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1980/06/02 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 建設委員会 第11号
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1980/06/02 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 建設委員会 第11号

#1
第094回国会 建設委員会 第11号
昭和五十六年六月二日(火曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         宮之原貞光君
    理 事
                坂野 重信君
                堀内 俊夫君
                増田  盛君
               茜ケ久保重光君
    委 員
                井上  孝君
                植木 光教君
                遠藤  要君
                谷川 寛三君
                中村 禎二君
                赤桐  操君
                二宮 文造君
                原田  立君
                三木 忠雄君
                上田耕一郎君
                栗林 卓司君
                江田 五月君
   国務大臣
       建 設 大 臣  斉藤滋与史君
   政府委員
       運輸省海運局長  永井  浩君
       運輸省船員局長  鈴木  登君
       労働省職業安定
       局長       丘  英夫君
       建設省道路局長  渡辺 修自君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        森  一衞君
   説明員
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部日
       本鉄道建設公
       団・本州四国連
       絡橋公団監理官  黒野 匡彦君
       運輸省航空局技
       術部運航課長   石井 俊一君
       海上保安庁警備
       救難部航行安全
       課長       加藤 書久君
   参考人
       本州四国連絡橋
       公団総裁    尾之内由紀夫君
       本州四国連絡橋
       公団理事     山根  孟君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路
 事業等に関する特別措置法案(内閣提出、衆議
 院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案の審査のため、本日、本州四国連絡橋公団の役職員を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(宮之原貞光君) 前回に引き続き、本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○栗林卓司君 まず、建設省にお尋ねをいたしますが、本四連絡橋公団がつくりました「本州四国連絡橋の意義と効果」という刷り物の中で、どこでつくっても同じことでありますが、本四架橋は、現在の本四間の交通体系を画期的に改善をする、四国地域の発展に大きく寄与をする、西日本地域全体の均衡ある発展を促進する、地域住民の生活水準の向上と安定に大きく寄与をする、さらに、近時地盤沈下が憂慮されている関西経済圏の発展に寄与をする等々ということが書いてあります。それで、こうした効果を期待していくためには、現在は一ルート三橋もしくは四橋と言われておりますが、にとどまらないで、明石海峡大橋の建設がどうしても必要であるというふうにお考えになっているかどうか、まずこの点をお尋ねしたいと思います。
#6
○政府委員(渡辺修自君) お答えいたします。
 先生御指摘になりましたように、将来の均衡ある国土の発展を考えますならば、長期的には基本計画どおり明石海峡大橋を含めました三ルートの完成というのが望ましいことであろうとも思っております。また、すでにこの明石海峡大橋につきましても、運輸、建設両大臣によります工事実施計画の認可がなされておるわけでございます。たまたま四十八年十一月の石油危機に際しまして凍結をされ、これが今日までそのまま継続をしておるという状況でございます。私どももいろいろ関係省庁と御相談をしなければいけませんが、このわが国の経済状況の推移等を十分慎重に見守りまして、この他のルートにつきましての取り扱いを考えていきたいと思っておるわけでございます。
#7
○栗林卓司君 そうしますと、確認でありますが、諸般の情勢を検討しなければいけないのはもちろんとして、可能であれば可及的速やかに着工に入りたいということと理解してよろしいですか。
#8
○政府委員(渡辺修自君) 一口で申し上げますと、先生の御指摘のとおりかと存じます。ただ、現下の経済情勢きわめて厳しいものがございますので、その辺は十分慎重に検討いたしたいと思っております。
#9
○栗林卓司君 いまの問題と関係するかどうかわからないのですが、ちょっと御質問申し上げたいのですが、一ルート四橋の橋の上の交通量として試算が出ているわけです。大鳴門橋を見ますと、供用開始時、自動車でいきますと、一日当たり一万一千九百台となっております。これが昭和六十五年、ということは供用開始をしてからだいぶたってからの状態を見ると、供用開始時が一万一千九百台であるのに一万一千四百台とむしろ減っている。これは明石海峡大橋がないのでこういう妙なかっこうになるということになるのでしょうか。というのは、ほかのルートあるいは橋を見ると、供用開始から昭和六十五年の推定を見ますとそれぞれふえている。鳴門大橋だけが減っている。この辺はどういうことでございましょうか。
#10
○政府委員(渡辺修自君) まず大鳴門が五十九年ごろといま考えておりますが、完成をいたします。そういたしますと、この大鳴門を利用いたしまして、淡路島を陸上を走ってまいりまして阪神間のフェリーに乗るという交通がかなりふえるわけでございます。ところが六十二年になりますと、Dルート児島――坂出が完成をいたしますので、今度は陸上で全部走れるわけでございますから、そちらの方に交通が一時移るわけでございます。それからさらにまたその後徐々にふえてくる、こういう経緯で、そういう数字が出ておるわけでございます。
#11
○栗林卓司君 運輸省にお尋ねをしたいのでが、この法律の中にある再編成基本方針を踏まえながら、規模縮小航路と規模拡大航路と二つの航路指定の対象があるわけだけど、これをどうやって組み合わせながら具体的にこの橋の完成に伴う影響の軽微化を図っていくのかという点についてはいかがでございますか。
#12
○政府委員(永井浩君) 法案に定義がございますように、規模拡大等航路と規模縮小等航路とそれぞれ分けるわけでございますが、縮小航路は、一般に橋がかかりますと需要が減少するということで事業の規模を縮小するとかあるいは廃止する。拡大航路は、余り例としてはございませんけれども、先ほどお尋ねございましたような鳴門海峡に橋ができまして、明石海峡大橋ができるまでの間、かなり淡路島と阪神間の航路につきましては需要がふえるのではないかというふうに予想されるわけでございます。したがいまして、こういった場合には相当便数をふやすとかそういった対策は講じなければならないだろう。ただこれは、いずれ架橋が完成いたしますと、また縮小いたしますが、その間はやはり輸送需要に対応して所要の措置を講ずる必要がある。
 この場合に、規模縮小航路から不要になりました船とか、あるいは離職を余儀なくされる船員をこういった拡大航路に雇用してもらうというようなことも一つの考え方ではないかというふうに考えておりまして、基本方針の中にそのような拡大航路の協力義務をうたいたい。また、後ほど実施計画が出された場合にも、この基本方針に照らしまして必要な勧告等を行いたい、このように考えております。
#13
○栗林卓司君 いまのお話のように規模拡大航路ということになりますと、実際には明石海峡における航路ということになるわけですね。明石海峡大橋はどうかというと、先ほどの建設省のお答えのように、諸般の状況は十分慎重に考えなければいけないけれども、可及的速やかにつくっていきたい、大鳴門橋の上を走る自動車を考えると昭和六十五年でむしろ減ってしまう、減ってしまうのは児島――坂出の全通等によってそちらへ流れてしまうということになるのだけれども、本当は明石海峡大橋が同時に完成していれば、これはもっと交通量はふえるかもしれぬということでしょう。本来の三ルートが必要であるかどうかという議論は別にしまして、大鳴門橋をつくったら当然明石海峡大橋もつくらないとつくった意味がない。そうするとそれは早くしなきゃいかぬ。片一方では規模拡大航路に相当の期待を持ちながらこの過渡期を渡っていきたいという運輸省の思惑もある。その辺のところなのですけれども、運輸省の側とすると明石海峡大橋の方はなるべく先に延ばしてくれ、延ばしてくれればくれるほど諸般の対策がうまくいくのだということになるのでしょうか。
#14
○政府委員(永井浩君) 関係事業者にとってみればあるいは御指摘のようなことがあろうかと思いますが、日本の交通体系全体から見ますと、やはり橋の完成というのは早期にやることが望ましいのではないか、私どもはこう考えております。ただ、関係航路事業者にとりましては最後の瞬間まで旅客なり自動車を輸送する義務がございますので、そういった意味で規模拡大等を行いまして必要な需要に応じさせるように指導していきたい、このように考えておるわけでございます。
#15
○栗林卓司君 私が伺っていますのは、しようがない、橋ができてしまう、この際転業しようか、あるいは新しい職を見つけようかというときに規模拡大航路が目の前にある、しかもその需要は社会的責任において満たさなきゃいかぬ、したがってそっちもやるんだ、そんなことがなきゃもっと早く転業ができたかもしらぬ、もっと早く新しい職場に対応できるように自分自身を訓練できたかもしらぬ、にもかかわらずそっちになった。いわばその規模拡大等航路があるおかげでかえってその事業者にしても航路に従事する労働者にしてもまずかったのだろうか、いわば余りに運輸省の側の勝手な理屈で規模拡大航路、規模縮小航路と指定されているのじゃないか。そんな気がどうしてもするのですが、どうお考えになりますか。
#16
○政府委員(永井浩君) 規模縮小等航路あるいは規模拡大等航路の指定につきましては、なるべく客観的あるいは正確な需要予測に基づいて私どもはやりたい、このように考えておるわけでございます。それでこれらの事業者に対します事前の対策と申しますか、そういったものをやればよろしいのでございますが、他に交通機関がないというようなケースがほとんどでございまして、私企業ではございますが、それらの航路の持つ公共的な性格から架橋供用開始まではやはり輸送の義務がある、このように考えております。したがって、架橋後のいろいろな対策について事前に準備をする必要はあろうかと思いますが、事前に実際に手を打つということはやはりできないのではないかと考えております。
#17
○栗林卓司君 運輸省としまして航路を指定するというのはどういう意味を持った行為なんですか。あれは需要が拡大するから規模拡大等航路である、これはだめになったから規模縮小航路だと分類整理していりゃいいというものじゃないですね。航路を指定するということの意味は、運輸省にどういう責任を負わせるのですか。
#18
○政府委員(永井浩君) 航路を指定するという意味でございますけれども、指定航路のうち規模縮小等事業者は、この指定を受けますと将来の事業廃止あるいは事業規模の縮小のためのいろいろな準備段階に入るわけでございます。さらに実施計画を策定いたしまして運輸大臣の認定を受ける。この認定を受けますと、その後、事業者に対する交付金の交付とか、あるいは働いております労働者に対する諸般の施策がこの実施計画によってスタートするということでございまして、航路指定はある程度事業者に事前に準備をさせるという意味もございますし、その後に続く国なりの施策の前段階になるというふうに私どもは考えております。
#19
○栗林卓司君 たびたびのお尋ねで恐縮ですけれども、では規模拡大等航路の正確な意味というのは、私がこれから申し上げるのに間違いないかどうかということなのですけれども、規模拡大等航路というのは、ただいまのところは需要が増加するけれども、将来とすると確実に規模縮小航路になる、それが規模拡大等航路の意味ですか。
#20
○政府委員(永井浩君) 基本的には御説明のとおりでございまして、ただ、この橋と関係なく将来わが国の経済の規模とかあるいは四国――本土間の流通等が伸びますと、その三ルート全部完成したマイナスと相殺されて橋だけによる需要減というものをカバーする場合もあるかもしれません。ただ橋の影響だけから申しますといまお尋ねのとおりでございます。
#21
○栗林卓司君 そうだとしますと、規模拡大等航路と指定されても、指定されたから現在のいろいろな諸般の助成措置がなくていいということではなくて、いまはとにかくその日は暮らしていけるけれども近い将来に必ず来る、それを規模拡大等航路、現在すでにだめになってしまったものは規模縮小航路、分けることにどういう意味があるのか。
 質問を変えて申し上げますと、橋ができた、この橋というのは四国四県の住民に限らず多くの人たちの要望の結果でありますから当然いいことなのだけれども、橋によって職を失う人、事業を縮小しあるいは畳まざるを得ない人、これが相当出ることは明らか。現在でも四割ぐらいの離職者がやむを得ず出るであろうと言われているわけです。これが三ルート全通したら四割ではなくてもっと多くなるだろう。この橋というのは国がかけるわけですね、厳密な意味じゃなくて普通の言葉で言いますと。国が橋をかけた結果、国の行為の結果、そこにいる数千名の労働者あるいは数十の事業者は生活を失うわけです。
 まず伺いたいのは、生活を失うというのだけど、それをそこで事業をしている人たち、働いている人たちがこれから想像される事態をみずから回避することができたのだろうか。回避することができたのなら多少はその人たちにも責任があるわけだからまあしんぼうしてくれと、こうなるけれども、回避することができたのだろうかという点についてはいかがですか。
#22
○政府委員(永井浩君) 一般旅客定期航路事業につきましてはそれぞれ大部分が営利企業、私企業でございますけれども、ただ、その公益的な性格にかんがみまして海上運送法によって非常に強い監督を受けております。したがいまして、事業を開始するときはもちろん免許でございますが、事業を廃止するときも許可が要る。他に代替交通機関がないときには勝手にやめられない。こういうような強い監督を受けておりますので、事前に、将来橋がかかるからいまからやめたいというようなことはできないような仕組みになっております。
#23
○栗林卓司君 そうしますと、みずから回避するすべがない、しかも国の行為の結果として生活を失う、話を簡単にしていきやこういうことですね。これと類似の行為がこれまであったでしょうか。私はいろいろ考えてみたけど、本人たちは回避するすべがない、しかも国の行為の結果として生活権を奪われるというのは、事戦後にたとえて言いますと余り例がない。戦前ですと、一番わかりやすい例は徴兵制度だと思います。これは国民として回避のしようがない。しかも一遍赤紙が参りますと、生活権はまさに侵害をされ、場合によっては生命さえ奪われる。生命を奪われる危険はこの場合にはないのだけど、国民としてなすすべもなく国によって生活権を奪われるという意味では徴兵制とよく似ている。戦後これと類似の問題というのはありましたでしょうか。
#24
○政府委員(渡辺修自君) いろいろなケースがあろうかと思うのでございますが、先生の御指摘の、たとえば国の行為というようなものを広く解釈いたします場合と狭く解釈できる場合とあろうと思います。
 広く解釈いたしますと、たとえば国際協定の締結に伴いまして北洋サケ・マス漁船等の減船を余儀なくされた例というのがございます。それから専売行政の転換に伴いまして、塩をつくりますのに塩田方式による事業を廃止せざるを得なくなったという例もございます。それからついでで申し上げますが、運輸省の関連といたしましては、国鉄の新線建設に伴って既存の私鉄が廃止等を余儀なくされる場合、それからあるいは国鉄バスの進出によりまして既存の私バス等が事業の廃止を余儀なくされる例、こういったものがあろうかと思うわけでございます。なお、この辺につきましてはいろいろ細かい点がございますので、もしおただしがございましたならば次長から補足をさせていただきたいと思います。
 それからもう一つの、狭く解すると申しますか、個々のケースで申し上げますと、従来もたとえば橋をかけました場合に、企業者が直接この助成あるいは助成等を行ったものではございませんけれども、橋の架橋に伴いまして航路事業に対する措置が行われたというケースもあるわけでございます。
#25
○栗林卓司君 今回の離職者に対する対策を考えてみますと、一番基本になるのが求職手帳の発給です。求職手帳がこれまで出されてきたのを考えてみると、いまお話がありました海洋二百海里に伴う漁臨法の問題、あるいは石炭産業の離職者の問題、駐留軍の離職者の問題、あるいは特定不況業種における離職者の問題、確かにいろいろあるのです。あるのだけど、それは場合によっては日本としても何ともしようがない、日本政府がそれはだめだと言っただけではどうにもならないほかの要件があって離職に追い込まれてきたという場合がほとんどなのです。
 たとえば石炭産業の場合は、石炭から石油へという世界的なエネルギー革命が背景にあった。駐留軍の場合には、まさに占領という日本政府としてはいかんともしがたい時の経過の結果として起こってきた問題。海洋二百海里についても、これは日本政府も確かに諸国家の一つであることは間違いないけど、国際的な議論の結果として出てきた。特定不況業種については、昨今の不況というのは日本だけで対処し得る問題ではなくて、非常に国際的な諸要因に基づいて起こっている場合が多い。あえて異論を唱えるわけじゃないけど、そうやって見る方が普通でして、したがって、いま私が挙げたものは、共通して言えることは何かというと、起こってからその離職者にどうやって対策を打つか、いわば後追いの対策でやっていくしかない。
 その対策を十分、しかも内容が充実したものをするための一つの手段として求職手帳がある。今回は漁臨法に準じた内容で求職手帳を発給しながら諸般の対策を打っていこうというのが今度の法案の趣旨なのです。しかし、今度の本四架橋は外の要因は何もないのです。政府が橋をかけると、それは要望している者が県民を初めとしてたくさんいたとしても、橋をかけると決めた結果起こってきたものなのです。これも決めたから問題が発生するわけだから、そのとき、じゃやめておれは逃げるかといったって、それは逃げることは許されない。橋の供用開始の前日まで運航しなきゃいかぬ、働かなければいかぬ。先でもうだめになるのが目に見えていて、そこから離脱するわけにもいかぬというのは、いまお挙げになった例とはいささか違うのじゃないか。しかも、今回の対策というのは、いままさしくお挙げになった諸業種で起こった離職者に対する救済法なのです。何かそこでちょっと私は違うのじゃないか。
 なぜこう違うと感ずるかということをもう少しかみ砕いて申し上げます。
 まず、今回の特別措置法につきましては、発動する要件として航路の指定、それから再編成基本方針、実施計画等が先行してあるわけです。この実施計画というのはいつ決めるわけですか。
#26
○政府委員(永井浩君) 実施計画は当該橋の供用開始のおおむね六カ月前から架橋後二年以内に出してもらう、そして運輸大臣の認定を受けるというふうに考えております。
#27
○栗林卓司君 それは供用開始前六カ月以降二年間、確かにそう書いてあるのです。なぜそうなったのでしょう。私はここが実はわからなかったのです。たとえば児島――坂出で考えてみましょうか。あれは昭和六十二年完工予定ですね。いまからでも準備をしたいと考えても、この法律にある諸助成措置というのは、児島――坂出が供用開始になる半年前、開始後二年間、その間でしか実施計画は受けつけてもらえない。受けつけてもらえないと求職手帳も出てこない。出てこないと職業訓練手当も出ない、こういう仕組みになるわけです。ちょっと何かおかしいなとお感じになりませんか。労働省は、どうお考えですか。
#28
○政府委員(丘英夫君) 求職手帳制度による雇用対策だけでは不十分ではないかという御趣旨かと思いますが、求職手帳制度そのものは再就職を容易にするためのいわば手段でございます。離職者にとりましては、いままで長い間培ってきた技能、経験というものを生かすことが一番重要でございますので、そういう意味では求職手帳の発給を受けて、訓練を受けたりして再就職するというのは最後の最後の手段でございます。その前にでき得る限り従前の経験を生かした道で雇用が確保されるという施策が十分行われまして、最後の手段として求職手帳に入っていくという考え方でなければならないだろうと思っております。
#29
○栗林卓司君 いまの点はお答えのとおりだと思います。
 そこで、重ねて労働省にお尋ねしたいのですけれども、従前の経験を生かしてというのは、この場合は期待できない。一ルート三橋で対象になる、これは四橋分も入っているのかな、船員で言いますと三千九百三十七名、陸員が千二百七十八名、一ルート三橋だけで少なくもこの四割は失職をする、もういまからはっきりしている。この船員の人たちはそれぞれ勉強しながら資格を取りながら、しかも船員という特殊の仕事につきながらやってきた。したがって、従来の技能、経験が生かされるのだったら何も問題はない。これが生かされない。そうなってくると、この問題は労働省として見てみて、いまお答えのように求職手帳では、これは最後のセーフティーネットであって対策の中心ではないんですとお答えになりましたね。そうすると、どういう対策が必要だとお考えになりますか。
#30
○政府委員(丘英夫君) お答え申し上げます。
 この法律の仕組みでも考えておるところでございますが、先ほど来御指摘のありました拡大航路等へのいわば転換といいますか、あるいはまた広く船員という資格を生かしての職場の確保、これは瀬戸内海に限らないと思いますが、そういう問題ででき得る限り従来の経験を生かしていく、あるいはまた多少職種は違ってまいりましても、この本四架橋完成に伴いましていろいろな関連事業で雇用の増が見込まれる分野もあろうかと思います。あるいはまた、架橋に伴いまして架橋そのものに直接伴うような雇用の場もあろうかと思いますが、できる限りそういうところにあっせんしていく対策といったものが先行することが必要でございましょうし、あるいはまた四国における架橋に伴う経済発展、そういうものに伴いましていろいろな雇用の生まれてくる場がございましょうが、そういうところに関係省庁あるいは地元の公共団体等々と連絡をとりましてそういうところの需要を確保していく。そういうことででき得る限り転換を図りつつ、最後にどうしてもやむを得ない場合に求職手帳の発給を受けて、時間をかけて、年月をかけて再就職を促進していくということになろうかと思います。
#31
○栗林卓司君 話を船員にまず限ってお尋ねをいたしますと、いま労働省にお伺いした同じ質問について運輸省はどうお考えになりますか。
#32
○政府委員(鈴木登君) お答えいたします。
 船員の就職先でありますけれども、最近、比較的船員の雇用情勢というのはよくなってきておりまして、特に内航あたりはむしろ船員が足らないというふうな情勢になってきております。ただ、その点でフェリーの船員は個別に申し上げますと、一定の場所から一定の場所へ通勤先が決まっておりますので、なかなか内航のように非常にトランパー的な、どこへ行くかわからないというような職につきたがらないのが普通でありますけれども、やはりわれわれといたしましては、そういうことを言わずにできるだけフェリーで培った船員の経験が生かせるような内航の方にも就職していただくように、いろいろときめの細かい船員の雇用者対策というものを講じていきたいと思っております。
#33
○栗林卓司君 そういうお答えではなくて――御存じなのでしょう、現地では全部自分で家を持っていて離れられないと言う。それからいまさら上のクラスの船員資格を取ろうといったってそうはいかない、年だよという人たちがたくさんいるわけでしょう。労働省の方は、とにかく求職手帳というのは最後のセーフティーネットなのだからそこにいくまでに転職をしたらどうですか、恐らく雇用もふえるでありましょう。事実、一ルート三橋で六万人近い雇用が中国、四国、近畿圏でふえるわけだし、四国だけを見ても一万九千人ふえるという試算が出ているわけだから、なるほど労働省がおっしゃるのは一つの筋道なのだけれども、事船員と区切ってみるとそうはいかないのです。しかも転職されちゃ困るわけ、フェリーは運航しなきゃしょうがないのだもの。しかも供用開始は、たとえば児島――坂出だったら昭和六十二年、いまから七年後です。年をとっちゃっていると言っている人たちがさらに七年年をとるのですよ。年をとるというのは、職種を変えるに当たって最も障害になるのはいまさら申し上げるまでもない。という人たちに対して運輸省として、船員は運輸省ですから、どういう対策があるのかと聞いたのに、いまの通り一遍のお答えでは、私は知っていてお答えだと思うのだけれども、満足するわけにいきません。もう一遍答えてください。
#34
○政府委員(鈴木登君) ただいまの御質問、実は船員は船員になることが一番の希望だろうというふうな御趣旨かと思いまして、船員が船員になる場合のことを中心にお答えしたわけでございますけれども、もちろんわれわれ就職相談員も置きまして、個々の事情が非常にいろいろ違うと思いますので、たとえば本四架橋の関連事業もありますし、これから本四架橋の完成に伴いまして、観光開発事業だとかいろいろ地域開発事業も発生しておりますので、非常にきめの細かな就職相談に応じてやっていこうと。それで、本四架橋の方の仕事に従事したいとか、あるいはまた観光事業に従事したいとか、あるいは個別に自家営業をやりたいというような方もあると思います。そういうことで自家営業をやりたい人には、いろいろ金融関係の方にもわれわれもうすでに通達を出しまして御協力をお願いしておりますし、それから関連事業の方には、本四の公団の方にその相談窓口を置いていただくようにお願いしておりますし、そういうふうに個々別々のきめ細かな就職対策をやっていくことによって、できるだけ一人の失職者もないように措置していきたいということでやっておるわけでございます。
#35
○栗林卓司君 俗に、おかに上がったかっぱという言葉がありますけれども、なぜ船員だけが運輸省で、一般労働者が労働省なのか。歴史的な経緯はあると思うのだけれども、やはりおかに上がったかっぱの裏返しで、波の上のことは波の上のことで別なんだ、特殊なノーハウが要るし、特殊な支援措置が要るのだというのでなってきたと思うのです。
 いまお話しのように、そういった人たちがあるいは観光事業につく、ほかの仕事につく、自営業につく、そうなってくると、これまでが特殊であっただけに、おかに上がっての生き方を勉強することがどうしても必要になります。したがって、それは職業訓練を受ける場合もあるでしょう、恐らくほとんど必要になるかもしれない。ところが職業訓練手当は求職手帳が発給されてから受給できるわけです。ところが職業訓練手当というのは、たとえば児島――坂出ルートを考えてみると、六十二年――七年後にはだめになるのはわかり切っているのです。いま訓練を受けさしてもらいたい、いま手当が欲しい、これが本当でしょう。また、その手当をもらってでも勉強してもらいたい、新しい道を探してもらいたいとなるわけです。しかし、この法律では実施計画は、橋の供用開始前六カ月、開始後二年間じゃないと出ないんです。ということは、求職手帳も出ないわけだ。訓練手当も出ない。一番大切な時期に何もしないでほうっておかれるのだろうか。ということは、求職手帳を中心にした今回の対策というのは、何かずれてはいませんかというのが私の質問なのです。どうお考えになりますか。
#36
○政府委員(鈴木登君) 本年の当初から、実は児島、七尾の両海員学校を廃止いたしまして、海技大学校の分校にいたしました。そして、船員の中でも特に将来陸の職につきたいというような方もありますので、その分校で職業転換のためのいろいろ授業、講習をやっております。たとえば溶接作業だとか、あるいはクレーンの運転作業だとか、あるいは玉掛けというふうに、陸上に転職しましてもそこで役に立つような職業訓練をやっております。したがいまして、私どももうできるだけ早い機会に、ちょうど児島という近い場所にそういう学校をことしの初めから設置いたしましたので、一般旅客船事業者にはその辺を十分周知いたしまして、現在すでに、その職業転換給付金もらう前からそちらの方にそういう職員を派遣するようにというふうに指導してまいりたいと思います。
#37
○栗林卓司君 それは運輸省の内々の中でやるわけでしょう。いまのお話は分校を改造してどうこうというのだけれど、しかし一番その種のことに手慣れた経験を持っているのは労働省の方でしょう。それで、実際に離職をすると職安の所長さんがいろいろめんどうを見るということになっておるわけですね。だからいまの段階から運輸省だ、労働省だと言っていないで、いわば労働省を大きな受け皿にしながら、物によってはそれは運輸省がおやりになる部分があってもいいけども、いまの段階から事実上その希望がある人はその面の手続としては移管もしながら、より広範な訓練が受けられる、そして手当も受けられる、その道を開いておく方がどれほど対象になっている数千人の人たちにとっては安心だろうか。いまでこそ四割だと言って済んでいますけども、これは明石海峡大橋ができたら瀬戸内海の南北航路は壊滅です。それはもうほとんどがだめになるかもしらぬ。しかし、それとても一番冒頭お伺いしたように可及的速やかにやりたい、だから運輸省とするとあそこに規模拡大航路があると喜んでいないで、あれはあれで一時のしのぎかもしらぬけど、それはないことにして対策を進めていかないと私は申しわけないのじゃないかと思う。
 なぜこんなことを言うかというと、対象になっている人たちの年齢構成、いただいた資料もありますので申し上げますと、実はお話とすると中高年の人が大変多いということを聞いておったのですが、実はあんまり多くないんです。船員で考えますと、二十歳から二十九歳までが一七・一%、約二割ぐらい、三十歳から三十九歳が三四・七%、四十歳から四十九歳が三一・八%、五十歳から五十九歳が一二・四、そして六十歳以上が〇・三%、ほとんどの人は三十歳から四十歳に集中をしている。しかも二十歳末満だって五十九人もいるのです。対策は早ければ早いほどいいじゃないですか。こういった分野について労働省としては、これは労働省と運輸省と所轄が違うのでやりづらいのだけど、労働省としてはやり得る仕事というのはあるのでしょうか。
#38
○政府委員(丘英夫君) お答え申し上げます。
 確かに船員になろうとする方は運輸省関係、陸上部門を希望される方は私どもの出先の公共職業安定所でというふうに分かれておりますが、この問題に関しては、中央はもとより現地におきましても連絡の協議の機関もございます。そういう意味で十分中央も地方も密接に連携をとりながら対策を講じていかにゃならぬと思いますし、また私どもの訓練関係に入校を希望される場合に、船員の方ならシャットアウトというわけではございませんので、そういう点でお役に立つ機会があればできる限りのことをしていきたいというふうに考えております。
#39
○栗林卓司君 その場合、訓練手当を受給するというのは実際問題としてはできないのでしょうか。それはむしろやるとすると事業者の方が支給すべきだという立場なのでしょうか。
#40
○政府委員(丘英夫君) 御指摘のとおり、訓練手当といいますものは離職して失業状態にある人たちが訓練を受ける場合の生活の安定のための手当でございます。そういう意味で、まだ現在在職中の訓練はやはり事業主の御理解を得て事業主が自分のところの従業員を海技学校なりあるいは公共職業訓練校なりそういうところに派遣していただく。そういう形になりますので、どうしても事業主の方の御理解を得て進めていくということが必要になってまいります。
#41
○栗林卓司君 今回の法律を拝見しますと「雇用の安定のために必要な措置を」事業主に「勧告する」というようになっているわけですが、この「勧告」の中に、いま労働省から言われた諸訓練機関に対する手当とか配慮とかというものを各事業主に勧告するということはお考えですか。
#42
○政府委員(鈴木登君) 船員保険の福祉施設費の方で現在、先ほど申しました海技大学校の分校で受講した者に対しては、事業者に対して再教育受講奨励金を支給するようになっておりますので、そういうシステムを利用しながら、いま先生御指摘のような点について勧告もわれわれやっていきたいと思います。
#43
○栗林卓司君 何か言われたので勧告をしていきたいと思いますというようなニュアンスにとれたのだけど、いまの部分は法律にあります。「勧告することができる。」、第八条二項。そこの重要な部分だと思うので、ぜひ念頭に置いていただきたいことが一つと、それから事業主、要するに求職手帳を発給するまでは事業主がいろいろ心を配りながらやらなきゃいかぬということでありますし、これが世間常識だと私は思うのです。その事業主そのものがだめになっちゃう、交付金で何とか救っていこうかということです。したがって、交付金の中には場合によってはこの手の対策に関する費用についても十分見ていくのだというようになるのでしょうか。
#44
○政府委員(渡辺修自君) 交付金につきましては十一条に記載をしておるわけでございますが、ただいま先生からお尋ねのございました事前の手当と申しますのは、交付金の明確な法律で規定するものには入っていないわけでございます。ただ、いろいろ将来のことを考えますと、職業等につきましてももろもろの融資の問題等々あろうかと思います。この辺につきましてわれわわれ一生懸命努力をいたしたいと思っておりますし、また地方公共団体にもお願いしたいと思っておりますが、そういった中を通じてもちろん船員の方々の再就職等が円滑に進むように努力をいたしたいと思う次第でございます。
#45
○栗林卓司君 とにかくよろしくお願いしたいと思います。
 私が冒頭疑問に思った点をもう一遍繰り返しますと、たとえば石炭の離職者、駐留軍あるいは海洋二百海里に伴う漁臨法等々とやはり今回はケースは違う。しかももっと惨めなのは、いま急激にあらしが来てもう職がなくなってしまった、どうしようというのと違って、何年後かにそうなることが目に見えていながら事業主としても労働者としても打つ手がない。しかも、毎日はその橋ができたらなくなる航路を維持するために精いっぱいがんばらなければいかぬ立場にある。もう自分で自分を守ることもできないで、しかも将来、断崖絶壁を越えて向こう側に飛びおりることを覚悟している。これは仕事をされている人たちの気持ちとするとこんな惨めなものはないです。
 だから、この法律案というのは従前の離職者対策をバックボーンにしながら組んでこられたのでしょうけど、これだけでは本当は済まないのです。十年後かもしらぬ、十五年後かもしらぬ。だけど、もういまから準備をしておかないと間に合わない。ですから理想的に言うと、諸般の事情で船員の仕事はこれは続けられないかもしらぬという方がいるとしたら、いまのうちにおかに上がった場合の資格を一緒に身につけて、いまはとにかく橋ができるまでは船を運んでいます、終わったら即座に新しいライセンスを使ってそっちでやりますというのが私は本当の対策だと思うのです。しかもこれは十人十色、千差万別、となると、よほどきめ細かな、しかもよほどお金のかかる対策だと私は思います。普通の一般常識では、それは事業主が自己の社会的責任としてやれということになるのだけれども、事業主自体がそうなんだから。これからの話になるわけだけれども、この法律案で満足をされないで、しかも中心は、先ほど申し上げましたように、年齢構成を見ても、手を打つのが早ければ早いほど一人一人にとって転換の道はより広く広がるわけですから、十分な対処をお願い申し上げたいと思います。
 時間がなくなりましたので、あと二点だけ伺います。
 同じように、ちょっと今度はケースが違いますけれども、橋ができたおかげで従来享受していたサービスが受けられなくなるかもしれないという離島の人たちの不安感。先日も参りましたら、とにかく精いっぱいがんばりますというお答えばかりそれぞれのお立場から返ってくるのだけれども、がんばったからといって離島航路をいまと同じような形で維持できるのだろうか。いまですと、主たる航路があって寄り道をしながら運んできた、今度は主たる航路がなくなってしまって寄り道専門になる、寄り道専門で経営がもつわけがない。いままで使ってきた大きい船が使えるわけがない。目に見えた行政サービスの低下は私は避けがたいと思います。こういったものは、避けがたいのだったら避けがたいとはっきりとおっしゃらないと、要らざる期待感ばかり高めるというのは決していいことではないと思います。
 そこでお尋ねしたいのは、恐らくシビルミニマムとしての交通の確保という観点になると思うのだけれども、シビルミニマムとしての交通の確保というのは具体的にどういうものなのでしょうか。それは現在の確保されている離島交通とどれぐらい違うのでしょうか。
#46
○政府委員(永井浩君) 島民のシビルミニマムを確保すると申しましても、その島の事情によって大変違うと思います。たとえば高等学校がある、中学があるという場合、これらがない場合、あるいは医療機関がある、ない、それから経済活動が島の中で完結するか、どこか通勤しなければならないというケース、いろいろ島によって違うと思います。基本的にはそういった毎日の生活に支障のないような便数なり何なりを確保するというのが私どもの考え方でございますが、ただ、先ほど御指摘にもございましたように、メーン航路を持って収支を合わせていた、そのメーン航路の旅客数が激減するというようなケースの場合には、ある程度は船の便数を減らすとか、あるいは大型船を小型船に切りかえるということはあり得ると考えております。
#47
○栗林卓司君 おかの上の話をしますと、だんだんと過疎化してきたものだからバスの便数が減ってしまう、どうしようもないというので、しようがないから地方自治体で中古の一台も買って運営するかとか、運行しているバスに荷物も何もかも全部運んでもらおうか、場合によっては郵便自動車に全部乗っからないだろうかという苦労をしながら過疎地交通の確保で悩んでいるのは、御所管ですからよく御存じだと思うのです。この問題は最終的に私は地方自治体が一番苦労する問題だと思うのですが、それも対策が早い方がいいので、ある程度見当がついたら、その見当がついた内容を示しながら、残念ながらここまでが精いっぱいです、あとどういたしましょうかという議論を私はしていただいた方がいいだろうと思います。見るからに不幸な状態に置かれる人たちを前にして、これからそうなるよと言うのはつらいことだけれども、無責任な期待感だけ高めるのはもっと無責任なことになろうかと思いますので、その点、腰を据えた対処をぜひお願い申し上げたいと思います。
 それから最後に、これは質問になるかどうか私自身迷っているのですが、橋の色ですけれども、これは運輸省ですね、運輸省にお尋ねします。
 航空法の規定で、大体六十メートル以上の建造物といっても、全建造物じゃなくて、条件がありますけれども、それは赤白の段だら模様で塗らなければいけない、昼間障害標識をつけなければいけないとありますけれども、それをつけられたのでは、あのせっかくつくった橋は見るも無残なことになる。環境に与える影響もひどいというので、本四架橋については、一応構造物としては航空法の昼間障害標識には対象になる感じはあるけれども、特にあれは塗らなくていいということになったと聞いたのですが、間違いありませんか。
#48
○説明員(石井俊一君) お答え申し上げます。
 確かに、先生御指摘のとおり、昼間障害標識の対象にはなりますけれども、環境庁並びに地元の市町村等の要求これあり、できるだけ単一で淡い色ということで、環境面を考えますとそういうことになるかと思います。航空法上も安全上いろいろな赤白の色を塗るということでございますけれども、昨年の航空法の施行規則の改正によりまして、高光度のいわゆる障害灯というものを設置いたしますればこの色を塗らなくてもよろしいということになりましたので、この高光度の障害灯をつけていただくということになるかと思います。
#49
○栗林卓司君 私がこれをお尋ねした理由は、実は、東京タワーを見るたびに、何てまあ見るも無残な色に塗ってあるのだろうといつも思いましたし、しかもあれをつくったときに、色をめぐって大議論が建設、運輸両省間にあったことも承知をしております。
 今回、おかげさまで本四架橋については環境問題もこれあり、しかも、去年の航空法の改正もあり、したがって、ある明かりをつければ等々の条件で必ずしも塗らなくてもいいということになったわけです。そうすると、たとえば東京タワーでも仮に塗りかえるとしたら、当然いつか塗りかえる機会があるわけですから、そのときはあすこも同じように適用になる可能性がある、そう理解してよろしいですか。
#50
○説明員(石井俊一君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
#51
○栗林卓司君 では、一言だけ申し上げて終わります。
 建設大臣、いまのやりとりなのですが、赤白の段だら模様が町の中に林立をしているというのは、社会心理から見てちっとも私はいいとは思わない。落ちつきのある町というのはできない。せっかくつくった建造物が、あの赤白段だらでやられますと見るも無残になる。東京タワーのときには、建設省だと思いましたけれども、何とかそれをやめにして、エッフェル塔だって一色じゃないかという議論があったのだけれども、そのときにはなかなかいかなくて、いまの色合いで立っているわけだけれども、これからはなるべく赤白段だらはやめて、明かりをつければいいというぐあいに変わってきたし、明かりだけだったら太陽電池を使えば、場合によっては昼間ぐらいはできるかもしれないし、そうエネルギーの浪費ということにもならないし、落ちついた町、ゆとりのある町をどうやってつくるかということの一環としてぜひこれは御研究いただきたいと思います。御要望申し上げて質問を終わります。
#52
○江田五月君 西日本の、特に中国、四国の人々が待ちに待っております本四架橋、着々と進んでおると思いますが、四十八年九月基本計画の指示から十月の工事実施計画の認可、途中紆余曲折があって、五十年から五十二年そして五十二年と順次工事が開始をしていまに至っておるわけでありまして、この工事というものはいま順調に進んでおるというふうに考えていいのでしょうか、どうでしょうか。
#53
○政府委員(渡辺修自君) 三全総で決定をしていただきました一ルート、それから地域開発橋としての四橋でございますが、いまのところ順調に進んでおります。ただ、最後に着手をいたしました伯方・大島大橋につきましては三月に起工式を行ったばかりでございまして、まだこれからでございます。そこでこれからの予算がどうなりますか、大変厳しい状況でございますので、これにつきましてはまだ確たる見通しをつけておりません。
#54
○江田五月君 順調な進捗状況であると。先般現地を視察したときにいただきました資料によりますと、神戸――鳴門ルート、これは大鳴門橋、この事業の進捗率が事業費で約六〇%、光臨――坂出ルートがこれはルート全体で進捗率二三・二%、尾道――今治ルートが事業率で見ると進捗率八〇・四%という数字なのですが、さて、この数字は実はいささか水増しがあるのじゃないか。水増しと言うと悪いですが、進捗率ですから一〇〇%になるとそれで工事が完成と思うとどうもそうではないのじゃないかという気がいたします。というのは、この進捗率はそれぞれに分母は全体計画額、五十二年度の価格で、分子の方はそれぞれに予算を執行したあるいは執行見込み額、五十六年度末まで。つまりそれぞれの年の実際の支出の額になっておって、当然その間には物価の値上がり、人件費の値上がり等があるわけですが、一体この間どの程度資材とか人件費とかその他関係の費用が値上がりをしておるかということを明らかにしてください。
#55
○政府委員(渡辺修自君) 五十二年度の価格で御指摘のように全体計画を決めておるわけでございますが、やはり最近の石油価格の高騰等を反映いたしましてじりじりと工事費あるいは用地等につきましても上がっておるわけでございます。五十五年度と五十二年度を比較いたしてみますと、労務費につきましては五十二年度は大体全職種平均で七千六百円ぐらいでございましたが、五十五年度におきましては一万五百円、それからセメントについて見ますと、五十二年度がトン当たり二万五百円でございましたのが五十五年度は一万二千七百円、鋼板につきましては、五十二年度にトン当たり七万二千八百円でございましたのが八万六千三百円というような形で上昇をいたしております。
#56
○江田五月君 いまの数字ですと、五十二年から五十五年までの三年の間に労務費が三八%増、セメントだと二一%、鋼板一九%というような増加になっているわけです。そうしますと、進捗率というものはいままでお出しの数字で説明をされるとどうもまやかしじゃないかという気持ちがする、不安になる。この分母を修正されるか分子を修正されるかいずれにしても、実際の進捗率というのは一体どの程度のことになっておるのか、それで工事完成までの予定の修正が必要なことになっているのか、それとも、にもかかわらずその計画はきちんと進んでいるということになっているのか、関係者は不安に思ってはいけませんので、ひとつはっきりとした説明をしていただきたいと思います。
#57
○政府委員(渡辺修自君) 単価等の値上がりがございます分を極力カバーするように精いっぱいの努力をしておるという点をまず申し上げたいと思うわけでございますが、たとえば工事の工程計画を詳細に見直す、むだが出ないようにするということがございます。それから新材料の研究開発等もございます。それからこの間ごらんいただきましたように下部工の施工等につきましても極力合理化した施工をやっておるということでございます。しかしながら、最近の大幅な値上がりに完全にそれだけで対応できるかというと、そこまではむずかしい点もあるわけでございまして、またたとえばDルートを例にとって申し上げますと、櫃石島橋あるいは岩黒島橋等につきましては環境庁からのいろいろ環境上の御指導もございまして、橋そのもののタイプを若干変更することを考えております。こういったものをあわせまして適当な機会には見直しをいたしまして正確なところを出したいとは思っております。
#58
○江田五月君 この進捗率の数字自体は、そうするとそういう見直しをした結果また数字としては基礎が変わるわけですから変わってくる。しかし、それでも全体として物価の上昇その他によって工事がおくれておるのだとかというようなことではないというふうに伺っていいのですか。
#59
○政府委員(渡辺修自君) そのとおりでございまして、橋の完成の予定時期等につきましては従来から申し上げておりますように、因島が五十八年度、それから大鳴門につきましては大体五十九年度になろうと思いますし、児島――坂出ルート六十二年度、これにつきましては予定どおりいまのところ進んでおります。
#60
○江田五月君 なぜこの工期がおくれるのではないかというようなことを心配するかと言いますと、本四架橋全体が大きな事業ですが、どうも聞くところによりますと、工事がおくれればおくれるほど財政的に経営的に非常にむずかしいことになっていくのじゃないかということを聞くわけでありまして、この本四架橋全体の財政の仕組みといいますか、国とか地方団体とかの出資金が一方である、それはしかしそれほど大きな割合ではなくて、大きな割合になっているのは借入金――財投とかあるいは縁故債とか借入金で賄っていく、大体この借入金というのがどのくらいの割合になって、どの程度の利子で、そしてこれからどういうふうにこれを償還していくというようなお考えでいらっしゃるのか、概略を説明していただけますか。
#61
○政府委員(渡辺修自君) 本州四国連絡橋の予算の構成でございますが、ただいま御指摘がございましたとおり、借入金が大部分を占めております。年々若干この比率は違うわけでございますが、一番最終でございます今年度について申し上げますと、五十六年度では借入金が全体の七八・三%でございます。出資金が政府と地方公共団体で二対一で持っておりますが、これが一一・八%といった状態になっております。したがいまして、借入金でございますから利子が当然かかるわけでございまして、ちょっと数字をただいま持ち合わせておりませんけれども、やはり計画どおり工事を終わらせまして、計画どおり供用開始、それで利用者からの料金の収入をもちまして償還を始めるということが必要でございます。
#62
○江田五月君 五十六年度の出資金、借入金それぞれいまの数字をお示し願ったわけですが、これまでの経緯を見ますと、五十五年度ですと出資金が八・四%、借入金の方が八二・一%、五十四年度は出資金が五・一%、借入金が八四・五%、五十三年度が出資金七・一%、借入金八五・六%。そうやってみますと五十六年度は比較的借入金が少なくて出資金が多い。これから一体いずれにしてもこういう借入金が八〇%前後、出資金が一〇%前後というようなことで推移をされていくのだろうと思うのです。そしてこのいただきました資料によると、採算については、「建設に要した費用、維持管理費及び借入金の利息を含めた総費用を、料金収入により約三十年間で償還」するのだと、これは「児島・坂出ルート、大鳴門橋、因島大橋、大三島橋及び伯方・大島大橋の「一ルート四橋」については、料金をフェリー運賃なみとし、資金コストを六%程度とすることにより、約三十年間で償還可能」となるのだというように書いてあるわけですが、こういう償還の計画と伺っておりますが、それでよろしいわけですか。
#63
○政府委員(渡辺修自君) 御指摘のとおりでございます。
#64
○江田五月君 そうすると、資金コスト六%程度とするのだと、六%程度とできるかどうか、いま借入金をどの程度の率のもので借りていくか、どの程度の額の借り入れをするかというようなことにもかかってくるし、それから開業までに一体どの程度年数がかかるかということにもかかってくるのだと思いますが、六%程度とする。しかし恐らく現在の財政難、財政再建のために大型プロジェクトは少し遠慮しろというような声が高いときに、六%程度の資金コストに抑えるためにどんどんここに出資金を国とか地方公共団体とかからつぎ込むということはなかなかむずかしくなってくるのじゃないだろうか、このあたりの見通しを一体どう判断されているでしょうか。
#65
○政府委員(渡辺修自君) 道路で借り入れております金、金利でございますけれども、過去五年の平均で実は七%ちょっと上回っておるわけでございます。計算上は六%程度の資金コストで三十年償還ということでございます。したがってその間の乖離をどうするかということでございますが、単純に申せば出資金をふやせばよろしい、借入金を減らせばよろしいということになるわけでございます。ただ最近のこういう厳しい状況でございますので、私どもいろいろ手段としては考えておりますが、これは財政当局とも御相談をしながらやらなければいけない問題でございますが、この事業がいま着手しております工事については一応目標の年度があるという点で、無限に続く事業ではないわけでございますから、その辺でいろいろ考慮する余地はあろうかと思っております。
#66
○江田五月君 どうも数字をもっときちんと全部教えていただいて細かな計算をすればよろしいのですが、なかなかそれができませんのではっきりしたことにならないのですが、一ルート四橋については採算が何とか資金コスト六%程度にして三十年で償還可能になる。さあ、この本四架橋は全部で三ルートということになっておって、三ルート全部を完成させようと思うとまだほかに完成をさせなければならない工事がたくさんあるわけでありますが、三ルート全部ということになると、一体どういう採算性についての見通しになるかというようなことについては何か具体的な数字も含めたお考えがいまあるのですか、それともまだそこには至っていないのでしょうか。
#67
○政府委員(渡辺修自君) 三ルート全体につきましてはただいまほかの橋が凍結中ということもございまして、まだ詳しい検討をいたしておりません。
#68
○江田五月君 大臣、そういうようなことを前提にして、先ほども言いました財政再建、大規模プロジェクトはちょっと遠慮しなさい、規模も縮小しなきゃいけませんよとか、あるいは工事も少し先に延ばしていくようにしなきゃいけませんよとかそういう声が高い。それはそれなりに恐らく正しい指摘だろうと思う。しかし何でもかんでも全部工事はとにかく後へ延ばせば、あるいは規模を縮小すればそれで財政再建に役に立つのかというと、それはいろいろあるわけで、工事ごとの特殊性があるわけですね。
 現在進んでおります一ルート四橋、これはいまの話のとおりだとしますと、とにかく出資金は余りふやさずに、六%程度の資金コストとして三十年の間に料金の収入で費用とかあるいは維持管理費、借入金の利息等も含めた総費用を償還していくのだということになりますと、工事のいまの予定をおくらすとかあるいは規模をさらに、さあ縮小はどうか、拡大していくとかということはなかなかいまの財政再建ということを考えていきますとむずかしいことになるのじゃないか。財政再建、大型プロジェクト見直しというような中にあって、この一ルート四橋というものはどうされるのか。一ルート四橋については結局工事の性格上、この営業の性格上、事業の性格上、見直してもなおかつこれはこれできちんと早くやって、早く開業することが財政合理性に合うのじゃないかというふうに思いますが、大臣のお考えをひとつ明確に聞いておきたいと思います。
#69
○国務大臣(斉藤滋与史君) 結論から申し上げますれば、全く先生とおっしゃるとおり私も同感でございます。大きなプロジェクト事業だけに投資効果、資金効率から考えても、これはやはり計画どおりやることが最もよろしいというように判断するものでございます。特にこの一ルート三橋、いま四橋に取りかかっておりますけれども、このできたことの要因もさりながら、経済効果を図り、地域住民の要望にこたえ、なおいまの財政事情をあえて考えて、なおかつこれはあくまで計画どおりやってまいりたい、このように考えているものでございます。
#70
○江田五月君 関係の住民としては、いまのこういう時代に本四架橋もどうもまた延びるのじゃないか、この前、四十八年の十一月二十日、石油危機による総需要抑制策の一環として延期されたあのときのことを思い出して、また延びてしまうのじゃないか、夢がまた先に遠のくのじゃないかという不安があるわけです。特にいまこういう時勢ですから、そこでそういう不安はないのだ、これはいまの財政の観点から言っても今回は延期とかじゃなくて、ちゃんとやり上げる必要があるし、やり上げるのだということを明確にひとつさしてください。
#71
○国務大臣(斉藤滋与史君) 地元の方々の恐らく御懸念もあろうかと思います。第二臨調の方々も経済人の方が多いようでございますので、その点については経済効果から見てもこれだけはそうした面で私はいま特別ということの表現はいけませんけれども、いささか考え方の違った形でこのことについては配慮があるであろうし、また期待もし、またそれでなければ、私はあえて申し上げますと、第二臨調としての逆に裏から言いますと目的にたがうような気がいたします。何が何でも延期をして縮小することが経済再建につながるというように私は考えておりませんだけに、このことについては大いにその件につきましても関係各位にも御理解をいただきながら、とにもかくにも事本四架橋については別枠でなく、普通の形で目的達成まで進めていきたい、またそのようなことで地元の方々にもぜひ御理解をいただいて御協力を願いたい、このように考えているものでございます。
#72
○江田五月君 別枠というのは総論では確かに引っかかるけれども、これだけは別に除いてということでありまして、本四架橋、いまの一ルート三橋、そのほかのさらに新しい工事にかかるかどうかは別として、いまかかっている工事については別枠という話でなくてこのものとしてやはり財政再建、総論的に考えても、早期に完成さして運行に供していくことが財政合理性に合致するのだということをしっかり踏まえておいていただきたいと思います。
 さて、そこで料金ですが、料金の考え方というのも伺いましたが、いまこれは開業されると一ルート四橋全部プール制で償還をしていくという。そうしますと、ちょっと考えますと児島――坂出ルートというのは本州と四国とを結ぶルート、しかし他の三橋は地域開発橋として当面供用される。そうしますと、児島――出ルートで入ってくる収入が地域開発のためにその一部が使われるということになって、お金の性格が違うところに振り向けられていくのじゃないかというような疑問がちょっとあるのですが、これはどうお考えになりますか。
#73
○政府委員(渡辺修自君) プールにいたしております理由といたしましては、この橋の役割り、計画の一体性、それから利用者の負担の公平というものがございますし、それから御指摘のように児島――坂出ルートが全通するわけでございますから、ここが何といいましても一番の収入源になるわけでございます。しかしながら、この地域開発橋をまた別途の体系にいたしましてプールでないことにいたしますと、これはまだ全通をしない間はやはり交通量がどうしても少のうございます、島と島とを結ぶだけというような場合。これはもう採算的に見て非常に厳しいわけでもございまして、長期的な目で見ましてプール制ということで考えておるわけでございます。若干御指摘のような向きが内容的にはあることは否めませんが、やはりそれはこの本四の連絡架橋の健全なる経営と申しますか、という点においては私は必要なことであろうと考えます。
#74
○江田五月君 ちょっと話が変わりますが、大鳴門橋鉄道部分が、ずいぶん当初の勢いが弱くなって規模が縮小されましたですね。橋の上で上り下りが通過してはならないようなものにまでレベルダウンをしたという話です。そしてその理由としては、当初鉄道四五%、道路五五%という負担割合にしておったのが、どうも鉄道部分がそれだけ負担ができるようには見込めないぞ、そこで鉄道一一%、道路八九%という負担割合でそれぞれの建設費をはじいて構造を決めていった、そこで鉄道のレベルがダウンしたのだというお話ですが、これはそういうことでよろしいのですか。
#75
○政府委員(渡辺修自君) 当初は鉄道複線載荷ということでございまして、道路が五九、鉄道が四一ということ。五五と四五は実は児島――坂出ルートでございます。でございましたが、四国新幹線の見通しがはっきりしないという時点で、鉄道にその先行投資が莫大な額になるという点で難点が指摘をされたわけでございまして、それならばやはりいろいろ工夫をすることによって鉄道を、線路は二本つくるわけでございますが、適当なコントロールをすることによって単線載荷でいけるのじゃないか。そうしまして、もともとはその比率につきましては重量比で考えておったわけでございますけれども、道路がまず優先的に橋をかける、それに鉄道を付加するというような考え方をとり、つまり道路を優先支出にいたしますと八九%対鉄道一一%になるではないかということで、これならば負担に応ずることができるということになりまして、そのように決定したわけでございます。
#76
○江田五月君 Aルートはまだルートとしての完成は先のことということでありますが、Dルートの方はこれはルートとして完成を六十二年に見なければならないという。ところが大鳴門橋の方でそういうふうに鉄道がレベルダウンをした。Dルートも鉄道がまたカットされていくのじゃないかというような不安があるわけですが、Dルートについてはこの鉄道部分というものの見直しということは、これはあるのですか、ないのですか。
#77
○政府委員(渡辺修自君) Dルートにつきましては予定どおり進んでおります。
#78
○江田五月君 四国新幹線の見通しがはっきりしない。したがって大鳴門橋はああいうことになったという。それならばDルートの方もどうも新幹線部分――新幹線も走ることができるようにということでいまは在来線、新幹線両方が走れる構造に予定はなっているわけですね。これはその新幹線部分も含めて見直さずにきちんと仕上げることができるという見通しだと伺っていいのですか。
#79
○政府委員(渡辺修自君) Dルートにつきましては、在来線と新幹線も乗れるようにということでございますが、設計上の条件といたしましては二列車ということにいたしております。これも適当な列車のコントロールをするわけでございますが、そういった意味合いでいまのところ問題なく当初決めましたアロケートのままで進めておるわけでございます。
#80
○江田五月君 新幹線の部分をつくりましても、新幹線を走らすまでに時間がかかるようですとその部分だけが当分の間むだな投資になっていく、その負担がたとえば国鉄の方にかかってくる、鉄道の運賃の方にかかってくる、あるいは橋を通る自動車の使用料の方にかかってくるというようなことはないのですか。どうなりますか。
#81
○説明員(黒野匡彦君) お答えいたします。
 AルートとDルートの基本的な違いでございますが、Aルートにつきましてはもっぱら鉄道部分は新幹線のための投資でございます。それに対しましてDルートは、先生御案内のとおり本四備讃線という在来線を通すことが主たる目的でございまして、新幹線についても将来通し得るような設計にしておくという指示がなされております。しかも先ほど道路局長から御答弁がございましたように、同時には列車は三列車以上乗らないという配慮もされておりますし、新幹線を通すことによる建設費の増というのは極力抑えてございます。したがいまして、現在共用部ですと四五%が鉄道負担、単独部は当然全額負担でございますが、これは鉄道側で将来とも負担するという考えで進んでおります。
#82
○江田五月君 その在来線、新幹線両方が通る施設として完成をした場合に、これはその施設を国鉄に貸して国鉄から使用料を取っていくということですね。そうしますと、国鉄としては走りもしない新幹線部分のものも在来線と一緒に借りて使用料を払うということになるのか、それとも在来線部分だけを借りて使用料を払い、新幹線は新幹線ができた際にその部分を借りて、さらに使用料が追加されていくということになるのか、どちらになりますか。
#83
○説明員(黒野匡彦君) 国鉄に対します具体的な貸付条件等はまだ未定でございますが、現在われわれが考えておりますのは、新幹線につきましては、たとえば新幹線用地等の買収等はまだ控えておりますし、いわば将来新幹線が通ることになったときになるべく投資するということで新幹線固有のコスト、新幹線を通すためにもつばら要るコストというのはきわめてわずかというふうに見ております。むしろ橋全体の構造あるいは在来線を通すことによって新幹線も含めて結局建設費が要る、鉄道側の負担になっているというふうに考えておりまして、現在のところは、鉄道の投資にかかりました費用はまとめまして本四備讃線開業の暁に国鉄側が使用料として負担するという考えで進めております。
#84
○江田五月君 ちょっとはっきりしなかったのですが、在来線は先に通る、新幹線は後からと。いまのお考えは、時期がずれる場合には、新幹線部分は国鉄に貸すのが後になるのだということですね。そうしますと、新幹線部分だけがどの程度の、ごくわずかだとおっしゃるのですが、ごくわずかと言ったって相当なものになるのでしょう。その部分は仮勘定か何かになって、開業まで借りかえ借りかえというようなことになってくる。利子が積み重なって、だんだん実際の価値よりも負担をしなければならない負債というものが大きくなってくる。そうすると、四国新幹線の方も早くとにかく見通しをつけていかないと、四国新幹線全体をこのDルートにかかる新幹線部分が経営上圧迫をするというようなことになっていくのじゃありませんか。これは何かちょっと考えればどろ沼のような感じもするし、新幹線を早くつくれという理屈になるのかというような感じもしますし、その辺どうですか。
#85
○説明員(黒野匡彦君) Aルートの方はまさに先生御指摘のような問題がございまして、関係の方面にお願いいたしまして、鉄道と道路の負担分の変更をお願いしたわけでございまますが、Dルートにつきましては、先ほど私の説明が拙劣で申しわけないのでございますが、新幹線のための固有の経費、たとえて申しますと新幹線の用地とかあるいは新幹線を通すためのレールとかまくら木とか、そういうものはすべて新幹線を通すことになったときに初めて投資するということでございますして、スペース全体は橋の構造から言いますと当然新幹線が通るスペースがございます。したがいまして、新幹線を将来通し得るように設計しておくということによるプラスアルファ分というのはほとんど無視し得る額というふうに考えておりまして、そこで先ほど申し上げましたように、本四備讃線を開業いたします段階において、鉄道負担分すべてを国鉄が負担するというふうに考えているわけでございます。
#86
○江田五月君 話を変えますが、離島航路の問題もいろいろな人からそれぞれの角度で質疑がありました。なかなかむずかしいことだろうと思います。補助金をとにかく出して、財布の足りないところへお金を入れるというだけでいいのかどうか。もうちょっと離島航路全体を、航路の見直し、そして同時に、その航路に係る一般旅客定期航路事業の事業主のあり方の見直しというようなものも含めて、離島航路については業界を再編さしていくようなことも含めて構造的な政策というものが必要なのじゃないかという気がいたしますが、離島航路対策をもう一度伺っておきたいと思います。
#87
○政府委員(永井浩君) 離島航路につきましては、現在離島航路整備法によりまして欠損の七五%を国、それから二五%を地方公共団体が負担しているわけでございます。それでこの架橋によりまして、従来たとえば本州――四国間のメーン航路、あわせて離島によっていたというような事業者につきましては、メーン航路の客が減るので非常に経営が苦しくなるであろうということは十分予想されるわけでございます。この場合に当然離島航路補助の支給の対象になるわけでございますが、ただ何航路か競合しているような場合、それぞれが需要が減っているような場合にはこれは共倒れになるおそれがある。そういうようなときにはこれらの事業者の合併集約等も私ども指導してまいりたい。場合によってはそれによって採算のとれるケースもあろうかと思います。そういう考え方でおります。
#88
○江田五月君 離島航路に限らず、航路再編成に伴って業界の方も自然淘汰で再編成していくということもありましょうが、やはりそこは余り大きな犠牲がどこかにしわ寄せになるということがないように、業界の再編について、ひとつ全体を見回しながら間違いのない業界の再編をひとつ指導をしていくということも必要じゃないかと思いますが、いかがですか。
#89
○政府委員(永井浩君) 基本的にはお説のとおりでございまして、単に離島だけでなくて全体を見回すのが理想的かと存じます。ただ、瀬戸内海全体と申しましてもそれぞれの企業規模の大小あるいはそれぞれ企業の歴史的な経緯もございますので、全体をやるのは非常にむずかしいかと思います。むしろ橋ごとにそれぞれの関係航路を中心にして指導してまいるというのがより現実的だと考えております。しかし、その場合においても、常に全体の航路のあり方等を念頭に置きながら指導してまいりたい、このように考えております。
#90
○江田五月君 瀬戸内海というのはわりに複雑に相互に関連をしておるわけで、Aルートの方とDルートあるいはEルート、Aルートの話であってDルート、Eルートには関係ありませんというふうにはなかなかなっていない。それぞれがかなり密接に関係をしております。
 そこで、この航路指定ですが、因島大橋についてはなるべく早急にこの航路指定から始まる一連の措置に取りかかっていかなければならない。大鳴門橋についてはこれはいつごろ措置のスタートを始めるということになりますか。
#91
○政府委員(永井浩君) 航路指定の時間でございますけれども、関係事業者が準備を早く始めるという意味においてはなるべく早目に指定した方がいいわけでございますが、一方、その橋のかかる影響その他精密に需要予測等をするためにはやはり供用開始に近い時点の方がいいという二つの命題がございまして、私ども大体架橋供用開始の三年ぐらい前と、このように考えております。
 それで、因島大橋につきましては、御質問のように早急にこの指定をやりたいと思いますが、引き続きまして鳴門大橋につきましても本年度中あるいは来年の初めぐらいには何とか指定したい、このように考えております。
#92
○江田五月君 なるべく早急にこの指定をしていただきたいと思いますが、その場合にたとえば大鳴門橋ですと、大鳴門橋にかかる地点を結んでいる航路だけを航路指定するということではもちろんないわけですね。もう少し幅が広がると思いますが、どの程度まで幅が広がっていくのか。先ほど言いました瀬戸内海の各航路というのは非常に密接にいろいろなところでつながりを持っておるわけで、大鳴門橋の開通によってどこまで影響があるか、これはむずかしいことだとは思いますが、かなり幅は広がってくる。そこで、大鳴門橋についての航路指定をするときに一体どの範囲あたりまでこの航路指定というのが行われることになるか。なるべく広くその影響の範囲を考えて航路指定をしていただいた方がいいのじゃないかと思うし、そのことが業者の、あるいは従業者の不定を経減することになると思うのですが、どういう方針でいかれますかお聞かせください。
#93
○政府委員(永井浩君) 大鳴門橋架橋の例をとりますと、単にその橋と平行に走っている航路だけでございませんで、たとえば坂出、高松、岡山方面に結ぶ航路についてもかなりの影響があろうかと思います。そういうことで、基本的な考え方といたしましては、その事業者の人的あるいは物的な変更があり得る、あるいはそれのおそれがあるような関係事業者についてはなるべく広目に指定をしたい、このように考えております。
#94
○江田五月君 さて、また話が違いますが、Dルート岡山側の早島インターチェンジから水島インターチェンジまではいいのですが、そこから先、何かどこを通すかルートについてかなりがたがたしておるようでありますが、これはどういう経過になったか、経過の概略だけ簡単に御報行ください。
#95
○参考人(山根孟君) お答え申し上げます。
 ただいま先生の御指摘の問題は、稗田地区のルート問題でございます。これにつきましては、五十三年にこのDルートが着工いたします前の段階におきまして環境影響評価を実は実施をいたしました、ほぼ一年かかったわけでありますが。その際、この地区のルートについては地方自治体等からの御意見等もございまして、総合的に検討をして、その上で決定をするといういわば宿題になっておったわけであります。
 こういった観点から、公団といたしましては自然条件、技術的な条件あるいは環境上の条件といったものを総合的に約三年ばかり検討をいたしてまいりまして、その間地元の御要望等も承りながら総合的に検討をいたしてまいったわけでありますが、その結果に基づいて私どもがこれから設計、協議を進めてまいろうというルートにつきまして、先日地元の方に発表をさせていただいた、第一回の説明会を持たしていただいたという次第であるわけでございます。
 検討いたしました内容等につきまして御質問がありますれば、さらに御説明を申し上げたいと存じます。
#96
○江田五月君 時間がだんだんなくなっておりますので、余り細かなことまで立ち入れないのですが、どうも見ておりますともたもたしているという感じがあります。いろいろ御説明は言葉をうまくお使いになるところはあるにしても、外から見ると、一度ルートを発表された、問題点が続出してそのルートは撤回をされた、そしてまた新たにルートを発表したというふうに見えるわけでありまして、これはだんだんと一つのルートに固まっていく過程であるのだというような説明ではなかなか住民は納得しない。もちろん、従来のルートを撤回されたことは当然だと思います。撤回をされなきやならないだけの難点、弱点のあったルートだったと思うので、その撤回は、これは過ちを改むるにはばかることなかれ、当然なのですが、しかし、出しては引っ込め、出しては引っ込めということになりますと、果たして本当に住民の生活のことだとか環境のことだとか十分な配慮を加えて、慎重にこのルートの決定というものを行っているのかどうか。何か出してはアドバルーンみたいに様子をうかがって、また引っ込めてというようなことをやっているのじゃないかというような心配があるのでありまして、今回のこのルートについてはどうなのですか、本当に住民の皆さんに十分納得をいただける、住民の皆さんと本当に腹を割って話をして、そしてこれで満足をいただける、そういうルートだという確信をお持ちなのですか、それとも、また何か様子をうかがってというようなつもりでお出しになっているのですか、どうですか。
#97
○参考人(山根孟君) 私ども検討いたしまして今回説明をさしていただきましたルートにつきましては、環境上の問題を初め十分関係の住民の地域の方々に御説明を申し上げ、御理解を得られる、また御理解を得るよう努めてまいらねばならぬと考えておりますが、私どもとしては、このルートでありますならば、大綱において生活環境の保全その他交通安全上の問題等々、各般の諸条件に照らしまして十分確信のあるルートである、かように考えております。
#98
○江田五月君 地元での説明会をめぐる事情について新聞の報道などを見ますと、いろいろとごたごたしたようなこともあるようですが、ひとつ誠心誠意地元の皆さんの納得を得るように努力をしていっていただきたいと思います。要望しておきます。
 それから、御承知のとおり、地方財政再建促進特別措置法の二十四条二項というものがありまして、地方公共団体は、法令の定めによる場合を除いては――いろいろありますが、その中に本四架橋公団も入っておりまして、本四架橋公団に寄付金とかその他の支出をしてはいけないということになっておるのですが、何か聞くところによると、いぐろ島、最近呼び方を変えていわぐろ島ということになったようですが、岩黒島のとりつけ道路は地方公共団体の方にもお金を出させるのだというようなことを聞いておりますが、これはこの地方財政再建促進特別措置法に違反するようなことになる話ではないのでしょうね。確認をしておきたいと思います。
#99
○参考人(山根孟君) お答え申し上げます。
 岩黒島につきましては、私ども地形条件その他から、また島の状況等から見まして橋上にバスストップをつくりまして、これによって住民の方々のサービスに供したいという基本的な考え方を持っておるわけでございます。ただ、橋の上にバスストップができますので、一体島からその橋上にございますバスストップにいかに連絡をするか、これが私どもの現在詰めております問題でございまして、現在橋梁管理上必要な構造をどういうぐあいにやっていったらいいか、そのためにどういうような事業化の手段を尽くしていったらいいかといった点につきましてまた地元の方の御要望もあるわけでございますので、香川県、坂出市等と現在検討をいたしているところであるわけでございますが、御指摘のような地方財政再建促進特別措置法といった法律に触れるようなことのないようにしてまいりたい、かように考えております。
#100
○江田五月君 また別の話ですが、瀬戸内海というところは航路が非常に立て込んでおりまして、しかもなかなかむずかしい操舵方法を要するのではないかと思いますが、そこに橋ができてしまう。特に国際航路になっているところに北備讃瀬戸大橋、南備讃瀬戸大橋というものができる。これでは航路がつぶされてしまうのではないか、航路を変えてはどうかという提案も関係の方々から出ているようでありますが、東西に走る航路に水島から南にずっとおりて接続をするといういまの航路、そのすぐ東側に橋ができる。これは危険ではないのですか。そして、水島から南西におりる航路というようなことが提案をされているようですが、こちらの航路の方が合理性があるというようなことはないのでしょうか。この航路のことについて説明をお願いします。
#101
○説明員(加藤書久君) 本州四国連絡橋が建設されることに伴います海上交通の安全の問題につきましては、本四公団が日本海難防止協会等に委託いたしまして関係行政機関あるいは学識経験者、海事関者等から成ります航行安全委員会等を設けまして工事中の安全対策あるいは架橋完成後の航行安全対策ということにつきまして調査、検討をいたしまして、それに基づきまして所要の安全対策を講じているわけでございます。
 いま先生からお話のありました、水島航路を出まして備讃瀬戸航路を抜ける船につきましては、現在も海上交通安全法によりまして進路警戒船というようなものをつけておりましたり、あるいは当然曲がるときは船のスピードを落とす、減速、あるいは引き船を配備するといったことによりまして現在も安全に航行いたしております。
 この架橋が完成しました後も、先ほど申しました委員会等の調査結果に基づきまして、橋梁のけた下高だとかあるいは支間長だとか、そこら辺を適当に保つ、あるいは橋脚等々の航行援助施設を設置するといったことによりまして十分安全な航行ができると考えております。
 全日本海員組合が水島新航路というのを提案していることは私どもよく存じておりますが、これにつきましては当然漁業が行われておりますので、その漁業活動との調整の問題、それから二つ三つ浅いところがございますので、この航路しゅんせつをしないといけないという問題、それからさらに、水島航路を出まして備讃瀬戸に出て東に向かう船につきましては若干迂回になる航路でございます。そういう迂回航路を海上交通安全法による航路ということに指定しますと、強制するということになります。そういう問題がございますので、これはやはり水産関係者あるいは港湾管理者、それから海運等の海事関係者、そこら辺の皆さんによります十分慎重な検討が今後必要であると考えております。
#102
○江田五月君 瀬戸内海に大型タンカーもどんどん入ってくるようなことになってしまったわけですが、そのこと自体もどうもなかなか問題もあるのじゃないかと思いますが、一たび大型タンカーから石油が漏れるようなことになりますとこれはえらいことになるわけで、ひとつ航路の点からも間違いのない施策をお願いをしておきます。
 時間がもうありませんが、最後に二、三まとめて伺っておきます。
 地元の人たちからも要望が何度も来ておるので十分存じていただいておると思いますが、工事についても地元企業へ優先発注をしてくれないか、なかなかいま建設業界が困難な事態になっているそういうときに、大きな工事が目の前にあっても全然地元は潤わぬじゃないかというので、優先発注してくれというお願いがあると思います。これは技術的にいろいろ高度な技術を要するところもたくさんあってというようなお話ですが、そういうところでなくて、地元企業で十分施工のできる場所もたくさんあるのじゃないかと思いますが、この関係をどうお考えか。
 それからあわせて、この本四架橋との関連を持った事業を地元関係自治体がやっている場合があるわけですが、たとえばこれは岡山県の場合で、総合流通センターを早島インターの近所につくるとか、ほかにもあるかもしれませんが、そういう地元自治体の関連事業へ補助をするというようなことはあり得ることかどうか。地元へなるべく手厚くということをお考えいただきたいわけです。
 それと最後に、どうもつり橋はかなり揺れるのだというようなことを聞いたり、特に夏、冬の温度差で数メートルも上へ上がったり下がったりするのだと聞いたり、あるいはまた風が吹いたら横へ十メートル近くも揺れたりするのだというようなことも聞いたりしておりますと、本当に安全に通行できるかなというような気がする、不安があるわけで、橋上通行の安全というものを一体どういうふうに確保されようとしておるのか、そういう心配はないのか。おもしろい話ということだけなのかどうか、あるいはそういう特性にかんがみこういうことを考えておりますよというようなことがいまあるのかどうかを聞いておきたいと思います。
#103
○参考人(山根孟君) お答え申し上げます。
 第一の、工事発注に関する問題でございます。
 橋梁の大変高度な長大橋に関する部分の仕事につきまして、これはなかなか困難であろうと思いますが、それに関連する準備工等々、さらには、陸上の道路部分につきましては、私ども工事の難易度、工事の規模、建設業者の施工能力といった点を勘案しながら、地元中小建設業者が極力受注の機会が得られますように配慮してまいる方針で臨んでおるわけでございます。
 第二点の、流通センター等の例を挙げて、地方公共団体が実施しております本州四国連絡橋に伴いますもろもろの事業に対して、本四公団として何らかの措置ができないか、こういう御指摘でございます。
 本四公団は、御案内のように連絡橋の建設、管理を目的として設立をされ、その事業を遂行をしているということでございまして、他の事業に投資をするということはできないということになっております。
 第三の、台風等々におきます強風時、あるいはその他気象条件によって交通安全上橋梁の構造上のいろいろな問題があるわけでございます。その点の御指摘があったわけでございます。
 つり橋は、一般に大変たわみやすいと申しますか、弾力性のある構造物でありまして、十メートルということはございませんが、相当の上下方向あるいは水平方向に揺れる、揺れると申しますか、たわむという現象が起こることは事実でございます。しかしながら、構造上これが危険になるといったことは全く御心配はないように十分配慮した設計をいたしております。
 しからば、交通を通すときにどうなのか、こういうことでございますが、交通安全施設あるいは交通情報提供施設等によりまして十分交通管理上の措置はいたすわけでありますが、やはり強風のときになりますと車両の走行そのものが大変危険な状態になるわけであります。したがいまして、現在使用開始をいたしております大三島橋におきましても風速十メートルで走行注意の表示を行い、毎秒三十メートルで通行どめにいたすことにいたしております。これは陸上部等におきます名神、東名等においても強風時における通行どめの措置を実は現在やっておるわけでございます。それとおおむね同程度の交通規制、通行どめないしはその前段階におきます注意標識等の設置を行いまして交通の安全を期してまいる考え方で進めておるわけでございます。その橋梁上の強風時におきます交通安全措置につきましては十分配慮してまいりたい。
 なお、瀬戸内海地域はいまごろの季節ですと大変濃霧が多いわけでございます。したがいまして、このような場合にもどういうぐあいに対処していくかということにつきましても現在検討を進め、必要な措置を講じてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#104
○江田五月君 終わります。
#105
○委員長(宮之原貞光君) 午前の質疑はこの程度とし、暫時休憩いたします。
   午後零時四分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時十一分開会
#106
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、本州四国連絡橋の建設に伴な一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。――別に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#108
○委員長(宮之原貞光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、茜ケ久保君から発言を求められておりますので、これを許します。茜ケ久保君。
#109
○茜ケ久保重光君 私は、ただいま可決されました本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法の施行に当たり、次の事項に遺憾なきを期すべきである。
 一、架橋事業に当たつては、環境保全及び地域交通の確保に留意するとともに、地場の中小建設業者等の活用、関連公共施設の整備等に特段の配慮を払うこと。
 二、架橋に伴う諸施策の推進に当たつては、関係者及び地方公共団体の意見を十分に尊重するとともに、特に中央、地方の連絡協議の一層の円滑化を図ること。
 三、航路事業の再編成に当たつては、事業者及び従業者への影響を最小限にとどめるよう努めるとともに、離職を余儀なくされる従業者に対する生活の安定と職場の確保のための措置、転業等を行う事業者に対する融資措置等の円滑血実施を図ること。
 四、航路変更・縮小により影響を受ける離島住民の交通手段の確保について、離島航路整備法の適切な運用その他必要な措置を講ずること。
 五、港湾運送関係等における事業者の経営及び雇用の安定等については、法的措置を含め関係者間で十分に協議し、適切な措置を講ずること。
 右決議する。
 以上でございます。
#110
○委員長(宮之原貞光君) ただいま茜ケ久保君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#111
○委員長(宮之原貞光君) 全会一致と認めます。よって、茜ケ久保君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、斉藤建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。斉藤建設大臣。
#112
○国務大臣(斉藤滋与史君) 本州四国連絡橋の建設に伴う一般旅客定期航路事業等に関する特別措置法案につきましては熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後、その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に体して努力する所存でございます。
 ここにこの法案の審議を終わるに際し、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
#113
○委員長(宮之原貞光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#114
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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