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1980/04/01 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 予算委員会第四分科会 第4号
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1980/04/01 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 予算委員会第四分科会 第4号

#1
第094回国会 予算委員会第四分科会 第4号
昭和五十六年四月一日(水曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   分科担当委員の異動
 三月三十一日
    辞任         補欠選任
     坂倉 藤吾君     勝又 武一君
     和泉 照雄君     中野 鉄造君
     山中 郁子君     小笠原貞子君
 四月一日
    辞任         補欠選任
     対馬 孝且君     小野  明君
     勝又 武一君     本岡 昭次君
     小笠原貞子君     市川 正一君
     柄谷 道一君     中村 鋭一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    主 査         亀井 久興君
    副主査         渋谷 邦彦君
    分科担当委員
                岩上 二郎君
                藏内 修治君
                古賀雷四郎君
                関口 恵造君
                名尾 良孝君
                小野  明君
                勝又 武一君
                本岡 昭次君
                中野 鉄造君
                市川 正一君
                小笠原貞子君
                中村 鋭一君
   国務大臣
       文 部 大 臣  田中 龍夫君
   政府委員
       警察庁刑事局長  中平 和水君
       文部大臣官房会
       計課長      植木  浩君
       文部省初等中等
       教育局長     三角 哲生君
       文部省大学局長  宮地 貫一君
       文部省体育局長  柳川 覺治君
       文部省管理局長  吉田 壽雄君
       文化庁長官    佐野文一郎君
       文化庁次長    別府  哲君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部少年課長   石瀬  博君
       文部大臣官房人
       事課長      齊藤 尚夫君
       厚生省薬務局麻
       薬課長      市原 久照君
       会計検査院事務
       総局第二局文部
       検査第二課長   疋田 周朗君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和五十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十六年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十六年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○主査(亀井久興君) ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。
 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 昨三月三十一日、坂倉藤吾君、和泉照雄君、及び山中郁子君が分科担当委員を辞任され、その補欠として勝又武一君、中野鉄造君及び小笠原貞子君が分科担当委員に選任されました。
 また、本日、対馬孝且君及び柄谷道一君が分科担当委員を辞任され、その補欠として小野明君及び中村鋭一君が分科担当委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○主査(亀井久興君) 昭和五十六年度総予算中、文部省所管を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○小野明君 警察庁刑事局長、お見えだと思います。
 早稲田大学の商学部の不正事件について捜査をなさっておられるようでありますが、ひとつ現況を御報告願いたいと思います。
#5
○政府委員(中平和水君) 三月の二十八日でございますか、早稲田大学の方から警視庁に対しまして、大学の職員による成績の原簿等の改ざんの不正の事実があると、こういう通報を受けまして、警視庁といたしましては、早速大学の責任者から正式に事情を聴取いたしまして、職員の中にそうした不正の行為が行われていると、そういうことを確証を得まして、三月の三十日に早稲田大学の調度部管財課の書記をしております岸田孝二、三十三歳、この人物につきまして警視庁に任意出頭を求めまして、取り調べの結果、こうした成績原簿改さんの事実がございましたので、私文書偽造並びに同行使の容疑で同日、本人を逮捕をいたしまして、現在、鋭意取り調べ中でございます。
 なお、その後の捜査によりまして、学内にまだほかに関係者がいる疑いが出てまいりましたので、本日さらに同大学の職員二名に任意出頭を求めまして、警視庁で現在事情聴取中でございます。
 以上が報告でございます。
#6
○小野明君 その岸田孝二の逮捕というのはすでに報道されておりますが、いまお話しのありましたその他二名というのは、二名の任意出頭ですか、あるいは逮捕に踏み切られたわけですか。
#7
○政府委員(中平和水君) ただいま申し上げましたように、任意出頭を求めて事情を聴取中でございます。
#8
○小野明君 その氏名は発表できませんか。
#9
○政府委員(中平和水君) 大学の職員でございます。いまのところ、任意で事情を聞いておりますので、事柄の性質上、まだ容疑が確定しているわけではございませんので、名前はこの席では公表を差し控えさせていただきたいと思います。
#10
○小野明君 きょうの新聞報道によりますと、岸田孝二の自白であるのか、自白のように書いてありますが、謝礼は一人一回十万円である、そして岸田に指示をしたのは、その背後グループなんだと、こういう報道がされておりますが、その背後グループ等についての捜査というのも当然おやりになっているわけでしょうね。どうですか。
#11
○政府委員(中平和水君) 成績原簿を具体的に改ざん――法律的に言えば偽造、同行使でございますが、そういうことをした職員は、これはすでに逮捕しております岸田でございます。まあしかし、この種の問題というのは、これは常識的に考えましても単独でできるものではございません。だれか依頼者があったわけでございますから、その辺の関係については、警察としては慎重かつ厳正に明らかにしてまいりたい、そういう方針で臨んでおるわけでございまして、そういう岸田の取り調べの結果から介在しておる人物が出てまいりましたので、その人物について現在事情の聴取をしていると、こういうことでございまして、まあ私どもはこれは当然学内の問題でございますし、事柄は教育の問題でございますから、慎重に対処してまいるつもりではございますが、同時にやはり、これは大変社会に与える影響が大きい事件でございますから、その辺については厳正に対処してまいりたいと、そういう方針で臨んでおるわけでございまして、そういう過程で出てまいりました事情聴取でございます。
#12
○小野明君 いまお話がございましたように、大学には大学の自治という問題もございまして、しかしながらこの事件というのはやはり事が学園でありますだけに不正は不正として厳しくやっぱり追及をして、再びこの事件が起こらないような徹底的な捜査というものが必要であろうかと思います。
 で、お話がありましたように、ひとつ入試が公正に――あるいは原簿が書きかえられるなんということは常識では考えられぬことであります。ひとつ徹底的なメスを入れていただくように要請をしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#13
○政府委員(中平和水君) 私どもはこれは捜査機関でございますので、あくまでもこれは犯罪事実を踏まえ、しかも証拠によって事柄を明らかにしてまいるわけでございますから、そこにおのずから限界はございます。
 それから、事柄が本質的に教育の問題でございますから、本来やっぱり教育の場でこの問題は十分に解明をされなければいかぬわけでございまして、その点学校の当局とも十分に連絡をとりながらやってまいりたい、このように考えておるわけでございます。
 また、事柄がこういう性格の事件でございますから、できるだけ早く事柄を明らかにし、それなりのやはり社会的な結末と申しますか、今後の対応策、そうしたところに結論が導かれていくように、そういう各場各場からの努力もしてまいりたいと、こういうように考えております。
#14
○小野明君 大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、この早稲田大学商学部の事件が、世間の耳目を驚かしたわけでございまして、管理運営等についての責任というのは当然文部省にあるわけでありますが、この事件についての大臣の所見をまずお伺いをいたしたいと思います。
#15
○国務大臣(田中龍夫君) まず最初に、今回の早稲田大学のこの事件が起こりましたことはまことに遺憾なことでございまして、ことに私学の名門校中の名門であります早稲田大学、その本当の権威の上から申しましても残念なことでございます。しかしながら、本件に関しましては、私はこれが大学自身が一年余にわたって調査をいたしましたその大学を浄化しなきゃならぬという熱意といいますか、自浄努力というものに対しましては、非常に私は敬意を表すると同時にまたりっぱなことであったと喜んでおるのでございます。いまの、これらの成績の改ざん事件や、その他の問題につきましては政府委員から詳細お答えいたしますが、文部省といたしましては大学の対応を見守りながら、今後必要な指導と助言とをしてまいりたい、かように考えております。以下、担当の局長からお答えをいたします。
#16
○小野明君 いま大臣が言われますように、確かに早稲田の商学部というのは昨年入試漏洩事件がございまして、今回逮捕された岸田孝二の義父になりますか、養父になりますかこの事件にかかわる、親子二代にわたってこの事件が行われている。そして昨年以来、商学部の中に調査チームというものができて大学自体の手でも調査が行われておる。そして調査の限界があって、警察庁にも連絡をして真相解明に当たるというのは、大臣が言われるように私はまずまずこれは適切な処置ではないか、こう思うわけです。その主体的な解決の努力は私も評価をいたします。
   〔主査退席、副主査着席〕
いま刑事局長が言われますように、事が大学にかかわる問題でありますだけに慎重に対処してまいるというお話がございました。これも適切であろうかと思います。ところで、この大学の管理運営に対しまして指導、助言の責任というのは文部省にあるわけでございますね。これは設置法にも明記をされているところであります。昨年の入試漏洩事件が起こりまして以来、文部省としては当然――この入試漏洩事件、いま事件を起こしました養父岸田茂雄というのはまだ収監中であると、こういうふうに報告をされておるわけですが、この事件の起こりました以後、大学局としてはこの入試漏洩事件の究明のためにどういう努力をされてきたのか、その辺をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#17
○政府委員(宮地貫一君) 先ほど大臣が御答弁をされたわけでございますが、昨年の入試漏洩事件が発生をいたしまして大学当局として、早稲田におきましてみずから調査班を設置をして調査をした結果、今回の事件が発見されたというわけでございますが、昨年の入試不正事件以後の対応でございますけれども、早稲田大学に伺ったところによりますと、大学当局としては、具体的な改善措置としては、まず入試問題の印刷につきましては、大学に印刷局を設置をいたしまして、直接大学の管理下で入試問題の印刷を行うように改善したということが一つございます。また第二点といたしましては、入試の合否を関係教官に発表前に内報する内覧制度を廃止する。それから第二点としましては、大学全体として入試管理体制の再点検を行いまして管理を厳格にするというような措置をとったというぐあいに伺っております。そして、こういうような措置と並行いたしまして、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたような、商学部では過去にも不正入試があったという風評がございましたので、それを究明するために調査班を設けて懸命な調査を行って、その結果今回の事件が発見されたというぐあいに伺っておるわけでございます。
 なお、今回の事柄につきましては、新聞等に報道されました直後でございますが、去る三月三十日でございますけれども、大学の教務部長外一名の方に文部省に御来省いただきましてとりあえずの概要を伺ったわけでございます。
 その後、今回の事件そのものが新聞等で報道されておりますようになお非常に流動的な要素もございますので、私どもとしては報道された直後まず教務部長等に伺ったわけでございますが、その報告の概要を申し上げますと、商学部に調査班を設けて調査を行ったわけでございますが、商学部長以下の方々八名で、対象としては二年生以上約四千二百名について調査をしたということでございます。入試答案のチェックで入試の答案と入試後の成績の相関関係というようなことも調査をされたようでございます。そして、調査の結果といたしましては、三十日に報告を伺ったところでは、在学生四名の学業成績が改ざんされていたということで、そのうち一名は今春卒業予定でございましたが、単位不足のため卒業は取り消したということでございます。
 なお、早稲田大学の職員一名がこの改ざんを行ったことを認めたということと、成績の改ざんに関与した職員はこの一名のみとは断定できなくて、不正入試が過去に行われていた蓋然性も大変高いというようなことが明らかになったということを大学当局から伺ったわけでございます。
 なお、先ほども申しましたように、事態につきましては、今後警察当局の究明の問題もございますし、私どもとしては、大学当局の取り組みを見守りながら今後こういう教務を含めまして大学の入試の問題でございますとか、あるいはこういう成績の管理等を行います教務事務の管理体制といいますか、そういうようなものについてさらに検討をし、改善が行われることが望ましいわけでございますし、私どもは、文部省といたしましては早稲田の問題に限らず、大学全体のそういう管理体制、入試の厳正な執行ということについては今後とも必要な指導、助言を行ってまいりたい、かように考えております。
#18
○小野明君 いま大学局長から御説明がありましたのは、これは三月三十日に早稲田の方から報告に来ていまのような事情を説明されたのではありませんか。
 この事件は、もともと大学にかかわることでございますから、第一義的にはやっぱり文部省がこれはタッチをすべきことである、しかし、さらにもとを正せば、それは大学自体が解決をしなければならぬ、しかし指導、助言の責任がある文部省が、大学局がやらなければならぬ、警察はもちろんこれは第二義的な私は解決に対処する立場でなければならぬと、こう思うわけです。
 局長ね、去年の入試の漏洩事件で岸田茂雄が逮捕されたので、もう一件落着ということで、この商学部の事件については適切な指導、助言が一年間行われてなかったんではないか。その前から、その背後関係、いわゆる親和会というようなものについてはもう云々されていたわけで、根ははっきり残っていたわけですから、その辺では、大学局としては一年間無為に過ごしたのではないか。いかがですか。
#19
○政府委員(宮地貫一君) 大学局と申しますか、文部省としての全体の対応で申し上げますと、昨年の事件以後――五十五年の六月でございますが、全国の国公私立の大学長に対しまして、大学入学者選抜実施要項の改正を通知いたしました際に、特に入学者選抜の公正な実施ということについては、一部の大学において試験問題漏洩等の事故が発生してまことに遺憾であるけれども、今後こういうようなことのないように、そしてまた大学に対する社会の信頼を損なうことのないように、入試管理体制全般の再点検と整備、改善について、これは全国の国公私立の大学長あてにその点を重ねて特に留意するよう触れまして、通知を発したところでございます。
 そしてまた、早稲田大学の対応といたしましては、先ほども御答弁申しましたように、大学自体で調査班を設置して調査を続けてまいってきたわけでございますが、早稲田大学としての対応としてどういうことをやったかということについては、入試問題の印刷その他についてこういう改善措置をとったと、先ほど御報告を申し上げたようなことを昨年の九月に報告を承っておったわけでございます。商学部内でのその後の調査の経過につきましては、ただいま申しましたような経過をたどって今日に至っておるわけでございますが、大学の事務職員のこういう改ざん問題等について、商学部が対応した、調査をした結果判明したわけでございますが、私どもとしては大学当局のそういう努力にまずまつというのが対応としては第一義的な対応ではないかと、かように考えております。
 文部省といたしましては、全国の国公私立の大学全体がこれらの事件を反省いたしまして、二度とこういうことのないように各大学に注意を促して、指導を徹底するということが私どもの当面なすべき事柄と承知をいたしておるわけでございます。
#20
○小野明君 もう時間がなくなりましたが、大臣、あの早稲田でさえこういった不正な黒幕的なグループが存在をして、入試から卒業まで流れ作業、一貫して成績簿が改ざんをされる、あるいは入試時点でも不正が行われたということで、まあ多くの国民は全くこれは大変な疑惑の日で国公私立の大学のあり方について目を向けていると思うんですね。これは早稲田大学商学部がこういうことがあったが、恐らく他の大学でもこういう事件が行われているんではないか、あるんではないか。四人不正があれば四人の入学希望者が泣いているわけですから、八人あれば八人泣いているわけです。中には野球部の選手で、本人の知らないうちにこの成績の改ざんが行われたと、有名選手の中に。そういうことも報道されております。
 これは、これを契機にしまして、氷山の一角だと、こういうふうな見方もあるわけだし、その心配を私はいたします。ですから、早稲田に限らず、他の国公私立の大学に対しましても、この種事件が再び起こらぬように、国民の不信を買うことのないように、これはもちろん大学の自治を侵すというわけにはいきませんが、厳正な注意をこの際喚起すべきではないかと、こう思います。大臣の御所見をいただきたいと思います。
#21
○国務大臣(田中龍夫君) 小野先生のおっしゃるとおりでありまして、冒頭にも申しましたように、こういったことが行われるということはまことに残念でございます。大学の教育のスタートとゴールとも言うべき入学と卒業につきましては、各大学におきまして公平、厳正に行っておるところであると信じております。なかんずく、早稲田大学の商学部のような例はないと私は信じたい次第でございますが、なお一部の医科大学等におきましても、必ずしも適正と言いがたいような入試の実態も指摘されておるところでございますが、文部省といたしましては、この入試の実施要項でありますとかあるいは説明会等を通じまして、機会あるごとに必要な指導と助言とを行っておるところでございます。今後ともに、能力、適正のある者がその持っておる能力、適性に従って進学し、適切な進級、卒業ができまするように、大学とも努力をいたしてまいりたい。
 なお、いろいろの不正事件が起こってまいりましたことに対しましても、速やかにこれが厳正な対処をいたしたいと思っておりましたのでありますが、実は入学試験中でございまして、その入試の終わりますまで実はわれわれといたしましては差し控えておったのでありますが、今週になりましてから、新聞等にも公表いたしましたように、大学に対しましては再度調査もいたし、これが究明に努めてまいった次第でございますが、大体以上申し上げたような次第でございます。
#22
○小野明君 終わります。
#23
○勝又武一君 本年は国際障害者年でございますし、文部省は国際障害者年記念特殊教育推進事業といたしまして、新規に三千万円を計上しておりますが、特に文部省としては障害者のための教育を具体的に各県にどのように指導されているのか、お伺いをしたいわけです。
 一例を挙げますが、視覚障害の上にさらに二重、三重に障害をあわせ持つ子供、重複障害児について、もっと温かい手を差し伸べてよいのではないかと思いますが、昭和四十八年度から盲学校の高等部には特に重複障害者の教育が保障されておりますし、それからすでに八年を経過しているわけです。特にこの重複障害学級の全国の設置状況はどうなっているのか。本年でございますので特にお伺いをしたいわけであります。
#24
○政府委員(三角哲生君) 昭和五十五年五月一日現在におきまして、特殊教育諸学校の高等部に重複障害学級を設置している学校は、全体四百五十五校ありますうち百六十校でございまして、比率で申しますと三五・二%、こういう状況でございます。そして、この学級数で申し上げますと、全体で四百十学級、在籍者数は千八百二十九人となっておりまして、全高等部の生徒が二万一千百八十一人でございますから、そのうちの八・六%がこの重複障害学級に在籍をしておる、こういう状況になってございます。
#25
○勝又武一君 いま局長からありましたが、特に特殊教育諸学校高等部のうちで、たとえば盲学校の高等部だけを限定しますと、お話がありましたうちで文部省の調査によりましても、恐らく半分以上のところの学校にこの重複障害学級というのが置かれているというように思いますが、その状況についてもお聞きをしたいですし、そういう意味で今回静岡県の浜松盲学校の高等部というのがございまして、この浜松盲学校の高等部では、相当な無理をして、学校の中での校内操作で重複学級を発足をさしたということがございます。しかし、県が正式に認可をいたしませんので、PTA、父母、教職員等が中心になりましてこの重複障害学級の特設についていろいろと働きかけを行ったようでありますが、この年度末までについに県は認可をしなかったというように聞いておるわけでありまして、私は先ほどから申し上げましたように、別に国際障害者年だからということだけではなくて、もう日常から重視すべきだと当然考えますけれども、特段、いまお話のありましたような状況にございますので、こういうような状況につきまして、私は当然認可すべきだというように思いますけれども、文部省としてどのように指導をなさるのかお聞きをいたしたいわけです。
#26
○政府委員(三角哲生君) まず、先ほど全般の状況を申し上げましたが、盲学校について勝又委員の御質問にお答え申し上げますと、全国で盲学校で高等部を置く学校数が六十二校でございますが、そのうち重複障害学級を置く学校が三十三校でございますので、おっしゃいますように、半分ちょっとを超えておりまして、五三・二%と、こういう数値でございます。それで、その高等部の学級数が五十学級で、在籍者数は百七十人というのが全国の状況でございます。
 ただいまの浜松盲学校でのお話でございますが、私どもの方も県の方に若干事情を聞いたわけでございます。勝又委員もお調べになっておることとは存じますが、静岡県立浜松盲学校では、学校といたしまして高等部に重複障害学級を設置することを希望したようでございます。それで、この状況でございますが、現在は高等部本科一年に一名だけ重複児がおりまして、この四月から新たに二名が入学予定で、合計、重複障害児が三名になる。いずれも精神薄弱との重複障害でございまして、普通科に在籍しておるようでございます。そういった状況で、県の教育委員会では対象者が三人ということで、きわめて少数でございますので、これまでの通常の学級という形で、しかるべく適切な配慮を加えながら教育をするということが可能であるという判断で、希望ということで正式な申請ではなかったようでございますけれども、その間の詳しい事情はわかりませんが、設置ということを認めなかったというふうに聞いておるのでございます。
 この特殊教育諸学校の高等部での重複障害学級の設置につきましては、これは改めて申すことでもございませんが、それぞれの学校の設置者の判断によることになっておるわけでございますが、私どもとしては、国側の対応としましては、そういう学級が設置された場合には、今回の高校標準法の改正におきまして、一学級の生徒数の標準を通常五名でございますものを三名に引き下げるというようなことでやっておるわけでございます。国としましては、心身障害児の後期中等教育ということはまだいろいろと研究すべき問題も多い事柄でございますので、その教育形態でございますとか、それから対象者の範囲をどうするかといったことも含めまして、このあり方について現在協力者会議を設けまして、研究調査を行っておるところでございますが、これらの結論も得ました上で、また改めて都道府県の教育委員会に対しまして必要な指導を行ってまいりたい、こういうふうに考えております。
#27
○勝又武一君 いまの問題につきましては、特に教育現場の実情というものを十分お考えをいただきたい、そういう意味で一層の適切な御指導を願いたいと思います。
 なお、この浜松盲学校の教職員数を私なりの標準法で計算をしてみまして、現在の実際の教職員数と比較をいたしてみました。そうしますと、教職員数は九十名から九十一名になりますが、実際には七十六名です。十四名から十五名の不足になると思うんです。特に盲学校等で重要な役割りを果たしております寮母――最近は男の寮母も出ているわけでありますが、この寮母の数で見ますと、同じように十九名から二十名ということになりますが、実際浜松盲学校では現在十五名でありまして、四名から五名が不足、つまり標準法からいきましても、それぞれこのように大幅な不足をいたしておる。文部省はこういう実態についてどう思われるのか、これが一つです。
 それから他府県の同規模校と比較をいたしてみました。それぞれ二十二校ばかり私なりにやってみますと、きわめて大きな差があるわけです、ほかの府県の同規模校と比べましても。一体こういう点についてどういうようにお考えになるのか、さらにどういう指導をなさるのか、お聞きしたいんです。
#28
○政府委員(三角哲生君) この問題につきましても、直接の責任と申しますか、当事者は県の教育委員会でございますので、県の教育委員会がそれぞれどのような実情認識をし、かつどういう判断で措置をしておるかということが基本になるかと思う次第でございます。でございますが、私ども全国の状況についてみますと、五十五年五月一日現在で全国の公立盲、聾、養護学校――特殊教育諸学校でございますが、これの小中学部の教職員の配置状況について見てみますと、定数三万九百四十人に対しまして、実数は二万九千三百八十二人ということで、充足率というものは九五%と、こういうぐあいになっております。
 いま静岡県の学校についての御指摘でございましたが、静岡県についてみますと、県内の公立盲、聾、養護学校の、同じく教職員の配置状況は、定数八百五十一人に対しまして六百三十八人ということでございますから、定数に比較しまして低いという状況が見られるわけでございます。私ども文部省といたしましては、基本的には従来から各都道府県教育委員会に対しまして、やはり法律の定める標準に沿った教職員の配置について指導してきてまいっておりますので、今後とも同様の方針で指導の徹底を図ってまいる、こういうふうに思っております。
#29
○勝又武一君 次に、幼児期と小学生、幼児という定義いろいろあると思いますが、五歳未満、乳児を終わってから五歳まてのいわゆる幼児、それと小学生、これの体力低下の問題について、私はいろいろお伺いをしたいと思うんです。この問題は三十年、五十年後の日本の将来、今後の日本の教育について実に重要な問題だと考えるからであります。ここに文部省発行――文部省なんです、大臣。「子育ての中の基礎体力つくり」こういう本があるんです。非常に中身はいい本なんです。私も読んでみますと全く教えられるところがたくさんあるんです。お聞きしたいのは、一体これがどう使われておるのか、この中に指摘をされていることが、実際文部省、文部大臣、本当にどこまでこれ本気でおやりになっているのかということを二、三伺いたい。
 その意味で、これにも書いてあるんですが、たとえば私たち、特に私などが幼児、小学生のころは、いわゆる自然との遊びの中で、歩く、走る、登る――木に登るですね。跳ぶ、はねる、投げる、打つ、転がる、握る、引く、押す、泳ぐ、こんなことはみんな外遊びの中でやってきたわけですね。そうして、そういう遊びの中で自然と運動機能の発達や、基礎体力もつくられましたし、いわゆるしなやかさというものが身についてきたというふうに思っています。杉鉄砲をつくったり、家ではぞうきんがけをしてきた。ところがいま、これまあ一つの例ですけれど、たとえばいまの子供たちが杉鉄砲を撃ったり、家でぞうきんがけをやるなんということはほとんどない。そういう中で、いまの子供たちの外遊びの場所がないということをこの本も指摘をされていらっしゃる。そしてまた、この本見ますと、たとえば幼児のテレビを見る時間について、二時間から三時間までが四七%、三時間以上が四〇%、夜の八時以降でもテレビを見ている幼児というのは一五%以上。幼児の手足の運動が低下し、神経系の発達の悪さ、手足の不器用さが目立つ。幼児に近視と虫歯がふえ、六歳児の九八%、一人平均九・八本の虫歯。ところが、この本には、外遊びのために道路で、公園で、団地でそういう外遊びをやりなさいと書いてある。小中学枝を開放してあるから、そこでそういう外遊びをやったらいいんじゃないかということが書いてある。一体いま小中学校がどの程度に幼児の外遊びの場所として開放されているのか。外遊びのための環境づくりを文部省として本気にどういうようにおやりになってきたのか。この本の発行部数、配布先、利用状況等はどうなっておりますか。
#30
○政府委員(柳川覺治君) 先生御指摘のとおり、いま文部省では体力、運動能力のスポーツテストを実施いたしまして、その分析の上に立ちまして最近における子供たちの体力、運動能力の動向を推計いたしておるわけでございますが、御指摘のように小学生の体力、運動能力は、体位、体格が毎年向上しております。それにつれて全体的には伸びております。しかし、御指摘の筋力、あるいは体の柔軟性、その面で明らかに衰えが生じているということでございます。その面から幼児期における基礎体力づくりの強化ということが大きな課題であるということで、いま御指摘いただきました「子育ての中の基礎体力つくり」、指導資料を作成して、いま十六万ぐらい出ているかと思いますが、親と子の基礎体力づくり教室の指導資料にも充てるというような試みをしておるわけでございます。引き続きまして第二集をつくりまして、いま第三集、これは小学校の高学年十歳から中学校の三年生十四歳までのをいまつくっておる次第でございます。
 ハードの面といたしましては、身近な連動広場を各地につくっていく、また自然の中で子供たちが自然の動きに動を知る、そういう場つくりということでグリーンスポーツ施設構想を続けております。それらと家庭、地域、学校、三位一体となりましての子供たちの某礎体力づくりの推進ということに現在取り組んでおるところでございます。
#31
○勝又武一君 そういうことから、大臣ね、骨折の多いというのは、幼児期のときから体がかたくなっている、そして筋肉や関節がやわらかくなっていない、こういうことも指摘をされておりまして、私が言っておりますように、外遊びや基礎体力づくりのための遊具ですね、あるいは屋外施設、こういうものが特に現在の幼稚園に私非常に乏しいんじゃないか、そう思うわけです。いま局長からもありましたグリーンスポーツ施設とかグリーンスクール構想という話もありましたけれど、実際に聞きますと、小学校二百校、中学校百校――三百校程度をこの調査をされているというように聞いておりますが、私の言いたいのは、幼児期の体力づくりですね、これが非常に欠けているんじゃないか。そういう意味で、幼稚園教育の中の体育の中身というものについてもう一度再検討すべきだ。まさに知育偏重したエリート進学幼稚園、そうしてまた片っ方は、幼児の通う塾というのは英訳、数学、ピアノ、あるいはまた家庭内ではさっき言ったようにテレビばかり見ている、そうしてまたベッドはベビーホテルだ、こういう状況ですから、幼稚園の中におけるこの基礎体力づくりのための体育の中身の再検討なり、そういう施設についてどの程度調査をなさっているのか承りたいわけです。
#32
○政府委員(三角哲生君) 幼稚園についての調査というのもそう精密なものは実情としてやってはおらないのでございます。数量的な面につきましては、これはいろいろな実態がございますので一概にこれを把握するのはむずかしいのでございます。
 ただ、幼稚園教育の内容といたしましては、やはり勝又委員御承知のように六領域こしらえてございまして、健康それから社会――社会というのは社会生活、お友達とのおつき合い等も含めまして。それから自然――これは自然に親しむわけです。それから言語、それから音楽リズム、絵画制作ということでございまして、やはり幼稚園は小学校ではございませんから、余りに知育面のようなことではなくて、情操面でございますとか、ただいま御指摘のような健康、体育面、こういったことでございまして、先ほど押す、引く、そのほかいろいろおっしゃいましたが、幼稚園の教育の中でいろいろな連動に興味を持って進んでこれを行うようにするということを一つの柱にしておるわけでございまして、各幼稚園におきましては、投げる、押す、駆けるといったような基礎的な運動、それから鬼遊びとかいうような集団的な運動、それからジャングルジムですとか遊動円木のようなものを使った若干複雑な体の動きを必要とする運動、こういったものを通じて体力づくりを行っているところでございますが、今日幼児の体力が低下しているということも考えられますので、健康の面における指導の充実を一層図ってまいりたい。
 それから、調査は一々いたしておりませんけれども、いま申し上げましたような設備の基本的なものは幼稚園設置基準でもってこれを必ず行わなければならない、こういうぐあいな指導をしております。
#33
○勝又武一君 幼稚園設置基準その他については時間があればさらに詳しくお聞きしたいんですが、大臣、私が一番心配になりますのは、つまり三十年、五十年後の日本の将来ということを冒頭言いました意味はこういう意味なんです。局長おっしゃっているように、体格がよくなった、そのとおりですね。しかし、専門家に言わせますと、身長が伸びただけだと言っているんですよ、まさに。モヤシっ子と片っ方は肥満児ですね。小・中・高校生の体格がよくなったというけれど、実際伸びたのは身長だけである。体重にしても座高にしても問題がある。ぜんそくの急増、脊柱異常、背筋力の衰え、いろいろ出てきているわけです。骨折というのは二十年間に倍増している。五人に一人の比率が三人に一人だ。骨折の七〇%はたわいのない理由から起きている。これらはすべて私は小学校入学前の幼児のときの体力づくり――私たちのときのような外遊びができなくなっちゃった。外遊びができるような環境づくりをどうするか、ここにあると思いますので、大臣、一言で結構ですから大臣の見解をお聞かせくださいませんか。
#34
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま、幼児の問題について、先生からいろいろな貴重な御指摘があったわけでございますが、非常に体力の低下があるということにつきましては、いろいろと言われておるところでございます。特にただいま局長からお答えをいたしましたように、健康の問題を含めました六領域に分けて、そしてその達成を努力いたしておりますけれども、何分にもいま最後に御指摘のように、幼児を取り巻く環境というものが、われわれが幼児、幼少年時代とは非常に変わっておりまして、まあ一口に言えば土に親しむという機会が少なくて、至るところ、アスファルトやコンクリートの上で遊んだりなんかしていると、自然に接する機会も少ない。一方また、いろいろと栄養その他の面で非常に体格は大きくなっておりますが、このごろでは私なんか日本人として小さくなっちゃって、どうも子供たちの方がずっと背が高くなっちまう、こういうことになっていますが、それならば本当に鍛練された、しかっりした体力を持っているかというと、何をさしても根気もないし、非常にいろんな骨折その他の傷害が多いというようなこともおっしゃるとおりでございます。これをどういうふうにして健全な幼児教育をしていくかということは容易なことではございませんが、しかしながら省を挙げて、局長以下努力をいたしておるような次第でございまして、御指摘いただきました諸案件につきましても、それに対する改善方策について、いろいろと指導し、勉強もいたしておる次第でございます。
#35
○勝又武一君 二月二十八日と、三月七日の二回にわたりましてNHKが、多発する小中学生の骨折という特集をいたしました。その原因は、危い遊びを禁止する幼児時代の過保護、そして運動能力の低下にあると指摘をいたしまして、実は私の地元の富士宮市のN保育園を二度とも放映をして紹介いたしました。大臣、ここにありますけれども、(資料を示す)大臣のおっしゃるようにまさにどろんこ保育、ここに写真がありますが、どろにまみれた「泥んこ保育」、ここにありますように「大地に育つ」という、この二つの図書でも紹介されているような、そしてまた、ここにも富士山を背景に竹馬に乗って子供がおりますね。いまの子供ったら竹馬にさえ乗れない。こういうまさにどろんこ保育、大地保育というのを紹介をしておりました。私たちが子供のころは、実はこんなことはあたりまえでした。あたりまえのことがいまされていないから、NHKが特集をされる。私はここに非常にいまのほかの幼稚園や保育園がこういうことを行っていないよい証拠じゃないかというようにさえ思います。
 それからもう一つは、私の住む富士市に富士見台という大きな団地がありまして、ここにM幼稚園というのがあります。このM幼稚園では、幼稚園児に柔道を教えようとして受け身から始めたというわけです。ところが、幼児の九割が、体がいうことをきかない、骨や筋が固くなっておる、体が固くなっておる、竹馬に乗れない、木登りはできない、腹筋が弱い、反射性、敏捷性がない。三歳児からエックス脚というんですか、足がこうなっちゃっている。それから内またが多い、まさに柔道をやろうとして初めてこのことがわかった。そこでこの幼稚園では、ここにありますが、フィールドアスレチックという、こういうのを、ここに富士山がバックにあるんですがね。このアスレチックをつくりまして、幼児用の水泳プールをつくる、柔道をやれる場所を計画中なんです。私は、やっぱりこういう幼稚園が出てきていいというように思っているわけですね。
 ところが、この現行の私立学校法人幼稚園施設整備費補助を見ますと、文部省の補助というのは、新設の場合、定員増を行うというような場合に限定をされております。たとえばこういう、この屋外プールは建物、施設として補助対象にもなっていませんし、何か、こういうアスレチックも遊具の対象にはならないというように承っているわけです。で、私は、いま大臣からありましたように、あしたすぐやれというわけではありませんけれども、三十年、五十年後の日本の将来を考え、幼児期のこの基礎体力づくりというのは本当に必要だという観点をもう一度文部省当局で抜本的に再検討していただきたい。そうして、この新設とか定員増だけでなしに、先進的に、独創的にこういうところに取り組んでいるような場合、文部省の補助の対象といいますか、そういうような幼稚園教育の体力づくりの再検討といいますか、そういうような観点を含めまして前向きな御検討をいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#36
○政府委員(三角哲生君) ただいま勝又委員から御紹介がありました例は、いずれも非常に承っていておもしろい例でございますし、そういう創意工夫をこらしておやりになる園側の姿勢というものは非常に評価すべきものだというふうに考えます。
 私どもの方の立場でございますが、先ほど申し上げましたように、幼稚園は、やはり幼児というその段階での心身の発達の状況に応じましていろいろなことをやらせて体力を身につけられるようにすべきであるということで、設置基準の方では滑り台、ぶらんこ、砂遊び場といったようなものを義務づけまして、これとあわせて、ただいま御指摘のように、新増設に当たりましては、それらに加えてジャングルジム、遊動円木等の運動器具の整備に対する国庫補助を行っておるわけでございます。これは、御承知のように幼稚園教育振興計画ということを立てまして、希望する四、五歳児がすべて幼稚園に就園できるようにという計画を立てましたので、やはりそれに応じて幼稚園の新増設を促進いたしたいと、まあ新しく新増設するときには一遍にお金が非常にかかりますものでございますから、そこでまあ御協力も申し上げなければならないということでいたしたもので、したがいまして、新増設以外のは対象になってないというのは御指摘のとおりでございます。
 それから、いまのお取り上げになりましたいわゆるフィールドアスレチックにつきましては、まあこういったいろいろな新しい考えで特別の連動器具の利用、組み合わせによりまして、いわゆる瞬発力とか持久力の体力要素を高揚させるということだったと思いますが、まあ私どもとしては、フィールドアスレチック関係の用具は現在でもきわめて多種多様でございまして、やはり文部省の一つの方針として全国的にこの補助対象を考えます場合には、やはり何と申しますか、広く一般に共通で利用されているようなもの、これをまあ基準として取り上げざるを得ないのでいままでのような方針でやっておりまして、まあ確かにああいうことをやると子供もおもしろがっていろいろとこう励むこととは存じますが、私どもとして、現状では、各幼稚園で先ほど申し上げましたようなこれまでの通常の標準的な運動器具をいろいろと利用することによって、まあフィールドアスレチックでもやっておりますような、いわゆる瞬発力や持久力の、体を鍛えるということを十分に各幼稚園で配慮してまいりたいと思っています。
 なお、幼稚園教育の振興計画というのももういま終期に近づいておりますので、新しい考え方、どういうふうな幼稚園の充実、改善を図っていくかということにつきましては、これから各界の意見なども聞きまして検討をさせていただきたいと思っておりますので、その際に体力づくりをも含めまして、幼稚園教育のあり方全般について検討したいと、こういうふうに思っております
#37
○中野鉄造君 まず、高校入学問題についてちょっとお尋ねいたしますが、受験シーズンも一段落いたしまして、各受験者諸君及び関係各位の方々もそれなりの大変な御努力をいただいたわけでございます。しかしまた、その間、先ほどからもお話がありますように、きわめて忌まわしい事件もこのシーズンにあったわけですけれども、それはそれといたしまして、一面、中学から高校への入学受験者の家族にとっては何とも釈然としないような問題も介在しているわけでございます。すなわち結論から申しますと、中学から高校へ入学する場合、大方の家庭ではやはり公立高校への入学を希望するわけです。しかし、現実に公立高校へ入る枠が定められていることから、やはり言うところの滑りどめとして私立高校へひとまず受験をする、ここが大事になるわけですけれども、公立高校は私立高校入学発表が終わってから試験が行われるわけなんですね。そこで、私立高校への合格をした、それと同時に入学金の納付を義務づけられる。全部ではないと思いますけれども、全国的に私立高校合格者が公立高校合格発表後に入学金を払うようになっていると思うんですけれども、この現況がどうなっておりますか、それが第一点。そして、それを守っていない学校に対してはどういう指導をなされているか、その点をお尋ねいたします。
#38
○国務大臣(田中龍夫君) 最初に私から、先生の御質問に対しまして総括のお答えを申し上げ、あと担当の政府委員から申し上げますが、私立高校の所轄の関係は都道府県知事でございまして、御指摘の入学金の納付の時期等に関しましては、その指導は各都道府県がそれぞれ地域の実情を踏まえまして適切に行っておるところでございますが、文部省といたしましては、このような各都道府県のあり方につきまして適切に実施いたしますように指導を期待いたしておるのでございます。
 なお、これらの御指摘の問題、非常に重大な問題でもございます。政府委員からお答えいたします。
#39
○政府委員(吉田壽雄君) 補足説明いたします。
 第一点の、文部省はどのように把握しているかという御質問でございますが、私立高等学校に対します指導及び助言は、ただいま大臣から御答弁ございましたように、所轄庁でございます都道府県が行うものでございまして、御質問の人学金の取り扱いの具体につきましては文部省としては把握しておりません。私立高校が健全な経営を図るために一定の入学者数の確保を図るというような立場から、合格者の入学意思を確認するために二足の期間内に入学金を徴収する、そういう場合も多いと考えられますけれども、公立高等学校との併願者の状況だとか、あるいは各都道府県における公私立高校の設置状況等の実態を踏まえまして、私ども文部省としましては都道府県が適切に指導を行うことを期待いたしているところでございます。
 それから第二点の、文部省は指導すべきではないかというような御趣旨の御質問だと思いますが、いま申し上げましたようなことでございまして、私どもといたしましては各都道府県がこの入学金に関しまして適切な配慮を行うよう期待しているわけでございまして、そのようにそれぞれの都道府県から関係の所轄のもとにある私立高校に対しましていろいろと要請をしているところもあるというふうに聞いているところでございます。文部省として、先ほど申しましたようなことで、直接各都道府県に対しまして一律に指導を行うということは現在のところ考えていないというわけでございます。
#40
○中野鉄造君 そうしますと、いまの御答弁では、各都道府県の指導に期待をする、こういうようなことでございますけれども、ではお尋ねいたしますけれども、入学金というのは、やはりあくまでも入学をするということを大前提として納める性格のお金であると思うんですが、結果として入学はしなかった、しなかったならば、その一応納めたお金であってみても、それはお返しするのが当然じゃないかと思うんですが、その辺のところはどういうふうにお考えになりますか。
#41
○政府委員(吉田壽雄君) 先ほどお答え申し上げましたところでございますが、どういうふうに入学金を扱うかという問題でございますが、ただ、その入学料の性格というのは大変一概に言えないと思いますけれども、普通は学生なりあるいは生徒として学校という施設を利用できる、そういう地位を取得するにつきまして、入学に際して一括支払われる、そういうものであるというふうに言われているわけでございますが、これにつきましては、やはり入学に伴っていろんな学校としては準備なりあるいは手続等、相当人とそれから物と金をつぎ込んで実施するわけでございますので、そういうものにかかる手数料としての性格もあわせ持っているのではないかと思われるわけでございます。そういうようなことで、それぞれの地域、それぞれの学校につきまして、いろんな沿革なりあるいは地域の状況等がございますから、一概には言えないと思います。つまり、これは、そういうものを取った場合に、それぞれの都道府県の住民あるいは地域社会の住民の方々の納得が得られるかどうかが実は一番重要な要素ではなかろうかというふうに考えているところでございます。したがいまして、仮にほんの数千円の、そういう入学料のつまり一部だけを必ず公立学校の合格の発表を前に徴収するというような場合には、これは地域社会においても大体容認されると思いますけれども、何十万というような入学料を仮に取るということになりますと、公立学校に行った場合でも何十万というものを返さないということになりますと、やはりそれぞれの都道府県の住民あるいは地域社会の納得が得られにくい、そういうようなことで、それらにつきましてはそれぞれの都道府県知事が適切な指導、助言を行っておられるというふうに私ども承知いたしているところでございます。
#42
○中野鉄造君 非常に釈然としない答弁のように受け取れます。あくまでも都道府県の責任だとおっしゃりたげなお答えですけれども、じゃ私たち果たして――素朴なこれは疑問でございますけれども、先ほど申しますように入学金というのは入学を大前提として取るお金である。そしてその結果、入学はしなかった。しかし、お金だけはいただいておる。そうするとその高枝ではそのいただいたお金はどういうふうに経理上処理されているのか、あくまでも入学金として処理されているのか、そこいら辺非常に私も釈然としないわけです。それをお尋ねしても適切なお答えは余りいまの答えから想像しても期待できないと思いますので、私大臣にお尋ねいたしますが、すでにもう高校というものが義務教育化されている現在、今後こうした傾向がもう定着するんじゃないか、こういう気がしてならないわけです。そこで、この現実を踏まえて、この私立高校と公立高校の併立、これをただ単に先ほどのお答えがあっておりますような各自治体だけの問題としてではなく、今後、将来の問題としてこれを文部省としてどのような構想を持って指導されようとするのか。いままでどおりなことで今後も推移していこうとされるのか、そこいらの大臣の見解をお尋ねいたします。
#43
○国務大臣(田中龍夫君) さような次第でございますから、私冒頭に私自身からお答えをまず申し上げたわけでございます。つまり、いま入試制度の問題だとか入学金の問題だとかいろいろと問題になっておりますのでありまして、やはりただいま、このような私立高校の入学金の問題も私は非常に重大な問題の一つであろうと、こういうふうに考えたわけでございます。しかし、ただいまも政府委員からお答えいたしましたように、権限事項としましては、いまの都道府県の問題でございまして、そこに知事の所管の問題でございますからなかなかむずかしい関係にございますが、しかしながら、事入学金の問題等いろいろ問題になっておる現象の今日、やはりきちんとしたひとつ指導をしなきゃならないということを考えております。なお、今後のいろんな扱いにつきましても、非常に不備な点も多々あると思いますし、学校学校によって違ったりなんかすること自体がやはり問題のあれでございますから、さらに十分検討いたしたい、かように考えています。
#44
○中野鉄造君 私も文部省の今後の取り組みに大いに期待して次に参りますが、今日青少年の非行化に対しいろいろ対策が講じられており、努力をされておると思います。そうした中で、いわゆる覚せい剤の常用者がだんだん年々ふえていっておる。しかも、韓国からだけでも年間日本に三トンの覚せい剤が持ち込まれているというような、こういうお話を聞きますし、この間私は非常にショッキングな資料がここに入ったわけですが、「覚せい刑事犯年齢層別検挙人員」というのが、これは警察庁から出された資料ですが、十歳から十五歳まで五十二年が三十八人、五十三年が七十五人、五十四年が八十四名、五十五年が実に百五名、十歳から十五歳のそういう子供がこれだけの覚せい剤で検挙されておる。十六歳−十九歳、それから二十歳から二十四歳と、年齢別にここに資料が出ておりますけれども、それこそこれは氷山の一角ではないかと思うんです。学校当局といたしましても、自分の学校からこういう生徒が発生したということはこれは決して名誉なことではございませんので、どうしてもできることなら何とかこれは公表しないで内々のうちでと申しましょうか、一生懸命自分たちの手で何とか更正させようとする、そういったようなこともありますし、本当にそれこそここに挙がってきている数字というものの何倍という事件があっているんじゃないかと、こう思うんですけれども、こういうこの実態について、まず警察庁の方からお聞かせいただきたいと思います。
#45
○説明員(石瀬博君) いまほど御指摘にもございましたように、覚せい剤が最近一般市民層にまで非常に広がっておりまして、特にそれがこれからの次代を担う青少年の領域にまで入ってきておるということをわれわれは非常に憂慮をいたしております。過去五年間どういうふうな動き方をしているかを見ますと、成人の検挙人員よりも少年の検挙、補導人員というのが非常に伸び方としては多くなっておりまして、成人が一・七倍なのに対し、少年が四・五倍というふうなことで非常に伸びておるという状況でございます。しかも、覚せい剤を使用いたします少年というのは、前にシンナーとかトルエン等を吸飲している者がさらに強い刺激を求めて覚せい剤に移行するというような状況もございますので、今後ともわれわれとしましては、こういった問題につきまして積極的な取り組みをしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#46
○中野鉄造君 こういう事実に対して文部省としてはどういう取り組みをなさっておりますか。
#47
○政府委員(三角哲生君) 私ども文部省といたしましても、覚せい剤やシンナーを乱用する中学生あるいは高校生が見られまして、しかも人数もふえてきておるということは、やはり健全な青少年を育成しなければならないという、そういう立場からきわめて憂慮すべき問題であるというふうに考えますし、いろいろな機会をとらえて、こういったものが非常に危険なものであるということをしんからわからせていくようにすべきであると思っております。
 学校教育の面におきましては、理科でございますとかあるいは保健体育、そういった教科でございますね。それともう一つは、学級活動であるホームルーム、こういった時間における指導を通じまして、この薬物乱用によります心身の健康破壊、これに関する指導を行ってもらっておるところでございます。
 また、生徒指導という観点からは、学校でやはりできるだけ一人一人の生徒に対する状況把握を的確にしていく必要がございます。そのことによりまして、問題行動の早期発見と予防に努める。まあ何となくだるいというようなぼんやりした子があれば、これに対して指導をして、そういう薬物の影響があるのかどうか、そういうことをやっぱり早く発見するということが大事でございます。それが個々の学校における指導でございますが、全体的にまた文部省といたしましては教師用の生徒指導資料というものをいろいろつくってございまして、これは全学校に配るというような態勢にしておりますが、そういったものの活用、それから生徒指導担当者の研修というものも充実いたしまして、特に最近はそういう憂うべき傾向についてもそこに重点を置いた研修をいたしたい、そういったことによりまして教職員の指導力の向上というものを全般的に図ってまいりたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#48
○中野鉄造君 厚生省お見えになっていますか。――先ほど警察庁の資料に基づいて私その検挙された数字を申しましたけれども、厚生省としては本当は大体どのくらいのそういう潜在者数があるとお思いですか。
#49
○説明員(市原久照君) 従来から言われている潜在者数というのは、大体十倍ぐらい潜在患者がいるんではないかという説と、そんなにいないんではないかという、必ずしも定説は決まっておりませんが、かなりやはり潜在者数がいるんではないかということは常識として考えられます。
#50
○中野鉄造君 では、警察庁、厚生省、そして文部省、ここいらの話し合いによって、本当にこういうのを未然に防ぐ、そういう対策というものをいままで何か講ぜられておりますか。
#51
○説明員(市原久照君) 覚せい剤の乱用問題は、国民の健康にきわめて大きな害毒を及ぼすものでございまして、先ほど警察庁から御答弁ございましたように、特に最近青少年におきます浸透状況は、まことに憂慮すべき事態だと考えております。
 厚生省といたしまして、国民の健康を守るという立場から、かねてから関係機関とも協力し、各種の対策を講じてまいりました。
 現在、青少年等に対する覚せい剤の恐ろしさについての認識を浸透させるため、警察庁、文部省等、関係機関の協賛のもとに、都道府県と共催によります麻薬覚せい剤禍撲滅運動を全国的な規模で毎年行っております。
 また、昭和五十四年からは、覚せい剤乱用防止推進員制度を発足させまして、各地域の青少年等を対象に、きめ細かな啓発活動を展開いたしておりまして、覚せい剤乱用防止に対する啓発を行っております。
 そのほか、あらゆる広報機関を利用さしていただきまして、広報資料を作成して配布するなど、覚せい剤禍追放の気運を盛り上げているところでございますが、今後とも厚生省といたしましては、専門的知識に基づきまして一層科学的な啓発活動を強化してまいりたいと、このように考えております。
#52
○中野鉄造君 大臣、この点についての今後の決意をお尋ねいたします。
#53
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘の覚せい剤の問題は、これは非常に実は重大な問題でございまして、国民体位のみならず将来の人生を破壊してしまうようなことでありますから、われわれ子弟の教育を預かるものといたしましては、単なる一つの事件ではなくて、いわゆる国民教育上の面から申しましても大変な問題でございます。
 ただいまお話しのように、関係省庁と連絡をとりながら、こういうふうな問題は、特に私は、厳重に指導していかなきゃならない、さように考えています。
#54
○中野鉄造君 では、もう時間もございませんので次にまいりますが、国立大学附属小学校に関してお尋ねいたします。
 この附属小中学校ですね、この附属学校の使命とでも申しましょうか、他の公立小中学校と異なる点、これはいろいろあると思いますが、そうした全国に附属小中学校が何枚あって、そしてその小中学校の校長先生が当該大学の学長と兼務していない校長先生が何人いらっしゃるか、お尋ねいたします。
#55
○政府委員(宮地貫一君) 国立大学の附属学校の使命は、基本的なことで申し上げますと、教育学部におきます学生の教育実習に当たるということを基本的な役割りとしておるわけでございます。
 全国の附属学校の数でございますが、二百五十七校ございまして、附属学校の校長は教育学部の教官が兼任をいたしている、すべて兼任をいたしているものでございます。
#56
○中野鉄造君 そうしますと、文部省の中に大学局というのがありますが、その中に附属学校係というのがありますが、この附属学校係の職員の方は何名いらっしゃいますか。
#57
○政府委員(宮地貫一君) 大学局教職員養成課に附属学校係がございますが、係長一名、係員一名の計二名でございます。
#58
○中野鉄造君 そうすると、これだけの二百五十七校という学校数それぞれの、これらの学校からの要望や適切な処理や、先ほどおっしゃったような職務の内容の仕事があると思いますが、わずか二名の方々でこなせるとなると、これはもう本当に超人的というか、驚異の一語に尽きるわけですけれども、こういうことを聞きますと、これくらいの意気込みで行革をなさったらと、こういう気がしてならないんですが、私が申し上げたいことは、学制改革の落ちこぼしになっているんじゃないかというような気がしてならないからでございます。昭和二十四年、国立学校設置法が施行されて新制大学が発足いたしました。国立大学の附属の学校に関する政令が昭和二十九年、そして国立大学設置法施行規則が昭和三十九年に施行されましたが、こういうペースで、その中で附属学校に関する法的措置は忘れられたような形として、積年のいろいろな陳情運動もあったはずでございますけれども、にもかかわらず今日に至っておる。そして、このようにややもすれば等閑視されたようなきらいさえもあるわけです。公立学校のような義務教育国庫負担法に基づく校地、校舎、あるいは運動場などの基準も適用されないと。これは附属学校ばかりじゃないかもしれませんけれども、附属学校は旧制師範学校時代のままに放置されているところが多いわけなんです。また、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員の標準に関する法律、これによる学級編制や教員の定数も、大学のいろいろなお家の事情と申しますか、それに任されておりまして、同一規模の附属学校間でも教官の定数がまちまちであるとか、あるいはそういうようなことで、文部省も大学も一向にこれに手をつけようとなされない。さらには、地方教育行政の組織及び運営に関する法律による学校管理規則等に相当するものが各当該大学に定められておりますけれども、その大学学部はさほど附属学校のことについて関心があるとは言えないんじゃないか。その証拠に、これまでの国立大学の学長会等においても附属学校のものがいろいろ問題とされたことがほとんどない。また、それを裏づけるかのように、先ほどの御答弁にもありますように、わずかこれだけ、二百数十校の学校をわずか二名の附属学校の担当の職員でやっている。こういうことになるんじゃないかと思いますけれども、この辺の見解をどういうふうに持っておりますか。
#59
○政府委員(宮地貫一君) 先ほど申し上げましたように、附属学校の使命が、特に教育実習に当たるというようなことで、教員養成の面で大変重要な役割りを果たしていることはもとよりのことでございます。そしてまた、附属学校全体の整備につきましても、教育学部の整備とあわせまして、私どもとしても従来努力をしてきておるところでございます。具体的に、たとえば五十六年度予算案で申し上げますと、附属学校につきましては、たとえば新たに琉球大学に小学校を新設いたしますとか、あるいは帰国子女学級の増設を行いますとか、養護学校教諭の充実につきましては、特に五十六年度予算でも充実について配慮をいたしたところでございます。御指摘のように附属学校の教員の配置については、基本的には学級編制といたしましては、小学校一学級四十人、中学校四十五人というような学級編制で考えておりまして、教員の配置につきましても公立学校の基準に準拠して配置をしておるわけでございます。御指摘のように、既存の附属学校にあっては、若干定員の配置について、その点が不均衡になっている点もございますが、特に附属学校の教員の充実につきましては養護学校教諭の充実を重点に私どもとしても取り組んでいるところでございまして、御指摘の附属学校係の数の少ないことは大変定員事情が厳しいというようなこともございまして、先ほど申し上げたような人数で対応いたしておりますが、私どもとしては附属学校の任務にかんがみまして、その充実については全体の中で従来努力もし、今後もその努力を重ねてまいりたい、かように考えております。
    ―――――――――――――
#60
○副主査(渋谷邦彦君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 本日、勝又武一君が分科担当委員を辞任され、その補欠として本岡昭次君が分科担当委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#61
○本岡昭次君 同和教育問題と教育研修の問題について質問いたします。
 まず、同和教育問題ですが、予算委員会でも取り上げられて、文部大臣も「全国のあいつぐ差別事件」のこの冊子をごらんになって一応の答弁をされておりますが、いま一度、この場で、教育現場で相次いでいる差別事件についてひとつ見解を述べていただきたい。
#62
○国務大臣(田中龍夫君) その際にも申し上げたのでございますが、私は山口県の出身でございまして、特に同和の問題は北九州、山口、岡山、四国というふうな、中国地方というのは非常に同和問題が多いのでありまして、なおまた、私知事就任以来、同和問題とは取り組んでまいりまして、皆さま方と御一緒に今日までやってまいりましたものでございますから、その点につきましては私なりにいろいろと理解もいたし、努力してまいりました。御案内のとおりに、教育現場におきます同和の問題、あるいはまた結婚等に関しまする同和の問題、これは非常に実は困った問題でございまして、特に私たちといたしましては、あくまでも新憲法に基づく性格から申しましても、いやしくも学校の中におけるそういうふうな差別の問題があってはならないと、せっかく努力をしてまいっておるところでございます。
#63
○本岡昭次君 もう少しはっきりとした見解がいただきたいんですが、言葉じりをとらえるようで悪いですが、非常に困った問題だというふうなひとつ表現の仕方だけはやめていただきたいと思います。
 そこで、労働大臣は就職差別は絶滅させるという大変な決意を述べられているわけですね。とすれば、文部大臣もやはり教育現場から差別事件をとにかく絶滅させるという決意が同じようにあってしかるべきだと思うんですがね。
#64
○国務大臣(田中龍夫君) まことにそれは言葉の問題でございまして、私自身が教育現場からそういうふうなものは全く払拭しなきゃならない、かように考えております。
#65
○本岡昭次君 ひとつ労働大臣と同じように、文部大臣も、教育現場から、あってはならないこの差別事件、こうしたものが絶滅できるような対応を具体的にとっていただきたいと思うんです。
 そこで、私のこの質問が正確かどうかわからないんですが、大臣がそうした教育現場における差別事件を絶滅させていくためにもやはり現場の実態を知るべきである。いま山口だから私も知っていると、こうおっしゃっておられますが、大臣としてまだ教育現場を同和教育行政の立場から視察されたことはないと思うんですが、何か国会答弁ではそれをしてもいいというふうなことがあったと私は聞いているんですが、それはそれとして、私は、ぜひ大臣が教育現場の実態というものをその目でひとつごらんいただきたい、その体で感じていただきたいと、こう思うんですが、いかがですか。
#66
○国務大臣(田中龍夫君) 特に同和の地区を視察するという、文部大臣となりをしてから云々ということはございませんが、現実に私は私の選挙区で、あるいはまた私の郷里におきまして現場には始終行っております。そしてまた、同和の皆さんと御一緒にいろいろと御相談をしたり、あるいはまた御協力をいたしておる次第でございまして、そういう点はよその御出身の方とはちょっと私は立場が違う、御一緒に闘ってまいっておる次第でございます。
#67
○本岡昭次君 山口でのお話ですから私はよくわからないんですが、私は兵庫県の出身ですから。
 文部省のこの統計資料を見ても、人口比で一番多いですね。そして同和地区の子供たちが一〇〇%近く通っている学校というのは幾つかあるわけです。ぜひ、これは文部大臣として、私は現地の状況を、そこで悪戦苦闘している教師、そして親、また解放同盟の皆さんのそうした姿を一度ごらんになると、いままで大臣が経験されておる山口県での実態――こういう言い方はまずいかもしれませんが、私は思うんですが、いかがですか、一度そういう現場を視察されるということは。
#68
○国務大臣(田中龍夫君) 決してそういうことはやぶさかではございません。山口のみならず、あるいは私大阪でありますとか、あるいは広島でございますとか、岡山でございますとか、現場にも参りましてよく存じ上げております。
   〔副主査退席、主査着席〕
#69
○本岡昭次君 時間がありませんからその問題のやりとりはこれで終わりますが、私の要望としては、ぜひ文部大臣としてそういう機会をつくっていただきたいということを要望をしておきます。またその問題は改めて別の角度からお願いすることにします。
 そこで、五十五年度の予算の中に、というよりも第五次教職員定数改善計画の中で昭和四十四年から開始された同和加配教員の配置が千六百二十人というふうに計画されているわけですが、まず五十六年度の配置計画をひとつ教えていただきたい。千六万二十人というのは十二年間にわたって配置される同和加配教員の総数ですが、五十六年度は何人配置されるか。
#70
○政府委員(三角哲生君) 五十六年度は百五十人を予定してございます。
#71
○本岡昭次君 そこで、千六百二十人というものを十二年間にわたって配置するということの評価はまた別にしますが、私は結論から言えばこんなことではどうにもならぬと、同和教育というものは教育現場で本当に力あるものにならないと思うんですが、しかし、乏しい定数の中で精いっぱいこれだけ配当したということはそれなりに評価もしたい、こう思っているんです。そこで問題は、千六百二十人という数値をはじき出すにはそれだけの実態把握というものが必要であろうと思うんですが、一体どのようなデータに基づいてこの千六百二十人という数値をはじき出したんですか。
#72
○政府委員(三角哲生君) 御指摘のように、五十五年度を初年度とします十二年間の第五次計画で千六百二十人というものを措置をすることにしておりまして、これは四十四年から五十四年までに千五百四十六人という同和加配の措置をやってきたわけでございます。でございますから、これは十一年間に千五百四十六人、さらにその上に乗せまして今回千六百二十人という計画を出したわけでございます。
 これの計算でございますが、これまでの計画では同和地区の児童生徒数で一五%以上のところには一人、それから百一人以上おりますところにさらに一人、こういうことでいたしまして、直近の昭和五十年の総理府実態調査で算定した結果と、それから五十三年三月末までの総理府に対する追加報告を含めましたそういう調査によりまして算定をして措置しておるのが、五十四年度までの総数千五百四十六人でございます。これに第五次計画ではこれを改善をいたしまして、児童生徒数が一五%とありましたとのを一〇%以上の場合に一人配当する。それから百一人以上一律に一人プラスと言っておりましたのを、今回は同和地区の児童生徒数の段階別な区分を設けまして、八十人から百六十人のところに一人、それから百六十一人から三百二十人のところには二人、三百二十一人を超えますところにおいては三人、こういうふうに措置をいたします。そうして、さらにその上で、いままで申し上げました基準でもなおかつ未配置となる学校数を出しまして、その三分の一にまた措置をするというようなことを加えました結果の数字が千六百二十人ということでございまして、これをこれまでの実績と合算いたしますと、総数三千百六十六人という先生を措置する、こういうことにしておるわけでございます。
#73
○本岡昭次君 百人に何人とか八十人に何人とかというそういう基礎数ですね、やっぱりその人数というものを正確にこれは把握しなければならないわけで、いまの説明ですと五十年の総理府の調査、その後五十三年に修正をされたということなんですね。それで、文部省の出しているこの「同和教育資料」を見ても、大正十年、昭和十年、昭和三十三年、昭和三十七年、昭和五十年と、それぞれ同和地区数あるいは同和地区人口が書いてありますが、かなり変動しているんですね、その調査調査によって。ということは、相当きめ細かく調査を繰り返していかないと本当の実態把握というのはできないんじゃないかと思うんです、この数の変動があるということから。
 そこで、十二年間にわたっていまから千六百二十人を配置していくということが、必ずしもこのデータが、昭和五十年のデータでやるということは、正確ということについてはやはり若干問題が出てくるんではないかと、このように思うんです。そこで、やはり改めて実態調査というものをやって、本当に文部省が先ほど百人にとか八十人にと言ったことが現に実態に合っているのかどうかということを再把握する必要があると、こう思うんですが、簡潔に私の質問にひとつ答えてください。
#74
○政府委員(三角哲生君) 先ほど五十三年と申しましたのは、昭和五十四年度までの措置についての実態調査でございます。
 第五次計画の発足時には、さらに五十四年六月までの総理府に対する追加報告を含めまして算定していく。これは千六百二十人というのも一応見込み数でございますので、それは確かに本岡委員おっしゃいますように、社会移動でございますとかあるいは自然増とかいうことがございますので、それはやはりその時点時点でそういうデータをとっていかなければならない、こういうふうに思っております。
#75
○本岡昭次君 いまの御答弁で私はいいと思うんですね。だから、一応見込み数ですから、あくまで。しかし、百人に一人とか八十人に一人とかというこの算定基準というものをしっかり定めて、そして実態調査をできるだけきめ細かくやって、加配教員の問題にひとつ対応していただきたいと、そういうこと、よろしいですね。
 はい。そこで、その加配教員のいわゆる目的というんですか、目的と言うのは余りよくないですが、加配教員にどのような役割りを文部省として期待しているんですか。
#76
○政府委員(三角哲生君) 同和地区に所在します学校に特別にこの教員の加配措置を行っているわけでございますが、これは、これらの学校におきまして、加配を行わない普通の基準での教育の実施に対しまして、それに比べてより充実した生活指導あるいは学習指導を行っていこうと、こういう配慮に基づくものでございます。
 教員が加配されました学校におきましては、そのほかに家庭との連携というようなことにも心がけてもらいまして、学習指導、生活指導の両面から成果をだんだんに上げてきておるというふうに私どもは承知しておるのでございます。
#77
○本岡昭次君 この資料の三十ページにも教育の現状として、「教育の状況は学校教育における児童生徒の学業の不振と社会教育のおくれ、同和教育の不振等が目立っている。」と。「目立っている。」というふうに、これは五十五年の七月、文部省がこの資料の中に出している。だからこそ、同和加配の教員がそれぞれの学校に配置されて、子供たちの学力の向上なりあるいは同和教育の推進なり進路指導の具体的な展開をやっていくんだろうと、こう思うんですが、そこで、私も経験しているんですが、この加配教員が学校に配置されたときの状況なんですね。私のいま言うことが正しければ、それでいいんだと言っていただきたいんですね。
 加配教員が学校に配置されたから、君は同和加配教員だから君が同和教育をやれ、同和の問題についてすべて責任を食えと、こういう形じゃなくて、そこの学校の教職員が打って一丸となって、その教員を中心に同和教育、そして地域のさまざまな同和の諸問題に、社会教育に携わっていく推進力になるんだと、それで教員、校長挙げて全員がその同和教育の推進体制をしいていくんだというふうに私は理解をしている。君が配置されたからどうじゃなくて、そしてその学校の教育の対応の仕方は、たとえば学級の編制基準を変えて、その四十五人の三個学級に一人教員が加配されたことによって三十四人の四個学級とすることをその学校の対応措置として行ったら、そこに学校として学力の低下というものを引き上げていくところの教育条件というものの、そこの具体的な改善がその同和加配教員によってできる。あるいはまた、複数の教員が一つの教室に入っていって、そして二人の先生で子供を教えるということもまたできる。あるいはまた個別指導ということで、そこで普通の授業が行われている中で、特別の子供は別の部室へ行って、そこでまた一人の先生にしっかり指導を、懇切丁寧に受けることができるとか、さまざまな形がその学校学校によって展開されることを私は期待をするわけなんですね。
 だから、私がいを言っているようなそういう学校の同和教育方針、とにかく子供たちの学力を向上させにゃいかぬ、同和教育を徹底させて差別事件が起こらないようにせにゃいかぬ、差別に対する誤った認識というものを払拭せにゃいかぬ、進路指導も正しくやっていかにゃいかぬと、こういう一つの学校の取り組みを私は願っているんですが、私のいまの考え方で間違いありませんか。
#78
○政府委員(三角哲生君) おっしゃるとおりだと思います。学校学校によっていろいろ事情がございますが、いろいろな取り組み方で一生懸命とにかくやっていただくということで、加配教員一人の仕事ではないので、校長のもとに、先生おっしゃいましたように一丸となってやっていただく。加配教員がいわばその中心的な一つの調整役とかあるいは企画をするとか、まあそういうことはございますけれども、やっぱり全員で一生懸命やっていただくということが基本であろうと思います。
#79
○本岡昭次君 そこで、小中ではそういう制度があるんですが、高校学校にはないんですが、高等学校にやはりこの制度をつくっていくというお考えはないんですか。
#80
○政府委員(三角哲生君) 小中学校につきましては、これは御承知のようにやっぱり地域にわりと密着しておる形で設置されており、数も多いわけでございます。でございますから、この同和地域の児童生徒の通学する学校というものが非常に関係が濃いというか深いわけでございます。そういうことから、先ほど申し上げましたように、生徒指導、学習指導を充実させる上に教員を特別に加配するということが非常に大きな意味を持つというふうに考えられるわけでございます。そこで、従来から加配措置を講じてきたわけでございますが、高校ということになりますと、通学区域も広域になりますし、それから入学してくる生徒も必ずしもその年々で一定していない、こういうことなどから小中学校と同じような形の同和加配ということは、その趣旨からして若干その状況を異にするんではないか、こういうふうに思っておるのでございます。
 ただ、教育現場におけるこの差別事件の解消につきましては、高等学校も小中学校もこれは同じように重大な問題でございますので、私どもは高等学校につきましても、教育委員会に対して一層の指導の徹底を図ってまいりたい、こう思っております。
#81
○本岡昭次君 高等学校、大学、ここのところに対する、局長の方から答弁がありましたように、積極的な対応を文部省から要請すべきだと私も考えます。
 そこで大学の問題なんですが、私の手元に、ある、これは文部省も御存じだと思うんですが、大学の差別事件、トイレに落書きというのが非常に多いということで、東京大学を初めずっと、こう幾つかの落書き事件、ここで読み上げるのも、私は耐えられない言葉がここにいっぱい書いてありますから、あえてそういうことは読み上げませんが、大学におけるこの同和教育に対する関心度というんですか、そういうものは、たしか文部省の報告によれば、昭和五十二年度では四十九大学、八十九科目というふうな状況で、同和教育に関する授業を開設しているというのが、昨年では六十八大学、百三十科目というふうにふえていっているということは非常に好ましいと、こういうふうに私も思うんですが、しかし、ここに出ている東京大学なんというのは恐らく開設している大学じゃないと、こう思うんですがね。一つの要望は、六十八大学、そして百三十科目というその中身ですね、どこの大学がどういう科目をどれだけの単位同和教育として開設しているのかという資料を後でいただきたい、ここでそれを議論すると時間がありませんから。それと、開設されていない大学にこういう差別事件が集中しているとは思いませんが、しかし東京大学というと日本の最高の大学であるんですが、そういうところでこういう差別の落書きというふうなものが行われているということ、これは大学教育として最も恥ずべきところだと思うんですが、文部大臣、このことをどうお考えですか。
#82
○国務大臣(田中龍夫君) 大学の中における同和教育あるいは講座、そういうふうな問題につきまして、われわれは政府といたしまして国全体の立場から推進いたしておりますし、また教育の面からもいたしておりますが、いまお話の大学に関しましては、やはり大学の自治という問題もありますし、問題は学内におきます問題といたしまして、その点は配慮しなけりゃならない問題が残ると思います。
 しかしながら、この同和の問題は、日本国民が、全体がよく理解し、認識し、そしてそれ自体がもう、何と言いますか、新憲法の精神にのっとってそういうことがないように、これが最高の目標になると思います。
#83
○本岡昭次君 もう時間もありませんから、また後で資料として拝見さしていただきます。
 そこで、大臣、やはり大学というのはもう大衆化しておりますから、何も大学へ行った人がこれから日本の指導者になるとは限りませんけれども、少なくともそうしたことを望んで皆大学に来るわけで、そうした日本の社会のこれからリーダーになるべき人たちが同和教育のこの問題について非常に間違った、ゆがんだ認識なり関心を持っているということ、これは将来にわたって重大な問題を私は惹起すると思うので、十分ひとつ大学に対するこの同和教育の問題について、大学自治というものがありますが、それは十分大学当局と話し合って、大学側もそのことの重大性を認識して積極的に大学教育の中にそれを取り入れていくよう、ひとつ大臣としても御努力願いたいということをお願いしまして、あと一つ研修の問題、もう五分しかありませんが、駆け足でお願いしたいと思います。
 そこで、たくさんお願いしたいんですが、一つ中央教員研修講座というものがありますが、五十六年度の予算額について、幾ら計上されているのか、ちょっと教えてください。
#84
○政府委員(三角哲生君) 三千七百三十九万六千円を計上いたしております。
#85
○本岡昭次君 それで、その予算はどのような経費に具体的に使われているんですか。
#86
○政府委員(三角哲生君) これはいろいろございますが、研修実施要項といったようなものの印刷費、講義用のテキストの印刷費、講師のための旅費、謝金等、それから研修会場への事務連絡、旅費、それからその他に見学用バス借り上げ費などでございます。
#87
○本岡昭次君 そこに校長、教頭等が七百五十一名、それから教員が九百五十五人参加をしているんですが、相当各県の持ち出しがあると思うんですが、各県の持ち出している総事業費は幾らですか。
#88
○政府委員(三角哲生君) この各県の全国の総額というのはちょっとすぐに把握できませんので、いま手元に数字は持っておりませんが、研修に参加する各個々人の研修経費と申しますか、いわゆる宿泊して研修しますので、食費、宿泊費がございますですね、これとか、それから研修……
#89
○本岡昭次君 総額わからなければ後で言ってください、時間がないから。
#90
○政府委員(三角哲生君) 研修の場所に参ります交通費、この実費額を、これは本人負担ですけれども、これを各県で負担する県がほとんどのようでございます。
 なお、この都道府県が支出しますこれらの費用は、小中学校の教員については義務教育費国庫負担法でその中に積算してございます。それから高等学校の教員については地方交付税措置で手当てをしておる、こういう仕組みになっております。
#91
○本岡昭次君 それでは、また後ほど総額はちょっと教えていただきたいと思います。よろしいですね。
#92
○政府委員(三角哲生君) これは県に聞いてみませんとわかりませんので、どれだけ正確な数値がつかめるか、ちょっと検討さしていただきます。
#93
○本岡昭次君 そこで、教諭は三十五日出張してくるんですね。そこで三十五日間教室をあけるんですが、その裏づけ等は一体どうなっておるのか。
#94
○政府委員(三角哲生君) 本岡委員御承知のように、非常に長期にわたる研修を教員が受ける場合には、教職員定数の算定に当たりまして、一定数の教員の加配ということを行うことにしておりますが、六カ月未満のいわゆる短期のものについてはこういう加配は行っておらないのでございます。ただ、定数標準法によりまして、小学校の場合には学級担任以外に専科教員等の補充教員を一定数、平均三人充てております。それから大規模学校では五人程度充てておりますので、これによって三十五日程度の短期研修等で学級担任の教員が欠けた場合でも、そこのところはお互い協力し合って平常の授業が行えるように配慮しておるというところでございます。また、中学校、高等学校の場合におきましても、これは小学校よりも御承知のように教員数が多く配置をされる算定になってございますので、この程度の穴埋めは現場で十分対処できるであろう、こういうふうに考えております。
#95
○本岡昭次君 そんなのんきなことじゃない、三十五日間あえて学校で対応せいというふうなことじゃないと思う。経費も相当かかる。
 そこで、私はこれ中央研修、わざわざ全国から筑波の分館に集めて三十五日間もやるというふうな研修はやっぱり各県に戻すべきだと思うんですよ。文部大臣、これから行政改革でさまざまな歳出削減の問題が出てくると思うんですが、このように地元でやればもっと有効にできるものをわざわざ中央に集めてやるというような研修計画、これは見直すべきであると。しかも、いま言ったように裏づけもないんですよ、三十五日間先生が出てきて。そういうふうなちょっと無理があると思うんですが、いかがですか。最後聞いて終わります。
#96
○国務大臣(田中龍夫君) 御意見を十分に拝聴いたしました。委員のおっしゃることも理解できます。やっぱり地元というものが基本でなきゃなりませんが、中央研修というものは、何か御要望があって中央で研修するようになったんじゃないですか。
#97
○本岡昭次君 いえ、違いますよ。
#98
○国務大臣(田中龍夫君) そうですか。それはどうも失礼しました。
○主査(亀井久興君)午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時開会
#99
○主査(亀井久興君) ただいまから予算委員会第四分科会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、昭和五十六年度総予算中、文部省所管を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#100
○小笠原貞子君 古くて新しい問題といいましょうか、また、一地方の問題ではなくて、日本全国各大学で深刻な問題としてずっと論議されてまいりました定員外職員の問題について、具体的な中身からいろいろとお伺いしていきたいと思います。
 まず、私の地元北大で実態を何度か調査させていただきました。Aさんという御婦人の方――経済学部で図書の仕事、和書の整理をしていらっしゃいます。この方は昭和三十七年四月十六日に同経済学部に勤務されまして、この四月で十九年になります。いまだに一日八時間の日々雇用の定員外職員です。この専門書の整理の仕事が経験と専門性を要求され、また、北大の教育、研究を支える上で欠かすことのできない存在であるということはだれもが認めている一つの例です。そして、その間、この方は結婚されました。そして、子供さんも生まれました。そのときには雇用契約は解除され、また、アキレス腱を切って入院されたときも同様。劣悪な待遇上の条件はもう御存じのとおりだと思うんです。本人にいろいろ伺ってみますと、定員化に向けて公募制はとられているけれども、年齢制限で受けられない。試験だけでも受けさせてほしいと彼女は本当に深刻に訴えてくださいました。
 また一つ別の例です、Bさん。これはやっぱり北大のある研究所に一日六時間の契約で勤務する女子職員です。生化学の実験の手伝いをし、その仕事の内容を聞きましたが、ポリアクリルアミド初め毒性を持った危険物を扱う、そして、電気泳動によるたん白の測定など、トレーニングと経験の必要な仕事でありますので、だれでもというわけにはいかないと指導していらっしゃいます教官からお話を伺いました。昆虫の研究に使う昆虫には、これは休みなくえさを与えなければなりません。夜中も日曜日も休むというわけにはいきません。大学院の入試だとか教授会、講演、二、三日の出張で抜けるような場合、どうしても測定の助手が必要だと、絶対にいなくては困ると、これも教官の言葉でございました。
 それからまた、計算機センター、これは北大で大変大型計算機センターというのが充実してまいりました。現在十二名の定員外職員がおります。で、センター長も立ち会いのもとで採用者に対し三年以上は勤めてほしいと言われておりました。なぜなら、パンチャーの仕事はどうしても一、二年こなさないと仕事になれないためということを言われておりました。全国七大学にある大型計算機センターすべて同様だという問題でございます。
 で、例を挙げますと非常にたくさんになりますので、時間の関係上、北大のこの問題について私はお考えをいろいろ聞かせていただきたいと思うんです。
 まず初めに、国立学校の日々雇用職員数、時間雇用職員数は幾らになっていますか、簡単に数字でお答えをいただきたいと思います。毎年度でなくて、四十六年と十年目ということで。
#101
○説明員(齊藤尚夫君) 日々雇用それから時間雇用ということですが、国立学校におきます非常勤職員のうち、いわゆる日々雇用職員の数でございますが、これは五十五年の七月一日現在の数字でございますが八千二十三人、十年前というお話でございますが、四十六年の七月一日現在は一万八百九十五人、その差は二千八百七十二人、これだけ減少しておるということでございます。
 それからパートタイム、いわゆる時間雇用の職員でございますが、この職員は五十五年七月一日現在五千八百六十六人、十年前の昭和四十六年七月一日現在では千四百四十一人、したがいまして四千四百二十五人という大幅の増でございます。
#102
○小笠原貞子君 私は、この人たちを日々雇用だとかいわゆるパート、時間雇用の職員にしているということに非常に大きな疑問を持っているわけなんです。と申しますのは、文部省では日々雇用とか非常勤という職員については臨時的に季節的に必要なときに雇い入れる性格のものであると、こう規定づけていらっしゃるわけです。しかし私さっき三つ例を挙げました。図書の専門の知識が必要だと、それからまた計算機センターについても、これまたきょう来てきょう仕事になるというわけではございません。そうしますと、臨時職員、定員外というこの制度と私が申しました実態との間に非常に矛盾があるのではないかと。いまの例から、大臣いかがお考えでしょうか。
#103
○国務大臣(田中龍夫君) 先生前から非常勤職員の問題について大変に御尽力いただいておるわけでありますが、大学の多数抱えております非常勤職員の在職者、この処遇の改善の問題が議論の焦点であろうと思いますが、これまでも改善に努めてまいりましたけれども、今後ともにその改善につきましてはいろいろと具体的な問題から研究してまいりたいと、かように考えております。
#104
○小笠原貞子君 今後とも改善しなければならないというお答えでございました。それは明らかに実態とこの制度が矛盾があるから今後とも解決する、検討する課題であるというふうに受けたいと思います。よろしゅうございますね。大臣一言、はいかノーか。
#105
○国務大臣(田中龍夫君) 結構です。
#106
○小笠原貞子君 じゃ先ほどおっしゃいました八千二十三人でございますね、五十五年度日々雇用。そのうちでどれくらいが、いま言ったように恒常的に必要としている勤務についているかというようなことについて調査をしていらっしゃいますか。
#107
○説明員(齊藤尚夫君) 先生も御承知のとおり、定員外の職員につきましては、その雇用の形態が定員職員と違って恒常的に雇用されているものではございません。ただ、日々雇用職員のうちで一定の雇用期間を超えて事実上継続するという職員も多数おることもまた事実でございます。現在、日々雇用職員の中で、たとえば五年以上というような観点で調査をいたしますと、五十五年の七月一日現在で三一%台に乗っておる、かなり大きな数だというふうに考えております。
#108
○小笠原貞子君 私が言いたいことは、大臣ね、確かに制度的には日々雇用であると。しかし、二年、三年ではなくて五年、先ほど言いましたのは十九年という者に日々雇用という形態をとりながら働いてもらわなければならないということから考えますと、これは非常に大きな問題だと思うんですね。いま資料もいただきましたけれども、二年以上というのを調べてみますと、八千二十二人のうち四千七百五十七人という方たちが、ずっと恒常的な仕事に、あるから、しなければならないからこういう人たちが出ていると、そう思うわけなんです。
 次にお伺いいたしますけれども、大臣いまお聞きになりまして、やっぱりこういう問題については解決しなければならないというふうにお考えになっているとさっきおっしゃっていましたが、もう少し積極的にこの問題について解決しなければならないとするならば積極的にどうしたらいいかというようなお考えがもしあったらお伺いしたいと思います。
#109
○国務大臣(田中龍夫君) 私は素人でありまして、人事規程あるいはまた定員問題、いろいろなそこには従来の規則やその他があると思うのでございますが、気持ちの上ではただいま先生に申し上げたとおりでありますけれども、その日々雇用とかあるいは臨月とかいろんな名前で呼ばれておりまする各省庁にあります。そういうふうな問題との相関関係、あるいはいろんな問題が、伏在すると思います。これは、ひとつ人事の専門家でないと実はわかりませんので、政府委員からお答えをさせます。
#110
○説明員(齊藤尚夫君) 処遇の問題かと思うわけでございますが、非常勤職員の処遇の問題につきましては、文部省といたしましてもこれまでいろいろと努力をしてきたわけでございます。現在、関係団体からはいろんな御要求があるということも承知しておりますが、実は五十五年の五月に長期にわたって事実上勤務しております非常勤職員に対する処遇の改善の措置を講じたばかりでもございます。また、具体的に御要求のある問題につきましてもなかなか技術的にむずかしい問題を含んでおるわけでございます。鋭意検討はしてみたいというふうに考えております。
#111
○小笠原貞子君 矛盾があると、検討しなければならないというお答えでございましたが、そうなりますと、一九六一年二月二十八日閣議決定、定員外職員の常勤化の防止については実態に合っていないのではないかと、いまのお答えの中でも合っていないというふうに思われるからこそ、これから改善しなければならないというお答えになったと思うんですが、違いますか。簡単に。
#112
○説明員(齊藤尚夫君) 先生が御指摘されました昭和三十六年の閣議決定、これが当時非常勤労務者というふうな形で常勤的な非常勤職員が多数おったわけでございます。その間に定員内の繰り入れの措置を講じました。そのとき国立大学関係につきましてもかなり繰り入れの措置が講ぜられたわけでございます。その後、閣議決定によりまして非常勤職員の常勤化の防止についての努力が各省庁に義務づけられておるわけでございまして、この点につきましては、文部省としても当然その閣議決定の趣旨に沿って努力をいたしておるということでございます。
#113
○小笠原貞子君 閣議決定に沿って努力をしているとおっしゃっているのはそのとおりの答えになると思います。しかし、先ほどおっしゃったように、日々雇用というのは確かに十年間減っています。しかし、パートの職員というのは物すごいふえ方をしていますね、三倍以上ふえているということですね。だから、努力をするというのは閣議決定に従って合理化していくという努力の立場に立つのか。大臣にお伺いしたいんだけれども、やはり文部大臣、日本の学術研究という立場から立てば、日本の学術研究の立場に立つという努力を私はしていただきたいと思うのは当然だと思いますが、いかがでございますか。
#114
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘になりましたような研究の助手のような縁の下の力持ちをしてもらっております方々も多数あると思います。これは先ほども申しましたように、その職種、任務というものは非常にいろいろあると思いますので、一律には概定できないということもよく御承知だろうと思います。
#115
○小笠原貞子君 ですから、私は一般的に言わないでこういう場合というように具体的に質問をしているわけです。
 さて、そうしますと先ほど申しました図書係の方なんですけれども、たとえばこういう方たちも協議採用の拡大を図るというようなことで定員化への努力をやっていただきたい、配慮すべき点ではないかということと、それから恒常的に働かなければならないという実態から踏まえて何年かの計画で定員へ繰り入れを図っていかなければならないのではないかと思うんですけれども。簡単に。
#116
○説明員(齊藤尚夫君) ただいま協議採用というお話がございました。これらの人たちの対象となる官職、これが常勤の官職であります場合には行政職(一)の適用を受けるとかあるいは(二)の適用を受けるとか、そういうことで試験対象官職でございます。試験がございまして、任用候補者名簿に登録されております間は協議ができない。それが大変少なくなって五人以内というふうな数になりました場合には協議の道が講ぜられるわけでございますが、現在非常勤職員の中から欠員等によります定員内に採用されております人の数は年間約六百人程度は毎年なされておるという実情でございます。
#117
○小笠原貞子君 恒常的に、計画的にという点はどうですか。
#118
○説明員(齊藤尚夫君) 事務職員あるいは技術職員の定員措置の問題につきましては毎年度いろんな形で努力をいたしておるわけで、新たな組織をつくりますとかそういう場合につきましては新たな定員を採るというような措置を講じておるわけでございますが、現に非常勤の職員がおる、その非常勤の職員をそのままの形で定員化するというようなことは現在の厳しい定員事情のもとにおきましてはきわめて困難であるというふうに考えております。
#119
○小笠原貞子君 時間がないので済みませんが先進ませていただきます。
 文部省の文人給第一〇九号についてお伺いするわけですけれども、文部省は昨年五月十六日の定員外職員の頭打ち解消のための通知をお出しになっていらっしゃいます。そこで具体的に簡単に答えてください。
 初めに、非常勤職員の雇用については厳正な雇用の徹底を通知しますというふうに書かれておりますけれども、文部省は大学と協議なさるときに、これを二年または三年にして、これを限度としなさいよということを具体的に指導していらっしゃいますか。しているかしていないか、簡単に。
#120
○説明員(齊藤尚夫君) 文部省といたしましては、常勤化の防止という閣議決定の趣旨に沿って、そのための努力を機会あるごとにお願いをしているというのが文部省の立場でございます。ただ、実際にその雇用の条件を決めますのはこれは各大学でございますから、年数等を限った指導はいたしておりません。しかし、多くの大学で二年ないし三年というような形でやっておる実態も承知しております。
#121
○小笠原貞子君 じゃまた具体的に伺います。
 五十五年度以降の契約者とそれ以前の定員外職員の取り扱いを区別せよということを具体的に指導していらっしゃいますか。
#122
○説明員(齊藤尚夫君) 特に区別した指導はなされていないということでございます。
#123
○小笠原貞子君 先ほど大型計算機センターの問題を出しましたけれども、もしもこの通知が機械的に二年ないし三年だというような、一律に適用されるというような文部省の指導になりますと私は大変なマイナスになると思うんですよ。熟練工をみんなやめさして新しいのが入ってきた、それでは仕事にならないということで心配いたしましたが、文部省としてはそういう具体的に決めてやれというふうなことはしていないということを伺ったので、そのとおりで結構だと思います。
 時間がだんだんなくなってきました。それから次に大学演習林の林業補佐員の問題について具体的にまたお伺いしたいと思います。これは、私は各地にも行っているんですけれども、苫小牧の問題を取り上げたいと思います。私ここへ行きましたし、林長さんにもいろいろお話を伺いました。
 たとえばOさん、四十四歳、家族四人、経験二十二年。それからPさんは四十八歳、家族七人、経験二十五年、Qさんは四十六歳、家族三人、二十六年。――これずっと読み上げていくと時間がありません。そして全部の方の給与の源泉所得票というのをもらってまいりました。そして、これで計算をいたしますと、たとえば初めに申しました家族四人、経験二十二年の方、この方は月給、月に収入として入るのは十二万二千円でございます。それからPさん、家族七人、四十八歳、二十五年の経験を持った方です。この方も十二万六千三百円という収入でございます。全部十二万円程度。少し若い三十三歳のRさんという人は十万円程度だということなんですね。文部大臣、こういう実態を、家族持ちで十万とか十二万とかというのの実態について、ちょっと一言感想どうですか。一言感想を伺いたい。
#124
○国務大臣(田中龍夫君) 普通考えますと、大分標準よりも低いという感じでございます。
#125
○小笠原貞子君 そうですね。暮らしていけると思いますか、大体。――まあいいわ、時間がないから。
 私は、この方たちを見てほんとにいろんなことを教わりました。と申しますのは、まあ時間が長くなるから言いませんけれども、文部省も一定のことは、これ御承知の上で、雇用条件などを徐々に改善されてまいりましたね。私は本当に改善していただいてありがたいと思うんでございますけれども、いま言ったように家族持ちで十二万、定員外ですからそのほかのいろんな諸手当というものも全然違いますしね。
 それで、同じ林野庁の営林署の労働者とどれくらい違うんだろうというので調べてみました。そしたら、林野庁の場合の労働者は、四十八歳、四人家族、二十七年五ヵ月勤続です。月俸は十八万八千三百円。月にして六万の差がございます。そのほかに賞与とかいろいろな諸手当がございますから、この差は莫大な差になってまいります。
 また、この演習林の補佐員の七人家族で十二万程度の収入というのは、それでは生活保護と比べてどうなんだろうと。これまた一つの指標でございますけれども、住宅加算などを加えますと生保よりも低いというような状態も出てくるわけなんですよ。
 そうしますと、私はこれはやっぱりどうしてもいま改善に一歩踏み出していただかなければならないと、そう思うわけなんですね。つまり、これはもちろん定員外ですから定員化していただきたいというのは根底にあります。これが解決つかないと困難であるとさっきおっしゃいましたけれども、もしも困難であるとしても、こういう実態でそのままにしておいていいのでしょうかということなんですね。――じゃ、それで手を挙げそうだから、いいです、言ってください。
#126
○説明員(齊藤尚夫君) 北海道大学の演習林に勤務いたします、季節的な業務に従事します者につきましてのお尋ねでございます。
 この職員につきましては、実は長い歴史、沿革がございます。かなり前から実際上仕事に従事しておられたわけでございますが、非常勤職員として位置づけましたのが昭和五十一年ということでございます。しかも、季節的業務ということでございますが、その処遇の改善のために雇用期間を延長する等の措置を講じて、その当時から見ますとかなりの改善の措置を講じてきた寸その経緯はひとつ大学当局の努力をおくみ取りいただきたいと思うわけでございます。
 現在、お話が実際に家族のおられる方につきましてのお尋ねでございますが、非常勤職員一般に常勤職員と同じように扶養手当を出すべきではないかという御趣旨でございますとしますと、これはやはり制度の趣旨から考えまして非常に困難な課題であるというように考えるわけでございます。
#127
○小笠原貞子君 確かに努力されて通年雇用の形になりました。努力されてきたということはありがたいと思います。しかし、裏から言えば、努力しなければならないくらい大変な問題だったということが裏づけられると、そう思うわけなんです。
 きょう私がずっと申しましたことは、決して楽にできる問題ではございません。困難だからこそ古くて新しい問題だと私は言いましたし、一つの大学の地方の問題ではなくて全国の大学の問題だということも申し上げました。そして、私が言いたいことは、学術研究というのは百年の大計ですよ。この国家の学術研究をいかにするかというのは、政府としても、政治家としても、これはもう展望を持った、そういうしっかりした方針を持っていかなければならない。これは遊んでいて、それで家族手当もよこせというわけではないんですよ。
 また、たとえば言いますと、定員の方は毎日の事務所に行かれます交通費というのが出るわけですね。一日四百円でございます。しかし、この定員外である林業補佐員もやっぱりそこへ行って、そしていろいろと打ち合わせをして仕事をしなければならない。やっぱりこれ、当然その旅費と申しましょうか、これも必要になってくるのではないかという細かい問題も出てくるんです。こういう実情の中で、同じ働いている人同士がほんとにつらいんですね。もらう方もつらいし、もらえないのもつらいと。この日額旅費四百円出ているのを、一体どうなっているんだと聞いたら、その中で、もらっている人は六割にして、そして定員外の補助員の方に百六十円を回しているというような実態なんですよ、大臣。働いている両方がつらいんです。
 先ほど計算機センターのところで申し上げましたけれども、ここも私ずっと見てきたんですけれども、全部同じような職業、同じ仕事ですよ、同じ機械に向かってパッパッパッとやっているわけですよね。同じ機械で同じ仕事をして、定員である、定員外、非常勤であるということでどれだけの差があるかというのを調べてみました。
 これは五十五年度で調べてみますと、定員の女子パンチャーは二百七十九万三千八百二十二円なんです。非常勤、定員外の人は百七十七万七千八百八十八円。つまりここに百一万五千九百三十四円という大きな差が出てくるわけですね。同じ職場なんですよ、毎日顔突き合わせているんですよ。だから、働いている人も、定員の人も定員外の人もつらい中で、何とかしてくれということ。
 それから、今度これらのお金はなかなか予算化されませんから、大学の先生もこれは研究費の方から出さなければならない。研究費を切り詰めなければならない。だから、これは大学の学問研究をいかに保障して日本の将来を考えるかという立場に立てば、これはやっぱり放置しておけない問題だと、そう思うわけなんです。その実情を大臣ぜひ知っていただきたい。そして、御努力をいただきたい。
 もう時間が来ましたので、最後に大臣の何というんでしょうか、これからどうやっていきたいかという御決意のほども伺いたいと思うんですけれども、たとえばこういうふうに言っていらっしゃるんですね。これは林長さんの言葉なんです。林長さん、こういってくだすったんですね。私も本当に感動しましたよ。山も木も人間と同じく一つ一つの顔を持っている。感情を持って親しく接する人によって育つんです。民間の山で働いてきた経験のある技能補助員は、北大の演習林へ来て収入は減った。しかし、この一つの出とじっくり取り組むことができることに私は喜びと誇りを持っている。この出とつき合って、ここでがんばると。低賃金の中で、いみいろの苦労の中でがんばると。それにしては、収入はきわめて低い。待遇改善で、よりよい仕事、みんなのためになる仕事をしたいと。本人が言うんじゃなくて林長さんの言葉なんですね。私は、この言葉を聞いたときに、本当に、感動しましたよ。
 苫小牧の例を出したが、苫小牧は町ですから、アルバイトに行くということもできるかもしれない。しかし、御承知のようにあそこだけです、町に接しているのは。方々もうずっと人里離れたところの演習林であるとするならば、そうすると奥さんはアルバイトに行くなんということはできないわけなんですよ。
 だから、こういう定員外と定員内の人たちの悩み、人間として最低の生活が保障されないようなこういう条件の中で、困難だから仕方がないんだということは、とても先ほどからの答弁ではおっしゃれないと思うんです。
 時間がございません。大臣、これらの具体的な問題を通して、再度今後の御決意のほど、お答えをいただきたいと思います。
#128
○国務大臣(田中龍夫君) 先生が最初にお出しになりました営林署の職員のお話、私はすぐに、ああこれは林野庁の関係とバランスがどうなんだろうかなというのが真っ先に、こう頭に浮かんだんです。ただいまのお話で非常に格差があることを把握いたしました。と同時に、また政府委員からお答えいたしましたような格づけやあるいは定員やその他の障害があることは、もう私申さなくとも先生がよく御承知のところでありまして、冒頭申しましたように、その改善につきましては今後ともに研究もし、努力もしてまいりたい、こういうお答えを申し上げてとどめます。
#129
○小笠原貞子君 ごめんなさい。もう一つ、私が抜かしました。
 その生活実態の中で、具体的に言いますと扶養家族手当がないんです、この林業補助員の場合ね。普通ですと奥さんには一万一千円と、それから扶養家族二人までは一人について三千五百円と、それから三人以上だと千円という扶養手当が入っていないというのがこういう低賃金のままになっているということも御承知だと思いますが、そのことも含めてのいまの御答弁だとお聞きしてよろしゅうございますね。
#130
○国務大臣(田中龍夫君) そういうふうな給与の関係も御指摘のとおりだろうと存じます。
 もう一つ、ちょっと気になりましたことは、少ない研究費の中からそういう人件費を流用していきますと、また研究効果というものが非常に劣るというようなことにもなりますので、その辺大変会計法上の問題もありますし、むずかしい問題がございます。
#131
○小笠原貞子君 困難は重々承知しておりますけれども、御検討の上御努力をいただきたいと思います。どうもありがとうございました。
    ―――――――――――――
#132
○主査(亀井久興君) 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 本日、小笠原貞子君が分科担当委員を辞任され、その補欠として市川正一君が分科担当委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#133
○市川正一君 田中文部大臣にお伺いしますけれども、国会の中に音楽議員連盟というのがつくられておりますのですが、大臣御存じでしょうか。
#134
○国務大臣(田中龍夫君) 私余りよく存じませんが、しかし、非常にお上手な方々がグループをつくっておられるということは仄聞いたしております。
#135
○市川正一君 まあ音楽を愛好する衆参両院議員でつくられております、文字どおり超党派の組織ですが、会長は前尾繁三郎前衆議院議長で、文字どおり超党派の組織であります。私はその音楽議員連盟の副会長の一人としてやらさせていただいておりますけれども、きょうは、そういう立場をも踏まえて、ぜひ大臣にこの日本文化の発展という見地に立って、特に日本人の演奏家の生活と権利を守っていくという見地からいろいろ見解を承りたいんであります。
 まず著作権法の三十条についてであります。三十条というのは御承知のように昭和四十五年の改正で入れられまして、私的使用を目的とした録音、録画は認めるという例外規定でありますが、これは昭和四十五年当時、今日ほど録音とか録画機材がこう普及していなかった、また今日ほど普及するとは想定されていなかったからこういうものが入ったというふうに理解いたしておりますが、さように心得てよろしゅうございますか。
#136
○政府委員(佐野文一郎君) 四十五年の制度改正の際には、すでにある程度まで複製機器の発達がありましたから、旧法の時代のように「器械的」、「化学的方法」によらない場合に限って私的使用を認めるという規定ではもう実態に合わないということから、複製手段を問わないという現在の私的使用の規定になったわけであります。ですから、その際にももちろん、今後における複製手段の発達、特に録音、録画機器の発達については予想をしていたわけでありますけれども、御指摘のように、その後におけるこうした機器、特に録音機器の普及の状況というのは、当時の予想を超えた速度と広がりをもって進んできたということは言えると思います。
#137
○市川正一君 いまおっしゃったように、確かに録音機はすでに九〇%、そしてまた録画機は一〇%を超える世帯に普及しております。つまりあの当時からすれば、一変する状態にいま相なっております。したがって三十条の規定が今日の事態に照らして適合しなくなっているということは明白だと思いますが、大臣の認識を伺いたいんであります。
#138
○政府委員(佐野文一郎君) 私的使用の規定それ自体、三十条の規定それ自体については、これは条約国各国の国内法を通じて同種のものが定められておりますし、今日の著作物の利用の実態からしてもちろん認めていかなければならないことでございます。三十条の規定をより厳密なものにする方がいいのではないかという意見ももちろんございますけれども、そうしたことももちろんございますが、それ以上にやはり問題なのは、現在の私的使用の規定のもとで行われている大量広範な著作物の複製、特に録音というものが、著作者の権利の制限として著作者が受忍すべき限度を超えているのではないかという問題でございます。それに対する対応を何らか考えなければならないということはわれわれも十分問題意識として持っているわけであります。
#139
○市川正一君 いまお答えがあったことをそれなりにトレースをしますと、予想をはるかに超えたこういう状況のもとで著作権が侵害されているという事態にいま立ち至っているわけでありますが、この問題については著作権審議会の第五小委員会ですか、そこですでにもう二年半も論議が尽くされておるんですが、まだ結論が出るに至っていないと、こう聞いております。しかし、このまま放置いたしますと、著作権法がその目的として述べているところの「著作者等の権利の保護を」図ることができない状態にまでいくわけでありますから、どうしてもここで著作権を保護するためには、三十条の改正以外にないというのが当然の結論であります。
 この改正の内容は、後でいろいろお話を進めたいと思うのでありますが、現に国会でも、御承知のようにこのことについてはたびたびにわたって決議を行い、時期を失することなく制度改正を検討するということを求めております。この点で文部省としてもどういうお考えなのか。現状に照らして率直かつ明快な見解を承りたいと思います。
#140
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘のとおり、著作権審議会の第五小委員会におきまして、昭和五十二年の十月から二十数回にわたる審議が重ねられているわけであります。すでに審議はほぼ尽くされておりまして、現在そのお取りまとめの段階に入っているわけであります。
 いずれにしましても、第五小委員会の結論を待ってその後の対応を私どもは考えてまいるわけでありますけれども、御指摘のとおり四十五年の当時からこの国会の委員会における附帯決議等において、対応におくれないようにということは御指摘をいただいておりますから、第五小委員会の御審議の結論を待って、私どもも速やかに妥当な対応を考えていかなければならないと思っております。
 ただ、直ちに法律の改正をもってこれに対処することが妥当であるかどうか、あるいはその改正の内容をどのようなものにするかということについては、これは第五小委員会の中でもいろいろと御議論がございますし、私どもも非常に苦慮をいたしているところであります。やはり基本となる点は、いまお話のありましたような広範かつ多量な著作物の複製の状況に対して著作者の権利の保護と著作物の円滑な利用ということの調整を図っていくために、関係当事者の間で現実的な解決の方向を見出すそうした話し合いを十分にお願いをする――そうした話し合いと申しますか、協議、協定というものによって法律改正の道を開いていく、そのことについて国民各位の十分な御理解を賜る、そういう段取りを踏んでいくことがどうしてもこの問題については必要ではないかと考えているわけであります。
#141
○市川正一君 私、この機会に率直にいま申し述べたいんでありますけれども、この問題についての文部省あるいは文化庁の対応というのは国会の決議その他に照らして十分こたえたものになってないということを、私、率直にやはり指摘せざるを得ぬのであります。お答えでは、いまは第五小委員会取りまとめの段階にあると、こう述べられたのでありますけれども、もう少し端的に、いっこの審議が終結し、結論を出すのか、その時期のめどですね、これをぜひこの機会にお聞かせ願いたい、こう思うのであります。
#142
○政府委員(佐野文一郎君) 第五小委員会で御検討になっていることでございますし、全力を挙げて御審議が進められておりますから、私の方からいつまでということを申し上げることは大変ある意味では僭越であり、恐縮なことでございますけれども、事務当局といたしましては、現在の著作権審議会の委員の任期が七月をもって満了いたしますので、できれば今期審議会の任期内にお取りまとめいただけないものかというふうに希望をいたしております。
#143
○市川正一君 言われる意味は承知いたしましたが、とにかくもう二年半やっているわけでありますから、至急に速急にという立場で、特に大臣の明確な決意と姿勢を要望いたしたいんですが、いかがでしょうか。
#144
○国務大臣(田中龍夫君) 本件が非常にむずかしい問題でありますことは先生の方でよく御承知の上の御質問でございますが、この録音その他の……
#145
○市川正一君 そんなにむずかしくない。
#146
○国務大臣(田中龍夫君) 問題が非常にむずかしいのでありますが、この著作権の思想の普及を図りますとともに、ただいま長官から申しましたような時代の変化に即応できるように一日も早く結論を出してまいりたいと考えております。
#147
○市川正一君 一日も早くひとつやっていただくとお約束いただきました。
 そこで、中身の問題でありますけれども、先ほど現実的解決という言い方もなさいましたけれども、私は三十条改正の方向というのは、今日ほど録音、録画の機材が普及している状況を考えますと、実際問題としてこの例外規定を外すというわけにいかない。とすれば、方法は、たとえば録音、録画機材のメーカーから一定率の補償金を取るという方向で検討をするのが最も妥当、適切だと、現にまたそういう方向にいろいろ協議も進んでおるように私理解しておりますけれども、著作権の保護という立場からそういうことを法文上も明記していくという必要があるんではないかと私考えますが、文化庁長官並びに文部大臣の認識を重ねて伺いたい。
#148
○政府委員(佐野文一郎君) 御指摘の課徴金を課するシステム、いわゆる西ドイツ方式と言われているものであります。最近においてはオーストリアも、西ドイツとは違った形でございますけれども、同種の改正を法律に加えております。これも確かに一つの解決の方法ではございますけれども、この方式を直ちにわが国に導入できるかどうかということについてはきわめて大きな問題があります。やはりそうした方式をとるということについて関係者の間並びに国民の間に十分なるコンセンサスがない限りこの方式をとることは妥当ではございませんし、またこの方式以外にそれでは解決の方法がないかという点についても、これまた第五小委員会において御議論の重ねられているところであります。
 いずれにしましても、第五小委員会ではいまの課徴金システムの問題を含めて御議論が進んでおりますので、その結論を待って私どもも対応を考えてまいりたいと思います。
#149
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま大変むずかしい御質問でありまして、どうしたらいいかわかりませんけれども、西ドイツ方式なるものも巷間言われていますが、何かそういうことになりますと、テープや何かに対してちょうど物品税化したみたいなかっこうにコスト――高く売る以外には、二次使用がそれとも一般個人使用か、区別がつかないような状態になりはしないかというようないろんな気持ちも去来いたしておりましたが、いま長官がいろいろと勉強しておりますので、一日も速やかに結論を第五小委員会から出していただくように待望いたしております。
#150
○市川正一君 この問題は一般消費者に負担をいわばかぶせていくという考え方でなしに、やはり本来的に著作権の保障あるいは保護という見地で文化行政の立場からは貫徹されるというのが至当だと、私、きょう第四分科会、特に文部大臣、文化庁長官とお話を進めさせていただくのも、そういう観点をやはり堅持していただきたいということを、強く大臣並びに長官からそういう声を、あるいはそういう立場を出していただかなければ、この問題の正しい解決のいわば声というのは出てこないわけでありますから、もう一度重ねて、そういう立場から、私が提起している問題は決してむずかしいむちゃなことじゃないんだということは、ひとつ御理解願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
#151
○国務大臣(田中龍夫君) 先生の御主張はあくまでも純粋な、また正々堂々たる御意見を述べられたと、かように理解いたします。
#152
○市川正一君 理解するだけでなしに、それでひとつがんばってもらわなあかん。
#153
○国務大臣(田中龍夫君) 長官もせっかくがんばっておりますのでよろしく。
#154
○市川正一君 長官もがんばっていただくということで、もういよいよ大詰めに来ておりますから、ひとつお互いにがんばっていただきたいと思いますが、ひとつよろしくお願いします。
 次は、ローマ隣接権条約、これも御承知のとおりだと思います。これの早期批准についてでありますが、先日の衆議院の法務委員会で小林進議員が質問いたしましたが、これに対して外務省は前向きの姿勢で取り組むということを答弁なさった、また文化庁も早期に加入するという方向で検討中だと、こうお答えになった。ところが、今日までずっとこの問題が放置されたままになってきたというのは何か障害があるのかどうか、この点ひとつ率直にお聞かせ願いたい。
#155
○政府委員(佐野文一郎君) 三十六年に制定をされましたこの隣接権条約と言われる条約につきましては、現在のわが国の著作権法が規定しております著作隣接権制度のいわばパイロットとしての役割りを果たした条約でございます。ただ、この条約に従って現行法をつくりますときには、隣接権条約への加入国もまだ十一カ国程度でございましたし、今後の加入の動向等を見定めたい、さらには国内における著作隣接権制度の運用の状況も見てまいりたいということで加入をしないまま今日に来ております。すでに国会で附帯決議をちょうだいをいたしておりますし、早期加入に向かってわれわれも努力をいたしておりますけれども、なおこの条約の場合には、たとえばアメリカ、カナダ、オーストラリアあるいはフランスといった国がこの条約の締約国になっていないというような各国の加入の動向をもう少し見たいという点がありますのと、それからこの条約に加入しました場合に、わが国の著作隣接権制度あるいは著作権制度にどのような影響を及ぼすかについて関係者間の合意の形成にもう少し時間をいただきたいということがあって、現在その検討を進めているわけであります。しかし、私どもも、附帯決議の御趣旨に従って早期にこの条約に加入することができますように努力をするというその姿勢は持っております。
#156
○市川正一君 この条約の問題で具体的に問題になるのは洋盤レコードの二次使用料を支払うという問題です。邦盤の場合はすでに著作権保護ということですでに確立していると考えますが、そう確認してよろしゅうございますね。
#157
○政府委員(佐野文一郎君) 著作隣接権の方の二次使用のお尋ねのことと理解をしてお答えを申し上げますが、御指摘のように、わが国の著作権法で保護をいたしておりますレコード、これはレコードの無断複製を防止するための条約がございますが、その関係の条約で保護の義務を負うレコードを除きますけれども、いわゆるいま先生のおっしゃっている国内盤のレコードにつきましては、これが有線放送で使われました場合には実演家とレコード製作者の双方に二次使用料を支払うということが著作権法に規定をいたされております。
#158
○市川正一君 そのとおりだと思うんです。
 ここで、大臣にも見ていただきたいんですが、(資料を示す)これはFM放送の番組表なんです。これでピンクでパッチング入れている部分が、これが結局洋盤レコードの二次使用分なんですね。だから全体のおよそ五分の三以上を占めているわけです。これには何らの対価が支払われていない。これは著作権保護の立場から見ると、すでにローマ条約は二十二カ国が加入している。先ほどアメリカ、フランスなとおっしゃいましたけれども、それはたとえばアメリカは制度が違うんですね。フランスもそれぞれ条件が違うわけでですね。そういう点では、やはり私は、現状においては国際的信義にもとるというふうに言わざるを得ぬのでありますが、この点でやはり具体的な段取り、めどを明らかにしていただきたいというふうに強く希望いたしますが、大臣いかがでしょうか。
#159
○政府委員(佐野文一郎君) 先ほどもお答えいたしましたように、国会の附帯決議の御趣旨に沿って、できるだけ早期にこの条約の締約国となりますように努力をいたしますけれども、現在の時点では、大変申しわけないと思いますけれども、どの時点で国会に批准を求める案件の提出をすることができるかということまでは申し上げかねる状況でございます。
#160
○市川正一君 それは先ほど来お話しされていることと矛盾するわけで、私は誠意を持って至急にこの問題についての詰めをやっていただきたいということを重ねて希望いたします。
 次に私、外来音楽家の問題について伺いたいんでありますが、その前に日本人の演奏家の置かれている状態がどんなものか、たとえば自立オーケストラの演奏家の収入がどの程度か、大臣御存じでございましょうか。
#161
○国務大臣(田中龍夫君) 一向に存じません。
#162
○市川正一君 ここに一九八〇年度のオーケストラあるいは合唱団の賃金の一覧表がございます。その一つ一つ、私もここでは紹介は避けますけれど、たとえば日本フィルハーモニーの楽員の月平均賃金は十三万五千六百円です。それから東京フィルハーモニーの楽員は十二万三千円です。非常な劣悪な条件に置かれている。こういう状態を招いている一方で、音楽演奏を中心とするいわゆる外人のタレントですね、これが実に年間二万人に上る多数がやってくる。この結果日本人の演奏家の職域が非常に圧迫されているという実情があります。かつまた、一時期に非常に集中して来日するために、いい音楽とかあるいは質の高い演奏をかえって聞けない、いわば音楽愛好者の立場から見ても経済的、時間的にもそういう状況が生まれております。
 そこでまず、大臣に伺いたいんでありますが、もとより私どもも外来音楽家の入国を一切規制せよとかいうふうなことを言うつもりはないことは、これはもう当然のことでありますし、また、日本の芸術的、文化的要求に即して外来音楽家の来日は、これはもう非常に大きないい刺激にもなるわけでありますが、しかし、本当に日本の音楽文化の発展を考えるならば、大臣、この日本人の演奏家のこういう生活と権利をやっぱり改善していくということに、そういう環境をつくっていくことが非常に重要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#163
○国務大臣(田中龍夫君) 余り私がタッチしない一つの社会の面でございますので判断もつきませんけれども、といたしますと、もっと演奏家の給料が高くなればよろしいということになるんでありましょうか。そうしますと、今度はフイルハーモニーにしても何にしてもなかなか経営がむずかしくなる。今度はさらに切符の販売、入場料という問題にもちょっと関連性があるんじゃないかと思うんでございますけれども、素人でございますから、また文化庁の方からよく聞いて対処します。
#164
○政府委員(佐野文一郎君) 先生もお触れになりましたように、私どもも基本的には、こうした外国人の芸術家の来日と申しますか、文化の国際交流、芸術の国際交流の問題について国が余り規制をすることは適切でなかろう、自由な活動によってこそわが国の芸術は盛んになっていくということを基本に据えて物を考えなければならないと思っております。
 しかし、御指摘のように、多数の外国人の演奏家の来日によってわが国の演奏家の活動が狭められたり、あるいは影響を非常に強く受けるというようなことになりますと、これはやはり問題がございます。そういった点については、まず日本側の音楽家とそれから日本における外来音楽家の招聘者との間で自主的な話し合いが持たれるというような、そういう方向による解決ということがまず考えられることが望ましいのではないかと思っております。もちろんその反面、国内の芸術活動を盛んにするために芸術関係団体に対する助成の強化というような点については、私どももさらに配慮をいたしてまいらなければならないと思っております。
#165
○市川正一君 私の問題提起の御理解がちょっとかみ合わなかったかもしれませんけれども、私が申すのは、そういう無制限な、あるいは無秩序な来日というものの状況、その問題にピントを合わせて申し上げているわけです。
 そこで、この問題を考える場合に、わが国の場合には、出入国管理法で、いわゆる四・一九ビザ――興業ビザですね。これによって事実上無制限にやってこれる、そうして目的以外にいろいろ活動がやれる、また招聘する業者も職安法に基づくところの有料職業紹介の許可業者であれば自由にできるというふうに、いろんな点で問題と言いますか、穴があるわけですね。これを改善していくために、芸団協あるいは音楽労協などが具体的な提案をいたしておるんでありますが、私この機会に文部大臣に提案をいたしたいんでありますが、こういう外来音楽家の問題というのは、それが単に出入国管理法上の問題、いわば法務省関係の問題、あるいは職安法の問題、いわば労働省にかかわる問題という、そういう個別的な問題だけでは解決できない、いわば本質的に言えば、すぐれて音楽文化の制作にかかわる問題だと、こう思うんです。したがって、いまも音楽労協と招聘業者との間で話し合いもされておりますけれども、この際、私は文部省が中心になって、法務省それから労働省、こういうところとの間の意見の調整を図りながら、音楽労協など演奏家の団体、それから学識経験者、さらには音楽愛好家、こういう人たちの代表によって諮問機関をつくる、そして日本の音楽文化の発展あるいはその育成という立場から、こういう外来音楽家の入国演奏に対して必要な検討を行っていくというような方式をとることが非常に求められているし、適切じゃないかというふうに思うんですが、この点いかがでしょうか。
#166
○政府委員(佐野文一郎君) 芸能実演家団体協議会の側に具体的に、いまの外来音楽家の問題の改善のために、いま御指摘のような対応が望ましいとする意見があることは十分に承知をいたしております。さらに芸能実演家団体協議会の方々と私ども話をしてみたいと思っております。法務省、労働省と非常にかかわりの深い問題でもございますから、これら関係省庁の御意見ももちろん伺わなければなりませんけれども、直ちにいま先生おっしゃったような組織を文化庁が主導でつくるということが妥当かどうか、その前にもう少し関係者の意見を聞いてみたいと思います。
#167
○市川正一君 ぜひ検討をしていただきたいと思います。
 入場税の問題を一問だけお伺いをしたいのでありますが、この入場税の撤廃あるいは免税点の引き上げというのは、映画あるいは演劇、あるいは音楽など、すべての芸術、芸能関係者の長年の悲願であります。大臣も御存じのオペラで有名な藤原義江さん、いまは亡くなりましたけれども、この入場税撤廃を叫んで、そうして草葉の陰でこれを見届けると言って、ついにこの世を去られたのは有名なお話であります。もともとこの入場税は、あの支那事変特別税法ということで昭和十三年に戦費調達のためにつくられたものであって、その後昭和十五年に入場税法として今日に至っておるものであります。しかも、入場税による税収は昭和五十三年度で、ギャンブル分を除きますとわずかに三十四億であります。これをやめたところで財政再建の大勢には影響を及ぼすものではないわけであります。
 そういう点で、文化国家の理念にほど遠いこの悪税と言われる入場税について、いままでも多くの議論がされておりますけれども、この機会に私は、最も望ましいこととしてこれを撤廃すること、ないしは当面さしあたっては免税点を現行の三千円から一万円程度に引き上げるという次善の策、この点、文部大臣としてぜひイニシアチブをとっていただきたいと思うんですが、御見解はいかがでしょうか。
#168
○政府委員(佐野文一郎君) 文化庁の立場といたしましては、御指摘のように、芸術公演に係る入場税は、事情の許す限り減免されることが望ましいと考えます。またその趣旨に立って大蔵省に善処方をお願いしてきているところであります。税体系の中で考えていただかなければならないことでございますから、これは私どもでお答えできることには限度がございますけれども、そうしたことで引き続き大蔵省にお願いをしてまいるということをお答えさせていただきます。
#169
○市川正一君 時間が参りましたので、最後にもう一問。
 大臣、いまのようなことで閣議でもひとつ御奮闘を期待いたしますが、時間が参りましたので、最後に私一問だけお伺いをしたいんですが、スポーツ振興の問題なんです。
 先日、甲子園の選抜高校の野球大会で、大臣、特訓されて始球式なすったと伺っておりますけれども、御存じのように、健康保持とスポーツという両面から国民の間にいまジョギング――ランニングですね。これが広く浸透しておりますが、その人口四百万人とも言われております。ところが、その施設、環境ということになると非常に貧弱なのが実情であります。たとえば、この近辺では皇居一周コースというのが、その立地条件その他から多くの人たちに非常に愛好されております。ところがこのコースの現状は更衣施設一つない状況であります。このために日本陸連などがクラブハウスなどの建設の陳情を行ってかなり進んでいたようでありますけれども、まだ実現しておりません。しかし、本当に国民の健康やスポーツの振興を考えるならば、クラブハウスあるいは更衣施設、こういう設備を行うのは当然だろうと思いますが、この点について体育の振興にも責任をお持ちの文部大臣の積極的な御見解を承って質問を終わりたいと思います。
#170
○国務大臣(田中龍夫君) 前の入場税の問題につきましては、これはただいま長官も、文部省側文化庁といたしましての要望に対しまする大蔵当局、国家財政の問題のありますことは御承知のとおりでございます。しかしながら、いまお話しのような点につきましても今後考えてまいります。
 それから、ジョギングについての問題でございますが、私も毎朝宮城の周りを一周いたしておりまして、更衣所がないので、和気清麻呂の銅像の前が現在着物を着かえるたまりになっておりますんで、そういうふうなことが、どこか施設ができたらいいなあと、かようにも考えております。
#171
○市川正一君 いい話ですな。つくられるようにひとつ……。
#172
○国務大臣(田中龍夫君) これは体育局長もおりますが、管理者のこれはやっぱり判断すべきことではございましょうが、御指摘の環境庁の所管でもございますので、よく相談をいたしまして、また体育局の指導を得まして善処いたしたいと思います。
#173
○市川正一君 じゃがんばってください。
 ありがとうございました。
#174
○中村鋭一君 ただいまの市川委員の御指摘は、私も拝聴しておりましてなかなか正鵠を得た点があると思います。と申しますのは、個人的には私は自分でもシングル版のレコードを四枚ばかり出しておりまして、たとえば阪神タイガースの応援歌でありますとか、したがって、こういった著作権についてはかねがね私も考えていた点を御指摘いただいた次第でございます。ひとつその点もあわせ冒頭にお願いをしておきまして、質問をさせていただきます。
 大臣、小学校唱歌は子供のころお歌いになったでしょうね。
#175
○国務大臣(田中龍夫君) もちろん尋常小学校――またこれは名曲といたしましての幾多の血を持っておりまして、長く歌い継がれております。
#176
○中村鋭一君 私も子供のころから親しんだ歌がたくさんありますけれども、「暫時もやまずに槌うつ響。」――「村のかじや」ですね。それから、「夏も近づく八十八夜、野にも山にも」、これからいい季節になりますが、「甍の波と雲の波、重なる波の中空を」――「こいのぼり」。そして「我は海の子白浪の」、こういう歌は大臣もお歌いになりましたでしょうね。また、たとえば「村まつり」なんかありますね、「村の鎮守の神様の」。
 共通教材、これは昭和三十六年度から学習指導要領の中に設けられたと伺っておりますが、この共通教材を設けられた趣旨をお伺いいたします。
#177
○政府委員(三角哲生君) 共通教材の歌を設けてあるわけでございますが、これは生活と音楽とのかかわり合いを深めまして、そして全国どこの学校の児童でもこれが共通に歌える歌唱曲を持つということを考慮いたしまして、多くの人々と、何と申しますか、共感を持って歌えるようなものとして設けられておりまして、そういったことから曲数を各学年三曲ずつといたしまして、各学年の指導のねらいに即して、主として文部省唱歌の中から選択しているものでございます。
#178
○中村鋭一君 大臣、私がいま歌いました、たとえば「村のかじや」、「茶つみ」、「こいのぼり」、「われは海の子」、「村まつり」、こういった曲は、昭和五十五年度に改定されました指導要領の中の共通教材からいずれも外されているわけでございます。こういう歌が共通教材から外されているということについて、大臣はどういう印象をお持ちになりますか。
#179
○国務大臣(田中龍夫君) 明治時代から大正、昭和にかけまして非常に国民の人口に膾炙した歌、それは一つの民俗的に国民歌謡として定着しておるように思うんであります。ただいま御指摘の、指導要領の改定に当たっての、それが入っておる、入っておらないという問題と、その歌が国民的に定着しておる国民歌謡であるということと、そこにはやっぱりいろいろと次から次にその後できましたりっぱな歌謡もございますので、幾つかという数を限った場合には、やはり新陳代謝があってもやむを得ないんじゃないかしらと常識的に考えております。しかし、このようないい敬は子供にも語り継がせたいという気持ちも当然持っております。
#180
○中村鋭一君 ありがとうございます。おっしゃるとおりです。
 確かに、いま私が指摘いたしましたこういった歌は、私も子供たちに、いい歌なんですから歌い継がせたい、こう思うんですが、どうして、いま私が指摘いたしましたこれらの歌が共通教材から落ちたんですか。
#181
○政府委員(三角哲生君) 先ほど御説明申し上げましたように、歌唱共通教材として各学年ごと三曲ということでございますので、この三曲の選び方にかかってくるわけでございます。
 今回の改定におきましては、小学校でございますから六学年金部で十八あるわけでございますけれども、そのうち九曲の差しかえを行いまして、御指摘の四曲、さっきお歌いいただきました四曲は確かに共通教材から外しておりまして、残っております歌が、前からのものもありますけれども、それから新しくそのかわり組み入れてきた歌があるわけでございます。ただこれは、先ほど大臣も申されましたが、この際共通教材としてはその三曲の中には入らなかったという曲目が、これは共通教材として歌自体が不適当だからということで外した、取りかえたというわけではございませんで、まず一つとしては、教育課程審議会の答申をいただきまして、ここで広い地域にわたって親しまれているわらべうたからもひとつ共通教材の中に選曲して入れてしかるべきではないかという答申がございました。もう一つは、やはり文部省唱歌というのが――これは、文部省唱歌というのは特に定義はございませんけれども、明治十四年以来昭和二十二年までに、文部省編さんの教科書や唱歌集に掲載するに当たって、特に改めて作曲をされたような唱歌をいいます場合が多いのでございますが、それが六百三十ぐらいございます。そういった中で、やはり他にもすぐれた血がございまして、そういったものにも親しませるようにしようということで、そうしてその際、やはり各学年の内容に示しております指導事項との関連を考慮して、いろいろ配慮して選択をいたした結果、こういうことになった次第でございます。
 ただ、外した曲も、やはり先ほど大臣も申されたように非常に昔から親しまれておりますので、これはできるだけ学校の教育で取り上げられることが望ましいと思っておりまして、三曲のほかにやはり一学年では大抵二十曲ぐらいは教えますので、そういう配慮はしたいと思っておりまして、なお御承知かと存じますが、音楽の教科書のうち、「村のかじや」、「茶つみ」、「こいのぼり」、「われは海の子」等を掲載している教科書も幾つかあるわけでございます。
#182
○中村鋭一君 いま理由をお伺いしたんですけれども、これは昭和五十二年五月三十一日づけの朝日新聞ですが、文部大臣――前の前の文部大臣、砂田重民先生なんですね、インタビューに答えて、「小学校で教わる共通教材曲から「村まつり」や「われは海の子」が削除されている、とは知りませんでした。」、こういう質問に対して、「私も、ごく最近、新聞を読んで知ったのです。」「担当局に尋ねたら、去年改定した学習指導要領で決まっているという。」その理由は、当時われわれが教えられましたどうして落ちたかという理由は、たとえば「村のかじや」ですね、これはもう村のかじ屋なんかいま日本にないから、そういう職業が存在しなくなっているから、だから落とした。それから「こいのぼり」、「甍の波と雲の波」――「甍」というような言葉はすでに出ておらぬ字である、だからもうだめなんだ、落としたんだ。それから「われは海の子」ですね、「煙たなびくとまやこそ」――この「とまや」も使われていない言葉だから落とした。「茶つみ」、「夏も近づく八十八夜」――いい歌ですよ。それを、これは静岡県の一地方を歌っている歌だから子供たちに教えるのは好ましくない、だから落としたというふうに砂田文部大臣も理解をしておられるわけなんですね。このときにそうわれわれが伝えられました共通教材から落ちた理由というのは、当時文部省はそのようにおっしゃったわけでございますか。
#183
○国務大臣(田中龍夫君) どうも私前任者の答弁を一向存じませんでしたし、また教育教材として二十かなんかに限定するということも知らなかったんですが、しかしいい歌はおのずから残るものでして、落ちた理由を理屈つけりゃそういうことになりますけれども、結局二十に選ぼうとするときには、「村のかじや」ができたときから今日までの間の長いまた年月もたっていますから、二十に限定すれば後からできないいやつも入れなきゃならぬという、それで数を限定するからなるんで、二十を三十にするなり、五十にするならば、当然そういうふうな多曲は入っているんだろう、私はこういうふうに理解いたしますが、余り落ちたことを理屈づけるからややこしくなるんじゃないかというような気がいたします。
#184
○中村鋭一君 落ちたことを理屈づけるというよりも、せっかく共通教材として三曲をお選びになっているんですから、ですからその落とすについてそういう理由をおっしゃるんならば、その理由に対してわれわれは反駁をしなければいけません。したがって、当時私もラジオの番組をやっておりまして、文部省の石頭は一体どうなんだと、わけがわからぬじゃないか、私のところへ当時数百通の皆さんからの投書をちょうだいしておりまして、「鋭ちゃんがんばれ」と、こう言っていただいているわけなんですね。けしからぬ話だ、言葉が死んだ言葉「とまや」なら、じゃ高校で古文を教えるのはどうなんだ。「煙たなびくとまやこそ」というなら、先生、「とまや」とはどんな意味ですか、――そこで一つの社会科、古文の勉強もできるわけですね、昔の漁師の生活はこうこうだと。だから、私は落ちたことを問題にするのがおかしいと言うんじゃなくて、これは積極的に――元文部大臣の砂田さんもこうおっしゃっているわけですね。「「何とか残す方法はないか」と担当者に指示して検討してもらったわけです。「ごもっともです」と素直に事務当局は受け入れてくれました。この件について、文部省は思いあらためた。改心した、ということです」と、当時現職の砂田文部大臣はおっしゃっているわけなんですね。
 ですから私は大臣にお尋ねいたします。大臣もまたこの砂田さんのように当局に指示し、検討を御命令になって、文部省が改心をして、いま落ちておりますところの「村のかじや」とか、「茶つみ」とか、「こいのぼり」、「われは海の子」、「村まつり」、こういうものをもっと積極的に共通教材として採用するように指示されるおつもりはございませんか。
#185
○政府委員(三角哲生君) ただいまの中村委員御指摘のようないろいろ経緯があったわけでございます。ただ、私も先生からこの点についての問題提起があるというので当時からの担当に聞きましたら、これを共通教材からは除いたということについて、いまいろいろおっしゃいましたような理屈づけのようなことは文部省の当局としては全然考えたことはないんで、それはどうしてそういうことが言われたのかわからない……
#186
○中村鋭一君 誤り伝えられたわけですな。
#187
○政府委員(三角哲生君) ええ、そういうふうに受けとめております。そうして、砂田大臣も非常にこういうことに御関心が深かったわけでございますが、また中村委員やその他先生方の御努力などもございまして、今回共通教材から外されたこれらの曲は、いずれも新しい教科書に、先ほど申し上げましたように、それぞれ、全部ではございませんけれども、歌唱教材として取り上げられておりますが、私ども文部省側としても、音楽教育のいろいろ研修会、研究会等を通じまして、これらの由が、それだけに皆様方御支持なさる方が多いし、曲自体も非常になつかしい楽しい曲であるし、それから特に戦前これらを習った人たちには特別のセンチメントもあるわけでございます。これを若い子供たちにも引き継がせたいという気持ちもあるわけでございますので、そういう意味での指導をしてまいりたい。
 なお、これはよけいかもしれませんが、小学校六年の教科書で「われは海の子」を取り上げておりますものには、楽符の下に注記がしてございまして、「とまや」とか「いみじき楽」とか「わらべ」とかいった言葉について説明を加えて掲載しております。
#188
○中村鋭一君 ひとつよろしくお願い申し上げます。
 そういうふうに誤り伝えられたのであれば、これは文部省にとっても心外なことですから、ひとつ積極的に、私もその誤り伝えた中の一人でございまして、それを言ったために、たとえば現在兵庫県の三木市には、大臣、「かじや」の歌詞を書きましたりっぱないしぶみができておりまして、それは当時、文部省の石頭けしからぬ、こう言って新聞と一緒に私もキャンペーンやったものですから、三木にはたくさんかじ屋いまもございます、その皆さんが、何ということを言うんだと、それだったらわれわれで「かじや」の歌碑をつくろうじゃないかと。一度、もし機会があれば山口県へ御帰郷の途次、三木市へ寄ってひとつぜひ歌碑を見ていただきたい。今後ともひとつ積極的にこういったいい歌を取り入れていただくようにお願いを申し上げておきたいと思います。
 先日、私どもの会派の衆議院の中野寛成議員が大学の医学部の医師のアルバイト問題について質問をいたしました。それに対して、文部省当局もいろいろの面について積極的に検討を加えたい、会計検査院もまた検査をしてまいりたい、こういう御答弁をいただいているわけでございます。
 大学の医学部、大学病院の医師のアルバイト、それから手術の際の謝礼、これはもう大学の良心、その根幹に触れる重大問題、したがって国民の関心は非常に高うございます。ここにも私、少し資料を持ってきておりますけれども、これは大阪の朝日新聞ですけれども、たとえば「カネづけ医局企業」「みんなでもらえば怖くない?!リベート問題」ですね。あるいは大阪国税局は医学部教授らの所得隠しについてメスを入れる、バイト医の派遣の礼金、患者からも年一千万円を超す例、このように取り上げられているわけであります。文部大臣は中野議員に対する答弁で、謝礼は非常に残念な事態、調査して厳正に処置をしたい、このように答弁をされているんでございますが、具体的にどういう対策をおとりになりましたですか。
#189
○国務大臣(田中龍夫君) ただいま御指摘の問題でございますが、文部省といたしましても関係大学に対しまして実態の把握に努めるように重ねて指示をいたしました。また、これら一連の問題につきましては、近く有識者の方々の御参加を得まして対応策について協議をいたし、その結果に基づきまして関係者一体となりましてこの問題に取り組んでまいりたい、かように考えております。
#190
○中村鋭一君 この患者、家族からの謝礼ですけれども、私が入手しております確認済みの資料を見ても、執刀の教授二十万、がん診断の医師十五万、アシスタント十万、病棟長十万、主治医五万円、計六十万円、もうほとんどこれは慣例化しているわけですね。たとえば、週に一日手術日を設けまして平均三人をオペレーションをしたとして、単純計算をしただけでも教授分だけで二十万掛ける三人掛ける五十週イコール三千万円ということになるわけですね。
 ちなみに、たとえば京都大学教授等で一千万円以上の確定申告をした方は、臨床医四十人中二人でございます。一方において手術の礼金だけで三千万入っているんですよ。これ申告してないんです。一千万円超えたのは四十人中だった二人ですよ。これらの事態について、文部省は当然ながらこれを全廃するために強力な対策をとるべきだと思いますが、大臣の見解をお伺い申し上げます。
#191
○国務大臣(田中龍夫君) 本件につきましては、その後のいろいろと調べましたり何かいたしました経過もございますから、政府委員からお答えを申し上げます。
#192
○政府委員(宮地貫一君) 先ほど大臣からも御答弁申し上げたわけでございますけれども、直ちに各関係の大学に対しましては実態の把握に努めるように重ねて指示をいたしたわけでございます。そしてまた、具体的な取り組みといたしましては、中野議員の御質問の際にもお答え申し上げたわけでございますが、関係者、有識者等に集まっていただきまして、具体の対応策をどうとるべきかいろいろ知恵も出していただきまして、その点を具体的に把握をした上で各大学にさらに重ねて通知を出したい、かように考えております。
 ただいまのところ、国立大学の問題とは別途のことでございますが、私立医科大学問題のこともございまして、私立医科大学の入試が三月いっぱいぐらいでほぼ一段落をしたわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、私立医科大学すべてにつきまして、ただいま各大学から事情を聞くという作業に取り組んだところでございます。その作業が一段落いたしまして、私立大学に対する通知等についても検討いたしておるわけでございますが、それの作業の進みぐあい等も見合わせながら、こちらの問題についても関係者に集まっていただきまして、十分協議をいたした上で取り組みをいたしたい、かように考えているところでございます。
#193
○中村鋭一君 アルバイト問題についても大学関係者を招集し、早急に対策を協議する、こうおっしゃっておりますが、もうすでに具体的に協議をし対策を講じられたんですか。
#194
○政府委員(宮地貫一君) アルバイト問題についても、特に兼職兼業の問題等につきましては、各大学に具体的にどのような数があるのかというようなことについての調査を、さらに十分行き届いた調査をするように指示をいたしているところでございます。また、京都大学におきましても、大学自体におきましても、病院長からそれぞれ各科の長ないし部の長に対して、それらの実態調査についてさらに具体的に対応する措置を講じているということを承知いたしております。
#195
○中村鋭一君 国立大学は企業等から、たとえば医薬品メーカーでありますとか医療機器メーカー等から多額の委託研究費あるいは寄付金をもらっているわけなんですが、特にこれも、大臣、医学部に圧倒的に多いわけなんですね。
 たとえば、こちらに資料、先日ちょうだいしたものがございますけれども、京都大学について言えば昭和五十二年度で一億一千万円、それから大阪大学が一億六千四百万円、これはいずれも奨学寄付金でございます。受託研究費で、たとえば昭和五十四年度で言いますと総額が二億二千八百万円ですね。京大、阪大ともに非常に多額の委託研究費をもらっております。これは文部省からちょうだいした資料でございますから一々紹介するのは省略いたしますけれども、これらの金の納付金納入について昭和四十四年の十一月に「国立学校における受託研究等および奨学寄付金の取扱いについて是正改善の処置を要求したもの」とされているわけですね。その中で「当該研究等に要する費用の全部または一部の金額を受け入れ、これを歳入に納付しないで保有し予算外に経理しているものが三百三十八件一億六千六百六十九万余円ある。さらに、その経理をみると、整理が十分に行なわれていないものが見受けられる状況である。」と処置を要求されているわけです。それに対して昭和四十五年度に、このように昭和四十三年度決算検査報告掲記の意見を表示しまたは処置を要求された事項に対してこういう処置をいたしましたと処置状況が報告されているわけでございますけれども、以後どうなんですか、これはよく監査をし、またこれらの指示改善等は守られておりますか。
#196
○政府委員(植木浩君) ただいま先生が御指摘のとおり、昭和四十三年度の決算報告におきまして検査院から指摘がありまして処置要求があったわけでございます。で、文部省としては、その後この処置要求を受けまして、各国立大学等に対して学内規則を制定させるということをいたしました。
 また、やはり指摘をされておりますように、教官の側の周知徹底ということが必要でございますので、この点についても会議あるいは通知などにより指導してきたところでございます。で、その後におきましても毎年いろいろな関係者の会議等もございますので、毎年繰り返し、この点については指導徹底を図ってきておるわけでございます。
#197
○中村鋭一君 会計検査院。
#198
○説明員(疋田周朗君) お答え申し上げます。
 その後、受託研究等及び奨学寄付金の取り扱いにつきましては、私ども大学等に赴きました際に必ず検査いたしているわけでございますが、若干細かい点で御注意申し上げた事項はございましたけれども、特に違法または不当と認めて検査報告に掲記するような事態は見受けられなかったわけでございます。
#199
○中村鋭一君 それはあれですね、会計検査院、書類上の審査だけですね。
#200
○説明員(疋田周朗君) 私ども書類につきましてはもちろん検査いたしておりますが、そのほか可能な限り現物等に当たりまして適正な会計経理が行われておりますかどうか確認いたすようにいたしております。
#201
○中村鋭一君 関西の国立大学の教官、複数の証言をすでに私はいただいております。これによりますと、一応納入については形式を整え予算として計上をしているが、歳出については全くでたらめだと、教官がはっきりとそう言っているわけなんです。医薬品メーカーや医療機器メーカーなどからの研究費、寄付金が形式上大学の経理を通過はしておりますけれども、私が証言をいただいた大学によりますと、金はすべて実際は医局にそのまま渡されまして医局で勝手に使っているんです。歳入歳出の帳じりを合わせるために空伝票を切りますね。大臣、これらの金は実際は全部個人のふところへ入っているわけですよ。そう証言しておられるんです、私がすでに入手した情報でもです。不正経理の事実を証言者が認めているわけなんですね。この点について文部省、会計検査院の見解をお伺いしたいと思います。アルバイトの問題がありますね。手術の謝礼の問題があります。それに加えて、奨学寄付金、委託研究費、こういうものを、いま書類上の検査とおっしゃいましたね。しかし、書類上の検査だけじゃなくてほかにもいろいろとおっしゃいましたけれども、現実に大学の教官がそんなものは平気の平左です、われわれ空伝票を切りますよと、莫大な金はみんなわれわれふところへしまっているのですよと本人が言っているんですからね、その点についてお伺いいたします。
#202
○政府委員(植木浩君) 文部省におきましては、国立大学等におきます研究あるいは教育の経費に充てる目的を持って外部から受け入れる資金につきましては、これを私的に経理することはなく、公費の扱いによって適正な処理をするようにという方針で従来から指導をしてきております。会計検査院の検査もございますが、そのほかに文部省自身といたしましても会計課の職員等が各大学等に参りましていろいろとそういった点も含めて監査をしてきておるわけでございます。私どもとしては、さらに適正な処理について一層指導に努めてまいりたいと思っております。
#203
○説明員(疋田周朗君) お答え申し上げます。
 国立大学医学部におきます奨学寄付金等の一部が文部省で定めておられます正規の手続によらないまま教官限りで処理されておりましたり、あるいは正規の手続によっております場合でございましても、証票等を作為して資金を捻出し、ほかの用途に使用している、こういったようなことが新聞報道等によりまして問題が提起されているわけでございまして、私どもといたしましても、この点につきましては関心を持っているわけでございます。このような不適切な会計経理が行われている疑念のございます検査対象活動につきましては、私どもの権限と能力の及ぶ限り、許す限り厳密な検査を行ってまいりたいと考えております。
#204
○中村鋭一君 いま私が指摘した以外にも、たとえば一般の病院から大学の勤務医に、アルバイトにうちへ来てもらいたいという場合に、たとえば五十万、たとえば百万という現金が菓子折りの中へ入れられて国立大学の教授のところへよろしくお願いします、勤務医をうちのアルバイトによこしてください、こういう事実もあるのですね。あるいは、いま博士論文も安売りですけれども、現実には国立大学の教授のところへ行きまして――これは確認はしておりませんけれども、二千万から三千万の金を渡して、それで博士論文を手に入れる、こういうようなことも聞いております。
 こういった点につきまして、特にまずいま指摘をいたしました奨学寄付金やあるいは委託研究費等の歳入歳出につきまして、まず厳正、徹底的かつ早急なメスを入れていただきますように心から要望をしておきたいと思います。そのことを会計検査院、約束してくださいますね。
#205
○説明員(疋田周朗君) 先ほど申し上げましたとおり、私どもの権限と能力の許す範囲内で極力検査をいたしてまいりたいと考えております。
#206
○中村鋭一君 お約束をいただいたものと理解をしておきます。集中的に徹底的に――国民みんなが注目しているのです。手術の謝礼や何かをみんな――これ実は常識的にはこの委員会においでの皆さん方も御存じのことだと思いますよ。大学病院の主任教授にこの間手術してもらったら大変な金を取られたと言っている人幾らでもいるんじゃないですか。そういうことなんですね。よろしくお願いをしておきたいと思います。大臣、とにかく崇高な人の命を預かっているのです、お医者さんは。それが白い巨塔の中でわれわれにわからないことをいいことにしてお金をどんどんポケットへ入れていく。学者にとっては追求するべきは真理です、金ではないのです。眼高手低の嘆という言葉があります。志は高いが、自分の技術が未熟だといつも謙虚に反省しているのが良医だというものだと思います。いまわれわれの前に明らかになっているのは、まさに眼低手汚である。志が低くて、手は金で汚れ切っているんですね。どこに私は国手としての面目があるかと思います。こういう点について大臣の所見をお伺いいたします。
#207
○国務大臣(田中龍夫君) 御承知のとおりに、医学というものの崇高性といいますか、人命を預かるという上から申しましても、古来仁術と言われたような次第でありますから、なかんずく日進月歩する近代医学に対しまして、われわれは国民の膏血と申しますか、本当の汗とあぶらの中からの税金でもって多額の研究経費なり何なりを出しております。その使用に当たりまして、特に会計検査院の御指摘を受けるような不正、不当のものがあったことはまことに遺憾きわまりないことでありますが、同時に文教政策上からいいましても、厳重なこれに対しまする私は監査と注意と同時に、またそういうことが再度起こらないだけの措置をとらなきゃならぬ、かように、考えております。
#208
○中村鋭一君 次に、教科書の問題、これは私どもの民社党・国民連合の委員も数回にわたって取り上げておりますけれども、文部大臣は旗日には日の丸の旗を御自宅の玄関にお立てになりますか。
#209
○国務大臣(田中龍夫君) 私がいま住んでおりますのはマンションでございますので、家内にもどこか窓からでも国旗は出せないかと言っておったんでありますが、もちろん郷里の方の家では立てております。
#210
○中村鋭一君 しかるべき機会に日本の国歌「君が代」をお歌いになりますか。また「君が代」を日本の国歌であると大臣は認識していらっしゃいますか。
#211
○国務大臣(田中龍夫君) 私は、当然「君が代」も歌いますし、同時にまた国歌と考えております。
#212
○中村鋭一君 ありがとうございます。
 教科書を見ますと、資本主義経済と社会主義経済の記述に客観性を欠いている例が多い。社会主義経済を不当に賛美している例がはなはだ多い。自衛隊、防衛、原発、こういった記述にバランスを欠いている。あるいはわが国を愛し、機会があれば国歌「君が代」を歌い、旗日には日の丸を掲げる、自分たちの生まれ育った日本列島を愛すること、そういう気魄に欠ける記述が、いやむしろそれを否定するような記述が教科書に散見される。例は幾らでもあります。馬に食わせるほどあります。時間がありませんから省略いたしますが、こういった点について教科書の検定の問題、検定で決められた教科書を採択する問題について、大臣は、採択それから検定両方について改善をする用意はございませんか。
#213
○国務大臣(田中龍夫君) 現行の検定制度、これは法の定めるところによりまして今後ともにこの制度を続けてまいらなくてはならない、かように考えております。
 また、採択に当たりましてのいろいろと御指摘の案件というものは各方面から寄せられております。われわれは、あくまでもわれわれの所管であります検定制度のりっぱな、適正な運営というものをやらなけりゃなりませんし、同時に教科書会社がつくりました教科書を、これは審議会を経ましてでき上がった教科書であり、これは教育委員会がそれを採択いたすに当たりましても、あくまでも公平な姿において適正な採用をしてまいりたい、こういうふうなことからも御案内のとおり公益的な姿においてこれを採択するようにいたしてまいった次第でございます。
#214
○中村鋭一君 先月、大阪の八尾のある小学校で、まあ私もこれ記憶をたどって申し上げているんですから、あるいは不正確かもわかりませんけれども、六年生の卒業生のお父さん、お母さん方が卒業記念に国旗掲揚塔を寄贈されたんです。それ、リハーサルか何ですかで国旗を掲揚をしようとしておりましたら、授業中の先生が飛び出してきて、こんなところで日の丸の旗を上げるとは何事だと言って、父兄ともみ合いになったと、こう聞いておりますが、私はこういう先生がいるということはもう残念でしょうがないですね。先生は授業中ですから、ちゃんと子供を教えてりゃいいんですよ。そんなこと、校庭に飛び出してきて、日の丸の旗を上げるとは何事だと、こういう教育を先生方がやるのは困るから、だから検定制度をもっと充実をしていただきたい、充実をするということはインブルーブメント、改革する方向に持っていっていただきたい。
 具体的に申し上げます。教科用図書検定調査審議会の委員について、もっともっと広範な国民各層の代表を任命する御意思は大臣ございませんか。
#215
○政府委員(三角哲生君) 御指摘の審議会の委員と申しますと、やはりその任務というものがございますが、これは検定を申請をしてきた図書が教科用として適切かどうかということを学問的な見地と教育的な見地の両方から調査審議いたしますので、きわめて専門性の高いものでございますので、文部大臣としては教育職員あるいは学識経験者のうちから審議会委員を任命することとしておりまして、状況を申し上げますと、大学教授等の学識経験者が六十四名、小・中・高等学校の教育職員二十名、合計八十四名という姿でいたしておりまして、私どもとしてはこの審議会の構成は、従来のこの方法を続けてまいりたいと、こういうふうに思っておるのでございます。
 なお、当然のことでございますが、審議に当たりましては、教科書が国民各層のいろいろな御意見があるわけでございますので、それらの御意見を踏まえて公正な教科書ができてまいりますように、なお一層努力をしてまいる必要がある、こういうふうに思っております。
#216
○中村鋭一君 教科書の調査官の皆さん本当に御苦労でございます。委員の一人として敬意を表しておきたいと思います。なお奮闘努力をしていただきたい。
 この審議会の委員に、いま学識経験者とおっしゃいましたけれども、現実には学者の先生方ばかりですね。その学者の先生方が、率直に申し上げますけれども、真ん中から左に偏向している先生方ばかりだから、授業中に飛び出してきて日の丸の旗を引きずりおろすような、そういう先生ができるんじゃないですか。だから、私は広く各層の皆さんをぜひ委員にお加えください。――学識経験者、あたりまえのことですよ。学識経験者にそういう偏った人でない人も広範に入れてくださいということをお願いしておきます。
 最後に、父兄を教科書の採択の際にお加えいただく。いま市町村教育委員会ですね。現実には現場の先生方が教科書を採択しているわけですよね。そのときに父兄の意見がもっと反映するような方向を御採用願えるとありがたいんですが、最後に、いまの私の質問全般につきましての大臣の御所見と、それから局長の御答弁をお願いして終わります。
#217
○政府委員(三角哲生君) 教科書の採択は市町村の教育委員会が行うことになっておりますが、これは都道府県の教育委員会の指導、助言、援助に基づいて行うと、こういう仕組みになってございまして、都道府県の教育委員会は市町村に対する指導、助言に当たりまして教科用図書選定審議会というものをつくりまして、その意見を聞いた上でやるわけでございますが、その選定審議会の中に一父兄とおっしゃいましたが、PTAの関係者が入っていると、こういう例も見られるわけでございます。したがいまして、採択の仕組み全体の中では父兄の意見が反映されるようなやり方を都道府県の教育委員会が考えていくという道が開かれております。
 なお、実際の教科書採択はやはり市町村の教育委員会が責任を持って行っていただく必要がございます。そして、あわせてその際にはやはり教育的な見地からも専門的な判断というものがやはり非常に夫事でございます。したがいまして、父兄でございますとか、あるいは一般市民といわれるような方々から良識のある意見を求めて教育委員会が判断材料とするということは有益な一つの方法であろうかと存じますが、それはただ、そのことによって市町村教育委員会の独自の責任を不明確たらしめるというような方向に働くことはまた適切でなかろう。たとえば、これも余分かもしれませんが、教職員の投票なんということを手順としてやっておるような場合は、これはやはり採択権者の責任が不明確になるから好ましくないと、こういうような指導をしておるところでございまして、その辺のところの兼ね合いが非常にむずかしゅうございますが、やはり最終責任は市町村の教育委員会が中正公正な態度で、いかにその地域の教育に合致した教科書がどのような教科書がいいかということを責任を持って最終的には判断していただくということが必要だと考えております。
#218
○中村鋭一君 大阪市の教育委員会なんかはちっとも中正公正ではないわけでしてね。ありがとうございました。大臣。
#219
○国務大臣(田中龍夫君) いろいろと御意見をいただきました。われわれはあくまでもりっぱな教科書をつくって、それを次の世代を継いでもらうりっぱな青少年をつくる努力をしなければならぬ、かように考えて、それを念願としてやっていきたいと思います。
#220
○中村鋭一君 ありがとうございました。
#221
○主査(亀井久興君) 以上をもちまして文部省所管に対する質疑は終了いたしました。
 これにて本分科会の担当事項であります昭和五十六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、警察庁、北海道開発庁、環境庁、文部省、厚生省、労働省及び自治省所管についての質疑は終了いたしました。
 これをもって本分科会の審査は終了いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを主査に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#222
○主査(亀井久興君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 これにて散会いたします。
   午後二時五十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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