くにさくロゴ
1980/05/12 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 建設委員会 第9号
姉妹サイト
 
1980/05/12 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 建設委員会 第9号

#1
第094回国会 建設委員会 第9号
昭和五十六年五月十二日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月八日
    辞任         補欠選任
     岡部 三郎君     中山 太郎君
     田代由起男君     遠藤  要君
 五月九日
    辞任         補欠選任
     中山 太郎君     園田 清充君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮之原貞光君
    理 事
                坂野 重信君
                堀内 俊夫君
                増田  盛君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                井上  孝君
                植木 光教君
                遠藤  要君
                谷川 寛三君
                中村 禎二君
                増岡 康治君
                赤桐  操君
                二宮 文造君
                原田  立君
                三木 忠雄君
                上田耕一郎君
                栗林 卓司君
                江田 五月君
   国務大臣
       建 設 大 臣  斉藤滋与史君
   政府委員
       運輸省海運局長  永井  浩君
       労働省職業安定
       局長       関  英夫君
       建設大臣官房長  丸山 良仁君
       建設大臣官房総
       務審議官     川上 幸郎君
       建設省計画局長  宮繁  護君
       建設省都市局長  升本 達夫君
       建設省道路局長  渡辺 修自君
       建設省住宅局長  豊蔵  一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        森  一衞君
   参考人
       日本住宅公団総
       裁        澤田  悌君
       日本住宅公団理
       事        有賀虎之進君
       日本住宅公団理
       事        星野 孝俊君
       日本住宅公団理
       事        救仁郷 斉君
       日本住宅公団理
       事        久保田誠三君
       日本住宅公団理
       事        櫟原 利嗣君
       日本住宅公団理
       事        中川 友夫君
       宅地開発公団総
       裁        志村 清一君
       宅地開発公団理
       事        北川 博正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○住宅・都市整備公団法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路
 事業等に関する特別措置法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 住宅・都市整備公団法案の審査のため、本日、日本住宅公団及び宅地開発公団の役職員を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#4
○委員長(宮之原貞光君) 住宅・都市整備公団法案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○江田五月君 住宅・都市整備公団法案についてはもうかなり長い時間にわたって同僚委員からいろいろな質問がなされました。質問のポイントも多岐にわたっておりますので、余り重複しないように聞いてまいりたいと思いますが、いままでの質問とお答え等を伺っておりますと、住宅・都市整備公団を新たにつくるというこのことには二つの意味があるんだ。一つは行政改革という意味、もう一つは住宅・都市整備というような、この行政の遂行に当たって新たな需要に新しく行政を展開をしていく、そういう行政の新たな展開という目的を持っているんだ、大ざっぱに言いましてそういう二つの目的があるというふうにうかがえるかと思うんですが、そういうことでよろしいですか。
#6
○国務大臣(斉藤滋与史君) 先生御質問のとおりでよろしいかと存じます。
 従来やってまいりました住宅・都市政策に加えてこれを機能的、総合的に、なお昨今のはなはだしい都市化の中において整備ということを図っていかなければならないという問題。したがってその都市整備の機能の中においても従来のような街路区画整理というようなことでなく、そこに住環境を加えて、公園というような問題も一つの重点課題としてつけ加えたわけで、先生御指摘の考え方で、私はそのような方向で今度の問題について取り組み、御提案申し上げ、御理解をいただくことをお願いいたしておるところでございます。
#7
○江田五月君 そこでまず、そうしますと行政改革ということについて、この住宅・都市整備公団の設立がどのような意味を持っているのか、どの程度有効なのかということについて伺っていきたいと思いますが、いま行政改革いささか行革フィーバーと称せられるような一種の流行になってきたわけですが、第一次臨調の答申にはこの二つの公団の統合というものは入っていなかったわけですね。これは入らないのが当然で、当時は宅地開発公団が存在していなかったわけです。しかしその後、この現在の行政改革の動きに向かっていろいろな主張が出されてくる。
 最初に恐らく、まず昭和五十四年、政策推進労働組合会議、これは民間の労働組合の結集体であって、政策を労働組合サイドから提案していこうというそういうものでありますが、この政策推進労組会議が行政改革の提案をしたときには、すでにもう宅地開発公団と日本住宅公団の二つの公団を統合しようというものが入っていた。あるいは昭和五十二年から内閣においても、まとまるところはいまと違いますが、いろいろな形でこの二つの公団については議論がなされていたと伺っておりますし、どうもこの二つの公団の整理というのは、あるいは統合というのはいまの行政改革のいわば一番最初の段階から問題になっており、しかも、この一年ほどの間に幾つかの行政改革的な措置がとられてまいりましたが、この行政改革の初期の段階における一つの措置であろうと思われます。ここで行政改革の実が上がらないうまくいかないというようなことになったら後々の行政改革に大きく響いてくることになろうかと思いますが、行政改革という観点におけるこの新公団の設立が持っている意味についてどういう御認識をしていらっしゃるのかを伺っておきたいと思います。
#8
○国務大臣(斉藤滋与史君) このたびの新公団法をお願いしたその一つの柱は、行政改革が一つの柱になっていることは事実でございますけれども、いま先生の御指摘のようなプロセスはありますが、もちろん効果的なものを考えてお願いしておるわけであります。むしろそれは一つの柱であって、やはりあくまで新公団の目的とする主たる柱は住宅、宅地供給であり、都市整備であると私はそのように認識いたしておるわけであります。したがって、別にどちらにウエートを置くというわけではございませんけれども、それによって生ずるであろう機構の面につきましても、でき得る限り御指摘のような面に向かって簡素化と効率化というものを図っていくというようなことであろうかと思います。そのことによっていま政治の重要課題である行政改革というものは、この新公団のウエートの問題については一つの柱、バランスではありますけれども、そのことによって主たる新公団の目的でないというように私は認識してお願いをいたしておるわけであります。具体的なことについて、どのような行政改革ということにつきましては政府委員の方からお答えさせますが。
#9
○江田五月君 主たる目的か従たる目的か、どうも行政改革というのが従たる目的だとおっしゃるにしては、主たる目的の点で一体なぜ宅地開発公団を日本住宅公団と統合して行政を進めなければいけなくなったのか。宅地開発公団をつくったときには、宅地の供給というものを日本住宅公団その他既存の機構で行っていたのではとても間に合わない、新たに一つの機構をつくって、いわば住宅の供給と都市圏における宅地の供給とを車の両輪として二つの車で遂行していかなければ、効率的、機能的行政が行えないというようなことをおっしゃっていたんだろうと思いますが、それがわずか五年少々の間で、なぜ今度は一つでなければ機能的に行えないということになっていくのか。どうも何かこう、もちろん行政需要というものは刻々変化をしていくわけではありますが、ちょっとあっちへ手を出してみたりこっちへ手を出してみたりというような感じがしないでもない。やはり行政改革というものが一つあるから、行政手法についてどういう手法でやっていくかということにプライオリティーの変化が起こってきたというようなことがあるんじゃないかという気がするんですが、いかがでしょう。
#10
○国務大臣(斉藤滋与史君) 行政改革が土とか従とかということでないわけで、そこら辺誤解のないようにお願いをいたします。
 行政改革が一つのきっかけになった重要な柱であることは事実でございます。なかなか苦しい答えになるわけでありまして、六年前に確かにいろいろと皆さん方の御意見、反対の御意見の中で発足いたしたわけでありますが、六年前の時点は時点として、私たちはやはりそれが一番よろしいという方法で御提案申し上げ、御理解をいただいて法案を通していただいたわけでありますが、その後の都市化の状況、国民住宅、宅地の諸問題、この五、六年の間の非常な変動につきまして、やはり行政改革という一つのきっかけをもってなお整合、統合して機能的にやるという判断に基づいて、御批判はありますがあえて発足に踏み切ったわけで、その点につきましては、六年前の状況と現在の状況というもののプロセスを考えていただきながらひとつ御理解をいただきたい、このように考えるものでございます。
#11
○江田五月君 そこで、さあ行政改革という目的に一体どの程度新公団が資するんだろうかということですね。行政改革ということになりますと、まず何よりも本当に効率的、効果的行政が行えるということになるんだろうかどうだろうか。行政の重複、むだというものを省いてスリムになっていくということができるんだろうか。役員あるいは職員、そういう観点から一体何かの改革が行われていくんだろうか。いろいろな事務処理のエクイプメントの点などでも何かの改革が行われていくのかどうか、あるいは事務処理の流れの点などでもどういう改革があるのか。ちょっとどういった改革になっていくのかをお教え願えますか。
#12
○政府委員(川上幸郎君) ただいま大臣が申しましたように、今回の公団の統合は新しい行政需要に応じました公団をつくりたいというものでございます。したがいまして、まず行政改革を契機としておりますが、役員でございますが、役員につきましては、現在の日本住宅公団と宅地開発公団との合計数は二十四名になっております。これを四分の一減じまして、なお新しい行政需要でございます都市公園の整備、この問題がございますので、結果といたしましては十九名ということにいたしております。
 それから、次に、職員でございますが、現在おられる職員の方、これは決して解雇をいたしませんけれども、新公団は新しい行政需要が生じてまいりまして、都市機能更新型都市再開発事業、根幹的な都市公園の整備等の事業が新たに付加されております。これらにつきまして既存の公団の組織、技術力、このようなものを有効に適切にしまして対処してまいりたい。こういたしますれば、結果といたしましては行政改革に応ずる、こういうふうになると考えておるわけでございます。
#13
○江田五月君 役員の問題、四分の一減じてプラス一とおっしゃるわけですが、どうも行政改革、従たる目的ならこの程度かもしれませんけれども、おっしゃるにはそう改革になっていないような気もする。しかし、それぞれにいろいろな事情もおありでしょうから、そんなに減らしてしまえというのもなかなかむずかしいことではあろうと思いますが、副総裁が二人ですね、これはなぜ二人要るんですか。
#14
○政府委員(川上幸郎君) 現在両方の公団が持っております機能を統合いたしますとともに新しい業務を追加するわけでございます。その場合におきまして、住宅公団が果たしております役割り、宅地開発公団が果たしております役割りを考えますと、総裁を補佐いたしまして、たとえ副総裁の分担は今後の問題でやりますが、住宅部門、宅地部門とそのおのおのが機能する、そのおのおのにつきまして総裁を補佐する副総裁が必要ではないかと思われるわけでございます。
 なお、ちなみに、宅地開発公団が発足いたします前におきまして、日本住宅公団におきましてそのような必要性から副総裁を二人置いたという経緯もございます。
#15
○江田五月君 総裁の仕事がたくさんあるからそれを大きく分けて、従来日本住宅公団がやってきたことと宅地開発公団がやってきたことと二種類のものがあるので、それぞれを補佐する者が一人ずつ要るんだと。補佐する者が一人ずつ要るのならば補佐される総裁も二人要るんじゃないかというような気がしますが、いかがですか。
#16
○政府委員(川上幸郎君) 新しい公団をつくりまして新公団総裁が全部の業務を統括するわけでございます。その場合におきまして、当然事務分担に応じまして副総裁二名を置き、さらには理事を十九名置く、このような組織で運営したいと考えているわけでございます。
#17
○江田五月君 どうも余り理屈にならぬ理屈のような気がしますが、いろいろ御苦労はあることだと思います。
 職員の点で、これはもちろん解雇というようなことではなくて、いまの職員の皆さんをそのまま雇用して続けていっていただかなければいけないわけですが、しかし、それにしても二つの公団をまとめますと、たとえば総務とか人事とか経理とか管理部門でかなりむだが省けるといいますか、省力化ができるんじゃないか。いまの人を首を切るようなことは、これは何をか言わんやですが、あるいはいまの役員のことにしても、いまはいろいろな事情があるにしても、これから先この定員でずっといかれるのか。それとも今後の見通しとして住宅・都市整備公団、新たに生まれる新しい公団自体の行政改革というものを何かいまお考えでしょうか。
#18
○政府委員(川上幸郎君) ただいま先生から御指摘ございましたように、職員につきましては総務、経理等の共通部門がございます。しかしながら、新公団におきまして先ほど申しましたように、業務型の都市再開発、公園等の新しい事業が付加されるわけでございます。したがいましてこれらの定員が必要となりますので、ただいま出てまいります総務、経理の共通部門の定数は当然新しい業務の方の定数に振り向けたい、このように考えるわけでございます。
 なお、新公団発足に際しまして、それらを勘案しましても効率的に事業が運営できるように最大限行政改革の趣旨に沿った機構というのは考えてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
 でございますが、その後におきましては、その後の事業の模様、また今後の公団のあり方、それらを勘案いたしまして考える。このようになるかと存じます。
#19
○江田五月君 それにしてもいろいろ批判も強いわけですし、役員のことについては将来数をしぼって、もう少し数を少なくしていくというようなことをこれから検討をされなければいけないんじゃないかと思いますが、どうですか。
#20
○政府委員(川上幸郎君) 先生御指摘のとおり、公団の組織のあり方がその公団の業務に応じまして適切である、かつなお、その行政改革の趣旨に沿ったものであるといいますことは当然なことだと思います。しかしながら、新しい公団と申しますものは既存の住宅公団の業務に対比いたしてみましても、業務型都市再開発の機能、公園整備の機能、それから交通等の機能といろいろ付加されるわけでございます。これらを勘案いたしまして十九名と決めておるということでございます。でございますが、公団の理事全体のあり方と申しますのは、当然他公団の例等も考えまして、今後の公団の業務量また公団の事業の進行方向等につきまして十分検討していきながら今後いろいろ考えてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#21
○江田五月君 先ほど大臣からもちょっとお話がありましたが、宅地開発公団は命がかなり短かったわけであります。宅地開発公団をつくるときにどういう誤りがあったか、だれに責任があるのかという議論もいろいろありますが、それをいまここで追及をしてもどうも仕方がないんです。しかし今後のために、一体なぜこういう朝令暮改的な印象を与えるようなことになったのかということを振り返ってみておく必要はあるだろうと思います。
 宅地開発公団の設立によって三大都市圏中心の宅地の供給ということを図るのでなくても、日本住宅公団の拡充とか、あるいは現在御提案になっているような総合的な機能を持つ新しい公団を設立するということを宅地開発公団設立のときに考えることができなかったんでしょうか、その点を伺います。
#22
○政府委員(宮繁護君) 宅地開発公団の発足の当時の状況を考えてみますと、当時の人口、産業の非常に集中の著しい三大都市圏におきまして、単に住宅用の敷地を提供するというのではなくて、新しい市街地の形成を図りながら宅地を大量に供給することが緊急の課題であるという認識のもとに、一つは公共施設あるいは交通施設等の整備について、日本住宅公団よりさらに強力な機能を備えております宅地開発事業を専門に行う新たな機構が必要である、そういうことです。二つには、日本住宅公団には住宅供給という大きな任務に専念させる必要がある。また管理の問題も当時非常に重要な問題として出てまいっておりました。そういうことをいろいろ勘案いたしまして、一つの選択として新しい宅地開発公団を設立したわけでございます。
 それから、六年という短い日時であったかもしれませんけれども、やはり四十年代と五十年代の六年というのもある意味から言いますと、いろいろの価値観の変化とかあるいは経済の成長の伸び率の変化、その他大変大きな変革もこの六年間に生じてもまいっておるようにも考えます。そういうような意味合いで、先ほども大臣からもお話がございましたように、この宅地開発公団が六年間にいろいろ体験いたしました新しい手法等もここでさらに再認識をいたしまして、総合的な居住環境づくりという観点から住宅、宅地の供給と都市整備とを総合的に推進していく必要がある、こういった観点から、今日の選択としては国民の行政改革に対する御要望等も踏まえまして二つの公団を廃止して新しい公団をつくる、こういう考え方でこれから取り組んでいこうといたしておるわけでございます。
#23
○江田五月君 六年前に宅地の供給を新しい専門の機構で進めなければいけないという緊急の必要があると同時に、住宅の供給は日本住宅公団が専門的にこれに当たる必要があるんだというふうにお考えになった、その後価値観が変化し、経済環境が変化した、そこでこれを一緒にする必要があるんだ、どうも言葉が並んでいるだけで、そこに本当に行政に対する厳しい覚悟とか情熱とかということが感じられないんです。価値観の変化と言いますが、それは価値観はときどきの時代の移り変わりで変わっていくわけですが、こんなに公団が二つになったり一つになったりというほど大きな変化があるようにも思えない。経済成長の動向が変わったとおっしゃいますが、これはもう四十七年当時を境にして一つの時代が終わり、新しい時代に移ってきているわけです。
 行政改革ということも、ちょっと時代の推移というものを見ていくと、いたずらに経済規模の膨張にあわせて行政がどんどんふえていくということではいけないんだということはわかるはずなんでありまして、どうも先の見通しのない行政の典型のような気がする。だれを責めるというわけじゃありません、国民みんながいろんな意味で先の見通しを持たずに、あるいは持てずにこの数年過ごしてきたわけで、いまもなかなか先の見通しが持てないというむずかしい時代に入ってきているわけですから、別にだれかを責めるということではないんですが、それにしてももうちょっと先の見通しを持たなきゃいけない、もう少し行政というものについて真剣に情熱を持って対応していかなきゃいけない、そういう反省をする材料に今回の事件といいますか、この一連の推移が役立たなきゃいけなんじゃないかという気がするんですが、これはどうですか、
#24
○国務大臣(斉藤滋与史君) 御指摘の向きよく理解をいたします。確かに反省の材料とすることにいささかもやぶさかではございません。ただ、その時点における認識というものに対する考え方の相違ではなかったかと思います。いま局長からも答弁ありましたように、これは字句の羅列という厳しい御批判ありましたけれども、そうでなく、当時三大都市圏における過密化の速度、人口、産業の集中の激しさからやはりそれなりの対応を真剣に考えてやらざるを得なかった。しかし、余りにもこの五、六年というものの変わりようというものについて結果的に見通しが誤った先見性についてどうだということの御批判もいただいてもやむを得ないような結果にはなったわけであります。それほどやはり目標が変わったということで、あえて御批判も顧みず、行政改革という一つのきっかけで御指摘の部分を十分考えながら新発足をしなきゃならないというようなことで御提案申し上げているわけで、それはそれなりの価値観を御認識いただいて、ぜひこの問題についてはそうした面からもひとつ御理解をいただきたい、このように考えているものでございます。
#25
○江田五月君 しかも、宅地開発公団が、ほう、りっぱな成果を上げたなあというほどの成果を上げていればまた話も違うかもしれませんが、いろんな事情があるにしても十年間で三万ヘクタールに着手をするというのが、どうも五十一年いっぱいで四千五百ヘクタールにしか着手が及んでいない、数字がそういう数字だったと思いますが、こういう実績の点からもなかなか厳しい世間の批判があるんだということを認識しておいていただきたいと思います。
 さて、そこで日本住宅公団について伺っていきますが、日本住宅公団二十五年、戦後の、住宅がとにかくもう絶対的に不足をしていて、住む家がないという事態に対応して公共的に住宅を大量に供給をしてこられたわけですが、どうもいろんなメリット、デメリットがあるんだと思います。この二十五年、簡単で結構ですが、住宅公団が行ってきた仕事について一体どういうメリットがあり、いまどういうデメリットが残っておるのかということについてどういうお考えでいらっしゃるか、伺いたいと思います。
#26
○政府委員(豊蔵一君) 日本住宅公団は、昭和三十年に発足いたしましてから、住宅不足の著しい大都市地域におきまして耐火性能を有する住宅の供給、また宅地の大規模な供給、さらには健全な市街地を形成するといったような事業を行ってきたわけでございますが、昭和五十四年度末までの二十五年間に、住宅約戸八万戸の供給を行いましたし、また宅地につきましては二万六千ヘクタールの宅地開発を行うというようなことで、住宅難の緩和に大きく貢献をいたしました。また、良好な居住性能の住宅の供給も新しいパイオニアとして評価されると思います。また、良好な居住環境を有する住宅団地というものを民間に先駆けてつくり、健全な市街地を造成してきたということも評価されるのではないかと思います。
 しかしながら、また一面、先日来いろいろ御指摘をいただいております長期未利用地の問題であるとか、あるいはまた保守管理住宅の問題であるとか、そういった計画と実際の進捗とがそごを来しておるといったような問題につきましては、決して円滑な運営とは言えませんので、そういった点につきましては、問題点として現在なおいろいろ検討をすべき事柄として残されているというふうに考えております。
#27
○江田五月君 住宅政策というものは、あるいは住宅行政というものは一体何かということなんですね。いまのお話ですと、耐火性能を有する住宅あるいは宅地の大量の供給、住宅難を緩和し良好な居住性能を有する住宅を供給し、良好な居住環境を有する住宅団地をつくってきたということですが、私は、住宅行政というような分野においても、ただ国民に住む物を提供していく、入れ物を提供していくということだけで一体いいんだろうかどうだろうか、住宅行政というような行政の展開を通じても、やはりそこに一つの連帯ある社会をつくっていくといいますか、心の通った共同体をつくっていくといいますか、そういう、ただ物にポイントを合わせるだけでなくて、人間の、人間にふさわしい共同社会をどうやってつくっていくかというようなことに一つのポイントがなければいかぬのじゃないかという気がするんです。
 そういう点から考えますと、確かにいまおっしゃった住宅公団のこれまでの業績を認めるにやぶさかではありませんが、これを評価をしたいと思いますが、同時に、従来のわが国の地域共同体が、まあ悪口で言うとコンクリート長屋ですか、これの大量の出現によって壊れて、しかし、まだ新しい都市型の共同体を生み育てていくところまで至っていない、非常に均一化された大量の孤独な群衆が都市に生まれて、その人たちの間で新しい連帯というものが生まれてきていないという、そういう感じがするのです。住宅公団の住宅、宅地供給行政のメリットは、そういう意味から考えますと、一つの都市型の生活様式を生んだということはあると思いますが、しかしデメリットで言えば、古い共同体を壊した上に新しい共同体をつくるということができていないというような、だから隣は何をする人ぞ、ピアノの音がちょっと聞こえてきたからといって人を殺す、あれは住宅公団であったかどうか、ちょっとあの事件そのものがどこであったか忘れましたが、あるいは場所によっては自殺のかっこうの場所になったとか、これはその後対応をいろいろされたことと思いますが、そういうようなことがあるのではないかという、そういう住宅行政の一つの切り口というものがこれから必要になってきているんじゃないかと思いますが、いかがですか。
#28
○政府委員(豊蔵一君) 私どもといたしましては、住宅政策の一つの側面であります住宅の供給という立場から考えました場合には、すべての国民が経済の成長、発展の段階に応じまして、その家族構成、世帯成長の各段階、居住する地域の特性等に応じまして、良好な住環境のもとに安定した生活を営むに足りる住宅を確保することができるようにするということが基本的な目標として掲げられ、それに基づきまして各五カ年計画を策定いたしまして建設を進めてきておるところでございます。
 また一面、そういう中で、ただいま先生から御指摘ありましたように、急激な都市化の中で大規模な団地をつくっていくということが、ある意味では従来の地域社会と違ったものができてくるというような経過はなかったとは言えません。しかしながらこれはまた、今後ますます進むでありましょう都市化の中で、お互いのコミュニティーをどういうふうな新しい時代に即応したものとしてつくり上げていくかという事柄でもあるわけでございまして、これは今後の各行政全般の施策の中で対応していくと同時に、また国民、社会全体の問題としても、時代に即応した共同生活のあり方といったものをつくり上げていく必要があるんではなかろうか、私たちも将来の課題としてこれは考えていかなければいけないことだと思っております。
#29
○江田五月君 大臣にもいまの点をちょっと伺っておきたいのですが、共同社会をつくっていくというような仕事はみんなの責任だ、国民みんなの責任で、あんまり国なり公団なりが先に立って、こういう社会をつくれと言ってつくられてもこれはたまったものじゃない。しかし、いまの建設行政あるいは住宅公団の姿などが、一つのあるべき共同社会を国民みんながつくっていくのについて阻害要因になるようなところもあるんではないかという、これはもっと後で具体的に検討していきますが、実は気がするのです。総論といいますか、大ざっぱな考え方として、建築行政、住宅行政というものが、これまでは確かに物をどんどんつくって与えていくということでよかったかもしれませんが、今後何かいままでと少し違ってくるんではないかという点について、どういうお考えをお持ちですか、伺っておきたいと思います。
#30
○国務大臣(斉藤滋与史君) 特に前段の先生の御意見、全く私も同感でございます。局長から先にお答えしてもという心づもりでいたくらい私も全く同じような考え方であります。公団のお話もまさにそのとおりでありまして、ただいままで住宅政策が確かに数にこだわったことは確かであります、これは御案内のように、戦後四百万という絶対不足数を何とかしょうということで、鳩山内閣のとき、昭和三十年に住宅公団がてきたわけで、先ほど御答弁申し上げましたように自来二十六年、ようやく百八万戸ということであります。したがって、どうしてもつくるものは数にこだわったために画一的なものがあって、大変部屋があっても住む環境というものについて考慮がやや欠けたきらいがあったわけで、そこでまさに御意見どおり、もうそれではいけないと。したがって、住宅そのものとあわせて環境をよくする。ここに、今度の法案の中にも、「健康で文化的」という表現を特に使ったのはそこにあるわけでありまして、これからは都市整備も、もちろん不燃化を含め防災という面もありますけれども、住宅も質の向上を図るとともに、環境も快適な環境の中で安定した毎日が送られるようというようなことにもう変わる時限である。したがいまして、今度の公団発足につきましても、そうした面に重点を置くというような指導をしながら進めてまいりたい、このように考えているのでございます。
 とにもかくにも、都市化の中で人間生活が少しでも潤いのある、ゆとりのある、そしてお話のようにもう十年、二十年もいても隣がだれだかわからないようなことであってはならないんで、それは話し合いの場がないからそういうことになってしまうんで、そうしたことも含めて、御指摘のような考えのもとにこれからは進めてまいる所存でございます。
#31
○江田五月君 私、いまここに一冊の週刊誌を持ってきておるんですが、「週刊新潮」ことしの四月二十三日号に、山本夏彦という人が「写真コラム」というのを出しておりまして、「住宅公団三つの大罪」と書いてあるんですね。二十五周年を迎えた住宅公団、「大々的に祝うはずのところ、さすがに恥じてそのことがなかった。」と最初から非常に厳しい書きようでありますが、罪を列挙しておくと、「スケールを小さくした。」と言うんですね。「団地サイズといって、四畳半強の部屋を六畳と偽った。六畳強を八畳とあざむいた。悪質な不動産屋もよくしないことを公団はした。スケールというものは勝手に動かしてはならぬもので、それを取締る側の「官」が動かしたのだから、「民」は勇んでそのまねをした。次いで天井を低くした。」「各階から少しずつ高さを盗めば、九階を十階にできるからである。」「員数をあわせるためである。軍隊は員数さえあっていればよしとした。公団はその伝統を奪って、」と。こうして「日本中の天井は低くなった。もう一つ、押入をなくした。」「和室だと各室に押入が要る。洋室なら要らない。そのぶんを去ると広く見える。」こうやって「家具をまたいでくらすくらしを、住宅公団は日本国民に強いたのである。鼻がつかえる天井の下でくらすくらしを同じく強いたのである。住宅公団はその気がなく、日本人の生活を根底からゆるがす一大文化的事業をなしとげた」――非文化的と言いたいところなんでしょうが。「罪万死に値する。」と、こう書いてあるが、どういうお感じですか。
#32
○委員長(宮之原貞光君) これは総裁だな。澤田総裁に、あなたのところの功罪が大きいから……。
#33
○参考人(澤田悌君) 国の住宅政策あるいは建設行政に関する問題でありますから、私から全面的にお答えするのがいいのかどうか疑問でもありますが、特に委員長から御指名でございますので、お答えをいたしたいと思います。
 先ほど大臣からもお話がございましたが、戦後非常な住宅難の時代に、国民に一刻も早くたくさんの住宅を供給しようという、そういう方針からいろいろな施策が行われたものと存じます。当時の日本の国民生活のレベル等にそうかけ離れたものではなかったと、私客観的に見ておるのであります。やむを得ず予算の制約あるいは数の要求等の結果、いまから批判すればただいま御指摘のような非常に厳しい批判が出てくるであろうと思います。思いますが、戦後のあの悲惨な住宅事情の経過の中において行われた一つの歴史的事実として私は受けとめるべきもの、と同時に、その後の日本経済の向上、国民生活の発展、それから諸情勢の変化、住宅に対するニーズの大きい変化等に、もう少し的確に、もう少し早く対応できたならばそういう御批判も幾らか緩和されたのではないかというふうにも思う次第でありまして、そういう事実を住宅公団としては、公団のいままでの二十五年の功罪の中に十分認識いたしまして反省をいたしております。
 そして今後は、国民の本当のニーズに応じた、しかもそれがわがままを許すものではない範囲において、的確に国の住宅政策の御指導のもとにこたえてまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
#34
○江田五月君 私は、やはりこれも行政というものの本当に基本的な考え方といいますか、行政の心といいますか、国民に、小さくてもいいだろう、狭くてもいいだろう、天井が低くてもいいだろう、とにかく住宅をどんどん提供していくという、それも一つの大切なことですが、一方でやはり、戦後新しい国をつくっていくのに、国民皆そろって高い志を持っていこうじゃないか、将来を考えていいストックをみんなでつくっていこうじゃないか、「武士は食わねど高ようじ」じゃないけれども、長い先のことを考えて、いまは苦しくてもみんなで一緒にがんばって、いいストックをつくろうじゃないかというようなことも行政の心構えの中にひとつ要るんじゃないか。何か国民とともにこれからの日本を一緒につくっていこうという心構えに欠けて、そのときそのときの移ろい行く需要に安易に対応するだけに終始してきたというようなところが、言葉はちょっと厳しくてごめんなさい、しかし、どうもそういうことがあるんじゃないかという気がこういう点でもするんですね。
 住宅公団の団地がすぐにそのうちにスラムになってしまうよということは、もう前々から言われていた。いまこうして厳しい指摘になっておりまして、ひとつこれからの方向を踏まえて、これまでの反省ということを大臣からも伺っておきたいんですが。
#35
○国務大臣(斉藤滋与史君) 先生のお言葉を拝承しながら、つくづくと歴史の変遷を私は走馬灯のように考えたわけであります。御指摘の週刊誌も私はすぐ見ました。関係者に回し読みしてこんな話もしたわけでありまして、大変恥ずかしい限りでございます。しかし、いま歴史の変遷という言葉を使いましたけれども、やはり戦後の衣食足りないころは、とにもかくにも食えればいい、食があれば今度は着る物、そしていまようやく住宅と、その住宅も、先ほど申しましたように、とにかく住む家すらもない方々が四百万戸不足するということで、とにもかくにも行政を預かる役所としてはあえてそうしたことに踏み切らざるを得ないような状況にあったのではなかろうかと思います。
 しかし、それがいいとは言いません。いま見て御批判を受けるような形になったことではありますけれども、そういうことを踏まえてこれからの住宅という問題につきましては先ほど御答弁申し上げましたように、やはり潤い、ゆとりのある、そしていままでは、規格以下にしたようなものをむしろゆとりのあるような形でやるという、それだけ日本も余裕ができたし、勤労者の方々あるいは一般国民の方々の住宅事情もそういう面へきておると思いますので、先生の御意見を踏んまえ、そうしたことを図りながら、過去のそうした悪い時点については行政というものも全く考えなく、新しい発想で住宅事情対策というものを考え、またそれがもうすでに遅いかもしれませんけれども、その時点だというようなことでやってまいりたい、このように考えるものでございます。
#36
○江田五月君 法案が成立していないわけですから、まだできたとは言えないわけですが、しかし、御提案に係るこの新しい公団で新たに住宅・都市整備行政を展開していこうとおっしゃっているわけでありますから、ひとつこれからのこととしてじっくり考えていただきたいと思います。
 ところで、いまの点について、この狭隘ないわゆる団地サイズと言われる住宅がたくさんあるわけですが、これは一体、さあ新たにつくるものは別として、これまでできているものはどういうふうにこれからされるんでしょうか。このままでそれぞれ活用されていくのか、あるいは多少の手直し、改修というようなことをお考えになっておるんでしょうか、どうでしょうか。
#37
○参考人(救仁郷斉君) 昭和三十年初期につくりましたいわゆる二DKを主体とした住宅でございます。現在のところ非常にまだ需要がございます。これは新婚のお二人の方々にとっては非常に需要がございます。したがって、いま直ちにどうのということではございませんが、将来だんだん住居水準が上がってまいりますと、そういった二DKの狭いものはたとえば単身の方に開放するとか、あるいは場合によりますと二戸を一戸に改造をするとか、あるいはこれは技術的には可能でございますが、その前に増築するとかいろいろなことをやってまいりたい。いわゆるテラスハウスと申しておりますが、二階建ての連続の住宅がございますが、これ等についてはもうすでに数年前から増築を実施しております。
 今後そういういろいろな形で、情勢の変化に対応しながらやってまいりたいというふうに考えております。
#38
○江田五月君 さて、住宅公団の財政についてちょっと伺っておきたいんですが、住宅公団の財政の仕組みというものはある程度伺っております。そしてこれまでは、借入金の推移についてはこの委員会でも数字を伺っておりますが、あわせて住宅建設費補助金あるいは政府補給金、要するに制度がちょっと違いましたから、以前は利子補給金そのものというわけでもなかったのかもしれませんが、いまの利子補給金に当たる一般会計からの補助の数字がどういうふうな推移をたどっているかということをお示し願います。
#39
○参考人(星野孝俊君) ただいま御質問のように、現在は利子補給制度をとっておりますが、住宅公団創設のときには利子補給制度をとりませんで、出資金により金利を補てんするという制度をとっておりまして、設立当初より今日までの間に総額で九百七十五億円余の資本金をちょうだいしております。
#40
○江田五月君 利子補給金の受け入れの数字の一覧はお答え願えないんですか、
#41
○参考人(星野孝俊君) 利子補給金の受け入れの状況でございますが、四十年から四十六年までの間は、まとめて申し上げますとこの間に九十億三千六百万、それから四十七年度に七十八億七千九百万、四十八年度には百五億六千四百万、四十九年度が百三十四億四千二百万、五十年が百七十一億二千四百万、五十一年が二百三十六億四千七百万、五十二年が三百五十八億三百万、五十三年が五百二十一億五百万、五十四年が七百四十七億二千九百万、五十五年が九百六十億一千六百万でございます。
#42
○江田五月君 いまおっしゃるようなお金が利子補給金として一般会計から日本住宅公団の財政の方に出捐がなされているわけですが、何かすごい伸び率なんですね。どんどん伸び率がよくて、そして住宅に政府が力を入れているということになるのかどうか。利子補給金というものがどんどん伸びていくということになって一体どうなるんだろうか。
 住宅公団が国鉄、健保、食管の米の三Kの第四の、これKじゃありませんが、第四のKになるんじゃないかというような指摘がありますが、この利子補給金を見ても、ここでちょっと計算してみますと、対前年度の増加率が四十八年が三四・〇七%、四十九年は二七・二四%、五十年が二七・三九%、五十一年は三八・〇九%、五十二年五一・四一%、五十三年が四五・五三%、五十四年が四三・四二%、五十五年が二八・四九%、すごいことになるんで、こんな勢いで利子補給金がふえていくということは、これはいいんですか悪いんですか。あるいは特殊な事情でこういうふうにふえておるけれども、今後はそういう方向でもない、一般会計の伸び率とそうかけ離れないような数字に次第に安定していくんだというようなことになるのか、その辺の見通しを伺いたいと思います。
#43
○政府委員(豊蔵一君) ただいま御指摘の日本住宅公団に対します利子補給金につきましては、住宅公団が借入金につきましては主として財政投融資資金を主体としてこれを運用しておりますが、その金利とそれから実際に供給いたします住宅、これが一般には金利を五%として家賃を計算いたします。それからまた、面開発であるとか市街地再開発等の住宅につきましては四・五%として計算をいたしますが、その差額につきまして国が利子補給をするという仕組みになっております。
 したがいまして、管理されます戸数がふえるに伴いまして長期にわたってこれは回収されるものでございますので、その間の利子補給金がある程度ふえていくということは、仕組み上当然のことであろうかと思われます。しかしながら、また一面におきまして、財投金利が高い場合には当然その差額は大きくなりますし、また御案内のように、オイルショック等によりまして建築費等が急騰いたしました場合にはその金額が非常に大きなものとなりますので、管理開始されます段階におきます金利差というものも金額としてはふえてまいります。そういったようなことがありまして、五十二年度以降等に供給されます住宅等につきましては、建設費が高騰したということがあって利子補給金がふえているというような問題があったように思われます。
 しかしながら、今後のことを考えますと、なかなか予測がむずかしゅうございますけれども、一応経済が安定して運営されるという前提の中で公団の今後の建設されます住宅も、第四期住宅建設五カ年計画に基づきましてある程度安定的に推移するというふうに考えられますので、増加する率は安定していくというふうに考えております。
#44
○江田五月君 この問題なかなかむずかしいことではありますが、利子補給金の方は税金から出ていく、したがって国民みんなの負担ということになる、家賃は受益者が負担する部分になる、そこの間の調整の問題だろうと思いますが、余りバランスが崩れてしまってもいけないし、もしバランスが崩れていつまでも三〇%、四〇%というような高率で伸びるようなものなら、制度の立て方に何かどこかの工夫が要るんじゃないかとか、何か制度がおかしいんじゃないか。それをすぐ家賃の方にはね返らせという話をしているわけじゃないんですが、将来のこととしてちょっと十分推移を見きわめて検討していかなきゃいけないと思いますが、いまお話だと伸び率がこんな三〇、四〇というような数字では将来伸びていかないんだということですから、これは将来を十分見させていただきたいと思います。
 さて、新しい公団、都市公園をつくっていくんだとかあるいは再開発を行っていくんだとか、そういう新しい仕事をやるんだということですが、なぜ一体そうした再開発とかあるいは都市公園の整備とかというような仕事をこの新しい公団がやらなきゃいけないのか、あるいはやることに意味があるのかを教えてください。
#45
○政府委員(升本達夫君) おただしのように新公団の新しい業務といたしまして、一つは都市公園の整備それから都市機能更新を目的とする再開発事業という二つの仕事をやる予定をいたしております。
 そこで、なぜその必要があるのかというおただしでございましたが、都市公園の整備につきましては、すでに前回の法案の御審議で、新たに今年度スタートいたします新五カ年計画によりまして、今後都市公園の整備をさらに図っていかなければならない段階にあることは御承知のとおりでございます、
 そこで、この新五カ年計画に基づきます都市公園の整備に当たりまして、私ども特に二つの点で新公団に仕事を引き受けていただきたいというふうに考えているわけでございます。
 その一つは、最近の公園に対する需要が大変高度化と申しますか、広域化と申しますか、かなり広い地域から人を集めてレクリエーションの需要に供するというような目的を持つ公園、すなわち、それを広域的な目的を持つ公園機能に着目しまして国営の公園ということでやっておりますけれども、この国営の公園を今後整備をいたしてまいります場合に、かなり広域的な目的を持ちますために、いろいろな多様な公園施設の整備を行わなきゃならない。その場合に、その施設というのはかなり高度な需要に対応するものでございますから、一つは、受益者負担というような意味も含めましてこれは利用に当たって料金を回収できる施設じゃないか、こういうように考えたわけでございます。
 この場合に、そのような施設を整備いたします場合に、従来ですと国費、地方公共団体の費用でやっておったわけでございます。これを財投資金を利用してそのような施設整備を図ってまいりたいということでございまして、この場合にはこの財投資金が使えるような団体で整備を図ることが望ましいんではないか、このような観点から、新公団に国営公園の有料施設整備という役割り分担をお願いしているわけでございます。並びに、今後地方自治体におきまして都市公園の整備をさらに進展して進めていかなければならぬわけでございますけれども、御承知のとおり、地方公共団体がかなり組織的にも微弱なところ、資金的にも弱いところが多々ございます。これらの都市公園を適確にバランスをとって整備をしてよいりますためには、やはり組織面、技術面あるいは資金面でこれを助成していくという必要があろうかと思うわけでございます。その助成の団体こして新公団の業務に期待をいたしておるわけでございます。都市公園整備についての新公団の役割りはおおむねそのようなところを考えておりまつ。
 それから、再開発事業でございますけれども、再開発事業は現在の大都市、特に既成市街地の状況につきましては御説明申し上げるまでもない状況でございます。防災面あるいは交通面あるいは居住環境面、あらゆる面から再開発がかなり広域にわたって、しかも緊急に必要とされる状況にあるというふうに考えております。この再開発事業を推進してまいりますのはもっぱら第一次的には地方公共団体の責務でございますけれども、何分にも大変この要請が強うございまして、この状況、現状にかんがみまして、新公団にひとつその点の御助力をお願いしたいというような考え方に立ちまして、特に都市機能の更新を目的とする再開発事業を新公団の業務に期待している、こういう関係でございます。
#46
○江田五月君 いまの御説明の中に、地方公共団体からの委託による都市公園の整備ということもありましたか、ちょっと聞き忘れたのですが……。
#47
○政府委員(升本達夫君) 御説明いたしました。
#48
○江田五月君 そうですね。
 そうすると、公園の整備ということについて、一つは財政合理性の面からのお話と、もう二つは、新公団に公園整備を行い得る技術者のストックがあるんだというようなことだろうと思いますが、それほどの技術者のストックを新公団が持つということになるんですか、その具体的な見通しといいますか、計画といいますか、そういったものがあれば明らかにしてください。
#49
○政府委員(升本達夫君) 新公団の組織の内容につきましては、現在のところまだ確たるものを持ち合わせておるわけではございませんけれども、建設省もしくは外郭の団体等を通じまして、現に都市計画関連の技術者がいろいろ職務を行っているわけでございますけれども、こういった手なれた仕事を持つ人たちを公団の業務のかなめに入ってもらって、ただいま申し上げたような公団の責務を遂行してもらえるように配慮したいというふうに考えている次第でございます。
#50
○江田五月君 新公団に公園整備の専門家がおるんだと、そういう一つの人の集団が国営公園の有料施設もどんどんつくり、委託を受けて地方公共団体の公園もつくっていくと、非常に何か効率的なようにも聞こえますが、
   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕一方ではどうも、特に地方公共団体の公園、都市公園もそうでしょうが、いろんなバラエティーというものが公園には必要なんじゃないだろうか。
 どこへ行っても同じような公園が日本じゅう並ぶというようなことになってしまったら、これははなはだおもしろくないわけでしてね。どこへ行っても同じようなかっこうの池がある、春はツツジが満開で、秋はモミジがどこへ行っても、多少の季節の違いはあるけれども、はらはらと散ってと、そういうことでは困るんで、やっぱりそれぞれの地方ごとに、あるいはそれぞれの公園ごとに特殊性のあるものがたくさんできていかなきゃいけない。一つのところでまとめてある人の集団があっちへ行きこっちへ行き、向こうへも行きで、ずっと公園をつくっていくということでそうしたバラエティーが確保できるのかどうか、何か少し不安があるんですがね。
#51
○政府委員(升本達夫君) 都市公園の整備に当たって、地域の実情に即した需要にマッチする公園の整備を図らなければならないことは御指摘のとおりと存じます。
 しからば、そのような公園が整備される保証がどういうふうにあるだろうかというおただしかと存じますけれども、ただいま申し上げました地方公共団体から委託を受けて公団が実施いたします都市公園の整備、これは都市公園の整備でございますから、まず都市計画決定が先行するわけでございます。各その地その地におきます都市計画、これは四ヘクタール以上の大規模なものを予定しておりますから、決定権者は知事でございますけれども、知事が具体の場所について具体の公園の基本的なプランを都市計画をもって決めます。その場合に十分地元の市町村と相談をして決めるという制度になっております。あるいは居住者の意見を拝聴しながら決めるということになっております。
 したがいまして、そういう手続を経て決められた公園を実際にその細部の設計をし工事を行う、これを公団が引き受けるわけでございます。いわば都市計画決定の意思を公団が実現する、そのようなふうにお考えをいただきたいと思います。したがいまして、その過程において十分その地元、地に合った設計、基本構想に基づいた設計施工が行われるものと私ども考えておりますが、さらに実施段階に当たって御趣旨が貫徹するように、よく監督をいたしてまいりたいと考えております、
#52
○理事(茜ケ久保重光君) 速記とめて。
   〔速記中止〕
#53
○理事(茜ケ久保重光君) 速記起こして。
#54
○江田五月君 公団の側は公園をつくる施工者であって、お客さんは自治体、お客さんの方の注文がそれぞれに変わるはずだからといったって、やっぱり実際に仕事をする側がいろいろアドバイスもするんでしょうし、実際仕事をするときに仕事をする者の裁量で決められることもたくさんあるでしょうし、ひとつ画一化というようなことをなるべく避ける方向を注意していただきたいと思います。
 同時に、都市公園整備五カ年計画で都市公園を整備をされていくわけでありまして、そういう五カ年計画の中での仕事ということになるんでしょうが、一体新公団がやる仕事というのは、その都市公園整備の全体の仕事のうちのどのくらいの割合を受け持たれることになるんでしょうか、
#55
○政府委員(升本達夫君) 都市公園整備の新五カ年計画の総投資額二兆八千八百億円の中で、先ほど御説明申し上げました国営公園の整備費の総額が千五十億円予定をいたしております。そのうち三百九十億円をその有料施設整備費に充てたい、かように考えておりますので、いまのところの予定では、この三百九十億円が財投資金等によりまして公団が受け持つ事業量というふうにお考えいただければと思うわけでございます。
 それから第二点の、地方公共団体からの受託でございますが、これは受託業務でございますので、確定的には数字を申し上げる段階にございませんけれども、五カ年期間中に、これはもう目の子でございますが、大体七百億円ぐらい、個所数で二百カ所弱、これは設計の委託等も含めまして個所数を計算してございますが、二百カ所弱というような予定をいたしております。
#56
○江田五月君 話が変わりますが、ことしは国際障害者年でありまして、障害者の皆さんの完全参加と平等というスローガンで国際的に障害者対策をやっていこうという年であります。住宅公団と障害者とのことに関してはもういろいろなところでいろいろな議論がされておりますが、さらにいま一度障害者にどういう温かい目を注いでいただけるのか、
 障害者対策というのは恐らく三つのポイントがあろうと思いますが、一つはいわばハードの面といいますか、公団が提供していく住宅がどれほど障害者に配慮がなされたものになっていくかということ、これは障害者用の住宅をどういう配慮でつくっていくかということが一つある、と同時に、健常者用の住宅にどれだけ障害者のための考慮が払われるのかという問題がある。障害者の完全参加と平等ということは、障害者の皆さんに、害者の皆さんはここにいなさいよという場所をつくるということだけでは済まない。障害者の皆さんが健常者と一緒に社会生活ができるということになっていかなきゃならない。障害者は障害者だけが友達じゃない。健常者も健常者だけが友達ではない。障害者が健常者の友達を持つ、健常者が障害者の友達を持つ、当然のことでありますが、いまの住宅公団の提供しておる住宅というものは、障害者の方が健常者の友達を訪ねようと思っても訪ねるに非常に不便ですね、まず無理じゃないでしょうか。
 たとえば、車いすの人が何とか抱え上げられて健常者の人の住宅に行く。トイレだって障害者に使えるようなトイレになっていない。これはなっていないのを改造すればいいが、改造できるような構造にもいまなっていない、あるいは障害者用の住宅ということになると、これはなかなか財政の負担も大変でしょうが、いま中の壁なども入居者の好みに応じていろいろ動かし得る、あるいは入居者の好みに応じて壁をどういうふうにつけるかを決めていくというようなことがだんだん技術が開発されておるわけですが、障害者、健常者両方に使える、あるいはどちらの人のためにも用いることのできるようなそういうパーツを開発するようなことができないだろうか。これは汎用性のあるパーツの開発というようなことになるかもしれませんが、というようなこともひとつ検討していただきたいと思います。いまの障害者対策のハードの面、それからもう一つはソフトの面で、これは障害者の方々にどれだけ入居に便宜を図っていくかという問題だと思いますが、この二点についてまずお答えください。
#57
○参考人(救仁郷斉君) まず、お尋ねのハード面でございます。ハード面では、健常者の方のところに身障者の方が遊びに行かれるというようなために、まず建物の外回りでございますが、歩道の縁石の切り下げとかそういったことが、新しいものについてはもちろんでございますが、古いものについても必要に応じて改修を行ってきております。
 それから、建物の中に入りますいわゆるアプローチでございますが、これにつきましては、いわゆる一階のエレベーターのところまでは階段とスロープを併設するというようなこともやっております。そして階段、エレベーターをお使いいただく。ただ、中層の場合にはエレベーターがございませんで四、五階までは階段でございますから、これはちょっとやはりいまの技術では無理ではないかというふうに考えております。そういった措置をとっております。
 それから、建物の中、住宅の中でございますが、これはあらかじめどういう身障者の方がお入りになるかということが確定しませんと、設計というのはなかなか実際上むずかしゅうございます。そういったことで、できるだけ先生がおっしゃいました、後で改造のしやすい設計を考えるというような検討はこれから必要ではないかというように考えております。
 それから、もう一つの御指摘の、いわゆる汎用性のある器具でございますが、これはいろいろなことが考えられると思います。ただ一番基本的に問題になります便器、それからおふろでございますが、こういったものは基本的にその器具そのものではなくて、便所の広さなり浴室の広さというものが非常に大きく関係してまいります。したがいまして、部分的ないろいろな汎用性のある器具ということが考えられるかと思いますが、ちょっとそういった浴室、便所につきましてはなかなかそう簡単にはいかないんじゃないかと思いますが、なお検討さしていただきたいというように考えております。
 それから、ソフト面でございますが、これにつきましては、たとえば賃貸住宅につきましては募集戸数の一割の範囲内ではございますが、一般の方々よりも、大体当選倍率が五倍になるような形で、これは老人世帯と一緒でございますが、優遇措置を講じております。
 また、住宅をお選びいただく場合でも、一階とかあるいはエレベーターのとまる階とかいうような階を優先的にお選びいただけるようにしたいというようなこと。それからまた、お入りになってから不幸にしてそういった身障者になられた方々等につきましては、いまの一階とかエレベーター階とかいうところに住宅を移りたいとおっしゃる場合には、優先的にそういったこともやってきております。
 そういったことで、いろいろなソフト面につきましてもやってきておりますが、いままで分譲住宅についてはそういった優遇措置はしておりませんでしたが、建設省の御指導もございまして、今後分譲住宅につきましてもそういったソフト面の対策を講じたいというふうに考えております。
#58
○江田五月君 この障害者の問題は、同時に、いま日本が迎えようとしております高齢化社会に一体どう対応するのかという問題と、技術的な面ではかなりダブるところがあろうかと思います。いまの部屋の中の構造の問題あるいはアプローチの問題、あるいはソフトの面で高齢者の皆さんにどういう便宜を与えていくかということ、新規にお入りになる方でなくて、いままでもうすでに公団にお住まいの方々でも高齢者、いろいろな考慮の必要な方々にどういうふうな温い配慮をしていくかということ、これも障害者の方々への配慮とあわせてひとつ間違いなくやっていただきたいと思います。
 そして同時に、障害者については、今度は公団が障害者の雇用をどの程度なさっていらっしゃるかという問題がありますが、いま住宅公団、宅地開発公団それぞれに身障者の雇用の達成率というのはどの程度になっておりますか。いまの要望に対するお答え、障害者だけでなくて高齢者の方々へも温い配慮をということについてのお答えとあわせて数字をお聞かせください。
#59
○参考人(有賀虎之進君) お答え申し上げます。
 現在、住宅公団におきましては身体障害者の方々の雇用には積極的に努めておるところでございますが、先生御承知のように、法定の雇用率は一・八%でございますが、私ども現状におきましては一・六二%まで努めておりまして、法定雇用率にあと一息というところでございます。具体的には、一・八%と申しますと約九十名でございますが、現実には八十一名の雇用という状況になっております。
#60
○参考人(志村清一君) 宅地開発公団は、法に基づく法定雇用数は六名でございますが、ただいまのところは三名相当、半分でございます。従来も身障者等の雇用のために努力をいたしておりましたが、これからも十分努力いたしまして何とか満配にいたしたいとかように考えております。
#61
○参考人(有賀虎之進君) なお、先生のお尋ねのこれからの話でございますけれども、先ほど申し上げましたように積極的にやっているところでございますけれども、さらに今後学校とか職業安定所とかそういったところに対しましても積極的に働きかけまして、この一両年ぐらいの間に目的の達成率までに努めたい、こういうように努力したいと思います。
#62
○参考人(救仁郷斉君) 老人世帯につきましても、先ほどの身障者の世帯と同じようなソフト面、ハード面の対策をとっております。公団におきましても、現在公団が管理しております住宅につきまして、世帯主が六十歳以上の世帯が昭和五十五年の調査によりますと賃貸住宅で五・四%、それから分譲住宅では四・八%というように五年前の五十年に比べましてそれぞれ一・二%ふえております。そういったことをあわせまして、たとえばお年寄りになられて手すりをつけたいといった模様がえが必要な場合にはできるだけ御協力申し上げてまいりたいというように考えております。
#63
○江田五月君 そこで、身障者雇用率の達成をどうしてもやっていただかなければならないわけですが、これは建設省は非常にこの成績が悪いですね。建設省関係の雇用率対象の法人が七つあって、いずれもこれは三月二十六日の予算委員会で大臣からお答えをいただいておりますが、この達成ができていない。きょうは五月十二日ですから、きょうまでに達成しているかとお尋ねしてもなかなかむずかしいことだと思いますが、これから一体どうされるおつもりであるか、これは大臣の方に伺っておきたいと思います。
#64
○国務大臣(斉藤滋与史君) いまお話がありましたように、さきの委員会で御指摘を受けたわけで、当然こうしたことにつきましては積極的に配慮するのが私たちの責務でございますので、法定数という問題もございますが、それを乗り越えて十分な配慮で、とにもかくにも障害者の方々に門戸を開放して積極的な対応をやってまいる所存でございます。
#65
○江田五月君 さて、大分時間もたってまいりましたが、話を冒頭の話との関連に戻しまして、住宅公団あるいは今度できます新しい公団が住宅を供給してまいりますと、これは好むと好まざるとにかかわらず一つのコミュニティーをいろいろな場所でつくっていくわけです。コミュニティーの少なくとも基礎をつくっていくわけで、これが本当にコミュニティーになっていくのかどうかということが非常に大切なことではないかと思いますが、人間いろいろなライフステージといいますか、子供からずっと成長して青年期、結婚して夫婦が二人、小さな子供ができ、子供がずっと大きくなって中学、高校、大学、それぞれに全部巣立ってまた二人と、そういうライフステージがあって、それぞれの段階で住宅に対する需要、ニーズが変わっていくわけです。
 そうしたことを考えてみると、一つのコミュニティーがある一つのライフステージの人ばかりによって占められているということはやはり不健全なんじゃないだろうか。世の中というのはいろんな人がおるんだ。障害者の場合にもそういうことですが、障害者があれば健常者もいるんだ。新婚夫婦もおればお年寄りの夫婦もおるんだ。高校、大学生が暴れ回る、そういう――大学生になると暴れるかどうか、余り暴れても困るかもしれませんが、そういう家庭もあれば、幼稚園、小学校低学年というようなこういう子供を抱えた家庭もあるんだ。それぞれがお互いに助け合いながら、足りないところを補い合いながら、あるいは余った能力を人に提供し合いながらつくっていくのがコミュニティーになっていくわけです。
 さあそこで、どうも住宅公団の大量な住宅の供給というのは、同じような建物をたくさんたくさんつくることによって何かそういうコミュニティーのバラエティーというものを壊してしまう、あるいはそういうバラエティーをつくることを阻害していくというようなことがあるんじゃないだろうか。これからの公団の建設の方向として、ひとついろんな建物を大きいもの小さいもの、いまそれは多少のバラエティーは一ありますが、もっといろいろなライフステージの人が、いろんな家族構成の人が一つのコミュニティーをつくれるような、そういうことをお考えいただかなきゃいけないんじゃないかという気がいたしますが、これは一つの提案ですが、どうお思いになりますか。
#66
○参考人(救仁郷斉君) 先生の御指摘は私どもも非常にごもっともだというように考えております。従来、昭和三十年代から四十年代の初期の高度成長期にかけまして、先生の御指摘のように、どちらかと言うと規格住宅をとにかく提供するんだというような考えが強くあったことはこれは否定できないと思います。しかし、四十年代後半からやはりそういったコミュニティーづくりということが非常に重要な問題だということから、いろいろなバラエティーのある住宅をつくっていこうという計画は徐々にやってまいりました。しかし当時でございますから、一戸当たりの平均規模というものがそう大きくございませんので、やはりバラエティーにも限りがございました。最近になりまして、建設省の方でも相当広い面積、平均床面積をいただいておりますので、非常にそういったバラエティーのある住宅がつくれるようになった。たとえば多摩ニュータウンでございますと、これは新住事業でございますが、一戸建てから高層まで、それも一DKから五LDKまでいろんなバラエティーを持った町づくりをしております。今度東京でやります大きな、たとえばグランドハイツの開発にいたしましても、一DKから五LDKまでいろいろなバラエティーを持って建設してまいりたいというふうに考えております。
#67
○江田五月君 物の考え方なんですね。いまここに八〇年度の「日本住宅公団年報」というものがあります。三十ページにごみの空気輸送システム、地域暖房給湯システムというものが書いてありまして、大阪市の森之宮第二団地のことが図解をしてある。ごみを団地の一角にあるごみ投げ入れ口でぼんぼん投げていけば、それが空気輸送管ではっと真空パイプで輸送されて、焼却場にぽっと全部行ってしまう。そこで廃熱ボイラーで焼却をする。その熱を使って地域的に給湯をする、暖房をする、温水プールをつくる。非常にすばらしい地域をこうやってつくっていくんだということであります。これも一つの考え方だと思いますが、どうも私はこの考え方でどんどん進んで、それが本当にお互いの共同体をつくっていく道なんだろうかなという多少の疑問を感ずる。
 私たちはこれまで便利さを一生懸命に追い求めてまいりました。とにかく便利であることはすばらしいことだということでありましたが、しかしたとえば、いまゴミニティーというような言葉があるんですね。コミュニティーをもじった言葉でゴミニティー、ごみを一体どうやってお互いの共同体の中で一緒に力を合わせて処理していくかというようなこと、ごみの処理を通じて一つの共同体をつくっていこうというような物の考え方、こうしたことがかなり大切な物の考え方になってきているんじゃないか。そうなりますと、いまのごみの投げ入れ口、だれでもどんどん放り込んでいいですよ、全部真空でぱっと運んでと、お返しはお湯になってきたり暖房になってきたり、それも程度問題だという気がするんですが、住宅公団のように好む好まざるにかかわらず一つの共同体の外観をつくり出すわけですから、やはりそこにはそこで今度はふさわしいコミュニティーをみんなでつくっていこう。もちろんこれは公団の責任もあるでしょうが、同時にそこに住まわれる居住者の皆さんの自治活動に対する理解、自覚といったものも必要でしょう。
 これもだれの責任とか、だれが悪いとかいう話でなくて、一緒に連帯のあるコミュニティーをつくっていこうじゃないかということを、もっとごみの問題にしても清掃の問題にしても管理の問題にしても、いろんなことを通じて考えていかなきゃいけないときが来ているんじゃないか、自治機能というものを温かく助成し誘導していくという、そうしたことが必要なんじゃないかと思いますが、この物の考え方のことについて伺っておきたいと思います。
#68
○参考人(救仁郷斉君) 先生のお考え、私も同感でございます。森之宮はそういった真空集じん、地域暖房というような形でたまたまやっておりますが、ほかのことにつきましては資源の再利用というようなことを含めましていろいろな方策があり得るのではないかと思います、ただ基本的には、私どもはその市町村のごみ収集のいわゆる方針と申しますか、それに基づいていろいろな計画を立てているわけでございます、そういった意味では、私どもは市町村のそういったごみ収集の方向に沿っていろいろな施設をつくっていくということでございます。
 ただ、先生御指摘のように、最近になりまして、そういった市町村のごみの収集以前に、お入りになっている方々が自主的に学校単位あるいは管理組合単位に再生できるごみの収集を自発的にされまして、そして植栽に、あるいは学校備品の購入とかいろいろなことに役立てておられるというそういった活動もふえてきております。そういったことは非常に好ましいことでございますので、そういったことに必要な器具等について御要請があればできるだけこたえてまいりたいというように考えております。
#69
○江田五月君 リサイクルのことと同時に、もう一つはいわゆるエネルギーのこともあると思うんです。一つの共同体の入れ物をつくるわけで、いまエネルギーについてどういう考え方をとっていくか、どういう方向を歩んでいくか、国民全員いろんな考え方もありましょうし、みんなで知恵をしぼっていかなきゃいけないときが来ておるわけですが、私は一つの考え方としては、小規模な小さなエネルギー源をそれぞれに活用していくというようなこともわれわれ考えていかなきゃならぬのだろうと思います。雑木がたくさんとれるところではもう一遍雑木を燃やすというようなことも必要になってくるでしょう。小さな水力発電をやって、ある村の一部分だけ、あるいはある種類の電力だけをそれで賄っていくというようなことも必要になってくるでしょう。
 そういったことを考えるときに、公団がつくり上げる共同体の中で、たとえば街灯ぐらいは風力発電でやれるじゃないかとか、浄化槽に必要な電気あるいは水をタンクにくみ上げる電気、こういう電力はそれほど質のいい電力でなくても、ボルトがいつも安定してずっと続くというような電力でなくても何とかなっていくわけです。質の悪い電力の使い道というのもいろいろあるわけですから、そういうエネルギー開発というようなことも公団として、これから新公団でやることによって新しい共同体をつくっていく道を歩めるんじゃないかと思いますが、どういうお考えでしょうか。
#70
○参考人(救仁郷斉君) エネルギー問題は非常に大きな問題でございまして、ただ私どもがいままでやっております中高層のいわゆるアパートと申しますか共同住宅につきましては、これは本来そういった省エネルギー的な効果を非常に持っている。一つは、建物の断熱性能というのが非常にいいわけでございまして、そういった意味から省エネルギーの形になっております。それから、立体化することによりまして都市のいわゆる交通輸送エネルギー、これの非常に節約に役立っているのではないかというふうに考えております、先生の御指摘の、そういったローカル的ないろいろな細かいエネルギーの利用ができないかというようなことでございます。公団につきましては現在、先ほどの森之宮を初めとして、まずいわゆるごみ焼却による余熱の利用ということをすでにやっております。東京でもグランドハイツあるいは品川沖等でもう次の計画を進めております。
 そのほか、いわゆる太陽熱の利用でございます。これは一般的にいろいろな方式があるわけでございますが、これにつきましては実験段階から実用段階へというような形で現在検討を進めております。
 それから、風力発電による屋外照明灯につきましても、試験所の方で鋭意開発を進めておりますが、これは実用化にはもう少しかかるんじゃないかというような感じがしております。
 そのほか、これは非常に特殊な例でございますが、東京で最近開発を検討しておりますのは、東電の高圧ケーブルが近くを地中を走っておりまして、その熱が非常に出てまいります。その熱を利用していわゆる地域暖房に使えないかということで、これは恐らく実用化ができるということで現在検討をしております。
#71
○江田五月君 さらに、賃貸の場合には公団が貸し主になっているわけで貸し主の義務に包摂されていくでしょうが、分譲の場合には共同住宅の管理というものを一体どういうふうにしていくのか。
 公団が分譲していく、ある意味では公的に共同住宅を分譲してつくっていくというものが一つの見本になって、民間の分譲住宅の管理の模範をここで示していくというようなことがあるいはできたらいいなと思うんですが、これは民間の分譲住宅の管理の面とあわせて、たとえばエレベーターにしても壁にしても、あるいは浄化槽にしても水の設備にしても、そのほか一人一人が責任を持って管理する部分でないいわば共用部分といいますか、こういう部分はいずれは時間がたつと保守あるいは修繕、あるいはつくりかえその他が必要になってくるわけで、まあ壁の塗りかえぐらいだったら簡単ですけれども、エレベーターをつけかえるということになるとこれは大変なことになるので、そういう事務をだれが取り扱っていくのか、そういう仕事をどういうお金で出捐していくのか、どういうふうにそういう基金をつくっていくのか、だれに負担をさしていくのか、もし年なり月なりに割ってずっと所有者に負担をさしていくとすると、その集まった金をだれが管理していくのか、物価の上昇によって目減りしていくのを一体どうするのか、運用をどうしていくのか、いろんな問題があると思います。
 ちょっと時間がもう余りなくなってしまいましたが、こうした共同住宅の管理ということについてどういうお考えでどういう段階にいまあるか、大ざっぱで結構ですけれども、方向だけを示しておいていただきたいと思います。
#72
○政府委員(豊蔵一君) 御指摘の分譲共同住宅の管理につきましては、最近非常に社会的な関心を集めております。日本におきましてはこういったような居住様式というものがまだ比較的歴史が浅いといったような点もございまして、そこにおきますところの共同居住ルールというものが十分確立されていないというような点、あるいはまた、建物が区分所有されておりますためにその維持管理に関する意思決定というものが円滑に行われにくいというような問題があろうと思います。
 私どもといたしましては、これらの管理の適正化を図りますために、一つには管理組合の設立を奨励したい、二つ目には、居住者の方々の合意形成が円滑に行えるような合理的な管理規約というものを普及をいたしたい、三番目には、将来大規模修繕という問題が起こってまいりますが、そういったことに備えまして資金の適切な積み立てを重点とした財政的な基盤づくり、こういったようなことの三点を中心といたしまして今後私どもといたしましては関係業界等を通じて指導するとともに、現在行政指導の指針となるべき標準管理規約の作成を行うため鋭意検討を進めさしていただいておるところでございます。
 なお、住宅公団におきましてはそういった点に十分着目しまして、管理規約の策定また管理組合の設置といったようなことにつきましては、分譲される際に指導しておられて、一般の民間のマンション管理よりは相当進んだ状態にあるというふうに考えております。
#73
○江田五月君 さて、住宅公団が住宅を供給していくような、建設していくような場合には、これは公的な機関ですから、経済状況が変わってもいろんな困難が途中で起こってきても、工事を途中でやめにしてほったらかしてしまうというようなことはないんだろうと信じております。それでも保守管理住宅というようなことになって、この保守管理住宅の保守管理が一体どういうふうになされているのか、そこに危険が放置されているというようなことがないのかどうか心配にはなりますが、住宅公団の場合と比べると、民間の場合にはこうやって工事の途中で状況の変化が起こって工事がストップしてそのままになってしまう、法的関係は何とか整理をつけてしまうとしても、社会的に見ると未完成のままで工事が放置される、危険が放置されるというようなことがいろんなところにあるわけです。
 先般私は、コンクリートパイルが打ち込まれたままで放置されて、そこに小学校入学直前の子供が落ちて死亡するという事故についてお伺いしましたが、そのときに、今後こういうことがないように対応を検討するというお話でしたが、どういう検討をされてどういう措置を講ぜられたかを御報告願います、
#74
○政府委員(宮繁護君) 三井製糖株式会社の岡山工場の原糖の野積み場拡張予定地におきまして発生いたしました死亡事故に関連いたしまして、過日当委員会におきまして先生から御質問、御指摘をいただいたところでございます。
 これにつきまして、建設大臣からの指示に基づきまして私どもの方では関係建設業者の団体に対しまして、まず第一点といたしまして、工事の目的物を契約に基づき未完成のまま発注者に引き渡す場合には、公衆災害の防止のためにとるべき安全措置について発注者と十分打ち合わせをすること、また第二番目といたしまして、この打ち合わせに基づきまして所要の安全措置を講じた上、工事目的物を発注者に引き渡すよう傘下の会員に周知徹底するよう、五月七日付をもちまして指導通牒を出したところでございます。なお、同日付で都道府県知事に対しましても、知事許可にかかわる建設業者に同趣旨の指導をするように通知をいたしました。
 なお、関係省庁、二十七省庁でございますが、そのほか地方建設局、関係公団、電力会社、ガス会社等の主要な発注機関に対しましても、このような場合適切な措置が講じられるように協力をお願いいたしたところでございます。
#75
○江田五月君 この事故について質問をしました際に、私は、ほかにもたとえばマンションなどについて似たようなことがあるんじゃないか、建設の途中でどういう事情か工事が続行されないことになって危険が放置されているというようなことがほかにもあるんではないかということに触れておきましたが、建設省がどういうふうに事態を把握なさっているかというところまで詰めては聞いておりませんでした。ところがその後、これは一部新聞の地方版でありますが、「マンション野ざらし三年半」という見出しで私が指摘したような事案が報道されておりました。岡山市竹田町大川上二百九十六の一というところに十一階建てのマンションをつくっていたんだけれども、四階まで建ってそれでストップしてしまった。子供らの危険な遊び場になっていたり、ここでシンナー遊びをしているとか、ウンカが大発生するとか、浮浪者が住みつくとか、雑草が生い茂るとか、付近の住民が本当に困っているという報道なんですが、この事案についてこれはどういうことだか把握かされておりますかどうですか。同時に、どういう対応が考えられるか検討を願いたいと思うんですが、どういう対応になるか御報告をお願いします。
#76
○政府委員(宮繁護君) 御指摘の件につきましては、昭和五十六年の五月一日付の朝日新聞の岡山版にその旨報道されていることを知りまして、大日工業株式会社から事情を聴取いたしました。
 会社からは第一点として、御指摘のマンションは昭和五十三年の十二月に未完成のままNKプレハブから購入し、現在転売する交渉を進めているということ。
 また、二番目には、大日工業は安全対策のために当マンションの周囲に有刺鉄線を張りめぐらし、第三者がみだりに敷地内に立ち至らないように措置をいたしますとともに、必要に応じて雑草刈り等を行っているとの説明を受けたところでございます、
 なお、同社に対しましては、今後マンションの管理につきまして一層十分の努力をいたすように十分注意をいたしたところでございます。
#77
○江田五月君 有刺鉄線なんていうのは、子供にとってはこれくぐるためにあるようなもんでしてね、子供が有刺鉄線が張ってあるからというのでそこをくぐらないようなことになってしまったら、これはもう日本の将来はないというとちょっと大げさですけれども、やっぱり子供は危険なところで遊ぶことによっておのずから危険に対処していく能力を身につけていくわけで、有刺鉄線を張ってありますからよろしいですというわけにはいかないですね。ひとつ事故が起きてからあわてるんではこれは後の祭りということですから、遺漏なきょうにお願いをしたいんです。
 このマンションの問題、ここは新聞の報道によると市の建築指導課は「手を焼いている」というふうに書いている。「手を焼いている」じゃこれは済まないわけで、今度の通達がここの場合にぴたりと当てはまるかというと、これは既往のことでもあるし、今回の指導通牒ではなかなかうまくいかないんだろう。建築基準法、建設業法、宅地建物取引業法、いずれかの法律あるいは複数の法律でうまく指導ができるかどうか十分検討をしていただきたいんです。それでうまく対応ができればいいんですが、対応できるかできないかは別として、こういうように危険物が建築土木の工事に絡んで放置をされているときに、いまの法体系というのはうまく対応できる場合もあるけれども、できない場合もかなりあるんだ。そういうものについて市民は民法七百十七条ですか、事故が起きてから初めて賠償を請求するというような道しか残されていない。
 そこで、これはかなり一般論になりますが、いろいろな理屈をつけて差しとめ請求とかいろんなことを考える。差しとめ請求というのは、本来日本の法律がこれまで余り知っていたものではないんで、裁判所も非常に苦労をしてこれに対応できるものは対応しよう、それでも限界がいっぱいある。私はやはりこのあたりでそろそろ、危険が放置されているような場合に、民法の事後的に損害賠償ということではなくて、そういう危険を事前に除去していくというような新しい法律の制度、法律の一つの分野というものをわれわれ開拓していかなきゃいけないんじゃないかという気がしておるんです。この前のときもちょっとお尋ねしましたが、もう一度建設大臣にお尋ねをして、ちょうど時間になりましたので、質問を終わります。
#78
○国務大臣(斉藤滋与史君) 法律論で、これはもう先生の専門で教えていただかなければなりませんけれども、昨今のような複雑多様化した近代社会の中で余りにも危険に遭遇するその機会が多いわけで、これは委員長さんにお願いする筋なのかもしれません、委員の方々にお願いするのかもしれませんけれども、やはり危険防止法というか、何か特別な角度から立法化するぐらいの措置が必要かもしれません。この点につきましては、いささか法律専門家でないので自信もございませんが、そうした面でひとつ考えさしていただきたいと、かように考えます。
#79
○理事(茜ケ久保重光君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   正午休憩
     ―――――・―――――
   午後一時六分開会
#80
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、住宅・都市整備公団法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#81
○赤桐操君 新公団ができ上がりまするというと、
   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
旧公団の事業が引き継がれることになるわけでありますが、その前に両公団みずからの努力で解決をしておかなければならない問題がございます。本委員会においてもしばしばこの点が各派から指摘をされてきていると思いますが、まとめる意味でもう一度私は伺っておきたいと思います。
 まず、日本住宅公団の方に伺いたいと思いますが、住宅公団における未入届状況、さらにまた保守管理住宅等、大分これは積滞数が多いようでございますが、この問題について、引き継ぐまでの間にどういうような整理の見通しがあるか。さらにまた、残った場合においてはこれからどういうような対策を付して引き継ぐことになるのか、この点をひとつ明確に伺っておきたいと思います。
#82
○参考人(救仁郷斉君) 現在住宅公団が抱えております未入届住宅が、昨年の十二月末で五千七百六十一戸ございます。それから同じく保守管理住宅が一万九千三百三十一戸というふうになっております。これにつきましては、会計検査院の指摘を受けて以来、未入届住宅につきましては、五十二年度の一万六千五百四十六戸から約三分の一に減少してまいりました。保守管理住宅につきましては、五十二年末の二万三千九百九十二戸から先ほどの一万九千三百三十一戸、これは余り減っておりません。
 この原因は、一つは会計検査院から指摘されました、すでに発注済みの住居、いわゆる仕掛かり中住宅でございますが、これが五十一年度末十二万五千戸ございます。これもやはり減量しなければならないということで、これにつきましては五十五年十二月、昨年末に五万三千五百五戸という半分以下にしております。したがいまして、今後私どもはこういった現在の仕掛かり中住宅、これはほとんど五十二年に大幅に見直しまして、設計変更なりいろいろな手当てをしたものが残っております。したがいまして、こういった現在の仕掛かり中住宅の中から出てまいります、竣工してまいります住宅につきましてはそれほど問題はないというふうに考えております。したがいまして、現在の保守管理住宅あるいは未入居住宅の解消ということに全力をこれから挙げてまいりたい。
   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕
 未入居住宅につきましては、これはいろいろな広報宣伝活動をやりまして逐次解消できると思いますが、保守管理住宅につきましては、そういった広報活動のほかにいろんな、駐車場を増設するとかあるいは専用庭を設けるとか、あるいは場合によったら、狭い住宅でございますので、二戸を一戸に改造したいというようなことをやりまして、五十六年度中に一万九千三百三十一戸の中の約一万戸を募集開始いたしたい。それから全体的な感じでございますが、三年程度でこういった保守管理住宅、未入居の問題を解決したいというように考えております。
 先ほどの先生のお尋ねでございますが、残念ながらもし新公団ということになりますと、そこまでに完全に未入居住宅問題が解消するというわけにはまいりませんが、少なくともきちっと合併までには年次計画を立てて、この団地はどういう対策を立ててどの年度までにどうやっていくんだという基本方針だけはしっかり立てて引き継いでまいりたいというように考えております。
#83
○赤桐操君 いずれにしても、ただ御答弁があったというだけではこれは済まないわけでありまして、現実にそれが具体的に実施の段階で実現されていかなければ、未入居住宅の対策にしても保守管理住宅の対策にしてもこれは責任ある処置をしたということにはならぬわけでありまして、これはひとつ重ねて本格的な対策を講じて、引き継ぎまでの間にきちんとした体制をつくり上げてもらうということを念のために申し上げておきたいと思います。
 それから次に、長期保有土地の資料を私はちょうだいをいたしておるわけでありますが、先般の委員会における私の質問に対しての御答弁では、この中で三つに区分することができるが、そのうちの第三番目の問題として、早期に事業に着手すべく関係機関と協議中の七団地が大きな問題を残していると言われておるわけであります。きょうは時間の関係がありますから全部の状態を伺う必要はありませんが、七団地の問題について詳細にひとつまず伺っておきたいと思うんです。
#84
○参考人(救仁郷斉君) 七団地につきまして御説明申し上げたいと思います。
 その前に、七団地のうち私が担当しております住宅建設部門が三団地、宅地開発部門が四団地ございますので、宅地開発部門については櫟原理事から説明さしていただきたいと思います。
 まず、私どもの川口地区、これは八王子市でございます。八王子の西北部にございます。ここは八王子市といわゆる開発の基本構想ということでいろいろやっております。現在ここは調整区域でございまして、そういった八王子市の西北部のいわゆる都市整備の方針というものがまだ決まっておりません。したがって、現在八王子市と西北部のこういった地域をどう将来持っていくかというようなことについていろいろ打ち合わせ、私どもは私どもなりに八王子市と連絡をとりながら調査をやっているわけでございます、
 その中で、一体そういった開発構想の中でやはり交通網整備というものが非常に大きな問題がございます。したがいまして、そういった整備計画と交通輸送対策ということにつきましていろいろ検討を進めておりますが、なお、八王子市の方からは民間の研究機関等も導入してみたらどうか、そういう可能性はないかというようなあれも受けておりまして、そういったことも含めて現在検討を進めております。
 それから、京都市にございます京都西部地区でございますが、これは市から、特に市の西側の丘陵に当たりますので、いわゆる稜線の景観保持という問題と、それから雨水排水の問題、この二点について検討を要請されております。この景観保全の面につきましては稜線をそのまま残していくという形で対応できるんではないかと思いますが、いわゆる桂川右岸の広域的排水計画、これが実際には下流の方からずっと整備はされてきておりますが、非常にまだ時間がかかっております。したがいまして、これを代替の排水の方法はないかということでいろいろ市とも打ち合わせております。ことしになりましてからそういった排水についても若干見通しが明るくなった点がございまして、私どももそういった線に沿ってできるだけこういった問題を早期に解決してまいりたいというように考えております。
 それから、滋賀県の琵琶湖の左岸といいますか、というところにございます伊香立という地区がございます。ここにつきましては県、市とも基本的な開発の了承は得ております。ただ、現在その隣で、仰木地区というところで宅地開発を同じく住宅公団がやっておりまして、そこが終わった次の段階として開発を考えようということになっております。市の方からもここには文教施設等の誘致施設を住宅と一体としてつくれないかというような要望もございますので、そういった問題も含めまして現在基本計画を練っているという段階でございます。また、そういったいわゆる文教施設誘致という線に沿いまして、五十三年の五月に県立の養護学校用地として二ヘクタールはすでに処分済みでございます。
 以上、住宅建設部門の関係について御説明申し上げました。
#85
○参考人(櫟原利嗣君) 宅地開発部門について御説明申し上げます。
 まず第一に、横浜市の長津田地区でございますけれども、この地区は昭和五十三年十一月に横浜市長から市の都市づくりに貢献できる団地であれば協議に応ずるという御回答をいただきまして、それに基づきまして五十四年三月、市に対しまして運動公園等の誘致施設を含む土地利用計画案について照会いたしました結果、五十五年二月に市から具体的な開発条件について御回答を寄せられた次第でございます。
 そこで、現在市から提議されましたそういった具体的な開発条件につきまして、市の事務担当部局とも協議、御検討をお願いしているところでございますが、できるだけ早く市街化区域に編入されますよう神奈川県、横浜市に対して要請をいたしているという状況でございます。
 それからその次に、千葉県の市原市の千葉東南部第四地区、俗に潤井戸地区と申しておりますが、この地区につきましてはすでに千葉東南部第一地区、これは約六百五ヘクタール、それから千原台地区、これが約三百六十ヘクタールでございますが、そういった地区を含めました千葉東南部大規模開発構想の一環を構成するそういった地区でございまして、一連の開発構想による、要すればこれらの地区に準ずる次順位の開発地区ということで用地を先行いたしたのでございます。当地区に先行いたしておりますいま申し上げました千葉東南部地区及び千原台地区はすでに事業認可を受けまして、これは五十二年五月でございます、工事中でございますし、それからまたさらに、関連交通機関でございますところの千葉急行ニュータウン線も同じく五十二年五月に施行認可を受けて現在工事中でございます。
 そういったような状況からいたしまして、当公団といたしましてはこういった先行地区の開発状況あるいは鉄道新線の進捗状況そういったものを勘案いたしながら地元の開発機運というものを背景にいたしまして、特に地元の公共団体におきまして大学等の誘致施設を含む低密度開発であれば配慮する、そういったような御意向もございますので、その御意向に即して現在大学等の誘致施設を含む開発構想というものにつきまして関係公共団体と協議中でございまして、できるだけ早く市街化区域に編入されるよう要請いたしておる、そういう状況でございます。
 それからその次に、京都府の精華町にございます祝園地区でございますが、この地区はもともとはその近くでやっておりますいわゆる平城ニュータウンと申します平城地区、相楽地区といったところを含みます京阪奈丘陵大規模開発構想の一環を構成する地区でございまして、同じように一連の開発構想によるいわば次順位の開発として用地を先行いたしたものでございます。この地区に先行いたしております平城地区、相楽地区はすでに事業を実施いたしておるという状況でございます。
 また、昭和五十三年十一月に京都府総合開発審議会におきまして、当地区を含みます南山城地域整備構想というものが作成されて京都府に答申が行われております。京都府はこれを受けまして、京阪奈丘陵地域において文化学術研究都市というものを整備いたすべく検討を進めておりまして、先般、当公団に対しましての京都府から協力方の御要請が参った、そういう状況でございます。
 そういったことから、現在、当公団といたしましては京都府と協力をいたしまして、当該構想に沿った開発を行うべく、地元の公共団体と協議中でございまして、できるだけ早く市街化区域に編入されますよう要請をいたしておる、そういう状況でございます。
 それから最後に、これは兵庫県の東条町でございます。東条地区でございますが、当地区は兵庫県、それから東条町から東播内陸都市圏構想の一環として開発の要望を受けまして、それを受けて用地を先行取得いたしたものでございます、
 当地区は、都市計画区域の指定を受けておりません、いわゆる白地地域でございますが、現在、兵庫県は当地区を含む関係市町の地域につきまして都市計画区域への編入について調整を進めておるという状況でございますので、当公団といたしましても、関連公共施設の整備等の開発条件の協議というものをあわせまして、当地区ができるだけ早く市街化区域に編入されますよう、県及び町に要請をいたしておるという状況でございます。
 以上です。
#86
○赤桐操君 この七団地はいずれも大体四十八年、五十年という段階で土地は取得されているわけでありますが、千葉の場合においては四十五年、四十六年の段階で取得しておるんですね。そうすらとこれはもう十年たっていると思うんです。大変長い時日を経過しておりますが、なお報告によれば協議中であるということでありますが、一体いつから着手できる見通しであるか、これをひとつ伺っておきたいと思うんです。
#87
○参考人(櫟原利嗣君) 千葉東南部地区につきましては、現在、まだ協議中という段階でございますので、必ずしもはっきりといつまでにとまで申し上げかねる状況ではございますが、私どもといたしましては先ほど申し上げましたように、地元の公共団体におきましても、大学等の誘致施設等を含む、要すれば、低密度の開発であれば開発について前向きに検討しようといったような御意見もございますし、それからさらに、千葉県におきましては、先般の建設省都市局長の市街化区域編入促進に関しての通達を受けまして、同じくことしの一月に通達をお出しになりました。その際に、住宅公団等の公的機関が開発するのについては、要すれば優先的に市街化区域への編入について考慮するといったような御意向も示され、そういったことを勘案いたしまして、ただいま県、市とも御協議をいたしておるということでございますので、私どもの方の努力目標といたしましては、できれば五十八年度中に市街化区域への編入をいたしまして、約一年かけまして計画を練って、五十九年度には事業計画の認可をいただいて工事にかかりたい、さようなことを一応の目標といたしておる次第でございます。
#88
○赤桐操君 いろんな事情があったかとは思いますが、一つの団地とするその土地の取得をして、十年たってなお着工できないということは、これは私はいかがかと思うんです。これはやはり私は、一つの明確な展望の中で行われた土地の取得ではなかったんではないかというように考えざるを得ません。
 その他、四十八年段階から買収が終わったものが六団地ありますが、いずれも協議中あるいは検討を進めているという報告でありまして、さすがにこの七団地については、いつから、どう着工するという明確な展望がないようでありますが、ほかの団地についてはいつごろから努力目標であるかないかはともかくとして、着手できる見込みがあるのかどうか、伺っておきたいと思います。
#89
○参考人(救仁郷斉君) 川口地区につきましては、私どもまだ協議が調っているわけではございませんが、私どもとしては五十六年度中に基本的な調査を終えまして、五十七年度に都市計画の決定をしていただきまして、五十八年度ぐらいから着工できればということで、いろいろなスケジュールを組んでいる次第でございます。
 京都西部地区につきましても大体同じぐらいでございまして、都市計画決定を本年度あるいは来年度ぐらいで行いまして、五十八年度ぐらいから着手というようなことを期待しております。
 伊香立地区につきましては、先ほどちょっと御説明申し上げましたが、下の仰木地区との関連の一連の開発でございます、したがいまして、これにつきましては下の仰木地区の工事の状況等から判断いたしまして、両三年後になるんじゃないかというような判断をいたしております。
#90
○参考人(櫟原利嗣君) 長津田地区についてでございますが、これは一応私どもの方の努力目標といたしましては、市街化区域への編入は、先ほど申し上げましたような状況から勘案いたしまして、できれば五十七年度中に編入していただきたい。またその可能性がかなりあるのではないかと存じております。したがいまして、事業計画の認可をいただきまして、事業着手にかかりますのはその約一年後の五十八年度時点というように一応考えております。
  それから次に、祝園地区でございますが、これは一応五十八年度中に市街化区域への編入を努力目標として考えております。そして事業計画の認可、工事着手につきましては、五十九年度を一応の目標として現在努力をいたしておるという状況でございます。
 それから、最後の東条地区についてでございますが、これは先ほど来申し上げましたようなまだ現在兵庫県におきまして、鋭意都市計画の区域指定について関係市、町と調整をしていただいておるところでございますけれども、まだ若干の時日を要するのではないかということからいたしまして、両三年ぐらいの期間を必要ではないか、そのように考えておる次第でございまして、これはできるだけ早期に市街化区域への編入及び工事着手をいたしたい、そのように考えておる次第でございます。
#91
○赤桐操君 結局、買収を終わって工事着工は十年あるいは十年を超えるという状態でありまして、この七つの地域についてはやはりいずれも問題のあるところだと思います。全体の七団地に要した総金額どこれに対する利子等について後でひとつ資料をいただきたいと思います。
 それから、この七団地についてはいずれも利子補給を受けておると思いますが、幾らの金利のものを使用しておるのか、この点ひとつ明らかにしていただきたい。
#92
○参考人(救仁郷斉君) 私どもの方の三地区につきましては、財投資金でございまして、財投資金も最近ずっと変わってきておりますので、八分五厘のときもございましたし六分五厘のときもございました。したがいまして、これは全体のプールでございますから、大体平均いたしますと七%ぐらいの金利を使っているということになろうかと思います。
 宅地開発部門につきましては、民間資金も若干入っておりますので七・七%の金利で運用しております。したがいまして、この段階では両方とも利子補給金というものはございません。ここの土地を使いまして賃貸住宅を建設する段階から利子補給金をいただくということになっておりまして、宅地開発の段階では利子補給金はいただくことにはなっておりません、
#93
○赤桐操君 いずれにしても、この七団地については非常にいろんな問題を残しておるようであるし、いろいろの報告は出ておりますが、いずれもまだ努力目標程度でありまして、かなりの問題点があるように思います。したがって、ひとつ先ほど注文した内容の資料を早速これが終わり次第出していただくことにいたしまして、この未入居、保守管理住宅の問題、それから七団地の問題、こうしたものについて、私は最終的にもしこれが処理がつかないような場合においてはどうするか、こういう問題も考えられる時期が来るんじゃないかと思うんです。そういう場合ということについては、両公団は想定をされているのかいないのか。
#94
○参考人(澤田悌君) 私、住宅公団に参りまして三年半になります、いろいろな問題のあるところに参りましたわけで、これをどう処理するか。これが一般の民間会社でございますならば大胆に処理することができるわけであります。普通の会社再建等を見ておりますと、いろいろな借金の金利のたな上げでありますとか、優良な資産は高く売れてそれで損失を埋めるとか、大体三年ないし五年ぐらいで片づくものでございます。ところが御承知のようなこういう国家的機関でございます。これの処理につきましては私は非常に頭を痛めておるのでございます。いずれにしても、国に損失の起こらないように、国民に迷惑のかからないように、そういう方式で、同時にかなりしんぼう強くやらなければいけない。物は皆不動産でございますから、普通の流動資産あるいは流動商品のようなわけには簡単にいかないわけでございます。
 それでいま、ここでそれをどういうことを考えたかというようなことを、私自身の提案を具体的に申し上げる段階に至っておりませんけれども、これにつきましては、少し住宅公団は膨大な含みを持っておる資産があるわけでございます。そういうこととの関連におきまして、最終的に全く開発が不可能になったというようなものが起こった場合の処理は考えるべきではなかろうか、抽象的にはさように考えておる次第でございまして、これを新公団に引き継ぐまでに解決することは、先ほども申しましたように非常にむずかしいのであります。できるだけ先行きのめどをつけた形で新公団に引き継いで、そこでいま申しましたような気持ちで処理すべきものではなかろうか、かように考える次第でございます。
#95
○参考人(志村清一君) 私どもの宅地開発公団につきましては、累次申し上げましたように、介入期間が非常に長いと申し上げましたのは、ただいま御議論のありましたような地元との交渉を事前にやっております、したがいまして、私どもが手をつける段階では法的手続は必ずしも終わってないが、地元とは完全に了解をつけた上で事業に手をつけております。したがいまして、ただいま問題になりましたような問題点は、私どもの個所については全くございません。ただ、そうは申しましても、地主から土地を買うわけでございますので、相当土地が買えませんと順調に進まない、こういうふうな場合が出てまいります。
 さような場合には、たとえば北千葉でございますが、土地収用法の事業認定をとりまして、裁決申請をいたして裁決を受けております。一部につきまして裁決を受け、ただいま明け渡し期間が到来いたしましたが明け渡しをしていただけませんので、県当局とも連絡をとりながら実力行使と申しますか、それをいま計画いたしたりしておりまして、それらの問題につきまして合併前になるべく早くけりをつけたい、かように考えておる次第でございます。
#96
○赤桐操君 いずれにしても、いま澤田総裁の話によりますと、現在の他の団地なり住宅に入居をしているそういう入居者に対しては、この結果についてのしわ寄せはないというふうに理解してよろしいんですか。
#97
○参考人(澤田悌君) そのように御理解願って結構だと思います。
#98
○赤桐操君 もちろんこれは、いまにわかに出る、あるいはまた決断を下すような事態はなかなかできないと思いまするけれども、どうも大分全体の状態を見るというと、かなり十年を経て、なおかつ見通しがきかないということは私は赤信号ではないかというふうに理解せざるを得ない、きょうこの段階で、しかも公団法案の最終の審議の場面においても、なおかつその程度の御答弁しかなされないということについては、かなり私は重大な事態を含んでいるのではないだろうかというように判断をせざるを得ないわけであります。公団総裁がそうおっしゃるんですから、それで私どもの方も受けとめざるを得ないと思いますが、この状態については大臣はどのようにお考えになられますか。
#99
○国務大臣(斉藤滋与史君) 先般来、また本日も先生の御指摘をまつまでもなく、私は当面の責任者として表現以上に厳しく受けとめているわけであります。したがいまして、新公団の発足につきましても過去のそうしたもろもろの悪条件を踏み越えて、もちろん逃げるということでなく、あくまでもそれらをよく精査して、整理をして、全く新しい気持ちで発足をしてもらいたいし、また発足すべきであるし、また発足するような厳しい指導をいたして、諸先生方の御懸念、また国民の方々の大事な公金を使っての事業でございますので、いささかなりとも指をさされないような形で進めてまいりたい、このように考えるものでございます。したがいまして、相当の覚悟を持ってこの問題については対処しなければならない。また関係者一同その心組みでこの問題には取り組んでいく所存でございます。
#100
○赤桐操君 宅開公団の方に伺いたいと思いますが、先ほどの総裁のお話で大体全体の状況は伺いましたが、この千葉ニュータウンですか、これは大分交通状況が悪いようでありますが、またその他の環境整備が非常に不十分な状態の中で町づくりが進められているようでありますが、この点はいかがですか。
#101
○参考人(志村清一君) 千葉ニュータウンにつきましては、先生御存じのとおり大変マストランシットのない地域でございまして、そういう意味で交通条件の整備が非常に重要な課題でございます。その意味で新京成の北初富の駅と、それからちょうどニュータウンのやや西側になりますが、小室までの間は北総鉄道が懸命に努力をいたしまして五十四年の三月に開通いたしました。これによって小室から西の方につきましては一応足が確保されたわけであります、ただこの場合も、北初富からさらに京成高砂に至る第二期の北総の工事がまだ進んでおりませんので、どうしても新京成に乗りまして松戸に出て常磐線を経由していかなければならない、さような意味で恐らく一時間ちょっとぐらいかかるんじゃないか、東京都心部までに。それくらいのほど時間はかかろうかと存じます。さらに東部の方に向かいまして公団が小室から松虫の間鉄道を引くという計画になっておりまして、第一期計画は小室と千葉ニュータウン中央、第五駅と言っておりますが、そこの間四キロの分に手をつけておりますが、これは先ほどちょっと申し上げましたように用地の問題で難航をしておりますが、土地収用委員会の裁決等を経まして逐次進めてまいりたい、かように考えている次第でございます。
#102
○赤桐操君 大分この千葉ニュータウンは問題をたくさんはらんでいるようでありまして、きょうこの段階でのお尋ねは一応これでとどめまして別な機会に譲りたいと思いますが、ともかく交通問題、環境整備の問題等では非常に大きな問題を残しておりますので、宅開公団も、新公団に引き継ぐまでの間にこれらの諸問題の基本的なものだけは整理をされるように、この際ひとつ注文申し上げておきたいと思うんです。
 それから、竜ケ崎地区についての状況を少し伺いたいと思うんですが、いま行われている団地についてはまず第一次の供給としておやりになるようでありますが、第一期分譲についての概要をもつ一度御説明願いたいと思います。
#103
○参考人(志村清一君) 竜ケ崎ニュータウンにつきましては、ようやく今年の十一月を期しまして宅地の供給ができる運びになりました。約三百戸でございます。これはすべて戸建て住宅地でございまして、このうち若干は宅地で分譲をするつもりでございますが、一部につきまして、県の住宅供給公社がぜひ譲ってくれということで、お譲りしてございます、そのほかにつきましては、実は、ニュータウンで全く全部個々に宅地を分譲いたしますとなかなか建たないというのが現状でごこいますので、信用のおけるデベロッパーと組みまして、共同分譲方式というものを考え、それらの賛成も得まして、共同分譲で、土地は私ども、上に建つ建物はデベロッパーということで、十一月に売り出しができるというふうな段取りにしておる次第でございます。
#104
○赤桐操君 売り出し価格は幾らになりますか。
#105
○参考人(志村清一君) 私どもの土地につきましては一平米六万円、わかりやすく坪で申し上げますと二十万円弱でございます。二百平米といたしますとそれだけで千二百万円になるわけでございますので、住宅が八十平米ぐらいのものが建ちますと、平米十二万といたしましても二千二百万くらいになろうかというふうに考えております。
#106
○赤桐操君 民間デベロッパーと共同で分譲するということになりますというと、この価格より高くなるでしょう、民間の販売価格は。
#107
○参考人(志村清一君) デベロッパー諸氏にも十分協力していただけるようにということで、大体その程度でいけるんじゃないか。もちろん、建物の坪数がふえたり宅地の坪数がふえますと二千五百万円程度のものもできようかと存じます。
#108
○赤桐操君 いずれにしても、これは私の方でも、これに対する公共負担分とそれから金利、あるいは有効宅地面積、こうした問題についての生産原価について提出を前回の委員会でお願いしておいたんですが、なかなか大変のようでありますが、事務当局の方で御努力を願って、私の方の要望に沿って資料をつくっていただくように、重ねてひとつお願いをしておきたいと思います。
 住宅公団が日本における公共住宅の政府の唯一の事業主体として、勤労者に対して公共住宅の提供をしてきたわけでありますが、最近の都市部における公団家賃の高騰についてはいささか目をみはり、あるいはまた目に余るものがあるわけでありまして、一体これで都市部におけるところの賃貸住宅の家賃としては適正であるというように総裁は御判断をなさっておるのかどうなのか、これをひとつ伺いたいと思うんです。
#109
○参考人(澤田悌君) これを、全く経済原則を一〇〇%肯定した上で物を判断するか、国の住宅政策というものをどの程度そのときの情勢に応じて加味するかということを加えて判断するか、それによりまして判断の結果は非常に違ってくると思います。すべての経済の運営条件を肯定した上で行うならば、現在の公団の供給しております住宅は、自然に経済原則で決まるべき価格に対して政府の補助が戸当たり何万円と入っておるわけでございます。したがいまして、この結果は、安いものであるという判断も出てこようかと存じます。しかし、住宅公団法の第一条にもありますように、ああいう国家目的において住宅を供給するという場合に、現在の家賃でいいかということになりますと、これはまたいろいろ物の判断の基準、その人人の立場におきましていろいろ違った結果が出ると思います。まだまだ高過ぎる、しかし一方、これ以上に補助を入れてまでそういう賃貸住宅を供給する必要があるのかというような逆の判断――国民の負担においてでございますが、いろいろ出て、そこが非常に現在政策としてむずかしい段階に来ておると、これは前にも申し上げたかと思います。
 そこで、国の大都市におきます賃貸住宅としてはどういう収入の分類の方々に、どういう程度の質の住宅を、どの程度国が補助をして供給するのがいいかということを真剣に考えなければならない段階に来ておると私は実は思っておるので、現に、たとえば蒲田駅前とか笹塚等で供給しました初期家賃八万何千円というのがいいのか悪いのかという問題につきましては、ここで私はなかなか的確に申し上げかねるんですが、この前も申しましたように、しかるべきところにしかるべき住宅を建てて、しかも政府の補助をいただいてやりましても、住宅公価の自己努力の限界はこの辺にあります、これでよろしいでしょうかと、実は各方面からお教えを願いたいというのが責任者としての私の実は偽らざる気持ちでございます。
#110
○赤桐操君 まあ総裁のお立場で言われることはわからないわけじゃないんですが、やはり社会全体の標準の置き方、考え方の問題がその根本にうかがわれるわけでありますが、住宅をいま日本の国の政策みたいに商品として扱っていく場合においては、多少なりとも補助金を出せばこれはりっぱな国の政策的なものだ、こういうようになってくるんですね、しかし、それが結果的に国民の皆さん方から見たときに、国民の現在置かれているふところ内容と比較したときに一体どうなんだということになれば、これは大変なものになってくる、こういう事態だろうと思うんです。したがって、その考えの置きどころがいささか問題になってくると私は考えるんですが、いささか総裁のお考えとは論点が違うかもしれませんけれども、かみ合うかどうかは知らないが、少なくともいま現実にはそういう物の見方で国民の皆さんや多くの勤労者の方々は公団の住宅建設を見詰めているんじゃないだろうか、私はそう思うんですが、この点総裁いかがですか。
#111
○参考人(澤田悌君) おっしゃいます点、よく理解できるのでございます。一般の中堅勤労者と言われるような国民の方々がいまの家賃でいいかということにつきましては、必ずや十分御満足という御回答はいただけないのじゃないかという点、これはよくわかると思うんです。しからば、国民の負担においてどれだけ政府が政策をそこに注入するかという問題になりますと、これは政治の問題でございますので、私どもはいまのそういう条件のもとにおいては、公団ができるだけ企業努力をして勉強するというところに目標が置かれざるを得ないということを申し上げたいと思います。
#112
○赤桐操君 いろいろの角度からもう質問もされておりますが、まとめてひとつ伺いたいと思うんですけれども、千葉県の八千代市ですが、村上団地というのが数年前にでき上がったのでありますけれども、当時これは七万円の家賃でスタートを切っているんです。十年間で十一万円になる。これは私どもも驚いたのでありますが、これはいま大体七万円どころじゃないでしょう。八万円から十万円でしょう、現在、これが大体高値安定で、大体標準化しようとしていると言っても過言ではないと思うんです。先ほどいろいろ御報告がありましたが、これらの団地でこれからつくり上げられていくとすれば、私はやはりみんなそのくらいに近いものになっていくのじゃないかと思うんです。
 そこで一体、新公団がそういう傾向の中でこれを継承しながら住宅政策を行っていくということになると、これは重大な問題になると思うんです。したがって、日本住宅公団が解散して新しい公団に発展するというならば、この際ひとつ根本的な問題について明らかにする必要があるだろうと思うんです。どうしてこんなに急激に高値安定にしていかなきゃならない事態に来ているのか、このことを公団の総裁として私は明らかにする責任がおると思うんですが、そういう責任ある立場でひとつこれは明快な御答弁を賜りたいと思うんです。
#113
○参考人(澤田悌君) 新公団のあり方につきましては、私のお答えする限りではございませんので、現状について申し上げれば、やはりこのような高値に家賃が到達し、しかも下がる気配がない、強含みであるということの基本は根本的には私は地価の高騰にあると思うんです、それから建築費の高騰、諸資材の上昇、いろんなものを含めまして、現在公団のやりますような不燃性の住宅を建てますと、政府の補助を相当いただいてもいま申されたような家賃にならざるを得ない、こういうことであろうと存じます。
#114
○赤桐操君 地価の高騰、建築資材の高騰、それもあると思いますが、どうなんですか、一体金利の問題についてもかなり大きな負担になっているのではないか。それからそのほか、まだ団地造成上いろいろの各種の施設をつくっていかなきゃならないでしょうし、そうしたものについての家賃へのはね返り、全体のひとつ解明をする必要があるように思いますが、総裁はその点はどういうように、いまお触れになりませんでしたけれども考えておられますか。
#115
○参考人(澤田悌君) ただいま御指摘の二点につきましては、おっしゃるとおりであると存じます。特に関連公共負担については、毎々一戸当たり幾ら、家賃について幾ら、あるいは分譲価格にして幾らというような数字も申し上げでありますが、これが家賃の高騰に少なからぬ影響を与えていることはおっしゃるとおりだと思います。政府はいろいろ促進事業費等の制度でここ両三年援助をしていただいておりますが、なおその負担は少なからぬものがあると存じます。
 それから、金利でございますが、公団はすべて借入金、大部分は政府からの借入金でありますが、借入金によって事業を行っておるわけでございます。したがいまして、事業が大きくなればなるほどその金利もかさむのでございます、それからいろいろな障害で事業の完成が遅れればその間金利がかさむわけでございます。それがまた家賃等にはね返っておる、これも軽視できない問題でございまして、先ほど申しましたような地価を含めた建設コストにいま申し上げた二つを加えて、これが家賃の高騰の原因になっておると申し上げていいと思います。
#116
○赤桐操君 そうすると土地価格、これは確かに最近の分譲あるいはまた賃貸の内容を伺うについても、昔は全体の一割ぐらいだったと思いますね。最近では五割ぐらいになってきているのじゃないかと思う。それから金利についても、償却費や用地費なんかに対する金利の状態を見ましても、かなりのものになってきているということが言えると思います、加えて建築資材の高騰ということになってきて全体の価格が上昇しているということは確かだろうと思います。その中で公団としていろいろ努力をされてきたことはわかりますが、いま一つの具体的な例で伺う方が早いと思いますのでお伺いしたいと思うんですが、これはいただいた資料でお伺いいたしますが、最近住宅公団が供給した都心の団地の例でひとつ伺いたいと思います。
 これには団地の名前が明らかになっておりませんから、このままで伺いたいと思いますが、とにかく都心の団地でありますから近いところの例だろうと思います、これによりまするというと、初年度の家賃が八万二千四百円、傾斜減額が二万五千百円で家賃の価格は十万七千五百円となっております。これの用地費、工事費、総額一戸当たりの状態を御説明願いたいと思うんですが。
#117
○参考人(久保田誠三君) お答えいたします。
 ただいま先生のお尋ねのいわゆる都心立地型団地の家賃の例で申しますと、その構成の原価のうち用地費と工事費につきましては約二千万、用地費が四五%、工事費が五五%、九百万、一千百万、計二千万となっております。それでその例で申しますと、償却費が四万三千二百円、地代相当額が三万三千八百円、それぞれ四〇%、三二%、合わせまして大体七〇%程度というふうになって、その他諸経費、維持修繕費等維持管理経費が大体二八%、大体われわれは前二者が七〇%、後一者が三〇%というような大体形で構成されて、それが原価家賃になりまして、それに傾斜減額等掛けまして先生申されました初年度家賃八万二千四百円というようなモデルを考えております。
#118
○赤桐操君 これは最終は幾らになるのですか。
#119
○参考人(久保田誠三君) ちょっと、これにつきましては具体的に計算いたしてなかったわけでありますが、大体このモデルの例を試算してみますと、ほぼ蒲田駅前と似たような形で十一万程度になるのではなかろうかと存じております。
#120
○赤桐操君 用地費、工事費の大体概要は明らかになっておりますが、この中の関公費と金利の状態はわかりますか。
#121
○参考人(救仁郷斉君) 先日も御報告申し上げましたように、こういった都心のいわゆる住宅はわりに関公負担は少のうございます。蒲田駅の場合には一戸当たり約二十五万円ということになっております。それから家賃の中に占めます金利でございますが、これが約六〇%、全体の中の六〇%が金利ということになっております。
#122
○赤桐操君 この償却費あるいは地代相当額、こうしたものを通じまして七二%になっていますが、地代相当額というのはこれは元本は含まない、金利だけであると、償却費があと四〇%、いずれも四・五%の金利であるというように聞いておりますが、それでよろしいんですか。
#123
○参考人(久保田誠三君) さようでございます、
#124
○赤桐操君 私はやはりこの状態を見て、少なくとも初年度の家賃が八万二千円で、やがてこれが十一万から十二万になってくるというのは決して正常な公団の賃貸住宅のあり方ではないと思う。これは本当の庶民大衆を対象とした公団の家賃設定と考えるならば、もっとこれは減額をしていくべきだろうと思うんです。あとこれ以上どんな方法をとれば減額することができるか。公団総裁初め公団の皆さん方の立場からしても、公団の目的からして当然少しでも低廉なもの、少しでも良質なものを提供したいという、そういう意欲の中で事業に取り組んでいかなければこれはならないわけでありまして、当然そういう気持ちで取り組んでおられると思いますが、そういう立場で考えられるならば、この原価計算なりいま明らかにされている内容、こうしたものを見て、どこをどうすればどのような家賃設定に引き下げることができるか、こうしたことは皆さんも平素研究をなさっていると思いますが、明らかにできるならば明らかにしてもらいたいと思うんです。
#125
○参考人(澤田悌君) 御指摘の点はごもっともなことでございます。いかにすれば建設原価を引き下げ得るかという問題は、結局先ほど私が挙げました諸要素についてそれぞれ節減するという以外にはないのであります。非常な努力をしてできるだけ有利な安い土地を手に入れるというようなところから始まるわけでありますが、ただいま関係の理事から申し上げましたように、最も明確に出てまいりますのは金利負担の格差でございます。七分五厘とか八分とかで借りて四分五厘で回収するというのでは、これは負担が大きくなるのは当然でございます。この差を若干でも縮めていただくということが最も明確に建設コストを下げ得るものであろうかと思うのでありますが、それについてはまたいろいろな問題があるのは先ほども申し上げたような次第でございます、
#126
○赤桐操君 私はいまさら、買ってある土地の上に建てるんですから、その代価を安くするといっても原価が決まっているんですからどうにもならないでしょう。さらにまた、建築資材にしても、これはそれぞれの資材の原価というものも決まって供給されていくわけでありますから、これについてはできる限りのいろいろ建設に当たっての契約その他の方法で努力をされる以外にはないでしょう。あと努力をするとすれば、金利を引き下げるか関連公共費を何らかの対策をもってするか以外ないと私は考えるんですがね。この点いろいろと私も検討してみているんですが、仮にいま一%の金利を下げるとすれば、現行四・五でありますが、これを三・五に切り下げるということになりますると一%の引き下げになりますが、この場合は全体でどのくらい家賃の面にはね返ってくるか、伺いたいと思います。
#127
○参考人(久保田誠三君) お答えします。
 先ほどのいわゆる都心立地型団地の例で申しますと、一%資金コストを低減いたしました場合には初年度家賃で一万三千三百円の減額となります。
#128
○赤桐操君 さらにまた、関連公共の方は、理事の御説明によると、余りこの場合にはかかっていないと。ということよりも現実に公共施設がある土地を買ったんでしょうから、実は土地代の中に全部入っているということになるんでしょうから、当然そういうことになると思いますが、いずれにしても関連公共の諸費用というものは、これはかかっておることは事実でありますので、こうしたものに対する対策、これはもしこの場合において関連公共を国が肩がわりをするとしたならばどのくらいはねっ返るか、
#129
○参考人(救仁郷斉君) 先ほどの二十五万の関連公共負担が補助金で賄えるということになりますと、初年度家賃で月額一戸当たり九百円の低減ということに相なります。
#130
○赤桐操君 三年ほど前に、五十三年の通常国会で私が予算委員会でこの論争をしたときには、一%下げると一万円弱ということでありました。今回の場合で伺うというと一万三千三百円ということになっています。当時もいろいろこれに対する金利の設定についてもっと下げるべきじゃないかということで私も論争したことがあります。国の政策金融の状態を見ると、当時は、現在もそういうあれがございますが、大体三%というのを一番最低にしてやっておるわけであります。
 最近における沖縄住宅等の沖縄振興開発金融公庫から出されている金の利率は、三%を最低としております。これは据え置き三年で償還五十年というものであります。それから中小企業の特定高度化資金貸付制度、これは無利子でやっておる、要するに政府が、国が本気になってやろうと思えば私はこれはできると思うんですが、この住宅の金利政策ということをこうした考え方に切りかえるということに仮定をして、四。五%を三%に切り下げるということにするならば、これは国の政策金融の一番最低の基準でありますから、そこまで落とすということにしたときには全体で少なくとも二万円近いものが恐らくダウンせしめることができるであろう、
 それから、関連公共の方の関係で、ここの場合にはわずかの金でありますが、また同時に、関連公共公益費というものについてのどれを対象とするかという認識の問題もあると思いますから、私どもの方の認識でいたしまするならば月九百円なんというものではないと思いますけれども、公団の方の認識では九百円と言われております。この辺は認識の統一を図る必要があると思いますが、いずれにしても観点に相違があるようでありますから、これは一応後で論議することにいたしましても、二万円以上のものはこの際金利の政策や関連公共の操作によっては可能であると私は考えるのですが、この点はどうでしょうか。
#131
○政府委員(豊蔵一君) 公団の賃貸住宅につきましては、先ほど来お答え申し上げておりますが、財投資金によります借入金利に対しまして、家賃として回収される資金コストといたしましては、両開発市街地住宅であるとか団地高層住宅につきましては四・五%、その他の賃貸住宅につきましては五%とするために国から多額の利子補給を行っておりまして、それによります家賃の軽減効果もかなり大きいというふうに考えております。また、関連公共施設の整備につきましても、従来からその予算の拡大に努めてまいりまして、通常の公共事業に比べて別枠で補助を行うという制度を運用しているわけでございますが、これらにつきましては、本制度の趣旨から、一般の公共事業として採択されるものでなければいけないという点はありますが、公団の建設いたします団地につきまして、私どももせっかく努力いたしまして予算の配賦を行っておるところでございまして、これらの活用によりまして相当程度の軽減効果があるものと考えております。
 ただ、現在の財政事情でございますので、資金コストを四・五%あるいは五%、さらに一%あるいはそれ以上引き下げるということは現段階では非常にむずかしいかと思いますので、立地の適正化あるいは事業運営の合理化、効率化といったようなものを図りながら、適正な家賃で供給できるように指導してまいりたいというふうに考えております、
#132
○赤桐操君 前段で私が両公団の総裁から御答弁をいただいた、公団みずからの努力で始末をつけてもらうものについては、これは両公団の責任でやってもらわなきゃならぬと思うのです。しかし、総裁も答弁されておるように、こういった金利の問題とか関連公共に対する対策、こうしたものについては公団の努力の外にあるものですよ。したがってこれは国の政策上の問題になってくると思う。国の政策だということになるならば、そうしたことはたてまえ上できないのかといえば、私はできる、こういうことを沖縄の住宅の対策の問題、あるいは中小企業特定高度化資金の貸し付けの問題等を引例して申し上げたわけだ。政策金融としてできる、こういう例はいろいろあるんです。したがって、財投の金の使い方にもいろいろあるのでありまして、その最低の基準三%に落とすということは、政府がやる気があればできるということを私は申し上げたわけなんです。いま、論争はすでに公団の責任の外の問題に発展してきている。少なくとも建設省自体としても取り組みの腹の問題になってくると思いますが、このことについてもう少し真剣にお考えになるという気力はないですか。
#133
○国務大臣(斉藤滋与史君) 政策上の問題ということでございますので、あえて私から御答弁申し上げますが、公団のやる仕事の限界というものは当然あるわけであります。しかし、いまの総裁の決意にあるとおり、いろいろと運営団でなお一層努力することによって現在の家賃にはね返るということは考えていないというような答弁があったわけで、それを乗り越えて、先生の御指摘は、政府の方針として、例を挙げて、なお一層金利負担、補助金等について配慮せいということでございますが、日本の財政事情の中で、いまここで直ちにお示しをするような形でやるにはいささか困難性があるんじゃなかろうか。たてまえとしては、そこまでやって差し上げたいのはいささかも変わりございません。
 ただ、現在の日本の財政事情からしてそこまで許すか許さないかといいますと、私はノーと言う以外は答えられないのではないかと思います。いま少しく財政事情の好転を見て、なおかつ勤労者の方々の住宅事情というものを勘案して、この問題は今後の課題として政策に取り組むということだけは申し上げられると思いますけれども、よく指摘されますように、いまの公団それでなくても日々十二億五千万の利息を払ってなお三Kの次になるのではなかろうかと言われているような公団のあり方を見たときに、おのずから政策上の問題あるいは実質上の問題あるいは社会通念上の問題としても、家賃という問題についてはいろいろな角度から考えていかなければならない問題ではなかろうかと思います。先生御指摘の趣旨よくわかります。そうしたことを踏まえて、いまは内部の運営効果を上げながらこの問題に、少なくとも家賃に波及しないような努力をさせていただくというようなことでひとつぜひ御理解をいただきたい、このように考えるものでございます。
#134
○赤桐操君 大臣のお言葉でありますけれども、私はいま数字的に申し上げているのであって、抽象的にいろいろ論争しているわけではないのであります。この論争は、五十三年の二月から三月にかけての参議院の予算委員会でこれは火を噴いたはずであります。当時の金利は五%でありました。このときの大蔵大臣は村山さんでありましたが、時の建設大臣櫻内さんと村山さんとの話し合いをしていただいて、五%を四・五に切り下げるという結果を見たわけであります。私がこのときに主張したのは、三%にすべきだ、政策金融ではないか、こういうことで主張したんでありますが、残念ながら〇・五しか下がらなかった。それにしても〇・五とにかく下げたんです。当時の情勢でも、五%を切るということはいまそういう時代ではないというのが当時の大体の考えであったと思うのですね。財投の金にはかなりの差額の補給をしてある。したがってこれ以上のことは限界を超えるという考え方もかなりあったように思いますが、関連公共あるいはまた家賃の高額化、こうした傾向を押さえるためにはこの際やはり金利の調整をすべきだということに踏み切ったはずであります。いま私はあのときの状態よりもっとひどいと思うのです、公団の家賃の高度化というのは。したがって、いまこそこの問題については本格的に取り組まなきゃならない、こういうように思うのです。
 それで、なるほど財政財政と言われるかもしれぬけれども、しかしどうなんですか、これは話は飛躍いたしますが、東京湾横断堤の問題については関係大臣は、七兆円、八兆円程度でこれができるというならば住宅事情打開のためには必要ではないかということも言われておるではありませんか、住宅事情打開のためには必要ではないか。首都圏における住宅事情を打開すれば、土地の高度化についても防ぐことができる。そのために役立つとするならば七兆円、八兆円はこれは惜しくないと言っているのじゃありませんか。それよりも手短にできるのは私は金利政策だと思う。公団の家賃を思い切って下げることができて、そして十分に皆さんが安心して公団の住宅に入って暮らすことができる、こういう状況になってくるならば、争って持ち家志向という方向に走るはずがないのです。いまは十万、十一万、十二万という家賃を払わせる。千葉の八千代あたりでもって七万から八万の家賃を払っている。これならばもうちょっとがんばって月々償還していけば持ち家ができる。たとえミニの住宅であろうと自分の家を一つ持った方が得だ。家賃を払いっ放しで終わりになる、こういうことにやっぱりなるのです、それは。
 前回の委員会において私はこの点を指摘いたしましたが、国の住宅政策がそういう一戸建ち住宅の志向、あるいはまたそういう中から土地を求めるというそういう方向に国民の頭が向いていく、これがいまの状態なんです。そういう方向にあおっていたのではいつまでたったって土地政策は成り立ってこないんです。この際思い切って私は、かなりの金はかかるかもしれぬけれども、首都圏であるとかあるいはまた日本の三大都市圏であるとか、こうした一定の地域を指定して、その地域における特殊の金利政策というものをとるべきではないか、また関連公共に対するところの肩がわりの対策も可能ではないのか、こういうように私は考える。
 これも話が若干この建設委員会の論議とは外れるかもしれないけれども、いま大蔵省資金運用部には間もなく百兆円の資金が集まろうとしているではありませんか。この金をこうした新しい公共投資の対象として関連公共費に投じていくということにするならば、私は肩がわりすることは十分できると思う。しかもこれは長期にわたって使うことができる金であります。そうだとするならば、これを地方公共団体に還元をして、地方公共団体と公団の出先の関係との中でこの関連公共費の肩がわり政策というものを実現する、同時にまた、それに対する管理も可能ではないか、こういうように私思うんです。
 去る委員会におきまして、私は一つの例としてかつて申し上げましたが、民間のデベロッパーの責任者の皆さん方とも私懇談することがございますが、そういう人たちからは、私どもの方が地方公共団体に十年にわたって関連公共費の費用を肩がわりいたしましょう、十年たてばその団地ができ上がりますから、その際にはひとつ関連公共費の分を私どもの方に御返済をいただきたい、地方自治体にこれをひとつ差し上げようではありませんか、こういう具体的な話まで出ている。これは恐らく大臣も御承知になっておられると思いますが、そういう個人のそうした処置ではなくて、こういういわゆる公団が行う関連公共対策こそ国の資金運用部資金等を対策として還元すべきだというように私は考えるんですが、この点どうですか。
#135
○国務大臣(斉藤滋与史君) 先生の言うことよくわかるんです。ただ、それを実施する面においてそこまで国がやり得るいまの状況かということでありますといささかちゅうちょせざるを得ない。やはり国の行政の中で多面的な面もございます。住宅だけに重点的にしぼってほかのものということではならないわけで、その点やはりバランスの上で国の財政というものを考えますと、どうしてもいまの住宅事情、先生のおっしゃることは全くよくわかるんですが、なかなかそれについて困難性がある、苦しいということをぜひ御理解をいただきたいわけでございます。五十九年までに特例公債をなくするというような状況等々を加味していきますと、いましばらく若干の期間をいただいて、やはりそうした明るい見通しの上で住宅政策というものも打ち立てられると思いますけれども、現時点では先生のおっしゃることがわかればわかるほど、当方としてはなかなかそういう事情を知っておりますだけに、ひとつこの点につきましてはぜひ御理解をいただきたい、このように考えるものでございます。
#136
○赤桐操君 私は具体的に提起しているんです。これはきょう初めて言っていることではない。五十三年の予算委員会から私は強調しているんです。政府がこれに対して、あるいは建設省が真剣に取り組むという姿勢があるならば、こういうものに対する考え方をまとめられるべきじゃないですかね。資金運用部資金が百兆円になって、一体この金の使い道どうするんだという問題がいま出てきているんです。しかもこの金は庶民大衆の金です。エプロン姿で郵便局に預けにきている奥さん方の金がたまりたまって大きくなってきている。その金は当然庶民大衆の身近なところに還元すべきだと私は考える。それは二大都市圏なら三大都市圏を中心として思い切った政策のために投資したとしても、全体的に日本の土地価格を抑えることができる、住宅志向の方向転換ができるとするなら、私はこれは一つの大きな政策ではないかと思うんです。五十三年の予算委員会で、わずかに〇・五であっても必要とあれば下げたんじゃありませんか。必要とあれば政策金融として今日三%で貸しているじゃないですか。いまの考え方というものについて真剣にひとつ大臣御検討願いたいと思うのですが、いかがですか。
#137
○国務大臣(斉藤滋与史君) 御熱心な先生の御提言でございます。ここで、考えられないという答弁をしようとは思いません。せっかくの御提言でございますので、これは当然財政当局とのいろいろな問題にぶち当たるわけでございますが、せっかく努力してみたい、このように考えます。
#138
○赤桐操君 そこで、これは角度が変わってまいりますが、ちょうど五十二年の予算委員会で大論争があった後で五十四年度から実施になったと思いますが、住宅宅地関連公共施設整備促進事業の制度が設けられたはずであります。この結果、最初の初年度では三百億でありましたが、今日この金は一千億に及んでいると思いますが、三大都市圏における事業主体別の用途が示されてきているようでありますけれども、実施の状況について明らかにしていただきたいと思うのであります。
#139
○政府委員(豊蔵一君) 昭和五十六年度におきます関連公共施設の整備事業費につきまして、住宅公団の関係につきましては、住宅建設部門につきまして、国費として百三十四億円余り、宅地部門に対しまして、国費として百五十五億円余りを当初に配分をいたし、その事業の促進を図っているところでございます。
#140
○赤桐操君 この制度が公団のこうした各種賃貸住宅にどのように影響を及ぼしてきているか、御説明いただければお願いしたいと思います。
#141
○参考人(救仁郷斉君) 五十三年度に制度をおつくりいただいて以来、五十三年度は補正を入れまして全体で三百五十億でございましたが、住宅公団関連で百十六億の補助金をいただいております。それから五十四年度が国全体で六百億でございましたが、住宅公団関連で二百六億、五十五年度が国全体が九百億に対しまして、住宅公団関連で三百五億ということに相なっております。ほぼ各年度の全体の国の予算の中の三分の一程度をいただいているということでございます。
 これが実際に公団の家賃にどういうようなはね返りがしてあるかということでございますが、これは先生も御承知のように、一つの団地に次へ毎年ずっと関連公共の補助をいただいております。ですから明確に、ここで締めて幾らだという計算まだできておりません。ただ、私どもが大体の実感で申しますと、大体一戸当たり百万円弱程度の国庫補助をいただいているというような感じがいたします。そういたしますと、大体家賃にいたしまして平年度で五千円、初年度で大体四千円程度の軽減につながっているのではないかというような感じを受けております。
#142
○赤桐操君 どうなんでしょうか、公団の立場でお考えになって、この金はどのくらいまで幅を広げていく必要があるか。当面どのくらいまで必要であるか伺いたいと思います。
#143
○参考人(救仁郷斉君) 先ほど先生の、私どものいわゆる関公負担とちょっと意見の食い違いがあるというような御提案がございました。
 私どもは、先ほど建設省の方からも御説明申し上げましたように、現在のいわゆる住宅宅地関連公共事業というのは、ほかの一般の公共事業の採択基準というものをベースにしております、したがいまして、私どもは、採択基準に合うものについては現在のところほとんど一〇〇%に近い採択をやっていただいているというのが実態でございます。したがいまして、現在の制度を基本的に、たとえばもっと小さい道路まで、あるいは小さい公園まで補助対象にという制度を変えない限りは、補助金の増額はできないというのが実態でございます。
#144
○赤桐操君 私は率直に申し上げますが、これはもう一つけたをふやすところまでがんばるべきだと思うんです。ということは、最初の話よりは大分ちょっと縮小されているように思うんです。先ほども関連公共の対象というものについての認識について、私どもの考え方とどうも政府行政関係の認識にずれがあるようでありますが、やはり地方公共団体が才能でとる、そういう道路にいたしましても、あるいは上下排水にいたしましても、そうしたものについては、これはやはりその対象でなければならないと私は思うんです。したがって、メーンの道路であるとか、そういう主たるものだけではなくて、少なくとも生活に直結する各それぞれの道路等にまでこれは広げるべきだと私は考える、そういう角度に立っていろいろ検討すべきだと思いますが、建設省はどうお考えになりますか、
#145
○政府委員(豊蔵一君) 関連公共施設の整備事業につきましては、これと同程度の公共施設につきまして一般の補助金といわば別枠として補助しようとするものでございますので、おのずからその採択基準につきましても一定の公共事業と同等のルールがあるわけでございます。ただ、その限度の範囲内におきましても、最近は、道路にいたしましてもあるいは児童公園等にいたしましても、一般的な採択基準もかなり引き下げられてきておりますので、運用の問題といたしまして、住宅公団等の公的機関の住宅団地の造成につきましては私どもも積極的に採択するように努めてきているところでございます。
#146
○赤桐操君 いずれにいたしましても、関連公共についてはいろいろの角度からこの全体に対して資金が投入されるように省自体としてもひとつ検討をいただきたいと思うし、特に一千億という状態を見まするというと、初年度、二年度、三年度では三百億ずつついてきて、五十六年度は百億のようでありますから、ちょっと幅が狭まってきておるようでありまするし、これは特段の努力を要するものであろう、こういうように考えますので、ひとつ御検討願いたいと思います。
 次に、新公団が両公団の事業を継承をすることになるわけでありますが、過日本委員会で私の質問に対しまして、新公団は両公団の合併であって性格の変質を伴うものではないという答弁をされておりますけれども、そのとおりに理解してよろしいんですか。
#147
○政府委員(川上幸郎君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
#148
○赤桐操君 そうだとすれば、これも各派からそれぞれ大分意見が出てきておるんですが、大臣を初め皆さん方はどうしてもうんと言われないんでありますが、どの法律、関連法規を見ましても、たとえば住宅公団法、住宅金融公庫法、公営住宅法、住宅公社法、こうしたものを見ましても、その法律の目的というものの中には、必ず、だれのために、つまり勤労者に対するという目的が明確にされているんであります。いまの御答弁を基礎にして考えて私たちは受けとめるんでありますが、それにもかかわらず、どうして公団法第一条に書かれているこの内容を継承されないのか、これはひとつ重ねて伺いたいと思うんです。
#149
○政府委員(川上幸郎君) 思想的には先生のおっしゃるとおりでございます。ただ、一条の「(目的)」におきまして表現を変えましたのは、日本住宅公団設立時と現在では住宅事情の背景におきまして相当変化しておる、こういう点に着目いたしまして一条を練った次第でございます、
 先生御指摘のように、日本住宅公団法におきましては、「住宅に困窮する勤労者のために耐火性能を有する構造の集団住宅及び宅地の大規模な供給を行う」、こうなっておりますが、新公団におきましては、昨今の住宅事情に合わせまして、表現を「住宅事情の改善を特に必要とする大都市地域その他の都市地域」と、まず地域につきまして限定を置きまして、加えまして「健康で文化的な生活を営むに足りる良好な居住性能及び居住環境を有する集団住宅」と、日本住宅公団法に比べましてかなり詳しい表現、まず「健康で文化的な生活を営むに足りる」と、この表現によりまして決してぜいたくなものではないということを出しますとともに、「良好な居住性能及び居住環境」と、このように表現を補いまして、この対象の住宅が一般大衆のものであるということを明記したつもりでございます。
 なお、「勤労者」という表現でございますが、これは日本住宅公団法制定当時から広く一般国民という意味で解釈されておりますが、最近の立法例では自営業者等は含まないような事例もございますので、表現としましては避けました次第でございます。
#150
○赤桐操君 いずれにいたしましても、勤労者を対象としあるいはまた住宅困窮者を対象とする、こういうことであるように私にはどうしてもうかがえるのでありますが、新公団としてそういうような考え方に立つならばなぜ明記することを避けるのか、あるいはまた他に別な意図があるのかどうなのか、重ねて伺っておきたいと思います。
#151
○政府委員(川上幸郎君) 先ほど申しましたように、新公団が一般国民大衆を対象とするといいますことは先生のおっしゃるとおりでございます。でございますので、それは第一条で十分出ているとは思いますが、今後、この公団法の省令作成に当たりましてその旨を明記いたしたい、このように考えております、
#152
○赤桐操君 昭和五十二年の住宅需要実態調査が建設省の住宅局で行われておりますが、この発表された内容を見まするというと、大都市圏で大体四〇%前後の住宅困窮者があるということが明らかにされておるわけであります。明らかにもう住宅に困窮する層がここに存在しておるわけでありまして、したがって私は、この字句が入らないということ自体がおかしいんじゃないか、こういうように思っているんです、
 この報告書の中にも、「困っている点がある」と「何とかしなければならない程困っている」、これがすなわち住宅困窮者なんです。住宅困窮世帯というのは、困っている人、何とかしなければならないほど困っている人、これを住宅困窮世帯と言うんです。「昭和五十三年住宅需要実態調査結果の概要」というもので、これは五十四年の四月に出されているわけでありますが、この中に明確に出ている。ですから、こういうものを避けること自体が私はおかしいと思う。当初、答弁の中でも、そのとおり継承するものだと言われているならばこれを入れるべきではないだろうか。どうも私には納得できないんです。
#153
○国務大臣(斉藤滋与史君) なるほど、表現的にはそういうことになるかと思いますけれども、勤労者、困窮者というものの概念的な把握、認識の問題で、やはりこれは当然仕事そのものが勤労者の住宅が中心でやっている、事業が行われていく、実績を詰めていくということには変わりないわけでありまして、いま局長からも答弁ありましたように、なおわざわざ断らなくても、その柱のもとに一般的な人たちをも含めてなおかつ対応して質の向上を図るというような、大きく網を広げたというふうに御理解をいただけたらよろしいんじゃなかろうかと思います。やはり進歩的な過程でいつまでも勤労者、困窮者という表現を使うこととの是非と、それは十分わきまえて事業主体そのものはそれを目標にやるわけでございますので、なお幅広く一般的国民の方々をも含めるというような意味合いで御理解いただければよろしいんじゃなかろうかと思います。いずれにいたしましても、基本的な考え方、根本的な事業主体というもの、性格というものは変わっていかないわけで、どう申し上げてよろしいんでしょうか、とにもかくにも本質的な問題には変わりはないんだという基本的な考え方の御理解はいただけるんじゃなかろうか、このように考えます。要するに、質と表現の違いというだけのことで、質は変わっていないというようなことで御理解いただければと考えます。
#154
○赤桐操君 これはいま法律つくるんですよ、政令の論争をしているんじゃない。政令でいまあなたがおっしゃるようなことを言われるならわかりますよ。政令なり省令なりでこういうものも若干幅を含めて対象にすると言われるならまだわかるんです。しかし、いま法律をつくろうとしているわけだ。その第一条の「(目的)」についての論争しているわけですよ。これは大臣いただけないですな、その御答弁は。いま昭和四十四年の住宅困窮世帯のパーセンテージを見ると三七・〇%です。四十八年度においては三五・一%、五十三年度では三八・九%。四十八年度より五十三年度五年間の間に三八・九と約三九%、四%近い上昇を示してしまっておる。この世帯数は総世帯にして千二百五十六万世帯です、東京都圏においては三八・九ではなくて、同年の東京都圏における調査では四二・四%です。これは私どもが調査したものではない。日本社会党が調査したものでなくて、この建設省が出した五年ごとの調査の中の報告に出ているわけです。私はその報告に基づいて申し上げておるわけなんです。しかも住宅困窮世帯という内訳までちゃんと出ておるわけです。この名称でぴたり統一されているんじゃないですか。したがって第一条には、この事実に基づいて、これから将来といえどもまだ大きな課題を残しているということでもってきちっと位置づけをすべきだ。そしていま川上審議官が説明されたようなそういう趣旨は、それこそ政令なり省令なりで指導の中でおやりになればよろしい。私はそういうように整理をすべきだと思いますが、大臣いかがですか。
#155
○国務大臣(斉藤滋与史君) どうもこう同じことを言っているんだと思うんですけれども、確かに私が、数字的な間違いがありましたらまた政府委員から訂正させますけれども、東京で四二・四%、大阪で四三・二%、全国平均で三八・九%のいわゆる困窮者という統計が出ていることは知っております。しかし、住宅に困るという形の困窮者といいますと、それはもう住宅そのものでなく、いわゆる内部施設やいろいろと諸要件が違った観点の困窮で、本当に困るという方はたしか五%かというように私は承知いたしております。四十八年の統計でいわゆる最低居住水準の方々が九百八十万、現在五百四十万まで減ってきております、これは最低基準の三DKでございますけれども。そうした面からも、私はもうそこまで来ているというようなことを考えますと、わざわざ表現的な問題について、御懸念あろうかと思いますが、やはりもう質の向上を図るという意味合いから、いつまでも困窮という言葉を使うことの方がむしろかえって私はその方々にどういうもんでしょうか、いろいろな意味で精神的にも何かと考えられるような気がいたしますので、もう少し大きく大所高所からこうした表現の方がよろしいんじゃなかろうかと思います。おっしゃることはよくわかるんですけれども、どうもその点意見といいますか、考え方の次元がちょっとどっかでこう――よくわかるんです、
#156
○赤桐操君 私の言うことをおわかりになっていて回避されているか、おわかりにならないかどっちかだと思うんです。大臣の見解と私の見解は根本的に少し違いがあるようでありますから、再度ひとつ御検討願いたいと思います。
 時間の関係がありますので、この問題で余り論争の時間がありませんから次へ移りたいと思いますが、特殊法人の役員の問題について一応伺っておきたいと思います。
 政府は、特殊法人の役員については四分の一削減、国家公務員の特殊法人役員への再就職については半数以下とするという決定を行ったと聞いておりますが、これは事実であるか否かお伺いいたします。
#157
○政府委員(川上幸郎君) おっしゃるとおりでございます。
#158
○赤桐操君 いずれも閣議了解なりあるいはこれに準ずる形の了解として決定されていると思います。したがって、新公団の十九人という役員数については政府内の取りまとめに合致するものであるのかどうなのか、この点ひとつ伺っておきたいと思います。
#159
○政府委員(川上幸郎君) 先生がおっしゃいますとおり統合に当たりましてはその四分の一を縮減するという方向で、日本住宅公団と宅地開発公団の役員合計二十四名を六名縮減いたすつもりでおったところでございます。しかしながら、新公団は新しい業務をいろいろ行います。いままで再三御説明いたしましたような都市再開発、公園整備等の業務でございます。このうち特に公園の整備につきましては、新しい行政需要から新しい機構、公団緑地整備機構と申しますものをいろいろ検討した次第でございますが、このような時代でございますので、この統合しました両公団にこの機能を合併いたしたいということで、三つがいま一緒になっていると考えられるわけでございます。したがいまして、先ほど申しましたような四分の一を縮減いたしましたが、これに公園の整備に当たります担当理事を一名ふやしていただくことで十九名ということにお願いいたしておる次第でございます。
#160
○赤桐操君 いずれにしましても、両公団を廃止して新公団に統一するということになれば、少なくとも両公団の中でやめた事業もあるんです。そして新公団に統一されたということになれば、いろいろな理屈はつけようがあるかもしれぬけれども、今度の行政改革の目的の一つである以上は、この閣議了解なり決定なりに従って四分の一なら四分の一ということで算出をするならば、新公団の役員は十八名とこうならざるを得ないんじゃないのか。さらにまた衆議院における附帯決議、こうしたものの中でも役員の低減が決議されているけれども、この点についてはどのようにこれから考えておられるか、お示しを願いたいと思います。
#161
○政府委員(川上幸郎君) 新公団の役員の今後の問題でございますが、とりあえずは新公団業務の円滑な遂行を図るため総裁以下副総裁、理事、監事を含め十九名というふうにいたしたいと存じます。
 なお、衆議院でも附帯決議をいただいておりますが、今後の役員数をどうするかということにつきましては、新公団の組織運営のあり方、また新公団発足後の業務の効率的執行、業務の進捗等を総合的に勘案いたしまして検討してまいりたい、このように考えております。
#162
○赤桐操君 そうすると、重ねて伺いますが、今後一定の計画のもとに低減を図るというように理解してよろしいんですか。
#163
○政府委員(川上幸郎君) 今後の問題でございますが、先ほど申しましたように、今後の新公団の組織運営のあり方等を勘案しながら、政府全体の関係の公団の役員の縮減計画などもにらみ合わせまして検討いたしたい、このように考えております。
#164
○赤桐操君 衆議院附帯決議について尊重をする意思があるかないか、この点伺いたいと思います。
#165
○政府委員(川上幸郎君) 尊重をいたします。
#166
○赤桐操君 私は、そうすればやはり役員については少なくとも無理な理屈はつけないで、この際きちっとしたレールを敷くべきだと思います。
 次に、公団については、公団はたとえば公団自治協との関係についてこれも最後に伺っておきたいと思うんですが、いろいろと今日まで家賃問題等々で公団側と自治協との間ではしばしば紛争が起きてまいっております、裁判等も現在行われているさなかにあります。これはやはり私はいいことではないと思うんです。少なくともこうしたあり方は新しい公団ができ上がったならば解消してもらわなきゃならぬというふうに実は考えておりますが、この点について公団総裁はどのようにお考えになっておられますか。
#167
○参考人(澤田悌君) 新しい公団ができた場合のことを私が申し上げるのもいかがかと思いますが、現在ある状態がおっしゃるように好ましいことではないという点は同感でございます。ただ、いかにも私どもは個々の契約者であります入居者の方々、それから各団地の自治会の方々とは日常いろいろな問題についてお話し合いをしておるわけでございますが、自治協という上部団体との関係が、これは前にも申し上げましたが、私ども裁判に訴えられておるわけであります。その趣旨を伺いますと、その裁判を通じて建設行政なり、そういう広い問題について問題として取り上げるんだという趣旨のことを伺っておるわけでございます。そういうことでございますと、裁判外で同じようなことについてお話し合いをするということがおのずから制約されざるを得ないという遺憾な状態にあるわけでございまして、これは、できるだけ早くそういう関係は解消し、なごやかにいろいろお話し合いができるということになることがよいのではないかと思います。新しい公団になる前にできれば私ども一層いいと思いますが、新公団においてはそうなることを期待すると申し上げておいていいと思います。
#168
○赤桐操君 それでは、ひとつ建設省に伺いたいと思うんでありますが、これは大臣が先般の委員会で各派の質問に御答弁をされていたと思いますが、公団と自治協との間に入って音頭をとることについてはやぶさかでないという答弁を私は聞きましたけれども、どうでしょうか、入居者との間に入って協議の場を設けるということについてはどのようにお考えになりますか。
#169
○国務大臣(斉藤滋与史君) 先ごろもお答え申し上げましたとおりに、両者でそういう御意思がありますれば私、協議の場を設けるといいますか、中に入ることはいささかもやぶさかでない、このように考えております。
#170
○赤桐操君 協議の場を積極的に建設省が設けながら、両者をお招きして間をとるというそういう御意思はございませんか。
#171
○国務大臣(斉藤滋与史君) これは、両者それぞれ自主性を持っておられる問題でございますので、私の方からいま法律的に係争中の問題に首を突っ込んでそこまでやることについてはいかがなものであろうか、なじまないような気もいたしますが、よく検討させてもらって、御両者の方で積極的な意思表示がありますればそれに対応したい。いまのところでせっかく法律上の問題になっておりますので、私の方からということは少し検討さしていただきたいと思います。
#172
○赤桐操君 裁判のことは裁判のことですよ、これはああいう経過の中で裁判が始まったんですから。しかし、できるなれば早く裁判は別にして話し合いの場ができ上がって、お互いにそこで合意が成り立っていくような状態を一日も早くつくることが望ましい状況だと私は考えて、あえていまそういう提言をしたんでありますが、それでは両者を取り持っていくということはどういうことなんですか、具体的に申し上げれば、
#173
○国務大臣(斉藤滋与史君) これは裁判の推移、環境の問題もございましょう、それらの進行状況を見ながらという期間的な問題もあろうかと思いますが、しかし期間的なマキシマムはあろうかと思います。というのは、お願いしております新公団が十月一日から発足いたしますので、私の気持ちとしては何とか両方が円満に、一番いい方法は取り下げていただいて、何とか仲裁をといいますか、というような意味合いで積極性が私からは欲しいと思います。しかし、タイムリミットの問題もございましょうから検討さしていただきたい、その様子を見ながら、私の方からこの時点において積極的にやることがよろしいという判断がつきますれば、そのことについても十分な配慮を持って検討させていただくという意味合いでございます。
#174
○赤桐操君 新公団も発足するということであるならば、やはり私はいままでの関係をまず調整する非常に大きな機会であると考えるんです。したがって、大臣が真剣にこの委員会で御答弁をいただいておるならば、その趣旨に基づいて大臣みずからひとつ両者の間に入って取り持ちの役を果たされ、できるなればいま私の方から提起いたしておりまする両者の協議機関にまでこれを発展さしていただく、こういうところまでひとつ要望を申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
#175
○二宮文造君 住宅・都市整備公団法案が提案されまして、今日まで同僚委員の方々から大変にきめの細かい質疑が展開をされてまいりました。承るところによりますと、私が最後の質疑ということになるわけでございまして、重要な問題でございますので、同僚委員の質疑を頭の中に浮かべながら私なりに質疑を進めさしていただきたいと思うわけであります。
 その前に、住宅、宅地問題に関連をいたしまして、行政の落ちこぼれといいますか、非常に気の毒なような状況が出てまいっておりますので、ひとつ御検討をお願いしたいというわけで提案をしてまいりますが、東京緑地株式会社が造成、販売をいたしました千葉県印旛郡酒々井町に所在いたします酒々井第二団地の問題を中心に質疑を進めさしていただきたい、若干時間をいただきたい、こう思うわけであります。
 これは、私も九十分の質疑時間でございまして、非常に細かい問題がたくさんございますが、細かい問題を一つ一つ質疑をしてまいりますと時間も足りなくなるような関係になりますので、ここにこれまでの経過をつくってまいりました。この全体をお伺いするわけにまいりませんので、これをそちらに差し上げておきます。答弁の間にこれを見ながら……。(資料を手渡す)非常に親切につくってございます。政府の方からいただく資料はなかなか簡明でございますが、私どもは要領よくしかも丁寧に書いてございますので一目瞭然だろうと自信を持っております。
 まず、お伺いをいたしておきたいのは、酒々井第二団地だけで結構でございます。この団地の総面積と区画数をひとつ確認をしておきたいと思うんですが、いかがでしょう。
#176
○政府委員(宮繁護君) 団地の総面積は二万八千四百八十九・二平米でございます。区画数は百八十九区画であると千葉県からの報告を受け取っております。
#177
○二宮文造君 地権者としては何人ぐらい確認されておりますか。
#178
○政府委員(宮繁護君) 地権者の人数の確認を、報告を受けておりませんけれども、都市計画法の三十四条第九号のいわゆる建築の既存権利につきまして届け出をされた方の人数は、九十三名であるという報告を受けております。
#179
○二宮文造君 御存じでもなかなかこちらから申し上げなければ言ってくれないわけですね。
 これはちょっと説明を要すると思います。御承知だろうと思いますが、この団地は京成電鉄本線、いわゆる京成上野から成田空港に向かいます宗吾参道駅から約六百メートルのところに位置をいたしております。東京緑地株式会社が四十三年五月ごろから順次山林及び雑種地を買収し、同年九月に造成に着手するとともに、いわゆる青田売りをしたところでございます。そこでその当時、四十三年当時、ここには都市計画法上どのような地域指定がなされていたか、また、宅地造成事業後の適用についてお伺いをいたしたい。
#180
○政府委員(宮繁護君) 本件団地につきましては、昭和四十三年九月の時点におきましては都市計画法――当時は現在の新法でなくて古い都市計画法でございますけれども、これに基づきまして佐倉都市計画区域に指定をされておりました。ただし用途地域の指定はされておりません。また、これも古い法律でございますけれども、住宅地造成事業に関する法律の適用もなかったと報告を受けております、
#181
○二宮文造君 そこに造成した東京緑地の食い込むというと大変語弊がありますけれども、ややずさんな造成というものがあったのではないかと、私はいまなら想像できますけれども、そこで、その後都市計画区域の変遷がどうなってまいりましたかお伺いしたい。
#182
○政府委員(宮繁護君) その後昭和四十五年七月三十一日にいわゆる線引き、市街化調整区域に関する都市計画がこの当該土地について決定をされまして現在に至っていると千葉県から報告を受けております。
#183
○二宮文造君 要するに、四十五年七月三十一日に市街化調整区域に指定をされた、したがって、土地を購入された方々は都市計画法上のいわゆる建築の既存権を留保するために届け出をした、それが九十三件と、こう先ほど伺ったとおり、その数字はそのままでございます。そのいわゆる既存権の有効期限というのはいつまででしたか。
#184
○政府委員(宮繁護君) 都市計画法の三十四条第九号に基づきましていわゆる線引きの都市計画が行われましてから六カ月以内に届け出がございましたのが、先ほど申し上げました九十三名からでございます。この有効期限は昭和五十年の七月三十日まで、すなわち都市計画決定されましてから五カ年間ということになっております。
#185
○二宮文造君 残念ながらこの団地が使用にたえないような状況だと判断をされまして、これらの方々はいわゆる既存権を失効したまま今日に及んでおります。しかもその間の経緯といいますのは、差し上げました一覧表の左側の方に四十三年五月ごろからずっと、四十七年、四十八年、四十九年、五十年、五十三年。五十三年の三月二十九日にはその当該の会社は宅建業の廃止届を出しておりますが、その間のいきさつはもうこれはごらんのとおりです。道路位置の指定申請書を出した、あるいは支障なしとの回答も得た。しかし、雨が降りまして一部損壊をいたしました。そういうことでその手直しを行政の方から会社が要求をされたというふうな経緯をずっとここで述べてございます。時間がございませんのでこれはもう見ていただくこととして、ところで、はしょりますけれども、団地の現況はどうなっておりますか。
#186
○政府委員(宮繁護君) 団地の現状につきましては、次のように千葉県からの報告を受けております。
 まず、東京緑地株式会社が山林を伐採しまして造成を行いましたけれども、集中豪雨によりまして土砂が流出したために、災害防止工事として宅地の地盤の切り下げを行ったものである。それから二つ目には、その後地権者がみずから再造成の工事を行われまして、道路、U字溝、宅地の境界のための石等を敷設いたしまして、また沈砂池も増築されております。のり面には筋芝工を施し、造成地全体をひな壇状に造成したわけでございますけれども、本格的な工事でなかったためか現況では一部について道路とかのり面が損壊し、流出いたしました土砂でU字溝等が埋まっているような状況であるとの報告を受けております。
#187
○二宮文造君 その間の経緯でございますけれども、これは酒々井の第二団地の造成期成会という地権者の皆さんの集まりでございますが、その方々にお伺いをしたこと、あるいは東京緑地が文書を出して照会をした、回答をした、そういうことをこの一覧表にまとめたわけでございまして、資料のないものはこれに掲載してございません。すべて傍証のあるものを掲載してございますけれども、大きなところでは、四十五年の七月二日に大雨がございました。その結果、県の宅地造成課長から会社に対して、口頭ではありますが、宅盤の切り下げ、土砂の搬出についての指示を受けておりました。それを受けた業者は、この搬出する、採取する土砂を売ってそれをプールして、そして宅盤の切り下げの工事をするということを地権者に約束をしながら、何と取りも取ったり二十五万立米、トラックにして二万五千台の土砂をどんどん搬出をして後は野放し。お金はもちろんプールされないままいわゆる倒産状況に入った。こういうことで、家を建てるにも許可を受けるにも土台がさっぱりできておりませんので、いま御答弁がありましたように、地権者の方が泣く泣く再盛り土の工事を行ったわけでありますが、地権者百五十六名の方々のうち百四十四名の方が約八千万円を出し合いまして、成田市の土地造成業者に依頼をして五十一年十一月十五日に着手をし、五十二年五月ごろに完成を見ております。
 地権者がこのような再盛り土工事を行わなければならなかった、そういう状態に立ち至った経緯というものは、私は確かにこれは行政の落ちこぼれであった、不徹底とは言いません。いわば業者が悪いとも私は言いませんけれども、結局地権者の方が被害者という立場に置かれて、四十三年に購入をしながら家を建てようと思ったら待ったがかかった。そのうちに宅盤の切り下げを要求された。やってくれるかと思えば、土砂は売ったけれども工事は進まない。自分たちの手でやった。しかし、まだ建築確認の問題あるいはそういう問題については行政の窓口は門前払い。しかもその間に調整区域に指定されてしまった。こういういわば問題が次々に重なってきて今日のような状況が出てまいっているわけです。
 そこで、いま御説明いただきましたら、何かまだ十分ないわゆる住宅建築にたえ得る状況ではないというふうな御説明がございましたが、具体的にはどういうことでございましょうか。
#188
○政府委員(宮繁護君) お話がございましたように、この土地は一たん地盤を切り下げた後に地権者の皆さん方の費用等で再盛り土を行った場所でありますが、何分これは先ほどもお話がございましたように従来から豪雨によりまして土砂の流出等の被害が生じた場所でもありますので、宅地としての利用を図るためには特にこの地盤の安全性を確認すること、あるいはまた、周辺との関係で、道路とか排水とか汚水処理等の関連の公共施設の整備につきましても十分にこれを整える必要があるというようなことでございまして、県の判断によりますと、そのためにはまだこの宅地につきましては、いま申し上げましたような点で必ずしも完全ではないというふうに判断しておるということでございます。
#189
○二宮文造君 伺ったところによりますと、現在の状況では完全ではない、そういう状況の中でいわゆる盛り土造成したから全体の滑りというものが考えられる、これが一点。それからがけの処理がどうだろうか、これが二点。いまおっしゃった排水の処理がどうだろうか、それから道路の舗装ということが不完全であるというふうに報告をされたんだろうと思うんですけれども、千葉県も現地は全然ごらんになってないわけです。実は私どもの方で現地を調査いたしました。そういたしますと、再盛り土の工事の完成後五年をもうすでに経過いたしております。しかし、見たところ滑り現象はございません。沈下現象も起こっておりません。道路には側溝が入っております。雨水の排水につきましては印旛沼土地改良地区の承諾を得てその工事も終わっております。おっしゃられるような不完全という条件は私どもがしさいに見たところ完全にクリアしているというふうに私は申し上げたい。
 そこで、その証拠といたしまして、地盤が完全ではないという反論として、この団地の上部の中間にいわゆる旧赤道というのでしょうか、いまでは町道五百二号線となっておるようでございますが、それが横切っておりますが、その町道をはさんだ上の向かい側のところに元地方公務員、元警察官の方が農業用住宅の名目で五十四年七月ごろに確認を得て住宅を建築しております。すぐ目と鼻の先です。本当に狭い旧赤道というのをはさんで目の前です。団地内の道路をその方は通行をし、雨水は団地内の排水路に流しております。
 さらに最近、その隣に木更津市に住んでおると言われる地方公務員の方が同様の名目で建築確認を取りつけております、しかし、これは団地の目の前ですが、団地の区域内ではございません。ですから私が見たところ何の区別もない。同じような状況にある。しかも、もう団地の方は芝も根づいておりましてぴちっとしてます。なぜこれらの建築が許可になりながら団地の地権者に対しては許可がされないのか、釈然としません。この辺のところをもう少し現地をしさいに検討をし、これほどまでに努力をしているわけですから、そして先ほども言いました落ちこぼれです。手落ちとは言いません。落ちこぼれです。そしてこれだけの方が被害を受けられている。困っていらっしゃる。何とかこれは行政の方から手を差し伸べてあげなきゃならぬのじゃないだろうか、こう思いますが、るる申し上げましたが、この辺でちょっと御意見を伺いたい。
#190
○政府委員(宮繁護君) この問題につきましては、法律的に申し上げますと建設業者をどう監督していくかという問題、あるいは建築基準法の施行の問題、あるいはまた開発許可の問題等いろいろ絡むわけでございます。しかしこれを法律的に単に処理するというだけでなくて、住民の方々も長年にわたって大変お困りでもございますし、いろいろまた手も打っておられるようでもございます。私ども一応早急に千葉県から事情を伺ったのがただいまお話申し上げたような状況でございますけれども、なおこの点につきましては千葉県の方とも詳細にまた打ち合わせをいたしまして、そして現在のところは、一応県としては、市街化調整区域の決定前に開発許可を受けないで宅地造成したような場合につきましては建築を認めておりませんけれども、なおまたこれにつきましては、先ほど来お話がありますように既存宅地の権利の有効期間等も経過しておる状況でもございますけれども、それはそれといたしまして、何とか建築の許可が出ますように前向きの対応をさせて、十分また市町村、県、それから地権者の方々と相談させるような場を持たせまして取り組んでいかせるようにしたいと思います。
#191
○二宮文造君 いまの答弁で大体方向性は立てていただきまして、その点安堵いたしました。ただ、もうすでに四十二年から十三年を経過をいたしております。
   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕それからこの問題は、町なりあるいは県なりの方から積極的に指導の手が伸びてないわけですね。ですからこれからも地権者の方からお百度参りをしなければならない。建設省の方からそういうサゼスチョンをいただいておりますから、いままでは門前払いでございましたけれども、これからはその地権者の立場に立って細かな指導なりあるいは助言なりがいただけるものと私思いますが、ここで確認しておきたいのは、九十三名の方には既存権がございました。ところが残りの方々にはどういう都合なのか、とにかく現地がああいうややこしい状況でしたし、東京緑地がとにかくたじたじの状況で、いわばもう地権者にはなるべく応対をしないというような態勢の中からこういう問題が起こってきましたから、意識的に既存権を落とした方はないと思うんです。何かの事情で落ちたに違いない。となりますと、九十三名は救済されるけれども、その他の方は一体どうなるのか。これもやっぱり同じ地権者の中ででこぼこができても私はまずいと思いますが、この辺はどう解釈したらよろしいでしょうか。
#192
○政府委員(宮繁護君) きわめて法律をしゃくし定規に適用いたしますと、九十三名の方は法律に基づきまして正当な手続を行われている。しかし、実は有効期限は切れておりますけれども、その間いろいろな御事情もあったというようなことで、これは何とか法の枠組みの中でありましても考慮していかなければならないと思っております。それで九十三名以外の方々が一体どういう事情でそういう手続をおとりにならなかったのか、これらのことも十分調査いたしまして、正当な事由等があります場合はできるだけ前向きで取り組んでまいりたいと考えております。
#193
○二宮文造君 わかりました。
 それで、これに関連しまして同じ業者の酒々井第三団地、これはもう大変な状況になっておりまして、地権者が手のつけようがないという状況のようでございます。本来ならば、これはひとつ住宅公団か公社で区画整理事業でもやっていただければというような気持ちも、土地区画整理事業について検討していただけたらと思いますけれども、これも至難なことだろうと思いますし、そこまでは私も注文できません、問題が問題だけに。ただ、こういう状況が四十年、いわゆる調整区域の指定が行われる前に土地を買って、そしてその後住宅が建築できないというような状況があちこちにあるんじゃないか、そしてその地権者の方々はもう本当に八万手を尽くすんだけれども、どうにもならない、寝ても覚めてもそのことばっかりが苦になるというような状況に置かれているところが相当あるんじゃないだろうか。
 これは飛び地市街化区域にそういうところを指定をしてあげれれば、困っている地権者の方も今度は自分で建築確認のあれができますから、建築の希望が出てきますから、地権者の方の投資意欲を呼び起こして何とか片がつくんじゃないだろうか。これを考えていただかなければ、現在のまま放置されていたのでは、これほど厳しい宅地事情の中で、いわゆるちょっと手を加えて、手を差し伸べてあげれば十分にそれが宅地化される、そしてその使用にたえられる、しかし現在のままではどうにもならない、こういうどころがたくさんあると思いますので、ひとつこれはなじむかどうかわかりませんけれども、そういう問題を消費者保護という立場からも勘案を願い、あるいはその宅地問題の全般的な解決ではありませんけれども、現在ちょっと手を加えれば使用にたえるわけですから、現在の宅地事情というものも勘案をしながら実態調査をし、飛び地市街化区域の指定に可能なものは加えていく、こういう方向性がとれないもんだろうか、これは非常に政策的な問題にもなってまいりますし、一応政府委員の方から答弁いただいて、なおかつ大臣のお考えを私は求めておきたい、こう思いますが。
#194
○政府委員(升本達夫君) おただしの飛び市街化区域でございますが、先生よく御承知のとおり、市街化区域、調整区域の線引きに当たりまして一帯の市街化区域に取り込めないところでも、若干離れたところであっても、一団の市街地化されるべきようなところであれば飛び市街化区域として指定できるといったてまえになっております。ただ、これも飛び市街化区域という以上はやはり一つのまとまりが必要でございますので、現在の基準ではおおむね五十ヘクタールという単位で考えるということにいたしております。ただ、この点につきましては、もう少し住宅、宅地需給関係の実情に照らしてフレキシブルにできるだけ考えていくべきものは考えていこうという趣旨の指導方針に立ちまして昨年の九月、局長通達をもって地方公共団体に指示をいたしました。これを決めますのは都道府県知事でございますので、都道府県知事がその通達をよく理解していただいて、適切に対応していただくことを期待をいたしておるわけでございます。
 しかしながら、ただいま申し上げましたように、一般的な基準として五十ヘクタールという基準を大幅に崩すことは、これは制度の根本的な見直しというようなことになってしまいますので、それはむずかしい問題ではないか。ただいまおただしの具体の地区につきましては、私どもつぶさには承知はいたしておりませんが、伺いましたところ二ヘクタール程度のものというふうに承っておりますので、ちょっといまの規模基準からいって飛び市街地として考えるのはむずかしいんではないか。ただ、図面上拝見しますと、あそこはすでに市街化区域に非常に近いところのようでございますので、むしろ先ほどもちょっとお話出ておりました周辺地区を区画整理をやるというような条件が熟してまいりますれば、それを取り込んで市街化区域の拡大というようなことで考えられるかどうか、これはよく現地の実情を調査さしていただいて判断をさしていただきたいと思っております。
#195
○国務大臣(斉藤滋与史君) 両局長から御答弁申し上げましたような実情でございますので、なおせっかくの地権者をお救いする意味からも、また住宅事情を解決する上からも、規格は規格としていまのような状況をよく勘案して地方公共団体、県の方にもやり方をアドバイスして指導してまいりたい、このように考えます。
#196
○二宮文造君 ぜひお願いをしたいと思います。たしか第三の方も一・八ヘクタール程度でございますけれども、ここにもまた百三十二名の地権著の方が困っているわけです。こういうのが随所にあるんじゃないかと思うんです。ですから、そういう苦情処理機関といいますか、いわば業者の指導も大事でございますけれども、先ほど私申し上げた実態調査の件についての御答弁がございませんが、何かこれは方法を考えていただいて、業者の方から聞き取り調査をするとか、何か方法を講じていただいて実態を明らかにするというおつもりはありませんか。
#197
○政府委員(宮繁護君) 御指摘のように、開発の途中でさたやみになったとか、いろいろ問題の劣ある団地がございまして、災害防止の観点から地域の住民の方々からも御相談があったり、また、その土地を購入されました方々からの御相談もございます。そういう場合に、具体の事案に応じまして業者とかあるいは都道府県、市町村等にもいろいろ指示もし、相談にも乗っておりますけれども、いまお話しのように、こういった団地全体につきまして実はいままで調査がございません。これにはかなりの日時、費用その他も必要でございますので、今後その現況とか背景に関する所要の調査につきましては、実施の方法も含めまして検討いたしてみたいと考えております。
#198
○二宮文造君 先ほどの酒々井第二団地の方でございますが、幸いなことに地権者の方が造成期成会をおつくりになってございます。したがいまして、これらの方々が相互に連携をとりながら県の方の窓口に指導助言を仰ぐべくこれから日参すると思いますが、どうかひとつその節はいわゆる助言あるいは、問題を解決するという前向きの姿勢で応対をするようにひとつまたお口添えをお願いして、この問題は終わりにしておきたい、こう思います。よろしくお願いしたいと思います。
   〔理事茜ケ久保重光君退席、委員長着席〕
 次に、本案に入ってまいりまして、冒頭にも申し上げましたように、相当きめ細かい質問がこれまで同僚委員からされてまいりました。やや重複する面もありますが、それはどうしてもやはり党として、われわれの考えとして見逃すことのできない問題でございますので、お許しをいただきながら進めてまいりたいと思います。
 提案理由の説明の中にも、大臣はこの公団の新設に当たりまして、今般の行政改革を契機として統合し、新公団を設立しと、こういうふうな説明がございますし、また閣議決定の記録を調べてみましても、昭和五十二年十二月二十三日の閣議決定並びにそれを受けての五十四年十二月二十八日の閣議決定、これらで、いわゆる両公団が統合するということは、既成の方向に今日まで進められてまいりました。ただし、何のために統合するのかということになりますと、行政の合理化、効率化を図る、こういう五十二年十二月二十三日の閣議決定になっておりますが、行政の合理化ないし効率化という言葉を使いますと、これはやはり当節よく口に出ます小さい政府あるいは財政の再建、経費の節減、こういうふうな考え方が一つの範疇の中に入るわけです。
 さて、そういう見方で両公団の統合を考えてみた場合、果たしてその行政改革という要請に応じているのかどうか、ちょっと私疑問な点がございますが、これはいかがでしょう。
#199
○国務大臣(斉藤滋与史君) 行政の改革に基づく合理化、効率化という問題の御指摘でございました。なるほど、具体的に顕著なものが当面見られないかもしれませんけれども、合わせた上になおかつ都市整備、公園等を加えて縦横な整合といいますか、有機的な事業形態によって十分その合理化と実効性は図られるものと、このように考えるものでございます。
 ただ、見た目にはいささか、合理化の面で直ちにその実効が上がるということについては多少の御懸念があるかもしれませんけれども、この問題については、おいおい法案を通していただきました後の、いままでと違った意味合いといいますか、違った形の推移の中で御批判をいただければ私はこの問題についても答えが出るのではなかろうか、このように考えるものでございます。
#200
○二宮文造君 その点で、先ほど赤桐議員が指摘をされました役員の数の問題、これも私は余りそういう意味では納得できる方ではございません。これは細かいことですけれども、住宅公団法によりますと、総裁一名、副総裁一名、理事五人以上、監事三名以上。宅開公団の方は、総裁一名、副総裁一名、理事八名以内、監事二名以内、こういう、どうして同じ法律でこんなに「以上」とか「以内」とかということに変わるのかわかりませんけれども、しかし足して、そして最大、何といいますか、お茶を濁したといいますか、そういう状況が先ほど赤桐議員から指摘をされましたが、新公団は総裁が一名、副総裁が二名、理事が十四名以内、監事が二名以内、こういうふうなことになって、果たしてこれがいわゆる経費の節減とかそういう問題につながるかどうか、大臣のおっしゃるとおりはなはだ疑問と言わなきゃなりませんし、せっかくこの面はもっと努力をしていただきたい。もう先ほど指摘がございましたから、あえてくどく申しません。
 次に、これ順番にいくはずなんですが、重要な問題ですから、附則の方から進めてまいりたいと思うんです。労働条件の承継にかかわる問題について御質問をしておきたいんですが、いわゆる住宅公団には労働組合がございます。ですから、そこにはいろいろな協定もございましたでしょう。宅開公団の方には職員協議会というものがあったようでございます。なぜこういうふうに変わってきているのか、私にはちょっと不勉強な点がございますが、この附則第六条の権利義務の承継につきまして、現在の労働協約あるいは労使協定、労働慣行というものがこの附則第六条の権利義務の中に含まれる、要するに労働条件の変更はない、協約の変更はない、労働慣行の変更はない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#201
○政府委員(川上幸郎君) 新公団法の附則第六条及び第七条によりまして、新公団は、従来から両公団が有しております一切の権利義務を承継することといたしております、文書をもって協定いたしております労働協約、労働協定といいますものは、この権利義務に含まれ、承継されるものと考えております。
 それから、なお従来から労使ともに尊重してきております労働慣行につきましては、新公団においても引き続き尊重されるべきものと、このように考えている次第でございます。
#202
○二宮文造君 そういう使い分けの中に、統合を機会に労働条件の引き下げを図るのではないかというような声が心配として出てまいるわけでございます。そういうことについては、当然私は、統合を前にして労使間で具体的な確認作業というものが行われるものだと思っておりますが、この作業は行われるのでしょうか。
#203
○参考人(有賀虎之進君) お答え申し上げます。
 新公団の労働条件ということでございますので、基本的には新公団において決められるといいますか、こういうふうに思っておるわけでございますが、また、いま政府の方から御説明ありましたように、基本的な労働協約等につきましては、権利として承継されますことになっております。したがいまして、現在の労使間で、それらのものにつきまして確認するというふうなことがどのような意味を持つか、その意義については、必ずしも豊かでない面もございますけれども、そう言いましても、統合に当たりまして、労使の問題というのは、統合の条件、整備のより重要な一つである、そういうふうに私ども考えまして、かねてから労働組合等に対しまして、職員の理解を得て、不安の解消、そういう面からいろいろな機会に説明をしてまいりましたが、そういった結果、現在、去る四月二十二日におきまして、雇用関係の承継とか、それから労働協約等に基づく労働組合の組合員の権利義務といったものの承継、それから、ただいまもありましたような労働慣行の尊重、こういったものにつきましては、確認を結ぼうということでもって合意をいたしております。
#204
○二宮文造君 確認がされた。確認し、合意をした、こう最後聞いたのですが、それでいいんですか。
#205
○参考人(有賀虎之進君) いま申し上げましたように三つの点、雇用関係の承継、労働協約等に基づく労働組合員の権利義務の承継、あるいは労働慣行の尊重、こういったものにつきまして、確認書を結ぶということでもって合意をいたしましたが、まだ実際に確認書を結ぶまでには至っていない、そういう状況でございます。
#206
○二宮文造君 書いたものを読んでいただくのですから、もっと聞こえやすいようにおっしゃっていただきたい。要するに確認書をつくるということについて合意をした、作業はこれからやりますと、こう理解いたします。それでいいんですね。
 もう一つ、私はちょっと時間ございませんで、不勉強のままお伺いをするのでまことに見識に欠けるのですが、人事等の処遇につきまして、いわゆる旧所属ですね、旧所属組織による不平等とか不利益というものなどの不当な取り扱いが行われないように十分留意してもらいたい、こういうようなことが私の耳に入ってまいるわけでございますが、これはどう理解したらいいんでしょう。
#207
○政府委員(川上幸郎君) 先ほど申しましたように、新公団法附則では、新公団は、両公団の権利義務を承継することといたしておりますので、両公団の職員であった者については、引き続き新公団の職員となることとなっておりますが、新公団の職員となる者の個々の身分関係につきましては、設立時におきまして、関係者が実態に即して定めていくべきものと、このように基本的には考えておる次第でございます。
 また、その際の両公団の間の給与基準、勤務条件等の調整、人事等の問題につきましては、個々の職員が不当に不利益をこうむることがないよう、公正妥当な調整を図るよう建設省としては指導してまいりたい、このように考えております。
#208
○二宮文造君 それらはどういう部門で扱うんですか、指導は結構ですが。
#209
○政府委員(川上幸郎君) 今後の問題になりますが、本法律通過後におきまして、建設省内に新公団設立委員会事務局をつくりたいと存じます。そこにおきましてそのような業務を行ってまいりたいと思います。
#210
○二宮文造君 これは素人的な発想でまことに恐縮なんですが、総務部門なんというのは重複しますね。これは一体どうなんでしょう。
#211
○政府委員(川上幸郎君) 新公団の考えでございますが、両公団を統合いたしますと同時に、業務型の都市の再開発の機能、公園等の機能を付加したいと存じます。したがいまして、両公団組織の重複する部門となります総務部門、経理部門等の定員は新規業務に振りかえまして、事業の適正化、効率化を図りたい、このように考えておる次第でございます。
#212
○二宮文造君 これは職員側の意向も十分に参酌されるという機構の中で行われていく、こう私は理解してまいりたいと思いますが、それでいいですね。
#213
○政府委員(川上幸郎君) 個々の適正があると存しますので、実情に合いますように配置いたしたい、このように考えております。
#214
○二宮文造君 もう一つ細かい問題になって、これもちょっと文章に出ておりましたのでお伺いしておきますが、宅開公団の臨時女子職員あるいは臨時職員、これはそのまま新公団に引き継がれると理解してよろしゅうございましょうか。
#215
○参考人(志村清一君) そのとおりでございます。
#216
○二宮文造君 職員関係の問題については以上でとどめます、概略的でまことに恐縮でございますか。
 次に、これも先ほど赤桐委員からもう明確に指摘がございました。ですが、まことに重要な問題でございますので、私どもの考えとして触れざるを得ない。それは、もうすでに首を振っていらっしゃいますけれども、公団法第一条の「住宅に困窮する勤労者のために」と、これはやっぱり赤桐委員と同様の発想です。物事には対象がなきゃいけない、対象は言葉をもって表現をされる。ただ内容によって対象を類推させるという法文のあり方は私は明確ではない。必ずこれは新しい公団が今後たどるであろう道を予測して対象が明確にされてない、こういうふうにひがんだ受け取り方をせざるを得ないわけです。もうくどいようですけれども、住宅関連の他の法律では供給対象が明確にされております。先ほどるる御説明がありました。大臣からも委員の言われるところはよくわかる、中身は同じだ、こういうふうにるる説明がございましたが、私はそれならばなぜ削除されたのか。なぜそういうふうに大臣が答弁に苦慮しながら状況をよくわかってもらいたいというような、隔靴掻痒のような感じの答弁をされなきゃならぬような法文の規定になったのか。
 それから私は、やはりこの新しい公団の方向がその一点で変わってくるんではないかなと、こう思います。ぜひこの点は明確にしていただきたいと思いますし、私は、私どもの党は修正案を提案はいたしませんけれども、その趣旨を十分に理解していただいて、公営住宅法では「住宅に困窮する低額所得者に対して」、あるいは住宅金融公庫法では「国民大衆が」とか、あるいは地方住宅供給公社法では「住宅を必要とする勤労者」とか、新住宅市街地開発法では「住宅に困窮する国民のため」と。先ほど大臣は、「困窮」という言葉を非常に抵抗をもってお感じになるように答弁がされましたけれども、それならば、これは当然それぞれ立法の趣旨がありましょうけれども、ほかの面についても考えを及ぼす必要があるんじゃないか。たとえば「住宅を必要とする勤労者」、こういう表現でも私はよかったのではないか。あえて「困窮」と、譲って、「困窮」という言葉を避けられるというならば「勤労者」、こういうふうな表現もあったのではないだろうか。これは私は、次に質問をいたします高額家賃、これときわめて関連が出てくるんではないか、こういうふうに、これはひが目かもわかりません、変な解釈かもわかりませんが、そういうふうに類推させるような重大な欠落ではないか、こう思うんですが、大臣、あえて答弁を求めます。
#217
○国務大臣(斉藤滋与史君) なかなか表現の問題で御理解をいただけないのは残念でございます。これはそれぞれお立場でやむを得ないと思いますが、いずれにいたしましても、再々申し上げておりますように、本質的にも内容的にも事業的にも、方向はいささかも変わらない、柱はあくまでも勤労者の方々の住宅政策であるということ。それから、やはり一つの進歩の過程の中で、勤労者を柱に、なお一般的国民の方々への配慮というようなことで、大きな解釈法でこうした表現をいたしたわけで、その点につきましてはぜひ御理解をいただきたいことが第一点。
 それから「困窮」という言葉、字句について、私は、戦後の絶対不足数四百万戸の時代からいろいろ推移してきて、いまやまさに質的にも、健康的だ文化的だという向上の面によけいウエートを置くならば、あえて「困窮」という意味合いのものを使わなくても十分果たし得るのではなかろうか、このように私は理解いたしておるわけで、さらに大きな考え方のもとにひとつぜひ御理解をいただきたい、このように考えるものでございます。
#218
○二宮文造君 じゃ、対象が法の目的の中に明確さを欠く、そういう中で、新しい公団がどのような対案に住宅を供給していくのか、このお考えはどうでしょう。
#219
○政府委員(豊蔵一君) 新公団におきましても、従来の日本住宅公団が行ってまいりました住宅供給業務は同様に引き継いでまいるわけでございますので、住宅の供給対象者につきましても私どもが考えておりますのは、公営住宅と役割りを分担いたしまして、いわゆる中堅の勤労者等を対象といたしたいというふうに考えているわけでございます。
#220
○二宮文造君 伺ったところによりますと、収入五分位で考えてまいりますと、公営住宅の場合は三三%以下と、公団の場合は三三%から五〇%と、要するに三分位の中間というふうな見当を従来も持たれてきたし、今後もそれを引き継ぐという考えのようですが、そういたしますと収入ですね、平均収入といいますか、平均所得といいますか、それが大体三十一万円から三十二万円、こういう状況になろうかと思うんですが、これはどうでしょうか。月収です。
#221
○政府委員(豊蔵一君) 私どもの手元に実は五十五年度の貯蓄動向調査の数字が最近届いておりますが、これによりますと、ただいま先生御指摘の五分位階層の第三分位中位の方々の月収粗収入は三十四万六千円程度と相なっております。三十一、二万という数字は、その一年ほど前の五十四年の第三分位の中位の数字がそのような数字であったと私は記憶いたしております。
#222
○二宮文造君 そうですか。第三分位で三十七万円……。
#223
○政府委員(豊蔵一君) 第三分位中位で月額三十四万六千円程度というふうに報告を受けております。
#224
○二宮文造君 わかりました。
 五十年の住宅宅地審議会の答申では、家賃の負担限度を収入三分位の標準所帯で二一%、こういうふうに答申が出ておりますが、公団ではどの程度を目標に供給されますか。
#225
○参考人(救仁郷斉君) 理論値としては二一、二%という数字をいただいておりますが、実際に私どもが過去ずっと供給してまいりましたのは、第三分位中位に対しまして一五%ないし一六%というところを大体標準にして供給してまいっております。
#226
○二宮文造君 私、公団のパンフを拝見しておりまして、おかしいな、これはどういう意味なんだろうかとどうも理解ができないのが公団住宅の申し込み資格の基準月収額、これがたとえば五十五年十二月八日から二十一日までの間に募集しました千葉県市川市のハイタウン塩浜というんですか、第一次。この基準月収額は本人のみの場合の月収十五万円、合算する場合の本人の月収十万円、こういうふうに書かれているんですが、これはどういうことなんでしょうか。
#227
○参考人(久保田誠三君) お答えいたします。
 公団の賃貸住宅の申し込みの際の基準月収額は、家賃の四倍以上またはこの四倍以上が十五万円を超えるときは十五万円以上となっております。ただし、同居親族等の収入を合算する場合の申し込み人の基準月収額は本来の基準月収額の三分の二、すなわち十万円で足りることとしております。
 そういうことで、塩浜の場合はいずれも超えておりますので、十五万円ということになっております。
#228
○二宮文造君 そこで、このハイタウン塩浜の二DKあるいは三DKの家賃は、二DKでは五万四千円から五万八千三百円、三DKの一というのでは六万八千四百円から六万九千八百円、三DKの二というのでは六万九千八百円から七万一千円。しかもこれは五年間傾斜家賃が適用される、こうなっております。そうするとこれは配慮だろうとは思うんですが、本人の基準月収額が十五万円、そういう方がたとえば二DKにしても五万四千円の家賃の支払いが可能でしょうか、いかがでしょう。これはどういうわけでこの十五万円という算定が出てきたんでしょう。
#229
○参考人(久保田誠三君) お答えいたします。
 公団は家賃の設定に当たりまして、主な供給対象としております中堅勤労者の収入に対しまして先ほどうちの理事からも申しましたように一六%前後の負担率となるように配慮しているわけであります。
 一方、基準収入額につきましてはただいま私が申しましたように、家賃の支払い能力の観点から原則として家賃の四倍以上としておりますが、親からの援助のある方もいることなど、家賃の四倍以下の収入の方でも家賃を支払える方に入居の機会をできるだけ与えるというような方策として最低十五万円の収入でも足りるということにしているわけでございます。
#230
○二宮文造君 理解しました。
 しかし、先ほどのこれまた赤桐委員の質問と重複をいたしますけれども、私はやはり高家賃というのは、すでに公団住宅に対して高、狭、遠という三つの問題がずっと提起されてまいりました。高いあるいは狭い、遠い、これは漸次解消されると思うんですが、しかし、遠とかそれから狭とかというのは解消されるとしても、高という、高家賃という問題をやはり行政の中で何とか消化していただかなければ、住宅公団本来の住宅供給の目的にはかけ離れてくるんじゃないだろうか。
 先ほども具体的に赤桐委員からの提案がございましたが、私もデータは違いますけれども、こういうデータをちょうだいをいたしました。あるいは否定されるかもわかりませんけれども、公団内部のデータだと私は理解いたしておりますが、五十六年度建設予定の中層住宅、専用面積六十二平米、バルコニー共用部分を合わして七十四平米で、その規模が三DKないし小さい三LDK、この初年度の平均家賃が七万五千七百円程度と言われている。しかもその家賃構成は、地代相当額が二万三千六百十六円で三一・二%、利息分が二万二千四百二十七円で二九・六%、修繕費が八千七百十九円で一一・五%、工事費が八千五百八十円で一一・三%、公租公課が八千四百七十五円で一一・二%、管理事務費が二千七百七十七円で三・七%、引当金が七百四十九円で一・〇%、損害保険料が三百五十七円で 〇・五%、こういう数字が内部資料として私の手元に届いてまいりましたが、これはどうでございましょうか、このとおりと理解してよろしゅうございましょうか。
#231
○参考人(救仁郷斉君) 私ども基準家賃で計算しておりますので、恐らく先生のいまの御指摘は初年度家賃に換算されたんではないかと思います。ほぼ正しいと思います。
#232
○二宮文造君 それで、これはもうあと意見は赤桐委員と同意見になってまいります。
 この中でやはり勘案すべき問題が相当に出てくるではないか。その文書が指摘をしております分は、賃貸住宅の用地は公的用地だ、だから土地購入費は国の出資金を充てて家賃には算入しないという方法もあるではないか、あるいは膨大な金利負担を低減するために資金の回収コストというものを二%程度下げたらどうだ、先ほど四・五%とかあるいは五%とかいうお話がございましたが、それを低減さしたら相当に家賃軽減の方法になるではないか、あるいは賃貸住宅とその用地は公的なものだ、だから公租公課を免除して家賃には算入しないという方式もあるではないか、これによる自治体の税収入の減は国保の方で補てんをする、こういう考え方はどうか。さらに、指摘がございましたが、関連公共公益施設の整備に要する費用の公団負担分は補助金等の導入で賄って家賃には不算入にすべきではないか、こういういろいろ考え方が出されております。
 この一々回答は、先ほどとダブりますから求めませんけれども、しかし、こういういわゆる高額家賃はどうしても勤労者の生活にはなじまない。恐らくその未入居住宅というものもやっぱり一部にそういう理由が重なっているんではないかと私は思いますし、これからの新公団の運営管理という面に家賃を低額にしていく、これはもう避けて通れない道であろうと思いますし、大臣も先ほど、早急には間に合わない、だけれどもせっかく努力をする、その意図は十分にあるという答弁もございましたので、その方向を私はぜひ工夫をしていただきたい、そのためにこの問題を指摘をしておきたいと思うわけでございます、大臣いかがでしょうか。
#233
○国務大臣(斉藤滋与史君) 重ねての先生の御提言また御指摘でございます。十分いかにしたら低家賃の公団住宅に住み得るかというような基本的な考え方のもとに、今後新公団の発足をお許し願えますれば、そうしたことも含めて前向きで対処してまいりたい、このように考えるものでございます。
#234
○二宮文造君 もう一点ぜひこれは大臣の考えを確認しておきたいんですが、これは先ほどの第一条と絡んでまいりますが、「住宅に困窮する勤労者のために」という目的が欠落をしました。内容、表現が変わりました。これは賃貸住宅から漸次撤退を図るんじゃないか、そのための布石ではないかと私どもは考えざるを得ない面も出てくるわけですが、これはひとつ大臣の確たる答弁を伺っておきたい。
#235
○国務大臣(斉藤滋与史君) その考え方は全くございません。私たちも住宅政策は国の重要課題の一つとして取り組んでおるわけで、その考え方はございませんことを明確に申し上げておきます。
#236
○二宮文造君 それから、公団のいままでの業績の中で一番問題になってきたのが未入居の問題とか、保守管理住宅の問題とか、あるいは長期保有土地の問題とか、これらの問題をこれは細かく各委員から指摘をされました。重複を避けたいと思いますけれども、未入居住宅が、若干数字が違うかもわかりませんけれども、五十五年十二月末現在で五千七百六十一戸、その理由は大体高、遠、狭と、高いとか遠いとか狭いとかということが大いに手伝っている。ただここで、未入居による公団の収入減をどうカバーされているのか、これをお伺いしたい。
#237
○参考人(久保田誠三君) お答えします。
 未入居住宅の発生に伴いまして家賃や譲渡代金の回収が一時的におくれておりますことにつきましては、当面公団全体の資金繰りなどで賄いまして、後年度において回収を図ることとしております。しかしながら、このような状態が続きますことは好ましくないと存じますので、その早期解消に努力いたしたいと存じます。
#238
○二宮文造君 それから、保守管理住宅が五十五年十二月末で賃貸と分譲と合わせて一万九千三百三十一戸ある、このうち五十六年度末に募集にこぎつけられるものが賃貸、分譲合わせて一万二百八十八戸、残る約一万弱、正確に言いますと九千何がし、これは五十六年度も募集ができない、こうなるわけですか。
#239
○参考人(救仁郷斉君) 一つの団地の中で五十六年度に供給するものもございますが、その九千三百戸につきましては五十七年度以降の募集になるということでございます。
#240
○二宮文造君 その五十六年度末までに全く募集にこぎつけられないと団地、これはもう先ほど前の委員から指摘があったと思いますのでこれははしょりまして、これらの保守管理住宅の金利負担は一体どうなっておりますか。
#241
○参考人(救仁郷斉君) 昨年の十二月末現在の一万九千三百戸の保守管理住宅の金利が累計で百六十四億円ということになっております。その金利は家賃、分譲価格で回収するということに相なります。
#242
○二宮文造君 要するに、家賃、分譲価格にはね返る、いわゆる需要者の負担ということになる。ですから公団の事業の運営管理のいわばミスといいますか、手の届かなかったことがそのまま今度は入居者にはね返ってくる、これは好ましい状況ではない、こう私は指摘をさしていただきたい。
 それから、先ほどから長期保有土地の問題について議論がございました。この長期保有土地、五十二年当時の二十二団地千五百八十八のうちで、ある程度処分が進んだとかあるいは事業化の目途がついたとかいうようなことになっておりますが、いわゆるこれらの長期保有土地にかかる金利はどうなっておりましょうか。事業に着手あるいは処分が進んだ九地区あるいはそれ以外の十三地区合わせてで結構です。
#243
○参考人(救仁郷斉君) 処分が進みました、あるいは事業に着手しました九地区につきましては、その事業に着手した時点までの金利の合計が百四十四億ということになっております。それから、現在処分のめどがついた地区あるいは現在供給中の地区十三地区につきましては、五十四年度末におきます金利の累計が三百二十二億円ということになっております。
#244
○二宮文造君 これもこの点おっしゃらなかったけれども、家賃あるいは分譲価格に当然はね返る、それで吸収するということでしょうか。
#245
○参考人(救仁郷斉君) そのとおりでございます。
#246
○二宮文造君 どうでしょうか、ここにも、これから新しい公団が発足をするわけでございますけれども、やはり検討を加えていただかなきゃならぬ問題があるんではないだろうか。それは、用地の買収とかあるいは住宅の建設とかいうことには市町村並びに住民の理解もいただかなきゃならぬ、そういうことで思惑が外れたと言ってしまえばそれまででございますけれども、しかしそういういわば問題の行き着くところは、分譲を受ける者あるいは入居する者にそのままかぶせてしまうという方式が今後も公団の運営の中で繰り返されていくということになると、ますます公団の意義というものを薄くしてしまうと私は心配をするわけです。こういう保守管理住宅だとかあるいは長期保有土地、こういうものの金利は、家賃とか分譲価格にはね返らないように努力をするということで今後の検討を加えらるべきではないだろうかと思いますが、いかがでしょうか。
#247
○国務大臣(斉藤滋与史君) 御指摘ごもっともでございます。非常に、来し方を顧みて、不手際は認めざるを得ないと思います。したがいまして、そうしたことを踏まえてこの問題については当然、まずもって積極的に対処すべき問題であろうかと思います。
 未入居住宅、保守管理住宅あるいは長期未利用保有土地というような問題については、どのように積極的に住宅に入っていただくか、あるいは長期的に未利用として置いたままの土地についての処分の方法等もあわせて総合的に、この問題については早期に積極的に対処しなければならない問題ではなかろうか、このように考えて、対処するという方向で指導してまいりたい、このように考えます。
#248
○二宮文造君 はね返らないようにという答弁がちょっとまだ十分いただいていませんけれども。
#249
○国務大臣(斉藤滋与史君) 大変恐縮いたしました。
 入居者の家賃にはね返らないようにするのは当然のことでございます。先ほど申し上げましたように、あくまでもわれわれは適正、低家賃のもとに公共住宅を供給するという本質的な考え方に変わりないわけで、その点につきましても十分の配慮をもって対処してまいる所存でございます。
#250
○二宮文造君 それから宅開公団に一問だけ。いや、公団の方の説明は結構です、時間がございませんから。
 宅開公団の方のニュータウン事業について、先ほど、これまた赤桐委員から御質問がございました。個別にはお伺いいたしませんが、ニュータウンでやはり公共賃貸住宅を計画の中に位置づけていくべきではないか、こういうことを私ども考えるわけですが、これはこちらからお伺いしてから大臣に答弁を求めるべきでございますけれども、前もって通告もしてございますので御用意はあろうかと思いますが、いかがでしょうか。
#251
○国務大臣(斉藤滋与史君) これは御提言をまつまでもなく、積極的にやはり考えていくべき問題であろう、このように考えます。
#252
○二宮文造君 それから、新公団の事業となってまいります都市公園の整備事業の問題についてお伺いをしたいんですが、新公団が、国営公園内のいわゆる有料施設などの設置あるいは管理を行うとともに、地方公共団体の委託に基づきまして一定規模以上の都市公園の建設、設計及び工事の監督管理を行うこととした、となっておりますが、その理由が、どうも私ども見て竹に木を接いたような状況になっていまして、いまひとつはっきり理解できません。これは結局、公園緑地事業団というのを設立をもくろんでいたけれども、それが認められなかったということによりこういうことになったのでしょうか。この点ちょっとはっきり御答弁いただきたい。
#253
○政府委員(升本達夫君) おただしのように、公園の整備につきましては、昨年度、一昨年度と二年度にわたりまして、公園緑地事業団あるいは整備機構ということで特別の法人をつくって行うような予算要求をいたしてまいりまして、これが認められなかったというのはおただしのとおりの経緯でございます。
 私ども、このような特別の法人を必要とすると考えましたのは、大きく二つの点がございます。
 一つは、これから大いに整備を行ってまいらなければならない国営公園の整備に当たりまして、有料で公園施設整備ができる、この有料で行う公園施設整備につきましては、いままでの公園整備の、国費をもって行う、あるいは地方公共団体費用をもって行うもののほかに、財政投融資で施設をつくって経営することが可能である、そのような仕組みを導入いたしたいということが一つでございます。
 それからもう一つは、これから公園の整備を、大都市だけではなくて地方の都市にもまんべんなく整備をしていかなければならない、そういたしますと、地方の都市は多くの場合技術者が不足しておりまして、あるいは公園整備の組織が未熟でございますというようなことから十分な整備ができない、これをつまり受託によりかわって行うというようなことも考えていかなければならないだろう、このような二点の要請に対して新法人の設立を願ったわけでございますが、いろいろ御議論がございましたような現状の事情によりまして別建ての法人を設立するに至らなかったわけでございます。
 私どもは、ただいまの二点を満たすような次善の策といたしまして、新公団が業務を開始するに当たってその二点を吸収して行っていただくことがベターではないかというような判断に基づきましてその業務を新公団の業務に加えていただいた、こういうことでございます。
#254
○二宮文造君 いま説明がありました新公団が国営公園内で設置して管理する有料施設、たとえば運動施設としては温水プール等のプールとか、あるいは共用施設としては多目的なホールだとか、あるいは遊戯施設としては船遊び場だとか魚釣り場だとか、また便益施設としては売店とかレストランとか宿泊施設とか、園内の交通施設とか、こういうものを設置、管理するようになっていますが、問題は、これらの有料施設を新公団は業者に直接賃貸をするのか、あるいは道路公団の場合と同じように特定の公益法人を通じて賃貸をする方を考えているのか、これはいかがでしょうか、両面あるんでしょうか。
#255
○政府委員(升本達夫君) ただいま現在のところ、国営公園に係ります公園施設の管理を一部引き受けております団体といたしまして、財団法人でございますが、公園緑地管理財団というのがございます、これがレストランあるいは駐車場等の経営管理を行っておる実績がございます。
 ただいまのおただしは、今度の新公団がこの有料施設整備を行った場合に、このような財団なりを通じて業者に管理をさせるというようなことが考えられるのではないかという趣旨のおただしかと思うわけでございますけれども、私どもは、財団が新公団からその施設を引き受けて、直接財団が管理するものについては公団から財団へ管理をお願いする、しかし、財団が現時点のように外部へさらに委託しておるようなものは、財団を通じないで公団から直接管理を引き受ける者に委託する、このように整理をしてまいろうと考えております。
#256
○二宮文造君 要するに、いわゆる公園緑地管理財団という財団が直接管理をする場合には財団にさせる、それから、これが下請といいますか、これを通じて業者にさせるような場合には直接やる、そうおっしゃっていますけれども、財団が全部自分でやりますということになれば、第一義的に財団の管理ということになりますか。
#257
○政府委員(升本達夫君) 施設の種類にもよろうかと思うわけでございますが、現在のところ、財団が直接経営を引き受けておりますのは売店が数ヵ所、それから駐車場の管理等でございます。レストランの経営等は財団から他業者に外部委託を現在やっております。それから売店につきましても多くの場合は外部委託をしております、したがいまして、その実態をよく調べまして、現在財団が外部委託しているようなものはこれは財団を通じないで直接にその受託者に行くようにしたい、このように考えております。
#258
○二宮文造君 住宅公団の場合はテナントなんか業者と直接契約ということになっているわけでしょう。
#259
○参考人(救仁郷斉君) 原則的にそうでございます。
#260
○二宮文造君 私は、こういう特定の団体、道路公団等の実態もよく教えられておりますけれども、こういう場合は特定団体への利権の一点集中はまことによろしくない。サービスの面も悪くなる。サービスの面も悪くなりますし、さらにはまた、その利用という問題から考えてみても一点集中は好ましくない、こういう判断を持っている一人です。したがいまして、やはり新公団と業者との直接契約を原則に進めていくべきではないか、こう私どもは思うわけでございますが、大臣、この点いかがでしょうか。
#261
○国務大臣(斉藤滋与史君) 先生御懸念のように、こうした問題はよく利権が生じ、利権が集中しがちであります。それに対する御配慮であろうかと思います。当然私どもも、そういう先生のお考えのような形でこれからの問題については厳正な、公正な選考基準をもとに直接的な方法で対してまいりたい、このように考えるものでございます。
#262
○二宮文造君 よくその後の経過をまた見さしていただきたい、こう思います。
 関連しまして、国営公園のうちで、一つの都府県の区域を超えるような広域的見地から設置するいわゆるイ号公園、これにつきましては都市公園法施行令附則において、当分の間、建設省令で定める都府県及び道の区域ごとに一カ所とする、こういうふうに規定をされておりまして、省令で北海道を除く八ブロックが決められております。そして順次その整備が図られておりますが、四国、中国、北陸の三ブロックの整備についてどうお考えになっているのか、お伺いしたい。
#263
○政府委員(升本達夫君) おただしのように、国営公園のうち広域的なブロック単位で設けられるものにつきましては、道のほかの地域八ブロックに設置をすることを予定いたしておるわけでございますが、四国、中国、北陸ブロックについては現在のところは着手に至っておりません、これらのブロックにつきましても、適地の調査等の基礎的な調査を現在実施をいたしておるわけでございまして、これらの調査の結果を踏まえまして今後計画的な事業の実施を図ってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#264
○二宮文造君 どのくらいの目途で調査を進められていますか。
#265
○政府委員(升本達夫君) まだ具体的に何年度もしくは何カ年の間に設置するというところまで見通しを明確に立てているには至っておりません。しかし私どもは、この国営公園の広域的な設置ということの目的に照らしまして、できるだけ早い時期に各ブロックに一つぐらいはつくるという方針でまいりたいと考えております。
#266
○二宮文造君 終わります。どうもありがとうございました。
#267
○委員長(宮之原貞光君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#268
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認めます。
 本案の修正について、茜ケ久保君及び上田君から発言を求められていますので、この際、順次これを許します。茜ケ久保重光君。
#269
○茜ケ久保重光君 私は、本案に対しまして修正の動議を提出いたします。その内容はお手元に配付されております案文のとおりでございます。
 それでは、これより日本社会党提案の修正案についてその趣旨を御説明いたします。
 わが国の住宅事情は、戸数こそ世帯数を上回ったのでありますが、高価格、高家賃あるいは狭小等の問題を抱え、住宅の質及び負担の面で新たなより深刻な住宅難の状況を呈しております。特に大都市圏の勤労者においては、公団住宅を一つ例にとっても、高い、遠い、狭いという三重苦を強いられており、住宅困窮世帯は増加しておるわけであります。こうした住宅難の原因は、何といっても土地問題であり、また、政府が国民の住宅に責任を持たず、個人の自助努力を強調し、持ち家政策に余りにも傾斜していることにその原因があります。
 私ども日本社会党は、住宅の公的保障の確立、良質で低廉な公共賃貸住宅の勤労者への提供を主張し、このことをおいてしか大都市圏における住宅難打開の道はないと考えております。その意味で、日本住宅公団は、原価主義家賃制度による賃貸住宅の供給を通じ、大都市の勤労者の住宅確保に大きな役割りを果たしてきたとその点は思います。
 今日、高い、狭い、遠いという批判を買っている公団住宅の問題は、土地価格、金利負担、関連施設費等の負担増によるものであり、国の責任である土地政策の適確な実施、国費の投入によって解決し得る問題であります。住宅公団の改革はこの政策の推進いかんにかかっていると考えます。しかるに、政府から提案されている住宅・都市整備公団法案はこうした観点に立っておりません。
 第一に、だれのために住宅を供給するのかが不明確であります。公団の使命は、住宅に困窮する勤労者に良質、低廉な住宅を提供し、もって住宅難の解消と勤労国民の生活の安定を図ることにあると考えるわけであります。この点が明らかにされていない政府案は、当然、新公団発足によって現行両公団の持つ脆弱性を克服し、広く、安く、職場に近い住宅を提供し得る何らの具体的措置をも含んでおりません。区画整理事業や再開発事業の公団施行の範囲の拡大も、勤労者の住宅確保や住環境整備よりも住宅や都市関連産業の基盤整備の色彩が濃く、宅地を供給しない区画整理、住宅を供給しない再開発などへ業務を移していく意図が見られるのであります。
 第二に、本法案の背景には行政改革という課題がありますが、役員定数あるいは政府高級職員の天下りなどについては評価できるものが示されておりません、両公団の統合により五名の役員の削減が示されておりますが、これは政府決定である四分の一削減にすら及ばないものであります。副総裁二名の定員も官僚のなわ張り争いの帰結とすら考えられます。
 第三として、新公団はどのような住宅管理を目指すのか全く明らかになっていないのであります。私は町づくり、コミュニティーの創出には、行政、供給者と住民、入居者が手を携えていくことこそが必要であると考えます。その具体化は住民の参加であり、住民への情報の公開であります。政府案はこうした民主主義の拡充の視点が全く含まれておりません。
 私たち日本社会党は、以上の点に示されるごとく、政府案は、住宅に困窮する勤労者に良質低廉な住宅を供給し得る姿勢に欠け、国民の期待する行政改革の推進に当たっていないということにかんがみ、修正案を提案する次第であります。
 次に、修正案の概要を申し上げます。
 第一に、公団の使命が住宅建設にあり、その観点から日本住宅公団を総合的に拡充させることを示すために、公団の名称を「日本住宅総合整備公団」といたしました。
 第二に、本法の目的が、「住宅に困窮する勤労者のために、」良質で「低廉な家賃の賃貸住宅の供給」にあることを第一条に明記いたしました。
 第三に、役員定数は総裁一人、副総裁一人、理事十人以内及び監事二人以内の計十四人以内といたしました。この際、政府高級職員の特殊法人への天下り、渡り歩きは特殊法人の健全な事業の推進の阻害となり、国民の不信のもととなっておりますので、自粛するよう強く要求いたす次第であります。
 第四は、「賃貸住宅運営協議会」の設置であります、公団住宅の適正な管理、勤労者の生活を圧迫せず双方が納得する家賃の設定にはこうした機関の設置が不可欠であると考えるからです。
 第五は、新公団が行う再開発事業または区画整理事業は住宅または宅地の供給を要件とするよう政府原案にある施行範囲の拡大は削除いたしました。
 以上が修正案の内容でございます。
 委員各位の御理解と御協力をいただきまして、速やかに本修正案が可決されることをお願い申し上げまして、提案の理由にかえます。
 以上です。
#270
○委員長(宮之原貞光君) 上田耕一郎君。
#271
○上田耕一郎君 私は、本案に対し修正の動議を提出いたします。その内容につきましては、お手元に配付されております案文のとおりでございます。
 それでは、日本共産党提案の修正案につきまして、その提案理由と要旨を御説明いたします。
 わが国の住宅事情は、大都市圏を初めとしてますます深刻の度合いを強めてきております。とどまるところを知らない地価の異常な高騰と住宅資材の値上がりの一方で、勤労者の住宅取得能力はますます低下しています。住宅ローンの重荷による家庭悲劇が続出し、大都市密集地域では依然として危険で劣悪な住環境の木賃アパートが放置され、これに加えて無秩序な乱開発やミニ開発の横行で、劣悪な住環境が新たに再生産され、公団住宅の高、遠、狭問題はなお解決されず、公共住宅の圧倒的不足が続いている状態です。住宅困窮を訴える世帯は建設省の調査でもいまなお全世帯の三八・九%、千二百五十六万世帯にも達し、政府が定めた基準である平均居住水準に達していない世帯が約六割も占めるといった実態こそ、わが国の住宅事情の貧困ぶりを端的に示しているものと言えます。
 いま、こうした貧困な住宅事情を抜本的に改善し、住宅政策を国民本位に転換させることが強く求められています。そのために必要なことは、自民党政府が推進してきた民間自力建設、持ち家中心の政策を転換し、良好な居住水準と適正な家賃負担の賃貸住宅を中心とした公共住宅の大量建設及びこれに必要な宅地の確保を図ることであります。
 日本住宅公団は、昭和三十年に設立されて以来、「住宅に困窮する勤労者のために」公的住宅を供給することを明記した日本住宅公団法の目的のもとで、百万戸を超す住宅建設をなし遂げるなど、国民生活を支える上で大きな役割りを担ってまいりました。日本共産党は、住宅公団が果たしてきたこれまでの役割りを評価しつつ、同時に、長期未利用地や大量の空き家を発生させたずさんな経営、高級官僚の天下り問題など非民主的な体質を改善することによって、真に国民のための住宅建設を担うにふさわしい機関とすることを目指すことが必要であると考えるものであります。
 行政改革の問題については、真の意味での安上がりの政府、すなわち、国民本位の簡素で効率的な行政機構の実現こそが日本共産党が提唱する行革の眼目であります。これを本議題に即して具体的に言うならば、高級官僚天下りの弊害や一般職員と比較にならない高額の役員給与、退職金、長期の未利用地、空き家などの行政上、財政上のむだを改めることであります。
 もともと宅地開発公団は、日本住宅公団の業務、機能で十分実施できる大規模宅地開発をその業務として設立されたものであり、まさに行政機構の重複化、肥大化の典型ともいうべきもので、わが党のみならず全野党が強く反対したものであります。設立後五年半を経過した同公団の実績は、宅地供給面積や供給価格の面において当初目標から遠くかけ離れるなど、惨たんたる状況を示しています。その一方、役員、部長クラスの一〇〇%が中央省庁などからの天下りで占められるなど、六年前にわれわれが懸念したとおりの状況になっているのが実態であります。
 今日、宅地開発公団を廃止することに積極的意義は見出せても、存続させる意義は見出せないのであります。政府提出の住宅・都市整備公団法案は、存続させる意義を持たない宅地開発公団の機構、組織を事実上そのまま新公団に引き継いで温存しようとするものにほかなりません。
 しかも同時に、両公団の統合に際して、日本住宅公団法の目的に明記されていた「住宅に困窮する勤労者のために」の削除などの改悪を行い、さらに大規模な業務型都市再開発を新たに新公団の業務の柱に据えようとしております。
 日本共産党は、行政改革の名にふさわしく、かつ実行可能な措置として、また日本住宅公団のずさん経営改善の第一歩として宅地開発公団を実習的に廃止するとともに、日本住宅公団の組織、機能、運営に一定の改正を行うこととし、ここに政府提出の住宅・都市整備公団法案に対する修正案を提出するものであります。
 次に、修正案の要旨を申し上げます。
 修正点の第一は、住宅・都市整備公団法案の全部を修正し、日本住宅公団法の一部を改正する法律案とすることであります。
 第二は、宅地開発公団の組織及び業務をともに廃止し、これに伴う必要な経過措置その他の事項については別に法律で定めること、職員の処遇についてはその生活基盤を害することのないように、国の責任において住宅公団等への再就職の確保その他特別に配慮することとし、以上を日本住宅公団法の附則に明記することとしました。
 第三は、日本住宅公団の組織、機構、運営についての必要最小限の改善の措置として、管理委員会の委員に新たに公団の職員の労働組合が推薦する者一名、公団賃貸住宅居住者の代表一名を加えることとしました。また、現在理事五人以上、監事三人以上となっている役員の定数を理事八人以内、監事二人以内、総裁、副総裁を含めた役員の総数を十二名以内と上限を定めることとしました。
 なお、詳細はお手元にお配りしてあります案文をもって御承知いただくこととし、省略さしていただきます。
 何とぞ委員各位の賛同を得て、速やかに御可決くださるようお願いします。
#272
○委員長(宮之原貞光君) 以上で両修正案の趣旨の説明は終わりました。
 それでは、ただいまの両修正案に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。――別に御発言もないようですから、これより原案並びに両修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#273
○赤桐操君 私は、日本社会党を代表し、住宅・都市整備公団法案政府原案及び日本共産党提出修正案に反対、日本社会党提出修正案に賛成の討論を行います。
 政府原案は、住宅に困窮する勤労者の立場からすればきわめて不満なものであります。だれのために住宅を供給するのかをあえて削り、しかも高級官僚の天下りの場を確保する、これが政府が国民に約束した行政改革でありましょうか。まさに羊頭を掲げて狗肉を売るのたぐいと言わざるを得ません。また政府は、住宅対策を重視すると言いながら、依然として自力建設に重点を置き、この法案のどこにそれが示されているのでありましょうか。勤労者のための公団住宅は、高い、狭い、遠いの三重苦が続くでありましょう。住宅ローン地獄はますます悲惨な家庭破壊を招くでありましょう。
 大都市圏にあって住宅問題を解決しようとするなら、もはや公共賃貸住宅をもってするしかないことは明らかであります。しかも、その住宅は戸数の拡大や規模の拡大のみならず、勤労者の生活を圧迫しない、安心して暮らせる低廉、良質な賃貸住宅でなければなりません。公団への国の出資を拡大する、関連公共公益施設への補助を拡大する、勤労者の家賃に算入される金利をより制限することこそ喫緊の対策であると存じます。こうしたことは真に行政改革を推進し、公共投資を産業基盤重点から住宅政策に振り向けることによって可能であり、新公団に期待するものはまずこの点であるにもかかわらず、政府は依然としてこの対策をとろうといたしておりません。また、特殊法人への官僚の天下りは、その能力を生かすために特殊法人から要請されるということでありますが、すでに多くの批判の集中するところであります。こうした意味で、日本社会党修正案のとおり、目的に勤労者のための公団であることを明らかにする、役員定数は現状の住宅公団役員数以内とすることは当然だと考えます。
 住宅は人間が住むものであります。供給し管理する上で、入届者と公団の関係が円滑に取り運ばれなければなりません。公団の家賃の値上げについては、入居者の納得が得られないまま一方的に値上げがされる、自治会とは十分な話し合いが行われない、こうした中で適正な管理が運営できるでありましょうか。私は、わが党が主張してまいりました賃貸住宅運営協議会こそ公団の姿勢を正し、現状の矛盾を解決し、公団を勤労国民のための公団とする機関であると考えます。
 日本社会党は、職住近接、都市防災の観点からも都市の再開発を行うことを主張するものでありますが、政府の姿勢、すなわちこの法案に示されているごとく、業務型再開発や区画整理事業を推進することには大きな疑問を持つものであります。それは零細な権利者の権利を圧迫し、勤労者を郊外に追い出し、ますます通勤時間を延長させる結果を招来するおそれあるものと思うのであります。
 また私は、日本共産党提出の修正案にも賛成いたしかねます。日本社会党は宅地開発公団の設立に反対をし、その存在に疑問を持ってまいりました。しかし、一般の職員に何らの責任はありません。行政改革という名目で政府の特殊法人の統合や廃止法案は数多く今国会にも提出されておりますが、労働者の雇用、働く権利、労働条件は当然の権利として保障されなければならないと考えます。住宅公団に働く職員、宅地開発公団に働く職員と意見交換を重ねてまいりましたが、両公団の職員は新公団の中でともに働く職員として協力していくことを確認し、そのことは住宅公団の職員代表が国会の場においても明らかにいたしているところであります。したがって、共産党修正案は労働者の共同歩調に混乱を招き、政府の行革に惑わされる結果を招来すると考えます。
 勤労国民がひとしく望む行政改革、それは住宅公団を勤労者のために拡充し、良質、低廉な住宅供給を推進し得る新公団とすることであります。委員各位がこの本旨に立ち、社会党修正案に賛成の立場をとられるようお願いをいたしまして、私の討論を終わります。
#274
○増田盛君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、住宅・都市整備公団法案に賛成、同法律案に対する日本社会党及び日本共産党提出の修正案に対し反対意向を表明するものであります。
 本法律案は、日本住宅公団と宅地開発公団とを統合して住宅・都市整備公団を設立し、住生活の安定向上と都市環境の整備改善を図るため、大都市地域等において集団住宅及び宅地の大規模な供給、市街地開発事業等の施行、都市公園の整備等の業務を行おうとするものであります。
 わが国の住宅事情は、一応量的には充足し、質の向上もかなり改善されてきてはおりますが、国民の住生活の向上や改善に対する要望は依然として根強いものがあり、今後さらに住宅の質や住環境整備等に関する国民の需要動向を見きわめつつ、健康で文化的な生活を営むに足りる良質な住宅、宅地の供給を図る必要があります。また、大都市地域を中心として都市機能の高進、良質な居住環境の形成を図るため、既成市街地の再開発及び根幹的な都市公園の整備を強力に推進することは現下の重要な課題となっております。このような住宅事情等の見地からいたしますと、最初に申し上げた本法律案の内容は、良質な住宅、居住環境の確保と今後の都市化等の進展に対応する措置としてまことに時宜に適したものであり、賛意を表するものであります。
 次に、日本社会党提出による修正案は、本法律案の名称を日本住宅総合整備公団に、また、目的のうちに住宅に困窮する勤労者を加えることとするほか、役員数について改めること等を内容とするものでありますが、大都市地域等の住宅事情及び都市環境の改善等の面から、新たに新公団を設立する趣旨から見ると修正案による名称は妥当とは言いがたく、また、住宅に困窮する勤労者についても、本法の運用で従前と全く変わることのない実効を期すること等法律案審査の過程で明らかになったところであります。
 また、日本共産党提出の修正案は、本法律案の全部を日本住宅公団法の一部を改正する法律に改めることにしておりますが、本法律案提出の経緯等から見ると適切を欠くものと思われます。
 以上の理由により、住宅・都市整備公団法案に賛成、両修正案に反対するものであります。
#275
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、住宅・都市整備公団法案政府原案に反対し、わが党提出修正案に賛成の討論を行います。
 住宅・都市整備公団法案に反対する第一の理由は、勤労者、国民のための住宅建設の役割りを担ってきた日本住宅公団の性格を、大企業本位の都市再開発を柱とする公団に質的に変質させる道を開いたことであります。
 すなわち、日本住宅公団法の第一条で明記されていた「住宅に困窮する勤労者のために」という規定が新公団法では削除され、新たに業務型の市街地再開発事業を新規業務の柱にしたことに端的に示されています。
 当初、この法案が「住宅」抜きの「都市整備公団」という名称の構想として建設省内で検討されていた経過からいっても、その意図は明白であります。公団自治協や日本住宅公団労働組合の強い運動の結果、ようやく名称に「住宅」を復活せざるを得なくなったものの、新公団法に盛り込まれた新規業務としての業務型再開発事業の比重が増し、職員の配置も多くなるならば、本来の業務である住宅や宅地部門が縮小され、切り捨ての方向につながらないとも限りません。この方向は昨年改悪された都市再開発法とも関連して、たとえば鈴木都知事が推し進めようとしているマイタウン東京構想に代表される、大企業が要求する大資本本位の都市再開発推進の本格的準備を意味することは明らかであります。国民のための住宅は追いやられ、その地域の住民や中小業者を追い出す役割りを新公団が果たす結果となるのでは、これまでの公団の性格の完全な変質というべきものになってしまいます。
 反対する第二の理由は、行政改革の一環であるという政府の説明にもかかわらず、新公団法の設立は行政改革とはおよそ縁遠いものであり、むしろ本来の趣旨に逆行するものであるという点であります。
 およそ、行政改革を言うならば、利権と汚職、腐敗を一掃して、簡素で効率的な行政機構をこそつくるべきであります。ところが新公団は、高額の役員給与、退職金をそのままにした上、住宅公団の役員数よりさらに五人も役員をふやし、副総裁を二人も置き、高級官僚の天下りを温存しようとしていることは明らかであります。強い反対を押し切って設立された宅地開発公団の五年半が残したものは、結局天下りポストだけという批判が生まれても仕方がないものであります。わが党は、いまこそ本来不必要な宅地開発公団を廃止し、勤労者の住宅建設、宅地供給を大いに進める住宅公団に建て直すべきであると考えます。
 反対する第三の理由は、新公団が勤労者のために良質で安い家賃の住宅を大量に建設するという本来の目的から大幅に撤退しようとしていることであります。これは、政府が定めた第四期住宅建設五カ年計画において、公共住宅建設戸数を前五カ年計画より公営住宅で十三万五千戸、公団住宅で十一万戸も大幅に削減している事実と決して無関係ではありません。計画自体の削減とあわせて、実際の建設戸数が、賃貸住宅においては計画の三分の一にも縮小されている実態も明らかになっているという状況の中では、国からの援助を拡大するなど公共住宅の大量建設を可能にする政策をこそ行うべきであります。
 最後に、わが党提出の修正案について同僚委員から不賛成の討論がありましたので、一言触れさしていただきたい点としては、宅地開発公団の解散に伴う職員の処遇についてであります。
 同僚委員の意見には大きな誤解があります。わが党は、一般職員の生活基盤を十分に守り、そのために必要十分な配慮を行うという立場から修正案を提案しているからであります。附則第二条三項はそのために盛り込んだ規定であり、宅地開発公団解散の際、現にその職員として在職する者の日本住宅公団等への再就職を国の責任で行うことを定めております。
 なお、社会党提出の修正案についての態度に触れるならば、宅地開発公団を廃止するわが党修正案とは違って、日本住宅公団と宅地開発公団の合併を認めるものではありますが、基本点においては積極的な内容を持つものであり、賛成であります。
 以上、討論を終わります。
#276
○委員長(宮之原貞光君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#277
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより住宅・都市整備公団法案について採決に入ります。
 まず、上田君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#278
○委員長(宮之原貞光君) 少数と認めます。よって、上田君提出の修正案は否決されました。
 次に、茜ケ久保君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います、
   〔賛成者挙手〕
#279
○委員長(宮之原貞光君) 少数と認めます。よって、茜ケ久保君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に、原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#280
○委員長(宮之原貞光君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 茜ケ久保君から発言を求められておりますので、これを許します。茜ケ久保君。
#281
○茜ケ久保重光君 私は、ただいま可決されました住宅・都市整備公団法に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    住宅・都市整備公団法案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一、政府、住宅・都市整備公団(以下「新公団」という。)は、住宅に困窮する勤労者のために、良質低廉な公的賃貸住宅等を計画的に供給するよう努めること。
 二、政府、新公団は、都市再開発事業の実施に当たっては、関係権利者の意思を十分に反映し、できる限りの公共住宅の建設を図るとともに、震災にも対応できる市街地の形成に努めること。
 三、新公団は、既設の住宅団地については、施設の改善整備と適正な維持管理を行うため、日常的に話合うなど居住者と意思の疎通を図り、快適な生活環境を確保するよう努めること。
 四、政府、新公団は、新公団の事業の円滑な推進を図るため、地方公共団体、住民の意見の尊重に努めるとともに、長期未利用地及び新築空家の問題については、その解決に積極的に取り組むこと、
 五、政府、新公団は、身体障害者のために必要な住宅の供給促進及び法令に定める身体障害者雇用率の達成に努めること。
 六、関連公共・公益施設の整備については、関係地方公共団体の財政負担の軽減を図るため、所要の措置を講ずるとともに、義務教育施設用地に対する特別措置等について検討すること。
 七、新公団は、良質低廉な宅地の大量供給を行うための体制の確立に十分な配慮を行うとともに、宅地造成計画の策定及び実施に当たっては、できる限りの公共住宅の建設を図り、また、周辺地域の自然環境との調和に十分配慮すること。
 八、政府、新公団は、行政改革の趣旨にてらし、業務の効率化に努めるとともに、役員の逓減、公務員の役員及び管理職への再就職、出向の自粛ならびに内部登用に努めること。
 九、新公団は、自主性の確立に努め、従前の労働協約、労使協定、労使慣行を尊重し、統合による労働条件の低下がおこらないよう十分に配慮するとともに、新公団に引きつがれる両公団の職員の処遇は、臨時職員も含め、公正妥当な取扱いを期すること。
 十、新公団は、その業務に関連する関係法人について、業務の執行等について公団の性格にてらし適正なものとするよう努めること。
 右決議する。
 以上でございます。
#282
○委員長(宮之原貞光君) ただいま茜ケ久保君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#283
○委員長(宮之原貞光君) 全会一致と認めます。よって、茜ケ久保君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、斉藤建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。斉藤建設大臣。
#284
○国務大臣(斉藤滋与史君) 本法案の御審議をお願いしまして以来、本委員会におかれましては終始熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後、その趣旨を生かすよう努めるとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に尊重して、今後の運用に万全を期して努力する所存でございます。
 ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
#285
○委員長(宮之原貞光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#286
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#287
○委員長(宮之原貞光君) 次に、本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取をいたします。斉藤建設大臣。
#288
○国務大臣(斉藤滋与史君) ただいま議題となりました本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 本州四国連絡橋の建設により、本州―四国間の交通輸送が円滑化され、関連地域における生活利便の増大と経済発展が図られることとなりますが、一方、これに伴いこの地域の交通輸送に重要な役割りを果たしております一般旅客定期航路事業等については相当の影響を受けることが予想されております。
 政府といたしましては、このような影響に対処するため、本州四国連絡橋の建設に伴い影響を受ける一般旅客定期航路事業の再編成、当該事業を営む者に対する助成及び離職者の再就職の促進等に関する特別措置を講ずることにより、当該一般旅客定期航路事業等に係る影響の軽減を図ることとした次第であります。
 以上が、この法律案を提案する理由でありますが、次にこの法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、運輸大臣は、本州四国連絡橋供用後の一般旅客定期航路事業等の再編成についての基本方針を定めるとともに、架橋ごとに影響を受ける航路を指定するものとし、当該指定された航路で一般旅客定期航路事業等を営む者が事業規模の縮小等を行おうとするときは、実施計画を作成し、運輸大臣の認定を受けることができるものといたしております。
 第二に、本州四国連絡橋公団は、認定を受けた実施計画に従って事業規模の縮小等を行った者に対し、一般旅客定期航路事業廃止等交付金を交付することができるものとするとともに、本州四国連絡橋の供用に伴い離職することが見込まれる労働者の退職金の支払いに係る資金の確保を図るため、事業主と退職金支払い確保契約を締結し、これに関する業務を行うことができるものといたしております。
 第三に、海運局長または公共職業安定所長は、認定を受けた実施計画にのっとって離職した者であって、一定の要件に該当すると認定した者に対して、求職手帳を発給し、就職指導等を行うとともに、当該手帳所持者がその有する能力に適合する職業につくことを容易にし、及び促進するため、国及び都道府県は、当該手帳所持者または事業主に対して各種の給付金を支給するものといたしております。
 また、手帳所持者である雇用保険の受給資格者または船員保険の失業保険金の支給を受けることができる者であって、一定の要件に該当すると認めるものに対して、保険の延長給付を行うことができるものといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
 なお、ただいま法律案の提案理由を御説明申し上げましたが、この法律案が対象としている一般旅客定期航路事業等とは別に、本州四国連絡橋の建設が港湾運送関係等の雇用に及ぼす影響についての問題があります、
 この問題につきましては、先般、港湾運送事業者の事業の実態によっては雇用に対する影響が予測されるという港湾労働調査委員会の中間報告が出され、これに基づき、必要に応じ立法措置を含めその対策のあり方を関係者間で協議することとしているところでありますので、本法律案の説明に際して一言申し添える次第であります。
 よろしくお願いをいたします。
#289
○委員長(宮之原貞光君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#290
○委員長(宮之原貞光君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案審査のため、委員派遣を行うこととし、期日、人選等はこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#291
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト