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1980/03/25 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第4号
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1980/03/25 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第4号

#1
第094回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第4号
昭和五十六年三月二十五日(水曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     加藤 武徳君     板垣  正君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山崎  昇君
    理 事
                山東 昭子君
                増岡 康治君
                坂倉 藤吾君
                馬場  富君
                沓脱タケ子君
                中村 鋭一君
    委 員
                板垣  正君
                梶原  清君
                亀長 友義君
                坂野 重信君
                関口 恵造君
                内藤  健君
                森下  泰君
                山崎 竜男君
                高杉 廸忠君
                戸叶  武君
                本岡 昭次君
                小平 芳平君
                中野 鉄造君
                江田 五月君
                美濃部亮吉君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
       建 設 大 臣  斉藤滋与史君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       中山 太郎君
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    安孫子藤吉君
   政府委員
       総理府総務副長
       官        佐藤 信二君
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       仲山 順一君
       警察庁交通局長  池田 速雄君
       運輸省船舶局長  野口  節君
       運輸省船員局長  鈴木  登君
       運輸省鉄道監督
       局長       杉浦 喬也君
       運輸省鉄道監督
       局民営鉄道部長  犬井 圭介君
       運輸省自動車局
       長        飯島  篤君
       高等海難審判庁
       長官       松本金十郎君
       建設省都市局長  升本 達夫君
       建設省道路局長  渡辺 修自君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       法務省刑事局刑
       事課長      飛田 清弘君
       大蔵省銀行局保
       険部保険第二課
       長        松田 篤之君
       国税庁直税部法
       人税課長     四元 俊明君
       文部省体育局学
       校保健課長    長谷川善一君
       運輸大臣官房審
       議官       棚橋  泰君
       運輸省自動車局
       整備部長     宇野 則義君
       会計検査院事務
       総局第一局審議
       官        竹尾  勉君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法及
 び踏切道改良促進法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関
 する調査
 (交通安全対策の基本施策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山崎昇君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法及び踏切道改良促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。斉藤建設大臣。
#3
○国務大臣(斉藤滋与史君) ただいま議題となりました交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法及び踏切道改良促進法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 交通事故の防止は国民共通の願いであり、従前より、国、地方公共団体等が一体となって各般の交通安全対策を強力に実施しているところであります。
 この結果、交通事故は年々減少の傾向をたどってまいりましたが、最近に至って再び増加の兆しが見られ、昭和五十五年においては、交通事故による死者は八千七百六十人、負傷者は約六十万人に達しており、その状況には、依然として憂慮すべきものがあります。
 このような情勢に対処するため、現行の計画に引き続き、昭和五十六年度以降の五カ年間において、交通安全施設等整備事業に関する計画を作成し、総合的な計画のもとに交通安全施設等整備事業を実施するとともに、踏切道についても、現行の措置に引き続き、昭和五十六年度以降の五ヵ年間において、その改良を促進するための措置を講ずる必要があります。
 したがいまして、法律案といたしましては、第一条で、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正し、昭和五十六年度以降の五カ年間において実施すべき交通安全施設等整備事業に関する計画を作成することとするとともに、第二条で、踏切道改良促進法の一部を改正し、昭和五十六年度以降の五ヵ年間において改良することが必要と認められる踏切道について指定することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださるようお願いいたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(山崎昇君) 次に、本法律案及び公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査のうち、交通安全対策の基本施策に関する件を便宜一括して議題とし、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○本岡昭次君 まず私は、児童生徒の交通安全の問題についてお伺いをいたします。
 文部省、来ていますね。文部省の交通安全事業計画書、昭和五十五年五月に出されたその計画の中に、本年度「幼稚園、小学校、中学校及び高等学校における交通安全指導の実施状況及び児童・生徒等の通学の状況について調査研究を行い、今後の指導の充実に資することとする。」と、こういう項目があるんですが、この調査研究は行われたのか、行われたとすれば、その状況の概略はどういうことであったのか、御説明を願えればありがたいと思います。
#6
○説明員(長谷川善一君) 先生お尋ねの小学校、中学校、それから幼稚園から高等学校も含むわけでございますが、現在日本交通安全教育普及協会という財団に委嘱いたしまして調査中でございます。三月の末までに結果が出るというぐあいになっております。
#7
○本岡昭次君 それで、いまの大臣の提案理由の中にもありましたが、交通事故による死亡が八千七百六十人ですか、負傷者が六十万人、依然としてその内容は大変なものがあるわけですが、この中で、幼稚園も含めて小中高のそれぞれ児童生徒はどの程度の人数を占めているんですか。
#8
○説明員(長谷川善一君) 私ども警察の方からいただいております統計によりますと、幼稚園、小学生で全体に占める割合は六%程度と聞いておりますけれども、なお通学の途次、幼稚園、小学生、中学生、高校生が通学の途次に占める死亡者の数というのは、毎年二百数十名に上がっております。
#9
○本岡昭次君 その傾向はどうですか。だんだんふえていっているとか、減っているとか、同じような状態とかという。
#10
○説明員(長谷川善一君) 傾向といたしましては、近年、ここ十年ばかり、昨年もそうでございますが、幼稚園、小学生につきましては年々ずっと減少の傾向になっております。中学の高学年から高校生につきましては、近年やや上昇しておるという状況でございます。
#11
○本岡昭次君 文部省としてつかんでおられるやや減少、やや増加という傾向の理由として、どういうことをお考えですか。
#12
○説明員(長谷川善一君) 減少いたしております小学校、中学校の生徒あるいは幼稚園の児童につきましては、一つはハードな面で、通学路の整備が徐々に進んでまいったということが一つでございます。もう一つは、過去十年になりますけれども、小中学校、幼稚園から始めまして交通安全教育を学校でも行い、地域でもいろいろな機会に行うというソフトな面での効果もあったのではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
#13
○本岡昭次君 それから高等学校がふえているという……。
#14
○説明員(長谷川善一君) ただいま申し上げました高校生について若干の増加があるというのは、主として二輪車、バイクでございますが、それから四輪車、自動車で多数乗りまして暴走をする傾向があるというような状況の結果による増加ではないか、こういうぐあいに考えております。なお、詳細につきましては、警察庁の方から昨年度の資料を近々いただきまして、なお検討してみたいと考えております。
#15
○本岡昭次君 「小学校安全指導の手びき」それから「中学校安全指導の手引」「高等学校・交通安全指導資料−主として二輪車に関する指導−」こういうものが文部省からそれぞれ出されて、私もずっと読ましていただいたんですが、なかなかいいものだと、こう私も思いましたが、これはそれぞれ定価が二百円、二百四十円とついているんですが、これの配布先、そしてどのくらい文部省の方からこれが出ているのか、またそれぞれ学校教育現場でどのようにこれが活用されているのか、その点についてひとつ御報告してください。
#16
○説明員(長谷川善一君) 小学校の安全指導の手引を一九七二年、中学は七五年につくりまして、これをつくりました当時、全国の各小学校、中学校にそれぞれ無料で全部行き渡るように配布いたしました。その後、なお学校あるいは教育委員会、さらにそのほかの方々の求めに応じまして廉価でお分けすることができるようにということで、日本学校安全会でこれを引き続き発行してお分けするという措置をとったわけでございますけれども、これにつきましては小中学校ともすでに六万から八万の部数が出ているやに安全会の方では申しておるところでございます。高等学校の二輪車のものにつきましては出てからまださほどの日がたっておりません。各高等学校に全部配布いたしましたけれども、それから後につきましてはちょっと承知していないところでございます。
#17
○本岡昭次君 先ほども、調査が行われて三月にまとまるということのようですが、やはり大事なのは、これだけのものをつくられて、そしてこれが教育現場でどのように活用されているかということではないか、こう考えるんですが、学校安全会に任せ切りではないと思うんですが、やはり文部省として、都道府県あるいは市町に対して交通安全の教育についての積極的な取り組みをさらに要請を、あるいは指導をしていかれるべきであろうと、このように考えます。今後ひとつ、この調査の結果を聞かしていただいて、それに基づく具体的な施策等についてはまだこの場でもお伺いをしていくように、こうしたいと思います。
 そこで、いま文部省の方としての取り組みについて報告があったわけですが、いまの報告を聞かれて警察が一番かかわり合いが深いんじゃないかと思うんですが、学校等にも出向いて交通安全指導をされる、私もそういう現場に居合わせたことがしばしばあるんですが、自治大臣として、この警察側の対応と学校側の交通安全の連携、こうしたものについて、現状これでいいというふうに考えておられるか、いや、まだまだそこは不十分な点があると思っておられるか、そうした点につきましてひとつお願いしたいと思います。
#18
○政府委員(池田速雄君) 学校におきます交通安全教育につきましては、ただいま御指摘のとおり、児童生徒の段階から交通社会の構成員としての責任を自覚するという意味でも大変重要なことであろうと考えております。したがいまして、より積極的に学校の方でもお取り組みいただきたいと思いますし、私どもも協力を惜しまないつもりでございます。
 御参考までに申し上げますと、警察官等が関与いたしました、五十四年中でございますけれども、学校での交通安全教育の実施状況を申し上げますと、自転車教室という形で実施いたしましたものが、延べにいたしますと二万七千回で、対象の児童生徒が約六百五十万でございますし、交通教室という形で実施いたしましたものが、延べにいたしますと約三万一千回で、対象の児童生徒が七百三十四万でございますし、講習会という形で実施いたしましたものが、延べにいたしますと二千九百回でございまして、約九十九万人の生徒を対象といたしておるわけでございます。特に小学生、中学生につきましては、歩行者としての立場あるいは自転車乗りとしての立場等につきまして教養がされておるわけでございますが、問題は、これから御検討いただきたいのは高校の段階のものであろうかと思いますので、関係の機関等ともよく相談をいたしまして、警察といたしましてもできる限りの手を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
#19
○本岡昭次君 それでは、次に進みます。
 そこで、いま中学校を中心に学校統合というものが相当進んでいるわけで、一町一中学というふうな形態が財政上の問題を含めて進行をするわけです。あるいはまた新設校も都市部においてたくさん開校をされていますが、そのときに私は最大の問題になっているのが、安全な通学道路をどう確保するかという問題であろうと思っているんです。昔からある中学校というのは、それぞれ通学道路というものが伝統的に確保されていて、やはり一般の生活道路、子供の通う通学道路、そして大量の交通機関が走るそうした幹線道路というものがうまく生活の中に区分けをされていたのが、一町一中学というふうな広域に通学範囲が広がると、勢い中学生は県道、国道を利用して自転車で通学しなければならないという状況下に置かれて、大型のトラックがひしめいて走る中を、ヘルメットをかぶり、それから、たすきに螢光塗料を塗って、かさを差すときにはそれを、色づけのかさ等さまざまな自衛手段を講じて県道、国道を並んで通学する風景が生まれているわけなんですね。そこを通らなければとにかく統合された中学校へ通えない、こういうことであるわけなんです。幸い事故が起こらないからいいものの、何か事故が起これば、一列に並んで走っているんですから、もう大量の子供が事故に遭うという状況が私の兵庫県にもたくさんあるわけで、それで自衛手段としてヘルメットを強制的に子供たちに買わしている、こういうこともそこに起こっています。それから、過密都市の中で新設校をつくった場合に、その学校に通う道路というのも確保が非常にしにくくて、結局親が出て、その子供たちの登下校の安全を確保するためにボランティアみたいなことを絶えず当番でやらなければならないということが起こっているのですね。
 そこで、私の提案、文部省の考え方の中にもそういうようなものが出ておりますけれども、統合された学校が開校するとか、あるいは新設校が開校するときの許可条件として、子供たちの通学道路というものが完全に安全な状態で確保されているかどうかということをそれぞれ関係の、責任者は教育委員会が中心になると思うんですが、警察もかかわってもらわなければなりませんけれども、そういう開校許可の一つの条件として通学路の確保というものを取り上げていくべきではないか、このように思う。逆に言えば、学校ができても子供たちが安全にそれぞれの居住地域から通ってくる道、帰る道、そういうものが特定されてそれが安全であるということの保障がない限り、またその保障を具体的に措置できるまで開校させないというぐらい厳しいものが子供たちのためにはあっていいんじゃないかと思うんですが、この点について建設省なり、あるいはまた警察の立場、また文部省の立場、それぞれからひとつ御見解をいただければありがたい、こう思います。
#20
○政府委員(渡辺修自君) ただいま先生からお話のございましたように、やはり通学時における交通安全の確保につきましては、私ども最も大事なことと考えております。従来からも通学路を中心に、歩道であるとか自転車道であるとか、横断個所につきましては横断歩道橋といったものを優先的に実施をしてまいりました。しかし、ただいま御指摘にありました学校の新設、統合といったような問題が出ました場合、計画時点からやはり十分関係の方々と調整を行うということが必要でございましょう。そこで、たとえば御指摘のような事例でございますと、裏通りがあれば極力そこを利用し、表通りを通らなきゃいかぬところについては、自転車道なり歩道を整備する、こういうような調整でございますが、こういったことを行い、公安委員会の行う交通規制とも連携を図りつつ学童の、生徒の安全な通行が確保されるように今後とも努めてまいりたいと考えております。
 なお、御参考までに申し上げますと、従来からやっておりましたこの特定安全事業に占めます通学路事業の割合でございますが、各年によりましてそれぞれ若干の差はございますけれども、おおむね七割程度この通学路事業に充てているところでございます。
 なお、学校統合の問題に関しましては、あるいは場合によりましてはバス運行という、学校バスという問題もございます。これにつきましては、いわゆるバスが安全に通行できるような道路整備という問題もございますので、この点につきましても十分今後とも意を用いてまいりたいと存じております。
#21
○政府委員(池田速雄君) 学校周辺の道路につきましては、スクールゾーン設定をいたしまして、歩行者用の道路でございますとかあるいは大型自動車の通行の禁止をいたしましたり、路則帯を設けたりといったような交通規制を集中的に実施しているわけでございますが、問題は、御指摘がございましたとおり周辺部分だけでなくて相当長距離にわたる通学帯というのが出てきている場合に、そこの安全がなかなか期しがたいのじゃなかろうかと、こういうようなお話でございますので、ただいま建設省の方からもお話がございましたとおり、警察といたしましても道路管理者その他の関係者と十分協議いたしまして、たとえば自転車通学の多いところでございますと、自転車の通行を認めます歩行者用の道路でございますとか、あるいは自転車の横断帯をつくるとか、そういった交通規制の面等もあわせまして相談を進めながらできるだけ事前に対策を打っていくように努力してまいりたいと思います。
#22
○説明員(長谷川善一君) 文部省といたしましても、特に通学路につきましては十分な配慮を行うように、努力いたしてきておるところでございます。
 学校及び教育委員におきましては、PTAそれから警察、道路の管理者、そういった方々の協力のもとに道路事情や交通事情を的確に把握して、児童生徒の通学路を指定いたしまして、通学路の安全点検、それから交通安全施設の整備、スクールゾーンの設定の促進、そういったことを積極的に推進しておるわけでございます。本岡先生御指摘の統合の際につきましても、かようなことをなお一層十分に配慮するように指導してまいりたいと、かように考えております。
#23
○本岡昭次君 これはちょっと大臣の見解をお伺いしたいんですが、具体的にはそれぞれの責任あるところで対策は進められているようですが、先ほど私が言いましたように、道路の方は交通量はふえる一方、それで子供たちはたすきがけでヘルメットをかぶって自衛手段を講じながら通学をやっているというこういう状況、結局子供の側がそれを自衛手段として、ヘルメットをかぶってやるという状況をいつまで続けなければならないのかということですよね。何か対策というのが非常に手ぬるい、万一事故があってということでは遅い、このように思う場面がしばしば私たちの地域では一般の人たちの目にも親の目にも何とかならないかということなんですが、ひとつ大臣いまのようなことでやっても、私が言っている状況は一向にこれはなくならないのじゃないかと思うのですが、どうですか。
#24
○国務大臣(斉藤滋与史君) 建設省道路管理者として若干御意見を申し上げますれば、過密化しつつある地方都市あるいは大都市を含めて学童の増加というものは非常に著しいものがございます。したがって、いままでのように分散方式の教育の場から、集中方式というような形で合併という問題が起きてきたわけでありますが、その立地で、私も経験がありますけれどもうまいぐあいに通学児童を守るような形の環境に学校を建てるというような状況になかなかなりません。したがって、それはそれとして道路管理者としては何とか先生御指摘のように、次の時代を担う大切な国の宝ともいう児童が、安全に学校へ通えるという環境づくりをすることは私たちの当然の責任であろうかと思います。
 具体的にどのようにするかといいますと、やっぱり学校が建つということの方が先行されておる状況ではありますけれども、後先ということでなく、先ほど道路局長からもお話がありましたように、よく環境を精査して、とにもかくにも通学児童をそうした交通公害から守るということの使命感を持って指導してまいりますれば、少なくともいまのような状況にさらすようなことでなく、児童が安全に通学できるのではなかろうかと思います。
 具体的に申し上げますれば、とにもかくにも交通安全施設の整備、細かい配慮を持って特別通路を設けるもよしあるいはバス通学を考えるのもよし、いろいろな面で総合的にひとつこの問題については前向きで対処してまいりたい、このように考えているものでございます。
#25
○本岡昭次君 どうか子供たちが身に危険を感じ、そしてその通学途上に自分で自分の命を守りながら必死になって通わなければならないというこういう条件だけはやはり省いてやらなければ、それは統合をして学校が近くなった子供は時間も有利だし、またそうした精神的な重圧、命をかけて通っているというふうなことをやっている子供たちと比べて、当然学校において学習する状況も違いましょう。ぜひ先ほどの学校バスというふうな問題、あるいはまた交通施設というものが、子供たちの通学についてもっと有利な条件に設備されるよう関係の各省庁で十分ひとつ話し合って子供の立場に立って一遍話し合っていただいて、やはり学校を開設するときにはもっと厳しく通学路というものの確認を私はやっていただきたい、このように要望をしておきます。
 それから、一方そうした状況もあるかと思えば、ある学校においては完全に通学用の専用道路というものがつくられている学校もあるんですね。そこは一切車が入ってはならぬ、子供たちが通う道なんだということで特別に道が設置されているという学校もあるんで、私はこれからそういうふうなことがどのようにしてできるのかということも調べて、またいろいろ御協力をお願いしたいと、このように思います。
 それで、次の問題に入っていきますが、もう一つ子供の立場から交通の問題を見る場合に、信号にしましてもそのほかの安全を確認するさまざまな施設、これは道路の問題もそうでしょうが、やはりこれは健全な大人を対象にしてすべてがつくられていると思うのです。大体それは平均の身長が一メートル六十五とかあるいは一メートル六十六とかあるいは車の速さに対してその人がどれだけ対応できるかとか、さまざまな知覚、聴覚、身体の動きあるいは目の高さ。ところが子供というのはそういうことからすればいわゆる交通弱者というのですか、そういう立場にあって、大人のためにつくられたそれを子供が精いっぱい、大人に合わせて対応しているという状況ではないかと思うのです。身障者もそういう立場にあったようですが、これは小鳥の声が聞こえたりあるいはまたオルゴールがそこについておって音楽が流れて信号の状況が目の御不自由な方もわかるというふうなことになっているわけなんですが、やはり私はこの健全な大人を対象にしてつくられたものに対して言葉は余り好きじゃありませんがさまざまな交通弱者と言われる人たちがいるのですから、そういう立場に立った交通信号のようなものの配慮がさらに続けられなければならないと思うのですが、それで、子供というものを特定して交通安全施設についてぼくはほとんど配慮がされていないのじゃないかと、こう考えるんですが、その点についていかがでございますか。
#26
○政府委員(池田速雄君) 道路利用者は大人だけでなくて子供ももちろんおるわけでございまして、しかも守らるべき立場におるわけでございますので、そういった観点から私どもとしてもできる限りの努力はいたしているつもりでございます。
 たとえば信号機につきましても従来は車だけの信号というのが多かったわけでございますけれども、歩行者用の灯器というものをできるだけつけたいということで、実は現在約二十二万灯ほどストックがあるわけでございますが、今回お願いいたしております新しい五カ年計画につきましてはこれにも重点を置きまして、新しく十一万灯ほどつけたい、こういうふうに考えておるわけでございます。それからまた、押しボタン式の信号機でございますけれども、これを今回の五ヵ年で六千基ほどはつけたい。現在約二万のストックがございますので、六十年には二万六千基ほどにいたしたいというふうに考えておりますが、特に押しボタン式の信号機につきましては、押しボタンの位置も従来とは違いまして工夫いたしまして、子供さんが十分手が届く、あるいは車いすに乗っておられる方でも手の届くような位置に設ける等の工夫をいたしておりますし、今後ともそういった努力を重ねてまいりたいと思います。
#27
○本岡昭次君 私もここでこういう方法をとってはどうかというものについて余りいい案を持っておりませんので、また十分私も考えて、そうした子供の立場から交通安全のいろんな施設等はどうあるべきかということについて意見も出させていただきたいと思います。
 それでは次の問題に入りますが、最近は生活道路への車乗り入れ禁止というものが拡大をしてきて、子供たちの生活を守るのに非常にいいと。文部省の方も遊戯道路というふうな言葉を使って子供たちの遊び場確保ということの提案もされているようで、まことに結構だと思うんです。車を乗る側にすれば、私も車に乗る側によく立つんですが、そこの道に入れなくて困ることもありますが、しかしこれは車を利用する人の立場に立つので、そこに生活していた人たちが昔からそこの地域の生活道路として、あるいは子供たちの路地裏文化というんですか、昔からかんけりやあるいは隠れんぼうだとかメンコだとか、いろいろな遊びをしながら皆が育っていったその場を、やはりその地域の人たちに返すということを優先すべきだとぼくは考えるんです。車に乗る人が不便であっても、やはりどちらを優先するかというと、生活道路、文部省の言う遊戯道路として子供たちや地域社会に返せという主張を私はとりたいわけなんですが、この考え方について警察等は積極的に協力していただけるのかどうかということですが、いかがですか。
#28
○政府委員(池田速雄君) 住民の方の日常の交通の場であります一番身近な道路がいわゆる生活道路であろうかというふうに思うわけでございますけれども、そういった場所では歩行者、自転車の立場というものを尊重したいという考えを持っておりまして、現在全国で約一万ほどの生活ゾーンというのを設定いたしまして、歩行者用の道路あるいは一方通行、大型車の通行禁止あるいは速度規制等のいろいろな規制をやっているわけでございますが、歩行者用の道路として設定いたしておりますものが、現在では約五万区間、距離にいたしますと一万一千キロほどございます。
 ただ問題は、やはりその中にお住まいの方でも車をお持ちの方等もおみえになるわけでございますので、その調和を図るといいますか、そういうことが大変むずかしいということでございますので、私どもといたしましてはできる限りこの生活道路は延ばしていきたいというふうに思いますが、その場合にも、たとえば終日できない場合には時間を限るとか、あるいはその中に居住しておられる方につきましての車の出入りだけは認めるとか、そういったきめの細かい施策をあわせ考えますと、さらにまた延ばし得る余地があるのじゃないかというふうに考えておりますので、そういった点等も考慮しながら、さらに歩行者、自転車の安全対策というものを考えてまいりたいというふうに思います。
#29
○本岡昭次君 時間を区切るということも出ましたが、現在生活道路として確保するためにさまざまな時間の区切り、子供の通学のことも含めての時間制限をやっておられますが、どういう時間の区切り方をいまされておりますか、ひとつの形式として。
#30
○政府委員(池田速雄君) 交通の事情によりまして多種多様でございますけれども、たとえば通学時間帯に限りまして車の通行禁止をいたしますとか、あるいは日曜、祭日につきまして車の乗り入れを禁止するとか、そこの中での歩行者の実態その他に合わして、できるだけ時間制限をできるところは広げていくということでやっておる次第でございます。
#31
○本岡昭次君 そうすると、私はまあ生活道路という範疇の中における、文部省が遊戯道路、子供が遊ぶということを中心とする道路を確保することについてこういうところに載っているわけですね、積極的にやっていきたいと。それを私は支持したいのですが、その生活道路の中の遊戯道路ですね、子供の遊びということを考えるときに、子供が遊ぶ時間というのは放課後ですね。まあ低学年、中学年、高学年とあるからさまざまな時間帯で学校から家へ帰ってくると思うのですが、その中で放課後と言えば全体的に三時から夕飯に入る五時ぐらいまでというそういう放課後を、遊戯道路、遊びの道路として開放していくというふうな仕方は余り私も目についたことがないのですがね。そうしたことを積極的に何とかやっていけないかということを考えるのですが、いかがですか。
#32
○政府委員(池田速雄君) 歩行者用道路の中でも一番多いのが、ただいま申し上げましたような通学・通園路関係でございますけれども、まあいわゆる遊戯道路というものは、現状では大体四千五百ヶ所で六百キロ程度になっております。これの時間帯がどの程度に限られているか、あるいは終日なのかちょっと正確な数字は持っておりませんけれども、ほかに買い物道路あるいは遊歩道、歩行者天国、これは大体休日が中心でございますけれども、そういうことで、実施していないわけじゃないのですが、さらに実態をよく見まして対処してまいりたいと思います。
#33
○本岡昭次君 まあ、いま社会問題になっている子供たちの非行とかあるいは家庭内暴力、学校内暴力、こうしたことは子供たちも救われないわけで、言ってみれば子供たちもある意味では被害者で、親もまた学校の教職員も被害者的な立場もある、また場合によっては加害者的な立場もある、まあこういうことだと思うのですが、しかし別な立場からこれを見ていくと、子供たちの生活が奪われているという、そういう立場に着目すれば、私たちは小さいときに、路地裏文化と先ほど言いましたけれども、かんけりをしたり隠れんぼうをしたり、道にろう石でいろんな場所をとって、そこでケンケンをしたり陣取りをしたり、道路というのは自分たちの遊び場として子供社会が一つ形成されて、そこでさまざまなことを学んで大きくなったわけなんです。いまはそういうものは完全に奪われてしまっているのですね。だから、子供は家に閉じ込もってしまう、またシンナー遊びをする、大人から見れば好ましからざるいろいろなことをやるので、やはり私たちが小さいときに経験し、体験したそういう路地裏でのさまざまな子供なりの創造的な遊び、伝統のようなものをここに復活さしてやる。公園をつくって公園へ遊びに行きなさいと言っても子供は遊ぶものじゃないと、僕は思うのですね。やはり子供はああいうごたごたしたところが好きなんですよ。さまざまなものを、自分たちの世界として創意工夫しながら遊ぶので、そこに創造性も生まれるし、自主性も生まれるし、お互いの協調もできるし、責任感というふうなものも先輩との間でつくれるし、そう簡単に人を殴ったり、刃物で刺したりするようなことにはああいう一つの子供社会の中からは生まれてこないと、ぼくはこう見ているんです。そういう意味でぜひ道路を遊戯道路として子供に開放する。公園をつくったからそこへ行けと言うのではなくて、それも大事ですが、そういうものを警察としても積極的にひとつ考えていただきたい、こう思うのです。そして、遊戯道路のところには遊戯道路としての標識――何か子供が楽しく遊んでいる風景、それで大人が、社会全体が二十一世紀に生きる子供たちをどのようにして育てていくのかという共通の問題としてこれを認識していく、守っていくというふうなことがぼくは大事ではないかと思う。だから、そういう放課後の時間帯を開放さして家にある子供を道へ積極的に出してくる。そこには標識が立っておって、大人たちが自分たちの昔のそうした遊びを思い浮かべながらそこへ入っていって、自分たちがやった遊びを子供に教えてやるというふうなことがあっていいのじゃないか、そういうことによって大人と子供の結びつきもできるし、相互の信頼関係も生まれてくる。これですべてが解決するとは思いませんが、こうしたことを一つ一つやっていかなければ子供のいま置かれている状況は解決しない、こういうふうに思うのですが、ひとつこれはそこにおられる大臣方いかがですか。
#34
○国務大臣(斉藤滋与史君) 道路に関することでございますので、私から申し上げます。
 いま先生のお話を聞きながら、私も何十年かの昔に戻りながら伺っておったのですけれども、確かに昔は道路は人の通るものであり、子供の遊び場でありました。モータリゼーションの社会になって、道路は車に占領されて、結局弱い子供たちが行き先を失って、通学にも困難を来す、あるいは学校の余暇に子供らしい将来の肉体をつくる上の友達ときたえるというような場がなくなってきておるということを痛切にいま感じておったわけであります。なればこそ、私たちは大人としても社会人としても政治家としても、責任者として御指摘を待つまでもなく、何とかこの方途、方策を考えて、早急に、守るというよりも当然の子供たちが受けるであろう人間としての場を提供することが責任であると、このようにつくづく考えておるところでございます。
 道路関係の所管の大臣として、前向きで先ほども申し上げましたこと等も含めてこの問題については真剣に、深刻に受けとめながら対処してまいりたい、このように考えるものでございます。
#35
○本岡昭次君 ぜひ具体的にいま大臣のおっしゃられましたことをこれからの施策の中に取り上げていただいて、子供に路地裏の文化、遊びをひとつ保障してやり、また大人から積極的に道路を子供たちに返すということについて、もっときめ細かく施策、対策をやっていただくことをお願いをしておきますし、それに対する大きな期待をひとつ持たしていただきます。
 それでは次に、自転車利用の問題に入っていきます。
 私は、自動車の運転免許証は自分では持っていないわけで、一生取る必要もないと思って、私の周りにおる友だちとかいろいろな関係から見ると持っていないのは私一人という状況にしばしばなるわけで、それは誇りに思っているわけで、私が持っていないということでいまの国の施策にいろいろ協力していることになるのだ、こう思うわけですが、しかし一方ではだから私は自転車を利用します。どこに行くのも自転車で走り回っているんです。皆がなぜ車に乗らずに自転車に乗るんだ、こう言うから、いや、それは自転車の方が便利でいい。健康のためというようなそんな負け惜しみは言いたくないわけで、自動車をよう運転しないし、自転車で結構間に合うから私は自転車だ、こうやっているのですが、しかし最近もう自転車が乗りづらくて乗りづらくて仕方がないのです。しばしば後から自動車に追突されそうになった状況をいろいろ考えるのですが、私は運転免許証を持っていませんから道交法というものを、知らないと言ったらおかしい、常識的なことはわかっておりますが、自動車を運転する方が免許証を取るために必要な道交法というものと、一般の社会人が日常生活上知っておかなければならない道交法そういうふうなものについていつもこれはどうあるのかなと自分が運転しながら不安に思うのです。だから、自転車に乗りながら私は道路交通法の問題とどうかかわっているのかなと思う。別に自転車に乗るのに免許証は要りませんから、道交法をまるっきり知っていなくてもこれはいいわけなんで、そういう道交法と自転車の関係ですね。
 新しく自転車駐車場を設置するということにかかわる法律が去年の十一月にできておりますが、その中にも自転車を利用する者の責務として九条の一項に道交法との関係で云々と書かれているのですが、これは一体どういうふうに考えたらいいのですか。いま自転車を運転するときに、道交法の関係をあなたの責務ですよと私が言われた場合に、具体的にどうこれに対応するのですか、ひとつ教えていただきたいのです。
#36
○政府委員(池田速雄君) 児童生徒につきましては、自転車の乗り方を含めまして警察といたしましても十分教育に努力しているわけでございますが、残念ながら大人の方に対しましてはまとまった教育といいますか、そういう機会はないわけでございますけれども、警察といたしましては、街頭で現実に自転車にお乗りになっておられる方につきまして、現実問題としまして残念ながらルールをよく御存じない方もいるわけでございますので、警察官の街頭活動を通じまして指導申し上げているというのが実態でございます。
#37
○本岡昭次君 そうすると、ルール、それは赤の信号を渡るなというようなこういう常識は持っている。道交法とこの「自転車利用者の責務」の第九条「自転車を利用する者は、道路交通法その他の法令を遵守する等により歩行者に危害を及ぼさないようにする等自転車の安全な利用に努めなければならない。」私は自転車の利用者ですから、なるほどこういう責務ができたのかなと思ってにらんでいるんですが、ところがいまおっしゃったように、教育を受けるとか、そのルールをどこかで教えてもらうというごく一般的な歩行者的な立場で、青信号だったら渡れ、赤信号は渡ったらいけませんよ、歩行者は右側通行ですよとか、それ以外にここに書いてあることは「道路交通法その他の法令を遵宅する等」と言われても、一体何を責務として持たされるのかということが一向に明らかにならないわけで、何を一体責務として持つんですか、具体的にもう少しはっきり言ってください。道路交通法のこれとこれと、こういうことなんだ、一般の歩行者と違っているのはこうなんだ、一体歩行者と違ってどこが規制されるのか、責務として持たされるのか、「その他の法令」とは一体何なのか。
#38
○政府委員(池田速雄君) 道路交通法の関係で申し上げますと、法律を仮にお読みいただかなくても、標識、標示その他でできる限り通行の区分、方法等はわかるようにいたしておるつもりでございます。たとえば歩道につきましても、自転車通行可能の歩道につきましては、自転車と歩行者の一緒にした青い標識でございますけれども、こういうことで御理解いただけるかと思いますし、それから、最近つくっております、一番問題の交差点の通り方あるいは交差点の停止の仕方につきましても、自転車につきまして特別の措置を必要といたします場合には自転車だけに指示、指導いたします停止線をつくりましたり、あるいは横断歩道を渡るような、そういう指示をいたしておるわけでございますけれども、大概の場合、一般的に言いまして、この新しい法律にも書いてございますように、歩行者に危害を及ぼさないようにするということは常識的な範囲でおわかりいただけるのじゃないかと思っておりますけれども、私どもとしましても、もし自転車に乗られている方につきましての教育が不十分だという点がございましたら、さらに考えまして努力してまいりたいと思います。
 現在では、自転車の販売店と申しますか、あるいは自転車の修理店といいますか、そういうところに協力をお願いいたしまして、一つは自転車の特にブレーキ等につきまして故障のまま走っておられる方もあるということで、積極的にそういう方は修理等で整備していただくようにということで、制度といたしましても自転車の整備士という制度も設けておりますが、また販売店の方にも、防犯登録等とあわせまして、その際には安全な自転車の乗り方についての広報もやっていただくようにお願いいたしておりますので、先ほど申し上げました警察官の街頭活動その他とあわせまして、自転車に乗られる方の教育についても努力してまいりたいと思います。
   〔委員長退席、理事坂倉藤吾君着席〕
#39
○本岡昭次君 お願いしたいのですが、私は自分も自転車に乗って、他人に迷惑をかけてはならぬと思うし、ルールに従って自転車に乗っていかなければならないという責務を自覚して乗る。もちろん自転車に乗る者がどこへ車をほっておいてもいいとか、どこに車を駐車させてもいいのだというふうな形であることは私は間違いだと思うし、苦々しく思うし、自分も自転車に乗りながらどこにこの自転車を置いたらいいかといつも困りながら自転車の扱いをやっているのですが、それにしても、こういう法律に道交法その他のとあるときには、もう少し細かく自転車利用の問題とその関係というものを明らかにすべきではないかというふうに私は考えるんです。
   〔理事坂倉藤吾君退席、委員長着席〕
いま常識的な範囲でとおっしゃったけれども、その常識的な範囲内と言っている中で、非常識というものがまかり通って、非常識を起こしても危害を加えなければそのことは取り締まりの対象というか相手に何の責任も負わない、こういうことで、何か事故が起こったときに初めて問題が起こるというのではやはり問題があると思いますから、この道路交通法の問題と自転車利用者ということの関係というものをもう少し整理をしていただきたいというふうに私は考えるのです。
 そこで、歩道と自転車道路を共用しているという場合に事故が一番たくさん、ぶつかり事故として起こっているんではないか、こう思います。そこでどうですか、共用の道路という場合に、混雑をしておろうとどうしようと自転車に乗って後ろからリンリンベルを鳴らして、歩行者が危険を感じて右左によけていくというふうな状況が起こるような地帯にあっても、やはり共用は共用として自転車の通行が認められるということになるのかどうか。車道が危なければ私はやはりおりて自転車を押して歩くべきだと思うのですがね。だけれども、そこは共用になっているのだから乗ってる方は構わないのだ、それは道交法との関係はどうなるんだ、いや、それは非常識ではないかということだけになるのかということなんですが、そういうところはどうなんですか。
#40
○政府委員(池田速雄君) 道交法の規定といたしましては、六十二条の四という規定がございますけれども、普通自転車でございますと、ただいま申し上げましたように「道路標識等により通行することができることとされている歩道を通行することができる。」ようになるわけでございますが、その場合におきましては「歩道の中央から車道寄りの部分(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは、その指定された部分)」ということで、これは車道寄りでございますけれども、そこを徐行しなければならない。それから「また、普通自転車の進行が歩行者の通行を妨げることとなるときは、一時停止しなければならない。」こういう規定が置かれておるわけでございまして、大体先ほど申し上げましたように、常識の線にも合った措置じゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
#41
○本岡昭次君 ここで自転車論議をしておっても仕方がないと思うのですが、要するに自転車が非常にたくさんふえたという事実、そしてその自転車が通行することについて、一方は自動車と問題があり、片方は歩行者と問題がありと、こういう現状なので、やはり最後は結局のところ自転車の専用道路を確保しなければならない、こういうことになると思うのですけれども、しかし、その自転車の専用道路にしても、いまの幅員の狭い道路の中でそう簡単に確保できる問題でないとすれば、これはお互いに共用して、そうした事態を解決していかなければならないわけで、そのときに先ほど言ったようにやはり歩行者がだんだん押しのけられて、車がそして自転車が、最後は歩行者が遠慮がちに歩くという、こういう状態が出てきてはならぬということを私は思うので、自転車を持っておられる方の常識というか、ある程度社会的な責任みたいなものをどういうふうにして付与さしていくのか、そしてやはり道路は歩行者の道路として安全に歩けるようにするにはどうするかという問題を、もう少しきめ細かく出して、町のすみずみまでそうしたことが社会規範としてみんなが認識し、それを守っていけるような状況をつくってもらいたいというふうに要望をしておきます。いまではもう混乱以外何ものもないと、ぼくはこう見ています。
 そこで、この間つくられた自転車の駐車場を整備するということにかかわる法律なんですが、実は兵庫県にも武庫之荘というところがあって、私は兵庫県出身なんですが、そこは何かこの間の報道によれば、全国の自転車が駅前に駐車している状態のワースト三の中に入るようで、一番が千葉の柏市ですか、二番が国立市、三番が兵庫県の阪急の武庫之荘駅前だと、こういうことを聞いたので、私も二度ほどそこの実態を見に行ったんですが、これはもう実にすさまじいもので、もうそこの緑地帯の芝生の築山のところまで自転車が積み上げられている。道路という道路は車がほとんど通れないぐらいに自転車が二重、三重、人も通れないという状況にあるのを見たんですが、日曜日でも相当なものでした。
 そこで、そうした自転車がたくさん放置されている駅前の状況を解決する手段として、この自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する法律というものができたのだと思うのですがね。そういう現状と、それからそういう法律、その中に今度国立市でつくられた条例ですか、そういうものがあって初めてその法律が現場の解決の問題に生きていくとこう思うんですが、国立市でつくられた条例、自転車安全利用促進条例ですか、新聞によれば全国で初めてと、こうなっておりますが、この国立市のつくった自転車安全利用促進条例という、このことについての評価というのですかね、そういうものはいかがですか。
#42
○国務大臣(中山太郎君) 先生もいまお話しの自転車の関係の法律に基づいて地方自治体として国立市でその法律の精神を実施に移すための努力義務が具体的に条例化されたものと、そのように存じております。
#43
○本岡昭次君 一応評価をされておると、こう受けとめます。
 そこで、法律に基づいてというときの意味は、ここにある「国の助成措置」ということにかかわってこなければ具体性を帯びないと、こう思うのですが、この法律の十二条にあります国の「助成措置等」の問題と国立市のこの条例というのはどのようにかかわっていくのですか、助成の問題に触れていけば。
#44
○政府委員(仲山順一君) 国立の条例まだ細かくは入手しておりませんが、この条例は、自転車法との関連におきましては、法の第五条第三項に、大量の駐車需要発生施設に対しまして自転車駐車場の付置義務、つくらなくちゃいけないという義務、それから法第五条第五項の放置自転車の整理撤去等に関する自治体の努力義務、こういうふうなものを具体化したものであります。それとあわせまして公営自転車駐車場の利用関係等に関し必要な事項を定めたというふうに聞いております。
#45
○本岡昭次君 補助については。
#46
○政府委員(仲山順一君) 財政措置につきましては、これは建設省の方のマターでございますので、そちらからお答えいただきたいと思います。
#47
○政府委員(升本達夫君) おただしの自転車駐車場の整備も都市計画上の大きな課題でございます。都市計画といたしましては、都市計画事業で駅前等の必要な個所に自転車駐車場の整備を図っておるわけでございまして、昭和五十三年度から国の助成事業として取り上げております。助成の対象は、用地取得費の三分の一、それから施設整備費の二分の一を補助いたしております。現在までのところ、正確な数字はちょっと手元に持っておりませんが、大体全国八十ヵ所ぐらい事業を実施いたしておりまして、総事業費六十億円、大体五十三年度以降五十五年度現在までの間に全量として七万台ぐらいは収容できる駐車場の整備を行っております。
#48
○本岡昭次君 いまの御答弁は、五十三年につくられたこの自転車駐車場云々の問題にかかわってのお話でしたが、それでいまのような助成がされている。それは結構なんです。わかりましたが、昨年の九十三臨時国会で制定されたこの自転車の安全利用の促進及び自転車駐車場の整備に関する法律の第十二条にも「国の助成措置等」というのがあるわけでして、国立市のは先ほど大臣は、まだ具体的に施行されていないのだけれどもこの法律の趣旨にのっとってこういう条例ができる、好ましいことだというようなお話であったわけなんですが、この十二条の言う助成というものとは直接これからかかわるのか、かかわらないのか、どうなんですか、施行前の問題があるにしても。
#49
○政府委員(升本達夫君) お示しの昨年成立いたしました法律は自転車の駐車場整備ももちろん含みますけれども、全体として自転車交通の安全確保を図るという趣旨のように承っております。したがいまして、現行の諸制度を総合的に関係各省が協議し、あるいは自治体が加わり、総合的にそれぞれの責務を遂行するということによってその目的を達成し得るというふうに理解をいたしておりまして、ただいまおっしゃった助成制度も、ただいま御報告いたしました既往の助成制度をさらに活用を図っていく、その場合に各関係省庁と十分協議調整をして効果の上がるようにいたしていくというのが趣旨であろうかというふうに理解をいたしております。
#50
○本岡昭次君 そうすると、先ほど私が言いました兵庫県の武庫之荘の駅前に、全国のワーストスリーと言われるたくさんの自転車が放置されている。それを解決していくためには国立市のように条例をつくらなくとも自転車を駐車する場所をつくるとか、そのほかさまざまな方法を講じてやっていっても、特段この法律がなくてもいいという。ことになるのですか、何かこの法律ができたことによってそうした状況を解決することに非常に有効な手段として働くというのはどういうところにあるのですか。
#51
○政府委員(升本達夫君) ただいま御答弁申し上げましたように、それぞれの所管に分かれて、所管事項について努力をいたしておるわけでございますが、その間の連絡調整、もとよりいままでも努力をいたしてまいったわけでございますけれども、さらに自転車駐車場の整備でございますとか、あるいはその管理でございますとか、あるいは自転車の交通そのものの安全の確保でございますとか、そういった面に目的を一にして関係各省庁が十分に協力し合うということで事業の進行も円滑を期することができるのではないかというような効果が上げられるのではないか、さらにその法律の中には国の責務と同様に自治体も努力をしなければいけないし、あるいはまた自転車利用者そのものも御努力をお願いしなければならないということを明らかにしているというふうに理解をいたしております。それぞれ関係者がそれぞれの義務を尽くし合うということがその法律の趣旨を達成する非常に重要な要素ではないかというふうに理解をいたしておるわけでございます。
#52
○本岡昭次君 そうすると、自治大臣がおいでですから、いまありましたようにそれぞれ関係各省が力を合わして、協力して、そしてもちろん地方自治体の負うところも多いと、こういうことであったのですが、地方自治体がそれではこれからかかわっていくことについて、このような条例をつくり、またそのほかの方法をとっていかなければならないと思うんですが、自治省としてこの面の指導なりあるいは方針なり、そうしたものは一体どのようにされていますか。
#53
○国務大臣(安孫子藤吉君) 地方自治体としては各部門からのいろいろな要望がございまするが、地方自治体としてはそれを総合いたしまして現実に即した施策を講じておるのが実情でございます。したがいまして、各省の御意見を十分に消化をいたしまして地域社会に適合するような総合的な施策を推進するという立場に立って現実問題に対応していきたいと考えております。
#54
○本岡昭次君 それではもう一点だけ具体的に聞きますが、武庫之荘の、私の見てきたことの実例ばかり申し上げて恐縮なんですが、そういう山と積まれた状況の自転車が整理される状況、そして本来の道路、緑地帯に駅前が戻るという状況にしていく、まず第一のそのことから手をつけるのは、たとえばそこが尼崎市であれば尼崎市なのか、あるいはそれが阪急電車という電車を利用するために来ているのだから阪急電車がそのことについて、まずそのことの解決の第一ボタンを押すのか。道路が、自転車に占有されて安全に歩行者も自動車も通れないということだから、これは警察の方が道交法とかさまざまな関係から何とかしろと、こういうふうに問題が提起されて解決に向かうのか、また住民が自転車を持っていっても乗るところがないじゃないか、これを何とかしろということからこの問題の解決がスタートするのか、一体どこが一番先に手をつけてこの問題の解決に進んでいくのですか。
#55
○国務大臣(安孫子藤吉君) 現実的な問題といたしますと、やはり地方自治を預かっておる市当局といたしましてはやはり大きな責任があるわけでございますが、しかしその要因といたしましては軌道会社もあるわけでございます。したがいまして、やはり市が中心となりまして関係者を集合いたしまして、その間に具体的な施策を見出すという努力を地方自治体がやるべきだろうと思うのでございます。これはおまえのところである、これはおまえのところであるというだけでは問題は解決しないのでございますから、その際に中心となりまするのは、地方自治体を預かっておりまする市長さんなら市長さん、そのスタッフが関係者を全部集合いたしまして、この現実の姿にどう対応するかという具体的な方策を現場に即して見出していくという、そういう努力はしなければいかぬと私は思っております。
#56
○本岡昭次君 努力をしてもらうように私も言っておきます。
 しかし、せっかく法律ができていろいろなものをみんな期待をしておるようですから、自治省の方としてもどういう指導があるのか私はまだよくわかりませんが、仏をつくって魂入れずにならないようにこの自転車問題の解決についてより積極的にひとつやっていただきたいと思います。
 時間がありませんから次へ行きますが、次は、また子供の問題に戻って恐縮なんですが、子供の遊び場という問題、これも私は非常にうかつだったんですが、建設省の所轄ということのようで、なぜ児童公園が建設省の所轄なのかよくわからぬのですが、交通安全の面から見れば、道で遊んでおると危ないから児童公園をつくってそこで遊べということから児童公園の問題が出ていると思うのですけれども、どんな理由であれ児童公園がたくさんできることはいいです。建設省であっても何省であっても構いません。いろいろなところでたくさんつくってやったら子供は喜ぶんですが、そこで問題は建設省が考えている児童公園というものは一体どういうものを指して児童公園と考えておられるのか、一つお示し願いたいと思います。
#57
○政府委員(升本達夫君) お話のように、都市公園は市街地内の公共施設の中の一番基本的なものだというふうにわれわれ理解をしておりまして、その公園にも目的、機能を異にした各種の公園がございます。児童公園はその都市公園の中の一番いわば小さな形の公園でございまして、大体規模で申し上げますと〇・二五ヘクタールを基準にいたしておりまして、この規模の公園をつくりまして、大体半径二百五十メートルぐらいの範囲の居住者のお子さん方に遊んでもらうということを主要な目的としてつくることにいたしております。
 したがいまして、その市街地内の児童公園の配置でございますけれども、大体近隣住区という言葉を私どもよく使っておりますが、居住者の一つのかたまり、市街地の単位というふうに理解をいたしておりますが、大体一万人の居住者の集まり、中心となるのは恐らく小学校がその集まりの中心になると思います。小学校を中心とした、おおむね人口一万人ぐらいの集まり、住区ととらえまして、その一住区当たり大体四ヵ所、四分の一往区を一つの児童公園の設置単位というふうに考えて整備を図っております。
#58
○本岡昭次君 そこの公園の内容ですが、それはどういうふうなことを考えておりますか。
#59
○政府委員(升本達夫君) 児童公園でございますから、いま申し上げた目的に資するように、主として子供さん方の遊ぶための施設になろうかと思いますが、たとえば、広場、ぶらんこ、それから砂場、滑り台といったような施設が施設の中心になろうかと思います。
#60
○本岡昭次君 常識で考えてそういうことではないかと思うのですが、ところが実際に私が見る範囲では、児童公園と言われるもので子供が生き生きとそこで遊び戯れているという風景には余りお目にかかったことはないのですよ。つくってはみたものの、子供たちが余り興味を持たない児童公園がそこにできているのじゃないか。それは火災のときとか、地震のときの避難場所としては適当かもしれませんし、また御老人が孫等を連れて憩う場所にもいま適当な場所となっておるようです。
 それはそれで一定の役割りを果たしておると思うのですが、子供たちの遊び場としては非常に不適切な中身であろうと私は思うのですね。
 そこで私の考えを言いますから、一つ御意見をいただきたいのです。特に大臣の所見をいただければありがたいのですが、私はぶらんこ、それから滑り台、砂場、広場、大人が想定をしてこれこれのものを置いたら遊ぶであろう、そういうことの空間を設置しても子供はやはり飛びつかないのじゃないかと思うのです。先ほどの路地裏の遊び場じゃありませんが、やはり子供にはもっと自由にそこで創造的に遊ぶという場の設定が必要であって、私は三つの条件が必要だと思っておるのです。
 一つは、公園の空間というのは子供にとって自由な条件があること。いろんなものがそこにつくられて、それはコンクリートで固められている、あるいはいま言ったようにぶらんこのような施設があるとか、子供が自由にそこで遊べないという問題、だからやはり自由を完全に保障するということ。それから子供が創造的に積んだり崩したり手でもって、あるいは体でもって創意工夫しながら、固定した遊びじゃなくて、いろいろな遊びがそこでできるということですね。だから去年の四年生がやった遊びとことしの四年生のやった遊びと違う。子供の間の何か遊びに対する創意工夫みたいなものがそこに盛り込まれてくるというふうなことを保障する、いま言った創造性が発揮されるという条件。それからそこにできるだけ自然というものがあって子供が自然の草花とか、出とか、いうものと接触をして自然とともに生きているのだという、そういう条件を具備すること。この三つがやはり必要ではないかと思うのです。
 とにかく子供から自然が奪われてしまっているのですから、私はターザンごっこをして、木登りなんか実にうまかったし、木から木へ綱を伝わってずっと渡る、滑る、そういうことをやりながらさまざまなことを覚えてきたわけなんですが、だからそういうようなものを公園にも設置しろと言っても無理かもしれませんが、その三つの条件を児童公園に具備してやるべきだと。いまの公園に寄りつかないのはやはり子供にとってそうしたものがないから私は寄りつかないのだと思うのです。だから、これかもつくられる公園は、また、いまある公園を改良して子供たちの立場に立った公園にするときには、子供たちを交えてどんな公園が欲しい、どういうことをしてほしいというふうなことを、あるいはまた地域社会の中で絶えず子供のことを考えている人たちも交えて、それぞれの、規格にはまった公園じゃなくって、それぞれの地域に必要な、自然がたくさんあるようなところではまた別な意味の公園をつくってもいいし、そういうようなことを私はもっと真剣に追求をしてやるべきだというふうに考えるのですが、ひとつ建設大臣いかがですか。
#61
○国務大臣(斉藤滋与史君) 先生の御発想といいますか、大変私は結構だと思います。とかく役所で考えるというか、役所というようには言えないかもしれませんけれども、大人の考える施設というものは押しつけのような施設をつくりたがるものでございます。ましてや予算の限られた中で子供に与えるものとすると、どうしても決まった形のあるもの、いわゆる滑り台とかぶらんことかということになりがちなんで、その点と自然との組み合わせをどのようにするかということの発想になっていくと思います。いまお話聞いて、私一番考えなければならぬことは、子供の考え方を聞くということだろうと思います。いまの子供たちは、何というんですか、情報化時代の中で、われわれが昔考えていた以上にいろんなものを目、耳から入れておりますので、私たちが昔の子供のことを考えて決めていくと非常に気持ちの上でクロスするような形になろうかと思いますので、子供の意見を聞くということは大事だろうと思います。ただ、平面的に〇・二五ヘクタールという狭いところでございますので、どうしても限られた施設ということになっていくのでしょう。その中に空間を設けるということにも限界がありましょうし、自然を保つということにも限界がありましょうし、子供の創意工夫ということにもおのずから限界があろうかと思いますが、とにもかくにも子供の考え方を聞きながら、それを主にして地域に合ったものをつくっていくことにやっぱり重点を持っていかなければならぬかと思います。都会の子供は都会の子供なりの考え方を持ちましょうし、地方都市の子供たちは子供たちなりの考え方を持ちます。全部画一的な児童公園というものは考えられませんので、一つの指導性を柱に、その中で子供の意見を聞きながら、具体的な方途について考えていかなければならぬのではなかろうか、このように先生の御指摘を聞きながら考え、またそんなような面で相談しながら関係者と対応してまいりたい、このように考えます。
#62
○本岡昭次君 ぜひそういうふうにお願いしたいのですが。
 そこで、もう一つ申しわけないんですが、注文をつけておきます。子供を加えるという場合に、子供の側だけの発想であれば私はだめだと思うんですね。子供の側のいまの発想がそれでは子供の成長発達にとって健全かというと必ずしもそうでない、毒された部分もたくさん持って誤ったものもあると私は見ているのです。それは、子供が初めから持っていたのじゃなしに、やはりそういう誤ったものを身につけていっているときに、それを正していく、直していく、もとに戻していくという機能も遊びの中で必要だと思うのです。だから、そういう公園のようなものをつくった場合は、これは建設省だけの問題じゃないと思うのですが、子供を指導する、指導というのは大人が持っておる一つの感覚でもって子供に教えるということじゃなしに、やはり先輩が長年つくり上げてきた、ここにおられる皆さん方もそうですが、さまざまな日本の伝統的な遊び、文化というようなものがあるわけですね。自然の接触の仕方とかそういうようなものを子供たちに、おじさんらの若いときはとか、君のお父さんやお母さんの小さいときにはこういう遊びもしたんだよ、こういうこともあるんだよ、これやったらおもしろくないかというふうに、いまの何というか、情報化の中で子供が埋没してしまって、本来の自然の中で子供たちが生きていくということについてやはりそこにアフターケアをしてやるというふうな形の指導者というのですかね、それは学校の教員とかそういうのはだめだと思うのです。役所の人とか、何かずく教えてやろうとやるからまた逆の弊害が出ますので、やはり地域のボランティアという立場、あるいはひとつ地域の自治体はそういう人はそういう人で確保して、そして一万人に四ヵ所というようになるならその四ヵ所での子供たちの遊びというものの、私が先ほど言った創造性とか自然と過ごすとか自由というものを与えたって、そこへ子供をほうったら何をしていいのかわからぬという子供はたくさん出てくると思うのですよ。何かなければよう遊ばんというのがいまの子供の、かわいそうだけれども実態に置かれておる姿で、だから、子供の本当の自由とか創意性とか自然とかいうものを導き出していく、そういう人がとにかく自治体の側等のかかわり合い、あるいは教育委員会のかかわり合い、あるいはまた総理府が全体として青少年の健全育成とかいう観点からのかかわり合いも絶対に必要だ、これも私は非行、暴力問題対策の根幹の中にずっとこうした細かいことを一つ一つ積み上げていくことがいまの策ではないか、こう思っているのですが、このことについて建設大臣、それからまた長官もおられますから、ひとつ私のいま言った意見についての何か御見解がございましたらお伺いいたしたいのですが。
#63
○国務大臣(中山太郎君) 最近の青少年非行の多発地点というのを実は全国の統計資料で調べてみますと、不思議と都市における子供たちの屋外のいわゆる遊び場というものの一番少ない場所と青少年非行の一番多い発生地点とは一致しております。そういうことから、実は私どもは総理府で青少年の意識調査を実施いたしました結果、子供たちが政府に何を望むかという大きな中に、いわゆる屋外の遊び場をつくってもらいたいという青少年の政府に対する要望が意識として出ております。そういうことから実は実態調査をいたしてまいっておるわけでございまして、その結果、先生の御指摘のように、青少年非行の多発地点が少年の屋外遊び場の最も少ない地点と不思議と一致しておるというところで、全く私はこれは表裏一体のものであろうと、先ほどから拝聴しながら感じておったわけでございます。
 まあこういうことを踏まえて、総理府の青少年対策本部といたしましては、関係省庁と連絡をしながら、五十七年度の概算要求までに、こういうふうな青少年の非行防止の観点から、屋外の遊び場がどこに必要かということについての事務の打ち合わせをただいま進めているところでございまして、今後ともひとつ御支援を願いたいと、このように考えております。
#64
○国務大臣(斉藤滋与史君) いま総務長官からお話のありました具体的な指導方針でございますけれども、先ほど来の本岡先生の御意見、全く同感でございます。児童公園が建設省の所管ということも、その後の指導、管理等の問題もあろうかと思いますが、とにかくにも現在のところ所管でございますので、なお内容的な問題につきましても、関係省庁にもお願いして、せっかくつくった児童公園が、御指摘のように単なる野放図な遊び場でなく、将来を担う子供たちの一つの指針となるような、自然の中で教えられていくというような環境づくりも大切であろう、全く御指摘のとおりでございまして、同感でございます。
#65
○本岡昭次君 ぜひ一日も早く子供たちにそういった良好な生活環境が与えられるように、御努力を願いたいと思いますし、あわせて、先ほど言いましたように、それを指導する人ですね、いろいろ財政上の問題もあろうと思うのですが、単に市民のボランティア的な者だけでなくて、そういう人たちはカウンセリングもできるというふうな立場の人たちで、職業的にかかわるのじゃなしに、別の面からかかわって、やはり役所と学校がかかわるとどうしてもそこに意識の上で子供たちもなじみませんから、どうかそういうようなことも配慮していただきたいと思います。
 最後に、地元のことでまことに申しわけないのですが、兵庫県の阪神地区というのは交通機関が縦横にふくそうしておりまして、それの踏切の立体交差化が非常に私はおくれているところではないかと認識をしているのです。そこで、私自身の調査不足、勉強不足も多分にあって申しわけないのですが、この立体化を順次計画的に進められているわけなんですが、その立体化をするに当たって、列車回数がどのくらいとか、あるいはまたそこの、踏切の時間の長さとかさまざまな規制する条件のようなものがここに出ているわけですね。遮断時間あるいは交通量あるいは列車回数、そうしたものにどのような基準、数値が定められているのか。
 それから今度は五年計画で踏切改良道路計画が進められているようですが、それのひとつ基本的な考え方等についてお聞かせいただいて、あとちょっと具体的に質問させていただきたいと思うのです。
#66
○政府委員(杉浦喬也君) お答えいたします。
 踏切道の立体交差化の基準でございますけれども、省令がございまして、踏切道の立体交差化及び構造の改良に関する省令というのがございます。この基準によりますと、第一番目には一日当たりの自動車の踏切交通遮断量、これは一日の自動車交通量にその一日の交通を遮断している時間を掛け算した数値でございますけれども、こういう遮断量が一万台時を超えると認められるような踏切道、これが一つでございます。
 それから第二番目は、道路の改築や停車場の改良あるいは鉄道の複線化などの事業計画がございます場合に、立体交差化を行うことによりまして道路交通が非常に円滑化されるというふうに効果が高いものと認められる踏切道について指定すると、こういうことでございます。これから行います第三次の踏切事故防止総合対策におきまして立体交差化をどのように進めるかということでございますが、ただいまのような基準等もございまして、列車回数が多いところ、それから自動車の交通量が多いところというようなものに着眼いたしまして逐次行っていきたいということでございます。具体的には、数量的に申し上げますと、五十六年度以降五カ年間におきまして、連続立体交差化につきましては三百キロメートル、それから単独立体交差化につきましては四百カ所を整備したいということでございまして、大体これらを実施することによりまして立体交差化が必要と考えられております踏切道のうちで約七割程度が整備されると、こういうふうに考えている次第でございます。
#67
○本岡昭次君 それで、ぜひ七割から十割へと進めてこれを改善していただきたいのです。
 そこで、私のいま地元でもあります川西市それから伊丹市、また大阪の豊中、池田、そうした交通の渋滞が非常に激しいところの渋滞改善策として、一つは阪神・高速道路、大阪−池田線の延長計画、バイパスをつけるということがあって、非常に地域の人たちは喜んでいるわけで、しかし、何かそれが六十二年完成予定が六十五年というふうに延期になっているのではないかということで、これからさらに住宅がどんどんふえて交通量が増加するのに大変だ、これはとにかく早期に完成してほしいという要望が非常に強いし、あわせてそこに阪急電車が走っているのですが、そこの川西能勢口という周辺の立体交差ができない。この間、福知山線が複線化したものですから、一つの問題は解決したのですが、やはりそこに阪急電車と能勢電鉄という電車が入っておって、それが平面交差のおかげでもう車が数珠つなぎに何キロもなるという実態が日常化をしているわけで、そこで最後に一つお伺いしたいのですが、先ほど言いましたバイパスというものの早期完成をお願いしたいと思うのですが、それについてのひとつ現状と御見解、それから、その平面交差になっております川西能勢口の周辺を立体交差にすればということで、もう問題は簡単なんですが、それができないということの障害のようなものがあると思うのですが、そういうものについてどのように押さえておられるか、それをひとつお伺いして質問を終わりたいと思います。
#68
○政府委員(升本達夫君) おただしの第一点の阪神高速道路の延伸の問題だろうと承ったわけでございます、
 阪神高速道路の大阪−池田線につきましては、猪名川上流部の宅地開発が大変進んでおりますので、自動車交通が非常にふくそういたしております。そこで、これを猪名川沿いに池田市の木部町まで延伸するということによりまして国道百七十三号の混雑緩和を図ろうとするものでございます。これにつきましては五十五年度、本年度、阪神高速道路公団におきまして調査を実施いたしておりまして、来年度、昭和五十六年度から事業に着手をいたす予定でございます。それぞれこれは大阪府と兵庫県にまたがる事業でございますので、都市計画法に基づきます都市計画決定の手続を必要とするわけでございますが、これをそれぞれ本年の二月に下しておりまして、告示の手続も終わっております。
 今後の見通しでございますけれども、ただいま先生、六十二年度とあるのが六十五年度というふうにおっしゃったかと思うのでございますが、現在の都市計画事業としての完成予定年度は六十二年度になっておりますが、これがまあ、現状からしてその年度までに完成は無理だろうというふうな感じは持っておりますが、しからば何年度というところまで、いまの時点で確認をいたしておるわけではございません。できるだけ早い時期に完成にこぎつけたいということでいま努力をいたしておるところでございます。
#69
○本岡昭次君 現在では六十二年ですね。
#70
○政府委員(升本達夫君) 六十二年でございます。
 それから第二点のおただしでございますが、阪急宝塚線、それに能勢電鉄が分岐いたします川西能勢口駅周辺の立体化のお話であろうと思うわけでございますが、これにつきましては五十五年三月二十八日に、事業の前提といたしましての都市計画決定をいたしておりまして、全体事業費二百二十五億円という予定で昭和五十四年度から一応事業に着手をいたしております。完了の予定は、いまのところ、六十一年度ということでございますが、これもやはり現地の状況、あるいは財政事情等によりまして若干遅延するかと思われます。
 問題点ということでございますが、特にこの地点においてというふうには私ども聞き及んでおりませんが、連続立体交差事業というのは大変大きな事業でございますし、また市街地全体に影響が大きゅうございますので、いろいろな権利調整が必要になってまいります。そういう意味で時間を若干要することになろうかと思いますけれども、極力推進をいたしたいと思っております。
#71
○坂倉藤吾君 交通安全対策の関係になりますと、陸海空、一般質問も含めてですから聞きたいことが山ほどあるわけなんですが、きょうは法案の関係がございますから、おおむねその法案にかかわる課題を軸にしてお尋ねをしたい、こう思っているわけです。
 そこで、まずこれは総理府長官にお尋ねをいたしますが、いま政府が行っております交通安全対策は、総理府で責任を持ってつくられておりますいわゆる第二次交通安全基本計画ですね、これに基づいて各実施省庁分かれまして具体化をされておる、こう理解をするんですが、この第二次基本計画というのは今月末で終了することになっていますね。したがって、新年度、いわゆる四月一日以降第三次の交通安全基本計画というものが発効といいますか、効力発揮をしてこないといけない、発足をしなければならぬ、こういうふうに考えるんですが、この第三次基本計画というのはいつ決定をされることになるのでしょうか。
#72
○国務大臣(中山太郎君) 先生お尋ねの第三次の交通安全基本計画は来る三月三十一日に内閣総理大臣を会長とする中央交通安全対策会議で決定をいたすことに予定をされております。
#73
○坂倉藤吾君 第二次の計画の際にはいわゆる交通事故死、死亡者数なんですが、これが昭和四十五年、一万六千七百六十五人という最高になった数字の半減目標、これが設定をされまして、おおむね五十四年の段階でほぼそれに近い目標達成が行われ、大変その意味では効果があった、こういうふうに評価をするところなんですが、この第三次の基本計画目標ですね、これは具体的にはどうなのでしょうか。余分なことを申し上げますと、先般の公安委員会の側の所信表明の段階では、後五年計画がいきまして、六十年をめどに八千人以下、こういう形に具体的に数字があらわされているわけですね。そういたしますと、第二次で半減をする。半減をするというのは大体八千人。そうしますと、これからさらに安全施策を進める、あるいは基本計画に基づいて幾つかの手当てが行われていくのに、なおかつその死亡者数につきましては余り減らすことについて期待ができない、こういうことにもなろうと思うのですが、その辺はどう踏まえられておりますか。
#74
○国務大臣(中山太郎君) 昭和六十年までの第三次交通安全計画の目標は、やはり具体的には交通事故による死亡者八千人以下ということをめどに作成をしてまいる方針でおります。ただ、御案内のように、第二次の場合は第一次にいま先生御指摘のように一万六千七百六十五名の死者の半減ということでございましたが、若干上回っております。第一次は歩行者だけで四千人を割るということでうまくいったわけですが、第二次は少しオーバーした。その原因は、先生も御案内のように、最近暴走族、若い人たちの飲酒運転、そういうものが一度に事故を起こした場合に、四人とか五人が一台の車で一挙に死んでしまう、こういうことで実は急増をしておるというのが最近の傾向でございます。私ども第三次の計画策定に当たりましては、運転免許所有者数が大体四千三百万人、それから自動車が三千八百万台、こういうふうないわゆる車社会というのが日本の社会に本格的に登場してきた。しかも、毎年二百万ずつこれがふえていくという現在のオール経済社会の傾向が非常に顕著でございまして、いままでは私は日本の道路事情というのは人から車へ一挙にいったのじゃないだろうか、ヨーロッパの社会では人から馬車、それから車というふうに、一つの段階がヨーロッパと日本の間で違っている。そういう中で、道路の整備というものが、やはり馬車というもののために整備された時代がヨーロッパにあった。日本の場合は人から車ということで、証しろわれわれ人間の方が機械から追われる時代が実はやってきた。そのために歩道橋ができたりいろいろなことを政治が手を打っていった。こういう歴史が過去にあったと思うのです。
 これからの時代というのはどうしたらよかろうかということで、実はいままでは黄色になったら用心して走れ、赤になったら渡るなということを教えてきた時代がございましたけれども、これからそうはいかない。ドライバーライセンスを持つ人が年間二百万人ずつふえて、国民の半数近くになってまいりますと、ドライバーに対していかに交通安全を心得るべきかということを学校の教育等で正規のカリキュラムの中に組み込んで、新しい車社会の中での日本のあり方というものを考えていくことが非常に必要になってくるということで、実は文部大臣にも先般面会を申し込みまして、正式にこの問題を文部省の正規のカリキュラムで組んでもらいたいという依頼をいたしておるわけでございますが、第三次交通安全計画の基本としては、やはりそういうふうな道路の整備とか、あるいは自転車道の整備とか、自転車置場の整備とかいろいろなことがございますけれども、身体障害者の安全等も含めて、立体的な整備をやって八千人以下の死者というものに押さえ込むということが大きな目的でなければならないと、このように実は考えておる次第でございます。
#75
○坂倉藤吾君 考え方として理解できないわけじゃないのです。ないのですが、いまお話がありました一つの原因、それは暴走族の関係ですね。これは所信の中でも、あるいは対策の中でも、特に警察の関係はここに重点を置いて説明をされておる、こう理解をしています。したがって、これは大変なことです。しかし、暴走族の暴走に基づいて一挙に死亡事故がふえるということは、逆に徹底した暴走族対策を行えば、死者数を極端に減らすことができる、こういうことに相なろうと思います。
 そうしますと、きょうは暴走族対策の問題は余り私触れようとは思いませんが、今日までの暴走族に対する対策というものが一般国民大衆からながめておってきわめてまどろっこしい、こういうそしりを免れません。見て見ぬ振りをするとかこれは取り締まりに当たる警察官だけの問題ではない。社会一般にそのことを許しておる姿勢自体がきちっと問われなければならない。そうなってまいりますと、基本計画の中で、特に総理府が持っておりますいわゆる交通安全に対する思想普及、こうした任務というものは一層重要視されなければならない。したがって、その効果を上げていこうとすれば、私はやはり第二次設定をいたしましたように何名がいいかと、こんな論議はおかしいと思うのですが、八千人以下ですから、以下はゼロに通じるわけですからあえて言いませんけれども、もう少し高い目標をお互いに掲げて、絶対にそれをやり遂げるのだということが基本に置かれるように設定をすべきじゃないのだろうかという気がするわけであります。したがって、第一次、第二次の基本計画の単なる延長ではなくて、新たな観点というものをもう少し明確に盛り込んでもらえるような、そういう努力というものを私は長官には要望したい、こういうふうに思うのですが。
#76
○国務大臣(中山太郎君) 先生の御指摘のとおりだと思います。それで、暴走族の取り締まりの問題は昨年の八月以来関係省庁と連絡をいたしまして、いままでは非常に御指摘のように生ぬるい点が実はございました。こういうことに対して厳しい態度で取り締まりをやり、暴走族の集団に対しても解散命令を出す等、できるだけの処置はいたしておるところでございます。
#77
○坂倉藤吾君 ただ、死亡事故の五十五年の原因別をながめてみましたときに、横断歩道の横断中の事故が三九・七%を占めております。それから、これは車相互なんですが、いわゆる出会い頭の事故が二四・三%、こういう特徴がございますですね。これはなしろ従来のかっこうから見ると、いま申し上げました原因というのが増加傾向にある、こういう受けとめ方になると思うんです。五十四年度まで九年間、歴史的に減らしていくことについて成果を上げてきた。それが残念ながら五十五年度には、まあ数字的にはわずかかもしれませんけれども、増加傾向にまたはね上がりつつある、こういうことになると、きわめてこの問題というのは重要性を帯びてくるというふうに思うのです。これは先ほどの本岡委員の問題にも絡むわけですが、いわゆる歩行者、それから自転車乗用者、こうしたものの事故の状況等とも絡ませていきまして、先ほども触れましたように、総体的にこれは道路の関係その他も含めて、基本的にどうあるかということをきっちりやはり踏まえなければならぬ、こういうふうに思うんです。従来、車がいまのお話にありましたようにふえてまいりまして、その結果人がどんどん両わきに押しのけられてしまう、自転車は間にはさまってどっちに行ったらいいかということで迷う。こうした問題の整理も含めて全体に日本の国土、それから道路のあり方、それから交通体系、こうしたものを基本にやはり見据えてしまうということを私はひとつこの期間に、基本計画設定だけじゃなくて、途中の状況に合わせた変更だってあり得ることでありますから、充実した検討をして、基本計画の中にそれが盛り込めて、具体的政策になるようにぜひともお願いを申し上げておきたい、こういうふうに思うわけです。
 で、ただ具体的にそういう意味合いで長官にもう一つお尋ねをいたしたいのは、いわゆるそういう安全対策、しかも安全を確保していくという観点からいくと、国民全体の大きな安全に関する運動的なものを充実をしてこなければならぬ、その任務がやはり総理府にあると、こう私は思うのですね。これはまあ所信の中でも長官は述べられておりますから、大きく取り組まれるだろうと思うのですが、きわめて簡単に触れられておりまして、中身がそれらの運動をどう盛り上げるかということについては少し不足をしている感がありますので、その辺はどうやってこの運動を展開されようとするか、少し具体的に説明をいただけたらと、こう思います。
#78
○国務大臣(中山太郎君) 御指摘のとおり、やはりこの交通事故の死亡あるいは傷害者、実は戦後の交通事故の死亡者が四十万人に達しようといたしております。まあ変なたとえでございますけれども、現在の自衛隊が一回全滅して、もう一回同数が全減してもまだ戦後の交通事故の死亡者に及ばない。それほど毎日が交通戦争であるというふうに実は私ども総理府としては考えておりまして、これはもうほっておけない大きな問題だということで、先生のいま御指摘のとおりでございます。全体的な国民の交通事故に対する考え方というもののまあ根本的な見直しというものはやはり必要なのじゃないか、考え方自身に。
 それで、ことしは国際障害者年にも当たりますし、戦後交通事故で身体障害者になられた方が十四歳以上だけで十万人身体障害者手帳を受けておられる、こういうこともございまして、就任以来交通安全対策本部としてどうするかということで、一回全国のいろいろな町あるいは市、公共体でブロック別にこの交通の問題というものを立体的に取り上げてみたらどうか、そうしてそういうふうな関係各団体の意見というものを一度全体的に集約する機会が必要なのじゃないか。こういうことで、実は五月の二十八日、九日両日、東京で戦後初めて政府主催の交通安全に関する大シンポジウムを開くことに決定をいたしております。ここでは交通事故の死亡者の遺族、遺児の方々の生活の実態の報告、あるいはまた交通事故によって身体障害者になられた方の自後の生活の状態、また反省、希望、そういうものも伺いたい。また新しい道路建設によって国家の全体の車の流れがこれからどう変わっていくか。たとえば先日も着工されまして起工式が行われた四国と中国の架橋が成功した場合にはどうなっていくか。島の方からどんどん車が流れてくる。そうしてこれが中国地域に上がってきた場合に、現在の道路で果たして流せられるのか、こういう問題は地元の地方自治体の首長たちにとってもきわめて大きな問題でございます。そういうふうな全体の流れがどう変わっていくかと、こういう問題も含めて、二日間各ブロックに分けてディスカッションをしてみたい。その結果を私どもは逐一検討いたしまして、第三次交通安全基本計画の中で具体的に政策として取り入れられるものはどんどん施策として実行してまいりたい、国会にも御審議をお願いしたい、このように考えております。
#79
○坂倉藤吾君 長官、もう一問だけお尋ねをしたいのですが、先ほども論議がありましたが、いわゆる自転車法案ですね、これは法案成立をいたしましたのは、きわめて緊急重要な課題である、こういうことで、この委員会で実は成立を見ました。そのときの条件からいきますと、おおむね本年の四月には具体的に施行段階に入る、こういうふうに聞いておったのですが、最近それが少し、五月の末になるだろうとか、あるいは六月になるのじゃないかというふうな話が聞こえてくるわけなのですが、これは総理府の中で準備に手間取って、そうしてもたもたしているということになりますと、まあ大変趣旨に反しますので、ぜひ早くこの施行をやるべきだと。いつごろこれが明らかになるのでしょうか、ちょっとその点だけ。
#80
○国務大臣(中山太郎君) せっかく御審議いただき、成立さしていただいたこの法案の施行は、法が成立してから六カ月以内ということになっております。総理府といたしましては、先生のお尋ねの点は、この五月二十日前後にいたしたいと、このように考えております。
#81
○坂倉藤吾君 それじゃ。いま公安委員長お見えになりませんが、警察は局長がお見えになっていますから、先般の公安委員長の所信の中なんですがね、「交通事故減少傾向の定着化を図り、」こう片方で言いながら、「昭和六十年までには交通事故による死者数を八千人以下」と、片方ではこういっておるのですね。いままあ総務長官にもお尋ねをしましたが、これは今日の交通事情の中で言われんとするところはわからぬではないのですが、八千人程度は今日の状況から言ったらやむを得ない、ある意味では。努力をするのと原因がふえるのとやっていくと、これはもうこの程度はやむを得ないんじゃないのかというふうな考え方が、この発想の底辺にあるのじゃないだろうか、そういう気がするわけですね。そうしますと、私どもが交通安全に取り組んでいく姿勢とはずいぶんかけ離れたものにやっぱりならざるを得ない、この辺は一体どういう認識に立っておられるのか、ここの分析についてちょっと警察の立場で説明をしてもらいたい、こう思います。
#82
○政府委員(池田速雄君) 御指摘のとおり、交通事故の実態につきましては、私どももきわめて厳しい情勢にあるというふうに認識いたしておるわけでございます。と申しますのも、四十五年をピークにいたしましてほぼ順調に減りつつあったわけでございますが、すでに件数、負傷者につきましては、実は五十三年の段階からほぼ横ばいの状態になってきておったわけでございます。それが死者につきましても残念ながら昨年はふえた、こういうことでございますけれども、その内容等をしさいに見てみますと、先ほど総務長官の方から無暴運転的なものが大変ふえたという御指摘がございましたけれども、現象面で見ますとそのとおりであろうかと思います。と申しますのは、実は五十三年に道路交通法の改正を政府が提案いたしまして御審議いただいて可決いただいたわけでございますが、そのときの内容が、無暴運転的なものは追放する、運転者の社会的な責任というものを重視するのだ、こういうことが重点になっていたと思います。その分が五十四年にはてきめんにあらわれまして、全体としては件数等は増加傾向にありながら大きな結果をもたらします死者につきましては減っていた、それが残念ながら昨年は若干逆戻りしているというようなことを認識いたしておるわけでございますが、とにかく全体として考えました場合に大変に厳しい状況にあるということを痛感いたしておるわけでございまして、総理府の方で学者の先生方等を交えられまして長期予測等やられました結果が、このまま五十五年時点の事故抑止努力でとどまりますと一万人以上にさらにまた逆転してふえてくる、これを現在も続けてきたような努力をみんなが一致してやれば六十年には八千二百人ぐらいの死者に抑えられるのじゃなかろうかというような推計もお出しになっておられます。
 それから、私どもといたしましては各県別にいろいろ統計等も見るわけでございますけれども、ピーク時からのそれぞれの県の現況を申し上げますと、ピーク時に比べまして三〇%以下にまで死者数を抑えておるところが東京都でございます。それから四〇%以下に抑え込めておるところが三府県ございます。五〇%以下のところが二十二県ほどございまして、全国的に見ますと二十六の都府県で半減を達成しておるわけでございますが、残りの二十一県につきましては六〇%以下が十五府県、六〇%以上が六県といったような実情にもございます。したがいまして私どもといたしましては、県の実情それぞれ違いますけれども、ある種のお手本みたいなものが現実にあるわけですから、六〇%以上の県も努力すれば半減目標を達成できるであろうと、そういうようなこと等を考えまして、現場を預かる私どもといたしましては、率直な気持ちを申し上げますと、現在増加傾向にあります死者というのを一人でも減らしたい、さらにでき得べくんばゼロにしたいというのが本当の念願でございますけれども、いろいろな要因等から考えますと当面の目標を八千人以下に置くということでございまして、決して八千人であればそれでいいのだということでなくて、究極の目標はやはりゼロに限りなく近づけるという努力を続けなければいけないわけでございますが、一応の目標として八千人という、こういう厳しい状況の中でも目標を掲げながら努力をしてまいりたいと、こういうのが率直な心情でございます。
#83
○坂倉藤吾君 そういう意味で、冒頭申し上げたように、わからぬでもないと言うのです。しかし、一般的に、先ほど総理府長官にもお答えをいただきましたように、国民全体が交通安全に向かって、これはもちろん死者を出してはならぬし、けがが出てもならぬ、そういう立場でゼロにしていくという努力についてはお互い意見の食い違いのないところだと思うんですね。みんなそのつもりになっている、そのための努力をどう結集をしていくのか、こういう立場になるわけですね。私は育ちが育ちですからひねくって物を考えるかわかりませんけれども、少なくとも目標は達成のしやすい目標に定めておいてそうして目標を達成できればよくやったと、こう評価ができるわけです。しかし、それでは私は交通安全対策は間違いだろう、目標が厳しくてもそれに向かってやはり積極的に進めていくというものを目標としては定める必要があると思う。その努力に向かって、仮に五カ年計画で半分であったにしても私はそのための努力というのは徹底すべきじゃないのだろうかという気がするわけであります。したがって、いまの事態から見てそれは条件が悪くなることの方が目に見えているのだから、現状維持が保てればまあまあ対策が成功したんだという評価につながらないように、私はもう一遍この辺の問題は見詰め直していただく必要があるだろう、こう思うのです。それは、担当の警察の方で交通事故による死亡者数がさらにこれから五年いって八千人ですよと言うと、ちょっと取り組みに、そのことだけながめてみましたときに迫力が欠けますよ。ぜひ私はもっと大胆に目標設定をし、それに向かって全体が取り組む姿勢、ここにぜひとも集中をしてもらいたい、こういうふうに思うのです。ぜひひとつこれは検討をいただきたいのです。
 次に、これも所信の中にあるんですが、「適正かつ合理的な交通指導取り締まり」こうなっているわけですね。「適正かつ合理的な交通指導」というのはよくわかるんですが、「適正かつ合理的な交通指導」の後に引き続いて「取り締まり」と、こうなっているものですから、この「取り締まり」というのが交通の基本だとしますと、これまた大変間違いじゃないのだろうか、こう思うんです。「適正かつ合理的な」というものがついていますから、これはまあそれなりに評価をしないではないのですけれどもね。取り締まり中心の交通対策というのは私はなかろう。むしろ事故をどういうふうに起こさないようにしていくか、それから交通が安全にどう秩序立って行われていくのかということを、その流れをよくしていくことに任務があるわけでありますから、これはちょっとお尋ねをしておかないといかぬだろう、こう思ってお聞きをするのですが、具体的にはどういうことなんでしょうか。
#84
○政府委員(池田速雄君) 御指摘のとおり、交通の指導取り締まりにつきましては、歩行者、自転車利用者等いわゆる交通弱者といわれる方に対しましては保護、誘導の活動を強力に推進しなければならないというふうに考えておりますし、また運転者に対しましては、交通事故に直結するような悪質でかつ危険な違反行為につきましては重点的に取り締まりをやはり強化しなければいけないというふうに考えております。一方、単に取り締まりということだけでなくて、運転者の注意を喚起するためには街頭の監視活動といったようなものを積極的にやっていく、そういうことを総合的にやりまして交通事故の防止を図るようにいたしておるわけでございます。こういった観点から指導取り締まりというものがより効率的に行えるようにいたしますために事故の実態というものを徹底的に分析いたしまして、事故に直結するような悪質なものに重点を置きながら、また同時に、残念ながら危険な運転者という者も現存するわけでございますので、そういう人を発見いたしまして教育を加えるといったようなこともわれわれの重大な使命であろうというふうに考えておりますので、そういったことが総合的に合目的的に効率的に行えるようにするというのがこの趣旨でございますので、御理解賜りたいと存じます。
#85
○坂倉藤吾君 いま局長が説明をされました方針というのは、取り締まりの立場からいきますと、もう従来から今日に至るまで変わっておりませんね。方針は変わらないのですが、現実になりますと、これは余りこういう話をしたくないのですが、実は、どこどこの署のだれだれにかかったらだめだよと、こういう話が専門ドライバーとか、そういう者の中から出てまいりますね。私は、これはやはりもう一遍取り締まる方の側の質、いわゆる教育、それから姿勢、こうしたものについてきちっと整理をしてもらいませんと、せっかくこれは公安委員長が所信でそこまで述べられておるんですが、むしろ過剰取り締まりの方が、私自身が心配になるようなことじゃこれはちょっと本旨から外れるだろう、こういう気がするわけですよ。ぜひこの現場の中で、そういう、何といいますか、おれがやったらもう絶対にというような立場で過剰が行われないように、本来の交通安全の立場に向かってそれがリードされるようにぜひここの点は徹底し直してほしい。これはもうずいぶんあります、現場の段階でね。ひとつ局長、部内指導を徹底してもらいたい、重ねて申し上げておきたいと思います。この点、一遍返事をもらっておきますか。
#86
○政府委員(池田速雄君) 交通の指導取締活動は国民の理解と支持がなければ目的が達せられないということはそのとおりでございますので、そのために、私どもとしましてもできる限りの努力をいたしてまいりたいというふうに思います。私どもといたしましても、単に取り締まればいいということではなくて、取り締まられました方も含めまして、本当に安全な運転をやっていただくということが目的でございますので、違反の取り締まりを受けられた方につきましても随時、たとえばどういう希望があったかとか、あるいは警察官の態度はどうであったかというようなアンケート調査等もいたしておりますが、そういった努力を重ねながら、それを警察官一人一人に徹底するように努力してまいりたいと思います。
#87
○坂倉藤吾君 次に、この安全施設整備五ヵ年計画の法案の中身の問題で少し、事務的な面もありますので、事務当局でその部分は答えてもらいたいと思いますし、ポイントになるところはまた大臣に御意見を聞きたいと思うのですが、建設省、まあ先ほども質問がありましたけれども、たとえば基本方針の中で歩行者の安全を確保するために歩道等の緊急に必要な道路十万キロ、これを六十年度までに整備を図っていこう、こういうような内容が説明をされています。この歩道等の緊急に必要な道路という必要条件、いわゆる判断基準、この辺は一体どこに置かれておるんでしょうか。
#88
○政府委員(渡辺修自君) 歩道につきましては、やはり自動車と歩行者を分離するという意味合いにおきまして大変事故防止の効果が大きいわけでございます。そういう点から自動車交通量、歩行者、自転車の交通量、これを勘案いたしまして歩道の必要性の判断をいたしておるわけでございます。私ども、最終的には自動車交通量が一日当たり五百台以上あるような区間、これは都市内で申しますといわゆる幹線街路あるいは準幹線街路以上のものになろうかと思います。それから区域内の幹線というものも含まれると思います。それから地方部になりますと、同じように道路がありまして、それに沿いまして集落が形成をされておる、こういったところが自動車交通量、歩行者交通量から見て必要なところでございまして、そういった観点で計算をいたしますと、実は全国で道路法上の道路が百十万キロございますが、最終的には二十三万キロが歩道つきの道路であってほしいしと、こういうことでございます。この五ヵ年におきましては、そのうち中でも緊急を要します区間、つまり自動車交通量がただいま申し上げましたようにございまして、さらに歩行者が百人以上あるとか、こういったところを勘定いたしますと約十万キロになるわけでございまして、この十万キロまで歩道を概成するというのを最大の目標にいたしておるわけでございます。ちなみに現状では歩道がついております道路は約六万一千五百キロでございます。
#89
○坂倉藤吾君 そうすると、この緊急かどうかという判断は、これは何か事故とのかかわりなんでしょうか、それとも、どこでその緊急性を判断するわけですか。
#90
○政府委員(渡辺修自君) ただいま申し上げましたように、緊急性は自動車交通量あるいは歩行者、自転車の交通量で判断をするわけでございますが、その中でも特に通学路につきましては優先的に判断をする、やはりこの五ヵ年計画につきましては地方から積み上げて計画をつくってまいる段階になっております。その辺で各地の現地に即した御判断、これを私どもも尊重してまいりたいと思います。
#91
○坂倉藤吾君 現地から積み上げてくるだけに、いわゆる現地の必要だというふうに認識をする度合いが、これが違ってまいりますね。だから、そこの問題があるものですから、緊急というのは大体こういうことなんだよと、それから必要なところというのはこういうものだよということがだれにでもやはりわかって、なるほどここはこうなのかということが整理できませんとこれは困りますのでね。
#92
○政府委員(渡辺修自君) ただいま申し上げるのをついうっかりいたしましたが、この交通安全の計画でつくります道路につきまして道路の指定というものがございまして、これは、交通量といわゆる事故発生率と申しますか、こういったもので判断をいたしておるわけでございまして、たとえば建設省の直接管理しております国道は全線指定をいたしておりますが、都道府県管理の国道であるとかあるいは都道府県道等につきましては、こういった基準から判断をいたしまして、まずいわゆる危険な道路から先に指定がなされ、逐次その基準も第一次計面、第二次計画と緩めてきているわけでございます。そういったことでその危険度の判断をいたしております。
#93
○坂倉藤吾君 そこで、国道の関係は直轄ですからわかるんですが、いわゆる県道、市道の関係はどういうふうになってまいりますか。
#94
○政府委員(渡辺修自君) ただいま申し上げました交通安全施設を緊急に整備すべき道路を交通量と事故率から判断をいたしまして指定をいたしまして、その指定された道路につきまして、さらに現地の情勢に応じてもろもろの対策を積み上げる、こういうことになるわけでございます。
#95
○坂倉藤吾君 答弁がよくわからないんですが、別にこれは道路管理者がどういうことであろうとも、その管理責任というよりも、指定をされてしまえば、市町村道であっても県道であってもかかわりなしに、そこにつけてはめんどう見ます、こういうことなんですか。
#96
○政府委員(渡辺修自君) 仰せのとおりでございます。
#97
○坂倉藤吾君 次に、踏切の関係を少し聞いておきたいんですが、先ほどもありましたけれども、踏切道の立体交差化の中の連続立体交差化、それから単独立体交差化、これは連続のところは長さで三百キロ、それから単独は四百カ所、それから道路の新設等に伴う立体交差化、これは新設でありますから、改造のところは改造のところで既設のものが繰り上がっていくということになるのでしょうけれども、この計画を外して、たとえば連続と単独の、いわゆる三百キロ、四百ヵ所というものは、これは先ほどのお話でいくと大体必要だと思うものの七〇%程度が六十年までに完了する、こういう説明だったと思うのですね。そうしますと、あと三〇%が、必要ではあるけれども、予算事情か何かわかりませんが、その要望にこたえられない、あるいはやろうとするけれどもそこまでいけない、こういうことになって明らかに残ってくるわけなんですが、この辺の物の考え方というのは一体どういうことなんでしょうか、これはちょっと大きな課題として、運輸大臣、建設大臣、それぞれからお伺いをしたい、こう思います。
#98
○国務大臣(塩川正十郎君) 連続立体化をいたしますのには一つの基準がございまして、先ほど鉄監局長も答えておったと思うのですが、立体化に伴う一つの基準が省令でございまして、さらに連続立体化には数本の道路を連続してやる、その方が都市の条件を完備するのにいいというような条件をつくっておりますが、その条件に適合する地点を対象にいたしまして、まず地元の府県等で都市計画をしていただくということに相なってまいります。現在、いろいろと要望はございますが、その要件等を照らし合わせまして、第三次計画におきましては、その要望は相当数かなえ得られるであろうということで計画を策定しておる、それで、三百キロというのは、大体そんなところに目標を置いておるということでございます。
#99
○国務大臣(斉藤滋与史君) いま、運輸大臣からもお話がありましたように、それぞれの環境によって連続でするのか、単独かということになっていくと思いますけれども、いずれにいたしましても、建設省といたしましては都市計画に基づいて地域の方々とよく御相談申し上げて、要は交通渋滞なくしかも交通安全であり、地域の発展につながるということ、目的は一つでございますので、そうした問題を大きい立場から考えながら進めていくべき問題であろう、このように考えるものでございます。
#100
○坂倉藤吾君 いま両大臣御答弁いただいたんですが、御答弁の趣旨はよく理解しております。
 私がお尋ねをしましたのは、これから六十年まで、第三次を進めていきまして、なおかつ三〇%が残ることに先ほどからいきますと答弁が出ているわけです。そうすると、この三〇%というのはどういうふうに処理をするおつもりなんでしょうか、ということをお聞きしているわけです。本来なら、いま立体交差化をしなければならぬ、ところが予算事情その他でそこまでやれない、やれないから結果として七〇%で終わって、三〇%は残りますよ、これは、第三次が終われば、第四次引き続いていきますよと、こういうことになれば、それはすんなりいくわけですね。したがって、この三〇%が一体どうなるんだろうかということが一つは心配。
 それから、連続立体交差化をしなければならぬけれども、予算でできないという場合に、当然そこには交通渋滞が起こるとか、いろんな事故発生の要因というものがやはり生まれてくるだろう。生まれてきたときの責任というものは一体どういうふうに理解をすればいいんだろうかというところが二つ目の問題なんです。本来必要とするものが一遍に全部できないのはわかります。わかりますけれども、じゃあ、必要だと思っているのに処理をしなかった、しなかったときに問題が発生をした、いままででも訴訟等でありますように、それが道路管理者の責任じゃないかとか、いろんな問題が発生することは間違いありません。その辺を明らかにしておくことが必要なんじゃないだろうか、こういう意味でお尋ねしているのです。
#101
○政府委員(杉浦喬也君) 仰せのように、先ほど申し上げましたが、六十年度までの、立体交差化の問題に限りますと三〇%ぐらい残ってしまうということでございます。これは技術的な、周辺の問題なり、あるいは財政上の問題というようなことから、やむを得ない結果だと思いますが、なお、引き続き残りのものにつきましてできるだけ立体交差化の方向へ進んでまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
 で、まあ立体交差はそうでございますが、大規模な踏切の構造改良とか、あるいは踏切の保安設備につきましては、六十年度までにまあほぼ全面的に所期の目的を達成できるということもございますので、総合的に勘案いたしまして踏切安全対策上は相当なる成果が期待できるものというふうに考えておる次第でございます。
#102
○坂倉藤吾君 まあその程度にしておきます。
 最後に、踏切事故の関係なんですが、第一種踏切、それから第四種踏切。まあここに、たとえば第一種の場合は、事故の構成率からいきますと、踏切事故の場合の四〇・二%、第四種の場合は三八・八%という事故の構成率になっていますね。それから踏切道自体の個所数からいきますと、設備もあり、人も配置をしているこういう第一種のところが非常に多い。第四種の場合は人も配置をされていないし、警報機もないし、いわゆる信号機もないしと、こういう踏切でありまして、ここがまあ事故が起こるというのはある程度うなずけるんですが、この、遮断機もあるわ、それから人も配置をしてるわというところの事故が四〇・二%という踏切事故の構成率を持っている。このことに対して、安全対策の面からの分析というのは一体どうなっているのだろうか。しかもそれは、これから踏切道の改良をやっていこうという形の中で、この種の事故防止についてはどういうふうな検討が行われておるんだろうか、ここの点をひとつお答えをいただきたい、こう思っています。
#103
○政府委員(杉浦喬也君) 御指摘のように、第一種の、遮断機があるものにつきまして事故の割合が四〇・二%ということでございまして、遮断機があるのにおかしいではないかというような御指摘でございますが、この事故の原因の発生状況の分析を見ますと、直前横断、あるいは自動車の運転の誤りというようなものが大半でございまして、この辺はやはり自動車を運行する方々の十分なる今後の注意を喚起し、指導をしていくということによりまして事故の低減を図ってまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
#104
○委員長(山崎昇君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十二分開会
#105
○委員長(山崎昇君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法及び踏切道改良促進法の一部を改正する法律案及び公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査のうち、交通安全対策の基本施策に関する件を便宜一括して議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#106
○増岡康治君 本院で行われた先般の国家公安委員会委員長の所信表明につきまして、実は私と同じような御質問を坂倉委員がなさいました。はっきり目標を半減して八千人以下という、どういいますか、交通事故の死者数をもってひとつの目標値を選んだ、こういう所信表明のときに交通事故による死者数八千人というような表現をなさったということはいろいろなメリット、デメリットがあるような気がするわけです。私気になりましたのは、これほど日本もやっておるが、けさ中山長官がおっしゃったように車社会を早く迎え入れたヨーロッパ等はどうなんだろうか、この八千人というのはきついのだろうかどうだろうか、こういう一つの問題がどうしても頭に浮かばざるを得ないわけでございます。いろいろと当局から資料をいただきました。たとえば昨年の、パリで開かれましたヨーロッパ運輸大臣会議の報告書というものを見さしていただきました。これを拝見いたしますと、いろいろ日本のことについてコメントがしてございまして、一九七〇年から一九七八年にかけて欧州先進国といろいろ比較してみますと、非常に日本における道路交通の安全は目覚ましい成功をおさめているというコメントをしております。これは乗用車の保有台数がこの間において二・四二倍になったにもかかわらず死者数は四〇%減っている、こういう日本の行政に対して非常に実は外国から評価されておるわけです。車社会を早く迎えた先進諸国はもう少し私は交通事故が少ないのじゃないかと実は思っておったわけです。そういうことで、確かに今日までにおきます交通安全に対する日本の政府等、あるいは国民もそうですが、努力しておるなということは諸外国から比較すると確かに評価できるような気がします。しかしながら、坂倉委員がお話しのとおりわれわれ政治の立場からいうと八千人というのはもうどうしようもない数字かなと、いろんなあらぬ罪を着せられたときには交通事故に遭ったようなものだという表現がいまよくある。それぐらいにわれわれ人間社会に車社会というものを是認した以上はやはりこれが精いっぱいかなというような気もせぬでもないのですけれども、しかし、これは八千人以下ということにおいてひとつがんばっていただく以外に手がないと思っておりますが、こういう表現をなさったいわゆる交通警察の立場で警察の方これをどういうぐあいに浸透なさるのか、どういう方法をなさるのか、この八千人目標に対してこれをこういうぐあいにうたった方がいいと、こういうことが聞ければひとつ聞かしていただきたいと思います。
#107
○政府委員(池田速雄君) 私の方からお答えするのもあるいは不適切かもしれませんが、お許しいただきたいと思います。
 八千人の数字を出しますにつきましては私どもといたしましてもいろいろな検討をいたしたわけでございますが、少し古い話になりまして恐縮でございますけれども、いまから十五年前の昭和四十年、事故が大変ふえておる時期でございまして、それから四十五年、これもピーク時だったわけでございますが、そのころ、端的に申しまして私どもの方が一つの何といいますか願望みたいにして考えておりました数字というのが実はアメリカの数字でございまして、アメリカで当時は自動車一万台当たりが四十年で五・五人の死者になる、四十五年でたしか五・〇人の死者になる、車社会の先進国と言われましたアメリカでそういう数字だから何とかそれに近づけたいものだというのが偽らざる実情だったというふうに思うわけでございます。そういった願いを背景に国民皆さん方の御努力によりまして四十六年から事故が減りまして、絶対数におきましてもほぼ半数近くなってきておるわけでございまして、一万台当たりの死者数でまいりますと、これは統計のとり方が大変むずかしゅうございますので単純に比較できるかどうかわかりませんが、先ほど御指摘がございましたとおり、ほぼ欧州の先進国の水準並みということで、しかもその減少の仕方が大変目覚ましいということで話題になるような事態になったのは大変に喜ばしいことだというふうに考えておるわけでございます。しかし、残念ながらまだ事故が反転いたしまして増加する傾向を見せておるわけでございますが、少し細かくなりまして恐縮でございますけれども、内容を見てみますと、昨年増加いたしておりますけれども、歩行者の方につきましては実は四十五年がピークでございまして、少しずつではございますけれども毎年減少いたしまして半減を達成いたしておるわけでございます。ただ自転車につきましては三十五年がピークでございまして、その次のピークがまた四十四年に参っておりますけれども、それから減少してまいりましたのが昨年は少しふえておる、四十四年までずっと減少していましたがそれがふえておるという実情にございます。二輪原付につきましては三十九年がピークでございましたが、その後いろんな変遷がございますけれども五十四年までは減っておりましたものが五十五年にまたふえておる。自動車につきましては四十七年がピークでございまして、それから減ってきつつあったわけでございますが、昨年は反転してふえておる、しかも同乗中の事故が多いというようなこと等がございます。状態別に見ますと、安全施設その他が特に歩行者事故については効果的であったのじゃないかというふうに考えておりますが、したがいましてやはり安全施設その他につきましては歩行者対策を重点に進めていきながら、さらに車に対する対策というものを考えていかなきゃならない、車の対策もできる限り総合的になっていただくということで警察もできる限りの努力をするわけでございますけれども、そういった情勢等を考えまして、一つのステップとして八千人という数字を出したわけでございまして、私どもは八千人の目標達成も大変厳しい状況にあるというふうに考えてはおりますけれども、何としてでもこの目標を達成して、さらに次の段階へ進んでまいりたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
#108
○増岡康治君 まあひとつよろしくお願いしたいと思います。
 これからちょっと道路局長にお聞きしたいのですけれども、私自身もいわゆる三八豪雪、それから先般の五六豪雪、いずれも現地を見る機会を得たわけでございますが、三八のときと五六の差はやはり車社会を迎えたなと、いわゆる車が非常にふえたということで、三八の豪雪以降雪国の交通確保、交通安全は非常に進んだと思うのですが、先般の豪雪を見ますと、やはり新しい車社会の中における交通確保であり、交通安全だというような感じがいたしまして、この五六豪雪を皆さん方現地を見られて、またいろんな御事情を聞かれたと思うのでございます。この貴重な一つの経験をどういうように行政に生かすか、交通確保、交通安全の上にどうしたらいいのだろうか、こういうことを一つお聞きをしたいのです。
#109
○政府委員(渡辺修自君) 今冬の豪雪に当たりましては幹線道路の交通確保に全力を挙げたわけでございます。おかげさまで生活物資の輸送その他特段の支障がなかった点、私どもも現場第一線の職員の非常に努力をしましたことを感謝している次第でございます。話を聞いてみますと、やはり車社会になりましたわけではございますが、中には雪国へ来るのについて余り準備のない方も非常に多かった。チェーンを持っていないということ、その他スコップ一丁持っていない、あるいは運転をされる方が長ぐつをはかないでスリッパで来るというようなケースもあったようでございまして、職員はそういった方々の指導も含めまして非常に苦労したようでございます。私どもいろいろ手だてをいたしたわけでございますが、やはり今後はこの経験を踏まえまして除雪機械、それからオペレーターを適切に配置をする。そして機動的な除雪態勢を常に発動できる体制にしておくというようなこと。それから効果のあります流雪溝とか消融雪施設、消雪パイプでございますが、大変効果がございますので、こういったものも整備促進を図る。それからやはり豪雪になりますと、ある程度余裕幅のある道路構造でないと、除雪そのものができないということもよくわかりましたので、道路構造令にも実は規定があるわけでございますが、基本的な雪国の道路の改良といいますか、拡幅、これをじみちに進めていく必要があると感じた次第でございます。なお、春先になりましてなだれの被害も相当出ておりますので、なだれ防止さく、スノーシェッド、こういったことの整備も経験を踏まえながら進めてまいりたいというふうに考えております。
#110
○増岡康治君 ひとつそういうようにお願いしたいんですが、現地の道路管理の第一線に当たっている方、富山、石川、福井等事務所長が言っているのは、どうも本省の皆さん方は非常に延長主義で、除雪機械が何キロに一台とかというが深さで言ってくれというような話も出まして、そういうようなことも盛んに言っているほどみんな一生懸命やっていたということで、ひとつ今回また再点検していただいて、やはり確かに大きな機械が要るようになりました。こういう面で常時備えておくべき除雪機械、配置については格段とまたがんばっていただきたいと思っております。
 それから先般ちょっと毎日新聞でしたか、何かで見たんでございますけれども、いわゆる共同溝の問題がございます。大都市における共同溝というのは非常に都市の隠れたる財産だと実は思っております。毎年毎年人目に見えないところで大きな共同溝ができ上がっておるわけですが、さらにその新聞で私、内容がよくわかりませんので教えていただきたいのですが、今度は歩道の下へ少し小さい、いわゆる供給管埋設溝というのでしょうか、こういうような計画も考えておられる。これはどういいますか、都市における交通に対して歩道といいますか、非常にきれいにもなりますし、道路標識もよく見えるようになるし、案外メリットが私はあると思いますが、この共同溝あるいはさらに進めての小さい共同溝についての今後の皆さん方の考えをひとつ道路局長から聞きたいと思います。
#111
○政府委員(渡辺修自君) 先生のお話にございましたように共同溝につきましては五十五年度末で約百四十八キロというような整備が進んでいるところでございます。ただいまお話のありましたこの歩道の中に入れます共同溝、いわゆる供給管共同溝といっておるわけでございますが、私どももこの必要性は十分認識しております。この歩道下に入れます供給管共同溝ができますと、効果といたしまして、まず電柱がなくなる。したがって、標識、街路樹等がよく効果を発揮するという点もございますし、それから歩道の掘り返し防止にも役立つわけでございます。非常なメリットがあることは十分わかっているわけでございますが、ただ供給管でございますから、沿道の需要がある程度確定しないと非常につくりにくいという面がございます。ビル等がある程度立ち並んでまいりますと、その辺がうまくいくかと思います。したがいまして、地域の状況に応じながら、その道路空間を適正かつ効率的に利用するという意味におきまして、今後この歩道下の供給管共同溝の整備は前向きに考えてまいりたいと思っております。
#112
○増岡康治君 それから今度はこの法律関係の内容でございますが、第三次交通安全五カ年計画の内容を見ますと、今回新しく名前が出てきました。新たに歩行者優先のコミュニティー道路というような言葉が登場してきたという感じでございます。いわゆる交通環境という問題からこういう発想が出て、どういうところに目をつけたんだと、今後どういうぐあいに進めたいというコミュニティー道路というものについて少し説明してほしいと思います。
#113
○政府委員(渡辺修自君) やはり先ほど来御議論に出ておりますように歩行者の事故、自転車の事故といったものが依然として全事故数の四十数%を占めるという状況でございまして、歩行者の安全というのが今回の五ヵ年の非常に大きな眼目になっておるわけでございます。そこで、表通りがある程度整備されているという条件のもとで、つまり通過交通をある程度排除し得るような裏通りにつきましては、これはひとつむしろ積極的に歩行者の優先という方向を打ち出しました道路づくりをいたしたいというものがコミュニティー道路の考え方でございます。つまり、ただいま申し上げましたような条件の裏通りにつきまして歩行者が安全かつ快適に通行できるような交通環境を設けたい、したがいまして、歩道の幅を通常考えられておるものよりも広くとる。それからまた、その幅も変化をさせる。つまり平面的に見ますと、車道に対しては出っ張ったり、引っ込んだりという形にもなろうかと思いますが、じぐざぐにするような形で通過する自動車がそこを飛ばしていくというりではなくて、徐行しなければいけない。また場合によりましては路面にでこぼこをつくることも考えておりますが、むしろここは歩行者が買い物の場あるいはおしゃべりをする場、いろいろそういう面で快適な環境で通行していただくということを考えておるわけでございます。第三次五ヵ年計画におきましては学校とか公園とか集会場、教育施設、それから場合によりましてはいろいろなお店があるというようなところ、こういった道路を重点的に考えまして、それらを連結するもの等々につきましてこのコミュニティー道路を実施をしてまいりたいと考えております。実はすでに五十五年度に単独事業として実施をいたしましたものが大阪市にございます。あるいは写真等をごらんになっておるかと存じますが、こういったものでございまして、五十六年度につきましては北海道から福岡まで全国にわたりまして、代表的なところを選んでこのコミュニティー道路をつくってまいりたいと考えております。
#114
○増岡康治君 いまの話にも出ましたように、案外地方は創意工夫を生かして非常に上手にやっておるという気がいたします。今回のこの第三次の整備計画の中でも相当地方単独事業というのが交通安全の場合でもいろいろと見込まれておりまして、こういうものについての効果的な実施の面を建設省から見た場合に、この地方単独事業についてはどういう一つの行政指導を考えておるか、これをちょっと教えていただきたいと思います。
#115
○政府委員(渡辺修自君) この交通安全事業は、御承知のとおり特定交通安全事業と申しますいわゆる国が補助し、あるいは負担する事業と、地方単独事業の両方から成り立っているわけでございまして、全体を各地方で積み上げてまいりまして、それを特定と単独に分ける、こういうようなかっこうに相なるわけでございます。地方単独事業はよりきめの細かい対策ということに尽きるかと存じますが、いろいろ従来の経緯から考えまして、また、自治省等とも御相談を申し上げまして、今回の五カ年につきましての地方単独事業は約六千七百億円を予定いたしております。第二次五ヵ年に対しましての比率は一・六三倍ということになっております。つまり、特定の方は九千百億円でございまして、一・六倍でございますが、これを上回る地方単独事業を考えているということでございます。
 で、先ほど申し上げましたように、やはり事故を本当に減らしていくという点につきましては、現地の事情に応じましたいろいろなケーススタディーをやり、きめ細かな対策を実施していく必要があろうかと存じます。そういう意味合いにおきまして、多くの資金を要するものは特定交通安全事業で、それをさらに補完するものとしてきめ細かい対策をするというのが地方単独事業であろうかと存じますので、私どももそういう意味合いで関係各省庁とも連絡をとり、また、地方公共団体とも十分われわれお手伝いをしながら実効のあるものにしてまいりたいというふうに考えております。
#116
○増岡康治君 地方単独事業は非常に伸び率が高いということは、結構なことだと実は思っております。結局いろいろお話をけさから聞いておりまして、相当やはりきめの細かい作戦をやらないと、そのためには地域の住民参加ぐらいな感じで交通対策の面を考えていかないと、とてもこれは大変だなという気がしておりまして、そういう意味でこの地方単独の伸び率を非常に高く見たということを私どもも非常に評価しております。まあひとついろいろとまた地方の実態をよく本省の方でもにらんでいただいて、知恵をしぼっていただこうと期待しておるわけでございます。
 それから、最後に大臣に一つお願いしたいのでございますけれども、私も現場で道路管理者としての仕事をいろいろやってまいりました。まあ、大変な苦労でございます。もう交通警察の方ももちろんでございますけれども、いつも責任が物すごく大きいのです。穴っぽこをやってもすぐ道路管理者はすべてやられる、毎日もう責任ばかりを感じてやっておるというようなことでございまして、非常にそれは結構なことなのでございます。そういう意味で、国挙げての交通安全対策の上から、いわゆる道路管理者の側から見ても今後どうなるのだろうかと。それはいま財政再建問題が大きく国の一つの課題になっております。さらに加えて行財政改革というものがこれからシビアな姿で各省へおりてくる、これはもう明らかだと思っております。その中でいろいろな行財政改革、私どもが見ても確かにあの辺は節約できるなと思うのが金減らし、人減らしという面でありますけれども、いわゆる人間の命を守る第一線の交通警察の皆さん方あるいは道路管理者の皆さん方についてはどういいますか、余りほかの仕事と同じように何割減したらいいじゃないかというような単純なものではこれはいけないと思うのですね。この関係でも大臣が五人もそろうというような国を挙げての一つの問題としてやはり現場の第一線を見ていただかなければいけない、こういうことを実は考えざるを得ないわけでございます。こういう第一線を守るという意味において今後財政再建下あるいは行政改革をだんだん進める上において、こういうことに対して大臣はどうお考えか、ひとつお聞きしたいと思います。
#117
○国務大臣(斉藤滋与史君) 人命尊重の立場から交通整備についての御卓見を拝聴して大変ありがたく思っております。私の所見というよりもむしろベテランの増岡先生からいろいろとお聞きした方がいいのではなかろうかと思いますが、当面の責任者として、特に財政再建、行政改革の折でございますので、この点につきましては厳しく受けとめて本年度の予算につきましても、たとえば道路財源の問題につきましても精いっぱい御協力いただきながら確保したところでございます。御案内のように、いわゆる先進諸国の中で日本の道路整備が水準以下だということは御案内のとおりであります。経済社会の中で、また国民生活の中で必要欠くべからざる、欠陥とも申せる道路整備について、なお一層私たちは生活的な問題とは別に交通安全の面から、人命を尊重する面から、真剣に取り組んでいかなければならない問題ではなかろうかと思います。したがって、財政事情の厳しい折であればあるほど、財源確保はもとより、与えられた財源については十二分な活用を図ってまいるというのが、当然のことながら行政改革の面につきましても国の大きな問題でありますので、協力は当然しなければなりませんけれども、とにもかくにも人命尊重という立場から大義を持って前向きで進んでいきたいと、このように考えるところでございます。
 なお、今朝来いろいろとお話があったわけでありますが、私、実はいわゆる東海道に面したところにおりまして、当選した直後に余りにもひどい交通事故で質問したことがあるのです。もう通れば必ず自動車がうちに飛び込んでいる、必ず月のうちに一人二人亡くなる、先ほど来諸先生方のお話のように、私の所管ではないかもしれませんけれども、八千七百人の方が亡くなる、これを私、十年前にも申し上げたんですけれども、一人一人並べますと、大体肩幅五十センチにして四キロ以上の死者が並ぶのですね、一年の間に。これは大変なことなんです。こうしたことを私は図解して当時十年前に質問をしてやったわけで、ドライバーの方々に交通ルールを守れ、規制を守れ、どうこういったところでなかなかぴんと来ないので、これは総理府の関係の所管であろうかと思いますが、この際せっかくの所見ということでございますので――交通安全施設についで顕著なことはわかります。でも、そうした面につきましてもやっぱり具体的に国民に悲惨さを見せてやるということも方法じゃなかろうかと思いましたので、あえて一言申し上げたわけでありますが、とにもかくにも五ヵ年計画で交通安全施設をやって、交通事故が四十五年以降激減したという事実関係を承知いたしておりますので、なお一層諸先生方の御指導を仰ぎながら交通安全対策の施設の整備、完備には努めてまいりたい、このように考えるものでございます。
#118
○馬場富君 最初に、いろいろ質問がございましたが、法案の提案理由の説明の中に、五十五年度からは交通事故も増加の方向に出ておる、こういうように説明されておりますが、警察、運輸、建設、おのおのの立場からこれに対する要因と対策のあり方について簡単にひとつ説明していただきたいと思います。
#119
○政府委員(池田速雄君) 昨年残念ながら交通事故死者が増加いたしたわけでございますけれども、基本的にはやはり車の保有台数がふえ、運転免許を持たれる方がふえといったようなことが背景にあろうかと思いますけれども、現象面で見てまいりますと、昨年の事故の増加の特徴といたしましては、一つは特に若い人を中心にいたしました無謀運転に起因する死亡事故が目立つということが挙げられると思いますし、現象面で見ますと、横断歩道を横断中の歩行者をはねるという事故、それから車両相互でございますと交差点での出会い頭の事故、車の単独事故でございますと主としてカーブ地点における事故、こういうものが目立つわけでございます。
 したがいまして、当面警察の対策といたしましては、地点的には交差点の出会い頭事故、横断歩道付近におきます人と車の関係、それからカーブ地点におきます安全施設を含めます諸施策といった点を重点に取り上げまして、警察だけでなくて道路管理者の方々とも御相談し、施設面、規制面あるいは教育面、取り締まり面、そういうものを総合的に、場所的には三点に集中したい。それから運転者のマナーといたしましてはいまの三点のほかに、極端なスピード違反によります事故がふえておりますようなこと、それから飲酒運転がふえておりますようなこと等を合わせまして五つをドライバーの方に守っていただくモラルとして広報活動その他に努めておるところでございます。
 なお、若者の対策につきましては免許取得時の特別な講習でございますとか、行政処分時の講習でございますとか、そういった際の教育に力を入れますとともに、無謀な運転につきましては点数制度のポイントの引き上げその他の施策を講じて対処しておるところでございます。
#120
○馬場富君 このように死傷者が増加しておるという環境の中で二、三点この問題について触れていきたいと思います。
 最初に、保険の問題でございますけれども、現在の強制保険の限度額の基準というのは五十二年の七月に設定されたものであり、現在三年を経過しようとしておりますが、特に事故者の立場から声が出ておるのは、やはり傷害に対する限度額の百二十万円の問題でございますが、現在の傷害医療費の現状からいきますと、これでは非常に少な過ぎるんではないか、いろんな現状の事故の受傷の立場から医療を受けた人たちがこの点で非常に困っておる。任意保険等を併設しておる方であれば結構だけれども、そういうもののない方やあるいは相手方に支払い能力がない、そういう人たちに対してわれわれのつかんだ実例では、一週間の入院でこの費用は済んでしまったという人もございますし、あるいは骨折等では一月間に六十万円ぐらいかかる、二月で済んでしまう、あとはやはり相手方の支出を受けなければならぬ、こういうようなことで非常に困った例がずいぶん出ておりますが、この点についての状況と見直し等についてお考え方を説明されたいと思います。
#121
○説明員(棚橋泰君) 先生の御質問の自賠責保険のうち傷害の限度額の問題でございますが、御承知のように五十二年の七月に百万円から百二十万円に引き上げたわけでございまして、約一年半ちょっと経過をしておるところでございます。今後その限度額を引き上げるかどうかという問題につきましては、従来から他の損害賠償制度との兼ね合い、それから裁判などによります賠償水準の問題、さらには物価とか賃金という経済社会の情勢との兼ね合いというようなことを勘案しつつ限度額を従来から検討しておるわけでございまして、この件につきましてもただいま申し上げましたような諸種の要件を勘案いたしまして、被害者の保護に欠けることのないように検討はいたしたいというふうに思っております。
#122
○馬場富君 次に、後遺障害の認定基準が強制、任意とも五十四年の二月の基準を使っていらっしゃいますね。そういう点でこれもやはり現在の社会経済環境の状況から見まして、時期的に見直す時期が来ておるんじゃないか、そういう声が非常に被害者の中から多く出ておる。この点についてはどうですか。
#123
○説明員(棚橋泰君) 後遺症につきましても全く同様でございます。ただいま傷害の限度額について申し上げましたような諸種の要素を勘案いたしまして、検討いたしたいというふうに考えております。
#124
○馬場富君 これは時期的に、どんなくらいな時期に見直しが――これについてはかなり進展しておるやに聞いておりますが、どうですか。
#125
○説明員(棚橋泰君) 先生の御質問が限度額の問題でございましたら、その問題につきましてはただいまお答えを申し上げましたように、前回改定をいたしましてから一年半ちょっと経過したところでございますので……。
#126
○馬場富君 二年でしょう、五十三年七月だから。
#127
○説明員(棚橋泰君) 失礼いたしました。五十二年七月でございます。そういう状態でございますので検討はいたしておるわけでございますが、このほかに死亡の方の限度額も同様でございます。それらにつきましては、ただいま申し上げました要素のほかに保険の収支というようなことも勘案をいたさなければならないわけでございまして、最近死亡事故も、また傷害事故はさらにもっと、前から増加をいたしておるわけでございますが、御承知のように、自動車の台数が急速に伸びてまいりましたので逆に事故率は減っておったわけでございまして、そういうことで従来は保険料率を改定しないでも限度額等の改定ができたわけでございますが、最近の事故の増加、さらに自動車の増加の伸び悩みというような問題もございますので、それらの点から今回限度額についてはさらに保険収支の方の中身も検討しなければならないというようなこともございますので、それらの諸点を勘案いたしまして検討いたしたいと思っておる段階でございます。
#128
○馬場富君 後遺症の障害の認定基準の五十四年二月一日設定のこの強制、任意については、強制は運輸省から、任意については大蔵省の方からひとつ見直しの時期等について説明してもらいたいと思います。
#129
○説明員(棚橋泰君) 支払い基準についての御質問でございますが、支払い基準につきましてはいま御指摘のございましたように、五十四年の二月一日に改定されてから現在に至っておるわけでございますが、その後の経緯等を勘案いたしまして、ただいま事務的に改定の準備を進めておる段階でございまして、そう遠からない時期をとらえまして適切な改定をいたしたいと思っております。
#130
○説明員(松田篤之君) 任意保険もやはり自賠責と同様に支払い基準というのを設けまして、被害者に対する支払いを行っておりますけれども、私どもの方も同様に改定は五十四年の二月に行っておりまして、その後の物価、賃金等の経済情勢に合わせまして検討すべく改定作業を行っております。したがいまして、できるだけ運輸省の行っております自賠責の改定の時期に合わせまして改定が行われますように努力をしたいと思っております。
#131
○馬場富君 次に、交通事故の増大とあわせまして交通事故のために両親を亡くした交通遺児の方々が全国でも数多くあります。こういう人たちのために、交通遺児の高校授業料減免措置が講じられておりますが、これは各県等で多少まだできていないところもあるようでございますが、どのような実施状況でございますか。
#132
○説明員(棚橋泰君) 高等学校の授業料の減免につきましては、都道府県が減免されますとそれに対して国が都道府県に対して補助すると、こういう仕組みになっておりますが、現在三つの府県を除きまして、すべての県に対しましてこの補助を支給いたしておる状況でございます。
#133
○馬場富君 そこで、対象となった遺児の家族からは、この制度というのは非常にいいということで感謝されておるわけです。だが、反面よき制度ではあるが、余りにも利用が弱いのじゃないか、また利用しにくいとか無理があるのではないかという点が指摘されております。
 そういう点で、愛知県の場合を一つ調査したわけでございますが、これを見ましても、交通遺児の高校生が愛知県下で七百人おる、その中でこの措置を受けておる方は百二十五人、私立が七十人、公立が五十五人、一七・八%という状況なんですね。それで、生活保護を受けておる方が百六十八人あるわけですけれども、その率よりもうんと低いというような状況で、この制度がなぜこのように利用されていないかという、こういう点についてのアンケート調査もやられたデータもございますが、その中で制度を知らなかったという方が二六%、学校側が手続をしてくれなかったというのが六%、非常にこの制度については制限が多過ぎるというのが一三・一%出ておるわけでございます。こういう状況からいたしまして、この制度は非常に効果のあるものであるが、そのために具体的には学校事務手続等がめんどうだとかあるいは制度を知らなかったとか、学校側がこういう問題に対して非常に勘違いをしておったという例もずいぶんあるわけでございます。そういう点で、この点をずっと突き詰めていきますと、やはりこの制度についてもっと学校側に、遺児及びそれの関係者に徹底するように行政指導が、一つは必要じゃないかということが、このデータの中からわかるわけです。
 もう一つは、ここに資料もいただきましたが、七項目からの条件があります。これは非常に厳しい所得制限や経済的な制限が加えられております。交通遺児というのは、両親のどちらかを亡くした方という家庭でございます。そういう点で社会的に弱い立場の方々が多い。その上にこれだけの条件を課するということは、利用者がかえって少なくなってしまうんじゃないか。もっともっとこの制度の趣旨を生かすような措置を講ずべきではないかと思いますが、この点について御答弁いただきたいと思います。
#134
○説明員(棚橋泰君) 先生のお尋ね、三点あるかと思います。
 第一点は、この制度を知らないでいるために減免が受けられない、ないしはそういう減免制度があるということを知らなかったために進学をあきらめたというような方々がおられるのではないか、そういうのに対する周知の制度はどうかと、まずこれが第一点だと思います。この点につきましては、これは先ほど申し上げましたように、府県が減免をされるわけでございますから、各都道府県にお願いをいたしまして、極力こういう制度の周知ということをお願いいたしたいというふうに従来からお願いをしているところでございます。また私どもの方の関係認可法人でございます自動車事故対策センターというところで小、中学生等の交通遺児の方に学資を無利子で貸し付けをいたしておりますが、その方たちに対して高校へ進学されます場合には、こういう減免制度がありますよと、こういうことを貸し付けの手続等の際にいろいろ周知するというはうなことも従来から指導をいたしておるところでございます。その他この周知につきましては、いま先生から御指摘のあったようなことのないように極力今後も努力をいたしていきたいというふうに思っております。
 第二点目の手続が繁雑かどうかという問題は、これはまさに各都道府県のお話でございますので、都道府県の方に極力簡便な手続でできるようにお願いをいたしたい、かように思っております。
 それから第三点目の所得制限等の問題でございますが、御指摘のように各府県とも生活保護等いろいろな要件を併記いたしまして、そのいずれかに該当する方ということで制限をいたしておるわけでございますが、これはやはり減免制度ということでございますので、他の面で所得のかなりある方に対しましても同様に適用するということは若干公平を欠くというような点もございますので、ある程度の制限をするのはやむを得ないというふうに考えておるわけでございます。ただ、それが著しく厳しい制限がどうかという問題につきましては、時代の推移等を見て検討をいたしたいとは思いますが、現状ではやむを得ないというふうに考えておるわけでございます。
#135
○馬場富君 じゃあ次に、建設省を中心にした道路問題についてお尋ねいたします。
 愛知県の岡崎市を中心とした国道一号線の交通公害につきましては、建設省、警察、そして運輸省等とも連携をとりながらこの問題については陳情やら推進がなされてきておると思いますし、当局は御存じだと思いますが、特に岡崎市内を通過する国道一号線については非常に交通量が多いということ、それから特に夜間が多いということ、その中でもとりわけ大型車が夜間に多く通過するということで、その一号線の都市である岡崎から名古屋にかけての地域住民の交通事故と騒音公害等で大きい社会問題となっておるわけでございます。この中で特に原因の大きい一つとされておるのは、東名高速道路がございますが、これをちょうど東京から参りまして岡崎の地点で西に向かう車が交通料金の問題やらそういう点で岡崎でおりてしまって、そしてあの狭い国道一号線を通りながらいわゆる通称名四国道と申しますこの国道に入って、そして関西に抜ける。そのためにこの一号線に面した岡崎市、特に名四国道に面した名古屋市南部というのが県下の交通事故の中でも大きい量にもなりますし、また騒音公害の問題点にもなっておるわけです。これに対して建設省並びに運輸省、警察関係でおのおの対策を考えてみえると思いますが、この対策についてお尋ねいたします。
#136
○政府委員(渡辺修自君) ただいま先生から御指摘のございましたように、確かに東名を岡崎でおりまして、名古屋市南部を通過して名阪国道に入るというトラックも相当数に上っておるわけでございます。したがいまして、岡崎市内の国道一号線についての環境対策等地元から早急な対策を求められているわけでございまして、このため関係方面とも御相談申し上げまして、夜間大型車の速度規制でございますとか、それからトラック協会へお願いしまして、東名をもっと利用していただきたいというような依頼をするなどいろいろやっておるわけでございます。また、大型車両のことでございますから、路面が悪い場合には振動が大変ひどいという問題もございますので、路面の補修等は積極的にやっておるわけでございます。
 基本的な対策といたしましては、やはり沿道の環境対策をいかにするかという問題、それから交通を何とか分散をする方法はないか、こういったことに尽きるのではないかと思うわけでございますが、最初の岡崎市内の国道一号線に沿う地域の環境対策といたしまして、岡崎公園から矢作橋まで、延長八百十メートルでございますが、試行的に幅員二十二メートルの現在あります道路を幅員四十メートルに拡幅いたしまして、遮音壁を設け、植樹帯を設置する等の環境対策を立案いたしました。現在都市計画決定のための準備を進めております。当面この区間の事業を推進してまいりまして、その他の区間につきましては状況を見ながら対応をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
 二番目に申し上げました交通の分散の問題でございますが、国道一号線と並行いたします二十三号がございます。これの知立バイパス、豊橋バイパスの整備を進めておりますが、さらに五十五年度には知立バイパスに続きまして安城市の和泉から西尾市家武というところでございますが、この間七キロメートルを岡崎バイパスということで新たに事業化をするということで着手をしたところでございます。促進を図ってまいりたいと存じます。
 なお、先ほど第一の問題で、遮音壁とか植樹帯とかということを申し上げたわけでございますが、沿道の家屋から防音工事を助成してほしいというお話も当然あるわけでございます。さきの通常国会で成立をいたしました幹線道路の沿道の整備に関する法律がございますので、これによりまして、岡崎地区にこの法律を適用いたしまして沿道地域の改善、あわせて沿道整備計画によりまして、内容によりましては住宅に対する防音助成もできることになっておりますので、この辺を愛知県、それから岡崎市といまいろいろ詰めておるところでございます。以上でございます。
#137
○説明員(棚橋泰君) ただいま御質問の岡崎の件でございますが、運輸省といたしましては、トラックに関しましては、路線トラックと区域トラックと両方あるわけでございますが、路線トラックにつきましては路線トラックの業界に対しまして極力運行系統を高速道路へ乗せかえるよう指導を従来からやっております。実績といたしましては、この結果、昭和五十二年の十二月には岡崎地区を国道一号線で通過する運行便数は五十二社で二千二百六十便あったわけでございますが、現在五十六年の二月末では四十九社八百五十七便に減少をいたしておりまして、約六二%減少をしておるところでございます。さらに今後も乗せかえるべく指導をして、申請中のものもあるわけでございます。
 区域トラックにつきましては、これはそのときそのときで走るわけでございますので、具体的な指導はなかなかむずかしいわけでございますけれども、関係都道府県から成りますトラック協会の協議会というようなものを設けさせておりまして、そこにおきまして極力、深夜、早朝の運行時間帯を閑散時に移すというような措置ないしは速度、積み荷の問題、運転マナーの問題等につきまして努力をさせておるところでございます。
#138
○馬場富君 それに加えてですけれども、建設省と運輸省にお願いしておきますが、先ほど御説明になったように、一号線の拡幅の都市計画変更はいま県と建設省との間で協議がなされておると聞いておりますが、これを一日も早くひとつ推進をお願いしたいという点と、それからあわせて、分散の中で、岡崎と豊橋間に音羽インターの建設というのが対策の一つとしてありますが、この推進もよろしくお願いしたいという点と、それから、運輸省につきましては特に努力はされておりますが、やはりまだ相当量まあ夜十時から朝の六時までに三千台ほどの車がおりるわけですけれども、その中の約七〇%が名古屋方面に向うもの、その中の六〇%が皆関西方面に向かっていくというような傾向からして、あすこは岡崎インターからおりて名古屋を通って関西に抜けるという、大型車のこういう状況がございますので、やはりこれは厳しくこの点についての指導方をお願いしたい。建設省からこの二点をお伺いします。
#139
○政府委員(渡辺修自君) 最初の音羽インターでございますが、整備計画を決定いたしましたのが五十一年でございまして、道路公団に対する施工命令を五十三年に出しております。そこで現状でございますが、インターチェンジをつくりますための中心ぐいの設置、それから地質調査はすでに完了いたしまして、現在詳細設計を実施しております。五十六年度には設計を終わりまして用地買収に着手する予定でございます。できますならば地元の御協力を得まして五十六年には用地買収を完了させて五十七年からもう工事に入りたい、このように考えております。
#140
○馬場富君 これと関連して建設省の関係で二点ございますが、この車がいまの二十三号線を通りまして関西方面に抜ける。この二十三号線がいわゆる名古屋の南部の交通ラッシュと重なりまして交通事故、交通障害の問題となっております。だから、ここで一つの解決策として、通称環二と申しますけれども、三百二号線の推進でございますね、特に海上部ですね。あの名古屋港を横断する海上部の推進が解決策の大きい柱ではないか、こう思うわけですが、この推進を強力にお願いしたいと思いますが、この点の御意見と、あわせましてもう一つは、この問題点で尾張部の、通称北尾張中央道と申しますけれども、百五十五号線のバイパスでございますが、この推進も尾張地区の交通緩和のために大きい役割りをいま果たしておりますが、これがまだ中途で、全道完成ということは予算上も速急には無理だと思いますが、せめて名古屋−江南線の県道まで接続ができたら循環道路としては大いに生きるんじゃないかと、こういう地元の声が強いわけでございますが、この二点について御説明いただきたいと思います。
#141
○政府委員(渡辺修自君) 国道三百二号、二環の海上部でございますが、名古屋港を横断いたしますいわゆる海上部につきましては、延長が七・六キロほどあるわけでございます。これを自動車専用道路として整備をする計画になっております。港湾が入っておりますので、相当長大な橋梁をつくらなければいけないわけでございますが、先生御承知のとおり、西二区から金城埠頭に至る間を名港西大橋ということで約半分弱でございますが、三・二キロメートルの区間につきまして道路公団の一般有料道路並びに直轄の国道事業ということで五十四年度から事業化をいたしております。この名港西大橋につきましては五十八年度完成を目指しております。さらに西二区から東の部分につきましてはかなり橋梁も大きくなります。ちょうど名古屋港の主航路でもございますので、相当な橋梁になりますが、いま鋭意調査を行っております。まあ財政事情も厳しい折ではございますが、この後調査の結果を待って着工の方をどうするか考慮してまいりたいと考えております。
 それから後で百五十五号のお話がございましたが、これも名古屋を循環して取り巻いております大変重要な国道でございまして、ただいま小牧市、江南市の間につきましては約五・四キロメートルバイパスを整備をいたしております。五十年度からやっておりまして、お話のように小牧市から江南市における一般県道大口―岩倉線まで供用済みでございます。これを先に延ばしますと、先生がただいま御指摘になりました主要地方道名古屋―江南線があるわけでございまして、あと約一・一キロメートルでございますが、現在用地買収、改良工事を進めております。これまた非常に苦しい予算ではございますけれども、御指摘のように、江南線までつなげば大変効果も出ようと思いますので、鋭意促進を図ってまいりたいと存じております。
#142
○中野鉄造君 私は、自動車検査制度の充実について初め御質問いたします。
 今回、この交通安全施策の概要説明の中にも、自動車検査制度の充実のため、新たに数カ所に支所または新設の検査場あるいは検査コースの増設、またはそれに伴い検査登録要員の増員を行っていくと、このように非常に前向きの姿勢が盛られておりますけれども、これにまるで水をぶっかけるように過日の週刊誌には、「車検は事故防止のためは大ウソ」、であるといった車検不要論に対する熱烈支持の声援が殺倒しているという大見出しの記事が出ております。私もここに持ってきておりますけれども、その内容は御承知と思いますけれども、そこの内容を読んでみますと、所管の官庁の官僚の方の名前が出ておる、あるいはそのコメントが出ておる、あるいは学者の意見等が数点見受けられるわけですけれども、これは一体どういうことでございましょうか。
#143
○説明員(宇野則義君) お答えいたします。
 昨年来、自動車の検査、整備問題につきましていろんな話が出てまいりました。週刊誌あるいは新聞等の報道関係でいろいろな報道がなされたわけでございます。まだ一部には現在も続いているところもございますけれども、私どもこういういろんな御意見を承った段階におきまして、いまここでいろいろな新しい時代におきますところの自動車の検査あるいは整備というものを考えなければいけないのではないかというふうに感じておるわけでございます。
 そういうことも踏まえまして、ことしの二月二日に、運輸大臣の諮問機関でございます運輸技術審議会に、これからの自動車の検査、整備のあり方について御審議をいただきたいということで諮問をいたしたわけでございます。現在この審議会の中の部会、小委員会が動いておりまして、いろいろな問題を慎重に審議しながら、これからあるべき姿を検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#144
○中野鉄造君 まあ確かに今日ドライバーにとって車検というものはささやかな悩みの一つであるということは否めないと思います。それは、短期間であるとは言いながら足を奪われるということもございましょうけれども、やはり薄給のサラリーマンにとっては、最低六万円前後というお金を車体検査料として支払わなければならない。しかも、メカに弱い御婦人の方だとか、そういう人たちにとっては何とも釈然としないものがあるのじゃないかと思います。そこへもってきて、その時点で車検料とは別途に重量税、それに自賠責等合計約七万円前後はどうしても支出する、こういうことになりますと、合計最低見積もっても十三万ないし十四万円になるわけでございまして、支払うドライバーにとってはこの額がまるまる車検費用と思い込みがちであるわけですが、そこに、先ほど申し上げましたようなこういう記事が出ると、その反響というものはそれなりにいろいろな批判を醸し出すのではないか、こう思うわけです。
   〔委員長退席、理事坂倉藤吾君着席〕
お答えがありましたように、いま一生懸命当局においても検討中であるということですけれども、それはそれとして、言われるようなこうした現在の車検制度の充実を図っていく上でお尋ねしたいのは、この車検整備料金、先ほど私、合計十三万円ないし十四万円と申し上げましたけれども、大体二千cc以下の車両ということになりますけれども、これは最低の場合でございまして、整備工場によってはかなりの格差があるのじゃないかと思います。料金の格差、そうしてまた整備技術の格差というものもずいぶんあるのじゃないかと思いますが、いわゆる非常に良心的な工場、あるいはただ何でもいいからその場限りで検査にパスさえすればいいというようなそういう工場も中にはあるのじゃないかと思います。こういう料金の面、あるいは整備技術、内容の面、この辺に対する指導監督は今後いままでどおりでございますか、何か改められるところがございますか。
#145
○説明員(宇野則義君) お答えいたします。二点につきましてお答えしたいと思います。
 一つは料金の問題でございますが、ただいま冒頭に先生から御指摘がございましたように、現在の車検問題が、実質的にはと申しますか、かなりのウエートを占めまして整備工場の整備料金等の問題が大きな問題になっている点ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。私どもこれまでもこの点には注意をいたしておったところでございますが、御承知のように自動車の整備は、車が、車齢、構造あるいは使用形態等によりまして非常に傷み方が違ってまいります。そういうところから、その結果出てまいりますところの整備内容につきましてはいわば千差万別の状態にあるわけでして、そういう状態を整備した結果、整備料金というものは同じような車であってもなかなか一定しがたいという点がございます。先生もお調べになっておりますが、大体私どもの調べでも、マイカーの場合に平均的にいいまして整備料金が六万円前後の数字になっております。
   〔理事坂倉藤吾君退席、委員長着席〕
その調査の過程では高いものもあれば低いものもございます。現在の自動車の定期点検的な整備につきましては、規則に定められた項目に従って基準に基づいた点検を行い、それに従って必要な限度において適正な整備を実施するということで、いやしくも過剰整備になるとか、あるいは逆に手抜き整備をするということのないようにこれまでも指導してきたところでございます。特に、指定工場という民間車検工場がございますけれども、ここに対しましては、国の検査を実務的に代行する形になっております関係上、特に監督を厳しくしてまいりました。五十四年の実績で申し上げますと、一工場当たり一・七回というような回数で立入監査を実施してきております。必要に応じて、おかしなところがございますれば行政処分をするというようなこともございました。そういうような監督をしながらしてきたわけでございますけれども、依然としてお客さんの御理解がなかなか得られないというのが現実ではなかろうかというふうに考えておりまして、私どもも業界を指導するに当たりまして、車の整備の依頼を受けた場合に、まず受け入れの段階で一応概算的な見積もりをして、およその目安をお客さんにお知らせしておくということから始まりまして、途中でいろいろな整備をしている過程におきまして、当初予定しなかったような部品、装置等の交換が出てまいりますれば、特に金額の張るものにつきましてはその段階で再びお客さんの了解を得るというようなことだとか、あるいは料金の請求をする場合には、一式というような形ではなくて、個別の項目を挙げながら交換部品がどれどれだ、あるいは工賃が幾らだというような形で、明細化した請求をすることによってお客さんの理解をいただくようにというような、わりに細かい指導もしでまいっておるわけでございます。
 一方におきまして、業界の団体であります振興会の連合会、これは中央にございますけれども、ここにおきましても整備工場がばらばらな整備料金を要求するということは好ましくないわけでございますので、それぞれの車についての点検の標準時間というようなものを算定いたしまして、会員である整備工場にも配布をして徹底させるというようなこともこれまでやってきておるわけでございます。
 さらに、そういう業界に対します不満あるいは苦情といったようなものが出てくるケースがあるわけでございますけれども、業界は業界なりにその苦情相談の窓口を設けるように指導してまいっておりますし、私ども国といたしましても、それぞれの陸運事務所に相談窓口を設けまして整備等に関するところの苦情処理に当たっておるわけでございます。今後ともこういう体制の強化ということを念頭に置いて適正な整備工場の運営ができるように指導してまいりたいというふうに考えております。
#146
○中野鉄造君 御参考までにお尋ねしますが、週刊誌の記事内容を余り重視するというわけでもないですけれども、ちょっと参考までにお尋ねします。四十八年以来軽自動車に対しても車検義務が義務づけられたわけですけれども、それ以来整備不良による軽自動車の事故、こういったようなものは何件ぐらいかわかりますか。
#147
○説明員(宇野則義君) お答えいたします。
 軽自動車を分類した数字をちょっといま手元に持っておりませんので、後ほど調べましてお答え申し上げたいと思います。
#148
○中野鉄造君 じゃ次に建設省にお尋ねいたしますが、第一次と第二次の交通安全整備事業における歩道と自転車道の整備の実績をお伺いいたします。
 また、自転車道については自転車歩行者道の数字を別途にひとつ教えていただけませんか。
#149
○政府委員(渡辺修自君) 第一次、第二次五ヵ年計画におきます歩道の整備でございますが、まず第一次、四十六年から五十年度の五ヵ年間でございますが、歩道につきましては特定交通安全施設等整備事業と地方単独事業と合わせまして延べ約一万四千八百キロメートル、それから自転車歩行者道、つまり自転車と歩行者を両方を通すというものでございますが、これにつきましては延べ三千八百キロメートルを実施をいたしております。次に第二次五カ年計画、五十一年度から五十五年度まででございますが、特定事業といたしまして歩道が約四千三百キロメートル、自転車歩行者道が約五千六百キロメートルの整備ということになっております。ただ、地方単独事業につきましてはいまのところ五十四年度までの実績しかわかっておりませんが、四年間で歩道が約四千五百キロメートル一自転車歩行者道が約千六百キロメートル、こういうことになっております。この結果といたしまして、五十一年三月末におきまして、つまり第一次が終わった時点でございますが、歩道の整備済みの道路延長は三万九千三百キロメートルでございましたが、五十六年三月末には約六万一千五百キロメートルとなる予定でございます。
#150
○中野鉄造君 午前中にもいろいろ質問があっておりましたけれども、自転車と歩道を併用するという、こういうことはこれは自動車から自転車を一時避難的な施策として。自転車利用者を一時的に避難させる、こういう施策が目的と申しましょうか、そういうことでこうした苦肉の策といいましょうか、歩道に自転車を上げるというようなことが行われておりますけれども、午前中もこのことについていろいろ論議が交わされましたけれども、非常に歩行者も数が多い、そういう場合にまた自転車がそこを走っていくと、たまたま自転車のハンドルがちょうど幼児の顔に当たるところに来るわけでして、そういう場合が多いわけです。こういうようなことを今後いつまでも続けていかれるわけですか。
#151
○政府委員(渡辺修自君) 道路の幅が限られております都市内等につきましては、自転車道と歩道を完全に分離したものをつくるというのが非常にむずかしい点があるわけでございます。ただやはり速度の差を考えますならば、自転車と自動車の速度差がきわめて大きいということもございまして、事故が起こりました場合、大変重大な事故につながるおそれがあるわけでございます。やむを得ず、緊急避難的に先生の御指摘のとおり歩行者と自転車を同一の空間に収容するという施策をとらざるを得ないわけでございますが、分離をする方が望ましいことはもちろんでございまして、当面は一緒に進めてまいりますけれども、たとえば道路を新たにバイパスをつくるとか、そういうようなケースにつきましてはこれは十分初めから計画をいたしまして、完全に分離することは可能でございますので、そういった場合につきましては交通の状況を勘案をいたしまして、独立の自転車道を設けるというのも今後進めてまいりたいと思っております。
#152
○中野鉄造君 日本自転車普及協会のアンケート調査で注目すべき結果が出ているわけですが、それによりますと自転車歩行者道の構造上の問題点として、まず一つ、約八〇%が三メーター未満の幅員である。二番目に、自転車歩行者道の上に非常に障害物が多い。三番目といたしまして、自転車利用者の三分の二が走りにくいという、こういう答えを出しているわけですが、反対に歩行者側からは非常に危険を感じた、こういう答えが五七%でございます。こうしたアンケートで、安全施設として自転車歩行者道を二万七千百三十四キロメーター整備できたというようなことを言われておりますけれども、その多くが実態とそぐわないものになっているのじゃないかと、こういう気がしてならないわけですが、この実態をどのように見ておられるのか、先ほど私申しましたような、そして特に繁華街、市街地における自転車専用道の推進を図るべきじゃないかと思いますけれども、この点についてもあわせて御質問いたします。
#153
○政府委員(渡辺修自君) 先生の御指摘のございました自転車側からと歩行者側からと見たそれぞれの問題点でございますが、まず自転車につきまして見ますと、障害物があるあるいは走りにくいというような点を考えてみますと、よく往々商店等が物を歩道上に出すとか、そういうケースもあるのではないかと思います。これは一つは道路のやはり管理上の問題でもございます。道路を占用的に使う場合には、当然のことながら道路の占用許可をとって使っていただかなければいけないわけでございますが、恐らくそういうケースは一時的に何か置くというものでございましょうし、われわれとしましてもたとえばパトロール等を通じましてこういった障害物の除去ということについては意を用いてまいりたいと思うわけでございます。
 また、走りにくいというお話の中には恐らくこの路面の舗装の問題もあるのではないかと思うわけでございます。たまたま歩道と一緒に敷石を敷いたような場合は若干がたつくケースがございまして、自転車はやはりかなりショックをきらうものですから、平なところを選んで縫って走るというようなケースもあろうかと思いますが、これはまた歩行者とのトラブルのもとにもなるわけでございます。そういう意味におきましては、やはり自転車が自転車に指定をされましたレーンの中を走っていけるように路面の整備といったことにも力を用いてまいりたいと思うわけでございます。歩行者側から見られました危険を感ずるケースが多いというのも自転車がどこへ飛んでくるかわからぬと、こういうことだろうと思いますが、その遠因としてはただいまのお話に戻るものであろうと思いますので、広く見ました道路管理面につきまして十分道路管理者を指導してまいりたいと思うわけでございます。
 それから、自転車歩行者道が二万七千百三十四キロメートルになったわけでございますが、今後の計画ではございますが、やはり第三次五カ年計画におきましてもいまのところこの自転車歩行者道といたしましては、計画期間内に七千百キロメートルぐらいをつくるという予定にいたしております。ただその場合、いま御注意もございましたので、その管理面につきましてなお一層の配慮をしてまいりたいと考える次第でございます。
#154
○中野鉄造君 次は警察庁にお尋ねをいたしますが、先ほどからこの交通事故死による死者の数が減ってきておったのに、昨年度五十五年度はぐっとまたふえてきたと、その分析等について御答弁もありましたけれども、そしてまた今度五十六年度におきましては八千人を目標とするというようなものもここに出ております。しかし、その交通事故による死者というのは、私聞くところによると二十四時間以内に死亡した人を交通事故死者と、こう言うのであって、したがって警察統計による交通事故死者の数と厚生省統計によるものとが違う、このように聞いておりますけれども、その辺はどうでしょうか。
#155
○政府委員(池田速雄君) 警察の方でとります交通事故の死者の数は、御指摘のとおり事故発生後二十四時間以内に死亡された方をとっております。また、厚生統計の方は年間の統計では、その年の中でいつ交通事故に遭われた方であっても死亡の原因が交通事故であれば統計にとられると、こういうシステムになっているようでございます。したがいまして、一例を申し上げますと、死者のピークが四十五年でございましたけれども、このときには警察統計では一万六千七百六十五名になっておりますが、事後の厚生統計では二万一千五百三十五人が亡くなられたということになっております。四十五年時点では二八%の増でございます。一番新しい数字は五十四年の厚生統計をいまお出しいただいておりますので、これを見ますと五十四年の警察統計では八千四百六十六名の死者でございますが、厚生統計では一万一千七百七十八名で三九%の増と、こういうふうになっております。
#156
○中野鉄造君 いま御説明のように、二十四時間以内に亡くなると警察による交通事故の統計に上がってくるわけですけれども、これは二十四時間以内というとほとんどもう即死に準じたような死に方でありまして、まあオーバーな言い方をすれば二十五時間ごろに亡くなれば警察の統計に上がらないと、非常にここいらのところに、二十四時間と限定するというのも矛盾を感じるのですけれども、この点どうなんですか。
#157
○政府委員(池田速雄君) 警察といたしましては、やはり事故の内容の正確性それから速報性、こういった要請から見まして、事故が起きました場合の現場的な処理と申しますか、そういうことをやっておるわけでございまして、正確性を期する上からまいりましてもこの期間が長くなれば長くなるほどなかなか正確が期しにくくなる、こういうような点がございますので、戦後二十三年に初めて統計の様式が決まったようでございますけれども、そのとき以来二十四時間でとっておるわけでございます。また一方には速報性ということがございまして、警察の場合にはできるだけ早く事実を知りましてそのときどきの適切な対策を打つと、こういう必要性からできてきておるわけでございますけれども、統計の統一性、そういうものも考えますといますぐこれを変えるということは大変むずかしいのじゃなかろうかと思います。
 ただ、私どもといたしましてもできる限り正確にと申しますか、事後のフォローもしたいという考えは持っておりますが、これを全部調査するということになりますと大変手間のかかるむずかしい問題でございますので、必要必要に応じましてたとえば県単位に特別調査等をやりまして、それで補って目的に合った統計の使い方をするということにいたしておるわけでございますが、いまサンプル調査等で私どもが知り得ております範囲では、ほとんど九〇%以上の方が大体三十日ぐらい以内に亡くなられておるのでございまして、それ以後亡くなっておられる方は数%じゃなかろうか、したがいまして、ほぼ正確なものをつかむということになりますと大体三十日やはりフォローしなきゃいかぬというふうには思っておりますが、それを先ほど申しましたように私どもの方で悉皆調査をやるということになりますと大変むずかしい問題がございますので、当面は警察といたしましては二十四時間の統計を維持しながら、必要に応じてサンプル調査等で補ったらいかがかというふうに考えております。したがいまして、国際比較その他をやります場合にも警察統計を引用します場合にはそれの三〇%増で比較するとか、あるいは厚生統計を使わしていただくとか、そういうことで処理しておるのが実情でございます。
#158
○中野鉄造君 交通事故による死傷者のデータを見ますと、昭和五十二年を起点に負傷者の方々の数が年々ふえております。これは五十五年の死亡者増という現象が、ここ数年潜在的にあったものであろうと思いますが、いままでの交通事故防止対策が一つの大きな曲り角に来ておると、こういうふうに思うわけですけれども、したがってこの交通安全対策の見直しの時期が来たのではないか、こう思うわけですが、いかがですか。
#159
○政府委員(池田速雄君) 先ほど申し上げましたように警察統計で見ましても四十五年がピークでございまして、五十五年は四十五年を一〇〇といたしますと五二・三という数字になっております。厚生統計でまいりましても、厚生統計の四十五年を一〇〇といたしましても、五十四年までいま判明いたしておりますので、その数字を引用いたしますと五四・七という数字になっております。警察統計と若干数字の違いはございますが、これは客観的に見ますとやはり医療制度の発達が大きく寄与しているのじゃなかろうか、こういうような見方がされております。
 まあこれはともかくといたしまして、先ほど来申し上げましたように交通事故はこれまで順調に一応減少してまいりましたのが、負傷者につきましては五十三年から、死者数につきましては五十五年から増加の傾向が見られるということは、大変むずかしい事態を示唆しておるものと厳しく受けとめております。今回お願いしております安全施設はもちろんでございますけれども、やはり教育面あるいは指導取り締まり面等を含めまして、いままでの施策というものをさらにきめ細かく見直しまして、新たな対策にくみ上げていく必要があるというふうに痛感しているわけでございます。
#160
○中野鉄造君 これは警察庁とあわせて建設省にもお尋ねしたいんですが、第二次五ヵ年計画の予算は第一次に比べて二・一五倍の増であったわけですが、この第三次五ヵ年計画を見ますと、第二次に比べて一・五三倍の増。その伸びというのは、比較いたしまして減っております。オイルショック以来いろいろな物価の高騰等が続いておりまして、コストの面から見ても、これは実質ダウンじゃないか、こういうように考えるわけですけれども、この予算で、先ほどからお話が出ておりますような十分な安全施策が実行できるかどうか。もしできるとすれば、そうした根拠をひとつ示していただきたいのです。
#161
○政府委員(池田速雄君) 公安委員会所管の新しい整備計画の額につきましては、御指摘のとおり、第二次の計画に比べまして一・三倍ということになっております。これは、実は警察の安全施設の中心は信号機でございますけれども、約十年前には二万三千基ほどでございました。これが今年度の終わりには約十万基にまで整備されてまいっておるわけでございます。したがいまして、私どもの計画は、交通の実態に応じまして、各府県からの積み上げの計画というものを主として積算しておるわけでございますが、現在の段階で、五年ほどを見通しまして、必要とされる場所につきましてはほぼ信号機をつけるということで、約二万基ほどが積み上げられてまいってきているわけでございます。したがいまして、現在の状況では、新たな団地でございますとか、それから交通量が変化したところとか、そういう新規のところにつきまして重点的に設けますと、二万基程度で現在のところでは必要部分を相当数補えるんじゃなかろうかというふうに考えております。
 それから中心になります信号機を制御いたします管制センターでございますけれども、四十六年ごろから整備が始まりまして、十年間で六十センター整備されたわけでございます。当初の目的が、人口集中地区、人口十万人以上の都市制御をするということでございまして、今回十五を予定しておりますが、それでほぼ、数といたしましてはカバーできるのじゃないかというふうに思っております。ただ問題は、いままでは単に信号機をつければいいと、こういうような、何よりもまず信号機をつけることが第一だという考えで参ったわけでございますけれども、これからはその信号機を合理的に運用できるようなシステムをつくり、個々の信号機につきましてもそれに対応できるような制度のものにしていかなければいけないというふうに考えておりまして、量はある程度充足しましたので、これからはやはり質の問題じゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
 そういう計画を積み上げまして、先ほども申し上げましたように、特定事業につきましては、五ヵ年で千九百億という数字を出したわけでございますので、十分とは申せないかもしれませんが、必要最小限度のものはこれで対処できるのじゃなかろうか、そういうことで、ほかの施策とあわせまして、事故の減少に努力してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#162
○政府委員(渡辺修自君) 先生から御指摘がございましたとおり、第二次計画は、特定事業につきまして、道路関係につきましても第一次に対して約二・五倍でございまして、今回第三次で考えておりますのは、第二次に対して一・六倍ということでございます。私どもといたしましては、もう少し要求時点では多い数字を考えていたわけでございますが、御承知のとおり、道路の場合は、経済社会七ヵ年計画の中に組み入れられておりまして、これを約一年半程度繰り延べるという結果にもなりまして、その辺のこともあった次第でございます。しかしながら、今年度から発足を予定いたしております各五ヵ年計画につきましては、調整費というものが設けられまして、経済、社会の状況に応じて弾力的な対応を図ることになっておりますが、交通安全につきましては、調整費はゼロということでお願いをいたしまして、全額計画できることに相なっておるわけでございます。
 そこで、この九千百億円の中身でございますけれども、先ほど来申し上げておりますが、何としてもやはり歩行者等の事故の減少を図ることが私どもも一番でございます。歩道つきの道路を何とかぎりぎり、十万キロ台が緊急に必要な区間でございます。ただいまの現状で六万一千五百キロでございますので、この十万キロをほぼ概成するということで、五ヵ年計画の内容を検討いたしまして、大体概成が図れるということに相なっております。したがいまして、決して十分ではございませんけれども、必要なものはこれで何とか手当てができる、こういうふうに考えておるわけでございます。
#163
○中野鉄造君 事は人命にかかわることでございますので、より効果的にひとつ十分な検討をお願いしておきたいと思います。
 次に、同じく警察庁にお尋ねいたしますが、この一、二年、とみに覚せい剤常習者がふえておる、こういうことは、もう常に言われております。この覚せい剤というものが、かつては暴力団関係者だとか、ごく一部の特殊の人たちに常用されておったのが、いまや平凡なサラリーマンだとか、あるいは家庭の主婦にまで及んでいるということを耳にするわけですけれども、特にこの麻薬、覚せい剤等の利用者、施用運転者については、交通警察の運営の説明で九ページの終わりに触れられておりますが、まさにこれは、麻薬常習者だとか、こういう人たちが自動車を運転するなどというのは、気違いに刃物という気がして慄然とする思いですけれども、そこで私は、提案を兼ねてお尋ねをいたしますけれども、今日、国民皆免許の時代ということも言われております。そういうところから、免許保持者すべてに免許更新の際には、現在行われております視力の検査等をすると同時に、尿の反応検査を義務づける、こういったようなことをして、覚せい剤の追放と交通安全の面から行っていけば、一石二鳥じゃないかというような気がしてならないのですが、ここに警察庁重言われているような覚せい剤と暴走族、この絡み、こういうことについて、いま私が申し上げたようなことも含んでどういうようなお考えでありましょうか。
#164
○政府委員(池田速雄君) 覚せい剤を使用いたしましての車両の運転というのは大変重大事故につながる危険な行為であるわけでございますので、五十三年の道路交通法の改正の際には罰則が強化されまして、酒酔い運転と同一の罰則に改正されたところでございます。したがいまして、私どもといたしましても、こういう危険な運転の排除ということに努力いたしているわけでございますが、私どもが把握いたしました実態で申し上げますと、昨年中覚せい剤、麻薬等の施用によります運転の絡む交通事故というのは、百二十六件の人身事故の発生を見ておるわけでございます。それで、こういった覚せい剤の運転ということで私どもの方で把握いたしまして、運転免許を取り消した者が二十八名ほどございます。そのほかに覚せい剤の常用者ということで、こういった常用者につきましては危険性帯有者としての停止処分をいたしました者が千六百九十名ほどございます。こういった行政処分を通じまして、覚せい剤の常用者につきましては、運転の場から排除するということに今後とも努めてまいりたいというふうに考えております。
 御指摘の暴走族との関係でございますけれども、現在まで把握しておりますところでは、暴走族がそのまま覚せい剤等を常用して運転したというような報告は受けておりませんけれども、暴走族の取り締まりに当たりまして、よく気がつきまして検挙いたしますのは、シンナーの吸飲でございます。運転者が吸飲しているわけでもございませんけれども、停止しておる車両の中で数人がたむろいたしまして、頭から袋をかぶりまして、シンナーを吸飲しているということでございまして、これにつきましては、昨年じゅうだけでも五百三十六件、七百三十一人を検挙いたしておるわけでございます。したがいまして、覚せい剤のみならず、そういった劇物、毒物類のものも含めまして、取り締まりを強化してまいりたいというふうに考えております。
#165
○中野鉄造君 また警察庁にお尋ねいたしますが、「昭和五十六年中における交通警察の運営」、この説明書の二十五ページに、「大規模事案発生時における交通管理の円滑を期するための関係機関との連携強化」についてということが述べられております。実は私、ここに同じ警察庁から出されております「昭和五十五年中における交通警察の運営」という説明書を持っておりますが、この五十五年と五十六年に書かれている「大規模事案発生時における交通管理の円滑」というこの内容が、それこそ一言一句違わないわけなんです。説明書を見ておりますと、この一言一句がいけないというわけじゃないのですけれども、何となく白々しい感じがするわけです。現在果たしてこうした「関係機関との連携強化」は、昨年もことしも全然その内容においては、説明を見る限りにおいては変わらないわけですけれども、どういうことをなされておりますか。
#166
○政府委員(池田速雄君) 大地震が発生いたしました場合には、あるいは路面の揺れでございますとか工作物の倒壊でございますとか火災の発生等によりまして、車両の走行というのは危険な状態になることが予想されるわけでございますので、まず何よりも運転者の方に秩序のある冷静な行動というものをとっていただくことが必要であるというふうに考えております。したがいまして、警察といたしましては、その際に運転者のとるべき措置というものをちょうど五十五年でございましたか、具体的に定めまして、走行中の車両はできる限り安全な方法によりまして車両を道路の左側で停車させる、その他の事項を定めまして、これを運転者の方の講習の際でございますとかあるいは地震訓練等あらゆる機会におきまして周知徹底を図るように努力しておるわけでございますし、また、大地震が発生いたしました場合には何としましても緊急輸送路というものは警察の力で確保しておく必要があるだろうというふうに考えまして、必要な交通規制の計画を検討いたしておりまして、中央で示しました考えに従いましてそれぞれの都道府県で計画をいまつくってもらっておるところでございます。したがいまして、別に最初つくりましてから進歩がないということでなくて、内容を、大綱は定めましても具体的なものがまだ完全にはでき上がっていないというのが実情でございますので、これを一つ一つ詰めまして、その詰める場合に関係の行政機関も相当多うございますので、協議しながらそういう細部の詰めというものをまだやっておるというのが実情でございます。一応大綱は決まっておりますので、細部の詰めをやりながらも一番危惧しておりますのは、私どもは現実に起こりました際に本当にどういうふうに運転者の方々に対処していただけるであろうか、あるいは必要な避難路が確保できるであろうかということを真剣に考えまして目下努力いたしておるところでございます。
#167
○中野鉄造君 警察庁のパンフレットによりますと、こうした大きな地震が起こったとき、たとえば震度五では車両は運転風難になり、都内においては三十分後には全面的に交通がストップする、動かなくなる、こういうことが書かれておりますけれども、過日の本院の予算委員会におきまして、わが党の矢追議員の防衛庁の地震対策についての質問に対して、塩田防衛局長は、どういうふうにやればいいかそれはわからない。あとはそのときに判断するといったような非常に困惑の答弁がなされておりますけれども、確かに現在の日本の国民がいまだ一度も経験したことのない仮定の問題であるだけに、即座にどういうふうにするというような答弁はこれは非常にむずかしいかと思いますけれども、いまお答えを聞く限りでは、一生懸命関係各省とも連携をとりながら努力しておるところだというようなことでして、専門家の話によりますと、きょうそうした大規模地震が起こっても一つも不思議じゃない、あした起こっても不思議じゃない、こういう事態であるだけに何とも頼りないような気がしてならないわけですけれども、先ほど申し述べましたような、警察庁としても、防衛局長が言っておりますような、そのときになって見なければわからない、そのときに臨機応変に対処しましょう、こういうようなことでございますか。
#168
○政府委員(池田速雄君) 先ほど来申し上げましたように、基本的なことにつきましては都道府県警察の段階でももう定めておるわけでございますが、具体的になすか。しいと申し上げましたのは、一番何と申しますか、たとえば発生しました場合の応用動作の面が大変多いということでございます。震度五の地震が仮に起こるといたしましても、その範囲がどの程度になるかということでとるべき措置というのが一変してまいります。局所に限られる場合と相当広範囲に及ぶ場合、また、東京で発生いたしました場合とそれから神奈川県下で発生いたしましてその地域がそちらに限られる場合と、想定というものが幾つも出てまいりますので、これをそのまま教科書的に書きまして、これで決められたとおりやるのだ、こういうことになりますとかえってむずかしい事態ができてまいりますので、基本的な骨子を決めまして、その以外の段階につきましてはできる限り応用動作を的確な指揮官の判断のもとにやるべきだ、こういうことで、昨年の九月一日につきましても、警察庁といたしましても、一つは東海地震の想定あるいは関東の関係県が実施されました千葉、埼玉等を含めました想定、その他二種類の想定がありまして訓練されたわけでございますけれども、そのいずれにつきましても対処できるような訓練というのを現実にやったわけでございます。
 ただ、私どもが本当に心配いたしておりますのは、訓練でございましたので運転者の方につきましても警戒宣言が出ました時の低速の走行でございますとか、その他につきましても十分協力が得られたわけでございますけれども、異常な事態になりましたときに果たして訓練どおり行動していただけるかどうかというような点等も考慮しましてなかなか満点はとれないだろう、しかし必要最小限のことはやらなきゃいかぬ、こういうことでさらに計画を練り訓練を重ねておるところでございます。
#169
○中野鉄造君 もう時間がございませんので、次に船舶の問題についてちょっとお尋ねいたしますが、船舶の安全性の確保というこの中にIMCO、すなわち政府間海事協議機関について述べられておりますけれども、わが国としてこのIMCOルールの中で現在勧告の部分についてどうしてもいつの日かこれを条約化しなければいけない日が来るのじゃなかろうかと思いますが、大体いつごろを予測しておられますか。
#170
○政府委員(野口節君) お答えいたします。
 いま先生のお話のありましたIMCOと申しますのは、船の安全性の問題などを協議しております政府間海事協議機関という国際機関でございますが、ここで議論されましたことにつきましては条約というような形になって結実するものと、先生がただいまお話ございましたような勧告という形で結実するものといろいろな形に議論が集約されるわけでございます。もちろん、この条約につきましては実施を前提とした話でございますので、私どもも原則として船舶の安全に関する条約についてはできるだけ早く批准していただいてこれを国内法に取り入れていくという対応をしておるわけでございます。
 それから勧告につきましては、これはすぐに実施できるものとなかなかすぐには実施できないものといろいろな態様があるわけでございますが、その技術的な詰めあるいは国際的に実施できるような情勢ができるかどうか、そういうものを見計らいながら逐次条約に取り入れていくというのがいまの動きでございます。
#171
○中野鉄造君 時期はわからないですか。
#172
○政府委員(野口節君) 特にこの勧告をいつ条約化するかということについては明らかなものはございません。
#173
○中野鉄造君 では次に船舶の測度法についてお尋ねいたしますが、いわゆる船舶の総トン数を測定するこの測度法、現在のやり方では非常にこれは問題があるんじゃないかと思いますが、これがひいては船員の過重労働になってみたり、あるいは運航上のミスにつながる、大きな事故に結びつく、こういうような事例があるんじゃないかと思います。すなわち現在の船舶積量測度法ではその船のグロストン、つまり総トン数を算出する場合にはその両舷の竜骨の内のりから内のりまでをはかってそれを基礎にして測定する。したがって最小の経費で最大の利潤を上げていこうとする企業としては、当然のことながらどういう方法をもって合法的に対処するか、こういうことを考えるわけですけれども、先ほど申し上げましたように、左右両舷の竜骨を左右それぞれ三本程度の必要以上のばかでかい、普通の竜骨の数倍くらいの幅のキングフレームをつけることによってそれは果たせられるわけなんですね。その内のりから内のりまでの幅がぐんと狭まるということによって、仮に全長七十メートル、幅十二メートルぐらいの船であれば優に千五百トン級の船なんですけれども、これが四百九十九トンというようなこういう化け物みたいな船がいま横行しているわけでして、しかもこれは決して違法ではないわけなんですね。しかし問題なのは、現在の船舶法によって五百トン以上というのは乙種の一等航海士及び一等機関士を乗り組ませなければならない、また四百九十九トンまでだったら乙種の二等航海士及び二等機関士でいいわけなんです。また七百トン以上になれば船長、一等航海士、機関長、一等機関士の四名、そのほかに六名の甲板部員を乗船させなければならないというふうに定められているわけですけれども、わずか一トン少ない六百九十九トンではこういう義務はないわけなんです。この一トンや二トンの違いというのは、先ほど申し述べましたように船の長さが長ければ長いほど簡単にキングフレームの幅次第でどうにでもなると、現実には千五百トン級の船体でありながら、それに比例した積み荷もしているにもかかわらず、その乗員の数もまたその船長及び船員の技術能力は合法とはいえ、実際面では反比例しておる。オーバーな言い方を言いますと、軽自動車の免許を持った人が大型バスを運転しているみたいなもので、これがもろもろの海難事故にもつながる、あるいはまた課税の面でも直接間接影響を及ぼしているんじゃないかと思いますけれども、この測度法に対してどういうようにお考えになっておりますか。聞くところによりますと、この測度法は改正になるということを聞いておりますが、その改正になるのは新造船からということになっておるわけでして、まあ現存船についてはこれが適用されない、船の耐用年数から考えても十五年ぐらいということになりますと、そういう化け物みたいな船があと十数年は走り回るということになるわけですけれども、ここいらをどのようにお考えですか。
#174
○政府委員(野口節君) ただいま先生からお話がございましたように、いままでの船舶積量測度法というものではかりますときには肋骨の内側から内側というようなものをはかりまして容積を出しトン数を出すという方法をとっておりましたので御指摘のようなことが間々起こったわけでございます。今度船舶積量測度法を前国会で改正していただいたわけでございますが、新しい方法では肋骨の外側から外側ということではかりますので、今後はそういうことが起こることはないというふうに私ども考えております。
 それで現存船についていまの総トン数をそのまま与えておくのはいかがかというお話でございますが、この総トン数と申しますのはその船の関係いたしますいろいろな海事法規のもとになっておる、基準になっておるものでございますので、この総トン数を動かしますと非常に大きな影響が出てきまして船主あるいは乗組員、そういう者に対して大きな負担がかかるということでございます。したがいまして、余り大きな混乱を起こすのもいかがかということで現存船につきましてはその船一代限り、いま持っております総トン数をそのまま認めるという対応をとっておるわけでございます。
#175
○中野鉄造君 いままでどおりということですね。
#176
○政府委員(野口節君) 現存船につきましては大きな改造を行わない限りいままでどおり認めるという対応をとっております。
#177
○沓脱タケ子君 初めにお聞きをいたしたいのは、社団法人全国交通安全母の会連合会という会がございますが、これはどういう団体でどのくらいの方々で組織をしておられるのか、ちょっとお伺いをしたいと思います。
#178
○政府委員(仲山順一君) 全国交通安全母の会連合会についての御質問でございますが、これは昭和四十五年、例の交通事故が非常に多くなったということで、全日本交通安全協会主催の交通安全国民中央大会婦人部会等で、この交通安全母の会の設立が提唱されまして、四十九年の五月、永野重雄全日本交通安全協会会長を名誉会長にいたしまして、吉川政枝氏を会長として全国交通安全母の会連合会が正式に誕生したわけでございます。
#179
○沓脱タケ子君 この会は、いまお話を聞いたら、四十九年ごろからできたわけですが、永野重雄さんが名誉会長になってでき上がったと。中心は交通事故が非常に多くなっているので、子供やお年寄りの交通事故を守っていくために、全国のお母さんたちがボランティアとして、善意でもって地域的な活動を広げていくというために進めておられる団体でございますね。会員の総数と会費などはどうなっているか、ちょっと最初に聞いておきたいと思います。
#180
○政府委員(仲山順一君) 会員は五百万でございまして、四十二件でございます。そして、現在のところの予算でございますが、これは会費は千六百九十五万というふうになっています。
#181
○沓脱タケ子君 会費は、五十四年度収支決算では普通会費と賛助会費とあって千六百七十五万円ということのようですね。決算額では千五百七十二万二千円ということになっておりますが、五百万人ものお母さんたちのボランティアが参加をして、しかも理想とするところは、お年寄りや子供たちが交通事故に遣わないようにということで、母親の愛情でというまさにお母さんたちの善意で成り立っている団体なんですね。だから政府も、これは補助金なりあるいは委託費なりをお出しになっているんだと思いますが、総理府からは、これはもう時間の都合もありますから、私資料をいただいておるので申し上げますが、五十六年度は八千五百万円の委託費、そして五十五年度は六千九百七十万円の委託費をお出しになっている、運輸省では五百万円の補助金を出しておられるということですが、間違いありませんか。
#182
○政府委員(仲山順一君) そのとおりでございます。
#183
○沓脱タケ子君 こういうお母さんたちの善意で成り立っている団体でございますから、きわめて清潔でなければならない、不正や腐敗などというのはにおいがあってもならないと思うわけでございます。ところが残念なことに、私どもの調査によりますと、一部幹部の経理上の不正の疑惑がございます。これについてちょっと一つずつお聞きをしていきたいと思うわけでございます。
 まず第一にお聞きをいたしたいのは、この全国交通安全母の会連合会、略称全文母と言っておられますが、この全文母の事務局長の小沢興朗さんという方が五百万円を着服した疑いというのが指摘をされてきております。
 そこで、具体的にお聞きをしておきたいんですが、昭和五十四年の四月十日付で株式会社ゼウスから五百万円のお金がいわゆる全文母に入金をしたということが調査の結果判明しておりますか。御調査なさっておるはずでしょう。
#184
○政府委員(仲山順一君) お答え申し上げますが、昭和五十四年の四月十日付でゼウス社から全文母の東海銀行上野支店の口座に五百万円が振り込まれた事実は確認しておりますが、これまで調査いたしておるわけでございまして、いまのところ目下調査中ということでございます。
#185
○沓脱タケ子君 入っているんですね。それは確認しているんですね。
#186
○政府委員(仲山順一君) はい。
#187
○沓脱タケ子君 それで、同じ五十四年の四月十日付で小切手で東海銀行上野支店、これは全文母の取引銀行ですが、この上野支店から同じく五百万円が払い出されているという事実は御確認になっておられますか。
#188
○政府委員(仲山順一君) われわれの方としてはいま調査しておりますが、事実は、全文母の小切手でいまの五百万円、これを引き出して再度銀行振り出しの小切手にかえておるようでございます。
#189
○沓脱タケ子君 ちょっとようわからぬです。何ですって、払い出されていますか。
#190
○政府委員(仲山順一君) 払い出されております。
#191
○沓脱タケ子君 それは同じ日付で出ているんですが、この五百万円の払出先はそれじゃどこですか。
#192
○政府委員(仲山順一君) これはゼウスの会社から借用したということで聞いておるわけでございますが、全交母の小切手で五百万円を引き出しておったわけでございますが、その小沢事務局長が不動産業者に支払ったというようにいま調査しておるわけでございます。
#193
○沓脱タケ子君 私そんなに詳しく聞いてないんです。五百万円はどこへ払い出されたかいって聞いている。わからぬですか。
#194
○政府委員(仲山順一君) 全交母にやられたと思いますが。
#195
○沓脱タケ子君 ちょっと違うんです。全交母へゼウスという会社から五百万円同じ四月十日に入ったというのは確認している。同じ日に五百万円が払い出されたということも確認されております。払い出し先はどこですかと聞いている。
#196
○政府委員(仲山順一君) いま調査中でございますが、どうもいまのところの調査によれば、小沢個人が自分の自宅の購入資金の一部にするために借用した金である、こういうふうに聞いております。
#197
○沓脱タケ子君 同じ日に五百万払い出されているということを確認しておられるということは、かなり御調査になっている証拠だと思うんですが、これはどこへ払い出されたかというと、住友銀行の下高井戸支店、小沢事務局長の個人名義の口座に小切手で払い出している。大分調べておられるんで、よう知っているのかと思ったのですけれども、これは証拠もありますが、ちょっと参考に資料を差し上げて、資料に基づいてお聞きしましょう。
 それじゃ、あなた方の調査と私の方の調査をした資料との食い違いがあれば、そこをはっきりさしていくということの方が早いですからね。済みません、二部ありますから室長と副長官に。(資料を手渡す)
 それで続けますが、五十四年四月十日にゼウスという会社から五百万入って、そうして五百万その日に払い出しているというところまで調べがついているということは、この全交母には裏帳簿と表帳簿があるということをちゃんと調査をして確認されたんですね。それでなかったらわかるはずがない。それはどうですか――ちょっと何とか返事してもらわぬと。
#198
○政府委員(仲山順一君) 目下調査中でございますが……
#199
○沓脱タケ子君 私どもの調査によりますと、表帳簿では五十四年の四月十日にゼウスという会社から五百万円東海銀行に入っているということがあるんですけれども、同じ日に五百万円は出ていないんです。ところが裏帳簿には、同じ五十四年四月十日、株式会社ゼウスから五百万円振り込まれて、同じ日に五百万円引き出されているというふうになっているわけです。だから、まず裏帳簿で操作をしていたということなんですね。その金はどないなっているのですか。あなたさっき貸したとかなんか言ってたけれども、大体このお金の決済責任者は何と言っているんですか。
#200
○政府委員(仲山順一君) 私の方は、いま裏帳簿というか――その帳簿しか見ていなかったものですから、これお出しになられて、いまちょっと私もすぐ即答はできないと思いますが。
#201
○委員長(山崎昇君) 最後よく聞こえない、もう少しはっきり言って。
#202
○沓脱タケ子君 ほんまに聞こえにくいですな。
 裏帳簿は見てなかったということだけわかった。
 それじゃ一つ言っておきますけれども、裏帳簿と表帳簿があるということはわれわれの調査では明らかです。それで、同じ四月十日に、入った日に五百万円事務局長の小沢という人の口座に振り込んだということは何で知っているんですか。調査の結果明らかになったんですか。
#203
○政府委員(仲山順一君) それは小沢個人から、これはゼウス社から自分は借りたというふうに言っておりますから。
#204
○沓脱タケ子君 ゼウスから借りたというのだったら、全文母の口座へ、これは賛助金か寄付金か何かの名目で振り込まれている。それをゼウスの会社から借りましたと言うけれども、それなら話は違います。税務対策上も会社の方は違うできます。まあとにかく五百万全交母へ寄付をした、賛助金として寄付をしたというのと、そうではなくて小沢さんに貸すのだったらこんなところ通すのはおかしいでしょう。だから、その決済はだれがしたんです。決済者は何と言っている。
#205
○政府委員(仲山順一君) これの決済は専務理事がやったと思いますが。
#206
○沓脱タケ子君 何と言っているんですか。
#207
○政府委員(仲山順一君) 目下その点の言い分がどうもはっきりしないものですから、目下調査中ということになっておりますが。
#208
○沓脱タケ子君 これは実は一週間前、十八日の衆議院の交通特別委員会で調査をするようにわが党の中路委員から指摘をしておいたんですね。それでまだそんな頼りないことでは困るんですよ、一週間たっているんだからね。それで、ようわからぬのやったら私どもの調査の結果を申し上げますから、その資料で、きちんと調査をしてもらいたい。と言いますのは、この差し上げた資料の三枚目を見てください。三枚目を見ていただきますと、一番右の下に書いてあるのは五十五年四月九日五百万円、貸付金、小沢興朗と書いてある。承認印は吉川さんという専務理事の判が押してある。ところが、この小切手帳の控え、――左の肩は小切手帳の控えです。住友バンク下高井戸と書いてあるでしょう、渡し先。五十五年四月九日と書いてある。ところが、資料の二枚目の当座勘定照合表というのを見てごらんなさい。これは銀行の当座勘定照合表だから勝手にごまかすわけにいかぬのですが、これによりますと四月十日、五百万円ゼウスから入っておって、同じく四月十日、五百万円が払い出されているんですね。ところが、いま私が指摘しました三枚目の資料によりますと、日付は五十五年四月九日、まる一年ほどかかっている。だから、どうやら一年ほどたって大分ややこしくなってきたんで書類を改ざんしてかっこうをつけるという形をとりだした。ごまかそうとしているというふうにしか見られない。おかしいと思いませんか。
#209
○政府委員(仲山順一君) 確かにおかしいから、目下調査しているわけでございます。(笑声)
#210
○沓脱タケ子君 私どもでもこのぐらいの調査ができるんだからね、一週間前に指摘してあるのだから、もっと的確に調査なさらないと困りますよ。全国五百万の善意のお母さんたちが全くボランティアで、ただ働きで、会費まで納めて交通安全対策のために努力をしているというのに、こんな金がすぽすぽ抜けていたらどうなりますか、実際。大体この社団法人というような公益法人が小沢に、貸付金と書いてあるんやけれども、金貸すことできますか。そんなことぬけぬけやっているんですか。やらしているんですか。
#211
○政府委員(仲山順一君) そういうふうなことは会計上あってはならないことで……
#212
○沓脱タケ子君 そうですね。
 それで、小沢事務局長というのは、この五百万円は今日ただいまでは返却をしましたか。まだ返しておりませんか。
#213
○政府委員(仲山順一君) いま調査の結果によれば、五年後に返却するというふうになっておるそうでございます。
#214
○沓脱タケ子君 五年後――金を社団法人から貸し出すのはよくないといま言っているのに、五年も置いておくんですか。あんた、もう話にならぬなあ。
#215
○政府委員(仲山順一君) いまの五百万というようなのはあくまでも小沢個人に対して貸し付けてやったものだと、こういうふうにゼウス社の方は言っておりますし、小沢個人もそう言っておるものですから、ですから全交母のそれとは違うと、こういうふうに関係者は言っておるわけでございます。
#216
○沓脱タケ子君 それじゃ全交母の口座にどうして金が振り込まれるんですか。さっきその資料をごらんになったら出ているでしょう。取引銀行にちゃんと出ているじゃないですか。そんなこと。
#217
○政府委員(仲山順一君) そこがよくはっきりしないから目下調査しているわけでございますが、法人の監督につきましては三年に一回やるというふうになっておりまして、そういうようなところはわれわれの方も全然知らないことであったために、その点は急な御指摘でございまして、本人はあくまでもこれは個人のものだと、こういうふうに言っておりますし、たまたま会社と非常に親しい関係にあって、会社側としてはいろいろな事情からそちらに口座として入れてしまったと、こういうふうに関係者は言っておるというふうに聞いております、
#218
○沓脱タケ子君 あのね、そこは簡単に調べられますよ。私いま手元に全交母の振替伝票がありますが、これが五十四年四月十日、五百万円当座預金としてゼウスからの振り込み、賛助会費五百万円と書いてあります。そんな資料もないのですか。その中には入ってないのです。見せてあげましょうか。
#219
○政府委員(仲山順一君) 何分われわれの方はまだその資料を、どうして入ったのかよくわかりませんで、目下確認しておるような次第でございます。
#220
○沓脱タケ子君 そんな手ぬるい調査では話にならぬので、私どもが指摘をしたのは資料に基づいて指摘をしておりますので、確実に調査をして明らかにしてください。
 それで法務省にちょっとお聞きをしたいんですが、先ほどから御指摘を申し上げ、帳簿類の事実に基づいて指摘をしておりますように、裏帳簿やこの伝票操作をごまかして五百万円着服の疑いがあるわけですね。いまゼウスから借りたと言っているけれども、ちゃんと賛助会費として入っている金を、ゼウスから借りたなんて世の中通りませんよ。これは、一般論で言いますと、こういう状況だったら刑事事件になり得るのと違いますか、いかがです。
#221
○説明員(飛田清弘君) お尋ねが、特定の方に対して具体的な事実関係に基づいてこれが犯罪になるかどうかということでございますが、私どもといたしましては、事実関係を裁判で証拠になるような証拠能力のある証拠によって確定しているわけでございませんので、この段階で犯罪になるかどうかということを申し上げることは差し控えさしていただきたい、こういうふうに考えております。
#222
○沓脱タケ子君 一般論です。
#223
○説明員(飛田清弘君) 一般論といたしましても、法律で恐らく詐欺罪になるのか横領罪になるのかというようなことだろうかと思いますが、詐欺罪と申しますのは、人を欺罔いたしまして、それで欺罔された者がその欺罔されたことに基づいて金品を交付する、それを領得するというのが詐欺罪でございますし、横領罪というものは、他人から預かっている金品を自分のものとして領得するのが横領罪でございますが、それらのものに当たるかどうかということは、事実関係がはっきりしない限りちょっと申し上げられない、こういうことでございます。
#224
○沓脱タケ子君 ついでにちょっと国税庁に聞いておきますが、いまの総理府のお話だと、ゼウスという会社はこの五百万円を返したんやと言っていると言うのですがね。しかし入金伝票に賛助会費五百万と、こう書いているんだから、賛助会費として税務処理はされていると思うんですね。これも調査をするように一週間前に衆議院では御指摘を申し上げておったんで促すが、どうですか。
#225
○説明員(四元俊明君) 去る十八日の衆議院の交特委で御指摘をいただいております、そのとき一般論といたしまして、個別問題、税務上の個別にわたることはひとつ御答弁をお許しいただきたいとお願いしました上で、一般論として申告書を各法人からいただきましたときには、当然申告書の審理というものをいたしまして、その際課税上問題となる事項がありますれば、必要に応じてその解明、また何か是正すべき点があればそれを是正していくというのが私どもの税務署における処理方針であるということを申し上げた次第でございます。
#226
○沓脱タケ子君 それで、この五百万円の件については、私、資料で御指摘を申し上げておりますので、まだ十分調べがついてないというふうなお話のようでございますから――これは、私わずかな金ということでしてはならぬと思うんです。だって全国から会費を集めて、賛助会費をもらって、それで運営をしている。運輸省からも補助金を出し、総理府からは委託金を出し、非常にお母さんたちの善意のボランティアによる活動の母体がこんな一部の人たちの不正があってはならぬと思うんですよ。これは一掃するためにも徹底的に調査をして、不正の一掃、疑惑の一掃をやり上げるべきだと思うんです。早く調査をされる必要があると思いますが、きょう御指摘を申し上げた資料に基づいてひとつ調査をやっていただきたいと思いますが、どうですか。
#227
○政府委員(仲山順一君) 御指摘のとおりでございまして、われわれといたしましては疑惑が持たれるようなことがあっては大変でございますから、徹底した調査を行いまして納得がいくようにさしていただきたい、こう思っております。
#228
○沓脱タケ子君 それで、副長官には御決意を込めて最後にお伺いをしたいと思いますが、まあほかにもまだ疑いがありますので、一、二ちょっと申し上げておきたいと思います。サンエス技研という会社からやはり同じく小沢事務局長がどうやら別口で裏金をもらっているんじゃないかということがあります。ちょっと聞きたいんですが、このサンエス技研というところから寄付金、賛助金は幾ら出ておりますか。
#229
○政府委員(仲山順一君) サンエスの方でございますが、これもどれが賛助金でどれがそういうふうな関係の金かよくわからないものですから、いま目下調査しておる段階でございます。
#230
○沓脱タケ子君 調査中というのなら、これ非常にまずいと思うんだけれども、私ども資料を要求したんですが、決算書ができているのにサンエスからの寄付金、賛助金が幾らかということがわからぬと言う。決算ができていてわからぬというの、ちょっと常識では理解できぬのだけれども、総理府はそう言って明らかにせぬわけなんで、これは明らかにしてもらいたいと思う。調査中だとおっしゃるので、御調査の最中に、この資料の四枚目、五枚目ですが、こういう領収証ありますか。これ写しですよ。こんなの見つけたでしょう。調査したらわかるはずです。あったかどうかちょっと言ってください。
#231
○政府委員(仲山順一君) 調査の段階では見ておるそうでございます。
#232
○沓脱タケ子君 見ておる。
#233
○政府委員(仲山順一君) はい。
#234
○沓脱タケ子君 それは、大変ですね、もう何かわけわからぬですよ。二百六十万円、四十万円、九十万円、三十万円といって二ヵ月ほどの間にずいぶんたくさん切っていますよ。だから賛助金、寄付金が幾ら出ているかということをお聞きしているんですよ。これもはっきりしなかったら、この領収証だってカラ領収証の疑いがある。だからきちんと調査をしてもらいたいと思うんです。そうでなかったら、カラ領収証だということになりますと、われわれの調査では六百二十万になりますが、これまた小沢事務局長が着服をしているという疑いがあるんですよ。これは明確にしてください。いいですね。ちょっとはっきりしておきましょう。
#235
○政府委員(仲山順一君) 目下調査中ですから、はっきりしたことが申し上げられなくて残念でございますが、御指摘の点につきましての全交母の事務局長名義の領収証、これが何枚かはサンエス社へ渡っているのではないかということまでは確記しておりますが、どのような名目でサンエス技研から出されたものかは、いまよくわからない。従来から面識のありましたゼウス社とサンエス技研から停止表示板の開発について協力方を依頼されました小沢事務局長は、個人の立場で協力することとして、フィンランドのタルム社との交渉、その他の調査に外国へ出かけた際の経費等として使用されたというふうに聞いておりまして、目下調査しておりますが、関係者の記憶等にあいまいな点がありまして、確認できないで、引き続き現在のところ調査しておるというふうな段階でございます。
#236
○沓脱タケ子君 これは調査をしていただきたいと思います。
 ちょっと私、持ち時間がないので詳しく言いませんけれども、お手元に上げている資料を見ていただいても、二百六十万円が、これは委託事業調査費と書いてありますよ。ところが、一つずつ見てみますと、賛助費もあれば調査費もある。三十万の賛助費というのもありますしね。だから、賛助費と寄付金というのは一体なんぼあるんだと言ってお聞きをしたのはそこなんですよ。これはひとつぜひ厳しく調査をして、疑惑の残らないように明らかにしていただきたいと思います。
 それからもう一つは、この最初に差し上げた資料の二枚目の裏帳簿というところ。これは表帳簿にも書いてあるんですがね、五十四年の四月の二日、祐成、貸付金二百万というのがある。金を貸し付けたりするのはよくないんだと、おっしゃっているんだけれども、貸付金というのは出てくるんですね。これ知っておられますか。いま渡したのに書いてあるでしょう。
#237
○政府委員(仲山順一君) この事実は調査でわかっております、出したということは。これは先ほど申し上げましたとおり、このような公益法人が事業目的範囲外の貸し付けを行うということは、どのような理由があるにしろ妥当性を欠くということで、わかっておれば当然よく監督し、そういうふうなことのないようにしたい。そのために目下徹底して調査して、しかるべき措置を講じたいこういうふうに考えておる段階でございます。
#238
○沓脱タケ子君 この祐成さんというのはどういう方ですか。この全交母という組織と何か関係ありますか。
#239
○政府委員(仲山順一君) 顧問だと聞いております。
#240
○沓脱タケ子君 ところが、名簿には書いてないですね。お宅の出版している書類の名簿を見ても、そんなもの書いてない。まあ名前の書いてない顧問かもしれませんがね。局長おっしゃったように、公益法人から目的外に金貸したりしたらいかぬと言っているんでしょう。まさに公益法人としてはあるまじき行為の一つだと思いますが、特にこの祐成さんという人は自民党系の団体の事務局長ですね。国民運動中央団体連絡会議という団体の事務局長、主として北方領土運動などをしている右翼団体ですね。だから、そういうことになってきますと、やっちゃならぬという公益法人から貸付金といって右翼団体に金が流れたという疑いまで出てくるんですよ。だから、これはきちんと調査をして明らかにしてください。
#241
○政府委員(仲山順一君) 調査の結果によれば、先ほど申し上げましたとおり、これはよくないことでございます。それはまあ金は一ヵ月後に返したというふうにいまのところ聞いておりますが、今後このようなことがないように十分にわれわれ監督しなくちゃいかぬ、こういうふうに考えておる次第でございます。
#242
○沓脱タケ子君 会計検査院にちょっとお聞きをしたい。
 こういう全国の五百万に及ぶお母さんたちの善意によるボランティアの団体なんですね。そういう活動が大事だからということで総理府も八千五百万のお金を、委託費としてだけど出しているわけでしょう。運輸省だって、交通関係のことだというので五百万円の補助金出しているわけです。それがこんな裏帳簿、表帳簿、書類の改ざんというようなことをやっているようでは、非常に危ないですよ。会計検査院としては御調査をなさるべきだと私は思いますが、いかがですか。
#243
○説明員(竹尾勉君) お答えいたします。
 総理府の交通安全母親活動推進事業委託費につきましては、五十一年の九月に事務所に赴きまして検査をしたわけでございます。これは総理府の委託要綱に基づきまして総理府が持っております監査権限に乗りまして、いわば肩越しの検査をやったわけでございます。
 さらに、運輸省関係の自動車事故対策費の補助金につきましては、これはパンフレットを印刷して全国民の会に配布する事業でございますので、本省検査の際にその成果物を確認いたしまして、当局者が連合会に赴きまして調査をしたいきさつ等を検査いたしまして検査を下している次第でございますが、まこと先生御指摘の事態はゆゆしきことでございますので、総理府も調査をするというふうに承っておりますので、その結果を踏まえた上で十分な検査をするよう努めたいと、こういうふうに考えております。
#244
○沓脱タケ子君 これは、裏帳簿やら書類や伝票の改ざんというようなものが現実に、指摘したとおりあるわけですから、検査院、非常に御熱心だけれども、うかうかすると裏帳簿でごまかされたりするというのは電電公社の例もありますからね。だから、ひとつしっかり御調査をいただいて、こういう種類の団体ですから、一点の疑念も残ってはならぬと思いますので、ぜひはっきりしていただきたいと思います。
 もう時間がいよいよありませんので、私は実は、こういう問題が起こってきて、特にこの会社が、いわゆる高速道路の停止表示板設置の義務ができてからの三角板というのが義務づけられたときの型式認定第一号を取ったゼウスという会社とからんでいるということで非常に問題点を含んでいると思うんですが、きょうは時間がありませんので、その後の皆さんの御調査を踏まえて引き続き調査をして明らかにしてもらいたいと思っているわけでございます。
 最後に、副長官にお願いをしたいと思いますが、ずっとお聞きをいただいたとおりでございます。全国五百万のお母さんたちの善意を全く踏みにじるものですよ、こういう状態が起こっているということは。ですから、全国のお母さんたちの善意にこたえるためにも、繰り返し申し上げているように、徹底的に調査をし、そして疑惑の残らないように処置を明らかにするということが非常に大事だと思うんです。調査をするというのは、その疑惑がどうして出てきたか、不正がどうして出てきたか、これをなくするにはどうしたらいいかという立場での御調査を中心にやっていただかないとならないと思うんですが、そういう点で全国五百万のお母さんたちに疑惑をなくするための究明を徹底的に明らかにし、事態を明らかにされるということについて御決意はいかがですか。
#245
○政府委員(佐藤信二君) いま沓脱先生からいろいろ御指摘がありましたが、私もきょうこの質問が出るのでいろいろ交対室に聞いたのですが、私自身もよくわからない点がある。しかし、いまちょうだいした資料がございます。どうも総理府の方じゃこれだけ完璧な資料がございませんでしたから、こうしたいつもながらの御丁寧なる調査で、私どもこれに基づきまして厳正な調査をしたい、かように思います。そしていま御指摘のように、やはり全国でもって五百万という善意のあるお母様方の誠意を裏切ることがないように、不正があれば正していくということは当然でございます。そういうことで、私の方といたしましては、調査をして不正があれば正していくということを沓脱先生にお約束いたします。
   〔委員長退席、理事坂倉藤吾君着席〕
#246
○中村鋭一君 四月から政府の第三次交通安全基本計画がいよいよスタートするということなんですが、この第三次交通安全基本計画につきましてその主な目的といいますか、達成したいという目標をまずお伺いいたします。――答弁者はどなたですか。
#247
○政府委員(仲山順一君) 第三次交通安全基本計画の達成目標は、着実に交通事故を減らしまして、八千人以下にしたいということでございます。
#248
○中村鋭一君 私は質問しているんですからね、明確に大きな声でやっているんですからね、私が質問終わってからあなたいまお立ちになるまで二十五秒ぐらいたっていますよ。時間短いのですから、正確に、うろたえないで答えてください。
 八千人以下に抑えるというのが目標であるといまおっしゃいましたね。これは昨年の十二月の読売新聞ですけれども、厚生省がまとめた統計によりますと、昭和五十四年度の交通事故死者一万一千七百七十八人、「警察庁統計の八千四百六十一人を三千三百十七人上回っていることがわかった。」、このように報じられておりますが、
   〔理事坂倉藤吾君退席、委員長着席〕
厚生省と警察庁の交通事故死者の統計のとり方はどう違うのですか、警察庁。
#249
○政府委員(池田速雄君) 警察庁の統計は、道交法で定めます道路上におきまして発生した交通事故によりまして二十四時間以内に亡くなられた方の統計をとっております。なお、厚生統計につきましては、事故発生時のいかんを問わず、その年中に亡くなられた交通事故死者全部を統計におとりになっておるというふうに聞いております。
#250
○中村鋭一君 そのとり方は、私は、二十四時間を過ぎても、お亡くなりになった方、車のみに限らない事故等も交通事故死者には含める方が統計としては正確に近い、こう思うんですが、警察庁はどういう御見解ですか。
#251
○政府委員(池田速雄君) 警察といたしましては、交通警察の担当しております業務が、道路上におきます交通事故ということでございますので、その画的に必要な範囲内でずっと統計をとってきたわけでございます。
#252
○中村鋭一君 そういうふうにごくビジネスライクにお答えになりますけれども、現実に私が聞いておりますところでは、交通事故を扱うお巡りさんが救急病院へ患者さんを運んで、お医者さんに頼む、二十四時間を一秒でも超えてから死なすなら死なしてくれ、こういうふうに言ったということを聞いたことがあります。そういうふうな統計のとり方で、それで交通事故死者が九年連続減少したとか、鬼の首をとったように言ってみたり、八千人以下に抑えるのが目標だなんて、そういうことは私は言わない方がいいと思う。まずそういう統計の基礎になるものをしっかりと把握してからでないといけない、こう思います。
 もう一遍お尋ねいたします。厚生省の統計のとり方の方が、交通事故死者は何人であるということを申し上げる場合、国民に対してははるかに私は正確で説得力のある方法だと思いますが、警察庁はどうお考えでございますか。
#253
○政府委員(池田速雄君) 私どもは、私どもの知り得る範囲で、正確性とそれから速報性ということを考えまして統計をとっておるわけでございますので、それを上回る、より正確な資料が、統計がございましたら、それを私どもも十分参考にしてまいりたいと思いますが、現実を申し上げますと、厚生統計を私どもが知り得ますのは大体翌年の六月ごろじゃなかったかというふうに記憶いたしております。したがいまして、現在も昨年の死者数というものの統計はまだいただいていないわけでございます。そういった点等から考えまして、たとえば国際比較等をやります場合には、私どもがとりました警察統計の三〇%増で仮に計算するといったようなことをやりまして、資料といたしておるわけでございますけれども、先ほども申し上げましたけれども、大体全体調査というのは大変むずかしゅうございますので、サンプル調査等で私どもが知り得る範囲では、大体事故発生いたしましてから三十日以内に九〇%以上の方がどうも亡くなっておられるのじゃなかろうか、したがいましてより正確な数字をとろうとしますと、現在の警察統計よりも事故発生後三十日の統計をとるのがある意味では正確性が期せられるのじゃないかというふうに考えておりますけれども、警察といたしましては現場措置が中心でございますので、その後のフォロー調査というのは大変困難でございますし、正確性も期しがたいということで、最も現在では速報性のある、しかも正確な二十四時間統計を警察としてはとっておるわけでございます。
#254
○中村鋭一君 いまあなたおっしゃいましたように、厚生省の統計のとり方にも一理があるということを言いながら、現在では警察のやり方が合理的だとおっしゃっているが、後で議事録をよく確認してください。おっしゃることが矛盾しているわけですよ。ですから、こういったりっぱな基本計画ができて、交通事故死者を八千人以内にすると、こうおっしゃっているのですからね、その基本になる統計のとり方はより合理的でより正確な方法を採用なさる方がいいわけですから、その方向でさらに統計方法の再検討を要望しておきたいと思います。
 次に、交通標識あるいは道路標示等について、予算はどのように、だれが監督し、あるいはその執行について責任を持っておりますか。
#255
○政府委員(池田速雄君) 公安委員会が所掌いたします交通安全施設でございますけれども、予算につきましてはそれぞれの都道府県の公安委員会が所掌をいたしておるわけでございますが、そのうち特定事業と申しまして、主として信号機以上でございますが、大型の標識等につきましては補助対象になっておりますので、その経費の二分の一を国が負担するということになっております。その他につきましては、たとえば普通の道路標識あるいは道路標示といったものにつきましては、それぞれの都道府県の単独の経費でございます。
#256
○中村鋭一君 交通安全対策特別交付金に関する政令昭和四十三年四月十一日、政令第六十六号、これを見ておりますと、第九条「自治大臣は、都道府県又は市町村が交付を受けた交付金を法附則第七項」すなわち交通安全対策特別交付金の交付「に規定する道路交通安全施設の設置に要する費用に充てなかったことを発見した場合には、その充てなかったことにつきやむを得ない事情があると認める場合を除き、理由金額、期限その他必要な事項を記載した文書をもって、当該都道府県又は市町村に対し、その充てなかった部分に相当する金額の返還を命ずるものとする。」。これまでに返還を命じられた事例はございますか。
#257
○国務大臣(安孫子藤吉君) 私はそのことをまだ聞いておりません。恐らくないだろうと思います。
#258
○中村鋭一君 この特別交付金、たとえば昨年で言いますと、総額は幾らになっておりますか。
#259
○政府委員(池田速雄君) 五十五年度は四百九十二億というふうに聞いております。
#260
○中村鋭一君 その四百九十二億について、どういう使い方をしたかということは、交付金を受けた団体から自治省に対して報告があるわけですか。
#261
○政府委員(池田速雄君) 私の方がお答えするのは筋違いかと存じますけれども、この結果につきましては自治省の方へ報告がまいっておるものというふうに考えております。
#262
○中村鋭一君 そうしますと、その特別交付金はどういう使われ方をしたか、たとえば道路標識に幾ら、それから道路標示にどれだけの費用が使われたか、具体的に細かい点についての報告はないわけでございますね。
#263
○国務大臣(安孫子藤吉君) そこまで詰めておりませんけれども、まず大枠のところで報告があるのじゃないかと、非常に詳しいところまでの報告は恐らくないのじゃないかと私は思っております。
#264
○中村鋭一君 そうしますと、大枠についての報告はあるけれども、細かい使い方についてはどういう使われ方をしたかがわからないということになるわけですね。細かいところについてどういう使われ方をしたかがわからない、把握していないといえば、報告をすることを義務づけられた側からすれば、一枚の紙に、いただきました交付金はこれこれこういうことに使いましたといって報告をすればそれで足りるわけですね。
#265
○国務大臣(安孫子藤吉君) その辺は、現場において、各府県においてはきっちりやっておるものだと思いまするし、また、そうした問題については、県当局等も監査委員制度があるわけでございますから、十分監査が行われていると私は思っております。
#266
○中村鋭一君 監査が行われているとおっしゃいますけれども、いまも申し上げましたように、とにかく「理由、金額、期限その他必要な事項を記載した文書をもって、当該都道府県又は市町村に対し、その充てなかった部分に相当する金額の返還を命ずるものとする。」とちゃんとあるわけです。ところが、現実にどう使われたかわからない以上、返還を命ずることはできませんし、各市町村等において監査は十分とおっしゃいますけれども、その監査が十分に行われる体制が私はできてないと、こう思います。ということは、比較的市町村の、あるいはその市町村における公安委員会の恣意に基づいてせっかくの貴重な交付金が使われておる可能性もあるだろうと、私はそう理解いたします。
 それにつきまして質問を続けさせていただきますけれども、昭和五十三年の十月三十日の号外、国家公安委員長公示第三号「交通の方法に関する教則」の付表3「標識、標示の種類と意味」には最高速度の規制標示といたしまして「3〇」、「5〇高」、「4〇中」、「2〇低」、こういう標示が規定されております。しかし、どこを回りましても一番多いのは「4〇高中」、こういう標示なんですけれども、私も長年ハンドルを持っております。「4〇高中」の「高中」が何のために書かれているのか、よくわからない。まず、「4〇高中」のあの「高」という字と真ん中の「中」という字は何を意味し、何のために書かれているか、教えてください。
#267
○政府委員(池田速雄君) 自動車の種類によります最高速度というのはそれぞれ違っておりまして、「高」と書いてありますのは法定速度が六十キロメートルとなっております自動車の最高速度の指定を意味しているわけでございますし、「中」と書いてございますのは、通称中速車と申しておりますけれども、法定速度が五十キロメートルとなっている自動車の最高速度の指定の意味でございます。
#268
○中村鋭一君 あの「4〇高中」等の標示は全国に大体何カ所ぐらい書いてあるんでしょうね。それで、何メートル置きに書いてあるんですか。
#269
○政府委員(池田速雄君) 「4〇」の速度制限をいたしましてそれに「高中」と書いてありますのは全国で約二十九万四千カ所であろうというふうに報告を受けております。なお、「5〇」になりますと「高」だけになると思いますが、「5〇高」と言いますのは全国で約十七万カ所ほどあるというふうに報告を受けております。
 なお、その設置の間隔でございますけれども、沿道の状況でございますとか、車線の数でございますとか、交通の量等によりまして設置いたします都道府県公安委員会が判断するわけでございますけれども、実態といたしましては、ほぼ三百メートルから一キロ程度であろうというふうに把握しております。
#270
○中村鋭一君 「高」という字、真ん中の「中」という字、一文字を書くのに要する単価は平均幾らですか。
#271
○政府委員(池田速雄君) 「高」の字につきましては平均いたしますと約四千五百円ぐらい、「中」につきましては平均で約三千円ぐらいというふうに把握しております。
#272
○中村鋭一君 そうしますと、三百メートルから一キロ、仮に、平均をとって五百メートル置きぐらいにして、それに、いま全国の書いてある数をおっしゃいましたね、掛け合わせますと、この「高」、「中」という二文字を書くために年間要する費用は幾らぐらいになりますか。
#273
○政府委員(池田速雄君) 「高」、「中」の道路標示でございますけれども、実態からいきますと大体二年に一回ほど塗りかえておるというのが全国的な平均でございますので、それで試みに試算いたしますと約十一億円であろうと思います。
#274
○中村鋭一君 私が調べましたところによりますと「高」という字は面積一・八九平方メートル、「中」の字は面積一・一九平方メートル、これで、時間がありませんので省略をいたしますけれども、トラフィックペイントの費用が百九十円、ガラスビーズ百七十円、プライマー四百四十円、その他雑材料、溶解車運転費、材料運搬車運転費等々、項目は多岐にわたりますけれども、いずれにいたしましても、これらの費用は、決して、あなたがおっしゃるような、そんな、十一億なんていうものにはならないのです。「高」の字一・八九平方メートルにつきまして、私が試算をいたしましたところでは、一文字について九千三十五円、「中」の字は一・一九平方メートルにつき五千六百八十九円、合わせて「高」、「中」二文字で一万四千七百二十四円。日本の道路の実延長は、五十五年版の建設白書によりますと、一般国道四万百九十六キロメートル、都道府県道十二万九千二百七十九キロメートル、市町村道九十二万五千五百七十八キロ、百九万五千五十三キロが合計延長でありますが、一キロに中、高の字が一つ書かれているとしても、百九万五千五十三ヵ所、往復で二百十九万百六ヵ所、したがって、これにかかる費用は三百二十二億四千七百十二万七百四十四円と、こういう金額が出てまいります。あなたのおっしゃる金額と余りにも違い過ぎますが、その辺についての見解はいかがですか。
#275
○政府委員(池田速雄君) 中、高の文字は、先ほど来申し上げましたように、規制をやっております場所について書いておるわけでございますので、個所数は先ほど申し上げました個所数でございますし、それからいまの金額でございますけれども、私どもが申し上げましたのが実態であろうというふうに考えております。と申し上げますのも、実は現行五ヵ年の地方の単独費の予算でございますけれども、計画が二千三百億でございました。これは私どもが受けております報告では、現在のところ七〇%程度の達成率ということでございますので、まだ集計いたしておりませんけれども、千六百から千七百億ぐらいであろうと思います。年間大体三百億から四百億近くの額でございますので、その中で道路標識を立て、道路標示を設置いたしておるわけでございますので、御指摘の数字とはいささかかけ離れておるのじゃなかろうかというふうに思います。
#276
○中村鋭一君 ですから、さっき公安委員長にお答えいただいたように、特別交付金一つとってもどういう使い方をしているかちっとも把握しておられないじゃないですか、そうでしょう。細かいところまではわからないとおっしゃったじゃないですか。その報告はちゃんと市町村で監査をやっているだろうと思うという、アイ・サポーズですよ。そんなサブジャンクティブ・ユースでこの委員会の審議をするわけにはいかない、われわれはちゃんと調べて言っていることなんですから。そういう三百二十二億かかっているものを十一億だなんて、そんなべらぼうなことはあり得るわけがない。われわれの資料が正確だと思うとおっしゃる、その根本になる市町村で、公安委員会でどの金をどの部分にどう使ったかがわからないわけでしょう。報告は来てないわけでしょう。それなのに、われわれの統計資料、数字が正確であるなんて、そういうことはおっしゃらない方がいいと思いますよ。現実は私がいま申し上げたこの資料が正確であると、確信を持って申し上げます。
 とすれば、三百二十二億四千七百十二万七百四十四円というお金が、現に年間、高、中のたった二文字を書くために使われているという事実を認識した上で私は質問を続けさせていただきますけれども、実際に道路上に三百メートルから一キロの範囲内に、全国何十万ヵ所に高、中という二文字を書くことが、交通安全対策上絶対不可欠の要件であると思われますか。
#277
○政府委員(池田速雄君) 少し話がそれまして恐縮でございますが、地方単独事業の一つの財源として特別交付金が充てられておるわけでございまして、これがすべて公安委員会が所管しておる事業に充てられておるというわけじゃございませんで、都道府県の場合でございますと、特別交付金の交付は都道府県と、それから市町村に交付されるわけでございますが、その都道府県交付分の中で、あるいは公安委員会所掌分に使われ、あるいは道路管理者分に使われる、安全施設その他の安全に必要な経費に使われているわけでございますので、私が申し上げております金額は、公安委員会が現実に実施いたしております安全施設の道路標識、道路標示の金額でございまして、五十四年度で私どもが報告を受けております金額は、総計いたしますと三百七十七億二千六百万円でございまして、そのうち道路標識分が百五十四億四千八百万円、道路標示が二百二十二億七千八百万円であるわけでございます、したがいまして、先ほどの特別交付金の使途について私どもが承知いたしてないと申し上げましたのは、その財源が都道府県公安委員会の所掌分だけに使われているのじゃなくて、それぞれの都道府県での安全施設あるいは市町村の安全施設に使われておりますので、その分の御報告は自治省の方へあるはずだということを申し上げたわけでございまして、公安委員会分につきましては私どもが所掌いたしておりますので、受けております報告がこの数字であるわけでございます。したがいまして、道路標示の金額も五十四年度では全国で二百二十二億七千八百万円ということでございますので、その中でそれを上回る金額が中、高の字に使われているということは私どもとしては考えられないわけでございまして、私どもがつかんでおります数字が実態であるということを申し上げておるわけでございますので、御理解賜りたいと思います。
#278
○中村鋭一君 そのことを聞いているのじゃないんですよ。私は私の調査に基づいて三百二十二億以上使われていると、これは高、中の二文字についてですよ、そのことを言ってるんですね。あなたは十一億とおっしゃったから、余りにも違い過ぎるから指摘しただけで。
 いま私がした質問は、高、中という二文字を道路に書くことが交通安全対策上絶対不可欠の要件であるかどうかと質問してるんですから、正確に御理解をお願いいたします。
#279
○政府委員(池田速雄君) 繰り返して申し上げますけれども、いまの道路標識、標示につきましては、わかりやすくということが要件でございます。同時にまた、このことが法的な規制でございますので、正確を期さなければいかぬわけでございまして、その根拠が、標識につきましては、総理府、建設省の共同省令でその中身について決められておるわけでございますので、それに従っておるわけでございますが、道路標示の書き方につきましては、より正確ということだけでなくて、もっと皆さんの方にわかりやすいといいますか、もっと別途な形で、書かなくても理解ができる、法的な効力が十分発揮できるというような点があるかどうかということにつきましては、私どもも率直に検討いたしてまいりたいと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、道路標識、標示というのは、一面ではドライバーあるいは道路利用者につきまして、何といいますか、わかりやすいという意味もございますし、裏には法的な規制という、そういう厳格な意味も持っておるということでございますので、その内容あるいは標示の方法等につきましてよりベターな方法があるとしますならば、それは検討するにやぶさかでないというふうに私ども考えているわけでございます。
#280
○中村鋭一君 長々とおっしゃいますが、時間ないんですから、的確に私の質問に答えていただきたい。私は何遍も言っているでしょう、その高、中という二文字が交通安全対策上必要かどうかと聞いているのですよ。それに対してわけのわからないことをおっしゃいますからね、困るんです。
 あなたは車を運転なさいますか、免許証お持ちでございますか。
#281
○政府委員(池田速雄君) 免許証は三十三年から所持いたしておりますが、最近では、車を持っておりませんので、運転いたしておりません。
#282
○中村鋭一君 でもまあ免許証をお持ちだから、運転されたことはあると思いますが、これはドライバーの立場に立って、道路を走っていますね、走っていて、「5〇」、「4〇」、オンリー、数字だけが明確に書かれている場合と、さっきから私が指摘しているように、一文字書くのに九千円も五千円も金かけて「高」が「中」の字を書いて、何の足しになるか。私自身、車を運転していまして、あれがいやというほど出てきますよ、高、中、高、中、高、中と。全国の何千万というドライバーの方があれを正確に理解しておられるかどうか、絶対に高や中の字が要るかどうか、答えはノンです、明確に。全く何の必要も、ありません。最高速度を教えるんだったら、5〇、4〇、その数字だけでいいのじゃないですか。なぜ高や中の字をつけるんですか。
#283
○政府委員(池田速雄君) 先ほど来申し上げましたように、車の法定速度六十キロのもの、それから五十キロのもの、それから三十キロのもの、これは原付等でございますが、あるわけでございます。したがいまして、正確を期する意味におきましては、その指定された車の種類というものを明確にしなければいけないという要請が一方にあるわけでございます。したがいまして、現在そういう標示が総理府令、建設省令で決められておるということでございます。
#284
○中村鋭一君 どっちを向いて標示をしておられるのか。国民のために、ドライバーのためにわかりやすくでしょう。わかりやすくだったら、そういうふうに法律に決められた高速車、中速車、低速車、その最高速度が云々という前に、ドライバーは五〇と書いてあれば、ああここは五十以上出しちゃいけないんだなとわかるじゃないですか。四〇と書いてあればわかるじゃないですか。とすれば、高中の二文字を全国の道路標示からお取りになったらいかがでございますか。
#285
○政府委員(池田速雄君) 現在の法制のもとでございますとできないということでございますので、その点の検討につきましては虚心坦懐に、もっといい方法があるかどうかということは検討してまいりたいというふうにお答えしておるわけでございます。
#286
○中村鋭一君 現在の法制ではとすぐにそういう言葉をお使いになる、これは私、役所の方の通弊だと思いますね。千万言を費やしても、国民にとってわかりやすい標示、標識、これが何よりも大切なことで、法律を整備したり繁文縟礼をもって、それで規制を国民に加えていく、これが私は正しい道路安全行政というものじゃないと思いますから、いま検討を加えるとおっしゃいましたから検討を加えてください。そして思い切って全国の道路から高いという字と真ん中の中という字は取っていただきたいと思います。取った瞬間からドライバーにとってはどれだけ道路がすっきりするでしょう。走りやすいじゃないですか。そしてこれは、高中という字は昭和何年ごろからお書きになっていらっしゃいますか。
#287
○政府委員(池田速雄君) 昭和三十五年の道路交通法が制定されました時期からであるというふうに考えております。
#288
○中村鋭一君 ということは、ほぼ二十年ですね。三百二十二億に二十掛けますと六千億ですよ。あんな役にも立たぬ真ん中だとか高いという字を書いて貴重なお金を六千億もむだ遣いしてきたんですよ。だから、もう済んだことはいいじゃないですか。これから、第二次臨調も発足したことなんです。真剣に総理大臣も歳出カット、増税なき経済再建をおっしゃっているわけですから、たとえば一例として私さっきから申し上げているんですけれども、高中の二文字を取るだけで二十年間に六千億からのお金が節約できるんです。しかもそれがドライバーにとっていいのです。安全対策上もいいのですから、ぜひ可及的速やかにこれは実行をしていただきたいと思います。
 公安委員長、これについてひとつ御意見をお伺いいたします。
#289
○国務大臣(安孫子藤吉君) 車種によってスピードが違うから、その辺の標示はきっちりせにゃいかぬのじゃないかと思いますが、ひとつ十分研究いたします。
#290
○中村鋭一君 いやいや、車種によってなどと、委員長、全くおわかりになっていらっしゃらないと思いますが、それを言っているのじゃないんです。法律によって決めているから高中と書くんじゃなくて、最高速度の標示は道路に数字を書くだけで、車種によってスピードが違う、五〇と四〇、そういう数字でわかることなんですから、高中という字を節約することによって非常にすっきりして、しかもお金の節約もできるんですから、ぜひそれは実行をしていただきたいということを申し上げているのでございます。
 それから、どうも高中にいつまでもこだわりますけれども、あれもなんですね、ペンキが盛り上がっていまして、実は滑べるわけですよ。だからそういう点からも、これからもしどうしてもあの高中、五〇あるいは四〇をお書きになる場合は、高中を外すと同時に数字はひとつ埋め込み式にしていただくというような方法も御検討いただければ幸いでございます。いまはそうじゃないですね、あれペンキで書いているんですね。
 で、さらに指摘しておきますけれども、このごろラジオを聞きますと、しょっちゅう言っていますよ、ただいまペイント作業でどこそこ渋滞しておりますと。あんな、役にも立たぬとは言いませんけれども、高中の一文字を書くために、そうでしょう、ただ五〇と書けば時間だって節約できるんです。九千円も五千円も出して字を書いているために実際は、ドライバーの皆さん、ただいまペイント作業中で渋滞しておりますということで一その辺渋滞だらけじゃないですか。これをやめれば渋滞も解消するんですから、ぜひひとつ実行をしていただきたいと思います。
 あと二、三お尋ねしたい点がございますけれども、余り時間がございませんので次に移りますが、これは後ほど本委員会の同僚委員であります江田委員が集中的にお尋ねになりますので、私は一つだけ尋ねさしていただきますけれども、車検制度の意義、何のために現在車検を行っているのか、お答えをお願いいたします。
#291
○説明員(宇野則義君) お答えいたします。
 現在国が行っております自動車の検査は、道路運送車両法に従いまして実施をいたしておるわけでございますが、この道路運送車両法の中に自動車の検査の制度を設けました理由なり意義と申しますと、自動車の安全確保と公害の防止、こういう観点から、自動車は運輸大臣の行います検査を受けて有効な自動車検査証の交付を受けたものでなければ道路上を運行してはならないという基本規定が設けられております。
 こういう規定を設けた理由でございますけれども、国の行います検査は、自動車の使用者は道路運送車両の安全を維持する義務がございます。この使用者の安全維持義務、具体的には自動車を点検し整備をするという義務を前提といたしまして、道路上を走行いたします自動車が安全基準に適合しているかどうかということを一定の時期に国が確認をするという制度でございます。言いかえれば、現在の状態について申し上げますならば、街頭検査で車の実態を調べた結果によりますれば、約二〇%程度が整備が行われてないといいますか、十分な状態でないという現状がございますし、また定期点検の実施の状況を調べてみますと、約半分程度しか実施されてないというような現状がございますが、こういう使用者の義務としての自動車の安全維持の責任が完全に遂行されているかどうかを国が公権的に一定の時期に確認する、こういう意義を持った制度であるというふうに理解をいたしております。
#292
○中村鋭一君 せっかくいま御説明をいただきましたけれども、なかなかその意義は結構であります用意義は結構でありますけれども、現実の車検制度そのものが、どうも子供が大きくなって体に合わなくなっているような、そういう感じがいたします。で、その矛盾点あるいは改正点等につきましては、後ほど江田委員の方から質問をさせていただきます。私はとりあえず、体に合わなくなった車検制度はこれまた大胆に改正をする必要があるということを指摘しておきたいと思います。
 免許証ですけれども、現在免許証を取得しております人数は何人ぐらいですか、自動車の免許証です。
#293
○政府委員(池田速雄君) 昨年末で四千三百万三百八十三人というふうに記録されております。
#294
○中村鋭一君 大変な数字ですけれども、これが三年に一遍更新をするわけですね。三年に一遍更新をするという根拠並びに実際に更新に行った場合は何を重点に検査をなさるんですか。簡単に。
#295
○政府委員(池田速雄君) 期限につきましては歴史的なものもあろうかと思いますが、現行の制度では昭和二十九年から三年の更新でございます。その前は二年でございました。
 それから、その際に適性の検査をやるわけでございますが、これは視力、聴力それから運動能力でございます。
#296
○中村鋭一君 精神的な、たとえば精神分裂病等、免許を取ってから後に発病があった場合、三年目の免許更新の際にはそういうチェックはされていないわけですね。
#297
○政府委員(池田速雄君) その検査ではわかりませんので、疑いのあります場合には更新時あるいはその他事故、違反等で気がつきました場合には臨時適性検査という制度がございますので、その際に専門のお医者さんに診断をお願いしております。
#298
○中村鋭一君 時間が参りましたのでもうこれで質問終わりますけれども、免許制度も欧米先進国では終身免許制度を採用している国も幾つかあるわけです。現実に四千万人以上の方が免許を持っておられて、たとえばついこの間も私は誕生日が一月でございますので免許更新に行ったんですけれども、何百人という方が順番を待っておられるわけです。現実に目の検査といったって、行ってござんなさい、一人当たり十秒か十五秒ですよ。実に事務的にさっささっさ送っているわけでしょう。この事務の繁雑さ、そういうことだけ考えても、従来は二年であったものがいま三年になっているわけですね。あなたはいま歴史的経過ということをおっしゃったわけですが、まさにここにもまた歴史的経過があるわけですから、たとえば終身免許制度等についても検討を加える時期に来ているんじゃないかということを指摘しておきます。
 最後に私は、道交法全般を含めてひとつ抜本的に改正を加え、今日のような道路事情のもとで、安全対策に何が一番必要かということを考えて諸施策を推進してくださることをお願い申し上げまして質問を終わります。
#299
○江田五月君 運輸大臣がまだお見えにならないのでいまの中村委員の質問をもう少し私が補足をさせていただいて、続けて道路標識、道路標示についてちょっとだけ伺っておきたいと思いますが、先ほど公安委員長は車種の違いがあるから高、中はなければ困るんじゃないか、だけれども検討してみるというふうにおっしゃった。確かに車種の違いはあるんです。三十キロが法定速度の車種のものに四十と書いてあったら四十で走れると思うのじゃないかというようなことを心配する。しかし、私はそれは法律家の心配であって、世間の人はそんなことは誤解するはずがない。五十ccまでのバイクの運転者が、四十と書いているからここは四十で走れるなんて思うはずがないと思うんです。いまの道路標識、道路標示というのは法律に基づいて書いてある、設置されている。それはいいんですけれども、道路標示、道路標識それぞれに法律を町の中へべたべた書いてあるようなかっこうになっているんですね。法律というのを一遍そしゃくをして、日本の法律が本当にそしゃくをしなくても人にわかりいいようなものになっておればいいのですが、そうなってないものですから一度そしゃくをして、そして普通のドライバーにわかりいいような形で道路標識、道路標示をやらなきゃいけないのじゃないかということだと思うのですよ。
 たとえばこういうものがあるんです。二つの丸い道路標識があるということをちょっと考えてみでください。上がバツが入ってます。これは駐停車禁止です。下が斜めの線が一本、これが駐車禁止です。上の方には七時半から九時、日曜休日を除くと書いてある。下の方には零時から七時、九時から二十四時、日曜休日は終日と書いてあるのです。これは二つあって、両方にそれぞれ補助標識が出ているわけで、法律的にはまことにきれいにでき上がっているんですが、運転する人はある場所に来て自分は駐車をしようと思うけれども許されているだろうか、停車をしようと思うけれども許されているだろうかというふうに考えるんですね。運転をしていて右折禁止とか左折禁止とか全部一々見て運転するわけじゃない。自分が何か行動をしようとするときにそれが許されているかどうかということを確認するのですね。ですから、いまの上はバツで日曜休日を除く、下は駐車禁止だけで日曜休日は終日、しかもそれぞれに時間が入っている。そんな必要はないので、駐車禁止のところは何も要らないんですね。上の方だけ駐停車禁止はこれだけですよということを書いておけばいい。何かそういうあたりで道路標識、道路標示のやり方について法律の頭ではなくて、世の中の普通の人の頭で素直に理解できるような方向に抜本的に変えなければならないんじゃないかということを中村委員も指摘をされましたが、私もその点もう一度公安委員長にお伺いしておきたいと思います。
#300
○政府委員(池田速雄君) いま御指摘のとおり、限りある道路、特に日本の現状からいきますと、できるだけ有効に使うということで大変複雑な規制になっているのは御指摘のとおりでございます。それで、それをいかにうまく理解していただいて遵守していただくかということでございますが、そうなりますと今度はハードの面になろうかと思いますが、御指摘のとおり、大変見にくい。特に補助標識のあるものにつきましては、駐停車につきましては近寄って半ば停車した状態で見ますのでわかりますけれども、遠くから走りながらでは確かに補助標識は見にくいところが多いのが現実でございます。したがいまして、私どもとしましてはこれから開発いたしましてできる限り可変標識といったものを取り入れていくようにしたい。やっと技術開発もある程度進んでまいりましたので、その当面する時間について指示している標識がはっきりわかる、それが時間が参りまして異なる規制になります場合には、自動的に内容が変わる。こういうような可変標識の開発に努めておりますので、今後ともその点につきましては努力してまいりたいと思います。
#301
○江田五月君 いろいろと新しい設備を考案される、それは結構なんですけれども、頭の切りかえだけで変わることはたくさんあるんですね。特に私も法律家の端くれですからつくづく思うんですけれども、法律というのは頭の切りかえに非常に不便なものでありまして、一度法律の中に入ってそこまではいいけれども、今度は一遍法律から出てみないとなかなか本当の行政にはならないのじゃないかという気がしますが、ちょっと公安委員長、どういうお感じか一言答えてくれませんか。
#302
○国務大臣(安孫子藤吉君) 江田さんはうまく切りかえられましたので大変敬意を表するわけでありますが、そういう点は確かにあると思います。
 法律、各般の制度に縛られておりますからその中においてのみ考える習性というものがどうしてもあるわけでありまするから、そうじゃなくてそこから脱却して国民の立場と申しますか、使用者の立場と申しますか、そういう観点からもう一度頭を切りかえてみるということはひとり交通標識だけでなくてあらゆる面にあるだろうと思います。この点は交通標識の問題についても十分考えていきたいと思います。
#303
○江田五月君 まだ運輸大臣がお見えにならないのでもう少し前のところをやらなければいけないのですが、先ほど整備部長は車検の意義についてるる御説明をくださいまして、この間うちからいろいろ伺っておりますと、いまの車検で現に使用中の車のさまざま欠陥などもよくわかって、今後の車の改善等にも役に立つんだというような説明を実はこの質問を準備する間に受けたんですが、本当にそういうことが言えるのですか。
#304
○説明員(宇野則義君) お答えいたします。
 私ども運輸省が国として自動車の検査を実施いたしております。一方、車が世の中に生まれる段階におきまして新しい工場から出る前の車につきまして型式指定といったような形で自動車の審査をいたしております。その一番の基本になりますのが道路運送車両の保安基準でございますが、この保安基準につきまして今後どういうふうな整備拡充をしていくべきか、あるいは充実していくべきかということを絶えず検討しておるわけでございますけれども、自動車の検査をいたしております陸運事務所で使用過程にある車を中心にいろいろな部位につきましてその実態をチェックいたしておりまして、そこから出てまいりますところの問題点等については、私どもの方にいろんな会議あるいは勉強会等で報告がございますが、そういうときにその話を聞きながら、今後の安全基準の整備拡充の際に当たりまして、そういうものを反映さしてまいりたいというふうに考えております。
 また、新車のチェックといいますか、車が町に出る前の新型のチェックの際にも、使用過程車で問題を起こしそうな場所等につきましては、そういうところを重点的にチェックをしながら仕事を進めていくということで、いわば検査と、それから安全基準と、それから新型のチェックというものがお互いにリンクしながら作業を進めておるわけでございます。
#305
○江田五月君 そういうことがまああろうとは思いますが、陸運事務所で車検を実際にやっていて、そこで得られたいろいろな情報というものがどういうふうに、運輸省の方にきちんと上がってくるようなシステムになっているんでしょうか。ただ会議とか勉強会のときでいろいろ話を聞きますというんじゃいけないので、やはり実際に車検をやったときにこういうことがあったというようなことがきちんと文書になって、それが集計されて、解析されて、何年式のどういう車にはこういう欠陥があるとかきちんとなってこなきゃいけないでしょう。そういうふうに情報が集計されて、解析されるようなシステムにできているのですか。
#306
○説明員(宇野則義君) いま先生が御指摘のような点、具体的に言いまして、どこそこの社名のどういう年式のどういう車がというような形が全体的には上がってきておりません。
 しかしながら、いま私どもおくればせと言えばおくればせでございますけれども、五十五年からそういう実態的な調査も十分フォローしなければいかぬということで、体制といいますか調査等を始めたばかりのところでございます。
 で、私どもも世界的ないわゆる国際商品としての自動車ということから、安全基準にいたしましても、検査にいたしましても、絶えず外国の情報等も目を通しながら、あるいはディスカッションしながら、これからの作業を進めていかなければいけないと思っておりますし、いま先生御指摘のようなものが、実はヨーロッパに何ヵ国かつくっているところがございます。そういうものも私どもの方に手に入っておりますので、参考にしながら、これからの内容を十分検討してまいりたいというふうに考えております。
#307
○江田五月君 運輸大臣お見えになりましたのでいまの点もうちょっと続けますが、いま車検の際にいろいろな車をたくさん見るので、したがって、現に使用中の車にどういうところに欠陥があるかというのがよくわかるから、これから改良の指導をしていく際に役に立つということをお話しになっておって、しかし、そういう情報がきちんと集計されて、解析されて、分析されて、後に役に立つようなシステムになっておるのかというと、まあそうはいままではなっておらなかったけれども、最近そういうことを検討されているということですが、それは結構なんですが、ひとつ、せっかく車検をおやりになるのでしたら、車についての白書ぐらいを毎年お出しになって、きちんとメーカーの名前も入れて、型式もきちんと入れて、こういう車はここが悪い、ここがいいというようなことをはっきり消費者にわかるように検討をされたらいかがかと思いますが、大臣、いかがでしよう。
#308
○国務大臣(塩川正十郎君) かつて、排気ガスのときそういうことをやった役所があったように思っておりますが、それは役所がやったんではなくして、消費者団体等でそういう資料を集められてやられたことがございますが、そのときの批判がたしかこういうことがあったと思うんです。特定の車の是非を何かオーソライズするということで余り好ましくないと。それよりも、最近の車全体についてこういう欠陥があったとか、あるいはこういう改良が施されたとかいうことをやった方がいいという、そういう意見があったように思っております。
 で、いま御提案のありましたことにつきまして、私たちも何かの機会に、現在の自動車がこのように改良されてきたとか、安全度はこういうところにまだ疑問があるとかいうようなことは、これは一回何かやってみたいと思っておりますが、おっしゃるように、白書のようなことでやるかどうかということは、なお検討さしてもらいたいと思います。
#309
○江田五月君 ぜひ検討していただきたいんですが、というのはせめてそのくらいなことでもなければ、ユーザーは車検というのは一体何かということになってしまうので、現にそうなっているんじゃないかと思うのですよ。最近週刊誌とかあるいはそのほかのマスコミなどで、車検がいろいろと問題になりました。ついせんだって私もあるテレビの番組で車検について話す機会がありまして、そしていま車の使用者が二年に一度泣かされるわけで、税金とそれから保険と車検に金を、全部足して十何万円か取られるわけですね。保険の点はこれはまあ制度の改革はまだいろいろあると思いますが、おおむね国民にコンセンサスがあると思います。税金も、これは税金を国民が払わなきゃならぬことは事実で、いまの税制が車について妥当かどうかはいろいろありますが。しかし、車検についてはなかなかどうも国民が本当に車検が必要なんだ、車検を受けてよかったなあと思えるような車検にはなかなかなってないような感じが強い。
 そこで私は、多くのユーザーが、車を持っているために整備工場に食いつかれて、吸血鬼と言っちゃ悪いけれども、どうも整備工場に金を吸い取られているという感じじゃないかとこういう言い方をしましたら、後で日本自動車整備振興会連合会と、それから日本自動車整備商工組合連合会の方からきついおしかりを受けまして、どうとかしてくれと抗議を受けておるんで、私もどうも余り上品な言葉を使ったとも思いませんし、吸血鬼ということについて取り消したり陳謝をしたりはしたいとは思うんです。思うのですが、しかし、いまこの車検の制度が国民から信頼を受けてないんだと。いま車が全国で幾らですか、三千八百万台ですか、運転者が四千三百万人になっているわけですね。国民の足になっている。その車の保安基準、適合性の審査をきちんと維持をしていく車検の制度が、国民からどうもうさん臭い目で見られておるというのは、これは国の制度として非常に不幸なことですから、したがって、関係者が皆この制度について一体どういうふうにしていったら本当に国民の皆さんに信頼してもらえる制度になるのかということで知恵をしぼらなければならぬ。運輸省もそうです、それから整備工場もそうです、われわれもそうです、ユーザーもそうです。みんなで知恵をしぼらなきゃいけないので、そういうときに、私ごときの片言隻句をとらえて非常に神経を高ぶらされるということは、果たしてどんなものかという気がするんです。
 そこで運輸大臣に伺いたいのは、いま車検制度がそういう状態なんだ、国民から本当に信頼を受けているかどうかについていろいろな疑問があるんだという御認識をお持ちでしょうか、どうでしょうか。
#310
○国務大臣(塩川正十郎君) おっしゃるような意見、私ら自身も聞きますからいろいろな意見があるということは承知しております。そしてまた、おっしゃったような御意見を言う人も多いし、また一面においてはこんなに複雑化してきた車の中、ボンネットをあげても何もわからぬ。だからやはり適当な時期に車検をきちっとやってもらう、専門家に見せるということも未然に防ぐのにいいという意見も実はございます。
 そこで、そういう意見もいろいろございますので、私たちもこの際に運輸技術審議会に一回相談しまして、大体一年ぐらいの間に結論を出してくれぬかということで、いま相談を持ちかけております。その結論が出ましたら、実は運輸省だけのサイドで決められないと思うんです。さっきもおっしゃったように税金を取るのもこれによっていると、こういうような問題もありますものですから、とにかくその審議会の結論が出ましたら、各役所に一回お集まりいただいて改善の方法を何か考えていきたい、こう思っております。
#311
○江田五月君 運輸技術審議会への諮問の理由の中に、技術の進歩に伴って自動車の機能、品質が物すごく変わったんだ、あるいは使用形態もずいぶん変わった。こういう情勢にかんがみ総合的かつ長期的観点に立って時代の要請に対応した今後の自動車の検査、整備のあり方を確立する必要がある。つまり大きく状況が変わったのに制度は前のままだから、それではもう、いまの状況にはこの検査の制度は合っていないよということが頭の中にあるような気がしますが、そういう理解でよろしいですか。
#312
○国務大臣(塩川正十郎君) まあ私の方で諮問いたしましたときには、そういう固定した考え方ではなかったんです。しかし、おっしゃるように、自動車の車検制度というのは二十六年に決まってからずっと今日まで連綿とまいりましたが、この際いろんな技術革新があったもんだから、一体どの程度の自動車の検査というものをやったらいいかということ、素直な気持ちで聞いてみようと、こだわらないで一回聞いてみて、その上に立ってわれわれ判断したい、そういうことでございました。
#313
○江田五月君 ユーザーの、車を運転する人というのはいろんな人がおりますから、営業で運転する者もおる、あるいは大きなバスとかトラックもあります。しかし、一方では全くマイカーで年間何千キロかぐらいしか走らないような車もありますね。いろいろなものがある。古い車を使っている人もいるし、本当に新しいしかもマイコンを取りつけたすばらしい性能のものを使っている人もいるし、いろいろな種類の車がある。それがいまは、営業車は別ですけれども、マイカーに関しては一律に二年となっているわけですね。十年を超えたものは別ですけれども、一律に二年となっているということは一体どうなんですかね。いまの、使い方の違い、車種の違い、こういうものが非常に大きい。それだけではなくて、どうも最近言われているのは、これほど車の性能がよくなって、それでもなおかつ二年ごとに見なきゃいけないのだろうかというような疑問が起こっているわけですがね。
#314
○説明員(宇野則義君) お答えいたします。
 ただいま先生御指摘のように、車の使われ方がいろいろな使われ方をしているということも最近における自動車の普及の一つの特徴であろうかと思います。
 それから自動車の技術の進歩ということもよく言われるわけでございますが、確かにその進歩もございます。しかしながら、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、安全対策あるいは公害対策等のために車というものが昔のようなシンプルな姿ではなくて、非常に複雑になってきているというような反面もございます。そういうところから従来は非常に限定された形での使われ方であったために、有効期間二年ということで切りましても、わりに平均化された姿であったと思うのですが、最近それが非常に変わってきております。
 したがいまして、いま話類になっておりますのは、走らない車もあるので、多少延ばしてもいいじゃないかということでございますが、車の傷み方というのは、走りながらだんだん傷んでいくものと時間的な経過でもって傷んでいくものと、いろいろな部品から構成されているわけでございまして、そういうことを踏まえて考えますと、現在の総合された車の姿からすると、使われ方の複雑さ、あるいは構造の複雑さということも全体的に踏まえて、現在の二年でいいのではないかというのがいまの段階の姿でございます。しかしながら、先ほども話がございましたように、これからの姿をどういうふうに持っていくかということについては、運輸技術審議会に諮問をいたしたところでございます。
#315
○江田五月君 何か車検で非常にすばらしいことをおやりになっているような言い方で、そうならば結構なんですけれども、これは全運輸省労働組合が改善策をおまとめになっているのですが、この改善策の中、全部私賛成というわけじゃありませんが、この中でこういうところがちょっと……。
 読んでみますと、「俄かに信じ難いかも知れないが、自動車がこれだけ発達したにもかかわらず、現行の車検内容の大部分は三十年前の技術水準のままである。ブレーキ検査は、時速〇・二キロメートルという超低速状態で行われている。トラックのブレーキ検査も空車状態のままで行われ、積車状態の検査は行われていない。走行状態の検査といっても、スピード・メーターの誤差、それも時速四〇キロメートルどまりというありさまで、高速走行状態での操縦性能、走行性能の検査は一切行われていない。前照灯の検査では、日常走行ではほとんど使用しない遠目の検査だけで、夜間の街路走行で実際上ほとんど使用される近目のライト性能の検査もしていない。まして、近代技術の粋を集めたマイクロコンピューター装置などは手のほどこしようがない。」これは実際に検査をやっている人の言い方ですね。マイクロコンピューターなどがどんどんふえて最近素人にはわからなくなったから、だから国にときどきは見てもらった方がいいんじゃないかと、その気持ちはわかりますけれども、これが実態では、どういうことになりますかね。どうですか。
#316
○説明員(宇野則義君) 私どもの組合の意見、ただいま御披露いただいたわけでございますが、私どももこの意見につきましては承知をいたしております。
 で、私どもといたしましては、自動車の技術の進歩、それから使われ方の変化というものを踏まえながら、国の行います自動車の検査そのものの内容充実ということをこれまで努めてまいってきたつもりでございます。ただいまブレーキテスターの回転数の話だとか、あるいはスピード・メーターテスターの測定速度の話等ございましたけれども、私どももこれまでやってまいりました検査の設備は、従来に比べましてかなり精度を上げ、機械を自動化する等の合理化を図りながら、やはり測定したものの信頼性を上げるということで開発研究をしてきたつもりでございます。かなりこれで全国的にも行き渡ってまいりました。
 しかし、それと同時に、私どもは国の検査を行うと同時に、民間車検というのをやっておりますが、この民間指定整備工場にも大体同じような性能の機械を入れさしております。したがいまして、これからの国の検査内容を検討するに当たりましては、国の施設と同時に指定工場における施設ということも踏まえた上で検討しなければならないのですが、ただいま先生からも例示として挙げられましたような点も踏まえまして、先ほどから運技審ということを何度も申し上げますけれども、運技審の中で検査の内容、あるいは検査のレベルといったようなものもあわせて御検討いただこうということで、私どもいま考えておるところでございます。
#317
○江田五月君 いま車検の問題というのは、一つは、実際に行われているいわゆる車検と言われているもの、これは陸運事務所での検査だけではなくて、その検査の前に整備を行うところから、ユーザーにとってはこれは同じことですから、整備工場へ持っていって、そして整備をしてもらって、車検を受けていろいろな手続も全部してもらって戻してもらう。出して戻すところまではこれ一貫しているわけで、ユーザーにとっては、それが全体としてこの車検だというふうに認識されていると思うんですけれども、そういうものとしての車検という実態と、それから法律が予定をしているといいますか、法が規定している車検とやはりずれているという気がするんですね。現実にはいまもう二年ごとに一定の場所を分解してその中を調べる、あるいは指定をされているパーツを交換する、そうやって完全な相当大規模な整備を行う。そうして車検を受ける。しかし、道路運送車両法はそういうことをやれというふうにはこれは全然書いていないわけですね。そこで、一体いまの車検のための整備というものはどこから出てくるのか。どうも何かめぐりめぐって型式審査あたりのところからずうっと出てきてパーツの交換が出てくるとか、分解についてはその点検整備何とかという、これは省令ですね、によって出てくるとか、いろいろなところから出てきていまのようなことになっているようですけれども、さて、しかし、たとえば定期点検にしても二十四ヵ月点検というものがある。大体検査自体を受けるのは二十四ヵ月より前ですね。それで、その二十四ヵ月点検というのは二十四ヵ月のときにやればいいわけですね。そうすると、法律から言うと、別に二十四ヵ月点検をやらずに検査だけを受けに来てもこれは拒めないわけですね。
 そこで、いまの実際の検査のやり方について一つ伺いますが、検査で不合格になる場合に、とことこが悪いからということを特定して不合格にされておりますか、それともどこどこが悪いという特定をせずに不合格だというお答えだけを出すということになっていますか、どちらでしょう。
#318
○説明員(宇野則義君) 現在行っております国の検査の作業といたしましては、使用いたします検査機械をシリーズに並べまして、その中を車が順々にステップを踏んでいくということになっております。したがいまして、途中で不合格になりました場合には、何が不合格だということはわかるような状態になっております。
#319
○江田五月君 何が不合格かというのは検査を受ける人にもきちんとわかるシステムになっていると聞いていいですか。
#320
○説明員(宇野則義君) 検査を受ける人という意味は……
#321
○江田五月君 車を持ってきた人。
#322
○説明員(宇野則義君) 持ってきた人にはわかると思います。
#323
○江田五月君 そうすると、それで不合格になって、その部分を合格できるだけ整備をすれば次は今度は合格になる、そう理解してよろしいですか。
#324
○説明員(宇野則義君) そのとおりでございます。
#325
○江田五月君 そうすると、よく俗に、いまの日本の車検制度というのはたとえば人間の体で言うとまず治療を全部してから健康診断を受けるようなものじゃないか、そんなばかな話があるか、まず健康診断を受けてそして悪いところを治療すればいいじゃないかというようなことが言われる。しかし、いまの日本の制度の中でも、まず最初に検査を受けて悪いところを確かめていただいて、それをきちんと整備工場で直して持っていけば検査は合格するという、そういうことは可能なわけですね。
#326
○説明員(宇野則義君) お答えいたします。
 先ほど先生の御指摘がございましたように、マイカーについて申しますならば検査は有効期間は二年でございます。それから、定期点検のピッチがちょうど二十四ヵ月というのはございますが、これは法律的には直接のリンクをいたしておりません。しかしながら、その大前提として、自動車の使用者が車を安全な状態に維持する、管理するという前提が一つございますので、仮に検査の前に整備をしないといいますか、リンクしなくても当然いま申し上げましたような定期点検ということを絶えず十分履行しておいていただかなければいかぬということから、いまの制度の中で、検査の際に絶えず定期点検を実施していったかどうかというその記録を確認をするようにいたしております。ただ、その二十四ヵ月という期間とそれから検査の有効期間の二年という期間が実態的には重なっておりますので、その機を利用してということでやられているのが実態でございます。
#327
○江田五月君 どうもそこのところをもう少し本当は詰めなきゃいけないんですけれども、ちょっと時間がないので先に進みますが、まあなかなかお答えしにくいところなんだろうと思います。しかし、制度としては、先ほどの身体検査の話で言えば、まず身体検査、健康診断を受けて悪いところをチェックしてもらって、その部分を直してさらに使用を続けるという制度も、世界じゅうにそういう制度をとっているところはたくさんあるんですね。もしそういうことでやっていけば、二年ごとでなくてたとえばこれが一年ごとでもいいのかもしれないんですね。あるいは車によってはそれは二年でもいいし三年でもいいのかもしれませんが、とにかくかなり総合的に見直すことが必要だろうと思うんですね。
 それで、とにかくいまの制度では、機械的に二年ごとに分解もし、それからパーツも交換する。ところが、実際にはブレーキシリンダーの中のゴムにしても何にしても、いまはそんな二年ごとに交換しなくても十分もつよと言う人が大部分ですね。ですから、いまの二年ごとにあれほど大がかりな整備をやるということは果たして本当に消費者のことを考えた制度かということになると大いに疑問がある。
 あるいはまた、そのほかにもいろいろあるんですね。料金の請求の仕方、これなんぞもヨーロッパでどこでもやっているように、きちんと基本料とかパーツとか労賃とか分けて請求をするというふうにやはりしていかなければならぬだろうとか、いろいろあります。それからいま過剰整備ということがしきりに言われているんですが、やらなくてもよい整備をやるというだけじゃなくて、整備の基準、修理とか調整、交換など、すべてこういう基準が新車の型式認定における機能とほぼ同一の水準を保つように配慮をされているんだという、そういうふうに物の本に書いてあるんですが、それはそうですか。
#328
○説明員(宇野則義君) いま先生から御質問ございました一番最後の点についてお答え申し上げます。
 道路運送車両法の規定が新車の製作時の構造規定であると同時に使用過程車の維持上の基準にもなっておるわけでございます。そういう意味から言いますと、新車も使用過程車も同じだということになろうかと思います。
#329
○江田五月君 しかし、車もやはりだんだんと古くなっていくんですね。人間だってだんだん年をとっていくんで、突然心臓だけが若い心臓になってしまったらこれは困りますね。ですから、やはりこの使用過程にある車をいつも新車の型式認定における機能と同一の水準を保つようにということでこの基準をつくっていくということにそもそもちょっとおかしな点があるんじゃないだろうが。そこで、この車の整備の方式として、あるいは機能の維持の方式として、イジラン方式というのがあるというんですがね。イジラン方式というのは、なるべくいじらないように、少しずつだましだまし終わりまで使っていくということでもあろうが、同時に、維持をしながらランさせるんだ、がらっと変えていくんじゃなくて少しずつ維持をしながらランさせて寿命を全うさせるんだという。日本のやり方というのはそうでないですからね。ですから、たとえは六年なり七年なり使った車にとってみれば、新車の型式認定におけると同一の整備をするものですから、そのこと自体がその車にとってどうしてももう過剰整備になってしまうというようなことを言う人もおりますね。ぼくはこれはなかなか説得力のある説明だというふうな気がしますがね。
 あるいはまた、そういう整備を強制しているために、これは車両価格の逓減率を法定償却の年間〇・六八一、これが新車と代替時、新車と買いかえるときの下取り価格だとすると、使用開始二年で車両の価値は経費総額と等しくなる。四年目では経費総額が車両価格の実に四倍となる。六年もたったら無価値のものに金ばっかりかけるようになってしまう。だからみんな新車に買いかえるんです、そのときに。そうですね。だから、日本の車の機械的な寿命はいまもう非常に性能がいいですから物すごく長くなった。ところが経済的な寿命は世界で比べてみて例がないほど短いですね。
 そんなようなことからいろいろといまの車検について問題があるので、ぜひとも根本的な見直しをやっていただきたいと思いますし、いまのような運輸省が車検を全部やってしまうというのでなくて、たとえば民間移行というようなことも議論されていますね。指定工場がやってしまうということになると、またこれ国民から見るとちょっと問題がさらにふえるんじゃないかという気持ちを持つ人も多いと思うんですよ。ですけども、車検と整備とを分離して、車検は半官半民でもいいでしょう、あるいはどういう組織が、何も運輸省が持っている必要はないんで、何か別のものにやらせて、そして整備工場は整備工場で先ほども言いました検査を受けて、ここが悪いから直しなさいというときにちゃんと直して持ってくるというような形にしていくということも制度の改革論としてあるわけで、そういうように大きく直していただきたいと思いますが、こうやって直していく際にひとつ国民の声を聞いたらいかがかと思うんです。運輸技術審議会はそれぞれ専門家の方がお集まりなんで、専門家の方を別に無視せよという意味じゃないんですけれども、車というのは、いま四千三百万人もが免許証を持っている、三千八百万台も日本じゅうで走っている、もう国民の足ですから、専門家よりも国民の方がいろんなことを実際には通じているかもしれないんです。ディーラーの経営の実情まで国民はいろいろ見て知っているわけですね。ですから、そういう国民の声を直に生に聞く、アンケートか何かをきちんとやるとかいろいろな方法があると思うんです。そのことをひとつやっていただけるかどうかを聞いておきます。
 それともう一つ、ちょっと時間のかげんで質問だけ先に続けますが、ユーザーにとったら車というのは車検のときにいわば人質にとられるようなものなんですね。ここをかえました、あそこを直しました、だから金払いなさい。自分はどうも納得いかない。いかないと思っても、金を払って車を渡してもらわないと走れないんですね。仕事ができないのです。生きていけないのですよ。ですから、少々文句があっても、やはり金を払ってしまうのですね。後で裁判やってあの金返せというようなそんな額じゃありませんよね。裁判をやるほどの額じゃない。だから、ユーザーは泣き寝入りになってしまう。そこで、車検オンブズマンみたいなものをひとつおつくりになったらどうでしょうか。何かユーザーの方で、これはどうも自分はすっきりしない、胸にすとんと落ちない、そういうときにすぐ駆け込んで相談できる機関が何かあった方がいい。そうでないといけないと思うんです。それで説明を受けて納得するということもありましょう。整備工場がおかしいという場合もありましょう。あるいは運輸省の方でそういうものを実際にやっておるんだというお答えかもしれませんが、それならばなぜ一体そのことをもっとPRしないのか、国民に知らせないのか。そのPRのためにどのくらいな予算をお使いなんでしょうか。これはすぐお答えしていただけるかどうかわかりませんが、それだけちょっと伺って質問を終わります。
#330
○国務大臣(塩川正十郎君) なかなか勉強していただいておって本当にありがとうございます。車検問題は、確かにおっしゃるように、いま重要な検討時期にあるということは私たちも承知いたしております。これは行政改革上から来たというんじゃないと私は思うので、ただそんな観点からではなく考えていかなければならぬと思う。しかし、車検という制度の必要だということはおわかりいただいておると思うのです。そうすると、あと残るのはどこを検討するかということなのですが、これは率直に申しまして、先ほどおっしゃった車検のあり方の技術的な問題、これを四割といたしますと、三割程度はやはりこれに携わっておる業者の問題もあるんです。それから、あとの三割は国がいろんな制度をこの車検に絡めておりますので、この国の制度の問題もある。ただ、これは税金、徴税だけじゃないのです。公務員のあり方の問題も絡んでくるんです。そういうふうなものが絡んで、いまいわゆる車検問題というものになっておるのです。そこで、私たちはとりあえず技術的な制度的な中身の問題、これだけでも先行させたいと思っていま鋭意努力しておるわけです。その中でユーザーの声を聞けということですが、これは私はやはり当然のことだと思いますので、わかっておるのですけれども、どういうふうに聞くのかということなんですね。ただ、アンケートとおっしゃいますけれども、聞き方によってはアンケートは非常に曲がった答えも出てくるのです。これは私は研究いたします。そしてユーザーの声を何かの形で一回聞いてみること、これは努力いたします。
 それから、オンブズマン制度的なもの、これを入れろとおっしゃるんです。これも現在、運輸省の自動車局で何かこういうのに関係する方法をとりたいという希望を持っておりまして、これも鋭意研究いたしたいと思っております。ですからこの車検制度が発足いたしましてから、ここでやはり総合的に検討したいということで鋭意努力しておりますので、また具体的に御提案等ございましたら私どものところまで出していただいても結構だと思うのですが、努力を重ねて新しい時代の自動車の技術革新にふさわしいようなものにいたしたいと、こう思っております。
    ―――――――――――――
#331
○委員長(山崎昇君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、加藤武徳君が委員を辞任され、その補欠として板垣正君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#332
○委員長(山崎昇君) ただいま議題となっております案件のうち、公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査は、本日はこの程度にとどめ、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法及び踏切道改良促進法の一部を改正する法律案につきまして、他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#333
○委員長(山崎昇君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 本法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#334
○委員長(山崎昇君) 全会一致と認めます。よって、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、斉藤建設大臣、安孫子国家公安委員会委員長及び塩川運輸大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。斉藤建設大臣。
#335
○国務大臣(斉藤滋与史君) 交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法及び踏切道改良促進法の一部を改正する法律案につきましては熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいる所存でございます。
 ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。
 ありがとうございました。
#336
○委員長(山崎昇君) 安孫子国家公安委員会委員長。
#337
○国務大臣(安孫子藤吉君) ただいま交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法及び踏切道改良促進法の一部を改正する法律案につきまして御採決をいだだきまして、まことにありがとうございました。
 本委員会の御熱意のある御審議の御趣旨を十分に尊重いたしまして、今後交通安全対策に万全を期する考えでございまするので、委員長初め委員各位の御指導、御協力のほどをよろしくお願い申し上げます。
#338
○委員長(山崎昇君) 塩川運輸大臣。
#339
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいまは交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法及び踏切道改良促進法の一部を改正する法律案につき慎重審議の結果、御採決、御可決いただきまことにありがとうございました。
 運輸省といたしましては、審議中における委員各位の御高見を参考にしつつ、踏切事故の防止等のため、行政に万全を期してまいる所存であります。
 ありがとうございました。
#340
○委員長(山崎昇君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#341
○委員長(山崎昇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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