くにさくロゴ
1980/05/07 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 建設委員会 第8号
姉妹サイト
 
1980/05/07 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 建設委員会 第8号

#1
第094回国会 建設委員会 第8号
昭和五十六年五月七日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月六日
    辞任         補欠選任
     園田 清充君     中山 太郎君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     遠藤  要君     田代由紀男君
     中山 太郎君     岡部 三郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮之原貞光君
    理 事
                坂野 重信君
                堀内 俊夫君
                増田  盛君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                岡部 三郎君
                田代由紀男君
                中村 禎二君
                増岡 康治君
                赤桐  操君
                二宮 文造君
                原田  立君
                三木 忠雄君
                上田耕一郎君
                栗林 卓司君
                江田 五月君
   国務大臣
       建 設 大 臣  斉藤滋与史君
   政府委員
       運輸省鉄道監督
       局民営鉄道部長  犬井 圭介君
       建設大臣官房総
       務審議官     川上 幸郎君
       建設省計画局長  宮繁  護君
       建設省都市局長  升本 達夫君
       建設省住宅局長  豊蔵  一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        森  一衞君
   説明員
       行政管理庁行政
       管理局管理官   山下 正秀君
       行政管理庁行政
       監察局監察官   橋元 徹志君
   参考人
       日本住宅公団総
       裁        澤田  悌君
       日本住宅公団理
       事        有賀虎之進君
       日本住宅公団理
       事        星野 孝俊君
       日本住宅公団理
       事        救仁郷 斉君
       日本住宅公団理
       事        久保田誠三君
       日本住宅公団理
       事        櫟原 利嗣君
       日本住宅公団理
       事        今野  博君
       宅地開発公団総
       裁        志村 清一君
       宅地開発公団理
       事        北川 博正君
       日本住宅公団労
       働組合中央執行
       委員長      竹本  寛君
       全国公団住宅自
       治会協議会事務
       局長       岡田 隆郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○住宅・都市整備公団法案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、園田清充君が委員を辞任され、その補欠として中山太郎君が選任されました。
 また、本日、遠藤要君及び中山太郎君が委員を辞任され、その補欠として田代由紀男君及び岡部三郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(宮之原貞光君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 住宅・都市整備公団法案の審査のため、本日、日本住宅公団及び宅地開発公団の役職員並びに全国公団住宅自治会協議会事務局長岡田隆郎君及び日本住宅公団労働組合中央執行委員長竹本寛君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(宮之原貞光君) 住宅・都市整備公団法案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○三木忠雄君 それでは、まず最初に建設大臣に伺いますが、今回のこの住宅・都市整備公団法案を提出するに至った問題点として、行政改革の一環としてこの住宅・都市整備公団法案を出し、そして二つの公団を一つにしようという考え方から発想が出たのか、あるいはもう住宅問題に対する考え方が少し変わったというニュアンスのもとにこの法案が提案されるようになったのか、その問題点についてまず最初に伺っておきたい。
#7
○国務大臣(斉藤滋与史君) 新公団の発足についての御質疑でございますけれども、いま先生がおっしゃったことを含めてこの新公団の発足について考えていただければよろしいんじゃなかろうかと思います。全く住宅事情が変わったということでなく、質的な問題としてさらに一層健康で文化的な住宅を建設するという意味合いと、それから御案内のように新公団は都市整備も含めておるわけでありまして、都市化の中における住宅のみにかかわらず、やはり新しい業務型の再開発というものも含めて考えなきゃならぬという問題と、それから当初先生からお話がありました、たまたま行政改革という面、こうした両面から今度の新公団についての発足をお願いいたしておるというように御理解いただいてよろしいんじゃなかろうかと思います。
#8
○三木忠雄君 そうしますと、いろいろいままでも論議されております。また重ねて聞くようでありますけれども、新公団の目的の中に、やはり前の住宅公団法と違った「住宅に困窮する勤労者」を対象とした云々の文言句々が削除されて、そして都市再開発、市街地再開発とか、都市公園等も含めた都市整備の方に重点が置かれているという点を考えますと、何だか今度の新公団の発足ということは都市整備の方に重点が置かれ、住宅の方には少し住宅公団の発足過程から考えて趣旨が変わってきたんじゃないか、このように考えますけれども、この点についていかがですか。
#9
○国務大臣(斉藤滋与史君) その点御指摘のような面は全くございません。あくまで最初に住宅という言葉を加えておると、御案内のように素直に御理解いただいてよろしかろうと思います。ただ問題は、「困窮する勤労者のために」という字句が削除されているということで、大変御懸念をいただいておる先生方からも御指摘いただいております。しかし、これは従来の住宅事情に対する困窮という日本語的な意味合いからいきますとやはりある方がいいように思いますけれども、いまは困窮ということでなく、もう少し幅を広げて質的にも向上した形で御認識いただいて、大きな網を広げたいというふうに御理解いただいて、この問題はすべてそこの中に含まれているというように御理解をいただきたい、このように考えるものでございます。
#10
○三木忠雄君 今度の五カ年計画等も含めて公共住宅の建設ということが非常に問題になっているわけです。地方における公営住宅等の問題がありますけれども、じゃ果たして住宅公団がこれから賃貸を含めあるいは分譲等も含めて、住宅建設よりも私はむしろ市街地再開発の方に重点を置いているような、いままで衆議院の議論もいろいろ見ましたけれども、何だか都市整備の方に重点を置いて、特に市街地再開発の方に重点を置くような。きらいを私は感ずるわけなんです。こういう点で、やはり住宅問題に対する対応が非常に私は弱いんじゃないかという考え方を実は持つわけなんです。
 したがって、都市周辺における住宅事情、確かに困窮するという言葉の問題についてはいろいろ議論があろうと思います。しかしながら住宅問題というものは、東京都内あるいは関東近県に考えた場合には、まだまだ住宅事情というものはそんなに十分だとは言い切れないのではないかと思うのです。そういう点から住宅公団の果たさなければならない役割りというものはもっとあるのじゃないか。この点は文言句々にとらわれませんけれども、やはりそういう精神というもの、そしてそういう実施計画というものはこれからもしっかり進めていかなければならない問題ではないかと思うんですけれども、その点について再度伺いたい。
#11
○国務大臣(斉藤滋与史君) 御懸念、御指摘のとおりでございまして、私たちはあくまでも都市整備は、どう申し上げてよろしいんでしょうか、住宅を包む入れ物だというように考えていれば一番よくおわかりいただけるかもしれません。都市整備という入れ物の中の中心はあくまで住宅対策であるということにぜひ御理解をいただきたいと思います。いままで住宅重点ということのみでまいっておりましたけれども、当初申し上げました、やはり住宅のあるところの環境の都市というものも含めて考えていかないと、いろいろなことについて阻害要因が出てくるというようなことで、住宅を構成する都市整備というものの入れ物をもあわせて考えるというようにお考え願って、あくまで住宅政策というものは柱であるというように、これは根本的なものでございますので、もういささかもその柱である住宅政策というものについてはいままでと何も変わらないということははっきり申し上げてよろしかろうと思います。
#12
○三木忠雄君 そうしますと、これから住宅公団の家賃の問題等も、実は細かな問題もできませんけれども、住宅公団の家賃をいろいろ拝見してみますと、たとえば東京大田区の周辺にある住宅が家賃十一万円というんです。これはいろんな事情があってそこだけできたという問題があるかもしれません。しかし再開発事業を進めてくると、そういう問題がこれから付随した住宅という形になってくれば、そういう家賃政策の問題というものが私は大きな問題点になってくるんじゃないかと思うんです。たとえば大田区にある十一万円の家賃というものはどういう階層の人たちが入る住宅と考えているのか、その点について。
#13
○政府委員(豊蔵一君) 住宅公団の供給いたします住宅につきましては、私ども平均的には一般的な勤労者の方々の中位程度の方々がお入りいただけるように、公営住宅と役割りを分担いたしまして実施いたしておるわけでございますが、その際の家賃の負担率につきましては、昭和五十年の住宅宅地審議会から御答申をいただきました線に沿いまして、なおかつ運用といたしましては、その基準より若干低いところの一五、六%程度になるように運用しているわけでございます。しかしながら、御案内のように住宅の家賃そのものは、その立地条件あるいは規模、設備といったようなものによりまして、一戸一戸の家賃についてはかなり差があるところでございまして、いま御指摘の多分蒲田駅前の住宅公団の住宅の例であろうかと思いますが、ここにつきましてはお話のように、当初は八万三千円から八万七千円の当初家賃に対しまして、傾斜家賃で最終的には十一万円程度になるようになっております。
 ここにお入りになっている方々につきましては、その他の平均的な公団住宅に比べましてやはり年齢も高うございます。また世帯の収入につきましても平均より高く、五分位の割合でいきますと、収入で大体六〇%程度の位置づけになっておられるように思われます。また、この住宅の応募倍率につきましてもたしか十二倍を超えていたように記憶いたしておりますので、それぞれの御職業またそのお立場上、立地条件の特にいいところを求めるといったような要素等もありましてこのような状況になっているというふうに理解をいたしております。
#14
○三木忠雄君 大臣、私はこういう点を心配する。それが全部私は住宅公団の政策だとは思いませんけれども、やはり市街地再開発を主力に置いてきますと、どうしてもそういう住宅にならざるを得ないんじゃないかという点を、今後公共負担の問題とかいろいろお聞きしたいと思っておりますけれども、やはり八万とか十万という高家賃の問題になってきますと入る層は限定されてくるんじゃないか。そういうふうな分譲住宅を果たして住宅公団がつくっていく必要があるのかどうか。こういう問題があれば、むしろ私は民間のデベロッパーなんかに再開発とかそういう方を任した方がむしろいいんじゃないか。国の財投の金を使って住宅を建設するのであれば、もう少し観点を違えなきゃならないんじゃ。ないか。そればかりとは思いませんけれども、そういう点の問題が今後の再開発とあわせて私は少しニーズが変わってきたんじゃないか、取り組み方が今回の公団法によって少し変わってこようとしているんじゃないかという点を危惧するわけなんです。
 この点についてやはり私は、困窮という言葉がいい悪いは別問題にしまして、平均的ないま住宅に困っている人たちがまだ東京に三百五十万もいるわけです。極端に言えば。そういう実態から考えたならば、まだまだ住宅政策をもう少し平均的な収入の一〇%、一五%という本来の姿の建設の方向を考えなければならないのがいま大事な問題ではないかと考えるわけでありますけれども、いかがですか。
#15
○国務大臣(斉藤滋与史君) 実は私も全く同感なんです。ただ問題は、同じ考え方ではありますけれども、さあ政策上実施する上においてどのようにその辺のところをコントラストしていくかという問題点に私ぶつかりまして、非常にその点は悩んでいるのです。したがいまして、公的な住宅をわれわれ提供するだけの責務を負っているわけで、その運営事業というものを、これからの公団をやはり管理省庁としていま先生がおっしゃるような形で強い指導をしていくという、たてまえと本音を一緒にしたような形でやらざるを得ないという私いま心境なんです。
 実際に十一万円払ってどんな人が住むかということは、私もたびたび疑問視しているんです。でも、いまのところは現状そうしたことに対するニーズについてやむを得ない仕儀である。しかし、それはあくまで御指摘のように段階を経てだんだん低家賃で勤労者の方々が住み得るような住宅を建てていく方の変化志向を考えていかなきゃならぬというような考え方のもとに、ひとつ新公団についての指導監督を強固にして御指摘のような形でやっていくという、そういう事業形態に私はやっていきたい、このように考えているもので、全く先生のおっしゃるところと同感でございまして、その点につきましてすぐだからというわけの現実的な問題としてできないところに住宅提供の公団としての使命と業務上の悩みであるわけで、その点ぜひ御理解をいただきたいと思います。
#16
○三木忠雄君 私は意図するところはわかります。やはり私はこの法案に賛成の立場でいろいろ議論しているわけですけれども、そういう危惧を抱かせるような今後の事業計画にならないようによく注意をしていただきたいということです。よく指導監督をしてもらいたい。私はそういう方向が再開発の方向の方に重点が置かれて、住宅公団の予算のそういう平均的な公共住宅供給の方向がそがれてくるんじゃないかということを非常に危惧を抱くためにこういう点を質問をしているわけなんです。そういう点で第一条の目的が、もう言葉の問題で私はどうこうしませんけれども、その精神を今後の事業計画の中で十分に生かしていただきたいということを強く要望しておきたいと思うんです。
 それから、今度この公団が合併になりますと、労働問題だとかいままでの権利の関係だとかいろんな問題点が出てこようと思うんです。特に人事等の問題については、これは処遇について、旧所属がこうであるからとかどうであるからとかいうことで、組織による不平等や不利益にならないようにどう運営していくかということは非常に私はむずかしい問題だと思うんです。そういう点で、これは新公団の総裁が決まっているわけじゃないんでこれから決まるわけでありますけれども、これは建設大臣、こういう点についての監督を十分やっていただきたいと思うんですけれども、その所信を伺っておきたい。
#17
○国務大臣(斉藤滋与史君) 新公団の発足について、働いておられる職員の方々の処遇のことについて御心配をいただいておられて大変恐縮いたしております。私たちは、もとより新公団の発足によってそこに働いている方々に悪い影響を与えるというようなことがあってはならない、いささかなりともそこに犠牲があってはならないということは基本的な考え方でありまして、よくなっても悪くならないというようなことの対応については十分措置するように指導しておるところでございまして、その点につきましてはなお公団内において職員との話し合いも行われると思いますが、監督省庁といたしましてはそうしたことのないように厳重に指導する所存でございます。
#18
○三木忠雄君 それで、今回、住宅・都市整備公団になってまいりますと、いままでの住宅公団、そして宅開公団と違った新しい業務の拡大が行われると思うんです。この新しい業務の内容は何で、またいままでの業務からカットされた部分はどういうものか、その点についてまず伺っておきます。
#19
○政府委員(川上幸郎君) 先ほど大臣が申しましたように、新しい公団は総合的な住宅環境づくり、こういう点から出発いたしますので、従来の住宅公団、宅地開発公団が行っています業務はもちろん継承いたしますが、新しい業務といたしまして大臣が申しましたように業務型の再開発事業、それから都市公園の整備事業、国営公園の有料施設の整備、それから地方の町づくりにつきましての受託業務、これらのものを追加いたしたい、このように考えておるわけございます。
#20
○三木忠雄君 それで、新規業務の中ではないでしょうけれども、いろんな新しい問題が合併によって出てくると思うんです。いままで住宅公団としては足の問題なんか余り考えていなかったと言っても過言ではないんですね。それは今回の宅開公団と抱き合わせになる関係で足の問題も非常に重要な問題として考える、この点私はうまくやっていただければ評価できる問題だと思うんです。
 ここでひとつ、具体的な例として千葉ニュータウンの問題で一、二点伺っておきたいと思うんですけれども、まずその前に、住宅公団が住宅を建設すると、その場合に足の確保の問題についてはやはり住む住民の側に立って建設するときによく考えなきゃならない問題だと思うんです。狭くて遠くて高いというこういう言葉が返上できるように新公団はしっかりやってもらいたいと思うんですけれども、たとえば千葉ニュータウンで今回鉄道をいま敷いているわけですね。私は千葉ニュータウンに限らず今後住宅公団が足を確保する基準として、たとえば鉄道を敷くとか、あるいは輸送手段はどういうふうな対応を基本として考えていくのかということをまず伺っておきたいと思います。
#21
○参考人(救仁郷斉君) 従来の住宅公団で交通問題に関しましては、住宅公団が住宅建設あるいは宅地開発を実施しようとします場合に、あらかじの輸送力の確保につきまして鉄道事業者あるいはパス事業者といろいろ協議をいたします。また関係監督官庁ともいろいろ必要に応じて御相談をして足の確保に努めております。また必要に応じまして公団が住宅建設事業あるいは宅地開発事業の中から鉄道あるいはパスに対して応分の負担をして足を確保していただくというような措置もとっております。また鉄道につきましてはいわゆるニュータウン鉄道といっておりますが、大都市高速鉄道の整備に対する助成制度という制度がございまして、そういったものを利用さしていただいて、たとえばこれは多摩ニュータウンの例でございますが、そういった新しい新線を建設していただく、それから既存の線でございましても新駅の設置をしていただいて足の確保をしておる。たとえば最近の例では、東武東上線の若葉駅あるいは国鉄の横浜線の十日市場駅というような新駅をつくっていただいております。またパス輸送につきましては、団地のバス輸送については当初ある程度赤字が予想されます。これに対して運輸省の方からそういった当初の赤字のための赤字補てん的な補助金をパス事業者に出していただいているというようなこと、いろいろな制度を利用いたしまして入居者の方々にできるだけ不便をかけないように努力しているところでございます。
#22
○三木忠雄君 いろいろ問題点はあろうと思いますけれども、たとえば千葉ニュータウンですね、千葉ニュータウンに鉄道を敷くという経緯になった問題はどういう点から発想が出たのか、その点伺いたいと思います。
#23
○参考人(志村清一君) 北千葉ニュータウンは、当初千葉県が三千ヘクタールに及ぶ大規模の開発を計画いたしたわけでございます。あの辺には大量輸送機関がございませんので、やはりどうしても鉄道が必要であろうということで鉄道計画を立てたわけでございます。
#24
○三木忠雄君 その鉄道の立てた計画、現在どういう状況になっていますか。
#25
○参考人(志村清一君) 私どもが千葉県と共同でこの北千葉開発事業を行うということに合意をいたしましたときに、ニュータウン地域内における県が施行しようとしておりました鉄道事業を公団でやっていただけないかという地元側の非常に強い要請がございました。地元の御要請でございますので私どももそれでは引き受けようということで、運輸省の御許可もいただきまして、ニュータウン地区内小室から松虫までの間約十二・五キロでございますが、その分の鉄道計画を引き受けることにいたしました。まず当初といたしまして、第一期計画はニュータウン中央と小室との間約四キロ、その間の鉄道を敷設しようということで、これにつきましては工事施行の免許をいただきましてただいま仕事をしておるところでございます。
#26
○三木忠雄君 今度合併いたしますね。合併いたしますと事業を承継するわけですね。そうしますと、新しい公団でこの鉄道は何年ごろに完成するとこう見ているわけですか。
#27
○参考人(志村清一君) 先ほど御説明申し上げました小室とニュータウン中央との間の四キロにつきましては五十八年度中に完成をいたしたい、かような計画をいたしております。
#28
○三木忠雄君 そうしますと、五十八年に開業いたしますと整備公団が運営するんですか。
#29
○参考人(志村清一君) 宅地開発公団が鉄道事業を行うことになっておりますが、ただいまわれわれの考え方といたしましては、私ども実は鉄道が本業でございません。したがいまして鉄道の経営までやるとなると相当のまた人員を要し、なれない仕事をやらにゃならぬということになりますので、むしろこれは鉄道事業をやっております者に経営の委託をするというふうなことにしたらどうか、かように考えておる段階でございますので、新しい公団が成立いたしましてもそのような方向でいくのではないか、かように考えておる次第でございます。
#30
○三木忠雄君 そうしますと、新しい公団じゃ事実上私は鉄道事業はできないと思うんですね。恐らく委託運営はあそこを走っている北総ですか、そのつながりになってくるんではないかとわれわれ素人考えでも出るわけでありますけれども、そうしますと、いままで投資した、今後の会計処分で後でちょっと伺いたいと思っておりますけれども、鉄道事業がすぐから黒字になるとは私は思わないんです。これは総裁もそう思っているんじゃないかと思うんです。したがって、投資金額あるいはそれが黒字になってくるというまでには相当な運営負担というものが恐らく新しい公団に引き継がれてくるのじゃないかと思うんです。この点についての運営実績等はどういうふうな収支見積もりをしておりますか。
#31
○参考人(志村清一君) 御存じのとおり、鉄道事業というのは相当長期にわたる投資でございます。特にただいま御議題に上っておりますようなニュータウン鉄道は、これから人間が入ってくる、だんだんに人間がふえてくる。そこに鉄道を敷くわけでございますから、非常に長期でその収支、経営を考えていかにゃならぬと、かようになるわけでございます。
 ただいまのところは、先ほど申し上げました第一期の小室−ニュータウン中央間の経営収支でございますが、損益収支につきましては、償却前におきますと単年度で七年後にやっとバランスがとれる。これは、償却後でございますと十年後でないとバランスがとれないというふうなことになっおりまして、それから人口も定着してまいりますので、逐次赤字を消していくというふうな計画で進んでおります。
#32
○三木忠雄君 運輸省、これは運営を任されるのは今度は公団で、運輸大臣も監督するようになっているんですね。これを委託するときに引き受けさせられる方の会社ですね、これは相当な赤字を覚悟で引き受けるか。そんなの引き受けるわけがないと思うんですね。そうすると運営補助は相当な問題になってくるんじゃないか、こういうふうな問題を考えるんです。この点で引き受けのための条件とかそういう問題点についてはどのように考えていますか。
#33
○参考人(志村清一君) 別の会社に経営を委託した場合も、もし赤字が出れば経営を委託した、宅地開発公団が委託いたしますとすれば、私の方で赤字をしょわにゃならぬわけであります。
 私どもの場合で申しますと、これが宅地開発部門等々の負担になるということになるといけませんので、宅地開発部門と鉄道部門は分離して経営をいたしまして、鉄道は鉄道だけで処理をしていく。したがって鉄道部門については赤字が相当続くと。しかし、先ほど申し上げましたように、七年後になりますと単年度で収支がバランスしていくというふうなかっこうになり、その後益が出てまいりまので赤字をだんだん消していく、こういうふうなことになろうかと存じます。
#34
○三木忠雄君 運輸省はそういう見方ですか。
#35
○政府委員(犬井圭介君) 先生御指摘ございましたように、この鉄道は北総開発鉄道との直通運転というものを考えて建設されているものでございます。確かに新しい鉄道を経営するのにはかなりのスタッフ、経費等を必要としますので、鉄道の効率的運営というものを考えれば、その新しくできる鉄道につきましては北総開発鉄道に経営の委託とか、あるいは運転の委託というのを行うのが合理的ではないかというふうに私たちも考えております。したがいまして、そういうお話がございますれば、これは運輸大臣の許可に係っていることでございますが、われわれとしても前向きに検討してまいりたいと思います。
 委託後の収支の問題でございますが、当然、当分の間赤字が続くだろうと思います。しかし、これは契約の内容によりますが、通常の場合にはいま総裁からもお話がございましたように、鉄道の運営の主体は、委託をしたとはいえあくまでも公団にあるわけでございますから、受託する北総開発鉄道の方にマイナスとして働くということは余り心配しないでいいんじゃないかというふうに考えております。
#36
○三木忠雄君 そうしますと、委託を受ける方は問題ない。当然そうしなければ委託を受ける会社がないと思いますね。そうしますと、この新公団が区分会計をするわけですね。そうしますとこの赤字の補てんはどういうぐあいにやっていく計画ですか。借り入れですか。
#37
○参考人(志村清一君) 当面の赤字の部分はやはりお金を借りて決済をせなならぬわけでございますが、長期にわたりまして後々の収益でもってそれを返していくということになろうかと存じます。
#38
○三木忠雄君 これは区分会計をやっていくというわけですから、新公団が二つの会計を、今後このほかにもいろいろありますけれども、こういう区分会計した方が長期には返ってくるという問題に考えていらっしゃるでしょうけれども、鉄道事業は簡単にそんなに私はもうかるもんじゃないと、思うんです。そうしますと、区分会計したこの鉄道部門の収支というものが非常に厳しい状況を迎えたときに、これが私、住宅公団全体の利益のカバーから補充しようというような考え方になってこないようによく注意をしていただきたいということなんです。その点が私、非常にちょっと問題点が残るんじゃないかと考えるわけです。資金ショートするとかあるいはそれほどの日本国有鉄道のような大きな鉄道じゃないですから、ニュータウンぐらいの鉄道ですから、住宅公団で十分抱え込んでいけるかもしれませんけれども、そこらの問題についての長期見通しをしっかりさせておかなければこれはならないんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
#39
○参考人(志村清一君) 先生御指摘のとおりでございまして、私どもも今後建設、経営等に当たりましては慎重に配慮をしてまいりたい、かように考えております。
#40
○三木忠雄君 これは民営鉄道部長ちょうど見えているからあれなんですけれども、新交通システムとかそれから今度千葉ニュータウン鉄道等を含めて、今回の公団法で鉄道施設あるいは軌道施設を敷くことがうたわれているわけです。そうしますと、後でお伺いしようと思っておりますけれども、八王子とかあるいは新しいニュータウンをつくるときに、こういう鉄道だけではなしに新交通システム等の導入という問題も私は考えられるんじゃないかと思うんです。こういう場合の軌道の建設あるいは施設の整備というような問題については相当拡大の方向をとっていく考え方なのか、あるいは千葉ニュータウンだけのこの鉄道の問題点にしぼられているのか、この点について。
#41
○政府委員(犬井圭介君) いまの八王子付近の軌道の建設計画のお話が出ましたが、これについては現在東京都で調査をいたしておるというふうに聞いております。私どもにはまだ正式にお話がございませんが、軌道とすれば運輸省と建設省との共管ということになりますけれども、具体的なお話があれば検討してまいりたいと思います。
 一般的に申し上げれば、やはり住宅が張りつくにつれまして、それが一定規模以上のものになるということであれば、当然バス等では輸送需要を賄い切れないということがございますので、鉄道とか軌道の建設というのが日程に上ってくるということだろうと思います。それにつきましてはケース・パイ・ケースにお話の内容を伺いまして、本当に鉄道が必要なのかどうか、軌道が必要なのかどうかということ、あるいはできた場合の採算制の問題、そういう点をいろいろ検討さしていただきまして方針を決めていくということだろうと思います。
#42
○三木忠雄君 それでは次に、再開発事業の問題か今回新しくつけ加えられているわけです。再開発事業の問題は、民間デベロッパー等も東京都内あるいは関東近県の再開発事業には相当手を出し、積極的にやろうとしているわけです。ところが住宅公団が今回新しくこういう再開発事業をやっていくという形になってきますと、民間との競合という問題についてはどういうふうな考え方を待っておりますか。
#43
○政府委員(升本達夫君) 再開発の要請は先生御承知のとおり、大変大都市におきましては大きな要請でございまして、できるだけ必要とされる広範囲にわたって再開発事業が推進されることが望ましいとわれわれは考えておるわけでございます。
 そこで、再開発の事業主体といたしましては、おただしのように民間が主体で組合等をつくってやります場合と、あるいは公共団体もしくは公団が行う場合というふうに分けられると思うわけでございますが、まず私どもの考え方といたしましては、民間で、民間の権利者が組合等をつくって再開発をできる、対応できろようなところでございましたならば、大いに積極的に民間主体でおやりをいただきたい。また公共側はそれを手助けするような措置を講じて努力をいたしたい、このような考え方をいたしております。
 しかしながら、大都市の市街地の条件によりましては、大変大規模に再開発を必要とする場合でございますとか、あるいは都市の状況から非常に緊急に再開発を要するような場合、そのような状況下におきましては、これは民間主体でおやりいただくのを待つということもなかなかむずかしいという問題がある場合もございます。そのような場合には公共主体が出ていって再開発を促進する、このような大分けで考えておるわけでございます。今度の新公団が新しい業務として再開発事業を行います場合には、法案にございますとおり、公共団体の要請を受けて行うといったてまえでございますので、公共団体が施行すべき条件のとき、それを一部公団が分担するというような形になろうかと思いますので、全体として御懸念のような競合関係というのは生じないものというふうに考えている次第でございます。
#44
○三木忠雄君 そうしますと、地域で民間ができないところを地方公共団体等の要請によってやるという形になってくるわけでありますけれども、たとえば具体的な例としまして赤羽の駅の西口ですね、これが再開発をやろうとしているわけです。確かにこれは区の方からも強い要請があると思うんです。しかし、あすこをたとえば再開発するとなると、非常に地権者の問題等いろんな問題点が私は出てこようと思うんです。
 たとえば、先ほど一番最初に申し上げた公共住宅等の問題も、あそこのいま再開発をしようとしているところに店舗やあるいは住宅をつくろうと考えているわけですね。こう考えたときに、たとえば住宅の問題にした場合に、どの程度の家賃でその住宅に入れると想定して再開発をやっているのか、あるいは店舗の入居条件としてはどういう条件を想定してあの再開発を手がけたのか、そこらの具体的な問題点についてちょっと伺っておきたいと思うんです。
#45
○参考人(救仁郷斉君) 赤羽の西口につきましては、先生御指摘のように、東京都及び北区から強い要請がございまして、私どもが地元の権利者の方々といろいろな御相談をしているところでございます。
 ブロックが三ブロックございまして、第一ブロックと申しております一番駅に近いところでございますが、ここが非常に地権者の方々といろいろお話し合いが進みまして、現在東京都の方で五月一日まで都市計画案の縦覧をいたしておりました。そういうことで現在いろいろ計画を進めているわけでございます。
 現在の見通しで、そこの上に住宅をつくる予定になっておりますが、それがどの程度の家賃になるかというお話でございます。再開発のこれは地主さん、権利者の方々と共同でつくる再開発ビルでございますので、原価というものがはっきりいたします。まだ現在はっきり原価計算いたしたわけではございませんが、恐らく三LDKぐらいで三千万ぐらいの住宅になるんじゃないかというように考えます。そうなりますと、現在の仕組みでは賃貸住宅としてはちょっと無理ではないか。ですから現在の考え方としては、やはり分譲住宅にならざるを得ないんじゃないかというような考えております。
#46
○三木忠雄君 そうしますと、公団の分譲住宅が市街地再開発地域には相当これからふえてくるという計画になってくるわけですね。市街地再開発のところに賃貸というのは恐らくもう考えられないんじゃないかと私も実は思うんです。
 先ほどの例のように、蒲田の十一万円というような家賃というのは、十二倍ぐらいの競争があったというけれども、たまたま蒲田はあったんでしょうけれども、東京都内全体を考えたときにそんなに十一万、十二万、これからますます地権者との交渉もあるでしょうけれども、そんなに安い家賃で入れるような住宅にはならないと思うんです。こうなりますと、恐らく新公団がこれから手がけようとする住宅建設は分譲住宅が主力になってくると考えていいんじゃないかと思うんですが、この点はいかがですか。
#47
○参考人(救仁郷斉君) 御指摘の赤羽の駅前とか、あるいは蒲田の駅前というようなところは非常に地価が高うございます。したがいまして、どうしても原価が高くなりまして賃貸住宅経営が非常にむずかしいということでございます。しかし、私どもはそういった駅前の再開発がしたいというよりもむしろ住宅地の再開発をやるべきだというように考えております。
 現在、いわゆる特定住宅市街地総合整備促進事業というのがございまして、モデル事業と申しておりますが、これを東京、大阪、名古屋でやっております。これはどちらかというと住宅地を中心とした総合再開発事業という形でやっております。その中では現在でもやはり分譲住宅と賃貸住宅とまぜて、そして住宅の建設をしていくというような現状であります。したがいまして、そういった駅前につきましては賃貸住宅をやるのはむずかしゅうございますが、できるだけ今後はそういった住宅地の再開発という形で賃貸住宅の供給にも努めてまいりたいというふうに考えております。
#48
○三木忠雄君 再開発事業と賃貸住宅という問題で長く議論しようとは思いませんけれども、恐らく東京都内の再開発事業、主力は駅前周辺等の問題になってくると思うんです。こういう問題で各自治体等の要請も、今回は赤羽は幸いいろいろ北区等の協力もあってできたんでしょうけれども、非常にこれから地権者との交渉等も長引く問題がいろいろ出てこようと思うんです。こういう問題を住宅公団が多く手がけていくということは、新規業務の拡大と人員の配置等のいろいろな問題があるんですね。その点についてこういう再開発事業をどんどん進めていくとなれば、手なれない事業を新公団がやるという問題に対しては、その対応能力というものは相当持っているんですか、その点について。
#49
○参考人(救仁郷斉君) 住宅公団は昭和三十年設立以来、いわゆる狭い意味での再開発ではございませんが、たとえば青山通りに見られますように地元の土地の所有者の方と共同で、いわゆる市街地住宅と申しておりますが、そういったものをずっと建設してまいっております。これも一種の再開発でございます。ですからそういうものを通じまして、また都市再開発法の施行以来も現在八区を手がけておりますし、それから私どもが施行者としてでなくて民間の地権者の方が再開発組合をおつくりいただいて、そして私どもに協力を求められて、私どもがいわゆる参加組合員という形で上の住宅は私どもの方がお引き受けするというような形で再開発事業に参画した経験も持っております。そういったことを通じまして私どもは十分に私どもの現在の公団の蓄積というものはあるというように考えております。
 ただ、御指摘のように、いろいろこれからはそういった業務の拡大ということになってまいりますと、それぞれの人員あるいは組織というものが必要になってこようかと思いますが、これは公団全体の中で考えていくべき問題だというふうに考えております。
#50
○三木忠雄君 これは審議官の方かね、新しい業務の拡大と人員の配置の問題等について、特にこの再開発なんか相当な問題だと私は思うんですが、こういう点についてはどういうふうな考え方を持っているんですか。
#51
○政府委員(川上幸郎君) 新公団の職員定数につきましては、新公団法の成立後に関係省庁と協議調整しまして定める、こういう手続になっております。でございますが、定員の基本的な考え方といたしましては、公団統合に伴いまして、総務、経理等の部分につきまして当然その人員が出てまいりますのでこれらの人員を新しい業務に振り向けたい、このように考えておるわけでございます。
 ただいま救仁郷理事から御説明いたしましたように、再開発業務、これにつきましては業務型再開発は業務でございますが、これは相当やっておりますので、これらのノーハウは持っておる。したがいまして定員の増は最小限にとどめたい、このように考えているわけでございます。
#52
○三木忠雄君 これは計画局長があるいは建設大臣、再開発事業というこういう非常に技術的な問題について地権者とのいろいろな折衝等もあると思うんですけれども、私はこういうものはなるべく民間に任した方がいいと思うんです。したがって、民間の組合が積極的にこの再開発事業ができるような方向に指導していくのが私は建設省の役割りじゃないかと思うんです。それを、新たにこの開発事業を拡大していこうという考え方は、それに付随する業務的なものはいろいろあろうと思いますけれども、本来の主体は、再開発事業なんかに余り公団が手を出すべき問題ではないんじゃないか。むしろ民間にそういうものは指導し、あるいは民間がやれるような体制をしいていくことが効率的であるし、またそこを分譲住宅にするにしても、入る人はある意味じゃ安いものに入ることができるんじゃないかという考え方をするわけです。したがってこういう点は、やはり再開発事業、なれないことに余り公団が何もかもとってしまうというふうな考え方ではなしに、民間に積極的に誘導していくような方向に建設省としては指導すべきじゃないか、こう思いますが、いかがですか。
#53
○国務大臣(斉藤滋与史君) 先生のお考えでよろしいと思います。ただ、公的公団としてやる分限というものがございまして、先ほど来お答えいたしておりますように、地方公共団体の要請に基づいてという一つの問題が入っていることでき得れば公団の使命というものは、あくまでも当初申し上げましたように住宅が本来的なものであり、それとあわせて都市整備ということになりますけれども、再開発というものはでき得れば民間の方々にお任せするのが、私は先生と全くの同感であります。ただ、いろいろと条件も違いましょうし、多種多様化しておりますし、環境の変化もございますのでそれについてやるということであって、別に民間の方々でやることのよろしいことにまで手を伸ばして積極的にやるという考え方でなく、本来的な事業目的というものはちゃんとわきまえて指導していきたい、このように考えておりますので、どうしても公的機構の中でやる事業というものは限界がございます。したがって、こうした問題については良識あるりっぱな民間の方々にお任せするのが一番よろしいわけであろうと思います。
 また、一緒になって新しい事業について、職員の方々が新しい分野の問題についても御心配いただいておられますけれども、全くそのとおりでありまして、なかなか新しい分野に向かっていく担当する職員の苦労というものもあろうかと思いまするので、その点につきましても十分な配慮をもって相補い相助け合って、りっぱな住宅に皆様方に住んでいただく、そして住宅の集合体である都市整備というものがどのような方向で行くことがよろしいか、それは公団でやるのがいいのか民間でやるのがいいのかということは十分判断していくという形で厳しい指導をしてまいりたい、このように考えるものでございます。
#54
○三木忠雄君 私は、東京都内を考えましても、これからの大きな民間の仕事というのは、再開発事業がやっぱり大きな仕事だと思うんです、民間業者にとっては。いま非常に建設業者が不況だという中にあって、住宅公団がやるにしたってこれは民間業者に委託するような感じになるんですけれども、再開発事業にまで手を出して新しい業務をふやすということは、地方公共団体等の要請という問題がありますけれども、どうしても財投とか資金的な裏づけというものが公団の方はあるわけです。いろいろな金がふんだんにあるといったら語弊があるかもしれませんけれども、民間がやろうとしてもどうしても先立つものがやはりない、融資の条件が非常に手続上めんどうだという問題があって、やはり民間と公団とは競合してくるような問題に私はなってくるんじゃないかということを実は心配するんです。したがって、民間が再開発事業をできるような方向に積極的に誘導していくような資金的な裏づけとかあるいは融資対策とか、いろんな問題ができるようなシステムを建設省の方がしっかり見ていくことが大事じゃないか、私はこう思うんです。そうしませんと、もう資金的な裏づけがないから公団に任せれば何でもやってくれるんだというんで、聞くところによると赤羽も実はそういう意図があったんですね。
 赤羽駅の西口だって、初めは民間の企業がやろうというのでいろんな組合があったけれども、これは地権者のいろんな意見もあったと思います。東京都に任せたら東京都は金がない。公団にしたら金があるからという形になって、結局あの赤羽の西口はそういう結果になっているわけです。これは一例ですけれども、今後そういう問題がどんどん進められてくると、ただ金を出すために再開発をやる、そして実際の仕事は民間に、下請機関だという感じになってくると、結論的にはむだな機構が積み重なってくるような結果の再開発に終わるんじゃないかということを私は心配するんです。したがって、民間が積極的に再開発ができるように、民間の事業者あるいは建築業者等に仕事、そういう開発、いままでのノーハウが生きるような方向に指導をしていくことが大事じゃないか、私はこう思うんです。この点について重ねて建設大臣に。
#55
○国務大臣(斉藤滋与史君) 御質問いただいております趣旨もよくわかるわけであります。ただ民間と言われましても、なかなか民間のそのものの、どう言っていいんでしょうか、お任せして十分に足るだけの信用と力と社会的なものを持っておられれば非常によろしいわけでありますけれども、どうしてもわれわれの仕事というものは間違いがあれば強い指摘を受けますし、どうしても安全の上に安全を重ねて石橋をたたいて渡るような方式になってしまうわけで、でき得ればおっしゃるとおりりっぱな民間の方々にお任せするのが一番よろしいわけですけれども、その点の、どう申し上げますか、認識、意識のお任せする分限、マキシマムがむずかしいと思います。したがって、御趣旨のことについての指導は十分やってまいります。しかし、できるものとできないものと当然ございますし、とかくいまの社体制からすると、土地開発でも何でもやはり民間でとかくトラブルが起きがちでございますので、特にこういう中心的な大きい仕事になりますと、どうしてもその点のバランスを考え考えやっていくしかいまのところ方法がないんじゃなかろうかと思いますが、御趣旨の点につきまして適格なりっぱな民間の方々がありますれば当然お任せするという、これはもう指導することに私はやぶさかでない、このように考えます。
#56
○三木忠雄君 したがって、予算等についても、公団よりも建設省のこの再開発事業の方が進行できるような方向に予算組みも考えるということは、これは大事な問題点じゃないかと私は思うんです。
 それから、再開発事業等を進めできますと、いままでの、これは鉄道の方は別会計ですけれども、都市公園をつくったりあるいは施設を管理したり、また新しい投資を行ったり再開発事業等新たな業務をやってまいりますと、いろんな点で会計上の処理というものが非常に複雑になってくるんじゃないかと思うんです。鉄道は区分処理にするでしょうけれども、しかし再開発事業のところで非常に厳しい状況を迎えたり、あるいは投資条項等の問題を絡めて会計処理はどういうふうな形でやっていく考え方なのか、その点について……。
#57
○政府委員(川上幸郎君) 会計上の区分でございますが、先ほど申しましたように、鉄道につきましては法律におきまして区分経理を明確化しております。しかしながら再開発の問題でございます。再開発につきましては要請によりますが、その際は、公団は採算を十分検討いたしまして赤字が出ないようにするということは当然でございますが、勘定上の区分といたしましても、都市機能の更新等を主目的といたします再開発事業につきましては法律上の区分経理ではございませんが、省令上に、現在住宅公団が行っております住宅建設事業、宅地開発事業につきまして勘定区分というのをやっております。したがいまして、再開発事業につきましても損益勘定の区分といいますものによりまして経理を明確にするということで目下検討している次第でございます。
#58
○三木忠雄君 私は疑いたくありませんけれども、何もかも全部細かく公表しろとかそんなことは言いたくありませんけれども、勘ぐって言えば再開発事業が余りうまくいかなくて、こういう蓄積が何もかもまとめられてやはり家賃の値上げたとかあるいは新しい住宅のそういう赤字の分を上乗せされたり、そういう勘ぐりをされるような会計処理をやっちゃならないということを明確に言っておきたいんです。やはり家賃の値上げのときに、はっきりわからぬじゃないかという声が非常に出るわけです。したがって、新しい業務をやっていくと、その一つ一つの業務に対する損益勘定、そういうものが明確になればこれは国民も納得はするわけでありますけれども、その会計処理に当たっての注意というものは、また運営というものについては明確にわかるようにしておかなければならないのじゃないか、この点を重ねて強く要望しておきたいと思うんです。
 それから、この法案の三十一条の新しい投資条項ですか、「建設された事務所、店舗等の用に供する施設の賃貸その他の管理に関する業務を行う事業に投資をすることができる。」という、こういう投資の条項が決められているわけです。これは「政令で定めるものの」と、こうありますけれども、この「政令で定める」というのはどういうふうなものに該当するのか。それから事務所あるいは店舗等に投資を行うとなれば、住宅公団が建てた再開発のビル等について店舗やあるいは施設を新公団が管理をするような形になっていくのか、この点について伺っておきたいと思います。
#59
○政府委員(川上幸郎君) 投資規定でございますが、当然業務型再開発を行いますと、これに関連いたしましていろいろ業務型の諸機能ができてまいります。これらにつきまして、投資によりまして運営を図ってまいりたいというふうに考えております。
 なお、どのようなものを投資対象にするか、そのようなことを施行令におきまして検討してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#60
○三木忠雄君 この施行令、私のいま要求資料ができてからこれをつくるんですから、いま確実なものを出さなきゃ、後で違ったらけしからぬとどなったり何か怒るようなことはしませんけれども、あらまし想定される、われわれも法案審議しておって、政令とか省令にゆだねるという問題で、こういう投資条項というのは非常に影響が出てくる問題だと思うんです。したがって一部将来変わってもいいですよ。いま想定しているところのこの政令というのはどういうものなんですか。
#61
○政府委員(川上幸郎君) 現在いろいろ検討中でございますが、居住者の利便、利用に供する施設といたしまして店舗、事務所とか、それから倉庫、車庫等または集会場、このようなものを考えておるわけです。なお検討中でございます。
#62
○三木忠雄君 そうしますと、店舗とか車庫とかこういう問題について投資を行う。たとえばそうなってきますと、これは店舗を相当新公団が管理をするような感じを私は持つんですけれども、あるいは駐車場の管理をこれから全部新公団がやっていこうという考え方に立つのか、そういう点についてはいかがですか。
#63
○政府委員(川上幸郎君) 新公団は再開発に関連いたしましていろいろのビル等をつくりますが、この管理等といいますものは公団自体が経営いたしますよりもむしろ民間に任した方がいいのではないかと思われますので、それらを勘案いたしまして、先ほどの諸施設の管理等につきまして経営できるようなところに投資をいたす規定を設けたわけでございます。
#64
○三木忠雄君 私、勘ぐっているかもしれませんけれども、資料を読んでおりまして、たとえば一つの例、赤羽ばかり言って申しわけないけれども、赤羽駅の再開発をやってくると地権者が非常に零細な人が多いんです。店舗を持ってやっている人たちの地権者というのは非常に零細者が多いんですね。再開発をする、でき上がったビルは非常にいいのができてくる。地権者が零細でたとえばそういう店舗に入れない、恐らくいろいろな競争条件が出てくるだろうと思うんです。そうすると住宅公団が投資、金は幾らでも、親方日の丸と言ったら語弊があるかもしれませんけれども、国の金を使ってどんどん借りてくるとなれば、小さな店舗業者やあるいは零細業者の圧迫につながってくる、あるいは地権者を抑えるための投資条項になってくるのじゃないかということを私は考えるのですけれども、これは勘ぐり方が余り先走っていますか、どうです。
#65
○政府委員(川上幸郎君) ちょっと私、趣旨を取り違えているかもしれませんけれども、投資規定といたしましては、再開発に伴いましてできたものの施設、これらの管理を任せるものを会社等に対しまして委託をするという規定でございまして、決して小規模な方々の権利を侵害するようなことはないというふうに考えておるわけでございます。
#66
○三木忠雄君 そうなるとまたちょっと複雑になってくるのだけれども、管理を委託する会社となってきますと、管理を委託する会社をいっぱいつくってくるという、またいろんな新聞紙上をにぎわすような、言葉は悪くて失礼ですけれども、何か外郭団体をいっぱいつくったというような感じのそのための投資条項じゃないかと勘ぐらざるを得ません。そういう考え方でいいんですか、これは。
#67
○政府委員(川上幸郎君) 地元等におきまして、それらの管理をやりますようなものがあります場合におきましては当然それを活用いたしますけれども、ない場合におきましてはいろいろとそういう管理いたします機構をつくる必要がある場合もあるかと存じますが、なるべくはその地元を活用してもらいたい、このように考えておるわけでございます。
#68
○三木忠雄君 私は管理会社が投資条項も含めて店舗まで全部管理し、いろいろやっていくような大々的なものに将来なるのじゃないかと実は心配しているんです。こういう点がどんどんそういうふうに広げられてくる、再開発事業がふえてくる。結論的に地権者の弱い人たちが追い出されてしまって、店舗は高い値段で管理会社とか投資会社とかいろんなのができ上がって、そういう店舗が、いままでせっかくそこで営業を営んでおった人たちが再開発の事業を公団がやったがためにそういうところを追い出されてしまって、つまらないいろんなトラブルが起こってくるようなことになってはこれは大変だ。私は一つの例として、赤羽駅の西口でこれから地権者の交渉が始まるわけです。そういう点についてやはりこの地権者のいろんな意向というものあるいは条件というものを最大限にのんでいくような形にしていきませんと、何だかんだといってこの投資条項を活用して、そういう人たちの圧迫やあるいは零細の商店や、そういう経営者を苦しめるような結果になってはならないんじゃないかという点を危惧を抱くわけなんですけれども、この点についての御答弁をいただきたい。
#69
○政府委員(川上幸郎君) どうも説明が不十分だったようでございますが、考え方といたしましては、再開発でできましたいろいろな施設の管理につきましては、地権者等が当然お集まりいただきまして管理すればこれは非常に結構だと思います。しかしながら、管理はいろいろと複雑な業務がございますので、引受手がないような場合、そのような場合には投資規定によりまして管理する機構をつくりたいということでございますので、あくまで地元の意向を尊重いたしまして地元の皆様方の意に沿うようにやってまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#70
○三木忠雄君 言葉だけで終わらずに、ひとつ赤羽の駅なんか、私は赤羽駅は再開発していくべきだという方向なんです。私はそういう考えに賛成なんです。しかし地権者も一街区でつまらない問題を起こしますと、次の再開発が私はできないような問題になってくるだろうということを非常に心配をしているわけです。そういう点の段取りをうまくやっていただきたいということを強く要請しておきたいと思うんです。
 それから、五十九条の「関連施設整備事業助成基金」というこの公共負担の問題でございます。これについて「地方公共団体が公団に支払うべき利子の軽減に資するため、関連施設整備事業助成基金を置く。」と、こういうふうにうたわれているわけでありますけれども、これはどの程度の基金を考えているのか、その点についてまず伺っておきたい。
#71
○政府委員(宮繁護君) 現在宅地開発公団におきましては、関連施設の整備事業助成基金がございます。これは公団が地方公共団体にかわりまして公共施設の整備をいたしまして公共団体に引き渡すわけでございますけれども、公共団体からの公団への費用の支払い方法が据え置き期間十年を含めまして三十年というふうに長期の割賦方式になっております。しかも公団が公共団体からいただきます利子部分は、据え置き期間中はゼロで、償還期間は六・五%と非常に低利率になっております。こういった負担の軽減を図るための利子の軽減分につきまして、公団に基金を設けまして昭和五十年度から基金を積み増しておりまして、現在百五億円の基金がございます。これの運用益が約三十六億程度ございます。これから先ほど申し上げました利子の軽減に充てるために、現在までのところ約三億円弱を交付いたしておるという状況でございます。これにつきましては、今後の国の財政状況等大変厳しい状況でございますけれども、やはり必要であればこの基金は積み増しをしていただきたい、こんなふうに考えておるわけでございます。この基金の制度は宅地開発公団だけにございましたけれども、新公団ができました場合には、新公団がこの基金制度を引き継ぎまして実施できるようにしたいと考えております。
#72
○三木忠雄君 そうしますと、公共関連施設の整備事業に対して地方公共団体にこの基金を活用すると、こういうことですね。
#73
○政府委員(宮繁護君) 公共団体が長期割賦で支払いを公団にいたします場合に利子を低くする、その間の埋め合わせのために運用益を利用するわけでございます。
#74
○三木忠雄君 その制度は私はいいと思うんですけれども、各地方における公共施設に対する負担金、これはもういろいろまちまちなんです。したがって、こういう問題のやはり建設省のあるべき姿というか、これは地方自治体にしてみれば、なるべくそういう負担金にならないようにしたいという要望は私はわかるんですけれども、これと住宅政策のかみ合わせですね。これらの問題が地方で何でもかんでも自治体がやっていることを建設省でこうだああだという指導をするのはいいか悪いかいろいろ議論があると思いますけれども、ひどいところになってくると開発業者も非常に困っている問題点があるわけです。
 たとえば一つの分譲住宅、何か二百八十万円に相当する、あるいは三百万も公共負担分を上乗せして入居者に売らなきゃならない。結論的には入居者が全部負担をしなきゃならないわけです。こういう消費者に負担がかかってくる問題についてある程度のガイドラインはつくっていかなきゃならないんじゃないかと思うんですけれども、この点についていかがですか。
#75
○政府委員(宮繁護君) いまお話しの指導要綱はいわゆる行政指導でございまして、たてまえは公共団体と業者が話し合いを進めまして、合意に基づいてその負担を割り掛けるということになっておりますけれども、現在のところを見ますと、地方公共団体の財政事情がそれぞれ異なる、あるいはまた住宅団地をつくります。辺の地域の状況、特に公共施設の整備状況がかなり整備されておるところもございますし、整備が不十分なところもある、こういうようなところでわりあいまちまちになっておる状況でございます。
 たとえば学校の費用負担につきましても、住宅一戸当たり十万円以下のところもございますし、五十万円以上というような市町村もございます。私どもは、これらにつきましては行き過ぎといいますか、不合理な負担につきましては自治省とも相談いたしまして、公共団体に、たとえば下水道事業につきましてもかなり将来の計画に基づく費用まで負担させるとか、あるいはまた学校の敷地、建物は別といたしまして、先生方の宿舎の費用まで負担させるとかいろいろな問題もございますので、そういった不合理な行き過ぎた点につきましては市町村にもお願いしまして改めていただくようにもやっております。そんなような状況でございます。
#76
○三木忠雄君 これはいろいろ各市町村によって状況は違うと思いますけれども、やはりはね返ってくるのは消費者ですからね。たとえば、住宅公団が公共負担等をしてその分譲者に上乗せする公共負担金というのは大体どのくらいの見当に考えているんですか。
#77
○参考人(救仁郷斉君) 最近、五十三年度と五十四年度の平均でございますが、住宅一戸当たり百四十九万円ということになっております。これが家賃に換算いたしますと、月七千八百円ということでございますし、分譲住宅の分譲価格に換算いたしますと、一戸当たり百四十九万円ということに相なります。
#78
○三木忠雄君 これは住宅公団とあるいは民間業者とのいろいろ地域が違うから平均比べるわけにいきませんけれども、やはり住宅公団の分譲の方が公共負担に対する割合が低いというのは、こういう公共助成金を使うという点にあるんですか。
#79
○参考人(救仁郷斉君) いま私御説明いたしました百四十九万円は、これは全体の住宅建設戸数の平均でございます。場合によりますと、市街地に建てる場合にはほとんど負担金がないという例もございます。そういったものを平均した数字でございまして、私どもは指導要綱に基づいてやはり負担しているという実情でございます。したがいまして、特に民間と私どもとが負担が違うということはないんじゃないかというように理解しております。
#80
○三木忠雄君 そうしますと、たとえばこれから新しく新公団発足してから新しい住宅のまた建設が始まってくるわけですね。大体公共負担は、分譲なら分譲を例にとってみれば、どの程度の公共負担を分譲価格に上乗せするかという問題点については、いかほどに計算しているわけですか。
#81
○参考人(救仁郷斉君) 公共負担の問題につきましては、私どもとしては先生の御指摘のようにできるだけお入りになる方々の御負担にならないために、これはもう低い方がいいというようには判断しております。ただ現実の問題といたしまして、全体の地方公共団体のそれぞれの財政状況を考えますと、これが全然要らないというわけにもいかないだろうと。また私ども、たしか五十一、二年ごろに一戸当たり百二十万円でございました。したがいまして、そのころからの物騰あたりを考えますと、先ほどの建設省あるいは自治省の御指導、あるいはいろいろな関連公共施設に対する国庫補助等の増額等をいただきまして、私どもとしてはここ二、三年、大体百四十九万円ぐらいで推移しているという状況でございます。私どもも今後できるだけまたそういった御助成もいただきながらいまの水準を維持し、あるいはもっと下げるように努力してまいりたいというように考えております。
#82
○三木忠雄君 余り時間がありませんので、最後に一、二点伺っておきたいんですけれども、具体的なこの公共負担との問題を絡み合わしまして、たとえばいま宅開公団ですか、今度新しい公団がやろうとしている八王子のニュータウンについての考え方あるいはいままでの経緯について御説明願いたいと思う。
#83
○参考人(志村清一君) 八王子の南部地区につきましてニュータウンを考えたらどうかということで、開発基本構想をつくっております。これにつきましては昨年の夏、地元の方々の代表者に御説明を重ねまして、現在八王子市との調整を図りながら、基本構想よりさらに具体化している開発基本計画の案を検討いたしておる段階でございます。ただし、文化財の調査というのはずいぶん長い時間がかかるものでございますから、文化財の調査等各種の調査については大分進捗をしておる状況でございます。また、すでに用地の関係では百十ヘクタール余を取得いたした状況でございます。
#84
○三木忠雄君 これは事業計画を終了して二万八千か三万の人口になるわけですね。これはいつごろまでに大体完成するという予定ですか。
#85
○参考人(志村清一君) このニュータウンは規模が三百五十ヘクタールないし四百ヘクタール近くになろうかと存じます。したがいまして影響するところがいろいろございまして、地元並びに関係市、都あるいは関連する各政府機関とか国鉄、そういうところにも十分な連絡をとりながら計画を進めませんと、後になってどうにも収拾のつかぬことになりかねません。非常に懐妊期間の長い仕事でございますので、なるべく早く基本計画を決めてまいりたいと思っておりますが、もうしばらくお待ちをいただきたい、かように考えておる次第でございます。
#86
○三木忠雄君 宅開公団がいまやっているこの三百五十ヘクタール、この周辺の住民はそれとあわせていろんな問題点を持っているわけですね。たとえば横浜線ですか、これに新駅をつくってくれという要望はあるだろうし、あるいは病院をつくれとか、あるいはまた市街地を結ぶ新交通システムですか、そういうものを導入しろ、こういう強い要請もいろいろあろんじゃないかと思うんです。こういう点についてはどういうふうにお考えになっていますか。
#87
○参考人(志村清一君) 先ほどもちょっと御説明申し上げましたが、当公団といたしましては、昨年の八月に基本構想による説明会を八王子市と共同で行っております。これは地元が五町会ございますので、それぞれの五町会ごとに開催をいたしたわけでございます。また、昨年の十一月に地元関係五町会の役員を主体とする八王子市南部地域町づくり推進協議会というものが発足いたしました。私どももこの協議会を通じまして地元住民と十分お話し合いを行っていきたいと考えているところでございます。
 先ほど新駅の設置の問題等々について先生からお話がございましたが、さようなことも伺っておりますが、今後とも地元の意見、要望についてはできるだけこれからの計画、事業に反映をさせるように努めたい、かように考えておる次第でございます。
#88
○三木忠雄君 極端に言えば、新しくできる方が多くて周辺住民は少ないわけですね。したがって、できてしまえば後は用はないというような感じにならないように、やはり横浜線の新駅をつくるという問題についても国鉄だってこれは大変な問題だと思うんです。全部地図を塗りかえなきゃならぬわけですから、駅をつくるということは。こういう問題点について見通しをしっかり立てられてそして新駅をつくる。あるいはまた新交通システム、いま東京都のマイタウン構想の一環として都知事が進めていますけれども、八王子としても市街地を結ぶこういう新交通システム等を導入したい、こういう問題についても宅地開発公団、今度は新しい公団がそういう事業を積極的に、この地域には軌道としてそういうものが必要であろうと認めてその要望を受け入れるという考え方なのかどうか、この点について。
#89
○参考人(志村清一君) 新駅の設置の要望は非常に強うございます。これらにつきましても国鉄等ともお話し合いをただいま進めております。われわれもできる限りの協力をいたしたい、かように思っております。
 また、三多摩地区の新交通の問題につきましては先ほど運輸省の関係者から御答弁がございましたが、私どもも東京都がいろいろ御構想があるやに伺っておりますが、直接市あるいは都からそのようなお話は聞いておりません。今後そのようなお話がありますれば、運輸省、建設省ともどもよく御相談申し上げて検討をいたしたい、かように考えております。
#90
○三木忠雄君 これは今後の問題として病院等も含めた公共施設の整備というものが、三万の人口が一挙にふえるわけですから、開発する住宅新公団等もこれはもう万遺漏のないように尽くしていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
 最後にもう一つ、八王子の北の方にある宇津木という住宅公団が持っている土地がありますね。いま開発しておりますけれども、そこの交通問題はどういうふうに考えていく計画なんですか。
#91
○参考人(今野博君) 宇津木台地区につきましては、土地区画整理事業で開発をするということで現在準備をしておりまして、現在事業計画と施行規程につきまして建設大臣に認可の申請中でございます。
 いま御指摘の交通問題につきましては、宇津木台地区に住む人たちにつきましての御質問かと思いますが、これはバスで八王子駅あるいは日野駅ということになろうと思いますが、一部八高線の駅から徒歩圏の部分がございます。この部分は恐らく徒歩で八高線の駅に行くのではないかというふうに考えております。
#92
○三木忠雄君 これは地元からも強い要望で、パス路線の問題とかあるいは新交通システム、これから出てくると思いますけれども、この点についてきょうは時間がありませんので、いろいろ要望等についても細かく言いませんけれども、新しくつくる団地の足問題が非常にその周辺の住民に大きなまた一つの負担になっているわけです。この点についてはよく配慮をしていただいて、やはりこの開発等についても交通問題、公共問題等についてよく考えてやっていただきたいということをこれは強く要請しておきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。
#93
○原田立君 新公団設立の目的は、昭和五十二年十二月の「行政改革の推進について」を受けて宅地開発公団に宅地開発部門を移譲をしたわけでありますけれども、これが今回行革の一環としてわずか五年にして日本住宅公団、宅地開発公団が統合する、こういうことになったわけでありますが、この状況を見て多くの人たちは、一体どうしてこんな短期間のうちに国の機関というものが統合したり、また分離したりするのかと危惧の念を抱いていると思うんでありますが、これらのことについて行管庁並びに建設省にお答え願いたい。
#94
○国務大臣(斉藤滋与史君) 御指摘の向きにつきまして、大変皆さん方から御懸念をいただきまして再三にわたって質問をいただいておるわけであります。確かに期間的には五年有余、その間いろいろな問題があったにしろ、新しく新公団として発足をするわけでありますけれども、御案内のような非常に社会環境の激変に対応するために、やはりそれなりの対応をしなければならないというような観点から新公団の発足に踏み切ったわけであります。
 当初、宅地開発公団の発足時に諸先生方からいろいろな御批判をいただいておることも承知いたしております。それは、その時点でそれぞれの考え方に基づいて是非があったかと思いますけれども、とにもかくにも先ほど三木先生にもお答えいたしましたように、やはり住宅政策というものが行政改革という一つの面もございますが、環境整備という問題と切り離せないような事態になってきたというようなことで、総合的な判断から機能的に、機構的にもこうした一つのものとして新発足することがよろしいという判断のもとにお願いをいたしておるわけでございまして、ぜひその点につきましても社会環境への対応という面からも、また行政改革という両面からもひとつ御理解をいただきたいと思うところでございます。
#95
○原田立君 大変悪い言い方をすると、朝令暮改というようなことになるわけなんですけれども、そこまでは私は言わないとしても、そういう感を国民の多くに抱かしているのは事実であります。
 ところで、この統合された住宅都市整備公団が発足をするに当たっていわゆるメリット、デメリット、これらは一体どういうふうにお考えですか。
#96
○政府委員(川上幸郎君) 新公団のメリットでございますが、これはやはり何と申しましても新公団が現在の住宅事情、都市事情等を勘案いたしました新しい体制で発足ができるということでございます。でございますので、業務といたしましては、住宅公団、宅地開発公団が行っておりました住宅、宅地の供給、健全な市街地の整備は当然継続して行いますが、新たに都市機能の更新を主たる目的といたします都市の再開発事業、さらには根幹的な都市公園等の整備等の業務をつけ加えたいということでございます。
 なお現在、宅地開発公団は関連公共施設の直接施行の制度、直接施行の権限、それから地方鉄道または軌道業を行う権限等を持っておりますが、これらも新公団に承継いたしまして、町づくりにふさわしい公団にいたしたいということでございます。
 なお加えまして、メリットといたしましては、当然行政改革の一環でございますので、役員の削減とそれから両公団組織の重複する部分の整理合理化という点があると存じます。
#97
○原田立君 デメリットは。
#98
○政府委員(川上幸郎君) デメリットでございますが、私どもはデメリットは本来ないと考えておるのでございますが、強いて申し上げれば、当然事務所を統合いたしますと、統合に伴いまして経費がかかるとか、それから後はデメリットが生じないようにいたしたいということでございまして、当然事務の承継が入居者に対する関係、職員に対する関係につきましても円滑にいくようにし、業務の運営に支障がないようにいたしたい、このように考えておるわけでございます。
#99
○原田立君 デメリットは混乱をさせるということの一点に尽きると思うんです。
 行管は来てないんですか。――行管庁は五十二年の十二月二十三日に、ただいまもお話ししたように、「行政改革の推進について」という閣議決定をし、第三の特殊法人、その一の「特殊法人の整理合理化」の中で(2)の1「日本住宅公団及び宅地開発公団については、できるだけ速やかに所要の条件整理を打った上、日本住宅公団の宅地開発部門を宅地開発公団に移管する。」と。いまとは全然別なんです。いまは一緒にしようという。前はこういうふうな指示がなされているわけです。当時建設省に対してはこういうような考えをお持ちだったんですか。
#100
○説明員(山下正秀君) 先生御指摘のとおり、昭和五十二年十二月に閣議決定をいたしまして、日本住宅公団の宅地開発部門を宅地開発公団に統合するという方向が定められたわけでございます。この閣議決定の趣旨は、日本住宅公団の宅地開発部門を宅地開発公団に移管することによりまして宅地開発の総合性が確立される、これによりまして宅地の供給促進が期待されるということ、それから一方、この移管によりまして、日本住宅公団といたしましては、すでに行っておられます既成市街地における工場跡地の活用等による面的開発事業などに専念することができるということによるものと思われます。
 この閣議決定を踏まえまして、この方針の実現につき建設省と調整に入ったわけでございますが、その際問題となりました事項は、移管の対象となる業務範囲の確定、それから、過去長い年月にわたって行われてまいりました宅地開発事業の実施に伴う地元関係の調整、それから住宅公団に当時宅地開発の部門の職員が約千五百人ほどおられたわけでございますが、これの移管に伴う身分上の取り扱いといった種々の点について検討を進めておったわけでございます。なかなかいずれも容易にその後結論を見るに至りませんで調整を続けておったわけでございますが、その後五十四年に至りまして、行政改革の要請を踏まえまして、特殊法人の抜本的な整理統合という方針によりまして関係省庁と調整をし、その一環としてこの両公団の統合という方針が五十四年十二月に至りまして閣議決定を見たという経緯でございます。
#101
○原田立君 今回の住宅公団、宅地開発公団の統合は、本来の当初行革目的を達した内容であると行管庁としては判断しているんですか。
#102
○説明員(山下正秀君) 今回の統合は、五十二年十二月の閣議決定におきましては、宅地開発部門の一本化ということがその趣旨であったように理解されておるわけでございますが、今回、両公団を全面的に統合するということでございますので、宅地開発部門の一本化ということはこの統合の過程の中でその一部分として当然に実現されるということに考えております。
#103
○原田立君 一体行管は何を考えているのかさっぱりわからないというふうな感じを持つのです。
 先に進めますけれども、この特殊法人の合理化に伴い、法人の役職員、職員の削減など考えられるわけでありますが、住宅公団、宅開公団の統合でどのような合理化が行われると判断していたのか、具体的に数字を挙げて説明してもらいたい。
#104
○説明員(山下正秀君) 今回の両公団の統合によりまして、統合前の両公団の役員、これは日本住宅公団十四人、宅地開発公団十人、合わせまして二十四人ということでございますが、新公団におきましてはこれが十九人以内に縮減されるということでございます。
 それから第二点として、新公団の組織、定員につきましても、共通管理部門の合理化等によりましてできる限り簡素で効率的な組織にするという措置が講じられるということになっております。
 これに伴いまして、諸経費の節減につきましても、共通管理部門の統合等による合理化によりまして、相当の節減が図られるというふうに考えております。
#105
○原田立君 諸経費ぐらいなものだと思うんですね。その諸経費の内訳はといえば、看板だとか書類の形式の変化だとかそんなようなものに思うんでありますが、非常に私は今回の統合について不審に思うんです。
 大臣、住宅公団は三十年七月にでき、宅開公団は五十年九月一日にでき、そうして五十二年十二月末には日本住宅公団の宅地開発部門を宅開公団に移管するとこう言っておいて、そうして二年後の五十四年十二月の四日には建設大臣が両公団統合構想を公表している。あるいはまた、五十四年十二月二十八日には閣議決定として五十六年十月を目途に統合せよと、こうなっている。先ほども聞いたわけでありますけれども、本当に朝令暮改式なような感じを持つのです。果たしてこれで、一たん分離したものをまた一緒にしたことによっていわゆる行管の趣旨は全うされたのかどうか、その点を私は非常に疑問に思うんですけれども、どうですか。
#106
○国務大臣(斉藤滋与史君) 先生御指摘のように、三十年、五十年というそれぞれの公団の設立時点においてプロセスを見ますると、確かに朝令暮改という御意見もあろうかと思いますが、公団発足のその時点においてはそれがもっともよい方法として発足をし、多少の反対もあったようでございますが、お願いをして発足いたしたわけであります。
 御案内のような経済情勢、これは世界的な問題でございますけれども、これはあわせて国内事情も社会環境の変化が激変いたしております。したがいまして私は、過去は過去として、御指摘の分につきましても十分承知の上で、改むるにはばかることなかれといいますか、前向きでこうした問題に取り組むというふうなことで、過ちがあったという考え方でなく、行政改革という面からも一つの契機として全く新しい考え方のもとに発足することによってメリットもありますし、総合的、計画的、機能的にもこのことがよろしいというようなことで御提案を申し上げているわけでございます。
 御指摘の分十分承知をしながら、なお新発足につきましてはそうした御懸念の向きにつきまして十分な配慮を持ち、そして所期の目的に向かって前向きで進めていくというような考え方のもとに、新公団は新公団なりに新しい次元の発足の時点としてぜひ御理解をいただきたい、このように考えるものでございます。
#107
○原田立君 それはもう、こうやってやろうというのですから理解は理解でしているんですけれども、だけれども何としても朝令暮改式だという感じを否めないので申し上げているわけなんです。
 先ほども触れられたんでありますけれども、また行管の方からも説明がありましたが、第十八条の役員の場合、住宅・都市整備公団の場合には総裁一人、副総裁二人、理事十四名以内、監事二人以内を置くとなっているわけでありますが、単純に対比すれば、両公団の役員は合計で二十四人になるわけでありますが、新公団では十九人となり五人少なくなる。こうなるわけでありますが、建設省所管の特殊法人で十九人以上もこういう役員がいるだなんというところはございますか。
#108
○政府委員(川上幸郎君) 先生御指摘のとおり、建設省所管の他の法人については十九名を超えるものは現在ございません。何分にも統合いたしました住宅公団が十四名というかなり役員数の多い業務の活発な法人だったということに加えまして、宅地開発公団も十名だと、以上のようでございます。
#109
○原田立君 住宅公団が五千百二名、それから宅開公団が三百六十九人、だから約五千四百七十人ぐらいになりますね。そうすると、それに見合ったような日本道路公団、あなた詳しく言わなかったけれども、日本道路公団は七千四百十二人職員がいるうち役員は十二名、それから帝都高速度交通営団は一万四百二十九人いるのに十六名、これは運輸省と建設省の関係であります。そのほかに奇妙な、千九百八十七人しかいない水資源開発公団では役員が十二名と、こうなっているわけでありますけれども、要するに十九人とか二十人とかいうのは建設省所管では、ないんですよ。多いんです、これは。その点を指摘しておきたいと思うんでありますが、統合前より減っていることは確かであります。それは総務あるいは経理部門など役員が重複するために、減って当然の部門が減ったにしかすぎないと判断するのでありますが、特に問題なのは両公団の現在の役職員、住宅公団が十四名、宅開公団が十名、計二十四名であったのを十九名に減らしたという判断の基準ですね、これは何なんですか。
#110
○政府委員(川上幸郎君) 合計いたしました数字二十四名を十九名といたしましたのは、統合に伴いまして全体の四分の一を滅ずるということで十八名としたわけでございますが、この新公団につきましては予算等で要求いたしておりました公園緑地整備機能、これが事業といたしましては振りかわりましてこの公団の業務となっております。したがいまして、その理事の分一名を足しまして十九名といたしたわけでございます。
#111
○原田立君 十九名になることはわかっているんです。これは理想的であるのかどうかということを聞いているんです。
#112
○政府委員(川上幸郎君) 問題は理事の職務分担だと思いますが、現在の住宅公団の行っております業務は当然継続されますし、また宅地開発公団の業務も継続されます。これに加えまして新規業務でございます業務型の都市の再開発、または根幹的な都市公園の整備等を担当する事業が必要となってまいります。なお加えまして、支社におきまして支社長は対外折衝、業務の進捗をより活発にいたしますためには理事であることが適当であるということがございますので、その辺の増員もいたしたいというふうに考えているわけでございます。
#113
○原田立君 単純に対比はできない部分もありますけれども、他の特殊法人に比べて先ほどから指摘しているように非常に多い。また役員の数と同時に、天下りの問題が再三にわたり衆議院の質疑などでも指摘されておるわけでありますが、この問題については具体的対応というか、答弁がはっきりしておりません。これを明確にしてもらいたいと思うのが一点。
 それから、役員の任期は四年となっておりますが、四年後は一体役員は何人にするのか。減らすのか、現状維持でいくのか、ふやすのか。いまの状態は多いと言っているところでありますから、まさかふやすことはなかろうと思いますけれども、現状維持なのか、減らすのか、減らすならどのくらいにするのか、そういうふうな計画をあったらばお知らせ願いたい。
#114
○政府委員(川上幸郎君) 新公団の役員数につきましては、新公団業務の円滑な遂行を図るために総裁以下副総裁、理事及び監事を含め十九名といたしておりますが、先生から御指摘ございました今後の役員数の低減の問題につきましては、衆議院におきましても附帯決議をいただいておりますが、今後新公団の組織運営のあり方、それから新公団業務の効率的な執行、事業の進捗等を総合的に勘案いたしまして検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#115
○原田立君 住宅・都市整備公団では、従来の業務以外に都市再開発や国営公園内の有料施設の建設及び管理を行うなど新規業務を行うことになっておりますが、具体的な事業計画は初年度あるいは五カ年計画というようなことはもう内容等わかっていますか。
#116
○政府委員(升本達夫君) 公団は、おただしのように新しい業務機能といたしまして、一つは都市機能の更新を主目的とする都市の再開発事業、それから二番目に国営公園の中の有料施設の設置、それから地方公共団体の委託に基づき、根幹的な都市公園の建設等を行うことができることといたしております。
 そこで、これらの業務につきましての昭和五十六年度、新公団としての新年度の事業のもくろみでございますが、第一点の都市機能の更新を目的とする都市再開発事業につきましては、昭和五十六年度は初年度でございますので基本調査費二億円の予算計上をいたしております。この調査におきまして事業着手のための市街地の現況調査、整理課題あるいは整備手法等の検討を行うことといたしております。具体の調査の実施地区につきましては、これから地方公共団体の意向を十分に考慮しながら決定をいたすことになろうと思うわけでございますが、ただいまのところのもくろみといたしましては、予定といたしましては、立川の北部地区、それから川崎の駅周辺地区というようなものを予定をいたしております。
 それから、第二番目の新業務でございます公園整備関係でございますが、五十六年度予算におきましては国営公園内の有料公園施設の設置につきましては約十二億円予算計上をいたしております。これは福岡県の海ノ中道海浜公園、現在工事整備実施中でございますが、この公園の大規模プール及びサイクリング施設の整備というものを一応事業予定にいたしております。
 それからまた、地方公共団体からの委託に基づく都市公園の建設等につきましては約三十三億円の予算計上をいたしております。具体の事業個所については、これから地方公共団体の意向を受けて決定をいたすことになるわけでございますけれども、大体二十カ所程度の受託を来年度の事業として予定をいたしております。
#117
○原田立君 いまいろいろと御説明いただいたわけでありますが、そうすると、それらについてどのような役員の配置になるのか、それはもうお考えになっているのかどうか、これが一つ。それから職員については一体どういうふうなことになるのか、この二点についてお伺いしたい。
#118
○政府委員(川上幸郎君) まず、役職員でございますが、役職員につきましては新たな業務である都市再開発の担当理事と、それからさらには根幹的な都市公園の整備等の業務を担当いたします理事、これらは新規に置きたいというふうに考えております。
 次に、新公団の職員定数でございます。職員定数につきましては、公団法が成立いたしました場合におきまして以後関係省庁と協議、調整いたしまして、新公団の認可予算で定めることにはなりますが、考え方といたしましては、新公団の定員は、統合によりまして重複することとなります両分団の共通部分の定員を新規業務に振りかえる等の措置を講じまして行政改革の実を上げたい、このように考えておるわけでございます。
#119
○原田立君 新規業務に振り分けるというその内容、方向はどうなんですか。要するに、統合によって退職というふうな問題は起きるのか起きないのか。
#120
○政府委員(川上幸郎君) 職員の方につきましては新公団は旧公団の権利、義務は承継いたしますので、当然これには労働条件等も入っておりますので、その条件は引き継いでまいります。したがいまして解雇のような事態は起こりません。でございますので、先ほど申しましたのは両部門の統合によりましてできました部分を新しい業務に向けたい、こういうわけでございます。
#121
○原田立君 この宅開公団の方には各省庁あるいは民間から出向して職員の数は三百五十九名、役員が十名、合計三百六十九名となっておりますけれども、これらの人はいわゆる新規統合をしたところに行って宅開公団の出身だからということで左遷されたり、あるいはまた不遇な目に遣わされたり、あるいは退職させられたりというような心配をしている声がちらちらと入っているんです。どうですか。
#122
○政府委員(川上幸郎君) 新公団は、両公団を解散いたしまして新公団をつくるわけでございます。その場合におきまして、先ほど申し上げましたように、旧公団の権利義務は新公団に承継されるということでございますので、全く対等に合併いたすということでございます。したがいまして、先生御心配のようにいろいろ身分上の不利益をこうむるというようなことはございません。
#123
○原田立君 大臣、ないというふうにいまあなたの方から言っているんですけれども、間違いないですか。
#124
○国務大臣(斉藤滋与史君) それは全くないと言うよりも、そうしたことで職員の方々に動揺を与えたり不利益になってはならないわけで、これは新公団の発足の意義から言っても、職員の方々もむしろ喜んでいただいてこうした公的事業をやっておられます。その自信というか、自尊心を持たれてりっぱに働いてもらうには、そうした身分に悪影響を与えてはならないということでございますので、そうしたことの御懸念のないように厳しく指導もいたしますし、そういうことがあってはならない、このように考えているものでございます。
#125
○原田立君 大変くどいようでありますけれども、私の手元にいろいろ要請書が参っておるわけでありますけれども、その記のところで「新公団は、その組織の設置にあたっては、良好な宅地の大規模な供給が円滑に実施できるよう配慮するとともに、」、これは前段です。後段のいわゆる「人事等の処遇については、旧所属組織による不平等、不利益などの不当な取扱いがなされないよう十分に留意すること。」、こういう要請があるんです。いま大臣の言われたように、はっきりとないんだったらこんな要請書が私の方に来るわけがないんですよ。これが来ているというのは、そういうおそれが非常にあるので持ってきたというふうに私は思うんです。重ねてひとつあるかないか御答弁願いたいと思います。
#126
○国務大臣(斉藤滋与史君) それはどういう発想からこられたかは存じませんけれども、少し考え過ぎじゃないかと思います。そうしたことのないようにやることが本来的なことであって、少し誤解があったやに私はいまお聞きして聞いております。そうしたことのないように進めますから、御心配ないようにひとつお願いをいたしたいと思います。
#127
○委員長(宮之原貞光君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時八分開会
#128
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を再会いたします。
 休憩前に引き続き、住宅・都市整備公団法案を議題とし、質疑を行います。
#129
○原田立君 午前中少々質問したわけでありますが、再確認しておきたいと思うんでありますが、日本住宅公団、宅地開発公団の使命は一体何であったのか、その点について建設大臣並びに両公団総裁御答弁願います。
#130
○国務大臣(斉藤滋与史君) 御案内のように、日本住宅公団は昭和三十年、宅地開発公団は五十年、当時鳩山内閣の折でありましたけれども、戦後の荒廃した国内において国民の方々の住居事情というものははなはだ厳しいものがございました。いわゆる絶対不足数四百万戸と言われた住宅事情を何とか国民の方々に温かい気持ちを持って住まいを供給いたしたいというようなことで発足いたしたわけであります。自来二十有余年たつわけでありますが、公団は公団なりに百万戸以上の住宅供給をいたしたわけで、それなりに私はりっぱな実績を上げたものと、こう考えております。
 なお、昭和五十年当時、ますます都市化傾向にある三大都市圏においで何とか密集した人口、産業に対応するための日本住宅公団とは違った面でなお積極的に大きな構想でやらなきゃならない。それには宅地開発ということが非常に緊要であるというようなことで、あえてさらに積極的な政府対策のもとに開発公団を発足いたしたわけでございます。自来二十五年、あるいは公団につきましては五年、六年たつわけでありますけれども、一応それなりの成果を上げて今日まで来ておるものと私は確信いたしておるわけであります。今度の新公団につきましては来し方の実績を踏まえて、さらに都市整備等をもなお機能的に良好な住環境のもと、また過密化する都市整備ということにも重点を置いて、この問題について大きな視点、観点から前向きで進めたいというようなことで現在御提案申し上げているわけで、従来の両公団の発足、プロセス、そして現状における時点について国民の住宅都市環境整備に対しての積極的な政策支持だと、このように考えているものでございます。
#131
○参考人(澤田悌君) 日本住宅公団の設立の趣旨、ただいま大臣から申されたとおりでありますが、戦後、住宅の不足の著しい地域におきまして、住宅に困窮する勤労者のために耐火性能を有する構造の集団住宅及び宅地の大規模な供給をいたしますとともに、健全な市街地造成をいたしますために、土地区画整理事業を行うことによりまして、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的として設立されたものと心得ております。自来、設立以来二十六年その目的達成のために努力をしてまいった次第でございます。
#132
○参考人(志村清一君) 宅地開発公団は、大都市圏におきまして良好な居住環境を備えました住宅用地の大量供給を行うとともに町づくりをすることを使命といたしまして、おおむね三百ヘクタールの大規模な事業を専門的に行うことといたしております。そのため当公団は特定公共施設における直接施行制度、あるいは関連公共公益施設にかかわる基金制度、鉄道建設の権限の付与、こういうような特別の権限を与えられておりまして、ただいままで鋭意事業を推進している次第でございます。
#133
○原田立君 住宅公団総裁のお話にありましたように、公団法の中に「日本住宅公団は、住宅の不足の著しい地域において、住宅に困窮する勤労者のために耐火性能を有する」云々と、この点に最大の要点があったんだろうと思うんです。ところが、今度の第一章には「健康で文化的な生活を営むに足りる良好な」云々と、それから「集団住宅及び宅地の大規模な供給」というふうに表現がずっと違っているんです。この違いを一体どういうふうに理解したらよろしいんですか。
#134
○政府委員(川上幸郎君) お答えいたします。
 住宅公団制定時におきましては、当時の事情からいたしまして耐火性能の構造を有する集団住宅、これが大きな特徴でございました。しかしながら昨今の住宅事情を見まずに、当然住宅の求められております質の変化がございます。したがいまして、「良好な」「居住環境を有する集団住宅」、このような表現を使ったわけでございます。したがいまして、現在住宅公団が勤労者に対しまして良好な低廉な住宅を供給するという使命は全然変えておりません。
#135
○原田立君 変わってないんだったらなぜそれを入れなかったか。この前も質問があり、また先ほども質問が同僚委員からあったんでありますけれども、非常に重要な文章を入れなかったということは大変手落ちじゃないかというふうに私は思うんであります。
 建設省が昭和五十三年、住宅事情実態調査結果の概要を発表しておりますが、その中で、住宅困窮世帯は全国で三八・九%、東京圏では四二・四%、大阪圏では四三・二%と発表し、非常に高い数値を示しております。しかも前回の四十八年の調査に比べ全国で三・八、東京圏で三・八、大阪圏で三・四ポイントとそれぞれ大幅な伸びを示している。これがわが国の住宅事情の実態であろうと思うんであります。さらに収入面から見ましても、年収三百万円以下の人たちがほとんど四〇%以上もあり、三百万から四百万円の人も三八・五%となっております。これらすべてが住宅に困窮する勤労者に当たるのではないかと私は思うんであります。新公団設立に当たって公団が行う事業の対象者がどの部分に当たるのか、そういうことを明らかにしてもらいたい。
#136
○政府委員(豊蔵一君) 日本住宅公団と宅地開発公団とを統合いたしまして新たに住宅・都市整備公団を設立いたしたいと考えておるわけでございますが、その新公団が供給いたします住宅は、従来の日本住宅公団が供給しております対象者と実態的には同じ方々に対して供給いたしたいというふうに考えておるわけでございまして、その際、従来の私どもの考えといたしましては、公営住宅と役割りを分担をして比較的中堅の階層の方々に対して供給いたしたい。したがいまして、収入五分位で分けました場合、おおむね中位程度の方々を対象といたしまして供給をするというふうに考えているところでございます。
#137
○原田立君 二百万から二百五十万ぐらいの収入の人はまずいですか。
#138
○政府委員(豊蔵一君) 昭和五十五年の貯蓄動向調査によりますと、勤労者世帯の年間の平均収入は四百四十九万円となっております。その際、私がただいま申しました中位程度と申し上げましたのは、戻しの三分位の中位、五〇%に当たるところが一つの目標となりますが、そこのところの階層の方々は四百十五万円と相なっております。いま先生御指摘の二百万円、二百数十万円というお話でございますが、その方々はこの資料によりますと大体一分位に入っている階層の方々というふうに理解いたしております。
#139
○原田立君 三百万円の収入のある入が毎月お給料をもらう、ボーナスが夏に一カ月、年末に二ヶ月、三カ月もらう、こんなふうな計算をすると、三百万の収入の人は二十万、四百万の人は二十六万六千円と毎月そうなるわけなんですけれども、これは実際にボーナス分を別にするともっとぐっと収入が減るんです。そういう人たちも住宅事情に困窮をする者として入居する資格はある、こういうことでよろしいですか。
#140
○政府委員(豊蔵一君) ただいま先年御指摘の所得でボーナスを除いた収入ということでございますが、貯蓄動向調査ではボーナス分が幾らであるかといったようなことが実はわかりません。そこで、一応貯蓄動向調査におきますところの第三分位中位が先ほど申しました年間では四百十五万円となっておりますが、これを月額に直しますと三十四万六千円ということになろうかと思います。これを別途家計調査報告によりまして賞与の収入を見ました場合、年間の収入の約一八%となっておりますので、これを貯蓄動向調査に当てはめてボーナスを除いた月収を求めますと、ただいま申しました第三分位の中位の方々の毎月の収入は二十八万四千円というふうに一応数字上はなろうかと思います。その方々に対しまして仮に公団の供給しております住宅を五十五年度の供給ベースで見ますと、平均家賃が五万一千二百円というふうになっておりますので、その際ボーナスを含めた場合の平均的な方々の負担率が一四・八%、ボーナスを除いた場合におきますところの負担率が一八%程度になろうかと思います。
 そういうような意味におきまして、どの数字をとるのが正しいか問題はあるところでございますが、私どもは一応全収入に対しまして平均的な中位の方々に対しまして一五ないし一六%程度の御負担で入っていただくような計画でもって供給を進めているというところでございます。
#141
○原田立君 要するに、第一条の中に住宅に困窮している勤労者というような意味合いのものが、局長は入っているという仰せだけれども、どう見ても入っているような感じがしないんです。「健康で文化的な生活を営むに足りる良好な居住性能」云々、「集団住宅及び宅地の大規模な供給」「健全な市街地に造成し、又は再開発するために市街地開発事業等を行い、」云々「根幹的な都市公園の整備を行うこと等により、国民生活の安定と福祉の増進に寄与することを目的とする。」、これで一体どこに住宅に困窮している勤労者という意味合いのものが入っていると強弁なさるんですか。
#142
○政府委員(川上幸郎君) 新公団法におきましては、まず地域の特定といたしまして「住宅事情の改善を特に必要とする大都市地域その他の都市地域」と、このような地域の特定、それから住宅の質の問題といたしまして、「健康で文化的な生活を営むに足りる良好な居住性能及び居住環境を有する集団住宅」と、このような供給いたします住宅の対象を明らかにいたしまして、決して華美なものではないという趣旨を出したものでございます。
 なお、勤労者という文字、これはいろいろ立法例がございますが、自営業者、無職の者等を含まないというようないろいろな事例がございまして、この新公団の供給いたします住宅を、対象といたしましては広く国民一般を考えておりますので、ことさらに勤労者の表現を避けた次第でございます。
#143
○原田立君 あなたはそういうふうに簡単に言うけど、ここいら辺のところが大部な要点になるわけです、いま指摘いたしているわけでありますが。
 次に、公団では第四期住宅建設五カ年計画として公団住宅を六十年度までに二十万戸、五十六年度三万八千戸の住宅を建設する計画になっておりますが、どのような住宅を供給する計画であるのか。最低居住水準以上は何万戸、平均居住水準以上の住宅は何万戸と、こういうふうに具体的に示してもらいたいし、さらに供給の内訳として賃貸は幾ら、分譲は幾らと、できれば五カ年計画と五十六年度別を、そこら辺のところを示してもらいたい。
#144
○政府委員(豊蔵一君) 第四期の住宅建設五カ年計画におきましては、昭和六十年度までにすべての世帯の方々が最低居住水準を達成し、また半数以上の世帯の方々が平均居住水準を確保することができるようにするということをその目標として掲げ、また住環境水準につきましても、これの改善を図ろうというふうに考えておるところでございまして、それを達成いたします場合に、新公団につきましては標準的な四人の世帯の方々が最低居住水準を確保することができるとともに、できるならば良質なストック形成をしていくために平均居住水準をもクリアする、あるいはまた、なるべくそれに近づけるというふうに努力するようにいたしたいと考えております。
 戸数につきましては、第四期五カ年計画の期間におきまして、住宅公団の供給いたします住宅を二十万戸というふうに考えておりまして、その内訳といたしましては賃貸住宅十万戸、分譲住宅十万戸というふうにいたしているところでございます。また、規模につきましては、いま申しましたようなことでございますが、昭和五十六年度におきましては、賃貸住宅につきまして団地中層住宅七十四平方メートル、市街地住宅八十四平方メートル、また分譲住宅につきましては団地中層住宅九十三平方メートル、市街地住宅百平方メートルというふうにいたしまして、前年度に比較いたしまして二平方メートルないし三平方メートルの規模の拡大を図っているところでございます。
#145
○原田立君 最低居住水準は四人家族で三DK、平均居住水準は同じく四人家族で三LDKとこうなっておりますけれども、いまの御答弁の中では、最低居住水準以上のものが何万戸というのが御答弁がなかった、あるいはまた、平均居住水準以上の住宅も数が出ていなかった。御答弁願いたい。
#146
○政府委員(豊蔵一君) 先ほど申し上げましたように、第四期の住宅建設五カ年計画の期間中におきまして、住宅公団の果たす役割りといいますか、は当然最低居住水準未満の世帯の解消を図るというような意味におきまして、標準的な四人家族の世帯の方々に対しましてはいわゆる三DK、また、平均居住水準を達成いたします場合には同じく平均的な四人世帯の方々に対しまして三LDKといった程度の住宅の供給を図るわけでございまして、そういう意味で、少なくとも今後建設されます住宅につきましては大型三DKを主として、一部四LDKの住宅を賃貸住宅の場合供給していきたいというふうに考えているところでございます。ただ、その際、戸数につきましてどの程度の規模のものが何戸というところまでは、個々の年度ごとの住宅公団の事業計画に即してその年度年度で定められていくことになろうかと思います。
#147
○原田立君 そこまで質問するのが無理であったのかどうか。だけど五十六年度、これから発足する分についてはきちんと答弁ぐらいできるはずだと思う。
 それはまた迫って質問するとして、新公団が今後供給する賃貸住宅は通勤六十分以内の首都圏で、最低居住水準三DK、平均居住水準三LDKの住宅をそれぞれ今度は幾らの家賃で供給なさる計画ですか。
#148
○政府委員(豊蔵一君) 昭和五十五年度におきますところの住宅公団の供給いたしました家賃の平、均月額につきましては、五万一千二百円程度となっております。五十六年度につきましては、まだ具体的な建設の細かい計画あるいは供給の具体的な計画が定まっておりませんのでいま直ちにはわかりかねますが、私どものおおむねの予算積算上の計画といたしましては、五万七千円程度の家賃でもって供給をいたしたいというふうに考えているところでございます。ただその際、規模につきまして、その内訳は、詳細ちょっと手元にございませんので承知しておりません。
#149
○原田立君 住宅公団に入居している人たちの平均年齢、年収額、賃貸額は幾らか。また、三DK、三LDKの平均家賃はどのぐらいになるか。または、要するに家族の収入といっても、いわゆる毎月もらうお給料、それから臨時に入る収入、それからボーナス、これは合計されて全体の収入になるわけなんだけれども、そこら辺のところはおわかりですか。
#150
○参考人(救仁郷斉君) 一番最新の資料で五十四年度の資料がございます。五十四年度の新しく建てまして新規に供給いたしました賃貸住宅でございますが、入居者の年齢が三十四歳、平均月収が二十八万三千円、これはボーナス込みの年収を十二カ月で割ったものでございます。その平均家賃が四万七千六百円ということになっております。
 三DKと三LDKに分けますと、三DKの家賃が五万一千百円、その年齢が三五・五歳、月収がちょうど三十万円、それから月収に対する負担率が一七%ということになっております。それから三LDKの場合でございますと、平均家賃が五万四千三百円、年齢が三十七歳、世帯の収入の月収が三十三万八千円、家賃負担率一六・一%ということに相なっております。
#151
○原田立君 そういう統計局の昭和五十五年家計調査によると、勤労世帯の第三分位の平均収入は月額三十三万三百五円、世帯主収入は二十八万六千円となっております。しかし、平均収入は二十二万四十四円であります。
 ところで、消費支出は二十二万七千五百四十円と、いわゆる毎月約七千五百円は赤字ということになるわけでありますが、この赤字分をボーナス等で穴埋めして生計を立てているというのが勤労者の生活実態であります。住宅局長の言う月収三十一万、三十二万、何か以前にそういう数字を発表なさったけれども、そういう収入はちょっとどうも納得いかない。家賃の負担率一六%とすると約五万から五万一千円ですが、二十二万円の収入で生計を立てている勤労者には二一%の限度を大幅に上回る二三%の負担となるわけであります。これでは公共住宅の目的、住宅公団の使命を果たすことはできないと思うのでありますが、月収二十二万円程度の住宅に困窮している勤労者に対しては、三万五千円から四万六千円程度の家賃負担が限度ではないかと思うのでありますが、その点、どういうふうに判断なさいますか。
#152
○政府委員(豊蔵一君) 家賃の負担につきましては、お入りになる方々のそれぞれの世帯全体の収入あるいはまた家族構成、あるいはまた職業等によっていろいろと差があるんだろうと思いますが、私ども計画論といたしましては、所得五分位で分けました場合の下の方から一七%程度の方々につきましては第二種公営住宅、また、下から三分の一程度の三三%までの方々につきましては第一種公営住宅、また、そこから中程度の所得の方々に対しましては公団あるいは公社の住宅といったような供給をいたし、お互いに役割りを分担していくというような考えに立っているわけでございます。したがいまして、そういったような計画の中で、先ほども申し上げましたように、おおむね平均的に家賃負担率が一五、六%になるような住宅の供給を進めてまいりたいというふうに考えております。
 いまのようなことで、それぞれの状況が個人個人の生活によって変わりますので一概に具体的な金額でもってどうこうということはいかがかと思いますが、そのような計画を具体的に実践していくように公団に対しましても十分私どもお手伝いをし、指導していきたいというふうに考えております。
#153
○原田立君 五十四年を例に対比した場合、月収に対する家賃負担率を一六%から二一%という幅で計算をしてみますと、建設省は三百七十九万円の年収の場合には五万五百円ないし六万六千三百円、公団入居の平均は三百三十九万六千円の年収で四万五千二百円から五万九千四百円という、これは私の試算になりますが、この数字から明らかなとおり、住宅に困窮している勤労者の実態と大変開きがあり過ぎると理解するわけなんですけれども、いかがですか。
#154
○政府委員(豊蔵一君) 私どもの住宅公団の家賃につきまして、先ほど申しましたように、公団が供給対象としております中竪勤労者の方々に対しまして適正な家賃となるように設定をしてきているところでございます。最近の多様化した国民の方々の住宅需要につきましてはいろいろなニーズがございますので、それに対応した住宅の供給を図らなければいけませんし、また、その利便性、環境、規模等によりまして家賃もさまざまでございますが、総合的に平均的な家賃といたしまして、先ほど申しましたような適正な範囲になるような供給に努めたいというふうに考えております。
#155
○原田立君 今後三DKの賃貸住宅で四万五千円で供給することは不可能ではないかと判断せざるを得ないのであります。そうなるとますます公共住宅の使命は果たせない。新公団の使命も方向転換せざるを得ないと思うんであります。
 たとえば、五十四年以降の住宅公団が管理している賃貸住宅でも、最高家賃は一DK五万九百円、二DK七万二千九百円、三DK九万一千円、三LDK九万二千八百円、分譲住宅にしても四千万円以上となっております。また、近年では賃貸住宅から分譲住宅への比率は高くなっている。このような実態では何のための公団なのか。住宅に困窮する勤労者への住宅供給の目的から大幅にかけ離れた施策になってしまっていると判断せざるを得ないのであります。今後この点についてはいかなる施策で臨むのか、明確にしてもらいたいし、一DK五万九百円がスライド制になってこれは六万四千二百円、二DKが七万二千九百円のものが九万九百円、三DKが九万一千円のものが十一万三千八百円、三LDKが九万二千八百円のものが十一万九千七百円、こういう家賃になるという表を私はおたくの方からちょうだいしたんだけれども、十一万九千七百円の家賃を払うような収入の人といったら一体どういうことになるんですか。
#156
○政府委員(豊蔵一君) たとえば、最近住宅公団が供給いたしました蒲田駅前であるとか、あるいはまた笹塚駅前であるとかいったような非常に利便性の高いところの住宅につきましては、土地代も相当の高額に上りました関係上、当初家賃が八万円程度で、傾斜家賃制度をとりまして昭和六十一年度におきましては十一万円程度になるというふうに相なっております。そういうところに入っておられる方々のたとえば蒲田駅前につきましての調査をいたしましたところ、平均の月収が大体三十九万円程度になっているように伺っておりますし、また、入っていらっしゃる方々の平均年齢も他の公団住宅に入っていらっしゃる方々よりは若干高いという実態が出ております。これはその家賃の負担というようなことからやはりある程度の年齢層であり、ある程度の収入がなければ負担が大変だということかと思います。
 しかしながら、これは非常にまた利便性の高い特別な場所でございましたので、もう少し幅広に私どもも市街地住宅を建設してまいりたいと思っておりますが、その中で御案内のように、私どもかねてから公団の運営につきましては利子の差額を補給いたしまして運用上五%程度になるように、また、いわゆる再開発系の両開発市街地住宅等につきましては四・五%になるように運営をいたしておりまして、また、先ほど申しました傾斜家賃制度あるいは関連公共施設整備事業の拡大、さらにはまた、特定住宅市街地総合整備事業に対しますところの国の出資金といったようなものを活用しながら、家賃の低廉化に努めてまいりたいと思っております。今後土地価格等が上昇してまいるにつれまして、私どももその点の家賃に対してのはね返りにつきましてはなお一層努力をしないといけないと思っておりますが、今後ともこれらの制度の充実強化を図るように努めてまいりたいと思っております。
#157
○原田立君 内容を充実したいというその気持ちは、説明はよくわかるわけでありますけれども、家賃を八万円とか十万円とか払うなんてそういう人たちの月の収入、これはたとえば二十五、六、二十七、八で結婚して子供一人いる、そういう若い者が東京なら東京、大阪なら大阪で住まおうというときに九万円も十万円も家賃を払えないと思うんです。となると、そこに住宅公団があって、土地は国のものであるし、家賃は安くしてくれているからやっとそういう若い者も生活ができる、こうなるんじゃないでしょうか。それに沿ったようなことを新公団もその方針にしなきゃいけないと思うんですが、これはひとつ局長と大臣と両方御答弁願いたい。
#158
○政府委員(豊蔵一君) 住宅政策につきましては、やはりその世帯の方々のいわばライフサイクルに応じた需要というものに的確に対応できるように努めていきたいというふうに考えているわけでございまして、最初結婚されたときには若干狭い家でもいいわけでございますし、子供さんができる、あるいはまた大きくなるというふうに従ってより広い住宅を求めていかれる、またその間に収入も上がってまいりますので、私どもの施策といたしましては、公営住宅あるいは公団住宅あるいは公社住宅さらには公庫の融資といったようなものをそれぞれのライフサイクルに応じて御活用いただくということによりまして適正な住宅の供給と国民の皆様への住宅の事情の安定を図るという方向で努めてまいりたいというふうに考えております。
#159
○国務大臣(斉藤滋与史君) たてまえとしては先生のおっしゃるとおりだと思います。公的機関で供給する住宅というものはあくまでも国民のためのものであり、したがって、良環境のもとに健康で文化的な住宅を低廉な家賃で供給するということがたてまえであろうかと思います。ただ御案内のように、昨今の宅地状況あるいは建築資材の問題等々非常にコストアップを考える中で、これに使われる資金というものはあくまでも公のお金、国民のお金であります。したがいまして、その点のバランスの問題がどうしても御懸念のような形になっていくかと思います。しかし、現在われわれが進めている宅地政策、いわゆる山林、農地あるいは遊休土地の有効利用あるいは既存市街地の高度利用というような形で何とか宅地問題等々解決してコストダウンを図っていきますれば、こうした家賃にはね返るというような状況の問題についてもある程度の支えができる、私はこのように考えるものでございます。
 まさに先生の御指摘のような形が一番いい方法でございますけれども、諸般の事情からやむを得ない仕儀として、とにもかくにも確かに十一万円の家賃というのは本当に普通考えてもとてもじゃないけれどもどういう人が住むのかと思うくらい高いわけであります。しかしそれはそれとして、特例といってもいかがなものと思いますけれども、やはり平均的な収入の方々が平均的あるいはそれ以下の家賃で住み得るようなそうした政策を当然これからの新公団の政策方針としてやらなきゃならない、またそのような形で指導してまいりたい、このように考えるものでございます。
#160
○原田立君 次に、長期保有土地及び保守管理往宅についてお伺いいたしますが、現在日本住宅公団が抱えている長期保有土地及び保守管理住宅の実態について何地区、何団地、総面積が幾ら、総戸数は何戸か、これは公団の方御答弁願いたい。
#161
○参考人(救仁郷斉君) 五十六年三月末現在におきますいわゆる長期保有土地が二十二地区会計検査院から指摘されておりまして、面積は千五百八十九ヘクタールでございます。そのうちすでに事業に着手したものあるいは公共団体の公園用地あるいは学校用地として処分したものが九地区、七百十九ヘクタールございます。公共団体と基本的な開発の話がまとまりまして現在細部設計に入っております、あるいは関連の工事に入っておりますものが六地区、百十八ヘクタールございます。残る七地区、七百五十ヘクタールにつきましては、現在地方公共団体等と早期に事業着手すべくいろいろ協議中でございます。
 それから、保守管理住宅につきましては、現在五十五年、昨年の十二月末現在で一万九千三百三十一戸でございます。これは会計検査院から五十年、五十一年指摘を受けまして、いわゆる仕掛かり中住宅それから未入居住宅、保守管理住宅いろいろ一連の住宅がございまして、これにつきましてすべてこれを少なくし、解消していくということで努力してまいりました。
 まず、工事中のいわゆる仕掛かり中住宅につきましては、五十一年の十二万五千戸から昨年十二月末には五万三千五百戸というように半分以下にしております。未入居住宅につきましては、五十二年の一万六千五百四十六戸から五千七百六十一戸というように約三分の一にしております。その中間の保守管理住宅につきましては、五十二年度末の二万三千九百九十二戸から、先ほど申し上げました昨年末の一万九千三百三十一戸というようにまだ保守管理住宅は残っておりますが、その前後の未入居住宅、仕掛かり中住宅につきましては大幅な改善をしております。今後、そういった見直し等が進みましたし、それから、仕掛かり中住宅からの発生してまいります竣工戸数もいいものが量的にも少なくしか出てまいりませんので、今後この解消に努力してまいりたいというように考えております。
#162
○原田立君 今後その解決に努力をしたいというようなことで、じゃ具体的にどうするというようなことがはっきりしないのでありますが、いま御報告のあった実態は、昭和五十年度の会計検査院が特記事項で二十二地区、十三団地について指摘をしておりますが、そのうち長期保有土地七地区は着工の目途すら立っていない、また、保守管理住宅は三倍以上の五十団地にまでふくれ上がっているのが今日の実態であります。この実態については、建設省並びに住宅公団はどのような対策を立てて改善に取り組んでいくのか、もう一遍御答弁願いたい。
#163
○参考人(救仁郷斉君) 先ほど申し上げましたように、残り七地区の長期保有土地につきましては、公共団体とその開発につきまして、市街化調整区域への編入の問題、関連公共施設の整備の問題等、鋭意詰めておりまして、できるだけ早くこういった周辺の問題を解決いたしまして、実際上建設着工できるように努力したいというふうに考えております。
 それから、保守管理住宅につきましては、先ほど申し上げましたように一万九千戸余りございますが、このうち五十六年度末までに約一万戸を募集にかける予定でございます。残りの九千戸につきましては、そのうち公共施設の未整備、下水道がおくれているというような問題のために五十六年度ということには相なりませんが、あと三年ぐらいの間には全部解消するように努力してまいりたい、そういう計画を立てて現在やっています。
#164
○政府委員(川上幸郎君) 長期保有土地及び保守管理住宅の問題につきましては、五十一年度の会計検査院の決算報告によりまして指摘を受けました直後、建設省といたしましては、昭和五十二年二月、省内に事務次官を長とする公団住宅問題対策委員会を設置しましてこれらの問題の検討を行い、同年八月にその基本的対策を取りまとめ、公団に対しこれを指示したところでございます。これを受けまして、住宅公団におきましては経営改善推進本部を設け、先ほど救仁郷理事から御説明いたしましたように、諸問題解消のための諸対策を講じました結果、逐次改善の方向にあるというふうに考えております。
 しかしながら、新公団への移行に際しましてなお長期保有土地、未入居、保守管理住宅が存在することは好ましいことではございませんので、これらの早期解消と新公団の業務の適正かつ円滑な運営を図りますため、本年三月二十六日、省内に事務次官を長とする公団住宅等事業促進対策委員会を設置し、公団事業等に対します重要な事項について検討し、その対策を講ずることにしたのでございまして、この委員会での検討を踏まえ、公団をさらに適切に指導してまいりたいというふうに考えております。
#165
○原田立君 その委員会は一体どういう仕事をやりましたか。
#166
○政府委員(川上幸郎君) 現在までに一回の委員会と一回の幹事会を開きまして、現在の保有土地である理由、さらには未入居、保守管理住宅が解消しない理由等につきまして公団から報告を受けまして、これをもとにして現在省内でいろいろと対策を協議いたしておるところでございます。
#167
○原田立君 私が心配するのは、会計検査院の指摘を受けた長期保有土地及び保守管理住宅の改善に対して省内に対策委員会を設置し検討をしてきたが、その検討結果は、私の聞いているのでは、ただ二通の報告レポートを提出したのみで、その後どう改善が進展したのか解決の方向も確認されたのかはっきりしない。半月後には委員会は解消している。しかも、その提出レポートの内容自体は住宅公団が検討してつくったものがそのまま報告されている。余りにもずさんと言わざるを得ないんでありますが、私はそう思うんです。
 その結果が、七地区が着工の見通しも持たない、また建物はできても募集できないものが五十団地もあるということで、もう全く無責任と言わざるを得ない。そういう取り組みの姿勢は消極的過ぎるのではないか、こう思うんであります。今回も対策委員会は設置したが、同様な結果に終わるのではないかと心配するんですけれども、大丈夫ですか。
#168
○政府委員(川上幸郎君) 去る五十二年におきましては公団住宅問題対策委員会を設置いたしまして、その結果を二月設置以来八月までに大至急まとめて公団に指示したわけでございます。それ以後におきまして、これらの指示に基づき公団におきましていろいろ努力いたしてもらいました結果、先ほどの長期保有土地で申しますと、二十二地区のうちの十五地区についてはかなりの前進を見たということでございます。しかしながら、先ほど申しましたように、なお七地区残存いたしておりますので、本年三月二十六日、再度公団住宅等事業促進対策委員会を設置いたしまして、関係局を総動員いたしましてこの解決に当たりたいというふうに考えておる次第でございます。
#169
○原田立君 前のようなずさんなことにならないことを望むんです。
 それから、新聞の報道によりますと、六月までには結果をまとめると言っておりますが、作業の進捗状況はどういうふうになっているんですか、いかがです。
#170
○政府委員(川上幸郎君) 先ほど申しましたように、一回の委員会、一回の幹事会を行いまして、現在公団からその概要につきましてはすでに報告を聴取いたし、関係局におきましてこれの促進をすべき事項、たとえば関連公共施設をどのように設置いたしまして未利用地が促進できるか、もしくは線引きの問題等いろいろ各団地ごとに検討いたしております。その成果を六月までに取りまとめたい、このように考えておるわけでございます。
#171
○原田立君 行管は住宅公団もその対象にしている、あるいはその実施状況によっては第二臨調の答申に盛り込むというような報道がされているんだけど、これは間違いないですか。
#172
○説明員(橋元徹志君) 行政管理庁では、現在、公的住宅の建設及び管理に関する行政監察を実施しております。この監察は、最近の住宅事情が、住宅数は三千五百四十五万戸で、総世帯数三千二百八十四万世帯より二百六十一万戸多く、量的には充足しているものの、大都市圏を中心に住宅に困っているとする世帯が千二百五十六万世帯もあるので、このような状況を踏まえまして公営住宅、公団住宅等の公的住宅を対象としまして、住宅の需給状況、住宅の供給体制、公的住宅の建設、公的住宅の管理の各項目について調査を実施しまして、住宅行政の改善に資したいと考えております。
 御指摘の住宅公団の長期保有土地、保守管理住宅につきましては、この監察の中でその実態、発生原因等を調査しておりまして、その解消方策、今後の発生防止対策等について検討したいと考えております。
 次に、第二臨調との関係でございますが、この調査は行政管理庁の昭和五十六年度中央計画監察等予定計画に基づきまして実施しておるものでございまして、監察結果につきましては、第二次臨調の審議、答申とは直接の関係はなく、勧告等の処理を行うことを予定しております。
 なお、この問題を第二次臨調でどのように取り扱うかにつきましては、第二次臨調において決定する事柄ではありますけれども、行政管理庁としては、協力要請があればその段階で十分検討したいと考えております。
#173
○原田立君 日本住宅公団法の中に管理委員会が設置されているわけでありますけれども、管理委員会でのこの土地、住宅の問題について十分なる検討が加えられていると思うんでありますけれども、その点はどうか、これが一つです。
 それから、私がいただいた資料の中には、いま問題にしているような点については検討の状況が見当たらないんでありますが、どの部分が該当するのか、またどのような検討内容が、具体的に説明を願いたいし、管理委員会の議事録等も何か請求したらば、内部資料でマル秘だから出せないだなんというような話だったんだけれども、これはひとつ公開してもらいたいと思うんだが、この二点についてお伺いしたい。
#174
○参考人(澤田悌君) 管理委員会の議決事項と申しますか、それは日本住宅公団法第十一条に規定されておるのでございまして、公団の予算、事業計画、それから資金計画並びに決算ということになっておるのでございます。
 それで、御指摘の長期保有土地あるいは保守管理住宅等に関しましては、これがいま申しましたようないろいろな項目に数字上反映してまいるわけございます。したがいまして、管理委員会におきましては、ただいま申しましたような点の審議決定を求めます場合に、十分報告かつ説明いたしまして、委員からもそれについての質問があり、あるいは要望があり、注意があり、そういう結果十分審議を尽くしていただいておると私どもはそう考えておる次第でございます。
#175
○原田立君 会議録を提出してもらいたいというその点についての返事がないんですが。
#176
○参考人(澤田悌君) この管理委員会は、公団の主宰と申しますか、というのとは少し違うような感じでございます。委員長が指揮をし、委員長が公団提出の資料によって会議をまとめる仕組みでございます。それでただいま私からその議事録を直ちに御提出ができるかどうか申し上げにくい点もございますので、検討いたしたいと存じます。
#177
○原田立君 検討するということですから、しかるべくきちっとしたものにして御返事をいただきたいと思います。
 この土地及び住宅の問題は、多少の進展は認められるものの、満足できる解決には至っていないのが実態であります。将来の対策委員会または管理委員会でも十分論議を尽くし、対応を検討したにもかかわらず解決に至っていないということは、対策委員会や管理委員会の検討が甘かったのか、それとも公団の業務段階に問題があったのか、そういうふうな疑問を私は持つんであります。
 なぜ私がこのように強く指摘するかと言えば、日本住宅公団は今日までの事業を行うに当たり、五十四年度現在で長期借入金に限って見た場合は、借入金は国鉄の五兆五千億円を上回る六兆円以上の借り入れがあるでしょう、総裁。しかも、年間に金利負担も四千四百億円も払っているでしょう。こういう巨額になっている、しかも、このような多額の負担を抱えている一方で多くの問題が未解決のまま残されているわけでありますが、これらはすべて国民の負担増となり状況は一層深刻なものとならざるを得ません。この問題についてはどう対処し、解決していくのか、大臣並びに住宅公団総裁の御見解をお伺いするんです。いいですか。
 一つは、六兆以上もある長期借り入れ、四千四百億円も利息を払っているというそういうずさんさ。
 それから、対策委員会や管理委員会の内容の充実というふうなことをお聞きしているわけです。
#178
○国務大臣(斉藤滋与史君) 委員会の問題につきましては、また総裁の方からもお答えがあろうかと思いますが、とにもかくにも御指摘の向きがやはり懸念されるというようなことを私たちは痛感して、新たなる思いで新発足を願っているものでございます。
 ただ、借入金の問題は、公団の性格上どうしても公的資金で運営されるという性格の問題でございまして、これはやはり国民の住宅ニーズに対する対応を図っていく上からは家賃も低廉にしなければならないという体質上の問題で、これは国鉄の借り入れと同質というようなことで論ぜられないかとも思います。しかし、いずれにいたしましても六兆円という多額、一日に換算して利息だけで十二億五千万くらいになりましょうか、四千四百億ですから。こうしたことに思いをいたしたときに、もう一度公団のあり方というものを総裁初め――われわれもそうでありますけれども、責任を自覚して、やはり国民の大事なお金を借りて、そして国民の方々への住宅という目的ではあろうかと思いますが、有効適切な運用を図っていかなければならない。その責任を痛感するわけで、その点につきましても公団挙げて新発足の場合はひとつ前向きで取り組んでいただきたいし、また、取り組まなければならない責任感を痛感しながら指導してまいりたい、このように考えるものでございます。
#179
○参考人(澤田悌君) 公団の借入金についての御指摘でございますが、これは国鉄とはもう全く意味が違うのであります。国鉄は何か十二兆円以上借入金があるようでありますが、公団の六兆円という借り入れは赤字のための借入金ではないのであります。公団の仕組みの上から政府あるいは民間から借入金をして、それで仕事をし、住宅なり宅地を供給するということでございまして、その償却もしたがいまして賃貸住宅につきましては七十年、分譲住宅でも三十五年というような長い期間の償却でございますので、借入金をして国民のために商品を提供すればするほど資産と借入金は見合って増加するのが公団の仕組みでございます。このことは決して悪いことではないのであります。それが悪いというなら法律を変えて公団のあり方を根本から改める必要があるのでありまして、現在の仕組みにおいては当然の結果がそこに出てきておると私は考えておるのであります。
 ただ、借入金をもって投資した結果、それが果実を生まないような状況にあるというもの、これは大変申しわけないのであります。公団は現在、先ほど来申し上げておりますように、長期未利用地あるいは未入居という問題については全力を挙げてその解決に努力をいたしておるのであります。こういう公団の借り入れシステムそのものがよくないというような誤解が世間にあるようでありますが、これはぜひ解いていただきたい、かように考えておるわけでございます。
#180
○上田耕一郎君 住宅・都市整備公団法案について質問をしたいと思います。
 六年前に政府・自民党は全野党の反対を押し切って宅地開発公団をつくり、発足させたのですけれども、五年半たって住宅公団と一緒にするという法案を出してくるということになりました。そうすると、一体この宅地公団というのは何だったのか、何をやってきたのかという根本問題が出ざるを得ません。六年前の当委員会で私も建設省と論戦をして五つの問題を当時指摘して反対をしました。
 一つは、屋上屋を重ねるのであって、これは天下り組織にならざるを得ないということです。二つ目は、大企業の救済策だ、調整区域の土地を抱えて困っている大企業の土地を買ってやるということになる。三番目は、持ち家政策を推進して住宅政策をさらにゆがめてしまうだろう、坪十万円なんというのはとんでもない、必ず二十万以上になるんじゃないかということを指摘しました。四番目は、都市政策上、大都市に人口集中するという結果を生まざるを得ない。五番目は、自治体財政に非常に大きな負担をかけるであろうという五つの点を指摘しました。五年半たって、私はこの指摘がほとんど的中したのではないかというように思うんです。
 さて、この五年半の実績を皆さん方総括をする段階に来ていると思うんですが、一体建設省は六年前に宅地開発公団をつくるときに、十年間の事業目標として何ヘクタール宅地を造成して分譲するということにしていたのか、この点まずお答え願います。
#181
○政府委員(宮繁護君) 宅地開発公団につきましては、先ほど来お話が出ておりますように、人口、産業の集中のきわめて著しい三大都市圏におきまして、新しい良好な市街地の形成を図りながら宅地を大量に供給することが緊急の課題でございまして、そういう意味で、単に宅地を供給するだけでなくて、同時に、公共施設とか交通施設等の整備につきまして、日本住宅公団よりさらに強力な機能を備えて宅地開発事業を専門的に行う、こういうような機構を設けたわけでございます。
 なお、最初にどの程度の宅地の供給量を目標にしたのか、ちょっといま、直ちに調べましてお答えいたします。
#182
○上田耕一郎君 これは議事録がちゃんとありますし、私も覚えている。当時の大塩計画局長が衆議院、参議院で明白に答えている。昭和六十年までに、東京五十キロ圏、大阪四十キロ圏、名古屋三十キロ圏で三万ヘクタール、七十万戸分の分譲をするということを何度も答えた。三万ヘクタールですよ。さて五年半で実際に供給した面積は幾らになっていますか。
#183
○政府委員(宮繁護君) 現在までのところ、五十五年度末までの五年間に七地区、四千五百ヘクタールの事業を実施いたしております。ただし、非常に大規模な事業でございまして、長期間の地元その他との協議の期間等を要しますために、現在までのところ供給いたしました宅地の面積は、約百ヘクタールの住宅用地と公益施設用地を供給しているところでございます。
#184
○上田耕一郎君 約百ヘクタールと言われたけれども、そのうち千葉ニュータウン四十七ヘクタールなんですね。これは千葉県がやったのに途中乗ったんで、宅開公団がやったという事業に入らない。厚木が三十五ヘクタールありますけれども、これは業務用の分譲で、そうしますと一般分譲はまだゼロなんです。私、先日のこの委員会で下水道整備の改正案で、下水道普及率の達成が、何といままで五カ年計画を何回やっても二割から三割の打率だ、野球なら三割の打率を誇れるけれども、下水道の普及率が二割、三割ではどうにもならぬと言いましたけれども、上には上があるんですね。三万ヘクタールを十年間でやるというお約束だったんだが、五年半たって百ヘクタール弱です。これは〇・三%なんで一%にも達しない。実際に一般分譲はゼロです。ゼロ%というのが五年半たったあなた方の実績なんです。やっぱり国会でこういう目標を聞くと、十年間に三万ヘクタール、坪十万円、七十万戸というようなことを何回も何回も繰り返して答弁される。しかし、実績は五年半たってみると一%に足らない。一般分譲はゼロだ。大規模なものでこれからと言うんですけれども、大規模なものでも、私これから実態を言いますけれども、話にならぬです。こういう口から出任せを国会でどんどん答えて、後は野となれ山となれで、五年半たつとまた統合というようなことでは、本来なら責任問題だと思うんです。志村総裁、責任をどうお感じになっていますか。
#185
○参考人(志村清一君) 私も定かに覚えておりませんが、たしか宅地開発公団法が御審議になったときに、六十年度までに三万ヘクタール手をつけたいと、着工面積だと存じます。手をつけましてもすぐにでき上がるわけじゃございません。非常に大規模なものでございますから、何遍も申し上げているように、懐妊期間の非常に長い仕事でございまして、事前に十分各方面と連絡をとり調整をとらぬと、後で使えなくなる土地になるというふうな問題が起きますので、こういう大規模事業というのはあらかじめ十分調査をする、調査をしながらやっていくというところに本当の意味があるんじゃなかろうかと私は考えております。
 御指摘のように、私どもの実際供給した宅地面積が、私の計算では百五ヘクタールでございますが、千葉ニュータウンでそのうち六十三ヘクタールほど、厚木で四十二ヘクタールという面積でございます。仰せのように、千葉は一番初め千葉県が手をつけたわけでございますので、われわれが一緒に始めてから供給した面積だけを申し上げております。千葉県が独自でやっていたときからずっと通算いたしますと二百六十三ヘクタールの供給をいたしております。また、着工も大きな仕事でございますから、一年に何カ所も一遍にできません。五十一年に竜ケ崎、五十二年に千葉、厚木、それから五十三年に名塩ニュータウン、五十四年に和泉ニュータウン、さらに八王子ニュータウンというふうに逐次手をつけてまいりましたので、しかも先ほど来申し上げておるように非常に大規模であり、懐妊期間が長い、事前の調整を十分やらにゃならぬということで、これからだんだんに実りを上げていく時期だ、かように考えております。
#186
○上田耕一郎君 さて、幾つかの団地名をお挙げになりましたので、私も首都圏の幾つかの団地を実地調査もして、一体何をあなた方はやってきたのか、どうなっているのかということを調査しました。いま総裁の言われたまず竜ケ崎ニュータウン、これは日本住宅公団が最初手をつけたものを引き継いだので、澤田さんのところも責任があるんですが、これは京成電鉄と丸紅がゴルフ場として買った土地を住宅公団が買って、農民並びに地主の非常に大きな反対運動があって、千二百人もの請願が出てくる中で市議会がこれを押し切るという状況で開発が進んでいったところです。ようやく近く宅地開発公団の一般分譲第一号、ことしの秋ですね、秋におやりになるというところまでこぎつけたというのですが、この計画の進行状況には満足されておられますか、総裁いかがですか。
#187
○参考人(志村清一君) ただいま先生から住宅公団が手をつけたときにいろいろ地元から反対があったというお話でございますが、私どもが住宅公団からお譲りを受けまして、五十一年から手をつけておりますが、その間いろいろ地元とも十分接触をいたしておりますが、市も地元民もむしろ早くやってくれというふうな御要請が強いようで、空気としては宅地開発公団の竜ケ崎ニュータウンをどんどんやってほしいという御希望が強いように私どもは承知いたしております。また、これも竜ケ丘、北竜台、この二つの住宅団地とそれから工業団地合わせまして八百ヘクタールの仕事でございます。
 住宅団地につきましては区画整理事業でございまして、地元の地主さんと共同で仕事をしていくわけでございます。その意味で地元といろいろ接触をし、工事の段取りとか事業計画を決め、さらに最近におきましては区画整理でございますから換地をやらにゃならぬので、いままで持っていた土地が別に移るわけで、よりよい土地に移るわけでございますが、そういう換地計画もできまして、地元の皆さんにもお示しをするという段階でございます。そして工事の方も逐次進みまして、先生御指摘のようにことしの秋やっと三百戸足らず分の宅地分譲が可能になるという段階になっておりまして、徐々ではございますが、相当の成果を上げている、かように私は考えております。
#188
○上田耕一郎君 これは住宅公団にお聞きした方がいいかもしれないんだが、京成並びに丸紅から大体坪幾らでお買いになりましたか。
#189
○参考人(澤田悌君) ただいまの買収価格の件でございますが、現在志村総裁の方でなお鋭意用地取得交渉を続行中の部分がございます。そういうところの影響を考えますと、こういう席でわれわれが幾らで買ったというようなことを申し上げるのはいかがかという感がいたしますので、御遠慮いたしたいと思います。
#190
○上田耕一郎君 地元では大体知っているんですね。京成、丸紅がゴルフ場用地で買ったときは大体反十二万円、もう農民はよく知っているんです。坪大体四、五百円ですね。坪四、五百円でゴルフ場用地に買った。住宅公団が買ったときは大体坪大千円から七千円という数字を地元の農民たちは言っております。そうすると大体二十倍近くの値段で買ったのではないか。これで地価の値上がりもありますが、京成、丸紅にはやはり二、三十億円のこの土地転がしで利益が転がり込んだのではないかというふうに地元では言われております。こういうことをやりますから高くなるわけですね。
 さて、九月に分譲する、これは建て売り住宅になるんですね。もうお聞きすると長く答えられますので私申し上げますが、二百九十区画、十ヘクタール分譲しまして二百四十四戸です。県公社なんかがやっておるのがありますけれども、百三十七戸、過半数六割は大手の建設業者、東急不動産、三井不動産、ミサワホーム、積水ハウス、細田工務店、これが上物を建てて建て売りをやるわけです。だから高く買ってやった上に大手の建て売り業者に建て売りをやって、それで建て売りの肩がわり開発を結局宅地開発公団がやっているみたいなものですけれども、この分譲価格は大体どのぐらいになる予定ですか。これは言えるでしょう、もう秋にやるわけだから。
#191
○参考人(志村清一君) 土地の分譲価格につきましては、二十万円程度、平米六万円、三・三平米、昔流で言いますと坪二十万円弱というふうなことで考えております。
#192
○上田耕一郎君 いま安いところで二十万月、いま安いところをおっしゃった。高いところで二十五万円です。家つき約二千百万円から二千五百万円、こういう分譲をやるんですね。だから五年前にお約束の坪十万円よりははるかに高い。これはまことに不便なところです。常磐線の取手の先の佐貫というところで、もう通勤電車も通らないというところで、日中などは一時間に一本しか汽車が行かないという大変不便なところで、このパンフレットを見ましても駅から入り口まで歩いて二十分、団地の一番近いところまで二十分かかるのですよ。そこからずうっと広がっているというところです。これは写真があります。もう緑もほとんどありません。全く茫漠たる農地を造成してあって、これは一体入る人がいるであろうかというのがもっぱら地元の評判です。交通もきわめて不便です。しかも価格もきわめて高い。この佐貫駅近くの建て売り住宅でも二千五百万円でやっているんですからね。こんな不便なところで、それだけのもので一体できるであろうか、人が行くんだろうか。売れなかったら、半年たてばこの土地はミサワホームその他の大手業者に渡すこともあり得るという話ですけれども、そういう事実もあるんですか。
#193
○参考人(志村清一君) 大変御心配をいただきまして御配慮ありがたいと存じますが、この付近で民間で宅地を造成して売っておるのが、大体わかりやすく坪で申し上げますが、二十五万円ぐらいと私は承知いたしております。しかもその整備状況は、私の方は自慢を申し上げるわけではございませんが、当該団地の周辺の河川、道路、上下水、そういったものを全部整備いたしておりまして、中にも緑地その他を十分とったきわめて環境のいい住宅地と考えております。先生お写真を撮られたところは造成の最中でございますから、造成の最中は木を植えられませんので、裸になっているのはやむを得ないことだと存じます。そういうことで、私どもの平米六万円、坪二十万円弱の土地は一般の価格から比べて私は格安である、宅地開発公団としては相当の価格であろうかと、かように考えておる次第でございます。
#194
○上田耕一郎君 総裁は事実を知らないんです。大体この計画、最初の計画の半分に減っちゃったんです。工業団地というのはもう大体誘致される企業は恐らくないだろうと言われているんです。まだ買収も済んでない。三つに分かれてしまったという状況です。しかも土地の値段はあなたは付近より安いと言われましたけれども、この計画では小学校八校、中学校四校、高校二校をつくるはずだった。高校をひとつ建ててくれという。ところが、その県の高校は坪二十万を半値で十万で売るからという話でも、これは高過ぎて困るというので、あきらめて別のところに坪一、二万円の土地を買って県立高校は別のところに建つんです。こんな高い坪十万の校庭なんか買えないというので、坪一、二万のところが近くにあるわけです。そこへ県立高校は行ってしまったということで、総裁、そういうことをおっしゃるけれども、ここで水かけ論をしていてもしようがないけれども、私はこれは暗い見通しの大変な失敗の計画だろう。今後の実績が私は下すだろうと思うんです。
 さて、いまのは住宅公団を引き継いだ竜ケ崎団地で、これは私はきわめて惨たんたる状況だと思うんですが、次に宅地開発公団初の自主事業だと言われた神奈川の厚木ニュータウン、森の里ニュータウンというのがあります。これも住宅公団から買ったのではなくて、今度は日本ランドシステムというやっぱり民間企業、これはつぶれかけたもう破産直前の日本ランドシステム、長期信用銀行系の不動産会社だったのですね。これから買っていま造成中であります。これは確かに造成はなかなか進んでおりまして、誘致企業も青山学院、それから電電公社、富士通と、学校が一つ、企業が二つもう決まりまして、誘致企業についてはすでに着工が電電公社などは始まっております。しかしここにも非常に大きな問題があると思うんです。私の指摘した問題は、やっぱり企業の救済になるんじゃないか、これはもう救済どんぴしゃりですよ。日本ランドシステムというのが非常に、県が開発を凍結したために開発不能で悪化して倒産近くまでいってしまった。前の神奈川の知事の津田知事がおやめになる直前に開発許可をおろされた。そのころから宅地公団との話が始まって、昭和五十二年度から買収が始まったと言われます。全体が二百七十三ヘクタールなんですが、これは買収価格は幾らでしょう、これはもう公表してもいいんじゃないかと思いますが。
#195
○参考人(志村清一君) 厚木ニュータウンにつきましても、ただいま若干の買い増しを考えております。価格につきましては、五十二年当時の鑑定評価の価格の大体八割程度でございまして、企業からも相当勉強してもらったというふうに私は考えております。
#196
○上田耕一郎君 百五十億円でいいんですか。
#197
○参考人(志村清一君) そのとおりでございます。
#198
○上田耕一郎君 この価格はざっと計算すると坪当たり二万八百円で、山林の素地価格としては非常に高いと思うんです。鑑定価格の八割だとおっしゃるけれども、さてこの日本ランドシステムの方はじゃ幾らで買ったかというと、当時の石井市長が記者会見で述べたところによりますと百十六億円で買ったというんです。すると三十四億円が破産面前の会社に転がり込んだんですよ。さて、この市長が言った百十六億円という価格も、これ私はかなりまゆつばものではないかと思うんです。そういう意味で、かなり企業救済の色彩が非常に強いというふうに思うんです。
 それで一つお伺いしますけれども、天下り問題も指摘したんですが、当時の津田知事時代の神奈川県土本部長中野さん、この方は五十年九月に宅開公団の理事になられたといいますが、事実ですか。
#199
○参考人(志村清一君) 中野理事は、公団開設のときに理事に就任いたしました。
#200
○上田耕一郎君 事業担当の理事だそうで、私はこの開発関係と関係あるだろうと思います。初の自主事業といって日本ランドから買ってあげて三十四億円ポンと、あるいはそれ以上でしょう、お金を出してあげた。そのとき県の土本部長が事業担当の理事として入られたということから見ましても、私は癒着の疑惑も非常に強いと思う。
 さて、長洲知事になりましてから、ここのことで宅開公団と長洲知事との間で協定が結ばれております。これは日本ランドシステムと住民との間で前から大きな問題になっていて、緑地化率が非常に強い要求だ、緑地を残してほしい、六三%、約六割の緑地をここに残そうということで、日本ランドが住民との間で協議をしたものです。それで神奈川県知事と志村さんとの間で要望書と回答が両方出ています。これには志村さんの方がちゃんとこれお約束をされていますな。緑地の六割以上、緑被比率は六〇%以上確保して地区内の豊かな緑を保全するというお約束をされて、県知事の方もそれを厳しく要望しております。表がついておりますが、六三・二四%、「土地利用表」というのがありますね、これは守っておられますか。
#201
○参考人(志村清一君) ちょっと先生の御発言で違ったところがございますので修正さしていただきます。
 中野理事は事業担当ではございませんで、公共施設関連の理事でございまして、つい先ほど事業担当の理事がやめましたので、そ後を襲っのた、こういうことでございます。
#202
○上田耕一郎君 当時はじゃ事業担当だったんでしょう。
#203
○参考人(志村清一君) いいえ、違います、関連施設担当でございます。
 次に、お尋ねの緑地の問題でございますが、長洲知事さんも緑の多いニュータウンをぜひつくりたいという御希望でございました。私もひとつモデルとしてそういうものをつくりたいというふうに考えましてお約束をいたしております。
 計画では、大体公園がほぼ三一%、これは若宮中央公園、児童公園、それから森林公園、小町市民公園というので約三一%でございます。それから緑地で愛名緑地等々で二一%、これだけでほぼ五二%近くございます。そのほかに、調整地等もこれを緑地として上手に使いたい、周りに木を植えたりいたしまして、考えていきたい。それから、先生もお詳しいようでございますが、緑道等を大分縦横に通しております。それから、一般道路についても緑化を相当やっていきたいというもの等、それから学校教育施設も緑にしていきたいというのを加えますと、六〇%を超えます。
 ただ、私は考えますのに、こういう町の環境をよくしていくのは、つくる者がただ緑を多くする、公園を多くするということだけではだめでありまして、中に住む人が自分たちで緑をつくっていくというふうなお考えがなくてはなかなかいい町はできない、さような意味におきまして、住宅用地等につきましても緑化協定をつくりまして、そして緑化をしていくということに御賛成の方にお譲りをいたしていったらどうか、これは緑地保全法等に定められておる規定でございます。緑化をしていくというふうなことを考え合わせますと、六三%を超えることが可能であると、かように存じております。
#204
○上田耕一郎君 なかなか総裁、正直ですね。いま住宅にも緑をつくってもらうんだと言われたけれども、それを入れて六三%にあなたはしちゃったわけだ。県に出した「土地利用表」では、「公園・緑地」で百四十三ヘクタール、これ五二・五%となっているんです。「公園・緑地」だけで五二・五%、それで全体で六三%。それがこのパンフレットを見ますと、「公園・緑地」は四二・三%、一〇%減らしちゃった、百十五・六ヘクタール。それで六三%にするのに個人の庭の芝生まで入れて、飛行機から見れば緑に見えるという程度のことをあなたはしている。「公園・緑地」、県と約束したこれを一〇%もヘクタールを減らした。約束と違うじゃありませんか。
#205
○参考人(志村清一君) それは約束を違えておりません。
 緑地のうち、私は誘致施設用地の連中、大学とか大きな研究所とかいう連中も、先ほど申し上げましたようにそこの中の住民も緑に協力すべきである。そこで自然緑地をその誘致施設に来ました連中に買ってもらいまして、自然緑地として管理してもらうということをやっておりますので、公園が先ほど申し上げましたように三一%、緑地は資料のとおり二一%ございます。
#206
○上田耕一郎君 とにかく県に渡したこの資料の数字、「公園・緑地」の数字とあなた方が明らかにしているこのバンフの中の数字と明白に違う点は、私は今後もきっちり追及する必要があるし、もし事実が違えば責任をとっていただきたいと思う。
 もう一つ、公団総裁が地元といろいろ協議しまして、五十一年に四つの地区との関連事業の協定を約束されています。これはどうなんですか、もし新しい公団になった場合、この地元との協議事項はすべて義務、権利は引き継ぐということになっているので、新公団が地元との約束は全部引き継いで実行するということをお約束になれますか。
#207
○参考人(志村清一君) それらにつきましては、県、市との下打ち合わせあるいは協議などにおいても盛り込まれておりますので、当然新公団においても義務としてあるものは履行するということになろうかと存じます。
#208
○上田耕一郎君 これはひとつしっかりやっていただきたいと思います。
 さて、この厚木ニュータウンについて少し新しい問題が生まれていると思いますのは、厚木市の都市開発部長がこういう話をしている。いま誘致企業の工事が始まっています。これから一般住宅用の分譲の整地その他を始めて、やろうというんだが、この事業計画が変わるかもしれぬという話をされているということです。その際には事前協議をやる、これは県とということになるんでしょうが、それが今度の住宅・都市整備公団法の成立と絡んで事業計画が変更になるかもしれぬという話を言われているというんです。これは私は、この新公団法の性格とも一つかかわってくる大きな問題だと思うんですが、この厚木パークシティーの開発についての日本ランドシステムの五十二年の文書を見ますと、電気通信研究所なんかも入れる、これらの従業員の居住する住宅地を一団地にしたものというので、職住近接の団地を日本ランドシステムは考えていた。で、電電公社、富士通などが来たわけです。そうしますと、いままでの宅開公団法だと、これは住宅用の宅地開発ですから、全部たとえば企業用の職員住宅を宅開公団がやるというわけにいかなかったんでしょうが、この新しい公団法第一条の目的からくると、これはいろいろ変わりができていますので、どうですか建設省、もし事業計画を変えて一般住宅ではなくて職員住宅という団地にするということも新しい公団法によれば可能になるんでしょう。
#209
○参考人(志村清一君) 誘致施設用地として青山学院大学とか電電研究所とかいろいろ来ております。まだそちらの方から詳しいことは聞いておりませんが、場合によってはそこに勤務する人の住宅を厚木の地区内に何とか譲ってくれないかという話が出るかもしれない、かように存じます。もしそういうような場合には、県、市と相談をした上でなければそういう措置はとれない、かように考えております。
#210
○上田耕一郎君 総裁のお返事を見ると、そういう話がもうすでにあるということですね。
#211
○参考人(志村清一君) いや、ありません。
#212
○上田耕一郎君 ありません。――あったらしかし考えるかもしれないというような態度なんですな。これは今度の新しい公団法になるからできるんでしょう、どうですか、建設省。
#213
○政府委員(豊蔵一君) 宅地開発公団の場合には住宅の建設あるいは賃貸、分譲というのはないわけでございますが、現在の日本住宅公団は一般的に住宅の建設、管理を行います。この両公団が統合されまして住宅・都市整備公団となるというようなことになりますれば、宅地開発公団ができなかった住宅建設とその管理というのは当然この公団ができるということになるわけでございますが、ただ、具体の内容につきましては、私どもいま宅地開発公団の事業の内容について細かく承知しておりませんので、ケース・バイ・ケースのことかと思っております。
#214
○上田耕一郎君 やはり今度の法律でそういうことが可能になるんですね。恐らく企業側はそういうことを知って厚木市の方にあるいは話がいっているのかもしれない。そうすると、厚木市の部長がそういう企業側の意向も受けて、実はこういうことになるかもしれぬ、その際には事前協議が必要になるというような話をしているという話がある。ここにも私は今度の公団法の重要な問題の一つが浮かび上がっているように思う。あの近くには三井から口産に移って、テクニカルタウンかな、そういう大きな研究所のシステムをつくられるようになっていますね。やっぱりこの厚木ニュータウンも一般のそれこそ住宅に困っている勤労者のための団地にならないで、そういう大企業の職員住宅になるという可能性も私あるのではないかと思う。
 さて、五十二年三月二十五日、この厚木ニュータウンの宅開公団肩がわりが決まったときに、日経の夕刊がトップで記事を書いている。そこにどう書いてあるかというと、「民間企業の中には、当面開発の見通しが立たない土地をかかえて、経営が悪化しているところがかなりあり、今回の交渉妥結で宅地開発公団に対して保有土地買い上げ要請が強まることになろう。」ということを日経は書いたんですね。ははあ、宅開公団というのはなるほどこれは使いでがあるというので、あの土地開発ブームの中で市街化調整区域を買いあさって金利負担で困っているところがいろいろ動き始めた。要請を強めていくだろうということですね。
 さて、きょう午前中にも問題になった八王子ニュータウン、これは小田急、京王、興和不動産の三社が計画面積三百九十ヘクタールのうち約四分の三を持っているというところだと思うんです。だから私は厚木ニュータウンで買い上げ要請は強まるだろうと、さてその次に八王子ニュータウンでしょう。これは小田急、京王、興和不動産から買い上げ要請は宅開公団にあったんですか。
#215
○参考人(志村清一君) 八王子は確かに興和、小田急、京王帝都の三社が大分土地を持っておりますが、それから私の方に買ってくれという話はございませんで、私の方からむしろ買いたい、かように言った状況でございます。
#216
○上田耕一郎君 これも買収価格はいま買収中なので言えないというお返事だろうと思いますが、われわれの調査を一応述べておきますと、企業がこの区域を買いあさった当時の価格は、かなり地域差ありますけれども、坪当たり五千円から七千円ぐらいだったと、そう地元で言われている。それで、宅開公団の買収価格は大体坪当たり二万五千円から三万円ではないかというように言われている。買い占め企業の買った価格の利子その他もありますけれども、三倍から六倍ぐらいの価格ということになっていると思うんです。これを土地区両整理でおやりになるということで、私はこういう東京の八王子の非常に大部なところで、そこの企業の持っている調整区域の土地を買い上げる、で、おやりになるんだが、本当にこれは大手資本に開発利益をころがし込む事業の結果にならざるを得ないと思うんですが、この三つの企業が持っている土地の全面買収を目指されるつもりですか、それとも四割ぐらいでとどめるつもりですか。
#217
○参考人(志村清一君) 私ども区画整理を考えております。これは地元の方の要請で区画整理でやってほしいということがございまして区画整理で考えておりますが、三社の土地はできれば全部買いたい、かように考えております。
#218
○上田耕一郎君 全部買える見通しはありますか。
#219
○参考人(志村清一君) 区両整理の土地に関しましては土地収用の権限はございません。したがって、向こうさんがどうしても売らぬと言えば買うことはできません。
#220
○上田耕一郎君 六年前、私こういう問題で聞いたとき、当時の大塩計画局長は、区画整理の場合は大体四割買うんだということを答弁されているんですね。区画整理法にはいまおっしゃったように土地収用の規定がない。再開発法でやれば強制収用ができる。しかし区画整理ではできない。全然買わないとうまくいかないので四割は買わなきゃならぬ、大体四割いつでもやっているということを大塩計画局長が答えられている。それで収用規定はありませんから、そうすると、企業側がとにかくがんばって半分ぐらいは残そうとすると、これはもうやれない。それを集合換地して減歩するわけでしょう。そうすると、私あの質問でも言ったんだが、やはりこういう大企業の手に大体三割ぐらい残るんです。それが開発したおかげでモノレールも走るかもしれぬというので値上がりするわけです。横浜線の新駅中心、これは大資本が早くも買い占めを始めているんです。そういう経過がもう早くも動き始めていろということを私は警告しておきたいと思うんです。
 私は、これまでの質問で三万ヘクタール、これは手をつける約束だったんで供給じゃないとおっしゃるけれども、手をつけたんだって四千ヘクタールでしょう、三万ヘクタールの目標で。その程度なんですね。供給面積については先ほど指摘しましたように実際上ゼロに等しい。それで天下りの問題から企業に対する救済から、あらゆる問題がやっぱり私どもの指摘したとおりに動いてきたというように思うんです。それで、五年半たってこれだけの仕事しかしないのに理事は十人いらっしゃって、約一億三千万円の給与を十人の理事が毎年お取りになっている。何のために本当につくったのかと思いますね。これだけの仕事を、千葉ニュータウンは県と一緒、竜ケ崎は住宅公団から引き継いだ、厚木はランドシステムから引き継いだというような程度のことをちょこちょことやって、五年半かかってそれだけの金を使って、今度はまた解散で統合する。本当に何のためにこういうものをつくったのか。野党が全部そろってあのとき厳しい批判をした、これが私は当たっていると結論として言わざるを得ないと思うんです。本当に私は、官僚仕事でいかなることをおやりになるかという一つの典型が今度の宅開公団だったと結論せざるを得ません。
 私どもはこの五年半の経過に対する総括から、今度の新公団法の問題についても、住宅公団法の一部改正によって宅開公団を住宅公団に統合していくということがやっぱり適切だと思うんです。大体この法律を見ても、ほとんどの法律は住宅公団法そのままです。それに宅開公団の法律をつけ加えて、あと都市再開発に関する新規のものを二十九条に十五号以下つけ加えてあるという性格のものです。しかも重大なことは、多くの委員も指摘しておりますように、そのかわり第一条の目的から「住宅に困窮する勤労者のために」という非常に重要な、日本住宅公団法が最初できたときから理念として掲げていた目的が取り去られるということになってきて、ここに公団自体の性格の変化、変質が生まれるのではないかと危惧が出ているわけなので、私どもは、住宅公団法の一部改正によって宅開公団を解散し、住宅公団に統合する、その際、職員はもちろん優先的に住宅公団に採用するという手続をとっていくことがやっぱり国民の望む方向だろうと考えております。
 さて、きょうは参考人の方にもお二人来ていただいておりますが、われわれは日本住宅公団法に定められた「住宅に困窮する勤労者のために」公共住宅を大量に供給していくという大きな任務は変えてはならないと思うんです。最近、ロンドンで住宅、都市問題の国際シンポジウムが、日本とヨーロッパの学者で開かれたという記事が先日の毎日新聞に出ていました。ここでも石油ショック以降、財政危機のもとで、各国政府が持ち家政策に転向し始めた、そのために勤労大衆の福祉を損ねているということが大きな問題になった。住宅人権宣言というのが出ている、この国際シンポジウムでもそういうヨーロッパの教訓からいっても、この持ち家政策に傾斜して公共住宅を縮小している、こういうのはやっぱりまずいということがシンポジウムの結論にもなっているということが記事に載りましたけれども、私どももこの点を一番危惧するものです、
 それで、賃貸住宅はこの委員会でも何回も後退傾向を問題にしてまいりましたが、四十五、六年当時年間五万戸の賃貸住宅の発注があったんですね。この数年間計画戸数が一万戸を割った。五十四年度を見ますと一万戸の計画です。一時の五分の一です。ところが、発注戸数は三千六百九十六戸で、何と三分の一に下がっておるという数字があります。五十五年度、これは計画一万戸ですが、五十五年度の発注戸数はどのぐらいだったでしょうか。
#221
○参考人(救仁郷斉君) 三月末までの発注が約二千六百戸ということになっております。
#222
○上田耕一郎君 そうすると、五十四年度が三分の一で五十五年度は四分の一なんですね。計画も一時の五分の一に減って、その上その計画の四分の一しか発注していないという状況です。こうして分譲住宅と賃貸住宅の比率はもう完全に逆転している。これは日本とヨーロッパのロンドン国際シンポジウムのこの宣言にも反する傾向が日本でもどんどん進行しているということになると思うんです。それで今度のこの住宅・都市整備公団法、これがもっと下がるんじゃないかということを私たちは憂える。
 当初、とにかく名前には住宅という名前が入ってなかった。日本都市整備公団法ということになっていた。去年委員会で質問したとき、いや、住宅を入れることに最近なりましたと建設大臣が答弁されたんです。とにかく当初は住宅という名前さえない、都市整備公団法。これが途中で自治協並びに目住労の共同声明その他で非常に大きな運動が起きて、これはやっぱり考えざるを得ないというので、運動の圧力でやっと名前に住宅が残ったということでしょう。しかも、新しい事業として都市再開発が入っている。衆議院でも参議院でもこの委員会審議では、これは業務型再開発だということを何度も御答弁になっている。業務型再開発がでんと座るわけでしょう。そうすると、これはどうなるんですか、人間はいまの日本住宅公団と宅地開発公団を一緒にするわけですな。そうすると、全く新しい業務型再開発という仕事を新しい公団がやるわけですね。そうするといままでの職員はそこにかなり移すわけでしょう。これからの計画で、たとえば四、五年を見通して今度二億円調査費をつけたというんだが、そのつけた調査費があちこちこうふくらんでいって実際に事業にかかっていくとき、新しい公団の人数のうち業務型再開発部門には何分の一ぐらい最終的には移っていくと見ていらっしゃいますか。
#223
○政府委員(川上幸郎君) 職員の定数の問題につきましては、この法案成立後関係省庁と協議いたすことになりますが、いまの定数の基本的考え方は、合併によりまして生じます共通部門、総務、経理等の部門を新しい業務の業務型の再開発、それから公園業務等に振り分けようという考えでございます。
 なお、初年度でございますので、調査費二億円ということでございます。それで、加えまして現在公団は住宅建設に伴います再開発事業をやっておりますので、これらの職員はおるということでございますので、行政改革の上からも切り詰めた職員を業務型再開発の方に回してまいりたい、このように考えております。
#224
○上田耕一郎君 そうすると何分の一ぐらいになるんですか。
#225
○政府委員(川上幸郎君) 職員数につきましてはこれから決める問題でございますので、いま早急にはお答えいたしかねますが、それほど多くはない数字を目下考えております。といいますのは、現在おります住宅関連の職員の方々でかなりの分は賄えるんではないか、このように考えております。
#226
○上田耕一郎君 それで、再開発部門が目下のところとちょっと言われたんで、やはり目下と、目下余り多くしたくないと、それでだんだん広がっていくとふえていくということになるだろうと思うんですね。まあしかし明言はできないと、目下余りふえないという言い方をされる。
 それで、去年の五月十三日のこの委員会で私は、朝日の報道を取り上げて質問しました。競争原理を導入するというので、団地サービス以外にも広く他の民間業者の育成その他をやるとか払い下げ問題も出ているというような報道があったのでお聞きしたところが、局長はそういうことはないと言われた。丸山官房長は答弁してくださって、「その記事は課長補佐段階であらゆる問題を検討いたしましたときに出た問題」だという答弁をされました。再開発事業を進めていくということになると、将来人間がそっちへ行く、そうすると住宅部門を撤退するとい傾向が出るか出ないか、これは出てはならぬというふうに思うんですけれども、管理を民間に委託するとかいう方向ですね、この課長補佐段階で検討したときに出たと、朝日にも報道された、こういうことは一切ないということを言明できますか。
#227
○政府委員(豊蔵一君) 住宅公団の役割りは、たとえば第四期住宅建設五カ年計画におきましても、これからの五カ年間で二十万戸の住宅建設を期待しているわけでございます。それは当然のことながら新公団にもその役割りは引き継がれるわけでございますので、私どもといたしましては、今後の住宅政策を推進していきます上で、住宅公団から今度統合されて住宅・都市整備公団となりましても、その住宅・都市整備公団に対する役割りというものは非常に大きなものがあるというふうに考えておりまして、従来と変わりはございません。
 また、公団住宅の管理につきましても、住宅公団から新公団に変わったからといって特に変更は全然ない、基本的には従来のとおりで指導していくというふうに考えております。
#228
○上田耕一郎君 さて、賃貸住宅六十万戸あるわけですけれども、その管理問題というのは非常に重要な問題になると思います。この管理で、住んでいる居住者とそれから公団との関係も非常に大きな役割りを果たすと思うんですが、おいでいただきました岡田参考人、御苦労様ですが、居住者はどのくらい公団自治協の会員になっておられるか、その現状をまず御説明願いたい。
#229
○参考人(岡田隆郎君) お答えさしていただくに当たって、きょうこの機会に発言の機会を、前回はうちの代表の一人である工藤代表幹事、きょうは事務局長の私をお呼びいただいた委員会に感謝さしていただきます。
 また、きょうは、これからの新公団はどうなるんだろうということで居住者は大変関心が高く、関東近県はもとより、遠方大阪などからも傍聴にたくさん詰めかけさしていただいていることも報告さしていただきます。
 いまの御質問ですが、賃貸住宅約六十万戸あるうち、市街地で俗にげたばきなどといろいろ言われますところはなかなか自治会がつくれないとかあるいはつくりにくいとかいうことで、私たちの調査ではほぼ四十万世帯ぐらいに自治会があるというふうに見ております。その中で、現在全国の公団住宅自治会協議会、公団自治協と申しておりますが、ここには約三百五十団地自治会、約三十五万世帯が加盟しております。
#230
○上田耕一郎君 公団との関係は後ほどお伺いしますが、この各単位自治会とそこにある自治体との関係ですね。自治体の行政との関係ではどんなふうになってますか。
#231
○参考人(岡田隆郎君) これも団地の規模によりましていろいろな自治会がありますが、一つ五百戸以上とか千戸とか、一日見て集団集合往宅だというような体をなしているところを中心に申し上げますと、そこの自治会はほぼ地域の町内会等とも当然手を組みいろいろ行事等を行い、あるいはまた、行政体とのタイアップでいろいろ補助金等も受けながら一定の行政の自主的なお手伝いをするというようなことも、この補助金を受けることのよし悪しの議論はないではありませんが、そういうふうなことで地方公共団体からはもう当然公認の団体として扱われ、また、自治会を通じて民生委員の選出だとか青少年教育委員の選出だとか、こういう半公的なこういうものをほぼ自治会を通じて人選するとか、これに準ずるかっこうで扱いを受けているのが大半の状態です。
#232
○上田耕一郎君 これまでの自治協の運動の経験から言って、今度、新公団法をいま審議しているわけですが、これが通過すれば新公団発足になる、われわれは反対の立場ですけれども。その新公団が発足した場合、六十万戸の住宅の維持管理あるいは修理等々の問題で公団との関係でどうあるべきかということについて御意見を聞かしていただきたいと思います。
#233
○参考人(岡田隆郎君) どうあるべきかということを考えるにつけましては、これまでどういう点で公団と居住者の団体が信頼関係を持ってきたか、そういう経験があるか、その中でそれをどう生かしていくことが好ましいか、こういうふうに考えますので、若干過去の経過の特徴点を見さしていただきますと、住宅公団ができ始めたのは昭和三十年代でありますが、だんだんあちらこちらに団地自治会ができたというようなことで、昭和三十年代の後半あるいは昭和四十年の入り口でありますが、細かい話というか実例の話になりますが、公団当局が集会所の料金を大幅に上げるというようなことで大変いろいろ疑問が出ました。そういう中で公団と各団地でいろいろ話し合っていてもらちがあかないというようなことで、私たちは一層力を強めまして、また公団も、現場で一々営業所や支社に来られても全体の制度の問題である、どうか本社の方で自治会協議会と公団で話し合ってくれ、こんなふうなことがありまして、昭和四十年代の初頭から結果的には毎年、これは非常に具体的なんですが、隔月の第四水曜日の夜に公団の理事者の皆さんあるいは管理担当の職員の皆さんと私たち全国の代表が懇談会を持つ。私たち交渉と申しておりましたが、任意団体ですから呼び名は何でもよろしいですが、懇談会を持つということをずっと続けてまいりました。
 そういう過程で、集会所の料金の問題もそれぞれ立場がありますから円満に一致したかどうかは別としまして、住民としての意思統一はそこを通じて公団にお伝えしたというようなことがありまして、それ以後いろいろ団地内の共用部分の維持管理経費に当たる共益費、これがまた平均しますと三年に一回ぐらい団地別に積算され、いろいろこういう物価、公共料金の値上げの反映等もありまして料金が改定になる、値上げになる。こういう時期には団地ごとの話し合いもあり、またこれも一定のルール、基本の問題がありますので、制度的な問題はでは本社でやってくれというようなことで、共益費問題等を通じて昭和四十年代の前半は、この話し合いが非常に現場ではいろいろな感情問題が入ったりぎくしゃくすることもあったとしても、全体としてはこの公団自治協加盟団地はそこで意思を統一して公団と話し合っていくというようなことで、お互いのいい意味の信頼関係がずっと築かれたことが歴史的にございます。
 そういう延長上に、たとえば住宅の狭さ、昔の団地は2DKで団地サイズというようなことで狭くて困るというようなことで私たちいろいろ要望を出しまして、テラス住宅の増築の方針を出していただくだとか、あるいはまた環境整備の一環として自転車置き場を団地内に自治会の希望する場所につくってもらうようになるだとか、そういったたぐいの日常的な住民の要望を地方ごとあるいは全国的にまとめて全体のものとしていく。その過程ではときには国会にも請願し、あるいは建設大臣にもお願いをし、そういうものを反映させていただきながら公団に善処していただいたという経過がずっとございます。
 そういう中で、私たちも正直言って自負しているのですが、自治会がなくして公団の円滑な管理はないというふうに考えております。つまり、公団の皆さんも日常そこに住みついておられるわけじゃありませんし、いろいろ人減らし等で現場の管理も御苦労があります。そういう中で一人一人が管理事務所に行っても留守も多いですし、そういう中で自治会が補修のアンケートをするとか環境整備の要望アンケートをするとか、こういうものをまとめて自治会ごとに話し合う。それが営業所、支社、本社とこうくる。こういうことがあって便利だと、俗に言えばそういうことでもありますし、私たちの側から言えば、これが本当に自分たちの住んでいる地域を納得のいく、そして住んでよかった、子供たちも安心して育てられる、こういう団地をつくるには、公団に家賃を払っているんだからもう勝手にやれ、共益費を払っているんだから汚したって公団が掃除すればいい、こういうことじゃない、話し合って合意の上でやっていくということが住民の自治の責任でもある、こういう意味でそういういい慣例がつくられた経過があります。
 そういう点で、結論的に申し上げますと、新公団が発足していくとすれば、これからの集団住宅の管理のあり方がそういう住民参加といいますか、住民と公団当局、あるいは大きく国民の意見を反映させた国会の御意向などを受けながら、これからの集団住宅の管理の典型をこの六十万世帯なり私たち公団自治協なりのところで、日本の住宅政策の中にひとつ胸を張っていけるようなそういう典型をこれからもいままでの経験を生かしてつくり上げることが大事なんではないだろうか。そういう点ではどうしても公団当局あるいは建設省と住民代表との話し合いといいますか、形態は何でもいいんですが、実態的な話し合い、そこでの意思の疎通というものが図られていく。このことが一層発展していく中で、私たちは結果として自分の要望も実現することにもなりますが、公団は公的財産でもあります、そういう財産を維持し、次に住みかえる人の、後に入る人のためにも、国民の財産を守り良好に維持するという点から言っても、やはり集団住宅の管理の典型をこの公的な住宅の中で、数十万を擁するこの大規模な実績の中で、しかも住民と公団との交流の実績が十数年ある、このことを生かして新公団の中でそういうシステムができればこんなにすばらしいことはないんではないか、こういうふうに考えております。
#234
○上田耕一郎君 私も、常盤平団地約六千戸ありましたけれども、五年住んでいまして代議員を五年ずっとやっていました。やっぱり六千戸のあのような大きな団地の場合、自治会というのがないと本当にスムーズにいろんなことが進まないということは私も体験からよく知っております。自治会の役員をやってくださっている方は本当に献身的にやってくださっていると思うんです。
 これまで岡田参考人のお話にありましたように、いま自治協が六十万戸の世帯のうち三十五万世帯を組織していると。最大の自治組織であるわけですね。それで、衆議院での附帯決議の中にも「施設の改善整備と適正な維持、管理のもとに居住者と意思の疎通を図り、」というのが第三項目にあるわけです。私は大臣と澤田総裁にお伺いしたいんですが、円滑な管理、これは居住者、特に居住者の自治組織の自治協と公団側とがよく協議し、話し合いをし、意思疎通を図るということが不可決なのではないかと思いますけれども、大臣と総裁に御意見をお伺いしたい。
#235
○国務大臣(斉藤滋与史君) 先生のおっしゃるとおりだと思います。これはもう公団も居住されている方々も同じ立場でお話し合いをして、自分たちの生活をどのように楽しくするかという目的は一つでございますので、その点は当然のことだと思います。いま参考人さんのお話を聞いて私は非常に感心したのは、これは公的財産、国民の財産であるということの一言と、それからあくまでみんなで連帯感を持って、責任を持って自分たちの環境をよくするんだという責任意識を持っておられるということ。それを果たしていく上には、当然公団とのコンセンサスがあって初めてりっぱな実りがあろうかと思います。
 これは、住んでおられる方々あるいは公団にも私からも申し上げたいわけでありますけれども、やはり自分たちの環境は自分たちでつくる、公団はつくってやったという考え方を捨てる、住んでおられる方々もそうした公的財産だということを認識されて、自分たちの建てた自分たちの家であり、自分たちの生活環境であるということで、よりよい話し合いを進めていくということはぜひやっていただきたいと思いますし、いままでも私は当然やっているかと思います。また、そのことが当然のことであろうと思いますので、これからもそうした共同責任とか連帯責任といいますか、自分たちの生活環境、家というものに対する意識ごというものをもう一度新たな思いでひとつ進めていってもらいたい。また、いろいろと御批判がありますけれども、新公団はそうした意味合いからも思いを新たにして、みんなですばらしい環境づくりをしながら健康で文化的な住宅をつくるということの基本的考え方はいささかも変えておらないわけで、ぜひせっかくそうしたことで御理解いただきながら協力いただいて、りっぱな公団住宅、そして生活環境をつくっていただくようにお願いをいたしたい、このように考えるものでございます。
#236
○参考人(澤田悌君) いま大臣おっしゃいましたお気持ち、私も全く同感でございます。公団が六十万戸の賃貸住宅を管理いたしております。団地が千一か一と、千を超える団地だと。この住民の方々と円滑な関係を維持して楽しい団地生活を営んでいただくというためには、その各団地の個々の居住者の方々との契約上の権利義務に基づいて深い接触を保つことが基本ではございますが、その団地団地の自治会というものと密接な関係を持って常にお話し合いをし、御希望、御意見を伺い、円滑に団地の管理を進めていくに資するようにすることは当然でございまして、現に私ども一層そういう方向で努めておるわけでございます。
 ただ、先ほど来のお話で、自治会と自治協というものの使い分けがございました。現時点においてはそれが若干遺憾な関係になっております。過般の家賃値上げに関しましていまだに反対の方々が若干ございまして、公団を訴えておられるわけであります。自治協がそのお世話をしておるというふうに考えておるのでありまして、したがいまして、法廷においていろいろ争われておる事柄について法廷外において密接な話し合いをするというようなことは筋違いでございます。したがって、現在は自治協と公団の関係はいわばまことに遺憾なことでありますが断絶状態にあるのであります。しかし、各自治会とはますます密接にお話し合いをして、その自治会が自治協に入っておろうとおるまいとこれは私どもの関するところではないのでありまして、十分お話し合いをしていく。しかも、家賃問題等も一日も早く解決して自治協の方々ともフランクにお話し合いができるという事態が早くまいりますことを期待いたしておる次第でございます。
#237
○上田耕一郎君 どうもこれは異なことをお伺いするわけで、単位自治会はいいけれども自治協は裁判をやっているというお話ですね。私、予算委員会で当時の福田首相にこの問題で聞いたら福田首相の方が、とにかくもうこれは裁判せざるを得ないんだということを言われまして、政府の方が裁判すると言っていたんです。
 岡田参考人はいまの問題、経過、それから自治協と単位自治会の区別、実態、どうなっているのかお伺いしたいと思います。
#238
○参考人(岡田隆郎君) 自治協が裁判のお世話をしているから会わないけれども自治会とは会うとおっしゃいましたけれども、自治会と自治協を代表して原告が出ております。そういう点で総裁のお話はちょっと矛盾があるんではなかろうかというふうに思います。
 経過的に見ますと、昭和五十三年に三十数万世帯を対象に家賃一斉値上げ問題が出ました。私たちはいろいろな形で参議院の先生方にも要望等決定していただき、それが生かされるというようなことで大変御尽力いただいたわけでありますが、不幸にして……。私たちは値上げ絶対反対というようなことは一切言っておりません。家賃がどういうふうに使われて、この値上げでどこがどういうふうに直るんですか、あるいは一番問題になった新旧団地の家賃の格差是正ということですから、それは大変結構だ、じゃ高い家賃がどういうふうに歯どめがかかるんでしょうかということで、高い家賃こそ問題である、それをほったらかしておいて古い方を上げれば際限ない値上げじゃないかといろんな議論をしたわけですが、そういうふうな過程での話が十分つく前に、いまでも国会の会議録もございますが、昭和五十三年九月から値上げをし、私たちは法律に基づいた合法的ないろんな抵抗運動もしていた時期がございます。
 そういう中で、住民とは話し合わないでこれは裁判で決着だということを国会で総裁や大臣が御発言になったのが昭和五十四年二月十四日であります。それで、国会で公的な発言が、裁判でいくんだ、住民を訴えるんだというふうになった以上は私たちは受け身になるわけで、話し合いの要望は引き続き続けましたが、やむを得ず後は法廷の技術上の問題で、訴えられるだけが裁判じゃありません、私たちは訴えていこうと、それはいろいろな、どっちが早いかの話でありまして、現にそれで私たちは昭和五十四年五月十八日に代表を選んで裁判をするということに不幸にしてならざるを得なかったのは、そういう公団の発言によって私たちは話し合いの道が閉ざされたという経過があったわけであります。
 それから現に、私たちだけが訴えて公団を敵にしているというふうなことをときどき言われることがあるんですが、公団自身も、反訴といいますか、その年の昭和五十四年の十月四日に、私たち、その代表者全員を逆に訴えております。そういう点では裁判をどっちが先にやったかじゃなくて、公団も裁判をやっているというようなことがありまして、裁判をやっていれば話し合いはできない。家賃の裁判の問題はそのことの限りの話であります。そういう点では、共益費の問題とか修繕の問題とか、狭さの解消の問題とか、環境整備の問題とか、幾らでも話し合いはできるわけで、現に自治会とやっていますと総裁はおっしゃっているわけで、これが自治会とできるけれども自治会協議会とできないというのは、裁判を口実にするには論理が全く一貫性がないし、またテーマも別のことでありますから、それは今後とも、さっき私が申し上げ、大臣から評価いただいたような角度で――現場同士ですからいろいろな感情問題もないとは言いません。そういう点で、私たちももっとより練れた運動の仕方もしなきゃいけないというような内輪の討論は大事な点がいろいろあると思いますけれども、裁判を口実として協議会と会えないということは、論理的にも経過的にも、それから実態的にも非常におかしいんではないか、こういうふうに考えております。
#239
○上田耕一郎君 家賃値上げ問題を審議したとき、ここの参議院建設委員会でも要望を全員一致で決めまして、その七項目に、「日本住宅公団は入居者の意向を聞くなど、民主的な配慮をすべきである。」という要望をしてあるわけです。それからこの家賃問題も、この前の委員会で工藤参考人が述べられた中で、私非常になるほどと思ったのは、王子五丁目団地ですね。王子五丁目団地が傾斜家賃で八万円以上になっている。それで入居者の六九%が五年間で転出しちゃったという話をされましたよね。やっぱりそれだけ高くなると払い切れなくなるんで、それだけの金を払うんなら建て売りでも買った方がいいということになるのが当然で、それだけ高家賃というのは大問題であるわけで、それが民事の裁判になっている。確かに福田首相は私に答えた、もう払わない人にはやる以外にないんだと。そういう民事裁判、自治協側もやるし、それから公団側もやっているということは、この家賃裁判そのものの意義というのは、私は日本の最初の家賃問題の裁判としていろいろな政策論、法律論が闘わされるということは意義があると思うんです。
 しかし、それはそれとして、民事の裁判が行われているから協議はしない、単位自治会とはやる、自治協とはしないというのは、少し大人げなさ過ぎるのではないかというふうに思うんです。十月一日からもし新公団になるのに、すべてこれは引き継ぐなんていうことで、そういう態度が引き継がれるのはやはりまずいと思うんです。いかがでしょう、建設大臣、いまこの問題、とことんまでやってもあれですけれども、やはり裁判で家賃問題を協議するんじゃないわけだから、それは民事裁判で、多く現行払いを一段落して、大体払っているわけですから、それで少ないのを政策的裁判、民事裁判をやっているので、共益費問題とか修理、修繕の問題、その他その他いろいろな問題を円滑に進めるためには、そういう問題についてやっぱり自治協と公団側との定期協議といいますか、定期懇談といいますか、隔月やっていたといいますけれども、そういうことについてひとつ監督官庁の責任者として適切な御努力をいただきたいと思いますけれども……。
#240
○国務大臣(斉藤滋与史君) 悲しいことであります、私は聞いておって。自分たちの住まいのことで裁判ざたまでなるということを考えますと、やはり両者は両者の言い分があろうかと思います。新公団が発足の機会にぜひ両方から取り下げて、ひとつ円満な話し合いで進めていっていただければ、私は清純な気持ちでそんなことを申し上げたいと思います。できれば、ちょっとおこがましいかもしれませんけれども、いままでのことについて私、経過を詳しく聞いておらないわけで、争いがあるということは承知いたしておりますけれども、どういう問題点があるのか、自治協ですか、自治協さんと、私中へ入るから、一度話し合いの場をとってもいいんです。
#241
○上田耕一郎君 そうですね。
#242
○国務大臣(斉藤滋与史君) 一度聞きましょう。それでできれば新公団発足の機会に裁判を下げて、ひとつ円満にいくことを私は期待するわけでございますが、それはもう詳しく、どういうことからそういういきさつになったか知りませんけれども、私は、残念といいますか、悲しいというか、さびしい気持ちでいま聞いておりました。自分たちの住んでいる、毎日生活しているところで、その問題解決に裁判というのはもうどっちも頭が私は暗くなると思います、暗くなる。みんなで環境づくりを、先ほど参考人が言ったように本当に集団生活というのはむずかしいですから、しかも公的資金でやっておる建物ですから、そういう次元に立てばお互いに譲るものは譲る、話し合うものは話し合う、相互扶助でいけば、ちょっとこう理想的なことを私は言っているようでございますけれども、案外そういうこんがらかった問題は単純に考えた方がいいような気がいたしますので、計画について詳しくは知っておりませんけれども、また機会を得てなお両者の話を聞くという機会も持ってみたい、こんなように考えておりますけれども。
#243
○上田耕一郎君 担当の大臣がこの家賃裁判に至る経過を余りよく御存じないというのもちょっと驚くべきことなんですが、しかも私が中に入るから両方裁判取り下げようと。そうすると、自民党流の足して二つに割るうという、そう単純にいかないんですよ。この裁判の中身でも、借家法なんだから建設大臣の承認手続というのは家賃改定の要件じゃないといういろんな主張が出てきたり、さまざまな新しい問題点その他も出ております。しかもあれだけの運動があって、それを政策的な議論を法律論として詰めているので、大臣が中に入って双方ひとつ取り下げろと大岡裁きみたいにはこれはいかぬので、そうではなくて、これは裁判は裁判でもっと理性的に、政策論的に、続くは続くと。しかし、それ以外のことはやっぱり修繕の問題、共益費の問題、その他その他あるわけなんで、こういう問題については管理を滑らかにやるためにひとつ協議をしたらどうかというために、建設大臣が取り持って自治協代表と総裁とお話しする場をつくるというのは非常にいいと思うんです。それもひとつつくっていただけませんか。
#244
○国務大臣(斉藤滋与史君) 知らないということでなく、知っておるからあえて申し上げたわけで、法律論でいくことがたてまえかもしれませんけれども、問題がほかのことと違って直接生活的の毎日の問題でございますので、でき得ればそういう方法があるんじゃなかろうかというやさしい考え方で申し上げたわけです。上田先生は法律家といいますか、その点詳しい専門家でございますから、そういう割り切り方もあろうかと思います。私は法律的な問題であろうかと思いますが、もっと次元を違った角度からいける方法もあるんじゃなかろうか、こんなように考えたものですから、単純方式を頭に描きながら申し上げたわけで、それはそれとしてひとつなお機会を持つような形で私は考えたいというように思っておりましたので、お答えいたしたわけであります。
#245
○上田耕一郎君 この問題についてひとつ総裁と岡田さんから御意見をお伺いしたいと思います。
#246
○参考人(澤田悌君) 先ほど自治協の岡田さんの御意見、お気持ちとしてはごもっともな点もありますし、しかし、少しわれわれとしてはもう見解の相違と言わざるを得ないような点もございます。また上田先生からのいろいろなお話、裁判で何が問題になっているかということを考えますと、公団の運営自体を裁判で批判し、争っているというような問題になっておるわけで、そういうことでは、家賃問題は別、そのほかのものはいろいろと話し合おうというのではなかなかむずかしいんでございます。その辺をよくかみ分けていかないと、せっかく大臣がおっしゃっても、両方裁判を取り下げるというふうなわけにはなかなかいかないわけで、裁判のいろいろな御記録をごらんになればわかりますが、公用の運営自体を裁判上問題にしていろいろ取り上げられておるわけでございまして、またそうするんだということをおっしゃっておる、こういうことではなかなか問題が複雑でございます。
 したがって、われわれは決して無用に話し合いを拒否するとかそういうことはもう絶対考えておりません。円満にお話し合いをして御意見を聞いていろいろな問題を決めてまいりたいと思っておることははっきり申し上げていいわけであります。ただいろいろなものを自治会と協議して決定するというようなしゃくし定規な御希望になりますと、こちらも法律のたてまえ、公団法なり公団法施行細則なり、あるいは借家法なりそういったてまえを持ち出さざるを得ない。ですから、その辺もよくかみ分けていただかないとなかなかこの問題はむずかしいと思います。われわれもよく実情はわかっておるつもりです。ですからそういう点もよくかみ分けてお話し合いをしたいものだと、かように考えております。
#247
○参考人(岡田隆郎君) 総裁は、かつて家賃問題で紛争があったときに、住民はお客様である、この紛争に対しても勇気と誠意と愛情を持って当たるという非常に格調高い御発言が私たちの前でありまして、それに期待して話し合いを進めたんですが、各論の段階でうまくいかなかったという経過がございます。
 それはそれとしまして、私たち自身はもともとが裁判なんかを望むところではなく、やむを得ず防衛的に住民のやはり自尊心と運動を守るということの延長上にそうせざるを得なかったということでありますから、そういう意味で私たちの、あるいは国民的に公平に見ていただく客観的な立場からの一定の前向きの方向が出るならば、何も裁判にこだわることはありません。むしろ総裁の方が裁判を下げられないとおっしゃられる、そのことがよろいが出たような感じがするんです。私たちは下げる下げないは直接は原告の問題であり、自治会や協議会の組織の問題ですからここでとやかく言いませんが、方針としてそれを、裁判そのものが目的ではなく、やむを得ない私たちの主張や政策や金額のあり方、あるいは高い家賃の歯どめの方法、こういうものをその一手段として法廷でも議論せざるを得ないということでありますので、よりいい方法が出るならば、また私たちの納得のできることに一歩近づく方向が過去にさかのほってでも出るならば裁判にこだわることはないというのが私たちの方針であります。
 それから、そういう中でたとえば大臣には二月二十七日ですか、六十万人の住民の署名をお渡ししたときも快くお会いいただきました。いろいろ紛争はそれこそあるとしても、総裁のところに持っていって、それを総裁なり理事さんが会って受け取らないと。回答する、しないとか、協議とかということは別として、これは大家とだな子の基本のところが非常に寒々しいということで、この辺はそういう問題がある、ないとは別にひとつもう少し大きく出ていただきたいなという率直な希望を、私はもとより多くの住民が持っているということを申し上げたいと思います。
  それで、協議というようなことになると制度上の問題があるとおっしゃいましたが、その点はさっき冒頭私がいろいろ申し上げたように、私はあえてその形態は問いませんと言ったのは、そのことがもちろん制度化されればいいと思います。だけれども、いままだそこまで住民運動とか住民自治が法制化されるような、権利が法制化されるような機が熟していないことも承知しておりますから、実態的に話し合って自転車置き場がついた、テラスの増築ができた、このことを新公団の中でまず模索し、できるところからやっていただきたいということを切に願っているわけであります。そういう点で、上田先生がおっしゃったように、大臣が裁判の取り持ちも御趣旨はありがたいんですが、それはそれとして双方の話し合いの取り持ちを大臣がしていただけるならばこんなありがたいことはない、こういうふうに考えております。
#248
○上田耕一郎君 衆議院の審議でも、山花委員から協議機関をという御意見があったときに、澤田総裁は、「私常々申すのでありますが、公団住宅の入居者の方々はわれわれの大事なお客様でございます。公団と皆さんとの関係が円滑にしかも楽しく運営されるということが最も大事」だというふうに答弁されているんです。いま岡田参考人もそう言われましたし、やはりいまの状況というのはアブノーマルです。だから新公団発足にその関係のまま行くというんじゃなくて、協議機関と言ったら確かに制度上の問題もあるでしょうしいろいろあると思うんですが、やはりまず話し合いが途切れているというのはノーマルでないので、話し合いに入るという関係をつくり出していくということが新公団発足の前に日本住宅公団の総裁としても締めくくりのお仕事として大事だと思いますので、ひとつ大臣いかがでしょう、澤田総裁からも先ほど双方話し合いの意思もかなり十分に、裁判は裁判として表明されましたが、その取り持ちの労をぜひとっていただきたいと思うんですが……。
#249
○国務大臣(斉藤滋与史君) 取り持つという表現はどうかと思いますけれども、それはやぶさかでありません。早い機会にひとつ、トラブルと言うと語弊があるかもしれませんけれども、こうした問題はすっきりして新分団の中でみんなで楽しくやっていきたい。私はよく人生訓で使うんだが、「争って滅ぶ」という言葉がございます。やはり和して楽しくならなくちゃいけないんで、どなたの生活ではありません、自分たちの環境でございますので、そうしたことの取り持ちをやることをお約束しても結構でございます。
#250
○上田耕一郎君 それじゃひとつその点ぜひよろしくお願いします。
 竹本日住労委員長にきょう参考人として来ていただいているんですが、今回の統合に当たって労働条件が低下しないようにということが、この前も委員長はここで述べられました。あのとき大臣答弁で、これは前向きで調整しようということがありましたけれども、そのほかに幾つか危惧を感じる点、要望する点があったら述べていただきたいと思います。
#251
○参考人(竹本寛君) 最初に、再びこういう場で発言の機会をいただいた建設委員会の皆さんにお礼を述べたいと思います。
 いま上田先生の御質問にありますように、前回の本委員会で、赤桐先生の御質問に対して建設大臣から、労働条件について統合してよかったと思われるよう強く指導する旨の御発言がありました。私たちこの御発言については積極的に評価しているわけですが、実は国会審議事項ではありませんが、国会審議段階の後、両公団が統合し、新公団の内部の諸規程、諸規則の調整に当たっての危惧、不安がございます。この大部分は新公団の使用者の問題ですが、中には建設省の指導する部分も入っておりますので、この際、この危惧、不安を払拭したいということが第一点の問題です。
 両公団の内部的な諸規程、諸規則を比較しますと二つの違いが特徴として言えるんじゃないかと思います。たとえば就業規則の解雇事由に、宅地開発公団では「組織の改廃、定員の変更又は予算の減少により廃職又は過員を生じたときなど、」、つまり一方的に解雇できる、そういう旨の事由が述べられています。また別の問題として、職員の異動の問題に関連して、現在住宅公団では「本人の能力、経験、生活条件及び正当な意向をしんしゃくする」というふうになっているのに対し、特に協約等がないため、現在宅地開発公団では転居を伴う遠隔の異動も含めすべて一方的に行われる可能性があるなどの差があります。
 いま二つの例示を出しましたが、この違いは、片一方に労働組合があり、長年の労使関係の積み重ねの上に現在の住宅公団のそうした労働三法を踏まえたいわば近代的とも言える労使関係という状況にあると思います。この点がひとつぜび御配慮をしていただきたい点です。
 もう一つは、法人設立後、宅地開発公団はまだ期間がわずかしかたっておらないということも起因して、たとえば給与表を初めとして内部の諸規程、取扱要領等のかなりの部分に国家公務員ずばりのものやら国家公務員に即した内容、あるいは準拠を明示した部分が相対的に多いことが挙げられます。この点は私ども住宅公団の内容については労使の自主交渉を尊重した対応、あるいは特殊法人として設立趣旨にあります自主性、自律性を持たせた特殊法人の運営という点から、労働三権を有する労使関係の円滑化や長期に紛争が長引かないような問題、あるいは自主交渉を尊重するという観点からそういう違いが出ているのだと思います。少なくとも内部の諸規程や諸規則をつくり上げていく態度や姿勢の問題として日本住宅公団労使間の現協定や日本住宅公団の諸規程の水準を基準に考えていただきたいというのが第一の要望の点です。
 第二の問題は、前回の本委員会でも発言いたしましたが、直接答弁もなかったわけですが、現在宅地開発公団の中に婦人職員の方が臨時雇用、雇用契約は臨時という形態になっておりますが、全体で二十七名おられます。このうち四名の方が正職員になられたということを職員協議会の代表の方からもお聞きしているわけですが、現在二十七名中四名の方を除いた二十三名が十月一日統合を間近に控えながら、雇用が継続されるのかどうか、もちろん定員の問題等ございますが、基本的には定員化を図るとともに、少なくとも十月一日時点には雇用契約を継続する旨の確認をぜひしていただきたいというのが要望です。
#252
○上田耕一郎君 両公団にお伺いしたいのですが、先ほど就業規則の解雇事由、それから職員異動について、両公団にこういう差があるというお話が竹本さんからありましたけれども、そういう実態になっているんでしょうか。
#253
○参考人(志村清一君) 私どもの就業規則はそういうことになっておりますが、転勤等に当たりましても、職員の事情を聞きましてしんしゃくをしていることは実態的にはやっております。
#254
○参考人(有賀虎之進君) 住宅公団では、労使の協約によりまして先ほどのとおりになっております。
#255
○上田耕一郎君 大臣、前回前向きの調整するという御答弁があったんですけれども、いまのこういう労使関係ですね、日本住宅公団労使間のレベルを基準に進めていきたいという要望に対していかがでしょうか。
#256
○国務大臣(斉藤滋与史君) いまお聞きして、一方的解雇云々というのは私ちょっと意外に思ったんです。これは基準内の中ではそういうことはできないと思うんですけれども、それはそれとして、こうした合併の場合は、特に今度の場合は、一般的に言って企業経営が悪くなって合併するのではなく、日本の住宅問題、都市整備の関係について前向きで新しい前進的な、一緒になるスタートでございますから、当然職員の方々の処遇については、私も再三言っておりますように、いままでよりも下がるということはあり得ない。むしろいい方に並んでやっていくということが私は基本であろうと思います。またそうした関係で、両方が違っておってもいい方の結びつきを基準にやるように指導することが私はよろしいんじゃなかろうか、そのように考えております。
#257
○上田耕一郎君 なお、二番目の問題点として、宅開公団の二十三名の女子職員の方々の雇用が新公団に継続するかどうかがいまだに不明で、非常に心配されているという点がありましたけれども、その点前向きにぜひ善処していただきたいと思いますが。
#258
○参考人(志村清一君) すでに臨時職員である女子職員には継続する旨言ってあります。心配はいたしておりません。
#259
○上田耕一郎君 四名だけでなく、二十三名についてもですね。はい。その点ちゃんとぜひやっていただきたいと思います。
 参議院の法制局の「立法資料調査研究集」「特殊法人について」というところに、特殊法人に対して国はできるだけ関与しないことが設立の趣旨に合致する、予算などのチェックも大綱だけにとどめるべきだ、個々の具体的問題については国の関与が排除されるという指摘があるのですけれども、こういう点で特殊法人の自主性、自立性の尊重も適切な指導と同時に非常に大部だと思うのですね。特に労働問題につきましては労使間の自主交渉を当然尊重するということが必要だと思いますけれども、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#260
○国務大臣(斉藤滋与史君) 上田先生のおっしゃるとおりでよろしかろうと思います。あくまでもこれは公団の自主性を私は尊重していくべきものであろう、このように考えます。
#261
○上田耕一郎君 竹本参考人にもう一つ御見解をお伺いしたいんですが、最近政労協から天下り大事についての調査結果の公表などがあって、非常に社会的にも関心を呼んでいます。これはずっとお出しになっておるのですけれども、この天下り問題というのはやはり非常に大きな問題で、閣議決定でも国家公務員が直接就任する、あるいはそれに準ずるものは半数以下にとどめるべきだということを何回も閣議決定でもしているのです。ところが、この宅開公団の場合には、これは衆議院でも瀬崎委員が指摘しましたが、役員十人あるいは部長以上十三名も事実上ほとんどこれは天下り人事だったということがあって、閣議決定からも離れているということがあります。今度新公団になる場合にもこの問題は重視すべきだと思うんですが、住宅公団の労働組合としてそういう天下り問題あるいは監督省庁からの出向、こういう大事についてどういう問題点を日ごろ感じられているか、少し率直に御意見をお伺いしたいと思います。
#262
○参考人(竹本寛君) 実は政府関係特殊法人、公団、公庫、事業団等で組織しております政労協が毎年「天下り白書」を発表しております。
 これから私が、各傘下の四十ぐらいの労働組合が一般的に天下り官僚なりあるいは出向世襲大事に来る中間管理職のポストの人たちをどのように見ているか、これからの表現はかなりきつい表現もありますし、中には部分的に正確じゃない面もあるかと思いますが、述べたいと思います。私たちは個々人を誹謗中傷する立場ではございませんが、この人たちがそうした天下り、出向の仕組みの中に入ってきた役割りの一端なり傾向が次のような言葉で各単組から報告されております。
 主務官庁べったり、顔色をうかがう、予算過度の重視をする問題、年度内に成績をどうしても上げようとする予算消化主義、事なかれ主義、無責任、不誠実、消極的業務遂行、無気力、決断力なし、腰かけ的対応、その場しのぎ、官庁の権力を背景にした言動、独善性、一般職員に対するべっ視、人権無視、競争心のあおり、法人私物化、機構いじり、問題解決を話し合いでせず一方的に押しつける、専横性、勤労意欲の低下、創意や意欲の喪失、業務遂行上円滑化阻害、事務能力の低下、継続性の欠如、仕事の不明朗性、内部での摩擦など、こういったこれは現象的にあらわれていることですからすべての方が全部だということではありませんが、共通した特徴としてこういうものが各労働組合の職員から出されています。
 私たちは、こうした現象的な内容の中で特に二つの点で天下り人事がいろいろ事業運営の問題や労使間の問題でさまざまな弊害を出しているということをこの間一貫して主張し、また言ってきました。その点は天下り人事というのは、予算統制と並んでたとえば認可権や監督権とともに人を通じて法人を支配するそういう手段に、数多くの内容から見てそういうことが言えるのじゃないか。そのため法人の主要ポストの確保と省庁別の世襲人事を特徴としています。このため、予算や事業計画上の直接統制を可能にして新たな政策や方針変更などの持ち込みを容易にする面、反面事業の押しつけや法人内からのさまざまな意見や改善、建設的な意見を排除するという役割りを結果的に果たしていると思います。さらに、官庁別にあるいは同一省庁内でも局ごとにその利益目的による行動に伴いなわ張り仕事や法人内の派閥を上層管理職を含めて形成するような問題があります。こうした点は、広く法人の主体性を失わせ、法人の事業の民主的な運営や国民本位の事業遂行の上でさまざまな障害になっている点が第一点です。
 それから、第二点に労使関係の問題ですが、これはこの間、政府関係特殊法人の労働者が一貫して掲げている給与の問題や一時金、その他の主要な要求に関しては大体共通している対応ですが、当事者能力を意識的に回避し公務員準拠を口実とする一切の正当な要求に対して考えてもみようとしない態度、論理的に破綻しても監督官庁のお墨つきがない以上黙して語らず式の高圧的な形式的な対応、労使慣行を平然と無視し強引に低水準内容を押しつける態度、団交の形骸化、言質をとられまいとする官僚答弁の終始などなど不誠実きわまりない対応が支配的です。同時に、私たち働いている労働者として、あるいは職員としても、業務運営上のさまざまな改善要求に対して当然な問題提起すら抑圧する、そういう役割りも果たしているというふうに言わざるを得ないと思います。
 特に今度の統合に当たって、この間衆議院、参議院の両議院で天下り問題あるいは中間管理職の出向問題が御議論されておりますが、正確な数字ではありませんが、大まかにいいますと、宅地開発公団にはもちろん世襲ポストになっているかどうかというのは判明しがたい面もありますが、約七十名近く、日住には約二十名近くの天下り及び世襲人事と言われているポストがあるように分析されます。そういう意味でぜひとも統合に当たっては、総計約百名近くの人は少なくとも一たん監督省庁に復帰を前提にして措置すること、あるいは一斉にそれぞれの人たちのこの間の経緯を全部調べて必要な措置をとられることをぜひ望むものです。
 以上です。
#263
○上田耕一郎君 私、先ほど閣議決定、天下り問題についてもちょっと言いましたが、いわゆる常勤役員のうち天下り人事を半数以内にとどめることを目標とするとか、それからたらい回し的異動いわゆる渡り鳥人事、真にやむを得ない場合に一回限りとする等々、こういうことを閣議決定で決めてあるわけです。今度の新公団は十九名の役員ということで多過ぎるというふうに私たち思いますが、たとえばあれだけ膨大な人員を持っている国鉄などでも二十四名ですか、なんですから、副総裁二人もいるというのは余りないんじゃないかと思うんです。大臣、この閣議決定に従っていわゆる天下り人事は半数以内にとどめる、それを目標とするということ、今度の新公団についても必ず守るということを含めて、いまの竹本委員長のこれは現場からの批判なんですが、天下り人事問題についてお考えをお伺いしたいと思います。
#264
○国務大臣(斉藤滋与史君) 閣議決定の件につきましてはなおいろいろとプロセスがございますので、これはもう決定した問題でございますので、それは採用するように漸次進めてまいる所存でございます。公団の人事、天下りという言葉は余り私は好かないんですけれども、やはり公的機関、特殊法人というものはそれだけ国民に責任を負っておりますので、どうしても危ない橋を渡りたくない、ベテランを配置して御満足のいけるミスのない事業をやっていきたいというようなことからついこういうような形になっているのではなかろうかと、このように考えます。もとより優秀な職員の方々の内部登用ということは、今後の課題として当然やっていくべき問題であろうと思いますが、とにもかくにも現在の経過措置としてやむを得ない仕儀ではなかろうかと思います。
 それから、参考人のお話を聞いて、私はここまで考えておられるんじゃとてもじゃないけれども公団の運営というのはむずかしいと思いました。やはりもう少し人間信頼感を持っていただきたい。人間それぞれ疑義もございましょう。しかし言葉であれまで言われるということは、私毎日ちょっと苦しいんじゃないかと思います、一緒に働いておってもう少しやはり、人間だれでも悪いところがありますけれども、百悪くても一ついいところがあったらいいところを大事に、それをきずなにしてやっていくということが一番いいんじゃなかろうかと思います。もとよりお互いの問題でございますので、そこに感情もございますけれども、ましてや公団、特にこれから発足する、現在いままでもそうでありますけれども、住宅公団、宅地開発公団というものはあくまで勤労者の方々の住宅を供給するという大義を考えたならば、そうした次元で物の発想をしていってぜひ協力していっていただきたい。
 関西の例でございますけれども、ある有料道路がなかなか所期の目的を達成しないということで、職員がみんなで回数券を戸別訪問して売り歩いたという話も私も知っております。一つの企業というものは民間であろうがなかろうがみんなで、ましてやこうした公的機関、公共用の事業というよりも勤労者のための住宅をやっているという次元に立ったならば、多少の不平不満はあってもそれはそれで内部に秘めて、ひとついいところを見つけてみんなで力を合わせて、せっかく先ほども御指摘がありました六兆円からの国民から借金をいただいて毎日十二億五千万も借金払っているその会社そのものを考えたら、私はもうみんなで力を合わせて一月二月の空き家を売って歩くくらいの意気込みを持ってほしいんです。
 しかし、どちらに非がある云々は言いません。聞いてつくづく指導というものと自戒というものとあり方というもののむずかしさを考えたわけで、そうした面でも、せっかくの御発言もありましたけれども、ぜひそれはそれとして十分私ののりを越えない程度の自主性を尊重しながら、そうした非難を受けないように役員の方々は前向きで職員の方々に対処する、職員の方々もぜひそうした疑義という問題についてはなるべく露骨に出さないで、何というんですか、先ほど来話のある話し合いといいますか、ぜひ一つの大きな理想、識見を持って国民勤労者の方々の住宅対策をおれたちはやっているんだというプライドを持ってそうしたことを乗り越えてぜひやっていただきたいと思います。いい悪いは言うと御批判がありますので、私よく承知いたしております。しかし、それあるがゆえにこそいままでもいろんな問題があったわけで、そうしたことをこの機会に乗り越えてひとつみんなで御指導を仰ぎながらやってまいりたい、またそういう面で指導もしてまいりたい、このように考えるものでございます。
#265
○上田耕一郎君 先ほどの、なるほど言葉はきついかもしれませんということを竹本さんも言われていたけれども、面と向かっては言えないけれども実際の本音の声ですね、そういう批判が現場にあるということはよく公団の役員、それから上に立つ人は考えていただきたい。この「天下り白書」にも学識経験者、政界、財界、官界、マスコミ千百名の無作為アンケートが載っていますけれども、天下り大事についてこれはいいというのはもうほんのちょっとしかないです。悪い例はみんな言葉はきついです。高級官僚のうば捨て山になる、不正、腐敗を生みやすい、官僚によって私物化される、労働意欲がなくなる、報酬、退職金などが高過ぎるという批判が非常に高いパーセンテージで出ているんです。
 私、きょうは退職金問題も質問しようかと思いましたが、もう時間がなくなりました。六年前に南部総裁が出ていただいて、一般職員と特殊法人の役員がこんなに違う、一般職員は勤続年数で計算する、ところが公団の役員は勤続月数が基準になっていて、これに係数が掛かる、それで一般職員は五十五カ月頭打ちだけれども役員の方々は青天井で頭打ちがないと。こういう勤続年数と勤続月数でもう基本の計算が十二倍なんですからね。それに多少係数が掛かってもやっぱり四倍、五倍、六倍の非常に高い退職金になるという批判が出てくるのは当然なんで、この点はこれは建設省どまり、建設大臣承認とはいっても特殊法人の役員の給与並びに退職金は全般通じて行われているので、内閣の行政改革の一つの課題になっていますけれども、ぜひ建設省としても世の批判を正しく受けとめて対処していただきたいという希望を申し述べさせていただきます。
 その問題はそれにとどめて、もう時間がなくなりましたので、若干新公団法の法律上の問題点を少しお伺いしたいと思います。
 第一条の「(目的)」のところですね、「住宅に困窮する勤労者のために」というのが抜けたことの批判は先ほど申しましたが、たとえば「耐火性能を有する構造」というのが日本住宅公団法にはあったんですけれども、それがなくなったのはどういうわけですか。木造一戸建ても今度は建てていくということを意味しているのかどうか。
#266
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘のとおり日本住宅公団法におきましてはその目的の中で、「耐火性能を有する構造の集団住宅」と規定されておりますが、これは日本住宅公団が設立されましたときにおきましては、耐火性能を有する構造の住宅というのは余り普及しておりませんで、都市の不燃化を促進するというような立場から特にその目的を明記した、いわば公団において先駆的な役割りを果たしていただくことを期待したものであると考えられておりますが、その後、耐火性能を有する構造の住宅につきましては一般的に普及を見てきたということと、また一方、国民の住宅に対するニーズも高度化、多様化しておるというような立場から、多様な種類の住宅の供給ということも必要になってきておるのではなかろうかということで、新公団法におきましては「良好な居住性能及び居住環境を有する集団住宅」というふうに規定したものでございます。
 したがいまして当然、「良好な居住性能」の中には耐火性能を有することはもちろん、幅広くそれ以外のいろいろな性能をも踏まえた住宅の供給ということを考えたい。したがいまして、今後とも耐火性能を有する住宅の供給というのはやはり中心的なものになろうと思います。しかしながら、その地域であるとかまた国民のニーズ等によりまして若干いろいろな工法の住宅も考え得るのではないかというふうに考えております。御指摘の在来工法による木造住宅というところにつきましては、いまのところ当面直ちに考えておりませんが、今後の需要動向等を見まして、必要があれば検討していきたいというふうに考えております。
#267
○上田耕一郎君 四月二十八日に工藤参考人の御意見の中で、五十三条の区分経理について意見がありました。鉄道軌道事業は住宅、宅地事業と区分するということになっていると。ところが公団事業をなぜ区分経理にしないかと。そうしないと新公団のいろんな事業の負担が固定資産別に配分されて、たとえば公団の家賃にはね返る危険はないだろうかという意見がありましたが、それについてはいかがですか。
#268
○政府委員(川上幸郎君) お答えいたします。
 区分経理につきましては、鉄道につきましては法律上にはっきりと区分経理を明記しているわけでございます。しかしながら、先ほどもちょっと申しましたように財務会計省令に関します損益勘定、ここにおきまして新たな業務となります再開発業務、公園整備業務と、このようなのが勘定を区分いたしたい、このように目下検討いたしておる次第でございます。
#269
○上田耕一郎君 じゃ区分して、家賃にはね返るというようなことは絶対ないということですね。
#270
○政府委員(川上幸郎君) 業務型再開発自体決して赤字が生じないようにいたしたいと思っておりますのに加えまして、そのような勘定区分を設けまして家賃にはね返らないようにいたしたい、こう考えているわけでございます。
#271
○上田耕一郎君 新法案に盛り込まれた新たな業務が二つあって、一つは公園事業ですね。もう一つは業務型都市再開発と土地区画整理事業ということになっています。それで附則の方を見ますと、土地区画整理法と都市再開発法の改正が同時に提案されている。土地区画整理法第三条の二の一項を見ますと、もと「新たな市街地」となっていたのを今度は「健全な市街地」と書いてある。これは何か意味があるんですか。
#272
○政府委員(宮繁護君) 現行の土地区画整理法の三条の二及び第三条の三によりますと、両公団が土地区画整理事業を行い得るのは、住宅の建設または宅地の造成とあわせまして新たな市街地を造成するための土地区画整理事業を行う必要がある場合に限られておるわけでございますけれども、今後におきましては、新公団が住宅の建設または宅地の造成を進めていく場合におきまして、たとえばすでに市街化がかなり進行している地域で、住宅、宅地の供給をねらいといたしまして、工場の跡地等の遊休地、これらを活用しながら、その周辺地域をも含めまして土地区画整理事業を実施するような場合も出てまいりますので、こういうふうに改正をいたしたわけでございます。
#273
○上田耕一郎君 一番問題なのは二十九条です。二十九条の本来的業務、この中に新規に第十五号で業務型再開発の問題が盛り込まれたわけです。ここについて、十五号のイというところがあります。「市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを促進するための宅地の造成、賃貸その他の管理及び譲渡」と、こう書いてあるんですが、この「宅地の造成」というのは住宅宅地なんか含まれるんですか。たとえばマンション用地とかあるいはげた履き住宅用の用地とか、そういうのもこの宅地という言葉の中には含まれていますか。
#274
○政府委員(川上幸郎君) 二十九条第一項第十五号イの意味でございますが、これは先生御指摘のように附則によりまして都市再開発法、土地区画整理法を改正いたしまして業務型の再開発ができるようにした。これに伴いまして十五号におきまして、これと関連して都市機能の更新等を主目的とする再開発事業を一緒にやるということでございます。したがいまして、この「宅地の造成」は本来は業務型の再開発のためでございますが、しかしながら住宅の用に供する部分が当然上に入ってくると考えられますので、この部分も当然含まれると考えたわけでございます。
#275
○上田耕一郎君 含まれるわけですね。
 それから、この二十九条の2に、「公団は、前項の業務のほか、同項の業務の遂行に支障のない範囲内で、委託に基づき、次の業務を行うことができる。」とありますが、この「委託」というのはだれからの委託ですか。あるいは自治体あるいは民間業者、民間デベロッパー、こういうものからの委託も含まれるわけですか。
#276
○政府委員(川上幸郎君) 受託業務の趣旨でございますが、新公団は、蓄積されました技術力等を有効に活用いたしまして住宅、宅地の供給、市街地の開発整備、都市公園の整備に寄与しようとするものでございます。したがいましてこれらの事業を行います地方公共団体、土地区画整理組合、市街地再開発組合、土地所有者等からの受託が考えられるわけでございます。
 なお、先生御指摘のように、民間会社につきましても新公団と共同して事業を行う場合といいますものも、必要がある場合には考えられると思います。
#277
○上田耕一郎君 業務型の再開発事業を行う場合に財投資金の投入もあるわけですか。
#278
○政府委員(升本達夫君) 業務型の再開発事業につきましては、御承知のように五十六年度事業につきましては調査段階でございまして、調査費二億円の計上ということに限られております。
 事業資金としてどのような資金が構成されるかは今後の問題でございますけれども、私どもの予定といたしましては財投資金の投入も当然考えているわけでございます。
#279
○上田耕一郎君 この業務型再開発問題というのは非常に大きな問題で、都市再開発法の審議の際にも私申し上げましたが、建設省の答弁では東京二十三区内で三割から四割の面積の地域に基本計画をつくる予定だということを言われている。東京都のマイタウン計画のプロジェクトチームの文章によっても、今後二十年間に東京の事務所床面積、昭和五十五年三千四百五十九ヘクタールが七千九百四十ヘクタール、二倍以上になるであろうという試算をすでに東京都は行っていると。それから新聞報道によると、建設省は駅前一辺倒をやめて都市再開発のマスタープランづくりをいまやっていると。東京都で言えばほぼ一つの区単位ごとに再開発の計画、これをつくるマスタープランづくりと取り組んでいくことを決めたという報道が四月十一日の新聞にも出ているわけです。
 さて、それに財投資金が投じられるということになると、かなり大規模な事業になると思うんですが、この財投資金が投じられる場合、利子補給も考えるんですか。
#280
○政府委員(升本達夫君) 御承知のとおり、現在も広義の再開発事業、つまり、住宅公団が行います住宅供給に伴う再開発事業が実施されているわけでございまして、この事業の資金にも財投資金が当然利用されているわけでございます。この場合の事業によりましてでき上がりましたもののコスト計算に当たりまして、何%の資金コストとするかということによって、結果的にいわゆるおっしゃるような利子補給分が入るか入らないかということになろうかと思うわけでございますが、現在の住宅部分については四・五%の低利資金のコスト計算になっておりますので、これは利子補給が含まれているというふうに考えるわけでございます。今後の新しい再開発事業につきましても、住宅部分については当然同じように利子補給が導入されるというふうに考えていただけるものと思います。ただ、一般のその他の事務所面積部分等につきましては、この資金構成を、コスト計算をどういう計算で行うかということについては、先ほど申し上げましたように来年度以降の事業費合の構成の問題になると思いますので、現時点では定められておりません。
#281
○上田耕一郎君 現時点ではということで、まだ未定ということですね。
 私は冒頭から申し上げてまいりましたが、今度の住宅・都市整備公団法案というのは、住宅、特に公共賃貸住宅の部面についてはやっぱり撤退する傾向があり、新たに都市整備と、特に都市再開発、大企業中心の町づくりの事業主体になっていく危険というのは非常に強いと思うんです。いまの御答弁でも、財投資金を投入してあるいは住宅部門に準じて利子補給までやるかもしれない、それは否定されなかったわけで、今後、こういう点についてわれわれは監視をしていくことが非常に大事だというように思います。私どもは、この法案には以上のような見地で根本的な問題点があるということを指摘せざるを得ません。
 以上で質問終わります。
#282
○栗林卓司君 ただいま議題となっております住宅・都市整備公団法案の第一章第一条に目的が書いてありますけれども、この目的は国の住宅政策の一つの面というかっこうで読みますとわかる気がするんですけれども、公団の目的としてこれを掲げることが果たしてどうなんだろうかとわかりかねる点がありますので、以下、順次御質問してまいりたいと思います。若干これまでの質疑と重複するかもしれませんが、そもそもに戻ってお尋ねをしたいと思います。
   〔委員長退席、理事増田盛君着席〕
 この日本住宅公団と宅地開発公団が統合するというのは、昭和五十四年十二月あるいは五十五年十二月のいわゆる五十五年行革の閣議決定を受けての話だと思います。したがって、両公団の統合というのは、まず第一に行政改革の一環としてどうするかということが問題点であったかと思いますが、いかがでしょう。
#283
○国務大臣(斉藤滋与史君) 先生の御指摘のように、行政改革が一つのきっかけになったことは事実でございます。あわせて両公団の統合はそこまで言及するといかがかと思いますけれども、六年前に宅地開発公団ができた折々を、プロセスを考えて、いまの都市化の状況と国民の、特に大都市における勤労者の住宅需要の対応等を考えて、一つの機会をとらえて一緒にして総合的に、機能的にやる方がいいという結論を得て踏み切ったわけでございまして、その点につきましては、行政改革が一つのきっかけではありますけれども、大都市における勤労者の方々あるいはまたそれぞれの自営の方々、一般の国民の方々の住宅需要も含めて、ひとつ幅広く新次元でやるという発想でこのたびの提案を申し上げたということで御理解をいただければよろしかろうと思います。
#284
○栗林卓司君 行政改革あるいは行財政改革ということで考えますと、この法律が成立をすると、十月を目途に新公団ができるわけですけれども、ちょうど十月というのは五十七年度予算編成をめぐって第二臨調等々の相当にぎやかな激しい議論の渦中だと思います。したがって、なるほど情勢の変化もございましたし、これまでの宅地開発公団、日本住宅公団の経緯をもながめながら、装いを新たにして対応していきたいということは、それはそれとしながら、行財政改革という面で見るとさらに第二臨調の推移、五十七年度予算編成の推移をも見ながら検討が続行されていくというように考えてよろしいですか。
#285
○国務大臣(斉藤滋与史君) そういう考え方でよろしかろうと思います。
#286
○栗林卓司君 先ほども出たんですが、行政改革イコール人減らしということでは毛頭ないんですけれども、二つの公団が一緒になって、では役員が一体何名になるのかということは非常に人目を引く部分なんですが、法律案を拝見しますと、役員としては総裁一人、副総裁二名、これは明確に書いてあるとして、理事十四名以内及び監事二名以内。この「以内」というのは、今後さらにこの以内において数を確定していくということでございましょうか。
#287
○国務大臣(斉藤滋与史君) そういうことも含めてというように御理解いただいて結構だと思います。
#288
○栗林卓司君 副総裁を何名置いたらいいのか、理事を何名置いたらいいのか、これはなかなか腰だめの議論はしづらいんでありますけれども、新しくできる公団の性格を考えますと、副総裁が二名いるというのはちょっと解せないんですが、これはなぜ二名になったのか。さらにまた十四名以内と理事がなっているわけですが、少なければ少ないほどいいというものではありませんけれども、十四名以内あるいは十名とか十一名とか九名とかいう形を目標にしながら、しぼり込んでいくのが必要なんではないんだろうかという点についてはいかがですか。
#289
○政府委員(川上幸郎君) まず、副総裁を二名にした理由でございますが、現在活発に動いております住宅公団、宅地公団を統合いたしますので、やはり住宅部門、宅地部門におのおの副総裁が必要であると、このように考えるわけでございます。
 なお、ちなみに宅地開発公団発足前におきましては、住宅公団におきましても副総裁が二人おったわけでございます。
 それからなお、理事でございますが、理事は行政改革の趣旨からいたしまして、当然役員総数の四分の一減少ということでやっております。
 なお、公園につきましては別の事情で一名追加しております。
 なお、理事につきましては、当然現在住宅公団の理事が行っております職務、これに加えまして宅地開発公団が加わってまいりますと交通担当の理事、それからまたは新業務でございます業務型の再開発担当の理事、それから公園担当の理事。
 それからなお、支社長につきましても、住宅、宅地開発の推進を図りますためにも第一線で地元の知事、市長等とお会いするためにも理事が必要である、このような理由によりましてこれだけの数を確保いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#290
○栗林卓司君 いまのような教え方をされますと、十四名は満杯になって一名も減らないという。ことに相なるんだけど、どうやって仕事を組み立てるかということですから、鉄道業務ができます、新しい業務型の再開発が進みます、したがって理事一名というのは余り従来の慣例に流れた物の見方ではあるまいかと私は思います。いま私ここで何名にしろと言いません、言わないけれども、新公団の性格に即して何名が一番いいのか、その場合の業務の割り方というのは一体どういった方がいいのか、果たして宅地と住宅と分けることが実態に見合っているんだろうかということも含めて御検討をいただきたいという注文であります。
 なぜ言うかというと、たとえば日本住宅公団労働組合が出している資料が、副総裁一名で結構であります、理事は九名でいいですと、知らないわけじゃない人たちが書いているんですから。私はこの労働組合の主張が正しいとここで裏打ちをしているわけではありません。ただ、えてして組織というのは数が少ない方が物事がまとまっていくということもありますので、十四名以内と法律でお書きになった趣旨を含めて御検討いただきたいと思います。
 問題は、総裁、副総裁、理事なんですが、この人材をどこから持ってこられるんでしょうか。
#291
○政府委員(川上幸郎君) 役員の人選につきましては、この法律が成立しました暁におきまして考えるということになりますが、やはり新公団の業務の性格上いろいろと公的な知識が必要であるということで、現在住宅公団、宅地開発公団の役員を選んでおりますようなふうになってくるのではないか、このように考えておるわけでございます。
#292
○栗林卓司君 そうしますと、ほとんどがいわゆる天下りと言われている役職御出身の皆さん、たとえば住宅公団ですと十四名中十二名、宅地開発公団では十名中十名という選び方になるということですか。
#293
○政府委員(川上幸郎君) 今後の役員登用に関します閣議決定の趣旨を重んずるのはもちろんでございますが、その特殊性を考えながら漸次民間登用等をふやしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#294
○栗林卓司君 私本当にわからないのは、閣議決定があっからするんですか。問題は新公団が仕事をしていくのにどこに人材を見つけたらいいかと聞いているんです。閣議決定というのは政府の話ですよ。どういう閣議決定であろうと適当な人材を選べばいいわけでしょう。ところが法律に通じていないと困るからというのは、じゃ民間は法律を知らないとおっしゃるんですか。改めてお尋ねします。
#295
○政府委員(川上幸郎君) 公団の役員は、公団の業務に関しまして一番精通され、かつ業務を執行しやすい方を選ぶことが基本原則だと思います。この場合におきまして、当然発足時におきましては新規業務等の関係からある程度国から参る者が出てまいる、こういうことを申し上げておるのでございます。
   〔理事増田盛君退席、委員長着席〕
 なお、先生がおっしゃいますとおり、閣議決定は公団全体を通じまして役員に対しまする考え方を明らかにしたということでございますので、私どもはその考え方を尊重いたしまして、今後は民間活用それから内部登用等を図ってまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#296
○栗林卓司君 どうしても私わからないんですけれども、じゃ公団というのは何のためにつくるんですか。それは、公の金、公の権威、そして民間の活力を統合しながら、民間に任じておいたのではなかなか効率的なものができないものをやっていこうというのがごく簡単に申し上げて公団をつくる意味です。したがって公団の組成というのは、官から来る人もいれば、民間もいれば、そしてその公団組織体の中から上がる人もいる、いわば三者渾然一体となって決めていくのがだれが考えても一番理想的な姿だと思うんです。現に日本住宅公団は初代総裁は民間御出身でございました。民間出身だったから、当時の非常に色彩のある住宅政策、日本住宅公団の政策ができたとさえ言える。以来年を経まして今日の姿になったんだけど、今度は新公団になるわけだからもう一遍原則に戻ってその努力をしたい、やってみたけどどうしても無理だったから今回は従前の例によるけれども、というのがお答えではないですか。
#297
○政府委員(川上幸郎君) 先生のおっしゃいますとおりでございまして、新公団の大事に関しましては先生の御意見を十分尊重いたしまして対処いたしたい、このように考えろわけでございます。
#298
○栗林卓司君 管理委員会のことでお尋ねをしたいんですけれども、第二章に「管理委員会」とあります。これは日本住宅公団法にもありますが、宅地開発公団法にはございません。そこで、この管理委員会というのがなぜあるんだろうか。お尋ねする理由を申し上げておきます。
 法律を見ますと、管理委員会というのはその権限としまして、予算、事業計画、資金計画、決算、これは委員会の議決を要するとなっております。第二章に書いてあるんですからいかにも権威の大きい委員会なんだろうかと思って中を見ますと、管理委員というのは建設大臣の任命なんです。解任はどういうときにできるかというと、いろんな要件がありまして、「その他委員たるに適しないと認めるとき」解任ができる。こうなりますと、その管理委員の人が建設大臣に向かってずけずけ物を言うというのはおよそ期待できない仕組みになっている。過去一年間いつ開かれたかといいますと、大体予算、決算のときだけ、しかも半日ぐらい。
 さっき大臣からも御答弁ありましたけれども、公団というのは自主性がある、なるべくさわらぬでおこう、そうしたいと思いますとありましたけれども、そのさわらぬでおこうという部分を埋めるのが法律的には管理委員会のはずですね。しかし、振り返ってみて、この管理委員会がいま日本住宅公団の中で本来の機能を果たしているとお考えになりますか。逆に言うと、これはなくていいものではないんでしょうか。これは別に給料を払っていませんから、実費だけですから、したがって置こうと置くまいとそんなに費用の差はないというのではなくて、物事の機構というのはよけいなものがあるとその分だけよけいな仕事をつくっていく。したがって、今度新公団に移行するとするとこの管理委員会というのはむしろ取るべきであったんではないんだろうか。
 しかも公団の決算報告がどうかといいますと、建設大臣に持ってまいりますためには監事が監査をしてその報告書を添えて建設大臣に出す。そうすると管理委員会は全然お呼びじゃないんです。この仕組みを見ていると、管理委員会というのはあってもなくてもいいのであって、要は監事がいればいいんだ、こうなりませんか。
#299
○政府委員(川上幸郎君) 管理委員会でございますが、新公団法におきましては日本住宅公団の場合と同様に管理委員会を設置いたしたいと考えております。この構成は、先生がおっしゃいましたように、新公団におきましても、一般公益代表、出資地方公共団体の代表を公団代表であります総裁のほかに委員として加えまして、新公団の予算、事業計画、資金計画、決算といいます重要事項を審議議決していただく、このような機関でございます。これによりまして新公団の公正な業務運営を図りますとともに、出資地方公共団体の意見を業務運営に反映させようとしておりますので、これを新公団におきましてもなお置きたいと思うのでございます。
 なお、管理委員会の委員は建設大臣の任命としておりますが、これはやはり、副総裁及び理事は総裁の任命となっておりますが、公団におきましてその中立性を保ちますために大臣任命という形をとったわけでございます。
 なお、監事との関係におきましては、監事は内部監査を行うという別の機能ということでございます。
#300
○栗林卓司君 いや、私のお尋ねは、この管理委員というのは現状役割りを果たしているとお考えになりますかということなんです。というのは、五十五年から見ますと、五十五年の三月二十七日、これは予算、七月十八日、決算、五十六年三月二十六日、補正部分についての予算。一番肝心な日本住宅公団がなくなってしまいますよという御相談はこの管理委員会にはしたんですか。
#301
○参考人(澤田悌君) 先ほども御答弁申し上げたんですが、管理委員会の任務といいますか、これは公団法に決まっております。それで、ただいま御指摘の点について管理委員会の意見を求めるとかいうことにはなっておらないわけでございます。
 それで、日本住宅公団におきまする管理委員会のあり方の経験から出しますと、果たしてあれだけ管理委員会が機能しておるかというふうな点の御指摘がわからないわけではないのでありますが、いろいろな点につきまして、法律に定めてありまする予算、決算、業務等の審議をお願いする際にいろいろな問題についてやはり報告し、説明をし、御意見を伺うということにいたしておりまして、今度の新公団の設立の問題につきましても、会議の都度経過あるいは建設省における問題等報告いたしておるようなわけでございまして、私の経験から申しますと、やはりこういった機能を果たす委員会があった方がベターである、率直に申してかように考えるわけでございます。
#302
○栗林卓司君 それはお立場からして、こんなの要らないとはとても答えにくいでしょうけど……。では、いまお願いしている方々のお名前挙げますと、岩佐さん、高山さん、山中さん、この方々が中立て、あとは地方公共団体共同推薦として大島さん、三木さん、大島さん、三木さんは共同推薦ですから地方公共団体の方にゆだねるとしまして、この岩佐さん、高山さん、山中さん、私はお日にかかったことはありませんけれども、これは人格、識見ごりっぱな方だと思います。しかしそういう忙しい人に頼む、しかもお年を召されたそういう人たちに頼むものとして管理委員会というのを当初考えたんだろうか。初代総裁は民間ですね。で、この管理委員会にもある役割りを期待しながらつくった法律だった、それがだんだんと法律にあるからなくすわけにいかぬというかっこうで今日まで来てしまったというのが、私はありていに言って本当のところだと思います。ただ、集まって御説明すれば、それぞれ貴重な意見を述べられるでしょうから、有効であることは否定はしません。しませんけれども、こういうまさに忙しいことが目に見えている有名な人が年に三回、半日仕事で、しかも本来の業務の方は理事だけで十四名どうしても要るんだと、これはどう考えたって合わない。したがって、管理委員会は私は要らないと申し上げておきますけれども、残るんなら残るで、いままでの人選で本当にいいのか。しかも片一方では行財政改革という問題がある、片一方では大きな環境の変化がある、そこの中でどっちの方向に公団を向けていくかという議論を聞かなきゃいかぬわけでしょう。私はおのずからもっとぱりぱりした現役の層から選ぶのも一つではないか、仮に残すんならですよ。意見だけ申し上げておきます。
 今度監事ですけど、監事も建設大臣の任命ということになっているわけですが、この監事というのは内部監査をやるわけですか。
#303
○政府委員(川上幸郎君) おっしゃるとおりでございます。
#304
○栗林卓司君 内部監査をやるということが、内部の事情に精通している人、いわば日本住宅公団なら住宅公団の中の人から選んでおりますということでしょうか。
#305
○政府委員(川上幸郎君) 人選につきましては過去いろいろ経緯があったと存じますが、やはり監事は中立的に内部監査を行える人、そのような観点から学識のある方を選んで任命いたしておりました。
#306
○栗林卓司君 監査というと内部監査と外部監査とあるわけですけれども、これは内部監査をやるわけでしょう。内部監査をやると、たとえば民間の場合でも監査役というのがおりまして、監査役を外部の人に委嘱する場合も間々ありますけれども、大体は中から人材を抜てきをして、あなたに監査役を頼みますとこうなっているわけですね。したがって、中立的どうこうではなくて、内部監査なんだから、私は外部監査のことを聞いてない、内部監査なんだから、それに見合った人材を登用されるのが本当なんじゃないですか。
#307
○政府委員(川上幸郎君) 先生のおっしゃいますとおりでございまして、いまはおりませんが、前には当然公団の内部から登用した方もおられるわけです。
#308
○栗林卓司君 私はそれがいつの間にどうしておかしくなるんだと聞いてるんです。返答いいですよ、見当はついているもの。その辺が行き過ぎますと天下りどうこうという議論が出ちゃうんです。私は天下り問題というのは、官僚の一つの組織体を考えますと、あそこにある人材をどうやって社会に生かしていくかという意味では、いわゆる天下りも頭から拒否すべきではないと、私、持論ですけれどもね。ところがこの監査のように、それは内部から当然人を選んで内部の人が監査をする、内部監査なんですということは、それはそれで筋を通さなきゃいかぬ。意見として申し上げておきます。
 では住宅公団の場合、またいまの新公団でもそうですけれども、外部監査はどうするんですか。
#309
○政府委員(川上幸郎君) 外部監査につきましては、会計検査院の検査対象になりますし、建設大臣によります監察といたしまして建設省内に総括監察官がおりますので、それが監察する場合もございます。
#310
○栗林卓司君 どなたがお答えでも結構なんですけれども、新公団はますます民間企業と競合しながら生きていくわけですね。その公団というのがどういう財務構成でどういう仕事をしながらやっているかということは、当然外部の人もチェックをしたいと思うでしょうし、知りたいと思うでしょう。会計検査院ということになると、それは対象になっておりますけれども、毎決算期に会計検査院が出張ってきて、間違いございませんと判こを押すわけじゃない。じゃ建設大臣がといっても、建設大臣が任命しているんですから、それは外部監査ではないんです。日本住宅公団にしても宅開公団にしても新公団にしてもこの外部監査がない。内部監査だけなんです。それもいまは形骸化している。一切の責任は建設大臣。これはここまで大きくなった日本住宅公団にしても新公団にしても、このあり方というのは私は正しいとは思わない。じゃ公認会計士の監査を受けなさいと短絡して言えるかどうか、不勉強でわかりませんけれども、それは公認会計士を頼んでその外部監査を受けたって当然しかるべき企業規模じゃないか。その点についてはどうお考えになりますか。
#311
○政府委員(川上幸郎君) 先生のお話をお伺いしまして、突然でございますのですぐ即答はいたしかねますが、私どもは現在の公団部内の内部監査、それから先ほど申しましたような検査院の検査、それから建設大臣の検査、監督、これによりまして大体十分な監査はできるんではないか、このように考えておるわけでございます。
#312
○栗林卓司君 では、意見として申し上げておきますけれども、建設省の監査というのは建設大臣がすべて任命権者でありますから、建設省というファミリーの中では内部監査なんです。外部監査というのは広く世間に、しかも世間で認められたある見識、資格を持った人が監査をして、この決算に遺漏ございませんと判を押すところに意味がある。これはないんですよ。これは公団というのはどういう性格がという点が一つまたすっきりしていないのでこのままきていると思うんですが、これから新分野に向かって仕事も広げていくということになると、私は外部監査の導入ということは真剣に検討されてはどうかと、意見として申し上げておきます。
 話を戻しましてまた行政改革に戻るんですが、第二臨調を中心にしながら、官業と民業の役割り分担の明確化ということが一つの課題として言われてまいりました。そこで官業と民業の役割り分担ということを、この新しい法律の目的に即して考えてみながらお尋ねをしたいと思います。
 第一章総則、第一条「(目的)」をごく簡単にしますと、恐らく次の四つに分かれると思います。一つは、集団住宅及び宅地の大規模な供給、二番日が健全な市街地に造成する、三番目が市街地開発事業を行う、四番目が根幹的な都市公園の整備を行う、以上四つが第一条の新公団が行う事業を整理したものです。
 以下、逐一お尋ねをしてまいりますけれども、まず「住宅事情の改善を特に必要とする」「集団住宅及び宅地の大規模な供給」について、これを官がやった方がいいのか民がやった方がいいのか、官業と民業の役割り分担ではどう整理をしたらいいんだという立場の質問でございます。
 まず「住宅事情の改善」、この「住宅事情」という新しい言葉が出てきたんだけれども、これは一体何を言っているんですか。
#313
○政府委員(豊蔵一君) 新公団法におきまして「住宅事情」というふうにあらわし、現在の日本住宅公団法におきましては「住宅の不足」というような表現を使っております。御案内のように、日本住宅公団が発足いたしました昭和三十年ころにおきましては約二百七十万戸の住宅が不足していたというようなことがあり、また一方、大都市地域への人口の流入が進行してきた、そういうような意味で大都市における住宅難が深刻な問題であったというような事柄が一つの前提となって住宅公団法の表現になったものと思います。これに対しまして、最近におきましては先生御案内のとおり、住宅の戸数といたしましてはすでに二百六十七万戸の空き家が存在しておる。しかし一方、質的な面を見ますと、確かに改善の跡は見られるけれどもなお最低居住水準を達成していないという世帯の数が五百七十三万世帯もある。あるいはまた住宅需要実態調査によりますと、住宅に困っているとする世帯が三八・九%を占めているというようなところから、そういったような住宅の質を昭和六十年度を目標にして最低居住水準未満の解消、あるいは半数以上の世帯の平均居住水準の達成といったような改善を進めていく必要があるわけでございますが、そういったことが特に必要なのはやはり大都市地域であろうということで、「住宅事情の改善を特に必要とする大都市地域」というふうにあらわしたものと考えております。
#314
○栗林卓司君 大変失礼な言い方になろうかと思うんでお許しいただきたいんですが、この「住宅事情の改善」ということを言いまして私が直感的に思ったのは遠い、高い、狭い。遠い、高い、狭いというのは日本住宅公団が生み出した言葉なんです。この新公団というのは、日本住宅公団と宅開公団が一緒になってその戦力を基礎にしてやるわけでしょう。これまで遠い、高い、狭いとただ批判にさらされてきたその日本住宅公団を母体とする新公団が「住宅事情の改善」を本当にできるんだろうか。
 もう少し申し上げますと、住宅供給が大幅に減ってきた。これは数字で申し上げるまでもありませんけれども、かつては賃貸は五万八千九百四十戸という昭和四十六年をピークにして、五十四年は三千六百七十六戸と落ち込み、住宅建設戸数も大幅に減少しているわけですね。これをどうしようかという課題を抱えて苦悩をしているところで、新公団に一緒になったからといってその住宅の供給が果たせるんだろうか。
 過去五十一年からの例をさかのぼって言いますと、計画に比べて住宅公団は、住宅で五十一年が八六%、五十二年が六四%、五十三年が七〇%、五十四年が七二%。
 宅地はどうかというと、住宅公団の場合で言って五十一年が五七%、五十二年が五一%、五十三年が四三%、五十四年は実に三七%。宅開公団はどうかといいますと、昭和五十四年度事業計画比で、宅地達成は金額ベースでいって四七%。この戦力を集めて、ここにありますように、「住宅事情の改善を特に必要とする」云々の、そして「集団住宅及び宅地の大規模な供給を行う」ことができるんだろうか。できないとすると新公団はこの任務からおりなきゃいけない。その辺についてはどうお考えになりますか。
#315
○政府委員(豊蔵一君) 確かに日本住宅公団におきましての第三期五カ年計画におきます達成率は五四・四%ということになっております。その原因といたしましてはいろいろございますが、先生も御案内のように、最近における経済の安定成長のもとでの大都市への人口集中の鈍化であるとか、あるいはまた住宅需要動向というものがいろいろ変化したこと、あるいはまた用地の取得が非常に困難をきわめた、また関連公共施設の整備等につきましての地元の地方公共団体あるいは地域住民等々との調整が難航した等々いろいろあるわけでございますが、大都市におきましてやはり住宅事情の改善というのは特に必要であり、また第四期の住宅建設五カ年計画においてもそのような方向で計画を作成し、もちろん住宅公団だけじゃなくて公営化宅なり公社住宅あるいは公庫住宅を含めまして、公団ともどもこれらの課題を達成するために第四期五カ年計画をスタートさせたわけでございます。したがいまして、いま申しましたようないろいろな問題点を整理し、今後とも関連公共施設の整備であるとか、あるいはまた国からのいろいろな利子補給の充実強化であるとか、あるいはまた特定市術地総合整備事業等の活用とか、そういったようなものを進めまして市街地住宅を建設し、より便利なところに第四期五カ年計画の水準を達成するような規模の住宅を建設していきたいし、またわれわれ今後とも総力を挙げて努力すれば達成はできるというふうに考えておるわけでございます。
#316
○栗林卓司君 いまのお答えは、国の住宅政策ということで言えばその御答弁で結構なんです。私が冒頭申し上げましたように、国の住宅政策、宅地政策の一面として読みますと、この文章は非常によくわかる。新公団の目的として読むとわからなくなる。いまおっしゃったようにそれは国としてはしなければいけないことなんです。ただ、新公団はそのうちのどの部分を担当したらいいのか、それが先ほど行革との関係で申し上げました官業と民業の分担の明確化でしてね。第四期住宅建設五カ年計画でも計画年次内に三百五十万戸つくりたいという中で、日本住宅公団の建設する住宅はわずか二十万戸、六%です。したがって、六%が果たす役割りを書けばいいんであって、三百五十万戸の、なぜ必要かという説明をここに書くのはおかしいという話をしているんです。
 というのは、国がする仕事、公団がやる仕事、民間がやる仕事、皆違うわけでしょう。国としてはいまのお答えの内容で私は別に異論ありません。ないんだけれども、これは新住宅公団の目的なんですから、それをどうしぼったらいいのか。
 逆に伺いますと、これは五十六年三月十八日ですけれども、住宅宅地審議会から建設大臣に答申が出ております。そこの中の一部を拾って見ますと、「大都市地域において、職住近接の要望等に対応し、居住水準の着実な向上を図るため、」、問題はこの次なんです、「民間の活力を導入しつつ、既成市術地における拠点的かつ総合的な住宅市街地の整備をはじめ、」云々。この「民間の活力を導入しつつ、」というあたりは住宅宅地審議会の一つの意見がくっきりと入っているところだと思うんです。これをも参照にしながらこの新公団に対してどういう分野の任務を負担させようとするのか、もう一度伺います。
#317
○政府委員(豊蔵一君) 新公団におきますところの住宅政策の遂行ということ、現在の日本住宅公団が行っております住宅建設と私は軌を一にした線で今後ともいくということであるわけでございますが、その日本住宅公団に期待されておりますところの役割りは、一つには、民間の市場においては適正な水準の住宅の供給が不足しておる、そういうような場合にはやはり公的機関が直接乗り出してこれを整備をする、あるいはまた国民の方々の中で自分が能力いっぱいの努力をしても最低居住水準の住宅が確保できないという方々に対しまして、やはりこれは公的機関が面接供給をするといったようなことが必要であろうかと思われます。
 そういったようなことをこの日本住宅公団に対しまして期待しておるわけでありますので、その限りにおきまして住宅・都市整備公団もその方向を引き継ぐ。その際、公営住宅と役割りを適正な分担を行っていくということで公営住宅はその地方公共団体の区域内に限られますが、この公団は広域的な立場から広域的な大都市の住宅需要を解決するというような立場で公共団体とも役割り分担ができるものと考え、また、いま申しましたような線から民間の住宅建設と公共事業主体の住宅建設とはそういうような意味で分担関係があり、また、国としてもこれをバックアップする必要があるというふうに考えているわけでございます。
#318
○栗林卓司君 いまの分担の問題、もう少しお尋ねしたいんですが、その前にいまの御答弁にもありながら住宅公団、宅開公団も含めて言えば、それぞれ計画に比べて達成率が逐年落ちておりますし、非常に悪い。この悪いのは住宅公団、宅開公団がサボっているというよりもむしろ国に帰すべきあるいは地方公共団体に帰すべき原因が非常に多いはずだと思うんです。宅地さえ満足にあればあとは建てることは苦労は要らないとさえ言われるんですから、問題は宅地の供給に対して国自体がどういう努力をするのか、この点についてだけちょっとお尋ねしたいと思うんです。
 先ほど建設省の方から「宅地需給長期見通しについて」という資料がございました。中身についてお尋ねをしたいんですが、昭和五十六年度から昭和六十年度まで、いわばこの資料の前期分でとってみますと、全国で宅地需給量が六万二千五百ヘクタール。それは公的供給、区画整理、民間供給かくかくで達成をする努力資料が若干ございます、こうなっているんですが、私はこれを見て実はびっくりしましたのは、首都圏で一万五千、近畿圏八千、中部圏七千二百、公的供給はそれぞれ数字があるんですが、これに見合った実績の数字は全然ない。ちょっと私は信じられなかった。
 宅地供給の実績数字というのは何かというと、DID以外の地区、新市術地についてしかとってないんです。DID地区、既成市術地については宅地供給実績というのは全然ない。ないのをいま怒ってもしようがないんですが、この辺にやっぱり腰の浮いた住宅政策、宅地政策が私はあったんだろうと思う。これからは既成市術地、DID地区を含めての宅地供給実績をぜひ統計としてとっていただきたいと思いますが、これは全体の三割ぐらいだそうです。少なくないんですよ。新市街地が七割、既成市街地が三割、足して五十六年度から六十年度までは六万二千五百、それをいままでは私も不勉強でした。片一方の新市街地の数字だけを見て一体どうするんだと言って質問をしていたんですが、まことに残念でありました。ぜひこれはやっていただきたい。
 ここで私か質問しますのは、この需要の内訳を出します宅地原単位面積を見ますと、昭和四十九年首都圏が百六十六平米、これがずっと下がって五十三年では百四十二平米。近畿圏がどうかというと、昭和四十九年が百二十九平米、五十三年は百五平米。中部圏はどうかというと、四十九年が二百四、五十二年が百八十二。五十三年だけとってみますと、首都圏が百四十二、近畿国が百五、中部圏が百八十三、その他地域が二百十四。結局宅地問題というのは首都圏と近畿圏に集中しているということです。建設省が第四期住宅建設五カ年計画を出す過程で議論にされた数字は恐らく二百をちょっと超える数字だったと思うんです。ただ、その数字を基準値として出せるか出せないかというと、とてもじゃないけれども、近畿圏あるいは、首都圏のこの数字を見るとどうしようもない。そこで出さないことにしたという趣旨のお話を伺いました、こうなってしまった結果論なんですが、これがずっと趨勢的にどんどん減っていくのか、これを再び二百が理想値としますと二百に近づけていくのか、この点について所管の御答弁を伺います。
#319
○政府委員(宮繁護君) まず最初に、統計資料の問題でございますけれども、実は私ども今回宅地需給長期見通しをつくったわけでございますけれども、初めての試みでございまして、資料の制約、それから策定手法のまだ未成熟な点等がなり問題があったと思いますけれども、それはそれなりにここまで持ってきたわけでございます。それから、住宅の統計はかなり完備をいたしております。これは長い間たくさんの金をかけ、私どもの先輩も大変苦労なさって今日の統計の整理ができたことと思いますけれども、いかんせん宅地はいま御指摘のとおり大変おくれているような状況でございます。
 ことしから実は首都圏だけにつきまして、非常に予算厳しい折でございましたけれども、財政当局も認めまして一億三千万の調査費をいただきまして、航空写真で土地の利用状況とかあるいは律を経るごとにどういうふうに宅地化しておるかという資料をつくるための調査も発足いたしました。来年度また一億数千万いただきまして二年で一応つくり上げられると考えております。そういう意味で先ほど御指摘ございましたように、いままで実は一万ヘクタールの宅地供給がありましたというようなことを申し上げておりましたのは全く新市街地の分でございまして、DIDについてはいままで必ずしも正確な資料ございませんでした。今度の需給の見通しでは一応DIDの内と外に分けまして、いま御指摘のとおり大体七対三ぐらいの数字になっております。宅地の資料の整備につきましては、財政事情も大変でございますけれども、何とか完備をすべく一段の努力を続けてまいりたいと考えております。
 それから、敷地の面積でございますけれども、御指摘のように、たとえば首都圏で申し上げますと、五十三年度が一戸当たりの平均の敷地面積が百四十二平米でございまして、四十九年は百六十六平米でございましたので、かなり落ち込んでおります。これはもう申すまでもなく、地価の高騰に伴いましてまず宅地を求める場合に、先ほど主お話がありましたけれども、市街地の中心から遠いところへ宅地を求めざるを得なかったこと。それからもう一つは、市街地でのマンション、これは土地の高度利用の面からはある程度評価もできるわけでございますけれども、マンション需要がふえてきたこと、それからもう一つはいま御指摘のミニ開発が非常に進んでおる。これはいずれもいろんな対策を講じておるわけでございます。
 そこで、首都圏におきましては五十三年度が百四十二平米というふうに落ち込んでまいっておりますし、近畿圏で申し上げましても四十九年が百二十九平米が、五十三年では百五平米というふうにやはりミニ開発が進んでまいっております。それで、何とかこの歯どめをかけたいというのが私どもの念願でございまして、これにつきましては市町村におきましても開発指導要綱等でかなりミニ宅地の規制を進めております。そういう意味では、五十四年、五十五年度あたりでは平均的な宅地面積も若干持ち直しておるのじゃなかろうかと考えております。
 そこで、今度の長期需給見通しにおきましては、首都圏におきましては五十三年度が百四十二平米でございましたけれども、これを百四十八平米ぐらいまで何とか維持したい。それから近畿圏におきましては、これは大変むずかしいんですけれども、現在百五平米を実は百三十五平米まで水準を上げたい。これは大変な努力がいると思いますけれども、一応こういう単位をもちまして新しい宅地の必要量をはじいたわけでございまして、計画といたしましては、この見通しとしましてはかなりの努力が必要でございますけれども、いま申し上げましたような水準の宅地が入手できるような数量での長期需給見通しをはじいたような次第でございます。
#320
○栗林卓司君 ぜひ御努力をお願いしたいと思いますが、ただ、そうなりますと区画整理が終わった土地、万に近いヘクタールが残っていると思うんですが、首都圏で大体二十四年ぐらいで売却が終わると。近畿圏ですと約二十年、数字が出ているようですが、そんなのんびりされていたんではちょっとかなわない気がする。しかも区画整理が終わった土地というのは、道路等基盤整備は全部終わっているわけですから、それこれを含めていかなる手法があるのか、これから御検討だと思いますが、やはりいまの努力の一環として一番手をつけたい、急ぎたい一つだと思います。お考えのことがありましたら伺わせていただきたいと思います。
#321
○政府委員(升本達夫君) 区画整理事業の事業済み地がかなり長期にわたって宅地化されないままに残っているというのは御指摘のとおりでございます。これにつきましては私どもといたしましては、まず第一次的に適切な市街地が整備されることが大事だという感覚から、もっぱら区画整理事業の進行に努めてまいったわけでございます。しかしながら、ただいま御指摘のように住宅、宅地需給関係がこのような状況下において、単に市街化がなされれば、市街地整備がなされればそれでいいという考え方もちょっと無理な状況に至っているということも十分承知をいたしております。
 そこで、これからの促進策でございますけれども、一番端的には何らかの規制措置を講じて、換地処分後何年以内の宅地化を義務づけるというような方向が考えられるならば、それは一つの方法かと思いますけれども、御承知のように区両整理事業は公共投資ももちろん含んでおりますが、かなり地主、地権者が減歩負担をしてみずから整備したという実態もございます。したがいまして、これを現時点でにわかに規制措置に持ってくるということに問題があろうかという考え方をいたしております。そこで現状におきましては、やはり誘導施策をいろいろと寄せ集めまして宅地化の促進を図る。たとえば住宅金融公庫等の融資を地主並びに建物を建てたい方に積極的に利用していただくというようなこと、あるいは税制措置この間改善をして、改正をしていただきまして、仮換地指定後三年以内の処分について譲渡所得税の軽課ということもとられております。このような手だてをいろいろ八万から寄せ集めまして、誘導施策の推進を図っていきたいというのが現状でございます。
 私は、区画整理事業の第一の目的は市街地整備でございまして、そのために生じた土地の宅地化につきましては、単に区画整理事業だけではなくて、やはりただいま申し上げました融資措置、それからあるいは税制措置、諸般の措置を集中いたしまして、集合して促進策を講じていくというのが現状ではないかというふうに考えております。
#322
○栗林卓司君 おっしゃったとおりだと思います。区画整理いたずらにいじめますと、区画整理事業そのものが進まなくなってしまいますし、痛しかゆしなんですが、ぜひ知恵をしぼられながら来年度、五十七年度に合わせて抜本的な宅地供給のための政策をお出し願えるように期待しておきたいと思います。
 その次なんですが、また一章「(目的)」に戻りまして、「当該地域において健全な市街地に造成し、又は再開発するために市街地開発事業等を行い、」と、こうあります。「健全な市街地」の「健全」というのも、これもわりあいに新しい言葉でありまして、従来は「新たな市街地」となっておりましたし、この新公団法に合わせて都市再開発法、土地区画整理法がそれぞれ所要の部分改正されまして、両方とも似たような表記になっております。「健全な市街地」とは一体何なんだ。言葉で見ればそのままなんだけれども、一体だれが健全と見るんだろうか。これは新公団法に「健全な市街地」というかっこうで入っているわけですから、これは公団が健全と判断するんだろうか、国が基準をつくるんだろうか、あるいは地方公共団体が決めるんだろうか。「新たな市街地」というのはだれが見てもわかるんです。「健全な市街地」というのはそれ自体価値観を含んでいますから、一体この「健全」というのはだれが決めるんでしょうか。
#323
○政府委員(升本達夫君) むずかしいおただしでございますけれども、私どもこの「健全な」というのは、いわゆる常識的な意味の健全以外のことを考えているわけではございませんで、強いてだれが決めるものかということにお答えするとすれば、国民を代表される立法者が「健全な」という言葉を法文に使われ、その使われたときにそれぞれの立法者の総意として認められるところがその常識の線ということになるんではないかというふうに考えているわけでございます。具体的に例示を申し上げますと、市街地に通常あるべきような公共施設が整備をされているような市街地、特に安全性それから利便性、快通性という点にマイナス点がつかないような市街地というものを常識的な意味では具体的な基準として考えていいのではないかと思っております。
#324
○栗林卓司君 私は私見を申し上げますと、作文と言っては申しわけないけれども、いささか作文に類するこの「健全な」という表現を、土地収用法を背景にしながら進めていこうという建設法規の中に安易に持ち込んではいけない。それはあくまでもいよいよ公益のために必要とあれば、土地収用法を使いいろんな手法を使いながら、何と言おうとやってやろうということじゃないといかぬ厳しさを一面で持ちながらどう進めていこうかというのが建設法規全体の私は性格だと思う。そこに「健全な」というあいまいな言葉を持ち込むのは私個人としてはどうかなと思います。問題は、そういうあいまいな言葉を目的の中に書かれて新公団が受けられるのか。国とかなるほど国会は受けられますよ、議論すればいいんだから。新公団が受けられるんだろうか。現在は新公団を代表する人はまだいないわけだから、意見だけ申し上げておきますけれども、これは場合によってはもつれる種をつくるだけになるかもしれない。仮に百歩譲りまして健全な市街地の形成、造成をやるということにして、しかも都市再開発法、土地区画整理法を見ますと、従来はこうなっているんです。
 たとえば土地区画整理法を見ると、これは宅開公団に関する規定でありますが、「宅地開発公団の行う宅地の造成と併せてこれと関連する新たな市街地を造成するための土地区画整理事業」、これはわかります。今度はどうかといいますと、「建設大臣が人口の集中の特に著しい政令で定める大都市の」しかも「既に市街地を形成している」「区域のうち特に一体的かつ総合的な市街地の再開発を促進すべき相当規模の地区の計画的な整備改善を図るため必要な土地区画整理事業を施行する必要があると認める場合においては、施行区域の土地について、当該土地区画整理事業を施行することができる。」。従来とはこれはがらっと性格が違ってまして、すでに市街化されたところに割り込んでいくんです。割り込んでいって再開発しますよ、その役割りを公団がしょえるんだろうか。しょえるんだろうかということは、国と地方公共団体と公団と三つを見比べながら公団がしょえるんだろうか。しかも先ほど申し上げました第一章の目的はいまここに申し上げた内容の趣旨が書いてある、どう考えますか。
#325
○政府委員(升本達夫君) おただしのように、現行の土地区画整理法におきましては、「新たな市街地を造成」という表現をいたしておりまして、「健全な」という言葉は今回修正をさせていただいたわけでございます。また、現在の住宅公団法におきましては、第一条におきまして同じように「健全な市街地に造成し、」という言葉も使わしていただいております。この辺のところも一つの立法例として参考にさせていただきながら今回の一条の目的に書かせていただいたわけでございます。
 確かに「健全な」という言葉自体の定義が非常にむずかしゅうございまして、この言葉をここに使うのは適当かどうかといういろいろ御議論はあろうかと思いますけれども、都市計画法におきましても条文中にこの「健全な」という、ちょっと意味は違っておりますが、使っているところもございまして、これは一つの趣旨説明という意味で法文中に使われる場合も許されるのではないかというていの判断をいたしまして書かせていただいたわけでございます。
 具体にしからば、何が健全かの判断を公団に任せて大丈夫かというおただしにつきましては、区画整理事業、再開発事業の施行に当たりまして逐一事業計画の認可等の処分を要することになります。その過程におきまして十分私どももこの立法段階での御意見を参酌しながら、そごのないように努めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#326
○栗林卓司君 どこでもいいんですが、たとえば二十九条の四項、「公団は、第一項第六号又は第十号の業務で」これはいま引用した再開発を含む業務です。「土地区画整理法第三条の二第二項又は都市再開発法第二条の二第四項第二号の規定により行うもの及び第一項第十五号の業務については、地方公共団体の要請をまって行うものとする。」したがって、公共団体の要請があればできるということになるわけであります。
 そこで、やる内容なんですけれども、三十四条の二項、若干省略して引用しますと、「公団は、」「施行する場合には、」「当該工事に係る施設(以下「特定公共施設」という。)の管理者に代わってその権限の一部を行うものとする。」以下ずっと規定がありまして、いわばそれは地方公共団体の要請を受けてという条件がありますけれども、従来の公団よりも踏み込んだ仕事ができる規定になっている。三十七条二項では、「前項の規定により国が当該特定公共施設の管理者に対し交付すべき負担金又は補助金は、公団に交付するものとする。」、公団が物事を進める場合に、関係者に争いがあった場合には建設大臣これを決する。この書き方を見ますと、ちょっと果たしてうまくいくんだろうかという気持ちの前に私は不安があるんです。そんな大きな仕事を新公団にゆだねてしまって――条件は要請があればですよ、いいんだろうか。これはどういう目的といいますか、ねらいで特定公共施設の業務の条項を入れたんですか。
#327
○政府委員(宮繁護君) 新しい公団は、先ほどもお話が出ておりましたように、単に住宅の敷地を提供するということでなくて、健全な市街地として町づくりをする使命を帯びております。そういう意味で宅地の造成にあわせましてかなり多くの公共施設を整備する必要があるわけですけれども、地元の公共団体では財政負担の点あるいはまたこれを設計、施工、管理するというふうな施行能力の点からも困難な場合がございますので、宅地開発公団の場合には道路、河川等の根幹的な公共施設につきまして、本来の管理者ではございます地方公共団体にかわりまして公団がみずからこれを整備する機能を付与することにいたしました。
 これによりまして、宅地の造成と根幹的な公共施設の整備を総合的一体的に施行できるということ、あるいはまた国の補助金を直接この新公団に交付いたしまして補助金の確保を図る。こういうようなことによりまして宅地開発事業の一層の推進を図ることにいたしたわけでございますけれども、新公団におきましても、こういうふうに特定の公共施設につきましては、新公団みずからが行えるような道を開いたわけです。
#328
○栗林卓司君 従来、いろいろな場所で工事期間が非常に延びましてこれがコストを高める要因になっていたということがあるんだけれども、それは施行する技術的能力、技術力がないから工事期間が延びてしまったんだろうか、なぜ長引いたんだろうかという原因を考えてみますと、恐らく私は大ざっぱに申し上げて二つだと思う。一つは資金の問題、もう一つはコンセンサスの問題。関連公共施設にしてもしょせんは資金ですから、資金が十分あれば建てかえ施行でやって何ら変わりはないし、従来その手段、方法はあったわけです。それを今度はみずからやって補助金まで公団に持ってこい、いわば公団が、いわゆる公団ではなくて、と言って地方自治体でもない、と言って建設省直轄でもない、非常に奇妙な性格のものに私はここで変わった気がする。しかしそれは、住民のコンセンサスと資金が十分にあればそんな無理をしなくてもよかったはずのものでしょう。だったら資金を調達すればいいじゃないか、住民のコンセンサスを得るために地方公共団体あるいは日本住宅公団、宅開公団がねじりはち巻きになってやればいいじゃないかということになりませんか。
#329
○政府委員(宮繁護君) いかなる事業もその地域におろします場合に地元住民の方の御協力、コンセンサスが必要なことは言うまでもないことでございます。資金の問題につきましては、実はこの公共施設はもう言うまでもなく税金で賄われるものでございます。そういう意味で地方公共団体に補助金を出しまして施行いたします場合には、公共団体といたしましては、ともすれば団地のために補助金も必要でありますし、古い市街地につきましても学校も老朽しておるとか、あるいは街路にしましても下水道にしましても公園にしましても、必ずしも十分ではないというようなことで、既成の古い市街地にもまた補助金が欲しい、必要であるというような場合が非常に多いわけでございます。そういう両建てで国の方に要求いたしましたような場合に、公団等が新しく団地や住宅をつくります場合に必要な補助金の方を先取りというか、それを優先的につけられますと、旧市街地の方の補助金に差しさわりがあるのではないかというような心配も実はされるわけでございます。
 そういうような意味合いで、直接やはり公団の方に補助金を交付いたしますと、地元の市町村も既存の市街地その他につきまして、地元は地元なりに優先順位をもって補助金の申請をしてまいる。それは別にちゃんと見てもらえる。なお、公団の方の補助金につきましてはまた別途もらえるのではないかという安心感もございますし、そういう面からも単に資金の量の確保だけでなくて、かなりこのことで地方公共団体も安心されまして、そういう直接施行であれば公団も事業をやってくださいというような場合もございますので、この制度はそれなりに意味があるものではなかろうかと考えております。
#330
○栗林卓司君 確かにお答えのとおりだと思うんですが、素直にその成り行きをながめてみますと、言葉はかたいんですがやっぱり地方自治の侵害でしょう。どういう優先順位の補助金を使うかは、地方自治体の首長が、あるいは議会が決めればいいんだ、決めた順番が当公団としては気に入らない、したがって実は延びてきたんです。悩みはわかりますけれども、じゃ、だったらその部分はこっちによこせということは実は地方自治の侵害になる。それはもう地方公共団体が承知の上です。したがって、要請を受けてやるんです。
 一応法律上のつじつまは合っておりますけれども、私が心配するのは、そこまで踏み込んでしまうことが地方自治を本当に育てるんだろうか。できなきゃできないでその地方はほうっておきゃいいじゃないか。そしたら地方住民の方がとんでもないというので、次の議会では促進方の決議をしながら前に進むかもしらぬ、それは紆余曲折するようだけれども、それが民主主義の進め方としては一番間違いがない。私はここに住宅あるいは宅地を開発する責務にある者としての一つのあせりを感ずるんです。だけれども、これで本当にいいかどうか。しかもそれで、いや、うちの方が安心でよかったと言っているところがあるんでしょうけれども、そうすると地方自治体も地方自治体だと言わざるを得ない。ある意味では今度の新公団の目玉の部分だけに、どうやって進めていくのか慎重な配慮をこれは要請しておきたいと思います。いろんな地方自治体がありますけれども、そこで住宅がどうなろうとこうなろうと、国はそこまでの責任を負う必要ないんです。国は基準をつくって宅地が供給できるように、流通できるように全体のフレームがどう動いていくかということをやればいいんであって、個々については個々の地域住民が自分たちで相談して決めればいい。格差が非常に開いてきたら地方交付税でまた考えればいいという制度の中でお互いに進めていくわけですから。意見として申し上げておきます。
 ただ一つ伺いたいのは、そうやって地方自治体が要請をする、しかも補助金の方は建設省の方から公団に直接やってくる、この仕組みそのものは民業圧迫ではありませんか。
#331
○政府委員(宮繁護君) いまお話しのように、私どももこういう制度がなくても、地方公共団体の方で十分な御理解をいただきまして、団地お断りなどとおっしゃらないで、それぞれの住宅を求める方たちのために公共団体におきましても新市街地をつくっていただくという御協力が得られれば一番いいと思いますけれども、現実の問題になりますと必ずしもそうでない点も多うございまして、団地お断りということが非常に問題になってまいりましたので、いわば苦肉の策としてこういう制度をつくったわけでございますけれども、これらの実施につきましては地元と十分相談しながら、地元の自主制も尊重いたしまして、注意して仕事に取り組んでまいりたいと考えております。
#332
○栗林卓司君 時間がありませんから次へ行きます。
 見方を変えまして、では新公団の中に統合される住宅公団、一体何を重点にして仕事をしぼっていったらいいだろうかということでお尋ねをします。
 先ほど来の議論にありましたように、賃貸住宅の供給が大幅に落ち込んできた、この落ち込んできたというのをどう見たらいいんだろうかということなんですが、一つは住宅を全国平均でストックで見ますと余りがある。いわば量そのものとしては住宅は十分にある。したがって、賃貸住宅を供給する、いわば新しい戸数をふやすということに余り大きな関心を払わなくてもいいということなんだろうか。それとも住宅困窮地域というのは、先ほどの単位当たりの面積の話でもおわかりのように、実は日本全国におしなべてある話ではなくてある局所的な現象、局所的な地域、首都圏とか近畿圏とかそこに当てて、ここは絶対的に住宅が足らぬわけですから公団としてつくっていかなければいけないんだろうか。つくるとするとそれは当然賃貸住宅ということになる。したがって、これからの公団の仕事というのは全国全部相手にするんではなくて、住宅困窮地域、首都圏と近畿圏に特に重点を置きながら、しかも賃貸住宅の供給に全力を尽くすというように理屈から言うと私はなる気がするんだけれども、それはそう理解してよろしいですか。
#333
○政府委員(豊蔵一君) 先生御指摘のとおり、最低居住水準未満の世帯の状態を見ましても、やはり大都市地域におきまして全国平均より高い水準未満の世帯の率になっております。私ども第四期住宅建設五カ年計画におきましても、そういった大都市地域を中心に公共賃貸住宅を重点的に配分するというようなことによりましてその居住水準を確保したいと考えております。一応、従来とかく住宅公団におきますところの賃貸住宅の建設が難航いたしまして実績が計画をかなり下回っておるという点はございますが、なお今後宅地開発事業の促進等によりまして新規用地を確保するとか、あるいはまた工場移転跡地、国公有地の活用を図るとか、あるいは関連公共施設の整備促進事業制度を活用する等々の措置等をとりまして国民の御要望にこたえられるようにしてまいりたいというふうに考えております。
#334
○栗林卓司君 先ほど申し上げましたように、第四期住宅建設五カ年計画三百五十万戸の中でわずか二十万戸、六%を公団がつくる計画になっているわけです。ということは、六%まるまる賃貸住宅をつくっておかしくない。それでももしかしたら足らないのかもしれない。したがって、住宅公団の部分で分けて議論をしますと、賃貸住宅の建設が主任務です。あとの方は宅地供給にしても住宅建設にしてもほかの分野でほとんどやっているんですから。しかも、住宅公団が借家建設全力でやるからといって、それはいわゆる持ち家政策が根幹から揺らぐんではなくて、むしろ持ち家政策を進めるためにも公団は借家をつくらなければいけない。私はそう思うんです。したがって、第四期住宅建設五カ年計画を例にとりますと、二十万戸は全部借家に当てる、その心組みで私は進むべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#335
○政府委員(豊蔵一君) 私ども第四期の住宅建設五カ年計画を作成いたします過程におきまして、いま申しましたように大都市地域における賃貸住宅というのは当然重視いたしておるわけでございますが、全国的に世帯の年齢構成であるとかあるいは従来の持ち家取得の比率であるとかそういったようなもの、また一方、各世帯におきますところの家賃の負担能力等々を考えまして、自力では昭和六十年度におきまして量低居住水準を満たすことができない方々に対して賃貸住宅を公共が五十一万戸余り供給することによって達成することができるような政策展開になるというふうに考えまして、それを公営住宅あるいは公社住宅、公団住宅というそれぞれの事業主体に分担をお願いしておるところでございます。その計算でいき、また従来の住宅公団の実績等を考えました場合、この五カ年間における二十万戸は、おおむね持ち家系の住宅と賃貸住宅とはそれぞれ大体半々の十万戸ずつということが適当ではなかろうかというふうに考えているところでございます。
#336
○栗林卓司君 いわゆる持ち家政策と言われるものですけれども、私も持ち家政策は賛成なんです。所有しているということがもたらす精神的安定感、これは安定した社会をつくるためにはどうしても不可決だと思います。ただ問題は、その住宅が流通する市場、ファイナンスをする機能があればどっちでも同じことでありますから、大ざっぱに言えば、私は持ち家を中心にして国の住宅政策が進められることは賛成で、反対はしません。ただ、その持ち家政策の中で公共借家というものを公団借家を含めてどうやって位置づけておいでになるんですか。なぜ二十万戸のうちの十万戸でいいんだと御判断になるんですか。
#337
○政府委員(豊蔵一君) 公団住宅だけを考えまして十万戸が最もいいというふうに言うのがいかがかと思いますが、公営住宅なり公社住宅なりあるいは公団住宅の公共の事業主体全体の中における枠組みの中でどの程度がいいかというようなことであろうかと思います。そういうような中で考えました場合、おおむね公団住宅については、今後の五カ年間において賃貸系の住宅を十万戸程度供給することが過去の実績等から見ましても妥当なところではなかろうかというふうに考えたわけでございます。
#338
○栗林卓司君 繰り返しの御答弁なんですけれども、答弁になってないんですよ。
 意見を申し上げますと、家賃でさえ高くなってきた。いわんや戸建て住宅はとても手が出なくなってきた。そしてもう五、六年たちました。そういった中で、持ち家政策を一つの柱としながら国の住宅政策をどう回していくのか。それは国の資金が使えるところが最も安い家賃で住宅を供給するのが必要だし、それがライフステージにおいた住宅の住みかえの中でどういう位置づけであるのか、一体ではそれはどこにつくったらいいのかということを考えながら大枠としての国の住宅政策をつくっていくのが私は建設省の仕事だと思う。そこの中で日本住宅公団あるいはこの新公団がやる仕事は、国の資金を使うんですから、何としてでも、一般の民間では提供できないような安い家賃で、しかも可能な限り良質の住宅を供給することに全力を注ぐ。ほかのことは民間にやらせりゃよろしい。
 ただ、その公共借家について、ではどこにそれをどうやって住むかということが、知恵もなければ社会慣習もないものですから、これはまたいろいろな問題を起こしていることは事実です。しかしそれとても、いまの住宅事情を考えますと、借家団地に入った、二十年そこにいるのかね――入った途端に出たいと思うんですよ、みんな、入るまでは入りたいと思っても。問題は、その借家にいる間に、安い家賃のおかげで貯金もできました、頭金もできました、十年かかったら家が持てました、あるいは良質の中古住宅が持てましたという形で回っていけばみんなが納得をしていくんであって、そのときの根っこになる安い借家というのを提供するのは、それは住宅公団しかない。しかも、住宅公団が地方住宅供給公社に対して先導的な役割りをするしかない。だからこれだけの巨額の税金をつぎ込んでいるんだろう、私はそう思います。
 それで、また第一章第一条に戻りますけれども、私意見だけ申し上げますと、前の日本住宅公団法ですと、どこで何をだれにやるのかはっきり書いてあったんです。どこでというのは「住宅の不足の著しい地域」、何をというのは「耐火性能を有する構造の集団住宅」、だれに、「住宅に困窮する勤労者」。今度のものは何にもない。どこで、都市地域だ。都市地域ということが指定された持っておる意味は、宅開公団は残念ながらお呼びじゃなくなった、あれは周辺地域ですからね。むしろそうとしか読めぬようなことで、都市地域といえば全国画一になる。供給するのは集団住宅となれば、別にとりたてて特定した個性が何もない。しかも、「住宅事情の改善」「健康で文化的な生活を営むに足りる良好な居住性能及び居住環境を有する」、まてとに憲法的表現が入っている。これは実際に仕事をしていくに当たっては指針にならない。私は意見だけ申し上げますと、たとえばいまの主張に沿って言えば、借家だけつくれ、それが使命だと言って何ら間違いない。しかもそれが持ち家政策を豊かに育てていくための不可欠の道だと私は思います。意見だけ申し上げます。
 ごめんなさい、いま失礼なことを言ったんだけれども、宅開公団ですが、従来ですと「人口及び産業の集中が著しく、住宅不足のはなはだしい大都市の周辺の地域において、住宅の用に供する宅地の大規模な造成」云々、大都市の周辺の地域です。今度は「住宅事情の改善を特に必要とする大都市地域その他の都市地域」、いま手がけておいでになるものがありますね。したがって新公団も当然やりますと言うんだけれども、あの手のものはもう新公団では新しく手がけませんということですか。
#339
○政府委員(川上幸郎君) 新公団の業務区域の「住宅事情の改善を特に必要とする大都市地域その他の都市地域」、この解釈でございますが、私どもが考えておりますのは、新公団の業務区域は現在の日本住宅公団の業務地域と同一でございます。宅地開発公団の業務地域は当然この中に入っておる、このように考えておるわけでございます。
 なお、この区域を具体的に申し上げますと、首都圏の既成市街地、近傍整備区域、都市開発区域等と近畿圏、中部圏も同じでございまして、これになお政令指定都市その他の人口三十万以上の都市地域といいますものを考えておる次第でございます。
#340
○栗林卓司君 そうしますと、現在手がけているところはもちろん今後もその方向の開発努力をいたしますということだと思うんですが、現在宅開公団が手がけている土地、まさに難航に難航を重ねているわけですけれども、ああいう離れたところにつくるニュータウン方式、もっと言えばベッドタウン方式はもうはやらないんじゃないでしょうか。これはお答えしづらいでしょうから意見だけ申し上げますと、職場がついていかないんですから。そうすると、職場は遠くにあるんだから、そこに向かって鉄道も経営しなきゃいけない、道路もつくらなきゃいかぬ。今度は道路をつくれるような道を開いたんですが、そこまでやっていくとそれはべらぼうに高い土地になる。したがって、あの手のものは国民に供給するための良質、廉価な宅地供給としてはどうも余りふさわしくないんではないか、私はこの実感が非常に深い。その意味で、今回の新公団設立には私はここは賛成なんです。宅開公団があのままでいった日にはもう目も当てられないだろうと思う。そこで、宅開公団発足以来を振り返りながらもし御所見ございましたらお願いしたい。
#341
○参考人(志村清一君) 先生のおっしゃるように、ベッドタウンということにつきましては地元の公共団体も余り協力はしていただけません。職場のある、都市らしい核を持ったニュータウンであってほしいというのが、私ども仕事をしている関係の公共団体すべての御意向でございます。したがいまして、竜ケ崎ニュータウンにつきましては工業団地をそのすぐ近くに百ヘクタールほど確保、ほとんど九八%用地を買っておりますが、確保いたしまして、逐次工業団地を造成し、誘導をしたい、かように考えておりますし、また、竜ケ崎の中に利用目的を特定しない地域をなるべく多目にとりまして、いろいろな誘致施設を持ってきたいというふうな計画にいたしております。また厚木につきましては、地元の県、市、いずれも単なるベッドタウンでは困る、むしろ頭脳都市みたいなものにしてほしいということで土地の半分程度を誘致施設用地にいたしまして、先ほども若干触れたお話がございましたけれども、青山学院大学とかあるいは電電公社の研究所その他の誘致施設が現に着工して入ってきておる状況でございます。その他の都市につきましてもできるだけそういう方向で努力をいたしたいということで、地元とも相談し、関係方面とも連絡をとっておる次第でございます。
#342
○栗林卓司君 ちょうど宅開公団ができたころでしょうか、ほかの地方でもいろんな造成を進めまして、ここにはいろんな企業に来てもらってとか、学校に来てもらってと計算をしながらはっと気がついたらどこも来てくれない。それは東北は東北、関西は関西で一様に困り抜いている。だから工場を誘致してという発想もどうやらだめになっている。これからはもしかすると工場は海外に出ていっちゃうかもしれない。これからの工場は何かというと、なかなか定かにはわかりませんけれども、恐らく知識集約的な、従来のような一カ所で大量生産、大量雇用ということは期待できないかもしれない。そうすると町そのものの姿も変わるかもしれない。片一方ではテレコミュニケーションの進歩が近年非常に鮮やかです。それこれすると、ここに至った経緯は問いませんけれども、これからの開発方向については十分将来の変化を見ながらやっていただきたいと思います。
 ただ、厚木のお話が出ましたので一言お尋ねしたいんだけれども、確かに出てきてくれてよかったはよかったんですが、道が込んじゃってしようがない。これは厚木の市会からさんざんのクレームを私は受けました。あそこの道路事情は、つくってはおりますけれどもまだ足らない。しかも対向一車線。そこに団地がごそっとできる。それで森の里ができて厚木のまたあれができると。そうなってくると、当然地元住民とすると東名につないでくれませんかと、二四六につないでくださいという要望が出る。それは県道じゃないかということでやってまいったんですが、一応この法律もできるし、しかもアクセスの確保というのは、団地を少なくも営業体として成功させるためにはどんなに赤字であってもやっぱりやらざるを得ないということになるんで、いま特定して厚木ということでのお尋ねではありませんけれども、そういう道路を含めたアクセスについて従来以上に取り組んでいかれる御予定がどうか伺います。
#343
○参考人(志村清一君) 先生御指摘のように、私どものかかっておる仕事はわりあい都心部から遠いわけでございます。したがいまして、アクセスをどうするかというのが私どもの計画をする段階におきまして一番重要な問題の一つでございます。もちろん基本的には先ほど申し上げましたように、そこが単なるベッドタウンでなくて核として成り立つようなものを何とか持ってきたいということも考えますが、同時にアクセスを考えようということで、私どものやっております地区につきましては、二地区につきましては既設の鉄道の新しい駅をぜひつくってくれという地元の御要望がございますので、地元とともども国鉄に接触を保ちまして、私どもも応分の負担をして新駅の設置をいたしたいというふうに計画をいたしております。また、すでに地区の近くまで線が延びているところがございますので、それらにつきましては線を一駅延ばしてやってもらうように当該鉄道組織にお願いをして大体話もまとまりつつございます。また、千葉のようにみずから鉄道を建設しているというところもございます。
 ところが、厚木の地区は先生御存じのとおり、駅から入り口まででも四キロぐらいあります。御指摘のとおり道路が県道という名前だけのわずかな道路がございますが、非常に窮屈でございます。そこでその県道を、上粕屋厚木線と申しますが、このバイパスをぜひやってほしいという地元の御要望がございますので私どももこの計画をいまやっておりまして、地元ともお話し合いをしながら用地の買収にかかりある程度の進み方をしております。これができますと、二四六に真っすぐぶつかるということになろうかと存じます。これは小野地区に入るところでございますが、そのほか愛名とか、さらには七沢の方にもいずれも進入路をわれわれの方としても考えていきたいということで計画をしているような段階でございます。
#344
○栗林卓司君 よく地元と御相談されながら進めていただきたいと思います。
 それでは、統合に向かって手続を進めていくわけですけれども、一、二の点お尋ねをしたいと思います。
 それで、旧公団の一切の権利義務を承継するとなっておりまして、出資金はどうかというと、日本住宅公団法でいきますと、解散した場合には出資金に残余財産の分配をつけて分けてしまえと、大ざっぱに言うとこういう規定がある。しかし、一応この法律では解散とみなすとなっておりますけれども、附則がありまして、出資金はそのままとすると。それで残余財産の分配を行わないというようになっております。一応法律的にはつじつまが合うようなんですが、出資金というのは継承する権利義務の中に入る筋合いなんだろうか。それで問題になるのは、国が出資をした分はこれはいいんです。地方公共団体が出資をした額が二十億あります。十五、六団体。それは、日本住宅公団に二十億出資をしたんです。住宅公団は今度は解散しちゃって新公団になる。お金を出したのは向こうなんです。もらっている方が引き続いてもらうとみなすと。これ法律的に一見通っているように見えるんだけれども、おかしくないですか。お金を出したのは向こうなんですよ。それをこの法律で出資は引き続きされたものとみなすという規定は、なぜおかしいかと考えてみた。出資というのは首長が決めます。出資内容について当然地方議会の承認を受ける。地方議会の機能、地方首長の機能のものを国の法律で変えてしまっていいか。きつい議論をするとここでも地方自治の侵害なんです。この点についてはどうですか。
#345
○政府委員(川上幸郎君) 先生おっしゃいますとおり、地方の出資でございますので相当問題がございます。それで、なおかつ公団の一切の権利義務の承継、この中に出資金が入るか入らないかというむずかしい問題もございます。そういうような関係もございますので、法律上はここに手当てをいたしまして、その出資は引き続き出資されたものとみなすと、こう書いてあるわけでございます。何分にも解散の場合には出資金を返すようになっておりますが、前に住宅公団法等で考えておりました解散は実質上解散する場合でございまして、本件の場合には当たらないというふうに考えております。
 なお、地方につきましては、当然こちらから話しまして向こうの了解を得るような実務上の手続はあわせ進めておるところでございます。
#346
○栗林卓司君 いや、私が言うのは一見つじつまが合っていると言うんです。あなたがある会社に投資して株券を買うでしょう。それで会社の方が合併をしたと。合併をしたけれども、向こうの方が引き続き株券を投資してもらったものとみなすと。出資というのは参加をするということでしょう。パートナーです。ということは公団の中身になるわけです。権利義務は外の皆さんとの関係だから、権利義務を承継すると言ったってその出資とは関係ない。だから誤解を避けるためには本当は二十億は返せばよかった。残余財産の分配は行わない、これはこれで決めてよろしい。二十億を返してもう一遍地方公共団体にどうなさいますかということなんです。これは本当はけしからぬことだと思いますよ。地方自治体の方は別に文句を言っていませんから結構ですでは済まない。文句を言わない自治体も自治体で、私はみんなのそういう態度がこの公団の性格をますますおかしくしていると思う。だんだんこれは行政機関だか公団
 発足の当時は総裁は民間人です。しかも官からも民間からも人材を集めて、あの焼け野原の中でどうやって住宅を供給するかでスタートしたのが住宅公団の歴史でしょう。これも私、意見だけ述べておきますけれども、本当は二十億は返して、それで向こうの議会の所要の手続を経てまた出資をしてもらうんですよ。だって解散とみなすと書いてあることは旧法人は消滅するということなんだ。そのときに地方自治体は寄付したかっこうになっているんだけれども、相手は消えちゃうんですよ。議会に対してどうやって説明するんですか。いや、国の法律でこうなったからしようがないんだと。私が地方議員だったら怒りますよ、何をふざけたことを国会はやるんだ、これは地方議会の機能ではないかと。そう思いますけれどもね。
 それで、財余財産の分配の問題もお尋ねしたいんですが、これを私がお尋ねをする理由は、日本住宅公団には不良資産がございます。細かくお答えは要りません。不良資産がたくさんある。中には保守管理財産が五十五年十二月末で一万九千三百三十一戸、それがさまざまな形で財務諸表に載っているわけです。
 それで、ひとつ具体的な例としてお尋ねしますと、千葉県の旭ケ丘団地、これは日本住宅公団が建築を予定し、つくり、いよいよ下水道工事をやろうと思ったら住民の待ったがかかって数年間とまってしまった。最近はどうやら話し合いがついて着工のようでありますけれども、私が例として挙げたいのはこの問題なんです。この不測の事態の結果、相当の金利の損失がある。当然入るものとして考えていた賃貸料が入ってこない。大体何年ぐらい、この下水道工事がもめたおかげでとまって、しかも不測の損失が幾らであったか、もしおわかりでしたら……。
#347
○参考人(救仁郷斉君) この団地は五十一年の四月に一応仮完成ということになっております。当時、先日も御説明申し上げましたように、千葉市の下水道計画がその時期に完成するという打ち合わせのもとにやっていたわけでございますが、完成直前になりましてこれができないということで、内装の一部を除きまして一応工事を中止していままで保守管理しておりました。その保守管理期間の金利、事務費が三十数億かかっております。実際にどういう損になったかという計算でございますが、私どもが非常に見通しが悪くて、下水道ができるものとして着工してしまった、その着工してしまって保守管理したのに比べて、本来は下水道ができてから着工すべきではなかったかという議論になろうかと思います。
 その二つを比較してみますと、たとえば工事費、土地はすでにもうそのとき購入していたわけでございますが、問題は工事費の金利、事務費ということになろうかと思います。工事費のいわゆる金額が当時のお金でございますから五十六億ということになっております。これに対しまして金利、事務費が二十億ということになっておりまして、現在の建設仮勘定に載っております簿価と申しますか、これが七十九億ということになっております。非常にこれは不幸中の幸いでございまして、もし仮に現時点でこの工事を発注したといたしますと、現在の仮勘定の中の簿価を調べてみますと、先ほどの七十九億を調べてみますと、平米当たりの単価が九万二千円ということになっております。現在もし仮に現時点までこれを待って下水道の見通しがついたので現時点でこれを発注するとしますと、ちょっと九万二千円では発注できない。恐らく十万円近くかかるのではないかということでございます。したがって実質的には不幸中の幸いでございまして、この件に関しましては極端に言うと実損はないと言ってもよろしいんじゃないかというふうに考えております。
#348
○栗林卓司君 これは大臣にお尋ねしましょうか。いまの御説明を簡単に整理をしますと、失敗しました、損が出ました、だけど土地、建設費の値上がりで助かりました、実損はありませんと。これは本当は損なんですね。入居する人たちにいまの理屈でかぶしていくわけでしょう、いまの御説明からすると。その人たちはもっと安い借家家賃で入れたのに、その人たちの責任ではない損失をかぶって、しかも何年かたった家に、だれも住んでいなかったけど、新築同様の借家家賃で入る、こういうつじつまの合わせ方は正しいんだろうか。いまの場合はたまたま土地の値上がり、建設費が上がった、したがってぼろが出なかった、こうなっているんですけど、じゃすべてについていまの旭ケ丘団地と同じような状況なんだろうか。
 いまの財務諸表を見ますと、これは日本住宅公団でも宅開公団でも同じです、当期損失というのはないんです、当期利益もない。損失、利益は出さないけど、たてまえで全部組み立ててあるんです。したがって実際には、いまたまたま挙げたのは旭ケ丘団地だけど、類似の例はあっちこっちにある。その損失は中に隠れちゃっているんです。なぜこういうことができるかというと、日本住宅公団は七十年という長い期間で仕事をしているのです。七十年たって清算をしたらどうなっているかは神のみぞ知る。これまでは土地が上がり、建設資材が上がってきた。したがってぼろが出なかった。これからはそれでいけるかというと、まずだれでもそうではないと思うでしょうし、しかも私がいま言いたいのは、宅開公団と日本住宅公団という二つの旧公団から新公団が引き継ぐんです。しかも、この財務諸表の数字をそっくりもらうのです。どこかこわくないですか。私は残余財産を分配しろと言うのじゃないんですよ。残余財産分配ということは、一遍清算手続をとれ、とった上で承継しなさい。ある意味では絶好のチャンスじゃないですか。全部洗い直す、そして新公団が発足をする。私はこれは当然やるべきことだとかねて思っているんですが、大臣の御所見はいかがですか。
#349
○国務大臣(斉藤滋与史君) 事業の継続性から考えて先生の御指摘も一つの方法論でありますが、ただ公団の性格上からそれができないというところに苦しみと悩みがあろうかと思います。
 御指摘の旭ケ丘団地の問題について、いま公団理事から話がありましたけれども、確かに六十年、七十年の長期的の中で埋没すべきことではあろうかと思いますけども、釈明の表現としてはいささかいかがなものであろうということは正直言って私は感じております。いわゆる民間ですとこうはいきません。やはりは非は非としてやるべきものである。こういうことを踏まえて、先ほど来御指摘の面につきましては、私は新公団では厳しい姿勢で対応して、いやしくも公的資金が使われたこうした事業で、未利用土地が何年放置してどうとかあるいは保守管理住宅が何万戸あるとかいうことは許さるべきことじゃなかろうかと思います。したがいまして、いろいろと御批判があろうかと思いますが、ひとつそうした目で今度の新公団発足につきましては御理解をいただきたい、このように考えておるものでございます。
#350
○栗林卓司君 五十五年十二月末の不良資産あるいは保守管理財産見ますと、未入居は五千七百六十一。未入届というのはやっぱり遠い狭い、高い。というと、果たしてこれを時価評価して、先ほど来の御議論は値段を近傍類地で推定しているんですよ。いざ本当にそれを評価しようとしたら、あんなに遠くて高くて狭いのじゃという部分が評価に入って、したがって五千七百六十一戸というのは簿価に対して一体どういう位置づけであるんだろうか。しかも、保守管理はただいまの分も含めて一万九千三百三十一。それも近傍類地の価格で推定しているからだけれども、本当はその住宅供給があったら近傍類地は下がったかもしれない、そのことだけを取り上げればね。したがって、近傍類地の推定というのはだめなんですよ。仕掛かりが五万三千五百五。長期保有地が千五百八十九ヘクタール。私は、全部が全部一般の民間企業の場合のように清算手続をとれと言うつもりはないけれども、冒頭私は外部監査の道がこの公団にはないんだと申し上げました。全部内部監査です。したがって、外部監査の道を講じながら、一体これが一般の基準に準拠したらどういった会計になるんだろうか。それは現在どれだけの価値を持っているのだろうか。しかもこれからそれは厳しくしていかないと、かつてのような土地と住宅が上がってしまってよかったという話はもうないですよ。なぜないかというと、取得能力との乖離が余りにもはなはだしい。もしあり得たとすると、それは日本の社会の安定の破壊になる。その意味で新公団はぜひ私は外部監査の道を導入していただきたい。
 最後に一点だけお尋ねしますけれども、両公団が合併するわけで、労働条件についていろいろまた配慮しなければいかぬという点については、大臣から多々御答弁がございました。ただ、私はあえてひとつ申し上げたいのだけど、現在の人員、これは適正なんだろうか、適正ならそれぞれ労働条件を比べていい方にそろえようと言いながらおやりになって結構。宅開公団はああいう話。日本住宅公団は、住宅供給はもうつるべ落としに下がってきている。しかも人員は漸増です。しかも宅開公団と日本住宅公団を比べますと、宅開公団の分は恐らく純増に当たる。これが合計されて、その数というのは適正人員なんだと。これはぜひそういった目で一度見なきゃいけません。これからやっていく新公団の仕事、これは海のものとも山のものともわからないんだもの、端的に申し上げて。公園のことは聞かなかったけれども、公園もそうですよ。新業務範囲が広がったように見えるけれども、海のものとも山のものともわからない。そこで、保存していく人員として一体何名が適正なのか。私はなぜこんなことを言うかというと、民間企業の場合には、日商岩井でしたか、島田さんのせりふじゃないけれども、企業は永遠なりと言っておれるんです。公団は永遠ではないんです。任務が終わったら解散するんです。これが公団の宿命なんです。では一体解散をした場合に、あるいは事業規模が縮小した場合にどういう労務管理、どういう人事管理で臨めばいいんだろうか。どういう現在準備を心の面でも制度の面でもしておいでになりますか。
#351
○国務大臣(斉藤滋与史君) 非常に大きな問題を指摘されたわけであります。現在のところは、この新公団の任務完了をいつにするかということは、的確な答えをするところに至っていないのが実情でございます。ともあれ、いま国民の要望されておられる住宅需要にいかに対応するか、そのための都市化をどのように整備していくか、あるいは環境整備のための公園をどうするかという柱でお願いをしておるわけで、これからの大きな問題として私はまさに御指摘どおりにいまから準備しなければならないかと思います。合併した時点でいまの職員の方々の人員がやはり適正であるかないかということも、恐らくいままでの状況を見てそうした面の精査が行われていなかったかと思います。事業規模によってだんだん必要人員というものはある程度腰だめでふえてきたような気もいたします。これは私はよく公団のことを聞いておりませんのでわかりませんですけれども、したがいましてこの時点でまさに私はこれからの課題として、やはりノーマルな形で公団が日本の国民の住宅をマキシマムにどこまで続いてやっていくのか、管理はどこまでするのかという、当然疑義が出てくると思いますが、これとてもあわせてこれからの課題で取り組むべき問題であろうかと思います。
 ということになっていきますと、先ほど来指摘されておられます管理委員会の問題とか幹事の問題とか、当然内部運営の問題も、もう一度その時点で洗い直して点確なことをやらなくちゃいけない。あるいは会計監査も会計検査院に任せるだけでなく、あるいは国会で御指摘を受けるまでもなく、それだけの大きな事業でありますので、こうした問題につきましても内部的にも外的からも諸般の状況というものをよく一つの起点として私は前向きで取り組むべきもう時期だ、このように考えておりますし、また幸い御指摘いただきましたので、そうした面でせっかく関係者と協議を重ねながら進めてまいりたい、このように考えるものでございます。
#352
○栗林卓司君 時間が参りましたので、一言だけ意見を申し上げて終わりたいと思いますが、私も合併の経験は組合幹部としてはあるのです。そこで、なるべくいい方に合わせたいという先ほどの大臣の御答弁はそれなりに私は結構だと思いますけれども、いい方というのは高い方では必ずしもない。やさしい方では必ずしもない。場合によっては厳しい方に合わせる方がいい方である場合が多々あるのです。問題は、合併後の人たちが充実感を持って仕事をしてくれる、生きがいを持って仕事をしてくれることがねらいであるわけですから、その辺を十分留意されながら今後の困難な統合作業を進めていただきたいと思います。
 以上です。
#353
○委員長(宮之原貞光君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後六時五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト