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1980/04/06 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 決算委員会 第6号
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1980/04/06 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 決算委員会 第6号

#1
第094回国会 決算委員会 第6号
昭和五十六年四月六日(月曜日)
   午前十時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     小野  明君     山田  譲君
     佐藤 三吾君    目黒今朝次郎君
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     山田  譲君     広田 幸一君
     鶴岡  洋君     桑名 義治君
     柄谷 道一君     伊藤 郁男君
 四月一日
    辞任         補欠選任
    目黒今朝次郎君     山田  譲君
     桑名 義治君     鶴岡  洋君
     伊藤 郁男君     柄谷 道一君
 四月二日
    辞任         補欠選任
     寺田 熊雄君     丸谷 金保君
     広田 幸一君     佐藤 三吾君
     山田  譲君    目黒今朝次郎君
     三治 重信君     田渕 哲也君
 四月三日
    辞任         補欠選任
     赤桐  操君     粕谷 照美君
     田渕 哲也君     三治 重信君
 四月四日
    辞任         補欠選任
     安武 洋子君     下田 京子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野田  哲君
    理 事
                井上  孝君
                高橋 圭三君
                降矢 敬雄君
                円山 雅也君
                佐藤 三吾君
                峯山 昭範君
    委 員
                伊江 朝雄君
               大河原太一郎君
                河本嘉久蔵君
                北  修二君
                坂元 親男君
                塚田十一郎君
                仲川 幸男君
                成相 善十君
                福岡日出麿君
                福田 宏一君
                穐山  篤君
               目黒今朝次郎君
                鶴岡  洋君
                下田 京子君
                柄谷 道一君
                森田 重郎君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       法 務 大 臣  奥野 誠亮君
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
       文 部 大 臣  田中 龍夫君
       厚 生 大 臣  園田  直君
       農林水産大臣   亀岡 高夫君
       通商産業大臣   田中 六助君
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
       郵 政 大 臣  山内 一郎君
       労 働 大 臣  藤尾 正行君
       自 治 大 臣  安孫子藤吉君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       宮澤 喜一君
       国 務 大 臣
       (沖繩開発庁長
       官)       中山 太郎君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       中曽根康弘君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  大村 襄治君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  鯨岡 兵輔君
   政府委員
       公正取引委員会
       事務局審査部長  妹尾  明君
       警察庁刑事局保
       安部長      谷口 守正君
       行政管理庁行政
       管理局長     佐倉  尚君
       行政管理庁行政
       監察局長     中  庄二君
       防衛庁参事官   石崎  昭君
       防衛庁参事官   番匠 敦彦君
       防衛庁防衛局長  塩田  章君
       防衛庁経理局長  吉野  実君
       防衛庁装備局長  和田  裕君
       防衛施設庁長官  渡邊 伊助君
       防衛施設庁総務
       部長       森山  武君
       防衛施設庁施設
       部長       伊藤 参午君
       環境庁長官官房
       長        北村 和男君
       環境庁長官官房
       長        広瀬  優君
       環境庁企画調整
       局長       藤森 昭一君
       環境庁企画調整
       局環境保健部長  七野  護君
       沖繩開発庁総務
       局長       美野輪俊三君
       沖繩開発庁振興
       局長       海原 公輝君
       法務大臣官房司
       法法制調査部長  千種 秀夫君
       法務省民事局長  中島 一郎君
       法務省刑事局長  前田  宏君
       法務省矯正局長  豊島英次郎君
       大蔵大臣官房審
       議官       梅澤 節男君
       大蔵大臣官房審
       議官      吉田 正輝君
       大蔵省主計局次
       長        吉野 良彦君
       大蔵省関税局長  清水  汪君
       国税庁直税部長  小幡 俊介君
       国税庁調査査察
       部長       岸田 俊輔君
       文部省初等中等
       教育局長     三角 哲生君
       文部省管理局長  吉田 壽雄君
       厚生省児童家庭
       局長       金田 一郎君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     二瓶  博君
       通商産業省立地
       公害局長     松村 克之君
       通商産業省基礎
       産業局長     小松 国男君
       通商産業省生活
       産業局長     若杉 和夫君
       運輸大臣官房総
       務審議官     石月 昭二君
       運輸大臣官房観
       光部長      西村 康雄君
       運輸省航空局長  松井 和治君
       郵政省電気通信
       政策局長     守住 有信君
       労働省職業安定
       局長       関  英夫君
       自治省財政局長  土屋 佳照君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局人事局長   大西 勝也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        丸山 利雄君
   説明員
       大蔵大臣官房審
       議官       名本 公洲君
       大蔵大臣官房審
       議官       岡崎  洋君
       会計検査院事務
       総局次長     藤井健太郎君
       会計検査院事務
       総局第一局長   佐藤 雅信君
       会計検査院事務
       総局第二局長   堤  一清君
       会計検査院事務
       総局第三局長   肥後 昭一君
       日本電信電話公
       社総裁      真藤  恒君
   参考人
       日本私学振興財
       団理事長     佐藤  朔君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○昭和五十二年度一般会計歳入歳出決算、昭和五
 十二年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十二年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十二
 年度政府関係機関決算書(第八十七百国会内閣
 提出)(継続案件)
○昭和五十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第八十七回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和五十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (八十七回国会内閣提出)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野田哲君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三月三十日、小野明君及び佐藤三吾君が委員を辞任され、その補欠として山田譲君及び目黒今朝次郎君が選任されました。
 また、三十一日、山田譲君が委員を辞任され、その補欠として広田幸一君が選任されました。
 また、四月一日、目黒今朝次郎君が委員を辞任され、その補欠として山田譲君が選任されました。
 また、二日、寺田熊雄君、広田幸一君及び山田譲君が委員を辞任され、その補欠として丸谷金保君、佐藤三吾君及び目黒今朝次郎君が選任されました。
 また、三日、赤桐操君が委員を辞任され、その補欠として粕谷照美君が選任されました。
 また、四日、安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として下田京子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(野田哲君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 佐藤三吾君の一時委員異動に伴い、理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔(異議なし)と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 それでは、理事に佐藤三吾君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(野田哲君) 次に、昭和五十二年度決算外二件を議題といたします。
 本日は締めくくり総括質疑第一回を行いますが、質疑に先立ち、まず昭和五十一年度決算における警告決議に対し、その後内閣のとった措置について、大蔵大臣からの説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
#6
○国務大臣(渡辺美智雄君) 昭和五十一年度決算に関する参議院の審議議決について講じました措置の概要を申し述べます。
 政府は、従来から決算に関する国会の審議議決、会計検査院の指摘等にかんがみまして、国費の効率的使用、事務事業の運営の適正化、不当経理の発生の防止等について、特に留意してまいったところでありますが、昭和五十一年度決算に関する参議院の審議議決について、各省各庁において講じております措置を取りまとめて、その概要を御説明申し上げます。
 まず、特殊法人等の公費の不正経理の根絶につきましては、昭和五十四年九月二十一日及び昭和五十五年十二月十二日の閣議におきまして、内閣総理大臣から閣僚に対し、その根絶について指示を与えるとともに、官庁綱紀の粛正の具体策につきまして、昭和五十四年十一月二十六日の官房長等会議において申し合わせを行い、政府関係機関等の職員も含め、国家公務員等の綱紀の粛正について、各省庁等において具体的な措置を講じてきたところであります。また、特殊法人等の監事監査の徹底等監督・監査体制の強化にも意を用いてまいりました。
 なお、不正経理事件の事後処理につきましては、不正経理金額の全部または一部を返還させるとともに、関係者を厳正に処分しているところであります。
 また、情報の公開につきましては、昭和五十五年五月二十七日に閣議了解を行い、これに基づいて各省庁に文書閲覧窓口を設置する等、情報提供の改善に努めているところであります。
 次に、会計検査院の検査機能の拡充強化につきましては、会計検査院の機能の重要性を考慮し、昭和五十六年度予算において、検査業務に従事する職員の増員及び会計検査活動費の増額を行いました、それとともに、検査機能の拡充強化のため講ずべきその他の措置につきましても、引き続き検討を行っているところであります。
 行政改革につきましては、昭和五十五年行政改革計画に基づきまして、特殊法人の統廃合、ブロック機関を初めとする地方支分部局、附属機関等の整理合理化、補助金等の整理合理化等を着実に実施してきたところであります。また、今般さらに、行政の減量化に資するための行政事務・事業の整理、委譲、財政再建に資するための特殊法人等からの国庫納付金等を中心とする新たな行政改革計画を決定し、逐次これを実施することといたしております。
 また、より基本的には、さきの国会におきまして、関係法案の成立を見た臨時行政調査会の場を通じて、八〇年代以降の展望を踏まえ、あらゆる角度から行政の適正かつ合理的なあり方は何であるかというものを問い直し、抜本的な改革方向を検討することとしております。
 また、特殊法人の役職員の人事、給与等の適正化につきましては、昭和五十四年十二月二十八日の閣議決定等に基づきまして、引き続き役員人事の厳正な運用及び常勤役員の縮減を行うとともに、給与等の適正化に努めているところであります。
 四番目には、原子力船「むつ」につきましては、修理、点検のため佐世保港に回航された後、昭和五十五年度より本格的な遮蔽改修工事が進められています。また、新定係港の選定につきましても、現在、青森県を初め、地元側関係者との間で話し合いを行っており、できる限り早急に解決できるよう努力しているところであります。
 今後は、修理を終えた「むつ」を新定係港へ回航した後、出力上昇試験等を行い、原子力船の研究開発に必要なデータ、経験を取得する等、実験船として最大限に活用していく考えであります。
 また、国費の効率的使用につきましては、十分に配慮していきますとともに、議決の趣旨の徹底につきまして一層努力するよう、日本原子力船研究開発事業団を指導してまいる所存であります。
 昭和二十五年以降大分市が日本国有鉄道大分鉄道管理局に宿舎用地として貸し付けている国有地につきましては、九州農政局、大分県、大分市、大分鉄道管理局の関係者間で協議会を開催して、議決の趣旨に沿った改善措置を早期に講ずるよう、鋭意検討しているところであります。
 英会話教材等販売業者に対しましては、過去数回にわたり販売行為の改善方を指導してきたところでありますが、昭和五十五年度においても業界の体質改善、消費者志向体制の整備、拡充を図るよう、一層強く指導を行ったところであります。
 昭和五十六年度においては、訪問販売員の資質の向上を図るため、訪問販売員登録制度を実施させるとともに、訪問販売取引の実態調査を行うこととしているところであります。
 今後とも指導の徹底を図るとともに、あわして消費者保護の見地から消費者苦情の処理を含め、消費者啓発のための措置を積極的に講じてまいる所存であります。
 日本国有鉄道の輸送施設の投資効果向上につきましては、投資効果が必ずしも十分発揮されていない施設について、定期的にチェックさせ、投資効果の向上に努めさせることとしましたほか、日本国有鉄道の経営の現状にかんがみ、設備投資額は極力これを抑制し、投資計画の策定に当たっては、きめ細かな検討を行い、投資効果を十分発揮さして経営改善に資するよう、厳しく日本国有鉄道を指導しているところであります。
 なお、神戸港駅のコンテナクレーンにつきましては、需要動向等を再検討の結果すでに撤去されましたが、吹田操作場の軌きょう敷設装置につきましては、同操車場の改良工事を促進するための地元との協議を推進させるとともに、あわせて他工事への転用についても検討さしているところであります。
 国際電信電話株式会社の経理等に関する不祥事件につきましては、昭和五十四年十一月十六日、全職員に対し、再度このような不祥事の生じないよう、綱紀の粛正について通達するとともに、関係職員に対し、昭和五十五年六月二十三日付をもって厳正な処分を行い、また、電気通信政策局の設置を機に、人心の一新を図るため大幅な配置転換を行ったところであります。
 さらに、国際電信電話株式会社に対し、綱紀の粛正、会計処理の適正化、事業の合理的な運営及び良質な役務提供の確保について、一層の配慮を求めますとともに、料金の値下げ等についても指導を行いましたが、国際電信電話株式会社といたしましても、社長室の廃止のほか、顧客指向を重視し、東京支社の設置などの全社的組織改正、さらには経営問題委員会の設置などその趣旨に沿った改善を図ったところであります。
 なお、郵政省の監督権限の充実など、国際電信電話株式会社の運営の適正を図るため、国際電信電話株式会社法の一部を改正する法律案を今国会に提出しているところであります、
 以上でございます。
#7
○委員長(野田哲君) 次に、日本電信電話公社の決算に関し、会計検査院、日本電信電話公社総裁及び郵政大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。会計検査院事務総局藤井次長。
#8
○説明員(藤井健太郎君) 今回の日本電信電話公社の不正経理については、昭和五十四年度決算検査報告に掲記し、すでに公表いたしております。その後、会計検査院は、予算執行職員等の責任に関する法律に基づき、公社に損害があったかどうかについて鋭意検定のための検査を進めてきたところでありますが、先月末その検査が完了いたしましたので、その概要を報告いたします。
 日本電信電話公社の不正経理に係る検定のための検査は、昨年十二月から本年三月にわたって実施いたしました。対象となった予算執行職員は百四名で、その金額は十三億三千二百七十四万余円であります。また、この間の実地検査は延べ百七十四日に及んでおります。
 その結果、公社の損害となると判断した金額は、四億七千九百差三十五万余円であります。なお、先月末までに公社に弁償された額は四億八千四万余円で、この金額を上回っております。
 このように、損害額がすでに補てんされておりますので、会計検査院としては検定すなわち有責、無責の判断は行わないで、その検査を終了いたしました。
 以上が日本電信電話公社の不正経理の検定に関する概要であります。
#9
○委員長(野田哲君) 真藤日本電信電話公社総裁。
#10
○説明員(真藤恒君) 電信電話事業につきましては、平素格別の御配慮と御支援を賜りまことにありがたく厚く御礼申し上げます。
 先般、昭和五十四年度決算検査報告におきまして、会計検査院から指摘を受けました不正経理の問題につきましては、国民の皆様に対し、まことに申しわけなく、深くおわび申し上げます。
 これに関し、事の重大性にかんがみ、関係者に対し厳正な処分を行うとともに、旅費及び会議費の指摘金額約十三億三千二百七十五万円につきましては、公社において自主的調査を行い、業務上の必要性の薄いと思われるもの四億八千万円を自主弁済しております。
 また、不正経理の再発防止策につきましては、予算管理方法の改善、事務処理方法の改善、経理担当職員に対する訓練指導及び会計経理面に対する監査体制の強化等の改善・指導の徹底を図り、全社的な定着化を図るため、先般総裁を委員長とする業務執行改善推進委員会を設置し、責任を持ってその実施状況の把握及び指導を行っているところであります。
 今後は、二度とかかる事態を招来せしめないよう、綱紀の厳正な保持に努めるとともに、全社一丸となって日常業務に邁進し、一刻も早く国民の皆様の信頼を回復するように、誠心誠意、最大限の努力をしていく所存であります。
#11
○委員長(野田哲君) 山内郵政大臣。
#12
○国務大臣(山内一郎君) 郵政省所管業務につきましては、平素から格別の御配慮を賜り、厚くお礼を申し上げます。
 昭和五十四年度決算検査報告におきまして、会計検査院から日本電信電話公社の会計処理につき、重大な不当事項が指摘されましたことは、公社を監督する立場にある者としてまことに遺憾に存じております。
 郵政省としましては、公社に対し、綱紀を粛正し、業務執行態勢を確立して、かかる事態の絶滅を期するよう厳重に指導したところでありますが、公社においては、総裁を委員長とする業務執行推進改善委員会を発足させる等して、改善措置の徹底を図ることとしておりますので、適時報告を求めるとともに、適切な助言と指導を行いつつ、その成果を見守ってまいる所存であります。
    ―――――――――――――
#13
○委員長(野田哲君) それではこれより総括質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#14
○穐山篤君 文部省関係について最初お伺いします。
 中野区の教育委員準公選制の問題につきまして、さきの決算委員会で、私は文部大臣に考え方をお尋ねをいたしました。御案内のとおり、すでに中野区におきましては公選が行われ、さらに議会の承認を得て、今日三名を含む教育委員会がスタートしているわけです。冒頭にこのことについて文部大臣に御感想をひとつお伺いをしたいと思うんです。
#15
○国務大臣(田中龍夫君) 中野区の準公選につきましては、その基礎となっております条例が法律に違反する内容のものでございまして、かつ教育行政の政治的な中立性の点におきましても問題があるものでございますので、文部省はかねてからこの問題について表明してまいったところでございます。そのことは今回の区民投票の実施や、投票率の動向等によって変わるものではございません。文部省といたしましては、法治主義のルールにかんがみまして、準公選条例が廃止されなければならないと考えておる次第でございます。
#16
○穐山篤君 非常に平面的な見解が示されたわけですが、御案内のとおり、中野区には旧条例がありましたね。この旧条例に対しまして各派がいろいろ協議をいたしました結果、幾つかの修正を出して、その修正を含んで新しい条例が全会一致で可決をしたわけです。その新条例に基づいて、今回の公選制が行われているわけですから、少なくとも中野区では与党であります自由民主党を初め、すべての会派が賛成をして、条例が発足しているという点が大きく違いがあるわけです。
 それから二つ目は、私どもは旧条例もこれは問題がない、地方自治法上違法ではないと考えておりますけれども、さらに各派全会一致の修正案を含んだ新条例が出ているわけですから、この点は政治的に見ましてもきわめて各政党が争いを残さない、教育問題について中立性をできるだけ尊重していこう、そういう立場が貫かれているわけですから、私どもといたしましては、この新条例といいますのは、地方自治法の上からも、あるいは地教行法の理念からいいましても不当ではないと、こういうふうに確信を持っています。その点いかがでしょう。
#17
○政府委員(三角哲生君) 基本的な考えと申しますか、この問題についてのあり方について先ほど大臣から申し上げたわけでございますが、ただいまの御質問に関連しまして申し上げますと、中野区のいわゆる準公選制につきましては、国権の最高機関であります国会が定めました法律に違反するというふうに私どもは考えておるわけでございます。ただいま穐山委員はそうではないということを申されましたけれども、これは明らかに地方教育行政の組織及び運営に関する法律に違反するということでございます。そのことを国会が法律についていろいろ御論議をなさるのであればともかく、中野区議会というものがその権限を逸脱して定めたというところに、根本的な前提条件としての問題がございます。そして、それがたとえ中野区民の請求によるものだといたしましても、このようなことは国会を通して国民の合意を得るという現在のわが国の民主主義の基本的なルールを踏み外したものである、こういうぐあいに言わざるを得ないというふうに考えるのでございます。
#18
○穐山篤君 見解の相違があるわけですから、これはいずれたださなければならないとは思いますが、現実の問題として、中野区の公選をされました上位三人が、区議会でそれを尊重して任命されているわけですね。これを文部省としては変更させる、あるいはまた別な角度から選び直しをさせるということはお考えではないでしょうね。いかがです。
#19
○政府委員(三角哲生君) この問題につきましては、個々の教育委員なり、あるいは教育委員会自体に責任があるものではなくて、違法な条例が議決されたところに根本的な問題があると、そういうぐあいに言うべきであるというふうに考えております、したがいまして、文部省といたしましては、今後の諸般の状況の推移や議会と執行機関との関係を踏まえまして、現在つくられておりますこの準公選条例そのものが廃止されまして、そして、その上で教育委員の任命が現行法令にのっとって適正に行われることとなることを期待しておりますので、必要に応じ、その線で今後とも適切に対処していかなければならないと、こういうふうに思っております。
#20
○穐山篤君 私の質問に対して真正面からお答えをいただいてないんですが。といいますのは、その中野区の条例そのものに問題があると、今回の公選をされました教育委員並びに教育委員会には問題がないというふうなお答えのようですが、私のお尋ねをしましたのは、今回中野区が任命しました三名につきまして、これは違法だからということで取り消したり、あるいは別な選び方を改めて指示をされるかどうか、そのことをお尋ねをしているわけです。
#21
○政府委員(三角哲生君) ただいま申し上げましたように、個々の教育委員あるいは教育委員会そのものには責任がないと思っておりますが、この今回のやり方そのものは、基本的にその条例が問題でございますので、その条例は廃止していただきたい、こういうことでございます。
#22
○穐山篤君 中野区民あるいは中野区は、皆さんの期待に沿ってその条例を廃止するということはまずないと私は思います、どちらかというならば、全国二千五百ぐらいあります教育委員会が、教育の中立性、あるいは教育の充実、あるいは地域の教育行政の拡充強化という面からいきますと、中野区の今回の発想というものが、これから拡大をしていくというふうに見るのがごく常識的だと思うんです。今後、たとえば文教地区であるとか、あるいは文教風致地区というふうなところ、ないしは教育に熱心な地方自治体が、この種の運動を当然起こすと思うんです。そういうことについてどういうふうにお考えですか。
#23
○政府委員(三角哲生君) 現行の教育委員の選任方法につきましては、過去の公選制によりまして、教育委員会の運営の中に政治的な確執が持ち込まれるというような弊害が生じました。その弊害が生じた経験と反省に基づきまして、教育行政の政治的中立性を確保するために、昭和三十一年に国会において制度改正を行いまして、御承知のように地方公共団体の長が議会の同意を得て任命するといういわゆる任命制にしたものであるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、今回のようにその国会の定めた法律に違反する内容の条例を地方議会が勝手に制定するということは、まあ極言すれば国会の御審議を意味のないものにしてしまうということにもつながりますので、ただいま御指摘のような中野区に似たようなことをするということが起こるかどうかにつきましては、私どもはそのようなことはないであろうと思っておりますが、こういったような事例が生じるということは、先ほど大臣が申し上げましたように、法治主義のルールから言ってはなはだ好ましくない遺憾なことでございますので、私どもとしては二度とこういう事例が生じないように、極力各地方公共団体に対して指導をしておりますし、今後とも必要に応じてさらに指導に努めてまいらなければならないと、こういうふうに考えております。
#24
○穐山篤君 ちょうど私は公選の準備が行われておったときに当委員会で申し上げて、見解の違いがありました。最後に私は皆さん方に、中野区のやっていることについて干渉をしてほしくないと、それが唯一の円満な解決の道だというふうに指摘をしたわけです。見解の相違でありますので、さらにこれは別の場で十分に詰めたいと思っております。
 そこで最後にお伺いをしますが、全国の各市町村の教育委員会の活動というのを一通り調べてみますと、その活動に非常に格差が見られますね。定例的に委員会を開いて十分にチェックなり、あるいは運動についての研究をされているところもあります。そうかと思いますと、一年間に数回程度しか委員会が持たれておらない、こういうところもあります。そのために非常にアンバランスがあるわけです。この点につきましては、去年のたしか四月だったと思いますけれども、教育委員会の連合会の方から、文部省に対しまして、教育委員会の運営、あり方について、全県的に、あるいは全国的に十分点検調査をして、調整をしなければならない、こういう建議も出ているわけです。それくらいわれわれが見ましても、あるいは当の教育委員会自身が見ましても問題ありと見るわけです。そのことについて、文部省は地方の声に対しまして、これからいかなる対応を考えられておりますか、その点を明らかにしてほしいと思います。
#25
○政府委員(三角哲生君) 全国の数ある市町村の教育委員会を見ますると、教育委員会の機能の展開の仕方は、ただいま御指摘のように必ずしも一様ではございません。私どもといたしましては、やはり地方教育行政の組織及び運営に関する法律の趣旨にのっとりまして、市町村の教育委員会が十分にその機能を発揮することが必要であると思っております。そうしてその際には、やはり地域の市町村民の教育に関するいろいろな要望等もくみ取って、その行政を進めていくということが必要であると思っております。ただ中には、やはり市町村段階の行政になりますと、いろいろ案件についてその時期時期によりましてふくそうする場合もございましょうし、それから比較的安定をして臨時的ないろいろな事柄が少ないというところもありましょうけれども、やはりその機能を発揮するに必要な活動をしてもらわなければなりません。そういうことで従来とも私どもは都道府県の教育委員会に、教育長の協議会あるいは都道府県の教育委員長の会議等を通じて、その趣旨の徹底に努めてまいっておりますが、これにつきましては、今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
 なお、いま御引用になりましたように、当の教育委員会の全国の連合体でもそういう問題意識を持っておりますので、そういう団体とも十分に相談をし、協議を進めて趣旨の徹底を図ってまいりたいと、こういうふうに考えております。
#26
○穐山篤君 教育委員準公選制につきましては意見の違いがあります。そのことだけは明確にしておきたいと思うんです。
 次に、私学振興対策、助成問題についてお伺いしますが、最初に、私学振興財団から参考人が見えておりますのでお尋ねをしたいと思います。
 御案内のように、昭和四十五年から助成措置がきちっと制度化をされまして、十年経過をするわけですが、過去、検査院の検査報告を見ますと、昭和四十六年から毎年一件以上、最近では平均して三件ないし四件というものが経理が不当だと、こういうことが指摘をされております。それから、昭和四十六年度に、会計検査院は、私学振興財団に対しまして、補助金の交付が適正を欠いているという指摘をされました、それかつ二つ目には、学校法人から提出をされます資料の審査が十分ではない。第三番目には、学校法人に対する指導を適切に行いながら、補助金算定の適正も期しなさい。こういうふうに財団自身が検査院から改善要求の指摘をされたわけですね。それに対しまして財団は、四十七年四月から担当職員を一名ふやすと、学校法人に対しまして通達を出して十分に指導したと、こういうことになっているわけですが、毎年毎年似たような事件が三つも四つも生じるという点については、どういうふうに判断をされておるんでしょうか、その点をまずお伺いいたします。
#27
○参考人(佐藤朔君) お答えを申し上げます。
 御指摘のとおり、昭和四十五年から今日まで十一年間、私学振興財団といたしまして、文部省といろいろ相談いたしまして、私立学校に対して補助金を出しておる次第でございます。大きく分けまして、昭和五十年までを前期五年、それ以後を五年といたしますと、私学振興助成法が成立いたしました昭和五十年までは、学校側におきまして、いろいろふなれな点がございまして、ごく単純な数字的なミスがございまして、そのためにただいま御指摘のような会計検査院から御注意を受けまして、不当事項として挙げられたのでございます。
 その後財団といたしましても、研修会あるいは機関紙、その他説明会などを開きまして、いろいろ学校側に対しまして、法律を守り、それから調査を綿密厳正にすると。ことにその配分の方式は、専任の教員数、あるいは職員の数、または学生数、そういうような数が問題になっておりまして、一名違いましても補助金の額が変わるのでございまして、そういう単純なミスが非常に多かった次第でございます。
 昭和五十年にただいま申しました私学振興助成法ができまして、さらにいろいろな取扱事項が厳密になりまして、財団といたしましてもこれまで以上に説明会、あるいは指導を行ってまいったのでございますが、それにもかかわらず、きわめて単純なミスも繰り返されますし、また当然知っているべきはずのことを取り違えまして、計算したりなどいたしまして、確かに五十年以降におきましても不当事項がございます。われわれとしては大変残念に思っておりますが、さらにその諸点につきまして、厳重な指導を行いまして、今後ますます説明会、あるいは機関紙も出しておりますが、機関紙、あるいは個々の指導などを通じまして、そういう単純な間違いまたは取り違えのないように指導していきたいと考えておる次第でございます。
#28
○穐山篤君 この助成、あるいは政府が出資をして、設備資金について申請に基づいて金を貸すという筋になるわけです。毎年毎年財団は、いま私が持っておりますのは昭和五十四年度の分ですが、「私立大学等経常費補助金取扱要領並びに配分基準」というのを出しているわけですね、それから法律に基づいて、学校法人の会計基準というのもあるわけです。それから、当然のことでありますが、助成金を申請する場合には、すべからく必要な書類を財団に提出をすることになっておるわけです、それを全部チェックをして、初めて助成金が出るわけですけれども、学校当局の事務的なミス、あるいは中には作為的なミスもあるわけですが、そういうものが十分に財団としては審査ができないんですか。膨大なものが出されておって、審査することは非常に不可能という状況にあるのかないのか、その点いかがでしょう。
#29
○参考人(佐藤朔君) 確かに対象になる大学が、短大も含めまして七百五十もございまして、完全にすみからすみまで審査するということはできませんが、ただいま御指摘の学校の会計基準、あるいはわれわれのつくっております取扱事項、これについては十分に審査しておるつもりでございます。不審な点がございますれば、時日の関係で現地へ赴くことができませんけれども、頻繁に電話で連絡し、その訂正を求め、あるいは場合によっては出頭していただきまして、短時間の間にできる限りのことをやっているつもりでございまして、この点につきましても、今後さらに事務の方の合理化あるいは近代化を考えて、厳密を期したいと思いますが、それと同時に、はなはだ申しにくいことでございますが、大学側の方におきましても、非常に事務処理についてずさんな点がまだ残っておりまして、その点大学側に対しても、どうかその事務の方の陣容を充実させ、さらにまた合理化、近代化を図ってほしいということをいま願っている段階でございます。
#30
○穐山篤君 巷間、大学、なかんずく医科大学系につきましては、膨大な寄付金が出されているということはもうずっと前から世上盛んに言われておったわけですね。そこで、一つの歯どめといいますか、節度をつけるために、昭和五十二年に文部省から一定の見解というものが示された。にもかかわらず、いわゆる隠し寄付金というものがあるということについても世間では喧伝されていたわけですね。そういうものに対しまして、財団としては、学債というものはおおむね表に出るでしょうが、そういう隠し口座、隠し寄付金の問題について、どういうふうにチェックをして、それを補助金の交付に当たって適正に判断資料にしようとされてきたのか、その点いかがですか。
#31
○参考人(佐藤朔君) その点につきましても、すべて文部省で取り決められ、また通達を出されました条件をにらみながら、財団といたしましても、できる限りのチェックをしてまいったわけでございます。しかし、ただいま御指摘のような隠し寄付金でございますが、簿外の寄付金につきましては、これは調べようがございませんので、財団としても職員が大学に赴きまして、書類を拝見しておりますが、その中に載ってないものを捜査するというすべもございませんので、そういう点、結果といたしまして今回のような幾つかの医科大学におきまして、大変不当な取り扱いがあったということは事実でございまして、われわれといたしましても、私学振興のためにかえってこれはマイナスになると、とんだことをしてくれたというふうに考えておりまして、今後とも文部省とも相談の上、いろいろな手段を用いまして、厳正に補助金あるいは貸付金を行っていきたいと思っております。
#32
○穐山篤君 昭和五十五年度の医科大学、これは医学部を含むわけですけれども、二十九学部ございますね。そのうる寄付金は要らない、あるいは学校債も必要ないというところが十二、三の学部がありますが、それ以外はみんな寄付金なり、学校債を発行しているわけですね。学校債の中には、検査院も指摘をしましたように一学校債を発行して適当な時期に寄付金に繰り入れてしまうと、こういうごまかしをやっているところもあるわけです。
 そこでお伺いをしますが、昨年、いま私が申し上げました医科大学系ですが、学校債で最高の額と最低の額は幾らか。それから寄付金の額で最低の額と最高の額、いずれも学校名を付して明らかにしてもらいたい。
#33
○政府委員(吉田壽雄君) 昭和五十五年度の私立医科大学、あるいは総合大学の場合には医学部でございますけれども、入学者にかかる寄付金と学校債の一人当たりの最高額、最低額という御質問でございますが、寄付金の方の一人当たり最高額は三千五百万円でございます。一人当たりの最低額は五十万円となっております。それから、学校債の方でございますけれども、学校債の一人当たり最高額は三千万円、一人当たり最低額は十万円となっております。
 以上のとおりでございます。
#34
○穐山篤君 学校名を言ってください、最高三千五百万円の寄付金の学校はどこですか。それとも学債の三千万円の学校。学部でいいです。それを言ってください。
#35
○政府委員(吉田壽雄君) いま具体的にどの大学か手元に資料を持っておりませんので、いずれ改めて先生に申し上げたいと思います。
#36
○穐山篤君 財団にお伺いをしますが、最近不正入学だとか、それから隠し寄付金だとか、たくさん問題が出ておりまして、うんざりするくらい教育の荒廃というものに心を痛めるわけです。そこで財団としては、平たい言葉で言うならば、国にかわって補助金助成をするわけですね。ある場合には設備資金も学校にお貸しをするわけです、それも非常に金利の安い金をお貸しをするわけですね。言ってみますと、国民金融公庫であるとか、あるいは河とか銀行の肩がわりを国にかわってやっているわけですから、一生懸命にこれは厳格にやってもらわなければしようがないと思うんです。そこで、毎年毎年こういうふうに初歩的なミスや、それから作為的な申請がたくさんあるわけです。これを厳格にやらなければ、財団としての真価が問われるのは当然だと思うんです。
 そこで、最後にお伺いしますが、こういうふうに次からやるから、もう問題はなくなると思うという確信ある対策がありますか。その点を責任を持って御答弁をいただきたい。
#37
○参考人(佐藤朔君) 先ほど申し上げましたとおり、財団と申しますのは、私学振興のために設けられた組織だと存じます。あくまでも監督官庁の文部省のいろいろな御指示によりまして、御注意によりまして、事を運んでおるのでございまして、財政的な面に補助金あるいは貸付金の形で、私立大学、あるいは貸付金の場合は幼稚園に至るまで財団で貸し付けをしておる次第でございますので、私立工学校全体の問題を扱っておるわけでございますが、これはあくまでも私どもの考えといたしましては、何と申しますか、縁の下の力持ちでございまして、隠れた部分で財政的に非常に貢献しているということは信じて疑わないのでありますが、内容、教育あるいは研究、あるいはただいま御指摘の入学試験の問題、そういうふうな問題は当学校で、大学で、まず検討すべき問題だというふうに承知しております。そして、また適切な指示を文部省からいただきまして、それに基づいて補助金、貸付金を行っておる次第でございまして、そういう研究、教育、あるいは病院におきましては医療、こういうものについて振興を願うのでありまして、それをわれわれの希望を裏切りまして、不適正な経理の処理をする大学に対しましては、大変残念なんでございますが、いつも後追いになりまして、後にそれに対してペナルティーを科すと、それに対して厳重な注意をするというようなことになる次第でございます。しかしながら、財団といたしましても、そういうふうな受け身の形ばかりでなくて、私立学校、ことに私立大学あるいは医学部、医科大学ということについて、はっきりしたイメージを持つべきだろうというふうに考えておりまして、私自身経験がございますが、これまでの補助金というものが私立の医科大学に非常に役に立っておるのでございまして、この振興助成法のございません四十五年以前に比べますと、雲泥の差でございまして、教育、研究、医療において、非常な長足な進歩を遂げているのでございますが、それにもかかわらず、一部の医科大学におきまして問題が起きる。これはやはりわれわれといたしましても、財団といたしましても、徹底的に真相、実態、あるべき姿を研究すべきだろうと思いまして、最近でございますけれども、財団の特命事項として、特に医科大学についての調査、研究、分析を始めたばかりでございまして、ただいま仰せのとおり、いろいろ不祥事件を根絶する妙案はあるかという御質問でございますが、残念ながらただいまのところ根絶する妙案はまだ用意してございません。今後ますます精進したいと思っております、
#38
○穐山篤君 私は妙案を聞いたわけでなくして、本当に厳格な姿勢でやれば根絶ができるというふうに思うわけです。いまの御答弁というのはどうもしっくりいきません。
 そこで、文部大臣、去年の十二月十七日、私はこの委員会で、私学に対します助成の問題を取り上げた。その際に、文部省も会計検査院側も、最近は良好になりました、こういう御答弁があった直後、ぞろぞろぞろぞろ、たくさん問題が出てきたわけですね。当時、皆さん方はどういう確証があって、この助成金というのは有効に使われている、ごまかしはありませんと、いかなる確証があって十二月十七日の委員会ではそういうふうにお答えになったんですか。しっかりしてもらわなければ、決算委員会としてはとても責任は負えない。文部大臣と検査院と、両方から答弁を求めます。
#39
○政府委員(吉田壽雄君) 大臣が御答弁なさる前に政府委員の方からお答えいたします。
 一部の私立医科大学等におきまして、いまおっしゃられましたような、そういう経理に不適正な事態を生じておりますことは、きわめて遺憾でございまして、私どもも深く反省しているところでございます。ただいま私学振興財団の理事長からのお答えもございましたけれども、こういう不適正な経理につきましては、その性格として二つあると思うわけでございまして、一つは、いわばそれは単純な技術的なミス等に起因するものがあるわけでして、これが数としては多いわけですけれども、もう一つ、かなりこの学校法人としては大変恥ずかしい、そういう不適正、二つあるわけでございますが、その後者につきましては、私ども、私学振興財団と協力いたしまして、その学校の経営の衝に当たる者に対しまして、厳しく指導いたしますとともに、また、直接経理を担当しております職員に対しましては、各種の説明会あるいは研修会等、今後ともそういうものを持ちまして、この経理の適正化につきましては徹底的に指導してまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。
 今後のこういう問題の防止でございますけれども、いま言ったようなことのほかに、私どもはやはりこういうことを考えているわけでございますが、それは、およそ学校なり、あるいは大学というものは、そういう不正なことはしないという前提でこの制度ができているわけでございます。そういう点からいたしますと、最近におけるこの不正経理等は、まことに私どもにとりまして遺憾なことでありまして、私どもとしましては、学校の経営の衝に当たる方々に対しまして、その良心に強く訴えたいという気持ちでございます。いずれにいたしましても、私ども、今後こういう不正経理等が起こらないように、この上とも私どもも戒心し、私学側に強く望みたい、こういうふうに考えているところでございます。
#40
○国務大臣(田中龍夫君) 担当からお答えをいたしましたが、私といたしましても御答弁を申し上げたいことは、今回の私立医科大学の問題、寄付金あるいは経理の不適正の問題は、実に残念でございます。去年お答えを申し上げたように、現実にこれらの問題は原因があるわけではございますが、若干こういうことに起因すると存じますることは、すなわち、まず第一は、医学教育というものは非常に金のかかるものだ。私立大学が行います場合には大変な負担になります。創設のときの債務の償還の問題でありますとか、日進月歩いたしますいろんな機材その他の施設の拡大の問題とか、そういうふうな問題は、先生御承知のとおりに、予想外の資金を要するものでございます。
 その次は、もう一つ、大学側に、父兄にいろいろと頼めば、自分の子供さんの大学に入りたいという希望もあることでありますので、容易にお金をちょうだいすることができるんだといったような、何と申しますか、甘えた学校側の体質もあるかもしれませんが、同時にまた、父兄の方におきましても、金のことで自分のかわいい子供の生涯をといったようなことから、これに対しましては非常にルーズな気持ちを持ちやすい。そういういろんな体質がございます結果といたしまして、かような問題が起こるのでございますが、しかし、私は、本当に私学振興というものが、日本の大学教育の上におきまして占めております七〇%からというあれから申しましても、これはかえってこの際、本当に一生懸命に御協力願い、一生懸命にわれわれも努力したが、それを裏切られたという気持ちは実に残念なものがございます。いま御指摘のように、今後の問題といたしましては、十二分に厳重な監査と指導をさらに改めていたしたい、かように考えております。
#41
○説明員(堤一清君) 私、私立大学に対する補助金がよくなったと言ったつもりはなかったんでございますけれども、もしそういうふうにとれる表現を使ったといたしましたら、おわび申し上げます。申し上げましたのは、制度発足から五十一年ぐらいまでは専任教職員、学生数の誤り、こういったものが多い、それから、五十二年度以降は収入、支出に関する経理関係の指摘が多くなっていて、指摘の内容が変わっていると、こういうふうに申し上げたつもりでございました。
 なお、先生御指摘のとおり、この補助金が発足してからもう十年以上になります。依然として問題があるわけでございますので、今後とも私どもも十分に厳正な検査をしていきたいと思っております。
#42
○穐山篤君 時間がありませんからまとめますが、文部大臣もそれから大蔵大臣もよく聞いておいてもらいたい。
 今年度、五十六年度の予算で財投を含めて四千三百億円の資金が、国民の税金が私学に行っているわけです。これは取り決めだからそういうふうに行くわけですが、かなり大きな数字ですね。この十年間まとめてみますと一兆円を超しているわけです。そこで、私としては、不正入試の問題が片方ではある、片方では乱脈経理なり隠し寄付金というものがあって、それを伏せたままで助成金をもらっている、こういうものはもう一掃しなきゃならぬと思うんです、なくさなければならぬと思う。
 そこで、きょうは資料だけ要求しておきますが、隠し寄付金というのは表に出ないんですね。ある特定の経理部長が操作をするわけですよ、そうしますと、そこにどういう問題が起きるかといいますと、銀行とそこの大学、医学部との癒着という問題が出るわけですよ。すでに指摘をされておりますように、北里大学の経理部長は某銀行員ですね、三菱銀行の幹部なんですよ。そこで、私は文部省にきょうは要求しておきますが、取引銀行、これを表裏を含めて、きちっと資料を整備をして、決算委員会に出してもらいたい、そのことを注文をしておきます。
 そこで、文部大臣も大蔵大臣も聞いてもらいたいんですが、先ほど私が指摘をしましたように、最高の寄付金が三千五百万円です。この金がどういう色がついているかによって、贈与ということにもなり得るわけです。これはまた別のところで十分に審議いたしますけれども、大蔵大臣も文部大臣もこの金の処理、これは子供さんと大学との間に契約して三千五百万円払っているのもありますし、それから父兄と大学が契約して三千五百万円払っているのもあります。当然将来は税金の問題にまで及びますけれども、そのことはきょうは申し上げるつもりはありません。十分に検討してもらいたい、今後は少なくとも私学助成の問題処理に当たって、毎年似たような事件や、あるいは来年もまた隠し口座がありました、それも十分に捕捉できないままに助成が行われるようなことがないように、きちっときょうは確認をしておきます。ですから、大臣の決意だけ聞いてこの問題は終わります。
#43
○国務大臣(田中龍夫君) 十分厳重な調査をいたしたいと存じます。
#44
○国務大臣(渡辺美智雄君) 何分財政窮乏の折でございますし、私学助成と申しましても、国民の税金を集めて助成をするわけですから、国民全部が医科大学に入っているわけでもないし、やはりそれは有効でなければ困るわけであって、ただ私学は医科大学で寄付金を集めて、そのほか助成ももらって、だからうんと学校が楽になって、ヤミ給与ができてなんということは困るわけですから、ですから、私は実態を解明をして、そして、こういうときですから、思い切ってはさっと今度はカットをすることが必要じゃないか、中身を少し調べさせてもらいます。
#45
○穐山篤君 じゃ、その決意でひとつお願いします。
 それから次に、運輸大臣、時間がずいぶん過ぎましたので前書きは省略をして、最近問題になっております集団買春ツアーの問題についてそのものずばりでお伺いします。
 その後、経過は十分に承知してます。大臣から通達が出た、JATAからも会員に通達を出した、一月にJATAの役員がフィリピンに行って、向こうの現地の業界と十分に協議をして共同声明も出した、二月のあれは七日でしたか、運輸省の係官とJATAの役員がマニラに出かけた。不幸な事件がそこで発生をしたということも十分に承知をしてます。なおかつ御案内のとおり、皆さん方の方から業界に対しまして、韓国その他いろんな調査をずうっとやられて、二月十五日付で取りまとめをして、目下集計中であることも承知をしております。にもかかわらず、相変わらず絶えないんですね、これは非常に遺憾なことなんです。そこで、こういう数字があるわけですが、ある観光団は、マニラで、いろんなことがあるわけですが、一人の女性を買うわけですね、集団で買うわけですが、八十ドル――一万六千円の支払いをしていることは間違いないんです。その金を分けてみますと、これはごく最近の数字ですよ、その女性に日本円に換算をしまして千五百円を払っています。クラブのマネージャーに二千円払っていますね。それからホテルに三千円払っています。その残りが九千五百円でありますが、この九千五百円は四つに分かれております。現地のランドオペレーター、それから現地人のガイド、それから日本の旅行社、添乗員、全部に行っているわけじゃないんですよ。これは標準的な最近支払った数字です。その九千五百円のうちの二分の一が現地の旅行会社に入っている。残り三つで山分けをしている。このことをお認めになりますか。
#46
○政府委員(西村康雄君) ただいま先生から御指摘のありました現地での売春の実態でございますが、運輸省といたしまして、現在旅行業者につきまして、立入検査を随時続行しておりまして、現在まで多数の業者を調査しておりますが、これまでのところ不健全旅行に関与したという事実を残念ながら発見しておりません、御指摘がございますが、したがいまして、現地で実際にそのような取引がなされているかどうか、これは現地に私どもの職員を派遣したこともございますが、そのような事実を確認するというわけにはまいっておりません。したがいまして、いま先生御指摘のような事実につきましては、伝聞としてはいろいろ聞いておりますが、果たしてそのようなことになっているかどうか、これについては確認しておりません。
#47
○穐山篤君 皆さん方運輸省の係官がお二人、二月の五日に出られて、多分十日にはお帰りになった、その途中で事故があったわけですね。
 そこで、もう時間がありませんから、私が一方的に申し上げますが、その女性はライセンステンバーを持っていて、ホテルの裏口から入るときにちゃんと見せるわけです。それから出るときにもそれをホテル側は確認をしているわけです、ホテル側の言い分は何か事故が発生しては困るということで、そのライセンスを持たせている、確認をしている、こうなっているわけです。私は、このことは国会で取り上げるということも余りいいことではないんですけれども、いま国会では、外務委員会で観光センターの条約の批准もやろう、非常にいいことなんですが、その審議でも再び日本人の売春ツアーの問題は議論をされる、こういう感じがするわけです。何としてもそれは直さなきゃならぬ、本人の心構えということもあるだろうし、旅行会社あるいは現地の受け入れ側にも問題があることは承知をします。しかし、よくよく調べてみますと、旅行商品がダンピング競争になっているわけですね。そのために添乗員が非常に御苦労をされる。買い物をする場所にバスを何回とめるかということも問題がありますし、それからまあ女性を案内をするということが条件つきで、その商品が非常にダンピングされていると。あらゆる問題を全部整理整とんをしませんと、この種の問題は解決できないんです。いま皆さん方が調べられております実地調査ですね、各会社からいろんな調査を受けているわけですけれども、その中で目に余るものが幾つかあると思うんです。もう時間ありませんからそのことは御披露をしてもらわなくても結構ですが、何としても、この種のものは直していかなきゃならぬというふうに考えます。大臣、その点について平面的な、運輸省が調べたらこういうことありませんでした、確認できませんでしたじゃないんですよ。運輸省の皆さん方がお調べになって行ってる二月五日から十日の間にも、かなりのチームがマニラに行っていることは御存じでしょう。ですから、もっと深刻に問題を受けとめて、運輸省は解決するということを考えてもらわにゃ困る。その点大臣いかがですか。
#48
○国務大臣(塩川正十郎君) こういう問題が起こっておることは非常に残念なことでございますし、私たちも何とかこの是正を図りたいと思っております。私も、このことで先方の観光大臣に申し入れもいたしまして、先方は先方でやはり法に基づいて厳重に取り締まりをしておるのでございます。われわれもできるだけ万全の措置は講じたいと思っておりまして、現在、先ほど観光部長の申しましたように、実態調査把握をいたしておるところでございます。大体しかし、こういうことは提供する方も問題がありましょうが、行く方も行く方でございまして、ちょっとわれわれ日本人としても、日本人全体が恥ずかしいなという感じがするのでございまして、これは役所だけではいかんともしがたい点があることは御承知のとおりでございますが、つきましては、そういう助平根性を誘うような、そういう旅行計画そのものをこれから十分にチェックしていきたいと、それがやっぱりわれわれとしてできる最大限のことだろうと思っておりまして、鋭意努力してまいります。
#49
○穐山篤君 その旅行者のマナーも当然自粛自戒をしなきゃならぬわけですけれども、そういうシステムになっているということを根絶しなきゃだめなんですよ。非常に、べらぼうに安い旅行がしばしば見られるわけですね、きょうは数字を改めて発表しませんけれども。そこは何でカバーしているかというと、現地のみやげだとか、売春ツアーだとか、その他でみんな総合的にセットして、それで収支を合わせているわけです。大臣、そういうふうに問題をとらまえませんと、いつになっても問題の解決は図られないというふうに思うんです。
 最後でありますが、ダンピング旅行が結局は添乗員にしわが寄るということになるわけですが、添乗員――なかんずく国際旅行の添乗員の問題につきましては、旅行業法の改正の際にも、あるいは国際観光振興法の改正の際にも、あるいはその他いろんな機会を通しまして、研修の問題が提案をされ、運輸省も受けて立つと、こういう約束になっているはずです。もうぼちぼち具体案が出されて、その研修の制度についてもっと制度化をされなければならぬ時期だと思うんですが、その点についてどういうふうに進んでおりますか。
#50
○政府委員(西村康雄君) ただいま先生からお話がございましたように、さきの八十七回国会で両院の委員会から決議をいただいております。その決議の中で、添乗員の資質の向上について触れられ、そしてまた旅行業法全体の見直しをしろという御指摘がございます。そこで、その決議を受けまして、運輸省では五十四年の秋から、旅行業制度検討委員会というのを省内に設けまして、学識経験者あるいは業界の人たち等の参加を求めて、今日まで二十回ほどの検討を続けてきておりますが、何分にも検討事項が非常に広範にわたっておりますので、添乗業務についても十分な関係の組合等からもヒヤリングをしたり、いろいろと詰めておりますが、非常に問題点ございます。特に研修制度を義務づけするということについては、できるだけ添乗員の資質の向上から言いますと、まず研修制度というのを義務化するということが望ましいわけでございますが、旅行業者は大変数も多うございます、そしてその中には中小零細の事業者もございまして、なかなか添乗員の研修を現在すぐやるということが非常にむずかしゅうございます。それで私どもとりあえずの策といたしましては、日本旅行業協会に対しまして、従来一応毎年百数十人ほどの規模でやっておりました研修を、拡充強化していくということを強く要請しまして、五十五年では千三百名の研修を実行いたしました。五十六年ではさらにふやしまして、二千名の研修をする予定でございます。このような研修を、任意参加でございますが、こういう形で研修を続けますと、かなりのカバーができるかと思います。しかし、一方できるだけ研修制度自身のあり方というものを基本的に詰めるということは当然すべきでございます。問題がございますのは、そういった中小の方たちを実際に研修させるということは、費用の点、あるいは研修に出席する者の従業員のやりくりというような点でもございますし、また実際に最低の研修は何かと、任意参加の場合はそれほど問題にならなくても、法制的に義務化するということになりますと、一体研修員に最低要求されるものは何かということを理論的に詰めるという操作も必要でございます。したがいまして、私どもいまのところそういった制度自身の詰めをやるということと並行して、事実上の研修をどんどん強化して、できるだけ多数の者を研修を完了するということを当面の目途としております。なお、制度の結論につきましては、できるだけ本年中に結論を得て、必要なものは法制化するということで準備をしております。
#51
○穐山篤君 最後ですが、十分研究を進めていただきたいんですが、日本の場合約四百万人程度の旅行者がいるわけですね。あるいは外国からも日本のいいところを、あるいは日本の文化を十分に見てもらうという意味では、国際観光の分野もどんどん広がると思うんです。その意味から言いますと、添乗員の資質の向上、これは欠かすことのできない大きな問題だと思うんです。亡くなられました衆議院の久保先生もしばしば指摘をされておりますように、この研修について、制度的に義務化をしていくと、その発展の形態としてはライセンス――資格要件というものをきちんと整えると、そういうことがなければ、大きな企業では研修を受けられても、小さなところはいつもいつもそういうものが満たされないと、そういうままに相も変わらず先ほど申し上げましたような不当に安い商品をつくるというふうなことがありますと、これはよくないと思うんです。したがって、私はできるだけ義務化というのを法的に制度化する、こういうことがいままでの決議、委員会の審査の経緯から言ってみても当然の帰結だと、こういうふうに考えます。それらを含めて最後に運輸大臣から御意見を伺って終わります。
#52
○国務大臣(塩川正十郎君) いま言いましたように、研修をやっぱり強化することが基本でございまして、これは私は基本はやっぱり国民の海外旅行するに当たっての心得といいましょうか、教養といいましょうか、それがやっぱり基本だと思うんでございまして、それをアシスタントする者としての添乗員の常識的な研修は、これは続けていきたいと思っておりますが、資格等につきましては、世上言われておりますように、行政改革のこともございますし、余り政府は積極的にこういうものには介入しない方がいいんではないか。それよりもやはり国民の自意識の向上に基づく愉快な旅行をしてもらうという方がいいんではないか。現在添乗員をいたしております者は、いわば手続等とか、いろんなものにつきましての基本はできておるのでございますから、これをさらに旅行を愉快に、有意義にするために、それをある程度リードしていくような、そういう教養的な面に重点を置いた研修をやるべきではなかろうかと、こう思っておるのでございますが、仰せでございますから、われわれもその研修制度を通じて、質の向上というものをぜひ図っていきたいと、こう思っております。
#53
○目黒今朝次郎君 官房長官が十二時までという話だそうでありますから、順序を変更して官房長官に質問をいたします。
 実は、関西新空港の問題について、私は決算委員会で二回、運輸委員会で一回、運輸大臣とはいろいろやり取りはしておるんですが、きょうは大蔵大臣も含めて、閣内の調整役の官房長官なり、あるいは総理の意向を含めて一つ二つ質問をしたいと思います。
 まず第一に、大蔵大臣も言っておるとおり、三K問題で国鉄問題がいま非常な大きな課題になっています。それでしかし、国鉄のローカル問題を整理しても、五百億前後の財源の捻出だと、こういうことでありますが、がめつくやるという渡辺大臣の根性で、いまがめつく行われておるわけですね。ところが、関西新空港の泉州沖の問題については、運輸省、運輸大臣なり、航空局長がいろいろな釈明をしておっても、頭の中で見ると、大体付属施設も含めて六兆円程度かかると、こう言われておるわけであります。この六兆円程度かかるということと、がめつく国鉄のローカル線を切っていく、同じ交通政策で、弱者の方の国民の足は奪う、関西の方には六兆円の財投をやっていると、こういう片手落ちの交通政策が鈴木内閣の交通政策なのか、まず官房長官に私は内閣の交通政策の基本姿勢について、あなたにまずお伺いしたいと、こう思うんです。
#54
○国務大臣(宮澤喜一君) 関西新空港の建設につきましては、御指摘のように非常に大きな仕事でございますし、またまさにただいま仰せになりましたような財政事情でございますので、閣内でも慎重に検討をいたしておりまして、これに関する関係閣僚の協議を、予算編成に先立ちまして、慎重にいたしたような経過もございます。結果といたしまして、五十六年度予算におきましては、とりあえず泉南沖案を基礎として調査を進めることとする、そして必要な調査費を計上をすることを大蔵大臣が決心をされ、そういう決定に至ったわけでございますが、もちろん運輸大臣のお立場といたしまして、わが国全体の総合交通体系、鉄道は鉄道とし、航空は航空として、おのおのしかるべき役割りを与えるということは、常にお考えでおられると考えますが、関西新空港につきましても、そのような観点から運輸大臣としてお考えになっておられるということと存じております。
#55
○目黒今朝次郎君 この自民党の交通部会の副会長である石井一さんという方が、石井一試案というものを出しまして、この石井さんは阪神沖にやはり空港をつくるべきだ、阪神沖につくると、この泉南沖の構想とほとんど同じような機能を果たし得る、そしてこの石井試案では、大体付帯経費も含めて二兆円前後だと、泉南沖の方は六兆円前後、阪神沖の方は二兆円前後、財政規模は約三分の一ですね。
 それで大蔵大臣にお伺いいたしますがね、関西空港についてはいまいろんな騒音その他があるから、新しい空港をつくる必要があるということは、われわれも含めて一致している。しかしその代替する空港をつくる際に、片や泉南沖が六兆円、同じ規模と機能を持っている阪神沖が二兆円前後、約三分の一、しかも自民党の航空部会で同じ議論がされておると、こういう段階では、いま官房長官がとりあえず泉南沖へと、こういうことを言っていますが。財政的見地から見てこの点はもっと慎重に見直すべきじゃなかろうかと、こういうふうに考えるんですが、大蔵大臣としての見解をまず聞かしてもらいたい。
#56
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私の方はこの関西新空港スタートで建設開始ということを言っているわけじゃないんです。非常にお金のかかることですから、いままでの調査では不十分ですと、一体採算が第一合うのかどうか、それで本当にそんなに金かかるのか、環境問題一体どうなっているんだと、関連の公共事業との投資の関係は一体どういうふうになっているのか。そういう点で不明確なことが非常に多過ぎるものですから、ですからそれだけの世界にも例のないようなことをやるわけですから、やるとすれば、もっと準備、調査が不足していると、だから調査をやってくれ。どっちがいいかという問題については、もう私どもは素人ですからね。運輸省の方が玄人で、みんな専門家を集めてやっているわけだから、だから神戸沖と言ったって騒音の問題があるとか、飛行機がぶつかっちゃうとかいろいろあるらしい。そういうのを私らはわからぬわけだから、それは運輸省の方が専門家として始末をつけてもらわぬことには、二つ手を挙げられたってどうしようもない話で、それはもう条件が同じなら安い方がいいに決まっているんです、それは。もう議論の余地は一つもない。だから、そういう点は運輸省の方でひとつ専門的に検討をしてくださいということを言っているわけでございます。
#57
○目黒今朝次郎君 ひとつだめを押すようですがね、いま官房長官と渡辺大蔵大臣の答弁を聞いておりまして、やっぱりちょっとズレがあるんですよ、私が聞いたところでは。大蔵大臣の方は空港をつくることは運輸省が専門家であるからそれは専門家に任せると、しかしまだ調査が不十分だと、であるから調査が不十分であるので、その調査の費用として二十四億五千万を計上したのだと、こういうふうに受け取ったのですがね。官房長官の方はとりあえず泉南沖につくるという前提で二十四億五千万を計上したのだと、こういうふうにいま私受けとめたのですが、大蔵大臣にお伺いしますが、自民党内部でも意見のある石井試案ですね、阪神沖、ですから騒音とか、あるいはいろんな財政的な問題も含めて、この二十四億五千万円の金は泉州・鳴戸だけに限定しないで、阪神沖も含めて、実態の調査に使ってよろしいと、そういう幅があるものか、泉南沖に限定されたものか、その点は大蔵大臣としてどういう認識を持っているのですか。お答え願いたいと思います。
#58
○国務大臣(渡辺美智雄君) 官房長官と私は一つも違ってないんですよ、ただ私はわかりやすくやさしく言っただけの話でして。官房長官が言ったのは、調査費はとりあえず泉州沖案を基礎として、これらの問題について調査するための経費でありますと、それを渡辺流に言うと別な、さっきのような話になっちゃうんで、これ同じことなんです、言っていることは。
#59
○目黒今朝次郎君 運輸大臣にお伺いしますが、この関西空港の代替の機能を持つあなたの方の泉南沖の試案と、同じ自民党内部で出た石井一試案、これについては機能から、いろんな制度も含めて、これを照らし合わせて検討した場合に、石井さんは大体同じ機能を持つと、こういうふうに自分の主張をしているんですが、この石井さんの主張を運輸大臣として認めるんですか、あるいは問題にならぬと、こう言うんですか。確かに石井試案はいいけれども、もう審議会で決まって、出発進行やったんだから、もういまやおくれちゃってどうにもならぬと、こういう三つが考えられるんですが、石井試案と泉南沖の試案を対比した場合に。もっとも玄人である運輸大臣とすれば、それを比較検討した際にどちら、どういう認識を現在お持ちなんですか。
#60
○国務大臣(塩川正十郎君) そのいずれでもございません。私たちといたしましては、阪神沖、要するに石井案と言われる案よりももっと沖合いへ出て、航行の安全と騒音を考えた案ですらもうすでにだめだということになって、航空審の結果、そういうぐあいにだめだということになっておるんでございますから、私たちは泉州案でとりあえず調査を進めていきたいと思っております。
#61
○目黒今朝次郎君 どちらでもないということは検討に値しないということですか。
#62
○国務大臣(塩川正十郎君) 検討済みだということでございます。
#63
○目黒今朝次郎君 そうすると、五十五年の十二月四日十時三十分から十二時まで、民社党の会議室で、自民党の石井一代議士が、民社党に阪神沖空港の問題について説明をしておるんですが、その説明の中で石井氏は、閣内では鈴木総理、渡辺大蔵大臣、河本経済企画庁長官が阪神沖案は検討に値するということで傾きつつあると、こういう説明をしているんですが、これは少なくとも自民党の航空審議会の副委員長さんですからね。肩書きも十分ある方が公党から公党へこういう説明をしているんですが、これについてはお認めになりますか。たまたまここに渡辺大蔵大臣いらっしゃいますが、この問題で、阪神沖の問題と泉南沖との問題で、財政的な研究も含めて御検討した記憶はありませんか。
#64
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、石井代議士から話は聞いたことはあります。それはその話を聞くともっともな話ですし、なるほどと、こう言えば、なるほどというのは傾いたように聞こえるのかも、あるいは傾いた方から見ると真っすぐなやつが傾いたように見えるのか、それはわかりませんが、私はわからぬと、問題は、非常に専門的な話ですから。ですから、それは研究していませんからね、われわれそんなことは。だから、運輸省へ持ち込んで、それは運輸省でやってもらえばいい話でございまして、二つ持ってこられても、一つでさえもこっちはどうするかということを決めかねているわけなんでありますから、決して阪神沖がいいというようなことを言ったこともございません。泉州沖でなくちゃならぬということも言ったことはございません。先ほど言ったようなことを言っただけのことでございます。
#65
○目黒今朝次郎君 じゃ運輸大臣にお伺いしますが、いまあなたはもう検討にも値しないとして一蹴されておりますね、それはそれとしておたくの立場があるんでしょうから、仮に泉南沖を前提とした場合に、それでは空港計画案、環境アセスメント、それから周辺地域整備大綱、これを三月にも出すと言っておるのに、いまだに運輸省案さえもまとまらないというのはどういうことですか。あなたが石井試案は問題にしないと、泉州沖だと言うならば、少なくともこの三つの案はセットにして、運輸省案としてわれわれにとっくに提示しなければならないと私は思うんでありますが、いまだに提示できないと、三月を五月に延ばすと、こういうふうに政策決定がおくれていることと石井試案は問題にならぬという、この関連はどういうふうにわれわれは受けとめればいいんですか。この辺のおたくの政策遂行のあり方について見解を述べてもらいたいと、こう思うんです。
#66
○国務大臣(塩川正十郎君) えらい誤解があるようでございまして、私は石井案は検討に値しないと一言も言っておりません。それは誤解です。それは目黒さんが言っておられるんであって、私はそうは言っていません。私は、石井案はもうすでに航空審の中において検討されてきたものであるということを言っておるわけでございます。そこは誤解のないようにひとつお願いいたします。
 それからもう一つ、三月じゅうに提示するということは私はこれまた言ったことございません。三月じゅうに運輸省における案を固めると、こういうことを私はしょっちゅう言っております。そして、議会の記録を見ていただいてもおわかりいただけると思うんですが、でき得れば四月、おそくとも五月までに運輸省として、一応地元の自治体等に対し、準備的な意味で協議をしたいと、こう私は申しておるんでございまして、三月じゅうに提示するということは一言も言っておりません。
#67
○目黒今朝次郎君 それで、あなたは航空審で石井試案は検討済みだと、そういういまのあれですが、しからば航空審議会でどういう角度から石井試案が検討されて、どういう議論がされて、結論は問題にならぬと、こう言っておるから、問題にならぬというその航空審議会の具体的な審議の状況と議事録を参考までに出してもらいたい。
 そうして、それと同時に、航空審議会でそれだけやっておるんならば、石井さんが石井試案というものを提案したのは、航空審議会で否決になったけれども、やっぱりおたくの夏目さんの予算案の反対投票じゃありませんが、航空審で否決になったけれども、やっぱりおれの主張が正しいんだと言って、石井さんがそれを承知で出したのか。その辺はどういう認識を持っていますか。
#68
○国務大臣(塩川正十郎君) これまた言葉は大事でございますんで、繰り返して申しわけございませんが、航空審で阪神沖はだめだという結論じゃないんです。これは私からはっきり申し上げます。候補地を五つ選びまして、それぞれの候補地について検討したんです。そういたしました結果、神戸案よりは泉州沖がいいという結論になった、こういうことでございまして、神戸案はだめだという結論ではないわけでございます。神戸案でやるよりも泉州案でやる方が諸条件、いわば海路の問題、騒音の問題、それから離発着のとり方、それから伊丹空港との空域調整、こういうようなもの、いろんな、総合的に見た結果、神戸案よりはうんと泉州案の方がいいんだと、だから泉州案にしなさい、こういう決定でございますから、その点、私からあえて御報告する次第です。
 それともう一つ、航空審で行われました議論の中身を資料として出せと、これはいつでも提出いたしますから。まあ何せ結論が出ましたのが昨年の九月一日でございましたので、要約いたしたものは二、三日余裕をいただければ準備させて提出させます。
 それからもう一つの問題、それじゃ石井さんはやっぱり自分の信念として言っておられるのか、私はこれはもう当然そうおっしゃると思うんです。やっぱり石井代議士としても自分の信念でこれはいいんだということをおっしゃっておる。ですから、これは私はそれなりに石井さんの案というものを、石井さんが言っておられることは私もこれは尊重しておるんです。しかし、先ほど何遍も言っておりますように、運輸省としてはもう検討済みであったものであるから、だから航空審の決定のとおり運輸省としてはやりたいと、こういうことを言っておるわけでございますんで、誤解のないようにひとつお願いいたしたいと思うのです。
#69
○目黒今朝次郎君 ただわれわれが心配するのは、同じ自民党内の、与党内の航空部会の副委員長さんという肩書きを持っている石井さんが、そういう大臣の言うことを一応肯定したにしても、いまなお根強く阪神案で、財政的にも含めて可能だと、その方が国家全体の財政規模から見ていいではないかと、そういうことを他の党派にも説明しながら熱心にやっている。その背景について、やっぱり来年は、補助金をカットするという大上段に構えている国家財政の見地から、二兆円で間に合うんなら二兆円の方に、やっぱり国家財政の面から考えを見直すべきじゃないのかなあと、いや、それは問題にならぬと言うんなら問題はありませんよ。六兆円と二兆円の差ですから。三分の一ですから。その点は、やっぱり当問題の提起を考えて、財政全般から見て考えるべきじゃなかろうかなあということを、私は真剣に考えているんです。
 したがって、私は、そういう問題をもう一回見直すまでは、二十四億五千万というのは、これは莫大な金ですよ。こういうものを、やっぱり私は一時凍結をしながら、その石井試案の見直しをもう一回航空審でやるべきだと、私はこういう考えを持っているんですが、この辺の閣内のやりとりを、渡辺大蔵大臣は、余り条件が違わなければ安い方がいいとあんたは言っているんですから、ですから、その辺をもう少し自民党内部で専門的にやっぱり詰めると、その詰めたものを見た上で、どうするかというふうに考えても遅くはないではないかと私は思うんですが、この点は、官房長官どうですか。もう運輸大臣の言うとおりだから、しようがないと、こういうことですか。
#70
○国務大臣(宮澤喜一君) いろいろ御心配をいただいておりますようでございますが、私ども党内の問題は党内で処理をいたしてまいりたいと思います。
 この問題につきましては、先ほど運輸大臣が言われましたように、ただいまの問題については、審議会では一応比較検討を終わっておる、こういうふうに承知をいたしておるわけでございます。
 なおまた、このたびの二十四億五千万円につきましては、これはとりあえず泉南沖案を基礎として調査を進めるということで、読んで字のごとき性格の調査費でございます。
#71
○目黒今朝次郎君 これは運輸大臣にお伺いしますが、私は、この決算委員会で二回にわたって、一つは和歌山県を中心とする土地買い占めの動き、一つは淡路島における土地買い占めの動き、環境庁は、やっぱり自然保全の面から、いろんな省令に触れるところについては、土地取りを認めないと、こういう考えだと。私は、少なくとも二月ころまでこの問題について調査をして、私のところにその調査の結果について御報告願いたいと、わかりましたと、こう言って、きょうは四月六日ですね。そういう、国会で土地の買い占めの黒い霧ということを提案したにもかかわらず、いまだに、提案した私のところに一言の中間報告もなければ、何らの報告もないというのは、一体これはどういうことなんですか、結局、みずからが黒い霧を肯定していると、こういうことになるんですか。その政治責任はどうなんですか。きょうはもう四月六日ですよ。
#72
○国務大臣(塩川正十郎君) 目黒さんからこうしていろいろ問題提起されることは、本当はいいことだと私は喜んでおるんですよ。それはなぜかと言うと、そういう、国会でたとえば和歌山の土取りの場を、買収で黒い霧があるじゃないかと国会で質問されたら、やっぱりみんなそれで、これはもううっかり手を出せぬということで、ぼそぼそしておるやつ皆おさまってしまうしね。だから私は、それは結構なことだと思うんです。ですから、私たちもこの問題には非常な関心を持っていままで取り組んできておるし、いわば私たちの範囲内のことで、調査したものは目黒さんに報告したはずですよ、ただ、おっしゃるのは、農林関係のやつで、何か森林公園か何かあったんじゃないですか。その部分があるいはおくれておるかもわかりませんが、そのほかのやつは報告したように言っていますしね。だから、そのたびごとに、私のところは十分な関心を持ってやっておりますし、それと、それから淡路島の方をおっしゃいましたですね、あれも調べまして、あれは関西新空港と直接関係ないような、いわば阪神地域全体のいろんな埋め立て工事だとか、何かそういうのも入っている。ですから要するに、こうしておっしゃることは、そういうまた空港工事が起こったら、こういうことに巻き込まれることのないようにしようということですから、われわれもそれはもう十分に注意してますから、これは私たちは事前警告だと思って、そのつもりでやっております。
 それからもう一つ、これは誤解を解いていただきたいと思うのは、さっきから六兆円、六兆円と言って、何かそんなこと言うと、地元は本当に六兆円落ちてくるかなあと、地元の者はそう思ってしまいますしね。そんな話じゃないんです。空港建設費も、先ほど来大蔵大臣なり、官房長官のお話がありますように、実際われわれは、いま事前調査をした場合、いわゆる環境評価表をつくるために、事前にラフな、荒っぽい調査をしたのですね。そのときの基礎から見ると、空港建設にこの程度かかりますと、ところが、それにもいろんな工事方法がありますから、これをすればもっと節約できるかもわかりません。とりあえずそんなラフな調査しかまだないのです。ですから本当に、これに取り組むとするならば、一回、ヘドロはどんな程度か、土質はどうかということを細かく調べなければならぬ。そういうことをやることによって、本当は幾らかかるんだということが出てくるのです。これが一つなんです。
 それともう一つ。六兆円、六兆円という中で、恐らく目黒さんの頭の中には、空港の飛行場の建設が二兆円、それから周辺整備が二兆円、アクセスが二兆円、大体そんな頭があるんじゃないかと、私は思うのです。これは実は、いろんなところからそんな話が流れまして、おととしあたりから、それが実は私たちも非常に迷惑しておるので、運輸省の方からそんな話は、絶対六兆円なんという数字は出しておりません。
#73
○目黒今朝次郎君 出しているじゃないですか、この前私がやったときに。
#74
○国務大臣(塩川正十郎君) いや、そういう数字は言っておりません。そういう六兆円というのが、何かそれは既定事実のようになっておるのは、それはひとつお取り消しを願いたいと思います。
#75
○目黒今朝次郎君 断固私は、これは航空局長が関西の皆さんに言った議事録から確認したのですから、都合が悪いと議事録では言ってない。都合がよければそういうことは言いました。そんな二枚舌には私はごまかされません。これは歴史で対決します。いま成田空港のざまは何ですか。成田空港はわれわれが当時何と言いましたか、われわれが当時主張したとおり、成田空港が現になっておるじゃないですか。滑走路もあのとおり。二期工事もできない。パイプラインもあのとおり。とどのつまりは国鉄の労使に紛争をぶっかぶせて、四人も五人も首を切る。これは航空行政の根本的な誤りですよ。それと同じように、この関西新空港の問題についても、土地買い占めが本当にあるのかないのか、いまあなたが言ったことが本当にそうなのか。これは歴史が審判しますよ。五年か六年たって、私の言ったことが正しかったのか、あんたの言ったのが正しかったのか、あるいは私の言ったことが予防になって、黒い霧がなくなったのか、それらは、歴史が審判する以外にない。私はあくまでも歴史を追って、あなたと対決していくということだけは明らかにしておきます。これ以上答弁要りません。
 それで官房長官、そういうことです。ですから私は成田空港からずっと携わっていますから、空港には莫大な金がかかる。いろんな見込み違いがある。したがって、慎重にも慎重にすべきだ、私はこういう考えなんです。ですから二十四億五千万についてはわかりました。ただ、国民の税金がむだ遣いにならないように、土地成金に大きな金がポケットに入るようなことになって、国民から疑惑が持たれないように、きちっと私は鈴木内閣の責任でやってもらいたいということについて、官房長官に最後の決意を聞いて、十二時ジャストですから、あなたの持ち時間を終わりたいと、こう思います。
#76
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府としても、もとより慎重に検討いたしてまいります。
#77
○目黒今朝次郎君 次、ヤクルト問題について、この前私が三月二十日お尋ねしたんですが、その際にヤクルト本社の上場に対して、従業員の持ち株会の株を冷やし玉に使ったと、こういうことを指摘したんですが、そんなことないと、こういうふうに言っているんですが、大蔵省、これはヤクルトの会社のある方の預金通帳なんです。預金通帳のメモの写しです。これによると五十五年二月五日「フリコミ」「ヤクルシジュウギヨウ」、こういう個有名詞で四万五千九百八十五円、これ振り込んであるんです。私は「ヤクルシジュウギヨウ」というのは何だろう、こう言ったら、これは社員株主会の略号なんです。ですから、一月二十三日に上場されて、従業員の持ち株を売って、そして二月の五日に払い込みされていると、これは従業員の株を冷やし玉に売ったということの裏づけだと私は思うんですよ。ですから、この件について、おたくの方で確認できるかどうか、ひとつ関係者の方からお話し願いたいと、こう思うんです。
#78
○説明員(岡崎洋君) ただいまのお話でございますが、この前の御質問でも冷やし玉に従業員持ち株会の株式が入っておるのではないかとの御指摘でございましたので、再度取引所にも照会いたしまして、従業員持ち株会が冷やし玉の中に入っておるかということをチェックいたしましたけれども、私どもが承知する限りでは、冷やし玉としてリストアップされていないということでございます。ただいま先生お示しの資料は、従業員持ち株会の中の方が二月五日に売買の入金を受けたという資料であるように承知いたしますけれども、冷やし玉を使いましたのは上場時、これは一月の二十三日、四日の話でございまして、普通の話ですと、四日日決済でございますので、そのお金は一月中には決済されるはずでございますので、この方の株式の売買がいつ行われたということはつまびらかではございませんけれども、冷やし玉として使われたのではないのではないかというふうに思います。ただ、その後上場された後で普通の取引、あるいはそのほかの理由によって売却されたということは推定できますけれども、冷やし玉として使われたのではないのではないかというふうに理解いたします。
#79
○目黒今朝次郎君 いずれにしても、従業員の持ち株が動いたことは事実ですね、しかも、私に情報提供した、その通帳を出した方が言いますに夢、全部で百二十四万四千株あるそうです、従業員株が。そのうち百十万株がもう売られていると。私は、これだけの株を売る際に、関係従業員に全くの相談もなく、社長が独断で処理するということについては、やっぱり越権行為ではないのかなあと、こんなふうに考えるんですが、法務省の刑事局長の見解を聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
#80
○政府委員(前田宏君) いま御指摘の、従業員持ち株会の株がどのように処分されたかということにつきましては、いま大蔵省の方からもお答えございましたように、必ずしも明確でないわけでございます。さらに、いまお尋ねの中で、その処分について社長の独断でやられたということでございますけれども、そういうこともまた直ちには明らかにされていないところでございますので、お尋ねにつきまして直接お答えいたしかねるわけでございます。
#81
○目黒今朝次郎君 これは、われわれが入手した情報では、この前の二十日の決算委員会でやりましたところ、三月二十七日にヤクルトは緊急役員会を招集して、いわゆる冷やし玉の問題、それからこの株の処分の問題、それから後から出てくる銭の配分の問題についていろいろ対応策を相談したと。したがって、いま審議官が答弁しているとおり、冷やし玉については各役員が持ってる株について報告せいと、それで当面を糊塗しておけと、こういう指示をこの緊急役員会でやったという情報をわれわれは入手してるんですが、あなたが冷やし玉、冷やし玉というのは、会社の株をやったんであって、従業員の株でないと、そういうことは時間的に何をもって証明できるんですか。これは素人がわかるように、時間的にこうこうしかじかであるからこうだということがわかるような証明の方法はあるんでしょうか。教えてください。
#82
○説明員(岡崎洋君) 取引所の上場に際しましては、取引所の方が上場に先立ちまして幹事証券会社及び発行会社に対して、上場がスムーズにいくようにということで、事前に相当量の冷やし玉を用意してくれという要請をいたしまして、そのリストを上場の前に届けさしております。したがいまして、先生御指摘の、どういうようなことが事前に用意されておったかということにつきましては、取引所に冷やし玉のリストが提出されておりますので、そのリストを拝見いたす限り、従業員持ち株会の株式が入っていないということで確認して申し上げておるわけでございます。
#83
○目黒今朝次郎君 そうであれば、あなたの言うのが本当であれば、会社が緊急役員会を開いて、この冷やし玉の問題について緊急役員会で相談する必要はないんじゃないですか。その点はあなたの答弁を正当だとすれば、上場の前にちゃんと冷やし玉について名簿を出しているとすれば、緊急役員会まで開いて大騒ぎをする必要はないではないか。緊急役員会を二十七日開いて、いろんな対策を練ると。目黒議員などに負けるものかと広言したと聞いているんですが、それは結構でありますが、緊急役員会の背景は何かと、こう私は考えますと、やはり何らかの手を打ったと、打つ必要があるから緊急役員会を開いた、こう見るのが一般人の常識じゃないですか。この点はどうですか。
#84
○説明員(岡崎洋君) 先生の御質問のあった日以降緊急役員会が開かれた云々ということは、ただいまお伺いするわけでございますけれども、冷やし玉のリストに関する限り、緊急役員会で云々すべき状態ではないのではないかなということで、私自身いぶかしげに思っております。
#85
○目黒今朝次郎君 これ以上あなたに言ってもしようがありませんから、そういう背景があったということだけ頭に置いてください。
 それから、この前株の売買禁止について触れましたら、新聞報道ではそんなことないと、こういう新聞報道が、ここに新聞のコピーがありますが、私はもっときょうは具体的に言いますが、松園社長の命令で五十四年十月から十二月にかけて、全国の販売店から上場後のヤクルト株の取得のために金を集めさせたと。この集めた金は、この前は抽象的に言いましたが、きょうは具体的に言います。会社名は略します。A会社が二千万円、これは五十五年一月二十九日、これは福島の郡山です、B会社が一千万円、五十五年の一月二十一日、これは山形から振り込んでまず。同じようにC社が青森から三千万円、D社が宮城県の仙台から二千万円、それからE社が常磐のいわきから一千万円と、こういう形で全部私の方で調べました。われわれが入手している情報だけでも五十五社分、約十五億円の金が上場後地方のヤクルトから割り当てられて振り込まれています。振り込み先は第一勧銀の京橋支店ヤクルト共栄会、こういう名義で振り込まれてます。これは後にヤクルト共進会と名称が変更してます。口座番号は普通預金口座一〇二四二三七、この口座にいま言った十五億円がわれわれの調査だけで確認されました。この会社は全国で百五十社ありますから、百五十社のうち五十五社で、私が確認しただけで十五億円でありますから、だから三分の一ですね。三分の一で十五億ですから、全体に同じ指示をしたと、こう見ますと、この前私が言ったとおり、二十億ないし三十億近い金が株を買い占めるために地方に割り当てられて集められたと、こういうことを裏づけしています。さらにこの会社名が必要であれば、A会社はどこどこ、B会社はどこどこと、こう言ってもいいと思うんですが、会社のメンツがありますから、私はきょうはそれは省略します。
 したがって、こういうふうに集めて、その金で株を買って、そして、今度は地方にその出資金に応じて株の配分をして、そしてこの株を売ってはならないと、その文書がこの前言った売買禁止の秘密文書ですよ。株の調査をした覚えはあるけれども、株の売買禁止を指示した覚えないと、こう言っていますが、ここにはちゃんと株の売買禁止についてという秘密文書があるんですから、現に売買を禁止している。これに違反した者は五十六年の九月のヤクルト商品の契約更新にはもう割り当てしないと、そういうおどかし文書をつけてやっているわけですね。そんなことはないんだとまた会社が逃げると思うんでありますが、幸か不幸か五十五年九月二十四日午後一時、寺崎源蔵さんという本社の常務が東北支店長室で言明したテープがあります。これはそのテープです。必要ならいつでも聞かせます。したがって、株を買うために地方に割り当てる、金を集めて株を上げながら上場させると、買った株を地方に配分する、本社から命令が行くまでは売ってはならない、もし本社の命令聞かないで売ったやつについては、五十六年九月のヤクルトの売買の契約には外しますよという意味のこれテープですよ。これだけ証拠が残っていれば、完全に私は株価操作をやっているということにもなるだろうし、こういうものに対する法務省なり、あるいは大蔵省の見解を――必要があれば私のテープあげますから、捜査上必要ならこのテープは提供します。刑事局にも証券局にも。こういう事実行為について、大蔵省と法務省はどういうふうに考えるか。やはり問題点としてとらえて、十分な捜査をすべきだと、こう思うんですがいかがですか。
#86
○説明員(岡崎洋君) 証券取引法の観点から申しますと、先生御指摘のように、株価操縦というものに対しましては法律で一定のかなり厳格な構成要件がありますときには、それは違法であるということで規定がございますが、ただいま御指摘の事実関係がそれに相当するかとどうかということは、にわかになかなか断じがたい点でございまして、会社がどういう趣旨に基づいて全体的にそういった事柄をしておられるかということは、販売会社、取引先等でございますと、一般の場合でも安定的に株式を長期的に保有してもらうという、いわば安定株主としての期待を持ってお願いしておる会社もあるようでございます。ただ、そのお願いの仕方なり、その後のそれの動向というものは、それなりにいろいろな観点からの御指摘があろうかと思いますけれども、にわかに証券取引法上の相場操縦に当たるかどうかという点につきましては、なかなかいますぐ断じがたいというふうに思います。
#87
○政府委員(前田宏君) ただいまのお尋ねの点につきまして、まあたとえば証券取引法違反が成立するかどうかということがあろうかと思いますけれども、その点につきましては、ただいま大蔵当局の方からお答えがございましたようなことでございまして、やはり私といたしても直ちには断定いたしかねるということであろうと思います。いろいろと問題を御指摘いただいておりますし、何か資料もいろいろとお持ちのようでございますので、そういう点も御提示いただければどのように取り組むか検討いたしたいと思います。
#88
○目黒今朝次郎君 いま提起した問題ですから、にわかに断定じがたいということについては、それなりに私も了解しますが、しかし問題があるということについては、やっぱり問題意識があると思いますから、きょうはこれ以上追及しません、時間の関係もありますから。必要があれば、私が持っている情報は提供する用意がありますから、テープもお聞かせする用意があります。したがって、法務局とよく連携とって、問題点を浮き彫りにしてもらいたいと、こういうことを要請だけしておきます。
 それから、この前も私は社長がある程度の自分の持ち株を操作をして、役員にそのもうけの金を配分したと、こういうことを指摘いたしました。ところが、やっぱりこの二十七日の緊急役員会で、これは大変だと、税の申告もしてなかったんですから、事実。でありますから、これは借用書に切りかえると、そういう指摘をして借用書に切りかえる作業をしているようであります。しかし、自分の持ち株を売って、何億という金を持っている人が何百万、何千万の借用書を、お金を借りるだけの経済的な必要性があるかどうかということを考えてみますと、私は必要性がないと思うんであります。したがって、この前申し上げた金の配分を、借用書に切りかえて、税の申告から逃れようなんというこそくな手段をわれわれは見逃すわけにはまいらぬと、こう思うんでありますが、この借用書に切りかえたことによって、申告しなかったことについて逃れることができるのかどうか、そういう操作のやり方については、やっぱり国税庁も法務省も厳正な追跡をする必要があると、こう思うんでありますが、国税庁なり、法務省の方から、申告しなくてもいいと言ってくれた金を借用書に切りかえると、この操作のことについてどういう考えを持っているか、お考えを聞かせてもらいたいと、こう思うんです。
#89
○政府委員(小幡俊介君) お答え申し上げます。
 私ども個々の具体的な内容については承知いたしておりませんが、一般論として申し上げますと、課税関係は形式のいかんにかかわらず、実質がどうであるかということによって処理されるわけでございます。ただいまの場合に、ある金品が会社に帰属しているものがありまして、その会社に帰属する利益からその金品が役員に渡されたということでございますと、それが給与として渡されたということであれば、給与所得として課税されるということになろうかと思いますし、また、会社からある金品が役員に対して貸付金として渡されたということであれば、これにつきましては課税関係は生じないと、こういうことになろうかと思うわけでございます。
 いずれにいたしましても私どもといたしましては、一般論として申し上げますれば、いろいろな問題があります場合に、いろいろ資料、情報等によりまして具体的な事実関係が判明し、それに基づきまして課税すべき問題があるということであれば、適正に課税をし処理をするということでやっておるということでございます。
#90
○目黒今朝次郎君 われわれの認識では、前回の標には申告するなということで分配したと、今回は貸付金として振りかえておけと、そういう情報を入手しておりますから、事実関係について厳正な追跡をお願いしたいということを要望しておきたいと思います。
 それからもう一つは、この湘南食品とヤクルトの合併問題については、この前お話し申し上げました、この操作で四百万株というのが松園社長の一族の支配下になったと、こういう問題の提起をしたんですが、この合併問題と、四百万株の行方について、法務大臣の方にお願いしておったんですが、大蔵大臣とよく相談をして云々という前回の答弁もらっているんですが、その後まだ調査が進んでいないか、進んでおれば聞かしてもらいたい。進んでなければ、なお調査中だという、どちらでも結構ですから進捗状況をお聞かせ願いたい、こう思うんです。
#91
○説明員(岡崎洋君) ただいま湘南食品の合併に際しましてのヤクルトの株式の動きでございますけれども、有価証券報告書によりますと、五十四年の七月一日にヤクルト本社と湘南食品が合併したわけでございますけれども、その時点で湘南食品の株式一株、これは額面五百円でございますか、これに対してヤクルト本社の株式五株、これは額面五十円、結局一対〇・五という形で、合併に際して割り当て交付をしておるということでございまして、これは合併に伴いまして、それの対価として湘南食品の株主である松尚というところに四百万株行っておるという事実が記載されております。
#92
○目黒今朝次郎君 この前言ったとおり、会社を設立して職員はいない、二カ月足らずで合併したんですから。社員のいない会社を設立するなんというのは聞いたことがないんですがね。株の方だけは四百万株だけ動いたということをいま認めたんですから、これもやっぱり私は問題があると。
 大蔵大臣、最後にお願いしたいんですが、最近いろんな株をめぐる疑惑、問題点、それから倒産、それから一般の投資者の被害と、こういう問題がいろいろあるんですが、私も誠備グループの問題をきっかけに、このヤクルト問題を追っておるわけであります。時間がありませんから、これ以上はしませんが、こういう問題について、大蔵省として、あるいは大臣として、今後基本的にどういう対応が必要かということを、大臣の方から一言見解を聞かしてもらいたいと、こう思うんですが。
#93
○国務大臣(渡辺美智雄君) 最近株関係でいろいろ社会問題が出ておるわけでございますが、どういうところに本当の原因があるのか、そこらのことはよく調査をしてみたいと思っております。やはり、株式民主化あるいは大衆株主保護ということは大切なことであって、私は証券業界の健全な発展というものは、自由主義経済のもとできわめて重要な大切なことだと思っております。しかし、それがむしろ阻害されるような方向に走っている部分があるとすれば、そういうことは除去しなければならないことでありますので、よく内容を点検させていただきたいと考えます。
#94
○目黒今朝次郎君 私ども、いま大臣の言った方向には、持っておる資料を出して協力する用意がありますから、十分な配慮をお願いしたいと、こう思っております。
 最後に、住宅公団の問題についても、特に四十九年三月二十二日、京都労住協と契約した京都西部地区の問題について、私は決算委員会で提起いたしました、しかし、提起いたしましたが、その後これまた何の音さたもないと。これは遺憾なことでありますが、いまだにこの住宅公団の買収地は何も建っておりません。それでいろいろ問題ありますが、私は、最終的に住宅公団は鑑定書の八〇%で買収をしたんだから問題ないんだと、こう言って逃げておるんですが、やっぱり鑑定書それ自体に問題があるんじゃなかろうかと、こんな気がいたします。
 ここに三通の鑑定書があります。この三通の鑑定書を私は全部見ておるわけでありますが、問題点になるのは、この鑑定書を見ますと、隣近所の、隣接の土地が幾らするかというところに視点を置いて鑑定なり、価格の算定はしておるんですが、いまから買おうとする土地を何に使うのかと、住宅地として十分な機能を持っているのかどうかと、そういう目的意識をきちっと設定をして、その目的意識に合うような鑑定の作業ということを義務づけないと、依然として土地は買ったけれどもそこに住宅が建たない。この場合も百六十億使っているわけですね、百六十億で買って七年間もぶん投げっ放し。何の作業もしてない。それで、これは私が国会で取り上げたからわかったものの、国会で取り上げなければほおかぶりして、百六十億の金をそのまま投げておくと。そうしていろんな問題を提起すると、それはそのとおりですと。しかし、鑑定書にはその欠陥が全然出てこない、この鑑定書には。私が指摘した欠陥は全然出てこない。そういうふうなところにこの問題のどうも本質があるようだ。
 したがって、土地の鑑定書をつくる場合には、必ず利用目的を正確に判断するという義務づけを行うべきじゃなかろうか、そういうことについて法改正をすべきじゃなかろうかと、私はそうこの問題と取り組んでみて思うんでありますが、会計検査院なり、あるいは大蔵省なり、あるいはこれには国土庁も絡んでおりますが、国土庁なり、あるいは建設省なり、そういう関係省が頭を出し合って、そういう、不純とは言いませんが、不備な土地鑑定にならないように、法改正の一部も含めてやるべきではなかろうかと、こんなふうに思っておるのですが、おのおの会計検査院、あるいは大蔵大臣などからひとつ御見解を聞かせてもらいたいと、こう思うんです。
#95
○説明員(肥後昭一君) お答え申し上げます。
 公共用地の取得に当たりまして、鑑定評価書というのは、その取得価格の決定を行う際の重要な基礎資料でございます。それで、われわれも検査に当たっては十分関心を持って検査をいたしているところでございますけれども、鑑定に当たりましては、当然その土地利用の法的規制、あるいは地形、形状、地質その他環境等の制約、そういうものを十分に考慮に入れた鑑定をしていただかないと、土地価格の適正を図るのがむずかしいと、そういうふうに考えております。
#96
○説明員(名本公州君) 土地の評価に当たりましては、ただいま検査院からお答えいただいたとおりであるというふうに存じております。本件、先生ただいま御指摘になりました三件の中に、私どもの方で監督いたしております不動産研究所の鑑定があるわけでございますけれども、その評価につきましてただしましたところ、当時において考えられる状況については、評価の中にほうり込んだというような報告を私どもの方として受けておりますことをとりあえず御報告申し上げておきます。
#97
○目黒今朝次郎君 じゃあんた、そういう鑑定書であるならば、七年間たった今日現在でも、家一軒も建てられないで、百六十億が居眠りするということはどうなんですか。はやはり最も根本の鑑定書そのものに問題の所在を見つけなければこの問題は解決しない。国民の税金がただ眠っている、百六十億、同時に私は、こういうものについてやはり謙虚な反省をしてもらわないと、いろんな問題がありますから、悪かったら悪かったと言って反省してもらって、そういうものを再び繰り返さないために、鑑定のあり方に問題があるならば、私が提起することも含めて前向きに検討して、そうして問題の解消をしていこうという、それが本当の行政改革の一環じゃないですか。机の上の行革を中曽根長官が何ぼ言ったってしょうがない。こういう一つ一つを具体的にやっぱり検討すべきだと、そうしてまた問題点を国民に知らせるべきだと、こう思って私は親切に提起するんですよ。これについて大蔵大臣の見解を聞いて質問を終わりたいと思います。
#98
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは目黒さんの言うとおりですよ。それはやっぱりわれわれも知らないところがいっぱいありまして、公団なんかでも、要りもしない土地買い込んじゃっていて眠っているとか、それから、いっぱい家をぶっ建てたけれども何割も入ってないとか、民間じゃやらない、そんなばかなことは、やはり親方日の丸でやっているからそういうことになる。したがって、私はそういう点は総点検をしまして、そういう余裕のあるところはもう来年から予算をつけないんだ。売ってもらって、その売った金の中でやってもらいたいと、ことしから言っておったんですが、ことしはなかなか徹底しなくてなんですが、非常に、いいことを教えてもらったですから、これからもどしどしヒントを与えてもらって、一緒になって、そういうのを要するに蔵ざらえをやらなきゃならぬ、そう思っております。
 ありがとうございました。
#99
○目黒今朝次郎君 最後に法務大臣、要請ですが、ヤクルト問題、きょう前段の官房長官の話が入ったために十分やることができませんでした。いろいろ大蔵省とも協力し合って、私たちも問題提起については協力しますから、大蔵省だけじゃなくて、法務大臣としても最大の努力をしてもらいたいということを、これは答弁要りません、要望しておいて、質問終わります。
#100
○委員長(野田哲君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十一分開会
#101
○委員長(野田哲君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#102
○塚田十一郎君 前回一度本委員会でお尋ねをした問題で恐縮なのでありますが、時間の関係がありまして十分な詰めがなされていませんので、幸い総括質問の機会に、もう一度この問題を取り上げさしていただきたいと思います。もちろんきょうは、主としては制度のあり方ということについてひとつお考えをただしたいと思います。
 なお、同じような制度問題として時間があれば、実は査察と、それが告発になって刑事問題になるこの一連の制度についてもお尋ねをしたいということで、きょうは大臣にも御出席を願っておるわけであります。
 最初に制度の話をあれいたします前に、前回いろいろお尋ねいたしました以後、まだ事実問題についても少し詰まってない部分があろうかと思いますので、大体この問題は、第一弾には、あのときの登記が登記官に事実の認定に誤りがあったんではないかという問題点が一つあるわけであります。私は自分の調査もそう完全なものとは申されませんが、詰めました感じでは、これはやっぱり登記官があのときにあのような登記をしたことに、誤りがあったという一応の結論を持っておるわけです。そういうような結論になったときに、これをどういうぐあいにして是正したらいいのか、ここが制度の問題になるところだと思うんです。登記官がやること、人間のやることですから、絶対に誤らぬというわけにはいかぬのですが、ところがいろいろ調べてみるとちょっと簡単には是正ができないみたいなかっこうになっているので、それらの点を今後制度としてどのようにお考えいただけるのか、その点をきょうは主として大臣にひとつお尋ねをいたしたいと思います。
 そこで最初に、まだ前回詰め残しました事実問題について、表示登記は申し上げるまでもなく、不動産登記法八十条によって、「新ニ土地ヲ生ジタルトギ」ということになっておるわけであります。ところが、この件は、この一連の書類から見ましてもわかるように、三倉地所にとっては、この土地は大西定吉なる者から売買で買ったということがはっきり契約書もあり、しているわけです。だから、三倉地所にとっては、土地を取得した原因は売買なのであって、新たに土地が発生したということではないのではないか。そうすると、三倉地所が表示登記を申請したということが誤りになっておるのではないかと思うんです、そう思って見ると、この間もこの点だけは指摘しましたのですが、この表示登記を申請する書類の一連の書類の中に、この資料の三十二という番号を振ったところに、三倉地所株式会社の代表取締役広瀬恭一氏なる者が、神戸地方法務局西宮出張所長に出したてんまつ書というものがある。これを読んでみると、前回も指摘しましたように、三倉地所は表示登記を申請するつもりではなかった、表示更正登記を申請するつもりでおった。はっきりとそう書いてあるんです、「宜敷く事実調査の上土地表示更正登記の申請書御受理の程御願い致します。」と書いてある。ところが、三倉地所から委任を受けたこの事件を扱った司法書士の山根音松なる者は、どういう委任状を受けとったのかは知らぬけれども、なるほど委任状には土地の表示の登記申請と書いてありますな。表示登記の申請をしたんです。委任したのはこれ三倉地所ですから、三倉地所が自分では表示更正登記を申請するつもりでおって、そうして実際に出たものは、これはまあ代理人にやらしたから間違ったということもあるかもしれませんけれども、土地の表示登記の申請になっておるんです。ここが少し私は、だからこの一連の、表示登記を申請した書類一連のものに誤りがあるんじゃないか、しかもその誤りは、これ表示登記をやるのと、表示更正登記をやるのは全く違いますからね。こういうずさんな書類を受け付けたところに誤りがあるのではないかという点、この点いかがですか。
#103
○政府委員(中島一郎君) お答えを申し上げます。
 最初に、不動産登記法の八十条「新ニ土地ヲ生ジタルトキ」という点でございますけれども、これ文字どおりに見ますと、新たに土地を生じたるときということでありまして、よく例として挙げられますのは、公有水面を埋め立てた場合である、埋立地として新しく土地が生じた場合に表示登記を申請することができるんだと、こういうふうに読めるわけでありますが、実はもう少し広く、従来登記簿に搭載されておらなかった土地が出てきた場合、たとえば国有地でありまして、従来は登記簿に記載がなかった、それを払い下げを受けて私有地となった、そこで民有地として登記をしたいというような場合でありますとか、あるいは、従来から土地は存在しておったわけでありますけれども、何らかの理由によって登記簿に搭載されておらなかった、それを発見したから今回改めて土地の表示登記をしたいというような場合も、この八十条によって表示の登記の申請をすることができるというふうに解しておるわけでございます。
 それから、その次にお尋ねがございました三倉地所のてんまつ書によると、土地表示更正登記をするつもりだったんじゃないかという点でございますが、確かに四十一年の八月二十九日に作成されております三倉地所のてんまつ書によりますと、その最後のところに「宜敷く事実調査の上土地表示更正登記の申請書御受理の程御願い致します。」という記載がありまして、当時は三倉地所としては表示更正登記の申請をするつもりであった、そのためにいろいろと資料を整えておったと見られるわけであります。登記所の書類を見てみましても、最初には、表示の更正登記の申請書が出されております。それをいろいろ登記官が審査をいたしまして、昭和四十二年の六月にこの件は地籍の訂正で処理してしいいかどうかという照会を神戸地方法務局の本局にしております。それに対して四十二年の八月で、地籍訂正では処理できないという旨の本局の指示がありまして、地籍訂正すなわち表示更正の登記の申請書は取り下げとなっております。改めて四十二年の九月八日付で表示登記の申請を出しております。その表示登記の申請に基づいて、四十二年の十一月の二十八日に表示登記の処理をいたしております。ただ資料等は、最初に予定をいたしておりました土地表示更正登記の申請書、申請のための資料を転用をしたというようなことであろうかというふうに理解しております。
#104
○塚田十一郎君 じゃ、その点は一応了解をいたしました。
 そこで問題なのですが、表示登記の申請をするときには、これも前回指摘をいたしましたけれども、いろいろと附属書類の必要がある。申請書には地籍の測量図、土地の所在図及び申請入の所有権を証する書面を添付することを要するということになっておるのでして、したがって、登記官が登記を受理して、それを申請者の希望どおり登記をする上には、所有権がなるほどこの申請者のものであるということの確認ができなければ、これはできないはずだと思うんですが、どうですか。
#105
○政府委員(中島一郎君) そのとおりでございます。
#106
○塚田十一郎君 そこで、登記官が確認をしたときの記録、実地調査書というのはそうなんですね。
#107
○政府委員(中島一郎君) 申請人から、申請の際に添付されました書類及び実地調査書を総合して判断をしたものというふうに考えられます。
#108
○塚田十一郎君 申請された書類その他調べられたことを総合して、この実地調査書に書いてあることが、こういう判断によってこれは三倉地所のものだという判断をしたという書類なんですね。
#109
○政府委員(中島一郎君) そうであると思います。
#110
○塚田十一郎君 局長、実地調査書を、大分前から私はこの問題を指摘してお尋ねしますよと申し上げておった。実地調査書をお読みになったことありますか。
#111
○政府委員(中島一郎君) 読んでおります。
#112
○塚田十一郎君 私はこの書類を読みまして、これはいかにも粗末だと、しかもこの書類が基礎になって、私がいま取り上げているような、七千坪を上回るだれの土地かわからぬ土地が、ある特定の会社へぽんと表示登記がなされて、そしてやがて保存登記がなされて、所有権を移しているんですよ。それにしてはおよそ粗末だ。これは時間があれば私は委員の皆さん方に全部読んでお聞き願いたいと思う。恐らく一度読んでわからぬ、二度読んでわからぬ、三度読んでわからぬ、十遍ぐらい読んだらははあという感じになるかと思うんです。
 そこで、この実地調査書というものは、登記というこの国が行う行為の中で、どういう意味の重みのものなんですか、これ。私は自分でこれ裁判官の判決の理由書みたいなものかなという感じだが、どうでしょう。
#113
○政府委員(中島一郎君) 不動産登記法の五十条によりますと「登記官ハ土地文ハ建物ノ表示ニ関スル登記ノ申請アリタル場合又ハ職権ヲ以テ其登記ヲ為ス場合ニ於テ必要アルトキハ土地文ハ建物ノ表示ニ関スル事項ヲ調査スルコトヲ得」と、こう書いてございますので、その調査をいたしました場合に、調査の結果を明らかにし、それを後日に残すためにつくる書面であろうかというふうに考えておりますので、ちょうど検証調書と、それに若干判断の理由をつけ加えた、判決といういまお話ございましたけれども、若干そういうような意味合いも持たせたような書類であろうかというふうに考えております。
#114
○塚田十一郎君 これ実地調査書で調査報告書ではないから、本人が書いて、そしてこの事件の処理をした一件書類の中にとじ込んでおくというだけのもので、担当した登記官が書いて、それを、たとえば登記所の上司、その他だれも見てこれを検討はしないものなのですか。
#115
○政府委員(中島一郎君) 後日、特に問題が起こりませんでしたら、だれもそれを再度読み返すとか、検討するとかということはないと思います。
#116
○塚田十一郎君 だからここに、私はこの制度に重大な欠陥があると思う。これは私は非常に言葉があれで悪いですけれども、こんな文章はこれは小学校の生徒でも、六年生ぐらいになれば書かぬと思うんです。
 それで、時間がありませんから、最後のほんの結論のところ、だからしてこの土地は三倉のものだということを、登記官が認定した部分だけを読んでみます。文字どおり読みますからね。「農工銀行所有当時実測図にも一番の一の土地と数筆記入されているが田中氏より聞き及び処二〇万坪程の出坪があり道路水路の新設及当庁字限図の作成時により無番土地が出来たのではないかとの由で附近土地売買に伴って無番土地も含んで承継現在に及んでいるのではなからうか現在の三倉土地であらう其れ以外に所有者は知らないとの事であった」委員の皆様方、読んだだけで納得いかれますか。こういう粗末なものが基礎になって、あれだけの重大な所有権移転が国の手で確認されておるんですね。ここへ持ってきましたのは、これは当時三倉が登記所に出した一連の書類です、非常に大部なものであります。しかし、所有権がだれにあるかということを見る以上は、少なくとも私が自分の常識からすれば、この土地は三倉地所が大西定吉という者から三十四年の十二月三十日の時点で、売買で取得した土地であるということが契約書ではっきりしているんですね。したがって、これが三倉地所の土地であるかどうかは、まず売り主である大西の地所であったか、土地であったかどうかという検討をしなければならないと思うんです。ところが、それは全然出てないんです。いかがですか。
#117
○政府委員(中島一郎君) 大西定吉作成のてんまつ書というものがございまして、大西は瀬戸寛太郎、同瀬戸きよからこの土地を買い受けたものであるという旨のいきさつを記載しておったかと思っておりますので、それが根拠になったというふうに理解しております。
#118
○塚田十一郎君 正確にはそうではないですね。大西定吉が買い受けた前の所有者は四人おるんですね、瀬戸保太郎という人物、瀬戸きよという人物、瀬戸寛太郎という人物、それから佐野フジという人物、これ四人から公簿面にある五筆の土地は買っているんです。二筆が瀬戸きよさんで、したがって、四人になっているんですよ。そこで、公簿面から買ったのは、これはそれぞれ売った人がわかっていますから、大西が登記もしているから、これは大西の所有になったことはわかりますが、その大西がこれだけの公簿面五筆、この間も申し上げたように、五千三十二坪の土地の所有権を取得したときに、延びと称する七千二百坪が一体どうして取得できたんですか。これは大西は、この延びの土地を取得したと同じ時点にもうすぐに三倉に売っているんですよね。大西は自分の土地としてそう長く持っていたわけじゃないんです。一体大西が、その登記面にない土地を、これもおれが買って持っていたんだと言い得るためには、自分が権利を譲り受けた、どの人からこれを、どの人がそういう登記面にない、公簿面にない土地を持っているという主張をしておったのか、その辺の調査が何にもしてないんですよ、これには。これは非常にたくさん資料がありますが、これはおどかしでして、この資料は結局、あれの土地でもない、これの土地でもない、国の土地でもないと言う、財務局からも。西宮市の土地でもないと言う、市当局からも。それから、あるいは組合員などの土地でもないという意味の、個人は二人だけが、自分の土地はその番地にはないと。問題の土地はおれの土地でないという人はたくさん出ている。それは証明書があるんです。しかし、だれかの土地であるという証拠は何も出てこない。大西についてもないし、大西が買ったと称するこの四人についてもない。それが突然、大西が昭和三十四年の十二月二十日に買って、十二月三十日に売って、その時点では、この間も申し上げたように、五筆のうち四筆はまだ大西が登記面で所有権を持っていなかったんですからね。それがすぐにその登記面の土地と一緒にぼんと三倉に一万二千坪の土地がどうして売れるんですか。そして、どうしてそのことが登記面上、なるほど、これは大西から買ったんだから三倉の地所だということの認定ができるんですか。肝心なそこの点は何も書いてない。恐らくお調べになっていないと思う。
#119
○政府委員(中島一郎君) たとえば、これ大西定吉のてんまつ書――てんまつ書という題はついておりませんが、大西定吉作成の書面でございますけれども、それによりますと、「此の間拙者が所有していたのは、別紙実測々星図に貼付けてあります通り土地の面積範囲は境界石標を基として前所有者より買収し、又現所有者に売却したものであり、拙者が所有管理していた間に於ては他より境界についての苦情を一度も受けたことはありません。」と、こう書いてありまして、売買はすべて現地の境界によって売買が行われたというふうにこの書面によっては見れるわけでございます。瀬戸きよ、瀬戸寛太郎の作成いたしました証明書によりましても、瀬戸保太郎は当時死亡いたしておりますので、瀬戸きよ、瀬戸寛太郎が書面を書いておりますが、この書面によりましても、この間私たちが所有管理していたのは、別紙実測測量図に張りつけてありますとおり、土地の面積範囲は境界石標をもととして前所有者より買収し、また大西定吉氏に売却したものであり、私たちが所有管理していた間においては、他より境界についての苦情も一度も受けたことはありませんと、こう書いてございますので、現地について境界を明示して売買が行われた、こういうふうに理解をすることができようかと思うわけであります。
 それから、問題の土地の隣接地の所有者から、三倉の所有土地との間の境界については異議はない、そして、境界から向こう側、自分の土地の向こう側の土地は、三倉の所有者であるという証明書も出ておりますので、そういうものを総合して問題の土地が三倉の所有地であるということの認定をしたものというふうに理解しております。
#120
○塚田十一郎君 抽象的に言えばそれで納得ができるんです。しかし、いま民事局長が言われたような事柄が一体現実の図面の上で見て納得ができますか、どうですか。この間、略図ではありますが、法務省でも持っていられた、三倉地所が作成した図面がありましたね。その図面を見てください。これで、大西が買ったと称する五筆の土地の所有者が、この図面のように、それぞれの人間の買った土地が公簿面上配置されています。この土地を持っていなどの人が一体これらの土地の所有権を持っていたのか。そこのところの究明はなされていますか。相手は一人でないんですよ。
#121
○政府委員(中島一郎君) 私どもといたしましては、現在では、先ほど申し上げました大西定吉の作成いたしました書面、それから瀬戸きよ、同寛太郎の作成いたしました書面によって判断をいたしておるわけでありまして、確かにこういう記載によって十分、前主大西なり、瀬戸きよなりの土地の所有権の範囲というものを、どの程度的確に認定し得るものかということについては、全く疑問がないわけではないと思いますけれども、この書面によって一応の判断をいたしました登記官の認定があながち間違っておるというふうにも言えないというふうに考えておるわけでございます。
#122
○塚田十一郎君 そう言われるから私が徹底的に争わざるを得ないんです。
 登記官はそういう面は全然お調べになっていない、調べられた証拠は実地調査書にもなければ何にもない。そうして私は、自分でそれではこの土地がどういうぐあいになっているのか、これは私の想像ですから当たっているかどうかわからないが、私は、この土地は、西宮市大字中字目神山一番地の一の残地だと思うんです。私がこの土地が残地だという心証を得たのは、あの回りの土地が全部一番地の一の枝番なんですよね、ここに出ている大西が前所有者から買ったという五筆の土地も全部。そのほか、同じ地域内にある別の所有者の土地も全部一番地の一の枝番なんです。回りがぐるっと一番地の一の枝番であるときは、中に残っておる土地は一番地の残地であるに違いない。これがなぜ登記面から抜けたのか、これが私は非常に疑問に思うんですけれども、ただ、この地域には二十八年の時点に地名変更があったんですね。そのときのごたごたで、一番地の一は新しい番地の甲陽園目神山町へみんな打っちゃったことになっている。それで甲陽園西山町の地域に残った一番地の一の残地が捨て子になって、籍のない土地になっちゃっている、それは登記面の誤りでありまして、決して所有者のなかった土地ではない。その証拠には、現地に当時からおる人間が、あの土地の一画に少なくともこの人間が、証言者が三十六年の四月にその土地行っておるんですが、移って行っているんですが、私がこの土地へ移ってきました当時、この土地には長尾よねの所有地という棒ぐいがちゃんと立っておりましたと、それが恐らく四十何年かの時点で、この土地がその後幸和不動産の土地になって、幸和不動産が宅造をするときにブルでもってこれを押し倒したと、私現地を見ておりますと言っている。ですから、ここに、大西の書面にしても、その他前所有者といわれる人たちの書面にしても、長年自分が占有をしておって、だれからも文句が出てなかったなんていうのは、これはうそなんです。少なくとも、私にその証言をした合田松造なる人物は、当時からすごくこれは三倉の土地ではないということを争っているんです。事実と違うんです。どうですか。
#123
○政府委員(中島一郎君) 問題の土地につきましては、その周囲の土地の沿革から考えまして、目神山一番地の一のだんだん分筆していった残地ではないかということは、当時でも一番問題になったようでありますし、私どももこの問題を考えます場合に、まず一番地の一の分筆残地ではないかということを、一番強い疑問を持った点でございます。でありますから、当時登記官といたしましても、この点についてはかなり突っ込んだ調査をいたしておるようでありまして、当時一番地の一の残地の所有者は吉岡宏という人のようでありますが、その吉岡宏からは、一番地の一の残地はこの問題の範囲内にはないという証明書が提出されております。それから、吉岡宏の前主には、長生株式会社というのがございますが、この長生株式会社からも念のために、この範囲内には一番地の一の残地はないという証明書が提出されております。それから、後日でございますけれども、農工銀行が長生あるいは長尾に売る場合に、一番地の一の土地の残地の一部を留保して処分したのではないかという点についても調査をいたしまして、そういう事実はないという証明書が提出をされております。というふうに、かなり詳細にその点の調査をいたしまして、すでに提出されておる書面によって、この範囲には一番地の一の土地の分筆残地はないという資料を整えて処理をしたわけでありまして、私どもも一番地の一の残地ではないかという疑問はぬぐい切れないものがありますけれども、調査の結果は、それを肯定するような資料はなくて、むしろそれを否定する材料が非常に多くあったと。しかも、後日になりますが、一たんここにば一番地の一の残地はないという証明書を書きました長生土地株式会社、後の長生株式会社が、これは一番地の一の残地であるという訴訟を起こしております。訴訟を起こしておりますが、その訴訟におきましても、一番地の一の残地であるという結論にはなりませんでして、結局は現在の表示登記を認めるような和解で終了をしておる。もともと長生土地が起こしました訴訟に大阪住建が訴訟参加をいたしまして、係争されておりましたけれども、一番地の一であるという結論には、ならなかったというようないきさつから考えましても、どうも一番地の一の残地であるという処理はできないんじゃなかろうか、できないというふうに私どもは考えております。
#124
○塚田十一郎君 一番地の一であるかないかは別にしましても、ここのところに長尾よねなる者がおれの土地だという立て看板を立てておったという事実があるんですよね。これはどうするんですか。
#125
○政府委員(中島一郎君) そういう事実は確認されておりません。私どもの方では確認をするに至っておりません。
#126
○塚田十一郎君 そうすると、重大な事実を確認し損ねていられるということですよ。これは現地におる人間が確認をしておるんですから、事実の私は争いはないと思うんです。何なら私は参考人で本人をここへ呼んで確めてみてもいい。確認しなかったということは、確認しなかったから長尾よねの所有地であるという事実を否定するわけにいかぬでしょう。要するに登記官が確認しなかったと、回りの人間がそう言っておるんだし、現実にものがあったんですから。まあこれ以上そんな問題だけをやっておったんでは、本筋の話に入れませんから、事実究明はこの辺にいたしますが、以上私がお尋ねをした論点で自分が考えているところでは、私はこの土地は一番地の一の残地であり、持ち主は長尾だと、私には私なりにこれ長生がこの土地は自分の土地でないということを言った理由もある程度うなづけるので、長生は自分の土地があの町名変更のときに全部目神山町へ行った部分だという判断をしておったに違いない。あるいはそのとおりだったのかもしれません。しかし、回りが全部一番地の枝番で出ているところに、真ん中に番地のない土地があるなんということは考えられない、これは。普通、延びというのは、回りが全部だれだれの所有であるということがわかっておって、そうして、その真ん中が、調べてみたらば相当延び坪があったというならば、これ延びですが、延びが出るわけがないですよ。この土地を持っていた人間はここだの、ここだの、ここだの何で持つんですか。しかもこの土地を持っていたというのは、これは人が皆違うんですからね。こんなことは考えられない、だから、だれの土地かわからないにしても、少なくとも大西から三倉が買ったという経過からして、大西はどうもこういう土地を持っていた形跡もないし、持てるような所有権取得の状況でないということであれば、これは当然に疑わしいから登記をしないでおくべきものなんです。疑わしいにかかわらず登記をするということが、私は重大だと思うんです。そうして、不動産の場合には、この間も申し上げたように、だれの土地でもないということが最終的に決まれば、これは国のものになるんですから。なぜ一体大西のものであり、三倉のものでおりということであの時点に表示登記がなされたのか。
 それで、制度の問題に入りますが、一体登記官が登記をするときには、一登記官の判断でできるんですか。
#127
○政府委員(中島一郎君) 申請を受けましたその申請事件についての判断をする時点におけることになろうかと思います。
#128
○塚田十一郎君 一人の登記官が、これは申請者の土地だと思ったら、認定したら、それで登記ができるんですかということをお尋ねしている。
#129
○政府委員(中島一郎君) 不動産登記法上から申しますと、不動産登記法上の登記官としては、その判断ができるというふうに理解をいたしておりますけれども、実際問題といたしましては、事務分掌によって、その事件を取り扱う登記官というものは決まってまいります。しかも、その登記官は、上司、出張所の登記官であれば出張所長、さらには事件によりましては本局の指示を仰ぐということになろうかと思います。
#130
○塚田十一郎君 現実には神戸地方法務局の指示も仰いでおられるようですね。それから、現実には現地を見に行くときには、所長がついて歩いていられるという記録もある。だとしたらば、私がいまわずか自分で民間の一プライベートな人間として調べて、これだけ疑問の点があるというものが、同じく登記事務に携わっている、あるいは大村君の上司なり、あるいは神戸地方法務局の者なりが見て、一体これはおかしいぞという判断がどうして出てこなかったか。しかも、本人がこれは三倉の土地だという認定をした実地調査書が、いま私が申し上げたようにあの程度のずさんなものですよ。それだから、実際にはやってはおるけれども、上司には相談はしているけれども、結局最終判断は登記官がこうだと言って判断をすれば、それでもう有効なものなんですね。
#131
○政府委員(中島一郎君) 審査請求その他の方法によって不服の申し立ての方法というものは考えられるわけですけれども、登記官の判断というものはそれで一応完結をするというものであろうと思います。
#132
○塚田十一郎君 審査請求ができる。これはしかし行為があってから何カ月以内とかいう制限がある。この件、登記に対しても審査請求はできますか。
#133
○政府委員(中島一郎君) 期間制限はございませんけれども、通常審査請求ができますのは、申し立ての却下された、申請が却下されたというようなケースでありまして、そういうものを一般的に申し上げたわけでありますが、本件の場合には特に審査請求ということはむずかしかろうかというふうに思います。
#134
○塚田十一郎君 どうも、私も法制局に調べでもらいましたらそのようですね。
 そこで、私は非常にこの制度の制度としての欠陥を感じるんです。ある登記官がある申請を受けて登記をしたと、本人は登記する以上はこれは間違いないという判断をされたんでしょうが、ほかの者から見たらば明らかに間違っているかと思っても、これ直せないですか。どうですか。
#135
○政府委員(中島一郎君) 登記が表示登記にとどまっております段階では、表示登記は職権でもすることができることになっておりますから、訂正の可能性というものはあると思います。
#136
○塚田十一郎君 どういう方法で手続をしたら訂正ができましょう。
#137
○政府委員(中島一郎君) 申請もございましょうし、職権で更正登記をするということになろうかと思います。
#138
○塚田十一郎君 職権でやるにしても、申請をしてやってもらうにしても、期間のあれがありますか、何カ月以内にやらなければだめだとか。
#139
○政府委員(中島一郎君) 期間の制限はございませんけれども、それはあくまで登記が表示登記にとどまっておる限りにおいてということでございまして、その後に保存登記から移転登記というふうに、権利の登記に進んでまいりますと、これはもう更正の余地はないというふうに考えます。
#140
○塚田十一郎君 そこで、申請によって直してもらうというときに、申請するのはだれですか。
#141
○政府委員(中島一郎君) 権利の登記になりました場合には、申請するのは当事者ということになろうと思います。現在の登記名義人、これが登記義務者ということになろうと思いますけれども、それと新しくその登記によって利益を受けるべき者――登記権利者と、これが当事者の相互申請によって現在の登記を変更するということになろうと思います。
#142
○塚田十一郎君 そうだとしますと、この表示登記によって権利を侵害されたという人間が実在しない――実在しないというのはなかったということで、死んでしまっていなかったと、相続人もいなかったというような場合には、これみすみす間違っていた登記によって権利を持たない人間が、しかも国の行為によって認められて所有権者になるという危険が起きますね。どうでしょう。
#143
○政府委員(中島一郎君) ただいまのお話は表示登記についてのようでありますから、表示登記については職権でも更正ができると先ほど申し上げたとおりでありますが、申請でやるという場合につきましては、申請者がいないということになりますと、これは申請による更正は期待できないということになろうと思います。
#144
○塚田十一郎君 それでは、私が決算委員会でこれだけ私なりの理由をそろえて、これおかしいんじゃないかという疑問を出しておるんですが、それを受けてもう一度職権で検討し直していただくということはできますか。
#145
○政府委員(中島一郎君) 先ほどから申し上げておりますのは、表示登記だけをして、そして権利の登記がまだされていない段階でのことを申し上げておったわけでありまして、本件の場合は、表示登記がされまして、その後保存登記がされまして、移転登記がされましてというふうに、権利の登記がその上に重ねてされておりますので、もはや職権による更正、変更というものはできないケースであるということになります。
#146
○塚田十一郎君 これは保存登記が行われたのは、この表示登記が通ったからできたんです。でなければこの土地は帳簿面に載らない土地ですから保存登記できようがない。表示登記ができたからその後保存登記ができた。保存登記ができたからもう職権で直せないというんで、やっぱりこれ制度の欠陥ですね。
 私は、この問題非常にしつこくあれするのは、全然権利を持たない人間が、何かわからないようなことをやって、そうして膨大な土地を取り込んでいるということについての非常な不愉快、そんなことが一体あるもんだろうか、しかも、その仕事の一角に国の登記官が関与してお手伝いしたような結果になっているんですよ。これはもう絶対にそういうことが、人間のやることだから今後起こらないとは考えられないから、起こった場合には、どこかで直せる処置というものを考えておいてもらわなければならない、どうでしょう。
#147
○政府委員(中島一郎君) もし仮におっしゃるように、これが無権利者であるということになるならば、他に真の権利者というものがいるはずでありますから、その真の権利者が自分の権利を主張して現在の状態を是正するということが考えられるわけであろうかと思うわけでありまして、登記行政によってそれを正すという方法は、私どもいろいろ考えておりますけれども、現在のところない。そしてそれをできるようにすべきじゃないかという話につきましても、たやすくそういう方法はとるべきではないというふうに考えておるわけでございます。
#148
○塚田十一郎君 私はその最後の一言を非常に重大に聞いたんです。どうしてそういう制度をつくって検討してはならないんですか。私は疑わしかったらば国が職権でもってやったことだから、職権で直せと言うのに、そう簡単にそうすべきでないと言う、もっと詳しくそういう発言の気持ちを説明してください。どうしてそういうことになるんですか。
#149
○政府委員(中島一郎君) 同じ登記と申しましても、先ほどから申し上げておりますように、表示の登記というものと、権利の登記というものがございます。表示の登記につきましては、これは不動産の客観的な状態というものを、そのままに登記面に反映をさせるという制度のものでございますから、これは職権でも登記ができるし、現在できておる登記を更正することもできるというのが基本原則でございます。しかし、権利の登記ということになりますと、これはいわゆる対抗要件でございますから、これは当事者の申請によって登記すべきものであって、職権によってすべきものではないということが大前提になります。登記所というところは、事実の調査というのは先ほどから出てまいりますけれども、事実の調査をいたしますのは、あくまでも職権でもやることのできる表示の登記についてするわけでありまして、権利の登記につきましては当事者申請主義と申しましょうか、形式的審査主義というものが行われておるわけでございまして、登記権利者と登記義務者の双方申請があったときには登記をすると、双方申請と同視すべきような一方の意思の陳述を命ずる判決があった場合には登記をするということでありますけれども、それとは離れて、登記所が職権で現在ある登記を変えるというようなことは、これは登記制度の根幹に触れてまいります。現在の登記制度、そしてわれわれの考えております。あるべき登記制度といたしましては、現在の当事者申請主義、形式的審査主義というものを維持すべきものであろうというふうに考えておるわけでございます。
#150
○塚田十一郎君 答弁が全然回っていて核心に合っていないんですよ。間違った登記をしたんじゃないかという重大な疑いがあるときに、それをもう一度見直す制度はないんですかと。何かこの表示登記をそういうことをするのは、いかにもおかしいんだというような発言ですが、そんなことありますか。表示登記も行政行為の一つでしょう、行政官がしかもこの場合には一人で大体できるというんで、一人の人間が間違った場合に、制度の上でこれを是正する方法がないなんていうことはこれは考えられない、どうしてそういうことを職権でやるということを制度として決めることが、登記制度の本質と食い違うんですか。本来、保存登記、保存登記言われるけれども、そんなこと全然関係ないんです。保存登記は、表示登記をして初めて土地の登記簿面上の認定がついたから、これがだれの所有権だということになっている、そんなこと関係ないんです。問題の最初の表示登記が間違っていると疑われる場合には、それを検討し直すどっかにチェックする場所がないのかと、制度がないのかということを聞いているんです。
#151
○政府委員(中島一郎君) 先ほどから申し上げておりますように、表示登記につきましては、表示登記だけにとどまっております場合には、職権で誤りがあれば更正をするということは可能でございます。これは先ほどから申し上げているとおりでございます。ところが、表示登記がありまして、それを前提として保存登記がされ、移転登記がされて、権利の登記がされてしまいますと、もはやその表示登記について職権でどうこうするという問題ではなくて、あとは権利の登記としてその変更の問題を考えなければならないと。そしてその場合には、当事者双方が申請した場合にのみ登記をするということになっておりますということで申し上げておるわけでございます。
#152
○塚田十一郎君 それは民事同長ね、現在の制度のあなた説明でしょうが。現在の制度ではどうも方法がないらしいんだ、私はこの間法制局長官にも聞いてみたら、しかし、現実にこういう問題が起こっているし、今後も起こり得る可能性があるんだから、どうしてそれをチェックする制度をどっかでつくることができないんですか。これは大臣ひとつお答えください。
#153
○国務大臣(奥野誠亮君) 事務当局としまして、先ほど来民事局長が申し上げてきたような解釈をとってきておるわけでございまして、最終的には裁判所の判決を得て変更をする以外には、権利の登記については職権でやるといろいろな問題が起こるし、また不動産登記法の読み方から考えても、職権でやれる場合は限定列挙しているものだから、それ以外の問題についてはできないんだと、こういう解釈のようでございます。いまいろいろお話になりましたように、この土地の問題につきましては釈然としない面がいろいろあるようでございますし、今後とも引き続いて十分検討を加えていきたいと、こう考えておるところでございます。
#154
○塚田十一郎君 私は断じて自分の感じではこの表示登記は誤っておったし、これはどこかで是正さるべきものであるが、どうもいまの制度ではそういう制度はないらしいと。ただ、保存登記が行われたからと言ったって、保存登記が行われても、もとが崩れれば、保存登記は崩れた前提に従って当時者の間で是正されていけばいいわけであって、あと、その後所有権移転登記が何遍も出たから、間違っていた最初の表示登記を絶対に直せないという理屈はないでしょう。そうして、現実にはまあそれはいまのこの長尾よねが所有していたと仮にしますならば、長尾の相続人がこれを争えばいい。争う方法は一つあるようでありますが、そういうものがないときには、それでは全然所有権なんか取得する理由のない人間がみすみすと国の手をかりて大っぴらに所有権者になってしまうという、そんなことが行政の上であってしかるべきとは考えられないじゃありませんか、しかし、それはきょうは時間がありません、もうあとわずかですから。
 これもこの間ちょっとあれをしたんですが、登記簿面上に記録があって、そうして、実際にはその土地がどこにあるか実在のない土地がある。これはこの間うち私は法務省にお尋ねをしておったところ、五十二筆だと言われたのが、だんだん検討したら六十六筆あるんですね。これ約千五百坪ぐらいの坪数になるもののようです。どうしてこういうものが出てくるんでしょうかね。何でああいう現象が出たのかお調べになってありますか。
#155
○政府委員(中島一郎君) 昭和十二年であったかと思いますけれども、やはりこの日神山一番の一から、七十筆の土地が分筆をされまして、その七十筆のうちの四筆は、現在地図に記載もございます。現実にこの土地であるということが確認できるわけでございますが、そのうちの、先ほどおっしゃいましたように六十六筆につきましては、現在地図にもはっきりした記入はございませんし、現実にこの土地であるということを確認することが困難な状態にあります。そのうちの五十二筆がいま問題になっております西山町にあるという意味で、五十二筆ということを前回申し上げたかと思いますけれども、西山町に限らないで言えば、六十六筆ということになるわけであります。この分筆が行われました当時に、この公図と申しましょうか、台帳附属地図を持っておりましたのは税務署でございますが、その税務署にありました土地台帳附属地図には分筆図というものが、分筆申告書には分筆図というものが出ておりまして、それがほぼどのあたりの土地を分筆したかということはわかるわけであります。ところが、どういうことでありますか、当時の台帳附属地図には、その記載がはっきりいたしませんし、その地図がまた摩耗いたしまして、使用に耐えないような状況になっております。昭和二十五年に法務局がその台帳附属地図を引き継いだわけでありますけれども、その台帳附属地図は公図として使用に耐えないような状況であったというようなことから、結局その六十六筆の土地がどこにあるのか明らかでなくなったというような経緯と承知いたしております。
#156
○塚田十一郎君 時間がなくなったんで、これ一問で終わりますが、そうすると結論としては、ああいう状況ができた責任は、大蔵省の時代にあるのか、法務省に移ってあるのかわかりませんが、とにかく国の側にあると、したがって、あれによって権利を侵害されて、つまり土地がないから所有権を失ってしまっておる人たちのために、国がしかるべき措置をとってこれを救済する必要があると思うが、どうですか。
#157
○政府委員(中島一郎君) 現在その土地がはっきりいたしませんので、確かに考え方によりましては、国の責任であるというふうにも一面考えられるわけでありますけれども、その権利者、所有者側においては、一体現在まで自分の権利の保全確保のために、どういうことをしてこられたのかということを考えますと、現在土地を失ったということになるわけでありますが、その原因がどういうことにあるのか、国にあるのかあるいは所有者本人にあるのか、あるいは両方にあってその責任がダブっておるのかというような微妙な問題が出てまいるわけであります。でありますかう、そういう点を裁判所で判断していただきまして、国に責任があるということになりますれば、私どもはそれに従いたいという気持ちでおるわけでございます。
#158
○鶴岡洋君 防衛庁長官に最初にお伺いいたします。
 三月二十二日に防衛大学の卒業式に長官はおいでになって、訓示を述べられておりますけれども、まず最初に、最近の防衛大学生の心意気というか、気慨というか、どのように受けとめられたか御感想をお願いしたいと思います。
#159
○国務大臣(大村襄治君) 三月二十二日の防大の卒業式には鈴木総理大臣と御一緒に出席をいたしまして、私からは幹部自衛官としての人格の陶冶に努めてほしいという点に重点を置いて訓示を述べたのでございます。
 そこで防衛大学校の学生の気持ちについてでございますが、私自身といたしましては、ほとんどすべての学生が、幹部自衛官の養成を目的とした学校であること、一般大学と違って、防大独特の訓練及び防衛学が課せられていること、入校中は学生舎での規律ある団体生活が要求されることをよく承知しており、将来の幹部自衛官を目指して、意気に燃えて入校、修業しているものと考えているわけでございます。
#160
○鶴岡洋君 私は、防衛大生が日本を守るという使命感に立ち、そして勉学し、訓練に励んでいる、これは認めることといたします。
 しかし、防衛大生の任官率がここ数年大変低下している、まことにこれは私は残念であると、こういうふうに思うわけです。この防衛大生のこれまでの総数で結構です、累計で結構ですから、卒業者数とそれから任官者数、もう一つは任官してからやめる人もおります、これは退職者といいますか、この数をお聞きしたいんですが。
#161
○国務大臣(大村襄治君) 五十年三月から五十六年三月まで七年間の数字を申し上げさしていただきたいと思います、卒業者数の合計を申し上げますと、三千六十二人であります。そして非任官者数が合計で百六十九人、それから卒業後五年以内の退職者、これも七年間の合計でございまして百五十九名、
 以上の状況でございます。
#162
○鶴岡洋君 それは私はこれをもらっておりますから、よくわかります。そうじゃなくて、いままで卒業したのはどのくらいかおわかりですか、卒業生だけで結構です。
#163
○政府委員(石崎昭君) 防衛大学校創立以来の卒業者の数は一万一千三百九十三名でございます。そのうち卒業後自衛官に任官しなかった者は二百十三名、それから自衛官に任官して以後、幹部候補生学校へ行ったりして以後退職した人は八百四名という数でございます。
#164
○鶴岡洋君 先ほど大臣がお答えになったのは、防衛大をこの五年間で卒業した数、それから非任官数、五年以内にやめた数、いまのお答えになったのは、卒業者数は一万一千三百九十三人、そのうち非任官者数が二百十二人、退職者数が八百四人、大体非任官と任官してからやめた人、これを合計すると、正確なパーセンテージはちょっと私出しておりませんけれども、約一五%ぐらいになるわけです、こういう数字になっておりますけれども、この数字について防衛庁長官の率直な意見をお聞きしたいんですが。
#165
○国務大臣(大村襄治君) いま政府委員のお答えしました数字は、非任官者が二百十三名、卒業後幹部候補生学校等で退職した者が八百四人と言われました。合計しますと千人ぐらいですか、ちょっと率は一〇%前後じゃないかという感じも受けるわけでございますが、いずれにいたしましても、任官しなかったり、その後やめる者の数がかなり多いということは大変遺憾なことであると私は考えております。
#166
○鶴岡洋君 一割ちょっとではなて、私がおたくから聞いたんですよ、きのう聞いたんです。卒業全体が一期から二十六期まで一万一千三百九十三名、それで非任官とやめた人が一千六百七十二名、こうなっておるわけです。ですからこれでいくと、約一五%ぐらいになる、こういうふうに言っているわけです。数はそれで結構です。
 それで防衛大の設立目的、防衛庁設置法第三十三条に規定しておりますけれども、この設立目的、これをお伺いしたいんです。
#167
○国務大臣(大村襄治君) 防衛大学校の設立目的は、幹部自衛官となるべき者を教育訓練することにあります。
#168
○鶴岡洋君 いわゆる防衛大は陸海空、この全自衛隊の最高幹部を育成する機関である、こういうふうに理解してよろしいですね。
#169
○国務大臣(大村襄治君) そのとおりであります。
#170
○鶴岡洋君 また、防衛大学の五十六年度というと第二十九期生になりますか、学生志願案内、ここにございますけれども、これで見ていくと、「卒業後の将来」と書いてありますが、「さらに将来は、自己の能力と努力に加えて、経験と研修を重ね、各種の特技や上級の課程の教育を受け、上級・高級幹部へと進み、自衛隊を運用し、国防の大任を果たす重要な地位が与えられることとなる。」と、こういうふうにここには書いてあるんですよ、これが募集要項です。そこで、この日本の国防に欠かせない人たちであることは間違いないわけです。防衛大はこの方針に基づいて教育しているわけですね、お尋ねします。
#171
○国務大臣(大村襄治君) ただいま先生お述べになりましたような方針で教育をいたしております。
#172
○鶴岡洋君 そこでお伺いしたいのは、先ほど数字が出てきましたけれども、防衛大の卒業生のうち、私がいただいた資料によると、非任官者数が、五十年からですけれども、五十年の卒業生のうち三十人、五十一年が十一人、五十二年が十三人、五十三年が十四人、五十四年が二十六人、五十五年が三十三人、五十六年が、ことしですけれども、四十二名、過去七年間で百六十九名と、こういうことになるわけです。なぜこのように年々非任官者数がふえるのか、一つは原因はどこなのか。もう一つは、任官をしない拒否理由があると思いますけれども、その拒否理由はどこにあるのか、これをお聞かせいただきたいと思います。
#173
○政府委員(石崎昭君) まず、任官しない拒否理由を一番最近のことしの例で見ますと、四十二名のうち一審多いのは身体不適格、在校中に体を壊したり、自衛官の任に耐えないというような健康状況になった人たち、これが十四名でございます、それから家庭の事情、これは在校中に父親が死亡したとか、兄が死んで家業を継ぐ者がいなくなったとかいうようなことでございますが、そういう家庭の事情による者が九名、それから民間会社へ就職というような人が五名、大学院その他の進学を希望している人が二名、その他が十二名、これは雑多な理由がございますが、合計四十二名と、任官拒否の理由は以上のようなことでございます。
 それから、最近ここ数年の間に任官拒否の数が次第にふえてきているというのは御指摘のとおりでございますが、従来の例を見ますと、過去十年ぐらい前のころの傾向を見ますと、卒業後一たん自衛官に任官しましてさらに先の幹部候補生学校などへ進学しまして、そちらへ行ってからやめる人の数が結構たくさんございました。三十人とか五十人とかいうような単位で、そういうさらに上級の学校へ行ってからやめる人たちがおりました。そういうことを考えますと、最近の傾向は防衛大学校を卒業する段階で任官をしない人がふえるかわりに、それから先へ行ってからやめる人の数が減っているということで、全体の傾向を見ますと、著しい波があるというふうには考えられないと思います。
#174
○鶴岡洋君 任官拒否者の理由というのは、いま数字で挙げられました四十二名のことしの分ですね。これはもっともな理由と私は受けとめます。しかし、これまでの卒業生の中で、たとえば一期生、これは全員任官しております。それから第一次安保のときの四期、五期生ですか、これも全員任官しております。ですけれども、先ほどから申し上げているように、数字の上からいくと、現実には卒業の時点で任官しないという人がこういうふうに数字が出てきているわけです。ことしは四十二名と数が多くなっているわけです。これだけ多くのいわゆる任官拒否者が出るという背景には、また学校教育の問題もあるんじゃないかなと、こういうふうにも思いますし、防衛大学を受験しようという学生は、もう初めからわが国の防衛について真剣に取り組もうという、こういう理解のもとに入学する人もいると思いますし、悪く解釈して、反面国費で勉強できるんだから、とりあえず防衛大に入学しようという学生がいるとも考えられます。いずれにしても、学校の設立目的というのは、先ほどお話があったように、幹部自衛官の養成であると、こういうわけでございます。このように見てくると、防衛大の教育方針、また授業、その内容を再検討する必要があるように思いますけれども、この点は長官どうでしょうか。
#175
○国務大臣(大村襄治君) 先ほども申し上げましたように、ほとんど全部の入校した学生諸君は、防衛大学の意義をはっきり認識して、その認識に基づいて教育を受けているものと考えております。いろいろ意識調査なども試みたことがございますが、大部分の者はそのように考えているわけでございます。若干入校時の意識が薄いのがごくわずかおるようでございますが、そういった者についての入校後の教育の問題、そういった点には一層気をつけていかなければいけないと思うわけでございます。
 また、いま政府委員が説明しましたことしの四十二名のうち、体の都合でむしろ任官できないと、これは一種の不可抗力ではないかと思うんでありますが、やはり入校時の身体検査等につきましても、入念にする必要があるんではないか。そういったことも含めまして、教育につきましても、さらに工夫、改善に努める必要があるではないか、さように考えている次第であります。
#176
○鶴岡洋君 入校時の身体検査と言うけれども、これはここにもちゃんと出ています。一次試験と二次試験があるんですから、二次試験のときは身体検査するわけですから。
 そこで、お聞きしたいのは、防衛大生の養成経費についてお伺いしたいわけですけれども、一人当たり養成経費というのは、一年間でどのぐらいかかるのか。その内容を詳しくわかれば、なるべく詳しく説明していただきたいと思います。
#177
○政府委員(石崎昭君) 防衛大学校の学生の養成経費は、防衛大学校の維持的な経費――人件費でありますとか、営舎つまり宿舎費一糧食費そのほかいろいろございますが、これを合算して学生数で割ると、一人当たり年間約三百万円という額でございます。
#178
○鶴岡洋君 いまずらずらと言いましたけれども、この三百万円の内容ですけれども、給与は幾らですか、お小遣いと言うんですか。それからボーナスは出ているんですか。被服費はどのくらいか、それから糧食費、訓練経費、教職員の人件費もあるでしょうけれども、その辺は全然わからないですか。
#179
○政府委員(石崎昭君) 経費の内容は先ほどもちょっと申し上げましたけれども、人件費とか、旅費であるとか、庁費一般、営舎費、被服費、糧食費、医療費、その他維持的な経費、そのほかに教育訓練の費用、こういうものがその内容でございます。
 それから、学生に渡っております手当でありますが、月額一人五万三千五百円プラス期末手当でございます。
#180
○鶴岡洋君 手当というのは月額五万三千五百円、それからボーナスだって三回出ているわけです。やるのがいけないと私は言っているわけじゃないんですけれども、年平均いわゆる養成経費が一人三百万と。そうすると、単純計算ですけれども、ことし四十二名非任官者、これを三百万掛ける四年間ということになると、合計すると五億四百万になるわけです。そうですね。これは国民の税金から払っているわけでございますから、国費の損害と、国損とは私申しませんけれども、それに準ずるものじゃないかなと、こういうふうにも考えるわけです。それで、先ほど話があったように、五十年から五十六年の七年間の非任官者の人に、いま三百万ということを掛けてみると、合算すると二十億二千八百万円になるわけです。そのほかに、学生でございますから学校も必要ですし、いろいろな施設の経費もかかるでしょう、ですから、三百万円でとどまるわけではない、それ以上たくさんかかっているわけです。ましてや、いわゆることしの志願案内から見ると、三浦半島のすばらしい景勝地につくられておりますし、学校の施設としてはプールもあるし、またいろいろなそれなりの施設はたくぎんあるわけです。土地は約七十万平方メートルと、そういうところで訓練を受け、教育を受けているわけですけれども、正直言って、この国損に準ずるような、この七年間でも約二十億という金が出ているわけですけれども、こういう点について、防衛庁長官どういうふうにお考えになりますか。
#181
○国務大臣(大村襄治君) お答えします。
 卒業と同時に任官を拒否する者が最近ふえてきているということは好ましくないことであると私は考えているわけでございます。ただ、その理由を調べてみますると、いま政府委員が申しましたとおり、体を悪くした者とか、家庭の事情による者が相当ございまして、これは本人の責めに帰することができないや首を得ない事情ではないかと思うのでございます。しかしながら、それ以外にも相当任官しない者が多いと、それがだんだんふえてきているということも事実でございまして、多額の国費をかけ、四年間も教育したことを考えますと、こういった者がふえてくるということは、大変遺憾なことだと考えているわけでございます。今後は、採用時における意思の確認、入校後の指導の強化、そういった点も含めまして、こういった任官を拒否する者をできるだけ少なくするように、一層努力を払わなければならないと考えている次第であります。
#182
○鶴岡洋君 大蔵大臣、金を出す方ですけれども、この点についていままで話聞いていてどう思いますか。
#183
○国務大臣(渡辺美智雄君) 防衛大学へ入ってみたが、どうも自分には向かないと、体が弱いしというような者もそれはあるかもしれません。したがって、採用するときから防衛庁でもう少し意志薄弱なような者とか、そういう者はもう最初からはねてもらわなきゃならぬし、それからやはりもう体も丈夫で、何でもいいんだけれども、ただで学校へやらしてくれるんだからというような根性のやつは、これはやっぱり相当のペナルティー――ペナルティーと言っちゃ何ですが、やはり実費弁償ぐらいはしてもらったらいいんじゃないかと。医者の場合はあるんですよね、これは。自治医科大学とか防衛医大とか、ある程度金を返してくれというのはあるんだけれども、これもやはり開業医の娘なんかで売れ行きの悪いのは、何千万でも出すからうちへ来てくれとか言って引き取っちゃうとかいうのがあるらしい。しかし、国の方はそれによって金入ってくるわけだから、まあ実損は少ないと。私はそういう点から、これも何かそういうようなことを考えたらいいんじゃないかと。しかし、金出すのは惜しいから、また防衛庁に少ししばらく勤めてなんという人も、これも困るわけでしてね。後で鉄砲置いて逃げちゃうなんという問題になっちゃ困るわけだから、そこらのところの兼ね合いというものをよく調べて、やはりその防衛大学は、防衛庁の中心になる人ですから、採用するときからやっぱり厳選をしてもらうということが一番いいんじゃないかと、そう思っております。
#184
○鶴岡洋君 いまの大蔵大臣がお話しになったように、防衛医大の卒業生は、これは自衛隊法の六十四条の二に、いわゆる九年間の勤続が義務とされているわけです。防衛医大はまだ八年の経過のために卒業生は五十五年四十名ですか、五十六年が七十四名、計百十四名全員が任官しているわけですけれども、いま何らかのペナルティーというか、そういう制度を設けたらいいんじゃないかというような大臣のお話ございました。さらに、この自衛隊法の九十八条の二には医大のいわゆる償還金の制度がございますけれども、この防衛大学についても入学時のいわゆる厳正なる選考といいますか、それは当然していただかなきゃいけないと思いますけれども、これまあ提案ですけれども、防衛医大の場合はまだ、いま言ったように、卒業生の中に非任官者というのはいないわけですけれども、もし出た場合には、一年以内にやめるときには一千六百三十四万円、これを基準にしたいという話も私は聞いております。
 そこで、防衛大生の場合も、こういう制度を設けたらどうかなと、こういうふうに思うわけですけれども、これを検討する余地がありますかどうか、防衛庁長官。
#185
○国務大臣(大村襄治君) 確かに御指摘のように、防衛医大の場合には九年間の任官義務もございますし、また途中でやめた場合にはお金を返さなきゃいかぬ、五十五年度の卒業生の場合には、すぐやめると最高千六百三十四万円ですか、そういうお金を払わなきゃいかぬと、こういう規定があることはよく承知しているわけでございます。ただ、これを防大の卒業生に同じような考え方を適用することが果たしてよいかどうかになりますと、幅広い角度で検討する必要がありはしないか。と申し上げますのは、防衛大学と同じような種類の国で設けている教育機関もあるわけでございます。海上保安大学校とか、そういったものとのこれは人事制度全般にかかわる問題もあるわけでございます。また、防大と医科大学と比較いたしますと、卒業による恩典というのが防大の場合は比較的少ないわけでございます。医科大学の場合は、卒業して、これは医師試験に、国家試験に受からなきゃいけませんですが、受かった以上はお医者さんの資格が取れるという大きな特典もあるわけでございますが、防大の場合は、他の大学の大学院に入学する資格ができる、そのほか若干の恩典もございますが、そういった点は比較的乏しいわけでございます。また、こういったことを申し上げますとどうかと思いますが、お金のかかりぐあいも、防衛医大の方が一人当たりのははるかに高くついているという現実もございまして、そういったいろいろな点がございますので、いま先生御指摘の問題につきましても、幅広い角度から検討を加える必要があるのではないかと私は考えている次第でございます。
#186
○鶴岡洋君 先ほどから言っているように、三百万かかる、それだけではない、学校の施設もたくさんかかる、そういうことでございますので、いま検討する余地があるような答弁でございますけれども、そのように理解してよろしいですか。
#187
○国務大臣(大村襄治君) 人事制度全般の観点、また、先生御指摘の国費のむだ遣いを防止するためにはどうしたらいいかという広い角度から検討さしていただきたい、そのように考えている次第でございます。
#188
○鶴岡洋君 それでは、もう一点お聞きしますけれども、五十二年から五十五年の非任官者の数はお聞きしましたけれども、この就職先はどうなっているんですか。
#189
○政府委員(石崎昭君) 非任官者のその後の落ちつき先については、残念ながら一〇〇%正確に掌握しておりません。と申しますのは、多分に同期生に対する後ろめたさというようなこともあるんでしょうか、全然行方知れずというか、どういう商売やっておるかわからぬという、知らせたくないという人もございますので、完全に掌握はむずかしいのでございますが、おおよその傾向は大体わかっております、それによりますと、非常に各界各層に散らばっておりまして、先ほども申し上げましたように、任官拒否の理由の中の家庭の事情なんかを反映しまして、親の家業を継いで企業の重役とか、管理職になっている人もありますし、その後、航空関係の勉強をし直して、パイロットになっている人もございますし、いろいろな世界へ散らばっております。人事管理一般の非常に大事な参考資料にもなりますので、そういう行き先についてはわかる限り掌握するようにしておりますが、非常に多岐にわたっておりますので、ここで全部申し上げるというわけにはいきませんが、そういうわけで各界に散らばっております。
#190
○鶴岡洋君 多岐にわたっているからよくわからないとか、数が多いからわからないと、こういうふうに私は理解するんですけれども、一般の大学においてもどこへ行ったか、どういうふうにされているか、これはどこでも調べているわけです。だけれども、防衛大の場合は、それじゃ三百万もかけて卒業しました、おめでとうございました、はいさよならと、それでいいのかどうなのか、私は非常に疑問に思うわけです。そういうことで把握はきちっとしていただきたいし、もし把握ができなければ、ことしの数だけでもいいですけれども、四十二名の名簿いただけますか。一般大学においてもそういうことで掌握できているわけです。ましてや先ほど言ったように非常な優秀な人材が出ているわけです。普通の大学の単位数は百二十四単位、われわれが卒業したのは。この防衛大の場合は百八十五単位になっているわけです。それだけいわゆる知識もあるし、また規律にしても集団生活をしてきちっとしているし、私はほめるわけじゃないけれども、りっぱな卒業生だと思うんです。だから半面これを考えると、優秀な一流企業へ流れているとも、私調べてありませんからわかりませんけれども、そういうふうに考えられるわけです。それを把握できないという、何でこれは把握できないんですか。把握できない理由は何なんですか。
#191
○政府委員(石崎昭君) 先ほども申し上げましたとおり、一〇〇%把握できないと申し上げたわけでありまして、大多数は把握しております、それで、おほめにあずかって大変ありがたいのでございますが、りっぱな企業でりっぱな人材として歓迎されている向きももちろんたくさんございます。それで、卒業者の名簿を私ども持っておりまして、現在どういう職場で何をやっているか、可能な限りはわかっておりますので、ただ非常に多岐にわたっておりますので、全部これを申し上げるわけにはいかないという意味で申し上げなかったわけでありまして、可能な限り卒業後の任官しなかった人たちの状況については掌握するようにしております。
 それから、今回卒業して自衛官に任官しなかった四十二名の名簿云々ということでございますが、これはプライバシー保護の関係で、なかなかその後の身の振り方について言いたがらない人もおりますし、強制的にこれを調べるというわけにもまいりませんので、この名簿をどうするかについては、よく検討させていただきたいと思います。
#192
○鶴岡洋君 私申し上げたいのは、それだけお金をかけ、在校中はもちろん、入学金は徴収しない、また本人が体が悪くなった場合も、国の経費で治療される、いろいろ特典があるわけです。だから素朴な考え方として疑問を持つわけです、これは国の金でやっているんですから。そういう意味で、行った先もわからない、それならば、数が多ければ、また多岐にわたっているというならば、ことしの四十二名、どこへ行ったのか、もちろん家庭の事情、体が悪くて――体が悪いにしても私は内務勤務はできると思うんです、そういう方法もある。そういうことで要望しておきますけれども、ことしの卒業生について、後で資料を出していただきたいなと、こういうように思います。
 そこで、元へ戻りますけれども、先ほど何か償還金制度を設けたらいいんじゃないかと、義務規程を設けたらいいんじゃないかと、こういうように私、提案いたしましたけれども、私の調べた範囲では、アメリカではこの義務規程があります。もちろん防衛医大には先ほど言ったようにあるわけですけれども、アメリカでは陸軍士官学校、海軍兵学校、空軍士官学校卒業生は合州国法典に規定されていますけれども、それによると、「卒業直後から少なくとも五年間、正規軍の将校として服務する。」とか、それから「正規軍に服務する命令を受けない者、又は正規軍の将校を、卒業後六年以内に辞することを認められた者は、予備役将校として、卒業後六年たつまで服務する。」こういう規定があるわけです、これはアメリカ。それからフランスの場合も、海軍兵学校では、「卒業後、六年以内の期間で軍務に服する旨の契約を予め締結することとされている。」と、いろいろこうありますけれども、再度大臣にお聞きしますけれども、こういう点も御存じだと思いますが、私先ほどから問題にしておりますこの点について、御意見をお伺いしたいです。
#193
○国務大臣(大村襄治君) 米、仏等で厳しい制度が設けられているという事実は承知いたしております。ただ、アメリカはこういう厳しい制度を設けているにもかかわらず、陸軍士官学校、海軍兵学校の卒業生のうち、やめてしまう者が三分の一ぐらい上っているということも最近の国防報告に掲げられている、その辺をどう読み合わしたらいいか。わが国はわが国の国情も、ございますので、そういう意味で私は先ほど広い角度で検討させていただきたいということを申し上げた次第でございます。
 またイギリス等民主的な国家において、幹部の養成やっている学校、歴史の古い国等もあるのでございますが、そういった点の事情もさらに調査していきたいと、さように考えております。
#194
○鶴岡洋君 厚生大臣に次にお伺いしたいんですが、べビー・ホテルでございますけれども、これは、最近大都市を中心に急増をしているわけです。この点についても、衆議院またこちらの参議院取り上げられてきておるわけでございますけれども、昨年十一月の実態調査の結果、五百八十七カ所このベビーホテルはあると、こういうふうになっておりますけれども、実際には小規模なものを含めると首都圏だけでも五、六百軒ぐらいになるんではないか。このように、ベビーホテルが急増したのは、いわゆる公立、私立の許可保育所が昼間の間だけ八時間保育を原則とし、ゼロ歳児を認可保育所で預かっているのは全国でわずか三万人である、こういうふうに言われているわけです。その対応策として、夜間保育、一時預かり、二十四時間営業など、いつでもゼロ歳児を預かるというベビーホテルが急増してきたと、こういうふうになるわけでございますけれども、これはまさに保育のニーズ、要求、要望に対する行政の対応のおくれではないかなと、こういうふうに思うわけでございますけれども、このベビーホテルの急増をどのように大臣は受けとめられておられるか。お聞きしたいと思います。
#195
○国務大臣(園田直君) ベビーホテルが急にふえましたのは、保育所、乳児院、こういうものが社会の必要性と変化に非常におくれておりまして、そこで、働く婦人の方々、子供を預ける時間、しかも自由に預ける、手近に預ける、こういう必要性から急激にふえてきた。これは確かに保育、乳幼児の厚生行政の進み方がおそかったということが大きな原因であると考えております。
#196
○鶴岡洋君 調査結果でベビーホテルのうち、二十四時間営業が三六%、預けられている子供は、ゼロ歳児が千五百二十五人で一八%、一歳から二歳児が三千五百六十六人で四三%。今後はゼロ歳児から二歳児の保育と、夜間保育が大きな問題となるわけですけれども、ゼロ歳児―二歳児を預かる乳児院の利用率が低く、多くのあきがあるとも言われております。これも大臣よく御存じだと思いますけれども、乳児院に預けたくとも預けるにはいろいろな基準があるわけです。乳児院の場合は児童相談所、それから保育所は福祉事務所、窓口が違うわけです。それに加えて預ける施設でございますけれども、そこへ飛び込んで行っても、施設の長には、はい預かりますというような権限がない、時間がかかる、手続も非常に複雑である。こういうことで、つい預けやすい現在のいわゆる無許可、野放し状態、そういうところへ預けるようになってしまう。この基準の緩和、こういう点について配慮を考えるべき時期が来たんじゃないか。
 この件については、わが党の同僚議員が、昨年三月十四日の参議院の予算委員会でお尋ねをいたしました。ことしに入って二月二十一日、衆議院の方で、やはりわが党の議員がお尋ねいたしました。そのときに厚生大臣が言ったことがここに書いてございますけれども、都道府県と協力して調査し、場合によっては立入検査、閉鎖命令を出すが、現在入所中の児童のために、夜間保育、昼夜交代保育を実施するよう指導するほか、企業の厚生施設に国が助成することなどを検討している。こういうふうにお答えになっていますね、それからもう一カ月半たっておりますけれども、その後どうなさったのか、具体的に。配慮を考えるべき時期である、こう差し迫った時期でございますので、こういうふうに答弁もしておりますし、具体的にどういうふうに進んでいるのか。その辺をお答えしていただきたい。
#197
○国務大臣(園田直君) ただいま厚生省内で特別なチームをつくって、具体的な検討が終わりました、時間の変更、手続の簡略化、あるいは入所決定の期間の簡略化と、答弁したとおりに具体案ができておりまして、ただいま財政当局と相談中でございまして、あとしばらくすればこれが実際に動くことと考えております。
#198
○鶴岡洋君 次は、ベビーホテルは東京二十三区内、大阪、名古屋、札幌といった大都市に約四〇%が集中しております。大都市で夜間女性を多く雇用している事業主を指導して、事業所内に保育所をつくらせ、助成していくことを考えていくべきではないかと思いますけれども、この点いかがですか。
#199
○政府委員(金田一郎君) ただいま先生おっしゃいましたような事実が確かに都市部においてございます。私どもといたしましては、従来から事業主が実施しておられます保育施設に対しましては、その施設整備に要する費用及び遊具費について、児童手当の特別会計で助成等もいたしております、今後ともこれを強化することによりまして、できるだけこういった施設をよけいつくっていただくということにいたしたいと思っております。
#200
○鶴岡洋君 わかりました。
 もう一つ、ベビーホテルの利用者の中には、母親が働く時間と保育所の保育時間が合わないなど、保育所に入ったくとも入れず、ベビーホテルに預けている人、また親の一時的な必要から預ける人がいますけれども、今回の調査でも一日一万円以上、一万三千円とか五千円とか、デラックスなものにも需要があると。乳幼児の健康と安全を守るために、必要な基準を早く定めて、その基準に合ったものには許可を与えていく方針を検討すべきだと、こういうふうに思いますけれども、この点はいかがですか。
#201
○政府委員(金田一郎君) 保育所における、特に先生おっしゃいましたのは夜間保育等のことであろうかと思いますが、保育所における夜間保育の実施につきましては、従来から児童の健全な育成に与える影響等から、これに対して消極的な意見も強いわけでございます。しかし、婦人の就労形態の多様化その他社会情勢の変化等考慮いたしますと、そういうわけにもまいりませんので、今回二部制も含めまして、都市部等一部地域における認可保育所におきまして、児童の発育への影響を十分考慮しながら、モデル的に実施することをただいま検討いたしておるところでございます。
#202
○鶴岡洋君 いずれにしても実効のある施策を早急にやっていただきたい。こうやって話している間でも、それこそ野放し状態で、三つ子の魂百までもと言いますけれども、小さいときにそういうところで育てられて、小さいからわからないというんではなくて、大きくなってもその影響は非常に私は大変なものじゃないかなと、こういうふうに思うわけです。それが原因かどうかわかりませんけれども、それがまた校内暴力、いま言った青少年の犯罪にも通じてくるんじゃないかなと、こういうふうにも私考えるわけです。そういった意味で、早急な実効のある施策をやっていただきたい。これは要望しておきます。
 スピード質問で大変恐縮ですけれども、次は法務省にお伺いします。
 最高裁にお伺いしたいんですが、先般から問題になっている栃木県の棒ゴルフ場、この経営の破算事件の担当裁判官が、当初は招待ゴルフ、この疑惑を持たれていましたけれども、事実は破産管財人が設立した会社の設立資金の一部に融資していたことが明らかになりました、まずこの経過報告と山形地裁所長の事情聴取の供述内容をおわかりになられる範囲で報告願いたいと思います。
#203
○最高裁判所長官代理者(大西勝也君) ただいま鶴岡委員御指摘の新日本興産株式会社という東京地方裁判所に現在係属しております破産事件の関係の問題でございますが、実は昨年の九月に、この破産会社の債権者と称する者から、事件担当の裁判官に対して質問状形式の内容証明郵便が参りまして、その内容証明郵便の中に、井上破産管財人を非難いたしますとともに、担当の裁判官、谷合裁判官が井上管財人とゴルフをした事実があるというふうなことが、その質問状の中に指摘されておったということがあるわけでございます。そこで、東京地方裁判所において早速谷合裁判官から事情を聴取いたしましたところ、昨年の九月に破産管財人とともにゴルフに行ったことがある。このゴルフといいますのは、まさにその破産会社が経営しているゴルフ場でございますが、そこへ事実上の検証等に行き、その際にゴルフをした事実はあると、ゴルフの費用はその際は支払っていないということが明らかになったわけでございます。そこで、東京地方裁判所におきましては、李下に冠を正さずという趣旨で、直ちに同裁判官を他の部へ配置がえするという措置をとったわけでございます。
 ところが、その後、また井上管財人と対立する債権者のグループが、管財人の解任の申し立てというのを、昨年の暮れ近くにやっておりまして、この破産事件の関係者の間に、非常に相対立するグループがあり、紛争が激しくなってきたということがわかってきたわけでございます。
 最高裁判所といたしましても、先ほど申しましたゴルフの事実がわかっておりまして、それで配置がえも東京地裁においてやったわけでございますが、何と申しましても、具体的に破産事件が係属しておることでもございますし、こういう紛争があり、管財人に対する解任の申し立てもなされておる、そういう状況でございますので、司法行政の立場で、それ以上詳しく調べるということになりますと、そういう事件そのものに関するいろんな紛争に介入するということにもなりますので、とりあえず配置がえということにとどめまして、後の事態を静観するということにしておったわけでございます。
 ところが、御承知のように、先月の末に、ある新聞がこの谷合裁判官のゴルフの事実を指摘する記事を出しますとともに、谷合裁判官よりもっと前に関与しておりました、現在山形の鶴岡支部に勤務しております板垣裁判官についても、やはりゴルフ場に行った事実があるという、そういう疑いがあるということが報道をされたわけでございます。
 そこで、最高裁判所といたしましては、従前そういうことで静観するたてまえをとっておりましたけれども、新聞にも大々的に報道されたことでもございますので、四月の二日に急選臨時裁判官会議を開きまして、この問題の疑惑を究明するために、最高裁判所の事務総局内に調査委員会を設置するということに決定いたしました。その調査委員会におきまして、山形の所長に対して板垣裁判官に対する事情聴取を指示したわけでございます。そこで、ただいま鶴岡委員御指摘のように、山形で調査をいたしましたところ、この板垣裁判官もやはり事実上の検証に行った際に、道具を借りて検証のときにゴルフをしたことがあるということは認めたわけでございます。
 なお、そのほかに、その後の新聞で、井上管財人がこの棒ゴルフ場を買収のために設立した東京二十という株式会社に対しまして、板垣裁判官が四百万を融資していたのではないかという事実が報道されまして、最高裁判所といたしましては、この点も山形の所長に対して事情聴取を指示したわけでございます。その関係の報告もすでにいただいております。ただ、この問題につきましては、ある新聞では板垣裁判官が融資したというふうに書いてございますけれども、他の新聞ではそうではないのだと、板垣裁判官ではなくて、親戚の者が融資をしたようだというふうにも書いておりますことからおわかりいただけますように、いわゆる融資、出資の問題につきましては、事実関係の把握が非常に微妙でございまして、現在まだ調査をしておるところでございます。
 この問題につきましては、さらに調査を継続する必要がございますので、ここでは公表することは差し控えさしていただきたいと思うわけでございます。
 以上でございます。
#204
○鶴岡洋君 いま調査中ですから、御報告だけ受けましたけれども、大体東京二十という、よく私も理解できない、おもしろい名前の会社ですけれども、この東京二十という会社と井上弁護士との関係、これ、簡単にちょっと済みません。
#205
○最高裁判所長官代理者(大西勝也君) この点につきましても、確たる証拠を私どもで現在持っておるわけではございません。これも報道等によりますと、それから若干の関係者からの裁判所あての書面等を総合して、ある程度推測がまじりますけれども、東京二十という会社は、この棒ゴルフ場、これまあ破産でございますから、いずれは売却しなければいけないわけでございますが、その買い受け先ということで、このゴルフ場を買収するために、昨年の八月に設立されたということでございまして、井上管財人が、そのうちある程度の株を保有しておられるということが報道されておりますけれども、そこら辺のところはそれ以上、まだ私どもの方では確たる証拠を持っているわけではございません。
#206
○鶴岡洋君 時間がございませんから、また解明されたその時点において、いろいろお聞きしたいと思いますけれども、いずれにしても調査委員会が設けられたということは、われわれからとれば、これは重大事件である、この調査委員会が設けられたのは鬼頭事件以来だと、こういうように私聞いておりますけれども、そういうふうに認識をいたします。
 いずれにしても、このところ、法務大臣にお聞きしますけれども、裁判官の不祥事事件が相次いております。国民に対し、裁判への信頼と威信が低下していることは、これは間違いございません。鬼頭事件、それから安川わいせつ判事、それから水溜酔いどれ判事、それから岐阜県の小林わいせつ修習生、こういうふうに相次いで起きているわけです。法治国家のわれわれにとっては非常に憂うべき問題だと、こういうように思います。こういう事件の解決に当たらなければならない法務大臣、御意見としてどのような見解をお持ちでおられるか、それをお聞きして質問を終わりたいと思います。
#207
○最高裁判所長官代理者(大西勝也君) ただいま御指摘のように、近時裁判官にかかわる不祥事というものが続発しておりまして、司法に対する国民の信頼を傷つける結果になったわけでございまして、こういう事態を惹起いたしましたことは、裁判所としては、まことに遺憾であり、国民の皆様に対しましても、まことに申しわけないというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、現時点におきましては、先ほど来申し上げておりますように、事実関係、必ずしも十分わかっておるわけではございませんので、できるだけ早急に事実関係を調査いたしまして、厳正な措置をとりたい、かように考えておるわけでございます。
#208
○国務大臣(奥野誠亮君) 人を裁く立場にある方でございますので、人一倍その身辺がきれいでなければならない、こう思います。おっしゃいますように、若干事件が重なってきたように思うわけでございまして、私はそういう事件を耳にしますたんびに、検察庁内で問題が起こっては心配だなと、すぐわが身を顧みるわけでございまして、人を裁く者、あるいは拘束権の行使に当たる者、人一倍身辺をきれいにしていかなければならない。したがいまして、不幸にして起こったことにつきましては、徹底的に問題を解明していかなければならない、そして二度とそういう問題を起こさないように、最善の努力を払っていかなければならない、こう考えているわけでございます。今日、判事にしましても、検事にしましても、社会の優秀な方々がその社会に身を投じてくださっているわけでありますけれども、不幸な事件が重なってきたように思います。特段にわれわれ心を新たにして、再び問題が起こらないようにしていかなきゃならない。そのためにもやはり起こったことについては、徹底的に解明をしていく必要があるだろうと、こう考えておるわけでございます。今後、最高裁判所、検察庁ともに問題の起こらないように、最善の道をお互いに話し合ってまいりたいものだと思います。
#209
○柄谷道一君 最初に環境庁にお伺いいたしますが、水俣病の患者認定申請数は五十五年十二月三十一日現在で、熊本県関係八千四百五十四名、鹿児島県関係千六百六十三名、合計一万百十七名でございました。このうち認定された患者は、熊本県関係千四百二十二名、鹿児島県関係二百九十六名、合計千七百十八名、棄却が熊本県関係千九百七十八名、鹿児島県関係六百九十七名、合計二千六百七十五名と承知いたしておりますが、この数字はそのとおりでございますか。
#210
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 認定された者をいま細かく先生おっしゃったですが、認定されている者千七百十八名、それから未認定患者五千七百二十四名、県別にすれば先生の言われたとおりだと思います。
#211
○柄谷道一君 それでは認定されました千七百十八名に対する補償金の支払い実績でございますが、一時金三百五十二億九千四百万円、年金・医療費等の継続分百九億二千百万円、基金拠出額五億円、漁業補償三十九億三千二百万円、合計五百六億四千七百万円と承知しますが、間違いございませんか。
#212
○国務大臣(鯨岡兵輔君) それで間違いないと思います。
#213
○柄谷道一君 といたしますと、この五百六億円という補償金支払い総額は、チッソ株式会社資本金七十八億一千二百万円の約六倍に当たる金額でございます。そのチッソ株式会社は五十四年度決算で五百二億円の累積赤字を抱えている現状でございます。それでは、この五百億を上る補償金の財源がどのようにして賄われたのか、また支援の主力であります熊本県債の発行合計額と、その引受先について御説明願いたいと思います。
#214
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 細かくは部長が来ておりますから部長から答えさせますが、いまおっしゃられたように、総額で五百六億円、うち県債百二十七億円、それから銀行の金利などのたな上げしてもらった分が百十五億円、それから持ち株を処分いたしましたのが六十七億円、持っていた土地を処分いたしましたのが二十四億円、子会社等を整理いたしまして処分したその金が三十四億円、手持ちのお金を回しましたのが三十三億円、その他細かく六十四億円、こんなふうになっております。
#215
○柄谷道一君 県債の引受先について御説明願います。
#216
○政府委員(藤森昭一君) 発行されました県債の額につきましては、ただいま大臣お答えがございましたように、百二十七億二千二百万円でございますが、この県債の引き受けにつきましては、五十三年の六月の「水俣病対策について」という閣議了解に基づきまして、毎年度の補償金総額の六割に係る部分を資金運用部が引き受けておりまして、その残り四割に係る分を関係金融機関がそれぞれ引き受けを行っているところでございます。
#217
○柄谷道一君 申請状況と認定審査状況を対比して見ますと、五十五年十二月三十一日現在で保留、未審査という、いわゆる未処分なものが合計五千七百二十四名に上ると承知いたしております。ということは、今後なお相当巨額の補償金の支出が必要であるということを物語るわけでございますが、これに対してどう対処されるお考えがお伺いします。
#218
○国務大臣(鯨岡兵輔君) せっかくのことでございますから、ちょっと細かく申し上げますが、結論から申し上げますと、補償の金は、ちょっとある事情といいますか、認定がもうむずかしくなってまいりましたから、ちょっと金額では停滞しているんですが、五十年に三十億円、五十一年に四十六億円、五十二年に五十二億円、五十三年六十八億円、これがピークでございまして、五十四年に六十億円、ことしはまだ、五十五年度はちょっとまだ未定ですが、五十億円台になるのではないかということでございますから、ちょっと落ちてきたのでございます。とは言うものの、これは大きな金額でございますし、また認定がもうどんどんどんどん認定してまいりましたから、残っているのは科学者が認定してもなかなかむずかしゅうございますので、進んでおりませんが、おっしゃられるとおり、今後もばかにならないお金がかかっていくだろうと、こう思います。
#219
○柄谷道一君 それで、補償の主力の一つであります熊本県債でございますが、その期限が五十六年度末、いわゆる五十七年三月三十一日となっております。その後も引き続いて大幅な延長が私は必要だと考えますが、これに対するお考えをお伺いしたい。
#220
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 先ほど藤森局長がお話しいたしましたように、五十三年でしたか閣議了解がありまして、いま先生が言われたような期日までこれやっていくと、それから先のことはどうするか、それはなるべく遅くない機会にその期日が来るまで、というのは、いま言われた五十七年の三月の末日までに、後のことをどうするかということを関係人が集まって考えると、こういうことになっております。
#221
○柄谷道一君 違った観点でございますが、水俣湾のしゅんせつ事業費でございますが、仄聞するところ、事業費は当初計画では約二百億円というものであったものが、一部住民の反対運動が起きまして中断いたしました。そのため諸資材等の高騰によりまして、現在これを再開すれば四百億ないし五百億の金額に達するのではないかと、こう言われております、その場合も依然としてチッソにその六五%を負担させる考えには変わりございませんか。
#222
○国務大臣(鯨岡兵輔君) 原則としてはそのとおりだと思います。
#223
○柄谷道一君 次に県債発行の仕組みでございますが、補償金の支払い総額から金利たな上げ類と、経常利益額を差し引き、公的融資元利支払い額を加えるというものであると。これは補償金支払い額の資金不足額が県債発行額になると、こういう仕組みであると理解してよろしゅうございますか。
#224
○政府委員(藤森昭一君) ただいま御指摘のような算定方式を採用いたしております。
   〔委員長退席、理事佐藤三吾君着席〕
#225
○柄谷道一君 私はいままでの質問を通じて、答弁を整理してみますと、こういうことになると思うんです。現在までの水俣病認定患者千七百十八名に対する補償金と漁業補償などの支払い実績は、十二月末現在で資本金の約六倍に相当する五百六億四千七百万円の巨額に達しておる。水俣病申請者中未処理者が五千七百二十四名も残っており、今後の補償額も相当額に達する。同時に、加えて水俣湾しゅんせつ事業に対する会社負担も、仮に五百億とすれば、おおむね三百億近い負担を負わねばならない。一方会社の累積赤字は五十四年度でも五百二億円に達しております。したがって、こうした経費負担は、今後の会社経営の展望をあわせ考えますならば、容易ならざる負担額となるであろう。そして、県債発行による支援措置が、仮に五十七年以降も続けられると仮定しても、その発行の仕組みから見て、収益が県債発行額から減額されるわけでございますから、前向きの設備投資を行うことを全く期待することができない、こういう概要がただいままでの質問によって明らかになったと私は理解するのでございます。
 そこで通産大臣にお伺いをいたします。チッソ水俣工場では、昭和四十三年から四十六年にかけまして、カーバイト、硫酸、ガス化、アンモニア、オクタノールなどのいわゆる不採算部門を休廃止いたしました。チッソプラスチック、日本珪素、ポリパック、新興製機、共栄合板などの新規事業の起業化、現在肥料、塩ビ、化成品の三本柱で再起を期しております。労働組合は、そのような経過の中で、今日まで肥料、ソルビン酸、TCS、SC66、動力、プラスチック及び発電所などの各職場の省力化提案に対しまして、その許容限度きりぎりまでの線で受け入れ、これに協力をいたしております。通産大臣も御承知のように、化学産業業界というのは、厳しい競争のもとで、商品の多様化と価値形態の変化が非常に激しいものがございます。
   〔理事佐藤三吾君退席、委員長着席〕
技術競争と販売競争に対応できない企業は、自然淘汰されるというのが化学産業業界の実態であろうと思います。しかも最近、アメリカ、カナダなど、原料、エネルギーコストの絶対的優位を持つ国から、わが国への化学素材の輸入が激憎いたしております。また、従来石油化学製品の約二割を消化しておりました東南アジアの市場におきましても、アメリカ、カナダの輸出によってその輸出シェアは狭まりつつございます。こういう中で、化学産業は、これから大きな産業構造の転換を余儀なくされるというのが実態であろうと、こう思うのでございます。私は、このような産業政策に適確を欠くということになりますと、私は企業の企業基盤そのものが危機に瀕している。同時に、雇用の大きな不安を招く。しかし、現状においては、中期計画を策定し、ここに資金を導入しようとしても、その道が閉ざされている、これが実態ではないかと思うのでございます。仮にも企業力が低下をいたしまして、企業が崩壊の危機にさらされるということになれば、それは補償の完遂がまず不可能になる。と同時に、雇用の大きな不安を招くという結果を招くものだと憂えるものでございますが、産業政策を担当する通産省としてのこれに対する対応をお伺いいたしたいと思います。
#226
○国務大臣(田中六助君) チッソ水俣工場につきましては、いろいろ御指摘のような点がございまして、私ども旧設備に対する衣がえと、それから新規の設備、そういうものについて、労使が非常に苦労しておるということも承知しておりますし、これら全体のチッソ水俣工場につきまして、私どもはいま御指摘の産業政策として、十分労使の動きを見守ると同時に、私どももできるだけの、産業政策遂行上から、これを熟知しておりますし、これからも労使が協調してやることにつきまして、私どものできる限りのバックアップ、環境づくりはしていきたいというふうに考えております。
#227
○柄谷道一君 大蔵大臣にお伺いいたしますが、いま通産大臣はできる限りのバックアップをしたい、こう御答弁をされました。それには、具体的に言えば既存事業への有効投資と、収益性の高い新規事業の導入ということに要約されてくると思うのでございます。となりますと、ここに当然開銀融資というものが浮かび上がってくると思います。ところが、私の承知するところでは、現状では間接融資の形態をとっておりまして、なかなか直接融資の方法がとられにくい。しかも、今後開銀融資を行っていくためには、県債の発行の仕組みが改正されることが条件である、こう開銀は言っておられると聞くんですね。いまの通産大臣の全力支援ということに対する、大蔵省としての対応をお伺いいたしたいと思います。
#228
○政府委員(吉田正輝君) ただいまの開銀のチッソに対する支援の体系と申しますと、かつて貸し出しましたチッソに対する既存の貸付について、元本の返済猶予とか、金利たな上げ措置をとってございます。御指摘のような、県債方式が変わればということでございますけれども、県債の算定方式自体は、これはチッソ再建に対する措置の一環として検討されている問題というふうに承知してございまして、開銀の場合に、これがチッソに貸せるかどうかということにつきましては、これは実は開発銀行法の十八条でございますが、これは政府の政策機関として償還の確実なものについて、その融資が政策目的に合致する設備資金に該当するかどうかと、そういうような面からは開銀は考えておりますけれども、県債方式という全体の国の政策そのものについてを条件にするというようなことを云々しているようなことは、私どもとしては聞いていないところでございます。
#229
○柄谷道一君 そうすると大蔵大臣、ただいまの通産大臣の御答弁に呼応して、大蔵省としてもその対応を十分に行っていく、そういう姿勢である、こう理解してよろしゅうございますか。
#230
○国務大臣(渡辺美智雄君) できるだけのことはやらしていただきます。
#231
○柄谷道一君 労働大臣にお伺いをいたします。
 チッソに働く従業員の数、現在二千七百名でございます。そして、そのチッソの労働者は、いま懸命に労使共通の目標であります補償の完遂と、雇用と生活の安定、これに向かって全力を傾注いたしております。しかし、残念ながら、現状は同業他社に比べて労働条件は低位に据え置かれております。しかも、会社中期の計画、これがなかなかに前進いたしません。したがって、雇用の将来に対して、絶えず大きな不安を抱いて働かざるを得ないというのが実態でございます。雇用の確保というものを任務とされます労働省として、この問題に対する対応の姿勢と方策についてお伺いをいたしたい。
#232
○国務大臣(藤尾正行君) ただいま御指摘の問題につきましては、先ほど大蔵大臣、通産大臣、それぞれお述べになられましたように、その支援体制を最大限度にしていこうというお腹づもりのように承っております。また、現実にいまのチッソ株式会社が、非常な大きな負担をしょっておられるのでございまするけれども、その雇用に対しまして非常に大きな削減をしようというような現実の姿にはございません。現に五十六年度も新規採用をいたそうというような雇用姿勢をとっておられるわけでございます。そこで私どもといたしましては、現実に会社自体がみずからの力で立っていこうという意思をお持ちになられ、その方策を進めておられるときであり、かつ大蔵、通産両省におかれましても、可能な限りの支援体制をとろうという時期でございますから、私がこれから先の雇用について、非常に心配だということをいま申し上げるのは適切ではない、かように考えておるわけでございまして、非常に大きな関心を持ちながら、今後の推移を注視をさしていただいておる、かようにお考えをいただいて結構でございます。
#233
○柄谷道一君 時間もございませんので、ひとつ労働大臣、この水俣病対策、これの補償の完遂、これはもう当然のことでございます。と同時に、そこに働く二千七百人の労働者の雇用をいかに安定し、守っていくか、これも裏表の関係にある重要な一つは要因であろうと思うんです。重大な関心を持って見守るということは、必要な場合は労働省としても、これらの対策についての発言を惜しむものでないと、こういう姿勢と私は理解しておきますから、そのように御配慮を願いたいと思います。
 そこで、今度は自治大臣にお伺いいたしますが、私は客観的に見て五十七年の四月以降も県債の発行を継続するということは、これはもう最小限度の対策でございますね。同時にその算式ですね、これについても利益が上がれば県債の発行額を落としていく、これじゃ開発に回していくべき金は全くないということになるわけでございますから、この県債発行の仕組みについても、来年の四月以降には一工夫、二工夫あってしかるべき問題ではないかと、こう思うんです。これはもちろん熊本県の決定されることでございますけれども、自治省として、やはりこれを適切に指導していっていただかねばならぬと、こう思います。自治大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#234
○国務大臣(安孫子藤吉君) 自治省並びに熊本県の方では従来こういう考え方をしているわけです。御承知のとおりに、企業関係の事業についての資金は、これは金融機関でひとつやってもらいたい、補償関係はひとつ起債の方で片づけようと、こういうプリンシプルに立っておるわけですね。したがって、いまの算定方式なんかも一部の剰余というものをここから控除しないで会社に残すということは、その原則には反するんだと、こういう考え方でこの算式ができておるものだと私は理解いたしております。
 そこで、今度の更改期においてどうするかという問題は、基本的な問題もありますけれども、その算式につきましては、従来のような考え方というものがやはり一つの理論じゃないかという考え方をいたしているわけでございます。お話の点につきましては、理解できないわけでもございませんが、そういう問題も含みまして、今度の更改期におきましては十分検討しなくちゃならぬ問題だろうと思っておるわけでございます。
#235
○柄谷道一君 私は内閣調査室と環境、自治、大蔵、通産のこの四省で、金融支援協議会が設けられておると、こういうふうに承知をいたしております。いま自治省は自治省のお考えがある、通産省は通産省、大蔵省は大蔵省の御答弁をいただいたわけですね。しかし、これは全般を踏まえて、仮に自治省がその原則を貫くとすれば、これを補う他の省の対応策というものがなければならない、これがやはり総合され、整合性を持つというものでなければ目的を達成することはできないと、こう思うんです。主務大臣は環境庁長官と私承知いたしておりますが、この点十分の御配慮をこの金融支援協議会においてとられますように、これは要望いたしておきたいと思います。
 そこで環境庁にですがね、公害防止事業費事業者負担法というものによりますと、機能外機能ということがございます。私はこの水俣湾しゅんせつ事業というものによりまして、港湾が整備される、これは地域の発展のために大きな機能というものを発揮するという一つの要因を考えなければならない。もう一つは、二百億円かかると思ったのが中断した――これは中断したのは政治的判断で中断をしたわけですね。その間経費が上がった。倍以上になった。倍以上になっても依然として六五%だと。この金額は、これは企業責任では全くないと思うんですね。政治的判断に基づいてしゅんせつ事業開始の時期がおくれた、そのことによって工事費は倍以上になった、しかし、その六五%は動かさない、これが果たして公正なものであろうかという疑義を私は抱かざるを得ないのでございますが、この際、この負担比率というものについて、再検討される御用意はございますか。
#236
○国務大臣(鯨岡兵輔君) いま二つの問題のお話があったんですが、最初の方のこれからの問題は、先ほど申し上げましたように、五十六年まではいままで次官会議や閣議了解の線でやっていきますが、これからの問題はそれが終わるときまでに決める、こういうことですから、いま自治大臣言われたとおりなんです。ただ、普通でさえも先生先ほども申されたように容易でない企業が、一年間に六十億、少なくなっても六十億とか、五十億とかいう金を出さなきゃならないんですから、原因者負担で当然のこととはいいながら、企業側としては容易でないと思いますし、またこれの県債をしている熊本県だって、とても容易でないと思います。非常に容易でない。会社の方はこういうふうにやれば再建できるんじゃないかというようなことをわれわれのところにも言ってきています。それから関係金融機関にも私も会いました。皆さんありがたいことに非常に意欲的です、ですが、幾ら意欲的でもなかなか容易でないことはお察しのとおりでございますので、真剣にこれらの問題を関係者みんなで知恵をしぼってやっていきたいと思いますので、先生方にも何か知恵があったらひとつ教えていただきたいと、こう思うくらいでございます。
 それから二番目の問題は、おっしゃられることよくわかります。二百億円ぐらいでできるかな、あれ水銀を含んだヘドロが沈んでいますからね、だから一部さくを設けまして、これしようがないですから、どこへも持っていきようがないですから、そのさくの中へすくい込んじゃおう、こういうんですが、二百億円ぐらいかかると思ったやつが、ヘドロをひっかき回しましたらまた水が汚れるかもしれないという心配などあって、これがおくれたわけです。しかしながら、原因者負担の原則がありますから、六五%はその原因者であるチッソの会社に出してもらわなきゃならないということは、原則としてはそのとおり動かざるところでありますが、これをどうしたらいいかということは、チッソがああいう状態なんですから、そこへもってきて約五百億円の六五%また出せということになれば容易でないと思います。どうしたらいいかということは、いま私にはよくわかりませんし、またわかっていても言うべき問題ではないと思いますが、このいまの年度が終わって、次の年度が始まるまでにはこれ考えなきゃならぬことだと、こう考えております。
#237
○柄谷道一君 私は水俣病と企業再建対策について質問を続けてきたわけでございますが、いま環境庁長官が言われましたように、これ容易ならざる事態なんですね、私はもちろん汚染者負担の原則というものが現存する、これを否定するものではございません。そして、これからも補償金の支払いに万全を期していかなければなりません。しかし、企業の実態というもの、そして、そこに働く労働者の雇用という問題、それから地域の発展振興策、こういったものがやはり総合された施策というものが打ち出されなければ、私はすべてが無に帰してしまうという危険すらはらんでいるというのが、現在の実態であると、こう思うのでございます。
 与えられました四十分の質問時間の中で深くを追及し得ませんけれども、私は今後とも機会を得まして、関係大臣に対しまして必要な要請、申し入れ等を行いたいと思いますので、環境庁長官を中心として、内閣におきましても、この問題について大局的立場から、英知と熱意を傾けて、その対応策が確立されることを、これは強く求めておきたいと思います。
 文部大臣にお伺いいたします。
 学校教育法第二条第一項によりまして学校設置者は国、地方公共団体、学校法人の三者に限定されております。これは教育の利益追求を防止しようとする趣旨であろうと理解いたします。
 ところが、同百二条第一項によりまして、幼稚園に関しては幼児教育に果たしている役割りを評価いたしまして、当分の間例外とするよううたっております。
 また、私学振興助成法第二条第二項によりまして、学校法人以外の幼稚園に対しても、国は補助金を出すという仕組みになっております。ところが、同じく第二条の第五項では、それは五年以内に学校法人化を促進することというものが後についておるわけですね。ところが、果たして学校法人化が促進されているかどうか、実態を調べますと、八千七百の幼稚園中、学校法人立は約半分、その他は宗教法人立、個人立て占められております。そのうち個人立は二千二百幼稚園に及ぶなど、この学校法人化の促進は行われていないというのがその実態でございます。しかも、このような状態の中で、五十七年三月で、いわゆる五十一年度に補助金を受けた私立幼稚園に対する学校法人化の期限が参ります。こういう状況の中で、個人立幼稚園の側からは、補助金継続の強い要望が出ております一方、振興助成法に沿った行政指導によりまして、学校法人化を進めた幼稚園の側からは、個人立ならば所有者が幼稚園を閉鎖してその土地、建物を売却したり、その他の目的に転用することができるが、そうしても補助金の返還等の措置を受けない。学校法人化したので、園児が減少しても転身ができない、補助金のために個人財産が取られた、もう補助金制度は打ち切るべきだという意見も出ております。
 私はこうした現状に対して、まず文部大臣としての基本的姿勢、特に五十七年度三月以降の補助金の取り扱いに対する御意見をお伺いしたい。
#238
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘のとおりに、私立学校の振興助成法によりまして、助成を受けました個人立等の幼稚園は、五年以内に学校法人の措置をとらなければならぬのでございますが、文部省といたしましては、五年を経過いたしました後のこの取り扱いにつきましては、現在真剣に検討中でございまして、幼稚園団体及び関係者の方々の御意見を聞きながら、慎重に対処してまいりたい、かような姿勢でございます。
#239
○柄谷道一君 今日まで私は一連のたてまえと現状を申し上げてきたんですけれども、現状はすでに幼稚園行政が行き詰まり、曲がり角に差しかかっておるということをこれは物語っていると思うんです。出生率の低下による子供の減少、地区によっては幼稚園と同等ないしはそれ以上の教育機能を果たし、主婦の職場進出という時代のニーズに適応した保育所の競合、これによりまして最近では定員を割る幼稚園も出てきておる。幼稚園というものはいま大きな岐路に立っている、こう言わざるを得ないと思います。
 大臣、これいずれに軍配上げても大変なんですよ。継続しますと言えば、なぜ学校法人化をやってきたのかと、片側から意見が出ますね。打ち切ると言えば、これまた既得権というものを何としても守ってもらいたい、この意見が出ることはもう必然ですね、この中で大臣としての重大な私は政治的決断というものをしなければならぬ、その時期がもう来ていると思うんですね。慎重、検討という以外に一歩も前出ませんですか。
#240
○国務大臣(田中龍夫君) この幼稚園と保育所との問題、並びに一は学校でございまするし、他は福祉施設である、こういうふうな問題で、幼保の問題も非常に重大でございます。幼稚園それ自体も先生がいま御指摘のような関係にありますことと、それから、今度は幼稚園と保育所との関係をどう考えるかという問題と、そういうふうな問題も全部ひっくるめまして、今日は審議会においてその審議をお願いをいたしておるんでありますが、幼稚園及び保育所に関する懇談会、これはただいまいろいろと幼稚園自体の問題も含め、また保育所と幼稚園との関連性、ただいま御指摘のように重大な幼児教育の岐路に立っておるのでございますが、私どももこの組織を督励いたしまして、何とか早くめどをつけたいと、かように真剣に考えておるところでございます。
#241
○柄谷道一君 大臣、いまの幼保一元化の問題と、個人立幼稚園に対する補助金の対応策はこれ別個なんですね。この点は何か答弁を先に読まれたんではないかとすら思いますが、まあ大臣がこれ以上一歩も前へ出る答弁ができないということならば、これ言いましても水かけ論ですから、私は個人立幼稚園に対する対応、これは非常に重大な問題だ、また改めてわれわれとしてのこれに対する考え方は、機会を見て申し述べたいと思いますが、私は最後は大臣の決断以外にないと思います。ぜひ適切な決断ができるようにこれはお願いしておきたい。
 そこで、いま一歩先へ進んだ保幼一元化の問題が出てきたわけなんですが、私厚生大臣にお伺いいたしますけれども、私はこの問題は官庁のなわ張りだとか、それから、または幼稚園、保育所間の生臭い争いというものが表面に出ておるんでございますけれども、私は根底として据えられなければならない問題は、幼児の立場をどうすればいいのか、その視点を忘れてはならぬと、こう思うのでございます。
 そこで、私もこれ資料でいろいろ調べますと、現在全国で保育所が未設置の市町村、これは百三十六市町村でございます。ところが幼稚園がない、いわゆる未設置の市町村は千三十四、これは全国の市町村の三一・五%を占めておるわけでございます。
 そこで、よく議論の中には三歳児までは保育所で、三歳児以上の幼児教育は幼稚園でと、いわゆる年齢をひとつの区分として、保幼の一元化をしてはどうかという議論もよく聞くんでございますけれども、こうした実態から見ますと、仮にも年齢で区分しますと、三歳児以上、千以上の市町村が幼稚園がないわけですから、幼児教育が全く受けられないという結果が出てまいります。これは都市型と、大臣、失礼でございますけれども、熊本県型とちょっと事情違うんですね、全国いろんな地域で事情が違ってまいります。また幼稚園で幼児を預かる時間は、幼児教育要領によりまして四時間でございます。おおむね九時から一時ごろというのが多いようでございますが、そこで、年齢で区分して分離をしますと、三歳児以上の幼児で、母親が共働きをしておるという者は、この四時間以外は全く世間にほうり出される。これはまた対応いかんによりましては、いま他の委員から御指摘になりましたベビーホテルではございませんけれども、幼児ホテルという無認可のものが輩出していく危険が出てくると思うんです。
 それでは一つの意見として、幼稚園を真ん中にはさんで、その前後を保育所でサンドイッチにしてはどうかということになりますけれども、これは幼児教育として一日のうち保育所へ行ったり、幼稚園へ行ったり、また保育所へ行くと。違った保母や先生がその幼児の指導をする、そういう形態が果たして幼児のためにプラスか、これはデスクワークではなくて、保幼一元化という面になりますと、何よりも児童を中心に、現状を踏まえての対応策というものが生まれてこなければならないし、それを忘れては政治と言えないと私は思います。本件に対する厚生大臣と文部大臣の、両大臣の御意見をお伺いいたしまして、時間が参りましたから私の質問を終わります。
#242
○国務大臣(園田直君) 幼保一元化の問題は、私は年来から子供の教育は一貫性があるべきであって、行政上も、それから助成金等の問題からかんがみて、一元化すべきであると考えて、そのように努力をしてまいりました。しかしながら、現実には五十年の行管の勧告以来、両省主体になってこれの懇談会いたしておりますが、二十回ぐらいいままで協議をやっておりますが、一歩も前進いたしておりません。それは私の考え方も少し修正されておりまして、これは一律に一元化することはいかがなものかと。第一に、いまおっしゃいました都会と農村地帯では全然違います。農村地帯ではやっぱり保育所を、子供のしつけも加えた幼稚園と保育所の合作みたいなものを大体望んでおります。都会ではまた幼稚園と保育所というものを分けたものを望んでおる。ところが、一面には、おっしゃいましたとおりに、幼稚園は幼稚園でいろいろあるようです。私の方の保育所も保育所で、事業体が大体三つに分かれて、いろいろ意見が分かれております。そこで、この懇談会の結論がことしじゅう、できれば夏ごろは結論が出ると思いますが、その結論も見て慎重に考えたいと思いますけれども、とりあえず私がいま考えておりますことは、農村における保育所というものは、お互いに文部省と相談をして、保育所と幼稚園が両方の目的を達せられるようなものに私の方の保育所も弾力的に運用する。それから、都会における保育所というものは、もっとその基準を下げて、ばらまくといいますか、場所を小さくしていくと同時に、ゼロ歳児と幼児との一貫性をどうやって持っていくか。こういうことはいまの保育所の現行のままで、時間、手続あるいは預り方、それから期間、こういうものを弾力的にやっていって、そして幼稚園の目的と保育所の目的を勘案しつつ、地域的にだんだんよせていくと、こういうことが大事であって、ただ単に行政上の見地から一元化するということはなかなか弊害が出てくる。
 結論は、いまおっしゃいましたように、行政上や助成金の問題ではなくて、乳幼児の立場からどうやったらいいか、こういうことになってくると、なかなか一律に一元化ということは問題だなあと考えているのがただいまの心境でございます。
#243
○国務大臣(田中龍夫君) お答えいたします。
 幼稚園問題と申しますものが、ただいま先生が前段でおっしゃいました幼稚園自体の公立の問題とか、私立の問題とか、これも何とかしなければならない段階に来ておりまして、もはや時間的に言いましても、何らか措置を考えなきゃならぬと、せっかく省内で努力をいたしておるところでございますが、後段の、また保育園と幼稚園の関係も、ただいま厚生大臣から申し上げましたように、同じような乳幼児の対象でございますけれども、しかしながら、環境の相違でありますとか、あるいはまた法制上の問題というような問題が錯綜いたしておりまして、せっかく厚生省と相談をいたしておりまして、何とかそれを少なくとも夏ごろまでにはめどをつけたいといって努力をいたしております。ただいま厚生大臣の御答弁の中にも、必ずしも文部省がそうは言っても、そうはいかぬぞという内容もございまするし、私の方は幼児教育という立場で善処をしなければならない。ただいま申し上げましたように、審議会におきまして、鋭意この問題についてお願いをいたしておるようなところでございます。
#244
○下田京子君 私は、絹織物の不正輸入問題についてお尋ねしたいと思います。
 昨年十月、スペインから約百三十七万平方メートルの絹織物が輸入されましたが、実際にこれは中国産の羽二重であったと。しかも、薄い青で染められておって、精練すれば簡単に脱色して白地になる、いわゆる青竹であるということが判明したわけですね。中国と日本の間には、私がいうまでもなく、絹織物の輸入管理体制というのは、直接輸入につきましては、これは輸出入取引法の三十条二項でもって、輸入の承認制になっている。それから、第三国経由輸入につきましても、また第三国の加工につきましても、これは輸入貿易管理令の四条一項等を適用されて、実際には事前承認で認めてないというふうなことがあるわけですね。そういうことが明らかな中で、昨年七月フィリピンから十二万平方メートルの青竹輸入がされたということで、九月二十二日でしたか、通産省がEC、スペイン、スイス、米国以外の地域に対して、通産大臣の事前確認制というふうなことでやられたと思うのです。ところが、事前確認制の除外になったスペインというところから、擬装して輸入されてきた。非常に悪質でありますし、絹織物の輸入体系を非常に御存じであると。しかも、国内産業保護のためにとられたこういう措置に対する重大な挑戦だと、こう思うわけなんです。この問題につきまして、輸入業者と言われているニッタン株式会社の深石さんという方は、私は名義貸ししただけだと、こういうことをおっしゃっておりまして、日本バイルハック社の社長の白井氏や三星ジャパンに頼まれて名前貸しただけなんだと、こういうことがいろいろあったわけですね。
 去る三月二十日、参議院農水委員会の中で、そのことにつきまして深石氏の役割りについて調査しているということが答弁されていると思うのです。それからまた、三月二十六日、衆議院の農水ですけれども、深石氏と白井氏との間に食い違いがあるということで調査もしている、こういうことでした。その後こうした調査がどういう状態になっているか。
#245
○政府委員(若杉和夫君) お答え申し上げます。
 おおむねいま先生が御指摘になったような事実が存在をいたしております。通産省といたしましても非常に重要な問題だし、悪質であるという認識を持っております。したがいまして、外交ルートを通ずる海外関係の調査とか、あるいは輸入関係者に対する外為法の事情聴取あるいは報告聴取、立入検査等を通産省でしています。それからまた、税関あるいは警察とも連絡をとって調査をいたしております。
 通産省の調査といたしましては、なかなか強制調査という権限がございませんので、いろいろ限界はありますけれども、いわゆる流通関係も含めまして、われわれとしては事情をかなり広範に、ヒヤリングもし、ある程度疑いの内容というのを詰めております。しかし、いま現在におきまして、明確な確定的なことまではまだ到達してないということでございます。
 確かに、先生御指摘のニッタンという会社の深石社長、あるいはバイルハックというところの白井社長等からも事情を聞きました。しかし、いろいろ食い違っている点が先生御指摘のようにございます。したがいまして、現在われわれは、通産省としては最終的に真相がこうに違いないという証拠をもって、確定するところまではまだいってない、調査続行中と、かようなことでございます。
#246
○下田京子君 調査続行中ということと、警察庁とも連絡をとってやっているということでしたが、深石氏の役割りが重要だと思うんですけれども、単に名義を貸しただけなのかどうかという点で。ポイントはやっぱり金銭の授受があったのか、これが一つ。二つ目には、その額は一体どのくらいだったんだろうかと、こういう点も含めて調査中であるかどうか、簡単に。
#247
○政府委員(若杉和夫君) 率直に見て、通産省としましては、金額の授受のやりとりについて、調査のポイントは、われわれはどういうふうにして輸入して、どういうふうにして流通したかという点に、実は通産省としては、行政的なわれわれの立場からすると、国内の生産とか、商品に悪影響を来しちゃ困るものですから、どちらかというとそっちに重点がございます。それで、簡単に言いますと、ニッタンがどこまで関与したのか、まあ話によりますと名義だけ貸したと。それ以上われわれとしてはいまのところ確認をしておりません。
 それから、金銭の授受につきましては、まあ十分推定はできますし、それから両者の言い分も授受の関係はあったということは言っておりますので、あったことは確かだろうと思いますが、裏づけるもの、あるいは金額が幾らかというところまで、われわれの立場からは確定、確認はしておりません。
#248
○下田京子君 金銭の授受がたしかあっただろうと推定はできると、両者もそう言っているんでと。しかし、調査権も直接及ばないのでというお話だったかと思うんですけれども、専門業界紙である日本繊維新聞等の報道によりましても、はっきりとそういうことで両者が政治工作を見越してやったんだと。お金は数千万円だと、こう言っているわけなんですね。とすれば、深石氏という人がどんな人かというのは、私が言うまでもなく、もう御承知だと思うんですけれども、前千葉県知事の五千万授受問題をめぐってどうどう前川上知事おやめになったわけですね。ですから、そういう点でやはり政治家等への工作を依頼した疑いが推定できるということになりますれば、検察庁とも十分に連絡をとって捜査すべきだと、こう思うわけなんですけれども、その点はいかがでしょうか。
#249
○政府委員(若杉和夫君) 先ほど申しましたとおり、二人の間で金銭の授受があったということは推定できますが、政治家云々ということはわれわれは一切聞いておりません。
 それから、現実的にわが省に対して、そういうアプローチがあった事実も、はっきりありませんということは断言できると思います。
#250
○下田京子君 警察庁お見えですね。
 まあ通産、大蔵サイドで調査ということになりますが、金銭授受問題ということになれば、捜査権は検察庁にもございますので、そういった点でやっぱり関心を持って今後捜査いただけると思うわけなんですが、いかがですか。
#251
○政府委員(谷口守正君) 通産、大蔵など関係当局から、本案件についての調査の進捗状況等につきましては、いろいろと御連絡をいただいているところでございます。それに基づきまして、事実関係の正確な把握に努めておるということでございます。
#252
○下田京子君 もう時間がありませんから、通産大臣。この件につきまして、一つは経過等も含めて調査されているわけですけれども、金銭の授受問題、これが一つですね。それから、それがどういう目的で行われたかという問題。と同時に、これは委員会等でももう明らかになっていることですけれども、青竹の船積み地が、これは税関への申告ではスペインのバルセロナ港というふうになっておりますね。しかし、実際はそうでない。どこなのかということはいま調査中だと。しかし、スペインのバルセロナ港でないということははっきりしたということになれば、有価証券である船荷証券、これも偽造されたということになると思うんです。とすれば、これは有価証券を偽造したり、虚偽の記入をしたり、あるいはそれを行使したという場合には、刑法の百六十二条、百六十二条に違反するというふうなこともはっきりしてきております。ですから、そういう新たな問題も含めて、こうした問題、非常に悪質であるということをいま担当官の方から言われましたけれども、うやなやにせず、徹底追及し、糾明するという立場でお臨みいただけるというふうに思うわけですけれども、その決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
#253
○国務大臣(田中六助君) 深石社長がはっきり金銭の授受とかいうことは認めていないわけでございまして、大体スペインからの青竹ということ、したがって、それにまつわっていろいろな諸手続がどうかというようなこと。大体これはスペインから送ったものではないというような推測はできておるわけでございますけれども、まだそういう司法当局の結論が出ておりませんので、疑いは持っておりますけれども、そういうことがはっきりし次第、もちろん私どもの権限の許す範囲のことを厳格にしていかなければならないという決意でございます。
#254
○下田京子君 はっきりし次第ではなくて、はっきりさせるために大臣が決意をもって、臨むかどうかということで私はお聞きしたわけなんですが、そういう点で調査を進めていただきたいということを重ねて申し上げます。
 次に通関時の問題についてお尋ねしたいわけなんですけれども、スペインから絹織物の輸入が実績どういうふうになっているか、これ簡単に五十一年、五十二年、五十三年、五十四年と、同時に五十五年に入って十月までどうだったかということを数字的にお知らせください。
#255
○政府委員(清水汪君) 恐縮でございますが、余り大きな数字はございません。いまの百何十万平米というようなものはございませんで、五十一年は二千七百平米ですね、大体。それから五十二年は四千三百平米、五十三年は六千平米、五十四年は二千八百平米。大体数字を端数を捨てて申し上げますと、そういうことでございます。五十五年が百三十七万六千平米と、こういうことに統計上なっております。
#256
○下田京子君 五十五年の十月以前というのは、各年とも三千から四千ぐらいですね。そうしますと、それが十月までの段階で一挙に百三十七万平米も入ってきたということになりますと、だれが見たって通関時おかしいんじゃないかと、こう思うと思うんですよね、ところが、大蔵大臣、これはあれなんですけれども、実際にこういう大量の物が大阪湾で陸揚げされて、大阪税関でもって保税輸送の許可をとって、そして東京の大井出張所まで来たわけなんです。なぜこんな大量な物に気がつかなかった、異常だと思わなかったのかなあということが一点と、わざわざ陸揚げされたのが大阪なのに、東京まで保税輸送されるって、何なんだろうと、しかし結果として大井に揚げられたんです。私は時間がないからここでもう言いませんけれども、保税輸送の段階での問題点が一つあるだろうと、同時に、とにかく大井が何らかの形で結果としてねらわれたんじゃないかと、こう思うわけなんです。
 そこでお尋ねしたいんですけれども、私先日大井に行ってまいりました。所長さんに御案内いただきまして、いろいろと内部も見せていただきました。現場の労働者の方々とも懇談しました。大井というところは、コンテナ輸送が八〇%占めているんです。それでもって、コンテナなものですからスピード、そしてしかもそれを、荷をほどくというこになると大変だということで、一コンテナほどきますと検査料十四万円ぐらいかかるそうなんです。だから、ほとんど現品検査というのが無理な状態だと言うんです。こういう状態に輪をかけてスピードが要求されまして、ここ数年どんどん取り扱い日数もふえていると、こういう状態なんです。さらにその上に、輸入業者からお願いということになりますと、緊急通関というふうなことで、慣例的に特別におやりになる、そういう特別な措置もあるんだそうです。これは業者サービスというか、そういう点で非常に重要な問題だと、こういうふうに言っておりました。こういう大井の状況という点で、特にこういう緊急通関というふうなものがやられているのかどうか。
#257
○政府委員(清水汪君) 現在この件につきましては、税関といたしましても、犯則事件として調査中でございます。したがいまして、ただいまのお話の中で、一つは大井の出張所がねらわれた云々につきましては、別にそうは考えませんけれども、その点については直接意見を申し上げるのは差し控えさしていただきたいと思います。
 それから、大阪で船から揚げまして、保税運送の形で大井の出張所に来たということは、これは手続論としては格段違法というようなことはございません。適法でございます。
 それから、大井の通関事務につきまして事情を聞いてみました。たとえば、これは早く通してほしいというような陳情があったということはございますが、そのようなことは、この件に限らず、口頭にせよ、あるいは文書にせよ、間々あることでございまして、この件だけが特にだからどうということはなかなか言いにくいのではなかろうか。現にこの件はその日のうちに処理しておりますけれども、現在輸入通関の平均実績は〇・七日ということでもございますので、かつこの件は、結果的には原産地証明書にどうも問題があったということで、税関といたしましては、現品も当たって検査したようでございますけれども、発見することができなかったということで、結果から見ますれば、これは大変残念なことであったと、こういうふうに考えております。
#258
○下田京子君 確認ですけれども、緊急通関というのは一般的、慣例的にやられていると、この件だけではなくって、そういう事情はわかるというお話ですが、とすれば、今回のスペイン青竹の場合は、緊急通関でやられたのかどうかという点が一点。
 それから同時に、時間がないからまとめて聞きたいんですけれども、昨年の十月二十一日に、このスペイン青竹の場合、申告された時間はいつで、そして通関時間はいつだったか教えてください。簡単に。
#259
○政府委員(清水汪君) ちょっと先ほどのやつに補足さしていただきたいんですが、緊急通関制度という制度自体はございませんので、私の言い方が不十分だったかもしれません。いかなる場合でも急いでやってほしいということを申し出ることは自由でございますし、そういう申し出があれば、状況に応じて柔軟に対処するということで、税関の窓口は対処しているということでございます。
 それから時刻の点は、申しわけございませんけれども、私のところにその時刻まではちょっと手元にございませんので、お許しをいただきたいと思います。
#260
○下田京子君 もう一点の、それじゃ、そういうことで緊急にやったかどうだったかということについてはどうなんですか。
#261
○政府委員(清水汪君) 大体そういう要請を踏まえて、一般状況の中では比較的それは急いでやったかもしれませんけれども、しかし、その日のうちにやるということは一般的にもたくさんあるわけでございますので、これが格別に珍しいということは言えないと思います。
#262
○下田京子君 大臣、最後にこの件で、もう時間なくなってきたんで、いまお話お聞きになってわかると思うんですけれども、一般的に緊急通関という制度はないけれども、お願いしますよということになったら、事情を見て、はいと言って早く通す場合があると、こう言っているわけですね。じゃこのスペイン青竹の問題には、いつ申告されて、いつ通関したのかということは、いまわからぬと言うんですね。そういう調査ってないと思うんですよ。重大なところだと思うんですよ。
 そこで、これも新聞報道なんですけれども、白井氏本人こう言っているんですね、これはもう船の運航がおくれていたので、緊急通関の申告書を提出して、早く通してもらいましたと、こういう話を言っているわけなんです。報道筋には。としますと、仮にそういうことでやられたということになりますと、これはもう通関体制の中で、大蔵省がはいはいそうですかということで、いろいろあるのに通してしまったということで、重大な問題が一つあると思うんです。同時に、今回の問題を振り返って、二回やられているわけですからね、教訓をくみ尽くさなければなりませんでしょう。
 三つ目には、じゃ今後どうあるべきかということで考えていかなければならないんじゃないかと、この点はまとめて大蔵大臣の方からお聞きしたいと思います。
 それから農水大臣、これは大変な状態だということで、何が大変かと言えば、もう私が言うまでもないと思うんですけれども、生糸産業ですね、養蚕農家だとか、機屋さんだとか、そういう皆さん方の要求をどういうふうに満たしていくかということ、国内でいま大変もめているわけでしょう。基準糸価だって決まんない状態でしょう。ところが、輸入業者はどんどんこうやって不正が野放しにされていったら大変なことになると思うんですよ。ですから、最後に両大臣からの決意をお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#263
○国務大臣(渡辺美智雄君) 具体的な問題で、こういう細かいこと私はわかつませんから、事務当局から説明させます。
#264
○政府委員(清水汪君) 誤解のないように申し上げさしていただきたいんですが、本件は、急いでやったという意味は、たとえば順番を前にしてやるというようなことの配慮があり得るわけでございまして、本件の事務手続そのものは通常の事務手続でやったというふうに御理解をいただきたいと思います。
 それから、二度にわたる事件があったということは、これは御指摘のとおりでございますので、私どもとしても現場のあり方等については、さらにその後いろいろとしっかりやるようにということで指導をいたしております。
#265
○下田京子君 大臣の前に一点だけ。
 すいません。大臣、これは答弁いただきたいんです、細かな手続上の話じゃないんです、それはそうかもしれませんが、大きな体制上のことなんです。いまの話の中で、申告時間いつでしたかと、それから通関時間はいつでしたかと、実態つかんでないと言っているんです。矛盾しているわけです。そういう実態をどうなのかということを調査して、当委員会に報告いただきたい。それは大臣のあれでもってお願いしたい。
#266
○政府委員(清水汪君) 恐縮でございますが、その日のうちに通関の事務をしたということで、これは格別異例でも何でもございません。したがいまして、そのように御理解をいただきたいと。一々の時間は実際問題として書類の上に記載してあるわけではございませんので、時刻を追及するということはできないように思います。
#267
○国務大臣(亀岡高夫君) 絹糸関係につきましては、絹糸価格安定法による一元輸入、並びに貿易管理令によって外国からの絹織物、絹製品等の輸入に規制を加えておるという措置を政府はとっておるわけでございます。大方の方々がこの政府の措置に全面的な協力をして、国内の養蚕、生糸、機屋等の業を守っておるわけでありますが、そういう中でやはり法の盲点をくぐって、青竹であるとか、赤竹であるとかいうようなことを言われるような、政府の措置に反するような行為によって特別の利益を上げるというようなことは、これはもう許すべからざる行為であると、こう考えております。したがいまして、先ほど来各関係省から御答弁のありましたとおり、きちんとした処置をとるという方針のもとに、政府としては捜査を進めておるところであるわけでございます。
 現在基準糸価等の決定をめぐって、いろいろ養蚕、製糸兼業者等の関心を集めておる問題でもございますので、できるだけ早くこの問題にけりをつけるように努力してまいる次第でございます。さらに今後こういうことのないように、各省庁協力をしまして、指導をしてまいる所存でございます。
#268
○森田重郎君 日夜行革問題で大変御苦労をいただいております中曽根長官、そしてまた行革問題そのものは、やはり財政問題にもつながるというふうな意味で大蔵大臣、お二方に何点かの質問をさせていただきたいと思います。
 特に中曽根長官には、去る三月十七日の閣議の際に、行政改革という問題は、心を鬼にしてやらねばならない、あるいはまた鉄のような意思を持って当たらぬことには、この行革問題というのはなかなか解決しないと、大変政治生命をかけた、強い御意思でこの問題に取り組んでおられるようでございますけれども、再度この席で行管長官のその辺の心づもりをひとつお聞かせ賜りたい、かように思います。
#269
○国務大臣(中曽根康弘君) 現在の国民の皆様方の行革に対する御期待及び戦後三十数年間うっせきしておりまする現在の行政の不能率や、あるいは経費という面を考えてみますと、やはりこの辺で日本の政治家が正気になって、国民の期待に沿うような政府をつくり上げなければならぬ重大なときであるように感じておる次第でございます。しかし、長い間蓄積された三十数年間の行政の結果について、これを改革するということは、これは並み大抵ならぬ努力が要ると思っております、いわば、日本人が初めて自分で自分を傷つけるといいますか、わが身にメスを入れるというようなことをやるということでもあるようにも思いまして、そういう点からすると、いま国民が期待している行革というものは、相当大きな改革でなければならぬと感じております。
 戦後の日本の改革というものは、占領軍が来て、占領軍がそれを指導してやって、大きな変革が行われましたけれども、三十数年目で日本人がみずからの魂で自主、自立、自助の日本へ切りかえていくと、そういうモメントになるのではないかとも考えておりまして、これが挫折したら日本の前途に対して、また国民の政治に対する期待というものに関しまして、重大な責任を私たちは感じなければならないと考えております。そういうような歴史的試練の上にわれわれ政治家が立っているということを考えてみますと、これは官民一体で、また全国民や、各政党の皆様方と一致協力して、これを完遂しなければならぬと、そう考えて、みずからも戒めておるところでございます。
#270
○森田重郎君 実は、昭和五十四年末の閣議決定でございましたか、この閣議決定で、国鉄の地方交通線は合理化すると、同時にまた三十五万人体制を敷くというような問題、それから、この塩の専売制度、これは廃止はする、廃止はするけれども、一定量は確保するような、そういう体制整備を検討するというような問題、さらにはアルコールの専売の製造部門については新エネルギー総合開発機構の方にそれを一部移譲、移管するというふうなことがたしか閣議決定されておったように私は承知しておるのでございますけれども、最近この政府筋の見解として、三公社五現業、さらには特殊法人、そういうふうなものについては、これは五十八年度以降の予算に反映させるというふうな意味で、その辺を先送りと申しましょうか、するというふうなことを伺っておるわけでございますが、この辺につきまして、長官の御答弁をちょうだいしたいと、こう思います。
#271
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨時行政調査会も発足いたしまして、本日も審議をやっておるところでございますので、そのような案件はもう臨時行政調査会において真剣に御討議願って、そしてその御決断をいただくと、そういう場にもうすでに入っておりますので、ここで私がとやかく申し上げることは、できるだけ差し控えた方がいいと、そのように考えております。
#272
○森田重郎君 次に、それでは大蔵大臣にお伺い申し上げたいのですが、この五十七年度予算で、二兆円ほどの歳入不足が出るというふうな話を伺っておるわけでございますが、最近のこの行革の柱というものが、言うなれば補助金カットと、ほかにもいろいろございましょうけれども、補助金カットというようなところに、大きな視点が当てられておるようでございますが、この辺につきまして、たとえば補助金カットだけの問題で、この歳入不足の二兆円というふうなものが賄い得るものであるか。何か新しいお考えがございましたらひとつお聞かせをちょうだいしたいと思います。
#273
○国務大臣(渡辺美智雄君) 五十七年度予算につきましては、ともかく大型増税を考えないで予算を組もうということになりますと、やはり大幅な当然増が出てくるわけですから、それをカットしなきゃならぬ。その中であらゆる点を全部総点検をいたします。いたしますが、やっぱり十四兆五千億円というような大きな補助金があることも事実でございまして、これらにつきましても、ともかく高度経済成長時代にどんどんどんどん減税してもまた自然増収が入る、減税しても自然増収が入るというような体制の中でできたこれは制度でありますから、これからはなかなかそう簡単にいかないということになると、やっぱりそういう点の見直しということも一番大きな柱の一つになるということは間違いないんじゃないでしょうかな。やっぱり逃げて通れない問題だと、そう思っております。
#274
○森田重郎君 その辺は私もわからぬではないのですが、その辺をもう少々詳しくひとつ御答弁願えればと思いますが、たとえば、予備費の使い残しが九百七十九億とか、それからまあ歳出不用、これが二千数百億円ぐらいになるのではなかろうかとか、国有財産の処分問題もございましょう、そういったようなところを合わせて、仮にそれが四千億になるか、四千五百億になるか。さらに、たとえば現在の国債の未発行二千二百億円、その辺を加減いたしまして、一言で言えば、減税財源というものがどの程度生まれるか、あるいはまた生まれる、生まれないは別といたしまして、大臣の率直なひとつ御答弁をちょうだいしたいと、かように思います。
#275
○国務大臣(渡辺美智雄君) これまだわからないのです、実際のところは。税の自然増収の問題等生はっきりつかんでおりませんから。予備費の不用額とか、そういうのはわかりますよ。わかりますが、その他のものはまだよくわからない。したがって、はっきり純剰余金が何ぼ出るかというようなことも、よくわからぬというのが実情です。
 委細は主計局の方から答弁させます。
#276
○政府委員(吉野良彦君) 大筋は、ただいま大臣から御答弁申し上げたとおりでございます。
 先生も御承知のように、いわゆる純剰余金をつくります要因は、予備費の残高、それから予備費以外の一般の歳出の不用額がどうなるか、それからまた税収等を中心といたします歳入が予算に比べてどうなるかといった要因で決まってまいるわけでございますが、まず予備費は三月末時点で残額が確定いたしまして、これは九百七十九億円が、五十五年度の予備費としては使用残が立ってございます。ただ、その他の一般の歳出で、いわゆる不用がどのくらい立ちますか、これは御案内のとおり、いわゆる出納整理期間が終わりました後、計数がまとまります五月末ごろになりませんと、計数がはっきりいたしてまいりません。それから、税収でございますが、こちらに主税局参っておりますが、補正後の予算額に比べて、どうも補正後の予算額をそのまま確保することはむずかしそうであるというのが、二月末までの税収の推移を見ましたところでの一応の判断でございます。したがいまして、先ほど申しました予備費、それから不用、税収等の三者を合成いたしました剰余金が本当に出るのかどうか、あるいはまた出ました場合に、一体どの程度の金額になりますものか、これは正直申しまして全くいまのところ見当がつかないというのが率直な実情でございます。
#277
○森田重郎君 法人税の方はどうですか、見通しはやはりいまのお話ですと、ちょっと全く見通しがつかぬというようなお話ですが、法人税の方はいかがでしょうか。
#278
○政府委員(梅澤節男君) 本日現在で二月末の税収までが判明しておるわけでございます。二月末の税収で見ますと、法人税の足取りは、補正後予算で私どもが見積もりました状況に比べて、若干悪いわけでございます。二月末までの法人税収というのは、決算期で言いますと、十二月決算期までの法人税収をカバーしているわけでございますけれども、御案内のとおり、年間の法人税収の中で、三月期決算の占める法人税収のウエートというのは非常に高いわけでございます。これはオーダーで申し上げまして二兆円を超えるようなオーダーの金額でございますが、法人の三月決算の状況については、各種の、現時点で見積もりなり、推測というのは成り立つわけでございますけれども、いずれにいたしましてもこれは五月末が法定の期限になっておりまして、申告税額のほかに、金利情勢等の関係から、現実に即納される税収額が一体幾らになるのかというふうな要因もございまして、現時点で五十五年度全体を通じまして、法人税収が補正後見積もりの水準に達するのか、あるいはそれを下回るのか、あるいは上回るのかといったような点につきましても、現時点では何とも判断がつかないという状況でございます。
#279
○森田重郎君 そうしますと、大臣に重ねてお伺いしたいんですが、減税財源というものについてのお見通しというのは、はっきり申し上げてなかなか立っておらないと、こういうお考えでございましょうか。
#280
○国務大臣(渡辺美智雄君) さようでございます。
#281
○森田重郎君 これは大蔵大臣にお伺いしたいと思うんですが、昨今新聞で国有財産の処分問題、特に国有地を中心とした問題が非常ににぎにぎしく報道されておるようでございますが、今年度予算で組まれた予算が八百六十三億円ぐらいでございましょうか、五十七年度あたりは大臣の見通しとして、何かお考えがございましょうか。
#282
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは五十六年度は前年よりもかなりきつく見まして、四五%ぐらいよけいに見積もっているわけです、五十六年度の予算で。その執行も見なきゃなりませんから、さらにもう一つ、できるだけそれはもう不用なものとか、何か売り払いやらなきゃならぬ、持っていても仕方ないようなものを売り払う、中身を相当点検をする、それは全体的に外郭団体まで含めて総点検をしてもらいたい、そう思っております。したがって、幾らになるか、できるだけ出したいと思っておりますが、幾らになるかという数字はとてもまだわかりません。
#283
○森田重郎君 中曽根長官にお伺いしたいのでございますが、いまの補助金カットの問題にいたしましても、あるいは国有財産の一部処分の問題等にいたしましても、どうも現在の行革の、もちろんこれはこの七月中間答申というような、その期間的な問題を踏まえますれば、非常に無理からぬことかと思いますけれども、たとえば、国鉄が今年度百億の赤字というようなことも言われておりますし、それから食管の問題にいたしましても、健保の問題等にいたしましても、非常に財政全般の中では大きな赤字部分といいましょうか、ダーティーな部分とでも申し上げましょうか、そういうふうな問題が一部では残されておって、そうしてこの行革というふうな問題が、実は片方で補助金あるいは先ほど申し上げましたような国有地の問題とかと、そういう問題を中心に論議されておるような感じが私なりにしてならぬのでございますが、この辺につきまして、長官の多少長期的視野、展望の中で、こういう問題をも踏まえての行革論議につきまして、お考えがございましたらお伺いをしたいと、かように思います。
#284
○国務大臣(中曽根康弘君) 行政改革は財政再建のためにのみあるものではありません。このことは委員の皆様方にも、専門員の皆様方にも、私の考えとして申し上げておるところでございます。行政改革の本旨は、やはりある得べき政府の正しい姿をつくることでございまして、政府の機能の中にはこれは統治権の行使の一部、つまり行政権というものがあります。その中には防衛もありますし、教育もありますし、福祉もありますし、あるいは司法もあります。そういうようなことで、その統治権行使の道具及び機能の改革ということが行政改革ということの本質であります。その中にはまた簡素にして効率的な政府をつくるということも要請されておる一つのポイントでもあります。そういう面から見ますと、現在はたまたま財政窮乏というものが大きく振りかかってきておりまして、そして行政改革につきましても、この問題が放置できないという形になってきておるわけであります。したがいまして、特に高度経済成長以来非常に肥大化した日本の行財政というものにこの際メスを入れて、減量化を図るということも行政改革の重大な一つにいま入ってきておるところでございます。そういうような意味合いにおいて、この財政改革という点も、行政改革の一環として取り上げらるべきであると思いますが、しかし、増税しないためにのみ行革が行われるという考えは私たちはとらないところで、行革には行革特有の原理があり、あるいは哲学があり、体系があると、そう考えております。当面の問題として、しかし差し迫った問題として起こっていることは、国民の要望は簡素にして効率的な政府をつくり、減量を徹底的にやれと、そうして民間の生産性に応ずるような、生産性のある政府をつくれという大命題がございますから、その線に向かって行革のメスもたくましく入れていかなければならぬと、そう考えているところであります。
#285
○森田重郎君 長官の行革に対する姿勢、並み並みならぬ御苦心のほどはよくわかりました。
 最後に時間も参りましたので、一問だけ重ねて大蔵大臣にお伺いしたいと思うんですが、先ほど来のお話によりますと、その減税財源というものがないとはおっしゃらない、非常にその辺がまだ不透明であるというふうな御趣旨のようでございますが、そういう一つのこれは仮定、前提に立っての話で恐縮でございますが、野党間で御承知のように減税要求というふうなものを実は取り決めたわけでございますが、その辺のお見通しにつきまして、大臣のお考えをちょっとお聞かせ賜りたいと、かように思います。
#286
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはいろいろいきさつがございまして、財政当局としては余り賛成しないわけでございますが、せっかくの議長裁定というものが出て、各党全部それを受諾をしたわけでございますから、議長裁定を忠実に執行できるようにしたいと、どういうふうになるかその結末はわかりませんがね、議長裁定より前にも出ないし、後にもいかないし、あのとおりやらしていただきたいと思っております。
#287
○喜屋武眞榮君 私は沖縄県民多年の願望でありました中城湾港開発が今度いよいよ芽を出すと、こういうことにつきまして、プロジェクトが大きいだけにいろいろの不安もあるし、疑惑もあるし、喜びもあるわけなんです。それらの問題を私はただしてまいりたいと、こう思っております。よろしくお願いします。
 まず第一点は、このプロジェクトは、国が主体になってやるんですか、県が主体になってやるんですか。
#288
○政府委員(海原公輝君) お答え申し上げます。
 中城湾の今後の開発に当たりまして、どこが主体になるかという御質問かと思いますが、本年度の予算におきましては二億二千万円計上いたしておりまして、二億が国庫、二千万が県ということでございまして、それぞれの事業の区分に応じまして直轄と補助と、こういうふうに分担していく考えでございます。
#289
○喜屋武眞榮君 このプロジェクトはいつ着工して、いつまでに終わる予定なんですか。
#290
○政府委員(海原公輝君) 本年度におきましては、先ほど申し上げたような、いわば測量試験費的な経費を計上いたしております。今後どういうふうになるかということお尋ねでございますが、まず一番にやらなければいけないのは漁業権の解消等の問題でございます。漁業権の解消がある程度段階に達しますれば、公有水面の免許申請と、こういう手続が必要になろうかと思います。その間におきまして、関係市町村の意見も聞く手だてになっております、そういった形におきまして、それがいつ熟成できるかということは、いま申し上げたような実態との絡みがございますが、それらが円満に仮に早期に解決されるといたしますれば、六十年度、それから六十五年度、それぞれの目標は異にしておりますが、そういったテンポで今後事業が促進されると、こういうふうに御理解願いたいと思います。
#291
○喜屋武眞榮君 いまの時点ではそういった細部にわたっての御答弁はできないと思いますよ。だから、端的に答えてください。予定ですから、いつから着工して、いつまでに終わる予定なんですかと私は聞いておるから、きわめて答えは簡単でありましょう。それを細部いろいろ、こうしたらああなる、ああしたらこうなるということおっしゃる必要はありません。いつ着工して、いつ終わる予定ですか、もう一遍。
#292
○政府委員(海原公輝君) 今年度の予算は広い意味での着工予算になっております。したがいまして、いつ着工が始まったかというお尋ねにつきましては、測量試験費的ではございますが、本年度から始まっております、
 それから、この計画は二期に分かれておりまして、第一期計画は六十年度、第二期計画は六十五年目標と、こういうふうになっております。
#293
○喜屋武眞榮君 そうすると、いまお聞きしますと、結局国サイドでこの開発は行われると、こう理解していいんですか。
#294
○政府委員(海原公輝君) 国がメーンになるかと思います。
#295
○喜屋武眞榮君 こういうわけにはいきませんか。国が主体になってやるとおっしゃったが、北海道方式で、その独自計画で、いわゆる沖縄県自体の計画でそれを開発していくわけにはいけませんか。
#296
○政府委員(海原公輝君) これらの計画の基礎のなします港湾計画の作成に当たりましては、県の御意見等をしんしゃくいたしまして、港湾計画それ自体は県が原案を作成しているわけでございまして、県が主体になって、そして協議を受けて国が施工するというのが港湾法のたてまえになっているかと思います。
#297
○喜屋武眞榮君 「転ばぬ先のつえ」ということがありますが、なぜ私がそれを明確にしたいかという根拠は、復帰記念行事という、こういう名において、海洋博が行われました。その海洋博が実質的毒国ベースで、――もちろん形式的には現地の意向を聞いたということになっておりますがね。ところが、いまだに海洋博の後遺症が続いて治る。三千億余りの投資がなされましたね。もちろん社会資本としての道路、港湾、空港がよくなったことは認めます。しかしながら、その中に、七五%という膨大な予算は本土業者に吸い上げられておるんです。二五%そこそこが落ちこぼれておると、そういった状態の中で、現地の企業倒産、ばたばた倒れていった、失業者はふえていった。土地の買い占めが復帰前後、あるいは海洋博前後にほとんどん買い占められて、いまひどい目に遭っておるというのが海洋博後遺症であるんです。ですから、この中城湾港開発という一大プロジェクトにも、このような形でもし行われるとするならば、大変なことになるということを、心ある県民は訴えておるんです。こういうことを私は明らかにしていきたい、こういうわけです。
 そこで、私は公共事業が、復帰後も国の予算で行われる沖縄への公共事業のおよそ七割程度は、本土業者によって進出されておるというこのこともさらに問題だと現地では言うわけなんです。そして、私はたびたび訴えます。これは長官にはっきり答えてもらいたい、沖縄開発は特別の振興開発計画という明確な羅針盤が、柱があります。ところが、それとは裏腹に、お答えはいままで歴代の長官も、私の要望に対しては一応はみんな答えてもらっている。現実はみんななし崩しで、本土企業に吸い上げられてきているということが実情なんです。それで、たとえば本土企業がそれを受けるというと、あのペンキ工までも沖縄に進出しておる。それから鉄筋、フェンス、こういったものは沖縄で十分できるんです。むしろペンキとか、フェンスとかいうのは、本土よりも質のいいのができるんです。ところが、そういうかっこうで網を張られるものだから、みんななぎ倒されてぼんぼん倒れでいっている、中小企業が倒産していっている。この悲劇を再び繰り返してはいけないという立場から、私は申し上げておるわけなんです。
 そこで、この公共事業に対する入札にも、現地業者も堂々とその入札に参加さしてもらわなければいけない、これが一つ。
 それから、資材、機材、これを現地にあるものは現地にあるものを優先して使用、消化していく、こういうことが実際に直らない限り、本当の沖縄県民の繁栄ということにはつながらない、このことをひとつ長官、これは長官に答えていただきたい。
#298
○国務大臣(中山太郎君) 沖縄振興開発の埋め立て工事等に関しましては、先生からのお尋ねでございますが、もちろん沖縄の産業振興のためにやることでございますから、沖縄の業者の方、あるいは資材を優先的に使うということは、私は当然のことであろう、また、そのように指導をしてまいりたい、このように考えております。
#299
○喜屋武眞榮君 ところが、実際はそうなっていないということを私は指摘しておきたいと思いますから、そのことをひとつ念頭に置いてくださいよ、あなたのおっしゃるとおりであればよろしいんです。ところが、実際はそうはなっておらぬ。はなはだしくは、いま申し上げたペンキ工までも本土から進出してきておるんですよ、十分現地で間に合うんですよ。フェンスも本土よりも優秀なものができる、鉄筋にしても。これは現地優先にやってもらう、こういうこと。
 次に、こういう不安があるわけなんです。中城湾港を開発したら、国ペースで、もしひた押しに一方ペースで押し切られた場合に、行く行くはこれが軍港になるおそれはないだろうか、ホワイトビーチも恒常化して、軍港化するという心配もいまあるわけです。いましばしば米軍の潜水艦や、いろんな軍艦が寄るわけですが、これが軍港化するのではないか。いよいよ中城湾港が開発されたら、その湾自体が軍港化しはしないか、そしてお隣にまた問題の備蓄のCTSがすぐ近くにある。それも行く行くはそれに関連があるのではないか、こういう心配があるんです。軍港化の問題、CTSの問題については防衛庁長官から。
#300
○国務大臣(大村襄治君) 中城湾開発に伴い、新たに整備する港湾を、米軍が軍港として利用する計画は全く承知しておりません。
 また、自衛隊が自衛隊施設として利用する計画は現時点においてはありません。
 以上であります。
#301
○喜屋武眞榮君 もう一つの心配は、いま今国会で論じ尽くされてきつつある国の財政の危機、エネルギー危機、こういうあふりを食らって、途中でせっかくのこのプロジェクトが中断して、いわゆる単なる港湾の整備にとどまって、これは後背地がもっと大事であるわけなんですからね。そういう形での開発に終わらぬで、中途でこれが中止されるのではないか、こういう心配もあるわけなんですが、大蔵大臣、どうでしょうか。
#302
○政府委員(海原公輝君) 中城湾の開発計画につきましては、私ども、沖縄の振興開発に寄与するものと考えております。それで、先ほど御説明申し上げましたように、これが実際の工事に入りますのには、漁業権の消滅等のほか、若干の手続その他があるわけでございますが、そういった本格的着工の条件が整いますれば、財政当局の御理解と御協力を得まして、本計画の円滑な実施が図れるよう努力していきたいと考えております。
#303
○喜屋武眞榮君 それではこの問題につきましては結びをつけたい。
 これは資本の論理からしますと、これは進出は、企業の自由ということもありますけれども、ところが、現在まだまだ沖縄の経済基盤というのが非常に浅い。浅いからこういう特別の開発指針があるわけなんですね。これをきちんと私申し上げまして、長官の頭にひとつ詰め込んでいただきたい。
 沖縄振興開発の基本方針、まず目標。今日になってまだ国民所得の七割でしょう、七割しか行っておらない。
 そこで、第一は本土との著しい格差を早急に是正し、二つ、自立的発展ができるような基礎条件を整備し、三つ、平和で明るい豊かな沖縄を実現する、こういうれっきとした目標があります。
 その目標に向かって基本方向が、一つ、沖縄の特色を生かし、二つ、環境の保全を優先する、三つ、地域福祉社会を効果的に実現する。その中身は社会福祉、保健医療を早急に本土水準に引き上げる。まだまだ格差があります。四、安定した雇用機会を確保し、これがまた問題です。失業率のアップ。五つ、自立的発展の基礎固めとし、その中身に、一つ、亜熱帯性気候、二つ、海洋性自然、三つ、地理的位置などの有利な条件を積極的に生かし、四つ、特色ある産業、文化の振興を図る、こういうきちんとした柱が打ち立てられておるわけであります。
 この原点に立って、ひとつ沖縄開発をしてもらうことを、繰り返すようでありますが、ぜひ長官もう一言決意を述べていただきたいと思います。
#304
○国務大臣(中山太郎君) 喜屋武委員の御指摘の点は、かねて委員会でも御答弁申し上げておりますように、第一次振興開発計画が終わりを告げるこの時点で、私どもとしては第二次振計の柱を、いま御指摘のような点にしぼって立てておるわけでございます。私ども沖縄開発庁といたしましては、本土並みに県民所得を上げるということが最大の念願でございます。そのために国際センターをつくるとか、いろんなことを考えておるわけでございますが、私の方としても、沖縄の県民に特にお願いをいたしたい。本土並みに経済水準を高めていくということになれば、いたずらに本土からのいわゆる協力というものも拒絶しない、やはり、本土は全国いろんないわゆる企業というものが渾然一体となって各県の所得というものは上がっておるわけでございますから、どうかひとつ私どもも誠意を持って沖縄の経済水準というのを上げていくというためには、本土と御協力をいただく、そして地元の産業水準を上げていくということで、先生の御指摘の点に努力をいたしたい、このように考えております。
#305
○喜屋武眞榮君 時間があとわずかになりましたので、防衛庁長官と運輸大臣に一問ずつお尋ねいたします。
 まず、防衛庁長官にお尋ねしたいことは、これまでの防衛庁長官の私、喜屋武の質問に対しては、周辺海域数百海里、航空帯一千海里と、こういう一応領域を示してもらってある。ところが、その現場に実際になった場合には、その時点で検討するということも答えられたわけですが、レーガン大統領の一つの側圧的な日本への要求として、非常に強い防衛費のアップを要望しておられるんです。これはアメリカとソ連との防衛費のバランスのエスカレートですね、これによる不備を、いわゆるアメリカの、劣勢を日本に肩がわりさせようと、こういう意図が十分にうかがわれるわけであります。それは、私ここに資料を持っておりますが、最近五カ年における、七五年から、ソ連とアメリカの防衛費がずっとエスカレートしてまいっております、そうして、国民一人当たりの防衛費の負担が毎年毎年アップして、これから見ますというと、もうアメリカ国民もこれじゃもうたまらない、こういう国民の声は当然生まれてくると思うんです、この数字からしますと。ですから、これ以上はもう税金を縮減する。ところが強い国アメリカと、こういうことで防衛費はふやしておる現状から、これ以上ふやしたら大変だということで、日本に肩がわりさせようとしておる、こういうことが予算の上からもはっきり受け取れます。
 そこで、防衛庁長官に伺いたいことは、そうだからといって、その渦中に巻き込まれて、アメリカ側の要望に無条件に応ずると、こういうことになって渦中に巻き込まれた場合に、危険千万、危険な道に落ち込む、こういう心配があるわけなんです。これに対する防衛庁長官の御見解と、一問ずつやりたいんですが、時間ですので、次は運輸大臣に対するお願いです。
 いますウル航空の沖縄乗り入れ、いますウル航空機が鹿児島−グアム間を通うておるわけですね。ところがその航空機は沖縄に燃料の補給に金曜日と土曜日、週二回立ち寄るんですが、そこで乗りおりはできません。ところが沖縄出身にはグアム、旧南洋諸島への往来が多いんです。ところが旧南洋諸島、グアムに行くためには、わざわざ那覇から鹿児島まで行って、そして鹿児島で乗って、さらにその飛行機は那覇までまだバックして、そこで燃料の補給をして、グアムや南洋諸島に行くわけなんですね。こういう状態でありますので、ぜひひとつ那覇で乗りおりができるようにと、こういう観光協会初めその関係者から強い要望があるわけでありますので、ひとつ運輸大臣にこの実現のことについて御要望申し上げ、ぜひこれを実現さしていただきたい、こういう願いを込めて、少し時間をオーバーいたしましたが、御返事をいただきたいと思います。
#306
○国務大臣(大村襄治君) お答えします。
 米国は厳しい国際情勢にかんがみまして、みずから国防費の大幅な増加を図る一方、わが国に対しましても、わが国の防衛のため一層の防衛努力を行うことを一般に期待しているようであります。しかしながら、この前もお答えしましたように、海域分担などについて、具体的な要請が行われているわけではございません。そこで、いま御指摘のありました米国からの防衛努力の期待に対するわが国としての対応の仕方について言いますと、憲法上あるいは非核三原則など、わが国の基本政策上できないことはできないこととしてはっきりお断りするとともに、できることについては、わが国自身の問題として、真剣に検討していくべきであると、さように考えておる次第でございます。
#307
○国務大臣(塩川正十郎君) お尋ねのナウル航空の件でございますが、那覇からナウルヘは行けるわけなんですが、グアム島までが行けないということになっておるんです。それにつきましては、グアム−那覇間の日米間の航空協定の問題、これに絡んでまいりますんで、アメリカがこれを承知しない。日本だってアメリカから入れたいというものを断っているものがございまして、相互主義、互恵主義でいま話しておりますが、御要望ございますことを、われわれも航空需要とか、いろんな面で十分に調査いたしまして、御質問の趣旨は承っておきたいと思っております。
#308
○委員長(野田哲君) 本日の質疑はこの程度といたします。
 次回の委員会は四月十五日に開会し、締めくくり総括質疑第二回を行うことといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後五時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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