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1980/04/16 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 逓信委員会 第6号
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1980/04/16 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 逓信委員会 第6号

#1
第094回国会 逓信委員会 第6号
昭和五十六年四月十六日(木曜日)
   午後一時四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     中村 鋭一君     三治 重信君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         福間 知之君
    理 事
                長田 裕二君
                成相 善十君
                長谷川 信君
                大森  昭君
    委 員
                小澤 太郎君
                亀井 久興君
                郡  祐一君
                志村 愛子君
                新谷寅三郎君
                高橋 圭三君
                西村 尚治君
                八百板 正君
                太田 淳夫君
                白木義一郎君
                山中 郁子君
                三治 重信君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  山内 一郎君
   政府委員
       郵政大臣官房長  奥田 量三君
       郵政省簡易保険
       局長       小山 森也君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        酒井 繁次君
   説明員
       大蔵省主税局税
       制第三課長    源氏田重義君
       大蔵省理財局資
       金第一課長    亀井 敬之君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵便年金法及び簡易生命保険及び郵便年金の積
 立金の運用に関する法律の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(福間知之君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十五日、中村鋭一君が委員を辞任され、その補欠として三治重信君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(福間知之君) 次に、郵便年金法及び簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○太田淳夫君 それでは、先回に続きまして質疑を行わしていただきます。
 きょうは最初に、前々から衆参両院の当委員会におきましていろいろと論議もされてまいりましたが、今回郵便年金法の改正に当たりまして衆議院におきまして附帯決議案がついているわけですが、この中に、「積立金の運用範囲の拡大に努めるとともに、余裕金も直接運用できるよう制度の改善を検討し、年金加入者の利益の増進を図ること。」ということが一項目あるわけでございますが、そこでちょっとお伺いしたいんですけれども、積立金それから余裕金というのはどういうようなあれでございますか。
#5
○政府委員(小山森也君) 余裕金と称しますのは、簡易保険・郵便年金の会計から申し上げますと、その年度の歳入となります加入者から払い込まれた保険料や運用収入、それから同じ年度の歳出となる保険金の支払いや事業費として要する経費を差し引いた残額を余裕金、こう申しております。この余裕金は当該年度中は余裕金として経理いたしますが、その決算が終わりますと今度はこの会計の中における積立金に組み入れるという方式をとっているわけでございます。
 積立金と申しますのは、将来の保険金、年金等の支払いに備えて積み立てておるものでございます。
#6
○太田淳夫君 この余裕金は、現在どういうふうにこれは運用されておりますか。
#7
○政府委員(小山森也君) 余裕金は、現在全額資金運用部の方に預託されておるわけでございます。
#8
○太田淳夫君 それで、お伺いしたいんですけれども、そうしますと、余裕金が資金運用部に預託をされておりまして、それが、決算が終わりますと積立金に変わるわけですね。そう理解してよろしいですか。
#9
○政府委員(小山森也君) そのとおりでございます。
#10
○太田淳夫君 この余裕金が資金運用部に預託をされるということですが、これは何か法的にそういう規定をされておるわけでございますか。
#11
○政府委員(小山森也君) 現在、法律におきまして、「政府の特別会計の余裕金は、資金運用部への預託の方法による外、運用してはならない。」というのが資金運用部資金法第三条にありまして、これに従いまして当簡易保険・郵便年金会計上に生じました余裕金は運用部の方へ預託して運用している、こういうことになっております。
#12
○太田淳夫君 大蔵省にちょっとお伺いしますけれども、民間の生保では余裕金とか積立金という区別は全然ありませんな。資金が発生したときから運用されているんですか。どうでしょうか、その点は。
#13
○説明員(亀井敬之君) 民間の生命保険会社の場合には、そういう区別はないようでございます。
#14
○太田淳夫君 この簡保の資金にしましても、私たちから考えますと、余裕金と積立金と区別して運用していることはちょっと理に合わないんじゃないかと思うわけですね。
 また、郵政省の見解をちょっとお聞きしたいんですけれども、余裕金の方の利回りが低いため積立金と同じように運用した場合に比べて収入減になるんじゃないか、こういう見解もあるわけですが、その点どうでしょうか。計算したものございますか。
#15
○政府委員(小山森也君) これは実は私ども余裕金、ただいま経理上はそうしておりますけれども、事業の性格上、ここに出ました余裕金は将来の保険金とか年金等の支払いに備えて積み立てるものでございますので、一つの性格としては積立金と全く同じ性格のものではないか、このように考えているわけでございますけれども、しかしながら、ただいま余裕金という概念を持っておりますのは私どもの会計だけではございませんでして、厚生保険特別会計とか国民年金特別会計、船員保険特別会計等も皆このような形でもって余裕金という概念を持ちまして、その概念の解釈におきまして、先ほど申し上げました資金運用部資金法に基づきまして資金運用部の方に預託しておる、こういうわけでございます。
 さて、それでは積立金同様にこの余裕金を運用したらばどれくらいになるかということでございますけれども、昭和五十三年に資金運用部の方の預託金の特利の制度が改善されまして、これは資金運用部の方でやはり簡易保険、郵便年金の性格というのを十分理解いただきまして、そのような形で運用方法を改善したわけでございます。したがいまして、昭和五十二年までは余裕金の額が少なかったにもかかわらずその差額が百四十億円ぐらいまで出ておったのでございますけれども、五十三年以降余裕金の発生額が多いにもかかわらずその後少なくなっております。しかしながら、そうではございましても収入差額は年間約百億程度になるのではないか。これはいろいろな計算の仕方がございますので幅はございますけれども、大体私どもの利回り等の差額でいきますと百億前後ではなかろうか、このように考えておる次第でございます。
#16
○太田淳夫君 大蔵省に聞きたいんですけれども、郵政省の御答弁では毎年百億程度の収入減ということでございますけれども、この余裕金の運用についてどのようにお考えになりますか。
#17
○説明員(亀井敬之君) お尋ねの点でございますけれども、一般的には、国の制度とか国の信用といったものを通じて集めましたお金は、もうすでに議員よく御承知のように、資金運用部に一元的に統合して運用さしていただく、こういうことになっているわけでございます。それは一元運用によります重点運用とか効率運用とか、そういったことができる。こういうことでございまして、いま先生御指摘のように、余裕金につきましても積立金と同じような御議論というのはあることは承知をいたしておりますけれども、ただいま申し上げましたような国の資金の運用に関します一元的な運用の原則、これはすでに御承知のように長い歴史を持って経てきておるものでございまして、こういった原則を変えるということは考えていないわけでございます。
#18
○太田淳夫君 いまの答弁によると、この問題については、なかなか大蔵省としては余裕金の運用についての考えを変えることはないという御答弁でございますけれども、これも長い確かに論争がいままで行われてきた。郵政省は希望するし、あるいは大蔵省としてはこれを断ってきたという経緯があるわけですけれども、いまいろんな面で国の財政再建が言われておりますけれども、やはり加入者の利益ということを考えた場合には、簡保の資金あるいはこれからだんだんと年々増加してくるでしょう年金の積立金あるいは余裕金、これはみんな加入者の利益に結びついてくる問題じゃないかと思うんですね。年間百億も減収されているということは、契約者の配当の増額がその分できなかったり、あるいは年金の累増部分がそれだけ減るということが考えられるわけですから、そういった点で余裕金の運用はもっと郵政省当局との間に合意がされて、実質的な保険料の負担が軽減されるような方向にやはりこれは考えるべきじゃないか。そのように思うわけですが、その点、もう一度御答弁願います。
#19
○説明員(亀井敬之君) 保険の加入者の利益という見地からのお尋ねでございます。私どもは、先ほど小山局長からもお触れになられましたが、余裕金は、日々のお金繰りの短期的なお金、それが積立金となっていくのでございますけれども、そういった余裕金を私どもは一年という短い期間でお預かりをいたしておるわけですが、それにつきましては、いま七年でお預かりするものに対しましてつけております金利から〇・一%減といったような、比較的余裕金のお預かりの期間が短いにもかかわりませず利回りにつきましても十分配慮をいたし、保険者のためにもという配慮をいたしておる、こういうふうに考えているわけでございます。
#20
○太田淳夫君 大臣にちょっとお伺いしますけれども、衆議院の附帯決議にもございましたし、大臣も、それぞれ御努力をされるということで答弁をされていると思います。この郵便年金の余裕金につきましては、戦前においては当初から積立金と同じように公債などにこれを郵政省で運用した経緯があると聞いております。また、これまでいろいろと論議された中でも要求もされてきたわけですね。年金については、特に資金運用のいかんがその実質的な価値を決めていくわけですから、非常に重要ではないかと思うんです。それは戦前でも現在でも変わらないことじゃないかと思いますし、今回の郵便年金の積立金の運用範囲の拡大ということはこれは時宜を得たものだと思いますけれども、この余裕金についても早急に結論を出すようにまた努力をしていただきたい、こう思うわけですが、ひとつ大臣に一言。
#21
○政府委員(小山森也君) 大臣がお答えする前に、私どもの郵政省としての考えを申し上げますと、やはり基本的に簡保、郵便年金の余裕金と称されますものは実質的に積立金と変わりないものであるということから、今後とも積立金という形で運用することになりますように努力したいと思っておりますが、何分とも、ただいま大蔵省の方からもお話がありましたように、いままでの歴史というものを非常に重視する立場をとっているのと、私どものこれからの実態に即した形ということの運用というものとで若干基本的な考え方にずれがございます。そのずれをその実態的な運用でなるべく狭めていこうというのが両省でいま努力しているところで、その実態の中からまたさらに次のステップが出てこようかと思いますので、私ども一つの基本を持ちながら実態的な、実質的な解決に臨み、さらには実質的、また形式的ともに利用者のための資金運用になるように努力してまいりたいと存じます。
#22
○国務大臣(山内一郎君) いろいろ御利用される方に不利にならないように、というよりも御利用される方の利益を一層増進するようにまず心がけてやりたいと思っておりますが、いま局長から話しましたように、まだ解決すべき問題もございますので、その解決に努力をしてまいりたいと考えております。
#23
○太田淳夫君 それでは、先回、運用制度の改善についてちょっとお聞きしたんですけれども、この中でもう一点だけお尋ねしておきたいと思うんです。
 最近、民間の生命保険会社等におきましては外国債への投資を積極的に行っているようでございますが、昭和五十四年度末には外国債の運用残高は約五千億円、資産総額の約二・二一%を占めるまでに至っているわけですが、今回郵政省においても、郵便年金を改善するに当たりましてこの積立金の運用対象に外国債を加えようとされておりますね。この外国債を運用対象に加えようとするのは有利な運用のためであるのかどうか、その点、ちょっとお伺いしたいと思うんです。
#24
○委員長(福間知之君) 大蔵省亀井資金第一課長、御退席いただいて結構です。
#25
○政府委員(小山森也君) これは私がいまさら申し上げるまでもなく、先生御存じのように年金というのは長期にわたる契約でございますので、経済環境の変化に対応して年金の実質価値をいかに維持していくかというのが一番の基本になるわけでございます。
 そこで、その第一に、資金運用の点でいろいろな経済状況に対応できる形で分散投資をしておくということが非常に重要なわけでございます。その一つといたしまして、危険分散を国内のみでなしに国際的に分散投資をしてその効果を上げるということが一つでございます。またもう一つ、この効果といたしましては、為替レートの関係がいろいろございますのと、それから各国における金融行政、こういったような金融政策というものによっても左右されるというようなことでございまして、現在の状況で申しますと、危険分散と同時に非常に有利な運用が図られるということが言えるかと存じます。したがいまして、そういった意味合いにおきまして外国債というものを運用対象に加えることは、この年金事業にとっては非常に意義があるのではないかと思って今回御提案して御承認いただければと存じている次第でございます。
#26
○太田淳夫君 いま為替レートのお話も出ましたけれども、外国債への運用となりますとやはり為替レートの問題が多少心配されるわけです。簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律におきましては、積立金を確実、有利に、かつ公共の利益となるよう運用すべきである、こういうふうに定めておりますし、確実な運用対象ということが大事でありましょう。しかし外貨建て外国債への運用も予定されていると聞いておりますけれども、その場合、為替のリスクという問題、やはりこれはいろいろな問題があろうと思いますが、その点、どのように対処されようとしておりますか。
#27
○政府委員(小山森也君) 外国債を運用するに当たりましては、やはり先生御指摘のように、為替リスクというもの、これに対する対応の仕方というのが非常に大事な点でございます。私どもこれを運用するに当たりましては、為替レートの問題と、先ほどもちょっと触れておきましたけれども、各国における金融政策、それから経済状況、景気の動向というようなものとの組み合わせによって考えなければならないのではないか。一つは為替レートの問題、一つは、いま申し上げましたいろんな事情の結果として出てまいりますのはやはり国債、各国で発行しておりますところの国債とかあるいは州債とか、いわゆる公共債というものの利回りの動向、両方を組み合わせて考えなければならないのじゃないかと思うのでございます。為替リスクを避ける方法というのはいろいろあるわけですが、これはいずれも運用よろしきを得ないと結果として必ずしも有利なことにならないということになります。
 したがいまして、基本的に考えておりますのは、一つは、円高のときに投資を行う。それで円安のときに売却する方法、これはいまさら申し上げるまでもないことなんですが、それが一つ。それから継続して外国債への投資を行いまして、時間的なその場その場における短期間の為替差損をならす方法とか、あるいは今度は多くの国に分散投資を行いまして国別の通貨の為替変動をなるべくならす方法、それから比較的長期に外国債を保有することによりまして、先ほど申し上げましたいわゆる金融政策というものにおける影響と同時に短期的な為替差損を避ける方法、こういった四通りが大きく分けて考えられるかと思いますが、これらを私ども最大の努力をいたしまして、組み合わせて結果的に加入者の利益につなげるような有利運用に持っていきたい、こう考えておる次第でございます。
#28
○太田淳夫君 今回の積立金運用法の改正によりまして、郵便年金の積立金の運用範囲の拡大もされて対象が大分加えられておりますけれども、これに伴いまして、資金運用部資金並びに簡易生命保険及び郵便年金の積立金の長期運用に対する特別措置に関する法律、これについても所要の改正をする必要があるとして改正法案附則第三条に改正内容まで盛り込まれておりますけれども、これは一体どういう趣旨であるのか、お伺いしたいと思います。
#29
○政府委員(小山森也君) 長期運用特別措置法と申しますのは、先生御存じのとおり、資金運用部資金及び簡保・年金積立金の運用が長期にわたった場合に、その長期運用が国民経済の中で資源配分の機能という重要な役目を果たす、したがって、それについては国会の議決その他必要な措置をしなければならないというので、五年以上長期にわたって運用するものはこの法律に従うように、こうなっておるわけでございます。いままで簡保・年金積立金の運用対象になっていなかったものでございますので、今回運用の範囲に入りますと、さらに拡大された運用の中におきまして五年以上の運用というものは当然考えられるわけでございまして、その場合には国会に提出いたしまして議決をいただく、こういう趣旨で積立金の運用法の拡大に伴いまして当然こちらの方の長期の運用に関する法律にも項目を加えたわけでございます。
#30
○太田淳夫君 それでは、時間になりましたので最後に一言だけ大臣に所信をお伺いしたいんですが、今回のこの法改正に当たりましては、当委員会の同僚委員の質疑の中にもいろいろとございましたし、非常な紆余曲折と申しますか、郵政省としてこの法案を提出されるまでに非常に困難な局面もございました。そういうことをいろいろと乗り越えて新しく提案されておることに対しましては、その努力にそれなりの敬意を払うわけですけれども、しかし今回のこの郵便年金制度の改正内容を見てみましても、まだ今後改善のための努力をしていただかなきゃならない部分がたくさんございます。
 しかし、高齢化社会というのは急速に到来しつつあるわけでございますので、そういった現実を踏まえながら将来のわが国社会の健全な発展を考えていかなきゃならない。そういう状況もお考えいただいて――経済も非常に厳しい環境の中にございます。また国民の皆さん方の自助努力、自分の努力によってやっていくということも意識的にまだまだ問題点もあるようでございます。また皆さんの論議の中にありましたように、官業と民業との関係のとらえ方、あるいは各省とのいろんな折衝の問題もまだございますでしょう。そういった今後のこの郵便年金事業を取り巻く諸情勢というものは必ずしもまだまだ十分でないし、また大変な局面もあろうかと思いますけれども、大臣としても、この郵便年金事業というのは大正十五年以来国民の経済政策の中に根をおろしながらいままでやってきたわけでございますので、簡易生命保険同様に今後大きく発展されますように努力をしていただきたい。このことを申し上げたいと思うんですが、それについて大臣の所見をお伺いして、終わりたいと思います。
#31
○国務大臣(山内一郎君) ただいま御審議をいただいております案につきましては、郵政省といたしましては最大限の努力をしてまとめた案でございますが、いろいろ御審議を聞いている間にまだまだ問題点があるということもだんだんわかってきたわけでございます。したがって将来は、この案だけで満足せず、でき上がりました後も皆さん方の御意見を十分に取り入れて大いに検討しながら、さらによいものにしていきたいものである、こういうふうに考えているわけでございます。
#32
○大森昭君 各党の先輩の先生方から質問が大分ありましたので中身は大体尽きているようでありますが、問題は、個人年金に関する今度の改正の中で、やはり質的な変化といいますか、国全体の政策とまでは言いませんが、公的年金に付加してこういう年金をやるということでありますから、大きな意味合いでいきますと大変変化の大きなものであろうと思うんです。そこで、これだけもめたんでしょうし、五者会議などもあっていろんな議論があったんだろうと思うのでありますが、せんだって税制の問題で質問いたしましたら、郵政省はある程度努力するというお話もありましたけれども、問題は、何かにつけて大蔵省なんですね、この根本を握っているのは。
 そこで、ちょっと大蔵省にお聞きをしたいのでありますが、五者会議の中では、「個人任意年金制度の普及を図るための政策減税については民間の個人年金の取り扱いと同一にするという条件の下で、今後ともその実現に努める。」という内容の合意事項があるのでありますが、これは御存じでありますか。
#33
○説明員(源氏田重義君) ただいまその紙を持っておりませんけれども、そういうようなお話があったということは漏れ承っております。
#34
○大森昭君 そこで、そういう趣旨合いのことが五者会議で決まっているんですけれども、実際には、五者会議で一致をいたしましても今度提案の法律案によりますと税制上変化ないんです。そこで、郵政省と折衝する中で税制の取り扱いについて何ら変更をしなかったということは、恐らく大蔵省としての考え方があるんだろうと思うのでありますが、大蔵省として、この個人年金について税制上の措置は従来と同じだということを主張された根拠というのは何でしょうか。
#35
○説明員(源氏田重義君) 確かに新種個人年金ができますときに郵政省の方から税制上の優遇措置を講じてほしいという御要望がございましたけれども、大蔵省といたしましては、これに税制上の優遇措置を講ずることは課税の公平という観点等から見ましていかがなものかということで、新しい税制上の措置は設けないということにしたわけでございます。
 個人年金も貯蓄の一種でございますけれども、いま貯蓄につきましてはマル優が三百万円ございまして、それから郵便貯金が三百万円ございます。それから国債を買っていただきますとまた別枠で三百万円という税制上非課税措置がございますので、合わせて九百万円の非課税があるわけでございます。さらに給与所得者につきましては、財形貯蓄をやっていただきますと五百万円非課税になりますので、合わせて千四百万円まで貯蓄は非課税でできるというふうな優遇措置も講じているわけでございます。それから個人年金自体につきましては、現在生命保険料控除の対象になっておりますので、そちらの方で税制上の配慮はすでになされているというふうに考えております。
 それで、いつも同じようなことを申し上げまして大変恐縮なんですけれども、財政再建が非常に厳しい折でもございますので、いままた、こういう個人年金ができた際にそういう特別措置を設けるということになりますと、そういう厳しい財政事情に対してまたこれから租税特別措置等を整理合理化していこうという機運にあるときにいかがなものかということで、御勘弁いただいているというわけでございます。
#36
○大森昭君 そこがやっぱり大蔵省の問題点なんですね。貯蓄の一種と言われますけれども、本来個人年金というのは――理想社会かもわからぬけれども、公的年金でおおむねある程度の生活はできる。それはいい生活はできませんですが、公的年金では限度があるでしょうけれども。しかし高齢化社会に向かっていく。事実、いまお話があったように国の財政の関係もある。したがって、こういう自助努力による年金というものを郵政省がやることについて、いろんな意味合いでやむを得なかろう。またそのことが社会に対する、みずからの活力を生んだり、あるいは年寄りを敬ってみたり、いろんなことが精神的に関係するんですよ、年金というのは。だから、いまあなたが言うように、国債を買えばどうで、貯金をしておけば幾ら減税になっているからというようなことでこの問題を取り扱うから、税制上の問題についてもそういう見解になるのでね。どうも、あなたの話を聞いていますと、何か貯蓄の一種でもって個人年金というものを開始したような意味づけであっては、郵政省が今後税制の問題についても努力するとかあるいは最高制限額の引き上げの問題についてもいろいろ検討するとか、いま郵政大臣が言われたように、聞いている間にいろいろ問題点が出てくるから努力をすると言ったって、大蔵省のもとになっているあなたたちの考え方が貯蓄の一種なんだという考え方をしておったのでは、これは郵政省が幾ら努力すると言ったって発展しないですよ。あなた、まじめに考えて、大蔵省としてはそういう見解を持っているのかどうか、もう一回答えてください。
#37
○説明員(源氏田重義君) 確かに個人年金は老後のための措置でございまして、蓄えの一種ではないかと思うわけでございますけれども、個人年金が老後に備えての自助努力である、それで非常に意味のあるものであるという点は私どもそうだと思うのですけれども、そこでさらに新たな税制上の措置を講ずるかどうかというのはまた別の観点から考えなければいけないのじゃないかと思いまして、そこで先ほど申し上げたような結論に達したわけでございます。
#38
○大森昭君 あなたと論争しても、大蔵省を代表しているかどうかわからぬから、正直言って余り論争しても意味がないような感じもするけれども、実際問題として年金を掛けていくでしょう。そうすると、年金受給時期になると、いま勤労者というのはすぱっすぱっと皆税金を納めていますね、だからそういうかっこうで結局年金をもらうときは所得税で引かれるわけでしょう。そうなってきますと、大蔵省は、この年金にどんどんみんなが入って受給者がいっぱいふえてくれば税がふえるんですよね、きちっきちっと。だから、そういう意味合いからいきますと、ある程度この掛金の問題について所得税の控除制度を、いま十万円以上掛けている人は五万円だというやつを、それをいじくって直してみたり、あるいは年金支給開始の方々というのは、いまあなた、公的年金ならそのまま国でばっばっとやっているわけですよ、これ。そうでしょう。まるっきり持ち出しでいまやっているわけでしょう。
 それを各人が努力をして節約しながら、食うものも食わないとは私は言いませんが、節約しながら積んでいく、これはそういう金なんですよ。余裕があって、あなたがいま言うように、たとえばたくさん金があって国債を買うとかなんとかいうのとは違うんですよ。みずからを詰めて老後に備えるということなんですよ。この年金を積み立てる人というのは。そういうことにこの事業が進んでいく問題について、たとえば贈与税の問題だって、相続税の問題だって、あなたのお話だと税制上何も変わっていないんですね。そうでしょう。だから、本人が年金を掛けていく、本人が亡くなられた、お子さんがもらうというときは全くいまの相続税と同じでいくわけでしょう。ところが、お父さんが一生懸命働きながら、家族全体の経費も節約しながら積んでいって、本人が生きてりゃそのままもらえるわけだけれども、仮に亡くなった場合に、それがいま一般的な資産家が持っている財産が子供に行くような相続税的な税制を当てはめてみたり、あるいは相続税を当てはめてみるというのでは、これは年金をいまあなたここで自助努力によって老後を保障するという視点でもって論議をしておったって、大蔵省の考え方は全然違うんじゃないですか、それじゃ。
#39
○説明員(源氏田重義君) 相続税の件でございますけれども、確かにお父様が掛けられて、それでそれがその子供に行くという場合には、やはり年金受給権というものを相続財産として評価いたしまして、それで課税するわけでございます。これは相続財産全部を一応合算いたしまして、それで富の再分配という観点からこれに累進税率を掛けてまいりますので、できるだけその例外は少ないようにというふうに考えるのがやはり社会的な公平の原因ではないかと思うわけでございます。ただし、相続税につきましては基礎控除がかなりございますので、現実に課税になっておりますものは、百人亡くなりますと三人しか課税になっていないというふうな現状でございますので、そういう基礎控除の点において相当非課税になっているというふうに御理解いただきたいと思います。
#40
○大森昭君 富の再分配のときの公平感の議論なんて持ち出されたって、個人年金掛ける人は金に余裕があって、全然ない人はこれは掛けられないけれども、しかし、たとえば山持ちだとか土地持ちだとか、あるいは何か事業をやってもうかったというのとは大多数の人は違うと思うんですよ、個人年金を掛けている人というのは、そうじゃない人もいるでしょうけれども、金があって積む人もいるでしょうけれども。だから、いまあなたが言うように、確かに亡くなった、同じように金が入ってくる、そういう意味では収入は同じかもわかりません。しかし少なくとも年金を掛けていくという人たちというのは――よりまた郵政省は広範に勤労者の皆さん方に個人年金に入っていただくという視点でもって事業運営されるんだと思うんですよ、法案が通ったら。だから、そういう意味合いからいきますと、いまのあなたの物の考え方では矛盾がありますよ、私に言わせると。
 しかし、きょうあなたとここで議論してもしようがないんだけれども、やはりこういう年金制度ができるということは、公的年金にもかかわるし、福祉の問題にかかわるし、広く言えば教育の問題にもかかわるし、多くの社会的な影響変化を求めているというふうに私どもは理解をするがゆえに、私の方もいろいろ問題はあるけれども個人年金賛成しているんですよ、正直言って。だから、大蔵省自身もそういう視点でもってこの問題を取り扱ってもらわなければ。たとえばさっきの余裕金の問題でもそうですけれども、もう大蔵省の言うことはわかっているんですよ、財政一元化。しかし、そういうことも必要でしょう。不必要だとは私は言いません。しかし、そのために保険に入っている人が、さっきの話じゃ積立金と余裕金の運用が違えば年間百億も減収だというわけでしょう。加入者の皆さん方に財政一元化なんだから郵政省の運用利回りは多少低くたってしょうがないんだなんていう説明ができますか。だから大蔵省はもう少し……。
 掛けている掛金というのは、いまの保険の事業もそうだけど、いつ交通事故になるかもわからぬというのでみんな無理して掛けているわけですわな。そうでしょう。年金だって私はそうだと思うんですよ。これから入る人というのはなかなか容易じゃなくて、みんな努力をするわけですから、そこにはやはり世の中の変革を求めるという意味合いからいけば、税制上の措置をしたからといったって減税になるなんていう考え方がおかしいんですよ。優遇措置なんですよ、これは。たとえば保険料は保険料でもっていま掛金やっているでしょう。これは十万円まで掛金掛けている人は五万円優遇措置つけているわけでしょう。年金今度新しく発足するわけでしょう。だから、今度年金に掛金が十万以上かかった人は、保険にかかった人と同じように五万ぐらいの、仮にいま現行あるから、仮の話ですけど、これも所得控除をしてやるといったって、何もあんた、いまあるものを減税するなんていう議論とは違うでしょう、全然。新たにできる制度の中で優遇措置をするんだから。
 だから、いまあなたの話を聞いていると、何か減税すると、こんな財政再建でもっていま大変な時代に減税なんかできますかと言いますけど、何が減税だかわからぬですね。大蔵省の収入が減るわけですか、特別措置すると。税金が減るんですか、年金が発足して特別措置をすれば。
#41
○説明員(源氏田重義君) 新たに個人年金に入られますと、その分だけ所得控除の対象にはなるわけでございますので、従来そういうものに入っておられなかったということと比べますと、その分だけはやはりそれは減収になると思います。
 それで、従来の制度よりもほかの新しい制度ができたのであるから、それに見合うような所得控除をつくれということであれば、やはりこれは租税特別措置になるのではないかというふうに思いますが。
#42
○大森昭君 どういうふうにつかむかという問題がありますからね。たとえば、郵政省が把握していると思いますが、いま大体二万五千円ぐらいの掛金の人は二万五千円そのまま控除してくれるとか、こういう段階がいろいろありますけど、おおむね年金を足して控除がふえるなんという人というのは、ぼくに言わせるとそんなに多くはないんじゃないか。それが多くなれば、あなたが言うように、大蔵省に入ってくるやつが少なくなるという言い分だと思うんですよね。ただ問題は、年金に入らないで仮に土地を買った、そうすれば土地の売買で税金が入るんだ、それが年金に行ったら入らないんだという、そういう発想を立てれば確かに大蔵省は金の動きの変化によって入ってくる税金が少なくなるという発想が立つと思うんですよ。あなたの言いたいのはそういうことだと思うんですがね。
 しかし、それでは個人年金とは一体何か。不動産を取引するのと、あるいは公債を買って利子をとにかくかせごう、あるいは株を買って利子をかせごうというのと同一にこの個人年金を見ればそういう論理が成り立つんですよ。だから、そうじゃないんじゃないですか、個人年金というのは。土地を買ったり、あるいは株を買ってもうけたり、というその金が個人年金に行くというよりかも、むしろそうやっている人たちは、年金ができても引き続いてそういうふうにやっているでしょうと言うんだよ、ぼくは。しかし、全体の人たちは、この個人年金に入ることによって少なくとも老後に保障を求めるわけだから、身を削ってやるんだから、少しぐらい税制上の問題を措置してやった方がいいだろうし、また現場で働く労働者の皆さん方も、今度個人年金ができましたよ、税制上の特別措置もある程度あるんですよというようなことをやって、せっかくつくったものがやっぱり発展しなきゃいかぬでしょう。だから、大蔵省はある意味じゃ財政の一元化だとかいろんなことを言われても、それぞれが持っておるそういう事業の主体が一体そのことをやることによってやっぱり個人年金がより発展していくのかしていかないのかという視点まで大蔵省は考えませんと、余裕金の問題をとっても、いまの問題をとっても、何の問題をとっても、これじゃ、とてもじゃないけれども問題があると思います。
 この問題をこれ以上議論してもしようがないからやめますが、とりわけ、またあなたのところでは運用計画というのを郵政省と協議するんですね、あなた担当じゃないかもわかりませんが。これは郵政省に聞きますが、たとえば今度の法律でもみんな決まっているわけでしょう、枠は。社債は何%だとか、何が何%とか決まっているんでしょう、今度の個人年金の資産の運用についても。
#43
○政府委員(小山森也君) 決まっております。
#44
○大森昭君 大蔵省、済みません、もういいです。どうもありがとうございました。
#45
○委員長(福間知之君) 源氏田さん、結構です。
#46
○大森昭君 そこのところで決まっているんだけれども、現在のやつ見てもそうなんですよ、これ。現在は保険は十三兆ですか。いまの余裕金を入れると十五兆ぐらいになるのかな、全体の資金の運用というのは。これで、法律では社債だとかそういうものを三〇%買っていいとなっているんだけれども、実際は大蔵省の承認をもらわなきゃいけないわけだから、一々大蔵省からいちゃもんがついて、いま実際には九%ぐらいですか、実際に三〇%まで運用できるやつが、実績としては。
#47
○政府委員(小山森也君) 資金総額、いわゆる余裕金まで入れますと八・五%でございますけれども、いわゆる私どもが自主運用できます積立金、この割合でいきますと九・六%になっております。
#48
○大森昭君 ですから、法律でここで審議をしていろいろ決めても、また今度実際に実行するときは、大蔵省に言われたら実際の資金運用というのは法律どおりにならないわけですよ。そうでしょう。いまあなたが言うように、三〇%まで認められたって九・何%しかないんでしょう、十三兆で計算して。十五兆で計算すれば八・五%しかないんでしょう。
#49
○政府委員(小山森也君) ちょっと先生のお説でございますけれども、実はこの資産運用につきまして大蔵省と協議はいたしますけれども、これは私どもの方の自主的な判断で行っておりまして、現実の問題として大蔵の承認を得ているものではございません。
 それじゃ少ないではないか、枠が三〇%もあるにもかかわらずそこまでもいかないではないかというお話だと思います。実はこれにつきましては、財投以外のいわゆる社債とか金融債、こういったものに運用し始めたのは昭和四十八年度からなんでございます。この歴史はそれほど古くないわけでございます。そういたしますと、たとえば私どもの自主運用できます社債の例などをとりますと、実際問題としまして社債の発行総額がそれほどございません。たとえば五十四年度で見てまいりますと、社債の総発行高が一兆二千九百八十一億円、それに対しまして簡保の社債の運用の対象になりますのは一兆一千三百十五億円、こういうような形になっております。そういうふうな新しい新発の中に、今度は私どもが運用する金額全体を見てまいりますと、五十四年度で新しく運用できますのが運用総額の中で約一兆円以上あるわけでございます。そういたしますと、この社債の中で私どもがそんなに購入いたしますと社債市場が非常に混乱してしまうということがございます。したがいまして、その中に金融市場が混乱しないほどほどの形というものを毎年続けていく、その累積になってくるわけでございます。
 それでは、たとえば社債等について見ますと、昭和四十八年度は運用計画の総額が八千百二十億円でございましたのですが、それに対します社債、金融債等の財投枠外の比率というのは四・九%であったのでございますけれども、五十六年度の運用計画で見てみますと、運用計画総額は二兆六千八百億円でございます。このうちの二二・四%を社債、金融債の方に振り向けるという計画になっております。したがいまして、これを年々累積いたしますと累積額が次第に大きくなって限度枠の方に保有額がふえていくということでございまして、一番の基本のところ、九・六%にしかなっていないというのは年月が非常に低いということと、社債の発行総額が比較的少ないという関係になっているわけでございます。
 それから重ねて申し上げますけれども、財投の方へ振り向けるのは、そういったいろいろな計画をやりました後、財投の方の金額を幾らにするかということで計画を立てるというのが現状の実態でございます。ひとつ御理解いただきたいと存じます。
#50
○大森昭君 いずれにしても、金融債は二〇%、社債は一〇%という枠がなぜ決まっているのかという議論までしなければいけないわけだけれども、またそんな議論していてもしようがないからあれですけれども、金融債は二〇%以内ですよということは、比較的金融債というのは利回りがいいわけでしょう。だから、仮に利回りのいいところへ五〇%も六〇%もやったんじゃ問題が起きるからということで制限がされているんじゃないかと私は思っているんですよ。だから、そういう意味からいきますと、いま全体的に金融債が二〇%、社債が一〇%、それで三〇%がいまのお話で九・六%ぐらいでは、社債はいま大分力説されましたけれども、金融債も同じようなことかどうかわかりませんが、いずれにしても社債と金融債と私は少し違うんじゃないかと思います。
 そこで、いろんな市場の関係で、一〇%だから全部一〇%ということになると社債の市場が混乱するということになれば差し控えることも必要なんでしょうけれども、問題は、いかにして運用利回りをよくして加入者にこたえていくかということが必要なんじゃないか。そういう意味からいきますと、法律で定められている内容からいくと、少し努力が足りないという言い方はしませんが、もう少し大胆にやってもいいんじゃないかということを思いまして実は質問したわけでありますが、それはいいです。次に譲りましょう。
 それで、実は次の問題でありますが、いままで掛けてきました小額年金を整理するわけですね。これは何回かに分けて整理をしているわけでありますが、どうも今回の整理の仕方を見ますと、従来小額年金を整理をした内容からいくと少し特別措置が落ちているんじゃないかと思うんですが、この辺はどうなんですか。
#51
○政府委員(小山森也君) 今回の特別措置と申しますのは、この前の四十三年にやりました特別措置とは若干趣を異にいたしております。四十三年にいたしました特別措置は、これは昭和二十二年までの契約のものでございました。これは再々申し上げておりますように、郵便年金の長い歴史の中で、例の戦争並びに戦後の経済混乱というものがございまして金融資産全体が本来の機能を失ってしまった、その中に年金も含まれていたわけでございます。金融資産のそういった価値の変動というものに対しまして、四十三年に特別措置を実施したわけでございます。
 今回の特別措置というものは、今度は私ども自身がこの法律を改正いたしまして新しく、戦後の経済膨張期というものに対応できるような形の年金にしようということで改正するわけですが、その機会をとらえまして、むしろお客様方の選択にゆだねて、従来どおりの年金を続けていかれるか、あるいはここで比較的小額になってしまっておりますものですから経済の実態に合わないということで、そういったもので特別措置を受けた方がお客様としての自分の意思から見て経済上得であると判断なさった方はそうしていただこうというわけでございます。
 それでは、基本的な考えはどこが違うかと申しますと、これは前回も同様でございまして、特別付加金というものもつけまして措置をしておこうということでございまして、内容においては変わりない形といたしております。
#52
○大森昭君 内容的に変わりないということは、二十二年度までのやつを四十三年にやった。いわゆる額は恐らく小さかったんでしょうけれども、特別措置をする比率が同じだという意味ですか。たとえば、ずっと小額やってきた。仮に月に千円ぐらいの年金をもらってもいまごろどうにもなりませんね、取りに行くだけで車代の方が高くついちゃうから。それを整理したわけでしょう。そのときに特別措置をしたわけでしょう。今回も同じような比率で措置をするということですか。
#53
○政府委員(小山森也君) 同じ考え方でやるつもりでございます。
#54
○大森昭君 それにしては、ちょっと予算を見ると余り多くないけれどもね。今回は四億ぐらいしかないですよ、特別措置というのは。前回は十五億ぐらい経費がかかっていますよ。
#55
○政府委員(小山森也君) 特別付加金だけは四億でございますけれども、全体としては初年度だけで九十九億を用意いたしております。
#56
○大森昭君 そうですか。
 いずれにしても私ちょっと心配しますのは、年金に入ってこられた方がうんざりしてしちゃって、また年金ができたなんていったって同じようなことになるんじゃないかなんというようなことになりますと大変なことになるから、できるだけの整理を――いま局長選択と言うけれども、むしろ選択じゃないんですよね。これ、大体年二万一千円ぐらいが平均だと言われているわけですから、そうすると大体月に二、三千円が平均なんだから、どっちかといえば、実際の話整理してもらいたいんですよ、年金受給者の方も郵政省の方も。だから、そういう意味からいけば、少し優遇措置をしておきませんと今度発足する年金に影響があるんじゃないかと思って質問したんですが、同じようなことでやっていると言うからこれ以上言いません。
 そこで、私も時間がありませんから終わりにしますが、いずれにしましても、郵政審議会の答申が、これも指摘しましたように、四十年に出てやっとこの国会で年金ができるということだとか、さまざまなことが実はありまして、御案内のように郵政省というのは電波から情報通信まで全部所管していますし、金融懇の問題もいろいろ出ていますが、とにかく社会政策だとか金融政策の見地から見ましても郵政の事業というのは大変な内容を抱えていると思うんです。ですから、どうかひとつ、さまざまな形で提言されておったり、研究会に金かけて研究会によって結論が出たりしているものがたくさんあるわけですから、大臣、もう一回総体的に振り返っていただいて、郵政省の今後の使命と各般の施策に積極的に取り組んでいただきたいと思うのでありますが、最後に大臣の決意のほどを伺って、質問を終わりたいと思うわけであります。
#57
○国務大臣(山内一郎君) いま大森先生からお話ございましたけれども、非常に社会の情勢の変化も激しいものもございますし、郵政省の仕事というのは国民の生活にぴったり密着したと言ってもいい行政ばかりでございます。したがって国民の皆さん方に御信頼をいただくというのがまず第一でございますし、いろいろ変化に伴う行政の政策もだんだん変えていかないと追いついていかないと思うわけでございます。したがって、そういう点でただいま御注意があったと思いますが、そういう御注意の点を十分踏まえながら今後懸命の努力をしてまいりたいと考えているわけでございます。
#58
○委員長(福間知之君) 他に御発もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議言ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○委員長(福間知之君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 郵便年金法及び簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#60
○委員長(福間知之君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 大森君から発言を求められておりますので、これを許します。大森君。
#61
○大森昭君 私は、ただいま可決されました郵便年金法及び簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び第二院クラブの各会派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。
 まず、案文を朗読させていただきます。
    郵便年金法及び簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当り、次の各項の実施に努めるべきである。
 一、任意年金に対する国民の多様な需要に応えるため、年金限度額の引上げ、即時年金の実施など郵便年金の改善、充実をさらに推進すること。
 一、郵便年金および簡易生命保険積立金の運用範囲の拡大ならびに余裕金の郵政省による直接運用等資金運用制度の改善に一層努力し、加入者利益の増進を図ること。
 一、国民の自助努力による老後準備を奨励するため、年金掛金等について、税制上の優遇措置を検討すること。
 右決議する。
 以上でありますが、この附帯決議案は、先日来の本委員会における審議の経過を踏まえて作成したものであります。したがいまして、その趣旨につきましては、改めて説明するまでもないと存じますので、省略させていただきます。
 何とぞ御賛同いただきますようお願いいたします。
 以上であります。
#62
○委員長(福間知之君) ただいま大森君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#63
○委員長(福間知之君) 全会一致と認めます。よって、大森君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの附帯決議に対し、山内郵政大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山内郵政大臣。
#64
○国務大臣(山内一郎君) 慎重な御審議をいただき、ただいま郵便年金法及び簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案の御可決をいただきましたことに対し、厚くお礼を申し上げます。
 この委員会の御審議を通じて承りました御意見につきましては、今後郵便年金事業を運営していく上で十分生かしてまいりたいと存じます。
 また、附帯決議につきましては、今後その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。
 まことにありがとうございました。
#65
○委員長(福間知之君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○委員長(福間知之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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