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1980/04/21 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 建設委員会 第6号
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1980/04/21 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 建設委員会 第6号

#1
第094回国会 建設委員会 第6号
昭和五十六年四月二十一日(火曜日)
   午前十時十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     秦   豊君     江田 五月君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     松本 英一君     小山 一平君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮之原貞光君
    理 事
                坂野 重信君
                堀内 俊夫君
                増田  盛君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                井上  孝君
                植木 光教君
                遠藤  要君
                谷川 寛三君
                中村 禎二君
                増岡 康治君
                赤桐  操君
                小山 一平君
                二宮 文造君
                原田  立君
                三木 忠雄君
                上田耕一郎君
                栗林 卓司君
                江田 五月君
   国務大臣
       建 設 大 臣  斉藤滋与史君
   政府委員
       建設政務次官   住  栄作君
       建設大臣官房長  丸山 良仁君
       建設大臣官房総
       務審議官     川上 幸郎君
       建設省計画局長  宮繁  護君
       建設省都市局長  升本 達夫君
       建設省住宅局長  豊蔵  一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        森  一衞君
   説明員
       行政管理庁行政
       監察局監察官   橋元 徹志君
       環境庁水質保全
       局水質規制課長  渡辺 一志君
       厚生省環境衛生
       局水道環境部環
       境整備課長    杉戸 大作君
       建設省都市局下
       水道部長     遠山  啓君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○住宅・都市整備公団法案(内閣提出、衆議院送
付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十五日、秦豊君が、また、昨日、松本英一君がそれぞれ委員を辞任され、その補欠として江田五月君及び小山一平君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(宮之原貞光君) 下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案につきましては、前回政府より趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○小山一平君 新経済社会七カ年計画において、昭和五十四年度から六十年度までに二百四十兆円の社会資本投資、そのうち下水道投資十八兆二千億となっておりました。これが三月においてこの七カ年計画の見直しを政府が決定をいたしました。六十年度達成目標を一年おくらせることとして投資総額を百九十兆円としたのであります。このことは当然各公共事業は縮小を余儀なくされます。都市計画審議会の答申において下水道事業については当面目標六十年度ごろまでに五五%の普及率、七十五年度ごろまでに九〇%の普及率達成を目標といたしまして建設省はこの線に沿って計画し、努力をされてきたものと思います。当面目標において今回の第五次下水道計画が完全に達成されたとしても、この当面目標は一一%おくれるのに加えまして、七カ年計画の縮小となることによって、七十五年度ごろを目標とした普及率は当然大幅なおくれを見ることになろうかと思います。このことについて建設省はどういうふうにお考えでございますか。
#5
○政府委員(升本達夫君) 今回の第五次の五カ年計画におきましては、御指摘のとおり当初要求は五五%の六十年度末達成を目途に要求をいたしましたところ、新経済社会計画の見直し、フォローアップによりましてその達成時点が一年半後ろへ繰り延ばされました結果、下水道投資額につきましても六十年度末目標としては若干の削減を余儀なくされたわけでございます。その結果といたしまして、六十年度末の第五次五カ年計画の目標年度において人口普及率四四%を目途とせざるを得ない結果になったわけでございます。そこで、おただしのようにしからば七十五年ごろ、すなわち二十一世紀初頭の時点において普及率を九〇%に広げたいと言っているその目標についてはどうかというおただしでございますが、この点につきましては私どもは、この第五次の五カ年計画が若干縮小するやむなきに至ったものの、この計画のベースでさらに第六次、第七次ということが同じ年伸率で期待できるものと仮定をいたしますと、おおむね二十一世紀の初頭において九〇%に近づくというような計画目標につきましては、現時点で改定する必要はないのではないかというふうに考えている次第でございます。
#6
○小山一平君 いずれにしても二十年も先のことですから、その間に経済状況、財政状況がどういうふうに推移するかということも予測することはきわめて困難ですから、こういう遠い先のことの議論をいろいろやってみてもそう重要な意味がないと思いますが、私はこの目標というものは大変厳しい状況になってきておるのではないかと考えますので、こういうことを申し上げたわけです。できる、できないは別として、目標に向かって最善の努力を払っていただきたいという希望だけこのことについては申し上げておきます。
 次は、今回の第五次下水道整備五カ年計画において、いまもお話があったように、投資規模が十一兆八千億円、整備目標が五十五年度末の推計人口普及率で三〇%から一四%伸ばして四四%にしようということになっております。私は、このことが大変むずかしい目標になっているのではないかというふうに考えるわけです。なぜかというと、第三次計画においても目標達成には相当の開きがあったはずでありますし、第四次の実績を見ますと、四次計画七兆五千億円、投資実績六兆八千六百七十三億円。そしてその結果として管渠において五八・五%、処理場において四二%の達成率でございまして、その結果、普及率を一七・二%伸ばして四〇%にしようとした目標でありましたけれども、伸び率はわずかに七・二%に終わって、五十五年度末の推計として三〇%弱にとどまっています。なお、これを分析をいたしますと、第四次の実績は、普及率一%を引き上げるに要した費用は約一兆円であります。ところが、第五次計画を見ますと、一%アップにつき八千四吾億円となっております。
 こういう過去の実績を検討いたしますと、第五次計画における普及率の伸び率をいま計画しているとおりに達成することは、これはできるはずがないのではないかというふうに考えられるわけです。いかがでしょうか。
#7
○政府委員(升本達夫君) おただしのとおり、第四次の五カ年計画の実績は計画に比してかなり下回った実績でございます。したがいまして、第五次計画も計画どおりの達成が困難なのではないかというおただしかと存ずる次第でございますが、第四次の五カ年計画期間中に計画に反して実績が伸びなかった理由といたしましては、いろいろ考えられるわけでございますが、一つの大きな理由は物価騰貴、これは一般的な物価騰貴による事業量の伸びが抑えられたということ、さらには、大変込み入った市街地環境の中で事業を整備するということから、事業工法の関係から当初予定されたものよりか事業費がかさむ工法の採用というケースが非常に多くなっていること、さらには、処理場等のいわゆる地域に対する問題施設につきまして、いわば公害現象の除去というような観点、あるいはこれをさらに地域に親しみあるものにするという観点から緑地化をするとか、あるいは処理施設にふたをするとかいうような経費を要したこと等の事情によりまして計画達成がむずかしく、困難になった、このように私どもは考えておるわけでございます。
 そこで、これからの第五次の計画におきましては、第四次の五カ年間の仕事の結果といたしまして、現時点でかなり未完成のもの、あるいは供用に至らないもの、いわゆる仕掛かり品というような形での状況を存しております施設がかなり多量にあるということ、それから処理場などにつきましては、これは一体のものとして整備をいたしますので、現状の状況から見ると処理能力が少し余裕を持ち過ぎているという状況がございます。
 つまり、先行投資という形で整備されている形のものがございますこと、あるいは管渠につきましても、これは御承知のとおり一体のものとして整備をされ初めて利用に供されるわけでございますから、かなりの先行投資部分がございますこと、さらには第五次におきましては、一般都市と指定都市とのシェア配分を変えておりまして、整備単価の従来から高い指定都市のシェアを若干縮小してお石というようなことがございますこと、さらには、事業の重点が地方に移っていくに従いまして市街地の困難状況が若干条件が変わってくるのではないか、たとえば、都心においてば必要とされるシールド工法等の特殊工法を用いるケースが比校的少なくて済むようなことになってくるのではないか、このような条件をいろいろ考え合わせまして五カ年計画の必要事業壁並びに事業費を算定いたしたわけでございます。これらの条件の変化に加えまして、さらに私ども事業の執行に当たっては十分効率的な事業執行に努めるということもあわせまして五カ年計画の達成を図ってまいりたい、かように考えている次第でございます。
#8
○小山一平君 私は、いま第四次計画が目標のようにできなかった要因というものの御説明がありましたけれども、これは大変疑問に思うんです。皆さん方専門家が打ちそろって十分研究、検討をして策定した計画であるわけでしょう。物価が上がる、当然資材も上がるなどということはあらかじめ一定の推定のもとに計画されているはずである。市街地における工事といいましても、市街地の工事はどういう工法をもってすべきかということも当然検討されていなければならないはずである。処理場や幹線管渠の先行投資が多かったと言うけれども、こんなことも皆さん方が計画策定の段階で検討した上で目標を立てたんじゃないですか。私に言わせれば、いまお答えになりました要因というものを計画段階で検討されて織り込まれていないはずがない。織り込まれていなかったとしたらこの計画はきわめてずさんなものであった、こういうふうに言わざるを得ないと思います。そうじゃないんですか。何か急にいろいろな計画を変更しなければならないような天変地変でも起きたというなら話はわかりますけれども、正常な形でいったとしたら計画のずさん性というものを指摘せざるを得ない、こう思うんですが、いかがですか。
#9
○政府委員(升本達夫君) 第一点の物価の問題でございますが、物価につきましては、確かに過去の実績を振り返ってみますと、計画の初年度に想定されたまま物価が推移するということは実績としてはなかったわけでございます。
 しかしながら、このような長期計画を立案するに当たりまして、果たして一体、将来どれだけの物価騰貴を見込むべきかということは非常にむずかしい問題ではないかと思うわけでございます。そのような観点から七カ年計画においても一応の想定、これは全経済の想定をしているだけでございまして、各公共事業の種別ごとの施設計画に当たりましては、下水のみにかかわりませず、すべて将来の物価騰貴については、いわばノンファクターということで特に考慮をしていないという状況でございます。
 それから、確かにおただしのように、事業の実施される個所の想定から一応の工法の想定、それに従って工事費の想定もございますし、それから仕掛かり品あるいは先行投資というものも当然計画上見込んでおったわけでございます。おったわけでございますが、仕掛かり品、いわゆる先行投資部分というものにつきましては、第三次から第四次計画へ先行投資分としていわば繰り越されてきたものの量、それから第四次から第五次へ繰り越されるものの量、との相対関係におきまして第四次の五カ年計画期間中に先行投資部分がきわめて大きくふくれた。これは御承知のように第四次の五カ年計画期間中に流域下水道、それから一般の公共下水道におきましても大変多くの都市について事業が着手されるというような状況下で、いわば全体として見ますと、下水道がかなり上り調子になってきていたということから個所数が非常にふくれてきた、その結果、当初、計画に予定されておりましたよりは先行投資額が結果として多くならざるを得なかった、こういう実績になったというふうに理解をしております。
 それから、工程の問題、工事費の問題でございますけれども、これも当初、想定はもちろんございましたけれども、現在の市街地状況の混雑度というものは都市によってもちろん差はございますけれども、全般的に著しく混雑度が進展、進行しております。したがいまして、当初は一般の工法で予定をいたしておりましたものもシールド工法等の特殊な工法を選ばざるを得なかったというケースがかなり多くなってきていることも事実でございます。このようなことから申し上げまして、簡単に申し上げますと、当初、計画に見込んではおったものの、その見込みに反して現実の進行状況、社会状況その他からより費用を要するケースがふえる、あるいは先行投資額がふえざるを得なかった、このように理解をしておるわけでございます。
#10
○小山一平君 私はただいまの御説明では、無理もないことだという納得はできません。計画が大変ずさんなものであったのではないかという印象は消えないわけでありますが、こんな議論をしていても始まらないと思います。
 第五次計画の結論が出るときには大臣も皆さんももうこの席にはいらっしゃいませんから、結果が出てから皆さんと議論をする機会はあるはずがないわけです。いま言いわけをされているあなたも人のつくった計画で苦しい言いわけをせざるを得ないお立場でしょう。したがって、計画立案される方々は何年か先に向かってまで責任を負うという厳しい姿勢が大事だと思います。いずれにいたしましても、大変自信もおありのような御答弁でございますので、私はまた第五次も第四次の二の舞を踏むのではないかという心配を持っておりますけれども、これからの推移を厳しく注目していきたい、せいぜい計画どおり実現できるようにやってみせていただきたいということを申し上げておきます。
 次は、流域別下水道整備総合計画についてでございますが、水質環境基準の指定を受けた水域は二年以内に流総計画を策定するように行政指導が行われております。個々の下水道計画はこの流総計画を上位計画とすることとなっているわけであります。現在水域指定は二百五カ所程度と思いますけれども、このうち流総計画の策定が完了している地域はどのぐらいありますか。
#11
○政府委員(升本達夫君) 流域別下水道整備総合計画いわゆる流総計画、私どもがこの流総計画を必要とされると考えております個所数が約百九十カ所ございます。これを水域の数で申し上げますと約三百八十水域という数になろうかと思います。この個所につきまして現在かなり広範に調査を実施いたしておりまして、五十五年度末に調査が済んでおりますのがこのうち百五十六カ所、水域数で申し上げまして三百十六ヵ所ということになっております。ただいまおただしの流総計画が計画として確定しているのはどれだけかということでございますが、このうち建設大臣の承認が潜んで、最終的に確定をいたしました個所数が二十カ所、それから水域数で申し上げますと四十三水域ということになっております。
#12
○小山一平君 この計画は下水道計画の上位計画とされているということを考えますと、こういういまのような数字から見ると今後の下水道整備計画を進めていく上にかなりこれは問題があるんじゃないかというような感じがいたしますが、
   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
いかがでしょうか。こういうことが後になっていろいろ困難な問題を残すことになってはならないという私は心配があるわけです。
 たとえば、寝屋川流域下水道計画は全国で最初に着工された事業で、すでに十五年も経過しているわけです。一体この内容がどうなっているのか、普及率は十五年たって順調に伸びてきたのか、あるいはまた工場排水の規制が不十分のために規制基準を超えるような重金属の蓄積などという問題もあわせてあるのではないか、いろいろ話を聞くとそういう問題があるように聞いておりますが、こういう問題も事前における流総計画と下水道計画とのしっかりしたセットの部分で欠くる点があるとそういういろいろな問題も出てくると思われるわけですが、いかがでしょうか。
#13
○政府委員(升本達夫君) 流総計画が下水道計画の前提になるべきものではないかというおただしでございましたけれども、法律上流総計画につきましては水質環境基準が定められた公共水域について、その環境上の条件を水質環境基準に達せしめるためにその公共水域ごとに総合的な基本計画を定めなければならないというふうにうたっておるわけでございまして、趣旨はまことにおただしのとおりだと思うわけでございますが、法律上のたてまえといたしましては、必ずしもこの計画が定められなければ下水道整備計画が立てられないというふうにはうたっていないわけでございます。しかしながら、この流総計画は御承知のとおり流域別に水質環境基準を達成し、あるいはその流域全体の生活環境の改善をするために必要な総合的な計画ということでございますから、望むべくはやはりできるだけ先行的に定められていることが適切なものというふうに理解をし、そのように努力をいたしておる段階でございます。
 おただしのように、計画として最終的に確定したものは非常に割合としても少ない割合にとどまっている段階でございますけれども、この計画策定に至ります過程におきましてかなり時間をかけた調査の期間がございました。先ほど申し上げましたように調査済みというものがかなりの数に上っております。この調査の段階で関係の都道府県市町村と十分意見交換、協議をして調査結果をまとめ上げるということになっておりますので、その過程において技術的な意味においてもまた社会的な意味においても意見調整が十分行われているというふうに私どもは理解をしております。したがいまして、実質的にはその調整が行われた調整結果に基づいて必要な流域下水道あるいは公共下水道の整備計画も立ち縛るというふうに考えております。もっともこれもいわば便法的な処理というふうに私ども理解をしております。できるだけ早い時期に各流域について終局的な計画が定められ、それに従って
   〔理事茜ケ久保垂光岩退席、委員長着席〕
下水道整備が進められることが望ましいわけでございますので、大いに今後そのような方向に努力をいたしてまいりたいと考えております。
#14
○小山一平君 寝屋川流域下水道のことをいま聞いたんです。
#15
○説明員(遠山啓君) 御指摘のように、寝屋川流域下水道につきましてはわが国で最初に事業に着手したところでございまして、大阪府におきましてもこの事業の遂行には精力的に取り組んでおりまして、先駆者としての流域下水道の実績を持っておりまして、現在のところ一番進んだ状態になっております。普及率等につきましてはいま数字を持ちませんので、後で御報告いたしたいと思います。
#16
○小山一平君 どうも言葉がよくわからないんですが、いろいろ問題がない、順調に寝屋川流域下水道計画は進んできた、そして現在良好な状況で運営がなされている、こういうことですか。
#17
○説明員(遠山啓君) 計画をいたしまして現在までにすでに十数年たちまして、その間のその流域における状況の変化等ございまして、現在大阪府におきまして一部の計画の見直しということを検討中であるというふうに聞いております。
#18
○小山一平君 いまのお答えでも、いろいろ問題が生じて検討を加え、そしていろいろな問題が克服されるような方策をいま進めようとしている段階だというふうにお聞きしたが、それでよろしいわけですか。
#19
○説明員(遠山啓君) おおむねそういうことでございますが、たとえば人口のその流域における集中の度合いとかあるいは一人当たりの水の使用の態様というのが変わってまいりましたので、最も望ましい姿へ検討を加えようということでございます。
#20
○小山一平君 いろいろ問題があるということでございますから、建設省としても緊急に当事者の間で十分検討をし、そして適切な改善を図ることができるように、皆さんの方でもひとつ格段の御協力をお願いをしておきたいと思います。
 次は、予備費と調整費の問題についてお尋ねいたしますが、第二次計画から予備費が三百億、第三次になると一千億、第四次になると四千億というふうに年次ごとに予備費が激増をしております。この予備費というのは一体どういう性格、どういう目的のものであったのか、またこの手術費は今日までにどういう使い方をされたのか、その実績についてお答えを願いたいと思います。
#21
○政府委員(升本達夫君) 予備費は、計画当初に想定できなかった相当の事情が生じた場合、これを執行の財源に充て得る性格のものというふうに承知をいたしております。そこで、いままでの過去の四次にわたります五カ年計画の中で予備費の取り崩しをした実例は、沖繩復帰に当たりまして沖繩関係の整備費を予備費から充てたという実例がございます。それ一件のみでございます。
#22
○小山一平君 先ほど第四次計画でさまざまな新たな要因が出て、当初の計画どおりに事業を進めることができなかったというお話がありました。こういうときにこれは使うんじゃないんですか。これを一銭も使わないで、そして計画が大きな狂いを生じているというのは、一体御説明から承る予備費の目的と全然一致しないんじゃないですか。ただ多額な予備費を計上しておいて、いろいろなことがあったらそれを使うんだ、いろいろのことがあったけれども、沖繩で使っただけでその他は一銭も使わなかった、何のための予備費ですか。
#23
○政府委員(升本達夫君) ただいま申し上げましたとおり、計画当初に想定できなかった相当の事態ということでございますので、先ほど来私が御説明申し上げましたように、第四次におきまして計画と実行とのずれは計画策定当時予見はされておりましたものの、その見込み方において実績との間に乖離を生じたというふうに私どもは理解をいたしております。したがいまして、その開差を埋めるために予備費を当然に流用できるということにはならないのではないかというふうに考えております。
#24
○小山一平君 いよいよもっておかしいですね。四次の計画では目標どおりにいかなかった要因というものはあらかじめ想定していたんですか。そうじゃないんでしょう。大変そのところが、あなたの説明からいくと計画的に何か想定していた要因であるようなお答えというのは、一七%も普及率を伸ばそうという計画が七%しか伸ばすことができなかった。そんなことを最初から想定して四次計画が作成されていたんですか。
#25
○政府委員(升本達夫君) 繰り返しの御答弁で恐縮でございますが、四次計画の策定に当たりまして、先ほど来実績との乖離を生じた点についてるる御説明申し上げました諸事項については当然予測はされていたわけでございますが、その予測に伴って見込まれた単価の積算上、あるいは事業の執行上に狂いを生じたというふうに理解をいたしております。したがいまして、その五カ年計画の中身といたしまして事業費の積み上げということがございます。事業費の総量も事業量の明示と同時に五カ年計画の内容をなすものというふうに理解をいたしておりますので、その積み上げに当たって想定された事項についての対応は、その計画執行の問題であろうかというふうに理解をしているわけでございます。その点について努力が不足していたというおただしについては、まことにそのとおりというふうに私ども考えております。
#26
○小山一平君 私に言わせれば大変これはでたらめです。第二次で三百億、第三次になったら一千億、第四次になったら四千億、こういうふうに急増させていかなければならないということは、第二次において三百億ではこの予備費というものがそういう事態に対応することが困難であった、こういうことによって第三次になったらそれを大幅に増額しよう、第三次の実績から見たらいろんないま言われるような予想せざる事態に一千億ぐらいの予備費では対応が困難である、そこで第四次は四千億にしようというなら話はわかるけれども、一銭も使わないできたのに、何でこの予備費をこんなに増額計上をしてきたのかというのが私には理解がいきません。いきませんが、こんな議論をしていると一番肝心な問題に時間がなくなりますから先へ進んでいきますが、第五次ではこの予備費が調整費となって、さらに増額されて五千九百億。さて、今度は予備費が調整費に変わりましたけれども、この五千九百億の性格、目的、そしてこれを使う場合の皆さんの考え方をお聞かせください。予備費ではなかなか支出していくというのにいろんな制約があって困難である、そこで調整費というふうにして、第四次のような事態が生じたときにはこの調整費を充当して目標を達成できるようにしていくんだというんなら私は大変高く評価をするんですが、実体はいかがですか。
#27
○政府委員(升本達夫君) おただしのように今回の五カ年計画におきましては、調整費を五千九百億円計上を予定いたしております。これは他の公共事業五カ年計画についても同様の措置がとられておるわけでございますが、流動的な経済情勢、厳しい財政事情等に弾力的に対応するために設けられたものというふうに理解をいたしております。
#28
○小山一平君 そういたしますと、第五次計画の実施段階においては第四次のような状況の場合にはこの調整費を充当して、そして計画どおり事業が進捗することができるように使うことができる、使うんだということになったというふうに理解してよろしゅうございますか。
#29
○政府委員(升本達夫君) 先ほど来御説明申し上げておりますように、予備費ももちろん経済、財政事情との対応がございますけれども、なおそのほかの要件といたしまして、計画当初に想定できなかった相当の事情が生ずるということが予備費取り崩しの要件というふうに理解をいたしておりまして、これに対しまして調整費につきましては、先ほど私が申し上げたとおりの理解でございますので、その取り崩しの要件は若干異なっているというふうに私ども考えております。
#30
○小山一平君 大臣、お聞きのように、いままで予備費を多額に計上しながら、しかも計画はその半分にも満たないような実績であるということがおわかりだと思います。そして予備費は一銭も使わなかった。今度の調整費は五千九百億と大変多額に計上されておりますが、これは今度なかなか事業が予定どおり進捗することが困難だというようないろんな要因が生じたときにはこれを取り崩して、そして計画目標を達成するように有効に活用する、こういうふうにあるべきだと思うんですが、大臣の立場からこのことについての御答弁を求めておきます。
#31
○国務大臣(斉藤滋与史君) 先生御指摘のことで私はよろしいと思います。同感でございます。三次、四次五計の経験を踏まえて、特に弾力性を持たして今度の調整費という形で出したものと私は解釈いたしております。大変四次においても事業計画の達成できなかったことは申しわけなく思っておるんですけれども、昨今の環境事情が複雑多様化してなかなか対応できなかった。したがって、予備費も使うまでに至らなかったということで御指摘があったことと思いますけれども、まさしく先生御指摘のような向きでのそうした考え方のもとでの今度の調整費でございまして、御指摘の向き全く同感でございまして、そうしたことで弾力的にひとつ対処してまいりたい、このように考えます。
#32
○小山一平君 よくわかりました。ぜひ第五次計画の事業実施に当たりましては四次のようなことにならないように、この調整費も有効適切にひとつ御活用いただいて、目的達成が実現するように心からお願いをしておきます。
 次は、流域下水道についてお尋ねいたしますが、流域下水道構想が出てきたのはたしか昭和四十年ごろであったと思います。これが法制化されたのは四十五年の公害国会だったと思いますが、あの構想が打ち出された当時は私も自治体の責任者をしておりましたが、自治体では大変大きな期待を寄せました。私は、しかし私の現場における経験から流域下水道には大変多くの問題がある、こういうふうに大変批判的な立場を今日までとり続けてきておるところでございますが、最近になりますと地方自治体においても流域下水道そのものに対する期待や評価というものがずいぶん変化を遂げてきております。
 そういう前提に立って若干のお尋ねをいたしますが、ここに流域下水道計画一覧表があります。これを見ますと、計画面積、計画人口、管渠延長、処理施設、いずれもその巨大なのに驚きます。私はこの大変大きな流域下水道計画というのはどうも列島改造論的発想に立っているように思うんです。高度成長時代、列島改造論華やかな時代には何でも大きいことはいいことだ、大きくあれば経済的で効率的でいいことだというような共通した認識が多かったように思うんです。私は大きいことがいいことでなくて大きければ大きいほど問題があるというふうに見ております。
 皆様は専門家だからすでにごらんになり研究をされていると思いますが、中西準子さんという人がエコノミストに、「現場にみる下水道の不経済学」という特別報告を書いております。日弁連第二十三回人権擁護大会のシンポジウムで「環境保全からみた下水道法制」、こういうものがあります。また、自治労関係その他の立場からも流域下水道にかかわる批判とさまざまな提言がございます。皆さんはこういう一連の批判や提言についてどういうふうに評価をされておりますか。
#33
○政府委員(升本達夫君) 私どももかねがね、ただいま御指摘がありました中西氏の論文等も拝読をいたしておるわけでございます。論調についてはいろいろな私どもとしては私どもなりの見方あるいは考え方があるというふうに考えられるわけでございますが、部分的に若干の、特に申し上げたいのは実情の御認識にわれわれとの隔たりが大き過ぎる面があるのではないかというような感じがいたしました。ただ、御指摘のように流域下水道が大きい、大きいがゆえにデメリットももちろんございます。しかし、それを上回るメリットもあるということについても十分比較検討の上で最適な整備計画を選ばれるべきものというのが私どもの基本的な考え方でございますので、そのような観点からすると御批判を申し上げたい点が多々ございます。
#34
○小山一平君 それはそうでしょう。いろいろな批判が、全くそのとおりですと言ったら変なことになりますから、皆さんは皆さんなりに考え方を持っておられて、そこに食い違いのあるのも私は当然だと思います。しかし、役所の通例として、とかく自分たちが立案したりあるいは提起したりしたものについては、それがいろいろ問題が生じてもメンツにこだわるのか、権威にこだわるのか知りませんけれども、なかなかまずかった点がみずから気がついてもこれを早期に改善をしていく、方向を変えていくということが困難だ、こういう本来的に困った体質を持っていると私は常々思っております。私もいろいろな意見が一〇〇%賛成ということばかりではありませんけれども、しかし私のように現場で公害問題に取り組み、下水道問題で苦労をした立場から見ると全く同感、うなづける点が非常に多い。こういうのが私の感想です。
 そこでぜひ一つ、これからいろいろ議論をしていきますが、建設省もいろんな意見などを謙虚に聞いて、そして見直すべき点があったら早期に見直していくという態度が重要だと思います。こういう態度でこれから取り組んでくださいますか。
#35
○政府委員(升本達夫君) いろいろな御意見を参考にしながら、私どもこれからの下水道整備をより的確に適切に実施をしてまいらなければならないというふうに考えておる次第でございます。
#36
○小山一平君 流域下水道の問題点を一々挙げて議論をいたしますと、これは長い時間がかかって、とうてい私の持ち時間ではその他の大事な論議もできなくなりますから、若干ピックアップして二、三の点で見解をただしておきたいと思いますが、いまも巨大な流域下水道にはデメリットもあるがメリットもあるということでございますが、デメリットの方がメリットより大きかったらこれは何にもならぬわけですが、果たして大きな流域下水道というものが経済的な優位性を持っていると断言することができるのかどうか、大変私は疑問に思います。不経済性の最たるものは幹線管渠であると言われています。それから巨額な先行投資である。また施設利用率の低率、それに伴う遊休施設という部分がかなり大きくなる。さらには処理場用地の反対運動対策のための補償費というのもこれはもう大きくなればなるほど支出をしなければならないんです。こういう二、三点にわたるデメリット部分というものとメリットの部分というのを比較検討をして、皆さんはメリットの方が大きいというふうに確信を持って言えますか。
#37
○政府委員(升本達夫君) 先ほどおただしのございました流総計画に基づきまして、流域下水道あるいは公共下水道の整備が促進されるのがたてまえであろうかというふうに考えておるわけでございます。
 そこで、流総計画を作成するに当たりましては、その当該対象となる地域における地形、降水量あるいは河川流量その他の自然的条件、それからその地域における土地利用の見通し、当該地域の公共水域に係る水の利用の見通し、その地域における汚水の最、水質の見通し、さらに下水の放流先の状況、それから下水道整備に関する費用効果分析、こういった諸項目について十分調査し、関係の自治体の意見を総合して計画を作成し、その計画の定めに従ってより適切であると思われる場合に流域下水道さらにあるいは公共下水道、こういうことで整備をいたすたてまえになっておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、ただいま実施をいたしております流域下水道についてはすべて少なくとも実質的な意味での流総計画に基づいて的確な整備方式を選ばれた結果流域別下水道が選択された、このように考えておりますので、現実におきまして私どものただいま申し上げました見解を修正すべき必要はないものというふうに考えておるところでございます。
#38
○小山一平君 こうした問題は、また別途の機会に細かい数字等を挙げながら論議の機会をつくりたいと思います。
 それから、私はその地域の環境条件というものによって一概には言えないと思いますが、できるだけ自然浄化作用というものを最高度に活用するという考え方が重視されなきゃならないと思うんです。ある上流の一部分で処理されたものがまた河川に放出され、そして自然浄化でかなりいい条件になったのがまた次のところで利用をされる、こういうことを最高度に活用していくという自然浄化作用というものの活用ということが重要だと思うんですが、どうもこの流域下水道というのはこういう配慮というものが果たして根底にあるのかどうなのか疑問に思うのです。上水道を利用した水のすべて、それから天然の雨水を太くて長い管渠でずうっと何十キロも下流まで持っていって、そこで巨大な処理施設によって処理をして、一挙にこれを河川に放出をする。こういうやり方というのはいま申し上げた自然浄化作用というものを軽視している考え方ではないか。そしてそういうやり方は自然環境サイクルを破壊するおそれはないのか、こういう心配があります。いかがでしょうか。
#39
○政府委員(升本達夫君) 確かにおただしのように、河川が自然浄化作用を保っている段階におきまして、その作用の能力の範囲内で下水処理水が受け入れられる状況にあるならば、できるだけ早く河川に処理水を流すべきだというふうに私ども考えておるわけでございます。しかしながら、一般的に特にこのような流域別の大がかりな下水処理を必要とするような場所につきましては、その当該地の河川のいわゆる自浄作用を上回るような汚水が出てくる。したがって、そのような河川の能力を上回る汚水をそのような状況下にある地点の河川に放流するわけにはまいらない。そこでこれを下へ持ってくるなり、あるいは特別な処理をして負担を軽くして放流せざるを得ない、このようなことになるわけでございまして、下水の処理は、河川の自浄作用の限界を越える汚濁負荷をカットするために、いわば自然浄化作用を短時間的に処理して自然に戻してやる、このために行われるものというふうに理解をいたしております。その考え方に立ちまして、先ほど申し上げました流総計画によりまして具体の放流先が決定される、整備計画が立てられるというふうに考えておりますので、むしろおただしに反して恐縮でございますが、私どもは河川の自然浄化作用を守るために、必要に応じ流域下水道の整備を行っているというふうに理解をしております。
#40
○小山一平君 私は、いろんなこういう構想が打ち出され、計画が策定されてくる現地の立場で大変疑義を抱いておる。これ以上議論をやりません。当然いま述べられたようなことが完全に事業計画の中に織り込まれる、こういうあるべき姿については、実際にそうなっているのかいないのかということについては、皆さんも今後厳しくひとつ検討して対処していただきたいと思います。
 次に、流域下水道事業は大きければ大きいほど長期化するのは当然ですし、そういう事情もあって、流域計画内におきましても、特に上流地域などにおいて、とても流域計画の実現を待っていたんでは時間がかかり過ぎて困る、地域の要望、要求なども非常に強いので、私のところはそれを待たずに公共下水道を独自に計画して実施をしたいという事例がたくさん出ております。そして、皆さんの方もそれを承認されて事業が行われていることも知っております。私は、これからもこういう計画をする自治体というものは出てくると思います。そこで、すでに計画を実施している自治体は皆さんも承認されてやっているんですが、これからもそういう自治体が出てきたら、これを承認して、公共下水道を認めていくというふうに考えてよろしゅうございますか。
#41
○政府委員(升本達夫君) 流域下水道につきましては、おただしの点の問題点もございますが、まず技術的な面あるいは経済的な面で、その地域に最適な効果をねらって整備するものでございますので、これができ上がった暁、あるいはでき上がった後のトータルとして考えて振り返ってみた場合に、それがより適切であったということについては、私どもはその確信は揺るがないものでございます。しかしながら、その反面におきまして、かなり大がかりな工事でございますから、御指摘のように、上級部等については時間がかかり過ぎるというような御不満があることも十分承知をいたしております。これは確かに流域下水道の一つのデメリットかと思います。
 そこで、これは私ども基本的に計画を修正するということよりは、やはりその計画どおり、計画に合わせた進行というものをいかにして図るかということが主要命題ではなかろうかというふうに考えておるわけでございまして、たとえば具体的に申し上げますと、いままでやっておりましたもののある程度反省に立ちまして、処理場も必ずしも全部能力を豊富に持ったものを一斉につくらなくてもいいではないか、あるいは幹線管渠につきましても、何も全面的に太いパイプで最初から敷設しなくてもいいではないかというような部分的な手直しを検討しまして、より合理的な方法で計画の達成が図れるように努力をいたしてまいりたい。したがいまして、そのような努力を積み重ねることによりまして、できるだけ上流部についても早い時期に流域下水道を御利用いただけるように持っていきたい。ただいまの主要なテーマとしてはそのようなことを考えているわけでございます。
#42
○小山一平君 私のお尋ねしたのは、皆さんの立場とすれば当然そうですが、何しろ最終目標が私は予定どおりにはいかぬと思うけれども、いったとしても二十年も先の話なんだということですから、ある自治体が流域計画の中に加わっていても、とても待ち切れないから、みずから公共下水道をやりたいというときには、これを認めていくのかいかないのかということを端的にお答え願いたいというお尋ねです。
#43
○政府委員(升本達夫君) その自治体単一でお考えになった場合に、その方が有利であるというようなことはあり得るかと思います。しかしながら、その流域全体で見て果たしてどちらがよりベターであるかというのは非常にむずかしい問題でございますので、直ちに若干の時間のおくれでがまんできないということのゆえで流域下水道計画から離脱をしていただくことを認めるということは、私どもの立場としては適切ではないのではないかというふうに考えている次第でございます。もとより、その流域全体を見通した計画の見直しによりまして、その部分が分離することがより適切であるというような判断が得られるならば、それはそのときの対応で考えるべきことではないかというふうに考えております。
#44
○小山一平君 すでにその事業を承認して、現にその事業が行われている部分もあるわけでしょう。ですから、皆さんが一たん流域下水道という大網を張った、そうしたら、その中に独自的な公共下水道をやりたいと、こうあったときに、君たちは最初に約束をして仲間になったんだから、独自でやるなどということは認めませんよという姿勢は、これはちょっと無理があると思います。皆さんが検討して、その独自的な公共下水道が効率的に、しかも円滑に実施できるという見通しがあるならば、これを認めていくということでなければならない、私はそう思います。どうですか。
#45
○政府委員(升本達夫君) その自治体の側に立った判断だけではなくて、やはりその自治体のかかわっておりますその地域全体についての判断をあわせていただいて、なおかつ分離することが合理的であるという説明が納得できるものであるならば、離脱していただけるものと考えております。
#46
○小山一平君 この問題については、また後ほど少し論議を深めたいと思いますが、こうなると流域の方も困るんです。最初計画した規模があるのに、そこから離脱されればその部分だけは遊休部分となるわけですから、そういう問題もよくわかります。わかりますが、やっぱりこういう下水道事業の歴史も浅い。ことさら流域下水道などという計画はまだスタートして日が浅い。いろいろ研究あるいは実行という段階になると手直し、見直ししなきゃならぬ部分もたくさん出てくる、こういう状況でございますから、私はぜひいまの御答弁のように、公共下水道というものを流域に何でもしっかり縛り込んでいくというかたくなな姿勢はとるべきでない、こういうことを強く要請をしておきます。
 それから処理場の用地確保、地域住民の合意、これは皆さん大変です。もうかなり古い時代の経験ですけれども、小さな市の、その市だけの公共下水道の終末処理場をつくる用地の確保、その地域住民の合意を得るということにどれほどの苦心が必要であるかということを私は身をもって体験をしてきております。したがって、皆さんが一村を買い切らなきゃならぬようなばかでかい計画を立てたとしたら、これは土地確保には強制収用、そして地域住民の反対は踏みつぶすということをやらなければここにあるこの膨大な流域下水道計画はできません。断言します。皆さんはこういう土地問題や地元住民の反対運動というものをどういうふうにこれから対処していくつもりですか、自信ありますか。
#47
○政府委員(升本達夫君) 用地確保の問題は、流域下水道のみにかかわりませず、すべての公共事業にほぼ共通の問題であろうかと思います。特に下水道につきましては、公共下水道の処理場用地といえどもほぼ同じような状況にあるわけでございまして、いずれにしましても、確かに大規模であるがゆえに非常に抵抗が強くなる、あるいは他の市町村の汚水も含めて処理する処理場にという感覚的な問題もございます。その意味で、一般の公共下水道の処理場に比べますと、程度の問題としてかなり厳しくなっているということは御指摘のとおりだろうと思います。しかし、いずれにしましても下水処理ということは必要な事業でございます。この処理を行うためにはどうしても一定の用地が必要でございます。この用地を確保いたしますことは、結局は地域全体の利便につながるということについて十分説得を尽くし、努力をいたすべきだと思いますが、最終的にはどうしても御納得いただけない向きについては、収用という強制手段をとることもこれは公共事業としてやむを得ないところではないかというふうに考えている次第でございます。
#48
○小山一平君 あなた、ばかなこと言っちゃいけません。あなた方がどんなに自信を持って進めようとする事業であろうとも、あらかじめ最悪なときは強制収用をするんだなどという姿勢でやっちゃいけません。何言っているんですか。そして、地域住民の反対があったってそれは無視せざるを得ない、地域のためにやるのに、地域の人々の財産を国家の権力によってこれを召し上げ、反対があってもそれを押し切るなどという姿勢でやるようなことはやめなさい。ばかを言うこともいいかげんにしろ。大臣、どうですか。
#49
○国務大臣(斉藤滋与史君) 局長の答弁が少し過ぎたような印象を与えて恐縮でございます。要はそういうことでなく、地域の方々のコンセンサスを得て、何とか地域に住んでおられる方々が快適な環境づくりのためにやる事業をやろうとしている気持ちであったわけで、それについてはひとつぜひ御理解をいただきたいと思います。
 御指摘のように下水道事業は、わかっておっても事業形態としてやるということになると、先生も御経験のようになかなかむずかしいわけで、それで担当としても苦しんでおるわけであります。特に計画そのものが非常に膨大なものになっておりますけれども、日本の下水道事業が過去二十年そこらで始まったというような状況を見たときに、何としてでもだんだん都市化していく日本の生活環境を守っていかなければならないということで、つい計画も積極的になりますし、事業もついつい大きくなる、あるいは二十一世紀には住民の七割、一億が流域に住むというような状況を見るにつけ、やはりこの問題は御理解をいただきながら積極的に進めていかなければならない問題であるわけであります。ただ、おしかりを受けるような形であってはならないわけで、あくまでもこれは地域住民の方々のためにやる事業であるということの理解のもとに御理解をいただいて進める事業であろうかと思います。
 先ほど、地方によってはそこで公共言いう御質問があったわけでありますが、これとても同じ計画の中で組み込まれてスタートして、どうしても十年、二十年かかる、待てないというようなことの御理解の場合のことを御指摘をいただいたと思いますけれども、これとても計画は計画として、そのことによって大きな計画の中にそごという――バランスもあろうかと思いますが、それはやはり地域の方々の要望をまず主にして対処していくのが私は民主主義であるというように考えるわけであります。大きく曲げる計画でなく長期計画がなされたときに、それをまた組み込まれるようなことも考えられるわけでありますので、そうしたこともこれは政治判断かもしれませんけれども、そんなことも考え合わせて、とにもかくにも下水道事業を住民の方々の御理解をいただきながら推進してまいるという考え方にはいささかも変わりないわけで、御理解をいただきたいと思います。
#50
○小山一平君 わかりました。こういう事業に、皆さんここでちょっと思い上がりがあるのです。おまえたちのためにおれたちはいいことをやってやるんだ、それを何をわからぬことを言っているのだ、強制収用しようが反対を押し切ろうがいまにきっとわかる日も来るだろう、こういう思い上がりが根底にあるのです。だから局長のようなああいう本音がちらっと飛び出したりするのだと思いますが、やはり私は大臣のおっしゃるように強制収用なんという手段はとるべきでない、住民の反対運動があったらどんな努力をしてもその合意を取りつける、この基本姿勢はひとつ今後とも貫いてほしい、こういうふうに希望を申し上げておきます。
 それから、今度第二種流域下水道というのが出てまいりました。これは今日までの巨大計画に対する反省に基づくものでありますか。それからいままでいろいろ構想を練り、計画を立ててきた中で、こういう小規模な事業というものもやることが適当である、こういう判断に立ったからですか。
#51
○政府委員(升本達夫君) 下水道整備は、再三おただしのように大変状況が立ちおくれております。しかし、特に地方部におきましては自然保護の観点あるいは下流部における都市用水等の水利用というような観点から、どうしても早く下水道整備を行わなければならないという地域が増大しております。このような地域におきまして下水道整備を促進いたしてまいりますために、現在の流域下水道におきましては、御承知のとおり計画人口が十万人以上というようなかなり大規模な対象地域を想定し、この場合の条件に当たるものに県が流域下水道を実施できるというふうにいたしております。したがいまして、先ほど来申し上げましたような要請にこたえますためには、より小規模な小回りのきく流域下水道という方式が適切な方式ではなかろうかというふうに考えまして、今回第二種の流域下水道を創設いたした次第でございます。
#52
○小山一平君 次は、下水道に工場排水を入れるという問題に私は大変疑義を抱いております。たしか昭和四十年ごろになりますと公害問題というものが大きく噴出をしてまいりまして、全国の河川、湖沼などの大変な汚染が大問題になってきました。当時、私は上田市長をしておりましたが、島崎藤村が歌い上げた「千曲川旅情の歌」ではありませんが、詩情に富んだ大変美しい川と私どもが自負していたんですが、あんな山国でありながら、この千曲川の汚染というものが大変顕著になってきました。私は、信州大学の繊維学部長であられた小泉先生を中心にして、大学の有力メンバーにいろんな調査をお願いいたしました。市を中心に三十キロ区間ぐらいの、そこに住むウグイ、オイカワ、フナなどの調査をしていただきますと、何と最高値でカドミウムが〇・一三PPm、亜鉛が百六十一PPm、クロムが〇・四五PPm、ニッケルが一・八四、銅が三・四、鉛が一という高度な重金属が検出をされたわけであります。魚でこうですから、水虫、水あか、川底の泥などになりますとこれをはるかに上回る重金属が検出をされました。
 そこで、その原因であろうと推定をされる工場、主としてメッキ工場ですが、この排水口から流れ出て河川に行く水路の調査をしていただきまして、驚くべき重大事態に際会をいたしました。ひどいのになりますと、カドミウム百四十PPm、亜鉛十一万PPm、クロム四千百、ニッケル六千八百、銅七千七百、鉛七千百PPmといった驚くべき高値の重金属がそこに沈でんをいたしたわけであります。カドミウムはその悲惨なことにおいて、日本の公害の歴史に大書さるべきイタイイタイ病の病原であることは御承知のとおりです。亜鉛が前立腺、クロムが卵巣、皮膚、肺、ニッケルが皮膚、銅が肝臓、脳、心臓、鉛が動脈、肝臓、腎臓、カドミウムが腎臓、肝臓等々に蓄積をするというふうに研究者は教えてくれました。
 これはなぜこういうことになるかというと、大きな企業というのはずるいですから、こういう重金属が流出をして地域で問題になりそうな部分というものは零細な下請におろすわけです。下請は仕事が欲しいから仕事を受けて、そして大変危険な毒物をひそかに川に流す、こういう仕組みがいま申し上げたような状況になったわけであります。いまこれがかなり厳しい規制を受けるようになりました、水質汚濁防止法の制定によりましてそれらの工場はかなり厳しい規制を受けておりますから、昔のようなばかなことはあろうはずがありません。しかし、現在の下水の処理方法は活性汚泥法です。これは生物処理法とも言われるものでございますから、毒物が流入してくればこの生物は死滅をいたします、あるいは減少をいたします。したがって、工場排水の中にこうした種類の重金属が流されてまいりますと、処理機能は低下あるいは麻痺するという危険性を持っているものでございます。
 そこで私は、公共下水道であれ流域下水道であれ、工場制水の受け入れというものは――それは工場にもよります。食品工場のようにBODなどに限られるようなものは別といたしまして、重金属類を使うというようなものを受け入れていく、または受け入れていくことが下水道の重大な使命だ、下手をすれば住民の生活汚水よりもこっちの方が重大ではないかと考えているのではないかと言われるような姿勢が見える。私は、どうも下水道受け入れという問題に大変憂慮の念を抱いております。何かこの流域下水道は、広範な地域を計画をしていくというのは、定住圏構想などとも関連をして、これから考えられている地域における工場立地の受けざらづくりが根底にあるのではないか、皆さんから見れば何と言うか知らないが、私はそんな危惧さえ感じられるわけであります。皆さんは下水道に工場汚水をどんどん入れていくということについてそういう心配は抱いておりませんか。
#53
○政府委員(升本達夫君) 現在の下水処理のシステムから申しまして、ただいま先生おただしのように重金属等が入り込むことば非常に困るということは、私どもも同じ考え方に立っておるわけでございます。しかしながら、現在の都市の状況からいたしますと、都市における生活あるいは事業活動のために公共施設を整備する、その公共施設の基本的な一つでございます下水を整備するといいます場合に、やはり都市の市街地全体を対象として整備を図っていくというのが一番合理的なものではないかというのが私ども基本的な考え方でございます。
 特にわが国の町の状況を見ますと、住宅、商業施設、工場、いろいろ混在をしているという地域が非常に大半の地域でございます。したがって、そのような土地利用の状況にかんがみましても、これは工場の汚水は別にということは実際問題として非常にむずかしいし、また効率的でもないのではないかというような考え方をいたしておるわけでございます。また、一口に工場と申しましても、これはいろいろな種類の工場がございます。たとえば食品加工業のような工場でございますと、それから出てまいります汚水というのはほとんど一般家庭の排水とまぜて処理するに適した汚水でもあるわけでございます。したがって、おただしのような特殊な重金属等につきましては一つの包括的な体系の中に取り込むものではあるけれども その下水道を利用していただく前提として十分その工場の責任において重金属等の害物は除去していただくというたてまえで下水道法が組み立てられておることは御承知のとおりでございます。
 そこで私どもといたしましては、したがいましてその考え方にのっとりまして、できるだけ各工場について、特に毒物排出の工場について十分除害施設の設置を御努力いただきたいということで低利融資措置あるいは税制上の特別償却措置等をもちましてその設置の御努力をお願いしているわけでございます。また法制上のたてまえといたしまして、必要な罰則制度あるいは改善命令というようなものの制度も十分に利用しながらできるだけその毒物の除去の徹底を図ってまいる、かように考えているところでございます。
#54
○小山一平君 これは大変法律を見るとおもしろいんです。水道法の改正によってカドミウムなど有害十六項目について水質汚濁防止法の規制基準と同じ基準を設定いたしました。そうすると、いま局長のお答えのように、工場は下水道にこれを排出するにしても、水質汚濁防止法の規制基準まで自己処理をしてでなければ放出することができないというわけです。そうすると、この企業ば何も下水道へこれを流し入れて高額な使用料を払わなくても広域公共水域へそれを直接出してもいいわけでしょう。だれも直接ただで公共水域に排出することのできる汚水を高い使用料を払って下水道を活用する必要がない。そこにはメリットがないわけなんです。そういうことですから、すでに皆さんも実例を知っていると思いますけれども、企業によっては下水道から離脱をするという幾つかの事例が私の知っているだけでも出てきています。それは大きな企業です。月に何百万円も使用料を払って下水道を利用するよりも、計算をしてみたら自分のところで施設をつくって処理した方が経済的だという場合に、この財力のある大きな企業は自己処理をやって下水道から離脱をしていくという事例が出ているのは、私はこういう関係からだと思います。
 したがって、私は公共であれ流域であれ、下水道に工場の、いまも言ったようにいろいろありますから、その特定工場と言いましょう、特別の物質を使う工場、これが完全に規制基準を守るような処理をしないで出すことができるから下水道はありがたいんです。そういうことになっているんです。ですから、力のある企業は自己処理をして公共下水道あるいは流域下水道から離脱をする。そんなことをされては今度は下水道財政が大変なことになるから、そんなことはやらないで利用してくれというには、多少問題があっても目をつぶるという悪循環になる危険があるんです。
 私は、皆さんのように東京のビルの中で物を考えているわけじゃありません。現地の生の泥まみれになって苦労した体験の中でそのからくりをよく知っているんです。ですから皆さんのおっしゃるほど工場排水というものは下水道へ流してもそう心配のものではないというわけにいかぬのです。そうして、ある工場がある物質で規制基準〇・一PPmを公共水域に出せば水質汚濁防止法の取り締まりにあって処罰されます。これがわからないように下水道に流し込んだら、大量の他の汚水と混合されて十倍の水であれば一PPmのものは〇・一PPmになる。百倍に薄めれば一OPPmのものがこれまた〇・一PPmになる。こうなるんです。ですから下水道へ入ってしまったらしめたもの、工場の中で見つかりさえしなければもうその企業は免罪になるというこういう非常に危険性を持っているんです。皆さん、工場での排水というものが規制基準を厳しく守り得るような取り締まり、監督が十分できると思いますか。
#55
○政府委員(升本達夫君) 制度論といたしましては、制度の現実といたしましては工場排水の中で下水道で処理できるものも多重に含まれておりますし、処理されないものも含まれております。したがって、処理されないものについて、あるいは処理に不都合なものについては十分前もって工場で御努力をいただいてこれを除去していただきたい。それが的確に実施されるならば、効率的に工場を含めた汚水処理ができるものというたてまえで組み立てられておるように理解をしております。しかしながら現実問題として、御指摘のような問題が多々あることについても私どもよく承知をいたしておるつもりでございます。
 そこで、そのような状況に対応いたしますためには、やはりどういたしましてもたてまえ、制度に沿った実行が図られるように十分監視を強める、あるいは工場に対して御協力を願うというようなことを積み重ねていく必要があろうかと思うわけでございまして、現実にこの関係の除害施設の設置に関する指導監督に係る担当職員数も相当最近においてふえてまいっておりますし、また、立ち入り検査等の仕事もかなり度数をふやしているという状況にあるわけでございますが、さらに、そのような今後努力を積み重ねていくことが基本だろうと思います。
 なお、監視の一つの方法といたしまして自動監視機器の開発に現に努めております。間もなくこれが実用化の段階になりますと、かなり制度の趣旨に沿った実効が期待できるのではないかというふうに考えているわけでございます。
#56
○小山一平君 このことでこれ以上時間を費すわけにはいきませんが、私がいま申し上げたように、工場排水というのは今日のような活性汚泥法による処理方式をもってしては大変危険を伴うものだということはよく申し上げておきたいと思います。
 それから、工場が直接公共水域に排水するときには、これは公害部局の取り締まりというか、指導監督を受けるわけでしょう。これが下水道に入れると今度は下水道法の対象となって下水道部局の管轄になるわけです。こうなったときに下水道の中で十分、数多い企業の現場の監視、監督をする人員配置ということが非常にむずかしい。これもまた今後の重要な課題としてひとつ御検討を願いたいと思います。この特定工場の排水排除という問題については、これは私はぜひそうあるべきだと思いますが、今後の課題として、ひとつ皆さんも現場の実態をよくつかんで御検討をお願いしたいと思います。
 そこで私は、下水道というものは一体どうあるべきなのかという基本について若干意見を申し上げ、御見解を承りたいと思うのですが、五十四年八月、都市計画審議会から「今後の下水道整備のあり方について」という答申がございました。それによると、「七十五年頃までに、大都市、地方都市のへだてなく市街地について下水道を完全に整備するとともに、農山漁村の中心集落、自然環境を保全すべき湖沼等についても下水道整備を進め、下水処理人口の対総人口普及率をおおむね九〇%まで引き上げる。」、こういう内容です。社会資本、特に下水道の立ちおくれたことについての反省に立ったものと思います。そして、これは一日も早く先進国に追いつこうとするじみではあるが壮大な事業構想だと私は評価をいたします。しかし、現地の実情というものを知っている者にとっては、この事業というものは非常に困難性が伴うということを申し上げたいわけです。そして下水道というものは、私はこういうふうに思うんです。下水道というものは、その地域に住む人々が自分たちの出したものは自分たちで処理するという地方自治の原点とも言うべきこれが固有の事業でなければならない。これを軽視をすると、この私が壮大な事業構想と言った事業というものは実を結ばない。私はそう思うんです。
 地域は多様な条件を持った環境でございます。そこでこれは極力、すべてとは言いませんが、極力自治体と住民が一体となってこの事業を推進をする。そしてみずからの健康、公衆衛生、水質の保全、環境の保全という重要な命題に立ち向かわなければならないというのが基本でなきゃならぬ。何でも大きなものをこしらえて、おまえたちのものはみんなめんどうを見てやるからここへ持ってこいなどという、そういうお仕着せではこの事業というものはますます困難になるということです。そこで大臣、基本的な考えとして根底にしっかり据えるべきは、こうした事業は自治体と地域の住民がみずからの責任と努力で解決をするという自治体固有の事業であるというこの原則、すべてがこうというわけにいかないにいたしましても、これが根底に据えられるべきものだと私は思うんです。どうでしょうか。
#57
○国務大臣(斉藤滋与史君) 下水道に対する理念といいますか、考え方、まさしく小山先生おっしゃるとおりでよろしいんだと思います。また、私自身もそのような考え方に基づいてこの事業は進めるべきものであろうかと思います。いずれにいたしましても、自治体、地域住民のコンセンサスを得て事業がなされるものであるし、それがなくして事業も達成できないわけで、そうした向きでこれからもその基本理念は曲げずに進めてまいりたい、このように考えるものでございます。
#58
○小山一平君 そこで私は、下水道全体計画を考えたときに、いまの立場からいってまず公共下水道計画を優先をする、そして流域下水道計画はその補完であるという位置づけが必要だと思います。流域下水道が主役になっちゃいけません。公共下水道をまずできるものはみんな、当事者、地域、自治体の責任でやってもらう、これを優先する。そして、それではどうしてもうまくいかないような諸条件を持ったところは、やむを得ず補完的に流域下水道というものを導入をする。この原則というものは今後の下水道の基本的なあるべき姿でなければならないというのが私の年来の持論です。いかがお考えでございますか。
#59
○国務大臣(斉藤滋与史君) さて、その点がどうでしょうか。下水道事業はあくまでも自治体、地域住民の方々がコンセンサスを得てやるということは、たてまえ論としてよろしかろうと思います。その点のバランスであろうかと思いますが、どちらが主体どちらが補完という意味でなく、私は日本のこの三十七万平方キロの一体感を考えますと、均衡ある発展を考えますと、やはり並行してこの問題はケース・バイ・ケースで計画を進めていく方がよろしいような気もいたします。先生のことをおっしゃるんじゃありませんけれども、どうも日本人は島国に住んでおるせいか気が短かくて長期的計画には向かないんです。したがいまして、二十一世紀を私たち想定したときに、特に都市化されてきたときに、さてその連帯感をどのように結びつけるかということを考えますと、長期計画は長期計画として一つの方向づけとして流域下水道も必要であるし、短期的にはもとより地域の方々がコンセンサスを得て公共下水道ということも考えられるわけで、その点はひとつあわせて総合的に、整合性を持って両面で日本の下水道事業は推進していく方が私自身は現在のところよろしいように考えているわけであります。したがいまして、ケース・バイ・ケースというのは、地域住民が流域下水道を待てないんだ、おれたちはこうするんだ、しかし流域下水道の場合について完成したときにはつなげるという方法もありましょうし、そうしたことも考えていけば、私は両面でいけるような気もいたすわけでありまして、先生の言うことも全く私は正しいと思います。あわせてひとつ、流域下水道はいかがなものであろうかということまでいかないで、両方で、全般的な考えでひとつ御理解いただければよろしいと思いますが。
#60
○小山一平君 大臣、誤解しちゃ困ります。私は全面的に流域下水道を否定しているわけじゃありません。地方自治体がみずからの力で公共下水道をやろうと考え、それがやることのできる諸条件を備えていたならば、それは自治体に任せればいいじゃないか、できるところまで、そんなこと言わないで流域下水道へ仲間になれなんて何も親切ごかしに言うことまで建設省ば暇なわけでもないと思います。ですから私の言うのは、自治体がみずからの力でできる条件を持ったものはこれを優先してそれに任せて、それが困難なようないろいろな条件を持った地域においてはそれを補完的に大きな規模で、大きな力で処理をするという、こういう原則を尊重すべきだということを申し上げているわけです。そして、これからは私は、流域下水道というものはうんと多様性に富んだものでなきゃならぬと思います。何でも日本じゅうの、これにも書いてあるように、農山漁村の中心集落などもみんな流域下水道などというこういう大きな網にかぶすんでなくて、そういう地域はそういう地域でもって小型のそれに見合った処理方法というものを開発をしていくべきだ、その方が地域のためにもいいし、事業もやりやすいし、経済性にも富むのではないかということを申し上げておきたいと思うんです。
 いま、私のようなところでもどこでも屎尿処理場を持ってます。だから採尿処理場と公共下水道と二つ持ってます。採尿処理場の汚泥は、これを圧縮し、ときにはこれを乾燥をすれば、近隣の農村、特に高原野菜などの貴重な肥料としてこれがみんなとりにきて持っていく、ただでございますからね。ところが公共下水道になりますと、いろいろな規制をしていると、できるとおっしゃるけれども、必ずこの中にはさまざまな重金属がある。したがってこれは肥料にはならない。そこで、さあこの汚泥をどこへどう処理するかというのが頭の痛い問題になるわけです。フェニックス法案などというのも、こういうような問題の解決の一助にしようということであろうかと思いますが、そういうことですから、ひとつ今後のわが国の下水道計画を広く徹底的に推進をするということにおいては、まず、みずからのものはみずからで処理をするという自治固有の原点というものを尊重すべきである、それが今後の事業をうまく推進する大前提になるであろう、こういうことを申し上げておきます。このことはこの程度にして、また機会があったら別の場で談論をさしていただきたいと思います。
 そこで、いまの私のような持論を進めていくには、下水道財政の改善ということが必要になってまいります。自治体にとって下水道財政というのは大変重荷になっているんです。大変これは厳しい状況にございます。そういうことでございますから、建設省の第三次下水道財政研究委員会においては第三次の提言では、使用料によって賄うべき経費の範囲は、一般排水については、当該汚水にかかわる維持管理費とすることが適当であるという提言をしています。ところがこういうやり方でいくと地方財政がもたない。そこで五十四年第四次計画に当たっては、この研究委員会は、一般排水についても汚水にかかわる維持管理費のほか資本費についてもその対象とすることが妥当である、五年の間に百八十度の大転換をいたしました。自治省も地方財政を担当する省として、地方財政がこのままいったら下水道でもってパンクするおそれがあるというんで、赤字にならないように使用料から資本費まで取れという指導に乗り出したわけです。こういうことが、東京都で今度八〇%の大幅値上げをいたしましたし、料金アップラッシュの現象を呈する要因となってきたわけであります。
 そこで私は、この使用料というものは引き上げにも限度があります。どの辺までが妥当かという検討もこれから皆さんにしていただきたいと思いますが、経営形態が多様ですからアンバランスになるのはやむを得ないにしても、余り極度な負担を求めるというわけにはいかない限度がある。そうしたときに、地方財政が下水道財政によって大変な危機に陥るということがあってはならない。そのためには私は、下水道財政を健全化するための必要な助成措置というものをお願いをしなければならないと思うんです。
 まず、下水道には補助対象率というのがある。この引き上げを皆さんが求めたけれどもとうとうこれは認められませんでした。だから、建設省も恐らくこうしたいま申し上げたような事態に対応して、そして下水道財政を改善をしようという考えからこういう引き上げの要求をされたものと思います。ところがこれがうまくいかなかった。ぜひこれは今後引き続き引き上げの実現を図ってほしいというふうに思いますし、それからその他の補助率についても現状の改善が私は必要だと思います。いまの下水道財政を圧迫する最大の原因はこの補助対象率にあるんです。ですからこのことをひとつ皆さんよく検討されて、そして下水道財政改善のための引き上げ措置を講ずるために格段の御努力をお願いをしたいと思います。どうぞお答えください。
#61
○政府委員(升本達夫君) 補助対象率につきましては、第一次五カ年計画、第二次、第三次、第四次と逐次改善に努めてまいって現状に至っておるわけでございますが、なおかつ現状において、もちろん私どもとしてもこれで十分というふうに理解をしているわけではございません。問題は国の財政状況との兼ね合いにおきまして、今後そのような状況が開けるならば、補助対象率の引き上げに努めてまいりたいと考えております。
#62
○小山一平君 下水道財政問題でもう少し突っ込んだ議論をしたかったんですが、もう持ち時間がわずかになってしまいました。
 そこで私は、補助の格差というものに非常に疑義がある。この格差の是正を図ってほしい。
 まず第一に、流域下水道と公共下水道との格差がある。私に言わせれば、皆さんは公共下水道を流域下水道の方へ誘導するという政策意図があるように思えるんです。流域の方へ手厚く補助金を出しておいて、こっちの方が経済的だ、君たちは公共下水道でやるよりもこっちの方が得だと、そんなことはないでしょう。同じ条件でやって公共下水道の方が経済性に富み、効率的な運営ができるというのであればこれはいいんです。こんなに差をつけておいて、自転車とオートバイで競争をやらせるようなことをして、自転車がだめだからオートバイの方がいいだろうなんと、そういうことはいけません。
 それから大都市ですね、指定都市と一般都市との間に大きな格差がある。皆さんは、大都市は資本ストックがあるはずだ、財政力が豊かなはずだというふうにおっしゃるけれども、むしろ、東京でも大阪でも調べてみると、大都市の下水道財政の方が惨たんたるありさまなんです。ですから、ひとつ補助率の格差というようなものにぜひ取り組んでその実現を図っていただきたい。これは私の意見ばかりでなくて皆さんのところへいろんな提言、勧告が行っているはずです。この補助金格差の是正によって下水道財政の健全化を図る、ぜひそういう方向をとっていただきたいと思いますが、これについてのお答えをお願いいたします。
#63
○政府委員(升本達夫君) 二点おただしがございましたかと思うわけでございますが、第一点の、流域下水道について補助を厚くしているのはそれによって誘導する試みではないかというおただしでございましたけれども、御承知のように流域下水道は大変広域的に効果を持つものでございますし、それからその整備の緊急度というものも広範囲にわたって認められているわけでございます。そのような施設の性格から公共下水道より国としてはより関心度が高いという観点で補助率に若干差をつけさせていただいているわけでございますが、私どもは流域下水道であれ公共下水道であれ、とにかく下水道の普及を図ることが第一の眼目というふうに考えておりますので、特に流域下水道に比重を置いて促進しなければならないとも思っているわけではございませんので、あくまでもこの施設の性格から国としての関心度合いに若干差があるというふうに御理解をお願いしたいと思うわけでございます。
 それから、第二点のおただしでございます補助対象率につきましては、確かに指定都市と一般都市にかなりの格差がございます。これは財政力云云というお話ももちろんございますけれども、多分に歴史的な経緯のあることも事実でございます。したがいまして、私どもといたしましてはこの格差というのはやはり少なくなるのが望ましいことだというふうに考えておりますが、一つは、御承知のような、現在の大変厳しい状況下で補助対象率の引き上げに国庫を注ぎ込むことが即普及率の前進をおくらせるというような効果になってしまいますので、なかなか私どもとしてもむずかしい課題というふうに考えておりますけれども、御指摘の趣旨はよく踏まえてこれから状況を考えながら努力をいたしてまいりたいと考えております。
#64
○小山一平君 ぜひその方向で御努力方をお願いしておきます。
 大臣、最後に、いまこれだけの私と建設省とのやりとりがあったわけですが、これを踏まえて、今後大臣がわが国の下水道整備事業を進めていく御決意をお聞かせをいただいて、私の質問は終わりにさせていただきます。
#65
○国務大臣(斉藤滋与史君) 小山先生から、さすがに御経験豊かでありますので、実際の経験に基づいていろいろと示唆、御教導をいただきましたことをお礼申し上げます。
 下水道事業は、御案内のように言うはやすく行いかたしというなかなかむずかしい問題もあるわけでありますけれども、先進国と言われるようになったわが国が非常にこの問題についてはおくれているということの事実を見るにつけ、何としても欧米先進国並みに下水道事業の全きを期して、せっかくこの豊かな国に住んでおる住民が快適な生活環境のもとに今後生活し得るような環境づくりのために努力する所存でございます。
 もとより、事業はむずかしいからといって消極的にならず、諸問題等々を排除しながら、地域の方々のコンセンサスを得てりっぱな事業を進めてまいる所存でございますので、経験に基づいた一一の御指摘につきましてなお今後とも御指導を賜りますようにお願いを申し上げる次第であります。ありがとうございました。
#66
○委員長(宮之原貞光君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時四十分まで休憩いたします。
   午後零時十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十二分開会
#67
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#68
○三木忠雄君 この法案に入る前に、大臣に一言伺っておきたいんです。
 特にいま御案内のとおり、行政改革で補助金一割カットだとかいろいろこう騒がれているわけです。この中にあって、建設省の五カ年計画が、都市公園だとか住宅だとかこの下水道を含め各種の五カ年計画等の計画が予定をされているわけです。こう考えた場合に、この建設省所管の各種計画の役割りあるいは位置づけ、いろいろな問題点を考慮したときには、これは平均的に一割カットというわけにはいかない問題があるんじゃないかと思うんです。したがって、この各種五カ年計画の中で、やはり優先順位等はおのずから省内でもつけなきゃならない問題ではないかと考えるわけでありますけれども、まず、この点について大臣はどういう所感を持っておられますか。
#69
○国務大臣(斉藤滋与史君) なかなかお答えしにくい御質問をいただいたわけでありますけれども、行政改革と五カ年計画、御案内のように、五カ年計画は建設省関係は五つをお願いをいたしております。いずれも社会資本の充実、国民生活に欠かせない関係のものばかりでございます。したがいまして、何%カットということはまだ別に明示されておるわけではないわけでありますけれども、どのような形で先生御指摘のような優先順位をつけていくのか、あるいはなべてパーセントについてのそうした指示があった場合にやっていくのかということについては、まだ基本的な方向づけがなされておりませんので、どちらを優先ということについては、考え方としては、固まるというよりもまだそこまで思考をいたしておりません。したがいまして、今後の推移を見ながら、初年度を五十六年度に控えた五カ年計画というものは、とにもかくにもいずれも必要欠くべからざるものばかりでございますので、公共事業関係につきましては何とか、財政厳しい折ではありますが、全体の中の優先順位からいけば優先の位置づけをしていただいて皆さん方の御要望に応じるような形で進めてまいりたい、このように現在のところは考えているところでございます。
#70
○三木忠雄君 私、新聞のどうこうはとるつもりはないですけれども、これは冗談の話だと思うんですけれども、建設大臣はずいぶんがんばっているらしい、行政改革に対して建設関係は反対だ、こういう――反対かどうかは知りませんけれども、しかし、鈴木内閣の一員として行政改革を進めていかなければならないということについては、これは考えていらっしゃるわけでしょう。
#71
○国務大臣(斉藤滋与史君) これはもう現在の状況を見て、鈴木内閣の一員として当然総理の示す方針に従って私たちも行政改革、財政再建は最重要課題というふうに承知いたしておりますので、その点につきましては協力をするということをはっきり申し上げているわけでございます。
 ただ問題は、私は公共事業の位置づけというものは違った考え方に立つものでございます。それはそれとして、御案内のような国際情勢の中で日本経済が非常に停滞をし、国民経済を圧迫しておるという事実を見たときに、本年度の成長率等の達成の向き、あるいは今後の財政収入の面から見ても、公共事業については相当な配慮を持って対処しないと、民間が冷えているという状況であれば、ほかにやる事業というのは公共事業しかないわけです。しかも、東北、北海道のような寒冷地、地域にもよりますけれども、やはり民間経済の活力に影響を与えるというのは公共事業が柱になるというように私は考えておりますので、全体的から見れば公共事業の波及効果というものはそうないという方もいらしゃいますけれども、冷え切った経済、社会であればあるほど民間でできないものは公共でやるしかないんで、そういうような考え方で何とか公共事業関係につきましては、同じやるにしても思考の次元を変えて国民経済に波及する活力を与えるという次元から考えていくべきものではないかなということは日ごろから考えているわけで、これはいまあからさまに言うとなかなか影響するところが多いものですから余り積極的な発言はいたしておりませんけれども、とにもかくにも建設省の所管するこうした公共事業関係につきましては、行政改革あるいは財政再建に協力をしながらも、一つの考え方としていま申し上げたわけでございます。
#72
○三木忠雄君 いまの大臣の答弁からしますと、鈴木内閣が考えている一括カットという問題に対する相当抵抗の発言と受け取れるわけです。そうしますと、鈴木内閣が一割カットだとか、平均で幾らカットするか最終的にはわかりませんけれども、実際そういう姿の発言には、考え方には、公共事業の優先という立場から考えた場合には、補助金一括カットというこの問題に対しては建設大臣は異論を持っているわけですね。
#73
○国務大臣(斉藤滋与史君) そこまで御指摘をいただくと、異論を持っているということは申し上げられないわけでありまして、あくまでも鈴木内閣の閣僚の一員として政府方針、総理の方針に従って協力していくということであるわけでございます。
#74
○三木忠雄君 これ以上その問題は詰めませんけれども、そうしますと、いずれどういう形で補助金カットをするか何するかは今後煮詰まってくる、臨調との問題の絡み合わせがあると思いますけれども、建設省内ではいずれば優先順位をつけざるを得ないと思うんです。したがって、国民の要望の強い生活基盤の整備という問題を考えた場合に、やはりこの五カ年計画の修正をせざるを得ない。まあ何年財政再建の計画を組んでいくかということで、いろんな計画の問題点があろうと思いますけれども、新経済社会七カ年計画等の問題もあるし、あるいはまたこの財政再建の中で、補助金カットという問題の中でこの五カ年計画というものはいずれ修正をせざるを得ないという考え方に立っていいわけですか。
#75
○国務大臣(斉藤滋与史君) プロセスの問題でございますので、現在のところ修正するということは全く考えてございません。計画は計画として、私は、五カ年計画でございますのでトータル的に当初からそうしたことであってはならない。やはりこれだけのものを皆様方に提案している以上は、計画を変更なく進めていく基本的考え方というものを持って進めるべき問題であろう、このように考えているところでございます。
#76
○三木忠雄君 私は、この政府の五カ年計画というのは、大体建設省は五カ年間の計画が終わった後で新たな五カ年計画をつくっているわけです。これは正直言って建設省はまだ親切だなという感じが私はしているわけです。他省のことは言いたくないけれども、たとえば港湾五ヵ年計画というと、具体的にもう三年ぐらいで次の五カ年計画を出してやっているわけです、達成が不可能だから。だからどこまでがどうなったかという最終の結末を全然つけないでいる。こういう政府の五カ年計画は各省非常に多いわけです。そういう点から見ると建設省は比較的、金の分捕り合いをしている建設省という何かいろんなニックネームがついているかもしれぬけれども、金だけは一〇〇%達成したということを誇示するための五カ年計画なのかどうか、これは言葉が悪いかもしれませんけれども。そういう点で私は今回の補助金カット等を含めて後で議論したいと思いますけれども、四次五計だって達成できなかったという問題については、今後もその五次五計が達成できない一つの理由として補助金カットがあったとか、やれ何だかんだという理由をつけて言い逃れをせざるを得ないというような五次五カ年計画ということではならないんじゃないかと思うんです。私はあからさまに、確かに計画どおりものが全部いったらこれは大変な問題だと思います。いろんなそごはあろうと思いますけれども、それに近づくような計画というものが、まだ国民が納得のできるような計画をつくるということが大事な問題だ。確かに石油ショックだとかいろんな問題点は私は考えられると思いますけれども、もうそこで修正せざるを得ないものは修正してこの程度いくんだという、計画を変更するということも大事な姿勢じゃないかと思うんですけれども、この点については建設大臣どうですか。
#77
○国務大臣(斉藤滋与史君) 柔軟性を持つということも一つの方法であろうかと思います。しかし、五カ年計画はまだこれからのことでありまして、すでに七カ年計画をフォローアップして五カ年計画となり、当初計画の五五%を四四%という目標設定に変更した直後でございますだけに、いまここでまた直ちに行政改革とか財政再建に連動して変えるということについては少し、結果的には先生の御指摘のようになる可能性もありますけれども、現在のところはとにかく目標設定をいま決めたとおりに進めていくということで私は対処をする方がよろしいんじゃないか、このように考えているものでございます。
#78
○三木忠雄君 この問題はこの程度にとどめておきます。
 第四次五カ年計画では、事業費の方はほぼ計画額に近い投資が行われているわけでありますけれども、この普及率から考えてみますと相当計画を下回ったと言われているわけです。この問題点はどこに原因があるのか、その点についてまず御答弁願いたいと思います。
#79
○政府委員(升本達夫君) おただしのとおり、第四次の五カ年計画におきましては、投資額におきまして九六・七%の達成率に至っておりますが、その結果といたしましての下水道普及率におきましては、計画目標四〇%に対しまして約三〇%という段階にとどまらざるを得ない結果になっております。
 その原因でございますが、私ども一応四点ほど考えております。
 一つは、一般的な物価の上昇でございます。
 それから第二点といたしまして、終末処理場には現在の状況下においては大変地元とのお話し合いの過程で覆蓋、覆いをつけるというようなこと、あるいは脱臭の設備をつけざるを得ないというようなこと、さらに環境対策のために、それに類するもの、たとえば緑化対策のような費用を用いざるを得ないというようなことで費用の増大をもたらしているという点。
 それから第三点といたしまして、市街地内における管渠の敷設に当たりましては、大変市街地の状況が込み合ってまいっておりますので、いろいろ特殊な工法を用いなければならないというケースが増大をいたしております。
 それから第四点といたしまして、主として処理場につきましてはこれは一体のものとして発注し施工いたしますものですから、現在、物ができ上がっておっても現実には供用されてない面がかなりある。いわゆる先行投資に当たる部分がかなりある。もちろん管渠につきましても類似の状況がございます。大体そのような点から、当初見込みに反しましてかなり下水道普及率という点では下回った結果にとどまっているというふうに解しております。
#80
○三木忠雄君 これは終わってしまったことですが、この原因はいろいろあったと思うんです、達成できなかったんですから。しかし、この問題が果たして五次五カ年計画の中に、たとえばこの四点の問題が克服をされて、あるいはされるような段取りが整った上での五次五カ年計画であるかどうか。たとえば普及率を四四%まで持ってくるという考え方に立っているわけですね。一%上げるのに四次五計では約一兆円かかっているわけです、九千八百億ですか。それが五次五計ではむしろ一%上げるのに八千八百億ぐらい、これはちょっと数字が違っておれば直していただきたいと思うのですけれども。そういう点で、この普及率を一%上げるのに四次よりも五次の方が投資額が少なくて済むということについて、これはちょっと私は考え方が、いろんな点はあろうと思います、理由はつければいろいろあると思いますけれども、四次でのそういういろんな原因点というものは、五次でも同じようにこういう問題が克服されずにあるんじゃないかと考えるわけでありますけれども、この点はいかがですか。
#81
○政府委員(升本達夫君) 私どもは、現時点で第五次は第四次に対して施行条件がよくなってまいるというふうに考えられる点が三点ほどございます。
 一つは、未完成の施設あるいは未供用、でき上がっているけれどもまだ供用されていない施設が先ほど申し上げましたようにかなりの数に上っておりまして、大体五十五年度末で一兆八千億ぐらいに上る施設がそのような状態にあります。これが第五次計画においては稼働状態に入ってまいるということが一つございます。
 それから第二点といたしまして、先ほど申し上げました処理場の処理能力が先行しているという面がございます。これが約七百五十万人分ほど五十五年度末で余裕能力としてございます。これがやはり稼働状況に入っていない。
 それから第三点といたしまして、先ほど申し上げました特殊工法的なものの採用比率が下がってまいってくるのではないか。これは後ほどお話が出ようかと思いますけれども、下水道の事業費の配分に当たりまして地方と大都市、指定市とその他の都市でございますが、この配分比率をその他の都市の方に比重を少し多くする予定でございます。つまり、大局的に見ますと施行しやすい条件の方が広がりとしては多くなってまいるというふうに認識をいたしておりまして、したがいまして、全体としてかなりこういった特殊工法的な採用比率は下がってまいるということを予想しております。
 このような状況から、第五次においては第四次のように格差がつくというようなことばないものというふうに考えております。
#82
○三木忠雄君 一、二のいろんな理由あるいは技術的な問題、あるいは先行投資的なもの、この金額的なものは私は理解できると思うのですけれども、事業費の問題も、指定都市とそれから一般都市の比率を五〇対五〇であったのを今年度から五五対四五ぐらいに変えるという考え方に衆議院でもいろいろ議論があったそうでありますけれども、そういう方向に変える。したがって投資額が少なくても済むというふうにお考えでございますか。
#83
○政府委員(升本達夫君) 補助対象率がその他の都市と指定都市では違っておりまして、御承知のとおり指定都市の方が低く、その他の都市の方が高くなっております。したがいましてその他の都市の方に比重をシフトいたしますと、つまり全体としての補助対象率は上がるわけでございまして、国費の支出は多くなるわけでございます。それは全体の予算額としてはそういうことになるわけでございますが、工事施工のいわば単価的な面では一人当たりの工事費が若干安くなるという要素を含んでおる、こういう意味で申し上げたわけでございます。
#84
○三木忠雄君 そこで、出たついでだからちょっと聞いておきたいんですけれども、私は一般都市を決して低く見ろというわけではないんですけれども、指定都市にしてもまだ十分に下水道が普及しているとは言えないわけです。現に川崎で三四%、横浜で三五%、福岡で三七%、こういう点から考えて一般都市の市街地よりもっと普及率が悪いというところもあるし、東京を例にとってみても、東京の衆議院の十区のあの江戸川だとか葛飾とか足立あるいは板橋とか、また世田谷、大田、こういう方面は普及率一八%から二〇%のこういう実態なんです。したがって、いろんな議論はあろうと思いますけれども、やはり人口密度の多いところがら下水道を普及するのが本来の姿じゃないかという指摘をする人もいるわけです。これは一〇〇%私はそれがいいとは言い切れませんけれども、こういう観点から見るとまだこの五〇対五〇の比率、そのほかに私は指定都市の補助率をもっと上げろと東京都からも強い要請がいろいろ出ているわけです、この普及をするためにも。そういう点から考えたら、まだ五〇対五〇を五五対四五にするとかそういう理由を考えなくてもいいんじゃないか、こう思うんです。特に東京やあるいは川崎、横浜なんかの普及率は指定都市とは言いながら人口はどんどんこの周辺は伸びているわけです。こういう点が、やはり下水道を早く普及しておくことの方が大事じゃないかと思うのですけれども、この点はいかがですか。
#85
○政府委員(升本達夫君) おただしのように、指定市と一つくくりましてもその市によりましていろいろ状況の差異がございますので、もちろん一律的に申し上げるわけにはいかないわけでございますが、下水道の整備を全国的に進めるという観点からながめますと、現在の人口普及率が全国で三〇%でございますが、これを一般都市と指定都市に状況を分けて見ますと一般都市が一九%、これに対しまして指定都市が七二%という普及率になっております。そこで、指定都市につきましては私どもの理解といたしましてはかなり歴史的にも古くやっておりますし、財政能力もかなりある。それから普及率も全般としてはかなりのところまでいっているということから、これから徐々におくれた一般都市の整備についても手を回していく、厚くしていく面が必要ではなかろうか。
 特に、全国の開発あるいは調整を図ります国土庁の考え方でも、定住圏構想というようなことも打ち出されている状況もございます。このような構想に沿って日本全国をバランスのある発展を図るということになりますと、一般都市のおくれということもやはり気になるところでございます。その辺についても配慮をしながら全体としての下水道の整備促進を図ってまいる観点で指定都市のうち御指摘のような一部の都市については若干負担が厳しくなっているという状況はもちろん十分承知しているわけでございますけれども、その辺も含めまして指定市の努力も期待しながら全体としての下水道の整備に御助力をお願いしていきたい、かように考えているわけでございます。
#86
○三木忠雄君 それだけ議論していますと時間がないんですけれども、この五次五計の中でたとえば環境対策の問題だとかあるいは特殊工法の問題等についても指定都市周辺ではやはりそれは残っていくんじゃないかと思うんです。そういう点から考えますと、四次五計のおくれた原因というものが十分克服されないんじゃないか。したがって五次五計で四四%にした根拠はどこに原因をしていると考えているんですか。
#87
○政府委員(升本達夫君) もちろん積算の根拠は積み上げということになるわけでございますが、先ほど大臣からもお話のございました新経済社会七カ年計画におきましてこれを定めましたときに、五十四年から六十年までの公共事業種別の投資額が決まっておるわけでございます。この時点で定めました下水道の総投資額が、五十三年価格でございますが十八兆二千億。この投資額をもちましてその時点で整備計画をつくりましたときに、人口普及率は六十年度末で五五%というところに行き善く、こういう計算を立てたわけでございます。
 したがって、その五五%に行き着くという前提を置きまして現在までの使い分、五十三年度、五十四年度の実績を控除してこれから必要な額を積算して要求をいたしました額が十七兆四千億でございます。したがいまして、五十六年度を初年度とする五カ年で十七兆四千億を用いれば五五%という新経済社会計画の目標値に達するということで要求をいたしたわけでございますが、御承知のとおり、さらに今後五カ年が一年半延びたということになりまして、したがって六十一年度半と申しますか、六十二年半ばと申しますか、この時点で五五%に到達するということを前提とせざるを得なかったわけでございます。それをその時点で五五%とし、いまの三〇%からこれを通しで延ばすようにつなぎますとちょうど六十年度末で四四%という数字になる、こういう計算で四四%を目標値にいたしたわけでございます。
#88
○三木忠雄君 昭和六十年度で四四%ですか、そうしますと市街地普及率たとえば九〇%を考えた場合に、何年ごろに大体下水道は完備すると考えていいんですか、七十五年とは言っているんだけど。
#89
○政府委員(升本達夫君) おただしのように、私どもの長期構想といたしましては七十五年と申しますか、二十一世紀初めという時点におきまして九〇%に至りたい。これはその時点の市街地部分については一〇〇%、その他の部分については六〇%ということで、加重平均値で九〇%、こう言っているわけでございますが、その長期目標に到達するまでにもう少し時間がかかるのではないかという御指摘でございますが、ただいま申し上げました第五次の五カ年計画の最終年度までの四四%、この現時点の計画の伸率、毎年度の伸び率、これを同じ伸率を用いまして先に延長いたしてまいりますと大体七十五年、二〇〇〇年時点で八六%というところまで行き着きます。したがいまして、計画伸率として考えていただきますとおおむね九〇%というのが二十一世紀初頭に得られ得る数値ではないかと考えておるわけでございます。
#90
○三木忠雄君 そうしますと、これは長期の方針ですからいろいろ狂いはあろうと思うんですけれども、八六%という時点になると大体東京周辺あるいは指定都市はほとんど完備という考え方に理解していいわけですか。
#91
○政府委員(升本達夫君) 八六%という時点でございますと、おおむね九〇と考えていただいていいと思いますので、先ほど申し上げましたように、大体その時点における市街地については一〇〇%もしくはそれに近い普及率が確保できるようになると期待をしているわけでございます。
#92
○三木忠雄君 これは、流域下水道の問題は後でお聞きしますけれども、たとえばいろいろ反対闘争等があってずいぶんいまおくれているわけでしょう。こういう問題がないと想定してそうでしょう。どうなんですか。
#93
○政府委員(升本達夫君) 先ほど申し上げました五カ年計画の事業費が全部確保され、しかも先ほど来御説明しているような条件が現実のものとなって進行いたすという前提が満たされる限り到達し得る目標ではないかと考えております。
#94
○三木忠雄君 それから、今度の五次五計の中で新規政策としての第二種流域下水道のねらいですね、これはどういう考え方に立っているのか。
 それから、採用の基準は何を基準としてやっていくのか、この点について。
#95
○政府委員(升本達夫君) 御承知のとおり、流域下水道は県が施行主体となるかなり大規模な下水道でございまして、現在では計画人口十万以上というのを基準にいたしております。したがいまして、地方の現状を見ますと、水域によりまして大変自然の保護の必要から早期の水質維持の達成が望まれているところ、あるいは下流部における水利用の関係から、何としても一定の水質を早目に達成しなければならないということになりますと、かなり山合いに入り込んだ地域も下水道整備が急がれているという状況にあるわけでございますが、これを現在までの制度でございますと公共下水道で対応せざるを得ない、つまり市町村単位で対応せざるを得ない。大きな力のある市町であればよろしいわけでございますが、町村段階ではかなり力が不足しているということが多うございます。そこで、そのような市町村に任せて公共下水道の整備を待っていたのでは、先ほど申し上げました状況に対応するにはちょっとおくれ過ぎるではなかろうかという不安がございまして、しからば流域下水道で県がやったらどうか。その場合に現行の流域下水道制度は、ちょっと余りにも大規模なものに限定され過ぎているということから、いわば若干小回りのきく流域下水道という制度を創設して、これによって県が施行主体となって、ただいまのような必要、緊急性が認められるような地域について積極的に県施行の流域下水道を実施してまいりたい、かような観点から、計画人口三万以上というようなところで第二種の流域下水道専業を創設いたそうと考えているところでございます。
#96
○三木忠雄君 これはもう具体的に本年度の計画をしようというようなところがあるんですか。
#97
○政府委員(升本達夫君) 第二種の流域下水道で今年度予定をいたしておりますのが三カ所ございます。具体の個所を申し上げましょうか。――具体の個所は、たとえば青森県の馬淵川、富城県の鳴瀬川、新潟県の魚野川というようなところを予定いたしております。
#98
○三木忠雄君 これは先ほどの趣旨のような観点があると思うんですけれども、流域下水道にさらに屋上屋を重ねるような感じではないか。いろいろ経済的な各市町村の負担もあろうと思いますけれども、その点は流域下水道と第二種流域下水道とのオーバーラップするようなところが出てくるんじゃないですか、この点はいかがですか。
#99
○政府委員(升本達夫君) 説明を若干省略させていただきましたが、先ほど申し上げました計画人口による相違のほかに補助の条件が違っております。現在までの流域下水道、これからの第一種でございますが、第一種の流域下水道におきましては、国庫補助率がパイプについては三分の二、それから処理場については四分の三という率になっております。今回創設を予定しております第二種の流域下水道におきましては、計画人旦二万人以上ということのほかに、補助率といたしましてパイプもそれから処理場も三分の二と、こういう国庫補助率を予定いたしております。これは当然計画人口の多少、施設の地域に及ばす影響の度合い、あるいは緊急性、その他諸般の条件の差異に着目いたしまして補助率の差を設けたわけでございますけれども、このような条件になっておりますので、実際の運用に当たりましては、計画人口十万以上という条件に当たるところであれば第一種の流域下水道が選択されることになりましょうし、三万人程度あるいは十万以下のような計画人口の地域につきましては、これは第二種流域下水道が選択されることになろうと考えているわけでございます。
#100
○三木忠雄君 流域下水道の促進がなかなかむずかしいために小さくしようという考え方に立ったんじゃないんですか、この第二種の考え方、そして補助率を上げようと。けさほどからいろいろな議論をされておりましたけれども、私もこの流域下水道というのは、何でも反対じゃありませんけれども、やはり各自治体でいろいろ処理していくのが本来の姿だと思うんです。だから補助率とかこういう補助対象等を拡大して流域下水道へ持ってこよう。勘ぐった話じゃありませんけれども、下水道事業団の仕事が大分なくなってきたから、そういう方向で流域下水道の方向に回す仕事を大分つくるような感じがしているんじゃないかと。各市町村でやって、官公需の中小企業の拡大という問題から考えても、非常にそういう問題ができるようになれば私は理想だと思うんです。それは政府の誘導策として流域下水道あるいは第二種流域下水道というような感じにこう拡大しているような、補助率をそういう方向に持っていって誘導しているような感じがするわけでありますけれども、これは間違っていますか。
#101
○政府委員(升本達夫君) 現在環境問題が一般的に大変重要な課題になっておることは御承知のとおりでございまして、地方の状況を見ますと、やはり自然保護という観点からどうしても下水道というものを急がなきゃならないという要請を受けているところが大変ございます。また、水の利用が地域によって大変逼迫しておるという状況もござます。そのような状況下において自然の流水をできるだけ清潔な状況に維持していくという必要性から下水道の整備が何としても急がれている地域もございます。やはりこのような地域に対応していきますためには、どうしても市町村段階だけの下水道整備では手が回りかねるというように考えられるところが何点かございます。そのようなところに対応する手だてといたしまして現行の流域下水道では余りにも小回りがきかな過ぎるという判断で第二種の流域下水道事業を創設した次第でございます。
#102
○三木忠雄君 それは議論を細かくすれば分かれるところだと思います。
 次に、本来の流域下水道でけさほどからもいろいろ議論されておりましたので、重複するところば避けますけれども、端的に言って流域下水道のメリットというのはどういうふうにお考えになっているんですか。
#103
○政府委員(升本達夫君) 幾つかの大きなメリットがあると思うわけでございますが、やはり一番顕著なのは、河川の流域に沿って対象地域を総合的に考えるという発想でございますので、下水の施設、管渠、処理場といった施設をどこにポイントを置いてどういうふうに整備をしていくかという場合に、市町村という小さな行政区画単位にとらわれる必要がない、その流域全体の自然的形状、状況、それから流水の状況、土地利用全体を見渡して最も適切な地点に処理場を選考できるというような条件がございます。それから、そのような発想でございますので、処理施設を集約して建設することができる、したがってまた維持管理の面でも集約的な維持管理ができる、こういうような面からかなりコストの低減が期待できるということが一般的なメリットとして考えられようかと思えるわけでございます。
 それからさらには、水資源の維持という観点から下水道の整備を図るというような観点に立って、いわゆる水質環境基準の達成を早期に図る、こういうような観点からいきますと、これもやはり最初に申し上げました、行政区画にとらわれないで、水流の状況から適切な地点を選べるということが非常に大きなメリットになってまいるのではなかろうか。
 さらには、派生的な問題かとも思いますけれども、処理場の用地取得とかあるいは管渠の敷設に当たってかなり高度な技術者あるいは担当者が必要でございますけれども、こういう担当者、技術者をいわば県段階でプール的に育成し、利用していく、使っていくということが考えられるというようなメリットもあろうかと思います。
#104
○三木忠雄君 いろんな議論がある中で、流域下水道の投資効率が非常に悪い、あるいは経済性にも非常に疑問があるという意見を述べる人たちがいるわけです。こういう点については局長はどう考えていますか。
#105
○政府委員(升本達夫君) 経済的に不経済であるという御主張をされる向きがあることも私ども承知をいたしておりますが、この点については、われわれは計画論的に言ってどうも理解しがたいのではないか。これは流域下水道を選択する前提といたしまして、流域別下水道整備総合計画をつくることを考えておるわけでございますが、この総合計画の策定に当たりまして、十分地形の状況、社会的条件、地理的条件のほかに費用効果分析を行いまして、よりベターなものを選ぶという観点に立って精査をいたしまして、十分地元の地方公共団体とも御相談をして決めるわけでございますので、その結果出てきたものが公共下水道よりは不経済だという御主張については私どもちょっと内得いたしかねるわけでございます。したがって、計画が計画どおりに実現した時点で考えますと、これはもう当然に有効といいますか、費用効果分析上有利であろうということについては私ども確信を持っておるわけでございます。
 ただ、流域下水道がやはりかなり大規模な施設でございます。公共下水道よりはどちらかといいますと時間がかかるケースが多うございます。あるいは用地取得が非常にむずかしいということだけのために事業全体が遷延するという問題もあります。そのようなことで少し事業が長引きがちになっているという面から、経済的に不効率ではないかという御指摘があるいはあるかもしれない。これは実施上の問題だろうと思いますので、今後十分実施上そのようなことが起こらないようにできるだけ地方公共団体あるいはわれわれも十分留意をして、努力をいたしてまいらなければならないというふうに考えているわけでございます。
#106
○三木忠雄君 長期間かかるという点から、やはり投資効率の問題、端的にその部分だけをとらえて、でき上がってしまえば確かに流域下水道の方が効果的である、経済性があるということは常識的にわかるわけです。しかし、これは後でお聞きしたいと思いますけれども、いろいろな反対運動等があってやはりなかなかでき上がらない、非常に長期間かかっている、したがって、二重投資のような感じになっている市町村もあるわけです。たとえば、下水処理場をつくってそれからまた流域下水道につなぐというような感じになってくる、こういう問題が実際に行われているんじゃないか。端的に、自治省の調べで、終末処理施設の利用は公共下水道の方が七一・六%、流域下水道は三四%しか使用してないという実態が明るみに出ているわけです。こういう点についてはどうお考えになりますか。
#107
○政府委員(升本達夫君) 自治省の調査結果については、先生がお挙げになった数字のように承っておりますが、その根拠については私どもちょっと責任ある御答弁がいたしかねるわけでございます。
 私どもの方の調査によりまして得ました数字を御報告申し上げますと、五十四年十月時点でございますが、終末処理場の施設利用率を見ますと、全国の総下水道施設につきまして約八五%、それから流域下水道では約八〇%という数字になっておりまして、さほどに不効率な状況が現実にあるというふうには理解をいたしておらないわけでございます。
#108
○三木忠雄君 これは調査した時点でいろいろ違いがあるかもしれません。やはり公共下水道の方がよく使われて、流域下水道の方が数字的にどこでどうなったか細かくは押し問答する必要はないと思いますけれども、自治体としては流域下水道に賛成したけれども、けさほど来小山委員からも指摘されておりました、流域下水道ばいいと思っていろいろ進めてきたけれども、なかなかでき上がらない。そうすると、上流の方は早く自分たちだけでやった方が早い、住民の要求も早くかなえられる、こういう声があちらこちらに起こってきているのは私は事実じゃないかと思うんです。そうしますと、やはり二重投資のような考え方にならざるを得ないんじゃないか。したがって、脱退要件とかいろいろある。この後、境川の問題でお聞きしたいと思いますけれども、やはり豊田市なんか脱退するとか、いろいろな問題が起こっているというのは、これは流域下水道を当初の計画から変更した方がいい、あるいはもういまはメリットよりもデメリットの方が多いという観点からいろんな反対運動や地方自治体が脱退をしようという動きが出てきているのじゃないか、こう思うんですけれども、この問題についてばどうお考えになりますか。
#109
○政府委員(升本達夫君) 先ほど来申し上げました流域下水道なるがゆえのメリットという点に対応しましてデメリットという点で考えられますのは、やはり一つは処理場の処理施設、これはメリットで申し上げたことのちょうどうらはらの関係でございますけれども、これが集約的に一カ所に置かれる、あるいは二カ所、三カ所でございますが、かなり集約したかっこうで置かれる。そのために、いわばその置かれた町村から見ますと、自分のところ以外のところの汚水も引き受けざるを得ないということがかなり感覚的な抵抗感を生んでいるのではないか、そのために状況によっては反対の力が加速される面があるということが一つございます。
 それからもう一つは、いまおただしのようにかなり大規模に計画的に仕事を進めてまいらなければならない関係上、これは下水道の施設の持つ性格から当然下の方から固めていかなければいけないということで、上流部に属する町村については確かに時間がかかるというような問題指摘があることも事実でございます。
 そのようなデメリットについては、私どももデメリットとして当然十分理解をしておるわけでございますけれども、やはり先ほど来申し上げておりました総体としてのメリットとの比較考量におきまして、流域下水道の整備というのは促進する方向で努力をいたしていかなければならないというふうに考えておるわけでございまして、ただいま申し上げましたデメリットの点につきましては十分計画の段階からの御相談、御理解はもとより、実施の段階に当たってその節その節に十分に理解を求めるように努力をしていくことが、施行者の側あるいは地元公共団体の側に必要ではないか、われわれとしても必要ではないかと考えている次第でございます。
 それから、直におただしでございました流域下水道の計画から離脱するという例があるのではないか、これは私が伺っている限りにおきましてはいまの時点で完全に離れたということは聞き及んでおりません。ただ流域下水道の計画のつくり方のいわば見直しというような点で、たとえば下流から上流まで一つの一貫したものに考えていたものを若干分離して考える。流域下水道なるがゆえに処理場は必ずしも一カ所でなければならないということではございませんので、そのような形で組み立て面したという例はあったように記憶をしております。
#110
○三木忠雄君 長期間かかるという流域下水道の中で、この間愛知県ですか、機動隊導入、第二の原発と、そういう見出しでちょっと新聞に見たことあるんですけれども、いま流域下水道が大体何カ所ぐらいで実施をし、あるいは反対運動がどのように起こっているのか、その実態はどう掌握されておりますか。先ほど局長から、地元住民の理解という話ですが、案外得られていないんじゃないか、あるいは計画の段階で具体的な説明が行われていないんじゃないか、そういう問題がトラブルの大きな原因になっているのじゃないかと考えるわけでありますけれども、その点についてお尋ねいたします。
#111
○政府委員(升本達夫君) 流域下水道の全体としての実施状況でございますが、昭和五十五年度末におきまして三十八都道府県六十九カ所において流域下水道を実施いたしております。処理区の数で申しますと九十五処理区に至っております。この事業実施中の流域下水道につきまして九十五処理区のうち九処理区で反対運動が生じている状況でございます。また三カ所で反対派から訴訟が提起されているという状況でございます。
#112
○三木忠雄君 この訴訟とか反対が行われている主な理由は、どういうふうな問題点があると建設省は理解しておりますか。
#113
○政府委員(升本達夫君) 主な反対理由といたしましては、まず第一点といたしまして、終末処理場に他の市町村からの汚水が流入する。それから第二点といたしまして、悪質な工場排水が流入することによって水処理が阻害され、公共水域の汚濁原因となって下流の利水に支障を生ずる、それからまた汚泥焼却の際に重金属類が大気中に放出されるというような問題がある。それから第三点といたしまして、処理場の設置によりまして悪臭、大気汚染等の公害が出る。第四点といたしまして、農地が処理場用地に転用されることによって関係の農民の方の営農基盤が失われる。それから第五点といたしまして、かなり広域から長いパイプを通じて汚水を集めるというような形になりますために、河川の持つ自然の浄化効果が発揮されず、河川流量が減少し河川が枯渇するんじゃないかというような御指摘、大体この五点が反対の主要な理由ではないかというふうに考えております。
#114
○三木忠雄君 反対の主要なこの五点がいま克服をされないから、結局反対訴訟運動だとか、あるいは理解されないからという問題点があるんじゃないかと思うんです。たとえば境川の実態はどういう点で問題になったのか、どのような分析をされていますか。
#115
○政府委員(升本達夫君) ただいま申し上げましたような各説、各論がその反対の潜在的な主張にはなっていたかとは思うわけでございますが、直接的には、境川の例で申しますと、処理場の用地として計画されている土地を持っておられる農民の方が、直接的にみずからの土地を取られることについて、生活再建という問題も含めてのことであろうかと思いますけれども、大きな抵抗感を持たれた、そのために処理場用地の確保が大変手間取ったという状況があったというふうに聞いております。
#116
○三木忠雄君 私たちが聞いている話では、計画変更をしろということで県の方は計画変更を認めたと。あるいは工場排水の方は六〇%ぐらい処理しなきゃならない、そういう処理場ではどうにもならぬということで計画変更しろというふうな話になって、県はそれを縮小するという話し合いになっていたらしいんです。それをそのまま変更もしないで土地収用にかけたという感じで相当な小競り合いがあったという実態を私は聞いているわけですけれども、この問題は県からの報告は建設省は受けてないわけですか。
#117
○政府委員(升本達夫君) 計画変更というお話が具体的な論争のテーマになったというふうには私どもは聞いておりません。ただ、この流域下水道は当初の認可時点が昭和四十六年でございますから、これから現在に至るまでおよそ八年間の間、いろいろなその時点時点で曲折があったということは想像されるわけでございますけれども、私どもその逐一についてつまびらかに聞いておりませんので、いまの段階でおただしのような事実があったということについてはちょっと私どもお答えの用意がございません。そういうお話は直に私は伺ってはおりません。
#118
○三木忠雄君 豊山市の方は三好町とかそういう方から脱退をしたいとかあるいはやめたいと、こういう方向で、それでは工場排水も処理を少なくするとか、いろんな条件を勘案して愛知県としてはこの終末処理場等も縮小するという計画を進めたらしいんです。ところが計画を決めたその問題点を無視して住民を逆なでするような感じになってしまってここはトラブルが起こったというふうに私たちは聞いているわけです。そういう点については建設省はもう少し分析をされる必要があるんじゃないか。やはり反対が九カ所もある、あるいは訴訟が三カ所も行われているというこの問題に、今後行われる流域下水道の対策として私は参考になる問題点もあるだろうし、あるいはいろんな問題を解明する一つの材料にもなってくるんじゃないか。やはり地域住民に対する理解を、あるいはコンセンサスを得られないような何らかの問題点、先ほど局長が述べたこの五点の中の何点かいろいろな点であるんじゃないかと思うんです。この点についてはもう少し分析をされた方がいいように考えますけれども、いかがですか。
#119
○政府委員(升本達夫君) 先ほど来申し上げましたような経過でございますので、このような長期の経過をたどってきたということ自体に――私ども直にそのおただしのようなことば耳にはいたしてはおりませんけれども、やはりそれに類するいろいろな経緯があったということは容易に想像ができるわけでございます。したがいまして、このような長引くようなこと自体に問題点が含まれているという認識で、御指摘のように、これからこのような問題については十分早口に事実を把握して適切な指導ができるような体制に持ってまいりたいと私も考えている次第でございます。
#120
○三木忠雄君 この流域下水道事業の平均的規模、あるいはいろいろ大きさは大小あると思うんですけれども、大体流域下水道は建設省としては平均どのぐらいの期間で、これは各六十九カ所いろいろありますけれども、大体どのぐらいで計画が実施できるとお考えになっているんですか。
#121
○政府委員(升本達夫君) かなり流域下水道の地域の状況によって差があろうかと思います。大体平均的に申しますと、人口規模は五十万人ぐらいというようなことになりまして、大変腰だめで申しわけないんですが、大体十年ぐらいの所要期間は予定しなければいけないだろう。当初の認可に当たってはそのくらいをめどにして期間を設定いたしておりますが、現在までの状況にかんがみますと、なかなかその期間内におさまり切れないであろうというような感じがいたします。
#122
○三木忠雄君 先ほどのこの反対連動の中に工場排水の受け入れということはいろいろ問題があろうと思うんです。この工場排水等に関する除害施設の設置あるいは規制、監督の強化等の問題についてはこれはどういうふうにお考えになっておりますか。
#123
○政府委員(升本達夫君) 下水道に流入する工場排水の規制につきましては、これは御承知のとおり下水道法におきまして水質汚濁防止法による規制とほぼ同様の規制がこの水質についてかかっております。したがいまして、重金属等については十分に工場においてこれを除去された上で下水道管に流し込んでいただきたい、そのような義務づけをしているわけでございます。しかしながら、現実の対応におきましてはなかなかたてまえどおりに運用されていない、実行されていないという面も多いわけでございまして、私どもとしては、法律に予定されております諾制度をフルに活用いたしまして、ただいま申し上げました水質を高めるための、要するに重金属等の有害物を除去するための除害施設の設置について、あるいは低利融資を活用していただくとか、あるいは税制措置を活用していただくということによって、企業の努力で、工場側の努力で設置義務を果たしていただきたいというふうに慫慂いたします一方、違反行為については十分監視を強めてまいりたいというふうに考えているわけでございまして、この監視の関係の職員の構成にも留意をいたしておりまして、五十五年の十月末現在で担当職員を約千人ほど確保をいたしております。それから五十四年十一月から五十五年十月までの一年間に、法律に基づきます工場への立入検査を延べ約三万二千回実施をいたしております。これを工場一カ所当たりにいたしますと、一・六回というような回数にまで上っております。なおこの監視体制はさらに今後とも一瞬強化をいたしてまいりたい。
 それからなお、この監視体制の一環といたしまして、人力にもなかなか限りがございますので、自動監視機器の開発に努めておりまして、現在シアン等の幾つかの項目については自動的に観測できる段階まできております。このような機器を随時適切に活用するというようなことも今後の対応として十分に考えてまいりたいと思っております。
#124
○三木忠雄君 それでは次に、下水汚泥の問題で一、二伺っておきたいと思うんです。
 下水道が普及されてきますと、問題は下水汚泥の発生量がふえてくる。この処理、処分の問題は非常にこれから大きな問題になってくるのじゃないか。この対応は、これから建設省の対応として非常に問題点になってこようと思うんですけれども、この処分の内訳はどういうぐあいになっているのか、その点についてまずお伺いしておきたい。
#125
○政府委員(升本達夫君) 五十四年十一月から五十五年十月までの一カ年間におきまして全国の処理場から発生し処分された汚泥が約二百四十万立米でございます。このうち約八〇%は陸上または海面の埋め立て、それから一〇%強がいわゆる肥料等の有効利用、それから一〇%弱が海洋還元、海へ捨てるということで海洋還元ということで処分をされております。
#126
○三木忠雄君 この五カ年計画が終わった時点では、下水汚泥は大体どのぐらいにふえると見ているんですか。
#127
○政府委員(升本達夫君) 失礼いたしました。五カ年の最終年度でございます昭和六十年度における汚泥処分最は、年間約四百二十万立米という数字になろうと推定しております。
#128
○三木忠雄君 そうしますと、いま二百四十万立米が四百二十万になる。この処分の比率は、やはり現時点と同じような比率で処分をしていくという考え方に建設省は立っておるのですか。
#129
○政府委員(升本達夫君) 処分の方法による比率につきましては、正確に計画的な数値を確立するに至っておりませんけれども、今年度スタートの五カ年でございますから私どもとしては極力有効利用に努めたいとは考えておりますけれども、実際の数値としてあらわれてくる形といたしましては、なかなか大幅にただいま申し上げましたような比率がこの五年間で変わり得るというふうにはちょっと考えがたいと思っております。
#130
○三木忠雄君 そうしますと、有効利用ができないとなれば、海上へ投棄か、あるいは陸上の埋め立ての処分地を見つけなきゃならないという問題になってきますね。
#131
○政府委員(升本達夫君) かなり大きな部分がそのような処分をもって処理をせざるを得ないというふうに考えております。
#132
○三木忠雄君 そうしますと、これは一切責任は個々の市町村になるわけですね。こうなりますと、実際に各市町村でこの汚泥を捨てるところはいま現時点でも困っている市町村が大分あるわけです。これをさらに五カ年計画等で拡大されてくると、海上投棄だけじゃなしに陸上の埋め立てという問題は非常に社会問題になってくるのじゃないかと思うんです。これに対する対応はもう少し具体的に建設省として考えなきゃならぬのじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#133
○政府委員(升本達夫君) 御指摘のとおり、この下水汚泥の処分が大変大きな問題でございまして、今後五年間の重要な課題であるというふうに認識をいたしております。
 そこで、やはり対応は現在の公共団体単位で自分のところで自己処理をするということを申しまして、これは地勢の状況その他によって大変限定を受けるということで、小さな市町村においては手を上げてしまうという状況でございます。そこで、少し広域的にこの汚泥処理を考えて処分方法を確立していく必要があるであろう。特にその必要が考えられます首都圏、近畿圏というような大都市圏域につきまして、昭和五十四年度以降このための基礎調査それから需要調査を実施をいたしておる段階でございまして、五十六年度には九千百万円という調査費をもちまして、この首都圏等におきます汚泥の広域処理処分事業の調査を実施をいたそう、このような段階にきておるわけでございます。
 そこで、先ほど申し上げましたのは全国ベースの話でございましたが、特に緊急の必要性が認められます首都圏、近畿圏につきまして汚泥の数字を申し上げさしていただきますと、五十四年時点で首都圏が年間八十一万立米、近畿圏が四十九万立米、これが六十年度時点ではそれぞれ百二十五万立米と七十五万立米になります。さらに七十年に至りますとそれぞれ二百六十万立米、百九十万立米というような数字に達します。このように膨大な処理、処分雄になるわけでございます。この年次に対応してそれぞれ必要な処分地を確保するというのがこれからの重要な課題になってまいるわけでございまして、ただいま申し上げました調査に引き続きまして、できるだけ早い時期に広域の処分というものを事業化するという目途で現在努力をいたしておるところでございます。
#134
○三木忠雄君 この処分の事業化の問題が、首都圏でたとえば一カ所か二カ所広域に何か埋立地を考えると、いま運輸省、厚生省共管で考えているフェニックス計画とはどういうふうにかみ合ってくるのですか。これとは全然別個ですか。
#135
○政府委員(升本達夫君) フェニックス計画も、東京湾を一部埋め立ててこれに廃棄物を処理するという計画のように承っております。
 そこで、その処理の対象につきましては特に下水道の汚泥が除かれるという趣旨にも承っておりませんので、フェニックス計画によって処分地が確保されるということになれば、それもわれわれとしては一つの方法ではないかというふうに考えているわけでございます。何分にもフェニックス計画の実現はこれからの問題でございますから、その計画の策定の段階から十分御連絡を申し上げ協議を申し上げてまいりたい、かように考えております。フェニックス計画によって必要な汚泥処分地が確保されるならば、それはそれでその必要な面積をいただいて、処分自体はこれはちょっと特殊作業でございますから私の方でやるのが適切ではないかと考えておりますが、そのような対応を第一次的に考えておりますし、もしそれをもって不十分ということになれば、これは別途また広域処分事業を別に考えざるを得ないという場合もあり得るのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
#136
○三木忠雄君 この汚泥の処理費が非常に高くなっているわけです。したがって、市町村の下水道財政が非常に厳しい要因の中の一つにも入ってくるのじゃないかと思うんです。したがって、この処分地の問題、運送の問題等考えて、やはりこれは考えなきゃならない問題じゃないか、このように私は考えているわけです。したがって、この下水の汚泥処理費の問題等も勘案しながら広域処分地を考える場合に、一カ所でいいのか、二カ所でいいのか。たとえば首都圏の場合、三多摩ならたとえば東京港にフェニックス計画の中で持ってくるとなればこれは大変な経費になってくるわけです。江東区の場合はいいと思うんですね、下町の方は。こういう問題等も考えた広域な汚泥の処分地の問題を私は考慮してもらいたいと思うんです。そうしませんと、実際に各市町村が汚泥の処分に非常な神経を使っている、あるいは不法投棄を行っているというようなところも一部耳にする場合もあるわけです。こういう問題がいろいろ行われてきたならばこれは大変な問題になってくると思うので、やはり下水道を推進する建設省としては、早急に広域な汚泥の処理施設を完備する、処理事業を軌道に乗せるというこの点はひとつ強力にやっていただきたいと思うんです。この点をもう一度。
#137
○政府委員(升本達夫君) 御懸念にお答えできるように十分関係省庁とも協議をいたしまして、私どもとしても今後にわたって汚泥処分に十分留意をしてまいりたいというふうに考えております。
#138
○三木忠雄君 もう一つ、――厚生省は来ているかな、ちょっとお願いします。この下水道事業の進捗に伴って産業廃棄物業者が逆に今度は合理化されてくるという問題があるわけです。下水道が普及されてくると、産廃業者、屎尿処理業者が合理化されてくる。この問題についてはまず建設省、これは厚生省の管轄になるわけでありますけれども、建設省はこの問題についてはどう考えていますか。
#139
○政府委員(升本達夫君) おただしのように、一般廃棄物処理事業でございますと厚生省所管でございますので、私の方から直にお答えを申し上げるのは適当かどうかと思いますけれども、建設省といたしましても、関係省庁の御要諸等あれば、十分われわれの仕事の対応できる範囲内で対応を考えてまいりたいと思っております。
#140
○三木忠雄君 厚生省に伺いますけれども、これは議員提案でできた、昭和五十年五月二十三日ですか、下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法、この精神は、この法律は、どういうふうに合理化事業は現在まで進んでいると考えていますか。
#141
○説明員(杉戸大作君) この特別措置法に基づきまして市町村が合理化計画を策定した例は、いままでのところはございません。したがいまして事業転換計画も行われた例はございません。しかしながら、その法律に基づきませんが、その趣旨を踏まえまして、市町村が事業転換計画につきまして、たとえば車両補償であるとか営業補償とかさまざまな対応をしておるという例はたくさんございます。
#142
○三木忠雄君 これは合理化の考え方の問題ですけれども、下水道事業はたとえば東京都内なら東京都内のある三多摩の一つのA市ならA市で、下水道事業が五カ年でどのぐらい進むかというこの実態に合わして、産廃業者が車の台数を何台か減らしていかなければならない。こうなった場合の合理化計画、どの程度までは事業転換だ、あるいは合理化計画をこの法に基づいて提案する資格といいますか、問題点があるんだとお考えになりますか。
#143
○説明員(杉戸大作君) たとえば五十年にこの法律を運用するに当たっての指導の通知をいたしておりますが、そこで「一般廃棄物処理業等の経営の基礎条件に著しい変化を及ぼす事由」、それは、「当該市町村の区域に係る下水道の整備」「し尿及びし尿浄化槽に係る汚でいの海洋投入処分に対する法令の規定による規則の強化」というようなことをいろいろ挙げておりまして、この合理化事業計画の認可に当たっての記載事項といたしまして、この計画の目標とか期間、あるいは事業の承認についての客観性、必要性、妥当性、確実性、いろいろな観点の認可に当たっての条件を指導いたしておるところでございます。
#144
○三木忠雄君 指導していると言うけれども、実際には指導した例がないんでしょう。だからこの合理化の著しい変化という問題が、産廃業者等については、下水道がこれから進んでくる、あるいは各市町村との交渉においては台数は減車されてくる、あるいは働いている人たちが首を切られてくる。経営者から考えてみれば、仕事がなくなってくるわけですから経営効率が非常に悪くなってくるわけです。したがってやめてもらわなければならない、あるいは減車しなければならない。この場合経営に対する著しい変化の問題で、ここらが一つのネックになってきているわけです。したがって、いまどうにかこうにか経営がおっつかっつやっているときに事業転換が早くできる方向を示唆しなければならないのじゃないか、このように考えるのです。この著しい変化というのは大きな歯どめになって、何かもうつぶれるようになってしまってから著しい変化では、これは意味ないと思うのです。どうせ下水道はこれからどんどん伸びていくわけですから、普及していくわけですから、早目早目にこういう事業転換計画あるいは合理化計画というものを俎上にのせてすぐ転換できるような方向に指導していかなければならないのじゃないか、こう考えるのです。それは市町村としては財政が厳しいからなかなか補償の問題もトラブルが起こっている。ある市町村ではもう補償はちゃんとしているけれども、B市町村では全然払わない、泣き寝入りだ、こういうふうな問題が起こっていきかねないような状況にいまあるのじゃないかと思うのです。したがって、この著しい変化の問題等についてはもっと弾力的に事業転換ができて、働いている人たちを首切らなくて済むような方向の事業転換に誘導していくことが大事じゃないか、このように考えておるわけでありますけれども、どうですか。
#145
○説明員(杉戸大作君) 御指摘の点ごもっともでございますが、これは市町村によって事情がまちまちでございまして、非常に地域性の大きな問題でございます。したがいまして、この法律はその基本になるそのような方向を示しておるものと理解いたしておりますし、市町村が、これを一つのよりどころにしまして個々の対応をいたしておるように理解をいたしておるわけでございます。しかしながら、確かに御指摘のように下水道の合理化計画によるというそこのところが非常に不十分といいましょうか、解釈のむずかしいところがございますし、この法律自体もこの運用がなかなか手続が繁雑であるというような点も理解をいたしております。この点につきましては、さらにいろいろ実情を調査しまして必要な措置を検討いたしてまいりたいと思います。
#146
○三木忠雄君 これはもう業者の側から見ればこの政令等も非常に複雑で、不合理化計画みたいな問題になってくるわけです。したがって転換ができるような方向で、具体的にそういう業者にこの法律の精神から合理的に転換作業ができるような指導をしっかり私はしていただきたいということを要望しておきたいと思うのです。
 それであわせて、建設省の方で下水道事業がどんどん推進されてくると、下水道事業団にいろいろ維持管理の問題が出てくると思うのです。したがって、そういう方向に産廃業者等を誘導し、事業転換をしていくというふうな考え方が私は一つの方途じゃないかと思うのですけれども、中心部になる管理の責任とかそういういろんな体制は市町村の方でやらなければならない問題があると思いますけれども、補助的な部門は下水処理場との問題で転換できる部門が相当あるのじゃないかと考えるわけです。したがって、そういう維持管理の上にも補助的な仕事、市町村でやらなくてもいい、民間に委託してできるような問題等については産廃業者等の事業転換に振り向けていくというのが一つの私は考え方じゃないかと思う。下水道ができてしまったからもう後は産廃業者さようならだという考え方だけではなしに、そういう方向でその考え方を持っていくことも私は一つの大きな考えじゃないかと思いますけれども、これは大臣でもあるいは局長でも結構です。
#147
○政府委員(升本達夫君) おただしのように、下水処理場の維持管理の関係で、いま御議論になっておるような業者の仕事の転換の対象としてそういう仕事をお考えいただくという余地は十分あろうかと思います。現実にいま全国の処理場の約三分の一ぐらいに当たる数でございますけれども、民間業者に保守点検とかあるいは清掃等の業務を委託いたしておる実績がございます。したがって、これからもたとえば汚泥の運搬でございますとかというような点についてもそのような御要望があれば、それにこたえ得るような処理が可能であろうというふうに考えております。
#148
○三木忠雄君 余り時間がないんですけれども、最後に、この五カ年計画の事業の中で、「新市街地における下水道の先行的整備を推進する。」とうたっているんですけれども、この新市街地の先行的整備というのは具体的にはどういうふうに考えていらっしゃるんですか。
#149
○政府委員(升本達夫君) 新市街地におきます下水道整備、これは別に下水道の整備に限りませんで、新市街地整備のときにたとえば必要な道路をつけるとか、あるいは公園的な空間を確保するということは開発者にかなりの負担をお願いしているというのが現状でございます。下水道におきましても同じような考え方に立ちまして、これは一般の下水道事業と若干補助対象率を低くしてございまして、管渠事業費の四〇%を補助対象としている。それから処理場の事業費についてはこれは九五%をほかの公共下水道と同じ補助対象率にしておりますけれども、管渠事業費の四〇%を補助対象率にし、残りは開発者に負担していただくという制度を現在とっております。
 そこで、したがいましてこの制度に乗ってまいります開発の場合には当然補助対象事業として採用できるわけでございますけれども、問題は新市街地がかなり既成市街地と離れたところに立地するような場合に、現在の既成市街地中心の下水道の整備計画、事業計画、この認可をとった大臣認可にかかる事業計画の中の地域にその部分が含まれておれば無条件にいまのような制度が適用できるわけでございますが、ちょっと飛び離れているとその区域外になってしまっているという状況が多いかと思います。そのような場合に、下水道事業実施主体との間で十分うまく調整をとっていただいて事業計画の中に取り込むというような措置が前段階的な措置として必要になろうかと思います。そのような措置、手当てが行われるという前提で考えまして、ただいま申し上げました補助対象率をもって助成をいたしております。
#150
○三木忠雄君 これは各市町村で開発要綱を決めているわけです。たとえば横浜市で、ある民間デベロッパーが開発をして、下水道の負担が人口一人当たりに対して十一万円の負担になっているわけです。こういう実態があるわけです。こういう各市町村によっていろいろな差はあろうと思うんですけれども、デベロッパー等にとっては非常に大きな負担になっている。その負担はどこにいくかというと、最終的には家を購入する消費者の側に負担になってくるわけでして、そこらの問題はやはり各市町村で開発要綱はいろいろばらばらであろうと思うんです。これじゃ各地域に人口流入を抑制しようとか、あるいは公共福祉のいろいろな問題点があって、各市町村にいろいろ考え方があってしかるべきだと思いますけれども、そういうところの調整は、たとえば下水道とか公共関連施設等の整備の問題で補助率が一律ではなしに、そういう問題なんか弾力的にできないものだろうかと考えているわけでありますけれども、その点についてはいかがですか。
#151
○政府委員(升本達夫君) おただしのように、自治体によって取り扱いの基準が大幅に異なるということでありますればやはり問題かと思います。しかしながら、一側におきまして下水道の整備費全体が大変先ほど来おただしのように、窮屈な過去の状況下にありましたということもございまして、自治体によってはあるいは新市街地の開発はできれば開発者負担にお願いしたいという気持ちが強く出る場合も、これもある程度やむを得ないことかと思います。私どもとしては、将来にわたりまして余り極端なアンバランスがその間に生ずることは適当でないと思いますので、将来にわたってその辺の調整については努力をいたしてまいりたいと思っております。
#152
○三木忠雄君 私も全国の各市町村の、主要都市の開発要綱を全部調べて、下水道のことは一々調べた実態を持っておりませんので、きょうは具体的なことはやりませんけれども、やっぱりこれは一遍調整を建設省としてはしてみる必要があるんじゃないかということを私は特に考えるんです。何軒かの業者からいろいろ訴えられた中にそういう問題点が非常に多いわけでございますので、この点は一遍研究をしていただきたいということを強く要望いたしておきます。
 いろいろ申し上げましたけれども、この五次五計で四四%という達成目標というのは非常に厳しいと思います。また流域下水道のいろんな反対あるいは訴訟問題が起こっている中で、問題点はあろうと思いますけれども、国民の生活基盤を引き上げるという立場から、この下水道の推進ということは非常に大事な問題でございますので、どうか建設省としてもこの問題にひとつ国民の理解を得られるような姿でやっていただきたいことを強く要望して、私の質問は終わりたいと思います。
#153
○上田耕一郎君 下水道整備緊急措置法の一部改正案について、五カ年計画とそれから公共下水の問題などについて御質問したいと思います。
 いまから五年前の五月十八日の当建設委員会で、第四次の五カ年計画の問題でかなり審議をいたしました。それから五年たってこれに関連する法律改正と五カ年計画を審議するということになっているわけですが、建設省都市局下水道部編の「日本の下水道 その現状と課題」というのを拝見しますと、一次から四次までの計画の経過についていろいろ書かれております。私は、いよいよ五次計画が発足するときに当たってこれまでの歴史、事業実績、それからいろいろ生まれてきた新しい問題点からきちんと教訓を引き出すということが、建設省にとってもまたわれわれ建設委員にとっても大事ではないかというふうに思います。
 これをざっと読んでみますと、第一次五カ年計画の発足したころは、終末処理場は厚生省担当、管渠についてのみ建設省という状況の時代に発足して、それから五カ年計画だったのですけれども、経済計画が変更されたために五カ年計画の途中で完了を待たずして昭和四十二年から第二次五カ年計画が行われる。第二次五カ年計画の実施の最中、ちょうど昭和四十五年の公害国会でこの下水道法の改正が行われ、水質保全の問題が非常に大きな問題にもなってくる。それから厚生省と建設省が別々にやっているのが建設省一本にされるということがあり、それで第二次も年度終了を待たずして第三次になってくるという経過を経てきたようであります。
   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
 そうしますと、私は、第一次、二次を経ていろんな体制、法の整備が行われて、また国民の下水道に対する要望も強くなり、都市化に伴う水の水質保全、水質汚濁防止が国民的課題になってきたということの後行われた第三次、第四次、この五カ年計画の実績はまず非常に大事で、この二回の五カ年計画の実績からどういう教訓を引き出してこれからの五次五計と言われるこの計画に生かしていくかということが非常に大事になっていると思うんですけれども、建設省としてはたとえば三次、四次の五カ年計画からどういう教訓と申しますか、成果をもちろん含めてでしょうけれども、そういうものを引き出してこの五次五カ年計画を立てたのかということをまずお伺いしたいと思います。
#154
○政府委員(升本達夫君) 過去の下水道五カ年計画の歩みはおおむねおただしのとおりでございまして、第一次、第二次におきましては最終年次を省略して次の年次計画に移っておりますので、実績については余り直ちに参考になりにくい面がありますけれども、第三次につきましては四十六年から五カ年、完成をいたしたわけでございますが、この間の事業費の達成率が一〇四・三%ということでございます。これに対しまして事業量の達成率は下水道の種別によって若干の差がありますが、かなり事業費の達成率を下回っていることば事実でございます。
 それから、第四次の五カ年におきましては先ほど来御説明を申し上げておりますように、事業費の達成率が九六・七%にかかわりませず、事業量の達成率は価格実質値で七七・七%というような数値にとどまっております。
 この第三次、第四次の五カ年計画の計画と実績との関係を見てまいりますと、おただしのようにかなりの格差があるわけでございます。したがって、その格差の要因についてしかるべき対応措置を考えるべきではないかというのがおただしの質問の本旨かと思うわけでございますけれども、私どもやはり第一点といたしまして、長期計画でございますから、その時点時点における価格をもって事業費をつかまざるを得ないという立場上の制約がございます。したがいまして、計画当初のものを実行の最後の段階から振り返りますと、的にはかなり事業量の達成という意味でずれが出てくるということが過去の実績から当然読み取れるわけでございますけれども、これを現時点であらかじめ想定して、どのくらいの価格騰貴があり得るということを織り込むということがなかなか制度面で困難という問題もございまして、その点については今回の第五次の五カ年計画において特段の配慮をいたしたと申し上げるわけにはまいらぬわけでございます。
 その他の点につきまして、この第三次、第四次の計画と実行との差について検討いたしまして、たとえば事業執行に当たりまして普及率に直に反映してこない投資というものが出てくる。端的に申し上げますと、東京都の場合ですと既成市街地内にすでに第一次的な下水道が普及されているけれども、これの手直しの問題が出てきているという状況もございます。この手直しの費用については在来はこれを忘却と言いますとおかしいんですが、一応計算の基礎に入れ込んでおらなかったという問題もございます。そのように普及率に波及しない必要経費について配慮をするというようなことがございます。
 それからさらに、計画と現実面とのずれから先行投資額というのが、実質的な先行投資額が計画よりはかなり多く出てくる結果になる。これは第三次、第四次を通じて御承知のように下水道整備が大変飛躍的に対象都市がふえた、対象事業がふえたということから、いわば初期投資の段階に当たる都市数が非常に多いあるいは流域下水道が多い、このようなために当初計画で予定したものよりはどうしても先行投資部分が年度を五カ年ごとに区切ってみますと多くならざるを得ない、こういうような問題もありまして、この先行投資額の見積りについて十分配慮する必要があるだろう。
 それからあと、施工個所、施工地域によって工事費の単価に及ぼす影響がかなり違っております。その辺についても十分過去の実績を踏まえて必要な事業費の確保という観点から整理をいたしておるつもりでございます。そのような反省に立ちまして、そのような必要事業費の確保に努めて第五次の五カ年計画の成功を図ってまいるつもりでおるわけでございます。
#155
○上田耕一郎君 いま第四次の事業量の達成率を何とか価格で七十何%とおっしゃいましたね。いただいた資料を見ると、いわゆる事業量としての達成率としては公共下水道が管渠五八・八、処理場が四八・一、流域下水道の管渠五五・一、処理場三二・三という数字が出ておりますけれども、ちょっともう一度説明してください。
#156
○政府委員(升本達夫君) 事業量ずばりで申し上げますと、いまのおただしのように公共下水道、流域下水道、種別によっていろいろ違いがございますが、合計で申し上げますと管渠の達成率が五八・五%、それから処理場の達成率が四二%、計画に対する実績という数字でございますが、先ほど私が七七・七%と申しましたのは、名目で九六・七%の投資額を五十年価格に補正した実質でどのくらいかという実質値に換算いたしますと七七・七%、つまりインフレ部分を控除すればということでございます。
#157
○上田耕一郎君 五十五年価格に直しても事業量としては管渠五八・五、処理場四二%で、五十五年価格に直すとというお話だったんですね。それでいまこの事業費では第三次、第四次ともほぼ一〇〇%使った実績なんだが、事業量についてはいただいた資料のようにどうも大体半分程度という状況になっている理由について幾つかの原因を挙げられました。
 まず第一に物価騰貴を挙げられたんですけれども、長期計画には全く将来の物価騰貴が織り込んでいないのですか。たとえば経済社会七カ年計画もある程度織り込んでいくわけだし、それに応じて建設省も五カ年計画を立てているんですね。
   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕
これはインフレ率は実際には低いにしてもある程度織り込んでいると思うんですけれども、計画を立てるときにどのくらい織り込んできたんですか。
#158
○政府委員(升本達夫君) 建設省所管の長期五カ年計画は各施設に同じような手だてを講じているわけでございますけれども、これは策定時点、今度の場合で申しますと五十六年度が初年度でございますから、五十五年時点の価格によって総投資額を表示する慣例でやっております。したがって、その価格がそのまま五カ年計画の内容になっておりますので、特に将来の物価値上がりあるいは値下がりに対する補正ということはその価格表示には出ておりません。
#159
○上田耕一郎君 そうしますと、策定当時の価格で策定すると、普及率がたとえば今度四四%になりますね。これもインフレなしでこの費用で大体普及率四四%になる、もしインフレがあれば、いまの物価騰貴でインフレと言えるかどうか厳密な問題ですけれども、たとえば五、六%の物価騰貴があった場合には当然この普及率四四%も下がるという計画なんですか。
#160
○政府委員(升本達夫君) 他の条件に変更がなくして、単に物価騰貴だけが御指摘のような数字であったということになりますと、結果的にはその分だけ事業の実施量が減少するということにならざるを得ないと思います。
#161
○上田耕一郎君 そうすると、普及率も当然減る、まことに紙の上だけのことになりますね。幾ら建設省の方々でも、物価騰貴が全くないと思っていらっしゃらないわけなんだが、しかし一応紙の上の五ヵ年計画としてわれわれに提起するものは、物価騰貴は全くないという計算でこれだけの金を使えば四四%と、実際に五、六%がかなり――首相はいつも世界の発達した資本主義国の中で日本が一番物価が安定していると言って誇っておられるけれども、その首相が誇るけれども、五、六%の物価騰貴がある場合には当然この四四%というのは下がるわけですね。大体その程度の物価騰貴があったとした場合にはどの程度に実際にはなるのかということも建設省としては計画、計算は別個に一応しているんですか。
#162
○政府委員(升本達夫君) これは五カ年の施設整備計画でございますから、その五カ年の期間についてどれだけの物価騰貴を見込むかというのは非常にむずかしい問題でございますので、この施設別の計画に当たって物価騰貴分だけを考慮している、計算をしているということはございません。
#163
○上田耕一郎君 今度は予備費でなく全部調整費として五千九百億となっているわけですけれども、この調整費は物価騰貴の場合には使えるわけですか。
#164
○政府委員(升本達夫君) 調整費は先ほど来御説明申し上げておりますように、計画策定後の経済情勢それから財政状況等の変化によりまして必要があります場合に、これを事業費に投入することを予定した経費というふうに考えております。
#165
○上田耕一郎君 じゃ使えるわけですね。いまのことで大体物価騰貴については計算に入れない計画だということが一応はっきりしましたが、これまでも大体みんなそういうわけですね。
 それから、二番目にお挙げになった理由で、普及率に反映しない経費があると。それで東京都の例を挙げられました。この問題に触れられたので私も予定を変更してちょっとその問題に触れたいんですが、今度東京都は二十三区の下水道料金が八〇%の値上げで全国最高になりまして、月二十五トンの水を使う標準家庭は月八百五十円から千五百二十五円と一遍に六百七十五円も値上がりして非常に大きな問題になっているんです。幾つかの原因がありますが、一つは、いまお触れになった旧来からある下水道の普及地域へ高層ビルがうんと建ったり、人口がふえたり、再開発が生まれたりということで、また昼間人口がふえたりということで、下水道容量が足りなくなったということで特別の拡幅をやらなきゃならなくなっているという事態が確かにあるんです。都心には五つ処理区があって、芝浦、三河島、砂町、小台、落合と五つあるんですけれども、全部能力不足で規模引き上げ事業をやっている。この汚水量の計画なんというものば戦前は一人一日百六十七リットルという計算だったんですが、戦後、いまの計画では、たとえば千代田区など四千八百二十八リットルというものすごい計画になっておりまして、そのためにこれらすべての処理区で拡充工事をやっている。管渠をもう一本埋めてポンプ所及び処理場を拡充するということです。
 どのぐらい金がかかっているかというものを見ますと、都の五十五年度予算では、整備拡充費三百三十六億円と下水道建設費総額二千二百五十億円中一五%程度です。昭和四十六−八年ごろその整備拡充費は五、六%だったわけなのでこの三倍に達している。かなり重い負担になっています。
 都心区でなぜこういうふうに下水道の容量が不足になってきたかというと、都心なので夜間人口減っているわけですから、どうしても超高層化、昼間人口等、特に大企業の事務所、事業所、超高層ビルの建設ということが最大の問題になるわけです。こういうものは、事業所が集中してきているのでその規制の問題です。共産党は前から主張しているんですけれども、こういう事業所が集中してきて、その社会的費用を一般都民が負担するというのは不合理だと思うので、当然事業所が一定の負担をすべきだ、これは政府もそういう考え方を取り入れているので、もっともっとこれを推し進めるべきだと思っているんですけれども、一つ問題なのは、そういうことを余り進められていないということと同時に、五十四年七月三十一日ですけれども第四次下水道財政研究委員会の報告があります。この調査室の資料で、五十六ページに、維持管理費のほか国庫補助金及び受益者負担金徴収分を除いた資本費も一般排水の使用料の対象とするのが妥当だということを述べているんです。これは私はおかしいと思うんです。ひとついまの問題、普及率のアップにかからないこういうこれまでの施設の拡充費、特に東京都のような大きな事務所、ビルなどの集中によって生まれるものに対してはその企業にも応分の負担をさすべきではないかという考え方についてと、それから一般家庭にまで資本費まで入れてよいという、この二つについて建設省のお考えをお聞きしたいと思ます。
#166
○政府委員(升本達夫君) おただしのように、東京都におきましては特に拡張に当たらない、既設の施設の拡充のための所要費がかなりの額に上っておるわけでございます。これにつきましては、東京都の下水道整備の歴史から、かなり古くから手をつけている都心部におきましてこのような要請が出てくることはある程度やむを得ないところでございまして、必要に応じ手直しをいたしてまいらなければならない費用だというふうに考えるわけでございますが、これを特に別建ての所要費として国として考えなければならないかどうかということは、いろいろな考え方の仕掛けがある点だろうと思うわけでございます。
 現在、御承知のように、わが国の下水道普及率がようやく全体として三〇%というところに達したにすぎないという状況下におきまして、特に先進的な下水道整備地区であります東京都等におきまして拡充のための追加投資が必要である、そのものについて特別の国としての配慮をなすべきであるかどうか、これはいろいろな御意見もあろうかと思いますけれども、私どもは現時点における判断といたしましては、その整備費だけを別枠として考えるのは少し無理ではなかろうか、全体としての下水道整備費の中のこれはいわばやりくりとして自治体に御努力をお願いいたしていかなければならないのではなかろうかという判断をいたしておるわけでございます。しかしながら、そのような整備のいわば手直しに当たるようなものを直接的に大規模に必要とするような原因を与えるような建築行為者等につきましては、格別のいわば原因者負担的な負担を課する必要もあろうかと思うわけでございます。下水道法もそれを予定いたしておるわけでございます。私どもとしてはそのような制度の将来にわたる活用を図ることによって、自治体としての負担をできるだけ合理的な範囲内において軽減していく努力というのは必要であろうかと思うわけでございます。
 現に、東京都の場合で申し上げますと、件数としては余り十分な件数ではございませんが、数カ所の個別の建築開発行為者に対して、それによって必要を生じた下水道工事の負担金を納めさせているという例もございますし、また一般に大量の下水量を排出することになる既成市街地内の下水道利用者に対しましては、使用量の節減はもちろんのことでございますが、特に必要に応じて排水調整のための調整槽を設置するとか、あるいは循還利用をやってもらうとか、あるいは特に下水が滞りなく流せるところまで管渠を自費で負担してつけてもらうというような手だてを講じることといたしておりまして、東京都においては昭和五十年度以降そのような制度を積極的に取り入れて努力をいたしておるところであります。
 それから、第二点のおただしの料金について、資本費の還元分を料金に入れるのは適当でないのではないかという御指摘でございましたが、御指摘のとおり今回の第五次計画を立案するに先立っての第四次の財政研究委員会におきましてその御検討の結果いただいたお答えでは、資本費についてもこれは利用者負担という原則に立って負担をしていただくことを検討すべきであるという趣旨の御答申、お答えをいただいているわけでございます。
 私どもとしては、当然にどこまで資本費の負担を課するかというのはなかなかむずかしい問題だと思うわけでございますけれども、要は、いわば汚濁の原因者であり利用の受益者である使用者からどの範囲の負担をお願いしていくのが妥当かということは自治体の財政状況、それから下水道の整備状況等諸般の状況をいろいろ勘案しながら自治体において基本的にお決めいただく性質のものだろうというふうに理解をしておりまして、その場合の基本となる準則として第四次財研は、資本費の一部も含めることも当然検討していいんではないか、ただし、そのことによって従来の基準と余り格差がつき過ぎて一時的に使用量が急増するというような状況になるならば、その場合にはかなり資本費の見込み方については検討を必要とするだろう、つまり、段階的な負担をお願いするということも考えていかなければならないだろうというようなお答えをいただいておるわけでございます。私どもとしては全体の下水道の整備状況と財政の状況、経済社会の一般的な状況から考えまして、現時点において資本費の一部について御負担をいただくということもやむを得ないことなのではなかろうかというように考えているところでございます。
#167
○上田耕一郎君 私は、後者の問題では維持管理費を幕末にすべきであって、やはり下水道を敷設していく責任、水質環境を保全するその責任は国と自治体にあるということは動かすべきでないと思います。
 先ほどからのお話のこの計画ですね、一つは物価騰貴、二番目は先ほどの普及率に反映しない経費、三番目、先行投資額が必要な場合がある、四番目、地域によって単価の違いがある、それぞれ挙げられましたけれども、とにかく政府がこれだけの普及率を今後五カ年でやりたいという計画を立てて閣議決定までするわけでしょう。それをわれわれ国会の方で審議しているわけなので、これまでの一次から四次までの五カ年計画の実績から合理的で国民の納得のいくものにしなければならないんだろうと思うんです。
 一次から四次までを見ますと、一次、二次については最終年度が次の五カ年計画に繰り入ったというんでいろいろありますけれども、一番国民の関心のある普及率はヨーロッパ諸国から比べても非常におくれている。この普及率の目標が実際どう達成されてきたかというのを見てみますと、これはなかなか大変な実績になってきたのです。第一次は一六%の普及率を二七%、つまりいまの三〇%ぐらいです。市街地の面積ももっといまよりも少ないけれども、二七%にしようとしたが実際は二〇%だった。一一%上げようとして四%しかできなかった、三割ちょっとです。第二次、これは二〇%から三三%を目標にした、一三%上げようとして結果は三%だった。わずか二三%にしかならなかった。これは十三分の三ですから二割ちょっとです。第三次は一五%上げようとして二・六%しかできなかった。これはどういうことですか。普及率のアップは二割以下です。第三次までは面積普及率でやっていたんですけれども、ちょっといまの人口普及率の計算と少し違うかもしれませんが、第四次から人口普及率の計算になって、人口普及率で二二・八から四〇%を目指した。達成は実際は一七・二%上げようとして六・八でこれも三割ちょっとです。そうしますと、いままで普及率を上げる上げるという計画を立てて物価騰貴を計算に入れていない計画なんだから、多少物価騰貴でやむを得なかったというのがありましても、目指す普及率の大体二割から三割の打率、野球の打者なら二割から三割でチームに出られるでしょうけれども、下水道計画で二割から三割の打率というのはまずいんじゃないでしょうか。
 なぜこういうことになってしまっているのか。これはどうも説明を聞いてもよくわかんないんです。今度特に流域下水道の処理場は三二%の事業量ということになっているんですけれども、これはまさに三割打率で、何でこう流域下水道の終末処理場の場合には打率三割なのか、これはもう少し具体的な説明をいただきたいと思うんです。
#168
○政府委員(升本達夫君) 三割という数字はどの部面をお示しになっているのか、ちょっと私ども把握しかねておりますが……。
#169
○上田耕一郎君 処理場三二・三です。第四次ですね、処理場の事業量達成率三二・三%、流域下水道。
#170
○政府委員(升本達夫君) わかりました。処理場の対象処理能力人員の達成率で三二・三%、おただしのとおりでございます。
 そこで、流域下水道について特におくれているのはなぜかというおただしでございますが、流域下水道につきましては、かなり計画が大きな事業計画になっておりますので、計画のテンポをつまり投資に合わせてその処理能力の並行的な移動を期待することがなかなかむずかしい。簡単に申し上げますと処理場が仮にでき上がっていても、それが要するに稼働する状態になるのに時間がかかる、稼働状況になって初めて処理対象普及率に影響してくるわけでございますので、その間のいわばタイムラグというようなもの、私どもは先行投資部分と考えておりますけれども、その先行投資部分がかなり多く出る。これは公共下水道についても同様でございますけれども、流域により多く出るという問題がございます。特に第四次期間中においては御承知のとおり流域下水道に新しく手をつけたというケースが大変多うございまして、いわば初期投資を大変必要とする期間に当たる事業件数が多かった、このようなことから追跡された結果においてかなり達成率が低く出ているということになろうかと思います。
#171
○上田耕一郎君 それが仕掛かり品というわけですな。五年前の建設委員会で私はこれを問題にして、全体ですけれども、「七兆五千億というこの総額が実際に予算に組まれて五カ年やった場合、本当に人口に対する普及率四〇%を達成できる見通し、根拠があるのかどうか、」、当時の吉田都市局長、「四〇%という目標があながち不可能な数字であるとは私考えませんが、」と言われて、「予備費一千億はまるまる使って、」「毎年度の予算を忠実に実現していくということができさえずれば、ほぼ四〇%の普及率というものは実現できるものと考えております。」、私が若干反論して、「実際にはやはり四〇%はほぼ不可能だと。大体三十数%におさまらざるを得ないのではないか」と言っているんですが、この私の三十数%も甘過ぎて、実際は三〇%すれすれということだったわけです。
 五年前にこうやって四〇%というのを審議して、できますというお答えをいただいて、五年たつとやっぱりそうでなかった、私の反論さえ甘かった。三〇%ということでしょう、二九・六ですか、二九・六というのが五年たった結果なんです。こういうことをどんどんただ繰り返していて一体いいんだろうかということを思うんです。どうしてこういうことになっているんだろうかということです。それで、そういうとうていできない計画が出て、しかし、審議してそれで承認してやってみると、普及率の目標達成率は二割から三割だ。一体そういうんで本当にいいんだろうか、建設省はどういうつもりでそういうやり方を考えておられるんだろうかと思わざるを得ない。
 具体的にこの第五次の計画についてお聞きしたいんですけれども、この事業費、各事業別の事業量の目標ですが、私どもいただいた「概要」という資料では金額しか出てない。いつもこれがかかると閣議決定が出て、そのときには管渠を何キロとか、それから処理場で人口何万人達成するという目標が出ます。この目標について、公共下水道、流域下水道等々、事業費が全部出ているわけなんだが、これに見合う管渠の延長キロ数、処理場計画、どのぐらいの人口に公共下水道並びに流域下水道で考えているのか。八月の閣議ごろにまで積み上げて考えるというんですけれども、大体今度はどの程度お考えになっているんでしょう、数字を示してください。
#172
○政府委員(升本達夫君) おただしのように、五カ年計画は、この法案をお認めいただければ、それに従いまして閣議決定をもって決める予定をいたしております。したがいまして、いまの段階で確定的には申し上げるわけにはまいらないわけでございますけれども、われわれの見込みといたしまして申し上げますと、今度の五次五カ年計画中に公共下水道の管渠が約一万二千キロメートル、それから流域下水道の管渠が千二百キロメートル強、都市下水路が千二百キロメートル弱、おおむねそんなようなところを予定をいたしております。
#173
○上田耕一郎君 処理場は。
#174
○政府委員(升本達夫君) 処理場につきましては、これは処理能力人口で申し上げますと、公共下水道につきましては千百万人強分、それから流域下水道は約八百万人分でございます。
#175
○上田耕一郎君 これはなかなか大変な数字になっているんですね。一次、二次、三次、四次で公共下水道の管渠を全部計算すると二万一千四百八十一キロなんです。今度の五次で、いままで全部合わして十八年かかって二万一千なんだが、一万二千キロやるという計画なんですね。それから流域下水道は二次から始まっているんですけれども、管渠は千五十一キロ、それを千二百キロ。これまでの二次、三次、四次分より多い管渠をつくるという計算になっておられるようです。
 それから、人口についてもやはり同じようなことだと思うんですけれども、五年後の総人口、これはインフレと違ってやっぱり人口はふえると見ているんでしょう、これはどうなんですか。
#176
○政府委員(升本達夫君) 五年後の想定人口につきましては、各種の長期計画に基づいておおむね五年後に想定される伸びを見込んで計算をいたしております。
#177
○上田耕一郎君 見込んでというと、五年後の総人口、普通使われているのが一億二千二百八十六万人という数字が使われているんですが、それを四四%にしようとすると、処理人口で四千九百十四万人、大体約五千万人、それを目指した処理場計画になっているわけですか。
#178
○政府委員(升本達夫君) 第五次五ケ年期間中の処理人口の増が全体で約千九百万人ちょっとでございまして、四次五計までの実績とこれを合わせていただきますと、六十年度に想定されます総人口に対して処理人口の割合が四四%になるはずでございます。そういう数字にしてあるはずでございます。
#179
○上田耕一郎君 これも私信じられない数字です。これまでの総処理人口が私の計算で三千四百六十四万人なんです。十八年かかって三千四百六十四万人の処理人口にして、これを今後五カ年で千九百万人ふやすという計算だというんですね。これは本当に私にはわからない。
 もう一つお聞きします。この経済社会七カ年計画との関係ですが、建設省は「概算要求概要」、概算要求をお出しになるとき、この要求時点で五カ年間で十七兆四千億円考えていて、実際には普及人口、普及率目標五五%、そうこれに書いてあります。昭和六十年度すでに五五%という、つまりいま三〇%のそれをあと五年で二五%ふやして五五%というのを概算要求で出されたんですね。それで、七カ年計画が一年半延長されたということで今度の五カ年間十一兆八千億円というのをお出しになったわけですけれども、これはどうなんでしょう、一年半延長されたんだが、つまり六年半ということになるわけで、六年半については最初の要求時点の概算要求にある十七兆四千億はやっぱり生きているということになるわけですか。
#180
○政府委員(升本達夫君) おただしのとおりでございます。
#181
○上田耕一郎君 そうしますといよいよわからぬことになる。当初十七兆四千億円で五カ年間で五五%にしようという計画だったわけですね。それが一年半延びたというので十一兆八千億円で四四%にという目標にされた、しかしそれは一年半延長ということで六年半で生きているということになりますと、簡単な引き算なんですが、十七兆四千億円から十一兆八千億円引くと五兆六千億残る。五五%の目標達成率から四四%引くと一一%になる。一年半で一一%の普及率アップをやるという計算なんです。一年半で一一%の普及率引き上げというと、一年間で七・五%引き上げになるんです。これまで、この第四次までの五カ年計画見ますと大体普及率アップは一年間で一%です。多いときでこれ、二、三回ありますけれども一%から二%なんです。ところが皆さんの計算は一年半で一一%、一年間で七・五%引き上げて、つまり昭和六十一年の半ばまでに五五%やるという計算をいまでもお持ちだと。その五年分をいま私たちに審議しろといって出しているわけでしょう。もうとうてい理解できないです。
#182
○政府委員(升本達夫君) 現在の普及率でございますが、三〇%といたしまして、これを六十一年半の時点で五五%に広げるということを前提といたしまして、これを直線でつなぎますとおただしのような御疑問が出るかと思います。
 私どもの方の計算はこの五年を六年半に延長いたしましたその後の処理といたしまして、五十六年度――五十五年度末ででも結構でございますが、五十五年度末時点を初項に置きまして、それから毎年度等比で六年半かかって伸ばす、その結果として五五%まで行き着きたい、このような仮定を置いて計算をいたします。その普及率の伸びは、いわば曲線で上っていくというようなかっこうになりますので、後半の一年半というのは大変大きな量が残る計算になります。このような計算結果で求めまして六十年度末の時点で四四%という数字を求めたわけでございます。
#183
○上田耕一郎君 私はそのグラフを書いてみました。これがありますけれども、確かに実際には昭和四十五年から昭和五十五年まで普及率の伸びは大体直線なんです。毎年一%、ときどき二%上がっているだけです。ところが、これからこの五カ年計画で急激にきゅうっと上へ上がるわけです、四四%まで。その後の一年半でまた急激に上がるわけです。こんなふうに曲線で上がる根拠は全くないです。これまでの一次から四次までの五カ年計画約十八年にわたってやってきて、それで実際の目標よりもやってみるとこれだけの問題がある、物価騰貴がある、それからさまざまな工法の違いが出てきた、それから住民に対してさまざまなことをやらなければいけなくて、処理場の負担もやらなきゃならぬ、緑地もつくらなきゃならぬ等々言われて、結末が、五カ年で済むといろいろ言い訳、口実を挙げておられたわけでしょう。ところが、そういう結果がこれだけ出ているのに急激にずっと上がって、一年間に七・五%も普及率が上がると。一年一%です、実際にできているのは。それなのに六倍も七倍もの計画を紙の上で書いてお出しになる。本当に私はわからないと思うんです。これははったりではないか。何のためにこういうことをおやりになっているのか。大臣いかがですか、こういうことを続けていいとお思いですか。
#184
○国務大臣(斉藤滋与史君) 大変数字的に挙げられまして厳しい御批判を受けているわけであります。上田先生承知で御質問なさってくださっておると思いますけれども、下水道整備五カ年計画、過去十八年の経緯を踏まえてやはり私たちは答申あるなしにかかわらず、近代化して都市環境を整備しなければならないという使命を持っているわけであります。したがいまして、われわれの目標として一つの計画を立てて現在まで進めてきておるわけでありますが、達成率について御指摘のような面、またそれを阻害する要因等も挙げましたけれども、とにもかくにもそうしたことを踏まえて、なおかつ一つの目標設定として私たちは実践するという責任と使命を持ってこの問題に取り組んでいるわけであります。したがいまして、それの実行について過去の経験から御懸念をくだすっておられることと思いますが、それをあえて私たちは踏み越えて目標達成に向かっていくということでひとつ御理解をいただきたいわけであります。とにもかくにも、特に昨今のような下水道事業というものは諸般の事情で目的どおりいかないということは十分承知はいたしておるわけでありまして、そうしたこともあえて理解の上に私たちは御協力をお願いをいたしておるわけであります。
 五年前の、上田先生の先輩としてここで御指摘くだすったその諸般の調査をしても、なおかつ上田先生でも予想が当たらないくらいなかなかむずかしいわけで、ましてや当局といたしましても事業量と事業費という問題についてなかなかアンバランスになるわけで、ひとつその点につきましてもあえて御理解をいただきたい、このように考えるものでございます。
#185
○上田耕一郎君 私は何もいじめてやろうと思ってやっているわけじゃないんで、確かに私も甘いぐらいだったと思うんですけれども、先ほど申しましたように、今度の五次の計画四四%、五カ年間で一四・四%アップというのは大体平均して年二・九%、三%アップなんです。それは恐らく実績からいって不可能だろう、いままで一%からよくて二%なんですから。ところがその後の一年半は経済社会七カ年計画に合わせて一年間に七・五%アップというのを立てて平気でおられるというのが私はわからぬと思うんです。これは国民もわからないと思うんですね、ずっとやっていて。しかし、それをそのまままた出してくる。国会も政府も本来信頼されていると思うんです。国会でも毎年五年ごとに審議している。国会もそれを承認した。承認した結果やっぱりできない。毎年繰り返して一体どうなるんだというふうに質問されたら、私らでも答えられないです。だからそろそろ実際に国民に――国民は信じますよ、五年後に普及率を四四%にすると言ったら。ところが、そうはいきません、大体三分の一どまりですというのでは、何で、だまされたんじゃないかと思われても仕方がないと思う。午前中エコノミストの中西準子さんの「現場にみる下水道の不経済学」というのを取り上げられました。衆議院の質疑を読んでも、いろいろここに出ているデータなんかも出ていますし、私どもは中西さんの意見で一致するところもあるし、流域下水道批判については一致しない面もありますが、この中でやはり中西さんがいまのこの問題を取り上げられて、事業費ではいつも一〇〇%近くいっている、しかし事業量では低い、建設省はもう事業費のことしか頭にないのだ、建設省は実際に普及率を国民に上げていくのは余り頭になくて、それよりも事業費、つまり中西さんの言う大規模な流域下水道、これは中小企業ではできない仕事で、こんなに大きな管渠で大企業ばっかりやっている、大企業に仕事をやればいいんだ、そういうことしか頭にないという厳しい批判を中西さんはここで書かれておる。そういう批判が出るのも私は当然だと思うのです、こういうことを繰り返していたのでは。だからこういうやり方は改めていただかないと、国会としても、これは大体それでいいですと言うのを一度や二度人がよくてだまされたけれども、何度もだまされて、また今度知っていてだまされましたというわけにいかないと思うのです。
 行管庁はお見えになっていますか。――行管庁がこの建設省の、特に下水道問題について、行管庁としての監察の勧告を五十一年十二月にお出しになった。いろいろ拝見していろんな問題をここで指摘されておられ、建設省からも回答が出て、その後の改善措置状況要旨というものも出ておりますが、この監察結果に基づく勧告の中には、余り事業のおくれについては触れておられないのだけれども、この行政監察の勧告と、それに対する建設省の回答についての行管庁としてのお考え、評価と、私がいま質問でずっと明らかにしたようなこういう事業の非常なおくれという問題については、行管庁としてはどういうふうに見ておられますか。
#186
○説明員(橋元徹志君) 先生御指摘のとおり、下水道の整備及び管理に関する行政監察を五十一年度に実施しまして、五十一年十二月二十日に勧告を行っております。
 この勧告の内容は、河川等の水質汚濁を防止するためには下水道の総合的広域的な整備を図らねばならないが、そのために必要な流域下水道整備総合計画の策定が低調なのでその促進を図ること、終末処理場からの放流水について水質基準を超過しているもの、汚泥の処理が的確に行われていないもの、除害施設の設置の届け出が励行されていないもの等があるので維持管理の適正化を図ること、下水道事業を担当する技術者が少なく、実施体制が十分でないので、特に中小都市及び都道府県に重点を置いて研修の充実等による体制の整備を図ることなどを勧告したわけでございます。
 この勧告に対しまして建設省から、いま先生も御指摘がありましたように五十二年と五十三年と二度にわたって改善勧告についての回答を受けております。回答を受ける際には行政管理庁としましても、そのわれわれの勧告の内容が十分徹底しているかどうかということに意を尽くしまして回答を受領しているわけでございますが、この行政監察の結果の回答につきましては、私の方としてはおおむね適切な内容と考えております。
 それから、事業のおくれの問題につきましては、この下水道の整備及び管理に関する行政監察では調査の内容に含めて調査しておりません。現在時点でも私の方でそのことについて調査する計画は、いまの段階では持ち合わしておりません。
 以上でございます。
#187
○上田耕一郎君 建設省、長期計画を立ててやっているのに、道路とか住宅とか河川とか公園とかありますが、それらと比べてやっぱり下水道の方がおくれているのでしょう。
#188
○政府委員(丸山良仁君) 道路、河川、住宅、公園でございますが、五十五年度末の実績で申し上げますと、道路は第八次道路整備五カ年計画、五十三年度から五十七年度まででございますが、これの三年目の終わりになるわけでございまして、事業費で達成率五七・一%。それから、年度の途中でございますから確定した事業量ははっきりしないわけでございますけれども、おおむね四七、八%、大体事業費に対しまして事業量は一〇%ぐらいの落ちということになっております。
 また、第五次治水事業五カ年計画につきましては、五十二年度から五十六年度まででございますから、五十五年度末では四年目の最後になるわけでございますが、事業費では七八・四%、事業量では大体七〇%、これも一〇%ぐらいの落ちになっているわけでございます。
 それから、第三期住宅建設五カ年計画は五十五年度で終わったわけでございますが、これは事業費はございませんで、事業量で決めているわけでございまして、全体の戸数八百六十万戸に対しまして建設実績は約七百八十万戸、九〇%程度。それから公的資金住宅につきましては、三百五十万戸に対しまして三百六十七万五千戸ということで一〇五%。ただしこの点につきましては、公営住宅、公団住宅等は落ち込んでおりまして、公庫住宅でカバーしているという実態はあるわけでございます。
 それから、第二次都市公園等整備五カ年計画につきましては、これも昨年度で終わったわけでございますが、事業費につきましては予備費を除きまして一〇四・〇%、それから事業量につきましては七五%という実績になっております。
#189
○上田耕一郎君 いずれも下水道より、同じ物価騰貴があっても高いですね。下水道は事業費が一〇〇%から九十何%で事業量が五〇%ということでかなり差が四〇%以上あるという状況だと思うのです。
 環境庁はおいでになっていますか。――環境庁としてはこの下水道問題、水質基準の達成で非常に関心をお持ちだと思うんです。その水質基準達成で下水道の果たす役割りは非常に大きい。それがこういうふうに目標を立ててはおくれているということについてどういうふうに認識していらっしゃいますか。
#190
○説明員(渡辺一志君) お答えいたします。
 公共用水域の水質保全を図るためには、近年非常に都市化等の進展に伴いまして生活排水による汚濁化の割合が増加している現状でございます。特にこういったこれらの汚水に対処するためには、やはり下水道の整備が工場等の排水規制と並んで非常に重要な役割りを担っておると考えております。
 先ほどからいろいろ普及率の話がございましたが、わが国の下水道普及率は欧米先進国等と比べまして著しく立ちおくれた現状にございます。水質環境基準を維持達成し、水質汚濁の防止を図るためにはさらに整備促進を図っていただく必要があると考えております。特に水質総量規制が実施されております瀬戸内海、それから伊勢湾、東京湾等の広域的閉鎖性水域、あるいは富栄養化等により水質が悪化している湖沼等の周辺地域につきましては、今後とも下水道の整備を積極的に推進する必要があると考えております。環境庁としましては、今後とも所管官庁である建設省と連絡を密にしまして、地域の実情に即した下水道の整備が促進されるように要請をしてまいりたいと考えております。
#191
○上田耕一郎君 環境庁としてもやはり重視しているわけで、私は何も汚職や腐敗でどこかへ金が行ってしまっているんだろうと思っているわけじゃないんです。思っているわけじゃないけれども、行っているかもしれないけれども、しかしこれだけ大事なこの下水道が建設省の管轄の他の道路、河川、住宅、公園などと比べても著しい事業童のおくれが見える。それはどこにネックがあるのか行政監察してほしいと思うんです。これを建設省としてはもう理由をずっと挙げておられるんだけれども、行政監察してこれをアップするというのは国民にとって非常に大事なことなので、ネックが見つかればそこを改善すればいいわけなので、ひとつ行政監察の対象に挙げて、計画にないとおっしゃったけれども、それは総国民的な関心のある、また国民の生活に非常に関係のあるテーマなので、行政上どこかに問題がないのかということを計画に入れることを検討していただきたいと思うんですが、いかがですか。
#192
○説明員(橋元徹志君) 下水道整備の問題は国民的な見地からも非常に大事な問題でございます。おっしゃいますように、下水道の整備を今後充実強化することは必要なことだと考えております。そこで行政管理庁としましては、この第五次五カ年整備計画が実施に移った段階の中期ごろに、やはり大事な問題でございますので、下水道について調査する計画をつくりたいということで内々は検討しております。
 以上でございます。
#193
○委員長(宮之原貞光君) 上田君、もう時間です。
#194
○上田耕一郎君 建設大臣、以上のような内容なんですが、ぜひこの問題は重視していただいて、どこにネックがあるか、それを本当に突きとめていただいて、国民の望んでいる第五次五カ年計画を本当に推進できるようにぜひ御努力いただきたいし、その決意を最後にお伺いして終わりたいと思います。
#195
○国務大臣(斉藤滋与史君) 上田先生から数々の御提言、御指摘を受けたわけであります。先生御指摘のように大変国民的な重要な課題でもございますので、いろいろと御注意賜った向きにつきまして配慮をして疎漏のないようにこれからも強い指導と監督をして、目的達成のために督励して対処してまいる所存でございます。
#196
○栗林卓司君 第五次下水道整備五カ年計画についてこれまでも議論がございました。重複してもいけませんので、見方を少し変えながら引き続いてお尋ねをしたいと思います。
 まず、第五次下水道整備五カ年計画案を見て私も非常によくわからない気がいたします。まず、総人口普及率を約四四%に高めるということの話はおきまして、十一兆八千億という第五次計画の金額、それから第四次は七兆五千億とこう書いてあるんですが、実はこの金額の中身が一体どうなっているのかというと、恐らく第四次計画、これは五十一年から五十五年度ですが、七兆五千億というのは恐らく五十一年度価格でおつくりになったんだろうと思います。違っていたらまたそこはおっしゃってください。第五次計画の方は五十六年から六十年度ですから五十六年価格でおつくりになっている。そうなりますと、片一方は五十一年度価格で片一方が五十六年度価格ということになりますと、異なったいわばお金の値打ちで比べているかっこうになるものですから、それも一つよくわからない気がするんです。そこで、これから物価がどのくらい上がるかということは、これは仮定の問題ですからそういった伺い方はしませんが、第四次計画七兆五千億を五十六年度価格に置き画したら一体幾らになるんでしょうか。まずそれから教えていただきたいと思います。
#197
○政府委員(升本達夫君) ただいま手持ちの正確な数字を計算さしていただきますが、その前に先生のおただしの中で、第四次については五十一年度価格、第五次については五十六年度価格であろうとおっしゃいましたが、これはそれぞれ計画策定時の価格でございますので一年繰り上がります。第四次は五十年度価格、第五次は五十五年度価格ということでございます。
 そこで、ただいまの……
#198
○栗林卓司君 ラフで結構です、その点について細かい議論をするわけじゃないから。
#199
○政府委員(升本達夫君) 正確には後ほどまた言わしていただきたいと思いますが、恐らく十兆円程度の数字ではないかと思います。と申しますのは、現在の第五次計画のノミナルの十一兆八千億の、第四次計画のノミナルの七兆五千億に対する倍率が一・五七倍でございますが、これを実質換算で求めた数字が一五%台の伸びだろうと思っております。
#200
○栗林卓司君 その辺は細かい議論を私するつもりはありません。目見当で私いま計算しますと、大体第四次と第五次は、実勢価格それぞれそろえてみるとそう大きな違いはない。いま一五%ぐらいふえている額のお話がありましたけれども、あるいはそうかもしれません。その点私は知りません。ただ、大ざっぱに申し上げて、そう大きくふえているわけではない。この計画が総人口普及率で見ると第四次は七%である、第五次の方は約一四%ぐらいふえる。約倍になる。やっぱりこれはよくわからない。第四次の場合、第三次に比べましてなかなか達成できなかったという中に、説明があるんですが、一つは物価の上昇による建設単価の上昇、もう一つが管渠工事におけるコストアップ、もう一つが処理場の規模の増大によるコストアップ、処理場の環境対策云々によるコストアップ等であります。これが第四次が未達成であったときの理由として御説明になりました。第四次が未達成の理由として先ほど御説明ございましたけれども、個々には何か違う気もするんだけど、大筋に言って同じようなことをやはりおっしゃっているだけのように思われる。
 たとえばこの資料から拾ってみますと、実績がなぜ七%になったのかというと、一つは現計画策定時点以降の建設物価の上昇がある、二つ目が終末処理場の環境対策のための費用の増大がある、三番目が管渠工事におけるコストアップ、四番目が終末処理場の整備が環境整備に先行したこと、四番目だけが新しいんですが、あとは大体似たり寄ったりの理由になっておる。しかも、第四次、第五次を同じようなベースの価格で比べますとそう大きな金額の増加はない。こうして見てまいりますと、今回の五十五年度末推定三〇%を計画年次の終わりには四四%にしたいというこの目標はいかにも高いんではないんだろうか。これはお尋ねしなくてもお答えがわかっている気がするので、逆の意味で私は伺います。
 先行投資が多かった、そういうお答えでございました。先行投資が多いというのはいいことなんだろうか。御承知のように、下水道というのは巨額な資金を一時的に集中的に使うもんですから、着工時期が早まりますとその分だけ不必要な負担が要るという面もこれは指摘されてまいりました。そこで、先行投資が多いということはそのままいいということにはならないんじゃないか。そういった意味でこの第四次を振り返ってみたときに、どういう感じをお持ちでございますか。
#201
○政府委員(升本達夫君) 確かにおただしのように、先行投資が計画予定よりも締め切ってみれば大きくなったということは、そのこと自体は望ましいことだというふうに評価をしているわけではございません。私が先ほど申し上げましたのは、そのような実態があることにより、これが新しいこれからの五カ年計画をこなしていう上には、事業量の増加に資するファクターになっておりますということでございまして、先行投資が非常に計画よりふくれたこと自体を評価しているつもりはございません。確かに御指摘のように、計画は整合性をとって効率的に投資を生かすように努力をすべきだろうと思います。
 ただ、基本線はそうでございますけれども、御承知のとおり下水道の整備計画というのはかなり大量なものでございますし、広地域にわたり、しかも個々の事業にかなり時間を食うという関係から、かなりの努力をいたしましても先行投資部分が出てくるということはやむを得ないところかと思います。今後はできるだけ計画に整合性をとって努力する、資金の投入を効率的にするということがこれからの五カ年計画をこなす上に大変重要な要素であろうということは、私どもも十分理解をしているつもりでございます。
#202
○栗林卓司君 ここに自治省財政局準公営企業室が出しました「公共下水道事業経営実態調査報告書」というものがあるんですが、中を見ますと、「今後の課題」というところで、五番目に「適切な建設計画の策定と住民の理解」とございまして、冒頭だけ読んでみますと「公共下水道の建設は長期間にわたり、かつ、多額の投資を必要とすることにかんがみ、事業計画の策定に当っては地方公共団体の財政力、事業の対象地域の社会的、自然的条件等を勘案して効率的な下水処理方式を選択し、さらに」云々とこうあるんです。これもまことにごもっともなことをお書きになっていると思うんです。
 いまのこの報告書が言っている文脈で考えますと、急速に下水道を整備したい気持ちは何人も異論はないんですけれども、だから進める速度はおのずからやはり決まってくる。それは地方公共団体の財政力あるいは対象地域の社会的、自然的条件等をあれこれ含めながら実際に下水道を進めていく速度というのは、それはそれでこれは経験的にしかわかりません。わかりませんが、決まってくるんではないんだろうか。それが先ほど上田委員がるる御説明になった計画と実績の差にも出ているのかもしれない。そこで建設省として五カ年計画をお出しになり、しかも総人口普及率を一つの目途としてお出しなる。それはなるべく商いものを出したい、その方が全体の士気が上がる云々の理由もありましょうけれども、実際に下水道工事を足を地に据えて進めていくためには、目標値が低いからといって悪いということにはならない。整合性をとって最も妥当であればいい、これが基本的な私は計画をお出しになる立場ではないか、その点についてはいかがですか。
#203
○政府委員(升本達夫君) 計画は、やはり実現可能性を十分含んだものであるべきだというのが本則であろうかと思うわけでございます。われわれといたしましても、したがいまして計画立案に当たっては、できるだけ実現可能性を多く含んだものにいたしたいということは同じ立場、同じ考え方であろうかと思います。
 ただこの場合、私どもが今回の五カ年計画に限って申し上げますと、やはり整合をとるべき基本的な前提要件として新経済社会計画がございます。これはこの間のフォローアップにおきましても、全体の二百四十兆という総投資額は動かさないで、ただし完成の時点はずらす。それから、その間の公共投資の種類別のシェアも変えない、このような前提でございますから、先ほどおただしのように私どもの下水道計画は新経済社会計画と整合をとって定めるべきものだということについては、今回のフォローアップ後においても変わらないというふうに考えておるわけでございます。
 そこで、新経済社会計画の策定の時点からかなり時間がたっておりますので、これは単に時点修正だけをもって計画が完全にフォーローできるかむずかしい問題でございますけれども、時点修正はとらしていただきましたけれども、それ以外の項目については実は修正がなかなかむずかしいという状況もございました。そのようなものを踏まえまして計画そのものが、また単に計画そのものがより合理的であってもほかとの整合性という問題も一つあろうかと思います。そのような観点から諸般の条件を勘案いたしまして現在の五カ年計画が作成されようとしているというふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。今後にわたっては、できるだけ計画の実現可能性については他の大きな前提との整合をとりながら努力をいたしてまいりたいと考えております。
#204
○栗林卓司君 新経済社会計画なるものは経済企画庁が中心になってコンピューターを回しながらつくってくるわけですけれども、あれは往々にして地方公共団体の財政力とか、いわば地をはうようなものは盛り込めない。ただ、全体の財政投資のバランス、経済成長との関係といった面での整合性を図りながら各分野に対する政策をどう進めていこうかというところに私は意味があると思う。それとの整合性を各年次の下水道整備五カ年計画が持たなくていいと私は言いませんけれども、それから目標を引きずり出してきてはめ込むというのはかえって逆ではないか。
 いまおっしゃったように、経済社会計画にしてもいま見直すべき時期に来ていると思いますし、その見直しは片方で進めていただきながら、下水道整備五カ年計画自体の立場に立ちますと、果たして第四次に比べておおむね事業量、資金量としては同じ内容でやっていくとなると、総人口普及率は従来の経験から言ってこうなるし、しかもそれを思い切って元気いっぱいに上げてみたところで、実際にはここにも書いてありますように地方公共団体の財政力、事業の対象地域の社会的、自然的条件等々ということに強く制約されていくのが私は下水道事業だと思います。この目標が非常に低くなった、なぜ低くなったんだということは大いに議論していただいていい。ただ、上の方から目標が下におりてきてはめ込むということは、今回はもうできておりますからどうしようもないでしょうけれども、次回にはぜひ御検討いただきたいと思います。これは上田委員がおっしゃったとおりでありまして、毎回毎回うそをつくとは言いませんけれども、似たみたいな話になりますとまじめに議論するのがむなしくなる。いわんや国民の皆さんもそうだと思いますし、御検討いただきたいと思います。
 あわせてもう一つ申し上げたいのは、いま第四次計画を五十五年度価格に置き直して比べていただいたんですが、大体五カ年計画というのはある年次の価格水準で書くのが普通ではないですか。事業費の方は、たとえば第五次で言いますと、五十年度価格を年々修正しながらさてその年次の予算にどう反映するかということでありまして、五カ年計画の基本になる数字というのはある年次の価格水準、見る方もそう思って見る。使う場合に修正して使うというのが本来ではないんでしょうか。
#205
○政府委員(升本達夫君) 確かに、五カ年計画で事業費と事業量とを同時的に決めさせていただいておるということの考え方の一つが御指摘のようなところにあるのかと思います。私どもはやはり事業量はこれは物量でございますから、その計画の適否はともあれずばり計画の内容たり得るものと思います。事業費について申しますと、先ほど来御指摘のように、一般的に見込まれる物価騰貴を見込むということも一つの方法であろうかと思いますけれども、これは先行きの見通しについて非常に不確定な要素を含み過ぎる。したがって、事業費で表示が必要であるとするならば、それはその計画策定時の名目値をもって定めることしかないんではなかろうか。最も確実でわかりいい指標として計画策定時の事業費がとられているものというふうに理解をしております。
#206
○栗林卓司君 ですから、これも提案なんですけれども、次回お出しになるときには、第五次、第六次と並ぶんでしょうけれども、それは下の方でちゃんと第何十何年度価格と注を置いて、しかも過ぎ去った、その場合には第五次になりますけれども、第五次の計画金額を今度は昭和六十年になるわけですか、昭和六十年で置き直して、それはあくまで推定値ですよ、推定値だけれども、物を比べてみる場合にはそれがないと比べようがない。それを入れながらいかがでしょうかというようにぜひしていただきたいと思います。これは別につらいことをお願いしているんじゃなくて、年次計画を比べる場合の常識であって、ただ、下水道の場合には余りにも普及水準が低かったものだからとにかくというので略式でやってきた経緯が私はあると思います。それもここにきてきちんと整理をしながら、事業費と事業量と達成率が比べてみてばらばらなんというのは物事の検討にならないんですから、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
 あと、次に参りまして国庫補助対象率のことをお尋ねしたいんですが、これは第四次も第五次も同じでありまして、公共下水道について一般都市と指定都市とは補助対象率が違っております。一般都市が七五%、指定都市が四五%。まず、なぜこう違ったのかということを御説明いただきたいと思います。
#207
○政府委員(升本達夫君) 御指摘のように、一般都市における補助対象率と指定都市における補助対象率にかなり格差がある現状でございます。これは実は第一次のスタートいたしました三十八年の時点においてすでに相当の格差があったわけでございますが、これは長期計画を組み込むその直前の時点における下水道においての補助制度が全体としてそのようなつり合いにあったということが大きな原因であろうかと思います。
 それもしかし、なぜそうなっておったかということになりますと、それはその時代におけるその時代までの下水道整備の実績でありますとか、あるいは公共団体の財政力でございますとかというようなものが総合して、そのあらわれとしてこのような補助対象率の差がその時点においてあったというふうに理解をしております。したがいまして、後追い的ではございますけれども、われわれはこの格差については普及率の状況の違いでありますとか、あるいは地方公共団体の財政力の違いであるとかいろいろ申し上げておりますが、そういうこともまさに事実であろうかと思いますけれども、やはり直接的にはそのような歴史的経過に基づく部面が多いかと思っております。
#208
○栗林卓司君 ということはたしか審議会の答申にもあったと思いますが、この格差は縮めていく方が望ましいという御趣旨だろうと思います。そのお答え、そうでございますというお答えで結構なんですが、それとあわせて、今回の第五次の計画金額を配分するに当たって一般都市が五五%、指定都市が四五%、従来は五〇対五〇だったようでありますが、若干一般都市の方に比重をかけたというようになっているようでありますが、この補助対象率の格差をこのままにしながら一般都市に比重をかけている。指定都市の方は従来五〇だったものが四五になる。そのことだけを見ますと指定都市はまあまあの水準に来たんだからということをいかにも言っているように受け取られがちなんですが、この点はいかがですか。
#209
○政府委員(升本達夫君) 一般都市が歴史的経過もさりながらそれが現状まで長期間にわたって継続しているということの背景には、一般都市が大都市に比べて下水道の整備が比較的におくれているという事情があるわけでございまして、そのようなことで、われわれといたしましてはやはりいまの整備状況にかんがみますとこれからは、指定都市の整備ももちろん大事でございますけれども、さらに一段と一般都市については整備の促進を図っていく必要があるであろうということから、補助対象率をいじることができない状況のままにあるけれども、とりあえず一般都市について助成のシフトを少し強めてみたらどうであろう。これについては国土全体についての先ほど来申し上げております定住構想というような大きな国土計画を踏まえた趣旨もございます。
#210
○栗林卓司君 指定都市、一般都市で補助対象率が違う、これもいろんな歴史的な経過があってのことであるというお答えがございましたけれども、指定都市を見ますと、これはもう御承知のことですが、たとえば下水道協会調べによりますと札幌七六%、東京都区部六六%というのはまさに期待にたがわないんですが、川崎三四%、横浜三五%、京都五二%、福岡三七%、こうなりますと、この水準というのは定住構想もさることながら、普及していないだろうと言われている一般都市並みもしくは以下であります。一般都市の方はどうかといいますと、これは非常にばらついております。ばらついておりますが、たとえばこの近郷近在でまいりますと、府中市が七四%、調布市が七二%、小金井市が八八%、国立市が六七%。一方東京の区部はどうかといいますと、これも御承知のことでありますけれども、足立区が二二%、葛飾区二三%、江戸川区二二%、これが実態なんです。だから指定都市、一般都市といかにも誤解を招きそうな区分で補助対象率を区分けするというのは、歴史的経過があったことはわかりますけれども、もともと無理ではないのか。しかも全体の水準をきめ細かく上げていこうということが本来の趣旨であるんだったら、現在のたとえば総人口普及率がどの程度下水道の普及の実態を代弁するかどうかは別にして、適切な指標はとりあえずそれしかない。となると、それを見ながら限りある財源を分けるんですから補助対象率も分けていく、何段階かは別にしまして。頭から指定都市、一般都市と、その背景には新全総をやり地方定住圏構想をやるとかいうのは余りにしゃくし定規ではないか。むしろ実態に見合いながら総人口普及率の水準に照らして仮に補助対象率を分けるんなら分けていくという方が私は筋道だと思いますが、いかがですか。
#211
○政府委員(升本達夫君) 限りある財源の利用の仕方といたしまして、現在の普及率に着目して段階差を設けるということも一つの方法ではあろうかと思います。しかしながら、私どもこれは単に下水道の仕事だけではなくて、現在のわが国の法制度下におきまして大都市にはいろいろな権限も授権されておりますし、それから財政面におきましても一般都市とは違う状況、違う条件を踏まえておるということもございます。したがいまして、大都市としてくくるのがあるいは余りにも少し目が粗過ぎるではないかという御指摘はもちろんあろうかと思いますけれども、一つの段階を設ける指標としてはそのような諸制度との兼ね合いを考えて大都市という単位を用いるのもやむを得ないのかなという感じを持っておるわけでございます。
 もう一つは、普及率を画に基準とするということになりますと、見方によりましては後発の方に比重を重くするということにも言われかねない。つまり、非常にいままで営々努力をされてほとんど一〇〇%近く実施をした市もございます。このような市から言わせますと、われわれ並みの苦労をやはりしてもらいたいという御要望もあろうかと思います。そのようなことでグループを一般的な自治法、諸制度の一般的なグルーピングに従ってとることがやや無難な方法であろうかというような感じもいたしております。
#212
○栗林卓司君 先ほど御議論がありましたけれども、いまちょっと探していてわからないんですが、使用料の算定の中に資本費も加えるべきであるという提言が、先ほど申し上げました自治省の準公営企業室の報告書にもありますし、それからどこかの審議会のあれにもあったと思います。それで、資本費も使用料の中に入れることの適否は別にしまして、しかしあれだけ初期投資の高いものを受益者としてほうっておいていいか、いまの地方財政の現状からいってどうかとなりますと、資本費を加えるというのも私は一つの議論だと思います。
 そのときに、いまの補助対象率の格差はなるほどいまお答えのように、指定都市、大都市でいろいろばらついておるかもしらぬけれども、確かに指定都市といい大都市というだけの実態はあるはずであるという御議論はさることながら、それで補助対象率を分けてまいりますと、しかもその結果が資本費を使用料に算入する場合に格差が出てくる。私はむしろ下水道について補助をするんだったら差をつける方がおかしいんではないか。なるほど下に厚くということになれば先ほどおっしゃった御議論があるかもしらぬ。といって上に厚くというわけにもいかぬ。そもそも下水道というのは一体だれがつくるんだろうか、それを国はどういう理由で補助をするのかと考えてまいりますと、あの地方だけは見なきゃいかぬし、この地方は見なくてもいいという議論は私はなかなか立たない。それこれ考えまして、いまお話しのように、指定都市、一般都市と分かれているものはやむを得ない、それで、あながち普及率だけで物が言えないとおっしゃるんでございましたら、むしろ思い切ってこれを一つにしながらそろえていく、そちらの方がこれからの使用料の算定の方向ともにらみ合わせてとるべき道ではないかと思いますが、いかがですか。
#213
○政府委員(升本達夫君) 使用料の算定に当たって、補助対象率が低いことが資本費のかぶりを結果として大きくするおそれがあるということは御指摘のとおりだろうと思います。したがいまして、国民の負担の均等という点から言いますと、できるだけそのような原因を与えるような補助対象率格差というのはなくしていく方向に努力をすべきであるという御指摘については、そのとおりであろうと思っております。
#214
○栗林卓司君 使用料を見ますと、これは各地方自治体がしかるべく議会に諮りながら決めることでありますから、国としてとかくのことは言える範囲ではありませんけれども、使用料を各都市で見ますと、たとえば五十立米で言いますと横浜が二千三百六十円、東京が四千二十五円、神戸が千七百二十円、川崎千八百八十円、札幌二千四百円と非常にばらついているわけです。このばらつきは、これは各地方の議会並びに首長の方が御相談されながら決めるわけでありますし、それぞれの地方的諸条件、建設に至る経過を踏まえてですから一概にいい悪いは私は言えないと思います。ただ、なるべく下水道の使用料というのは大きな差がない方が一番普通の形だということは言えるでありましょうし、そうであればあるほどいま申し上げました補助率の差をつけていくというのは、私は早急に解消する方向で御検討をいただいたらいかがであろうかと思います。
 関連して一つお尋ねしたいんですが、流域下水道についての補助率です。流域下水道の補助率が公共下水道に比べていい率になっているわけですが、これはどういう理由ですか。
#215
○政府委員(升本達夫君) 流域下水道は、御承知のとおり河川の流域単位で考えまして、県が事業主体となって集約的に行った方がいいと考えられるかなり大規模な事業を予定しておるわけでございます。したがいまして、その施設の性格、社会的な性格から申し上げまして非常に効果が広域的に及ぶ施設であるということ、それから特に県が市町村にいわばかわる形で整備を促進しなきゃいけないという意味で緊急性という度合いも強い事業である。このような施設の性格から国としても関与の度合いが深いという観点に立ちまして、補助率を一般公共事業に比較して若干上積みをしているわけでございます。
#216
○栗林卓司君 ある市町村が流域にあったとしまして、それで各市町村が公共下水道をつくる方法と、相互に連携をとりながら流域下水道をつくる方法とどちらを選択するかといった場合に、珪賃借としてはなるべく流域下水道の方をお選びください、したがって補助率も商いんですと、こういうことですか。
#217
○政府委員(升本達夫君) いろいろな御批判はあるかと思いますけれども、私どもの考え方でございますと、先ほど来申し上げておりますように、下水道法で、水質環境基準の達成等の必要性で流域別にその下水道の整備を図っていくべき地域については、総合的な計画をつくって検討せよという形になっておりまして、いわゆる流総計画と言っております。この流総計画という考え方に基づきましてその地域に社会的な意味でも経済的な意味でも最も最適な効果を生むというような整備方法を選択する、こういうたてまえに立って、まず集約できるものあるいは水質を保全する必要上下流に集約しなければならないというような観点から流域下水道が選択されるものと私どもは確信をいたしておりまして、そのような立場で適切な計画に基づいて流域下水道なりあるいは公共下水道が実施されているものと考えております。
#218
○栗林卓司君 流域下水道を選択するか公共下水道でいくか、これはどちらの方法でいってもいいわけでしょう。効率や何かの議論はあります、あるけれども、少なくも水質保全等を含めて下水道処理ということで考えますと、どちらの道を選択しようとそれは地方自治体の皆さんの御決定で結構であります、ただどっちかにしてくださいというお立場なのか、いやこっちがいいんです、したがって補助率も差をつけてありますということなのか、そこなんですが。
#219
○政府委員(升本達夫君) 先ほどの流総計画の立案、それに基づきます下水道整備計画を決定するに当たりまして、その地域、地勢の状況、それから水域の状況等を勘案いたしまして、公共下水道と流域下水道と選択できるところと選択できないところ、つまりそこの市町村から公共下水道による処理水を排出されては河川の水質が維持できないという場所と両方あろうかと思うわけです。後者の場合におきましては、これは水質環境基準の達成という観点から、どうしてもわれわれとしては流域下水道によらざるを得ないと判断をしなければならないと思うわけでございまして、そのような場合にもこれはあくまでも公共団体の選択でございますとはちょっと申しにくいかと思うわけでございます。
#220
○栗林卓司君 下水道にいろんな下水が流れ込んでくるわけですけれども、その流してくる原因である大もとを考えますと、普通の素人議論としては、まず原因者のところでなるべく水はきれいにしてもらおうではないか、その次は管で引いて集めてきて下水処理場でまたきれいにしようじゃないか、それでもだめなものは三次処理をしようじゃないかと、それぞれがそれぞれに公益のためにがんばってもらいたいと思います。そういった仕組みに一番近いシステムが組み立てられることがいいんだと仮にしますと、流域下水道ということになると全部ひっくるめて集めて処理ですから、どこの原因者がどうなっているのかさかのぼって調べるということはなかなかできないし、またその気持ちも出てこない。ところが、ある市町村の公共下水道ということになると、自分のところの下水道でありますから、より原因者にさかのぼってのきめの細かい管理ができるかもしれない。これは感じではなくて実際に運営してみるとそういった面が多々あるのではないか。これが私は流域下水道がいいのか公共がいいのかというのがいまだ議論されている一つの面だと思うんです。だから、地域住民がどちらを選ぼうとそれはあなた方の御自由、ただ、おっしゃったようにそこから流されたら川は困ってしまうという客観的な事情があるんだったらそれはまた特にそこだけを考えればいいんであって、流域でも済むのか、個々の市町村が個々にやるのか、これはあくまでも自由であります、したがって補助率は差をつけませんという方が本当じゃないですか。
#221
○政府委員(升本達夫君) これは全国だんだんこの流域下水道の施行個所が広がってまいりますと、おっしゃるような疑問点が生ずる可能性があろうかと思います。しかしながら、当面ティピカルな形で考えられた流域下水道におきましては、これは緊急性の点から言いましてもあるいは水質保全の点から言いましても、どうしても流域下水道という形で集約し、しかも急いで整備しなければならないと考えられる個所が相当数ございます。そのような個所につきましては、これは公共団体の意図ももちろん参酌はいたさねばなりませんけれども、あるいは部分的にその意図に反しても流域下水道ということを進行しなければならないというふうに考えられるケースもあり得るわけでございます。そのような場合に対応いたしますために、国としては、やはりそのように大きな形で集約され、広域に影響、効果を与えるような施設についてより促進を図りたいという気持ちになることについても、これは御理解を賜りたいと思うわけでございます。
 ただ、このような今後の状況におきまして、流域下水道がかなり各地域に広く広がりを持って進行し始めるということになりました場合に、おっしゃるように、決定的にその流域下水道によらなければならない面も取り込まれがちな要素はあり得ると思います。その点については十分地元の公共団体の意見を参酌しながら、まさにより適切な整備方針が得られるように私どもも留意をいたしてまいりたいし、公共団体にもお願いをしてまいりたいと思っております。
#222
○栗林卓司君 では、これで質問を終わりますけれども、最後にこれは御注文だけ申し上げておきたいと思います。
 この下水道整備五カ年計画も第二臨調の例外というわけには私はならなかろうと思うんです。それを頭に置かないでこれまで議論してまいりましたけれども、実際には秋以降は先ほどの社会経済計画、それもまさに見直しをしなければいけないかもしらぬし、よほどの覚悟でこれは取り組んでいかないといかぬ。しかも下水道は急がなければいかぬ。そういった中でいろんな創意工夫が私はこの分野でも求められると思います。たとえば覆蓋についていま補助金が出ております。あれだって本当はあそこまで国がめんどうを見なきゃいけないんだろうか。処理場の周辺の緑地まで見なきゃいかぬのだろうか。見れたころはよかったんです。これからは私はそういったことがだんだんできない時代に入ってきたと思いますし、そこの中で地方住民の皆さんと話をしながらお互いに力を合わせて、しかもおくれている下水道をどうやって整備をするか、それは多少架空の数字に近いものを並べて四四%がどうだこうだという議論以上によっぽど私は切実なきょうの問題だと思いますので、恐らく秋以降また今度は具体的にお尋ねをすることになろうと思いますが、ぜひその点について御配慮いただきたいと思います。
 終わります。
#223
○委員長(宮之原貞光君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#224
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕
#225
○委員長(宮之原貞光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、茜ケ久保君から発言を求められておりますので、これを許します。茜ケ久保重光君。
#226
○茜ケ久保重光君 私は、ただいま可決されました下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び新政クラブの各派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、従来の五箇年計画における実績にかんがみ、新計画に基づく事業の推進に当たっては、事業量の確保及び普及率の目標を達成するため、特段の努力をすること。
 二、下水道の整備を促進し、地方公共団体の財源の確保を図るため、公共下水道の補助率の引上げ及び補助対象範囲の拡大と一般都市、指定都市間の格差の是正に努めるとともに、
  地方公共団体の起債条件の改善について検討すること。
 三、下水道の整備に当たっては、良好な環境の確保を図るため、地域住民の意向を尊重し、自然環境と地域の実情を配慮した事業計画の策定に努めること。
 四、下水の処理に当たっては、下水道の機能を保全し、資源の有効利用の推進を図るため、特定施設に対する監督、監視体制を強化し、有害物質の規制の徹底を図るとともに、中小企業の除害施設の設置に関し、助成措置の拡充に努めること。
 五、三次処理及び下水汚泥の処理技術の開発、実用化並びに処理水の再利用の促進を図ること。
 六、受益者負担金等の需要者負担が過大にならないよう適切な措置を講ずること。
  右決議する。
 以上でございます。
#227
○委員長(宮之原貞光君) ただいま茜ケ久保君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 木附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#228
○委員長(宮之原貞光君) 全会一致と認めます。よって、茜ケ久保君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、斉藤建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。斉藤建設大臣。
#229
○国務大臣(斉藤滋与史君) ただいま下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案につきましては、慎重御審議の上全会一致をもって御可決をいただきまことにありがとうございました。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、その趣旨を生かすよう努めるとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましてもその趣旨を十分に尊重し、今後の運用に万全を期してまいる所存でございます。委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
#230
○委員長(宮之原貞光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#231
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#232
○委員長(宮之原貞光君) 次に、住宅・都市整備公団法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。斉藤建設大臣。
#233
○国務大臣(斉藤滋与史君) ただいま議題になりました住宅・都市整備公団法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 わが国の住宅事情は、量的には一応充足し、質的にもかなり改善されてきておりますが、住生活の向上、改善に対する国民の要望には依然として根強いものがあり、今後とも住宅の質や住環境等に関する国民の需要動向を十分に見きわめつつ、健康で文化的な生活を営むに足りる良質な住宅、宅地の供給を図り、居住水準の向上に努める必要があります。
 また、今後都市化が一層進展することを考慮いたしますと、都市の整備に当たっては、良好な住宅、宅地の供給と健全な新市街地の整備とを一層推進してまいるとともに、大都市地域を中心として都市機能の更新、良好な居住環境の形成等を図るため、既成市街地の再開発及び根幹的な都市公園の整備を強力に推進する必要があります。
 このような現状から見て、これからの住宅、都市政策においては、住宅、宅地の供給と都市の整備との相互の関連に十分配慮しながら、これらを総合的、一体的に推進していくことが緊要な課題であります。
 このため、これまで住宅、宅地の供給及び健全な市街地の整備を推進してきた日本住宅公団と宅地開発公団とを今般の行政改革を契機として統合し、新たに住宅・都市整備公団を設立し、この新たな公団に、住宅事情の改善を特に必要とする都市地域において、良質な住宅、宅地の大規模な供給を行わせるとともに、健全な市街地の造成、都市の再開発、根幹的な都市公園の整備等を行わせることとした次第であります。
 以上がこの法律案を提案いたしました理由でありますが、次にその要旨を御説明申し上げます。
 第一に、日本住宅公団及び宅地開発公団を解散し、新たに、住宅・都市整備公団を設立することであります。新公団は、両公団がその解散時において行っている業務を引き続き行うこととし、このため新公団は両公団の一切の権利及び義務を承継することとしております。
 第二に、新公団の業務につきましては、現在両公団が実施している住宅、宅地の供給及び健全な市街地の整備の業務を引き続き新公団の業務として推進することといたしますとともに、新たに、都市機能の更新等を主目的とする都市の再開発及び都市環境の改善の効果の大きい根幹的な都市公園の整備を行うこととするほか、これらの業務に関して地方公共団体等に対して技術の提供等を行うこととしております。
 第三に、宅地開発公団の場合と同じく新公団につきましても、関連公共施設の整備を当該公共施設の管理者にかわって新公団が行うことができることとするとともに、関連公共公益施設の整備に伴う地方公共団体の財政負担を軽減するために関連施設整備事業助成基金を設けることとしております。
 第四に、資本金、管理委員会、財務及び会計等について所要の規定を設けております。また、役員につきましては、日本住宅公団と宅地開発公団との役員の合計は二十四名でありますが、新公団では十九名以内とすることとしております。
 その他、両公団の統合等に伴う所要の経過措置を講ずることとするほか、土地区画整理法、都市再開発法等の関連法律について所要の改正を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#234
○委員長(宮之原貞光君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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