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1980/05/28 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 建設委員会 第10号
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1980/05/28 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 建設委員会 第10号

#1
第094回国会 建設委員会 第10号
昭和五十六年五月二十八日(木曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     増岡 康治君     藤井 裕久君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮之原貞光君
    理 事
                坂野 重信君
                堀内 俊夫君
                増田  盛君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                井上  孝君
                遠藤  要君
                谷川 寛三君
                赤桐  操君
                二宮 文造君
                原田  立君
                三木 忠雄君
                上田耕一郎君
                栗林 卓司君
                江田 五月君
   国務大臣
       建 設 大 臣  斉藤滋与史君
   政府委員
       運輸省海運局長  永井  浩君
       運輸省船員局長  鈴木  登君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  永光 洋一君
       労働省職業安定
       局長       丘  英夫君
       建設大臣官房長  丸山 良仁君
       建設省都市局長  升本 達夫君
       建設省道路局長  渡辺 修自君
       建設省住宅局長  豊蔵  一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        森  一衞君
   説明員
       環境庁企画調整
       局環境管理課長  清水 良次君
       環境庁企画調整
       局環境影響審査
       課長       森下 忠幸君
       環境庁自然保護
       局企画調整課長  高峯 一世君
       大蔵省主計局主
       計官       保田  博君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部日
       本鉄道建設公
       団・本州四国連
       絡橋公団監理官  黒野 匡彦君
       日本国有鉄道理
       事        半谷 哲夫君
   参考人
       本州四国連絡橋
       公団理事     山根  孟君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路
 事業等に関する特別措置法案(内閣提出、衆議
 院送付)
 (派遣委員の報告)
○連合審査会に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案の審査のため、本日、本州四国連絡橋公団の役職員を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(宮之原貞光君) 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案を議題といたします。
 まず、今般当委員会が行いました法案審査のための委員派遣について、派遣委員から報告を聴取いたします。坂野重信君。
#5
○坂野重信君 宮之原委員長、堀内理事、増田理事、茜ケ久保理事、二宮委員、原田委員、栗林委員、江田委員及び私、坂野は、一昨日及び昨日の二日間、本四架橋に伴う旅客船事業等に関する特措法案(略称)の審査に資するため、本州−四国間の架橋事業並びに旅客船事業等の現況を調査してまいりました。
 以下、その概要について御報告申し上げます。
 まず、本州四国連絡橋事業についてであります。
 本州−四国間の交通輸送の効率化を図り、当該地域における生活利便の増大、経済水準の向上を目指す本四架橋の事業は、一ルート四橋に限定された当面の政府方針のもとで、本州四国連絡橋公団により鋭意進められてまいりました。
 ここに言う一ルートとは、児島−坂出間の道路、鉄道併用ルートのことであり、また、四橋とは大鳴門橋、因島大橋、大三島橋及び伯方・大島大橋でありますが、すでに大三島橋は完成、供用を開始しているとのことでありました。
 現地では、児島−坂出ルート及び大鳴門橋の工事現場を視察、関係者から説明、陳情等を聴取いたしました。
 児島−坂出ルートは、道路部分が国道二号バイパスから分岐、倉敷市鷲羽山付近より塩飽諸島を渡り、坂出市の国道十一号バイパスに至る三十七・八キロ、鉄道部分は山陽本線岡山駅付近から南下、海峡部では道路との併用橋となり、香川県宇多津町で予讃本線に接続する二十七・八キロの計画であります。
 瀬戸内海の横断は、下津井大橋、南、北備讃瀬戸大橋等、世界有数の長大橋六本が連なることとなり、総事業費は八千四百億円、五十二年度価格、工期は五十三年度から六十二年度までの九年間となっています。
 現在は、坂出市与島と番ノ州間の三・四キロを結ぶ二連のつり橋、南、北備讃瀬戸大橋に工事が集中しておりました。
 南大橋の中央径間は千百メートル、北大橋のそれは九百九十メートル、両橋には七つの基礎下部工がありますが、そのうちの六つは海中基礎であり、ケーソンを沈下した橋脚部分では作業船による海底掘削等の作業が行われておりました。
 ルート途中の櫃石島、岩黒島、与島には地域住民の生活があり、また、これらの諸島間の海峡は航行船舶がふくそうしている地域であります。
 海中工事の施工に当たっては、海水の汚濁防止、潮流、海象を考慮した航行安全の確保に努力が払われておりますが、今後ともこれらに関し周到な対策を望むところであります。
 大鳴門橋は、淡路島門崎と鳴門市大毛島を結ぶ中央径間八百七十六メートル、全長千六百三十メートルの道路、鉄道併用のつり橋で、着工から四年を経過、総事業費二千八百八十億円、五十二年度価格をもって五十九年度の完成を目指し工事が進められておりました。
 潮流渦巻く鳴門海峡の海底二十メートルに及ぶ三基の橋脚、その上に高さ百四十メートル余りの主塔二基がそびえ立ち、近くパイロットロープの張り渡しも予定されておりました。
 両岸では大規模なアンカレジ工事がほぼ完了、関連する陸上部道路等の用地買収が鋭意進められており、一部では工事も始められておりました。
 大鳴門橋を含む神戸−鳴門ルートには、さらに明石海峡大橋の計画がありますが、中央径間千七百八十メートルの設計は世界最長のつり橋構造であり、わが国土木技術の総力を挙げて、設計、施工法等の具体的な調査、検討が重ねられているとのことでありました。
 これらの架橋事業は、いずれも瀬戸内海国立公園を経過する超大型のプロジェクトのため、自然を破壊するものとの懸念があり、自然環境との調和にはより一層の努力を傾注すべきものと痛感されました。
 現在は、各事業とも本四公団等関係者の懸命な努力によって順調に工程が進められておりますが、しかし、一部の地域では住民との調整が続けられている区間もあります。
 この大事業が住民福祉に役立つもの、新たな自然美をつくるものとなり、真の地域開発が実現するように、今後、本四公団、国ともども一層の努力が必要と痛感するものであります。
 次は、架橋ルートにおける旅客船事業等の実情についてであります。
 本四架橋に伴い瀬戸内海の交通輸送、とりわけ旅客船事業に甚大な影響が及ぶとし、関係団体より本四公団、国に対し補償措置等の要求が提示されたのは四十七年ごろからでありました。
 以来、本四公団を中心にそれらの実態調査が行われ、また、関係団体を含めた対策懇談会等で必要な措置が討議されてきましたが、それらの意向を受けとめ、五十三年に政府は旅客船問題等に関する対策の基本方針を決定したのであります。
 瀬戸内海における旅客船の航路体系は、本四間の直通連絡、島嶼経由の本四連絡、本四いずれかと島嶼連絡、島嶼間のみの連絡等、その就航経路は区々でありますが、それらの合計は二百九十航路に達するとのことであります。
 関係者の説明によれば、これらのうち本四架橋に関連があるものとして九十七航路が挙げられており、ルート別の内訳は、神戸−鳴門が二十五航路、児島−坂出が十三航路、尾道−今治が四十七航路等となっております。
 これらの関連航路における事業者、従業者の現況としては、全体として業者数六十五、従業者数六千三百六十三となっており、ルート別の内訳は、神戸−鳴門が業者十五、従業者千九百八十、児島―坂出が業者十一、従業者千百四十七、尾道−今治が業者三十一、従業者二千四百九十七等であります。
 また、これらを工事が進められている一ルート三橋(児島−坂出ルート、大鳴門橋、因島大橋、大三島橋)について見ますと、六十一航路、四十七業者、従業者は五千二百十五人に達すると見込まれているのであります。
 このように架橋による影響が多くの業者、従業者に及ぶと予測される中で、事業工程が進むにつれ補償措置等の要求は深刻化し、その間の協議のもつれから大鳴門橋等において工事の一時中断という事態も起こされたのであります。
 こうした旅客船問題に関し政府方針は、業者には特別助成措置を、従業者には再就職の促進をと強調しておりますが、具体的な問題の処理は今後にゆだねられており、関係者との間にはなお緊密な連絡調整が必要とされている状況であります。本四架橋は、長年にわたり地元各方面から要望されてきた国家的に重要な大事業でありますが、この事業のため職場を失い、生活基盤を乱される人々があればまことに不幸なことであります。
 架橋に伴う影響軽減の措置、職業転換の措置、さらに雇用対策の措置等々、現地の実情に適合したきめ細かな施策が講ぜられるよう、今後政府、地方公共団体及び本四公団を督励することが必要と痛感したところであります。
 なお、特に香川県庁において約二時間にわたり行いました旅客船問題等の懇談会におきましては、地元の関係団体を代表して、香川県知事前川忠夫氏、同副知事井上房一氏(児島・坂出ルート連絡協議会会長)、立花欣一氏(日本旅客船協会)、宮城伸二氏(全日本海員組合)、元木末一氏(全港湾労働組合)等の皆様が出席されました。
 各氏とも冒頭、今回の特別措置法案に対し賛成であり、早期の成立を期待していると述べながらも、制定後の課題として、一、旅客船航路事業の特殊性と事業再建のためのきめ細かな助成措置、二、離職従業員等に対する責任ある再就職の促進、三、港湾労働者の受ける影響と雇用対策立法の必要性、四、離島航路再編成と転業、雇用対策の資金措置等について意見が陳述され、また、各委員より質疑等が行われました。
 以上が調査の概要でありますが、最後に、関係団体との懇談会の概要及び関係県よりの陳情事項等を本日の会議録の末尾に掲載していただくことを委員長にお願いし、報告を終わります。
#6
○委員長(宮之原貞光君) ただいま申し出のありました陳情事項等につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これをもって委員派遣の報告は終了いたしました。
 それでは、これより本案の質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○茜ケ久保重光君 ただいま調査報告がなされましたが、私ども現地に参りまして、つぶさに現状の視察と、その上に関係者の、短い時間でありましたがそれぞれ意見を聴取してまいりました。もちろんこの法案につきましていろいろ検討いたしましたことと別段変わったと思う点はありませんけれども、
   〔委員長退席、理事増田盛君着席〕
現実に現場に接しますとさらにまた思いが新たかものがあったのであります。
 この本四架橋は、これはもう四国の四県のだれもが長い間待望したことでありますし、これによって、今後この完成後における四国の人たちの利便と申しましょうか、これははかり知れぬものがあることは当然であります。ただしかし、そういうすばらしい計画であり、りっぱなものが生まれると思いますし、また、現地に参りまして本四架橋公団の役職員の諸君が非常な熱情をもってこの仕事に携わっている実態も見ましたが、と同時に反面、いまも報告書にありましたが、このすばらしい計画の裏側と申しましょうか、それは完成後に非常な打撃を受ける面があるわけであります。これも、いわゆる法案の表側には数字等は出てまいりますけれども、その数字にあらわれない関係者の非常な心情を私どもはじかに感じてきたのであります。
 したがいまして、冒頭にひとつ建設大臣を主体にする政府側に対して、このすばらしいプロジェクトが完成後四国の人たちの受ける非常な大きな恩恵を見詰めながら、その陰に、いわゆる表に出ないもろもろの人間的な苦悩や、あるいは一家の家長の諸君が家族を抱えて、明日に対する非常な苦悩とそして悲惨な状態を見詰めながら苦しみをまさに自分の一身に受けとめている実態をよくくみ取られて、それに対する対策がひとつ遺憾のないように、どうかこのすばらしい大プロジェクトの完成によってだれもが泣くことのないような状態にぜひやってもらいたい、こういうことを強く要望しながら具体的な質問に入りたいと思っておりますが、ひとついまの発言に対する建設大臣の御所信のほどを承っておきたいと思います。
#9
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。
 諸先生方には、当本州四国連絡橋関係の問題につきましてつぶさに現地を視察していただきましたことを心から御苦労さまと申し上げますと同時に、感謝申し上げる次第であります。
 ただいま茜ケ久保先生から政府の方針また考え方というようなことでおただしがあったわけであります。もとよりこの本州四国連絡橋の目的とするところは、御案内のように、日本の国の均衡ある発展とまた西日本地域の経済振興、また四国四県四百万の方々の長い歴史的な本州とのつながりという御要望から実現を図るべく、新全総のころから具体化してまいってきたわけであります。それだけに、いま先生の御指摘のように大きなプロジェクトでありますだけに、われわれは歴史的なバックを踏まえながら何とかりっぱに完成をさせて、目的である地域振興、均衡ある発展、あるいは四国におられる方々の長い間の夢を実現させたいというように考えておるわけであります。
 その基本的な考えから、しかし、そのことによって少なくとも御指摘のような犠牲があってはならない、関係する旅客船関係あるいは港湾運送にかかわる方々、家族を含めますと何万という人になろうかと思います、こうした方々の犠牲の上に成ってはならないということは基本的な考え方として持っているわけで、あわせて、りっぱなこの架橋の完成の暁には、ともにいままでそこに働いておられる方々をも含めて、この架橋が歴史的にもその成果を上げ得るように万全の措置を考えながらやっていきたい、そういうようなことでこのたびの特別措置法案も御提案申し上げているわけでありまして、御指摘をまつまでもなく、あらゆる角度から万全の措置を図って早期にこの完成を図りたい、このように考えているものでございます。
#10
○茜ケ久保重光君 それで、いままでいろんな事業が行われてきました。たとえば群馬県等においては、水源県でありますのでかなりダム等もできてまいりました。いま八ツ場ダムも問題になっているのですが、つくるときにはなかなかうまいことを言ってつくってもらうんですが、できた後で関係住民が本当によかったという、その実態がなかなか生まれてこないんです。したがってこの場合も、いまも大臣のおっしゃるように、大臣はそうおっしゃっていただくんだが、具体的な面になりますとなかなかそうでもないこともありますので、これは蛇足になりますけれども、私どもとしては一言だめ押しを押しておかぬといけませんので、これは御答弁は要りませんが、ひとつ心の温まるような結論をぜひ期待したいと思っております。
 いろいろ具体的な問題を提起しますが、大体答弁をされる方は御承知でありますので、時間をなるべく節約して早い時間にひとつ終わりたいと思っております。したがいまして、答弁は、御丁寧な答弁もいいんだが、余り丁寧過ぎて冗漫と言ってはあれですが、簡潔な答弁を、イエスかノーかでもいけませんけれども、なるだけ途中を省いて結論だけをうまくまとめて答弁してもらえば審議も非常にスムーズにまいりますから、私もなるべく言葉を少なくして質問しますので、答弁もぜひそういうふうにしていただいて、この委員会のなるだけ早期終了を期待したいと思っています。
 これから順次質問してまいります。
 昭和四十四年の新全総で架橋三ルートが決定になりました。本四架橋の構想は、わが国の高度経済成長の過程で具体化されてきたのでありまして、その後の経済情勢の変化の中で現在は一ルート四橋に計画が限定されたのであります。しかし、この限定された当面の措置とはどのように理解したらよいのか。各個の架橋決定――現在は四橋――は、行く行くはルート全体の連絡架橋を前提としての当面の措置なのかどうか、現在の三全総においては本四架橋についてどのような扱いをされているのか、政府決定の内容について再度わかりやすく答弁をしてもらいたい。
#11
○政府委員(渡辺修自君) お答え申し上げます。
 現在までのいきさつ等について簡単に説明せよという御趣旨であろうかと存じますが、現地でもお話がございましたように、実はこの本四架橋につきましては、明治二十年代のころから四国で悲願になっておったわけでございまして、昭和四十年代に入りましてこの建設が具体化をしてまいりました。四十八年に工事の基本計画の指示が建設、運輸両大臣から本四公団に対してなされたわけでございます。十一月になりまして御承知の石油ショックがございまして、総需要抑制ということで、これが全体が凍結をされたわけでございます。
 その後、わが国の経済状態が回復をいたしましたので、五十年八月、経済企画庁長官、国土庁長官、建設大臣が協議をされました。当面早期完成を図る一ルートを三全総において決定するという点、それから他の二ルートにつきましては、地域の開発効果、工事の難易度等を勘案をいたしまして、関係各省庁間で協議の上当面着工すべき橋を決定するという方針がなされたわけでございます。
 この決定に基づきまして、五十年の八月十八日でございますが、国土庁、運輸省、建設省が協議をいたしまして、当面着工すべき地域開発橋といたしまして大三島橋、それから大鳴門橋、因島大橋を決定をされました。それから五十二年の十一月に三全総の決定がございまして、この三全総におきまして本州−四国連絡ルートについては当面早期完成を図るルートとして児島−坂出ルートに道路、鉄道併用橋を建設することとし、環境影響評価等の結果を踏まえて事業を実施するということをお決めいただいたわけでございます。またその後、大三島橋が完成をいたしましたので、五十四年一月に至りまして再度国土庁長官、運輸大臣、建設大臣が御協議をいただきまして、地域開発橋として伯方・大島大橋を追加決定をいただいた次第でございます。
 いまのところ大変厳しい経済情勢でございますので、さらに新しい橋あるいは新しいルートということは当面は考えておりませんけれども、わが国の将来の国土の均衡ある発展を考えます場合、あるいは西日本地域の経済成長、本州―四国間の交通需要、これは地域的にそれぞれ結びつきの特性がございます。また地域の開発という問題もございます。こういうことを考えますならば、将来は長期的に見ますならば、基本計画どおり三ルートは必要とは思っております。しかし先ほど申し上げましたように、大変厳しい経済情勢でございますので、当面はいまやっておるものを鋭意促進を図って早く一ルートを通し、かつ地域の開発橋につきましての工事をすでに大分発注をいたしておりまして、ごらんいただきましたように、いま工事を中止するということは大変問題もございますので、これを継続さしていただきたいというふうに考えております。
#12
○茜ケ久保重光君 現在までの事業の投資実績について簡潔な御答弁をお願いします。
 昭和四十四年以降本四架橋事業は本格的に始められましたが、現在までの投資実績について道路、鉄道別に説明をお願いします。
 また、一ルート四橋、うち一橋はもう完成して供用中でありますが、それぞれの事業の完成見通し及び現在の進捗の状況についても説明をしてもらいたい。
#13
○政府委員(渡辺修自君) 現在の進捗状況の道路分について申し上げます。
 一ルート四橋の事業費が全体で五十二年度価格で一兆二千四百三十億円でございます。これに対しまして全体で申し上げますと、五十五年度で三〇%でございます。ルート別に申し上げますと、神戸−鳴門ルートの大鳴門橋につきましては四九%、いずれも五十五年度でございます。それから児島−坂出ルートで約一七%、尾道−今治ルートの大三島橋、因島大橋、それから伯方・大島大橋、三橋合計をいたしまして七五%ということに相なっております。
 完成の見通しでございますが、児島−坂出ルートにつきましては六十二年度を考えております。それから大鳴門橋につきましては、いまのところまだ完全には詰まっておりませんが、五十八年ないし五十九年度、因島大橋につきましては五十八年度中に完成をいたしたいというふうに考えております。最後に着工いたしました伯方・大島大橋につきましては、まだ下部工のいわゆる準備工事にかかった状態でございまして、いまのところまだ完成の時期をはっきりさせるところまでまいっておりません。
 なお、大三島橋につきましては、去る五十四年の五月でございましたか、完成をいたしております。
#14
○説明員(黒野匡彦君) 鉄道分の投資の状況を御説明申し上げます。
 本四架橋につきましては、鉄道はAルートとDルートが道路、鉄道併用橋になっておりまして、Aルートにつきましては大鳴門橋、当面鉄道が負担すべく百五十億の額になっております。これは全額負担してございます。Dルートにつきましては、全体の一二%に当たります約四百七十億がすでに投資済みでございます。
#15
○茜ケ久保重光君 次に鉄道整備についてお尋ねいたします。
 大鳴門橋、児島−坂出ルートについては、道路、鉄道の併用橋として認可され、事業が進められておるわけであります。しかし、大鳴門橋について見ても、過去に道路単独橋、在来線との併用橋、新幹線との併用橋等と、その構想は二転三転してきているようであります。また、これに関し関係県より種々の意見も出されています。
 そこでひとつお聞きしたいのは、一つは、本四を結ぶ鉄道網の整備計画、新幹線計画はどうなっているのか。二つ、大鳴門橋に関し、事業費における道路、鉄道の負担割合が昭和五十四年以降大幅に変更されておりますが、変更された背景はどういう理由であるのか、この点について明確な御答弁をお願いします。
#16
○説明員(黒野匡彦君) Aルートにつきましては、新幹線が通し得るような設計になりまして、現在建設を進めております。Dルートにつきましては当面在来線、本四備讃線と呼んでおりますが、これを通すことになっております。ただ、将来新幹線をさらに建設し得るようにつくるという指示を本四公団の方に出しておりまして、そのような前提で設計、建設が進められております。
 次に、大鳴門橋の費用負担の変更の件でございますが、先ほど建設省の方からも御説明ございましたように、大鳴門橋は昭和五十年に一ルート三橋の一つといたしまして建設することが決まったわけでございますが、残念ながらその時点におきましても同橋を通す予定になっております四国新幹線の建設のめどがついていないという状況でございまして、関係省庁にお願いいたしましてその計画の再検討をお願いしたわけでございます。その結果、関係省庁の御理解を得まして、一つは鉄道負担分の工事の極力削減を図るあるいは後送りをするという点、さらには道路と鉄道の費用負担の変更ということに決定いたしまして、現在その方向に従って工事が進められているという状況でございます。
#17
○政府委員(渡辺修自君) 大鳴門橋の費用負担の問題についてちょっと補足さしていただきますが、当初はそれぞれ道路、鉄道に必要な鋼材の重量比によりまして道路が五五%、鉄道が四五%という負担割合でスタートしたわけでございます。その後、ただいま運輸省から御答弁がありましたような事情がございまして、鉄道の費用を削減をしたいということでございまして、いろいろ協議をいたしました結果、大鳴門橋につきましては、複線の線路は設けますけれども、列車が一列車しか乗らないという状況を考えまして、つまりその分だけ必要な鋼材等も少なくて済むわけでございますが、その上でかつ道路が優先的に支出をする、足りない分を鉄道が出していただくということにいたしまして、現在道路が八九%、鉄道が一一%ということに修正をいたしました上で事業を進めておるわけでございます。
#18
○茜ケ久保重光君 結局、大鳴門橋は当面鉄道は通らぬということだな。どうなんです。
#19
○説明員(黒野匡彦君) 国鉄の経営状態から言いますと、同橋を通すことになっております本四新幹線の着工は当面なかなかむずかしいというのが率直なところでございます。
#20
○茜ケ久保重光君 児島―坂出、これは在来線が主体と。結局、あなたに言ってもしようがないけれども、新幹線を多くつくり過ぎると赤字がふえる一方なんだ。現に上越、東北新幹線も、あれはもう赤字が決まっている。あんなばかなことをするから国鉄は困るんで、これはあなたに言ってもしようがないけれども。だからしたがって、四国の皆さんは新幹線を待望されるかもしれぬけれども、もしあんなところへ新幹線をつくったら――私は四国の人に怒られるかもしれませんよ。しかし実質は、国鉄の現状において当然なんだな。したがって、児島―坂出線も当面というか、ほとんどこれは永久的でしょう。在来線でしっかりやるということでなければ、これは私の私見だがいけないと思う。したがって、これは国鉄も腰を据えて在来線でやるという方針で進んでもらいたい。これは一つの要望だ。
 次に、本四架橋を公共事業の執行という点からとらえると、地域振興の観点から工事について地元発注、地元雇用についてできるだけ努力すべきだと思うんであります。これは本四架橋だけじゃありません。全般的な公共事業に対して言えることでありますが、ここでは本四架橋について申します。しかし工事の性格から言って、地元の業者や地元の雇用もそう簡単ではないと思うけれども、やはり主体は全国的な大企業がやるとしても、それと地元の業者とをうまくかみ合わせていく。最近共同企業体というのがはやっておりますが、そういう形でぜひ地元、そういった関係業者、あるいは関係労務者の大きい利用を進めるべきだと思っています。これは地元でもかなりの要望もあるようでございます。したがいまして、本四架橋の事業を進めるについてこういう点についてどのような施策を持っておられるか、まずお聞かせを願いたいと思います。
#21
○参考人(山根孟君) お答え申し上げます。
 本州四国連絡橋の建設に当たりましては、かねてから地元産業の発展に寄与するよう実は配慮しているわけでございます。しかしながら先生御指摘のとおり、現在実施いたしております工事は海狭部におきます工事が主体でございまして、特殊かつ大規模なために地元企業が受注できる適切な工事がどちらかと言えば少ないというのが実情でございます。このため五十五年度におきます地元企業の発注状況は二十七社、金額におきます構成比は五・三%ということに相なっておるわけでございますが、私どもといたしましては、地元業者の持っております力に応じてできるだけ活用を図ってまいるという考え方を持っておるわけでございます。
 ここで一つ申し上げたい点は、地元の労働者と申しますか、地元の労務者の雇用状況がどうなっているかということでございます。これは積極的に雇用をするように指導また努力をいたしているところでございまして、五十五年度におきます実績では全体で年間延べ、これは全国にわたるわけでございますが、全体が四十二万二千四百名の延べ人員でございますが、このうち地元労務者につきましては二十四万四百名、全体の五七%を地元の労務者にお願いをいたしてあるという状況でございますので、御理解をいただきたいと思います。
#22
○茜ケ久保重光君 実際に見て、なかなかその仕事はそう簡単にはいくものじゃない。地元の中小業者でもこれはどうにもならぬと思う。あるいはしかし下部ができて、橋げたか何かやったりする仕事、後でできるでしょう、何と言うのか専門語はわからぬが。そういった場合には、いまの海の中に橋脚をつくることよりもやや単純とは言えぬけれども、まだ現在の仕事よりも上の部分をつくるという場合には、幾らか地元の業者が入り得る可能性があるかどうか、その辺どうなんですか。
#23
○参考人(山根孟君) 的確に断定はできないわけでありますが、実は海上の仕事でもあり、大変自然条件の厳しいもとでの作業となりますので、橋梁本体、ケーブルの架設、ハンガーロープの取り付け、補剛トラスの架設、こういったとび職その他いわば熟練工が必要になってまいります。大変工事の安全も確保しつつやってまいらねばならぬという事情があるわけでございまして、必ずしも下部構造に比べてより多く非熟練と申しますか、そういう方々の需要が大きいというものではございませんけれども、しかしこれに関連をいたしまして、陸上におきましてケーブルを張ったりあるいはけたをかけたり、そういう段取りを陸上でいろいろ準備をいたしたりするような仕事もこれまたこれに付随してあるわけでございます。また、地元にも熟練をしたそういった方々もいらっしゃるわけでございますから、そういった方々に十分お手伝いをいただくような形で進めてまいりたいというように考えておりますが、下部工に比べて必ずしも多くは期待できないというぐあいに私は考えております。
#24
○茜ケ久保重光君 道路と違ってああいう特殊な仕事だから、これはなかなか容易じゃないと思うが、やっぱり地元の人は、あんなすばらしい仕事があって、それも大変な金を使っている。それが結局地元の、これはでき上がればいろんな意味で大きな利便だけれども、建設中の時代にはなかなか、いまの経済状態で容易じゃない状態だろう。それで、そんな大きな金がどんどこ落ちている。それが何か自分たちの目の前を素通りしていくというのでは、これはやっぱり容易ならぬと思うから、いま山根君のおっしゃったことをひとつできるだけ地元民の中にも、建設中でも幾分の恩恵が、恩恵と言ったらおかしいが、そういうふうなことができるように今後ともぜひ努力をしてもらいたいと思う。これは要望です。
 次に、五十三年八月に本四連絡橋旅客船問題等対策懇談会、ずいぶん長い名前ですが、この意見具申から、それを受けて政府の旅客船問題等対策協議会が対策の基本方針を決定しておりますが、これらの内容と法案の内容との関係はどうなっているか、これの簡潔な御説明をお願いします。
#25
○政府委員(渡辺修自君) 本州四国連絡橋旅客船問題等対策懇談会から運輸大臣及び建設大臣に対して提出されました意見具申の主な内容について申し上げます。
 まず一番でございますが、対策の必要性そのものでございます。
 本州四国連絡橋の建設に伴い、影響を受ける旅客船事業者及びその従業者については、この影響がきわめて大きいという点、それからこの旅客船事業につきましてのいわゆる公共性があるという点、さらには運賃の規制、運航義務等いろいろ制約がございます。橋がかかって使われるその日まで運航しなきゃならぬというような義務もあるわけでございますので、こういう意味から地域の交通確保という点、雇用不安から起こる社会的混乱を避けるために特段の措置をとるべきである、これが第一番でございます。
 二番目が対策そのものについてでございます。
 これも幾つかございますが、架橋による影響をあらかじめ軽減すると申しますか、対処するために航路の再編成を行うべきである。
 それから、小さな二番日でございますが、旅客船事業者に対する措置、これはやはり架橋に伴い不要となる資産をどうするのか。それから事業の廃止または縮小に伴い営業に対する措置を行う必要がある。
 それから、従業者に対しましてはやはり雇用の安定に関する措置、それからやむなく離職される場合の離職後の生活の安定に関する措置、こういったものを決めるべきである。
 それからさらに、現地及び中央におきまして連絡協議会機構を設置する必要がある、こういうことでございます。
 こういった意見具申がございましたので、政府において設置をいたしております本州四国連絡橋旅客船問題等対策協議会におきましては、この意見具申を受けまして五十三年九月に基本方針の決定をいたしたわけでございまして、その内容もただいま申し上げました意見具申に全く沿っております。
 すなわち、一が航路の再編成。
 それから二が、旅客船事業者に対する措置。この中には船舶等不要資産の減価分の補てんであるとか転業に必要とされる期間内の収益の補てん、それから転業促進への積極的協力等が入っております。
 三番目が旅客船事業従業者に対する措置でございまして、これも先ほど申し上げましたことでございます。さらに細かくは、たとえば職業転換給付金等の給付制度の適用の問題等にも触れられております。
 四番目が退職金、これはいわゆる特別加算分でございます。従業員がその責めに帰することのない理由で退職をしなきゃならぬ場合に、通常常識的に加算されております分でございますが、これの補てん。
 それから最後に、こういった措置を実施するにつきまして所要の立法措置ということが基本方針として決められたわけでございます。
 今回の法律は、この基本方針の具体化を図ったものでございまして、基本方針の趣旨に従いまして、大体順序もこれに従いまして同じような編成でつくったものでございます。
 これがいままでの経緯でございます。
#26
○茜ケ久保重光君 いま説明にもありましたように、旅客船関係については措置がとられることになっておりますが、同じく同様な影響をこうむると思われる港湾労働者並びに陸上運送関係は、今回の法案の対象から除外をされているわけであります。この点については先般の趣旨説明のときに、大臣が提案説明の後に特に口頭で提案した。これは異例のことでありますが、この点評価をしておるわけであります。しかし、大臣から補足的な港湾全体の関係に対するお話がありましたが、これは依然として本法案の対象じゃないわけであります。今後この立法措置も含め対処するということでありますけれども、今回港湾関係労働者関係、陸上運送についての除外した理由、それからこの問題についての検討の経過と内容及び今後の対策、対応方針についてもひとつ含めて説明を願いたい。
 きのう、おとといで参りまして、これは大臣、特に港湾労働者の関係の方が見えまして、いろいろと意見の具申がありました。意見の具申というよりも衷情を訴えるというか、もちろんこれはもう旅客関係の諸君はもろにこの完成でいろんな被害と言っちゃおかしいが受ける。しかし、冒頭にも言ったように、さらにこの貨物の運輸業者あるいは運輸労働者は非常に苦しいようです。むしろ端的に申し上げて運輸関係の業者、労働者等がよけいに被害を受けるような感じを受けたわけです。それほど困っておる。
 そこで、大臣が冒頭にこの法案の説明に当たって、立法措置も考えているとおっしゃったんですが、これはいま見てみますと、なるべく早い機会に立法措置を講じて、そうした人たちの救済というか、将来の問題をいろいろと心配している人があるかと思うんです。これはきのう、おととい聞いたことで出てきたんで質問届けは出ておりませんけれども、これは質問書があるなしにかかわらず当然考えるべきことでありますから、後で大臣に特にお願いするので、前の二つの質問と別に、大臣から、いわゆるあなたのおっしゃった最後の立法措置も講ずるということに対して、いまそういう観点からどういうふうに思っておられるか。これは現地でこの質問に対する大臣の答弁を非常に期待しているわけです。これはもうそう言ったんですから、これは必ず委員会で取り上げて大臣の所信を伺っておくから、よくみんなひとつ聞いていなさいと、こう言ってきてありますから、ひとつこの点は最後に大臣に特に御発言をお願いしたいと思うわけです。
 最初の二点をひとつ……。
#27
○政府委員(渡辺修自君) 港湾の陸上運送問題につきましては、旅客船問題が実は四十七年ごろから問題化しておるわけでございます。ややおくれまして四十八年ごろから、橋がかかりますとやはり相当の影響があるんではないかというお話が出てまいったわけでございます。しかしながら港湾の問題に限ってみますならば、港湾の輸送は本州、四国だけに特化しておるのではなくて、港でございますから全国的に輸送をやっておられるというわけで、将来を考えますならば、総体的にはやはり港湾の取扱量というものもふえていくんではないか、したがって余り影響はないんじゃないかという意見が一方にございまして、関係者間の合意を得るに至らなかったわけでございます。
 そこで、五十三年ごろになりまして、マクロの話はわかる、しかしやはり、個々の港湾において個々の業種の実態においては影響があるんではないか、これをまず調査をしてみようではないかということに認識がなりまして、五十三年九月の先ほど申し上げました政府協議会の基本方針におきましても、港湾輸送関係等の雇用に及ぼす影響について個々の港湾ごとに調査を行うこと、調査の結果影響が明らかになった場合には必要な措置を講ずることというのを決定いたしたわけでございます。これに基づきまして、個々の港湾ごとの実態調査を進めようということで港湾労働調査委員会を設けました。自来ずっと調査を進めてまいりました。委員が現地に参りましていろいろ聞き取りを行いました現地調査であるとか、それから政府調査と申しまして、いろいろ経済計算、コンピューターを回しましてやるような調査、それから労使の調査、それから地方調査と申しまして各地方公共団体が中心になりましてアンケート調査をするといったようなものも続けてまいったわけでございます。
 本年の去る二月末でございますが、この委員会から中間報告が出まして、「個々の港運事業者の事業の実態によっては港湾労働に明らかな影響があると予測することができる。」、こういう中間報告であったわけでございます。そこで、別に関係省庁、水四公団、総評等で構成をされております本州四国連絡橋雇用対策中央協議会というのがございます。この協議会に中間報告を報告をいたしまして、三月五日でございましたが、これについて今後幹事会レベルで必要に応じ立法措置を含めた所要の措置を検討していくということを決定をいたしたわけでございます。その関係につきましては大臣が提案理由説明の際に口頭でつけ加えられたところでございます。
 したがいまして、除外した理由でございますが、この旅客船の方につきましては、実は先ほども申し上げましたように因島大橋が五十八年中には完成するということでございまして、これに関連する旅客船事業者は多数に上っております。したがいまして、退職金の積み立てであるとかもろもろの措置を早急に始める必要があるという緊急性がございました。一方、港湾陸上運送問題につきましては、ただいま申し上げましたように中間報告が出て、これから関係者で対策を協議しようという段階で、法案に間に合わなかったという点がありますことと、それから特に大きな影響が出てまいりますのは、先日の御視察でもございましたように、坂出港であるとか、徳島、小松島港であるとかというようなお話が出ておったわけでございます。これらは橋の完成がまだ若干遅くなります。そういう意味で、たまたま時間的な余裕もあるということがございまして、今回の法案からは切り離すということにさしていただいたわけでございます。しかしながら、私どもそういうことでございますので、この雇用対策中央協議会におきまして、大体めどとしてはこの一年以内を目途にどういう措置を行うか、適切な結論を得たいというふうに考えております。
#28
○国務大臣(斉藤滋与史君) 局長からの御答弁で尽きていると思いますが、なお政府といたしまして、考え方としてはいまのプロセスを考えながら、特に提案を申し上げた後、港湾運送関係につきましてはわざと申し上げたのは、やはり十分な配慮を持ってやるという姿勢を申し上げたわけであります。
 今後の問題としては、影響が予想されるということで港湾労働調査委員会の中間報告が出されたわけで、いま説明のような形で多少のずれはありますけれども、今後雇用対策中央協議会でいろいろと検討されて、いま局長からは一年以内ということでございますが、協議会の結果をまって、早い機会に港湾運送関係の方々も安心されるような措置を進めてまいりたい、このように考えるものでございます。
#29
○茜ケ久保重光君 大体いまの説明で了解できると思うのでありますが、いろいろ話を聞いていますと案外私どもが考えている感じでなくて、やっぱり橋ができますと運送業界は大きく変わるのです。むしろ、いま局長は船で遠方へ運んだと、遠方も橋ができるとトラックにどんどんかわっていくということになる可能性があるのだ、いま陸送は非常に活発だから。道路も整備されたし、運賃もそう高くないし、しかも時間的に早く着くということで。したがって、ただ単に陸送関係も四国と本州の対岸だけでなくて、遠いところまでそのまま行く。船の貨物輸送もかなり思ったより減るという可能性があるのでありますが、ひとついまの大臣の御答弁を信頼をして、ぜひ一日も早い御処置を心がけられたいという要望を申し上げておざます。
 本法律案では、特別措置がとられるための順序として、運輸大臣が旅客船事業等について再編成基本方針を定め、また具体的に影響を受ける航路を指定し、それに基づいて各事業者がどう対応するかという実施計画を定めることになっております。再編成基本方針は、架橋に伴い影響を受ける航路における円滑な輸送を確保し、一般旅客定期航路事業等に係る影響の軽減を図るためにとられるいろいろな措置の前提条件であり、旅客船事業者等に対する行動基準にもなるものと思うんであります。その内容はどのようなことが盛り込まれるか、具体的に明らかにしてもらいたい。
 またさらに、法案の内容が働き出すのはいつごろになるのかもあわせて御説明をお願いしたい。
#30
○政府委員(永井浩君) 再編成基本方針の趣旨につきましては、いま先生がお示しのとおりでございます。
 具体的な内容につきましては法案の三条に掲げてございますが、まず第一が事業の整備に関することでございまして、架橋後の輸送需要に対応いたしまして、航路の変更とか、あるいは使用船舶の変更を行いますが、必要に応じまして広く合併等を行って、最大限事業の維持確保に努めるべきことを定めたい、このように考えております。特に、架橋後におきましても、架橋を利用できない離島につきましては離島整備法に基づきます航路補助等を活用していきたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから二番目の、不要となります船舶、資産等の問題でございますが、これにつきましてもできるだけ有効利用を図れるような趣旨の内容を定めたい、このように考えております。
 三番目が雇用の安定でございますが、同じような趣旨からできるだけ雇用の安定を図るべきであるという旨を定めたいと考えております。
 さらに、規模拡大航路等につきましては、こういった雇用の安定あるいは事業の維持につきまして規模縮小航路事業者に対し協力をすべき旨を定めたい、内容的にはこう考えております。
 なお、この基本方針につきましては御指摘のように、私どもの行政の指針でございますと同時に、事業者の今後の運営の基礎となるものでございますのでなるべく早く定めたいということでございますが、海運造船合理化審議会への諮問あるいは関係省庁との調整もございますので、現在私ども事務的には法施行後数カ月以内に基本方針を定めたい、このように考えております。
#31
○茜ケ久保重光君 関連して、きのう、おとといの現地調査で、橋のかかるところは何か自動車を通すことも考えておるし、それはいいんだが、橋がかかった結果、いま言った航路も大分変わるんでしょう。変わってくると、離島のさらに離島というか、小さい島々がむしろそういうあおりを食って困る現象が起こるんじゃないか、これは全体が心配をしているんです。事業者にすれば、採算もありますからそう簡単にいかぬと思うけれども、といって島の諸君は、いままであった橋がもしもなくなれば大変なことですから、これに対して何か運輸省では対策を考えておられるか。また、いまないとすれば完成時までには対策を立てて、そういった島の皆さん方が安心されるような具体的なことができるかどうか、この点ひとつあわせてお尋ねしたいと思います。
#32
○政府委員(永井浩君) 確かに、現在離島に参っております航路につきまして、本州―四国間の旅客、あるいは本州と大きな島、あるいは四国と大きな島との旅客を同時に運んでおりますので、そういった離島航路について経営が成り立っている航路が、橋ができますとそういった本州―四国間の旅客を橋に取られるということで、離島のお客だけでは経営が成り立たないという航路が相当出てくるんではないかと私どもは予想いたしております。この点につきましては現在でも離島航路整備法という法律がございまして、離島航路を維持するために所要の助成措置を講じております。したがいまして、そういった橋がかかることによって離島航路が採算が悪くなるという場合には、この法律の積極的な活用によりまして関係離島住民の足を確保したい、このように考えています。
#33
○茜ケ久保重光君 それはある程度費用もかかるだろうけれども、やはりやってもらわなければならぬと思うから、ぜひそれを進めてもらうように全住民の期待を込めて要望しておきます。
 本法律案の対象範囲についてお伺いをいたします。
 法案では、対象範囲を一般旅客定期航路事業と関連事業に限っており、関連事業については省令で定めるようになっておりますが、その内容はどういうふうになっているのか、これが一点。
 それから第二点として、架橋に伴う影響は非常に広範に及ぶと思われますが、貨物船、国鉄宇高連絡船等は最初から除外されているのはどういう理由が、この点御説明願いたい。
#34
○政府委員(永井浩君) まず、第一点の関連事業の内容でございますが、私どもは関連事業としては、一般旅客定期航路事業者から委託を受けましてその業務の一部を行っている事業を考えております。
 具体的なケースといたしましては、たとえば切符の予約あるいは販売、船舶の出入港の際の綱取り、綱離し、あるいは旅客、車両の整理誘導、待合室、駐車場の管理といったものを旅客船事業者から委託を受けている、こういった事業者について関連事業として省令で定めたい、このように考えております。
 それから、二番目の貨物船の問題でございますが、貨物船につきましては、海上運送法と違いまして内航海運業法という法律で監督しておるわけでございますが、一般に旅客定期航路事業より監督が緩やかでございまして、旅客船のごとく航路ごとに免許するということではございません。したがいまして、事業の許可を受ければどこでも行けるといったような事業、それから事業の廃止につきましても届け出で自由にやめられる、運賃は自由、あるいは船もいろいろ転用がきくというような実態でございますので、架橋に伴います影響につきましては事前に、かつ自主的に対応できるんじゃないか、こういうことで本法の対象外としておるわけでございます。
 それから、国鉄の連絡船でございますが、現在、瀬戸内海では宇高連絡航路があるわけでございますが、この航路につきましては、いわゆるDルートで国鉄が営業を行う、いわば、影響を与える側と受ける側が同一地帯ということでございまして、これの対応につきましては国鉄内部で十分措置できるであろうというふうに考えておりますので、本法の対象から外したわけでございます。
#35
○茜ケ久保重光君 次に、航路の指定についてお伺いをいたします。
 架橋に伴い規模の縮小が見込まれる航路と拡大が見込まれる航路が指定されることとなりますが、現時点で、これらの航路はそれぞれ幾つ見込まれているか。
 また、縮小等による離職者数はどの程度になるか。前にも報告にありましたが、このいわゆる拡大と縮小、そして、縮小による離職者の数はどのように把握されておるか。
#36
○政府委員(永井浩君) まず、規模縮小航路でございますが、現時点での調査でございますので今後さらに正確に数字を詰めてまいりたいと思いますけれども、一ルート三橋関係で四十七業者六十一航路というものが規模縮小、需要の減少が見込まれる、このように考えております。
 それから、規模拡大航路につきましては、大鳴門橋が供用開始されました場合に、淡路島と阪神間、淡路島と本州間を結ぶ若干の航路について規模が拡大するであろう、このように考えております。
 離職者の数につきましては、現在、先ほど申し上げました四十七事業者に雇用されております船員あるいは陸上部門の労働者が五千二百十五人と見込まれておりますが、これもきわめてまだ精度の高い調査ではございませんが、約四割程度の方が離職を余儀なくされるのではないかと考えております。
#37
○茜ケ久保重光君 航路指定に基づいて事業者は規模縮小の実施計画を作成し、橋の供用から二年以内に運輸大臣の認定を受けることができるとされております。そして計画の作成に当たっては労働組合の意見を聞かなければならないとされておりますが、意見を聞くという意味はどういうことなのか。すなわち、労働組合の意見に反した実施計画の認定はあり得ないかどうかという点であります。よくこういうことで労働組合の意見を聞いたり、あるいは話し合うということがあるんでありますが、実際はなかなかそれが善意に施行されない点が多いんであります。この場合には、労働組合の意見を聞くということは、労働組合の意見が反対の場合には実施計画はできないということなのかどうか、この辺をひとつはっきりとお願いします。
#38
○政府委員(永井浩君) 実施計画の作成に当たりましては、労働組合の意見を雇用の安定につきまして聞くことになっております。この場合、組合と事業者との意見が一致すればこれは問題ないわけでございますが、異なった意見の場合には、組合の意見を付して運輸大臣に申請させる、このような手続を考えております。したがいまして実施計画の申請を出す場合には、組合の意見も同時に運輸大臣のところへ出てくる。運輸大臣といたしましては、事業者の恣意にゆだねることなく、労働組合の意見も十分参酌いたしまして、適正妥当な判断を下したい、このように考えております。
#39
○茜ケ久保重光君 意見が一致しない場合には併記してやる、これはいいと思うんです。あとは今度はあなた方の責任になるわけですが、やはり労働者の実態を把握して、できるだけそういう意見が実施計画に反映するようにぜひ御考慮を願いたいと思います。
 その実施計画の作成期間は橋の供用から二年以内とされており、変更も同じ期間に限られております。二年を経過後、旅客船事業の実態が計画と著しくそごを来したような場合はこれはどう扱われるのか。いわゆる二年以内はいいんですが、二年後にそういったことがあった場合にはどういうような処置をされるのか、これを答弁してください。
#40
○政府委員(永井浩君) 架橋の影響によります特に輸送需要の減少につきましては、従来の架橋の例から見ましても、おおむね二年あればその減少の傾向は十分把握されると考えておりますので、二年経過後の影響というのはまず生じないだろうと私どもは考えております。したがいまして、実施計画の申請あるいは変更の申請につきましては二年という年次で区切ったわけでございます。仮に二年経過後、大きな経済変動等によって需要の増減等がある場合もあるかと思いますが、それは架橋の影響というよりは、むしろ一般的な経済の変動等によるものと私ども考えておりまして、この場合には、一般の海上運送法の所要の手続によりまして必要な行政処分をしたいと考えております。
#41
○茜ケ久保重光君 架橋に伴う事業者等への影響が最小限となるように運輸大臣等の勧告権限も規定されているようでありますが、その内容はどういうものであるか。
 また、縮小航路ができる一方、拡大航路や新しい航路が考えられる場合には事業者に対して拡大航路等への優先免許等の措置があり得るのかどうか。いわゆる縮小業者が拡大航路ないしは新航路への優先的な処遇があり得るのかどうか、この点いかがですか。
#42
○政府委員(永井浩君) まず、勧告の内容でございますけれども、再編成の基本方針に従いまして関係事業者が実施計画を策定し、承認を受けるわけでございますが、たとえば競合いたします事業者との関係がうまくいかないというような場合には、その調整につき適切な対応をするように勧告をする。あるいは規模拡大等の事業者に対し、規模縮小事業者の規模縮小事業につきまして協力をするというような勧告をすることを一応想定いたしておるわけでございます。
 それから、労働問題につきましても同様でございまして、運輸大臣または労働大臣が必要な雇用の安定につきまして勧告をするということができることになっております。
 なお、新しい規模拡大地区の新規免許あるいは新規参入といった問題でございますけれども、今回の架橋の影響によりまして規模拡大が考えられますのは、先ほど申し上げましたように淡路島と阪神地区が一定の期間、つまり明石海峡の架橋ができるまでの間はかなり拡大するであろうと考えられておりますが、新しくそこへ新規参入を認めるほどの需要があるかどうか、これはなかなかむずかしい問題だと思います。こういった問題につきましては海上運送法の免許基準、需給をよく見て免許するということになっておりますので、この所要の手続によって処置したいと考えております。
#43
○茜ケ久保重光君 架橋によりまして旅客船の利用者が減少し、採算がとれなくなる。しかし橋がかからない島も多いが、これらの島は航路縮小または廃止により必要な足をもがれるという危惧があろうかと思うんです。これらのいわゆる架橋の恩典に浴さない島民の足の確保は先ほどお尋ねしましたとおりでありますが、さらにこの点も考慮されて、こういう縮小あるいは廃止する事業者がこういういま言った島々に新しい航路をつくるということは、これは具体的にはあり得ないだろうな、恐らく採算が非常にとれないだろうと思うから。したがって、先ほど局長も答弁されたように特別な措置をするとおっしゃっていたが、縮小業者とかあるいは廃止業者を優先的にこういうところに回す努力をして、国のある程度の助成をして事業者もこれはいいし、島民も助かる。これは一挙両得といいますか、そういうこともあり得るんで、これは実際にはなかなか困難な面もあろうと思うけれども、こういう点もひとつ努力してもらったらいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
#44
○政府委員(永井浩君) 大体架橋のメリットを受けない離島につきましても、現在恐らく縮小の対象となる事業者が航路を持っていると思います。そういうことでさらに経営が苦しくなるであろうことは十分予想されますので、先ほどもお答え申し上げましたように必要な助成を十分講じて離島住民の足を確保してまいりたい、このように考えております。
#45
○茜ケ久保重光君 航路指定を受けた事業規模の縮小等を行った者に対して交付金を交付するということになっておりますが、その内容はどのようなものなのか、ひとつお聞きしたいし、また、その交付金の額はどの程度見込まれているのか。これはなかなかむずかしいことだと思うけれども、実例等を示して、お聞きしたいと思うんです。
#46
○政府委員(渡辺修自君) 交付金でございますけれども、本四の連絡橋の建設に伴う影響を軽減する、その影響を軽減するための必要な費用を算出いたしまして、それぞれの合計額を交付金として交付するという仕組みでございます。法律では十一条に記載をしておるとおりでございます。
 まず、十一条第一号の関係でございますが、これは資産の減価を埋めるための費用でございますので、資産の現在価格から処分の見込み額を差し引きましたその差額というものが基本になろうかと思うわけでございます。
 第二号は、資産の撤去に要する費用でございまして、法令等によりまして事業をやめましたような場合に撤去を義務づけられているものがございます、桟橋その他でございます。こういったものを実際に撤去をするに要する費用でございます。
 第三号関係が、事業の転換を図るために必要な費用でございまして、事業転換のために適当な期間が必要でございますので、従前の収益相当額――これはやめる場合でございます、規模を縮小する場合にはその減益分の相当額になろうかと思いますが、これを基準といたしましてその二年分ということを考えております。
 それから、第四号が退職金の一部に充てるための費用でございますが、先ほど申し上げました退職金のいわゆる特別加算分を考えておりまして、給与等の基本月額の八カ月分に相当する額というふうに考えておるわけでございます。
 そこで、先生から大体全体でどのくらいになるんだというお尋ねがございましたが、これはそれぞれ積み上げの計算でございますので、いまの時点ではやはり相当の仮定を置きまして推定をするという程度しかまだできないわけでございますけれども、現在の状況に、余り大きな変化がないということで考えてみますと、一ルート三橋関係の事業者、先ほど四十七業者六十一航路というお話がございましたが、この関係で考えますと、大体二百億円程度ぐらいになるんではないかというふうに考えております。
#47
○茜ケ久保重光君 交付金の交付対象から関連事業者その他政令で定める者を除いているが、政令で定める者というのは何か、また、これらの者を除外している理由はどうなのか。前の方には関連事業者ないしは省令で定めた者というようなことが出ておりましたが、今度は関連事業者その他政令で定める者は除外するということになっておりますが、その政令で定める者とは何か、さらにこれを除外した理由はどういうことなのか。
#48
○政府委員(渡辺修自君) 関連事業につきましては、先ほど海運局長から御説明がございましたが、いわゆる代理店とかそういうものでございますので、本州四国架橋と直接の競合関係にあるというものではまずないのではないかという点でございます。またあわせて、一般旅客定期航路事業のように非常に強い法的規制を受けているものでもない。したがいまして、この本四架橋によります影響をある程度事前に回避することが認められているわけでございます。そういう点で、非常に強い法的規制を受けております一般旅客定期航路事業等とは若干異なるという点、それから数におきましても、先ほどの旅客船事業そのものに対しましては比較的数が少のうございます。場合によりましては、たとえば一般旅客定期航路事業等の合併等により現実的な対応が図れるという面もあるわけでございます。
 なお、塩業の整備及び近代化の促進に関する臨時措置法におきましても、直接関係者だけを対象としておるわけでございまして、こういったような意味から関連事業につきましては除外をいたした次第でございます。
 次に、政令でやはり同じように除外する者を定めることを予定しているわけでございますが、たとえば本四架橋による影響を受けることを当然予見することのできる立場にある方、たとえば規模縮小航路の指定があった日以後新たに旅客船事業を開始された方が仮にあったといたしますと、これは規模縮小になるのに新たに事業を始められるわけでございまして、そういう場合にはこれは当然ちょっと政令で除く必要があろうかと思います。
 なおまた、別の観点からいたしますと、本四架橋の建設によりまして本来の使命をもう終わるようなもの、たとえばこれは道路として建設するわけでございますが、仮に道路として旅客船あるいは渡船施設をやっているような場合がありますと、これは当然のことながら、こういう補てんないしは助成の対象にはならないであろうというふうに思うわけでございます。
 例として申し上げますならば、現在でも明石海峡につきましては日本道路公団がフェリーを運航いたしておりますが、これは仮に明石海峡の橋ができました場合には、補てんの対象というのはいささかおかしかろうと思うわけでございます。
#49
○茜ケ久保重光君 海運局長、いま関連業者が出ましたね。道路局長が説明したように、直接にはこの橋と関係ないけれども、この橋の建設で非常に大きな打撃を受ける旅客船の業者、その業者の下請とかいろんな関連して仕事している者の中で、それはなくなっても大した影響がないというのもかなりあると思うんですが、中には従属的に仕事をしている者もないわけじゃないと思うんです。そうしますと、業者も大きな影響を受けるが、したがってその関連業者も非常に大きな影響を受ける。こういう場合に、これは橋がかからなければ何も起きなかったことなんです。橋がかかったために直接業者は交付金を受けるけれども、いま道路局長の説明したのでは、関連業者は受けないとなりますと、何かそこに割り切れぬものをわれわれは感ずるんです。したがって、法的に関連業者に直接国が助成金を業者を通じて何か出せるようなことは、私はあることが望ましいと思うんです。
 お尋ねしたいのは、関連業者の中に本業者が受けた影響をもろに受けている、ほとんどその関連業者が今後営業ができないというようなことになる実態があるかどうか、これはいますぐにもし御説明できなければ、ひとつ何らかの形で調査していただいて資料でも欲しいと思うんですが、いまおわかりになっている程度で結構ですからお話しを願いたい。
#50
○政府委員(永井浩君) 関連事業者につきましては、先ほど道路局長からお話し申し上げましたような趣旨で事業者に対する交付金の対象から除いているわけでございますが、現在、精度がそれほど高い調査でございませんが、関連事業者も一般旅客航路事業者の諸作業の委託だけではございませんで、ほかに兼業をいろいろやっております、こういうのが大部分でございます。したがいましてもちろん影響はございますけれども、直ちにその事業全体が廃業するというようなことは余り考えられないんじゃないか、このように私ども考えております。仮にそういうようなおそれがある場合には、委託側の航路事業者あるいは県等と十分連絡いたしまして、しかるべき新しい事業のあっせん等を行うというようなことをやっていきたい、このように考えております。
#51
○茜ケ久保重光君 交付金の性格についてお尋ねをいたします。
 本法案は全体として特別措置とされているようでありますが、交付金はいわゆる補償、すなわち憲法第二十九条第三項に基づくものであるのか、あるいは別の配慮によるものであるのか、その考え方をお示し願いたいと思うのであります。憲法第二十九条第三項には「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」と規定しております。この憲法の第二十九条第三項でやられるのか、あるいはいま言ったように特別配慮でされるのか、この点を御説明を願います。
#52
○政府委員(渡辺修自君) 補償でやるのか特別の考え方でやるのかというおただしでございますが、この旅客船問題は、交通手段といたしましては確かに橋と完全に競合するものでございまして、その競合するゆえをもって非常に大きな影響を受け、事業規模の縮小とか廃止を余儀なくされるものがあるというわけではございますけれども、ただいま御指摘のございましたようないわゆる直接の財産権を収用したり使用をしたりというものではないわけでございます。そういった意味合いから、私どもはこれは損失補償という範疇に入るものではないというふうに考えているわけでございます。しかしながら、たびたび申し上げておりますように、この旅客船事業につきましては公共、公益性がある、それから非常に多大な影響を受ける、しかも橋そのものが国家的大プロジェクトであるというようなことでございますので、やはり転業なりそういった点につきまして特別の助成策を講ずる必要があるというふうに考えるわけでございます。また、塩業の場合であるとか二百海里の漁業の関係であるとか、こういったものにつきましての特別な助成の法律もあるわけでございますので、これらを参考にいたしまして助成策という意味での交付金という構成にいたした次第でございます。
#53
○茜ケ久保重光君 言いたいことはあるんですけれども、時間もありませんからひとつここでは言わずにおきましょう。
 今度の措置が、特に影響が大きいことから特別にとられた措置であるといたしますならば、今後同じような事例でどう対処するかによっては行政の不平等が生じることもあると思うのでありますが、見解はどういうことなのか。また、過去に同様な例があったならばどう措置されてきたのか、この点もあわせてお尋ねいたします。
#54
○政府委員(渡辺修自君) 今回のこの措置につきましては、本四架橋に伴う多大の影響があるということでございますが、他の架橋事業によりまして今回と同様に多大な影響があるということ、それから、したがって何らかの措置を講じなきゃいかぬというものが直ちに出てくるかという点については、私ども余りそういうことはないんではないかと思うわけでございます。他の事例におきましては、やはり架橋事業の性格であるとか地域その他関係者に及ぼす影響の程度、それから影響がありましてもそれを各地域でどの程度吸収できるかとか、それぞれ個別の内容に即しましてふさわしい解決を図っていくことが最も適切ではないかと思うわけでございます。
 なお、従来こういった事例があるかどうかという点でございますけれども、瀬戸内海に尾道大橋がすぐ因島のそばにございますが、そのほかいろいろ二、三の橋がございます。早瀬大橋、黒之瀬戸大橋、こういったところがございますが、特別の措置は一切とられておりません。とられた例といたしましては、やはり瀬戸内海にございます音戸大橋、それから九州の天草五橋、同じく九州の平戸大橋、この三例では、架橋事業が主体になって行ったわけではございませんけれども、関係の地方公共団体におきまして諸般の事情を考慮しまして、それぞれその補てんあるいは利子補給といったような措置がとられておる例がございます。
#55
○茜ケ久保重光君 次に、退職金支払い確保契約の業務は本四公団の業務としてはちょっと異質なように思われるのでありますが、本制度を取り入れた理由はどういうことなのか、お尋ねをしたいと思います。
#56
○政府委員(渡辺修自君) この退職金支払い確保契約でございますけれども、たびたび申し上げておりますように、旅客船事業は、橋ができまして使われるその直前まで旅客運送事業をしなければいけないという義務があるわけでございます。ということから、たとえば離職者が生ずる場合でも計画的にやめていくということができない。一時に多量の離職者を出さざるを得ない場合もあるわけでございます。と申しますことは、直ちに一時に多額の退職金の支払いを行わざるを得ない。何らかの形でこれを積み立てておく必要があるわけでございます。しかしながら、現在退職金の支払いにつきましては内部留保による場合と外部積み立てによる場合があるわけでございますが、内部留保の場合は、所要の退職金、たとえば全員が一度にやめたと仮定した場合の退職金の四〇%までしか非課税で積み立てができない制度になっております。また、外部積み立てといたしましては中小企業退職金共済制度であるとか特定退職金共済制度といったものがあるわけでございますけれども、これは外部に積み立てるわけでございますが、これらの制度は特定の退職者を受益者とするという制度でございまして、退職者を確定した上で運用がなされる制度でございます。今回の本四架橋の場合のように退職者が確定をしていない段階であらかじめ積み立てておくということにつきましては、いまあります外部積み立ての制度もなかなか適用しがたいという点があるわけでございます。
 そこで、計画的に所要の退職金の積み立てを行った場合に税法上も適切な措置が講ぜられるようにする、それから本四架橋の供用に伴う現実の離職の形態に即した形で退職金の確保を図るという意味でこの制度を創設をいたしたわけでございますが、本四公団がこれを扱うというのは、確かに御指摘のように若干公団の業務の内容から言いますと異質な業務ではございますけれども、やはり本四公団が橋の事業を直接実施をいたしておりますので、旅客船業者の方と契約を締結するにいたしましても、橋の事業の実態を把握しております。離職者がどの程度発生するかということにつきましてもある程度の見通しを立て得る立場にあるわけでございます。それから安全確実に運用をしなければいけないという点では、非常に公団でございますから間違いはないというような点を勘案いたしまして、本四公団でこの業務を行わせるように関係方面と折衝いたしまして御理解を得た次第でございます。
#57
○茜ケ久保重光君 山根理事、いま言った退職金をあなたの方で払うわけだな。この退職金を本四公団で支払うという業務をやるのは迷惑じゃないか、困っているんじゃないか。それはしようがない、政府から言われればいやと言えないから。土建屋さんは穴掘ったりするのはうまいが、しかし、離職者に対して退職金を払うという業務は余り得手じゃないと思うのだ。山根君自体が技術屋なんだから。だから、本四公団がその退職金の支払いをやることは迷惑じゃないかと思うのだ。迷惑なら迷惑とはっきり言えば、これはまた道は生まれてくる、迷惑なものを無理にやっちゃいかぬのだから。決して、大臣がいらっしゃるけれども何も遠慮することないからはっきり言ってください。
#58
○参考人(山根孟君) 私どもにこの法律で課せられようとしております業務の内容には、まず一般定期旅客事業者に対する先ほどの交付金の交付という仕事もあるわけでございます。交付金の支払いでございます。現実に縮小を余儀なく、あるいは廃止を余儀なくされた実施計画等に基づいて行われましたものを確認をいたしまして、それに対する見積業務、支払い業務等もやるわけでございます。その中には特別退職金の額等も含まれたものになるわけでございます。
 そういったただいま御指摘の退職金支払い確保契約と申しますのは、いわば事業者の方が一般退職金を前もって積み立てておこうということでございますから、性格としましてはなるほど異質だという点もあるわけでございますが、やはりこれらは全体としては旅客船等に関しますいわば事業者対策であり、従業者の方々に対する一環の仕事であるというぐあいに考えますと、私どもは大変限られた人数でやってまいらなければならないわけでありますが、しかし、これは私どもがやってまいらねばならない仕事である、こういう点では、まさにこの支払い確保契約に関する業務につきましても遂行してまいらねばならぬ、かように考えるわけでございます。
#59
○茜ケ久保重光君 なかなか公団は殊勝な考えですが、やはり物事は得手不得手はあるし、やってはならぬこともある。それはしかし、公団でお金を払うということもあるいは仕事をスムーズに推進させる一つのあれもあるかもしれない。私が心配するのは、ああいうすばらしい仕事をする技術的なあれは、これはもう一応敬服する、しかし、さて勘定になるとどうかなと心配なわけだ。まあ殊勝な公団の気持ちを了としてこれはこれ以上言いませんが、要するに、万遺憾なきようぜひお願いしたいと思います。
 不幸にして仕事を失った人たちには離職者求職手帳を交付して職業指導、職業訓練等を行い、また雇用対策法に基く給付金の支給等が規定されておりますが、職業訓練等の体制はどうなっているのか。また、これらの措置によって特に中高年齢層の職業転換がスムーズに運んでいくのか。過去、特定不況業種あるいは二百海里に伴う漁船員等で同じような措置がとられているようでありますが、これらの実態はどういうふうに効果を上げているか。
 実は、一昨日の現場における事情聴取、意見聴取を聞きましても、海員の皆さん方も非常な苦悩を訴えておられました。いまさらおかに上がって何ができるか、あるいは長い間大きい船なら別として小さい船で働いた、もう何か海員組合の代表の方のお話によると、かわいい娘さんを大学にやるのはあきらめて就職させたり、また何か遠方に行って家族と別れてといろんな実例を挙げての話がありました。したがいましてそういうことを勘案すると、言葉の上では転業あるいは職業訓練等と言っておりますけれども、実態はなかなか容易じゃない。これに対して政府はどのような温かい施策を実施し得るのか。余りきれいな言葉は必要ないから、現地の皆さん方が心から納得できるような思いやりのある施策がありますならばここでひとつお示しを願いたいと思います。
#60
○政府委員(鈴木登君) 離職者に対しては、先ほどからも話題になっておりますとおり就職促進給付金の支給ということでやってまいるわけでありますけれども、特に御質問の就職の職業訓練につきましては、本人の能力、適性あるいは将来の希望職種というものがいろいろ違いますので、それに応じて機能的、効果的な職業訓練をやっていきたいと思っております。
 いろいろ希望がありますけれども、そのうち船員になりたいという人につきましては、私どもの海技大学校の分校、これは七尾と児島にこの間設置しまして、特に児島が近うございますのでそれを利用していただきたい。それからまた、財団法人日本船員福利雇用促進センターというのがありまして、これは離職船員の再就職というもの、特に海上への再就職というものを中心に設立された財団法人でありますけれども、それも教育訓練施設を持っておりますので、その辺をフルに利用して海にもう一度戻りたいという人たちの職業訓練を実施したいと思っております。それからあとまた、船員の中でも陸の職種につきたいというような方につきましては、労働省の所管でありますけれども、雇用促進事業団あるいは都道府県の公共職業訓練施設でいろいろ御尽力をお願いするとかということもありますし、それから本四公団の方でも、本四公団の関連事業に就職を希望している方々につきましては、それへも研修を実施していただくということでほぼ話がついている次第でございます。
 それから、第二番目の御質問の中高年齢層に対する方策でありますけれども、大体中高年齢層が四十歳以上といたしまして離職者の四四・五%ぐらいを占めるだろうと思っております。それでそういう人たちに対してどういうふうな対策をとるのかということにつきましては、就職促進給付金におきましても今回の法案の中で特に中高年齢層を重点的に対処しておりまして、四十五歳以上の方々には就職促進給付金のうち就職促進手当をそのほかの方々よりも二カ月長く支給するとか、あるいは船員保険法の失業保険金の九十日の個別延長があるわけですけれども、これも四十歳以上の人にだけ九十日の個別延長を実施いたすことにしておりまして、それ以外の若い方には六十日の個別延長しかしない。したがいましてプラス三十日の個別延長をするという措置もとっております。そのほか個々の具体的な就職指導、再就職のあっせんということにつきましても、私ども現地に就職相談員を置きまして、若年層はほうっておいてもかなり就職先がありますから、特に中高年齢層に重点的に就職指導をやっていきたい、かように考えております。
 それから、三番目の御質問の過去に離職した人たちで漁船員等で同じようなどういう措置を講じてきたのかということにつきましては、船員関係につきましては三つほど法律がありまして、一つは漁業再建整備特別措置法、これは国際情勢などで減船を余儀なくされた捕鯨業とかあるいはカツオ・マグロの乗組員に適用する法律でありますし、それから国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法、これは五十二年の法律でありますけれども、カナダとかあるいはソ連とかあるいはアメリカとかいう、そういう国際協定に伴いまして減船を余儀なくされた漁船の乗組員に対する保護策。それから一般的な船舶につきましては、船員の雇用の促進に関する特別措置法とありまして、これは内航船舶だとかあるいははしけだとかそういう社会情勢の変化によりまして不況に立ち至って減船を余儀なくされた乗組員、そういう人たちに対する保護策ということでいろいろと措置を講じております。
 ちなみに申し上げますと、いわゆる最初に申しました漁業再建整備特別措置法につきましては、過去二百五十九人に対しまして三億九千七百万円ぐらいの奨励金を支給しております。それから国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法によりましては、過去六千六百四十六人に対しまして四十八億六千万円余りの支給金を支給しております。それから最後の船員の雇用の促進に関する特別措置法によりましては、千五百五十四人に対しまして四億三千三百万円ぐらいの支給金を交付しておるような状況であります。
 それによりましてどの程度の再就職が可能になったかという点につきましては、この三法別の実は統計をとっておりませんので、数字はちょっといまわかりかねるのでありますけれども、かなりの効果を私どもは上げておるのだろうという感じでおります。
#61
○政府委員(丘英夫君) 船員関係についてお答えございましたけれども、私ども陸上部門の方なりあるいは海員以外の陸上関係といいますか、そういうふうに職種転換をして再就職を希望される方は私どもの公共職業安定所で求職申し込みをされたりいろいろな手続きをされる、こういう関係になります。
 お尋ねの中に、まず過去のいろんな求職手帳の問題がございました。すでにお答えございましたもののほかに特定不況業種離職者臨時措置法の関係で、造船なんかを中心に不況業種から非常に大量の離職者が出たわけでございます。その数字をちょっと御報告申し上げたいと思いますが、ことしの三月までの間にこの特定不況業種の求職手帳の発給を受けた者の数が八万八千五百四十二人でございます。そのうち就職した者の数が五万七千四百七十一人、約六五%ということで、残りの方がまだ雇用保険の受給をしたり、あるいは手帳に基づく手当の支給を受けながら訓練を受けたり職業指導を受けているというような状況でございます。
 先生御指摘のように、中高年齢者の再就職というのは日本の雇用慣行のもとでは非常に困難がございます。企業としてはできるならば新規学卒を雇用してずっと雇っていくという雇用慣行のもとで中高年齢者の求人数がどうしても少ない。それからまた、たとえば船員から陸上部門にかわるというふうに中高年になりましてから職種転換をするということは非常に困難がございます。いろいろな意味で中高年齢者の雇用というものは非常にむずかしい問題がございますので、先ほどもお答えございましたように、中高年齢者に特に手厚くいろいろな措置をこの法案で考えているわけでございます。
 たとえば、船員から陸上部門にどうしてもかわらねばならないというような場合には、結局新しい職種の職業訓練というものを受けて新しい技能を身につけて就職していくことが重要でございます。都道府県立の職業訓練校なりあるいは雇用促進事業団で行っております職業訓練校で現に中高年で転職のための訓練を受けていらっしゃる方、非常に熱心にやっておられます。訓練をして技能を身につければ、それを生かして再就職という道が開けていくわけでございますので、私ども訓練の開始の時期の問題なり定員の問題なりいろいろありますが、この法案がもし実施になっていって具体的にそういう希望者が出てまいりました場合には弾力的にそういう訓練を実施していく、あるいは公共の訓練施設では訓練が不十分といいますか、職種が合わないとか十分対応できないような場合には、民間の事業主に直接委託して行う委託訓練というような方式もございますし、あるいはまた、採用してみたいがどうかなというような不安な事業主には、職場適応訓練というような形でその事業主のもとで訓練をしていただいて、終わったら雇っていただくというような方式とかいろいろなものを活用して、中高年齢者の再就職の促進に努めてまいりたいと思っております。
#62
○茜ケ久保重光君 これは言うことはやすいのだがなかなかむずかしい問題で、私らもここでしっかりやれと言うけれども、じゃあとなるとむずかしいのです。そこで、これは二百海里問題とか、造船は不況なんだね。相手はわからないのだな、原因を。ところが今度の場合は国がするわけだ、主体なんだな。国がやるのだからはっきりしているわけだ。国がそういう仕事をするんだ。国が仕事をやっているのであって、そこでひとつむずかしいけれどもできるだけ努力してもらいたい。
 と同時に、同じできないにしても、やはり関係者のこれは人間的な問題になると思うのだが、同じことでも相手の立場を本当に理解して、相手の気持ちに溶け込むような接触ができれば違うのです、同じ結果でも。私がさっきから言っているのはそれなんです。できるかできぬかわからぬし、なかなかむずかしい問題もあるけれども、同じできないにしても何かかつんとしたのと、本当に相手も弱い立場だし苦しんでいる立場、それに対してやはり心のなごむような接し方があると思う。そういうことでやっていけば仕事もうまくいくし、相手方もまたずいぶん違うと思う。そういうふうにひとつ対策をぜひお願いしたい。これは人間の問題はむずかしいけれども、むずかしいからといってやっぱりやらなきゃいかぬのだ、それをお願いしたいと思う。これは答弁要りません。
 次に、法案の第二十四条では、国及び地方公共団体の努力義務を定めておりますが、その内容はどんなものか。単なる努力規定だけで終わることなく、積極的に事業転換、雇用の確保等に対応していくべきだと思うのでありますが、これもいま言ったように、ただこうしますじゃなくて、当事者がじいんとくるようなことであってほしいと思うのだが、いかがでございますか。
#63
○政府委員(渡辺修自君) 二十四条の一項におきましては、「(国等の施策)」の中に事業の転換のための措置といたしまして、「必要な資金の確保又はその融通のあっせん」ということを規定しておるわけでございます。幾つかの制度がすでにあるわけでございます。それについて申し上げますと、中小企業金融公庫における事業転換貸し付け、これは設備資金と運転資金と両方でございます。それから国民金融公庫におきます事業転換、構造改善貸し付け、これは設備資金だけのようでございます。それからなお、若干適用の範囲は狭くなるようでございますけれども、中小企業事業団における高度化資金貸し付けというような制度もございます。これも設備資金でございます。こういった制度金融のために必要な資金の確保であるとか個別具体の融資のあっせんということを私ども一生懸命努力をさしていただきたいと思うわけでございます。
 なお、こういった制度的なもの以外にも各地方公共団体等におきましても、いろいろの社会情勢の変動に対応いたします対策をすでにお持ちのところもございまして、こういった点につきましては今後とも私どもも地方公共団体にもいろいろ御協議を申し上げ、またお願いをし、積極的に取り組んでいただくようにやってまいりたいと思うわけでございます。
 なお、職業指導、職業訓練等につきましては先ほど運輸省、労働省からお答えがございましたので省略をさせていただきます。
#64
○茜ケ久保重光君 最後に環境庁にお尋ねいたします。
 瀬戸内海は代表的な日本の景勝地でありますが、そのことがやはり本四架橋がなかなか決定しなかった理由でもあると思うのであります。美しいあの自然を今度は橋げたが一橋をかけるという技術については、これは世界的なものらしいんですが、それは今度は景観その他に対する問題点がいろいろあろうかと思うんです。それで、あの本四架橋と自然との調整あるいは環境保全の問題が当然あるわけであります。この架橋に関する環境評価、いわゆるアセスメントは事業主体の本四公団が実施をし、縦覧を経て環境庁が認可したといういきさつをたどっております。しかしそのアセスメントのあり方について、現地や各種団体からは種々の批判が出ていることは、これは当然だと思うんです。
 そういうことを踏まえながら環境庁にお尋ねしたいのは、公団が実施した環境評価に対する環境庁の見解の説明と指摘事項等は何か付されているのか、その点についての説明、自然環境、生活環境に大きな影響が予想されるこうした大型プロジェクトの場合、事業主体みずからがアセスメントを実施する現行制度は問題が多いと思うのでありますが、この点についての環境庁の見解。
 第二点として、現在の制度ではアセスメントに対する地域住民の関与の方法、住民参加が十分でないと思うんです。住民理解と協力が得られないままに事業に着手することは、これは現在のところやむを得ないと思うんです。たとえば日弁連シンポジウムでも問題を指摘しているとおりであります。公共事業等は、通常はその地域の開発整備が中心課題のはずでありますし、今後の制度確立のためにも環境庁の見解を明確にしていただきたいと思うのです。
 最後に、第三点として、環境庁は五十四年度から環境保全基金の制度を発足しているようでありますが、制度の目的、資金構成、対象事業、事業実績等についての御説明を簡潔にお願いをしたいと思います。
#65
○説明員(森下忠幸君) 第一の点についてお答え申し上げます。
 児島―坂出ルートの連絡橋事業につきまして、これにつきましては環境庁が環境影響評価の基本指針というものを五十二年に御提示申し上げまして、これを受けた形で建設省、運輸省が環境影響評価の技術指針それから技術指針の実施細目をおつくりになりました。これに基づいて評価書案を公表され、住民の意見を求められ、知事、市長、町長さんの意見を求められ、環境庁長官も意見を申し上げ、これに基づいて環境影響評価書を公表されたということになっておりまして、私どもといたしましてはこの基本指針に基づいて適正な環境影響評価が実施されたと考えております。内容的にも地域環境保全の観点からも意味があったというふうに考えておるわけでございます。
 環境庁長官がこの評価書案に対しましてどんな意見を申し上げたかということでございますが、環境庁といたしましては評価書案を十分慎重に審査いたしまして大気の関係、大気質それから騒音、水質、自然環境等について意見を述べたわけでございまして、この意見に対しまして公団の方からは御見解が示されるとともに、あるものにつきましては最終評価書の中に私どもの庁の意見が反映されているという形になっております。
 なお、案件によりましては、細かい事項によりましては調査や検討に時間を要するものもございまして、こういうものにつきましては、引き続き公団が調査を実施しているというふうに御報告を受けておるわけでございます。
 それから、お尋ねの中で、大きなプロジェクトについて事業主体が自分でアセスメントをやるのはどうか、現行制度上問題があるのではないかというお尋ねでございますけれども、この本四連絡橋を初めとしまして、わが国で行われております大きな事業のアセスメントはおおむね事業者が実施しておるわけでございますが、なぜ事業者が行うのかということにつきまして、環境庁は、次のような理由から適当であると考えておるわけでございます。
 一つは、環境に大きな影響を及ぼすおそれのあるような大規模事業を行おうとする者が、事業の実施に伴う環境への影響について自分の責任でこれを調査し、予測し、評価をし、その結果を地域住民や地方公共団体に見ていただきまして、その意見を受けてこの評価書を作成する。これは事業者の責務である、事業者の義務であるということから適当であるということが一つ。
 それからもう一つ、この調査、予測、それから評価を一体として事業者がやるということによりまして、この評価の結果に対しての事業者の責任が明らかになる。そして、この評価をしたということだけでなく、この評価の結果を事業者の具体的な事業の計画や公害防止の措置の中に反映させるということにより、環境に配慮した事業計画が策定されることになるということで適当だと思っております。
 もっとも、先生御指摘の中にあるかと思いますけれども、この事業者の行います、こういった手続がばらばらであってはいろいろ問題があるのじゃないかということもございますので、環境庁といたしましては、国が関与する事業につきましてはこういった手続を統一的にやることが必要だと考えておりまして、そのための準備をいろいろ考えておるところでございます。
 第一の御質問に対して私の方からお答えいたしました。
#66
○説明員(清水良次君) 住民関与に関する御質問ございました。
 御指摘のように、適切な住民関与を行うということは、環境影響評価の手続の中で非常に重大な柱の一つであるという認識に立っております。こうした認識に立ちまして、ただいま申し上げました基本指針、この基本指針の中でも環境庁といたしましては、住民関与の手続といたしまして、評価書案の縦覧のこと、説明会を開催すべきこと、それから関係住民の意見の提出といったようなことなど、適切な住民関与がなされるようにこの基本指針の中で明らかにいたしてきているところでございます。こうした住民関与の適切なルールづくりをいたしますためには、ただいまも申し上げましたけれども、政府が現在国会に御提案を申し上げております環境影響評価法案、これを御審議を賜りまして、一日も早く、いわば法律に基づく環境影響評価制度の確立を図っていくということが重要なのではないだろうかというふうに考えている次第でございます。
#67
○説明員(高峯一世君) 第三点の御質問にお答えします。
 本州四国連絡架橋自然環境保全基金についてのお尋ねでございますが、まず、これの目的でございますが、児島−坂出ルートが建設されますと、これは瀬戸内海国立公園の中央部に新しい橋というのができるわけでございまして、この新しい構築物を自然景観にマッチさせるためにはいろいろな施策、事業が必要でございます。これにつきましては、国なり地方公共団体が当然いろいろやるわけでございますが、国、地方公共団体でございますと、法令やら予算やらの制約がございましてきめの細かいところまで手が届かない。それをカバーするために、地域の関係のある方々から基金を出資していただきまして、それでこの自然環境保全基金をつくりまして、それがきめの細かい事業をいたしまして、構築物と自然環境をマッチさせるような事業をするという趣旨のものでございます。
 それから、資金構成でございますが、この資金につきましては地元の岡山、香川両県から二億、それから地元関係の方々の出資が現在二億五千万、合計四億五千万が集まっております。なお、出資につきましては関係者の御助力を得まして、できるだけたくさん集めましてりっぱな事業をやりたいと考えておるところでございます。
 対象事業でございますが、大きく分けまして五点ございまして、一つが自然環境の保全のために必要な土地の買い上げとか、それから工事に伴う荒れ地に対する緑化修景、それから美化清掃事業といったものに対する助成を行う。それから自然環境保全のために協力していただく土地所有者に対して奨励金を交付する。それから自然公園の適正な利用のために必要な施設の用地の買い上げに対する助成。それからあの周辺の自然環境の保全。それから自然公園の適正な利用に関します調査研究。それからそれに関連いたします自然保護思想の普及。こういったことを事業の対象といたしております。
 現在、五十四年の末にスタートいたしましたので、まだスタートして一年余でございますので、現在やっております事業は、思想普及の事業といたしましてパンフレット、リーフレットの作成。それから岡山、香川の観光協会が美化清掃事業をやっております。それに対して補助金を交付しております。
 それから、調査研究事業といたしましては、基金が中心になって行います自然環境の事業をどのように実施していくかというマスタープランをつくるための事業計画の調査をいたしております。これにつきましては、環境庁で五十五年度二千万、五十六年度一千八百万の調査委託費を計上いたしまして、これに基づいて実施しておるのでございます。さらに、本四公団からも自然環境調査についての調査の委託がなされまして、これを実施しております。
 以上が基金の現状でございます。
#68
○理事(増田盛君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十分まで休憩いたします。
   午後零時十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十一分開会
#69
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#70
○二宮文造君 午前中に続きまして、提案の議題につきまして若干質問をいたしたいと思います。やはり問題の性質上、少々茜ケ久保先生の御質疑に重複する面もありますが、お許しをいただきながら質問を進めたいと思います。
 まず、本案の前に、本四架橋の実施に係る問題について若干お伺いをしておきたいと思います。
 けさも質疑がございましたが、去る四月十七日に第二次臨時行政調査会の第五回会合で、二年がかりで審議する行政改革の基本的調査審議事項と、七月上旬をめどに答申をします当面の緊急課題が決められております。その当面の緊急課題の中で、支出削減策の一環として既存大型プロジェクトの一時凍結という問題が掲げられておりました。総理もそれを補足するように、大型プロジェクトの見直しを言明されております。これによりまして、本四架橋の一時凍結という可能性もこの文案で見る限りやや心配になってくるわけでありますが、冒頭に大臣の所見を伺っておきます。
#71
○国務大臣(斉藤滋与史君) おただしの件につきまして私も大変頭を痛める問題でございます。国の重要施策としての行政改革、財政再建につきましては、われわれは積極的にこれに協力しなければならないわけでありますが、いま御指摘の第二臨調で言われる大型プロジェクトの凍結という問題、さてこの本四架橋まで含めるかということが問題であろうかと思います。一律に大型プロジェクトといっても、いろいろとそれぞれ大きな目的があって執行された問題でありますだけに、大きなプロジェクトとなって実現を図っておるわけでありますが、この本四架橋はいささかほかの大型プロジェクトと違うような意味合いを持っているのではなかろうか、私はかように考えます。
 といいますものは、やはり国土の均衡ある発展、あるいは地域の経済の発展を図るというような意味合いもありますけれども、何といたしましても四国の方々が本土とつながるという四百万の方々のこれは歴史的な切実な悲願であったろうと思います。これがいま科学技術の進歩によって実現しようとしておるところ、しかもその効果は非常に大きいものがあるわけであります。均衡ある発展もそうでありましょうけれども、西部地域の経済圏に及ぼす影響、あるいはとかく瀬戸内航路の安全を脅かすような事故等を考えましたときに、あらゆる角度からこれはもう一日も早く成し遂げていかなければならない問題でありますだけに、いろいろな状況につきましてはよくわかっておりますが、何としても私は継続をして促進を図ってまいりたい、このように考えるものでございます。
 歴史的な悲願、そしてこれが計画にのせられて十何年たち、本四架橋公団ができてもう十四、五年たちましょうか。しかも三ルートを、いろいろな状況があって一時凍結されましたけれども、とにかくやるということで一ルート三橋というような問題の実現性を求めてきておるわけで、あれこれ考えましたときに、どうしても他の大型プロジェクトと同一の考え方で律すべき問題ではない、このように考えますので、いろいろなむずかしい問題はあるのは承知いたしながらも、やはりこの問題だけは継続して促進を図っていかなければならない、また図るべきである、また図るように努力する、このように私は考えているものでございます。
#72
○二宮文造君 ただいま大臣から連絡架橋につきまして、四国の四百万の県民の願望あるいは長い経過を振り返りながら、ぜひこれは推進をし実現、をしてまいりたいという力強い発言があったわけでございます。
 ちょっと大蔵省にお伺いしたいんですが、本四架橋の建設の促進につきまして、大蔵省は完成をするのは児島―坂出ルート一本にしぼって、ほかの二ルートは現在建設中の橋が完成したら当分の間建設を中止したいと。ほかの二ルートといいますと、いわゆる一ルート三橋がついせんだって一橋加わりまして、もうすでに大三島橋は供用を開始しておりますから、残るところは一ルート三橋となりますが、それが完成をしたら当分の間建設を中止したい、こういう意向を漏らされておりますが、この点はどうでしょうか。
#73
○説明員(保田博君) お答えをいたします。
 大蔵省といたしましては、本四連絡橋について一ルートのみの促進を図って他の三橋についてこれは抑制ないし中止をするというようなことを決定したつもりはございません。
#74
○二宮文造君 逆説論法でこう言われると、ついしまいの言葉まで耳を傾けなきゃならぬようなことになりますが、要するに、すでに着工しているものについては一時凍結はない、このようにわれわれも理解してよろしゅうございますか。
#75
○説明員(保田博君) 大規模プロジェクトを今後どういうふうに進めていくかということにつきましては、われわれとしましては、大規模プロジェクトであるがゆえに一律に扱いを決めるというようなかたくなな態度はとっていないつもりでございます。
 お尋ねの一ルート以外の三橋についてどう扱うかということでございますけれども、われわれとしましては、これらのプロジェクトの国民経済に与える影響でございますとか、あるいはこれらのプロジェクトは多くの資金を有利子の財投資金に頼っておりますことから、これらの事業を中途で中止し、あるいは抑制することが将来のこれらの事業の採算に与える影響といったようなことをも考えあわせてその扱いを決めたいと考えておるわけでございます。
 いずれにしましても、本四連絡橋の今後の事業の進め方につきましては、先生の御質問の中にございましたように第二臨調におきまして、そのほかの大規模プロジェクトと同じくいろいろ多角的な角度から御検討があろうかと思います。われわれといたしましては、その御審議の状況なり答申の結果なりを極力尊重いたしまして、担当の事業官庁等々とも相談をいたした上で結論を得たいというふうに考えております。
#76
○二宮文造君 よけいなことを私聞いたような気がして、大臣の答弁そのままではしょった方がよかったかともいま考えておりますが、しかし主計官のお話でございますので、何といってもやはり政治的な意味は大臣の答弁の方に尽きていると私は受け取りまして、次の質問に入りたいと思います。
 この架橋のこれまでの進捗状況でございますけれども、けさほども答弁がございまして、児島−坂出ルートについてはルートを六十二年に完成をしたい、それから大鳴門橋については五十八年ないし五十九年、それから因島大橋については五十八年というふうに答弁をいただいたように伺いましたが、伯方・大島大橋については完成の予定年次はいつと見られておりますか。
#77
○政府委員(渡辺修自君) 伯方・大島大橋につきましては去る三月に起工式を行いまして、ただいままだ準備工に着手をしたという状況でございます。今後工事を進めていく間にやはりいろいろ工事の状況等からだんだん判断をいたしたいと思いますし、またこういう時期でございますので、予算関係が今後どうなっていくかまだ不確定なところがございますので、伯方・大島につきましてはまだ完成の見通しを立てていない状況でございます。
#78
○二宮文造君 この辺がどうも怪しくなってくるわけで、大臣にせっかくの御努力をお願いしたいと思うわけです。あの方面の離島の問題については大臣の方も頭の中に地図がございましょうが、とにかく伯方・大島大橋も離島関係の方にとっては非常に渇望する橋でございますので、また関連する大三島橋がすでにできておりますが、それの供用開始をしてもそれにもまた非常に影響も出てくるというふうに私は思いますので、ぜひ御努力いただきたい。
 そこでA、D、Eと順次私もぜひただしておきたいと思う問題について質問を進めてまいりたいと思いますけれども、Aルートの大鳴門橋でございますが、この大鳴門橋に、関連をします淡路島の島の中の一般国道二十八号、いわゆる淡路縦貫道の事業区間はどこまでを考えておりますか。
#79
○政府委員(渡辺修自君) 淡路島内におきます二十八号の事業につきましては、大鳴門橋を淡路の方へ渡ってまいりまして、それから西淡−三原−洲本等を経まして津名インターチェンジまでを事業区間というふうに考えておるわけでございます。これにつきましては、島内における交通需要であるとか関連道路の計画、それから淡路と阪神間のフェリー、これが明石ができる前は、橋を渡ってきました交通量もフェリーで阪神間に結ばれるわけでございますので、フェリーの就航状況といったようなものを勘案いたしまして、大鳴門橋から津名インターチェンジまで約三十三キロというふうにしておる次第でございます。
#80
○二宮文造君 予定によりますと、津名インターチェンジから淡路インターチェンジ、いわゆるその間に北淡とか東浦とか淡路インターチェンジというふうに予定としては線が入っていたわけでございますけれども、特にいま御説明のように、津名インターチェンジから一番北端の淡路インターチェンジまでの間を大鳴門橋関連から除外した理由はどういうふうに説明されますか。また、じゃ除外をしたこの区間の事業着手の見通しをどう思っておられるか、二点あわせて伺いたい。
#81
○政府委員(渡辺修自君) 除外いたしました理由といたしましては、先ほども申し上げましたような関連道路の計画を立てながら進めなければいけないわけでございますが、たとえばインターチェンジからいきなり細い道を通って在来の二十八号に出るというのもむずかしいわけでございまして、二十八号のたとえば手当て等もしながら進めていかなきゃいかぬというようなこともございまして、いまのところ津名インターチェンジあたりがそういった意味でも適当でございます。二十八号の津名バイパスもいまちょうどやっておるところでございます。そういうようなこと、それからフェリーの就航状況等から見まして、津名でいまのところ切っておくのが最も適切であろう。岩屋まで参りましても、あそこは非常に地形も急峻でもございますし、もうちょっと手前で切る方が交通処理上もいまのところよろしかろうという意味でございます。なお、明石海峡の橋がまだ凍結状態ということになっておりますので、これが具体的に始まらないという点も当然考慮の中には入っておるわけでございますが、私どもといたしましてはこの明石の計画をさらに程度を高めていく調査あるいは試験をやっておりますけれども、これとあわせまして津名インターチェンジと淡路インターチェンジ間の道路の調査につきましても進めております。ただいまのところそういったもろもろの条件を勘案いたしまして、事業化の見通しはまだ立てておりません。
#82
○二宮文造君 それからもう一点、この大鳴門橋につきましてけさほども説明がございましたけれども、
   〔委員長退席、理事茜ケ久保重光君着席〕いわゆる鉄道と道路の共用部の費用負担の割合が当初より変わりました。五十五対四十五が八十九対十一、いわゆる鉄道が百分の十一という割合になりました。この辺の事情を説明をいただいて、それに関連してもっと質疑を続けてまいりたい、こう思いますが……。
#83
○政府委員(渡辺修自君) けさほど実は、当初五十五対四十五と申し上げましたのがちょっと私の記憶違いでございまして、Dルートの話でございまして、間違えておりました。申しわけございません。当初大鳴門橋は五十九対四十一でございました。ところが最近の経済社会の状況の変化によりまして、大鳴門橋を通ります予定の四国新幹線の建設のめどがまだどうもひとつはっきりしないというようなことで、大鳴門橋の鉄道分の先行投資をなるべく少なくしておきたいというお話があったわけでございます。負担割合をできるならば少し変更して、鉄道分を減らしてほしいというお話でございます。そこで工事をどんどんやっておるところでもございまして、いろいろ検討いたしました結果、大鳴門橋の複線の鉄道が乗る予定でございますのを、線路は二つ敷きますけれども、実際には一列車しか乗らないということで、少し鉄道分の負担を少なくするということにいたし、かつ道路橋としての支出分を優先的に先出しをする、足らずまいを鉄道で負担をしていただくということにいたしまして、八十九対十一に変更した次第でございます。決定をいたしましたのは五十四年一月でございます。
#84
○二宮文造君 それらのことを、ずっとAルートの変遷というものを振り返ってみますと、結論として明石海峡大橋の併用橋がきわめて至難ではないだろうか。絶対にむつかしいということではなくて、いまだ技術的に検討の段階にある。現地でも、ならば道路単独橋に明石海峡大橋を考えてもらえないだろうかという意見が非常に強くなってきた。にもかかわらず、大鳴門橋については併用橋でいままで進んできた。しかし国鉄の財政再建とか何とかという問題も出てくるし、当分供用開始の目鼻もつかないので、費用負担も軽くするというふうな、いわばAルートには鉄道新幹線が乗る構想であったのが大分後退をしてきた、こういう実情の中に、私は、費用負担の割合等もこのように変わってきたのではないかと思うわけです。
 ところで、兵庫県にしても淡路にしても、あるいはまた関係の自治体にしましても、このAルートを何か本土につなげるようなそういう構想はないもんだろうか。明石海峡大橋が併用橋がむずかしいとするならば、あるいはトンネルをつくったらどうだという意見もあり、最近は特に和歌山県等が非常に力を入れまして、紀淡海峡のトンネル構想というものを打ち出している。さらには南海電鉄がこの和歌山県の呼びかけに呼応いたしまして、これに国鉄の大阪支社というんですか、そちらの方も合同いたしまして、それらの紀淡トンネル構想というものが非常に熱意を持って構想をまとめ始めている、こういう状況が伝えられておりますけれども、運輸省の方にお伺いしたいんですが、紀淡海峡のトンネル化というのは技術的に青函トンネルに比べて楽だというふうに言われておりますが、その辺はいかがでしょう。
#85
○政府委員(永光洋一君) 紀淡トンネルの構想につきましては、地元の地方公共団体等が中心になりましてそういう構想を進めるといいますか、検討しておることにつきましては承知いたしております。それで、このトンネル化につきましては、技術的に青函トンネルとの比較はどうか、あるいは可能性はどうだとか、こういう技術的なお話でございますが、われわれも実際上、具体的に難易度につきましてまだ調査を行ってはいないので断言することはなかなかできないわけでございますが、青函トンネルの掘削に伴いますところのいわゆる開発された技術というものを駆使してまいれば、当該紀淡海峡のトンネルの掘削につきましても不可能ではないというふうに考えております。
#86
○二宮文造君 至難ではないところではなくて、鉄建公団あたりでは、その事業費が三千億ぐらい、これでトンネルは可能だ、また、事業もそんなにむずかしいものでもないし、すでにまた泉州沖に関西新空港もできる、こういうふうなことと関連して、大阪から和歌山、さらにはそれを淡路、徳島につなぐというふうな路線がきわめて実現可能であるという考えのようですが、それらの、ただ単に研究段階ということではなくて、実施を見通してそういう議論がいま高まりつつあるわけですが、もう少し運輸省なり国鉄なり、そういう側のこの問題に対する取り組み方について御説明をちょうだいしたいと思う。
#87
○政府委員(永光洋一君) 地元でそういう構想があっていろいろ検討をされており、あるいは、地元の交通事業者、南海等も含めて、あるいは国鉄のいわゆる駐在員の技術者等も含めていろいろ検討をされておることはわれわれも知っております。それで、そういう技術者の方々がそういう意見を述べられたこともわかっておりますが、われわれとしても正式に調査したわけでもございませんで、いま申しましたようなことでございますが、実際上、紀淡トンネルの構想につきまして、やはりどうしても明石海峡大橋の取り扱いとの関連がございますし、それと別途のことでトンネルだけということを議論をすることについていろいろ問題があると思いますんですが、そういう状況でございます。
#88
○二宮文造君 国鉄部長、紀淡海峡から淡路島までの友ケ島を通っての距離は一体どれぐらいか勉強されましたか。
#89
○政府委員(永光洋一君) 海域の延長は私のいま存じ上げております数字では、紀淡が十キロメートル、青函が二十三キロメートルということでございます。
#90
○二宮文造君 やはり明石海峡大橋の決着をどうつけるかということが、大臣、次の大鳴門橋が完成をし、それが本土とどうつなぐかというかぎになろうかと思うわけです。一時凍結のままになっております明石海峡大橋の去就を大臣はどういうふうに御理解されていましょうか。
#91
○国務大臣(斉藤滋与史君) 明石海峡大橋の工事実施計画につきましては、すでに運輸大臣と連名で認可をいたしておるところでございます。したがいまして、これは現在の大鳴門橋の推移を見ながら当然技術解明、あるいは周辺の方々の御理解を得て進めるべき問題であろうかと思います。ただ、紀淡トンネルとの関連につきまして、私はその方につきましては直接まだ承知いたしておらないわけでありますが、地元の単独橋としての御要望等々これあり、この関係につきましては関係省庁ともよく話し合って、今後の可能性の調査の取り扱い等につきましてもせっかく検討しなければならない問題ではなかろうか、このように考えているところでございます。
#92
○二宮文造君 もういまも大臣から御答弁がございましたように、関係六団体ですね、徳島、兵庫、高知の各県、大阪府、神戸市、大阪市、この関係六団体では、ちょっといまの状況では明石海峡大橋はかからぬ、ですから、ぜひひとつこれは道路単独橋に切りかえてわれわれの期待にこたえてもらいたいという意思統一を図って大臣等にも折衝というか、働きかけを始めておりますし、それはもうすでに大臣も御承知のことでございまして、せっかくできたこの大鳴門橋をどう使い切っていくかといいますか、機能的にまた経済的に大鳴門橋を活用するといいますか、そのためにはどうしても本土との連絡、鉄道の連絡というのも必要になろうかと思います。
 もしこの紀淡トンネルという構想がまとまりますと、これは国鉄の方で、国鉄の大阪駐在理事室でワーキンググループという、これは研究機関のようでございますけれども、一グループの研究だ、このように評価はされておりますけれども、いわゆる本四大環状線という壮大な計画を図の上にあらわしてそれぞれの数値をはじいていらっしゃる。私はそれを一読しまして、これはもし紀淡トンネルというものを事業の中に入れてやっていけば、新たな意味での本州とそれから四国、阪神を中心にした四国の東半分、ひいては高知県にまで非常に大きなインパクトを与えるのではないかというような気がしてなりません。
 もう説明するまでもなく、大阪駅からずっといまの阪和線を伝いまして和歌山へおり、その途中にはやがてつくり出されるであろう関西新空港がある。そして紀淡トンネルで淡路に上がり、大鳴門橋で徳島に出、そして高徳本線を使って高松へ出、今度は児島−坂出ルートを使って岡山に出て、姫路を経由して神戸、大阪へ戻る、この環状線が成立をするわけです。そして特急でも走らせますと時速も相当パワーアップできるだろうし、時間も短縮できるし、これで初めて大鳴門橋ないしは児島−坂出ルートの橋の利用率といいますか、それが倍増、それ以上の効果が発揮されるというふうな交通体系を考えられているわけでございますけれども、この点はどうでしょうか。運輸省あたり、あるいは国鉄あたりではどのようにワーキンググループの努力というものを評価をされていますか、伺いたいと思います。
#93
○説明員(半谷哲夫君) 大阪に駐在理事室がございまして、そこの職員がワーキンググループをつくりまして、主として関西、担当区域は関西でございますから、関西区域における鉄道の将来のあり方というようなものを勉強している中で一つの一案として考えられているものでございます。こういった、将来に向かって現在国鉄が経営再建その他で非常に当面している問題は多いわけでございますけれども、鉄道が将来にわたって次の世代にどういう形で引き継いでいったらいいのかという非常に遠大なといいますか、そういった考え方から、いろいろその地域地域で取り組んでいくということは必要なことではないかと考えているわけでございます。
 この案が出ましたのは、実は関西新空港、現在いろいろ御検討が進んでいるようでございますけれども、その関西新空港のアクセスとして鉄道も、その地域の関係者の方々の間に、国鉄駐在理事室も入りましていろいろ勉強しているわけでございますが、そのときに、実はことしの四月に大臣認可をいただきましたけれども、大阪の外環状線の複線電化をいたしまして、いままで貨物専用でありました線を都市交通線につくりかえるという御認可をいただいたわけでございます。これは大阪の都市交通線でありますけれども、空港に対する一つの案として、それをさらに南下いたしましてこの新空港に入れるというようなことも一つの案として検討されているわけでございます。それからさらに、その線を延伸いたしますと、先ほど先生のおっしゃられました紀淡海峡を海底トンネルで抜けるというようなアイデアも出てくるわけでございます。それを考えますと、そうなったときの鉄道網、在来線の使い方というものを改めてながめ回してみますと、いま先生のおっしゃられた大環状というような運転計画もできるということでございまして、そういった将来に向かっての一つのビジョンを検討しているという段階で出てきた案でございます。
 ただ、これはまだ国鉄が実施に向かって取り組むとか、実施を前提のものとして取り上げるということにつきましては非常に問題が多いわけでございまして、やはり既定計画とのいろいろな調整もございますし、また技術的な問題も私どもとしては、この関西のワーキンググループもまさに机上、デスクのプランでございまして、実質的な現地における調査その他まだいたしていないわけでございまして、そういった技術的な問題もございますし、また、やるとなった場合の工事の主体といいますか、このプロジェクトの主体ないしは工事資金の問題、あるいはこれができたときの輸送需要あるいは収支の問題、その他そういった問題をある程度目鼻をつけませんと、国鉄としてこれを国鉄の計画として取り上げるには、それらの点をまず固める必要があるというふうに考えているわけでございます。
#94
○二宮文造君 細かい問題で、いまおっしゃったような技術的な問題だとか、あるいは採算上の問題とか、あるいは国鉄の今後の運営の問題とか等等に絡んでいろいろ問題があるとは私も承知しております。ですけれども、こういうふうな一つの構想というものも、せっかく大鳴門橋がかかる、児島−坂出ができるというふうになってきますと、二十一世紀への大きなビジョンとして、これに単なる一研究の段階からやはり国鉄の問題としてお取り上げになって検討する必要はあるんではないか、またそうすべきではないかと私は思うのであえて提案をいたしたわけでございます。また、紀淡トンネルの問題につきましては、もうすでにずっと古くからこういう構想もありました。また事実、技術的にもさほど至難でもない、距離的にも短い、そうすると大鳴門橋もそういう面で活用できるんじゃないかというようなことも含めていま提案を申したわけでございます。
 続いて、今度はDルート、いわゆる児島−坂出の問題で、また細かい問題になりますがお伺いしておきたいんですが、現地も一昨日と昨日、視察をさせていただきました。公団の皆さんには大変御苦労をされている実態を私も拝見をしてまいりました。ただ、この児島−坂出ルートでいま問題になっております面、たとえば本土側ではこれは稗田地区と言うんでしょうか、ルート変更の問題。それから現地を見せていただきましたが、鷲羽山地区のトンネル工法をどういうふうなトンネル工法にするのか。さらには、今度は島の部分に入りまして、櫃石島の橋、それから岩黒の橋はどういう橋梁形式になるのか、現地の方々の要望も踏まえながら公団はどういう方向をこれからお考えになっていこうとしているのか、まずこの点をお伺いしたい。
#95
○参考人(山根孟君) お答え申し上げます。
 児島−坂出ルートにおきましてのただいま先生おただしの点の第一は稗田地区の路線問題でございます。これは、環境影響評価のいたされました後も引き続き現地での気象観測、大気質等の環境調査、路線の技術的な検討をずっと継続してまいっておりまして、現在、最終段階におきます作業を進めておるわけでございます。近々関係地方公共団体等とも十分連絡をとり、またその意見を承りながら路線並びに構造等を固めまして地元に提示いたしたい、かような段階を考えておるわけでございます。
 次に、第二の鷲羽山地区のトンネル工法の問題でございます。当初オープンカットであったわけでありますが、それを技術的に可能であるならばトンネルにするようにという環境庁からの御注文もございまして、自後、専門家によります委員会を設立をいたしまして検討を続けてまいっております。現段階におきます結論といたしましては、地山の安定等に関します十分な事前調査を行ってまいりますならば、最近のトンネル技術の進歩等とも相まちまして技術的に可能であろうというぐあいに判断されておりまして、私ども現在トンネル工法に変更をいたしますことを前提に技術的な諸条件の検討を実施しておるという段階でございます。
 第三の櫃石島橋及び岩黒島橋でございます。これは当初ゲルバートラス橋で計画いたしておったわけでありますが、やはり自然景観との調和等の観点から斜張橋にいたしたらどうか、これが国立公園の中に工作物を新設いたします協議に際しましての環境庁長官の同意書に付された条件でございます。斜張橋に変更すべく技術上の問題点について現在鋭意検討を行って、その結果斜張橋で実施をしてまいりたい、かように考えております。
#96
○二宮文造君 いまの点で、ちょっと受け取り方が違われているんではないかと思って補足の説明をしますが、稗田地区ですか、これは関係住民の御要望のようにそれをくみ上げてルートを変更する方式でいま取り組んでいらっしゃる、こういうように承ってよろしゅうございますか。
 それから第三点、櫃石島橋、それから岩黒島、これは私が主として聞いたのは、ここには地域の住民が若干ではございますが住んでおります。いままでのやり方では、バスストップだけがあって下へは車はおりてこられないような状況だったのが、地域の住民の方がやはり救急医療の問題等々もありまして、ずっと下までおりられるように、バスストップだけではなくて、地域住民も利用できるように橋梁のかっこうを検討いただきたいという要望が出ているようでございますが、その点をお伺いしたわけです。
#97
○参考人(山根孟君) 第一の稗田の問題でございますが、このルートにつきましては、当初環境影響評価におきまして、路線につきましては、今後総合的な検討をした上で決定をするという条件のもとでございますので、私ども、今回近々御提示申し上げるルートが変更と申しますか、ではなくて、むしろ今回お示しするルートが、過去の経緯はございましたものの、今後建設をしてまいるべきルートを設定するという実は考え方に立っておるわけでございます。それにつきましては、地元の関係の方々の御意見を十分受けとめまして、環境基準等を十分重視し得る、満足し得るような構造方法をとってまいるという基本的な考え方を持っておるわけでございます。
 櫃石島橋及び岩黒島橋、先生のおっしゃっておる点は、島内を通ります高架橋の部分のことでございますね。櫃石島橋につきましては、戸数等々、また構造的な観点からも十分可能であるということから、バスストップを直接皆様方が利用していただけますように地上におろすような形をとっておりまして、万が一の場合に緊急車等々の出入りはそこからできるというような工法にいたすという考え方で、地元の方々とは一応の合意を見ているわけでございます。
 岩黒島につきましては、若干櫃石島とは違う点がございます。技術的な問題等々もございますので、橋の上にバスストップをつくる、それと地上との連絡を一体どういうぐあいにするのがいいのかということについて、いろいろ現在検討いたしておりまして、これまた最終的に近々その工法等についても決めてまいりたいと考えております。
#98
○二宮文造君 これだけ協力してきて、またいよいよ橋が設置されるというようなことになりますと、やはり地域住民の方々の御要望も最大限に取り入れていただくようにぜひ御検討いただきたい。
   〔理事茜ケ久保重光君退席、理事増田盛君着席〕
 それから、国鉄にお伺いしたいのですが、いわゆる本土側の方です。「本州四国連絡橋児島・坂出ルート」というパンフレットを拝見しますと、四国側の方は宇多津町の中心で三角デルタみたいなかっこうで線が入っておりますが、この国鉄の線が本土側では木見でぷつっと切れております。この木見以北の線は一体いつお決めになるのか、これが一つ。
 それからもう一つ、私は現地へ参りまして、児島地区をこれは縦貫をするようなかっこうになるんですが、児島地区はすでに用地をちゃんと用意をいたしまして、いわゆる新駅はどこになるのか、それによって都市の計画といいますか、再開発といいますか、そういうものが新駅をにらんで決まるわけでございます。それが一体どこに入るのかまだ見当がつかない、お示しをいただかないということで、いわば児島方面では再開発が非常に戸惑っている。これらの問題はやはり早期に解決をして、橋がかかると同時に児島方面にも再開発に便益をするように当局の方も決定を急ぐべきではないだろうかという考えがいたしますけれども、この木見以北の路線をいつお決めになるのか、あるいは児島地区の駅の設置場所というものはいつ明確にされるのか、この辺の目安をお伺いしたいと思います。
#99
○政府委員(永光洋一君) いま先生がおっしゃいましたように四国側の方は決まっておりますが、本州側につきましては、現在基本計画では倉敷市南部、いわゆる児島地区というところで地図を見ますと切れております。在来線への接続が現在基本計画上未指定の状況になっております。これにつきましては現在いろいろ検討しておりまして、ほぼ検討も終えた段階でございまして、近く宇野線の茶屋町駅に接続させるというような考え方であります。これは基本計画を新たに決めなければなりません。いまそのあたりもう少し検討して詰めました結果、そういうことになりますればなるべく早い機会に所要の手続を経てはっきりさせたいというふうに考えております。
 それからさらに、児島の方の停留所の問題でございますけれども、これは先生がおっしゃいますように、地域の開発という問題からわれわれとしても停留所の設置ということにつきましてはその方向で検討したいと思いますし、時期的にも公団なり等々といろいろお決め願って、その方向を踏まえながら検討をなるべく早目にさしていただきたいと思います。
#100
○二宮文造君 いや、いつも早目に早目にで今日まで来ているわけです。早目というのは指折り数えてどういうのを早目と言うのでしょうか。いまから六年後には瀬戸大橋は開通するわけです。いまおっしゃった早目にというのは大体いつを目途に作業をお進めになっているのでしょうか。
#101
○政府委員(永光洋一君) 基本計画の決定でございますが、この件につきましてはほぼ検討を終えておりますので、早目にと申しますか、本年じゅう、それも近い時期に手続を進めたいというふうに思っておりますが、停留所の件につきましては、やはり施行者側の公団とあるいは国鉄等と技術的な詰めがあると思いますので、これはそれほど近いうちというわけにまいらないかと思うのですけれども、なるべくそういう早急な検討を進めたいというふうに思います。
#102
○二宮文造君 了解しました。最初の路線の決定については今年じゅう、まあ年度か歴年かその辺は幅を持たしておきますが、そう伺いました。
 それから停留所の件、これはそう早目にまいらぬとおっしゃいますけれども、もうすでに塩田跡地を用意をいたしまして、その駅舎がどこに建つかということであの児島は道路計画からすべてが変わってくるわけです。ですから、これはむしろ路線の決定と同じような時期に駅舎の位置というものも決定して差し上げる方が自治体としてはきわめてマスタープランがつくりやすいという状況でございますので、督促するようで恐縮ですけれども、同じようなスピードで決定をするように強く要望いたしておきます。
 それから、今度は四国側でございますが、まず、もしこの宇野線に児島−坂出のルートの鉄道が接続をするとなりますと、四国の交通体系は全く変わってきますね。どう変わってくるように了解したらよろしいでしょう。たとえば私が聞いているのは、岡山発そして宇多津を経由して松山行き特急、あるいは岡山発宇多津を経由して多度津から分離して高知行き、当然私はそうなると思う。こういうような本四架橋に伴います在来線の運行に伴う四国本土の交通体系というものについては、一体いつごろまでにマスタープランをおつくりになるんですか。
#103
○説明員(半谷哲夫君) いま先生お尋ねの本四架橋ができましたときの四国側の運転計画といいますか、ダイヤ設定と申しますか、そういう問題でございますが、実は連絡船が橋梁でつながりますから列車が一本でそのまま本四間が連絡できるということは非常な長所でございますが、ただ、宇多津に上がりましてからの後の列車の設定の仕方というのは実は非常に複雑になってまいります。
 現在、御承知のように高松がすべての起終点という形で、四国の島内のすべてというのはちょっと言い過ぎでございますけれども、対本土ということで言いますと、高松を起終点といたしましてダイヤは設定されているわけでございます。それが丸亀寄りの宇多津に本州から上がってきました列車が入ってまいりますと、高松方向への結びあるいは予讃線の方向への結び、土讃線への結びという問題が出てまいります。これは旅客輸送でもそうでありますが、特に貨物輸送になりますと、貨物の輸送基地というものが現在対本州の基地としては高松にいま集中いたしております。この扱いをどうするのかというような問題。
 それからさらには、本州側はすべてあの付近は電化でございます。四国は御承知のように近代化をディーゼルを中心に進めてまいりました。現在、電化区間というのは四国島内国鉄線には一キロもないような状況でございます。したがいまして、この本四架橋ができましたときの輸送計画というもの、またそれに伴います在来線の方の改良計画というものが相当広範囲にわたるわけでございまして、現在鋭意勉強いたしておりますけれども、まだ確定案というところまでいっておりません。これが開通いたしますまでには、いろいろいま地元の方々からの御要望も伺っておりますけれども、そういったものも含めて十分に検討して、この本四架橋ができた後の島内輸送というものが御利用なさる皆さんにも最もいい形で、また国鉄の経営、経営ということを申し上げて恐縮でございますけれども、やはり経営的な問題もこの中に含めまして検討いたしまして結論を出したいというふうに考えておる次第でございます。
#104
○二宮文造君 いや、いまおっしゃったことは非常に重要な問題を含んでいるわけです。なるほどこの本四架橋というのは確かに四国の県民の渇望のもとでもございましたし、長い間の夢みたいなことが実現をされるわけです。これは光の部分です。しかしまた光には必ず陰を伴いまして、陰の面はやはり政治としてはそれを深く配慮をしていかなきゃならぬと私は思うのですけれども、たとえば案を出されたのによりますと、国鉄関係では岡山−坂出の所要時間は本四連絡架橋ができますと、従来百四十分かかっていたものが三十四分に七五%も時間が短縮できる、こういう考え方を持ちますと、一体いままであなたもおっしゃった四国の玄関であった高松が一体どういうことになるのかというのは、関係住民にとっては重大な問題になってくるわけです。
 確かに一方は電化である、一方はディーゼルである。その辺の連絡をどうするか。また、四国方面の電化がそうおいそれと進むわけではない、こういうふうなネックがあるとおっしゃいましたけれども、しかし松山や高知の人々にとってみれば、一たん高松へ回ってから高松から出るということになりますと、これは大分その間のやっぱり三十分、乗りかえ時間を合わせて四十分、大方小一時間程度ロスするわけですから、本四架橋のメリットというものがそれだけ減るわけです。ですから私どもの耳に入っている、国鉄側としては直通の特急をつくるんだというふうなことも私は案としては納得をできるわけです。同時にまた、じゃいままでの表玄関であった高松というのはどういう役割りに変わってくるんだろうか。そうなった場合には、香川県の東半分と徳島県とを高松が引き受けるようなかっこうになりまして、四国の人口の約三分の一に迫ってくる、こういうようなことがありまして、いわゆる本四架橋が完成をすると四国の交通体系はどうなるのかというのは、これは陰の部分としては非常に重要な課題になってくるし、国鉄さんの方でも一生懸命検討されているんですが、このアウトラインというものがいつできるのか、これはもう注目の的です。したがって、この辺のところを私はぜひ早目に地域とも話し合いをしながら決定をしていただきたい。
 同時に、今度は宇高連絡船というのは残るのか残らないのか、この辺はどうでしょう。
#105
○説明員(半谷哲夫君) 非常に漠とした御回答で申しわけないんでありますが、現在時点では宇高連絡船の処置というものについてはまだ結論を得ていない状況でございます。本四架橋児島−坂出ルートを完成いたしますれば、それに旅客、貨物の輸送が移っていくということは当然でございますが、その場合に一体宇高連絡船というものがどういう形で残るか、あるいはどういう使命を持つか、それは今後の輸送状況、あるいは先ほど申し上げました連絡橋完成に伴いますダイヤ設定上の問題等々いろいろ現在検討している段階でございますので、それらの中でやはり宇高連絡船というものの将来の姿というものも決まっていくことになろうかと存じます。したがいまして、それらを含めまして総合して、先ほどお話のございましたように、私どもとしては鋭意これを深度化して間違いのない案をつくりたいということで努力しているところでございます。
#106
○二宮文造君 まことに抽象的な御答弁をいただいて、私も漠としてわからないわけです。しかし実情を申し上げますと、いただいた資料によると、宇高連絡船の五十五年度の高松の乗降客は、五十五年度一年でホバーを含めまして五百三十六万八千四十六人という数字になって、三百六十五で割りますと一日の乗降客は一万四千七百人、いまこの一万四千七百人の乗降客というのが四国の表玄関としての高松の駅付近のいわば生活の中心になるわけです。そして、恐らく本四架橋ができますといまのような連絡船の便数もなくなるでしょうし、また小型化するでしょうし、さらにはあるいは本当に利用客というのは極限されてしまう、玉野市に関係のある人ぐらいしかもう利用されない、本当にごく小さな航路になってしまう。さらにまた、先ほど申し上げた岡山発宇多津経由松山行き、高知行きとなりますと、この高松を全然経由しないようなかっこうになってくる。
 ちなみに、高松駅の乗車人員、これも資料をちょうだいしたんですが、大体五十五年度一日平均で一万五千三百七十一人、これは乗車人員。ですから、それでしかも予讃線、土讃線の便数が、ここに資料もちょうだいしておりますが、要するにいままでの表玄関としての高松の役割りはどうなるんだろう、それでまた港頭地区といいますか、高松駅を含んだ港頭地区の再開発というのは自治体としてはどう考えたらいいのか、あわせて香川県の東部、これを児島−坂出ルートの完成に伴ってどういうふうにこれから再開発なりそういうものを検討していけばいいのかというのに非常に影響がある。
 ですから、漠とした答弁の中ですけれども、大づかみにそういうダイヤ編成とかそういうもののマスタープランのようなものを大体いつごろを目途に国鉄はお考えになっているのか。橋ができるのは六年先、同時に運行を始めるわけですが。大体その逆算をしますとどの程度に焦点を置いてそういうマスタープランをお考えになるのか。これはぜひ私はきょうこの時期にこの場所で明らかにしていただきたい。それも早い方がいい。香川県なり高松市あるいは関係住民はそれに対応した行動が早ければ早いほど時間的に助かるわけです。そういう意味で、いつごろそういうふうにお決めになろうとしているのか、ぜひお伺いしたい。
#107
○説明員(半谷哲夫君) 非常にむずかしい御質問でございましてお答えしにくいんでございますが、実は四国の橋がかかりましてダイヤをいじるということになりますと、恐らく四国総局始まって以来のようなダイヤの大改正ということになろうかと思います。そういったようなダイヤ改正作業というものをつくり上げて移行するためには約一年前から作業に入るわけでございまして、そういった逆算からいいますと、使用開始になる一年前には大方のものを決めなければいけないというのが私どもの作業工程からいっての手順でございます。
 ただいま先生お話しのように、高松にいたしましてもあるいはその他の四国の地域にいたしましても、非常に大きなインパクトがあるわけでございまして、こういったダイヤ、輸送計画というものをまとめ上げる、こういう形にするという方針を決めるまでにはいま申し上げましたような期日になるわけでありますけれども、それを検討している段階でいろいろ市なり県なりの御要望もすでに寄せられている状況でありますし、そういったような御協議の段階ですべてが明らかになっていないといたしましても、いろいろ御意見を交換して、高松市の今後の取り組み方、その他私どもの方の取り組み方等の間にそこを来さないように協調はしてまいりたいというふうに考えております。
#108
○二宮文造君 まあ一年前ならわかります。一年前では対応は全くできないということになるわけです。ですから、そういうネックになることはもうすでに国鉄サイドではつかんでいるわけですから、それをどういうふうに評価をし、そしてその関係の自治体と相談をする。問題点が明らかになって、また国鉄の財政事情等もあるわけですから、もっと早い機会にそういう自治体との協議は始まるんじゃないか。
 じゃ、念のために申し上げますけれども、本四架橋に伴ってあの宇多津地区が予讃線のつけかえをしなければなりませんね。そして宇多津駅がいまの埋め立て地の方に移るようになっていますが、この工事はいつに予定していますか、線のつけかえ。
#109
○説明員(半谷哲夫君) これにつきましては本四公団と現在協議を進めておりまして、ほぼ協議の内容も調っておりますので、近々のうちに工事にかかれるようになるかと思います。
#110
○二宮文造君 これも早くしてあげませんと、宇多津町が膨大な土地、区画整理事業を始めているわけです。あのつけかえ工事が始まりませんと区画整理事業がとんざしまして全く先へ進まない。事ほどさように本四架橋、いわゆる児島―坂出ルートが完成をすれば一体四国の交通体系がどうなるのかということは、そのように非常に細かい部面にわたって影響性があるわけでして、早く設定をしていただきたい、協議を始めていただきたい、国鉄側の構想を明確にしていただきたい、こういうわけです。よろしくお願いしたいと思います。
 それから、宇高連絡船の問題はいつごろこれは目鼻をつけますか。
#111
○説明員(半谷哲夫君) この問題も、御利用者の皆さんにも非常に大きな問題であると同時に、国鉄内部にとっても非常に大きな問題でございます。したがいまして、なるべく早く方針を決めなきゃいけないわけでありますが、先ほど申し上げましたようにまずは橋梁部分、宇多津に、上がります輸送計画というものをある程度骨格を決めませんと、宇高のあり方というものも決まらないわけでございますので、今後の検討いたします中でこれも一緒に結論を出していきたいというふうに考えておるわけでございます。
#112
○二宮文造君 確かにそうなんです。労使交渉もございましょうし、廃船になりますと乗員が一体どうなるのか、配置転換はどうなるのか、あるいはまた国鉄の四国の体系が変わるにしても、今度は乗務員の方々、やはり職員の方々がどういう配置転換になるのかという問題がありますから、それらもまた非常に私どもの早く知りたいゆえんの一つです。ぜひその努力をいただきたい。この問題で少し思わぬ時間をとってしまったわけですけれども、正直申しまして私は高松の出身で高松に住んでいるわけです。したがいまして、関係住民の方々の不安というものをもうこの目で耳で体でいつも責められているわけです。ですから、私の立場ということではなくて、それほど関心の高い問題であり、いわゆる国鉄側の考え方は一体どうなのかという方向性を早く知って、そして対処したいという関係住民の方のお気持ちもくんでいただきたい、こういう意味で申し上げたわけです。
 今度は道路の方にお願いするわけですけれども、架橋の関連公共事業としまして、四国横断自動車道の整備計画、これは善通寺−豊浜は用地の買収も始まっているようでございますが、高松−善通寺の区間は一体どういうかっこうになるのでしょうか。整備計画の決定状況をちょっとお伺いしたいと思います。
#113
○政府委員(渡辺修自君) ただいまの四国の高速自動車国道でございますが、すでに縦貫道、横断道等の基本計画は全部出ておるわけでございます。整備計画が縦貫道につきましては徳島と脇の間四十一キロ、それから川之江と西条の間三十六キロが出ております。それから横断自動車道は善通寺から南国の間八十八キロでございます。したがいまして、おただしの善通寺−高松間はまだ整備計画になっていないという状況でございます。
 整備計画を出しましたところにつきましては、それぞれ用地買収なり設計なり、それから一部すでに御指摘のように工事にかかっておるところもあるわけでございますけれども、今後の問題でございますが、やはり従来から出ております区間の工事の進捗状況、それから大変御心配いただいておりますような将来の交通体系のあり方といった点を考慮いたしまして、この前整備計画を追加いたしましたのが五十三年十一月でございますので、すでに足かけ三年を経過しております。そういうようなことで、いろいろの情勢もございますが、今後の問題等については、私どもとしては前向きに考えまして、なるべく早い時期に整備計画の追加というようなことを考えてまいりたいと思っております。
#114
○二宮文造君 この高松−善通寺については今秋にでも整備計画に格上げをされる向きかのようにも聞いているのですが、どうでしょうか、高松―善通寺。
#115
○政府委員(渡辺修自君) 実は五十六年度予算が成立をいたしました際には、先ほど申し上げましたように、前回の整備計画の指定以来かなりの日数を経ておりますので、この秋にも次の整備計画の追加ということも考えたいと実は思っておったわけでございますが、ちょっと最近いろいろ財政再建等の問題がございまして、まだその辺のところを確定するところまで至っておりません。いまはとにかく、いつでもそういうことができるように、地方建設局におきます調査を進めていち状況でございます。
#116
○二宮文造君 大臣、いまも道路局長から御説明があって、本四架橋に伴いまして、四国の道路体系というものを整備しなきゃならぬという必要性には迫られているけれども、財政上の問題等々でいまお聞き及びのように四国縦貫及び四国横断自動車道の整備計画というものは遅々として進んでないといったら語弊がありますが、非常にスローダウンしている。橋はできても道路がそれに伴いませんとどうも効果を相殺してしまう。そういうことでいまだ横断道にしても縦貫道にしても供用開始延長はゼロです。他の地域に比べて非常におくれていると私は思うわけでありますけれども、そのためには整備計画区間の建設促進あるいは整備区間の拡大を早急に図るべきではないだろうかと思うんですが、大臣、御所見いかがです。
#117
○国務大臣(斉藤滋与史君) 御指摘のように、確かに連絡橋との関連を抜きにしても四国の道路整備がおくれていることは事実でございます。私、伯方・大島の起工式に行きましたときに、いまの高松とは違って、松山から今治、あれを通ったときにもそれは身をもって痛感いたしました。したがいまして、御指摘の向きは十分承知というか、配慮しながら、これからは本四架橋の進捗状態とあわせて、この問題についてはとにもかくにも前向きで取り組まなければならない問題ではなかろうかと思います。
 といいますのは、現実におくれていることもさりながら、やはり連絡橋を生かすためにはそれの関連道路というものを整備しなければ、全くその実効率というものは非常にマイナス面に働くわけで、その点につきましても関連をあわせてこれからもよく実情を調査するというよりも、もうわかっていることでございますので、前向きで取り組んでまいりたい、このように考えるものでございます。
#118
○二宮文造君 それからもう一つ、やはり懸案になっておりますのは東四国横断自動車道、これは仮称でございますが、高松から今度は東へ向いまして、徳島から阿南、この東四国横断自動車道、それから今度は、西四国縦貫自動車道、これも仮称ですが、愛媛県の大洲市から八幡浜−宇和島−宿毛−中村−須崎という縦貫道、こういう東四国横断自動車道、西四国縦貫自動車道というものの早期に法定化をお願いをしたいというふうな要望が強く寄せられておりますけれども、基本計画路線にも入ってないわけです。この点ひとつぜひ大臣の御努力をお願いしたいと思うのですが、いかがでしょう。
#119
○国務大臣(斉藤滋与史君) 御案内のように三全総で幹線自動車道の整備計画、いま七千六百キロメートルがあるわけでありますが、なお高規格幹線道路網として一万キロ整備計画がございます。いま御指摘の東、西四国循環道路としての効用価値というものは十分承知いたしておりますので、この分につきましてもよく調査を進めまして、この結果を踏まえて今後の問題として対処してまいる所存でございます。
#120
○二宮文造君 ぜひ御努力をお願いしたいと思うのです。
 それからもう一つ、これは香川県主体になりますけれども、瀬戸大橋のアクセス道路という非常に大きな意味を持っております香川県の広域幹線道路網の一環でありますいわゆる御承知の臨海産業道路、そのうち高松市から多度津町間の一期工事の整備状況はどう理解されておりますか。
#121
○政府委員(渡辺修自君) 臨海産業道路は先生御承知のとおり、高松市から多度津を経まして、詫間町にかけての臨海部に計画されております延長約四十キロメートルの道路でございます。ただいま一期区間でございます高松から多度津町、これが延長で申しますと三十四キロでございますが、いろいろ地方道の事業、県道でございます。県道の事業とか街路事業とか、一部は一般有料道路事業というようないろいろな事業を入れまして工事をやっておりまして、ただいま全体の約八〇%に当たる二十七キロメートルの区間をすでに事業を着手しているということでございます。進捗状況は五十五年度末で約七〇%でございます。
 なお、この三十四キロの事業区間中、約半分の十七・三キロにつきましては、すでに使えるようになっているという状況でございます。
#122
○二宮文造君 これは私はいまここにパンフを持っておりますけれども、高松から中讃、西讃地区の臨海工業地帯を直結して、あわせて国道十一号とともに瀬戸大橋の架橋後の地域開発あるいは交通量の増大に対処する動脈的な役割りを持っているわけでございまして、この整備の促進には特段の配慮がいただきたいわけです。
 いま道路局長から説明がありましたように、もうすでにあらゆる手法を通じていわゆる四苦八苦してと申し上げますか、有料道路をかみ合わしたり、それから街路事業を組み合わしたりいろいろなものをやってやっといまのところまで来ているわけです。ですからこの整備の促進に特段の配慮をいただきたいし、それからおっしゃった一期工事以外の多度津―詫間の間の整備見通し等についてもぜひ御努力を願いたいし、少なくとも架橋時までには高松―多度津は全線が供用できるように御配慮いただきたいと思うのですが、この見通しはいかがですか。
#123
○政府委員(渡辺修自君) ただいま申し上げましたように、進捗状況がかなり進んでおりますので、この六十二年度の供用開始までには、場所によりましてはあるいは二車線でというところもあるかもしれませんが、とにかく全部完成させるように努力いたします。
#124
○二宮文造君 あえて全線とこう申し上げたわけです。
 それから、ちょっと国鉄の方にお伺いしたいんです。これも架橋と非常に関連が出てまいりまして、また道路との関連、交通渋滞との関連であれするのですが、国鉄の予讃本線の丸亀駅を中心とする約二・八キロにわたる高架事業が三月三十一日に都市計画決定を見ました。あわせて今度は、坂出市を中心とします高架事業についてはどう対処されるお考えでしょうか、伺いたい。
#125
○政府委員(升本達夫君) 都市計画事業にかかわる問題でございますので、私の方からお答えをさせていただきます。
 おただしの国鉄予讃本線の坂出駅中心の立体交差事業でございますが、大体坂出駅を中心といたしまして三・三キロメートルの区間につきまして、香川県が五十四年度、五十五年度の二年度にわたりまして連続立体交差事業の調査を行ったわけでございます。そこで、この区間につきましては、国鉄の方で予讃線の複線化――この区間の一部につきまして、坂出から西に当たる部分と思いますが、現状単線を複線化するという計画を御検討中というふうに承っておりますので、この国鉄の計画との調整を図りながらできるだけ早い時期に事業化をしてまいりたい、かように考えているところでございます。
#126
○二宮文造君 ぜひこれは、瀬戸大橋、いわゆるこの児島―坂出ルートの架橋に関連して交通量の激増が予想されますので、これはその完成に間に合わせて実現を図らなければ大変なことになると思います。
 ただ、これはもう当然のことだと思いますが、丸亀なりあるいは坂出の高架事業は、土盛りじゃなくて、何というんですか、新幹線型というんでしょうか、私も余りその工法はよくわかりませんが、そういうふうにしていただきたいという要望が地元にある。
 それから、これは高徳本線の栗林駅の周辺の高架事業で住民と非常にトラブルを起こしたわけです。私も何度か四国総局でお願いをしましたけれども、高架下の利用という問題については国鉄さんもある程度そでを深くして、やはり地域の方々の要望に十分に対応するような高架下の利用というふうにお考えをいただきたい。高徳本線の場合は、やや国鉄エゴとあえて申しますが、それが出てまいりまして、地域の住民の方々の反発を受けた面がございます。これは都市計画事業でやるわけでして国鉄さんは余りお金を出さぬ方です。ところが、その高架下はおれの方が自由にやるんだというようなことでは非常にその地域とトラブルを起こすし、またその町の発展に逆行するような使用の仕方等もありますので、この工法の問題とそれから高架下の利用の問題で住民と十分に、あるいは関係団体と十分に協議をするというお約束をしていただきたい。これはいかがでしょうか。
#127
○説明員(半谷哲夫君) いま先生から御指摘がございましたけれども、高徳線の粟林の付近の高架だと思いますが、高架をいたしました場合、高架下をどのように利用するかということでその地域からいろいろ御要望がございます。高架化に伴いまして、高架下の利用につきましては、確かに国鉄側の負担は原則的に非常に低いわけでございますけれども、高架下の管理は国鉄の所有としてやるということで、国鉄の立場に立って申し上げますと、やはりいまの財政事情でありますので、そういうものを利用して幾らかでも収入を上げたいというのが率直な気持ちでございますが、同時にまた、高架化という事業でございますので地域の御要望も入れなきゃいけないということで、地域で公共的な面に御要望のある使用方につきましては、ある割合でこれを使っていただくという形にしているわけでございます。
 今後高架化を進める場合にも、やはり同じような問題が出てくるかと思いますが、極力地元の御要望も聞きながら、また国鉄の立場というものも御説明しながら協調してまいりたいと思います。ただ、管理をする場合に国鉄が直接お貸しするというのは非常にいろいろトラブルがございますので、高架下の管理方式についてはいま間接管理方式をとっておりますので、この辺についても地元の御了解をいただきたいと思います。
 それから、構造でありますけれども、地平から高架に上がります途中段階で、一部盛り土といいますか土を使う部分が出てくるかと思いますが、高架になります、高くなりますところにつきましては、市街地ではほとんどがいまコンクリート構造物にいたしておりますので、丸亀の高架にいたしましても坂出の高架にいたしましても、実施する場合にはそのような形になっていくと思います。
#128
○二宮文造君 先ほど都市局長の御説明の中に、坂出駅の西の高架事業に関連して国鉄さんも複線化の工事をお考えになっていらっしゃるということの答弁がありましたけれども、この高松−多度津間の複線化というのは三十六年の四月に運輸大臣の認可がおりているわけですね。ですからこれは、当然架橋時には多度津までの複線化は対応できる、こう理解してよろしゅうございますか。
#129
○説明員(半谷哲夫君) この予讃本線多度津までの複線化は実はもっと早く完成したかったわけでありますが、宇多津を中心にいたします区間というのは本四架橋が当然予想されたわけでございますので、今日まで単線のままやってきたということでございます。しかし、今回すでに本四架橋工事が始まっておりますし、完成めどもはっきりしてきておりますので、現在私どもとしてはこの間の複線化に丸亀の高架を先日御回答申し上げ、都市計画決定いたされましたけれども、その工事と同時にこの複線化を進めていくということでいま対応している次第でございます。
#130
○二宮文造君 了解しました。
 本当に陰の部分に当たることを、それだけをピックアップしましたからいかにも注文づけのようなことになりますけれども、橋がかかりますと確かに橋の受け入れ側の方は様相が一変するわけです。したがいまして、それに何とか対応しておくれをとらないように、また橋の下というデメリットだけにとどまらないように、関係団体にも自治体にも努力を願いたいし、また住民の方々にも協力なりあるいは勉強もしてもらいたいしというようなことでいろいろな問題をいま言挙げをし御説明をいただいたわけです。まだまだ答弁の側としては研究が進んでない、決定を見ていないものですから、ある程度奥歯に物のはさまったような答弁に終わりました。これはもう私はやむを得ないと思います。しかし私の質問の趣旨は了としていただいて、そしてせっかく検討をし早い機会に成案を得ていただきたい、まとめてこのことはお願いをいたしておきます。こういう悪い面はかりじゃないんです、いい面はたくさんあるわけです。特に陰の部分だけを私いまあえて要望し注文をしたわけでございますので、この点御理解いただきたい。
 本案に入りましてもう時間もあと五十分程度になりましたので、不十分かもわかりませんけれども、法案の中身についてお伺いをしたいんですが、本法案によります措置範囲を一般旅客定期航路事業とその関連事業と限定をしておりますけれども、本案で言うところの「関連事業」、これはどのような業種を指すのかお伺いをしたい。さらにまた、この法案は措置の対象者となる日本旅客船協会並びに全日本海員組合との間に合意を見た上で提案された、このようにも聞くのですけれどもどうなのか、この点お伺いしたい。
#131
○政府委員(永井浩君) 最初の「関連事業」の範囲についてお答え申し上げます。
 関連事業につきましては、一般旅客定期航路事業者から委託を受けまして、切符の販売、予約、あるいは本船の離発着に伴います綱取り、綱放し等の作業、あるいは駐車場、船客待合室の管理といったような事業を行っているものを関連事業というふうに考えておりまして、省令でもそのように定めたい、このように考えております。
#132
○政府委員(渡辺修自君) 後段のお尋ねに対してお答え申し上げたいと存じます。
 この法案は、五十三年九月に本州四国連絡橋旅客船問題等対策協議会で基本方針が決定されました。これを実はそのまま法律の形に各省に御協議申し上げてまとめたわけでございます。具体化に当たりまして、日本旅客船協会、全日本海員組合等の関係者を構成員としております本州四国連絡橋旅客船問題連絡協議会というのを持っております。これは会長を私がいたしておるわけでございますが、ここを通じましていろいろ関係者と協議検討を加えてまいりまして、またそれぞれのお話も伺いまして調整も図ってきたところでございまして、それぞれ大筋においての合意をいただいておるものと確信をいたしております。
#133
○二宮文造君 道路局長、続けてお伺いしたいんですけれども、過去の架橋の事例において旅客船事業の規模縮小というものがあったとも思いますが、それにどのような措置をとられたのかということが一つ。もう一つは、今後本四架橋以外の架橋工事の際にも本法案に準じたような措置が講じられるようになるのかどうか、この二点いかがでしょうか。
#134
○政府委員(渡辺修自君) 地方の架橋につきます事例を調べてみましたところ、尾道大橋、早瀬大橋、黒之瀬戸大橋につきましては特別の措置がとられていないということでございます。ところがとられている例もあるわけでございまして、音戸大橋、天草五橋、それから平戸大橋、この三例におきましては架橋の事業主体は何もいたしていないわけでございますが、関係地方公共団体におきましていろいろの情勢を考慮されまして、助成措置あるいは融資の措置といったものがとられております。今後この法律ができました場合、他の橋についての影響のお尋ねがあったわけでございますけれども、この本州四国連絡橋の場合は規模が非常に大きいわけでございまして、影響するところがきわめて多大である。非常に公共、公益性を有するこの一般旅客定期航路事業が自主的な対応がしにくいという特殊性がございます。そういった意味でこの法案を提案をさしていただいたわけでございまして、他の事例につきまして、これが直ちに同じようなことになるのかといいますのは、仮に何か問題がありましても、影響を緩和する方策がほかにあればよろしいわけでございまして、やはり個々のケースに応じて判断することになるのではないかと存じます。
#135
○二宮文造君 それで、三条以下の再編成の基本方針にかかわる問題について海運局長に御説明をいただきたいのですが、まずその再編成の基本方針はいつごろまでにお決めになるつもりなのかどうか。
#136
○政府委員(永井浩君) 基本方針は架橋後の事業者のとるべき行動の指針となるものでございますし、また私どもの行政の方針でございますので、法施行後なるべく早く定めたい、このように考えております。ただ、海運造船合理化審議会にお諮りするとか、あるいは関係省庁と御相談するということになりますので、相手のあることでございますので明確には期限を切って申し上げられませんが、事務的には法施行後数カ月以内に定めたい、このように考えております。
#137
○二宮文造君 細かいというか、またこれは所管事項の問題で、シェアの問題でちょっと私もお伺いしておきたいと思うんですが、「運輸大臣は、」「再編成基本方針の内容について、建設大臣に協議し、」、こう規定されております。今度は労働大臣に対しては「同意」と、こう区別をしておりますが、これはどういうふうに理解したらよろしいのでしょう。建設大臣とは協議、労働大臣は同意。
#138
○政府委員(永井浩君) 協議も同意も実質的には関係行政機関との間で十分にそれぞれの意見を交換いたしまして了解点に達した上での行政処分を行うという趣旨でございます。ただ、形式的に申し上げますと、この基本方針の中で雇用の安定の事項がございます。この雇用の安定の事項のうち船員につきましては運輸大臣の所管でございますが、陸上労働者の雇用の安定につきましては労働大臣が所管でございますので、所管大臣という意味で「同意」という言葉を使ったわけでございます。一方この基本方針は、その後に続きます事業者に対する対策等、交付金を公団から出したりいたします、そういった意味で建設省の方と密接な関係がございますので、「建設大臣に協議」するというふうに使い分けたわけでございます。
#139
○二宮文造君 それから、再編成基本方針で何号か決められておりますが、この第三条第二項の第四号ですね、「前二号の措置を円滑に実施するために必要な規模拡大等航路において一般旅客定期航路事業を営む者又はその関連事業を営む者(これらの事業を営もうとする者を含む。)の協力に関する事項」、この「協力に関する事項」というのはどういう事項なのでしょうか。
#140
○政府委員(永井浩君) 規模拡大航路というのは、全般的に言いますと、規模縮小あるいは廃止航路に比べますと、非常に数は少のうございますが、若干、たとえば鳴門大橋が架橋されますと、淡路と阪神間の航路等に輸送需要が増大すると思います。こういった航路につきまして当然輸送需要が増加いたしますので、輸送力の増加といったものに対応するための船舶の大型化とか、あるいは船をふやすあるいは乗組員をふやすというようなことがあろうかと思います。そういったときに規模縮小航路事業者の方からの船舶の融通と申しますか、有効利用あるいは必要な乗組員に対しての縮小航路からの離職者の優先的な雇用といったものをするようにという意味の協力を定めたい、このように考えております。
#141
○二宮文造君 時間がありませんので、問題点だけ先々へお伺いしたいと思うのですが、次に航路指定並びに実施計画にかかわる問題でございますが、航路指定につきまして、「当該供用が開始される一般国道又は鉄道施設の区間ごとに、」と、こう規定されておりますが、この規定はどこかが供用開始されるごとにすべての指定航路について見直すというふうな意味も含んでいるのかどうか、これをお伺いしたい。
#142
○政府委員(永井浩君) そのとおりでございまして、一つの橋ができます場合にそれぞれ指定をしたい、このように考えておりますので、たとえばある航路につきましてAという橋とBという橋の両方の影響を受ける場合には、第一次指定あるいは第二次指定と複数の指定があることもあり得ると考えております。
#143
○二宮文造君 それからちょっともとに戻りますけれども、第二条の第五号ですか、「規模拡大等航路」という項目がございまして、「本州四国連絡橋の供用に伴い事業規模若しくは事業活動の拡大又は事業の開始が見込まれる一般旅客定期航路事業に係る航路」と、こういう本四架橋に伴いまして連絡橋の供用に伴って事業規模が拡大をする、あるいは事業の活動が拡大されるというのは、一体どういうことを予想してこういう項目が出たのでしょうか、規模拡大航路というのは、具体的にちょっと何か例を挙げていただくとわかりやすいのですが。
#144
○政府委員(永井浩君) 先ほども申し上げましたように、ケースとして鳴門大橋ができますと、四国と淡路島までは非常に交通が便利になります。その後淡路島から阪神地区その他の本州地区への輸送需要も誘発されるのではないか。したがいまして、明石海峡大橋ができれば別でございますけれども、鳴門大橋ができた場合におきましては、他の経路から来るよりも、鳴門大橋を通ってまず淡路島まで来て、それからフェリー等によりまして阪神地区へ来るという輸送需要がかなり増加する、このように私どもは算定しておるわけでございます。
#145
○二宮文造君 そのほかにありますか、それ以外に。淡路と阪神方面はなるほどおっしゃるとおり理解できます。しかし、これは明石海峡大橋ができますとまた同様な問題が起こってきますが、そのほかにどういうところが考えられましょうか。
#146
○政府委員(永井浩君) 一番顕著にあらわれると推定されますのは、ただいま申し上げた淡路島関係でございますが、そのほかに、数字的にはそう大きくないと思いますが、Eルートで次々に橋ができますと、ある一定期間ふえるケースもあろうかと考えております。
#147
○二宮文造君 それから、実施計画の取り消しにつきまして、「認定後に輸送需要が増大し、若しくは増大することが見込まれる場合において特に必要があると認めるとき」と規定をしておりますけれども、「特に必要があると認める」というその尺度ですね、これはどうお考えになっているのか。あわせて、運輸省令に委任しております航路指定並びに実施計画の変更あるいはその取り消しに関する必要事項、これの御説明もちょうだいしたい。
#148
○政府委員(永井浩君) 実施計画の承認の取り消してございますが、実施計画承認後、橋によらず別の要素によりまして、大きく経済事情が変動して輸送需要がふえたという場合には規模縮小あるいは廃止の必要はないわけでございます。そういった意味で変更が必要な場合もあるわけでございますが、特にそういった規模縮小の準備あるいはその準備作業がある程度進捗していない場合、事業者がそういった取り消しによって迷惑を受けない場合には取り消しをした方がよりベターではないか、こういうことで特に必要がある場合と考えたわけでございます。それから省令につきましては、それぞれ申請の手続あるいは書類、書式等を定める、このように考えておりまごす。
#149
○二宮文造君 それから次に、交付金にかかわる問題について一昨日も関連の諸団体の方にお伺いをしておりましたけれども、交付金の性格がわれわれには理解できないという御意見もございました。したがって、その交付金の法的性格は一体どう考えればいいのか、道路局長からひとつ。
#150
○政府委員(渡辺修自君) いわゆる補償という言葉があるわけでございますけれども、直接財産権を収用するとか、あるいは使用するというような場合は、当然これは補償ということになじむものであろうと思うわけでございます。今回の旅客船に対する交付金の場合は、直接の財産権の収用とか使用はもちろんございませんが、たまたま交通手段として競合しておりますので影響がきわめて大きい、それからまた、かつたびたび申しておりますように、橋ができましてこれが使われるその日までやはり輸送に当たらなきゃいけないというような公益性があるわけでございます。影響するところの規模がきわめて大きい。この点から、事業の再建その他につきまして特別の助成を行う必要があるという意味で交付金ということを考えた次第でございます。
#151
○二宮文造君 いままでの法令等をちょっと目を通してみたわけですが、地方鉄道軌道整備法で国鉄が私鉄を、あるいは道路運送法で国鉄バスが私バスを、それぞれ廃止または減益に追いやった場合、損失補償について規定をしていることは御承知のとおりです。だから、いまも御答弁はございましたけれども、交付金の法的性格というのは、やっぱり助成ではなくて補償と考えるべきじゃないか、こういうふうに私はあえて思うのですけれども、どうでしょうか。
#152
○政府委員(渡辺修自君) お話でございますが、たとえばほかにも御指摘のように道路運送法によりますバスの場合とか、地方鉄道法による場合とか、いろいろ例はあるわけでございます。そのほかに先ほどもございました北洋サケ・マス漁船の減船というような問題、あるいは塩業の転換というような問題等々いろいろございまして、われわれとしては公共補償というのには当たらないけれども、こういった他の事例を参考にいたしまして、補償ではなくむしろ補てん、あるいは事業転換に対する助成というような意味合いのものであろうと考えておるわけでございます。
#153
○二宮文造君 この算定方法だとか算定基準の問題というのが非常に私は問題になってくるのじゃないかと思うんですが、いま道路局長がおっしゃったように、事業の転換等にかかわる交付基準、これはたとえば地方鉄道軌道整備法は約八年ですね。道路運送法によれば約六年です。それからお話のありました塩業整理は四年間の利益相当分となっております。本案では助成というような形になってきて二年となっておりますが、これはどうでしょうか、いろいろな法律に規定されたことと今回の法案とではこれだけ格差がございますけれども、これはどう理解したらよろしいでしょう。
#154
○政府委員(渡辺修自君) 地方鉄道の方式の場合でございますと収益還元方式でございまして、約八年分の補てんでございまして、ただし資産の残存物件価額があればこれを差し引くということになっております。また、もともと赤字の場合には資産価額から残存物件価額をそのまま引いてしまうというような方式でございまして、いろいろそれぞれのケースによって異なるわけでございますが、実例を調べてみましたところでは大体四年ないし六年分ぐらいになるんではないか。それからバス方式でございますが、これは七年分の収益を現在化いたしまして約六・一年ほどになるわけでございますが、こういった計算をいたしまして、かつ残存物件価額を引くというようなことでございます。これも実例は余り多くございませんけれども、実際の例を調べてみますと、内容としては約六年分になるというふうに思われてます。
 なお、今回のわれわれの方式でございますが、十一条に記載しておりますように、一号、二号、三号、四号というふうにいろいろ積み上げてまいります。これはいままでのバス方式、地方鉄道方式になかったものでございます。したがいまして、資産の補てんとかがございますし、また退職金の特別加算分の補てんというものもあるわけでございます。したがって収益の補てんは二年分と考えておりますが、全体を引っくるめて考えるならば、従来の地方鉄道、バス方式とほぼ似たものになるというふうに考えておるわけでございます。
#155
○二宮文造君 それぞれ積算の過程がありますので、ちょっと私どももそういう中身の数字についてはよく理解しておりませんので、ただ単に表面に出てくる年数ということで比べてみますと、中でいろいろ細工があるんでしょうけれども、何か今回は対象が余りにも大きいというようなことが考えの前面に出てきて、たとえば利益相当分の八年、六年、四年分とかいうものに比べて二年というのは少ないのではないだろうか、低いのではないだろうかという疑問点が出てくるわけです。
 同様に、退職金の特別加算分の補てんにつきましても、かつて日本道路公団が鳴門フェリーの廃止に当たりまして、その運航に当たってきた鳴門航送組合の従業員にとった措置は、本給月額の十カ月相当額または本給月額に勤務年数に応じた一定率を乗じた額の五割相当いずれか高い方、こういう計算で鳴門フェリーの廃止に際しては退職金の特別加算分の補てんをやった。本案では八カ月となっておりますが、これは日本道路公団がやってきた方式と比べて見た目ではちょっと減額されたような感じがするわけですが、これはなぜ八カ月と抑えられたのか、お伺いしたい。
#156
○政府委員(渡辺修自君) 鳴門フェリーは、日本道路公団が一般有料道路事業として営業していたものでございます。五十三年六月に料金の徴収期間が満了いたしまして、またこれは赤字路線でもございました。そういった意味でこれは廃止した方がよろしいということでございまして、したがって日本道路公団は実は本件の当事者であったわけでございます。もちろん自分ではいたしませんで、運航は鳴門航送組合に委託をしておりましたけれども、いわば当事者でございまして、退職金の相当額としてただいま御指摘のありましたように通常の退職金に十カ月相当を加算したものを払っているわけでございます。この法案につきましてはそういった当事者ということではございませんで、影響の軽減のためのいわば救済措置になるわけでございます。したがいまして、いままでありました離職者補償の例等をしんしゃくをいたしますとともに、助成措置として妥当な限度というものを考えた次第でございます。
 これは補償ではないと申し上げながら補償の話を出すのは大変恐縮なんでございますが、実際にたとえば工場等を買収いたしまして、その場合に離職者補償を払うという場合等の例もございます。そういったものも参考にしながら、いろいろ考えました結果、基本月額の八カ月相当分というのが妥当なところであろうということで、この法案につきましてはそういうことに、させていただいた次第でございます。
#157
○二宮文造君 それから、退職金の支払いが著しく困難な事業者、これらについては普通退職金についても一定限度内において補てん措置を講ずることとしております。支払いが困難な場合というのは一体具体的にどんな場合なのか、また、一定限度内の範囲というのはどう理解したらいいのか御説明いただきたい。
#158
○政府委員(渡辺修自君) 普通退職金はそれぞれ事業主において支払っていただくわけでございますけれども、著しく困難と認められる場合と申しますのは幾つかあるわけでございますが、たとえば事業の存続そのものが困難である、会社そのものを解散してしまうというような場合でございます。その場合でも、十分余裕がある場合には該当しないのではないか、清算をいたしましたところ債務超過になることが明らかである場合、この両方の条件に合うような場合ではないかと思っておるわけでございます。また一定の限度と申しますのは、やはり現実に支払い不可能となる退職金の部分といったものを基準にして考えるべきものと思われますので、一定の限度とはそういうものであろうというふうに思います。
#159
○二宮文造君 細々とした問題が次々に続いて恐縮なんですけれども、退職金の支払い確保契約というものが問題提起されておりますけれども、この制度は新しい試みだと私は理解します。こういう制度化に至った理由は一体どこにあるのか、これを御説明いただきたい。
#160
○政府委員(渡辺修自君) 本四の場合の旅客船事業について、一般旅客定期航路事業について考えてみますと、やはりある時期に至りまして一時的に場合によりましては大量の離職者を出さざるを得ない場合がある、それに伴いまして、一時的に多額の普通退職金を支払わなければいけないという事情が生ずる恐れがあるわけでございます。このような場合に、当然退職金を積み立てておく必要がございますが、内部積み立ての場合は実は全員が退職したと仮定した場合の四〇%までしか非課税で積み立てができません。また、外部積み立ての制度も二、三あるわけでございます。たとえば中小企業退職金共済制度、特定退職金共済制度等がございますけれども、これらの制度におきましては特定の退職者を受益者とする制度でございまして、この本四連絡橋に伴う退職者のように、あらかじめ退職者を特定できない段階で、かつ事業主がこの退職金の資金を確保しておかなければいけないという場合には適用がむずかしいわけでございます。また、これらの制度につきましては掛金の制約もございまして、短期間に積み立てるということもむずかしい事情もございます。こういったために計画的に所要の退職金を積み立てる、税制上も適切な措置が講ぜられるという意味から、この本州四国連絡橋公団におきます退職金支払い確保契約の締結という制度を関係方面の御了解を得まして法律に記載することになった次第でございます。
#161
○二宮文造君 ちょっと済みません、途中で。海運局長にはもう質問はないわけです。ですから中座していただいて結構なんですが、ただちょっと私、資料を持ってこなかったので少し路線が明確じゃないのですけれども、瀬戸内海の航路です。これがたしか与島のところで東行、西行が右左で分かれていますね。何か線を、西行きが右側ですか、東行きが……右側、左側ちょっとわかりませんが、高松の方向に向いてとにかく路線が規定されていますね。ただ、水島に入る場合に与島のあたりで直角に入っていく、これは非常に航路を運航している人たちにとってはまことに危険きわまりない。われわれの方ではいつも提言をしているのだけれども、海運局では一向にその辺に考慮を払っていただけない。もし水島などの方へ向かって西行きとか、こういうふうに線を引いて本線に乗せていけば、あるいは今度は東から西に向かっていく方は与島の前で路線を切っておけば、与島のあたりで直角に水島に入っていかなくていいのじゃないだろうか、この航路指定がきわめて現状に即さないし、海難事故が起きればタンカーなどにぶつかると大変なことになる、そういう航海の経験に照らして海運局の方に意見を出しているのだけれども一向に考慮されない。いろいろな都合もあるのでしょうけれども、これは問題提起いたしておきます。御存じだったら御答弁いただきたいし、明確でなければ問題提起として後日また部屋にでも御答弁いただけばいいと思うのですが、以上でございます。それは御答弁ありますか。
#162
○政府委員(永井浩君) 突然の御質問で準備いたしておりませんが、航路につきましては海上交通安全法に基づきましていろいろ航路指定がございます。これは交通量あるいは漁業その他、あるいは船の大きさ等によりまして定められておるものでございます。いろいろ御意見があろうかと思いますので、その辺再度調査いたしまして、後ほど御報告させていただきます。
#163
○二宮文造君 長時間ありがとうございました。退出していただいて結構です。
 続きまして、先ほどの退職金支払い確保契約、いろいろ問題もあるのですけれどもはしょりまして、事業主が勝手に退職金額を決めて、そういうことがあり得るかどうかわかりませんが、しかし念のためお伺いするのですが、事業主が勝手に退職金額を決めて、それを基準に掛金の納付を行って退職金の固定化を図るという心配はございませんか、このやり方で。
#164
○政府委員(渡辺修自君) この退職金支払い確保契約におきましては、確定した退職金額を前提にして締結するものではないわけでございます。あらかじめ退職者が出ることを想定した、いわば概算的な退職金額を前提といたしまして事業主から公団に対して積み立てしていただくというものでございます。いわゆる原資を確保するというような意味があるものでございまして、したがいまして、この契約によりまして労使間で決められております個人個人の退職金の金額が拘束を受けるということは全くございません。御指摘のような心配はないものと考えております。
#165
○二宮文造君 次に離職者対策、これも時間がなくなってまいりましたので、まとめてお伺いをしたいわけでございますけれども、要するに、離職者あるいはその網にかかってくる対象の方々の数は数千名に及ぶというふうに伺っておりますし、年齢階層も相当中高年の方が多い。さらにまた離職される方も、強いて言うならば、自分の家で企業ができる職業につきたいというようないろいろな問題点が出てまいります。再就職というのは非常にむずかしいと思いますけれども、この再就職の促進のためにどのようなことをし、あるいは考えていられるのか、これはひとつ関係の方から御説明いただきたいと思います。
#166
○政府委員(鈴木登君) いま御質問の離職者の数ですけれども、五十五年四月一日現在で大体いろいろと調査いたしましたところ、一ルート三橋で船員で約四千名、陸上で約千二、三百名という数字を把握しております。そのうち離職を余儀なくされます者が約四割という推定でありますので、船員で約千六百人前後、その他の者で五百人前後の離職者が発生するんではなかろうか。そのうち年齢構成を見てみますと、大体陸上の職員も船員もほぼ同じような傾向にありまして、三十歳から三十九歳あたりが約三〇%、それから四十歳から四十九歳が二四%前後、それから三番目は二十歳から二十九歳が二〇%前後、その次が五十歳から五十九歳が一七、八%というふうな数字になっております。一応四十歳あるいは四十五歳以上を中高年齢層と見ますと、約五〇%が船員につきましても陸につきましても中高年齢層だと申すことができるかと思います。
 それに対しまして、じゃどういう対策をとっていくのかということにつきましては、いろいろと議論がされていますとおり、本法案に規定されておりますような再編成基本方針を運輸大臣がつくりまして、それに基づいて実施計画を決めて、その中でかなり詳しく離職者対策というものも規定していただきまして、不十分な場合は運輸大臣あるいは労働大臣が勧告するというふうな感じになっております。
 それから、これも法律に規定しておりますけれども、離職を余儀なくされた者に対しては求職手帳を発給いたしまして、あるいは就職指導あるいは職業訓練を実施する、さらに船員保険あるいは雇用保険の個別延長給付を行うということになっております。ただ御指摘のとおりに、いろいろなことをやりましても、やはり中高年齢層については非常に厳しい情勢にあります。
 それから、船員につきましても、特にフェリーの船員あたりはかなり定期的な航路に従事することを非常に好みまして、内航海運とかあるいは外航海運からむしろそちらの方に流れてきた船員も非常に多いというような状況でございます。一般的に……
#167
○二宮文造君 なるべく簡単に、時間がありませんので。
#168
○政府委員(鈴木登君) 一般的には、船員の需給は内航は足らなくて旅客船は余っておるというような状況で、われわれとしてはできるだけ内航船の方に従事してほしいわけですけれども、なかなかそういうわけにもいかないということでありますので、いろいろとこれからも職場の指導をすることによりまして、陸上職場への就職のあっせんをできるだけいたしましたり、あるいは本四公団の関連企業への就職あっせんということに努力いたしたいと思います。そのためにいわゆる就職相談員とかあるいは就職相談窓口を設けまして、できるだけきめの細かな中高年齢者対策というものをとっていきたいと思っております。
#169
○二宮文造君 いろいろいま御説明いただいたわけですけれども、非常にむずかしいと思うんです。したがって、私はやっぱり再就職の促進のために国とか県とか公団とか、関係者が協力をしてこれに当たる特別の仕組みが必要じゃないのか、またそのことがこういう大量の離職者を生む、もう目前に見えているわけですから、そういう方々にも精神的にも安心をいただけるということになるのじゃないかと思うのですが、この特別の仕組みを考えるということはどうですか、考慮の中に入りますか、いかがでしょう。
#170
○政府委員(鈴木登君) 先ほど道路局長からもお答えいただいておりますとおりに、幸い本州四国連絡橋旅客船問題等対策懇談会が中央にも設置されておりますし、ルートごとにも地方に設置されております。それに関係者、官も民も全部入っておりまして、かなり協力的にやっておりますので、今後その辺をできるだけ活用しながらやっていきたいと思います。
#171
○二宮文造君 次に、当然に影響を受けると思われながら、いわゆる本案のかやの外に置かれている港湾あるいは陸上運送関係の問題につきましては、よりより協議会とか調査会とかというようなものを組んでいただいて、今日までいろいろな経過をたどってきております。したがって、たとえは港湾運送事業者とか倉庫業とか、売店とか食堂とか、こういう零細企業も影響を受ける問題も出てまいるかと思うのですが、本案のかやの外に置かれているこういう方々の救済策を遺漏なきようにやっていただきたいと私は期待したいわけですが、大臣、この点いかがでしょう。
#172
○国務大臣(斉藤滋与史君) 御指摘の向き、特に港湾運送事業者の関係につきましては、港湾労働調査委員会の答申もございますし、今後の課題として結論をまって早急に適正な措置をいたしたいと思います。
 なお、これら船舶関係以外の方々の向きにつきましても、先生の御配慮を恐縮いたしておりますが、もとより本四架橋は究極の目的は地域住民の利益になるためのプロジェクトでございますので、その点につきましても、社会的混乱を生ずることはもちろん私たちも望むことではないし、またそうしたことがあってはならないわけで、その面につきましても関係の向きとよく協議を重ねながら対処をしてまいりたい、このように考えるものでございます。
#173
○二宮文造君 いませっかく大臣の答弁をいただいたわけですが、本年の三月五日に雇用対策中央協議会においてこれらの問題について、港湾関係の運送関係について立法措置を含め同協議会の場で対策の検討を始める、このように決定をしたわけでございますが、これは正式の決定と理解してよろしゅうございますか。何か記録がございますか。
#174
○政府委員(渡辺修自君) 第二回の雇用対策協議会を三月五日に開催をいたしまして、この席で港湾労働調査委員会の中間報告をもとに討議をいたしました。その結果、必要に応じ立法措置を含む対策を検討すること、この検討作業をこの協議会の下部機関として置かれております幹事会に行わせることということを出席の関係者で合意をいたしました。了解をされたわけでございます。特別従来からも正式な議事録作成とかそういう手続はとっておりませんが、特に従来も問題は生じておりませんので、口頭了解ではございますけれども、これはそのまま権威のあるものとして受けとめているわけでございます。
#175
○二宮文造君 そうしますと、これらの問題についての今後の検討というのは必要なのですが、検討のスケジュールとか、あるいはその見通しとかいうものはどう考えればいいのでしょう、今後のスケジュール、見通し。
#176
○政府委員(渡辺修自君) 大体一年以内をめどに対策について結論を得よということを話し合っております。
#177
○二宮文造君 その場合には、やはり先ほど私がちょっとあれをいたしましたが、倉庫業とか、それから売店とか食堂とかいう零細企業に関連をする方々も相当の影響を受けると考えられるのですが、これらの対応はどうでしょうか。
#178
○政府委員(渡辺修自君) 先生のおただしのような影響はもちろん広範にわたってあるとは存じます。しかしながら、これは港湾労働問題等から見ますと、もう一段たとえば転業の自由度にいたしましてもあるわけでございまして、やはり地方協議会等の場を通じまして、さらにきめ細かな対策はひとつ地方公共団体でもいろいろ御指導いただける面もあろうかと思いますので、そちらの方にも十分お願いをする。この本四架橋によりまして大きな効果は当然あるわけでございます。私どもの試算でも第三次産業にかなりふえるという試算もございますから、いろいろな点で吸収ができるんではないか。その辺はひとつ各地方にもお願いをいたしまして、万全の対策といいますか、万全の実態的な措置ができるように進めてまいりたいと考えております。
#179
○二宮文造君 ありがとうございました。
 時間も持ち時間がなくなりました。確かに本四架橋一ルートすでに四橋になったわけでございますが、この完成というものはやはり四国あるいは瀬戸内海の離島に大きな励みを与えることにはなると思うんです。これはもう否めない、また期待し得る問題でございますけれども、私が提起をいたしましたような大きくさま変わりをしてしまう。その陰の部分に入る問題についてはこれからどういう問題が出来してくるか、非常に想像に絶するようなものも出てまいる。ロケーションがもう全く変わってしまうということも考えられますので、関係方面ではたとえば国鉄、それからまた道路関係、そういうものについてはそういう大きく変化されるであろうあしたの四国、さらにまた関係の陰の部分について、よりきめ細かな施策あるいは対応しやすいように早目にマスタープランを発表する。さらには大鳴門橋の活用という面についても明石海峡大橋をどうするかという決定の問題も早期に結論をつけていただいて、地域住民が余裕を持って対応できるように御配慮を願いたいということを特に提案をいたしまして、もう大臣の答弁をいただいて私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
#180
○国務大臣(斉藤滋与史君) 本四連絡橋につきまして種々おただしがあったわけでありますが、終局的にはこの大型プロジェクトの地域住民へのかかわり合いについての御配慮につきまして、改めて敬意を表する次第でございます。一々の御指摘につきましては、十分配慮のもとに対応してまいりたいと思います。
 なお、大鳴門橋の問題、また明石海峡大橋の問題についても今後の問題として当然いろいろな関係省庁とも考えながら対応しなければならないような状況ではなかろうかと思いますが、
   〔理事増田盛君退席、理事茜ケ久保重光君着席〕
なおきめ細かく、いわゆる直接的な方々をもあわせて陰になるような人たちへの配慮につきましても、いろいろと恐縮する面につきまして十分示唆をいただきましたので、配慮してまいりたいと思います。
 究極的には、先ほど申し上げましたように、このことによって犠牲があってはならないし、社会的混乱を望むものでもありませんし、この本四架橋が地域住民の方々に今後の問題として利益になるような措置を細かい配慮を持って関係方と努力を重ね、また指導もし、万全の措置を取り計らってりっぱな橋がかかりますようにせっかく努力する所存でございます。ありがとうございました。
#181
○上田耕一郎君 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案並びにこれと関連して東京湾の横断道路及び東京外郭環状道路の問題について質問したいと思います。
 まず、大臣にお伺いしますけれども、本州四国連絡橋公団法が成立したのはいまから十一年前の昭和四十五年です。このときには、いまわれわれが審議しておりますこの法案の旅客船関係のことは全く考えられていなかった。第二十九条の業務の範囲のところにないわけです。今度改めてこの業務の中に一項目つけ加えるというのが出てきているわけですが、十一年前には旅客船関係の補償じゃない、助成だと言われたけれども、一体、今度法案として提起されているようなこういう問題は全く考えていなかったんですか。
#182
○国務大臣(斉藤滋与史君) 十一年前の関係からの今日までのプロセスにつきまして御指摘をいただきながら、本法案提出につきまして御質問があったわけでありますが、計画を進める上において、こうした配慮が十分なされた上で事業の完成を図るというようなことから詰めてきた結果の提案ということになったかと思います。また、そうあってしかるべきであろうかと思います。
 たびたび申し上げておりますように、相当大きなプロジェクトであればあるほど地域の方々への、また関係する方々への影響を考えて立案をし、そうしたことを踏まえながらりっぱな事業の完成を図るというようなことで御提案申し上げたと思います。
 細郡につきましては、なお足らざるところは局長の方から答弁をさせていただきます。
#183
○上田耕一郎君 渡辺道路局長は四月二十二日、衆議院の建設委員会で、わが党の山原委員の同じ質問に対して、「本州四国連絡橋公団法をつくるときにはここまで予想ができなかったということであろうかと思います。」と答えられているんです。大臣のいまのは思い違いなんです。十一年前には考えていなかった。考えていたら公団の業務に一行入れておくべきなんです。全く入れていない。なぜこう入ってきたかというと、結局大衆闘争ですね。実際、全く考えてないと。橋を三つつくって、フェリーの業者や従業員がどうなるかということは政府並びに公団の頭には全くなかった。その後、全日本海員組合、これはストライキを三回やったんですね。五十一年七月、五十三年九月、最後にはことしの二月に、この法案促進という意味でしょう、ストライキをやられた。それから日本旅客船協会も五十三年九月に、業者そのものが定期船ストまでやっているわけです。こういう実際に被害を受ける国民の中から声が出て、ストライキまでやって、その圧力に押されて協議会がつくられ、協議会の中で対策懇談会ができ、法案がだんだん固まってきて、ようやく今国会に提出されているという経過で生まれた法案なんです。
 私、この責任はもうそれほど追及しませんけれども、どうも政府のやることというのはそういうことが多い。今度のもそのことなんです。三ルートで皆さん方の出した資料では六千人の関係者がいるんですね。六千人の生活と権利にかかわることは、最初頭になかった。それでいろいろストライキや闘争や陳情や闘いがあって、ようやくこの法案が十一年目に出てくるということは、この問題だけじゃないんで、今後もこういうことのないように、きちんと国民の生活と権利が一体どうなるのか、政府が法案、法律をつくり、仕事をすればどういう影響が及ぶのかということを多面的に考えて、ぜひ仕事をしていただきたいというように思います。
 それからひとつ、やっぱりもう一言言っておかなきゃならぬのだが、大体この法案の提案理由説明を大臣がこの前おやりになった。その提案説明をずっと聞いていますと、私どもに配られたこの法案の中に大臣の提案理由というのは印刷してあります。私もずっと見ていました。終わったのに、ここに書いていないこと言われるんです。これを言われたのは、港湾労働者のことについてつけ加えて言われたので、ようやく十一年目に出したら今度は港湾労働者のことは印刷もしていないで、つけ加えて言わなければならぬ。それでずっと、今後至急やりたいという答弁でしょう。だから、やっぱりそういう態度が直っていないんですね。こういう点は非常に大きな問題だと思います。この中には業者の方々、また従業者に対する措置が基本的に盛り込まれておりまして、海員組合や船主の方々もこの内容には基本的に賛成だということを言われております。
 なお、一つ従業者の問題で、この従業者に対してどういう措置を考えているのか、お答えいただきたいと思います。
#184
○政府委員(鈴木登君) お答えいたします。
 私どもは従業者に対する対策としましては、具体的の金額の問題に絡んでまいりますものにつきましては本法案の中に、それからその他の実際上役所の力をいろいろフルに活用いたしましてやることにつきましては、特に二十四条あるいは二十三条あたりで努力規定というような形でまとめております。
 それでまず、義務規定的に掲げておりますものは、先ほどから御説明ありましたように、三条で再編成基本方針を運輸大臣が定めまして、その中に労働者の雇用の安定に関する条項も記入する。それからそれに基づいた実施計画も事業者の方につくってもらう。もちろんその実施計画の中には雇用問題、救済対策問題も入れてもらう。それが不完全な場合は運輸大臣あるいは労働大臣の方から勧告を行うというふうな措置をとっております。そういう措置をとりました後で、なおかつ離職が出てきたというような場合には、十六条あるいは十八条に基づきまして求職手帳を発給いたしまして、その従業者に対し就職指導を行ったりあるいは職業訓練を行いますとともに、職業転換給付金の支給をする。
 それからさらに、それとは別に一般の失業者に対して措置されております船員法あるいは失業保険法の個別延長給付も、二十一条、二十二条に書いてありますとおりに四十歳以上の者でありますけれども、九十日間特に実施するというふうな措置をとっております。
 以上は法律的に義務規定的な形で規定されておる内容でありますけれども、そのほか努力規定といたしましては、いろいろと先ほど申し上げましたとおり、二十三条、四条あたりに書いておりますけれども、その具体的内容はあらゆることをひとつ誠意を持ってやろうということでありますけれども、大きな問題を申し上げますと、やめた人たちがこれから自営業とかそういうことを始める際にかなり金がかかりますので、政府関係の金融機関にその協力を得ようということで、大蔵省、それから通産省あるいは厚生省の関係局の方にすでにそういう離職者に対する優先的な融資についての協力を要請してございます。
 それから、先ほど申しましたように本部にも、東京にも置いておりますが、地方各ルートごとにも本州四国連絡橋旅客船問題連絡協議会というものを設置いたしまして、そこで官民全体の関係者が集まりまして、いろいろとこれからきめ細かく職場の開拓だとか、就職あっせんあるいは相談というようなものに応じていきたいというふうに考えております。
 それからなお、それとは別に個々別々の官庁におきましても、たとえば私ども運輸省におきましては、すでに尾道に就職相談員というものを設置しまして、この四月当初からでありますけれども、個別に離職者の相談に応じるような体制をとっております。さらにまた、これをほかの数カ所に拡充していきたい。予算が絡みますので、五十七年度予算ぐらいで措置したいとは思っておりますけれども、そういうふうなことを考えております。
 それからさらに、そのほか職業訓練の点につきましては、私ども海技大学校の分校とか、あるいは船員雇用促進センターという財団法人のいろいろ再教育機関を持っておりますので、そういうところを利用しまして万全の再教育体制あるいは職業訓練体制をとっていきたいと考えております。
#185
○上田耕一郎君 衆議院には、参考人質疑のときに海員組合の代表も見えて述べておられますが、やはり失業の予防ということを非常に強調されておるわけです。
 それでこの方のお話では、船員というのは非常に特別な労働環境でずっとそれで生活してきた、旅客船の勤務体制の性格から言って、住んでいるところも発着港、港の周辺に住んでいるんだという実情を述べられている。それで海上から陸上へ転職することも選択せざるを得ないという判断をしているということで、いまの職業あっせんについていろんな希望を述べているわけです。全部船に仕事が見つかればいいけれども、やっぱり陸上のなれない仕事に移らざるを得ない。しかし島の近くや港の近くに家族も住んでいる、家もある。そこで陸上の仕事ということが出てくるんですけれども、どのくらい陸上での職場が確保されるか、見通しはどのぐらいつけておられますか。
#186
○政府委員(丘英夫君) 船員の方が長らく培ってきた技能と経験を生かして、そして船員として再就職されることが一番望ましいわけでございますけれども、やむなく陸上部門に変わらなければならない方も出てまいろうかと思います。そういった場合に中高年になってまいりますと、自分の居住地を変更するということが非常に困難でございます。かつて私ども炭鉱離職者対策等で非常に大きく多数の家族の方々を需要地の方にお移りいただいて就職していただいたというような経験もございますけれども、最近になればなるほど、居住地を余り変えたくないという、そういう求職者のお気持ちも強くなってまいりました。
 それぞれのところでどの程度陸上部門の求人があるかということになりますと、現在のところまだ具体化いたしておりませんので、一般的な求人状況のお話になってまいりまして余りお役に立たぬ話になってしまうと思うんですが、具体化してまいりましたら、私どもでも公共職業安定所の現在の定員だけでは不十分ではなかろうか、特別の相談員も配置して、そういった中高年齢者の単に職業上の相談だけではなくて、生活相談まで十分した上でその方に見合った求人をあっせんしていくことが必要ではなかろうかと思っておりますし、それから何よりもまず、いきなり転職するといってもなかなか容易ではございませんで、結局従来の船員の中で培ってきた技能の中で生かせるものをできるだけ生かしながら、新しく職業訓練を受けて新しい技能を身につけて、それをもととして再就職していただく、そうでないと非常に条件の悪いところしかないというのが実情だろうと思います。そういう意味で、十分御相談しながら訓練ということに力を入れていくということで対処していきたいと考えておるところでございます。
#187
○上田耕一郎君 ひとつ真剣に温かく取り組んでいただきたいと思います。
 それから、やはり海員組合代表の衆議院での述べられた中で、先ほど職業転換給付金のお話なんかもありましたが、こういうことを言っているんです。職業転換給付金をとっても生活保護を受ける場合と比較してもその水準はきわめて低い、こういうことを述べておられるんですけれども、この給付金の基準はそんなに低い基準になっているんですか。
#188
○政府委員(丘英夫君) 雇用対策法に基づく職業転換給付金について申し上げますが、これは雇用保険の失業給付、個別延長は四十歳以上の方についてございますが、そういったものが給付期間がなくなってしまった後に、就職促進手当は予算上平均的には大体月平均十一万、前職賃金によりますけれども、十一万四千七百五十円程度を予算上では一応見込んでおります。それからその方々が訓練を受けます場合に訓練手当が出る。あるいは広域求職活動費、就業支度金、移転費等々の給付金があるわけでございまして、必ずしも十分とは言えませんが、求職活動を援助し再就職を促進していくに当たって、雇用保険による失業給付が切れた後の給付金でございますので、今後とも一般の物価その他を見ながら、年々努力はしてまいっておりますが、この金額の充実には努力してまいる所存でございます。
#189
○上田耕一郎君 改善をぜひ望みたいと思います。
 それから、港湾労働者の問題ですが、いろいろ要望が出ております。たとえば雇用問題が出たとき国が企業を通じて平均賃金を五年間保障するとか、この保障するときに企業が独立体制でやっていけるように育成指導することとか、それでも離職者が出るときは転職のための受けざらづくり、転職対策を行うことなどの要望を含めて出ておりますけれども、この港湾労働者の問題についての要望にどうこたえていこうとしているのか、それからいつごろまでに検討を終えるつもりか、お答えいただきたいと思います。
#190
○政府委員(渡辺修自君) 先生のおただしは、恐らく本年の三月五日に労働側から提出されました資料かと思うわけでございますが、ただいま御指摘のような内容が含まれております。なおそのほかにもいろいろ港湾事業そのものに対しての御要望があるわけでございますが、私どもといたしましては、雇用対策協議会を持っておりまして、ここでこの港湾労働問題につきましては大体一年ぐらいを目途にこの対策について協議をしようということで決定をいたしております。その協議の過程においてこういうような御要望等につきましてももちろん参考にいたしながら相談をしてまいりたいと考えております。
#191
○上田耕一郎君 この「旅客船事業の概況」といういただいた資料に、先ほども答弁がありましたが、従業者の数が一ルート三橋で五千二百十五人と書いてあって、そのあと三ルートで六千三百五十八人と書いてあるんですね。どうもこういう資料にも、一ルート三橋――もう一ルート四橋になっちゃっているんだが、三ルートまで出ている。昭和五十年八月十五日に三大臣協議により一ルート三橋の建設方針決定とありますが、私はこの一ルート三橋、四橋が三ルートにいきかねないということがこの問題で大きな中心問題ではないかと思うのであります。
 私も高知出身なので一ルートぐらいは欲しいんですけれども、やはり三ルートとなりますとこれはむだだ。ただむだだけではなくて、環境問題も非常に大きくなります。それからこの本四架橋三ルートなどと言われたころは、やっぱり大企業のための大型プロジェクトのむつ小川原などと並んで典型として言われたわけで、こういう大型プロジェクトをぼんぼんいったことが、赤字国債の世界一の大増発を生み出した大きな原因になった。これは私もこの建設委員会で一度指摘したこともあります。それが非常に情勢が急に変わってきて、赤字国債の大増発を何とかしなきゃならぬ、財政危機を収拾しなきゃならぬ、行政改革、安上がりの小さな政府という方向がいま鈴木首相を先頭にして大きな声で叫ばれている状況になっている。
 ところが、この本四架橋の関係法案を審議し、その資料を見てみると、私も実はこの資料をいただくまで知らなかったんだけれども、いつの間にか四橋になっているんです。伯方・大島大橋というのを五十四年一月十日、国土庁長官、運輸大臣、建設大臣、伯方・大島大橋を追加決定するというので一ルート四橋にいつの間にかなってしまった。いつの間にかじゃなくてちゃんと三大臣で決めたんだとおっしゃるかもしれないけれども、どういうんですか、三人大臣が集まって一つ一つこう決めていったら、一ルー上三橋が四橋になり五橋になり六橋になり、いつの間にかそれこそ三ルート、あっちだこっちだ、橋だけどんどんかかってしまったということになりかねないように思うんですけれども、その点について建設省はどういう明確な考え、いまの状況の中でこの問題をどうしていこうとしているのか、どこに歯どめがかかっているのか、御答弁いただきたいと思います。
#192
○政府委員(渡辺修自君) この本四の三ルートにつきましては、それぞれ結びついております地域相互間の特質がございまして、また、特に一番西のEルートにつきましては、たとえば島と島が三つ集まって一つの郡をつくっておるというような地域性の問題がございまして、地域開発という意味も必要でございます。私どもは将来、将来と申しますのは相当遠い先になろうと思いますが、長期的には三ルートというものはやはり必要ではないかと思っております。しかしながら、こういう最近の情勢でございます、当面はもちろんいま一ルート三橋、これが一橋完成いたしましたので、ただいまは四橋目を始めたわけでございますが、これをとにかく仕掛かりのままほうっておくということはとてもできませんし、また大変困る問題も多いわけでございます。逆にでき上がりました場合の効果というものは大変大きい。このいまやっておりますものを当面やってまいりたいと思うわけでございます。
 もう一つお尋ねがあったと思いますが、ちょっとうっかりいたしました。
#193
○上田耕一郎君 歯どめはどうなっている、歯どめ。一つ橋ができたので次の一つをまた始めた、仕掛かりのままではいかない。そうすると、一つできるたんびにまた一つどっかやるわけですか。そしたら、じゃ四橋が五橋になり、六橋になり、地域生活の関連で開発だと、やっぱり時間はかかっても次々におやりになるという方針なんですか。大臣どうですか、大きな問題ですから。
#194
○国務大臣(斉藤滋与史君) 一ルート三橋になったプロセスにつきましては御指摘のとおりであります。終局的には三ルート必ずしも私は途中停滞でなく長期的にはやらなければならないものではなかろうかと思います。いまやるということになりますと、三ルート一遍にやるということは、やはり諸般、財政事情もさりながら、経済効果から見てもいかがなものであろうかということは私も考えておりますが、そうした経過を踏まえて一ルート三橋ということに決められたものでございまして、なお一橋追加につきましては、大三島の完成を待って地域住民の要望やみがたしということと、伯方・大島大橋、四橋追加の状況におきましてはまだ財政事情もそれほどでなかったということで順次進めたことと思います。ただ、歯どめということになりますと、ここでということでなく、財政事情と経済効果、地元の要望等々考えながら十分な精査をして進めていかれる問題であって、いま進められておる一ルート四橋が終わったからそれで一応ストップということでなく、やはり長期的にこの問題についてはいま申し上げましたような関係をよく相談しながらやってまいる問題であろうと思います。もとよりわれわれが皆さん方の御意見を聞かずにやるというようなことは考えてはおりません。十分国会諸先生方の御意見を聞きながら、とにもかくにも大きなプロジェクトでございますので、何とか四国の方々の御要望、中国との、本土との接続の問題、あるいは経済効果、あるいは安全性を踏まえてこれからもでき得れば継続的に進めてまいりたい、私はそのように考えるものでございます。
#195
○上田耕一郎君 本四架橋三ルートで必要となる鉄とコンクリートはどのくらい必要と見積もっていますか。
#196
○参考人(山根孟君) 三ルート全体の鋼材及びセメント量という御質問でございます。三ルートそれぞれ合算をいたしまして、鋼材については百九十八万トン、セメントにつきましては二百七十二万トンぐらいに見積もっております。なお、一ルート四橋、現在進めております規模について申しますと、鋼材が九十九万トン、セメントが百五十三万トンというぐあいに見積もっております。
#197
○上田耕一郎君 莫大な量なんですね。三ルート全部つくる、どうも大臣のお話でも一挙にでないけれども究極的にはやっぱりつくりたい、先ほどの局長のお話でも、なし崩しに一つずつ橋をかけていって完成する、それから財政状況がよくなればもっとスピードを上げようというおつもりのようですが、百九十八万トンの鋼材といいますと、たとえば霞ケ関ビルは鉄骨一万五千トンですから、恐らく霞ケ関ビルの百三十むね以上の鋼材が使われるということになるんですね。橋というのはやはり鉄とコンクリートのかたまりです。それから地元の雇用なども私ども調査したことがありますけれども、これらの事業に地元雇用というのは本当に少ないんです。やはり大企業、特に新日鉄など鋼材をつくるところ、セメントをつくるところですね、これは中小企業でつくらないので、その大企業のためにはとぎらさないで事業を続けていかざるを得ない。大体この三ルート計画そのものがそういう大企業救済の大変なむだなスペンディングだったと思うんですけれども、それを少し時間を延ばしておやりになろうとしているのだと感ぜざるを得ない。これはやはり財政危機を進めるものであり、深めるものであり、いまの行政改革の精神から言っても、この建設省の方針というのは非常に大きな問題があると、私は反対を表明したいと思います。
 ここで議論していてもけりがつきませんけれども、環境庁にお伺いしたいんだが、瀬戸内海国立公園ですね、この国立公園を所管している環境庁として将来三ルートとも工事を実施するということについて、自然景観や公園の環境にどういう影響を及ぼすと考えておられるのか、御答弁いただきたい。
#198
○説明員(高峯一世君) 本四架橋につきましては、お話のとおり、瀬戸内海国立公園の中に関するものでございますので、当然自然景観なり環境にいろいろ問題があることは当然でございます。そういう観点に立ちまして、私ども自然環境保全審議会という審議会がございますが、これらの案件につきましては、この審議会の御意見を体していろいろ対処していきたい、そういうことで審議会の御意見を聞きながら慎重に対処してまいりたいと考えております。
#199
○上田耕一郎君 そういう態度ではなかなか環境を守れません。もっとしっかり環境庁として瀬戸内海の自然景観に問題があるんなら問題がある、三ルートこういうものをつくられたらどういうことになるということを、大臣を先頭にして国民の声を背景にきちんとした態度と方針で臨んでいただきたいと思うんです。
 実は、こういう問題は東京にもやはり関係があるんです。東京湾の横断道路問題、これが計画されているわけで、国会でも何回か問題になりましたが、この横断道路は全長十五キロ、六車線、それで工期約十年、事業費は五十年試算で七千百億円というんですから、いまだとやはり一兆円のプロジェクトだろうと思うんです。木更津から川崎までのフェリーボートがありますから、瀬戸内海ほどたくさん航路はありませんけれども、いま審議している法案のような対策も当然東京湾横断道路に伴って問題になることです。建設省と連絡をとりながら道路公団が東京湾横断道路についてはずっとかなりの費用を使って調査を行っている、調査書も出ています。建設省道路局からもこの概要というのは出ておりますし、日本道路公団から「東京湾横断道路計画について」という調査結果の書類も出ております。いろいろな問題がありますけれども、やはりまず最大の問題は東京湾の環境問題、これは千葉から東京、神奈川とずっと大都市が密集しているところで、東京湾の汚染はこれまでも非常に大きな問題になっている。
 たとえばこの事業ですが、まん中に二つ島をつくるんですね。その島は幅百メートル、長さ五百メートルあるんです。その島を二つつくって、そこに橋をかけて、その島をトンネルで海底をつなごう、東京湾のど真ん中に、両方合わせると一キロですよ、一キロの島をつくろうという計画なんですからね。こういうことをやると工事中にヘドロがすごく出るだろう。東京湾が真っ茶色になってしまうんじゃないか。ヘドロ問題の心配が出ている。それから残された大事な干がたがずっとなくなってしまうのじゃないかというので、干がたを守ろうという運動も起きている。木更津には四十ヘクタールのアシの原と千二百ヘクタールの拡大な干がたがある、これが取りつぶされるというので地元で運動が起きている。私は道路公団、建設省のものなんか拝見したんですが、環境問題についてはきわめてちょこちょこっとしか書いてない。潮流の速さもそう変わりません、水質もBODは大して変わりませんということしか書いてない。しかし、二つの人工の島をつくって乗っけてしまうというのはそんなことじゃないのです。
 非常に大きな問題としてはこういう問題がある。東京湾の水ですが、これは入れかえられてるんだそうです。これは賛成の側の本ですけれども、千葉日報社「明日の東京湾」という本がありますが、これを見ると、東京湾の水は、上の方は湾の外へ流れ出ていて、下の方、深いところは湾の中へ流れ込んでいる、非常に複雑な流れ方している。時計の針の回りのように回っている。何カ月に一回か東京湾全体の水が入れかわるんですね。これ海上保安庁に聞いてみたら、各大学などで研究中だが定性的にこうだと言える定式化されたものはない、いま研究中だと。東京都の水質保全部管理課長に聞いてみたら、こうだというものになっていないらしい、文献で見たことはある、その資料はすぐ出てこないんだが二カ月に一回だったかということのように思うと。東京湾の水は二カ月に一回、これは記憶なのでよくわかりませんが、私も、前に東京湾を東京都の船でずっと見たときに説明を受けたことがある。東京湾の水が入れかわっている、それが湾の途中に五百メートルの島をつくられたら湾の水の入れかわりが非常に長期になってしまうとか、大変なことになるという説明を受けた記憶があるんです。六、七年前なので私も数字を完全によく覚えておりませんけれども、そういう大変な問題がある。
 人工島のことはこれらの調査でもなかなかまだ未知の部分が多いという、それをちょっとしたシミュレーション計算で水流もそう変わらぬ、BODもそう変わらぬという程度でこんなものをつくることを進められたら、それこそ取り返しのつかないことになるんだと思うんですが、まず環境庁に、東京湾にこういう人工島を二つつくってこういう膨大な横断橋をつくった場合に、東京湾の環境はどうなるだろうか、いままでお手持ちのデータ、で結構ですが、お答えいただきたいと思います。
#200
○説明員(森下忠幸君) お答えいたします。
 私ども手持ちのデータでそういう島ができたらどうかということについてはお答えいたしかねますけれども、持っておりませんけれども、こういった大きな工作物ができたという場合にはいかなる観点から環境に与える影響をチェックしなきゃならぬかという、そういう基本的な考え方については御説明いたしたいと思います。
 こういった計画が具体化いたしますと、先生がいまおっしゃいましたように、大きな工作物ができる、それによっておっしゃいましたように、海流が影響を受けるであろう、その海流が影響を受けたことによって水質にも影響を受けるだろう。その工作物がどこにできるかという位置の問題、それから大きさの問題、形の問題によって影響の大きさは異なると思います。でございますが、そういったものが想定されました段階で、こういう工作物が存在することによる影響、それからそれをつくりますための工事中にどんな影響ができるかということ、それから工作物ができまして上を自動車などが走るわけでございますけれども、その供用によって、これは水質だけじゃございませんけれども、環境にいろいろな影響が出てまいります。それぞれについて細かく評価をしていくことが私どもといたしましては必要かと考えておる次第でございます。
#201
○上田耕一郎君 場所もそれから構造物も大体決まっているんです。建設省道路局が資料で、島の形から、幅百メートル、長さ五百メートルから、どこにつくるか、全部もう決まってるんです。環境庁、なかなかこれ首都の近辺の大問題なので、ひとつ建設省から資料をもらって、基本的な概略計算でいいんですけれども、まだ環境アセスメント法はできておりませんが、ひとつこの予測の大まかな概略ですね、それを行って当委員会に報告していただきたいと思います。
#202
○説明員(森下忠幸君) 建設省の方からいただきまして検討さしていただきたいと思います。
#203
○上田耕一郎君 それをひとつお願いします。
 建設省にお聞きしますけれども、去年の東京新聞の一月七日には、東京湾横断道路を五十六年度着工という大きな記事が載りました。それから、同じく五十五年二月十日のサンケイ新聞には、五十七年度に着工という記事が載りました。「建設省、道路公団では現行の第八次道路整備五カ年計画の最終年度である五十七年度には着工にこぎつけたい方針で、順調にいけば着工から十−十二年後には首都圏の大動脈となる”夢のかけ橋”が誕生する。」と。非常に気の早い重大な記事だと思うんですけれども、こういう事実があるのかどうか。いま環境庁にもお伺いしましたが、こういう大規模な構造物、人工島を二つつくるようなことをやったら、非常に東京湾の海流の変化を初めとする大きな変化が生まれるということは明らかだと思うんですけれども、そういうこともろくに結論も出ていないうちに五十六年度着工とか五十七年度着工とかいうことは一体あるんですか。
#204
○政府委員(渡辺修自君) 新聞の記事につきましては私よく承知しておりませんけれども、実はいまやっております第八次五カ年計画、五十三年から五十七年でございますが、この五カ年計画をつくります時点では、この東京湾横断道路についてこの五カ年の期間内に着工を図るという当初の考え方であったわけでございます。そういうことからあるいはそういうような記事が出たのかと推定をするわけでございます。まだいまのところは道路公団におきましてもろもろの調査をやっておる段階でございます。したがいまして、もう少し精度を上げてからというふうに私どもは考えております。
 ただ、この水質の問題につきましては、先生からもお話のございましたコンピューターを使いましたシミュレーション計算、それからこれはまた別の目的でなされた実験ではございますが、運輸省の研究所で模型実験をされたデータもございますが、水流には若干の変化はございます。ただし、速くなるというような効果もございまして、水質汚濁にはいまのところ影響はない、非常に少ないということになっております。ただ、もちろんこの島の形だとかいろいろまだ詰める問題がありますので、私どもとしてはさらに十分調査の精度を上げていきたいというふうに考えている現状でございます。
#205
○上田耕一郎君 どういうシミュレーションをやったかわかりませんけれども、たとえばこの本には、富津周辺のある漁業のお年寄りの話がある。とにかくこの海の潮はよく変わる、速い日もあれば遅い日もある、千葉へ行くのにも三日か四日がかりのこともあるが一日で打っちゃうことだってあったと。大変複雑な海なんですね。そういうものを潮の速さがどうか、BODがどうだとか、その程度のことじゃなくて、本格的な調査をやる必要があるので、まず環境問題ですね、この環境問題についてぜひきちんとした調査を行わずに五十六年、五十七年着工というようなことは絶対ないというふうに受け取ってよろしいですね。
#206
○政府委員(渡辺修自君) 現状では調査の精度をまだもう少し高める必要がある、こういう時期でございます。
#207
○上田耕一郎君 さて、この問題とも関連もあるんですけれども、東京外郭環状道路の問題について最後にお伺いしたいと思います。
 私が四月七日の当委員会で東京の都市計画道路について質問したとき、斉藤建設大臣から、「事務レベルということでなく総合的に、縦横からよく検討させていただいて、軽々しく三十五年前の計画を持ってきたから、はいよという形で認可するということは私はなじまないというように考えておりますので、十分な配慮をもって対処」するという認可についてのお約束をいただきました。あれは東京都の問題だったんですが、外郭環状道路というのは今度は建設省が直接関与して進めている道路なんです。
 御存じと思いますけれども、この問題は長い経過があります。衆議院でも参議院でも建設委員会で請願も出ましたし、委員会でも取り上げられました。いまからもう十数年前になりますが、当時非常に大きな住民運動が起きまして、たとえばこの外環道路、練馬のところでは石神井公園がつぶされる、あの中の三宝寺池、みごとなモがあるんですけれども、そのモもつぶされてしまう、それから善福寺池などもかかりますし、非常に大きな運動が起きまして十万以上を超す署名も出ました。それから外環問題国会議員協議会という超党派の議員協議会も生まれて、ピーク時は衆議院、参議院合わせて八十名の議員が参加して、各党の窓口は自民党が粕谷茂、公明党大野潔、社会党高沢寅男、民社党和田耕作、共産党松本善明と、こういう超党派の議員協議会もできて、いろいろ運動をしていったということでした。
 当時国会で答弁がありました。たとえば四十五年十月九日、当参議院建設委員会では当時の根本龍太郎建設大臣が、「少なくともそうしたことで地元と話し得る条件のととのうまでは、これは強行すべきではない、こう思っています。だからその間においては、しばらく私は凍結せざるを得ない。」、こうわが党の春日正一議員に答えられました。いまから十一年前になります。四十八年には、衆議院の建設委員会でやはりわが党の柴田議員の質問に対して金丸建設大臣が、「この問題については、県、市町村、そして住民がまっぴらごめんだ、こういうことであればこれはとりあえず取りやめるべきだ、こういうふうに考えております。」という答弁がありました。ですから、根本建設大臣、金丸建設大臣が住民の反対があればやめる、凍結するという答弁をいまからほぼ十何年前、一番問題が燃え盛っていた時期に答えられているわけです。それから国会の請願も、昭和四十二年参議院建設委員会で全会一致で反対請願が通過しています。また、四十七年にも参議院建設委員会でこの再検討に関する請願を五件採択しております。ですからこの問題は事実上凍結のまま来た。東京都並びに千葉では用地買収も全く行われていない、埼玉で若干十キロ以内ぐらい工事が進んでいるというだけの道路なんです。ところが、先ほどの東京湾の問題に引き続いて、新聞で非常に重要な記事が載ったのでお伺いしたいと思います。
 これは日本経済新聞の去年の八月二十六日の記事です。非常にはっきりしたことが書いてあるんですね。「建設省は二十五日、」、つまり八月二十五日です。「早ければ昭和六十五年、遅くも七十年には完成させる方針を固めた。この道路の完成目標を同省が示したのは四十一年の計画実施以来初めて。」と、そう書いてあります。「外環道路の通る東京、千葉、神奈川ではまだ用地買収のメドが立っていないが、同省は「首都圏の都市配置の要として外環の完成が急がれる」として、完成目標を明示した。」と、こう書かれている。事実をまずお伺いします。
#208
○政府委員(渡辺修自君) 建設省でたとえば公式な記者発表でそういうことを申し上げたような事例は全くございません。恐らくスクープであろうと思います。
 考え方といたしましては、これは道路計画論といたしましては、東京のこれだけの人口が住まっておるところに四万八万から幹線が入ってまいっておるわけでございますから、やはり強い環状線がなければこれは都市としても成り立たない、あるいは都市のいわゆるいろいろな意味の安全ということを考えましても必要だということは当然あるわけでございます。そういうことをあるいは担当の者が申し上げて、それがそういう記事になったのかと想像するわけでございます。建設省としてはそのようなことを正式に決めた事実はございません。
#209
○上田耕一郎君 正式に決めたのではないと言われるんですが、同じ記事に、「同省は、九月に発足させる都市政策調査委員会の「大都市地域総合整備推進部会」で首都圏の道路の配置はいかにあるべきか、また住宅地など市街化地域と農地など市街化調整区域の増減などを検討。その中で外環道路については昭和六十五−七十年の完成に向けての問題点などを探る方針。」と、こう書かれてありますけれども、去年の九月にこの都市政策調査委員会の大都市地域総合整備推進部会というものを発足させてこういう問題を検討をしてはいるんですか。
#210
○政府委員(渡辺修自君) ただいまのおただしでございますと都市のお話でございますので、あるいは都市局がいろいろな今後の将来像を考えるということをこれは当然所掌の職務としてやる必要があろうかと思います。私、ちょっと残念ながらその点については承知しておりませんので、大変申しわけございませんがお答えできません。
#211
○上田耕一郎君 改めてどうもお答えにならないけれども、先ほど若干考え方についてそういう道路が必要だとは思っていると言われましたけれども、延長八十五キロのこの道路計画の位置づけ、それからもし実行した場合の総事業貨、それから工期などについてお聞かせください。
#212
○政府委員(渡辺修自君) 計画は半径が約十五キロの環状の道路でございますから、湾岸道路に重なっております部分を除きましていわゆる陸上部分だけで八十五キロということになるわけでございます。ただいまその北側の部分、国道十七号の新大宮バイパスから東に参りまして大体国道六号までの間を事業化をしておるわけでございますが、この間だけでも大体四千億円を超える事業費ということになっております。しかし、この整備の期間がやはりまだ確定できない最近のこういう情勢でございますので、全体事業費の確たるものはまだ見通しは立っておりません。
#213
○上田耕一郎君 都市計画決定になっているところとまだなっていないところがありますね。その現在の状況についてお伺いします。
#214
○政府委員(渡辺修自君) 現在この八十五キロの中で都市計画決定ができておりませんところを申し上げますと、東名高速道路に交差する区間からずっと多摩川に沿いまして、分岐としては、川崎に至るもの、あるいはこの途中で東京都内へ入りまして蒲田に入ってまいります部分、この部分が都市計画決定ができておりません。あとはできております。和光市のところがキャンプ・ドレイクの返還に伴いまして残っておりましたが、これも都市計画決定になっております。
#215
○上田耕一郎君 東名道路から南の都市計画決定になっていない多摩川のところ、ここについては建設省としてはどういう考えを持っていますか。
#216
○政府委員(渡辺修自君) この外郭環状道路の計画をまとめるという意味におきまして、いまそのリンクの一部が欠けておるわけでございますから、これはやはりなるべく早く計画としては固めてまいりたいというふうに思うわけでございます。
 ただ、この地区につきましては大変その後状況が変わってきておりますし、いろいろ建物等もできてきております。いまのところこれなら大丈夫だという案をまだつくるに至っておりません。地方公共団体その他関係の方々と御相談しながら今後計画を詰めていきたいというふうに考えております。
#217
○上田耕一郎君 そうしますと、鈴木都知事が首都圏サミットで外環を促進する旨の発言をしたということが伝えられているんですけれども、これは何も建設省と相談して鈴木都知事が発言したものではない、そう受け取ってよろしいですね。
#218
○政府委員(渡辺修自君) やはりこの外郭環状道路は、先ほど申し上げましたように、道路計画論としては強い環状線が必要だということは、これは都市のあり方として当然認識できるわけでございます。そういう意味合いにおきまして知事も発言されておるのであろうというふうに考えます。
#219
○上田耕一郎君 道路問題というのは、この間の四月七日の都市計画道路の問題で私ここでも持ち出して、先ほど申し上げたような答弁を大臣からいただいたんですけれども、もしこの外郭環状道路なるものも、一般的に都心から十五キロのところに道路が一つ幅の広いのがずっとあればそれは非常にいいだろうということを、自動車交通などを首都の中心を通さないで外環から通そうというだけの抽象的理論で考えるなら、なるほど道路局長の言われたようなことが一つはあり得るかもしれない。だから都市計画決定にかなりの部分なっているとしても、実際にこれをやろうということになれば、十数年前に文字どおり超党派で大運動が起きたようにまた大運動が当然沸き起こるんです。
 そこに住んでいる方々、商売をしている方々はたくさんいらっしゃる。それから石神井公園の自然を守りたい、善福寺の池の自然を守りたいという動きも当然起きてくるんですね。鈴木都知事の発言で、外郭環状道路をまたやるのか、都市計画道路もずっと進めようとしておりますので、やはりそういう心配を練馬の方々あるいは三鷹の方方、武蔵野の方々、当時非常に運動を大きく進められた住民の方々は心配を持つのは当然なんです。しかし、そんなことをやろうとしたらまた大変なことになるということで、私はこの問題については十一年前に根本龍太郎建設大臣が凍結すると言われ、金丸大臣も、住民がそうやって反対し自治体も反対しているものはこれは取りやめざるを得ないということを答弁したんだけれども、この凍結という根本建設大臣その他の本委員会での答弁、これはいまでも生きているというようにわれわれは考えているんだけれども、建設大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#220
○国務大臣(斉藤滋与史君) 根本大臣、金丸大臣の御発言、それは否定していない限りはまだ生きているかとも思いますが、どうでしょうか、あの四十二年、四十五年、四十七、八年の請願の取り扱い等々もありますが、私はその後非常にこの東京を見るにつけ、過密都市としてのありようを考えたときに、できるできないは別として、私も御答弁申し上げましたように、地域住民の反対があればこれはやろうとしてもできないわけでありますが、何とか御理解をいただいて、東京外環道路はやはり御理解をいただければつくりたいな、つくった方がいいというように考えているものなんです。
 といいますのは、たまたま私、地震を専門にやりまして、東海沖地震等々を考えたときに、東京の過密都市の皆さん方の生命、財産を守る上からの避難道あるいは緊急の場合の道路等を考えますと、こういう道路が一番有効だということは、アルジェリア、イタリーの地震を見てもよくわかったんです。したがって、それはもう石神井公園あるいは善福寺をつぶすということを具体的に言われますと私自身も反対せざるを得ないのですけれども、何とか方法論を考えて少し前向きで御理解をいただければぜひ仕上げたい、やりたいなと、このように考えるのです。
 したがって、前段の御発言についてはその後解除いたしておりませんから、凍結ということは生きておられると思いますが、考え方としてその後の都市化のありよう、災害等を考えて、いまある環状線がいかに東京都の交通混雑の緩和に役立っているか、それでさえももういま飽和状態。いまここで災害が起きたらとてもじゃないけれども……。したがって、そういう面も考えて、ひとつ総合的にぜひ御理解をいただきたいと思います。
 なお、先ほど東京湾横断道路のこともありましたけれども、あれはもう私、先生の言われるのと同感なんです。やはり必要なものと、そのことによって自然破壊してどのような影響を受けるかということは、小さい問題でもたくさん知っているんです。ましてや、海、潮流の関係することはもうよほど気をつけてやらないと大変なことになってしまう。これはいまの科学の粋を集めればその調査はできると思いますので、六年、七年という新聞が出て、それはこちらの責任でなく、記者が書いたようでありますけれども、これはもう十分な配慮を持ってやるべきことだと私は考えております。そうしたことで、影響ないということがはっきりわかった時点でまた考えてもよろしいわけで、この自然環境というものについてはよほど慎重に、大きなプロジェクトであればあるほど考えるだけの慎重さが私はあってよろしいんじゃなかろうか。しかし、それが横断道路が必要でないということでなく、そういったことも含めてやっぱり対処する、このように私は考えているものでございます。
 外環道路等につきましても、ひとつ住民反対ということを考えながら何とか理解をいただいて、生命、財産という一つの大きな社会的意味合いも、十年前から起きてきたということで、でき得べくんば地域の方々の御理解をいただいて私はやっていきたいなと、このように考えるものでございます。
#221
○上田耕一郎君 東京湾横断道路の問題では、環境破壊、環境問題がちゃんと結論が出なければという答弁をいただいた。それから外環道路については、一つは、凍結という大臣答弁は取り消されていないので生きている、それから一つは、災害問題なんかを考えれば、住民の御理解をいただければやりたい、それから三つは、石神井公園などと聞くと私も反対だということなので、だから住民の理解がなければ、反対しているのにそれを押し切ってやるということはない、そう受けとってよろしいですね。
#222
○国務大臣(斉藤滋与史君) なかなか上田委員はお上手でございますので、表現がなかなか私も考え考え言っているつもりでございますけれども、本筋としてそれで結構だと思います。
 ただ、一人でも反対があればやらないということまででなく、御理解をいただいて前向きでひとつできるように御協力をお願いしたい、このように考えるわけであります。
#223
○上田耕一郎君 なかなかそれは直ちに御協力というわけにまいりませんが、やはり本当に環境をよくする、それから東京都民の、また住民の希望に応じて生活と権利を守りながらいい都市づくりを進めたいという点では一致していると思います。
 これで質問を終わります。
#224
○理事(茜ケ久保重光君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#225
○理事(茜ケ久保重光君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案について、去る二十六日、社会労働委員会から連合審査会開会の申し入れがございました。この申し入れを受諾することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#226
○理事(茜ケ久保重光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#227
○理事(茜ケ久保重光君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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