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1949/03/10 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 水産委員会 第8号
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1949/03/10 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 水産委員会 第8号

#1
第007回国会 水産委員会 第8号
昭和二十五年三月十日(金曜日)
   午後二時三十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○飯山長官罷免問題に関する件
○水産物増産対計に関する調査の件
 (水産物統制・漁業税制及び資材に
 関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。森農林大臣が見えられましたので、この間からの懸案の漁業税問題、水産の統制問題、資材問題等について御質問を願いたいと思います。
#3
○青山正一君 先ず第一に、最近非常にやかましく論ぜられております農林人事の問題について一つ承りたいと思います。第一点に、飯山長官罷免の理由は、新聞紙上などにもいろいろ拜見しておるのでありますが、如何にも抽象的で私共には判然としないのであります。今少しく具体的に納得の行くような理由を挙げて一つ御説明願いたいと考えておるのであります。何かこの水産行政上落度があつたか、その点も一つお示し願いたいのであります。
 第二点は、農林大臣は、これは新聞紙上などでいろいろ拜見しておるのでありますが、その筋なり、或いは業界、或いは水産庁内の職員組合その他の輿論で、絶対的に飯山長官が支持を受けておられることのようでありますが、そういうことを御承知で罷免なさつたものかどうか、その点をお示し願いたいのであります。それから新聞紙上では農相と長官とは感情的な関係から起きた問題だと報ぜられておりますが、その点も一つ御説明願いたいと思います。
 第三点は、農林大臣は高知県出身の吉田総理なり或いは林副総理から、高知県出身の東北振興会社社長を片柳次官の後任に、高知県出身の掘部氏を水産庁長官にするような交渉を受けられましたかどうか。若しそういう話があつたとすれば、これはいわゆる藩閥政治だとはお考えになられむかどうか、その御意見を承りたいと思います。又農林人事を全部総理大臣にお任せするつもりかどうか、その点も承りたいと思います。
 第四点に、飯山罷免の裏に農林大臣の気持というよりも、民自党の政策に相反するものとして、周東国会対策委員長あたり大きく働き掛けていたという噂が頻々として飛んでいるのでありますが、この点御承矢になつているかどうかを承りたいと思います。
 第五点、長官あたりを内閣の変るごとに変える前例を残したことは果してよいか惡いか。大臣の御心境の程を承りたいと思います。
 第六点、飯山長官の罷免によりまして、国際的信用の上において水産界の発展によい影響をもたらすかどうか、その点を一つ。以上六つの問題にお答え願いたいと思います。
#4
○国務大臣(森幸太郎君) お答えいたします。事、行政の問題であり、人事のことでありまするから、忌憚なき発言は差控えたいと存じます。
 飯山長官罷免につきましては、農林大臣として罷免することがこの場合妥当であるとの結論を得まして、この処置に出たわけであります。その理由如何ということにつきましては、これは将来飯山氏に関係する問題であり、この点は説明を省略させて頂きたいと思います。又庁内等において非常に信任されておつたということを承知でやつたかどうかという御質問でありましたが、庁内においてどういうふうになつておつたかということも、方更知らずしてやつたわけではないのであります。私は行政庁の長官といたしまして、飯山氏はあらゆる面から検討いたしまして、この際罷免をいたしたことはいいと、かような結論を得て執行いたしたわけであります。
 又後任者に対して今お挙げになりまましたが、そういうことは考えておりません。又考えたこともありません。人事の問題は、勿論所管大臣の全責任においてやるわけでありますが、その経過におきまして、総理大臣の意見を聽き、又閣僚等の意見を参酌する等は、これは一つの進行における過程の問題でありまして、飽くまでも一省の責任を持つ大臣としての責任において処置して行くつもりを持つております。尚このことについては民自党の周東氏が動いたというような御質問でありましたが、決してそういう気持はなかつたのであります。新聞紙上等においていろいろ臆測が伝りまして、いろいろ問題が紛糾して参つて来ましたので、私の方はすでに結論を下しておつたわけでありますが、周東氏といたしましては、党の立場でなしに個人の立場としてこれを飽くまで断行する場合において対立しておつては面白くない。それでよく大臣の気持を伝えて、そうして円満なる解決を図る途がありはしないかということに周東氏自身が活動されたのでありまして、別段党としてこの問題を促進するためにあつたこととは考えておりません。
 又水産庁長官は、水産庁設置の当時、民間よりこれを起用するという不文律になつておりますので、この線に沿つて後任者等も選任いたしたいと考えておるわけであります。併しながら今日は御承知の通り公務員法が制定されまして、そうしていずれの職階におきましても、その適任者というものがはつきりと職階制において決まるのでありますから、内閣が代つたから直ちに何らの理由なくして行政庁の長官が代るというようなことはあるべき筈でないと私は考えております。
 尚国際的の関係でありまするが、これはその筋のあります以上は、その筋に対しても了解を得る人がそれぞれのセクシヨンにおることが必要であり、又その筋のセクシヨンと日本のセクシヨンとが相協力して日本のすべての行政が行われておるという立場から、その筋の感情を惡くするというようなことはできるだけ避くべきであると思うのであります。併しながら飯山長官がどういうふうに先方との関係が密であつたか存じませんが、私の責任において飯山氏をこの際辞めて貰つた方がよいという自分の責任においてさような結論を下したのでありまして、これが国際的にどういうふうになるかということは日本の政府が自分の責任において行政するという立場において行う場合におきましては、これを断行すべきであると思います。併しながら若しも人間は感情動物でありますから、何かそういう気持で若しその筋等の感情を惡くするというような点がありますならば、政府の責任におきまして、これは十分に緩和し得る、又緩和しなければならんと、かように考えておるわけであります。
#5
○千田正君 水産庁長官の罷羅の問題は、相当世間で或いは誤解した点もなきにしもあらずというふうに考えられますので、只今物論農林大臣の御説明によるというと、飯山氏の個人的な将来に関する問題もあるからというふうにも取れるのであります。ところがここに水産常任委員宛に民間の各水産業団体から要望書が来ておりますので、一応これを読み上げまして、農林大臣に更に私はお伺いいたしたいと思うのであります。
   要望書
  今回政府が水産庁長官を罷免したことは輿論を無視した措置であつて、水産界に及ぼす損失は測り知れないものがあり、延いては国際信用にも影響する惧なしとしない。眞に遺憾に堪えない。
  我が水産業は現在国際的にも国内的にも重大な時機に直面している。政府はかかる現状を認識し全責任を以て速やかに事態を拾收し、山積せる諸問題の解決に当られんことを強く要望する。
  昭和二十五年三月九日
   東京都中央区月島三号地
          大日本水産会
   東京都港区芝海岸通一ノ二〇ノ三
         漁業経営者連盟
     日本遠洋底曳網漁業協会
       日本鰹鮪漁業者協会
    以束機船底曳網漁業連合会
          日本捕鯨協会
        日本定置漁業協会
        日本旋網漁業協会
        日本小型捕鯨協会
        日本水産株式会社
        大洋漁業株式会社
        日魯漁業株式会社
        極洋捕鯨株式会社
        日本冷蔵株式会社
        日凍漁業株式会社
 かくのごとき各水産団体よりの要望書が私共水産常任委員会に提出されております。附記によりますと、内閣総理大臣、官房長官、農林大臣にもこういう要望書が来ておるというふうになつておりますが、水産常任委員会といたしまして、こういう要望書を受けて、更に我々はいわゆる民間の業者並びに漁民が必ずしも水産庁長官の罷免が妥当であるというような判断をされないが故に、こういう要望書が表れて来ておると私は考えるのでありますが、先程からの大臣の御説明によるというと、大臣個人の責任の下に罷免されたということですが、これを我々が考えれば、ややもすると最近の政治情勢は政党があつて国民がなきかのような感がするのであります。ところがこれは全漁民の要望であり、又我々水産常任委員会も当初水産庁設置に当りまして、初代の水産庁長官を民間から起用するということを我々は決議しまして、強く政府に要望し、更に今後はそういう意味合において十分に国民の協力を得て、政行に携つて頂きたいということを要望しなければならないのでありまするが、只今のお話によるというと、国民の声ということでなしに、むしろ政府の行政の関係から、或いは早く言えば内閣の言うことを聞かないから、或いは農林大臣の施政方針に戻るような考えがあるからということで罷免されたかのごとく感ずるのであります。この点を明らかにして頂きたい。若し差支えなかつたら、我々は何ら個人的な名誉に関することでないと感ずるのでありますから、飯山長官罷免の内容をここで披瀝されることに決して農林大臣はやぶさかでないだろうと私は考えるのであります。何故ならば、我々常任委員会はあなた方の同士であり、同時に政府の水産行政に対しては我々は協力しておるのでありますから、その点をはつきり我々にお示しを願つて、我々は御協力申上げる点は御協力しなければなりませんし、殊に第二段階として、いわゆる漁業法施行後における今や正に水産業界は画期的な躍進をしなければならん今日において、未だに水産庁長官の後任が決定しておらないということは、我々としても残念でありまするが故に、この時期などもはつきり明示して頂きたい。この二点について、我々は同士的の気持によつて農林大臣にむしろ協力するつもりでありますから、はつきりその点を我々に御説明願つたらいいと思いますから、その点をお願いいたします。
#6
○国務大臣(森幸太郎君) その書類は本日私も入手いたしまして、又代表の方にも面会しまして、今後の問題についていろいろ事情も承つたのであります。その文面に対しまして私は反駁をいたし、又説明を加えて参りますと、結論において飯山氏個人の問題が起つて来るのであります。これは速記を止めるとか止めないとかの問たより、むしろこういうふうに多数の傍聽人もおられますので、これは委員の諸君だけなら申上げられないこともありませんが、これは一つ御了承願いたいと存じます。
 尚後任者の問題につきましては、もとより民間から起用いたしたいという考えでありますので、目下取急ぎ、その選考にかかつておるわけであります。これは行政の方面でありまして、皆様に御相談するということは表向きできませんが、できるだけ皆様の今後水産行政に対する御協力をお願いいたしたいと思いますので、後任者選考に対しましても、皆さんの御意見等も拜聽いたす機会を與えて頂きたいと、かように考えておるわけであります。
  ―――――――――――――
#7
○千田正君 先般来水産に対する税問題において、当委員会においても愼重審議しておりまするが、附加価値税がいわゆる漁業民に対して課せられる、御承知の通り、水産業は農業と同じように日本の原始産業である。にも拘わらず、農業の方においてはそういう点において或る程度特典を置いて、漁業にのみ附加価値税を課せられるという点は、どうも跪行的な行政のような感じがするのであります。この点は働く漁民の非常なる熱望によつて、この附加価値税を撤去して貰いたいという要望は、先般来水産委員会にもたびたび陳情もあり、請願もあるのであります。政府としまして、この点についてどうお考えになつておられますか、又どうしても現内閣は漁業に対しては、農業とは違うのだ、飽くまでも附加価値税をかけるというのが現在の施政方針であるとするならば、我々水産業に携わる者としては当然現内閣に対して我々は飽くまでも反対の声を高くしなければならない状況にあるのでありますから、この際主管大臣であるところの農林大臣からはつきり漁業というものに対するところの附加価値税の問題について、今後の施政方針に対して明示して頂きたいということを申して置きます。
#8
○青山正一君 今千田委員からお話のあつたこの附加価値税の問題ですが、これを農業に免除されまして、水産の方にそういうふうに課せられることになつたということについて、何か主管大臣の本多さんから御相談に與かつたかどうか。それからそういうこと自身が、吉田内閣が水産を軽視する一方的な防設とは考えているかいないかという問題。それからもう一つの問題は、これは先般の委員会の席上において本多国務大臣から、自家労力を主とする零細漁民には附加価値税を課税しないと言うておりますが、それから零細漁民の限界をどこに置くかという私の質問に対しまして、その限界については十分に研究して、追つて政令で定めるというふうな、つまり追つて政令でとおつしやいましたが、その追つてという言葉には、これは農林大臣の方えもその陳情書が行つておるだろうと思いますが、この経団連の要望のごとく、附加価値税実施に一年の準備期間を與えて、どうしてもこの税金を取らなければならんならば、一年後に追つて政令で決めるというふうに一つ農林大臣の方で工作して頂きたいと思うのでありますが、この農林大臣のそのお気持があるかどうか、その点一つ承りたい。
#9
○江熊哲翁君 今漁民に対する附加価値税の問題が他の委員から質問されたのでありますが、私は協同組合に対する課税問題についてお尋ねしたいと思う。この協同組合に対する課税ということは、これは世界的に課税しないということが建前になつておる。然るに農民の場合でも漁民の場合でも、協同組合に異常なる課税をしようとしている。これに対して農林大臣はどういうふうに考えておるか。又この課税問題に対して如何かる努力をされたのであるか。私は更に今質問されたように、農民と漁民の場合において、漁民が農民と比較して非常に不均衡なる重税が課せられようとする問題については、又これは重大な問題でありますので、特段な御考慮を農林大臣に要求するのでありますが、同時に漁村の協同組合の育成こそ日本再建の方に重大な使命を持つものであると思うのであるが、協同組合に対する課税問題についてどういうふうに考えておられるか、どれだけの御努力をされたのか、併せてお答え願います。
#10
○国務大臣(森幸太郎君) 地方税は御承知の通りシヤウプの勧告に基いて構成された法案でありますが、内容についていろいろ議論がありますので、実はまだ提出ができないような情勢であります。非常に衆議院の予算委員会でもお叱りを蒙つたのでありますが、と申しますことは、新しき法制でありますので、いろいろ従来の慣例等とは考え方も根本的に違つたようなことが構想されておるのであります。この附加価値税の問題におきましても、農業、林業はやらない。ところが林業でも資本的な製材所を持つとかいう場合においてはこれは当然課税する、こういうふうなことになつております。農業も課税しないとなつておりますけれども、大きい農業でありまして、多くの人を雇つて経営する場合においてはこれは課税されるのであります。畜産は何故かかつておらないかと申しますと、畜産のごときも一応小さい家畜を飼つておるものについては無論取りませんが、酪農となつて相当の組織、企業体としてやる場合においては、これは無論かけることになるのであります。水産業に対しましても、自家労力によつてやるところの漁業、まあ沿岸漁業でありますが、そういうものには課税しない。併しいろいろ資本的な漁業、大きいのは、遠洋漁業も無論入りますが、そういうものには当然課税されるわけであります。それでありますから、畜産と水産と、それから農業と林業と、こう分けたのはおかしい変なもので、一つにしてすべてこれは課税しない、併し政令に定めるものは課税するというふうにしたらどうだ、これは衆議院の水産委員会からも決議されて意見が出てあるのであります。で、この問題について本多国務大臣とは折衝を重ねておるわけでありますが、気持は今申しました自家労力によつてやる漁業は勿論かけないのだ、併し多くの人を雇つて、そうして大きい設備でやる漁業においてはかけるのだ。だから税法の建前としてこの業態にはかける、併し政令に定めるものはこれを除く、こういうふうな書き方が、これは常識なんでありますが、水産業に附加価値税をかけない、併し政令に定めるものはこれをかける、この逆を行くことは立法の技術の上からいけない、だから附加価値税をかけるというその精神は、今申しました自家労力によつてやるというものに対しては無論かけないのだ、この気持を持つて行けばいいではないかというのが今本多国務大臣としての考え方であるのであります。実際は又そうなろうと思いますが、それでどうもいわゆる主として自家労力でやるというのが漁業者の方では大多数であるのであるから、この大多数のものには課税しない。そうして特殊のこれこれの業態には、政令で定めるこれこれのものは、二十種あるか、三十種ありますか知りませんが、かけるというのならどうか。それの方が漁業者も安心するではないか。結論は同じことだから、今日も今日で話をしているようなことでありますが、結論には達しませんが、今回の課税の内意はそういう気持だと御了承願いたいと思うのであります。
 それから協同組合に対するのは、従来法人として特別な取扱いをいたしておつたのでありますが、これもシヤウプ勧告におきましては、純然たるいわゆる営利を見込まないところの法人にはこれは別でありますけれども、やはり一つの業を営む農業者が集つて一つの組合を作る。こういう立場でこれを法人として特別に取扱うのはいけない。こういう原則に基きまして、今回の法人に対する取扱いが公平になつてしまつたのであります。でこの配給公団であり、食糧公団であるとかいうような、肥料配給公団も無論これも課税されるのでありまして、従来の慣例から申しますと、農業協同組合、漁業協同組合というような法人には別の率によつてやるということが従来の慣例になつておつたわけでありますが、今回はそういう建前から同一のものとして取扱う。その代りこの協同組合の育成につきましては、あらゆる資金の面なり或いは指導の面から、外の法人に及ぼさない政府としての指導援助と申しますか、そういう立場によつてこの協同組合の強化を図るべきである。こういう法人に改められまして、これは相当農業協同組合の方からも強く要求がありまして、私主務大臣といたしましては、従来のそういう例もありますので、相当これは強力に交渉いたしたのでありますが、今日の場合においてはやはり協同入合は普通の法人と同じ課税の下に置かざるを得ないという結論に達したのであります。この点は一つ惡しからず御了承を願いたいと存じます。
 水産業におきましても、農業におきましても、一つに今後の発達は協同組合の強化であります。本当の協同組合、自分らが自分らの、水産業を営む者が集まつてお互いの小さい力を集めてお互いのための仕事をするという協同組合の精神を発揮して貰うということでなければ、漁業の発達は期せないと考えております。まだ漁業協同組合は実際に活動する時期に入つておりませんが、特に私は希望いたしますことは、農業協同組合が生れて二年経ちます。ところがあれは何と申しますか、農業会という、始末を惡くしたあとを引受けた協同組合みたいな立場になつておりますので、早くも二年目に協同組合の基礎が薄弱になつて、協同組合を作つている組合自身が自分の協同組合をよその組合のように考えている。自分で作りながら自分の西合と思つておらないという協同組合もちよいちよいできて参りまして、誠に私たち農業協同組合が早くも二年目につまずきかけんといたしておる実情を見まして、非常に残念に思つておりますので、一日も早くこの協同組合を真の姿に立戻したいとかように考えております。どうか漁業協同組合も今ここにできまして、いろいろ先からの水産業会の遺産相続等うるさい問題もあると思いますが、真に協同組合は自分からの組合だという気持で、一つ漁業協同組合は農業協同組合の一部におけるがごとき轍を踏まないように、組織を新らたにして進んで頂きたいと思うのであります。政府は今後金融面におきましても、又技術等の指導におきましても、協同組合を目当てとしてすべてをやつて行きたい。かように考えている次第でありますから、どうか協同組合を指導する上におきましても一段の御工夫を加えられまして、立派な協同組合として行くようにして頂きたい。又政府は僅かの補助をしたり、税金をこういう特別な取扱いをできないだけ、それだけ協同組合に対しましては指導の方面から特別なる力を盡して行きたい。かように考えているわけであります。
#11
○千田正君 大臣も時間がありますまいが、二点だけお許し願いたいと思います。それはいずれ附加価値税に関するところの法文の問題に対しては、與える影響は非常に大きいのでありますから、当委員会としましてもいずれ愼重審議の上、我々の決議した事項は委員長から特に大臣に要望することになると思います。
 もう一つの点は、先程のシヤウプ勧積によるところの税制改革であるが、アメリカの水産業というものと日本の水産業の認識との感覚が大部違うということを関係方面に強く要望して頂きたい。私も長い間アメリカの生活をしておりますが、アメリカの水産業は非常な資本水産業であつて、日本の水産業はさつきから繰返しているように、原始時代からの産業である。そこに大きな差があるのでありますから、だから日本の水産業界の将来を考えた場合には、その差を十分向うに認識して頂かないと、今のような附加価値税のようないろいろな問題が起きて参りますので、この点は十分政府当局として、殊に主管大臣としての農林大臣は特に関係筋に了承方をお願いしたい。この点特に要望して置く次第であります。
  ―――――――――――――
#12
○青山正一君 統制の問題でありますが、統制の撤廃の時期は四月一日なりと、これはどこに発表したのか知りませんが、世間の常識となつているのであります。果して四月一日から撤廃するものかどうか。一つ御意見の程を発表願いたいと思います。
 第二点は統制撤廃の発表を突然やられて直ぐ実施に移されるわけでありますか。それとも相当期間を置いて発表して、一月とか、或いは二十日の余裕を置いて移されるわけですか。その点を一つお示し願いたいと思います。
 第三点は昨年の十月十九日、十八種類を残して他のものは全部統制を外したわけでありますが、その結果全面的撤廃はもう間近に迫つているというような感じを抱かしめて、小売商その他商人の代金の決済が滯り勝ちで、市場においてはすべての荷受機関が多少の憂き目を受けている。その結果すべての生産者にまで惡影響を及ぼしているように聞いているのであります。大臣は統制撤廃までにこういつた問題を措置すべきであると考えておりますか、如何考えておりますか、その点も併せてお聞きしたいと思います。
 第四点は、失業者の対策で、これは先般も本会議の席上で私から安本長官に、或いは委員会におきまして統制課長からお聞きしたわけでありますが、これは御両人に聞きましたのですが、御両人とも十分に措置してあるとのお答えですが、そういうことは真赤な嘘で、現に私のところへ来ている書状を見ましても、これは九州の駐在所長からのですが、「統制も近く撤廃の気運で駐在官等に対し、それぞれ自主的に職を探すよう統制課長から通知がありましたので、小生も責任上各県や関係会社へ読込みに飛び廻つていますが、就職難時代でなかなか進捗せず全然閉口しています。」という書状が来ております。こういうことは撤廃する前に措置すべき問題だと思いますが、大臣の所見を承りたいと思います。
 第五の問題は、今まで出荷組合或いは荷受機関などが統制品を扱つておりますために、政府の裏付によりまして、その金融的措置も甲とか乙とかいうような順位で保護を受けておつたのであります。ところがこの撤廃後今後は又は金融的措置を一体どうするか。そういうふうな用意もしておられますかどうか、その点を一つ承りたいと思います。
 第六点は、仲買というものを公然と認めるものかどうか。それから統制が撤廃になれば卸売人の手数料とか、或いは仲買人の手数料は幾ら取つてもいいというようなことになるのかどうか。その点一つお聞きしたいと思います。
 第七点は、撤廃後の六大市場を如何なる法律によつて運営させるのか。在来の中央市場法をそのままにして臨時措置法でも考えているのかどうか。その点を一つ承りたいと思います。以上七点……。
#13
○国務大臣(森幸太郎君) 統制をやることは非常に楽なのであります。今までの統制というと非常に楽でありまして、一つの統制をすれば十の統制をやつて行かなければならん。段々統制をやつて行くのですから、実に簡單に仕事が進んで行くのでありますが、これは今逆に統制を一つ外しますと十の統制を外す、こういうような逆なことになるので、非常に切換えが面倒なのであります。現に農林省におきましては薪炭の統制、これを外すことについては非常な苦労をいたしたのであります。これが卸段階、小売段階、而もそれが登録制になつておりますので、一方小売店、卸商を繋いで置きながら、これを全部一気に統制を外しますと、ばらばらになつてしまいまして、その間の債務、債権が履行できないというようなことを心配しまして、昨年薪の方は撤廃いたしましたが、炭の方は尚まだ価格なり、統制を持続いたしておるようなことでありますが、これは一日も早く外したい外したいと考えながら、八月は九月、九月は十月と考えつつ荏苒と経過しておるのでありますが、今申上げておるような魚の統制撤廃もその通りでありまして、もう十八品種に追寄せては参りましたけれども、さてこれを撤廃するとなりますと、いろいろの面に問題が起つて來ると存ずるのであります。然らば四月の一日と仮に予定して、これを早く発表するというようなことになりますと、薪炭特別会計と同じで、もうそうなるならば問屋の繋りもなければ小売の義務もない、こういうふうになつてしまいまして、今まで統制をやつておりましたために、その統制の下におつたということによつて非常に損害を蒙らす、こういう気の毒なことになりますので、できるだけこの間に時間を與えた方がいいか、或いは抜打ち的にやつた方がいいかということはいろいろ考え方もありますが、でき得べくは予告して二十日なり一ケ月を置いた方がいいとは存ずるのでありますが、それもいろいろの関係方面との折衝もありますので、こちらで期限を切つて幾日からやるということを考えましても、それが実行できなくして、自然ずれて來るというような面もありますが、四月の一日ということは表面的決定した無論わけではないのでありますが、成るべく早く、もつと早く、漁期に入るまでに早く整理をしたいという気持で急いでおつたのでありますが、尚それが実現できないのでありますが、できるだけ早い機会にこれを撤廃いたしたいと考えております。そういうような事情でありますから、今青山さんのお話のように、相当期間を置いてやつたらどうだということの御意見であつたようでありますが、置くのがいいか惡いかということは非常な問題がありますので、大体業者もそのうちに、これは統制が撤廃になるだろうという予感はしておられると存じますが、まあ自然の姿に放任するわけではありませんが、できるだけ早く統制撤廃をいたして行きたいと存じます。幾らかそこにも摩擦が残るかも存じませんが、今でも薪炭特別会計でも十一億ばかりのまだ債権債務の履行が終らないので、これも撤廃をいたしました結果でありますが、こういうような情勢でありますが、まあできるだけ早くやりたいと存じます。それで従つて予告というようなことは関係方面との事情もありますから、考えられていないような情勢であると存じます。つきましてはそれを外したあとはどうするか。市場の問題でありますが、中央市場法に基きまして、これは業務規定等を設けまして取締つて行きたい、かように考えて市場法におきましても今検討を加えておるわけであります。この中央市場法に基きまして、業務規定で決められて行きますから、手数料等のこともそれによつて指導して行きたいと考えております。又この統制撤廃において、失職者の問題でありますが、これは薪炭特別会計に従事しておつた程沢山の人ではないのでありまして、大体政府におきまして就職の途が考えられるのではないかと思つております。今のお手紙のように、地方においてそういう心配をかけておるようでありますが、これは地方における責任者としては当然そういう心配もして貰わなければなりませんが、農林省におきましても、こういうために失業される人に対しましては、配置転換等を考えまして、できるだけ失業されないようにいたしたい、かように考えているわけであります。
 仲買人の制度は当然これは復活しなければなりませんが、その仲買に対する手数料等についてはいろいろ業者その他の御意見等もありましようから、十分これは研究を進めて適当な誤まりのない市場の形成をやつて行きたい、かように考えております。
#14
○江熊哲翁君 鮮魚の統制問題は、これは重大な問題であります。といつてこの業界殆んど大部分の空気というものは成るべく早く撤廃して貰いたい、こういうことであることは本委員会においてしばしば議論され、質問して御回答になつているわけでありますが、今の大臣のお答えによつて、いずれ近くに統制が撤廃されるだろうということが私共としては考えられるのであります。今青山委員からもお話がありましたように、この統制撤廃に伴う金融措置の問題は、今までの統制を早期に解いておればこの問題は起らなかつたのであります。もうとつくにやるというようなことで荏苒今日に至つて見ると、資金的の措置の問題が非常に重要になつて来るのでありますので、この点は特に一つ御留意頂きたいと思うのであります。これは希望であります。
 それから私は生産地の方の意見というものをしばしば耳にいたしておりますが、今日各沿岸附近においては、魚市場というものと協同組合の共同販売所というようなものの間に、いろいろ競合のための事件がしばしば起つていることを私共は耳にいたしております。これはつまり協同組合の共同販売所及び府県の小都市における消費市場などの基準に拠りどころがないということが非常に問題の原因になるわけでありますので、私はこの際何かそういつた拠りどころのある規則を一つ出して貰いたい、そういう又御準備があるのかどうかということをお尋ねしたいのであります。現在の府県の実情を申しますと、御承知のように基準になる何らの法律がない。従つてどうしたらいいか、今日のまま放つて置くわけに行かないというので、地方自治法に準拠して府県の條例を出している。併しその府県の條例もはつきりした拠りどころがないのでありますから、大した力にはならない。何か大きな事件が起るというと、やはりどうしたらいいか分らないということで非當な混乱が起つて来る。今後この問題はますます深酷になると私は思います。それでこれに対して一体農林省はどういう準備をなさつておるか、又なさろうとしているのか。その点を承りたいと思います。非常に大事な問題でありますので、特に農林大臣から明確な答弁を頂きたいと思います。
#15
○国務大臣(森幸太郎君) 今お述べになりましたことは、今日の現段階においては誠に将来重大なる問題として取扱わなければならないことと存じます。今政府におきましては、この方法につきまして関係方面と折衝いたしておるわけであります。近く結論が出ると存じますが、実はこの向うとの……これはひとり、水産庁だけではありませんが、新聞などに先に出ると、できるものができないことになるのであります。例えばこの魚類統制撤廃でも、「農林大臣談、四月一日より、」とやると、向うは四月一日にやらすつもりであつても、むずかしいことになる。こういうことが生産方面ばかりではない。農林方面にも非常にありますので非常に困ると思います。新聞記者諸君がおられるかと思いますから、(「新聞記者はいないよ」と呼ぶ者あり)そうですか。余程気を付けて貰わんと困るのでありますが、今のお話のようなことも関係筋と目下折衝いたしておるのでありまして、御期待に副い得るかと、かように考えております。
#16
○江熊哲翁君 ちよつと、段々時間がなくなつて参りますので……。
#17
○委員長(木下辰雄君) 大臣は至急ですが。
#18
○江熊哲翁君 至急でしようが、こちらの方もなかなか重大な問題ですから。私は水産庁長官と大臣とが心持ちの上でしつくり合わなかつたということが産界のために損だつたということを、他の議員からお話がありまして、私もそういう気がいたしたのであります。一体この最近水産の問題が多いのです。この統制の問題のごときについても、大臣は何回一体その筋と折衝しておるのか私は存じませんが、燃料の問題のごときも今日非常な窮乏状態である。これは去年の十一月以降の特殊の現象だといつて見捨てるわけには行かない。これは十分大臣自身のお力添えを願いたいと思うのですが、一体……長官問題の蒸し返しになりますが、特に私が申上げたいのは、この罷免の時期を非常に大臣は誤つたということを言つているが、大臣はそれをお考えにならなくてはいけない。こんなときにやるのではなかつた。又こんなことは突如として必要性が起つたのではなくして、恐らく去年の暮れあたりに早くやつたら今日のようなこういう大きな打撃を業界に與えなかつた。又今少し遅らかしたら非常にスムースに行つたろうと思う。スムースに行かんでも、個人單位の問題においてスムースに行かんでも、業界に與える影響というものは非常に少なかつたと思う。このことは水産庁内部の職員達のあり方の上においても私はそういうことが考えられると思うのです。非常に重要な時期にこういうことが突如として行われたことを私は遺憾に思う。そこで私は話を元に返しまして、この統制の問題は非常に大きいのです。非常に重大な問題です。このことについては、幸いその筋と非常に懇意に付き合いしておつた長官がいない。そこで一つ大臣に責任において長官の首を吹つ飛ばしたのだから、それはそれで結構だと思うから、大臣の信念によつてやられたんだから――、このような重大な問題については次長にお任せする、このようなやり方でなくて、大臣御多端の際非常な御迷惑だと思うのですが、燃料の問題、或いは統制の問題、こういうようなものについては私は農林大臣が今少し水産のために御骨折りを頂くということを要求するのでありますが、これについては大臣はどれだけの御熱意が……。
#19
○国務大臣(森幸太郎君) 勿論庁内事務は通敢えず山本次長に長官心得を命じておるのでありますが、水産庁の全般に対する責任は私にあるのであります。燃油の問題、殊に漁区の拡張の問題等重要な問題が出て、非常に山積いたしておるのでありまして、勿論山本次長としても責任の立場上折衝するでありましようが、私としましても絶対な責任でありますから、私みずからこれは解決すべきものであると考えております。山本次町にしてできない場合においては私が出て行く。一応山本君で、次長でいいものを私が飛び出して行くまでもありませんが、これは私の責任として解決して行きたいと思います。
 それから時期の問題でありますが、長官の問題でお触れになりましので、ちよつと申上げますが、実は第六国会の途中において私はすでに決意をしたのであります。昨年の八月であります。併し当時第六国会の会期中であります。国会の進行中に政府委員としての長官を替えるということは考えなければならん。従いまして、第六国会の終るのを待つて、十一月の末にその決意をして、十二月八日に私の考え方を伝えておるわけであります。もつと延ばすか、もつと早くやつたらいいという今江熊委員のお尋ねでありますが、私といたしましては早く昨年の八月に決意をいたしておつたわけでありますが、時期を考えて、第六国会の終つたときがいいと、こう考えて処置いたしたいと存じましたが、私の至らないために、つい問題が紛糾いたしまして、殊に新聞などは面白がつていろいろなことを書き立てまして、遂に問題が大きくなつて皆さんに御心配をかけるようになり、延いては業界にもかような御迷惑をかけることになつて、誠に申訳なく考えておる次第であります。併し事ここに至りまして、過去をかれこれいたしましても何んですから、これからは当面いたしております問題の解決は、私といたしましては全努力を傾けたいと、かように考えておるわけであります。
#20
○委員長(木下辰雄君) もう農林大臣は帰つていいですか。(「公務員ならしようがない」と呼ぶ者あり)
#21
○千田正君 それでは眞相は秘密会のときにでも発表して頂きますか。
#22
○委員長(木下辰雄君) 山本次長、それから統制課長、資材課長もおりますが、御質問がありました……。
#23
○青山正一君 その山本次長にさつき話をしようとしておつたのは、只今江熊さんがお話なすつた問題なんです。この長官が辞められた、水産部長が洋行するとか、いろいろな燃油の問題とか、統制の問題とか、そういう非常な忙しいときにですね、ああちよいちよい引込み勝でありましては、そういうことではいけませんし、又あなた自身はですね、果して長官の代理として今遂行できるかできんかという御心境の程を承りたかつたのです。あなた自身が大分悲観をして悲鳴を上げておるということをちよいちよい聞いておるのでありますので、その御心境をはつきりここで伺わんことには問題にならんので、山本次長如何ですか。そのお気持をはつきり承りたい。
#24
○政府委員(山本豐君) 長官がああいうことを述べまして、我々といたしましては、できるだけ円満に、時期も各方面に迷惑のかからない時期にして頂ければそれに越したことはないと、こういう感じを持つておつたのであります。事ここに至りまして、後の代理を命ぜられたのでありますが私といたしましては、水産業界には極めて縁が浅いのでありまして、又経験も日が浅いのであります。而も水産部長もこれも関係筋の命令で大分前から洋行が決つておりまして、今更どうのこうのと言えない問題でありまして、実は一人三役をやらなければならない事態であります。併し私としましては、無論長期に亘りましては誠に困るのでありますけれども、幸いにして議会には各界の方々がおられるのであります。暫くの代理ではありますが、全能力を発揮いたしまして、連絡を十分取りまして、最善の努力を盡したいと、こう考えておるのであります。ただ非常に水産業界に多事多難の時でありますから、一日も早くいろいろ御意見のありましたように、後任に立派な方をお勧め願えるように、大臣にも会うたびにお願いいたしておる次第であります。
#25
○千田正君 先般から統制撤廃に対する問題は、大臣に向つても実にしばしば質問して、答弁も得ておるのでありますが、山本次長にお伺いするのでありますが、統制撤廃がなされるであろうと、まあなされることが自然的のようでありますが、水産庁としましては、それに伴うところの資材或いは金融、すべての点において万遺漏なきを期しておられるかどうか。その点につきまして一応簡單でよろしうございますが、決意の程をお示しを願いたいと思います。
#26
○政府委員(山本豐君) 御承知のように、まあ統制の問題が昨年の十月十五日前後から非常にやかましくなつて参りました。我々といたしましても、最善の努力を拂つたのでありますが、関係方面その他の意向もありまして、品目を整理するという程度に落ち着いたのであります。その後今日あることを我々といたしましては予期いたしまして、できるだけ早い機会に撤廃をしたいというように考えまして、各方面と連絡をとつて、專ら必ずできまするような線で、そのこと自体を非常にまあ重大視いたしまして、折衝をやつて参つたのであります。従いまして、その間ややいろいろ撤廃に伴う措置につきましては不十分な点があつたと思うのであります。併しながら市場法のような問題につきましては、昨年の末頃から係りの方でもいろいろ現在の市場法を検討いたしまして、関係方面に意見を聞きましたり、いろいろいたしまして、案を得たわけでありますが、併しこれが、いろいろと各方面のまだ十分な見解の一致もありませんし、この国会に間に合わなかつたという点は甚だ遺憾でありますが、併し一方考え方によりますと、この市場法というのは非常にまあ過去の歴史も長いのであります。従いまして、拙速を尊んで変な改正をすることはむしろやらない方がいいんじやないか、尚よく検討した上でやるのが大切であるというふうな考え方もありますようで、一応今国会には間に合わなかつたのでありますが、併しこの点につきましては、衆参両院の方々にわかれまして、非常に御心配を頂きまして、何とかこれに代る便法を考えたいと存じまして、一応現在の市場法を実施になります前提におきまして、地方の県の條例の向うべき方向であるとか、そういうものに対する何らかの指示をしたい、こう考えまして、專らその折衝を只今やつております。これも関係方面にも相当に意見がありまして、非常に難航はしておりまするが、いろいろ努力しているのであります。
 それから次に金融的措置でありまするが、これも先程青山委員からお話がありましたように、実際去年の十月頃ならまだ金融の問題も今日程酷くはならなかつたと思うのでありますが、今日の事態は單に水産界のみならず。先般も議会でいろいろ論議になりました中小企業全般の問題でもありまして、この全体の金融梗塞の中における水産の金融という問題になりますと、なかなかむずかしいと思うのであります。我々としましては、少くとも撤廃の前後に或る程度に流通いたしました魚類の流通がストツプする。こういうことになりますれば、これは重大問題でありまするので、そういう面から既設の市中金融機関に対して、それらの必要なる資金の融通を是非懇請する。これは相当政治的に大蔵大臣或いは農林大臣にも動いて貰わなければできないと思うのでありますが、そういう線の準備をいたしたいと考えまして、只今いろいろそういう資料や何かの固めをやつております。その外に名手もないのでありますが、先だつてから衆議院の方々とも小委員会を開いたりいろいろやつて頂いたのであります。
 只今のところ遺憾でありまするけれども、その程度でありまするが、問題は先程から御質問になつておりまする撤廃の時期の問題がまだ明瞭になりません。我々としましては、大臣の御説明もありましたけれども、少くとも心構えがあるにいたしましても、條例の廃止の問題などもあります。配給統制規則の廃止の問題などもありまするので、できれば一ケ月ぐらい余裕を置いてやるのが最もいいのではないかと思つておるのでありまするが、これも今日のように段々延び延びになつて参りますと、果してそれを確保するのが大事か、或いは一日も早く十日の余裕、五日の余裕といわず、統制を撤廃するのが大事であるか。これらの点で非常に新らしき問題が起きているわけであります。そういう意味合でいろいろ苦心をいたしておるのであります。その程度で御了承願いたいと思います。
#27
○千田正君 金融問題に関しては、我々も頗ぶる憂慮しておるのでありまするが、池田大蔵大臣が議会におけるあの池田放送と称せらるるところの、中小企業に対する現政府の考え方に対して、その後金融措置はあの放言に対する、何といいますか、取なしという意味で政府が出すのかどうか知りませんが、中小企業に対する金融を更に政府が考慮する。一体それならば漁業関係におけるところの中小企業に、どれだけ融通するだけの肚でやつておるのか、次長は又その点について、水産庁を代表して水産業に対するところの中小企業の金融をどれだけ政府側から獲得できるかという見通しがおありかどうか、その点をこの際おありになるならば一応御明示して頂きたいと思います。
#28
○政府委員(山本豐君) 二十五年度のいわゆる水産関係の金融の一応の計画というものは、係の方でも策定いたしまして、これは毎年あることでありまするが、一応のものは持つておるのであります。又これを関係方面に送付いたしまして、いろいろな懇請はしております。併し全体の枠との関係なりその他の関係で、この中どれだけが確実に出るかという点につきましては、只今お答えでき得ないのを非常に残念としまするが、先程も申上げましたような統制撤廃に関連する金融の問題は非常に重大でありますので、それらの毎年のいろいろの計画を差し置いてでも、何らかの方法で懇請いたしまして、その滑りのいいように善処したい。こういうように考えておるわけであります。
#29
○江熊哲翁君 地方自治法の問題も初めは国会の方へ直ぐ出すような話もあつたが、ついいつの間にか姿を消してしまつたようでありますが、この水産関係の諸法案が一向出て来ない。これはその筋との折衡に手間どつておるとか何とかいうことだけで、こういうような状態に效任して置くことが私はいけないと思う。これは従来長官とその上との関係などから禍したかも知れんと思うが、水産庁全体が私は今少し強力にこういつたことを推し進めて、水産委員会あたりとも緊密な連絡をとり、十分我々の審議に間に合うように草案を準備して貰いたい。それがために最前私は農林大臣に質問したいと思うこともあつたのですが、大臣は逃げてしまつて、早く出てしまつたのですから、問う機会がなかつたので、特に次長にそれをよく要求いたして置きます。
 それから私はここで一つ最近経験した問題で重要な問題があるのでお尋ねして置きたいと思うことは、最近二、三県廻つて見たのですが、至る処で本月の十四日から実施されるところの漁業法の問題について、県庁あたりでもどうしていいのか、はつきりしためどが付いていないのであります。民間側も従つて考え方が非常にまちまちで混乱しておる。いろいろなことに関して相談を県庁に持ち込むというと、県庁の係官も十分呑み込んでいない。それで適切なる指導ができないのです。私個人的に漁業権問題相談所というようなものを開設して、その漁民たちの漁業に対するいろいろな質疑に応答いたしておりますが、それなんかを通して見ましても、私は今日の状態でただ漁業法が十四日から実施されるということが官報に出ただけで放任しているような行き方では到底いけないじやないか。いけないじやないかではない。いけないのです。それで現在水産庁ではどれだけのことをしておるかと私はいろいろ聞いて見るのですが、大した仕事をしていない。そうして係官が勝手に自己の小手先のことを言うのであります。それですから、今度いろいろ質問に出て来た者が、あの人はこう言う、この人はああ言うといつたようなことで、帰一するところを知らない。こういう状態に放任することは私は非常にいけないと思う、水産庁はこの際民間から、或いは府県庁から相談に来たらじつくり腰を落付けてその問題に関しては二時間でも三時間でもかかつて、相談に応ずるという体制をとつて貰いたい。つまり窓口を一本にして十分な時間を以て応接するような方法をとらなければ私はいけない、こう思うのですが、そういうような準備があるのかないのか、是非なければそういうふうにして貰いたい。それは希望になるのですが、併し私は最近の民間側の要求から判断して、我々に対して発しられるいろいろな質問に対しても、今日のまま放任することは非常に混乱を起すばかりである、長年に亘つて起つておつたいろいろな紛争の処置の問題、今後新漁業法の実施によつて起つて来るところのいろいろな混乱、こういうものの処置というものを、一般官庁の係官が従来のあり方の態度を以て接して行くということによつては絶対に私は解決しない。そればかりでなく、それはむしろ混乱を来すばかりである。だから私はそういう一つ法的な立派な機構を持つた、つまり人員を整備した機関を持つてそういう仕事をやつて行くようにしなくちやならないのぢやないかちいうことを最近痛感したんです。くどいようですが、それに対して一つお考えを承りたい。
#30
○政府委員(山本豐君) 漁業法の実施の問題につきましては、只今江熊さんから非常に適切なる御忠告を頂いたのですが、実はこういう非難も出ることであろうと思いまして、昨年の末頃がらいろいろ庁内におきましてもあれこれ考えて見たのであります。で結局するところ、平易な文書等によりまして、或いはラジオ等によりまして、広く天下の漁民に親切に伝えるということも必要でありますが、要するに今後この実施の時期に入りますと、各地方の調整委員会とか、或いはその他の陣容を先ず第一に整えなければならんのであります。又それらのいろいろの手順を中央で手際よく段取りよく処置して行かなければならんと存じまして、昨年の末からいろいろ考えまして、只今その実施本部というような意味のものを、これは官制用語にありませんが、関係の密接な課を三つぐらいを中心にいたしまして、それぞれそれにエキスパートを先ず数名ぐらいを一所に寄せまして、ばらばらにせずに、一所でいろいろ起案もし、膳立てもして行こう、こういう手順だけを漸く一週間程前に整えたのであります。併し一方天下に周知せしむるために、いろいろなものを作つておるのでありますが、これらにつきましても、江熊委員のお説を私傾聽いたすのでありますが、非常に高踏的なものでは実際に漁民には徹底しない。又各人各様に書かれても非常に困るのであります。これを統一しまして、実施本部あたりでよく検討して、真に意義のあるようなものにいたしまして、成るべく広くこれを配つて行くようにしたい。又ラジオその他の使えるものはできるだけ使つてやつて行きたいと考えております。尚今後出先の問題になつて参りますと、到底水産庁だけでは手が廻らないのでありまして、それにつきましては、各府県の係官の配置を速かに充実することでありますとか、或いは今後選挙をされてできます委員会とか、こういうものが緊密な連絡を取りまして、漁民の皆様の相手になつて行くように考えて参りたい、こういうように考えております。
 それから法案の出方が非常に遅い、これは両委員長に会うたびに御催促を受けておりまして、甚だ恐縮に思つておりますが、実はもうGSの方へ法案が参りまして、あそこにはひとり水産庁の法案のみでありませんので、いろいろな法案が山積になつておる状態でありまして、その中から特に水産庁のものを取出して先にやつて呉れということはなかなか頼んでも困難な事情もあるのであります。ただNRSを通じて、NRSの方から、催促して頂く、これはときどきやつておるのであります。先般も猟虎、膃肭獸の関係の法律、それから協組関係の法律、この二つは一応GSの意見が添附されましてこちらへ示されたのです。ところが猟虎、膃肭獸の取締法案の方は大したことがないのでありますが、協同組合法の改正法案につきましては非常に意見が違うのでありまして、これでは困るというので、更に向うにこつちから申入をしております。その結果を見ないと結論は出ないのであります。それから資源枯渇防止法、昨日向うの方から一応これも條件付で或る箇所について意見があるのでありますが、その箇所さえこちらが削るか何とかすればよろしいというようなところへ入つております。昨日経済課長を呼びまして、その点の返事に差向けたのでありますが、恐らくもう近い中には必ず来ると、こういうように考えておるわけであります。以上のような状況でありまして、今後も更に促進しまして、一時も早くやるつもりでおります。以上経緯を申しましてお答えいたします。
#31
○江熊哲翁君 私は最近の燃油状況についていろいろ調査した結果、こういう考えを持つております。今日の燃油の非常な欠乏の問題は、総体量の少いということについては皆さん異論がない。この問題に対する妥結のことについては、これは我々も水産庁も一つ特段の努力をしなければならんというふふに考えるのでありますが、昨年十一月以降において特にこういつた問題が大きくなつたということは、今日の水産庁の燃油の配究方法について、水里庁というわけでないが、今日の燃油の配給の方法について何か考えなくちやならん点があるのじやないか。つまりリンク制をとつておつた時代と基本配給をやつておる間に格段とそこに階段が付いた問題が起つた。私は特にそういう点からしてそういうことを考えざるを得ないが、併しこの撲の考えが間違つておるかも知れない。そこで水産庁の資材課の方では、何かこのことについて十分な御調査をなさり、或いはそういつたことに対する資料を持たれておるか。そうしてその資料により何か今お考えになつておることがあるのかないのか。つまり絶対量の少いということに対する努力は水産庁も従来はしておつたが、一向余り大した効果は見られなかつた。併し今後も引続いて大いに努力するのだということは十分分つておりますから、そのことでないのです。それを除いた面において我々はどうすれば、より円滑な消費者に対して配給の方法がとれるかということについて何か具体的な案がありますかどうかということを承りたい。
#32
○説明員(石川東吾君) 只今江熊委員からお尋ねの石油の割当の方法でありますが、昨年の十一月からいわゆる基本割当の制度に変えましてから、その割当方法は私共としましても必ずしも理想的には行つておらないということは考えております。と申しますのは、あの割当制度を変えましたのは、丁度十月の十五日からの統制緩和に即応して、従来のリンク制度がそのまま運用できなくなつたからということが、一番大きな理由だつたのでありますが、その切替につきましては、やはりいろいろ資料その他の関係で相当長い準備期間が必要だつたわけであります。で、関係筋に対しましても、少くとも二月、或いは三月くらいの準備期間が必要であるということで、いろいろ当時折衝したのでありますが、まあその新らしい制度がよいとなれば直ぐに実施しろということで、急遽十一月から実施しましたために、水産庁が地方の資材調整事務所に対する割当も多少不合理の点もあり、又地方の資材調整事務所が業者に割当する場合にも若干不備の点があつたというふうに考えております。
 で、その主なる点はどういう点にあるかと申しますと、結局個々の業者に割当する場合に、一応は第一に考うべき点は、漁船の稼働時間の問題でありますが、同時にその際にその漁船が取つておる魚が統制魚であるか非統制魚であるか、又は輸出の水産物であるかということによつて、いわゆる漁獲高割を相当考えてもよろしいと、こういうことで指示してありますが、その稼働時間の押え方、その取つておる魚の数量の押え方等に多少いろいろの問題があるわけであります。ただこの際そういうわけで、私共がそういう点の資料の整備を地方の資材調整事務所に対しても、いろいろ努力をさせ、又私共も資材調整事務所からの資料を取つて、その整備を急いでおりますので、漸次この点は改善せられておるのであります。で、この際ただ一言申述べたいことは、そういうようなわけでリンク制度から基本制度に切替えましたために、いろいろなそういう割当の不公平な問題も起きておりますが、実はこの問題は單に制度切替だけでなくて、たまたまその当時昨年の九月から、大体十一月まででありますが、経済調査庁が全国の石油関係の査察監査を行なつたのであります。その結果漁業以外もそうでありますが、漁業においても販売業者から非常に多量な前借をやつておつたということがはつきり分りましたので、日本政府の措置として、通商産業省の資源庁は地方の通商産業局を経まして、販売業者からの前貸は今後絶対にいかん、一方業者に対しましては、水産庁から、地方の資材調整事務所を経まして、前借は絶体にいかんというような通牒をして、あれは確か十一月の中頃だつたと思いますが、それ以後従来比較的大目に見られておつた前借、前貸がぴたんと止められてしまつたわけであります。どうも想像しますのに、それまでは比較的その点が緩やかであつたので、必ずしも油は十分ではなかつたけれども、そこで相当の調節が行われておつた。然るにたまたまその制度の切替のときにそういうような前借、前貸を絶対にやつてはいかんというような措置をやりましたので、この基本制度の切替の際の、多少割当の不公平の問題と、そういつたような前借、前貸を止めたことと重なり合いまして、非常に今の問題が大きくなつて来たのではないかというふうにも実は考えておるわけであります。但し私共が現在の割当のやり方が必ずしも理想的に行つておるとは思つておりませんので、水産庁の地方庁に対する割当につきましても、今検討を加えて四月から相当改善をする見込みであります。又水産庁から地方の資材調整事務所に行きましたあとの割当方法につきましても、今改正案を作つておりますからして、この次の割当、つまり四月分からは相当改善されるのではないかというふうに考えておるわけであります。
#33
○江熊哲翁君 そこで私は一つの意見を持つておりますが、この前借、前貸というものがあつたときには量においては変らなかつたにも拘わらず、消費者たちは、漁民たちは比較的楽に仕事をしておつたということは今のあなたの御答弁によつても証明されるのですが、事実私は現地の実情をよく知つておりますが、あなたのお考え通りにまあ足らない足らないと言つても前借はできるということによつてとにかく一応のやり繰りがついていたということは事実であります。そうしますと、今度のこの次の期からいずれよくなるだろうというあなたのお考えになつておる改正案が、改良した方法がどういうものであるかということを私は今ここで聽こうとも思わない、知りませんが、その考えの中にこの前貸、前借の制度を認めるつもりか、認め方についてはそれは御研究願つていい、或いは従来の切符の総量の何パーセント、何割というようなことについての研究はお願いしなくちやならないが、とにかくその制度を取入れて行くということによつて消費者も販売業者も私は救われる、こんな両方ともいいことはないのじやないか、こうも思うのですが、そのことに対してはどういうようにお考えですか。
#34
○説明員(石川東吾君) 御質問の前貸、前借の問題でありますが、私共も若しできればそういうような割当て以外の一種の調節の方法として、そういう措置が取れれば私共としてもそれは理想的だろうと考えておりますが、遺憾ながら現在の関係法規である石油製品配給規則は、政府の発行した購入券によつて石油を購入しろ、こういう根本原則になつておりますので、遺憾ながらそういう制度は認められておらないわけであります。それでまあその問題の解決は、結局は漁業資材の、漁業用の石油の枠を殖やさなければ根本的には解決しない、こういうわけで一方においてはできるだけ合理的な割当てをし、一方においては枠の増加の問題を又別個に並行して進めて行きたい、こういうような考え方でこの油の問題を考えておるわけであります。
#35
○委員長(木下辰雄君) この資材問題は小委員会で十分資料を以て検討することにいたしまして、時間も参りましたので、委員会としては、本日はこの程度で散会したいと思います。如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(木下辰雄君) それでは今日はこれを以て散会いたします。
   午後三時五十七分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
           千田  正君
   委員
           青山 正一君
           西山 龜七君
           江熊 哲翁君
  国務大臣
   農 林 大 臣 森 幸太郎君
  政府委員
   農林事務官
   (水産庁次長) 山本  豐君
  説明員
   農林事務官
   (水産庁生産部
   資材課長)   石川 東吾君
ソース: 国立国会図書館
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