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1980/04/15 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第5号
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1980/04/15 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第5号

#1
第094回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第5号
昭和五十六年四月十五日(水曜日)
   午後一時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     板垣  正君     加藤 武徳君
 四月十四日
    辞任         補欠選任
     中村 鋭一君     伊藤 郁男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山崎  昇君
    理 事
                山東 昭子君
                増岡 康治君
                坂倉 藤吾君
                馬場  富君
                沓脱タケ子君
    委 員
                石本  茂君
                加藤 武徳君
                梶原  清君
                亀長 友義君
                坂野 重信君
                関口 恵造君
                内藤  健君
                森下  泰君
                本岡 昭次君
                小平 芳平君
                伊藤 郁男君
                美濃部亮吉君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  鯨岡 兵輔君
   政府委員
       環境政務次官   福島 茂夫君
       環境庁長官官房
       長        北村 和男君
       環境庁企画調整
       局長       藤森 昭一君
       環境庁自然保護
       局長       正田 泰央君
       環境庁大気保全
       局長       三浦 大助君
       環境庁水質保全
       局長       小野 重和君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部公害課長   中島 治康君
       厚生省環境衛生
       局水道環境部環
       境整備課産業廃
       棄物対策室長   藤原 正弘君
       農林水産大臣官
       房総務課公害環
       境保全対策室長  村上 治正君
       水産庁研究部長  尾島 雄一君
       通商産業省立地
       公害局公害防止
       指導課長     飯田 善彦君
       運輸大臣官房環
       境課長      高島  等君
       運輸省港湾局環
       境整備課長    高田 陸朗君
       運輸省航空局飛
       行場部長     山本  長君
       海上保安庁警備
       救難部海上公害
       課長       土屋  彬君
       建設省計画局環
       境管理官     弓削田靖彦君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関
 する調査
 (公害及び環境保全対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山崎昇君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三月二十六日、板垣正君が委員を辞任され、その補欠として加藤武徳君が委員に選任されました。
 また、昨十四日、中村鋭一君が委員を辞任され、その補欠として伊藤郁男君が委員に選任されました。
#3
○委員長(山崎昇君) 公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、公害及び環境保全対策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○坂倉藤吾君 これから質問をいたしますが、初めに海上保安の関係から入っていきますが、いま建設あるいは農水あるいは通産、厚生省、各御出席をいただいております方にまず申し上げておきたいのですが、いまから海上保安あるいは警察、それぞれお尋ねをいたします事柄等の判断は、御出席をいただいております各省庁の皆さんに当然判断の問題として関連をすることに相なりますので、ほかのところの質疑だということで注意をそらさぬようにまずもって申し上げておきたい、こういうふうに思います。
 海上保安、最近の海洋汚染の状況あるいは傾向においてお尋ねをするわけですが、いただきました資料等を拝見いたしておりますと、海洋汚染の発生件数、これは昨年度、いわゆる五十五年度中になりますが、千五百八十一件、これは前年度と比較をしました場合に九%の減、うち公害法令違反というのが千五百五十三件、五十四年度と比較をしました場合に一二%の減になる、さらに二百十六件というのがこの法令違反のうちの形式犯。実質犯というのは千三百三十七件、これで犯罪構成の約八六%というのが実質犯だ、こういうふうに読み取れるわけです。
 また、油による違反というのが千二百二十八件ありますが、この中で百五十二件というのがいわゆる故意によるものだ、こういうことで千二百二十八件中の一二%に達する。また、この中で原因不明というのが四百六十件で三七・五%に当たると思います。こうしますと、故意によるものの一二%、百五十三件あるいは原因不明、これは追及がなかなか時間的なずれ等もあってはっきりしなかった部分であろう、こういうふうに思いますが、はっきりしなかった部分の方が怪しいわけでして、これらをそういうふうに見ていきますと、違反の中でいわゆる故意的なあるいはそれに類似をすると思われるような件数というのが非常に多いというふうに理解せざるを得ないと思うのです。
 さらにまた、油以外の廃棄物、それから工場排水等もあるわけですが、それらによりますものが百六十一件ありまして、そのうちの百五十六件、これは九六・九%という高い比率になりますが、故意によるもので、そしてそのほとんどがおおむね陸上から放棄をされたりあるいは流されたり、こういう性格のものだというふうに全体として受けとめるわけです。これは私は大変な状態を示しているというふうに嘆かざるを得ないと思うのですね。法令が施行されましてから相当の日月を要しますし、しかもこの公害問題が社会的に大変だという認識があって、これに対する対処をしてまいりましてからも相当の年月を経過しておるわけですね、そういう状況からながめましていま申し上げましたような結果が出てくるということについては、大変なことだろう、こういうふうに判断をするのですが、これらの実態は、いま申し上げた海上保安からいただきました資料でありますから、おおむねこれは確認をいただけるというふうに思うのですが、問題はそれらの数字をとらまえてあるいは質的な解明は余りしてございませんので、細部にわたった特徴的なものというのはわかりませんが、これらの特に故意的な違反事項についての最近の傾向といいますか、いわゆる質の変化といいますか、そうした本質的なひとつ分析はどうなっておるのだろうか、同時にこの海洋汚染のそうした状況、傾向を踏まえて、これから海上保安としてこれらに対してどうしていったらこうしたものが減少させることができるのか、海上保安ですから、見て監視をし、取り締まるということが中心になろうと思うのですがね、海上保安の趣意は。しかし、それだけじゃお話にならぬ話なんで、したがって、現場を取り締まる方の立場から見て、これらの対応というのは一体どういうふうに物を見ていったらいいのだろうか、その辺のことがあればあわせてひとつ御提起をいただきたい、こう思うのです。
#5
○説明員(土屋彬君) 海洋汚染の現況につきましては、ただいま先生から詳しく御説明があったとおりでございますが、まず油、特に船舶からの油の排出、これが御指摘のとおり七、八百件ございます。そのほかに原因不明の、排出源がわからないという油が大体四百件前後毎年あるわけでございます。
 油に関しましては私ども問題を持っておりますのは、こういった排出源不明、海上保安庁の捜査にもかかわらず排出源を突きとめられなかったものが依然として四百件ぐらいはある。そういった点についてこれをなるべく少なくしていく、船舶からの排出七、八百件の中には海難とか取り扱いの過失といったようなことでケアレスミステークで出るケースもございますが、そういった船舶からの排出の中には故意で行われるもの、これは約二割くらいございます。したがいまして、油に関しましてはそういった故意で出すもの二割、それから排出源不明というのは、恐らくほとんどが船舶からであろうと推定しておりますが、これは故意だろうと思うわけでございます。したがいまして、そういった点に重点を置いて対策を講ずるということになりますれば、やはり監視体制を強化していくということ以外になかろうかと思います。
   〔委員長退席、理事馬場富君着席〕
 それから油以外の廃棄物、いわゆる海洋へのそういった油以外の物質でございますが、これは何かと申しますと、一般廃棄物、生ごみとか屎尿とかカキがら、そういったものでございます。それから産業廃棄物、これは建設廃材とか、水産加工の残渣とか、汚泥とか、鉱滓、こういったものでございます。それから船舶の通常活動によって生じます廃棄物、これは荷後と申しますか、積み荷の後の残りくず、それからダンネージと申しますか、積み荷の際に使います資材、それから木皮、木材船等に発生する木皮、こういったような油以外のものが海に捨てられる件数が百五、六十件あるわけでございますが、これらの中にいわゆる産業廃棄物で悪質なものがあるかないか見たわけでございますが、大半が先ほど申しました屎尿、カキがら、屎尿等はこれは指定海域違反でございます。指定海域以外に出したということ。そういったもの、それから建設廃材、水産加工残渣、荷後、ダンネージ、こういったようなものが大半を占めておりまして、いわゆる産業廃棄物で違法排出をしたというのが過去二十件ございます。ただしこれは指定海域違反ということでございます。
 しかしながら、こういった海洋に捨ててはならない油以外の物質等につきましては、昨年来規制も強まっておりますし、私どもとしましては、こういった産業廃棄物等を海洋に投入いたします船舶については登録でもってこの実態を把握しておりますし、そういった船には立ち入り検査をすると同時に試料の採取、分析、それから航行自動記録装置のチェック、そういったようなものをいたしまして、違反の防止に努めたいと思っております。
#6
○坂倉藤吾君 それで海上保安の立場でありますから、あくまでも防衛的措置であることは間違いないのですね。ただ、大変残念だというふうに先ほども申し上げましたが、故意によるもの、故意によるというものは明らかにこれは逃れられれば逃れたい、初めからつかまることを想定して故意にやるものはおりませんからね。たまに引っかかってもしようがないだろうと、ある程度の割り切りでやる連中ということに、総じて理解はできるわけです、そうしますと、はっきり申し上げまして海洋の場合でありますから、汚染をされればいろいろな変化があるわけですから当然はっきりするので、確認件数ですべてが私は一応網羅ができているだろうというふうには思うのですけれども、問題は原風不明等が先ほども言いましたように三七・五%もあるわけですからそうしますと三七・五%の原因不明というものを明らかにしていくという体制を、これは少し注意して強化をしていただかないと基本的な対策というのはなかなか立てられなくなってくるのじゃないのだろうか。もちろんこれは指摘をされておりますようにおおむね陸から出されるものに多いというふうに判断をできる形もありますので、そうなってまいりますと陸の関係ということもきわめて重要ですが、いずれにいたしましても原因不明、どの船が流していったかわからぬというようなものも含めてあるわけですから、そういう原因不明を究明していって初めて今日の海洋汚染の全貌が明らかになる、こう思うのです。
    〔理事馬場富君退席、委員長着席〕
ですからここへの取り組み方を特にひとつ留意をしていただいて、しかもそれを撲滅するために根本的にこれは海上保安の任務でないかもしれませんけれども、たとえばそういうことが行われないように当然所管の省庁に、海上保安の立場からこうあるべきじゃないかという建議を私はすべきだと、こういうふうに思うのです。ただいままでの海上保安の白書等を読ましていただいておりますけれども、実態は細かに報告をされておるのですが、その辺の、こうあるべきだというひとつ建議の関係は残念ながら弱いとしか私としては受けとめられないのですね。それでは根本からやはりそういう体制をなくしていくということにやはり欠けるのじゃないだろうか、こういうふうに思いますので、ぜひひとつその辺に力を入れて一層のこの汚染をなくするための体制を、こういう意味では海上保安の一つの責任を果たす、今日まで不足をしておったと思われる点を強化をしてもらいたいということで約束をいただきたいと、こう思うのですが。
#7
○説明員(土屋彬君) 先生御指摘のとおりでございますので、御指導の方向に沿いましていわゆる、海洋だけでございませんで海岸線、これは私どものテリトリーでもございますし、また陸上のテリトリーと競合いたしておりますが、地元の市町村、そういったところとも十分連絡をとりながら海洋環境の保全に努力していきたいと思っております。
#8
○坂倉藤吾君 次に警察の関係。警察にかかわります公害の事犯の検挙数というのは、これも五十五年度の場合五千四百五十六件、これは五十四年度と比較をしますと六・八%の減少になっている。そのうち廃棄物処理法違反、これが四千五百四十二件で、総体の公害事犯検挙数の全体に占める割合というのは八三・二%になる。五十四年度と比較をしますと一一%減っているけれども、全体に占める割合というのは依然として高いわけですね。次いで水質汚濁防止法違反が四百件、これはむしろ五十四年度と比較をしますと二八%ふえていることになります。三番目に多いのが河川法違反、これは百十七件、三・五%五十四年度と比較をしましてふえておりまして、これらは公害事犯の総体から見まして、数字はいまいただきました資料で把握ができるのですが、質的傾向というのは一体どういうふうに警察としては分析をされておるのでしょうか。
#9
○説明員(中島治康君) 警察は公害事犯につきましては、国民の生活に密着した問題でございますので一生懸命やっているわけでございますが、検挙状況はただいま先生御指摘のとおりでございます。
 それで質的な問題でございますが、まず水質の関係から申し上げてみたいと思います。水質汚濁事犯は水質汚濁法及び下水道法を含めまして四百三十一件検挙いたしております。そのうち実質的な公共用水域の汚染につながる排水基準違反というものが二百八十五件、六六%ございます。
 この違反の原因と申しますか、実態を見てみますと、処理施設があるけれどもそれを使用しない、あるいは処理施設が老朽している、あるいは故障しているのにそのまま使っている、そういった事犯、あるいは処理施設に薬品を投入すべきなのに、それを怠る、そういった事犯が、排水基準違反のうちの八四%ほどございます。全然処理施設のないのが一五・六%、こういうことでございまして、内容は非常に悪質になってきているのじゃないかと思います。また犯行の手段としましても、隠し排水口をつくるとか、早朝とか夜間に、監視の目を免れて排水する、あるいは監視人をつけて排水する等非常に悪質になってきているということで、特に内水面の湖沼につきまして、閉鎖性水域につきましては重点的に取り締まりを行っております。
 それから次に、廃棄物につきまして、これは非常に数が多いわけです。昨年は住宅建設等が景気の関係で若干ダウンしておりますので検挙件数は減っております。それで、不法投棄しました量を見てみますと、八割が建設廃材になっております。汚泥が一二%、大体そういったものが主として捨てられておるわけでございます。
 その不法投棄の場所を見てみますと、半分、四八%ほどが山林原野に捨てられておる。二一%は水田とか畑に捨てられております。それから一割が道路、空き地に捨てられておりまして、そういった公共の場所に捨てられる事犯が多いし、それからそういった不法投棄の原因を見てみますと、最初から営利の目的でそういった不法投棄をするものが一五%ございます。それから経費を節約するためにそういった不法投棄をしたというのが約半分、四九%ございます。そのほか処分上の関係で、処理場が非常に遠いとか、あるいは処理場での手続がめんどうだ、あるいは処理の受け付け時間が短くて受け付けてもらえなかった、そういった関係で違反しているものが二九%ぐらいございます。そういったことで、不法投棄の内容も非常に悪質といいますか、常習的になり、組織的、計画的に行われているというのが実態でございます。
#10
○坂倉藤吾君 常習、しかも組織的、計画的、いわゆる悪質化の傾向と、こういう最後の評価であります。
 さらに数的にながめていきまして、警察庁の方で、この「公害事犯取締り強化月間」というのが例年行われておりますね。五十四年の場合、この取り締まり強化月間は、月間ですから一カ月で、五十四年度二千百八十九件、これは年間割合にいたしますと、三七・四%になります。
 それからこの取り締まり月間は、いずれも五十四年、五十五年とも七月にやっておるのですが、五十五年が二千六十六件、まさに年間の件数の割合からいきますと、三七・九%に達する。これをながめていきますと、私は、第一に感じることは、取り締まり強化月間ということで一カ月にやったこの数字と、それから警察が年間を通していわゆる検挙されておる数字と比較をしましたけれども、取り締まり強化月間中の率というのは余りにも高いのじゃないか、このことは何を意味するのだろうかというふうに考えていきますと、目についたから取り締まる、これは海の場合と違いまして、陸地の場合は、いわゆる現認確認が消えてしまう。目につかない。そして発見されなければ知らないでいる。実情がこういう結果になっているのだろうと思うのですがね。したがって年間の検挙件数というのは、先ほど私の方から言いましたけれども、これは確かに氷山の一角という言い方が適当かどうか知りません。知りませんけれども、本当に目についた部分であって、大部分はやはり隠されているというふうに、社会全体から見れば見ざるを得ないのじゃないだろうか。取り締まり強化月間中といえども、全部、絶対に見残しなしに網羅をしたというふうに私は科学的には指摘できないと思うのですね。強化はされた。ところが、その強化をされた月間が、おおむね年間の四〇%近くあるわけですから、これは大変な違反が現実には行われておるのではないだろうか、こういうふうに推定せざるを得ない。その辺の判断はいかがなものなんでしょうか。
#11
○説明員(中島治康君) 先生の御指摘のとおり、警察が検挙しましたのは、現認し、捜査の結果犯人が割り出せた分でございますので、たとえば隠し排水口を使いまして、わからないように汚水を流している分、これはなかなか――相当の期間捜査した結果わかってくるわけで、そういう事犯はまだ潜在していると思います。また廃棄物につきましても、そこに廃棄されていて非常に困る。しかし、だれが捨てたか、これはすぐわかるわけではございませんので、相当張り込みをして、持ってきた車からだれが捨てたのだということを割り出していって捜査いたしておりますから、検挙した以上に相当の違反はあるのだろうという推定はいたしますけれども、どの程度が潜在しているか、これはちょっとわかりかねる状態でございます。
#12
○坂倉藤吾君 まあ推定の話は話なのですが、あらわれてきた数字の中から総括的に先ほど申し上げたようなことにやはりなるわけでして、警察の立場から言えば、その辺の完全掌握、さらに取り締まりの徹底、こうしたものが当然任務として、私はただ単に年間、一カ月だけ強化月間やりましたよというかっこうじゃなくて、そのやった数字と年間の数字とをにらみ合わせながら、警察としても取り締まりの基本の計画というものが出てこないといかぬのじゃないか。私は率直に申し上げて、交通事故対策も必要であるけれども、この公害の問題は、さらに一つの違反事項が、場合によっては大変な被害をもたらすことは、もう御案内のとおりですね。これは白書の中でも指摘をされておるわけですから。したがって、そういう性格のものだけにぜひひとつその辺の強化を願いたい、こういうふうに申し上げておきたいと思います。
 そこで、これは環境庁長官にお尋ねをしますけれども、いま海上保安並びに警察にこの実態を明らかにしてもらいました。それらの判断を私は申し上げるのですが、こういう事態を踏まえまして、公害防止の対策からいきまして、どういうふうに長官としては御認識をされますでしょうか。
#13
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 犯罪に類するものは、いまお聞き取りのとおり取り締まり当局でこれはやっておるのですが、海と川と湖沼、閉鎖性のある湖沼等に分けてわれわれがいま全般的に注意はしておりますが、特に注意をしておりますのは閉鎖性水域の問題、富栄養化の問題、そういう問題を注意しております。それから海洋の問題については、地球的規模の環境問題として取り上げておることも御承知のとおりであります。
#14
○坂倉藤吾君 どうもさえた長官らしくない答弁をいただきましたけれども、私はやはり環境の立場からいきますと、そういう具体的な社会実態といいますかね、それをもとにしないことには本当の公害防止というものは実らないんじゃないのだろうか、このことを基礎に置かないとお話にならぬのじゃないのでしょうか。ここの点を私はきちっと踏まえるべきだろうと思うのです。ここは立法府ですから法律をつくって、そして行政府がそれを執行すればよろしい、それだけの話じゃないはずですね、いま法律はある、あるのに悪質化をしているというのは、あえて破られていると、こういうことになるわけです。それはそれなりの、それを取り締まっていくとこうがある、しかし取り締まっていくところがあるからそれでよろしいというのじゃなくて、そういうことが再び起こらないようにどうしていくのだろうか、これが政治家の役目じゃないのでしょうか、よく言われるように。私はそこを、長官、質問予定じゃなかったんですが長官にお聞きをしているのですが、いかがですか。
#15
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 奥深い質問ですからなかなか端的にお答えはできませんけれども、私は水質の問題については心配しているんです、実は。幾らか努力によって汚れがとまっている面もありますが、とてもこれで油断のできる問題ではない、とても危ない。湖沼などは特に危ない。こういうふうにして心配をしているのですが、対策としては二つあります。一つは、地方公共団体が私どもの方でつくった法律その他に基づいてやっていてくれるということがあります。それから一つは、警察の方でいま御質問にお答えなさっておりましたが、そういう形でやっているというのがあります。そういう面で対策を立てながら、現在のところは私の方はもっぱら一番成績の悪い湖沼等について閉鎖性水域の水質について心配をしているというところでございますが、なかなか知恵が及びませんから、こういういい知恵があるじゃないかなんというのがあったらひとつ御教示いただきたい、こう思います。
#16
○坂倉藤吾君 解消の技術の問題じゃなくて、いま現に建設等をめぐりまして住民との間で幾つかのトラブルがございますね。たとえば流域下水道をめぐる問題だとか、あるいは道路建設をめぐる問題だとか、あるいはその他の建造物をめぐる問題、屎尿処理場等でもそうなんです、それらで一番問題になりますのは、いわゆる二次公害の発生がないのか、三次公害は出てこないのか、こういう関係の心配なんですね。法律のたてまえからいきますと、きちっとそれぞれの監視をする行政当局もおりまして、本来はきちっと安全に処理をされるはずの、たとえば終末処理場。ところが、住民の側からいきますと、いま申し上げましたように、法律はちゃんとしておってもあえてそれに違反しようとする連中がおって崩されておるじゃないか、崩されておるようなことについてだれが一体補償してくれるのかという問題になるわけですね。ここのところの手当てを抜きにして、いや完全なものですから大丈夫ですよと、こういうことで住民との間のトラブルというのはおおむね発生をするのです。ここのところの現実というものをきちっと整理をしておさませんと、私は環境庁の、たとえばイエスかノーかの相談を一つ受けた場合の判断に小たしましても、あるいは住民との対応にいたしましても狂いが生じてくる。ここのところは、私はもう少し現実的な立場に立ちながら問題の処理に当たる、こういう姿勢をぜひひとつ長官は貫いてもらいたいなと、こう思うのですが。そこで、これはまた後引き続いて質問していきますから……。
 次に、厚生省にお伺いをしたいのですが、これは海上保安庁あるいは警察、またいま長官との問答の中で、厚生省は言うならば廃棄物処理の主管庁であります。主管庁の立場でこの現実をどういうふうに一体ごらんになって対策を立てられようとしておるのか、この辺の質問を一ついたします。
#17
○説明員(藤原正弘君) ただいま警察の方からもお話がありましたように、廃棄物処理関係の公害事犯件数は最近やや減少の傾向ではございますけれども、依然として多数を占めておりまして、きわめてゆゆしい問題であると考えております。大変遺憾に存じておる次第でございます。
 厚生省としましては、廃棄物の適正処理を確保するために各種の施策を講じておりますけれども、たとえば、まず監視指導の徹底でございます。現在、全国の都道府県や保健所を設置する市におきまして、産業廃棄物対策に従事する職員は全体で二千八百六十一名でございます。これらの担当者によりまして廃棄物処理法による規制指導を行っておるわけでございます。廃棄物処理法十八条によります報告徴収の数は、五十五年四月現在で全国で二万五千五百四十九件ございます。また、法十九条によります立入検査数は五万二千八百十八件というようなことで、日夜こういう取り締まりに努力しておるわけでございます。
 また一方、廃棄物の適正処理思想の普及のため毎年やっておりますが、環境衛生週間、このような行事を通じまして排出事業者、処理業者への啓蒙普及を図っております。また、都道府県、政令市の職員に対しまして研修会を開催するなどやっておるわけでございます。産業廃棄物の不適正処理を是正するためには、廃棄物の中でも不法投棄されることが多い建設廃材が不法投棄量の約八割を占めるというふうなことでございますが、したがいまして、こういうふうな廃棄物に着目いたしまして、その発生から処理までの実態を把握いたしまして的確な監視、指導を行う必要がございます。このために厚生省としましては、昭和五十五年度におきまして、建設業を対象にしまして、建設工事から発生する産業廃棄物の発生から処分までの過程に関します精密調査を実施したところでございます。このような結果を踏まえまして、具体的に対策を検討していきたいと考えております。
 また、厚生省では近く生活環境審議会の廃棄物処理部会に設置されます専門委員会におきまして、幅広い観点から産業廃棄物をめぐる諸問題の検討をお願いすることといたしておりまして、その検討結果に基づきまして産業廃棄物の不適正処理の是正について、また情報管理について検討をしていく予定をいたしております。
#18
○坂倉藤吾君 まあ、いま厚生省なりにがんばっているんだということで報告をもらいましたがね、話がありましたように、監視それから監視を中心にした体制にいたしましても、二千八百六十一名というのは、全国でしょう。しかも立入検査五万二千八百十八件といいましても、これまた全国、しかも年間通してですね。これはいまの違反の状況等から判断をしていきまして、おそれのあるような事業所に徹底するような体制だろうか。私は、いま第二臨調でなるべく定員削減をしてというふうにやみくもにやっていますから、大変厚生省としてはむずかしかろうと思うのですが、こうした問題はもう少しやはり根本的な対応というものを関係のところできちっと打ち合わせをしてもらわなければいかぬのじゃないでしょうか。現実をとらえまして、違反の事例等をながめていきますと、いまそういう分析はありませんでしたけれども、おおむねたとえば許認可をとっていないいわゆる無許可の処理業者がグループをつくって、そして汚泥を下水道や農業用水路にまけておったとか、あるいはまた汚泥処理の資格をとっているのですが、協同組合の組合長、これは大阪でありましたけれども、組合長がベントナイトの汚泥を夜間に乗じて海洋投棄をしておった、こういう形が出てきたり、あるいは前にこの委員会で私自身が取り上げました出光のタンカーの船を洗ったあとやあるいは廃油を、承知の上で捨てておったとか、こういうのがずっと軒並みあるわけですね。そうなってまいりますと、やはり現在廃棄物の取り扱いをしているいわゆる許認可の制度そのものについても、その資格を一体どういうふうに見ておるのだろうか。そうした点からきちっと洗い直しをしていきませんと、この廃棄物処理に携わる問題をこれを整理をしていきませんと、なかなかお話にならぬのじゃないんでしょうか。
 これは厚生省の三好さんという人が廃棄物の処理の問題で書いておりますが、たとえば免許の関係等におきましても、「収集運搬のみ」の免許、「中間処理のみ」の免許、それから「最終処分のみ」の免許、「収集運搬および中間処理」の免許、「収集運搬および最終処分」の免許、「中間処理および最終処分」の免許、「収集運搬 中間処理および最終処分」の免許というように、重ねて取っている者と断片的に取っている者とずっと分かれていますね。これらがきちっと一貫をし、しかもその処理系統の中で責任を持てる、こういう形の免許行政というものが一貫をしないと、せっかく厚生省で基本的な計画を立てられてもその計画というのは死んでしまうんじゃないのでしょうか。自治省はきょうは呼んでおりませんが、自治省あたり、いわゆる各県の行政ともかかわるわけですね、そういう点をきっちり私は見直していきませんと、いま現に廃棄物の処理をしておりますのは、たとえば大企業の場合でも廃棄物処理についてはこれはもう中小の下請業者に任じてしまう。下請業者は、今度はそれに従事をする人間はたとえば日雇いの労務者をその日限りで連れてこようと何しようと構わぬ、こういうようなかっこうでこの廃棄物処理というのが行われておるんじゃないのでしょうか。そのことがいろんな検挙につながる犯罪要件を起こしていく実態になっておるのじゃありませんか。そういう点をきちっと私は見直していく必要があるだろう、こういう意味合いで提起をしておるのです。したがって、法の立場あるいは制度的な立場からいきますと、それはそれぞれの仕事を全うしておけばなるほどこれは安心だというふうになる。たてまえは安心でも実態は崩れ去ってしまっている。これがたてまえと現実との差の問題でありまして、ここを整理をしていきませんと私はきちっとしたこの種の行政の徹底ということにならぬのじゃないだろうかというふうに思います。その辺は厚生省はどうですか。あなたではちょっと答弁がむずかしかろうと思うけれども、できますか。
#19
○説明員(藤原正弘君) いま先生御指摘のように、廃棄物処理業者の問題につきましてはいろいろな問題があることは事実でございます。いま法律上の制度は、廃棄物処理業の許可につきましては、一般廃棄物の場合はこれは市町村長が許可を出しまして、そして市町村長が一貫して判断いたしますので、運搬、処分は一貫して判断していると思います。ただ、産業廃棄物の処理につきましては、都道府県知事が許可を出しますので、この両者にまたがる問題につきましては若干うまく運用されていないといった点があることも事実でございます。法律上では、許可を与えるに際しまして技術上の要件及び人格上の要件につきまして法律の第七条及び第十四条に規定します基準がございます。これはたとえば廃棄物を適正に運搬する運搬者だとか廃棄物の収集運搬を適確に遂行できるに足りる能力を有する人とか、そういうふうな基準が決められておるわけでございまして、またこの許可に際しまして期限や条件を設けたり、一般廃棄物の場合は区域の制限も付したりしておるわけであります。また、一たん許可を与えてしまった後につきましても、適正な処理を行わせるためにいろいろな縛りをかけておるわけでございます。たとえば処理基準が設けられておりますが、これを遵守しなければいけないとか、処理状況の帳簿の記載、保存、または産業廃棄物につきましてはほかの人に再委託したりするようなことはいけない、再委託の禁止とか、また実績報告書を提出するといったようなことが義務づけられておるわけでございます。こういうふうな規定を適正に運用することによりまして廃棄物の処理も適正に処理できるのではないかと考えておりますが、なお不十分な点もあることは存じております。今後十分に地方公共団体を通じまして監視指導を続けてまいりたいと思います。
#20
○坂倉藤吾君 あなたの場合には、それは答弁するのが、ああやりますこうやりますとなかなか言えぬ立場だからやむを得ぬと思いますがね。いまのままで厚生省としてはこの廃棄物処理については万全でございますと、こうはなかなか言い切れないでしょう、正直申し上げましてね。しかし現実問題は、先ほど冒頭によく実態を聞いておいてくれと言いましたのはそこでしてね。それはぜひひとつ省へ帰って首脳部とよく相談をしてください。そこをやはりきちっとチェックをしませんと私はなかなかよくなっていかないと思いますよ。
 それで次へ移っていきますが、いまお聞きのようなかっこうで、この前も論議しましたけれども長官、いわゆるフェニックスの問題。環境庁は、これは計画に基づいてそのときに審査すればいいじゃないか、こう言うのですが、変わりませんか、この方針は。
#21
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 結論から言って変わりません。ただ、埋め立てなんかというものは私の方から言えば、原則から言えばしてもらいたくないのですよ、埋め立てなんというものは。そのままにしておいてもらいたいのです。このままの状態でできるだけ子孫に譲りたいんですよ。だけれど、いろいろな事情からどうしても埋め立てをしなければならぬということになれば、そのときに環境をどう影響させるかということによって判断をしていく以外に手はない。いろいろな事情というのは、地面が欲しいという場合もありましょう、それから地面が欲しいのじゃないが、副次的に地面はできるがごみを埋めなければならぬという事情もありましょう。どこも埋めるところがないですから、海へ捨てちゃいけない、丘へ置いちゃいけない、こう言えば海に囲いをしてほかの水を汚さないように注意をしながら埋め立てるという以外にないでしょう。そうなればわれわれの方は専門家としてそれがどういう影響になってくるかということを考えて、そのときにストップをかけるかあるいはストップをかけないまでもいろいろ注文をするか、そうするしか方法はない、こう考えております、
#22
○坂倉藤吾君 これは事務当局に聞きますが、いまの長官の答弁は予測をしておったとおりでありまして、まさにそうだと思うのですよ。この前も論議しましたように、環境庁が相談にあずかっているわけですね、それで字句を入れさした。環境に注意をするように字句を入れさした。まさにそのことはこの前も言いましたように結構ですというのですが、それだけで事が済むのだろうか。言うならば、環境庁が相談にあずかっている時点ではもう早くから厚生省、運輸省で東京湾、大阪湾は実態の調査をしながら細かい計画、しかもごみの発生をしてくる量の推測、全部数字を出していますね、具体的に工法まで、たとえば鋼管矢板を用いてどういうふうにするか、環境庁が言っていますように、たとえば汚泥にいたしましても安定型あるいは管理型あるいは遮断型、こういうふうに区分をする、そういう細かい計画はもうでき上がっているわけですね。これからそのとおりやるかどうかは知りませんよ。しかし、いままでの論議の過程としてはもうすでに東京湾、大阪湾はそういうふうにでき上がってきておる。でき上がってきたものに対して環境庁は具体的にはどう判断をしたのですか、それじゃ。
#23
○政府委員(小野重和君) フェニックス計画の問題でございますけれども、この問題につきましては、私ども具体的な運輸省等で調査をした内容につきましては何ら聞いておりません。私どもはこの制度の仕組みにつきましてはこれは当然協議を受けているわけでございまして……
#24
○坂倉藤吾君 私も具体的に聞いてないのですよ、聞いていませんけれども、少なくとも政府が具体的に予算もつけまして調査をしてきているのですよ、現実に東京湾、大阪湾にいたしましても。当然環境庁として環境を守る立場から、そのことが一体成り行きどうなるのだろうかと関心を持ってもいいんじゃありませんか。私も計画を正式に聞いた覚えはありませんよ。しかし、計画書はちゃんと出ているじゃありませんか。いいですか、そういうのをながめながら、じゃあ、その計画は本当なのかどうなのかとなぜ確かめないんですか。具体的なものがなくてこれからセンター法をつくりますと言うのなら私はいまの答弁で結構です。私はそれでは責任怠慢だと言わざるを得ませんよ。どういう形で、じゃその相談にあずかったのですか。しかもこのセンター法は、また改めて論議しますけれども、事業実施をしていくためのセンターづくりでしょう、計画法じゃない、見てみると。私はもう少し環境庁の長官が出て相談にあずかるにしても、長官をアドバイスする立場から事務当局としては今日出ている計画はこういうものがありますよと――中部圏は具体的になっていないけれども、中部圏にしてもそういうものが必要かどうかということについては調査に入っているんでしょう。予算の中に出ているじゃありませんか。そういうことを抜きにしていまの答弁は私はいただけませんよ、これは。
#25
○政府委員(小野重和君) 御案内のように、この法案の中に、センターがつくられるわけでございますが、基本計画を作成するということがございまして、これは国の認可が必要なわけでございますが、この基本計画の際に基本的な計画がわかってくる、立てられるということで、その段階での協議というのは当然受けるわけでございます。さらにまた、港湾計画の作成ということになりますので、その際にも具体的な協議を受ける。さらにまた、埋め立てになるわけでございますから、その認可の際にも協議を受けるという仕組みになっているわけでございまして、具体的な計画がそれぞれの段階で決められてくるわけでございますので、その段階で十分に環境保全の面について私どもも検討し、協議をしたい、かように存じているわけでございます。
#26
○坂倉藤吾君 答弁が筋違いでして、私の質問していることに答えてないのですよ、あなたは。
 私は、相談にあずかる時点で具体的計画というのはすでにできているじゃないか、それでコンクリートするかどうかは知りませんよ。いままで厚生省、運輸省で検討されてきた内容のものがそのままコンクリートされるかどうかは知りませんよ。変更されるかわかりませんよ、それは。しかし、少なくともそういう構想を具体的に幾つか出されてきているものを、それを頭に置きながらなぜ相談をしなかったのですかと、こう言っているんですよ。また、あの計画はあれでよろしい、こういうことをもう環境庁はオーケーを出してやっているのですか。そこが問題だと言うのですよ。これからの事業計画はあたりまえの話でしょう。それをやらなかったら環境庁は要りませんよ。
#27
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 先生の御心配はよくわかります、また、環境庁としては御注意ありがたく思います。しかしながら、これはこういう委員会で私のような立場の者が言うのは異例のことに属するかもわかりませんが、やはりいつも私が言うのですけれども、私のところは自動車で言えばブレーキです、ですから、アクセルの方から見ればブレーキはじゃまです。だから、なるべくブレーキなんかには相談しないでそれはやりたい。その気持ちもわかる、けれども、将来のことを考えれば憎まれようが何しようがブレーキは言うべきときに言わなければならぬ、こういうことで「環境の保全に留意しつつ」という言葉すらなかなか容易でなかったことは御承知のとおりなんです。しかしながら、先生方の御注意もあって「環境の保全に留意しつつ」という当然のことがかなりの努力の結果入れてもらえました以上は各省庁も、すなわち、アクセルの方の方々もブレーキの方に相談をしなければならぬことはお決めいただいたとおりですから。そこで、いま調査の段階ではまだわれわれの方には話はない。計画はその調査に基づいてできるわけですが、そこまでまだいっておらない。ここのところが先生とちょっとわれわれの方の感覚の違いなんで、計画の段階では当然入るのがあたりまえ。
 しかし、先生の御注意は、そこまでいまいきそうなんだから、相談がないならどうしておれのところに相談がないんだい、どうなさるんだいということを積極的に聞いたらいいじゃないか、そこまでやらなければ本当じゃないのじゃないか、業務に熱心ではないのじゃないか、こういう御注意まことにありがたく思います。違いますか。
#28
○坂倉藤吾君 長官の言われるのはわかるのですよ。しかし、少なくとも事務当局が計画を知らなかったということはうそですよ、はっきり申し上げて。
 たとえば「産業と環境」この前私が提起しましたね、あの雑誌に厚生省の現職の課長が出しているじゃありませんか、計画を、具体的に。ことしの二月号ですよ。環境庁がそれを知らないという話にはなりません。これは直接通産省から出したものではないですから、通産省のものでないですよ、発行所は。しかし、少なくとも政府の関係の現職のそれぞれの立場で全部寄稿している、言うなら公の雑誌ですわ、その雑誌にも明確になっている。ほかにも刷り物があるのです。私がいまここに持っていますフェニックス計画の問題でも明確にこれは全部行政官庁の課長が書いているものですよ。これにもフェニックス計画はちゃんと出ているのです。こういうものが、この辺あければ幾らでも出ているのに肝心の水質局長が知らなかったというのは話にはならぬです。そういう上に立ってもう少し責任ある態度というものを出せるのじゃないか、私はそういうことを申し上げているのです。きょうはそのことの論議をするつもりじゃありませんから、もとの本を持ってきておりませんのでそれ以上言いませんけれども、私はもうちょっとちゃんとしてもらいたいと思うのですよ。だから、賛成するなら賛成するで、環境庁として自信を持ってやってください、そのかわり責任はとりますよと、それがなかったら一体国民はだれを信頼するんですか、公害防止に関して。
#29
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 私どもの方に相談があってそれでいいでしょうと言った以上は、先生言われたとおり環境庁としても責任を負わなければならぬ、これは言うまでもないことです。そこで、当然われわれの方に相談があってしかるべきものについて相談をしないで計画を立てても、われわれはそれを根底から覆しますから、覆すこともあり得ますから、どうぞその点はひとつ御信頼いただきたい、こう思います。
#30
○坂倉藤吾君 いまの長官の決意で一応きょうのところは打ち切ります。
 そこで次に進んでいきますが、NOxの総量規制の問題ですが、これはいろいろと聞こえてくるところは、総量規制問題というのは私も理解をしているのですが、環境庁の政令で決まることですね、具体的には。そうしますと、環境庁がもともと本質的に持っている権限範囲の問題である、しかもそれは国会が了承している問題である、こういうことになりますね、基準はどうあろうと、総量規制のいわゆる政令改正ですか、ところが、これに対してなかなかどうもそのとおり進んでいないというふうに聞くのですが、これはどうなっておりましょうか。
#31
○国務大臣(鯨岡兵輔君) どうなんですかと言われましても、これは国会の衆参両院の附帯決議がありますから、あれは限度が〇・〇二だったのですから、ところが、いろいろ科学者が研究した結果、〇・〇六まではいいだろうということで、ゾーンはありますが、そこでそれは非常に危ないというようなことでいろいろ議論がありましたが、大丈夫です、責任持ちます、こういうことで、よろしい、それじゃ〇・〇六ということにしてもよろしいが、それは現在達成されているかとその時点で問われた、現在は達成しておりません、昭和六十年までには必ず達成いたします、それでは昭和六十年までに必ず達成せよという衆参両院の附帯決議があります。当時の長官はその附帯決議にこたえて、必ず昭和六十年までに達成いたしますと約束いたしたのであります。衆参両院で約束したということはとりもなおさず国民に対して約束したということですから、そして〇・〇六以上になると国民の健康に害がある、こういうことでございますから、これはどうしたって守らなければならないことであります。そこで、努力をして調べてまいりましたが、昭和六十年までには大概のところは大丈夫なんですが、東京を含めて数カ所どうも危ないというところが、そこの県知事さんも合意の上で危ないと、こういうことになりました。しからばそれに対しては何らかしなければ昭和六十年の約束が果たせませんから、そこでそこは地域指定をして県知事さんに、自動車の多いところもありましょうし工場などの多いところもありましょう、一様じゃありませんから、どういうふうにやって総量規制をするかということについて計画を立てていただいて、その計画に基づいて実施をしなければならぬ、実施の期間を三年、計画の期間を一年とすれば四年前に政令指定をしなければならぬ、こういうことになりました。そこで、四年前に政令指定をしようとしているのですが、いろいろ不安に思うようなところもありますから、やはり何といってもできるだけ理解してもらって、その理解に基づいてやらなければならぬことは言うまでもありません、何事でも。そこで、まことに恐縮千万ですが、その理解を得るためにいま努力をいたしておりますが、もう食い込んでいますからその四年の中に、そうするとわれわれがぐずぐずしているために計画をなさる方の一年間の計画期間に食い込むわけです。そのことはもしかするとその計画に基づいて実施をする方々の実施の期間に食い込むわけですからこれは穏やかでないわけです。一日も早く政令を出したい、こういうふうに考えて鋭意努力をいたしておるところでございますので、もうしばらくお待ちをいただきたい、こう思うのです。
#32
○坂倉藤吾君 環境庁あるいは長官としての立場はわかりました。
 ただ、聞こえできますのはいろいろ聞こえてくるものですから念のためにお聞きをしますが、通産省、この総量規制についてきわめて大きな反対が業界である、こういうふうに聞いておるのですが、これは事実でしょうか。それから通産省は一体どういうふうにお考えになっておりますか。
#33
○説明員(飯田善彦君) いま先生御指摘の件でございますが、産業界はこのNOxの総量規制の導入につきまして必ずしも反対ということではなくて、総合的かつ有効適切な施策を十分検討して選択する必要があるという趣旨の意見を申し述べておるというふうに承知しておるわけでございます。私ども通産省といたしましては、こういう意見は一つの意見として聞いておりまして、そのほかのいろいろな意見等も踏まえまして当省としての考え方をまとめて対処していきたいというふうに考えております。
#34
○坂倉藤吾君 環境行政の責任は、これは内閣総理大臣を頭にいたしまして環境庁長官が責任を持ってやっているわけですね。そこでの判断としてやろう、したがってそれにおおむね協力をしていかなければならぬ、こういう立場があると思うのですがね。あなたのところがこの総量規制問題に総合的に判断をするというのはどういうことなのですか。
#35
○説明員(飯田善彦君) 通産省としましては六十年までに環境基準を達成するためにNOxの規制についてのいろいろな対策を総合的にまた有効適切な対策を講じていくということが必要だというふうに考えておりまして、現在環境庁といろいろと協議をしておるところでございます。
#36
○坂倉藤吾君 協議をしているのが環境庁とは相入れないところがあるのじゃないかというふうに聞こえてくるから私聞いているのです。わかりますか、質問の内容が。
 それで、環境に対する責任というのはこれは環境庁がやる。環境庁が示してきた総量規制なら総量規制、具体的にやる場合の数値が出てくるでしょう、それに対して、今日の産業技術の中で大変むずかしいかもしらぬ、それを業界と打ち合わせをしながら達成をするために、なしろあなたの方はそちらの方の努力をしなければいかぬのじゃないですか、いちゃもんをつける方に。どうですか。
#37
○説明員(飯田善彦君) 産業政策を進めるに当たりましては、当然これは環境の保全に努めていかなければいかぬわけでございまして、私どもといたしましては、従来からもそうでございますが今後も産業公害の防止に万全の努力をしていきたいと思っております。
 いま先生がいろいろおっしゃいました件につきまして、環境基準を達成するというためにいろいろな施策をわれわれも業界に対して指導する、あるいは助成をするというようなことでやってきておりますが、そういう点について、そう環境庁と違った意見を持っておるというふうには思っておりませんが、なお一層努力をしたいと思っています。
#38
○坂倉藤吾君 その程度にとどめますが、先ほど長官が言いましたNO2の四−六のゾレン設定の改定のときも、私はここでずいぶんとやかましく言ったものです、そういう意味では。そのときも産業界が猛烈な反対です、これは。反対じゃなくてそれに大いに産業界は積極的に乗り出してきたのですから、変えろ、変えろで。私たちは変えるな、こう言った。ところが、今回の場合は、環境庁はなるべく三月中にやりたい、こう言っていたのでしょう。長官はさっきいいかっこうをしましたけれども、三月中には出したい、こう言ったのですよ。長官、さっき、遅うなりましたと。遅うなった分だけ準備がおくれますよ、おくれて迷惑をするのは、約束事から言って現場ですよ、こういう先ほどの答弁なのですよ。おくらしているのが通産省だ、これじゃ話にならぬので、意見の相違がないのならむしろ通産省は積極的に、これは業界と一番なじみが深いわけだし毎日のように接触しているのだし、ぜひひとつ業界説得をやってくださいよ、先ほどの厚生省の問題じゃありませんが、廃棄物の方は厚生省だ、しかし、廃棄物を出す方は通産の方のかかわりが非常に多いのですね。そうしますと、廃棄物の処理の問題についても、これもはっきりしていますように、廃棄物については基本的に原因者がきちっと処理をするというのは法の原則でしょう。それを守らせるようにあなたの方がきっちり指導していかないといけない。どうしても処分のできないものについては、それは専門の業者にやりますよと。これが徹底していないから問題が幾つか発生をしてくる。だから、その辺は通産省、きっちり責任をもう少し明確にして対処するように指摘をしておきたいと思います。これも、帰られてよくひとつ首脳部と相談をしてください。
 それから、次に移りますが、湖沼法の関係はこれまた大分時期がずれているのですが、いかがなものでしょうか。
#39
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 私どものやっていることは、少なくともいま問題になっていることはみんな同じ性格です。一言で言えば、これは通産省にもよく御承知いただきたいのですが、国会で約束したということは国会の議員先生方を通じて国民に約束したことですから、これは守らなければならぬ、もし守れないならば、守れないだけの当然説得できる理由がなければいかぬ、そしてまた、守れないときには責任をとらなければいかぬ、こういうふうに私は思うのです。ここで国民を前にしてその場逃れのことを言うちゃならぬ。
 それで、いま湖沼の問題について御質問ですからお答えいたしますが、湖沼の問題は、水をきれいにするためにみんな努力しているわけですよ、それなりに。そしてまた、その法律に基づいてやっているのですよ。やっているのですが、海や川と比べては、先ほど先生の段々のお話の中にもありましたように、閉鎖性水域はなかなかきれいにならないのです。やってないと言っていないのです、環境庁は。みんなやっているのですから、これは先生もひとつお認めいただきたいのです。たとえて言えば、受験勉強を一晩に三時間も四時間も一生懸命になってやっているのです。やっていても、この学力じゃ合格しそうもないというのですから。合格しそうもないのなら何か別なことを考えなければならぬということなのです。そこでどうしたらばいいか、湖沼といってもそれぞれ場所によって目的も違いますし、性格も違いますから、その湖沼のあるところの知事さんに、総合的に考えてどうすればこの目的が達せられるか、どうすれば合格できるか、勉強しておられることはわかるけれども、御計画をひとつ立ててみてくれませんか、立てる段階でもわれわれはできるだけ御協力をいたします、それから、その計画がよろしいとなったらば、これは総理大臣が認めるわけですから、そうしたならば、それについて全面的な御助力もいたしましょう。そういう法律もつくりたい、こういうことなんでございます。しかしながら、一生懸命やっている人たちから見れば、いま一生懸命やっているのだから屋上屋を重ねるようなことは要らぬじゃないかという意見もあるわけです。私わからないじゃないのですが、くどいようですが、申し上げましたように、これだけ勉強しているんですよと言っても、幾ら勉強しても合格しなければしようがないのですから、そこでこういうものをつくろうということなので、これまたやはり十分の御理解をいただいて法律案をつくりたい、こう思っているので、汗かいていま各方面と折衝して、大分御理解をいただいてきたようでございますので、これまたいましばらくお待ちをいただきたい。全部いましばらくの話で申しわけないですが、どうぞひとつよろしくお願いいたします。
#40
○坂倉藤吾君 「いましばらく」を、これは芝居の舞台じゃありませんが、かけておりますのが、どうも建設省、農水省が強いんじゃないのか、こう言われているのですが、建設の方は、いまの大臣の答弁で、どうですか、協力をしていただけますか。
#41
○説明員(弓削田靖彦君) 湖沼法案につきましては、現在、環境庁との間で協議中でございますけれども、建設省といたしましては、さきの中央公害対策審議会の答申にもあるとおり、湖沼の持ちます治水、利水の機能等の調整を図りつつ、湖沼の水質保全対策が推進されるよう環境庁との間で現在調整を進めている状況でございます。
#42
○坂倉藤吾君 どうも、いまの答弁ですと何かしこりが残っていますね、聞いていましてすとんと落ちないのですわ、おれのところはおれのところのなわ張りがあるよとまだ言っているような感じがしまして。これは私、新聞報道の意識があるからというわけじゃないのですよ。新聞報道では、これは縦割り行政の一番の欠陥じゃないかと。建設省は建設省で河川としてのなわ張りがあるんだ、環境庁は要らぬことを言うな、こう言っているというふうに大方がとらえている。私もいまの答弁を聞きますと、やはり新聞報道は正しいかなあ、こういうふうに思わざるを得ぬのですが、いかがですか。
#43
○説明員(弓削田靖彦君) 現在、政府部内において調整中の問題でございますので、具体の点については現段階ではお答えを差し控えさしていただきたいと思いますけれども、建設省といたしましては、湖沼につきまして、水資源開発あるいは治水事業等の円滑な事業の実施もこれまた重要な問題だと考えておりますので、そのような観点から調整を進めさしていただきております。
#44
○坂倉藤吾君 建設省の場合でいきますと、この中公審の「湖沼環境保全計画の策定に当たっては、湖沼のもつ治水、利水上の機能にかんがみ、河川管理者との間で十分な調整を図る必要がある。」こう言っている答申の附帯決議第三項がどうも盾になってがんばっているのじゃないのか、がんばり過ぎているのじゃないのか、こんな感じがするのですが、そんなことはありませんか。
#45
○説明員(弓削田靖彦君) 公共事業の実施に当たりましては環境との調和を図りつつ実施しなければならないという点については十分承知しておるわけでございまして、環境対策につきましても建設省としては従来環境アセスメントを大規模事業については実施する等、十分環境への配慮をして実施しておるつもりでございます。したがいまして、こういうような環境対策とそれから公共事業の円滑な実施というかね合いを見ながら、事業を円滑に実施していく必要があるのではないかと考えておるわけでございます。
#46
○坂倉藤吾君 そこなんですよ。それはあなたのところがいままでサボっておったとは言ってないのですよ。あなたのところも一生懸命やってきたろう。やってきたけれども、さっきの長官の話じゃありませんが、総体的にながめてみると、たとえば霞ケ浦にしても琵琶湖にしましても、水質がだんだんやはり悪くなっているのじゃないかと心配される。お互いが努力しているのだろう。しかし、結果として水位が下がったり水質が悪くなったのではお話になりませんよ。したがってもう一遍ということで、それに歯どめをかけようじゃないかというのが環境庁の提起なわけでしょう。ところがあなたのところは、私のところは優等生なんで環境庁からいちゃもんつけられる必要はないですよと、こう言っているように思えてかなわぬから、いまのあなたの答弁を聞いておっても。それじゃ政府として調整がつかぬじゃないですかという心配をするのですよ。これは環境庁長官は体を張ってがんばってくれるでしょう。建設省とやるでしょう。しかし、建設省みたいに予算をたくさん持っている環境庁じゃないものですからね。非常に力は弱いのです、いまのところ。私は、環境庁長官は大いに力の強いものに仕上げてもらいたいと思っているのですがね。だから、その辺がありまして、あなたの答弁ちょっと不満ですな。それ以上答弁できませんか。
#47
○説明員(弓削田靖彦君) 建設省といたしましては、特に湖沼につきましては、治水事業あるいは水資源開発事業というようなものに対する行政需要も考えながら、環境に配慮しつつ事業を実施していかなければならない。たとえば具体的に申し上げますと、河川管理者として水量の管理を実施するようなことも水質の保全に結びついておるわけでございますので、こういう点につきましても環境庁と必要な調整を図っていかなければならない、こういうように考えている次第でございます。
#48
○坂倉藤吾君 それ以上答弁求めませんが、あなたの話を聞いていますと、確かに環境庁と調整ということでは逃げているけれども、何かずっとこう聞いていますと、おれのところはりっぱにやっていますよ、環境庁は文句言うなと、環境庁はその問題に対してちょっと要らぬことを余り言い過ぎているのじゃないのか、こんなところで出しゃばってくるのはおかしいのじゃないかというふうなやはり受けとめになるんですわ。それを延長していきますと、あたかも環境庁は総合開発だとかあるいは建設だとか、こういうものについては一切アウトにするというそういう先入観をあなたの方が逆にお持ちになっているという感覚がするのですよ。私はこの湖沼法の提起、案文も、これは変わるかどうか知りませんよ。さっきの話じゃないけれども、もとの湖沼法の提起をしたもの、あるいは中公審の答申等を見ておりまして、その辺は十分に配意をするようになっているはずなのでして、あなたの方はそう心配することはなかろう、それを無視して一切建設まかりならぬとかなんとかいう話になったらこれは大変でしょう。しかし、そういう心配はむしろ環境庁の方でも配意をしている。そうなればそう大して問題ないと、こう思いまして、ぜひひとつその辺はもう少し相談をする姿勢の問題で、まあ官僚独特のなわ張り争いもあるのでしょうけれども、そんなことをやられては国民がかわいそうです。そういうメンツの問題じゃなくて、実際に人間が一番生きていくのに必要なこの水の問題をめぐりまして、しかもいまもう極端に湖沼の水質というのは問題視されているわけですからね、一日も早くなければならぬ。しかもそのことが果たしてさっきの話、優等生の解答になるかどうかもやってみなければいかぬのですよ。いままでのかっこうではまずいという結果だけはわかっているのだから、ひとつこれでやってみようといって協力するのは私は各省庁の役目だと思いますよ。そういう意味で、これは環境庁の原案どおりとは申し上げませんけれども、早くまとめ上げるのに協力してやってくださいよ。
 農水省はどうですか、いま詰めたような話になるわけでして、これは協力してもらえるのでしょうね。特に霞ケ浦の問題なんかがありまして、養豚場、いわゆる畜害の関係ですね、こうした問題がいろいろどうもひっかかって云々というような話も耳に入ってまいります。しかしそんなこともこれまた余分な心配でして、きちっとそればそれなりに処理をしなければならぬものは処理をしてやっていくことが筋ですから、そういう意味で協力をしていまの話でやってもらえるのかどうか。
#49
○説明員(村上治正君) 農林水産省といたしましては、主に関係をいたします排水規制の対象になるものについてでございますが、実態の認識だとか、あるいは対象の範囲だとか、規制の程度等について、いわゆる具体的な内容でございますが、ただいま環境庁からの説明を求めておる段階でございます。私どもの省といたしましては、このことについて具体的な環境庁の考え方が明らかになった段階でこの法案に対する対応を決めてまいりたいというふうに考えております。
#50
○委員長(山崎昇君) ちょっと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#51
○委員長(山崎昇君) 速記を始めて。
#52
○坂倉藤吾君 いまの答弁、折衝の当事者じゃないのですかな、各省調整の。
 もう一つ聞きますが、いわゆるフェニックスの計画に対して農水省はどういう態度をとっていますか。
#53
○説明員(尾島雄一君) フェニックスの法案につきましては、農林水産省といたしましては一番大事なことは漁業に悪影響を及ぼさないということを基本的な方針として、厚生並びに運輸両省と十分協議調整を実は持ってきたわけでございまして、この法案に基づきまして具体的な埋め立て計画が今後検討されていく段階で、計画策定の段階が一つ、それからもう一つは実施の段階で、この点については関係漁業団体への説明を十分やってほしい、それから意見の聴取が十分行われまして、漁業に悪影響を生じないための万全の配慮がなされるように、農林水産省としても十分対応していきたいというぐあいに考えております。
#54
○坂倉藤吾君 対応の関係はまあともあれ、いま漁民の皆さんが大変このことについて関心を持ち、心配をしている、率直に言って心配をしているわけです。これができなければ心配がないわけですが、もうすでに心配をいたしましていろいろやっているわけですから、ぜひそれを踏まえてあなたの方ももう一遍これを検討してもらわなければいかぬ。何か聞くところによるとややこしい協定等もあるとかないとかいう話もありますけれども、農水省は漁民の代表の立場も踏まえて一般よりもさらに責任は重いわけですから、ぜひひとつ注文をつけておきます。
 それから最後にアセスの問題に入りたいと思うのですがね。昼のニュースを聞いておりましたら、自民党内のアセス問題懇談会ですか、きょう何かお開きになったというニュースが流れておりましたが、これは長官は御出席になったのですか。
#55
○国務大臣(鯨岡兵輔君) お許しをいただいて、まことに恐縮ですが、先生方にちょっと聞いておいていただきたいのは、先ほどから御心配いただきました水質の問題は、水質の合格点を百点として海が八〇%合格点なんです。それから川が六五%なんです。湖沼は四〇%なんです。四十点なんです。皆さんがそれぞれの立場で努力していることは私はよくわかっている。ですが四十点なのです。だから何とかしたいということでございますので、どうぞ先生方も御了承の上御心配を引き続いていただきたいと思います。
 それから、いまアセス懇談会に私が出席していたかしていないか、しておりません。きょうもずうっとしておりません私は。
#56
○坂倉藤吾君 一番かぎを握っていたところのように思いましてね。長官がまず与党の賛成を得なければと、これは前回も言われているわけですね。とすれば、長官が一番のもとのところの説得のいいチャンスじゃなかったのだろうか、こういうふうに思いまして、これはまとまらなかったという話ですから、私は多分長官が出ておればまとまっておったのじゃなかろうかと思いましてお聞きをしたわけなのです。それで、どうもそのあわせてのニュースによりますと、あす何か政調会ですか開かれて、そしてあさってがもう一遍、これは総務会ですか、ここで態度が最終決定をされる、こういうふうにお聞きをいたしました。これは事実かどうか、自民党内のことでありますけれども、一応政府・与党でありますから、そういう手続になるのかどうか、ひとつ確認をしたいと思います。
#57
○国務大臣(鯨岡兵輔君) お答えだけいたしますが、聞くところによりますと、あした政審に上げて政審で御審議がいただけるというところまでは報告を私のところの職員から受けております。
#58
○坂倉藤吾君 そうすると、あさっての総務会までというのはお聞きになっていない、こういうことのようですが。ところで私が一番心配をいたしますのは、これも報道によっての私の認識ですが、九日に経団連の会館で安倍政調会長が講演をされまして、その端々の中に五点ほどきわめて問題だと思う点があるのです。その一つは政治の分野ですね、あるいは政府、これは行政の立場ですね。これが経済の中に介入することについては問題だ、いわゆる経済は経済に任すべきだと、こういったてまえでしょうと思いますがね、これが一つ。それから民間の活力を積極的に大きく培養しなければならぬ、で、その培養しなければならぬということが前提に立ちまして、いまの経済への政治、政府の介入はだめだ、それから民間の活力を培養しなければならぬと、この二つが筋になまして、したがって法律によって、アセスのことです、法律によって全国に網をかけることはいかぬ。それからその次は、具体的にいま自民党で相談をいただいている環境庁案に対して思い切って修正をしたい、こう言い切られていますね。さらに、この最後が一番重要なのですが、その修正を政府がのまなければ提出できない、こう言われているわけですね。これは環境庁長官、本当に夜も寝ないぐらいアセスの提出に向かって、中身はともあれ、大変な御努力をされて、まさにわれわれからながめておっても体を張ってという感じが当てはまるのじゃなかろうかというふうに実は理解をしているのですがね。そこへ向けてまるっきり砂ぼこりぐらいならいいのですけれども、土砂どころじゃなくて、大きな石が上からがさんと落ちるような、岩が落ちてきたように、これは落石注意どころの騒ぎじゃないと思うのですわ。こういうことがあるのですが、この法案に関しましていまの動きに対して長官は一体どう対処されるのでしょうか。
#59
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 政調会長の安倍さんが経団連へ行って講演なさったということは私は存じませんし、また書いたものでも読んでおりませんからよくわからないのですが。それはそれとしてやはり私もそう思いますよ。自由経済でこれだけ伸びてきたのですから、これからも自由経済でやっていった方がいいと基本的にはそう思います。ただし、自由と言ってもそれに歯どめをかけるといいますかね、そういう面が二つあると思います。一つは公取のやり方です。もう一つは経済は目的じゃないですから、経済は手段ですから、目的は幸せな生活ですからね。ですから、煙突からどんなに煙を出そうが、どんなに振動しても社長さんはいいですよ、高級住宅街に住んでいるのですから。工場の近所に住んでいる人はひどい目に遭っちゃうのですからね。ですから、その点については規制をするというようなことは、これはだれだってわかることだと思います。それで、当面アセスメントの問題については、私はわかりません。それは何かかげ崩れみたいなことになると、こういうことですが、どういうことかよくわかりません、まだ私どもの方には来ておりませんから。われわれは去年の五月二日に各省庁が合意したのですから、合意して法案をまとめたのですから、私のところにあるものは。そしてまた、先生の御表現をおかりすれば、私が一生懸命になって皆さんに御理解をいただこうとして努力してきたことは、この各省庁が合意した線で努力してきたのでございます。ただ、議会政治でございますからね、政府・与党である自由民主党のフィルターを経なければ国会へ出ないことは、これまた御理解いただけることだと思います。そこで、国会へ出す以上は、おれのところのフィルターを越したならばこういうふうになったよ、これでいいかいということを私のところに言ってくる時期がきわめて近日中にあるものと思います。そのときになって考えなければならぬ、こう思います。
#60
○坂倉藤吾君 そうしますと、そのフィルターに引っかかって残るのがいわゆる電源開発関係を対象事業から外す。それを取り除いたものがフィルターから通して落ちてくると、こういうふうにわれわれは受けとめるのですが、そういうことになったときに長官は、それはもうフィルターにかかって落ちてきたものだけでしょうがありませんよ、こういうふうに思い切るということですか。
#61
○国務大臣(鯨岡兵輔君) そう思うか思わないか、まだ私のところに落っこちてきていないですからね、ちょっとこう思えないのですが、それはそれとして、私はアセスメントというのは何だという――一般国民に聞きますと、百人のうち、一人もいないとは思いませんけれども、十人以上はいませんよ。
 そこで、これほど重要な、また先生の御表現をおかりすれば、私がいかなる運命のめぐり合わせか、こういうときに環境庁長官になって、それこそ本当に努力をしてまいりました。このことが百人のうち十人もわからないことですから、私は、国民を代表する衆参両院の先生方に、仮にがけから山崩れだか何か知りませんが、ぼろぼろになってもここでいろいろ御審議をいただく。そしてアセスメントというものはどういうものなのか、そしてどういうために国民に必要なのかということがわかってもらえることを期待しております。御審議をいただくその案が、できるだけ私どもの各省庁合意の上でできた去年の五月二日の線であることを望みますが、申し上げましたような次第ですから、政府・与党である自由民主党がさんざん骨折ってどういうふうな結論にしていただけたのか、それが来てからわれわれは考えて、そしてわれわれの決意を定めて、御審議をいただきたい、こういうふうに考えております。
#62
○坂倉藤吾君 時間ですから最後に私の考え方をちょっとだけ言っておきますが、私どもはいま一応関係各大臣方の合意を得たもの、それ自体でも基本的にはきわめて問題ありと、こう見ている、ましていま報道をされておりますように、電源開発関係にかかわるアセスがなかったら、それが対象にならなかったら、まさにこれはアセスの価値はない、こう考えざるを得ません。今日までの政府の土地収用法にかかわる土地収用の件数、これは地方まで含みませんが、国の関係だけでもながめてみまして電力にかかわるものが第二位です。第一は道路ですが、第二位です。土地収用までかけてやらなければならぬような課題、これはごく単なる一部ですね、そういう問題まで含めて出でおるわけでして、どうも電源開発関係を該当事項に入れると、前にも論議がありましたように、いわゆる法廷闘争が各所に頻発をして困るじゃないか、こういう理由でどうもひっかかっておるようですが、もし環境庁の長官が、あるいは環境庁が電源開発を対象から外すようなことになったらもうアセスの価値はないし、環境庁のそれこそ生命はない、私はそういうふうに思っているということだけ申し上げて終わりたいと思います。
#63
○委員長(山崎昇君) この際、午後三時四十分まで休憩いたします。
   午後二時四十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時四十三分開会
#64
○委員長(山崎昇君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、公害及び環境保全対策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#65
○馬場富君 環境庁に、先ほど坂倉議員が質問されたアセスメント、湖沼、それからNOxのこの三点について簡単に二、三点質問いたします。
 最初に、アセスメント法につきましては、昨年も私が長官にこの問題で質問いたしまして、長官から、必ず提出するという力強い確約もいただきましたし、また所信表明等でもその点についての約束がされておりますけれども、この前の委員会でわが党の小平議員が三月十八日にこの問題について長官に質疑した段階では、自民党の方で二十日までぐらいの日程が必要だ、それまでにやはり審議を終えて出すようにしていきたいから期待してほしいというような言葉も、長官から得ておるわけです。先ほどの答弁の中でもそういうことが出ておりますが、この法案につきましては前大平総理、また鈴木総理も予算委員会等でも出すことの確約をしてみえますけれども、その後経過が非常に何転か、転々としておるような状況で、雲行きの悪いような話も二、三承っております。
 そんな中で、先日長官が三月二十六日の朝日新聞で、「アセス法制化なぜ反対 命・健康守るころばぬ先の杖」という力強い投書があるわけですけれども、非常に感激して読んだわけですけれども、そうしたらその二、三日たったら、今度同じやはり投書欄で、官民党の環境部会の会長名で、「アセス法制化は適切でない」こういう記事を見て実は私はびっくりしたわけですよ。そして、昨年五月二日の時点では、自民党環境部会は了承もされて、国会提出についてもやはり前向きである、一部自民党の商工部会の方について反対があるということが、私の昨年質問したときの自民党内の状況であったようでございますが、これは大変なことになった、これはまた全然違うんじゃないか、党内で感情もつれでもしたのか、それとも法案上に一大異変が起こったのかと、大変私はいま心配しておるわけですけれども、ここらあたりの問題に何か異変的なものがございましたでしょうか、長官。
#66
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 現職の国務大臣が、その所管事項について頼まれもしないのに新聞に論説を積極的に出すなどということはちょっと異例なことでございます。私はずいぶんちゅちょいたしたのですが、ぜひ国民にこのアセスメントというものをわかってもらいたい、こういう気持ちがありましたので、そして先ほどの御審議の際にも申し上げましたように、十分に国民にまだ御理解をいただいているとは思っておりませんでしたので、新聞にああいう論説を積極的に出したわけであります。
 またこの問題については、政府・与党である自由民主党の中にいろいろ御心配する向きがありまして、特にエネルギーの問題等は、先生方も御心配のように、自由民主党の中でも御心配になる方がおられまして、このアセスメント法案をそのまま法律化したならば、そういう代替エネルギーの問題などにいろいろ支障があるのではないだろうかというような心配が当然出てまいるわけでございましょう。
 そこでまあいろいろ論議があったようでございますが、その結果は私は現時点においてはよくわかっておりません。ただ、伝えられるところによると、いろいろ修正をしなければならぬというようなことも一部に言われているようでございますが、申し上げましたように、いまの時点においてはどういうふうなことになるのかよくわかっておりません。
#67
○馬場富君 与党である自民党の環境部会というのは、やはりこの法案上重要な地位だと私は思うのです。そういう関係と、この法案を提出する主体である環境庁長官との間に大きい食い違いがあったならば、これは私はなかなか長官が幾ら力まれても非常にむずかしいのじゃないか。そういう、そこらあたりのいわゆる食い違いの点がどんなところにあるのかと、またこれは調整可能なのかどうか、ちょっと長官にそこらあたりのところをお聞かせ願いたいと思います。
#68
○国務大臣(鯨岡兵輔君) ただいま申し上げましたところで御理解をいただけるものと思い、また御理解いただきたいと思いますが、
   〔委員長退席、理事坂倉藤吾君着席〕
現在、経済がなかなかむずかしい。御承知のとおり不景気でございますし、それからエネルギーの問題などもありますし、こういう際に、これも先ほどお答えをした中にございましたように、私どもの方は自動車にたとえればブレーキですから、転ばぬ先のつえですから、アクセルを踏もうとしている方々にとってはしばしばブレーキはちょっと邪魔になるなというように思われるのは私はわかるのです。しかし、そこのところをもう一遍深く考えていただきたいというのがわれわれの方の立場でございます。別に根本的な考えに私は差があろう道理はないと思いますが、経済の問題を考えればちょっとどうかなというような御心配はあるのじゃないかと思います。
 そういう点でいままで時間をとりまして私としてはまことに残念、恐縮でございますが、一日も早く国会に提出して、衆参両院の先生方に国民の見ている前で御審議をいただきたいという切なる気持ちがあります。まことに申しわけない次第ですが、いましばらくひとつお待ちをいただきたいと思います。
#69
○馬場富君 この提出以前のスケジュールでございますけれども、この法案につきましては政調会長の要請を受けて内閣官房長官が閣議で発言して関係閣僚協議会を設置し、検討して具体的に内閣審議室が中心となってこれを一つは進めておる、この内容については新聞等の報道を見ますと閣議了承がなされておると、こういうように聞いておりますが、この点はどうでしょうか。
#70
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 政府原案がまとまるまではそういうふうな形でやってまいりました。そして、現在はそのまとまりました政府原案を政府・与党である自由民主党の政調会で御審議をいただいている、もし政調会の方で御審議が終われば自由民主党の総務会に、他の法案と同じですが、かけて、それが決まれば国会提出ということが決まる、こういう段取りだろうと私はいま承知いたしております。
#71
○馬場富君 じゃ、閣議了承は内容についてはされておるが、それは変更もあり得ると、こう受け取っていいですか。
#72
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 去年の五月二日に各省庁が、かなり紆余曲折はありましたが、合意をいたしました。そして、それは閣議に諮って閣議のフィルターを通ったわけでありますが、議院内閣制ですから、やはりそれは与党である自由民主党のフィルターを越えなければなりませんから、同じことになりますかあるいは一部手直しというようなことになりますか、それはよくわかりませんけれどもそういう段取りだと思います。
#73
○馬場富君 いままでの法案の審議や国会での提出のいろいろな過程を見まして、やはり最終結論が閣議決定ないし了解だと、こういうふうに私は思うのですが、そこらあたりどうなのですか。
#74
○国務大臣(鯨岡兵輔君) もし政府・与党である自由民主党の政調会などでこの政府の考え方ではだめだ、これは一部手直ししなければならぬということになりまして、それが最終議決機関である総務会もそのようになったと、こういうことになりますれば、当然閣議に諮られ、そして閣議で政府・与党の自由民主党がそう言うのならばそうしようというような、そういう段階はあろう、こういうふうに思います。
#75
○馬場富君 それでは長官は、先に閣議で了承された内容がいままた自民党内でひとつ検討されておる、こういうふうに受けとめられるわけですけれども、閣議了承された法案というのはもちろん長官が知らぬで閣議了承されるわけではありませんから御存じだと思いますが、その閣議で了承された内容というものは、長官はそれで最もよき方法だと、こう御理解されていますか。
#76
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 現在、政府の、去年の五月二日ですから当然私はまだ大臣に就任しておりませんでしたけれども、それがいま万全のものだと現在は考えております。
#77
○馬場富君 その案でいきたいということが、長官のやはり決意でございますね。
#78
○国務大臣(鯨岡兵輔君) そのとおりでございます。
#79
○馬場富君 先ほど坂倉議員からの提案もございましたが、産業界の問題等で特に発電所やそういう関係のことが非常に論議の一つは点になっておるということも聞いております。長官が新聞にも報道されてあえて勇気を出して国民に理解を求めようとして見える環境アセスメントというものが、そういう点で本当の国民の身近なものであるだけに、やはりこれは国民が納得できる公平なものでなければならぬと思うのですね、出す以上は。そしてみんな納得できるようなものでなければ、ああいうものは外してこういうものはだめだったというような法律であったならば、これは私は不信を買うような法律案になると思うのです。こういう点で私は何とは申しませんが、いま報道等でいろいろ論議されている問題がございますが、そこらあたりは私は本当に、先ほど長官がおっしゃった、部会ともまた長官ともやはり帰一するところは一緒なんだ、産業界でも話せば理解できる点があるのじゃないかと、そういう点でやはり共通点を見出して、国が決める法律である以上、国民が納得してこの法案を力あるものにしていくようにしなければならぬと思うのですね。そこらあたりの問題について、長官の、もう一点変更等のいろいろな議論の中で出ておる問題ですね、それに対してのお心構えを聞かしていただきたいと思います。
#80
○国務大臣(鯨岡兵輔君) いま政府各省庁が合意をしている、そして私がこれが万全だと思っている法律の案はだれに権利、権限を与えるものでもございませんから、これがたとえば一部修正されたとしても公平とか不公平とかいう問題が出てくることではないとは思いますが、しかしながら万全のものはいまの案だというふうに私は考えておるわけでございます。何とかしてこの万全なものが政府の案として先生方に御審議をいただきたいという気持ちは変わりません。
#81
○馬場富君 成立の見通しの時期でございますが、もうあと一カ月会期も残すことになってきておりますし、常識的に考えてもやはり審議期間も十分考えられないというようなところまで差し迫ってきておりますし、先ほどちょっと廊下でお聞きした点では、総理はきょうの決算委員会で連休前に決着を必ずつけるというような答弁もなさったように聞いておりますので、そういう方向に来るのではないかと思いますが、環境庁としてやはりこの議会中に成立可能と、この後残された期間等で可能と見て長官はこれを進めて見えるかどうか、どうでしょう。
#82
○国務大臣(鯨岡兵輔君) その点が申しわけないことなんで、私は衆参両院これ長くここにおりますから、いままでのことも考えに入れて一日も早く国会に提出しなければ先生方に御審議をいただく時間が少なくなるわけですから、それでやきもきしたわけでございますが、今日までおくれてしまいましたことはまことに残念であり、申しわけのないことだと思いますが、しかしながら、やはりこのことについて心配の余り遅くなってきたわけでございますから、それはそれとして御了承いただくとして、残り少のうございますから、そして、私はまだ直に聞いておりませんが、総理も決算委員会で御決意の表明があったようでございますので、できるだけ総理の御趣旨にも沿って、早く国会に提出されて、おしかりを受けるならおしかりを受けるように、御納得がいただけるなら御納得がいただけるように衆参両院の先生方の御審議をいただきたい、こういうふうに思っているわけであります。
#83
○馬場富君 特に、何年越しか、もうこれみんな忘れかけられるような長期間を通じて国民に論議されてきたわけです。だから、どうか長官、あなたも先ほど、非常に宿命的な長官だという意味のことをおっしゃっていましたけれども、本当にそうじゃないかと思いますが、日本で初めてアセスメント法ができるときの立場にあるわけですから、将来のためにも、国民のためにも、禍根を残すことのないような勇気を出して私は取り組んでいただきたい、こう思いますが、いかがでございましょうか。
#84
○国務大臣(鯨岡兵輔君) とにかく法案がまとまりまして、どういうことになりますか、先生方に御審議をいただくことになりますので、まさに画期的なことでございますから、どうぞひとつその際は、十分、おしかりをいただくところはおしかりをいただき、御納得のいただけるところは御納得をいただいて、将来の日本のために、また地球的規模の環境のために、よろしく御審議をいただきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
#85
○馬場富君 次に、湖沼法の関係でございますが、これはわが党自体も提案をしようとした法案でもございますけれども、政府案が進められておるということで結構なことでございますが、御存じのように、湖沼というのは先ほど何点か論議されましたように閉鎖性水域でございますので、特にこれが水道の資源になっておるという点で、飲料水等に使われておるという点で、一刻もゆるがせにするわけにいかない重要な内容があるわけです。そういう点で、このことについては、先ほど坂倉議員が質問されましたので、この法案の進め方について、私は一時にいま中心になっておるのはやはり中公審の答申が基準ではないかと思いますが、この一つのポイントだけは法案の中にぜひ外さないようにしてほしいと、こう考えますが、この点、どうでしょうか。
#86
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 申されたとおりでございまして、中公審の答申を基礎として私どもは考えておるわけでございます。
 先ほども申し上げましたが、みんな努力しているのですよ。先生方にお決めいただいた従来の法律その他に基づいて、それぞれ、地方も中央も、みんな努力しているのです。それをいささかも疑うものじゃないのですが、それにもかかわらず百点満点のうちで四十点しかとれてないのですかう、それでは国民に申しわけがない。だから何か新しいことを考えてやらなければならぬ。まさに中公審の答申もそういう線でございますから、その線に沿って法案の用意をいたしておるわけでございますが、いろいろ努力している方々からは当然意見が出てまいるでしょう。その意見のすり合わせで少し時間をとり過ぎているような感じがいたしまして、まことに恐縮千万でございます。これまた、アセス、NOx、みんな同じ性格のものでございますが、せっかく努力をいたしまして、近日中に先生方の御審議がいただけるように持っていきたい、こう思って努力いたしておるわけであります。
#87
○馬場富君 もう一点。
 先ほど問題になりましたNOxの総量規制の見直しの問題でございますが、長官も決意されておりましたように、政治的にも行政的にも、これは政治責任の問題であって、当然出さなければならないとおっしゃっていましたが、そのとおりだと思いますが、これにつきまして、五十三年の七月に環境基準の緩和がございましたときに、やはりそれと並行して、五十四年の八月からスケジュール的に進められておるわけですから、このスケジュールはそのままでいかれておるのか、それとも変更があったのかどうか、そこらあたりをひとつ説明してもらいたいと思います。
#88
○政府委員(三浦大助君) 五十三年の七月に基準の改定がございまして、五十四年の七月から総量規制のためのいろいろな準備に入ったわけでございますが、この時点で、昭和六十年に〇・〇六を超えるところは、これは総量規制をしなければいかぬ、こういうことで調査をしたわけでございますが、一年かかって調査をいたしました結果、五十二年のデータで総量規制が必要だろうと予想されたところは、東京、神奈川、愛知、それから大阪、兵庫、福岡、この六県でございました。六十年のシュミレーションをやったところ六十年にどうも達成できそうもない、こういうところが東京、神奈川、愛知、大阪、この四都府県になったわけでございます。したがいまして、いま、作業といたしましては、この四府県に窒素酸化物の総量規制の導入をするということで進めておるわけでございます。
#89
○馬場富君 それで、その四地域はわかりますが、そのスケジュールについては、四地域でその総量規制を実現するために、五十五年度末までに大気汚染防止法の政令改正を行うために、四月からNOxの削減計画を作成するという段階で進められてきておると聞いておりますが、この点はどうでしょうか。
#90
○政府委員(三浦大助君) 四地域につきまして私どもの当初の計画は五十五年度内に政令の改正をいたしたいということでございます。改正の中身につきましては、これは、総量規制の中に窒素酸化物という物質を一つ加えるという作業と、それから四地域を指定するという作業、それから六十年という目標を立てる作業、三つのことがあったわけでございます。この政令改正をいたしますと、五十六年度一年間かかりまして都道府県知事が削減計画を細かくつくる、こういう手順でやってきておったわけでございますけれども、その政令改正がいまのところちょっとおくれておる、こういうことでございます。
#91
○馬場富君 その政令改正がおくれたわけでしょう。五十五年度内にできるということだったですから。そうでしょう。だから、そのおくれた理由は何でしょうか。
#92
○政府委員(三浦大助君) 私ども、一応地域を指定いたしましてから寸都道府県知事が細かい削減計画をつくる、こういう予定で進めてきたわけでございますけれども、その段階になりましていろいろ関係方面で一つの不安が出てまいった、ごういってとでございまして、その一つを申し上げますと、固定発生源について削減量がどのくらいになるのだろうかということなのでございますが、これにつきまして、私ども、都道府県知事が細かい削減計画をつくる段階で細かくわかってくるわけでございますけれども、その辺はいまの段階では細かくわかりません。ただ、私ども、その疑問に対しましては、削減量は一、二割程度じゃないだろうか。したがって、脱硝施設等の非常に高額な設備投資は必要ないのじゃないだろうか。むしろ、最近燃焼技術が非常に進歩してまいりましたので、燃料転換、あるいは燃焼技術の改善、こういうことで進んでいくのではなかろうか。したがいまして、必要な投資額が、この前も委員会の方で質問がございましたけれども、大阪だけでも三千億もかかるのじゃないか、こういう御疑問に対しましては、私どもは、これは五十億程度ですよと、少し具体的な細かい数字を挙げていま関係方面の御理解をいただいておる。また、第三番目に大きな問題といたしましては、NOxの発生源として、車がございます。したがって、工場だけいじめるのじゃないだろうか、こういう不安があるわけでございますが、私ども、決して、そんなことはございません、車は車でいま非常に厳しいNOxの規制をかけておるわけでございまして、これが六十年になりますとかなり車はふえますが、NOxの全体の排出量といたしましては六割程度に減ってしまいます。それでもなおかつ車の移動発生源の対策のほかに交通規制その他もいろいろ考えながら、工場と移動発生源と両方ひとつ相まって、みんなで協力してやっていこうじゃないか、こういうことでいま大まかな目標をつくりまして関係方面の御理解を得ている、こういうことでございます。
#93
○馬場富君 長官にお尋ねしますが、三月二十五日の時点で長官は、環境部会との検討のことを新聞で発表してみえましたが、約一カ月ぐらいもかかると。先ほどの答弁もそのことの意味が出ていましたが、六十年の基準達成は可能だということでございましたけれども、日程からいきまして、いまの答弁からいきましても、やはり三月いっぱいがいまの五十五年度改正からいけばタイムリミットだということになるわけですけれども、いまこういう時点に来て、果たしてこれできるかどうか、間に合うかどうかということ。それから、その間に環境部会との調整ができなかったならば長官はどうなさいますか。そこらあたりの問題。先ほどの説明でもございましたように、これはもう明らかに五十三年の七月の時点にさかのぼりまして、長官のおっしゃったとおり、政治的、行政的な私は責任問題だ、鈴木内閣の信任の問題だと思います。そういうような内容を含めた問題です。そういうような事態になったときにこれは長官が、そういうようにおくれるようになったときにどのように進められるか、御意見をお伺いしたいと思います。
#94
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 先ほども申し上げましたし、またしばしば私が申し上げていますことは、この衆参両院の委員会、本会議はもちろんですが、を通じて、政府、行政機関が約束したということは国民に約束したことですから、これは守らなければいかぬ、もしそれが守れないならば守れないだけの当然の理由があって申し開きができるようなことでなければならぬと、これが基本であります。そして、このNOxの問題は、〇・〇六に下げましたときにずいぶん不安があったわけです、世の中には。しかし、その不安に対しては環境庁は自信を持って、間違いないです、これは大丈夫です、こう申し上げたのです。そこで衆参両院の委員の先生方は、わかった、それじゃそれでいいだろう、そのかわり六十年までには必ずこれを達成せよ、日本じゅうどこも六十年までに達成できないということがあってはならぬぞということを附帯決議で申されたわけです。それにこたえて当時の長官は、必ずそういたしますと約束をしたわけですから、六十年までには日本じゅうどこでも〇・〇六ppmよりも悪いところがあってはならないわけであります。
 そこで、いま局長が御答弁申し上げましたように、だんだん調べてまいりますと、どうも東京を初めとして四地区ぐらいは危ないということでございますから、そこで今度はその地区の知事さんを煩わせて計画を立てて、地域を指定して総量を規制しなければならぬ、こういうことになったわけです。計画に一年かかる、その計画に基づいて実施するのに三年かかるとすればことしの三月三十一日までに政令を出して地域を指定して総量規制しなければならぬ、こういうことでございましたが、いま局長が申し上げましたような事情でおくれました。おくれたということは計画を立てる日にちが狭まったということです。もしくはその計画に基づいて実施する日にちが狭まったということで、その方々に対して申しわけのない次第であります。
 問題は前に戻りまして、六十年までにその基準を達成するということはこれは動かすことができないのですから、そこで計画を立てる方、その計画に基づいて実施をする方に迷惑をかけないようにわれわれは一日も早く政令を出さなければなりません。おくれましてまことに申しわけないのですが、もう大分御理解もいただいてまいりました。産業界なんかにも御理解をいただかなければなりません。いただかなければなりませんが、産業界が理解しなければ出せないというものじゃないですから、これは。そろそろ政府の責任においてやらなければならぬ、こう考えておるわけでございます。
#95
○馬場富君 それじゃ次に移りますが、海洋汚染の問題の中で私は特に廃油関係の汚染の問題についてこれから二、三の質問をいたします。
 環境庁長官の所信表明を見ますと、この狭い国土の中で環境保全ということがなかなか大変な課題だという中で何点か問題点が述べられておりますけれども、海洋環境の保全という点は触れられておらぬわけです。海洋というと陸地の二倍の面積を持っておりますが、漁業やらあるいは海運業やら人間生活の場として非常に利用される一つは大きい場でございますが、私たちの人間生存に欠かすことのできない必要な酸素の八割をここで生産しておりますし、また太陽エネルギーを水温に変える、気象変動のコントロールもしておるというような意味で、これは表面には出ていませんが大きな私たちの環境の調整の意味を持ったものが海洋でございますけれども、こういう点につきまして環境庁長官としては、この海洋環境の保全の問題についてどのようにお考えですか。
#96
○国務大臣(鯨岡兵輔君) わが国は先生御指摘のように四面海に囲まれているところであります。また地球的に考えましても地球の表面の三分の二は海であります。そして海は人間が生きていくためにあらゆる資源の宝庫としても、それから酸素などをつくるところとしても決して汚してはならないところでございます。
 そこで昭和五十五年の十二月二十日に、地球的規模の環境問題に関する懇談会から「地球的規模の環境問題に対する取組みの基本的方向について」という報告を受けましたが、その中でも、海洋の重要性にかんがみて政策の基本的方向としてわが国も海洋の調査や国際協力の充実を図るべきであるということが示されております、そこでそれを持って私はOECDやUNEPに行きましたことは先般御報告を申し上げたとおりでありますが、その際も、UNEPのトルバ所長などから、日本は特に海洋問題についてひとつ十分な配慮をしてもらいたい、こういうような話もありました。私どもはこれからこの国の置かれた状況から見て、特に海洋問題については十分な配慮をしていきたい。それは一つには、申し上げましたように日本が海に囲まれていますし、海が汚れれば直接に被害をこうむる国民でありますから、もう一つは、この海を保全することが地球的規模の環境を維持するという意味でも重要であるから、この二つの面から十分な努力をいたしていきたい、こう考えておるわけでございます。
#97
○馬場富君 私は、いまの海洋の生態系の異常が見られ始めてきておるという点について質問いたしますが、水俣病の書物を読んでおりますと、水俣病発生前に非常にネズミがふえて何とかしてほしいという声が出たということが書かれております。ネコが水俣病と同じ病状でネズミをとらなくなったということからこういうような現象が起こったと、こう推定されておるわけです。
 最近の状況からいきますと、マツノザイセンチュウやあるいはユスリカなどが大量発生して非常にそれ自体異常な発生の状況ができておるわけですね。それからまた、非常にそこでやはり自然の持つチェックアンドバランスの機能が失われておるというのもこういうような状況から心配されるわけでございます。
 たとえばトキが滅んでしまったとか、あるいはセタシジミがとれなくなったとか、こういういろいろな問題が、学術上または生活上の損失もございますけれども、自然の中でこれが住めなくなってきた、育たなくなってきたという一つは警告でもある、こういうふうに私はこれをとるわけでございますが、このように生態系の変調が私たちの住むこの地球、日本の中にも起こりつつあるということをやはり考えなければならぬじゃないか。たとえば海洋等ではオニヒトデが大量に発生しているとか、あるいは奇形魚がかなりとれ始めておるとか、あるいは普通とれた魚がとれなくなったとか各所で報道されるという状況が出ておるわけです。こういう点で環境庁は、廃棄物の投棄による海洋環境への影響に関する調査研究費及び日本近海海洋汚染実態調査費を予算として計上してみえますけれども、これについてどのような調査をされようとしておるのか。また、いま私が指摘した海洋環境の生態系の調査ということについては、どのようにお考えになっておるか、ひとつ答弁していただきたいと思います。
#98
○政府委員(小野重和君) 生態系が変わるということでございますけれども、これには海洋汚染という要因もあるかと思いますが、一方では自然的要因もあるということでありまして、この辺の原因をどう考えるかというのがなかなかむずかしい問題かと存じます。
 たとえば、いまオニヒトデのことを御指摘になりましたけれども、オニヒトデの異常繁殖ということは、一九六〇年以降世界的に起こっているわけであります。わが国では一九六九年ごろから沖繩、奄美で始まっているわけでございますが、その原因はいろいろ調べているわけでございますけれども、まだ不明であるというようなことであります。奇形魚の発生という問題も伊勢湾であるわけでございますが、これはどうも寄生虫が原因ではないかというようなことがございます。いろいろございますが、しかしながら、やはり生態系の変化というものが、原因が海洋汚染であるとするならば、これは重大な問題でございますので、そういう問題も含めまして、海洋汚染の防止にできるだけの努力をしなければならないと思っております。
 そこで、その前提としてたとえば廃棄物を原因としてどういうふうに海洋環境への影響があるかというようなことでございますが、この調査研究につきましては、昨年の十一月にわが国もダンピング条約を批准しておりまして、これに伴いまして、廃棄物の海洋投棄を適正に実施していくというために、海洋環境に与える影響について評価方法などを調査検討するという予算を五十六年度で計上いたしております。これは初年度でございますので、五百万程度のものでございますけれども、いろいろな文献、資料の収集とか委員会方式による検討等を五十六年度はするということにいたしております。
 また、廃棄物というわけでは必ずしもありませんが、海洋汚染につきまして実態調査を日本近海についていたしておりますけれども、五十四年度から実施しております、これは日本近海の海流とか、それから廃棄物の排出海域などを考えまして、陸の方から海の方に線を引っ張りまして、大体二百海里ぐらいの線ですが、その線上の数点を、ポイントをとりまして、そこで水質とかあるいは底質等々につきまして、実態調査をするということでございまして、予算額で申しますと、五十六年度では九千八百万、約一億円近い予算を計上して調査をいたしておるところであります。
#99
○馬場富君 世界一周をヨットでされた堀江さんが、廃油のふえ方で日本に近づいたことがわかったということを言っておりますが、これはやはり日本の近海が油によって汚染されておるという一つの証拠であると思いますが、環境庁はこの点について海上保安庁等に申し入れを行ったと言われて有りますが、その内容について御説明願いたい。
 また、油の流出による海洋汚染の発生件数を海上保安庁はどのように確認してみえるか、またその実績とか特徴及びその状態等について説明いただきたいと思います。
#100
○政府委員(小野重和君) これは御案内かと存じますが、出光タンカー所属の徳山丸が土佐沖でスラッジを不法投棄したという事件がございまして、これを契機にいたしまして、昭和五十五年の四月十六日付でございますけれども、運輸省に対しまして、海洋汚染の防止のための指導監督、その他所要の措置につきまして、なお一層推進していただくようにという要請文を出しております。
#101
○説明員(土屋彬君) 油の流出によります海洋汚染の発生件数を海上保安庁はどのような形で確認しているのかというのが第一点でございますが、これはわが巡視船艇、航空機、こういったものによりますところの監視のほか、民間のモニター制度等を活用し、その他通航船舶等からの報告も活用いたしまして、近海におきます油汚染の実態を可能な限り把握するように努力いたしております。
 なおかつ、また、過失等によりまして油を排出した場合は、法律に基づきましてわが官署に通報しなければならぬということになっておりますので、そのような形で情報を収集いたしております。
 その結果、油による海洋汚染は年間約千二、三百件先ほど申しましたようにございます。このうち船舶からのものと目されるものが七、八百件ございます。この船舶からのもののほかに、先ほども申し上げましたように排出源不明というものが四百件程度ございます。船舶からということがはっきりわかりましたもの七百八十件について分析してみますと、タンカーからのものは約一五、六%、百二、三十件、それ以外が他の船舶からというふうな形になっております。これらの取り締まりには鋭意努力しておるわけでございまして、船舶からの油の排出事犯の送致件数等につきましては五百八十二件、昨年の実績でございますが、五百八十二件、タンカーはその約二〇%、百十五件を送致いたしております。
#102
○馬場富君 ちょっと海上保安庁、昨年七月から十一月にかけて六回にわたって沖繩の周辺に廃油ボールが流れついて、あの辺の非常に漁業や観光等に被害を与えておるということが報道されております。この原因は何でございますか。
#103
○説明員(土屋彬君) この事件は、私ども漂着いたしました廃油ボールを分析いたしまして、その他種々の状況から考えまして、付近を航行する大型タンカーから排出されましたバラスト水寺の廃油に起因するものというふうに考えております。
#104
○馬場富君 運輸省の方にお尋ねいたしますが、最近この廃油の処理施設による廃油処理実績が昭和四十八年をピークにして二割程度減じておるということを言われておりますが、その理由は何でしょうか。
#105
○説明員(高田陸朗君) 廃油処理施設の稼働実績が四十八年をピークにしてその後漸減傾向にあるということは事実でございます。その原因としては私ども大まかに三つほどあろうかと、そう考えでございます。
 まず第一点は、昭和四十八年の石油ショックを契機といたしまして、わが国周辺の海運情勢が多少変わってきたということでございます。特に原油、石油製品等を輸送する海上輸送量が減ってございます。そういったことで一時的に石油ショック後減少した、そういうのが一つの原因でございます。
 第二の原因といたしましては、船舶の運航コストの軽減を図るために、船舶は処理しなければならない廃油の発生量を極力抑えるような工夫をこらしてきておるということでございます。たとえばセパレート・バラスト・タンクを装備するようになったとか、そういった船舶構造の改善によってだんだんと発生量が減っていくというのが第二点目の原因かと思います。
 それから、第三点目といたしましては、廃油の経済的価格が上昇してまいりましたために極力それを再利用しよう、そういう傾向があらわれてございます。こういった大きく三つの原因によって処理実績が多少減少しておるということで、不法投棄がふえたために廃油処理実績が減ったのであるとは考えてございません。
#106
○馬場富君 それでは、いま三点のために二割程度減ったという説明でございますが、それじゃいわゆる油の移動の落ち込みがあったという点ですね、最初の。これは国内の油の貨物量としてどのように数量としてはあらわれておりますか。
 それから、第二点のそういう船の改善をしたと言いますが、そういう改善した船というのはどのくらいの数になるのか、それはどのくらいの輸送比率になるのかという点。
 それから、廃油の再資源化ですね。それじゃ再利用しているタンカー数というのはどれだけの数があるか、この三点はつかんでみえますか。
#107
○説明員(高田陸朗君) 具体的にただいま数字は持ち合わせておりません。
#108
○馬場富君 つかんでみえますか。
#109
○説明員(高田陸朗君) 石油製品の海上輸送量の減少等は過去の港湾統計をめくればわかることであると存じております。
#110
○馬場富君 ここらあたりがひとつ、数量が減ったからということではなくて、四十八年をピークにしてその後燃料の高騰とかそういうような問題等があって、やはりみんなそのためにカモフラージュされてしまったと言っても過言ではないのじゃないか。ぼくは海洋汚染につきましては、もう地方議会のときからこの問題については取り組んでおりますが、絶対この問題について処理方法がよくなって海上がきれいになったというような断定すべき施設というのは一つも私はないのじゃないか、このスラッジや廃油等について、再生してきちっと処理できるというような施設の増設というのは、私は全国的に余り見られないのじゃないか、こう思うのですね。そういう点で、ここらあたりをもう少ししっかりしていかないというと、石油危機石油危機ということで――四十八年まではかなり大きく公害の問題で海上の油汚染という問題が論議されましたけれども、この間、徳山丸の問題等がございまして、また論議の中に入っておりますけれども、やはりもう一遍ここら辺のところをしっかりとたがを締め直してこの問題に取り組んでいかないと、これはまた再びかつてのような状況を繰り返すことになってしまうと私は心配するわけです。それで質問したわけですが、どうかそういう点で、廃油やスラッジの発生量とこれに対する確認体制というのを、もう少ししっかりそういう関係の企業体に義務づけするなりして、チェックをしていかなければならぬのじゃないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
#111
○説明員(高島等君) お答えいたします。
 ただいま先生から御指摘ございました、スラッジ等の廃油の発生重なり処分量なりをもう少ししっかり把握すべきではないかということでございますけれども、私ども、廃油処理事業者から定期的に廃油処理実績を報告さしておりますし、また一方におきまして、タンカーに油記録簿というものを備えつけておりまして、随時立入検査を実施してその内容をチェックしておりますけれども、こういった形でいろいろ実態の把握に努めているわけでございます。さらに、マクロ的にもある程度そういった、全体としてどれぐらいの油性汚水が発生しているか、こういったことについてもいろいろ調査をしておりますけれども、実際には各船によりまして相当発生量等についても差があるということでございまして、なかなか全体を把握する方法がむずかしいわけでございますが、いろいろ今後とも推計方法等工夫してまいりたいというふうに考えます。
#112
○馬場富君 ぜひ、そのタンカーあるいは陸上のタンク、こういう所有者等については、この処理量または貯蔵量、それからそういうスラッジの出た量、それと処理量の記録等を一つはきちっとさしてやっていくような体制をとらぬと、これは本当にその点から漏れ出てしまうというような実態が多いわけですから、その点ひとつしっかりお願いしたいと思います。
#113
○説明員(高島等君) 先生御指摘の点も踏まえまして、今後とも努力してまいりたいと考えます。
#114
○馬場富君 最後に長官に、いま何点か質問しましたが、やはり海洋汚染等についてもそういう石油危機ということで何とかそれに遮蔽されてしまって逃されてくる部分がずいぶん多くなってきておるという点が私どもの目から見るとあるわけです。そういう点でひとつ、われわれの生活には大量のそういう油だとかごみというものが出るわけですけれども、最終的には私たちはそれは遠くの方へ、また未来の方へということでこれを避けてきた傾向がいままでの処理の実は実態であったということが多いわけです。そういう点が一つは海洋汚染の原因にもなってきておるわけです。
 そういう点で、やはり今後の安全度につきましては、われわれも総力を結集してしっかり見つめていかなければならないのじゃないか。いろいろな学者ばかりの説ではなくて、やはり海で生活しておる人たちはそういう状況というものを案外おかにおる人だもとは違った考え方を持ってずっと見ておる、そういう人たちの意見も多く聞くべきではないかという点を感ずるわけです。そういう中で、かつて水俣にチッソができたときに、学者間では、水銀を排出したとき無機だから安全だという考え方が一つは水俣汚染の大きい原因になってきた、無機だから水銀でも投棄してもいいという考え方が学者間にあったという、これが水俣の発生の一つはもとになってしまったということもありますし、あの富士のヘドロで有名な岳南排水路をつくったときに、駿河湾のあの海流の流れに乗って拡散して分散されてしまうという、そういう説があったが、結局駿河湾はヘドロで埋まってしまったという結果もございます。こういう点で、やはり海というのは案外私たちは知らずにおるけれども、大きな力でもあるし、またこの汚染についてはやはり相当の調査、実態等を研究しなければならない要素があると思います。そういう点について、環境庁としても予算等を組んで真剣に対処されるという心構えが必要だと思いますが、長官どうでしょうか。
#115
○国務大臣(鯨岡兵輔君) おっしゃられることは一々ごもっともなことでございまして、われわれは十分各方面に配慮をして間違いを起こさないようにいたしていきたい。学者の意見なども十分に耳を傾けていかなければなりませんが、そういう中にも何かおかしげな意見もありますから、学者の意見の中にも、一概に学者だからといって耳を傾けてばかりいられませんから。しかしながら、学問はやはり尊重しなければなりませんからそれも十分にやりますが、また学者じゃなくても、一漁師でもこれはおかしいですよというようなことを言われたときには、だれかから頼まれている学者の意見よりはもっと重要な意見の場合もありますから、万般目を配り耳をそば立てて後で悔いを残さないようにしていきたい、こういうふうに考えておりますから、お気づきの点がありましたらどうかひとつ早手回しに御注意をいただきたい、こう思っております。
#116
○沓脱タケ子君 それでは、大変限られた時間でございますので、関西国際空港計画の環境問題についてお伺いをしたいと思っております。
 運輸省は近く関西国際空港の基本計画、それから環境アセスメント、それから周辺整備大綱のいわゆる三点セット、これをそろえて運輸省案として地元と予備協議をやろうとしておいでのようでございます。そこで事前に関係官庁、関係省庁との間での御協議があろうと思うのですが、環境庁は現段階で環境アセスメントについての御相談をお受けになっておいででございますか。
#117
○政府委員(藤森昭一君) 当庁としては御相談を受けてはおりません。
#118
○沓脱タケ子君 相談を受けておられないようですが、運輸省おいでですね。運輸省では三点セットはお取りまとめを終わられましたか。
#119
○説明員(山本長君) 現在取りまとめの最終段階を迎えていると言ってよろしいかと思いますが、まだ取りまとめを終わっておりません。
#120
○沓脱タケ子君 どの部分が残っておるのか知りませんが、環境アセスメントについてはこれは国土庁などにはすでに御協議になっておるやに事務的には私ども伺っているのですが、その問題にはきょうは触れませんで、限られた時間なので後ほどその問題についてはお伺いできたらお伺いしたいと思うのですが、一つ運輸省に先にお伺いをしておきたいと思いますのは、運輸省は「コンベヤーバージを利用した土砂輸送工法に関する調査」というのをおやりになりましたですか。
#121
○説明員(山本長君) 御質問の「コンベヤーバージを利用した土砂輸送工法に関する調査」ということで関西国際空港を埋め立て工法で建設する場合、土砂を大量急速に運搬する方法を研究するという調査の一環といたしまして五十三年度に実施をしたものがございます。
#122
○沓脱タケ子君 これはそうすると何年度にどこへ幾らの金額で委託をされましたか。
#123
○説明員(山本長君) 実施年度は五十三年度でございます。調査を実施いたしましたのは運輸省の出先機関でございますが、第三港湾建設局でございます。調査を委託いたしましたが、それは社団法人の日本海洋開発建設協会というところでございます。委託金額は六百万円ということでございます。
#124
○沓脱タケ子君 そうしますと、この委託調査というのは、調査報告書はどの範囲に公表なさいましたか。
#125
○説明員(山本長君) この資料は公表しておりません。
#126
○沓脱タケ子君 ところが、私どもにはたとえば、もうちょっと具体的に言いますと、この調査報告書によりますといわゆる場所別の採取土量ですね、それから土質に関するデータというのがあるんですが、この数字によりますと採取土量というのは新設泉南地区には二億四千四百四十六万一立米、新設淡路地区では二億四千四百四十六万立米、既設淡路地区というのが五千六百万立米、合計五億四千四百九十二万立米ということになっているのですね。それから土質は泉南地区が土砂が二・六プロ、軟岩が一九・四%、硬岩が七八プロ。淡路地区は土砂が七・二プロ、軟岩四二・四プロ、硬岩五〇・四プロなどとなっているわけです。この数字は運輸省の委託をされた報告書から出た数字であると思うのですけれども、この数字は間違いありませんか。
#127
○説明員(山本長君) 私が先ほど申し上げました第三港湾建設局が委託をいたしまして実施いたした調査の中には、先生いま申されたような、どこで、何立米だとか、土質がどうだとかということは出ていないはずでございます。
#128
○沓脱タケ子君 何ができないって。
#129
○説明員(山本長君) 先生がただいま言われましたその何地区だとか、何立米だとか、それから土質ですか、軟弱だとか、そういったことば出ておりません。その調査の中には出ておりません。
#130
○沓脱タケ子君 これは私根拠なしに言っているのじゃないのですね。この本があるんです。日本コンベヤ株式会社、「海上空港――埋立輸送システム」という表題ですが、一九七九年八月というのに出しているんですね。これによりますとこう書いてある。株式会社の資料ですよ。これは初め書きにこういうふうに書いてあるんですよ。「ここに作成した資料は、昭和四十九年八月に航空審議会により運輸大臣に提出された関西空港に関する答申及び運輸省第三港湾局から昭和五十四年三月に公開された「コンベヤーバージを利用した土砂輸送工法に関する調査」を参考に弊社独自の考え方を中心として取りまとめたものである。」その文章の中には資料が四章に分かれているんですが、第一章は「公開資料をもとにした基本条件」というふうに書かれているんですね、で、この前書きの終わりには「公開された資料が公開資料の膨大さのためにすべてを理解するに至らず多くの研究の余地を残していると思いますが、関係者各位の忌憚なき御批判御指導を賜るように」云々と、こういうふうに書いてあるわけですけれども、これはおたくの方で公表されたのですか。
#131
○説明員(山本長君) 先生がいまお読みになったのはある会社の報告であろうと思いますが、私たちが調査をいたしましたものは先ほど申し上げましたように公表しておりません。われわれといたしましては、現在それらの資料をもとにいたしまして環境影響評価の取りまとめをやっている最中でございますので、現在まで公表はいたしておりません。
#132
○沓脱タケ子君 それはあなたのところ公表したと言えないよね。言えないのたけれども、会社側は自分のところの会社の資料を、その信憑性を明らかにするために第三港湾建設局から公表された資料をもとにしてということで、第一章はおたくから公表された資料を全部基本条件として記載をしているというふうに書いてある。
 それから後書きを見ますと、これまた書いてある。「終わりに本資料は運輸省航空局並びに運輸省第三港湾建設局関西国際空港調査室の編集された答申書並びに報告書を基本資料とし、これを参考といたしまして」云々と、こういうふうに書いてあるのですが、あなたの方で公表されたというわけではないのですね、それじゃ。
#133
○説明員(山本長君) 公表しておりません。
#134
○沓脱タケ子君 それなら会社へ一遍文句を言わないけません。公表されたと書いてあるんだから、ちゃんと。
 それで、私はきわめて重要だと思いますのは、運輸省は、私この間も御指摘を申し上げたけれども、大体委託するときには委託契約書にはその調査によってあるいは調査の経過及び結果によって知り得たことは非公開とするという契約をちゃんとしておるわね。ところがこんな会社には公開資料だというふうに公然と書いてあるわけですよね。日本コンベヤ株式会社というのはどんな会社だと言ったら、この業界では筆頭でしょう。筆頭企業ですよ。資本金十一億円。だから土取り工事から設計からコンベヤー生産の最大手でしょう。こんなところへ公表されている。それで、これは私は運輸省は公表してないと言わざるを得ないと思うけれども、現に会社が印刷物に明確に、運輸省第三港湾建設局から公表された資料を基本条件とするといってちゃんと書いてあるので、これは非常に問題だと思うのです。特に私はこういう問題というのは軽視できないと思いますのは、この資料の中には、さらに埋め立て用土砂採取量というのは泉南が二億四千万立米、それから淡路地区塗二億立米余り。両地区合わせて五億四千五百万立米と具体的に書いてあるんですね。それでおもしろいのは、これは淡路地区がざっと五億五千万立米のうち三億立米余りが淡路地区なんですね。地元淡路地区をちょっと調べてみたら、一市十町の首長たちの集まってつくっている淡路地域整備推進委員会というのがあるのですが、ここで五十四年の秋ごろに記者会見をやっている。淡路全島での土砂採取の適地調査の結果、これを発表しているのですね。それによると、既設企業の採掘場が十カ所、新たに採取を希望する企業が地元と協議を進めているのが七カ所、合計六市町で十七カ所、土取り可能量は三億七千八百万立米であり、というふうに言われている。まさに運輸省の報告書から引用されているというこの数字と合致しているのです。念のために地元淡路からいろいろと資料をもらって調べてみたら、淡路の淡路島土砂積み出し事業、企業体の位置というものを示した地図がある。小さいからそちらへは見えませんけれども、この地図を見ますと北淡町などを中心とする既設土取り地区は十カ所です。新しい土取りの地区が七カ所、合わせて十七カ所があるんですね。これを見てみますと、その企業はもう時間がないから余り一つ一つ言いませんけれども、調べてみたらこの企業はいわゆる六大企業グループ、これに入っておる、建設の分野に入っている企業ばかりなんです。ですからこれを見ますと、あなたのところは五十三年にこの調査を第三港湾建設局から委託したのでしょう。五十三年度の調査資料というのが、五十三年度末だから五十四年の三月にできておる。おそくとも五十四年の三月。その五十四年の三月に公表されたと言ってこれに書いてある。それで五十五年の十二月の十九日にはいわゆる財団法人関西空港調査会に土取りの地域を図面入りで調査委託をしている。それが全部漏れているわけですが、そういうことがなぜこんなことになるかという問題なんです。これは私は先日運輸委員会でも指摘をしましたように、関西空港調査会というのがこの六大企業グループ及び関西財界――関西だけではないですが、八十八企業から賛助会費をもらってその運営をし、そしてその六大企業及びその他の企業から二十人中十四人まで手弁当つきの職員を派遣してもらって運営しているということだから、どんな資料だって全部そこの企業には筒抜けになる仕組みになっているということを言いましたけれども、その仕組みを通してもどんどん流れていると同時に、この会社の記述によると、運輸省が直接公表したということにもなってきているわけで、こんな状態では八十億も百億も国費をかけて調査をしているのだけれども、本当にこれは国民は信頼できない。
 長官ね、ちょっと聞きたいのですが、あれでしょう、土取りの問題というのは関西空港の問題では環境破壊の問題として一番重要な要素だと思うんですね。この問題一つをとらえてみても、私がいま指摘をしたように、時間が短いから詳しくは言えませんけれども、非常に不明朗な事態になっている、実際にね。しかも、もうまとまりつつある、あるいはまとまっておる環境影響評価さえ環境庁にはお示しになっていない。こういう事態を長官どう思われるかということが一つです。
 もう一つは、こういう大型プロジェクトを進めていく場合の環境保全の立場における環境庁の基本姿勢というのは一体どうあるべきか、その点についてのやはり基本的な抱負経綸等についてもあわせてお伺いをしておきたいと思うのですが、いかがですか。
#135
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 両方を一遍にお答えをいたしますが、私はこの委員会でも衆議院の委員会でも関西国際空港は海の中に枠をつくってそこへ土を埋めるのですから、そしてそれは膨大な量で国民一人当たり赤ん坊からおじいさんまでまぜて五トンぐらいになるんだというようなことも言われているので、この土はどこから持ってくるのだろうか、それで、持ってきた後どうなっちゃうのだろうか、それから持ってくる方法はどうやるのだろうか、持ってくる沿道の人はどのくらいの長い期間にわたってどんな迷惑をこうむるのだろうか、重大な関心を払わざるを得ませんが、どこから持ってくるのか全然わかっておりません、私の方では。また、どういう方法で持ってくるかもわかっておりません。まだどこからも連絡はありません。ですから、いまはお答えがしようがありませんが、重大な関心を持っております、こういうお答えをしたことを覚えておりますが、一方どんどんそんなことが決まってしまってもう場所も決まってしまっているということだと私はまことに当惑をせざるを得ないことでございますが、なおよく関係方面に問いただして、どうして私がわからないのだろうか、わからないでいいものなのだろうか、まあ調べてみたい、こう思います。
#136
○沓脱タケ子君 もう時間がありませんので申し上げることはできませんけれども、すでに運輸省でお取りまとめになっておられるという環境アセスメントです。これは、私どもの独自調査によりますと、詳しく申し上げられませんけれども、空港の来ることによって環境に及ぼす影響というものは軽微である、地域住民の日常生活には著しい支障はないということが大体この評価として出てきているわけです。まあ、これについての可否あるいは是非については別の機会にぜひお伺いをしていきたいし、環境庁がまだ受け取っておられないのですから、御相談されてないのだから、きょうは適切でないと思いますしね。しかし、そういうふうなものが出てきたとしても、一番大事な土取りの問題などという、いま長官がおっしゃった、どこから取るんやろうか、長官御存じないけど、企業には全部筒抜けになって、淡路島だけで十七カ所も現に六大企業集団に所属する建設企業が既得権あるいは申請という形でやってきているという状況では、これは環境破壊から自然を守ると言ってみたところで実際には話にならぬと思う。
 こういう大企業には筒抜けで、国民には契約書にあるように非公開、まして言わんや規制官庁である環境庁長官さえも知らされていない、こういう状況で進められていくということについてはきわめて危惧を感じます。仕事が大きければ大きいだけにその心配が大きくなりますので、そういった点で、私はこの問題、きょうは時間がありませんのでこれ以上ただすことはできませんけれども、そういった不明朗なことが次から次へと出てまいります。こういった点を環境庁といたしましてもぜひ強い関心を払っていただいて、出てきたものに信憑性がきちんと押さえられるような状況を確保するために注意を喚起したいと思うのですけれども、長官の御見解をお伺いして終わりたいと思います。
#137
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 非常に大きな飛行場ができるわけですから、これはどういうふうに環境に影響をするか重大な関心を払わざるを得ないのです。そこで、われわれがいままでそれとなくわかっていることは、考えている飛行場の騒音その他住民に影響を与えることはわりあいに少ないのではないか。なぜかなれば海の中へずっと離れていますから、従来の町場の中にできる羽田や伊丹やというところから見れば非常に影響は少ないのではないかというようなことはこれは常識的にもわかりますし、そういうことは多少漏れ承っているようです。
 しかし、先生御指摘のように、たくさんの土を埋めるのですから、その土をどこからほじくるか、ほじくった後どうしちゃうのか。それから、ほじくった土をどうやって持ってくるのか、どういうところを通るのか。それは非常に重大な環境に影響を及ぼす問題でありますので、でき上がる飛行場もそうですが、いま申し上げましたようなことはわれわれとしては重大な関心事であります。そして、そのことについてはいまだだれからも知らされておらないといったことは、先般お答えしたとおりでございます、現時点でも。それを企業が知っていて、企業がどんどん準備をしているなどということがもし本当であるとすれば、まことに愉快でない問題でありますから、これは調べてみたいと思います。
#138
○伊藤郁男君 最初に、先ほども馬場委員から質問がございましたが、大臣に確認をしておきたいものがあります。
 それは湖沼法の問題ですが、先ほども大臣は、近日中に審議ができるようにしたいのだという御答弁がございましたが、その近日中というのは一体連休明けになるのか、あるいは一週間以内になるのか、近日というのですから十日以内くらいが近日だと思うのですが、そういう確認でよろしゅうございますか。
#139
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 国会の会期は決まっているわけですからね。おのずから衆参両院の先生方の御審議をいただくということであれば、その日にちがなければならぬのですから、私はあしたにでもというふうに考えますが、それはできないことですから、まあ連休ぐらいまでには何としても決めて、連休明けにはせっかくの御審議がいただきたい、こういうふうに考えます。
#140
○伊藤郁男君 そこで、今度連休明けくらいに審議ということになりますれば、すでに法案の名称もほぼ固まっているとは思うのですが、新聞に伝えられているような湖沼環境保全特別措置法、こういう法案でお出しになりますか、考え方を。
#141
○政府委員(小野重和君) まだ政府部内で調整中でございますので、最終的にどういう名前になるか、どういう名前になるかということはどういう内容になるか、内容によって名前が決まるわけでございますから、いまの段階では最終的にどういう名前になるかということをちょっと申し上げられる段階にないと存じます。
#142
○伊藤郁男君 問題はこの内容なのですけれども、新聞などに伝えられるところによりますと、中公審の答申あるいはそれに基づいて環境庁がつくり上げた法案の内容というものがかなり後退をしている、こういうように新聞報道がされているわけですね。たとえば水辺環境保全地区の新設、この法案の目玉とも言うべきそれが、建設省などの強い反対によって削られてきている、あるいは水質をきれいにするということはわかるのですが、と同時に、この法案の目玉としては、やはりその湖沼の周辺の自然環境ですね、これを一体のものととらえて総合的な対策を立てるというのが法案の趣旨であったはずですが、その辺のところもどうもあやふやになってきている、こういうように私は思うのですね、伝えられることが事実とすれば。そうすれば、その目玉をとられた法案というものが一体意味を持つものかどうか、その辺の見解をお伺いしておきたいと思います。
#143
○政府委員(小野重和君) 現在政府部内で調整中でございますので、最終的にどうなるかということを申し上げられませんけれども、ただ中公審の答申との関係でございますけれども、この中公審の答申でも言っておりますが、私ども自身の問題意識もそうでございますけれども、一番問題なのは湖沼の閉鎖性水域という特殊性にかんがみまして、非常に汚濁に敏感であり、また現に汚濁が進行している、これをどうやって改善するかということがそもそものねらいでございまして、そのためにはいろんな規制強化もせざるを得ませんし、また、いろいろな事業を進める、しかも全体を総合的、計画的に進めていくということが、この中公審答申の一番の基本でございます。そういう意味で、その基本を踏まえながら、その基本に触れるようなことでは、これはもう絶対にいかぬ、困るわけでありますが、その基本方針に沿って、現在政府部内で調整中であるということでございます。
#144
○伊藤郁男君 政府部内で調整中だということでございますので、大臣、目玉が取られるような法案を出してもらっても困るわけでございまして、目玉を取られないように考えていただきたい、こういうように思います。
 そこで、やはりこの湖沼の汚濁の問題は、これはもう大変いま深刻な状況にあると思うのです。霞ケ浦でも、あるいは印旛沼でも、環境基準三ppmの四倍くらいの汚れでございます。あるいは手賀沼などは二七ppmというんですから、相当の汚れぐあいですね。これを一朝にしてきれいにすることはできないのですね。やはり相当長い年月をかけて相当強力な対策を立てなければ私は、湖沼をきれいにしていくということは不可能だと思っているわけです。たとえば私長野県生まれですから、諏訪湖の周辺に小さいころ住んでおったのですが、昔は水の底が見えるような状況でしたが、大変な汚れになっていますね。それで何とか浄化しなければいかぬと思って市町村が対策を立て始めたのが四十年ですね。それで具体的にこのしゅんせつ工事が始まったのがたしか四十五年ころだったと思うのですね、十年前。第一次しゅんせつが五十五年で終わっているわけですが、第二次の方もこれから進めていくという方向を、私は聞いてはおるのですが、それと同時に、どろを取るということと同時に、流域の下水道の整備ですね、これが始まったのが実は四十六年で、二十年計画なんです。これが完成するのが六十七年度になるわけですから、あと十一年かかるわけですね。この十一年後に完成をしたからといって、それでは諏訪湖が完全にきれいになるかというとその保証もない。その今後十一年間にまた汚れが進行していくということになるわけですね。だからそういうようなことを考えますと、この湖沼の水質をきれいにするというのは相当長期なものだということを考えて、そして強力な手を打たなければならぬ、こういうように思うのですが、大臣の御見解をお伺いします。
#145
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 先ほども申し上げましたように、百点満点として、海は八十点ぐらい、川はまあ七十点ぐらい、湖沼は何と四十点、それも平均でございますから、悪いところになれば二十点だのそういうのもありますからね。そして、それぞれたとえば建設省関係は建設省関係、農水省関係は農水省関係、通産省関係は通産省関係、それぞれお決めいただいた法律、その他条例等によってやってはいるんですよ。やってはいるんですが、そういう状態。そこで、そこの湖沼のあるところの知事さんが総合的に計画を立ててやってみる必要があるじゃないか。個々ではやっているのですから、その連絡なしに個々でやっていてもこれはだめだ、四十点なんだから。だから知事さんが計画を立ててみて、どういうふうにしてこれをやったらいいか、それぞれ原因が違いますから。たとえば宿屋なんかがいっぱい周りにあるというところもあるでしょうし、そこは下水でしょう。畑がいっぱいあるというところはこれは農水省関係でしょう。豚なんか飼ったりするところもあるでしょう、いろいろ原因があるのですから。それからまたその湖沼は、お魚を養うという利用度の高い湖沼もありましょうし、水を飲むというための水だめという湖沼もありましょうし、いろいろあるから、そこで総合的に考えてもらうという計画を立てるために、知事さんにひとつ計画を立ててもらおう、私はそれが一番いい方法だといま考えて、せっかく局長が申されたように法律の案をつくらしているところでございます。
#146
○伊藤郁男君 確かに関係の県や市町村が真剣に考えていかなければこれは解決できない問題だと思いますね。長野県の場合でも、工場だとかそういうところから出る排出基準の五十トン以上というものを、国の基準よりも下げて二十トンにして、そしてもう排出を規制をしている、こういう状況になっているわけですね。それでもなお汚れが進んでいく。それはもう法律の中で手の届かないところ、いま長官も御指摘をされましたけれども、旅館ですね、あの諏訪湖の周辺には六百軒の旅館があるわけですね、中小の旅館なんですが。これは五十トンというままになっているわけですね。これは二十トンまでやっていないわけです、県としては。だから結局汚れたものをそのまま排出をしているという状況にありますので、これらの問題の基準の見直しというのですか、そういうことについてどういうように思いますか。
#147
○政府委員(小野重和君) ただいま大臣からも御答弁申し上げましたように、総合的、計画的にいろいろな対策を進めていくということでございますけれども、御質問の排水規制の問題でございますが、これは現在の水質汚濁防止法に基づく排水基準、さらに県条例に基づく上乗せ基準で排水対策といいますか、水質対策をやっておるわけでございますけれども、それだけでは不十分な場合があるわけでございます。
 そこで、私どもとしましては、一定の湖沼については現在の法案の中に総量規制、これを導入できるということも考えておりまして、諏訪湖についてはどうかという問題もありますが、私どもとしては諏訪湖のようなところは総量規制までを導入して、何とかそちらの面の排水規制の強化もしたいというふうに思っておりますが、ただそれだけではもちろんだめでございまして、下水の問題とか、いわゆる広い意味では生活排水対策、それから農林水産系統、すべて総合的にみんなできれいにするというようなそういう体制をこの法案でつくって進めてまいりたい、かように存じておるわけでございます。
#148
○伊藤郁男君 先ほどと関連して御質問を申し上げますが、指摘をしましたように、とにかく六十七年度にならないと実際に下水道そのものが完成をしない、その間に汚れがどんどん進むということですね。だから、いまのようなしゅんせつ工事だとか、そういうような下水道をつくり上げるという事業ですね、これをもっと早めるような方法を検討できないかどうかということですが、どうですか。
#149
○政府委員(小野重和君) これは下水道事業の問題でございまして、建設省所管の事業でございますが、私どもといたしましては下水道事業全体の予算の問題もございますけれども、この法案に基づいて湖沼を指定してその湖沼について総合的にいろいろな施策を進めていくという場合には、その湖沼の周辺の下水道事業については特に重点的に予算の配分もしていただいて、事業を促進していただくように要請してまいりたいと存じます。
#150
○伊藤郁男君 これは大臣にお伺いをしたいのですが、例の湖沼の汚れの中で富栄養化ですね、問題はアオコの発生の問題ですが、諏訪湖の場合は特にアオコがひどいわけです。夏になるともう一面が緑、緑の湖になってしまうわけですから、このアオコが発生する原因はもうすでにわかっているわけですね。これは合成洗剤、燐を含んだ合成洗剤ということになっておるわけですが、この合成洗剤の規制の問題についてはいままではとにかく自治体にお任せ、あるいは市民運動にお任せということになっておるわけですが、これだけの規制で果たしていいものかどうか、それで任じておいていいのかどうか。もう少しやはりその湖沼の周辺においては一定の地域を決めて、そしてその地域においてはこの合成洗剤、燐を含む合成洗剤は使わない、使わせないというような規制が私は必要だと思いますけれども、この辺の環境庁長官の御見解はいかがでしょう。
#151
○国務大臣(鯨岡兵輔君) これは業者並びに消費者などともいろいろ会って話をしているので、燐を含まない合成洗剤ということに大分切りかわってきたようでございますが、いま先生言われたように、国としてそういうことを決めたらいいかどうか、そういうような問題についてはまだ決心はつきかねておるのですが、局長をして答えさせます。
#152
○政府委員(小野重和君) 合成洗剤の使用とか販売の禁止という滋賀県が条例で実施したような措置でございますが、これはそれぞれ地域のいろいろ実態がございまして、私どもがそれに準ずるような法制措置を講ずるというのはいかがかと存じております。それぞれの地域の実態に即して県でいろいろ検討していただくことは結構だと思うわけです。しかしながら、私どもといたしましては、問題は富栄養化の原因は先生御案内のように燐、窒素――特に燐でございます。したがいまして、その燐対策をどうするかということになるわけでございます。そこで現在でも、すでに湖沼についての燐につきまして水質目標、これをいろいろ検討会を開きまして検討して結果が出ておるわけでございますが、その上に立ちまして環境基準を設定する、またそれに基づいた排水基準を設定するという措置をこれから講じていく必要があるということで、私ども五十六年度を目途に湖沼についての燐につきましての環境基準、これを設定したいということで現在検討しているところでございます。
#153
○伊藤郁男君 もう時間がなくなってまいりましたけれども、次の問題でお聞きをしたいのですが、実はもう汚れがひどくて国の環境基準、これを達成するのはとても不可能だということで、たとえば霞ケ浦の場合では茨城県が独自の環境基準を設定をしている、こういうような報道もなされているわけでありますけれども、一体こういうものを緩めるような方向ですね、それは。とにかく達成できないんだから三ppmじゃだめだから五ppmにしよう、わが県は六ppmだ、こういうような緩める方向がむしろあきらめの境地からそういうような達成基準を緩めていこうというような報道もなされておるのですが、これらに対して環境庁の対応についてどういうような対応をしていったらいいのか、お伺いをしておきたいと思います。
#154
○政府委員(小野重和君) 霞ケ浦の例で御質問があったわけでございますが、私どもが聞いているところによりますと、環境基準ということではなくて、これからいろいろな諸対策を進めて霞ケ浦の水質、CODを決めるわけでございますが、それがどの辺までよくなるだろうかということを検討した結果、その数字はちょっといま記憶ございませんが、いずれにしましても霞ケ浦の水質環境基準は三ppmということになっておりますが、それを上回るようなところまでしかいかないのではなかろうかという、そういう見通しを持っているというふうに私ども承っておりますが、霞ケ浦の場合ですと三ppmというのはこれは水道用水に使うという、そういう基準でございますが、現に霞ケ浦でも水道に使っておるわけでございます、ということで、環境基準が設定されておるわけでございますが、それが本当に達成できないのかどうかというのは、私どもそこまでしさいに茨城県当局と打ち合わせておるわけではございませんので、本当にそうかどうかということはまだわかりません。いずれにしましても湖沼法案をいま検討しておりますが、この成立の暁には、そういうことを計画的に進めていくということでございますので、そういう段階でよくその点についての検討につきまして茨城県当局とも協議したいと、かように存じます。
#155
○伊藤郁男君 すでにもうこのきれいな湖だといわれている支笏湖とか摩周湖あるいは池田湖、こういうようなところもまた汚染が次第に進みつつある、こういうように言われているわけですから、とにかくこの湖沼の汚染の問題というのは相当腰を据えてかからなければならぬと思いますし、そういう意味で環境庁のより積極的な対応を要望いたしまして質問を終わります。
#156
○美濃部亮吉君 私は先日、青森の近所のむつ小川原に行ってまいりました。これは御承知のとおり、三全総の中の巨大開発計画として十年以前に発足したものでございます。しかしながら、これについてはなお別の機会に詳しく御質問をしたいと思うのですけれども、私の見たところは完全に失敗であって、どうにもこうにもならない、そうして現地においては安楽死をさせるよりほか仕方がないのじゃないかと言われるほど失敗でございます。そして、この計画が失敗をいたしましたのは、何にも増してその計画の立案の時点において、計画自体に非常に欠陥があったというためであろうと思います。それでまた私は志布志についてお聞きしたいと思うのですが、志布志もまた三全総の中における巨大計画の一つでございまして、それが延び延びになって、いま着手しようか、しまいかという時点になっております。そしてこの志布志の計画にも非常な欠陥があると思うのでございます。それでこれを始めたらば、またむつ小川原の二の舞であって失敗することは必然である、これはどうしても着手してはならない計画であると思うのでございます。それで、欠陥につきましてはこの前のときに自然破壊であるとか、あるいは海底の土砂をもって埋め立てをする、そのために海底の情勢がすっかり変わって、漁獲高に非常に悪い影響を及ぼすとか、そういう問題が起こるということはこの前申し上げたとおりでございます。そして、この埋め立てをいたしました土地には食品加工工業であるとか、木材工業であるとか、造船業であるとか、金属工業であるとか、あるいは石油の備蓄、石油の精製等の企業を誘置するという計画になっております、しかしながら、いま高度成長の時代は過ぎて低成長、安定成長の時代に入ったときに、むつ小川原と同じように企業が来っこないと思うのでございます。そして、ここで実現するのは石油備蓄のタンクを建設するという以外には方法はないというふうに考えております。ところが、この石油備蓄にも欠陥があるということは、この前も申し上げましたとおり、石油をこのタンクに吸い込ませるためのタンカーが台風その他の風雨が来たときに避難をしなければならないけれども、その避難港が近所にないということはこの前も言ったとおりでございます。
 さらに、その後わかったことでございますけれども、埋立地、これがいま鹿児島の計画では考えているように出島方式、つまり沖に三キロ、あそこは二キロですから三キロ以上の埋め立てをして、そこに半地下式のタンクをつくるとかいうことになりますと、莫大な費用がかかる。そこで、運輸省が経団連の海洋開発懇談会というところに委託をいたしまして、沖の方に、三キロ以上離れたところに埋め立てをして、そこでどういう企業が採算がとれることになるだろうかということを調査させたところ、その答案としては石油備蓄基地など施設の建設費が比較的安い業種の人工島進出は経済的に不利である、一方、人工島の造成技術についてこの報告は、波浪、風、土質など自然条件が厳しいところから、設計、施工面はもちろん、物資や電力の輸送などの点で未解決な課題が残されているという報告がございます。これをもって考えますと、石油の備蓄、しかも半地下というタンクをつくるということ、これはほとんど現在の時点においても不可能である、少なくとも採算に合わないということが言えると思うのです。
 それから、さらにこの前申し上げましたことに加えまして、ここには爆弾がたくさんある。つまり、爆弾がどのくらいあるかわからないという状態でございます。それで、そのことに関する鹿児島の新聞の記事によりますと「旧日本軍の爆弾や砲弾類がかなりの量沈んでいる可能性が高いことが鹿児島海上保安部の調査でわかった。これらの爆弾類は終戦直前、米軍の九州上陸に伴う「本土決戦」に備えて大隅半島一帯に備蓄されていたのを、進駐してきた米軍の指示で港湾に捨てられたままになっていたもの。同保安部は、港内をしゅんせつして、沿岸に広大な埋立地を造成しようとする新大隅開発計画に対し、着工に先立って爆弾類の掃海を勧告する意向を固めており、」これも掃海というと非常に簡単のようでございますけれども、莫大な金額がかかる、莫大の年月がかかる。私が計算したところですと、全部の志布志湾を掃海するには二、三十年の年月がかかるという、これは私の計算でございますからどのくらい本当であるかわかりませんけれども、とにかく非常な時間がかかるということは確かであると思います。こういうふうに爆弾類がたくさん沈んでいるということもまた考慮に入れなければならない。こういうふうに志布志の開発につきましては非常な欠陥がたくさんにあるということでございます。
 そこで、私は環境庁長官にお願いをするのは、これに不賛成である。否定的な態度を最後までとっていただきたいと思うのです、これがもし着手されましたならば、財政上の負担も莫大なものになって、財政再建を言われている今日全くむだな金を使うということにもなりかねないと思うのです。そして、この前御質問をしたときには、岸から一キロまでは環境庁もまた意見を述べることができるけれども、それから先になるともう権限も何にもないということをおっしゃいまして、私もそうかなと思って質問をしないで引き下がったのですけれども、その後調べますとそうではないということがわかったわけでございまして、公有水面埋立法の第四十七条二項には、埋め立てしようと思うときには、環境保全上の観点よりする環境庁長官の意見を求めなければならない、とあります。それから第三十二条の二には、第四十七条二項のいま申しましたのを受けまして、埋め立ての面積五十ヘクタールを超える埋め立て及び環境保全上特別の配慮を要する埋め立てに対しては環境庁の長官の意見を求めなければならない、と言っております。そして、この環境保全上特別な配慮を要する埋め立てとは何かということについて、運輸省、建設省、環境庁の担当局長間で覚書を交換をいたしまして、それは、地形、地質、植生等が貴重な自然海浜であって、特に重要である地域にかかわる埋め立てで十五ヘクタールを超えるもの、畜産農業、食品製造業、石油製造業などいずれかの工業が立地する埋め立てであって、その面積が十五ヘクタールを超えるもの、それから三つ目が、埋め立て自体が周辺水域の潮流を停滞させる等により、著しい水質の悪化を来すおそれのあるもの、こういうことになっておりまして、十分に環境庁長官は意見を申し述べる、あるいは協力を求められる機会がといいますか、法律上の機会があるので、そういう点を利用いたしまして、くどいようでございますが、三全総の一つとしてできました企画であって、それが現に苫小牧でも失敗をし、そうしてむつ小川原でも失敗をしたという前例が目前にございますので、さらにこれに志布志の失敗を加えるということは前者の轍を踏むものであって、どうしても避けなければならないと思いますので、どうぞこういう法律を土台にいたしまして、環境庁長官も反対の態度をとっていただきたいと思います。いかがでございましょうか。
#157
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 美濃部先生、志布志の開発といいましても、あそこは国定公園でございますから、国定公園の中をいじっていま先生がおっしゃられたように、食品工場をつくったり石油精製の工場をつくったり備蓄基地をつくったり、それはだめです。それはお断り、明らかです。どうしてもつくるというのならば、公園指定を外します。しかしながら、いま先生三キロとおっしゃいましたが、あれ一キロなんだそうですが、一キロ以上になりますと、これは公園の中ではございませんから、前段申し上げましたことが適用されるわけではありませんが、先生いまお教えいただいたように、われわれの方が何も言えないものではない。まず公有埋め立て、大きさ五十ヘクタール以上になりますれば、どうかなと私のところへ相談があることでございますから、だめということは言えるわけでございますね。それからまた、景観その他いろいろなことに影響するということになれば、これも私の方で言えることでございます。そこで、どういうものをつくるのかまだ何も言ってきてないですからね。何も言ってこないうちに何か言うわけにもいきませんから、何も言わないでいるのですが、爆弾があれば危ないですからね、これは。死んじゃいますから、ばあっと破裂すると。だから、これは私が言わないでも、爆弾がそんなにいっぱいあって、それを片づけるのに大変な技術を要するということになれば、だめでしょうね、これは。それから埋め立てするのにはきっとどのぐらいお金がかかるかわかりませんが、ずいぶんかかるでしょうね。大変なものです。だから、よほど採算の合うようなお仕事なら別だが、石油備蓄基地なんかじゃとても合わないというのだったら、合わないものはやりませんよ。だから、これもまた大丈夫なんじゃないかなと思います。けれども、ここで明らかにしておきますが、公園ですから、私はこの公園は何としても守りたいと思いますから、公園の中でそんなことをやろうとしても、これはだめと。それから、公園の外ならば物が言えないわけじゃありませんから、物を言います。物を言いますが、公園の外なんですから、えらい公園に邪魔になるようなものをこしらえられちゃ困りますから、この点も私は物を言うつもりでございます。ただ一方、油も先生御承知のとおり、高くなってきたし、また高ければ買えるものでもなくなってきたしするから、備蓄をしておかなければならぬというふうに御心配なさる方の御心配にも敬意を表して、何もやらない前からだめ、だめと言っていないで、何か言ってきたときにいいか悪いか判断して何か言おうと、こう考えているわけですから、どうぞひとつよろしくお願いします。
#158
○美濃部亮吉君 どうもありがとうございました。しっかりやっていただきたいと思います。
#159
○理事(坂倉藤吾君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時四十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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