、いわゆる先ほどから論議がありましたが、副次的に行う政治活動、これをやっていると認められるものは一切これに含まれるということになるわけですが、この場合、たとえて言うと、いまは三月ですが、四月の統一選挙なんかのときは全国的に各級選挙、地方議員の選挙あるいは首長選挙が行われるわけですが、そうした場合のシーズン的なことを考えると、春闘だとかいろいろなことがありまして、賃上げの要求等はやっぱり継続的に運動しなければならないというようなことがありますが、先ほどの御論議の中でも出ておりましたように、こうした場合にいわゆる労働団体その他副次的に政治活動を行うと認められる団体はかなり多いわけですね、これが集会その他に拡声機が使えなくなることについては、大分問題が残るのではなかろうかと思いますけれども、いかがですか、この点に対する解釈は。
#107
○衆議院議員(片岡清一君) それは、その場合場合によって判断さるべきものでありまして、それが政治活動を行う団体であると認定できる場合には、それが二百一条の五に決められた街頭演説でありますとかあるいは政談演説会であるとか、あるいは政策の普及宣伝を行っておるというようなものとして認定せられる、そういう場合にはやはりこの規制の対象になると、こういうふうに言わざるを得ないと思います。
#108
○大川清幸君 それから、文化団体とか芸術団体、これは政治活動にはまるっきり平素から関係ないわけですが、たとえば市町村長というか都道府県知事の権限である入場税その他の問題で、値上げなんかあったときに、やっぱり選挙の時期に絡んでいろいろ運動をしなければならぬというようなことがあった場合、これは芸術家の何か行うものについての入場税についてはやっぱり深刻な問題ですからね。そういう運動をしようというときにたまたま選挙にかち合ったなんという場合に困るわけですな。こういうものの扱いやそれからもう一つ、選挙の啓蒙なんかを行っている団体等については、この規制から外してもらえるのでしょうね。どうなんですか。選挙の啓蒙などを行っている団体がありますね。たとえば民間の中にもあみし、選挙の啓発運動等の団体、こういうものは規制の枠外になりますか。
#109
○説明員(岩田脩君) お答えを申し上げます。
 問題はやっぱり、その文化団体とかいまおっしゃいました選挙の啓蒙をやっている団体というものの性格なりその目的、それからやってこられた実績、そういったものから見てその団体が政治活動を行う団体に当たるのかどうかということをやはり判定するということがまず先になるのではないかと思います。そういう政治活動を行う団体でなければまず問題はないわけでございますから、たとえば選挙の啓発を行う団体と言われましたときに、それが本当に特定の政策を支持し、推進するということでないのであれば別に問題はないのではないかと思いますけれども、やっぱり個々の、午前中に御議論がございましたように、認定にまたなければならない面も残っているのであろうと思っております。
#110
○大川清幸君 したがって、断定的に言えないのは、それはその文化団体あるいは民主的な団体あるいは芸術関係の団体等、この性格や過去の実績、これを踏まえて判断せざるを得ないというのは、事務レベルではそうせざるを得ないと思いますが、この改正案がもし実施される場合には、いろいろその点で疑義が出てきたり後で混乱が起こるようでは非常にまずいので、わざわざ改正をした価値がないということにもなりますから、この辺の扱いについては自治省なりあるいはその選挙に関係する事務当局で十分これは詰めておいていただかないと、非常に後に問題が残ると思いますので、この点はぜひともその面の努力をお願いしたいと思います。
 次に、先ほどもちょっと論議があったのでわざわざ聞かなくてもいいかと思いますが、都道府県、市町村の議員と、それから市町村長の選挙にかかわる任意ポスターの掲示にかかる選挙期間中のポスターの掲示の問題ですが、これは平たく言うと三通りあるみたいな形になりますね。それは、各地方公共団体の自主性に任せて条例で決めるということです。
 私は、方法はそれでいいと思うのですけれども、先ほど言った統一地方選挙なんかのときに、同級レベルの選挙で、同じ県下で市町村会の選挙それぞれ掲示の方法が違うなんという場合には、それは各都道府県の選管で一応統一的には良識を持ってやると思いますが、その辺の混乱が起こらぬように、自治省なり国から手を出すわけにはいかないでしょうけれども、指導するなり対応というのは考えておいた方がよろしいのじゃないかと思いますが、どうでしょうかね。
#111
○説明員(岩田脩君) 恐らく御指摘は、たとえば都道府県議会議員の選挙と町村の議会の議員の選挙が一緒に行われるという場合に、都道府県の方は今回新しくできた、ほかのところには張れない任意制のポスターをやっており、市町村の方はどこでも張れるのをやっておるというようなことになると、ということであろうかと思います。
 なるほど御指摘のとおりでございまして、われわれとしてもできるだけ有権者の方に、それから運動者の方に混乱が起こらないようにしたいとは思いますけれども、制度の趣旨がそれぞれの地方公共団体の自主的判断にゆだねられておることでございまして、大川先生のお話にも出ましたように、私どもの方で強制するというのはちょっと今回の趣旨に反するかと思いますが、そういう混乱の起こらないような指導はしてみたい。ある意味で申しますと、たとえば国会議員の選挙に便乗して現在でも市町村長選挙が行われた場合、両方のポスターの張り方が違うということはある程度経験済みでもございます。そういう混乱がこれ以上大きくならないように努力をしてまいりたいと思います。
#112
○大川清幸君 それから次に、今回は改正案の中には出てこなかったのですが。先ほども論議がありましたけれども、選挙の自由化の方向から考えますと、百三十八条のいわゆる戸別訪問の規制の問題でございますが、これは自由化の方向でやっていただく方が賢明ではなかろうかと思いますし、先ほども片山委員から出ておりましたが、地方の選管のまとめた意見で、戸別訪問は人数及び時間等の制限をして自由にできるように改正した方が望ましいという意見が出ております。先般東京の中野区で教育委員会の委員の選挙、これは文部省との間にいろいろ異論がありまして、あの選挙自体はいい悪いはまずおくとして、あれではいろいろなやかましい規定がなかったために候補者の方々がそれぞれ中野区の区民の間を歩いて自分の主張なり人柄の紹介に努力して歩いたことで、かなりこの点では世間からも高く評価をされておるし、マスコミの論調でもこの辺は評価していたように私は記憶をいたします、そういう点から考えますと、やはりイギリスなどで行われているような戸別訪問の自由化の方向というのは努力をしていただいた方がよろしいのではなかろうかと思います。その点では先ほど、町の中に混乱が起こるとか、動員されると困るとかという御答弁があったのですが、これはやはり選挙民の良識等を信頼していただいて自由化の方向の努力をしていただきたい、それが望ましいと思いますが、もう一回御答弁をいただきたいと思います。
#113
○衆議院議員(片岡清一君) わが党におきましても、この審議の途中において自由化についての相当の論議がございました。ぜひこれは自由化すべきだという有力な意見も相当ございました。しかしやはりいろいろの場合を煮詰めて考えましたときに、いままではずっと禁止になっておって、急にこれが自由化されるということになる、その前に、いまお話のように相手方を規制するとか時間を規制するとか、そのことによっても考えるべきではないかというようなことも論議の中心になったわけでございますが、いろいろやってみましたが、結局これが完全な自由化になりますと、まだまだ買収、供応等に使われるような場合もところによってはなきにしもあらずということも考えられますし、またこれが相手方にとって非常に迷惑になる、次から次にやってこられると応接にいとまがない、それで選挙民の方で音を上げられるという場合もあるのじゃないか。
 それからまた、いまお話のありましたように、これがもう選挙の一番中枢といいますか、本体みたいなことになりまして、頼みにこない者はもう選挙しないのだということになりますと、手を変え品を変えて大きな動員などをやってやるということになると、これは大変な金のかかる選挙になるおそれがあるというようなこと等を考えまして、やはりまだしばらく慎重に検討すべき時期ではないかということで見送った次第でございます。
#114
○大川清幸君 個人演説会等、あれは立会演説会なんかは地元の選管等で車を回してくれたりするからある程度いいのですけれども、個人演説会等へも本当に親しい人を一、二連れ出すこともできないようなことで大変不自由なんですね、実際には。ですから、これの論議をやっていると時間がなくなりますが、近い将来どうせ一票制やなんかも一生懸命自民党さんいま検討なさっておるようで、私たちあれは反対ですけどね、自由化の方向なども近い将来前向きで検討なさる御意思はあるのですか、自民党さんとしては。どうなんです。
#115
○衆議院議員(後藤田正晴君) いま片岡さんからお答えしたとおりでございまして、党内にもいろいろな議論がございました。今回の改正は選挙法にいろいろな問題点がありますから、それらを総ざらいしたわけですけれども、党内でもおおむね意見の一致するところ、同時にまた、野党の皆さんもまあまあこの辺ならいいではないかといったようなところだけをとりあえず緊急のあれとして改正をしようということでございましたので、いまの問題については今後の検討課題にしておりますから、前向きか後ろ向きかはちょっと何とも言えませんけれども、いずれにいたしましても大変重要な問題だと思います、戸別訪問自由化の問題は。したがって大変重要な課題として検討さしていただきたい、かように思います。
#116
○大川清幸君 それでは後ろ向きか前向きかの後の方のはとっていただいて、ひとつ御検討をお願いしたいと思うわけです。
 それから、選挙の公営化の問題で、一つだけ聞いておきたいと思います。
 国政レベルではある程度選挙の公営化が進んでまいりました。地方選挙、地方議員の選挙等を含めまして公営化の推進については積極的におやりになるおつもりでしょうかどうでしょうか。
#117
○衆議院議員(片岡清一君) 公営化につきましても、ラジオ、テレビ等を利用する問題でありますとか、その他いろいろの面である程度検討をいたしたのでございますが、ラジオ、テレビあるいは立会演説会、その他いろいろの面について現行のものをもう一遍見直したらどうか、ことにラジオの討論会等については公営の範囲として非常に有効ではないかというようなことも検討いたしました。そしてそういう報道機関の方々の意見も徴したのでありますが、いまの時間編成の立場から相当むずかしいものがあるということで、これもまた将来のさらに検討を続けていく課題として残したわけですが、まだ今度の中へは取り入れなかったという次第でございます。
#118
○多田省吾君 私は、本来選挙活動、政治活動につきましては、自由濶達、公正なものであるべきであり、いたずらに制限すべきではないと考えている者でございますが、今回の改正案は、第六の連座制の強化、第七の選挙人名簿の登録制度の改善等以外は選挙運動、政治活動についての制限のようなものでございまして、大変残念に思いますが、やはりたとえば政党機関紙の拡販車等を見ましても、特に昭和四十年代においても一部において行われておりましたが、昭和五十年代になると非常に盛んになりまして、昭和五十四年の統一地方選挙、あるいは昭和五十四年十月の衆議院総選挙、さらに昭和五十五年の六月の衆参同時選挙等におきましては、一つの衆議院の選挙区におきまして何十台、何百台という拡販車が候補者の名前を連呼するというような異常事態が起きました。国民からも騒音公害としての強い批判を浴びたわけであり、また政党としても大変金のかかる事態になったわけでございまして、そういう姿からこういう改正案が出たのではないかと思うわけでございます。ある新聞の社説にもありましたように、こういった問題は、本来政党並びに候補者自体が自主的に自粛すべき問題ではありますけれども、やはりどんなことをしてでも当選を果たしたいというような希望も強くて、このような毎回選挙のたびごとに拡販車の騒音公害がひどくなるというような姿になったのではないか、大変残念に思うわけでございます。
 いま大川委員からも質問がございましたように、後藤田議員が自治大臣時代にもこの委員会でたびたび論ぜられましたように、選挙法を改正するのならば戸別訪問の自由化をまず図るべきではないかという意見が各野党から強く出されたわけでございます。しかも、最高裁の判決こそございませんけれども、地裁の各地の判決では、戸別訪問禁止は憲法違反であるという判決すら多く出ているのでございます。また、いま片岡議員からは戸別訪問の自由化をやりますと買収、供応の温床になりやすいし、また相手からも迷惑がられるというようなお話もありました、しかし買収、供応の罰則を強化するとかあるいは連帯責任を重くするとか、あるいは選挙制度審議会や各選管から出されているように、第一段階としては人数や時間を制限して試験的にやってみるとか、そういう方法もあるわけでございまして、大川委員からも指摘されましたように、中野区のいわゆる教育委員の準公選というものも戸別訪問の自由化のもとにおいて行われました。政党活動がなかったというようなことやいろいろな理由がございまして一応成功したように思えるし、その面では各会派がみんな賛成してやったことでございますから、私はやはり戸別訪問の自由化ということは前向きに、真剣に、また速やかに考えるべき問題だと思います。私は代々の自治大臣に戸別訪問の自由化を質問しておりまして、比較的私は後藤田自治大臣は前向きの御答弁をなさったのじゃないかなというふうに記憶しておりますけれども、もう一度ひとつ後藤田議員のお考えをお聞きしておきたい。
#119
○衆議院議員(後藤田正晴君) 今日の選挙の実態から見ましても、選挙運動に入って実際有権者のところに訪ねていって、私はこういうつもりで立候補しているのだ、ひとつ理解と支持をしてくれと言って知ってもらわなければ選挙にならないということが実態ですよね。だからそういう実態を踏まえますと、日本のこの戸別訪問はいけないのだというのは世界の選挙制度から見ても日本だけですから。と言って同時に、日本人ぐらい人のところに訪ねていくのに、手ぶらであの人は来た、こういうことを言う国民もありませんね。手みやげを何がしか提げていくというような習慣が片一方にある。いろいろなことで従来から日本の選挙だけがこの戸別訪問を禁止しているのですね。私きょうは大臣でもありませんしなんでありませんから率直にお答えしますが、やはりこの戸別訪問というのは自由化の方向に実際は向かうべきものだ、私はそう考えているのです。
 しかしながら、党内で議論をしますと、これはお年寄りの意見と若い人の意見が違います。それからもう相当名前を売り込んでいる人と新しい人の意見がまた食い違うといったようなことで、今後も党内で実はこの問題をずいぶん議論したのです。しかしながら、残念ながら意見が一致しない。したがってこれは本当に重要な選挙運動の一つの形態ですから、これは重要課題として今後引き続いて検討をしようではないかということになったわけでございます。それで今回の案には上がらなかったというのが実情でございますから、皆様方の御意見は従来からよくわかっております。党としても今後引き続いて研究をしてまいりたいと、かように考えます。
#120
○多田省吾君 次に、連座制の強化で、昭和四十二年の第五次選挙制度審議会以来、同居の親族につきましては運動について意思を通じているものとみなすということが国民感情でもございました。今回の改正で同居していない親族が対象になったのは一歩前進でございますけれども、同居の親族についてこれまでと変わらないものになったのはどういうわけか、もう一回ひとつ簡潔に御答弁いただきたい。
#121
○衆議院議員(片岡清一君) われわれの調査会においてもいまお話しのように、一緒に同居しておるんだから、それは意思を通ずる通じない、事情を知っておる知らないということをせんさくする必要なしに、それは知っておるものと推定してその連座制を適用すべきだという有力な意見もございましたわけであります。ただしかし、同じ家族の中でも、候補者になって当選してもらうことを本当に願う場合と願わない場合といろいろの場合がある。同じ夫婦であっても、おやじさんが選挙に出られると困るということで、わざと何かをするというような場合も考えられる。だから、そういうことを考えると、すべての場合、同居している場合は知っておるものと推定して連座制を適用するということについてはかなり法理論としてむずかしいところがあるのではないかという有力な議論も出たわけでありますし、また、幾ら家族の者であっても選挙の総括主宰者ないし重要な責任者としてタッチしておる者とは違うわけでありまして、したがって、選挙運動をしておるということを知っておる場合はこれはあれでありますが、ことに買収、供応を知っておってやっておるというような場合は、これは当然共犯として罰せられるわけでございます。そうでない場合については、いわゆる選挙運動に携わっておるという実がなければ、これを処罰の対象にする、そして連座制を適用するということについてはどうも問題があるのではないかということから、さらに検討を要するということで、今回は見送ったということでございまして、将来さらにまたこの問題については検討を要する問題であると考えておる次第であります。
#122
○多田省吾君 いま一番問題になっております、現行法でも期間中の政治活動で政談演説会、街頭政談演説等は確認団体以外はできないことになっておりますけれども、衆議院の質疑の際、提案者が統一見解として示したマイクの使用に関しまして、従来適法に行われていた集会が今回の改正により制約されることになるものではないという見解を出されたわけでございますが、その点に関しまして、適法の集会というのはどういう形のものなのか。
 それから、先ほど片山委員からは労働組合の問題が出されました。大川委員からも文化団体や芸術団体あるいは民主団体等の話が出ました。やっぱり私も、たとえば選挙啓発団体とかあるいは市民団体等が新たに制約されるということがあったらこれは一大事だと思うのでございまして、そういうことは絶対ないのか。その二点をお尋ねしておきたいと思います。
#123
○政府委員(大林勝臣君) 先般の衆議院の委員会におきまして、拡声機の改正に関して見解が発表されたわけでありますけれども、適法な集会とそこで使っております意味はこういう意味であります。
 つまり、今回の改正は、まず第一に、活動の主体として「政治活動を行う団体」であるかどうかということについては全く触れておりません。したがって、ある団体の集会が行われます場合に、その団体が「政治活動を行う団体」でなければもう初めから問題にならない。それから、仮にある集会を行う団体が「政治活動を行う団体」だということになりました場合に、その集会の性質になるわけでありますが、その集会が仮に政策の普及宣伝のための集会であるということになりますれば、すでに現在の規制を受けております政談演説会そのものになる。したがって、ある集会そのものが政策の普及宣伝のための集会だということになると、すでに現行法で政談演説会の規制を受けておるわけでありまして、今回のマイクの使用についてより先に、マイクの使用のいかんにかかわらず、政談演説会の規制を受けるわけであります。したがいまして、仮にその集会を行う団体が「政治活動を行う団体」だということになりました場合にも、政策の普及のための集会でなければまた今回の改正は関係がない、こういうことになるわけでありまして、そういう意味で、従来適法に行われておる集会については関係がないと、こういう見解を発表されたものと理解しております。まあ労働組合その他の団体の問題も同じでございます。
#124
○多田省吾君 それから、任意制ポスター掲示場制度の改善、これは都道府県会議員、市町村会議員、市町村長の選挙におけるものでございますが、いまでも全国各地で任意制ポスター掲示場をつくって、各現役議員が、その他のところには張らないようにしましょうというような申し合わせをやっているようでございまして、ただ、それは反対だという方も、あるいは新人の方なんかは反対だということで、任意制ポスター掲示場に張ったほかに、いままでとおり規定以内のポスターを各所に張っておるというような姿がございます。まあこの規定もみんながこれに賛成していただければいいのですけれども、反対の方もあるようで、これを本当に規制する必要があるのかどうか疑問でございますが、私は、この問題よりも、むしろ大川委員が先ほど申しましたように、こういった選挙によっても公営をもっと強めてしかるべきものがあると言うわけです。
 私も、何回も質問をしているのでございますけれども、いわゆる国の選挙に比べまして、知事選を除いては都道府県会議員、市町村会議員及び長の選挙は公営によるものがほとんどないのが実情でございまして、いま有権者が最も頼りにしているのがやはり選挙公報だと思いますので、選挙公報ぐらいは公営で義務制にしてもよいと思いますけれども、提案者はこれら地方選挙の公営拡大をどのように考えておられるのか簡潔に御答弁いただきたい。
#125
○衆議院議員(片岡清一君) 市町村議員等についてもあるいは府県会議員の選挙についても公報などを公営の一つの手段として拡充したらどうかという御意見でございます。もうすでに事実上これをやっておるところも相当あるようでございます。しかし、これは将来のやはり一つの研究問題として検討に値するものではないかと思いますが、市町村の場合のごときは、わりあいに日常どういう考えを持った人であるかというようなことは十分よくわかっておる場合が多うございますし、公報という方法によって政見を皆に知らせなきゃならぬというほどの必要があるかないか。それらのやっぱり検討問題だと思いますので、将来の検討課題としてさらに検討を進めていきたいと思います。
#126
○多田省吾君 それから、二月十八日の衆議院の特別委員会におきまして後藤田議員がお答えになっている中で、衆議院の選挙制度は西ドイツ式のいわゆる比例代表小選挙区制という表現を使っておられますが、「日本の政治土壌を考えながら検討すべきは西ドイツの選挙制度、」を「参考にしてしかるべきではないのか。」と、「これは有力な一つの参考資料であろう、」と、こうおっしゃっておられます。これは御質問に答えられての御答弁ですから、そのように私も理解はしておりますけれども、やはり衆議院の定数是正を速やかにやるべきでございまして、もしそれがいやで自民党の方々がこの選挙制度を変えようというのならば、私は非常に問題があると思うのです。
 簡潔に申しますと、西ドイツのいわゆる小選挙区比例代表制というものは、私は、西ドイツの現状のように、二大政党あるいは三つ目の中小政党、その程度の政党数ならば、また西ドイツの風土においては存在し得るとは思いますけれども、日本においては現在のように七党、八党がある現状でございますし、私は適当ではない、このように思います。しかも、西ドイツ式は定数が定まっておりましても、御存じのように幾らでもその状況によっては、日本の東京や大阪におけるように各党の勢力が相拮抗しているような場合は、やはり定数もふえるわけですよ。ですから、五百名と限定しても六百名あるいは六百五十名ぐらいまでは私はなり得ると思うのです、そういうものが、いま五百十一以上は無理だと言われている衆議院の現状においてできるのかどうか、それも問題だと思いますし、それから、そのほか、まあ西ドイツ式に準じて五、五じゃなくて六、四にしようとか七、三にしようとか、また併用制だと定数がはっきりしないので、過去の韓国の例のようにいわゆるグラーベン方式というのですか、並列式にしようなんてなりますと、比例代表部分が五百じゃなくて、戸とか二百と、こう限定されてしまう。そうすると、中小野党は全滅させられてしまうような姿になるわけです。小選挙区の分野でもなかなか当選できない、比例代表の分野でも、五百が基盤じゃなくて二百とか百五十が基盤になれば、ずっともう全選挙区に立てても当選者が激減するわけです。ですから、得票率と議席率は非常にかけ離れたものになるわけですよね。だから、第六次、第七次の選挙制度審議会のときのように、また田中元総理が小選挙区制を打ち出されたときのように、並列式なんというのがすぐ話に出るんですね。ですから私はこういう制度は反対です。ですから、あくまでも民主的な、得票率と議席率が一致するような、各国の例にもあるような制度をやはり考えるべきではないかと、このように思いますし、いまのところは、高裁の違憲判決もあったのですから、先ほど片山委員もおっしゃったように、やはり衆議院の定数是正というものをこの立法府で、やはり自民党を含めた各党の話し合いで速やかに行うべきだと、このように思うのでございますが、後藤田議員の御所見を承らしていただきます。
#127
○衆議院議員(後藤田正晴君) 選挙制度は各国それぞれに歴史的な経過、政治土壌、これを踏まえてでき上がっているわけですから、どの国の制度はいい、どこの国の制度は悪いと一概に私は言い得ないと思います。
 先般、衆議院でお答えしたのも、社会党の堀昌雄先生から、西ドイツの比例代表制を根拠にした小選挙区制度がいいではないか、君はどう思うのかということに対するお答えをしたわけでございます。それだけに私は、別段、衆議院のそういった選挙区制が現実的な政治課題になっているとか、いますぐになり得るとかといったようなことを考えておるわけではございません。
 ただお答えをしたのは、そういう御質問に対して、やはり選挙制度というものは基本的な考え方が二つある、一つは小選挙区制でしょう、もう一つは比例代表制でしょう、ただ、小選挙区ということになると、死に票の問題が大きく浮かび上がってくる制度でしょう、したがって、イギリス式のものはそういう面では私は弊害があるように思う、それから比例代表制ということになると、これは今日国民の価値観が大変複雑になっております、その価値観を国会に吸収するという意味合いにおいては比例代表制が一番いい、しかしながら、同時にこの比例代表制は、御承知のように、政局の不安定、小党分立、その結果がどうなったかということは、これはフランス、イタリー等の先例で明らかなことでございます、そういったような弊害が一方に生まれる、そこで、仮に考えるとするならば、堀さんの御意見も大変有力な御意見で、西ドイツ方式というものは検討に値するものと思いますと、こういう御返答を申し上げたのですが、それは検討に値するということであって、いまやるなんていうことを申しているわけじゃありませんし、同時にまた、率直に言わしていただければ、二つの制度をどうかみ合わせるかということ、これを基本にして考えるのが一番いいのではないかなと、かように私は考えておるのです。といいますのは、今日の日本の制度、これを一概に悪いと言えません、外国人は、日本は大変あれはいい制度だと言っている人がおるのですから。しかし大変困る面がございますので、同士打ちを絶えず私どもやっておるわけでございまして、弊害も身にしみております。したがって堀さんの御質問に対してああいうお答えをしたにすぎないと、こういうふうに御理解願いたいと思います。
#128
○委員長(鳩山威一郎君) 答弁は簡潔にお願いいたします。
#129
○多田省吾君 最後に参議院の選挙制度また地方区の定数是正の問題をまとめてお伺いします、
 私は、衆議院の選挙制度も、小選挙区制は、日本の国民の要望によって七党、八党という多党化現象を生じているわけでございますから、その中で小選挙区制をやるということは現状にそぐわない、このように思います。また参議院制度は、自民党は選挙制度調査会におきまして昨日いわゆる参議院拘束名簿式比例代表制・一票制というものを御確認になったようでございますが、私どもは一票制も二票制も、拘束名簿式比例代表制は反対でございまして、やはり参議院の政党化を助長し、参議院の本来の機能に逆行するとか、有権者の意思にかかわらず政党が拘束名簿をつくるのは非民主的であるとか、ドント式の議席配分は第一党にのみ極端に有利となるとか、全国区の特徴であった無所属候補の当選が困難となる、あるいは拘束名簿の順位づけは至難であって、現職が優先されて新人の進出が困難になるとか、また政党によってはかえって金がかかる選挙制度である、あるいは参議院に拘束名簿式比例代表制を導入して衆議院に小選挙区制導入の道を開くおそれもあるというような理由で私たちは反対しております。特に一票制というのは非常に問題でございまして、憲法四十三条の「選挙された議員」という条項にも疑義がございますし、憲法十四条の「国民は法の下に平等」という点から見てもやはり問題がある。憲法十五条の「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。」、「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。」と、このような憲法の各条から見ても非常に疑義があると思いますし、私はやっぱりこういうものはやるべきじゃないと、このように思うわけです、
 また、選挙事務も非常にこれはややこしくなりますね。お考えになっているとは思いますけれども、たとえばもう全国区に出られないのだからというので、特例のいわゆる三人名簿ですね。あれで東京あたりに、たとえば二十名、三十名と立つようなことがありますと、たとえば二十名立ちますと、いわゆる上に現行法の名簿を書くわけでしょう。下に政党の名前を書くわけでしょう。また書かなくてもいいわけでしょう。そうなりますと、やはり両方に書く種類というものは、二十名立ちますと、順列、組み合わせで計算しますと大体四百四十種類ぐらいの投票になるわけですね。これを一々仕分けなくてはいけない。三十名立ちますと九百六十種類ぐらいの投票が出てくるわけです。上がやはり個人候補者、下が政党ですから、その組み合わせがいろいろあります。三名の特例を認めておりますから、みんなそれにかかわっている候補者とすれば、計算すればそうなるわけです。そうして一枚の紙の中でも、上が無効だから下も政党名ははっきり書いてあるけれども無効になったとか、下が無効でも上は生きだとか、両方とも無効であったとか、もう四種類ずつそれにまた種類が出てくるわけですから、九百何十種類にまた四種類かぶせれば四千何十種類なんて、こういう姿になる。それで今度は上が書いてなくて下だけ書いたら無効だというのですよ。そういうややこしいものを有権者の皆様に納得させるだけでもこれは何年もかかってしまう。そしてまた、下の方だけ棄権したいと思っても棄権できないとか、いろいろこれは問題があります。ですからこういうものはやはり私は出すべきではない、このように思いますね。
 それからもう一つは、地方区の定数是正です。聞くところによりますと、先ほども片山委員の御質問に後藤田先生が答えられた中に、逆転現象だけを解消すればいいのだというような御答弁だった。ある新聞に出たのを自民党の方がこの前説明に来られたので聞いてみたら、大体そういう案を検討中だということでございますが、どうも北海道と兵庫と福岡を二名ずつ減らして、それで神奈川と岐阜と宮城県を二人ずつふやす。そうすれば逆転現象だけは解消できるというふうなことらしいのですが、兵庫県なんというのは御存じのとおり平均人口以上に人口の多いところですよ。そういうところの議員をなぜ減らさなければならないのか。やっぱり昭和二十一年に地方区の定数を考えられたときも、いわゆる配当基数方式というものによりまして、まあ各県に二名ずつ最低割り振るということはありましたけれども、大体人口比例ですよ。その人口比例なんというのは一つの要素であって、大した大きな要素じゃないというような御答弁に終始されているようですが、これは私は異論があります。やはりやるのだったならば、野党案のように十八名増案とか、あるいはプラス・マイナス・ゼロでやろうとするならば二院クラブが出したような二百万までは二名ずつで、それ以上はやっぱり人口比例によるとか、そういうはっきりした方式で人口比方式で行うべきであって、便宜的に逆転現象だけ変えればいいのだと。また今度は愛知県よりも埼玉県の人口が多くなったら愛知県を二名減らそうなんというそんな乱暴な非合理的なやり方を私はなすべきじゃない、このように思いますが、どうでございますか。
#130
○衆議院議員(後藤田正晴君) 全国区の改正案についていろいろ貴重な御意見を承りましたが、いま自由民主党の中でせっかく検討いたしておりますから、その上でまた野党の皆さん方の御意見も十分承らしていただきたい、かように考えるわけでございます。
 いま一点の地方区の定数是正の問題は、先ほどお答えしましたように、参議院と衆議院の場合は違いますということ、地域代表の性格が非常に強いという点と、もう一つは三年ごとの選挙であるということで偶数にせざるを得ないといったようなことでございますから、衆議院とはよほど趣が違う。同時にまた、定数問題は人口が重要な要素ではありますけれども、やはりそれだけじゃありません、これはやっぱり地域の広狭あるいは行政区画、地理的な条件、産業構造、人口構成あるいは過密過疎の評価の問題、いろいろございますから、それらを慎重に判断をして考えるべきであろう。
 しかし、いずれにせよ逆転選挙区は、仮に全国区を改めるとするならば、これは根本的な改正ですから、そういう際にはあわせてやはり地方区の逆転現象ぐらいは見直さないと一般の理解が得られないのではないかなと、こういうことを私はお答えをいたしておるわけでございます。
#131
○多田省吾君 最後に一点だけお尋ねしますが、きょうの読売新聞の朝刊によりますと、自民党の選挙制度調査会の政治資金・政治倫理小委員会長である塩崎さんが、十七日、自民党の櫻内幹事長に会い、二十日の小委員会にたたき台としていわゆる政治資金の見直しに関する塩崎私案を提示するために説明をされたという記事があるわけでございます。その中で企業献金の枠を拡大するという内容が含まれているそうでございますが、この前政治資金規正法が改正されたばかりであり、そのときの総理や自治大臣の御答弁もあり、しかも今度の改正案でも皆さんが金のかからない選挙を目指しているとおっしゃっているのに、この企業献金の枠拡大なんというのは附則八条の方針に反して、逆行して案をつくられるということは、私は本当に国民を愚弄するものだと思いますけれども、これはどうなんですか。
#132
○衆議院議員(後藤田正晴君) 選挙の問題は、選挙区制の問題あるいは定数是正の問題、運動規制の問題、それと政治資金の問題、大体大きく言えばこの四つぐらい問題があると思うのです。そういうようなことで、私も新聞を読んだばかりで内容は知りませんが、恐らくや塩崎さんは政治資金関係の小委員長をやっておりますから何かそういう御意見をどなたかに言ったのかもしれませんが、私どもとしてはそれはまだ取り上げておりませんし聞いておりませんので、いま多田さんのそういう御意見もあるということは十分頭に入れて、もし塩崎君がそういう正式の場で御意見があるならば発言をいたしたいと、かように考えます。
#133
○山中郁子君 本日は本法案に関する参議院における初めての質疑でございますので、私はまず初めに、今回のこの法案についての私どもの基本的な考え方を申し上げておきたいと思います。
 すでに議論にもなっておりますけれども、そもそも選挙というのは主権者である国民が政治に参加する最大の機会ですよね。そして選挙のときこそ国民が正しい選択が行えるように国民の知る権利あるいは言論、政治活動の自由が保障されなければならないということは言うまでもないと思います。
 しかし日本の選挙制度というのはもともと、ずっと議論もありましたけれども、戸別訪問の禁止だとかあるいは文書制限などを初めといたしまして、諸外国にも例を見ないいわゆるべからず集です。国民、有権者の側から言えば、何をしてはいけない、かにをしてはいけない、あれもいけない、これもいけないということで、へたなことをするとすぐ選挙違反になるのじゃないかという、そういうような実態がありますし、これはもともとなぜそうなっているかと言えば、戦前の選挙制度を基本的に受け継いで、簡単に言えば国民を基本的には信頼をしない、いわゆみ愚民思想にもつながるそういう流れによってきているものだということはすでに多く指摘されてきているところです。だからこそ、選挙制度審議会でもたびたびその自由化が提起されているところです。前回の公選法の改悪もそうだったわけですけれども、自由化に向かうどころではなくて、次々と新たな規制をかけてきているということで、今回の改悪も選挙中に国民の政治活動を一層制限しようというものであって、憲法の保障する言論、表現、結社の自由など基本的人権、そして国民主権の原則に真っ向から反するものだということから私たちは問題を重大視してきております。
 衆議院段階での議論の中でもさまざまな重大な問題が提起をされまして、その一つの論点として拡声機の問題が浮かび上がってまいりました。そこで私は、まずきょう第一回目の質問といたしまして、その拡声機の問題に焦点をしぼってさらに解明もし、その問題点を明らかにしなければならないというふうに思っております。
 初めに提案者に確認をしたいのですが、この改正案によりますと、拡声機の問題についてだけ言うならば、「政党その他の政治活動を行う団体」は、確認団体を除いて宣伝告知、つまり、これは政策の普及宣伝並びに演説告知である、この宣伝告知のために拡声機を使用してはならない。拡声機に関してはこの法案が言うところは、いま私が申し上げたところですね。そういうことですね、確認を求めます。
#134
○衆議院議員(片岡清一君) 拡声機に関しましては、いまお話しのように、その団体が「政治活動を行う団体」であり、そして政策宣伝ないし広報の活動をやっておる、そういう場合のことで、一定の選挙演説会その他街頭の演説会等に関する拡声機の制限、そういうことに関しての問題であります。
#135
○山中郁子君 法律というのは立法の過程で、たとえば立法者がないしは行政がどういうものだというふうに仮に言ったとしても、実際はその法文からもたらされるものである、これはもう明らかですよね。法律に書いてある文言そのものからその中に法律の意味するものが入っているわけですね。
 そこで私は確認したいのですけれども、この二百一条の五の提案されている拡声機の問題について言うならば、「政党その他の政治活動を行う団体」は、確認団体を除いて宣伝告知、つまり政策の普及宣伝、演説告知のために拡声機を使用してはならない、こういうことなんですね、この法律に書いてあることは。
#136
○衆議院議員(片岡清一君) そのとおりです。
#137
○山中郁子君 それで問題は、この法律に書いてあることと、それからそのことによって私たちが考えられる新たな規制というものをさまざまな面から明らかにしていっているんです。だけれど、それに対して、衆議院段階で最終的に後藤田さんが統一見解ということで発表されたその中身とは大きな開きがあるんです。私どもはそのことを、これから細かく言いますけれども、申し上げているのです。私たちは何も法律に書いてないことまで、この法律にはそう書いてあるんだろうなんてことを言っていることなんか全然ないのですよ、そこをまず明らかにしておきます。それが重大な問題なんですよね。法律というのはでき上がればその法律によってひとり歩きするんです。そのときに立法者が、いやあれはそういう意味じゃなかった、こういう意味じゃなかったと言ったってそんなことは始まらないんですね。これは常識ですよ。ですから、そういう点から私は、この拡声機の問題をめぐって重要なファクターとしてあるのは、政治活動を行う団体というのはそれではどういうふうに決めるのかという問題ですね、それから政策の普及宣伝というのはどういうものなのか、そういうことが二つの大きなファクターとして出てくるのです。これはさまざまな議論が行われて、それできょうも午前中からそういう議論がいろいろありました。
 そこで私は、まず初めに明らかにしたいのですけれども、政策の普及宣伝というのは何ですか。
#138
○政府委員(大林勝臣君) 政策の普及宣伝というのは現行法でも使っておるところでありまして、政策でありますから、政治上の主義主張、あるいは政治上の施策を不特定多数の者を対象として周知させる、その理解と支持を求める等の行為を言うものと考えております。
#139
○山中郁子君 じゃ具体的にちょっと簡潔に伺っていきます。
 こういうスローガンを掲げて、あるいはその中で呼びかけて集会を行う場合、集会にはほとんどデモが伴います。「総選挙でほうむり去ろう一般消費税」、「一般消費税導入反対」、これは政策の普及宣伝になりますか。
#140
○政府委員(大林勝臣君) この政策の普及宣伝というものになるかならぬかということを考えます場合には、その一つの行為、一つのスローガンだけを取り出しまして、それは政策の普及宣伝であるという認定はなかなかむずかしいと思います。要するに、だれがやっておるか、どういう団体がやっておるかということと関連づけてやりませんと、たとえば増税反対というような話になりましても、これは経済団体が増税反対というようなことを言いましても全く経済上の目的でそういうこともありましょう。したがいまして、そういったスローガンだけをとらまえて、それはすぐこの法律で言う政策の普及宣伝であるというような認定はなかなかむずかしゅうございます。
#141
○山中郁子君 この法律で言うということではなくて、私はいわゆる政策の普及宣伝、あなたがさっきおっしゃった政治上の主義主張による施策を周知し理解と協力を求め不特定多数の人に呼びかけるというその定義に照らして政策の普及宣伝ですかどいうことを伺っているのです。それを行う団体がどうであるかということは別な問題です。
#142
○政府委員(大林勝臣君) 政策の普及宣伝というのはつまり政治上の主義主張でありますから、そのスローガンを政治上の主義主張として言っておるのか、それとも別の観点から言っておるのかということを申し上げておるわけでございます。
#143
○山中郁子君 それではつけ加えて幾つかのスローガンを申し上げます。「労働基準法改悪阻止」、「元号法制化、有事立法阻止・反対」、「要求米価幾ら幾らの実現」、「農産物輸入自由化反対」、たくさんありますけれども、とりあえず私は余り時間もありませんからこれだけ申し上げますけれども、要するに、こうしたものは政策の普及宣伝にあなたのおっしゃったそういうそのときの状況の中ではなると、なり得るとならない場合もあるけれども、なる場合もあると、こういうふうに理解してよろしいのですか。
#144
○政府委員(大林勝臣君) なる場合もありますし、ならない場合もございます。
#145
○山中郁子君 そうしますと、この法案が言っているところは、政策の普及宣伝をしたことによって、そのことによって取り締まりの対象になるんですよね。それだとしたら、同じスローガン、政策を主張しても、なる場合とならない場合とあるということになるわけね。その政策を、スローガンを呼びかける国民は、有権者は自分がそういうことをぜひ皆さんに呼びかけたいと言ったときに、一体どういう場合にこれが選挙期間中にやれば対象になるのかならないのかさっぱりわからないでしょう、そんな法律ってあるんですか。
#146
○政府委員(大林勝臣君) そこで先ほど申し上げた問題に入るわけでありまして、要するにこの法律は現行法自体がそうでありますけれども、政策の普及宣伝のための自動車というような表現を現行法は使っております。その場合におきましても、政策の普及宣伝というものは要するに政治団体、政治活動、政党その他の政治活動を行う団体が政策を普及宣伝するために自動車を使うとかいうようなことになっておるのでありまして、要するにその使う主体が政治活動を行う団体でなければ、もうもともとこの法律の規制の対象外になっておるわけであります。
#147
○山中郁子君 それは、あなたのおっしゃることは先刻わかっています。そこで私はだからいま明らかにしたのは、政策の普及宣伝というのはその場その場でなければ、そのときの状況でなければ、だれが言うかということによってでなければわからぬと、こういうことでしょう。わからないことによって処罰されるという内容になっているんですね。
 それからもう一つ、いまあなたは政治活動を行う団体だということが前提だとおっしゃいましたけれども、それでは政治活動を行う団体というのはどういうふうに決めるのですか。
#148
○政府委員(大林勝臣君) 政治活動を行う団体というのは、政治上の主義主張あるいはそういった政治上の施策を広めますためにいろいろな政治活動を行いますが、そういった政治活動を行うことを目的とする団体と従来から解釈をしておりまして、ただその目的とする団体と申しましても、その目的が主たる場合もございましょうし、あるいは必ずしも主たる場合でなくても、付随的な目的としてやっておるという団体もございましょう。すべて含まれるわけであります。
#149
○山中郁子君 私がさっき例として申し上げましたスローガンは、過去において選挙期間中に行われた、それも大きな集会です、そのところで掲げられたメーンスローガンとも言うべきものです。そうすると、大いに政策の普及宣伝になるわけですよね、あなたの主張から言いますと。
 そうしましたら、具体的に伺いますけれども、これは七九年、第三十五回総選挙の期間中に行われました一般消費税の導入を絶対に許さない国民総決起集会というものです。東京武道館で二万人の集会が行われ、デモ行進が行われました、この主催は日本消費者連盟、総評、日本生活協同組合連合会、全国商工団体連合会、婦人有権者同盟、日本婦人会議、主婦連合会、新日本婦人の会など百七十団体でつくっている実行委員会です。ここがメーンスローガンが「総選挙でほうむり去ろう一般消費税」、「一般消費税導入反対」と、こういう行動ですね。これは具体的にはどうなるのですか。
#150
○政府委員(大林勝臣君) 選挙期間中にそういった各種の団体がいろいろなスローガンを掲げて活動することは間々あるわけでありますが、その場合に、現行の選挙法では、要するにそういう団体が政治活動を行う団体であると認定をされ、なおかつ二百一条の五以下に列記しておりますような手段の政治活動方法を用いますことは、これは規制の対象になるわけでありまして、その団体が要するに政治活動を行う団体になるかならぬか、そういう認定を受けるか受けないかというところにポイントがあるわけであります。
#151
○山中郁子君 そうしましたら、この以下で手段をもってということは、拡声機――私はいま拡声機のことを言っていますよ。拡声機が新しく入ったのだから、いままでは拡声機の規制条項がないから違法でなかったものでも、今回は拡声機が入ったから違法になることがあるということになりますね、あなたの論法で言えば。
#152
○政府委員(大林勝臣君) その拡声機の使用というのはあくまで政策の普及宣伝のための拡声機の使用ということであります。政策の普及宣伝のための拡声機の使用ということになりますれば、集会の形態をもってそれを使用すれば、その集会自体がすでに現行法の政談演説会の規制というものをかぶる、それから街頭で行いました場合に、街頭演説のかっこうでそういう拡声機を使います場合にも、すでに街頭政談演説の規制というものが事前にもうすでに現行法でかぶっておるわけでありまして、したがいまして、拡声機を規制の対象に入れたということにおきましては、その限度におきましては現行法の規制の範囲をさらにこれを拡大したというふうには理解いたしておりません。
#153
○山中郁子君 じゃいま私が申し上げました、二万人の一般消費税の導入を絶対に許さない国民総決起集会というのが政談演説会だなどと判断されることがあるんですか。冗談じゃないです。ないでしょう。
#154
○政府委員(大林勝臣君) それは要するに、先ほど仰せになりました各種団体、これが政治活動を行う団体であるかどうかという問題であります。
#155
○山中郁子君 それじゃ提案者に伺いますけれども、いまの大林部長の答弁によると、百七十団体が集まって一般消費税の導入を絶対に許さない国民総決起集会というのを開いた、そしてこういうスローガンでやった、そうしたらこの主催団体が政治活動を行う団体であるというように判断できれば政談演説会になるというのですよ、大林さんは。そうなんですか。そういう理解をしていらっしゃるんですか。こんな集会が政談演説会なんですか。
#156
○政府委員(大林勝臣君) こんな集会がと仰せになりますが、私どもその集会の実態は承知いたしておりません。ただ、不特定多数の者を集めまして、そこで政策スローガンを言う、こういうものを政談演説会といままで理解をいたしておるわけであります。
#157
○山中郁子君 いま実際に私はこの七九年の選挙のときにこれをやっているということを申し上げました、後でまた警察に伺いますけれども。
 あとの例を簡単に申し上げますと、「労働基準法改悪阻止」というスローガンの問題につきましては、これは七九年の都知事選挙のときに全国婦人労働者中央大集会として行われたものです。このスローガンです。それから食管、いわゆる米価問題では、これは八〇年六月のダブル選挙、ここで食糧自給力向上、要求米価実現全国農協代表者大会ということで、これも同じく日本武道館で八千人の集会が行われデモ行進がされました。「要求米価一万九千七百六十九円の実現」、「農業にふんばりがんばりきく政治」「農産物輸入自由化反対」、あなたたち知りませんて言ったってこういう集会ってわかるでしょう、私が申し上げたのは。そんなものが、この主催団体が政治活動を行う団体だと判断されたら政談演説会になるんですか。そのことを伺っている。後藤田さんどうですか。
#158
○衆議院議員(後藤田正晴君) いま大林君からいろいろ詳しく御答弁をしておりますが、そのとおりなんです。要するに今度の改正というものは、大変御心配なさっていらっしゃる面がございますが、私は余りそれがよくわからないんですよ。なぜ心配されるのかわからない。
 なぜかと言いますと、政党とか、あるいは政治活動を行う団体ということの定義、したがって、従来からの認定の仕方、これは今度の改正ではちっともいじっていないのです。昔のままでございます。改正と無関係。それから確認団体でない団体が行う政談演説会であるとか街頭何とかいうこれの定義も絶対に変えていない。一つも従来から変わっていないのに何で一体そういう点を御心配になるのか私はわからない。そこで、いろいろの御意見がありますけれども、従来からやっておるとおりであるならば何の問題はないであろう。しかしながら、それはこれから先の個々具体的なやり方によってケース・バイ・ケースで、一歩踏み出したやり方をやるとそれは今度はそうじゃない、この従来からの規定に違反するということだってありますよと、こういうことでございます。
#159
○山中郁子君 だから、それがあなたの答弁はちっともはっきりしていないのですよ。私はいま具体的な事例を申し上げました。これは過去に選挙期間中に行われたんです。だから、そしたら大林さんはそれだって主催団体によればそれはあり得ると、こうおっしゃっているわけよね。だから、そうじゃないでしょうと、それじゃこういうものはいままでは政談演説会として禁止されていたはずだと、それじゃこういうものは政談演説会になるんですかと、こんなものはならないでしょう。だから、結局拡声機を使うことによって、法律から言えば、あなたたちがいまそうじゃないとかあるとか言っても、法律の文言上から言えば、さっき確認なさったように拡声機を使うことによって政策の普及宣伝をするということの、そしてしかも前提として政治活動を行う団体だと認定するならば新たな規制の対象になるじゃありませんか。そういうのはあたりまえのことでよくわかることじゃないですか。
#160
○衆議院議員(後藤田正晴君) 私ちっともわからないのです。本当にわからない。あなたの御質問は、それが政治活動を行う団体だとするならばと、こう言うから大林君はああいう答弁をしている、政治活動を行う団体と認定を従来からしていないものはこれから先だってそんな認定はないでしょうと。しかしながら、そう言いながら、踏み出して従来と違う活動をやれば政治活動を行う団体と認定される場合も出てきますよと、こういうことを言っているのです。今度の改正は一つも関係ないということを私は言っているのですよ。
#161
○山中郁子君 じゃ後藤田さんに伺いますけれども、いま私が幾つかの集会を申し上げました。よく御存じでしょう、米価集会なんていらっしゃるからね。
#162
○衆議院議員(後藤田正晴君) 行きません。
#163
○山中郁子君 じゃ、そういう政治活動を行う団体による集会であって政策の普及宣伝であるから拡声機の使用をしてはならない、した場合にはそれは違反になるということは今後絶対ないんですね。
#164
○衆議院議員(後藤田正晴君) それは四十何年ですか、いまのは。
#165
○山中郁子君 去年のダブル選挙のときのことを言っているんですよ、おととしの総選挙と。
#166
○衆議院議員(後藤田正晴君) 去年、五十四年と五十五年、それは五十五年のときにならない限度であるならば、これから先もなりません。しかしながら、同じ団体であってもこれから先の活動いかんによってはこれは政治活動を行う団体ということになり得ることもありますよと、こういうことでございます。
#167
○山中郁子君 それじゃやっぱり新たな規制が広がるという、しかもそれは無限定なんですよね。
 じゃもう一度そのことについて次の段階として確認をしたいのですけれども、政治活動を行う団体だと認定されれば、なるのだということになるでしょう。そうしたら固定的にこの団体は政治活動を行う団体だというふうに認定するのですか。それともその場その場で、状況でというふうに何回かおっしゃっているけれども、その都度その都度認定するのですか。どういうことなんですか、これは。
#168
○政府委員(大林勝臣君) 政治活動を行う団体をどういう時期にどうやって認定するかという問題でありますけれども、もともとこれは政治活動を行う団体であるとかないとかそういうものを別段登録制度で構えておるわけではございません。要するに、従来から政治活動を行う団体というのは政治活動をたとえ従としてでも目的とするに至った団体と、こういうふうに解釈、運用をしてまいっておるわけでありまして、したがいまして、いままで政治活動を行う団体でなかったのが今後その活動あるいは目的の変更によりまして政治活動を行う団体になることは、これまた当然あるわけであります。ただその場合にも、そういう目的を有するに至ったかどうかということをどうやって認定するかという話になりますと、これはやっぱり一つ一つの団体について、何か事件が起こりました場合にやはりその団体の従来の活動の実態、あるいは今後の活動方針その他諸種の判断を加えて認定をするということにならざるを得ないと思います。
#169
○山中郁子君 具体的におっしゃらないのだけれども、認定の基準というのは何なんですか、そうすると。何をもって政治活動を行う団体として認定されるのですか。それがなければ認定する人が恣意的に自分の判断で認定するということ以外何にもなくなるでしょう。
#170
○政府委員(大林勝臣君) つまりその団体の目的、非常に手っ取り早く申し上げますと、たとえば規約の中にそういう目的が入っておるとか、あるいは規約に目的として入っていなくてもそういう活動をかなり継続的におやりになっておるとか、そういう形式的なあるいは実態的な両面から判断をするものでありまして、そういう判断の仕方というのは何も今日始まっておるわけじゃございません。過去、こういう制度が始まりました昭和二十七年の公職選挙法の改正以来の問題であります。
#171
○山中郁子君 私が問題にしているのは、拡声機が入ることによって、さっきもあなた方は結局否定なさらなかったけれども範囲が広がるのですよ。だから認定の問題がまた新たな時点で問題になるんです。だれが認定するのですか。要するに固定的に一つの団体を、これは綱領や規約を見て、あるいは過去の活動実績を見てということだけである程度固定的にこの団体は政治活動を行う団体だというふうに判断するのじゃなくて、その場その場で判断するとおっしゃるわけでしょう。するとそれはだれが判断するのですか。
#172
○政府委員(大林勝臣君) 要するに、そういう団体が政治活動を行う団体であるかどうかということをあらかじめ特定の部局で判断をするわけじゃございません。要するに公職選挙法二百一条の五以下に書いてございますような規制に違反するような事態が起こりました場合に、その団体が一体政治活動を行う団体であるかどうかという話になってくるわけでありまして、政治活動を行う団体でないということになりますれば、もともと二百一条の五以下の規制が全然かぶってこないわけでありまして、もし政治活動を行う団体であると認定をされるということになりますと規制の対象になるということであります。
#173
○山中郁子君 だれが認定するのですかと何回も聞いている。
#174
○政府委員(大林勝臣君) これは結局は罰則がついておる問題でありますから、取り締まり当局の方のいろいろな証拠による認定ということになろうかと思います。
#175
○山中郁子君 それでは警察でしょう、取り締まり当局と言えばね。警察が認定するのですね。警察はどうやって認定するのですか。警察に来ていただいてましたね。
#176
○説明員(漆間英治君) 警察は第一次的な取り締まり機関でございますので、選挙が行われている最中に規制されている態様の行為が行われているということが証拠として認定をされますれば、第一次的な捜査機関として捜査に乗り出す、それを最終的に裁判所が判断する、そういうことで最終的な認定が決まるわけであります。
#177
○山中郁子君 だから警察のだれが認定するのですか。
#178
○説明員(漆間英治君) この公職選挙法に規制されております選挙運動の規制、あるいは政治活動の規制につきましては、もともと事柄が大変に本来その自由を尊重すべき事柄でございますので、警察としても取り締まり等に当たりましては慎重な態度をもって臨むようにいたしておりまして、いやしくも選挙運動の自由なり、あるいは政治活動の自由なり、そういうものを侵したというようなそしりを受けることのないように十分注意をいたしております。そういうような取り締まり姿勢の中で、一般の方々から通報があったりあるいは警察が認知をいたしましたりして選挙運動の期間中に規制されている態様の行為があるということが把握されました場合に、その時点でその団体が政治団体性があるかどうかということを検討するということでございます。
#179
○委員長(鳩山威一郎君) だれがという御質問ですから、早くお答え願います。
#180
○説明員(漆間英治君) 警察は組織として行動いたしておりますので、末端の組織体から情報が上がってくるわけでありますから、その団体が政治活動を行う団体に当たるかどうかという最終的な判断というのは組織を挙げて検討いたしております。したがいまして、県段階で判断が決まる場合もございましょうし、県段階で疑問があれば、全国的に普遍的な尺度で判断を求めたいということで私どもの方にも判断を求めてくる場合もございます。そういうような組織的な対応を通じて証拠に基づいて具体的に政治活動を行う団体と認定できるかということで対処をいたしております。
#181
○山中郁子君 全く矛盾しているのね。というのは、さっきから聞くと、その都度その都度そのときの状況で判断するのだと、こうおっしゃるわけね、そうでしょう。固定的にこの団体はというふうにするのじゃない、それで全警察の組織を挙げてやるのだ、警察は一体だと。そうしたら、警察庁長官がどこでどのぐらいのその検討をして、どのくらいの時間がかかるのかわかりませんけれども、集会も終わってしまうし、何も終わりますよね。どういう機能になるのですか、それは。
#182
○説明員(漆間英治君) 私どもの対応の仕方というのは、必ずしも常に現行犯的に事柄を処理するというだけではございませんので、現象が行われている最中に間に合う場合もございますれば、またケースによっては事後に捜査をするということで対応する場合もございます。それは事柄によるわけでありまして、このようなもともと慎重な判断を要する事柄につきましては現行犯的に対応するということは余りないというように考えております。
#183
○山中郁子君 だから、私どもが行っているその現場に出ている警察官の判断だとか、あるいはそうした人たちが内偵をしてこれが何であるかなんていうことが出てくるということを言っているのです。もう現にあるのです。あなた方は慎重にとおっしゃるけれども、実際にもうたくさんのそういう弾圧事件がすでにあります。それが拡声機の使用ということによってまた無制限に広範に広がるんですよ。そのことを私たちは申し上げているの。
 そして後藤田さんにちょっと見解を伺いたいのですが、要するに、その時点で警察が判断する、そしてこっちの国民の方は自分が所属している団体が果たして政治活動を行う団体であると認定されるのかどうかというのは全然わからないわけでしょう、そんなむちゃくちゃな法律がありますか。罪刑法定主義を持ち出すまでもなくて、自分が何らかの形で訴えたいということで、その組織の消費者連盟なら消費者連盟、婦人団体なら婦人団体の一員として行動する、その行動が果たして選挙の期間中公選法に違反するのかどうかわからぬ、そこでつかまえられたり、あるいは警告をされたりして初めて、ああそうですかと、こういうふうになる法律というのはあるんですか、罰則も含めてですね、当然あるんだから、こういうことなんだということを私たちは主張しているのですよ。
#184
○衆議院議員(後藤田正晴君) 大変御心配になっていらっしゃる御質問だと思いますが、いま漆間さんがお答えしたように、そんな、警察が現場ですぐに、これは政治活動を行う団体だ、したがって現行犯で逮捕するなんということはありません。これはあくまでも大変重要な選挙という行事に伴う規制の問題ですから、警察としてはそれぞれの段階に応じて組織としての対応をし、そして一々の状況を十分審査した上で、それで認定をするというのが私は常識だと思います。したがって、余り御心配になることはないのじゃないですか。
#185
○山中郁子君 後藤田さん、私まじめに答えてほしいと思うの。現にいま漆間さんは、後で慎重に考える場合もあるし、その場で処理する場合もあると、こうおっしゃっているのよ。あなたは、そういうことはないといまおっしゃったけど、じゃ、どっちなんですか、はっきりさしてください。
#186
○説明員(漆間英治君) 私は選挙違反の処理の仕方が事柄によっていろいろあるということを申し上げたわけであります。
#187
○山中郁子君 だから、その場でやることもあるんでしょう。
#188
○説明員(漆間英治君) それは違反の態様によるわけでありまして、このような態様のものは通常はそういう現行犯的処理にはなじまないものというふうに私は考えております。
#189
○山中郁子君 実際問題として、さっきおっしゃっているように、それがまた事後の問題で、一般的に大きな流れとしてなじまないと、だけどそういうことは絶対ないとはおっしゃらないのだからね。で、事後の問題にしても何にしても、そういうふうに判断が出てくるわけでしょう。そうすると、実際にこういう行動をしている国民はわからないわけよ、自分たちの行動がそういうものにひっかかるのかひっかからないのか。警察がその場で判断してくれなければわからない。もっと言うならば、私たちは、私はこういう団体に所属する一員でございます、本日こういう主張を持って集会に参加をいたします、マイクも使います、デモ行進もいたします、これは果たして公選法上やってよろしいことでしょうか――一々警察にお伺いを立てなきゃ安心してできないということになるのじゃないですか。
#190
○衆議院議員(後藤田正晴君) その点はやはり主催者なり何なりが十分慎重に判断なさって、ここへ一般の人が入ってくれば、これは選挙期間中であるし、これは違反になるおそれがあるということは、これは当然そういったデモをやるなり、あるいは大会を催すなりという主催者の方が考えてやるべきことじゃないでしょうか、私はさように考えます。
#191
○山中郁子君 この問題につきまして、私はその主催者が考えるとか考えないとか、それはこっちの自由の話でね、立法者の方がとやかく言う筋合いのことじゃないんですよ。そういうことじゃなくて、この法律からそうしたことになるでしょうということを私は申し上げているの。
 それでもう一つだけ、こういう集会なりデモが毎年恒例的に行われているのは御承知だと思いますが、たとえば母親大会だとか、三月八日国際婦人デー、働く婦人の中央集会、一〇・二一国際反戦デー、原水禁大会、こういう行動が毎年必ず行われているわけですよ。その掲げられているスローガンは、さっき私が申し上げたようなスローガンも含めてさまざまな問題が掲げられますね。そういうものは当然のことながらそんな政治活動を行う団体だとして認定し、政策の普及宣伝だということで拡声機の使用が対象になるなんということは今後も絶対あり得ないということになりますか。
#192
○政府委員(大林勝臣君) いまデモの例をお出しになったわけでありますけれども、デモでございますれば、それがやはり選挙期間中は政治活動を行う団体がもしデモをやるということになりました場合には、デモの通常の形態がどういうことになりますか、通常は恐らく連呼というものがデモの主体になると思います。もしも政治活動を行う団体が選挙期間中に政治活動の連呼を行うということ自体がすでに現在規制をされておるわけであります。
#193
○山中郁子君 集会はどうなんですか。
#194
○政府委員(大林勝臣君) この集会も先ほど来の考え方と同じでありまして、政治活動を行う団体が集会を行うということになりますれば、そこで政策の普及宣伝の演説をするという場合には政談演説会ということになると思います。
#195
○山中郁子君 そうしたら、断言してくださいよ。私がさっきから取り上げている集会、デモ、いま新たに申し上げました原水禁大会だとか母親大会だとか、慣例的に行われているもの、こういうものはあなたが安心なさい、安心なさいとおっしゃるなら、絶対に政治活動を行う団体であると認定されるならば何だという、そういう前提なしに、関係ないということを断言してください。
#196
○衆議院議員(後藤田正晴君) それはちょっと、私に断定しろとおっしゃいましても、やっぱりその団体が、政治活動を行う団体に入るのか入らぬのかというまず認定をし、同時に、やっていらっしゃることがこの二百一条の五に該当するのかしないのかといったようなことを判断しないと、いまあなたがそういうふうに例をおっしゃって、これは該当しないと言えと、こう言いましても、それは私がさっきお答えしたとおりなんです。従来からやっている程度のものであるならば、何も今度の改正は新しい規定を入れたわけじゃないんだから、従来どおりですよと私は言っているのですよ。しかしながら、従来と同じような団体がやるにしても、しかし、踏み出ていろいろなことをおやりになると、これにかかる場合もありますよ、したがって、それはケース・バイ・ケースで判断せざるを得ないと、こう言っているのです。従来と全く同じようなことであれば、私は、これは別段新しいものをつけ加えたつもりはございませんので、そんな心配をなさることはないのじゃないかと、かように考えます。
#197
○山中郁子君 やっぱり断言なさらないのよ。今後絶対ないとは断言しないと、こうおっしゃるわけでしょう。だったら拡声機を使うことによって、やっぱりそれが広がるということなんですよ。それ以外にないじゃありませんか。
 先ほどデモは連呼だとおっしゃったけれども、冗談じゃない。じゃ、警察に伺いますけれども、先ほど私が取り上げました例は、過去の実際の選挙期間中に行った集会でありデモです。この集会、デモが公選法に違反するという疑いを持って吟味をされたことがあるんですか、連呼だということであるいは政談演説会だということで。これは公安条例によってちゃんと届け出ている大集会ですよ。そんなことがあるんですか。
#198
○説明員(漆間英治君) 個別具体的な事柄でありますので、個々には承知をいたしておりませんけれども、選挙の最中に紛らわしい行為がいろいろ行われます場合には、それを事前にその御相談を受ける機会があれば、これは公選法のこの規定に触れるおそれがありますよということで御注意申し上げている場合がございます。そういうことで、事前に注意喚起をする場合もございますけれども、いまの一々それぞれのケースについてどのようなかかわり方をしたか私存じておりませんけれども、そういうことで、事前に御相談があればいろいろとお答えし、注意喚起もするということもあります。
#199
○山中郁子君 私が伺っているのは、実際に公安条例に基づいて届け出を出している集会なんですよ。それで、デモでシュプレヒコールはあたりまえに行われているわけでしょう。それが連呼に当たるというの。連呼に当たれば禁止されていたんだと、こういうわけよね。そんなふうなことで連呼に当たるなんて観点から吟味したことなんてないはずですよ。調べて、この次に回答してください。私が取り上げた三つのケースだけでもいいです。選挙期間中ですからね。そんなごまかしを言ってもらっちゃ困るんですよ。実際にデモが行われて、実際にシュプレヒコールが行われて、それが連呼に当たる、そうしてこうした大集会、集会が政談演説に当たる、冗談じゃないというの。そういうことを言って言い逃れるということの背景には、新たな網がかかるということを語るに落ちているということを私はさっきから言っているんです。マイクということによって、拡声機を使うことによって制限の対象にするという厳然たる事実がここにあるんだということなんですね。
 それで伺いますけれども、これは後藤田さんの統一見解ともまた合わせなければいけない問題なんですけれども、大集会とかデモとかだけでなくて、労働組合、民主団体、平和団体、婦人団体、文化団体、学生自治会、青年団体、業者団体、農民団体、医療団体、消費者団体、それから団地自治会などの自治会、いっぱいほかにもありましょうけれども、私はいまこういう例を挙げます。こういうところの団体の人たちが原水爆禁止あるいは健康保険改悪反対、入場税撤廃、先ほど大川委員の方からお話がありました。徴兵制度反対、憲法改悪反対、有事立法反対、一般消費税反対、男女差別撤廃、これはいま特に国連条約、国連で婦人に対するあらゆる差別撤廃条約の早期批准ということをいま盛んに私たちも含めて婦人の人たちで言っているわけですけれども、そういう要求ですね、雇用平等法を制定せよ、授業料値上げ反対、高校全入、こういうことで街頭でマイクを持って訴え、あるいは署名、こういうことは無数に行われているわけでしょう、日常的に。そうして選挙の期間中も行われているのです。こういうものは、それじゃ、あなた方はいままでと変わらない、変わらないとおっしゃるのですから、こういう路地裏宣伝その他は一切変わらないのですね。規制の対象に新たになるということはないのですね。
#200
○政府委員(大林勝臣君) そういった諸種の団体が政治活動を行う団体でないということであれば、規制の対象にならないことは当然であります。
#201
○山中郁子君 それじゃ、政治活動を行う団体であるというように認定されれば規制の対象になるわけですね。いままでは拡声機の使用が入っていなかったから、こういうものは規制の対象になっていなかったのですよ。そうでしょう。それじゃ、新たなやっぱり対象ですね。
#202
○政府委員(大林勝臣君) ですからいままででも、もし政治活動を行う団体だというふうなことでございますれば、たとえば政治活動のための連呼はだめであるとか、立て札、看板はだめであるとか、こういう規制はあったわけでありまして、それに改めて一つの材料として拡声機が入ったということであります。
#203
○山中郁子君 じゃ、あなたも執筆者の一人である連呼ということについての解説の紹介を私がする筋合いじゃないのですけれども、公職選挙法の逐条解説、連呼というのは「短時間に同一内容の短い文言を連続して繰り返し呼称すること」と、いま私が申し上げましたケースで、短時間に同じ文言を繰り返して言わないしゃべり方はいっぱいあるんですよ。ほとんどがそうじゃありません。連呼じゃありません。そういうものはいままで行われていたのです。あなた方が言う、仮に政治活動を行う団体だと認定された場合でも、マイクを使ってできたんですよ。何の規制の対象にもなっていなかったのです。それを今度規制の対象に、拡声機を使うということですることになるのですよ。そこを言っているの。
#204
○政府委員(大林勝臣君) いろいろな態様が出てくるかもしれませんが、とにかく二百一条の五以下の条文というのは、先ほど来の提案者の方のお話にもございましたように、選挙運動と非常に紛らわしいというようなものだけをとらまえまして、それを規制いたしておるわけであります。したがいまして、まことに形式的に読めば、たとえばいままでの政党機関紙の宣伝車、これは一体政治活動用の自動車と言えるのか言えないのかという話は、同じような問題として従来からあったわけであります。形式的には、まさに機関紙の宣伝ということも、政党あるいは政治活動を行う団体が行う限りは、それは政治活動であろうと思います。思いますけれども、二百一条の五以下の条文というのは、選挙運動と紛らわしい政治活動というものに限定をして、できるだけ政治活動の自由というものを基本にしながらある程度の規制を加えていこうという趣旨のもとに、従来の単に機関紙の宣伝だけにとどまるような自動車というのは形式的にははまるだろうけれども、法律の趣旨としてはそこまでを規制しておるのではないだろうという解釈のもとに今日まで運用してきたわけでありまして、したがいまして、それが実態の変化によって機関紙の宣伝だけにとどまらず、選挙運動の連呼その他の行為まで行われ出したということに着目をして、改めて確認的な表現が入ったものと承知をいたしております。したがいまして、形式的な判断も第一次的な判断になろうと思いますけれども、やはりこの法律の趣旨というものが、選挙運動と非常に紛らわしい行為であるかどうかというのが、最終的にこの法律の対象としてつかまえるべき対象であるかどうかの判断になろうかと思います。
#205
○山中郁子君 法律にそんなこと一つも書いてないじゃないですか、拡声機については。何にも書いてないですよ、そんなことは。そのことを私言ってるのよ。何も法律に書いてないことまで、私はあれもこれもと言っているのじゃないです。この法律の条文から言えば、いま申し上げましたように、出てくるでしょうと言っているの、そういうことが。
 それで後藤田さんに私お伺いしたいのですけれども、あなたが統一見解だということで、これでその再質問も許さずに――これは委員会の運営ですけれども、衆議院においてちょんになっていますので、これはどうしても明らかにしてほしいと思うのですが、ここで要するに、街頭あるいは路地裏における機関紙等の販売という形で行われている、しかもその際、選挙運動まがいの呼びかけが行われている、これを取り締まるのだ、これを規制するのだと言っているわけね。だけど、法文上はそうなっていないのよね。なぜ法文でそうなっていないのか私もよくわかりませんけれども。だから法文上はそうなっていないために、いま私がたくさんの事例を言いましたけれども、こういうものがかぶさってくるわけです。この機関紙などの販売という形の普及宣伝以外は全部街頭政談か政談演説会か連呼だなんて、そんなめちゃくちゃなことを言ってもらっては困る。そんなことはあり得ないのです。連呼というのは、いま申し上げましたように、大林さん自身がお書きになった逐条解説でそう規定してあります、それから、政談演説会、街頭政談ということによれば、これも大林さん自身がお書きになっている逐条解説によれば、「政談以外の目的によって開催された集会において、たまたま、演説の一部に政談があっても、」これが政談演説会であるということはできないであろうと、こうなっているの。そういうことをみんな訴えているわけでしょう、高校全入にしても、原水爆禁止にしても、署名活動の訴えも、そういうことにまで拡声機の使用を禁止することがかぶさるんですよ、この条文は。そうでしょう。あなたがどうしてもそれ以外はないのだ、つまり機関紙の販売以外はないのだと言うならば、なぜこの条文はそうなっていないのですか。機関紙の販売の場合に拡声機の使用を禁ずるというふうになぜいなっていないのですか。
#206
○衆議院議員(後藤田正晴君) この立法の趣旨は、現行法が「政党その他の政治活動を行う団体は、その政治活動のうち」云々とありまして、「宣伝告知のための自動車の使用については」云々と、こう書いてあるのです。ところが、これは政治活動のためにやることであって、宣伝告知、政策の宣伝とか、そういうことでしょう。そこで、今日この宣伝告知のための自動車の中に機関紙誌等の拡販革は入らないのだという法解釈がある時期に確立をして、自来政党の機関紙の広報宣伝用の車であるということで、実態は一体どうなっているのですか。実態は何十台という拡販車の名のもとにどんどん出てきて、そしてそれが本当を言えば選挙連動まがいじゃありませんよ、これは。そういうような実態が余りにも目に余るではないか。あるいはまた、路地裏等においても一般の人が迷惑するほどどんどん拡声機を使ってやっているじゃありませんかと。これはいかにもひどい。やはりこの際選挙の公正、同時にまたいわゆる騒音等による選挙公害、こういうような点を直そうではないかという意味合いにおいて今度のこの規定ができたのだと、かように御理解を願いたいと思うのです。
 したがって、立法はそういうつもりでやっておりますから、そういう方針に従って当然運営をせられるべきものだと、かように私は考えるのです。
#207
○山中郁子君 だから、そこが繰り返し言っているように、私は機関紙の販売、宣伝ということについて、そういういろいろおっしゃって禁止の対象にするということ自体問題だということで問題にしています。いまはわかりやすく言っていますから、あなたが本当にそういうふうに立法の趣旨だと言うなら、なぜ法文がそうなっていないのですか、不思議ですということを言っているの。法文は、一番最初に確認したように、これは政策の普及宣伝のための拡声機の使用を禁ずるとなっているのよ。でしょう。機関紙の販売のための拡声機の使用を禁ずるとはなっていないのですよ、違うでしょう。それだったら統一見解が違ってきますよね。あなたのおっしゃる統一見解によれば機関紙の販売活動だと、立法の趣旨もそうだということだったら、それは矛盾しますね。違いますね。法文はそうではないの。そうでしょう。なぜそうなっているの。それじゃこの統一見解、もう一度つくり直してくれますか、この法文に照らして矛盾のないように。そうしなきゃあなた、説得できないですよ、あなたのおっしゃる論法から言ったって。
#208
○政府委員(大林勝臣君) 今回の改正の動機というのは、るる提案者の方からお答えになったとおりだと承知をいたしておりますが、法文でどれだけどういうふうなかっこうで一つの行為をとらまえてかけるかどうかという問題も片一方でございましょう。わりあい現在の二百一条の五以下の法文というのは非常に概括的に書かれております。だからこそ「政治活動を行う団体」というのが何であるかとか、政談演説会が何であるかというようなお話にまたなってくるわけでありますが、それはそれぞれの時期における立法された趣旨というものを踏まえて私どもは解釈をしてまいっておるわけであります。一つの例といたしまして、先ほど申し上げましたように、機関紙のたとえば宣伝車というのはこの政治活動用自動車の中に入るのか入らないのか。入らないという解釈をするのであれば、括弧を除けばいいではないかというようなまたお話にも通ずるのでありましょうけれども、そこまでしなくても、選挙運動と紛らわしい政治活動に限定をしてつくられておるものだから、それはやはり解釈、運用で補えるのではないかという感じを持っておるわけであります。
#209
○山中郁子君 限定していないということを私言っているのです。法文が限定していないでしょう、拡声機について。何にも書いてないですよ。拡声機の使用について禁ずるとなっている。ここについての合理的な答弁をちゃんと考えて、統一見解を直すなら直すで、この次に持ってきてください。その点については保留します、時間がなくなってしまいますから。いいですね、自治省も。
#210
○政府委員(大林勝臣君) 御相談の上処理いたします。
#211
○山中郁子君 それで、それが出てきてからまたもう一度これはやらなければいけないのですけれども、私は、だからここで明らかにしたいのは、立法の趣旨はそうである、機関紙の販売に名をかりて、路地裏でいろいろたくさん宣伝隊が出てやる、これをやめてもらうのだと、あなた方はこうおっしゃる。このこと自体も私たちは意見があります。それはまた後で言います。しかし、それだけじゃないのだということなのよね。それだけじゃないのだということは法文上からも明らかだということなんですけれども、それはまたこういう点からも言えるんです。後藤田さんが連合通信の記者のインタビューを受けてこういうことを言ってらっしゃるんですね、「これまであいまいにされてきた行為をキチンと取り締まることが目的だ。現行法の解釈で取り締まれることに対し「改悪だ」と非難するのは的はずれ」だと、こうおっしゃるけれども、要するにこれまであいまいにされてきたことについて取り締まるのだと、こういう言い方をしていらっしゃる。つまり、あいまいという名をかりて、結局はあれを広げるということになって、そこのところを含めて、また大林さんは、やっぱり連合通信のインタビューに対して、「従来行われていた選挙期間中の集会がすべて適法とはいえない。取り締まりが行われなかっただけのことで、後藤田見解をもって、これまで取り締まりが行われなかった労働組合などの集会が適法であったと解釈するなら、それは誤り」だと述べていらっしゃる。そうして国会で午前中からも質問があったように、労働組合はどうなのかと言えば、そういうことはこれからも絶対変わりませんと、こういうふうな言い方をなさる。だけど、その裏には、いま私が解明してきたようなごまかしがあるんです。だからこそ明らかに本音を吐いているわけよ、大林さんは。これまで労働組合などの集会が取り締まれなかったからといって適法であったということで解釈するなら、それは誤りだと、こうおっしゃっているんです。明らかに拡声機を持ち込むことによってその規制の対象が広がるということをみずから認めていらっしゃるというところがここにあるのです。
 これと符節が合うのが奥野法務大臣の答弁です、予算委員会における東中議員の質問に対してですね、つまり、たとえば憲法改悪問題、奥野さんが次の参議院選挙には憲法の改正を政策として提起すると、こういうことに関連してですね、それじゃ憲法改悪反対ということを言ってはならぬのかと、そういうことが取り締まりの対象になるのかと、こういうことに対して、選挙期間中は自粛をしていただくことだと、こう言っているんですね。結局符節がみんな合うのですよ。あなた方は拡声機の使用をすることによっていままでと何ら変わらないとおっしゃっているけれども、変わらなくなんて全然ない。それは無限定に広がっているということ。政策の普及宣伝だということは、その場その場でなければわからないということで、何でも政策の普及宣伝に、おおむね皆さんが要求するのは政治に関係するから要求するのですから、かかわるでしょう。可能性があると。それからまた、政治活動を行う団体というのは無限定に広がっていくわけですよ。それは警察がそこで認定するというわけでしょう。それで拡声機を使う。いまどきの世の中で集会やデモやその他のちょっとした会合で拡声機を使わないなんてありますか。――ないでしょう。だったら、まさに弾圧をする、取り締まりの対象にするというものはあなた方の方の主観でもって無限定に広がっていく。こういう拡声機を持ち込むことによって、いままでだって大きな世界にも例を見ない取り締まり規制の選挙法であったと言われているのに、さらにもっと大きな規模の大きい縛りをかけ、そして選挙期間中の政治活動を抑圧していく、こういうものにつながるということ。だからこそ私たちは声を大きくして言っているのです、そうでしょう。
#212
○衆議院議員(後藤田正晴君) 山中さんの御質問を聞いておりまして、大変御心配をなさっているなと私は率直な感じでございます。
 無限大に広げるとかなんとかということを考えているわけじゃありません。私が言っているのは現行法の――まあ言葉は悪いですけれども、裏をくぐってと言ったらおしかりを受けるかもしらぬが、要するに脱法行為が行われて、それが選挙の公正を害して大変な事態になっているじゃありませんかと。そのあいまいなというのは、その脱法行為をいまやっているその事実をとらえて言っているわけですよ、私が言っているのは。したがって、そんな無限大に広がってあなたが御心配になっているようなことがあるなんて私は全然考えておりません。
 それから、その連合通信なるものの記事を挙げられましたが、私はそれについては責任を持ちません。
#213
○山中郁子君 私は、連合通信のインタビューをされた記者からつぶさに伺いました。二日間にわたって後藤田さんに電話で取材をされたということで、いま私が申し上げましたけれども、その取材のインタビューの中で、規制するとすぐ大騒ぎするが、要は政治的な活動をしなければ規制や取り締まりの対象にはならぬのだよと、こうあなたは答えていらっしゃるのよ。あなたが責任を持つか持たないかはあなたの御自由ですけれども、しかし少なくとも新聞記者に対して語ったことを私はいま紹介しているんですけれども、それが真意じゃないですかということを言っているの。要するに、要は政治的な活動をしなければ規制や取り締まりの対象にならぬのだと、こうおっしゃっているわけね。それはだから奥野さんの発言と合うわけでしょう、自粛してくれと、憲法改悪みたいな本当に大事な問題を奥野法務大臣がこの公選法の理解として選挙中は自粛してくれと、こう言うわけ。選挙中はごく限られた期間だと、こうおっしゃるけれども、現実に――たとえば最近起こったことでも千葉県では参議院補選と千葉の知事選と連続して行われました。かなり長期の選挙期間になります。もっともっとそれが長期の選挙期間になる可能性は十分にあるわけです、また何かがつながるというようなことは。かなり長期にわたってこの公選法の名のもとに重大な政治活動の規制が行われる、こういう内容ではないかということを私は指摘しているのです。だからあなたは、私が心配している、心配しているとおっしゃるけれども、国民が、たくさんの方たちが――だからこそきょうだってたくさん傍聴に見えているんですよ。そういう心配があるからこそこれを申し上げているのです。そういうことはちゃんと認識してください、だからこそ法文上だってそうなっているのでしょう。心配しなくて済むような法文になっているのなら心配しないですよ、だれも。そうじゃなくて、無限定なものになっているから、だからそういうことが出てくるだろうということです。
 私は初めにも申し上げましたけれども、きょうはそういうことで拡声機の問題を重点にせざるを得ませんでしたし、大変限られた時間でございますので、そうなりましたけれども、このほかにも、この問題についてもたくさんありますし、それからまた機関紙誌の拡販車の問題についても根本的には大きな問題があります、それからステッカーの禁止、ポスターの制限、長時間の街頭演説の規制、その他もろもろ、今回の改悪の中にはそれを一つ一つとってみても大変重大な問題点がありますので、この点については引き続き追及もし、解明も図ってまいりますけれども、いずれにいたしましても初めに申し上げましたように、選挙期間中の最も大事なときに国民の日常的な言論表現の自由が警察の手で侵害される、規制される、そういうことがこの法律の改悪の持つ基本だということです。それは立法の趣旨はそうではない、そうではないとおっしゃるけれども、たとえば悪名高い治安維持法がつくられた立法の過程で政府はどう言っていたか。これは農民運動にも労働運動にも適用するものではありません、こう言っていて、そしてすぐに小作争議や労働争議に適用されているのです。宗教者の弾圧にまで及びました。それが私たちが決して忘れることのできない日本の歴史の教訓ですよ。厳然たる事実ですよ。そのほかにもたくさんの法律があります。立法者が、提案者がそのときに、いや、これはそういう心配はありません、こういう心配はありませんと百万言費やしたって、一たび法律ができれば、その法律はひとり歩きしてさまざまな弾圧を広げていくのです。
 私は、そういうことと関連して申し上げておりますので、幾つかの点についてはよくよく十分御相談いただいて合理的な答弁を在さるように、そして引き続き先ほど申し上げましたことを解明していくということを申し上げまして、きょうの質問は時間になりましたので終わります。
#214
○栗林卓司君 後藤田さんにお尋ねをすることになろうかと思いますが、今回の改正の一つの中心というのは、後援会の立て看板あるいはステッカーあるいは政党機関紙の拡販車といいますか、販売の車、それを、実態に果たして行き過ぎがなかっただろうかという点も含めながら是正をしていきたいということだと思います。
 やっているわれわれから見ますと、たとえば北海道に行くとまさに林立する立て看板ですし、よくわかるのです。よくわかるのですが、見方を変えまして候補者と有権者の関係で見詰め直してみたときに、有権者から見てあの林立する立て看板は、余り立ちますと邪魔ですけれども、やっぱり多少あった方が覚えやすいわけです。ステッカーもあった方がやっぱり名前は頭に入るようです。あの拡販車はうるさくてしょうがないけど、あれがなくなってしまうと、一体どうやってわれわれはいま現実に選挙がどうなっているのかという情報を得ることができるのだろうか、恐らく有権者の側から見ると、選挙公害などと一面では言いながら、片方では候補者との接点を求めている面があると思うのです。その面で今度の改正案を見ますと、現職の議員とするとよくわかるのですが、これから議員になろうとしている新人の候補者、さらにそれを取り巻いている有権者として見ると、どうも自分たちに不便になった、多少前に比べますと不利になった改正ではないのかと感ずるのではないか、私はこう思いますが、いかがですか。
#215
○衆議院議員(後藤田正晴君) 御承知のように、やはり候補者と有権者の接点を求める方法というものは、できるだけ開かれていなければ私はいかぬと思います。そういうような意味合いで立て看板とかあるいはステッカー、こういうものもそれなりに私十分効果を果たしておると思いますね。ただ、今日それが余りにも乱に流れているといいますか、余りにも林立し過ぎて、あそこまでやらなくてもいいではないか。ならばその本数を制限しようではないか。それからステッカー等について言いますと、本来名前を出せばこれは事前運動になるものだから、後援会について制限をこの前やった。そうすると、一つの後援会の制限だから、今度は後援会をたくさんつくってしまってまたむちゃくちゃに張るという、要するにこういった行き過ぎがあるものですから、片方それに伴い大変金もかかるということで、この際はそういう点はひとつ直したらどうだろうという、これが発想でございます。
 ただ、その結果が現に議員になっている人とそれから今度は新人となればどうだということになれば、私はやはりそれは新人がその点は不利であろう、これは率直にそう思います。しかし、本来選挙というものは、ああいった立て看板を林立させ、それからまた軒並みにステッカーを張って名前を売るということが新人にとっても本来のあるべき姿であろうか、そうじゃないのじゃないか。選挙というものは、有権者との接点は、平素のその人の地域における活動なり、社会における活動、こういうようなことが理解せられて出てくるのがこれが本当の姿であろう、こういうように思いますね。そこらをどう考えるかということです。そこで、今回は余りにも行き過ぎているからひとつこういう規制を加えようということになったわけですが、御説のように、新人にとっては私は現職よりは不利であるなということを否定するわけにはまいりません。
#216
○栗林卓司君 そこでお尋ねしたい点が二つあるのです。
 まず最初の点なんですが、新人にとって確かに不利である、だれが見てもそうですよね。そういう法律を現職だけで決めてしまうというのは、やり方として正しいのだろうか、というのは、もともと選挙制度の改正というのは議員立法で出てくるべきものなんだろうか、議員立法でまいりますと、現職の議員が相談しているわけですから、それぞれやっぱりお互いのいろいろな計算が出てまいりますしね。現職が古くなればなるほど知名度は抜群でありますし、よけいなことをせぬ方がよっぽど楽だと、こうなるんです。ただ、そういった形で議員立法の協議が進み、しかも最後の結論は多数決であるという決め方が正当な選挙制度のつくり方なんだろうか。この点はどうお考えになりましたか。
#217
○衆議院議員(後藤田正晴君) その点はよほど慎重に考えなきゃならぬ点だと思います。過去、昭和二十年代、三十年代、二大政党時代があり、多党化した時代もありまして、考え方は変わってきているようですけれども、やはりそういった反省の上に立って、政府の機関ではありますけれども、各界の有識者で選挙制度審議会をつくったわけです。そして、その審議会の答申をできるだけ尊重してやろうじゃないかということになったわけです。ところが、この審議会の中に各党の議員さんが出てきているわけです。そこで意見がまとまらない。まあ、そういうようなことで、昭和四十七年以来開店休業といったような実態があるんですね。しかし、理想的に言うならば、これはもう全く第三者機関できちんとやるべき筋だと思います。
 ただ、それは今度は国会にかかりますから、さてそうなってくると党利党略のみならず個利個略までが出てくるわけですから、これはなかなか立法化ができないということですね。そこで、立法化ができないことを頭に置けば、選挙制度審議会の中にむしろ各党の代表者を入れておいた方がスムーズではないかということで入れたわけです。今度はそうすると、審議会の方の議論がまとまらない、こういうことですから、ここらはこれから先もどう考えていったらいいのだろうか本当に考えなければなりません。そこで今日は、各党の土俵づくりの問題ですから、ルールづくりですから、ならばやっぱり議員立法でやるのが一番、何といいますか、比較的にいいやり方ではないのかということで、今日こうなっているわけでございます。その点を御理解願いたいと思います。
#218
○栗林卓司君 わかるのですが、ただ議員立法でとにかく提案をし決めようじゃないかというようになり得る中身というのは、本当は選挙制度審議会にかけたってそれはそれでとかくのことはないはずでありますし、おっしゃるように、本当は国会なり関係する人が入っていない最も公正な立場で決めていくという第三者機関がこれは決めますぞというのが本当ですわね。なかなかそこまでいっても百年河清でありましょうけれども、議員立法でいけるのだったら正規のルートできちんとしたらどうか。これは後、問答になりますからここでやめておきます、やめておきますが、なぜ私がこういったことをお伺いしているかということのもう一つの意味はお察しだと思います。議員立法で選挙制度の改正を出すというのはよほど慎重にしないといけないのではないだろうかということだけ意見としてこの際は申し上げておきたいと思います。
 そこで伺いたいもう一つは、実はこれも党利党略、個利個略でなかなか実現できないのですが、日本だけですね、戸別訪問を禁止しておるのは。これはもうそれぞれ御経験がありますから皆さんにわかるんだけれども、戸別訪問はれっきとした形式犯で、やっている本人は悪いことをしたなんていう気持ちは毛頭ないのです。ところが、警察がやられるものだから、後ろ見い見い、あっち見い見いの、陰惨な選挙になる。私は選挙というのはある意味ではお祭りであっていいと思うのです。四年に一遍あるいは六年に一遍、何でもよろしい。お祭りであっていい選挙があの陰惨な形になるのは、私は戸別訪問だと思う。お尋ねしますと、そんなことをすると全部候補者が回らなきゃいけない、身がもたないとか、いやそんなことをすると一票五千円がまともに入ってくるのでかなわぬとかいう実情はそれぞれにおっしゃいますけれども、選挙の制度の重みを考えますと、私は、戸別訪問は積極的に自由にすべきだし、それで今度の改正も戸別訪問の自由と一緒になっていればこれはわかるのです。片手落ちではないかと思う。いかがですか。
#219
○衆議院議員(後藤田正晴君) 個人的な見解で大変恐縮ですけれども、私は戸別訪問については実は積極論者なんです、しかしながら、この点は党内でいろいろ議論しまして、甲論乙駁でまとまらないのです。そこで、今度の改正というのはおおむね党内でもまあまあこの程度といってまとまったところ、同時に今度は野党の皆さんにも御相談をして、この程度ならうちの党としても異論はないよといったようなものだけを出したわけです。したがって、考え方の基礎は私はこの選挙法というものは本来は安定していなければいかぬと思うのですね。しょっちゅう変えるべき筋合いのものではないと思うのですけれども、しかし、現実はなかなかいま言ったようにむずかしい問題ですね、選挙の改正というのは。だからやはりおおむねの一致するところで、いかにもひどいなと思うところはともかく、不磨の大典ではないのだ、できることから改正していこうではないか、そして、それでまたそれのふぐあいがあればそこをまた考えていくというようなことにしたらどうかというようなことで、今日のこの案が出たわけでございます。したがって、この案に載っていない問題できわめて重要な問題が幾らもありますから、こういう点については将来とも党内でも勉強しますし、また野党の皆さんとも御相談をしてまいりだい、かように思います。
#220
○栗林卓司君 いま党内というお答えがあったものですから、それに乗ってお伺いするわけですが、党内としましてこの戸別訪問について、ではいつごろまでに成案が得られるのだろうか。というのは、今度の改正案というのはたしか四党でいろいろ知恵をしぼりながらつくってきたたたき台ですね。あそこの中には戸別訪問を少しいろいろ工夫してやろうじゃないかというのが入っておったのです。それが急遽つくるようなことになったという面もあるでしょうけれども、落ちてしまった。落ちたまま参議院に来たのですから、いまさらいまの時期にどうこうしようと言っても間に合わないでしょうが、では党内の話としていつごろまでに成案が得られるお見通しですか。
#221
○衆議院議員(後藤田正晴君) これは私からいつごろまでに成案を得ると言う筋合いのものではないように思います。しかし、本当にこれは重要な問題ですから、これは私どもの調査会でもできるだけ結論を出すように努力をしてみたいと、かように思います。
#222
○委員長(鳩山威一郎君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十七分散会
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ソース: 国立国会図書館
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