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1980/04/07 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 建設委員会 第4号
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1980/04/07 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 建設委員会 第4号

#1
第094回国会 建設委員会 第4号
昭和五十六年四月七日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮之原貞光君
    理 事
                坂野 重信君
                堀内 俊夫君
                増田  盛君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                井上  孝君
                植木 光教君
                遠藤  要君
                谷川 寛三君
                中村 禎二君
                増岡 康治君
                赤桐  操君
                二宮 文造君
                原田  立君
                三木 忠雄君
                上田耕一郎君
                栗林 卓司君
                江田 五月君
   国務大臣
       建 設 大 臣  斉藤滋与史君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)
       (国土庁長官)  原 健三郎君
   政府委員
       内閣法制局第一
       部長       味村  治君
       北海道開発庁総
       務監理官     大西 昭一君
       国土庁長官官房
       長        谷村 昭一君
       国土庁計画・調
       整局長      福島 量一君
       国土庁土地局長  山岡 一男君
       建設大臣官房長  丸山 良仁君
       建設省計画局長  宮繁  護君
       建設省都市局長  升本 達夫君
       建設省河川局長  小坂  忠君
       建設省道路局長  渡辺 修自君
       建設省住宅局長  豊蔵  一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        森  一衞君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部外勤課長   田中 和夫君
       防衛施設庁施設
       部施設取得第一
       課長       作原信一郎君
       環境庁企画調整
       局環境管理課長  清水 良次君
       環境庁自然保護
       局企画調整課長  高峯 一世君
       文部省管理局教
       育施設部指導課
       長        福岡純一郎君
   参考人
       東京都都市計画
       局建築指導部長  萩原  静君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (建設行政及び国土行政の基本施策に関する
 件)
○都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○道路財源確保に関する請願(第九号)
○住宅融資制度の充実に関する請願(第一〇号)
○道路財源の安定確保に関する請願(第一三号)
○土壌凝結硬化剤使用による土地造成の促進に関
 する請願(第二八〇号)
○身体障害者の有料道路通行料金割引制度改正に
 関する請願(第三一五号)
○尾瀬の水の広域的運用に関する請願(第五八二
 号)
○公団住宅家賃等に関する請願(第七三七号)
○零細建設業者に対する受注機会拡大等に関する
 請願(第八二四号外一一四件)
○積算管理士(仮称)の業務資格認定制度に関す
 る請願(第九八二号)
○身体障害者に対する建設行政に関する請願(第
 一二三五号外三件)
○公営住宅に父子住宅設置に関する請願(第一六
 二九号外一件)
○草加バイパス(草加市谷塚町)の高架部分修理
 等に関する請願(第一六四二号)
○住宅政策の確立に関する請願(第一八三二号外
 六件)
○県営住宅入居のための収入基準の緩和に関する
 請願(第一八六九号)
○小規模住宅建設への大手住宅企業の参入規制等
 に関する請願(第一八八四号外三件)
○零細建設業者に対する公共工事の発注等に関す
 る請願(第一八九一号外三件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 建設事業並びに建設諸計画に関する調査のため、本日、東京都都市計画局建築指導部長萩原静君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(宮之原貞光君) 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題といたします。
 前回に引き続き、建設行政及び国土行政の基本施策について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
#5
○上田耕一郎君 私はきょう、山王ホテルの問題、それから東京の都市計画道路の認可に関する問題、それから最後に鳥屋野潟、信濃川河川敷など田中金脈に関する問題を質問したいと思います。
 初めに、山王ホテル問題ですけれども、私はこの問題をこの建設委員会でこれまでにも四回質問してまいりました。二月二十六日に東京都が建築確認をして、それに対して住民が非常に強い抗議で、これまで東京都があっせんして、住民と安立電気と防衛施設庁と三者会談をずっと続けている。一つ新しい重大な問題が生まれてきたのは、米軍に提供が決まるまでは安立会館というのは国内法の適用を当然受けるということで、その建築確認とそれから旅館業法の適用問題が新しい問題として浮かび上がって、ゆうべも港区の保育会館で、夜七時から十時半まで第四回目の三者会談がずっと行われてきたということがあります。
 まず、建設省側に、こういうホテルに対する建築基準法の問題と、それから旅館業法の関係、特に、学校その他百メートル以内にある場合、これは建築確認をどうするか。二つの法律にホテルは関係するんですけれども、建設省としてはそういう関係についてどういうふうに処理すべきだとお考えになっているか、また指導されているか、お伺いします。
#6
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘の安立電気株式会社が建築主といたしまして東京都港区南麻布におきまして申請しておりました建築計画につきましては、東京都の建築主事が建築基準法に基づきますところの建築物の敷地、構造及び建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定に適合するかどうかにつきまして所要の審査を行っていたわけでございますが、去る二月二十六日、建築確認を行ったと聞いております。
 御案内のように、建築基準法の建築確認につきましては、当該建築計画が建築物の敷地、構造及び建築設備に関する法令の規定に適合するかどうかについて審査し、確認を行うものでございます。したがいまして私どもの方では、建築物に関する規定が具体的、事実的であって、建築主事の裁量を要しない場合に限られるものについて審査し、確認を行うというふうに考えております。したがいまして、旅館業法につきましては、旅館の営業に関する規制を目的とし、建築物の敷地、構造等に関する具体的、事実的な基準とは認められておりませんので、建築基準法上の建築確認の対象法令にはならないという解釈で進めているところでございます。
#7
○上田耕一郎君 東京都の場合はそういうケースが起きるので、昭和三十二年九月に通達を出して、建築基準法では確認がおりる、その際、営業の場合にもしかすると旅館業法の規定に基づいて不許可になる場合もあり得ると、近くに、百メートル以内に学校その他がある場合ですね。そこで通達を出している。その通達はちゃんと注意書をつけろと、その注意書は、まだ学校なんかの審査が未了の場合には営業ができない場合もあるんだという注意書をわざわざつけてやれという通達を出していると聞いているわけです。本件の場合には、東京都はみずから出した通達と違って注意書をつけないで出した。それは港区の保健所に聞いたら、防衛施設庁からこれは日米地位協定の建物だから、大体旅館業法の営業の適用はしないんだということを聞いておりますという保健所の話があったので注意書はつけなかったという答えがあったというんです。これが三者会談で非常に大きな問題になって東京都側もちょっと弱っているとか、まあちょっとか大分がわかりませんが、というふうに私ども聞いているんですが、東京都の萩原建築指導部長、経過について明らかにしていただきたいと思います。
#8
○参考人(萩原静君) ただいまお尋ねの件でございますが、東京都がこの方法を実施しているその意味合いでございますが、これはどちらかと申しますと、建て主側のサービスという形で実施しているのが内容でございます。と申しますのは、建築基準法でホテルなり旅館なりを確認いたしまして、その建物ができ上がってから旅館業法によります許可が申請をされるというのが実態でございます。したがいまして、建築確認をとりまして建物をつくった後に旅館に関する許可が不許可になるということになりますと、建て主側に非常な大きな迷惑と申しますか、経済的な打撃を与えるというようなことを未然に防止するためにこの処置がとられているわけでございます。それで、本件につきましては、建築主事から港の麻布の保健所長に対しまして意見を徴しましたところ、当施設につきましては旅館業法適用外の施設であるというような回答を得てございますので、確認をする側といたしましては、この注意書をつける処置は必要なかった、このように判断した次第でございます。
#9
○上田耕一郎君 私どもの港区の大橋区議がいまの麻布の保健所長にお聞きしたところ、所長は、防衛施設庁から地位協定上の建物なので国内法が適用されないとの文書が届けられたがどうかと聞くと、保健所側はそうですと言って、そういう公文書が届けられたということを認めたんですね。防衛施設庁はこの保健所にそういう文書を出したんですか。防衛施設庁としてどういう文書を出したのか、中身を説明してください。
#10
○説明員(作原信一郎君) ただいま先生から御指摘のあったような内容の文書は出しておりません。東京防衛施設局長が麻布保健所長に出した文書の内容は二点ございまして、第一点は、山王ホテルの代替施設を必要とするに至った理由の説明で、現在の山王ホテルの訴訟問題の経緯と、それから和解条項の概略を説明しております。
 それから、第二点といたしまして、当庁が安立電気に代替施設の建設を希望するに至った経緯の説明をしておりまして、代替施設として適当な土地を物色していたところ、安立電気で本社、工場を他に移転する計画があるという情報を得ましたので、同社に対して代替施設の件について同社の意向を打診して、当庁が五十二年の初め、口頭で、安立電気が所要の建物を建設した場合には、それを山王ホテルの代替施設として米軍に提供する目的で賃借をしたいという希望を言い、そのような立場から同社に代替施設の建設をお願いしているということを説明しております。
 それから、第三点といたしまして、現在の山王ホテルの使用目的、管理運営等の概略について説明しております。
 以上が内容でございます。
#11
○上田耕一郎君 三者協議でその文書をぜひ見せてほしいというのに、じゃなぜ見せないんですか。そういう当然のことなら何も隠す必要ないでしょう。三者協議であなたが保健所長に出した文書、これは皆さんに公開できるのかどうか。保健所長は防衛庁側がこれは見せないでくれと言っているというので見せられないと言っていると。三者協議の場でもあなた方はそれを渡さない。ゆうべようやく一部分読み上げたというんですね。何で公開しないんですか。そういう天地に恥じないものなら、当然三者協議の場で公開すべきだと思いますが、いかがですか。
#12
○説明員(作原信一郎君) その文書は、当庁といたしまして、何分保健所の判断の資料とするために発出した文書でございますので、提出することは御勘弁願いたいということで、三者会談におきましてもきのう初めてではなくて、この前のときも詳しく説明はしております。
#13
○上田耕一郎君 困らないものなら内部文書でも、これだけ大問題になっているんだから、それを見せないというところに住民側がいよいよ納得のいかないものを感ずるわけですよ。やっぱりそういうのは見せて初めて話し合いというのは進むと思うんです。
 さて、その文書には、米軍地位協定の建物なので旅館業法の適用除外だと書いてないと言われた。じゃ、口頭ではそう述べたんですか。
#14
○説明員(作原信一郎君) この文書は、口頭で説明した内容を文書にして出してくれと言われて出したものでございますので、そういった説明をした事実はないと私どもは考えておりますが……。
#15
○上田耕一郎君 またここで事実があいまいになってくるんですね。わが党の大橋区議、きょう傍聴に見えていますが、大橋区議が、古川とき子所長にはっきりそのことを聞いたら、公文書が届けられたのを認めたというんです。除外例なんだと書いてあると。あるいは公文書は少なくとも口頭で伝えられているはずなんです、所長が公的な区議が聞くのに対してそう答えているのに対して、さあそれを追及すると文書にもない、口でも話してない。すると、だれかがうそをついているということになるでしょう。じゃだれがうそついたのかということになってくるわけで、そういうところが三者協議をやっても一つ一つ住民側が信頼が置けないと、防衛施設庁の言うことは。これまでにも私ここで何回もやったけれども、海兵隊の隊員にも貸し出されていることも隠していたし、七五年から一般隊員でしょう。一つ一つうそがばれてくるというわけなんです。そういう点問題をこじらせるだけだということを指摘しておきたいんですが、口頭でも文書でも述べなかったとしても、防衛施設庁の解釈はどうなんですか。旅館業法の一切の規定に、日米地位協定に基づいて提供される建物なので関係ないんだ、除外されるんだと思っていますか。
#16
○説明員(作原信一郎君) 旅館業法が適用されるかどうかということは、私どもが見解を述べる立場にはございません。
#17
○上田耕一郎君 見解を述べる立場にはないと。それでよくもそういうことを伝えたもんですね。
 もう一点、安立電気と防衛施設庁との間にはまだ契約さえできていないんでしょう。この三者協議の場では口頭の申し入れ、サウンドだと。サウンドという言葉が出たというんです。その程度のことでまだ契約もできていない、口でちょっと言っただけだと。サウンド程度のもので何で日米地位協定に基づく建築物なんだということが言えるんですか。
#18
○説明員(作原信一郎君) 確かに先生御指摘のとおり、建設する安立電気と防衛施設庁との間に契約はございません。契約に至る前の事前のいろいろな準備行為、そういった話し合いはやっているところでございます。通常、施設、区域として提供する場合には、これは民公有地の場合には、国で使用権を取得して、そして米軍に提供することになるわけですけれども、そういうためどもなしに日米間の合意を先行させて、そして現実に契約して、使用権を取得できなくて提供できないというふうな事態になるとぐあいが悪いので、ほぼ提供を予定されるところにつきましては内々の準備行為をするわけでございます。サウンドと申しますか、そういったことをして大体感触を得たところで日米間の合意をし、それから閣議決定をして提供する、それに基づいて契約をいたす、こういう手順になっておろうかと思います。
 問題の安立が建設を予定している建物につきましては、現在まだ建物は建っておりません。したがいまして賃貸借契約もできないわけでございます。事前に安立に打診をしてそして安立において自主的に措置を進めておるというふうな段階でございます。
#19
○上田耕一郎君 いまの答弁で幾つかの事実が確認される。一つはまだ打診段階だということですね。感触を得ている段階だということです。だからいま建築確認申請が出て、建築確認がおりた建物は安立会館、宿泊施設はね。防衛施設庁との間でまだ契約も結ばれていない、打診段階、感触段階のものだということが一つ。二つ目は、将来契約が結ばれて、合同委員会で日米地位協定に基づいて提供が決まる予定で防衛施設庁はいるけれども、まだ決まっていないということですね。そうなってくると、この建築確認がおりたと言われる安立会館は、文字どおり国内法に基づいて安立電気が建てている建物だということになるわけです、予定なんですよ、問題はね。そのことが二つ明白に確認できたと思う。
 法制局にお伺いしますけれども、米軍と国内法との関係、あるいは米軍が使用する施設と国内法との関係について御説明いただきたいと思います。
#20
○政府委員(味村治君) 一般国際法上、ある国に駐留しております外国の軍隊につきましては、その国の法律の適用は原則としてないということになっております。これが一般国際法上の原則でございます。したがいましてその原則によりますれば、アメリカ軍がたとえば何かの建物を何らかの目的をもって使用するということにつきまして、仮に日本人であれば国内法の適用がある、適用される国内法があるという場合にも、アメリカの軍隊につきましてはその国内法の適用はない、このような関係になっています。
 ただ、申し上げておきますが、一般国際法の上では、外国の軍隊はその国の法令を尊重する義務があるというふうに言われております。これは、その国におきます公共の安全、国民の利益というものに悪影響を及ぼさないようにその国の法令を尊重する義務がある。これは適用があるとか従わなきゃならぬということじゃございませんで、尊重する義務があるということが一般国際法と言われております。
#21
○上田耕一郎君 日米地位協定にも、第十六条に、日本法令の尊重というのがあって、合衆国軍隊の構成員及び軍属、家族は、「日本国において、日本国の法令を尊重し、」云々と、そういう「義務である。」と書いてあるんですね。だからおっしゃるとおり――われわれ安保条約反対ですけれども、政府の立場に立てば、大体法律の規定はない、一般国際法上もその国の法令を外国軍隊は尊重しなきゃならぬというのが国際法で、日米地位協定第十六条でもはっきり決めている。尊重は米軍の義務なんです。そうなりますと二つ問題が生まれる。
 一つは、どうなんですか、もし米軍が安立会館の提供を受けてホテル業をやりますね、そのときにもやっぱり法令尊重の義務を負うわけですな。そうすると旅館業法で決めているような、百メートル以内に学校やら何やらあると。この場合には百メートル以内に慶応幼稚舎、それから保育園もある。あの地域に十六の学校があるんです、前にやりました聖心女子学院を初め。そういうところに米軍は平気で建てていい、この旅館業法の精神、規定を踏みにじって平気なんだというんじゃなくて、尊重する義務を米軍そのものも負っているんでしょう。そのことが第一点。どうですか。
#22
○政府委員(味村治君) 具体的事案については、私ども実態をよく存じませんので申し上げかねるわけでございますが、米軍が仮に旅館業法に規定いたします旅館と同種の施設を設けて宿泊をさせるというようなことになりました場合には、先ほど申し上げましたような国内法の尊重義務がございますので、旅館業法の実体法と申しますか、そういうものを尊重するという義務がこれは国際法として生まれてこようかと存じます。
 ただ、この場合に、米軍が果たしてこの旅館業法に規定しております旅館と同種の行為をするのかどうかというようなこと、あるいは百メートル以内に学校がございますとしましても、その場合には、特に著しく清純な環境を害することになるのかどうかというようなこと、いろいろ尊重義務と一概に申しましても、これは適用というわけではございませんから、米軍の行動の必要性ということも考慮に入れなければなりませんので、いろいろそこは一概には現段階では申し上げかねる次第でございます。
#23
○上田耕一郎君 ですから、将来米軍が地位協定に基づいて提供されてホテル業をやると。普通のホテル業なんですね、私は前にここでやったけれども、ちゃんとパンフレットまで出して宣伝しているんだから。グアムからまで来るんですから、米兵が。私はアメリカ大使館に行って言ったら、いまアメリカの軍隊は非常に待遇が悪いので、こういう安いホテルがないとなかなか来てくれないんだといって、大使館の書記官が二人私に言いました。そういうホテル業をやるわけだ。その際にも米軍は旅館業法の精神の尊重義務があるわけだ。いまお話しのようにそれは罰則まではいかないでしょうけれども、一般国際法に基づいても地位協定に基づいても尊重義務がある。これは当然ですよね。米軍なら何やってもいい、米軍が建てる建物なら建築基準法に違反してもいいし、それから公衆衛生法に違反してもいいし、何やってもいいということにはならぬのです、治外法権じゃないんだし。これは当然のことだ。米軍でさえ旅館業法の規定は尊重しなきゃならぬ。いろいろあるだろうけれども、基本としては尊重しなきゃならぬ、米軍でさえですよ。
 今度は、日本側はその米軍に防衛施設庁が建てて提供しようというんだから。さて、日本側の防衛施設庁、安立電気に契約も結ばない上に、こう言いながら建てさせて米軍に提供しようとしている防衛施設庁は当然、まだ日米合同委員会で決まってないんだから、国内法に基づいて――営業はアメリカがやるにしても、ホテルであることは明白なんです。先ほどあなた述べたように、経過からいっても明白なんだから。そこに米軍用のホテルを建てるわけだ。そうすると、建築基準法はもちろん守るけれども、当然、旅館業法に基づく学校、保育園その他の関係は、国内法に基づいて米軍さえ尊重する義務があるものなんだから、きちんとやるべき義務があるじゃないですか。防衛施設庁、また東京都、東京都もこの建築基準の許可を出す場合に、当然日本の国内に国内法に基づいて建てて、将来米軍に提供する場合も、やらなきゃいかぬでしょう。自分は踏みにじっておいて、米軍が使うんだから旅館業法のことは考えないでいいですと、そう言っておいて、米軍に、あんた方尊重してくれと言えますか。どうですか、防衛施設庁と東京都。
#24
○説明員(作原信一郎君) 米軍に国内法の尊重義務があるのは当然でございますが、そういった米軍が尊重義務があることを前提にしてわれわれの提供義務をどう考えるかという御趣旨の御質問かと思いますが、私どもも、手続的には旅館業法の手続がどういうふうにやるかつまびらかにいたしませんが、そういった旅館業法で規定をしております清純な環境を著しく破壊するような施設であるというふうには私ども考えておりませんので、施設を建てること自体が旅館業法に違反するとか、そういったようには考えておらないわけでございます。
#25
○上田耕一郎君 東京都ちょっと。
#26
○参考人(萩原静君) ただいまの御質問でございますけれど、建築基準法につきましては、建築主事は法律に適合しているものは期限内に確認をしなければならないという義務を負っておるわけでございまして、この点につきましては建築確認をしなければならぬというふうに考えております。
 もう一点の旅館業法関係でございますが、権限のございます麻布保健所長が、当該施設については旅館業法適用外施設であるというふうな意見を申し述べておりますので、これを尊重せざるを得ない、このように考えております。
#27
○上田耕一郎君 やっぱり官僚答弁で私これだけ経過を明らかにして、所長はそう言ったけれども、防衛施設庁はそう言わなかったというんでしょう。事実は明らかになってきたでしょう。だから東京都としては、旅館業法の営業が将来米軍がとか何とかということでなしに、本当に東京都として責任ある行政をするためには、いまからでも遅くないから、あそこの慶応幼稚舎それから保育園等々に、この旅館業法の三条四項に基づく問題を、当然これを聞く、聞かせるということを改めておやりになる必要があると思うんですね。やっていただけますか。
#28
○参考人(萩原静君) ただいまの御質問でございますけれど、この旅館業法につきましては、麻布の保健所長に対しまして、建て主である安立電気株式会社が、ホテル、旅館は営業しないということを申し入れ、なおかつ防衛施設庁の意見といたしまして、この施設は安立からお借りをしてこれを米軍に提供するんだ、そういう二つの意見を踏まえて先ほどから申し上げております意見を保健所長が述べておるわけでございますから、東京都としては現段階においてこの意見を尊重をするという以外に申し上げることがないわけでございます。
#29
○上田耕一郎君 申し上げることがないって、あなた何を聞いていたんですか。それは安立会館はホテルをやらぬと言ったって、安立電気はやらないと言ったって、将来米軍がやるわけなんだから、明白でしょう。それで、ここで適用除外じゃないということを――あなたは保健所長から聞いたと言うけれども、まだ日米地位協定の適用建物じゃないんだから適用除外じゃないんです。しかも除外じゃなくて、米軍もこの法令を尊重しなければならぬのです。国際法や日米地位協定で決まっている。それを学校その他十六もあるところのど真ん中に建てるわけだから。東京都としてはもうすでにおろしちゃった。これも問題ですよ、私は取り消せと言いたいけれども、取り消せとは言わない。今後改めて、行政の責任者として、建築確認をおろした問題で不備のあった責任者として、いまの議論も踏まえて、じゃ、あなたが聞かなくても麻布保健所にもう一度聞かせるとか何らかの措置をとるのが日本人としてあたりまえじゃないですか。
#30
○参考人(萩原静君) 建築基準法につきましては、私の方は適法な手続を経て適法に確認をしているというふうに認識しております。
 それから、保健所の問題につきましては、私の所管外でございますけれども、いまの趣旨は保健所長に申し伝えたいと思います。
#31
○上田耕一郎君 じゃそれは伝えていただくことにしたい。
 もうこの問題、大まかな点は出てきたと思うんです。それで、その保健所を通じてでも、特に慶応幼稚舎それから保育園、これは区側ですね、区側がこういうところにホテルが営まれることについてどういう意見を持っているか、これをきちんと聞いていただきたい、この仕事が一つ。これはいまやっていただくというふうに理解いたしたい。
 さて、これだけ問題が生まれているので、問題は、そういう問題を放置したまま強制着工するといよいよ大問題になるということです。三者協議の場でも安立電気側、また防衛施設庁は早く着工さしてほしいということを何回も言っている。四月十日から着工したいということを言っている。東京都側は、話し合いながら着工というのはやっぱりまずいということを東京都側も言ったんです。それから二月二十六日に建築確認がおりた際、東京都の田神計画局長に対して防衛施設庁東京防衛施設局の吉村次長は、安立電気とともに話し合いを継続する所存であります、という念書を出している。それから安立電気も東京都に対して、近隣住民と話し合いを継続、誠意をもって解決に当たるよう努力いたしますという念書を出しているんです。
 だから、ゆうべ第四回目の話し合いがありましたけれども、きょうここで明らかになったような建築基準法と旅館業法の問題、それから米軍も日本の国内法を尊重しなければならぬという国際法上並びに日米地位協定の問題、このことと、さらに防衛施設庁側としてはまだ安立電気と契約も結んでいない、月末地位協定によって提供されてもいないことについてすでに契約が結ばれ、日米地位協定の建物と決まったかのような言い方で保健所長に対して国内法の旅館業法の適用除外例だということを文書あるいは口頭で、きょうあなたは否定したけれども、どうも伝えたという疑惑がきわめて強いということがあるんです。こういう問題を放置したまま強制着工は断じてすべきでないと思いますけれども、防衛施設庁並びに東京都側の見解をお伺いします。
#32
○説明員(作原信一郎君) 防衛施設庁といたしましては、先生お話しのような三者会談の席におきましても、繰り返し申しておりますように、安立電気が施設を建設することに対しては非常に強い関心を持っております。これが一日も早く完成するように願っているわけでございます。しかし話し合いは当然続けていく所存でございますので、工事と並行して話し合いを続けさしていただきたいというふうに考えております。
#33
○参考人(萩原静君) この問題につきましては、経過は非常に長くなりますので省略さしていただきますが、五十三年十月から二年半以上にわたりましていろいろ話し合いが続けられてきたわけでございます。東京都といたしましても、この問題が平和的に話し合いがつくということを最も熱望しているわけでございますので、今後につきましてもこの線に沿いまして最大限の努力をしていきたいと思います。
 なお、着工についての問題でございますけれども、これは強制力をもって阻止するということはできませんので、できるだけ話し合いによって解決するという方向で指導をしていきたい、このように考えております。
#34
○上田耕一郎君 この問題はこれで終わりますが、防衛施設庁の方は並行してやる、つまり強制着工をやるということですね。そういう態度がますます問題を紛糾させ混乱させるんだということを指摘しておきたい。
 それから、東京都側に対しては、鈴木都知事は選挙の際、立候補してアンケートで、この問題では米軍ホテル建設反対という公約を都民に対しておやりになっている方ですから、そのもとで都民の生活と環境に責任を持つ東京都として正しい都民の要望にこたえた指導をぜひお願いしたいと思う。
 それでは次に、東京の都市計画道路の問題に移りたいと思います。
 建設省も御存じと思いますけれども、いま東京で都市計画道路の見直し問題、前期の事業を進めるというのがどうもきょう東京都で前期の事業計画が決定、発表をされるという運びにもなっていそうなんですが、これが大問題になっているわけです。それでこの問題はいま各所で住民運動が起きていて、四十数件に及ぶ路線廃止の請願、陳情なども生まれており、前期計画の路線が後期へ繰り延べになるようなものも幾つか生まれているんです。
 もともと一番の問題は、三十五年前に都市計画決定が行われた路線だということなんです。戦災復興のために昭和二十一年、当時はいまの法律と違って国が都市計画を決定していたので戦災復興院、つまり政府が決定し内閣が告示したのがいまから三十五年前。三十五年前と言うともう大変な時代で、空襲の直後の焼け野原の東京の時代、その時代に都市計画決定をしたわけで、三十五年間の東京の変貌まことに巨大なもので、人口からいっても、交通からいっても、住宅からいっても、環境からいっても物すごい大きな変貌が生まれたのはもう言うまでもないんです。
 さて、その三十五年間、そのうち何十%か進んでいたんだが、残りの部分はもう手もつけられなかったという都市計画の道路、路線が多かったわけです。ところが、それが鈴木都政になって急に進み始めた、それで計画変更予定があり、これについてはもう建設大臣も認可されて、いよいよ具体的な路線が事業決定されるということに東京都の側で進みつつある。
 この問題について、この事業決定に対する認可を行わなければならない建設大臣としては、三十五年前に政府が決めた路線である、計画であるということもありますので、三十五年間の東京都の変貌を考えると、またこの事業の遂行が都民生活や環境に与える影響を考えると、非常に慎重にこの認可に当たってほしいと思うんですけれども、これの基本姿勢を建設大臣にお伺いします。
#35
○国務大臣(斉藤滋与史君) 東京都の都市計画街路の問題について御心配をいただいておるようでございまして、東京都の計画につきまして建設大臣として認可問題がございますので、当然この問題については十分な計画のもとに、しかも最初の計画から三十有余年たっているような事態を踏まえ、なお、戦後の東京都、これからの東京都を考えた場合に、やはり総合的に成案を得た形で進めるべきものと考えております。したがいまして、計画策定の場合も十分な協議をなされる。それも為政者が一方的ということでなく、住んでおられる地域住民の方々の意見も聞き、そして将来あるべき姿というものをよく開陳されて、総合的な御意見のもとに、合意のもとに進めるべきものと基本的には考えております。
 ただ、事業問題についてはなかなか昨今のように、特に東京のような過密都市の場合は、事業計画においても相当困難性があろうかと思いますが、その点万々遺漏ないように、事前から十分な考慮のもとに合意を得るような形で進めていくことが一番いい方法ではなかろうか、このように考えているものでございます。
#36
○上田耕一郎君 それがもたらす影響、これは相当なもんで、これは東京都の発表でも五百二十四路線、千六百五十四キロあるんですけれども、二十三区内だけで影響を受けるのが、学校百七十八校、これが分断されたり削られたりするわけです。保育園、幼稚園三十一園、病院十一、指定文化財が六つ、公園緑地が二十六あるんです、これだけのものが影響受ける。商店、住宅は数十万戸立ち退きになるというものなんで相当膨大な計画なんです。
 いま建設大臣は、とにかく慎重に各方面の意見も聞いて総合的な検討をぜひしたい、いろいろ国難もあるということはよく承知しているというお答えでした。
 私は、きょう少し具体的に問題を取り上げて、この問題がどういう問題を生み出しているかについてぜひ大臣並びに都市計画局長、担当部門の認識に資していただきたいというように思うんですけれども、まず第一に学校問題、学校がほとんど教育不可能な状況に追いやられるということがあるんです。
 実は、まず第一に私は、私の母校の新宿高校の問題を取り上げたいんですが、東京都の都市計画局長の田神さんも私と府立六中で同クラスだったんです。それを進める側が御自分の母校を全く分断という仕事をやるという状況になっているんですけれども、百七十八の学校のうち、高校で一番削られるのが新宿高校、五千八百十四平米、枝地面積の約四分の一を削られる。新宿高校というのは昔の府立六中なんですが、新宿御苑の土地をいただいたというのが当時学校の宝で、私らも大分やられたもんですけれども、新宿御苑の中にあるんだ、いわば隣にある。その新宿御苑の境のところにこの環五が通るんです。これもう大変なんですよ、幅三十メートルの。学校の教頭は、削られたら――昔校舎のあった、私らの学んだところなんですが、そこがいまグラウンドになっている、そこを通ると。とられたらもう本当に校地面積四分の三になっちゃうんだが、そんなところを通られたらもう授業が全くできないと言うんです。当然でしょう、その騒音と公害で。もう学校として体をなさぬと言うんですよ。だから同窓会、われわれも入っているんですけれども、学校側も含めて、とにかくこれはやめてほしいという陳情、要請を昨年から一生懸命やっている。じゃ新宿御苑の方に移したらどうかと。新宿御苑に移してもこれは通る以上同じだと言うんですね。新宿御苑の側は環境庁なんですな。環境庁も新宿御苑のところに三十メートルの道路が通ると恐らくこれは大変な事態になると思うんですけれども、環境庁としては新宿御苑に接して三十メートルの環五が通るというこの計画をどういうふうに認識し、また対処されようとしていらっしゃいますか。
#37
○説明員(高峯一世君) 新宿御苑につきましては、都内の数少ない貴重な緑地でございますし、また非常に由緒のある公園でございます。いま予定されております環状五号線の周辺に接します地域につきましては、非常に大変貴重な植物もございますので、この問題につきましてはいろいろな問題があるんではないか、慎重な配慮が必要ではないかと考えております。
#38
○上田耕一郎君 文部省は、こういう新宿高校などのケースについてどうお考えですか、
#39
○説明員(福岡純一郎君) 文部省といたしましては、従来から良好な学校環境を確保できるよう指導してまいったところでございますが、個々の事態につきましては、これは東京都の都市計画と、それから新宿高校は特に都立でございますので、教育委員会と十分お打ち合わせの上対策を講ぜられて計画を立てられたというふうに考えておりますが、なお問題があるといたしまするならば、今後とも実情に応じまして指導してまいりたいというふうに考えております。
#40
○上田耕一郎君 ちょっと実情に即して指導すると言うんだけれども、とにかく四分の一とられて校舎のところを三十メートルの自動車道路が通る。教頭も校長も授業ができなくなると言ってるんです。そういう場合、文部省はどういうふうに指導するつもりですか。
#41
○説明員(福岡純一郎君) 具体的な対応策につきましてはまだ伺っておりませんので、それを伺いました上で検討さしていただきたいと思います。
#42
○上田耕一郎君 いまだから具体的に私言っているんだけれども、望ましいのか、望ましくないのか、教育上いかがですか。
#43
○説明員(福岡純一郎君) 環境が著しく害されるということは決して望ましいことではないというふうに考えております。しかし、都といたしましていろいろお考えになった上でのことだと思いますが、その意味におきまして適切な解決策があるならば、そういったものを見出していくように努めたいというふうに考えます。
#44
○上田耕一郎君 ひとつぜひ文部省にも環境庁にも私がんばってもらいたいと思うんです。この都市計画法の二十三条には、「他の行政機関等との調整」というのがありまして、これは環境庁長官も調整に建設大臣と一緒にちゃんと協議するということ決まっているんです。だから、文部省はどうもここに入っていないようだけれども、学校が百七十八校分断されるという大変な事態なので、ひとつがんばっていただきたいと思うんです。
 私、学校がこういう状況になるというので、幾つか調べて現場にも行ったんですけれども、もう一つ大崎高校の例があります。これも本当に現場へ行って驚きました。新宿高校と違うのは、新宿高校というのは戦前からあったんです。戦前からあったところへ戦後都市計画道路がかかったというケースなんですけれど、この大崎高校の場合はまた違うんです。
 大崎高校というのは戦後、昭和二十五年に、ここにあった三井農園を東京都が買って、建物を建ててほかから移してきたんです。だから都市計画道路の上にわざわざ東京都が土地を買って都立高校を建てたんです。それで移してきた。これは新宿高校とまた違ったケースなんです。それでこれは全く校庭のど真ん中を四車線の補助二十六号線が通過するというんです。私が参りましたとき、校長先生は新任の校長先生で中島校長という方で、実はまだ学校へ来て三日目だと。それでこの事態の中で、私はこの校長で恐らく教職はもう最後だ、環境を悪くする校長には私は絶対なりたくない、もう死んでも浮かばれないと言うんですね。そういう決意を私どもにも述べております。恐らく共産党の私が一番最初に行ったもんで、超党派的にぜひやっていただきたいということは非常に心配されておりましたけれども。
 それで、さて、ここは真っ二つにA棟とB棟のど真ん中をその道路が通るんですから、千三百名の生徒がいるんですが、もう学校として体をなさなくなるのは明らかで、去年から陳情なんかやっている。それで地下化にしてほしい、トンネルにしてほしいという要望です。なるほど道路だからやむを得ないと思われたんでしょう、対策委員会にトンネル化してほしいと。
 東京都の建築局がトンネル案を検討して、模型をつくっている。その模型になるものは完全な地下はむずかしいので半地下だというんです。半地下にして屋根の構造物を校庭のど真ん中へずうっとつくるわけです。それで高いところに廊下を通してA棟とB棟とをつなぐ。それで高くなったところ、つまり校庭に大段差ができちゃうわけです。その上にテニスコートかなんかつくる、それで途中に排気口をつける、これも驚くべき計画です。学校側は、こんな高さのものをど真ん中につくられたんでは千三百名の生徒の移動なんかできない、万一災害のときには人命に危険があると言っているんです。ところがそういうものを、よくああいうことをやるものですね、ちゃんと模型ができています。これも私は驚くべきもので、地域の住民も八千の署名、それから学校側が一万一千の署名を出している。こういう事態とうですか、文部省いかがですか。
#45
○説明員(福岡純一郎君) 具体的にまだ拝見しておりませんが、東京都から伺いましたこれは一般的な対策でございますが、都市計画道路建設に伴う学校保全対策というものを策定いたしまして、個別案件に対応してきているということでございます。
 ケース別に申しますと、できる限り学校を避けること、それからやむを得ない場合には道路を地下化する、先生のお話があったとおりでございます。それから道路通過により狭隘となる学校用地については、相当分について臨接地に拡張をする、あるいは結果的に校地を分断するような場合には同一学区内に移転を行うというような方針を立てて個々に対応をしているというふうに聞いております。この地下化、半地下の場合が適切であるかどうか、これは実情を調べました上でまた指導してまいりたいと思います。
#46
○上田耕一郎君 じゃ、文部省も新宿高校や大崎高校の例の場合、ひとつ実情をいまおっしゃったように、具体的に教育が守られるようにしてほしいと思うんです。
 私は、もう一つ今度は中学の場合、やっぱり補助二十六号線で目黒六中にも行って調べてきたんですが、これも戦後つくられたものです。新制中学で昭和二十二年にできたんです。これもいまプールができているんですけれども、プールをつぶして道路が通るんです、補助二十六号。それで校庭のど真中をずっと行く。これも目黒の区の都計審は地下化などということで言っているんですけれども、地下化がそこの状況からいって可能かどうか。これは付近の住民からは、地下化されると傾斜が急になるからこれはもっとNO2など――いま住民も全部アンケートやったりビラをまいたり、これは私一部持ってきましたけれども、いろんな運動をやっている。かえって環境悪化するんじゃないかというので、住民もまた心配しているという問題があるんです。
 私、新宿高校と大崎高校とこの目黒六中の例と三つ見ましたけれども、どうも東京都の再検討したというのは本気でやったのかどうか疑問を持ってきた。建設大臣が認可したこの変更予定個所というのをここに持ってきましたけれども、ほんのちょっとなんです。わずか十キロメートルです。つまり東京都がやったことは、東京都の素案に書いてありますが、全部を検討してみたが、昭和二十一年の路線は大部分そのままでいいんだということをはっきり東京都は書いているんです。わずか十キロの変更個別、これだけ建設省に計画変更で出してきた。建設省は、これは建設大臣が認可した。ちょこちょこだから建設大臣も認可したとしても、この認可によってきょうから前期計画十ヵ年の事業決定をされるのは、この変更個所だけじゃなくて昭和二十一年に当時の内閣自体が決めた三十五年前の路線が大部分生きてくるんです。それで事業決定になって執行される。
 それで、東京都が大部分はそのままでいいんだというふうに言った路線そのものについて私は学校を三つ調べた。これは検討した気配はないですね。新宿高校、隣は新宿御苑、環境庁も文部省も反対だ。学校も猛反対だ。そこへ平気ですっと通しちゃうんです。すっと通している。じゃどうするかと、何のあれもないですよ。それから大崎高校だってそうです。自分で建てた高枝を真っ二つにして通す。変更の必要なしというので決めちゃうんだ。さあ、それじゃどうすればいいかと住民や学校側から出てくると、困って半地下式と。半地下式の構造物を校庭に全部通すなんということをよくも言うものだと思うんだけれども、それもやいのやいの言われて、やむを得ずこれならどうかというので模型をつくって学校側に示して説明会なんかやっているんだから。そうすると、東京都の審議会は本気で検討したんじゃないということですな。
 私は、目黒六中、大崎高校、新宿高校、三つの例を自分も現地で調べて、本気で検討したものとはとうてい思えない、三十五年前のものをただ白地図の上に――当時は白地図みたいなものだ、東京は焼けているんだから、そこで立てたものを、書いたものを、とにかくこれが一番理想的だと。環状道路に放射線に、それに補助街路、補助の路線をつなければなるほど自動車はうまくいくだろうということだけで、あと住民が困ろうが学校が困ろうがこれはもうとにかく権力で押し通すという姿勢で決めたものだとしか思えない、とにかく私が調べたところについては。だからそういう意味で、この補助二十六号線の問題、新宿高校を通る環五の問題、ひとつ建設大臣側は、御自分で三十五年前に決めたものでもあり、その後の東京の大きな変化をお考えになって、東京都から路線の事業決定で来るけれども机上審査で通していただきたくないんです。ぜひ現地も調査して、住民の意見も聞いて、学校側の意見も聞いてやる。認可の際の勧告だとかいろいろちゃんと法律で決まっているわけです。そういう権限がある。認可しないということもできるわけで、勧告もできる、助言もできるというようになっておりますので、ぜひ現場も調査してやっていただきたいと思いますが、大臣いかがでしょう。
#47
○国務大臣(斉藤滋与史君) 御指摘の問題につきましては、これは大変なことだと思います。上、田先生が御指摘のように、やはり三十五年前の恐らく東京都がこの過密以前の、将来の東京都を見越しての街路計画であったと思います。その後、戦争後焼けた東京都が御案内のような形で町をつくっておるわけで、それに三十五年前の地図を合わせて、軽々しくという表現はいけないかもしれませんけれども、計画先行ということについてはいかがなものであろうかということは、私もお話を聞きながら考えました。
 さすればどうするかといいますと、当初申し上げましたように、やっぱり地域の事情をよく調査し、住民の声も聞き、そして可能、不可能のわきまえをしながら新しい計画をつくってもいいんじゃなかろうかというように考えたわけです。ましてや、学校が御指摘のような形で影響を受けるということになってまいりますと、当然街路の問題は大きく都市開発、都市計画、区画整理という総合的なことから解決していかなければなりません。学校を二分するような街路があってはならないわけで、その場合は当然その影響を受ける学校は他に移転するとか、そうすると面的な面で大きな区画整理、開発がかかわってくる。そうした総合的なことでなければこの実施計画は大変だというふうに考えたわけであります。法律の問題もありましょうし、計画の問題、三十五年前の決められた計画をどのように現状に即して変えるかということの問題点はあろうかと思いますが、事務レベルということでなく総合的に、縦横からよく検討させていただいて、軽々しく三十五年前の計画を持ってきたから、はいよという形で認可するということは私はなじまないというように考えておりますので、十分な配慮をもって対処してまいる所存でございます。
#48
○上田耕一郎君 いまの建設大臣の答弁しかとお伺いして、ひとつぜひ住民の、また学校側の期待にこたえるようにやっていただきたいと思います。
 もう一つ、これまた違うケースなんですが、これも実は恐らく東京都で一番住民運動が高まっているんじゃないかと思いますが、環五の一といいまして雑司が谷の計画、これの特徴は、ほかのところは一応現道あるいはすでにある程度完成しているのを延ばそうとかなっているんですが、この環五の一の場合には現道がないんですよ。道のないところ、東京でただ一つ残っている都電の通っているその都電敷、幅十メートル、これを一部利用して三十メートルに広げようと。雑司が谷というのは鬼子母神もありお寺が六つあり、豊島区の小鎌倉と言われるほど非常に緑も多くて環境のいいところなんです。そこに環五の一ということで通そうと、それでサンシャインに通るやつですな、新宿副都心とサンシャインを通そうという計画。
 私、実はきょう田神都市計画局長にも来ていただくことをお願いしたんだけれども、きょう東京都のあれでどうしても来られないというので、東京都側にこの問題で残念ながら来ていただけなくて、余り詳しく東京都の説明も聞けないんですけれども、ここに三十メートルの道路が通っちゃうと大変なことになる。一日四万六千台の自動車の計画だというのですね。目白通りのところで千登世橋、これはS字型のランプへ上へ上がっていくというのです。それで目白通り、まあ田中角さんの、これからやりますけれども、角さんの家の通りなんだが、そこもいまでさえ目白通りも明治通りももう交通渋滞で有名なところです。そこへ四万六千台の道路をつなげようという計画自体が大体おかしいんです。それから交通問題等々も物すごい影響を与え、環境問題にも影響を与える。
 それで、東京都の言い分は、これは消防自動車が通れないので通すための道路だというんだけれども、大体それだけ渋滞したところに消防自動車通るかどうか問題ですけれども、住民の言い分は、都電敷があるんだから、都電敷をアスファルトにしておけば、いざというときには消防自動車はずっと行ける、全部防災の消防自動車用という点ではそれでできるではないかという対案も住民側は出している。それから豊島の都計審は、全部調べて十回、七ヵ月にわたる審議を経て現計画には反対ということを決定した。ところが、都側はぱっと、いや既定方針どおりというようなことを言う。これは前期計画がどうやら後期に移るそうですけれども、そういう大変な問題で、この地域に住まっておられる住民の方々の生活にも営業にも環境にも非常に大きな影響を与える計画が納得のいかないまま押し通されようとしているというので、これももう一つ大問題なんです。その他その他ありますけれども、ぜひこういう実情を認識していただきたい。
 その際、いま大臣も、東京の場合には面的開発の手法を考えなきゃならぬのではないかと言われたけれども、都もこれらの事業を都市計画道路事業あるいは土地区画整理、あるいは都市再開発事業、これらの手法を使って推し進めようとしているわけです、これらの手法はそれぞれ地域住民の完全な理解と協力がなければなかなか進まないというものなんですけれども、環五の一の場合は住民全員反対しているというようなもので、そういう面的開発も進めようという際に、そういう地域住民の協力を得てどのように行うかということが一番問題だと思うんですけれども、建設省としてもその面的開発の際にもこれらの問題についての指導方針、これをお伺いしたいと思います。
#49
○政府委員(升本達夫君) 面的開発と言われました区画整理でございますとか、あるいは再開発事業というような広域にわたる事業を実施いたします場合でございますけれども、これもやはり都市計画事業として実施することになりますので、都市計画法に定められた手続に従いまして事前に、決定行為の以前に十分な法律に定めた手続を踏んで地元の権利者の納得をいただきながら進めるという手はずになっておりますし、現にそのように進行させていただいていると考えている次第でございます。
 面的開発につきましては、一般の街路事業等に比べますと確かに権利者数も多いことでございますし、権利者に与える影響もまた広範囲に及ぶものでございますので、その辺を十分心得ながら施行者あるいは都市計画決定権者としても十分配慮して進めることにいたしておりますし、私どももそのように指導いたしておるわけでございます。
#50
○上田耕一郎君 環境庁の方に一問だけ。
 補助二十六号線、さっき言いましたけれども、これは住民の側は補助二十六号線に対して環境アセスメントをちゃんとやってほしいという要望があるんです。東京都の方は条例で決めてことし発効することになっている。ところが東京都は、補助二十六号線は四車線だけれども、実際は外側の二車線は駐車で、二車線だから環境アセスメントはやらぬでいいという態度なんです。そういうふうな問題があって住民要求とぶつかっているんですが、そういう問題を解決するためにも国の環境アセスメントをやっぱりやることが先決ではないかと思うんですけれども、環境庁の態度をお伺いしたいと思います。
#51
○説明員(清水良次君) 御指摘のように環境影響評価、いわゆるアセスメント法の制定につきましては、環境庁といたしましては長官以下最大限の努力をいま尽くしているところでございます。これからの環境行政を進めるに当たりましては環境保全、未然に環境汚染を防止をするということが必須のものでございますので、適正かつ円滑な環境影響評価、こうした仕組みをいわば権威と信頼のあるルールをつくっていただくということでこの法律を制定をしなければならないというふうにわれわれ考えておるところでございます。
 御承知のように、環境影響評価法案につきましてはすでに昨年の五月に政府としての案が取りまとめられているところでございますけれども、現在この法案、自由民主党の政務調査会におきまして環境アセスメント問題懇談会というものを設置をされまして御審議が進められているところでございます。私たち環境庁といたしましては、この通常国会にぜひともこの法案を御提案をいたしまして御審議をいただけるように、引き続き最大限の努力をいたしているところでございます。
#52
○上田耕一郎君 先ほどの環五の一ですね、これも最も住民の要望の強いところなので、私も自分で見てないところまでは要望いたしませんけれども、私も見てこれはぜひ現地も調査してやっていただきたいところだと思いました。東京都の都計審も現地調査したというんですけれども、ひとつ環五の一の問題なども、認可に際して環五の一を初め非常に大問題になっているところはぜひ現地も調査して慎重に審議していただきたい、そのことを要望したいと思いますが、いかがでしょうか。
#53
○政府委員(升本達夫君) おただしの環五の一を含めまして東京都の街路網の計画の見直しについては、最初におただしのごとく一昨年、五十四年十二月から素案の公表から始まりまして、各特別区単位でいろいろ説明会等積み重ね、地元とも御相談をしながら都としてはようやくまとめ上げまして、審議会の御審議を得てこの二月十日に告示の運びに至っております。したがいまして、現在のところ東京都の街路網についてはいままでの検討の成果を踏まえて都市計画の変更の手続は終了したというふうに現時点では考えておりますので、当面直ちにこの計画の再見直しということは事務手続から申しましても、また実態的にもむずかしい、無理ではないかという感じがいたします。しかし、都市計画決定でございますから、将来にわたり変更の必要が生じた場合にはまた、おただしのように十分現地の権利者の意見等も伺いながら適切な処理をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。
#54
○上田耕一郎君 この問題の最後に、東京都は都市計画道路の上の建築制限の緩和をやろうという方針でいるわけです。都知事の答弁では、いろんな条件をつけながら建築物の階数が二階以下であるか地階を有しないこと等々、これについては建築を許可することができるようにしようということで、これは新聞にも報道されているんですが、この問題については建設省等は協議はしているわけですか。建設省としてはこの問題どう考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
#55
○政府委員(升本達夫君) おただしの都市計画法五十四条に基づきます行為制限規定でございますが、御承知のように、現在たとえば都市計画街路で決定された土地につきましては、階数が二以下で地階を持たないものであること等の条件を付しまして、その条件の範囲内で申請があれば都道府県知事は必ず許可しなきゃならない、こういう規制になっております。したがいまして、この条件に合わないものは許可をしてはならないということは直ちに法律文面では言っておらないわけでございまして、これらの要件を満たさない建築物の建築を現実に許可するか不許可にするかは都市計画法の趣旨に反しない限り、都道府県知事の裁量にゆだねられているというふうに理解をしているところでございます。
 おただしの東京都におきましては、特別区内の都市計画街路の全面的見直しに伴いまして建築許可申請者がその建築物を建築する必要がある場合、特別の事情がある場合にあってはその街路事業がいつ行われるか、あるいは不燃化等の防災上どうか、さらには地域、地区性の状況等諸般の状況を勘案しまして建築を許可する場合の基準を緩和することもやむを得ないというふうに考えるわけでございまして、その考えに従いまして今回の措置をとることとしたというふうに報告を聞いておるところでございます、し
 建設省といたしましては、この法律の趣旨にかんがみまして、将来街路用地として使われる場合に支障がないという判断ができるということが絶対条件でございますけれども、そのような条件を満たしております場合に、一定の範囲で五十四条の条件に合わない建物が許可されることは好ましいことではないけれども、ある程度やむを得ないことではないかというふうに考えているわけでございます。この今回の東京都の措置は私どもが理解しております限りにおきまして、都市計画制限の一般的緩和というふうには考えられないわけでございますので、東京都に対してただいまのところ特段にどうこうというようなことを考えている状況ではございません。
#56
○上田耕一郎君 余り広過ぎるとまずいけれども、ある範囲だったら都道府県知事の権限範囲内だということですね。――そういうふうに受け取りました。
 では次に、鳥屋野潟の問題に質問移りたいと思います。
 鳥屋野潟の問題、これはいまから六年前、五十年十一月だったか、私も質問したことがあるんですけれども、田中金脈の一つとして新潟の信濃川河川敷ともども大きな問題に国会でもなった問題です。この鳥屋野潟の沼の底の土地を田中ファミリーが房総観光というところから非常に安く、事実上ただで譲ってもらって約七十八万坪の土地を持っている。その鳥屋野潟のあそこで県の公園の計画がありまして、県が公園にするためには埋め立てなきゃならぬ、減歩九割、つまり十対一で、土地区画整理というやり方で減歩九割でやるんだ、そういうことをやられるとほとんどただで手に入れた七十八万坪が田中ファミリーのふところに宅地として転がり込んでくる、莫大な利益を生ずるのではないかという問題だったわけです。国会でも問題になってきた。
 国会では、この田中金脈問題で、五十年六月六日決算委員会並びに参議院本会議で全会一致の内閣に対する決議があるんです、この決議は政府としても誠実に受けとめる、万全の措置をとっていくということを政府は言っていたんですが、この方針についてはいまでも間違いがないのかどうか、まずそのことをお伺いしたい。
#57
○国務大臣(斉藤滋与史君) 方針は変わっておりません。
#58
○上田耕一郎君 それが今度伝えられるところによると、区画整理事業によっていよいよ県がこれをやるというんです。そのまま田中ファミリーのふところにどうも入りそうだというんです。さっき言いましたように九割減歩というんです。つまり大体十対一の比率でやろうということになるんですね。そうすると田中ファミリーの浦浜開発というのはいま八十ヘクタール持っているんだが、十対一だと八ヘクタール宅地が手に入るということになるんだね、この埋め立てをやって。あそこの価格で平米当たり四万二千四百円として総額約三十四億円、それだけふところに入る。ロッキードの五億円の約七倍になります。こういう事態になっている。朝日新聞は、「現代の錬金術はついに成功する。」と三月三十一日の新聞で鳥屋野潟問題を報じた際に、そう嘆きました。建設省はこの経過について報告を受けていますか。
#59
○政府委員(升本達夫君) 御承知のとおり鳥屋野潟につきましては、その潟の周辺地域について現在公園整備事業を実施いたしておりまして、公園事業については逐一私ども報告をいただいておりますけれども、ただいま御指摘の所有権の交換分合でございますか、というようなお話につきましては、私どもとしては承っておりません。
#60
○上田耕一郎君 まだ報告を受けていないというわけですね。しかし、新聞でも報道をされましたように、これは動き始めているわけです。新聞報道によりますと鳥屋野潟整備計画推進協議会、ここの最終結論は「鳥屋野潟の一部十四・五ヘクタールを埋め立て、区画整理して宅地造成し、湖底の所有者と換地処分する」ということをこの協議会で決定したわけなんですから、この動き方でやっぱり進むと思うんです。直ちに報告を受けて建設省として参議院の決議に基づいてそれが合うのかどうか、どう対処すべきかどうか方針を決めるべき問題だと思いますが、いかがでしょう。大臣、これはひとつ、報告を受けてないということだが。
#61
○国務大臣(斉藤滋与史君) 私もその件につきましては報告を受けておらないわけであります。先ほど申し上げましたように決議もございますので、その方針に従っていくということは先ほど御答弁申し上げたわけでありまして、具体的な問題につきましては、当然参りますればその趣旨に沿って対応する所存でございます。
#62
○上田耕一郎君 この決議はこうなっているんです。警告決議ですが、「資産形成の過程において、信濃川河川敷等をめぐって、」と、「等」、これは私は鳥屋野潟も当然入ると思うんです、国会でも何回も問題になっておりますんで、「疑いをもたれているような行為については、各行政機関において、十分調査を行うとともに、行政管理庁の行う行政監察の結果等をもふまえ、その事後処理に、遺漏のないよう、妥当な行政措置を講ずべきである。」という決議なんです。いま六年たって動き始めて田中ファミリーのふところに莫大な利益が転がり込もうとしているという事態なので、ぜひ厳正な対応をしていただきたい。
 ところで、この田中ファミリーの企業、当時新星企業になっているが、この沼底の土地を幾らで買ったのか、コストは幾ら彼らはかかったのか、つかんでいますか。
#63
○政府委員(小坂忠君) 質問の御通告、その趣旨を実は受けておりませんでしたので、資料があるかないかも実は確認しておりません、きょう持参いたしておりません。
#64
○上田耕一郎君 これはコストはゼロなんです、ただだったんです。これはいま住民が信濃川河川敷問題で訴訟しているんですね、信濃川河川敷返還訴訟を。この返還訴訟の第二十二回公判で、ことしの一月二十六日、新潟地裁の長岡支部の法廷で、当時の日本電建の代表取締役入内島金一氏がこの鳥屋野潟問題についてこう述べているんです。あの土地はゼロ価格なんです、頼まれたから引き取った、これは法廷での証言です。鳥屋野潟は価格はゼロだと彼は述べているんです。日本電建がこれは自分で買ったんですからね。それでただだと言った。
 なぜただになるかというと、私はこれは質問でずっと明らかにしたんですが、私も当時現地に行って調べたんですが、ちょっと先ほど言いました房総観光KKというのの社長が鈴木一弘という人で、この人が蓮潟と鳥屋野潟と、二つの潟を三億円から四億円かけて買ったんですよ、約五、六年かけて全部農民から沼の底の土地を買い集めたんです。ところがこの人はその過程で問題が起きて裁判になっちゃって、告訴されて税金が払えなくなった。それで税金が払えなくなって田中角榮のところへ何とかしてくれと頼み込んだんです。昭和三十六年日本電建が二億円でこの二つの蓮潟と鳥屋野潟を買っちゃったんです。泣きの涙でだから半値で、弱みにつけ込んで半値で買っちゃったんですね。ところがこの蓮潟、小さい方の潟ですが、これを日本電建はすぐ新潟市と新潟県に二億一千三百万円で売ったんです。つまり買い値は約一億八千万円なんだが、そのうちの二つの潟を買って一方の小さい方でも二億一千三百万円で売れちゃったので、ちょっとそれでももうけた。残りの鳥屋野潟はもうおつりがきちゃった。ただになったんです。そういう経過がある。これはもう全部事実は明らかになった。だから入内島金一氏は、あの価格はゼロ価格だということを法廷でも平然と証言するという事態が生まれているんですね。
 この問題は国会でも問題になりました。松本善明議員が予算委員会で、当時田中角榮さんが首相だった。このときに、田中金脈問題を追及して鳥屋野潟の問題にも触れたんです。そうしたら田中首相は、必要があれば政府に何でも寄付しますと、その松本善明議員が聞いたときに三遍言ったんです。鳥屋野潟は寄付すると、三遍、一つの質問で、私はあれを寄付していいんだということを三遍言ったんです。その次に、私は参議院の決算委員会で、大体寄付すると当時の首相が言っているのだから、当時大平さんが大蔵大臣だった。大蔵大臣は国有財産を管理するので、寄付してもらったらどうだと、そうしたら大平大蔵大臣は、やっぱり田中さんと仲がいいので、田中さん自身の意思だということを言ってがんばるわけです。ちっとももらいたくないんですね。だから私は決算委員会で、この場所で田中首相に大平さん電話かけてくれと、ちょっと審議ストップしてもいい、五分休憩にして電話をかけてくれと言ってがんばった記憶があるんです。とうとう電話はかけませんでしたけれども、とにかく国会で当時の首相が、予算委員会で問題になって、寄付してもいいということを三遍述べて議事録にもちゃんと残っているのがこの鳥屋野潟の問題なんです。それでしかもほとんどただで手に入っているというものなんですね。
 その点について私は、ひとつ建設大臣にお聞きしたいんだが、私が参議院決算委員会でこの問題を質問して、当時建設大臣は小沢さんだったんですね。小沢辰男建設大臣は私の質問に対してこう答えている。これは田中首相の答弁について私が言ったときですね。「四十七年の予算委員会における答弁」が、「先生の御指摘のような食言であるかどうか、」――私は食言だと言ったのですが、「これを私どもは必要があればいつでも寄付をするという印象を与えておられます。ただ、その場合の必要性というのが現在のところ、私どもからしますと、公園計画の具体的な何といいますか、計画の内容いかんによって出てくるようにも思いますので、県の公園計画の具体案をよく聞きまして、その上で、私は十分検討していきたいと考えております。」、これが昭和四十九年十一月十五日の参議院決算委員会での小沢建設大臣の答弁。だから衆議院の予算委員会で田中首相が、必要があればいつでも政府に寄付すると言った、それを決算委員会で私が取り上げたら当時の建設大臣が必要があればなんだから、その必要というのは県の公園計画の内容いかんによって出てくる、その土地が必要かどうかは。それでその具体案をよく聞きまして、その上で私は十分検討していくと、これが建設大臣の答弁なんです。
 さて、新潟県はこの鳥屋野潟整備計画推進協議会でずっとこれをいろんな問題があるので長い間検討していて、いよいよ最終結論が出て公園にしようということになったわけでしょう。さあそれで田中ファミリーにその後ぐるぐる土地が回って動いちゃったのだが、こういう公園計画を市はやろうとしているわけです。その中で最も膨大な土地を持っているのがこの浦浜開発なんです。これが湖底の地図ですが、地権者はいっぱいありますけれども、そこに三十億円近い金が、暴利がころがり込もうという経過になりかけている。私は大臣に、これまでの経過から言っても当然この公園計画が具体化したときなので県としては必要だと、必要があれば寄付するということだったので、ひとつ田中角榮氏に、どうもますますお元気になられたようで、田中復権問題ということもいよいよ言われてき始めているときで、このまま放置していくと大問題だと思うんです。小沢建設大臣が私に約束されたように、必要が出てきたのでこの土地を寄付させるということも含めてぜひ処置すべきだと思いますが、大臣の考えをお聞きしたいと思います。
#65
○国務大臣(斉藤滋与史君) その当時のやりとりにつきましては、議事録も拝見さしていただきましたけれども、活字になったこととバックグラウンドの雰囲気というものがよくわかりませんので、的確なお答えができないかもしれませんけれども、そういう事実関係につきましては承知いたしております。これはまだ先ほど来申し上げましたように県から具体的な計画も出ておりませんし、入手をいたしておりませんので、その時点で前後のプロセスを勘案しながら進めてまいりたい、このように考えます。
#66
○上田耕一郎君 その前後のプロセスの中には、首相の約束した寄付という問題も入っているのですから、参議院の決議でこれはきちっとやるということなので、田中元首相に寄付の問題も政府としてやってみるということも含めておやりになりますか。
#67
○国務大臣(斉藤滋与史君) 具体的な問題が出た時点でそういうことをも考えて、その事態に対処してまいりたいと考えます。
#68
○上田耕一郎君 時間がなくなってまいりましたので、信濃川河川敷問題、もうほとんどできなくなりつつありますけれども、これはこの間瀬崎さんもおやりになりましたので、ひとつかなめの問題だけお聞きしたいんです。
 これも予算委員会で私が質問して、当時は櫻内建設大臣でそれから福田総理大臣時代だったのですが、この信濃小河川敷の廃川敷処分で室町に大変な南半分がころがり込んでいくというので、私もかんかんに怒って大分いろいろやりました。そのとき最後に私が、これは土地転がしだってあるんだ、何をやるかわからぬ、公共利用といったって怪しいぞということをうんとついたんです。そうしたら、櫻内さんは、いや、そんなことはないんだというようなことも言われましたし、当時は栂野河川局長でしたが、まるで転売する場合もあるみたいなことも言うと。櫻内大臣は、万一土地転がしで転売された場合には、「万が一――私はないと思いますけれども、万が一行われた場合には、徴税等によって処置ができると、こう思う」という答弁を櫻内建設大臣は言っているわけです。最後に福田さんは、「土地転がしが起こるような事態を想像してつくっておるわけじゃないんです、あれは。」と言うんですね。土地転がしなんか起きないんだと、「ルールがちゃんと決まっておって、公明正大、公共の用に供すると、こういう処理でございますので、御懸念のようなことはございません」と、まるで私が非常に猜疑心が強くて、何から何まで疑ってかかっているかのようなことを福田大臣も答えられている。ところがその後の事態は、やっぱりみごとな土地転がしを彼らはやっているんです。
 きょう、私は具体的に追及しようと思いましたけれども、もう時間がないのでまた次の機会にしますけれども、室町産業が千秋が原工業というのをつくったんですね。あの信濃川河川敷というのは名前がどうも余りよくないというので、市としてはあそこを千秋が原という、千の秋というちょっときれいな名前をつけたんです。それにちなんで千秋が原工業というのができた。それで室町産業は、この前の私の質問のときには、小佐野賢治が三五%の株を取ったと私は言ったんですが、さらに調べると、国際興業と国際不動産と日本電建、この三つで六四%の株を持っているんです、資本金十億円ですから、六億五千万円小佐野賢治がどうも出したんです、株を取得したんだから。私は、どうも田中氏に六億五千万円小佐野さんからいったのじゃないかというふうに思いますけれどもね。室町産業の実権を小佐野氏が握って、それでこの千秋が原工業という、社長は片岡甚松氏で、やっぱり田中ファミリーということが言えるのだが、ここに室町産業は現物出資、あの土地を。全部現物出資という形にしてあるんです、これはもう土地転がしです。会社も変わると。
 それで問題なのは、この千秋が原工業というのが、この委員会でも大分あれだけ問題になった覚書、室町産業と長岡市の覚書。この六条も引き継ぐと言うんです。それを去年の三月五日に引き継いでいる。それで、これだけの土地転がしをやり、会社も変わり、引き継いじゃったと。ところが建設省は、七月八日に話を聞いたというんでしょう。そうすると、あのとき栂野さんが事前協議をちゃんとさせるというふうに文書までつくってわれわれに答えたのに、やっていないじゃないですか。事後協議じゃないですか。土地転がし、会社も別につくってやらされている。もういろんなことがとにかく建設省、率直に言って全部組んでやらせているというふうにしか思えない。一つ一つ国会であれだけ詰めて、決議までつくって、公明正大、ルールができている、ルールなんかできてないじゃないですか。それで、ここで砂利採取して、また莫大な利益を上げようとしているというので、あれだけ問題になった信濃川河川敷の南半分、北半分の問題が――北半分の問題だって、建設省に言われて、博物館なんかをつくるということを勝手に書いたのだというようなことを市長が言うというような、後から後からぼろが出て、われわれの追及を口だけで、ここでごまかしていくという経過がずっと続いている。
 ただ、もう時間がなくなりましたので、たった一つ。
 三月五日にこういう土地転がし、別会社設立、土地の現物出資としての提供ということが行われて、四ヵ月たって、七月八日に建設省は報告を受けたというような事態で一体済むのですか。一体、どこにルールがあり、歯どめがあるのか、われわれ委員会で追及して、私どもちょっと人がよかったかもしれない。一応皆さん方ちゃんと答えているんだから、本当かと思って、そのときはそうかと思うけれども、あと全部裏切っているじゃないですか。一体その責任をどうとるのですか、そのことをお伺いしたい。
#69
○政府委員(小坂忠君) 昨年の衆議院の建設委員会におきます瀬崎委員の御質問のときにもお答えいたしましたが、事後協議の形をとりまして、三月に決まったことが七月に――私、七月一日に参りまして、その直後に報告があったわけでございますが、そのこと自体は大変遺憾なことというふうに私ども考えております。
 ただ、事の内容そのものは、市長からいろいろ聞いてみましたところ、会社とのやりとり云々もあったためにというようなことが理由のようでございまして、内容そのものは、私どもの考えでおることとそう特に適性を欠くというようなことではございませんでしたので、遺憾なことではあるが事後的に承認を与えたということであります。しかしこのこと自体、いま先生がおっしゃいましたように、厳格に今後も守っていただかなければ困るという申し入れは私どもの方から厳重に市長に申し上げましたし、市長も了承いたしております。その後市長もいろいろ私どもの方には気を使って、種々の話も持ってきておられるということでございますので、今後はそのようなことがないというふうに確信いたしております。
#70
○上田耕一郎君 納得いきませんが、この問題また別の機会に追及します。終わります。
#71
○委員長(宮之原貞光君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時三十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三分開会
#72
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#73
○江田五月君 きょうは晴れ上がりまして、うららかな春の日差しが差しております。ちょうど全国で新学期が始まりました、それぞれ進級をして、新しい希望に燃えて学校が始まっている。きょう、あすあたりが恐らく学校でそれぞれ新入生を迎えて入学式をやっている、あるいはこれからやろうとするという時期じゃないかと思います。一年じゅうで一番いい季節でありますが、こういう季節を前に、非常に悲しい事故が起こりました。
 四月二日午前十一時半ごろでしょうか、岡山市、これは市のちょっと外れになるんでありますが、工場がたくさんある地域で、コンクリート製のパイルが打ち込まれたまま放置してあった、しかも少々の数じゃないんで、二百何本もが放置をしてあって、その穴の中に、きょう恐らく入学式を迎えるであろう子供、小野純一君、よしかず君と読むんだそうですが、落ち込んで、救出できずに亡くなるという事故が起こりました。この事故について救助の経過、相当長い時間救助にかかってしまったというようなことがあるようで、救助にもいろいろ反省しなきゃならぬ点があろうかと思いますが、そちらの方は別として、事故の原因についてできる限りで結構ですから調べてくださるように言っておいたんですが、お調べになったでしょうか。これは警察と建設省とダブらない範囲で、両方でお答え願いたいと思います。
#74
○説明員(田中和夫君) 警察庁の外勤課長でございます。
 お答えいたします。
 ただいまお尋ねの事故は、昭和五十六年四月二日午前十一時三十分ごろのことでございます。岡山市築港元町にございます三井製糖株式会社の岡山工場の原糖野積み拡張工事跡、原糖というのは砂糖の原料のことでございます。同社の社員の子供、これ幼児でございますけれども、四人がその敷地内に入って遊んでおりましたところ、そのうちの一名が、土中二十メートルぐらいの深さに打ち込まれており、地上に約十センチほど頭を出しておりました内径二十五センチのコンクリート製の円筒形のパイルの中に過って転落いたし、死亡した事故でございます。
 もう少し詳細に申し上げますと、死亡された方は先ほど先生のお話のように小野純一ちゃん六歳でございます。純一ちゃんは三井製糖株式会社の岡山工場に勤務しております小野洋輝さんの長男でございます、この小野洋輝さんはこの工場の中の社宅に住んでおるのでございます。この工場及び先ほど申しました社員宿舎に隣接してフェンスや有刺鉄線で囲繞しておるその先ほど申しました原糖の野積み拡張工事跡があり、この工事跡はフェンスや有刺鉄線で囲繞されているところですけれども、三ヵ所ほどその囲繞されている個所が破られたままになっておりました。この工事跡に長さ十一メートルと長さ十メートルのパイルを電気溶接をして、それを接続したコンクリート製の円筒形のものを土中に深く打ち込んであるということでございます。そしてその円筒形の頭は地上約十センチから五十センチほど地上に出ておるわけでございます。そして、ふた等はしておるのもございますし、またしてないのもございます。これは私らの調べたところでは約四百三十七本このパイルがあるそうでございます。ここのところに死んだ純一ちゃんと妹、それからいとこの六歳と四歳になる四人の子供でもって遊戯中この中に、このパイルの頭の上に乗っかっておったようでございます。そこのところで足を踏み外して中にすとんと落っこったと、こういうことでございます。
 私どもといたしましては、当日の午後零時六分、すなわち十二時六分ごろ所轄の消防署から連絡を受けまして事故の発生を認知したわけでございます。直ちに所轄の岡山南警察署員及び県警本部の捜査一課員、それからレスキュー隊と申しまして、そういう救助に専門に当たる機動隊員がございますが、このレスキュー隊員が現場に急行いたしまして、消防関係者あるいは工場関係者とともにパイル内にホースを入れまして、とりあえず酸素注入などいたしておりながら落っこった子供を救助すべく、かぎ型になりました鉄のもので中から引き出そうと思って鉄の管で中をかき回したわけでございますけれども、どうしてもそれがうまくいきません。そのほかいろいろな措置を講じたわけでございますけれども、結局長い時間かかりまして、最終的にはそのパイルをクレーン草でつり上げるというふうなことでもって引っ張り出したわけでございますけれども、引っ張り出して中を割って見たところ、すでにその幼児は死亡しておった、こういうことでございます。
#75
○政府委員(宮繁護君) 今回の事故はまことに痛ましい事故でございまして、亡くなられた坊やに心から冥福をお祈りしたいと思います。
 四月の二日に事故につきまして報道がございましたので、私どもは工事中に発生した事故ではないかということで調査をいたしました。その結果、ただいま警察当局からお話がございましたように、事故が発生しましたコンクリートパイルは、鹿島建設株式会社が三井製糖の岡山工場から原糖倉庫の基礎工事として昭和五十年の六月一日に請け負いまして、同年の九月十五日完成をいたしましてこれを三井製糖岡山工場に引き渡したものでございます。コンクリートパイルは内径が二十五センチメートル、厚さが八センチメートル、外径が四十一センチメートルのものでありまして、基礎工事完成当時にはその頭部に厚さ十二ミリメートル、幅四十センチメートルの正方形のベニヤ板製のふたがしてあったようでございます。
 以上の調査の結果から、当該事故は建設工事中に発生したものではなくて、工事の完成後受注者が工事目的物を引き渡しました後で発生した事故であることが判明したわけでございます。
#76
○江田五月君 いま警察の方では原糖野積み場拡張工事の跡だというお話、建設省のお調べでは原糖倉庫の基礎工事の跡だというお話、これはどちらが正しいかこの場ではわからないんですが、恐らくわからないんだと思いますが、どうしてそういう違いが起こったんでしょうか。
#77
○政府委員(宮繁護君) 私どもの調査では、工事名がこういう工事名になっておりましたので、実態もこうであろうと判断したわけでございます。
#78
○江田五月君 建設省のお話ですと工事が終わっておるんだ、工事中ではないんだということなんですが、原糖倉庫の基礎工事だということならこれは倉庫を建てるために基礎工事をやるわけで、基礎工事なんだから基礎工事で、基礎工事が終わったらそれでおしまいなんだということでいいのかどうか。あるいは原糖野積み場の拡張工事だとしても、拡張はしました、コンクリートパイルは打ってあります、しかしそこは原糖を野積みする場所としては使っておらない。雑草が生い茂って、子供にとっては近くに遊園地もあったようではありますが、そうすると遊園地の方でももちろん多くの子供が遊んでおったようですが、たまにというわけではなく、かなり頻繁に子供がここの場所でも遊んだようです。また、有刺鉄線等の囲繞というのも相当にお粗末なものであったようで、こういう野草が、雑草が原野のごとく伸びほうだいになっている。そういう中でところどころは障害物もあるというようなところで子供が遊ぶということはもうこの子供のいわばかっこうの遊び場になるわけです、そういうところは。子供はきれいにでき上がった遊園地で遊ぶことよりもむしろ自然のいろいろな危険のあるところで遊ぶ方を好む場合も多いし、むしろそのことは好ましいことであるかもしれない。そういうような非常に危険な場所が放置をされておる。
 工事が終わって工事中ではないとおっしゃるけれども、普通の庶民の目から見るとこういうものはまあいわば工事中。工事が完成しているということは通常の状態の危険というものはもうどこにもないということになっているわけで、そういう状態じゃないわけですから工事中と見た方がいい、あるいは工事が途中でやまっている、途中やめになっている。もし工事中ではないんだということ、工事が終わっているからもういいんだというならば、たとえばマンション等にしたってコンクリートだけ打ちました、ベランダの鉄さくはまだはまっておりません、あるいははまっていてもぐらぐらでとまっておりません、その段階で何らかの事情で工事を続けることができませんでした、全部代金は精算をいたしました、工事はこれでそれ以上続けないことにいたしました、これは工事が終わっているから、それでいいんだと、そういうわけにもいかぬだろうと思うんです。こういった工事中であるか工事途中であるか、工事が終わっているかというような、いわば代金を払ってしまったか払ってないか、あるいは引き渡しが済んだか済んでないかということで決まる概念ではなくて、もう少し違った概念で建設省としては、工事というものに伴う危険のコントロールをやっていかなきゃいかぬという気がするんですが、いかがですか。
#79
○政府委員(宮繁護君) 仰せのとおりでございまして、ただ、この未完成建築物の安全確保、いずれが責任を負うかということになりますと、やはりその建築物あるいは構造物の占有者であるとか、所有者が事故が発生しないように万全の措置をとりまして十分な注意をなすべきものと考えております。
 私ども建設業の監督の立場にある者からいたしますと、建設工事の工事中は大変重量物を高いところで扱うとかあるいは重車両が出入りするとか、あるいは地下へ深い穴を掘るとかいう大変な工事をやるわけでございまして、そういう意味で、ともしますと工事中に、公衆災害と呼んでおりますけれども、第三者の方々に危害を加えるようなことが間々あるわけでございます。この点につきましては、市街地土木工事公衆災害防止対策要綱というものを決定いたしております。これはかなり事細かく工法の選定の問題でございますとかあるいはまた付近の居住者との連絡方法でございますとか、現在問題になっておりますような作業場の区分、区分け、その場合に立ち入りを防止するためにどういう設備をすべきか、あるいはさく等の規格、設置方法というようなことも細かく決めてございますし、また夜間の交通安全のための保安灯の設備を置くというようないろいろな点を決めてあるわけでございまして、これにつきましては、公共団体とか公団あるいはまた業界団体を通じまして、各業者につきましても十分これが指導徹底を図ってまいっております。しかしながら、中にはこういった安全措置をないがしろにしまして事故が起こるような場合もございますので、そういう場合には建設業法の規定に基づきまして必要な指示をするとか、また情状が重い場合には営業の停止措置をするというような措置もやっておりまして、五十五年度におきましてもそういう措置をやった例もございます。
 それからもう一つ、私どもは建設行政を預かる立場と同時に建設省はかなりの土木工事、建築工事の発注者の立場でございますので、建設省におきましては、地方支分部局所掌の工事請負契約に係る指名停止等の措置要領というものを定めておりまして、建設業者が請負工事の施工に当たりまして、安全管理の措置を粗雑にしたために公衆に死亡とかあるいは負傷というようなことを生じさせましたような場合には指名停止といったような措置をとるようにもいたしておりまして、公衆災害の防止には努めておるわけでございますけれども、今後におきましてもこういう点のさらに徹底を図りまして、いつも事故のないように努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#80
○江田五月君 大臣、いまお聞きのようないろいろ安全確保についての措置というものはあるわけですが、しかしいまのお話は、これはすべて工事が進んでいるときのことですね。工事中の工事に伴う危険をどうやったら防止できるかということはもういろいろとやられておるんです。ところが先ほども言ったようなことで、たとえばマンションが途中やめになった、もう途中やめとして代金の決済も済んじゃった、引き渡しも済んじゃった、ところが危険なものはそこにそのまま放置されておると。本件のような場合でも、これは何の工事にしたって、とにかくパイルを打ち込んで、そして私どもの調査によると、これは先ほど三井製糖が注文したとおっしゃったけれども、その前に横浜精糖という会社があってそれがこの注文をした。しかし日本における砂糖の消費動向の変化によって、これ以上野積み用の場所も必要なくなっちゃった、倉庫も必要なくなっちゃった。そこでここはそのままに放置して、草が生えるままになっちゃった。一方、横浜精糖というのは三井製糖の方に合併をされた。そういうように世の中の状況の変化、これは経済上の変化もありましょう、あるいは会社の経営の問題もありましょう、あるいは場合によっては周辺の人たちの賛成を得られないというようなことも起こってくるかもしれない。環境上の問題などで、たとえば尾瀬の道路のように途中でやむというようなことがあるかもしれない。
 こういうふうにして工事に伴う危険じゃなくて、工事が途中で終わってしまって、途中やめになってしまって危険がそのまま放置されているというようなことがあって、これについてどうやってその危険を除去していくかというような制度がいまないんじゃないか。一つの法の落とし穴、たまたまパイルの落とし穴の事故でひっかけて言うんじゃありませんが、法の落とし穴がここにあるんじゃないかというような気がいたしますが、大臣、ひとつどういうお考えか聞かしていただけますか。
#81
○国務大臣(斉藤滋与史君) このたびの事故でかわいい子供が亡くなったことについて本当に痛ましい限りでありまして、御冥福を祈るわけであります。
 こうした事故が重なるというようなことがあってはならない。そのために、私たちは大人としても社会人としても政治家としても、防止することは、万全な措置をとるということは当然であろうかと思います。
 建設省所管にかかわる問題につきましては、先ほど局長から話しましたように、これは役所的といいますか、法律の番人として法律に基づく建築法あるいは災害防止要綱ということで指導いたしておるわけでありますが、これは一つの形の問題であって、現実にこうした危険が起きたものに対する対応ということについて先生御心配くだすったわけでありまして、大変ありがたい限りであります。これを契機に、やはり所管のみならず業界にも申し上げて事業経過の間はもとより、これは当然のことながら終わった後のアフターケアをどうするかという問題について検討しなきゃならぬ時期じゃなかろうかと思います。
 特に、こうした中途で業界が不振で、恐らく基礎打ちでその後お話しのような野積みが要らなくなった、できなかった、そのまま五年放置されておったことであって、まさか二十五センチのところへ子供が入って落ちるなんということは想像もできなかったことが実際に起きたわけであります。こうしたことにつきましては、所管省の直轄事業あるいは補助事業だけで十万件以上あるようでございますけれども、それはそれとして、全国の業者がみんなでこうした問題について一つの指針として継承する、また発注者の方においても自分の周辺を一度、もう一度見直して危険のことについては改めて防止対策をするように、これは建設省だけじゃないと思います。労働省もありましょう、環境庁もありましょう、関係省庁と相談して何らかの方法なりを検討さしていただきたいと思います。
#82
○江田五月君 この事故自体については会社の方でも管理者としての責任があるんだということをお認めのようですし、社員ですからどうもなかなか損害賠償ということも本人からは言いにくいんじゃないかと思いますが、十分なお見舞いということぐらいではなくて、十分な賠償をしてあげるように指導いただきたいと思いますし、あるいはまたこの事故自体については、コンクリートパイルというものがこういう構造でいいのかどうかということもこれから検討していただかなきゃならぬ。たとえば途中でちょっと鉄棒を真ん中に五メートル置きにでも入れておくぐらいなことさえすれば、恐らくこうまでならずに済んだわけです。五メートルじゃちょっと何といいますか、酸欠の問題やなんかが回避されるかどうかわかりませんが、そうしたようなことも検討しなきゃいけない。
 この事故を契機にひとつ十分な検討していただきたいと思いますが、こういう事故を見ておりますと、全体に建設行政というものに対する国民のニーズといいますか、建設行政に何を求めるかというようなことについて変化が起こっているんじゃないかという気がいたします。
 従来、高度成長時代には、縦割りの行政の中でそれぞれの分野が行けよ進めよ、どんどん開発をしていく、工事を進捗さしていく、その能率が高いほど成績がよろしいというようなことだったろうと思います。そしてまだまだ開発をしなければならない分野が残されていることを否定はしませんが、もうそろそろどんどん開発だけやっていくというのではどうしようもない、高度成長時代の考え方ではいけない、転換をしなきゃいけないところに来ているんじゃないか。この事故を見てみましても、あるいは私どもが日常生活の中でもときどき見かける、先ほどからも言っているようなマンションが工事途中で放置されてそのままになっているというようなこと、そのほかにもいろいろありましょう。そうしたことを見ると、開発一本やりではなくて、安全とか快適とか、あるいは環境との調和とか全体としての調整が十分とれているとか、そうしたことがかなり大事になってきている。
 たとえば、本土と四国との間に三本橋をかけるというわけでありますが、三本かけることが本当に必要かどうかということになると、なかなかいろんな疑問もあるんではないかと思います。しかしいままでの惰性でいくと、たとえば私などにしても、これはみずから顧みて反省をするわけですが、岡山の出身でありますと、三本要らないじゃないかと、うちが削られたら困るということでありましてなかなかそういうことが言えないということになってくる。やはりこの辺で皆それぞれに頭を切りかえて、開発と良好な環境との併存というものが大切なんだという、そういう時代に来ている。行政ニーズの大きな変化があるんじゃないかという気がいたしますが、御所見を伺わしてください。
#83
○国務大臣(斉藤滋与史君) 全く御指摘のとおり、同感でございます。近代社会が余りにも便利正義に走り過ぎて、どん欲なまでに自分たちの環現整備について要望がございます。これは要望というのはどちらかというと要求のような形で出てまいっておるわけです。ただ、それをいたずらに私たちは受けて、開発という名前でうまずたゆまずやってきたことは事実であります。これは敗戦後何とか日本の社会環境を欧米の先進国並みに追いつけ追い越せという国民の志向の問題もありましょう。しかしもう戦後三十有余年、そろそろこれまで進んできた日本社会のあり方というものは一度間を置いて静かに思考して、考え方、発想次元というものを洗い直すといいますか、反省する時期じゃなかろうかと思います。まさしく二十一世紀へ向かってあとわずかな二十年の時期でありますだけに、二十一世紀にある日本のあり方というものは先生の御指摘をまつまでもなく考えられる問題であろうと思います。
 したがって、このごろは道路一つをつくりましても単につくるということでなく、道路の環境をも考えてやるという形の御要望も出てまいっております。あるいは高速道路でも単に遮音遮蔽につきましても防音装置につきましても美的感覚が要求されるとか、いろいろと私たちは人間の住む社会をどのような形に持っていくかといういい意味の環境、快適、安全性という問題が出てきたと思います。したがって、建設省といたしましてもそうしたことを総合的に考えながらバランスのとれたといいますか、整合性のある社会環境づくりを国民のニーズにこたえながらなおかつ慎重に進めてまいる時期であろう、このように考えるものでありますし、先生の御指摘のような考え方でこれからは進めていく、私はそのように考えていきたいと考えておるところでございます。
#84
○江田五月君 そうしたような見地からも、ただいまいささか流行になり過ぎているような感もある行革、こうしたことも考えていかなければいけないと思います。国民のニーズが大きく変わってきている、社会経済環境というものが大きく変化をしてきている、そういう中で日本の行政のシステムというものはいろいろな手直しはもちろんありますが、基本的には明治以来変わっていないんではなかろうか。こういう時代の変化の中で肥大化する一方の行政をスリムにもし、あるいは行政の機能も大きく変えていくというような必要がいまある。第二次臨時行政調査会の発足はそうしたことを課題にしなければいけないと思います。
 鈴木総理は、三月十八日に日本商工会議所総会のあいさつで、国民的に盛り上がっている期待にこたえるために、内閣の最重要課題として行革を政治生命をかけて達成していくんだというごあいさつをされた。あるいは中曽根行管庁長官は、三月二十六日に都内のホテルで開かれた臨時行政調査会専門委員との昼食会で、実行のための手段も考えるんだ、官僚の悪質な行革反対運動には配置がえや降格人事で臨むというようなことまでおっしゃった。そういう内閣を挙げての行革推進というものがこのまま途中で竜頭蛇尾に終わるのではなく、大きな成果を上げられるようにひとつ見守りたいと思いますし、応援もしたいと思いますし、後ろからしりもひっぱたきたいと思いますが、行革について両大臣、こうした鈴木総理あるいは中曽根長官のおっしゃっているようなことと御決意を共通にされておるかどうかという点を伺いたいと思います。
#85
○国務大臣(原健三郎君) いま江田さんの御意見を拝聴しまして、私どもも全く同感であります。鈴木内閣の閣僚の一人としてぜひ鈴木総理や中曽根行政管理庁長官の意を体してこれを実現いたしたい。
 御承知のように、もうずっと前からですが、ことに高度経済成長の波に乗って行政部門も非常に肥大化をいたしておりますので、この際一応考え直してみる、調査し直してみる、それが非常に必要であると思います。それで今度第二臨調ができましたので、その答申を踏まえましてそれが完全実施をやるようにわれわれも尽力いたしたい。またいま江田さんが大いに応援もしようということで、ぜひ御声援をいただいて相ともにこの大事業を完成したい。いままでずいぶんやるやるといって行政改革のかけ声だけはあったが、いまだかつて本当にやったためしがない。だから心配なんです。なかなかそう簡単にいかないことはわれわれもよく存じておりますが、それだけまたやりがいがあると思っております。よろしく御声援のほどお願い申し上げます。
#86
○国務大臣(斉藤滋与史君) 言葉を重ねることもないわけで、原国土庁長官と全く同じ考え方で対処してまいりたいと思います。
#87
○江田五月君 ある新聞によると、お二人ともおんぶ型という分類になっておるようでありますが、いまお聞きしますとおんぶ型どころかどんどん推進型のような感じでありますが、これはしかし言葉だけじゃいけないんで、本当に自分のところの血も多少は流れるかもしれないということを覚悟してやっていただかなきゃいかぬと思うんです。
 しかし、一体行政改革で何をやるかというのは、これはまだこれからみんなで検討していくことでありまして、何をやるかということ自体が非常にまたむずかしいことだろうと思いますが、先ほどから申し上げておりますように建設行政あるいは国土行政ということになりますと、どうも私は高度成長時代の開発一本やりから大きく変わってくる、そして全体としては実施官庁よりも、よりもといいますか、実施官庁がこれまで力が強くて、どちらかと言えば調整官庁にどうも権限が弱い、金も余りつかない、片隅に追いやられるきみがあるというようなことがあったような気がしますが、これからは調整官庁というものがもっともっと権力、権限を持っていく、調整官庁が力をどんどん持ってくるということになってこなきゃいけないんじゃないだろうか。実施官庁に比べて調整官庁が弱いんですというようなことを学者先生方から言われてしまうというようなあり方では困るんだろうと。もっと調整的な機能が行政としては重要になってくる。その意味で、国土庁というのは通常調整官庁と分類をされておるわけですが、国土庁の機能というのはこれから重要になってくると思います。長官の決意をちょっと伺っておきたいと思います。
#88
○国務大臣(原健三郎君) 御承知のように、国土庁が各省庁の調整官庁であるということは御説のとおりであります。それを国土庁は調整官庁であるから大いにその機能を発揮して調整をやってもらいたいという意見をきょうあなたから初めて聞いたわけです。まことにありがたいきわみであります。御承知のように、これはもう三全総におきましてもわれわれは各種公共事業の五ヵ年計画など策定するに当たっても調整を行うとともに、国土総合開発事業調整費というのをわれわれは持っております。予算的措置もしておりまして、これを活用して各省庁が実施する事業の間の調整を図っていきたいと思っておるところであります。
 また、三全総の核をなしておるものは定住圏構想、この推進に当たっても、関係十七省ありますが、十七省から成る定住圏構想推進連絡会議というのを設けておりまして、地域調整を計画的、総合的に進めてそしてその調整を図っていきたい、こう思っておるところであります。今後ともこの調整機能を十分活用していくことがいまあなたがおっしゃったいろいろ潤いのある国土のバランスをとった開発もできると思います。それで新しい時代に即応できるものであると思っておるところであります。二十一世紀に向かっても、こういう方面をもっとやっていきたい。はなはだ微力で思うようにいきませんが、それを推進していく決意てございます。
#89
○江田五月君 国土庁ですが、きのうの新聞に、国土庁の計画・調整局長の私的諮問機関として定住構想基本問題研究会というものが設けられておって、それが提言をまとめたということが報道されております。提言の中身が新聞によって要約が多少違うようですが、社会的なサービスの現在の公、民――公、民というのは公明党、民社党じゃなくて公と民間と、その間の分担の仕方の現在の実態、それと国民のニーズとの間にかなりの開きがあるんではないか。こういうところからも行政のあり方が基本的に考え直さなければならないことになっているんではないか。そういう問題意識でこういう研究会が研究をして提言をまとめられたというようなことでありますが、この研究会の研究というものはこれからどういうふうにして行政の中に生かされていくのか。大まかなことで結構ですが、お教え願いたいと思います。
#90
○政府委員(福島量一君) 私どもが一昨年の秋から実は勉強をしてまいりました社会的サービスの供給についての考え方を整理したものが先週研究会の方から報告ありまして、それを新聞発表したのが昨日の記事となって載せられたわけでございます。
 先生御承知のように、いわゆる社会的サービスというものが国民生活の高度化に伴いまして、非常にその方面に対する国民の志向が高まってきておるということは事実でございまして、福祉、厚生あるいは健康、体育、文化といったような各般の分野でその傾向が強まっておるわけでございます。
 一方、それに対します対応の仕方としては、その種のサービスを提供します財と申しますか施設と申しますか、それが通常社会資本と称せられるところに分類されるものが多いということもございまして、それがしかも社会資本というのは従来公共部門が主としてそれを担当して賄ってきたという経緯もありまして、国民の欲求の変化に基づきますいろんな要望、そういったものが公共部門でこれを受けとめて対処するというような傾向ができつつあるわけでございます。
 これからの将来を展望いたしますと、そのレベルアップというものはますます進んでいくわけですから、一体公共部門でどこまでそれが対応できるかどうかという問題、あるいはそれが適当かどうかという問題があるだろうという実は問題意識で始めたわけでございまして、そういう過程で民間部門の活力を活用した方がより弾力的かつ機動的に対応できるということもあるし、それがまた高度化した、あるいは所得水準の上がった国民のニーズに適確に対応するゆえんでもあるというふうな考え方もあるわけでございまして、そういった意味で、一つのこれからの論議の素材として公、民の役割り分担というものについての一つの考え方を提起して批判を仰ぐということが今回の試みにあったわけでございます。
 これの取り扱いでございますが、関係の各省庁においてもひとつこれを受けとめていただいて御検討願うということと、特に地方公共団体にこの関係資料をまとめてお送りいたしまして、現実の一線の行政の中にこの考え方を生かしてもらえば大変ありがたい。その中でまたいろいろと議論が巻き起こってくるであろうし、それらを通じてこういった新たな、あるいは高度の社会的サービスに対する対応の考え方がまとまれば非常に結構であるというふうに考えておるわけでございます。
#91
○江田五月君 いまの定住構想基本問題研究会の方向なども大いに行政改革の際の参考にしていただかなきゃならぬ、考え方の一つの素材にしていただかなきゃならぬと思います。公共部門と民間との役割り分担というようなことは、非常にこれから大切になるわけでありまして、たとえば先ほどの冒頭申し上げたコンクリートパイルの事故にしても、これは全然こういうものが危険だというふうにだれも思っていなかったというんです。そしてまた、きょうはお尋ねをしませんが、恐らく日本全国どのくらい工事途中で放置されてある危険物のようなものがあるのか、そういうことは建設省でもあるいは警察でも把握を完全にしてはおられないだろうというような気がします。
 ところが、実際に庶民といいますか市民といいますか、生活をしている者は、わりに危険というものは自分の毎日の生活の中でわかっているものでありまして、そういう中で、たとえばあるPTAでは交通の危険な場所を毎月一回でしょうか点検活動する。地域住民が自分たちの住んでいる地域を点検をして歩いて、ここの道路標識が悪いとか、ここの曲がり角は危ないとかいうようなことを点検をする、そういうような活動がある。危険を探し出していくというような、まことにお役所がやればいいような仕事でさえ、民間がやればずいぶん行き届いた目が光っていくというようなことがあるわけでありまして、物の考え方の転換というものがこれからこうして研究されていかなきゃいかぬと思うわけであります。
 ところで、いろんな点で行政が大きく変わらなきゃならぬということがあるわけでありますが、たとえばもう一つ要綱行政というものがあります。これは、いままでの開発一本やりの中で地方自治体がお手上げになってきた。学校をつくろうと思っても上下水道を完備しようと思っても、こんな開発のテンポじゃたまらぬということになって、しかし国の方はそういうものの対応がまことにテンポが遅い。しようがないので自治体が宅地開発に関する指導要綱とかあるいはマンション建設の指導要綱とか、要綱をつくって業者を指導していく。法的根拠がないんですからいろいろな無理があるんですが、しかしそれにもかかわらず要綱で何とかやりくりしてきている。こういう自治体の要綱による指導、これを合理的なものにもし、行き過ぎもないようにし、しかし法的にきちんと後ろ盾も与えていくということが必要な時期が来ておりますが、要綱行政というものをどうお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#92
○政府委員(宮繁護君) 宅地開発に伴います指導要綱、人口急増関係の市町村におきましては、ほとんどの市町村がこの指導要綱を持っておるわけでございます。
 それで、この指導要綱につきましてはいろいろな評価ができるわけでございますけれども、やはり宅地、住宅団地が開発されまして、たくさんの人口がそこに入り込むというようなことで公共事業の整備が追いつかないというようなことで、市町村がその開発テンポをチェックしておる。これはやむを得ない面もあろうかと思います。
 なお、この指導要綱によりまして、一方では良好な住環境の整備が図られたとか、あるいは非常に敷地面積の小さな宅地の開発が抑制されるというメリットもあろうかと考えます。それで、現在のところ私どもは、基本的にはこの市町村の財政負担をできるだけ軽減するような措置をとっていきたいということを考えておりまして、住宅、宅地の関連公共施設の整備促進事業費の枠の拡大を行うとか、あるいは公共施設等につきまして立てかえで施工いたしまして長期、低利で市町村にお引き渡しして割賦で返していただくとかいろいろな措置も講じておるわけでございます。なおまた、関係のございます、特に市町村は学校の問題が大変のようでもございますので文部省あるいはまた上水道については厚生省、その他消防施設につきましては自治省等にも私どもは、何とかこういった市町村に対しまして財政の軽減の措置をとっていただくようにもお願いもいたしております。
 なお、建設大臣と自治大臣が相談もいたしまして、一方でいま申し上げましたように、財政措置をとる一方、同時に開発業者に対します負担その他につきましてやや行き過ぎ、不合理な点も認められるところもあります。それからまた、その負担金の使途の明確化等を図る必要もございますので、そういう点では自治省からも関係方面にも指導をお願いいたしておるような状況でございます。
 ところで、この要綱そのものの性格は、御承知のように地方公共団体におきまして地域地域の特性なり実情に対応いたしましてその自主的な判断によりまして制定されたものでございまして、いま仰せのとおり、その対象項目あるいは内容につきましてもかなり千差万別でございます。そういう意味では画一的でなくて地域の実態に即応しておるということも言えるかと思いますけれども、いずれにしましてもそういった内容でございまして、しかもそれが法律的な裏づけあるいは条例の裏づけというようなものを持たないで、相手方の協力を得ながらその目的を達成して、話し合いを前提にした指導を行う、こういうことでございまして、これはいわゆる行政指導ということでございますけれども、そういうことで、これを一律に法的に裏づけをするということがいいのか悪いのかというような大きな問題も一つございます。
 そこで、当面は地方公共団体のこの負担の軽減を図るための措置をとりながら、先ほども申し上げましたように要綱の行き過ぎがあります点は直していただく。しかしながら、同時に地方公共団体がこれらの指導を行う際の基準が必ずしも明確化いたしておりませんので、開発者の負担はどこまで負担さすべきか、公共団体等はどこまで経費を負担すべきか、こういう点につきましてはいま関係省庁とも御相談をしましてできるだけ基準的なものを早くつくってまいりたい、こんなふうに考えておるわけでございます。
#93
○江田五月君 私は、各地方団体の行政指導の中身を統一をしていくというようなことはむしろ逆じゃないか、それぞれの地方自治体がそれぞれ自分のところはこういう町をつくっていきたいんだ、村をつくっていきたいんだ、市をつくっていきたいんだ、こういう地域住民の合意に基づいて個性あるものをつくっていけばいいわけで、そうすべきのものでありまして、ただそれが法的根拠なく要綱行政ということになってしまっておって、それが無用の摩擦を起こしたりしているようなのが現状じゃないのか。要綱をつくって各自治体が業者を指導していく、業者と合意を得て自分たちの町づくりの中に業者もまた協力させていくというようなことをオーソライズする必要があるんじゃないか。いまは、とにかくいやだと言われたらどうしようもないんです。いやだと言われたら、あとは両方の力の衝突になってどっちが勝つかということを決せざるを得ないようなことになっている。力の衝突で物事を決めていくということはもう一番愚かなことなんで、地方自治体がいま要綱行政というようなことで自分たちの町づくりをやっていくことを、適法なものにする必要があるんじゃないかというようなことを申し上げたいわけです。どうですか。
#94
○政府委員(宮繁護君) 現在の要綱、これも制定の内容も手続のやり方もいろいろございますけれども、私どもはこれは違法だとは考えておりませんで、ただ行き過ぎのあるものについては何とか見直しをお願いしているような状況でございます。
 それともう一つ、建設省におきましても、先般の国会で都市計画法の改正をお願いいたしまして、そこでは従来要綱において規制いたしておりましたような事項につきましても、条例におきましていろんな宅地の一番最低基準を決めていただくとか、そういう制度でございますこの地区計画制度等もやっと実現を見たような状況でございます。こういう点を核にいたしまして、それぞれの市町村におきましてもよい町づくりを進めていただく、これも一つの方法だと考えておりますけれども、なお、先ほども御答弁いたしましたように、要綱自体につきましても、私どもで、たとえばこれを規則でつくっているところとか、あるいは条例的な議会の協議会にかけてつくっておるところとか、あるいはつくるまでにいろんな人々の意見を徴しておるところとかいろいろなつくり方等もございます。それから、先ほど言いましたように費用負担の内容等もございますから、そういう点につきましては一応の基準といいますか、これがまさに行政指導になろうかと思いますけれども、こういったものが一つの妥当な線であろうというようなものをお示しできればいいと思って、いま鋭意検討いたしておるような状況でございます。
#95
○江田五月君 さて、私は先ほど開発一本やりから大分国民のニーズが変わってきているんじゃないかという話をしました。これは開発によって達成される豊かさといいますか、その価値の位置が相対的に下がって、豊かさだけじゃなくて、安全とか快適とか、あるいは環境とか、そういうような価値が次第に国民にとって重要になってきているんではないかということではないかと思いますが、同時にこの国民の求める価値というものについて政治は多少先見性もある程度持って、ある程度国民の皆さんに、こういう価値も大切にしなきゃならないというようなことを示していく必要もあろうかと思います。
 特に、今年は国際障害者年、障害者の「完全参加と平等」ということをメーンテーマにしてキャンペーンを広げなきゃいけない年であります。障害者に対する社会的な偏見というものを破っていかなきゃならない。障害者にとって「完全参加と平等」が果たされることは健常者にとってもこれは必要なことでありまして、私たちの社会というのは健全な者だけで成り立っている社会じゃこれはもとよりないわけでありまして、障害者も含んだ社会が普通の社会、障害者というものは社会からおっぽり出す対象じゃない、社会の中に障害者もいて初めてノーマルな普通の社会というものができていくわけでありまして、障害者の「完全参加と平等」というのは、社会をいわば健常者だけの社会をモデルに考えるというゆがんだ、その意味では非健全なアイデアから健全な社会、障害者も含んだ社会であるという健全な社会のイメージに引き戻すことではないかと思います。そういう国際障害者年を迎えて建設省もいろいろな施策の中でこのことを考えていかなきゃいけない。いろんなところでもう質問もあり、大臣もいろいろとお答えを下さっております。積極的な御姿勢を評価したいと思いますが、一つこの国際障害者年ということで伺っておきたいのがハンセン氏病の関係のことであります。
 現在ハンセン氏病は、もう菌を排出する、菌を出す患者というものは非常に少なくなっておりまして、らい予防法上「患者」という言葉があり、「治ゆ」という言葉がありますが、らい予防法の「治ゆ」は菌を排出しなくなっているということでは、もうこの行政がうまくいかない。というのは、大部分のこの施設に入っておる患者の方々は菌を出していないわけですから、治癒になっている。そうするとそういう施設から出ていかなきゃならないことになる。しかしその人たちは、出ていったらとても社会生活ができないほどに精神的にももう痛手を受けておりますし、あるいは肉体にもいろいろな障害が残っておる。障害というのは、醜い外貌の醜状が残っておる。らい予防法上の「患者」とか「治ゆ」とかいう概念は、社会生活が普通に、もうすぐに出ていってもできるように心身ともに普通の人と変わらなくなっている場合はこれは「治ゆ」でいいでしょうが、そうでない場合は、やはりらい予防法上は「患者」と言い、「治ゆ」でないと言わなきゃいけない。しかし、われわれの普通の社会の常識から言うと、大部分の施設に入っていらっしゃる患者さんたちはらい後遺症に悩む障害者なんですね。そういう障害者の皆さんが、しかし場合によっては隔離されてしまっているという状態にあるんです。
 いま岡山県に長島という島がありますが、その中に長島愛生園、邑久光明園、二つの国立のらい療養所があります。この島は本土との間が最短距離わずか三十メートル。橋をつけて何とか本土との間が自由に行き来ができるようにしてほしいという運動がもう十年来続いております。いまいろいろなところで、ここに橋をつくる必要があるんじゃないか、国際障害者年を迎えて、障害者の「完全参加と平等」ということのあかし、そしてハンセン氏病というものがもうそういう唾棄すべき、社会から隔離をして、アンタッチャブルで、触れてはならない病気なんだということではない。社会がそういう障害者の人に対して大きく門を開くというそのあかしとして長島に橋をつけてほしいという声が非常に高くなってきておるんですが、建設大臣、ひとつ長島に橋をつけてくれませんか。
#96
○国務大臣(斉藤滋与史君) この問題につきましては、さきに厚生大臣からも早く橋をつけるようにという御要請がございました。御案内のように邑久光明園、長島愛生園、ともに島全体が厚生省の所管の医療施設になっております。したがいまして、それから本土への橋ということになりますと、事務的なことではあろうかと思いますけれども、周辺の方々の御理解、そのためには邑久町の方々、町長さん、それから知事さん、こういう関係の方がいま協議はしておられるようであります。早く協議されて路線認定になりますれば、当然所管でございますので早くかけて差し上げたい。――差し上げるということは語弊があるかもしれません、かけるのがあたりまえのことかもしれません、そういうことを考えながらいませっかく、進めると言いますか、現地の協議会の早く話し合いによって路線認定といいますか、を決めていただくように、待っているというか、または早くするようにまた声もかけますけれども、早くしてあげたいと思います。とにもかくにも、私の選挙区にもございますが、自由に出入りしているんです。ただこの関係、私は具体的に知りませんけれども、よほど周辺の方の御理解ないと、せっかく橋をつくってもまたいろんな問題が起きる可能性もありますので、これは町ぐるみでひとつ温かく、じゃ道路づけようかという、その環境づくりが大切じゃないかと思いますが、それやあれこれを配慮しながら早くひとつ結論を出して、橋をできれば早くつくっていきたい、このように考えておるものであります。
#97
○栗林卓司君 この委員会でもかねて何遍となく話があったことでありますが、住宅基本法について、従来建設大臣の方からこの国会に提出ができるように鋭意努力をいたしますというお答えが何遍もございましたし、事実、この国会で政府の提出予定法案の中に刷り込まれもいたしました。これが見送りになったという話を聞いているんですが、それが事実でございましょうか。また、提出をすることに思い切りながらなかなかそこに至らない原因というのは特に何かあったのかどうか、まずお尋ねをしたいと思います。
#98
○国務大臣(斉藤滋与史君) その事実は全くございません。本会議場でもお答えいたしましたように、長期的な基本計画でありますので、それぞれの各党の方々にも御意見がございますので、皆さん方の御意見がすっかりでき上がってそうして成案を得て、とにもかくにもこの国会に提出したいという考え方にはいささかも変わりがないということを申し上げておきます、
#99
○栗林卓司君 いろいろな方々の御意見の中に、たとえば住宅宅地審議会が去年の七月に出しました「新しい住宅事情に対応する住宅政策の基本的体系についての答申」、これも恐らく入っているんだろうと思います。この答申の中で当面なすべき施策のまず第一として、「住宅基本法の早期制定」ということが書いてございますが、その「早期」がいまに至るもおくれている理由は、というのは、この審議会においても審議委員の皆さん一致してこの答申を支持されているわけだけれど、それがいまに至るまでおくれている理由というのは具体的に言うと何になるんですか。
#100
○国務大臣(斉藤滋与史君) 各党の御意見まだすっかり私拝聴いたしておらないわけであります。どういうところに意見の集約ができないのか。自民党にもプロジェクトをつくってやっておるんですけれども、なかなか問題が重要であればあるほど意見が錯綜して成案を得られないというような状況じゃなかろうかと思います。ただ、具体的に各党の御意見も一々全部私承知いたしておりませんけれども、何とか早くまとめていただいて整合性のあるりっぱなものをつくりたいというような、ただひたすらその待ちでございまして、御理解をいただきたいと思います。
#101
○栗林卓司君 そうしますと、事務当局としてはいつでも受ける万般の体制であるんだけれども、各党間の意見あるいは自民党内の意見がまとまらないから国会に提出できないんだ、こう理解してよろしいですか。
#102
○国務大臣(斉藤滋与史君) そのとおりでございます。
#103
○栗林卓司君 それではそれとしてさらにそのいい論議を期待するとしまして、第四期住宅建設五ヵ年計画、これは建設省でお出しになったわけでありますから、こちらの角度からお尋ねをしたいと思います。
 第三期に比べて第四期、それぞれ対照して見ますと、ごく大まかに申し上げて、そう急に変わるものではないでしょうけれど、お書きになっている表現がそう大幅に変わっているとも思えません。とはいうものの、三期から四期にくるに従ってある大きなねらいどころ、重点の置き方というのはおのずから変化するでありましょうし、その点で第四期の住宅建設五ヵ年計画について、主としてこの点を大きなねらいにしたということがございましたらお示し願いたいと思います。
#104
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のとおり、第四期住宅建設五ヵ年計画におきましても第三期住宅建設五ヵ年計画と同様に、昭和六十年度を目標といたしまして最低居住水準、また平均居住水準というような目標を掲げておることは御承知のとおりでございます。
 しかしながら、また一方、従来三期五ヵ年計画の中においてもある程度盛り込まれてはおりましたが、明確になっておりませんでした住環境水準というものを設定いたしまして、その住環境水準を基礎水準あるいは誘導水準というふうに分けまして今後の施策の柱に据えようとした点が第三期とはかなり異なっているのではなかろうかと思います。
 またそのほか、各施策の具体的項目につきまして、特に第四期五ヵ年計画におきましては、大都市におきますところの居住水準の向上を図るための施策の展開であるとか、あるいはまた、いま申し上げましたような住環境の改善を図るための諸施策に対する施策の推進、あるいはまた住宅の取得あるいは賃貸借の円滑化のためのいわば流通関係につきましての施策といったような点につきまして若干の異なりを見せております。
 また、宅地の供給の面におきましても、単に計画的な宅地開発を推進するというだけではなくて、素地所有者による宅地化の推進あるいはまた既成市街地における土地の有効利用、そういった点に若干の差が見られるというふうに考えております。
#105
○栗林卓司君 一つお尋ねしたいのは、住宅建設五ヵ年計画の性格なんですけれども、これは閣議決定されて決まるわけですが、この意味というのは宣言的な意味合いなのか、それとももう少し具体的に、一体この五ヵ年計画をどこがどう分担をして、五年間でどう進めていくんだという推進計画まで含めた意味合いのものなのか。性格は、要するに宣言的なものなのか、目標を示して、あるいは五ヵ年計画はさらにブレークダウンをして実施に入っていく計画なんだと見るのか、どちらなんでしょうか。
#106
○政府委員(豊蔵一君) この住宅建設の五ヵ年計画は、ある意味では総合的な目標というふうに取り上げられようかと思います。また、この五ヵ年計画を策定することによりまして、国及び地方公共団体、また国の中でも建設省は当然のことでございますが、関係各行政機関それぞれがこの目標に向かって努力をする、あるいはまた協力をするというような仕組みになっておるものでございます。
#107
○栗林卓司君 そうなりますと、たとえば住環境の整備ということになると、住宅戸数の建設というと非常につかみやすいんですけど、住環境の整備ということになると国と地方自治体、たとえばそう分けまして、どういう分担でその目標を煮詰めて、しかもそれぞれがどういう作業をすればよろしいんですか。
#108
○政府委員(豊蔵一君) この際、国といたしましては、この住環境を整備いたしますための国としてとるべき諸施策を整備いたします。あるいはまたこれに必要な財政的な裏づけを行うということが主たる内容であろうかと思います。また、関係の地方公共団体におきましては、そういった国の施策を受けまして地域の各住環境の低いところに対する対策、あるいはまたさらによりよき環境をつくるための住宅建設、そういったものを具体的に御推進いただくといったような役割り分担になろうかと思います。
#109
○栗林卓司君 いや、その役割り分担というのは行政の執行の面だけですか。というのは、新しい立法措置が国として要るんではないか、あるいは各条例においてこういった対策が必要なんではないか。もともとはそれを踏まえて国も地方も行政が動いていくわけですから、当然新しい立法、新しい条例に対する制定依頼というものがついてこないと動けませんですね。その点を具体的に伺ったんです。
#110
○政府委員(豊蔵一君) 現在私どもが考えております住環境水準を具体的に実現いたしますために、たとえば住宅地区改良事業であるとか、あるいはまたこのたび新しく発足いたします地区計画制度とか各般の立法的な措置はとっておりますが、それを受けまして具体的な事業としてこれを推進していくということが当面の私どもの考えでおります施策でございます。しかしながら、なおこれを実施するに当たりまして種々問題がありますなれば、これをさらにより広範により進歩いたしました制度、これは立法措置を含んだ制度も考えなけれえなければいけないかと思っております。
#111
○栗林卓司君 ちょっと各論に入り過ぎて恐縮ですけれども、例を挙げてお尋ねしたいと思います。
 以前に私お尋ねしたんですが、準工業地区で、ある工場跡地、回りは全部ほかの工場で占められている。その跡地にマンションをつくる話になった。だめだと言われても従来の法律上の手続では、出てきたら承認せざるを得ないことになっておる。そこで周辺の工場主とマンションを建てたいというその目下工場をやめたところの工場の人と、周辺住民が三つどもえで大騒ぎをしているという記事が先日も横浜のあるところでありました。こういった例というのは何もこれに限りませんで、マンションをつくるということになれば当然その回りの環境というのは「日照、通風、採光等に関して、衛生上、安全上支障のない」云々ということのいわゆる住環境水準に触れてまいりますし、あるいは「騒音、振動、大気汚染、」云々という住環境水準第三項にも触れてくる。これは珍しいことではなくて非常に間々起こっていることでありますから、これについてどうするのか。
 それからもう一つは、たまたまマンションをつくろうと思ったら回りにオープンスペースがわりあいにあった。あったけど、あれは人の土地だと。二年後にそこにやっぱり新しい、でっかい建物が建つ計画があった。それが建ってしまうと日照問題を含めて住環境は大きく低下をする、そのときにそれは建てさせないのか、それとも建てさせるのか、そのときに一体守るべき住環境水準というのは国としてはどう考えているのかという具体的な問題になると思うんです。これについて全部それぞれ条例をつくって対処されたいというだけで済むのか、国の方は地区計画をつくっておりますんで、よく御相談してということになっておりますが、現在は地区計画はまだ準備中ですね。これはもう地区計画をつくるときからおわかりのように、これは実際に転がしていくとなったら大問題でして、それこれ含めて住環境水準ということを今回お出しになったんだけど、従来の手法だけではなかなかやれない分野なんだということを考えて、しかも地区計画の方は現在まだマニュアルというんですか、マニュアルができておりませんし、モデルは三地区を設定しながらしかもその報告も上がってきていない。法案成立後一年もたっているという状態の中で、この住環境整備問題をどう具体的にでは行政に乗せられるのか、お尋ねしたいと思います。
#112
○政府委員(豊蔵一君) ただいま御指摘がありました、たとえば準工業地域のようなケースでございますが、準工業地域は主として環境の悪化をもたらすおそれがないような工業の利便を増進するために定められたというようなことでございますので、住宅等の用途の存在も想定をしておる。たとえばその地域の中にその地域におきます工場の従業員の方々の宿舎等も考えられるといったようなことであります。しかしながら御指摘のように、最初から工場が相当一団としてまとまって立地しているような場合に、そこへ接近いたしまして住宅が建設されるということになりますと、騒音その他の問題を生ずるということで各地区で若干問題になっていることは事実でございます。これはいろいろなやり方がありますが、公共団体によりましては指導要綱といったようなものを作成されまして紛争の調整あるいは事前の防止等に当たられている場合もあります。
 また他面、私ども都市計画法あるいは建築基準法の体系の中で考えますと、物によりましては工業専用地域に指定をすることも考えられますし、あるいはまた特別用途地区という制度もございますので、そういった制度も活用いただきましてその地区の指定を行うことによって対応するといったようなこともできようかと思います。環境というものは、確かに私どもの理想としているところと現実の都市の中におきます種々の用途の建築物との相関関係がございますが、そういったような面を現在の法体系の中でできる限り運用し、その上でまたさらに詰めていくのが適当であろうかというふうに考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、住宅を建設するサイドからは、少なくともそういったような環境を十分配慮した計画的な団地をつくるということが必要でありましょうし、またすでに環境が悪化しているところにつきましては、いろいろな手法がありますので、それらの手法を使った環境の改善事業ということを進めていくのが当面必要であろうかというふうに考えているところでございます。
#113
○栗林卓司君 先ほど聞きました去年の七月の住宅宅地審議会の答申の中に、当面なすべき政策の一つとして住宅建設基準の設定というのがございます。これは中身は読んでもよくわからないんだけれども、一つの問題提起を含めてお書きになっているんだろうと思います。従前の説明ですと、建築基準法と都市計画法の間を結ぶものが地区計画であるというかっこうになっておりましたけれども、なかなか地区計画というだけではうまくいかぬ。したがって、住宅建設基準、建築基準法を一歩踏み出したいわば住環境も含めた形で基準をつくったらどうか。でき得ればそこに要綱行政を収納したらどうかということまで含めてのこれは御提言だと思います。この分野に対して従来も法制としましては、建築協定もあったし、やろうと思えばできたんだけれども、何一つできないのが実は現実であったし、それを踏まえながらこの住宅建設基準という新しい仕組みの法律をお考えになることをお考えになりませんか。
#114
○政府委員(豊蔵一君) 先生御指摘になりましたように、昨年七月の住宅宅地審議会におきましては、住宅建設基準の設定につきまして、いわば住宅建設のレベルを考えて、これは住環境も当然入っておりますが、レベル以下のものを抑制する基準あるいはまた良質な住宅取得あるいは住環境の形成を誘導するための基準といったようなものを定める必要があるという御提言をいただいております。
 実は、この件につきましては、私どもの現在行っております住宅建設五ヵ年計画の基本法となっております住宅建設計画法におきましても、住宅の建設基準を定めるといったようなことが書かれてあるわけでございまして、これを住宅宅地審議会では受けられまして、さらに一歩前進した形で具体的な御提言をいただいておるわけでございます。したがいまして、私どもは、現段階ではこの答申の趣旨に従いましてなるべく早い機会にこの住宅建設基準というものを行政の場において作成いたしまして、これを今後の住宅建設のよりどころとしていくように努めてまいりたいというふうに考えております。
#115
○栗林卓司君 ぜひそう急がれていただきたいと思います。
 なかなか住宅基本法ということになりますと、だれしも思いますのは、そんなことを言ったって宅地があるかいということで、これはとてもまとまらないと思いますし、本当はまとめなければいけないんですが、なかなかその時期ではない。そうなれば、次善の策がどうかは別にして、ここに御提言もあります住宅建設基準という新しい考え方でひとつ行政に乗ることをお考えになったらどうか、私からも強く申し上げておきたいと思います。
 各論からまた本論に戻りまして、第四期住宅建設五ヵ年計画で建設を予定している家の数の中で、公的住宅がそれぞれ第三期に比べますと減っております。この辺はどういうねらいをお持ちになったのか。
#116
○政府委員(豊蔵一君) 第四期住宅建設五ヵ年計画を策定いたします段階で昭和六十年度を展望いたしまして、その間におきますところの世帯増あるいはまた年齢別の人口構成あるいは地域間の移動といったような住宅の需要を分析いたして計画の基礎資料としたわけでございますが、その中で特徴的なことは、戦後のベビーブーム世代の方々の世帯が三十歳代の後半にかかってまいります。そういった年代になります場合におきますところの持ち家へのシフトというのがかなり高いこと、あるいはまた人口構造が中高年齢化してまいります。そういうような年代の方々における従来の持ち家に対する比率が高いといったようなこと。さらには大都市への人口の流入というものが、いわゆる社会増がとまったといったようなこと等を勘案いたしまして、六十年度までの五ヵ年間では総計では七百七十万戸と計算いたしましたが、その中におきますところの持ち家系の住宅と借家系の住宅との比率は、ある程度持ち家系の住宅にシフトするであろうというようなことを考えましてこの内訳を計算したものでございます。したがいまして、公営住宅あるいは公団住宅につきましては第三期五ヵ年計画に比べまして若干少なくなっておりますが、ただ、この戸数を実際に実施いたします段階では、やはり居住水準の改善のおくれが見られます大都市地域におきまして重点的に建設をするといったようなことによって対処をいたすべきであろうかというふうに考えているところでございます。
#117
○栗林卓司君 いま伺いますと、まず、戦後ベビーブーム世代がそろそろ家を持ちたいと思い始めた。おっしゃるように三十代前半、それから中高年齢ということになりますと、大体子供の教育で尾羽打ち枯らしまして、どちらを見てもそうそう高い資金力があるわけではない。その人たちが持てる持ち家をお考えになっているわけですか。
#118
○政府委員(豊蔵一君) 私ども従来のいろいろな趨勢によりますところの持ち家というか、住宅事情というものを分析してまいりました中で、御自分の力で、自力で住宅が持てる方と、それからまた御自分の力ではなかなか持つことができない方々、あるいはまた借家につきましても、一般的に私どもが考えておりますところの負担の基準の範囲内で十分能力がある方々、あるいはとても自分の能力いっぱい努力をいたしましてもそのレベルまで到達しない方々等々、過去の統計調査等で分析をいたしておりまして、これからの分析によりましていわば公的資金によりますところの施策対象層というものをある程度推計して、このような公的資金によりますところの住宅建設の量というものをはじいたわけでございます。
#119
○栗林卓司君 いや、公的資金による住宅建設、もっとも住宅金融公庫は別です。住宅金融公庫は、非常にこれは第三期に比べてふえておりますけれども、公営住宅、日本住宅公団が建設をする住宅等は大幅に減っていると申し上げている。なおかついまのお話しのようなぐあいにこれから物事が転がっていくのならそうは申し上げないんですが、ではこの計画でいくとして宅地があるんだろうか。
 ちょっとお尋ねしたいのは、「宅地需給長期見通しについて」という、これは建設省の資料だと思いますが、ございます。それを見ますと、昭和五十六年度から六十五年度まで、前期、後期各五年ずつに分けまして、前期、すなわち五十六年度から六十年度までに六万二千五百ヘクタールとありまして、次のページを見ますと、その内訳として六万二千五百ヘクタールというのは公的供給が一万九百ヘクタール、区画整理が一万九千五百ヘクタール、民間供給が二万八千八百ヘクタール、ちょっと足りないんで努力をしますというのが三千三百ヘクタール、合わせて五万九千二百と、こう書いてあるんです。この数字というのは「住宅供給の現状と問題点」、これも建設省計画局です。そこの中にあります新市街地における宅地供給量の推移あるいは住宅建設五ヵ年計画における宅地供給見通し、それぞれ新規宅地というのは、新市街地において新たに必要となる宅地をいう、新市街地において新たに造成された宅地をいう、したがって同じことを言っているんだろうと思います。
 そういたしますと、この資料では五十三年が最新の数字でございます。それをそれぞれ五倍しますと、公的供給はいまの長期需給見通しては一万九百となっておりますけれども、昭和五十三年はわずかに千五百ヘクタール、掛ける五で七千五百ヘクタール、区画整理は一万九千五百となっておりますが、昭和五十三年はわずかに三千五百、掛ける五でまいりまして一万七千五百ヘクタール、民間供給は二万八千八百となっておりますが、昭和五十三年は三千六百ですから、掛ける五で一万八千、合計しますと一万六千二百ヘクタール減るんです。しかもいまの宅地供給というのは昭和五十三年よりもっと減っているんです。何とか努力をしましょうという三千三百を加えますと一万九千五百ヘクタール、何と所要量の三割近くが足らない。私が言っている方がよっぽど実態に近いと思うんだけど、こういう中で需給長期見通しを踏まえた第四期住宅建設五ヵ年計画はどうやって達成するのか。しかも先ほど言われましたように、公的供給か民間供給かは別にして三十歳前半のベビーブーム世代、子供の教育に尾羽打ち枯らしてしまった中高年世代、それが自力で持てる範囲内、借金しても、月賦返済が収入の二五%以内という条件で一体家がつくれるんですか。私は不可能だと思う。事実去年七月の住宅宅地審議会では差が開いちゃってどうしようもない。この点いかがお考えになりますか。
#120
○政府委員(宮繁護君) 宅地需給長期見通しの数字でちょっと最初にお断りをいたしておきますけれども、先生お手持ちの資料の二ページの下の方の欄に備考がございまして、そこに12とございますけれども、1のところにこの需給量は新市街地及び既成市街地の合計であり、新市街地分につきましては試算では全国で前期四万五千六百ヘクタール、後期四万三千百ヘクタールというふうに書いてございます。それで、第三期の住宅五ヵ年計画の新規の宅地の必要量というんでわれわれは六万六千ヘクタールとはじきましたけれども、これはこの二ページの2に書いてございますところの新市街地分に相当する数字なんでございます。そのことが一つでございます。
 それから、基礎推計量と期待推計量とございますけれども、基礎推計量につきましては昭和五十三年度まで実績がございますので、その実績と五十三年度までにいろいろやりました施策を基礎にいたしまして、公的供給につきましてはすべて実績の積み上げでございます、公社その他につきましても調べまして。それから公団等につきましても現在、いま開発にどれだけ着手しておるか、その実績を積み上げたわけでございます。それから区画整理につきましても認可をいたしておりますので、そういった数字の積み上げ、それから民間供給につきましては団地開発のものもございますし、それから建築基準法で道路の認定を受けて家をつくるものもございます。そのほかいろいろございますけれども、そういうものにつきまして一応五十三年度の実績をもとにいたしまして、五十三年度までの施策のもとでどのぐらいになるかということを推計したのがこの基礎推計量でございます。
 それで、期待推計量は五十四年度以降に実施いたしました施策、それからこれからまた強力にいろいろな施策を展開しなければなりませんけれども、そういう施策を展開した場合にどの程度具体に量が出るかというのをはじきました。しかし、われわれが頭の中で考えました施策でございますので必ずしも実現できないものもあるかもしれません。かなり高度の政治的な判断を要するものもございますし、それからモデルではじきます場合にわれわれの推定したとおり実際の供給量がふえるかどうか問題もございますので、かなりの安全率をとりまして一応見通しを立てたものでございます。そういう意味で、これからいろいろな施策を大変むずかしい環境の中で大変な努力をしなければなりませんけれども、そういうことをすることによってこの供給は可能になるだろう、こんなふうに考えておるわけでございます。
#121
○栗林卓司君 いまの御説明ですと、二枚目の下にあります一番下の欄ですけれども、全国で前期四万五千六百ヘクタール、これが第三期住宅建設五ヵ年計画の際には六万六千とはじいておりましたということでございました。そうすると、第三期も合計では三百五十万戸、第四期も合計では三百五十万戸、戸数としては。ところが、用地とすると二、三割方落ち込んだところに建てるということになりますね。
#122
○政府委員(宮繁護君) ここにございます公的供給はたとえば、もちろん公営住宅あるいは公団住宅の住宅を建てる敷地も入っておりますけれども、そのほか地方供給公社でありますとか宅地開発公団でございますとか、宅地のままで民間の方に売り渡すものも入っておるわけでございます。
#123
○栗林卓司君 そうすると、数字がうまくつながってこないんだけれど、感じで言って一戸当たりの住宅地という面で見てまいりますと、腰だめで申し上げて第四期の方は多少詰まってくるけれども、第三期住宅建設五ヵ年計画に比べてそう大きく基礎数字が動いているわけではない、こう理解してよろしいですか。
#124
○政府委員(宮繁護君) お手元にお持ちの資料を見ていただきますと、附属資料の二枚目の方でございますが、全国で六万二千五百ヘクタールの宅地の需給量と書いてございまして、その下に新規宅地必要戸数が四百二万戸と書いてございます。残りの三百七十万戸程度は建てかえその他現在宅地になっておるところに家が建つわけでございまして、四百万戸につきまして新しく山林原野、農地等を宅地にする必要がある。そこでその場合の宅地の原単位が百五十六平米と書いてございまして、これが少しややこしいんですけれども、括孤の中に書いてございますように戸建てでございますと全国平均では百七十三平米、共同住宅でございますと五十二平米ということで、同時に共同住宅率というのがございまして、どの程度共同住宅としての住宅かという率がございます。
 これをいろいろ掛け合わせまして出したわけでございますけれども、首都圏について見ていただきますと、戸建て長屋建てで百四十八平米となっておりますけれども、昭和五十三年度ではこの実数が百四十二平米でございました。ですから五十三年度水準よりは少しよくなるということを見通しております。それから近畿圏ではこの数字が百三十五になっておりますけれども、昭和五十三年の実績では百二平米まで落ち込んでおります。しかしこれでは非常に水準が低いわけでございますので、かなりの政策努力をするということを前提に百三十五平米というような数字をはじいたわけでございます。ですから、総じて言いますと首都圏では二期の計画の場合の見通しの宅地よりそんなには改善は見られないけれども、近畿圏でございますとこの程度の供給量がありますと改善は見られる、こんなことかと思います。
#125
○栗林卓司君 わかりました。
 そうすると、いまの原単位を頭に置きながら質問を続けたいのですが、そういった原単位の中で、しかも宅地の価格というのは年々上昇している。そこの中でまた戻りますけれども、そういう持ち家政策を進めていく上で大体三十歳前半ということになるとある所得水準が想定される。そこにはめ込んでいくためにいま言われたいろんな政策努力の中で、つくる側、供給する側の政策努力となると一体何があるのでございますか。
#126
○政府委員(豊蔵一君) 先ほど御指摘ありました公営住宅あるいは公団住宅といったような公的機関が直接供給いたします住宅のほか、住宅金融公庫を中心といたしますところの政府関係の施策融資といったものを中核に据えまして、なおこれに関連いたしまして、たとえばいわゆる農住と称しております農地所有者の方々が住宅建設される場合に、利子補給を行うといったような制度もございますが、そういった利子補給制度、そういうようなものを組み合わせながら実施していくというふうに、公的資金によります住宅については考えておるところでございます。
#127
○栗林卓司君 公団の分譲住宅もいま言われた公的資金による分譲住宅に入ると思うんですが、たまたま一つの例として持ってまいりましたのは、サンビーチ鵠沼、これは公団の分譲住宅、昭和五十六年第二回分。これはたまたまこれを抜いたんで、鵠沼に他意があるわけではありません。
 中を見ますと、大体みんな似たり寄ったりの値段なんですけれども、たとえば三LDKをとりますと、三千六百二十万円から三千八百二十万円、全戸専用庭つき、こういうのがすっと並んでいるんです。四LDK、全戸専用庭つき三千八百五十万円から三千九百四十万円、一時金一千万円として、月々の支払い七万四千七十円、ボーナス時は五十一万八千四百八十円。これはとても庶民の手に出ない。こんな仕事は住宅公団が手をつける必要は毛頭ないんじゃないか。しかもこれは倍率はどうかといいますと、驚くなかれ高いんです。あるところにはあるということでしょうね。だったら民間に任しときゃいいじゃないですか。公的部門の住宅供給というのは、この五ヵ年計画でも三ヵ所に出てきますけれども、言っているのは結局困窮者、それに対して公的機関として住宅を供給をしていくんだということでしょう、ところが現実にやっているのはとても手が出ない、しかもデラックスなものをつくって皆さんどうぞ、これは売れますよ。公団がやるぐらいだから、県に行きますと県が同じことをやっている。四千万住宅。きょうは公団の方をお呼びしておりませんし、これだけを取り上げて言うつもりはありませんけれども、こういう公団のやり方というのは少し間違っているとお思いになりませんか。
#128
○政府委員(豊蔵一君) 仰せのとおり、住宅公団の場合につきましては、本来的には賃貸住宅を供給するということが基本であろうかと思います。
 ただ、現実に団地を形成いたします場合には賃貸住宅だけでなくて、やはり分譲住宅も配置するといったようなことにつきまして、地元の公共団体からの御希望もありますし、また、団地形成上よろしいかということでそういう面もあります。
 それからまた、公団に入っていらっしゃる方々が持ち家が欲しいというようなことのためにある程度の量を用意いたしまして、そしてまた、賃貸住宅の方のストックを活用して低所得者の方々にお入りいただくというようなことも必要であろうかというふうなこと等考えまして、ある程度の分譲住宅の建設ということも住宅公団として進めていくのが適当であろうかと思います。しかしながらそうは言いましても、現実に余り高いものになります場合には、それが果たしていわゆる低所得者あるいは中堅の都市勤労者の方々に対する施策住宅として適当かということになると思います。現地の用地取得事情あるいはまた関連公共施設の整備の必要性等々にらみまして、若干当初の見込みより高くなっていっている傾向はございますが、いま先生御指摘のような、余り高価なものを本来の公団の仕事として分譲住宅を供給するというのはいかがかというふうに考えております。
#129
○栗林卓司君 これがなぜ倍率が高いかといいますと、場所もいいんです。東京からの通勤圏ですからね。ここに全戸庭つき一戸建てを建ててやる必要は毛頭ないんです。それこそ集合住宅をつくればよろしい。県がやっているのも同じ。あそこに建てればより多くの人が収容できるのに、四戸とか五戸とかね。値段もそうだけど、そういう住宅公団、県当局の公的住宅の建設に対する余りと言えば余りの熱のなさ。こうしたものが第四期住宅建設五ヵ年計画で公的住宅の建設か減ってきた一つの背景だろうと私は思うんです。しかしこれは問題です、もともと税金をつぎ込んでつくっているんですから。この点については探せば現実に幾らでもあるんです。したがって、全部見直していただいて、公的住宅というのは必要としている人のところに低廉、良質なものを供給するんだ、だから公的部門が介入しているんだということを通していただきませんとね。もちろん地方自治体とすると、つくってしまうと新住民がふえてしまうもんだから云々ということを言うでしょうけど、では一体何のための五ヵ年計画なんだろうと。いいことをお書きになっているんだけど、これは単なる宣言にもならぬではないかということに私はなろうかと思います。お答えはこれは要りません。見直しをぜひよろしくお願いしたいと思います。
 最後に、国土庁長官にお尋ねいたしますが、地価公示制度というのは役に立っているとお考えになりますか。地価公示制度というのは御承知のとおり、例の土地投機が非常に華やかであったころ、それを抑制しようということで、全国各地に観測点を設けて不動産鑑定士もつくり、現在こうでありますという報告書を出しているのが現在の地価公示制度でありますけれども、それが役に立っているだろうかという点については、どういう評価を下しておいでになりますか。
#130
○国務大臣(原健三郎君) 事務当局からお答えさせます。
#131
○政府委員(山岡一男君) 地価公示制度も発足いたしまして十何年か経たわけでございますけれども、私ども全国で一万七千地点にようやくなりました。鑑定評価技術も相当進んでまいったと思っております。法律的に見ましてもそれぞれ公共事業の用地買収、それから国土利用計画法によります価格審査、収用裁決によりますときの審査の基準等々の方に使われておりまして、私ども大いに効用を発揮しておると思っております、
#132
○栗林卓司君 地価公示というのは、発表された金額がある程度現在の値段と同じだということが言えないと役に立たないわけです。地価公示が発表されてこうなった、だけどこれは君、半年前だよと、半年間に六%も上がったんじゃわからぬとこうなりますから、地価公示制度というのは地価が極力安定して横ばいであること。これがせっかく御苦労なさった数字を国民が使う場合に役立つ最大要件、この点については別に御異論ないと思いますが、いかがですか。
#133
○政府委員(山岡一男君) 実際に使います際、鑑定技術上もそういうふうな時間のたったという点についての配慮をするということが、一つ鑑定技術上取り入れられております、
 それからもう一点は、やはりそういう間をつなぎますためにいわゆる中間風速と申しますか、そういうものを示す必要がございます。全部についてはできませんので、抜き出しをいたしまして、中間動向調査ということで方々へお示しをいたしておるということでございまして、これは三ヵ月ごとでございますけれども、本年度からは間に都道府県の地価調査等も入りますので、それらとの径庭を考えながら、対象の地点数もふやしまして、年に二回やるというふうにそれを切りかえることにいたしております。そういうものを加味いたしまして是正をしながら活用していただきたいと考えております。
#134
○栗林卓司君 よくこの委員会でも出る議論ではあるんですけど、その中間風速をどんなに細かく計測をしようと後追いになる、それはあの制度からいって免れないんですね。だから、中間風速を計測する、では一体国土庁は何のために計測をするのか。後追いで計測するんなら、どんなに丹念にしようと、大ざっぱになたでぶち割るような仕事をしようと同じなんです。調べるからには何か国土庁としてやりたい、これまでは足らぬからもっと細かく調べる、こういうのが常識だろうと思うんだけど、そういった対策はあるかというと残念ながら現在ない。というのは、土地投機に対しての法制はあるけれども、日々のじわじわとした、しかもじわじわしながら一般の物価上昇率よりはるかに高い、これに対する仕組みというのはいま国土庁はお持ちになっていない。持ってないのがいけないのか、地価公示制度があることの方がむしろおかしいのか、どちらかということになりませんか、
#135
○政府委員(山岡一男君) 中間動向調査につきましては絶えず地方公共団体に直接お示しをいたしまして、特に国土利用計画法の運用の面などで活用していただいております。同時に、それもタイムを発表するという形式をとって、先生おっしゃいます足らない部分を補うということに努めておるわけでございます。先生おっしゃいますように、毎日毎日という点になりますと確かに後追いにならざるを得ません。したがいまして、そういうふうな規準をいたしますときの鑑定の仕方ということにつきまして鑑定評価制度の中に技術的な方法として組み込まれておりますので、そういうものでも十分私ども役に立つというふうに考えておるわけでございます。
#136
○栗林卓司君 いや、役に立つとおっしゃるんだけど、二千ヘクタール以上は多少網にかかってまいりますけれども、なかなか、新聞等で調べたところによりますと、千九百九十九ヘクタールというかっこうで網をくぐっているのが多いのは御存じでしょう。だから、むしろ役に立っているとおっしゃるから答弁が御無理になるんで、土地投機だけを前提にしたような従来の法律の仕組みでは今日の土地問題を管理しようとしてもなかなか無理だ、新しい法制を準備する必要があるとおっしゃった方が私はよっぽど正直だと思う。
 先ほど引用しました住宅宅地審議会でもこう言っているんです。「現行の宅地開発に関する制度は、昭和三十年代後半から四十年代の宅地開発の促進期に創設されたものが多く、その後に生じた各般の事情の変化、例えば、素地価格の高値安定、素地所有者の意向の変化、地方自治体の開発方針の転換等に十分対応しきれているとはいい難いものがある。」、私もこの書いてあるとおりだと思います。
 かつての第一次石油危機のようなあんなべらぼうなことが、まあ状況ですからわかりませんけれども、そうあると私は思いません。しかも、いまこわいのは、物価上昇率をはるかに超えて毎年じわじわ上がっている、もう預金金利よりはるかに高いんですから、ということに問題意識を持たれながら、ではこういった状況に対してどういう法制がいいのか、どういう行政の仕組みで対応した方がいいのか、真剣な御検討をぜひお願い申し上げたいと思います。時間ですからもう答弁要りません。
 あわせて、一言、国土庁長官、建設大臣に申し上げておきますけれども、るる申し上げたことも要するにたった一つでして、もうこうなったら五十七年度宅地並み課税を完全にやる、地方自治体も含めてしり抜きはさせない、もうこの一点が抜けない限りはこれは土地住宅政策はだめです。こう伺いますと、鋭意努力をしますとお答えになるでしょうからこれも答弁要りません。ただ、これも総論賛成、各論反対の話で、いざ本当に五十七年度、来年ですから、やるよとなったらおたくの党内だって大変ですよ。むしろ党内がと言った方がいいかもしらぬ。腰を据えて、五十七年度宅地並み課税完全実施、これは地方自治体も含めて、御努力をぜひお願い申し上げたいと思います。終わります。
#137
○委員長(宮之原貞光君) 本件に関する調査はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#138
○委員長(宮之原貞光君) 次に、都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取をいたします。斉藤建設大臣。
#139
○国務大臣(斉藤滋与史君) ただいま議題となりました都市公園等整備緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 都市における生活環境の改善、都市災害に対する安全性の確保及び公害の防止を図るとともに、増大するスポーツ、文化活動等の需要に対処するためには、都市公園等の整備を緊急かつ強力に推進する必要があります。しかしながら、わが国における都市公園等の整備は著しく立ちおくれている状況にあり、また、近年都市計画区域内のみならず都市計画区域外の町村においても生活環境の改善を図るための公園緑地の整備に対する要請が強くなっております。
 このような事態に対処するため、現行の第二次都市公園等整備五ヵ年計画に引き続き昭和五十六年度を初年度とする第三次都市公園等整備五ヵ年計画を策定するとともに、新たに、都市計画区域外において一定の町村が設置する公園または緑地の整備事業を五ヵ年計画の対象に加えることとした次第であります。
 以上が、この法律案を提案する理由でありますが、次にその要旨を御説明申し上げます。
 第一に、人口が五千以上で中心の市街地の人口が千以上である町村が設置する一定の公園または緑地の新設または改築に関する事業を都市公園等整備五ヵ年計画の対象に加えることといたしております。
 第二に、建設大臣は、昭和五十六年度を初年度とする都市公園等整備五カ年計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないことといたしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#140
○委員長(宮之原貞光君) 以上で説明の聴取を終わります、
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#141
○委員長(宮之原貞光君) 次に、請願の審査を行います。
 第九号道路財源確保に関する請願外百四十五件を議題といたします。
 本日までに本委員会に付託されております請願は、お手元に配付のとおりでございます。
 これらの請願につきましては、理事会において協議をいたしました結果、第一〇号住宅融資制度の充実に関する請願は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第九号道路財源確保に関する請願外百四十四件は引き続き審査を行うことに意見が一致いたしました。
 つきましては、理事会協議のとおり決定することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#142
○委員会(宮之原貞光君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#143
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さ
 よう決定いたします。
  本日はこれにて散会いたします。
    午後二時五十九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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