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1980/04/17 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第6号
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1980/04/17 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第6号

#1
第094回国会 公害及び交通安全対策特別委員会 第6号
昭和五十六年四月十七日(金曜日)
   午後一時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     伊藤 郁男君     中村 鋭一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         山崎  昇君
    理 事
                山東 昭子君
                増岡 康治君
                坂倉 藤吾君
                馬場  富君
                沓脱タケ子君
                中村 鋭一君
    委 員
                梶原  清君
                坂野 重信君
                関口 恵造君
                内藤  健君
                山崎 竜男君
                本岡 昭次君
                中野 鉄造君
                江田 五月君
                美濃部亮吉君
   国務大臣
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    安孫子藤吉君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       中山 太郎君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       仲山 順一君
       警察庁交通局長  池田 速雄君
       運輸省港湾局長  吉村 眞事君
       建設省道路局長  渡辺 修自君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       大蔵省銀行局保
       険部保険第二課
       長        松田 篤之君
       文部省体育局学
       校保健課長    長谷川善一君
       厚生省医務局指
       導助成課長    小沢 壮六君
       運輸大臣官房審
       議官       棚橋  泰君
       建設省都市局公
       園緑地課長    田辺 昇学君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関
 する調査
 (交通安全基本計画に関する件)
 (交通安全対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(山崎昇君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十五日、伊藤郁男君が委員を辞任され、その補欠として中村鋭一君が委員に選任されました。
#3
○委員長(山崎昇君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りをいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼び者あり〕
#4
○委員長(山崎昇君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に中村鋭一君を指名いたします。
#5
○委員長(山崎昇君) 公害及び環境保全並びに交通安全対策樹立に関する調査を議題といたします。
 交通安全基本計画について、政府より説明を聴取いたします。中山総理府総務長官。
#6
○国務大臣(中山太郎君) 交通安全基本計画について御説明いたします。
 この第三次の交通安全基本計画は、交通安全対策基本法第二十二条の規定に基づき、去る三月三十一日中央交通安全政策会議において決定されました。
 この基本計画は、陸上、海上及び航空交通の安全を確保するため、国及び地方公共団体が講ずべき交通の安全に関する施策の大綱を示したものであります。
 過去五カ年間、第二次の交通安全基本計画に基づきまして、交通安全対策を総合的に推進してきましたが、その結果大きな成果を上げ、所期の目標をほぼ達成いたしました。この第二次の基本計画は昭和五十五年度をもって終了しましたが、交通安全の確保は依然として国民生活にとって必要不可決でありますので、引き続き昭和五十六年度から六十年度までの五カ年につきまして交通安全基本計画を作成し、交通安全対策を以前にも増して総合的かつ強力に推進することとしたものであります。
 第三次の交通安全基本計画におきましては、道路交通に関しましては安全で快適な交通社会を実現することを目標に、各般の交通安全対策を総合的かつ強力に実施し、交通事故の増加傾向に歯どめをかけ、交通事故死者数の着実な減少に努め、昭和六十年までに死者数を年間八千人以下とすることを目指すものとしております。
 また、鉄軌道、踏切道、海上及び航空交通につきましては、多数の人命を危うくする重大事故の絶滅に重点を置いて、各般の交通安全対策を一層強力に推進することとしています。
 この基本計画に基づき、国の関係行政機関及び地方公共団体において、交通の状況や地域の実態に即して、交通の安全に関する施策を具体的に定め、これを強力に実施することとしておりますので、今後とも先生方の御理解と御協力をお願いいたします。
 なお、基本計画の概要につきましては、交通安全対策室長から説明いたします。
#7
○委員長(山崎昇君) 次に、政府委員より補足説明を聴取いたします。仲山交通安全対策室長。
#8
○政府委員(仲山順一君) 第三次の交通安全基本計画の概要について御説明申し上げます。
 この計画では、陸上、海上及び航空交通の各分野ごとに、交通機関、運転、運航する人間及び交通環境の三つの要素について、相互の関連を考慮しながら、有効適切な方策を定め、これを強力かつ総合的に推進することにしております。陸上、海上及び航空交通それぞれの分野の重点施策はおおむね次のとおりでありますが、その具体的な実施は、政府部内においてそれぞれの所管により分担して行うものであります。
 まず、陸上交通の分野については、道路、鉄軌道及び踏切道における交通安全対策を取り上げております。
 道路交通については、各般の安全対策を講じて、近年増加の見られる交通事故の発生を抑止するとともに、死者数の着実な減少に努め、昭和六十年までに死者数を年間八千人以下とする目標を立てておりますが、この目標については、今回の基本計画の策定に当たってその参考とするために、交通事故発生に関する将来予測調査、これは東大の越先生のグループにお願いしたわけでございますが――を実施しましたところ、近年の自動車保有台数、運転免許保有者数の増大と交通事故発生の増加の傾向から、今後の安全対策いかんによっては昭和六十年には一万人を超す死者数を生ずるとの結果を得ましたため、基本計画では、今後の施策の方向として、事故を減少傾向に転じさせるとともに、死者数の着実な減少に努め、死者数を昭和六十年までに年間八千人以下に抑えることとしたものであります。
 この目標を達成するため、歩行者、自転車利用者、幼児、老人、身体障害者等が安心して通行できる道路交通環境の確立、交通道徳に基づいた交通安全意識の高揚、交通事故の被害を最小限に抑えるための被害者救済対策の推進等を図ることとしており、具体的には次のような安全対策を講ずることとしております。
 まず、歩行者、自転車利用者、幼児、老人、身体障害者等の安全確保に重点を置いて道路交通環境の整備を図ることとしておりますが、交通安全施設等の整備については、警察庁、建設省等において総額約二兆七百五十億円をめどに昭和五十六年度を初年度とする交通安全施設等整備事業五カ年計画を作成することとしております。その内容は、約二万基の信号機の新設と約二万八千基の信号機についての改良、十五都市における交通管制センターの新設を図ることとしております。また、歩行者用の道路を網的に確保するため、歩道等の緊急に必要な道路十万キロメートルについて歩道等を整備するとともに、自転車の通行の安全を確保するため、自転車道等の整備を図るほか、防護さく、道路標識、道路照明、道路情報提供装置等必要な交通安全施設等の整備を図ることとしております。なお、この場合、通学通園路の安全及び身体障害者の通行の安全の確保について配慮するものとしております。
 また、この五カ年計画による事業のほか、既存の道路における歩道の設置を伴う拡幅、小規模バイパスの建設等交通安全に寄与する道路改築事業を推進することにしており、さらに、一般道路の新設、改築に当たっても、交通安全施設についてもあわせて整備を図るとともに、居住環境整備事業、総合都市交通施設整備事業、自転車駐車場整備事業等の推進を図ることとしております。
 次に、交通規制については、道路の社会的機能に応じた効果的な交通規制を行うこととし、特に、歩行者及び自転車利用者の安全確保に最重点を置いた生活ゾーン対策としての交通規制の徹底を図るとともに、都市の実情に応じて、交通流の最適化、道路利用の合理的配分及び自動車交通量の抑制を目指した都市総合交通規制を推進することにしております。
 また、異常気象等により交通が危険と認められる場合の交通規制等についても、迅速、適切に対処することにしております。
 なお、高速道路についても、これにふさわしい交通規制を推進することにしております。
 さらに、子供の遊び場対策として、総額約二兆八千八百億円をめどに昭和五十六年度を初年度とする都市公園等整備五カ年計画を作成し、これに基づき児童公園、運動公園、緑道等を整備するほか、厚生省、文部省において児童遊園の整備、校庭等の開放等を促進することにしております。
 このほか、路上駐車の適正化、自転車の駐車対策、道路使用の適正化等を推進することにしております。
 次に、生涯にわたる交通安全教育、民間の交通安全活動の推進等に重点を置いて、交通の安全に関する教育と広報の充実を図ることにしております。
 まず、交通安全教育の振興等については、家庭、学校、職場、地域等で行う各種交通安全教育について、生涯にわたる教育の観点から有機的な連携を保ちつつ実施されるよう配慮しつつ、学校、地域社会における交通安全の教育、指導の充実を図るものとしております。また、このため特に、交通安全に関する民間団体の自主的な活動を促進するものといたしております。
 さらに、広報活動の充実については、無謀運転の追放及び歩行者、自転車利用者の事故、特に子供と老人の事故の防止並びに座席ベルトの着用の徹底等に重点を置いて、交通安全運動を国民運動として展開することにしております、さらに、交通事故の実態に即し、かつ日常生活に密着した広報を行うとともに、特に、家庭向け広報に重点を置いた広報活動の充実を図ることにしております。
 以上のほか、運転者教育の充実、座席ベルト着用の指導、二輪車安全運転対策の推進、運転者の労働条件の適正化等を初めとする安全運転対策、車両の保安基準の改善、点検整備の徹底等による車両の安全性の向上、歩行者、自転車利用者の事故防止及び暴走行為の防止並びに高速道路における重大事故等の防止に重点を置いた交通指導取り締まりの徹底、事後対策としての被害者救済対策の充実、交通の安全に関する科学技術の振興などの諸施策を推進することにしております。
 以上が道路交通の安全に関する重点施策であります。
 次に、鉄軌道交通の安全対策としては、列車運転の高速化、高密度化に伴い、今後とも運転保安に関する施設の整備、運転従事者に対する教育訓練の充実等を図り、運転事故の一層の防止に努めることにしております。
 次に、踏切道における交通安全対策としては、諸般の対策を総合的かつ積極的に推進し、踏切事故の発生を極力防止するものとし、具体的対策としては、交通対策本部において、昭和五十六年度を初年度とする踏切事故防止総合対策を策定して、六十年度までの五カ年間に鉄道路線約三百キロメートルの連続立体交差化、約四百カ所の立体交差化による踏切道の除却、その他約一千三百カ所の踏切道についての構造改良、約四千カ所の踏切道についての踏切保安設備の整備及び踏切道における交通規制の実施並びに踏切道の統廃合の促進を図ることにしております。
 次に、海上交通の安全対策について御説明いたします。
 海上交通のふくそう化、船舶の大型化、高速化、多様化の進展に対処して、具体的対策としては、総額約四兆二千六百億円をめどに昭和五十六年度を初年度とする港湾整備五カ年計画を中心にして、航路、港湾、航路標識等の交通安全施設の整備、海上交通のふくそうする海域における航行管制システムの整備、漁船・プレジャーボート等の安全対策、船員等の資質の向上を初めとする諸般の施策を推進し、海難を極力減少させるとともに、海難発生時の人命の救助に万全を期するものとしております。
 最後に、航空交通の安全対策について御説明いたします。
 航空交通は、今後とも増大し、多様化するものと予想され、また、航空事故は一たび発生すると瞬時にして多数の人命を危うくするものであることにかんがみ、このような事故の絶滅を図るため、具体的対策としては、総額約一兆七千百億円をめどに昭和五十六年度を初年度とする空港整備五カ年計画を中心として、航空保安施設、空港等の整備を図るとともに、航空従事者等の資質の向上等諸般の安全対策を総合的かつ計画的に推進することにしております。
 以上が第三次の交通安全基本計画の概要であります。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
#9
○委員長(山崎昇君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより交通安全対策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#10
○本岡昭次君 ただいま提案並びに御説明のありました交通安全基本計画に基づきまして、幾つかの点について質問をいたします。
 まず第一点は、高速道路の問題についてでございます。
 この道路交通環境の整備の中に、幾つかの個所で高速道路の問題が書かれてあります。そこで、高速道路の建設に関する全体計画、そして現在その計画の進行状況の概略を御説明いただきたい。
#11
○政府委員(渡辺修自君) お答え申し上げます。
 わが国の高速自動車国道は、先生御案内のとおり、全体といたしまして予定路線七千六百キロメートルをもって構成されておるわけでございますが、現在はそのうちの七千一キロメートルにつきまして基本計画、また五千匹百十五キロメートルにつきまして整備計画が策定済みでございます。この建設の目標でございますが、長期構想といたしまして二十一世紀の初頭までには予定路線の七千六百キロメートルを全部完成させたいというふうに考えておるわけでございます。
 現状でございますが、ただいま五十三年度を初年度といたします第八次五カ年計画をやっております最中でございますが、この五カ年におきましては、国土を縦に縦貫をいたします、いわゆる私ども縦貫五道と申しておりますが、五つの道、これの概成を目標に五カ年計画の完成延長を千三百キロメートルというふうに考えておりまして、五カ年計画の終了いたします五十七年度末におきましては約三千五百キロメートルが供用されるという予定を立てております。
 ちなみに、本年三月末現在で申し上げますと、二千八百六十キロメートルでございます。昭和五十六年度におきましては、予算が、建設費が六千八百億円認められておりまして、五十六年度も百六十七キロの新しい区間の供用を開始いたしまして、五十六年度末におきましては三千二十七キロメートルを供用するという予定にいたしております。今後とも、用地の取得であるとかあるいは工事の進捗等いろいろ問題もございますが、前向きに取り組んでまいりまして五カ年の目標を達成すべく努力をいたしたいと考えております。
#12
○本岡昭次君 そこで、この基本計画の七ページの「(1)交通安全施設等の整備 ア 交通安全施設等整備事業の推進」の冒頭に「交通事故の多発している道路その他」云々とありますが、「交通事故の多発している道路」ということの中に、どういう道路を主としてここで想定されて書かれてありますか。
#13
○政府委員(渡辺修自君) 「交通事故の多発」と申しますと、やはり統計的に見ますと一般の道路が多いわけでございまして、特に市街地の周辺部であるとかそういったところに多いわけでございます。この基本計画におきまして交通安全施設等整備事業の推進を考えております道路といたしましては、したがいまして、交通事故の危険度あるいは交通量等を勘案して路線の指定をいたしますが、一般道路を対象に考えております。
#14
○本岡昭次君 交通事故にもいろいろありますが、死亡事故が一番多く起こる道路というのはどういう道路ですか。
#15
○政府委員(渡辺修自君) 一般に、交通事故の危険度と申しますかこういったものを示します場合に、自動車の走行合キロで申し上げまして約一律台キロメートルというのをよく単位に使うわけでございます。つまり、一台の車が一億キロ走ったあるいは一億台の車が一キロメートル走ったというあたりが非常に数値としてあらわしやすいわけでございます。人身事故率を考えてみますと、一般道路につきましては、一億台キロ当たり大体五十二年から五十四年の三カ年平均で百二十五件というような数字があるわけでございまして、これは一般道路でございまして、実は高速道路につきましてはこれよりはるかに低い事故率でございます。そういったことから、交通安全施設等、特に歩道を設けたりするということは、これは歩行者もございます一般道路でございますので、この基本計画にこのような書き方がしてあるものと考えます。
#16
○本岡昭次君 一般道路に比べて高速道路の方が事故も少ないし死亡事故等の人身事故も少ない、こういうことのようでございます。
 ところで、新聞の報道するところでは、先ほど御報告願った高速道路の建設の計画に際して、昭和五十六年度は予算難でとにかく〇・三%しか予算が伸びなかったというふうなことが理由になって、予定している道路を建設していくために九路線、五百二十六キロメートルを中央分離帯のない二車線として建設距離を延ばすということを日本道路公団で決めたということが報道されておりますが、これは事実ですか。
#17
○政府委員(渡辺修自君) ただいま先生のお話のございましたのは去る三月に新聞に出た記事のことかと存ずるわけでございますが、先ほど御説明申し上げましたようにいろいろ各地で建設工事をやっておりますが、その工事全体が二千五百五十五キロございますうちでただいま御指摘の五百二十六キロメートル、これは正確に申し上げますと十二路線でございましてキロメートルは五百二十六キロメートルでございますが、ここで当面二車線の完成ということをいたしております。これは必ずしも予算がないからということではございませんで、やはり高速道路全体の採算性の問題もございます。交通量が比較的少ないところに最初から多大の投資をいたしますと非常に建設費の金利負担等もかさむわけでございまして、高速道路の健全な運営ということもできないということがございまして、その辺から考えまして、交通量が少ないところであって、かつまた十分危険防止の対策等も講じながら、当面の間二車線とするということを決めておるわけでございます。
 しかしながら、この二車線の施工は申すまでもなくあくまでも暫定的な措置でございまして、交通量がふえればその状況に応じて四車線にするという意味合いから用地は当初から四車線分を確保いたしております。
 なお、そのような区間の中で、初め二車線でございましたが四車線にすでに改良したという区間も全国には多数あるわけでございまして、たとえば中央道、八王子から大月の間でございますが、これはすでに御案内のとおり四車線化をいたしております。こういう区間も二百五十キロほどございます。
#18
○本岡昭次君 四車線を二車線にする、こういう車線の問題はいろいろな道路で見られます。中国縦貫の高速道路でも六車線が、あるところでは四車線になるという状況はあるにしても、分離帯を除くということは、いま懸命に総理をトップにして交通安全基本計画というようなものを立てて交通安全のさまざまな施策をやっている中で、分離帯を除いて四車線を二車線にするということは、いまおっしゃるように経済性の面なりあるいは交通量がそこは二車線で間に合うということであればいいのだけれども、どうして分離帯を取り除いて二車線にするのですか。安全との関係でこれは大問題だと私は思うのですが、いかがでしょう。
#19
○政府委員(渡辺修自君) 工事のやり方等によりまして、実は分離帯をつくりその両側の一車線ずっということも場所によってはできないことはないわけでございますけれども、山岳地帯等、地形の急峻なところでございますと上下線を分離するというようなところもございまして、こういう場合にはただいま申し上げましたような構造ができませんで、片側をつくってこれを両側に使うということから分離帯をつくり得ないという場合が多いわけでございます。しかしながら、私ども二車線を暫定的につくります場合には、大月から富士吉田の区間等でもごらんいただけると存じますが、チャッターバーと申しましていわゆる大型の道路のびょうでございます、こういうものをつけましたり、最近はまた、レーンディバイダーと申しましてゴム製の高さが三十センチぐらいの棒でございます、こういったものをある間隔で林立をさせるというようなことで、分離につきまして十分運転者の皆さんが注意できるというような構造をつげておるわけでございます。
 なお、二車線でつくるわけではございますが、たとえばインターチェンジの周辺とかそういうところにつきましては、出入りのランプの関係もございますので極力四車線化をいたしまして、遅い車がいる場合にはそういうところを利用して追い越しができる、遅い車がいてその後をいらいらしながらついていくことによって無理な追い越しをし、これが事故につながるというようなことのないようにも配慮はいたしておるところでございます。
#20
○本岡昭次君 新聞の報道に私は頼るしかなくて残念なんですが、新聞の報道の中に、「日本道路公団調べ」ということで、先ほど説明がありました二車線を四車線にしたというところ、八王子周辺のところで、日本道路公団が四車線と二車線とどちらが事故件数が多いかということを調査しているでしょう。それによると、四車線の場合の事故件数は三十七、二車線の場合は五十一、その中の死亡者率なんというのは四車線であれば〇・八、二車線であれば三・一、そして交通量は四車線の場合は四万二千九百四十四台、二車線の場合は一万六千二百二台というふうに、二車線はなるほど交通量も少ないです。しかし、少ない交通量の中で死亡事故というのは四倍近いものがここにはっきり出ているのです。こういう事実をどのように一体考えておられるのですか。
#21
○政府委員(渡辺修自君) この新聞によります先生がいま御指摘になりました中で、死傷者率というのがございます。国立と八王子の間が五・四、それから大月−河口湖間一七・一という数字でございます。これが実は先ほど一億台キロ当たりの死傷者率と申し上げた数字に相当するわけでございます。確かにこの例で見ますと四車線の場合の三倍近いわけでございますが、全国的に調べました結果では、先ほど五十二年から五十四年の間三カ年の平均の人身事故率を一般道路一二五と申し上げましたが、高速道路の四車線区間の平均が一三、それから暫定で二車線をつくっておりますところ、この例としてとりましたのは、北陸道の今庄と敦賀の間、それから中央道の大月−河口湖間、それから中国自動車道の岡山県の北房から新見の間、こういったところを例にとって調べた結果によりますと、三カ年の平均では少ないものは二〇、多いもので三〇ということで、平均二四程度かと思います。したがいまして、この新聞ではこの場所では確かにこうなっておりますが、全体的に見ますと高速道路は一般道路に比べて十分の一程度の危険度しか四車線の場合はない。それから暫定二車の場合も四車線の場合に比べて二倍というところまではいっていない、こういう事実がございます。そういうことで、私どもはいろいろ事故の例等のケーススタディーは常にやっておりますが、その事故の態様等に応じ、二車線でも極力今後とも事故を防ぐ対策を進めながら、交通量の少ない区間はやはり当面二車線施工ということもひとつ進めていかせていただこうと思っておる次第でございます。
#22
○本岡昭次君 まあパーセントやら何倍かということで事故率とかあるいは死傷率を論じても、基本的な人命尊重の問題と余り関係ないと思うのですね。やはり交通安全の問題はこれは人命の尊重の問題からかかわってくるのだから、一人であればどう十人であればどうというふうなことで数字的に考えていくことは基本的に私は間違いがあると思います。
 そこで、分離帯のある道路の分離帯というのは、それでは何のためにつくるのですか。
#23
○政府委員(渡辺修自君) 分離帯にも二種類ほどあるわけでございます。一番多いのは中央分離帯でございまして、これはいわゆる交通の流れを分離する中で、往復方向の相反する方向の交通を分離する、こういう趣旨でございます。なお、たとえば同じ方向でございましても速度の速いものと遅いものとを分離する、高緩速の分離というための分離帯もございます。その例といたしましては、たとえば自転車道を別途に設けるときに自動車の車道との間に設けるような分離帯がこれに相当するかと思います。
#24
○本岡昭次君 いまあなたが言われたように、分離帯の任務は、要するに往復している車を分離するということは正面衝突を避けるということですね、簡単に言えば。そうでしょう。それから、速い車と遅い車を分けるということは、追突事故をなくすという意味で分離帯があると考えていいですね。
#25
○政府委員(渡辺修自君) そのとおりでございます。
#26
○本岡昭次君 とすれば、分離帯のない道路というのは、その道路で追突事故が多発する、それから正面衝突の事故が多発するということは、結果として二倍であるとか、いやそれは二分の一しかふえなかったとかいうようなことがあるにしても、絶えずそういう危険な状況下にある道路と言わなければなりませんね。
#27
○政府委員(渡辺修自君) 確かに往復が分離されているものといないものとではその危険度において相当の差があるのは事実でございます。ただ、これはもう一般の国道等でよくごらんになっておると存じますが、大部分のわが国の幹線道路は二車線道路でございまして、そういう意味では分離帯は四車線以上の車線がある場合に分離ができるわけでございます。二車線を分離いたしますと、これは故障車があった場合とか何か事故があった場合等で実は大変交通運用上困る面もございます。そういう意味で、四車線以上の道路につきましては道路構造令におきましても原則として分離をするのだということにしておるわけでございまして、二車線の場合はそれは不可能でございますから、やはりいろいろ通っていただく方も御注意をいただかなければいけませんし、なお先ほどちょっと申し落としましたが、高速道路の二車線の区間につきましては、たとえば設計が八十キロの速度でございましても六十キロに規制するとか、これは公安委員会と御相談をしておるわけでございます。そういうような配慮もし、安全度を高めるということに配慮をしてやっておる次第でございます。
#28
○本岡昭次君 私は、幾ら答弁されても、分離帯のない高速道路は欠陥道路というふうに言わざるを得ません。たとえ何年か後に四車線にするにしても、四車線にして分離帯を設ける土地もすでに確保しているのだけれども、予算がないからとかあるいは現在そこは通行量が少ないからという経済性だけを考えてそうしたものを高速道路の中のある一部分一部分につくっていくということは、これはもう交通安全の立場からすれば認めがたい道路である、こう考えるのですが、一体道路公団がそのような道路をつくるということを決定するについて、これは建設大臣ですか、そういう大臣の許可を得て道路の最終確定をしているんですか。
#29
○政府委員(渡辺修自君) 整備計画を出します際に、初めから用地四車線、それから工事は二車線というふうに決めておるものもございます。なお、道路局長通達によりまして当面二車線と決めておるものもございます。
#30
○本岡昭次君 そうすると、これは公団が考えたことでなくて、建設省の内部で、二車線あるいは四車線あるいは分離帯を置く、置かないということの決定をしている、こういうことですか。
#31
○政府委員(渡辺修自君) 最終的にはお話のとおりでございますが、その間に至るまでには公団とも十分協議をいたしております。
#32
○本岡昭次君 大体状況はわかりました。あなたとやりとりしておっても、恐らく欠陥道路であるということをお認めにならないでしょう。
 そこで、総務長官にお聞きをするんですが、交通安全基本計画というふうにこういう計画を立てて、死亡者がこのままいっておれば一万人を超すかもしれないという調査の答えが出て、それではいけない、とにかく八千人以下に――人の命が、八千人であればいいということではないにしても、一応数値の目標をそこに置いた。そしてここに、高速道路は、あるいは歩道は、自転車道はと、すべての道路に対するさまざまな安全問題が出されている。にもかかわらず、一方では中央分離帯のない道路が高速道路として現に計画されてその建築が進められている。私は、この交通安全基本計画に全く背を向けた形でやられていると考えるのですが、いかがですか。
#33
○国務大臣(中山太郎君) 御指摘の点は、大きな問題だろうと思うのです。それで、第三次の交通安全計画を立てるに際して、関係各省とも事務的にいろいろと調整をして方針を立ててきたと思うのでございますけれども、私としては、一人でも死傷者が少なくなることが政治の目的でございますから、もしその中で問題点があるということが明確になればこれを改良していくことにやぶさかであってはならない、そのように考えております。
#34
○本岡昭次君 それでは、第三次計画が決定されて、そして各省でこれに基づいて事故をなくそう、死傷者をなくしていこうということと取り組むについて、先ほど私が言いました高速道路、これは基本的に四車線そして中央分離帯を置く、そういう状況以外でつくってはならない。それはやはり高速道路なんですから、六十キロ、それ以上で走ってはいけません、正面衝突する危険があります、あるいは追突する危険があります、そんな制約のついた高速道路を逆に言えばなぜあわててつくらなければならないのか。まず完璧に安全であるということを前提にして道路はつくられなければならない、私はこう思うのです。そこがこの交通安全基本計画と物の考え方が全然違っていると私は判断します。
 だから、ひとつ総務長官にお願いしたいのですが、建設省なり道路公団に対して、この基本計画と異なるようなそういう道路建設について再検討してもらいたいということが当然問題にならなければならない、こう思うのですがいかがですか。
#35
○国務大臣(中山太郎君) 実態の把握を十分いたしまして、問題点につきましては関係省庁と十分に連絡をさしていただきたい、このように考えております。
#36
○本岡昭次君 いま私が問題にしましたことを、この基本計画を樹立された対策会議の中でぜひいま一度論議してください。それは法律に触れるとかいや触れないとかいう問題でなくて、要するに、人の命をまず大切にするということを基本に置いた道路計画と、高速道路の分離帯がつくられていないということの関係を論議していただいて、私は建設計画の変更をぜひ総務長官の方から要請をしていただきたい。また次の機会にその結果どういう結論が出たかということについては再びお伺いいたしたい、このように思います。そして、次に進みます。
 次に、前回も質問さしていただいたのですが、通学路の問題です。通学、通園路の問題につきましても、この基本計画の中で幾つかの個所に述べられています。十ページの(カ)のところに、「交通安全施設等の整備に当たっては、児童及び幼児の通行の安全を確保するため、特に通学通園路について十分配慮するとともに、」以下「身体障害者の」云々と書いてあるわけですが、ここの「特に通学通園路について十分配慮するとともに、」ということだけではよくわかりませんので、いま少しこれについての補足説明をお願いしたいと思います。どういうふうにすることによって十分配慮をしようとしておられるのか。
#37
○政府委員(仲山順一君) これは、どのくらい生徒がそこを通るか、そしてどのくらいの自動車が通るか、これをまず調査しまして、幼児あるいは学生、これが事故に遣わないように、そのためにはガードレールあるいは交通規制、あるいは道路改良等そういうものもお願いする、各面総合的な観点からこれを進める必要がある、こう考えてやっておるわけでございます。
#38
○本岡昭次君 文部省は来ておられますか。
 前回の私の質問に際して、いま通学、通園道路の問題については調査中であります、三月末になりますとその結果が判明しますという答弁をいただいております。そこで、もう四月の半ばを過ぎているわけですから、ほぼその概略がまとまったのではないかと思います。文部省が調査された通学、通園の状況の結果全体をここで報告していただくには時間もかかりますし、後ほどまた資料としていただければそれは結構ですが、調査の結果、緊急にこれはどうしても対処しなければならないというものがその中から出ておりましたら、その点についてだけ説明をいただきたい。
#39
○説明員(長谷川善一君) 文部省では、昭和五十四年度と五十五年度の二カ年間にわたりまして、学校における安全指導、それから施設、設備の安全点検、そういったものの実施状況を把握するために、財団法人日本交通安全教育普及協会に学校安全に関する実態調査を委嘱いたしました。この調査は全国の小学校、中学校、高等学校及び幼稚園のうち約二十分の一を抽出いたしまして、交通安全だけではなく学校安全全般について調査したものでございまして、現在最後の取りまとめを行っております。調査項目のうち本岡先生御質問の通学の安全管理に関しましては、学校サイドから見ました通学路の設定あるいは点検、あるいは通学方法、どういうような方法で学校に通っているか、そういうような項目につきまして調査いたしておるわけでございます。
 通学路の設定状況について見ますと、小学校では九八・四%、中学校では九〇・六%が、地域の関係機関その他と協議しながら、あるいは学校独自でもって通学路の設定を行っております。
 また、通学路を設定した後どうするかということでございますけれども、小学校では九八・八%、中学校では九五・八%の学校で、その徹底のための指導というのを、毎学年あるいは毎学期、定期に行っております。
 さらに、通学路の安全点検ということになりますと、定期的にこれを行っているのが小学校で八一・九、中学校で八一・一のパーセンテージに上っております。
 全般的に申し上げますと、小学校、中学校につきましては、通学路の安全管理というのはかなり配慮されているというぐあいに思われるわけでございますけれども、なお通学路を設定していなかったり、あるいは設定しておりましても指導や点検を行っていないというような学校も、少数ではございますがございますので、今後こういう点について指導を強化してまいらなければならない、かように考えております。
 通学路の点検その他につきまして当該の行政機関等との連絡につきましては、特に大きい問題点はないように思われるわけでございますけれども、高校では九〇・六、中学では五九・二%の学校が自転車による通学というのを認めております。高校では自転車通学というのがきわめて多いわけでございます。そういった面でさらに報告を検討いたしまして学校としての安全の徹底につきまして考慮してまいりたい、かように考えておる次第でございます。調査の結果近々のうちに公表いたしたいと思いますので、その節はまたお話ししたい、かように思っております。
#40
○本岡昭次君 いまの御報告は、主として調査が教育委員会、学校と渡って、そこからこう記述式に上がってきたものじゃないかと思うんですが、実際は少し違うのではないかという感じを受けます。もう少し危険な状態で子供たちが通学、通園をしているというふうに私は認識をしています。文部省のそういう調査もあります。それからいま総理府の方でも、子供たちの通学、通園路についての通行量を調査して適切なる配慮もしていかなければならないと考えているのだという答弁をいただきました。
 そこで、幸い自治大臣がお越しになりましたから私はお願いしたいのですが、学校を設置するのは、国立の場合は国でございますが、公立を中心にして考えていくときにはこれは県であり市であり町であり村であります。だから設置者はあくまで地方自治体が設置をするわけですが、そこで子供の通学、通園の安全の問題、安全に通学、通園できる道を確保する問題、一体これはだれが責任を持つのか。学校が、いや、それは警察が、いや、それは道が悪いからもっと道をよくしてもらったらいいのだというのか、あるいは設置者か。いろいろあると思いますが、私の考えは、地方自治体がやはり学校の設置者であるのですから、学校を設置する以上、その設置された学校に幼児なり児童が安全に通えるということを前提にした上での学校設置ということが、もう現在のようなこの交通状態の中では省けない問題だと思うのですね。学校をつくった、さあ、あと行くのは個々人自由に行ってくださいでなくて、学校と安全な通学、通園路というものは一つのものとして設置者がその地域住民のために、子供たちのためにつくっていくということの責任者になっていかなければこの問題は解決しない、もちろん関係各省庁の協力ということはあるにしても。そういうことを思うのですが、自治大臣いかがですか。
#41
○国務大臣(安孫子藤吉君) 学校の設置が地方自治体でありまするし、また通学路の問題につきましては、いろいろ議論はあろうと思いますけれども、結局これは道路管理者であり、また県とか市町村、これが安全に通学できるような交通を確保してやるということは、設置者としては私は当然のことだろうと思うのです。この点については従来も各自治体におきまして配慮はしておりますけれども、まだ十分でない点は確かにあると思います。
   〔委員長退席、理事坂倉藤吾君着席〕
この点は、ひとつ十分各地方自治体にも認識を深めましてその点について努力するように、私の方からも話を進めたい、こう思います。
#42
○本岡昭次君 非常にありがたい答弁をいただいたのですが、総務長官の方も同じような御答弁がいただけると思います。
 そこで、児童、生徒のとにかく命というのか、体を大切にしてやる、人命の尊重、そうした立場から、だんだん事故が減っているということじゃなくて、通学途上における事故は絶滅するのだ、これはもうゼロにするのだという立場に立って、絶滅作戦をぜひ関係の各省でスクラムを組んで私はやっていただきたいと思うのです。そのために、先ほど通行量の調査をすると言われました。文部省も一方調査をしています。それをどこかで総合的にまとめて、一つ一つの学校の子供たちが通学している状況を全国的に学校の協力を得て総点検をして、シラミつぶしに危険なところを年次計画でもってつぶしていくということをぜひこの計画の中で子供たちのためにやっていただきたい。単に調査でなくて、調査が終われば必ずその欠陥道路あるいは子供たちにとって危険な場所はなくしていくということについてお願いしたいのです。
 それともう一点は、前回も私言いましたけれども、学校が新設される場合に、開校の条件として、地方自治体の長なりあるいは警察なり、そうしたところがPTA、学校の先生と一緒になって、それぞれの村や町からその学校に通う通学路を点検して、これなら大丈夫だと。後からガードレールをつけなければいかぬとか歩道橋をつけにゃいかぬとか、あるいは特別な子供たちの歩道をつくってやらなければいかぬとかいうことが起きないで、これでもう安全に通学ができるという確認ができるまで、その学校の開校は認めないというぐらい厳しい規制をそこに設定をするべきではないかという強い意見を私は前々から持っているわけですが、そうした点について自治大臣なり総務長官のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
#43
○国務大臣(安孫子藤吉君) 重ねて申し上げますけれども、地方におきまして学校を設置する場合には、やはりその通学路についても配慮はいたしておるつもりでございます。また、それなりに安全を確保するための施設や指導も行っていると思うのです。現にそうやっておるわけでございますが、しかし決して十分だと私申し上げているわけではございません。特に教育の問題、これからの子供の問題でございまするから、国家公安委員会なりあるいは自治省といたしましては、この点についてさらに地方自治体の責任者が認識を新たにして十分配慮するように、私も措置いたしたいと考えておるところでございます。
#44
○国務大臣(中山太郎君) いま自治大臣から御答弁がございましたが、
   〔理事坂倉藤吾君退席、委員長着席〕
交通安全対策本部といたしましても、御指摘の点を十分尊重して今後関係省庁と連絡をしてまいりたい、このように考えております。
#45
○本岡昭次君 ぜひともそういう協力体制を敷いていただいて、子供たちが安心して登下校できるようにしてやっていただきたいと思います。
 続いて、前回もいろいろ御説明いただきました子供の遊び場の問題についてお伺いをしてまいります。
 この点につきましても計画の中にあるわけですが、十八ページのエの項に「子供の遊び場等の確保」という項がございます。先ほども、昭和五十六年度を初年度とする第三次都市公園等整備五ヵ年計画ということについての御説明がございました。きょうも参議院の本会議でこの法案の成立が行われたわけですが、この中身をもう少し詳しく説明をしていただけませんですか、この五カ年計画の中身を。特に子供の遊び場という立場に立ってお願いします。
#46
○説明員(田辺昇学君) ただいま検討を進めております第三次都市公園等整備五カ年計画につきまして若干御説明申し上げます。
 都市におきます生活環境の改善、都市災害に対する安全性の確保及び公害の防止を図るとともに、増大するスポーツ、文化活動等の需要に対処するため、昭和五十六年度を初年度といたしまして第三次五カ年計画をただいま策定中でございます。第三次五カ年計画におきましては、五十五年度末におきます計画対象人口一人当たりの都市公園の面積、ただいま約四・一平方メートルでございますが、これを昭和六十年度末には約五・〇平方メートルに引き上げることを目途にしておりまして、総事業費は二兆八千八百億円、うち調整費一千九百億円でございます。五十六年度以降の五カ年間に整備されます面積は約一万二千ヘクタールの予定でございます。
 この第三次都市公園整備五カ年計画の中で重点としております項目が多々ございますが、一に挙げておりますのは、大震火災時におきます避難地または避難路としての機能を有する都市公園――防災公園の整備でございますけれども、ただいま御質問のございました子供の遊び場というような観点からまいりますと、スポーツその他の多様な需要に対処いたします児童公園を初めといたします都市公園の整備や、住宅の建設、宅地開発あるいは都市の再開発などに伴いまして整備いたします都市公園の整備、重点として掲げておりますこれらのものが特に関連するのではないかと思う次第でございます。
#47
○本岡昭次君 ちょっといまの御報告ではよくわからぬ。「子供の遊び場等の確保」というところに書かれてあるわけでして、いま言われた二兆八千八百億円あるいは一万二千ヘクタール、あるいはまた一人当たり四・一平方メートルが五・〇平方メートルになるとか、幾つかの数値を言われましたけれども、それは第三次都市公園等のいろいろな公園全体を指しているんでしょう。私が聞いたのは、「子供の遊び場等の確保」ということにこの項がなっているのですから、そうした全体の中で子供の遊び場を確保するためにどのような具体的な計画があるのですかということをお尋ねしているんです。
#48
○説明員(田辺昇学君) ただいま申し上げましたのは公園全体のマクロな問題を申し上げたわけでございますけれども、公園の種類から申し上げますと、児童公園、近隣公園、地区公園のように日常生活圏の中で非常に最寄りの地区から利用者を想定しているものがあるわけでございます。私どもといたしましては、その中で特に子供の遊び場という銘を打っておりますのは児童公園でございまして、これにつきましては、五十五年度、現在ございます数は一万人当たり二・五カ所程度の水準にございますけれども、理想的には一万人当たり四カ所という基準に基づくものでございますが、第三次五カ年計画におきましてはこれを一万人当たり二・九カ所程度にまで引き上げたいというように考えております。
#49
○本岡昭次君 一万人当たり二・五カ所を二・九カ所ですか。前回の答弁の中でも、人口一万人を一住区として四カ所児童公園を設置することを考えているのだということでした。そうすると。この第三次都市公園等整備五ヵ年計画で、一住区当たり四カ所というのが目標として二・九カ所。現在が二・五カ所というのですから、〇・四カ所とにかくふえるということですか、数字から言えば。
#50
○説明員(田辺昇学君) 一万人当たり〇・四カ所ふえるということでございますが、およその個所数的な面で申し上げますと、年間二千カ所以上単年度に造成されておりまして、五カ年になりますとその数は相当な数に上るものと予想しております。
#51
○本岡昭次君 そうすると、年間二千カ所というと、単純に考えて、この五カ年計画で全国で一万カ所の児童公園が新しくできる、こう考えていいわけですか。
#52
○説明員(田辺昇学君) 個所数の実績から申し上げますと、五十年度に一万七千ヵ所ございましたものが五十二年度末、四カ年の間に七千カ所ほどふえているわけでございまして、こういう推移等から勘案いたしましてただいまの数字をちょっと申し上げたわけでございます。
#53
○本岡昭次君 そうしますと、子供の遊び場を、何とか遊び場として確保できる一つの目標値を、一万人一住区として四カ所ということを設定されているわけですが、この四カ所が設置されるという状況になるまで、あと少なくとも五カ年計画を二回三回と積み積ねていかなければならない。しかしこのようにふえていくということは非常に結構なことだと考えるのですが、そこで、これは各県別に相当アンバランスがあるのじゃないかと思います。現在の児童公園というものが設置されている各県別の設置状況というふうなものを概略、もし御説明ができるようであれば、ひとつしていただきたいと思うのですが。むずかしければ、また後でもよろしいが。
#54
○説明員(田辺昇学君) ただいまちょっと資料を持ち合わせておりませんので後ほどまた御説明させていただければと思いますが、全体の感じとして申し上げますと、新しくできます区画整理を行ったり開発いたします宅地については、設計段階でかなり基準が明確に与えられておりますのでできてまいりますが、既成市街地の、改造にまつべきような個所がなかなか十分に手当てできないという問題がございまして、できるだけ努めてはおりますけれども四カ所網羅するにはやはり時間がかかるというように見ております。
#55
○本岡昭次君 そこで、公園というか、遊び場の問題について、前回も私は三つの条件をお願いして、これからできる公園には、本当に子供たちのために役に立つ遊び場として公園なり広場をつくってやってほしいということを申し上げました。
 そこで、この間私、四月十五日ですか、新宿御苑へ行ったんです。御苑に桜を見に来いということで参ったのですが、私は、あそこで感心したことがあります。芝生がきれいに整理されて、たしか公園があるのですね、その中で私は大変な発見をしました。あの中にスミレ、タンポポ、ナズナというのが咲いているところがあるのです。私は非常に大変な発見をしたんです。なぜかというと、一面芝生があり、自然とはいいながらやはりそこはつくられた人工美ということですね、公園そのものは。日本庭園あるいは西洋式なのがある。だけれども、入った入り口のところにありました。恐らく、あの土の下には虫もおるでしょう、さまざまな小動物もおると思うんですよ。私はあれを見て、公園、子供の遊ぶ場所というのは、やっぱりスミレ、タンポポとかナズナとか、そういうふうなものが、そして土を掘り返せばミミズもおるしさまざまな虫もおる、そういうものが公園のどこかにあって、どこでも子供は、なくなった自然というもののそこで移り変わりを見ることができるということを、どうしても都会の中の一隅につくっておいてやらなければいかぬのじゃないか。この間、タンポポなどを摘もうとしたら、中へ入ったらいかぬと書いてあるから、ああこれは入ったらいかぬのかなと、そのわきでしばらくじっと見ておったのですがね。私は、あれはみごとだと思ったんです。東京でスミレとタンポポ、ナズナを見に行こうと思ったらあそこへ行ったらいいんだなということがわかったのです。
 だから、ぜひともこれは、公園を設置する大事な要件として、私は、ぶらんことかそんなコンクリートや鉄で固めたものよりも、そういう自然を残して、そして子供たちが自然と親しみ自然と接する中で、生命を大切にするということを知っていくということをやらなければならないということを、再度ここで申し上げておきたい、このように思います。
 そこで、同じような問題で、遊戯道路の問題もここに出ております。そこで四千五百カ所、六百キロとこの前答弁がありましたけれども、この問題について、この基本計画の中ではどのように今後子供たちの遊戯道路を伸ばしていってやろうとお考えになっておられますか。説明をいただきたい。
#56
○政府委員(池田速雄君) 遊戯道路につきましては、都市部におきまして公園ですとかあるいは広場等の子供の遊び場が少ない現状におきまして、住宅街を中心に子供の日常生活の安全を確保するために交通の規制をやっておるわけでございますけれども、実情は、いま御指摘がございましたとおり現在全国で四千五百十四カ所、六百八・八キロメートルを実施しておることになっておるわけでございまして、春休み、夏休み等になりますとさらに臨時的なものも設けておるわけでございます。今後も地域の実情に応じましてこういう規制を進めてまいりたいと思いますけれども、特に遊戯道路だけということでもございませんで、現在全国で約一万ヵ所の生活ゾーンというものを設けておりますが、その中の一環といたしましてできるだけ推進していきたいというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、現実の実情を見ますと、なかなか実施がむずかしい点も多々あるようでございます。具体的に警視庁管内の例で見ますと、二千七十四区間で、二百五十一キロメートルほどで、実施しているわけでございますけれども、日曜祝日に限りまして実施ができておりますものが七〇%、それから平日に実施いたしておりますものが二五%ほど、一年じゅうやられているものというのは五%程度でございます。また時間別で見ますと、終日規制を行いまして実施できておりますものが全体の約五%程度でございます。時間規制を行っておりますものが残りの九五%程度であるわけでございますが、地域の方の御要望、いろいろな御意見、それから道路管理者初め関係機関との話し合い等を通じましてできるだけ実施するように努めておるわけでございますが、どうしても場所が限られてまいります。たとえば裏通りで交通量が少ないとか、迂回路があるとか、あるいは近くに遊園地がないとか、安全対策上問題がないかどうかというような点等も考慮いたしまして、特に終日規制の場合には、区間が短くて道路の幅員も狭い、あるいは袋小路的な道路につきまして実施できているわけでございますが、今後とも、できる限り時間を規制する、あるいは日曜祝日のみならずできる日があればできるように努めるといったような、段階的ないろいろな措置をとりまして、少しずつでも広めてまいるように努めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#57
○本岡昭次君 この一連の子供の遊び場の問題についての質問については前回中山総務長官の答弁をいただいておりますが、その中で私は非常に期待をしておりますのは、私の考えと総務長官の答弁とが一致している部分は、要するに、青少年の非行防止ということから見ても、やはり子供の遊び場があるかないかということが非行が多く発生したりあるいはそれが発生しなかったりということと非常に関連が深いということを総務長官が答弁をされました。私も、それがすべて直接結びつくとは思いませんが、子供たちによい環境を与えるということで、当然、その子供たちの生活の中でそうした心の病のような形で出てくる非行というのが起こらないのは当然でございます、したがって、児童公園を中心とする子供の遊び場、また遊戯道路等道路の開放によって、子供の遊ぶ場所をとにかく拡大をしてやる、こうしたことについて前回も、調査を行ってこれからは具体的に措置をしていきたいが、とにかく五十七年度概算要求にはそうした調査をするということについての関係各省の意思統一を行ってみたいというふうな答弁をいただいておるわけで、私は非常にありがたいと思っているのですが、子供のためにぜひ、先ほど言いました公園のつくり方の問題等々全体を含めながら、来年度の予算にはこうした子供たちの立場に立つ予算というものがその中に盛り込まれるように努力をお願いしたいということを再度ここで要請をしまして、長官の御意見を承りたい、このように思います。
#58
○国務大臣(中山太郎君) この間御答弁を申し上げました中に、青少年非行の問題と子供の遊び場所の関係というものがあって、これから調査をするというふうに申し上げたという御理解をいただいたわけですが、実は調査は完了しているわけでございます。
 それで、まず順を立てて申しますと、総理府広報室で「将来選択期(15−19歳)における青少年の意識」調査というものを昭和五十五年十一月に行っております。具体的に申し上げますと、その中で、青少年の方から、特に力を入れてもらいたいものを自由に述べさしたわけです。その結果どういうものがあったかといいますと、「青少年関係のスポーツ施設の整備や利用方法の改善」が一四%で最も多い。次いで「学校教育や受験制度の改善」が八%、「学校の施設、設備の充実」が六%、「高校、大学の増設」が六%、これが大体の大きなものをピックアップしたところでございます。そのほかにいろいろございます、「国公立の専修、各種学校を増やす」とかいろいろございますけれども、二けた台のパーセンテージを男女両方の子供たち、青少年が主張しておりますのは「青少年関係のスポーツ施設の整備や利用方法の改善」、こういうことが実は指摘をされているわけであります。この調査の結果と、昭和五十年に「都道府県別にみた公共スポーツ施設設置数と施設当たりの県民数」のデータがございますが、これは人口に対してどういうふうな順位になっておるかというと、悪い方から申し上げますと、大阪がこれ非常に悪いんです、四十七位。それから兵庫が四十位、京都が四十二位、神奈川が四十六位、東京が四十四位、埼玉が四十二位、こういう数値を示しております。片方で「都道府県別犯罪少年検挙者数及び人口比」というものを見ておりまして、千人対比で見ますと、二十人以上というのが大葉京、群馬、神奈川――神奈川は約二十人、十九・幾らです、京都、大阪、兵庫、岡山、香川、高知、福岡、こういうところが非常に高い数値を示しております。
 こういうふうなものを集計的に検討いたしますと、やはりどういうふうにスポーツを通じて子供たちのエネルギーを発散させるかということが、国の政策としては考えていかなければならない一つの大きなポイントだろう、こういうことを私どもとしては把握をいたしました時点で、安孫子国家公安委員長と私とが先般新宿等も見ましたけれども、現実の全体を把握するという観点からこういう問題についても十分これから前向きに検討しなければならない。そういうことで先般、文部大臣との三者会談を十三日に行ったわけでありますが、私どもといたしましては、概算要求の時期までに建設省とか文部省とかあるいは自治省とがそれぞれ連絡をいたしまして、来年度の予算で青少年犯罪の多数発生している場所にできるだけ多くの青少年のためのスポーツセンター及び公園というようなものを設置するように努力をすることが当面の青少年の非行問題を解決する一つの方法ではないか、そういうふうな考えを持っておるということをこの機会にお答えさしておいていただきたいと思います。
#59
○本岡昭次君 ぜひそういうことでやっていただきたいと思います。
 そこで、青少年の非行とか犯罪と交通問題、車の問題として関係してくるのが、暴走族という形であらわれている状況であると思います。高校生のバイクの使用問題、二輪車問題ということがそういうことから高等学校の中でいろいろ論議をされているわけです。ここで文部省にいろいろお伺いをしたらいいのですが、もう時間もありませんので端的に質問をしていきます。
 いま高等学校では、二輪車、バイクの使用について、これを全面禁止する、乗ってはならないという方針を出している学校、あるいはまた三ない運動――免許証を取らない、買わない、乗らない、こういうことで指導しておる、持っている免許は学校が預かる、こういう強制措置に出ているところが非常に多いのですが、道交法では、十六歳で免許取得ができるわけです。だから高校生は十六歳以上になると免許取得をしているわけですが、それを高校がそういう形で強制的に禁止措置あるいはまた三ない運動というふうなものを起こしていくことについて、そこは大臣いかがお考えですか。一方は青少年問題について、一方は警察というか公安委員長の立場から、いかがお考えですか。
#60
○政府委員(池田速雄君) 御指摘のとおり道路交通法上は十六歳で二輪車、原付等につきましては免許が取得できるようになっておるわけでございます。現に十六歳になりますと男子では約二二%、女子でも四・三%ほど、合計いたしますと一三・三%ほどの者が免許を取っておりますし、十七歳になりますと二五・七%ほどの者がすでに免許を取っておるわけでございます。現在の社会生活上の問題からまいりますと、就職しておる者もございますし、あるいは通学等に他の代替手段がないために二輪車を使用しておる者もあるというような実態等もあるわけでございますし、また基本的には、車社会がこれほど進展してまいりますと、車とのかかわり合いというものをどういうふうにしていくかという観点から考えますと、やはり一律に免許の年齢を高年齢にしていくということも問題があろうかというふうに考えるわけでございます。したがいまして、現在のところ私どもの考え方といたしましては、十分少年にも教育をして免許を与えるようにしたい、もし免許取得後に違法な行為その他があれば適正な措置を講じまして教育的な効果を及ぼすようにしていきたいというのが基本的な考え方でございます。しかし、そうは申しましても現実には大変事故等が多いのも事実でございます。そういった観点から、高等学校等におかれましても、教育的な学校教育という観点から、二輪車の使用につきましてあるいは免許を取ることにつきましていろいろな措置をおとりになっておることも私ども十分承知いたしておりますし、それは十分尊重してまいりたいというふうに考えております。
 しかし、教育等が充実してまいりますと、やはり禁止と申しますかそういうことだけでは解決できない面があると思いますので、教育効果を見ながら逐次適切な指導をやっていただいて、安全に乗れる方向に持っていくというようなことが理想であろうかと考えておりますので、そういう方向を目指しながらも、しかし現実には大変むずかしい問題がございますので、教育的な措置をおとりになっておりますことにつきましては警察としても協力してまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#61
○政府委員(仲山順一君) いま御答弁がございましたが、二輪車の運転について規制したり禁止したりする、いわゆる三ない運動については、学校の教育活動の一環として行われているものと承知しておりますが、一概にその善悪について論じることはむずかしいと思います。十分交通安全教育を行った上で、学校を取り巻く交通環境を考慮しまして実施するならばやむを得ないが、ただ安易には規制したり禁止したりすることは好ましいことではないと考えております。
 第三次の交通安全基本計画におきましては、生涯にわたっての交通安全教育を行うこととしておりまして、総理府といたしましては、今後、青少牛の健全な育成の観点をも含めまして、生涯にわたる交通安全教育の一環として高等学校における交通安全教育の充実が図られますよう、関係省庁とも十分連携をとりつつ努力してまいりたいと考えております、
#62
○本岡昭次君 教育上の問題ということと、一方では道交法で十六歳から免許取得はできるという問題のかかわりですね、これは文教委員会でもむずかしいむずかしいと言うのですが、むずかしいでは済まされない問題だと私は考えています。私は、禁止する方が間違いだという立場に立ちます。
 というのは、先ほども、安全教育とかいろいろバイクに対する教育をやってそして乗れるようにしたらいいじゃないかということなんですが、いま現実に起こっておるのは逆の方向なんですね。
 高等学校における交通安全教育に関する実態調査報告、これ文部省の側に説明してもらったらいいのですがもう時間がありませんので私が言いますが、ここに、要するに、二輪車に関する安全指導をしていない高校の理由、私のところはしないと言うんです、それはなぜかというと、全面禁止をしているから必要がないと。わかりますか、この意味。三ない運動をやっているから安全の教育をする必要がないと答えている。そして、あなたがおっしゃるように教育効果を上げようにも、何もやらないのですよ。だから、高等学校における交通安全教育というのは、教育があるのじゃなくて、禁止によってその危険な状態を全部なくしていくんだという形に出てきています。私がいま言ったようなこと、何と回答の中の六〇%から七〇%がそういうふうに高等学校は答えてきている。そうすると、いまあなたのおっしゃったことは全然期待できませんね。いかがですか。
#63
○政府委員(仲山順一君) そういうふうに考えられるようでございますが。
#64
○本岡昭次君 いや、考えられるようでございますがでは困るのです。これはずんずん広がっていっているのですよ。私は、非常に安易な方法をやはり学校がとっておる、こう考えます。禁止すればいい、そうして違反をしたら処分をすればいいと。だから生徒は、処分されてはかなわないから乗らない、親も、ということなんです。ここでぷっつりといわば交通安全教育というのは切れてしまうのです。だから、そういうことも影響して、過日の新聞に出ておりましたね、未成年での免許取得者に非常に事故の発生率が高いと。十八歳で普通免許を取って十年、三十歳ぐらいにならないと普通の事故発生率に下がらない、非常に高い発生率のままずっと推移している。それで二十過ぎて遅く免許を取るほど安全だという結果が出てきているのです。これと先ほどの高等学校のものが直接結びつくとは限りません、もっとさまざまな要因があろうかと思いますが、交通安全教育が被害者から加害者に変わっていくような年齢になったときにとだえていくという、その交通安全の問題の一貫性のなさが私は重要な問題をはらんでいるのではないか、こう考えるのです。
 一方では、十六歳で免許取得ができるというのを禁止するということは、これは私はできないことだと思うんです。学校というものの内部規律で、取ったらその者が処分をされて停学されたり退学される。一方、法律で認められていないこと、たとえば飲酒とか喫煙とかいうのは、未成年はたばこを吸ってはならない、お酒を飲んではならないとあるのだから、当然それを学校が規制するということはいいけれども。大臣、こういういま実態があるのです。だからぜひ、先ほど三者でよく話し合うのだとおっしゃっておりましたけれども、この問題もひとつ三者で話し合っていただいて、文部省側が逃げてはだめだとぼくは思うんです。これは安全教育、交通教育をしっかりと施して、加害者、被害者、お互いに交通事故というのは対人関係で起こる問題なんだから、そうした二輪車に自分が乗らないからその教育は必要がないじゃなくて、乗らない者にもそのことの必要があるのだという立場に立たなければこれは教育というものがなくなってしまうと思うのです。いかがですか、ひとつこの辺でお考えをお聞かせください。
#65
○国務大臣(中山太郎君) この問題は非常に問題の根が深いと思います。はっきり申し上げると、三千八百万台の車、四千三百万人の免許取得者、毎年二百万人、二百万台ずつふえていくこの車社会というものの到来に対して、一体これから教育をどうするかという問題が根底にあると思います。
 そういう点を踏まえて、すでに昨年私は、暴走族の問題を取り締まりを厳重にするように関係各省との連絡会議を済ませた後で、文部大臣に面談を申し込んで、学校の義務教育課程において、いままでは歩く人のために教育をしていたわけですね、黄色になったらとまれ、赤になったら渡るな、これが教育としてあったのですけれども、これからは運転する人間に十分な教育をしないと国民全部がある年齢に達したら免許証を所有するというような時代がこれからやってくるだろう、そういうことがこれからの車社会に対応する教育のあり方であるということで、正規のカリキュラムでぜひ運転者の心得べきことを教育すべきだということで、実はお願いを文部省にすでにいたしております。
 ただ、学校別にその指導を行うということも、これは学校のいわゆる教育方針というものはそれぞれあるので私は一概にこれも批判することはできないと思いますけれども、先般安孫子大臣や私どもが新宿へ参りまして、現場で補導員たちに話を聞いたわけです。その中でやはり忘れられないことが一つある。それは、子供たちというものはメカが好きなんですね、だからオートバイが欲しいということを親に要求する。学校へ通学するのにオートバイに乗るとか原付に乗るとかということになってくると、これがまた子供の社会で流行になっていく。そのためにお金が欲しい、あるいはそのための手段を選ばないということも、これまた青少年の犯罪を引き起こす引き金になる要素であろう。ここいらについて私は、物心のつく青少年、思春期の子供たちにどういうふうなことが一番必要なのかということについては私ども閣僚が中心になって先生の御指摘のような点も踏まえながら十分検討してまいりたい、このように考えております。
#66
○本岡昭次君 文教委員会の方で機会を得て文部大臣にも要請をいたしますが、小学校、中学校、高等学校というふうに一貫した形で交通安全教育というものが行われる、またそれを体系化しなければならないということの中で、やはり問題は、先ほどカリキュラムという言葉も出ましたけれども、文部省は手引きというふうなものを大量に印刷して現場へ配ります。しかしいまの教育現場は残念ながら、そういうものが入学試験にでも出るのなら目の色を変えていろいろするでしょうが、そういうことをする時間が惜しいということになりますから、小学校、中学校、高校、上へ上がるほどそういう時間はなくなる。一年のうちに一時間か二時間すれば、それでやったということになってしまう。文部省がせっかくいいのをつくっても、それは本だなにほこりと一緒にまじっている、こういうことになるんです。だから、時間をどうつくるかということと、今度はそれを教える指導者です。何を教えていいかわからぬということになります。何を教えていいかわからぬというのは、それは指導者がいない、あるいは指導者教育がされていないということ。教員養成大学を出ても、教員養成をするさまざまな勉強の中にこうした交通安全の問題というのはいまほとんどないと私は思いますから、何を教えていいかよくわからぬ。だから教えるということは、いまおっしゃったように、信号とか、あるいは道交法に載っていることを結局教えるより仕方がない。要するにそれは安全の問題になってくるわけです。だから、危険な状態を除けば、そういう教育はしなくてもいい、三ない運動、禁止運動をやればもう交通安全教育は要らないのだ、こういうことになってくるわけです。
 総務長官も御存じのように総理大臣賞をとられた阪大の長山助教授の「交通教育の体系化」、私も読みました。これはある一つの提言だと思います。その中で、交通安全教育じゃなくて、交通教育と言っておられるところに私はポイントがあると思うのですね。交通安全教育とあるから、安全であれば要らないということになってしまうので、安全とか危険だということじゃなくて、交通教育として、現在の生活の中に交通を抜きにしてわれわれの生活はないのだと、衣食住と同じような立場でそれを見ていかなければいかぬという一つの発想から、これは人間の生活科学の問題としてこれを体系づけて教えるという主張です。ぼくはなるほどと見ていたのですが、ぜひそうした観点に立って、指導者の養成なり、時間をどう組み込んでいくかということについて、交通安全教育じゃなくて交通教育なんだという認識というのですか、こうしたものをぜひこれから新しい観点で指導の中に盛り込んでいただけたらと、このように思うんですが、その点いかがですか。
#67
○国務大臣(中山太郎君) 御指摘のとおりでございまして、そのように私どもも努力をしてまいりますので、ひとつ御支援を願いたいと思います。
#68
○坂倉藤吾君 いま同僚の本岡委員からずっと問題の提起があったのですが、聞かしていただいておりまして大変疑問に感じるところが多いのです。そこで、基本的な立場に立って二、三御質問を申し上げたいと思うのです。
 まず、対策室長の方で説明がありましたときに、この基本計画を具体的に強力に推進をするのだという決意も含めて話があったと思うのです。いまずっとやりとりを聞いておりますと、この強力にというのは、強く引っ張る力あるいは進める方じゃなくて、むしろ政府全体の各省庁、関係省庁にまたがってのいわゆる横の協力ですね、強い方じゃなくて、お互いに力を寄せ合う方の協力の体制いかんというふうにまず最初に聞きたいのです。
 この基本計画は総理が中心になられて関係のところは全部合意をされたものだろう、こういう前提に立ちますと、この五カ年計画、基本計画で果たして今日の情勢の中で具体的な事業実施というのが可能なのかどうなのか、しかもその協力体制というのは、各省庁で裏づけられるそういう根拠を持っているのだろうかどうだろうか、きわめて疑問に感ずるのです。この辺は総務長官、この基本計画を長官の任務としまして提起をされて、各省庁はどういう反応を示したのでしょうか。
#69
○国務大臣(中山太郎君) 各省庁との連絡関係につきましては、事務担当者から御答弁をさせていただきます。
#70
○政府委員(仲山順一君) これを作成するに際しましては、まず各省庁の事務関係担当のところから集まってもらいまして、内部におきましても専門家の意見を聞き、そしてまた何回も何回もこれは各省庁から出ていただきまして、そこで詰めまして、そして最後に、先ほど先生申されました三月三十一日には内閣総理大臣を長とする交通安全対策会議で確定されたということになっておりまして、やる場合につきましても、すでに先ほども御説明申し上げましたとおり相当予算の裏づけもございまして、たとえば交通安全施設等整備事業五カ年計画、これでは二兆七百五十億円、二万基の信号機の新設、二万八千基の信号機の改良それから十五都市における交通管制センターの新設とか、あるいは十万キロメートルについての歩道の整備とか、それぞれ予算の裏づけもございます。それから、先ほどの遊び場についての対策につきましても総額二兆八千八百億円、都市公園等整備五ヵ年計画、これの裏づけがございますし、踏切道につきましても、五カ年で鉄道路線約三百キロメートルの連続立体交差化、四百カ所の立体交差化による踏切道の除去、その他約一千三百カ所の踏切道についての構造改良、それから四千カ所の踏切道についての踏切保安設備の整備、それから踏切道における交通規制の実施、統廃合の促進と、こういうふうにそれぞれなっておりまして、これにつきましては、横の協力関係をとることはもちろんでございますが、それをなお強力に推進――こちらの強力は強い力をもってやるということで、皆一生懸命にやっております。
#71
○坂倉藤吾君 そうしますと、約束をされて自信を持って出された、こういうふうに受けとめますが、としますと、いま本岡委員が論議をしておりましたたとえば高校の安全教育の問題、これを一つ取り上げてみましても、いま文部省おられますけれども、たとえば高校の問題が現実になぜ具体的に問題になるのだろうかというふうに考えていきますと、高校というのは、中学から就職される方がおりますね、高校へ進学しない人もおるわけです。これが一つあります。それから、高校を卒業しますと直ちに就職の方が相当数あるわけです。どういうことかというと、現に高校で免許取得等を一切禁止をしている。禁止をしているがために、就職して直ちに外へ出て、これは二輪車も四つ輪も含めまして、当然仕事自体がそういう車に乗らなければできない仕事がある。たとえば郵政省がそうです、外務員試験とかね。こういう関連の仕事は、民間あるいは官を含めましてたくさんあるのです。したがってそこでは、むしろたとえば郵政省の場合等は郵政に採用されるまでに免許を取得しておれば非常にこれはいいわけです。ところが、高校を卒業するまで学校が禁止をしているから、本人は免許を取りたい、親もそういう訓練をさせたい、受け入れる方につきましても、なるべくなら免許を取得をしてから入ってもらいたい、こういうことがありながら現にそれができないという問題も発生をしておる、これはまさに大変なことなんです。
 そうなりますと、高校の今日のあり方としまして、いわゆる私立があり公立があるわけです。で、私立は私立て、うちの方では私立の間は一切免許取得は認めていませんよという校風なら、そのことを承知をして選択をするでしょう。その前にいろいろな基本的な問題はありますが、仮にそういう選択が前提になっているとして、うちの学校は禁止をしていますよと、これは結構ですよ。ところが公立の場合は、少なくとも政府、地方自治体が関与して公立高校がある。その公立高校でこれを禁止しているという問題になれば、これは大変なことですね。そうでしょう。学校の校長の判断だとか、そんなことじゃないはずです。したがって、公立高校でという話になりますと、たとえば免許取得者は、それを自粛をするかどうかというのはそれは自治会で決めたりいろいろするでしょう、しかし前提としては通学に自分の免許を持っておるもので乗り入れてくるというのはこれまたあたりまえの話です。そうすれば、いまの学校の中で、ではそういう通学用のいわゆる車庫等については一体どういうふうにするのだと次に発展しますね。こうした問題まで掘り下げられてこの基本計画というのはたとえば各省庁が了知をしているのだろうかどうなのか。私は、そこまで掘り下げた論議になっていないだろうと思う。
 さらには、先ほど建設省と道路公団の中央分離帯の問題で論議がありました。中央分離帯の問題等にいたしましても、では中央分離帯のあるところでの正面衝突というのは一体どれぐらいになっておるだろうか、ないところでの正面衝突の事故数というのはどうなっているのか。そのことから見て、中央分離帯についての評価というのはまるきり変わってくるはずですね。道路公団あるいは建設省自体が、道路建設につきましてこれからの安全の問題を一体どうするのだ、責任を持つというのなら、そこまで判断をしながらそれぞれの立場できちっと理解をしてこれを取り上げなければおかしいのじゃないでしょうか。
 私は、この基本計画の直前に、この委員会の中で、これがいつできるのですかという質問をしながら、具体的にやってもらいたいという要望も申し上げたわけです。ところが、この基本計画の中では、具体的なところもなるほどございます、あるけれどもほとんどはこれ抽象論です。しかもその裏づけはどうなっているかというと、いまの質問でもわかりますように、関係の省庁は本当に真剣に取り組んだのだろうか。これは今日の行政の欠陥なんです。たとえば建設省は、道路をつくろうという発想の中で交通安全も考える。主体が交通安全じゃなくて、道路建設に主体がある。これはあたりまえの話です、建設省は。そうでしょう。たとえば運輸省の場合には、いかに必要な人と物を早く目的地に運ぶか、こういうことが主体でありまして、その立場から、それを安全にどういうふうにするかというのは二次的に出てくる。これはいまの仕組みの上からいきましたらあたりまえの話なんです。それをさらに、たとえば対策室の場合には交通安全を中心に置いて、あなたのところはどうなんですかというその繰り返しがきっちり組まれなければ、私はせっかくのこの基本計画というのはだめになるのじゃないか、こういう感じがするのです。
 たとえば二十四ページで、これはことしの特徴なんですが、基本計画の中で特に力を入れられたというのが、子供、老人、それから国際障害者年でありまして身体障害者の関係、これは大変私は結構だと思うのです。そこに一つ中心を置いて書かれてある。それから自転車の問題がある、それからトンネル事故の発生防止、これが一つ、それから都市交通の緩和の問題、いわゆるバイパス問題ですね。たとえばこのバイパス問題にしても、そこまで取り上げて、じゃ五年町に建設省としてはどれだけやれるのかという裏づけがありますか。なるほど予算は先ほど説明されたようにありますけれども、ではどこに、どこの都市にどれだけのバイパス建設計画があるのでしょうか。これはこれから立てられるんでしょう、予算に従って。本当は、計画があってその必要な予算をこれからとっていこうというのなら別ですよ。そういう想定を抜きにして総予算が決まる、これじゃおかしいんじゃないでしょうか。
 さらに、先ほど言いましたように、この二十四ページに、たとえばお年寄りの方々については家庭訪問による個別指導を強化していくのだ、こう言われている。お年寄りの該当の家へ戸別訪問をしてそうして交通安全の指導をしていきますよ、こうなっているのです。一体これはだれがやるのですか。厚生省が責任を持つのでしょうか、あるいは地方自治体がそのことについてきっちりそういう指導をする人を配置するのでしょうか。それでなくてもいまは第二臨調で、どれだけ人を節約するのか、こういう立場になっておりまして、この基本計画というのをながめていったときに、まるきりこれは絵にかいたもちじゃないのでしょうか。
 そうすると総理府は、室長としまして、このことをりっぱに提起をする限り、じゃ今日の状況というのはゼロなのか、いままではやってきたのか、やってきたとしたら何人の人がどういう形でやっているのか、ここへ書く限りはそれをどういうふうに変えようとするのかということの裏づけがなかったら、こんなことはここまで書けないはずなんですよ。私はこれ、老人の家へ回りまして個別指導するだけの態勢というのは、市町村を取り上げてみましても、何かの片手間に一言ぐらい触れてきてくださいよという程度ならできるかしれない。しかし、本当に基本的に交通安全の知識を普及するだけの人が配置できますか。私はちょっとおかしいのじゃないかという気がするんです。この辺はまあこれでき上がって閣議了解もしていることですからそれ以上申し上げませんけれども、少なくとも五カ年なら五カ年で、基本計画という限りは施策の基本方針と違うのですから、この計画ではたとえば一年次はここまでやりましょう、二年次はここまでやりましょう、三年次はこうです、四年次、五年次というのはこうやります、五年たったらこういうふうになりましょうというような基本計画になってこなければおかしいのじゃないでしょうか。私はそこに、物事の組み立て方の問題としまして、いまも論議を聞いておりましてきわめて疑問を感じざるを得ない。この辺について、次への展開に向かってぜひひとつこれは長官も室長も決意を聞いておきたい、こう思います。
#72
○国務大臣(中山太郎君) 御指摘の点、一応計画でございますからいろいろと文章の構成上先生の御指摘のような点が、十分とれだけの数をどうするかというようなところまで詰め切っていない点もあろうかと思いますが、一つの前向きな考え方として私はこの計画の中で盛り込んだというふうに理解をいたしております。ただ、百点満点の仕事はできないと私は役所でもいつも言っております。百点満点の行政もなければ百点満点の政治もない、絶えずよりよきものを求めていけということを実は大臣としては関係の官僚たちに言いつけておりまして、やはり現場でどんなことが行われているかということを実態把握しないと行政はうまくいかない。実はそのためにただいま各ブロックでこの交通の問題に関するシンポジウムを聞かしております。それでそれの集大成を五月の二十八、二十九日と学術会議の講堂を借りまして二日間にわたって、交通遺児たちのいわゆる生活の実態、それから身体障害者が交通事故で十万人身障者手帳を受け取っている方々がいらっしゃいます。ちょうど国際障害者年でもありますので、交通事故で身障者になった方々の生の声を聞くべきだと。
 それから建設省あたりは、結局道路はつくる、橋はかけるけれども車の流れがどうなるかというシュミレーションがされておるかどうか立体的に二日間ディスカッションをやってくれ、こういうことで、戦後初めて政府主催で交通に関する大シンポジウムを実は開きまして各分野の方々に生の声を出してもらう、そういうものを十分聴取して、この第三次の計画の中に色をつけ肉をつけて国民の要望するものを打ち立てていくのが政府の責任であろう、このように考えておりますので、ひとつ今後とも一層努力をしてまいりたい、このように考えております。
#73
○梶原清君 私は、いただいております時間が三十分間でございますので、交通安全施設とバス優先通行の問題につきまして二、三、交通局長にお尋ねをし、あわせてお願いを申し上げたいと存ずるわけでございます。
 先ほども長官からお話がございましたように、わが国の自動車の保有台数が三千八百万台を超えてまいりまして、まさにわが国は車社会と呼ばれるようになっておるわけでございます。このような状況の中で、交通の円滑と安全を確保していくということは非常に大変な仕事でございまして、それだけに関係の皆様方の御苦労も察せられるわけでございます。幸いにしまして、四十六年以降連続して交通事故による死者の数が減ってまいりました。ところが昨年、五十五年になりまして、一転して増加を見るような情勢になっておるわけでございまして、今後一層の御努力をお願いいたしたい、このようにまず考えるわけでございます。
 そこで、まずお尋ねをいたしたいのは、先般この委員会でお示しをいただきました新しい交通安全施設等整備五カ年計画、この中で信号機の整備につきまして今後どのような考え方で取り組んでいかれるのか、基本方針といったようなものにつきましてその概要をお教えをいただきたい、このように存ずるわけでございます。
#74
○政府委員(池田速雄君) ただいま御指摘のございましたとおり、交通状況、交通環境というものは大変厳しくなっております。こういった状態の中で、交通事故の減少傾向の定着化を図りますとともに、円滑な都市交通を確保するあるいは交通公害を防止する、こういったことを目標といたしまして、私どもといたしましても第三次の交通安全施設整備の五カ年計画を立てさしていただいたわけでございます。
 具体的な内容といたしましては、特に信号機関係につきましては、まず第一には都市部とその周辺部におきます交通事故の防止と交通の円滑を図りますために、交通管制センターを新しくこの五カ年間に十五ほど新設をいたしたい。なお、現在ございます六十のセンターにつきましての整備拡充を行いたいというふうに考えているわけでございます。
 なお同時に、信号機につきましては感応化でございますとか、あるいは系統化でございますとか、そういった高度化の政策を進めてまいりますとともに、歩行者用の灯器の増訂等によりまして信号機の機能がよりよく発揮できるようなものにしたいというふうに考えているわけでございます。
 また、通学路でございますとか、先ほども御指摘がございましたが、そういった子供を保護するための道路、あるいは新規に供用されます道路、あるいは歩行者の横断の多い道路等におきまする交通事故を防止いたしますために、信号機は約二万七百基を五ヵ年間に新設いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
 なお、最近では信号機は大変に交通事故の防止に役に立っておるわけでございますけれども、同時にまた、交通量がふえてまいりますと、その円滑を図るという観点からも、ぜひ高度化したいというふうに考えておりますので、従来のいわゆる定周期型のものではなくて、信号機は最低やはりプログラム多段と申しますか、そういう交通量の変化に応じ得るようなそういう新設の信号機を設けるようにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#75
○梶原清君 信号機といいますのが、交通の流れを円滑にし、事故を防止する上で非常に大きな役割りを果たす最も基本的な施設だと思うわけでございます。いまお答えをいただきましたような方向で御努力をいただきたいと思うわけでございますが、その際、二つ御指摘をしたいと思うわけでございます、先ほどもお答えがございました信号機の新設についてでございますが、なるほど今日、信号機のない横断歩道、いわば裸の横断歩道というのもたくさんございますし、また団地が新しく造成されるとか、学校が新設される等に伴いまして、信号機の新設の要望というのが強いわけでございます。ただ、その新設を進めていただきます場合に、現地の交通の実態に即したような信号機にしていただく、こういう努力をぜひお願い申し上げたい、このように思うわけでございます。
 もう一つは、私も現職当時、取り組んでまいりました都道環状七号線のときもそうでございましたが、これは大変公害問題が大きいわけでございます。で、警察当局におかれまして交通信号機を調整して信号停止の回数を少なくし、走りやすくする御努力というものをしていただいておるわけでございます。私の申したいのは、先ほどもお触れになりましたわけでございますが、既設の信号機を交通の実態に即するように改良して、先ほどのお言葉では高度化していくということでございましたが、この改良系統化、ここの計画でございますと改良系統化ということで個所数も挙がっておるわけでございますが、そういう方向に特に力を入れてお進めをいただきたい、このように思うわけでございますが、これにつきましてお考えをお示しをいただきたいと思います。
#76
○政府委員(池田速雄君) まず新設の信号機でございますけれども、確かに御指摘のございましたとおり、現在約十万基の信号のストックになっております。ちょうど十年前は約二万三千基でございましたので大変な数を整備していただいたわけでございます。
 それで、きわめて大ざっぱに申し上げますと、いわゆる都市部と申しますか、東京で申し上げますと二十三区内等につきましては、量的にはほぼ完備したのじゃなかろうかというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、新設いたします信号機につきましては、それ以外の先ほども申し上げましたような新しく団地ができたような場所でございますとか、周辺の地方部、そういうところを重点に整備することにいたしたいと思いますが、基数といたしましては、従来に比べますとペースがずいぶんダウンしておるわけでございますが、その少ない数の信号機であればあるだけ、有効な場所に新設さしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
 なお、この二万七百基のうち、約六千基は押しボタン式の信号機でございまして、御指摘のございましたとおり、まだ横断歩道でも信号のない横断歩道が大変に多うございます。少なくともその半分ぐらいは歩行者用押しボタン信号機がつくように努力してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから二番目の御指摘は、信号の調整をスムーズにすることによって交通の流れがよくなるということによりまして公害の問題等も解決するのじゃないかという御指摘でございまして、そういうことのために、先ほども申し上げました交通管制センターの整備拡充でございますとか、信号機の機能の改良ということを考えておるわけでございますが、これも私どもの反省でございますけれども、管制センターの運用に当たりましても大変広い面を考えて調整いたしますので、たとえば東京の場合でございますと、環状線内全体を見ますと、比較的全体のトータルの量としましての交通の流れは私どもあとう限りの円滑になるようにいま努力しておるというふうに考えておりますけれども、その部分部分で見ますと、必ずともやはりスムーズに流れていないという面もあるのではなかろうかという反省もいたしておるわけでございますので、全体の調整をとりながら、しかも局部的にも比較的スムーズに自動車の走行ができるようなきめの細かい管制の仕方というものもこれかも開発していかなければならぬというふうに考えておるわけでございます。
 なお、管制センターが管制しておりますエリア以外の信号機につきましても、信号の系統化を進めまして、私どもグリーンウェーブというような言葉を使っておりますけれども、系統速度で進行しますと、その道路につきましてはスムーズに走れるような、むだな停止がなくなるような、そういう系統化等につきましても努力をいたしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#77
○梶原清君 次に、バス優先通行の問題でお伺いをしたいわけでございますが、わが国の自動車の保有台数も三千八百万台を超えたと言いますけれども、そのうち九七・五%が自家用車が占めておるわけでございまして、営業車はわずか二・五%という状態でございます。自家用車は、使用者個人にとりましては非常に便利な輸送手段であるわけでございますが、燃料の効率、道路使用効率等から考えますと、公共輸送機関と比べまして格段に落ちるわけでございます。また、全体の交通問題を考えます場合に、どうしても公共輸送機関というものをもっと生かして伸ばしてやっていくということが全体の交通の安全、効率的な交通を確保するゆえんではないかと思うわけでございます。ところが、この四十年以降の情勢を見てみますと、公共輸送というのがだんだんと後退をしている、特に、バスが後退をしているというのが現状でございます。バスが市民の足として遠ざかりつつあるという状況でございます。自家用車がふえて、交通渋滞が激しくなって、そしてバスが後退をする、それでさらに自家用車がふえて交通渋滞が激しくなっていくという悪循環をずっとこの十年、二十年の間繰り返してきたように思うわけでございます。
 そこで、従来から警察当局におかれまして、バスの優先通行の措置をお進めいただいておるわけでございます。現在どのような状況になっておりますか、この措置の概要につきましてお教えをいただきたいと存ずるわけでございます。
#78
○政府委員(池田速雄君) バスの優先対策といたしましては、私どもの方でバス専用の通行帯あるいはバス優先通行帯等の優先対策を、都市総合交通規制の一環といたしまして、バスの正常な運行を確保するという目的で推進いたしておるわけでございますけれども、五十五年の三月末現在の調査によりますと、バスの専用通行帯が全国で九百二十一・四キロメートルございます。バスの優先通行帯が六百五十一・七キロメートルでございます。それから、バスの専用道路にいたしておりますものが百十八・一キロメートルほどございます。合計いたしますと、千六百九十一・二キロメートルほどになっております。ただ、残念ながら、従前に比べますと最近では年間約六十キロ程度ぐらいの伸びしかなくて、いささか頭打ちの状態にあるというのも現状でございます。
 ただ、バスのこういった優先対策を実施いたしますと、それぞれの場所によりましてその効果というのも違いますけれども、名古屋市の例で見ますと、たとえばバスの所要時間が従来に比べまして二〇%程度短縮された、またバスの回数というものが三八%程度はふえた、あるいはお客さんの数も五〇%ぐらいふえたというような実績があるわけでございまして、私どもとしてはできる限りこういった努力を続けてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、最近なかなかそういう対策というものが伸びない原因はどういうところにあるだろうかということで私どもとしても調査をいたしたわけでございますけれども、その結果によりますと、一つは道路構造面の制約といった点が考えられます。バスレーンを設定可能な、片側二車線以上の道路というものが少ないというようなこと、あるいは片側一車線の道路をバスの専用道路にしましても、今度は一般車両の迂回路が近くにないというようなこと、それから片側の一車線道路を全体で三車線に変えまして、うちの一車線をバスレーンとする、いわゆる中央線変移を伴います措置につきましても、それをやり得るような道路構造のところが少なくなったということが挙げられております。
 それから二番目は、地域住民の方々の御意向、あるいは協力の問題でございますけれども、バスレーンを設定いたしますと、どうしてもやはり駐停車禁止という措置をとらざるを得ないわけでございますけれども、そのことにつきましての合意というのがなかなか得られないという点がございます。それからまた、特に夕方のバスレーンにつきましては、そのことによりまして商店街等の商業活動が影響を受ける、こういったような理由で御同意いただけない例もございますし、それから一方通行規制をやることによりましてバスレーンを設定することにつきましての、一方通行規制そのものについての同意が得られないというようなこともございますし、また表通りの方につきましては同意が得られましても、一般車が迂回するわけでございますので、その迂回路に当たられる沿道の方々の同意が得られないというような点が挙げられております。
 また、これは運行をされますバス側の問題でございますけれども、バスの路線系統の再編成の問題が、特に複数の会社等で運営されています場合の話し合いの問題でございますとか、終車時間の問題でございますとか、運行管理の適正化の問題でございますとか、停留所の施設の改善の問題でございますとか、その他いろいろ運行されます側の問題も挙げられておるようでございます。こういった実情を踏まえまして、道路管理者の方、あるいは実際にバスを運営されます事業者の方、あるいはその監督をされます陸運当局の方々と御相談をしながら、少しでも公共大量輸送機関が伸びるような措置に努力してまいりたいというふうに考えております。
#79
○梶原清君 ただいま局長が御指摘になりましたむずかしい事情につきましては、私にも十分理解ができるわけでございますが、いま御指摘のありました中央線変移装置の問題、これを特に私はきょうお願いをいたしたいわけでございます。この計画では新しい五ヵ年計画の期間に七十キロメートルの御計画がされておるわけでございます。一キロ当たり相当のお金がかかるのではないかと思います。これだけの装置をしていきますのに大変な費用がかかるわけでございますが、ぜひとも、先ほども御指摘のありましたむずかしい事情もございますでしょうけれどもぜひ積極的にお進めをいただきたい、このように思うわけでございます。
 それで、大都市でもそうでございますが、地方都市につきまして、御案内のように市の周辺部に団地が造成される、市街化されてくるとその市街化された周辺部と中心部との交通というものが激しくなるわけでございますが、それが、大体において朝夕一方通行になるわけでございます。で、各都市のバス事業者の方から本当に切実な訴えを聞いておるわけでございます。
 先日も岩国市の交通局長が来られまして、バス事業というのはもうお手上げの状態、にっちもさっちもいかない状態でありますので、これを何とかしてもらいたい、現在関係の皆さんとの間で協議を進めていただいておるわけでございますが、ぜひともこれを推進していただきたいという切実な声がございました。
 バイパスということにつきましても昨今の情勢でございますので、用地買収をひとつするのでも大変でございます。また、周辺住民の方の理解を得るというのもなかなか困難である。かといって、既存の市街地の道路を拡幅するということもまたこれ困難でございます。そこで、片側一・五車線と申しましょうか、そうした狭い道路を活用していくというしか道がないのではないか。いわゆる二車線の三車線活用といいましょうか、この方向でひとつ御尽力をいただきたい、このように思うわけでございます。非常に金額も張るかと思いますけれども、これに力を入れてぜひやっていただきたいということを特にお願い申し上げたいわけでございます。局長の御答弁をいただきまして私の御質問を終わらしていただきたいと思います。
#80
○政府委員(池田速雄君) 御指摘のございました中央線変移の状況でございますけれども、現在私どもが把握しております数字は、十二部県におきまして二十七区間の六十四・四キロで実施されて効果を上げておるというふうに考えております。その前の数字でございますと、実はたしか昭和五十二年だったと思いますけれども、二十一区間で四十七・六キロでございましたので、できる限りの努力をして伸ばしてまいったというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、先ほども御指摘がございましたとおり、この中央線変移を実施いたします場合につきましても、やはり一番の問題になりますのは、その変移区間の始点、終点の道路の形態の問題でございますので、その条件といたしまして、たとえば交差点が変形交差点でない、あるいは一定区間がほとんど直線道路になっておるといったような要件でございますとか、終点から先の道路幅員が極端に狭くない道路であること、あるいは従道路の交通量が少ない道路であることなどの要件がなければなかなかうまくできない、こういうことでございますので、そういった道路環境を整備していただくという両でも、道路管理者の方々ともいろいろ御相談して、大変御努力いただいておるわけでございますけれども、今後ともまた、その努力を続けてまいりたいと思いますが、私どもの措置といたしましても、中央線の変移システムというのはやはり安全の確保という面から見ますと、中央部分の車両通行帯が朝夕で全然逆になってまいりますし、始点、終点では交通量が急に変わるわけでございますので、そういう通行帯が変わりますことを運転者の方には明確に示すような施設というものが必要でございますので、中央線の可変標識等をつける、あるいは予告標識等をつけるといったようなこと等から、現状を申し上げますと、大体五百メートルに一カ所ずつくらいはオーバーヘッド式の柱を設けまして可変標識を取りつけておるというのが実情でございまして、そのための金額というのがキロ当たりに直しましても約五千万円を要するといったような実態であるわけでございますが、現在実施しております中央線変移区間というのは、一区間で申し上げますと大体二キロ少々でございます。しかし、これを実施いたしました効果というものは大変なものがございますので、今後とも関係機関の方々あるいは地域住民の方々と御相談を重ねまして、今度の五カ年計画でも計画に織り込んでおります額を達成できるように努力してまいりたいというふうに考えております。
#81
○梶原清君 ありがとうございました。終わります。
#82
○中村鋭一君 前の三月二十五日の委員会で、私は道路面の標示について、法定速度がたとえば高速車六十キロ、中速車五十キロでありましても路面に標示が「4〇高中」となされている場合は最高速度四十キロを守らなければいけない。それは見ればわかることですから「高中」の二文字を外したらいかがでございますか。その「高中」の一文字を書くについての単価のとり方は政府の方は大変安くおっしゃいました。われわれの試算では、「高中」二文字を書くのに最低で一万五千円かかるというふうに申し上げて善処を要望したのでございますが、その後これについてどういう検討をお加えになりましたか。
#83
○政府委員(池田速雄君) 御指摘の点につきましては、大変多くの問題があるというふうに考えておりますので、慎重に検討をしてまいりたいと考えております。
 具体的な例を挙げまして恐縮でございますが、たとえば「5〇高」というふうに書いておりますと、現在その規制が意味いたしておりますのは、これもくどくて恐縮でございますが、高速車につきましては五十キロが最高速度でございますよと、中速につきましてはそういった規制がございませんので法令で定めております四十キロが最高速度でございます、それから低速車につきましては三十キロでございますと、こういう三つの内容の規制を標示いたしておるわけでございます。したがいまして、現在「高」というものを取りまして「5〇」ということになりますと、高速車、中速車、低速車につきましてもいずれも最高速度は五十という意味内容の標示になるわけでございます。したがいまして、考えられますのは、そういう実態の規制というものを全部そのようにしてもいいじゃないかという御意見も一つあろうかと思います。ただ、これは道路の場所によりまして、たとえば「4〇高中」と書いてあるものを外しまして、低速車につきましても四十キロまでいい、こういうひとつのその場、その場での一番適切な措置だということで措置をとり得るということになりますと、これはすぐ外せるというふうに考えておりますが、それが適当かどうかというのは具体的な場所について判断せざるを得ないというふうに考えておるわけでございます。
 それで、しからばそういうことでなくて、高速車については仮に五十、中速車については四十、低速車については三十といったような規制を、たとえば五十なら「5〇」と書くか、あるいはそれに何らかのものを加えまして現在と違った標示で、意味内容はそのままのものが標示できるかどうかという問題が一つあるわけでございます。これも法令の決め方でございますので、技術的になろうかと思いますけれども、その場合でも問題になりますのは、たとえば、そういうことでなくて、一律に全部五十にしたいというような標示のときには一体どうすればいいのだろうか。それから、たとえば一般道路ではございますけれども、最高の速度を六十あるいは八十にしておる道路も現にあるわけでございまして、
   〔委員長退席、理事坂倉藤吾君着席〕
ただ、そういう道路につきましては低速車につきましては通行が禁止されておりますので、いわゆる高速車、中速車だけが通行を認められておりますので、「6〇」なり「8〇」の標示がございましても全然通行上の問題はないという実態があるわけでございます。したがいまして、いま申し上げましたような大変むずかしい点をどういうふうに解決するかということを慎重に検討してまいりたいと考えておるわけでございます。
#84
○中村鋭一君 大変いま説明を詳しくいただいたのでございますが、前回の委員会でも私が申し上げましたのは、その取り締まる、規制をするという側から、繁文褥礼をもってよしとする、そういう考え方、発想を転換しなさいということを申し上げたつもりなんですよ。ですから、そのために発想を転換すれば、研究すれば、幾らだってできるじゃないですか。
 ここにこれ、週刊プレイボーイです。えらい前の方は女のヌードがたくさんありますけれども、そこじゃないんです。「ついに国会に引きずり出された「高中」標示」、その中で私の質問が取り上げてあるのですけれども、「中村議員の質問のクライマックスは、安孫子国家公安委員長に対する次の質問だった。「では、おききしたい。道路交通の安全上、高中の2文字は絶対に必要だと、お考えですか。いっそそんなの廃止したらどうですか」。記者は気づかなかったが隣で傍聴していた藤川さん――プロカメラマンの方でございますが、「国家公安委員長の後ろにいる斜め縞のネクタイをした人物が、口をへの字に曲げて、首を横に振っている光景を目撃している。」そのときにこういうネクタイをして口をへの字に曲げて首を振られた方がどなたかは私存じ上げませんけれども、そこのところを言っているのですよ。私が国家公安委員長に質問をしているときに、そんなこと言ったってできるものかと、そうでしょう。積極的に検討を加える前にすでに首を振って拒絶反応を示している、そういう役人的発想がけしからぬということを言っているのですよ。しかも、ちゃんと標示をして検討すればできるのです、いまあなた盛んにおっしゃいましたけれどもね。その上に、現に、私は大阪の吹田市の桃山台に住んでおりますが、私のうちの近所、高中の一文字なんかないですよ。一遍見に来てくださいよ。「3〇」「4〇」と数字だけが書いてあるのです。日本の道路で数字だけを書いているところがすでに幾らもあるのですから。しかも高中の二文字外せば二文字について一万五千円ですよ、何十万ヵ所書いてあるんでしょう、何十億円の節約ですよ。あなた方の試算だって何十億です。私の試算では二千九百十六億円国費が節約できるのじゃないですか。
 公安委員長、積極的に一つ御検討をお願い申し上げたいと思います。所信をお聞かせ願いたいと思います。
#85
○政府委員(池田速雄君) 大変くどいようで恐縮でございますけれども、道路標識あるいは標示といったものはその意味内容というのがまず第一に正確に認識されること、それからできる限りわかりやすい、こういうことが要件であろうかと思います。したがいまして、なぜくどいくらいこういうことを申すかと申し上げますと、実は四十六年の道路交通法の改正がございましてそのときの御意見というのは、要するに法律あるいは政令といったような条文を知らなくても、現に道路を走って道路標識なり道路標示なりというもので見ればそれがわかるような方式にしなさい、したがいまして、法律の規定も公安委員会が特段の規定を置きますと、それが優先するんだと、それがない場合には一般的な法令に書いているルールが働く、こういうふうな法律の構成に現在なっておるわけでございます。したがいまして、わかりやすさという点だけから申し上げますと、仮に五十、四十、三十という政策をとるのなら、五十につきましては高、四十につきましては中、三十につきましては低というのを全部書けば一番ある意味ではわかりやすいかと思いますけれども、そこまでしなくてもということで、「5〇高」と書きますとそのほかのものにつきましてはそれぞれ一般に理解できる……
#86
○中村鋭一君 もう結構です、時間がありませんので。
#87
○政府委員(池田速雄君) こういうことになるわけでございますので、その点は御理解いただきたいというふうに思います。
 したがいまして、いま御指摘の点で書いてないという道路につきましては三十、四十、すべての車をそういう速度で走らして安全である、こういうふうに認識して規制しておるというふうに考えますので、そういう実態のあるところにつきましては書いてなくても適切な規制である。ただ、必要がありましてそれぞれの車につきましてのスピード差を設ける場合にはやはり何らかの形を考えなければいけない、それが現在の段階では、「高」と書くあるいは「中」と書く、あるいは「低」と書くのが一番合理的だ、こういうふうに判断しているわけでございます。
#88
○中村鋭一君 公安委員長、答弁はもう結構でございます。ありがとうございました。
 どこまで行ってもかみ合わないようでございまして、現に「3〇」、「4〇」、「5〇」と書いてある道路があって、それはそういう規制でいいと思うからそういうふうにしてあるとおっしゃったのでしょう。
   〔理事坂倉藤吾君退席、委員長着席〕
だったら、それを日本全国の道路に敷衍したらいいじゃないですか。お金は節約できるのでしょう、ドライバーだって、何遍も言いますよ、「3〇高中」とか「4〇高中」で書いてあるよりも「3〇」「4〇」と書いてある方が目に入ってくるのですからね、そのことを申し上げておきたいと思います。積極的にひとつ、もう一遍言います、発想を転換してください。国民にとって何が一番役に立つか、何が交通事故を減らすか、それを考えたら条文がどうの昭和何年にこう決まったからああの、そういうことを言っている段階ではないということを申し上げているのですからね。
 次に、二輪車ですけれども、現在都内で二輪車の通行を禁止しております個所は何カ所ございますか。
#89
○政府委員(池田速雄君) 東京都内の一定区域におきまして自動二輪車の通行を禁止いたしておりますのは三カ所ほどございます。一つは代々木公園、神宮外苑周辺と、二番目が皇居外周、日比谷公園周辺でございますし、三つ目が錦糸町周辺の区域でございます。なお、このほか路線といたしましては五十五区間の約十六キロにわたりまして規制をいたしております。
#90
○中村鋭一君 時間的に通行を規制している場所は何ヵ所ぐらいでしょうか。
#91
○政府委員(池田速雄君) いま申し上げました地域、場所につきましては午後の十一時から翌朝の六時までを禁止いたしております。
#92
○中村鋭一君 これらの規制はいつ制定されたのですか。
#93
○政府委員(池田速雄君) 昭和四十九年の十一月の三十日からでございます。
#94
○中村鋭一君 それらの規制は、適切な指導といいますか、たとえば標示板なんかはちゃんとやっていると理解しておられますか。
#95
○政府委員(池田速雄君) それぞれの周辺の見やすい場所に標示いたしております。
#96
○中村鋭一君 ここに毎日新聞から出たバイクという雑誌ですね、局長、ごらんになっていませんか。――じゃ私が御紹介しましょう、
 実際に二輪車に乗って赤坂陸橋のところを走ったわけですね。「最高裁の交差点から青山通りを渋谷に。平河町の交差点を半分過ぎると131m先の左側にある大きな道路案内板がまず目につく、
 第4車線を走っていたのでこのままだと渋谷へ行けない。右に寄り第3車線の左にはいる。
 ところがこの案内板から4〇m手前の何と右側、高速道路のコンクリート支柱に「バイク通行禁止」の標識があるのだ。排気ガスとほこりで汚れてはいるが、確かにある。
 だが第1、2、3車線にはトラック、トレーラーなど車高の高い車がひっきりなしに通るので、その左を走るバイクからは、右にある標識が車の陰になって見えないまま通過。
 第2車線にはいり、トラックの後ろ4mにつき時速4〇kmで進む。両隣はトラックやバス、乗用車がぴったり。
 案内板から6秒ちょっと68m。トラックの荷越しに「バイク通行禁止」の標識が突然目に飛び込んだ。陸橋入口の3m手前。横断橋の横っ腹につけられてある、
 気付いて7m、〇.6秒過ぎるそこはもう陸橋入口と左に下る道の」ジャンクション。「迷えばこの分岐点のコンクリート塊で自爆、真っ直ぐ進めば道交法違反。ハンドルを急に左に切ろうものならよくて側面衝突、悪くすればバンパーでふっ飛ばされてあの世行き。」これでいまおっしゃったように完璧な標識が東京都かにあると、こうおっしゃるわけでございますね。お伺いいたします。
#97
○政府委員(池田速雄君) 標識につきましては、なるべく見やすいようにということでやっておりますが、もし御指摘のような点がありまして、その周辺を調査いたしてみまして、不適切なものがあるとするならば調査の上改めてまいりたいと思います。
#98
○中村鋭一君 なるべく見やすいものをやっているつもりといっても、ちゃんとやりなさいよ。私がいま読んだでしょう。むちゃくちゃじゃないですか。そうでしょう。バイク通行禁止。バイクは左側を走っているのですよ。その右側にすすとほこりにまみれて、気がついて〇・六秒だったら真っ正面衝突して自爆するような、そんな標識で果たしてあなた適切だと考えていらっしゃるのですか。むちゃくちゃじゃないですか。そうでしょう。それをもう実におざなりな答弁で、もしそういうものがありましたら――もしじゃないのです。現実にあるから私が指摘をしているのじゃないですか。そうでしょう。これはちゃんとひとつしていただきたいと思いますよ。全面的に検討を加えると約束をしてください。
#99
○政府委員(池田速雄君) 実情を調査の上、善処いたしたいと思います。
#100
○中村鋭一君 まあ交通は、非常に自動車もふえていれば二輪車もふえておりまして、それで先ほどからるる委員の質問もお伺いいたしました。御答弁もお伺いいたしました。本岡委員もお尋ねになりましたけれども、高校生を対象とした二輪車の教育について文部省の御見解を伺わしていただきたいと思います。
#101
○説明員(長谷川善一君) 高等学校における交通安全教育の中で、二輪車の運転ということでございますが現在問題になっておりますいわゆる三ない運動に見られるような規制といいますのは、現在の高校生を取り巻きます交通環境あるいは社会環境のもとにございまして安易に生徒が二輪車を利用するというのを認めるということは、交通事故の増加あるいは暴走行為の誘発、ひいては学業にも支障を来すことにもなりかねない、そういう判断のもとに、各学校や地域の実態に応じまして、父母や地域社会の要請もございまして、教育的な配慮のもとに行われているわけでございます。
 このような指導に当たりましては、生徒や保護者の十分な理解はもとより、関係機関、団体との十分な連携のもとに行われることが必要である、かように私ども考えております。しかしながら、高等学校におきましては、このような管理的な指導だけでは十分とわれわれ考えているわけではないのでございまして、生徒みずから交通社会の一員として責任を自覚し、よき社会人として必要な資質を身につけさせるということを目指しておりまして、交通安全教育を一層充実いたしまして、管理的な指導というだけでなく、交通安全教育の充実ということで両者の調和の上に交通安全活動を推進するように努めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#102
○中村鋭一君 どうもこの三ない主義というのは実情にそぐわないし、それから若者、特に一番肉体的にも精神的にもはち切れるようなときはやはり十六歳、十七歳、十八歳ぐらいだと思うのですが、その人たちのスピードというものに対する要求を頭から三ない主義で押さえつけるというのは芳しくないと思うのですけれどね、その辺についてはどう考えていらっしゃいますか。
#103
○説明員(長谷川善一君) 三ない運動につきまして各種の議論がなされておること、われわれ十二分に承知いたしておるところでございます。しかしながら、青少年の教育を預かる高等学校といたしまして、やはり人命尊重ということは相当なウエートをもって考えなければならぬことでございまして、そういうような点から、青少年の事故による死傷というのを何としても防止しようという努力を高等学校でいたしておるわけでございまして、そういうような意味から、こういう三ない運動のような規制は決して望ましいものと申し上げるわけにはいかぬわけでございますけれども、現状においてはやむを得ないものではないか、かように考えておる次第でございます。
#104
○中村鋭一君 青森県立弘前南高校で昭和五十五年の暮れに、免許を取得いたしまして学校へ届けなかった、これで二十八人停学、十人が丸坊主。それから免許証を失ったとうそをついて免許を二重取得した学校が二十二校、七十二件。この七十二人は書類送検をされているのです。それから無届け免許の発覚が四十二校、各校で大量処分。もう枚挙にいとまがないわけですね、また全県一律にオートバイの免許取得、使用を全面禁止しておりますのが十二府県、所定の条件を満たしたものに限り例外として認めているのが十三県、全高校で校長が個別に所定の条件に基づいて許可をしておりますのが五府県、まあ結局三十一府県が何らかの一律規制をしているわけですけれども、これはどうなのでしょう。好もしい、あるいは仕方がない、そうすべきではない、この三つの中でどれをお選びになりますか。
#105
○説明員(長谷川善一君) こういうような規制につきましては、あくまでその地域あるいは学校の置かれた立場、それによって学校あるいは県それぞれ独自に考えていくべきものでございまして、われわれ全国一律に禁止しろ、規制しろと、そういうようなことを申し上げておるつもりはございません。地域あるいは学校の実情に応じてやむを得ずやっているものと、かように見ておる次第でございます。
#106
○中村鋭一君 総務長官、こういった問題について、私は端的に申し上げてこういう規制を学校側がすべきじゃなくて、やはり本来市民社会というのはこういった規制とか法律は少なければ少ないほどいいのですし、特に二輪車の運転なんていうものは、適切な指導があり、本人のモラル観がしっかりしていてやっていれば、私は若者のスピードに対する要求というのはそう抑えつけて済むものでもないと思うのですけれど、その辺についての御見解をお聞かせいただけないでしょうか。
#107
○国務大臣(中山太郎君) まあ若人たちがスピード感で快感を味わう、これは私はやはり若者の世代の一つの喜びだろうと思うのですけれども、それが暴走を起こさせるということは社会の上で私は好ましいことではない。だからそこには交通規則であり交通道徳というものが確立されていなければ一つの大きな問題になってくるであろうと思います。原付二輪車とオートバイとのコストの差もあることでございますから、まあ遠距離通学の学生たちが二輪車を欲しいという気持ち――昔は三里の道でも歩いていったという学生もたくさんおりますけれども、時代が変わっておりますから、そういう点では現実に即して学校と交通の管理をする責任者との間で十分な調整が必要であろう。とにかく文部省にもお願いしておりますけれども、交通に対する正規の教育というものをカリキュラムに組まなければなかなかこの問題は解決できないというのが私の考えでございます。
#108
○中村鋭一君 車も二輪車も確かにそれは場合によっては凶器になると思います。たとえば野球のバットにしても場合によっては親殺しの道具になりますが、掛布が使えばこれはホームランを生む道具になるわけですから。ですから一概に暴走族が凶器を使う、それが事故に結びつくというものでもない、こう思うのです。
 そこで、まあ先ほどからお伺いしている一定のカリキュラムによって二輪車もむしろ学校へ積極的に取り入れて、運転実技の講習をする、欧米なんかではすでにそういった実技の先生が各学校に配属されていらっしゃると伺っておりますけれども、具体的現実の二輪車教育、バイク教育について文部省がどのようにカリキュラムに取り入れていかれるか、最後にその構想をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#109
○説明員(長谷川善一君) 二輪車そのものの性能であるとか、道路交通に関する法規、そういった面の二輪車に関する教育、それとまたもう一つ実技とあるわけでございますけれども、前者の方はもうすでに六〇%の高等学校で十分にやっておるところでございます。
 ただ、実技の方につきまして、現在の学校の施設でございますとか、あるいは指導者でございますとか、そういう面から見ましてもこれを全国一律にやっていくということには相当無理があろうかと考えております、まあ地域によりまして実際に実技指導を非常に丁寧にやっておりまして、相当の成果を上げているという例も多々ございます。したがいまして、生徒や地域の実情に応じまして、二輪車の安全教育に関するそういった実技につきまして、まあ実情に応じて推進するということは結構であろうと思いますけれども、とにかく全国一律に行うという面につきましてはまだ相当無理がある。いずれにいたしましても、実技面では地域のいろいろな警察庁関係の機関であるとか、そういったところでかなりの実技指導の講習の機会がございますので、そういうところに行って受けてくるようにというような面での指導がかなりできるのではなかろうか。そういうぐあいにわれわれの方もやってまいりたいと、かように考えております。
#110
○中村鋭一君 委員長、最後に一言。
 局長ね、この間私がNHKのテレビを見ていましたら、全国白バイコンクールなんてあるのですね。あのコンクールで二年間連続優勝された若いお巡りさんがオートバイについてインタビューに答えておられまして、私はもう高校時代からオートバイが好きで好きで、朝から晩までオートバイに乗っておりました、私自身はオートバイに乗りたくて白バイの警官になりましたと、全国優勝された方がおっしゃっていたのです。ですからそういうふうに積極的にうまくやれば、本当に私は若者の気分、爽快さというものと安全教育というものとがぴったり結びついて、事故も減らせれば若者も満足すると、こういう方向へいくと思いますので、ひとつ皆さん、よろしくその点、これからもお願いを申し上げまして私の質問を終わります。ありがとうございました。
#111
○沓脱タケ子君 それでは、海上輸送の安全対策に関連をいたしまして、港湾のはしけ運送についてお伺いをしたいと思います。
 時間が限られておりますので、基本計画についてお伺いをすることができないのが残念だと思っておりますが、実は昨年の十一月の十二日の本委員会で、港湾のはしけ運送事業の問題を取り上げました。その際、運輸大臣に下請業者の実態調査をなさるということをお約束をいただいたわけでございますが、調査報告は大体いつごろ報告される御予定でございますか。
#112
○政府委員(吉村眞事君) 昨年来調査をいたしまして、現在データの若干不備がございましたところを取り直すなどの作業をいたしておりまして、もうあと一月ぐらいで取りまとめができるかと存じております。
#113
○沓脱タケ子君 ちょっと調査が出ておりませんので残念なのですが、重ねて具体的な事例がたくさん出てまいっておりますのでお伺いをしたいと思っております。
 特に問題になりますのは、下請、再下請以下の各段階での運賃のダンピングの問題ですね。これが非常に大きい問題になっております。大阪港などの例で見ますと、下請業者から下の業者は、認可料金の五〇%あるいはそれ以下ではしけ運送がやられている。砂子運送というのがありますが、砂子運送のように倒産に追い込まれた会社、あるいは経営危機に陥っている会社が次から次へと出てきております。個人船主などは下請業者からの支払われる運賃では燃料費、油代の確保がやっとで、定期的もしくは臨時の整備や補修もできない。はしけの老朽化による沈没、浸水事故の多発、荷物の途中の積みおろしや貨物の水没事故、こういうものが発生をしているわけでございます。一たん沈没、浸水あるいは荷物の積みおろしの際のけがなどの災害に遭いましても治療費は全部自己負担になるということで、この自己負担分にも事を欠く、労災の適用もない。あるいはそういう中で一家が路頭に迷うというふうな悲惨な事例も出てきております。極端に言いますと、死亡しても雇用主がわずかの一時金を出すという程度で何の保障もない。個人船主ははしけの運送だけではこれはもう生活できないということで、近くの飯場に行って日雇いの土方仕事をやって食いつなぐというような状態まで出ているわけでございます。
 そこで、こういう状態になっているのはなぜかという問題があるわけでございますので、私は運輸省にちょっとお伺いをしたいと思うのですが、この下請業者を対象とした実態調査がいまなされたわけですけれども、元請から下請、それから下請の料金の実態ですね。元請から下請への不払いというのですか、不払いのお金というのは実態というのはどうなっているか、それが一つ。
 それからもう一つは、下請からさらにもう一つ下の個人船主への不払い料金ですね、これはどうなっているか。お調べになっているからよくおわかりだと思いますけれども、時間の都合もありますが、どういう状態がということを大ざっぱにでも、概略を簡潔にお伺いしたい。
#114
○政府委員(吉村眞事君) はしけの運送料金そのものは、認可料金として規制をされておりまして、港湾運送事業者にその遵守の義務がございます。しかし、必ずしもその料金が完全に収受されていないという向きもございますので、運輸省としては従来から認可料金を定額収受するようにということで業界を指導しておるところでございます。
 ただいま御指摘のございました認可料金からさらに下請あるいはそのまた下の個人船主の関係でございますが、これらにつきましては現在の認可料金の制度のもとでは、直接認可に係らしめられている料金ではなくて、それぞれの当事者同士が話し合いで決めている料金でございます。そういうものでございますので、実態を実は調査をしないとはっきりしないという関係にございまして、先ほど御説明申し上げましたように調査をしておりますが、その取りまとめが若干手間取っておるということでございます。しかし、現在までに完全に終わっておりませんが、中間的にわれわれが見ましたところでは、やはりかなり低い数字になっておるようでございます。
#115
○沓脱タケ子君 おおむね概況はつかんでおられるのだと思いますが、具体的な事例をちょっと申し上げていきたいと思うのですけれども、たとえば大阪港におけるはしけ運送事業の運賃のダンピングというのはどのくらいになっているかというと、これは荷主から元請会社へ行くまでの、認可料金ですね、ここで二〇%ないし三〇%まずダンピングされている。ですから、ここは認可料金で、ちゃんと差っ引くにしても五%だというふうに決めてあるんですよ、ところがもういきなり八〇%あるいは七〇%というところで元請会社へ行く。その元請会社が下請会社に料金を決めるときに、またそれから三〇%、多いときには四〇%と。だから下請会社がこの段階で認可料金のどのくらいになっているかというと、よいところで六〇%、悪いところでは五〇%ぐらいまでダウンをしているのですね、それから下はこれは法律では禁止規定もあるわけですけれども、現実には実態としてはあるので、それから下の再下請あるいは再々下請というのが、下へ行くたびに一〇%なり一五%ずつ下がるから、一番下の実際に体で船を操って働いているところでは一番初めの認可料金の二〇%、よいところで三〇%になっているというのが大阪港の私どもの調査をした実態でございます。横浜港はどうかというと、横浜でも余り変わらぬですね。元請会社が、これは金額で出ておりますけれども、一トン当たり九百三十円、それが下請会社へ行く場合には三五%から四五、六%ダンピングをしまして一トン当たり五百円ないし六百円。これは引き船料だとか、計算で若干のあれがありますからね。さらにこれが下請の個人船主まで行くとどのくらいになっているかというと、二百五十円ないし三百円ですね。だから、元請会社では九百三十円のものが個人船主が船で荷物を実際に運ぶ場合にはトン当たり二百五十円から三百円。三百円としても三分の一ですね、そこまでダンピングが起こっているという実態がございます。
 また、大阪でもこれは実態を具体的に調べてみたのですけれども、五十四年の五月二十八日に大阪の砂子海運株式会社というのが倒産をいたしましたが、倒産をしたから非常に具体的に内容がわかるわけですけれども、元請の株式会社の上組からペーパーカンパニーと言われてもしょうがないような子会社の丸古海運株式会社を経由してどのくらいのダンピングをされて倒産をした砂子海運に来ているか、これは実態は御存じないでしょうね。
#116
○政府委員(吉村眞事君) 具体的な数字はつかんでおりません。
#117
○沓脱タケ子君 この砂子海運所属のはしけ(S)88号というのを例にとって運賃を計算してみると、五十二年の五月から五十四年の五月まで一年間の平均の運賃というのは認可料金の三一・一六ないし三二・九です。三一、二%なのですから倒産するのがあたりまえなんですね。これは私どもの調査では各月によって若干の変動はございます。一年間の平均をいたしますと三一ないし三二%ぐらいになるのですから、そういうことですので倒産が頻発してもやむを得ないという実態だと思うわけでございます。
 そこで、問題は、まず一つはこの荷主の不法なダンピングをやめさせるということと、それから不払いの確保というのを厳正に行わせるということは基本だと思うのですね。運輸省もそういうことで昭和四十三年あたりからいろいろ審議会の御答申などももらって御指導なさっているようなんですけれども、たとえばこれは四十二年九月の港湾審議会の答申でも――まあ前から問題になっているのですね。「不払いの確保」ということで、「作業部門の経費が不当に削除されることのないよう、直接作業費の全額不払いの確保及び作業管理費、一般管理費の元請、下請間における協議配分の適正化については、適切な方策の実施をはかるべきである。」というふうなことが言われておりますし、五十二年の十一月八日には運輸省の港湾局長名で、同じく「港湾運送料金の定額収受の確保について」ということでこれも御指導をなさっているようでございます。ところが実際にはなかなかそうはなっていない。
 そこでちょっとお聞きをしておかないといかぬなと思いますのは、まず第一に、これでも指摘されていますように、ダンピングがむちゃくちゃにやられているのだけれども、その中できちんと押さえなければならないという基本になる部分というのはやはりあろうと思うのですね。少なくとも、「直接作業費の全額不払いの確保」というようなことが言われておりますが、荷主から元請へおろしていく場合には、こんなものきちんと決定されている料金ですからね、こんな不法なことをやっているところはやはり運輸省はきちんと押さえるべきだと思うのです。その下の元請から下請へ行くときの不払いについては「直接作業費の全額不払いの確保」というのが一番大事ではないかと思うのですが、この「直接作業費の全額不払い」と言われている「直接作業費」というのは何です。これは簡単なことだけどね。
#118
○政府委員(吉村眞事君) 管理費を除きました直接の作業費のことを申しております。
#119
○沓脱タケ子君 それで、この直接作業費というのは労務者の賃金と機械費、修繕費、減価償却費だから、ここが確保されなかったらどうにもならないというものですよね、これがきちんと確保されていないということですね。
 それからもう一つは、作業管理費と一般管理費の元請、下請間の割賦割合ですね。なかなか海運業界というのはむずかしい仕組みになっているようですが、その割賦割合も通達がちゃんと出ておるようですね。大体一種から三種という場合には一〇%程度を両者で割賦するということになっているようですが、そうですね。
#120
○政府委員(吉村眞事君) 四十四年の通達におきましてはそのようにいたしておりますが、こういった割合につきましては必ずしも常に一定というわけでもございませんので、五十二年の通達におきましてはこれは「下払料金の適正化」ということで必ずしも数量は通達いたしておりません。しかし、精神といたしましては四十四年の通達の精粋が大体生きておるというふうに考えております。
#121
○沓脱タケ子君 いずれにしても、あなたの方の御指導のとおりいったら荷主から下請まで行く間にそないに八〇%以下になるということはないわけですね。せいぜい九〇%あるいは八五%どまりですね。それはどうです。私は九〇%どまりと言いたいのだけれども、どうでしょう。
#122
○政府委員(吉村眞事君) 冒頭に御説明申し上げましたように、この不払いの料金と申しますのはこれは認可というような形で、国が直接に指導関与する性格のものでございませんで、関係者、当事者がそれぞれ話し合って契約をして決めるという性格のものでございますので、四十四年には御指摘のような率を掲げておりますが、その後私どもが聞いておりますところでは、横浜等でそれぞれの当事者、つまり一種と三種の間で話し合いがついて、これくらいの率にしようというようなことが合意に達しておるようなことを聞いておりますが、その数字は必ずしも九〇%というほど高くはないようでございます。
#123
○沓脱タケ子君 大分歯切れが悪いのだけど、荷主から元請へ来るのに落としていいのはせいぜい五%でしょう。その後元請から下請へ行く間というのは、この通達はもう効果ないのかなあ。四十四年の通達では「下払の確保について」というところでは、一種−三種というのは一〇%程度両者が割賦すると、協議をしてね、それから一〇%まるまる協議をして元請に渡したとしても、下請には最悪の事態でも八五%、半々に割賦をしておれば九〇%は確保されるというふうに算術計算ではなるわけですね。それが実際にはそうなっていないということで局長は歯切れの悪いことをおっしゃっているのだけれども、あなたの方の御指導のとおりばっちりいっておれば、下請までいく間には九〇%、荷主から言って九〇%で下請へ行かなければならぬという仕組みに御指導になっているのでしょう。これは割賦は何ばに分けるかということは違いますけどね。たとえば半々に分けて荷主も五%削ったとしてですよ。ところが、実際にはおっしゃるように、両者で協議をなさって九〇%など確保されているものはありません。これ横浜ではたまたま協議をされて七一%か七〇%ですね。ひどいところでは五〇%内外というふうなことになっているわけです。そこで、この辺の問題がひとつあるのですね。
 それからもう一つ、いま関係者で特に問題になっておりますのは割り増し料金の問題なんですよ。この基本的な料金のダンピングの問題をとめなければならぬという問題と、もう一つは割り増し料金の問題です。割り増し料金というのは当然基本料金と並んで認可料金の中に含まれているのですね。ところが、横浜の実例を挙げますと、年末年始における滞船料の不払いがほとんどやられていない。たまたまこれは横浜回漕協会が元請と下請の各社に出した昨年の十二月十二日付の通知があるんです。これにはちゃんと「年末年始にかけては、特に休日が長期に亘り、又作業面においても時間外作業も多くなるのが常ですが、はしけ運送に係る基本料金は勿論のこと、滞船料及び時間作業等の直接作業費の収受、特に下払につきましては留意されていることと思いますが、このたび行政当局より協会に対し善処するよう口頭をもって注意喚起勇々要請がありましたので、」万遺漏なきよう御配慮を願いたくと言って出しているのですね、わざわざ。だからこれは恐らく関東海運局が改善の御指導をなさったのだと思いますけれども、ところが、これがなかなか払われていない。こんなに指導をして文書までちゃんと出さしているのだから、そこは実施できるようにちゃんと何とかならぬものですかな。きちんと守らせるような指導の強化というのはできないものですか。
#124
○政府委員(吉村眞事君) 先ほど申し上げましたように、認可の料金でございます元請の料金、これは私どもきちんと守らせるようにもう一生懸命やっております。やっておりますが、先ほども御指摘がありましたように、まだ足りないところもあり、この点については今後さらに完全収受を目指して指導をしてまいろうと思っておりますが、この一種−三種間のいわゆる私的な契約に基づくもの、認可料金でないものはどうしても指導いたしましても、御指摘のような通達あるいは口頭の注意というようなことで指導をするということで、直接的にこれをやればすぐに効果があるというような指導方法が非常にむずかしゅうございます。そういうことでございますが、それで看過のできる問題ではございませんので、私どももいろいろと考えまして両者が相談をするための協議の場を海運局に仲介をさせて設けさせて、そこで両者が十分に話し合いをしてお決めになるチャンスといいますか、機会をつくるといったようなことを試みておるわけでございます。そういった方法を通じまして、できるだけ現在の需給状況から、まあいろいろ問題もありましょうけれども、下請が経営が苦況になるようなことのないように指導をいたしたいと考えておる次第でございます。
#125
○沓脱タケ子君 じゃ、認可料金だけはと言うけど、その認可料金が底が抜けているという話をさっきしたでしょう。底だけでもきちっと歯どめをかけてくれると少々ダンピングをしていってもまだちっとましになるわけです。それが私は港湾局、運輸省の権威というのは、港湾運送業者の中で立っていないなあという感じがするのです。というのは、私はいま年末年始の滞船料の問題を言いましたけれども、それだけじゃなくて、普通の場合の滞船料でも、これは法律事項でしょう、実際には。それが守られてないですよ。たとえば横浜の鶴見大黒町にある中山製鋼の荷物運送元請をしている三井倉庫と宇徳運輸の例では、これは五日目から払うのですね、五日目から所定の滞船料を払うということは法律事項でしょう。ところが、これを支払わなくて、積んでから八日間は支払わない、結局五日目から払わなければならぬのが八日まで延ばしておるわけです。四日分ピンハネですがな。こういうことも行われていて下請業者の間では非常に問題になっている。こういうことは住友倉庫の関係でも起こっております。ですから、局長がおっしゃったように、非常にむずかしい業界ではあるけれども、せめて法律事項や認可料金というようなものぐらいはそんなに毎度毎度底抜けっ放しというのじゃなしに、まず底はきちっと押さえる、そうして下は、それ以下のところは行政指導を行き届かせるというふうになさらないと、私はこの業界というのは非常にすごい厳しさに直面をしているように思いますのでね、これは運輸省の御指導の強化というのが問われている段階だと思うのですが、その点をひとつ決意も含めて具体化について御意見を承りたいと思います。
#126
○政府委員(吉村眞事君) 確かに、御指摘のとおり、認可料金というのを完全に収受させるということは私どもの責務と存じております。で、経済情勢、はしけの需給関係といったようなことがこういったことの原因でございますけれども、それに逃げることは私どもとしては許されないと考えておりますので、今後とも認可料金の完全収受について極力指導をしてまいりたいと考えております。
#127
○沓脱タケ子君 時間がありませんので、私はしけの買い上げについても非常にほうってはおけない問題があると思うのでお聞きをしたいと思いましたけれども、きょうはもう時間が来ましたので、次回に譲ることにいたしまして終わりたいと思います。
#128
○馬場富君 最初に、この基本計画の最近の交通事故の現状分析の中で、四ページでございますけれども、交通事故の発生に地域差異が見られることを挙げられておりますけれども、交通事故発生の地域的なアンバランスの実情はどのようになっておるかという点と、またこのような大きな格差が発生する原因はどこにあるかということをひとつ御説明いただきたいと思います。
#129
○政府委員(池田速雄君) 交通事故の死者数の多いところということで申し上げますと、昨年一年間では北海道五百十人、愛知四百五十人、千葉四百三十二人、兵庫四百二十四人、大阪三百六十四人と、こういうことでございますけれども、これは絶対数でございますので、比較いたします場合にいろんな考え方があろうかと思いますが、最も厳密に言えば走行合キロ当たりが一番正確になろうかと思いますけれども、その数字がございませんので人口十万人当たりで見てみますと、高いところは山梨が十五・五四人、滋賀が十二・五〇人、徳島が十二・四八人、茨城が十九・三九人というふうなことになるわけでございます。また、自動車の一万台当たりの死者数でまいりますと、山梨が三・七〇人、それから滋賀が三・四二人、茨城が三・二四人、千葉が三・二三人、徳島が三・一六人というふうなことになるわけでございます。したがいまして、単純な比較というのは大変にむずかしいと思いますが、またたとえばそれぞれの県で死者数のピーク時から現在どれぐらい減っておるかということになりますと、ピーク時の三〇%以下に抑えておりますところが東京でございますし、四〇%以下に抑えているところが大阪、福島、埼玉というところがございますし、逆にピーク時に比べましてまだ六〇%以上というようなところは沖繩、岩手、千葉、岐阜、島根、奈良といったような県があるわけでございます。したがいまして、大変比較というのはむずかしゅうございますし、それぞれの地域事情、交通の事情、そういうものがございますのでむずかしいと思いますけれども、いろいろな施策を講じます場合に類似県あるいは先にそういった事故減少を見た県等を参考にしながら施策を講ずるということが効果的だと思いますので、いま申し上げているようないろいろな数字を分母に置きました数字も申し上げておるわけでございますけれども、交通量、これがたとえば保有台数だけでなくて通過県みたいなところでございますと交通量は多いと思いますし、そういう面での比較とかあるいは住民の安全度というごとになりますと、人口十万人当たりの比較をつくるということも適切であろうかと思いますが、そういうものを捨象してみましても交通の実態とあるいは安全施設の問題、道路環境の問題、安全教育の問題その他いろいろな教訓を引き出す資料としては役に立っておるであろうというふうに思うわけでございますので、大変に一概には申し上げられないというのが実情でございます。
#130
○馬場富君 総理府交通対策室にこの計画を立案された関係でお尋ねしますが、ここに「交通事故の発生に地域間の差異が見られる」と、こういうふうに書いてあるわけですけれども、これには必ず原因もあってお書きになったのじゃないかと思うのですが、これは漠然としたことですか、それともこれに対してはやはり原因がありますか。
#131
○政府委員(仲山順一君) ただいま交通局長から御答弁がございましたとおり、大変な全国的に見ますと地域差がございます。数倍の地域差があるわけでございますから、それを低い方へ持っていけばこれはずっと減っていくということでございますから、今年度やはり地域格差の是正ということを一番重点に置いて安全運動の推進をやりたい、こう思って、やっております。
#132
○馬場富君 私は、国の交通安全基本計画ですから、相当これは突っ込んだ内容からこういうものが生まれておると思って質問しました。では、いまの道路の整備状況だとか、車の保有状況とか、あるいは安全施設の整備状況等ですね、これで交通事故の発生率との関係をやはりこの計画は科学的に分析された、そういう結果から一つは指針が出されたものではないのか。それともどうでしょうか、そこらあたりのところ。
#133
○政府委員(仲山順一君) これは科学的に出した結果でございます。地域格差のそういうふうな調査を関係のところに依頼しておりますし、その結果に基づきまして科学的な結果ということでやっておるわけでございます。
#134
○馬場富君 じゃあ、科学的に分析されておれば、地域間に差がある、非常に発生状況等が多いというようなところと、悪いというような状況のところで科学分析の中でポイントとなるような共通的な、こういう点は多い点だと、こういう点は少ない点だと、そういうポイントはございますか。
#135
○政府委員(仲山順一君) 交通関係はこれは総合的なことでございますから、総合的にそれぞれやっていかなければならないのですが、たとえば酔っぱらいの多いところと交通事故の多いところとは大体比例しておりますし、それから交通安全施設の整備状況とも関係しておりますし、それぞれ細かいデータが実はあるのですが、大体交通安全関係の施策が、エンジニアリングと、それからエデュケーションと、それからエンフォースメント――このエンフォースメントというのは取り締まり、それから交通工学面、それと交通安全教育、こういうふうな総合的なものでできております。それにレスキューといいますか、救急関係、いろいろとあるのですが、全部関係しておりまして、救急病院なんかを整備すれば非常に少なくなったというふうな例もございますし、全体の整備状況でやっておるわけですが、それぞれ要因を中心にしたデータの調査が実はありまして、一番よく出てくるのは酔っぱらい運転、これが相当各地域でもって差があるというようなこと、いろいろとこれは交通安全教育等基本的には関係するわけですが、特にまた東京あたりが少ないというのは、これは施設が非常に完備されているというので少ないわけでございます。いろいろと総合的にやって、それぞれの資料はございます。
#136
○馬場富君 非常に答弁では聞きずらいし、判断しにくいわけですけれども、救急病院等が整備されたら交通事故が少なくなったという説明はぼくはちょっと納得しかねますけれども、そういうふうにこれだけのデータを出される以上は、それだけのやはり資料を積み重ねられたのだろうと思いますので、いまここで全部説明していただくというのは無理でしょうから、後日その分析データというのをひとついただきたいと、こう思いますが、よろしくお願いします。
 それから、続きましてこの「道路交通安全対策の今後の方向」の中の五ページのところに、「生涯を通じた交通安全教育の推進、地域の自主的な交通安全活動の推進、」が言われておりますけれども、具体的にはどのような施策を実施されようとしておるか、ここも御説明いただきたいと思います。
#137
○政府委員(仲山順一君) 交通安全の確保のためには、これは交通に参加するすべての者が互いに思いやりと譲り合いの心を持って行動するように、交通道徳の涵養、交通安全思想の高揚を図ることがきわめて重要であると考えております。
 このため、第三次の交通安全基本計画におきましては、交通安全施設の整備とそれから交通規制の推進にあわせまして、幼児から老人までの各年齢の段階に応じまして、学校、家庭、職場、地域等あらゆる場を通じまして生涯にわたり交通安全教育が確保されるようにその整備充実を図ることとしております。こうした方針に沿いまして、幼児、子供につきましては、幼稚園、保育所、小学校等における交通安全教育を充実する、それから幼児交通安全クラブ、交通少年団等の民間の交通安全活動の育成を図る、また、老人につきましては、老人クラブ、老人ホーム、高齢者教室等における交通安全指導の充実を図ることとしております。さらに、春秋の全国交通安全運動におきましては、家庭は申すまでもなく、運転者、歩行者、自転車利用者等さまざまな立場の道路利用者がそこで藤成されておるわけでございますから、昭和五十四年以来「交通安全は家庭から」ということをテーマにいたしまして、交通安全の家族会議を提唱し、家庭で交通安全について話し合い、注意し合うように呼びかけることを行っているところでありますが、今後ともよろしく御指導、御協力いただきたい、こう思っております。
#138
○馬場富君 それはおっしゃるとおりで、まことにすばらしいようなことですけれども、たとえば関係各省を通していまおっしゃったことが具体化されるという方向にきちっと体制がとれておりますか。どうでしょうか、その点。
#139
○政府委員(仲山順一君) たとえば、いま申し上げました春秋の全国交通安全運動の推進でございますが、これは各関係省庁、それから安全協会を初めとする関係団体その他民間団体等大変な数の団体が集合していただきまして、それぞれのところでそれぞれの立場から、道路標識関係であれば道路標識の関係、あるいは旅客関係であれば旅客関係とかいろいろの関係でそれぞれが交通安全にがんばりましょうということで推進して、相当これは科学的、総合的、合理的な推進の仕方をやっていると、こう考えております。
#140
○馬場富君 いまの全国の交通安全運動をこれは私も理解しておりますし、かなり効果が上がっているものだとわかりますが、先ほどおっしゃった子供から老人に至るまで各層に対する交通安全教育の、いわゆる生涯教育の中の交通安全対策というのですか、こういうことの方法というのは、私はこれは大変なことだと思うのです。これが実施されるとなれば非常に効果が上がるというのですが、その具体性についてはどうでしょうか。
#141
○政府委員(仲山順一君) これはやはり何と申しましても家庭が中心でございますから、「交通安全は家庭から」ということで交通安全家族会議というのを中心に各家庭で進めていただく、そのために母親関係の団体等それぞれ関係団体をよく監督し、そして効果的な推進の仕方をしたい、こう考えております。
#142
○馬場富君 そこで、それは何回繰り返しても一緒でございますので、また後で質問いたしますけれども、警察の方にお尋ねいたしますが、昨日も、東海三県下のいわゆる春の交通安全運動が非常に効果を上げた、そういう点で非常に死亡事故等も半減したということを私ニュースで聞きましたが、この運動の全国的な効果と、その原因はいずこにあったかという点ちょっと御説明いただきたいと思いますが。
#143
○政府委員(池田速雄君) 四月の六日から十五日まで交通安全運動が実施されたわけでございますけれども、昨年の運動に比べまして、死者数は百八十八人でございまして、昨年に比べますと四十四人、一九%のマイナス、発生件数の方は一万一千六百六十七件でございまして、昨年に比べますと五百三十三件、四・八%の増、負傷者数は一万四千六十九人でございまして、四百五十八人、三・四%の増と、こういうことになっております。残念ながら件数と負傷者数は増加いたしておりますけれども、死者数につきましては大幅な減という結果になっております。その結果、死者数につきましては、昨日四月十六日現在で、ことしに入りましてからの死者数は二千百二人ということでございまして、百三十九人のマイナス、六・二%のマイナスと、こういうことでございます。これは昨年死者数がふえまして、各関係の機関の方はもちろんでございますけれども、国民各層の方のやはり何とかして死者を減らしたいという御努力が実ったものというふうに考えております。安全運動期間中におきましても、警察官はもちろんでございますけれども、ボランティアの方を含めますと連日約八万人程度の方が街頭へ出て、現実に安全運動のための活動をやっていただいております。そういうことが結果的にはこういういい効果をもたらしたものというふうに考えております。
 なお、最近の交通の状況を見ますと、昨年は実は特に無謀運転的なもの、若者によります。そういう行為が多くて死者数がふえたというのが特徴であったと思いますけれども、ことしに入りましてから現在までの数字を見てみますと、たとえば無免許運転でございますとか、スピードの過度の超過でございますとか、信号無視というような悪質なものは若干減少傾向にございます。ただ、残念ながら酒酔い運転によります事故だけは増加の傾向にございますけれども、こういったこと等が現在の結果をもたらしたものというふうに考えておりますので、ぜひこの傾向を持続して、ことしは何とか死者数を昨年に比べて減少させたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
#144
○馬場富君 そこで、基本計画とは別に、現場の警察官やそういう交通関係者の方々から聞く言葉ですけれども、やはり最近の人身事故の中でも相対事故というのはかなり減ってきておると、だが反面、それに比例して死亡事故というのはなかなか減らない、こういう傾向があると、ここらあたりの問題点をひとつ警察の方から御説明いただきたいと思いますが。
#145
○政府委員(池田速雄君) 昨年の死亡事故の特徴を申し上げますと、まず状態別では、歩行者の方は全体に占める比率というのは大変に高いわけでございますけれども、わずかずつですが減少傾向を維持しておるわけでございますが、自転車の乗用中の死者は若干増加傾向が見られたと、それから原動機付自転車の関係者あるいは自動二輪車の運転者、同乗者、自動車の運転者、同乗者関係が増加が著しいというのが特徴でございます。したがいまして、歩行者以外の車の関係の事故が大分ふえたということが目につくわけでございますけれども、この内容を見ますと、特に若者を中心としました無謀運転というのがふえた、こういうことが特徴でございます。
 また、事故類系列に見ますと、人対車両の関係では全体的には減ったわけでございますけれども、横断歩道を横断中の事故が大変にふえておる、それから、車両相互では、交差点での出合い頭の事故というのが大変にふえておる、それから、車両単独事故というものがカーブ地点におきまして特にふえておるというのが特徴でございました。したがいまして、こういった類系列の対策というものを重点に、かつまたスピード違反あるいは酒酔い運転違反というものを合わせました五つの点に昨年の秋以来重点を置いてきておるわけでございまして、この効果をぜひ実りあるものにしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#146
○馬場富君 いまの説明の中にもございましたように、その一つは、相対事故の減少に比例して死亡事故等がなかなか減らないというところには、若者関係の無謀運転とか暴走事故等がいま指摘されておりますけれども、やはり現場でもそういう声を強く聞くわけです、先ほど来の質問の中にもそういう点が多く出ましたし、それからまた、今回の交通対策の中にも、子供から老人まで生涯教育ということにポイントを置いているように見えますけれども、ここらあたりが、一つは交通事故発生の中の大きい特殊な方向性が出てきておるのではないかという点で、やはりここら辺に交通安全対策のねらいを置かなくてはいかぬのじゃないか、こう考えるわけでございます。
 そういう点で、それについては子供から老人ということですけれども、やはり一つは、家庭、学校、職場環境、それに合わした体制をつくっていかなければならない。こういう点で、警察並びに文部省もいらっしゃいますし交通対策室もいらっしゃいますが、おのおのの立場で、こういう、家庭やあるいは学校、職場環境等に対するこれからの年少者等の交通教育とあわせて精神教育等についての体制をどのように考えてみえるか、三者からお尋ねしたいと思います。
#147
○説明員(長谷川善一君) 学校における交通安全教育というのは、従来から学級指導、学校行事を中心に教育活動の全体を通じて行うこととしておりまして、今後ともその充実に努めてまいりたいと思っております。
 こういうような指導を効果的に実施するために、文部省としましては指導資料の作成、その趣旨の徹底、教員の指導力の向上を図るための研修会の開催、交通安全教育に関する調査研究や教材教具の整備、これを図ってまいりたいと考えております。五十六年度から、全国の五地区を交通安全教育の推進地域ということで指定をいたしまして、学校、家庭、地域社会の連携のもとに交通安全教育の充実あるいは安全な道路環境づくりの促進をどう働きかけていくか、そういったことを行うための委嘱事業を実施する予定でございます。
 それから、具体的な文部省の施策につきましては、各年度ごと文部省の交通安企業務計画に盛り込むことになろうかと考えておりますけれども、先生御指摘の点、第三次計画の五ヵ年につきましては、特に高等学校段階の指導資料の充実と、交通安全教育を指導してまいります教職員の研修の充実、このあたりが文部省にとりましては最大の課題ではなかろうか、かように認識いたしておるところでございます。
#148
○政府委員(池田速雄君) 安全教育につきまして、たとえば、お母さん方の教室でございますとか、それから、幼稚園あるいは小学校、中学校におきます教育等につきまして、警察といたしましてもできる限り警察官あるいは警察職員の派遣その他で努力をしてまいりたいと思いますし、また、お年寄りの方につきましては警察官の戸別訪問その他の機会に、できるだけ交通安全につきましてのお話を申し上げるといったようなことを従来からもやっておりますけれども、今後重ねてやってまいりたいというふうに考えております。
 それからなお、お母さん方の教育につきましては、最近、実は原付の免許をお取りになる方が大変多いわけでございます。従来は特別の講習もなくて免許をお取りになっていたわけでございますけれども、安全協会に設けられております二輪車の安全推進委員会というのがございますけれども、そこで講習をやりまして、その講習を受けられた方に免許を出すというような事実上の指導を始めておるわけでございます。このねらいというのも、一つは安全にお母さん等が原付に乗られるということもございますけれども、逆に、乗り物の立場から子供さんの行動形態なり何なりというものがよくわかる、こういうような実感的なお話もございましたので、ぜひそういう機会に、そういう単に原付に乗られるというだけでなくて、乗り物の方から見た歩行者というような観点も入れて教育をしてもらうように、ということで努力しているわけでございます。
 なお、運転免許を持ちます者に対しての教育というのは、一義的にはやはり警察がやるべきものというふうに考えておりますので、年少者の免許の取得の際にはこれも行政措置でございますけれども、免許試験に合格した者に対しまして、警察官が直接講習を行う、その後で免許を渡す、こういうような事実上の措置を現在とり始めたところでございます。
 なお、運転者の教育につきましては、教習所の教育あるいは試験の問題の内容、それから、その後免許証の更新の際に行われます講習の内容でございますとか、あるいは処分を受けられました方に対する処分者講習、そういうものを内容面からこの際また洗い直して十分実効性のあるものにしたいということで検討を重ねておるところでございます。
#149
○政府委員(仲山順一君) この問題は非常に重要なことでございますので、交通安全基本計画に掲げてあるようなすべての施策を推進するということが一番基本でございますが、その中でも大切なことはやはり最後は心の問題でございますから、交通道徳に基づいた交通安全意識の高揚ということを一番これの中心に置いております。というのは、幾ら施設をつくりましても、暴走族のようにそれを無視してやる、信号を無視してあるいは規制を無視して突っ走る、そういうふうな連中ではもう施設あるいは規制もむだでございますから、やはり交通道徳意識の涵養、法意識の重視ということが大切であるということで、特にそういうふうな点の強力なる交通道徳の完全なる徹底ということを図りたい、こういうふうに思っております。
 これは暴走族の追放のためにも一番基本的なことだ、こういうふうに思って、ことしは先ほど大臣も御指摘されましたが、すべての人のいい意見を結集してそれを実行に移そうじゃないかということで、五月の二十八日から、戦後初めてでございますが、大シンポジウムを行いまして、外国の学者等も呼びまして、言論界それから学界すべての英知を結集した施策をそこで出して、それに基づきましてなお一層進めていきたい、こう思っておりますが、具体的には、先ほどからまた問題になっておりますが、地域格差が相当ありますから、この地域格差の是正、それから生涯教育ということでやはり老人のクラブの効果的な活用、それから交通少年団、それを進めていくとか、ありとあらゆる方法でやる。学校は学校で先ほど文部省からございましたが、やっていただく、また警察は警察のあらゆる機会を通してやっていただく、われわれの方としては春秋の交通安全運動等をなお実のあるように具体的な推進方法を考えてやらしていただくというふうに考えておりますが、どうぞよろしく御指導のほどお願いします。
#150
○馬場富君 この点で公安委員長と総務長官に一つ質問とあわせてお願いでございますが、この年少者の暴走や無謀運転等につきましては、これは社会全体のまた国全体の一つは責任でもある、こう考えるわけでございます。そういう点でやはりこれは単に学校教育だけに私は押しつけてしまうというわけにいかない問題があると思います。特に人間形成と二の問題は大きい関係があるのじゃないか、そういう点で、やはり一切のその人の人間形成というのは六歳までで決まってしまうとまで言われております。そういうようなところあたりに一つはポイントもあると、こう私は考えてくるわけでございますが、こういう点についてひとつどうか厚生省とも連携の上、中心に一つは家庭教育が大きい力をなしてくるのじゃないか、こう考えるわけでございますが、この点についてのお考えをひとつ聞かしていただきたいと思います。
#151
○国務大臣(安孫子藤吉君) 暴走族の発生と申しますか、これはやはりお話しのとおりに日本における最近の家庭教育、社会環境等が遠因をなしておることは事実だろうと思います。したがいまして幼児期における教育というものは非常に論議をされておりますが、きわめて重要な問題でございまして、この辺においてやはり一つの人間形成の基礎ができるわけでございまするから、これは厚生省なり文部省も非常に熱心にこの点については取り組んでおられるわけでございますけれども、警察の面から見ましてもこの辺が一番基本的な問題だと思いまするので、側面的ではございまするが、できるだけ協力して、この面についての努力を重ねていきたいと思っておるところでございます。当面の暴走族の取り締まりに関しましては徹底的にこれを追及いたしまして、青少年の非行の問題にもつながっておる問題でございますので、十分対応していかなくてはいかぬと思っております。
#152
○国務大臣(中山太郎君) 先生御指摘のとおりやはり学校、それから家庭における教育というものが大変大切であることはいま国家公安委員長からも御答弁申し上げたとおりでございます。最近の死亡事故の増加のケースの大半は、やはり若い世代が酒を飲んで一台の車にたくさん乗る。そうしてガードレールに当たったり、コンクリートに当たったりして一挙に三人なり五人が死亡するということで、それがいわゆる第二次交通安全計画が目的から少し達成できずに上回ったという一番大きなポイントであることはデータが示しておるところでございますので、私どもとしてはやはり教育ということがいかに大切かということはこの事実からも指摘されていると、今後とも努力をしてまいりたいと、このように考えております。
#153
○馬場富君 次に、もう一つ交通事故の問題は何といっても総量の問題だと思うのですね。やはり道路の量に比例して車が多過ぎるということは現場を通るわれわれだったらもうだれしもが感ずることだと思うのです。ここらあたりの問題について、特に都市における自動車交通量の総量規制についてどのように一つは見解を持ってみえるか、御説明願いたいと思います。
#154
○国務大臣(中山太郎君) 私ども先進工業国に入ったためにこのような車社会になってきたのであろうということで、世界の先進工業国のいわゆる交通事故の発生件数の調査を昨年八月以降いたしております。国連統計によりますと、大体アメリカで五万人死亡しております。それからヨーロッパ九カ国で大体同じような数字になっておりまして、比率から言うとまた日本の方が少ない、こういう形でございますけれども、急激な変化が日本の社会に起こってきたと、ここに一番大きな問題があるだろうと思うのです。われわれの社会も徳川時代は歩いておった。ヨーロッパも歩いておったのですが、車社会に入る前に馬車の時代があったわけでありまして、そこが日本と大きな私は交通問題の歴史の違いだろうと思う。だから馬車の時代はやはり馬車のための道路というものの整備が行われた。ところが、日本はいきなり歩くことから車に入ったということに、それだけに社会構造というものが機械文明の発達についていけなかった。そして、やがて機械が人間を端に押し寄せるという時代がやってきたのだろうと私どもは思っております。それに対応して交通安全のために信号灯を立てるという時代が昭和三十年ごろから起こってきた。そのために信号灯をどんどん立てる。信号灯は整備されたところが、逆に今度は交通麻痺が起こると、こういうふうな悪循環が実は起こってきた。そこで交通信号灯をつけるよりも歩道橋をかけろということで歩道橋をかける作業が地方自治体を中心に行われてきた、こういう流れの中で、車の増加といわゆるライセンスの所有者がふえていくという中で、ますます若い世代が車指向に流れていくということで、やがてこの車社会がどこまで発展するのかというところにやはり一番大きな問題が私はあると思う。こういうことで交通安全対策本部といたしましても見逃すことのできない一つの転換点に実はわれわれいま立っていると認識をいたしまして、こういうふうな過去の交通事故の実態、それから知事等からの意見で、たとえば四国から本土に橋をかける、かけた場合に事がその橋を渡って本土へ入ってくるということになってまいりますと、たとえば中国道における自動車の、いわゆる流れをどう見たらいいのかと、こういうふうな疑問が起こってまいりました、そういうことを踏まえて、実は政府も五月の末に、これは初めて、戦後新しい社会のための車の問題と人間の関係というものを総合的に見直したい、そういうことでシンポジウムを開くことにいたしたわけでございまして、私どもとしましても事態が深刻であるということは十分受けとめておりますし、また国土の開発計画によって新しい道路網が整備されてくると同時に、いままで車に影響されなかった田園都市もわれわれがいま悩んでおるような都市の問題として交通災害の発生の予測ができる、こういうことで総合的な見直しをただいま図るべく努力をしておるということを御理解いただきたいと思います。
#155
○馬場富君 これは運輸省も来てみえると思いますので、この点、特に長官のお話と合わせて、現実の予算があるのだから道路が間に合わない、交通対策ができないということではなくて、やはり現状は現状のままの時点を踏まえながら整理すべき点は整理すべきだと。そして、やはり都市交通量の総量規制の中ではバスとかタクシー、優先レーンだとかあわせてこの都市内での軌道ということをもう一遍見直して考えていく必要があるじゃないか。都市内での交通体系を、自動車じゃなくて、大量輸送のものやらあるいは軌道性のものに一つは中心を置いた対策の中でそこの乗り継ぎとか、そういうことで具体的な現実の中で体系を整理すればある程度までできてくるのじゃないか。たとえばいま交通調査なんかによりますれば、かつての関東圏だとかあるいは関西圏なんかは軌道と車の量が、軌道が六で車が四だというような状況になっています。そして、新しい、名古屋とか新進都市については、そういう点で軌道がおくれてきたために、車が六で軌道が四だと、こういうようなおくれが来ておるわけです。そういう点で、各地方等においても、やはり軌道をもう一遍見直すべきだという線かかなり出てきておるわけですけれども、特に都市部において。ここらあたりについての見解をひとつ説明をしていただきたいと思います。
#156
○国務大臣(中山太郎君) 先生御指摘の点は、運輸省並びに建設省等で、やはり立体的な総合的な考え方の調整をしていかなければならないと、私は実はそう思っているわけです。御案内のように、たとえば工業技術院がやりました交通システムの開発の大型プロジェクトというのが実は過去にあったわけです。これには、何億という国費をかけて開発をやったわけでありますけれども、これは全部コンピューター制御なのです。だから、それを実際の大都市に適用する場合には莫大な投資が必要になってくる。そのかわり、信号を見れば、左へ曲がりなさい、曲がれば、右へ曲がりなさい、全部コンピューターで誘導して全都市の中の交通の流れを制御するようなシステムが、工業技術院の開発プロジェクトでできているわけです。それを実施するには莫大な金がかかる、それは国民の負担であるというところに一つの大きな悩みがありまして、せっかく開発されたプロジェクトも実施することができないような実態にもあるわけで、私どもといたしましては総合的な交通システム全体の見直しということがやはり必要であろうと。
 先ほども御答弁の中に申し上げましたが、現地の、いわゆる地方自治体の考え方ですね、それから中央のたとえば交通対策本部で考えて第三次の計画を立てている図上プランと、現実の問題というものの乖離をいかに防ぐかということが私は政治だろうと思っています。そういう意味で、実は五月の交通安全の大シンポジウムも、役所ベースで言うと時間が足りないということでございましたけれども、私はやはりできるだけ早くやるべきだということで、過酷な作業を交通対策本部にかけておりまして、しかしそれが初めて生の声を聞く一つの場になってくる、それをくみ上げて立てた計画の中に肉をつけるということがこれからの車社会に対する政治のあり方であろうということでございますので、しばらく時間をおかし願いたい、このように考えています。
#157
○馬場富君 次に、建設省に来ていただいておりますが、いま日本道路公団の中で高速道路が進められておりますけれども、この中で、やはり予算の関係で二車線でひとつスタートをするというような傾向がかなりできてきておるわけです。これについては、中央分離帯等を伴わないために非常に危険性を伴っておるわけですけれども、こういう予定の道路は全国の中で何ヵ所、どのぐらいございましょうか。
#158
○政府委員(渡辺修自君) ただいま工事しております高速道路約二千五百五十キロの中で、五百二十六キロが当面二車線で建設しようというふうにやっておる区間でございます。
#159
○馬場富君 この点については、過去に中央自動車高速道路が開通して、四十四年から四十五年三月までの一年間の事故件数でも百六十二件と、普通の四車線の三倍という事故発生率も見ておりますが、かなりこれについては危険を伴う開設である、これに対してどのような対策で臨まれるお考えがお聞かせいただきたい。
#160
○政府委員(渡辺修自君) 確かに、四車線の道路と比べますと二車線の場合には事故の率が、二倍まではまいりませんけれども若干高い。しかしながら、一般道路の事故に比べれば、実は非常に低いわけでございまして、高速道路の場合、何にも道路がないところにつくるわけではございませんで、一般道路、かなり込んだ国道等があるものに並行いたしましてつくるケースが多いわけでございます。そういうところは、実は二車線でありましても、一般道路の方は非常に危ないわけでございまして、特に地域の情勢によっては、ここを大型のトラックが通るというような場合には、二車線であってもとりあえず開通することによって関連する一般道路の方の危険性も若干解消するということもございますので、暫定的な措置としてやっておるわけでございまして、その場合に注意することといたしましては、中央に分離帯は設けてはおりませんけれども、チャッターバーというような大型のびょうを設けるとか、あるいはレーンディバイダーと申しまして、ゴム製の三十センチほどのものでございますが、こういうものを立てまして、やや中央分離帯に似通った効果を持たせ、緊急の際には反対側の車線も緊急自動車等はもちろん利用できるわけでございます。通常の状態では、若干分離帯よりは少ないですけれども、分離の効果を持たしたような構造にする、あるいは遅い車が先頭を走っておりますと、二車線ですといつまでも追い越しができないで、無謀な追い越しをするという場合もあろうかと思いますので、インターチェンジ付近その他、あるいは坂道の場合には登坂車線を設けることもございますが、こういったものを積極的に活用いたしまして、部分的には四車線なり三車線をつくるというようなことで、地域に応じました個々具体のケースで十分注意しながら、つくってまいりたいと思っておる次第でございます。
#161
○馬場富君 これだけ科学、土木技術も、あるいは建設技術も進歩した時代でございますので、そういう点ではやはりせめてもの何がしかの分離帯的な、そういう応急対策もひとつ考えて、これから臨むような方向性は考えられぬものかどうか、こう思うわけですが、どうですか。
#162
○政府委員(渡辺修自君) なお、先ほど申し上げましたゴム性の支柱の効果等もいろいろ最近開発されたものでございますから、こういったものも見ながら具体の対策は逐次最新の知見に基づいて進めてまいりたいと存じます。
 なお、交通量がふえました場合には、もちろん直ちに四車線にするという手当てをすべく、用地は四車線とっておりますので、その辺の配慮も抜かりなくやってまいりたいと考えております。
#163
○馬場富君 この基本計画の四十二ページに、いわゆる事故に対する損害賠償の適正化のことが述べられておりますが、運輸省、大蔵省、厚生省の関係の方にお尋ねいたしますが、先般、私はこの委員会での質問で限度額の増額並びに任意保険のいわゆる後遺症の限度額の見直し等をお願いしたわけですけれども、それについて適切な御答弁をいただきましたが、今度はまず角度を変えて、先般も新聞等で問題となっておりました自賠責等の医療費の請求について非常に問題があるという、不正請求等があるというような、そういう問題が一つあるために、算定会等が実態調査に乗り出したということが言われておりますけれども、この実態及び状況を関係省から御説明願いたいと思います。
#164
○説明員(棚橋泰君) 先生が御指摘になりましたのは読売新聞の記事ではないかと思います。御承知のように、自賠責でお払いをいたします際の医療費と申しますものは、病院が実際に治療に要した費用を保険会社に請求し、保険会社は適正を期するために算定会に算定を依頼いたしまして、その結果でお払いをすると、こういうことになっておるわけでございますが、御案内のようにいかなる治療費がその患者に必要であったかということにつきましては、やはり最終的には医師の判断と。こういうものにかかることが多いわけでございまして、果たして適正であったのか不適正であったのかということがなかなか算定しにくいことでございます。そんなようなことで、従来から果たして不正なのか不適当なのか適正なのかということで非常に悩んでおるような状態でございます。先生御指摘のございました読売新聞の記事は、必ずしも全部算定会の方で承知しておるというようなことではないようでございますけれども、この中に出ておりますのに類似しますような、著しく不適当だと思われるような請求が行われ、それについて算定会の方で嘱託医等に相談をいたしまして、その当該病院との間で、これは不適当ではないかというようなことで折衝をした例というのは若干あるようでございますし、また過去におきましては、その結果、不適当な請求であるということでお支払いをしました自賠責の保険を返納していただいたというような例もあるわけでございます。
#165
○馬場富君 そこですね、不適正の限界は別にしても、返さなければならぬということはよくなかったということでしょう、そういう点でこれに行き過ぎがあったということだと思いますが、運輸省の方もつかんでみえると思いますけれども、そういうことで「損害賠償の適正化」ということが、今度の基本計画の中にも述べられておりますけれども、幾らこういったことを言っても、それが実施面でそういうことになればだめですし、特に交通事故に遭ったそういう立場の人は、弱い立場の人です。もう一切命を医者に任せなければならぬというような、そういう立場にあるときに相手がどういうことをしようとしてもできるわけです。この新聞記事の内容一つ見ても、明らかにもうこれは是正しなければならぬという点。
 われわれが毎日の日常生活の中でも、私が会った保険患者の方なんかは、利用者たちが免許証の中にこう書き込んでおると言うのですね。何かというと、事故を起こした場合に、この病院だけは絶対連れていかないでくれというように免許証に書き込んでおるということを言っておるような、そういう常習的なものも実は言われておるわけです。そういう点で、ここらあたりの問題、ひとつ大蔵省と担当の運輸省で、算定会あるいは保険会社とも連携をとって、一応実態把握をきちっとすべきじゃないか。特にこの指定をされた救急医療に該当する病院の問題等については、厚生省も含めてしっかりとこれは掌握すべきじゃないか、こう思いますが、ここらを三省でひとつ御答弁いただきたいと思います。
#166
○説明員(棚橋泰君) 先生御指摘のように、保険料というのは、車の所有者の方々から保険料として納めていただいておるお金の中から保険金が支払われるわけでございますから、一つの事故に対して不適正な支払いがされるということは、ほかの一般の方からお預かりしております金を不当に使う、こういうことになるわけでございますから、まことにそういうことが行われるのは遺憾であると思っております、これらの医療問題につきましては、御承知のように運輸省、大蔵省、厚生省三省で協議会をつくりまして、この問題に対処すべく検討しておるところでございまして、いま先生御指摘のような実態の調査につきまして、現在三省間でいろいろ協議をしておる段階でございます。基本的な方向としましては、先生のおっしゃるように、そういうことがないようにできる限り努力をいたしていきたいというふうに考えております。
#167
○説明員(松田篤之君) ただいま運輸省の方から答弁がございましたように、私どもといたしましては厚生省、運輸省とも相談をいたしまして、医療費の、濃厚あるいは過剰といった診療に対します対策をとっております。
 先ほど委員からも御説明がございましたように、自動車算定会というところに医療費の請求の書類が全部回ることになっておりまして、そこの回った書類で異常、あるいは高いというものにつきましてチェックをいたしまして、お医者さんの方に直接照会をして修正の請求をさせるということをやっております。
 たとえばでございますけれども、五十四年度の数字でございますが、五十四年度中に調査を完了いたしました案件が約七十万件ございますけれども、それの四割余りのものにつきまして、修正の減額をさせるという実態になっております。およそ金額にいたしまして二十四億円余りの修正の減額をさせるというようなことで、私どもも大事な問題であると考えておりまして、先ほど運輸省からお答えいたしましたように、三省を通じましてどのような方法によってこういったものに対処したらいいか、検討をしているどころでございます。
#168
○説明員(小沢壮六君) 厚生省といたしまして、いわゆる自賠責の関係の請求そのものについて直接的に指導監督等の権限はございませんが、一つは私どもといたしまして、救急医療に携わる医療機関をより多くふやしていくというような立場での指導と、それから御承知のとおり、昨年の秋以来、富士見事件以来、大変医療機関におきます不祥事が続発しましたので、そういった観点からも一般的な医療機関の指導監督の強化の中で三省、運輸省、大蔵省とも歩調を合わせながらこの問題に対処してまいりたいと考えております。
#169
○馬場富君 この基本計画の中にも「緊急時における救急体制の整備」という点で、救急医療のことがちゃんとここに盛り込まれて、対策を強化される、こういうようになっておりますので、実は私はなぜこんなことを取り上げたか、この新聞の問題もそうですけれども、事実、これは昨年でございますけれども、父親と娘二人の本当に気の毒な家庭の、そういうしんとも頼む父親が、自動車事故で足をひかれて、厚生省の指定でいけば二次に対応するある救急病院に運ばれたわけです。そして、そこで二十日間の治療を受けたが、十日ごろですか、私のところにその娘から泣きながら電話がかかってきた。実態を聞いたら、お父さんこのままいったら殺されちゃうということで、よくその状況を聞いてみましたら、その病院においては当直の医者もほとんどつかないというような状況であるし、点滴を腕に打ったら全然無資格の看護婦さんたちがやって、点滴を漏らしてしまって手がはれてしまったというような状況ですし、それから、手術を受けた、後冷やさなければいかぬということで冷やしたが、三十八度の熱が出た。それならもっと冷やさなければということで体全部氷詰めにした。そうしたらもう体がふるえてきたというのです、その指示は皆看護婦がなしておるというのです。そしてふるえが出たからこれは大変だということで、今度はこたつで暖めろというのです、暖めたら四十二度の熱が出てしまって、もう結局目まいがしかけたというんです。こんなようなことでうわ言を重ねていたというのです。こんな状況で実は手術した足がくさりかけて、どうしようもなくなった。それで実は女の子が私のところに窮状を訴えたわけですよ。実態はこういう状況なんです。それで、結局その付近のやはり同じ二次の公立病院に転院して、適切な指導を受けて、そこの病院ではきちっと――まじめな病院もあるわけです。きちっと点滴するにしても必ずお医者さんが打つと、そんな看護婦さんや無資格の人に任せるような二とはないというようなことで、順調な回復で、実はその後治ったわけですけれども、その医療の費用を聞いてみましても、前の病院の二十日間の医療費というのは、二十日間で百四十二万ぐらいかかっています。それで平均の七万円以上もかかっておりますけれども、その後公立病院に転院して受けた治療費というのは全快まで平均の一万円の治療費で済んでいるのです。こういうような実態を私は見たときに、本当にそういうまじめにりっぱにやっておられる、本当に救急にふさわしいような人もあるが、こういうような実態もあるということを考え合わせたときに、ぼくはやはり国民のためにも本当にけがをした不幸な人たちのためにある保険の適用というのはもっと公平でなけりゃいかぬし、正確でなければいかぬ、こう思うわけです。これは事実の話です。病院の名前は言いませんが、こういう点につきまして、どうか両長官、今後のこの対策の中でこういうことは簡単に書かれて対策は述べられますけれども、実施というのはなかなかむずかしいのです。こういう点についての配慮をお聞かせいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
#170
○国務大臣(中山太郎君) この文章には簡単なことしか書いておりませんが、私も救急医療の実態についてはよく存じております。問題はこの救急医療の指定病院を断る医療機関も実は相当あるわけです。支払い保証のない人に治療するのはどこの個人開業医としてもなかなかむずかしいという実際の問題もあります。しかし、これはそういうことをこれから言っておれない、やはりこの交通事故にだれがいつかかるかわからぬわけでありますから、そういうことでだれが不幸な交通事故に遭っても、安心して家庭が破壊されないようないわゆる救急医療体制というものの整備のために、今後とも一層努力をしてまいりたいと、このように考えております。
#171
○国務大臣(安孫子藤吉君) 文章はりっぱに書きましても、末端におきまして本当に誠実にそれが実行されなければこれは何もならないことでございます。この点についてはやはりさらにさらに努力をしなければならぬ面は多々あると思います。したがいまして、いまお話のございましたような事例はひとつその都度御連絡を願いまして、そしてそれに一つ一つ対処していくということが私は非常に重要だと、こう思っておるのでございます。今後も十分留意をいたしましてこの趣旨が末端に徹底するように努力をしてまいります。
#172
○委員長(山崎昇君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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