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1980/03/02 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 物価等対策特別委員会 第3号
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1980/03/02 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 物価等対策特別委員会 第3号

#1
第094回国会 物価等対策特別委員会 第3号
昭和五十六年三月二日(月曜日)
   午後一時三十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         丸谷 金保君
    理 事
                斎藤栄三郎君
                藤井 裕久君
                山田  譲君
                原田  立君
    委 員
               大河原太一郎君
                北  修二君
                佐々木 満君
                仲川 幸男君
                福田 宏一君
                増田  盛君
                森山 眞弓君
                村田 秀三君
                本岡 昭次君
                渡部 通子君
                小笠原貞子君
                木島 則夫君
                山田耕三郎君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       河本 敏夫君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      橋口  收君
       公正取引委員会
       事務局経済部長  伊従  寛君
       公正取引委員会
       事務局取引部長  劒持 浩裕君
       経済企画庁調理
       局長       井川  博君
       経済企画庁国民
       生活局長     小金 芳弘君
       経済企画庁物価
       局長       廣江 運弘君
       経済企画庁調査
       局長       田中誠一郎君
       農林水産大臣官
       房審議官     戸田 博愛君
       労働省労政局長  細野  正君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        道正  友君
   説明員
       通商産業省産業
       政策局物価対策
       課長       大角 恒生君
       通商産業省生活
       産業局日用品課
       長        坂本 春生君
       資源エネルギー
       庁石油部流通課
       長        関   収君
       労働省労政局労
       政課長      石田  努君
       建設省計画局不
       動産業課長    末吉 興一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○当面の物価等対策樹立に関する調査
 (物価対策の基本方針に関する件)
 (公正取引委員会の物価対策関係業務に関する
 件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(丸谷金保君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。
 当面の物価等対策樹立に関する調査を議題といたします。
 前回の委員会において聴取いたしました物価対策の基本方針及び公正取引委員会の物価対策関係業務等について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○山田譲君 これは大臣もお聞きになっているかどうかわかりませんけれども、きょう実は全国から二万人から三万人に及ぶ労働者の皆さんが集まってまいりまして、そして最近の異常な物価高、そしてまた政府が公約の六・四%を守っていただけなかったことに対する怒りといいますか、そういうものと、実際に生活が非常に困ってもうどうにもならなくなっているというふうな状態の中で各方面に陳情しなきゃならないということで集まってくるわけでございます。決してだてや酔狂でこの寒空に集まってくるわけじゃないわけです。そういう段階で、最近の新聞等見ましても、物価の問題が紙面を非常ににぎわしているというときでございまして、私もこういう段階でこれから質疑をさしていただくわけでありますけれども、このような情勢の中で、大臣と一緒にこんにゃく問答をやろうという気持ちは毛頭ないわけでありますので、私もはっきり申し上げますけれども、大臣の方もそれなりにはっきり明確に御答弁をお願いしたいというふうに思うわけでございます。
 で、まず最初にお伺いしたいのは、五十五年度の物価上昇率の問題でありますけれども、もうすでに新聞等で御承知のとおり、あるいは事実調査の結果にもあらわれておりますように、一月に入ってからも対前月比が一・二%、前年の一月比七・四%というふうなアップ率を示している。そして、大臣の所信表明によりますと、卸売物価が最近はかなり低くなっているということで当然消費者物価も低くなっていくであろう、下がっていくであろうというふう宣言い方をしておられるようでありますけれども、実際の調査の結果を見ましても、卸売物価は確かに去年の四月ごろをピークにして下がっていることは事実でありますけれども、その反対に消費者物価の方はさっぱり下がっていないというふうな状況でございます。したがって、卸売物価が下がっているから消費者物価も下がるであろうというふうな楽観はとうていできないわけであります。
 そこで、お伺いしたいのは、今年度はあと二月と三月しか残っておりませんけれども、そういうあと二月の間に一体物価がどのように推移していくか、そしてその結果として五十五年度の物価の平均の上昇率がどのぐらいになるであろうかという見通しにつきましてまず最初にお伺いをしたいと思うわけであります。
#4
○政府委員(廣江運弘君) お答えいたします。
 消費者物価の最近の動向は、先生おっしゃいましたとおり、消費者物価は総合で十二月が七・一、一月七・四、そして東京都区部、これは速報でございますが、六・八ということでございます。確報が出ておりますのは一月まででございまして、二月は下旬の数値までを考慮いたしました東京都の確報並びに全国の確報というのはいまだしてございますし、三月はもちろんこれからでございます。物価は一月前月比で一・二%上がりましたし、東京都で言いますと、前月比で二月は〇・四%上がりましたですが、いずれの上昇率もこのほとんどが季節商品の上昇によって突き上げられております。申し上げますと、一・二のうち一・一ぐらいの寄与度で上がっておりますし、〇・四のうち〇・四強の寄与度で季節商品がこれを押し上げております。そういうふうな季節商品を除きました基調で見ますと、季節商品を除きます総合ではずっと落ちついてきておるわけでございます。たとえば全国で言いますと、十二月八・〇が一月七・九になり、東京は七・六になるというふうに落ちついてきておるわけでございます。そして、これを前年同月比だけではなくて、瞬間風速といいますか、そうした年率で見てみますと、もう少し落ちついているということが言えると思います。しかしいずれにいたしましても、前年同月比は先ほど先生も御指摘になりましたように上がっておるではないかという御指摘かと思います。
 そういうわけで、その一番の原因であります季節商品等につきましては、一月、二月、そして三月に入りましてもこれを静めるように、低く抑えるような努力を野菜等を中心にいたしましていまなお続けております。私どもはこういう努力を今後も一層続けていきたいと思います。そうしてできる限り消費者物価をおさめたいと、こう思っております。
 ただ、ことしの五十五年度のそれでは見込みはどうなるのかと言われましたですが、これは先ほども申し上げましたように、二月はまだ確報が出ておりませんし、三月もこれからの問題でございまして、いま予断を抱かせるような数字を申し上げるのもいかがかと思いますが、一つのこれは予測とか見通してはございませんが、仮にこういう指数を置いたらどうかということに置きかえてお答えをさしていただきますと、一月全国確報のレベルで二月、三月が推移するとした場合に、五十五年度の消費者物価は一年平均でどのくらいになるかと言われますと、おお善ね七・七%程度になろうかと思います。
#5
○山田譲君 大体平均七・七%の五十五年度の上昇率というお話でございました。
 そこで、次にお伺いしていきたいのは、消費者物価が五十五年でいずれにしましても七%以上、八%近く上がっているわけでありますけれども、その高騰の原因として、この前の所信表明の中に書いてありますように、原油価格の高騰ということを言っておられますけれども、果たして本当にその原油価格の高騰が原因しているのかどうか、もし原因しているとすれば、どの程度影響をしているか、そしてまたそれを具体的にひとつ説明をしていただきたいと思います。そして、私どもの考えでいるところでは、原油の価格の推移をずっと見ましても、そうストレートに原油価格が高騰したからといって消費者物価に影響しているというふうには思われないわけでございますけれども、そこら辺について具体的な数字を挙げてひとつ説明をしていただきたいと思います。そして、その見込み六・四%が外れたということについて、何となくその原因が原油の高騰にあるというふうな言い方をしておられるわけでありますけれども、それが本当かどうか。そして、またさらにお伺いしたい点は、去年の五、六月ころから公共料金が相当大幅に値上げをしたわけでありますけれども、そういうものが影響しているかどうか、この辺についてひとつ具体的に御説明願いたいと思います。
#6
○政府委員(廣江運弘君) 五十五年度、石油がOPECの値上げを中心にいたしまして大幅に上がっているということはもう申し上げるまでもないことだと思います。私どもは初めには石油価格全体はいろいろデリケートな問題もございますので申し上げておりませんですが、実際最近の石油はどのくらいになっているかということを見ますと、十二月でございますと平均で三十五ドルをかなり超しているわけでございます。こういうところからも石油が大きく押し上げたということは御了承いただけるところだと思います。
 石油が上がりましたときに、それがどういう経路をたどって、どういう加工段階でどのくらいの時期を置いてということになりますと、いろいろむずかしい問題がございまして、これを一概に一義的に決めてまいるわけにはまいりませんが、まあ四ドルから五ドル程度は上がっている、当初思ったよりも上がっておりますし、この辺が大きな影響を与えたということはいろいろレートの状況等を勘案いたしましても御了承いただけるところだと思います。
 そしてこれがどういう形であらわれるか、いろいろタイムラグ等もございますし、加工段階等も先ほど申し上げましたようにございますので、これをぴしっと決めて申し上げることはいたしかねますけれども、そういうところで御想像をいただきたいと思います。
#7
○山田譲君 公共料金の方はどうですか。
#8
○政府委員(廣江運弘君) 公共料金は、五十五年度は現在までのところ、寄与度で申し上げまして大体二・二%ポイント程度ではないかと思っております。そのうち予算関連のものが〇・五%ポイントぐらいで、一・一%ポイントぐらいのものが電気、ガスの関係で押し上げられたと考えております。
#9
○山田譲君 これはぜひ大臣にお答えいただきたいんですけれども、昨年の通常国会で、三月二十七日でございましたけれども、参議院の予算委員会でわが党の大木正吾委員が質問をいたしまして、それに対して正示長官が答えておられるわけでございます。それはもう御存じだと思いますけれども、余り長くないですからちょっと読み上げてみます。つまり大木委員が、六・四%と言っているけれども果たして本当にそれが実現できるかどうかということについて質問したお返事として、正示長官がこういうことを言っておられます。
 私どもは、まず五十四年度の四・七、五十五年度の六・四、これはいろいろもう各省庁と連絡をとって、架空のものではない、これはもうぜひそれを守ることが経済運営の核心である、これを外しては経済全体ががたがたになっていくんじゃないかというところまで突き詰めた一つの見通してございます。したがって、いまのところはその二つはぜひとも達成したい、またできる、こういう確信でございます。こういうことを正示長官が言っておられます。
 そして、昨年の臨時国会の特別委員会の席上で今度は私が、今度は河本長官でございましたけれども、特にその点を挙げて、当時としてもなかなか六・四%実現がむずかしいんじゃないかというふうなことが考えられたものですから、私どもとしてはそれを心配して、本当に大丈夫であるかということをかなりしつこくお聞きしたわけでございます。その当時の私どもの計算としては、どう計算してもやはり六・四%は無理じゃないか、その時点で。したがって、その計算でいきますと、平均して七・八%あるいは七・九%ぐらいにいくんじゃないかというふうな危惧を持っていたわけで、そういう点について私が大臣にお尋ねをしたわけでございます。そして、それに対する大臣のお答えは、これもそう長くはございませんから読み上げてみます。
 いま政府を挙げてこの問題と取り組んでおりますし、先ほど来繰り返し申し上げますように、卸売物価が目に見えていい方向に行っておりますし、それから生鮮食料品も非常にいい方向に行っておる、こういうことでございますから、よほどの予期せざる突発事情でも起こればこれまた別でありますけれども、いまのところそういうことが起こりそうにもございませんししますから、私どもはこの目標は十分達成できる、こう思っております。こういうお答えを河本大臣から聞いたわけでございます。
 したがって、そのときの大臣のお話は、よほどの予期せざる突発事情でも起これば別である、そうでない限りは六・四%はちゃんと実現さしてみせる、こういう胸を張った言い方をなさったわけであります。ところが、その後の状況を見ますとさっぱりそのようになっていないわけでございますけれども、そこら辺について突発的な事情が何かあったのかどうか、その点についてまたお伺いしたいと思うわけです。
#10
○国務大臣(河本敏夫君) 政府の方では昨年の一月にこの物価目標を立てたわけでありますが、それ以降、三月に緊急物価対策、同じく九月に総合経済対策の中での緊急物価対策、さらに十月におきましては各省の物価担当官会議を開きまして、全力を挙げまして六・四%という物価目標を達成するために努力してまいりました。特に八月前後は冷夏等の影響がありまして、野菜の生育が悪く野菜が暴騰いたしましたが、先ほど御指摘がございましたように、十月ごろから非常に順調に生鮮食料品も出回ってまいりました。十月から十二月までは相当低い水準になったのであります。しかしながら一月以降はまた異常気象が起こりまして若干見込み違いになりました。
 さらにまた十二月のOPEC総会では、私どもはまさか石油の値上げはないと思っておったのでありますが、これも申しわけないことでありますが見込み違いになりました。と申しますのは、何しろ昨年はOPEC諸国の余剰オイルマネーが千二百億ドル近くになっておりまして、これが世界経済を大きく混乱さしておる原因でもありますし、OPEC諸国はその金の使い道にも困っておる、これくらいの余剰ドルを抱え込んでおるという状態でありましたので、さらにその上に大幅な値上げなどはあり得ないと常識上考えておったのでございますが、残念ながら四ドルという大幅値上げを決定いたしたのでございます。そういうことがございまして、十二月にはこの目標を修正せざるを得なくなった。大変遺憾に存じ、また残念にも思っております。また申しわけなくも思っておるんですが、そういう経緯でございます。
 しかし最近、幸いに物価は大勢としては安定の方向に行っておると思うんです。一つは卸売物価の関係は、先ほど政府委員も述べましたが、これは直接直ちに影響するものではございませんが、若干日を置きますと済費者物価にはいい影響が出てまいります。昨年の一月から六月までは二〇%台の上昇が続いておりました。特に四月などは二四%という年率の上昇でありましたが、最近は、二月上旬で三・九%、中旬では四%というところまで下がっておりまして、卸売物価からくる昨年の悪い影響はおおむね解消できる、このようにも思っております。
 そのほか、公共料金とか、石油価格の見通し等についても、先ほど触れておりましたが、そういうことで大勢としてはいい方向に向かっておる。さらに引き続きまして努力を重ねていきたいと、かように考えております。
#11
○山田譲君 必ずしも私は言葉じりをつかまえたりなんかするつもりはありませんけれども、いまの御説明でいきますと、十月の臨時国会のときにお返事なされたことは、突発事情というのはそういった主として石油価格の予期せざる高騰といいますか、そういうものが影響したんだ、そういうことで約束の六・四%はなかなか実現が不可能になった、こういうふうにおっしゃるわけでございますか。
#12
○国務大臣(河本敏夫君) 予期せざる出来事とは何ぞやというお話がございましたから、一つは石油価格の急上昇、特に十二月のOPEC総会の大幅値上げ、それと一月以降の異常気象、こういうことを申し上げたのでございまして、ただ、そういうことがあるから見込み違いになりましたが、それによって政府の責任がなくなったとか、そういうことは決して考えておりません。
#13
○山田譲君 その次に私がちょっとお聞きしたい点ですが、これは私が非常に驚いた点でございますけれども、私にそういうことを御返事なされた一月余りの間に、新聞に出されておりましたけれども、十二月十五日のNHKの番組で「総理にきく」という番組がありますけれども、その中でこの変更を総理大臣が簡単に――簡単と言っちゃ失礼ですが、ちょっと六・四%は無理だと、六・九%になるであろうというふうなことを、修正をしてNHKで放送をしておられるわけであります。そして、そのときにもう一つおっしゃったことは、春闘相場六・九%――これは労働省の調査の結果のようでありますけれども、六・九%以内にはおさめたい、こういうことを総理がはっきり言っておられたわけです。私としては夕刊でそれを読んでびっくりしたわけでありますけれども、わずか
 一月前くらいに河本長官がはっきりと六・四%大丈夫だというふうにおっしゃっておりながら、その舌の根が余り乾かないくらいの間に総理が六・九%くらいだというふうな修正をなさっておられる。そして春闘相場以内にひとつおさめたいということをはっきり言っておられるわけでありますけれども、この辺の経過は何か特別な事情があるわけでありますか。
#14
○国務大臣(河本敏夫君) 総理がそのようなことをお述べになったことは私も承知しております。その資料がどこから出てきたかは私は知りませんが、そういうことをお述べになったことは事実であります。以上です。
#15
○山田譲君 そうすると、総理は河本長官にも全然御相談なしにNHKでそういう放送をなされた、こういうことでございますか。
#16
○政府委員(廣江運弘君) 私どもといたしますと、いろいろ月々の動き等につきまして御報告申し上げておりますが、総理がどういう具体的なお考えでお述べになったかということにつきましては差し控えさしていただきますが、一つの強い希望を申し述べられたということも考えられると思います。
#17
○山田譲君 何か非常に大事な問題について、しかも私に対してはっきりと企画庁長官が六・四%でやりますと言っておられるのに対して、本当にわずかの間にそういうふうに総理のお考えが変わってしまったということについて、それが企画庁の方とも相談なさらずにそういうことをおっしゃったということについて私は非常に奇異な感じを受けるわけであります。
 そこで重ねてお聞きしたいのは、ここで総理が言っておられる春闘相場以内におさめたいという強い希望だということでございますけれども、それはいまも変わってないわけですか。
#18
○政府委員(廣江運弘君) 直接のお答えになりますかどうか、本年度五十五年度の物価見通しは、昨年暮れに実績見通しを出します段階で、先ほど指摘のありましたように七%程度というふうな修正をさしていただいたわけでございますし、その後の情勢等につきましては先ほど先生御指摘のとおりでございます。
 私どもといたしますと、物価をともかく少しでも下へ下げるようにという努力を一月、二月、三月とずっと続けておるわけでございますし、もう少し前からは総合経済対策、物価対策等を中心にいたしましてやっておるわけでございますし、年が明けましてからは直接的な対策を野菜等を中心にいたしてやっておるわけでございまして、これをできるだけ下げたいという努力をしているという点を子としていただきたいと思います。
#19
○山田譲君 どうも余りはっきり答えになっていないような感じで進みませんけれども、要するに総理は六・九%にしたいんだということを総理大臣としてちゃんと言っておられるわけであります。だから、それと同じ考え方を現在政府としてもお持ちかどうかをはっきり答えていただきたいと思うんですが。
#20
○国務大臣(河本敏夫君) 総理はそのときに、いま政府委員が答弁いたしましたように、企画庁の資料に基づいて希望的意見を述べられたものだと思いますが、企画庁と総理との間でいろいろ意見調整をいたしまして、そして十二月の下旬に決めました七%程度というように軌道修正をしたのでございます。
#21
○山田譲君 じゃ春闘相場以内におさめたいというのはその後軌道修正をして七%にしたと、こういうお話でございますか。
#22
○国務大臣(河本敏夫君) 春闘は六・九%でおさまっておりますから、七%程度ということは春闘よりもやや高い水準であると、こういうことであります。
#23
○山田譲君 七%程度、程度とは何だというようなことを、いまそんなことをここで言っている暇はないわけでありますけれども、いずれにしましても、総理大臣がはっきりとそういう春闘相場六・九%以内におさめたいというふうなことを言っておられるわけですから、ひとつそのところは政府の皆さん方もよく認識をしていただきたい、そしてそのとおりおやりになるのが当然のことじゃないかというふうに思いますけれども、時間の関係で先へ進みます。
 その次に、先ほど来お話がありました原油価格の高騰がいわば物価上昇の元凶だというふうな言い方を最初からなさっておりますけれども、ところがいわゆる円高差益で石油会社あるいはガス、電力会社がぼろもうけをしている、こういう事実があると思います。
 新聞を見ましても、たとえば十一月二十一日の毎日新聞でありますけれども、ここに書いてありますが、「円高差益でワ、ハ、ハ」というふうに書いてあるわけです。そして石油九社二千億を超す利潤が上がっている、そして油ぶくれで商社も笑っておりますというふうなことで、商社自身も円高のために大もうけをしているというふうなことが記事として出ておりますし、数字的にもそのようなことがよくうかがわれるわけであります。いずれにしましても、円高差益によって石油九社が笑いがとまらないというふうな状態であるということが新聞で報道されております。
 そして、また大阪瓦斯あるいは東京瓦斯にしましても、大阪瓦斯が二倍もうかっている、東京瓦斯が五割増しであるというふうなことで、値上げとそれから円高が寄与しているんだということが、これまた日経でございますけれども、一月の二十三日に大きく出て取り上げられております。それからまた五十六年一月七日の毎日新聞でも、巨額の差益が出ておると、電力とガスに、こういうことが報道をされております。
 石油が上がったために物価が上がって一般庶民は非常に苦しんでいるというときに、その石油を売っているあるいは使っている会社が大もうけをして笑いがとまらないというふうな状態が確かにあるわけでありますけれども、これについてはっきりと一体企画庁としてはどういう考えを持っていられるか、そういうことについてこれを黙って笑うに任しておくのか、消費者が泣くのに任しておくのかということについてはっきりと御返事をいただきたいと思うわけです。
#24
○国務大臣(河本敏夫君) まず電力料金でありますが、先般通産省の話によりますと、電力会社の上半期の中間決算による利益は四千数百億、五千億弱と、こういう報告がございました。ただし、そのうちで円高差益によるものは五百億円である、残りは原子力発電所の稼働率が急上昇したことと、それと水が非常に豊富で水力発電の稼働率がよかったこと、これが大部分の利益の背景であるので、これは一過性の利益だ、こういう報告をしておりました。そうしてその五百億という円高差益というのは、これは今後ある程度ふえるかもわかりません。
 しかしながら、昭和五十三年に円高差益を直接消費者に還元したことがございますが、私はそのときの政策は失敗だったと、こう思っておるんです、あのときに円高差益を別勘定で積み立てておきまして、それを政府の監督下に置いて、そして料金体系を混乱させないように、できるだけ長く値上げをしないようなそういう行政指導をする財源に充てたい、あるいはまた電柱などが大都会でたくさん立っておりますが、こういうものを地下に埋めるとか、そういう公共的な投資に充てたいという考えでおったのでありますが、いろいろな経過をたどりまして一応全部国民に、少額でありますけれども、各家庭に還元することにいたしました。その結果が昨年の大幅な電力料金の値上げとなってはね返ったわけでございますが、そういう失敗がございますから、通産省も、今回はどの程度電力料金の差益が出るかもわからぬけれども、これは全部別勘定できちんと積み立てまして、これは電力会社が乱すべきものでありませんから、当然消費者、国民に還元しなけりゃならない、還元の方法につきましてはもっと大局的な判断から還元をしたいと、こういう趣旨のことを言っておりましたが、私はその考え方に全く賛成でございます。
 それから石油会社につきましては、やはり上半期に相当大きな黒字が出ておるようでありますが、下半期は情勢が混沌としておりまして、民族系の会社は経営が非常に悪くなっておる。それから外資系の会社は依然として経営がよろしい。それは結局、サウジアラビアの油を民族系の企業は輸入することがなかなかむずかしい、外資系の企業はそれが非常に多い、こういうことで経営がばらつきがある、かつ全体としては非常に悪い、こういうことを言っておりましたので、なるほど円高差益は一年間を通じてある程度は出ておると思いますが、十二月の値上げ等はまだ消費者に転嫁しておりませんししますから、そういう面からの経営の圧迫があろうかと思います。いずれにいたしましても、三月期の決算を見た上で石油の価格に対する対策は考えたいというのが、多分通産省の考え方であろうと思いますが、私もその考え方には賛成であります。
#25
○山田譲君 いま大変心強いお話を伺ったわけでありますが、確かに円高差益というのは一企業の努力によってもたらされた益ではないわけであります。当然これは、何というんですか、貿易の中で、国際収支の中でもって円高あるいは円安というような事態が起こってくる。ですから、いずれにしましても、そういう差益を一企業が独占すべきものじゃないと思うんですね。ですから、いまちょっと大臣のお話にもありましたとおり、この円高差益というものは全然別な勘定にして、いわば特別勘定としてそれを絶えず国民の前に明らかにしていくというふうなことが必要じゃないかと思うんです。一企業が独占するというふうなやり方は、これは適当ではない。円高差益だから直ちに、物価といいますか、電気料金を下げろというようなことは直ちに言えない場合もあると思うんですけれども、いずれにいたしましても、その分だけは別に勘定として取っておいて、それはそれとして、いまちょっとお話ありましたけれども、いろんな変動の事態にそれを使っていく、こういうふうなやり方をすべきじゃないかというふうに考えるわけでありますけれども、ひとつこの点についてもう一遍大臣のお答えを聞きたいと思います。
#26
○国務大臣(河本敏夫君) ただいまのところは、政府の基本的な考え方は、おおむねいまお述べになった方針で進んでおると思います。
#27
○山田譲君 ぜひそういうことでお願いをしたいと思うわけです。そして、きょうはお聞きしませんけれども、特に業界別にこの円高差益がどのように影響を及ぼしているかというふうなこともぜひ明らかにしていただきたいと思いますし、特に、聞くところによりますと、畜産振興事業団なんかもこの円高によって相当もうけているんじゃないかというふうな話もございます。そういう点もひとつ、きょうはお尋ねいたしませんけれども、次回にでも明らかにしてお示しをいただきたいというふうに思っております。
 それからその次に進みますが、先ほど大臣もちょっと言っておられたように、いろいろな要素があるにしても、いずれにしても公約の六・四%といったもの、しかもそれはかなり念を押して、私どもとしても大丈夫か大丈夫かということを再々にわたってお尋ねしてきたわけでありますけれども、その都度大丈夫だというふうに胸を張って答えてこられたわけであります。ここ一、二カ月の間にそれを大きく軌道修正をなさろうとしておられるわけでありますけれども、それはそれとして、いずれにしても一つの見通しといいますか、見込みが狂ったということは間違いないわけであります。
 しかも、これはもう御承知のとおり、去年の春闘が、いろいろな問題ありましたけれども、いずれにしても六・九%というふうな非常に低額な労働組合の人たちも涙をのんで矛をおさめたその裏には、これは六・四%というものは、政府はあれほどはっきり言っておられるんだから当然実現してくれるに違いないと、そこで泣く泣く矛をおさめたという経緯もあるわけでございます。
 そのことは鈴木総理もはっきり言っておられるわけでして、十月八日の本会議のときにも、「わが国の経済の安定に労働組合の自制ある行動が貢献しておりますことは、私は常々評価しております。」と、こういうことを言っておられる。この「労働組合の自制ある行動」というのは、恐らく去年の春闘が六%台というふうな非常に低額でもっておさまったということを総理は評価したお言葉だろうというふうに思わざるを得ないわけでありますけれども、それはそれとして、その「自制ある行動」をした方立場から言いますと、評価していただくのは結構であるけれども、当然それにはそれの対応をしていただかなきゃ困る。何か労組だけに犠牲を払わしておいて政府はその公約を平気で修正して知らぬ顔していると、こういう状態じゃ非常に困るわけでございます。ですから、この辺のことをよくお考えをいただきまして、労組に対して、「自制ある行動」をしたと言っておられる労組に対して一体どういうことを政府としてはこれからおっしゃろうとするのか、やろうとなさるか、それをはっきりとここで言っていただきたいと思うんです。
#28
○国務大臣(河本敏夫君) 昨年のペースアップの妥結が、政府の六・四%という物価目標を達成いたしますという、そういう言明を背景に妥結をしたと私も考えております。したがいまして、最近の勤労所得が実質目減りしておるというその原因は物価上昇にあるわけでありますから、政府の責任は非常に重いと思っております、
 でありますから、実際はこういうときには多少の減税をすればいいんだと思いますが、しかしながら最近の財政事情を見ますと増税をしないとやっていけない。何しろことしも一兆数千億の増税をして初めてバランスがとれる、こういう状態でもありますので、ことしは何とかごしんぼう願いたいというのが現在の政府の考え方でございます。
#29
○山田譲君 大臣は先取りして増税というふうなことをちょっとおっしゃったわけですけれども、それはこれから言おうと思ったことなんですが、国の場合は財政が困るから個人の方はがまんしてくれと言われても、なかなかそうはいかないわけですね。国の場合は増税すればそれでいいかもしれない。しかし一般の家庭にあっては増税なんということはできないわけです。ですから、国は増税して取るからいいかもしれない。しかも増税ということは当然一般の消費者からその金を取ることになるわけでありますから、それはもう踏んだりけったりということになるわけです。ですから、国の財政事情が苦しいから一般家庭ががまんしてくれと、こう言われても、なかなかそう簡単にいかないんじゃないかと思うんですがね。この点どんなものでしょうか。
#30
○国務大臣(河本敏夫君) そういうお考え方も当然あろうかと思います。そこで、何しろ五十四年以降自然増収が非常にたくさん出ておりまして実質所得税は非常にふえております。そういうこともありますから、この問題は避けて通れない問題だと私も考えておりますが、しかし現時点では、先ほども申し上げましたように、とにかく現段階では、その一兆数千億の増税をしないとつじつまが合わぬということでございますから、ことしはごしんぼうしていただきまして、来年以降の時点でこれを解決していく、そういうことで政府部内でも相談したらどうだろうかと、実はそういう考え方をいま進めておるところでございます。
#31
○山田譲君 ことしは何とかがまんしてくれ、来年は何とかしますと言われても、現にことしがあれほどかたい約束をした六・四%が守れなかったということになりますと、これから五十六年度のことをがまんしてくれと言われても、なかなかそう簡単に労働者の方は納得できないんじゃないかというふうに思うんです、
 要するに、そういうことで政府に対する信頼感がかなり失われてしまっているということは、今度のこの物価の問題で明らかでございます。しかも一%実質でダウンしたというふうな例は、労働省の統計からいってもこれは初めてのことなんであって、そういう事態になったにもかかわらず、しかもそれが政府の公約を守れなかった結果そういうことになったということでありますから、しかもそれでがまんしてくれ、来年は何とかしましょうと言われても、これはなかなかそういうわけにはいかないというふうに、これは大臣だってそうお思いになると思うんですよね。
 それで、そういった失われた信頼関係、信頼感を回復させるためには、さっきちょっとお言葉にもありましたけれども、やっぱり物価調整減税というふうな道しかないのじゃないか。苦しい財政の中だとは思いますけれども、それ以上に個々の消費者は苦しんでいるわけでありますから、そういう人たちに対してまずこの信頼感を回復するために減税をはっきりと示す、それによって失われた信頼を回復するということがあるんじゃないかというふうに思うわけであります。もし減税をしないというふうなお話であれば、それはそれなりにしようがありませんから、それにかわるべきはっきりとした何か具体的な確約ですね、こういうものをしていただかなければなかなか納得できない。ただがまんしてくれと言われても、来年ははっきりこういうことをするからというふうな具体的なものをもってお示しいただきませんというと、なかなかその信頼感は回復しなくなる。そうするとまたまた今度の春闘だってそう簡単におさまらなくなると思うんですよ。去年は、先ほど来言っておりますように、そういう政府の公約を信じて一応泣く泣く矛をおさめたわけでありますけれども、一遍こういう事態になりますと、今度の春闘というのはなかなかそう簡単に、政府が五・五%、こう言われたって、本当にそうかというふうなことでそれを簡単に信用するわけにはいかない。ですから春闘も相当荒れてくるんじゃないかということが予想されるわけでありますけれども、そういう事態ですから、ひとつこの際政府の公約の六・四%は守れなかった、それを率直に認めた上で、しからばそのことのためにひとつこういうことを具体的に考えているから、そこでひとつ勘弁してくれと、こういう話になるわけであって、ただ漠然と勘弁してくれ、来年は何とかしますと言われても、これはそういうわけにいかないんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 冒頭に申し上げましたとおり、いま二万、三万人という人たちが北海道、沖縄から来ているわけでありますけれども、だてに来ているわけじゃないんでして、本当に何とかしてくれということと、実際に生活そのものが苦しいわけでありますから、それを訴えるために来ているわけであります。そういうときですから、ひとつここで河本長官、もう少し進んではっきりと、こうしますということをおっしゃっていただきたいという気がいたします。
#32
○国務大臣(河本敏夫君) この問題につきましては、大蔵大臣がたびたび政府を代表いたしまして、来年度は税体系全体を見直す中において所得税の問題も取り上げたいと、こういう発言をしておりますから、そういう方向で御理解をしていただきたいと思うのでありますが、なおそれじゃ承知できない、いますぐ何かやれと、こういうお話につきましては、野党の方からいろいろ御意見も出ておるようでありますので、これはいま自民党並びに野党との国対でどうするかということについては相談をしておる最中でございますから、もうしばらくの間その国対の相談を私は見守りたいと、こう思います。
#33
○山田譲君 国対でやっていることは私ども承知しているわけでありますけれども、これは企画庁長官としてもひとつ、いろいろな場合、場面があると思いますけれども、そういうときにいま私が申し上げたようなことをひとつぜひ強力におっしゃっていただきたい、こういうふうに思うわけです。で、おどかすようなことを言うわけじゃありませんけれども、先ほど来言っておりますように、こういった信頼感が非常に問題であるにもかかわらずそれを裏切るようなことをされますというと、非常に大きな問題が起こってくるのじゃないかということが懸念をされますので、ひとつぜひともそこのところを慎重にお考えいただいて、具体的に何らかの形をひとつ示していただきたいというふうに思います。
 それからその次に、来年の話ですけれども、来年の物価上昇率五・五%ということを言っておられますが、その根拠はどういうところでございますか。
 それからその中で、公共料金あるいは税金の値上げというふうなものをどの程度見込んでおられるか。そしてまた、先ほど来お話ありましたとおり、石油が異常な値上がりを示したために物価値上がりの見込みが狂ったというふうなことを言っておられますけれども、それじゃ五十六年度は一体石油はどの程度の値上がりを見通しておられるのか。
 この前予算関連の公共料金の値上げの問題、一応資料としていただきましたけれども、予算関連以外にもいっぱいあるわけでございます、いわゆる公共料金というものはですね。特に私鉄の運賃なんか、その中でも非常に大きな問題だと思いますけれども、いま私が申し上げたようなところをひとつ具体的に御返事いただきたいと思います。
#34
○政府委員(廣江運弘君) 五十六年度の公共料金でございますが、予算関連の公共料金は、いまお話にございましたように〇・三%ポイント程度と考えております。
 それからそれ以外の公共料金はどうかということでございますが、これは私どもの方、物価の見通しを立てますとき、もう御高承のことだと思いますが、個々の品物、個々のサービスを積み上げてやるというわけではございません。それ以外のものがないとは申しかねますが、あると思いますが、実際にはこれから事業主体から申請を待ち、関係の省庁から協議を受けてやるわけでございますので、どれがどれだけ積み上げられておるかというのは差し控えさしていただきたいと思います。
 ただ、それからもう一つ税金はどうかというお話がございましたですが、税金は公共料金の中には含めておりませんが、本年度予算で考えられております税金のCPIへの影響を見ますと、〇・二ということになりますので、先ほどの〇・三と合わせますと〇・五と、こういうことになろうと思います。
 さて、五十六年度の物価の見通しは、それではそういう公共料金等を踏まえてどういうふうにでき上っておるのかということでございますが、まず来年度、五十六年度の場合を考えますとき、公共料金につきますと、ことしは先ほどもお答えいたしましたように、いまのところ全体で二・二%ポイントぐらい浮き上げておりますが、その中で大きかった電気、ガスといったようなものが五十六年度には考えられませんし、この点の負担はずっと軽くなるのではないかという点が一つでございます。
 それからもう一つは、卸売物価の波及というのは、基調としますとかなり重要な要素だと思いますが、昨年度の場合は、昨年のいま時分を思い直してみますと、二〇%あるいは二〇%を超えるというような率で上昇してきておったわけでございます。これが幾らかのタイムラグをもちまして消費者物価に影響を与えたということは事実でございます。ところが、ことしの場合は、卸売物価は三%台、四%といったような鎮静の仕方をしておりまして、これはますます鎮静していくと思いますが、そういうものが来年度の消費者物価にも必ずいい影響を及ぼすという点が考えられます。
 次に、個別のものの中でいま御指摘のありました石油でございますが、石油につきますと、国際的な情勢がどのように変わりますか、非常にむずかしい点もございまして、これを断定的に申し上げるのもいかがかと思いますが、昨年のように上がるというようなことは、いまの需給緩和の状況、国際情勢等を総合的に勘案いたしましてもなかなか想定できないところでございまして、こうした三つの要素から考え合わせますと、五十六年度の消費者物価見通しと言いますのは、五十五年度に比べますと、その点非常に情勢が緩やかであると思いますし、五・五%の目標達成はできると思いますし、大いに努力をしていきたいとも思っております。
#35
○山田譲君 さっきちょっとはっきり御説明なかったようですけれども、公共料金の値上げ、予算関連の公共料金は別としまして、その他いろいろあるわけでありますけれども、それのことはいまの御説明の中にどうもあいまいでありましたけれども、要するに五・五%の中にそれは見込んでいないということですか、それとも見込んでいるということですか、どっちですか。
#36
○政府委員(廣江運弘君) 五・五%は、全体としまして消費者物価がこの程度上がりますという見通してございますので、予算関連の公共料金も予算関連以外の公共料金も含まれるわけでございます。
#37
○山田譲君 含まれてはいるけれども、その数値ははっきりしないということですか。
#38
○政府委員(廣江運弘君) 物価見通しをいたしますときに、予算関連の公共料金というのは個別的にわかるわけでございますのですが、それはまず最初に置くわけでございますが、そのほかのものにつきましては、もともと事業者から申請を待って、かつ関連の省庁からお話がありまして調整をするものでございますから、事前にこれこれになる、しかじかになるということは申し上げかねるわけでございますが、私どもといたしますと、大きなマクロの意味で物価見通しというのは立てますものですから、そういう広い意味では入っておる、しかし具体的にこれこれだということは申し上げかねるということでございます。
#39
○山田譲君 どうもはっきりわかりませんけれども、いずれにしても、近く業者から申請がなきゃわからないとは言うものの、私鉄運賃なんかについても当然これはあると思うんですけれども、そういう場合にも特によく注意をしてやっていただきたいと思うんですね。一つ私どもがおかしいと思っておりますのは、一斉に同じ値上げをするということ、運賃についてですね。会社によってそれぞれ差があるわけでありますから、そういう点もおかしいんじゃないかというふうに思いますし、あるいはまたデパートあるいは不動産を経営しているようなところは、そういうところの赤字をどんぶり勘定でもって全部値上げの方へ持ってくるというふうなこともあるようでありますから、ひとつ公共料金の値上げ、これは簡単にしてほしくないわけでありますけれども、いまおっしゃった話を聞きますと、どうも事業者の方から申請があればそれはある程度認めざるを得ないようなお話でありましたし、その数値もまだはっきりしないということですから、これはぜひそういう点を注意して今後とも公共料金を極力値上げしないようにひとつ企画庁としてがんばっていただきたいというふうに思います。
 それから全然別な話ですが、産労懇がこの間提言を出されまして、企画庁の方にも物価の問題として提言されたようでありますけれども、それについて提言を受けて企画庁としてどういうふうなことを考えておられるかお聞かせ願いたいと思います。
#40
○政府委員(廣江運弘君) 産労懇から政府の方へ御提言がございまして、その中にはたとえば公共料金の話、それから生活関連物資についてしっかり細心の注意をもってこの値上げ動向に対処しろ、この値上げを可及的に低く抑えるように努力をせよというお話等々ございまして、まことにごもっともだと思っておりまして、生鮮食品等につきましては、いまも野菜等を中心にいたしまして努力いたしておりますが、これは今後も大いにやらなければいけないと思っております。
 それから公共料金のお話がございましたですが、先ほどのお話もございましてその関連で申し上げますが、公共料金につきましては、まず第一に、その事業主体におきましての厳格な経営のもとにやっていただくというのが一番最初の要請でございます。そうして、かつそれでカバーできないものにつきましてはやむを得ない値上げは認めざるを得ないわけでございますが、それらにつきましても、時期とか幅につきまして国民生活、物価への影響を勘案いたしましてこれを調整しなければいけないと思っております。そういうふうな態度で先ほどお話のありました私鉄等を含めまして公共料金の取り扱いにつきましては厳正に取り扱ってまいりたいと思っております。
 産労懇のお話の中にはさらに、国民各層の意見を十分取り入れるように物価安定政策会議をもっと活発に運用すべきではないかというお話がございましたです。同会議の運営につきましては、従来年一回の総会のほか、物価情勢に応じまして総合的な物価対策について調査、審議するということで政策部会をおおむね月一遍定期的に開催いたしております。そのほか、公共料金の値上げ等の時期に際しましては、必要に応じ随時特別部会も開催いたしております。このように政府としますと、物価対策の立案、実施に際し広く国民各層の意見を聞く場として同会議の運用に努めているところでございますが、御提言もございました趣旨を踏まえまして、政策部会を中心に各界の委員にも必要に応じ参加いただく機会を設けるなど、今後一層適切な運営を図ってまいりたいと、かように考えております。
#41
○山田譲君 いまの物価安定政策会議の話ですけれども、これは四十五名のそうそうたる顔ぶれがいるようでありますけれども、年に総会一遍だけ開かれて肝心の消費者なり労働者の意向がほとんどそこに反映されてこないんじゃないか。あと毎月やっておられると言いますけれども、それはどちらかというと公益側の立場の方々だけのことであって、私としてはもっともっと積極的に、せっかくこの会議があるわけでありますから、労働者とか消費者とかそういう人たちの意見が聞かれるように、反映できるように具体的に運営を変えていっていただきたいというふうに思います。予算を見ますと、これは二千万円ですか、これもふえてないようでありますけれども、この範囲内でやるとすれば、どうかひとつその運営にもっと有効に使っていただきたい。ただ二、三分だけしかしゃべる機会がないというふうな年に一回の総会のやり方ではなくて、毎月でも隔月でも構いませんけれども、実のある政策会議の運営に変えていくようにお願いをしたいと思います。
 時間になりましたから、いずれにしても、最後に企画庁長官に対して再度お願いしたいわけでありますけれども、六・四%、それが実行できなくなったことについて、ひとつぜひ責任を具体的な形でもってお示ししていただくようにお願いしたい。そうしませんというと、信頼感がなくなって、そして今後の政策にもいろんなまずい面が出てくるんじゃないかというふうに思いますので、それを特に要望しておきたいと思います。
 次に労働省に一つだけお願いをしたいわけでありますけれども、大臣おられないようで残念ですが、労政局長が来ておられますからお聞きしたいんですが、こういった事態、もう局長もよくおわかりだと思いますけれども、戦後初めて実質賃金がダウンしたというふうなことで、それで労働者も非常に怒りに燃えて、単に怒りばかりでなくて、本当に生活が苦しくなって座り込みも始めようとしていると、こういうふうな事態が来ております。労働者の生活の向上を図ることを最大限の目的にしております労働省の責任者として今後どういうふうにこの事態に対処していこうとしているか、そしてまた特にそれを踏まえて今春闘に対して労働省としてはどういう基本的な考え方でやっていこうとなさるか、それをひとつ労政局長にお伺いしたいと思います。
#42
○政府委員(細野正君) いま山田先生から御指摘ございましたように、物価が政府の考えておりましたよりも非常に高目に推移をしておりまして、したがいまして実質賃金が低下をするというような事態にあることは御指摘のとおりなわけでございます。労働省としましては、労働大臣が日ごろいろいろな場面でいろんなことにつきまして大臣としてのお立場で発言をされ、あるいは関係の各省に御要請を申し上げまして、物価の安定と勤労者生活の安定に力を尽くしてきたわけでございますけれども、今後とも一層――特に今年度につきましてもまだ三月が残っております。それから来年度につきましても、先ほど来御議論ございましたように、政府の見通しである五・五%を実現するために、関係各省と連携を密にしまして、御協力を得つつこの物価の安定に全力を挙げてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#43
○山田譲君 じゃ、これで終わります。よろしくお願いいたします。
#44
○本岡昭次君 私の持ち時間は四十六分でございますので、ひとつ答弁の方は簡潔に要領よくお願いしたいということを初めに要請をしておきます。
 そこで、河本長官初め局長から、いろいろ山田委員の質問について、六・四%を実現できなかったことにかかわっての答弁がありましたけれども、私は納得できないのです。これは政府の見込み違いというよりも、当然なるべくしてなった七・八あるいは七・七だと私は見ているんです。そして的確な対策が打てなかったことに対するもっともっと率直な反省が必要であろうと、こう考えます。私は九十三臨時国会のときに河本長官に質問いたしました。最終的に物価指数は一三九・三%、そして対前年度比七・七%程度になるんではないかということを私は言いました。いま同じことを、局長が七・七%になるでしょうと言っている。私は何も予想屋ではないですけれども、過去四年間のこの経過を見たらこういうふうになるという私のような素人でもわかっていることがなぜ政府はわからなかったのか。あなた方専門家でしょう。いまごろ七・七%になるでしょうというようなことを私はよく言えるなというふうに思うんです。しかも河本長官が、これから目に見えてよくなるでしょう、その理由は卸売物価がどうの、公共料金がどうの、生鮮食料品がどうのと、いろいろとこうおっしゃいました。そしていままた異常気象と原油値上げがその理由なんだとおっしゃいましたけれども、乏しい資料の中で判明したことは、何も異常気象やら原油は、この七・七%、あるいは私は七・八か七・九になると思うんですが、そうしたところに押し上げていったその直接の犯人でも原因でもないということなんです。それはやはり公共料金です。私がいまから言いますことについて的確に答えていただきたい。
 先ほども公共料金の寄与度が十二月で二・二%と、このようにおっしゃった。物価押し上げ、十二月の物価上昇は七・一%です。そのときに一般サービスは一・六、一般商品は三・九、季節商品は〇・六のマイナス、こういう形で推移をしてきているんです。しかしその公共料金というものは、三月段階で〇・九%が四月で一・八、五月で二・三、そしてずっとそのまま二%台で今日まで推移してきているんですね。一般サービス、一般商品、季節商品それぞれの年間の動きをずっと見ていくと、特に季節商品は犯人扱いされることが本当にかわいそうだと思うんです、何にもなってないですよ、寄与度から見れば全然。むしろマイナスということをずっとやっている。ただ八、九に冷夏とかいうふうなことがあって少し寄与度が上がったという程度なんです。三月から四月に〇・九から一・八、こういうふうに二倍に上がった。そして五月に二・三%になった。そして依然としてずっと高水準を続けてきた公共料金、これが七・七、七・八、そして幾ら政府が下げようとしても下げることができなかった。野菜に原因を押しつけようとしても、そのことが理由にならなかったのはここにあるんじゃないんですか。そしてまた公共料金こそ政府が具体的に扱うことのできる物価の中身じゃないんですかね、上げなければいいんですから。自由競争で市場原理が働いているものに対しての介入というのは非常にむずかしい。しかし公共料金だけは、これは政府がやれること。それを四月にきちっと上げておいて、あとどうしたかという問題、私はここにおいて責任が問われると思うんです。
 それから河本長官は卸売物価がどんどん下がってきていると言うが、なるほど大変な山型を描いています。ところがよく調べてみると、原・素材というふうなものは確かに七、八で上がって、それからいまは前年度よりも下がっておりますが、次に来る中間商品、原料、素材から次の中間商品になると、そうした原料、材料の卸売のその山よりももっと低い形で推移をしておる。非常に低い。そしてなだらかである、値動きも。そして最終的な完成品、要するに消費者物価になってくるのですが、そこになると全然卸売物価のような傾向を示していない。なだらかに徐々に徐々にずっと上がっていっている。卸売物価の影響が来るでしょうというが、何も来ていない。上がるときだけ一緒に上がって、全然値下がりと関係していない。政府がこの流通の問題なりあるいは便乗値上げとか、あるいはまたこれは公取委の管轄かもしれませんけれども、実際物価の独占的な状況がどうなのかといった市場に対する監視、監督、そうしたものに政府が積極的にかかわっていっておれば、卸売物価の動きにかかわって消費者物価が中間商品から完成品と移っていく過程で下げることも可能ではなかったか、このように思うんです。決して私は原油と季節商品に責任を転嫁すべきでない。これは挙げて政府の責任である。そして私の極論を言わしてもらえば、政府はもともと六・四%にならないということを承知の上でこれを出して、そしてそのときどきに修正をしながら結局国民をごまかしたんではないか、私はこう言わざるを得ぬのですが、的確な反論があるならお願いしたいと思うんです。河本長官にお聞きしたいです。
#45
○国務大臣(河本敏夫君) 五十五年度は公共料金が消費者物価を二・二%ぐらい押し上げておりますから、本年度における消費者物価上昇の三割ぐらいは公共料金によって占められておる、これはもう事実そのとおりでございます、それからまた卸売物価が下がっておるが完成品は下がっておらぬではないかということでありますが、先ほどもちょっと政府委員からも触れたと思いますが、卸売物価が下がりましてもすぐにこれが消費者物価に直ちに波及するということではございません。若干の日を置いて波及する、こういうことでございまして、原材料が下がればだんだんと製品も下がってくる。こういうことでございますので少し時間がかかろうかと、こう思っております。
 それから六・四%という政府の当初見通しが外れたということに対しましての政府の責任は私は非常に重いと思っております。いろんな理由があるからといってそれによって政府の責任が決して軽くなるものではない。そのように十分理解をしておりますが、何分にもこの物価問題の背景では石油価格が世界的な規模で急上昇している、同時に石油が上がりますと、いま石油経済の時代でありますからすべての原材料が上がってくる。こういうことにもなりまして、世界全体の物価情勢を見ますと、一けた台で進んでおりますのは日本とドイツだけでございまして、ほかの国はみな一割から二割、発展途上国においては三けた上昇、こういう状態のもとでございますので、こういう世界が激動期になっておる、このことについては御理解をしていただきたいと思うのであります。世界が激動期であるから政府の責任が軽くなる、決してそういうことを言っておるのではございませんで、そういう背景があるということだけをひとつ御認識賜りたいということでございます。
#46
○本岡昭次君 それでは、先ほど山田委員の質問に対して、異常気象とか原油の値上げということが直接の原因であるというふうなことをおっしゃいましたが、そうでなくって、公共料金の値上げというものがもう年度当初から相当なウエートを持ってこの消費者物価を押し上げていったという、そのことについてはお認めになりますか。
#47
○国務大臣(河本敏夫君) 当初六・四%という政府見通しを立てましたときから、その中で公共料金の値上げが二・二%は消費者物価を引き上げると想定をしておりましたから、当初はかれこれ四割近くも公共料金が引き上がるであろうと、こう考えておったのであります。それが消費者物価が予定よりも上がりましたから、その引き上げ率というものは全体の中で比較的小さくなっておることは事実でありますけれども、しかし公共料金の引き上げそのものは非常に大きな影響を与えておる、これはもう全く事実そのとおりでありますから、そのことは決して否定するものではありません。ただ、なぜ改定したのかという御質問がございましたから、そこで、先ほど申し上げましたように、石油事情と異常気象の模様を説明したと、こういうことでございます。
#48
○本岡昭次君 このことばっかりやっておれませんが、最後に、公共料金は初めから二・二%程度の寄与度というものを見込んで六・四を立てたと、こうおっしゃったんで、そうすると公共料金は予定どおり進んだと。これは政府が上げるものですからね。結局六・四にならなかった。これは算術計算で足し算、引き算不可能かもしれませんが、しかし最終的に七・七、七・八になるときに、政府の見込みよりも一・三ないし一・四あるいは一・五という狂いが生じた。その一・回ないし一・五の狂いが生じたその原因は、そうすると卸売物価にかかわるところの工業製品が実際に消費者物価となってあらわれるときに期待どおりに下がらなかったからそうなったということですか。
#49
○政府委員(廣江運弘君) 先ほど申し上げたわけでございますが、予算関連の公共料金は、当初五十五年度は〇・八%ポイントと予定いたしておりましたですが、現在までの段階ではいろいろの事情がございまして〇・五%になっております。そのほか電気、ガス等もございましてかなりのものになるであろうということは五十五年度の物価見通しにおいても考えておりましたですが、予算関連以外のものが幾らになるかということは前提としてはっきり示しておりません。そういうものとして予定はいたしておりませんでした。ただ、かなりのものになるであろうということは想定いたしておったわけでございます。
 しかし、先生の御質問のように、今日までの消費者物価を全体として押し上げたものは何かと言われましたときに、大きなウエートを占めるものに公共料金があるということは事実だと思いますが、もともと六・四と考えていたものが七%程度になるというふうな修正を余儀なくされたものは何かと、こう言われますと、公共料金というよりも、石油の異常な値上がりというのが一番大きな原因であり、それから五十四年度には野菜はかなり上がったわけでございますが、そういうものを前提にいたしまして五十五年度を考えておりましたけれども、昨年夏の異常気象であるとか、あるいは今年の異常の寒波、乾燥といったようなものからくる季節商品の引き上げ要因というのがかなり大きかったということを申し上げているわけでございます。
#50
○本岡昭次君 もうこのやりとりをしておると時間がありませんからやめますが、最後に、政府がやれること、また政府がやらなければならないことは、公共料金またその他の請負担、あるいはまた税金、こうしたものについてもっともっときめ細かく物価との影響を考えてやっていくということがその基本であろう、このように思うんです。その問題を最後までやりとりするわけにまいりませんので、そして季節商品がというふうな形でそこに原因を押しつけていくことは基本的に間違いであるということをここで申し上げておきたいと思うんです。
 そこで、もう済んでしまったことは仕方がないので、これからの物価問題を慎重にやっていかなければならないんですが、済んでしまったことだといって済まされないのが、先ほどもあったように、勤労者の実質賃金が前年度よりも一月段階で一・二%マイナスになったこと、この三月までいって一%マイナスになるんではないかということなんです。労働省としてこうした事態を異常事態だというふうに言ってもいいというふうに私はどっかで聞いたことがあるんですが、異常事態だというふうに考えられますか。
#51
○説明員(石田努君) ただいま本岡先生からお話がございましたように、消費者物価が上昇いたしまして実質賃金が低下しているというのは御指摘のとおりでございます、実質賃金を確保するということは勤労者の生活の安定の上から非常に重要なことでございまするので、今後はその確保を図るために物価の安定になお一層努力することが必要であると、こういうふうに考えております。
#52
○本岡昭次君 そんな質問を私はしてないですよ。年度間で前年度よりマイナスになった、昭和二十七年統計をとり始めて以来のことが起こった、そのことを異常事態だと思うか思わないかということを尋ねているんです。
#53
○説明員(石田努君) 実質賃金がマイナスになったということは勤労者の生活にとって大変大きな問題であると、こういうふうに理解いたしております。
#54
○本岡昭次君 大変大きな問題だじゃないんでしょう。異常事態だというふうに認識されますか、されませんかと言っているんです。
#55
○説明員(石田努君) 先生御指摘のとおりだと存じております。
#56
○本岡昭次君 けさでしたか昨晩でしたか、NHKかどっかのニュースを見ておりますと、前年度比実質賃金がマイナス一・二ということを月に直すと、一万七、八千円結局低くなったということに相当するというふうなことが報道されておりましたが、そういうことになりますか。
#57
○説明員(石田努君) ただいまの御質問、額につきましては私どもちょっとにわかにお答えしにくいんでございまするが、一・二%というのはかなりの額の低下であるというふうに理解いたしております。
#58
○本岡昭次君 私もちょっと正確でないので、また後ほど調べたいと思うんですが、ひとつ労働省の方でもその一%とか一・二%とかという実質賃金がマイナスになったというのは一体金額にしてどの程度になるのかということをぜひ調べて教えていただきたいと、このように思うんです。
 そこで、こうした異常事態が現出した中で、労働者にとって生活防衛という立場から所得減税をしてくれると、こういう要求が強く出てきているわけで、先ほど河本長官が、これは野党が予算修正を出している、国対の方でいろいろ論議しているというお話でございましたが、しかし河本経済企画庁長官は経済閣僚でありますし、いまの内閣の中では実力者であるわけで、そうした傍観的なことじゃなくって、本当に労働者の実質賃金目減りということ、しかもそれが物価が大きな原因になっていったということからもっと積極的にこの問題にかかわっていただきたい。内閣の連帯責任ではないか、大蔵大臣あるいは鈴木首相の問題でないと、このように私は考えるわけなんですが、河本経済企画庁長官として、まあそれは本来は減税をすべきであろうと思うがというふうなことをちょっぴり先ほどおっしゃいました。そこに河本長官の良心があると思うんですけれども、河本長官としてこうした異常事態、しかもそれを引き起こした原因が、政府が見込みとして立てた物価上昇六・四%が外れた、狂ったということから生じたということについて、もっと積極的に働く者、勤労者、国民の所得税減税の要求についてかかわっていただきたいと思うんですが、いま一度長官の決意のほどをお聞かせ願いたいんです。
#59
○国務大臣(河本敏夫君) ことしの物価の問題だけではなく、昭和五十四年、五十五年、五十六年どこの三年間、所得税の税率が据え置きでありますから、非常に所得税負担が重くなっておる、こういうこともありますから、実際は財源さえあればある程度の減税はした方がよろしい、私はこう思うんです。ただしかし、先ほども申し上げましたが、何分にも中央で一兆四千億、地方合わせて一兆五千億、これを平年度に直しますと一兆七千億の増税をしないと国の財政がもたないという状態でございますから、その点は第二次石油危機という大きな事件が背景にあるんだということを御理解していただきまして、現在は何とか御容赦いただきたいというのが政府の統一した見解でございます。
#60
○本岡昭次君 その統一した見解を承知の上で、さらにきょうの物価対策特別委員会の論議を通して、長官が閣議の中でこの問題を再度検討すべきだということを強く主張していただきたいんですよ。でないと、私は経済の素人ですが、経済七カ年計画の問題とか、あるいは来年度のGNPの実質成長の問題とかにかかわって個人消費がどれだけ伸びるかといったことが、これは景気の問題全体にかかわって非常に重要な要素をなしているというふうに聞いているわけで、そのときにその実質賃金が目減りして、働く者が生活に危機感を感じて、そして乏しい給料の中からそれを使うことよりもむしろ将来の不安に備えて預金をしたり、あるいは各種の保険に入ったりして、そして財布のひもを締めてかかっていくという状況が引き続いて五十六年度に起きていったときに、経済企画庁が立てた五十六年度のいわゆる経済の成長というんですか、経済全体の見通しといったものが狂ってくるということもあるんではないですか、お伺いします。
#61
○国務大臣(河本敏夫君) この問題につきましては、政府と与党は、増税しなければならぬ状態だから財源はない、こう言っておりますし、野党の皆さんは、財源はある、こういう御主張でございまして、その議論をめぐって国対でなおこれから議論がしばらく続くであろう、こう思いますので、私どもといたしましては、その議論をもうしばらく見守りたいということを先ほども御答弁をした次第でございます。
 この問題が経済全体にどのような影響があるかということにつきましては、ただいまのところ、つまり減税問題はどのような影響があるかということにつきましては、ただいまのところその分析はいたしておりません。
#62
○本岡昭次君 ぜひ最後にお願いしておきますが、閣議の中で積極的に、こうした異常事態の中に置かれた勤労者の生活、それを立て直していくことが経済全体をまた立て直していくことになっていくんだというふうに理解をしていただいて、再度積極的に所得税減税を中心とした働く者の生活防衛の観点に立った物価問題あるいはまた経済政策を遂行していただくことをお願いをしまして、次に進んでいきます。
 それでは次は、行政管理庁行政監察局が昭和五十五年十二月に「物価対策に関する調査結果報告書」というものを出しております。行政管理庁として戦後初めて物価問題についての調査を行ったようでございます。それほど物価というものは大変な状況下にあると、ぼくはこのように認識してもいいんじゃないかと考えるのですが、この中の調査結果で幾つか改善勧告が出ております。全部をここでやりとりするわけにはまいりませんので、幾つかしぼってひとつお伺いをしていきます。
 まず一つは、物価安定事業というものに対する調査をしているわけなんですが、その調査店、調査する店を特定しないで、巡回方式でずっとパトロールしながら物価の値動きを調査し、監視していく、こういう一つの事業が農水省、そして通産省の中にあるわけなんです。その店についてこれは特定をしないで、非定店方式ということでやるべき実態であったにもかかわらず、この行政管理庁の調査によれば、半数近い都道府県あるいは指定都市が店を定めて、特定して調査をしているという事実が出ているわけなんですが、非定店方式をとらずに、行政管理庁の指摘のように定店方式、特定の店を決めてそして物価問題の調査、監督をやっている県は現在何県あるんですか。これは通産省あるいは農水省ひとつ答えていただきたいと思います。
#63
○政府委員(戸田博愛君) 農水省の補助事業として県並びに政令指定都市がやっております調査の中で、小売店の協力が得られにくいとか、あるいは郡部に小売店が少ないので、非定店にいたしますとなかなか調査しにくいということで、昨年まで定店方式で行っておりました県は十三県でございます。
#64
○本岡昭次君 それは定店方式ですか。
#65
○政府委員(戸田博愛君) 非定店でやっていない県が十三県でございます。
#66
○説明員(大角恒生君) 通産省の場合も農水省と同じような調査を通産物資について行っておりますが、定店方式でやっている県は、行政管理庁の調査によりますと、職員調査につきましても定店方式でやっている県が三県、それから民間調査員の調査につきましてだけ定店方式でやっております県が八県ございます。
 民間調査員の場合には、家庭の主婦の方々や何かをそのモニターとしてお願いいたしますので、なかなか行動半径等の問題から、非定店というのがかなり技術的にもむずかしい点がございますが、特に職員調査の方につきましては、従来からなるべくたくさんの店を巡回し、非定店で実施するようにという指導をいたしておるところでございます。
#67
○本岡昭次君 それで、そうしたことは行政管理庁の調査の結果明らかになったんですか、以前からわかっていたのですか。
#68
○政府委員(戸田博愛君) この調査が物価の調査、監視ということでございますので、店を定めて調査するよりも、パトロール的に実施する方が望ましいということで、各県並びに政令指定都市を指導してきたところであります、
#69
○本岡昭次君 そうすると、以前からわかっておって、指導してきたけれども依然としてこの定店方式をとっていたと、こういうことになるんですか。
#70
○政府委員(戸田博愛君) そのとおりでございます、
#71
○本岡昭次君 この物安事業には補助金が出ておりますね、出ているか出ていないかだけ。
#72
○政府委員(戸田博愛君) 出ております。
#73
○本岡昭次君 その指導の結果、いまおっしゃるように、非定店方式でやらなければ本当の物価の動きというものがわからないということになっているんだと考えるんですが、にもかかわらず、いろいろな理由があったにしろ、定店方式をとっていても補助金の問題は各県に定額が出ていると思うんですが、同じように出されていたんですか。
#74
○政府委員(戸田博愛君) そのとおりでございます。
#75
○本岡昭次君 そうしたら、従っても従わなくても別に補助金の面については関係ないということになるんですか。
#76
○政府委員(戸田博愛君) やはりその理由が小売店の協力が得にくいということ、あるいは郡部も――政令指定都市の場合比較的そうでございませんけれども、県の場合は郡部に行きますと、店を定めると言いましても、そうたくさん店はございませんので、なかなか非定店でやることがむずかしいということで、県の方からの実情は承知いたしております。しかしながら調査、監視をやっておるということには変わりがございませんので、補助金の上で差をつけるというようなことはいたしておりません。
#77
○本岡昭次君 大変な調査、監視だと思うんですが、しかし非定店方式というものを原則として採用している以上、今後も引き続いて非定店方式ということで全国が一律に同じような条件で各県の物価の問題が調査できるようにひとつ格段の努力をしていただきたい、このように思います。
#78
○政府委員(戸田博愛君) 十二月十五日に行政管理庁から調査の御報告がございまして、農林水産省といたしましては、直ちに二十二日付で関係県に善処方を通達いたしたところでございます。その後各県ともいろいろ折衝を行っておりまして、一月から三県が非定店方式に改めるということにいたしました。なお、残りの十県につきましても、恐らく四月からはすべて非定店方式にできるものと、目下県と打ち合わせ、相談をいたしておるところでございます。
#79
○説明員(大角恒生君) 通産省の場合にも、行政管理庁から改善通知をいただきまして、早速に各県、各市に対してこの制度の趣旨からして非定店方式により実施するようにという指導をいたしたところでございます。
#80
○本岡昭次君 どうもぼくはそこらがお役所仕事だと思うんですね、以前指導しておったけれどもどうにもならなかった、よくわかっておったんだ、しかし行政管理庁の方が調査をして、事実を指摘して勧告をしてやると直ちにそれが改まっていく。どうもそこらがお役所仕事と感じられて仕方がないやね。まあ改めることはいいことだから一日も早くやってほしいけれども、行政庁の監督官庁から指摘を受けたらやる、受けなければまあまあ仕方がないんだと、そういうふうなことで物価問題を見ておったんではだめだと思うんですよ。これは十分ひとつ内部で、以後こういうことのないようにやっていただきたいということを要請しておきます、
 それから次に、通産省の方で、勧告というか改善事項の中に入ってないんだけれども、石油の便乗値上げの問題についても行政監察局が実際調べると、通産省の方では手抜きをしているということが出ているんですよね。通産省の方は手抜きじゃないとおっしゃるけれども、私が説な限りは手抜きだと、こう思うんですよ。というのは、石油元売り各社の値上げ額あるいは値上げの時期等の正確な情報が各県あるいは各市で得られないから、それぞれの小売店であるいはスタンドで灯油なりあるいはガソリンがいろいろ動いているけれども、果たしてそれが便乗値上げなのかそうでないのかということがわからないという苦情を県、市が言っている。通産省の方はそれは言えないと言っている。あるいはまた何とか便乗値上げをとめたいと思って県なり市が通産局の方へ言っていくと、そんなことは教えられないと言ってこれを拒否する。こういうことが載っているんです。それで、今度は行政管理庁の方がそういう便乗値上げをしているであろうと思われる店を調べて、そうして通産局の方にそのことを言って、通産局の方から便乗値上げを抑えなさいと言われて、通産局の方がその措置をすると、便乗値上げをしておったところが値上げをやめたと、こういうことがこれに載っているわけですよね。
 だから、先ほども出ているように、原油にかかわってさまざまなものが値動きするので、それに直接かかわってくるガソリン、灯油、こうしたものがいつもこの物価委員会の中でも論議になるわけで、石油元売り会社のそうした値上げの問題、値上げの時期の問題、そういうものがどういうふうに実際の小売店に連動していくのかという的確な情報をなぜ通産省としては出さないのか。この物価対策に対する十一大都市の要望書の中でもそういうものをしてくれと言っている。なぜやらないんですか。やったら現に便乗値上げしているものを下げさせた実績が行政管理庁のこの報告にも出ているじゃないですか。どうしてですか。
#81
○説明員(関収君) 先生御指摘のとおり、国民経済に非常に密着いたしております石油製品等の需給動向あるいは価格動向の調査につきましては、地方公共団体と国が密接な連絡をとりながらやっていかなくちゃ実効は上がらないということは私ども十分認識をいたしております。そういう角度で私どもも可能な限り石油関係の情報につきましては地方公共団体に御提供申し上げて、その施策の御参考にさしていただいております。
 さらに、五十六年度予算におきましては、さらにその施策を強化いたしますために、石油情報の普及事業費というのがいま御審議をいただいております五十六年度予算に計上されておりまして、もし幸いにしてこれをお認めいただきますれば、さらにその事業を強化し、地方公共団体に対して的確な情報を提供してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
 以上のような基本方針で臨んでおりますが、元売り仕切り価格がいつどのように上がるかということにつきまして、なかなかお出しできませんと私どもから申し上げた背景をちょっと申し上げますと、先生御案内のとおり、石油製品価格はあくまでも現在は市場機構の中で自由に決定されるものでございます。しかしながらイラン革命以降OPEC諸国は数次にわたって原油価格の値上げをしております。で、石油製品価格の中で原油代というのは八割近くを占めるわけでございますから、それが石油製品の中に転嫁されていくわけでございますけれども、その過程で元売り段階で便乗が行われているか否かということを事前にチェックはいたしております。いたしておりますが、御案内のとおり、その値段と実際にマーケットで売られる値段とはあくまで別の問題でございまして、これを超えれば便乗だという判断材料にはなりますが、実際の石油会社は特約店、小売店に対しては、その取引量であるとか決済条件であるとか、あるいはその輸送の距離でありますとかということによりまして、さまざまな違った形で実際売られているものでございます。それからまたそれがいろんな流通過程を経まして小売段階に参りますと、さらにいろいろな複雑な要因が入ってまいりまして、さまざまな形態になっておりますので、何か画一的な形でお出しすることはかえって誤解を招きやすい。
 それからもう一つ、これは御了解いただきたいと思いますのは、元売り会社が実際に幾らで出すかという値段は企業にとっては最高の秘密にわたる事項でございますので、私どもとしてはこれを物価対策といいますか、便乗等の監視に有効な形でお出しすることは非常にむずかしいというお答えをした次第でございます。
#82
○本岡昭次君 いろいろむずかしさはあるだろうと思いますが、非常に大事な物価の監視監督の問題ですので、今後なおこうした問題について都道府県あるいは地方自治体と連携を保って、便乗値上げというふうなことが起こらないように十分なその防止策をひとつ講じていただきたいという要請をして、次に行きます。
 そこで、いまのことにもかかわるんですが、「「新経済社会七カ年計画」フォローアップ昭和五五年度報告」というのを経済審議会が一月二十二日に出して、さまざまな提言をしているわけですが、そこに「物価の安定」という項があるわけです。そして、物価安定にはこれこれのことが大事であろうという四つの項目を挙げている中の二項目目にいま論議したことが出ております。「生活関連物資等の価格の安定を図るため、需給・価格動向の調査、監視を行い、便乗値上げ等による不当な価格形成を防止するとともに、必要に応じ供給確保のための機動的な対策を実施する。」ということがここにあるわけなんで、この問題にかかわって具体的に予算化されておるのがこの物価に対する調査、監視の七事業の予算ではないかと私は見るんです、それが五十五年度には八億八千四百八十七万四千円計上されておって、食料品消費モニター、外食調査、食品予察、いるいは消費者価格モニター、協力店システム、物価モニター、物安事業、こうしたことがずっときめ細かく行われるような一つの仕組みがここにあります、農水省、通産省、経済企画庁、そうしたところが協力をし合いながら。
 そこで、八億八千四百八十七万四千円というほんのわずかの予算しかついていないわけで、経済企画庁長官、先ほどのこのフォローアップの報告の中にもありますように、私はこの物価のじみな調査、監督、監視、こうしたことは非常に大事ではないかと、こう思うんですよ、それについての予算なり対策をもっともっと充実すべきであるという観点で、今年度どれだけの予算がついているのか知りませんが、これをもっと強化をしていく。たとえば昨年度の物価対策のために五百億というものをつけたけれども、結局四十四億しか使わなかった。何かもう緊急事態、狂乱物価みたいなことが起こらなければ使わないんだというふうな、火事が起きて消防車が出てホースで水をかけるということではなくて、もっとじみちに日常的に、これは地方自治体もそれから住民もみんなが協力して今日の物価問題を見ていく、そしてそれが上がらないように監視、監督していく、そして消費者もこの物価問題にみんな賢くなっていく。こうしたものの基本がこの七事業の中にあるような気がするわけなんですが、これについての予算を増強するという事柄、これもいまの修正の中の物価対策の中でやろうと思ったらやれないことはないんですが、長官どうですか、お考えは。
#83
○国務大臣(河本敏夫君) 七カ年計画を成功させるためには物価の安定ということが前提条件になると思うんです。そこで、いま御指摘がございました物価の安定という項目を設けまして、これに対して四つのことをとりあえずやっていこうと、こういうことを発表しておるわけであります。
 さて、それじゃ予算の問題でございますが、物価対策費というのは直接間接のものを合わせますと相当な金額になります。直接のものといたしましては、経済企画庁の予算に若干計上してありますが、同時に緊急の対策費といたしまして、五十五年の予算で五百億を使っていこうということが与野党四党の間で合意をされておりますが、これにつきまして現在までのところわずかしか使っておりません。そこで、先般再び与野党四党の間で合意をいたしまして、今後必要とあるならば残った金を使っていきますと、こういう趣旨の取り決めをいたしております。
 同時に、五十六年度予算につきましても、まず経済企画庁の物価対策費を使うが、それがなくなれば予備費の中から必要なお金を出します、そういう趣旨のことを四党の間で合意をしておりまして、物価対策は重要でありますから、必要ならば一般会計の中から使っていきたいと考えております。
#84
○本岡昭次君 もう持ち時間がありませんので、最後に長官に御質問申し上げて終わります。
 そこで、いまおっしゃいましたように、ぜひこうしたじみなところに予算を投入して、そして物価対策という問題を国民全体の力でやっていくというふうにしていきたいというふうに思いますので、長官の予算措置、そしてこの体制強化というものをぜひお願いをしておきます。
 そこで、最後に、経済企画庁長官のこのあいさつ、所信をずっと読ましていただきました。そしてこの所信そのものは閣議決定をもとにして大体つくられているなというふうに見たわけなんですが、しかし閣議決定の項目の中にない言葉がここに出ている。これはまさに河本長官の一つの見識というんですか、良識というんですか、そういうものじゃないかとぼくは見ているんです。
 それはどういうことかというと、第三の項目の中に、「世界の平和と発展が、わが国の安全と繁栄の不可欠の前提でもあります。」、こういうふうに書かれてある。まことにそのとおりであるわけですが、私は閣議決定のいろんな経済施策の問題、さまざまな政府が出しているのを見るんですが、このように世界の平和という問題が経済の発展に不可欠なんだというふうな言葉は残念ながらほとんど見当たらない。しかし長官のあいさつの中にはちゃんと「平和」という文字がここに刻まれている。私はこのことは非常に重要であり、また先ほど言いましたように長官の良識であろうと、このように思うんです。
 しかしいま内閣、閣議の中で論議されていること、あるいはまた防衛庁の制服組の言動、あるいは自民党の内部等を見るときに、軍事力をどんどん増強していこう、鈴木首相がレーガン大統領に五月に会いに行く、首脳会談する、その中の主なものは日本の軍事力増強ということになる、一%ではだめだ、二%、三%にしなければならない。一方、こういう軍事力増強という問題がどんどん出てきている中で、国民の生活安定の基本であるべき物価という問題はどうなるのかということを考えていかなければならないんですが、河本長官、この防衛力増強というもの、そしてそれが予算の中でGNPの枠を一%を超えて二、三というふうなことになっていくことと、あなたが経済閣僚として物価安定を基本として国民の生活を守るんだということを考えたときに、どのようにいまの状況をお考えになりますか、最後ひとつお聞かせ願いたい。
#85
○国務大臣(河本敏夫君) 日本の防衛を考えますときに、総合的な国の安全保障という観点から考えていかなければならぬと思います。総合的な国の安全保障とは何ぞやと言いますと、いろいろありますが、やはり国民生活が安定、充実、向上するということ、それと失業者を出さないということ、先進工業国の中にも失業率が一〇%前後の国もありまして、しかも若い人たちの失業が非常に多い、生活がだんだん苦しくなる。こういう状態では軍艦や大砲を少々ふやしましても、それは国の総合的な安全保障という観点から見ますと、決して強化されたものではない。
 このようにいま考えておりますが、これは一例でございますけれども、そのほかにエネルギー対策とか経済協力とか技術開発とかいろいろありましょうが、直接の防衛費をある程度増強することはもちろん必要でありますが、広い意味での国の安全保障という観点を日本としては考えていくのが大事だ。そういう意味で平和が日本の発展の前提であると、そういう趣旨のことを申し上げたわけであります。
#86
○原田立君 長官は所信の中で、消費者物価はこのところ卸売物価からの波及が鈍化していることなどを理由に基調的には落ちつきの方向にある、あるいはまた物価の安定は国民生活安定の基本条件であり、経済の持続的成長の基盤をなすものであり、昭和五十六年度の経済運営に当たっても物価の安定をより確実なものにするため、最大限の努力を傾ける所存でありますと、こういうふうに仰せになっているわけでありますが、物価政策の重要性を強調しているそのことはそれはよしとして、一向にそれがそういうふうになっていない。こういうようなことではいかぬのではないかと私は思うのであります。実情は、五十五年度の目標、いまも同僚議員が質問しておりますように、六・四%の目標が昨年末七%程度に上方修正され、ことしに入ってからも依然高い水準で推移しております。異常な物価高騰のため、ことし一月の実質賃金は前年同月比一・一%減、五十五年度に入った昨年四月からの十カ月平均では前年同期比一・二%の減少となり、年度間を通じて実質賃金が一%程度のマイナスを記録することはほぼ確実であると言われております。こういうふうなことでは物価対策がゼロに等しいのではないか。長官はこの点についてどのような認識と反省を持っておられるのか、また今後物価政策に対してどう取り組む決意でおられるのか、具体策をお伺いしたい。
#87
○国務大臣(河本敏夫君) いまわが国におきまして、経済政策といたしましては物価対策が一番の中心だと思います。物価が安定をいたしませんとすべての経済政策を円滑に推進することはできません。そこで物価対策というのは当面最大の経済課題であると同時に最大の政治問題なんだ、こういう理解のもとに強力に取り組んでいきたいと考えております。
#88
○原田立君 物価問題は重要な問題であると、それはもう私もそのとおり長官と同意見。ただし、いまのように実質賃金がマイナス傾向にある、あるいは物価はどんどん上がっていく。こういうような状態ではトータルしてみて物価対策としては非常にマイナスじゃないのかと、こう申し上げているんです。
#89
○国務大臣(河本敏夫君) 当初の物価見通しが達成できなかったということは大変遺憾に存じております。しかしながら何しろ世界経済全体が第二次石油危機という大きなうねりを背景にいたしまして激動を続けている。こういう情勢でございますので、そういう中における経済政策、物価政策であるということに御理解をいただきたいと思います。
#90
○原田立君 それは世界の情勢そのものも確かにわが国に影響していることは当然のことだと思うんです。
 ところで、その問題について多少また後で触れますけれども、五十五年度の消費者物価見通しに対して、政府は去年当初目標の六・四%から七%程度に上方修正したことはいま申し上げたとおりでありますが、この六・四%ということについては、さきの臨時国会においても達成が困難であるとの指摘に対して、政府は一月以降物価は目に見えて下がるので六・四%は大丈夫だとはっきり仰せになっておりましたよ。それにもかかわらずそのすぐ後七%に修正した。非常におかしな異様な感じを持った。先ほど同僚委員もその問題について話があったように、私もそういうふうに思いました。世界情勢のよって来るゆえんであるというようなことを言えば理由になるようなならぬようなあれになるけれども、さあ六・四%達成できなかった理由もう一遍お伺いしたい。
#91
○政府委員(廣江運弘君) 消費者物価は御高承のように十二月前年同月比七・一、一月七・四、そして二月東京都区部六・八でございますが、これを前年同月比という物差しがら外れましてひとつ年率というような角度から見てみますと、多少動きはございますけれどもかなり落ちついてきている、五%を切るといったような落ちつき方を示しているということも読み取れるところでございます。
 ただ、前年同月比が高いではないかという御指摘でございますが、基調といたしますと、先ほどの年率の例にも徴しますとおり、かなり落ちついてきているということは事実でございまして、季節商品を除く総合にいたしましてもずっと下がってきております。八月当初の八・九%あたりをピークにいたしましてずっと下がってきておりまして、東京都区部で二月では七・六%というふうに落ちております。さらに卸売物価の中で一番消費者物価に影響があります消費財を見てみますと、この二月の中旬では対前年同月比六%というふうなことでございましてかなり落ちついてきております。
 ただいままでの物価がかなり高かったということを考えますと、それは一にも二にも石油が異常に上がった、OPEC諸国の値上げによりまして石油が当初予想を大幅に上回って上がったということが一番大きな理由でございまして、これが各面に影響を及ぼしておると思います。
 さらに季節商品が昨年の冷夏等々異常気象によりましてかなり上がっているということでございます。これをもう少し端的に申し上げますと、一月消費者物価が一・二%上がっております。さらに東京都区部で二月〇・四%上がっておりますが、これを寄与度で見ますと、一月につきますと一・一%程度、二月でございますと〇・四%ぐらいというふうでございますから、かなり季節商品の影響が大きかったということをお読み取りいただけると思います。
 こういう二つの大きな理由そのほかによりまして当初見通しを修正せざるを得なかったと、こういうふうに御了解いただきたいと思います。
#92
○原田立君 その二つの点が原因であるということでありますけれども、五十五年度の経済見通しを作成する段階で、原油の高騰、電力、ガス料金の値上げ、公共料金の値上げ、こういうことは織り込み済みだったはずだと思うんですけれども、これはどうですか。
#93
○政府委員(廣江運弘君) 先生おっしゃいますように、その辺の上昇要因というものを見ていなかったわけではないわけでございますが、何分にも石油はそうした想定を大幅に上回るような上昇をいたしました。なかんずく昨年の半ばには中東において戦争も起きるというような状況がございまして、当初想定以上に上がったというのが実情でございます。公共料金等につきましても、先ほど来お答えいたしておりますが、かなりのものを見ておりましたですが、何分一番大きな理由は石油、そして異常気象に基づく季節商品等の値上がりがこれを導いたと、こういうふうに考えております。
#94
○原田立君 どうもはっきりしませんね。
 長官はたしか公共料金の値上げ問題の合同の委員会のときに、こんなふうに値上げするのはまずいんじゃないかと、こう言ったときに、あなたはそれはもう織り込み済みなんだというようなことを言われておったことがあるんですけれども、御記憶ですか。
#95
○国務大臣(河本敏夫君) 確かに昨年の秋の段階では、なお政府は六・四%という物価目標を放棄しておりませんでした。何とかこれを達成したいということで、九月にもいろんな対策を立て、十月にもまたいろんな対策を立てる、特に十月には五百億の一部の金も使わしていただくと、こういうことで全力を尽くしておったのでございますが、残念ながら年末に至りまして修正せざるを得なかった、こういうことでございます。その理由はいま政府委員が答弁したとおりでございます。
#96
○原田立君 残念ながら上方修正せざるを得なかったと、まあこれは偽わらざる心境でしょうな。だけど、簡単にそんなふうにぱらっと反省して、ぼこっと頭を下げて、以上終わりにされたんではかなわない、国民の方は。
 ところで、政府の当初見通し六・四%が達成できなかったのは、五十四年度後半から五十五年度前半まで結果として原油値上げを理由にした石油製品価格の過大な値上げが行われたからではないかと、こう思うのです。原油のキロリットル当たりのCIF価格を見ると、五十五年四月の五万六百六十六円をピークにして、わが国輸入価格は円高のため下降を続けております。バレルのドルの値段は五十五年の四月に三十一ドル九十二セント、円で五万六百六十六円、五月は三十二ドル四十九セントとなったけれども、円高で四万八千七百八十円。ドルの方は別にして、その次に七月が四万六千八百五十八円、八月が四万八千二十六円、九月が四万七千六百七十七円と、ずっと下降線をたどっているんですね、ドルの価格は確かに上がったけれども円の価格は下がっている。こういうことが見えるわけでありますけれども、ガソリン、灯油、A重油、B重油などは五十五年七月には少し下がった以外十二月までは横ばいで推移している。五十五年の七月にナフサあるいはまた揮発油、灯油、軽油、それからA重油、B重油、ほとんどのものが横ばいですよ。全然価格変動がない。一方、石油各社は円高差益もあって五十五年九月期決算では膨大な経常利益を出している。
 以上のような点から、もし石油製品の元売り価格がもっと下がっていたなら、またそういうふうな指導をきちっとしていたならば物価にももっとよい影響を与えたのではないかと、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
#97
○政府委員(廣江運弘君) 石油は、いまおっしゃいましたような製品に限りませず、国民生活各般にわたっておるわけでございます。そうしたものがいろいろの経路をたどり、加工段階をたどり、ある程度の時間の間隔を置きまして生活にあらわれてくるわけでございまして、そうしたものの影響はかなりじわじわとあらわれてきていると思います。
 そして、先ほど先生は石油の価格を円ベースでおっしゃいましたですが、ドルベースで上がっているということは、たとえば本年一月あるいは昨年十二月のCIF価格当たりを見ましても十分に納得できるところでございますが、円レートが当初見たよりも少し高くなったということを差し引きましても、石油はかなり大きな影響を物価の面に投げかけておるということは事実だと思うんでございます。
#98
○原田立君 だから大きく影響を投げかけているということを私はいま数字をもって示したんです。だから、もっと元売り価格をこういうふうに安くするならば。そういうふうな施策を講ずるならば、あるいは経済企画庁できちっとした方針を示せばもっと物価の安定という問題に発展することはできたんじゃないかと、こう思うんですが、どうですか。
#99
○政府委員(廣江運弘君) 御高承のように、昨年四月当たりから円レートは基調的に高くなる方向で動いておるわけでございます。そういう点を勘案いたしまして、たしか昨年六月、夏前に元売り仕切り価格につきまして千円から三千円程度の引き下げというのが行われ今日に至っておると、こういうふうに了解しております。
#100
○原田立君 あなたと話しても途中までしか答弁しないから意味がさっぱりわからない。長官もっとしっかりした答弁をしてもらいたいと思う。
 長官は、当初前年同月比上昇率は年明け後五%台に鎮静するとの見通しであったはずだが、ここはいまも何度も何度も言っておるわけでありますが、二月の都区部消費者物価指数は、前年同月比上昇率で、昨年十一月の七・九%の後、十二月が六・八%、ことし一月が六・九%、二月が六・八%と三カ月連続で七%に迫る高水準であるわけでありますが、鎮静の見通しの甘さを指摘せざるを得ない。この数値をどういうふうにごらんになりますか。
#101
○国務大臣(河本敏夫君) 東京区部の昨年十二月からこの二月までの消費者物価はいまお述べになったとおりであります。実は私どもももう少し低い数字になるものと期待をしておったのでございますが、比較的高い七%に迫る水準が続いておるということを大変遺憾に思っておりますが、原因もわかっておりますので、その原因を取り除くためにいま全力を挙げておるところでございます。
#102
○原田立君 また一月の全国消費者物価指数を見ても、前月比一・二%の大幅上昇で、前年同月比上昇率は七・四%と昨年十二月の七・一%を上回っております。諸般の情勢から見て三月の上昇率は十分見通せると思いますが、最終的に五十五年度平均の消費者物価上昇率はどの程度になると判断しておるのか。先ほど同僚委員の質問に対しての答えでは、七・七%と予測というような答弁が出ておりますが、非常に遺憾なことであります。
 最終的に見ても、五十五年度消費者物価上昇率は七・八%ぐらいにはいくであろうと、こう言われ、八%に迫る高水準が予測されておりますが、これは昨年末に政府が改定した目標七%程度を大きく上回る、しかも長官は、七%程度とは六・五ないし七・五%を意味すると、こういう御答弁をなさっておられる。となると七・五%の上限をも突き抜けることになるわけでありますが、こういうようなことでは世間一般がいいかげんな見通したというふうな非難の目をもって見るであろうということは私十分考えられるわけでありますが、この点についての責任を明確にする必要があると思いますが、いかがですか。
#103
○国務大臣(河本敏夫君) 五十五年度の七・七という計算につきましては、若干の前提条件を置いての計算でございまして、まずそのことについて政府委員から先に説明させます。
#104
○政府委員(廣江運弘君) 一月まで全国の確報が出ているわけでございまして、二月はまだ出てないわけでございます。したがいまして、まだもちろん三月は出てないわけでございましてわからないわけで、先ほど来お答えいたしますときに、私は見通しとか予測というふうに申し上げたんではなくて、一月のレベルで二月、三月と横に行くならば、年度を平均いたしまして七・七という数字になるということを申し上げたわけでございます。
#105
○原田立君 では、この目標問題はまずさておいて、五十六年度の消費者物価見通しを五・五%と見ておるようでありますが、五十六年三月の数値次第では五・五%の見通しも左右されるのではないか。この点どのように考えられておられるか。
 また、政府は五十六年度消費者物価を五・五%と見通ししているが、その根拠は一体どういうことなのか御説明願います。
#106
○政府委員(廣江運弘君) 政府が物価見通しを立てますときは、時期別あるいは個別の商品別に積み上げるわけではもちろんないわけでございまして、物価自体は経済の諸活動と非常に密接な連携をいたしておりますから、コストの要因あるいは需給の要因といったようなものを、たとえば生産、雇用者所得とか、あるいはレートの関係、あるいは輸入物価といったようなもの、さらに消費の動向といったようなものとを考え合わせ、整合的につくっておるわけでございます。
 そうして、かつ最近の物価情勢等を勘案するわけでございますが、ここで特徴的に来年度の物価について考えますと、一つは、昨年と違いまして、卸売物価の基調がきわめて落ちついてきているという点でございまして、これは幾らかの時間をおきまして必ず消費者物価に影響してくると思う点でございます。
 さらに第二点目は、公共料金が昨年は現在までの段階のところ二・二%ポイント程度の寄与度を持っておりますが、この中で電気、ガスといったものに大きなウエートがあったわけでございます。五十六年度にはそうした電気、ガスといったような大きなものは一応想定されないだろうという点からの押し上げ要因が少なくなるということを考えております。
 さらに、石油の価格でございますが、五十五年度の物価を押し上げたものも石油価格の上昇が予想を超えて大きく上がったという点があるということを申し上げておるわけでございますが、もちろんこれにつきましては、国際情勢その他いろいろの要素によりまして変わりますから確定的には申し上げられませんが、五十五年度のような大きな高騰というのは考えられないというふうに常識的に考えていいと思います。
 こうした要素を考え合わせまして五・五%というものを考えているわけでございます。
#107
○原田立君 消費者物価が五・五%、卸売物価は四・一%、こういう目標にしているようでありますが、物価の動向に影響を与える原油価格の動向を初め公共料金、準公共料金、物品税率の引き上げ、法人税率の引き上げによる消費者物価指数に与える影響、これは非常に出てくると思うんですがね。五十五年度も六・四%と言っているのが実際には七・八%ということになったんですかう、いまここで五・五%なんて確信めいたことを言っていて、またこれが六・何%、七・何%になったらば大変な問題になると思いますよ。いま申し上げたような原油、公共料金、準公共料金、物品税率の引き上げ、法人税率の引き上げ、これらの影響によってこの五・五%がまたぱっと上がるおそれはないかどうか。いかがですか。
#108
○国務大臣(河本敏夫君) 私は、この五十六年度の五・五%という消費者物価の目標を達成することは比較的やりやすいと、こう思っております。
 その一つは、五十五年度は非常に高い水準に推移しておりました卸売物価、これは年度平均で大体一四%ぐらいになると思うんです。しかしいまは、先ほどもちょっと申し上げましたように、四%前後に下がっておりまして、政府の年度間平均四・一%という目標は十分達成できると、こう思っております。いますぐ卸売物価が消費者物価に影響するものではございませんが、若干の時間を置けば非常にいい影響が出てくるということ。
 それから昨年は何分にも公共料金のうちで非常に大口がございまして、五十六年度はそういうものがありません。電力、ガス料金という非常に大口がありまして、これが直接間接に非常に大きく物価には影響しておるということであります。
 それから五十六年度の世界全体の一つの大きな課題は、石油の需給関係が緩んでおりまして、相当OPEC諸国は減産をしておりますけれども、それでもなお油が世界的に余っておる。こういう状態でもありますし、すでにOPEC諸国は昨年も千二百億ドル近い余剰外貨を確保しておりますし、五十六年度一九八一年も、バリ島の値上げを実現いたしますと、ほぼその見当の余剰外貨を確保するであろうという見通しもありますので、こういう世界的に需給関係が緩んだときになおる油の値段を上げるというようなことは大変遺憾なことでもありますし、むしろこういうときにはある程度下げてもらうということが望ましいと思うのであります。特に発展途上国のいまの経済の状態を考えますと、いずれも破産寸前の状態にありまして、そういう国が百以上になっておる。こういうことを考えますと、六月の南北サミットあたりではこの問題を最大の課題として取り上げて、OPEC諸国に不当な値上げをしないように説得するということが何よりも大きな課題だと思いますし、それは十分できると、私はこう思います。昨年よりもことしの方が石油事情は流動的でありますけれども、去年のような急上昇はあり得ない、またそういうことをしちゃいかぬ。このように考えておりまして、五十五年度に比べまして消費者物価の目標を達成することはむしろそんなにむずかしいことではないと、こういう感じがいたします。
#109
○原田立君 いまの石油価格のこと等についてはまだ後ほど長官にもお伺いしますし、また公取の委員長にもお伺いしようと思っておりますが、もう新聞に出ていますね。石連の会長が値上げしてもらわなきゃ大変だなんて言っている。新聞に出して宣伝していますね。あんなようなことがあっては大変だと、こう思いながら質問しているわけなんです。
 いま長官は五十六年度はそんなに大きな変動はないから五・五%実現は必ずできる、五・五%ぐらいはできるという確信を仰せになった。それはそれとして評価いたしますけれども、本当にそうなってもらわなきゃ困るんですよ。実際またぽっと上がってしまったんじゃ何にもならない。
 ところで、私心配してある人に聞いたんです。予算関連公共料金及び酒税、物品税等の値上げは消費者物価を約一%から一・三%ぐらい押し上げる要因になりそうだ。あるいはまた法人税も製品価格に転嫁されるのは必至でありますし、石油業界が三月ごろに値上げの動きにあるし、膨大な円高差益の発生やCIF価格が昨年五月をピークに下がっている実情からも厳しい態度で対処しなければとても五・五%の目標はむずかしくなると、こう思うんでありますけれども、この点どのように判断なさいますか。
#110
○政府委員(廣江運弘君) 公共料金一般につきましては、経営体の厳正な対処を前提にいたしまして、時期、幅等につきましても、それぞれ国民生活、物価等への影響を考え、必要やむを得ないものに限って厳重に取り扱いたいと思っております。
 それが物価にどういう影響を及ぼすかというお尋ねに対しましては、予算関連の公共料金としまして予定されておりますのが〇・三%程度でございます。そのほかお尋ねの中にありました税金類でございますが、これは公共料金ではございませんが、物品税、酒税等で大体〇・二%程度、合わせて〇・五%程度だと考えております。
#111
○原田立君 長官、後で聞こうと思ったんですが、永山石連会長は石油製品値上げの意向をお持ちになっておられて、三月には一キロリットル六千円程度、こんなふうにしてもらいたいものだというような意向を一月上旬表明しておられますが、御存じでしょうか。
#112
○国務大臣(河本敏夫君) 私はその話は直接聞いておりませんが、多分そういう話があったとすれば、その背景は、石油会社の決算を見ますと、五十五年度の九月中間決算が非常に大きな利益が上がっておりますが、これは大部分円高差益によるものであります。しかしながら後半は経営が相当苦しくなる、こういうことを言っております。
 それには二つ理由がありまして、その一つは、たび重なるOPEC諸国の石油の値上げによって購入原油が非常に高くついておるということが一つであります。それからもう一つは、このOPEC諸国の油の中でも値段に差異がございまして、サウジアラビアの油は比較的安い、それ以外の油は比較的高い。こういうことでありまして、サウジアラビアの油を大量に買える外資系は引き続いて相当な利益を上げておりますが、それが大量に買えないところは経営が圧迫されておる。こういうことで経営に非常に格差が出ておると、こういう話を聞いております。
 この話は通産省からお答えになるのがいいのではないかと思いますが、通産省おりませんので私がわって答弁をいたしますけれども、とにかく三月期の決算がどのように出ますか。石油会社は三月期の決算は非常に悪くなる、したがって九月の利益が年度間を通じては激減をしてしまうんだと、こういうことを言っておりますが、その動き等をもう少し判断をしませんと、いまのところは何とも言えないと思っております。
#113
○原田立君 同じく所信表明の中で、公共料金については「国民生活に及ぼす影響を十分に考慮して厳正に取り扱う方針」で臨む、あるいはまた「真にやむを得ないものに限るとともに、その実施時期及び値上げ幅につき極力調整した」と、こういうふうに言ってありますが、具体的にどういうことか。あるいはまた私鉄、バス、タクシー等についてはどういう態度で臨むのか、これが質問することの一つです。
 それから五十六年度予算関連公共料金として米、麦、国立学校入学科、国鉄運賃、塩等が予定されておりますが、これ以外の準公共料金等はどのようなものが申請あるいは申請予定になっているか。その項目、実施要望時期やアップ率はどうなっているか。また、そういうものに対する抑制策をどう考えておられるか。
 三つ四つ重ねてお伺いしましたけれども、御答弁願いたい。
#114
○政府委員(廣江運弘君) 公共料金につきましては、先ほど先生がお読みになりましたとおりの態度で取り扱っておりますし、調整に当たっております。
 調整の例を挙げよというお尋ねでございましたですが、申し上げますと、五十六年度予算関連公共料金に関する調整例といたしまして、米価につきましては、値上げ幅は当初三・一五%のとおりでございますが、実施時期につきまして二月を四月というふうにおくらせております。麦価につきましては、当初集大・九%のところを五・六%というふうに調整をいたしております。さらにもう一つ例を挙げますと、国鉄運賃につきましては、改定幅につきまして、当初大蔵原案は増収率一一・三%でございましたですが、これを政府案では七・九%というふうに調整をいたしております。実施時期につきましても、四月一日を四月二十日といたしておるわけでございます。その他は省略させていただきますが、そういうふうな調整例に見られますとおり、厳正に取り扱っておるところでございます。
 次に、私鉄、タクシー等についてはどういう態度で臨むのか、こういうことでございますが、私鉄につきましては、昨年末に運輸省に対しまして申請が行われ、一九・六%という総平均の大手十四社の私鉄運賃の値上げの申請が行われ、目下運輸省及び運輸審議会において審査が行われておるところでございまして、当庁といたしましても、先ほどお述べになりました方針に従いましてこれを厳正に取り扱っていきたいと思っております。タクシーにつきましては、一部のタクシー業者から運輸大臣に対しまして申請が行われたと聞いておりますが、これにつきましては、運輸省におきましても厳正に慎重に取り扱うというふうに聞いております。私どもの方でも、それを受けまして協議がありました段階で十分な調整をいたしたいと思っております。
 そのほかの公共料金でことしどのようなものが予想されるかということでございますが、先ほどもお答えいたしましたように、私どもは申請を待ちまして、かつ関係省庁からのお話を待ちまして調整に入るわけでございまして、あらかじめこれだけのものを考え、これだけのものを予定しているということにつきましては答弁を差し控えさせていただきます。
#115
○原田立君 立場上答弁は差し控えさせてもらいたいと言うんだけれども、そういう傾向はありますか、そういう動きは。
#116
○政府委員(廣江運弘君) いま先生がお述べになりました大手私鉄の話、それからタクシーの話、さらに地方公共団体のバス、地下鉄等の話が出てくるのではないかと考えております。
#117
○原田立君 農林省来ておりますか。――昨年秋からことし一−三月の野菜価格安定を図るため、重要野菜需給調整事業で作付面積を五%ふやされましたですね。だけれども結果として野菜価格の高騰を招いてしまったのは御承知のとおり。五十六年度はこうした轍を踏まないことが大事でありますが、五十六年度においては重要野菜の作付面積はどのくらいふやす計画になっているか、これがまず一点。
 また主要野菜の契約栽培についてはどのような計画になっているか、これが二点目。
 それから昨年の八、九月は異常低温で野菜価格の高騰を招いてしまいましたが、ことしの夏秋及び秋冬野菜については、ことしもまた冷夏が来ないとは限ったことではない、だから、値上げになってから手をつけるんじゃなくて、早目早目に手を打つべきだろうと思うんですが、五十六年度に異常気象が再び発生した場合に備えた野菜価格安定対策はどうか、また予算の裏づけはどうか。
 五十五年度には国民生活の安定経費は三十億円でありましたが、この予算額では不足したために五百億円の物価対策費中いろいろと使用して四十四億百万円の支出をし、その対策に充てたわけでありますが、五十六年度の国民生活安定対策経費は五十五年度と同額の三十億円である。五十六年度再び野菜価格の高騰があった場合十分対応できるのか。
 以上、四つ五つ聞きましたが、御答弁願いたい。
#118
○政府委員(戸田博愛君) 五十六年度の秋冬期の冬野菜につきましては、先ほど先生御指摘ございましたように、三ないし五%作付に余裕を持たせて作付をいたしたわけでございますが、非常に異常な寒波と乾燥のために生育が著しく不良になりまして価格が高騰いたしましたことは非常に残念であるというふうに思っております。
 ところで、五十六年度の秋冬期でございますが、おおむね作付は早いものでは八月ごろから作付が始まりますので、五十六年度予算の成立を待ちまして四月以降関係の生産者団体と協議をしてまいりたいというふうに思っております。通常私たちの感じでは、標準偏差といいますか、非常に技術的な用語で恐縮でございますが、ワンシグマぐらいの通常の不作には耐えるような作付を確保しておきたいというふうに思っております。しかし何分にも生産者という相手のあることでございますので、十分生産者と相談をしながら、われわれの気持ちといたしましては、できるだけ多くの余裕を持って作付をし、豊作になった場合には生産調整措置を講じて価格の安定を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
 それから不幸にも高騰いたしましたときの対策といたしまして、鹿児島あるいは沖縄県にキャベツ等の契約栽培をいたしておりますが、来年度におきましてもキャベツ約一万トン程度の予算枠を計上いたしておりますが、これも現地鹿児島県、沖縄県あるいは農協等と十分協議をいたしまして、ことしの例にもございますので、できるだけ多くの作付をしてまいりたいというふうに考えております。
 第三点の夏秋野菜についてはどうかということでございますが、昨年の夏の冷夏というふうなことにもかんがみまして、本年度から春キャベツ、夏秋キャベツにつきまして、秋冬期の重要野菜需給調整事業と同じように、余裕を持った作付をして需給調整をしていくということを五十六年度から新たに始めることにいたしておりまして、これも数%の余裕を持った作付をしてもらうべくすでに手配をいたしたところでございます。
 第四点の国民生活等安定経済対策推進費の三十億の件でございますが、野菜緊急対策としてこの中からずいぶん使わしていただいているわけでございますが、来年度におきましても、経済企画庁と十分協議をいたしまして遺憾のないようにしてまいりたいと思います。
 以上でございます。
#119
○原田立君 本当に値上がりしちゃってからばたばた手を打つようなことがないように十分配慮していただきたい。
 五十六年度物価対策関係経費は前年比三・七%の伸びになっておりますが、一方今年度一般会計予算歳出の伸びが国債費、地方交付税を除いて四・三%である。そうすると物価対策予算の方がはるかに低い。物価安定対策の軽視と言われても仕方がないんじゃないだろうか。五十六年度物価対策関係経費の特徴とあわせ率直なる見解をお伺いしたい。また五十六年度の経済成長は個人消費と住宅建設で支えると言っておりますが、住宅及び地価の安定対策費は前年比〇・一%増とほとんど伸びていない。また「昭和五十六年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」の中でも、「地価の安定、宅地供給の促進等を図りつつ、民間住宅建設の促進を図る。」とうたっておりますが、その前進がない。実効ある具体策は皆無に等しいのではないか。また流通対策費についても一%の減である他この点もあわせて見解をお伺いしたいのであります。
 消費者行政関係経費の中の国民生活センター経費を見ると、五十五年度二十三億四千二百万円が五十六年度は二十一億三千八百万円で、二億四百万円減少しております。この予算は有効な消費者向け情報を提供することで非常に重要なものであると思うんでありますが、予算の縮小ではいま以上の情報提供の拡大が図られないのじゃないか。昨年末に政府がまとめたいわゆるゼロリストではそれができないことを示しております。ゼロリストでは消費者保護政策推進等国民生活充実対策に必要な経費、五十五年度二十三億円、五十六年度では二十六億円、これだけをしなければ仕事にならないと、こう言っておきながら実際は同額の状態、あるいはまた国民生活センターの場合は減額になっている。こういうようなことでは物価対策に関係して本当に一生懸命やっているのだろうかというふうな疑問を持たざるを得ないんです。御答弁いただきたい。
#120
○政府委員(廣江運弘君) 関連のものにつきましてお答えをいたします。
 まず最初に物価対策関係経費の伸びが少ないという御質問でございます。五十五年度四兆三千四百七十億に対しまして五十六年度は四兆五千六十四億円で、三・七%増となっておりますが、この経費は非常に短期的な対策からきわめて長期的な対策まで含めた非常に幅の広い経費でございまして、トータルの伸び率だけではその内容を判断するのもいかがかと思います。
 たとえば必要なものにつきましては必要な予算がついているという例につきましては、先ほど御質問のありました重要野菜需給調整特別事業費等につきまして見ますと、十四億三千万の五十五年度予算に対しまして十九億四千六百万と、所要のものにつきましてはそれぞれの手当てがなされておると思います。
 次に住宅及び地価の安定につきまして伸びが少ないということでございますが、この経費の内容を見ますと、住宅金融公庫の補給金であるとか、あるいは公営住宅建設事業費等でございまして、これにつきましてもそれぞれ実勢を踏まえまして必要な額は計上されておると思います。要は、これらの予算を活用いたしましていかにして物価対策をやり、住宅対策をやるかということにかかっておると思います。
   〔委員長退席、理事山田譲君着席〕
#121
○原田立君 公取委員長においでいただきましたのでお伺いをするんですが、最近不況感から産業界に不況カルテルを申請する動きが広がってきており、中にはすでに申請を検討している業種もあると、こういうふうに聞いておりますけれども、実態はいかがですか。
#122
○政府委員(橋口收君) 現在独禁法上の不況カルテルとして認可をいたしまして進行中のものとしましては造船業一件でございますが、いまお話がございましたように、最近の経済状態を反映いたしまして不況カルテルを結成しようという動きがあるようでございまして、私どもが承知をいたしておりますのは塩化ビニール樹脂、綿紡糸、上質紙、両更クラフト紙、三業種でございますが、それ以外にも新聞紙等では、たとえば合板とか中小企業団体法に基づく不況カルテルをつくりたいという要望があるやに承知をいたしております。いま申し上げました三業種の中で、公取の事務局に対しまして内々の打診がございましたのは塩化ビニール樹脂と綿紡糸でございます。
 それ以外に、申し落としましたが、小型棒鋼につきましては中小企業団体法に基づく不況カルテルがすでに結成をされておりまして、私どもが昨年の第二・四半期の減産のあり方として調査をいたしました五品目のうち三品目が不況カルテルないしは中小企業団体法の調整規定を設けたいと、こういう動きが出てきておるのが現状であろうかと思います。
   〔理事山田譲君退席、委員長着席〕
#123
○原田立君 こういうような不況カルテルの連鎖反応も懸念されるわけでありますが、実態はいまお話聞いたとおりでございます。これらの業界から不況カルテルの申請が出されたらば当然審査なさるんだろうと思うんですけれども、それは審査してからでなければ結論は出ないんだろうと思うんだが、どのように対応なさるのか。
#124
○政府委員(橋口收君) 申請がございましたら法の規定に照らして厳正な審査をいたしたいというふうに考えておりますが、新聞紙等でも、産業界が不況になりますと不況カルテルを結成して、それで構造的な体質の変化というものは行わないで業界を温存しまして、次のまた好況期にはもうけてまた不況カルテルを行うという一種の悪循環があって、産業界全体の体質改善にプラスにならないじゃないかというような御批判もあるようでございまして、私どもとしましても、不況カルテルのあり方、認可の条件等につきましては従来から厳正にまた慎重に対処いたしておりますが、最近の国際経済情勢等から見まして、カルテルの申請がありました業種の品目につきまして、代替品の将来性の問題とか、あるいは輸入の状況とか、当該業種を取り巻く客観情勢につきましても十分審査をいたしまして、将来に向かっての業界の体質改善にプラスになるような角度から審査を行い、必要なものは認可をいたしたいというふうに考えております。
#125
○原田立君 公取委員会は行政指導のあり方について見解をまとめ、通産省、大蔵省等六省にわたってその連絡をとったということでありますが、その中で、主務官庁が石油業法など具体的な法律に基づかずに価格、数量など市場条件に影響を与える行政指導を行うことは独禁法上問題がある、また独禁法に触れるおそれのある行政指導を行う場合は事前に公取委と調整する必要があると、こういうふうな方針を打ち出されているのでありますが、全くそのとおりだろうと思うんであります。だけれども、何かこれに対して通産省などは強い反発を持っておるやに報道されておりますけれども、いかがですか。
#126
○政府委員(橋口收君) 行政指導と独禁法の関係は大変に長い歴史があるようでございますが、われわれが現時点におきまして行政指導のあり方につきまして、独禁法の立場から各省庁に対しまして慎重な行動を要請したいというふうに考えておりますきっかけとしましては、御承知のように昨年の九月東京高裁の石油判決があったのが直接の契機でございます。いま各経済官庁との間にお話し合いを進めておりますが、行政指導でございますから、これは各省庁がその責任において行う行為に対しまして独禁法の立場から注文をつけるということでございますから、これは十分お話し合いをして御納得いただくことが必要だというふうに考えていま精力的に折衝いたしております。ただ、各省庁の行為ではございますけれども、これは独禁法の立場からの発言でございますから、最終的には私どもの責任でございますので、できるだけ早い機会に成案を得たいというふうに考えておるわけでございまして、先生がおっしゃいましたように、各省庁でいろいろ御意見があるということでございますが、それは当然御意見があると思いますが、それは十分実情をわかっての上の御意見であるか、わかっておられて、まあ、わからないふりということはないと思いますけれども、お立場もあって反対をしておられるということもあろうかと思いますから、これは責任を持って比較的近い将来に成案を得たいということでいま案をまとめ、またお話し合いをしておるところでございます。
#127
○原田立君 もう時間になりましたから、私最後に一問をして終わりたいと思いますが、長官、物価が上がる、個人消費の面が余り伸びない、住宅建設も伸びない、そういうふうなことになると、結局結論は、個人消費の支出を回復させ、GNP五・三%を達成する決意を長官はお持ちのようでありますが、いまこそ個人所得の増加を図り、消費拡大を実現させることが重要であろうと思うんです。それが一つ。そのためにも所得税減税等をぜひ実施すべきだと思いますが、それについての所見をお伺いして私の質問を終わります。
#128
○国務大臣(河本敏夫君) 物価が安定をいたしませんと個人消費は伸びません。現在個人消費が非常に落ち込んでおりますのは、やはり物価問題が背景にあるからだと考えております。したがいまして、昭和五十六年度の成長目標五・三%を達成するためには、やはり物価の安定ということが絶対の条件だと、このように考えておりますが、そのつもりで物価対策を進めていくつもりでございます。
 それから第二点。こういう情勢のもとでいま所得減税をすべきである、こういう御意見でありますが、実際は、物価情勢もさることながら、数年間所得減税がありませんから非常に負担が重くなっておることは事実であります。私は、やれればやった方がいいと、こう思います。ただ、しかしながら現在何分にも増税をしなければならぬ、こういう財政事情でもございますので、総合的に判断をいたしまして、ことしは御容赦をお願いしたいというのが政府の統一見解でございますが、この問題につきましては、野党の方からは、財源はあるからやれと、こういうお話も出ておりまして、いま国会対策の方でいろいろ相談を進んでおる模様でございますから、その結論を見守りたいと、こう思っております。
#129
○小笠原貞子君 消費者物価の上昇について、当初六・四%と確信を持っておっしゃっていましたけれども、年末にはあえなく崩れて七%程度と手直しをされ、しかもその七%程度というのは七・五%まで上限である、こうおっしゃいました。六・四%でも大変だったのが、七・五%の上限でと考えますと、一・一%のまた負担になってくるわけでございます。この一・一%という消費者物価の上昇は、勤労者の一世帯に当てますと、家計負担というものはどれくらいこれでふえることになるでしょうか。数字でございますので簡単にお答えいただきたいと思います。
#130
○政府委員(小金芳弘君) 五十四年度と全く同じ消費内容を五十五年度において維持するということを前提にいたしますと、物価上昇率が六・四%の場合に対しまして七・五%の場合はそれだけ必要な支出額がふえるわけでございまして、両者の差額は約三万円と計算されます。
 なお、同じ計算を東京都区部勤労者世帯について行いますと、両者の差は三万三千円というふうになります。年間でございます。
#131
○小笠原貞子君 一・一%で三万円ないし区部で三万三千円。その数字だけ見れば三万円程度だということになりますが、実際ふえた分も入れますと、二十万四千円の負担増という形になってくるわけでございます。一・一%、細かいようでございますけれども、家計に占める割合というのは実に二十万四千円、七・五%になりますと。それもさっきからのお話では、七・五%ではもうとても落ちつかない、こういうところまでいま来ているわけでございます。
 それでは、五十五年度の消費者物価を七%程度とおっしゃったから、常識で言えば七%程度というのは七%だから、七%に抑えるというためには二月、三月の指数及び対前年同月比の数値というものを幾らに抑えなければならないか、この計算された数値を教えていただきたいと思います。
#132
○政府委員(廣江運弘君) 物価の見通しにつきましては、まだ一月までしか出ておりませんし、二月確報も出ておりませんし、三月はもちろんこれからのところでございまして、基調としては落ちついておるけれどもいまなお努力をしておるのだということを申し上げたわけでございますが、そういう段階でいろいろ仮定を置かないとなりませんものですから、当委員会におきまして、端的に一月までわかっておりますから、一月までわかっているものを二月、三月横並びにした場合には、算術計算の上では七・七という年度平均が出ますということを申し上げております。いま委員の御質問はそこからごそんたくをいただきたいと思います。
#133
○小笠原貞子君 なかなかそういうことはごそんたくいただけないんでございますけれども、いままでの推移でもって、そして二月の東京区部も出ておりますし、出そうと思えば出されるはずなんだと思うのですけれども、出してまた合わなければしょうがないということで大変慎重になっていらっしゃると思います。
 で、七%に抑えようとするためには、二、三月の指数を横ばいで同じというふうにして対前年同期比で考えてみますと、私が計算いたしますと、二月は二・三%、三月は一・五%としなければ七%で抑えられないという計算が出てくるわけです。七・五%にいたしましても、二月は五%、三月は四・二%、五%台では七・五%に抑えられないということに計算いたしますと出てくるわけなんですね。これは非常に困難だということがここではっきりすると思うのです。
 で、二月の東京区部の指数が出ました。前月比〇・四%の上昇というふうに発表されておりますけれども、この数値で二月も上昇するというふうに考えてみますと、二月の対前年同期比は六・九%ということになります。私もいろいろ計算しまして、三月の指数というものをこの計算でやってみますと、七・五%に三月を抑えるというふうにいたしますと、対前年度同月比は二・五%で抑えなければなりません。七・六%に抑えようとすると三・七%に抑えなければならない。七・七%、先ほどちょっと出ました七・七%で抑えようとしますと、四・九%で対前年度同月比を抑えなければならない。七・八%までいって、そして三月を幾らで抑えるかというと、これでやっと六%というところに近づいてくるわけです。七・九%で抑えるというふうに少し上げますと、七・二%、八%上がるというふうに見込みますと、三月の対前年同期比は八・三%というところで抑えられると、こういうふうに計算してみますとなるんですね。この計算は決しておたくの計算とかけ離れたものでございませんで、横ばいの方の計算で、お伺いいたしましたのと大体同じような計算方法で出てくるわけなんです。
 ここで言いたいことは、七・五%で抑えるためには、実に三月二・五%しか上げられない、こういうわけなんですね。で、昨年、五十五年の二月からことしの一月まで調べた表で見てみますと、すべて大体七%ないし八%上がっているということなんです。こういう経過だとかいろいろの状況を勘案いたしますと、どうしても三月の指数が前年同期比で七・二%と上がると見て七・九%になってしまう。これはもう計算上からも常識でもそういうことになってくるわけなんですよね。そうしますと一・一%の狂いでさっきおっしゃったように三万円からの負担増になるわけなんですよ。これがもう七・八、低くて七・八になると思います。下手すると七・九、八になる。何かここでかけして勝ったらごちそうでもしてもらいたいぐらい確信を持ってそれくらいになるだろうと、私はこう見ているわけなんですよ。そうしますと、さっき言ったように、一・一%でも大変な負担増になるのに、ここまで上がってくるということになりますと、これは国民生活に相当大きな影響を与えるということになるというのは必至なことなんです。
 そこで長官にお伺いしたいんですけれども、各委員も言われましたけれども、私も十月二十二日の当委員会でお伺いしたときに、確信を持って六・四%実現したいと、こうおっしゃったわけです。修正された七%程度というこれも達成できないという形になったら、長官としては国民に対してどう責任をおとりになるのか、どうなさるのか、いろいろな事情でできませんでしたでお済ましになるのか、その辺のところの御決意とそれから確信のほどをお伺いしたいと思います。
#134
○国務大臣(河本敏夫君) いま三月の消費者物価がどうなるかということでいろんな場合を想定して年度間平均の物価見通しについてお話がございましたが、政府の方ではまだ今月いっぱい全力を挙げて物価安定のために努力をしてみたいと、こう思っております。修正をいたしました七%程度という見通しに何とか近づけたいということでいま全力を挙げているところでございます。
#135
○小笠原貞子君 全力を挙げるのはもう言われなくてもあたりまえのことなんで、全力を挙げられても私の見通してはこれはもうだめになります。そのときどうなさいますかと、いまの段階で。責任をどうとられるか。
#136
○国務大臣(河本敏夫君) いろいろ努力しておる最中でございますから、できない場合のことを想定して努力しておるわけではございませんので、何とかやりたいと、こういうことで努力しておる最中でございますから、もうしばらくお待ちいただきたいと思います。
#137
○小笠原貞子君 もうこれ以上は追及はいたしませんけれども、重々責任を持ってその努力が実のあるものにしていただきたい、決意を持って臨んでいただきたいと思います。
 次に、具体的な問題でお伺いしたいと思います。消費者保護の立場からお伺いしたいんです。まず石油燃料機器、むずかしいですが、すなわち石油ストーブの問題でございます。この石油ストーブに対しましては、私は北海道でございますが、いろいろな広告が出ているんでございますが、まず最初に通産省にお伺いしたいと思うんです。
 この石油ストーブにいたしますと、温暖地ではこの部屋にはこれくらいとか、この部屋にはこれくらいというふうになって区別されておりますけれども、その温暖地と寒冷地の必要な熱カロリーというものはどれくらいの割りで見ていらっしゃるでしょうか。
#138
○説明員(坂本春生君) これにつきましては通産省が決めた基準はございませんが、業界の常識として従来いたしておりますのは、温暖地ではたとえば木造家屋の場合は一昼当たり三百五十キロカロリー、それから寒冷地の場合はこれの一・二倍ということで、四百二十キロカロリーということで一応いろいろな表示の基準にいたしております。
#139
○小笠原貞子君 ありがとうございました。私も聞きましたら、やっぱり一・二倍の計算だということでございました。
 さて、そこでいろいろな広告なんですけれども、これはサンヨーなんですが、FF式のこのストーブを使いますと「燃料節約一冬八万円お得」と、こうなっているわけなんですね。これがサンヨーでございます。それからこれは北海道新聞に出ました三菱電機でございますが、これはオイルタンクがついておりまして、これは半分で済むというふうに宣伝がされているわけです。これはコロナの石油ストーブでございますが、「あら、ドラムかん二本分浮いたわ」と、こういう大変魅力的な宣伝がコロナでは行われているわけです。日立もそうなんですけれども、日立の場合も、灯油消費量は四〇ないし五〇%、金額にすれば八万円くらい安くなりますよと。それから三菱でも半分で済みますよと。いまの生活は非常に大変ですからね、あら、こんなに少なくて済むんだわ、こんなに得をするんだなというような広告のもとにみんなが買わされる、買ってしまうわけですけれども、この数字、こんなに浮くというのは全くでたらめなんです、計算いたしますと。
 そのでたらめさはどこからきているかと言いますと、まずいまおっしゃった温暖地と寒冷地の区別。いま一・二というふうにおっしゃいました。業界でも一・二です。それから自分たちで売っているこのストーブのカタログを見ましても、一・二の割合のストーブを推薦しているわけですね。ところが、こういうふうに八万円もうかるだの、何ぼですごくもうかるなんというのの計算は一・七五でやっているんですね。ちゃんとここの中に入っているわけです。一・七五を使うということになれば、実際使うのはそんなに使わないんだから、うんともうかるような膨大なもうけがあるように言っているわけなんですね。そこに一つのごまかしがあります。消費量が大変でたらめだということなんです。
 サンヨーの場合にポット式というので煙突をつけます。これだと大体二千八百五十四リットル使うというんですね。道庁なんかで調べますと、大体二千くらいなんですね。それが結局二千八百五十だとか、ひどいのになると三千六百七十四などというように、物すごく莫大に使うことにして計算して、実際はこういうふうに安くなるんだというふうな、そこにまたごまかしがあるわけなんです。
 その計算も全部いろいろな計算方法でやっているわけなんです。たとえばナショナルの場合には一日十八時間で七カ月使うと、こうなっているわけです。日立の方は一日十五時間で六カ月使うというように、こういうふうに量をたくさん何カ月も使うというふうにして、利益がうんと出るような数字のごまかしで大宣伝をしていると、こういうわけなんです。
 しかももう一つの問題は、その最強の熱量いっぱいの計算でやっているわけなんですね。私なんかも使っていますけれども、寒いとき初めバッと最高にいたします。しかし暖かくなると弱にするわけですよ。しかしこの計算というのは全部最高にして一日十八時間、十五時間というのをやるわけですよ。実際最高でこんなにやったら夏服でも着てなきゃ住んでいられない。これは「暮しの手帖」がいろいろこういった問題をやっていますけれども、この最強でもって一日ずっと十何時間もつけていたら本当に汗びっしょりになるというような、そういう幾つものごまかしのもとで、こんなにもうかりますよ、安くつきますよというような宣伝をしているわけです。
 しかもポット式というのは、ストーブみたいなのに石油が入って、そして風を送って燃やす。そして排気用の煙突が部屋の中をずっと通っていますから、だからその煙突の余熱というのは相当な効率があるわけですね、煙突が大きいと。今度FF式になると電気を入れなきゃならないから、電気料というものがかかってくるわけなんですよ。ところが、そういう煙突の効率を考えなかったり、電気代がかかるのにかからないようにしたりして、もう本当に勝手な広告をやっているんですね。
 そこで公取委員長にお伺いしたいんですけれども、ちょっと計算すれば明らかにわかるようなこういう掲示をして新聞から折り込みからどんどん広告をやっているということは、景品表示法第四条、「一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、」云々と出ておりますこの景品表示法の第四条に当然ひっかかってくるのではないかというふうに思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
#140
○政府委員(劒持浩裕君) ただいま御指摘の石油ストーブにつきましては、北海道の消費者協会の方から公正取引委員会に対しまして広告の規制の要望がございました。それを受けまして、当委員会におきまして、省エネルギー等の表示につきましてただいま先生御指摘の景品表示法第四条に違反するかどうかという調査を現在行っているところでございます。
 現在までの調査の経過を簡単に申し上げますと、ただいま御指摘になりましたような省エネルギーの計算でございますが、それに合理的な根拠があるかどうかといったようなことを関係人から事情聴取をしているところでございます。
#141
○小笠原貞子君 いろいろ御調査なさっていただいてありがたいんですけど、自分でも一・二の率で、このストーブは温暖地だったら十畳だよ、寒冷地だったら八畳だよというふうに自分自身で一・二というものを頭に置いて考えていながら、計算するときは一・七五倍でうんともうかるようにやる。明らかにこういうわかっててやっているのだから私はちょっとひどいと思うんですよね。だから、当然見ていただいているんだと思いますけれども、いま私が申し上げましたようなこういうことは、橋口委員長、ちょっとおかしいですね、こういうのはひっかかると思いますね。――うなずいていらっしゃるから、そうお思いになるんでしょうかね。本当に私そのとおりだと思うんです。そういうことで、橋口委員長もうなずいていらっしゃるし、やっぱり少しおかしいと思いますので、ぜひはっきりと調査をして、こういうことはさせないようにしていただきたいということのお願いをいたします。
 それからもう一つ、このごろ出てきましたファンヒーターというのがあるんですね。これは暖かい地方の方は御存じないかもしれませんけれども、ポータブル型で、石油の火が燃えるところが見えるというのじゃなくって、見たところFF式のヒーターと同じような形なんですね。火が全然見えなくて、箱形になっておりまして、そして空気を入れるとばあっと暖かいのが来る。そういうのがいま物すごく出回っているわけですよ、昨年から。このファンヒーターというのは煙突もないんです。そしてFF式みたいに排気ガスを外に出さない、外から空気を入れられない、つまり部屋の中で燃やすんですね。風を入れてどんどん燃やす、部屋の中の空気を吸って燃えると、こういう形なんですね。そこで大変危険な状態になると思うんですよ。
 たとえばこれはコロナなんですけれども、ここにこう書いてあるんですよ。「灯油をガス化、完全燃焼するため排気筒は不要」と、こう書いてあるんですね。「排気筒不要」なんてあるが、部屋の中で燃やされたら酸欠になって死んじゃいますよ。こういうことを書いておいて、そして一方こっちの裏の方に、これは注意されて入れてきたんですけど、「お部屋の換気をいたしましょう」と、こうなっているわけなんですね。全く矛盾したことを平気な顔して書いているんですよ。これはコロナですね。全部こういうのになっているんですよ。
 サンヨーを見ますとこういうふうに書いてあるんですね。ここはもうはっきりしているんです。「酸欠などの心配もありません」と、こういうふうに一番見やすいところに書いてあるんですよ。そうしてこの後ろの小さいくしゃくしゃっとしたところに、「石油ファンヒーターは温風暖房器ですが、FF式ではありませんから、一時間に一、二回の換気を行ってください」と。見えるところには換気しなくても何も酸欠の心配ありませんと言いながら、後ろには自分自身で全く反対のことを書いているんですね。
 これもコロナなんですけど、「完全燃焼を徹底的に追求した結果、室内に出す有害成分を極度に少なくすることに成功しました。めんどうな排気筒工事が要りません。」なんてまた丁寧に詳しくここに書いてある。「排気筒がなくても、においやガスの心配は無用」というふうに書いてある。そして後ろの方に小さく気をつけてくださいよと。
 これを買って一生懸命読んでふうんと理屈を考えてくださる方はいいかもしれないけれども、こういうまことに危険なものが売り出されている。これが暖かいところでちょっとならようございますけれども、北海道みたいに非常に密閉されてそしてこれを中心にするストーブということになりますと、これは大変な危険になると思うわけでございます。この点について、表示というのもこういうんではまことにおかしいということだと思うんですけれども、この表示について御指導いただきたい。これは大変問題だと思うんです。その点についていかがお考えになっていらっしゃるか、公取の方からお答えをいただきたいと思います。
#142
○政府委員(劒持浩裕君) 一般に表示につきましては、景表法の規定に基づきまして個別の案件については処理をいたしておりますが、先生御指摘のいわばデメリット表示的なものについての考え方ということかとも思いますけれども、いわゆるデメリット表示につきましては、公正競争規約におきましてすでに表示をしているものもございます。しかし今後公正競争規約を設定するような場合には、表示の適正化を図るためにデメリットにつきましても表示させることが適当であるかどうかを含めまして、商品の種類とか業界の実態によっていろいろございますけれども、それらに適応いたしました適切な規定がなされるように検討してまいりたいというふうに考えております。
#143
○小笠原貞子君 石油ストーブはJISの対象にはなっているけれども、消費生活用製品安全法、それから家庭用品品質表示法などの対象品目になっておりませんですね、石油ストーブの場合には。また公取さんで承認をされております家庭電気製品の公正競争規約というのがありますけれども、ここにもこの石油ストーブは対象になっておりませんですね。そうしますといろいろ抜けたところがあるわけですよ。そうすると、これをきちっと正しい表示をしてそして安全に使用できるようにということになりますと、いろいろなこういう抜け道のところを整理していただいて、消費者保護の立場から規制するということを整理して改めて検討していただかなければならないというふうに思うわけです、一つ一つというのじゃなくて全体いま見直してね。そういう検討をぜひしていただきたいということが一つ。
 それからこれは道庁も大変関心を持っておりますし、われわれ消費者も家庭を抱えて物すごくこれには憤りも感じるし不安も感じているわけなので、そういう点について道とか消費者協会とか地元のわれわれ消費者とこういうストーブについてのあり方、どうあるべきかということをいろいろ意見を聞いて、規則をどういうふうにするかというような点も含んで話し合っていただきたい、そう思うんですが、やっていただけるでしょうか。
#144
○説明員(坂本春生君) ただいま先生の御指摘の点につきまして、確かにカタログにはいろいろ不備な点がございましたので、現在改めるべくいろいろ業界でも相談しておりますし、私どもも指導いたしております。特に換気の必要性につきましては、換気が必要であるというマークを今度は本体につけることにいたしておりますので、その点改善されると思います。
 それからJISの関係の表示につきましては、JISでは取り扱いの注意事項その他取扱説明書に書くべき事項などもいろいろ決めておりますので、そういうものについても徹底を図っていきたいと思います。
 それから道庁及び北海道の消費者協会につきましては、従来も業界はいろいろ話し合いいたしておりますが、今後それを一層進めるように指導してまいりたいと思います。(発言する者あり)
#145
○小笠原貞子君 時間を守りましょうということなので、守りたいと思いますが、簡単に建設省にお伺いしたいと思います。
 マンションの売買契約についてお伺いしたいんですけれども、ここに売買契約書というのを一つ持ってきているんですけれども、この中に近隣建物への異議申し立ての禁止という条項がはっきり出ているわけです。これは近所に何が建っても一切異議を申し立ててはいけませんよ、しませんよというのがはっきり出ているんですが、こういう契約というのはいいんですか。好ましいですか、好ましくないですか。
#146
○説明員(末吉興一君) マンション等の不動産の売買の場合の契約の形式とか内容、これは全く民法の原則で自由になっておりますので、いまおっしゃった点が契約の内容であれば、両当事者を拘束するのは当然だろうと思いますが、宅地建物取引業法では私ども契約に至る前にいわゆる重要な事項を説明することを義務づけております。その中には、権利の種類とか、都市計画法、建築基準法その他法令に基づく制限等を文書で十二項目にわたって説明するように義務づけております。それ以外の点は私的自治の範囲に入りますので、そこの内容まで入ることはいささか遠慮をしておる状態でございます。
 いま御指摘の点は、恐らく議論を尽くしていきますと、宅地開発要綱なり中高層建設要綱なり、いわゆる業者と地元の近隣の方々との大きなマンション建設についての、大体大きなのが急に来るわけですが、それらの調整の問題に尽きるんだろうと思うんです。それぞれ苦労しながらそれぞれ建設を進めるし、地元の同意をとっておるんだろうと思います。そこの仕組みの問題になると思いますが、ただいま申されました契約の内容まで建設省で指導するか、あるいはその内容どうかと言われましても、若干のコメントするのにちゅうちょする次第でございます。
#147
○木島則夫君 わが国経済は五十五年の春までは安定的拡大基調をたどってきましたけれど、その後は一転して経済活動が停滞をしたわけです。これは相次ぐ石油価格の大幅値上がりに伴うデフレ効果が響いたことと物価の騰勢によるものであったと判断をいたします。他方、先進諸国に比べて第二次石油ショックの影響を軽微なものにとどめ得たのは、一つには、民間を中心とした労働組合が経済の安定化を一層確実なものにすることを深く考慮して行動し、生産性の向上に努力した点で、これは大きく評価されるべきである、こういうふうに考えます。
 こうした社会的整合性のある行動をしてきた人たちにとりまして、消費者物価の高騰、しかも政府の失策による高騰というものはいまや大変な重圧になってのしかかってきている。これが現状でして、政府の今年度修正見通し七%の達成ももはや絶望的だということであります。実質賃金の目減りも深刻でして、賃金の伸びが二月、三月とも大きく変わる見込みがない上に、物価の動きも急激な好転が望めないと思われるので、年度間ではマイナス一%前後になる可能性も強まってきた。こういう状況の中で当然過ぎる要求として所得税減税の要求を提出している、私はこういうことだと思います。
 そこで長官、民間が日本経済の安定化のために整合性を持った協力を惜しまなかったわけであるから、今度は政府がその償いをするのが当然であると私は思う。政府の物価抑制の公約を信頼したればこそ行われたわけでありまして、政府は信頼を損なわないためにも償いが必要、つまりこれは五十五年度の中で処置をすべきである、このことは、戦後統計史上初の年度間でもマイナス確実という、こういう目減りをきちっと補償されることがこれからの経済運営にも好ましい影響を与えていくという観点で、先ほどからもこの点については論議をされておりますけれども、長官いかがでしょうか。五十五年度内できちっと決着をおつけになる、償いをされるべきが政府の当然の立場であるというふうに私考えております。いかがでしょうか、
#148
○国務大臣(河本敏夫君) いまわが国が第二次石油危機を比較的軽微な影響で乗り切ることができたその背景としていろいろお挙げになりましたが、私もそのとおりだと思います。生産性の向上あるいは省エネルギー、いまお述べになりましたベースアップ、国民の賢明な行動、いろいろそういう背景があって世界で一番軽微な被害で切り抜けることがいまできつつあるんだと、こう思っております。したがいまして、昭和五十五年度の労使交渉につきましては、私どももこれを高く評価しておりますし、妥当な水準でベースアップが決まりましたのも、政府の六・四%という消費者物価の見通しがあったということが大きな背景になっておると思います。その点におきまして政府の責任は非常に重いということを私も痛感をしております。
 同時に、昭和五十四年、五十五年、五十六年、この三年間でおよそ十二兆円の税の自然増収が出ておりますが、したがいまして五十六年度は五十三年度に比べまして合わせて十二兆円ほど税収がふえておる。そこへ増税分がございますから、十四兆ぐらい税収がふえておるわけでありますが、増税分は別といたしまして、その十二兆の増収のざっと半分が所得税の増収である。こういうことを考えますと、国民の皆さんの負担も相当重くなっておる、これも痛感をいたします。
 したがいまして、こういうときには私は、できることならば減税をやったらいいという皆さん方の御主張は、当然すぎるぐらい当然な御意見だと思うんですが、ただ何分にも第一次オイルショックによる影響が非常に大きゅうございまして、その後遺症がまだ残っております、第一次オイルショックの後は日本の対応が不十分であったということのために、世界でもむしろ一番大きな被害を受けました。第二次はその反動で非常に少なくて済んだんです。
 どういう後遺症が残っておるかといいますと、第一次のショックから立ち直るために、民間の経済が非常に力が弱くなりましたから、公債の増発による公共事業によりまして危機を切り抜けたのでございます。その公債による重圧がいまなお続いておるというのが現状でございまして、そのためにいま財政再建ということが言われておるわけでございます。ことしの五十六年度の財政を見ましても、一兆数千億の増税をしてなおようやくバランスがとれるという状態でございますので、御意見はよく理解できますが、この財政事情を考えますと、政府としても大変やりにくいと、こういうことで、政府の統一見解といたしまして快ことしは何とか御容赦をお願いしたいというのがただいまの統一見解でございます。
#149
○木島則夫君 くどいようですけれど、民間を中心とした労働戦線、労働運動の流れの中で、労使協調路線に立って日本経済全体を踏まえた社会的整合性のある賃金決定が醸成をされつつある中で、今回の物価抑制の失敗が賃金生活者に異常事態とも言える重圧を加えている現実というものは、現実としてきちっと処理をされるべきであると先刻来私は主張した。財政の厳しいことは私もわかっております。しかし私どもを初め野党の主張しております、行財政改革を徹底して行うことによってそういうものはある程度カバーできる、こういう点も私ども主張をしているところでございます。
 私が心配をいたしますのは、労働運動が民間労組中心に動きつつある中で、政府の態度が、どうしても財政事情が厳しいから今回は償いはできないというお立場をもしとったとした場合、果たして日本の経済運営が今後うまく持っていけるかどうか大きな問題に立たされてくるんではないだろうか、こういう局面にいることこそ政府は厳しく御認識あって、しかるべき適切な処置を打っていただきたい。くどいようでありますけれど、この辺の御認識も添えて、長官恐れ入れます、もう一度率直な御意見を聞かしていただきたい。
#150
○国務大臣(河本敏夫君) わが国の経済がいまの厳しい社会情勢のもとで何とかやっていけます。その背景は、労使の賢明な行動によるものだと思います。生産性の向上の範囲内でベースアップが決まっておる、日本がこういう情勢のもとにおいても世界一強力な経済の国際競争力を維持することができる、ここにわが国の力があるわけでございますから、御意見はよく理解できるんですが、何分にも現在のような財政事情でございますので、いまの御意見は、財政事情は財政事情として、行財政の改革を徹底してやればそんなものはすぐ打てるではないかと、こういう御意見でございますが、それをやるにいたしましても、実は五十五年度にはもう間に合いませんので、いずれにいたしましても、今後の大きな課題として検討させていただきたいと思います。
#151
○木島則夫君 きょうここで述べられました切実な意見、つまりそれは国民の切実な声でございます。この声をどうかひとつかみしめていただいて、総理にも伝えていただいて、実りある建設的な方向で御処理をいただくように、これは私の切なる要望として述べさしていただきたい。
 さて、五十五年度の政府の公約されました六・四%の物価抑制が大きく後退して、修正見通し七%の達成もほぼ絶望的になってしまった。もちろんその要因の中に石油の高騰が占める部分というのが大きいことは私もよくわかるわけでありますけれど、公共料金の値上げと生鮮食料品、率直に言えば野菜の高騰が大きく公約を後退させた要因であることも間違いないと思います。長官は先日の所信表明の中で、「公共料金につきましては、経営の徹底した合理化を前提とし、物価及び国民生活に及ぼす影響を十分に考慮して厳正に取り扱」い、「五十六年度予算関連公共料金の改定に当たりましても、真にやむを得ないものに限るとともに、その実施時期及び値上げ幅につき極力調整した」とおっしゃっておられます。
 そこで、予算関連公共料金、ずらりと並んで、しかも四月に一斉に値上げが行われるその中の一例として国鉄をとってみただけでも私は問題があるんじゃないかと思う。大体国鉄の値上げ九・七%というのは高過ぎるんじゃないかと率直に感じるわけです。昨年五・一%の値上げの折のその背景となった消費者物価が四・八%であったことからしますと、消費者物価が七%程度なのに何ゆえ九・七%も値上げをしなきゃならないのか。しかもこの九・七%の値上げに対して増収率が七・九%であります。国鉄は毎年毎年値上げをしている。値上げをすれば乗客が減るでしょうね、貨物が減っていく、そうするとまたここで値上げをしなきゃいけないという悪循環が繰り返されているわけでございます。
 私がここで問題にしたいのは、値上げの平均九・七%、増収率七・九%、この数字の間にはいろいろの問題が内蔵されていると、こういうことですね。一つ二つ挙げたって内部の徹底した合理化が十分に行われているかどうか大変疑問です。つまり生産性向上が行われてない、たび重なるストライキで国鉄に対する信頼感というものはすっ飛んじゃっている。つまり労使の協調が十分に行われていない。こういう問題こそこの数字の間隙に含んでいるものであって、こういうことを改善しないで予定どおりに値上げをされてしまったんでは、これは余りにも安易過ぎやしないだろうかという、こういう指摘であります。もし九・七%の値上げをそのまま行うとしまして、企画庁として増収率を上げるように介入して注文すべきじゃないだろうか。この辺を含んで、これは局長からでもいいし、長官からでもいい、率直に答えていただきたいと思います。
#152
○政府委員(廣江運弘君) まず増収率七・九%と今回国鉄の申請をいたしました改定率九・七%との差の問題でございますが、これはもちろん申請者であります国鉄が今回の改定に際しまして見込んでいるところの利用減でございます。それに絡まるいろいろの問題があるではないかという先生の御趣旨はわかります。ただ、国鉄の経営状態を見ますと、五十五年度末、これはまだ来ておりませんが、見込みで約六兆五千億円の累積欠損金を抱えておる現状にあります。さらに五十六年度には一万一千人の人員の減というような経営努力を行ってもなお一兆円を上回る損失の発生が避けられない見通してございますので、五十六年度におきましても運賃改定を予定するのはこれはやむを得ないところではないかと考えております。
 しかしながら、御指摘にもありましたように、国鉄離れという問題もございますので、具体的な運賃改定に際しましてはきめの細かな工夫をこらすなど十分に配慮してまいりたいと思っております。四月二十日と予定されておりますが、私どもとしましてはこれからこれに対処するわけでございまして、その際におきましては、先ほどお答えいたしましたような態度で対処してまいりたいと、こういうふうに思っております。
#153
○木島則夫君 先ほどお答えをしたような態度でということをもう一度具体的に言っていただきたいということと、長官、物価高騰の原因、その要因をいろいろ分析をいたしますと、確かに局長あるいは長官がおっしゃるように石油の高騰分というのが非常に大きなウエートを占めていることは私も率直に認める。しかし政府の御意思でコントロールできる公共料金というものの扱いが物価情勢とにらみ合わせてもう少し慎重に取り扱われるべきではないだろうか。そういうまた立場に企画庁というところがいらっしゃるわけだから、その辺もう少し機動性を持ってこれに対処してもらいたいというこの辺の希望を申し上げたいんだけれど、いかがですか。
#154
○政府委員(廣江運弘君) 国鉄の状況は先ほど申し上げましたような状況にあり、客離れという問題もございますけれども、やはり五十六年度におきましても運賃改定はやむを得ないところではないかと考えておるところでございますが、具体的な運賃改定に当たりましてはきめ細かな工夫をこらすなど、先生が御指摘になりました増収率、改定率等の問題も含めて十分に配慮してまいりたいということでございます。
#155
○国務大臣(河本敏夫君) 国鉄は値上げするたびにお客さんが減っておるわけでございますが、それは路線によっても若干違いますが、平均いたしまして運賃が民鉄のざっと倍である。こういうところに原因がありまして、民鉄が半分でお客さんを運んでおるということを考えますと、当然乗客が減るということは考えられます。
 で、公共料金を取り扱います一番の前提条件としては、経営の合理化を求めるということでありますが、実は公共料金関係の企業体にはここに一番問題があるのではないか、私はこういう感じがいたします。先ほども政府委員が答弁いたしましたように、実質は一兆数千億も赤字が出ておる、しかも値上げしても年々これがふえ続けるというこの体質をどうするのか。言葉をかえて言いますと、五十六年度の増税のほとんど全部は国鉄に持っていかれる、こう言っても過言ではない。こういう体質をどのように改善するかということは国全体の非常に大きな課題だ、こう思っております。そういう観点からこの問題に取り組んでいかなければなりませんが、私どもが常に注意を喚起いたしますのは、親方日の丸氏の考え方はどうしてもやめてもらう、これがやまりませんとどうしても合理化はできない、このことを強く感じておるところでございます。
#156
○木島則夫君 民間がそれこそ血へどを吐きながら歯を食いしばって減量をしている、合理化をしている中でいま長官が言われたような公共料金、とりわけ国鉄そのほかがそうですけれど、徹底してそういうところにこれからメスを入れていくべきであると、私はこういうふうに考えております。
 生鮮食料品、とりわけ野菜の高騰が物価上昇の主役であるところから、冬場の野菜の供給体制の完備が必要であることは先刻来述べられております。なるほど野菜供給安定基金を通じた契約野菜の出荷の強化であるとか、外国から緊急輸入をする、曲がった野菜など規格外野菜の出荷を奨励をする、あるいは露地栽培ものの生育促進、早出しなどに努力をされていることは私もよくわかるわけであります。しかし野菜の高騰が消費者物価を押し上げる主因になっていまして、一月で見ると、東京都区部では前月比一・一%上昇のうち野菜が何と一%分を占めている、こういった状況でございます。ここで細かい論議を私はお聞きしようとは思いません。寒波という大きな要因は当然考慮に入れた生鮮食料品供給対策もとっていらっしゃるんだろうと思いますけれど、経済政策を全体として統括をする企画庁として、現在まで行われている野菜供給対策、緊急対策ももちろん含めてでありますけれども、どこにどういう問題があってこういう点を改善すれば、例年決まったように起こる一―三月の冬場の野菜の供給不足からくる高騰を防げるか、経済政策全体をごらんになっている、統括をする経企庁として率直な御意見を聞かしていただきたい。いかがでしょうか。
#157
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほどこの問題につきましては農林省の政府委員から説明をしておられましたが、その大要は、野菜の生産はこれから数%の余裕を持って生産指導をいたしますと、こういう話でございましたが、数%の余裕を持った生産指導をするということになりますと、小規模な天候異変には対応できるが大規模な天候異変には対応できない、こういう説明がございました。そこで問題点は、大規模な天候異変に対応できるような野菜対策を進めますと相当資金にロスが出る場合もございます。政府の方ではそういう場合でも差し支えないというだけの決断をして相当大規模な余裕を持った野菜対策を進めますと、野菜の栽培を進めますと、異常気象の場合にも対応できるわけでございまして、ここが一番のキーポイントだと思うんです。いまのところ数%の余裕を持った栽培はいいが、それ以上の大規模な対策はなお合意を得られていないと、こういうことでございます。
#158
○木島則夫君 私もまさにそこを伺いたかったわけですね。多少の余裕を持っても――異常気象というのはことしあったからもう来年はないという断定はできませんね。むしろ一度あることは二度あって、二度あることは三度ある。私はこのごろの異常気象からすればそういうことは当然であろうと思います。したがって、多少のそこでむだというか、そういうものが出ても、広い意味での物価の抑制、物価安定という意味からすれば安いものにつくという、そういうきちっとした英断を持って物価対策に取り組んでいただきたい。長官、これを早速実行していただきたい、実行というか、提言をしていただきたいと、こういうふうに考えるわけであります。
 もう時間ございませんから最後に一問だけ。
 長官の所信の中で、一九八〇年代を展望した経済運営に触れておられます。そして国際社会への協調、貢献と経済的安全の確保に触れられて、「世界経済に占めるわが国経済の地位に照らしても、わが国としては、世界経済の安定と発展のために十分な責任と役割りを果たす必要」を強調していらっしゃる。確かに一昨年の東京サミットで日本、アメリカ、カナダなど三カ国の石油輸入抑制目標が設定された。その目標額からもはっきりしているように、西欧諸国が軒並み五年先横ばいである中で、日本が石油割り当てが大きく増枠をされたということは、国際社会の中での日本の経済の責任と役割りがいかに重いかということにもつながってくるだろうと思います。もちろんその後この修正などの動きもないわけではございませんけれど、私は日本の経済が安定して確実な歩みを続ける中で適正な成長を持続することが世界の経済に好ましい影響を与えることになっていくわけだと思います。しかもこのことは、国際協調に対する撹乱要因を取り除いて内需を高めることで協調をしていかなければならない。
 こういう視点に立つときに、どうも外需と内需のバランスが損なわれ過ぎている。外需依存に傾き過ぎたいまの経済運営を内需と外需とのバランスの上に立った経済運営に切りかえていくことが必要だと思います。条件整備をどう進めていくか、このことを御質問して私の結びといたします。
#159
○国務大臣(河本敏夫君) 最初のお話でございますが、大規模な野菜対策を進めました場合には、時と場合によりましたら廃棄処分しなければならぬかもわかりません、これは農家の収入をある程度保障しなければなりませんから。そこでロスが出るということを言ったわけでございますが、しかし野菜対策に必要なロスというものはそんなに大きな金額ではないと思うのです。でありますから、いまのお話は、少々ロスが出るようなことがあっても国民経済全体に何十倍何百倍になっていい結果が出てくるようなことであれば大局的な判断からこれを断行すべし、こういう御意見でございますので、真剣に検討さしていただきます。
 それから第二点は、外需型の経済から内需型の経済に切りかえよ、こういうお話でございますが、五十六年度はそういう方向に持っていこうと思っております。ただ、貿易立国でありますから貿易にもある程度は依存しなければなりません。現在までのところは、私は第二次石油危機による世界経済が一番悪い状態になっているときだと思うのです。OECDの見通しなど見ましても、これからだんだんよくなる、こういうことを言っておりますし、またそれは私どもも強く期待をしておりますが、そうなりますと貿易の摩擦もだんだんと減ってくるであろう。こう思われますが、しかし政府の基本方針は社会資本投資を中心とする、あるいはまた民間の設備投資を中心とする内需型の経済を五十六年度は進めたい、このように考えております。そして適正な成長を続けることによりまして雇用問題を解決する。同時にわが国経済の国際競争力を維持する。この基本路線を貫いていきたいと考えております。
 わが国の国際的な責任というものは、いろいろな点で重いと考えておりまして、特に経済協力の分野で今回も五年間で倍増するということを決めましたが、これは倍増するというよりもむしろ二倍以上にふやす、こういうことを決めたのでありますが、できるだけ発展途上国に対する経済協力あるいはエネルギーの分野で世界的な需給関係の緩和のために日本が広い立場に立って努力をする、こういう面に日本の経済の力を注いでいく、こういうことが非常に大事でなかろうかと考えておりまして、いまお述べになりましたことは、これも全く私どもは賛成でございまして、そういう方向で進めたいと考えております。
#160
○木島則夫君 ありがとうございました。
#161
○山田耕三郎君 私は先刻来申し述べておられます中で、物価指数の押し上げの元凶があたかも野菜であるがごとくにおっしゃられております。その野菜の立場に立ちまして、野菜価格と非常に密接な関係にあります生産及び流通対策を通して政府の物価政策をただしたいと思います。
 私たち当該この委員会は、先般東京中央卸売市場、わけても青果と野菜の一大拠点であります神田市場を見学いたしました。担当であります農林水産省の係のお方から事前に説明を受けました。本年の秋冬野菜は作付面積もふえております、天候も順調であります、そういったことから野菜の供給は安値基調を続けておりますということでございました。しかるに突然、十二月中旬から寒波の襲来によります天候異変、さらにはまた雨の少ないことといったことから、野菜の生育不良が出てきましたし、寒波のために凍傷を生ずる野菜も出てまいりました。当然のこととして供給が減ってまいりますから価格への影響が出てまいります、政府といたしましては、野菜安定基金等の制度を通じて供給をふやすことによって異常高値を抑止いたしたいという諸施策を講じておりますということで、市場には安定基金によります供給野菜が山積みにされておりました。見せていただいた限りにおきましては、かなりそれらの施策は順調に進んでおりますように思いました。
 ただ、いろいろの資料を見せていただきましたその中で確かに供給は減ってきております。けれども、供給が減っております割合よりも以上に価格の騰貴がはなはだしいという現実がありました。中には供給がふえておるのにかかわりませず他の商品との道連れで値が上がっておる、こういったことから委員の皆様方の中から価格形成の過程に作為的なものが介在をする疑問があるということが提起されました。私もそれらのことについて疑問を感じました。
 卸しの代表の方の御意見によりますと、そういったことはございません、高値になりましてもその割合で手数料をいただくことができません、われわれ業者の立場からすれば適正価格で安定供給されるのが一番望ましいというお話でした。
 本当にそうなんだろうかと私は思いまして野菜の生産団地を訪ねてみました。そこから返ってきます言葉は、そんなことはありません、規定どおりばっちりと引かれておりますということでありました。さらにまた他の政令都市の市場の経営者であります自治体について調査をしてみました。条例どおり八・五%は控除をされております、こういうことでありました。
 そうしますと、供給入荷量が減るわりに価格の騰貴がはなはだしいのでありますから、自由競争の原則からして利潤を追求することのみを本旨とした場合には高値の方が実入りが多い、こういうことになります。そういう現実から考えてみますと、やっぱり作為性が介在をするのではなかろうかという疑問が出てくるのもある意味では当然のように考えました。
 で、これらについて直接指導監督の責めにおいでになります農林水産省の担当当局のお考え方をお尋ねをいたしたいのと、もしそういう心配ありとすれば、その心配を排除するためにいかような手段をとっておいでになるのか、それをお尋ねします。
#162
○政府委員(戸田博愛君) 中央卸売市場におきます取引は、需要と供給の状況をできるだけ公正に反映させる、公開の場で公正な価格形成を行わせたいということで、先生も御承知のように、卸売業者が出荷者から委託を受けまして、それを多数の買受人が競りまたは入札の方法で価格を決定しておるというのが現状でございます。そういう意味では公正かつ公開の場での価格形成ということは言えると思います。
 また、この原則をできるだけ的確に行わせるために受託拒否、生産者が出したいというのを、きょうは荷が多いから出してはいかぬよというようなことは禁止をいたしております。あるいはまた量が入ったけれどもきようは少し荷を少なくして上場しようというようなこともさせないで、即日全量上場の原則で指導をいたしております。また当日の入荷量、上場量というものを公表をさしております。
 そういうことで、需給以外の要素は価格形成に入らないように市場の監督をいたしておるわけでございます。そういう意味から言えば、価格形成に作為が行われるということは全く考えられないわけでございます。
 ただ、先生も御指摘のように、競り、入札の方法で取引が行われておりますので、価格変動がややもすると大きくなるというこの弊害は、率直に言ってそのとおりだというふうに思っております。
 そこで、われわれもできるだけ大量取引の買受人あるいは大量の産地の間であらかじめ価格と数量を決めた予約相対取引を進めることによって価格が何とか安定しないものであろうかと数年にわたって努力してまいりましたけれども、現実には予約相対取引というものはほとんど――若干行われていますけれども、大勢を占めないということでございます。これはあらかじめ価格を決めておきますと、価格が上がったときに生産者の不満が非常につのる、逆にあらかじめ決めた価格よりも価格が下がりますと買受人の不満がつのるということで、そういう予約相対取引が進まないわけでございまして、そういうことで私たちもできるだけ予約相対取引が何とか進む方法はないものかとせっかく検討、研究をいたしておるというのが現状でございます。
#163
○山田耕三郎君 確かにお答えになりましたようにそのように運営をされなければならないと思います。けれども、巷間いろいろの意見が出てまいります。
 ただいま私が申し上げましたように、卸しの側の代表される意見は、生産者やさらには市場の経営者である自治体からは否定をされております。けれども、案外この卸しの側のお言葉というのが実際であるのではないかと思われる前もなしといたしません。それは条例の規制を受ける段階までは守らなければなりませんけれども、それを離れてしまった後におきます過当競争のための原資として利用されるようなことがあってはこれはならないと思いますし、そこまで考えたくはありませんけれども、その辺に対する指導監督のあなたの方としてはどういうお考えを持たれますか。
#164
○政府委員(戸田博愛君) 先生の御指摘が具体的にどういうことであるか必ずしも明らかではございませんが、過去数年間の卸売市場取引の過程で一部の市場において仕切りを改ざんするというような不正が行われた例が全くないわけではございません。したがいまして、われわれといたしましては開設都市等を指導し、あるいはまた私たちが直接検査をいたし、厳重にそういうことのないように指導をいたしておりますし、またそういう不正に対しては非常に厳重な処罰をいたしたところでございます。
#165
○山田耕三郎君 それでは問題を次に移します。
 こういったことに関連をいたしましてある生産団地を調査いたしました。たまたまそこには新聞社の取材班も訪れておられました。お話を聞くともなく聞いておりますと、訪れになりました最初の想定は、ほくほくの野菜生産団地、こういったタイトルを希望しておられたように思います。ところが、現実にそこで取材をされました翌日の紙面では、野菜高値に無縁、政府奨励は市場混乱、役人発想にそっぽ、こういったタイトルが出ておりました、その理由について若干御参考までに申し述べさしていただきたいと思います。
 私たちのこの生産団地は加工用野菜主体の生産地でありますけれども、一部軟弱野菜も生産をいたしております。安値で採算割れのためにすでに一部はすき込んでしまいました。ところが、最近ようやく市況が持ち直してきましたところへ政府のこの価格抑制策であります。また腰を折られました。毎年毎年同じようなどろなわ的政策をやめていただきたいと思います、ということでありました。中には、たくさんの生産団地ですから、こういうところもありますと思います。けれども、私としましては、これだけ集荷が品薄になっておりますときに農水省としておとりになります手法はやっぱりあれでよかったと思っておりますけれども、こういった団地もありますということをひとつ考えておいてやっていただきたい。そういうことからいたしましていまのようなタイトルになったのだと思っております。
 あるいはまた市場を経営なさいます自治体制の意見として次のようなことがございました。われわれも産地との契約栽培は行って安定供給に心がけております。さらに外国野菜の輸入も対象として対策を立てております。しかし、いずれにしてもわれわれの経済力は弱く経済規模も小さい。したがって国の大きな力で対応していただきたい。何よりもお願いをいたしたいのは、時期を失しないようにしていただかないと効果が薄れますという意見でありました。
 供給不足に対する心理的不安が相場に大きな影響を与えるのは当然だと思います。したがって私自身は、供給不足が顕在化する時点まで手を打つことをこまねいておってはいけないように思います。そういうことになりますと、先ほど長官が申されましたように、やっぱりかなりの安全係数を見込んで栽培契約等行っていただかなければならない。そういったところには確かにむだは出てまいります。けれども、毎年毎年同じ愚を繰り返すことから救われていくのではないか。そういうことからいたしまして、私は一つは平素からの対応策、すなわち買い入れでありますとか、契約栽培等をもっと大きく、しかもしっかりと準備をしておいていただくことが一つ。
 もう一つは、情報の収集に努めていただいて、特に生産地の現状認識を的確にしておいていただきたい。
 ある団地へ参りました前日に、地域の農政局から出荷督励に参られましたようであります。これに対しても、いま私のところへ出荷督励に来ていただいても出荷する野菜がないということがなぜわからないんでしょうという批判が出ておりました。しかしそれは酷だと私は言いました。それはこういう時期だから行政当局としてもしょっちゅう回っておるわけにはまいりませんので、こういう機会にお訪をしてごあいさつをするということも当然なことではないですかということを言っておきましたけれども、せっかく市況が回復しておりますところへもってきて腰を折られたこととあわせて、そういう不満が出てきたのではないか。しかし、それはそうとしましても、やはり情報収集に努めていただいて現状認識を的確にしておいていただきたい。
 三つ目は、先ほども申しましたように、時期を失しない対応が肝心でありますということを考えました。
 そういったことに対しまして、政府御当局の見解と、もし今日までとってこられました施策に対してここはこうしたらよかったという反省等ありましたら、あわせてお答えをいただきたい。
#166
○政府委員(戸田博愛君) 実は私も産地督励に参りました。産地で大変おしかりを受けまして、五十二年、五十三年は野菜の価格が大暴落をした、そのときにはだれも来てくれなかった、こんなに高くなったらすぐ輸入するんですかというおしかりを受けました。
 しかし私たちが緊急の高値の対策をしておりますのは、野菜について個々の野菜の時期ごとに一応趨勢値価格というものをめどとして持っております。その趨勢値価格前後であれば何も緊急対策をやるわけではございませんで、趨勢値価格の二倍あるいは一・七倍というような状態であったから緊急野菜をやったということで、産地の皆様には納得していただくような努力をいたしておりますが、いまおっしゃいましたように、せっかく価格が出たら腰を折られたという産地も確かにあることはそのとおりだというふうに思います。
 そこで、私たちといたしましては、現在百三十七の都市を指定消費地域として指定いたしております。それから千百に及ぶ指定野菜産地を持っております。この二つの指定野菜産地と指定都市とを結びまして、時期的に需要に見合った野菜を供給していくということを基本にいたしております。そのために各段階で生産出荷協議会等をつくって出荷をやっていくということを基本方針としてやっておりますし、産地の状況はできるだけ把握いたしているつもりでございます。
 しかし、先ほど来御議論ございましたけれども、十分な余裕を持ってということで、私たちは通常の不作に耐えられる数%の余裕というのを、特に価格の変動の激しい秋冬期の大根、白菜、キャベツあるいは夏秋キャベツ等にもやろうとしているわけでございますが、その場合私たちが一番心配しておりますのは、豊作になったときに果たしてその野菜をどうするんであろうか。農家はせっかくつくった野菜を破棄するということに対して非常に心理的精神的抵抗感を持っております。あるいは都市の住民の方々もせっかくできたものを捨ててしまうのかということに対して非常に強い拒絶反応を持っておられる面も否定できないと思います。それらを勘案しながら、先ほど長官からも御答弁ございましたけれども、野菜価格の安定をどうやって図っていくかということについてはさらになお一層研究をしていかなければならない問題だというふうに思っております。
 それから時期を失しないでやるべきではないかということについては、全くそのとおりでございまして、ただ、これも大変弁解がましくてお許しをいただきたいと思いますが、冬場の二月ごろの葉物類というのは突如生育をとめます。温度が下がりますと突如として生育がとまります。野菜はうまく出荷できるようにずっとつくっていっておりますけれども、ある気温が来ると突如として出荷をとめます。同時に、これは経済学の原則と反するわけでありますが、寒いと葉物類の需要は伸びるわけでございます、ふえるわけであります、なべその他の需要で。そのかわり逆に暖かいと需要が減って供給は促進されるということでなかなかうまくいかないんでございますけれども、先生の御指摘を十分今後念頭に置きながら機動的に対処してまいりたいと思います。
#167
○山田耕三郎君 次の問題ですけれども、これは生産団体の話です。物価指数引き上げの元凶が野菜であるというように喧伝をされますことには納得はできませんし、困っておりますということでした。さらにまた天候不順による作柄不良で供給の不足という、そのことのみが野菜価格の異常な高騰の原因であるごとくに言われておりますけれども、それも得心はできません。なぜなれば、卸売市場を中心とする流通機構の矛盾も大きな要因であることを忘れていただかないようにお願いをしたい。すなわち、現状の流通機構の中では異常価格が形成される仕組みがあるように思います、したがって、われわれ生産者側では政府の施策の全きを得て安定供給を図ります。しかし同時に消費地側における流通機構を改革していただかなければ、野菜の異常な乱高下の現象はいつまでも続くでしょうという意見でありました。この意見には私も聞かなければならない基本的なものがあると思いました。
 そういったことから、流通の機構は現状でよろしいと思っておられますのか、大変むずかしい問題であるけれども何らかの手だけをしていかなければならない、このように考えておられますのか、その辺のお考えを簡明にお願いをいたします。
#168
○政府委員(戸田博愛君) 生鮮食料品の流通の問題につきましては、もう数十年来いろいろ研究をいたし、いろんな試みもいたしましたけれども、なかなか十分な成果をおさめていないというのが実態であろうというふうに思います。われわれといたしましては、卸売市場を通じる流通が流通の大宗を占めるという事態は変わらないと思いますけれども、競争原理を導入するという意味で、いろいろな流通形態が育ち、そしてそれがお互いに競争をしながら価格の安定に努めて価格の安定を実現していくような、そういう新しい流通経路についてもいろいろ――時間がございませんので詳しくは申し上げられませんけれども、そういう新しい流通機構の試みも今後も続けていく必要があるというふうに考えております。
#169
○山田耕三郎君 関連をいたしまして、いま世間で一般的に考えられておりますことは、正常な競争のもとで適正な価格形成を期待するためには、現在のように二山場複数制を継続していくべきだという意見が支配的のように思います。ただ、一部荷受け機関間の無益な競争をなくするためには、むしろ二山場一社、すなわち単数制にすべきなどの意見もあります。これに対してはどのようにお考えになりますかお答えをいただきたいと思います。
#170
○政府委員(戸田博愛君) やはり競争ということが長期的に見て価格の安定を期するゆえんであろうというふうに考えておりまして、われわれとしてはできるだけ一市場複数、しかも過当競争による弊害を排除するという意味で、一中央卸売市場二卸売会社というような方向が望ましいのではないかということで指導その他を行っておるところでございます。
#171
○山田耕三郎君 それではただいま言いましたように一市場一社、すなわち単数制になりますと独占的運営がなされる、こういうことにもなります。さらには複数制の場合には過当競争が行われる、こういう意見も出てまいります。その過当競争をなくするための手だてはありますか。
#172
○政府委員(戸田博愛君) まあ過当競争防止の手だて――過当競争が行われた例はいろいろなところにあるわけでございますけれども、その結果は卸売会社の経営の行き詰まりの問題として起こっている市場も一、二過去にあたったわけでございます。そういう意味で現在の卸売市場法のもとで、あるいは各都市がつくっております条例のもとで適正な運営をして、しかも一部門複数、特に二社というのが、いろいろな問題はありましょうけれども、よりベターなのではないかというふうに考えております。
#173
○山田耕三郎君 それでは最後に経済企画庁長官にお尋ねをいたします。
 短い時間でございましたので意は尽くせておりませんけれども、いままで申し述べてまいりましたとおり、本年一月の物価指数が対前年比東京都区部で六・八%の上昇ということは先ほども出ておりました。しかしこの場合に野菜は対前月比は上昇いたしておりますけれども、対前年比ではむしろそれは安いということでございまして、そういった点から、物価指数を押し上げます元凶は野菜ではなしに他の品目にあるのではないか、私はこのように思います。いままでの論議の中でも出ておりましたけれども、政府御自身がお決めになったり、さらにはまた介入をされますところの公共料金でありますとか、独占価格品目などの上昇が原因でありますことはほぼ御意見の中に出ておりましたように思います。
 ただ、私がここで特にお願いをいたしておきたいのは、先般の二十七日の閣議の模様が新聞に出ておりました。私らは寡聞にして活字でしか知ることができません。その中で総理は物価指数の見通しを改めなければならない事態はまことに残念であると申しておられます。これは総理にとっては残念なことでありますけれども、国民の皆様にとりましては、物価高のために直接生活に響いてきますということできわめて重要な問題であります。だから当然のこととして、「しかし最重点政策であることは変わりないので、最善をつくしてやってほしい」という旨指示をされたと出ておりますけれども、今日政府の予算に取り入れられております諸施策は、私はそれぞれの担当の部署で熱心にやっておいでになりますことと存じます。そういうことを続けてやってきておられましてもなおかつ現状でありますということから考えれば、単にそれらに努力をしてくれという指示でなしに、ここいらで具体的な明確な施策を出していただかなければならないのではないか、このように思っております。間違ったらお許しをいただきたいと思いますけれども、実質賃金がマイナスになっておるという中で今日までの政府は野菜以外の品目に強力な価格対策を打たれてきただろうか。しかもその野菜だけをとってみましても、流通サイドの改革を抜きで進めてきておられるように思います。いまのように流通機構の矛盾の中にも物価を押し上げる大きな原因があるとすれば、これを抜きにしては物価対策を解決できないと私は考えております。
 で、そういったことを前提とされまして、その責めの中心においでになります長官の今後のお考え方、たとえば公共料金は凍結するというくらいの思い切った施策で対応しない限りには、やっぱり目標達成は困難なように私は思いますけれども、御所見を承らしていただいて質問を終わりたいと存じます。
#174
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど来野菜の問題につきましていろいろ現地等をお調べになりまして、改心をついた議論を拝聴いたしまして大変参考になりました。まさにお述べになりましたところが一番の中心点であろうと思いますので、今後の野菜対策につきましては、農水省と御指摘いただきましたような点につきまして十分相談をしてまいりたいと考えております。
 なお、物価問題の基本は何と心得るかというお話でございますが、いろいろな角度から私は考えていかなければならぬと思うんです。何と申しましても、生産性の向上ということだと思います。アメリカ、ヨーロッパの国々がいま一番困っておりますのは、生産性の向上のための努力を怠ったというところにインフレ問題があるわけでございますので、引き続いてこの生産性の向上には一刻も油断することなく努力を続けていかなければならぬと考えております。
 それから石油問題からくる悪い影響を最小限に食いとめるためには、省エネルギー対策が必要であります。昭和四十八年以降むしろ数年間石油の輸入量が減っておるということは、それだけ省エネルギー対策が進んだということでありますが、なお昭和六十五年までの十年間の目標がございますので、これを達成するために引き続いての努力が必要であろうと、こう思っております。
 それから昨年の三月以来数回にわたりまして政府の方では物価対策を決めましたが、これは数項目あるいは時に十数項目決めておりますが、一番の中心は生活関連物資の需給関係に留意をするという点でございます。物の値段は需給関係によって決まるわけでありますから、今後も特にこの需給関係については全体として十分配慮してまいりたいと思います。いま御指摘になりました公共料金それから生鮮食料品、こういうものを全部あわせまして総合的に対策を進めることがいま必要であると考えておりますが、いずれにいたしましても、現在のところ物価問題が最大の政治課題であり、また最大の経済問題であるという点を十分認識をいたしまして今後も努力を続けてまいりたいと考えております。
#175
○委員長(丸谷金保君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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