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1980/04/22 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 災害対策特別委員会 第6号
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1980/04/22 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 災害対策特別委員会 第6号

#1
第094回国会 災害対策特別委員会 第6号
昭和五十六年四月二十二日(水曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     鶴岡  洋君     中野 鉄造君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         広田 幸一君
    理 事
                熊谷  弘君
                鈴木 省吾君
                鈴木 和美君
                和泉 照雄君
    委 員
                井上  孝君
                岡部 三郎君
                古賀雷四郎君
                下条進一郎君
                田代由紀男君
                谷川 寛三君
                松尾 官平君
                安田 隆明君
               茜ケ久保重光君
                松本 英一君
                中野 鉄造君
                下田 京子君
                伊藤 郁男君
                青島 幸男君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  原 健三郎君
   政府委員
       国土庁長官官房
       審議官      柴田 啓次君
       国土庁地方振興
       局長       四柳  修君
       農林水産大臣官
       房審議官     矢崎 市朗君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        森  一衞君
   説明員
       科学技術庁原子
       力局政策課長   中村 守孝君
       国税庁直税部所
       得税課長     冨尾 一郎君
       厚生省社会局施
       設課長      岡光 序治君
       農林水産省構造
       改善局建設部水
       利課長      長野 孝夫君
       農林水産省農蚕
       園芸局果樹花き
       課長       小坂 隆雄君
       林野庁指導部長  黒川 忠雄君
       林野庁指導部森
       林保全課長    古宮 英明君
       水産庁漁港部防
       災海岸課長    杉江 正文君
       水産庁研究部漁
       場保全課長    川崎 君男君
       通商産業省機械
       情報産業局計量
       課長       高津 義典君
       資源エネルギー
       庁公益事業部原
       子力発電安全管
       理課長      平田辰一郎君
       資源エネルギー
       庁公益事業部原
       子力発電運転管
       理室長      末広 恵雄君
       資源エネルギー
       庁公益事業部ガ
       ス保安課長    石田  寛君
       運輸省港湾局防
       災課長      浦江 恭知君
       建設省河川局都
       市河川課長    陣内 孝雄君
       建設省道路局企
       画課長      萩原  浩君
       建設省住宅局民
       間住宅課長    浜  典夫君
       建設省住宅局建
       築物防災対策室
       長        久保 敏行君
       自治省大臣官房
       参事官      池ノ内祐司君
       消防庁予防救急
       課長       山越 芳男君
       消防庁危険物規
       制課長      椎名  泰君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○災害対策樹立に関する調査
 (雪害対策に関する件)
 (松枯れ防止対策に関する件)
 (西日本における冷害に関する件)
 (港湾及び漁港における防波堤の強化対策に関
 する件)
 (敦賀原子力発電所の事故に関する件)
 (有明地区干拓地の冠水排除事業に関する件)
 (地震防災対策に関する件)
 (ガス爆発災害の防止に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(広田幸一君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十日、鶴岡洋君が委員を辞任され、その補欠として中野鉄造君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(広田幸一君) 災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○鈴木和美君 まず景初に、今回の豪雪に際しまして、関係者の皆様の努力によって、若干の手直しや新制度ができたことはそれなりに評価をしたいと思うんです。しかし、私が最も関心の高かった積雪地の県民に対する除雪見舞い金などについて、いまだ解決が行われていないということははなはだ遺憾に思っています。そういう立場から今回の豪雪対策の確認や促進の要望を含めて若干の質問をしたいと思っています。
 さきの委員会のときに、私は当面の対策と中長期の対策ということに二つに分けて大臣の見解を聞いて同意を得たと思っています。つまり、当面の対策として激甚災害法の適用、二つには現行関連法の最大適用、三つ目には除雪・排雪経費の助成、四つ目は個人支出に対する見舞い金、五つ目には弔慰金、見舞い金の改正、六つ目に農林水産関係の助成、七つ目に商工業者への助成、こういう問題は当面の問題として早くやってほしいということを要望しました。
 同時に、中長期対策の問題としては、災害法及び関連法の見直し、二つ目には雪国に対する普通交付税の割り増しの問題、三つ目は除雪・排雪の機械の配車、四つは消雪・融雪施設の拡充、五つ目になだれ防止の施設拡充、六つは移転対策の助成、七つ国鉄の除雪対策の充実、八番目に道路建設のあり方と補修の問題、九番目に自動車使用のための道交法上の問題、十番目として避難場所、公共施設の充実などを挙げて各関係省庁の努力を要望してまいりました。
 先ほど申し上げましたように、それなりの努力は払われていることに謝意を表しますが、ここで改めてお聞きしたいと思いますのは、特豪地帯及び積雪寒冷地措置について見直し、補強する考えがあるかどうかをお尋ね申し上げたいと思います。
#5
○政府委員(四柳修君) お尋ねの第一点は、現在の法の見直しというお尋ねでございますけれども、御案内のように、この法律は三十七年に議員立法でできまして、その後何回か改正いたしましたが、特にそのうちの財政特例措置でございます十四条、十五条という規定が本年度で切れるという形でございまして、この点につきましては、私どもの方も、この法律の制定の経緯なりあるいはこれまでの改正の経緯等ございますものですから、あるいは今回の豪雪を踏まえましてのいろいろ御議論等ございますものですから、国会におきます御議論もございますし、それから国土審議会の豪雪関係の特別委員会もございまして、それぞれの方面の御意見を聞きながらこれに対しまして適切に対処してまいりたい、こう考えております。
 それから後段の特豪の指定のお尋ねでございますけれども、いまの法律改正の過程の中で特別豪雪制度ができまして、いまの要件としましては二つの要件がございまして、一つは積雪の度が特に高いという点で、気象庁関係の二十年とか三十年とかというそういった関係の統計資料に基づきまして判断しておりますのが一点。
 第二点は、その地域の住民の方々の生活の御不便、とりわけ冬期間の交通支障という点での御不便の点をどう判断するかという点で、いままでも何回か改正によりまして追加してまいりましたが、その後の改正の経緯の過程の御議論の中で、たとえば資料がなくて、その周辺市町村が該当するけれども自分のところはどうして該当しないんだろうかとか、あるいはその後のモータリーゼーションの進行なり都市化の進展等によりまして、いままでの資料ではなかった、たとえば地吹雪ですとか、いろいろ要件につきまして検討できないだろうかと、こういう御意見がございます。
 この点につきまして、積雪度につきましては、これは三十年という単位で、たとえば起点を十年後に、最近に持っていくとか、そういう形で操作はできますけれども、後段の生活上の御不便という点につきまして実はなかなか資料がございません。とりわけいろいろ御疑問なり、追加の御指定を言っておられる地区につきましては、県内でそこの地区だけやるとか、非常に限られた資料はあるわけですけれども、それを全国的あるいは他の積雪県に対しまして同じような物差しがあるかどうか、そういう点で苦慮しておりまして、私どもの方も、たとえば地吹雪につきまして、五十六年度にいろいろそういった資料なり調査をするとか準備をしておりますが、そういったものにつきましての新しいある程度の客観的な資料が出てまいりますれば、これを審議会の特別委員会の方に一つの物差しとしまして御相談いたしまして、できればそういった方向に取り入れられないものだろうかという形で検討中でございます、
#6
○鈴木和美君 いまのお話は、間違っておるかどうか知りませんけれども、現在の豪雪地帯というのは二十四県九百六十七市町村、特豪地帯の方は二十四県で二百七十九市町村、それを若干手直しをしながら検討するというように理解してよろしゅうございましょうか。
#7
○政府委員(四柳修君) 現在豪雪地帯に指定されておりますのは、ただいまお話ございましたように一道一府二十二県、つまり二十四道府県で九百六十七市町村。それから、そのうち特豪地帯に指定されておりますのが一道十四県、つまり十五道県で二百七十九の市町村でございます。
 そこで、私申し上げましたのは、いま見直しをしているというのは特別豪雪地帯につきましての物差してございまして、一般の豪雪地帯につきましては、そういったことを足してくださいというお話は余り聞いておりません。
#8
○鈴木和美君 ぜひ雪国の恒常的な対策として抜本的な検討をお願い申し上げておきたいと思います。
 その次に、災害援助資金についてお尋ねしたいんですが、皆さんの御努力によって、災害の弔慰金の支給限度額は、法改正によって二百万が三百万に増額されました。わが党としては八百万を要求しておったんですが、いろいろな事情で三百万になったんだと思うんです。
 そこで、そういう弔慰金の方が上がったということとの関係で、災害援護資金の貸付限度額が政令で現在四十万から百三十万となっていますね。これは私が聞いているのでは十日の政令で何か改正すあみたいなお話を聞いたんですが、どのようになっているか、どう引き上がったかお尋ねしたいと思います。
#9
○説明員(岡光序治君) いま御指摘がありましたように、四月十日の政令改正でもちまして、限度額につきまして百三十万から百八十万に引き上げを図ったところでございます。それぞれ具体的な貸し付けにつきましては、住居とか家財の被害の状況によりまして貸付区分を設けておりまして、まず世帯主が一カ月以上の負傷しました場合に貸し付けをしておりますが、これを四十万から六十万に引き上げを行いました。それから家財が三分の一以上損害をこうむった、こういう場合には四十万でございましたが、これを六十万に引き上げました。そのほか、世帯主の負傷と住居の半壊とか、あるいは全壊とか全流失というふうに区分を設けておりますが、それぞれ、まず半壊の場合には八十万から百二十万に、それから全壊の場合には百万から百四十万に、それから全流失の場合には百三十万から百八十万に引き上げたところでございます。
 なお、具体的なその被災世帯におきましては、いろいろな事情があろうかと思いますが、その事情に応じまして特別に規定を設けまして、できるだけその貸付限度額が有利なように取り計らってまいりたいと、そんなふうに考えております。
#10
○鈴木和美君 いま住居の全壊の場合には、お答えとちょっと違うんじゃないでしょうか。全壊の場合には九十万から百二十万に上がったんでしょう。百万から百四十万に上がるというのは、世帯主が一カ月負傷して、それにプラスされて全壊になった場合ですね。
#11
○説明員(岡光序治君) おっしゃるとおりでございまして、ただ全壊の場合には九十万を百二十万にいたしました、ただし、世帯主の負傷と重なった場合に百万から百四十万、いろいろ区分を設けてありますので、ちょっとはしょって世帯主とのダブりだけ申し上げました。失礼いたしました。
#12
○鈴木和美君 建設省にお尋ねしますが、援護資金の貸付限度額が引き上がったということとの関連で、たとえば災害復旧住宅資金の貸付限度額も住宅金融公庫施行令の改正によって引き上げられたと思うんですが、この事実はどうなっていますでしょう。
#13
○説明員(久保敏行君) 私、直接の担当ではございませんので、いま担当課長が追って参るかと思いますが、去る三月の改正で引き上げを行いまして、昨年九月にさかのぼって適用をしておると、こういうふうに聞いております。
#14
○鈴木和美君 私の調べでは、木造住宅が六百三十万円が七百三十万円に、簡易耐火構造住宅が七百十万から八百四十万に改正されたと聞いておるんですが、後ほど確かめてください。
 そこで、そのようにある程度の引き上げが行われたんですけれども、先ほど私が問題にした――これ厚生省にお尋ねすることになるんですが、災害援護資金はつなぎの資金ですね。そういう意味で、ある程度の額がこう区分はされているんですけれども、私が各積雪地の人たちから話を聞いているところによれば、まずその区分ですね、その区分というものをもう少し縮めることができないのか。たくさんこうやって引き上がったものが、百八十万だとは言いながら、結局一番下のところは六十万でしょう、何か聞こえは、百三十万が百八十万に上がったとは言うんだけれども、適用がうまくいかないんですよ。そういう意味で、つまりつなぎの資金ではあるけれども、この貸し付けを要望する意見が非常に強いわけですね一一
 そこで、今度貸し付けの査定が、最も対象の多い住宅の半壊などに非常に厳しい措置になっているんですよ。そういう意味で、これから改善をしていくような方向をぜひとってもらいたいと思いますが、いかがでございましょう。
#15
○説明員(岡光序治君) 先ほどもちょっと触れたんですが、実はその世帯の置かれている状況に応じまして、たとえば先生いま御指摘のような半壊の場合ですと八十万しか出ません、これは世帯主がけがしない場合ですね。ただし、その住居の状況からして全壊と同じような被害状況であるというふうに判断されるような場合には、それは全壊の場合百二十万ですが、そちらの方の限度額まで貸してもいいんじゃないか。そういう何というんでしょうか、世帯の被災状況の実情に応じてできるだけ高い方の限度額に持っていけるような運用にしたい。それで、それは厚生大臣が定めることになっておりますので、近々通知をいたしたい、そんなふうに考えております。
#16
○鈴木和美君 ぜひこの運用に当たって皆さんが喜ぶような措置をとっていただきたいことを要望しておきます。
 もう一つは、災害弔慰金、二百万から三百万円に上がったんですが、実は雪の中で死亡したというときに、雪おろしとか、直接雪害に関係した人には三百万が出るんですけれども、たとえばお年寄りとかそういう人たちが、雪がたくさん積もったとか余り寒いためにいつもの脳溢血とか心臓麻痺とかそういうもので亡くなるというような場合に、片一方は雪おろしで直接というかもしれませんけれども、そういう人たちにこれに準じたような取り扱いができないのか。
 これが一つと、もう一つは、亡くなった人の場合には弔慰金で見られるんですけれども、けがをした人はどうするか。けがをした人の見舞い金が全然いま制度化されていませんね。
 そういう意味で、厚生省にもう一回、寒い積雪地であるというようなこととの関係において準じた取り扱いができないかというのと、けがをした人たちに見舞い金という制度はできないか、どうでしょう、
#17
○説明員(岡光序治君) まず前段の、何というんでしょうか、雪おろし中にたとえば心臓麻痺で亡くなったとかというふうな個々のケースにつきましては、災害弔慰金の制度は、自然災害によって亡くなったというときに社会的な弔意を示そうではないかという制度の趣旨がございますので、そういう災害によってほんとに亡くなったことと災害との間に相当の結びつきがないと、準ずる扱いというんでしょうか、範囲の中に含めて支給をするということはできなかろうかと思います。
 そういう意味で私ども、雪おろし作業中に、たとえば心臓麻痺か何かわかりませんが、亡くなったというふうに、その災害と関係が深い場合には、個々のケースの状況によりまして支給対象に含めているという過去の実例もございます。そういう意味で、ケース・バイ・ケースでできるだけその関連性があるものは拾い上げていくという方向で対処をしたいと思います。
 なお、この弔慰金の支給制度というのは、市町村の固有事務になっておりまして、市町村が条例で定めることになっています。もちろん、その対象になった場合に、国も補助金を出すものですから、関連が出てくるわけでございますが、そういう意味でまず市町村がどの範囲にするんだという一応の範囲というのは決まっておるわけでございますね。具体的な個々のケースの判断はそういう条例からどう持っていくんだという適用、運用の問題になろうかと思います。それで、微妙なケースにつきましては、市町村、県、それから私どもと相談をしながら対応しておるというのが実情でございます。
 それからけがをした人に対する見舞金の問題でございますが、個人災害に対してどう対応するんだということで、補償の問題もいろいろ従前から議論されたわけでございます。四十八年のこの災害貸付金の制度が法制化された際に、一応いろんな議論の末、負傷した場合には貸付金で対応しようじゃないかという経過があるのは御存じのとおりでございます、
 で、負傷という災害、個人災害を見た場合には、まず一番初めに対象になるのは、医療保険で対象になります、そのほか個人的に加入するかどうかによりますが、損害保険の制度なんかもあろうかと思いますが、そういった公的な制度との絡み合いがどうなるんだろうか、そもそもそういう意味で見舞い金の性格づけというのをどう持っていったらいいんだろうか、どのようなニードに対して見舞い金をどういうふうな形で持つんだろうか、こういう基本論があろうかと思います。私どもそういった基本的な問題をいろいろ検討しなければならないというふうに考えておりますが、いずれにしても国会の審議の過程でこれは御指摘されておりますので、私どもそういった問題点、非常にむずかしい問題点があろうかと思いますが、なお検討さしていただきたい、そんなふうに考えております。
#18
○鈴木和美君 亡くなった人に対しての弔慰金は、それはそれなりにいまわかりましたから、あとはけがをした人、それから実はこれも大変問題になっておりました雑損控除の制度ができ上がって、税金の払われる人には多少の恵みがあるんだけれども、税金の対象にならないような人、そういう人でも除雪費に大体二十万ぐらいかかっているというようなことで、豪雪の見舞い金をそれぞれ出そうじゃないかというような話がずっと各党との間に話ができ上がってきているわけですね。
 ちなみに、社会党、公明党、民社党の三党の共同提案が実現して、衆議院の段階でも、今度は自民党まで含めて、超党派の議員連盟で何とかしようじゃないかと言って、いま折衝をしている段階だと思うんです。
 そこで私は、これは厚生省もさることながら、長官にぜひお聞きしたいんですが、いま各党で折衝している豪雪見舞い金ですね、そういうものを出すお考えがあるかどうか、これが出せるというんであれば、さかのぼって今度はけがをした人というのに見舞い金が当然出せることになりますね、そういう関連性で、これからの問題、今度の問題に適用するかどうかという問題もありますけれども、将来の問題に向けても対策を講じなきゃならぬと思いますが、長官の見解をお尋ねしておきたいと思うんです。
#19
○国務大臣(原健三郎君) 一般の家庭等に個人給付金を支給するということについてのお尋ねでございますが、これはこれだけでなくて、他の災害の場合との均衡も保たねばならないし、あるいはまた現下の財政状況も考えなければならないし、その他いろいろ、この実現をいま直ちにするということについては、きわめて困難な事情があろうと存じます。
#20
○鈴木和美君 すでに衆議院の災害対策特別委員会でも問題にされておりますし、各党の議員連盟でも政府・与党と折衝をしている過程ですから、私はことし五十六年の豪雪に仮に間に合わないというようなことがあったとしても、ぜひ将来のためにこれは検討をしていただきたいと思いますが、再度いかがでしょう。
#21
○国務大臣(原健三郎君) 非常にむずかしい問題でございますが、せっかくの御希望でございますから、引き続き検討さしていただきます。
#22
○鈴木和美君 ありがとうございました。
 それから厚生省にもう一回お尋ねしますが、老人とか身体障害者、母子家庭、生活保護世帯などの除雪に関して、今度は援護を必要とする者に対する給付金みたいなものを考えられないかと思うんですが、いかがですか。
#23
○説明員(岡光序治君) もう先生すでに御存じのとおりでございますが、老人とか母子世帯などにつきましては、災害救助法が適用されれば、もちろんその障害物の除去ということで対応しているわけでございます。
 それから具体的にどういう施策があるんだろうかということでございますが、老人世帯、身体障害者の世帯、あるいは母子世帯につきましては、介護人の派遣制度というのがございます。これはもちろん、日常生活にいろんな支障を来したときにその手助けをするという意味で介護人を派遣するというかっこうなんですが、今回の豪雪の際には、この制度を拡大して、生活の援護の一環として除雪というものにも当たらせたことも事実でございます。
 もちろんそのほかの世帯、弱者世帯もあるものですから、そういうのはむしろ地域の社会福祉活動の中で考えるのも一つの手じゃなかろうかということで、社会福祉協議会がそれぞれの地域にございますので、そういったところを中心にしながら、いろんな世帯の抱えるニードを把握して、できるだけ助け合いの中で対応しようじゃないかというふうなことを、今回の豪雪の際には特に通知なんかもいたしまして対応した状況でございます。
 そんなことで、個々のケースにつきまして、私どもそれぞれ雪おろしに何とか対処しようじゃないかということで対応したつもりでございますんですが、一般的にそういうことのほかに給付金をという問題提起に対しましては、私どもそういう意味で、どういう形で給付をすればいいんだろうかなという実は基本問題がございますし、それからまたこれは申し上げるまでもございませんが、よく御存じだと思いますけれども、新潟県あたりでは地元の市町村で特別に人を雇い上げまして、それで低所得世帯なんかにその人を派遣して雪おろしをさしている、そういう制度なんかもあるわけでございますから、そういったものの見合いなんかを考えながら総合的にどうも検討さしていただかなきゃならないんじゃないだろうか、そんなふうに考えております。
#24
○鈴木和美君 この見舞い金制度とか給付金という話をしますと、どうも各省庁逃げたがるんですよ。それで、これは国土庁の問題だ、国土庁の問題だといって、すべて国土庁というのが質問取りの段階でも出てくるんですよ、国土庁にと言うたって、現に国土庁が見舞い金のことばっかりやっているわけにいかないんであって、どっちかと言えば、厚生省が人助けの省なんですから、厚生省がもっと積極的にこういう問題に対して提唱しながら、国土庁と連係プレーをとるという姿勢が私は必要だと思うんですよ。ところが、どうもそれが今度は、生活保護世帯でやっている、それは自治省の問題ですと言うんです一句だって聞くと、いや、それはもう普通交付税のところに入っているんでございますと、こう言うんだね、そういう各省庁が逃げまくっているようなやり方というのは、私は非常に遺憾だと思うんですよ、そういう意味で、弱者救済ということに対して厚生省ももっと真剣にぜひ取り組んでほしいと思うんですよ。いかがですか。
#25
○説明員(岡光序治君) 御指摘の点を踏まえましてよく対応さしていただきたいと思います。
 それから、もちろん関係省庁との連携はよく図っているつもりでございまして、いろいろ失礼の段があったかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。
#26
○鈴木和美君 国土庁もぜひ、いまの厚生省のお話じゃありませんけれども、今度は国土庁も所管として大変むずかしいことがあろうと思いますけれども、災害に関するまとめの省ですから、ぜひ国土庁も積極的に各省庁の統一見解を求めるような段取りをとっていただきたいと思うんですが、どうですか。
#27
○政府委員(柴田啓次君) ただいまお話がございました豪雪被害者への給付金の問題、あるいは異常豪雪により死亡した者の遺族で災害弔慰金の支給を受けることができない者、あるいは異常豪雪のために負傷した者に対する弔慰金または見舞い金の支給など、これらにつきましては、先般国会の議員提案によりまして、災害弔慰金の引き上げの法律と森林災害普及事業の法律を成立さしていただきましたけれども、その際の立案に当たっておりました衆議院の災害対策特別委員会の基本問題の小委員会でもいろいろと御論議がありまして、引き続いて検討をする問題になっておりますので、御発言の趣旨を踏まえましてなお勉強させていただきたいと思います。
#28
○鈴木和美君 それでは建設省にお尋ねいたします。課長おいでになったそうですが、先ほどの災害復興住宅資金の貸付限度額、住宅金融公庫法施行令の改正によって引き上げられたこの実態を知らせてください。
#29
○説明員(浜典夫君) 御説明申し上げます。
 住宅金融公庫の災害復興住宅貸し付けは、通常よりも有利な金利で、また償還期間も長くするような貸し付けになっておるわけでございますが、貸し付けの額そのものが少なくて、もうちょっと大きくふやさなければ被災者に対して対応できないじゃないかということで検討いたしておったわけでありますが、結論を得ましてせんだって政令を改正いたしました。
 九月にさかのぼりますが、木造等で六百三十万でございましたものを百万上げまして七百三十万に。それから簡易耐火あるいは耐火建築というものは、七百十万でございましたのを百三十万上げまして八百四十万に。それから補修がございますが、これも大体それの半分方、同じく並行的に上げるという形で改正を行っておるところでございます。したがいまして、これは五・〇五の資金がこれだけ多くなりますので、総体としては、被災者の方に総体の金利を引き下げる効果があろうかと思いますので、一応の手を打ったつもりでございます。
#30
○鈴木和美君 この住宅関係の資金について、利用度というか、それはどういう実態になっていますか。
#31
○説明員(浜典夫君) これは被災後二年以内にお申し出になればお貸しするという、わりと幅のある制度にいたしております。被災を受けられましても、いろんな住宅のことでございますから、たちどころにお建てになるわけでもなく、多少いろんな計画をお立てになってお使いになりましょうから、そういう形にしております。したがいまして、たとえばことし実行しておりますのは、去年なりおととしの被災によって申し込まれる方が使われるわけで、これは通年で受け付けております。ですから、資金も予算的には一応額が計上いたしておりますけれども、戸数枠などもつけておらぬわけでございます。したがいまして、お申し込みいただければ直ちにこれをお貸しするという形にしておりますし、申しおくれましたが、先ほどの額は、東京でもあるいは新潟でも普通の貸し付けですと地域差を設けておりますが、全国一律一番いい待遇にしてございますので、お使いはよく活用していただいていると思います。
 ただいまちょっと計数的に手持ちがございませんけれども、いまの災害にちょっと見合いませんので、そういう意味で数字がなんでございますが、五十五年度の一月末現在の貸付状況を見ますと、年度計で三百三十二戸の貸し付けをいたしております。このほかにまだ申し込みベースのものもございますし、これは一年前、二年前のものでございますから、また今節の豪雪被災等はこれから二年ぐらいにならしてお申し込みがあるものと考えております。
#32
○鈴木和美君 わかりました。
 それではその次の問題ですが、これも建設省ですが、災害危険区域内の住居の移転について、今回がけ地近接危険住宅移転事業が行われることになったと思うんですが、この事業の中になだれというものを組み入れてあるのか、組み入れてないのか、これからどうしようとするのか、実情をちょっとお聞かせいただきたいんです。
#33
○説明員(久保敏行君) お尋ねの件でございますが、今年の豪雪に伴いますなだれ災害の実情を踏まえまして、私どもとしましては、なだれのおそれのある地域内にあります住宅の移転を行う必要があるということで、去る三月、がけ地近接危険住宅移転事業の制度要綱の一部改正を行いました。
 今回の改正では、なだれ、それから地すべりのおそれのある地域につきまして、地方公共団体が、建築基準法三十九条に基づく「災害危険区域」というのがございますが、こういう区域を指定した場合において、その区域内にある住宅の除却それから移転、こういうものに対して補助を行うということにいたした次第でございます。
#34
○鈴木和美君 なだれは、そうすると入ったということに理解してよろしゅうございますね。
 その事業の概要はどういうことになっておりましょう、中身です。
#35
○説明員(久保敏行君) 先ほどもちょっと申し上げましたが、事業主体は地方公共団体で、原則としては市町村ということになっております。その市町村が、先ほど申し上げました「災害危険区域内」というものが指定されまして、その中に移転を求められるような危険な住宅があると、そういう住宅の所有者が移転したいという場合に、その住宅の除却費、それから新築します住宅の建築費、こういうものにつきまして国が半分の、二分の一の補助を行う。残りにつきましては、市町村と県が半分になるように補助金を出しまして個人に貸し付ける、こういうことでございます。
#36
○鈴木和美君 危険住宅の除去などに関する助成は、一戸当たりの限度額は幾らですか。
 それから危険住宅にかかわる住宅の建設に貸す助成ですね、これは幾らですか。
#37
○説明員(久保敏行君) 大変失礼いたしました。
 金額でございますが、除却費につきましては、一定の限度を設けておりますけれども、最高の限度が、昭和五十六年度では、除却費について六十三万円、それから建築費につきましては百八十四万円、それから用地の取得を要する場合には、この百八十四万円にさらに五十万円足しまして、合計して二百三十四万円、これが国と地方公共団体との補助の合計額の限度額になります。
#38
○鈴木和美君 国土庁にちょっとお尋ねしますが、なだれとか地すべりが起きるような地域ですね、そういうような地域のところに住んでいる人たちに対して、国土庁としては移った方がいいぞというような指導をされるのか。残るなら残っても構わぬと、出たい人は出なさい、出るときにはどういう手当てをすると。どちらの基本的な姿勢をおとりになりますか。
#39
○政府委員(四柳修君) 私どもの方で所管しております仕事で言いますと、いまのがけ地近接と同じように、防災のための集団移転という仕組みがございます。
 考え方としましては、建設省と同じでございまして、一つは現実に災害が起きた後で残った家あるいは壊れた家をどうするかという問題と、それからただいま建設省の方から御答弁ございました後段の建築基準法上の危険地域の指定、こういう形がございます。ところが、現実に、いままでこの補助金を使った結果を見ますと、被災後の実例はございますけれども、基準法上の危険地域を指定した事前の実例はございません。
 それから私どもいろいろ伺いまして、被災地域につきましても、実は全戸移転ということは非常に合意が得られません。そういう意味で、いまお尋ねの事前にやれるかどうかという点につきましては、望ましいことは御指摘のように事前にやることが望ましゅうございます。しかし現実にそれぞれの地区別にとりますと、関係地区の住民の御同意を得まして市町村長が基準法上の指定をすることも、一つの手続なり時間なりが相当かかると思います。それだけのいわば御理解なり御同意を得るための手続が地元である程度定着した場合には、御指摘のように私どももできるだけ事前にこういったものを取り入れることが望ましいと考えております。
#40
○鈴木和美君 先般石川県へお邪魔したときに知事さんが大変苦労しておったんですが、つまり県としても危険区域であるから移ってほしい、移った方がいいぞということを言いたい、指導したいんだけれども、先祖代々から自分はここに住んでいるんだと。比較的年の若い人は出ていっちゃいますから、どっちかというと、お年寄りがどうしてもそこに住んでいたいというような感情などもあって、県としてもなかなか言いにくいんだ、それが国からある程度指導要綱みたいなのがばっと出ると非常にやりやすいと。これは私個人としては、危険区域というのは、人命のためにも、説得し誘導して人命を守るべきだと私は基本的に思うんですよ。そういう意味からいうと、もう少し積極的に国がそういう方向というものを打ち出すようなやり方というのはないんですか。
#41
○政府委員(四柳修君) その前に、私からの御答弁の中で、事前の移転がほとんどないと申しましたけど、若干例はございまして、非常に少のうございますということに訂正させていただきたいと思います。
 それからいまのお尋ねの点でございますけれども、私どもの方もいろいろ現地を見させていただきますと、確かに市町村の役場の方々のお悩みの点は、現実に地元の方のお声を伺いますと、実はおじいちゃんの墓がそこにあるんだ、私もあそこに入ればいいんだから心配しないでくれと、こう言われちゃいますと、なかなか地元ではそれ以上のことが言えないというのが一点。
 もう一つは、関係地区を見ますと、必ずしも全部の方々がそこに最初からお住みでなくて、幾世代かたっている間にその後そこに人口がふえている、あるいは道路ができたとかいろんな事情で、最初は安全だったところが、その後の事情によって、言われてみれば危険かもしれないけれども、自分ではそこを言い出しにくいというのが実情でございまして、いまお尋ねのようにこういう物差しをもって危険だからということを言い切れればいいんですけれども、私どもの方としましても、いまの段階ではなかなかそこまで踏み切れないのが実情でございます。
#42
○鈴木和美君 実情というか心情というか、それは理解します。しかしやっぱり何とかうまい方法を考えて人命を守るようにぜひ指導してほしいと思うんですよ。
 そこで、これも国土庁になると思いますが、先般「建設通信」三月の記事を見ておりますと、新潟県の移転の事業に対する文献が出ておりましたね。それで新潟県が県の単事業として九戸もしくは一戸でもやろうというようなことが出ておったんですが、これに対して国土庁はどういう考え方、見解を持ちますか。
#43
○政府委員(四柳修君) 私どもの方の集団移転の物差しというものは、新しくつくりました団地が十戸以上ということでございまして、そこにお移りになるもとの現住所というのは必ずしも十戸でなくて、仮に四戸と六戸足して十戸でも結構という仕組みでございますが、新潟県の今回特におとりになりました点は、新しい団地でも十戸未満でもいいということをおとりになりました、これは私ども物の考え方としまして、一つは新潟県の特殊事情があろうかと思います。これは御案内のとおり、新潟県は非常に地すべり地帯が多うございますということと、豪雪でいま御議論ございましたなだれ等の危険がある、そういう形で、いま御意見にもございました、できるだけ行政側でそういったものを前向きにやれないだろうかという一つの姿勢だろうと思います。
 そういう意味で、それなりの評価はできると思いますけども、その新潟県のいまの仕組みが果たして現実に関係地域の住民の方々なり市町村の御努力によりまして、あるいは御理解によりまして、そのとおりうまくいくかどうかということはひとつこれからの宿題だろうと思いますけれども、その成り行きを見まして、私どもの方も、いまの制度で本当にいいんだろうかどうなのかということは、その結果を見ながら検討さしていただきたいと思います。
#44
○鈴木和美君 国が県よりも後手後手に回らないように、国が温かいそういう措置をとっているという姿勢だけは見せていただきたいと思うんです。やっぱり理屈じゃなくて、法律が洋服着て歩くみたいなことではかっこうが悪いので、災害というのは各党ともいろんな意見があったとしても、共通点がたくさんあると思うんですね、そういう意味では国もどうぞ積極的な姿勢をとってほしいと思うんです、
 そういう意味で、先ほどわざわざ移転のためのお金を聞いたのも、六十三万円とか二百三十八万円で本当にいいのか。やっぱりみみっちいでしょう、正直な話。だから、先祖代々動けない、いやだという理由で動かない人と、移ったってこんな安い金ではというようなのもあるんですから、総合勘案をしてぜひ深い検討をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#45
○政府委員(四柳修君) 確かに私どもの方と建設省との一つの違いというのは、個々の被災者なり、危険住宅にいくお金は同じでございますけれども、新しい団地をつくるための助成ということと、そのための補助率が高いということの差がございます。そういうことではできるだけ関係市町村の方でそういった新しい団地をつくるための御指導なり何なりいただけばありがたいと思いますが、いま御指摘の点、大変矛盾するような話で恐縮でございますけれども、現地へ参りますと、確かに御指摘のように、何とかしたいと思いながらも、現実にはなかなかそういう御理解が得られないとか、いまの制度でもう少し何とかならないのかという点でもう少し勉強さしていただきたいと思います。
#46
○鈴木和美君 それから今度は別の問題、建設省にお尋ねしますが、雪が解けまして道路の被害状況というのがいよいよ判明してきたと思うんです。それで除雪作業によって区画線とか標識とかガードレールとか、そういう被害というものが明らかになってきたんですが、国庫補助事業として採択基準を緩和してもう少し、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の対象事業として採択するなどして早くやっていただきたいと思うんですが、現状どういうふうな対策になっておりますかお聞かせください。
#47
○説明員(萩原浩君) お答えをいたします。
 先生御指摘の積雪地域におきます道路の損傷の問題でございますが、一番がなめとして大きいのは舗装の問題でございます。舗装補修につきましては、従来から既設の道路交通の安全確保あるいは道路の保全の観点から、その重要性にかんがみまして、経過年数であるとか、あるいは破損の程度であるとか、そういうものを勘案いたしまして、一定の交通量、事業規模に達したものを補助採択をいたしているところでございます。ことに積雪寒冷地におきましては、タイヤ、チェーン等によります損傷、これが非常に大きくなりますが、これにつきましては、技術的に耐摩耗性のすぐれた舗装材料、これは幾らか高価になりますが、そういうものを使用するとか、あるいは耐摩耗層を設置する、そういうものにつきましても補助の対象といたしているところでございます、結果的には舗装補修の採択の実情を見ますと、積雪寒冷地域についてはかなりの重みをつけて現在も採択をいたしておる、こういう数字が残ってございます。積雪寒冷地の舗装の問題というのは非常にむずかしい問題でございます。今後ともタイヤの構造あるいは舗装の構造、両方相まった研究を進めてまいりたいというふうに考えております。
 それからもう一つ、附属物といいますか、私どもでは道路附属物と称しておりますガードレール等の損傷の問題でございますが、これにつきましては、ただいま先生御指摘のように、従来公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法に基づきます対象事業としてはおらなかったわけでございます、附属物だけの損傷は対象といたしておりませんでしたが、今冬の豪雪によりまして被災いたしましたガードレール等の復旧につきましては、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法に基づく災害復旧事業として対処するように現在手続を進めておるところでございます、近く通達を出すというところでございます、
#48
○鈴木和美君 どうもありがとうございます。積極的に進めていただきたいと思います。
 その次は林野庁にお尋ねしますが、森林被害に対する助成措置が今回立法化されましたが、その森林災害復旧事業の実施に当たって、植林とか、倒れた木を起こすとかということについて、各県のいろんな話を聞いてみますと、労働力が非常に少ない、そういうものが予測されるんだが、せっかくでき上がっても労働力不足のために適切な措置がとれないと。こういうことになったら大変だと思うんですが、労働力不足に対してそれを確保するための具体的な方策はどのようにとられていますか。
#49
○説明員(黒川忠雄君) 今回の雪害によります跡地の造林あるいは倒木起こし等につきまして、御指摘のように、最近は労働力が非常に不足してまいりまして、ごく最近では林業の労働力が減るのがとまっておりまして、全国で約二十万人前後で推移しておりますけれども、今回のような限られた雪害地域での労働力ということになりますと、時期的な問題もありまして、あるいは不足を生ずる地域も出てこようかと思っております。
 それに対しまして、われわれといたしましては、通常の造林事業が春以降始まるわけでありまして、そういった事業との調整を図りながら、森林組合にいま作業班というのがつくられておるわけでありますが、その森林組合の作業班の活用等につきまして、積極的に関係府県等を指導いたしまして、労働力の不足といったようなことが起こらないように万全の指導をしてまいりたいというふうに思っております。
#50
○鈴木和美君 委員会ですからそう答えざるを得ないと思うんですけれども、実際はなかなかそう口ほどうまくいかぬのですよ。そうでしょう、実態は。それは全部予算、お金に関係してくることじゃないでしょうか。そういう意味では、もっと積極的に山を大切にする、また折損木をどうするということに対して、国と林野庁も積極的な対応しながら、ぜひ私は予算の面からもアプローチするようなやり方を進めてもらいたいと思うんですよ、せっかく努力していただくことはそれは多としますけれども、そういう積極的な姿勢をおとりになる考えございませんか。
#51
○説明員(黒川忠雄君) 今回の雪害対策につきましては、おかげさまで激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律の一部を改正する法律というのが四月十日に公布されまして、これによりまして、従来激甚災害法の対象に造林の災害はなってなかったんでありますが、それに入れてもらったということで、今後財政当局等に対しまして予備費の使用ということで予算の折衝をするわけでございます。
 被害の状況等の概括的なことはだんだんわかってきておりますけれども、今後の事業計画につきましては、たとえば倒木起こしは今年度中にしなければ意味がないわけでありまして、これは一年度でやりますけれども、たとえば跡地の造林等につきましては、災害年度を含めまして四年度内にやるというふうに政令で決まっておりますので、四年間に今後やっていくといったようなことで、予算の面、さらには先ほど御指摘の労働力の面等、十分勘案いたしまして、その跡地の造林等につきましても遺憾のないようにしたいと思っております。
#52
○鈴木和美君 非常に原則的なことをお尋ねしますが、切ってなぜその跡に植林するんですか、なぜ造林するんですか。それを聞くのはなぜかというと、ここは災害特別委員会なもんですから、災害特別委員会との関連でお答えいただけませんかね、なぜ山に木を植えるのか。
#53
○説明員(黒川忠雄君) 山に森林があるということは、財産の形成といったような、木材の供給といったような面も非常に大きいわけでありますが、半面、国土の保全あるいは水資源の涵養といったような面で非常に大きな効果があるわけでありまして、現在世界的に森林が減少しているというのが非常に心配されているわけでございますが、幸い日本ではほとんど減っていないというような状況でございまして、われわれといたしましては、国土の保全あるいは水資源あるいは空気の酸素の供給といったような面から、その跡地を森林にしていくということが重要ではないかと考えておるわけであります。
#54
○鈴木和美君 長官、いまわざわざ原則的なことをお尋ねしたんですが、災害特別委員会は、比較的災害が起きてからそれに対する手当てをどうするか、緊急性もありますから、そういう面で多く開かれているような実績をずっと私は見るんです。しかし今回の山の問題を見まして、山に木がないということによって風水害に対して大変危険な状態に置かれていると思うんですね。だから、後の対策も必要だけれども、予防的なそういう対策というのが私は非常に大切だと思うんですよ。だから、山の問題というのは、単に林野庁、農水省いうような観点じゃなくて、国土庁としても積極的にそれを応援するみたいな態勢をぜひとっていただきたいと思いますが、山と林と森林と災害についての国土庁長官の御見解を聞かしていただけませんか。
#55
○国務大臣(原健三郎君) お答えします。
 いま御注意いただきましたこと、まことに同感でございます。災害が起きてから後の対策をやることはもちろん必要ですが、起きないように予防的にいろんな対策をやることは、いままではわりあいそれは考えていなかったような気もするんですが、今後は十分そういう予防的対策も考えまして、ことに森林、山に対して各省庁連絡とって対策を研究していきたいと思います。
#56
○鈴木和美君 委員部を通して先ほど長官のところに写真を届けておきましたけれども、その写真は兵庫県の姫路の市内とそれから岡山の竜ノ口という国有林の問題ですが、それは松林が全部枯れちゃって、その後十七号台風が来て鉄砲水みたいのがばっと出て大変な危険な状態に置かれているわけですよ。ですから、この林という問題と災害というのは本当に結びつけて考えないと大変なことになると思うんです。
 そこで、多少技術論になるかもしれませんけれども、林野庁にお尋ねしたいんですが、最近の松の枯れ方――全国的に非常に松が枯れているわけですよ、お尋ねしたいのは、日本全体の森林資源の中に占めている松の割合というのはどのぐらいになりましょうか一、
#57
○説明員(古宮英明君) お答を申し上げます。
 わが国の松林、これは主としてアカマツあるいはクロマツ、一部では、鹿児島県地方では琉球松がございますけれども、代表的な樹種はそういうものでございますが、この松林の面積は約二百六十六万ヘクタールございます。その蓄積が二億一千六百万ということでございまして、全国の森林面積が二千五百二十六万ヘクタールでございます。それから蓄積が二十一億八千六百万でございますから、全国の森林に占めます松の面積、蓄積、それぞれ約一割程度ということに相なろうというわけでございます。
#58
○鈴木和美君 そうすると、全体の森林の中でも松というのは相当のパーセンテージを占めてきているわけです。その中でその松が松枯れになっている実態ですね。今度は全体の松のパーセンテージからいくと、現在松枯れになっているのはどのぐらいのパーセンテージになりましょう。
#59
○説明員(黒川忠雄君) 松枯れで枯れている量でございますが、これは一応蓄積で、立方メートルで被害統計をとっております。これは五十四年度は二百四十三万立方メートルでございます。先ほど申しました全国で二億一千六百立方ございますので、これもやはり被害量は一%強でございますか、そういった量でございます。
#60
○鈴木和美君 長官ね、私が調べたところによりますと、松枯れになっている木、この木の全体は、素人的にわかりやすく言うと、松枯れになっている材木を容量的に見ると、十四万戸の建設材と同じなんです、十四万戸。そのぐらいいま松枯れになっているんですよ。林野庁、私の言うこと間違っていましょうか。
#61
○説明員(黒川忠雄君) 一平米当たりの材木の量、木造建築の量に換算いたしまして約十四万戸で、おっしゃるとおりでございます。十四万戸でございます。
#62
○鈴木和美君 それで、この松林というものが風水害の予防ですね、そういうものに貢献してきている。それが松枯れになっちゃって、最近住民が非常に不安がっているというような個所を幾つかずっと調べてみたんですよ。
 そうしたら、御存じのように、松林というのはみんないままであがめられ、そして楽しく過ごしてきたところなんですけれども、高知県の西部の大方町の俗称入野松原というのがありますが、あの入野松原全部枯れちゃって、それでいままで塩害、それから風雨、そういうものに耐えてきたところが、全部やられちゃったものですから、住民がものすごく不安がっているんですよ。それをそのままほうっておくと農耕作業もできなくなりますね。何とかしてほしい、そういう願いもありましょう。それから愛媛県などでは、これも土手松原というところがあるんですけれども、これも同じような状態なんです、山口県では昭和五十五年に六百カ所の山崩れが起きているんです、松が枯れているために。そういう状態、島根県にだってあります。それから近くの九十九里浜だってそうでしょう。とにかくこの松枯れの状態というのが災害との結びつきを非常に多くしていることを私は重要視しなければならぬと思うんですよ。
 そこで、それならばどのぐらい各県に被害の状況があるのかということは、林野庁にお願い申し上げますけれども、いまここでは時間がありませんから、各県ごとのやつをお聞きしたいんですけれども、どうぞ資料で松の松枯れの状態を資料で災害対策特別委員会の各先生方に林野庁から配っていただきたいと思いますが、どうですか。
#63
○説明員(古宮英明君) 手配をいたします。
#64
○鈴木和美君 それじゃ今度は、なぜそういう松枯れがこんなにまで多く広がったのか、その原因について、何で松が枯れるのか、その原因について林野庁から聞かしていただけませんか。
#65
○説明員(黒川忠雄君) 松が枯れる原因にはいろいろあろうかと思いますが、最近のような非常に大量に集団的に枯れるといったような現象につきましては、国立林業試験場で昭和四十二年から昭和四十六年までに特別研究プロジェクトを組みまして特別研究を実施したわけでありますが、それまでは昆虫、いわゆるマツクイムシという昆虫類が全部で六十種類ぐらい発見されておったんでありますが、それによって枯らされるんだというふうになっておったわけですが、このプロジェクトの特別研究によりまして、マツノザイセンチュウというのが発見されまして、これによって枯損するのだということがその後の追試験その他によっても確認されておりまして、われわれとしましては、その他の原因も若干はあるかもしれないけれども、大量に集団的に枯損していくというのはマツノザイセンチュウによるものであって、これを運ぶのがマツノマダラカミキリという昆虫でありますが、カミキリ属の昆虫でありますが、これが運ぶのであるというふうに理解しておるわけでございます。
#66
○鈴木和美君 松枯れというのはつい最近こういうふうに起きたんですか。松というのはどういう歴史をもって松枯れとの関係を考えればいいんでしょう。
#67
○説明員(黒川忠雄君) 記録によりますと、明治四十年代に長崎県において松が枯れたという記録がありまして、当時の林業試験場等でも調査をしたわけでございますが、原因等につきましては、先ほど申し上げましたように、昆虫によるものであるということでありまして、われわれとしまして、最近はっきりしてきたことでは、やはり戦後、昭和二十年代に非常に松が枯れ出したという事態があり、それで昭和二十年代に百万立方メートルを超えるような被害量に、年間百万立方を超えるような被害量になってまいりまして、当時連合軍の占領時代でありまして、占領軍がこれは大変だというので駆除に非常に力を入れたといいますか、われわれももちろん、林野庁もその指示に従ってやったわけでございます、その結果、昭和三十年代は非常に落ちついたといいますか、被害が三、四十万立方ぐらいになりまして、それで大体横ばいで推移しておったんでありますが、昭和四十年代に入りましてからまた少しずつふえてきたというような状況でございます。
#68
○鈴木和美君 このマツノザイセンチュウという虫が原因であるというようにわかったのはいつなんですか。
#69
○説明員(黒川忠雄君) これは先ほども申し上げましたように、昭和四十三年から四十六年までで国立林業試験場で研究した結果発見されたわけでございます。これは〇・一ミリぐらいの線虫でございます、
#70
○鈴木和美君 そうしますと、昭和二十年代とか明治の昔から松が枯れるというのは、マツノザイセンチュウではなかったんですか、マツノザイセンチュウなんですか。
#71
○説明員(黒川忠雄君) その辺は調査した記録がございませんのでつまびらかではありませんけれども、われわれとしてはやはりその当時もそのザイセンチュウがあったんではないかというように思っております。
 最近、これはアメリカにおきましてもこのザイセンチュウが発見されておりまして、ただアメリカの松と日本の松は違うわけでありまして、アメリカでやられているのはヨーロッパアカマツ、クロマツというような、日本のアカマツ、クロマツに近いものがやられておりまして、当然これはヨーロッパにもあるはずだというので、現在いろいろ試験場、大学を中心に世界的な連携をとって調査している段階でございます。
#72
○鈴木和美君 松が枯れるというのは、林野庁の見解としては、マツノザイセンチュウとマダラカミキリというだけなんですか、松が枯れるという原因ですね。真犯人はだれかというときに、それ二つなんですか仁
#73
○説明員(黒川忠雄君) これも先ほど申し上げましたけれども、松の枯れる原因にはほかにもあるわけでございます。これはカビだとか、あるいは非常に気象が暑くて水が不足してきたというようなことで松が弱ってきて枯れるといったこともあるわけでございますが、それは年間を通してぽつぽつと出るような枯れ方でありまして、一時期に、六月ごろから以降になりまして、集団的に大量に松が枯れるというような現象は、マツノザイセンチュウ及びそれを運ぶマツノマダラカミキリによるものであるというふうに理解しておるわけでございます一
#74
○鈴木和美君 皇居の松は何で枯れないんですか。二重橋のところにある松は、何であれ枯れないか。
#75
○説明員(黒川忠雄君) 皇居の松は、あれは公園の松になっておりまして、われわれ直接管理はしていないんでありますが、いろいろ聞くところによりますと、よく管理されておりますし、薬剤の散布を毎年やっておるわけでございます。そういったことからそういった害虫の害を受けていないんではないかと思っております。
#76
○鈴木和美君 つまり皇居の松はよく管理されて、薬剤をまいているから枯れないというように理解していいですか。
#77
○説明員(黒川忠雄君) ではないかと、私どもは直接管理していないんでわからないんですが、そういうふうに理解しております。
#78
○鈴木和美君 排気ガスとか工場の排煙とか、そういうものは松枯れには全然関係ないんですか。マダラカミキリとセンチュウだけ殺せば松は全部生きるんですか。何が原因かということをはっきりしてほしいんですよ。そのことがはっきりしなければ対策というのは生まれてこないんですね。そういう意味で私はいまいろいろ聞いているわけですよ。
#79
○説明員(黒川忠雄君) 何回も申し上げるようでございますが、全く排煙とかあるいは亜硫酸ガス等によって松が枯れないというわけではないと思いますけれども、大量に枯死し、しかもそれがどんどん伝播していくというような枯れ方をいましておるわけでございまして、そのような枯れ方はマツノザイセンチュウによるものであるというふうに理解しております。
#80
○鈴木和美君 長い議論もあったんでしょうけれども、ある程度マツノザイセンチュウとカミキリであるというように真犯人を想定して、これを退治するために五十二年ですか、マツクイムシの防除特別措置法というのが制定されましたですね。この制定された目的は何ですか。
#81
○説明員(黒川忠雄君) これは先ほど被害の状況を申し上げましたけれども、四十年代になりましてから、昭和四十年代の後半から再びマツクイムシの被害が増加してきたといったような傾向になりまして、しかも四十三年から四十六年の特別研究でその大量枯死の真犯人がマツノザイセンチュウであるというようなことが突きとめられたということで、これに対しましてその防除を緊急に行わなきゃならない、このためにその予防措置といたしましていろいろ研究されたわけでございますが、航空機による薬剤散布、いわゆる空中散布でございますが、これによりましてマツノマダラカミキリが春、松の一番上端の方の葉につきまして葉を食うわけですが、そのときにマツノマダラカミキリについているザイセンチュウがその松に入っていくというようなことも解明されましたので、そのときに薬剤散布をいたしましてマツノマダラカミキリを殺虫すれば非常に予防効果があるといったようなことから、この特別措置法を制定いたしまして予防をやるということにしたわけでございます。
#82
○鈴木和美君 長官、松が枯れる原因が林野庁のお調べによって、先ほどもお話しのように、マツノザイセンチュウとカミキリの関係で三角関係みたいなことで枯れていくと、そういう想定なんです。それで、私も専門的ではありませんけれども、カミキリのところにセンチュウが、寄生虫ですから一匹に十五万匹ぐらい入るわけですね。そうしてその松が枯れていくところにカミキリが来るわけですよ。そのカミキリが来て卵を産みつけるわけですよ。だからマツノザイセンチュウは、先ほどおっしゃったように、カミキリが飛んでいって若芽を食うときに入っていっちゃうわけですね。だから、そのカミキリの六月か七月ですか、あの飛び立つとき殺せば、運び屋を殺せば自然とセンチュウも死ぬであろうということでこの特別措置法ができ上がって、来年切れるんです。
 それで、林野庁がやってきたことは空中散布で、松林のところにヘリコプターでぱあっとやろうと。もちろん地上散布もありましょう。しかしこの状態は下手にやりますと、たばこに被害を与えたり、ミツバチに被害を与えたり、蚕に被害を与えたり、自然の生態系が変わっちゃうというような問題などもあって大変むずかしい問題も抱えているわけですよ。
 そこで、私は五十二年のときの状態を全部調べてみたら、空中散布方式についてわが党は反対だったんですよ。なぜ先ほど明治何年からの話をずっと聞かさしてもらったかというと、昭和二十年代GHQが松枯れに対して、資源がなくなるということで、大変きついお達しで退治をやったんです。そのときには全部切ったんですよ。切り倒して焼却した。だからふえなかったんです。出ところが今回、林野庁が特別措置法でぱあっとやっているんだけれども、依然としてこういう状態なんですよ。
 そこで、私は林野庁に聞きたいんですが、今日まで特別措置法で何ぼお金を使いましたか。
#83
○説明員(古宮英明君) お答えを申し上げます。
 五十二年にこの特別措置法ができまして、従来からございます、この法律以外でございますが、森林病害虫等防除法という法律がございます。それの特別法として松くい虫防除特別措置法というのを五十二年にお願いをしたわけでございますが、したがいまして、私どもこのマツクイムシの退治につきましては、予防散布であります空中散布、あるいは被害が出たところを、後始末といいますか、被害木を切り倒しましてその切り倒した木に薬をかけるというような措置、いろいろやっているわけでございますが、五十二年から、五十五年度の執行予定も含めますが、全部で二百五億八千八百万の仕事をしてございますが、そのうちいまお話のございました特別防除、空散による事業の方の国費でございますが、百十四億ということに相なっております。
#84
○鈴木和美君 なぜ空中散布の効果がないかということを私が言うかというと、いまから林野庁に尋ねますが、恐らくは林野庁答えられないと思うんです。あの空中散布をやればカミキリを殺すというんですから、カミキリの死んだやつは何匹おりますかと聞いたら答えられないんじゃないですか、どうですか。
#85
○説明員(古宮英明君) 答えられるかというお尋ねに対しましては、ダイレクトにはお答えができませんということになるわけでございますが、私どもこの空散の効果というものを、現に薬をまいております松の林で被害がどの程度に減少をしてきているかという経年的な変化をつかまえまして、それで効果を判定するということにしているわけでございます。
 昭和五十二年度から予防散布をやってきておるわけでございますが、昭和五十二年度に予防散布を開始した個所につきまして、百二の定点と申しますか、そういう測定をする場所を決めております、それから五十二年度から空散を開始している個所について三十七定点、五十四年度に開始している個所では二十八の定点を設けまして、それぞれ経年的にその効果を調査してきております。その結果、設定しております定点の被害本数の率というものは、全般的に見ますと年々低下してきておって、その空散の効果というものが認められるというふうに私どもは判断しております。
#86
○鈴木和美君 私は空中散布が全然効き目がなかったということは申し上げません、それはそれなりに効果はあったと思います。しかし決定的な効果があったかどうかということになると、これだけ空中散布をやっているのに、依然として北上している。マツクイムシがいまいないのは北海道と青森と秋田じゃないですか、あとはもう全減ですね、そういう状態ですから、空中散布の効果が全然なかったとは言いませんけれども、もう考えなきゃならぬ問題であるということは間違いないと思うんです。
 そこで、先ほど皇居のお話を聞いて、手入れがいいから松枯れにならぬというお答えですね、ほかのところは手入れが悪いから、迷論で言えば、マツクイムシで松枯れが起きるんですよ。これはそう断定して間違いないと思う。
 じゃ、なぜ松に対して手入れをしないのか。山を持っている人たちが、民有林にしても国有林にしても、なぜ松を皇居みたいに大切にしないのか、これは何でですか。
#87
○説明員(黒川忠雄君) これは、一口に言えば、社会経済的な変化といいますか、そういった問題があるわけでございますが、先ほど申しました昭和二十年代の駆除が徹底したというのは、GHQの命令、指示といったようなこともありますけれども、その背後には、当時燃料として松が枯れればそれを切って利用するとか、あるいはパルプに使えるものはパルプ材が不足しておりましたのでパルプに使うといったような背景がありまして、駆除が非常に徹底して行われやすかったという背景がございます。
 これは薬剤の効果その他の問題でいろいろいま御議論になっておるわけでございますが、伐倒して焼却なりあるいはパルプにしてしまえば、その年に成虫がその材から出ていくのを防いで、殺してしまうわけでございますから、それは最も徹底した駆除になるわけでございますが、最近、どんな山の中へ行っても、たとえば炭焼き小屋に行っても、プロパンガスを使っておりまして、炭を使っていないといったような実態でございまして、燃料として松材を使わない。そういった背景がございます。また一面には、山村が非常に過疎化して、労働力がないといったような背景がございまして、手入れがされないというのは、林野庁としましては、はなはだ遺憾だと思っておるのでありますが、そういった社会経済的な背景がございまして、手入れがなされていないというのが現実でございます。
#88
○鈴木和美君 ぜひ長官にも御理解をいただきたいんですが、いまのお話のように、なぜ松に手を入れないのかということは、いま林野庁が言うみたいに、松の材木としての価値が下がっているんですよ。それは民有林の人が二束三文の松にだれが手を出しますか。ほっとけというようなものですね。
 しかし、私はなぜこういう問題を問題提起するかというと、それでは先ほど申し上げましたように、岡山とか姫路のいま写真をごらんに入れましたけれども、そういう状態のままでおったら、つまり人命に影響する災害の発生というものを人為的に許すことになっちゃうわけですね。だから、松林というものを、林野庁の所管であるというだけじゃなくて、多くの知恵をしぼって、その資源保護を私はやらなきゃならぬと思うんです、そのときに、松の利用価値が下がったということが問題だから、利用価値を上げるように考えなければいけないですよ。
 いま炭焼き小屋の話も出ましたけれども、昔、炭鉱というのは、全部あの坑木は松でしょう、あの穴のところは。それから河川も、建設省にもぜひこれからやってほしいんですが、護岸工事とか、河川の狭い川でも、わざわざコンクリートをぶち込んで、それで狭い川で何とかやっているんですよ。あれは松を使えば十分こなせるわけですよ。あの皇居の千代田城も、あの石垣がりっぱに建っているということは、あの中は全部松なんですよ。松で建っていたのですから、あれは。それだけ松というものは非常に強いわけですよ。そういう経済性とか、建築材にもっと求めさせるとか、根本的には木材の輸入政策というものが大きな政策問題としてあるんですけれども、しかし利用価値を上げさせないと、松林を手入れしろと言ったって、これはだれもしないですよ。だから、マツタケもだんだん高くなるし、シイタケも高くなってくるんですよ。そういうことの因果関係、全部これ結んでいるわけですね、だから私は、解決策の一番大きい問題はそういうところにあるんだということをぜひ長官にも御理解いただいておきたいと思うんです。
 それから林野庁に私が言いたいことは、その空中散布よりも人海戦術で、伐倒で全面的に殺すしかないんですよ。殺すのには、切って山の中で燃やせば一番いいんですよ。燃やしてしまう、変に燃やすと今度は山火事になってとんだ災害になるからこれはまたむずかしい。そこで近くに運び出して焼くような方法をとるしかないんですよ。そのときに、私はぜひ林野庁にこれは見解を尋ねたいと思うんですが、枯れた木を運ぶとき移動制限の強化を何とかしてほしいんですけれども、これは森林病害虫ですかの法律がありますが、それで知事とか農林大臣が許可しなければ運べないような法律があったんじゃないでしょうか。それはどんな法律になっておりましょう。
#89
○説明員(黒川忠雄君) その移動禁止の措置でございますが、これは森林病害虫等防除法という法律、これは昭和二十五年に制定された法律でございますが、これによって、この中に、都道府県知事が命令を出して移動を禁止する、被害を受けた丸太の移動を禁止するという条項がございまして、そういう移動制限あるいは禁止、あるいは都道府県に森林病害虫防除員という監視員を置いておるわけでございますが、その防除員が松の丸太のある貯木場等へ立入検査というようなこともできるわけでございまして、その法律によって立入検査等を行いまして、被害丸太の駆除措置の徹底を図っているわけでございますが、そうは言いましても、その法律のたてまえ上、被害を受けた丸太に薬剤をかけ、散布して駆除すれば、それは移動してもいいということになっております。ただ、薬剤をかけたかかけないかといったようなことがなかなか確認できないというような面もありまして、最近はいろいろなカラー、色をつけた薬剤を使って確認をするといったような方法もとっておりますが、この移動禁止というのは被害地が飛び人的に拡大していくということの防止上非常に重要でありますので、移動制限あるいは禁止につきましては今後一層重要視して徹底していきたいと思っております。
#90
○鈴木和美君 この特別措置法が切れる段階でまた議論をしたいと思いますけれども、とにかく県市、ここからお金が相当出ているんですよ、国だけじゃなくて、松を保護するために県市から相当の金がつぎ込まれている。災害予防という観点から考えれば、やはり国がもう少し助成して保護するような対策をとらなければいかぬと思うんですね、
 それで、技術論は、つまりザイセンチュウをとういうふうに殺すかとか、真犯人はこれだからどこで退治をするかというようなことは、これからまた林野庁の御検討を煩わせますし、またわれわれも議論をしたいと思っているんです。
 ただ、私は何としても申し上げたいことは、先ほども申し上げましたように、全体的に松という材木の価値観を高めるということをぜひ考えてほしいと思うんですよ。たとえば、最近見てください、どこでも御飯を食べるときに、いろいろあるでしょう、松の部とか竹の部とか梅の部とか、松というのは食べるときに一番高いものなんですよ。(笑声)それから昔から松というのは、旅館に行ったって、松の間というのが一番高かったですよ。松竹梅で、松でしょう、一番は。もう花札だって一番最初です。(笑声)それから松を高めるとかあがめるとか、松と日本人の生活というのは切り離すことができないと思うんですね。だから、そういう単なる経済性の問題だけじゃなくて、松に対する愛好というものを全体的に高めていかないと、松が枯れたために、先ほど言ったように、たとえば日本海の方に行けば、これはもう風のためにあの松がどれほど垣根になって人命を支えているか、太平洋岸の方についても、先ほど何カ所出しましたけれども、全部人命を支えているわけですよ。私は、そういう意味で、単に松枯れをどうするとか、さっき言ったように、ザイセンチュウを殺すとか殺さないという、そういう技術論じゃなくて、予防の立場からも、災害の特別委員会としても、このマツクイムシに対していろんな御理解を私はいただいておきたいと思うんです。そういう意味合いにおいて、最後に長官の感想を述べていただきたいと思います。
#91
○国務大臣(原健三郎君) 大変マツクイムシの勉強をさしていただきました、実は私も淡路島で、もう淡路島全体松がほとんど枯れてしまった。私の家なんかも自分の家の周囲にもう何百年という二メーター、三メーターの大木の松の木があったんですが、全部なくなっている、しまいには庭にある松の木まで枯れてしまっているような最近の実情であります。淡路島に松の名所がある、慶野松原、いま二キロぐらいありますかね、非常な名所、これで田舎の地方では維持できないからというんで、県へ移しまして県費でこれを保存するように対策をやるというようなことまでやっておるので、非常によく実情は存じております。
 で、いま空中散布だけではだめであるとかまあいろいろありましたが、厄介なことには、小さい松にはマツクイムシはたからないで、大木が一番先にやられてしまうというような実情もよく実際にあります。で、いま先生がおっしゃったように、これは技術面でも大いに研究してもらうし、さらにまた第二には松の価値観を高めるということも同感であります、さらに財政面からもこれを考えまして何とか――このマツクイムシの除去で私も身につまされてよくその必要性を痛感いたしております。でありますから、何とかこの際各省庁の間にも連絡いたしまして対策を研究していきたいと思っております。
#92
○鈴木和美君 以上で終わります。
#93
○委員長(広田幸一君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時三十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五分開会
#94
○委員長(広田幸一君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#95
○田代由紀男君 私は、昭和五十五年十二月中旬以降の豪雪並びに異常低温による農作物の被害、その中でも特に裏日本の豪雪についてはすでに御論議がありましたので、私はもっぱら、太平洋側で晴天が続き、西日本においては低温が目立った二月の下旬、二十六、二十七、二十八日ごろですが、ことしの冬でも最も強い寒気が日本海付近に流入し、西日本を中心に記録的な低温に見舞われたのでありまして、沖繩県を除いて全国的に果樹、野菜類の農作物に被害を及ぼしたわけであります、
 それを統計で見てみますと、一千二十一億の被害の中で樹体被害が五百億でありますが、その樹体被害の五百億の中の四百九十七億が果樹の被害になっております。その中でも二百二十二億というのがミカンの被害になっておりまして、果樹被害は樹体被害全部の九九%ですが、その大宗をミカンの被害が占めておる状態であります。
 そこで、私どもの党でも調査団をつくりまして、広島・山口班、それから宮崎・鹿児島弧、熊本・長崎班、愛媛・徳島・和歌山班というように分けまして調査をしてみたわけでありますが、まことに目を覆うばかりの被害でありまして、いままでにない異常な状態であります。こういうような状態は、いままでの記録によりましても五十二年に一度ありまして、それから三十八年に一度あったわけですが、その前に高橋先生の記録によりますと、大正六年に異常な、今回よりももっとひどい被害がありまして、そのときにはミカンの半分ぐらいが枯れてしまっておるということで、そのときは回復に五年ぐらいかかったということであります、そういうことでございますが、今度の被害も大正六年の被害に劣らないような大被害でありまして、どうしたら樹勢の回復、また枯死等を回復できるかということで、私どもも大変苦労をいたしておるわけでありますが、まず、具体的な質問に入る前に、果樹の被害の状況と、いまとっておられる主な対策についてお聞かせをいただきたいと思います。
#96
○政府委員(矢崎市朗君) 四月の三日に統計情報部の調査をもとに被害の公表をいたしたわけでございます。
 ただいま御指摘のとおり、農作物全体で千二十一億円ということでございまして、そのうち果樹の被害が七百七十八億円、ほとんど主体は果樹が占めていると、こういう実態でございます。
 この被害の内容でございますけれども、いわゆる豪雪によります被害と、それからただいま御指摘のような寒波によります被害というものが、同じ果樹あるいは樹体にそれぞれどう影響したかということは、なかなか区分がむずかしゅうございますので、これは一連の気象状況に基づくものということで一括で被害調査をいたしたわけでございますが、そのうち二月末の寒波では、主として中・四国、あるいは九州、さらに近畿南部におきまして、一つは樹上で越冬中の晩柑類等のす上がりでありますとか、あるいは梅、ビワの幼果の枯死でありますとか、いわゆる果実の被害がございます。それからもう一つは樹体の方でございまして、一つには、降雪によりまして東北、北陸でもナシやブドウに被害が出ておりますが、主としては寒波によりまして、西日本で柑橘を中心として落葉なり枝の枯れ上がり等の被害が発生いたしておるわけでございます、
 そこで、私どもこれに対して今日までどういうふうな対応をしてきたかというお話でございますが、一つは、これに対しましては、雪害と同時に天災融資法の適用対象にするというふうなことで四月の十七日にこれの実施をいたしておるわけでございます。それからこれは国土庁の御所管になるわけでございますが、同時にその天災融資を激甚災害の指定の扱いにもするということも決めておるわけでございます。さらに果樹につきましては農業共済金――農業共済への加入は比較的少のうございますけれども、これも順次その査定等の段取りの整ったところから早期に支払いができるような段取りをするようにという指導をすでに徹底いたしておるところでございます。また農家によりましては、その前に仮渡しをどうしても必要とするというふうなところもあろうというふうに思いますので、そういうところに対しましては、団体でも前向きに対応してもらうようにという指導もあわせていたしておるところでございます。
 また、被害を受けた農家の方がここですでに借り入れております資金を返還する必要が出てくるというふうなもので、いろいろと被害を受けたためにそれに支障があるというふうな方に対しましては、個別事情を十分に御相談をしてもらいまして、それぞれ必要に応じて償還の猶予ないし償還条件の緩和等につきましても、各金融機関に対して十分に対応するようにというふうな指導もすでにいたしておるところでございます。
 なお、今後どんな形で最終的に被害額が、被害の状況が固まってくるかどうかということは、今後の推移を見守る必要があるわけでございますが、私どもはこれに対しまして、必要なできるだけの技術指導を実施してまいるということで、その面につきましても万全を期したいということで現に対応をいたしているところでございます。
#97
○田代由紀男君 このたびはいち早く天災融資法を発動いただき、激甚地指定をしていただきまして、私はちょうど徳島を調査しておる最中でございまして、これには大変感謝を持ってみんな喜んでおりました。まことにその点は感謝いたします。
 ところで、私どもが回りまして各地域の要望を聞いてみたわけですが、一通りその要望を申し上げて、その中から逐次質問をしていきたいと思っております。
 各県の要望事項をまとめてみますと、天災融資法の早期発動、これはもうできておる。特別被害地域の指定、資金枠の確保並びに償還期限の大幅延長、こういうことが具体的に要望が出ております。激甚地災害法適用の場合は、四年−七年でありますから、これを十年にしてもらうとか、据え置き期間の三年を五年にしてもらいたいというような具体的な要望がありました。
 それから次は激甚災害の指定、これも早急に処置をしていただいております。
 次には、被災農家の生活資金に対する自作農維持資金の融資枠の確保及び現行限度額に百万円ぐらいは上乗せをしてもらいたい。天災融資法の方は、重複災害については八十万の上乗せがありますが、自作農維持資金にはありませんのでその要望が多うございました。
 また、被災農家の経営資金並びに生活資金につき特段の融資措置また既借入制度資金の償還期限の延長並びに利子の減免措置をお願いしたい。
 それから温州ミカン園転換促進事業の助成率を上げてもらいたい。五十六年度分の増枠をお願いしたい。そういうことがありました。
 また、樹体被害に対しましては、晩柑類を対象とする改植経費、苗木、穂木ですね、及び樹勢回復のための特交等による特別措置をお願いした
 また、果樹共済再保険金の早期支払いをお願いしたい。いま答弁があった点です。
 また、今後農業所得課税標準の算定において被災農家の実態に即した課税措置を講じていただきたい。
 これを逐次に質問していきますが、まず一番目に、各県から要望がありました三十八年並びに五十二年の豪雪等の被害に対しまして、共同育苗の設置が助成の対象になっております。今回のこの異常寒波に対しましても、樹体被害については共同育苗等の助成をぜひやってもらいたいということでありますが、これについては各県とも非常に熱心な要望があります。山口県では、被害を受けた晩柑類の改植用苗木及び接ぎかえ用穂木の共同育苗について助成をお願いしたい。各県同じような趣旨の要望があるわけでありますが、これについてはどういうお考えですか。
#98
○政府委員(矢崎市朗君) 御指摘のとおり五十二年に寒波の果樹被害がございまして、その際には共同育苗穂の助成をした事例がございます。
 今回の被害でございますが、先ほども申し上げましたとおり、いま非常に微妙な段階でございまして、被害が本当に樹体の面ではどこまでどういう形で最終的に見きわめがつくかというところがきわめて微妙な段階でございます。そこで、私ども実は国の試験研究機関の柑橘の専門家をチームにいたしまして、特に被害のはなはだしい地域に現地に調査団で行ってもらいまして、しかも府県の現地の専門家と合流して現地診断をし、技術としてどういう対応が必要かというのを、実はこの十六日から十七日、十八日にかけまして実施をいたしたわけでございます。
  〔委員長退席、理事鈴木和美君着席〕
 その結果によりますと、報告を受けておりますのは、当初考えておりましたほどの樹体そのものの枯死ということにはどうもならないであろう。かなりの部分がすでに青芽も出、あるいは出る可能性がきわめて強いということで、枯死をしてしまって改植を必要とするに至るものあるいは高接ぎを再度する必要があるものというのは、ごく僅少にとどまるのではないかというふうな専門家の現地におきます診断の結果の情報も実は得ておるわけでございます。
 ただ、先ほども申しましたとおり、何分にも非常に微妙な段階でございますので、もうしばらく推移を見ませんと、いまの時点で断言するわけにはいきませんが、今後、本当にそういうふうなことで、改植等で苗木を必要とするものがどの程度一体あるのか、そのために共同育苗を設置するような必要が果たしてあるのかないのか、その辺は今後十分に被害の推移を見きわめた上で検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#99
○田代由紀男君 いまお答えをいただきましたが、その専門的な技術官と前後して私どもも行ったわけでありまして、私が行ったコースは小坂課長さんが行かれたコースとは反対のコース、逆コースですが、現地の愛媛、徳島を見てみまして、温州ミカン等が全滅な状態にありまして、特に徳島の佐那河内あたりは村の三分の一が全滅な状態であるのですが、それが技術官の調査では晩柑類のごく一部になっておりますが、私どもが見たところではもう温州ミカンが全滅状態にある。それももう伐採してあります。伐採してある一部分、伐採しておる木のしんを見てみますと、しんまで枯れてしまっておるわけですね、しんまでいかれておる。これは生きておる木とはどうしてもわれわれ判断ができなかったわけです。そして、その中間にはスダチを植えておる。スダチが大きくなって実がなるまで、金になるまで十年かかる。十年間は償還を延期してもらいたいというような痛烈な叫びがあったわけです。
 そういう状態でありますから、いまのお答えもよくわかりますが、今度のこの寒波は、長いところは三十時間も続いたわけですね。こういうところはいつもの寒波と違うわけであります。いつも五時間か六時間で逃げてしまうわけですが、今度は三十時間も続いている。そういうところに異常さがあるわけでございますから、大正六年の被害のほども高橋先生の記録にありますので、そういうのを参考にされまして、十二分に御検討の上、共同育苗等各県が望んでおりますこういうものについては、特段の御措置をいただきたいということを強く要望しておきます。
 次に、樹勢回復のための助成措置は講じられないか。これも各地域で要望が強うございまして、これはミカンだけでなくて、梅、ビワ、各果樹に対して要望があったわけでありますが、この樹勢回復というのが果たして何年ぐらいでできるものか。フロリダのこの前の大干害のときも、昭和三十七年かの干害のときも、三年間は回復ができなかった。花芽は出ておりながら回復はできなかったということになりますから、フロリダのようなああいう温暖のところでもそうでございますから、特に日本においては困難であると思っております。そういうフロリダのことから、樹勢回復のための助成というものはできないものかどうか、この点についてお尋ねをいたします。
#100
○政府委員(矢崎市朗君) 樹勢回復のための必要な資材というふうなことになりますと、肥料あるいは農薬のようなものになろうというふうに思います。技術者に言わせますと、この種のものを樹勢の衰えているときに一度に大量に投与するということは、かえって逆効果になると、その辺がいろいろと技術的に適用のむずかしいところがあるようでございますが、いずれにいたしましても、この種のものに適用する資金といいますのが、先ほどもお話の出ております天災資金あるいは経営資金ということで、実はそういう性格を持っているわけでございます。これはいまお話しのように、こういったいわゆる経営上、通常必要とされるような消耗資材的な個人のものに対し助成ということが事実問題としてできないということから、実はこうした制度が立てられているわけでございまして、せっかくの御指摘ではございますけれども、過去におきましても、その種のものに助成をしたということはございませんし、私どもとしましては、せっかく発動いたしましたこういった災害のための特別融資制度を十分にひとつ活用をしていただきまして、樹勢回復のためにも努力をしていただきたいというふうに考えている次第でございます。
#101
○田代由紀男君 その点がわれわれの見解と非常に違うところでありまして、樹勢回復というのが一番大事でありますから、生産者の各位が非常にこれを望んでおりますし、各県においても対策委員会等をつくりましてこの問題と取り組んでおります。今度の寒波は非常に寒波の波がありまして、風道が非常にひどうございまして、風道に当たっていないところは被害がそうもないというような現象がありますので、そういうところは局部的に大きい道が通っておるわけでありますから、その地域の樹勢回復ということは全体の園の回復といいますか、産地体制を立て直すという意味でも大変大事なことでありますから、単に天災融資法ということでなくて、後で特交の部門で自治省にもお願いしますけれども、ひとつ知恵を働かしてもらって、何とかして早く一人前の園になるような御指導をお願いしたいと思っております。
 次に愛媛県でございましたが、こういう要望を受けました。「とくに、今回の被害は晩かん類の樹体の枯死、落葉が主となっていますが、その被害農家の多くは、うんしゅうみかん園転換のため率先して取り組んできた先導的農家であるため、これら農家の生産意欲を損なうのみでなく」て、これを放置しておくと、「今後の産地形成のうえからも深刻な影響を」与えてくる。これは非常に大事なところである。せっかく温州ミカン転換促進事業を五十六年から五十七年にかけて七千ヘクタールやっていくわけでありますから、そういう国の施策に協力して温州ミカンヘの転換をやった農家でありますね。その農家が、高接ぎをして一年、実が一回なって、そして今度は二回目となろうとしている農家が一番ひどい。それから二回実がなった、果実がとれた園がひどいわけですが、それから高接ぎしたままの園、そういうものがありますが、三カ年間ぶっ続けで被害を受けている。そういう状態でございますから、この園を何とかして救う道を講じられないかということでありまして、この点には再転換事業の対象とするなど、やる気を起こさせる必要があると思いますが、これについては何かいい知恵はないものですかお尋ねいたします。
#102
○政府委員(矢崎市朗君) 温州ミカンの晩柑への転換等の対策に即して経営を改善していこうというふうな果樹農家が、そうしたやさきに今回の災害を受けたということはまことに残念なことでございまして、そういう方々がこういうことでくじけてしまうということがないように、やる気をひとつ起こしていただくことが非常に必要だという御指摘、まさに私どもも全くそのとおりだというふうに思っているわけでございます。
 ただ、御指摘のように、現在やっておりますような転換事業の性格は、もう先生よく御案内のとおり、いわゆる過剰基調の温州を他の作物へ転換していくという、そういった政策的な経費としまして、いわば温州ミカンの生産調整もあわせて実施をいたしているわけでございまして、その事業の性格から申しまして、いわゆる災害復旧のようなものにこれを適用していくというふうなわけにはまいらない仕組みになっておるわけでございます。
 転換を、さらに改植を必要とし、あるいは高接ぎを必要とするというふうな方々に対しましては、それぞれ先ほど申しました天災資金以外にも農林漁業金融公庫の低利の融資制度というふうなものもございますので、いろいろ各農家の状況に応じまして最も適切な資金を有効に活用していただきたいというふうに考えているわけでございます。
 それにいたしましても、何をおいても果たして本当に改植を要するものかどれだけ出てくるのか、また高接ぎを新たにし直す必要のあるものがどれだけあるのかというふうなことを現時点で云々いたしましても、これはどうにもなりませんので、私どもは万全の技術指導をしながら、いずれにしましても、もう少し推移を見守りたいというのが現時点では最も必要な対応ではないかというふうに考えているわけでございます。
#103
○田代由紀男君 推移を見守るというのも一つの方法でありますが、高接ぎの園は見てみますと枯れてしまっておるわけですね。特に、さっき申し上げましたように、高接ぎしてから一年間枝が弱っている、これが一番被害が出ておりますし、また高接ぎをした、これから芽を吹いたその瞬間がやられているものですから、その枝がやられておる。これはどうにもならないわけでありまして、これは台木が、こぶのところから台木がしっかりしておって、そこで接ぎかえができるかどうかという問題がありますし、台木までやられておるかという問題もありますが、そういう問題を個別的に検討して早急に措置をすることが大事でありまして、いつまでも時間をかすわけにはいかないわけであります。それに温州ミカンの転換促進には補助金をもらっております。御承知のように高接ぎの補助金をもらっておる。その上に経営安定資金という末端金利三分の会もお借りしております。それでやっと転換をしてこれからいよいよ本番にかかろう、三年目から少しでも金になろうというときでありますから、その出ばなをくじかれたわけでありますから、ここで何とか愛媛県からの陳情にもありましたような生産意欲を出させるような措置を講じないと、天災融資法があるからそれを借りてやってくれじゃ、もうやる気はなくなってしまうと思うんですよ。補助金ももらい、金を借りておるわけですから。それで経営安定資金の借入金は凍結してやるとか、新たな助成措置を講ずるとか、災害と転換事業は別なものであるというような冷たいことでは実態に即さないと思うわけです。やっぱり実態に即するようにしてやることが行政であり政治でありますから、そこのところをもうちょっと工夫を願いまして、何とか高接ぎをして温州ミカンの転換促進に協力したこういう農家が希望を持って今後もやれますし、その地域ぐるみの転換促進が今後も推進ができるような方法を講じていただきたい。それが私どもが現地を見ましての感じましたことでありますし、またみんなが本当に心からお願いをしておることでありますので、その付近をもうちょっと御検討いただきたいと思います。工夫をしてもらいたいと思います。
#104
○政府委員(矢崎市朗君) 私どもも今回の災害ということは別にして、さらにこれからも必要な転換等は推進していくことが必要でございまして、そのためには、御理解をいただきながら今後その行政の衝に当たっていく必要があるわけでございます、そういうことで、今回の災害そのものがどういうふうに決着するのかということを見守るということは、決して日を便々として送るという意味ではございませんで、先ほど来申しておりますように、すでに実行できるものは逐次実施をいたしておるわけでございますが、何分にもそこを見きわめないと、本当に必要な措置というのが何であるかということは、現時点で団体なりあるいは関係の被害の大きな県に聞きましても、焦点が定まってこないというのが実態でございます。その辺の状況は御理解いただきたいと思いますが、いずれにしましても、関係県、関係者とも十分に相談しながら、今後の転換等が円滑に進むように私どもも十分に配慮をして進めてまいりたいというふうに思っております。
#105
○田代由紀男君 じんぜん日を送っておってもらちがあかぬわけでありますから、ひとつ試験場ともよく話し合いをされまして、こういうものはどういうぐあいにしたらいいか、府県とも話し合いをいただきまして、具体的にさっき申し上げましたように同じ園にしても非常に個体差が多いわけであります。個体差が多い。これが今度の被害の特質ですが、木の勢いのいいの悪いの、それから肥料の効いた国とか、風通しの強い国とか、そういうぐあいに個体差が多いものですからなかなか指導がめんどうであるとは思いますが、そういうものをひとつ細かく振り分けられまして御指導をいただきたいと思います。いま農水省ではこういうために被害の程度を区分していろいろ御検討いただいておりますか、どうですか。
#106
○説明員(小坂隆雄君) 現段階におきまして果樹の被害状況がまだ不確実な要素があるということを先ほど申し上げたわけでございますが、そういう中で、完全に死んでいるもの、さらにまた生き延びるもの、それからことしすでに芽が開きつつあるもの、いろいろな段階があるわけでございまして、これらの被害の程度に応じながらどのような対策を今後必要とするのか十分詰めながら指導してまいりたいと、かように考えております。
#107
○田代由紀男君 その区分けの中で、さっき報告がありましたように、晩柑類のごく一部が枯死しておって温州ミカンは枯死していないという報告でありましたね。そこがわれわれと見解が違うところで、われわれは温州ミカンもあの状態では枯死しておるであろうということを認識してきたわけでありますが、これは芽が出てみぬとわからぬものですから、小坂課長さんと私と論争しても始まらぬから、これはそのときに譲りますが、温州ミカンが枯死した場合も予定されて、そのときはどういうことをするかということも一緒に、晩柑と同時に考えていただきたい。佐那河内でも何でも温州ミカンが主体の地域ですから、温州ミカンがだめになると生活ができなくなるわけですね。そういう地帯の温州ミカンでありますから、そういうとき、こうした園ができた場合には村を離れるということでありますから、そういう農家をどういうぐあいに救っていくか、そういうこともあわせてお考えいただきたい。芽が出てみぬとわからぬということでなくて、そういうことも予定して検討の対象にしていただきたいと思います。その点をもう一つお願いします。
#108
○政府委員(矢崎市朗君) 御指摘の点はよく留意をして今後進めてまいりたいと思います。
#109
○田代由紀男君 次に、果樹共済の加入率が低いのは主枝を切らなければ対象とならない等の損害評価が厳し過ぎるからであるということをよく現地で言われておるわけでありますが、損害評価、特に果樹共済には入りにくいわけでございまして、こういうことでは徳島のようなところでも三六%しか果樹共済に入っていない、ああいう高いところでも。あとはほとんど入っていない状態ですから、特にビワなんかはほとんど入ってないんですね。こういう状態でございまして、この果樹共済にもっとみんなが入れるような評価の方法でありますとか、それから条件とか手続とか、厳し過ぎるという面もありますので、その点についてはもう一遍再考してもらってそういう取り決めをもっと緩和していただく。たとえば損害の評価を従来の三分の二を二分の一にするとか、そういうぐあいに果樹共済の損害評価の基準をもっと緩和してもらう。そうなるとみんな入っていきますから、そういうことも考慮しながら、この点について御検討の上に再考をお願いしたいと思いますが、この点はどうですか。
#110
○政府委員(矢崎市朗君) 果樹共済の加入率が非常に低いというのは御指摘のとおりでございまして、これには収穫共済と樹体共済がございますが、収穫共済でも全国平均では二七%、樹体共済では七%、こういうふうな段階に現時点ではございます。
 この原因でございますが、ただいま御指摘のあったような制度の中身の問題も確かにないとは申せないというふうに思いますが、何と申しましても、基本的には、この共済制度が発足いたしましたのが四十八年でございまして、まだ日が浅いということで、十分に浸透していない点が一つではなかろうかというふうに思います。
 それからもう一つは、特に樹体の関係で低いのは、一つには、樹体被害が発生するということが非常にしばしばございませんで、きわめてレアケースとして起こっておるというふうな実態がございます。しかも、それも流失したり埋没したり枯死してしまうというふうな本当の激甚のケースというのは非常に少ない。
 それに対しまして一方、収穫共済の方でございますが、共済の責任期間が比較的長いというふうなことで、樹体の方は比較的短期間で回復するケースが多いのに対し、果実の影響の方はかなり長期に補てんをされるというふうなことがございまして、なかなか樹体共済に加入しないというふうな傾向があるのではないかというふうに見ておるわけでございます。
 しかし、今回のような被害を受けていますれば、何と申しましても、こういう場合に支えますものは共済が本来であるべきでございまして、十分にこれを機会に共済加入を私どもも推進してまいりたいというふうに思っております。
 なお、内容の点につきましては、私どももできるだけ、特に大規模の、しかも技術の高い農家が魅力を持てるような中身にしたい、こういうふうな考え方を絶えず持っておりまして、すでに御案内のとおり、昨年実はこの果樹共済制度につきましては、かなり大幅な改善を、法律改正もお願いをしたわけでございます。その中で樹体の面では、従来からそういった農家から非常に要望のございました、一割を超える損害が農家単位で起こらなければ支払いの対象にはならないといったものが、どうも支払い機会の均衡を失するというふうな声が非常にございまして、そういう点も考慮いたしまして、一割以下でありましても十万円以上の額になるときには、共済金の支払いの対象にするというふうなことも講じたわけでございます。したがいまして、今後はそうした改善された制度をもとに十分に加入をしていただきたいと思っておるわけでございます。
 なお、樹体共済の損害の認定でございますが、一本一本につきまして三分の二以上の損害のない場合には対象にしないというお話、そのとおりでございます。試験実施の段階では実は全損だけを対象にしておったんですが、一歩を進めて、分損であっても三分の二以上のようなものにつきましては、後に大きな影響が残るというふうな趣旨でこれを対象にするというふうにいたしたわけでございますが、仮に御指摘のようにこれを二分の一以上にするというふうなことをやりますと、すぐに直結いたしますのは、これは掛金の増高がつながってくるわけでございまして、その辺のところは、どういう程度の段階で、かつ負担をどういうふうなところで見合わせるのがいいのかというふうな問題がいろいろと関連してまいりますので、私どもは慎重を要する点だというふうに思っておりますが、今後も長い目で、私たちも地方の実情に十分に即するような方向で内容の改善充実には努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#111
○田代由紀男君 いま果樹共済については御考慮をいただくという御答弁でございましたから、さらに御検討をいただくことにいたしまして、今度も回ってみまして、余りにも加入率が低いものですから驚いたわけでありますが、もう全然入っていないのと同じような県もありますし、県によって非常に違うものですから、県の担当官を集められましてそういう点を御指導いただきまして、片一方は六〇%、片一方は四〇%、片一方は一〇%、片一方はないということですから、そういうことがないように推進方をお願いしておきたいと思います。
 次に、天災融資法の償還期限をもっと延長できないかという問題と、激甚地指定の問題も含めてでございますが、さっき私が冒頭各県の要望、陳情を申し上げた中に、据え置き期限を三カ年間を五年にしてもらいたい、もう五年じゃないとミカンがならないものですから、五年に最低やってもらいたい、それからまた植え直した、改植した園のもの、それに近いものは、これは四年から七年を八年から十年ぐらいにしてもらいたいという要望が非常に強かったわけであります。そういう長いものを要望するならば植栽資金を借りた方がいいじゃないかという御意見もずく返ってくるわけですが、植栽資金は六・〇五の金利でありますし、事態が災害に基づくものでありますから、やっぱり災害に基づくものはそういう天災融資法なり激甚地法によって救済するのがたてまえでありますから、制度で決めてあることでありますが、どうしてもこの制度がミカンの果樹になじまない、ミカンだけではなくて果樹になじまないところがあるわけであります。
 なぜかといいますと、激甚法ができたのが昭和三十七年で、一番最初に被害を受けたのが三十八年でありますから、法律ができてからミカンの樹災害というものが出てきたものですから、その前に被害があっておれば、激甚法をつくるときでも、天災融資法をつくるときでも、もっと考えられてよかったわけですが、そういうところがまだ法が果樹の災害になじんでいないというところがありますから、そういうなじんでいない部分は、今度の豪雪の折損木で法律の改正をされましたようなこともありますし、なじんでいない部分は今後手直しをしていくということにしてもらって、そういうところにこだわらずに実情に即した法に直してもらいたい、制度に直してもらいたい、そういうことを私は痛切に考えておりますし、またみんなの要望もそうでございますから、この点をぜひお願いしたいと思いますが、いかがなものでございますか。
#112
○政府委員(矢崎市朗君) 天災資金の償還期限は現在法律で六年以内というふうに定められておるわけでございます。こういったふうに比較的融資制度の中で短い償還期限の制度になっておりますのは、先ほども申しましたとおり、天災融資という融資資金の性格でございますが、肥料なり農薬なり、いわゆる通常の経営上に必要とされる資金につきまして低利の特別の資金を提供する、こういった資金目的で設定されているわけでございます。ただ、その中でも、六年以内の中でも、果樹以外のものは、程度によりますが、三年から六年というふうなのが、果樹につきましては最も長いグループの五年ないし六年を適用するというふうな配慮はいたしておるわけでございます。
 ただ、資金制度といいますのは、どうしてもこれはオールマイティーではございませんで、それぞれに必要とする資金につきそれなりの必要な条件というのが実は設定されておるわけでございまして、天災融資をもってすべての資金需要を満たし、それであらゆる対応が可能というふうには私どもも実は考えておらないわけでございます。先ほどから申しましたとおり、非常に長期の果樹植栽資金というふうなもので本当に植栽をしてしまうという場合の必要な資金には対応する制度もございますし、それからまだ特別の枠を設定いたしておりませんが、自作農維持資金のようないわゆる資金目的を決めない長期の融資制度もあるわけでございまして、こういったものを本当にその方その方の必要に応じて十分に私どもも御相談に乗りながら必要な資金を有効に活用していただく、こういう形で対応をしていただきたいというふうに考えているところでございます。
#113
○田代由紀男君 お話は一応わかるわけですが、言うならば、災害に関する資金というものは後ろ向き資金でありまして、中小企業で言います倒産防止の後ろ向き資金と同じように、植栽資金は、これからミカン園を開いて、ミカン園をやろうということで準備もでき会もできておるということで、手持ちの金もあるわけですから、植栽資金でできるような段取りができておるわけです。ところが災害は、これは不測の事態なものだからそういう準備がないわけですから、やっぱり安い金利でミカンがなるまではめんどうを見てやるということが原則であろうと思っておりますので、そのことについてはここで論議してもお互いに水かけ論になると思いますが、さっき申し上げましたように、この果樹についてはまだ天災融資法も激甚地指定もなじんでない。さっき申し上げました四年−七年というのは激甚地の延長の期間でありますから、なじんでないということをよく御認識いただきまして、今度は実用に即した資金の運用をやっていただきたい、そういうぐあいにお願いを申し上げたいと思います。
 それから次に、高接ぎ温州ミカンの転換促進の場合の経営安定資金については、適切な御答弁がなかったわけでありますが、これについては自作農維持資金を使ったらどうかということであろうと思っておりますが、その果樹の被災農家に対しての自作農維持資金の災害枠というのをぜひ確保してもらいたい。これは現在、自作農資金を借りておる農家もずいぶんありますし、天災融資法では重複資金の八十万というのがありますけれども、自作農資金にはそういうものがありません。前の例においては二、三上積みをした経験もありますから、こういうときには限度の上積みもやっていただきまして、その前に災害枠をぜひ確保いただいて生活資金を確保いただきたい。それも果樹の場合ですから、普通の野菜ならば一年の生活資金でいいわけですが、果樹ならば三年から四年の生活資金が必要でありますから、四、五年の生活資金が必要でありますから、金額がやっぱり相当要ります。そういうこともお考えの上に、とにかく災害枠の確保と同時に貸付枠の限度額の上乗せ、この点について考慮をお願いしたいと思います。
#114
○政府委員(矢崎市朗君) 今回の災害につきましては、雪害とあわせまして、自作農維持資金につきましても、これが円滑に融通できるような措置、枠の設定等が必要であろうというふうに私どもも実は考えております。
 その場合に、貸付限度額につきまして引き上げをというお話でございます。確かに過去におきまして、非常に大きな大災害のような場合に、特に必要な地域に限って例外的にそのような措置を講じた例はございます。今回もそういう措置が必要かどうか、それから特にどういう地域に対して必要なのか、そしてそういう借入希望者で現実にすでに借り入れていて、追加の借り入れができないような方がどれだけあるのかといったふうな問題が関連してまいりますので、現在関係県ともその辺のところをよく調査をしていただいていろいろと打ち合わせをいたしておるところでございます。その辺の実情を踏まえまして、適切な対応ができるようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#115
○田代由紀男君 そこで、今度の災害の特徴は、樹体被害が大部分である、五百億は樹体被害であるという点でありまして、樹体被害というと、樹勢挽回に、さっきも申し上げましたように、大正六年の例をとると五年かかる。こういうことでありますから、その五年間、五年まではかからぬでも三年間、四年間の年数を経ますので、そうすると自作農資金がよけいに要るわけでありますから、生活資金がその分については上乗せを考慮いただきたい。兼業農家じゃない、専業農家だものですから、専業農家でありますからほかに道がありませんので、ぜひそういう方途をとっていただきたい、重ねてお願いしておきます。
 次に、果樹試験場に関連しての問題でありますが、果樹試験場で育成されておる新品種があります。この品種は品種登録をやってから各県の試験場に内示をしまして、それから先導的農家に試作をさして新しい品種を固定していくわけですが、そういうのはどうしても試験場が出し渋るわけでありまして、新しい品種を出してくれません。今度の災害による転換促進事業の要望がまた非常にふえてくるわけでありまして、そういうふえる要望に即応したような新品種を早く出してやることが大事であります。それに寒波に強い品種もありましょうし、そういう新品種を早く出してやる、そういう措置をぜひとっていただきたい。
 日本の方で渋って試験場から出さずにおきましても、外国のスパイがやってきて――スパイというわけじゃありませんが、非常に熱心な連中がやってきて穂木を盗んでいって、日本でいま新しい品種を持っている者がある国に行くと、試験場にいっぱい生えておる、育っておる、そういう例があるわけであります。これは事実でありまして、われわれはこの目で見て感じたわけであります。日本は試験期間が余り長過ぎて、いまから八年間また試験するんだということになりますと、その期間にその品種はもう東南アジアの国では大きく育ってしまっておるということになりますので、速やかに品種登録を行われて公開してもらいたい、この要望を強く申し上げます。この点についてお答えをお願いします。
#116
○政府委員(矢崎市朗君) 果樹の新品種の育成につきましては、今回のようないわゆる低温に対しても抵抗性が強いものであって、かつ質もいい、しかも安定、多収穫のものがいい、こういうふうないろいろな要望があるわけでございまして、そういうものにできるだけ即した品種を育成していきたいということで、果樹試験場や国の委託によります都道府県の指定試験地等で現在取り組んでいるところでございます。
 耐寒性柑橘類の育成の例としては、現在十二月に収穫できる晩柑類をというふうなことで、果樹試験場の口之津支場で育成しているものがございます。かなり有望な品種のようでございますが、ただ、いわゆる病害虫にはどれだけ強いのか、それから地域におろした場合、地域ごとの適応性は果たしてどうなのかというふうな所要の試験がまだ実施されてないようでございます。農家の段階までおろしまして普及をいたすという段階までには、どうしてもその種のものも十分に把握した上でありませんと、おろしましても、それが思いどおりの成果が上がらないということになりますと、かえってこれは迷惑をかけることになりますので、そういった所要の試験を急ぎまして、できるだけ早期に品種登録をして普及を図っていくというふうな段取りにしてまいりたいというふうに思っております。
 なお、この口之津支場の問題に限らず、果樹の優良品種の育成のためには今後とも鋭意試験研究の推進を図ってまいる所存でございます。
#117
○田代由紀男君 いま審議官からお話がありましたが、私どもも希望しておるのは口之津の新品種でありまして、それを速やかに各試験場に、県の試験場にお分けをいただいて、それが公開できるような段取り、ある程度県の試験場に義務づけてもよろしゅうございますから、早急に県の方に公開をお願いしたい、お譲りをお願いしたいということを強く希望しておきます。
 次に、冷害によるミカンの被害に対しまして、地方団体が各種の対策事業等を行っております。
 広島県から要望書が来ておりますが、広島県でも寒波農作物対策会議というのをつくっておりますが、こういう会議をつくりまして、特に樹勢挽回については、なかなか決め手がないものですから、県の手でやろうということでいま一生懸命やっております。
 それで、自治省にお願いしますが、こういう災害対策事業について、その経費につきましては特別交付税で財源の措置を行うべきであると考えておりますが、自治省の御意見を承ります。
#118
○説明員(池ノ内祐司君) 冷害対策に伴います地方団体の特別の財政需要につきましては、冷害の被害額に応じまして特別交付税で措置をすることにしております。
 今回のミカンの冷害につきましても、関係省庁から被害状況につきまして報告を求めまして、その被害額に応じまして措置をしてまいりたいと、かように考えております。
#119
○田代由紀男君 今度は県によりまして、また町村によって、町ぐるみ村ぐるみで対応する点が非常に多いわけです。これは被害の特殊性からいってそういう状態にありますので、そういう被害県、被害町村につきましては、特に希望がありますので、よろしく御措置をいただきますようにお願いします。
 それから今後の農業所得の課税標準の算定についてお尋ねいたしますが、被害の実態を適正に反映させる等被害農家の実態に即した課税措置を講じられるように国税庁にお願いしたいと思います。私も標準課税のときにはよく立ち会いまして、標準反収でありますとか、標準単価でありますとか、そういうものに、県の果実連の連合会の会長をやっておりましたので、立ち会ったことがありますが、なかなか厳しいものでございます。今度の被害はこういう帯状の被害でありまして、全般の被害とは違いますので、きめ細かい査定をお願いしなければならない点が多いわけでありますので、そういう点に特に御留意をいただきまして、課税措置を講じていただきたいと思っておりますが、国税庁の御意見、御答弁をお願いします。
#120
○説明員(冨尾一郎君) お答えいたします。
 国税庁といたしましても、この冬の異常寒波によりましてミカン作農家に被害が出たという事情は承知をいたしております。したがいまして、農業所得の課税に当たりましては、被害を受けた農家の実態をよく反映した適正な課税ができるように今後とも努めてまいりたいと思います。
 御承知のように、農業所得標準は所得計算がなかなかむずかしい農家の申告の便宜のためにつくっておるわけでございますが、この農業所得標準の作成に当たりましては、ただいまのような災害等による被害の状況は十分にしんしゃくをいたすことにしております。私どもといたしましては、被害農家の実態を十分にくんで、その農業所得標準の作成をいたしたいと思います。
 いずれにいたしましても、今度の異常寒波によります被害につきましては、昭和五十六年分の農業所得に反映されるわけでございますので、五十六年分の農業所得標準の作成の上に十分反映いたすように私ども努めてまいりたいと、かように考えております。
#121
○田代由紀男君 最後に長官にお願いします。
 この被害は、県を隣にしておって、指定になっていない県もありますし、被害の状態から言いまして後で被害が出てくる県もあります、そういう点も踏まえまして、私が本日要望したことにつきまして、果樹の樹体被害等がまだ法になじんでいないという点も踏まえられまして、総合的な今後の善処方をお願いします。
#122
○国務大臣(原健三郎君) 最前からいろいろお話承りまして、農家に対する先生の非常に愛情細やかな御説を拝聴いたしまして、ただいま御要望のありました点、これから各省庁連絡して十分御期待に沿うようにいたしたいと思っております。
#123
○和泉照雄君 私は災害について二点だけにしぼって質問をしてまいりたいと思います。
 まず、その第一点は、港湾・漁港、この工事設計についての断面工法について、一番重要になりますところの波の高さ、波高についてお伺いをいたします。
 近年、港湾・漁港の災害の発生が特に奄美の南西諸島において多発しておるような状態でございますが、台風シーズンに入る前にその原因を究明して、原因を除去して、そして災害が再度起こらないようにするために、その対策を講じてもらいたいために私は質問をするわけでございますが、まず第一点は、外洋性の特に奄美大島関係の港湾・漁港、これの五十三年、五十四年、五十五年における災害、これについてどうしてこういうふうに連続して災害を起こしたのか、その原因について説明を願いたいと思います、運輸省と水産庁。
#124
○説明員(浦江恭知君) ただいまお尋ねありました五十三、五十四、五十五、三年にわたります奄美群島諸島の災害のまず発生状況を御説明申し上げたいと思います。
 五十三年には徳之島の亀徳港及び沖永良部島の和泊港におきまして、防波堤及び岸壁等におきまして被害を受けました。その額は二億六百万円でございます。五十四年に入りまして、大島の本島の赤木名港、喜界島の湾港、徳之島の鹿浦港、それから面縄港、沖永良部島の住吉港、和泊港、与論島の与論港、これらの港におきまして防波堤、岸壁、泊地等に被害を受けまして、その被害額が五億四千六百万円になっております、同じく五十五年におきましては、徳之島の平土野港、沖永良部島の住吉港、和泊港におきまして防波堤、泊地等に被害を受けました。その被害額は七千五百万円でございます。
 これらの被害の原因でございますけれども、台風に伴いまして生じましたこういった施設の前面の異常な海嘯、こういった原因によりまして、被害をこうむったと、そう考えておるわけでございます。
#125
○説明員(杉江正文君) 漁港関係につきましては、五十三年度におきましては、喜界島の早町漁港並びに沖永良部島の知名漁港等につきまして防波堤と護岸等に被害がございました。約四千五百万円ぐらいでございます。それから五十四年度は全国的に台風の被害が多かったわけでございますが、沖永良部島の知名港と喜界島の早町漁港等におきまして、岸壁、護岸等が主体でございますが、やはり被害が発生しております。また五十五年度につきましては、奄美大島の小湊漁港につきましてやはり護岸等の被害が発生しております。
 これらの被災の原因でございますけれども、防波堤を回ってきた彼等によりまして、いわゆる台風の波によりまして被害を受けたものでございます。
 以上でございます。
#126
○和泉照雄君 私が聞くところによりますと、奄美大島の知名港は、これは運輸省関係だと思いますが、そこに波高計が設置されておるように聞いておりますが、水産庁の方は枕崎港、要するにこの二カ所に波高計が設置されておるようでありますけれども、五十六年の二月まではこれは破壊して作動してなかったと、こういうように聞いておりますけれども、この二カ所の設置の年月日、そして故障した年月日、どういう故障を起こしたのか、復旧の予定はいつごろになるのか、これをお答え願いたいと思います。
#127
○説明員(浦江恭知君) いまお話ありました知名町の沖合いに設置されております波高計についてお答え申し上げます。
 年月日とお尋ねでありましたけれども、五十二年度に設置したということで、月日をちょっと調べてまいっておりませんでしたので、その点は御容赦いただきたいと思います。五十二年度に設置しておりまして、その後五十四年の八月から十月にかけての台風期に、波高計の記録部に波高をはかりまして資料を送ってきますケーブルがございますけれども、こういったケーブルが切断する等の被害を受けまして一時中断いたしました。五十五年度にこれに対します補修の費用を計上いたしまして、現在再整備して稼動させております。
 以上でございます。
#128
○説明員(杉江正文君) 枕崎漁港の波高計でございますけれども、これは昭和四十八年に鹿児島県の漁港課が設置したものでございます。昨年の十月十四日の台風十九号が参っております際に、波高計の海中ケーブルが切断いたしまして故障を生じたものでございます。予算等の関係がございまして、本年の台風期までにこれを設置しまして観測を再開いたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#129
○和泉照雄君 波高計というのは台風のときの波高を調べるんですから、その故障が起こらないようにしなければ何にもならないわけでございますので、その波高に対する認識の甘さというのを指摘していいんじゃないかと、こういうふうに思うわけでございます。特に運輸省のところは設置してすぐ明くる年の台風でやられてしまったと、こういうことになりますと非常に問題ではないかと、こういうふうに思えます。
 それで、港湾・漁港の工事、設計に当たっては、断面工法には波高というのが積算の一番重要な基礎になると思うんでございますが、この波高計がないというときの波高は何によって決定するのか、そこらあたりはどういうふうにあなたたちはお考えになっておるのか。
#130
○説明員(浦江恭知君) 最初の波高計の設置後間もなく被害を受けたという点でございますけれども、現在の波高計設置上の一番の弱点になっておりますのが、波高計の本体部から記録部――記録部を陸上に設けるわけでございますけれども、その間の波高を記録した伝送といいますか、伝達部、すなわちケーブル敷設部の間が非常に弱点になっております。無線で送る方法と有線でケーブルで資料を送る方法とがあるわけでございますけれども、この個所につきましては、より確実なといいますか、ケーブルを使ってその資料を伝送するようにしております。この間がちょうどサンゴ礁地帯のところをケーブルをはわせてくる、こういうことになっておりまして、この間が波が砕波をする、そういった地帯に入っておりまして、被害をこうむりやすい状態になるわけでございます。この間被害を受けないようないろいろ措置をするわけなんでございますけれども、この個所に限らず、最弱点の個所になっておりまして、そういった個所によって事故が起きたということでございます。できるだけこういった事故がないように今後も努めてまいりたいと思います。
 二番目にお尋ねの波高計の記録がない時点での設計波の設定はどうやってやるか、こういうお尋ねでございますけれども、波を推算する方法をわれわれは現在持っております。考え方を簡単に御説明申し上げますと……
#131
○和泉照雄君 簡単に答弁してください、時間がないから。
#132
○説明員(浦江恭知君) はい。
 海上に風の場を設定いたしまして、天気図とかそういったものから、気象情報から設定するわけですが、そういったものをもとにしまして波を推算する方法がございます。こういった方法につきまして、この奄美群島諸島の付近につきましても、港湾技術研究所というのが私の方にございますけれども、こういった研究所の協力も得ながら波の推算を実施している、それを活用しているというのが現状でございます。
#133
○説明員(杉江正文君) まず、第一点のケーブルが切断した件でございますけれども、外装ケーブルを使いまして十分波浪性を持たして設置しておるわけでございますけれども、何分異常な波が来たために切断したわけでございます。今後十分注意して設置して、こういうことのなるべくないように処置いたしたいと思います。
 それから第二点の実測値のないところの設計波高の考え方でございますが、これにつきましては、いま運輸省の浦江防災課長が申し上げたことと私どもも同じように扱っております。
#134
○和泉照雄君 波高計で実際の波高を測定しないところの数値で、数値がないわけですから、そういうようないろんなコンピューターとかそういうことで推算をした数字というのが果たして正しいかどうか。そこが私は問題だと思うんですよ志布志湾のいま工事をやっておりますが、ここに波高計が備えつけてありますが、去年、五十五年の十月ごろの中級台風が襲ってきたときの大体推算というのは、あなたがおっしゃったそういうような天気図とかなんとかいうのもあるでしょうけれども、大抵コンサルタントも、県も、国の方も目測ということを重点にやっておるんです、いままで。このときの目測は波高八メーターなんですよ。実際波高計でやりましたら十五メーターなんですよ。倍なんです。こういうようなことがあります。あなたたちが推算をしたときは十一メーターなんです。誤差があるわけです。こういうことを積算の基礎にしていろいろ設計をされるから、本当の実際の波高に対する対抗力がない設計物ができるから災害を起こすということになると思うんですが、いかがですか。
#135
○説明員(浦江恭知君) ただいま御指摘の設計条件の決定の際に目測でというお話でしたけれども、目測だけでやってることはないと思います。確認いたしておりませんので、後ほど確認いたしますけれども、条件の設定には、必ず実際に現地で観測した波浪のアークがあればそれを参考にし、それから前に申し上げました推算の方法によるデータを参考にし、総合的に判断して決めておりますので、そういう目測だけでということはないと思います。
 それからいま申し上げました推算の方法は、沖波の波高を推算する方法でございまして、設計に用います波は、それから施設の前面までその波がどう変形し、伝わってくるかということをさらに検討いたしまして設計に使用しているわけでございます。
#136
○和泉照雄君 あなたがそういうことはないとおっしゃっても、鹿児島県の港湾・漁港の建設協会、ここの人たちからいろいろ事情を聞いてみますと、漁業者も県も国もコンサルタントも、目測による以外、その数値の推算というのですか、それはあなたたちが出しておりますね、運輸省の研究所から、そういうやつでなくても、本当に目測以外ありませんということを言っておるんですから。陳情書もこのとおり出してあるんですよ、これは。ちゃんと実際の波高による工法をやらしてもらわないと、やはりさいの河原の石積みと一緒だと。毎年毎年壊される。
 そこで、長官に聞きますが、あなたは災害の元締めでございますが、こういうようなことで、波高が本当に過小に見積もられておって、それによって設計されて毎年毎年台風で壊される。それで災害復旧、また災害復旧ということになりますと、これは国費の浪費につながると私は思うんですが、ちゃんと台風の来るようなところにはがんじょうな波高計をきちっと設置して、それだけの予算をつけて、そういう態勢をつくって将来の設計に資するということをやることが、私は災害防止のための大事な問題じゃないかと思うんですが、いかがですか。
#137
○国務大臣(原健三郎君) 御説はそのとおりでございます。波高計をもっと完備して、災害を未然に防ぐようにいたしたいと、こういう方向で進めていきたいと思います。
#138
○和泉照雄君 じゃ、波高の問題、以上で終わります。関係の方は結構でございます。
 次は、一月の十二日に桜島の視察をした結果に基づいて二月の当委員会でいろいろと質問をいたしましたが、そのときに、黒神河原のボラの海面流出にまつわるいろんな漁民の苦情等についていろいろと質問いたしましたが、そのときの答弁では、県とか関係省庁といろいろ連絡、対応しながら、また実態の把握にも努めてみますという御答弁が返ってきたわけでございますけれども、実態をどのように把握されたか、まずその第一点お聞きしておきたいと思います。
 第二点は、省庁とも連絡をとって対応するというようなことがありましたけれども、どういうような対応をされたのか。その二点についてお答え願いたいと思います。
#139
○政府委員(矢崎市朗君) まず、ボラの養殖場への被害の実態でございますが、鹿児島県が調査をしたわけでございますが、養殖の生けすの中に軽石が滞留した場合に、えさをやる投餌のような際に、その軽石の除去作業をしたりしなければいけない。また小型漁船のスクリューが破損したり、あるいは冷却水の取水口が閉塞する等で、船を手こぎにしてやらざるを得ないケースが出てくるというふうなことで、作業時間のロスが非常に多いというふうな影響があるようでございます。
 本問題の解決をどうするかということでございますが、一つは、建設省に対しましても、何らか有効な対策が打てないものかどうかというふうなことで協議もいたしているところでございます。また県の当局においても、関係の漁協から近く対策について具体的な要望を聞いて、県なりの対応をまず検討したいというふうに聞いております。私どもとしましても、県の対応策が明確になり次第に関係方面と必要な協議をさらに続けていきたいと、こういうふうな対応で現在おるところでございます。
#140
○和泉照雄君 先日の現地からの連絡では、ちょうど春のこういう雨季時なものですから、相当流出をしまして、幅が大体七十メーターから八十メーターぐらいの軽石の層がずっと一キロぐらい流れ出してきておるという状態の連絡があったわけでございますが、また雨季が近づいてきますと、このボラが相当に流出をしてきて被害を与えるのじゃないか。こういうわけで、私は先般、砂防事業をやっておるのは建設省でございますけれども、建設省の方々に言わせると、陸地の方の守備範囲は建設省であるけれども、海に入ったらこれは水産庁じゃないかと、ちょうど敦賀の原発のあそこのマンホールの守備範囲がどの課だどの課だというような、そういうような感じを受けるようなやりとりのようで、被害を受けるのは国民でございますから、それを何とか早くしてもらうために私は再度こういうふうに質問をしておるわけでございます。
 そこで、昨日もいろいろと検討を重ねたわけでございますけれども、いま導流堤等の工事の施工中でございますけれども、これが完了した暁にどうこうというようなこともあるかもしれませんけれども、その間じゅうどんどん出てくるわけでございますから、その出てくるのは何によって出てくるかというと、これは建設省のそういう砂防工事をしていただいておるためにという原因があるわけでございますので、建設省の方もこれは本気になって取り組んでもらわなければならないと思いますし、流出をしてきたやつは、これは当然水産庁の方で清掃する、排除するということになろうかと思いますが、そこで両方が話し合いをしなければいつまでも解決をしないと思うんですが、いかがでしょう。
#141
○政府委員(矢崎市朗君) 海中に入ったボラにつきまして、これを何らかの形で除去するような事業なり措置なりをとるというふうなことは、これは決してできないことではございません。私どもも必要によってそれは考えたいと思っておりますが、ただ、これは一度そういうことをやればそれで問題が解決するということでは実はございませんで、さらに次から次とこれが海中に出てくるというふうなことになりますと、これはその都度そうして事業をやっていくというふうなことになりましても問題の解決には実はつながらない、こういうことになるわけでございます。また、いろいろ現地の事情を聞いてみますと、一たん軽石が押し寄せてまいりましても、風が吹いたりしますと、翌日はまた皆無になるというふうなこともあるようでございまして、これを効率的に除去する場合の技術的な問題もあろうというふうに思います。しかし、確かに御指摘のとおり、これは地上におきましてできるだけそういうものが海中に投与されないような姿をとるのと並行して、すでに入っているものについてはこれを除去するというふうな、やはり連携した対応というのが非常に必要だという意味におきまして、関係省庁との話し合いも確かに必要だというふうに思っているわけでございます。
 そういう意味で、私どももいろいろと協議をいたしておりますが、何としましても、まず現地で漁協から具体的にどういう形でこれに対し対応するかというふうなことを、まずはやはり県当局においても検討したいということでございますので、これはこれでひとつ進めてもらいながら、私どもその結果を踏まえて、さらに県当局なりまた関係省庁ともよく協議をし、できるだけ早急に最善の対応ができるようにいたしたいというふうに考えているところでございます。
#142
○和泉照雄君 どうも、いまお話を聞いておりますと、県の方に聞きましても、県の方でも対応に非常に困っておるわけで、上部官庁の国の方でいろいろと協議していただいて対応をしていただかないと解決をしないんじゃないか。いま政府委員のお話を聞いておると、なるほどな、現地に行っておられぬからよくおわかりじゃないなという感じを持つわけでございますが、おかの方でとめられる筋合いのものじゃないわけですよ。これは野尻川――鹿児島の反対側の方のやつはボラがないんです。ボラという軽石がないんです。それはどっと土石流が来たときは海の中に落ちていくんですから、少し汚濁するぐらいが関の山でございますけれども、この野尻川の方は土石流がボラと一緒なもんですから、石は海中に沈んでいって軽い軽石は浮いて流出をするわけでございます。大体一週間から二週間ぐらいは浮いておりますから、だんだん水分を含んできて沈下をしていきますけれども、海面の途中で浮遊しておるような軽石もあるわけでございます。そういう状態にありますので漁民は非常に困っておるのが実態でございます。
 そこで、水産庁と建設省の係の方を現地に派遣して、状態を見て、そして現地でいろいろ事情を聞いて対応されることが私は一番望ましいことではないかと思うんですが、その決意はいかがでしょうか。
#143
○政府委員(矢崎市朗君) 御指摘の趣旨に沿いまして、よくひとつ現地で県とも相談しながらその対応を検討し、進めてまいりたいと考えております、
#144
○中野鉄造君 私は、まず今回の敦賀の原発事故について、二、三お尋ねいたします。
 このたびの原子力発電の事故、このことにつきましては、管理体制及び通報、そうしたことに非常にずさんな点が多かったということ、このことにつきましては通産省はお認めになっておりますか。
#145
○説明員(平田辰一郎君) 通産省といたしましては、原子力発電所の安全確保を図る観点から、従来から原子炉等規制法及び電気事業法に基づき厳しく規制、監督を行ってきたところでございます。すなわち、当省といたしましては、原子力発電所の安全確保に万全を期するため、電気事業者の自主保安体制を前提としつつ、電気工作物の工事計画認可及び届け出に当たっては厳正な審査を行うとともに、運転開始後は定期検査を実施するほか、発電所に常駐の運転管理専門官を派遣し、発電所の保安管理体制を指導して監督しているところでございます。
#146
○中野鉄造君 とかく大きな事故があってからあわてて姿勢を正すとか、あるいは見直しをするということが、政府、官庁に対する国民の批判の種になりがちでございますけれども、今回の場合も同じことが言えるんじゃないかと思います。というのは、この敦賀の場合は、ことし一月にも別の事故とはいえ二度も事故を起こしている、そしてまた今回に至ったわけでございますが、昨日の新聞だったですか、それにも取り上げておられますように、いま御答弁にもありましたように、通産省としては、アメリカのスリーマイル島のあの事故を契機として、昨年の四月から正式に運転管理専門官というものを設定しておられますけれども、現在十五名の方々がこの任にあると言われております。ところが驚いたことには、この十五名の中の三分の一の人たちが実は行革絡みで転身した農水省の米検査官上がりの方である、こういう記事も出ておりますが、それは本当ですか。
#147
○説明員(平田辰一郎君) 運転管理専門官制度は、米国のスリーマイル島事故の教訓を踏まえ、また地元住民の不安を解消するため、国の常駐官を原子力発電所に派遣し、運転管理状況を常時監視させるための制度でございまして、昭和五十五年度に御指摘のとおり発足いたしました。現在全国十カ所の原子力発電所に十五名の運転管理専門官を派遣しております。この運転管理専門官十五名中五名は、省庁間配転により、農林水産省の御協力により実現したものでございまして、昨年十二月一日から勤務しているものでございます。
#148
○中野鉄造君 このようなこと、すなわち人命にもかかわるような重大な職務、使命を帯びた、いやしくもその専門官と名のる人たちですけれども、いまの御答弁にもありますように、農水省の御協力によりましてといったようないまもお話がありましたけれども、何か職務を捨て扶持を与えおくといったような閑職とでも思っておられるのか、そうでなければどういう理由でこのような職歴を持った方々を持ってこられたのか、まずその辺の感覚を知りたいわけですけれども、お尋ねいたします。
#149
○説明員(平田辰一郎君) この五名の方々は、いずれも地元の事情に明るく、誠実かつ有能である地元の出身者でございます、このことから、通産省としては非常に感謝しているところでございます。
 なお、これらの方々は農政上のエキスパートではございますが、いままで電気事業とは御指摘のとおり無縁な仕事をしていたために、現段階では主として事務的な仕事を担当していただいております、しかし今後、経験、研修を積むことによりまして、一日でも早く運転管理監督の第一線で活躍いたしていただくことを予定をいたしております。
#150
○中野鉄造君 結局このままずっといくということですね。
#151
○説明員(平田辰一郎君) いま申し上げましたとおり、今後の経験及び訓練によりまして一日も早く運転管理監督の第一線についてもらうように期待しております。
#152
○中野鉄造君 土地に明るい、また非常に土地の事情に詳しく、その道の専門家ではないけれども、非常に人柄がいいだとかああだとか、そういったようなことでこの専門官に任命をされたと、そういう御答弁ですけれども、そういうことで説明をいたしまして果たして皆さん方が納得できるでしょうか。
#153
○説明員(末広恵雄君) お答えいたします。
 ただいま安全管理課長から御説明申し上げましたが、ただいま全国十カ所の原子力発電所がございます仁その十カ所の原子力発電所に私ども八つの運転管理専門官事務所を設けております、その八つの運転管理専門官事務所、すなわち十カ所の原子力発電所に対しまして当初十名の運転管理専門官を派遣いたしました。十カ所の原子力発電所に対して十名でございます。この十名の運転管理専門官は、長年通産省におきまして原子力発電所等の検査等の保安行政に携わっておりまして、いわゆる保安行政のベテランでございます。その十名の運転管理専門官に加えまして、昨年の十二月から省庁間配転により五名配置したわけでございますが、この五名の運転管理専門官は、現実の現在の仕事の状況でございますが、現在は主として事務所の庶務的事項と申しますか、事務的な仕事を担当しておりまして、発電所におきますいわゆる保安規定の遵守状況のチェックといいますか、運転管理業務につきましては、当初本省発令で配置いたしました運転管理専門官が携わっております。
#154
○中野鉄造君 じゃ、その五名の方々は専門官ではなくて、いわば庶務係といいますか、そういうただ単なる事務員にすぎないわけですね、
#155
○説明員(末広恵雄君) 現段階では主としてそういった事務的な仕事を担当しておりますが、そういった形で事務所の事務的な仕事をやるということで専門官を補佐しているわけでございますが、今後いろいろ経験を積んでいただきまして、一日でも早く運転管理監督の第一線で活躍してもらうようわれわれは期待しているわけでございます。
#156
○中野鉄造君 実は昨日の新聞にも出ておりますけれども、今回の三月八日の事故のときもこの専門官は日曜休みで、通産省の調査によると、発電所から専門官への報告はなかった、しかも九日には専門官は事務所で会議があり、電話で運転状況などを聞いていただけで事故には気づかなかったと、こういうことが新聞にも出されておりますけれども、これは本当ですか。
#157
○説明員(末広恵雄君) 運転管理専門官の通常の業務でございますが、通常、発電所に参りまして、前日の保守点検状況あるいは運転状況につきまして発電所の責任者から聴取いたしまして、なお本日のいろんな点検状況、点検の予定あるいは運転状況につきまして聴取するという形で仕事を進めております。その中でさらに必要に応じて現場をパトロールするという体制をとっておりますが、ただ、運転管理専門官自体は、発電所外に私どもの事務所がございまして、その事務所を根拠地にしておりますので、一週間のうち大半の日にちは発電所の方に出かけておりますが、そのほか、一週間のうち一日とか二日につきましては、事務所の方でいろいろと本省との連絡あるいは関係市町村との連絡業務がございまして、そういった形で業務を進めているわけでございますが、たとえば発電所にいないという場合につきましては、万一異常が発生しました場合の連絡体制と申しますか、そういった報告体制についてはきちんと発電所側と徹底させているところでございます。
#158
○中野鉄造君 過ぎたことを余りくどくど言ってもいたし方ございませんけれども、事は人命にかかわる大きな問題でありますし、このことに関する限りくど過ぎるということはないと思います。
 いまも御答弁がありましたように、ただ単なる電力会社からのいわゆる信頼に基づく報告と、それにおんぶされた結果が今回のようなこういう事故を惹起したと思います。ところが、こういう一つの事故をとらえて一つ一つそれを追及していくうちに、実は実はといったような形で過去の余罪的な新事実が次から次に小出しになって出てくる。こういうことは非常に遺憾きわまりないことですけれども、こういうことも含めて、先ほどのそういう米検査官上がりの人であれ何であれ、そこに何かのちょっとしたつっかかりをつくってはそれを安易にそのホストにつけていくというような、そういう感覚の問題を含めて今後どのように反省していかれるつもりか、この点お尋ねいたします。
#159
○説明員(平田辰一郎君) 先ほどから運転管理専門官の業務の内容、及び農林水産省の協力によりまして省庁間配転でいただきました五名の運転管理専門官の現在の業務の実情について御説明申し上げたわけでございますが、私ども安易な気持ちで農林水産省から五名の方をいただいたわけではございませんので、先ほど申し上げましたように、業務につきましては、現在は事務的な仕事を担当していただき、運転管理専門官、本省から配置されましたところの運転管理専門官の業務を補佐していただくという業務に携わっていただいておりまして、今後私どもが行います研修あるいは現場でのいわゆるオン・ザ・ジョブ・トレーニングを経まして、一日も早くこの道の専門家になってもらうように期待しておるところでございます。
#160
○中野鉄造君 とにかく通産省としても、この原子力発電会社に関し、法にのっとり厳しく今後ひとつ監視を続けていただきたいと思います。
 きょうの――きのうだったですか、新聞でも見ましたけれども、五十六名の従業員の方々が被曝を受けておりますけれども、この方々に対する対策はどのように考えておられますか。
#161
○説明員(平田辰一郎君) これは現在までの原子力発電会社からの事情聴取による結果でございまして、最終的に確定したものではございませんけれども、従事者数五十六名が今回の放射能漏れという事象の対策に携わったわけでございます、それで、これらの方々のうち期間中――期間中と申し上げますのは、このデータを集計いたしました本年三月八日から四月十五日までの二十九日間でございますが、この期間中に最大被曝した方で、その被曝線量は百五十五ミリレムでございます。また一人の方の一日最大被曝線量で五十六ミリレムでございます、法令では従事者の場合三カ月三千ミリレムを超えないということになっておりまして、法令の範囲には十分入って、下回っているわけでございますけれども、被曝というものはなるべく少なければ少ないほどいいわけでございますから、今後とも一般的にはこういう作業に際しまして被曝を極力低減化するような指導をしてまいりたいと考えております。
#162
○中野鉄造君 もう時間がございませんので次にまいりますが、今回のこの敦賀発電所の放射性物質漏れが発見されたことによって、科学技術庁としては、この状態から漏水に放射能汚染がどのように影響を及ぼすか鋭意検討、努力されたと思いますけれども、その結果四月十九日に魚介類について放射能汚染は認められない、こういう安全宣言を出されたわけですが、間違いございませんか。
#163
○説明員(中村守孝君) お答えいたします。
 原子力発電会社のトラブルの件につきましては、福井県の衛生研究所がまず原電敦賀発電所周辺の放射能を調査いたしまして、採取いたしました浦底湾内の魚類には汚染が検出されないということが判明いたしております、また普通食用には供しませんホンダワラとかムラサキガイ、こういうところにつきましては、確かに平常よりは高いコバルト6〇あるいはマンガン54というような放射性物質が検出されておりますけれども、これらの放射能レベルは、仮に毎日一年間普通の海草の量程度食べ続けたといたしまして、年間の受ける被曝量というものはきわめてわずかな程度のものであるというものでございます、
 さらに、念のため、四月の二十日に科学技術庁と福井県とが協力いたしまして、県の漁業組合連合会の敦賀支所に水揚げされました魚介類の放射能調査を実施いたした次第でございますが、その分析結果においても汚染は検出されず安全であるということがこの限りにおいてはわかっております。
#164
○中野鉄造君 そうすると、いま御答弁があったように、科学技術庁の安全であるという見解を水産庁はどういうように受けとめておられますか。
#165
○説明員(川崎君男君) ただいま御答弁がありましたことはわれわれもよく承知しておるところでございます。
 ただし、水産庁としましては、放射能問題、特に人体への影響という点に関しては、必ずしも専門的知識を持ち合わせておりませんでございますので、ここで専門的な見解を述べる立場にはございません。事故の原因や放射能の環境への広がり等というのはまだ調査途中というふうに承知しておりますので、これらについても早く結果が判明するようにと希望している次第でございます。
#166
○中野鉄造君 いまお答え聞いておりますと、自分たちは専門家ではないからなかなか答えられないと言いながらも、いま目下調査中であると。専門家でない人が調査をする。そして、先ほど御答弁の科学技術庁のそのことはよく聞いてはおるけれどもということですけれども、科学技術庁の安全宣言についてはまだ疑義の念があると、こういうことですか。
#167
○説明員(川崎君男君) 申しましたように、わが方が疑義とかそういうものを申し述べるほど放射能の人体への影響について知識は持ち合わせておりません。科学技術庁で測定いただいてお知らせいただけば、われわれも尊重してやっておるわけでございます。
 いま調査中と申しましたのは、調査中と聞いておりますということでございます、
#168
○説明員(中村守孝君) お答えちょっと補足させていただきます。
 先ほどお答えしましたのは、現段階までの調査結果がそういうことであるということでお答え申し上げたことでございまして、なお引き続き念のためさらに調査は継続いたしております。
#169
○中野鉄造君 そうしますと、いずれにいたしましても、今回のこの事故によって、敦賀湾でとれる魚介類について名古屋市あたりでは入荷自粛指導をされておるというようなことも聞いておりますし、また大阪の中央卸売市場においても魚介類はすべて入荷停止と、こういう非常事態にあるということも聞いておりますが、水産庁としてこの事態の打開にどういう措置をとっていこうとされておりますか。
#170
○説明員(川崎君男君) 今回の事故に関連しまして、周辺漁業に、先生御指摘のとおり、出荷自粛による影響が出ているということはよく承知しております、これについてはすでに福井県が、敦賀湾産魚介類の放射能調査の結果、ただいま科学技術庁からも説明ありましたけれども、そういう結果を踏まえまして、放射能が魚類に検出されなかったということを関係各市場に連絡を行い、流通の円滑化について協力を依頼しているというところでございます。
 この結果、本日調べましたところ、京都、大阪、神戸、東京の各市場においては荷受けの自粛要請を解除したと聞いておるところでございます。
 しかし、流通の円滑化のためには、一般国民の魚介類に対する放射能にかかる不安感が完全に払拭されることが必要だとは思いますが、水産庁としましても、関係地域から出荷される水産物が、各関係者の努力により、できるだけ早く各市場に円滑に取引されるよう期待しておるところでございます。
#171
○中野鉄造君 きょうの新聞で見ましても、亀岡農水大臣はこうした漁民の方への損害補償を指導するということが発表されておりますが、具体的にどういうことでしょうか。
#172
○説明員(川崎君男君) 出荷自粛等に伴いました漁業被害につきましては、福井県漁業協同組合連合会と日本原子力発電株式会社とが覚書を結んでおりまして、それによりますれば、発電所の保守運営により漁業者に損害を与えた場合は、日本原子力発電株式会社が誠意をもって補償するものとなっております。今回の事故についてもこの規定の趣旨に沿って処理されるものと考えております。
#173
○中野鉄造君 そうすると、また改めてお尋ねしますが、いまお答えのように、水産庁としてこの憂うべき事態について、漁業者の生活保護の立場からも、日本原子力発電会社に漁業補償その他もろもろのことに関しての責任をとるよう要望する用意があると、こういうことですね。
#174
○説明員(川崎君男君) そういう個々の協議につきましては、まず当事者間で行われるべきものだとわれわれは常々そういう立場で処してきておるところでございます。
#175
○中野鉄造君 じゃもう時間がありませんので、最後に佐賀県の有明地区冠水排除事業についてお尋ねいたします。
 この地域は全国各地から営農に夢を託して入植した人たちが約三百数十世帯住みついておられるわけでございます。毎年、雨季を迎えるごとに大変な冠水をするわけでございます。しかもこの地域が干拓地である、しかも海面との落差が非常に少ない。そういうわけで、満潮時には自然排水はほとんど不可能になってくる、こういう状態にあります。さらに悪いことには、この地域が、御承知のように、いまもなお地盤沈下の進行中の地域であるという悪条件が重なっているわけですが、こういうことについて建設省も農水省も先刻十分御承知のことと思いますけれども、同じ災害が毎年繰り返され、その都度地元から県から陳情も繰り返されておるわけでして、にもかかわらずなかなか遅々として進まない。
 私も実は、この件につきまして、昨年十月の農水委員会でも質問をしたわけですけれども、この件についてそのとき、この問題についてはいわゆる地盤沈下対策事業としての排水対策は建設省の所管であると、こういう御答弁があったわけですので、この際ちょっとお尋ねしますけれども、この現況についてどういうふうになっておりますか、これが第一点。第二点として、全国各所に散在する干拓地帯でこうした排除水対策が最もおくれているところはどこでしょうか。この二点お尋ねいたします。
#176
○説明員(陣内孝雄君) 建設省といたしましては、ただいま第五次五カ年計画の中で治水事業を進めておりますが、その中の一環といたしまして、地盤沈下対策河川事業も取り上げておるわけでございます、先生御案内のように、有明周辺の佐賀低平地は形成の過程からして非常に排水がやりにくい条件のところでございますし、加えて地殻沈下も進んできたというようなことでございまして、私どもといたしましては、四十九年度から地盤沈下対策河川事業として鋭意この対策に取り組んでおるところでございます。
 現在、只江川とそれから福富川、この二カ川について内水排除のためのポンプを設置中でございまして、五十六年度からは新たに白石川についても取り組みたいということで考えておるわけでございます。問題の只江川につきましては、四十九年度から着工いたしまして、五十五年度までに毎秒七・五トンのポンプ二台の建設を終わりました。しかし昨年、一昨年と相続く災害の状況にもかんがみまして、さらに五十六年度中になお残る一基の七・五トンを増設するようただいま準備中でございます。また福富川につきましても五十六年度中に予定のポンプ設置を終わることとしております。
#177
○説明員(長野孝夫君) 干拓地は、先生御承知のように低い地面でございますので、排水というのが非常に重要な問題でございます。したがいまして、農林水産省といたしましては、干拓地の排水対策につきまして鋭意進めておるところでございます。
 なお、どこの地域が一番悪いかというお尋ねでございますが、これにつきましてただいま調査資料が手元にございませんので、はっきりお答えはできないわけでございますが、有明の干拓地域につきましては、地殻沈下等もございまして、大きな降雨がありますと冠水するということで、必ずしも十分ではないと、こういう理解をしておるわけでございます。
#178
○中野鉄造君 いまお話もありましたように、只江川の排水対策については、このポンプ三台を設置するということで大体解決できるんじゃないか、またそうあってほしいと思うわけでございますけれども、確認の意味でお尋ねしますけれども、五十六年度の雨季以前にはこの三台目のポンプはつきますか。
#179
○説明員(陣内孝雄君) 当初、三台は五十五、五十六、五十七と各年に一台ずつ増設していく予定でおりましたけれども、ただいま申し上げましたように、昨年、一昨年の災害にかんがみまして、五十五年度中に繰り上げて二基を設置終わりました。これはもう当然五十六年の出水期には稼働できるわけでございますが、残りの一基につきましては、これから発注をいたしまして、大体今年度中に設置を終わる予定でおります。
#180
○中野鉄造君 農水省にお尋ねいたしますが、この河川の排水についてはこれで一応解決いたしたとしても、一方有明地区一帯の排水に関しては、依然これは不安が残るわけでして、この事業に関しては農水省とお聞きしておりますが、この事業完成年度は六十三年度になっておりますけれども、今日現在ほとんど工事がはかどっていないのが現況であります。なぜこういうような状況にあるのかお聞かせいただきたいと思います。
#181
○説明員(長野孝夫君) いま御質問のございました有明干拓地内の排水事業でございますが、干拓地内につきましては、佐賀県営の土地改良事業で実施しておりまして、干拓地内の整備につきましては、県営事業がもう少し時間がかかるようでございます。
 ただ、おっしゃいました六十二年度完了という事業は、干拓地も含めまして、その上流部に広がっております国営の筑後川下流、白石土地改良事業でございますが、何分事業の規模が非常に大きい、それからまだ着手いたしましてさほどの年月がたっておらないということから、今後の進展が期待されるところでございまして、現況は若干御指摘のように進んでおらないということでございます。
#182
○中野鉄造君 じゃ、最後に、私思いまするに、こうしたことは国、県あるいは地元住民、この三者の相互理解ということが一番大事なことじゃないかと思いますけれども、当初計画を見直しするというようなことはございませんですね。
#183
○説明員(長野孝夫君) 原則として、大筋におきまして現在の事業計画でよろしいと思っておりますけれども、いろいろ環境、条件等が変わってまいりますので、細部につきましては工事をしながら検討を続けてまいりたい、このように思っております。
#184
○中野鉄造君 時間が参りましたので、これで終わりますけれども、ひとつこの件について鋭意御努力をいただくようにお願いいたします。
 終わります。
#185
○伊藤郁男君 最初に、
  〔理事鈴木和美君退席、委員長着席〕
国土庁に御質問をしておきたいと思います。
 例の大規模地震対策特別措置法に基づきまして地震防災対策強化地域が指定をされておるわけでありますが、この強化地域の指定ですね、今後も追加される意思がおありなのかどうか、その点まず最初にお伺いします。
#186
○政府委員(柴田啓次君) 一昨年の八月に静岡県等六県の百七十市町村を地震防災対策強化地域に指定をしたわけでございます。この指定は、東海地震が起きました場合に、主として木造建築物あるいは低層建築物が著しい被害をこうむるおそれが大きい震度六以上の地震動を受けると予想される地域について行ったものでございます。また、この指定に当たりましては、法律の規定に従いまして、関係地方公共団体の意見を十分聴取いたしまして、関係地方団体からのその時点における追加の要望も取り入れまして百七十の市町村を指定したわけでございます。
 宿題として残っておる問題がございまして、地盤の液状化が想定されるような地域あるいは長周期の地震波による被害が想定される地域については、これは宿題として残っておりまして、引き続いて専門的な検討をするということになっているわけでございます。
 その専門委員会の方は、一昨年八月の指定以来ずっと毎月一回ずつ開いておりまして、いろいろと勉強したわけでございます。その分によりまして、あるいは追加ということもあるかもしれません。しかしながら、原則的にはこの百七十市町村で地震防災対策強化地域はおおむねよろしいのではないかというふうに考えております。
#187
○伊藤郁男君 実は、三月の二十五日に長野県におきまして県の防災会議が開かれまして、「東海地震を想定した長野県予想震度分布調査報告書」というものを中心にいたしましていろいろの対策を練っているわけでございますが、この会議の模様によりますと、現在長野県では十八市町村が強化地域に指定をされておるわけですが、震度六以上で被害が想定される。地域は、この報告書によりますと、この指定以外のところで六以上の震度が予想され、それに相当する被害が予想されるというところが三つある。諏訪市と富士見町と南箕輪村である、こういうことでございます。専門的なことはよくわかりませんが、専門的な人が調査研究したものでございまして、その諏訪市、富士見町、南箕輪村、これは検討の材料にはなりませんか。
#188
○政府委員(柴田啓次君) ただいま先生がお話しになりました「長野県予想震度分布調査報告書」でございますが、私も、この報告書が出た後、すぐこれを拝見いたしておるわけでございます。
 で、一つ申し上げられますことは、この調査に用いております想定しております地震の震源というのと、中央防災会議で地震防災対策強化地域を指定する際に用いました震源というのが多少違っているという点があるわけでございます。そのほかにいろいろと計算の違いがございまして、それらの点を専門的に分析をいたしますというと、あるいはこういう食い違いが起きるのかもしれませんが、私どもが地域指定に当たりましては、それぞれの専門家にお願いをいたしまして、十分に御審議をいただいて震源のモデルを決め、また地震動の動き等も見まして強化地域を指定したわけでございます。
 長野県当局とも、この調査内容等については十分に事情を聴取してまいりたいというふうに考えておりますけれども、この報告書を基礎にして追加をするというようなことは考えておりません。
#189
○伊藤郁男君 これだけの研究をされ、しっかりした学者を中心にして研究をされたものでございますので、ぜひひとつこの問題も将来の問題としまして検討の材料に加えていただきたい、このことをお願いしておきますが、どうですか、
#190
○政府委員(柴田啓次君) 長野県当局とも、十分事情を聴取してまいりたいと思います。
 ただ、強化地域の指定に当たりまして、長野県の御意見も伺いまして、その際に、天竜村というのを一つ追加をしてほしいというような申し出がございまして、それを追加して、一昨年八月に長野県下の十八市町村も強化地域に指定したわけでございまして、長野県のその当時の御要望としては十分に満たしたつもりでおるわけでございます。御指摘もございますので、十分長野県当局と意見を交換してまいりたいというふうに考えております。
#191
○伊藤郁男君 それでは、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、次の問題といたしまして、昨年の静岡ガス爆発事件を教訓として、ガス漏れ警報器の設置義務あるいは緊急の場合に緊急のガスの遮断装置、これを消防士も扱えるようにしたということは、私はかなり前進的な対策がとられてきているというように思いまして、この点については高く評価をしたいわけでありますが、そこで、これに関連をいたしまして、今回の省令によりまして、ガス漏れ警報器の設置が義務づけられた対象の数というのですか、地下街の数、これはどのくらいになりましょうか。
#192
○説明員(石田寛君) 昨年の静岡駅前のビル地下商店街におきますがス爆発事故の後、通産省といたしましてもいろいろな対策をとり、順次実施にも移してまいっておりますが、ただいまお話のございましたガス漏れ警報設備というものにつきましても、設置の義務づけをするガス事業法関係省令の改正を行ったわけでございます。
 ただいま設置対象の施設となる地下街等あるいは地下室についての数のお尋ねでございますけれども、そういいました対象施設につきましては、詳細具体的には告示で定めることになっておりまして、現在鋭意その告示の手続を進めておるところでございますが、現在のところでは、地下街等というものにつきましては約六十から七十カ所、それから地下室につきましては約二千カ所程度ということになると見込まれております。
#193
○伊藤郁男君 そうすると、いま対象に予定をされている六十から七十の地下街については、七月一日から向こう六カ月間の間にガス漏れ警報器をつけなきゃならぬ、こういうことになるわけですね。あとの二千と予想されているものについてはどういう形でやられる予定ですか。
#194
○説明員(石田寛君) ただいまお話がございましたように、ガス漏れ警報設備の設置の経過措置期間といたしまして、既存の地下街等につきましては六カ月間の猶予期間が定められております。一方、その他地下室につきましては、地下室の設置者に対する周知の期間でございますとか、あるいは既存の設備でございますので、必要な付帯設備の工事費の確保の時間でございますとか、いろいろなことを配慮いたしまして三年間、すなわち五十九年六月三十日までに設置を終わるようにと、こういう二段階の経過期間を設定いたしております。
#195
○伊藤郁男君 私はあの静岡ガスの暴発事故の経験から言いまして、ああいうように地下の密閉の状況の中でガスを使う、扱う、これは大変危険なことでございまして、いま三カ年以内という猶予期間、いろいろの事情はあなたの御説明のとおりだと思うんですが、この三カ年という期間をもっと短縮して、たとえば一年半くらいにするとか、そういうようなことは考えられませんか、
#196
○説明員(石田寛君) ただいまも少し申し上げましたように、経過期間は当然のことながら既設のビルの地下室等についての経過期間でございまして、今後新設されるものにつきましては当座から適用されることは当然でございます。また既設のものにつきましても、こういった災害予防のためのガス漏れ警報設備を早く設置されるべきだということは、先生御指摘のとおりだと私どもも心得ておりまして、この経過期間の中でもできるだけ早期に設置が促進されますように指導してまいるつもりでおります。
#197
○伊藤郁男君 最近のガス漏れ事故、これは一般家庭も含めましてかなりふえてきておるわけです。したがいまして、いまガス漏れ警報器というのはかなり簡単に取り扱いができるようにつくられているようでございますが、このガス漏れ警報器を、こういう地下街だとか特定の地下室のみならず、一般家庭にまで、広く普及をしていく、そういうようなお考えはございませんか、
#198
○説明員(石田寛君) 家庭内でガスを使っておられるその場合の防災対策としていろいろ検討しておるわけでございますが、量も簡便で実際的で、しかも普及が可能と考えられる方法として、ガス漏れがあった場合に、早くそれをキャッチして知らせるというガス漏れ警報設備の普及促進ということを、従前から私どもも一つの行政方針といたしておりまして、従前から地下街、地下室に限りませんで、一般家庭につきましても、ガス漏れ警報設備が設置促進されるようにガス事業者などを通じまして指導を続けてきているところでございます。
#199
○伊藤郁男君 最近はガスによって自殺を図る人の件数が非常に多くなっているんですね、統計を見ますと。普通のものと違いまして、このガス自殺というのは、自分だけならいいんですが、ほかにも非常に迷惑をかけるわけですね。だからアパートとかあるいはマンションとか、そういう集合住宅といいますか、そういうところでは、ガスが漏れているということが集約的にわかるようなそういう方法もいまは研究され、開発されていると思うんですが、そういうことによってガスによる自殺あるいはそれに及ぼす被害というものを防止できると思うんですが、その辺についてはどうですかね。
#200
○説明員(石田寛君) ただいま御説明申し上げましたガス漏れ警報設備の設置普及促進でございますが、先生のお話にもございましたように集合住宅などでは一軒の災害にとどまりませんで、近隣のお宅も一緒に被害に遭ってしまうというような現象が確かに多く見られております。したがいまして、ガス漏れ警報設備の設置促進も、私どもといたしましては、アパートでございますとか、マンションでございますとか、集合住宅をまず優先して普及させるようにというような指導の方針をとっております。アパート、マンションなどに設置されますガス漏れ警報設備の場合は、これも先生のお話にございましたように、たとえば管理人室などで集中で管理できるようなシステムも採用可能でございまして、現にそういうものも普及しているようでございます。いずれにいたしましても、アパート、マンションなどでのガス漏れには一戸建て以上に注意を払う必要があると、こういう認識で指導をいたしてきているところでございます。
 特にガス自殺に伴う爆発ということに伴いましてさらに二次災害が近隣に及ぶという現象が間々見受けられるわけでございまして、これの対策といたしましても、ガスの設備の方といたしましては、生ガスの過流出を防止するためのガスの過流出防止装置を設置するとか、あるいは従前から御説明申し上げておりますガス漏れの警報が、警報設備の警報部分を戸外あるいは管理人室などの集中管理できる場所というところで警報させるというような工夫でございますとか、あるいはゴム管接続を金属管で接合することによって簡単にゴム管の操作などができないようにするとかいうような対策を、これまでもいろいろ考えており、いま申し上げましたようなことが一般家庭にも普及促進されるようにということを指導方針として続けてきているわけでございます、
#201
○伊藤郁男君 それでは、別の問題で御質問をしていきますが、このLPG法によりましてガスメーター取りつけがされておりまして、それが有効期間七年間、七年たったら取りかえなきゃならぬと、こうなっておるわけですね。業界の資料を読んでみますと、期限切れ、ガスメーターの検定満期と、こういう言葉を使っているようですが、この検定満期になったそのガスメーターの数が昭和五十五年で五百七十九万五千個にも達しているというわけですね。この中で、業界がガスメーターをつくって出荷している数が年間で三百七十から三百八十万個だろうと。だから、三百七十万から三百八十万個新しく取りつけるか取りかえているわけでございますが、そうなりますと、全国で二百万個近い検満メーターといいますか、これが取りかえがまだできていないと、こういう実情にあると思うんですが、これについて、通産省としてはどのようにこの取りかえについて御指導をしておるのか、指導方針がございましたらお答えをいただきたい。
#202
○説明員(高津義典君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり四十七年からこの体積取引に移行をいたしまして、ちょうど現在が第一回の取りかえ時期に参っております。そういう事情でございますので、ガス供給事業者の方で必ずしも計量法の規定を十分知っておらないというような点もございましたので、従来は主として指導、広報と申しますか、管理台帳を整備しなさいとか、そういう方向で都道府県あるいは計量特定市を通じて指導してまいりました。今後とも一層、むしろ取り締まりといいますか、今後は一層取り締まりあるいは立入検査の強化という方向で万遺漏なきを期してまいりたいと考えております。
#203
○伊藤郁男君 ガスはどこの家でも使っているわけですから、だからそういうことで検定が満期に来た、七年間使ってしまったあと支障がないかということを調べる必要があると思うんですよね。それが狂っておったならば、われわれガスを利用している者自身が大変な迷惑をこうむるわけでございまして、しかもこれは業界の資料ですけれども、二百万個近いのがもう期限切れでまだ取りかえられていない。このことはかなり重要な問題だと思いますので、ひとつさらに一層指導を強化していただきたい、このことを要望しておきます。時間がございませんので次に参ります。
 次は、川治温泉火災事故の経験を生かすために、一つは避難階段の基準、建設省に伺いますが、避難階段の基準ですね、これを見直すつもりはないかということです。あのときも、四階の非常口に老人たちが折り重なって死んでおったということがありますですね。非常口まで出ていったけれども、避難階段が狭いがゆえに順番を待っているうちに煙に巻かれて死んでしまった。こういう重要な事故が発生をしていると思うんですが、この避難階段の基準を見直す意思はおありかどうか。
#204
○説明員(久保敏行君) お答え申し上げます。
 川治プリンスホテルに設けられておりました屋外避難階段は、先生御指摘のとおり、階段の幅員等が寸法が足りなかった、不足しておると、こういうようなことのようでございまして、建築基準法令に一定の基準があるわけでございますが、これに適合していなかったという疑いが持たれております。そのため容易に避難ができなかったということが、特定行政庁でございます栃木県の方から報告されております一したがいまして、建築基準法令に適合しておれば、特段避難上問題はないんではないかというように考えられますので、この点について当面基準を強化するということは考えていないわけでございます。
#205
○伊藤郁男君 それでは、もう一つお伺いをしておきますが、避難路の問題ですがね、旅館の中の。これは川治でも御存じのとおり、何回も何回も増築、改築をして、どこに非常口があるのか、避難路が明確でなかったということがあるわけですが、これは川治温泉のみならずあらゆるところで――私どもも旅館に泊まりますと、増築、改築で本当に迷路になっているところが多いですよ、だから、この避難路の明確化を建築基準法の中に取り入れる必要があると思いますが、その点はどうでしょうか。
#206
○説明員(久保敏行君) 御指摘のように、川治プリンスホテルは、数回にわたります増築によりまして、全体として見ますと結果的に計画性に非常に欠けておる。したがって、避難経路等も複雑であると、こういうような問題点があったというふうに考えております。
 この川治プリンスホテルのような個別の建築物につきまして明解な避難路が計画されておるということが望ましいわけでございますが、個々の建築物につきましては、それぞれの個別の敷地条件等に合わせた設計上の対応にゆだねられるというような面が強いわけでございます。したがいまして、現行の建築基準法では、避難経路につきましては、居室から直通階段までの距離を何メートル以内でなければいかぬというようなこと、それからその配置、数、こういったものにつきまして規定をいたしておるわけでございます。したがいまして、今後は増築等の機会に際しまして、避難経路等が複雑化しないように特定行政庁、それから関係の建築関係者等にそういう指導をするということで、先生御指摘の問題を解決していくようにしてまいりたいと、このように私どもは考えております。
#207
○伊藤郁男君 それからさらにお伺いをしておきますが、最近の火災で、有毒ガスによって亡くなる方が非常に多いわけですね。だから、旅館などにはできれば、現状の段階においては防毒マスクのようなものをつけさせるような指導というものができないのかどうか。これは消防か建築かどっちかわかりませんが、お答えができましたらよろしくお願いします。
#208
○説明員(山越芳男君) お答えいたします。
 御指摘がございましたように、火災による死者は、建築材料等の変化によりまして、一酸化炭素中毒とか有毒ガス中毒とか酸素欠乏とか、そういった形で死者が発生する場合が多いわけでございます。
 たとえば昭和五十四年中の建築物火災におきますところの死者の死因別の分析を見てみますと、自殺者を除きまして、死者が千百十三人でございますが、そのうち四百五十一人、四〇%が一酸化炭素中毒ないしは窒息によるものということでございまして、そのほか火傷、やけどでございますが、火傷で死亡した者の中にも、煙に巻かれまして一時失神状態に陥りまして、その後、火傷死に至るという場合がかなりあると思われますので、煙対策というものは先生御指摘のようにきわめて重要な課題だというふうに思っております。
 こういったことにかんがみまして、最近、火災発生時に一般市民が使用する防煙マスクのたぐいが多数販売をされるようになってまいりました。ところが、これがどの程度効能があるのかということにつきまして、判定基準がございませんし、またこれらの器具の中には使用方法をもし誤りますと、かえって大きな事故につながるというおそれもあるわけでございます。
 こういったことにかんがみまして、消防庁といたしましては、医師、それから火災学者、心理学者等の専門家によりまして、火災避難用保護具検討委員会というのを設置いたしました。この委員会におきまして火災避難用保護具そのものの安全性、適応性、それから使用することによる二次的な弊害等につきまして鋭意検討したわけでございまして、その結果、昨年末に火災避難用保護具等に関する試験方法及び判断基準というものをまとめました。この基準に従いまして、消防設備安全センターというところで市販の防煙マスク等の避難用保護具の認定を開始したところでございます。
 私どもとしましては、ことしの春の火災予防運動の際にも、一般家庭はもとより、特に多数の者を収容する建築物などにつきましては、ただいま申し上げました認定基準を配慮の上、火災事故が発生した場合に避難が安全かつ確実にできますように、そういった空気呼吸器等の火災用保護具の普及推進を図っているところでございまして、今後ともいろいろな機会をとらえまして、その普及推進を図ってまいりたいというふうに考えております。
#209
○伊藤郁男君 消火器は各家庭でも備えつけなきゃならぬことになっておるわけでございますので、それと同じように、この問題についても鋭意さらに研究を続けていただきたい、このように思います。
 時間がございませんので、最後に一点だけお伺いをいたします。
 一月の二十四日に、これは消防庁が窓口であると思うんですが、「旅館ホテル防火安全対策連絡協議会における了解事項」というものが出されております。その中に、「老人、身体不自由者等の宿泊にあたっては、非常時において安全、確実、迅速な誘導が可能となるよう十分配慮すること。」と、こういうようになっておるんです。
 私は最近のこの老人の――老齢化社会を迎えまして老人の旅行が非常に多くなってきております。資料によりますと、六十歳以上の老人で、昨年一年間で一泊旅行に行ったか、こういう質問に対しては六〇%以上が行ったと、こう言っておるわけですから、しかも若い者と違いまして一人で行くとかということじゃなくて、団体旅行で行きたい、こういう希望する人が結構多いわけですね。
 だから、今後も川治温泉ホテルのようなああいう悲惨な事故を再び起こさないために、単に「安全、確実、迅速な誘導が可能となるよう十分配慮」されたいと、この程度の指導ではまずいと思うわけですね。たとえば業者に対しては団体旅行の場合にはさらに添乗員をふやすとか、あるいは旅館側はその専門の人を、そういう人たちが来たときに専門の人ですね、老人やそういう不自由な方々を世話できるような専門の人を配置しろとか、あるいは老人のような場合には三階以上に泊めないようにしろとか、あるいは耳の聞こえない方も多いわけですから、警報機が鳴ってもわからないということもあるわけですから、そういうときに手とり足とり誘導していくというようなこと、こういうように具体的に指示をすべきだと私は思うんですが、その点の御見解をお伺いして質問を終わります。
#210
○説明員(山越芳男君) 御指摘のございました関係各省庁の旅館ホテル安全対策連絡協議会におきまして、旅館業者に対しましては、ただいま先生からお話がございました、「誘導が可能となるよう十分配慮すること。」ということと同時に、宿泊客の到着後に直ちに宿泊客に対して避難口とか避難方法を周知させるとか、従来の了解事項に比べますとかなりきめの細かい対策を盛り込んだつもりでございます。それから新しく旅行業者に対しましても、老人の団体旅行においては、事前にその旨を旅館業者等に連絡をするとか、そういった従来に比べますとかなり具体的な指導事項を盛り込んだわけでございますが、これらの事項につきましては、運輸省等の関係省庁におきまして所管の宿泊業団体とか旅行業者の団体等を通じまして指導をしておるわけでございます。先生、さらに細かい具体的な御指摘を幾つかいただいたわけでございますが、そういった点につきましては、また運輸省とも相談をしてみますし、基本的にはそれぞれの関係の業界自体として自主的に御指導するという問題もあろうかと思いますので、そういった点を含めまして相談をさせていただきます。
#211
○下田京子君 地震対策でお尋ねしたいんです。
 建設省の国土地理院で出されております五十五年の九月の「地震予知連絡会地域部会報告」というものを読ませていただきましたところが、首都その周辺にはとにかくわが国の総人口の四分の一がいるわけですね。これは経済、政治の中心でもあり大変だということで、一つは、関東地震と同じような巨大地震というのは当分起こらないと思われる、しかし首都及びその周辺の直下に発生する中規模地震が問題である、そして同時に今後数十年あるいは百年という期間を考えたときに甚大な災害を与える浅い直下地震の発生はほぼ確実であるといっていい、こういうふうな指摘をされているわけなんです。
 それで私はお聞きしたいのは、まず第一番目は、宮城沖地震から何を教訓としてその後対応されたのかという問題なんです。言うまでもなく、宮城沖地震の場合は、被害総額にして約二千七百億円、そして死亡者が二十八名、負傷者合わせますと、一万九百六十二名という大変なものでございました。それだけにその役とられた措置というのはどんなものがあるのか、まずお聞かせください。
#212
○政府委員(柴田啓次君) 宮城県沖地震による被害というものは、人的被害におきまして、ブロックベいの倒壊による圧死が一番目立ったわけでございます。したがいまして、まずブロックベい対策及び建築物対策といたしまして、いろいろの対策をしたわけでございます。
 中でも、建築基準法の施行令を改正いたしまして、これは本年六月から施行になるわけでございますが、建築物の耐震化の強化をするということをやったわけでございます。それからまた既存建築物の耐震診断基準あるいは耐震改修設計指針の作成というのをやったわけでございます。それからブロックべいの対策につきましては、建設省の建築防災対策室長の方から通知を出しまして、ぶろっくべいの安全の確立のために特にいろいろな対策を講じたわけでございます。
 その次に目立った問題といたしましては、石油タンクの事故があの場合にあったわけでございます。そこで、石油タンク対策といたしまして、消防庁の方でございますが、屋外タンク貯蔵所の地震対策、あるいは防災診断指針というようなものを定めました。
 さらに、石油コンビナートの災害が起きました場合の被害想定手法につきましても消防庁の方で通達をしたわけでございます。
 それからあの地震で停電あるいはガスの供給停止というのが生じまして、市民の日常生活に非常に大きな影響を与えたわけでございます。そこで、そのガス工作物の対策につきましては、ガス事業設備の設置基準の調査というのをやりまして、ガス工作物の耐震性向上対策のための調査というのをやっております。
 それから電気につきましても、たとえば停電をした場合でも交通信号機が動くように、全国の主要交差点に発動発電機を配備するようというようなこともしたわけでございます。
 それからガス、電気のほかに断水という問題が生じましたので、水道問題につきましては、水道対策といたしまして、耐震工法の手引き、あるいは耐震診断設計の指針を各事業体に配付いたしまして、地震に強い水道というのをやるようにしたわけでございます。
 それからその次に、さらに通信施設の対策といたしまして、あのときも電話の問題等がいろいろ起きたわけでございます。それにつきましてそれぞれ通信施設、特に電話の対策というものをやったわけでございます。
 それから地震保険法を改正いたしまして、地震保険制度の充実を図った。
 大体主なものを申し上げますとそういうものでございます。
#213
○下田京子君 ただいま最初にお話しになりましたブロックベいの問題ですけれども、このブロックベいの問題では、宮城沖地震の場合には、死者全体二十八名という中でブロックベいで亡くなった方が九名、万がきなんかで六名ということで、ブロックベい等ということになれば十五名亡くなっているわけですね。そういうことで、いろいろいま対応、基準の見直し等もやられているということなんですけれども、国が五十三年の八月から五十四年九月にかけて、全国のスクールゾーンにおけるブロックベい等の約七万件近い調査をされたと聞いているんですけれども、その調査結果によれば、安全なものが二万三千件、三二%にしかすぎなかったと、こういうわけなんですけれども、これは事実ですか。
#214
○説明員(久保敏行君) お尋ねの調査の件でございますが、昭和五十三年から五十四年に全国の特定行政庁にお願いをいたしまして行いましたブロックべいの調査結果によりますと、スクールゾーンを中心に約七万件につきまして調査をいたしたわけでございますが、このうち安全というふうに考えられましたのは、先生いまお話してございましたように、二万三千件、約三二%ぐらいになりますか、程度であったということでございます。
#215
○下田京子君 ちょっと全国各県ごとにということも、時間もありませんし、結構なんですが、私、東京都の実情を新聞報道で見まして、調べてみたら事実そうだと。東京都の練馬区の実態なんですけれども、通学路だけで調べてみたら、その中で該当するのが一万四千四百三十八件、ところが安全だと診断できたのがわずか十一件だと、こういうお話を聞きまして大変驚いたわけなんですね。
 これは地震ということになると、宮城沖地震程度になりますと、またぞろそういう悲惨な事故が予測される。そういう点で特に宮城県ではどうだったのか。それから静岡が一番問題になっていますから静岡と、第二番目にお聞きしようと思っていますけれども、京葉工業地帯である千葉ですね、千葉がどうなのか。それに福島、私、住んでおるところなので、ちょっとこの四県あたり、実際調査した中でどのぐらいよしとされたのか、お聞かせください。
#216
○説明員(久保敏行君) ただいま先生、練馬区の非常に悪い、率が高いというようなお話があったわけでございますが、実は私どもの行いました全国調査を限られた期間内に限られた人員あるいは方法でやりましたものですから、必ずしも同一レベルですべてについて調査したものではございません。したがいまして、これらの各県の数字が実態を必ずしも私どもの調査だけでは十分あらわしてないんじゃないかというおそれもあるわけでございますが、先生お尋ねの件について、県の報告から若干申し上げますと、宮域についてはおおむね三割弱が安全である。それから福島県は非常に成績はようございまして、五割以上は安全である。それから千葉県では、先ほどの練馬区ではございませんが、かなり悪い一〇%以下しか安全なものはないというような結果でございました。それから静岡県では宮城県と大体同じ程度、三割ぐらいが安全である、こういうような調査結果になっております。
#217
○下田京子君 やっぱりいまのお答えの中で、それが確実かどうかという点では問題があるにしても。一応の傾向のようなことで御報告あったわけですけれども、調査はそういうことで一応不備を認めつつもやられた。問題はしかし、安全なものがわずかしかない。地域によっては一割だとか。福島は一番いいようで、五割なんということですけれども、それにしてもあと半分問題なんです。そういうことになりますと、どういうふうに今後改修していくかということが問題じゃないかと思うんですね。
 で、さっきの御説明にもありましたが、ブロックべい等について、建築基準法の見直しで、今後六月あたりから施行するんだという話がありましたし、何かこういうものもお出しになって、ブロックべいの安全な建て方を御指導されている。それもわかるんですけれども、問題はそういうものがどれだけ徹底できるかどうかということにあると思うんですね。それから指導監督できるかどうかというところにあると思うんですね。
 そして、それを実効あらせるために、ブロックベいなんというのは――公共施設はこれはいろいろこれから建築基準を見直していくわけですから、早くやられると思いますよ。しかし危険なものはすぐ撤去して対応しなきゃならないという問題がありますし、個人のお家なんですよ。その個人のお家については、これもいろいろ聞きたいんですけれども、時間限られていますから、こちらで調べたところをあれしますと、ずいぶんあちこちで、市町村あるいは県レベルで補助金出したり無利子のお金出したりやってるんだけれども、なかなか進まぬというふうな実態報告がされているんですね。だから、このことについてひとつ基準を見直しして、これからのは大丈夫だよと言うだけじゃなくて、既存のものでそれだけ安全でないと判断されるのがあるわけですから、それらの問題について、何か検討すべきでないかと思うわけなんですけれども、いかがでしょうか。
#218
○説明員(久保敏行君) 先生お話しのように、この対策につきましては、ことしの六月から建築基準法の施行令を改正しまして、まず新しくつくられるブロックベいについては高さを従来のものより低くするということで危険防止に資するようにしようと、こういうことをいたしておるわけでございます。
 それからすでに建っておるものの改修なり改善でございますが、これにつきましては、先ほどの調査のおりにございました危険なものにつきまして、改修がどのように行われておるかというようなことにつきましても、私どもも調査しておるわけでございますが、特に危険なものが約一万二千件ぐらいあったようでございますが、私どもに調査報告が来た時点では、そのうち二千件ぐらいが改修済みあるいは改修予定があるというような報告になっておるわけでございまして、必ずしも直ちに直るというような状況では残念ながらないわけでございます。したがいまして、今後とも防災指導週間でありますとかいうような機会をとらえて、若干時間はかかるかと思いますが、こういう改修の措置を主な持ち主なり関係者に指導いたしてまいりたいというように考えておるわけでございます。
#219
○下田京子君 じゃ、大臣に最後に一言なんですが、いろいろ手を打つということですけれども、ひとつせめてこのスクールゾーンぐらい、国の補助ということといいますか、助成措置といいますか、そんなものも考えていただきたい。いますぐやりますというふうにならぬでしょうけれども、検討いただきたいと思うんですが。
#220
○国務大臣(原健三郎君) 最前からお話を承りまして、非常に危険なブロックベいがあるということはよく承知いたしましたので、これはスクールゾーンとか特別の地域についても何とか考えるべきが当然であると思いますので、具体的に一応検討さしていただきたいと思います。
#221
○下田京子君 次に、宮城沖地震後教訓として出されたということで、第二番目に指摘がありました石油タンク等の問題なんですけれども、特にコンビナートの地震対策の問題でお尋ねしたいと思います。
 これは私が指摘するまでもないと思うんですけれども、宮城沖地震のときには、たまたまあそこの石油精製施設が動いてなかったんですね。だものですから、三基ばっと倒れたけれども、油は流出したが火災に至らないで済んだ。ですから、もし精製施設が動いているというふうな状況の中であの宮城沖地震が起きて、タンクからの油の流出ということになったらどうなのかと思うと、ぞっとするわけなんですね。
 このことについてその後どんな対応をされたのかということでいろいろちょっと聞いてみたんですが、五十四年の十二月二十五日に「屋外タンク貯蔵所の地震対策について」ということでもって通達をお出しになっておりますね。さっきもちょっとありましたけれども、この通達の趣旨というのはどういうものなのか簡単に御説明くださ
#222
○説明員(椎名泰君) お答えいたします。
 先生の御指摘によります五十四年の十二月二十五日付をもちまして、屋外タンク貯蔵所の地震対策について指示を全国的に通達したわけでございますけれども、この中で、宮城県沖地震におきますタンクの事故は、消防庁の長官の諮問機関でございます危険物技術基準委員会という委員会がございまして、そこの委員会によります事故調査団の事故調査の結果、原因といたしまして、底板の腐食の問題、あるいは地盤沈下の問題、あるいはアップリフトの問題というものが考えられるということで、こういう三点が指摘されたわけでございます。
 それに基づきまして、五十四年の十二月二十五日付のその地震対策については、タンクの総点検の実施、そしてその結果に基づく補修方法等あるいは保安対策を骨子とした通達を出したわけですけれども、この通達においては、地震防災対策強化地域においては、近い将来、大規模な地震の発生する可能性が予測されるということでございますので、特に早急にその対策を講ずるよう指示したわけでございます。そしてまた、その強化地域以外の屋外タンク貯蔵所にあっても、当然これは法律で決められておりますけれども、日常点検とか、あるいは定期点検の励行、あるいは適切な維持管理を図るようにということと、さらに消防法でこれも定期点検、開放点検をやるように命じられているわけですけれども、そういう開放点検の検査時におきまして、強化地域と同じような措置をひとつ講ずるよう指示したところでございます。
 以上でございます。
#223
○下田京子君 地震防災対策強化地域を主に中心にしながら総点検というふうなことと、それからそれ以外のところでも日常点検という話がございましたね。その強化地域以外のところでも非常に問題があるところがたくさん見られる。特に千葉ですね、京葉工業地域のあのコンビナートの集中立地されているところ、これはいまの強化区域と同じように総点検、そしてまた報告を求める等すべきではないのか、こう思うわけなんです。
 といいますのは、五十三年の三月現在で千葉県の調査による資料を見ますと、驚きましたことに、千葉県全体でもっていわゆる容量別の危険物のタンクがどのぐらいあるかというと、五千四百九十四基あるのですね。うち特別防災区域内には三千九百九十四基で七二・七%、特に今度は京葉の臨海中部地区、ここに限ってみますと、驚きましたけれども、十万キロリットル以上のタンクが富士石油の原油タンク十一万九千キロリットルを筆頭に十九基あるんですね。それから五万キロリットル以上十万キロリットル未満のタンクが九十二基、それから一万キロリットル以上五万キロリットル未満のタンクが二百七十五、そして一千キロリットル以上一万キロリットル未満が六百四十一で、合計千二十七基という状態にあるわけなんです。
 こういう状態ですから、国の責任でもって少なくともこの集中立地されている京葉臨海中部地区等におきましては、東海地域に係る地震防災対策強化地域並みのような形での総点検というのが必要ではないか、こう思うわけなんです。
#224
○説明員(椎名泰君) 先ほども申し上げましたけれども、この強化地域以外の場所においても、屋外タンク貯蔵所においては日常点検あるいは定期点検を行っているわけでございますけれども、この開放点検をやる時期においては、強化地域と同様なひとつ措置を講じられたいというような指示で五十四年の十二月に出しております。
#225
○下田京子君 五十四年の……。
#226
○説明員(椎名泰君) 十二月二十五日付の「屋外タンク貯蔵所の地震対策について」というものの中で一緒に指示しているところでございます。
#227
○下田京子君 そうしますと、いま私が指摘した地域については強化地域と同じようにやられますよ、こういうことなんですね。
 で、もう時間がないから、まとめて聞きたいんですけれども、千葉県が五十三年に実施したあれだと思うのですけれども、震災図上訓練というものをずっとやってみたんですね。そして第一種事業所四十九社中、報告を求めましたところが、地震対策に熱心な事業所と認められるところは八社しかない。普通程度というのが三十一社で、普通以下というところが九社、不良というのが一社あったんですね。しかも千葉県はアンケート調査をやったんですね。アンケート調査ですから、立ち入り調査もしていませんし、向こうからのいろいろ項目によってやっているわけなんですけれども、その中では日常検査基準または定期検査基準を策定してあるけれども、大多数の事業所が耐震に係る詳細な点検基準は設置されてないということが、千葉県としてまとめられた内容になっているんですよ。だから、いまおっしゃっているような日常検査だの、定期検査だ云々なんという話じゃないんで、地震を想定してどうなのかという基準が明確になってないんです。
 こういう点で、これは両方にお尋ねしたいんですが、まず消防庁がお出しになっておりますね、いろいろな点検項目をずっと、あれに準じたものをきちっと企業に義務づけまして、そして報告を求める、必要に応じては国と自治体が一体になって立ち入り検査もやる、そして総点検する、しかもそれは地震というものを想定した形でおやりいただけないか、この点なんですが、いかがですか。
 消防庁の方に直接というのもあれでしょうから、それはじゃ大臣が政治的ですから、消防庁とよく協議して、いまのような問題はっきりしたわけなんですから、ですから調査してひとつやっていただきたい。自治省も絡んでくるわけですけれども、防災という点では国土庁長官が責任を持っているわけですから、その決意をひとつ。
#228
○政府委員(柴田啓次君) 私からお答えさせていただきますが、石油コンビナートというのは、一たん災害が起きますといろいろな問題が起きるわけでございます。そのために特別の石油コンビナートのための法律もできておりまして、それぞれ防災計画というようなものをつくるようになっているわけでございます。その指導を消防庁が中心になって行っておりまして、事前に災害を防ぐためのいろいろな手だてを講じているところでございますので、御了承をいただきたいと思います。
#229
○説明員(椎名泰君) お答えいたします。
 従来も、地震を想定いたしまして、いろいろ点検基準を、それなりの基準をつくっているわけでございますけれども、さらにひとつ徹底するようにそれぞれ指導してまいりたいと思います。
#230
○下田京子君 これは指導云々だけじゃなくて、やっぱりきちっと対応していかないと。指導をどういうふうに徹底していくかというその基準の話ですから非常に大事な問題だと思いますよ。
 最後に、これは国土庁の方のあれなんですけれども、五十六年度の予算の中に大都市震災対策ということで予算を計上されておりますね、これは新規だと思うんです。この中にコンビナートの被害想定の調査をぜひ含めてほしいということと同時に、この地域ですか、いま私が言ってきましたけれども、これは大都市震災ということなんですが、千葉の中部地区、こういうコンビナートが集中立地されている地域を入れていただきたい、その点どうでしょう。
#231
○政府委員(柴田啓次君) いま先生からお話がございましたのは、五十六年度から国土庁において実行しようとしております南関東地震の被害想定の問題と承知しております。南関東地域におきましては、関係都県市ごとに被害想定調査というものをすでにやっているわけでございます。しかしながら、それには地方団体それぞれに精粗がございます。そこで国として統一的な視点から、先ほど先生からもお話がございましたような南関東で大きな地震がありました場合にどういう被害が起きるかというのを想定いたしまして、その被害を最小限にするためにどんな応急対策活動をするかというための調査なんでございます。この調査は具体的には一都三県、すなわち東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、この南関東地域につきましていろいろと調査をするわけでございます。
 で、さらにその被害想定の結果をもとにいたしまして、震災後の避難のやり方、あるいは物資の調達の仕方、輸送の仕方、それらの応急対策活動システムをつくろうというものでございます、これはもちろん地震防災についての計画の精度の向上、それから都市の防災性の強化のためにやるものでございます。
 この場合、このコンビナートをどうするかという問題でございますが、コンビナートも確かに御指摘のように大きな問題でございます。関係省庁と十分に協議してこれをどう取り扱うかというのを相談して、まいりたいと思います。
#232
○下田京子君 最後に農林水産省の構造改善局の課長さん。もう時間がなくなっちゃったんでまとめてお聞きしたいんですけれども、昨年暮れの高潮被害なんですよね。高潮被害によって特に塩をかぶった田畑の問題で、これは除塩事業をいろいろやられておりますが、話は簡単で宮城と福島なんですよ。宮城県の場合にはすでに県が対応しまして約一千万円の除塩事業を組んでいるんですが、これは約三分の一事業だということで、事業費にしますと三千三百万円からになっているんですね。そして、いまの宮城だけで見ましても、これは四月一日から四月四日調査の時点なんですけれども、塩分濃度〇・一以上というところが五十六ヘクタール残っている、雨が降ったし今後推移を見てみたいよと言うんですけれども、客土や何かということがやっぱり心配されると思うんです。
 それから福島県の場合なんですけれども、県の方に聞きましたら、県は政府とも相談したんだけれども、県の方で対応してはどうかということもあって、いままで冠水排除事業いろいろやってきたわけですね。しかし、なおかついま残っているのが、これも三月初めの調査ですけれども、畑が二十ヘクタールですね、たんぼが十ヘクタール残っている。
 最終的には二十日に調査されたんで、その後の経緯を見たいということなんですけれども、私、直接被害を受けた農家の方にお聞きしましたら、やっぱり心配しているんです、大変なんです。新地町では十万円の見舞い金を出したということですけれども、客土が必要になるんじゃないかだとか、いろいろ心配しておりますし、作付しても収穫が平年並みにいくかどうかという心配もまたあるという状態なんです。
 そこで、検討いただきたいということは、お聞きしましたら、昭和四十五年に台風被害で高知県で除塩事業をおやりになっているんですね。あの当時ですからいまとはちょっと比較になりませんでしょうけれども、被害金額が約一千万、面積は十ヘクタールということなんですけれども、そういうことから見ると該当するんじゃないかという感じもするんです。いますぐ該当させる云々ということでも始まらぬでしょうけれども、今後調査あるいは状況を見守っていただきまして、少なくとも県や町がどうかじゃないんです、災害を受けた農家が本当にこれでもって安心して作付できるんだろうかという点から、何らかの対応を考えていただきたいと思うわけなんですけれども、その点について御答弁をいただきたいと思います。
#233
○政府委員(矢崎市朗君) 昨年の暮れの暴風雨によりまして、宮城県、福島県で海水をかぶって、そのために塩害が発生している、こういう御指摘でございまして、ただいま先生からお話のおおむね状況のように私どもも承知をいたしております。
 両県とも現在では〇・一以上のものというのは、福島県では四月上旬の時点ではすでにそういう地域は認められなかったということでございますし、また宮城県もすでに地域がごく少数になってきておる、さらに低下するだろうという見通しのようでございます。
 私どもも、確かにこの種の問題は非常に局地的でありますのと、それからしばしば起こるわけでございませんで、御指摘のように、四十五年のときにそういう事態が起こったケースは確かにございます。そんなことで、そのときそのときの状況に応じ、その経過も見ながら、また規模等も考えながらそれぞれの状況に応じた対応をする、こんな考え方でおります。
 すでに各県とも、関係県におきまして非常に適切な対応をしておるようでございまして、私どもも絶えず連絡は取り合っております。十分今後とも県の状況、調査等の結果を見ながら一緒に適切な指導を行いまして、これによって農業者が非常に大きな営農上の支障が出るということのないように対応をしてまいりたいというふうに考えております。
#234
○委員長(広田幸一君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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