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1980/06/02 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 逓信委員会 第12号
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1980/06/02 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 逓信委員会 第12号

#1
第094回国会 逓信委員会 第12号
昭和五十六年六月二日(火曜日)
   午前十時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     山中 郁子君     宮本 顕治君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     宮本 顕治君     山中 郁子君
    ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
   委員長          福間 知之君
   理 事
                長田 裕二君
                成相 善十君
                長谷川 信君
                大森  昭君
   委 員
                岩崎 純三君
                亀井 久興君
                郡  祐一君
                志村 愛子君
                新谷寅三郎君
                高橋 圭三君
                西村 尚治君
                藤田  進君
                八百板 正君
                太田 淳夫君
                白木義一郎君
                山中 郁子君
                中村 鋭一君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  山内 一郎君
   政府委員
       郵政政務次官   渡辺 紘三君
       郵政大臣官房長  奥田 量三君
       郵政省郵務局長  魚津 茂晴君
       郵政省貯金局長  鴨 光一郎君
       郵政省簡易保険
       局長       小山 森也君
       郵政省電気通信
       政策局長     守住 有信君
       郵政省電波監理
       局長       田中眞三郎君
       郵政省人事局長  岡野  裕君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        酒井 繁次君
   説明員
       警察庁交通局交
       通指導課長    浅野信二郎君
       大蔵省主計局給
       与課長      水谷 文彦君
       大蔵省銀行局大
       臣官房企画官   坂本 導聰君
       労働省労政局労
       働法規課長    中村  正君
       建設省道路局路
       政課長      山本 重三君
       日本電信電話公
       社総裁      真藤  恒君
       日本電信電話公
       社総務理事    玉野 義雄君
       日本電信電話公
       社職員局長    児島  仁君
       日本電信電話公
       社施設局長    前田 光治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 、関する調査
 (郵政事業及び日本電信電話公社労使に対する
 仲裁裁定の実施に関する件)
 (第三種郵便物の認可の見直しに関する件)
 (銀行法改正に伴う週休二日制の実施に関する
 件)
 (データ通信回線の開放に関する件)
 (FM放送局等の免許に関する件)
 (簡易保険郵便年金福祉事業団に関する件)
 (有線音楽放送の業務の正常化に関する件)
 (郵便貯金に関する件)
 (郵政互助会の事業に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(福間知之君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○大森昭君 最初に、労使関係でありますが、電電公社と全電通の間、郵政省と全逓の間、全郵政さんもありますが、労使関係は、最近いろいろ両者の誠意の中で変化をしておりまして大変正常な形というふうに聞いておりますが、この際、郵政大臣から基本的な所見についてまず伺いたいと思います。
#4
○国務大臣(山内一郎君) 私は、郵政事業で一番大切なことは職員の皆さん方が快適に一生懸命自分の仕事をやっていただくように労使の協調をやっていかないといけない、これが一番重要であると考えているわけでございます。したがって私も就任以来その点に重点を置いて組合の皆さん方と話し合いをしてまいりまして、大いに活躍をしていただいて敬意を表しているわけでございますが、きょうも行政管理庁から報告がございまして、いわゆる窓口サービスの改善という中間的な報告がございまして、郵政省は大いによくやっておるというような報告を受けたような次第でございまして、今後ともそういう関係についてさらに努力をしてまいりたいと考えております。
 最近では、新しい問題として特別昇給制度も合意に至りましたので、それも実施の段階に入ってくるわけでございますが、今後いろいろと改善すべき点は大いに改善をして労使協調しながらりっぱに国民のサービスにこたえてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#5
○大森昭君 そういうように労使の関係が少しずつ信頼回復を深めているわけでありますが、そこで当面の問題は、ことしの春闘でありますが、労使が大変努力をいたしまして、公労委仲裁を経て仲裁裁定が出たわけでありますが、どうも仲裁裁定について直ちに実施をするというような状況ではないようでありますが、一体、この即時実施ができないということについてどのような事情になっているわけですか。
#6
○政府委員(岡野裕君) 大森先生お話しございましたように、仲裁裁定があのような形で出たわけでございますが、実際に私ども郵政部内といたしましてこの仲裁裁定の内容を実施いたしますにつきましては、こんな事情でございました。
 仲裁裁定の実施は、三・八一%プラス二千八百八十円ということでございまして、基準内給与は十七万八千四百十四円でございますので、引き上げ額は九千六百七十八円、五・四二%に当たるわけでございます。当初、財政事情をいろいろ検討してまいったところでございますが、この額を実際に実現をいたします場合の所要額六百七十七億円が必要でありますところ、成立予算内の給与改善原資といたしましては百二十七億でございます。そういたしますと、差し引き不足額ということで五百五十億円という大きな数字に相なるわけでございます。
 そういうようなことで、これを実現いたします場合には、現在の予算事情等からいたしましてこの実施は可能であるとは断定はできないというような考え方のもとに、国会に議決案件として御付議を申し上げて御判断を仰ぐことにしたというような次第でございます。
#7
○大森昭君 電電も。
#8
○政府委員(守住有信君) いま郵政関係についてお答えがありましたと同様でございますが、電電公社関係の所要額について申し上げますと、仲裁裁定を実施するために必要な所要額は約七百八十三億円でございます。
 なお、予算に計上されておる給与改善費は約百四十九億円でございますので、差し引き約六百三十四億円の財源不足となる、こういう状況でございます。
#9
○大森昭君 例年、いまのような答弁でいきますと、いつの時代でも財源が不足することはあたりまえの話になっておりまして、そういうことでこれからもやるということになれば公労委制度も仲裁制度も必要ないのでありまして、予算の限度をオーバーした場合には全部議決案件になるというように思われるのでありますが、少なくとも公労法上からいきますと、三十五条で「委員会の裁定に対しては、当事者は、双方とも最終的決定としてこれに服従しなければならず、」、そしてまた「できる限り努力しなければならない。」ということになっておるわけでありますが、いまのような数字の羅列じゃなくて、どのような努力をされたわけですか。
#10
○政府委員(岡野裕君) 先ほどお話を申し上げましたように五百五十億円が不足するということで、実際にこの不足額に対しますところの財源措置は、一般的には一つには予備費の充当というようなことがございましょう。それからあるいは既定経費を節約してまいる、あるいは今後の増収によって賄うというようなことで対処をしてまいったところでございますが、今年につきましては予算成立後、先生も御存じのとおりわずかに二ヵ月を経たばかりでございます。また当逓信委員会で御審議をいただきました郵便法の改正、おかげさまで一月から郵便料金の値上げをお許しいただけるようになったわけでございますが、今後これらがどんなふうに収入面で、あるいは郵便物の伸びぐあいに影響いたしますか、それらを勘案いたしませんと増収等もなかなか推しはかれないというような次第から、議決案件として御付議を申し上げ、御審議をお煩わせを申し上げたというような次第でございます。
#11
○大森昭君 電電。
#12
○政府委員(守住有信君) ただいま不足額約六百三十四億と申し上げた次第でございますが、なお公社の成立予算の中で予備費というのがあるわけでございますが、その予備費につきましてもこれが約六百億ということに相なっておりますが、予備費それ自体いろんな公社の今後の災害等の問題等を念頭に置きましての予備費でもございます。しかしまた、これにこの予備費を全額投入いたしましたといたしましてもなお不足を生じる、こういう状況にあるということ。その他、いま郵政の関係で人事局長からもお話し申し上げましたような予算が成立して二ヵ月であるというぐらいの状況の中で、これを現状において直ちに予算上可能だというふうに断定はできにくい、こういう面があったわけでございます。
#13
○大森昭君 予算が成立したばかりという答弁がありますが、そうすると、予算成立後六ヵ月後に仲裁裁定が出たり、予算成立後八ヵ月後に仲裁裁定が出たりしたという例があるんですか。
#14
○政府委員(岡野裕君) 過去、たとえば昭和二十八年以来仲裁裁定はいろいろな形で出ているわけでございますが、裁定の年月日につきましては、あるいは一月、四月、三月、五月、六月、いろいろな各月にわたるようなものがいままでの実態であろうか、こんなふうに存じております。
#15
○大森昭君 余りとぼけた答弁しないでください。いま核の持ち込みだとか漁船の問題だとかいろいろありますが、仲裁裁定というのはこれは最大の問題になるわけですから。きょうの新聞で報道されておりますように、公労協はストライキをやってということになりますと、あなた方のとった態度でもって国民大衆は大きく迷惑するわけでありますから、二十八年の話なんか私は聞いているんじゃないんです。この問題というのは二十年来の暴挙と言われておるわけでありますから、三十年前の話を聞いているのじゃなくて、少なくともここ十年、十五年前にはそういうことがありましたかということについて、しかと答弁してください。
#16
○政府委員(岡野裕君) 失礼をいたしました。
 過去の裁定がいつ出たかという先生のお尋ねでございましたものですから、手元にありますところの過去の裁定年月日、これを読み上げさせていただいたわけでございますが、最近につきましては、たとえば四十九年以降でございますれば、五月九日、六月九日、五月二十二日、五月十七日、六月十日というような各月の日が実際に裁定の出された日であるというように私ども把握をいたしているところでございます。
#17
○大森昭君 ですから、毎年春闘と言われているわけですから、九月ごろ裁定が出たり冬に出たりすることはないのであって、予算が成立をして二ヵ月ぐらいだからというようなことは、そんなものは理由にならないんです。
 そこで、これから私、質問しますが、きょうは労働省も来ていただいていますし大蔵省も来ていただいていますからどこと指定いたしませんが、もともと、いまのお話を聞きますと、全部、給与総額にいたしましても所要額にいたしましても、仲裁裁定が出てからそれぞれ予算編成の予算額と裁定が出た金額との関連が出てくるわけですね。大蔵省は、ことしのいわゆる公共企業体のベースアップというのは一%でしょう、組んだのは。一%の予算額しか組んでいないのに裁定が――物価の問題も当初政府は六・四と言っておって八%、実感的には八%ではきかないような感じがいたしますが、政府の統計を信用いたしましてもそういうように言われているわけです。大蔵省は初めから一%しか想定をしなかったというのはどういう理由ですか。
#18
○説明員(水谷文彦君) 御案内のように、本年度の給与改善費は、一般会計、各特別会計、政府関係機関を通じまして一%の改善費を計上いたしたわけでございます。本件につきましては、かつては五%程度を計上した時代もございますけれども、その後、人事院勧告等の数字を見ましても五%を割るというような経緯、あるいは全般的に財政事情が大変厳しくなったというような経緯を反映したものでございます。
 この給与改善費につきましては、もともと人事院勧告あるいは仲裁裁定が年度の途中になされるということを踏まえまして、それについて当初予算にある程度の財源を計上しておきませんと一般的に大きな補正要因になるであろうというような配慮から一定額を計上さしていただいているということでございます。したがって、ただいま申しましたように、従来五%計上あるいは二・五%計上、二%計上というような時代におきましても、当該年度における賃金、物価の見通しというようなものを推定いたしまして計上してきたものでなくて、一定の財源をあらかじめ付与しておくということから出てきたものでございます。
 当面、五十六年度の一%につきましては、御案内のように、とりわけ五十六年度予算につきましては、一般会計は一兆数千億円の増税をお願いする、あるいは各特別会計とも大変厳しい財政事情にある、そういった五十六年度のきわめて財政事情の厳しいそれを反映いたしまして一%しか計上し得なかったというような背景でございます。
#19
○大森昭君 財政事情が苦しいとか苦しくないとかという問題で取り扱われますと、公労法から労働側法の関係全部影響するんです。そういう言い方だけじゃこの問題――これから大蔵省が予算を一%あるいはゼロ査定した場合に、幾ら公労委でどんな仲裁の裁定が出ようと、いまの郵政省、電電の答弁からいけば、予算上なければ国会でもって議決をしてもらいたいという形が今後も続くということになれば、大蔵省のさじかけんで、少なくともここに書いてあります仲裁が最終決定でお互いにこれに従わなきゃならないということは空文化されるんじゃないですか。ですから、もう一回前に戻ってお聞きいたしますが、一体、議決案件というのは何ですか。議決案件というのはどういうことなんですか。
#20
○説明員(中村正君) 先生御案内のとおり、公労法の三十五条及び十六条によって予算上、資金上、不可能な場合には国会の御判断を仰ぐ、こうなっておりますが、その場合二つの形式が御存じのとおりございまして、一つは承認案件、一つは議決案件でございます。これは四十九年から承認案件という新しい方式が編み出されたわけでありますが、そのとき以降の理解といたしましては、承認案件の場合には政府が裁定の内容を実施したい、そういう意欲を示しまして国会にそれでよろしいかという御判断を仰ぐ、こういうことになっております。
 一方、今回のような議決案件は、政府としては裁定を実施するかどうかということについて白紙である、したがって、それをいかがいたすべきか国会の御判断を仰ぐ、こういうことになっておりまして、その二つの考えに基づいて四十九年以来運用され、ことしの場合は議決案件、こういうことになったわけでございます。
#21
○大森昭君 あなたも法規の課長ですからきちっと答弁していただきたいんですが、御判断をいただくなんという言葉はないんです。十六条には、一項の規定で「不可能な資金の支出」あるいは「国会によって所定の行為がなされるまでは、」、二項は「国会による承認があったときは、」と、こうなっています。だから少なくとも、いかようにもしてもらいたいなんというのじゃなくて、「国会に、よる承認があったときは、」ということになっているんですから、政府の態度をきちっと明らかにして承認を求めるなら承認を求める、それから承認を求めないなら承認を求めないという意思表示がなきゃいけないんじゃないですか。
#22
○説明員(中村正君) 確かに法文上は「承認を求めなければならない。」と書いてございますが、その場合に政府の態度を必ずしも全部明らかにして実施したい、したがって承認をしていただきたいというふうな意思を示さなければならないというふうには解せないと思うのでございます。現実に議決案件でお願いいたしましたのは、四十七年以前はすべてそうでございますし、それから四十九年、すなわち承認制度が入ってからも、たとえば昨年五十五年でございますが、その場合も議決案件、すなわち政府は積極的にこれをお願いするという形でない形で、国会の御判断という言葉を使うとあれでございますが、承認をお願いした、こういう経緯がございます。
#23
○大森昭君 そうすると、去年は郵便法がかかっておりまして、郵便法の成立と予算との関係で深いかかわりがあるので郵便法の推移を見て議決案件で処理してもらいたい、国鉄は国鉄再建法があるのでその再建法の推移を見ながらこの再建法の成り行きいかんで議決の取り扱いをしてもらいたい、こういうことが去年の例でありまして、あとは全部政府限りで実施ということでいったわけですけれども、去年の形とことしの形はどう違うんですか。
#24
○説明員(中村正君) 確かに昨年の場合は郵政及び国鉄に関しまして二つの法案がかかっておりました。したがって歳入について不確定要素が非常に大きいということから議決案件でお願いしたということであります。しかし議決案件でお願いするといいますか、国会に付議する場合に、予算上、資金上、不可能という状態をどう読むかでございますけれども、確かに関係法案があり収入の見通しが立たない、したがって予算上、資金上、不可能だという読み方も一つございます。それが昨年の例でございます。一方、歳出が非常に大きい、したがって移流用をやってもなかなかめどがつかない、こういうときもやはり予算上、資金上、不可能であるという判断もございますわけで、今回の場合それが法律に違反するかどうかという点でございますれば私は法律に違反していないというふうに判断しております。
#25
○大森昭君 電電は、いまの労働省の言い方でいたしまして去年どことしはどう違うんですか。
#26
○政府委員(守住有信君) 先ほども御答弁いたしましたように、いま最後のところで労働省から御答弁もありましたように、移流用と申しますか、予備費のことを申し上げましたわけでございますが、予備費を全額仮に給与だけのために投入したとしてもなお不足が生ずるという事情にあるということでございます。
#27
○大森昭君 ことしの話をしているのじゃないんです。去年は予備費を流用したら出せたということなんですかと聞いているんです。
#28
○説明員(児島仁君) お答え申し上げます。
 私どもの方は、ここ何年間か承認案件あるいは議決案件ということではなしに、郵政大臣の承認を受けて予算の移流用をやって現実予算の枠内で処理をしてまいりました。昨年もそういうことでございました。
 今年度の問題につきましても、先ほど郵政省の政策局長から答弁ございましたけれども、現在のところ確かに必ず実施できるというふうな見通しは確定的には持てませんが、しかし増収努力その他いろいろのことを向こう半年間やっていくならば、われわれの感じとしては絶対にできないということもまた断言できない、移流用でかなりやれる幅があるのではないかというふうには考えております。
#29
○大森昭君 そういうことを質問しているのじゃないんです。いまの答弁でいきますと、大蔵省はもともと一%しか組んでいないんです。去年は何%組んだですか。二%でしょう。一%しかことしは組んでおらないわけです。去年は二%ですよ。いまの労働省の方の御答弁からいくと、電電は去年はもっとことしよりかも大変な状態なんだけれども政府限りで実施ということでいったじゃないんですかということを聞いているんです。
#30
○説明員(児島仁君) 財源的に申しますと、昨年度移流用を必要とした額は三百億程度だったというふうに記憶しております。今年度は六百億でございますから昨年よりは状態はむずかしいということは言えると思います。
#31
○大森昭君 そうすると、去年は上げ幅が少なかったという意味でいまのは理解していいわけですか。
#32
○説明員(児島仁君) 昨年は上げ幅も小そうございましたし、給与総額その他も移流用をやる余裕が昨年度はあったということと、二つ重なっております。
#33
○大森昭君 そうすると、ことしは、まず国会で議決案件にするとかしないとかいう以前に最大の努力をしなければいけないわけですから、大蔵省と折衝したんですか。
#34
○説明員(児島仁君) 経理局あるいは私ども職員局が大蔵省とは予算の問題についていろいろ御討議をさせていただいております。
#35
○大森昭君 そうすると、大蔵省は款項目、いろんな形で郵政大臣、大蔵大臣の承認を求めるわけでありますが、総体としては少なくとも電電の会計からいけば当初の予算よりかも剰余金が出ることは明らかですね、この間だって持っていかれちゃったわけだから。そうすると、どこかの項目で大蔵省が移流用を認めないということだったんですか。
#36
○説明員(児島仁君) 認める認めないという詳しいところへまだいっておりませんが、現在私どもに授権されております予算の幅でやれるかどうかという技術的な討論をしたわけでございます。その場合に、やはり不確定要素が現在時点では多うございますので、大蔵省との間では必ずできるという結論には至らなかったわけであります。ただ私どもの方としましては、全支出経費の中で今度の不足額といいますか、それが〇・五%程度でございますから、その辺一体どういうふうな全体の中での位置づけになるか、十分私どもの立場も申し上げながら討論したのでございますけれども、主管大臣の承認あるいは大蔵大臣の示唆というものをいただくに至らなかったということでございます。
#37
○大森昭君 だから、結論的に言うと最大の努力をしていないんじゃないですか。最大の努力をしないで、それでどっちでも適当にしてくださいという形でこの仲裁裁定の処理を図るというふうに私は考えざるを得ないんですが、そういう理解は間違いかどうかが一つ。
 それから郵政の場合、この間郵便法の改正でもっていろいろ議論したときは二千億以上の赤だったんです。そこで、何とかひとつ法定制緩和、もちろん一定の条件がありますが、法定制緩和をして料金の決定については政令に任してもらいたいという審議をしたわけです。そうすると、二千何百億円の赤というのは去年だけでできたのじゃないし、おととしだけでできたのじゃないと思うんです。そうすると、去年は議決案件でありますが、その前の年は少なくとも赤字ではあるけれども、ある一定の展望を持ちながら仲裁裁定を実施したということになるのじゃないんですか。そうなれば、ことしは従来と違ったことがあるならあると言ってもらいたいんです。
#38
○政府委員(岡野裕君) 大森先生のお話、昨年とことしあたりの数字をお話をいたしまして御理解をいただければ、こんなふうに思うわけでございます。
 たとえば、ことしにつきましては、先ほどお話をいたしましたように所要額は六百七十七億であるということでございましたが、昨年は四・四四%のアップ率でございまして五百二十億円を必要といたしました。ところで、予算上どんなふうな数字の成立であったかという点についてでございますが、ことしは百二十七億でございましたところ、昨年は二百四十億円が成立をいたしております。というような意味からいたしますと、所要額につきましてもあるいは給与改善原資ということで成立をしている予算から見ましても、昨年とことしを比べますと、結局差し引きの不足額は、昨年は二百八十億でございましたところ今年は五百五十億である、無論郵便法というような問題があったことは事実でございますが。成立予算等々との関連から申し上げますと、ことしはいまお話をしましたような次第で、予算上これが実施できるというようには断定ができないということで議決案件ということで御付議を申し上げた、こんな次第でございます。
#39
○大森昭君 電電は。
#40
○説明員(児島仁君) 先ほどの先生の御質問の第一点目でございますが、私どもの努力に関してでございますが、私どもの立場から申しますと、政府関係機関でありますから政府の御判断に従っていかなくちゃならない点は当然でございますが、ただ私どもなりに申し上げさしていただきますと、現場を抱えた事業をやっておるものでございますから、やはり職員感情というものは非常に重要だと思っております。ただ職員感情がいい形で進まなければやはり事業はうまく回転せぬということを思っておりますが、そういった観点から申し上げますならば私どもは早期に早い完全な実施をしていただきたいということを考えておりますし、いろいろ話し合いをさしていただく中でもそういったことを基本に考えながらやってきたということを申し上げたいと思います。
#41
○大森昭君 私は、別にいま電電公社を責めているのじゃないんです。いずれにしても従来と違っていますから、違っている点を明確にしていただきたい、こう言っているわけなんです。
 それで、岡野人事局長の話を聞きますと、絶えず成立予算が出てくるわけです。成立予算が出てくる限り、大蔵省が予算の権限を持っているわけでしょう。そうすると、大蔵省が一%にするとか二%にするとかという形でもって予算を決めてしまえば、これからは絶えず議決案件で仲裁裁定というものは処理されるのじゃないのですかと言っているんだけれども、この点はそうじゃないということになるんですか。これは労働省でも郵政省でも大蔵省でもいいですから答弁してください。
#42
○政府委員(岡野裕君) 郵政省の人事局長としてお答えをいたしたいと存じますが、先生御案内のとおり、五十六年度予算では給与改善原資はおっしゃるとおり一%ということであるわけでございますが、これにつきましては、五十六年度予算編成の際に国会におきましていろいろな多角的な角度から御審議をいただきました結果一%に相なっているというような次第でございまして、私どもといたしましては、給与改善原資のその種類の積算の多寡でございますが、これらにつきましては発言を御勘弁をいただければと存じます。
#43
○大森昭君 予算の成立の範囲でもって処理をするということになれば、何も公労法の適用職員になんてすることはないんです。一般公務員と同じで、人事院勧告なら人事院勧告のシステムで行くのなら行ったっていいんです。なぜ公労法ができて、公労法の適用職員で、公労委仲裁という制度ができてスト権を禁止しているかという根幹に触れる問題なんです。ところが、どうもあなた方から聞いていると、成立予算から見て資金が不足する、予算が不足するということで一々国会でどちらでも自由に決めてくださいというやり方は、労働行政からいったら抜本的にこれは変化をしているというふうに理解するんですけれども、労働省はどう理解していますか。
#44
○説明員(中村正君) まず、給与改善費の組み方の問題でございますが、これは岡野局長もおっしゃいましたようにむずかしい問題でございまして、私どもが具体的に論評を加える立場にございませんが、ただ従来のやり方といたしましては、給与改善費でそれが満たされたらそれで完全実施したというのは実は五十三年度だけでございまして、そのほかの場合には給与改善費だけでは満たされなかった、しかしそれに加えて政府が移流用等の努力をしたという経緯がございます。それ以降のことについては、私は財政当局ではございませんので差し控えさしていただきます。
 それからもう一点、公労委制度の問題でございますけれども、私ども労働問題を担当します官庁といたしましては、やはり公労委の仲裁裁定制度というのが公企体労働者の労働基本権が制約されていることの代償機関であるということから、法の三十五条に書いてありますように政府はできる限りの努力をしていただきたいというふうに思っております。ことしの場合もその努力はなされなかったかというとそうではないので、いろいろな激論はございましたが努力をした、しかしながらやはり厳しい財政事情のもとでは、現段階では予算上、資金上、これを可能であると断定はできないということから国会の御判断をお願いした、こういうことでございます。
#45
○大森昭君 労働省も郵政省も努力をした人が実は答弁に立っているから私も質問しづらいのでありますが、そこで、「赤信号、みんなで渡ればこわくない。」という言葉もありますが、大蔵省にお伺いいたします。
 三公社五現業の中のアルコール専売は通産省の所管でありますが、手元のこの資料を見ますと、二億程度移流用を認めりゃこれは実施できるということなんですけれども、今回はいかなる理由があろうと、予算成立の中でとにかく流用を認めないということで議決案件という形の中で処理をしたということで理解していいですか。
#46
○説明員(水谷文彦君) 若干前の御質問から補足的にお答えさせていただきたいと思いますが、付議の要否は、付議する必要があるかどうかということにつきましては、予算上可能かどうかの判断、それが中心であり、その際、基本は、給与改善費を含む既定の支出予算で賄えるかどうかということが基本でございます。したがって、たてまえとしましては、先ほど御指摘のございます一%の給与改善費のみならず、その給与改善費を含んだ既定の支出予算で賄えるかどうかということが基本でございます。そのような既定の支出予算、つまり給与改善費で賄えればそれでいいし、またそうして賄えない場合であっても、予備費の使用も含めまして既定経費の移流用等によりまして賄い得れば、それは全体として既定の支出予算で賄い得たということになるわけでございます。
 先ほどお話ししましたように、給与改善費一%につきましては、ことのほか厳しい五十六年度の財政事情を反映しまして昨年の二%から本年は一%にさしていただいたということであり、かつ、その他既定経費につきまして、つまり五十六年度予算は、給与改善費のみならず経費全般につきまして大変厳しい財政事情を反映しまして厳しい査定をさしていただいたというような経緯があるわけでございます。したがって給与改善貨のみならず経費全般がそのような厳しい状態になっていて、それゆえにこそ移流用の幅が大変狭められているというように御理解をいただけたらと思います。
 ただいまアルコールにつきましてお話がございました。アルコールにつきましては予備質が計上されているようでございます。しかしながらアルコール専売事業特別会計につきましても、他の特別会計等とたがわず全般的に厳しい査定が行われているようでございまして、ことのほかそのアルコールについては、特別会計の特殊性としまして原材料等の購入費が歳出予算全体の八〇%を占めるということであり、かつ、その原材料等の購入費につきましては輸入に依存しているところが大きくて、その結果為替レートの変動に対する不安定要因というものが非常に高いということで、現段階においてそれを仲裁裁定の方に持ってくるということにつきましては不安要因があっていたしかねるという判断を持ちまして、アルコールにつきましても個別の判断としまして国会に付議をお願いいたしたわけでございます。
#47
○大森昭君 まず、あなたに二つ指摘しておきますが、成立予算の範囲の中でやるのが原則だということになれば明らかに政策の変更じゃないですか。従来、成立予算の中で賄うということはできないけれども、補正予算を組んだりあるいは移流用を認めたり最大限――大蔵省というのは、現業を抱えておることは抱えているのだろうけれども、直接管理していないからそういうとぼけたことを言っていられるんだけれども、労使の関係というのは長い努力の積み重ねですよ。そうでしょう。あなたがそういうことを言うんじゃなくて、政策変更したのなら政策変更したということを明らかにしなさい。そうすればもっと、公労協なんというのは一日ぐらいのストライキじゃなくて一週間でも十日でもやればいいんだ。はっきりしていないんだ、あなたの言っているのは。それが一つ。
 ぼくはアルコール専売の顧問をやっているんだ。あなたの言い方からすると、そうするとアルコール専売というのは予算を立てる。政府に剰余金を納める形になっている。その予算の編成する額よりかも毎年いわゆる国に納める金は減っているということですか。ことしも減るという見通しを大蔵省は立てているわけですか。
#48
○説明員(水谷文彦君) 冒頭の御説明不十分でございましたけれども、既定予算といいますのは、それは給与改善費いわゆる給与費のみならずほかの一般的な経費がございますが、そういった経費をも含めまして移流用を行いまして、それで従来賄ってきたということでございます。したがって本年度につきましても、先ほど郵政の両局長からお話がございましたように、移流用等の財源がないかどうかいろいろ検討いたしました結果、現段階においてはそれについて給与費の方を賄い得るという確信が得られない、したがって予算上可能であると断定できないとして付議さしていただいた、したがって先ほどお示しのように従来の考え方を変えたわけではございません。それはあくまでもそういった既定経費を含む移流用についての検討を十分さしていただいた。その際、当然のことながら公労法三十五条等の精神を踏まえまして労使関係の安定ということにつきましても十分配意しつつ判断をさしていただいたわけでございます。
 それからアルコールにつきましては、納付金等の詳細はつまびらかにしませんけれども、いずれにしましても、先ほどから申し上げておりますように、予算上の判断の基本というのは、予算に計上された既定の支出予算で賄い得るかどうかということが判断の基本でございます。公労法のたてまえもそういうふうになっておりますので、既定予算を中心に判断をさしていただいているというわけでございます。
#49
○大森昭君 あなた、予算の範囲でもってまず賄う、移流用の関係も大蔵省が権限を持って、移流用の問題もあなたのところでだめと言えばだめなんだ。だから、そうならば、もともと予算成立のときから、公労委が、民間賃金がどうなっている、物価がどうなっている、紛争が続いて仲裁でもって最終的に仲裁裁定を出そうが何しようが、これからのいわゆる公務員、公共企業体の職員の賃金というのはみんな議決案件でいくようになるのじゃないですかと私は言っているんだ。違うんですか。
#50
○説明員(水谷文彦君) それは予算のそのときどきの内容によりましょうし、あるいは公労委における裁定の高さと申しますか、率の大きさと申しますか、そういったことに依存するわけでございまして、あらかじめ画一的に国会に付議するということにはならないのだと思います。
#51
○大森昭君 あなた、そういう言い方するけれども、どうしてならないんですか。じゃ、たとえば物価が、政府の予算は去年は六・四%、実際には修正をして八%。じゃ、一%という給与財源しか組まなかった理由を説明してください。
#52
○説明員(水谷文彦君) 給与改善費につきましては、これは一般会計で言えばたしか昭和四十四年あるいは四十五年から計上されてきているわけでございますけれども、それ以前はつまり計上されていなかったわけでございます。それ以前におきましても、したがって給与改善費なかりし場合においても、三公社五現業で言えば完全に実施されていた時代がずっと続いていたわけでございます。この給与改善費につきましては、仲裁なり人事院勧告というものが年度途中に行われるのが通例でございますので、それに対してあらかじめ一定の財源を付与しておこうということで始まったわけでございます。したがって、そこでは翌年度の賃金、物価の動向がどうであるかというような見通しを立ててやっているわけではございません。むしろそういった賃金、物価の見通し等によれば賃金のガイドラインになるというような、たとえばそういったようなことも考えられる。いろいろございまして、画一的な率を計上してきているわけでございます。
 したがいまして、五十年代に入りまして人事院勧告あるいは仲裁も非常に低くなったというような経緯もあって五%から二・五、二、一というふうに計上さしていっていただいているというわけでございます。したがいまして、必ずその一%の給与改善費で賄わなければならないということではなくて、公企体等の予算につきましては弾力的な運用ができておりますので、その他の経費次第によりましては財源の見通しもある程度つきましょうし、あるいは仲裁なり人事院勧告そのものの高さにおいても、その高さあるいは低さ次第によっては既定の経費で賄えることもあり得るわけでございまして、一概に必ず今後は国会に付議するということには相ならないのだと思います。
#53
○大森昭君 あなたの言っていることはだんだんおかしいんだけれども、成立予算の枠の中でやってもらうのが原則だという話を最初して、いまの答弁は、といってもいろいろ予算の移流用などの工夫をして裁定の問題を処理してもいいんだという話にいま変わったわけだけれども、変わっていないんですか。
#54
○説明員(水谷文彦君) 既定の予算と申しますと給与改善費を含む既定予算ということでございます。したがって、第一次的には給与改善費が充てられましょうけれども、それが不足する場合には予備費その他の経費を含んだ既定予算の移流用等でもって判断しているというわけでございます。しかるときに、五十六年度予算においてはそういったほかの方の既定予算につきましても全般的な経費が大変厳しく編成されているということでございまして、先ほど両局長から御答弁いただきましたように、その他の経費につきましてもいろいろ念査をし検討したけれども現段階では予算上可能であるとは断定できないというような判断をした次第でございます。
#55
○大森昭君 それじゃ給与改善費の原資で基本的に賄うんだと言うんですね。そうすると、さっきから言っているんですよ。大蔵省が総体財源の中で一%にしたって二%にしたってそれはいいんだけれども、しかしいま問題になっているのは予算編成上の問題じゃないんです。仲裁裁定というのをどう認識しているかとあなたに質問したってよくわからぬだろうけれども、汗を流して一生懸命働いている労働者のことなんてあなたにはわからぬのだろうけれども、少なくともそういうような方々が一労働者側委員も使用者側委員もみんないるんですよ、仲裁委員の中にも公労委の委員の中にも。この人たちが、物価の上昇、民間賃金の動向を見て出したんです、仲裁というのは。そうでしょう。そしたら、あなたは最大限努力をしなきゃいけないという法文は知っているんでしょう。知らないんですか。知っているとすれば、どういう努力をしたけれどもだめだったかということを言ってくださいと言っているんだよ。
 電電の話では、それはいろいろ問題はあるけれども、大変厳しい財政だけれども何とか工夫すればいけるのじゃないかと思っていると言うんだけれども、あなたはどう言うの。そういうふうにそれぞれの企業が、アルコール専売だって二億程度、大蔵省所管の造幣も四億程度。それじゃ、それぞれ通産大臣も大蔵大臣も造幣の四億だとかアル専の二億なんというのは幾ら工夫しても努力できないと言っているわけですか。
#56
○説明員(水谷文彦君) もとより公労法三十五条に仲裁の実施努力義務が書かれているわけでございます。したがいまして、去る十六日に仲裁裁定が出ました後、各省と予算の内容につきましていろいろ念査をさせていただいたわけでございます。そういったときに、それぞれ特殊事情があり、あるいは濃淡がございますけれども、先ほど申し上げたような財政事情から経費全般について大変厳しい編成が行われている、しかも予算成立後間もない段階でございますので、仲裁の実施が、先ほど言いましたように必ずしも給与改善費のみならずその他の諸経費の移流用等について考えましても現段階では予算上可能であるとは断定できないということで、結果的に全公企体になりましたけれども、各公企体ごとに詰めさせていただいてそのような結論に到達した次第でございます。
#57
○大森昭君 そんなことを聞いているのじゃないんだ。労使関係というのは、それぞれの企業の責任者が責任を持っているんだよ。だから通産大臣はアルコール専売に対して二億の金の移流用も大蔵省に相談なしで、あるいは相談してだめになったのか、どっちなのかと聞いているんだ。あるいは造幣の問題も四億の不足額が生じるけれども、大蔵大臣がこれは所管しているわけだ、監督しているわけだから、大蔵省ではこの四億の金も移流用もできないと言ったのか、あるいは移流用すればできると言ったのを断ったのか、どっちかと聞いているんだ。
#58
○説明員(水谷文彦君) 各省との折衝の過程におきまして、もとより各省それぞれ濃淡はございますけれども、労使関係の配慮からできれば早く実施したいというような希望が表明された、それは当然事実でございます。しかしながら、予算の中身を念査いたしますとそれぞれ大変苦しい財政事情にあるということで、そこの点は大蔵省の独断ではなくて双方お話ししまして、各公社当局あるいは主務官庁とお話をしまして、その結果予算上可能であると断定できないという判断になり、かつ、その点につきましては最終的には関係閣僚会議を開いていただきまして、そこにおいて政府の統一的な判断をさしていただいたという経緯でございます。
#59
○大森昭君 あなた、質問に答えてくださいよ。アルコール専売というのは、通産省とアルコール専売の組合が労使の中でもってお互いに労使関係やっているんだから。大体さっきから気に食わないのは、予算成立後間もないと言ったっていつも春闘なんだから間もないんだよ、これは例年そんなことは。そんなの理由になるかね。毎年、大体四月の終わりから五月じゃないですか、仲裁が出るのは。ちょっとずれて五月の半ばくらい。これは毎年なんだ。だから、年度当初なんというのは理由にならない、まず第一に。理由にならぬことを何回も繰り返しなさんな。それが一つ。
 それから少なくとも通産省、通産大臣は、アルコールの人たちに二億円の移流用――財政状態が厳しいと言ったってことしだけ厳しいのじゃないんだよ。毎年どのくらい国債を発行しているのかね。毎年厳しいんだよ。そうでしょう。たまたまことし二兆円もの国債減額をしたからなお厳しいということをあなたは言いたいのかもわからぬけれども、日本の予算なんというのは厳しくないときなんかあるかね。だから、厳しいなんということはそれは単なる飾り文句なんです。問題は、通産省が二億の金を移流用さしてもらいたいと言ってきたのをだめだと言ったのか、もともとアルコール専売の予算を見たときは二億も出せないからしようがないと言ったのか、どっちかと聞いているんだよ。労使関係というのは信頼関係なんだから、予算が厳しいとかなんという問題でもって労使関係の長い歴史が築かれてきたのじゃないんだよ。そこのところをきちっと答えてくれと言っているんだ。
#60
○説明員(水谷文彦君) 政府部内でいろいろ……
#61
○大森昭君 部内の話を聞いているのじゃないんだ。
#62
○説明員(水谷文彦君) いろいろお話し合いの過程があるわけでございます。したがって通産省との間に個別にどういうやりとりをしたかということにつきましては、政府部内の台所の事情でございますので差し控えさしていただきたいと思いますが、通産省としましても、先ほどお話ししましたように、アルコール特別会計におきましては原材料購入費が八〇%を占めている、しかもアルコール原料というのは輸入原料に依存をしている、そういった中で為替レートの変動に対する不安定要因があって現段階においては移流用をする財源の余裕がないということでございまして、私どももそのように判断をし、全体としてアルコールにつきましても付議をさしていただいたというわけでございます。
#63
○大森昭君 あなたが素直に、事務当局はいろんな見解を持っていますが、これは政治的判断というのならこんな不必要な国会質問しなくてもいいんだけれども、あなたがあくまでもアルコール専売を出せば輸入原料がどうとかこうとか言うけれども、じゃ、一つ聞くけれども、アルコール専売の定員は何名で現在員は何名か、おわかりですか。
#64
○説明員(水谷文彦君) 現員と定員の数字は持ち合わせてはおりませんけれども、若干の欠員が生じているのじゃないかと考えます。ただ通産省の説明によりますと、今後の事業規模の拡大等、それに対応して事業の円滑化を図っていく必要があるので、この欠員財源を直ちに仲裁財源に充てるわけにはいかないというような判断が示されております。
#65
○大森昭君 わからぬことはわからぬように答弁すればいいんだ。あなたの話は、数字を持っておりませんが若干の欠員があるようです、そういう言い方をするから私はカチンとくるんだよ。アルコール専売は千名の定員で二百名も欠員を持っているんだ。そういうわからないことはわからぬと言ってくれれば、それてしょうがないな、すべてがわかるわけはないと思うけれども、あなたはわかりもしないのに若干欠員だと言う。千名に対して二百名の欠員というのは何%かね、あなた。大体ここでもって聞いていれば、若干と言えば、ああそうか、千名の定員で五、六人ぐらい欠員があるのかな、そう理解するでしょう、普通の人というのは。大蔵省というのはそういう常識ないのかもわからぬけれども、そういうようなあいまいなインチキなことをあなたが言ってあくまで抗弁するから、たくさんきょうは質問したいけれどもこの仲裁裁定だけで終わっちゃう。
 そういうように、あなたが、事務的には従来はいろいろ工夫してやってきました、しかし、ことしはそういうわけにはいかないんです、いま行政改革が問題になっています、第二臨調も問題になっています、いろんなことがあるんでしょう、よくわかりませんが。したがって全体としてここでことしは、従来二十年間いろんなことをやってきた、しかし、それができないのなら、できないのはその決定は政治的判断なんですと言うのなら、あなたを責めたってしようがないんだよ。あなたがまるっきり大蔵省をしょって立って答弁しているから、ついこっちは何でもわかっているかと思って話しすれば。違いますか。アルコール専売は若干名ですか。若干名というのはどのくらいの数を言うんですか。あなた、間違っていたら間違ったと謝りなさいよ、そこで。
#66
○説明員(水谷文彦君) 失礼いたしました。
 定員と実員との間にある程度の欠員しか生じていないという予算係からの判断でございましたのでそうお答えいたしましたが、その点の表現の不足は埋めさせていただきます。
#67
○大森昭君 私は、労働省もそれから労働大臣も郵政大臣も努力しているわけだから、電電公社も大分御苦労しているのだろうと思うんですが、ただ問題は、きょうは労働省の方がまたこれも事務当局ですからなかなか詰めづらいんですけれども、ただ私が一つ心配しますのは、何もかもこういう形でいきますと、この間の電電の国庫納付金のときもそうなんですけれども、全く働く意欲というのがどうなるかという問題を大変心配するんです。ですから、それでもやはり政府が政策変更したり事務当局がいろいろ変わったことをしなきゃいけないというなら、わかるようにやっぱり説明してもらいたいんですよ。
 これは、あなた、逓信委員会というのはNHK予算だとかいろんなこともやっていますが、郵政職員と電電公社の職員合わせた人たちの生活の問題、これは何の法案よりかも最優先する問題なんですよ。だから、私はこれをやっているんだけれども、当然国会で議論されたことは国会の議事録にも載るし、それぞれの働いている人たちは皆読むわけだ。そうでしょう。大森さんが幾ら言ったって、大森さんの理論の立て方は一つの立て方があるにしても、政府はそうじゃなくて違う立て方があるからそうなのかというのならそれはわかる。しかし、あなた方の答弁がそんなあいまいな答弁ではこっちが恥をかいているだけなんだ。これは議事録なんか流してもらいたくないぐらいの中身だね。
 だから、私はいつもこの委員会で感じるんだけれども、課長さんに来ていただいて一生懸命答弁していただくのはいいんだけれども、ときによっては、大蔵大臣だって忙しいのだろうし労働大臣も忙しいのだろうけれども、こういう重要な問題のときにはきちっと、政策的に変更があるなら変更がある、しんぼうしてもらうならしんぼうしてもらうという理由を明確に言ってもらわなきゃ、国会の審議、まさに参議院廃止論が出ているけれども参議院も衆議院も要らないよ、こんなことじゃ本当に実際の話。きょういろいろ詰めてもしようがありませんからここでやめますが、労働大臣も郵政大臣も大分御努力をいただいたようでありますが、まだ国会は終わるわけじゃありませんので、三日も四日も五日もあるわけでありますから、ストライキをやって解決するとかしないとかという問題じゃなくて、もともと初めにストライキをやらないで仲裁裁定が決まったやつなんですから、仲裁裁定が出た後ストライキなんかやっていたのじゃどうにもならぬでしょう、実際の話。どうかひとつ、なお一層の御努力をいただきまして会期中に、とにかく議決案件を引っ込めると言ったって無理なようでありますから、議決案件のままでやむを得ないのだろうと思うんですが、議決案件が議決されるようにお願いをしたいんですが、郵政大臣、どうですか、最後に。
#68
○国務大臣(山内一郎君) 仲裁裁定の問題についていろいろ大森委員から御意見それから御指摘もあり、政府、こちら側も答弁をしたのでございますが、要するに公労法という厳然たる法律がございますので仲裁裁定を実施できるように努力しなければいけない、これは明らかでございます。ただ、いろいろ予算の問題とかいうのがあっていまの質疑応答みたいになったのでございますけれども、経緯を話してもあれでございますが、現段階はすでに議決案件として国会に提出してあるのでございますので、御審議を速やかにお願いしたいとともに、われわれ政府側としてもこれが採決を急いでいただくように努力をしてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#69
○大森昭君 いずれにしても格段の努力をしていただきまして、冒頭、郵政大臣からきわめていま労使関係はいい方向に向かっているというわけでありますから、私に言わせれば、こんなつまらないことでまた労使関係が荒れないようにひとつ御要望申し上げまして、次の質問に移るわけであります。
 そこで、国会も終わるわけでありますので、きょうは郵務局長においでをいただいておりますので、理事懇のところでちょっと説明を受けたような感じがするのでありますが、例の第三種の郵便物の取り扱いについて会計検査院から指摘を受けたわけでありますが、この処理はうまく措置されたんでしょうか。
#70
○政府委員(魚津茂晴君) 昨年十一月、三種の適正な運用につきまして私ども指摘を受けたわけございますが、具体的には百九十八件の認可されている三種郵便物の指摘を受けたわけでございます。それに対しまして、私どもその定期刊行物が法律で定まっております認可条件に合致しているかどうか詳細調査をいたしまして、二月末に措置を完了いたしたわけでございます。
 二月末の措置の結果を申し上げてみますと、改善されたものが七十一件でございます。したがって七十一件は現在三種の認可を受けている刊行物でございます。それから廃刊届を出してきたものが四件ございました。そして残りの百二十三件でございますがこれは改善できなかったということで、二月の終わりにこの百二十三件につきまして三種の認可の取り消しをいたしたところでございます。
#71
○大森昭君 指摘された問題はそういうふうに処理されたと思うんですが、実はこれに関連いたしまして第三種郵便物全体の見直しということが言われておったわけでありますが、この見直しのいかんによっては従来認可されていたのが認可されないとかいろんな問題が起きるのじゃないかと思うんですが、その全体としての見直しの措置というのはどういう形で事務が進められているんですか。
#72
○政府委員(魚津茂晴君) 結論を申しますと、六月末を目途といたしましてすべての三種郵便物の認可を受けている刊行物を、目下各郵政局、関連いたしまして郵便局を動員いたしまして調査をしているところでございます。
 調査の仕組みを概略申し上げてみますと、まず私ども認可との関連で質問をするわけでございます。その質問に対して答えをしていただく。その答えを私ども調査をいたしまして、認可条件に違反しているものにつきましては改善方の要請をする。そして一定の猶予期間を置きまして改善されたかどうか調査をしまして、最終的に改善ができないというものにつきましては認可の取り消しをする。こういう仕組みでございまして、現在の進捗状況は、照会に対して回答があった、回答を私ども調査をいたしまして改善方の要求をするというところが各郵政局の実態というふうに御理解を願いたいと思うところでございます。
#73
○大森昭君 会計検査院に指摘されて処理をして見直しということになりますと、どちらかというと少し厳しい態度でということが常になりますが、第三種の場合というのはいろんな社会的な公共的な立場でやっているものもありますので、別にそこのところをルーズにというわけじゃないんですが、多少基本的なものから崩れていたりというようなことは、それを立て直しをするという形のところがあれば若干余裕を見ていただきませんと、廃刊になってまた刊行物を出すというのは容易じゃないわけでありますので、どうかひとつ、会計検査院から出発して見直すということは大変結構なことでありますが、そこのところを少し弾力的に処理いたしていただくことをお願いいたしまして、終わりたいと思います。
 大蔵省の週休の担当の方おられますか。――せんだって銀行法が改正になりまして政令で定めるということで土曜日の問題があるわけでありますが、これからどういう形で作業を進めて具体的に政令を出されるということになるのか、お伺いしたいと思います。
#74
○説明員(坂本導聰君) お答えいたします。
 多少敷衍して御説明させていただきますと、銀行あるいは金融機関の週休二日制には従来三つの問題がございまして、一つは、金融機関がたとえば土曜日に店を閉めずに開いたまま職員が交代で週休二日制を実施する、こういう問題でございますが、この点につきましては従来から金融機関は大部分実施いたしております。
 その次の問題として、金融機関の店を閉じて休業とするという点につきましてでございますが、この点につきましては、御承知のように従来の銀行法でございますけれども、これは祝祭日、日曜日に限定されておりまして休めなかったということでございます。しかし、この点につきまして、このたび銀行法の改正が行われ政令で指定すれば土曜日でも休めるという体制になったわけでございます。あわせて私ども従来から非常に問題視しておりました手形法あるいは小切手法、税法等も弾力化の措置がとられたわけでございます。
 では次に、具体的に政令で指定して土曜日を休むにはどういう問題があるかということになりますと、先生御案内のように金融機関は一方で私企業でございますが、同時に、他方で社会的、公共的機関としての存在でございますので、預貯金者あるいは中小企業者等利用者、国民一般の理解を得るという必要があるわけでございます。他方で、一方営業でございますので、種々の金融機関と同様の業務を行っているたとえば郵便局、農協等の土曜日がどうなるかという問題もあるわけでございます。
 私どもとしては、金融機関の週休二日制は、金融制度調査会の答申にもございますように、基本的には社会の大勢であるというふうに考えておりますが、いま申し上げましたような問題がございますので、金融機関、全銀協等を通じまして広く国民の理解を得られるようなPR活動をこの銀行法改正を契機にさらに一層進めるよう指導いたしますとともに、種々の問題がございますので、関係省庁の連絡会議におきまして各省庁と早期に金融機関の週休二日制が実現できるよう御相談していきたい、こういうふうに考えております。
#75
○大森昭君 もうちょっと具体的に、問題点はわかったんですけれども、見通しみたいなものはないんですか。
#76
○説明員(坂本導聰君) お答えいたします。
 先生御承知のように、金融機関の週休二日制というのは非常にむずかしい問題が一方で技術的にもございまして、たとえば金融機関の中には非常に種々のものがございますが、為替業務一つとりましてもこれはオンライン化でつながっておりますし、そういったような問題もございまして、具体的に、たとえば業務の違いあるいは店舗形態の違いによって一部できるのかできないのか、あるいは全体一斉でなければ無理であるのかという問題、非常にむずかしい問題を種々はらんでいるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、国民のコンセンサスを得られるという努力とあわせて、そういった技術的なむずかしい問題も金融機関あるいは関係各省庁と御相談して早期実現を図りたい、こういうふうに考えております。
#77
○大森昭君 さっきの大蔵省の人よりかもあなたは紳士だから余り郵政省のことは言わないけれども、大体郵政省が一番問題みたいなように聞こえるのでありますが、きょうは時間がありませんから、いずれにしても郵政省が最大限努力をすれば、あとはまだ農協とかいろいろあるでしょうけれども、大勢が決まると思いますので、どうかひとつ郵政省のなお一層の御奮闘をお願いしておきます。
 いま土曜日閉店しなくても金融機関は週休二日を事実的にやっているというお話もありましたけれども、金融懇も重要な段階に差しかかっているようでありますが、こういうところも違いの最大の点でありますから主張してもらいたい。
 それからこの問題も余り詰めませんが、一般公務員よりかもおくれておる事業所がありますので、この間も笑い話がありまして、民間の場合には働いている人の週休をふやしても管理者の方はその人たちよりかも週休をとらずに一生懸命がんばっておるんですが、役所というのは偉い人が週休が多くて働いている人が週休が少ないんだなんというのはどんなものだろうなんて話をされておりましたけれども、事業所によっては、そういうところはひとつ早いところ割り切って、管理者の人が四週に五日で、働いている人が四週に四日じゃどうもさまになりませんから、これ以上詰めませんが、ひとつ、うまいところ処理していただくことをお願いしておきます。
 次の問題でありますが、ちょっと二、三データ通信を質問して終わりたいと思いますが、郵政省では五月十三日にデータ通信回線の開放についての基本的考え方をまとめて電気通信懇談会の専門委員会に提出したという新聞報道がありましたけれども、従来と違って基本的考え方について変化があったのかどうか、説明していただきたいと思います。
#78
○政府委員(守住有信君) いま御指摘の五月十三日ということでございましたが、五月十三日に一部の新聞に政策懇談会の専門委員会に郵政省が方針を出した、こういうふうな感じで出ておったわけでございますが、正確に申し上げますと、新聞に言う郵政省が基本的方針をまとめたというのではございませんで、大臣の私的懇談会の方で、全体論でございますが、今後の電気通信政策のあるべき方向を踏まえた政策課題は何であるかということにつきましていろいろ御提言をいただこう、こういうことにしておるわけでございますが、その中での電信電話以降の新しいメディアに対します電気通信の新秩序の確立という大きなテーマの中で、当面いろいろ各界から御意見、御要望が出ておりますデータ通信の回線利用の制度のあり方、これを御論議をいただいておるわけでございますが、そのための専門委員会、専門委員会も幾つものテーマがありますけれども、その専門委員会の方でいろいろ御議論を詰めていただきまして懇談会の方へ一つのたたき台を出す、それのための一つのたたき台としまして専門委員会にお出しをした、こういうことでございます。
 なお、たたき台そのものにつきましても、専門委員会でまたいろいろ御議論の上部分修正等もございますし、さらにこれが懇談会へ出てまいりまして、懇談会でも自由な御意見をいただいて、最終的には八月中ということを私ども希望、期待をいたしておりますわけですが、こういうデータ通信の利用の問題、その他電気通信政策の今後に向かっての政策課題の問題等につきまして御提言をいただきたい、このように考えて、いまその専門委員会の方、懇談会の方、相関連いたしておりますが進んでおる、こういう状況でございまして、近くは六月四日でございますか、この懇談会が行われる、こういう状況に相なっておるわけでございます。
#79
○大森昭君 そうすると、結論的にはまだきちっとしたものがまとまっておらないということですか。
#80
○政府委員(守住有信君) 懇談会自身にまだお出ししておりませんで近く六月四日にお出しをしよう、こういうことでございます。そこで、また懇談会としてはいろいろ御議論がございますし、なお不備の点があればまた専門委員会に差し戻されるという問題もあろうかと思いますが、そういうことで八月いっぱいでまとめて御提言をいただきたい。また御提言をいただきました後は、これまた関係するところもあろうかと思いますけれども、郵政省としてさらにこれを政府ベースで検討していく、こういうことに相なるわけでございます。
#81
○大森昭君 私も専門家じゃないんですが、いろいろ話題になっているやつを二、三拾ってみますと、赤字状態が続いている電電公社のデータ通信事業部門を公社の本体から切り離して民営化するとか、そういうことが話題になっているようでありますが、公社側としてはそういうようなことは考えておらないんですか。
#82
○説明員(玉野義雄君) まだ具体的提案が出ておりませんので、私たちの方としては御意見を申し上げる状態になっておらないわけでございますが、いずれにいたしましても、データ通信につきましては収支均衡をとるということで、五十六年度には単年度で収支均衡をとる、こういう方向で進めておる次第でございます。
#83
○大森昭君 次の問題ですが、民放のFMの関係でいろいろ郵政省は御努力しているようでありますが、最近このチャンネルプランが割り当てられて、いろいろ一本化対策などについても御努力しているのだと思うんですが、この状況はどういうことになっているでしょうか。
#84
○政府委員(田中眞三郎君) お答え申し上げます。
 まず、現在FM放送用の周波数の割り当てがすでになされておる地区におきます申請の状況でございますけれども、札幌地区が二百四十件、仙台地区が八十五件、神奈川地区が二十五件、静岡地区が百六十七件、広島地区が九十一件、長崎地区が四十三件でございまして、いま申しましたように各地区とも多くの申請が出ておるわけでございます。
 いま申しましたのはすでにチャンネルプランの出ているところでございますが、次にFMの割り当て地区におきます一本化調整の状況についてでございますけれども、まず、いま申しませんでした同時にチャンネルプランを発表いたしましたところの松山地区でございますけれども、ここにつきましては先生御高承のとおり本年二月に調整が成りまして予備免許を行ったというところでございますけれども、それ以外の地区につきましても何とか早期実現を図りたいということで、県知事等を中心としました地元調整を進めておるという実情にあるわけでございます。
#85
○大森昭君 テレビの方はどうなっていますか。
#86
○政府委員(田中眞三郎君) テレビの方の状況でございますけれども、現在テレビジョン放送用の周波数の割り当てがなされておる地区についてだけまず申し上げますけれども、鹿児島地区が四十六件、熊本地区が四十件、徳島地区が百八十件、宇都宮地区が十四件及び水戸地区が八件、佐賀地区については申請がございません。そういうところですが、こちらにつきましても鋭意早く一本化ができるようにいろいろと努力をしているというのが実情でございます。
#87
○大森昭君 いろいろ努力をしているのだろうと思うんですが、どうもFMの関係も、松山は終わったようでありますが、大分古いのが残っていますし、テレビの方もなかなか計画が進まないようでありますが、業界紙を読みますと、国会が閉会した後がなり早い時期に、FMの周波数の追加の割り当てだとかあるいはテレビの第一次プランの修正、聞くところによりますと県域テレビ局免許のためのチャンネルプランの修正などについて電波監理審議会に予備説明をするということが書いてありますが、郵政省の方針はどうなっていますか。
#88
○政府委員(田中眞三郎君) まず、FM放送についてでございますけれども、これにつきましては、中波放送に対します外国電波の混信の状況あるいはFM放送の経営の可能性等々周波数割り当てに当たりましてのいろんな条件がございますけれども、そうしたものを総合的に勘案するわけでございますけれども、その上で県域放送というものを原則といたしまして、できるだけ早く全国普及を図っていきたいという方針でございます。
 次に、テレビジョン放送でございますけれども、各地区におきます番組の多様化の要望あるいはテレビジョン放送の拡充の可能性等、やはりこれも周波数割り当てに当たってのいろんな条件を総合的に勘案した上でテレビジョン放送の多様化に対する国民の要望にこたえる、それによりまして地域間の情報格差の縮小を図るという観点からテレビジョン放送の拡充を図っていきたいという方針で、現在そうした方針に沿いまして鋭意検討を進めているところということで、できるだけ早い機会に是正等実現したいというふうに考えておる次第でございます。
#89
○大森昭君 ですから、早い時期に電波監理審議会に何か具体的な説明をするということで理解していいんですか、いまのは。
#90
○政府委員(田中眞三郎君) まだその段階までには至っておりませんで、ただ考え方といたしまして、FMにつきましてもテレビにつきましても、この国会も一応終末に近いというようなこともございまして、こうした方面での検討に専心できるであろうということで、まだ監理審議会に方針を決めまして諮問できるかどうか、そういう段階までには至っておりません。
#91
○大森昭君 いろいろ御苦労していただいていると思うのでありますが、古いやつが残ってきますとまた新しいことをやるといったって問題が起きますし、どうしても問題処理ができないと、いろいろ、相互乗り入れした方がいいのじゃないかとか従来の方針を変革するようなことが言われてみたりしますとこれは業界の方も混乱するでしょうから、ひとつ適切に処理をしていただきたいと思うんです。
 そこで、総裁、さっき郵政大臣に仲裁裁定の最後の努力をお願いしたわけでありますが、最後に、総裁から所見をひとつ伺いたいと思うんです。
#92
○説明員(真藤恒君) 私ども当事者でございまして、しかも現業組織でございますので、この問題、一日も早く議決が終わりまして事なく済むことをお願いするよりほかに仕方ございません。当事者でございまして、特にそのお願いの気持ちが強いのでございます。
#93
○太田淳夫君 それでは、引き続きまして質問に入りますが、せんだって国会におきまして郵便年金法の一部改正法案も通過したわけでございまして、郵便年金も拡充されまして、今後は加入者も相当増加すると思うんです。そこで、簡易保険郵便年金福祉事業団というのがございますが、その使命というのもますますやはり重大になってくるのじゃないかと思うわけですが、この事業団の指針のいろんな変更がやはりされているのじゃないか、質の変更と申しますか、その点でちょっと質問さしていただきたいと思います。具体的ないろんな案件につきましては、また後日改めて質問さしていただければと思っております。
 最初に、この福祉事業団の設立の目的及びその概要について御説明願います。
#94
○政府委員(小山森也君) 簡易保険事業団でございますが、この設立の目的等につきましては事業団法の第一条に書いてあるわけでございますが、法的には、この根拠になっておりますのは、簡易保険法の第六十八条と郵便年金法第四十二条、これが根拠となりまして、これを受けまして簡易保険郵便年金福祉事業団法というのがあるわけでございます。これが法的な一つの設立の根拠となっております。
 なお、その背景となりますこの事業団というものでございますけれども、私から時間をかけて御説明申し上げるまでもないと思いますけれども、生命保険、これは郵便局でやっております簡易保険に限らず、いわゆる生命保険とか個人年金、こういったものは、いわゆる加入者の相互扶助の精神のもとに生命表を基礎としまして数理計算によって加入者相互間において保険事故発生の際に保険金を支払うこと、そういうことによりまして加入者の経済的損失を補償し、あるいは経済的必要を充足していくということでございます。また、これは他の面から見ますと、一種の加入者の個人個人を構成員とする加入者の団体というような形でもとらえることができることではないかと思っております。
 したがいまして、構成員であります加入者に対しまして、保険事故発生というような以前におきましても加入者を対象にその福祉の増進を図るための各種の加入者福祉施設を設置運営しているということは、これは私ども簡易保険に限らず、民間の同種保険事業においてもほとんどの保険会社がやっているわけでございます。その内容におきましては、病院があったり、診療所の運営、あるいは劇場、ホール、それから野球場というような文化活動、あるいは福祉研究所によります老人福祉等の研究、あるいは保養施設の運営、いろいろ各般にわたっておるわけでございますけれども、この点、いわゆる生命保険の事業におきます加入者福祉というものは一般の企業の利益還元策とは若干異なったものでございまして、利益還元というよりかは生命保険事業本来の社会的使命というようなもので位置づけられているのではないか、このように理解いたしております。
 さて、そういたしますと、国営の生命保険事業であります簡易保険事業はどうかと申しますと、これは大正五年の創業以来この加入者福祉施設というものを非常に重視いたしておりまして、一つの特色ともなっているわけでございます。この事業が、ただ内容といたしまして、一種独特と申しますか、非常に専門的な一つの福祉というような形の日々反復するような仕事が多いということから、国が直接行うよりかはむしろこれを事業団というようなものによって行わせる方がより適切であるということから昭和三十七年の四月に簡易保険郵便年金福祉事業団というものが設立いたされまして、それによりまして郵政省が直営しておりました福祉施設を引き継いでいただくとともに、その後は福祉施設の一層の拡充を図るということで、現在施設の設置それから運営を行っていただいているわけでございます。
 現在の加入者の福祉施設の内容でございますが、老人福祉施設、診療施設、保養施設、それからレクリエーション施設、それから会議、集会、展示、宿泊その他加入者の利便を図るための設備を備えた施設ということになっております。
 なお、個々の内容につきましては、非常に長くなるので省略さしていただきますが、御質問によって詳しく御説明申し上げたいと存じます。
#95
○太田淳夫君 いまいろいろと御説明がありましたが、その最初にありました老人福祉施設ですね、その老人福祉施設としては簡易保険郵便年金加入者ホームというのがあるわけですが、その設置の数とか利用基準についてはどうなっておりますか。
#96
○政府委員(小山森也君) 加入者ホームの設置数でございますが、ただいま十三カ所で設置されております。
 これの利用状況でございますけれども、五十五年度を例にとりますと、延べ利用人員は五十九万六千名というような現状になっております。
 利用の資格でございますけれども、長期と短期に分かれておりまして、長期の場合でございますけれども、これはまず長期でも短期でも簡易生命保険の被保険者であること、または郵便年金の年金受取人もしくは継続年金の支払い事由発生後における年金継続受取人で残存保証期間が一年以上ある者、このように決めております。
 それで年齢では、長期にありましては年齢六十五歳以上の方でございまして、簡易保険の被保険者にございましては保険金額三十五万円以上の契約に加入している者、それから郵便年金の年金受取人または年金継続受取人にありましては郵便年金の年金額が二万四千円以上の契約に加入している方となっております。ただし、昭和二十四年五月三十一日以前に効力が発生した郵便年金契約につきましては、その年金額に当該契約の効力が発生した年の日本銀行発表の東京小売物価指数に対する二十四年の同指数の倍率を乗じて得た額、こうなっておりまして、非常に細かいことになっております。
 なお、そのほかに利用料金等がございますので、利用料その他一切の生活費を支弁できる者という条件がついておる次第でございます。
#97
○太田淳夫君 このいただいた資料を見てみますと、戦前からいろいろとこの両事業、簡易生命保険及び郵便年金事業が創業されて以来、いろいろと加入者の保健衛生に関する思想の向上等に努めながら簡易保険健康相談所を設置してやってきたわけでございますが、戦後、インフレの高進あるいは新民法による家族制度の変革あるいは平均寿命の伸長等に伴う老人福祉対策の一環として方向転換をしてきた。そういうことで、その中に「わが国における社会経済事情の激変にともない、福祉国家建設の過程において、国家社会に負荷された課題は簡易生命保険及び郵便年金の加入者福祉施設のありかたについても、大きな転換を要請することになった。」、こういうことが書いてございますが、この点の大きな転換を要請されたというんですが、これはどのような質的な転換があったわけですか。
#98
○政府委員(小山森也君) 質的と申しましても、これは加入者の福祉施設という本筋は変わらないわけでございますが、問題は、御加入になっている皆様方のいわゆる社会環境、生活環境の変化によります御要望の点が大分変わってきているわけでございます。これにつきましては、私ども、加入者の皆様方がどういう御要望を持っているかというのは、いわゆる加入者の会というようなものが全国に二千余あるわけでございますけれども、そういったところでこの郵政省の特に簡易保険、郵便年金に対する要望等を吸い上げる努力をしているわけでございます。
 その中で特に目立っておりますのは、やはり経済の伸展に伴いまして、いわゆる余暇施設というものにつきましての要望が非常に強いわけでございます。簡易に宿泊等ができる、あるいは家族そろって安い料金で健康的に過ごすというような施設を非常に要望されるというようなことが多くなってまいりました。無論そのほかに、従来からありますようないわゆる診療施設というようなものに対する要望もあるわけでございまして、従来にそういったものを加えてくるということで多様化してきたという意味におきまして非常に変わってきたというふうに私ども受け取っているわけでございます。
#99
○太田淳夫君 そうしますと、そういう加入者の会を通していろんな要望を吸い上げていった中で、この事業団のいろんな福祉の施設の建設の方針が多少変更してきているわけです。この加入者ホームの開設状況を見てみますと、四十三年を最後に十三ヵ所ということで、それ以後は建設されていないわけですが、そのかわりにと申してはあれですが、保養センターが七十一ヵ所も設立されているわけです。事業団としましては、老人福祉施設というのはこれで十分目的を達成して今後はこういった老人福祉ホームというのは建てない、そういうことであるのかどうか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。
#100
○政府委員(小山森也君) この加入者ホームというのは、戦後いわゆる平均寿命が延びたということで、高齢者の増加や家族制度の変革などの社会的な背景を受けまして、高齢の加入者に比較的安い料金で健康で明るく平穏な老後の生活を楽しんでいただくようにという趣旨で設置しているわけでございますが、その面におきましては私ども国営事業として非常になじむ仕事だろうと思っておりますが、一面で、もう一つ利用者が固定的になってしまうということで長期にわたって利用するということから、加入者が五千三百万人いるわけでございますが、いわゆる利用の均てんという点におきまして若干問題があって、非常に利用の方たちに対する偏りというようなものがあるというようなことで、これは今後どうするかということについてちょっと検討しなければいけないのではないか、こう思っております。
 それでは、もっと保養センターというようなものよりもこれに重点を移すべきだという考えもあろうかと思いますけれども、いわゆる総体として簡易保険の福祉事業に充てます予算、資金というものの中において、より加入者全員の方たちに均てんされるような施設をどれを優先させていくかということのいわゆる選択の問題になってこようかと存じます。こういった加入者ホームをそれでは大ぜいの方が利用できるようにもっともっとふやせばということになりますと、今度はこれだけの御加入の皆様方が満足できるような形にまで持っていきますと相当な数をしなければならない。そういった場合に、どうも経費に占める割合という点から参りますと満足いくほどまでの施設の拡充というのはなかなか困難ではないかというようなこともあります。したがいまして、今後慎重にこれは検討していかなければいけないのじゃないか、このように考えている次第でございます。
#101
○太田淳夫君 いずれにしましても、加入者ホームというものが一つの時代の要請でつくられてきたわけですけれども、この「概要」の中を見ましても、三十年十月に熱海に最初のホームが設立されたわけですけれども、戦前の保健施設が今度は広い意味に、おける福祉施設にまで発展した典型的な施設としてこれが位置づけられているわけですけれども、いまのお話で、いろいろと今後検討を加えていかなければならないという点でございますが、この加入者ホームは、いずれにしましても事業団としての老人福祉施設という業務を掲げた一つの大きな典型的な施設であるというそのことについての位置づけは変わりませんね。どうでしょうか。
#102
○政府委員(小山森也君) 先生のおっしゃるとおり、簡保事業団あるいはむしろ簡易保険の福祉事業としての重要な役割りの一つである、このように理解いたしております。
#103
○太田淳夫君 せんだっての郵便年金法のいろんな審議の中でもありましたけれども、郵便年金法の提案理由の中にも「最近における高齢化社会の急速な到来等の諸情勢にかんがみまして、国民生活の安定及び福祉の増進に資するため、」と、高齢化社会の到来に対して対応していこうということが提案理由の中にありました。福祉事業団でむしろこういった老人福祉施設を検討し今後どうしていこうかということは、いまお話がありましたけれども、ややもするとこういった老人福祉施設を切り捨てる方向にあるのじゃないかと考えられるんですが、それはちょっと時代の逆行じゃないかと私は思うんですが、その点いかがでしょうか。
#104
○政府委員(小山森也君) 先ほど私、非常に言葉の足りない点もございましたのですが、昭和四十三年に十三ヵ所になっておるわけでございますが、その後も増築等によりまして収容人員は相当ふえておりまして、その点においてはこれはやめるというようなことではございませんで、収容人員は増加しておることを申し添えておきます。
#105
○太田淳夫君 次に、先ほど診療施設というお話がございましたけれども、この診療施設の設置状況、あるいは業務内容、それから医師とか看護婦さん、その点の問題はどうでしょうか。
#106
○政府委員(小山森也君) 診療施設といたしましては、ただいま簡易保険診療所が全国に二十八ヵ所ございます。診療所は、ただいままではいわゆる内科を主としました医療活動を行っておりまして、疾病の予防、保健衛生思想の普及、風水害等非常災害発生時の医療救護というようなことをやると同時に、診療所内の活動のみにとどまらずに、レントゲンその他の医療機器を搭載した診療自動車あるいは瀬戸内海には診療船というものを設けまして離島の島々に巡回診療を行っているというわけでございます。
 ただいまこの施設を、医療機関が非常に最近充実されてまいりましたので、むしろこのような一つの内科的診療にとどまらず特別健康診断というような形に方向を変えていわゆる人間ドックと申しますか、こういったものにそういった診療施設の内容を広げていこう、こういうふうに考えておりまして、ただいま予算上では名古屋、大阪に新たにこういった診療センター、健診センターと申しますか、健康診断センターと申しますか、これを設けようとして予算措置してきておりますと同時に、ただいま東京の五反田に簡易保険郵便年金会館というのを建築中でございますが、この中におきましても同様に健診センターを設けていくということにいたしております。
 なお、こういった施設につきましては、やはり当然医師、看護婦さん、それから薬剤の方、それからいろいろ機械を扱う技師の方というような者もそれぞれ要員として配置してあるというのが現状でございます。
#107
○太田淳夫君 診療所ですけれども、これは設立当初から二十九ヵ所あってその後つくられていなかった。しかし、いまお話がありましたように何か計画もあるようでございますが、やはり大都会ですね。簡易保険とかあるいは郵便年金もそうですけれども、加入者の方々は大都会ばかりに偏っているわけではないわけです。各県、各地方にそれぞれあろうかと思いますが、事業団の性格、福祉事業団という名前からいきましても、やはりいわゆる無医村とか僻地とか、そういう診療でいろいろ困っている皆さん方のために役立つような方向で考えていくべきじゃないか、私はそう思うわけですが、そういった点を含んで今後の診療所の計画を立てられる腹案はないでしょうか。その点どうでしょうか。
#108
○政府委員(小山森也君) ただいまこれからのことにつきまして大都会のことだけをお話ししたわけでございますけれども、いま現在におきましても二十八ヵ所に設置されておる中で人間ドックを全部扱うことにいたしております。ただ施設の関係がございまして、ただいま全国で二ヵ所だけ宿泊を要する健診センターになっておりますが、あとは一日だけの健診センターとなっております。なお、ここの健康管理センターは、そういった意味で逐次そのような一泊できて健診するような形に充実していく予定にいたしております。無論まだ全部が全部予算化されているわけではございませんけれども、方向としてはそのように検討すべきではないかと思っております。
 なお、辺地の診療でございますけれども、これは先ほども若干申し述べましたのですが、健診車を備えておりまして巡回診療というのをやっておりまして、非常に辺地の方からは、年に一回ではございますけれども、もうそろそろ来るころだというようなことでいろいろ親しまれております。先ほど申し上げました診療船というのもございますけれども、これはいろいろな島の皆様方が大体定期船のような形で御期待をいただいており、それにこたえているのではないか、こう思っている次第でございます。
#109
○太田淳夫君 そうすると、いままでの体制でやっていくということですね。
 それで、ちょっとお聞きしたいんですけれども、いま事業団の出資金及び交付金というのはこれはどこから出ているわけですか。
#110
○政府委員(小山森也君) 簡易生命保険及郵便年金特別会計から支出されております。
#111
○太田淳夫君 わかりました。
 時間がありませんのでこれで終わりますけれども、福祉事業団としては、一つの流れとして保養センターをたくさんつくることをいままでやってきました。それは加入者の会という会を通しての要望を吸い上げながら、実は多様化するそういう加入者の方々の要望にこたえるために多少方向転換してきたということです。その中で今後やはりどういう方向に進んでいくのか。いままで老人福祉施設あるいは診療施設あるいは会館ということでやってきたわけですが、今後はどこに主点を置いて運営していくのかということはやはり問題じゃないかと思うんです。
 いままでどおりそういった加入者等の要望を吸い上げながらやっていくと思うんですけれども、そうしますと、ますますその加入者の皆さん方の要望に流されていくのじゃないかと思うんです。先ほども申しましたけれども、これから高齢化社会を迎えていくわけでございますけれども、そういうそのときそのときの時代の流れの中で方向が少しずつ転換されながら行くというのじゃなくて、やはり福祉事業団としての設立の最初の原点に返って、もう一度いままでの方向が果たしていいのかどうか検討し直す必要があるのじゃないか、こう思うわけですが、その点はどうでしょうか。
#112
○政府委員(小山森也君) 大体、このような施設の設置の基本的な考えでございますけれども、やはり最初に御答弁申し上げましたとおり、保険事業の持ちますところの一つの相互扶助というようなことをもとといたしまして、その構成員であります加入者の健康増進に資する、あるいはそれと同時に、やはり簡易保険も事業でございますので事業の基盤強化を図るという点でも、事業の目的に整合する、しかも国の提供する福祉活動でございますので、それにふさわしいものでなければならないと思っております。その点におきまして、ただいままでいろんな施設をしているわけですが、特にセンターが非常に多くなっているということは御指摘のとおりでございます。
 それでは、これからどうするかということでございますが、私どもの考えでおりますのは、やはり余暇に対する保養の需要というのは依然強くて不要であるとは思っておりません。しかしながら、いまの配置の仕方等につきまして若干大都会というのの人口に比例いたしましてこういった手軽に利用できる施設がアンバランスになっているのではないかということ、それからいわゆるそういった保養というような形のほかに積極的にスポーツというようなものも直接やって心身の鍛練をするというのがいまの要望のようでございます。ただ私ども基本に常に忠実であるべきであると同時に、やはりそのときの大部分の加入者の方が手軽に利用できるのはどのような形のものを具体的につくればいいかというようなこともやはり重要なことだと思っておりまして、ただ基本でありますところの加入者に対する福祉というものを決して忘れてならないと同時に、そういった両者を満足させるような形を、常に加入者の方たちの声を把握していくという努力の中から検討しながら、常に方向というものを間違えないように持っていくということが私どもの使命と思っております。先生の御指摘、非常にありがたくお受けいたしたいと存じます。
#113
○委員長(福間知之君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二分開会
#114
○委員長(福間知之君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#115
○太田淳夫君 それでは、午前中に引き続きまして質問さしていただきますけれども、いままでもこの委員会等で問題になりましたし、あるいは各国会ごとに請願が出されているわけでございますけれども、ここ十年来いわゆる有線音楽放送業界におきましてはいろんな問題、違法行為あるいは無届け等の問題が出ておりまして、これの正常化が望まれておるわけでございますけれども、政府に対しまして有線音楽放送の正常化、秩序ある運営を確保するための厳正な監督と指導の強化などのいろんな措置を望む声が起こっているわけです。
 そこで、最初に、有線音楽放送の現状と最近における無届け施設数、あるいは道路の無許可の数とか電柱の無契約添架数、そういったものについて御説明願いたいと思うんです。
#116
○政府委員(守住有信君) 御承知のとおり、この有線音楽放送、いろんな面での正常化というのが問われておるわけでございます。私どももその衝にあるわけでございますが、この有線音楽放送は、設備の面と業務と申しますか事業業務の面と両面あるわけでございますが、私、有線電気通信設備という設備の面から申し上げてみたいと思うわけでございます。
 設備の面でのいろんな無届け施設の実態があるわけでございますけれども、この実態のすべてを全国的に詳細に把握するのはなかなか困難でございますけれども、関係機関、これは私どもの電気通信政策局の方と電波監理局の方と両面ございますけれども、それと電力柱という意味で通産省あるいは電力会社、それからまたいわゆる電話柱という意味での電電公社、それからまた道路占用という意味での建設省、こういうところと協議会を持っておりまして、極力その把握に努めておるところでございますが、現在承知しておるところによりますと、この全体の施設数がトータルで約六百四十五施設ある、詳細ではございませんが、こういうふうに一応把握をいたしておりますが、その中で届け出済みというのが五百六十五施設でございまして、全く無届けのものが八十施設あります。また、一応届けてある五百六十五施設の中でも増設等の際の無届けが百十九施設ございますので、そういう面で無届けの施設を合わせまして百九十九施設ある、このようにとらえておる次第でございます。
#117
○説明員(山本重三君) 有線音楽放送の道路の不法占用の状況につきまして最近調べました資料といたしまして、五十六年三月末現在におきましては、国の直轄管理いたします国道で約二千キロメートル、都道府県及び指定市が管理しております道路で約八千キロメートル、合計で約一万キロメートルに上っております。
#118
○説明員(前田光治君) 電電公社の電柱に添架しております有線音楽放送の総添架電柱本数は、五十六年三月末現在で約五十五万本ございます。そのうち無断添架の本数が約四十七万六千本という現状に相なっております。
#119
○太田淳夫君 先ほど政策局長から設備の面のお話がございましたが、業務の面では電波監理局でございますが、こういった違法行為が最近増加しているわけですが、その背景とか、あるいは現在までの郵政省の監督、指導状況について御答弁願いたいと思います。
#120
○政府委員(守住有信君) 有線音楽放送事業を適法に開始するためには、まず電気通信設備の面につきまして郵政省に有線電気通信法第三条に基づく施設の設置の届け出、こういうものを必要とするわけでございます。それからまた、その事業業務面につきましては、有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律、これは電波の方でございますが、その第三条に基づく業務の開始の届け出を必要とする、こういうことに相なっておりますし、また他面、道路を占用するわけでございますので道路の占用許可を道路管理者から受けます。それからまたもう一面、電柱を使用させていただくということでございますので、これは契約によりまして、電電公社、電力会社等の電柱所有者と電柱の添架同意契約を結ぶ必要がございます。
 ところが、この面につきまして、実際にはこれまで有線音楽放送が存在しなかった地域に初めて有線音楽放送が開始される場合には以上のような措置が大体とられている、こういうふうに見ておるわけでございますが、特定の地域にすでに有線音楽放送事業が行われ設備があるというところに第二、第三の業者が参入しようとします場合に一、電柱に余裕がない等いろいろ原因、考え方がありますわけでございますが、余裕がないということで添架の同意が得られない、こういう面の制約もあるわけでございまして、その面からまた無届けにならざるを得ないという面もございますが、ところが他方では、当初から意図的に電柱に余裕がある場合でもこれらの手続をとることなく無届けでやる、こういうものもございます。また、中には道路の占用許可料が高いとか、そういうふうなとんでもない理屈づけでこの道路占用許可を得ることなく無届けとなっているものもございます。
 そういういろんな背景に問題があるし、私どももこれは電波と相談しながらやっておるわけでございますが、営業は自由でございますし、この有線ラジオ放送というものが一定の地域に独占だというそういう免許体系というか、制度にも相なっていないという面もあるわけでございまして、それらの面を、問題は非常に大きくなっておりますので電波当局とも十分相談しながらやってまいりたい。いまからいろいろな点でお尋ねがあろうかと思いますけれども、また、そのお尋ねの側面に即しながらお答え申し上げていきたいと思います。
#121
○太田淳夫君 電電公社は、先ほど無契約添架本数というのは四十七万六千本というお話がございましたが、これに対してどういう対策をとっていらっしゃいますか。また対策上いろんな隘路があろうかと思いますが、その点はどうでしょうか。
#122
○説明員(前田光治君) この無断添架の対策でございますが、まず電電公社の電柱に無断にこういう線が張られておるということを見つけますと、まずその施設した者がだれであるかということと業者の所在というものを速やかに確認をいたしまして、責任者の出頭を求めて正規の法にかなった手続をするように、強く説得をし求めておるわけでございます。また催告書等をも発送をいたしております。しかし、いろいろこちらの説得に応じないというケースがございまして、悪質の場合には、あるいは非常に公社の業務に差し支えるといった場合には撤去の仮処分を申請いたしまして法的措置を講じる等の努力をいたしておるところでございます。また最近では、この設備の撤去等を求めまして訴訟を提起しておるといったような形で、この無断添架をなるべくなくしますように鋭意努力をしておるところでございます。
#123
○太田淳夫君 次に、これは報道されておりましたんですが、府中市で、無許可配線の有線音楽放送ケーブルが道路上に低くだれ下がっていたためにトラックの積み荷にひっかけられて切れて、その下を歩いてみえだ通行中の少年が大けがをしたという事件が報道されておりますけれども、こういった違法行為によって人身事故にまで発展するということは、まことにこれは憂慮すべき状況じゃないかと思うんですが、郵政省はこれをどのように受けとめてみえますか。
#124
○政府委員(守住有信君) 事件の概要でございますが、府中市の方で新しく歩道をつくるために電柱を移設いたしまして、その新しい電柱に、これは電力柱の方でございますが、取りかえるに際しまして、有線音楽放送の線も乗っておったわけでございますので、これを一たん取り外しまして新しい電柱に仮の姿で、仮とめど申しますか、それをしておりましたところ、これが何らかの原因で地上三・五メートルのところにたれ下がった、そこのところへ木材を積んだ背の高いトラックが左折するときにこの音放線をひっかけて小学生の方に大きなけがをさせた、こういう事件でございます。
 この記事が出ました翌日に、これの上部団体でございます全国有線音楽放送協会の事務局長や専務理事を招きまして事情を聴取いたしますとともに、同時に、速やかに被害者に対する善後策を講ずるようにということ、あるいはまた今後は法を遵守してこの種の事故が再現しないよう十分注意をしたわけでございます。
 それからその後、府中警察や東京電力調布支社あるいは事故現場に出向きまして実情を把握いたしまして、さらに六月三日には関係音楽放送業者を招きまして厳しく指導することにしております。
 本件につきましての被害者に対する補償につきましては、現在電柱工事者と運転手及び音楽放送事業者の三者間の話し合いが行われてこの点だけは円滑に進んでおる、こういうふうに把握をしておる次第でございます。
 御指摘のように、これはこういうケースその他のケースもいろいろ出ておるところでございますので、私どもといたしましては、まず現行法のもとでの、いま電電公社の方からもございましたけれども、公社あるいは電力会社から無断添架に対してこれは私法上の関係に相なりますので仮処分の申請をしていただく、それから私どもの方も無届けに対しまして実は告発をするということでやっておるわけでございますが、ただ、その告発の点につきましては、検察当局の現在の有線電気通信法に対する届け出の書類の一定要件というものが、これはいわゆる電力会社や電電公社の添架同意書や道路占用許可書の添付を必要とするということで行政上の措置としてそういう条件をつけておるわけでございますが、これを告発した場合検察が公判を維持するためにはそれだけではどうも足らないという御判断があるようでございまして、実はこれは不起訴になったわけでございます。
 一方、道路占用許可という角度では道路法というがっちりした法律があるわけでございまして、建設省にもいろいろお願いいたしまして、最近ではこれが有罪判決が出たということで、私どもも非常にこれを機会にこの悪質な有線音楽放送事業者の正常化に向かってこれを転機にして強力な指導でもっていきたい、このように考えておる次第でございます。
 なお、立法論につきましては、後でまたお尋ねがございますればお答え申し上げたいと思います。
#125
○太田淳夫君 いまいろいろと御説明があったわけですが、やはりこの事件の原因の一つに、無届けでもやはりそういう架設がされますと有線電気通信設備となって勝手にこれは撤去することができなくなっちゃう、そこにもあるのじゃないかと思うんです。ですから、裁判所の強制撤去の仮処分がなくても、そういった違法施設を撤去ができるような何らかの法的規制というのが必要じゃないかと思うんですが、その点の郵政省の見解をお伺いしたいと思います。
#126
○政府委員(守住有信君) 私の前からの問題でございますので、いろいろ今後の法的な問題について研究しておるわけでございますが、第一は、いわゆる電柱所有者の自力救済という方向で何らかの強制力ある手段ができないかということをまず第一に考えたわけでございますが、この点につきましては、現行法治国家の法制度といたしまして、強大な力を持っておる電力会社あるいは電電公社でございますので、やはり現在の一定の裁判ルールと申しますか、その手続に従ってやるべきである、そういう方面への自力救済を法的に裏づけるような立法というのは現在の日本における法体系ではこれは非常に困難である、こういうことがあったわけでございます。
 それからもう一つは、今度は有線電気通信法という角度で何らかの手だてが講ぜられないか、こういうことを研究したわけでございますが、この面につきましては、御承知のとおり電力あるいは私鉄、建設その他いろんな自営の有線電気通信設備がある、それはすべて設置が自由でございまして、したがいまして、これは届け出による、こういう制度になっておるわけでございまして、ここにこの有線音楽放送だけを抜き出しまして、有線電気通信法の体系の中にこれだけを抜き出して許可制にするとかなんとかというのも非常に立法論としてむずかしい。やはりこれは有線音楽放送だけを抜き出しまして、一つは有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律というのが一方電波の方であるわけでございますけれども、これもまた有線音楽放送だけを法対象としておるわけではございませんけれども、何らか有線音楽放送だけを抜き出した単独法というふうな一つの方向かと思いますけれども、まだ研究中でございますが、そういう方向で事業業務の面と設備の面と両面からこの正常化に向かっての何らかのコントロール、規制というものができないかどうかというものを今後さらに寄り寄り詰めていきたい、こう思っておる次第でございます。
#127
○太田淳夫君 先ほどの局長のお話の中に、建設省の告発した道路法違反についての裁判の結果も触れてみえまして、非常に一つの大きな転機ということでとらえておみえになることはわかったわけでございますが、建設省としてもやはりこれは関東エリアだけの問題でなくて相当全国的にいろんな問題がある中での一つの決断を示されたのじゃないかと思って私たちも評価しているわけですけれども、この四月の有罪の判決の出されました概要、あるいはまた今後こういった違法行為をした場合には積極的に建設省としては告発を進めていくのかどうか、その点のお考えをお聞きしたいと思いますけれども。
#128
○説明員(山本重三君) ただいまお尋ねの今回の判決の事案でございますが、これは昭和五十二年六月、株式会社ゆうせん代表取締役辻俊二が、道路管理者の道路占用の許可を受けないで、東京都練馬区と板橋区内の国道二百五十四号線、それから足立区内の国道四号線及び千葉市内の国道十四号線、ここにおきまして合計三・六キロメートルにわたって電柱に、有線音楽放送線を無断添架しました事案でございまして、これに対しまして道路管理者でございます関東地方建設局長が監督処分を行い、撤去命令を出したにもかかわらず、これに従わなかったという事案でございます。
 今回の判決に至りました経緯につきまして多少さかのぼって申し上げますと、有線音楽放送線の道路不法占用問題につきましては、特に昭和四十七年から四十八年にかけまして非常に国会等でも問題としてお取り上げになられ、私どももこれに対する対策を真剣に検討いたしました結果、郵政省、建設省両省での申し合わせに基づきましてこの有線音楽放送線の占用許可等の手続の取り決めをいたしました。これに基づきまして通達を出しますとともに、これによりまして業界に対する強力な指導を行ったわけでございます。この結果、一時正常化の傾向が見られたわけでございますが、昭和五十一、二年ごろから再び不法占用が多発いたしまして、私どもは、五十二年の三月に関係業界団体に対して文書により業者に対する指導を強化徹底するよう要請いたしますとともに、不法占用いたしております業者に対して口頭あるいは文書による再三にわたる勧告を行ったわけでございます。
 これによっても全く改善されないという状況でございましたために、先ほど申し上げました特に悪質な事案三件につきまして、株式会社ゆうせんに対しまして道路法七十一条に基づきます撤去命令、いわゆる監督処分を行ったわけでございます。
 この監督処分の結果に対しましても事態が改善されないという結果でございましたために、道路法三十二条、いわゆる道路占用違反、それから七十一条のただいまの撤去命令違反、この二事案として告発いたしたのでございます。
 この告発の結果、警視庁に対しましては昭和五十二年の十二月十五日、千葉県警に対しましては五十二年の十二月十七日にそれぞれ告発を行いましたが、いずれの事案も五十五年の三月及び六月の時点に起訴されまして、その結果、両事案は併合審理され、本年の四月九日に東京地裁で、株式会社ゆうせんに対して罰金二十万円、代表者の辻俊二に対して罰金二十四万円の判決が言い渡され、確定したものでございます。
 この事案に対しまして、建設省としては、早速この判決の結果に基づきまして本年の五月十五日、関係団体に対しまして今後正常化を強力に進めるよう要請いたしますとともに、関係道路管理者に対しましても、今後この判決の成果を踏まえてさらに指導、監督の徹底を期するよう通達したところでございます。私どもといたしましては、関係業者がこの判決を謙虚に受けとめまして違法状態の解消に向けて努力されることを期待しておるわけでございますが、今後ともこれを機会に、郵政省初め関係機関と協力いたしまして正常化に向けて最善の努力をしてまいりたいと思います。しかしながら、今後こういった判決が出されたにもかかわらず不法占用の状況が継続するようであれば、さらに悪質事案に対しましては私ども道路管理上可能な法的措置をさらに強力に進めてまいりたい、かように考えております。
#129
○太田淳夫君 第九十三回国会におきまして、参議院でも有線音楽放送の正常化に関する請願、これが採択されて、その処理経過が政府から報告されているわけですが、それによりますと、「有線音楽放送事業に対する基本的姿勢を明確にし、」、こういうふうにあるわけですけれども、郵政省の基本的な姿勢ということを具体的に説明してもらえませんですか。
#130
○政府委員(田中眞三郎君) 郵政省の基本的姿勢でございますけれども、有線音楽放送事業というものは公共的な一つの社会的存在になっている、したがって、その健全な発達を図る必要があるということで、業界、業種としての位置づけを明確にいたしまして、そうした中で適正な競争ができるということを前提にして考えていきたいということでございます。したがいまして、違法な業者に対して厳しく対処するということはもちろんでございますけれども、適法な業者が公正な立場で自由競争できるようその環境を整備してやる必要があるというふうに考えておる次第でございます。そのための、具体的にはたとえば一柱一条の原則あるいは四者ルールというものにつきましても、多少実態にそぐわない面も出てきているという面もございますので、こうしたものを再検討する余地がないかどうか、その辺も含めて関係機関にも強力に働きかけているというのが現状でございます。
#131
○太田淳夫君 いま四者ルールとおっしゃったのは、郵政省、電電公社、建設省、それから電気事業者ということですか。
#132
○政府委員(田中眞三郎君) そのとおりでございます。
#133
○太田淳夫君 そうしますと、いまお話のありましたように、四者の話し合いの中でいま一柱一条の原則ということでされてきておるわけですが、その一柱一条の原則の見直しを、いま話し合いを進めているということですね。電電公社としてはどのようにお考えでしょうか。
#134
○説明員(前田光治君) この一柱一条の原則につきましては、電電公社の所有しております電柱は本来公衆電気通信業務のために使っておるものでございますが、これにほかの線を添架するという場合には、まず第一に公共的な目的のための設備を優先して添架するという方針をとっております。公共的目的のための設備と申しますと、道路の交通信号のための線でありますとか、あるいは火災報知機のための線、あるいは街灯、そのほか水防警報等々いろいろございます。その地域の地方自治体あるいは警察、消防といったところの御要望によって添架をしておるわけでございますが、その場合に、電柱に余裕が全然ございませんと添架をしろとお申し越しになっても直ちに応ずることができないという状態になりますので、まずはこういう公共的目的のためのスペースを確保したいということで現在一柱一条の原則を適用しておるわけでございます。しかし、いま郵政省の方からもお話ございましたように、この四者の打合会におきまして、この点についてもさらに検討の余地がないかということで、電線の保守上の問題、安全上の問題、それから技術基準上の問題いろいろございますので、目下いろいろと検討を進めておるところでございます。
#135
○太田淳夫君 さらに検討も進めていただきたいと思うんですが、先ほど監理局長からお話がありましたように、有線音楽放送も公共的、社会的な存在にもなっているというお話で私たちもその健全な発展を願うわけでございますけれども、いろいろとお話を伺った中にもありますように、設備の設置あるいは業務の開始等につきましては届け出制をとっておるところからいろいろな法的措置についても限界があり、違法状態が後を絶たない状況にあるのじゃないかと思うのでございますが、いま有線音楽放送だけを取り出して許可制にするのはなかなかむずかしいというようなお話もございましたし、また、ある面では単独法として検討中であるというようなお話もあったわけでございますが、いろんな事件等も起きておりますし、せんだっての衆議院の四月二十二日の委員会、あるいはその前のいろんな委員会等でもこの問題は論議されてきておるわけでございますし、一日も早く正常の状態に行くように私たちも願っているわけでございますけれども、この違法状態をそのまま放置するのじゃなくて、やはり現行の届け出制を改めて認可制等の法規制を強化する必要が私はあるのじゃないかと思うわけです。さらに四者でいろいろとお話し合いを進められていっていただきたいと思いますが、いずれにしても事件も起きていることでありますし、早くこれに対する結論を出されて正常化へ進んでいただきたい、こう思うわけですが、その点いかがでしょうか。
#136
○政府委員(田中眞三郎君) 郵政省といたしましては、有線音楽放送を何とか正常化したいということで、今日までいろいろ違法業者やあるいは車業者団体に対する強力な指導、あるいはさらに悪質な業者に対しましては告発するなど、いろいろできる限りの措置をとってまいったわけですけれども、現時点におきまして違法状態が依然として是正できないでおる、大変遺憾に思っている次第でございます。
 先生、ただいま現行の届け出制を許可制等に改めるということについての御提案がありましたわけですけれども、先ほど政策局長の方は、設備としてそれだけ有線電気通信設備の中で考えると大変むずかしいということをお答えしたのだと思いますわけでして、その他にいたしましても、大変私どももむずかしい問題だとは考えておるわけですけれども、なお放送、通信関係の法体系の中で業務面、先ほど設備面で政策局長はおっしゃたと思うのですけれども、業務面等も兼ね合わせた上で、大変繰り返すようですけれども、むずかしい面もございますけれども、なお関係機関とも協議いたしながら監督し機能をさらに強化すると同時に、先ほど申しましたような姿勢で有線音楽放送事業の正常な運営を何とか図るように立法化の問題も含めまして検討してまいりたい、そういう考え方でございます。
#137
○太田淳夫君 最後に、電電公社総裁がお見えになっていますので、総裁と大臣のお考えをお聞きして終わりたいと思います。
#138
○国務大臣(山内一郎君) 有線音楽放送のいろんな問題点を御指摘して御質疑があったわけでございますが、いろいろ原因があると思いますけれども、関係する官庁がたくさんあるということも一つでありますし、それから業者の競争が非常に激甚である。もう一点は、電柱の管理者からいけば一条だけにしてもらいたい。そういたしますと、そこで競合する面が出てくる。法制上、届け出が許可になればぴたりとなくなるかどうかわかりませんけれども、そういう点を研究する必要も当然あるわけでございまして、何とかして違法的な行為を、これはそう簡単にはいかないと思いますが、しんぼう強くいろんな点から検討しながらこういうことがないように、いままでも努力をしておりますけれども、一層の努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#139
○説明員(真藤恒君) 私ども、この問題についてはある意味の被害者でございますけれども、法体制あるいは行政措置ということによってこういうことができるだけ早く除かれていくことを希望しておりますが、現実の問題といたしまして、そういう違法の添架がありました場合には極力いろいろな合法的な措置でいま対抗策をやっておりますが、なかなか実際問題としてむずかしい面があるようでございまして、できるだけ早く法なりあるいは行政の面で根元を断っていただくよりほか、ハエを追うようなかっこうになっておりますので、そういうことを希望しております。
#140
○中村鋭一君 四月二十一日に行われました郵便貯金基本問題特別委員会にコラムニストの山本夏彦さんが御出席になったそうでございますが、どういう資格でお出になって、どういう内容の御発言があったのか、お教え願いますか。
#141
○政府委員(鴨光一郎君) 郵政審議会につきましては、郵政大臣から郵便貯金の今後果たすべき役割りにつきまして御諮問を申し上げておるわけでございます。御諮問申し上げましたのは一月二十二日でございますが、郵政審議会では郵便貯金基本問題特別委員会というものを設けられましてこの審議に当たっているというところでございます。
 いまお話のございました山本夏彦氏でございますが、四月二十一日に実施されましたその郵便貯金基本問題特別委員会のヒヤリングの席上に参考人ということで御出席をいただいて意見を述べられたということでございます。
 なお、山本さんは、作家あるいはコラムニストという立場から御発言をされておるわけでございます。
#142
○中村鋭一君 どういう内容だったんですか。
#143
○政府委員(鴨光一郎君) 概要を申し上げますと、郵便貯金にお金が集まったのは郵便貯金の方が得だからである、お金というのは水が低きに流れるのと同じように流れていくんだ、これに目くじらを立ててとめようとしてもとめられないものであるという御趣旨のこと。それから銀行と郵便貯金の大きな違いは、銀行は貸し付けを行うということである、銀行が貸し付けを行うのはわれわれに貸すのではなく大企業に貸している。それからまた、郵便貯金が全部財投に吸い上げられてそれが国民のために有効に使われているというのであればどこが悪いのか。郵便貯金に金が集まり過ぎるというのであれば銀行もよい商品を出したらいいじゃないか。このような御趣旨のことを発言されたわけでございます。
#144
○中村鋭一君 プレジデントという雑誌あるいは週刊新潮に山本夏彦さんはそのときのことを書いていらっしゃいますけれども、一貫して山本さんは、郵便貯金は真に国民のニーズに適合したものであり、そして集まったお金は財投に使われるのであるからまことに結構なことである、水の低きに流れるようにお金が郵便貯金に集まるのは日本のために慶賀にたえない、そういう御趣旨であったわけですね。
#145
○政府委員(鴨光一郎君) 御指摘のとおりでございます。
#146
○中村鋭一君 なお、たしか発言の中で、これは別に郵政省のコメントは要りませんけれども、預金というのはあらゆる税金を納めた後の残りであるから、それから生ずる利息というものは小さなものであるし、それに課税するということは実は二重、三重に税金を課することになるからそれぐらいの目こぼしはあっていいのじゃないか、余りそういうことにぐずぐず言わない方がいいというような御発言もあったんですね。
#147
○政府委員(鴨光一郎君) いま先生がお話しになりましたような御発言も確かにございました。
#148
○中村鋭一君 この点は、当然ながら郵政省が脱税の手助けをするといいますか、目こぼしをする、これはけしからぬ話でございまして認めるわけにはまいりません。私もこの発言についてはやや異論があるといいますか、ぐあいが悪いことだと思いますけれども、しかし前段の郵便貯金を国民の皆さんが非常に評価をされてそこへお金がどんどん集まってくる、それについてあるいは大蔵省あるいは民間の銀行がとやこう言うのは必要のないことだ、私も全く同感でございます。そういう点で郵便貯金が非常に発展をしてまいりまして、国民の皆さんがこぞって郵便局へ足を運ばれるようになる、あるいはまた国民の皆さんがお預けになるお金を国民の皆さんに、個人的に融資をする、非常に結構なことだと思います。
 さて、これはけさの大阪朝日新聞ですけれども、東京朝日にも出ておりますけれども、大阪朝日の場合は一面の大トップでございまして、「郵貯一段と伸び低迷 前年比五月は五五%減 財投繰り入れ”赤信号”」。せっかく山本夏彦さんが参考人として出てこういう結構な意見を出してくださった、郵便貯金が伸びている、いいことだなと思っておりましたら、こういう記事に接してぐあいが悪いなと私は考えているんですけれども、数字を具体的に挙げて、どのように郵便貯金の伸びが鈍っているのか、現実に財投に、赤信号がともったのかどうか。その辺についての御見解、それから具体的な数字をお教え願います。
#149
○政府委員(鴨光一郎君) けさの新聞に出ております内容につきましては、昨日私どもの方で五月中の増加状況等について発表いたした内容でございます。
 本年五月中の郵貯の増加額は五百二十一億円でございまして、前年の同期実績を約六百億円下回っております。五五%下回るという状況でございまして、五月の実績といたしましては最近の十年間で最も低調な増加額ということでございます。
 なお、ことしの一月から五月まで広げてみましたときの増加額、これも前年の同期実績を約四千百億円下回っております。実績額で申しますと一兆六百二十四億円でございますが、対前年比で二八%下回りまして、つまり七二%という数字でございますが、昭和五十年以降七年間で最も不振な増加状況ということでございます。
 昭和五十五年度につきましては、いわゆる金利天井感のもとでの、またマスコミの報道等によりまして関心が高められたこともありまして一時的な急増が見られたわけでございますけれども、実は五十二年度をピークにいたしまして年々低迷の度を深めているという状況でございます。
 財政投融資の計画額に対しまして五十四年度は実は三千億円ほど不足をしている状況でございまして、五十六年度につきましては四月、五月と二ヵ月入ったところでございまして、五十六年度中の郵便貯金の目標額、これがつまり財投の計画額中の郵貯分ということになるわけでございますが、それが果たしてどの程度になるかという点につきましては、大変見通しがつけにくい状況でございます。前年度でございますことしの一月から五月までの状況は、いま申し上げましたように対前年比が七二%というふうなことからいたしまして大変厳しい状況ではないかと、現在のところ私ども思っている次第でございます。
#150
○中村鋭一君 その厳しい見通しの理由ですけれども、具体的に幾つか特徴的なものを挙げていただきたいんですが。
#151
○政府委員(鴨光一郎君) これからの見通しを立てますにつきまして、あるいはこれまでの何ヵ月かの不振の原因でございますが、一つは、経済が安定成長という状態に入っております。その中で郵貯の伸びが密接に関連をいたしておりました家計可処分所得そのものが大きな伸びが期待できなくなってきたという状況、それから各種のローン、いわゆる消費者金融の残高が年々増大いたしております。これらに対する返済の負担が大きくなっているというふうなこと、それから個人の金融資産選択が預貯金のほかに国債、株式といった形で多様化する傾向が見られる、このようなことが原因ではなかろうかというふうに考えております。
#152
○中村鋭一君 いまおっしゃった理由は一々もっともですけれども、私、可処分所得あるいは各個人がいろいろな方面、たとえば国債とかをお買いになる、そういうふうにバラエティーに富んできた、なるほど一々もっともな理由だと思いますけれども、どうなんでしょう、貯金局長、私考えますのに、これはやはり特におととしぐらいから郵便貯金をいわば悪者のように言ういわゆる民間の金融機関等が激しい巻き返しに出て、その具体的なあらわれとして新規商品を開発いたしましたたとえば期日指定の定期預金等、こういったいわゆる民間の金融機関の巻き返しといいますか、よく言えば新規商品に対する開発努力が実を結んで、そして郵便貯金の見通しが厳しい、現実に郵便貯金が低迷してきているというところにつながっているのじゃないか、それが実は非常に大きな理由じゃないかと思うんですが、それについての御見解はどうでしょうか。
#153
○政府委員(鴨光一郎君) お話のございました民間の期日指定定期預金は、これは六月から、つまり昨日から新しく発売されておるわけでございます。したがいまして、今後の成り行きということにつきましては私どもも推測をするほかないわけでございますが、確かに民間がそういう努力をすることによりまして何がしかの影響があるのではなかろうかと思っておりますが、いずれにしましても、これから先の状況というものにつきまして私ども関心を深く払っているところでございます。
 なお、郵便貯金につきましては、たびたび申し上げておりますように、九九・二%が個人の貯蓄である、国民大衆の貯蓄であるという観点から、これまでもできるだけ皆様方に対するサービスに万全を期すというつもりでやってきておりますけれども、これからも十分そういった点について配意をしてまいるつもりでございます。
#154
○中村鋭一君 私が申し上げたいのは、そういうふうに民間もこの六月からですけれども期日指定定期等を開発して、そして国民に対するPRも一生懸命やっているわけです。ですから、郵便貯金が、国民の皆さんはわれわれを支持しているのだからこのままいくというふうに思わないで、ひとつ郵政職員打って一丸となって自信を持ってがんばっていただきたい、こう思うんですが、その辺について、大臣、一言御見解をお聞かせ願います。
#155
○国務大臣(山内一郎君) 昨年の主として七月から十一月まででございますけれども、四月に郵便貯金の金利が上がりまして、恐らくこれは最高であろうということがずっと国民の間に知れ渡り、現に最高になったのでございますけれども、そういうことで七月のボーナスのときから定額貯金にどんどん余裕のある方が全部定額にお入れになったというような現象があらわれたわけでございます。したがって、そういう点からいって、これも銀行の預金が全部行ったという意味でなくて、郵便貯金の通常貯金も定額に回る、銀行のいわゆる普通預金も定額と定期に回るということで、国民の方々がまず長期物に走ったというのが第一点の特徴があったわけでございます。
 そういうことからいきまして、ずいぶん郵便貯金がふえたという結果から、銀行の方は自分の方の預金が減ったのでいわゆる融資という点では非常に不自由をしてきている、さらには国債を引き受けておりますから国債の消化で大変だということで、郵便貯金の方も財投で国債を引き受けるように逐次転換していったわけです。そういう最中のところに十二月から利子が下がってしまった。こういうことで、昨年一生懸命お預けになった方が、半年もたちましたので金が必要であるので定額もひとつおろさざるを得ないということが、先ほど貯金局長が言ったいろんな原因のほかに私はあるのじゃないかと思っているわけでございます。
 したがって、郵便貯金がどんどん減れば今度は財投の余裕がなくなってくる。一般会計の財源も非常に窮屈である。それから財投も、これが余裕がなくなってくれば日本の経済というものはどういうことになるか非常に不安でございます。したがって、いろいろ言われますけれども、郵政省としては、いま御激励を受けましたように、私も各地に視察に参っておりますけれども、みんな集まったところで私が言っておりますことは、いろいろ言われるけれども、遠慮なくひとつ貯金を集めてくださいよ、これは全部国の産業あるいは環境整備とかいろんな公共的なものに使われて非常に有効に働いているのですからというようなことをいろいろ話をしているのでございまして、いまの御指摘のとおり、さらに一層貯金がふえるようにがんばってまいりたいと思っております。
#156
○中村鋭一君 ただいまの大臣の御答弁に私も全く同感であります。銀行は、個人から金を集めてほとんどは法人に貸しているわけです。ところが、郵便貯金は、九九%までがいわば零細な国民の皆さんの血と汗の結晶であるお金を預かって、そしてまたちゃんと個人に還元もしていらっしゃるし、財投にそれを使ってお国のためにお金を使っていらっしゃるわけです。ですから、私は郵政職員の皆さんがそのことをしっかりと腹の中にたたき込んでおいて、何の遠慮もすることない、お互いにオリジナリティーを発揮して新規商品の開発等にも常にさっそうたる知恵を出し合ってがんばっていただきたい、こう思います。変わって、先ほども太田委員がるる御質問になりましたので、私、簡単に質問をさしていただきますけれども、有線放送ですね、私もここにたくさん新聞の切り抜きを持ってきておりますけれども、たとえば京阪神なんかでもしょっちゅう不法な有線のケーブルをかけるという行為が摘発をされているわけなんですが、具体的にイリーガルにこのケーブルがかけられているということを発見するのはどこがその衝に当たっていらっしゃるんですか。いろいろあると思うんです。パトロールをやるとかしていらっしゃると思うんですが、どういうふうに摘発をしていらっしゃるんですか。
#157
○説明員(前田光治君) 電電公社といたしましては、電電公社の電柱には大事な公衆電気通信を扱っております線路が添架されております。これは平常、工事のある場合もございますし、それからふだん、それが完全になっておるかどうかパトロールをして保守的な作業をするということがございます。そういった日常外を回って歩く仕事がございますので、そういう際に現在までないものが添架されておりますと当然これは目につきますので、そういった機会に鋭意この不法な無断添架の設備というものの発見に努めておるわけでございます。
#158
○中村鋭一君 警察はどうなんでしょうか。
#159
○説明員(浅野信二郎君) 警察といたしましては、これは線を見ただけでわかるという能力も持ち合わせておりませんし、積極的な活動というのは行っておりません。
#160
○中村鋭一君 先ほども太田委員が指摘されたように、現在いろいろトラブルが続発しているわけです。ですから、警察としては何もやっていないというわけにもいかないと思いますが、もしやるとすれば、何を根拠に警察としてはそういった違法なケーブル添架についてそれを摘発なさるのか。もしそれができないとすれば、どういうふうにすれば警察としてはそういう違法な行為を取り締まることができるのか。その辺の御見解をお聞かせ願います。
#161
○説明員(浅野信二郎君) 警察といたしましては、犯罪捜査という観点からこの問題に関与しておるわけでございますけれども、この電線の無断架設に関しましては、その事態に応じまして、道路法違反あるいは有線電気通信法等の違反というものがございまして、こういう違反につきまして告発を受けた場合に犯罪の捜査を行うという形でやってきております。
#162
○中村鋭一君 いまの警察当局の御答弁も含めて、やはり私、具体的な施設面で、というのは、ケーブルを不法にかけるということはとにかくもっともっと積極的に摘発をしていかなければいかぬと思いますが、それについて法体系の面から、先ほども御答弁がありましたけれども、具体的に立法措置を講ずる意思があるのかどうか、それとも現行の法体系の中で十分やれるのかどうか、その辺をお聞かせください。
#163
○政府委員(田中眞三郎君) 郵政省といたしましては、悪質な業者に対しまして有線電気通信法及び有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律によって必要とされます届け書の無届け行為につきましては告発をしたわけですけれども、先ほども説明がありましたように不起訴となりましたわけでございます。
 ただ、先ほども申しましたように、有線音楽放送の正常化についてでございますが、その必要があるということですけれども、現行法で措置することについてはどうも限界を感じておる次第でございます。そういうわけで放送、通信関係の法体系のもとで何とかしたいということですけれども、かなりむずかしいわけでございますけれども、先ほどもお話し申し上げましたように、関係機関とも協議しながらやはり指導、監督をさらに強化する、それから有線音楽放送事業の正常な運営というものを図りたいという考えのもとで立法化の問題も含めて検討してまいりたいというのがただいまの私どもの考え方でございます。ただ、基本的に相当むずかしい問題であるというふうには感じておる次第でございます。検討を進めてまいりたい、こういうことでございます。
#164
○中村鋭一君 建設省は、この問題についてどのように規制し、どのように関与しておられるのか、それから今後どのようになさるおつもりなのか、お開かせ願いたいと思います。
#165
○説明員(山本重三君) この有線音楽放送線の道路不法占用問題につきましては、道路法上は、先ほど御説明申し上げましたように、道路敷地内に有線放送施設を設置いたします場合には道路法三十二条の占用許可が必要でございます。道路敷地内にこれらの施設を設置いたします場合には道路交通安全上または構造の保全上チェックする必要がございますし、当然許可をいただかなければこの結果がいろいろ重大な問題に影響してくるということで、私どもも道路法三十二条違反の事案等に対しましては今後とも道路法七十一条に基づきます監督処分を決定し、さらにこれによってなおかつ改善されない場合には道路法の関係規定の違反として悪質事犯に対しては告発等の措置もとってまいりたいと思います。
 今回の四月九日の東京地裁の判決を踏まえまして、先ほども御説明申し上げましたが、これを機会に関係業界が正常化を進められますように関係業界の代表に対しまして五月十五日に要請を行いますと同時に、関係都道府県を通じて道路管理者側におきましても道路法の違反事案に対する厳正な指導体制をとるよう要請、指導したところでございます。
 このほかに、私どもといたしましてとるべき措置といたしましては、たとえば実際に不法添架されているものにつきまして、これを即時強制で撤去することができません。したがいまして、もし撤去するといたしますれば行政代執行法によって措置する以外に方法がないわけでございますが、しかしながら行政代執行法自体も法律に厳しい要件がございまして、代替可能性であるとか、あるいは著しく公益に反するという公益性の問題、こういった問題がクリアできなければ代執行も思うようにできないわけです。そういうことからいたしますと、どうしても私どもとしては関係機関の協議によってこれを正常化を図っていくほかはない。
 なお、先ほどから郵政省の方からもお話ございましたように、私どもとしては、道路管理上のこの違反事案の問題というのはむしろ現象面の問題であろうかと思います。根本的にこの問題を解決するためには、熾烈なシェア争いをしております業界の秩序の根本的な改善がなされなければこの問題はいつまでたっても直らない問題だ。そういう意味で、今後とも郵政省御当局の御協力も仰ぎながら、業界の根本的な問題解決に協力しつつこの問題の解決に当たってまいりたいと思います。
#166
○中村鋭一君 まことに傾聴に値する意見でございまして、本委員もいまあなたがおっしゃったとおりだと思います。現象面の取り締まりよりも何よりも過当なシェア争いをきっちりと始末をつけていかなかったら、どうやったって結局どこかへはみ出してきて必ずまた問題が起こるわけでございますから、先ほどの太田委員の質問にもありましたけれども、そのことを私も強く要望しておきたいと思います。
 この有線放送の内容なんですけれども、放送局には各放送局で自主規制をしております要注意歌謡曲のリストがございます。私も放送をしておりましてよく笑い話に言ったんですけど、ラジオを聞いている皆さんからこれこれこういう曲をかけてくれという注文が参ります。それが要注意歌謡曲のリストにある場合には、電話に向かって、どうぞそれならば有線放送を聞いてください、有線では流しておりますから、こういうことをいつも申し上げていたんですけど、これは私質問通告しておりませんのであるいは御答弁をいただけないかもわかりませんが、この有線放送の中であるいは思想的な内容に言及する曲を流す、あるいは非常にわいせつな、だれが考えてもわいせつな曲を流すという場合にそれをチェックする法律はいまあるんでしょうか。
#167
○政府委員(田中眞三郎君) 有線放送番組の編集に当たっての考え方ということだと思いますけれども、放送法の第三条に「放送番組編集の自由」というのをうたっております。それからまた放送番組の編集の準則という形で放送法の四十四条第三項に、「公安及び善良な風俗を害しないこと。」、あるいは「政治的に公平であること。」、あるいは「報道は事実をまげないですること。」、あるいは「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」というのがございますけれども、これらをすべて有線放送の場合にもいま申しました放送法の規定を準用することになっておる次第でございます。
#168
○中村鋭一君 監理局長、具体的に申し上げますと、数年前ですが、大阪で「キンタ澳門に着く」という曲が有線で大変流行いたしました。夜スナックなんかに行きますと、しょっちゅう、ひっきりなしにこの「キンタ澳門に着く」という曲が流れるわけです。続けて言っていただくとわかるんですが、これを際限もなく歌うわけです。「キンタ澳門に着く」ならいいですが、これを続けて言うわけですから。それをいろいろに言いかえてやるわけです。これはどうもぐあいが悪いじゃないかという声があったんですが、こういうのはどうしようもないという当局の御返事でございましたけれども、したがって具体的に、そういったいわゆる普通の放送局ならば絶対にかけないような要注意歌謡曲は現実の問題としていま有線放送ではかけないようになっておりますか、それとも野放しですか。
#169
○政府委員(田中眞三郎君) 私、いまのお話のような事実を存じていなかったわけですけれども、一応具体的な番組について申し上げるのは差し控えたいと思いますけれども、いま申し上げましたように、放送法四十四条の第三項で「公安及び善良な風俗を害しないこと。」という明文もあるわけですが、それが具体の例におきましてどうなるのかは、その向きの県に御相談申し上げなければならないというふうに考えております。
#170
○中村鋭一君 これもいろいろあると思いますけれども、常識的に考えて公序良俗に反するような歌謡曲、すなわち各テレビ局、ラジオ局において自己規制をいたしまして要注意歌謡曲のリストに挙げられているような曲、これは現実にはたくさんあるわけです。そういうものは有線放送でも流さないようにするのが私、良識というものだと思いますので、その面でも警察庁、郵政当局の格段のひとつ御研究をお願いしておきたいと思います。
 以上で、私の質問を終わります。
#171
○山中郁子君 きょうは、私は、郵政互助会の問題について、その事業のあり方並びに郵政当局の管理監督、指導の改善などの問題についてただしたいと思います。
 郵政互助会は、郵政大臣の監督下にある公益法人でありまして、当然その事業また活動について公益法人としてのあり方が問われるわけですけれども、後ほど具体的な問題についてお尋ねいたしますけれども、まず郵政互助会の設立の趣旨とか目的についてお伺いいたします。
#172
○政府委員(岡野裕君) 郵政互助会でございますが、先生御存じかと存じますが、昭和二十九年の十月に民法の三十四条に基づきまして設立されました公益法人でございます。
 当初から、郵政職員の相互扶助というようなことを目的といたしまして、あるいは退職給付事業でありますとか、あるいは災害見舞い、あるいは会員貸し付けといったような事業を主とするものでございます。
 営業状況につきましては、目下のところ、加入者は、大体郵政職員等二十六万三千人、加入率は八三%というようなことで、いまお話しをいたしましたような営みをしているということでございます。
#173
○山中郁子君 目的及び事業は、いま局長がお答えになりましたように、「郵政省職員の相互扶助を行い、もって郵政省職員の福祉増進と郵政事業の発展とに寄与することを目的とする。」、こうなっております、目的につきまして。それで、八十数%の郵政職員の方が加入をしていらして、それぞれお金を出してこの目的に照らした利益を受ける、こういう公益法人であるわけなんですけれども、この郵政互助会が出資をしている会社、いわゆる子会社ですけれども、これはどんなものがありますか、お尋ねをいたします。それと、それぞれの出資金ですね。
#174
○政府委員(岡野裕君) 先生おっしゃいます互助会の関連の会社と申しますか、子会社と申しますか、四つ主なものがあろうかと存じます。一つは日本弘信産業株式会社、それから弘信商事株式会社、弘信観光株式会社、これに互興建設株式会社、この四社ぐらいになろうかと思っております。
 設立は、日本弘信産業が昭和三十七年四月でございまして、資本金は、会社としては二億円、互助会の出資は一億九千九百八十万円、こんなふうになっております。
 それから弘信商事の方でございますが、これは昭和三十八年十月の設立でございまして、資本金は、会社といたしましては二億五千万円、互助会の出資いたしております額一億九千九百八十万円、ちょうど弘信産業と同じ額の出資でございます。
 それから弘信観光株式会社でございますが、これは昭和三十九年の二月の設立でございまして、資本金は会社として八千万円、互助会当局からの出資も同じく八千万円、全額出資ということでございます。
 それから最後にお話しをいたしました互興建設は昭和五十二年八月の設立でございまして、資本金は二億五千万円で、互助会の出資は二億四千九百八十五万円。
 設立あるいは出資の額はそんなところでございます。
#175
○山中郁子君 四つのいわゆる子会社があって、弘信商事は、これは二億五千万の資本金のうち約二億が郵政互助会の出資である、ほぼ八〇%に、当たると思いますけれども、その他の三つの子会社は出資金は郵政互助会のほぼ一〇〇%出資、一社のみが八〇%ということになっていると理解いたしますが、そのとおりでしょうか。
#176
○政府委員(岡野裕君) 細かな計算をいたしておりませんけれども、おおよそのところ先生のおっしゃるとおりだ、こんなふうに存じます。
#177
○山中郁子君 ところで、この郵政互助会につきましては、郵政大臣の所管に属する公益法人の設立及び監督に関する省令という省令で、設立のときはもちろんですけれども、毎年度の業務報告、事業計画、収支予算の報告、理事の異動等の届け出、またさらに、その省令の九条では業務の検査、こうした権限を規定しておりますけれども、これの趣旨はどういうものですか。
#178
○政府委員(岡野裕君) 郵政互助会は、冒頭お話を申し上げましたように、民法の三十四条の規定に基づいて設立を許可されました公益法人でございます。それからまた、これの監督につきましては、公益法人なるがゆえに民法の六十七条で主務官庁がそれぞれ業務を監督する、以上の定めになっているところでございますが、これらの法文に基づきまして、当省といたしましては、先生お話しの郵政大臣の所管に属する公益法人の設立及び監督に関する省令、昭和四十八年当時でございますが、これを制定いたしまして、その設立の許可あるいは監督に当たるということでございますが、骨子といたしましては、この省令の中身でございますが、事業の運営状況あるいは資産の管理の状況等を重点といたしまして、当該公益法人として、その運営が適切であるかどうか、あるいはまた法令に違背をしていないかどうかなどという点につきまして、あるいは指導をし、あるいは監督をするということでございます。
 これらの中身は、実際的には、一つは寄付行為に定められたとおりの業務執行をしているであろうかどうか。公益法人としての認可を受けておりますものですから、当然そういう観点から監督をする。あるいはまた財務面についても、いたずらに粉飾決算などというようなことがあってはならないというようなことで、これらが適正処理をされているであろうかどうか。あるいはまた第三点といたしまして、業務執行といいますものが正当な決議機関を経て行われているかどうかなどというようなことに着目をいたしまして監督いたします。
 しからば、それらの監督はどのような手続、方法でなされているかという点でございますが、これはいま先生のお話しなさったとおりでございます。あるいは事業計画書、あるいは収支決算書、業務報告書、財産目録、貸借対照表等々といいましたような書類を毎年徴収いたしまして、これにつきまして必要な命令を行い、あるいは必要がある場合には立入検査までも行うというようなことで指導をし監督の任に当たっている、こんな次第でございます。
#179
○山中郁子君 要するに、その活動が公益法人たるにふさわしい、その目的、設立の趣旨にふさわしい活動が行われているかどうかということにかかわって、それらの郵政省としての監督の責務もあるし、また権限も省令で決められている、このことには間違いないと思いますけれども、いかがですか。
#180
○政府委員(岡野裕君) おっしゃるとおり、公益法人として設立をされたものが公益法人らしい業務執行をしているかどうかというような観点から指導し監督をするということでございます。
#181
○山中郁子君 そうしますと、先ほどお伺いいたしました子会社、つまり四つの会社ですけれども、これは郵政互助会の一〇〇%ないし八〇%、そうした出資によってつくられている子会社にも、いま私がただしました郵政省としての立場、つまり公益法人たるにふさわしいという、そういう立場での何らかの姿勢が郵政省としても求められているというふうに理解してよろしいですか。
#182
○政府委員(岡野裕君) 郵政省といたしましては、郵政互助会そのものは先ほどもお話をしましたような私どもも設立許可に係りますところの公益法人でございますので、当然の監督をし指導をする責任と権限とを持つわけでございますが、先生がおっしゃいます関連会社と申しますか、系統会社、子会社、これの事業運営につきましては直接郵政省は監督権限を持つものでございませんものですから、郵政互助会から十分指導をするように私どもとしては心がけているというような実態でございます。
#183
○山中郁子君 具体的にどういうふうにおやりになっているかということは、細かいこといまお伺いする時間はないんですけれども、郵政省としては責任はある、このように考えているということで理解してよろしいんですね。
#184
○政府委員(岡野裕君) 公益法人でありますところの郵政互助会につきましては、郵政省といたしまして直接の責任があり、直接の権限があるということでございます。
#185
○山中郁子君 私は、子会社に対していま申し上げている。互助会に対してはもちろんのことです。子会社に対してもそのような郵政省としての責任はある、求められているんだ、このように理解してよろしいかと伺っているんです。
#186
○政府委員(岡野裕君) 先生がおっしゃいます子会社、先ほどお話をいたしました四つの会社につきましてはこれは互助会系統の会社である、そうしてまた互助会が公益法人であるというような意味合いにおきまして公益法人の子会社としてふさわしいようなそういう業務内容になってほしいというような意味合いで互助会には話をしているところでございます。
#187
○山中郁子君 これは五十年の十月十四日に、当時の村上郵政大臣から当時の郵政互助会の森田行正会長にあてて「財団法人郵政互助会に対する検査の結果について」ということで大臣勧告が出されております。その中の一つ、これは二項目ですけれども、「日本弘信産業株式会社の経営改善について」ということで勧告が出されているんです。これは私、当然のこととして郵政省が、互助会が一〇〇%出資をしている、そうしたほぼ一〇〇%出資をしている子会社に対しても、いま私が伺っておりまして、局長からはそれを肯定するような余り肯定したくないようなちょっと答弁があるんですけれども、当然のことながらそうした郵政省としての責務があるからこそ郵政大臣が互助会に対して弘信産業株式会社の経営改善という問題で項目を挙げて大臣勧告をされたと理解しておりますが、その点については大臣の御見解をお伺いいたします。
#188
○国務大臣(山内一郎君) 郵政互助会は、郵政大臣の認可をいたしております財団法人でございます。したがって寄付行為――定款でございますけれども、それを決定することから毎年の計画、決算等についてやはり監督の責任があるわけでございます。そこで、互助会がやっている事業についても私は責任があると思いますが、全額出資している子会社の細かいところを見るまで手が及ばないといいますか、それは互助会でひとつ事実上責任を持ってやってもらっている、こういうふうに解釈をいたしております。
#189
○山中郁子君 具体的に、村上郵政大臣の当時、弘信産業株式会社の経営改善についての大臣勧告をされていらっしゃるわけですから、当然基本的な考え方として、郵政省が、互助会が一〇〇%。出資している子会社の事業についても公益法人たる互助会の性格に照らしてあるいは関連してそうした勧告もしているということで、郵政省としての責任が理念としてこの互助会に対する姿勢が同様に確立されていなければならないと思っておりますけれども、それは大臣のお考えとしても変わっていないということですね。
#190
○政府委員(岡野裕君) 互助会の営みは、冒頭お話をいたしましたように退職給付事業にあるということでございますが、この退職給付事業は、その中身をお話をいたしますと、先生あるいは御存じかと存じますが、会員から毎月その俸給の三%に当たる金額のものを掛金として納入をしていただく、そうして本人の退職または、これは死亡などということもあるわけでございますが、というようなときに一時給付金を給付するということを事業内容とするわけでございます。しかも、その二十六万三千人といいます郵政省の八三%の職員の諸君がこれに加入をしているということでありますならば、この退職給付事業というものが円滑裏に行われるというようなことは当然要請をされなければなりませんし、私どもも互助会を監督する場合に当たりましてこれが保証できるようにという角度から眼をこらしているというのが実態でございます。
 そういうようなことで、しからば掛金ということで集まってまいりましたものを十年後、二十年後、三十年後退職一時給付金ということで支給をします場合には、その掛金の運用ということをどうしても必要とする。ということでありますならば、これは長期の安全な、しかもある程度の利率を確保するというような運用であらねばならないという、そういうような角度の中からあるいは弘信商事あるいは弘信産業といいますような子会社というものもできてまいった。ということでありますならば、やはり弘信産業とか弘信商事といいますものの会社の営みが経営としておかしくなりますならば退職給付事業そのものがおかしくなるというようなことがあってはならないという意味では私どもは十分眼をこらしているという次第でございます。
#191
○山中郁子君 こういうふうに例えばはっきりすると思うんですけれども。直接のものではなくて子会社であるから、出資関連会社だからどんな営業をやってもよろしい、反社会的な業務があってもいい、重大な損失を会員に与えるような結果になっても勝手であるというようなことでは当然ない、そうしたことに関連しての郵政省としての、郵政大臣としての、局長の言葉をかりれば眼を光らすというんですか、いずれにしてもそうした立場、責任はおありになる、こういうふうに理解してよろしいですね。大臣のお考えを伺います。
#192
○国務大臣(山内一郎君) 互助会から出資をいたしておりますから、これはやっぱり互助会の一つの仕事でございますから、それが健全であるかどうかということは当然監督の責任があると解釈しております。
#193
○山中郁子君 それでは、具体的にお尋ねをいたします。
 一つは、宮城県富谷町泉ケ丘ニュータウンというところがあるんですけれども、ここの隣地に郵政互助会の所有土地があります。これは現在郵政互助会が所有するということで登記をされています。現在開発造成中でありますけれども、この土地の面積、それから購入先、購入価格、購入時期について、それぞれお尋ねいたします。
#194
○政府委員(岡野裕君) 先生のお話がございまして早速調べましたところでございますが、調べ得ました限りにおいてお答えをさせていただきたいと存じます。
 まず、宮城県富谷町の互助会所有に係る土地の面積でございますが、これは十六万五千平方メートルでございます。約五万坪。
 それから購入時期でございますが、これは昭和五十四年の三月末ということになっております。
 それから三点目、購入先でございますが、これは盛岡に所在いたしまするところの橘産業株式会社というところから購入をしたものでございます。
 四点目、価格は六億円というような数字になっております。
#195
○山中郁子君 ちょっと簡単にお伺いしますけれども、これは五十年から五十一年当時、坪当たり五千円、いまのお話ですと五万坪で六億円ですから坪当たり約一万二千円となりますけれども、どうも私、坪の方がわかるので、それで申し上げますけれども、坪当たり五千円ということで話し合いがついていたものなんです。それが当時の互助会の会長森田行正氏の指示で購入は見合わせていた、購入しないという結論に達したものなんです。
 それで、これはいろいろ経過がありますけれども、橘産業という業者のさまざまな問題点がありまして、これは互助会の資料その他でも明確にかっているんですけれども、そういうことから購入はしないということの結論になった。ところが、その後この会長がかわりまして、いまお話があった五十四年三月に坪当たり一万二千円という、この五千円と比べれば二・四倍の価格で購入しているんです。
 これは背景としては、時間がありませんから私申し上げますけれども、町としては、該当地は調整区域で公的性格を持った開発主体でなければ開発できないという制限があったんです。ですから、八年間も橘産業としてはこの土地を抱え込んでいたんです。それなのに、なぜ一たん五千円で話がついたものを、その後、購入しないことになったものを三年後に一万二千円もの高い値段で、しかも調整区域ということでいろいろな瑕疵があったそういう土地を六億という莫大なお金を使って購入をしたのか。この点はいかがですか。
#196
○政府委員(岡野裕君) 先生のお調べも伺っているところでございますが、私どもが互助会から聴取をいたしておりますところによりますれば、この土地は昭和五十二年七月以前は市街化調整区域であった由でございます。そのころの市街化調整区域の土地としての評価といいますものはいろいろのことがあったかと存じますが、五十二年の七月に市街化区域に編入されることになった由でございます。というようなことで、先生がおっしゃいます全体では六億円、坪一万二千円ということで橘産業からこれを購入したものである。もとよりその市街化区域には入ったのですけれども、在来が調整区域であったというようなところから県のこれの開発についての考え方というものがございまして、どのような機関でも開発行為を営んでよいということではない、ぜひ準公共的機関が主体となってやってもらえないものであろうかというような御意向もあったりなんぞいたしまして、これを外しまして、互助会と、それからいまのところ宮城県の労働者住宅協会も一緒だそうでございますが、それぞれ約五万坪を購入し土地の区画整理事業に携わっている、こんなふうに聞き及んでいるところでございます。
#197
○山中郁子君 価格がそれじゃ五千円から一万二千円にはね上がるというのはどういうことですか。一たん五千円で話がついているんです、それはおたくも御承知だと思うけれども。しかも、それは郵政互助会でなければ買えなかったわけでしょう。売れなかったわけでしょう。だったら、そういう条件のもとで何でこんな高いお金で六億の土地を買うのか。いろいろな風聞がこれについては出ているということははっきり言われているんです。政治献金絡みです。
#198
○政府委員(岡野裕君) 坪単価五千円というお話につきましては、申しわけございません、私、細かく存じ上げておりませんのですけれども、しかし五十二年七月以前の市街化調整区域時代は先生がおっしゃいますような坪五千円というようなこともあるいはあったかと存じます。しかしながら市街化区域に編入をされたということで一般住宅等広い分野にわたって建物を建ち得るということになりましたので、多分その坪当たりの単価というものも上がってまいったのであろう、こう思うわけでございますが、しかし全体として六億円、坪一万二千円という買い入れ価格につきましては、正直言いまして、例の大規模の開発用の土地を売買いたします場合には、先生御存じのとおり、国土利用計画法の二十二条の第一項でございますか、都道府県知事からの確認通知を受けた価格の範囲内でなければならないという定めがあるわけでございますが、本件一万二千円という坪単価につきましてはこの確認通知を受けた価格の範囲内であるというようなことに私どもは伺っているところでございます。
#199
○山中郁子君 これはお調べになって後ほど御報告をいただきたいというふうに思います。つまり五千円ということは知らなんだとおっしゃっているけれども、それは森田元会長にお尋ねになればすぐわかることです。そういうことで一たん決まったけれども、橘産業という業者に問題があるから買わなかったという経過があるんです。ですから、そういうものがその後そういう形で購入された。いまその範囲内とおっしゃったけれども、その合理的な根拠をお調べになって、きょうでなくて結構ですから御報告をいただきたいと思います。
 この橘産業の問題との関連で一つだけちょっとお尋ねしておきますけれども、こういうこととの関連でこういう問題があるんです。当時、仙台市の全逓会館の屋上に橘産業の広告塔が建てられていて、そしてこの広告塔の電気料金を、年間約百万円になるというんですけれども、弘信産業が払っていた。つまり橘産業という会社のいろんな問題があるということからの一つのあれとして言われていることですけれども、具体的にそういうことがあったのかどうかだけちょっと教えてください、この点について。
#200
○政府委員(岡野裕君) 実は私が調べました中で、仙台の郊外に泉ケ丘ニュータウンという土地造成をやり、これを分譲しようということの目的のPR塔でございますが、これが昭和四十九年五月当時、仙台にありますところの全逓会館の屋上に建設をされたということでございますが、これは当該泉ケ丘ニュータウンは日本弘信産業が売り主となり、それから橘商事が言いますならば販売委託をするというような形で造成分譲をいたしたわけでございますが、そういったところからこの広告塔につきましては日本弘信産業とそれから橘商事とが折半をいたしまして建設をしたものであるというような意味合いで、その後の維持のための経費につきまして、おおよそ百万円の由でございますが、これは売り主でありますところの日本弘信産業が負担をしたのだ、こんなふうに聴取をしているところでございます。
#201
○山中郁子君 これは弘信産業がやっぱり電気料を払っていたということなんですね。
 それで、互助会でもう一つただしたいのは融資の問題なんです。互助会では会員外には融資をしないというようになっていると伺っています。それは当然だと思います。その経過としては、一つ一つ申し上げませんけれども、過去にいろいろな会員外に対する融資問題があったわけですね。いろいろ問題になって、たしか国会でもそのことが議論されたことがあるというふうに私は議事録を拝見いたしましたけれども、その結果、現在は会員外に対する貸し付けは原則としてしていないということのように伺っていますけれども、これは事実かどうか、その趣旨はどういうものなのか、お伺いいたします。
#202
○政府委員(岡野裕君) 昭和四十五年当時、私どもが郵政互助会に指摘をした事項の中に、買い戻し特約つき不動産売買契約というようなものを営んでいるが、これはやはり言いますならば貸金業に当たるので互助会としてはふさわしくないのではないかという指摘をいたしましたところ、直ちに互助会当局としてはこのような買い戻し特約つき不動産売買契約は行わないこととしたというふうになっておりまして、それ以降、言いますところの貸金業に類似しますような業務は一切遠ざかっているというのが実態でございます。
#203
○山中郁子君 それにもかかわらず、これは五十一年三月の時期に行われた評議会の前後、事実として私も関係者から証言を聞いているんですけれども、KDDに対して二十八億円の融資をしているということが問題になっている。これは評議会で問題になったという意味ではありません。この評議会の時期の前後にということです。まず、これが事実なのかどうか、それからどういうことのために行われていたのか、お伺いします。
#204
○政府委員(岡野裕君) お話の次第もこれありまして一生懸命調べてまいったのでございますが、実はいささかほっとしているところでございます。
 といいますのは、郵政互助会が、これは昭和五十年十月当時でございますが、大阪国際電話局舎といいますKDDの出先機関の建物、これをKDDの依頼によりまして折半経費負担で建設をしたということがございます。このときに全体の建設所要額は五十五億円だったわけでございますが、折半ということで建設費二十七億円を互助会としては投資をした、したがって、それに見合いますところの賃貸料というものを受けているというのが実態でございまして、お金を貸したのではございませんで、金を使って建ててビルを貸しているということでございます。
#205
○山中郁子君 いまおっしゃった最初のところがよくわからなかったんですけれども、大阪国際電話局舎を互助会とKDDがそれぞれ投資をしてつくったというんですか。ちょっと、もう一度教えてください。
#206
○政府委員(岡野裕君) 大体、先生がおっしゃるとおりでございます。
 大阪国際電話局舎といいますのは、全体で五十五億円の投資によりましてでき上がったものでございますが、その五十五億円中の二十七億円、これは互助会が投資をしたものである。したがいまして、KDDに互助会が金を貸しまして建てたものではなく、互助会みずからが二十七億円の金を投資しまして建ててこれをKDDに賃貸をする。よってもって賃貸料を取りまして経営の一環に資することにしているという次第でございます。
#207
○山中郁子君 何で互助金がKDDの局舎建設に投資をするんですか。そしてKDDに貸す。つまりそういうこと、たくさんいろんなもの、それが郵政互助会の会員の福祉の増進とかそういうものとどういう関係があるんですか。
#208
○政府委員(岡野裕君) 現在、互助会の資産は一口に一千四百八十億円である、こう言っているわけでございますが、これは先ほどお話をいたしましたようなことで、将来に退職一次金というようなことで支給をしなければならない。その過程の中でこれを安全、確実、有利に運用しなければならないというような意味合いで、目下のところ約六〇%を有価証券株式等々に、それから三五%を不動産投資、残りの五%を会員貸し付けにというような形で運用をしているわけでございますが、いまお話をしました第二番目、不動産の投資というようなことで運用をする運用のあり方の一環といたしまして、ビルを建てまして、これから賃貸料収入を得て、そして有利、確実な運用に回すという心がけをしているわけでございますが、その中でやはりKDDといいますような大きな会社でありますならば貸し倒れその他というような心配もないのではないかというようなことから、KDDの委嘱を受けまして、いまお話をしましたような不動産建築をしている。これはKDDにつきましてはほかに職員宿舎などの建築もいたしているわけでございますが、KDDだけではございませんで、郵政省の職員宿舎などにつきましても互助会当局に相当大がかりな宿舎建築をしていただいて、私どもがこれを借り入れて職員宿舎に充てているという実態もございます。
#209
○山中郁子君 私、一般論で言っているのじゃなくて、この時期にKDDが金がなくて郵政互助会から投資してもらうなんということはあり得ないんですね。いまそれ以上のことはあなたの方でわからないと思いますからですけれども、これはKDDの方にも伺うわけだけれども、どういう事情で二十七億というお金を、この時期にKDDがうんとお金を持っていて、その後のKDD事件の問題ともいろいろ絡みますけれども、この時期に郵政互助会が二十七億もの投資をするというような条件にはなかったということを状況として私は指摘をしておきますが、後ほどその詳しい経過を、KDDがお金がなくてどうしても出してくれ、そうしなきゃ大阪国際電話局舎がつくれないというようなことであったのかどうかは後ほどで結構ですので、もし何か事情がそちらのサイドからおわかりになればお知らせをいただきたいと思います。
 それからこれはまた新聞などでも報道されておりましたんですが、日原造園に対する弘信商事の融資の問題です。これは弘信商事、つまり子会社の融資の問題なんですけれども、日原造園に対して三十億という巨額に上る融資がされているという報道がされました。これは三十億じゃなくて、いやあれは五十六億なんだ、六十億にもなっているんだという話もございます。これについては事実はどうであったのか、融資総額は幾らなのか、お答えをいただきたい。
#210
○政府委員(岡野裕君) 互助会から聴取をいたしました内容なのでございますが、弘信商事が日原造園に融資をいたしました額は、それぞれの年度によって若干の差が出てきているわけでございますが、一番額の大きかったのは昭和五十二年五月から七月当時、これが三十億円であった、しかしながら今日におきましては、五十六年の六月現在でございますが十億五千万円になっているというように聞いているところでございます。
#211
○山中郁子君 そうすると三十億貸したということですね、弘信商事は。これは「互助会東京だより」というのを見ますと、弘信商事が日源造園に融資したその問題について答えている中で二十六億円貸したんだと言っているんですね。それでこれは全部五十五年十一月に弁済されている、こう書いているんですけれども、それじゃ、そうではなくて十億五千万まだ残っているということですか。
#212
○政府委員(岡野裕君) いろいろな時期に額が変わってきていると思いますのですが、私の調べましたところでは、たとえば昭和五十二年五月から七月ごろは三十億円であった。それから「互助会東京だより」に二十六億円というような数字が挙がっていた由でございますが、これは五十二年の三月末現在の数字だ。それから二十八億円というような報道記事も新聞などにあったようでございますが、これは伺いましたところ五十五年六月現在であった。しからば今日はどうかということで調べましたら、今日六月一日現在では十億五千万円であるというようなことで、貸した額もいろいろでございますし、返済もいろいろな時期になされているというようなことで、いろいろな数字が残高として先生のお耳にも入っているか、こんなふうに思うところでございます。
#213
○山中郁子君 いろいろな時期のいろいろなとおっしゃっても困るので、この「互助会東京だより」はことしの五月十五日発行の「互助金東京だより」です。これは五十五年十一月に弁済されていると書いているんですけれども、それじゃそうじゃないんですね。とにかくこの時期に「互助会東京だより」にはそう書いてあるけれども、十億五千万円はまだ弁済されていないということですね。そこだけちょっとはっきりしてください。
#214
○政府委員(岡野裕君) 先生がお持ちになっております資料、私、手元にございませんので、また後刻、いただきました上で互助会当局に尋ねてみたいと存じます。
#215
○山中郁子君 ちょっといいですか、お示しして。
#216
○委員長(福間知之君) はい。
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕
#217
○委員長(福間知之君) 速記を始めて。
#218
○山中郁子君 いま申し上げましたように、互助会の方では「互助会東京だより」で弁済してあるんだから問題ないんだ、こういうふうにおっしゃっている。私の方の調査でも十億円以上残っているんですね。いまあなたがおっしゃいましたように十億五千万まだ残っているということでしょう。それで、そこにも出ておりますけれども、一応弘信商事としては十億を目安にしてそれ以上の融資はしないというようにしている。これは内規があるように承っておりますけれども、いまお話がありましたすでに二十六億だとか、あなた御自身もお認めになった三十億の融資だとか、すでにしているんですね。そういう実態は私はやっぱり乱脈融資だと思います。そしてさらに融資をした先の日原造園が御承知のようにさまざまな問題が起こっているわけでしょう。これだって政治献金絡み、いろいろな問題ですよ。そういう融資のあり方は問題じゃないですか。このことを私は申し上げたかった。
#219
○政府委員(岡野裕君) 弘信商事の融資の限度が十億円であるというような先生のお言葉なのでございますが、これにつきまして、そのような内規というようなものは弘信商事当局として一切ない、こんなふうに聞いております。ただ取締役会の構成メンバー諸君の間でやはり十億円ぐらいがちょうどめどとしてはいいのではないかというようなことで運用をしてまいったというようなことはあるわけでございますが、本件につきまして一時三十億円の融資が行われたという点につきましては、私どもも互助会当局にこれを問いただすように指示をしまして、その結果が参っておりますので、ちょっと御披露してよろしいでございましょうか。
#220
○山中郁子君 簡単にお願いできれば……。
#221
○政府委員(岡野裕君) 正直言いますと、日原産業に対しますところの融資が三十億円という数字になっているわけでございますが、昭和四十七年当時に、富士山に大沢崩れというようなことがございまして、これの砂防工事に必要な土地を日原造園さんというものが買収をした。そのときに金額が多少不足をするというような意味で一億円の融資を弘信商事としていたしましたのがそもそもの初めであるが、その後、創価学会御当局が富士桜自然墓地公園造成というものを非常に大規模に行われるようなことになりまして、それとの関連で融資をしてまいった。しかしながら、この日原産業がこの富士桜自然墓地公園造成に当たりましては一括的に請け負うことになりまして、創価学会御当局からはその資金といいますものの代理受領を弘信商事にやってほしいというようなことで弘信商事が委託を受けまして代理受領をいたしましたというようなことで、十億を超します額を貸し付けましてもそれが貸し倒れになるというようなことは万々ないというようなことでこういうような融資額になったものである。しかしながら今日におきましては、先ほど来お話をいたしましたように十億五千万円というようなことに現在相なっているというふうに聞き及んでおります。
#222
○山中郁子君 私、いまそちらにお貸ししたんですけれども、弘信商事では十億を目安にしているということは互助会自身がそういうように言っているんですね。だから、そのことから私はいま申し上げましたんですけれども、一つは、それじゃ十億五千万の弁済の展望と、それから今後ともそういうふうにおやりになるのか。私はそういう点での、それは十億がいいとか五億がいいとかということなんか申し上げません。互助会の一〇〇%出資金で設立されている会社の融資ということには、公益法人の互助会の性格に照らしておのずから節度が必要であろうということを申し上げているんです。そういう観点から、いまいろいろおっしゃったけれども、それじゃこれからだって事と場合によっては三十億、五十億、六十億の融資をするのかということが一つです。日原造園自身のいろいろな社会的な問題になっている点がある。私はきょうはそのことについてまでも入る時間ありませんけれども、そういう観点で申し上げていますので、私が言っていることからいって、やはりこういうことが好ましくないのだということで郵政当局としても指導、改善していくんだというふうにはっきり考えていらっしゃるなら、そういうふうに答えていただければ結構なんです。
#223
○政府委員(岡野裕君) 先ほどお話をいたしましたような考え方に基づいて三十億円の融資をしたものである、こうは聞いておるわけでございます。というような事実に基づきまして、今後しからば弘信商事としてどのような融資をしていくかにつきましては、余りに一点に集中的にというようなことは、その後の債権の保全というような意味からしてもこれは問題ではないであろうかというようなことで、これからはひとつ適正な規模というようなものを十分考えながら業務を執行してまいりたい、こんなふうに聞いているところでございます。
#224
○山中郁子君 乱脈融資という問題ですけれども、もう一つは、やはり不良資産の取得の問題です。これはわが党でもさまざまに調査をいたしまして、赤旗などでも報道しているんですけれども、青森県東津軽郡平内町大字小豆沢字茂浦沢、そこに土地を買っているんですけれども、これは新雅株式会社というところから、約十二、三万坪になるんでしょうか、四十三万平米を八億円で購入しているんですけれども、これは事実はそのとおりですかどうか。
#225
○政府委員(岡野裕君) 青森県平内町の茂浦沢というところに互助会が土地を保有しているのは事実でございまして、これは面積は四十一万八千平米、先生のお話によりますれば十二万六千坪、坪にいたしますとそういうかっこうになります。それから購入時期は四十八年九月から十二月までの間であり、購入先はこれは豊島の東池袋にあります久松産業という株式会社である。それから四点目の価格は六億四千百万円。私どもはこういうふうに聞いているところでございます。
#226
○山中郁子君 これは当然のことながら互助会の事業として分譲住宅をつくるとか、そういう御計画で買ったものですか。
#227
○政府委員(岡野裕君) 互助会当局から伺っておりますところでは、やはり造成開発をいたしまして、そして分譲用地に役立てよう、こんなことのようでございました。
#228
○山中郁子君 これは開発分譲の見通しがあるんですか。私どもの調査によりますと、ここは表土の下は岩盤で、大雨のときは出水して地すべりの危険がある、こういう場所なんです。昨年の十月には開発申請も取り下げているんです。明らかに私は不良資産の取得だと思うんですけれども、これは開発の見通しを持っているんですか。いつまでに分譲住宅をつくっていつごろ売り出すというようなそういう計画を持っているんでしょうか、互助会は。
#229
○政府委員(岡野裕君) やはり互助会当局から聞きただしたところでございますが、開発分譲をしようということで購入をしたものであり、やはり開発のための申請もした、しかしながら申請期間中にその着手ができませんで、申請の期間更新というようなこともいたしたわけでございますが、なかなか思うようには運ばないままにやむなく申請を取り下げて今日に至っているものである。
 しからば今後はどうかということでございますが、やはり周辺の需要動向などというようなものを勘案いたしまして開発をすることも考えており、あるいはまた適当な売却先がありますならば一括して売却をするというような道もあるなというようなことで寄り寄り考案中である、こんなふうに聞いております。
#230
○山中郁子君 あなた方のその調査によると六億四千万だと言いますけれども、こんな莫大なお金を使ってどうしてこんな土地を購入したんですか。互助会の仕事というのは、そんないいかげんなことをやっているんですか。
#231
○政府委員(岡野裕君) 互助会当局自身も、建設大臣所管に係りますところの宅地建物取引業法に基づきまして建設大臣から業者としての免許をいただいておりますものですから、そういった中で土地を購入し、あるいはこれを開発分譲するというような営みもやっているところでございまして、先生おっしゃいますように、そんないいかげんかといいますと何なのでございますが、互助会当局としては一生懸命努力をして、そうしてよってもって、先ほどお話をいたしました退職一時金給付事業といいますものが円滑裏にいきますような努力はそれなりにいたしておる、こんなふうに掌握をいたしております。
#232
○山中郁子君 だって、いいかげんでしょう。開発申請も取り下げざるを得ないような土地です。それで四十八年に買っているというんでしょう。これはいいかげんな取得以外の何ものでもないですよ。ぜひ郵政省は、互助会の言うこととあわせて、一定の責任があるんですからお調べいただきたいんですけれども、地元の業者に言わせれば一億でも買い手がつかないというように言っている向きもあるというほどのものなんです。会員に対する大損失です。何年もこうやって持っているわけでしょう、開発の見通しもないままに。これがいいかげんな買い方でなくて何ですか。私はいまそういうことを申し上げている。
 もう一つあるんです、私が知る範囲でも。桐生市に十貫山というところがあるんですけれども、ここは取得者は弘信産業です。これは私どもの調査によれば代金約十億円余りの物件なんですけれども、これも岩石と砂山、買った後で砂防工事命令が県から出ている、こういうところなんですけれども、これの購入経過、それから開発の展望、見通しをお示しください。
#233
○政府委員(岡野裕君) 先生おっしゃいますのは、申しわけございません、桐生市菱町でございましたでしょうか。
#234
○山中郁子君 桐生市十貫山としか私は知らないんですけれども、十貫山というところありますでしょう。
#235
○政府委員(岡野裕君) 申しわけございません。私、調べましたところは、桐生市菱町に日本弘信産業が土地を保有しているという事実はございます。
 これについて、それでは面積その他をお話をいたしますと、まず面積は十万六千平米で三万二千坪でございます。購入時期は昭和四十八年の七月から十二月までにわたっている。それから購入先は丸藤商事というところでございまして、価格は七億三千万円、坪当たりにいたしますと二万二千円であるというようなことで購入をしたわけでございますが、この菱町の土地につきましては、日本弘信産業としては今後一括売却を予定している、このように互助会当局は申しております。
#236
○山中郁子君 これはもともと弘信産業として宅地造成して売るというような目的で買ったのではないということなんですか。
#237
○政府委員(岡野裕君) 一般的に互助会当局が申しておりますところによりますれば、弘信産業が保有します土地は、あるいはマンションを建てるための用地としてあるいは建て売り住宅用の土地としてというようなことで購入をし保有をするわけでございますが、一部は桐生の土地などのように長期保有というような形になるものもないわけではないというような次第でございます。
#238
○山中郁子君 そのほかにも幾つもあるんですね。私は、一体全体郵政互助会がどのくらいの土地を買っているのか、それをどうするつもりなのか、開発して会員に売るというような見通しを持っているものはそのうちどのくらいあるのか、本来ならば、そういうものでなければおかしいわけだけれども、その辺の総体をちょっと調べていただくようにお願いしたんですけれども、子会社の四つのうちでは土地の問題は弘信産業ですから、互助会と弘信産業それぞれ所有の土地、面積、件数、購入先、価格、開発予定の一覧をお示しをいただきたいということでお願いしていたんですけれども、いかがですか。
#239
○政府委員(岡野裕君) 先生のお言葉に基づきまして、早速互助会当局に問い合わせてみたところでございますが、時間の余裕もございませんで、いまの時点でわかりましたところでは、総体としてはこんなであるという点についてお話をしたいと存じます。
 まず、互助会でございますが、五十五年度末現在で保有している土地、恐縮でございますが、全体で十四件である。その総面積は百六十万平方メートルで四十八万坪に当たる。現在高は七十三億四千万円。これは言いますならば設計料でありまますとかあるいは造成工事費なども中に含めた額でございますが、七十三億四千万円に当たる額になる。この十四件の中で、十件につきましては開発完了あるいは開発の途上にある、あるいはまた目下都道府県知事当局に申請中である。それから残りの四件はあるいは開発をするか売却をするか目下検討中である。そういうような大まかなところしか把握ができませんでした。
 それから弘信産業が保有をいたしております土地は、先ほどの桐生の土地を除いては長期保有の土地というものはございませんで、いずれもマンション用あるいは建て売り住宅用に保有をしているものである、こんな次第でございます。
 どうも時間の関係もございまして、一件一件のものがわかりかねましたのですけれども、また判明次第先生の方に御連絡に上がろうか、こう思っております。
#240
○山中郁子君 弘信産業の大体の件数はわかりますか、どの程度の件数か。わからなければ、それも含めて後でお知らせいただいてもいいんですけれども。
#241
○政府委員(岡野裕君) これは互助会と違いまして、不動産を中心とする会社でございますものですから相当な件数になろうかと思っております、マンション、建て売り住宅用などということになりますれば。改めまして、また判明次第お手元にお届けに上がろうか、こう思っております。
#242
○山中郁子君 詳細はいただいてからまた改めてただすことになるんですけれども、この点で私は大臣にぜひともお約束をいただきたいし、私が申し上げる趣旨も御理解いただかなきゃいけないと思うんですけれども、かなりのやはり不良資産の取得があるんですね。そしてそれは、いま一つ二つ私が例に挙げただけだってそうでしょう。一たん開発申請したものを取り下げざるを得ないような資産取得ですね。そういうものが結局さまざまな問題と絡んでなぜそうなるのかというところからいろんな問題が出てきて、新聞でもすでに報道されたり、私たちも指摘をしてきているところが出てきているので、こういう点については、最初に私は、大臣いらっしゃらなかったんだけれども、郵政互助会の設立の趣旨、目的、それからそれに対する郵政大臣の監督、管理、それから指導の問題、こういう権限ないし義務というところからぜひともこうしたことにはメスを入れて、この事業のあり方をひとつ設立の趣旨にふさわしいものにするために郵政大臣としての格別の御努力をいただかなければならないと思っておりますけれども、その点について大臣の御見解をお伺いいたします。
#243
○国務大臣(山内一郎君) 郵政互助会の運用の問題といいますか、掛金を有利にひとつ運用したいというその目的からであろうと私は推察しているわけでございますけれども、いろいろな会社に出資をして、その会社にいろいろな事業を行わせながら運用を有利にしていきたい、そういう考え方は私は結構なことだと思っておるわけでございますが、いまのお話の中でも、思ったとおりいっていないとか、損害をこうむった点もあるじゃないかというような御指摘がございましたけれども、私も十分承知をいたしておりませんので、その点はまず的確に調査をしてみまして、それによって郵政互助会の本来の目的に反しないように対処したい、こういうふうに考えております。
#244
○山中郁子君 こういうことから腐敗、さまざまな癒着、それから政治献金絡みの問題などが出てきているわけですから、私は、またこれから必要に応じていろんな問題についてただしたいとは思いますけれども、いま大臣がおっしゃいましたように、郵政互助会のあるべき事業の姿勢にふさわしい、事業の目的、趣旨にふさわしいあり方として、真に会員、つまり郵政職員の福祉の増進のために果たされなければならないということを強調いたします。
 これで質問を終わりますが、貯金の問題をお尋ねしようと思ってお願いしていたのですけれども、時間がなくなりまして、大変恐縮ですけれども、貯金の問題は割愛をさせていただきます。お許しください。
 終わります。
#245
○委員長(福間知之君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時七分散会
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ソース: 国立国会図書館
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