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1980/05/11 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 決算委員会 第8号
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1980/05/11 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 決算委員会 第8号

#1
第094回国会 決算委員会 第8号
昭和五十六年五月十一日(月曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     関口 恵造君     坂元 親男君
     小西 博行君     三治 重信君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     坂野 重信君     仲川 幸男君
 五月九日
    辞任         補欠選任
     内藤  健君     岩本 政光君
     福田 宏一君     江島  淳君
     円山 雅也君     梶原  清君
     安武 洋子君     沓脱タケ子君
 五月十一日
    辞任         補欠選任
     坂元 親男君     関口 恵造君
     仲川 幸男君     岡部 三郎君
     粕谷 照美君     山田  譲君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野田  哲君
    理 事
                井上  孝君
                高橋 圭三君
                降矢 敬雄君
                佐藤 三吾君
                峯山 昭範君
    委 員
                伊江 朝雄君
                石本  茂君
                岩本 政光君
                江島  淳君
               大河原太一郎君
                岡部 三郎君
                梶原  清君
                河本嘉久蔵君
                北  修二君
                関口 恵造君
                塚田十一郎君
                成相 善十君
                福岡日出麿君
                穐山  篤君
                丸谷 金保君
               目黒今朝次郎君
                山田  譲君
                鶴岡  洋君
                沓脱タケ子君
                柄谷 道一君
                三治 重信君
                森田 重郎君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       法 務 大 臣  奥野 誠亮君
       大 蔵 大 臣  渡辺美智雄君
       厚 生 大 臣  園田  直君
       農林水産大臣   亀岡 高夫君
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
       労 働 大 臣  藤尾 正行君
       自 治 大 臣  安孫子藤吉君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       宮澤 喜一君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       中曽根康弘君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  大村 襄治君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  原 健三郎君
   政府委員
       内閣法制局長官  角田禮次郎君
       警察庁刑事局長  中平 和水君
       行政管理庁行政
       管理局長     佐倉  尚君
       防衛庁参事官   岡崎 久彦君
       防衛庁参事官   石崎  昭君
       防衛庁防衛局長  塩田  章君
       環境庁企画調整
       局長       藤森 昭一君
       国土庁長官官房
       長        谷村 昭一君
       国土庁大都市圏
       整備局長     伊藤 晴朗君
       法務省刑事局長  前田  宏君
       外務大臣官房会
       計課長      恩田  宗君
       大蔵大臣官房会
       計課長      加茂 文治君
       大蔵大臣官房審
       議官       梅澤 節男君
       大蔵省主計局次
       長        吉野 良彦君
       大蔵省理財局次
       長        楢崎 泰昌君
       大蔵省国際金融
       局長       加藤 隆司君
       厚生大臣官房会
       計課長      小林 功典君
       厚生省公衆衛生
       局長       大谷 藤郎君
       厚生省環境衛生
       局長       榊  孝悌君
       厚生省薬務局長  山崎  圭君
       農林水産政務次
       官        野呂田芳成君
       農林水産省畜産
       局長       森実 孝郎君
       食糧庁次長    石川  弘君
       林野庁長官    須藤 徹男君
       運輸省航空局長  松井 和治君
       海上保安庁長官  妹尾 弘人君
       労働省労働基準
       局長       吉本  実君
       自治大臣官房審
       議官       大嶋  孝君
       自治省行政局選
       挙部長      大林 勝臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        丸山 利雄君
   説明員
       外務省北米局外
       務参事官     松田 慶文君
       会計検査院事務
       総局次長     藤井健太郎君
       会計検査院事務
       総局第一局長   佐藤 雅信君
       会計検査院事務
       総局第二局長   堤  一清君
       会計検査院事務
       総局第三局長   肥後 昭一君
       会計検査院事務
       総局第四局長   高橋  良君
   参考人
       雇用促進事業団
       理事       森田 廣住君
       動力炉・核燃料
       開発事業団理事  大町  朴君
    ―――――――――――――
   本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和五十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和五
 十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十三年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十三
 年度政府関係機関決算書(第九十一回国会内閣
 提出)
○昭和五十三年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第九十一回国会内閣提出)
○昭和五十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第九十一回国会内閣提出)
○昭和五十四年度一般会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(その2)(内閣提出、
 衆議院送付)
○昭和五十四年度特別会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(その2)(内閣提出、
 衆議院送付)
○昭和五十四年度特別会計予算総則第十条に基づ
 く経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調
 書(その2)(内閣提出、衆議院送付)
○昭和五十五年度一般会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(その1)(内閣提出、
 衆議院送付)
○昭和五十五年度特別会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(その1)(内閣提出、
 衆議院送付)
○昭和五十五年度特別会計予算総則第十一条に基
 づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額
 調書(その1)(内閣提出、衆議院送付)
○昭和五十四年度一般会計国庫債務負担行為総調
 書(その2)(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野田哲君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月十六日、小西博行君及び関口恵君が委員を辞任され、その補欠として三治重信吾及び坂元親男君が選任されました。
 また、四月十七日、坂野重信君が委員を辞任され、その補欠として仲川幸男君が選任されました。
 また、五月九日、内藤健君、福田宏一君、円山雅也君及び安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として岩本政光君、江島淳君、梶原清君及び沓脱タケ子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(野田哲君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和五十三年度決算外二件の審査のため、必要に応じ、政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることとし、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(野田哲君) 次に、昭和五十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和五十四年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、昭和五十四年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、昭和五十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和五十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、昭和五十五年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、昭和五十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その2)、以上七件を一括して議題といたします。
 まず、これらの説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。
#6
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました昭和五十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件、並びに昭和五十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和五十四年度一般会計予備費予算額三千五百億円のうち、財政法第三十五条(予備費の管理及び使用)の規定に、より、昭和五十四年四月十七日から同年十二月二十一日までの間において使用を決定いたしました二千百二億五千六百十一万円余につきましては、すでに第九十一回国会において御承諾を得たところであります。
 その後、昭和五十五年一月十一日から同年三月二十八日までの間において使用を決定いたしました金額は、二百二十一億五千四百二十一万円余であります。
 その内訳は、災害対策費として、公立学校施設災害復旧に必要な経費等の四件、その他の経費として、国庫預託金利子の支払いに必要な経費等の十八件であります。
 次に、昭和五十四年度各特別会計予備費予算総額二兆九千七百三十三億一千七十二万円余のうち、昭和五十四年八月七日から同年十月十九日までの間において使用を決定いたしました四百五十七億四千四百六十七万円余につきましては、すでに第九十一回国会において御承諾を得たところであります。
 その後、昭和五十五年二月二十七日から同年三月二十八日までの間において使用を決定いたしました金額は、三百三十四億五千九百五十六万円余であります。
 その内訳は、外国為替資金特別会計における国債整理基金特別会計へ繰り入れに必要な経費等七特別会計の十件であります。
 次に、昭和五十四年度特別会計予算総則第十条(歳入歳出予算の弾力条項)の規定により、昭和五十四年八月七日から同年十二月十四日までの間において経費の増額を決定いたしました六百九十八億六千七百十八万円余につきましては、すでに第九十一回国会において御承諾を得たところであります。
 その後、昭和五十五年二月二十九日から同年三月二十八日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、九百三十六億一千九百九十三万円余であります。
 その内訳は、郵便貯金特別会計における支払い利子に必要な経費の増額等五特別会計の五件であります。
 次に、昭和五十五年度一般会計予備費予算額三千五百億円のうち、財政法第三十五条(予備費の管理及び使用)の規定により、昭和五十五年四月五日から同年十二月十九日までの間において使用を決定いたしました金額は、一千三百九十九億九千五百三十五万円余であります。
 その内訳は、災害対策費として、河川等災害復旧事業に必要な経費等の六件、その他の経費として、水田利用再編対策に必要な経費等の三十九件であります。
 次に、昭和五十五年度各特別会計予備費予算総額三兆三千四百四十三億九千五百六万円のうち、昭和五十五年十一月二十五日から同年十二月九日までの間において使用を決定いたしました金額は、百十一億七千七十四万円余であります。
 その内訳は、食糧管理特別会計輸入飼料勘定における輸入飼料の買い入れに必要な経費等三特別会計の三件であります。
 次に、昭和五十五年度特別会計予算総則第十一条(歳入歳出予算の弾力条項)の規定により、昭和五十五年九月二日から同年十二月十九日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は、二百三十六億二千五百万円余であります。
 その内訳は、国民年金特別会計福祉年金勘定における福祉年金給付費の支払いに必要な経費の増額等四特別会計の六件であります。
 以上が、昭和五十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件並びに昭和五十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の事後承諾を求める件の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御承諾くださいますようお願い申し上げます。
 次に、昭和五十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その2)の報告に関する件につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 昭和五十四年度一般会計におきまして、財政法第十五条第二項の規定により、災害復旧その他緊急の必要がある場合に国が債務を負担する行為をすることができる限度額一千億円のうち、総額百億八千七十四万円余を限度として閣議の決定を経た債務負担行為につきましては、すでに第九十一回国会に御報告申し上げたところであります。
 その後、昭和五十四年発生河川等災害復旧事業費補助につきまして、昭和五十五年三月十一日の閣議の決定を経て、総額百四億二千七百万円を限度として債務負担行為をすることといたしました。
 以上が、昭和五十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その2)の報告に関する件の概要であります。
 以上でございます。
#7
○委員長(野田哲君) それでは、これより昭和五十三年度決算外二件の総括質疑第一回及びただいま説明を聴取いたしました予備費関係等七件の質疑を一括して行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○穐山篤君 官房長官、時間の都合で早く退席されるようでありますので、まず先にお願いをしたいと思います。
 その一つは、院法の改正の問題であります。当委員会で昭和五十二年度の決算の総括を行いました際に、わが党の佐藤委員から、院法の改正の問題についてどれだけの準備を進めているのか、当然院法の改正を行うべきであるという主張を行ったとこですが、官房長官の答弁は、率直に言いまして歯切れがよくなかったと思うんです。いよいよ五十三年度の決算に入るわけですが、考えてみますと、この院法改正は数年間衆参両院で特別に決議をされてきた問題であります。国会の権威にかけましても、院法改正について政府が前向きに努力をしなければならないと、こういうふうに判断をいたしますが、今日官房長官としては、本問題についてどういう態度をお持ちになっているのか、まず冒頭その点をお伺いしたいと思うんです。
#9
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまお尋ねの問題につきましては、先月――四月の十五日でございましたか、当委員会において、委員長並びに委員からお尋ねがございまして、鈴木総理大臣が御答弁を申し上げたところでございますが、政府といたしまして、国会御論議の経緯を踏まえまして、鋭意調整を図ってまいっております。私といたしましても、会計検査院並びに関係各省庁の意見の聴取などをいたしておりますが、ただいままでのところ検査院と各省庁の考え方に大きな隔りがございまして、調整を見るに至っておりませんことは、申しわけないことに考えております。そのような状況におきまして、会計検査院が原案として提示いたしましたところの改正案を、内閣として国会に提出するというめどは、ただいまのところ立っておりません。なお、この問題につきましては、再々の院の御決議、御意思の表示がございますので、与党の内部におきましても十分論議を尽くしてもらいたいということで、問題を提起いたしておりますが、与党内部におきましては、法律改正には慎重論の方が多い。むしろ院の御決議の主たる目的であるところの検査機能の強化、それを現実にどのようにすれば図ることができるかというふうなことに、論議がただいま集中いたしております。政府といたしましては、しかし、片方において法律の改正案について政府部内の意思統一を図ること、他方において、それと同時に、並行して会計検査機能の強化をいかにすれば達成し得るかということを引き続き検討いたしておるところでございます。
#10
○穐山篤君 例のロッキード事件が発生した直後から、情報公開にしろ、その他各般の問題がずっと検討をされてきました。今度の国会におきましても、たとえば商法の改正というものが現に衆議院で審議をされております。あるいは罰則強化のための必要な手続の問題につきましても、大蔵委員会で法案の審査が行われているわけでして、率直に申し上げて、周りは多少改善をしようということが行われているわけです。ところが、その一番中心であります院法の改正について、政府並びに与党の中が慎重論に後退をしたというのは、まことに遺憾な話ではないかというふうに思うんです。
 後ほども申し上げますけれども、今日国の財政は火の車でありまして、何とか財政再建を図らなければならぬ、その一環として会計検査院のあり方、機能の強化ということも考えなきゃなりませんし、それから決算委員会の審査も慎重にしなければならぬと、こういうことになろうと思うわけです。どうも大平総理の当時の政府の態度よりも、鈴木内閣にかわりましてからは、二歩も三歩も後退をしているという状況です。これ以上申し上げてもきょうは決断ができないのかもしれませんけども、少なくとも今年度じゅうには衆参両院の決議を受けて、機能の強化はもちろんでありますが、それを含めて院法の改正に踏み切るというその決断をわれわれとしては要望をしたいと思います。その点いかがでしょう。
#11
○国務大臣(宮澤喜一君) 私といたしましては、会計検査院も満足し、また各省も同意し得るような会計検査院法の改正案というものが、何とかしてできなければならないわけでございますので、そのために最大限の努力をいたしたいと考えております。
#12
○穐山篤君 納得できる返事ではありませんけれども、状況としてはやむを得ないと思うんです。
 次に、五十三年度の決算全体について、本来は検査院と私どもの間に十分理解をしなければならぬわけですが、時間の都合でそのことは後ほどに譲るとしまして、昭和五十三年度の決算を総括してみますと、相変わらず毎年同じような事柄が指摘をされております。たくさん申し上げることは不可能だと思いますんで、たとえば水資源公団の前渡金の問題にしろ、公務員の旅費、架空経理の問題など多々あるわけであります。昭和五十二年度の決算におきまして、高級官僚を含みます予算執行者の責任というものが相当追及をされまして、警告決議も出ているわけなんです。電電公社の問題あるいは国際電電の問題その他数々のことが当委員会で指摘をされているにもかかわらず、今回もあるいは昭和五十四年度の決算検査におきましても、相変わらず架空経理問題というのが出ているわけです。指摘をされたところは、改善をするとか、あるいは弁償するということで、それで済むと思いますけれども、毎回毎回各省庁にわたっているわけです。その金額も何百万円というようなものでなくして、何億円という億の単位を数えているわけでありまして、財政再建の折から許しがたいことだと思うんです。少なくともそういう問題について、各省庁がそれなりの改善なり、あるいは綱紀の粛正を行うのは当然でありますが、内閣全体としてきちっとした姿勢を示さなければ、今後も同じような事件が多発するというふうに考えます。その意味では、もうこの辺で改めて綱紀の粛正の問題について、もっともっときめの細かい指示をすべきではないかというふうに考えますが、官房長官その点はいかがでしょう。
#13
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和五十四年の年末に近く、大平内閣の時代に、大平総理大臣から各大臣に対しまして、閣議において特別の指示があったわけでございますが、現内閣におきましても、この問題は政府の取り組まなければならない最も重要な課題だと考えております。したがいまして、昨年、会計検査院から不正、不当な経理の指摘を受けました際にも、閣議におきまして内閣総理大臣から各閣僚に対して、特に各省庁の綱紀の粛正について指示をいたしました。会計検査院の指摘に対しましては、各省庁とも厳しい姿勢で対処いたしまして、国民の信頼の回復に努めなければならない、かように考えております。
#14
○穐山篤君 時間の都合であと具体的なことは後ほど指摘をして、その防止策につきましても提案をしたいと思っています。時間の都合がありますので、官房長官もう一つ。
 過日、アメリカにおきまして、伊東外務大臣に原子力潜水艦の当て逃げ事件についての暫定的な中間報告書が渡されました。日米協議全体の問題についてきょう議論をする時間がありませんので、この問題に焦点を当てますが、この中間報告をどういうふうに日本政府としては受けとめておりますか、まずその点はっきりお伺いしたいと思います。
#15
○国務大臣(宮澤喜一君) この中間報告は、かねて本件につきましてアメリカのレーガン大統領が遺憾の意を表され、鈴木・レーガン会談以前においても、そのときの最も新しい事実について日本側にできるだけ通報をするという約束に基づきまして、ニューヨークにおいて行われたものでございます。事件がなお調査を完了いたしておりませんし、また恐らく場合によりまして裁判につながると、事件の関係者そのものが場合によりまして被告になるということのあり得るケースでございます。そういう報告の持っております基本的な制約はあろうと思いますが、ニューヨークにおいて、そのときまでに調査で知り得ました事情を、国防長官から外務大臣にアメリカ大使を通じて通報してまいった。そういうレーガン大統領がかねてされました約束を履行されたその態度、誠意については、わが国としても評価をいたしております。しかしながら、先ほども申しましたように、これは事件そのものの文字どおり中間段階における報告であると、このように受けとめております。
#16
○穐山篤君 この中間暫定報告は、質問事項四点についての見解が表明されているわけですが、少なくとも日本政府なり、日本国民なり、当該の日昇丸の関係者が深く注目をしております問題につきましては、すべてこれをそらした回答になっているわけです。考えてみますと日本の主権にかかわる問題です。あるいは国際法規にかかわる問題であります。さらには人命にかかわる問題であります。それからさらには、日本近海におきますこの種の訓練の問題が、日米安保条約とどうかかわるかという意味では、非常に注目をしている問題です。にもかかわらず、アメリカ側の態度も非常に意図的にごまかしているというふうな印象を持ちますが、それにもまして、日本政府が毅然たる態度をとっていないというところに、大きく不満をわれわれは持つわけです。外務大臣から細かいことは聞くにいたしましても、その基本的な筋がなぜしっかりしたものが出されていないのか、非常にあいまいさを持っていることについて、われわれは不満を持っております。
 事件が発生しましたのは四月九日の十時半ごろですね。すでに一ヵ月がたとうとしているわけですけれども、まだまだ中間的な報告です。いま申されますように、艦長なり何なりが裁判にかかるという意味では慎重な態度をとっているんでしょうけれども、なし崩し的に政治決着を図ろうとする意図が非常に濃厚ではないかと思う。それではとてもわれわれ日本国民としては本問題の処理はそう簡単に許すわけにいかぬと、私はそういうふうに考えます。政府がもっと毅然たる態度をとるべきだ、このように強く要望をしておきます。その点いかがでしょうか。
#17
○国務大臣(宮澤喜一君) いずれ詳細は外務大臣からお聞き取りをいただきたいと思いますが、ただいま意図的にアメリカ側にごまかしがあるのではないかとすら疑われるという御指摘につきましては、私ども政府はさようには考えておりません。と申しますのは、第一に、この報告が中間の、中途の段階において約束に従ってなされておりまして、報告そのものにございますように、報告が事実関係を全部解明し終わった段階においては、幾つか訂正し、あるいは付加しなければならないものがあるかもしれない、報告そのものの性格を明らかにいたしております点。
 第二に、この点は重要な点であろうと思われますが、海軍長官が調査官を任命をして、関係者から事実を聴取をしておる。ところが、関係者そのものは、恐らく将来いわば事件の責任者として、何らかの形での裁判を受けなければならない、いわば潜在的な被告の立場に立っておると想像する理由がございます。そういたしますと、それらの人々から果たして裁判の手続を経ずしてどれだけの真実が発見し得るかということについて、制度そのものに本来的にいろいろわが国と違う法制のたてまえから制約があるのではないかという想像が可能でございます。そういうことがございますために、大統領としては、したがって、そういう事実解明の決着に時間がかかる、それいかんにかかわらず、本件はアメリカ政府として責任があるということを明確に前もって示されたのであろうと思います。どのような決着になれ、最終的にこれはアメリカ政府に責任のある問題である、それについて大統領は遺憾の意を表明する、またそれに関する補償についてはできるだけ早期に取り図うと、事件の解明がそのように複雑な性格を持っておりますがゆえに、責任を前もって明らかにしたと、こういうのがアメリカの態度であると考えておりますので、私はその点はごまかしである、あるいは誠意を欠いておる等々のことは当たらないのではなかろうか。
 なお鈴木総理は、訪米の際に、わが国の海上保安庁等々にもこれについては所見があるので、それらも含めてなるべく早く事実関係を解明された上、日本政府に通報を願いたいということを重ねて大統領に述べられましたことは御承知のとおりでございます。
#18
○穐山篤君 海上保安庁見えておりますね。
 海上保安庁は、五月五日外務大臣に出されましたワインバーガーの報告書はごらんになっていると思いますが、その点いかがですか。
#19
○政府委員(妹尾弘人君) 見ております。
#20
○穐山篤君 そこで、海上保安庁は独自に調査を行っておりますが、その結論はほぼ出ているやにお伺いしますが、その点いかがですか。
#21
○政府委員(妹尾弘人君) 私どもの調査といたしましては、乗組員の証言と申しますか、乗組員に対する聞き取りというものしか実はできないものでございますから、そういった乗組員の聞き取りを大体まとめたものというものはおおむねできております。
#22
○穐山篤君 それはいつ発表になりましょうか。
#23
○政府委員(妹尾弘人君) なるべく早い時期に御報告申し上げたいと思っております。
#24
○穐山篤君 そこで、アメリカから中間報告として質問に答えられました四つの項目があるわけですが、補償の問題は、これは当然のことですから除外をしますが、前段の三つの質問――第一が、どのように衝突が発生したのか。それから第二は、いかなる救助の努力をなされたのか。第三番目は、なぜ通報がおくれたのか。これについてアメリカ側からの見解表明があるわけですが、海上保安庁が、乗組員を中心にして調べられたそのものと、この中間報告との間に、とりあえず感想で結構ですが、大きく食い違いがあると思われる部分、その点はどんなものでしょうか。
#25
○政府委員(妹尾弘人君) まず、衝突の態様でございますが、私ども、実はいままで余り言われておりませんけれども、一番問題といたしておりますのは、衝突の位置でございます。実は、その衝突の位置が、私どもいままでの乗組員の供述を中心といたしますと、衝突後日昇丸の行き足がとまって、間もなく沈んだということでございますので、おおむね沈没位置と衝突位置というものを大体同じところと、このように考えまして、一定の地点、これは沈没した日昇丸から流出いたしました油というようなものを中心といたしまして、乗組員の供述に照らして一応推定したわけでございますが、その位置と、アメリカ側が発表いたしました中間報告の衝突地点というものとの間には、約三・五マイルの差がございます。したがいまして、もしアメリカ側のその中間報告の衝突地点というものが、どのようにして計測されたかということが問題でございますが、それが正しいとするなら、日昇丸は三・五マイル衝突後走ったということになりますと、事態の推定についていろんな問題が出てくるわけでございまして、その辺が一番問題かと思っております。
 あと、日昇丸の方から潜水艦の姿がよく見えたという話でございますが、アメリカの報告ですと、大体衝突後五分ぐらい日昇丸を視認しているという感じがあるわけでございますが、その五分間において日昇丸の方ですでにもう混乱状態に陥って、遭難の用意をしていたのかどうか、アメリカ側の報告では、その間において日昇丸を見たところでは、船橋から一人がこちらを見ていて通常に航海していたと、五分後に霧で姿が消えた、こういう感じでいるわけでございますが、その辺がそのようなことであるかどうかということ、そういった点がこれから解明されるべき問題であろうかと、このように考えております。
#26
○穐山篤君 多分乗組員の証言は、たとえば当日天候が悪かったんですが、視界がどの程度であったかなかったかというところから、全部、アメリカ側の見解と大きく違いがありますね。それからNC旗を掲げたことについてもアメリカ側は何ら触れていない。それから、アメリカ側のジョージ・ワシントンはさしたる損傷はなかったと、こういうふうに言っているんですが、現実にはあれはハワイですか、ドックに入って大がかりな修理を行っている。以下幾つか食い違いがあるわけですが、その点について外務省はどういうふうにその辺を分析をされておりますか。
#27
○説明員(松田慶文君) お答え申し上げます。
 本件の問題点の幾つかの中で、私どもとして最も重要と考えておりますのは、事件の責任の所在と、それから再発防止に必要な措置ということでございます。
 責任の所在につきましては、民事的な補償上の責任と、先ほど先生御指摘の法的な責任とあるわけでございますが、事実関係の究明は、こういった責任の所在の解明、再発防止ということに必要な範囲内で私どもは求めているわけでございます。
 そのうちの民事責任につきましては、先ほどから御論議ありますように、米側は全くの疑いなく、みずからに責任があると認めておりまして、これは現在日米間の争点になっていないことは御承知のとおりでございます。したがいまして、今後いろいろと事実解明をいたしますけれども、それはあくまでも本質的には本件が非常に不幸な海難事故であって、その再発を今後防止しなければならないという観点から究明したいと思っております。
 こういう観点に立ちますと、海上保安庁がいろいろとお調べになり、御疑問になっている点を私どもとして米側に取り次ぎ、米側からの回答を得て日米の調査を突き合わせていくと、こういった作業が必要かと存じ、現在その過程にあるところでございます。
#28
○穐山篤君 責任の所在は当てた方のジョージ・ワシントン、アメリカ側にあることは間違いないわけですね。したがって、補償も当然行うべきです。しかし問題は、この暫定報告は、なぜ救助しなかったかという理由につきましては納得できる態度表明は全然してないんですね。それから通報の問題にいたしましても、常軌を逸するような態度です。きょうは防衛庁は呼んでおりませんけれども、軍隊らしからぬ指揮命令系統であったりして、全く理屈が通らないんです。ですから、責任の所在と再発防止ということだけでなくして、事実関係がどうであったかということを、きちっと踏まえなければ、これはもう日本国民全体は、アメリカというのは常にこういう当て逃げをやる民族だと、これは一九四五年以前の戦争の状況を見ておれば、フィリピンでも、いろんなところでも、似たような経験を知っているわけです。したがって、日米の同盟という話の前に、本問題がきちっと節目のある解決が行われなければならないというふうに思っています。
 そこで、外務大臣は、最終報告を早く出してくれと、こういうふうに提案をしてありますが、アメリカ側からはきちっとしためどは言われていないわけですね。これでは日本の外務省として十分責任を果たしているとは思えないんです。その辺についてはどういう考え方でありますか、もう一遍明らかにしてもらいたい。
#29
○説明員(松田慶文君) ただいまお尋ねの点は、先ほど官房長官と先生との御議論で尽くされているかと思いますが、ただいま私どもに手渡されましたのは、現時点における調査の中間報告であり、それ以上のことは、当該関係者たちが軍法会議ないしは査問委員会等々のプロセスを経て、いろいろな司法上の手続を行うのに支障のあるものについては、一連の手続の終了後になるという含みを持っておりますので、現状におきまして、どの程度たてばどのような形の事実の解明ができますかは、日本側としては予断を許しません。総理大臣及び外務大臣ともにできるだけ米側の手続が速やかに進行し、事実関係が日本国民の前に明らかになることを求めておりますが、先方の立場にしてみれば、部内における司法手続でありますので、行政府の立場でその進行に影響があることを事前に出すということは、手続的に、法的にできないという事情があることは理解しておる次第でございます。
#30
○穐山篤君 今回の日米会談全体については、きょう、あすあたりから本格的な集中審議が行われるわけですが、海上保安庁に申し上げておきますが、少なくとも衆参両院で代表質問が行われる段階までには、この衝突事故の全貌について、保安庁として事実関係を明確に公表をしなければならぬと思っていますが、その準備はございますか。
#31
○政府委員(妹尾弘人君) 十五日前後と思いますけれども、私どもといたしましては、いつの時点で提出するかということは、政府部内あるいは国会方面と御相談をしながら、適当な時期に提出させていただきたいと、かように考えております。
#32
○穐山篤君 変な政治決着にしないためにも、明確に事実を明らかにして、それで日米がかけ合うということが、これは主権国家であります日本の本来の立場だと思うんです。そのことを踏まえて、早急に公表をしてもらいたいということを述べて本問題につきましては終わります。
 さて、五十三年度の決算報告書はいただいておりますが、五十三年度の決算報告の中で、特に重要なものとか、あるいは特色ある検査内容につきまして、ごく簡潔に検査院の方から御報告をいただきたいと思います。
#33
○説明員(藤井健太郎君) 五十三年度決算検査報告の概要について申し上げます。
 検査の結果、収入の徴収額が不足していたもの、あるいはその予算の使い方が不経済であったもの、そういったもので経理が不適切であったものといたしましては百六十四件、不当金額にいたしまして四十五億五千六百万円ございます。
 それから、同じ態様の不適正な経理が傾向的に行われておる、放置しておきますと不経済な事態が、あるいは不経済となるおそれがある事態が今後なお継続するというように認められますものにつきまして、処置を要求いたしましたもの十四件、指摘した金額は百二十九億八千四百万円になっております。
 また、会計検査院の指摘に基づきまして、当局において改善の措置を講じた事項、これは十五件で、指摘した金額は九十四億四千四百万円になっております。
 それから、事業の運営の見地から問題を提起して、童店の進展を図るために特に掲記を必要としたものは一件ございます。
 これら合わせまして合計の件数は百九十三件、二百六十九億八千五百万円に相なっております。
 これが五十三年度決算検査報告のあらましてございます。
 以上でございます。
#34
○穐山篤君 大蔵大臣、この五十三年度の決算検査報告たくさんありますけれども、たとえば水資源開発公団が、その工事の準備も全くないのに前渡金を渡したという事件があるわけですね。それから、各省庁で族費が架空に経理をされておったという事件、それから水田利用再編奨励補助金につきましても、補助金を渡してはならないところに渡してある。それから公害防止事業団の債権の保全の問題が特に指摘をされております。これは、設備をつくりまして、中小企業関係にその設備をサービスするわけですが、担保を取っていない、銀行にしてみれば、金は貸したけれども担保物件を取っていない、こういうものと同じであります。これらの問題について、それぞれは主管の大臣の問題でしょうが、決算書提出の総括大臣として、こういうことが毎年毎年行われていることについての考え方を、御感想をお伺いをしたいと思うんです。
#35
○国務大臣(渡辺美智雄君) 毎年御指摘を受けておるものですから、大蔵省といたしましては、各省庁に対し、二度とそういうことのないようにということを念を押して言っておるわけでございます。にもかかわらず、ただいま御指摘のようないろんな項目について不当な支出が一部行われておるということはまことに残念に存じます。今後ともこういうことがないためには、何といっても、やはり幾ら目を光らしたって、それぞれの各省庁の担当者がその気になってくれなければ、後を絶たないわけでございますから、まずそれぞれの使命感を持って、まして財政再建というような財源を大切にしなければならないような時期でございますので、そういう使命感を持ってまずやっていただくように指導をしてまいりたい。なお、それぞれ、いろんな内部的なチェックの方法等については、一層工夫をしてみたいと考えております。
#36
○穐山篤君 たとえば水田利用再編の補助金というのは、減反政策が行われている限りは、当否は別にいたしましても、継続される性格のものですね。ですから、ある特定なところが補助金を誤って交付を受けた、こういうことは、そこだけを指摘をすればそれで今後再発防止ができるというものじゃないですね。日本じゅうの農協あるいは事務組合、農家に対して、こういうものがきちっと指導がされませんと、ことしは北海道だけれども、来年は秋田県、再来年は福島県というふうに、毎年その所が変わるだけで、この補助金の交付の適正がしっかり行われるという保証が全然ないんですよ。したがって、単に。改善を求めるのは、そこの地域だけ、そこの個所だけでなくして、すべての分野にわたって行うべきではないか。あるいは公害防止事業団の担保物件の問題につきましても、ここだけが改善をしたといたしましても、来年はまた別の事業団だとか、あるいは公庫でこういう問題が現実に発生するわけですね。ですから、一遍こういうものが出た場合には、共通の事項が発生しないように、事業団なり、公庫全体に対しまして、改めて指導を共通をして行う、統一をして行うということがなければ、これはもう今後再発防止の保証にならないというふうに考えます。その点は検査院なり、大蔵大臣として、どういう措置を総合的にお考えですか、改めてお伺いをしたいと思うんです。
#37
○説明員(藤井健太郎君) お答えいたします。
 御指摘の点はまことにごもっともなことでございます。私ども会計検査院といたしましては、やはりそのような不当経理の絶滅を期するという気持ちで検査に当たっているわけでございますが、なお不当な事例が後を絶たない、非常に遺憾に存じているわけでございます。このように不当な事例が後を絶たないといいますのは、やはり先ほども御答弁がありましたように、基本的には各省各庁等におきます関係者の予算執行、あるいは予算執行などについての必要な知識が不足しているということが一点あろうかと思います。
 それからもう一つは、公金が国民からの集められた血税であるという認識の不足という点にもあろうかと思われるわけでございます。また、各省各庁等におきましても、検査報告の指摘の趣旨が十分生かされていないこともあろうかと思うわけでございます、したがいまして、不当経理の絶滅を期するためには、各省庁等におきまして、いわゆる職員の研修を充実させるとともに、検査報告の趣旨の徹底に努めるなど、これらの点について配慮されることが肝要であろうというふうに考えておるわけでございます。
#38
○政府委員(吉野良彦君) ただいま穐山委員から御指摘ございましたとおり、会計検査院の御指摘は、単に御指摘があったその事柄の是正をもって足りるものではもちろんないわけでございまして、御指摘の趣旨は広く共通的に、一般的な御注意としてこれを受けとめ、そうして二度と同じような過ちがないようにということで、予算執行の過程で活用されていくべきものと私どもも考えている次第でございます。
 先ほど大蔵大臣から御答弁もございましたとおり、このような執行の問題は、やはり基本的には各省各庁の予算執行に当たります職員の資質の問題、あるいは注意の問題、あるいはモラルの問題ということに最終的にはなるわけではございますけれども、各省庁自身におきましても、もちろん会計検査院の御指摘を受けました際には、広く傘下の執行に当たります職員に注意を当然促していただいているわけでございます。しかし、財政当局といたしましても、これは各省各庁の問題ということで等閑視すべきものではもちろんないわけでございまして、私どもも、たびたび申し上げておりますように、会計検査院とは日ごろから常にできるだけ十分な連絡をとりながら、いろいろな情報の提供も受け、そしてこれをいろいろな機会に各省庁にもこの情報を流しまして、執行に当たっての注意を促すべき点についての参考にするように努力をしているわけでございます。また、大蔵省が中心になりまして、会計事務職員の研修等も実施いたしてございますけれども、そういった機会も活用いたしまして、検査院から御指摘を受けました事項につきましては、今後の予算執行の過程で十分活用されるように、これからもできるだけ努力をいたしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#39
○穐山篤君 そこで、予備費の問題に移りますが、先ほど大蔵大臣から一連の予備費の使用について説明がありました。当然これは憲法八十七条あるいは九十条に基づくものでありますが、よく中身を見ますと、閣議決定で行われるものもあるし、大蔵大臣裁定によるものもある。さらにたとえば、今回も出ておりますが、総理府に係ります旧軍の砲弾爆発事故に係る損害賠償に必要な経費、こういうものは東京高裁の裁定に基づいて、金額が確定をしているものを予備費として支出をする。それからその他の中には、あらかじめ予算が組んでないので、予備費として支出をする。ある程度その推定の計算に基づく金額の支出が、閣議の決定なり、あるいは大蔵大臣の決定で行われるわけで、それで支出がされるわけです。きょうこの審査をするわけですが、予備費が適正に使用されたかどうかと、その適否は当然大蔵大臣も検査院も検証をしなければ、決算委員会としてはこれはよろしいとか、よろしくないということは即断できづらいわけです。そこで、予備費の支出並びに使用について、私が申し上げたようなその適否について検証するためには、大蔵省も検査院も何らかの手続をとられていると思いますが、その点はいかがですか。
#40
○政府委員(吉野良彦君) 予備費使用の問題でございますが、先生も御案内のとおり、まず予備費使用の決定という手続が財政法上ございまして、これによりまして予備費使用の手続をとるわけでございますが、これは使途の特定されていない予備費からある特定の項目につきまして一般の歳出予算と同じ意味、効力を持ちますいわば具体的な予算として、歳出予算の一部となるような手続をするわけでございます。したがいまして、予備費使用が決定されました後は、一般の歳出予算の執行と同様に、いわゆる歳出予算の執行の問題として、それぞれの法令に従いまして、適正に執行をされなければならない、かような性質のものであるというふうに考えております。したがいまして、私どもは、予備費使用によりまず経費の支出、その執行、これらはいずれも他の一般の経費、あるいは歳出と同様に、それぞれの法令の規定等に従いまして、適正に支出をされなければならない、かように考えております。
#41
○説明員(藤井健太郎君) お答えいたします。
 ただいま大蔵省当局からお答えになりましたように、予備費の使用書が決定されましたときには、予算の配賦があったものとみなされるわけでございまして、会計検査といたしましては、予算の執行の段階ということで、一般の予算の執行と同様な見地から検査をしているというのが実態でございます。
#42
○穐山篤君 財政法第三十五条、六条にそれなりのことが書かれておりますが、そこできょう決算委員会としては、その予備費の支出について政府側から提案があって、いま審査しているわけですね。これが適切であるかどうかという判断はなかなかむずかしいと思うんですね。正しく使われなければならないという意味はよくわかります。先ほど私が指摘をしましたように、確定した金額で予算に組み込まれて支出するものはそれでわかります。先ほどお話を申し上げました、たとえば総理府にかかわります損害賠償一億四百五十六万一千円のものについては、これの算定基礎がどうなっているかは別にいたしましても、裁判所から払いなさい、国は敗訴が確定をしたわけですから、予備費で払わなければならない、その金額は数字をもってはっきりわかるわけですね。ところが、警備の金であるとか、あるいは外国へ行く旅行の費用であるとか、それから自治省にかかわります補欠選挙の費用であるとか、そういうものはあらかじめ推定によりまず金額の支出になるわけですね。
 そうしますと、実際にそれが正しく使われなければならないという意味はわかりますが、適否がわれわれとしては非常に判断しづらいわけですよ。ところが、予備費の支出を認めてほしい、こういうことになっているわけですね。ですから、少なくとも予備費を支出する場合、使用した直後には大蔵省なり、検査院としてのまず検証というものを行って、正しく使われたかどうかというのを確認をする必要があろうと思う。少なくとも決算全体は、まあ議案にはなっていませんけれども、この予備費につきましては一応法案と同じような取り扱いですね、議決をしなければならぬと、こうなっているわけです。ですから、決算委員会の審議の態度としては、少なくとも法案と同じように養護して決定するためには、推定で出したものについてはその後確認をして国会に報告をする、このくらいのことがあってしかるべきだと考えるわけですが、その点はいかがでしょうか。
#43
○政府委員(吉野良彦君) 申し上げるまでもないところでございますが、予備費の使用が特に事後に国会の御承諾をいただくように、憲法上あるいは財政法上も要請されておりますゆえんは、いわゆる一般の歳出予算と異なりまして、予算審議の過程におきましては、その使途が具体的に明らかにされていないというところにあるわけでございます。したがいまして、特に予備費使用の決定につきまして、国会の御承諾をいただくように法令上も定められているわけでございます。
 先ほども会計検査院の方からもお触れがございましたが、予備費使用が決定されました場合には、財政法の規定に従いまして、「予算の配賦があったものとみなす。」ということになっておりまして、いわば一般の歳出予算の中に溶け込んでまいるわけでございます。したがいまして、その執行の問題は、他の経費と同様に歳出予算の執行の問題として御審議を賜るということが適当ではなかろうか、かように考えるわけでございます。
 それからなお、予備費使用決定の段階において、金額がいわば確定しているものと、それから予備費使用決定の段階においては、なおその金額については見込みによって決定をするものと、もちろん二つあるわけでございます。これも先生御案内のとおり、いわゆる歳出予算は国が債務を負担をする機能をいただくという意味も同時に持っているわけでございますので、ある一定の債務負担をしようとしてまいります場合に、具体的に債務負担の金額の決定までには至らないけれども、ともかく債務負担の交渉に入ります場合には、その債務負担をなし得る金額の限度につきまして、歳出予算の形で機能をいただいておくという必要もあるわけでございますので、そういった意味で、金額が確定に至らずとも、債務負担の機能をあらかじめいただくという意味におきまして、事前に見込みによりまして、予備費使用の決定をせざるを得ない、こういう場合もあることを御理解賜りたいと存じます。
#44
○穐山篤君 まあ議論のあるところですが、それはまた引き続いて整理したいと思うんです。
 そこで、五十三年度の決算検査報告の中にもあります、輸入飼料の問題について改善がなされたと、こういうふうに指摘をされているわけですが、現在輸入飼料はどれだけ備蓄をされておりまして、それから今年度はどういう計画になっているのか、その点ごく簡単で結構ですから明らかにしてもらいたい。
#45
○政府委員(森実孝郎君) 輸入飼料の備蓄につきましては、まず基本にございますのは民間のトウモロコシ、マイロ等の備蓄でございます。これにつきましては、年々需給の安定を図る視点から、若干ずつ積み増しをしておりまして、今年度は五十三万トンということを予定しております。
 これ以外に政府操作の飼料につきまして備蓄を考えているわけでございます。この場合、実は備蓄用といたしましては、まず先ほど申し上げました民間のトウモロコシ、マイロ等の備蓄数量が、実は膨大な消費財に対して一カ月にもなっていないという実態から、いわば配合飼料用としてトウモロコシの民間備蓄にかわるようなものという性格から、現在食管特別会計のえさ勘定におきまして大麦の備蓄をしております。ただ、これは五十四年度においては三十五万九千トンという規模まで達した経過がございますが、その後過剰米が発生いたしまして、過剰米の処分で一部引き当てることができるということで、五十六年には十七万トンまで減額を図る予定に促しております。
 狭義の備蓄として充てておるのは以上のようなものでございます。
 なお、これ以外に、いわゆる食管のえさ勘定の専増産ふすま用の小麦とか、大麦等の在庫量については、港湾スト等の摩擦的な輸入の困難化ということを回避する意味におきまして、通常在庫一・七カ月以外に〇・八カ月程度積み増しを行って、短期的な摩擦の回避に充てているという経過がございます。
#46
○穐山篤君 私は、水田再利用の奨励交付金の問題のときにも指摘をしましたが、古米、古々米が在庫で残っている。それについての倉庫料を膨大に払っている。それから工業用、それから輸出用、それから飼料用と、非常に安い値段で処理をしている。片方では大麦にしろ、小麦やらトウモロコシをカナダ、アメリカ、オーストラリアから輸入をして、これも膨大な倉庫料を払っている。長期間備蓄しておりますので品質が低下をする。また新しいのを加える、そのために国の財政が猛烈にかかると、こういう循環をしているやつが、この輸入飼料については一応何とか改善をしようということになったんです。
 そこで、これからの問題ですが、輸入価格の変遷を見ますと、トウモロコシにいたしましても、大麦、小麦、外国の品物は、ここ二年余りの間に倍以上の価格になっているわけですね。かなり高い物になってきた。ところが、相も変わらず、古古米の飼料用としての放出なり、それからえさ米の栽培だとか、それからもみ米の栽培ということについて、非常に農林省側は消極的な態度ではないか、こういう感じがしてならないんですね。どんどんいま値上がりしつつあるわけですが、いつまでも高い物を当てにするよりも、もっともっと国内で知恵を出していかなければ、いずれこの輸入飼料の問題につきましても、頭打ちになるということを十分に配慮しなけりゃならぬと思うんです。その点いかがでしょう。
#47
○政府委員(森実孝郎君) 御案内のように、昨年の夏以降国際価格がかなりの高騰を示していることは事実でございますが、今日の時点ではある程度落ちついてきております。今後の動向がどうなるかということについては、何と申しましても主要輸出国であるアメリカの五月、六月の天候要因に負うところが多いと思いますが、いまのところそう不安な材料はないと思います。
 そこで、長期的に輸入穀物の価格がどうなっていくかということについては、大方の見方については、やはり趨勢としては強含みの状況になるだろうという感じはあるわけでございます。そういう意味において、現象的に申しますと、たとえば民間の備蓄につきましても、政府の備蓄につきましても、輸入に依存するものについては、総体的には経費がどうなってくるかという問題はあると思います。これは実は率直に申し上げますと、国際価格が上がってきて、そういう形になるわけでございますから、やはり売り渡し価格自体も上げていくという形でまず吸収するということは基本にあるわけでございまして、現に私どもも売り渡し価格の改定はやっているわけでございます。
 長期的な米の問題をどう考えるかにつきましては、はっきり申し上げますと、現在膨大な米の在庫を持っておりますことは御指摘のとおりでございます。私どもこれを、五十六年から五十八年にかけて、工業用、輸出用、飼料用に充当するということで、年次計画をつくっていま考えているところでございますが、ただ、はっきり申し上げますと、飼料用に売却する場合におきましては、最も膨大な損失が発生するわけでございます。そういう意味においては、今日の国際的な状況等も頭に置きまして、まず、何といっても工業用、輸出用という優先順位で考えていく、できるだけ国損を少なくする、残余を飼料用に充てていくということで、順序としてはやはり考えていくべきものだろうと思っております。ただ、はっきり申し上げますと、かなりのものが飼料用に充当される可能性を持っているわけでございまして、そういう意味で、政府の大麦の備蓄数量手ついては思い切って半分以下に減額したという経過があるわけでございます。今後ともそういう点は御指摘を頭に置いて努力をしてまいりたいと思います。
 それからなお、えさ米の問題につきましては、私どもこれは、やはりどういう品種の米で安定した多収を上げることができるかどうか、米の管理との関係をどう考えていくかという基本問題もあると思います。再三大臣から予算委員会等でも、あるいは大蔵委員会等でも御答弁申し上げましたように、私ども外国産の非常に多収性品種の固定に努め、同時に米の管理の上でそれが悪影響を与えないという形で、その二つの前提を頭に置きながら、えさ米の問題も考えていかなければならないと思いますが、先ほど申し上げましたように、いわばえさ用に充当する場合と、主食用の価格には最も大きな価格乖離があるわけでございまして、そこら辺をどう農業経営の中で吸収するかという問題もあわせて検討していかなければならないだろうと、このように思っているわけでございます。
#48
○穐山篤君 時間がないので非常に残念ですが、まあ古々米がトン当たり三万円で放出をされる、確かに当初の買い入れ価格から見ますと、安い価格で売らなきゃならないと、まあそういうものについての損失はわかりますけれども、古々米をそのまましょい込んでしまうということも問題ではないかというふうに思うんですね。
 それから、最近もみ米の飼料化の試験があちこちで行われておりますが、非常に好成績であるということが、まあ中間的な発表でありますが、各所の畜産試験場その他で発表になってますが、このもみ米の飼料化の問題については農林省はどういうふうに考えますか。
#49
○政府委員(森実孝郎君) 先ほども申し上げましたように、飼料米の生産という問題は、価格体系、農業経営、米管理との関係等を頭に置きながらも、われわれとしては多収品種を安定させて、それを実験的にでも軌道に乗せていくということの方向で努力しております。
 ただ、もみを含めてえさ化するかどうかという問題は、実はなかなか問題があると思います。確かにいま御指摘がありましたように、鶏の配合飼料用原料としてもみも含めた米をえさ化するという実験は、過去においても何件かやっております。しかし、これは実は配合におのずから限度がございます。まあTDN等の栄養総量、栄養価は非常に低いものになってまいります。そういう意味でなかなか用途なり、栄養価から制約があるということがありますほかに、片方、もみとして貯蔵保管するということは、いわば膨大なその分だけ保管経費がかかることにもなりますので、なかなか、現実に大量に軌道に乗せることは非常にむずかしいのではないかというふうに見ているわけでございます。
#50
○穐山篤君 大蔵大臣ね、私、食糧問題について概括的なことを先ほど申し上げました。今回も輸入飼料勘定では百十六億円が損失として上げられて、それが一般会計から補てんをされるという、まあこういう問題があるわけです。三Kのうちの一つでしょうが、相当しっかりした方針を立てませんと、この食糧問題につきましても、財政の分野から崩れてしまうということを恐れるわけです。したがって、これは五十七年度の予算編成とも関連するわけですが、農林省の農業政策ということもあるだろうと思いますけれども、財政の面からこの種の特別勘定についてもう少し整理をしてほしいというふうに思うんです。整理をしてほしいといいますのは、もっと効率的な方法を総合的にやらなければならないのではないかというふうに私は考えるわけです。時間がありませんので、その点は注文として申し上げておきたいと思うんです。
 私の質問時間二十五分までしかありません。自治大臣、総理府、それぞれから来ていただいておりますが、中途半端になって恐縮です。引き続いて別なときにお願いをすることにしまして、最後に、大蔵大臣にお願いをしたいと思います。
 その一つは、私は大蔵委員会で鈴木総理大臣並びに大蔵大臣に対します総括質問の際に、予備費なりあるいは不用額を含めて早く確定をして所得の減税に充ててほしい、それも十分に目いっぱいこたえてほしいというふうに申し上げていたわけですが、新聞その他の情報によりますと、かなりの減収で期待に沿えないというふうなことが伝えられてきているわけです、しかし、率直に申し上げまして、三月、四月段階の予算の総括では、相当与野党とも苦労したいきさつがあるわけでありますので、十分所得減税につきましては、政府が誠意をもってこたえていただくということでないとまずいのではないかというふうに思います。そのことについて大蔵大臣の見通し、あるいは考え方というものをお伺いをしておきたいと思うんです。
#51
○国務大臣(渡辺美智雄君) いわゆる所得税減税の問題につきましては、財政当局はこのような財政事情の中でございますから、御勘弁をいただきたいということを言ってまいったわけでございますが、議長の裁定というものがあって出されたわけでございます。したがって、この裁定を文字どおり、つけ加えることもしないし、それを減らすこともしない、そういうことで守っていきたいと思っております、どれくらいの減収になるのか、あるいは不用額がどれぐらいできるのか、まだ実はよくわかっておらない。私自身もわかっておらないわけでございますから、幾らぐらいの財源ができるかというようなことも見当はつかない。ともかく数千億円なんていう金はどこからも出てこないだろうということは見当がついておるんですが、しかし、どれぐらいなんだと言われましても、それはまだ数字が固まってこないので、何ともわかりませんが、ありのままの姿にしてやっていきたいと考えます。
#52
○丸谷金保君 最初に防衛庁の長官にお伺いいたします。
 去る四月三十日の十一時二十八分ころ、航空自衛隊第二航空団二〇三飛行隊所属のF1〇4J戦闘機が訓練を終えて千歳に帰る途中、北海道長沼町で墜落いたしました。この墜落に至る経緯等は新聞その他で十分承知できますが、その後、防衛庁としてとられたきょうまでの措置について、簡単で結構ですから、概略御説明を願いたいと思います。
#53
○国務大臣(大村襄治君) 本件事故は、ただいま丸谷先生お述べになりましたとおり、四月三十日に発生したものでございます。
 航空自衛隊第二航空団第二〇三飛行隊所属のF1〇4J航空機が要撃訓練を終了し、千歳基地に帰投のため着陸態勢に入りましたが、午前十一時二十八分、北海道夕張部長沼町を流れる用水路付近に墜落炎上したもので、同機に搭乗するパイロット二等空尉新敷昌明は死亡したところでございます。
 防衛庁といたしましては、早速調査委員会を設置して、事故の状況、原因等の究明に当たっているところでございます。
 また、直ちに所属の全航空機の点検も実施いたしまして、安全のために最善を期することにいたしているわけでございます。
 この事故のために、国民から預っています貴重な隊員と航空機を失い、私といたしましてもまことに申しわけなく存じております。
 殉職されたパイロットの御冥福を祈るとともに、御遺族の方々に対しては心からお悔やみを申し上げているところでございます。
 さらに、本件墜落事故の発生によりまして、農地、用水路等に損害を生じ、地元の国民の皆様に不安感を与えましたことにつきましても、まことに遺憾に存じておる次第でございます。
#54
○丸谷金保君 そこまではわかっているんです。その後の措置について御質問申し上げたんです。
#55
○政府委員(石崎昭君) その後の措置につきましては、まず事故の原因究明のために事故調査委員会を設けまして、現在調査を続行中でございます。
 それから、この事故に伴う刑事責任の有無について、正確を期すために警察と自衛隊の警務隊と合同いたしまして捜査を続行中であります。
 それからこの事故発生と同時に、一時慎重を期して訓練を中止いたしましたけれども、その後千歳所在の航空自衛隊の任務の重要性にかんがみて、いつまでも訓練をしないというわけにもまいりませんので、千歳の航空機について、厳重な機体その他の点検を行いまして、それから隊員に対する安全教育をさらに重ねて徹底いたしまして、五月六日に訓練を再開するということで、現在に至っております。
#56
○丸谷金保君 訓練を再開したということは、喧伝されているようなエンジン部門その他についての不備はなかったというふうに、その後点検の結果考えられたからでございますか。
#57
○政府委員(石崎昭君) 事故原因の調査は目下続いておりまして、まだ何が原因で事故が起こったのかは明らかになっておりません。でありますが、先ほど申し上げましたとおり、千歳所在の航空自衛隊は一日も訓練を中止するというわけにいかない重要な場所でございますので、先ほど申し上げたような手を尽くした後、訓練を再開した、こういうことでございます。
#58
○丸谷金保君 実は今回これ初めてですと、いまのお答えということになるのかと思いますが、ここ十年間に北海道における自衛隊の墜落事故というのは十数回起きているんです。特にF1〇4型機の事故は七回、そのうち私の方で、北海道の方で調べたのでは四回ということですが、恐らく残りの三機は別な隊から飛んできたものの事故だろうと。それにしても同一機種が七回も実は事故を起こしておるわけです。これが後調べて何でもないからすぐ再開するということについては、私は非常にこれ実はいろいろな問題があるんじゃないかと思うんです。当委員会でかつて自衛隊員の人権、憲法に保障された人権はどうなんだということが論議されたこともあります。これだけ同一機種で事故が起きてまいりますと、これあと点検したけれども、ほかのやつは何でもないから、とにかく事故機についてはまだわからないから責任追及するというふうなことで、直ちに訓練再開というのは非常に私問題でないかと思うんですが、長官いかがでしょうか。
#59
○国務大臣(大村襄治君) ただいま、北海道における墜落した飛行機の事故が多いので、訓練再開は早過ぎるんではないかという趣旨のお尋ねでございました。
 そこで、私ども過去における航空機事故の発生件数も調べてみたわけでございますが、合計九件でございまして、そのうち今回墜落しました航空機でありますF1〇4Jが五件、F4EJが四件というふうに私の調査ではなっているわけでございます。また、事故原因等も調べてみたのでございますが、判断及び操作の誤りが五件、そのうちF1〇4Jが二件、F4EJが三件でありまして、機材の欠陥一件、これはF1〇4J、原因別に見ますると、そういうことがわかっているわけでございます。また、過去の事故率を機種別に調べてみますると、F86Fが八・五、F1〇4Jが七・六、F4EJが六・〇、これはいずれも飛行時間十万時間当たりの事故発生件数で、五十六年三月末現在でございますが、特にF1〇4Jが多いというわけではございません。これは過去の調査の結果でございますが、いずれにいたしましても、今回の事故につきましては、ただいま政府委員からお答えいたしましたとおり、調査委員会が発足して、鋭意原因の究明に当たっているわけでございますが、まだ結論が出ているわけではございません。そこで、重要な訓練でもございますので、所属の全機種につきまして、機体の点検等を早急に実施しまして、全機とも異常がないということを見届け、また航空機の乗員に対する安全教育をさらに徹底せしめると、そういったことをしっかりやりました上で、訓練の再開に至ったわけでございまして、慎重の上にも慎重を期しておる次第でございます。
#60
○丸谷金保君 このF1〇4Jというのは何年にこれは整備されたのか、購入して自衛隊が持つことになったのか。それから、その当時の購入金額、これおわかりになりましたら簡単にひとつ。
#61
○政府委員(石崎昭君) 突然のお尋ねでございまして、いつ採用したかちょっと正確なデータを持ってきておりませんので、調べて後ほど御返事します。
 それから、金額につきましても、時期によって値段が変動しておりますし、それから償還の問題もありますので、おおよそ一機四億円ということは申し上げられますけれども、正確を期すためには細かいデータを持ってこないと、細かいことはちょっと申し上げかねます。
#62
○丸谷金保君 ちょっといますぐ答えられないくらい、もう相当古くなっている機種ですよね。
 それで、これ二つの面があると思うんです。一つは四億円ですわね。自衛隊で主張なさるように、あとの機も調べてみたけれども何にも心配はない、機種に欠陥はない。ましてこの日はその十分ほど前に隊長機が帰還しております。そういうことも関連して、これは本人の操縦ミスでないかというふうに場合が想定されますね。そうしますと、これ本人の重大な過失によって四億円の飛行機一遍にパーにした場合、これ普通の場合だと求償権の対象になりますよね。会計検査院どうですか。
#63
○説明員(高橋良君) 直接の担当ではございませんが、重大な過失がある場合には一応検討の対象になるものと思いますが、直接の担当でございませんので、なお帰りまして検討さしていただきたいと思います。
#64
○丸谷金保君 会計検査院は、院長は来ておりませんか。きょうは決算の総括だから当然来ておるんでしょう。院長来てなかったら次長ですか、だれも来てないの。
#65
○説明員(高橋良君) ただいまお答えしましたように直接の担当でございませんので、連絡をとりましてお返事いたします。
#66
○丸谷金保君 決算の総括を何と心得ているのか、当然大蔵省及び会計検査院は責任ある者が出てきておらなきゃならない。いいですか。
 逆に半面、重大な過失がなければ、命がけで事故起こす人はいないです。完全に整備されているものだとすればですよ、そうでなければ、今度は逆に憲法の人権の問題が出てきます。どっかに欠陥があるんだ、どちらかどっちなんですよ、これは、命がかっているんですから。簡単にあんなミス起こすわけないんです。しかし実際調査もよく進んでいないうちに、直ちに訓練再開、少なくてもこの機種ぐらいは、防衛庁長官、考える余地はあるんじゃないですか。これだけ続いているんです。どうなんです。隊員だってやっぱり私は人権あると思いますよ。それは命令ですから、いろいろ問題あっても、それは命令が出れば演習にも参加するでしょう。しかし人命は地球より重いと言われるくらいなときに、引き続いてこれだけ、しかも相当古い機種、原因がはっきり解明しないうちに、何が重要だから演習を再開しなきゃならぬですか。重ねてひとつ御質問申し上げます。
#67
○国務大臣(大村襄治君) 先ほども申し上げましたように、今回の事件によりまして、国民から預っている貴重な隊員と航空機を失い、誠に申しわけなく存じておる次第でございます。今後このような事故の発生が起こらないようにするためにも、徹底的に原因を究明する必要があると考えまして、いま調査委員会を設置して、鋭意当たっているところでございます。一方におきまして、航空自衛隊にとりましては、訓練の実施ということも重要な任務でございますので、その再開に当たりましては、全機種の機体の点検を改めて実施して、機体に欠陥、支障はないということを見届け、さらに乗組員に安全教育をもう一度し直すという手段を講じた上で、再開することにいたしたわけでございまして、私といたしましては、本問題の取り扱いといたしましては、周到な準備をした上再開にこぎつけたものでございますので、これをさらにやめるというようなことは現在考えておらない次第でございます。
#68
○丸谷金保君 基地周辺の町村は、非常に不安におののいております。第二航空団に対しては、訓練再開については慎重に取り扱ってほしいという地方自治体の長並びに議会からの申し入れ等も相次いでおるということも恐らくお聞きになっておるだろうと思います。こういう中で、なぜ六日から急遽また再開しなければならないか、きわめて私どもはその点については理解ができがたいんです。しかし、それはなかなかそれ以上のお答えがないようでございますので先へ進ませてもらいますが、しかし、この問題はさらにまた時間をかけてゆっくりやらしてもらいます。
 それから、この調査ですが、今回は合同調査ということで、道警と合同の調査を行っておりますね。しかし、従来の例を見ますと、警務隊だけで捜査隊を単独に行っているという例が多いんです。どうして今回は道警との合同調査で、従来はそうでないか、恐らくそれは演習地内に落ちたときと、そうでないときという区別があるかもしれませんが、そこら辺の捜査上のそれぞれの区分、それらがありましたらお答えを願いたいと思います。
#69
○政府委員(石崎昭君) 一般的に申し上げまして、自衛隊の施設の中で、完全に自衛隊限りの事故が発生した場合には、原則は警務隊が捜査に当たるということでございます。今回は、自衛隊の施設の外に墜落しました。民間の被害も、物件の被害でありますが若干あるわけでございます。そこで、慎重を期して、施設外の事故でもありますし、捜査の公正を期するという意味で、警務隊と警察と合同で捜査に当たっているというわけでございます。
 過去のこの種の航空機の事故で、しからば合同調査やったことは多いのか少ないのかということでありますが、いままで航空機の事故で、多くの場合同じような理由で、つまり公正な捜査を行うという意味で警察と合同で調査を行っている事例が多うございます。
#70
○丸谷金保君 その事例の問題でなくて、権限の区分はあるのかということなんです。ここからこの場合はおれたちだけでやるんだと、これから出た場合の事故については警察側と合同調査やるんだというふうな、何かルールがあるのかということです。
#71
○政府委員(石崎昭君) 御存じのとおり、警務隊に所属しています警務官といいますのは、法律上は特別司法警察職員となっておりますので、鉄道公安官とか、その種の特別司法警察職員と同様に、自衛隊の施設内で起こった問題、刑事問題については、第一義的には警務隊が担当するということが警察との間で協定で決まっております。ただ、これは一般警察権を排除するものではございませんから、一応、特別司法警察職員と一般の警察官の権限との間の調整をするということの結果できました協定に基づいて、そういうふうに区分しているわけでございます。
#72
○丸谷金保君 本質的に捜査の対象は属地主義だというふうに理解してよろしゅうございますか。
#73
○政府委員(石崎昭君) 御質問の趣旨がちょっとよくわかりませんが、もし捜査権限の及ぶ地域のことをおっしゃっているのだとしますと、この場合はもちろん北海道の長沼でありますから、北海道警察が捜査権限を持っております。それから、自衛隊の事故でありますから、警務隊も権限を持っております。そこで、両者協議した結果合同調査をやるということであります。
#74
○丸谷金保君 法務省おいでになっていると思うんですが、この合同調査委員会が発足しているんです。しかし、訓練再開については、私の聞き及んでいるところでは、警察側は全然あずかり知らないと、相談も受けていないと、一方的に自衛隊側で訓練再開に踏み切ったというふうに伺っておりますが、いかがですか、そこら辺。
#75
○政府委員(中平和水君) 訓練再開の問題につきましては、直接これは私どもの関知するところではございませんので、自衛隊の御判断でおやりになったものだと、こういうふうに考えているわけでございます。
 なお、捜査につきましては、先ほど防衛庁の参事官の方から説明がございましたように、合同捜査ということで両者がそれぞれ責任を分から合いつつ事案の真相の解明に当たっている、こういうことでございます。
#76
○丸谷金保君 法務大臣にお願いいたしますが、ただいまの事件、これは自衛隊の訓練という特殊な状況ではございます。しかし、こうたびたびありますと、やはり日本の国民の人権に属する問題です。したがいまして、やはり法務省としても、エンジンの欠陥があったかないかというふうな問題にまで立ち入って、二度とこの種事故の起こらないように、そちらの立場からひとつ十分御注意願いたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#77
○国務大臣(奥野誠亮君) いま第一線の捜査を担当しております警察庁からもお話がございましたが、検察庁としても大事な問題でございますので、御質問の趣旨を体して、よく検討するようにいたしてまいりたいと思います。
#78
○丸谷金保君 それじゃこの問題はそういうことで、今後どのような推移を見るかということを十分注意をしていきたいと、かように思いますし、会計検査院はいずれ結論的な答弁を次の機会にひとつお願いしたいと思います。
 次は、厚生大臣にお伺いしたいんですが、クロレラという食品がございます。これが五月五日の朝日新聞で、一面トップでこんなに大きく出ておるんです。この日は鈴木総理が訪米した日ですから、本来なら一番最初に鈴木総理訪米が来るのが常識だと思ったんですが、鈴木総理の訪米の記事はこの二段目なんです。それよりも大事件として大きくこう取り上げられている。これは一面で言えば、こういう健康食品というのが市民権を得たなと、非常に大きな範囲で国民に影響力を持ってきたというふうにも理解できるんですが、この基準値のとり方、大量に飲めば皮膚炎になると、こういうことなんですが、これはたとえばここの記事の内容にあるような、葉緑素を含んでいるP・P、これらは何もクロレラだけでなくて、ホウレンソウでも何でもたくさんあるんです。すでに貝原益軒がホウレンソウを大量にとると食害があるというようなことを発表しているぐらい昔からわかっていることなんです。ただ問題は、これが非常に飲みやすい錠剤になっている葉緑素ですから、ホウレンソウならこんなに食べる人いませんけれども、濃縮された葉緑素ですから、飲む気になればうんと飲めますね。そのためにこういう問題が起きたんじゃないか。しかも、これは四、五年前の話です。よほどこれはたくさん飲まれたんだと思うんですが、私が前に社労の委員会で指摘したように、そうした健康食品と言われるものについての数量の表示を許した方がいいんじゃないかと言ったのはまさにこのことなんです。このことについて、大臣としてひとつその後いかがお考えでしょうか。
#79
○国務大臣(園田直君) 記事に出ましたクロレラの問題は、御承知のとおりに、過去これを多量に飲んだ場合に日光性皮膚炎が発生するということがありまして、これを検討しておったわけでありますが、その後、やはり多量に飲むとそういうおそれもありますので、したがって、加工方法、成分等について指導するように、都道府県知事に通達を出したわけであって、規制したわけではございません。なおまた、いまおっしゃいましたように、以前、直接私に御意見を賜ったこと私も覚えております。
 そこで、この問題は、薬と同じように使用方法とか、その他を書くということはちょっと疑念を生じますけれども、注意とするか、あるいは飲み方の場合に、一日にどれだけ以上は飲まない方が適当であるという程度の添え書きを書くことは、おっしゃるとおり薬事法とは何も抵触はいたしませんから、そういうように指導するように事務当局に命じております。
#80
○丸谷金保君 官房長官が、何か時間がないそうなので、後先になりますけれども、ちょっと官房長官に。
 実は前に当委員会で青函トンネル、これはもう開通して開通式をやっております。しかし、まだレールが通ってないので供用開始をしておりません。ですから、これは供用開始前に片づけておいていただかなければならない問題として、これの裁判管轄権あるいは捜査権、さらにまた、行政上の区域の設定、これらを行っておいていただかないと、問題が起きてからでは困るんではないか。北海道の地元の方でもそういう点を懸念する人もございます。したがって、これはなかなか各省庁でそれぞれの言い分がございまして、これは内閣として決めていただかないと、何かのアクションを起こしていただかないと進まないんではないか。実は、法務大臣は、前回、法制局の見解も聞いて詰めると、こういうお話でございますが、法制局の方はなじまないというような見解が多分これから質問すると出てくると思います。それを、先になりましたけれども、そういう問題点があるということの御認識だけまずここでしていただきたい。これはやはり内閣で最終的にやってもらわなきゃいかぬじゃないかと思いますので、その点だけ申し上げて、一言御答弁いただいて御退席いただいて結構です。
#81
○国務大臣(宮澤喜一君) 本件につきましては、三月にも当委員会において問題の御提起がありましたように承っております。
 トンネルの、公海下の部分ということでありましても、わが国の管轄権が領土におけると同様に全面的に及ぶと考えられますので、したがいまして、おっしゃいますように各省に関係する問題に発展をいたしておるのではないかと存じます。私どもといたしまして、内閣法制局が中心になりまして、関係各省とよく検討いたしまして、将来これにつきまして御疑念のないようにいたしてまいりたいと存じます。
#82
○丸谷金保君 もう時間の関係で、これはきょうはやめにして、振動病の問題に入りたいと思いますが、実は大蔵大臣、振動病――チェーンソーなどを使って手がしびれてくる病気、このことについて、たとえば労働省では五十五年度が十億九千百万円、ところが、どういうわけか五十六年度には九億七千万というふうに少し下がっているんです。それでもどちらにしても十億程度のこれの対策の予算を使っております。それからまた林野庁の方でも相当程度の補助金を出して振動病対策の促進を行っております。
 そこで、実はいま一番問題になってきているのは、にもかかわらず、振動病の患者の数が減らなくて、この職業病に認定された場合の労災保険の会計がまさにもうパンク寸前という状態にございます。すでに五十五年度の見込みでは、二十二億程度不足しておりますし、積立金も五十四年からゼロになって、マイナスになってきております。これは結局振動病が多いからなんで、それじゃ保険料率を上げればいいじゃないかと。保険料率も五十年の八九から五十五年は一一三、五十六年は一一八と、どんどん上がってきているんです。それにもかかわらず、保険経理はもうパンク寸前ということになるわけです。そうするとどういうことが行われるかというと、余り職業病に認定するなというふうな行政指導が行われる可能性があるわけです。具体的な例は当委員会では申し上げませんが、そういう状態で、こういうお金を使いながら、効果全く上がっていないとは言いませんが、効果が見えないようなものについて、大蔵省としては一体どういうチェックをなさるんですか。お金は使っているけれども、職業病患者どんどんふえてくる、料率上げても保険経理はパンクしそうになってきた、こういう状態なんです。これどうしたらいいですか。
#83
○政府委員(吉野良彦君) あるいは労働省の方からお答えいただいた方が適確かとも存じますが、お尋ねでございますのでお答え申し上げますが、いまの振動障害につきましては、やはり事柄の重要性にかんがみまして、私ども予算編成の過程におきましても、十分に注意をしながら、労働省の予算、あるいは林野庁の予算につきまして、予算を組みます場合に注意をしているつもりでございます。ただ、先ほど御指摘ございました労災保険の経理の問題でございますが、先生御案内のとおりかと存じますが、五十五年度におきましては、五十四年度に比べましてかなり改善をされているというような状況もございます。それからまた、いろいろそういうことでお金を使いながら効果が上がっていないではないかという御指摘でございますが、新しい認定者の数をとりあえず比べてみますと、これは民有林の場合でございますが、五十三年度には千四百三十人程度の認定者でございましたが、五十四年度には千八十二人というふうに減っているということもございまして、私どもとしましては従来からの振動病に対する施策の効果もあって、こういった姿に相なっているというふうな認識も一方ではしているわけでございます。しかしながら、国有林の場合と比べまして、民有林の場合につきましては、なかなか予防の対策をしっかり浸透さしていくという点につきましては、いろいろむずかしい面もあるようでございますので、今後よく労働省の方と相談をしながら、能率的かつ効果のある予算の執行に努めていくように努力をいたしたい、かように考える次第でございます。
#84
○丸谷金保君 口を開けばそういう答弁なんです、ずっとこの問題何回かやってきて。しかし、私は、大蔵省としても少なくとも予算の査定をするからには、その予算が有効に使われて、効果が有効に上がってきたことまでチェックする責任があると思うんです。すでに昭和四十二年にチェーンソーの防振対策についてなどという通達が出ているんです、労働省では。昭和四十二年ですよ。この時代からの通達をずっとあれしてみますとこんなにあるんです。努力しているんです、通達行政では非常に努力しています。そして、こういうふうにやっている、ああいうふうにやっているということはたくさん聞くんですが、減らないんです。減らないことの一つの原因としては、新規がふえてくるということと同時に、既応患者がなかなか直りにくいという問題があります。これはこの問題についてはむしろ予算のつけ方が足りないんですよ。大蔵省としてはもう少し大きくこの問題については目を開いて、おまえたちこんな予算でできるのかというくらいなひとつ構えを大臣お願いしたいと、まず冒頭に、お答えはできないでしょうが、そういう問題だということをこれから出しますので聞いていただきたいと思います。
 それで、厚生大臣にお伺いするんですが、実は振動病患者のための病院、これは北海道に一カ所あります。三百病床くらいのが満員なんです。非常に現地では強い要請があるんです。ところが、この種の問題になると厚生省余り関係ないような話を従来の答弁ではなされているんです。なぜかなら、五十一年に厚生、林野、労働三省庁連絡会議を設置しているんですが、この中ではどうも労災の職業病認定の方の相談はしているけれども、治療の方にまで厚生省が踏み込んでないんです。ここいら辺についてひとつ厚生大臣としても認識をしていただきたいと思うんですが、いかがなものでございましょうか。
#85
○政府委員(大谷藤郎君) 厚生省におきましては、昭和五十一年以来林野庁、労働省等に御協力いたしまして、国立病院に振動病クリニックを設置いたしまして、またその専門のクリニックのほかに、十九の国立病院で振動病の治療に当たるという体制を整えております。また保健所等を通じまして、こういった健診業務につきましても御協力するということで、厚生省といたしましては、できる限りの努力をいたしてきたところでございます。
#86
○国務大臣(園田直君) 三省庁連絡会議を設けておりますが、その会議が職業病の認定に重点があって、保健、健診治療に重点が行っていない、この御指摘は残念ながら私目が届いておりませんので、今後は十分注意をして、省庁会議ができて、職業病の認定をされた以上は、厚生省の健診、治療、こういうのが先頭に立つように、今後十分指導してまいる所存でございます。
 なお、国立病院のクリニックその他についても、十分日を向けて、今後おしかりのないように注意をいたします。
#87
○丸谷金保君 きょうは総括ですから、問題点だけ洗い出して、各大臣に認識をしていただきたいと思うのですが、いま局長の言ったようなことは全然なっていません。これだけやるならそれだけで二時間幾らでも具体的な例を出します。私はこの問題これから十四日の日も労働委員会でやるし、ずっとこの問題を続けてやるつもりだからそのつもりで答弁してくれないと困るよ。
 農林大臣来ていると思いますが、この前おたくのある課長などはうその答弁して、私が具体的な例を言ったらまたすぐそこで答弁を翻すと、こういう調子なんです、この問題については。ですから、きょうは各大臣に問題が非常に大きいということを認識してもらおうと、なかなか大臣にこういう機会でないと認識してもらえないので、私はあえて各大臣の出席要求をしたわけです。
 それで農林大臣にお伺いいたします。特に振動病の問題につきましては、林野の労働組合が問題を提起して、それで大きく前進いたしました。そして少なくとも国有林の直用についてだけ言えば、一時期五百人くらいの時期もありましたが、ことしは二十人台というふうにきわめて少なくなってきている、非常に効果が上がったところでないかと、かように思っております。しかし、同じ国有林に働く直用でない山村労働者については、決して少なくなっておりません。むしろ潜在的な患者の数というのは非常にふえております。これは一つは、労働組合が強く要求して当局側と結んだ協定、これができたことによって大きく実は減ってきているのです。たとえば昭和四十四年にはチェーンソーの二時間協定というのを、これは労働者側の強い要求です。当局が積極的にやったんじゃないんですよ。大変だと、こんな悲惨なことになっているということで要求して、五百五十八人が次の年にはこれが二時間以上はチェーンソーを使わせないという協定が守られるようになって、百三十九人、七十人というふうに激減しました。ところが、別なことでふえてきたので、これはやっぱり使用時間もきちんとしなければならぬというふうなことで、五十年に今度は使用時間その他の林野の労働組合が非常に厳しい要求を出して、当局がそれを理解したことによって、今度はどんどん減ってきたんです。もっとも、このとき労働組合側は告発もしています、高知で。そういうこともあって、びっくりして協定が結ばれたかとも思いますけれども、いずれにしろ、林野の直用の中においては激減してきているということは、そういうふうにやっていけば、これは新規発生を防ぐ道はあるんだということなんです。この点について国有林の民間労働者の方はそうなっておりません。農林大臣、この点についての御認識のほどをお伺いいたしたいと思います。
#88
○国務大臣(亀岡高夫君) 振動病が林業労働者にとって大変な病気であるという認識は、私は人後に落ちないつもりでございます。前々から私も林業関係の勉強をしているつもりでございますので、その点は先生に劣らず認識はいたしておるつもりでございます。
 御指摘のとおり、国有林は労使関係の努力によって非常に激減しておることも承知をいたしております。残念ながら民有林関係の森林労働者並びに国有林に勤めておる民間の労働者にこの振動病の新たな認定者が年々ふえておるということも承知をいたしております。いろいろこの関係の森林労働者につきましては、御承知のようにそれぞれの労働賃金というものが十分ではないというような状態で、なかなか病気だと気がついても、その時点で診療を受ければ早く治せると思いつつも、なかなか診断に踏み切らないという面もかつては多かったようでございます。しかるところ、農林水産省といたしましても、予防措置、また振動病のおそろしさ、早期診断、早期治療ということを強力に指導をいたしておるわけでございます。県、市町村あるいは森林組合等を通じてやっておるわけでありますけれども、なかなかこれがやはり生活面との関連等もあるのかどうか、そういう点も推測はできるわけでありますけれども、最近になって大分新たに診断を受ける方が多くなってきて、認定がしたがってふえておると、こういうことでございます。
 潜在的な方々の掘り起こしということと、さらに新たにこの病気にかからないような指導もこれまた先生御指摘のようにいたしておるわけでございます。二時間以上やっては病気にかかる危険があると、こういう指導もいたしておるわけでありまするし、また巡回指導等もいたし、さらに健康診断等につきましても、県並びに市町村、森林組合等を通じて指導いたしておるわけでございまするが、御指摘のように、民間林業労働者につきましては、一体どのくらいの潜在の患者がいるのかすらまだ十分につかめておらないという残念な実態であることもそのとおりでございますので、私も就任以来、そういう点に林野庁もっと力をいたせと、こういうことで予算の際にも、前年よりも若干ではありますけれども、厳しい予算ではありましたけれども、ふやしていただいておるということも御理解いただけると思うわけでございますが、なかなか治りにくい病気であるだけに、病気の早期発見ということもなかなかむずかしい。このところに非常に国有株労働者のように徹底的な管理体制の中においてやるというほどの効果を期待するためには、よほどのことをしなくちゃいかぬということで、林野庁を督励しておる最中でございます。
#89
○丸谷金保君 それで、この潜在患者の問題、潜在患者がいるんで新規発生ないんだというふうなすりかえの理論が行われているんです。とんでもない話で、これはそうでないんです。しかし確認できないでいることも事実です。そこで自治大臣にお願いしたいんです。これは各市町村が一生懸命になって協力すれば潜在患者の確認はする方法はあるんです。ところが実態は、なかなか労働省そういうふうな体制に取り組みません。私はこれは勘ぐっているんですよ、労働大臣もおると思いますが。余り地方行政にお世話になると、それならみんな移せというところに問題がすり変わっていったらという懸念があるから、これはなかなか市町村とうまくすばっとやるようなぐあいにいかないんじゃないか。むしろ潜在患者というふうなものは、最後は市町村がめんどう見なければならないんです。投げ出された最後はどこかの町村が何らかの形でお世話しています。ですから、最初からこの潜在患者の問題、振動病の問題、これは市町村が積極的にもっと介入できるような方途を自治省としてもお願いしないと、通達がこんなにたくさん出て、とにかく一九七〇年の二月の二十八日にチェーンソーの使用制限の通達が出ていて、十数年たってまだ守られていないんです。行政監察庁その報告を出しているんですから、ちっとも守られていないと。ですから、これはどうしても市町村がかんでもらわなければならないんです。ところが、自治省の方ではこれについては農林水産省の補助金の中に入っているだろうということで、私はこれは電話で聞いたんですが、余り問題意識として持っていないんです。これはひとつやはり最後は住民の問題になるので、自治大臣としてもこれと一生懸命取り組んでくださる、そういうお言葉をきょうぜひお願いしたいと思って出席願ったのですが、いかがでございましょうか。
#90
○国務大臣(安孫子藤吉君) 市町村の行政におきましても、補助金のあるなしにかかわらず、その地域住民の実態に即しまして、重要と考える問題は積極的に取り組んでいく、こういう態勢が私は必要だと思います。したがいまして、お話しのような潜在患者の調査、実態等については、補助金のあるなしにかかわらず、市町村といたしまして、その責任において、よくひとつ調査をしてみる、実態をつかむように努力をすると、こういうように考え方を変えるように、私といたしましても注意を喚起してまいりたいと思います。
   〔委員長退席、理事佐藤三吾君着席〕
#91
○丸谷金保君 自治大臣、実はここで大臣そうおっしゃいますけれども、なかなかそういうふうにはいま仕組みでは、きちっとひとつ大臣、下へおろしてもらわないとならないんです。たとえば京都へ行って調べましたら、府も単独で助成をしてやっております。それから、町村に入りましたら、町村はこういうビラを回して、健診みんな行けと。日吉町などは二十九人山林労働者がいるんです。よそへ行っていても必ずいつかは帰ってきます。そういう人たちが全員毎年受けておるんです。こういうふうに町村が一生懸命やれば非常にきちっとできるようになるわけです。ところが、いまの自治省の方針としては、余りよけいな仕事に手を出すなということでしょう、自分たちの所管でないことに。そうすると行政経費がふくれるから、市町村が余りあれもやる、これもやると言って、基準財政需要額の中できちっと組み立てられているもの以外に手を出して、そういうことで勝手に金を使っても、そのことはめんどう見ないぞと、こういう姿勢でしょう。このことをひとつ大臣からきっちり言ってもらわないと、何ぼ大臣がここで答弁してもそうならないんですよ。いかがですか。
#92
○国務大臣(安孫子藤吉君) その地域社会の実態に即しまして、問題を扱っていくという心構えが非常に重要でございまするので、それだけに単独事業的なものは充実をしていきたいというのが自治省としての基本的な考え方でございます。
 したがいまして、ことしの地方財政計画におきましても、ほかの方は抑えておりまするが、単独事業はある程度伸ばしておるという編成方針もその点からきているわけでございます。これで十分かどうかということになりますと、非常に議論があります。もっと私どもは充実をせなければいかぬとこう思っております。
   〔理事佐藤三吾君退席、委員長着席〕
 それと同時に、そうした財源を地域社会の実態に即して、これをどういうふうにやっていくかということも、市町村においてはひとつ十分検討して考えてもらわにゃいかぬ、この両者相まって、市町村行政の地域社会に密着した仕事ができていくだろうと私は思っております。もちろん、自治省でもってそうしたかけ声をしただけで、これがすぐに効果が上がるとも私は思いません。それには、やっぱり補助金等がつきますと、その補助金に縛られまして、市町村長が一生懸命やるという、こういう形も定着をしているわけでございまするから、補助金なしに一般財源でもってそうした問題に取り組んでいくというためには、市町村長の一つの見識も必要なんでございまするが、何にいたしましても、地域社会の実態をひとつ十分に留意をいたしまして、特に振動病等の多いところについては、市町村長も責任を持って取り組んでいくという心構えをひとつできるだけ醸成をしていくような方向で、またそれに対応する一般財源的なものが市町村に向いてまいりまするような、そうした国としても措置を講じまして、両者相まってそうした自治体の実際的な活動ができるような方向に向けていかなくちゃならぬ、こう思っているところでございます。
#93
○丸谷金保君 大臣、農水の補助金というのは、大体林災協というふうな、森林組合を中心とした方に行ってしまうんです。自治体が介入すると、単独で経費を出さなきゃならぬ、人員も出さなきゃならぬということになります。しかし、これは全国的にと言ったって、都会では山林ございませんから、地域も限られますし、もっとも、いまは都会でも振動病が、たとえば郵政省の職員にも起きておりますし、あるいはミシンを踏む内職のお母さんたちにも関西では起きております。それから、建設業界にもどんどん起きておりますということで、非常に幅は広がってきておりますので、農政の部門だけで解決できない問題も出てきております。
 ただ、特に一つお願いしておきたいのは、これは、交付税の中にはちょっとなじまないと思いますけれども、特交要因の中に、これを入れるんだということが流れただけで、そうした地域の市町村はやる気を起こすと思うんですが、いかがでしょう。それも入ってないんですよ。
#94
○国務大臣(安孫子藤吉君) 研究さしていただきます。
#95
○丸谷金保君 最後に、労働大臣、以上いろいろお聞きになったと思うんです。これはもう労働省の枠の中だけではちょっと処理し切れない、私はこの問題いろいろな要素を持ってきたと思います。ひとつその点で、こんなに通達出している、こんなにやっていると言っても、治療の面でも進まないから、どんどんどんどんふえてきて、保険経理はパンク寸前になっております。もうこれ以上は保険料率を上げるということはなかなか大変だと思います。それだけに、ある時期で潜在患者を全部洗い出すというふうな、思い切ったやはり手だてをして、すぱっと切るというふうなことを考えないと、いつまでも潜在患者がある、潜在患者があるから、一方では二時間規制守られない、そういう職場も挙げれば幾らでもあります。これは、目が届かないんですよ。
 たとえば帯広の労働基準監督署へ行きました。一方からの事業所が守備範囲にあるのに、これの監視をして歩く職員というのは四人しかいないんです。これはとてもできるものでないんです。各種のいろいろなことを、振動病だけを扱っているわけじゃないんです。
 それで、もう少し地方自治体、あるいは厚生省、建設省全体をくるめて、労働大臣の方が指導的役割りをとっていただいて、大蔵大臣もいま聞いていただいてますから、来年度あたり思い切った、これには結局一定の時期でぴたっと振動病なくするんだと、現に林野の労働組合がんばって、ぐっとなくなってきているところあるんですから。職業病はあってはならぬということを再三労働大臣も言っておられますから、潜在患者をまず洗い出す。重点的にどっかでそれをやるためには、こんな十億なんという予算じゃ、とてもとても問題にならぬと思うんです。ひとつ大蔵大臣、これ大変な問題でございますので、十分認識をしておいていただきたいと思いますし、労働大臣に、振動病を絶滅するための決意をここで披瀝願って、終わりにしたいと思います。
#96
○国務大臣(藤尾正行君) 御指摘のとおり、振動病といいまするものが、ただ単に林野部門ということにとどまらず、これがオートバイでございますとか、あるいはミシンでございますとか、あるいは建設機械でありますとかいうような広がりをもちまして、なかなかその根絶ができていない、こういった職業病といいまするものを私どもは根絶をいたしたい、また根絶をしなければならぬ、そういう任務を持っておることは御指摘のとおりであろうと思います。
 これは振動病だけではございませんで、私どもが扱っておりまするけい肺にいたしましても同じでございまするけれども、なかなか取り組みまして絶滅をするというようなことは、簡単に口で言いましても、二十年、三十年、四十年かかるということもあるわけでございますから、これから先にそのような被害者に対して非常に御迷惑をかけるというようなことがあってはならぬわけでございますから、仰せのとおり、ある時点を目しまして、絶滅をさせるための広範、かつきわめて行き届いたそのような措置をとっていかなければならぬ、かように考えます。
 予算的な措置につきましては、大蔵大臣あるいは農水大臣、厚生大臣、自治大臣等々とも十二分にお話し合いをさしていただきまして、御趣旨に沿うような努力をいたしてまいりたい、かように、思います。
#97
○丸谷金保君 実は、これでやめようと思ったんですがね、一つ気がかりなのは、三十年、四十年というふうなきわめて含みのある御答弁をされるんでね、これ少なくとも新規を起こさないというためには、林野の労働組合がんばって、いろいろな協定を結んだことで、がたっと減ってきているという実例もあるんですから、時間の制限とか、そういうことがきちっと守られて、新しい機械を全部に持たせるようにすれば、それだけでももう百分の一にも千分の一にもなっちゃうわけですよ。その程度のことは、本気でやる気になれば、来年くらいまでにはできなきゃならないんです。そしてそのためには、潜在患者だけはきちっと一遍洗い出す、いつまでたっても、十何年たっても潜在患者だなんて、そんなばかなことないです。ですから、そんな二十年、三十年なんて言わないで、ひとつ大臣の在任期間中、まだ十一月まであるというんですから、その間に抜本的なひとつ大方針をお願いいたします。もう一回その点について決意を。
#98
○国務大臣(藤尾正行君) 私が三十年、四十年と申し上げましたのは、この振動病の治療、完治、こういうことにつきまして、医学が今日まで非常な努力をしておりますにかかわりませず、なかなか完治をしてこない、そこを申し上げておるわけでございまして、新たなこういった振動病にかかられる方をなくするということはこれは別でございますから、こういったことに三十年、四十年かかるというようなことを申し上げておるわけではないわけでございますので、その点は誤解のないようにしていただきたいと思います。
#99
○委員長(野田哲君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十二分開会
#100
○委員長(野田哲君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#101
○峯山昭範君 それでは初めに大蔵大臣にお伺いをいたします。
 今回の日米首脳会談につきましては、本来ならばきょうのこの決算総括に外務大臣においでいただきまして、種々お伺いをしようと思っておりましたけれども、衆議院の方で外務委員会が開かれているそうでございますので、大蔵大臣の所轄のところだけ、二、三お伺いをしてみたいと思います。
 今回の首脳会談について、大蔵大臣は、共同声明等も出されているわけでございますので、もうそれぞれお聞き及びのことと思いますが、今回の首脳会議をどのように評価していらっしゃるか、大蔵大臣のお考えを初めにお伺いしたいと思います。
#102
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは日米両国が安保条約を結んでおる国同士でございますから、非常に仲のいい国であって、このことについて将来もこの友好関係を持続し、その基盤を強固にしていくという意味で話し合いが行われたものでございます。そういう意味において、日本もアメリカも政権がかわったわけでございますから、新しいスタートに当たって、意識を一致させるということは非常に大切なことだと、かように考えます。その中身は、共同声明に盛られているように、国際情勢の認識、あるいは世界の経済の問題や、また日米のいろんな経済の関係、そういうようなことについて意見の一致を見たものと考えています。したがって、私は高く評価をいたしておる次第でございます。
#103
○峯山昭範君 そこで、今回の共同声明の第一項で、総理大臣と大統領は、「日米両国間の同盟関係は、民主主義及び自由という両国が共有する価値の上に築かれていることを認め、両国間の連帯、友好及び相互信頼を再確認した。」、こういうふうに述べているわけでございますが、今回の共同声明で、初めてこの日米関係につきまして、大臣がいまおっしゃいましたように、従来から一般的に同盟関係ということは言われていたわけでございますけれども、共同声明の中にこういうふうに盛り込まれたということは初めてであります。これは最近の新聞報道等、また世論のいろんな動き等を見ましても、この同盟関係が盛り込まれたことの意味ですね、これは非常に今後重要な問題であろうと思います。特にいわゆる防衛問題、軍事力の強化という問題では、国民の立場から見ましても、これは大きな今後の問題点になるであろうと思います。この点についてはこれからそれぞれの委員会で、国民に対して納得できるような説明がなされるであろうと思います。そこで、これは大蔵大臣の立場からで結構でございますが、こういう問題について、特に今後防衛力の増強というふうな問題も含めまして、大臣の肩にも、やっぱりこの同盟という問題の深く広い意味がのしかかってくることはもう明らかであると私は思います。そこで、大臣はこの問題についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、この点についてもお伺いをしておきたいと思います。
#104
○国務大臣(渡辺美智雄君) 同盟という問題の持つ法律的な意味合いというものは、私担当が違いますからつまびらかでございません。所管の大臣に承っていただきたいと、かように考えます、私といたしましては、非常に強いきずなで結ばれた日米の関係というように解釈をいたしております。現実の問題といたしましても、防衛のみならず、経済の問題等においても、日本の経済破綻も困りますが、アメリカの経済破綻というようなことも、これは日本ばかりでなくて、世界的に困る問題が起きるわけでございます。やはり両国が助け合っていくというからには、自分の方だけよくしてもらって、人のことは構わぬと言っても、なかなかこれは通用しない話でございまして、やはりお互いに共存共栄といいますか、お互いにできるだけのことは、それぞれ主権は違いますけれども、その範囲の中において助け合っていこうじゃないかと、こういう意味であると、さように考えております。
#105
○峯山昭範君 大臣がおっしゃる意味、よくわかります。よくわかりますが、これは非常に重要な問題であろうと思います。今回の鈴木総理とレーガン大統領とのたとえば防衛問題に対するそれぞれの意見の開陳のところでも、非常にレーガン大統領にやわらかい表現でうまくやられてしまったような感じのところがずいぶんあります。
 そこで、大臣のやっぱり関係のところについてでございますが、防衛費ですね、これは来年度の予算編成も間近に迫っているわけでございますが、最近の新聞報道等を見ますと、防衛費は特別扱い、あるいは別扱いというふうな見出し等が相当大きく報道されております。また、十日付のこれは読売新聞、私の手元にありますのは読売でございますが、この新聞によりますと、鈴木総理の日米首脳会談でのこの問題に絡みまして、ワシントンで同行記者団と懇談した中で、六月初旬の予算シーリング設定の段階では特別扱いをしないで、平等にむだの節約を行うと、こういうふうにしながらも、予算編成の段階では防衛を重点政策として自然増収分を傾斜配分する方針を明らかにしたとか、あるいはその後の新聞によりましても、これは大蔵省は九日増税なき財政再建のため、前年度比伸び率ゼロを原則としている五十七年度予算の概算要求枠作成の中で、経済協力費と防衛関係費の一部については別枠とする方針を固めたという報道がなされております。この真偽のほどがわかりませんので、大臣の方からこの問題について、具体的にどういうふうなことなのか、まだこれからの方針等についても、あわせて御所見をお伺いしておきたいと思います。
#106
○国務大臣(渡辺美智雄君) 予算のシーリング枠の設定につきましては、一つは時期の問題、これについてはいまのところ六月上旬にシーリング枠を各省庁に示したいと、そう考えております。
 それから、シーリングの中身の問題でございますが、現在のところいろいろなものについて特別扱いということは念頭に置かないで、他の経費と同様に、まず厳しい削減方式を検討していくことが先ではないかと、さように考えております。まあ防衛の問題は財政当局だけで決められる問題ではございませんので、これは高度の政治的な問題でございますから、最終はどうなるかわかりませんけれども、当面私といたしましては、そういう特別扱いということは念頭に置かないでやってみたいと考えております。
#107
○峯山昭範君 特別扱いは念頭には置かないが、シーリングの段階までは特別扱いはしないで、いわゆる予算編成の準備を進めると、それから先どこら辺で特別扱いをするというんですかね。これは大蔵省首脳っていう言い方をしておりますけれども、別枠扱いをする段階というのがある程度どこかであるような感じの報道になっているわけでございますが、これらのニュアンスは大蔵省からある程度出ているんじゃないかと私は思うんです。しかも、今回の首脳会談を踏まえて、いわゆる報道がなされているわけでありますので、そういう点も踏まえまして、もう一遍大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。
#108
○国務大臣(渡辺美智雄君) 新聞の匿名の記事について、全部私が責任を持つわけにはいかないわけでございます。そういうことを話したというのは私でないことは明らかでございますから、首脳というのはあとだれがいるのか、個別に当たってみたんですが、どうもはっきり私が言いましたという自白をしている人は一人もいない。ある社は私の写真入りで出しましたものですから、中身は私が言ったというわけじゃないんだが、ただ私の写真が入っていて、大蔵省首脳語るとなると、私が言ったように思われるから、そういうのは困りますということで、事務当局からきちっとそれについては申し入れをしたはずでございます。
 御承知のとおり、経済協力というような問題については、過去五年間の倍にするというようなことを言っておるわけでございますが、それはいつの時点でどうするかということは言っておりません。これから五年間で過去五年間の倍にする。だけれども、来年、再来年はことしと同じで、その次あたりは三倍ぐらいにして結局は倍にするか。そのときの経済事情、財政事情との見合いがございますから、倍にすると言っても、来年から十何%ずつ上げるということを決めたわけでもございません。平均すれば一二%弱ぐらいの平均伸び率にしないと、経済協力を五年間で倍にするということは不可能ですね。しかし、財政事情が厳しいときはゼロで、少しよくなったら二〇%にするという手もないわけではないわけでございますから、そこらのところはまだ実際のところ決まっていない。したがって、さしずめわれわれは歳出カットというものを進める上においては、そういうような別なことを頭に入れないでまずやってみようということなんでございます。したがって、防衛予算につきましても同様でございまして、総理の声明でも、来年度からふやすというようなことを書いてあるわけでもございませんし、今後いろいろ、どういう内容であったのかも一切私どもも承知をしないと対応の仕方ができませんので、そういうことについてもよく聞いた上で、今後の進め方は相談をしてやってまいりたい。現在のところわれわれは、前に私が言ったとおり、一切別枠扱いをしないでやろうと考えておるわけであります。
#109
○峯山昭範君 この問題はまた別のときにやりたいと思います。大臣の御答弁聞いておりますと、非常に慎重な言い方をしていらっしゃるような気がいたします、実際問題として、総理のワシントンでの記者との懇談のお話の後段の方を見てみますと、大分防衛費の問題等につきましても、記者団からも追及がありまして、それぞれ総理なりに答弁をしていらっしゃいますけれども、しかし、この新聞報道見ましても、やっぱり予算編成段階では、防衛を重点政策として、自然増収分を傾斜配分する方針を明らかにしたというような記事も報道されておりますし、今後やっぱり重要な問題であると私は思っております。そういうような観点から、今後の機会にこの問題を議論してまいりたいと思っております。
 きょうは時間の関係もありますので、次に、大臣、減税の問題をきょうは二、三お伺いをしておきたいと思います。
 初めに昭和五十五年度の税収の見通しですけれども、最近の新聞報道等見てみますと、予想外に伸び悩んでいる、そういう報道がなされておりますが、この税収の見通し、実情は現段階でどういうふうな見通しになっているのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
 また、もし当初見込みよりも伸び悩んでいるとするならば、一体どういうところがどういうふうに伸び悩んでいるのか、どういう税目に落ち込みがあるのか、そういう点もできたら詳しくお伺いをしておきたいと思います。
#110
○国務大臣(渡辺美智雄君) 税収の具体的な数字の点は事務当局から説明させます。
#111
○政府委員(梅澤節男君) 現在三月末までの税収の実績が出ておるわけでございます。三月末までに収納済みの額は、二十二兆七百五十三億円でございます。この二十二兆七百五十三億円という税収額は、五十四年度の同期間の決算額に対しまして一一・四%の伸びになっております。ところが、五十五年度税収全体といたしましては、補正予算におきまして私どもが見積もりました額、これを五十四年度決算額と対比いたしますと、一四・四%の伸びになるわけでございます。したがいまして、三月末までの税収で押える限り、やや税収の動きが低調であるというふうに申し上げられるかと存じます。ただ、ただいま申しましたように、現在判明いたしておりますのは、三月末までの税収でございまして、実は今後年度間の税収全体に相当のウエートを占めます五月末の税収、これは主として法人の三月期決算の税収額を中心とする大きな税収のかたまりがあるわけでございますが、これが判明いたしませんので、年度全体を通じてどれぐらいの見通しになるかということを、計数的に現段階で申し上げられないという状況にございます。
 それから、後段の御質問でございますけれども、三月末までの税収を見まする限り、先ほど申しましたように、やや低調であるという印象を私ども持っておるわけでございますが、これは主として三月の所得税の確定申告の税収額が判明したわけでございますが、これが前年同期に比べまして約八%の伸びにとどまっておるということでございます。この確定申告の低調の背景につきましては、今後、各所得種類別に国税庁と分析の作業を進めなければならないと考えておりますけれども、確定申告の低調な所得の種類といたしましては、営業それから自由業を含めます事業所得の伸びが悪いということがございます。これの経済的背景といたしましては、恐らくマクロ的に見ますれば、五十五年暦年の後半以降、中小事業につきまして景況の立ち直りがややおくれておるという経済的な背景があるのではないかというふうに考えております。と申しますのは、法人税につきましても、三月末までの税収の状況をたどってまいりますと、中小法人の申告がやや低調であるということで、中小企業を中心といたしました景況の立ち直りが、当初私どもが見込みましたよりやや立ちおくれておるという背景があるのではないかということでございます。
 それからもう一点は、全般的に間接税の税収の足取りが悪いということは言えるかと思いますが、これにつきましては、たとえば酒税にいたしましても、物品税にいたしましても、季節的な商品がかなり含まれておる。たとえば昨年の夏が非常にいわゆる冷夏という気象条件を背景にいたしまして、季節的な商品の消費停滞というようなこともあるいは言えるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#112
○峯山昭範君 この租税及び印紙収入の特に見込みですね、これは初めの、大蔵省自身の見込み違いというのがやっぱりあるんじゃないか、私そういうふうに思うんです。たとえば、具体的に詳細にデータ等で調べてみますと、当初予算では前の五十四年度の補正後における租税及び印紙収入の予算額に比較をいたしまして、五十五年度の租税及び印紙収入の見込み額ですね、五十四年の補正後の予算に比べまして一二・九%の増を見込んでいるわけですね。それがことしの一月二十六日に国会に提出されました五十五年の補正後の予算の比率を見ますと、前年度補正後に比べまして一六%の伸びになっていますね。ということは、いわゆる一六%の伸びそのものが相当無理をしているんじゃないか。もっと端的に、具体的に言いますと、五十四年度と五十五年度両年度の補正予算を編成する十二月の時点で比較して見ますと、五十四年度補正を国会に提出しましたのは五十五年の一月二十四日ですし、五十五年度の補正予算国会提出は五十六年の一月二十六日ですから、両年度ともほぼ同じ時期になっていますね。それで、たとえば四月から十二月までの税収等の収納額を月別に対前年度比で五十四年と五十五年を比較してみますと、五十四年は四月が一三・五%、五月が一〇・七%、六月が二二・八%、七月が三〇・一%、八月が二四・六%、九月が一九・七%、十月が一七・五%、十一月が一一%、十二月が一四・四%というようになっております。これは五十三年度と比較すれば、数字はいまちょっと具体的に申し上げませんが、五十四年度の補正後の伸びを一〇・六%にしたというのは、前年度と比較してこの五十四年度の伸びというのはよく理解ができるわけです。一〇・六%というのは理解ができるわけです。ところが、五十五年度は、今度はこの五十四年度の補正後の伸びに対しまして、一六%増という大変高い率をしているわけであります。ちなみにこの五十五年度の四月からのデータを見てみますと、四月はマイナス三・五%、五月は一三・九%、六月一四・六%、七月一四・六%、八月一七・四%、九月一〇・四%、十月一〇・九%、十一月一六・八%、十二月九・二%というようになっておりまして、前年度と比較いたしましても、前年度の補正後の一〇・六%の伸びと、五十五年度の補正後の伸び一六%というのが大変高い数字になっているわけであります。したがって、この一六%増というこの大変高い数字を大蔵省当局が見込んだこの理由ですね、ここに大変無理があったんじゃないか、歳入欠陥ということになるわけですけれども、そういう点から見ても、これはこの数字そのものに初めから無理があったんじゃないか、こういうふうに私自身はそう思うわけですが、ここら辺のところは一体どういうふうになっているのか、一遍この点について御説明をお願いします。
#113
○政府委員(梅澤節男君) ただいま委員が御指摘になりました五十五年度の補正を行います以前、つまり、対当初で比べますと、一二・九%という数字であったことは御指摘のとおりでございます。それから前年の補正後の税収額と、五十五年度の今回の補正後の税収額を比較されまして、一六%という数字を御指摘になったわけでございますが、実は私ども五十五年度の補正後の税収の見積もりをやりました時点は、税収の実績が判明いたしておりますのは五十五年の十一月末の税収までが実績が判明しておった時点でございます。
 それともう一つは、ただいま御指摘になったわけでございますけれども、税収額を見直しをいたします場合に、特に前年と対比する場合に、この時点ではすでに前年度の決算額が出ておるわけでございます。実績が出ておるわけでございまして、私どももあくまで前年の実績額に対して税収をどれぐらい見積もるかという作業を、税目別にやるわけでございます。したがいまして、先ほど補正後補正後で対比すると一六%である、これは当初が一二・九%でございますから、過大見積もりではないかという御指摘があったわけでございますけれども、先ほどの御質問に冒頭お答え申し上げましたように、今回の補正後の税収額は、前年の決算に比べますと、一四・四%でございます。つまり、五十四年度補正後の税収見積額に対しまして、結局決算をいたしまして、約三千三百億円の増収額が出たものでございますから、その実績との対比から言えば、一二・九を一四・四に見直したということでございます。
 それからもう一つ、先ほども申し上げましたように、五十五年度の補正後の税収見積もりをやりました時点におきましては、十一月までの税収が判明しておった時点だというふうに申し上げたわけでございますけれども、五十五年の各月の税収額を前年同月比と対比いたしましてたどってまいりますと、五月から八月までの時点しり上がりに税収額が上がってまいりました。ちなみに十一月の時点では、五十四年の十一月税収に比べまして、一六・七%ぐらいの伸びを示しておったわけでございます。先ほども申し上げましたように、この税収の低調の原因については、大きく申し上げまして、先ほどもお答え申し上げましたように、中小企業を中心といたしました景況の立ち直りの立ちおくれ、それから間接諸税について若干税収の伸びが低調であるというふうに申し上げておるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、年度間全体を通じて、一体どれくらいの数字になるのかということは、三月決算の法人税を含めまして、五月末の税収が出た時点におきまして、確定的な数字が判明するわけでございますので、現時点におきまして、繰り返しになるようでございますけれども、確定的な見通しを申し上げる段階にはないということを御理解願いたいと思います。
#114
○峯山昭範君 それはおっしゃることよくわかりますけれども、いまおっしゃった数字を見ましても、たとえば十一月の一六・七%と、いま五十五年の十一月をおっしゃいましたね。これは確かにおっしゃるとおりなんです。私の手元にある資料が間違っていなければ、五十四年の十一月が一一%ですから、五十五年の十一月は一六・八%となっておりますが、これは確かに十一月は五十五年の方が伸びていますね。伸びていますが、それ以外のところは全部五十四年が大幅に伸びておりまして、五十五年はその前年の伸び率と比べてみましても、大分落ち込んでいるわけでしょう。そういうような点からも、この数字そのものを多少オーバーに見ているんじゃないかというふうに私は思うわけです。特に十二月なんていうのは、五十五年の十二月は九・二%ですし、五十四年の十二月は一四・四%ということになっておりますし、まあ数字だけやりとりしておっても仕方ありませんが、それじゃ逆に今度は一月から五月までの問題でございますけれども、これは特に二月、三月の税収の伸びが著しいというのは、これはもう例年のことでありますから、そう問題はありませんけれども、たとえば五十五年の一月から五月までは、五十五年の一月は一七・四%、二月が一九%、三月が二四・六%、四月が二〇・九%、五月が一四・二%というふうになっておりますね。それに比べまして五十四年の方は、五十四年の一月からは二〇・八%、一六・七%、一八・一%、一六・七%というふうになっておりまして、先ほど申し上げました五十五年の一月からの方が、五十四年の一月からより大分落ち込んでいるわけです。こういうふうに見てまいりましても、やっぱりこの前年の実績に比べて、今年度の税収の伸びが、前年ほど期待はできないというふうなのは、こういうような数字からも初めから明らかであったんじゃないでしょうか。現実にそうなっているわけでありますから、これは要するに簡単な予想の間違いとかということでは済まない問題でありますし、今回のこの減税の問題と大きな関連を持ってくるわけでございますが、こういう点と絡み合わせまして、やはり大蔵当局の見込み違いというのが、やっぱりこれは現実の問題として出てきているんじゃないかと、こういうふうに私は思うわけですけれども、この点についてももう一遍お伺いしておきたいと思います。
#115
○政府委員(梅澤節男君) ただいま五十四年度の各月別の税収額の伸び率と対比されながら御指摘があったわけでございますが、傾向として特に顕著な点は、御指摘にもございましたけれども、たとえば三月分の税収を前年と比較いたしますと、税収全体で三・三%と非常に低い伸び率になっているわけでございます。三月分の税収につきましては、大宗を占めますものが先ほども申し上げました五十五年分の確定申告の税収額でございます。税額全体といたしまして、五十五年三月の確定申告の伸びは八%にとどまっております。補正予算の税収の見積もりの段階では、私どもこれを十数%ぐらいの見込みを立てておりまして、三月末で税収を押さえる限り、非常に低調であるという一番大きな原因は、事業所得を中心といたしまする確定申告が不調であったということでございます。法人につきましては、これは毎月決算期が分散いたしておりますし、各月ごとに景況等をたどりながら、分析が可能なわけでございますけれども、御承知のように、申告所得税は、年二回の予定申告がございますけれども、これは前年の税額を反映しているにすぎない。極端に言ってしまいますと、三月の確定申告のふたをあけてみないと、所得税の確定申告の税収額の見積もりというのは非常にむずかしい問題があるわけでございます。そういった点もございまして、かたがた先ほども申し上げましたように、中小企業の景況の立ち直りが予想以上におくれたという点を反映いたしまして、三月末までで押さえます限り、見込み額よりも税収の状況が低調であるという状況にあるということでございます。
#116
○峯山昭範君 それでは、この問題余り細かく議論しておりますと時間ありませんので、端的に申し上げますが、この補正予算の編成時に当初予算より七千三百億近く増額をしていますね、それ自体がこの補正予算を組んだ時点において、それまでの税収の実績等から見れば、これはやはりかなり無理があるなということは、大蔵省当局としてはわかっていたんじゃないか、これはもう一般的にそういうふうに言われているわけですね。もっと逆に言いますと、ことしの衆議院のあの議長裁定の時点において、これは剰余金が発生して減税を行うということはとてもできないと、とてもそういうふうな剰余金が出ないのではないかというふうなことを大蔵省当局はもうあのときにわかっていたんじゃないか、こういうふうに言う人もいるわけですけれどもね、こういう点を含めて、この問題についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、この点もちょっとお伺いしておきたいと思います。
#117
○政府委員(梅澤節男君) 五十五年度の税収を見積もりました時点におきまして、実績が判明しておったのは五十五年の十一月までであるということを申し上げておるわけでございますが、私ども五十五年度の補正予算の段階で、税収の見積もりをやります場合に、御指摘のように、過大見積もりを意図的にやったということは毛頭ございませんで、私どもはあの時点におきまして、適正な資料に基づきまして、確実に見通しを見込める税収額をはじいたわけでございますけれども、先ほど来申しておりますように、その後情勢が必ずしも私どもが当初考えたようには動いてまいらなかったということでございますので、当初からその過大見積もりを意図してやったということではございませんことを御理解願いたいと思います。
#118
○峯山昭範君 これは意図してやったということになると大変なことでありまして、当然そういうふうなことはないとは思いますけれども、現実にそういうふうになってきたということは、もう事実としてこれはもうどうしようもない問題であります。
 そこで大蔵大臣、これは非常にいま問題でありますが、先ほどから審議官の方が答弁してくださっているわけでございますが、その答弁の中にもありましたが、いわゆる税金の伸びが悪いということで、なぜその伸びが悪いのかというふうな話の中に、確定申告が非常に不調であった。申告所得の伸び率が非常に悪かったという話があるわけであります。この問題は非常に大きな問題であろうと思います。実際問題として、これは不公平が一層拡大するということで、源泉徴収を取られている一般サラリーマンからいたしますと、今後の大きな問題に私はなると思います。
 それで、この問題は特に大事な問題でありますし、いろんなデータを調べてみますと、前年同月比で、源泉徴収の方は五十五年三月が二〇・一%の増で、五十六年三月は一九・七%の増で前年度と比較しましても、ほぼ同じぐらいの伸び率を示しておるわけですね。
 ところが、この申告所得、確定申告の方は、五十五年の三月が二七・九%の増であったのが、五十六年の三月では八・三%、したがって、五十五年の三月に比べまして三分の一弱の伸びになっているわけですね。これが申告所得税が大幅に予想より下回ったという今回の大きな問題の一つになっているわけであります。
 そこで、これから先は大臣の話になるわけでありますが、最近の五月八日付の新聞を大臣も見られたと思いますけれども、「〃節税〃に負けた大蔵省」とか、「開業医だけで一千億?」とか、そういうような新聞がいっぱい出ております。私もたまたまきのうある本屋さんに行きまして、中央公論の六月号をちょっと読んでおりましたら、その問題が出ておりまして、大臣にちょっとだけ御紹介をいたしますと、
  「節税は男の最高のインドア・ゲームである」と言われているそうであるが、税法が複雑であればあるほど、クイズを解く楽しみに似たものがあるといってよいだろう。
 そういうことから始まりまして、これは大臣、実際こういうようなことがあるのかどうか私はちょっとわかりません、わかりませんが、
 高額所得者である医者が金持ちの患者の手術をして手術料をもらっても、金持ちの方は実際に払った金の何十倍も稼がなければならないし、一方、金をもらった医者の方ももらった金の十分の一も手元に残らない。それなら、「ヨットはもっていますか」、「何月何日から何日まで、そのヨットを貸してくれませんか」、「できれば、その時、ヨットのなかにスコッチの二ダースも積んでおいてくれませんか」、「それなら手術料はなしということにしておきましょう」、といった取引をする話も載っている。高額の所得税をとられるのは、所得を発生させるからである。所得を発生させなければ、そもそも所得税をとられる心配はない。それならば、お互いに所得を発生させないで、生活が享楽できる手立てをした方がトクではないか、金銭の授受をせず、サービスを提供したり、実物を給与すれば、所得が発生する心配はないから、お互いに助かるのである。
 こういうことから始まりまして、要するに税金をいかにごまかすかと言ったらおかしいですけれども、ごまかすわけじゃない、節税をするわけです、この人の言い分によりますと。それでついに、「〃節税〃に負けた大蔵省」「開業医だけで一千億?」と、こう新聞に出ておるわけですね。
 確かにそういうふうな意味でまいりますと、こういうようなことを聞いておりますと、源泉徴収をされておりますサラリーマンの立場からいたしますと、大変憤慨にたえないわけであります。それで、現実にもっと詳しいことはいっぱいあるわけですね。現実にこの新聞等にも報道されているとおりでありますが、こういうようなことが許しておけるのかどうか。しかも今回はたった八%ですか、伸び率が。前年度の本当に二七・九%増からいたしますと、八・三%なんというのは、これは本当に大問題だと私は思うんです。大蔵省当局もこんな予想はしてなかったろうと思うんですがね。そういうような意味では、ここら辺のところはもっと徴税当局としても、また大蔵省当局としても、この問題についてはそれなりの対応があってしかるべきではないかと私は思うんですが、ここら辺のところはどうでしょうかね。
#119
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは雑誌ですから、興味本位にやっぱり書いておるところもかなりあるんじゃないか。したがって、それが全体の実相だというふうに私ども思っておりません。ごく中にはまれにそれに似たようなものがあるいはあるかもわかりませんが、私はそれをもって全体を推しはかることは間違いだと、そう思っております。やはり事業所得の税金の伸びが悪いということの一つは、ともかく中小企業者が、大企業は景気がよくて設備投資なんかも旺盛なんだが、中小企業は非常に景気が悪くて設備投資もないということを、世間でこれはみんな言われているわけですね。そういうことが申告の面で一つ出ていると、私はそう思います。中には非常に好況の業種もございましょう。そういうのは非常に現在所得税の累進構造がきついものですから、ともかくもう八千万円以上だと八割取られてしまうわけですから、しかも現金で所得が出なくても、工場をつくっても、在庫にたまっても、売掛金になっておって、取れるか取れないかわからなくても、やっぱり所得計算上所得になってしまうと、こういうような問題もあって、好況のところは意外とサラリーマン化してしまうと、みんな会社をつくって、サラリーマンだけの月給をもらえればいいというようなことで、肩がわりをする。医者の会社なんか医療法人がどんどんふえておったり、医療の会社がふえるなんというところもそういうところから一つ出てきているのじゃないかと、そう思っております。そのこと自体をわれわれはとめようとしても、これはみんなやっていいことになっているわけですからね、法人にすることは。医者の場合は、それを保険医として指定するかしないかという別な問題がございますが、一般の事業所なら法自由に法人化することはできる。そういうような点とか、いろいろなものが絡まって、私は事業所得の伸びが悪かったのじゃないかと、脱税のために事業所得が悪かったというようには考えておりません。
#120
○峯山昭範君 いや、これは大臣ね、私も大臣がおっしゃるように、これが全部だとは思いません。思いませんが、実際問題として、現実にそういうふうな税収の上で、前年度の伸び率、いわゆる源泉徴収のサラリーマンの皆さんの伸び率等比べてみましても、何というのか、伸び方が全然違うわけですね。これはちょっとやそっとのことではないだろうと私は思うんです。やっぱり中にこんなことをする人がちょっとだけいるからというのではなくて、全体の傾向はそういうふうにあるから、こういうふうに大きく狂ってくる。そういうような意味では合法的であったにしても、やっぱり税を徴収する皆さんとしては、それなりの対応策は必要ではないか。またその徴収の仕方ということについてもそれなりの必要があるんじゃないか。そういうふうなことが、これはサラリーマンの立場から言いますと、クロヨンとか、トーゴーサンとかいろんな問題が言われているわけでありますし、そういうような観点からも、税制の改正という問題も含めて、不公平を少しでも解消する方向に考えていくべきではないかと、こう思うわけですがね、どうでしょうか。
#121
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは制度の問題ではなくして、要するに現実に所得の把握の問題だと、制度の上では私はそういう不公平はないと思うんです。問題は所得の把握の問題で、中に把握されない人があるんじゃないか。結局実調率が足らないから、そこで落ちこぼれがあるんじゃないか、こういう御指摘が往々にしてございます。私は、それは否定はいたしません。極力把握されるようにしていかなければならぬが、ただ一般にクロヨンというようなことは何を基準にしてそういうことが出てきたのか私にはよくわからない。これは現実の問題として、農業にしても、所得の隠しようがないのですよ、たんぼ隠しちまうとか、畑隠しちゃうとかというわけにいきませんしね。問題は中小企業なんですよ。したがって、中小企業の場合は、ちょっとよくなると、みんな法人にして会社にしちゃうのですよ。ともかくお医者さんだって、月五百万円とか三百万円の月給取りとか、二百万円とかというのはいっぱいあるそうです、それは。だから、それはサラリーマンですから、サラリーマンの所得税はぴちっと払うわけですからね、これは。そのかわり事業所得の方はがばっとへっこんじまうと、だからよくなるとみんな会社になって、自分はサラリーマンになって給与所得者になっちゃうと、そういう傾向が強く出ておることは事実なんです。ですから、これは税率構造の問題などとも私は関係のあることじゃないかと。いずれにいたしましても、実態をさらに調査をいたしまして、世間から誤解を受けないようにやらなければならないと、さように考えております。
#122
○峯山昭範君 それでは端的に申し上げます。
 大臣、もう一つ、今回のこの歳入欠陥といいますか、税収が大分落ち込んだことの一つに、先ほども審議官の方からもお話ございましたが、いわゆる景気対策ですね。これは、もうちょっと早く講じておくべきではなかったのかと、特に五十五年度の補正予算の段階で、思い切った景気対策を講じていれば、現在のような落ち込みはなかったのではないかという、そういうふうな話がいろんなところへ出てくるわけでありますが、この問題については大臣どうお考えですか。
#123
○国務大臣(渡辺美智雄君) 景気の落ち込みという問題については、いろいろな原因がございますが、一つは異常な消費者物価高、もう九%近くまで八月ごろはなったわけですから、日本にとってみれば、第一次石油ショックに次いでの大きな物価高なわけです。これが個人消費の足を意外と引っ張ってきたと。何と言ったって、全体の国の消費の中で、半分以上は個人消費によって支えられているわけですから、そのために景気が落ち込んでいると、こう言われたわけであって、そこでわれわれとしては、要するに物価の動向を見ながら、一方海外の金利の状況、ソートの状況等も勘案をして、公定歩合を三回にわたって下げたと。それで、結局これは景気対策というものと、物価の問題というものは、裏表の関係にございますから、余り景気対策のつもりで物価を押し上げちまうと、逆に景気減退になっちまうということでございますので、そこらのところは慎重にやらなきゃならぬ。したがって、私は景気対策というものもそれぞれやってきておりますが、そうおくれたとは思っておりませんし、現在も、最近におけるデパートの売り上げなどは、物価の安定ということと、今後ベアの状況がどうなるか、大体落ちついたと思うんですが、最近はデパートの売り上げなどは比較的願調に伸びておるというように承っておりますので、私はそう立ちおくれを来したというようには考えておりません。やっぱり物価という問題を横目に見ると、そう早まってやることもいかがなものであったかと、かように考えております。
#124
○峯山昭範君 それでは大臣、いよいよもう例の議長裁定が出まして、みんな期待して待っているわけでございますが、実際問題どうなるか、これ本当にもう大臣の動きをみんな見守っているわけでありますけれども、御存じのとおり受け皿もできましたし、お約束が絵にかいたもちでは非常に弱るわけでございますが、また先日の新聞報道によりますと、大蔵大臣は、いつも赤字国債を発行してまで減税するわけにはいかないということを口ぐせのようにおっしゃっているわけでありますが、それにもかかわらず、この五月八日付の新聞報道によりますと、赤字国債を発行しても減税を実施したいというふうな意味の、これもまた大蔵省の首脳ですから、だれが言ったのか知りませんが、現実に新聞に載っているわけであります。大変大きな見出しで載っておりまして、大臣、これ大体大臣の腹づもりと言いましょうか、やるつもりがあるのかないのか、これは全くゼロということはないと思いますが、どこら辺まではいまのところいけるのか、これは大臣の現在の心境とあわせてお伺いしておきたいと思います。
#125
○国務大臣(渡辺美智雄君) 五月八日付の毎日新聞の記事というのは、先ほど私が言ったように、大蔵省首脳というが私じゃないんですよね、私言ってないんだから。しかも、私の写真入りで書いてあるものだから、大蔵大臣が言ったことにされちゃっているわけですよ。それで、大蔵省の中で首脳捜しをやってみたんだ。ところがだれもいないんです、言った人が。ですから、これは新聞社には、ともかく大臣でないのに大臣の写真を入れたら大臣になっちまうじゃないかと言って実は抗議しておいたことは事実なんです。したがって、こういうことは考えてないんです。
 われわれとしては、要するに、いつも私が、いまおっしゃったように、一方で非常に増税をしながら、他方また公債もよけい発行しておって、なかなかもう減税できませんという当局としての立場を表明してきたんでございますが、ともかく議長裁定ということで、与党も含めてそいつに従うという政治決着があったものですから、われわれといたしましては、まあ持論は持論として、それはもう国会で議長さんの裁定が出たんだから、その議長裁定には忠実に、あの書いてあるとおり、文字どおり、それよりも前にも出ないし、後にも出ないし、全く忠実にひとつ従おうということを言って、そういう点では転換をしたわけです。しかしながら、では幾ら剰余金が出るのかということになりますと、先ほども言ったように、競馬会は確かに三百何十億円かよけいに剰余金が出ていますよ、これは十二月締め切りですから。しかし、三月締め切りの分は、予算の不用額の分はまだわからないんです、予備費だけはわかっている、九百七十九億円、それから、競馬会とか、あとは、不用額の点もわからない。税収の問題も四月、五月の大口がどかんとこれ入るから、会社が景気がよければ、三月決算のやつが五月にどんと入ってくるわけですから、入らないということも言えない。ただ、三月までの状況ではどうも足りないようだということだけれども、五月を見なければわからない。したがって、これは本当に額を言えと言われても、わからないものはわからないんですから、それはもう幾ら言われましてもなかなか申し上げられないということを御了承願いたいと存じます。
#126
○峯山昭範君 大臣、わかっていてもわかんないとおっしゃっているかもわかりませんが、新聞にはえらい詳しく書いてあるんです、一世帯当たり幾らとかね。それは大臣、わかんないならわかんないで結構ですが、国民の方は一日も早くどのくらいになるかということを知りたいというのは、これは当然であります。ぜひ一日も早く大蔵省の方でも裁定に基づいてまとめていただきたいと考えております。
 それでは次に、官房長官お見えになりましたので、これは官房長官並びに大蔵大臣にお伺いをしたいのでありますが、きょうこれからあと十五分近くしかございませんので、端的に申し上げます。
 官房長官、決算委員会でいつも私たちが指摘をし、会計検査院の検査報告の問題につきましては何回か議論をいたしております。それはぜひむだ遣いをやめてもらいたいということを私は言いたいわけであります。それはなぜかと言いますと、きょうは参考人の皆さんもたくさんお見えになっておりますけれども、これは一人一人具体的に実情をお伺いしてもいいわけでございますが、きょうは時間の関係係で、しかも、官房長官もお忙しいでしょうから、端的に申し上げますと、一つの例としてきょうは取り上げます。
 要するに、会計検査院の検査報告が出た場合に、自分の省庁の指摘があると、その自分の省庁の指摘のところはちゃんと見るわけです。ちゃんと返事をしなきゃいけませんし、きちっとしなきゃいけませんので見るわけです。ところが、自分のところと関係のないところはまるっきり見てない、こういうことが現実にあるわけです。ところが、よその省庁で指摘された問題が、自分のところに関係がないかというと、全部関係があるわけです。その具体的な例として申し上げますと、これは一番わかりやすい問題として取り上げました。たとえば、電気料金の支払いが不経済であると会計検査院が指摘をした問題があります。これはたとえば具体的に申し上げますと、昭和五十二年に中央競馬会と宇宙開発事業団、二つの競馬会と事業団で電気料金の契約がおかしいという指摘を受けたわけであります。たとえば中央競馬会の場合は、福島の競馬場で東北電力と契約電力千三百キロワットの契約をしたわけです。したがって、この契約電力に基づきまして電気代を支払いするわけであります。したがいまして、電力料金もそれだけ高いわけであります。ところが、中央競馬会の福島競馬場では、四十八年が千百六十キロワット、四十九年が六百八十キロワット、五十年が七百五十キロワット、五十一年が七百十キロワット、五十二年が七百七十キロワットというように、いわゆる契約電力の千三百キロワットよりずっと少なくなっているわけです。そして、会計検査院は九百キロワットが妥当であると、こういう勧告をしたわけです。そして、九百キロワットに契約電力を改定したわけですね。そうしましたら、それだけで五十二、五十三年度の二年間で、中央競馬会としては六百七十万円の節約になったと、こういうわけです。これはわざと簡単なわかりやすいやつを取り上げたわけであります。
 ところが、これと同じ問題が、きょう皆さんお見えになっていらっしゃるわけでございますが、五十三年には日本国有鉄道、雇用促進事業団、五十四年には外務省、運輸省、動燃の事業団というように、指摘した分だけでもこうあるわけです。そして、会計検査院が指摘して料金を改めた分だけでも一億以上に上がるわけであります。これはいま調査した分だからこれだけですけれども、たとえば現実に外務省の方では、きょうお見えになっていらっしゃいますね。これは外務省の本庁舎です。東京電力と三千七百キロワットの契約をいたしておりまして、ところが実際はその契約電力よりうんと下回っていると。五十年が二千九百十キロワット、五十一年二千八百二十キロワット、五十二年が二千八百八十キロワット、五十三年が三千キロワット、五十四年が二千八百八十キロワットの最大需要電力なんですね。これから計算をいたしますと、会計検査院は三千三百キロワットあったらもう十分じゃないかということで、三千七百から三千三百に変えたわけです。これだけで千九十万円のいわゆる電気代の節約になっているわけです。これは全くむだ遣いもむだ遣い、全く必要でない電気代を払っているということになります。こういうような問題、まだ運輸省もいっぱいあるわけでございますが、もう詳しく申し上げません。こういうふうな問題は、これは少なくとも行政官庁全部チェックすれば、いっぱい出てくるんじゃないが、しかも、外務省の三千七百から会計検査院は三千三百と指定していますけれども、過去の最大使用電力でも三千キロワットなんですね。三千三百というのは大分余裕を見てやっているわけです。こういうふうな、これはやっぱり会計検査報告をちゃんと見てないんじゃないか。きちっと見てればね、よそが指摘された、うちはどうなんだということで、どなたか責任者がきちっと見て、うちはどうなっているかと一言聞いてもらえば、庁舎ができたときに、東京電力と契約したその電気の最大需要電力と、実際はどうなっているか、その差が余りひどければ、これは改めて契約をやり直せば電気代がもっと下がるわけですから、こういうふうなことは当然私は政府としてやるべきではないか。そうするとそういうふうな意味でのむだは十分省けるということをきょうは言いたいわけであります。それで、本当は細かくいろいろとやりたいと思っておりましたけれども、もう時間の関係で細かくやりませんが、いずれにしてもこういうふうな問題がこれ現実にあります。それで、これは会計検査報告というのを検査院から印刷して各省庁にお配りをしているわけであります。しかし、検査報告というのは、自分のところに関係のあるところは見るけれども、そうでないところは見ないというのでは困ります。これだけじゃないわけです。もっとほかに文房具の購入の問題とか、大蔵大臣、これはそういうふうな意味で節約できて節約しなきゃならないところがたくさんあります。そういうふうな意味で、これはきょう官房長官、大蔵大臣いらっしゃいますから、閣議なり何なり、あるいは何もそういうえらい人の会合でなくても、次官さんの会合とか、そういういろんな会合で、ぜひこういうところはチェックしていただいて、こういうむだをなくしていただきたいと私は思うわけでありますが、この点について、両大臣から御答弁をいただいておきたいと思います。
#127
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま御指摘の点はいかにもありそうなことで、ごもっともな御指摘だと思って伺いました。不正はこれはもとより問題になりませんが、いまのような、つまり電力の契約が過大であったというようなことは、少なくとも不注意に基づくものでありまして、そういうことは各省で類型的に幾つか同じような不注意――不正はもとより問題じゃございませんけれども、注意をすれば避け得るようなケースが、類型的に幾つかあるのではないかということは十分考えられることでございます。そういう意味では会計職員のやはり研修も私は必要だと思いますし、昨年暮れも閣議で総理大臣から特に閣僚に注意をしてもらったわけでございますけれども、不正ばかりでなく、いまのようなケースについても、ことに会計職員には注意をしてもらいますように、政府部内でよく徹底をしてまいりたいと思います。
#128
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も官房長官と全く同意見でございまして、私はいまのただいま御指摘のようなものは、これはもう各所にあるんじゃないかと。やはりそういうものは、ちりも積もれば山となるで、かなり大きな金額になりますから、私は会計検査報告というのは、少なくとも他の省のものであっても、経理担当者等は全部日を通して、自分の方に同じようなケースがないかどうか反省をするということは大切なことなので、ひとつ励行してもらうように要請をしたいと考えます。
#129
○峯山昭範君 きょうは国鉄の皆さん、また雇用促進事業団、外務省、運輸省それから動燃の皆さん、大変お忙しいところをおいでいただきましてまことに恐縮でございました。
 以上で私の質問を終わります。
    ―――――――――――――
#130
○委員長(野田哲君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、坂元親男君及び仲川幸男君が委員を辞任され、その補欠として関口恵造君及び岡部三郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#131
○柄谷道一君 質問に入ります前に、私は民社党・国民連合を代表しまして、本日議題となっております予備費関係等七件について、若干の要望を申しておきたいと思います。
 その使用状況について精査いたしましたが、いずれも必要と思われる経費であり、使用目的を特に逸脱していると認められませんので、賛成の意を表するものでありますが、ただ五十五年度農林水産省所管で、水田利用再編成対策費五百九十八億円を含む七百七十九億円等の多額の予備費支出があることでございます。これらは私は当初予算または補正予算の中で、前もって計上できたのではないかと、こう思われます。しかも、加えてこれらの予備費支出は不用額を出しているわけでございます。今後、多額な予備費使用につきましては、できる限り当初予算に計上するという、厳正な姿勢がとられてしかるべきであると、私はこう思います。この点に対する財政当局の今後の善処方を求めておきたいと、こう思うのでございます。
#132
○国務大臣(渡辺美智雄君) 予見できないもののために予備費があるわけですから、予見できるものについては、あらかじめ当初予算に計上するというのが当然だろうと思います。しかしながら、いろいろな関係で、例年行われるようなことであっても、なかなか計上できない場合も実はないわけではございませんが、極力そういうものは少なくするように今後も努力をいたします。
    〔委員長退席、理事佐藤三吾君着席〕
#133
○柄谷道一君 質問に入りますが、鈴木総理は行財政の改革による、いわゆる増税なき財政再建に政治生命をかけるとの強い決意をたびたび本院でも表明されております。
 新聞の報ずるところによりますと、四月二十七日、首相官邸に第二臨調の委員、専門委員を招いて懇談されました際、行財政改革は天の声であり、この機を逃せば二度と改革はできない、私はすでに川を渡っており、後ろを振り向いても、もはや橋はないという決意でやっておると述べられまして、不退転の決意を表明されたと、こう報道されております。また、その際総理は、答申の内容次第ではあるけれども、情勢が厳しいのは五十七年度単年度だけではない、財政再建中も厳しく抑え込まれるものであると述べられまして、赤字国債発行をゼロにする五十九年度まで、厳しい予算編成が続くという姿勢を示されたと、これまた報道されております。
 また、五月六日、土光第二臨調の会長は、サンケイ新聞とのインタビューの中で、「少なくとも大蔵省の財政の中期展望で示されている時期の五十九年度まで、増税なしていくのが当然だろう」、私見と断ってはおられますが、そういう御意向を述べられたと、こう報道されているわけでございます。
 時間が早まりましたので、行政管理庁長官がまだお見えになっていないわけでございますが、大蔵大臣として以上のような経緯から考えまして、五十九年度まで行財政の改革による増税なき財政再建、このような基本方針で臨まれるのか否か、まずこの点についてお伺いをいたします。
    〔理事佐藤三吾君退席、委員長着席〕
#134
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私の聞いておる限りは、総理大臣は参議院の大蔵委員会において三月の三十一日に、「財政再建の道は五十七年度以降もこれはぜひ引き続き推進をしなければならない、このように考えておるわけでございまして、この五十七年度予算を編成するに当たりまして再び国民の皆さんに大型増税というようなことをお願いするわけにはまいらない」ということを言っておるわけでございます。もちろん財政再建は五十七年までかかるわけでございまして、われわれといたしましては、増税がない方が一番いいことでございますから、増税なき財政再建ができるように最大限の努力をしなきゃならぬ。そのためには、まず五十七年度の予算編成に当たって、増税ということを念頭になく、歳出の切り詰め、抑制、カットですね、そういうことによって、五十七年度予算を編成していくと、それで第二臨調も発足させ、一年にはできないこともたくさんございますから、そういうのの推移を見ながらやっていかなきゃならぬと。ですから私は増税というものを頭に置かないで、五十七年度予算を編成したいと、そう考えています。
#135
○柄谷道一君 まあ五十七年度は、たびたびの本院の質問で総理が明らかにされているところでございます。
 私が指摘しましたのは、新聞の報道による総理の御発言、土光会長の発言から見て、五十九年度まで増税なきいわゆる行財政の改革によって財政再建を図りたいと、こういう意向がにじみ出ておるものですから、財政当局としてそのような基本方針で今後臨まれるのかどうか、これを再度お伺いいたします。
#136
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはもう歳出カットはやってみないことにはわからぬのです。したがって、われわれはこれ初めての大がかりな歳出カットをやるわけですから、まずその成果を見た上でないと、将来数年間にわたってどういう方針ということをいま言われましても、何とも申し上げられない。できることならば増税がない方がいいということはわれわれも同じ考えてあります。
#137
○柄谷道一君 ただいまの件に関しまして、行政管理庁の長官としての御意見はいかがでございますか。
#138
○国務大臣(中曽根康弘君) 大蔵大臣が御答弁なすったとおりでございますが、やはり為政者の心組みとしては、できるだけ国民に負担をかけないで、小さな政府を実現していくと、それに一生懸命努力して、やれるだけやってみると、それでできないという場合には、そのときの情勢でいろいろ考えてみる。また、経済の情勢がどういうふうに今後変化していくか、自然増収がどうなるか、そういうような点も今後の不確定な条件としてあるわけでございますが、為政者の心構えとしては、小さい政府で国民の負担をできるだけ軽くするという心組みでやるべきものであると、そういうお示しであると考えております。
#139
○柄谷道一君 それでは、まあ総理の新聞紙上の報道はそういう願望といいますかね、できればそうしたいという御意向であって、そう長期的な問題は、今後の推移を見なければわからないと、こういうふうに受けとめておきます。そのよしあしにつきましては、これはまあ議論の段階でございますから、きょうは一応正確に総理の意向をそのように受けとめておきたいということにとどめておきたいと思います。
 そこで、総理は同じ日の四月二十七日に、大蔵省の主税局長を官邸に呼ばれまして、五十七年度税制改正で、政策目的を達したもの、効果の上がらないものについて、できる限り租税特別措置の見直しを行うべきであるということを指示されたと、こう報道されているわけでございます。五十六年度の租税特別措置による税の減免は約一兆八百億円、このうち企業関係分は七十三件二千億円と承知いたしておりますけれども、大蔵省は今日まで、五十一年度と五十五年度に租税特別措置についてはいわゆる整理を行った。その結果、企業関係の税の減免額は、法人税収全体の二%弱まで減っておるから、おおむね整理は一段落したと、こうたびたび答弁されているわけでございます。
 なお、経団連も四月三十日、財政金融委員会を開かれたようでございますけれども、これも新聞報道ですが、大体「「企業減税の部分はすでにほとんど廃止されている」として、これ以上の改廃は企業増税につながる」という趣旨から反対であるという意向を固められたと報道されております。これは総理の指示と、大蔵省の今日までの答弁、経団連の姿勢というのは、そこに食い違いが生じておると受け取らざるを得ないんでございますけれども、大蔵省としては、今回総理の指示を受けて、見直し検討を行うのかどうか。その場合、もし見直し検討を行うとすれば、税制調査会で毎年論議を呼んでおります交際費課税等の特例など、企業優遇税制や医師優遇税制にその見直しは限られるのか。それとも少額貯蓄の利子等の非課税――いわゆるマル優制度や住宅取得控除といったような民生向けのものも、その検討に含まれるのか。この点について明確にしていただきたいと思います。
#140
○政府委員(梅澤節男君) ただいま委員が御指摘になりました租税特別措置の問題でございますが、過日主税局長に対しまして総理から御指示がございましたのは、御指摘のとおりでございます。租税特別措置の問題につきましては、ただいま委員も触れられたわけでございますけれども、五十一年度以降、毎年度精力的な整理合理化を進めてまいったというふうに私どもは考えておるわけでございます。特に企業関係の租税特別措置につきましては、五十一年度と五十五年度の二回にわたりまして、一律カットという手法をもちまして、大幅な整理合理化をいたしたわけでございまして、その意味で、現在企業関係の租税特別措置による減収額約二千億円、これはただいま委員が御指摘になりましたように、五十六年度の法人税収の一・九%、これは十年前にさかのぼりますと、四十七年度で一〇%弱を占めておったわけでございまして、その意味で整理合理化は着実に進んでおるというふうに考えております。税制調査会でも、御答申によりまして一段落したという御評価をいただいているわけでございます。
 ただ、租税特別措置につきましては、企業関係のほかに、ただいまもお触れになりました社会保険診療報酬課税の特例、これにつきましては、五十四年度で大幅な是正をいたしておりますし、従来御指摘がございました利子配当の総合課税につきましても、五十五年度の所得税法の改正をもちまして、五十九年度からグリーンカードによって絵合課税に移行するというふうな処置も講じておるわけでございます。ただ、そういう背景にはございますけれども、これも税制調査会の毎年度の御答申では、租税特別措置につきましては、大幅な整理合理化が進み、一段落をしておるという御評価はいただいておりますけれども、それにいたしましても、経済社会情勢の進展に照らし合わせまして、毎年度の税制改正において絶えず見直しをして、整理合理化すべきものはすべきであるという基本方向は変わらないわけでございます。
 そこで、五十七年度の税制改正におきまして、租税特別措置の問題をどう取り扱うかということでございますけれども、これは今後第二次臨調での御審議の状況も踏まえまして、税制調査会に秋口にまたお諮りをして、五十七年度具体的にどういう措置を講ずるかということを決めるわけでございますので、現段階におきまして、五十七年度租税特別措置のどの部分をどういうふうに合理化するかということを具体的に申し上げる段階にはないということを御了承賜りたいと思います。
#141
○柄谷道一君 大臣、企業関係は一段落したと、こう評価を税調からもされておるということを前提にしますと、ただいまの御答弁聞いておりますと、この租税特別措置の見直しというのは、いわゆる民生関係、民生向けのものに限られてくるという印象を受けるんですけれども、そういうことですか。
#142
○政府委員(梅澤節男君) 先ほども申し上げましたように、税制調査会の御評価では、おおむね一段落をしたということでございますけれども、同時に、私先ほど申し上げましたように、しかしながら、租税特別措置については、毎年度絶えず見直しをしていきなさいという御指示もあるわけでございまして、その意味では、五十七年度以降につきましても、企業関係の租税特別措置も含めまして、見直しをしていくという方向には変わりはないわけでございます。
#143
○柄谷道一君 企業関係の見直しも含まれると、こう理解をいたしておきたいと思います。
 そこで、第二臨調ですが、今後の作業を行うに当たりましては、どうも大蔵省が作成いたしました「財政の中期展望」を有力な参考資料とするようでございます。この大蔵省の財政中期展望につきましては、私たち民社党といたしましては、さきにその問題点を指摘いたしまして、政審会長の名前をもって、特例公債から脱却の時期を昭和六十二年度として、その六十二年度における四条公債が一般会計予算に占める比率を一四・五%とするという具体的な長期財政収支試算を提示してきたところでございます。きょう、時間の関係もありまして、財政中期展望の内容について論議することは、後の機会に譲りたいと思いますけれども、この大蔵省の中期展望によりますと、税収見積もりを三十六兆九千九百億円といたしまして、歳入不足額は二兆七千七百億円になる、これが一口で言えば、その内容であろうと思います。ところが、第二臨調が中間答申を行う七月十日には、果たしてその税収見積もりが立てられるのかどうか、これは例年おおむね十一月末ごろになりませんと、的確な税収見積もりが出てこないというのが慣例でございます。こういう不明確な、いわゆる不透明な状況を残しつつ、五十七年度の予算編成準備が進められるわけでございますけれども、私は、この際次の点についてお伺いいたしたいと思います。
 税収と税外収入をどの程度見込み、国債発行額を五十六年度と比べどれだけ減額し、国有財産の処分をどの程度にし、差し引き行財政の改革によってどの程度の削減が必要であると、このように見込まれているのか、これが今後の行革の一番基本になる問題であろうと思いますので、この際お答えを願いたいと思います。
#144
○政府委員(吉野良彦君) ただいま御指摘ございました五十七年度におきます具体的な税収なり、あるいは税外収入なりの見込みの問題、それからまた公債発行額の問題、これは先生も御指摘の中にお触れになりましたように、当然のことながら、五十七年度予算編成の過程で、その時点、つまり現実的には年末の時点になろうかと思いますが、その時点で得られますいろいろな資料、情報によりまして、税収をできるだけ的確に見積もっていく、あるいは税外収入につきましても的確に見積もっていくというような段取りになるわけでございまして、現時点におきまして、具体的に五十七年度の見込み額と申しますか、そういった意味での計数を申し上げるような状況にはもちろんないわけでございます。
 ただ、御指摘に触れられました、私どもが国会に御提出申し上げました「財政の中期展望」でございますが、これは具体的に五十七年度の見積もりといったようなものを示したものではもちろんないわけでございますが、ただ、現時点におきまして、五十七年度の財政事情を概括的につかまえてみる場合には、現時点において、私ども政府部内におきましては、一つの手がかりになる大事な参考資料というふうに考えているわけでございますが、この五十七年度に掲げられております数字につきましては、先生その趣旨なり性格をよく御存じだと思いますので、省略させていただきますが、この「財政の中期展望」に示された五十七年度の姿、これを前提にいたしますれば、御案内のように、要調整額といたしまして二兆七千七百億円、これが特例公債を五十九年度にゼロにする、それからまた四条公債を五十七年度以降も五十六年度と同額にとどめていくという仮定をいたしました場合には、五十七年度に約二兆七千七百億円の歳出の削減なり、あみいはまたその他の歳入の増収につきまして努力をしなければならないというふうな数字が示されているわけでございます。こういった概括的な五十七年度のいわば展望的な数字を念頭に置きながら、今後予算編成の過程で歳出歳入両面にわたりまして、具体的な対応の仕方というものを関係各省庁と十分詰めていくということに相なろうかと存じます。
#145
○柄谷道一君 どうもわからないんですが、増税なき財政再建ですから、五十七年度増税はしないという、出口はもうふさがれているわけですね。ところが、税収及び税外収入の見込みは十一月末ごろにならないと的確な数字は予測できないということですね。それから、第二臨調の答申を待たなければ、一体どのくらいの削減ができるのかということも、臨調の答申を待ち、秋の臨時国会でその対応を決定しなければ、削減額もいまの段階では明確にわからない。そうなりますと、出口はふさがれているのですから、結局あとは国債の発行額をその差し引きの結果どれだけ減額できるのか、また国有財産をどの程度処分できるのか。そこで調整をとらないと、何ともならぬということと私は受けとめざるを得ないわけでございます。
 そこで、そういう状態の中で、シーリングですね、これはどういう意味を持っているんですか。不確定な条件がまだたくさんある中でのシーリングというのは、どういう位置づけなんですか。
#146
○政府委員(吉野良彦君) 先ほど申し上げましたとおり、具体的な計数、歳入にいたしましても、歳出にいたしましても、具体的な五十七年度予算に盛り込まれるべき計数としての数字は、現時点においてもちろん固まっていないわけでございますが、いずれにいたしましても、この中期展望にお示ししてございますように、いわゆる増税がないという前提に立ちますれば、この二兆七千七百億円というものはぴったりかどうかは別といたしまして、恐らくこれと余り大きな違いのない金額のものを、歳出の削減というものを中心にして生み出していかなければならない、こういうふうに考えているわけでございます。したがいまして、この二兆五千億であるか、あるいは二兆九千億であるかは別にいたしまして、いずれにいたしましても二兆数千億というきわめて巨額の歳出削減というものをやってまいらなければならないわけでございますから、当然のことながら、現在の財政のベースになっておりますいろんな制度、仕組み、つまり社会保障、文教、その他もろもろの施策の前提になっております法律も含めました大きな制度にメスを入れてまいりませんと、とうていこの二兆何千億にも及ぶ歳出削減というものは、言うべくして不可能であろう、こういうふうに考えているわけでございます。
 そこで、二兆何千億かというような金額は別にいたしましても、大口のいわば制度問題、仕組みの問題、これにメスを入れていく必要があるわけでございますので、そういった観点から、第二臨調におきましても、今後財政再建を進めていきます過程におきまして、避けることのできない制度問題を緊急に掘り下げていただいて、これをできるだけ五十七年度予算の歳出削減の方途の中に織り込ましていただきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
 それから、シーリングでございますが、これも御承知のように、あくまで各省が八月末に概算要求をします場合の要求の枠でございます。したがいまして、このシーリングを決めます時点におきましては、もちろん個々の予算要求の中身は決まっているわけではございません。この中で、シーリングの枠の中で、各省がいろいろな自主的に削減の努力をみずから工夫をして、その枠の中で要求をしていただきたい、こういうものでございます。このシーリングの中で、各省が要求額圧縮の努力をする過程の中で、七月の中ごろには臨調の方からも御答申をいただいて、それもさらに加えて八月末の要求をしていただく、こういうような手順になるというふうに考えております。
#147
○柄谷道一君 なるべく広範に御質問したいと思いますので、私は五十分しかないわけですから、なるべく要点的な御答弁を願いたいと思います。
 そこで、そのシーリングですが、中曽根長官は、いま御答弁があったように、制度、仕組みにメスを入れていかねばならぬ。とすれば、臨調答申後というのが適当ではないかと御主張されたが、大蔵省は六月中にというふうに述べられて、結局大蔵省の考えのようになったと、こう俗に新聞で言われておるのでございますが、中間答申を待たずにシーリングをするというのはどこに意図があるということですか。
#148
○国務大臣(中曽根康弘君) せっかく臨時行政調査会で御審議願っていることでございますから、筋から言いましたら、臨時行政調査会で基準、原則というものを決めて、それによって各省が予算の作業に入る、これが望ましい普通の姿であったわけであります。しかし、事務的にいろいろ詰めてみますと、かなりの削減をやるという場合には、それでは時間的に間に合わない。したがって、あらかじめ臨時行政調査会に御了解をいただきまして、先に一応シーリングの上限と申しますか、枠の上限を決めていただいて、各省がその心の用意及びいざというときのその準備体制をやっておいていただく。そこへ臨調の中間答申が七月に出てきて、味つけ、盛り合わせが、中身が行われて行く、そして八月末の概算要求、そういう形でいくのが事務的に見てます妥当な線であるということで落ちつきまして、そういうふうに臨時行政調査会にも御了解をいただいたわけなのでございます。
#149
○柄谷道一君 そうするとこういうふうに確認しておっていいですね。第一段階はシーリング。それからそこで中間答申が出る、これが第二段階。そして十一月の終わりごろに税収の今度は見込みがわかる。そこで総仕上げと、いわゆる三段飛びではないんですが、三段階でいわゆる増税なき財政再建というものを踏まえた予算案ができ上がると、私はそのように一応とっておきたいと思います。間違いないですね。
#150
○政府委員(吉野良彦君) 大筋においてそのとおりでございます。
#151
○柄谷道一君 そこで、いずれにいたしましても厳しい歳出削減がこれから行われていくという方向は間違いないのでございますが、その場合、切り込む対象にはいわゆる聖域をつくらない、これはたびたび総理から、また大蔵大臣から述べられておるところでございますが、最近そのたてまえが崩れるんではないかと私自身感じますことが若干出てきております。
 その第一は防衛費でございます。これは四月二十八日の国防会議で、五六中業につきまして大蔵大臣は、六十二年度までに防衛水準を達成することをきょう決めるということではなくて、作業に入るということを決めることだなと、水準達成を基本とするというが、それは発注ベースを指すものであるんだなと、そういう確認をされまして、いわゆる留保条件をつけたと言われておるわけでございますが、いずれにしても、五六中業が防衛計画の大綱に定める防衛力の水準を六十二年度に、その内容は残されておりますが、達成するということを前提に、作業がこれから開始されていくということはもう明らかな事実であろうと思うのでございます。
 また、日米共同声明第八項に、日本の防衛と極東の平和のため、適切な役割り分担が望ましいことを双方で認め合った上で、総理大臣は、日本政府は、自主的かつ憲法及び基本的な防衛政策に従って、日本の領域及び周辺海・空域における防衛力を改善し、並びに在日米軍の財政的負担をさらに軽減するため、なお一層の努力を行うよう努めると述べたと共同声明の中に明記されているわけでございます。
 そこで、これを受けまして、昨十日NHK国会討論会で安倍自民党政調会長は、防衛費にはある程度配慮する必要があると、こう述べられておりますし、宮沢官房長官も、共同声明を出してから、さてどうするかというほど政府は不用意ではないと、いわゆるその姿勢は織り込み済みであるというニュアンスの発言をされております。また、新聞には、中曽根長官は、現在の国際情勢や対米、対欧関係を考慮すれば、防衛費をカットすることは論外であると述べておられるとか、大蔵大臣も、防衛費といえども聖域ではないが、高度の政治的判断が必要であると述べたと、いろいろそういうことが報道されておるわけですね。
 すると、国民の側からいたしますと、これは新聞しか読まないわけでございますから、防衛費は聖域ではない、聖域でないとしても他の予算並みにはいかないぞと、特別の配慮というものを加える必要があると現在の内閣は認識をしておると、こう受けとるのが率直な受けとめ方だろうと思うんでございます。この点大蔵大臣の御所見いかがでございますか。
#152
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大体そういうことじゃないかと思いますが、防衛費も聖域ではございません。中身についてはなくてもいいものもあるじゃないかと、どうしても必要なものはそれじゃ認めようじゃないかという中身の洗い直しや査定は当然行われるわけですから、そういう意味で聖域ではございませんということを申し上げておるわけでございます。
 五六中業の問題につきましても、柄谷委員のおっしゃったように、防衛費を六十二年達成という言葉を使うと誤解を受けるから、六十二年は発注ベースの話でございまして、六十二年までに品物を全部そろえちまうんだということをいま決めるわけにはまいりませんと、財政当局者としては、六十年から国債の本格的な返還が始まるわけでございますから、六十二年までに全部品物をそろえるということになったら、それはもう六十年とか、六十一年とかに集中するわけですから、支払いベースも。したがって、それはそのときの経済事情、財政事情いろいろ見なければできないわけでございますので、それができるような経済事情になれば結構なことでございますが、その点はフリーハンドをある程度持っていないと、約束だけしたって、実行できないということは困るわけですから、われわれとしてはやはり防衛費だけが国の防衛ではないのであって、防衛費もほかの費目とのバランスというものも考えなければならない。うちの中で仲間けんかが始まっては防衛どころの騒ぎじゃなくなりますから、だからそういう点も考え、現実のいろんな安保条約が有効に機能するということも考え、いろいろの面を考えて、最終的には決めていかなければならない問題であると、これは財政当局だけで決められる問題ではございませんということを申し上げたわけであります。
#153
○柄谷道一君 すると、大蔵大臣は、聖域ではないと、しかしいま言われましたいろんな事情から、特別の配慮を加える必要があろうと、こういう意思だとしますと、共同声明第八項で、役割りの分担に関する実りある対話を防衛庁長官とワインバーガー国防長官の会談及び日米安保実務者レベル会議で期待すると、こう結んでいるわけですね。ということは、財政当局は今後こうして行われます一連の六月の日米両国の会談の結果というものも、その配慮の中に入れるというお考えでございますか。
#154
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは参考にすることはあるかもしれませんが、お金はこちらでつくらなければならない、財源はつくらなければならぬ問題でございますから、何といったって、国内事情が最優先されるということは間違いございません。
#155
○柄谷道一君 すると、五六中業は防衛庁で一年かかって作業される、すると、これはまた国防会議にかけられるわけですね。その五六中業のスタートの年は五十八年でございます。したがって、いま留保条件をつけていらっしゃいますけれども、五十八年予算編成のときには、いわゆる国防会議でその中業の内容を決定されるわけですね。ということは、五十八年以降は、もうその計画に従って防衛費関係の予算は組まれると、いわゆる聖域となるということですか。
#156
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはそうはストレートにならぬと思います、私は。問題は、その五六中業の作業をスタートさせるということを国防会議で了解しているだけであって、一年後はやっぱり中身を、今度は防衛庁が防衛庁の参考資料としてつくるわけじゃありませんから、したがって、いままでは防衛庁だけでつくったわけですが、今度は財政当局の意見も聞いてつくってもらわぬと責任が持てない話になりますから、実行できないようなものはそれは当然認めるわけにはいかないということで、実行できるようなものになるであろうと、こう考えております。
#157
○柄谷道一君 当然それは一年後の国防会議で決められるべき問題、そのときには大蔵大臣も参画をされますし、各関係閣僚は参加されるわけですね。そこでどういう内容が決まるかはこれからの問題です。しかし、そこで決まれば、五十八年以降は、その方針に従って、五十八年から六十二年までの計画はおのずから自動的に進められていくと、こうとるのが常識じゃないですか。
#158
○国務大臣(渡辺美智雄君) それが、その計画が決まっても、その計画そのものは実現性のあるものにならざるを得ないんです、一つは。それからもう一つは、発注ベースですから、その五年間に全部金が動くとは限らぬわけですよ。艦船などをつくるときには五年間もかかるわけですから、いつ発注するかと、最後の年で発注したらそれだけさらに五年延びるということもあり得ますよ。それは時の経済事情、財政事情、そういうものを見ながら政府として相談をしてやっていくものであって、それによってうんと硬直化してしまって、最優先で何でもそこに全部入れなきゃならぬというものではないということを言っておるわけです。
#159
○柄谷道一君 そこで、防衛庁長官にお伺いいたしますが、私は、防衛大綱の見直し論につきましては、ずっと調べますと、非常に揺れ動いているんですね。時間の関係できよう全部言えませんけれども、五十四年三月六日衆議院予算委員会における山下前防衛庁長官の発言、五十四年三月二十八日日本工業倶楽部における防衛懇話会での永野陸幕長の講演内容、それから大村長官が長官に就任されました直後、自民党研修会で述べられました発言の要旨、五十五年九月二十六日その長官がその発言を軌道修正されました内容、五十五年十月十五日衆議院決算委員会における防衛庁長官の答弁、五十五年十月三十一日参議院安保及び沖繩・北方特別委員会における白川元統幕議長の参考意見、五十六年二月二十五日付朝日新聞に報道されました竹田統幕議長が制服時代に作成し、配付しておられました文書、こういうものをずっと読んでみますと、私はやはり制服組は一貫して防衛大綱そのものの見直しを求めておる。防衛庁長官はそういう制服組と内局組のはざまの中に立ちまして揺れ動き、防衛水準の早期達成への努力という妥協を生み出して今日に対応されているというのが客観的に見た事実ではないか、こう受け取らざるを得ないわけでございます。
 私は、この問題につきまして、四月二十七日の安保特別委員会でも指摘したところでございますけれども、この際改めて長官の大綱見直しに対する明確な御見解を伺っておきたいと思います。
#160
○国務大臣(大村襄治君) ただいま防衛計画の大綱の見直し問題について、各種発言の資料に基づいてお尋ねがございましたので、私の所信をこれから申し上げたいと存じます。
 最近の国際情勢は、ソ連の長期かつ大幅な軍事力増強と、これを背景とした世界各地への勢力拡張等の活発な行動によって不安定さを増しつつあります。また、わが国周辺の軍事情勢も、極東ソ連軍の顕著な増強等により、わが国に対する潜在的脅威が増大しているなど、厳しいものがあると考えております。
 わが国は現在、昭和五十一年に策定した防衛計画の大綱に従いまして、防衛力整備を進めておりますが、現在の防衛力は同大綱の定める水準にも達しておらず、装備の老朽化、即応体制の不備、抗たん性、継戦能力の不足等種々の問題点があるところでございます。
 したがいまして、最近の厳しい国際情勢にかんがみ、防衛力の現状における不備等を是正し、平時における基盤的なものとして、いわば最低限の防衛力とも言うべき防衛計画の大綱に定める防衛力を可及的速やかに達成する必要があると考えております。このため、防衛庁といたしましては、憲法、専守防衛、非核三原則等の防衛政策上の基本的方針にのっとり、財政再建下という厳しい財政事情も勘案し、また米国を中心とする西側諸国の行っている防衛努力も念頭に置きつつ、そしてまた国民の理解を得ながら、防衛力の強化にできる限りの努力を行ってまいる所存でございます。したがいまして、大綱をなるべく速やかに達成するということを重点として、防衛力の整備に努めるわけでございまして、大綱の見直しは現在考えておらないところでございます。
#161
○柄谷道一君 第二の問題は経済協力、特に政府開発援助、ODAの問題でございますが、この点について、私は三月三十日の本決算委員会、四月二十七日の安保特別委員会で外務大臣にただしたところでございますが、いわゆる専守防衛という自衛権しか持たぬ日本として、世界の平和に寄与する日本の役割りは経済協力である、こう強調されておりますし、その際大蔵省の日吉主計官も同じ認識の答弁をされております。
 さらに、共同声明第七項でこの日本の経済協力に関する積極的姿勢がうたわれているわけでございます。
 また、本年一月二十三日の閣議で五年間倍増の中期目標も策定されております。
 こうした一連の経過からしますと、政府開発援助、これも聖域ではないと言われるかもしれませんが、いわゆる特別配慮を加えなければならぬ一項である、こう理解していいんですか。
#162
○国務大臣(渡辺美智雄君) 他の経費と同様、必要性、緊急度を勘案して厳しく対処しますから聖域ではありません。ありませんが、来年の経済事情がどうなるかというようなこともやっぱり最終的には考えなければならないのであって、五カ年間に倍増するといっても、毎年一二%ずつふやすということを決めたわけでもございませんので、五%にする場合もあるかもしらぬし、あるいは二〇%にする場合もあるかもしらぬし、こういうことは最終的にその年度の経済事情、財政事情、こういうものを考えて、予算の最終段階で決まるべきものである、こう考えております。
#163
○柄谷道一君 第三に三K問題でございますが、これも五月一日に国鉄再建のプログラムとなります経営計画を国鉄総裁から提出されております。これによりますと、運賃を毎年五%上げ、ローカル線の割り増し運賃を六十年度で幹線運賃の五割増しとし、三十五万人体制をつくり、いろいろ合理化を行う。しかし、東北、上越新幹線開業に伴う赤字四千億円を加えますならば、特定人件費の増加等により、国鉄財政は再建どころか現在以上に悪化するということが読み取れるわけでございます。
 また、健保につきましても、さきの九十三臨時国会で、国庫負担率は与野党間の大問題になりましたが、一六・四%の率が凍結されておりますから、医療抜本改革がない限り、これは自動的にふえていく金額でございます。
 米の問題につきましても、私は二回この決算委員会で指摘したところでございますが、食管制度の抜本改正がなければ、いわゆる逆ざやは増加を続けるわけでございます。
 私はこう考えますと、五十七年度にこれらの体質に根本的な現在以上にメスを入れる時間的余裕はないですね。ということは、振替勘定、いわゆる運賃とか、健保料とか、一部負担とか、消費者米価とか、そういう形に転嫁して国民が負担するという結果におさまるのではないかという危惧がございます。
 これに対しての見解をお伺いいたしますと同時に、厚生大臣にお伺いいたしたいわけでございますが、五十六年度のたとえば補助金、厚生省予算を見ますと、厚生省予算の八兆七千六百四十二億に対して補助金はその五八%を占めておる。しかも、その補助金の九五・八%に相当するものは、いわゆる法律で定められた補助金である。そのほかに政管健保、厚生年金、国民年金等、補助金以外法律によって定められた国の負担額がある、こういう実態でございますね。こうなりますと、この点につきましても、いわゆる受益者負担といいますか、そういう問題に問題を転嫁しない限り、補助金のカットというものが不可能な状態ではないか、こう思われるのでございます。さらに詳しい点をお伺いしないのでございますが、時間が参りましたので、この三K問題と厚生省の補助金に対する明確な所見をお伺いをいたしまして、私の質問を一応本日は終わりたいと思います。
#164
○国務大臣(園田直君) 補助金等の行革に基づく整理合理化、中間の答申が出、政府の方針が大体決まって、臨時国会等でそれをお認めになれば、その方針に従って私はむだを省き、合理化をすることには全力を尽くす所存でございます。しかしながら、私がお預かりしているものの大部分は、奨励金とか助成金という意味のものではなくて、国家保障、社会保障のいわば義務的なものがございます。これは法律のあるなしにかかわらず、これを切り捨てることは、これは増税以上の大変な悪い影響を国民に与えるわけでありますから、この水準は保ちつつむだを省く、こういうことに努力する所存でございます。
#165
○国務大臣(渡辺美智雄君) いわゆる三K問題につきましては、いろいろ議論をされておるが、実行しないでおったという点もなきにしもあらずだと私は思っております。したがって、臨調の答申等を踏まえまして、根本的に合理的な、効率的な制度に切りかえていくように努力しなければならぬと、そう考えております。
    ―――――――――――――
#166
○委員長(野田哲君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、粕谷照美君が委員を辞任され、その補欠として山田譲君が選任されました。
    ―――――――――――――
#167
○沓脱タケ子君 それでは、大変限られた時間でございますので、端的にお伺いをしていきたいと思います。
 昭和五十年度から昭和五十五年度までに、総額約八十六億円、そして五十六年度には二十四億五千万という、合計百億に上る巨額の調査費をつぎ込んでまいりました巨大プロジェクトの関西国際空港問題についてお聞きをしたいと思うわけでございます。
 関西国際空港問題というのは、去る四月二十七日に運輸大臣が空港計画案、それから環境影響評価案、それから空港立地に伴う地域整備の考え方という三点の要約版を大阪府、兵庫県、和歌山県などの三府県に持参をして意見交換をなさいました。そういう点で新たな局面を迎えていると思うわけでございます。地元の自治体関係者や、関係住民の皆さん方は、これが政府案ではなくて、運輸省の素案である、こういう形の資料が出てきたこと。それからその案の中には空港の着工の時期、それから工事期間、使用開始、供用開始の時期などが明らかにされていないこと。また政府としてつくるのかどうか、採算は合うのかどうか、アセスメント以外の周辺整備計画はやるのかどうかなどという大変重要な問題の数々を前にいたしまして、どう対応するべきかということで戸惑いを感じているというのが、率直に言って実情でございます。そこで、基本的な問題点にしぼって、政府の御見解をただしておきたいわけでございます。
 昨年の九月以降の五十六年度予算案の概算要求のとき、及び予算編成時における大蔵省と運輸省両省の折衝過程で、採算性の判断をめぐっての御意見の違いといいますか、対立があったということでございます。つまり、この採算問題については、前提条件である歳入面では、航空需要ですね、航空需要と空港の使用料、それから現空港の存廃問題、それから支出面では建設費の問題、環境対策費、漁業補償費などの基本問題で、これはことごとく御意見が違った。去る三月三十日の予算委員会の第三分科会で私が質問をしたときには大蔵省はこう言われたんですね、新空港の建設の可否の判断というのは、採算がとれるかどうかの詰めが十分行われた後でなければできない、現段階では採算性を検討する際の前提条件がまだ十分そろっておらない、だから採算性のチェックを十分行い得る段階ではない、したがって、引き続き調査の必要があるというので、二十四億五千万円の調査費をつけたんだと、あれからまだ日にちが余りたっておりませんが、この二十四億五千万の調査費がまだ執行が終わっていないというのは明らかだと思いますが、そういう現段階で明らかにしておいていただきたいと思いますことは、大蔵省と運輸省との間にありました意見の相違といいますか、意見の対立といいますか、そういうものは三月の段階と変わっておらないのかどうなのかという点について、まず大蔵大臣の御見解を伺っておきたいと思います。
#168
○国務大臣(渡辺美智雄君) 何せ巨大なプロジェクトでございますから、財政を預かる大蔵大臣といたしましては、慎重にならざるを得ない、当然のことでございます。それは運輸省に限らず、建設省でもどこの省でもそういうような論争というものはしょっちゅう数限りないほどございます、それは。私は、特にこれは巨大プロジェクトなので、採算性の問題というものも今後建設をするかどうかを決めるためには、一番重要な柱の一つでございますから、いまおっしゃったような趣旨で、その調査費をつけたということは間違いございませんし、いまも変わっておりません。
#169
○沓脱タケ子君 そうしますと、採算が合うかどうかがまだ判断ができないという点については、大蔵大臣のお考え変わっていない、だから判断ができない、かつ関係各省庁との内部調整もできていないという段階で、運輸省が単独案で予備協議にお出しになってきたわけですけれども、これはちょっと無責任だと思うわけです。運輸省はこのお出しになった要約版の五ページで「用地造成、空港施設及び海陸連絡交通施設の構造・施工法については更に経済性等の面で改善の余地が残されていると考えられるので、今後、引き続き検討を進める」というふうにお述べになっておられます。この構造、施工法の変更というのは、空港本体の形、形状、それから規模、それから位置などについての変更もあり得るという意味なのかどうか。この五ページでお述べになっている内容についてはいかがなんですか。これは運輸大臣にひとつお伺いいたします。
#170
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほどからお聞きしていますと、何かえらい無責任なことをやっているというようなお話でございますが、そうではなくして、私たちは大蔵との間でまだ採算点をどう見るかということがまだ煮詰まっておりません。これは事実でございます。それは採る資料、あるいはその方向性を定めていくデータの見方、こういうものによっていろいろ違っておりまして、私たちはそこを無理やりこうであるんだというようなことは言っておらぬので、お互いまだこれからも十分勉強しようと、こう言っておるのであります。しかしながら、一方から見ますと、沓脱先生も御承知のように、地元の方ではある資料を出せとおっしゃる。そうでしょう。私はこれはうそを言っていないと思うんです。持っている資料を早く出しなさいと、そしてどんなのかをわれわれも一緒に勉強するのにそれを見せてくれと、こうおっしゃる。そこでわれわれとして、いままで大変なお金も使って研究して調査をしてきたものを一回これを検討していただこうと、そしてその上でいろいろな意見の交換をし、私らは成田の二の舞やりたくないんで、結局ちゃんと理解をした上でやるものならやると、こういうことをわれわれ言っておるんでございますから、前提ははっきりとひとつ御承知いただきたいと思います。
 そこで、いまお尋ねの、それじゃ空港の位置とか、それから工事の内容とかいうのは変わるのかということでございますが、位置とか形態とか、こういうようなものは、われわれ自身が決めるよりも、多くの有知識者が集まって決めていただく方が公正で妥当なものができるだろうというので航空審議会に諮ったんです。ですから、航空審議会から出てきた答申というものは十分にわれわれは尊重いたしたい。したがって、位置とか、形態、こういうようなものは極力尊重していきたい。しかしながら、実際に工事をする施工の方法なり、あるいはどんなものを使ったらいいかという材料の問題だとか、そういうものにつきましては、これからまだまだ研究しなきゃならぬものがある、そう思っておりまして、そういうようなものについては、これは当然検討が進めば変更もあり得るだろうと思っておりますが、位置とか形態というようなものにつきましては、これは一〇〇%尊重していきたい、こういう気持ちであります。
#171
○沓脱タケ子君 そこで、ちょっと私どもわかりにくいなと思いますのは、大蔵省はいまの運輸省が出しておられる五段階の施工案というのは、採算ベースに乗るかどうかわからぬと言っておられるわけでしょう。そういうことですから、これをあえて強行するということになったら、将来とも赤字になることは間違いないというふうな見通ししか持てないということで、意見がまだまとまってないというのが先ほどのお話ですよね。
 そうすると、五段階施工案をそのままの形では、多少施工法を改善したからといっても、そう簡単に採算性が見出せるものではないと思うわけですね。
 そうしたら、採算点を見出していくためには、空港の形、いまの形は五角形ですよね、その形だとか、規模、大きさですね、それから滑走路の本数、あるいは泉州沖五キロという位置ですよ、こういう基本的な骨格を変えなければ、大蔵省が不安を持っておられる点というのは解消しないのではないかというふうに思うんですけれども、これは大蔵大臣どうですかね、この点は。
#172
○政府委員(吉野良彦君) 採算性の問題につきまして、私どもが運輸省の方にも私どもなりの問題提起を従来からしていることは御指摘のとおりでございます。それをまた運輸省御当局においても受けとめられまして、引き続き一生懸命調査を進めようということになっているわけでございます。
 御指摘の位置なり、いろいろございましたが、私どもは必ずしも専門家ではございません。ですから、やはりそれらの問題につきましても、まず運輸省御当局がいろいろ学識経験者等の御意見もお聞きになりながら、あわせてまた私どもの採算性その他についての御疑問にも答えられながら、適確な方向を逐次お見出しになっていかれるものというふうに考えているわけでございます。
#173
○沓脱タケ子君 それから、重要な点つまんでちょっと聞きたいと申し上げたように、四月の十七日の臨時行政調査会の文書では、七月までに検討する当面の緊急課題に、新規施策の抑制及び既存大型プロジェクト等の一時凍結というのが挙げられていますね。これは歳出削減の措置の一つとして位置づけられているので、大蔵大臣にお聞きをしたいと思いますが、財政当局の側から見まして、大型プロジェクト等の一時凍結というのはどういう意味か、これひとつお伺いをしておきたいのです、非常に重要な関係がありますから。
#174
○政府委員(吉野良彦君) 臨時調査会の方におきまして、具体的にいわゆる大型プロジェクトの凍結というような問題を検討事項としてお決めになったというふうに、まだ実は私どもも承知をいたしてございません。ただ、世上そういった問題が取り上げられるのではないかというような想像といいますか、推測も含めた議論が新聞紙上等で伝えられておることは私どもも承知をいたしております。
 そこで、そういった議論がされております場合の大型プロジェクトの凍結というのが、具体的にいかなることを意味するのか、私どももそれを正式におっしゃっている方を承知いたしておりませんので、正確にはわからないわけで、私どもなりの理解をいまこの場で正確に申し上げられる用意はございません。ただ申し上げられますことは、大型プロジェクトといいましても、何がいわゆる大型プロジェクトであるか、その範囲、対象、なかなかこれ一義的に決めがたい性質のものではなかろうかというような感触を持っておりますし、それからまた、一口に大型プロジェクトと申しましても、やはりいろいろな物資の流通その他、いろんな意味で国民経済上やはり有意義な、また緊要度の高い、そういったものも中にはあるわけでございますから、なかなか一概に、一律的に大型プロジェクトだからどうこうというような議論を単純にしていくのは非常にむずかしいのではないかなというような感触は持ってございます。
#175
○沓脱タケ子君 あのね、これはそんなものを知りませんと言って、あなた、臨時行政調査会の文書に、四月十七日付に書いてあります。新規施策の抑制及び既存大型プロジェクト等の一時凍結ということが検討課題として出ているということを申し上げている。そうでしょう、だから、そのうちの大型プロジェクトの一時凍結というのはどういう意味がといって聞いたのですよ。そんなあなたむずかしいことを言ってもらおうと思って聞いたのじゃない。そういう意味ですよ。だって、当然歳出削減の措置の一つとして検討課題になっているんだから、それと無関係だったらむずかしいと言ってもよろしいけれども。二兆も三兆もかかるような大型プロジェクトだからどうするんだというのは国民的な重要な関心事ですよ。そんな局長のようなことを言っておったら始まらぬですわ、そうでしょう大臣。大蔵大臣ちょっとはっきりしておきなさいよ。
#176
○国務大臣(渡辺美智雄君) 局長が言ったのは、臨調の答申をまだもらってないと、だから中身はわからぬと、ただ検討項目になっていることは承知いたしておりますと。その意味はそれは書いてあるとおりの意味で、大型プロジェクトは一時やめたらどうかということも検討しようということだと思います。それ以上のことは私まだわかりません。だけれども、一つの考え方としては、そういう考え方もあるでしょう。だけれども、どこまで仕掛かったやつをやめるのか、ちょっとやればすぐできちゃうものもやめちゃうのか、これからやるやつはしばらく待ったかけるのか、そこらのことをいま検討中だということで、そうむずかしい話じゃないのです。
#177
○沓脱タケ子君 これは減税をせずに行革でということになっているわけですからね。大型プロジェクトがどう扱われていくのかという点は、これは増税との絡みで、国民は一体どうなるのかというのはそれは重大な関心事ですよ。必要で、本当に緊急不可欠なものはどんなにたくさん金がかかろうと、これはやらざるを得ないんです。その辺の区別をどうするかというのは、歯切れの悪いことを言っているけれども、そんな頼りのないことを言っていたら、これは増税せぬせぬと言ってるけれども危ないなあということになってくるんですよ。そこで引っかかっていると、私時間がほんのわずかしかないから引っかかりませんけれども、その辺をやっぱりはっきりしていただくということが、関係府県の住民だって、あるいは国家的な立場から見たって、この大型プロジェクトどうするんだという点はきわめて重要だと思うんですよね。
 そこで、環境庁にちょっと一言だけ聞いておきたいのは、運輸省が今度お出しになった素案では、着工時期も、建設の期間も、供用開始時期も示されてないんですけれども、環境影響評価の予測評価をする場合に、時期が決まってないということになってまいりますと、バックグラウンドが変化をして、効果が変わってくる、結果が変わってくると思うんですけれども、今度示された環境アセスメント案というのはどういう評価をなさるのか、環境庁の御見解を一言伺っておきたいわけです。
#178
○政府委員(藤森昭一君) お答えを申し上げます。
 私どもといたしましては、この計画の今後の進め方について、現在のところ承知はいたしておりませんけれども、アセスメントというものは計画のそれぞれの熟度に応じまして、実施することに意義があるというふうに思っておるわけでございます。確かに、先生御指摘のように、着工時期であるとか、建設期間等につきまして、明確でないところもございますけれども、この計画につきましては、政府として何らかの意思決定を行うというまでには、そうしたことも明らかにされ、そして最終的にはそれらに基づいて所要の環境影響評価が実施されていることが必要である、かように環境庁は考えております。
#179
○沓脱タケ子君 当然そうだと思うんですね。いつから着工するのかということと、いつから供用を開始するのかということがはっきりしないと、やっぱりバックデータというのはどんどん変わりますから、意味がなくなるというのは当然だと思います。
 もう一つ聞いておきたいのは、周辺整備の考え方なんですね。これは具体的な中身では、アクセス交通だけということになっておって、率直に申し上げて、地元の期待は完全に裏切られたというような不十分さがあるようです。
 国土庁にちょっとお聞きしたいんですが、国土庁はこの案の作成には関与されましたか。
#180
○政府委員(伊藤晴朗君) 国際空港が近畿に建設されること自体、周辺地域に与える影響は大変大きいものがございますし、またこれを契機に、周辺地域はもちろん、近県全体の整備はいかにあるべきかということを勉強する必要がございますので、私ども関係各省また関係府県等御協力をいただきまして、いろいろ基礎的な勉強はいたしております。その過程で運輸省といろんな意見の交換もいたしておるわけでございます。
 具体的に、今回運輸省の方から地元に示されました予備協議の運輸省素案につきまして、直接の作業には参画はいたしておりませんが、事前にその内容についての御説明は承っております。
#181
○沓脱タケ子君 内容については承っておりますという意味ですね。
 そこでお伺いをしておきたいのは、運輸省の案の周辺整備というのはアクセスだけなんですね。これは非常に問題なんですが、当然これは意見交換の過程で自治体からは周辺整備についての要求が次々出てくると思うんですね。現実には、泉佐野市あるいは泉南市、あるいは大阪府等で計画案なるものを作成していますよね、こういう整備計画構想案なんというようなものが。こういうものがつくられてきているわけですが、これは運輸省はどうなんですか、ちょっと運輸大臣に聞きたいんですけれども、こういう各自治体の周辺整備についての要望等については、運輸省案の中に取り入れていくおつもりですか。
#182
○国務大臣(塩川正十郎君) 私どもは、アクセスとしての関係のあるものにつきましては、われわれも検討していかなきゃいかぬ、当然取り入れるものは取り入れていかなきゃいかぬと思いますが、しかしいわゆる周辺整備、都市づくりといいましょうか、周辺の都市環境をつくっていくということは、これはやはり地方自治体が中心となってやられることでございまして、それにはそれなりのやっぱり地方自治体としても地元の合意を取りつけていかれることが先決であろうと。そうして、そういう要望が出てまいりましたら、われわれもいわゆる町づくりのためにお手伝い、協力はいたさなきゃならぬけれども、だからといって、そのこと自体が空港の周辺整備計画イコール周辺整備計画として、運輸省の事業として、あるいは空港の事業としてやっていくということとは違うと思っております。
#183
○沓脱タケ子君 このお出しになった素案の要約ですね、これにはアクセス以外の施設整備については、可能な限り国が協力をしていくというふうにお述べになっていますね。この中身ですけれども、成田空港のときのように補助金かさ上げのための財政特別措置法ですか、そういうものをつくって手当てをするというのか、そうではなくて、従来のやり方で運輸省が窓口になって、そうして事業の所管官庁にそれぞれ割り振りをして従来の補助事業と同じようにやっていくという考え方なのか、これは非常に大事な点なので、運輸大臣のお考えを聞いておきたいと思います。
#184
○国務大臣(塩川正十郎君) 成田空港建設にかかりましたときは、まさに日本が高度経済成長へのいわば成熟期に入ろうとしておった時期でございますし、財政的に、あるいは経済界自体にも相当な余力がございましたしいたしますので、ああいう財政特例法もできたと思うんでございますが、現在の日本の経済界並びに特に国の財政状況を見ましたら、これはなかなか容易ならぬことであろうと思っております。そういう認識に立って、これから考えていかなきゃならぬと思っております。
 それから、周辺整備につきまして、自治体がやはり空港の機能が十分に果たせるように一つは周辺整備もしてもらわなければ困る。それと同時に、飛行場がそこにできたことによって、その周辺地域もまたそれなりに新しいいわゆる空港都市としての機能も持ち、そしてまた新しい発展もしてもらわなければいかぬ。そういうことをわれわれ願っておりますがために、われわれとしてできる範囲内の協力、努力はしてみたい。これはもう変わりません。けれども、財政的にそれじゃどこまで分担するのか、特例法を設けるのかとおっしゃいましたら、いまのところはなかなかむずかしい状況にあると言わざるを得ないと思っております。
#185
○沓脱タケ子君 時間がありませんので最後にまとめてお聞きをしたいんですが、今月下旬ですか、運輸省素案というのを三府県にお出しになるというふうにお聞きをしておりますけれども、そういうバックデータになる――さっき申し上げた六年間八十六億、ことしを含めて約百億の巨費を投じての調査報告書ですね、これを全面的に公開すべきであると思うんですが、これは土取りの場所も含めまして、全面的に公開をするのかどうかという点が一点。それから公開の場所とか期間とか、あるいは夜間や休日にもサービスをするのかというふうな点、あるいはコピーなども国の負担でサービスをするかどうかというふうな点についてはどう考えているかということでございます。
 なぜこのことを申し上げるかというと、私はいままでの三回にわたって御指摘を申し上げてきている中で、大企業サイドにはそれらの調査資料が筒抜けになっていると。前回も私、淡路島の実態をお示しを申し上げて、こんなこと全部大企業の関係者は皆知っておって、ちゃんとその調査で予定されているところを買い占めていると、こんなことは改めなきゃならぬと申し上げたんです。同じことがやっぱり泉州地域でも起こっているんです。時間がないのでこれは大臣に見てもらいますわ。見てもらうたら一遍にわかる。
 それで、この地図を見てもらうたらわかりますように、泉州地域でも六大企業集団の傘下の建設会社、不動産会社が一千ヘクタール以上に上る土地の買い占めを行っているんですよ。この一千ヘクタールというのが国土利用計画法に基づく大規模土地の移転登記報告が中心で千ヘクタールなんですよ。この買い占めの土地というのは、岸和田市、和泉市、熊取町、泉南市、阪南町など四市二町の土取り候補地やら、それから空港関連の施設整備、道路、ニュータウンなどの建設の構想やら、計画されている周辺に集中しているんです。この色分けはこういうことなんです。水色のがいわゆる主要プロジェクトなんですね。赤く塗っているのがその周辺で、約千ヘクタール買い占めている土地なんですね。全くそういう計画がわからなかったらここに買うたってどうなるかというようなことが予想できないようなところが全部買い占められてきているわけです。私は、こういうことが起こるのは、前にも御指摘申し上げましたけれども、たとえば関西空港調査会等におけるように、全くこの情報がそういった六大企業集団には筒抜けになるような仕組みでやられているというから、こういうことが起こってくると思うんですね。だから、そのことを再三にわたって御指摘を申し上げておるんですから、せめて三府県に対して素案をお出しになるという時期に、約百億に及ぶ膨大なバックデータ、すべての資料をこれは国民に公開してあたりまえだと思うんですね。そういう点を含めて、運輸大臣の御見解を伺って終わりたいと思います。
#186
○国務大臣(塩川正十郎君) この地図を見せていただきまして、これ大企業が買収しておるからけしからぬというお話でございますが、私たちはこういうことは全く知らないんです。本当のところ知りません。ただ、土取り等につきまして、原則は確かにわれわれで決めております。その原則は、一つは、できるだけ公有地を使いたいということ。搬出に御迷惑をかけないようにすること。それから、かたまって土が取りやすいところ。そういう原則を決めておりますに伴って、そこでいろんな企業団体といいましょうか、集団というのが、ここではなかろうか、あそこでなかろうかというような揣摩憶測が乱れ飛びまして、それでいわば当て物を買うようなもので皆買うのじゃないかと私は思うんですが、この前も沓脱先生からそういう御指摘がありましたので、私はそういう関係省の方に、そういう資料が事実どんな過程で出たのかと言いましたら、それは全部ある程度の想像を基礎として、いわば候補という、候補の候補ですね、そういう形で出ておるということでございまして、役所としてはこういうような資料につきましては全然実は出しておりません。原則が決まっておるということだけなんです。これでもってけしからぬと言われてみたって、われわれ抑えようがないというのが実情でございます。けれども、こういう質問があるということは、要するに利権にまつわったり、そういうような汚職的なことにならぬようにちゃんとよう心しておけよと、こういうことだろうと思っているんで、私はその点については十分に念達さしてございますので、それによって御質問の趣旨に私は沿えていけると思うんです。こういうことはわれわれとしては全黙想像もしないところだということであります。
#187
○森田重郎君 途中長いこと席を外しておりまして、大変恐縮いたしております。実は承りますところによりますと、すでに同僚委員の峯山委員の方から同じような趣旨の御質問があったようでございます。したがいまして、大臣にはあるいはその御答弁が重複されるというようなことになるかと思いますが、まさに野党の私どもとしては何としても伺いたい、また承知したいというような気持ちからあえて御質問をさせていただきます。
 実は去る七日でございますか、大蔵御当局が五十五年度三月末の税収実績について御発表なさったやに承知しておるわけでございますが、五十五年度の税収の伸びが大変鈍化をしているというふうに理解をしておるわけでございますけれども、この辺、大臣の御所感を伺いたい、かように思います。
#188
○国務大臣(渡辺美智雄君) そのとおりでございます。
 細部の数字については事務当局から答弁させます。
#189
○政府委員(梅澤節男君) ただいま御指摘になりましたように、現在三月末までの税収が判明しておるわけでございますけれども、三月末までで累計二十二兆七百五十三億円の収納をしておるわけでございますが、この税収額は、前年度の同期決算額と対比をいたしますと、伸び率が一一・四%でございます。ただいま御指摘がございましたように、五十五年度の補正後の税収の対前年決算に対する伸び額は一四・四%でございますので、三月末の税収で押えます限り、伸び率が低調であるということは否定できないと思います。ただ、五十五年度税収を通じて、決算額がどういうところに落ち着くかという点につきましては、今後四月末それから五月末の税収、特に五月末の税収は税収金棒に相当のウエートを占めております。御案内のとおり三月期の決算の法人税収が中心になるものでございますから、五月末税収全体が判明いたしませんと、現段階で五十五年度の最終的な税収の水準がどの程度に落ち着くかということは、計数的に現在の段階で申し上げることは困難な状況にございます。
#190
○森田重郎君 この一月期決算の中小法人の税収、これも大変伸び悩んでおるようでございますね。一月期の方もまだ最終確定というものはこれはちょっと無理かと思うんですけれども、これは三月期に比べますればある程度の数字がつかめておるんじゃないかと思うんですが、もしその数字がつかめておる範囲で御答弁いただければ大変ありがたい。それから、もし伸び悩んでおるということであるんならば、その辺の原因が何であるか。以上ひとつ御回答賜わりたい、かように思います。
#191
○政府委員(梅澤節男君) 三月末の税収、これは法人税につきましては、ただいまお触れになりましたように、一月期の決算を反映しておるわけでございます。特に特徴的なことは、中小法人の決算額なり、申告税額が低調でございまして、前年同期と比べますと、ほぼ横ばいといった水準に一月決算の時点ではございます。
 これは先ほど峯山委員の御質問に対してもお答えした点でございますけれども、三月の確定申告の状況が前年に比べまして低調でございまして、特に事業所得を中心にいたしまして申告水準が伸び悩んでおるという状況にございまして、法人税につきましても、ただいま申しましたとおり、中小法人がこういう申告の状況でございますので、私どもといたしましては、その背景といたしまして、中小企業の景況の立ち直りが当初の私どもの見込みに比べまして、ややタイムラグがございまして、ずれておるというふうなことが影響しているのではないかというふうに考えております。
#192
○森田重郎君 これは大臣にお伺いしたいんでございますが、ただいま一月期決算の中小法人の件についてお尋ね申し上げたわけでございますが、三月期決算の言うなれば大法人につきまして、大どころの動向とでも申しましょうか、たとえば電力会社は円高差益の関係で多少好決算を迎えられるであろうとか、金融機関についてはちょっと収益力が低下、低減しておるとか、その辺の大どころの見通しは、あるいは大臣多少おわかりになっておられるんではないかと。また大臣の個人的な所感等を踏まえまして御答弁いただければありがたいと、かように思います。
#193
○政府委員(梅澤節男君) 三月期の決算につきましては、五月末の税収が判明いたしますまで、確定的なことはわからないわけでございますけれども、ただいま御指摘がございましたように、三月期決算の大法人につきまして業種別にいろいろばらつきがございます。まず、電力会社につきましては、これは昨年の三月期決算ほとんど利益が出なかったわけでございますけれども、これはかなり好調が期待できるというふうに私どもも考えております。一方、金融機関につきましては、コスト高等によりまして、決算額が前期あるいは前々期に比較いたしまして低調であるというふうな動向もつかめるわけでございますけれども、総体といたしまして、大法人の三月期決算については、私どもなるべく現在の税収の低調さをカバーしてくれるような水準で推移することを実は念願しておるわけでございますけれども、ただいま申し上げましたような事情で、トータルとしての計数的にどうなるかということはまだ把握できないという状況でございます。
#194
○森田重郎君 どうも大変あれですね、なるほどそれは決算が確定するというのは、これは五月になっても、あるいは六月になってもしかとした数字はわからぬかと思います、延納等の問題もございましょうから。それはそれなりにわかるんですけれども、五月までにはまだ二ヵ月間あるわけでございますけれども、未徴収分というのが約二割ぐらい残っておるわけでございますね。四月あたりは比較的低調じゃないかと思うんですが、この辺一部の、一部といいましょうか、八日付の各紙の紙上等によりますと、この調子で低落というか、低調というか、そういう趨勢をたどると瞬間風速で七千億の税収不足ができるというようなことがよく言われておりますが、もちろん、自然増収が多少期待できるわけでございましょうから、その七千億という数字が、果たして四千億になるか、四千五百億になるか、その辺は別といたしましても、仮に七千億といった場合には、この補正後予算の二十七兆一千四百五十億ですか、この辺の数字が大体どの程度の数字になると七千億というような税収不足になるのか。逆算するとどういうことになりましょうか。
#195
○政府委員(梅澤節男君) 新聞報道等で七千億という数字が出ておりますことは、私どもも承知いたしておりますけれども、大蔵省といたしまして現時点で確定的に、五十五年度の税収の決算見込み額を申し上げるような状況にないということは先ほど申し上げたとおりでございます。推測いたしまするに七千億という数字は恐らく、これはいま委員も御指摘になった点でございますけれども、先ほど申しましたように三月末までの税収の対前年の伸びが一一・四でございますから、年度問を通じてこの伸び率で結局推移するであろうという大まかな前提に立って、そういたしますと、補正後予算の伸びが一四・四%でございますので、その間の開差が約三%ポイントあるわけでございます。したがって、機械的に前年度の税収決算額に三%ポイント程度をぶっかけますと、七千億程度という数字が出てまいりますので、あるいはそういう見通しに立っての推測記事であろうかというふうに私ども考えておるわけでございます。いずれにいたしましても、これは大蔵省としてそういう数字でもって現在見通しを立てておるということではございません。
 それから、この七千億という数字は補正後二十七兆円から七千億減るというベースの数字であろろうと思います。
#196
○森田重郎君 大体わかりました。
 これはもう恐らく大臣の御答弁も大体わかっておるような気がするんでございますけれども、重ねて大臣にひとつこれ最後の質問ですので御答弁願いたいと思うんですが、予備費の不用額九百七十九億ですか、それから歳出不用というのは、仮に五十一年度で見ますと千四百億、五十二年度が千六百億ですか、五十三年が二千七百億、五十四年度が三千七百億、こういう大体数字になっておるわけでございますね。そうしますと、五十五年度が一説によりますと二千億から二千五百億ぐらいじゃなかろうかというような見通しもある程度立てられるんじゃないか。それに税外収入、これが五百億から千億ぐらい、その辺の間で確定するんじゃないかというふうなことも間々承っておるわけでございますが、この辺現実の問題としてどうなんでしょうか、発行残の二千二百億の国債等も踏まえまして、先ほどの七千億あるいは四千億というような数字はこれは別としましても、剰余金の確定というような問題について、大臣のお考えをさらにお聞きしたいと、こう思います。
#197
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほどから事務当局で言っているように、現実の問題としてまだわかりませんので、私もせっかくの御質問なんですが、明快な御回答できないということは残念に思います。
 発行残の公債問題等については、やはり自然体で臨むことが一番いいんじゃないか、余り無理をした形のことはいかがなものかと、そう考えております。
#198
○喜屋武眞榮君 最後になりますと、ますます質問が非常にしにくくなりまして、戸惑うておるわけでありますが、そこでいま時間の範囲内でなるべく重複を避けて、問題をいま拾い上げたいと思うのでありますが、まず最初に、きょうこのごろ財政再建だとか、行革だとか、補助金減らしとか、いろいろ叫ばれておるその背景は何なのか、このことについて一応私なりに述べて、それを前提にして二、三お尋ねしたいと思います。
 私は、今日の財政再建や、行政改革の論議がなぜ起こったかということに対しては、そのうち第一に感じますことは昭和四十八年の第一次石油危機以降、わが国の経済はこれまでの高度経済成長から低成長の時代へと向かったと、ところが財政面では依然として歳出が高水準の伸びを続けたと、ところが歳入の根幹である税収の伸びは、歳入を賄うに十分でなかった。そこで、それを補う手段として大量の国債に依存してきた、こうした財政危機が今日の財政再建や、あるいはその方策としての行政改革論議の原因になっておるものと私は理解いたしておるのであります。
 そこで、気になりますことは、最近伝えられるところによりますと、政府や自民党の財政論議や行革論議の中身は、軍備拡大のための財政再建、あるいは行政改革になるのではないかという、こういう声が国民の中から、あるいはマスコミの中で打ち出されておるわけでありますが、そこで改めてお聞きいたしたいことは、大蔵大臣とそれから行政管理庁の担当者に、この基本的な姿勢と、そして現時点においてどのように進めて、どういうめどを持って進もうとしておられるのであるか、簡単にお願いしたいと思います。
#199
○国務大臣(渡辺美智雄君) 赤字財政を招いた原因という問題については、ただいま喜屋武委員の言ったようなことが大筋でありまして、つまり一つは不景気からの脱却のための建設国債、もう一つは生活水準を維持し、医療の無料化を進め、文教を充実させといペースを税収が落ち込んでも、高度経済成長時代と同じようなペースで進めてきたということが原因でございます。
 しかし、これ以上国債を発行していくということは、現実の問題として消化が国民の間で困難になってきておるというような状況から、利子負担、あるいはその返済というものが大変な財政の中で大きなシェアを占めるということになって、借金を返すためにまた借金をするということになりかねない、これは日本の経済にきわめて悪影響を及ぼす。一つはインフレの問題もございましょうし、世代間の不公平の問題も起きてきましょうし、経済の支障もいろいろ出てきておるわけであります。
 したがって、われわれは一刻も早くこの赤字国債発行の体質から脱却をして、健全な財政体質にしなきゃならぬ、それによっていろいろな今後老齢化社会を迎えたり、あるいは地震その他大きな災害というような問題があったときに、政府はそれに直ちに頼れる財政を持っておらなければならないという点からも、財政の体質の健全化ということはきわめて焦眉の急であると、そう考えております。決して軍備拡大のための財政再建ではございません。
#200
○政府委員(佐倉尚君) 財政再建と行政改革の関係でございますが、行政改革は社会経済の情勢の変化と申しますか、あるいはその国民の行政に対する要請、そういうものの変化に即応した行政全般のあり方など、そういう点から検討するという独自の視点あるいは目的も持っているわけでございまして、必ずしもその財政支出の合理化だけを目的とするということではないと考えておりますが、当面の課題としまして、行政改革を通じて、やはりその財政再建にも寄与し得るような行政の減量化等の合理化の方策等も検討を進めていく必要があると考えております。
 すでに御存じのとおり、臨時行政調査会でも、財政再建に関連して検討を急ぐ課題につきまして鋭意御審議をいただいております。七月中にも中間報告をいただくことになっておりますが、調査会からの御意見等につきましては、政府部内で検討の上、その具体化を順次図っていくことになろうかと考えます。
 実効ある改革が実現するように、最善の努力をいたしたいというふうに考えております。
#201
○喜屋武眞榮君 そこで、問題の所得減税においては、一応五十五年度税収に見合う額ということになっておりますが、マスコミの報ずるところによりますと、五十五年度税収は七千億円の不足と、こう報じておりますが、それは間違いありませんか、どうですか。
#202
○政府委員(梅澤節男君) 先ほどもお答え申し上げましたように、現在五十五年度の税収につきましては、本年三月末までの税収が判明しておるわけでございます。新聞記事等に約七千億の税収不足が生じるのではないかという報道があることは私ども承知いたしておりますけれども、たびたび申し上げておりますように、今後五月末の税収というのが、税収全体に相当の大きなウエートを占めておりまして、しかもこれが三月期の法人決算を反映するわけでございます。現時点ではその状況を計数的に把握できない状況でございまして、五十五年度の税収額が一体どの程度に落ちつくのかという点については、現時点で確定的なことを申し上げる段階にはないということでございます。
#203
○喜屋武眞榮君 そうしますと、もし、一応こういう約束をされたわけだが、結果的にはそれに見合う税収がなかった、こういう結論が出た場合に減税はどうなさるつもりですか、お聞きしたいと思います。
#204
○政府委員(吉野良彦君) 税収につきましては、ただいま主税局から御答弁申し上げたとおりでございますが、いわゆる剰余金が出るかどうか、それからまた剰余金の額がどの程度になるかということは、税収だけでは必ずしも決まってまいりませんで、御案内のように、歳出面で予備費の使用残も含めまして、全体としてどの程度の不用額を生ずるか、それからまた税収以外のいわゆる税外収入でございますが、税外収入が予算に比べましてどの程度の増加になるかというような要因によって決まってまいるわけでございますので、それらの要因すべて含めまして、六月に入ってからでありませんと、剰余金が出るか、出ないか、また出るとした場合にどの程度の金額になるかということがわからないというのが実情でございます。ただいずれにいたしましても、先ほど来大臣も御答弁申し上げておりますとおり、議長裁定にございます剰余金が出ました場合には、これを全額減税に充てるというふうに私ども理解をいたしてございますので、議長裁定の趣旨はそのとおり忠実に尊重してまいるという考え方は一貫して変わっていないわけでございます。
#205
○喜屋武眞榮君 そこで、予想を裏切った落ち込みの大きな原因は、申告所得税の減収にある、こう言われておりますが、それ間違いありませんか。
#206
○政府委員(梅澤節男君) 三月末に判明いたしました所得税の確定申告の状況が低調であるということは御指摘のとおりでございます。
#207
○喜屋武眞榮君 この問題をなぜ私が取り上げたかと申しますと、実はサラリーマン所得といまの申告所得税の問題が常に問題になるわけでありますが、さらにこういうことはお耳に入っておるでしょうか。これは会社の名前は伏しておきますが、ある青年がある会社にセールスマンとして働いておる。月額二百万円の手当を月々もらっておる。さらにその売上高幾らについてまた幾らのコミッションをもらう。大変な豪奢な生活をしておる青年セールスマンがおるが、一文も税金は納めておらぬ。これをまた自慢にして言いふらしておるということが私の耳に入って、なるほどこういうところにも大きな盲点があるんだなということを感じて、つい二、三日前のことでありますが、そのようなことを大臣御存じでしょうか。
#208
○国務大臣(渡辺美智雄君) 月給二百万円ですか、これは。
#209
○喜屋武眞榮君 手当。
#210
○国務大臣(渡辺美智雄君) 手当。月給二百万円もらって税金一銭も納めていないというのはちょっとよくわからないんですが、もし教えていただければすぐ国税庁の方へつなぎます。
#211
○喜屋武眞榮君 いや、これはいまここである会社というふうにしておきたいのでありますが。そういうことが公然と、いまの世の中で税金を納めるのは実にばからしいと、こういった話の中から、一例としてこういう者がおる。しかも生活は上流の生活をしておりながら、税金一文も納めていない者がおると、こういうことを私耳にしたものですから、一応問題として提示しておきます。御調査を願いたいと思います。
 次に、日米会談の結果、鈴木総理とレーガン大統領の会談の中から、鈴木総理はあくまでも自主、主体性を守ると、平和憲法と専守防衛と非核三原則を堅持して、それを歯どめにして共同防衛の、同盟の親善を保つと。ところが、気になりますことは、心配でならないのは、ソ連の脅威を認識し、あるいは東西の平和と安定に、こういった前提において、この会談がなされておるという中から、海・空域一千海里のいわゆる拡大があるわけなんですね。これはもう堂々と言われておる。そうなりますと、これはもう好むと好まざるとにかかわらず、防衛費の増ということは、どんなに弁解をしてみたところで、結果的には防衛費の増につながると、こう思うんですが、大臣いかがでしょうか。
#212
○国務大臣(渡辺美智雄君) どういうようなことになりますか、防衛費だけを特にやるというようなことはできないと思っております。必要なものはつけるし必要でないものは切ると、これ中身の問題でございます。
#213
○喜屋武眞榮君 次にお尋ねしたいことは、お聞きしますと、小さな政府の実現という、こういう目標のもとに、この赤字解消のゼロ%は五十九年だとお聞きしておりますが、その過程において、次のことは考えられないものかどうか。すなわちわが国には国有地と名のつく、その中でも特に普通財産ですね、それから国有林がいっぱいあります。特に府県別にしますというと、この普通財産の量とか、あるいは国有林いっぱいありますが、これを払い下げるというこの意図はありませんでしょうか。
#214
○政府委員(楢崎泰昌君) いまお話がございましたように、政府としては国有財産といたしまして相当多量の土地を持っているわけでございますが、いま御指摘ございましたように、その大部分は国有林でございまして、国有林は国有林の目的のもとに山林の保全、地域の安全等も含めまして、国有林野事業を行っているわけでございまして、それを一概にすぐ処分するということはなかなかむずかしいのではないかというぐあいに思っております。
 また、私ども大蔵省が所管しております普通財産それ自身も、戦後産業用その他いろいろ処分をしてまいりまして、現時点では相当残り少なくなっているというような事情にあることを御理解願いたいというように思います。
#215
○喜屋武眞榮君 と申しますのは、特に全国的な府県別にその県土の面積と国有地あるいは国有林、この資料を見ますというと、沖繩の場合非常にその比率が高いのであります。たとえば国有地の普通財産の場合でも、鹿児島県、宮崎県に比較して、沖繩の場合その八倍を占めて持っております。ところが、沖繩の現状は、御承知のとおり五三%の基地を占めておる。そして沖繩の県土の面積の一二%が基地になっておる。このように開発に必要な、生産に必要な土地というものが基地のために狭められておる。その反面、これをぜひ払い下げてほしいという、こういう要望もあるわけなんです。さらに沖繩の特殊事情として、戦場になるその敵が上陸する直前に、日本軍があたふたと県民の私有地を買い上げる、完全に売買の契約を結んだのもあります。ところがもうどさくさの敵上陸直前まで拡張が続いておりますので、相談はしたが金はもらってない、補償金はもらっておるが土地代はもらっていない、こういったいろんなケースが沖繩の特殊事情であります。こういうものが戦争が済んで今日いわゆる国有地という、こういう形で普通財産の中にそれがぶち込まれておるわけであります。これはもう特に沖繩にのみある特殊事情だと思うのでありますが、こういったいろいろな複雑した実情もありますので、ぜひひとつその国有地の中の普通財産を可能な限り払い下げて、県民要求にこたえて開発に、生産に結びつけてもらう。生産が上がれば税収も当然上がるわけであるし、払い下げると、こういった意味において御検討を願いたいんですが、大臣いかがでしょうか。
#216
○政府委員(楢崎泰昌君) 仰せのとおり、沖繩の国有地につきましては、その所有権につきましてはいろいろな経緯があったことは先生よく御存じのとおりでございます。私どもとしては正式な売買によって取得した土地であるというぐあいに考えているわけでございますが、その中でも、いま先生御指摘のように、それらの土地を有効に使う必要があるではないか。現在旧軍の所有しておりました各飛行場等は、地元の方にサトウキビ畑等等といたしまして貸付中でございます。そのことは先生方がよく御存じのとおりでございまして、また先般、宮古島に所在する旧洲鎌飛行場跡地につきましては、昨年の十一月に農林水産省に所管がえをいたしまして、農地として売り払いをしたというような事情にございまして、私どもとしましては、基本的には沖繩の振興開発に役立つように、その国有地を使っていただけるよう、地元公共団体並びに各関係省庁と協議して、十分国有地が沖繩振興に役立つようにいたしたいと、このように考えております。
#217
○喜屋武眞榮君 最後になりますが、私が土地払い下げを申し上げたのは、大前提としては、いわゆる政府内部における小さい政府を充実させるという前提に立って、むだを省き、あるいは適正な運用、あるいは適正な納税、こういったことを内部的な面は十分に見直し、検討してもらうことは当然でありますが、その前提に立って国土の、普通財産の払い下げとか森林の払い下げですね、これの足りないのをそれで補ってくださいと、こういう意味にとられるというとこれはいけないと思いますので、その点ひとつ十分理解していただきたいことを重ねて申し上げておきます。
 次に、沖繩と行政改革の立場から要望を申し上げておきたいことは、御承知と思いますが、この五月十五日は復帰十年目に当たります。復帰十年目を迎えております。ところが、十年一昔といいますが、この一昔を一つの節目にして、いわゆる格差是正本土並みという大前提があったわけですが、十年後顧みてまだまだ本土との格差が大きい。所得にしましても、全国のまだ七割――七〇%にしかすぎない。こういう実情からしまして、行革によって、あるいは財政再建という立場から結論が出ます、その物差しをいわゆる一律カットという立場で沖繩にそれを適用された場合には、せっかくここまで本土並みの格差を詰めつつあるのに、それがまた歯車ががらっとよりが戻ると同じように、また格差が開いてくる、こういうことを心配するわけでありますので、そういうことを裏づけるために沖繩振興開発計画の延長が予定され、いま第二次振の内容づくりに政府も県も一生懸命になっておるわけでありますが、この実情を踏まえて、行革あるいは財政再建と、十分理解するわけでありますが、それを踏まえてひとつ沖繩の特殊事情というものに対する配慮をしてもらわなければいけない、こう私は思うのでありますが、それに対する大臣、それから行革の立場からの所信をお聞きしまして、時間が参りましたので終わりたいと思います。
#218
○国務大臣(渡辺美智雄君) 沖繩の現状につきましては、私も十分認識しておるつもりでございます。したがいまして、五十六年度予算の編成等についても、かなり沖繩の御要望は聞いてきたつもりであります。しかしながら、財政の再建、歳出のカットという点については、あらかじめ特定の地域を聖域にしたのではできないことでございますから、やはり沖繩といえども聖域ではございません。各省庁とよく十分に協議の上、その必要性、優先度等を勘案をして、厳しく対処してまいりたいと存じます。
#219
○政府委員(佐倉尚君) 行政改革におきましては、これあくまでもその行政全般につきまして、これを見直しの対象にするということが基本的なあり方であるということは申すまでもないわけでございますが、実際問題といたしましては、社会経済情勢のあり方、あるいはその国民の行政に対する要請、これのあり方、こういうものを念頭に置いて改革に当たっていく必要があろうかということは、これまた申すまでもないことだと存じております。行政改革の具体的な問題の具体案の立案に当たりましては、各分野の行政の実態、あるいはその地域の実情等を十分踏まえて、合理化の趣旨に沿った具体的な検討を進めなくてはならないというふうに存じております。基本的にはいま申し上げましたように、そういう趣旨で具体的な検討を進めていきたいというふうに考えております。
#220
○委員長(野田哲君) 他に御発言もないようですから、昭和五十三年度決算外二件に対する本日の質疑はこの程度といたします。
    ―――――――――――――
#221
○委員長(野田哲君) 予備費関係等七件につきましては、質疑を終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#222
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより予備費関係等七件の討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、昭和五十四年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)並びに昭和五十四年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、以上二件を一括して採決いたします。
 これら二件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#223
○委員長(野田哲君) 多数と認めます。よって、これら二件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 次に、昭和五十四年度特別会計予算総則第十条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)の採決を行います。
 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#224
○委員長(野田哲君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 次に、昭和五十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)並びに昭和五十五年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、以上二件を一括して採決いたします。
 これら二件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#225
○委員長(野田哲君) 多数と認めます。よって、これら二件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 次に、昭和五十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)の採決を行います。
 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#226
○委員長(野田哲君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 次に、昭和五十四年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その2)の採決を行います。
 本件について異議がないと議決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#227
○委員長(野田哲君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって異議がないと議決されました。
 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#228
○委員長(野田哲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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