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1980/03/30 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 予算委員会第三分科会 第2号
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1980/03/30 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 予算委員会第三分科会 第2号

#1
第094回国会 予算委員会第三分科会 第2号
昭和五十六年三月三十日(月曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   分科担当委員の異動
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     熊谷  弘君     岡田  広君
     前島英三郎君     田  英夫君
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     岡田  広君     熊谷  弘君
     志苫  裕君     広田 幸一君
     寺田 熊雄君     村沢  牧君
     田  英夫君     前島英三郎君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     沓脱タケ子君     下田 京子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    主 査         宮田  輝君
    副主査         増岡 康治君
    分科担当委員
                梶原  清君
                熊谷  弘君
                谷川 寛三君
                広田 幸一君
                村沢  牧君
                原田  立君
                沓脱タケ子君
                下田 京子君
                前島英三郎君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
   政府委員
       運輸大臣官房長  角田 達郎君
       運輸大臣官房総
       務審議官     石月 昭二君
       運輸大臣官房会
       計課長      大塚 秀夫君
       運輸大臣官房観
       光部長      西村 康雄君
       運輸省鉄道監督
       局長       杉浦 喬也君
       運輸省自動車局
       長        飯島  篤君
       運輸省航空局長  松井 和治君
       気象庁長官    増澤譲太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        道正  友君
   説明員
       警察庁交通局交
       通規制課長    広谷 干城君
       大蔵省主計局主
       計官       伊藤 博行君
       建設省道路局路
       政課長      山本 重三君
       建設省道路局道
       路交通管理課長  三木 克彦君
       自治大臣官房地
       域政策課長    藤原 良一君
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
       日本国有鉄道副
       総裁       馬渡 一眞君
       日本国有鉄道理
       事        加賀山朝雄君
       日本国有鉄道理
       事        半谷 哲夫君
       日本国有鉄道理
       事        橋元 雅司君
       日本国有鉄道地
       方交通線対策室
       長        岩崎 雄一君
    参考人
       日本鉄道建設公
       団理事      濱  建介君
       日本鉄道建設公
       団理事      藤田 雅弘君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和五十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十六年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和五十六年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○主査(宮田輝君) ただいまから予算委員会第三分科会を開会いたします。
 まず、分科担当委員の異動について御報告いたします。
 去る二十八日、志苫裕君及び寺田熊雄君が分科担当委員を辞任され、その補欠として広田幸一着及び村沢牧君が分科担当委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○主査(宮田輝君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和五十六年度総予算中、運輸省所管審査のため、本日の分科会に参考人として日本鉄道建設公団理事濱建介君の出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○主査(宮田輝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○主査(宮田輝君) それでは、昭和五十六年度総予算中、運輸省所管を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○広田幸一君 まず、陸運局にお尋ねをするんですが、最近、貨物輸送のことで、海上コンテナを専門に運送する車両が一般の国内の貨物を大っぴらに輸送しておるということがあるようであります。そのことはいわゆる輸送秩序を乱すわけですから、当局としてもそれぞれ実態を把握しておられると思うんですが、どういう状況になっておるかまず御答弁願いたい。
#7
○政府委員(飯島篤君) 事柄をちょっと法律的にまず御説明を申し上げますと、係国際海上コンテナを輸送いたしますトレーラーにつきましては、道路運送車両の保安基準第五十四条第二項に基づきまして運行のため必要な保安上の制限を課すことによって、車両総重量について一両ごとに陸運局長が制限緩和の認定を行っております。八八―二〇のコンテナ用のトレーラーの場合は、通常、最大積載量約二十・三トン、車両総重量約二十三・七トンまで緩和しており、検査証にその旨を記載しておるところでございます。この場合の保安上の制限といたしましては、積載するコンテナの大きさを長さ、幅、高さこれこれと指定いたしております。このような特例措置は、国際海上コンテナが通関上の理由から、分割して輸送することが困難である、国際規格の海上コンテナを使用して国際貨物輸送を行う海陸一貫輸送が一般化しているということを考慮して特例的に認めることとしたものでございます。
 いま申し上げましたように、認定に当たりましては、車両法の趣旨からして、当該トレーラーについて運行のため必要な保安上の制限を付するという見地から、コンテナの大きさのみを指定するにとどまっておりまして、コンテナ内の貨物については特段の制限をしていないのでございます。したがいまして、当該認定を受けたトレーラー及び指定されたコンテナを使用いたしまして国内貨物を輸送したといたしましても、直ちに車両法上違反とは言えない状況でございます。しかしながら、従来の行政指導、特に関係法令の運用並びに行政指導との整合性を保つ必要がございますので、先生のいま御指摘のように問題なしとしないので、十分まず実態を調査いたしまして、関係省庁と十分連携をとって対応してまいりたいと思います。
 なお、輸送秩序上このことが相当大きな影響をもたらしているのではないかという御指摘でございますが、この国際海上コンテナを利用して国内貨物を輸送する形態につきましては、沿革的には国際海上コンテナのフィーダーサービスの回送時からコンテナの有効活用を目的として出現いたしましたものであります。長距離であることに加えまして、輸送貨物も季節的大量輸送の貨物のようでございまして、本来内航輸送の分野をコンテナ化したものと見られます。したがいまして、かかる輸送形態をとることによりまして、コンテナの専用船とかコンテナ専用シャーシ、専用コンテナあるいはコンテナヤード等膨大な投資を必要といたします。したがいまして、スピードあるいは小口貨物を主体とします路線トラックとは余り競合しない分野でございます。また、一般の区域トラックとの関係でも、いま申し上げたような長距離の季節的な大量輸送ということでございまして、余り競合をいたしておらないということで、輸送秩序上余り問題は起きてないというふうに考えております。
#8
○広田幸一君 いま局長の方から専門的な言葉もあっていろいろと報告があったわけですけれども、私は余り専門でございませんので若干聞き取りにくいところもありましたので、あるいは質問がちぐはぐになるかもしれませんが、ひとつ丁寧に説明をしてやると、こういう意味でよろしくお願い申し上げたいと思うんですが……。
 問題は、私の理解では海上コンテナを輸送するということが五十四条の二でございますか、それによって限定をされておるというふうに理解しておるわけです。そうしますと、海上コンテナの一体定義は何か、そういうところにしぼって考えてみないといけないわけです。一般の業界の人たちは、その特殊なトレーラーというのは海上コンテナのみを輸送することが許可されておると、こういうふうに理解しておるわけですね。で、海上コンテナというのは外国に輸出する、あるいは国内に輸入する、それ専用のコンテナであると、いわゆる国鉄のコンテナとかいろいろまあ種類がありますけれども、国際コンテナというのは大きさが大きいわけですね。非常にサイズが大きいわけですから、そのものが国内の道路をどんどん走るということになりますと、これはまあ後で建設省の方にお尋ねをすることになっておりますが、道路法に違反するわけでありますね。いわゆる道路の規格というものがきちっとできておるわけですから、道路を傷めるということになるわけですから、そういう意味で特認制度というものがあるわけですね。そのものがいわゆる国内の貨物を輸送するということは、これは問題があるではないか、こういうふうに言っておるわけですね。いま局長のお話によると、違反ではないけれども、何かこう次の言葉が私よくわからなかったんですが、違反ではないけれども、規制をしたきゃならぬというような意味にとれたんですが、そこらのところは一体どうなのか、もう一回御答弁願いたい。
#9
○政府委員(飯島篤君) この問題につきましては、関係省庁で、国際海上コンテナが国内に導入されるときにいろいろ詳細に打ち合わせをいたしまして対応をしてきたところでございます。車両法の運用に当たりましては、特に海上コンテナについてこういうものという定義をいたしてはございません。ただ、先生おっしゃるとおり、少なくとも特認を認めるに当たりましては、国際貨物を輸送するのに対応してトレーラーについての特認をするという考えで運用してきたことは事実でございます。
 ただ、先ほども申し上げましたように、車両法という法律の性格、限界がございまして、実際に制限緩和をいたす場合には、条件というか、制限といいますか、というものは単にコンテナの大きさ、積載するコンテナの大きさだけを指定するにとどまっておるわけでございます。したがいましてそのトレーラーを、またコンテナを使いまして国内貨物輸送に供用をするというようなことについては、特に法律上は、車両法上は違反とは言えないということでございます。ただ、全く国際貨物を運ばないというような事実があるとすれば、これは特認の趣旨に反することになろうかと思われます。
 他の法令云々ということでどうもはっきりしないということでございますが、車両法としてはそういう限界がございますが、この特認を認めた趣旨から言いまして、国内貨物に専用に使われるというようなことはもともと私どもの方も予想していないところでございます。したがいまして、車両法の性格はともかくとして、他の道路法あるいは道路交通法との関係もございますし、関係各省整合性を持った法例の運用あるいは行政指導をしていく必要があるかと考えられますので、今後関係省庁と十分連携をとって対応をしてまいりたいと申し上げたわけでございます。
#10
○広田幸一君 局長の答弁は、今後もう少し実態を調査をして、関係省庁と連絡をとって、規制すべきところはきちっと規制をしていくと、こういうふうに受けとめられるわけですね。それで問題は、どこがいい悪いは別として、とにかく大きなあのトレーラーが海上専用のコンテナを積んでたとえば東京から宇都宮に行ったり静岡に行ったり、まあこれは関西に行けば関西でそういうふうな運行がされておるようでありますが、そういう実態がこの十年近く大っぴらに行われてきたということは、いま局長が、そういう実態をさらに調査をして関係省庁と連絡をとって取り締まりを強化するというのは、私はいわゆるそういった貨物の輸送秩序を監督指導しなければならない立場にある陸運局として、今日まで怠慢であったではないかと、こういうふうに思いますが、それは間違いです。怠慢ではありません、こういう理由がありますと、こういうふうなことであれば、そういうふうに御答弁願いたい。
#11
○政府委員(飯島篤君) 鋭い御指摘でございまして、陸運局の窓口に申請が出てまいる段階では荷主も国際貨物を運ぶということの立証をしておりますし、少なくとも陸運局の担当者としては特認に当たって十分審査をして認めてきておったわけでございますが、それが同じ海陸一貫輸送として、特に国際貨物のフィーダーサービスと一体になって内航の海上輸送を利用した形で使われているということにつきまして、確かにいままで十分認識が足りなかったうらみがあることは申しわけないと考えておるところでございます。
 一方、この話につきましては比較的分野が特定されているということなので、たとえば全国のトラック協会からも余りいままで問題提起がなかったということで対応がおくれているという点は確かにわれわれ考えなければならない点かと考えておりますが、先ほどから何度も申し上げますように、当方の所管している法令の限界はともかくといたしまして、関係省庁の対応がはっきりいたしますれば、トラック業者を監督する立場もございますので、十分それを生かして指導してまいりたいと考えております。
#12
○広田幸一君 局長、特認を求めるときに申請書を出すわけでありますね。その申請書にはどういうふうに書いてあるわけですか、海上コンテナをこれからここまで輸送するから特認として認めてもらいたいということが書いてある。それから、私もここに一枚持っておりますけれども、この認可が得られた車検の中には、「運輸省自動車局において海上コンテナー専用として指定したもの以外は運搬してはならない」と、こういうふうに書いておりますが、こういう車検というのは、記載事項というのは、特認された場合にいかなる場合でもこういうふうに書いてあるのですか。
#13
○政府委員(飯島篤君) いま手元に一つの例しかございませんが、この例によりますと、「緩和を受けねばならない理由」のところに、まず積載物が「「保安基準」内車輛では輸送が不可能な為」、それから第二に「弊社、主要荷主である」某「より国際海上コンテナの輸送を依頼されましたが、現有車輌では不足でありますので、海上コンテナ輸送トレーラを購入し、荷主の要望に応えると共に安全輸送を行いたく基準の緩和をお願い申し上げます。」ということで、運行経路、運行地も書いてございます。
 それから、検査証の方でございますが、緩和制限事項としては、先ほど申し上げましたように、積載するコンテナの大きさは、長さ、幅、高さ、それぞれ何メートルとするというふうに具体的に書いてございます。検査一証の方はそれだけでございます。
#14
○広田幸一君 それでは、私が以上申し上げた、重複して申し上げることはあれですから、そういうことは検査証に全部書いてあるということではないわけですね。
#15
○政府委員(飯島篤君) 検査証の方は、積載するコンテナの大きさについて指定しているだけでございます。
#16
○広田幸一君 建設省にお尋ねしますが、いま聞いておって大体御承知だろうと思うんですが、建設省としては、これは陸運局の許可が要るわけですから、今度は道路管理者の許可が要るわけですね。それを道路管理者あるいは建設局の方に申請をすると思うんですが、そのやり方ですね、申請のやり方、許可をする場合の条件ですか、そういうことについて、建設省の方見えていますか、御答弁願いたい。
#17
○説明員(三木克彦君) 道路法及び車両制限令におきましては、道路の構造を保全し、交通の危検を防止するため、車両の幅、長さ、重量等につきまして最高限度を定めまして、これを超えたものについては通行を禁止しております。しかし、車両の構造、積載貨物が特殊でやむを得ないと認められるものにつきましては、通行条件、通行経路について必要な条件を付しまして通行を許可することにいたしております。この特殊車両通行許可制度の運用に当たりましては、許可の審査対象範囲等の審査要件を明示いたしまして適切な運用を心がけているというところでございます。
 ただいまお話しの海上コンテナ用セミトレーラー連結車両の通行につきましては一般的な制限値を超えることになりますので、特殊車両通行許可制度の適用を受けるということになるわけでございますが、私どもは輸出入貨物を積載するコンテナで、国内で積みかえを行わず輸出入時と同じ状態で積載されるものにつきましては、これらの海上コンテナが外国との間で海陸一貫輸送をされるものであることという特殊な事情もございますし、それから通関時に計測が行われる実情もございます。また交通の量なども勘案いたしまして、通行する橋梁等につきまして特別の照査手続を私ども内部的にやっておりますが、この手続を経た上で重量につきまして一定の緩和を行っているというのが実情でございます。
#18
○広田幸一君 海上コンテナということはいまおっしゃったようにその中に書いてあるわけですね。それでさっきから言っておりますように、海上コンテナは分割できない大きいものですからね、ですから特殊な許可が要るわけですが、問題はその海上輸送、海上コンテナの解釈の問題でして、それで私の理解としては、海上ユンテナが海上コンテナ以外の――海上コンテナの解釈の問題ですが、海上コンテナに入っておる荷物というのは、外国から入ったりそれから国内から輸出する、そういうものに限定をされておるというふうに理解をするんですが、あなたの方はどう理解されておりますか。
#19
○説明員(三木克彦君) 海上コンテナの定義はいろいろな形があり得ると思いますが、私どもで海上コンテナを連結するセミトレーラーと言っておりますのは、先ほど読み上げましたとおり定義をして運用しているわけでございます。
#20
○広田幸一君 さっき課長読まれたあれが、私も余り専門でないのでちょっとわかりにくいんですが、それじゃもっとわかりやすく言いますと、国内の貨物をその海上コンテナに入れて、たとえば大阪から静岡の間を走るということはこれは違反というか、あなたの方の規制になりますかどうか。コンテナですよ、海上コンテナに国内の荷物を積んで毎日走るということは、これは許可をする基準外になりますか、どうですか。
#21
○説明員(三木克彦君) 先ほど申し上げましたように、輸出入貨物を積載するコンテナで、国内で積みかえを行われず輸出入時と同じ状態で積載するものに限って車両制限令上の特別措置をとっておるわけでございます。したがって、お話しのように国内貨物を海上コンテナで運ばれるということにつきましては、この特別な取り扱いを創設しました趣旨にそぐわない措置であるとは考えております。
#22
○広田幸一君 建設省等にさらにお聞きしますが、そういう車が走っておるとすればあなたの方は取り締まりをしなきゃならぬわけですが、取り締まりはどのような方法でおやりになっていますか。
#23
○説明員(三木克彦君) これは車両制限令違反車両に対する一般的な指導取り締まりの方針でございますが、特殊車両の通行状態、道路の状況、そういったものを配慮いたしまして、沿道の適当なところに重量計を備えました車両指導取り締まり基地をつくりまして、そこで随時必要な取り締まりを行っているということでございます。取り締まりに当たりまして違反車両を発見いたしました場合には措置命令等を講ずるということになっております。
#24
○広田幸一君 警察の方おられますね。――いま申し上げたようなことについての取り締まりはどのようにおやりになっておりますか。
#25
○説明員(広谷干城君) 警察としましては、荷物の積載違反というものは非常に交通秩序の面からもまた交通事故の観点からも差しさわりがあるということで取り締まりの重点対象に掲げまして取り締まりを実施をいたしておるわけでございまして、年間十余万件の取り締まりをいたしておるわけでございます。ただ、現在お話しになっておりますような海上コンテナで国内荷物を輸送するようなケースにつきましては、実は現在までのところ取り締まりをしておるというふうな報告を受けておらないのが実情でございます。したがいまして、ただいま運輸省あるいは建設省の方からもいろいろとお話がございましたけれども、こういうふうな実態につきまして警察といたしましてもさらによく実態を把握いたしました上で関係省庁と十分な連絡をとりながら対処をいたしていきたい、現在のところかように考えておる次第でございます。
#26
○広田幸一君 私もこのことを知りましたのはつい二、三日前でございまして、できれば真実を確かめる意味におきまして、東京の大井埠頭であるとか品川埠頭であるとか、そういうところに行って実態を見て、それから確かめた上で質問をしたいと思ったんですが、それができなかったので、いずれまたこれは現地に行ってみたいと思うんですが、これは陸運局に言うのか港湾局に聞くのかわかりませんが、たとえば品川の埠頭に入ってくる荷物というのは、私の承知しておるところではもうかれこれ十年近く外国からの品物は入ってこない、そういうふうに聞いておるわけですね。ところが、そこには国際海上コンテナが――ここにも、これに写真が載っておりますからね。きちっとこの国際コンテナが待っておって、そして国内から、たとえば北海道、九州、沖縄ですね、そういうところから入ってくる品物を受けて、そしてその品物を外国、国内のあちこちに搬送しておる、しかもそれはれっきとした国内の貨物である、こういうふうな実態があるようであります。
 こういうことが恐らく十年近くやられてきておるわけでありますが、どうなんですかね。警察の方はそういう下の方からの報告もないし他の省庁からも話がないと。私は冒頭局長がおっしゃった大量に輸送できる、効率的にやっていくと、そういう意味は私はわかると思うんですよ。最近の省エネというようなこともありますから、効率的な輸送をすることについては結構なことですけれども、ある規則とかそういうものをきちっとやらないと私はそういう業界で問題が起きてくる、そういうことを指摘しておるわけでありまして、そういうところをきちっとして今後有効的な輸送をするというなら、いまある法律をいろいろと改善をしていくというようなかっこうにしないと、一部の人たちがそういうふうなことを勝手にやっておるということは、いわゆる輸送秩序に対する業界の皆さんが不信を持つ、陸運局と、あるいはそういうところとそういう大きな郵船会社あるいは貨物トラック会社と癒着しておるではないか、こういうふうな不信感も最近起きておるような現状でありますから私はそのことを申し上げるわけでありますが、さて、いま建設省の方から答弁がありましたように、やっぱりもうそれ一本で輸送するということについては問題があるようでありますが、私は、陸運局としては業界を指導するという立場から、そういうようなことはやってはならない、こんりんざいそういうことはやってはならないというような規制を許認可権を持っておる陸運局としてはやるべきであると思いますが、その点いかがですか。
#27
○政府委員(飯島篤君) 先ほどから何回も同じことを申し上げておるわけでございますが、少なくとも国内貨物を輸送する場合の条件としては、他のケースと不公平になってはいけないというふうに考えております。したがいまして、関係車両法、道路法、道路交通法等の関係法令の適用、そして行政指導についてはっきりした結論が出れば、それに基づきましてトラック業界を厳に指導してまいりたいと考えております。
#28
○広田幸一君 陸運局としては、海上コンテナを運送する能力がある車両であるかどうかということを基準にして特認をするということでしょう。それから今度は建設省の方は別な意味で言っておるわけですね。それから警察の方はそういう違反というか、法律に違反したような輸送をする者は取り締まると言っているわけですから、もう現実にあるわけです。それは。業界はそれはあたりまえのことになっておるようであります。ですから、陸運局の方は業界をこれから指導するということでありますが、建設省はそういうふうな規制をしておるというのは、道路が傷む、橋梁が傷むと。道路の保全、それから警察の方としては交通安全という意味からそういう法律があるわけでしょう。ですから私は、本来的にはそういう基準外の車が国内を走ることは、建設省としても本来的にはやっぱり避けてもらいたいというのが本音じゃないでしょうか。そういう意味からすると、いま明らかになったわけですから、過去のことは言わずに、将来をやっぱり関係省庁と連絡をとってやるというふうに言っておるわけですから、今後の取り締まりについてははっきりとしてもらいたいと思うんです。
 過積の問題がずっとありまして、なかなかこれもむずかしかったわけでありますけれども、この数年間、警察、建設省等の、あるいは運輸省等のいわゆる積極的な監視によってなくなったわけでしょう。そして、違反をしますと、もうすぐ反則金が取られるわけでしょう。片一方の車は堂々とやっておるわけですね。ここらの私は矛盾というものは問題があると思うんですよ。だから、効率的な輸送をするというならまた別のことを考えるとして、しかも最近は御承知のように、トラック業界というのはものすごいダンピングをやって公定認可料金を守られていないというのが実態ではないでしょうか。そのことは陸運局も知っておられると思うんです。弱いところの業者は抑えつけられ、大きな商船会社というんですか、そういう輸出入を取り扱っておる大きな会社の系列の運送会社の一部が何かうまく利用しておるというようなことは、私は輸送秩序として絶対に許されない。
 さっきから言っておりますように、そうした方がいいというなら、そういうふうな法律の改正をすべきであると思うんですが、大臣どうでしょうか。私が言っていることを大臣聞いておられると思うんですが、私はそういう交通輸送の秩序について、業界等でいろいろと不信があること、またそういう車が何ぼにせよ国内を構わずに走っておるということは、道路の保全という意味からも、あるいは交通安全という意味からも厳重に取り締まっていくべきであると思いますが、大臣として、この問題を運輸省の立場から各関係省庁とも連絡をとって、今後はこうするというふうなぐあいのひとつ締めくくりをしていただければ幸いだと思います。
#29
○国務大臣(塩川正十郎君) 広田さんは確かに盲点を突かれたと、いいところを突いておられると、先ほどからずっと聞いておりまして。確かに私は、言ってみればあんな大きい海上コンテナ、何か外国の船の名前みたいなものを、わけのわからぬものを書いてぶうっと走ってますね。あれ、中に何積んでいるかわかりません、実際のところ。これはやっぱり私、盲点だったなといま思うておるんです。ですから、正直言って自動車局もそれから道路管理者の方も、いままで余りこれに気がついてなかったんじゃないかと思うんです。ですから、これから私のところなりあるいは建設省、それから公安委員会、これらが協力して一回その実態を調べることから始めなきゃならぬだろうと思うんです。それと同時に、特認がやっぱり簡単に扱われておるんじゃないかということもあるだろうと思うんです。そういう点を一回十分に検討してみたいと、こう思うております。
 したがって、自動車局でも前からこの問題は何らかの検討の対象にしなきゃいかぬとかいって考えてはおったんですけれども、なかなかその機会というものがつかめなかったと思うんです。ですから、決して怠慢ではなくて、何かこうお互い協議しなければできないということだったんで、ちようどこれいい機会だと思いますんで、この機会に関係省庁が協議して方法講じておかなければいかぬ。でなければ、これは確かに道路は傷めるは輸送秩序は乱れるはと、余りいいことじゃないと私は思うております。
#30
○広田幸一君 大へんまとめのいい話をしていただきまして、早急に、この問題がいろいろ業界からつまらぬ不信がないように、日本の交通事情が円満にいくようにひとつ大臣によろしくお願いをしておきます。
 次は、国鉄の関係について、特にローカル線の問題を中心に前段お尋ねをするんですが、政令が、基準が決まったわけですけれども、段階式になったわけですね。第一回と第二回というふうになったわけですけれども、こういうふうになった経過をひとつ御報告願えませんか。
#31
○政府委員(杉浦喬也君) 御指摘のように、特定地方交通線の選定につきましては、段階を追うて行うということで、政令上は第一に行う路線につきまして基準を設けましてこれを進めると、このように相なったわけでございます。
 この経緯でございますが、この特定地方交通線を全体を一気に行うということにいたしますと、これはなかなか地方におきましても問題の多い問題でございますので、全国的に非常に大きな地域社会に影響を与えるという観点もございます。それから事務的に考えましても、何千キロというものを全国一斉に検討を始めなきゃならないというようなことになりますと、大変事務量がかさみましてなかなか対応ができないということを考えまして、こういう同時一括方式では非常にむずかしいなと、そこでまず営業線の短いところ、あるいはお客の輸送量の少ないところというようなものに焦点をあてがいまして、そういうものから逐次行うということの方が実情に即応しているというふうに判断をいたしまして、このような観点から第一次選定をする一つの基準をつくった次第でございます。
#32
○広田幸一君 私の仄聞しておるところによりますと、いわゆる関係省庁の間にいろいろ意見があって、最終的にはあのような案になったんですけれども、特に自治省とかあるいは北海道開発庁とか通産省とかいろいろ意見があったようでありますが、最初は運輸省としてはもう全部一本に網をかけてしまうと、網をかけるという言葉ですかね、一遍にやってしまうと、そういう話ではあったようでありますけれども、特に自治省等は一遍にやるということば非常にむずかしい、まずやれるところからやっていこうというようなことで段階的になったというふうに私は聞いておるんでありますが、結論的にそうなったからいま局長の方もそういう答弁になったと思うんですが、私の問題にしたいと思いますことは、第一次をやってみてどうもうまくいかなかったという場合は第二回目の実施の段階で基準を見直しをするのか、私はそんなことはないように思っておりますが、あるいは何か調整をするのか、そういう含みというものがあるのかどうなのか、その辺を私ははっきりしたい、こういうふうな意味で質問をしておりますので、それにひとつ大臣、局長、わかるように御答弁を願いたいと思います。
#33
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど杉浦鉄監局長が答えておりますように、六十年までのものは一括して転換をいたしたい、こういう基本方針は変わりございません。ただし、事務的にあるいはまた地域的に転換を進めていくのに段階を区切った方がやりやすいということの趣旨から、第一次、第二次と、私たちは第一次、第二次とは思うておらないんですけれども、一応そういうぐあいに区切りをせざるを得なかったんでございますから、ですから、第一次はやって第二次のことを考える、そういう考えでやったんではないということでございます。
#34
○広田幸一君 私も一カ月ほど前になることですから、当時のことば少し忘れておるかと思うんですが、記憶が定かでありませんが、ただ最も私の印象に残っておりますのは、結局各省庁との間になかなかうまく話し合いがつかないということで、全部網をかけてやらなきゃならぬということで、運輸省、国鉄当局はそうであったと、しかしながら、自治省、そういう他の関係省庁のいわゆる抵抗があって、妥協の産物として段階方式になったと、そこで、じゃあ一体第二回目の場合はどうなるかという将来の問題ですが、そのときは関係省庁の意見等も聞いて、そして官房長官、政府が中心になってそれをまとめていく、こういうふうに最終的にはおさまったというふうに聞いておりますが、そのようなことはございませんか。
#35
○国務大臣(塩川正十郎君) 第一次から第二次へ移行するというたとえば表現で言いますと、そういうぐあいなときに官房が中心となって意見をとりまとめる、そういう話はございません。けれども、常時これを進めるにつきまして各省庁と緊密な連絡をとりながら進めてくれ、特に第一次分が終わって第二次分といいましょうか、第二回目の場合には十分に連絡をとった上でやってほしい、こういう要望が各省庁から出まして、それに対しまして私の方からそのようにできるだけ相談いたすようにいたします。こういうぐあいにお答えしたという経過であります。
#36
○広田幸一君 疑うわけじゃありませんが、運輸省はとにかく全部網をかけて全部やりたいという方針には変わりないと思うんですが、そこらに私は今度の法律が、いろいろと本会議や予算委員会あるいは委員会等で論議になりましたように非常に無理がある、非常に強権的な法律である、こういうことが言われた、そのことが現実に実施する段階におきまして各省庁との間にもつれてきたというのが私は事実として出てきておると思うんです。ですから、済んだことはここで大臣を締めても仕方がありませんから、これは政府の方針ですから。
 そこで、どうでしょうか、四十二線をやる過程でバス転換にやろうとしたけれどもやっぱりここに問題があったと、あるいはその間においてきょうは時間がありませんから質問することはできませんが、いわゆる経営改善計画というのがきのうの新聞に出ておりましたが、国鉄が努力をしてやっていこうというそういういろいろな条件が出てきまして、地方のいわゆる過疎地域をそこまでやらなくてもいいではないかというようなことがこれから出てきた場合には、前進的な意味で私はさらにこの見直しというか検討するという、そういういい意味における考慮が払われるのではなかろうかと、こういうふうに理解をしておりますし、そのようなことを他の自治省を中心にした関係省庁が強く主張し、そういうことでそれじゃあ段階的に行こうと、こういうふうになったんではなかろうかと思いますが、その点はどうでしょう。
#37
○政府委員(杉浦喬也君) 関係省庁との話におきましては、それぞれの各省庁の立場からそれぞれの希望というものを吸い上げまして、それで運輸省に対しましていろいろな御意見が出ました。そういった御意見を最終的に取りまとめた結果が先般の政令ということでございますので、いろいろな経緯があったことは事実でございますが、形といたしましては四千人未満というような基準を明確に打ち出したわけでございまして、これをバス転換を主体にいたします対策を講ずると、特に昭和六十年度まではそのうちで二千人未満ということを考えまして実施するということは全然変わりがない。ただ、実際にこれを第二回以降の選定に当たりまして各省庁やはり心配でございますので、相談してほしいという話はございます。私どもそれぞれのお立場もありますので、第一回の次の段階におきましては御相談いたしましょうということにはなっております。基本方針は変わっておりません。
#38
○広田幸一君 そういう答弁になろうと思うんです。
 自治省の方がおいでになっておると思うんですが、大臣が一番いいんですけれども、そういうわけになりませんし、関係者の方からいま申し上げたことについての中身ですね、自治省としてはどういうふうに考えておるかという点をひとつ御答弁願いたいと思います。
#39
○説明員(藤原良一君) お答えします。
 確かに過程におきましては私どもの方もいろいろ意見を申し上げたわけでございます。その意見の主な点は、確かにローカル線は利用者が減りまして鉄道としての特性を発揮しがたくなっておる点が多いわけですが、しかし、一方ではなお通勤通学あるいは地域振興の点で、住民の生活路線として非常に重要な機能を果たしておる一面もあるわけです。そういうことで地域へ与える影響をできるだけ少なくするように、当面選定に当たってはお願いしたいということを申し上げてきたわけでございます。そういう意味で段階的に選定されることになりまして、しかも当面選定されます路線は路線延長の短いもの、バスに比較的容易に転換できる路線ということに限定されておりますので、私どもの意見も相当程度取り入れられたものということで評価しておる次第でございます。
 それから、二回目以降の選定でございますが、大臣、局長から御答弁ありましたように、相談にあずかれることになっておるようでございます。第一回目の実施状況等を勘案しながら選定していただけるものとわれわれとしては期待しておるわけです。
#40
○広田幸一君 この問題この辺でまとめたいと思いますが、国鉄総裁もおられるんですけれども、いまそれぞれ作業をされておるんですが、私はこの四十二線がうまくいくだろうかということを大変心配しておるわけです。で、もしもいかないようなことがあった場合は、これはどういうふうになるかと。私は運輸省の側に立ちましても、あるいは住民を代表する立場に立ちましても、実は本当に正直に言いまして心配しておるわけですが、そういうふうな場合、どういうふうにいま自治省の方としては、今度は、二回目のときはいろいろの事情によって相談をしてもらえるだろうことを期待しておるということでありますし、自治大臣もそのようなことをおっしゃっておるように記録されておりますが、その辺、これは法律で決まってからぐっと抑えるということではいけないと思うんですが、これはまあ参議院の運輸委員会でも附帯決議がついておるようなことでございまして、住民の意思を十分に薄童してやりなさいと、こうなっておるわけでありますが、これからの問題ですけれども、その辺、ひとつ連輸省あるいは国鉄側としてどのようにお考えになっておりますか。
#41
○政府委員(杉浦喬也君) 地元の方々は大変関心が多いし、また影響が多いということは事実でございます。
 今後の進め方につきましてはできるだけ地元の方々と御相談申し上げながらやりたい。まあ第一の関門といたしまして、選定をいたす場合にこれは国鉄から第一次選定をしまして、運輸大臣の承認申請の過程がございますが、このときに県知事の方にこれが通知が参りまして、知事さんからその選定についての御意見が運輸大臣に上がってまいります。その御意見を十分にお伺いをした上で承認をするという第一段階がございます。
 それからさらに、その選定されました路線につきまして、路線ごとに特定地方交通線対策協議会、これが組織されまして、実際の検討に入るわけでございますが、この協議会には当然各関係の知事さんあるいは関係の市町村の市町村長初め関係地方公共団体の皆さんが参加いたします。そこで十分地元の御意見が開陳されるものというふうに考えておるわけでございまして、大変むずかしい問題ではございますが、地元の御意見を十分に聞きながら、二年間にわたりまして円滑にこの地方交通の対策が講ぜられるようにわれわれも考えておる次第でございます。
#42
○広田幸一君 政令の末尾の方に、将来地域でもって開発する、そういうふうな条件ができた場合は考慮するというふうに書いてありますが、あの有効期間ですね、有効期問というのはいま国鉄の方で作業しているわけですから、それが運輸大臣申請になり、知事に通知が行くわけですが、大体私たちの承知しておるのでは五月いっぱいぐらいに聞いておるわけですが、それが一つの区切りなのか。それも一つの区切りであるけれども、まだ六十年という目標があるわけですから、たとえば地方協議会の協議に入った場合も、そういう問題が、これは地域によってはたとえば大きな工場が来るというような、突然そういう事態が起こるかもわからぬわけですから、私の言うのは、六十年の辺まで、あるいはもっと先でもいいんですが、そこらのことも含まれた内容であるかどうか、その点を確認しておきます。
#43
○政府委員(杉浦喬也君) いま国鉄で選定の作業に入っておるわけでございますが、その基本的な数字の輸送量、輸送密度でございますね、これは政令上は昭和五十二年から昭和五十四年度、この三年間の実績平均値、これをもとにするということになっております。しかしながら、さらに政令でも書いてございますが、その輸送密度の算定の方法につきまして、確実な将来輸送需要増加、こういうものが見込まれるもの、たとえば団地ができまして、そこに入居される方々がその当該地方線を利用することが確実であるというふうなものにつきましては、先ほど申し上げました輸送需要にプラスいたしまして計算をする。ただしこれも……
#44
○広田幸一君 局長、私時間がありません。期限のことだけはっきり言ってもらったらいいです。
#45
○政府委員(杉浦喬也君) はい。昭和六十年度までにそうした計画が、完全に工事が完成するものという場合に限りましてその輸送需要を付加する、こういうふうなことになっております。
#46
○広田幸一君 六十年までに、たとえば五十九年にそういう企業が来るということになったと、しかしいろいろ計画があるわけですからね、それが六十一年に完成するというような場合もあると思うんですが、その辺のところの私は幅は当然あると、こういうふうに理解をいたします。よろしいですね。
#47
○政府委員(杉浦喬也君) 現時点ではどこまでを見るかというのは非常にむずかしゅうございますので、やはり一つの区切りといたしまして、昭和六十年度までに完成をするものに限りたいと、こういうふうに思っておる次第でございます。
#48
○広田幸一君 限りたいということですから、その辺で幅のあるものとして理解しておきたいと思います。そういうものが将来あるかどうかわかりませんが。
 次は、国鉄運賃の値上げ問題について質問をしますが、後で同僚議員の方から詳しく質問をすると思いますので、ちょっと私大まかな点を質問をしてみたいと思うんですが、今回の国鉄の運賃の値上げというのは、四年連続でございますから非常に評判が悪いわけです。しかも増税で公共料金が上がる。酒が今度上がりました。また四月から郵便料金が上がります。それから各種保険料が上がるわけですが、非常に評判が悪いんで、私はあれだけの特別運賃も含めて二千十億ですか、予算が組んでありますけれども、果たしてあんなものが入ってくるだろうか。いままで国鉄から離れる離れると言っておったのが、今度は、何この国鉄やろうということで、むしろ感情的になってしまって、国鉄離れがもっとひどくなる。私は、二年前よりも三年前よりも、今度四回目の国鉄運賃値上げについては厳しいものがあるように思うわけです。特に学割りの問題ですね、学生の運賃は二三・七%高いと、これも連続であります。
 私は、きのう都内のあるところに立って国鉄運賃絶対反対ですから署名してくださいと、大臣や総裁にはえらい悪いんですけれども、街頭署名をやったんですが、ほかのことでなかなか街頭署名やりましてもそう簡単に応じてくれませんけれども、きのうはわりにこれに応じてくれたということは、私は国鉄の運賃値上げについては、やっぱり非常に国民の中に抵抗があるという一つの証左だと思っているわけですね。それで私は、特に村沢委員の方からも申し上げると思うんですけれども、これだけ公共料金が上がって、各家庭というものは非常に困っておるわけです。学生によってはアルバイトもしておるわけですから、全体が百十億円ほどの収入になる計画のようでありますが、これをもっと、もうすでに審議会に出しておるわけでありますけれども、もっと、これをまるっきり私はゼロにせいということは言いません。少なくとももっと国民の感情に沿うようなところまでいかないかもしらぬけれども、それに誠意をもってこたえられるというようなところまで何とかならぬものだろうかということと、それから私鉄の運賃が五月の何日で、国鉄の運賃が四月の二十日で、これは各党の間でいろいろと論議されておるようでありますが、これも少なくとも国鉄の運賃、私鉄の運賃の時期の辺まで延ばせぬものだろうかと、こういうことを感ずるわけでありますが、この二つの点についてどうお考えになりますか。大臣でもそれから総裁でも結構でありますから、ひとつ誠意をもって御答弁願いたいと思います。
#49
○説明員(高木文雄君) おっしゃるとおり余り毎年の連続改定でございますので、国民の皆さんあるいは利用者の皆さんが非常に抵抗感といいますか、けしからぬといいますか、そういうお気持ちが強いということは私ども承知いたしておりますし、そのことは長い目で見た場合に、非常に問題があるということはわかっておるつもりでございます。ただ、先般国会で御承認いただきました昭和五十五年度の予算の補正を見ていただきましてもおわかりいただけますように、昨年の四月二十日の運賃改定以後経費が大変ふえた。特に電気料金を中心として経費がふえた。それから一般的な景気後退の影響で収入が思わしくないということで、これから経営の再建に立ち向かおうという時期に、ごく最近におきますところの営業の状態は非常によくない。よってもって、経営状態がまずいわけでございまして、そういう点を考えていよいよ法律も通していただき、それから経営再建をやろうという時期におきましては、どうしてもやはり一面において営業を考えながら仕事をしなければいけませんけれども、同時に経営収支ということも頭において仕事をしなければならぬということから、まあわれわれとしてもやむを得ずと申しますか、追い詰められた心境で今度の改定案を作成し、いまお願いをいたしておるわけでございます。
 そこで、いまお願いをいたしておりますが、先般来運輸審議会におきまして御審議があり、またそこで答申の過程において公聴会も開かれました。また別途経済企画庁の中の物価問題に関する」審議会等でもいろいろ御質問を受け、まあいろいろの御批判をいただいたわけでございまして、その際に学生の定期の割引率の問題がいずれの場所におきましても非常に大きな問題になっていることは事実でございます。
 しかし、われわれとしましては、かねがねからの問題でございますので、まあ相当摩擦があるということを承知をしながら割引率を三%だけ修正さしていただくということでお願いをしているわけでございます。御批判あることは承知しておりますが、私どもといたしましては、現在はやはり原案を手直しをするということにつきましては、先ほどの二千十億という予算との関係もございまして、私どもの方からこれを少し、たとえば修正幅が大き過ぎるから修正をする、あるいは修正をしたいということを申し述べる立場にはございませんので、いわば現時点はまないたのコイといいますか、御判断を待つ、運輸審議会なりあるいは運輸大臣の御判断を待つということでございまして、やはりいまの段階では原案大変問題があることは承知しておりますが、原案を維持さしていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
#50
○広田幸一君 大臣、いまのことについて。
#51
○国務大臣(塩川正十郎君) 学生割引の案件だけに限って申し上げますと、仰せのとおり、私はでき得れば学生定期というものは、そんなに大幅な値上げをすべきではないという考えでございますけれども、国鉄の現在の状況から見まして、やはりそれは相当収入に大きい影響を持つものであります。そこで、現在運輸審議会に御相談いたしておるところでございまして、その決定を待たなければ私としても何ともいま言える段階ではないと思うております。
 もし国鉄の内部においてその分が常業努力でカバーし得られるような、多少でも営業努力でカバーし得られるようなことがあるならば、それはそれなりの対応もできるであろうと思うんでございますが、現在のところにおいては、私からこれだけの営業努力をさらに積み重ねをしろということを言うことは、いまの状態ではなかなか無理だろうと思うております。いっぱいいっぱい国鉄としても努力しておるところでございますので。そこで、そういう条件等をいろいろと運輸審議会で御勘案になって、その結論がこうだということになったといたしますならば、私としてはその決定に従って改めてまた営業努力の面についてもさらに一段の努力を積み重ねなければならぬのではないかと思うたりいたしております。
#52
○広田幸一君 あと時間がありませんので、運賃問題は同僚の村沢委員がさらに確かめると思いますが、実はAB線の問題について確認をしておきたいと思うんですが、今度の法律でいわゆる従来ありました四十線のうちの四千人以上のところだけが工事を継続すると、それから第三セクターによるところのものだけが、それを申請があった分について内容を精査をしてやると、こういう二つになっておりまして、現実にはもういまのところ野岩線を含めて三つで、あと三十七はごれからに問題が残されているわけでありますが、そこで私は、これは地元のことでなかなか言いにくいんですけれども分科会でありますから申し上げますが、鳥取県の智頭線でございます。
 で、これは鉄建公団の資料によりますと三千九百という数字が出ているわけであります。地元の期成同盟会等も、あのおくれた山陰から京阪神との連絡をもっと高めるという意味で、ここ数年前からこの問題をやっておるわけでありますけれども、一体どういう根拠によってあの三千九百が出たのか。わずか百人の差で国がやるか、やらないかということが決まるんだというようなことで、かなり地元は三千九百について知りたいわけでございまして、最近、聞くところによりますと、この鳥取県議会で五十六年度の予算を二百万円ですか組んで、もう県自体でもってその予想される数字が妥当な数字であるかどうかということをこれから調査をするというふうなことが言われておるのでありますが、いや、もうだめなんだと、あれはもう決まってしまった、四十線のうち、あの時点で四千人という区切りによって決まってしまった、もうだめなんだと、こういうふうなことになるのか。すでに工事は、路盤は九四、五%ももう達成されておるわけでありまして、その辺の配慮というものはないのか。この辺を鉄建公団とそれから運輸省にお尋ねをしておきたいと思うんです。
#53
○参考人(濱建介君) 私どもが行っておりますAB線の輸送密度の確定の方法でございますけれども、これは一般的に在来線の中からそのAB線と非常に似ております。たとえば地形あるいは気候、地域自体の経済性、その他線区の特性、こういったもろもろのものの似ておる線区を拾い出しまして、その実績をベースにいたして予測を立てておるわけでございます。
 ただいまの智頭線につきましても、線区内につきましてはそういう操作をいたしまして、ただ、先生おっしゃいましたように、智頭線の場合、山陽と山陰を結ぶ、短絡する別の効果もございますので、全線通過といいますか、そういうお客さんにつきましてはそういう特性を加味して算定、予測をいたしたわけでございます。で、一昨年ですか、五十四年に実はこの三千九百というのは算定をいたしておりまして、そのべースになるものは五十年度の国勢調査、また同年度の国鉄の鉄道統計年報、そういったものを使っております。ですから、昨年の国勢調査等、いろいろ地域の開発状況その他から、変わっておりますればそういったものを見直すかどうか。これは運輸省の方の御指示を得て作業を進めたい、こういうふうに思っております。
 以上でございます。
#54
○政府委員(杉浦喬也君) この問題の智頭線でございますが、昭和五十四年度の予想数値ということでございまして、今後、私どもの方の手続といたしましては、これは、法律に出ておりますように、特定地方交通線に該当するような輸送量しかないところ、こういうようなものにつきましては、その線を告示をするという一つの手続がございます。その告示をされた場合におきましては、その路線につきまして第三セクター等のいわば地方鉄道という形で免許申請をすることができる、こういうふうな法律上の仕組みになっておるわけでございます。
 その際に問題になりますのは、告示のときの考えのもとになります輸送需要をどういうふうに見たらいいかということでございますが、現時点におきましてはその五十四年度の、まことに数字的には紙一重でございますけれども、三千九百人という数字しか実はございません。この辺をどうするかにつきましてはまだ決めておりませんが、現時点におきましてはそういう数字をもとにいたしまして告示の材料とするということしかないんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
#55
○広田幸一君 資料を見ますと、四千というのが二つ、鹿島線と内山線でありますね。それから三千九百が智頭線で、もう一つ四千に近いのが岡山県の井原線になっております。あとは数字は格段の差があるわけですが、まあ考えてみれば、百人の違いでああいった期待ができぬということになると少し冷酷たような感じがしますし、鉄建公団がいろいろな資料に基づいて調査をしたというものの、神さんでもないわけでありますし、しかも経済は年々変わってきておるわけですからね、私はこの辺についてはもう少し幅を持って考えてもらっていいではないか。これはやっぱり、国土の均衡のとれた発展をするという国の政策の面からいってもそういうふうに考えるわけでありますが、こういう場で言えば局長がおっしゃったようなことになるでしょう、告示をする、現時点としてはそのときのこの間の数字によってやる以外にない、こういうことであろうと思うんでありますが、告示はいつごろになるものか。
 そのことと、それからいま私が申し上げたような意味合いもあって、ほかに類似したところが井原線であります。これも当時、去年の十二月の中身を正直に申し上げますと、岡山の県会でも問題になりまして、岡山の知事が答弁をされておるのは、三千八百というような数字は一体何を根拠にして出したのかというようなことで、これはさらに運輸省の方に向かって再調査を求める、こういうふうなことが当時の日本経済新聞の中国版に載っておったのを私は記憶しておりますが、そういうふうなことでございまして、大臣、どうでしょうか、いま局長がおっしゃったように、告示の時期もいつになるかわかりませんが、もうその時期はそう遠くないと思うんでありますが、あの調査の段階の数字によってきちっと整理をしてしまうと、こういうことになりますか。これからもっと地元等の要請等も受けてさらに検討してみるというような弾力的な取り組みはないのかどうなのか、この点を質問をしてみたいと思います。
#56
○国務大臣(塩川正十郎君) とにかくいまここで即断的に、こういうぐあいにあるべきだ、あるいはこうしたいということは私からはよう申し上げませんが、とにかくよく調査してみたいと思うております。
 確かに、最近は鉄道を考える場合に、道路事情との関係ということもやっぱり考慮に入れなきゃなりませんし、私どもよく田舎の方へ、地方へ出ますと、なかなか道路もよく整備されてきておりますし、そういうことから需要予測がどのように変化してきておるのかということ等もいろいろ考えてみなきゃならぬと思うんでございますが、智頭線の問題につきましては今後とも十分われわれといたしましては検討さしていただきます。
#57
○主査(宮田輝君) 以上をもって広田幸一君の質疑は終了いたしました。
 次に、村沢牧君の質疑を行います。
#58
○村沢牧君 最初に、国鉄に関する基本的な問題について伺います。
 運輸省と国鉄当局は、国民の要望や地方自治体の意見、そしてわが党の修正案などに耳をかさず、昨年十一月国鉄再建法を成立をさせ、本年三月には政令を施行した。これによって国鉄は特定地方交通線の廃止、あるいは特別運賃の導入、職員定数削減など合理化計画の実施に動き出したのでありますけれども、これらの計画を進めるに当たって、大臣並びに国鉄総裁のまず心構えについて所信を示してください。
#59
○説明員(高木文雄君) 今回の再建の法律の考え方は、さかのぼりまして五十四年の七月に私どもが案を練りまして、運輸大臣に御提出申し上げましたいわゆる基本構想案というものをべースにして、そして五十四年の暮れに閣議了解がなされ、所要の部分について法律化されたものでございました。枠組みは五十四年の七月に私どもが作成、御提出申し上げたものが基礎になっているかと思います。
 この基本構想案での考え方は、国鉄の現状はきわめて容易ならざるものがございますけれども、昭和六十年度には経営の基盤を碓立をいたすということは特別なもの、たとえば年金の問題とか退職金の問題とか、あるいはもろもろの過去債務の問題とか、そうした問題を除きまして、単年度収支で見ましてどうにか収支が償うようにしたいというのが基本でございます。なお、その場合に一つ問題がございますのは、東北、上越新幹線の開業に伴いまして、開業直後にはかなりな赤字が出るという問題がございますが、それはちょっと別にいたしまして、現在運行いたしております部分につきましては、六十年度には収支が均衡をする一ということにしたいということでございます。
 それがためにはどうしたらいいかということになりますと、当然のことながら経費を節減をするということであり、同時にいろいろな増収努力を図るということでございますが、その増収努力といたしましては、いわゆる関連事業による収入をふやすとか、あるいは未利用地を処分するとか、そういうことも考えております。しかし、それだけではどうも足りませんので、残念ながら毎年の物価、賃金の上昇程度に見合うところの運賃改定を織り込まざるを得ないということになっておるわけでございます。しかし、その中で何としてもわれわれとして運賃の改定をお願いをいたしましたり、あるいはまた助成金の増額をお願いしましたにつきまして、何を置いてもまず基本のこととしてやらなければならないのは、いわゆる経営の重点化、あるいは経費に関連いたしましては減量化を図ることであろうと考えておるわけでございまして、その意味で、現在四十二万弱という状態の職員を三十五万人ということにいたしたい。こういたしますれば、一つの経営指標であるところの収入と人件費との関係を見ますと、私どもがまだ…
#60
○村沢牧君 総裁、お話し中ですが、そういう内容は私は知ってますから、どういうふうに進めていくのだというその決意だけ聞かしてくれればいいですよ、内容は聞きますから。
#61
○説明員(高木文雄君) わかりました。それがためには、やはり労使間においてまず現在の経営状況についてよく話し合いをして、そうした取り組みに労使ともども取り組んでいくということが先決であろうかというふうに考えておるわけでございます。
#62
○村沢牧君 大臣もひとつ意見を。
#63
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど総裁が言ってますように、やっぱりこの際労使一体となって本当に国鉄を再建する方法を考えてもらいたい、協力してもらいたい。
 それからもう一つは、三十五万人体制というのはやっぱり六十年度に完成していくといいましょうか、その体制を早くとるということでありましょう。
 それからもう一つは、やっぱり国鉄内部にございますいろんな規則であるとか基準であるとか規程であるとかというようなものをこの際やはり民間企業に準じた基準に見直していくということも大事だと思うんです。乗せてやる国鉄から乗ってもらう国鉄にやっぱり衣がえをせざるを得ない。そのためには過去の慣習、規則というものが相当やっぱり私は影響しておると思うんです。この際そういうものも見直してもらいたい。こういうことによって、私はやっぱり将来鉄道が国の交通機関の基本幹線になり得るものだというそういう自信を持っております。
#64
○村沢牧君 いまわが国では総合交通政策の確立が求められておるわけでありますが、この中で国鉄は一体どういう役割りを果たしていくのか、国鉄の役割りについて大臣としてはどのように考えますか。
#65
○国務大臣(塩川正十郎君) これは何遍もお答えしておりますように、将来においてやはり国鉄は鉄道としての特性、すなわち大都市間の輸送、都市圏内におきますところの大最輸送、そして定形大量の荷物を運ぶ、こういう点はやっぱり特性として私は考えるべきであって、その対策を積極的な投資と相まって行うべきだと。でございますから、片方においては特定地方交通線のようにスクラップするものもございましょうが、片方においては新しい時代に即応した建設もやっていかなきゃならぬと、こう思うております。
 そこで、総合交通政策、おっしゃるように碓かにこれはいまわれわれといたしましても真剣に取り組まなきゃならぬ問題でございまして、先ほど広田先生の御質問の中でございましたあの海上コンテナ、これ一つをとりましても、これは総合交通政策の中の一つの盲点をぱっとつかれたようなところでございまして、そういう点やっぱり運輸関係の諸機関の、統合してどこかで旗を振っているところがやっぱり必要です。それはやはりわれわれは運輸省でございますから、その機能をもっと高めていくということが総合交通政策をより一層確実に推進していく道だ、こう思うております。
#66
○村沢牧君 総裁はどのようにお考えになりますか。
#67
○説明員(高木文雄君) 私どもといたしましては、特に最近はエネルギーの問題もございますし、それからまた騒音問題といったような環境問題もございますので、鉄道は鉄道としての役割りが十分残されておると思います。このことはわが国だけではなくて諸外国においても鉄道見直しということが行われておるわけでございますので、現在の経営状態は非常にまずいわけではございますけれども、さればといって私どもがわれわれの役割りというものについて将来希望を持たないといいますか、使命感を失うとかいうことがあってはならないわけでございまして、ぜひいま大臣が触れられましたような意味でわれわれの特性を発揮するべくがんばってまいりたいというふうに考えております。
#68
○村沢牧君 昨日、一部の新聞は、国鉄がいわゆる経営改善計画をまとめて、運輸省、大蔵省、政府・自民党と本格的な折衝に入るというように報道しておるのですけれども、まず、総裁、この改善計画の基本的な考え方、それから主なる内容、そして目標とする経営規模などについて説明してください。
#69
○説明員(高木文雄君) 経営改善計画は、私どもこの全体の再建をいたします場合の中で、私ども自身が、労使間が必死になって取り組んでいくフィールドの問題について詰めたいと考えております。
 内容といたしましては、やはりどうしてもいわゆる三十五万人体制というものが中心になるわけでございます。もちろん先ほど大臣も触れられました営業的精神といいますか、企業的精神といいますか、そういう姿勢をもって増収を図るとかあるいはもろもろの民間で行われております手法を導入して経費を節約するということもございますけれども、何といいましても三十五万人体制ということが中心であろうかと思っております。それがためには一つはもろもろの輸送手法を変える。たとえば貨物等につきまして輸送手法を変えるということによって、人手あるいは経費を節したいと考えております。
 二番目は、いままで人手によっておりましたものを設備なり機械なりに置きかえていく。一例を挙げますれば、切符を販売いたします場合の手売りを機械売りに変えていくというようなことであるとか、あるいは貨物の入れかえ等について、旗を振って機関車の運転士に信号を送っているというようなシステムを変えて、無電その他の方法によって通話をすることによって汽車をつないだり離したりすることによって人手を減らすとか、さらには現在はかなりの部分が直轄作業で行われておりますけれども、民間の私鉄等の事情を見ますと、相当程度民間企業の活力を使うといいますか、いわゆる請負によって仕事をしている部分がありますので、それらについては直轄から請負に切りかえる。あるいはまた労使の間においていろいろな約束事のようなものがございますけれども、その約束事の中でいまの時代に合わないものも出てきておりますから、そういうものを変えていくというようなことの組み合わせによりまして、少ない人でいままでと同じだけの仕事をしていくということに重点を置いております。
 その場合に最も必要であることは、昔からやってまいりましたもろもろのしきたりといいますか、作業の仕組みといいますか、そういうものを変えることもございますけれども、反面においてどうしてもやっぱりそれだけでは足りませんので、多少サービスダウンになる面もあるかと思いますが、旅客につきまして言えば、出改札を統合するというようなことであるとか、あるいはまた駅員配置をもう一遍見直してみるということであるとか、あるいは乗務員の乗組基準を変えるというようなこともありまして、多少ともお客様に対するサービスが低下する部分もあってもまたこれはやむを得ないというふうに考えているわけでございます。
#70
○村沢牧君 その改善計画は、関係する省庁あるいは与党とも話し合いをして決めていくというような報道をされているのですけれども、どういうスケジュールでいつまでにこの改善計画は決めるのですか。
#71
○説明員(高木文雄君) 地方の線区の扱いの問題につきましては若干あるいはおくれるかもしれませんが、経営改善計画の本体をなしますわれわれの経営のやり方の問題につきましては、四月のなるべく早い時期までに御提出申し上げたいと思っておるわけでございます。ただ、現実問題といたしましては、実は地方交通線問題に関するもろもろの作業に若干手間取りましたので、同じ職員が担当いたす関係もございますのでちょっとおくれぎみになっております。率直に申し上げて、これから四月のうちでも早い時期にまとめることが最大限の努力でございまして、そのような心組みで臨んでまいりたいと思っております。
#72
○村沢牧君 四月の早い時期に提出するということは、関係省庁や与党に提出することなんですか。皆さんが決定をして国民の前に明らかにするということなんですか。
#73
○説明員(高木文雄君) 実際問題といたしましては、全部私どもで御相談なしに決めて、そして運輸省に出してということではいろいろまた問題を起こすこともございますので、現実問題としてはいま運輸省とも実際的に御相談をいたしておるわけでございまして、いま申し上げました時期には運輸省にお出しいたしますと同時に、一般的に明らかにすることができるだろうというふうに考えております。
#74
○村沢牧君 それでは、その時期までそんなにありませんし、しかもこの内容については重要な問題も含んでいるというように思いますから、以下若干内容について質問いたします。
 先ほど来大臣や総裁の答弁にありますように、国鉄の経営改善をしていく柱は三十五万人体制である、あるいは経営改善計画も職員定数の削減である、こういうふうに言われておるわけです。いわゆる三十五万体制にして、これに合わしてすべてを合理化しようとしていく、こういう筋が貫かれているというように思うんですけれども、そこで大臣に伺いますが、国鉄再建法が成立した後に、この法律の真のねらいは赤字をなくするためのものであるけれども、そのためには国鉄の職員を減らすことにある、自民党の首脳や閣僚の中にもこういうこと言われておるわけなんですよ。職員を減らすために国民に負担を押しつけたりサービスを低下させようとする、これが本当の再建法のねらいですか。現実にそういうことを閣僚の中で言ってるんですから。どういうふうに考えますか。
#75
○国務大臣(塩川正十郎君) そんなことを言っている大臣は恐らくおりません。私たちが言っておりますのは、一人当たりの売り上げを、簡単に言いましたらこれを何とかして上げてもらいたいと、こういうことでございます。これはもう他の鉄道機関に比べまして一人当たりの売上高が低いということは万人の認めるところでございますし、数字の上でもはっきり出ております。ですから、何としても職員一人当たりの売り上げをどうして上げるかということが問題で、それがためには片っ方では売り上げを上げる方法を考え、といって運賃の値上げというのは安易にできませんし、片っ方ではできるだけ要員を節約してもらいたい、こういうところが発想でございますから、何も人削ることから国鉄再建考えた、とんでもない話だと私は思うております。要するに、一言で申しまして一人当たりの売り上げ向上と、ここが再建の基本であります。
#76
○村沢牧君 そうあるべきだというふうに思います。
 それで三十五万人体制について伺いたいんですけれども、従来から三十五万人、三十五万人と言われているんですけれども、その根拠というのは一体何ですか。これから国鉄を経営していくためには三十五万人あれば結構だと言うんですか。それとも、三十五万人の範囲内で経営ができるように規模を縮小していく、そういうふうに言われるのか。その三十五万人という数字の一体積み上げは何を根拠にしてやっているんですか。
#77
○説明員(高木文雄君) 先ほどちょっと御説明しましたように、いまの考え方は五十四年の七月に私どもが作成提出いたしました基本構想案というものからずっと流れてきているわけですが、その基本構想案で、実は六十年度三十五万人で仕事をすることにいたしますということを申し上げたわけですが、そのときに三十五万人という数がどうやって出てきたかというと、率直に言ってそう細かい積み上げではございません。ただ、いろいろな今後の人件費がどう変わるか、物件費がどう変わるかということを予測してみますと、三十五万人で経営しました場合の人件費総額は、予測される収入、これは運賃改定を織り込んでおりますからそこに一つの問題がありますけれども、ある程度の運賃改定を実施をさしていただいた場合の六十年度における収入とそして人件費との関係を見ますと、大体収入分の人件費が五〇%ぐらいになるかと、あるいは五〇%をちょっと超えるぐらいになるかということでございます。
 翻って国鉄が黒字であった時代にその指標はどういう数字であったか。つまり、昭和三十九年でございますが、その時点における収入と人件費の割合が大体五〇%ぐらいでございました。それが一番悪いときには九〇%近くまでが人件費になってしまったということでございまして、現在大体七〇%を少し超えたところにございますが、三十五万人であればまず五〇%に持っていけるだろうということでございます。なお、現在大手私鉄は経営状況が非常に順調であり、配当も続けておられるわけでございますが、大手私鉄で収入と人件費の関係がどうなっているかといいますと、四七、八%ぐらいのところになっております。
 鉄道という仕事は普通の産業と比べまして著しく人手を要する仕事でございますので、人件費が収入との関係でどういう状態になるかということはきわめて有力なる指標になるであろうかということで三十五万人という数を当時打ち出したわけでございます。それから二年近くたっておるわけでございますが、その間におきまして、たとえば旅客サービスについてはどうしたらいいか、あるいは線路保守についてはどうしたらいいかということについて具体的にだんだん積み上げてまいりました。また、地域ごとにはどういうふうにしたらいいかということを積み上げてまいりました。最近におきましては、いろいろ問題はありますけれども、三十五万人という数で可能であろうということで、そういう意味で後から後追いをして積み上げ計算といいますか、積み上げ作業をやりました結果、いろいろ問題はありますけれども、われわれが不退転の決意で取り組むならば三十五万人でいけるという感じを持つに至りましたので、今度の経営改善におきましては、今度は先ほど申しましたような収入対人件費というような関係じゃなくて、個別個別の地域別にあるいは作業別に積み上げました結果に基づいての考え方をお示しをしたいというふうに考えております。
#78
○村沢牧君 三十五万人という数字が出てきた根拠はそんなに詳細なものはない、ともかく人件費を減うしたいんだ、こういう御答弁なんですけれども、これからの改善計画が三十五万人体制を基本としてやるんですから、そのぐらい根拠の余りないようなもので、感じただけでというような気持ちでこういう体制を推し進めるというのはきわめて私は問題であり、無責任だと思うんですがね。三十五万の範囲内で国鉄はこれからやっていく、そのための全部の試算ができているんですか。改めて改善計画が出ましたから、いままでも三十五万人体制言ったんですけれども、皆さん方の改善計画ももう骨子ができたんですから、その点について改めて私は責任ある答弁を求めたいと思う。
#79
○説明員(高木文雄君) 現時点ではいまそれを案をつくりまして政府の関係の方々にお示しをすることにしているわけでございます。私どもは同時にまた労使間でいろいろ実際的には話し合いをしているわけでございまして、私は十分内容のある、ただ三十五万という旗を出すというようなことでなくて、十分に積み上げてお示しをし、またそれについて労使間の話し合いで何とか紛争を起こさずにまとめ得る案ができるものと確信しておるわけでございまして、その点はまだ途中経過でございますので詳しく申し上げるわけにはまいりませんけれども、発表といいますか、最終確定をいたします際には、多くの方々に内容のあるものだということで、ただ結論があるのでなくて、内容があるものだということで御納得がいただけるようなものになると思っております。
#80
○村沢牧君 そういう三十五万人体制になったらどういうふうになるかということについてもこれから聞いてまいりますけれども、その前に聞いておきたいのですけれども、六十年度三十五万人体制に移行するための現在の定員の削減方法はどうするのか、あるいはいろいろな部門があるけれども、部門別にどういうふうに削減をしていくか、具体的に示してください。必ずしも総裁でなくてもいいですけれども。
#81
○説明員(高木文雄君) これはきわめて多岐にわたりますので、一、二の例をもってお答えするしかないと思いますが、たとえば、現在旅客扱いの中で、有人駅と称しまして私どもの職員が配置されております駅の数が……
#82
○村沢牧君 それは後ほどお伺いしますから。いまの定数を何人毎年減らしていって、どういうふうにするのだということ、そのことについてです。その駅のことは後ほど聞きますよ。
#83
○説明員(高木文雄君) 人数を年次別に申しますと、現在七万四千人減らすためには、一方において増員がございます関係で、たとえば東北、上越新幹線の開業に伴う増員というものがございますから、ネットで七万四千人ということは八万七、八千人、九万人ぐらいの職員を片っ方において減らすということになります。そこで、その間におきまして、昭和六十年度までにいわゆる定年に達する職員数が大体十二万ぐらいになるかと思います。そこで、その職員が定年等でやめてまいります場合に、その補充を半分以下に抑えるということを通じて約九万人ということになるわけでございますが、六年間でございますから、一万四、五千人、ときによりましては一万五千人を超える数になるかと思います。いま、それらにつきましては年次別にもそういうことでいろいろ積み上げをやりましたり、また、実際上の問題として、労使間でいろいろ話し合いをいたしましたりいたしておるわけでございまして、何年度は何万何千人、何年度は何万何千人というところまでは、まだちょっとここ数日しませんと固まらないわけでございますが、いま申し上げましたような感じでいたしたいと思っております。
 それから……
#84
○村沢牧君 総裁、いいです。私は総裁でなくても担当者から答弁をしてくれと言ったんですが、抽象的な答弁でなくて、実は昨日の毎日新聞に数が載っているんですよ。たとえば、毎年一万四千人から一万九千人減らすのだ。八万六千人減らして、新規に一万六千五百人入れてこうだと、それから減らす分はこうだと、はっきり載っているじゃないですか。それがどうして――数字で言ってくださいよ。抽象的なのはいいです。数字をぴしやっと。
#85
○説明員(高木文雄君) 私もその新聞は見ておりますけれども、その数字そのものは作業中の数字がまことに遺憾ながら把握されておるわけでございまして、率直に申し上げましてその数字が毎日いろいろなことで動いているという状態でございます。まさにそれが作業でございますので、毎日のようにいろいろ動いているということでございます。新聞の方は非常に敏感でございますので、どうも残念ながら報道されておりますけれども、必ずしもそれで決まったということではございませんので、そしてそれは労使間の問題であり、各省間の問題でございますので、ぴしっとした数字をここで申し上げることはお許しをいただきたいと思うわけでございます。
#86
○村沢牧君 でも総裁の答弁のように四月早々、今週中にこれ運輸省なんかに示すのでしょう。それでまだ動いているのですか。だから、どうせ示す数字なんだからこれは明らかにしたっていいじゃないですか。もし明らかにしなかったら、まだ予算は総括質問もありますから、その場でも私は追及しますよ。できるでしょう、そんなことは。
#87
○説明員(高木文雄君) いや、率直に言って数字が決まっていないわけでございます。もう少しここのところでは減らし得るじゃないかとかあるいはもうちょっとここは無理じゃないかというようなことを毎日作業いたしておるわけでございますので、作業が固まりますればもちろん公に出せるわけでございますが、まさにそこのところ、たとえわずかの数でございましてもそこが動いておるわけでございますので、そういうことで御了解をいただきたいと思います。
#88
○村沢牧君 それではこういうふうに理解していいんですか。毎年一万四千から一万九千人ぐらいの人間が自然退職等で減っていくのだ、減らしていくのだ。合計八万六千人ぐらいの減になる。しかし、新規採用が一万六千五百人ぐらいあるから、六万九千五百人減りますよと、こんなふうに大まかに理解をしていいか。と同時に、その減るものは、たとえば下請け化では二万一千百人だとかあるいは列車数と管理部門で一万九千五百人、運転士は一万八千六百人、駅が無人化すること等によって一万一千八百人、これだけは減りますよと。それは五十人、百人違うかもしれませんよ。大体この数字で理解をしておっていいのですか。
#89
○説明員(高木文雄君) 私どもの作業中の数字がどこかで漏れたというような感じでそこへ記載になっておるわけでございますので、したがって、新聞の方が勝手にお書きになったものではなくて、多少ともそういう数字を中心に、変わることはあると思いますが、いま新聞でいろいろ報道されておるような数字のところを前後しておるという状態でございます。
#90
○村沢牧君 それでは、あなたの方も数字はきょういま総裁の言ったとおり言えませんか。
#91
○説明員(加賀山朝雄君) いま総裁がお答えいたしましたように、まだ正確な数字は最終的に決まっていないわけでございますので、こういう場で申し上げるような数字としては持ち合わせがないということでございます。
#92
○村沢牧君 それではいずれにしてもこれだけ減るわけですね、減らしていくわけなんです。じゃどのような影響が出てくるかということですね。
 まず考えられることは、無人の駅がふえるということですね。車両も減ってくるだろう。したがって、サービスが低下をするということになってくると思うのですが、たとえば無人の駅なんかはどういう形になりますか、現在と比べて。それから、機関車だとか旅客車、貨車等はどんな程度に減ってくるのか。これは三十五万人体制にするのですから、七万四千人くらい減らすのですから、わかるでしょう。それははっきり言ってください。
#93
○説明員(加賀山朝雄君) 正確な数字は、先ほど申し上げましたようにそういった具体的な計画、多少まだ動いておる段階でございます。ただ、全体的な考え方といたしましては、これまで無人化も進めてきております。各地でやりまして、現在約全駅の四割くらいが無人駅あるいは業務委託駅という形になっておるわけでございますが、今後地方ローカル線の廃止等によりまして減っていく駅もございます。ただ、それらの減った後におきまして、むしろいわゆる無人あるいは業務委託という駅を現在の四割というウエートを六割くらいのウエートにしていきたいという形で最終的に詰めている段階でございます。
  〔主査退席、副主査着席〕
 また、車両につきましても、貨物等につきましていろいろヤードの廃止あるいは列車キロの削減等を行うわけでございますから、それにつれまして機関車等も減ってまいりますし、またローカル線の一部バス移管というような形で客車等も減っているわけでございます。また、貨車等も取りかえの段階におきまして、ある程度古い車両を捨てまして、それに対する新造を極力抑えるという形、あるいは大型化するというようなこともいろいろやってまいるということでいろいろ計画を詰めておる段階でございますので、当然一部のものは減っていく形になりますが、それが直ちにサービス――全面的に数に比例して減っていくという形じゃございませんで、いろいろな工夫によりましてサービスの水準をできるだけ維持しながら、しかも合理的な作業体制にし、要員を縮減するという形で検討を進めているところでございます。
#94
○村沢牧君 いまの答弁で、現在無人化の駅は四割であるけれども、こういうことによつて六割にふえるわけですね。
#95
○説明員(加賀山朝雄君) 全体規模の大体六割くらい、必ずしも無人と申しません、無人並びに業務委託も含めましてそういう形にいたしたいということでございます。
#96
○村沢牧君 さて、その改善計画の大まかな内容がわかってきたんですけれども、そこで国鉄総裁にまたお聞きをするんですけれども、国鉄の再建については政府や国鉄当局が一方的に押しつけてもできるものじゃない。やっぱり先ほど来お話があるように、国鉄に関係をするすべての労働者の協力がなくてはできないというふうに思うんです。しかし、現実には労働者側から国鉄や政府に対してきわめて強い不信感を持っているわけですね。これは皆さん方の今日までの行いが悪かったから。こうした事態を解決することがこの計画を進めていく最も大事な課題であるというふうに思うんですけれども、そのためには国鉄当局が、私に言わせるならば、あなたたちがみずからの姿勢を改めなければならないというふうに、そしてまた労働者の協力を得なければならないというふうに思うんですけれども、今後こうした計画をつくるに当たって、事前に労働者の代表等と話し合いをしているんですか。今後進めていく上について、やはり労働者の考え方も入れて、尊重していくという意思があるんですか。
#97
○説明員(高木文雄君) それは当然でございます。過去においてそういう点が不十分であったことは率直に認めるわけでございまして、いままでこれだけの大きな変動をもたらしますものであります以上、また、すべては労使間の協調というものがなければできないわけでございます。特に今回の場合にはいずれかの意味におきましても労働者の労働条件にも影響があるわけでございますから、幅広に労働組合との間で話をしていかなければなりませんし、いわゆる労働交渉というようなことではありませんけれども、事実問題としてはかなり前々からそういう相談を続けておるわけでございまして、組合の立場といたしましても、わかりました、そういたしましょうというわけにはいかない面が多々あるわけでございますし、何しろ職場の数は大きいし職種は多いわけでございますので、その細目についてまで今回発表以前に固めてしまうというわけにはいきませんけれども、基本的な考え方については相互に意見を交換し、今後具体的、毎年毎年の進め方についても当然のことながらそこで話し合いをして進めていくというふうに考えております。
#98
○村沢牧君 大臣に一言伺っておきたいんですけれども、いままでお聞きの国鉄のいわゆる改善計画、大臣はすでに相談を受けているというふうに思うんですけれども、この計画は改善計画ではなくて、私に言わせれば改悪計画です。こんな計画を実行に移していけば、労働者を犠牲にしたり国民に負担をかけたり、反面サービスは低下していく、利用者はますます国鉄離れになってしまう、国鉄再建ということにはほど遠いものになってしまうというふうに思うんですけれども、なるほど国鉄も厳しいことはよくわかるんです。私も。わかるけれども、このような極端な計画をこの四月から示してこれでやるぞということであってはまずいと思うんですが、そういう申請なり相談を受けた場合には大臣としてはどのように対処していきますか。どういう指導性を発揮しますか。
#99
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は、国鉄が提案をするであろうと思いますこの改善計画というものは、国鉄の意思によって決定したものである以上、それは尊重していきたいと思うております。
 仰せのように、いろいろ当面はそれぞれの現場において混乱も起こり得るかもわからぬと私思います。しかし、これは五年の長い年月をかけて合理化を進めていこうということでございますし、また私は現在の国鉄の要員の年齢構成等から見まして、やはり新しい血も入れていかたきゃならぬけれども、整理しなきゃならぬところは整理もしていかなければならぬのではないかと思うたりいたしております。一番御質問の中で心配しておられるのが、それが急激に進んで組合に相談もせずしてどんどんと勝手にやられては困る、ここの問題ではないかと思うのであります。
  〔副主査退席、主査着席〕
 それはやっぱり管理者の責任においてやらなければならぬ問題がたくさんあるとは思います。けれども、それが最良のことではなくして、やっぱり話をしなければならぬところは現場で十分に煮詰めて実施をしていくであろうということを期待しておる。そのことが結局改善計画を実施し、それを完全に実りあるものにしていく道ではないかと思うておりますので、それぞれ現場で処理さしていただくようにいたしたいと、こう思うております。
#100
○村沢牧君 この改善計画についてはさらに具体的なものが出た段階においていろいろと論議をし、国鉄当局にも要請してまいるつもりでありますが、そこでこういう改善計画をつくり、あるいは特定地方交通線を廃止をする、特別運賃を起こす、こういうことによって国鉄財政にどのように寄与するのか。つまり再建法を審議した当時はまだ特定地方交通線も決まってなかった、廃止する路線も決まってなかった、改善計画もはっきりしなかった。今日の段階において六十年になったら総裁の言われるように収支の見通しができる、経営基盤の確立ができるという、こういう見通し、自信を持っておられますか、現状と対比して。責任ある答弁してください。いいかげんじゃ困りますよ。
#101
○説明員(高木文雄君) 幾つかの条件があるわけでございます。
 一つは、この間において非常に大ぜいの職員がやめますので、六十年時点におきましても、かなりの巨額の退職金が払われることになります。それから、人の数は減ってまいりますし、一方最近の老齢化現象というようなこともありまして、年金財政が危殆に瀕しております。そこで、年金の問題あるいは退職金の問題について、これをコストと見てそれに対応する収入を上げるということは不可能に近いわけでございますので、ここらについて行政上、財政上の取り組みをぜひお願いをしなきゃならぬと考えております。
 それから、東北、上越新幹線が明年開業いたしますけれども、これは開業後十年前後にわたりましては、償却利子負担等の関係で在来線とあわせて考えますと、現状よりも経営には悪い影響が出てまいります。この分は長い目で見ますと十分回収がつきますが、六十年時点ではマイナス要素として出てまいります。これらを別に考えまして、経常的な意味での収入支出で見ますと、六十年時点では何とか収支が償える見込みを持っております。したがいまして、この計画を最終的に明らかにいたします際には、その収支見込みも明らかにいたしたい。また明らかにできるというふうに考えておるわけでございます。
 しかし、これはあくまでそうした前提のもとに、かつ六十年度において単年度収支の均衡の問題でございまして、御存じのように現在巨額な累積赤字を持っておりますので、なかなか累積赤字の処理のところまではとても手がつかないというのが、いま見込まれる計画による六十年度の収支の状況でございます。
#102
○村沢牧君 そうすると、この改善計画を国鉄はすでに国鉄自身の判断によって決めることですから、いま決めておるわけですね。これを対外的に明らかにする場合には、六十年度においては国鉄財政は収支がこういうふうに償いますと、ぴしゃっと収支計画なり見込みも出すわけですね。
#103
○説明員(高木文雄君) そのとおりでございます。問題があるとすれば、収入についての見込みをどう立てるか、あるいはお客さんが今後ふえるか減るかというような問題については、一応の前提がございますけれども、その前提のもとにおいて収支が償う数字をお示しをいたすつもりでおります。
#104
○村沢牧君 地方線の廃止に伴って、政府の基本的な考え方について一点だけ伺っておきたいんです。
 大臣、廃止や転換を指定された地域住民は大変な不安に駆られておるわけなんです。そこで、再建法審議の際に大臣は、単に廃止や転換をするものではない、その地方の足の確保は、政府全体がチームを組んであくまでも政府が一体となった体制の中でこの地方の交通線の対策を進めていきますと、明快な答弁をしているんですけれども、すでに廃止路線も転換路線も決定され、政令が川される、あるいは国鉄は改善計画を出した、こういう段階において、政府としてこの対策はどういうふうに進んでいますか。
#105
○国務大臣(塩川正十郎君) いまの段階ではまだ何らお答えするほど具体的なものは進んでおりません。しかし、これはかねてからの私の持論でもございますし、また自由民主党内においてもその意見を支持してくれておる大方の意見があるんでございますが、結局、地方交通というのがいままでいわば交通機関ごとの監督権限だけで行政をやっておったのでありますが、これが常駐的に、関係各省庁が協議して、相談しながらやっぱりやっていかなければいかぬ、こう私たちは思うんです。
 その考え方に立ちまして、ちょうど社会党からの提案もその当時ございましたし、地方陸上交通審議会というもののあり方を考えろということで、昨年の十月、私たちも従来の審議会のあり方を相当根本的に変えまして、その部会を発足させたわけでございまして、私は、まずそこの舞台で十分に話してもらいたい、そして私たちが窓口になりまして、これは建設省の関係、これは自治省…の関係、あるいはこれはまた労働省、厚生省の関係、そういうようなものがあればわれわれも積極的にその対応をしていく、取り次ぎ窓口になってやっていくという、それをやりたい。地方陸上交通審議会、これを窓口として十分私たちはその使命を果たしていきた、こう思うておるのでございまして、これに対するこの審議会の運営とか、あるいは協議対象事項というようなものを、モデル的なものを早急につくりたいと思うております。それをするのにもやはり各省とあらかじめ連絡して決めなければなりませんので、そこがまだ実っておりませんけれども、必ずそれはいたしたいと思うております。
#106
○村沢牧君 大臣の考え方は大変方向としていいことをおっしゃっているというふうに私は思うんですよ。ですから、いま大臣の答弁では、政府部内でそれはど進んでいるわけじゃないというお話があったんですけれども、地方でやることも当然ながら、大臣が運輸委員会等で答弁をしておりますように、政府全体としてもやはり取り組んでいくんだ、その姿勢をぜひ示してください。
 それから次に移りますが、料金及び運賃の値上げについては先ほど広田議員の方からも質問があり、要請があったところであります。現在、が値上げの申請をして、運輸審議会において審議をしており、聞くところによれば四月の七日か八日ごろ答申が出て、二十日から実施をするというようなことが言われておるわけでありますが、私は、率直に言って平均九・五%の値上げ率は高い、特に通学定期の二三・九%のアップはべらぼうだと思うんですよ。いままで予算委員会の中でいろいろ総括質問、一般質問で審議してまいりましたように、五十六年度の経済成長率五・三%が達成できるか否かは、物価をいかにして抑えるか、ここにかかっているということは政府の統一した見解なんですね。しかし、物価の値上がりを抑制しなければならないと言う政府が、国民の生活を守っていかなければならぬと言う政府が、みずから公共料金を先駆けて値上げしていくということは控えていかなければならない。
 私は、このような率の値上げ、このような時期に値上げをするということはきわめて不適当である、このように指摘せざるを得ないんですけれども、内容については後ほどお聞きをしますが、先ほど大臣からも答弁があったところでありますが、改めて大臣の考え方を、気持ちを聞かしてください。
#107
○国務大臣(塩川正十郎君) 私も、今度の運賃の値上げというのはやはり相当国鉄離れというものに影響すると実は心配しておるんです。しかし、国鉄の予算というのは収支の均衡をある程度数字の上で合わしていかなければならぬということでフレームを組んでまいりますと、どうしても増収を二千数百億円取らなければならぬ、その結果まとまりましたのが二千百億円の増収を図る。それじゃ、それだけを営業努力で図り得るかといいましたら、どうしてもそれはむずかしいというので、結局、二千十億円の実質的な値上げによる増収を図らざるを得なくなってきた。私は非常にこれは不本意なことではございますが、しかし、こうせざるを得ないという状況で、ひとつ御勘弁いただきたいと思うております。ですから、何も安易な気持ちで値上げの申請をわれわれも予算に組み込んでやったわけではございませんが、事情はひとつくんでいただきたいと思うんです。
 それからもう一点、お尋ねの学生定期のことでございますが、これはもう私も実際、学生の定期とそれから通勤定期とは若干違うわけでございまして、その点では私は、運輸審議会の結論を待って対応いたしたいと思うておりますが、なかなか営業努力だけでカバーがし得られるかどうかというところが最大の問題ではないかと思うて苦慮しておるところでございます。
#108
○村沢牧君 私鉄も運賃値上げを申請しているようでありますけれども、これは平均どのぐらいの値上げにたり、またいつごろから実施をすることを認めていこうとしているんですか。答弁は簡単でいいです。
#109
○政府委員(杉浦喬也君) 申請は十四社平均で一九・六%の値上げでございます。申請を受けまして現在運輸審議会で審議中でございまして、その実施時期につきましてはまだ明確ではございません。
#110
○村沢牧君 聞くところによると、私鉄は五月連休明けごろから値上げになるんじゃないかということも報道されておるわけなんですけれども、私鉄の方が国鉄よりもずっと先に値上げを申請して、この率も高いわけですけれども、これも高過ぎるというように思いますけれども、私鉄がより早く申請したのにもかかわらず、国鉄が私鉄に先駆けて四月から実施をしていく、これは全く許せないことだと思うんですが、四月二十日からどうしてもやるんですか。
#111
○国務大臣(塩川正十郎君) 国鉄の値上げはできれば四月二十日からやりたいという予定をいたしております。
#112
○村沢牧君 大臣も通学定期は高いということも言われておりますから、私は時間が余りありませんから、これ改めて……。通学定期がなぜ高いんだという理由はいろいろありますよ。資料も持っておりますけれども、このことは申し上げません。大臣自身も認めておるんですから。
 そこで、社会党を初め公明、民社、野党がこの通学定期を含めて値上げを圧縮すること、それからまた、実施時期も延ばした方がいいということで、運輸審議会の決定以前に自民党としてひとつ検討しろということを自民党に申し入れており、安倍政調会長も検討するというふうに約束をしているんですよ。そこで、運輸大臣は、与党の方でも何とか検討しなければいけないではないか、こういう意向もあるようでありますから、大臣としては審議会の審議に付しておりますからいまここでは言えないとしても、これは与野党問わずそういう動きになっているんですから、これはやはり大臣としても十分配慮しなければいけない。国鉄は、先ほど総裁が言われたように、国鉄はともかく申請しちゃったから、いまさら国鉄が修正しますの、再検討しますなんて言えませんから、これは大臣の方で十分配慮しなければいけませんが、くどいようですけれども、大臣、もう一回その考え方を示してください。
#113
○国務大臣(塩川正十郎君) 自由民主党の安倍政調会長から、近いうちに運賃問題等について意見の交換をしたいという申し入れはございました。しかし、まだ具体的にこういうことでという申し入れは受けておりません。そこで御質問のような趣旨のことが安倍政調会長から出るであろうと思います。が、しかし私たちは基本的な考え方を申しますと、それはいろいろと各種別ごとに運賃の問題は考えられるでありましょう。けれども、トータルとして五十六年度二千十億円の増収を図らなきゃならぬというこの基本線を崩すわけにまいりませんので、それだけはきちっとしておきたいと、こう思うておりまして、その中においての検討ということであれば、われわれも可能な限りの検討をし、そしてまた運輸審議会の御意見等もいろいろ聞いて考えられると思うんですが、先ほど申しました二千十億円の増収を図ると、この線だけは私たちは堅持いたしたいと思うております。
#114
○村沢牧君 時間が余りありませんから次に進んでいきますが、大臣、大臣も先ほどお話しの中の一環にも出ておりますけれども、いわゆる在来線の改善ですね、不採算路線を切り捨てたり、あるいは割り高運賃を導入する、運賃を値上げをする、人員を削減して経営の合理化をする、このことだけが国鉄の再建ではないと思うんですよ。本当に国鉄を再建するためには、国鉄財政も苦しいけれども、将来に向かって必要な投資はしていくんだと、あるいは国民に国鉄を利用してもらうためには、在来線の輸送力増強のための改善もするんだ、あるいは安全確保なんかについてもでき得る限りの努力をすることが大事じゃないかと思うんですけれども、在来線に対する投資なりサービス等について、いまよりも後退させてはならないと私は思いますけれども、大臣どうですか。
#115
○国務大臣(塩川正十郎君) おっしゃるとおり在来線がやっぱりもっと大事に、これが経済効力を発揮するように考えるべきだと思うんです。そこで私は、この際に在来線の中で主なところでひとつ部分的にでももう一度改めてフィージビリティーをやってみて、それで在来線にどれだけの投資をするかということなんかやってみてもいいんではないかと、当然そうあるべきだと思うたりします。
#116
○村沢牧君 そこで、この在来線について若干具体的な問題について以下触れて質問し、要請したいと思いますが、地域的にも問題になりますけれども、どうぞお聞き取りを願いたいと思います。
 その前に主査、この資料を主査と国鉄総裁と大臣に。
  〔資料配付〕b村沢牧君
 いま大臣の方から在来線についても大事にしていくんだという話があったんですが、実は具体的な問題として、国鉄の信越線の軽井沢―小諸間のダイヤ改善について伺いたいというふうに思うんです。
 この現状については後ほど申し上げますが、いま資料も出したところでありますが、この線のダイヤ改善要求はいまから七年も前の昭和四十九年に始まっているんです。何年も要求しているのに一向にらちが明かないために、昨年十一月には関係する小諸高校だとか小諸商業、軽井沢高校及びそのPTA、それに市民が集まってダイヤ改善を求める連絡会議が結成され、ことしに入ってからは、去る一月三十一日、、千二百人もの市民が詰めかけて改善要求の総決起大会を開いている。そして関係者と市長や町長も一体となって当局に要請しているけれども、今日に至っても一向に見通しが得られておらない。このことについては国鉄当局は十分承知をいたしておるところでありますが、改善できない理由として国鉄が赤字であるからということ、あるいは要員が足らない、こういうふうに言っておるんですけれども、大臣、高校生がこんなに困っている、現状を申し上げますが、このくらいなことは何とからちが明かないものか。社会問題にもなっておるし、また長い年月かけて大騒ぎになっておる。私は、運輸担当大臣としてこんなことがあちこちで起きておるというのは恥ずかしいことだというふうに思いますけれども、率直に言って大臣はどうですか、感想を聞かせてください。
#117
○国務大臣(塩川正十郎君) 私もこの陳情を受けまして、この件につきましては国鉄当局にも鉄監局を通じまして改善方要請したんでございますが、やっぱり国鉄の中でいろんな理屈があるんですね、これ。どうも私もわからないんですが、これはひとつ国鉄さんでお答えしていただいて、ひとつお願いいたしたいと。私は本当に改善できぬだろうかと、こんなことがと思うたりするんですが、いろいろ理屈が、話を聞きますとむずかしい理屈がある。どうぞひとつ国鉄さんから。
#118
○村沢牧君 はい、いいです。大臣の理解のある国鉄に対しての忠告等もいただきまして、大変私も同感ですけれども、それじゃ知っている人もあふし知らない人もありますから、若干現状を申し上げます。
 この線で通学している高校生は約干人おるんです。平日は十五時二十分に授業が終了いたしますけれども、この小諸方面への下り普通列車は約二時間待って十七時十八分しかない。その次は十九時三十四分になってしまうんですね。土曜日はどうかというと十一時五十分に授業が終わりますけれども、列車は十五時八分で、三時間余も時間をつぶしてしまうわけですね。授業が終わってから二時間も三時間も町をぶらついていたんではよからぬことが起こるのは当然であって、生徒の非行化にもつながるんですよ。そのために職員が交代でこの見回りや補導に出ている。国鉄総裁、こういう現状はどういうふうに考えますか。説明要りませんよ、事実ですから。どういうふうにお考えか、国鉄総裁として。
#119
○説明員(高木文雄君) もうずいぶん前からの問題でございまして、私どもも何とかしなければいかぬと思いつつもいろいろな事情でおくれているわけでございます。いまも大臣もお触れになりましたように、われわれとして全国的にもいろいろ問題がありますけれども、特にこの地域の問題は何とかしなくちゃいかぬなという感じでおります。
#120
○村沢牧君 大臣も言われておるし、総裁も言われておるんだし、この問題は衆議院の予算委員会でも、この地区選出の中村茂代議士も取り上げたというふうに聞いているんですけれども、これまで国会の予算委員会で取り上げているんですからね、これ来年になれば上越新幹線が開業になる。そのときにはダイヤ改正があるから何とか考えましょうなんて、そんなこと言わずにひとつ十月に、いま四つの要求出しているんですけれども、たとえ二つでも一つでもやってやるんだというその姿勢がなくちゃだめなんですよ。どうですか、そんなことできませんか。説明はいいですよ。やるかやらぬかですよ、時間がありませんから。
#121
○説明員(橋元雅司君) もう毎度おしかりをちょうだいいたしまして、つい先般も多数地元からもおいでいただきまして恐縮いたしております。もう先生御承知のとおりでございまして、この線区はちょうど信越線の谷間になっておりまして……
#122
○村沢牧君 そんなことは知っているんだよ、私地元なんだから。やるかやらぬかです。
#123
○説明員(橋元雅司君) そこで、具体的な四つの御要望についてそれぞれ詳細に検討いたしておりますが、それぞれこの車両の組み合わせ、それから要員、要員と申しますのは乗務員、運転士と車掌、両方ございますが、それらの非常に細かいダイヤの組み合わせを変更することは大変困難でございまして、その点の制約をどう取り除いていくかということで、やはり総合的なダイヤ改正の機会を待たないといかぬということでございまして、実は五十六年の秋にでもやるというようなお話が一部地元に伝わったようでございますが、東北、上越新幹線の開業時期がどうもその時期だという、かつてそういう時期がございましたが、今日では来年度にはそういう時期がくるということになっておりますので、その時期にはできるだけ検討いたしたいと考えております。
#124
○村沢牧君 それはね、この労働組合との協定も変えなきゃならぬ、頭を変えなきゃいかぬと言うけれども、あなたたちの頭変わってないんだよ。こんなダイヤを四つ要求して、せめて一本か二本変えてやるんだと。それはそんなに金がかかる問題じゃないと思うんだよ。だからこれも来年にならなきゃだめだ、五十六年のことしの十月やってくれそうな意見が伝わったようだけれども、それはだめですと、それは間違いでございますと、そんな不親切な答弁しているから国鉄離れしちゃうんですよ。どうですか、この席で総裁、十月改正のときに何とか、たとえ御要望どおりにはいかなくても、少しでもやりますと言うことができませんか、あなた偉い人なんだから。総裁に聞いておるんだよ。何回もこれは衆議院の委員会で取り上げておる。
#125
○説明員(高木文雄君) 先般も衆議院からも御指摘をいただきまして、勉強さしております。しかし、いま担当常務が答弁申し上げておりますように、車両につきましてもまた職員につきましても、やはり非常にむずかしい問題があるようでございまして、私はこの場で、年内にといいますか、来年度を待たずにというお答えをするだけの自信がないのはまことに残念でございますが、最大限よくよく研究してみたいと思います。
#126
○村沢牧君 総裁も大変お忙しいようだけれども、この時間帯に行ってあそこを少し一回り回って、軽井沢回ってみてくださいよ。ただゴルフに行くだけじゃなくて、そこのところを見なきゃだめなんだよ。十月までにぜひ見てください。そうすればこれは何とかしなきゃならないということがわかるわけです。
 これは、これ以上言っておっても同じような答弁しておりますから言いませんけれども、しかし大臣、こんなことが去年から言われて、陳情に大臣のところに行って、国鉄に行って、衆議院の予算委員会で取り上げて、本当に担当大臣としてこんなことができないというのははずかしいことですね。どうですか、強く国鉄にやれと言ってくださいよ。
#127
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は余りどなったりすることがいやなもので、やさしい方で、しかしこれは私からも再度改めて正式に要請をするようにいたします。
#128
○村沢牧君 もう一つ、地元の問題で恐縮でありますけれども、中央東線の塩嶺トンネルをいまやっているんですが、この開通が、実は昨年のこの予算委員会の当分科会において、国鉄当局は五十六年の十月をめどとしてやっているんだというお話があったんですけれども、工事も大分おくれておるようでありますが、一体これいつ開通するんですか。
#129
○説明員(半谷哲夫君) 昨年の御質問に、五十六年十月にと申し上げたわけでございますが、その後技術的な工程をいろいろ詰めてまいりまして、御承知のように異常な出水を見たというような、トンネルとしては非常に難工事でございまして、現在大分進めてまいりましたけれども、まだ今後掘らなきゃいけないところ約三百メートルくらい残しておりますけれども、そこにやはり一カ所水の出る個所が予想されております。いまそういったようなものを詰めておりますけれども、そういうようなことで、五十六年十月という開業目標はいまの段階では非常にむずかしい、どうしてもおくれざるを得ないという状況に立ち至っております。
 したがいまして、いまこれから残る工事の工事工程を技術的に詰めると同時に、また新年度予算の決まる時期でもありますので、それらの予算事情等も考慮しながら、いつこの塩嶺トンネルの開通ができるかということを決めたいということで現在詰めておるわけでございます。したがいまして、いまの段階ではっきり申し上げられませんけれども、なるべく、五十六年十月はおくれても、余りおくれずに開業できるようにということで努力をしていきたいというふうに思います。
#130
○村沢牧君 そんな遠い話じゃなくて、五十六年の十月は本年ですね、十月をめどとしてやったと、これはむずかしいと、それじゃ五十七年の四月になるのか、六月になるのか、そのぐらいのめどはつけなければあなたたち仕事をする日程が立たないじゃないんですか、どうなんですか。
#131
○説明員(半谷哲夫君) 現在検討いたしておりますので、はっきりしたことを申し上げるにはもう少し時間をかしていただきたいということでございまして、いつまでも目標時期がわからないということではございませんで、もうしばらく時間をかしていただきたいということでございます。
#132
○村沢牧君 いまでもその目標時期がわからぬというのは、わかっているなら言えばいいじゃないか。時間かせと言っても、私はそんなにそのことを聞いたって別にどうということはないんだけれども、しかし地元は、県当局は一体いつあけるんだろうと、そうすることによっていろいろ計画があるわけなんですよ。ですから、それを国鉄に示してくださいと言ったって、知事が出て行ったってわからないようなことを言っている。そんな無責任であってはいけないと思うんだよ。だから五十六年の十月は無理ですと、ではいつごろになりますと、そうしてその間に地元もいろいろ要請があるわけですね。それに対して地元、県を含めて話し合いもしよう、そのことも要請しているんですけれども、これもちょっとも回答がない。もう少し親切にやったらどうですか。地元との話し合いはいつごろやるんですか。やらないんですか。
#133
○説明員(半谷哲夫君) ただいま申し上げました塩嶺トンネルの工事工程、あるいは関連いたしますその他の工事もございますけれども、そのほか地元の市、県からの御要望もございます。そういったようなものを取りまとめましてなるべく早い機会に知事さん、関係市長さんとお打ち合わせをし、御説明する機会を持ちたいということで準備いたしております。多分来月中ぐらいにはその時期が来るかと思いますが、そういう気持ちでいま作業を進めておるところであります。
#134
○村沢牧君 それでは四月中に地元と話をすると理解しておっていいですね。
 そこで、このトンネルに関連して一つだけ聞いておくのですけれども、このトンネルの建設中で水枯れ問題がいまお話しあったように大変出て、斜坑を掘ったわけですね。今度、最近この斜坑を撤去する、こういう話が国鉄から出されている。しかし国鉄は昨年の十一月までにため池をつくるなんて約束しているんですけれども、いまだに用地買収もしていない。一体この地元との約束なんというのは余り果たしていないんじゃないか。どういうふうになるんですか。
#135
○説明員(半谷哲夫君) 渇水を起こして御迷惑かけたのはまことに申しわけないのでありますが、その後地元の市あるいは農業関係の組合ともいろいろ御相談して応急対策あるいは恒久対策を進めてきております。したがいまして、先ほどの斜坑を廃止するというのは工事の進展に伴って出てくる問題でございますけれども、これまでの間にこの渇水対策についての最後の詰めを行うということで現在市長さんの方といろいろ詰めております。したがいまして、この渇水対策として支障のないようにという対策だけはもちろん全部とる予定にいたしておるわけでございます。
#136
○村沢牧君 最後に一点だけお伺いします。
 これもやっぱり具体的な問題ですけれども、私は昨年の当委員会で飯田線の踏切問題について指摘をし、要請をしたのです。しかし国鉄当局が前向きな取り組みをしておりませんから、大変貴重な時間で恐縮ですけれども、時間がありませんけれども、改めて要請します。
 飯田線の時又―駄科間の踏切が昭和三十三年に国鉄の一方的都合によって撤去をされ、それ以来関係住民は徒歩で線路を渡る。耕運機や農産物をかついで線路を越している。したがってときどき事故を起こしたり、電車を急停車さしておるわけでありますが、昨年私が質問した以後にこの踏切によってついに死亡事故が発生したんです。この地域に踏切を設置してもらいたいという要望が非常に強く、社会問題になって、行政監察局も乗り出して国鉄と地元とのあっせんをした。昨年の三月二十九日、私の質問に対して国鉄の半谷理事は、いずれにしても地元の方々の御不便が深刻なようでありますので、何とか早く解決をしたい、また行政監察局長からの書面が出ていることも十分承知しているので、この現状打開に専念いたしたいと考えている。半谷さんはこういう答弁をしている。一体どれだけ専念したんですか。今日どういう状態になっているんですか。
#137
○説明員(半谷哲夫君) 昨年三月、先生の御質問がありまして、お答え申し上げた内容でございますが、その後すぐ四月にこの静岡に、担当管理局は静岡でありますけれども、静岡に指示いたしまして、飯田市あるいは長野行政監察局と、この踏切問題について話し合いをさせたわけでございます。
 その後、昨年の九月、十二月と二回にわたりまして行政監察局からもこの問題解決のためのあっせんについての問い合わせがございまして、これについての国鉄側の意見も申し上げているという状況でございますが、残念ながら現在までのところまだ結論が出ないということで、実施に移せない状況であります。
 で、問題になっている点は何かといいますと、この踏切を新しくつくるということになりますと、これはいままで道路管理者側とのいろいろ協定がございまして、費用負担は道路管理者側にお願いするという原則があるわけでございますが、この件についてなかなか飯田市の方としては御承認いただけないということで、国鉄側の負担を言われているということでございます。それにつきましては、一つには工事費を安くしなきゃいけないということで昨年の御答弁で申し上げましたけれども、設置することは決めておりますけれども、設置する踏切の装備といたしましては、一種の装備というのが一番安全性が高いといいますか、遮断機がつくわけでございますけれども、これを三種ということで、これでもまあ警報装置はつきますので、注意して渡っていただければ安全性が保てるということで、これにいたしますと工事費も当然安くなりますし、また費用負担については……
#138
○村沢牧君 時間がありませんから、簡潔に。
#139
○説明員(半谷哲夫君) 基本的に言うと、私どもの方のこの付近に五カ所ほど五十一年に統廃合をするという計画を決めたものがございます。それを飯田市の方とお話をして、これを進めることによって私どもの方の負担も何がしかできるということで、これは安全対策として別途進めなきゃいけない事案でもございますので、それと一緒にしてこれを解決したいということにいまお話をしているわけでございまして、何とかこの線でまとまるようにということをいまやっているわけでございます。時間がおくれましたけれども解決したいと、かように考えております。
#140
○村沢牧君 時間が参りましたから私は終わりますがね、一年もたってもなかなか進まない。地元飯田市も負担はしないというわけじゃないんですよ。一部はしましょうと言ってるんで、私はいま地元の問題について指摘をしたんですが、ダイヤ改正にしても塩嶺トンネルの問題にしても、この踏切の問題にしても、国鉄当局は、改善計画だとか地方線を廃止するなんてやれやれと強く出てくるけれども、地元のためにやっていることなんていったら、いつまでたってもできないじゃないですか。こんな姿勢で総裁、本当に国民の理解を得て、納得を得て、これはいい国鉄だと言われて改善計画ができる、私はそういうふうに思いませんよ。もうちょっとしっかりしてくださいよ。
 最後に、総裁の決意を伺って私の質問を終わります。
#141
○説明員(高木文雄君) いま御指摘の地域と国鉄のつながり、国鉄の地域に対する対応が悪いというのは、私も日ごろ痛感をいたしております。まあこれ長年の、全国に鉄道網を張ってお客さんを運ぶということに主眼があったことから出てくるものでございますけれども、今後の国鉄の問題としては、やはり地域交通という問題があるわけでございまして、その点は今後正していかなければならない非常に大きなポイントだと考えておりますので、御指摘のそれぞれについてもそうでございますが、全体としてもそういう姿勢の問題の取り組み方について見直していかなければならないというように考えております。
#142
○村沢牧君 以上で済みました。
#143
○主査(宮田輝君) 以上をもって村沢牧君の質疑は終了いたしました。
 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十分開会
#144
○主査(宮田輝君) ただいまから予算委員会第三分科会を再開いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和五十六年度総予算中、運輸省所管審査のため、本日の分科会に参考人として日本鉄道建設公団理事藤田雅弘君の出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#145
○主査(宮田輝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#146
○主査(宮田輝君) それでは、午前に引き続き、昭和五十六年度総予算中、運輸省所管を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#147
○原田立君 過日、予算委員会で大臣にいろいろとお伺いしたわけでありますけれども、また改めてお伺いしたい。あのときは時間もなかったし、ちょっと皆さん方時間の要求がへんちくりんになっちゃって質問が変になってしまったもので、改めてお伺いしたいと思います。
 三月二日の関係閣僚協議会の席上、宮澤官房長官の調整という形で、五十七年度までの第一次選定から六十年度までの第二次選定に四線が回され、当面の転換対象から外されたということでありますが、福岡県の宮田線は六十年度までの転換対象から除外されたが、これらのこと等についてはどういうふうな理由があったのか御説明願いたい。
#148
○政府委員(杉浦喬也君) 第一次選定の基準につきまして各省庁からいろんな御意見が出されました。それらにつきまして、三月二日の関係閣僚協議におきまして議論の結果、官房長官の御裁定というような形でまとめられた経緯がございます。その際に問題になりました具体的な路線もございますが、四線が第一次選定から除外をされました。そのうちの二つにつきましては、北海道の石炭に関連する二線でございます。これは現在石炭を産出をいたしておりまして、将来のエネルギー事情等考えますと、もうちょっと検討をした方がいいんじゃないかということで、第一次選定から除外の形にした。それからあと二線がございますが、これは輸送人員は比較的少ない、五百人未満の少ない路線でございますが距離が長いというようなことで、その距離の限度を設けたということから二線が外れたわけでございます。
 それから御質問の宮田線でございますけれども、これから運輸大臣の告示で明確にいたしますが、昭和六十年度までにたとえば住宅団地ができたり工業団地ができたり、そういうようなことによりまして確実にその輸送需要増が見込まれるもの、これらにつきましては基準期間の五十二年度から五十四年度までの輸送需要に付加するというふうに政令上決めております。この関係が、実は宮田線は非常に明瞭に現在時点でわかったわけでございまして、かなり大きな住宅団地が現在造成中でありまして、六十年度までにこれが完成すると、そういたしますと輸送需要増はこのぐらいであるということがわかりまして、結局宮田線は第一次選定から外した方がいいと、現時点においてもすでに明確でございましたのでそういう措置がとられたわけでございます。
 以上でございます。
#149
○原田立君 いまの説明によると、将来乗車人員をふやすことが可能であるというようなことがはっきりしたので対象除外をしたということでありますので、この問題は非常に重要な議題の論点になるところだと思います。
 私も、予算委員会一般質問でも質問を申し上げたわけでありますが、福岡県筑豊地域のいわゆるローカル線廃止は産炭地振興にとって大きな打撃であることは、もう大臣御承知だろうと思うんであります。地元関係市町村長は口をそろえてローカル線廃止は死ねというのと同じだと、こういうふうな悲痛な叫びを続けております。産炭地振興法の十年延長が認められる方向で地方自治体住民は新たな意欲で浮揚計画を策定する、その時期に来た矢先にバーンとつぶすような話があって、もう一時は失望し、一時は怒り、また一時は冷静になって、何とかしてこれを存続してもらいたいというような状態になって、私たちも地元の人たちからいろいろと懇請されているわけでありますが、産炭地浮揚のためにも、関連の各線区を廃止対象線区より除外すべきである、こういうふうに思うんでありますが、その点はいかがでしょう。
#150
○政府委員(杉浦喬也君) 御質問の産炭地域におきまして産炭地振興との関係において考慮をすべきである、こういう御意見は関係省庁から出されたわけでございます。私どもそうした点を十分検討いたしたわけでございますが、問題は、いかなる地域におきましても輸送問題というのは非常に重要でございまして、私どもの基本的スタンスは、鉄道であれバスであれ、とにかく住民の足は奪わないと、こういう基本的な姿勢でございまして、それが産炭地域であるかないかを問わずに、そういう全体的な姿勢でまいっておるわけでございます。
 特に産炭地域に関係いたす問題といたしましては、炭鉱の閉山等によりまして、輸送需要というものが貨物のみでなしに旅客輸送におきましても非常に減っているというような事情がございまして、そうした問題を考えあわせますと、鉄道という手段をとるかバスという手段をとるか、いずれがいいかということにつきまして、やはりここで考え直していただきたいというふうに考えたわけでございまして、地方交通線対策協議会におきまして十分その辺は御議論をいただきたいというふうに考えているところでございます。
#151
○原田立君 地元の「国民の足を守る福岡県県民会議」というところからこういう要請書が来ているわけでありますが、その中に、廃止対象線区から産炭地に関する各線区は例外措置として除外してもらいたい。その理由は、旧産炭地は三十年代のエネルギー政策の転換によって炭鉱が閉山となり、多数の労働者、家族が生活基盤を失い、全国に転出し、残されたものは失業者と生活保護、炭鉱鉱害、老朽炭住と極度の生活不安から暴力行為の激発、少年の非行化など、社会不安が続出している。また、国も産炭地振興臨時措置法をつくってもらい二十年同やってきて、過日はまた十年間延長ということも考えてもらった、非常にありがたいことだと。ところで、その産炭地浮揚のためにすでに完成した工場団地、住宅団地や設置された企業、工場、施設もすべて国鉄地方線が主要な交通輸送手段となっており、今後の浮揚策も同様であります。と、まあこういうふうなことでありますので、対象線区、いわゆる勝田、室木、宮田、香月、漆生、糸田、添田、上山田、松浦の九線区等については十分御検討願いたいという要請がまず第一項なんです。これについてはいかがですか。
#152
○政府委員(杉浦喬也君) いま御指摘の各線につきまして、産炭地域に関係いたします路線でございます。先ほど申し上げましたように、産炭地域振興という関係から言いますと、御要望のお気持ちもわかるわけでございますが、何しろ輸送の形態というのが非常に変わった状況になってきております。こうした実情に対応するためには、むしろ交通手段としてはバス輸送に転換した方が地元の方の足の確保あるいはサービスの確保という面から言いましても、むしろいいのではないかというふうに私ども考えるわけでございまして、それらの足の確保につきましては、十分配意をしながら、やはり現状基準に満たない路線につきましては、特定地方交通線協議会におきまして検討していただきたい、このように考えておるわけでございます。
#153
○原田立君 ずいぶん鉄監局長は冷たい返事ばかりですね、あなた。大臣は温かい人だからもう少し聞きたいと思うんだけれども、現地の人たちは、戦争中石炭を掘れ、掘れと言われて一生懸命掘ったと。現にあの線は石炭輸送のための線路ですよ。ところがその後エネルギー改革によって人間が乗るようになった。だから、必然的に利用の度合いがずっとおくれてきているというか、そういうふうなことなんですよね。いまここで廃止なんかされるというと、地元の人たちは非常に被害者意識が強いのです。だから、これまで二十年間、産炭地振興のために施策を講じてもらった、本当は、ありがたいと言っておりながら、また反面、そこまでしてもらうのは当然じゃないかという考えもあるわけです。そこへきてローカル線廃止、赤字線廃止といってぽかっとやれば、塩川運輸大臣、福岡の産炭地に行ったら物騒ですよ。というような感じを地元の人は持っているんです。何とかしてもらいたいというのは必死な思いで言っているわけだ。だから、ただ枝線を赤字だから切るというのじゃなくて、その地域の振興策、浮揚策、そういう面での考慮というものを十分してもらいたい、こう思うんですけれども、どうですか。
#154
○国務大臣(塩川正十郎君) それはよく私たちも承知しておりまして、でございますから、実際にこれからどう地域が開発されて路線が利用されていくかということを、これは見守っていかなきゃならぬと思うんです。いまお話しのように、かつて石炭を運ぶためにつけた鉄道でございましたが、不幸にしてエネルギー転換で人口も減ってきた。もちろん貨物も、石炭という貨物もなくなってきた。しかし、そこを今度再開発してりっぱな町につくり直すという場合に、鉄道中心でなければならぬのか、道路が四通八達しておりまして、道路を中心とした面開発を考えておられるのか、そこらは私たちもよく承りたいと。実際にそれだけの需要があるということが客観的に裏づけされていくものであれば、当然先ほども局長言っておりますように、見直しもしたりいたしておるのでありますから、それは当然われわれも十分考慮いたさなきゃならぬと思うのですが、まだ要するにどうなっていくのか、具体的なものが持ち込まれて協議の対象になってこないという段階でございますので、私は具体的にそういう問題が協議会等で相談されて、こなしていくべきだと思うております。
#155
○原田立君 次に、産炭地浮揚の県内横断連絡路の完成を図るため、油須原線の開業と桂川―臼井間約三キロの短絡を実現するとともに、上山田線の運行改善を図ってもらいたい、こういう問題があるのです。
 実はここの線路は上山田あるいは臼井、そこいら辺の人たちは一遍飯塚まで行って、そうしてまた列車を乗りかえて福岡の方へ行くんです。それは御存じだろうと思うのです。それを桂川―臼井間を約三キロ短絡してもらえれば一直線に福岡都市圏へ行くことができる。これはもう十分御承知だろうと思うのでありますが、そういうふうにしてもらいたい。あるいは山田市などというのは日本全国で一番少ない人口の市ですよ。二万ちょっと出たくらいなものでしょう。だけれども、この前いろいろ市長さんに聞いてみたらば、人口はやや漸増しておる、こう言っております。筑豊関係は、いままでは、従来は北九州地域に対する、北九州都市圏との連携が深かったのだけれども、いま篠栗線ができたために筑豊地区関係が福岡都市圏につながりが非常に強くなってきたということでありますので、この桂川―臼井間三キロの短絡を実現する、あるいは上山田線の運行改善を図る、これはぜひそうしてもらいたい、こういう実は要請であります。
 また、福岡県庁がいままで中央区天神であったのが東区の吉塚というところに移りました。これは篠栗線の途中にあるところの場所であります。そういうふうな面からいき、ぜひとも油須原線の開業あるいは桂川―臼井間の短絡、こういうものの実現を図ってもらいたい。また、南部筑豊地区、いわゆる桂川、碓井、嘉穂、山田市は、福岡経済圏へ一時間の通勤圏に入ることになり、宅地、住宅団地、予定団地の活用が図られているのが現状であります。あるいはまた、学校の生徒の嘉穂工業高校、山田高校の全校生徒の七〇%はこの線を利用しておる。これをただ赤字だからということで切るということはいかがなものかとぼくは思うのでありますけれども、いかがですか。
#156
○政府委員(杉浦喬也君) 地元の御事情、御要望等は十分わかるんでございますが、政令ができましてその線に沿った形で今後実行してまいるわけでございますが、その場合に、先ほどもちょっと申し上げたかと思いますが、今後の当該地域の開発発展計画というようなものをどう見るかという問題がございます。
 この点につきましては、一応私どもこれから大臣の告示で決めたいと思いますが、やはり無制限にそれを将来にわたって認めることは非常にむずかしいということでありまして、昭和六十年度を一応の目安にいたしまして、この時点までに確実にある施設が建設をされ、そのことによって輸送需要が増加を確実に見込まれるというものにつきましては、従来の実績的な輸送需要にプラスいたしまして計算をしてまいりたい。したがって、その段階でかなりプラス要因が働くものにつきましては、場合によっては対応が異なることになる可能性があるかとも思いますが、各線にわたりましての個別の問題はこれからの問題でございますので、御質問の中身の具体的な内容につきましてはお答えはしにくいと思いますが、基本的には将来需要につきましてそのような考え方で対応をしていきたい、こう思っておる次第でございます。
#157
○原田立君 それから、宮田線と室木線の短絡で北部筑豊と北九州を結ぶ環状線をつくり、産炭地施策で整備された工場団地、住宅団地約吾八十万坪の活用を促進し、貝島炭鉱跡地約百二十万坪の開発を進めてもらいたい。宮田、若宮工業団地約六十七万坪は完成しておる。小竹工業団地七十万坪、これも現在整備されつつある。鞍手町では室木八尋工業団地四十五万坪の建設が計画されている。貝島炭鉱跡地の百二十万坪の活用も図るように現在進行中である。そうしますと、室木1宮田線の短絡がなされると、過密化した北九州、宗像、福間地区に対し、交通の利便性が高まれば住宅建設も促進され、浮揚策となる、こういうふうに言っておりますし、私もそうだと思うんです。いかがですか。
#158
○政府委員(杉浦喬也君) そういう前提といいますか、ことが可能な場合あるいはでき上がった場合におきまして、輸送需要の増というものは十分想定がされることと思います。ただ、具体的な問題でございますので、私どもまだそこまで検討はいたしておりませんが、その結果としてどういうことになるかということにつきましては明確なお答えができにくい状態ではございます。一般論といたしましては先ほど申し上げたとおりでございます。
#159
○原田立君 次に、勝田、甘木、矢部線は、通勤通学の主要な交通手段でありまして、さらに強化、改善の必要があるのでぜひ改善してもらいたい。
 勝田線は、県庁の吉塚地区移転によって輸送量が増大することが明らかである。甘木線は、福岡経済圏への通勤通学線として唯一の交通手段である、ダイヤ編成によってさらに利用が増加することができる。矢部線は、大規模年金保養基地建設が予定され、地元ではすでに十八億の先行投資が実施されており、この建設も、矢部線を交通手段としており、過疎地域の開発に重要な役割りを果たしておる。この三線の問題についていかがですか。
#160
○説明員(岩崎雄一君) 甘木線と勝田線と矢部線のことでございますが、いずれも輸送密度で計算いたしますと、非常に少ない線区でございまして、先ほど鉄監局長からお話がありました将来計画というものを加味して算定いたしましても、当面六十年度までは二千人未満の線区を転換するということになっておるわけでありますが、その線区に該当することになるというように考えております。
#161
○原田立君 何、ちょっと後ろの方わからない。
#162
○説明員(岩崎雄一君) 今後の輸送増見込みを加算いたしましても、輸送密度が二千人を超えるということにはならないというふうに見ております。
#163
○原田立君 そんなこと決められるわけないじゃないですか、これから先の話で。そんな。断定的なことを言って話をすぽっとちょん切るようなことは、そういう考えはやめてもらいたいと思いますね。
 ところで大臣、たしか前回委員会で、矢部線については存続のことは十分考慮するようなお話がありましたね。
#164
○国務大臣(塩川正十郎君) 考慮するということはこういう内容のことです。要するに矢部線、私も地図見て思い出したんですが、こごに大規模保養基地をつくるという話があるんです。私はそのときに、ちょうどことしの正月早々でしたか、厚生省の方に聞きましたら、だれだったか担当の人が、その計画はあります。しかしまだ実施計画、基本計画決まっておりませんということでした。そこで、それをできるだけ早くそれじゃその正否を決めてくれぬかということで、もしそういうことがこの矢部線の何か黒木というところですか、ここでおやりになるようであるならば、具体的ないつから着手してどうするんだということを相談してもらいたいと、こういうことを言ったんです。それからまだ役所からの返事はありません。けれども、計画持っておられるということは聞きました。しかし、それがいつ実施になる計画なのかということ、基本計画がどうなっているのかということ、まだ聞いておらないんです。それが一つ。
 それで、もしそういう大規模の保養基地ができるというようなことになりまして、それが鉄道を使わなければこの保養基地が成り立たないんだというんだったらこれはもう大いに考え直さにゃいかぬと思うんです。けれども、そういう保養基地をおつくりになるんだったら、当然その基地に行くための道路を考えるとか何とかいうことで、並行して基地建設道路も一緒に建設されるんではないかと、そういう内容も聞きたい。ですから、保養基地ができるんだということで残しますということを、いまそんなこと言ってません。言ってませんが、そういうことになったとして、道路をどんどんつくられて、それで線路は残った、道路はびしゃんと玄関までりっぱな道路ができてしまって、それで基地へ来る方はどんどんと自動車でくるわ、鉄道はちっとも乗ってくれないんだと、これでは何の意味もないということになるんです。ですから、鉄道を使っての基地なのか、そういうところ十分相談させてもらいたい、こういうことを申し上げておるんです。
#165
○原田立君 そうすると、全面的にだめだというんじゃなくて、そういう内容いかんによっては十分検討もされる問題である、こういうふうに理解してよろしいですね。
#166
○国務大臣(塩川正十郎君) そういうことなんです。
#167
○原田立君 その他、まだ佐賀線の問題であるとか松浦線の問題であるとか、いろいろと要望が出ていますけれども、これは産炭地振興浮揚策ということとはちょっと外れますので、これはまた後ほどにしたいと思うんでありますが、三月三日の閣議で地方交通線の選定基準等の政令をお決めになりましたが、昨年十一月末の日本国有鉄道経営再建促進特別措置法成立以来約三カ月にわたり、各省庁との調整、各地元からの反対運動等もあったが、成立に至ったわけでありますが、それらの経緯について簡単に御説明願いたい。
#168
○政府委員(杉浦喬也君) いまおっしゃるように、昨年の十一月に法律ができまして、その直後から関係各省庁と一法案の審議の際に提出をいたしました一応の素材がございますけれども、その案を肉づけしたものをもちまして関係各省と事務的に折衝に入ったわけでございます。最後の大詰めになりまして関係閣僚による協議、これも二回行ったわけでございまして、三月三日閣議決定の運びになったということでございまして、その間、自治省、北海道開発庁、国土庁、通産省というようなところからそれぞれのお立場からするいろんな御意見が寄せられまして、私ども十分それらと調整を図った次第でございます。
#169
○原田立君 で、調整を図ったから最終こういう案でいくんだ、こう決めた、運輸省は。そういうふうなお話のように承りましたが、自治省は住民サイドの側に立って、地方団体の代弁者という立場に立っていろいろと議論されたと聞いておりますが、いま運輸省の話では、とうとう唯々諾々として自治省も了解したと言わんばかりの御返答があったんだけれども、いかがですか。
#170
○説明員(藤原良一君) いま鉄監局長から御答弁があったとおりでございますが、私どもの方は政令基準の作成に当たりましては、自治省、地方自治体あるいは住民の方、大ぜいの意向を踏まえまして、地域の実情、地域の開発等に配慮して、できるだけ地域に与える影響を少なくするという観点から、いろいろ努力をしてまいったわけでございます。その結果、当面の対象路線としまして、段階的に路線の延長の短いような線等を中心に選定していくということになりましたので、われわれの意見も相当取り入れていただいたものと受け取っておるわけでございます。ただ、今後当面選定されます路線について、その後の対策を地元中心に協議していくことになっておりますので、その段階で具体的にバス等にどういう形で転換していくか、十分論議が尽くされるものと考えております。産炭地域を初めそれぞれ地域にいろいろ事情があるかと思いますが、十分論議を尽くされまして、最も合理的な手段が選択されるんじゃないかと考えております。
#171
○原田立君 自治省、北海道開発庁の両事務次官が、第二次選定に当たっては、第一次の廃止の状況、その際の国鉄の経営改善の状況まく見、その上協議した上で進めてもらいたいと、こういうふうな要請をしたところ、運輸省の中村次官は、よく相談して円滑に廃止が進められるようにしたいと、こういうような返事があったと。これは新聞報道ですからあれですが、よく相談して円滑に廃止が進められるようにしたいというのは、何か奇妙な返事の仕方のようにぼく思うんですよ。そうすると、これは自治省や北海道開発庁の両事務次官は、第一次の廃止の状況、その際の国鉄の経営改善の状況、こういうのをよく見て、その上協議した上で進めてもらいたいと、こう要望したところ、こういう返事があった。ちょっと返事がちぐはぐだなと、こういうふうに思うのでありますが、この報道をされておる範囲内において、自治省、北海道開発庁、地方団体等の強い希望を受けとめるべきだと私は思うんであります。
 将来、何か覚書の交換が行われるようなお話であると聞いておりますが、こういうふうな趣旨は盛り込まれるのかどうか、その御真意のほどをお伺いしたい。
#172
○政府委員(杉浦喬也君) 北海道開発庁、自治省との特に問題が多かったわけでございまして、将来の問題、第二回の選定につきましての相談につきましてもお話がございました。自治省並びに北海道開発庁との間では、第二回の選定に際しましては十分に運輸省から協議をいたしますと、こういうような形の意見がまとまっております。したがいまして、これに沿いまして、第一回が終わりまして第二回に移る際は御相談を申し上げるということになろうかと思います。
#173
○原田立君 二次選定路線については、二年間の執行猶予がついておりますが、今後、各地元とも存続を希望するため、いろんなことを積極的に取り上げておやりになられることであろうと思うのであります。そして、国鉄利用の増進が図られるというような場合には、運輸省としてはこれをどういうふうにとらえていかれるのか、基本的な見解をお伺いしたい。
#174
○政府委員(杉浦喬也君) 各地域におきまして国鉄を利用しようじゃないかというような運動が盛り上がりまして、現実にお客さんが乗っていただいておるという状況もあるやに聞いております。このことは国鉄をもう一回見直していただいたという意味におきまして、大変意義のあることであり、私ども十分評価をいたしてまいりたいと思います。ただ、残念でございますが、こうした運動もなかなか限界があるのではないかという感じがいたすわけでございまして、やはり定着的な輸送需要というものにつながるなり、先ほどから申し上げましたように、大きな住宅団地ができ上がりまして、どうしてもその鉄道を使うというような確実性のあるものというような場合におきましては、こうした連動も非常に効を奏するわけでございまして、追加需要といたしまして、私ども過去の実績にそうしたことによって出てまいりました需要増というものを追加いたしまして考慮をしたいというふうに考えておるわけでございます。
#175
○原田立君 こういう努力をしているのは聞いているけれども、恐らくそんなふうにならないだろうなんて、そんな最初からきめつけてお考えになるのはおやめ願いたいと思う。やっぱり地元は一生懸命もう涙の出るような努力をしているんですから。
 それから、政令決定後の手続としては、地方協議会が設けられ、バス輸送への転換、第三セクター、民営鉄道への移行などの対策を協議することになっておりますが、政令では二年以内に結論が出ない場合自動的廃止をうたっておりますが、二年の協議期間で結論が出せると見ておられるのか、見通しをお伺いしたいし、自動的廃止ということをどうしてもおやりになるのかどうか、それとも若干の地元住民、自治体の意見等も十分よくよく聞いて結論を出すのか、そこいら辺はいかがですか。
#176
○政府委員(杉浦喬也君) 二年の協議期間を設けまして、効率的ないわば最初のスタートから最後のゴールインというものを設定をいたしたわけでございますが、なかなか過去の実績からいいまして、地元の方との御要望との調整が非常にむずかしいという意味合いからこうした目標を設定さしていただいたわけでございますが、私どもといたしましては、協議会におきまして地元の方々の御要望を十分にお聞きする期間及び機会が今後持たれるということを前提といたしまして、二年の間には一番いい結論が出るものというふうに確信をする次第でございますし、またそのように努力をしたいというふうに考えておるわけでございまして、この間、地元の皆様方の御主張、御要望につきましては十分これを配慮してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#177
○説明員(馬渡一眞君) 協議会が始まりましてから、協議会の中での主たると申しますか、事務的なお手伝いと申しますか、これは国鉄側がもっぱら当たるつもりでおりまして、その場合に地元の方々との間のいろいろなお話し合いを本当に精力的にお話をし合っていくということで、二年という期間はそれに十分足りるだけの、まあ私どもの努力いかんにもよりますけれども、それだけの努力をすれば足りるものというふうな判断をいたしております。それだけのまたお話し合いをするつもりでおるわけでございます。
#178
○原田立君 それはぜひ精力的にやってくださいよ。いままでいろいろと、これは国鉄ではなくて道路の話なんですけれども、道路敷設なんかの問題でごたごたごたごたあると、いろいろ実情調べてみると、もうまるっきり出先が余りしっかりやってないという事実がいろいろ出てます。どうかひとつそんなことのないように鋭意努力してもらいたいと思うんです。それから、廃止の決まった赤字ローカル線について、地元で協議の結果、第三セクター方式による新会社設立と決定した場合、それは転換促進に役立つと判断されたとき主として国鉄として資本参加する、こういう用意はあるのかどうか。
#179
○国務大臣(塩川正十郎君) これは国鉄が答える問題かもわかりませんが、運輸省としては国鉄が貧本参加することは考えておりません。
#180
○原田立君 大臣、第三セクターにみずから出資することが転換促進につながるなら前向きに取り組むということを国鉄側では言っておるやに言われております。私もそう聞いております。また高木国鉄総裁も第三セクターに国鉄が関与することは十分あり得ると。要員の訓練あるいはそういう人間の問題、線区ごとに第三セクタ設立に取り組む中で出資面など制度化することにもなるであろうという考えをお述べになっている。大臣の考えとまるっきり違うんでありますけれども、いかがですか。これは大臣の答えと国鉄の方の考えを両方聞きたい。
#181
○国務大臣(塩川正十郎君) 私たちは、第三セクターができて技術的にあるいは施設を利用されること等について、これは全面的な協力を当然国鉄がいたさなければならないと思うんです。しかし、先ほどおっしゃった資本参加という点につきましては、これは当初からわれわれは国鉄当局が第三セクターに資本参加するということは考えておらないということでございます。
#182
○説明員(馬渡一眞君) 現在の法律の範囲でございますと、国鉄がやはり旅、客を主にした鉄道に対する出資は政令で出資することが認められておりません。総裁が答えました内容につきましては、いま大臣からもお話ございましたように、事実上運営をしていくに当たっての国鉄側の協力の威勢を申し上げたということでございまして、なお、いまの政令をどうするかの問題は運輸省がお扱いになるわけでございますが、私どもとしては今回の法律をつくっていただいた趣旨から見ますると、国鉄の経営責任というものを少しでも軽くしようという意味でおつくりいただいたという認識でございますので、協議会等であるいはいろいろ御要望が出てそういうものに対する検討をした上でないと、国鉄側としては運輸省にお願いすべきかどうかもまだいまの段階では決められないというふうに思っております。
#183
○原田立君 時間もありませんのでこのぐらいにして、あと踏切問題について若干お伺いしたいんでありますけれども、実は鹿児島本線の立体交差構想対象区間、吉塚―多々良川間十一カ所の踏切があるんでありますが、長さは三・一キロ、地元では前々から高架化を望む声が非常に強くあった。地元住民も市も当然として運輸省、国鉄に陳情のため上京しております。国道二百一号の妙見踏切、これは若干でき上がったのでありますが、国鉄と福岡市の事業負担率の改定や国鉄の赤字膨張等で立ち消えになった経緯もあると聞いております。ここのところで一年前、三人の小学生が、三月八日午後四時三十五分ごろ、自転車に三人乗りして渡ろうとして不幸にして列車にはねられて亡くなった。それ以降、どうしてもこの地元のこういう危険な踏切をなくし、あわせて高架化をぜひとも進めてほしい、それは簡単にいかないだろうけれども、息の長い闘いにはなるだろうと思うがぜひそういうふうにしていきたいと、こういう地元の関係者の本当に涙なくしては聞けないような心を聞きました。
 今回、踏切問題については建設省で五カ年計画が立てられてやるわけなんでありますけれども、それはそれとして、このいわゆる高架化などによる連続立体交差等をぜひとも進めてもらいたいと、こう思うんであります。いまそれはどのぐらいあるのかというのはよくわかりませんけれども、新聞報道によると千葉県船橋市内の京成電鉄約三・二キロ、静岡県浜松市内の遠州鉄道約二・七キロ、仙台市内の国鉄仙石線約三・六キロなどが予定されていると、こう報道されています。いま現地の人たちが希望している鹿児島本線の吉塚―多々良川間三・一キロ入ってない。入ってないのか書いてないのかよくわからないんでありますが、これはぜひとも入れるように御努力願いたいと、こう思うのでありますが、いかがでしょうか。
 それと、こういうのが何か都市計画ですね、その方のためにやるのだということで国鉄から出る補助というのが約一割しかないんですね、地元が九割負担しなきゃならない……。
#184
○国務大臣(塩川正十郎君) そうじゃないです。公共事業です。これは。
#185
○原田立君 公共事業……。ちょっと勘違いしたんですかな。
 要するに、国の負担率が非常に少ないという、少ないことだけは間違いないでしょう。ですから、高架化についてのもっと予算措置の増加というものをぜひ進めてほしいと、こう思うのですが、いかがですか。
#186
○説明員(半谷哲夫君) いま先生御指摘の吉塚から香椎の間の連続立体交差化の御要望でございますが、これにつきましては昨年一月に県知事から門鉄局長あてに、県知事の諮問機関だと思いますが、福岡県の交通対策協議会というところで交通に絡まります諸問題を取り上げて要望を出されたというものがございます。その中にいまの連続立体交差化という御要望も出ておりまして、県知事さんの方から門鉄局長の方にその意見が送付されてきたという経緯がございます。私どもの方としてもこの高架化事業、特に踏切廃止ということになりますと、これは当然安全対策上の問題でもありますし、また、都市の発展上線路を高架に上げるということも都市の発展とともに必要になってくるということもございまして、いままで建設省、運輸省の間でこういった計画をやる場合のいろいろな取り決めがなされておりますけれども、国鉄といたしましても非常に厳しい財政状況の永とにありますけれども、いろいろ予算事情を考慮しながらできるだけ対応していくと、協力を申し上げるという姿勢でいるわけでございます。
 本件につきましては都市計画事業として決めるまでのいろいろな手続がございますけれども、まずその場合には調査というものが行われるわけでありますけれども、これらにつきましてまだ都市側からの御依頼もなくて、もし御依頼があれば私どもの方ですぐ測量、地質調査、設計等の実施のために必要な調査をいたしまして報告書をつくるということをいたしておりますけれども、現在の段階ではまだそこまで至っていないということを聞いている状況でございます。
#187
○説明員(山本重三君) ただいま先生御指摘の国鉄鹿児島本線吉塚駅から多多良川間の三・一キロの十カ所余りに上ります踏切道の状況等につきましては私どもも十分承知しておるところでございまして、このための事故防止対策を推進しなければならないことも十分理解できるところでありますが、現在、福岡市におきましては国鉄筑肥線の姪浜駅周辺で高架化事業を実施しておりますし、また福岡市内におきましては連続立体交差事業の計画として西鉄大牟田線の薬院駅付近の調査をいま進めているところでございます。
 何分にも立体交差化事業につきましては、長年月、多額の事業費を要するということで、先ほど先生御指摘がございました三カ所は、昭和五十六年度の新規採択個所でございまして、この中に現在、連続立体交差化事業を進めております個所が六十七カ所、二百五十二キロの延長がございます。こういった事業を鋭意進めるとともに、今後こういった踏切の危険個所の解消のためにはさらに緊急を要しますところから、地元の要望あるいは国鉄等とも鉄道事業者との協議を経ながら十分調整をし、調査をし、前向きに対処するという形で検討を進めてまいりたいと思います。
 何分にも今回の踏切事故防止対策の五カ年計画におきましても、総延長三百キロメートルの連続立体交差化事業を計画として予定しておりますが、何分にもこの事業としては長期間の時間を要し、なおかつ多額の予算がかかるということで、私ども与えられました財政、許されました財政の中でも最大限の努力はいたしておるつもりでございますが、全体の中でそういったものをできるだけ解消していくようには努力いたしますが、この個所につきましても、今後は福岡市当局ともよく相談し、また国鉄御当局ともまた十分協議しながら、この間の踏切の立体交差化についても十分検討もしてまいりたいと考えております。
#188
○主査(宮田輝君) 以上をもって原田立君の質疑は終了いたしました。
 次に、沓脱タケ子君の質疑を行います。
#189
○沓脱タケ子君 それでは最初に大阪国際空港についてお聞きをしたいんですが、大阪国際空港の十項目の覚書、特に新しい町づくりを中心にした周辺対策の実施についてですが、これにつきましては、昨年わが党の村上議員の質問に対して、今年度末までに法制度の改正も含めて結論を出すということで約束をされております。いよいよ本年度末というのはあしたが期日でございますけれども、これはどうなっていますか。
#190
○政府委員(松井和治君) 大阪国際空港周辺の町づくりの問題につきましては、先生御承知のとおり、地元公共団体あるいは地域住民の意見の集約一をしていただき、また私どもと十分意見の交換をするということで委員会を設けまして、大阪国際空港周辺整備計画調査委員会、これをつくりまして検討を進めてきたわけでございます。現在、取りまとめの段階に入っておりまして、おっしゃるように五十五年度中といいますと明日しかないわけでございますが、明日もこの委員会を開きまして、最終的な大筋の結論を得るべく努力をしておるところでございます。
#191
○沓脱タケ子君 そうしますと、三月末という約束ですね。この約束の期限が切れるわけですね、あしたで。あしたきっちりとそんなことを、この法律をこう改正して、こういう対策をしますというのを出すんですか。
#192
○政府委員(松井和治君) 五十五年度中に大筋の結論を得るべく努力するというお約束をいたしております。私どもそういうことで、先ほど申しましたように明日この委員会を開くわけでございますが、そこでたとえばまとめの文章につきましての意見が出るというようなことも当然考えられます。そういう場合に若干の修正のために日にちがかかるということはあり得るかもしれませんけれども、先ほど申しましたように、私どもは大筋の結論を何とか明日の委員会でつけたいというふうに考えております。
 それから、これまでこの委員会を通じまして、私ども地元の市その他の方々と意見を交換しておりますけれども、事業手法、どうやってこの事業を進めていったらいいのかという事業手法の問題につきまして、いきなり法改正という話にはまいりませんで、現行のもろもろの法体系の組み合わせ等によりまして、実現可能なものから取りかかっていくという方向で現在までのところ意見の交換をしておるわけでございまして、必ず法改正をするというお約束をしたわけではございませんで、事業手法を検討していく間にどうしても法改正が必要だということになった場合には、法改正を含めて検討すると、こういうことでございますが、現在のところでは先ほど申しましたように、現行のいろいろな法体系の組み合わせによって実現していくことが可能ではないだろうかと、こういう方向に現在話が進んでおります。
#193
○沓脱タケ子君 いよいよあしただからね、あしたの作業グループの委員会に出す内容を詳しく、私はきょう聞いてたら時間がないので、結論的に大臣にお聞きをしておきますが、期限はお約束がちょっと外れる結果にはなるんだけれども、できるだけ早い時期に、これは約束をほごにしないということをはっきりお約束できますか。これは大臣きちんとしておいてもらいませんと、あしたで今年度末ですからね、ちょっと困るんですよ。
#194
○国務大臣(塩川正十郎君) あしたまでにやれといったって、これはできぬと思いますが、しかし、私は過去のいきさつをよく知っておりまして、法改正を含めてやっぱり改善策を考えると、こういうことになっておったと思うんです。ところが、法改正だけが、これだけがもう絶対的な条件になってしまいましてね、それができなければ何にもできないんだという考え方がだんだんと固定化しつつあるというのは、私はこれはいかがなものかなと思うんです。
 それで、いまになってこんなことを言うのもおかしいじゃないかとおっしゃるかもわかりませんが、要するに現実の問題として豊中の周辺ですね、伊丹を含む、あの周辺がどのように再開発といいましょうか、再利用の道を講じたらいいのかという現実問題をどう処理するかということを考えていただいて、先ほど松井局長が言っておりますように、一回関係市とこうするのがいいんじゃないかという案を具体的に話し合ってもらえぬだろうかと。そうすることによってこの部分は土地区画整理事業でできるし、これは公園緑地法でできるしというようなものが出てくると思うんです。そういうことを積み重ねていったら一つの町がきちっと整理されてくるように思うんです。これを法改正をやらなきゃ一切相談にも応じないんだというかたくなな態度では、私はなかなか前進が図れないんではないかと思いますので、ぜひひとつ有力な沓脱先生のあっせんでそれやってもらうように、ひとつぜひお顔いいたしたいと、私らよろしくお願いいたしたいと思います。
#195
○沓脱タケ子君 時間の都合があるんで、この問題、大臣そんなことをおっしゃったらね、私、いろいろ言わんならぬことが出てくるんですが、私ども現地を調査をしてみると、いろいろと積み重ねて解決のできる部分、要求を実現するためには現行法で障害がある部分というのが幾つか出ているわけですよ。そのことが前提になって御検討の末、今年度末までに必要な法改正も含めてそれらの現行法の組み合わせ等によっての解決のめどを明らかにするということであったんで、いまごろそんなこと言ったら約束踏みつぶしになるわけです。この問題がきょうは中心課題じゃないので、私は一年前にも村上議員にも約束をされていることがほごにされないように、時間が少々ずれても、三月三十一日はあしたやけれども、あしたやないからもう絶対いかぬというわけにもいかぬから、少々時期がずれてもお約束はほごにしないようにかっちりと実施していくということを、これは大臣、はっきりしておいてもらいたい。
#196
○国務大臣(塩川正十郎君) それはわれわれも鋭意努力していかなければいかぬと思うております。
#197
○沓脱タケ子君 次に、新国際空港についてちょっとお聞きをしていきたいと思います。
 で、運輸大臣、ことしの二月予算委員会で、四、五月ごろには地元と予備協議に入っていきたいというお考えを示しておられますけれども、そういうことでお進めになるんですか。
#198
○国務大臣(塩川正十郎君) そのつもりでおります。
#199
○沓脱タケ子君 それでは予算委員会のことでもありますので、まずこの五十六年度予算に出ております二十四億五千万円の調査費について、この調査費の性格というのは何なのか。これ、まず大蔵省の御見解をお聞きをしておきたい。
#200
○説明員(伊藤博行君) 先生御案内のように、調査費二十四億五千万円が五十六年度の予算に計上されてございます。
 で、現在の関西空港計画につきましては、通常いろいろ言われておりますように、たとえば採算性の問題あるいは環境問題、あるいはアクセス等の関連公共投資等の問題等、解明しなきゃならない問題が数多くございます。端的に申しまして、こういった基本的な問題が現時点で十分解明されておるかどうかといいますと、必ずしもそうなってはいないということで、ただいま申し上げました調査費は、とりあえずそういった問題を含めましての基本的な問題の解明をするための経費というふうな性格づけのものであるというふうに考えております。
#201
○沓脱タケ子君 運輸大臣にお聞きしますがね、この予算がついたことは着工へ踏み出すものだとか、あるいは政府部内で合意ができたなどと地元でもお話しになっておられるようでございますが、、現時点で大臣の御理解というのはどういうことでしょう。
#202
○国務大臣(塩川正十郎君) それは私は一歩前進したものと、それははっきり言えると思うんです。しかし、これで着工とかどうということは私は言っておりませんし、ですから、関西新空港建設へ一歩前進したということは私は何遍も申し上げておるとおりであります。
#203
○沓脱タケ子君 もう一つちょっと確かめておきたいのは、大臣はこの予算がついたのは一歩前進ということだという御見解ですね。大蔵の方は、この程度の、どの程度のものをつくっていくかということなど含めて適否の判断をするための調査だという、簡潔に言えばね。そういうことだというので、そこは余り違わないわけですね、御理解は。
#204
○国務大臣(塩川正十郎君) 考える材料つくっていくこと自体が一歩前進であります。
#205
○沓脱タケ子君 もう一つちょっと確かめておきたいのは、予算編成のときに大蔵、運輸両大臣の間で覚書を取り交わしておられますね。これによりますと、「とりあえず泉州沖案を基礎として調査を進める」と書いてあるんですけれども、これは事実上泉州沖に決定をしたという意味なのかどうか。
 これは大蔵省はまずどうですか。
#206
○説明員(伊藤博行君) いま先生、お読み上げになりましたのを全文を申し上げますと、「関西空港については、とりあえず泉州沖案を基礎として調査を進めることとし、これに必要な調査費二十四億五千万円を計上する。」というふうになっております。で、その五十六年度の調査費をこの文言どおりのものであるというふうに御理解いただきたいというふうに思います。
#207
○沓脱タケ子君 それで、これ非常に大事な点だと思ってお聞きをしているんですが、運輸大臣は、答弁などでは泉州沖に決定を前提といたしましてというふうな、こういう文言での御答弁をなさっておりますが、これはどういう意味ですか。
#208
○国務大臣(塩川正十郎君) 大変な国費を使って調査をするんですから、全然当てもないところをここ掘れワンワン、とりあえずやってみろと、そんなわけにまいりません。ですから、航空審で泉州沖を位置づけとしてするのに最適であるという答申を得たんですから、その泉州沖をまずやってみて、これがどうしても技術的にだめだというなら別問題です。けれども、ほぼこれで調査をし、そして建設できるというめどがつけば泉州沖ということになるわけでございますから、ですから、泉州沖につくるんだということを前提にしての調査であるということは、これはもういまお話しのとおり私は率直に答えておるわけです。
#209
○沓脱タケ子君 そうすると、運輸省も泉州沖に決定するということを大臣のお言葉のとおり前提としてということなんですね。大蔵省はあれですか、場所については泉州沖案というのが一番有力だという意味ですか。これ、この辺むずかしいんですな。
#210
○説明員(伊藤博行君) 非常に言葉のあやという部分があるのかもしれませんが、私どもといたしましては、先ほど申し上げました両大臣の覚書が書かれてあるとおりを、こういうふうに理解しておりまして、有力であるのかどうかというのは人によって多少の判断の差があろうかと思いますけれども、確かにいろいろ御議論されている中に泉州沖案があることも確かでございますし、現にこの覚書におきましても、「とりあえず泉州沖案を基礎として調査」をするというふうに書いてございます。私どもとしてもここに書かれておるとおりというふうに理解しております。また、それ以上のものでもそれ以下のものでもないと思います。
#211
○沓脱タケ子君 で、余り時間がありませんから細かくはお聞きできないんですけれども、当初運輸省は、実施、設計調査費を要求をされたけれども、現実には二十四億五千万円ということになりましたね。こういうことで、その大蔵省の御見解と運輸省の御見解の間にはかなり意見の違いがあるんだなということを私どもこの調査費の段階で感じていたわけですが、内容的にかなり意見の違いがあるんじゃないかということを非常に心配をしております。
 そこで、ちょっと具体的にお聞きをしたいんですけれども、一つは、この運輸省の五段階修正案ですね、これの採算性についてお聞きをしたいんですが、大蔵大臣は昨年の十二月十九日の関係閣僚協議会で、関西新空港は採算がむずかしい段階だと言っておりますけれども、これは本当ですか。
#212
○説明員(伊藤博行君) 大臣の御発言のとおりであるかどうか、ちょっと私は承知しておりませんけれども、採算性の問題につきまして、私どもは現段階での考えといたしまして、関西空港計画につきましては、まず建設費がどのくらいかかるのか、あるいは今後の航空需要をどう見ていくのか等々、いわば採算性を検討する際の前提条件がまだまだ十分加味し切れていないんじゃなかろうかというふうに考えております。したがいまして、その結果採算が合うとか合わないとかという答えを出すんじゃなくて、その検討をする前提条件の解明という意味でもなお調査が必要であるというふうに考えております。
#213
○沓脱タケ子君 それで、これ予算折衝の際に採算性の問題というのが一つの問題点であったようなんですが、そういうふうに聞いておるんですが、採算性の問題で、支出における建設費、これの見通しと、収入の面における航空需要と空港使用料の問題というのが、これは非常に重大なポイシトになるだろうと思うんですが、航空需要の伸び率について、運輸省は一O%、大蔵省は八ないし九%程度の伸びだというふうな意見の違い、あるいは空港使用料についても基準の違い等があるようでございますが、大臣、この辺は意見は一致されたんでしょうか。
#214
○国務大臣(塩川正十郎君) その点は一致まだしておりません。そこが、それぞれの言い分があるというところで、しかしこれは何を基準に、たとえば航空需要を見るかとか、あるいは建設費ももうこれはっきりとまだ値段決まってませんわね。だから、そういうふうなものをこれからやっぱり詰めていかなきゃならぬと思うんです。
#215
○沓脱タケ子君 そうしますと、その辺が意見が一致していないということの御見解でございますので、もう少しお聞きしますと、これは現空港の存廃問題とかなり影響を持つものだと思うわけですけれども、現空港をどの程度に存続をさせていくのかということで収支が大分違いますわね。その点で、運輸省は近距離だけを残すという御見解だということなんですが、これは予算折衝の段階ですが、近距離だけ残すというのはどういうことでしょうか。
#216
○国務大臣(塩川正十郎君) この伊丹空港、何か言葉ややこしいから伊丹空港と言いましょう。伊丹空港を残すか残さぬかは、これは現在のたてまえ上は地元の自治体の意見を聞かなければ決定できないことです。そこで私たちは、いまの御質問にこう答えるのがいいんではないかと思うんですが、とにかく、関西新国際空港をつくるということと、それから伊丹空港の廃止かどうかということとは別問題なんだと、関西新国際空港というのはこれからの航空機需要等を見きわめて、やっぱり国際空港に、完全に開かれた空港をつくる必要性からこれは建議され、また計画もされてきたものである。しかしながら、近くに伊丹空港があるんですから、この伊丹空港が使えるだけ使えたら、そうすれば新空港の方の建設も規模がいわば縮小されてしかるべきではないか。ところが、伊丹空港の存廃、これが地元の意見を聞いた後でないと決定できないという段階でございます。
 ですから、要するに結論から申しますと、関西新国際空港が将来どのように拡充発展していくかということは、伊丹空港のあり方と関係してくることは事実であります。けれども、何もそこに、つまり関西新国際空港を建設するについての、私は、第一番機飛ばす、滑走路一本つくって飛ばすというとき、そのときの関係が需要関係に伊丹とそう大きい関係はない。けれども、伊丹空港が完全に廃止されるということであるならば、伊丹空港にかわる航空需要量を賄い得るだけの空港を新空港でやはり建設していかなきゃならぬ、こういう関係であろうと思うております。ですから、伊丹空港をどうするこうするということは、結局のところ地元の意見を聞かなければ決定できないことだと、こう思うております。
#217
○沓脱タケ子君 それで、大蔵省の方は将来とも現空港を存続さしていくというふうに聞いて、おりますが、これは国内線専用空港として現空港を残していくというお考えですか。
#218
○説明員(伊藤博行君) 先ほどの用語例に従いまして伊丹空港と申しますが、伊丹の方をどうするかというのは基本的には航空政策の問題でございますし、運輸省としてそれを最終的にどういうふうにお考えになるかということが基本的には非常に重要な点になろうと思います。私どもいま問題になっております新空港の問題を考える場合にも、そちらの方、航空政策上考えられる伊丹空港の取り扱いいかんによって、いまも大臣からも御説明ございましたように、あるべき規模あるいは需要というものは相当変わってくるであろう。したがって、そのことがはね返ってきて新空港の採算性等にも影響してくるだろうという意味で、直接あるいは間接に伊丹空港の帰趨というものが関連をもってくるというふうな理解をしております。
#219
○沓脱タケ子君 確かに現空港の存廃をどうするかということが航空需要に非常に大きく影響しますからね、非常に大事な問題点ですが、もう一つはっきりしていないですね。
 時間が余りありませんから、もう一つ心配になりますのは建設費の問題なんですね。運輸省は五段階修正案で二兆三千億円かかるというふうに言っておられますね。大蔵省にちょっとお聞きしたいんですが、運輸省のこの二兆三千億、これで済むという御見解でしょうか。
#220
○説明員(伊藤博行君) 先生の御質問相当前の方へ進んだ段階での御議論のように思いますけれども、私ども先ほど来申し上げておりますように、いろんな前提条件を十分調査した上で、さらにはもちろんその中には建設費をどう見ていくかという問題もありますけれども、もろもろの前提条件を調査する中で検討されていくべき問題だろうと思います。まあもちろん建設費もその中の大きな要素の一つではございますけれども、現時点、これで足りるのか足りないのか、あるいはこれ以下でいくのか等々の議論は、今後なお議論をしなきゃならぬ問題であるというふうに考えております。
#221
○沓脱タケ子君 今後なおということは、二兆三千億で済むか済まないかわからない。運輸省案というものでいってもざっと一割ぐらいはよけい要るだろう。その上にさらに、いわゆる漁業対策費とかあるいは環境対策費などが加算されるというような主張を大蔵の方ではお持ちのようなんですが、そうなってくるとこの二兆三千億の運輸省案、それの一割といったら二千三百億でしょう。それがさらに上積み、環境対策費だとか漁業対策費含めたら二兆五、六千億になるわけですね。その辺は固まっていないのか、この運輸省案でいくとそのくらいのことになるんじゃないかという御見解をお持ちなのか、その辺はどうですか。
#222
○説明員(伊藤博行君) 端的に申し上げまして、二兆三千億が正しいかどうかということを正確に判断する素材が現段階では非常に足りないというのが実態じゃなかろうかと思います。したがいまして、一つの積算として二兆三千億にしておろうとは思いますけれども、これをもって足りないというか、あるいはこの程度でというのを判断をし得る段階にはまだないというふうに考えております。
#223
○沓脱タケ子君 これは非常に大型プロジェクトなものですから、一〇%違うと言うたって二千三百億ですからね、簡単じゃないんですね。固まってないと言われるが、片や二兆三千億、片や、いやそれでは足らぬ、一〇%ぐらい要るんや、それにプラス上積みが要るんやと言われたら、これはすぐ二千億や三千億違うてくるわけですよ。これは後でも触れますけれども、地元負担との関係ではこういう二千億、三千億というのが、いまの話の範囲でもまとまっでなくて、固まってないというままで話が進行していくというのは、非常に地元には不安を与えるということになるわけです。
 そこで、もうちょっと聞きますけれども、採算ベースに合うのかどうかという点では、空港の採算ベースはどうなのか、何年でペイするという考え方なのかという問題があるわけですね。運輸省は、新空港は二十年ぐらいでペイできると考えているんですか。これは何年ぐらいでペイできるとお考えですか、二兆三千億でね。
#224
○政府委員(松井和治君) 先生仰せのように、これは非常に大きなプロジェクトでございますので、私ども現在もなおいろいろな角度からの検討をしておるわけでございます。
 現在私どもの考えております工費あるいは収入、こういうものを基礎にして計算をいたしまして、ただ出資の比率がどうなるかということによってもこれは当然、のことながら採算に影響してまいります。そこで、出資が仮に二〇%の場合、あるいは二五%の場合等々幾つかのヶースについて計算をいたしておるわけでございます。いずれにいたしましてもおおむね二十五年を境にいたしましてその前後で償還が可能であろうというふうに考えております。
#225
○沓脱タケ子君 二十年ぐらいですか。
#226
○政府委員(松井和治君) おおむね二十五年をめどにいたしております。
#227
○沓脱タケ子君 それで、大蔵省はどうなんですか。たとえばこれはまだ定まってないからむずかしいと思うんですけれども、現空港を国内線専用空港にして残すということを想定すると、国際線だけで新空港を運営するということになった場合、これは採算ベースに乗るかどうかというのをちょっと聞きたいんです。というのは、成田空港の関係で見てみますと、建設費は倍以上かかるでしょう。航空需要だってこれは非常に成田よりは少ないという見通ししか持てない。採算時期を比較するというたら、どのように考えたら予測できるのかという点ですね、これはいかがですか、大蔵省としてはどう見ているか。
#228
○説明員(伊藤博行君) 採算性というのは言うなれば収支のしりの問題でございます。先ほど来申し上げておりますように、収入面につきまして申し上げますならば、航空需要の問題をどう考えるか等々の問題、それから支出面につきましても建設費をどの程度に考えるか、さらにそのための財源をどう考えるか等々いろいろな要素によって出てくる答えが採算性ということに相なろうかと思います。
 冒頭から申し上げておりますように、現時点でこれらのすべてを判断する素材は必ずしも十分ではないということで、私どもとしては採算性のチェックは十分行い得る段階ではないのではなかろうか。したがってなお調査が要るのではなかろうかということでこれまでも申し上げておりますし、現段階でもそういうふうに考えておる次第でございます。
#229
○沓脱タケ子君 したがって何ですか、最後がわからなかった。
#230
○説明員(伊藤博行君) したがってそういった面も含めて、採算性を含めまして所要の調査をしておく必要があるんではないかということを冒頭から申し上げておるわけでございます。
#231
○沓脱タケ子君 そうするとこれは大蔵省の方は、もし国際線だけでやっていくということになったら将来とも赤字は累増するという考え方というのはお持ちじゃないんですか。
#232
○説明員(伊藤博行君) 繰り返しになって恐縮なんですけれども、たとえば仮に泉州沖案なら泉州沖案というのをべースにする場合でも、いま言われているような距離でやるのか、あるいはもっと短いところにするのか、あるいは技術的にどういう手法をとるか等々によって建設費等も変わってまいります。
 それから航空需要につきましても、現時点での航空需要の動向を前提にして考えるのか、あるいはその他の要素も加味して考えるのか等々、収入面あるいは支出面両面において前提を置かなきゃならない問題が余りにも多うございます。したがいまして、先生おっしゃるような特定の前提を置いてどうこうというように議論をしぼって物が言えるような段階ではないのではなかろうかというふうに考えております。
#233
○沓脱タケ子君 それはど固まってないということなんですね。ただ、大蔵省はすでに建設費の縮減というのを主張しておられるというようでございますけれども、これは本当ですか。
#234
○説明員(伊藤博行君) 一般的に申し上げまして、採算性を考える場合には今後の需要動向等もやはりある程度かた目に考えていかなきゃならぬ。これは財政当局ということじゃなくて、一般的な大きなプロジェクトであるだけに、そういう前提で物事をすべてかた目かた目に考えた場合には、当然採算性も、そうでない前提で考える場合よりも厳しくなっていくのはこれは当然のことでございます。そういうようなことでいろんな数多くあります諸前提をかた目に考えた場合には、それを前提にして出てくる歳出面をどういうふうに考えるかというようなことから言えば、一般的に言えば採算面のそのうちの収入面をかた目に考えるほど歳出面についてもより厳しく見ていかざるを得ないというようなことを一般的には申し上げておりますが、具体的にどの金額でなきゃならぬというようなことではなくて、検討されております問題の部分的な議論としても多少ともそういう面の検討がなお必要ではないかというふうなことを申し上げている次第でございます。
#235
○沓脱タケ子君 一般論でおっしゃるとなかなかわからないのでもう少し具体的に言いますが、運輸省の五段階案では、空港等の形は五角形だと、位置は泉州沖五キロだと、大蔵省は補助滑走路を抜きにして四角形にして位置は泉州沖三キロに変更するということを言っておられるのですね。これはあなたはっきりしてもらいたいのだ。すでに大阪府でも大阪府当局者はそういうことは聞いているということで認めているんですが、これは両省御意見そのとおりですか。私が申し上げたとおりですか。
#236
○説明員(伊藤博行君) 大蔵省からこうでなきゃならないという案を提示した事実はございません。
#237
○政府委員(松井和治君) 私ども、先生仰せのように泉州沖合い五キロの地点に最終的な姿としてはほぼ五角形の空港の島をつくる。これは航空審議会の二度にわたる長年月の審議を経た結論でございまして、私どもその答申を尊重する立場を変えておりません。
#238
○沓脱タケ子君 一つずつ余りごてごて言うていると時間かかるのだけれども、私が申し上げていることというのは、これはあなた方、予算折衝の段階であるいは予算が決まった段階以後も大蔵省、運輸省との意見の相違点というものが内部情報として地元の地方自治体で議論されている問題なんですよ。これは私ども幾つかの地方自治体のところを調査をいたしまして取りまとめたんですけれども、そういうことが具体的に大蔵省は沖合い三キロだと、形は四角形だと、運輸省は沖合い五キロで形は五角形だと、こういうふうに鮮明に言われているんです。それでなければならぬと言うたかどうか話は別ですよ。しかし縮減案としてそういう意見をお持ちですかということです。
#239
○説明員(伊藤博行君) 私どもの本空港に対する基本的な立場は、一番最初に先生がおっしゃいましたこの調査費の性格をどう考えるかという御質問にお答え申しましたとおり、採算性あるいはその他の諸問題、基本的な問題を十分解明した後採否を決めるべき問題であるというのが基本的な立場でございます。いま五角形、四角形というお話でございますけれども、今回の調査費も、冒頭申し上げましたようにとりあえず泉州沖案を基礎として調査するというかっこうになっております。あくまでも調査でございます。いろんな観点からの検討を十分済ませた後に採否の決定をすべき問題であろう。いわばその採否の決定をするための諸条件を検討する段階であるという状況でございますから、泉州沖を決め四角形云々というお話は若干どこかの推測が入っておるのじゃないかというふうに思います。
#240
○沓脱タケ子君 これは現に大阪府議会ではその問題が指摘をされて、大阪府当局は沖合い五キロ案でないのならこれは大変だ、沖合い五キロを死守するんだという答弁を正式に府の理事者がやっているのですよ。そういう具体的な問題になっていることなんですよ。これをいつまでも突いたり押したりできませんけれども、もう一つは着工の時期ですね、運輸省はどうですか、五十七年度着工を主張しておられたんですが、いかがですか。
#241
○政府委員(松井和治君) 五十六年度予算におきまして二十四億五千万円の調査費で調査を進める予定でございまして、私どもその調査が済みまして諸条件整い次第できる限り早く着工にこぎつけたいという気持ちに変わりございません。
#242
○沓脱タケ子君 大蔵省はどうですか。現空港の環境一対策等が済んでからというふうな意見も出ているようでございますけれども、一段落してからというような意見が出ているようですが、それはどうですか。
#243
○説明員(伊藤博行君) 着工の時期云々という問題は、先ほど来申しておりますように、どういう形のもので考えるか、またそれが採算がとれるかどうか等々の詰めが十分行われた後でなければ判断できない問題でございます。したがいまして、私ども現段階ではまだこれから調査をすると、調査を進めていくという段階でございますので、その調査の結果によってそもそもどういうふうになっていくのかが今後にまたなきゃならぬ問題でございます。現段階でどうこう言うのはいかがかというふうに考えております。
#244
○沓脱タケ子君 それで、これは運輸省にちょっとお聞きをしたいんですけれども、運輸省だけではなしに大蔵省でもあれなんですが、運輸省は四月、五月に予備協議をしたいとおっしゃっているんですが、そのときにはこれはいわゆる空港基本計画、環境アセスメント、周辺整備大綱と言われる三点セットを示しておやりになるおつもりですか。
#245
○国務大臣(塩川正十郎君) そのとおりです。
#246
○沓脱タケ子君 そうしますと、大蔵省は予備協議については話聞いておられますか。
#247
○説明員(伊藤博行君) いわゆる予備協議については現段階で運輸省から具体的な相談は受けておりません。
#248
○沓脱タケ子君 近くお聞きになる御予定はありますか。
#249
○説明員(伊藤博行君) 予備協議の内容等も全く承知しておりませんので、私どもとしては現段階で相談を受けていないということを申し上げる以上にちょっと言いようがないのでございます。
#250
○沓脱タケ子君 あのね、これは大蔵省のお考え方では周辺整備について話をする段階ではないということになるんだろうと思いますが、だから論議をする段階でもないということを考えておられるのかと思いますが、きょね昨年の八月付の関西国際空港計画室が作成いたしました「今後の進め方に関する大蔵省の意見」というのによりますと、これは「当面、必要になると思われる道路一本を既定計画の進捗状況を見て空港と結び、鉄道は既存路線から引き込み線を引くということで対応しておけば十分ではないか。」というふうに言われておるようですが、そのとおりですか。
#251
○説明員(伊藤博行君) アクセスというのは本体があってのアクセスでございまして、先ほどから申し上げておりますように、本体についての採否が今後の課題である、今後の問題であるというふうな認識でおります。したがいまして、いわば本体が一体どういう規模になっていくのか、採算性等々との関係でどういうふうになっていくのか、その辺がある程度めどがついてまいりませんと、それとの関係でのアクセスをどう考えるかというのもなかなか多角的に検討していけないというのが実態じゃないかというふうに考えております。
#252
○沓脱タケ子君 時間がありませんので、ちょっと運輸大臣にこの辺のところの周辺整備の問題も非常に問題になっておりますが、大臣は湾岸高速道路、近畿自動車道、第二阪和国道の道路三本と南海本線、阪和線の鉄道二本をアクセス、交通として引き込むということを国会でも御答弁になっておられますね。ところがね、一方で大阪府の岸知事とは新空港のアクセスは一本でいいというような、これ密約というか、約束してんのと違いますか。これ去年の九月二十二日の航空政策研究会で大臣が発言をしておられるですね、この報告書があるんですが、これによりますとね、大臣こうおっしゃっているんですよ。「私はアクセスも完全なもの一つだけは必ず持っていたいと思っています。」と。「この際にあえて地方自治体と力を合わせて完全な方法を一つでもいいからどうしても確立したい。」「一本でもいいからつくるという、重点主義でこれをやりたいと思っています。この前大阪府の知事が来られましたときにも、私はちょっと具体的な名前を挙げて、こんなことでどうであろうかと言ったら、知事も実はもうそれしかないと思っているので、これに全力を上げましょうというので、その予定で行きたいと思っています。」というようなお話をなさってるんですがね。こういうふうに、国会では道路三本、鉄道二本というお話になっておるんですが、知事との間では一アクセスは一本でとにかくいこうということで話がまとまっているということは、これは事実ですか。
#253
○国務大臣(塩川正十郎君) きせるの両端抜いた話されたらこれは困りますよ。それは前提があるんです。そのときに話が出ましたのは、成田の場合に完全なアクセスが一本もなしでやったということが問題に出たんです。そこで、今度のときにはせめて一本ぐらいはという話が、がん首の頭があるんです。きせるの。ですから、それを抜きにして真ん中だけ言われたんでは私も困るんですが、そういうことです。それはどういうことであったかといいますと、湾岸道路を一本何とかしたい、こういう話があって、これはもう当然完全なアクセスとして確保しなけりゃいかぬと、こういう意味です。ですから、私がアクセスとして将来考えておるのは近畿自動車道、それがための高速道路の利用ですから、近畿自動車道、これは先生もよく御存じのはずなんです。あの自動車道からちょっとひげ引っ張り出したらつくんですから、これと湾岸道路、これは道路としてのアクセス。それから、鉄道は阪和線がそのすぐ近く七キロのところを通っておるし、南海電車にしてはもう何キロもないわけなんですから引き込みだけすればいいんではないかと。ですから、鉄道二本に道路二本、そうしていわゆる第二阪和国道、これが国道昇格しておりますから、これは一般道路ではありますけれども、これが十分アクセスの用を足すんではないかと、こういうぐあいに私は言っとるわけです。
#254
○沓脱タケ子君 もう時間がありませんので、最後に私、大臣に聞きたいのは、大蔵省の話聞いているとさっぱり話が、もう一つ政府部内で固まり切っていないという印象を強く受けるわけです。時間がありませんので、地元負担等についても、これは第一種空港ですから一〇〇%政府が金を出してもらうのが当たりまえだと思うのに、地元負担が大臣一〇プロぐらいだってなことを言うてみたり、第三セクターでやるんなら出資金五プロくらいだというような話も、これは航空審の国際空港部会長が言うてみたり、大変なことなんですね。こういう状況のままで予備協議を地元自治体とやるということについてはきわめて不安をまき散らし、地元ではどう考えていいのかわからぬというふうに思うんです。
 私どもの党としましては、少なくとも政府部内できちんと意見をまとめ、そうして空港本体の建設計画、それから環境アセスメント、周辺整備計画と一番大事な財政対策、この四つの四点セット一をそろえた上でこれは地元協議をおやりになっていただくということが、一番地元のためにも理解をしやすいし、考えやすいということで大事な点だというふうに思っていたんですが、こういう内部でまとまらないままでやっていくというのは非常に拙速だと思うんですが、この点についてはお考え直しをなさるおつもりはありませんか。
#255
○国務大臣(塩川正十郎君) せっかくのお説でございますが、考え直す考えはございません。それはおっしゃるように政府部内がきちっとまとまって提案するという、そういう考え方もありましょう。これは、私らもそういうことも話を固めていくのに、地元の合意を取りつけていくのに一つの手法であって、これは確かにそういうこともいいだろうと思う。けれども、何せこれだけの大きなプロジェクトですから、ですからそれを政府案を固めるまでにいろいろ地元の御協力も得ながら、意見も聞いて、そしてそれを取りくんで政府案として最終的にまとめていく。いま、運輸省と大蔵省とえらい食い違いがあるとおっしゃるけど、確かに将来予測とか何とかについて議論しておることは、これは事実です。
 しかし、いまこういうふうにすべての諸元が確定しておらない。この諸元の確定のためにはなお調査が必要であるということもしばしば言っておったとおり。この調査が全部終わって諸元がはっきりしてまいりましたら、そこで政府部内の意見もまとめやすい。そのときに地元の意向もある程度そこで取り入れて政府案としてまとめて、そうして改めて地元と政府はこういうふうにまとめましたがいかがですかという協議をするということは、私は結局は同じことではないか。結局、地元の意見というものをあらかじめ知っておくということは、回り道のようではありますけれども、その方が早いのではないかと、こう思いまして、事前に予備的な協議をし、そうしてそれをこちらの方で消化をしながら政府案をまとめていくと。そのときの段階には諸調査もある程度明確になってきておる。それを取り入れて政府案としてまとめていく、こういうぐあいにいたしたいと思うております。
#256
○主査(宮田輝君) 以上をもって沓脱タケ子君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#257
○主査(宮田輝君) この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。
 本日、沓脱タケ子君が分科担当委員を辞任され、その補欠として下田京子君が分科担当委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#258
○主査(宮田輝君) 次に、下田京子君の質疑を行います。
#259
○下田京子君 第一番目に、いわゆるローカル線廃止問題でお尋ねしたいと思います。
  〔主査退席、副主査着席〕
 すでに三月初めに、いわゆる国鉄再建法に基づいて、特定地方交通線の廃止問題の基準が示されたわけですけれども、大臣、私がいまさら言うまでもなく、地方の時代という中で、こういうローカル線の切り捨て、どうなんだということで心配と怒りが届いていることは御承知のとおりだと思うんです。
 そこで、具体的にお尋ねしたい点なんですけれども、宮城県と福島を結んでいる丸森線の話です。この丸森線は、現在は営業キロ数が十七・四キロで、輸送密度が千八十三人と、こういうことになっておりますから、当然もう廃止の基準になっているからだめだよ、こんなわけなんです。しかし、これまた御承知だと思うんですけれども、この丸森線というのは、本当に数奇な運命をたどってきているんですね。昭和三十九年十二月に着工ということになりまして、四十三年の四月に宮城県側の槻木とそれから丸森間が部分開通されました。そして、その後福島県側もいろいろと工事が進んでいることもこれまた御存じだと思うんですけれども、そこで、鉄建公団の方お見えですね。お尋ねしたいんですけれども、これまでの投資額、実績べースも含めまして、どのぐらいになっているのか。
#260
○参考人(藤田雅弘君) お答え申し上げます。
 いままでの投資額が総額で百二十五億を昭和五十五年度までに投資をいたしております。
#261
○下田京子君 もう一つ、実績べースの進渉状況。
#262
○参考人(藤田雅弘君) 現在のところ矢野目―丸森間の三十三キロにつきましては、路盤工事と軌道工事というものをほとんど完了いたしておりまして、現在残っておけます工事は駅部の工事それから開業をいたしますために必要な信号の工事であるとか駅周辺の軌道の工事、それと既設線への連絡の工事、そういうものが現在残っております。
 以上でございます。
#263
○下田京子君 高架方式の路盤工事もほぼ完成、それでもっていまお話にもございましたようにレールの敷設もほぼ完了と。いま一部駅の周辺だというお話がございましたね。なぜこんなに工事が進んでいるのにいままで開通されなかったのかというのがひとしく皆さんの疑問になっているんですね。
 これは、昭和五十年の六月二十四日の参議院の運輸委員会でわが党の先輩議員岩間議員がこの問題で質問いたしました。当時日本鉄建公団の総裁であります篠原さんがお答えになりまして、矢野目――丸森間が完成して動き出すのはいつごろかということについては、おおよそ五十一年をめどにしたい、こう言っていたと思うのです。五十一年度開通で一生懸命やりたいと。ですから、もうことしは五十六年ですから当然開通していてよかったんではないだろうか。しかし、なぜにこうしておくれたんだろうか。しかも一部わずか残すだけですね。理由はどうでしょうか。
#264
○政府委員(杉浦喬也君) 丸森線の工事のみでございません。全体のCD線、AB線、鉄道の新線建設につきましては、最近の厳しい情勢の中で予算の総枠がしぼられております。その中で従来やっておりました各線に配分をしていかなきゃならぬというようなこともございまして、なかなか思うような投資が行われてきていなかったというところが、丸森線の過去の経緯の中で非常に鉄建公団総裁が申し上げましたような時期以後かなり日にちがたっておるということの主な理由かと思います。
#265
○下田京子君 一般的な話とすりかえられないで、それはもう一般的な事情は大事ですけれども、丸森線の場合にいまのお話の中ではその凍結したというのばいつのことですか。
#266
○政府委員(杉浦喬也君) 昨年度の予算の執行に当たりまして、新線建設につきましては国鉄全体の地方交通線との絡みもございまして、従来予算化した金額の配分につきましては、一定の華準以上を超えるものについてのみ配分をし、その他のものにつきましては、第三セクター等の手段というものを前提にいたしまして、その点で地元の御了解を得られた場合に配分をするというような配分方式に変えたわけでございます。それ以後丸森線につきましても予算の配分は凍結されておるわけでございます。
#267
○下田京子君 いま少しわかりましたけれども、私の質問には答えてないと思うんですね。凍結したのはいつかと聞きましたら、いまわかりましたね。五十四年にその話が出て、凍結は五十五年だったということでしょう。私はそれ以前に、五十一年までに開通する、一生懸命やりますと言って、で、なぜできなかったか、こう言っているのです。
 それこそ時間が限られておりますから、質問に答えてないということだけは指摘しながら、これは約束をほごにするものだということで住民の皆さん方が非常にお怒りになっているんです。先日、私は丸森の町長さんからも直接お話伺ったんですけれども、とにかくこれは住民の皆さん方がいろいろ協力もしてきたし、そして全線開通ということをもうきちんと目途に置きながら、周辺の住民の皆さん方が地域開発計画をやってきたわけです。宅地造成もやった、工場はもう誘致した、そういうふうな中で凍結という話が後になって出てきたわけです。なぜもっとさきにやらなかったのかなということがやっぱり不満なんですね。そのことがやられておったらば、今回のことにひっかからないで全線開通ということになりますから、福島―槻木間ですか、五十五・二キロメートルということになりますからね、三十キロ以上になりますでしょう。今度は福島には新幹線もとまりますし、東北新幹線の開業ということになればそこにもつながってきますから、営業成績も見込めるでしょうし、上がるでしょう。だから、そういう結果になぜならなかったのかというのがとっても悔やまれているのですね。その辺ちょっともう少しはっきりさせてぐださい。
#268
○政府委員(杉浦喬也君) 従来の経緯から見ましてなかなか投資額が思うような増加が見られなかったということで、結果的には現在時点に至るまでかなり工事の進捗は見ておるものの、なおかつ相当な金額を残したまま凍結の状態になっておる一のが事実でございまして、国鉄の深刻な財政問題、これを解決しなきゃならないという後に引けない現在の情勢の中で、丸森線につきましても他の一般の措置と同様な対応をせざるを得ないということに相なったわけでございます。
#269
○下田京子君 丸森線の話で、じゃ最後に大臣にお尋ねしたいんですけれども、五十五年の十一月十三日の運輸委員会の中で、十一月九日に運輸委員の皆さん方が調査をされたときに地元から要請を受けているのです。ちょっと読んでみますけれども、丸森線の敷設促進同盟の会長さん、梁川の町長さんですけれども、「「国鉄丸森線の早期全線開業を推進していただきたい旨」の陳情書が提出されている。なお、本陳情は、丸森線角田駅に地元住民多数が参集され、熱心な陳情が行われた際提出されたものである。」と、こういうふうに書いてあります。いままでの経緯をお聞きになっておわかりだと思うんですけれども、これからだと思うんですよね、知事や何かとお話しするのは。そういう点で、いま言った過去の経緯、そしてすでに五十五年末で百二十五億ほどの投資をされているというふうな財政の問題等も含めて、今後の開発計画を考えた場合のメリット、地方の本当に発展、振興ということを考えてぜひとも考慮いただきたい。この点はどうでしょうか。
#270
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど鉄監局長が答えておりますように、とりあえず現在のAB線は一斉に凍結をするということになった。したがいまして、具体的にどの線が工事再開するかということは、その工事をいたしました後の路線を引き受けてくれる人が出てまいりましたら、いわば第三セクターでもどのような形でも結構でございますが、国鉄の責任ではなくしてだれかが運営を引き受けてくれる方があれば工事を再開する、そういう原則に立っておるのでございますから、これによりましてわれわれは当面行政処理をいたしたいと思うております。
#271
○下田京子君 いまの答弁では、今後の話し合いだと。第三セクターということをお出しになっているけれども、やはり国鉄の基本的な姿勢をどこに置くかということだと思うんです。国鉄が依頼をしていって仕事を進めてきたんだと。だれがどういうふうに引き受けてくれるかはその後のいろんな話の中で出てくることでしょうけれども、とにかく今後の開発メリットというものを考えまして、当然それこそ本当に国鉄の再建というか、国鉄のあり方という点からこれは考えていただきたいということを再度申し上げておきたいと思うんです。
 それとあわせて、同じようなことなんですけれども、これは個別のことになるといまのようなお話がたくさん出てくるのは大臣御存じだと思うんですね。会津線なんですけれども、これまた会津線の場合にも御承知のように野岩線がいよいよ今度始まりますね。なのに今度はせっかくつながろうとしている会津線が対象に、これは第二次の話ですけれども出てきたというふうなことは、やっぱりこれまた今後の全体的なことを見て考えなきやならないだろうという点で、会津線のこともそういう見通しでひとつ協議をしてもらいたい。
 それから同じような話でいけば、これまた福島県の話で恐縮ですけれども、日中線というのがあるんです。これは盲腸線だなんて言われておりまけれども、高等学校に通っている子供たちがずいぶんこれ利用しているんですね。月のバス代がいまですと五千七百六十円になる、汽車ですと現在千四百六十円、こういう状態なんで、一挙にバスということになりますと実に四倍というふうなことで大変なことになる。また、北海道の白糠線なんかに行きますと、これまた並行して道路がどうかというと、五メーター幅なんですね。そうするとワンマンバスがすれ違うことができないだとか、いろんな個々の事情がございますから、そういったことをよく踏まえて、そして本当に一方的な基準でもって切り捨てていくというふうなことがないように今後とも協議をしていただきたいという点での決意というか意向というかを一言お開きしたいと川心います。
#272
○国務大臣(塩川正十郎君) これはもうしばしば申しておりますように、地域の交通が十分確保されるということがわれわれの使命でございますので、ただしそれが何も国鉄だけがその責任者であるということではないと思います。けれども、バスに代替が困難なところにつきましては、これは転換をやはり十分慎重に考えなきゃならぬということは当然でございまして、その趣旨を踏まえてこれからの国鉄の選定作業等相まって進めてまいりたいと思っております。
#273
○下田京子君 次に測候所の夜間閉鎖問題についてお尋ねしたいと思います。
 気象庁は昨年十月の行政管理庁の気象行政の監察結果に基づく勧告というものに基づいて、四月一日から全国約百カ所のうち十四カ所の測候所を夜間午後十八時から翌朝八時までの業務を閉鎮する、無人化するというふうな話を出してきていると聞いているわけなんですけれども、四月一日というともうあさってになるわけですけれども、そういうふうな中で非常にたくさんの関係者の方々から問題が出されているのを、これは御存じだと思うのです。
 端的にお聞きしたいのですけれども、その行管庁の勧告に基づいて気象庁としては夜間業務を廃止した場合には、住民サービス低下ということが心配されるからということで、異常気象時の対応について、ひとつ述べられていると思うのです。その異常気象時の対応について具体的にお尋ねしたいのですが、これは北海道の雄武、それから羽幌、むつ、この三カ所について、それぞれいわゆる異常気象と言われる中で注意報、警報が昨年、一九八〇年の一月一日から十二月三十一日までの間にどのぐらい出されているか。注意報が何回で、うち夜間、それから昼間どうか。警報についても同じようにどうか。また注意報が、あるいは警報が夜間解除された数がどうなっているか。これは急な話でどうかと思うのですけれども、おおよそでも結構ですから、お調べでしたら、当然おつかみだと思うのですけれどもお答えいただきたいと思います。
#274
○政府委員(増澤譲太郎君) お答え申し上げます。
 いまはっきりした数字は持っておりませんけれども、いま御指摘になったような測候所については注意報は相当の数出ているというふうに思っております。その中身は特に波浪注意報かと存じます。それから警報につきましては年間十回とか二十回とかという程度だというふうに了解しております。
#275
○下田京子君 大変な数でありまして、私の調査によりますと、羽幌の場合は注意報が合計で二百十一回、そして夜間に限りますと八十三回で全体の三九・三%。で、警報については全体で七回、夜間が四回で五七・一%。それから雄武については全体で二百十八回、注意報ですね、七十五回で三四・三%。むつについても注意報だけでも見ますと二百八十四回が全体で、夜間百二十六回で全体の四四・四%。解除の方もまた大変で、注意報だけ見ましても羽幌五十一回、雄武が四十九回、むつが六十回、こういう実態なんですね。報、警報とも夜間体制はこういう中で当然必要じゃないかなということで皆さん方が要望もされておりますし、私たちもそう思うわけなんですが、この点はどうでしょうか。
#276
○政府委員(増澤譲太郎君) 先ほど先生御指摘のとおりに、重天な災害が予想されるような警報段階のときには従来どおり職員を臨時に勤務させます。それによっていままでどおり対応させるわけでございますけれども、注意報等については、いままで測候所から御連絡申し上げていたものを地方気象台から御連絡申し上げるように、そういうことによって対応したいと思っております。
#277
○下田京子君 警報の方は夜間態勢をとりたい、だけれども注意報はとらぬというふうな話ですね。長官、ちょっとこれは大変だなと思うんですよ。私もいろいろ調べてみましたらば、気象注意報及び気集警報を行う場合の基準というのが気象官署の予報業務規則の第二十八条に書いてあるんです。これは、私が言うまでもないと思うんですけれども、気象注意報の基準というのは「被害の予想がされる場合」、それから、警報というのは「、重大な災害が起こるおそれがある場合」、これは警報が出されたら災害になります。人命にかかわります。ですからもう当然です。態勢をとるのは。しかし、注意報はどうでしょう。「被害の予想がされる場合」、以下ずっとあります。風雨注意報、風雪、強風、大雨、大雪。その他の気象で、濃霧、雷雨、異常乾燥、なだれ、着氷、霜、異常低温、その他、全部大事です。これに夜間の対応がやられないということは、やはり住民の皆さんにとって大変心配だということははっきりしているんじゃないかと思うんです。つまり、この点を裏づけるように私のところにたくさんの御要望が出ていますけれども、その中から主なものだけちょっと拾ってみたいと思います。
 これは香川県の多度津というところですけれども、秤なしブドウ栽培に、夜間の湿度、気温、風、こういうものはデータとして不可欠だ、ですから、もう農家の皆さん方が、農協で金を出してでもいいから夜間は絶対置いてほしい、こういう声も出ております。それから宮崎県の都城、これはお茶。たばこなんかもやられておりますけれども、一度でも霜が当たったら全滅なんです。霜注意報というのがいかに大事か。それからまた、解除というのも大事です。注意報が出たけれども、出っ放しで解除がなされないということになったらどうにもならない。そのたびに電話をかけるなんということになったら一体対応できるんだろうか、これまた心配があります。それから同じように、長崎県の平戸だとかいろいろあるんですけれども、長官が長野県の出身だということをお聞きしましたからあえて申し上げるんですけれども、諏訪はどうでしょうか。諏訪は寒天だとか、高野豆腐、しみ豆腐とかいろいろ言いますけれども、これは夜間の気象状況というのは非常に重要でしょう。こういう中で、予報が的確にどういうふうに出されるかということはもう大変重要な問題ではないだろうか、こう思うんですけれども、その辺のことについてはどういうふうにおこたえになっていくわけですか。
#278
○政府委員(増澤譲太郎君) 地域の産業に対して気象情報が大変更要であるということは先生御指摘のとおりでございまして、地域の住民の方々の要望に対して細かく対応するようにわれわれも努力してまいっておりますし、今後ともそういうふうにやっていきたいというふうに考えているわけでございます。
 夜間の問題につきましては、あらかじめ職員がいなくなる前に十分の情報を流す等の手段によって対応さしていただきたいというふうに思っておる次第でございます。
#279
○下田京子君 十分の情報を流すというようにと言ったって、それは測候所じゃなくて地方気象台が流すんでしょう。どうやって流すわけですか。
#280
○政府委員(増澤譲太郎君) 測候所からは、もちろん昼間の間はいままでどおり情報を差し上げることができますし、夜の予報についても、時を失せず、あらかじめ夕方のうちにお流しすることができるというふうに思います。また夜出されたような場合には、地方気象台から関係の地方団体に流すことによって、関係の地方団体から関係の市町村に御連絡をいただくような組織になっているわけでございます。
#281
○下田京子君 じゃ、夜間の部分のいろいろな、たとえば、気温にしたって、最高最低だとか、それから風なんかにしても、瞬間、風向きがどうかだとか、あるいはまた雪の深さだとか、積雪状況というか、雪の降る状況、それから、いまいろいろ言いましたけれども、霜だとか雷だとか、こういうのはどういうふうにやって観測されるわけですか。
#282
○政府委員(増澤譲太郎君) 先生も御存じのとおり、気象庁で最近展開してまいりました地域気象観測網という細かい観測のネットがございますので、大部分のことはそれによって対応ができるというふうにわれわれは考えておる次第でございます。
#283
○下田京子君 大部分といって、いまのところは、どこがどういう形で測定なさるんでしょうか、ということなんですけれども。
#284
○政府委員(増澤譲太郎君) 夜間の業務を閉鎖する測候所を含めて県下一円の資料を地方気象台では時々刻々キャッチしておりまして、その情報に基づいて地方気象台から情報を提供することが可能でございます。
#285
○下田京子君 ですから、時々刻々と言いますけれども、もうちょっと具体的に言いましょう、夜間全然人がおらないというような状況の中で、波の状況がどうだとか霧の状況がどうだとか、雪がどうなのかというのは、だれがどういうふうに報告するんですか。これはアメダスや何かでは測定なさることはできないでしょう。
#286
○政府委員(増澤譲太郎君) 特に夜間必要な観測の中で、人間の黙視の観測が機械ではできないことでございますけれども、先生御理解いただけますように、夜間は黙視の観測はもともとかなり不十分なものでございますので、それらの点については、既存の資料あるいはアメダス等の観測資料から推定するわけでございます。
#287
○下田京子君 アメダスでははかれないでしょう。アメダスではかれるのは何と何ですか、長官。
#288
○政府委員(増澤譲太郎君) 気温、風、日照等でございまして、霧あるいは霜等についてもそれらの資料からある程度の推定はつくわけでございます。
#289
○下田京子君 推定というものと、確かにはかれるというのとは違うでしょう。これは明確に違うと思うんですね。これもむつ測候所で具体的な資料や何かいただいて開いてきたんです。そうしましたら、今回の廃止の基準に幾つか基準を挙げておりますよね。しかし、そういうところからいっても、たとえばむつの場合なんかでしたら、御承知のように去年は非常にすごい冷害でしたでしょう。青森市とむつ、下北半島というのは全然気象条件が違うんです。特に夏なんというのは大変なものですね。そういう中で、いま推定するなんと言ったけれども、それはごまかしはいけないと思うんですよ。雷がどうなっているか何かなんということは、青森の方が非常に晴れているときだってむつの方はもう大変だというような状態がときどきあるんですから。そういう点で、むつの皆さん方が実は出してきているんです。どういうふうなものを出してきているかというのは、御承知だと思うんですが、三月十七日付でむつ市の市長さんが要望書をお出しになっております。この要望書をお読みいたしますと、二点なんです。
 一つは、「むつ測候所における夜間勤務体制の廃止については対応策が確立されるまで延期していただきたい。」、二つ目に、「気象庁の合理化政策はあくまでもむつ測候所の廃止につながらないものとするよう配慮いただきたい。」、この二点について「文書で回答をいただければ幸いと存じます。」、こう言っております。このことについてどうお答えになるのかという問題と、実は、このむつにあっては、三十名の市議会議員全員、超党派で意見書もお出しになってきていることも御承知かと思うんです。
 それから、ついでに申し上げますが、さっき申し上げましたたとえば長野の諏訪にしましても、あるいは香川の多度津にしましても、長崎や宮崎だとかそれぞれのところから、みんな県議会や市議会や町長やなんか、もう繰り返し来ている。そういう住民の納得が得られない状況の中で、何ですか、コレクトコールの電話を設置して一〇六に回せばどうのこうのなんと言っているけれども、それはだめだというふうなことを言われているんですよ。そういう中で本当に納得いくようなそういう体制を今後どうするか、せめて、それがもっと住民の皆さん方に正確にお示しできるまでは、むつの市長さん方言われているような方向で検討なもうちょっとやってもこれはいいんじゃないか。どうでしょう。
#290
○政府委員(増澤譲太郎君) いままでのお話しの測候所の夜間業務を一部中央気象台に集約することにつきましては、地元の市町村あるいは農業、水産業等の団体についても御理解をいただくように、いままで関係の者を派遣いたしまして御説明を申し上げてまいりました。先生おっしゃるようにすべての方が完全に理解されたとまではいかないわけではございますけれども、当方の意のあるところも御理解いただいている点もございますので、今回は四月一日でこの方式によって測候所の業務の一部を集約させていただきたいというふうに思うわけでございます。しかし、これからもそれぞれの地域特有の御要望をよくお聞きいたしまして、きめ細かいような対応をさせていただきたいというふうに思います。
#291
○下田京子君 最後に、大臣並びに長官にお答えいただきたいんですけれども、本当に時間になりましたから、お二人にお答えいただきたいんですが、いまの長官のお話ですと、実情よく見ていませんよ。事実というのは一つしかないんですよ。皆さん方が市議会も市長さんも皆さん含めて納得、できたいと、御説明してくれと、せめてもそういう体制がどうなのか明確にしてくれと、こう言っていて、いろいろいろいろあるわけなんです。そういうことはまず廃止しちゃってから、それから相談だよでは本当の行政改革云々ということにもならないし、大臣、これは押さえていただきたい点なんですけれども、気象庁を指導監督し、と一もにやっていく立場から、これは私が言うまでもないと思うんですけれども、測候所が何で設置されたかというと、これはもう観測地点であるという点なんですよね。それから地元の地域産業を発展させるんだと、それから具体的に肉眼や何かで一見て総合的にやるんだというふうな幾つかの目的があると思いますし、それは気象業務法の第一条の目的から見ても、本当に災害の予防とか、交通の安全の確保とか、産業の発展だとか、公共の福祉にどう対応していくかということが明確にない中で一方的な廃止というのは、これはだれが見たってますます政治に対する不安を大きくするだけだと、こう思うわけなんで、その点は一考を私はしていただきたい。
 以上です。
#292
○国務大臣(塩川正十郎君) 気象庁はいま必死に合理化をやりまして、その合理化の成果を新しい観測機械を入れてより科学的に気象業務を整理したいと、こういう考えでおります。問題の仰せの点は、宿直をなくするということから起こってくる地元の不安でございますが、それは先ほども長官が説明しておりますように、あらゆる措置を講じて地元に不安を与えないようにすると言っておりますことを信頼し、またそのように努力してくれることでございますので、気象庁の方針を私たちは一応是認をしたようなことでございますし、またその方向に従って気象庁自身がより科学的な観測を充実してくれることを念願しております。
#293
○政府委員(増澤譲太郎君) もう大臣が申されたとおりでございまして、私どもといたしましても気象事業が地域の皆様のためにあるということを体して一層の努力をしたいというふうに思います。
#294
○副主査(増岡康治君) 以上をもって下田京子君の質疑は終了いたしました。
 次に、前島英三郎君の質疑を行います。
#295
○前島英三郎君 私は障害者の交通機関の利用の問題を中心に質問させてもらいますが、交通機関の利用を中心とした障害者の移動に関するハンディキャップの解消は、多くの課題の中でも特に重要な課題だというふうに私は思います。なぜならば、社会への完全参加のための最初の壁がこの移動の問題だからです。これがまあすべてと言っても過言ではないと思います。教育の場における参加、労働における参加にいたしましても、まずそこへ行くことができなければ何も始まらない、こういうことでございます。
 移動の問題は、国際障害者年のテーマ「完全参加と平等」を実現する中の一つの大前提だというふうに思うんですけれども、こういう重要な移動の問題を考えるに当たりまして、かねてから体系的総合的に推進することの必要性をたびたび訴えてきたところでございます。それは移動、交通の問題は、出発地から終着地まで連続して切れ目なく整備されていなければ実際の効果が発揮されないからでございます。しかも同一の交通機関だけでなく、目的によっては異なった種類の交通機関の乗り継ぎも一面あるわけでございます。したがって、個々の交通機関がそれぞれ努力するというだけでなく、運輸行政という立場から体系的総合的に取り組む必要があるということを、まず冒頭申し上げたいと思います。
 このような観点から障害者の交通機関利用に関する調査研究プロジェクトをつくること、それと並行して設備改善等に関する年次計画をつくっていただくこと、この二点を国際障害者年のことしぜひ実行していただきたいと思うんでございますが、運輸省、運輸大臣の基本姿勢と、この二点を実行するお考えがあるかどうかを冒頭伺いたいと思っております。
#296
○国務大臣(塩川正十郎君) おっしゃるように交通機関の対策は要するに一貫したものでなければならぬと、それはもう仰せのとおりでございまして、部分的に身障者対策を講じてみても、それが全体としての効果はなかなかとれない。それはよくわかるのでございまして、われわれもその努力はしたいと思うております。
 ついては、いまお尋ねの身障者対策としての交通総合対策ということでございますが、これは私たちも十分努力して一回総務審議室を中心にいたしまして、できるだけの対策を考えたいと思うております。まあいままで特定、特定と言うたらおかしいですが、とにかく健常な人のための施設であったきらいがあって、いろんな人が利用するんだということを、やっぱりこれ前提に置かなければいかぬ。たとえば年寄りでよぼよぼになっておられる方なんかでも利用できるようなことも考えなければいかぬし、そういうことをやっぱりこれからの、特に駅とか電車の場合、そういう考え方はやっぱり持たなければいかぬのだろうと。通勤時にわっと元気のいいのが乗っておるのだけが交通機関ではないと。これは私たちもそういう気持ちをいま持っておるのでございまして、そういう気持ちも込めまして考えなけりゃならぬと思うております。
#297
○前島英三郎君 二つの問題。
#298
○政府委員(石月昭二君) 先生おっしゃいますように身体障害者の皆様方にとって社会参加への第一番目の障害は交通機関であるということ、おっしゃるとおりだと思いまして、私ども従来からこの辺の問題につきましては勉強してきているところでございます。しかしながら、先生のお話にもございましたように、目的地にまで一貫して行くためには運輸省の所管だけでございませんで、たとえば道路の段差の問題であるとか、盲人用の交通信号の問題であるとか、各省庁にまたがる問題でございますので、この点につきましてはやはり各省庁とよく協議して進めていかなければならぬと思います。
 それからまた利用者の皆様方のニーズの統一と申しますか、車いすの方々の二ーズと、それからその他の方々の二ーズ、たとえば自動販売機の高さの位置にいたしましても、これいろいろ御議論のあるようなところでございますし、これらの問題につきまして身障者の皆様の統一的なニーズといいますか、その辺のところも把握していかなければならぬ、そういうことでございますので、私どもといたしましては、中央心身協の福祉環境部会の結論が秋ごろには出るというぐあいに伺っておりますので、それらの御結論も踏まえながら関係省庁ともよく協議して検討していきたい。
 まただだいま大臣からお話がございましたように、身障者のみならず老人の方、子供連れの方というような交通弱者全般の対策につきましても勉強しなければいかぬ、そういうことで、ただいま運輸政策審議会で八
〇年代を展望した交通政策のあり方全般を検討しておりますので、その中でも基本方向というものをひとつ御議論いただきまして、その結論も参考にさしていただきまして計画していかなきゃならぬ、このように考えておる次第でございます。
 また、プロジェクトチームの問題でございますけれども、国際障害者年に当たり、またいろいろ身障者問題というものを詰めていかなければならない、そういうことで、昨年の五月に、一応官房を中心にいたしまして運輸省の関係部局の担当課長十六人をメンバーといたします連絡協議会を設けております。この協議会で、たとえば先般先生にも御説明を申し上げました盲人用のマップの問題であるとか、それから航空機のバスの問題であるとか、そのような問題を勉強しているわけでございますが、今後また心身協の方の結論も踏まえまして、こういうプロジェクトにつきまして検討を進めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#299
○前島英三郎君 長期計画の話が出ますとすぐ中央心身協の審議の結果を待ってと、こう、いうことなんですけれどもね、どうもそこに逃げられちゃうんですよ。ですから、これはもう皆さん専門ですからね、むしろ中身協の方に、運輸省はこうやりたいんですよ、動くことは任してくださいというような逆提言というか、そういうものを積極的にやっていただきたいというふうに思います。
 具体的に、まずその鉄道関係なんですが、国鉄の問題はいろいろ財政的な問題抱えておりますから非常に私ども実は言いにくいところでございますが、しかし、鉄道利用に関して問題となるのはいろんな意味で大変山積しております。
 まず一つは駅舎の問題、その垂直移動の問題ですね。列車や電車に乗るまでと降りてからが実は大変でございまして、東京駅なんかも、一度、大臣、車いすに乗って地下を通って、帝国ホテルの食堂のあの残飯と残飯の間を抜けまして新幹線十五番ホームから二十番ホームまで抜けていくときのあの悪臭の中を実は通っていくわけですね。これが正直言って表なんですよ。東京駅なんですね。こういうことを見たときに、もっと違うやり方があるのじゃないかというような気がしてならないんです。まあ、物理的な面でそういうものはわれわれがまんするにいたしましても、しかし夏場はあの悪臭だけは非常に耐えられないということをまず申し上げ、エレベーターとかエスカレーターによってずいぶんこれ違うと思うんですね。
  〔副主査退席、主査着席〕
 そういう国鉄及び民営鉄道それぞれについてエスカレーターとかエレベーターを取りつけて、車いすの介添えさえしっかりできれば、大概できるというような形になっていきますと、堂々と皆さんと一緒に行楽のこともあるいは公用でも、国鉄あるいは民鉄などが利用できるというようなことになるんですけれども、そのエレベーターの設置とかそういう問題は、この国際障害者年でどの辺まで検討になっておるか、その辺はいかがでございましょう。
#300
○説明員(橋元雅司君) 国鉄におきまするその面の改善が遅々たるテンポであることは大変申しわけないことと存じておりますが、現状を申し上げますと、国鉄におきます五十五年度末現在の身障者用のエレベーターの設置状況は、まず新幹線につきまして、「ひかり」停車駅の十駅すべてに設置をいたしております。東京、名古屋、京都、新大阪、新神戸、岡山、広島、新下関、小倉、博多でございます。そのうち特に新神戸につきましては、っいせんだって三月二十日に使用開始に相なりました。また、在来線でございますが、在来線につきましては八駅でございます。上野、成田、それから静岡、浜松、大阪、鳥取、松江、古川といったところでございます。
 このような状況でございますので、「ひかり」の停車駅につきましてはおおむね整備が終わったと申してよろしいかと存じますが、今後は「こだま」の停車駅にもぜひ拡大をいたしていきたいと考えております。ただ何分にも先生御指摘のように、立地条件によって工事費さまざまでございますが、おおむねエレベーター一基について一億円という工事費でございまして、その辺をどう考えるかということでございます。五十六年度の計画はただいま実行計画策定中でございますが、おおむね静岡と小郡上下各ホーム一基ずつぐらい、合計四基でございますが、計画いたしたいなと考えておるところでございます。五十七年度以降は、各年度大体一駅程度、ちょっとスローテンポでございますが、そういったことで考えてまいりたい、このように考えております。
 なお、先生もうすでに御承知でございますが、来年度開業予定の東北、上越新幹線につきましては、全駅についてそのようなエレベーターの設置がされておることを御報告申し上げたいと存じます。
 なお、在来線の各駅でございますが、何と申しましても財政上の問題の前に構造上、用地上の制約が大変多うございます。何としても何か簡易な形でもっと簡便にやれる知恵がないものかと考えておりますが、目下のところはなかなかいい知恵が浮かばずに苦慮いたしているところでございます。
 以上でございます。
#301
○前島英三郎君 わかるんですけれどもね、空間的制約があってエレベーターは無理だと。そのエレベーターも一億円と聞いてびっくりしたんですけれども、実は議事堂にも幾つかつけられましたああいう昇降機ですね、あんなものは大体二百万から五百万と思っていれば間違いないですね。ですから、一億という感覚になっちゃうととても赤字の国鉄にとっては何か注文する方が無理だわいと。こういうことですから、やっぱり知恵の出し方があるだろうと思うんです。
 たとえば、急行停車駅には貨物用のエレベーターというのが必ずあるんですね。この間もぼくは富山の方に行ったときに、駅長さんやみんなが、二十段ぐらいの階段を車いすを持って上っていくもんですから、みんな腰は痛そうだし気の毒でね。ここは急行停車駅だから貨物用のエレベーターがあるだろうと言ったら、各プラットホームの端々にあると言うんです。それを利用しなさい、ボタン一つで自由に改札口から行けるんだからと、帰りにはそれを使ってくれと、こう言いました。じゃそうしますが貨物用でいいですかと言うから、貨物用とかそれは見てくれは悪いかもしらぬが、皆さんが腰痛を訴える姿を見るに忍びない、そういう知恵があるじゃないかと。帰りにはその貨物用を利用して、見送りに来た車いすの人が五人乗りましたよ。初めて入場券買ってプラットホームで見送りができたと言って喜んでましたね。
 ぼくは、そういうぐあいに既存の駅舎の中のいろんなものを、知恵の出し方を発揮すれば、すぐそろばんはじかずとも十分急行停車駅なんかの貨物のエレべーターの利用によって――東京駅なんかも、途中まで行くときに、ちょっとさびかかったエレベーターが幾つかありましたね、地下に。あれなんか使っているかと言うと使ってないと言うんですね。あれなんかも使えば、在来線の中でも東海道線でも、あるいは中央線でも使えるのじゃないかという気がするもんですから、そういう辺もあわせて空間的利用あるいは垂直移動の機器や方法も、何か一億かかるからというんでそっぽ向くんじゃなくて、独自に国鉄でやっぱり研究してもらいたい、こう思うんですが、その辺いかがですか。
#302
○説明員(橋元雅司君) 先生おっしゃるとおりでございまして、まず貨物とおっしゃいましたが、私ども荷物と申しておりますが、比較的軽量の荷物を旅客列車で運ぶ設備がございまして、おっしゃるとおり荷物用のエレベーターがございます。これを人客共用でやりたいということにつきまして、いろいろ実は安全上の問題がございまして、これは御関係の省庁ともいろいろお話をするのでございますが、なかなかクリアカットな結論はまだ出てないという点がございます。それから、すでに国会あるいは科学技術庁にも設備がございますが、ああいったものをよく参考にいたしながら、また諸外国にもいろいろ例があるようでございますが、そういったものについての技術的な開発研究も私どもとして力の及ぶ限りやりたい、このように思っております。
#303
○前島英三郎君 西ドイツに行きますと改札口がないんです。びっくりしました。改札口がなくて、赤帽さんとかポーターさんみたいなのがいないんです。ですから、みんな自分がハンディキャップ、荷物を持つ人もハンディキャップ、お腹の大きい人も、みんな力ートで自分の荷物を持っていく。荷物を持っていくには段差があっちゃうまくない。したがって、プラットホームの端々がスロープになっているんです。そういうやり方もあるんです。改札口も実は車いすが通れません。これもあと五センチ広かったら通れるんですけれども、この辺もわずかな知恵のような気がするんですよ。ですから、そういうことも含めて総合的な今後の体系的な一つの考えの中に、そういう知恵を大いに入れていただきたいというように思うんです。
 さっき新幹線の話が出ましたが、「こだま」が御承知のように全くだめなんです。せめて「こだま」についてぐらいは、まあことしは国際障害者年でもありますから、そう数も多いわけじゃないし、外国かういうっしゃる方も大概この「こだま」、「ひかり」というものに一度乗ってみたいという御希望があるんですけれども、スペース的にも可能な部分もあろうと思いますので、財政的に大変困難なのはわかりますが、ひとつ「こだま」ぐらいには直ちに取りかかると、このぐらいのひとつ気魄でやっていただければ大変ありがたいと思うんですが、いかがですか。
#304
○説明員(橋元雅司君) 先ほどお答え申し上げましたように、「こだま」について直ちに取りかかるつもりでございますが、一つだけ、先生御承知のように、車両サイドの問題もございます。「ひかり」につきましては九十九編成全部乗降口の拡幅がすでになされておりますが、「こだま」編成につきましては、四十一編成ございますが、そのうち十四編成しかまだ実は車いすの対応可能な設備になっておりません。この設備を、実は七十センチを一メートルに拡幅するわけでございますが、この車両のサイドの設備を改良するのに多少やはり年度を追ってやらざるを得ないということもございまして、車両とホームと両々相まってできるだけ早い機会にそういった先生御指摘のような設備状況にいたしたいと考えております。
#305
○前島英三郎君 車いすは六十五センチなんです。幅が。だから「こだま」は全部入れますよ。全部車いす入れるんです。急行も入れるんです。ですから、車両の入口の幅を広げるなんということよりも、まずエレベーターつくってもらう方が、そっちの方が先なんですから、余り車両の方は神経使わなくても大丈夫です。非常に体の大きい人は特異なケースで一メートルぐらいの車いすがあるかもしれませんが、大概が六十五センチから七十センチぐらいの幅だと思っていただければ、まず「こだま」はほとんど車いすが入れるんですから、そんなところに神経使うことないです。何よりも駅舎です。スペースもあるんですから。その辺はひとつまずやっていただきたいということを要望しておきます。
 そこで、時間がありませんから、国鉄運賃の割引制度なんですが、財政的な状況にかんがみてそれはいろいろお気持ちはわかるわけですけれども、しかし身体障害者福祉法における内部障害者を対象から除外している点です。これはもう全く別の問題として、同じ割引の中においてもここには大変な格差があるんですが、内部障害者いま七万五千、八万と言われておりますけれども、直ちにこの対象に含めるべきだというふうに思うんですが、その辺はいかがでしょう。
#306
○説明員(橋元雅司君) たしか昭和四十五年でございましたか、身体障害者福祉法の改正がございまして、心臓または呼吸器の機能に障害のある方方が追加され、さらに四十七年でございますか、腎臓の機能に障害のあられる方々が追加になられております。実は、私どもの国鉄の身体障害者に対する割引は、すでに二十七年に規則を定めて実行いたしております。それ以後、この種の割引につきましては、私どもとしては国鉄として措置をいたしておらないわけでございます。拡大その他一切いたしておらぬということでございます。先生すでに御承知のように、国鉄運賃に係る公共負担の是正という問題にやはりこの問題がぶち当たりまして、御存じのように五十四年十二月の閣議了解におきましても、運賃上の公共負担の軽減対策については関係省庁で検討を進め、早急に結論を得ると、それに基づいてまた所要の措置を講ずるというふうにされておりまして、これに基づいて現在省庁間で検討がされておる段階でございます。したがいまして、私どもとしてこの内部疾患の方々について割引を適用することは大変困難であると、このようにお答えせざるを得ないのをお許しをいただきたいと思います。
#307
○前島英三郎君 最近大変国鉄離れということが言われておりますが、身障者も実は大変国鉄離れをしているんですね。百キロ以遠でなければ割引が適用されない、内部障害者はだめである。しかし、ゴールデンウイークにおきましてもあるいは夏休みにおきましても、やっぱり単線の中では、ローカル線の中では空席は非常にいっぱいあるんですね。だから、もっと範囲を拡大すればぼくは国鉄は増収になるんじゃないかというような気がするんです。いっぱいにならなくたって五両なら五両、六両なら六両、十両なら十両は引っばっていくわけですから、そういう中においての七万人、八万人というような内部障害者の数なんというものは、三百六十五日の中でどれだけ乗るかなんというのはわずかなものですよ。ですから、そういう意味では距離を五十キロ以遠まで拡大するとか、あるいは内部障害者まで含めていただいて、やはり近距離の中を障害者が率先して動く足として国鉄を利用する、それはすなわち増収への道であるというぐらいの発想の転換をお願いをしたいと思うわけです。またいずれの機会にこの問題も再度お願いしたいと思っております。
 さて、国鉄運賃割引で内部障害が対象に含まれていない問題と同時に、航空運賃割引でも同じ問題がありまして、外から見えなくとも内部障害者も外部障害者と同様の困難があるわけですが、これも国鉄にならえということになっておりますから、ここはちょっと財政という形で逃げてもらっては困るような気がするんですが、その航空運賃での二五%の割引に対する内部障害者の適用範囲の拡大はいかがでございましょうか。
#308
○政府委員(松井和治君) 確かに御指摘のように、内部疾患者の割引の問題は非常に大きな問題だと思っております。ただ、私ども、ただいま御指摘ございましたように、航空運賃の身体障害者割引制度は、いわば国鉄にならったような形で順次範囲を拡大し、割引率はこれは国鉄とは違いますが、これは航空運賃料金の二五%になっておりますが、国鉄その他の公共交通機関との均衡にはやはり気を配る必要があると思いますが、航空運賃の割引につきましてなおもう少し検討させていただきたいと考えます。
#309
○前島英三郎君 ぜひ、ことしは障害者自身による国際交流も盛んになりつつございますし、国際線についても割引制度が適用されると、国際交流を促進することができるというふうに思うんですが、社労委員会で一度集中審議のときに、実は国際線もひとつ何とかIATA等を通じて検討をしていただきたいというお願いを申し上げたんですが、その後それはいかがでございますか。
#310
○政府委員(松井和治君) 昨年先生から御指摘いただきました国際線の割引運賃制度につきまして日本航空を指導いたしまして、本年二月に日本航空がIATAに提案をいたしました。これは国内線同様に国際線におきましても普通運賃の二五%を引くと、こういうことで提案をいたしました。まだ結論を得るに至っておりませんが、外国の航空事業者からは、身障者の範囲が各国においてまちまちであること、それから身障者であることをどういうかっこうで統一した形で認定するかという問題等々の手続上の問題についての指摘を受けておりまして、まだ結論を得るに至っておりませんが、私どもといたしましては、今後も引き続きその導入につきまして日本航空を指導していきたいというふうに考えます。
#311
○前島英三郎君 それと同時に、わが国を代表する航空会社は日本航空でございますから、さまざまな形でことしは国際交流に対しましてひとつ指導をしていただきまして、何らかの割引措置の中で世界の四億五千万人の障害者がいろんな形で国際交流をできる、空の足という形でひとつ御尽力をいただきたいというふうに思います。割引制度ですね。
 そこで、最後になりますけれども、自動車は障害者の移動交通手段としてきわめて大切なものなんですが、同時に事故により多数の障害者を生み出していると言えます。交通事故による重度障害者に対する施策も必要でありますけれども、運輸省としても今後は率先して努力をしていただきたいと思います。
 そこで、その自賠責保険のあり方について伺いたいんですが、昨年交通事故被害に遭って植物状態となった人で、知恵おくれだったことを理由に損害賠償額を減額されたケースがございました。私は学校災害につきましても同様の問題があることをさきの総括質問でただしたんですけれども、つまり命の重さというのは、もう障害があろうとなかろうとやっぱり地球より重いと、こういう気持ちでなければならないんですが、その人間の価値を障害の有無によって交通事故の損害賠償の中で非常に冷たく位置づけられているわけですが、その損害賠償額の算出の方法というのは一体どうなっているのか。この差をつけるようなあり方を改善する考えはあるかないか。この辺をちょっと伺いたいと思います。
#312
○政府委員(飯島篤君) お答えいたします。
 先生よく御存じのとおり、自賠責保険といいますのは交通事故による自動車の保有者の損害賠償責任が発生した場合、その責任を担保する責任保険という制度でございます。したがいまして、その支払いに当たりましては、被害者一人一人について自動車事故に伴う損害額を算定いたしまして、当該損害額を一定の保険金額を限度として支払うということにいたしているものでございます。したがいまして、自賠責保険の支払い額はそれぞれの被害者の損害額の多寡に応じて異なるものでございまして、損害額が異ならないにもかかわらず身体障害者であるがゆえに支払い額が健常者と異なるというものではございません。
 いま触れられました例でございますが、既存障害がある方が自動車事故によりまして同一の部位について障害の程度を加重した場合には、加重された部分が当該自動車事故によって生じた損害と考えられますために、事故後の後遺障害に相応する保険金額から既存障害に相応する保険金額を控除した金額を保険金額とするものでございます。
 なお、こういった加重障害の場合の取り扱いにつきましては、労災保険、国家公務員災害補償等他の補償制度においても同様の取り扱いがなされているところでございまして、せっかくの先生の御提案でもございますので、関係省庁とともに今後勉強してまいりたいと考えております。
#313
○前島英三郎君 つまり、私は一級ですよね、一級ですが、私が自動車事故で死にます。死にますと、つまり一級という立場で私は引き算されるわけですね。ですから、まあ主査は五体満足と、私は車いすであると。つまり車いすという部分が損害の中では引き算されちゃうものですから、したがってその命の重さが障害を持っているといないとでは非常に違ってくると、こういうことは大変問題ではないかと、こういうことを私は指摘しているわけなんです。ですからそういう引き算のあり方ではなくて、真に命の重さというものを考えていきますと、これは健康であろうとなかろうと、老若男女を問わずという気持ちの中でこの自賠責のあり方も御検討いただきたいということを最後に強く申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
#314
○主査(宮田輝君) 以上をもって前島英三郎君の質疑は終了いたしました。
 これをもちまして運輸省所管についての質疑は終了いたしました。
 次回の分科会は、明三十一日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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