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1980/04/09 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 運輸委員会 第4号
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1980/04/09 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 運輸委員会 第4号

#1
第094回国会 運輸委員会 第4号
昭和五十六年四月九日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月七日
    辞任         補欠選任
     沓脱タケ子君     小笠原貞子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         黒柳  明君
    理 事
                伊江 朝堆君
                山崎 竜男君
               目黒今朝次郎君
                桑名 義治君
    委 員
                江島  淳君
                梶原  清君
                木村 睦男君
                高平 公友君
                内藤  健君
                安田 隆明君
                竹田 四郎君
                広田 幸一君
                小笠原貞子君
                柳澤 錬造君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
   政府委員
       運輸大臣官房総
       務審議官     石月 昭二君
       運輸省航空局長  松井 和治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       運輸省航空局技
       術部長      長澤  修君
       労働省労政局労
       働法規課長    中村  正君
   参考人
       日本航空株式会
       社代表取締役社
       長        朝田 静夫君
       日本航空株式会
       社常務取締役   萩原雄二郎君
       日本航空株式会
       社常務取締役   橋爪 孝之君
       日本航空株式会
       社取締役     平沢 秀雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○日本航空株式会社法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る七日、沓脱タケ子君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君が選任されました。
#3
○委員長(黒柳明君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本航空株式会社法の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じ日本航空株式会社の役職員を参考人として出席を求めることとし、その人選等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
#5
○委員長(黒柳明君) 日本航空株式会社法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は前回聴取しておりますので、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○広田幸一君 これは大臣に質問しますか、局長に質問しますか、今度のこの日本航空株式会社法の改正のねらいというものは、いろいろ言われておりますけれども、大筋として私はこういうふうに理解しておるわけです。
 いわゆる国家的な見地から日本の航空事業というものをより発展をさせるために、日航を時には助成しながら監督権限を持って今日まで会社の育成強化に当たってきた。現在になってみると日航も独自で一人歩きできるような状態になった。そこで、日航としてはこれから企業としての独自性を発揮しながらやっていけるような状態にする。そのためにいろいろいままであった監督権限をある程度緩和する。そういうところにねらいがあるように、私はそういうふうに理解しておりますが、そういうことでよろしいのかどうか。
#7
○政府委員(松井和治君) ただいまお話ございましたように、日本航空株式会社が昭和二十八年に設立いたされまして、その後昭和三十年に業績悪化を理由にいたしまして、国が大幅な助成を強化いたしますと同時に監督規定を強化したわけでございます。それ以来細かな改正は若干ございましたが、大筋においてこの昭和三十年の法律が現在に至っておるわけでございます。
 そこで、ただいま先生仰せのように、昭和三十年時点の日本航空と現時点の日本航空とを比較いたしました場合、たとえば資本金で申しましても十四・六倍に増加をいたしておりますし、また輸送量に至りましては国内、国際ともにきわめて大幅な伸びを示し、また海外の路線網も著しく充実強化されたわけでございまして、欧米の一流航空企業に肩を並べるに至ってきたような次第でございます。こういう事情を背景にいたしまして、ただいま先生仰せのように、特に最近の経済諸情勢はきわめて流動的でございまして、特に昭和三十年代には考えられなかった為替の変動相場制への移行あるいは航空燃料の著しい高騰というような諸情勢を踏まえまして、でき得る限り民間の活力を生かしていくという方向を進めていきたい。
 しかしながら、やはり日本航空は日本を代表する企業でありますし、また航空企業と申しますのは、二国間の航空協定に基づきまして、いわば国と国とが権益を交換をいたしまして、その交換されて得た日本の権益をいわば日本国にかわって運営をする、こういう性格を持つ会社でございますので、やはり政府といたしまして全くこれを純然たる民間会社にするのは適当でないという点から、従来の助成規定等につきましては、これを緩和できるものは緩和をする。しかしながら、政府が一定の出資比率を保つという点においてはこれを変えないということにいたしまして、したがってそういう形の上での必要な監督規定は残す。しかし、三十年体制の監督規定のうち、企業の自主性を大幅に伸ばすための緩めてよろしい規定についてはこれを緩和する。これが今度の改正の主たるねらいでございます。
#8
○広田幸一君 いま局長がおっしゃったように、緩和はするけれども国際的な関係があるのでやっぱり一定の監督権限というものは持っておるということでありますが、いずれにいたしましても、いままでよりも日航という会社は企業的なベースがもっと厳しくなっていくと、そういうふうになることは当然考えられると思うんですが、そこで私の心配しますのは、いまの国内にある、まあ三つの大きな会社があるわけでありますが、日航は国際線は全部持っておる。それから国内の幹線についても一部持っておりますけれども、比較的採算のいい路線を持っておるわけでありますね。そこで他の二つの会社に比べましたときに、そういった面では優遇をされておる。それは当然なことであるということになるかもしれませんが、そこで私は、今後企業としての独自性をより発揮するということになれば、そういう他よりもいい条件の優位性をさらに伸ばしていって、そして他の二つの会社といいますか、他の会社に対して強く当たる、いわゆる独占的なものになりはしないであろうかということを私は心配をするのでありますが、その辺についての歯どめといいますか、特にこの法律を改正するに当たってその辺の配慮というものはどのようになっておるのか。
#9
○政府委員(松井和治君) 御承知のようにわが国の国内の航空企業の運営体制、これは昭和四十五年の閣議了解で大筋が決められております。この閣議了解を実施するためのやや細かい点につきまして、昭和四十七年に運輸大臣通達という形で定められておりまして、これが現在に至るまで全く変更なく実施されておるわけでございます。ただいま先生のおっしゃいましたように、日航は幹線を行う、全日航が幹線とローカル線を行う、それから東亜国内はローカル線を主体にしながらも幹線への逐次進出を認める、一応大ざっぱに申し上げますとそういう体制ができ上がっておるわけでございまして、今回の日航法改正によりまして、日航が自主的な企業の活動を促進するということになりましても、その事業分野というものにつきましてはこれは全く変える考えは持っておりませんし、そのために先生の御心配になりましたような日本航空が今度の改正を契機といたしまして他の二社の分野に食い込むとか、あるいは他の二社の何と申しますかシェアを奪うというようなことにはならないというふうに私どもは考えております。
#10
○広田幸一君 そこが危惧される問題であって、後で具体的な問題を指摘しながらさらに承っていきたいと思っておりますけれども、さっきから局長再々おっしゃるように、三十年間たっておる。三十年の間には非常な変化があった。これは利用する数も非常にふえたし、飛行機が大型化したし、当時のローカル線の状態といまとは違うし、油も非常に上がっておる。そういういろんな条件があるわけですね。ところが四十七年のとぎのいわゆる通達による航空憲法とか言われるものは、あの中における三社の業務分野というものはそのままの状態になっておるわけですね。その辺に私は問題があると思うんでありますが、われわれが業界等の新聞等で見る限りにおいては、いま三社がより有利な路線を獲得するために非常に何といいますか厳しい競争をやっておるような感じを受けるわけでありますね。
 そういう状態の中に日航が、しかも一部は国が後ろにおってバックアップしてくれる、片一方においては企業意識というものをいままでよりもより発揮できるような状態になってくるということになると、私はやっぱりそこらに問題が出てくるのではなかろうかということを心配をするわけでありますが、特に、私は通達を実は初めてきのう見たんですが、あの中には利用者の利便を図っていく、同時に各分野が過当競争にならないように特に共存共栄をしていくということが書いてあるわけですね。ところが、いまの業界の動き等を見る限りにおいては、共存共栄というようなことが事実上行われておるだろうか、そういう精神に立脚したあれになっておるだろうかということを非常に心配するわけです。
 ですから、そういうふうなことはあり得ませんと、きちっと従来のように監督権限を持って、そしていわゆる日本の航空の事業、国民にサービスをしていくという点については全く心配ありませんと、そういうふうに言えるのか、ひとつ大臣に、私の心配していることはわかると思うんですが、その辺で大臣としての、今度のこの法を改正する、私どもが心配する点についてはどうなのかということを御答弁願いたい。
#11
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど松井局長が説明いたしましたように、四十五年の閣議決定並びに四十七年の大臣通達、この基本は、今回の日本航空株式会社法の改正に際しましても変更するつもりはいささかもございません。
 そういたしますと、現在四十五年体制からずっと今日まで参りまして、日本航空の国内における担当は幹線のみでございまして、しかも便数も、いわばいままでの状態よりは便数をふやすということを抑えておるような状況でございます。そしてもっぱら国際線で活躍してもらうという体制をいまでも堅持いたしております。
 一方、他の二社におきましては、非常に地方の空港が整備いたしましたこと等もございまして、便数はその当時に比べまして相当ふえてきております。それがために、他の二社におきましては、いわゆる生産性の向上は非常に著しいものがあると思っておりまして、その限りにおきまして、一応四十五年体制で決めております国内線の分担の会社と国際線の分担の会社というこの基本的な方針というものは、それぞれの企業活動を通じて見ます場合に明確に出てきて、航空三社はいま比較的、それは経理内容は余り楽じゃございませんけれども、営業的ないわば姿勢というものから見ましたら、そういう分担で固まってきておるんではないかと思っております。
 なお、この方針は今後当分の間、この体制を堅持していきたいと思っております。
#12
○広田幸一君 時間がありませんから、それでは次に進ませていただきますが、その中で具体的な問題を提起したいと思うんですが、最近の新聞等によりますと、航空需要が少なくなって、そして会社によっては赤字である、そのために特に一部の会社では、ローカル路線を休止せざるを得ないであろうと、そういうことを、社長の強い談話として発表しているわけでありますが、昨年の三月に運賃が上がりましたときに私も当時おったんですけれども、いろいろ論議があって、しかしながら会社の方としても、それからそれを認可をする運輸省としても、まず大丈夫であろうと、五年ぶりに去年は上げたわけでありますが、そう一年先にそれが値上げをするような情勢の分析の上に立った値上げではなかったように私は記憶しておるわけでありますが、なぜこういうふうなことになったのか、その辺の事情をひとつまずお聞かせ願いたい。時間がありませんから、要点だけひとつ御答弁願いたい。私は大体大筋はわかっておりますから。
#13
○政府委員(松井和治君) 御承知のように昭和五十年代は、毎年一〇%を超える伸び率で伸びてまいりました。ところがオイルショックがございまして、五十四年におきまして、非常に会社の経営が苦しくなってきたということで、先生の御指摘の昨年三月の運賃改定と、こういうことになったわけでございます。その後、この運賃改定による影響も若干はあったと思いますが、ちょうどその時期からの一般的な個人所得水準の停滞に原因するんだろうと思いますけれども、需要の一般的な冷え込みというものが重なりまして、現在に至るまで回復しないままに推移しておりまして、五十五年度の輸送実績の見通しは、恐らく五十四年度の実績を若干下回るのではないだろうかという感じを持っております。従来二けたの伸びを続けていたものが、対前年ほとんど横ばいという状況になろうかと思います。
 前の昭和四十九年時点におきまして、第一次オイルショック後に運賃値上げをいたしました際に、回復に約一年かかりました。今回の運賃改定後の影響が果たして前回同様一年で終わるかどうかというのは、はっきり見通しが立たない状況でございますが、この三月の実績はやや上向いているというしとが言えようかと思いますので、今後四月、五月の輸送の実態が今後を占う一つの大きな指標になるのではないだろうか、かように考えております。
#14
○広田幸一君 そこで、新聞の伝えるところでは、次の値上げを考えておるやに言われておるわけですが、その辺のことについてのもう一つ見解と、それから、やっぱり構造的な需要が減っておるのか、いわゆる低成長時代になって、景気が悪くなって利用者が少なくなったというようなことに見通しがつくのかどうなのか、そこらの問題が一つ私はあると思うのですが、そこで現実問題として、特にローカル路線を休止をするということになりますと、与える影響が非常に大きいと思うのですね。いまは離島等では、これが全く代替輸送機関もなくて、いわゆる生活路線になっておるわけですから、そういうものを維持するためには運賃を値上げしなければならないという問題が出てくる。そこらのところはどうなるのか、ほかの方法はないのか、まずその点をお聞かせいただきたい。
#15
○政府委員(松井和治君) ただいま御提起の問題、幾つかの問題を含んでおると思うのでございますけれども、まず運賃値上げあるいは路線の休廃止というようなことが新聞紙上に報道されておりますけれども、これはいずれも具体的にまだ私どもそういう話を聞いておるわけではございません。路線の休廃止は、先生おっしゃいますように、これはきわめて慎重に取り扱うべき問題だと思っておりますが、仰せの離島路線の場合と、あるいは陸上の他の交通機関のあるようなところ、並行した路線というように、路線の性格によってもこれは差があろうかと思います。また、具体的にその路線の利用の状況が一体どのようになってきているのか、この辺をよく見きわめる必要があると考えておりますので、一概に路線の休廃止を絶対認めないということももちろん言えないと思います。しかしながら、離島路線のようなところにつきましての十分な配慮ということは、私どもも念頭に置いて、今後もし仮にそういう申請があった場合には慎重に対処してまいりたいと考えております。
 また、運賃の問題につきまして、これまた具体的にそのような話が出ておるわけではございませんが、先生、前回の運賃改定のときに御記憶だろうと思いますけれども、前回の運賃改定は五年ぶりの改定で、しかもその際に、従来の航空運賃の立て方がかなりばらばらであったという点の反省をいたしまして、でき得る限り路線別原価に近づけるという努力をいたしたわけでございます。しかしながら、それを一遍に行いますと、路線別に大変大きな値上げをする路線が出てくるとか、きわめて大きな影響が及ぶということを考慮いたしまして、一定の比率以上の値上げはしないというような配慮をいたしたわけでございます。したがいまして、その限りにおいては、かなり中途半端に終わった面があることは否定できないわけでございます。そういう意味で、個々の路線別の運賃のあり方というものについては、なお検討の必要があろうかということは考えております。
#16
○広田幸一君 法律によってこの休止をする場合は大臣の認可が要る。その認可をする場合の条件として、非常に住民が迷惑を受けるような場合は、これは認められないというふうに法ではなっておるようでございますが、いわゆる会社の経営の状態によって、やっぱり弱いところを切っていかなければならない。国鉄の場合だってそうですからね。そういうふうなかっこうになった場合、それを歯どめとするためには一体どうするのかという、たとえば、ほかの沖縄の南西航空ですか、それから近距離航空ですか、そういうところには公租公課の一部を減免するというふうな措置もしてあるわけですが、そういうふうな手をとっていくのか。いずれにしても会社がやっていけないということになれば、そういうふうなかっこうにならざるを得ないではないかと、こういうことを私は心配をするのですが、そのような場合は一体どういうふうになるのかですね。
#17
○国務大臣(塩川正十郎君) それは基本的にはおっしゃるとおり、離島航路等におきましては、何らかのやはり財政的な措置も必要ではないかと思っております。
#18
○広田幸一君 大臣がそういう措置をしてあくまでも路線は堅持していくと、こういうことでありますから、大変力強いふうにとるのです。
 そこで、私は前段申し上げたんですけれども、これからの将来の需要の状況を考えてみますと、単にローカル線だけの問題ではなくて、いろいろ各社によって事情は変わってくるのではなかろうかと、こういうふうに考えるわけでありますが、さっきも触れましたように、やっぱり根本は、三十年たった今日の状況というものは非常に変わってきた、それから四十七年の当時の状況というものも変わってきておるわけでありますから、私は三社が、通達が言うような意味の共存共栄できるような状態にしてはどうか。いま大臣おっしゃったけれども、じゃあその公租公課のような特別な減免の措置をしてうまくやっていけるだろうかというふうなことも私心配をするんですが、やっぱり各分野の調整を図っていくというようなことがいまの時点に必要ではなかろうかと、こういうふうに考えますが、いやそういう必要はありませんと、こういうことになりますか。その点いかがでしょうか。
#19
○政府委員(松井和治君) 先ほどちょっと申し落としましたが、日本航空が幹線に限定されておりまして、先ほど大臣が御答弁申し上げましたとおり、むしろ便数は昔に比べて減っておるということでございまして、たとえば五十年の国内輸送総需要に対する日本航空のシェアと申しますのは二五・八%でございました。それが五十四年には二二・八%に低下いたしております。全日空は、御承知のように幹線、ローカル線がいずれもできる会社でございまして、五十年のシェアが五五・六%でございました。これが五十四年五五・五%とほとんど変わりがございません。東亜国内航空は、五十年には一五・五%でございました。五十四年には一八%に上昇をいたしております。
 これはなぜこういうことになっているかと申しますと、先ほど申しましたように、日本航空は幹線に限定し、かつ便数は抑えるというか、むしろ減便になっておる。それから、全日空につきましては、ローカル線を持っておりますので、ローカル線の分野におきましては増便なり新しい路線というものがございますけれども、むしろ新しい路線の免許の数あるいは免許キロ、いずれをとりましても東亜国内が一番多いわけでございます。私どもそういうかっこうで、たとえばダブルトラッキングの問題にいたしましても、東亜国内の進出を認めるというようなことで、後発企業の育成を図っておるつもりでございまして、通達に盛られました共存共栄の方向を逐次進めておる、こういうふうに私どもは考えておる次第でございます。
#20
○広田幸一君 大臣も、そういう地域住民の不便になるようなことについては国が責任を持ってやっていく、こういう御答弁でございましたから、それはそれにしておきたいと思います、うまくいくだろうかという心配もあるんですが。
 そこで、これはおとついの新聞に載っておりまして、あ、そういうことがあったなあと思って、私は思い出してそれをきょう質問をするわけでありますが、日航の国際線の国内の空港間の空席を利用する問題でございますが、これはかつての委員会でどなたかが質問されたのを私は記憶しておったわけです。おとついその新聞を見まして、あ、これはちょうど委員会があるから、せっかくの機会であるから私はこれをぜひ聞きたい、こういうふうに思っておったんですが、これはずっと当時の議事録を見ますと、大臣の前の前の大臣の森山運輸大臣のときにこの問題が出ておりまして、当時の大臣としては、確かに不都合な点がある、懇談会を持つてこの問題について方針を決めますというふうなことが載っておった。大臣がこれはそういう言い方をしたんですか委員会でそういうふうにしたのか、大体私はそういうふうに思っておるわけですが、こういう問題がいまだ解決をしないというのは一体どういうところにあるのか。
 私はそういうところがあるからして、前段申し上げておりますように、いま朝田社長もお見えになっておりますけれども、やっぱり共存共栄をしていくというようなことを考えてみますときに、ここらの問題がまだ残っておるということになれば、形はうまいこといくけれども、なかなかうまくいかないではないか、そういうふうお心配をするわけでありますが、これを含めて、この問題について以上のようなことでひとつ御答弁願いたい。
#21
○政府委員(松井和治君) ただいま御指摘のいわゆるフィル・アップ・ライトの問題でございますが、この問題につきまして、何と申しますか、国際線が国内の二地点間を結んでそれがさらに国際線に延びていくという場合の国内区間について客を乗せる、こういう問題でございますけれども、これはエネルギーの節約という観点からも必要ではないかというような議論がなされたわけでございまして、当時の運輸大臣、航空局長が、これは確かにそういう問題があり、しかしながらこれは国内の輸送問題でもあるということから、この問題については慎重に外部の有識者の意見も聞いて検討したい、こういう御答弁をたしか申し上げたはずでございます。実はその後、運輸大臣のいわば私的諮問機関と申しますか、懇談会の設立に若干時間がかかっておりまして、昨年この懇談会を設けたわけでございます。
 そこで、まず第一に、国際チャーター問題という問題に取りかかりまして、その御審議がことしの一月までかかって一応の結論を出していただく、この次に実はこのフィル・アップ・ライト問題を取り上げていただく、こういう予定にいたしておりました。できるだけ早い機会にこの懇談会にこの問題を御検討いただいて、早急な結論を得たいというのが現在の考え方でございます。
#22
○広田幸一君 いま局長おっしゃったように、ぼくらが素人で考えてみましてもむだのような感じがするわけですね。省エネルギーということがいま盛んに言われるときに、それがなぜ三年も四年もこの懇談会という一つの隠れみのに隠れて放置されておるのか、放置というか解決が見られないのか。
 これ日航法の第一条に、日航は国際路線及び国内幹線における定期運航事業を経営することを目的とする会社、こう書いてあるわけですが、問題はその国内幹線ということがどういうふうに定義づけられているか。私の勉強した範囲では、国内線の当時の定義としては、札幌、東京、大阪、福岡、那覇を結ぶ線と、しうなっておるわけですね。そうすると、一つの問題になっております鹿児島かごの中に入ってきてない。とすれば、鹿児島をこの定義の中に加えるということになれば法律的には何にも問題がない、こういうふうに思うのですが、なぜこれがもたもたしておるだろうか。その辺、が、これは他の会社がかなり厳しくこれに反論をしておった書類を、書類というか文献ですか、それをかつて私は見たことがありますが、どこにあるかいまちょっと頭の中にありませんが。だから、そういうような非常に競争が激しい今日の業界の実態ではないか、こういうふうに思うわけでございまして、いま局長おっしゃったように、懇談会を持ってやるということですけれども、何年もかかっておるわけですから、いつごろこういう問題が解決するのか、基本をやっぱりしなきゃならぬと思うのですね。
#23
○国務大臣(塩川正十郎君) これはまさに広田さんがおっしゃってますように、共存共栄を図るために、この問題が三社間で十分な納得がつくようにわれわれも鋭意努力してきております。それぞれ三社の言い分が、やはり自分の会社を中心にして考えて意見を出してきておりますので、その三社のそれぞれ出してきた意見をそれをどのように分析し、そして第三者的な公平な結論としてどう扱うべきかということを懇談会に提案いたしまして、そこで結論を一度お聞きいたしたい、その上でこちらが判断いたしたい、こう思っておるのであります。
 この委員会は、過日、国際チャーター便の問題につきましてずいぶん貴重ないろんな意見が出てまいりまして、この問題だけで実はこの前の委員会の議題は終わってしまいました。今度改めまして言われておるフィル・アップ・ライトでございますか、この問題を新しい議題として取り上げてもらいたい、こう思っております。できるだけ早く結論を急ぎたいと思っております。
#24
○広田幸一君 やっぱりそういう問題がもたもたしておるから、いろんな一般消費者から見ると航空業界はどうもすっきりしない、こういうふうな感じを持っておる人もかなりあるように私受け取っておりますので、大臣がおっしゃったようにはっきりすべき点はきっちりとはっきりする、こういうことでお願いしたいと思っておるわけです。
 私はもうこの辺で質問を終わりますが、はっきりしてないことをいまから言うのはあれですけれども、値上げの問題が出てくるかもしれないと思うんですね。私は本来ならば、もっといまの三つの会社の経営の内容等をつぶさに勉強して、その上に立って言うべきであると私は思うんですけれども、ただ感じとしまして、赤字になったから値上げをするという単純なことではいけないではないか。大臣も、国鉄の再建のために三十五万人の合理化、それから地域におけるこのローカル線を見切り発車してでもやらなきゃならないというところまでやっておるわけでしょう。最近は行政改革ということが大きな政治問題になっておって、関係の法人も縮小統合するというふうな話も出ておるわけですが、私はどこの会社がどうということではないですけれども、いままでとしては、この数年間というのは急速に利用率というものは伸びたわけですね。そういうことで各会社ともいわゆるいろんな面で肥大化しておるんではなかろうかと思っておるわけです。そういうところをやっぱりもっと減量経営というような、民間もやっておるわけですからね、いまとてもやりおるわけですから、減量経営をして運賃を上げるということは限界にきておる、そういうふうな私は感じがしておるわけです。
 確たる数字を持って言っておるわけではありませんから抽象的な言い方でありますが、私はそういうふうなことが必要であるということを考えておりますので申し上げておきますし、それから路線によってはやっぱり苦しいところがあるわけですから、その辺を調整しながら、通達で言うところの利用者の利便を図って、そして共存共栄をしていくという、そういう基本的な理念で運輸省としては各会社に対して的確な指導をしていくべるである、こういうふうに思っておりますが、大臣、最後に私の申し上げたことについての御答弁をいただきたいと思います。
#25
○国務大臣(塩川正十郎君) 値上げ問題につきましては、いま各社とも何らそのような意向は現在のところ持っておりません。仰せのように値上げを考える前に、やはり徹底的な合理化、減量化を考えるべきだと思いまして、私たちもその方向で一層の指導の強化を図りたいと思っております。
 それから、過疎地域並びに離島の航路でございますか、これは確かに最近観光客の落ち込みが非常にひどうなりまして、それがために路線の維持にも非常にむずかしいところがございます。この路線の個々につきまして十分な私たちは対応策を考えたいと思っておりまして、その関係の企業と十分に相談しながら、そしてまた地元の要望は非常に強いものでございますから、この路線維持に全力を挙げて努力をいたしたいと思っております。
#26
○梶原清君 先ほど広田委員が御質問され、運輸大臣から御答弁されましたことと重複するわけでございますけれども、先ほども局長がおっしゃいましたように、いままで順調に伸びてまいりました航空需要、とりわけ国内航空需要がこのところにまいりまして非常に冷え込んでまいったわけでございます。こうした事態に対応して、運輸省としてどのような考え方、見通し、そういうものを持っておられますか、まずお伺いをしたいと思います。
#27
○政府委員(松井和治君) 先ほどの広田先生に対する御答弁とダブります点は省略さしていただきますが、航空需要が低迷を続けておりまして、今後の見通しを立てるのはなかなか困難な情勢ではございますけれども、私どもある程度中期的と申しますか、余り長期的とまで言わないで中期的に見ましても、航空の時間短縮効果が非常に大きい、またそのために航空を選ばれる利用者の傾向が今後も続くということを考えますと、少なくとも中長期的に航空需要が回復し伸びるということは間違いがないというふうに考えております。ただ短期的にどうかということにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたとおり、ことしの三月の動向が四月、五月とこの辺にどういうふうに引き続いていくのか、あるいは四月、五月に再び昨年同様の低迷を続けるのか、この辺が一つのかぎではないだろうか、毎年春の需要がその年の需要を占う一つの大きなファクターになるという経験値がございますので、この四月、五月の輸送需要の動向というものを慎重に見てまいりたい、かように考えております。
#28
○梶原清君 本日は日本航空の朝田社長がお見えになっておるわけでございますが、最近の航空需要、とりわけ国内幹線の落ち込みというのが激しいように思うわけでございます。国際線におきましてもいままでのような伸び率を示していない、それに加えまして航空燃油費の増高というものがあるわけでございます。また外国企業との競争も非常に激しくなっておる。こういう状況下で非常に厳しい経営環境にあるわけでございますが、これに対しまして、日本航空としてどのように対処されますのかお考えを承りたいと思うわけでございます。
#29
○参考人(朝田静夫君) 輸送需要が大変落ち込んでまいりまして、私どもの五十五年度は国内線では七%ぐらい落ち込むであろう、それからまた国際線では大体五十四年度と横ばいであろう、こう考えております。いずれにいたしましても、先ほどから航空局長から御答弁がございましたように、大変その需要の落ち込み、それとコストの上昇、こういったことで経営の面からいっても大変苦しいわけでございますが、こういう状態にどう対処していくのかということでございますが、私どもは全社一丸となりましてセールスマインドを高揚いたしまして一段と販売増強努力を続けてまいらなきゃならぬ、こう思っております。また、先ほども大臣からのお話もございましたように、第一次オイルショック以来私どもも大変徹底した減量経営を進めてまいったわけでございますが、再び第二次の石油危機に見舞われまして、もう一度この辺で徹底的な間接経費を削減をする、合理化努力を続けてまいらなきゃならぬ、したがいまして設備投資も極力抑制をいたさにゃならぬ、こう考えております。
 したがいまして、ある路線につきましては、輸送力の供給力を需要に見合って適正な路線便数計画を策定してまいる。逆に需要の強い、たとえて申しますと米州のウエストコースト、西海岸あるいは中国路線あるいはシドニー線、こういったようなところは需要が非常に強い路線でございますので、これについては積極的に輸送力を増強してまいりたい。不振の需要の停滞をいたしております、また停滞を見込まれます路線につきましては、これは極力輸送力を調整していきたい、供給力の方を調整して、そして収益性を高めてまいりたい、ロードファクターをよくしてまいりたい、そういうことによって収益性を高めると、こういうふうに考えております。
#30
○梶原清君 次に、日米航空協定の問題につきましてお伺いをしたいと存ずるわけでございますが、正式の日米航空交渉が去る四月の六日から東京で始められておるように伺っておるわけでございます。申し上げるまでもなく、日米間の不均衡是正ということがわれわれのかねてからの念願であり悲願であるわけでございます。ぜひとも国益を守るという観点から粘り強い交渉をしていただきたい、このように強くお願いをするわけでございますが、これにつきましてわが国の基本的な考え方を航空局長からお伺いをいたしたいと存じます。
#31
○政府委員(松井和治君) お答えいたします。
 御質問のように、この四月六日から明日十日まで東京において日米航空交渉が再開されたわけでございます。ややさかのほって申し上げたいと思いますが、現行日米航空協定が、以遠権、路線権あるいは指定企業数等の面におきまして著しい不均衡があるということで、この是正がわが国にとっての悲願であったということは御指摘のとおりでございまして、昭和五十一年十月以来日米航空協定の改定交渉が行われたわけでございます。
 その際、私ども基本的な不均衡是正というものを前面に出しまして交渉に当たったわけでございますが、その当時のアメリカ側の考え方は、日米間に不均衡は存在しない、実績を見れば日米両国企業の輸送実績はほぼ均衡しておると、そういう実績を見ても不平等はないんだというような立場をとりまして、むしろ逆にアメリカ側の主張といたしましてはチャーターの大幅な自由化でございますとか、低運賃の導入というようなことを迫ってまいりまして、交渉は妥結に至らず、五十三年の三月に中断をいたしたわけでございます。その後、にらみ合いと申しますか、腹の探り合いというような状態が続いておりますうち、米国のカーター政権がそれまで以上の強い自由化政策というものを打ち出しまして、そういうこともございましてなかなか交渉再開の糸口が見出せなかったという状況でございました。
 ところが、昨年九月に至りましてアメリカ側から、両国政府間で非公式の意見交換をしようではないかと、こういう申し入れがございました。それを契機に両国の折衝が再開されたわけでございます。その昨年九月の接触の後、本年一月にホノルルにおきまして両国政府の非公式の協議が行われたわけでございます。この席上で、九月に双方言いたいことを洗いざらい申し述べ、その結果に基づきましてアメリカ側は日本側の基本的な考え方も十分参考にして、その一月のホノルル会議におきまして一つの提案を行ってきたわけでございます。
 その提案と申しますのは、アメリカ側が従来かたくなに認めようとしなかった日本側の言い分、これも一部認めようと、そのかわりアメリカ側の言い分とパッケージにして解決しようではないかと、こういう主張をしてきたわけでございます。私どもその一月の時点におきましては、これに対して特別の意見を言うことなく、一月の時点では双方いわば言いっ放しに終わったわけでございますが、これを受けましてこの四月六日からの正式交渉と、こういうことになったわけでございます。
 ただいま申し上げましたように、アメリカ側の態度は従来と違いまして、日本側の言い分を一部にもせよ認めるという方向にきたことは評価すべきだと思っておりますけれども、なおアメリカ側がそれとパッケージとして出しております輸送力、運賃あるいはチャーターの自由化というような問題につきましては、そのままの形で私どものみ込むわけにいかない点が多々くっついているわけでございます。この辺につきまして、私どもはわが国の基本的な立場というものは変えてはならないと考えておりますが、その中で、基本的な立場の中で日米航空関係の全般的な視野に立って均衡のとれた日米間の航空関係の実現を目指すということで、まさにおっしゃるとおり粘り強い交渉が必要ではないだろうかというふうに考えております。
#32
○梶原清君 この日米航空協定の問題といささか関連のあります事項を二、三お尋ねをいたしたいと存ずるわけでございます。フィル・アップ・ライトの問題につきましては先ほど広田先生から御質問がございましたので、その他の問題につきまして御質問をさせていただきたいと思います。
 先ほども局長から御答弁がございましたように、わが国の航空企業体制といいますのは、四十五年の閣議了解によって、国際定期路線というのは日本航空に一元的に運営をしていただく、こういうことになっておるわけでございますが、その後におきます国際航空の発展状況から見まして、日本航空以外の企業にもその運営に参加してもらってはどうかと、こういう意見があるわけでございます。で、航空交渉に際しましてアメリカは、御存じのように自由化政策と申しましょうか、たくさんの航空会社を日本へ乗り入れをさせたいということで臨んできておるわけでございます。
 それに対しまして日本も、国際線は日本航空一社だけという体制ではなくていいんではないだろうかという意見があるわけでございます。で、これまでわが国の経済というのは市場メカニズムをうまく活用するということによって発展をしてまいったわけでございまして、航空事業につきましてももっと競争原理を導入してはどうか、諸外国の例を引くまでもなく、わが国も二社ぐらいの航空会社が国際線で競争することがわが国の国益につながるのではないだろうか、こういう意見を聞くわけでございます。この問題は非常に御答弁がむずかしいだろうと思うわけでございますが、この点につきまして航空局長のお考えを承りたいと、このように存ずるわけでございます。
#33
○政府委員(松井和治君) 国際航空路線の運営は、先生御承知のとおり航空機あるいは地上支援施設等非常に多額の資金を要するものでございまして、また人材の面でも非常に多くの人材が必要でございます。こういう観点から、一つの国がたくさんの企業に国際航空路線を運営させるというよりは、これを一社に集約する方がよろしいという観点から、昭和四十五年、四十七年の体制ができ上がったということは先生御承知のとおりでございます。これは外国の場合を考えてみましても、先ほど例に引かれましたアメリカというのは逆にきわめて特殊な例でございまして、主要各国につきましてはおおむね、一部の例外はございますけれども、一国一社体制をとっておるのが通常でございます。
 現体制下におきまして、国際航空競争は非常に激化の方向に向かっております。こういうような時期にさらに会社をふやす方がいいのかどうか、これは大変大きな問題でございまして、先ほどちょっと御答弁申し上げましたとおり、現在の日本航空の国際航空路線における輸送実績は、対アメリカのみならず、ほかの国との関係におきましても、何と申しますか、日本の航空企業として恥ずかしくないだけの実績を上げておる。積み取り比率等においてひけをとってないという点から見ましても、いま直ちにこの航空路線を経営する会社を複数化しなければならないというような差し迫った情勢ではないのではないだろうかというふうに考えております。
#34
○梶原清君 ただいま御質問を申し上げましたことともいささか関連するわけでございますが、とりわけ国際貨物輸送体制というものをいまのままで維持していいのかどうか、現在は日本貨物航空株式会社というところから申請が出ておるようでございますが、この一社独占体制というような消極的な考え方でなくて、競争原理と民間企業の活力でもちまして、増大する国際航空貨物輸送に積極的に対応していくというのがまさに国益の増大伸長というものにつながるのではないか、こういうことを聞くわけでございます。これもなかなかむずかしい問題でございまして、いままで慎重に御検討いただいておるわけでございますけれども、こういうことを検討する時期にあるのかどうか、このことにつきまして局長から御答弁をいただきたいと思います。
#35
○政府委員(松井和治君) 御質問ございましたように、貨物航空の問題につきましてこれを旅客輸送と別の次元でとらえる見方があるのではないかという意見があることは十分私も承知いたしております。
 現在の貨物の状況を申しますと、国際旅客の伸びに比べまして国際貨物の伸びというのは旅客の伸びを上回っておりまして、比較的堅調だと申してもよろしいかと思います。ただ、これが、昭和四十五年当時に将来の国際貨物輸送がどの程度伸びるかというような予測を立てましたときに、その当時、昭和六十年ごろには五百万トンぐらいになるのではないかという予測が立てられた時期がございました。しかしながらその見込みは大きく狂いまして、昭和五十四年度の貨物輸送量は十分の一の五十万トンにとどまっております。
 そういうような情勢でございますが、日本貨物航空株式会社から申請が出されておりまして、現在私ども検討をしておるわけでございますが、問題は二つあると思います。
 一つは先ほど申し上げました日米の航空交渉が現在行われているといいますか、現在始まったばかりである。この日本貨物航空株式会社の申請は、東京からサンフランシスコを経由してニューヨークヘ行くという申請でございます。これはまさしく日米航空協定の問題でもございますので、まず、この航空協定の交渉の推移を見きわめる必要があるというのが第一点でございます。
 もう一つは、この株式会社の申請の起点になっておりますのは当然のことながら成田でございますけれども、成田の燃料の事情等も残念ながら現在のところはまだ基本的には解決をされておりません。ただ、これは御承知のように、五十八年十二月にはパイプラインが完成する、こういう基本的な方向が示されたわけでございますので、今後、成田のパイプラインの完成時期あるいは日米の航空交渉の成り行き、この辺の両方の問題を勘案しながら慎重に検討を続けてまいりたいと考えております。
#36
○梶原清君 次に、若干空港整備につきましてお尋ねをいたしたいと思うわけでございます。お尋ねというよりも御要望を申し上げたいと思うわけでございます。
 空港整備が運輸省当局の大変な努力によりまして、ローカル空港の整備、また、拠点空港の整備が大分進んでおるわけでございます。一般に西高東低ということが言われまして、どちらかといいますと北海道なり東北地区の空港の整備がおくれておるようなことを指摘をされるわけでございます。国土の均衡ある発展、全国航空路網の整備という観点から、やはりそうした点に重点を置いて御努力をお願いをいたしたいと、このように思うわけでございます。
 いかにローカル空港が整備されましても、わが国の航空路線網のことを考えますと、何といっても東京と大阪という二つの拠点、これを二服レフと言っておるわけでございますが、この東京地区なり大阪地区の空港の整備を急がなければならない。東京の方では成田空港の第二期工事の問題、パイプライン、燃料輸送の問題、それといま検討を進めていただいております羽田空港の沖合い展開の問題、それと西の方では大阪国際空港、これが非常に厳しい運航規制のもとにあるわけでございます。こうした拠点の整備ということを急がなければならないわけでございますが、私も長年この飛行場問題と取り組んでまいりまして、その苦労は十分わかっておるわけでございますが、今後とも空港整備につきまして格段の御尽力をいただきたいわけでございますが、空港整備につきましての局長のお考え方を聞かしていただきたいと存じます。
#37
○政府委員(松井和治君) 空港整備についての基本的な考え方について二点申し上げたいと思うのでございますが、まず一つは、先生の御指摘いただきましたように、国内線の拠点となります東京並びに大阪地区の空港の整備でございます。
 現在の日本の国内航空輸送実績を見ますと、全国で五十四年度に約四千万人の方が航空を利用されたわけでございますが、その五〇%に当たる二千百万人が羽田を利用されております。また大阪国際空港、現伊丹空港を利用された方が約三分の一でございます。ただ、その中には東京−大阪間の旅客が含まれておりますので、これを両方にカウントするのはおかしゅうございますので、そこを半分にいたしますと、全国の四分の三が東京か大阪を必ず利用されておると、こういう状況でございまして、御指摘のいわゆる二眼レフ構造というものは変わっていないわけでございます。
 ところが、御承知のように大阪はジェット機の発着枠は全くふやすことができない状態にあることは御承知のとおりでございます。また、羽田につきましても、先般一日十便の増便をいたしましたけれども、今後の増便につきましてはほとんどむずかしいのではないだろうかというような状況にまできておりまして、ほぼ限界に達しておるというふうな状況でございます。したがいまして、先ほど御指摘ございました羽田につきましては、沖合いに拡張をすると、われわれは沖合い展開と申しておりますが、これにつきまして、昨日新しい案を東京都並びに関係特別区に提示をいたしまして、御意見を求めるという段階にまで立ち至ったわけでございまして、今後できる限り努力して羽田の沖合い展開を進めていきたい。
 また東京地区のもう一つの空港、いわゆる成田の国際空港につきましても、御承知のような状況でございますので、パイプラインの完成を目指すと同時に、二期工事の進捗につきまして、地元と十分な調整を図りつつ整備に向けて努力を重ねていきたいというふうに考えております。
 また、大阪地区の空港につきましては、御承知の関西国際空港の建設に向けまして現在運輸省が案を取りまとめておる段階でございますので、これを一刻も早く取りまとめて地元の関係自治体の御意見をちょうだいしたいというふうに考えておるところでございます。
 そして二眼レフのその中心になります東京、大阪の二地区の空港の建設を進めますと同時に、これまた御指摘ございましたように、地方空港のいわゆるジェット化ないしは大型化を進めていくという必要性がございまして、御指摘の九州地区にやや偏っておって、西高東低だと言われる批判がございます。しかしながら、西と申しましてもたとえば四国をとれば松山しかジェット空港がない。中国地方は広島と山口、宇部しかない。出雲は暫定的にジェットを飛ばしておりますけれども完全な姿ではないと、こういうような状況から、必ずしも北海道、東北という限定を置く必要はないかと思いますが、いずれにいたしましても主要空港のジェット化、大型化というものにつきまして、需要の増大を見きわめながら逐次進めていきたいというふうに考えております。
 第二に申し上げたいのは、空港整備に関しまして環境問題に配慮するということを忘れてはならぬということでございまして、特に地方空港につきましては、最近は環境問題ということもございまして、現在の空港の場所を移して、ある程度都心部からは離れますけれども、新しい場所に移すというような傾向が見られます。たとえば、ことしの六月にジェット空港として完成いたします新秋田空港というようなものがその適例かと思いますけれども、今後の空港の整備につきましては、十分周辺地域と調和のとれた、環境に十分注意した空港つくりを進めていきたい、これを基本的な考え方として守っていきたいと考えております。
#38
○梶原清君 今回目航法の改正案におきまして、民間の活力を十分発揮しつつ、より自主的、弾力的な事業運営を行うように措置するということで法律案が提案されたわけでございますが、以下この法律案の具体的な問題につきまして若干お尋ねをさせていただきたいと存じます。
 まず、政府所有株式に対する後配制の廃止の問題でございます。これは、国の財政再建に資するという意味も込めまして、後配制を廃止をするという案になっておるわけでございますが、これに伴いまして、利益処分という形で資金が外部流出するわけでございます。それに伴います負担が約四十億というふうに聞かしていただいておるわけでございますが、日本航空といたしまして、これに耐えていただかなければいけませんし、これに対してどのような経営努力を行おうとしておられるのか、朝田社長のお考えを聞かしていただきたいと存じます。
#39
○参考人(朝田静夫君) ただいま御指摘がございましたように、政府持ち株に対して配当をいたしますと、それは約四十億の利益がなければならない。これは税引き前でございます。したがいまして、全株主に対して平等に配当をするということになりますと、税引き前に百四十億必要である、こういうふうに考えております。それは、法人税、住民税等の税引き前から考えてみますと、配当所要利益は百四十億円というふうに考えております。
 それに対して一体どういうふうに対応していくのか、こういう御質問でございますので、先ほど申し上げましたようなことで、大変需要が低迷をして苦しいわけでございますけれども、従前以上の販売増強努力を続けてまいらなければなりませんし、経費、特に間接経費の徹底的な削減を行わなきゃならぬ。あるいは、先ほど申し上げましたが、設備投資も極力抑制をしてまいりたい。それから、収益性の高い路線、便数計画というものを重視してまいりたい。こういうようなことで、労働生産性も向上をするように諸般の施策を講じてまいりまして、この配当所要利益の百四十億という税引き前利益というものを何としても確保してまいりたい、こういうふうに考えております。
#40
○梶原清君 これも朝田社長にお尋ねを申し上げるわけでございますが、今回の改正で、日本航空の社債発行枠が従来の資本金及び準備金の二倍というのが五倍に拡大されることになるわけでございますが、今後における日本航空の資金調達につきましての基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
#41
○参考人(朝田静夫君) 従来は私ども、米国の輸出入銀行EXIMパンクから長期低利の融資を受けておりました。ところがアメリカでは、日本の競争相手にそういうような低利長期の融資をするということは敵に武器を与えるものだ、こういうようなことが米国の議会で論議されました。五十二年以降、私どもは国際線用の大型航空機の購入につきましては米国輸出入銀行から融資を行わないという政策変更に伴いまして融資が不可能になりました。
 そこで、社債というものを、今度発行枠がこの法案の御審議を通じまして拡大されることになりますれば、今後の資金調達はこの社債を主軸にして考えてまいりたい。多様化してまいります資金調達、いろいろな資金調達の方法がございますが、何と申しましても資金コストが低い社債、そして返済期限が長い社債ということにメリットがございますので、どうしても社債というものを中軸にして考えてまいりたい。金融情勢の変動等もございますが、金融機関からの資金借り入れについても、可能な限り実施してまいりたい。また、業績いかんにもよりましょうが、増資を通じまして自己資本の充実も図ってまいりたい。こういうような資金調達の多様化を考えておるわけでございます。
#42
○梶原清君 これも朝田社長にお伺いいたしたいわけでございますが、法律の第四条の関係で、役員人数法定制というものが廃止をされることになっておるわけでございますが、日本航空といたしまして、今後どのような考え方、基本的な考え方で経営陣を拡充整備していこうと考えておられるのか、これにつきましてお尋ねをいたしたいと存じます。
#43
○参考人(朝田静夫君) 今回、役員の人数の法定制を廃止をされるということになりまして、これからの問題でございますが、そういうものにどう対応していくかということになりますと、競争の激化に伴いまして会社経営に自主性と弾力性を持って経営に当たってまいりたいと思いますが、何としても臨機応変なことが可能になるような経営をしてまいらなければなりません。
 そこで役員の増員ということを考えて事実おるわけでございますが、何といっても一番大切なことは、安全運航の体制を強化してまいりたい、これがわれわれの事業の至上命題でございますから、何としてもその安全運航体制を一層強化してまいりたい。それから競争の激甚な、そして国際航空界の環境も大変厳しいものがございますので、先ほどから申し上げております販売力の販売増強の部門において力を入れてまいる。それから、海外で米州総支配人というようなものが、以前は役員を充当しておりましたのでございますが、事業が非常に複雑に、また拡大をしてまいりましたので、そういう役員も引き揚げざるを得なかった、こういうようなこともございますので、海外におきますところの地域管理体制というものを充実してまいりたい、こういうようなことで、必要な役員の増員をさしていただきまして、その配置につきましては、いま申し上げましたような部門を重点的に考慮いたしまして、必要な部面から、そして緊急を要するところから、また他社との関係を十分考慮いたしまして今後決めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#44
○梶原清君 同様に役員に関する条項でございますけれども、今度の改正案で役員認可制の対象を非常勤取締役及び監査役にまで拡大をする案になっておるわけでございますが、これにつきましての考え方を航空局長からお伺いをいたしたいと存じます。
#45
○政府委員(松井和治君) 国際航空輸送がわが国の政治経済の面におきまして果たす役割りというのはきわめて大きなものがございます。今後、ナショナルキャリアとして日本航空の果たすべき使命あるいは責任というものはますます重くなってくるというふうに考えております。したがいまして、そのような重要な職責を担う日本航空の役員というものが、当然その使命と責任を十分に踏まえて仕事をしていただく必要がある、こういう観点から役員には適材を得る必要があるということで、私ども役員認可制をまず存続をさせるということにしたわけでございます。
 現行の日本航空株式会社法におきまして、いわゆる非常勤取締役というものを認可の対象に含めておりませんけれども、御承知のように商法上、常勤取締役と非常勤取締役との間にはその権限あるいは責任において何ら差はございません。しかも、先ほど御答弁申し上げましたように、日本航空を取り巻く最近の国際情勢というものは、大変変動の激しさを加えております。そういう点から見まして、社外役員の幅広い知識、経験に期待されるところはきわめて大きなものがございます。こういうことで、今般、非常勤取締役も認可の対象に含めることにいたしたわけでございますが、他の日本航空に類似いたしております特殊法人、たとえば東北開発株式会社、電源開発株式会社、沖縄電力株式会社、日本航空機製造株式会社、国際電信電話株式会社、国際電電は政府出資はございませんけれども、いずれもただいま申し上げましたような特殊法人につきましては、取締役全員を認可対象にいたしております。
 また、監査役につきまして、最近その機能は著しく強化されるとともに、責任も重加されてきております。そういう意味合いから、従来監査役につきましての認可制がございませんでしたが、これは当然認可対象に含めるべきであるというふうに考えて改正案を御提案申し上げた次第でございまして、先ほど申し上げました他の特殊法人におきましても、すべて監査役は認可対象に含まれております。
#46
○梶原清君 次に、現行法の第十二条の二の関係でございますが、従来認可対象になっておりました資金計画、収支予算の認可制を廃止をすることになったわけでございますが、どちらかと言うとこれと一体となっておる事業計画の認可制だけを存続するということでございます。事業計画の認可制を存続する理由というものにつきまして、航空局長から御答弁をお願いしたいと思います。
#47
○政府委員(松井和治君) 国際航空路線と申しますのは、先ほど申し上げましたが、国と国とが協定を結びまして、そこに航空協定に基づきまして路線の維持、運営が行われるわけでございまして、いわば何と申しますか、国益を国にかわって行うのがこの国際航空事業でございます。そういう観点から、二国間の協定に定められました路線、便数、そういうものを日本航空として、その当該年度においてどういう機材を使って、どの路線にどういう便数を張るかというような基本的な考え方を定めるのがこの事業計画でございますので、この点につきましては今後も国の認可制として存続する必要があるというふうに考えた次第でございます。
 他方、資金計画は、事業計画の遂行のための資金上の裏づけでございます。これも私どもとしては知り得た方がいいわけでございますが、その変更についてまで一々認可の対象にするというようなこと、あるいは収支予算についても同じでございますが、そのようなところまで私どもがチェックをするということは、企業の自主的、弾力的な活動を阻害する面もございます。ということから、今回、資金計面、収支予算についての認可制は外したわけでございますが、私どもといたしましてはこれを全く知り得ない状態にするのは適当でないというふうに考えておりますので、事業計画を御提出願う際に資金計画、収支予算をその事業計画に添付していただく。これは認可対象にはいたしませんけれども添付していただく。ただし、その変更についてまで一々私どもにお申し出いただくことは必要ないということにしたいというふうに考えております。
#48
○梶原清君 企業の自主的、弾力的な事業運営を行うという観点から、ただいまのように資金計画ないし収支予算を認可対象から外すということは非常に時宜に即した措置でなかろうかと思うわけでございますが、この点につきまして日本航空の朝田社長さんから若干補足しての御説明がお願いできれば幸いでございます。
#49
○参考人(朝田静夫君) ただいま局長が御答弁になりましたように、資金計画そして収支予算というものが、事業計画を遂行してまいります際の資金計画は資金上の裏づけでございますし、また収支予算は事業計画の収支の予測であるわけでございます。事業計画というものを根幹にして認可制というものを存続されて、収支予算と資金計画というものを外していただくと、このことにつきましては私は非常に現実に即した措置であり、また重複をしておる認可制というものがございますので、資金計画の中でも社債の発行なんというのは別に、個別的に認可の対象になっておるわけでございますから、その辺がうまく適正に調整をされておるということで、私どもはこれによって私どもの活力を発揮するのに大変有用な手だてになると、こういうふうに考えております。
#50
○梶原清君 今回の一連の改正、つまり会社経営の自主性、弾力性の向上を目的とした一連の改正の中で、今回新たに新株発行につきまして認可制にするということがあるわけでございますが、この新株発行を認可制にした理由につきまして、航空局長から御答弁をお願いしたいと思います。
#51
○政府委員(松井和治君) 新株の発行は、社債の発行あるいは長期借入金と並びまして、会社の財務に大変重大な影響を及ぼすいわば会社にとっての基本的な行為でございます。そういう意味合いから、その適否を政府が判断するということは必要だというふうに考えておりまして、他の特殊会社の例を見ましても、すべて新株発行という基本的な行為は政府の認可にかかっておるわけでございます。いままで日本航空株式会社法によりまして新株発行の認可制がなかったというのが、むしろ逆にいささかおかしかったんではないかと思うわけでございますけれども、従来は、先ほど御質問ございました資金計画を認可することによりまして、その年度内に新株発行が行われる場合には資金計画に出てくるわけでございますので、一応それで事実上のチェックが可能であったわけでございますが、今般資金計画の認可制を廃止いたします関係上、いわばそういうチェック手段がなくなるということから、その基本的な会社の行為である新株発行についてだけは、別途の条文に新株発行の認可という規定を創設をした次第でございます。
#52
○梶原清君 最後に御要望を申し上げて御質問を終わりたいと思うわけでございますが、非常に厳しい経営環境のもとで、民間の活力を十分発揮しつつ、より自主的、弾力的な事業運営が行い得るように法改正が提案されておるわけでございますが、企業は人なりという言葉もございますし、この法律を運用していくのも運輸省御当局でございます。今後の日常の行政面におきまして、この法律改正案が意図しております趣旨が十分に生かされるように、企業の自主性を存分に認め、弾力的な事業運営が行えるようにぜひ御配慮をいただきたい、このことを御要望申し上げるわけでございます。
 これにつきまして運輸大臣から御答弁をいただきますれば幸いでございます。
#53
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのように、私たちが今回改正法を提出いたしましたのはまさにそういう趣旨でございまして、これからの企業は、あらゆるどんな企業でもそうでございますが、大変な競争裏の中で勝ち抜いていかなきゃなりません。余り細かく手足を縛っていくというんではなく、急所だけはきっちりと掌握し、指導し、監督はしていきたいと思っておりますが、できる限りの自主的な判断で発展していくようにしていただきたいと、こう思うでおる次第であります。
#54
○委員長(黒柳明君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時三十分まで休憩いたします。
   午前十一時二十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後零時三十八分開会
#55
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、日本航空株式会社法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#56
○目黒今朝次郎君 まず最初に、日本航空の航空界における位置づけについて、国際的な問題、総収入の問題あるいは日本国内における日航、全日空、東亜国内航空その他などを含めて、日本航空の航空界における今日の位置づけについて局長の方からお願いいたします。
#57
○政府委員(松井和治君) 日本航空の国際航空に占める位置づけでございますが、昭和五十四年度の数字で申し上げたいと思いますが、旅客の面におきましては、旅客人キロで統計がとられておりますが、世界の国際航空に占める比率は五・〇%でございます。貨物の分野におきましては、貨物トンキロでシェアが計算されておりますが、この比率は七・〇%でございます。
 ちなみに十年前の四十五年の数字をちょっと申し上げたいと思いますが、これは年度ではなくて暦年でございますが、旅客については四・一%でございました。貨物については五・二%でございました。したがいまして、この十年間で、旅客の面では約一%のシェア増、貨物の分野におきましては一・八%のシェア増ということになっております。
 また位置づけということで別の観点から、昭和五十四年のIATAの加盟会社のうち有償トンキロの多い順で順位をつけてみますと、日本航空の順位は第三位となっております。ただし、御承知のようにアメリカの航空企業はIATAに加盟しておりませんので、パンアメリカンを加えますと第四位ということに相なるわけでございます。
 また、もう一つの見方といたしまして、収入、支出の規模で見てまいりますと、同じく昭和五十四年度の統計でございますけれども、日本航空の収入が二十三億九千万米ドルということでございまして、これはパンアメリカンあるいはエール・フランスとほぼ同等でございまして、英国航空、ルフトハンザがやや多くなっておりますけれども、たとえばパンアメリカンは約二十六億ドル、エール・フランスがこれまた約二十六億ドルと、こういうことでございますので、ほほこれらの企業と肩を並べるというところに位置しておるということが言えようかと思います。
 また、国内の全日空、東亜との比較でございますけれども、五十四年度の営業収入ペースで申しますと、日本航空の数字は五千六百八十四億円でございます。全日空が三千七十九億円、東亜国内航空が七百九十六億円、こういうことになっておりますが、日本航空は国際の分野と国内の分野と両方兼ねて行っておりますので、国内の分野に限って申し上げますと、約千五百億円。したがいまして、国内輸送の三社の比率を大変大まかに申し上げますと、全日空が四、日本航空が二、東亜国内が一と、まあ一よりはちょっと多いわけでございますが、大ざっぱに四、二、一というような位置づけになっておる次第でございます。
#58
○目黒今朝次郎君 じゃ参考までに、日本国内における総輸送量の、航空部門、鉄道部門、あるいは自動車部門、船舶部門、その他と、こう分けまして、おのおのの占める輸送量の位置づけについてお答え願いたいと思います。
#59
○政府委員(石月昭二君) 五十四年度の実績で申し上げますと、人キロで申し上げますが、全体で七千七百七十三億人キロございます。一番大きなシェアを占めておりますのが自動車でございまして、四千二百八十二億人キロでございます。五五・一%でございます。二番目が鉄道でございまして、三千百二十五億人キロ、四〇・二%。三番目が航空でございまして、三百二億人キロ、三・九%。その次が船舶でございまして、六十四億人キロ、〇・八%でございます。ちなみに、過去十年間、昭和四十四年度と五十四年度の対比で申し上げますと、全体の伸び率が一・五倍でございますが、一番大きい伸び率を示しておりますのが航空で、四二二倍に伸びております、根っこが小さいわけでございますけれども。その次が自動車で一・八倍、船舶が一・五倍、鉄道が一・一と。約一割、ほほ横ばいという状況になっております。
#60
○目黒今朝次郎君 わかりました。国際的にも国内的にも、航空産業、日本航空は大きな位置を占めているということが浮き彫りになったと思います。
 それと、日本航空の出資の問題について、もちろん外国の資本は入ってないと思うのでありますが、政府出資を含めて、大体五番目ぐらいまで出資の額とパーセンテージというものを教えてもらいたいと、こう思うんです。
#61
○政府委員(松井和治君) 上位五社の株主の名前、出資額、出資比率というお尋ねかと思います。
 第一位は、申すまでもなく国が所有しております。株主名大蔵大臣ということでございますが、出資額が二百五十三億一千五百万円、出資比率は四〇・三%でございます。第二位が東京海上火災保険株式会社、出資額が十七億七千五百万円、比率は二・八%でございます。第三位が同和火災海上保険株式会社、十七億百万円の出資でございまして、比率は二・七%でございます。第四位が小佐野賢治氏でございまして、十五億四千二百万円、比率が二・四六%でございます。第五位が安田火災海上保険株式会社、十三億二千八百万円の出資で、比率は二・一%でございます。
#62
○目黒今朝次郎君 そうしますと、大蔵大臣名の政府出資が四〇・三%、第二位の方は二・八%、がた落ちでありますが、政府が約四〇%の出資をしておって、他の出資者から見れば比較にならないほど政府の発言権が強い、こういうことについては確認できるわけですな。
#63
○政府委員(松井和治君) そのとおりだと思います。
#64
○目黒今朝次郎君 それは確認いたします。
 それで私は、参議院の調査室が出した調査資料があるわけでありますが、この調査資料によりますと、一番後の方に四十五年から五十四年までの経常の損益の一覧表があるんですが、この損益の一覧表を見てみまして、四十九年が二百六十六億赤字、五十年が同じく九十八億の赤字、五十一年が六十一億の黒字、五十二年が百九十八億の黒字、五十三年が二百二十三億の黒字、五十四年が三億九千万、約四億の黒字、こういうふうになっておるんですが、常識的に考えて、四十九年は二百億台の赤字、で、五年もたたない五十二年、五十三年は二百億台の黒字と、余りにも、赤字も二百黒字も二百と、わずか四年や五年の間にこれだけの振幅といいますか、プラスマイナスの変動が激しいというのはちょっと私は理解できないんですが、これはやっぱり経営が非常に不安定だということを物語っているのじゃなかろうか、こんな気がするわけであります。
 したがって、その経営が不安定であるという証拠になるのかならないのか、あるいは四十九年、五十年の赤字は何が原因で、五十二年、五十三年の黒字は何が原因でこの大幅な黒字になっているのか、その辺の経営の内容と特徴点について、航空局長でもいいし、朝田参考人でもいいし、担当の理事でもいいですから、この辺の中身についてどういう背景があるのか教えてもらいたい、こう思うのであります。
#65
○政府委員(松井和治君) 航空会社、特に日航のように国際路線を運航しております会社の収支に対しまして、燃油費の動向に大きく左右される、あるいは為替の変動に左右される、また内外の経済の情勢に非常に大きく左右される、こういう要素がございまして、おっしゃるようにかなり経常損益にばらつきが出ておるわけでございますが、特徴的お四十九年度の赤字、五十年度の赤字、この両年度の赤字は明らかに第一次のオイルショックによるものというふうに考えられます。たとえばほかの国際航空会社、外国の例を見ましても、同じく四十九、五十年度におきましては赤字を計上しておる会社が多いわけでございます。また、五十一年から回復いたしまして、五十二、五十三と非常に好調に推移いたしましたのは、これは航空機のジャンボ化が一層進みまして、一般的な景気の回復による需要の増加ということによってもたらされたものと考えております。それが五十四年に至りまして著しくまた経常損益が減少いたしましたのは、第二次オイルショックによる燃油費の高騰によるものでございます。
 その経常損益の上下いたします点は、これはただいま申し上げましたような燃油費の動向がかなり大きく左右いたします関係から、必ずしも国際線のみに限りませんで、国内線の航空会社につきましても、第一次オイルショックあるいは第二次オイルショックの影響を受けまして、同じように四十九あるいは五十また五十四という年度におきましては経常損益が著しく下がるというような傾向を見せております。
#66
○目黒今朝次郎君 会社側の参考人の方の見解を聞かせてもらいたいんです。
#67
○参考人(朝田静夫君) ただいま航空局長が御答弁になりました内容について、私どもも完全に賛成をいたしております。
 ただ、少しつけ加えておきたいと思いますことは、御指摘もありました四十九年、五十年度の欠損でございますが、第一次石油ショックと言われておるあの時代のことでございまして、総需要が減退をする、あるいは燃油費が急騰をいたしました。それともう一つ私つけ加えたいと思いますことは、その当時日台路線が断絶をした、中国との航空協定が締結をされまして、日台路線を運営いたしておりましたのが断絶をいたしましたそのインパクトというものが大きいということをつけ加える必要があろうかと思います。
 それから、第二次オイルショック、オイルショックといいますか、石油危機によりますところの燃科事情、あるいは最近におきますところの国際政治情勢、韓国の政情不安あるいはイラン・イラクの戦争、そういったようなものも影響をいたしておりますが、第二次石油危機によってやはり航空輸送需要が低迷をいたし、不振をきわめたということでございまして、航空輸送事業のみならずひいては一般企業についても同様の傾向がございますので、これをもって直ちに経営的に不安定であるというふうに私は断ずることはできないように思います。五十五年度についても、そういう第二次石油危機のさなかにありまして、経営努力によりまして何とか民間株の八分の配当も維持してまいりたい、またそういうことが維持できる見通しでございます。
#68
○目黒今朝次郎君 そうすると、航空局長、全日空とか東亜国内航空も同じ傾向だという話があったんですが、具体的に四十九年、五十年にどの程度の赤字が出て、五十二年、五十三年に需要を回復して増収であったのか、決算面から数字があったらちょっと教えてください。
#69
○政府委員(松井和治君) まず、全日空から申し上げます。比較のために四十八年度から申し上げますが、全日空の四十八年度の経常損益は八十五億六千八百万円ということでございましたが、四十九年のオイルショック後の経常損益は十三億一千万円、これは赤字ではございません、黒字でございますが、経常損益が激減をいたしております。五十年度にやや回復いたしましたが、二十六億二千百万円、五十一年度になりまして七十八億四千万円、五十二年度九十六億一千七百万円、五十三年度九十五億というふうに順調に伸びまして、五十四年度の第二次オイルショックの結果四億四千三百万円と激減をいたしたわけでございまして、傾向として先ほど申し上げました日本航空の傾向とほぼ一致しておるということが言えようかと思います。
 次に、東亜国内について申し上げますと、これはやや特殊でございまして、四十六年度以降すっと赤字を計上いたしておりまして、四十八年度は二十七億七千万の赤、四十九年が十九億九千万の赤、五十年度に至りまして二億の黒字を計上した。それから五十一五十二、五十三とそれぞれ三十一億、三十三億、二十五億というような黒字を計上しておりましたものが、第二次オイルショックのあおりを受けました五十四年度におきましては五十三億の赤字を計上した。これは金額あるいは上下の仕方については若干の差はあるものの、三社ともそういう意味では傾向としては共通な傾向を示しておるということが言えようかと思います。
#70
○目黒今朝次郎君 そうしますと、第二次オイルショックによって振幅がはなはたしかったという点はわかるんですが、為替の自由化あるいはオイルの問題などを考えますと、こういうふうな非常に変動の激しいときに備えるために安全弁的な資金の計画といいますか、対応の仕方といいますか、そういうことは、これも調査室からもらった五十四年度の損益計算書、これを見ると、そういうオイルショックなどの際にできた欠損金を埋めるような安全弁といいますか、そういうようなやつはこの決算書のどこに準備されているのか、準備されているとすれば教えてもらいたいし、この決算書になければ、どういうところでその朝田参考人が経営的に安全だと言うことを裏づける何らかの資金的な措置があるのかどうか、あれば教えてもらいたいし、なければ、政府との関係でこういうルールに従って措置をするんだという点があれば教えてもらいたいと、こう思うんです。
#71
○参考人(朝田静夫君) 第二次石油危機で五十四年度の決算が経常利益わずか四億、三億九千万の利益しか上げておりません。これは何といいましても石油製品価格の大幅で急激な値上がりによるものでございまして、それと同時に需要が低迷をしたということで、それに対する安全弁的な対策というものは、実は私は、われわれの方として用意できるような対策はちょっと考えられません。ただ、そういう情勢にあって、減量経営なり、あるいは合理化なり、あるいは間接経費を徹底的に削減するなり、あるいは労働生産性を高めていくなり、あるいは設備投資を抑制していくなり、そういったいわゆる自助努力、経営努力を積み重ねてまいるより特別のこれに対する即効的な対策は私はないと、こういうふうに考えております。
#72
○目黒今朝次郎君 そうしますと、今回目航法を改正して、政府の株の配当については従来の方法を改正して株の配当をするんだと、これは私も、日航側から問題提起があったのかあるいは政府側から提起があったのかは、いろんな情報を聞いてみますとその点は釈然としないんですが、新聞で見る限りは、むしろ日航の方から問題提起をされて、それに航空局、運輸省側が応じたと、こういうかっこうになっているんですが、今回は日航法の発議者といいますか、最初の発議者はどちらなんですか。日航側なんですか、政府側なんですか。
#73
○国務大臣(塩川正十郎君) これは要するに、あうんの呼吸でこういうぐあいになったと思うのでございますが、しかし以前から日本航空株式会社としては日航法の一部改正をしてもらいたいという要望はございました。それは役員を定款制に改めてほしいということと、それと社債発行限度を上げてほしいという要望が実はございました。それで、運輸省としてはその件につきましていろいろ検討しておったのでございますが、御承知のように、財政再建の一環といたしまして、日本航空株式会社の株式を一部大蔵大臣が売却したいという申し入れがございまして、それに伴いまして今回一連の日本航空株式会社法全般を見直した方がいいんではないかということに相なりまして、それで運輸省の方から関係各省庁に積極的に航空会社法を改正したいということを申し入れて今日の提案となった次第でございます。
#74
○目黒今朝次郎君 わかりました。
 それで、いま朝田参考人の方から、そういうオイルショックにかかわる問題等については直接的な安全弁はない、いわゆる自衛努力といいますか、経営努力といいますか、そういうことだと、それもわかりました。そうしますと、今度の日航法の改正の株の配当をやめたということになりますとどのくらいかかるのかということについては、午前中の質疑を聞いておりますと税抜きで四十億と、いろんな関連をしますと百四十億程度、こういう航空局長の答弁があったんですが、五十四年度が三億九千万、それから五十五年度はどのくらいですか。五十五年度も八億程度と、聞き違いでなければ五十五年度も八億程度と、こうなりますと、いま言った直接配当の四十億が一体配当が可能なんだろうか、素人計算で考えますと大丈夫かなと、こういう気がするんです。
 たとえばこの五十四年度の決算書を見ますと、特別損益の部分を見ますと、特別損益の部分にはある程度余裕が出てくる、こういう特別損益部分の方の金なども総体運用して金の確保ができるんだ、そういう認識なのかどうか、この辺の五十四年度、五十五年度の通常経費の実態と、午前中答弁した直接経費四十億、間接経費百四十億と、こういう関連、本当に可能なんだろうかということについて朝田参考人の方から御答弁願いたいと、こう思うんです。
#75
○参考人(朝田静夫君) ただいま目黒先生の御指摘のとおりでございまして、経常利益五十四年度の決算では約四億、三億九千万でございますが、それと特別損益の差し引き特別利益を加えまして、そして民間株に対する八分の配当が初めて可能になった、こういうことでございます。したがいまして、今後政府の株にも配当することになるとすれば、百四十億の税引き前利益を計上しなきゃならぬ、これは大丈夫かと、こういうお尋ねでございますが、私どもも容易なことではございませんけれども、過去において先ほどちょっと触れました第一次オイルショックのときの四十八年、四十九年にかけて大変な二百六十六億の赤字が出ております。それに対しまして私どもは三年間でひとつ企業を再建をして配当を復活しよう、こういうことであらゆる減量経営というものの定石と言われることをこと。とく手を打ってまいりました。また労働組合側の御協力もいただきまして、そして計画どおり三年間で復配が達成をした。そのときに私は、そういう過去の努力の一つの実績がございますので、百四十億程度の配当所要最低利益というものは何としても確保できる、こういうふうに考えておるわけでございます。
 何分にも航空需要の動向とか、あるいは今後におきますところの航空燃油費の問題とか、あるいは為替レートの問題とか、いずれも不透明な要素がたくさんございますが、五十五年度に引き続きまして収支改善策を強力に推進いたしまして、大体収益は七千七百億、費用は七千五百六十億、こういうふうに見込んでおりまして、この結果経常利益を約百四十億を見込んでおる、こういうことで一層の経営努力を続けてまいりまして、この所期の目的を達したい、こういうふうに考えております。
#76
○目黒今朝次郎君 いま第一次オイルショックの当時の経験を生かしてと、そういう話がありましたが、率直に言って民間の活力を活用するというキャッチフレーズは一面にありながら、やりくりとしては非常にむずかしい、非常にいろんな問題を抱えているということは、いま朝刊参考人の説明の背景に私はくみ取れたと思うんでありますが、これは国鉄の再建計画の際にもいろいろ議論されておる点でありますが、そういう経営上の混乱からいろんなやりくりをする際においても、一つには安全の問題ですね、航空機の安全確保の問題。それからもう一つは国際便を運用しておりますから国際線レベルの関係従業員の労働条件の確保、こういうことについては最小限守るべき原則といいますか、この二つの点を守りながらいわゆる自助努力をする、そういうふうに私は考えているんでありますが、この点はいかがでしょうか。努力する場合においても、安全の問題と国際線レベルの関係従業員の労働条件の確保という点は二大原則として守られるべきだなと、こう考えるんでありますが、これに対する所見についてお聞かせ願いたい、こう思うんです。
#77
○参考人(朝田静夫君) ただいま私どもが守っていかなきゃならぬ課題を二つお挙げになりましたが、私は、安全の問題につきましては航空輸送産業、特に私どもの立場からいたしますとかけがえのない人命をお預かりして目的地まで運ぶわけでございますから、何としても事業の至上命題、絶対至上命題と心得ておりますし、それに対する手だては十分、これが限界だという問題ではございませんので、永遠にこの問題と挑戦をしていきたい。経費の節減にいたしましても、間接経費を徹底的に削減はいたしますけれども、運航整備に関する経費についてはいま申し上げましたように絶対至上命題でございますから、そういうものに手をつけるということは一切考えておりませんし、また生産の品質を低下させるようなことになっては、そういうことも絶対に考えておらぬ、こういうことでございます。
 また労働条件の問題につきましては、現在いろいろな大変複雑な給与体系あるいは勤務形態、そういったものがございまするので、私どもがこういう労働条件の改善維持というものにつきましては、労使の共通の場でこういう問題については生産性を高めていき、そしてできるだけの向上改善に努めていきたい、こういうふうに考えております。
#78
○目黒今朝次郎君 運輸大臣ね、日航法の改正をやって事業計画その他について監督権を若干緩和するという点はわかるんですが、まあ緩和するにしても、航空行政の指導の原則として、国際線について四十五年の閣議決定で日本航空だけが国際線を、まあ独占と言っちゃ変でありますが、国益に従ってやっている。そういう点から見ますと、いま私が提起した問題といま朝田参考人が答弁した問題、これは航空行政の特に国際航空行政の基本として政府ももちろん守るべき問題だ省と、こう思うんですが、大臣の見解を聞かせてもらいたい。
#79
○国務大臣(塩川正十郎君) まあ安全第一を至上命令にして日本航空経営をやっておりますが、幸いにいたしましていままでに、過去において若干はございましたけれども、最近におきましては大きい事故がないのを私ども喜んでおるわけでございますが、いずれにしてもこれに全力を挙げて今後経営をやっぱり続けてもらいたい。したがいまして、私たちといたしまして運賃の決定、あるいはその他社業全般につきまして、すべて安全維持のためのコストだけは何とかこれは確保していきたい、こういう考えで従来から取り組んでまいったようなことでございまして、今後もその姿勢は変わらないと思っております。
#80
○目黒今朝次郎君 それで、私はこの日本航空の実態を少し浮き彫りにする意味で、いま社長がいみじくも言った従業員の給与体系の複雑さ、あるいは勤務体系の複雑さという言葉が使われたんですが、まあ私も国鉄の乗務員でありまして、国鉄の乗務員というのはわりあいに世間様にわかるような給与体系になっているんです。それで、国際的な比較の問題もありますから、御参考までに。
 まず最初に、日本航空の人件費の占める割合は最近の五カ年ぐらいでどうなっているのか、これをパーセンテージで教えてやらいたい、こう思うんです。
#81
○参考人(朝田静夫君) 五十五年度の人件費比率を申し上げますが、まだ決算が完了いたしておりませんので、一部推定を入れまして申し上げますと、村営業費用に対する比率は二二・八%でございます。五十二年度は三〇・一%、五十四年度は二五・六%でございます。こういうふうに人件費比率が毎年下がっておりますのは航空燃油費が非常に急激に大幅に上がったということでございまして、そのウエートが非常に大きくなったために相対的に人件費の比率が下がってきておる、こういうことでございます。
#82
○目黒今朝次郎君 他の会社に比べて、国鉄などに比べてはもう本当にうらやましいくらい人件費のパーセンテージが低いんですが、まあ効率がよいといいますか。それで他の交通機関のやつは六〇、七〇ということがあって、総合交通体系でもいろいろ議論になっているんですけれども、おたくの航空会社の従業員の給与体系といいますか、国内線、国際線の別になっているのか、あるいは、地上勤務員と乗務員の差はあると思うんでありますが、給与体系というのを大ざっぱに世間様にわかるように分ければどんなような体系になっているんでしょうか。
#83
○参考人(朝田静夫君) 給与体系全般について御説明申し上げるとまた大変複雑な内容になりますので、基本になるような要素について申し上げますと、職種別にまず初任給から申し上げますと、地上職の大学卒が初任給が十三万七千八百四十円、こういうようなことになっておりまして、整備職で工業高校卒、そういった者が十万九千六百九十七円。平均賃金で申し上げますというと、地上職の平均賃金は二十四万二千五百円でございます。地上職の平均年齢から申し上げますと、三十二・六歳、勤続年数一一・五年、こういう数字で申し上げればいいかと存じます。
 ここで運航乗員の初任給を申し上げますと、これはセカンドオフィサーをチェックアウト後の初任給でございますが、基本給が十万九千三百二十五円、乗務手当が四十八万三千四百七十円、合計いたしまして五十九万二千七百九十五円というのが初任給に当たるわけでございまして、基本給のほかに乗務手当という特殊な手当が付加されるわけでございます。これが平均賃金で申し上げますと七十三万二千二百円、勤続年数ちょうど十年ということでございまして、平均年齢は三十三・九歳でございます。
 客室乗員、スチュワーデスが主でございますが、これは基本給が七万一千三十三円、乗務手当が十一万九千五百三十五円でございまして、合計いたしまして十九万五百六十八円でございます。平均賃金は三十万百円、勤続年数は五・三年でございまして、客室乗務職の平均年齢は二十六・六歳、こういう数字に相なっております。
#84
○目黒今朝次郎君 そうすると、地上勤務員は国際線も国内線もこれはイコールなんですか。
#85
○参考人(朝田静夫君) それは区別はございません。
#86
○目黒今朝次郎君 それから、運航貝の方の操縦士、客乗、これは、いまおっしゃったのは国際、国内の合併でありますか、国際線だけですか。
#87
○参考人(朝田静夫君) 国際、国内の平均でございます。
#88
○目黒今朝次郎君 日本航空の皆さんの国際線に従事しておる方々のみを計算したやつはわからないですか。これは実は私、先ほど冒頭申し上げたとおり、日本航空の航空界における位置づけということから見て、パンアメリカンとかノースウエストとかいう日本に入っている三十社近くの会社があると聞いておるんでありますが、その方々との国際的な待遇の水準は一体どうなんだろうかということを把握するためにずっと一連の問題提起をしたわけでありますけれども、そんな関係で、いま、事前の連絡が悪かった点もありますが、国際、国内を込みにした数字だ、こういうことになりますとちょっと比較の対象がないんですが、参考人の判断でも結構ですから、日本に入っておる大きな外国会社、その方々と日本航空の外国航路を持っておる方との待遇の状況、日本航空を一〇〇とすればパンの方は、待遇がよければ一一〇だとかあるいは九五だとか、そういう水準でも結構でありますから示してもらえばいいなあ、具体的な数字があれば数字で示してもらえばなおいいなあと、こういう点でお聞かせ願いたい、こう思うんです。
#89
○参考人(朝田静夫君) 御質問の趣旨に的確に答えられませんでしたが、いま再び御質問いただきましたのでお答えをいたしますが、外国航空会社との給与比較につきましては、大変いろいろな要件といいますか、前提条件がございまして、比較を単純にするということはむずかしいわけでございますが、その国の経済事情あるいは為替レートの問題、あるいは賃金体系が必ずしも皆同じじゃございませんので、なかなか比較をすることはむずかしいわけでございますけれども、いま先生の御質問の趣旨に応じてお答えを申し上げますと、結論から申し上げますと、日本航空の乗務員の給与水準はほぼ欧米並みに近づいておる、こういうことが言えると思います。
 副操縦士をとって一例を申し上げてみますと、パンアメリカン、ルフトハンザ、エア・フランスと比較をいたしますと、日本航空が一二七といたしますとパンアメリカンが一五四、ルフトハンザが一二四、エア・フランスが少し高くて一七二、こういうような係数になっておりまして、これがマキシマムとミニマムの間のものをとってみますと、先ほど結論として申し上げました欧米並みにだんだん近づいておる、こういうふうに言えると思います。
#90
○目黒今朝次郎君 きょう、いま直ちにということは無理かもしれませんが、できれば、後で資料で結構ですから、いま言ったパン、エア・フランスなどを含めて、日本航空の国際線に従事している方々と外国大手の比較というものを出してもらいたいと思うんですが、いかがでしょう。
#91
○参考人(朝田静夫君) 後で詳細な資料をお出しいたします。
#92
○目黒今朝次郎君 お願いします。
 それから二つ目には、航空会社の運航というのはわかりませんから、日本航空の国内線に従事しておる方々、もうほとんどエアバスとかDC1〇とかいう形になっておるんですが、それと全日空の大型のジェット機に携っている方々、そういう方々との比較はしたことがあるんでしょうか。比較をしたことがあるとすれば日本航空の国内の問題と、全日空の大型ジェット機のそういう乗務員の待遇比較というのはどんなふうになっているか、わかれば参考までに教えてもらいたいと、こう思っているんです。これは航空局長でも結構です。
#93
○政府委員(松井和治君) 国内の航空会社との比較につきましてもなかなかこれを、たとえばどういう比較をするのか、平均で比較するのか、たとえば年齢の同じぐらいのところで比較するのかとか、いろんな見方があろうかと思います。五十四年度の平均年収で一応見ますと、日本航空の運航乗務員の水準は全日空よりは若干低い、東亜国内より若干高いというような数字になっております。また客室乗務員、スチュワーデスにつきましては他の二社よりも若干高い、こういう形になっております。
#94
○目黒今朝次郎君 それはせっかくの答弁だけど、そういうような観念論じゃなくて、たとえば日本航空が中心ですから、年収、日本航空を一〇〇にすればいわゆる全日空が一一〇であるとか東亜が九五であるとか、あるいは客乗関係はこうと、そういうふうに具体的に、数字がそこにあるからあんたそういう抽象的な答弁が出てくるんだから、やっぱりパーセンテージにすればどういうことなのか、こういうふうに教えてください。
#95
○政府委員(松井和治君) 日航を一〇〇とした数字というのはちょっといま持っておりませんが、日本航空と全日空の差はごくわずかでございまして、日航を一〇〇といたしますと全日空は恐らく一〇一ないし一〇二程度ではないかと思います。それから東亜国内につきましてはおおむね九五ぐらいになろうかと思います。
 それから客室乗務員につきましては、日航がほかよりもやや高くなっておりまして、全日空に比べまして約一割方高い。東亜国内はそれからさらにまたやや低くなっておりますので、日航に比べますと二割方低いというくらいの水準だろうと思います。
#96
○目黒今朝次郎君 これはもう前もっておたくに話してもらえば数字が出てくると思いますが、これもひとつ日本航空さんと同じように後ほどで結構ですから、日本航空を中心として実数とパーセンテージというものをお出し願いたいと、こう思うんですが、いかがですか。
#97
○政府委員(松井和治君) 後ほど提出させていただきます。
#98
○目黒今朝次郎君 それからもう一つ、改正になる勤務時間ですね、労働時間、労働時間はこれどうなっているんですか。同じような方法で教えてもらいたいと思うんですが、まず全日空の方から労働時間。地上勤務員と乗務員の労働時間がどうなっているか、国際線も含めて。ほかの参考人でも結構ですよ。専門家おるでしょう。
#99
○参考人(朝田静夫君) 乗務員、先ほど申し上げましたように運航乗務員と客室乗務員とございますが、就業時間は国内、国際線の別はございませんで、月間百七十五時間を上限としております。これは就業規程に規定をいたしております。
#100
○目黒今朝次郎君 乗務員ね。
#101
○参考人(朝田静夫君) はい、乗務員です。乗務員月間百七十五時間を上限として定めております。そこで乗務員は勤務体制大変複雑な特性ということを先ほど申し上げましたが、月によりまして、また個々人によりましてかなりばらつきがございます。しかし平均的に見ますと、大体拘束時間は百二十時間から百三十時間という程度でございます。
 地上職の方は月間百五十四時間が基本でございますが、いろいろ整備工場あるいは現場の空港支店等にシフト勤務というものがございますので、一部のシフトの体制によりますけれども、大体三種類ぐらいございまして、月間で百五十一時間、あるいは百四十八時間、百四十三時間という勤務がございます。地上職は、この百五十四時間に月間二十五時間まで残業を命じ得ることを前提として運用いたしております。乗務員の場合も月間百五十一時間を超えますときには割り増し手当を支払うということを組合にいま提案中でございます。
#102
○目黒今朝次郎君 そうすると乗務員は、国際、国内の差がない、百七十五時間を上限に運用している。個人とか、月にぱらつきはあるけれども、大体百二十から百三十時間程度でダイヤを組んでいる、こういうふうな理解をすればいいわけですね。それで国鉄のような場合には四週平均して云々、こういう運用の制限があるわけでありますが、そういう運用の制限というのは、いま参考人が申した以外は乗務員の運用には制限ないわけですか。
#103
○参考人(萩原雄二郎君) 乗務員に関しましては別の規定がございまして、航空法におきまして一暦月八十時間、一暦年八百四十時間というのがたとえば当社のジャンボあるいはDC1〇、DC8というものにございます。これは航空法に基づいて当社において社内で規定している時間でございます。
#104
○目黒今朝次郎君 そうすると、これに見合うものとして全日空と東亜国内航空については、いま日本航空の方が答弁したと大体同じかっこうで乗務員が運用されているのですか。
#105
○説明員(長澤修君) ただいま御指摘の法的な面における上限の問題でございますが、航空法に運航乗務員につきましては乗務割りの基準というものがございまして、これによって各航空会社は乗務をする限度を決めまして運輸大臣の認可を受けることになっております。その限度は、それぞれ各航空会社が決めまして運輸大臣に申請をいたしますが、実質的な数字は各社ともほぼ同じ、これは安全上の限界という立場で制限をいたしておりますので、大きな差はございません。
#106
○目黒今朝次郎君 そうすると百七十五時間が大体上限だと、こういうふうに理解していいですか。
#107
○説明員(長澤修君) 百七十五時間と申しますのは、会社が労務協定等に基づいて決めておる時間でございます。航空法で決めております限界はそれより少し高くなっております。
#108
○目黒今朝次郎君 どのくらい。
#109
○説明員(長澤修君) たとえばこれは勤務時間ではございませんで、乗務する時間として決めておるわけでございますが、一暦月で八十五時間、三暦月で二百五十五時間、それから一暦年で九百時間、これが限界でございます。
#110
○目黒今朝次郎君 そうすると、日本航空でも労使の協定では百七十五時間になっておりますが、いま技術部長が言ったことについては実際の運用の面で日本航空も守られている、こういうふうに理解していいですか。
#111
○参考人(萩原雄二郎君) 先ほどの私の言葉が足りなかったかもしれませんが、先ほど申し上げました一暦月八十時間というのは乗務時間なんでございます。それから百七十五時間というのはこれは就業時間でございます。乗務時間以外に地上で準備をする時間とかあるいはまたスタンバイをする時間とか、そういうものが入ってまいりますので、就業時間と乗務時間の違いがございます。
#112
○目黒今朝次郎君 私も乗務員ですから、そういうふうに一言言ってもらえば、われわれも拘束時間、勤務時間、乗務時間あるいは実ハンドル時間と、こう言ってますからね。わかりました、いまあなたの言ったことでわかりました。
 私がいろいろこう聞いておりますのは、国際線、国内線、労働条件、賃金、勤務時間、こういうものをいろいろ聞いておりますと、若干の差はあるが大勢としては余り差がないと。そういうふうに全体的な構想ですね、勤務体系、勤務時間、それから賃金、それから乗務手当、こういうものについては多少のでこぼこがあるけれども、国内線を例にとれば日本航空、全日空、まあ東亜がちょっとまだ会社の経歴が若いから若干落ちているけれども、全体の構築としては労働条件なり運用等については余り大差がないと、そういう認識で議論をしていいかどうかということを、これは航空局長と朝田参考人にいまの労働条件の締めくくりとしてお聞きしたいと、こう思うんですが、いかがですか。
#113
○政府委員(松井和治君) 大体同じぐらいという、その大体というところがなかなかむずかしゅうございますけれども、先ほどお話ございましたように、東亜国内の場合にはこれは使用機材がまだ小さいというようなこともございまして、他の二社に比べますと条件、あるいは先ほど申しました賃金の面で若干の格差があることは否めないかと思います。しかしながら、日航あるいは全日空、あるいは先ほど来お話ございました外国の主要国の企業というようなところにおきます条件というようなものは、先生仰せのとおり、ほほそれに何と申しますか、近いものというふうに理解してよろしいのではないかと考えております。
#114
○参考人(朝田静夫君) ただいま目黒先生の理解されておるところだと、概括的に申し上げてほとんど大差はないと、こういうふうに私も理解いたしております。
#115
○目黒今朝次郎君 そうしますと、私はこれはこの日本航空の不当労働行為の問題、都労委の問題はもう何回かここでやりましたから、きょうは繰り返しません。この前やった、昨年の十月三十日の運輸委員会でも萩原参考人、北参考人ともずいぶん具体的な議論をいたしました。その前の委員会でも議論いたしましたし、あるいは衆議院の段階でも交通安全対策特別委員会で議論されておりますから、私はこの段階で長々と触れようと思いませんが、この前、組合側から事情をちょっと聞きましたところ、四月の十日、第六回の審問で大体終わったと、こう聞いておるんです。最初は、この前の委員会の当時の話では、労使が詰めて、ことしの十二月まで大体十八回程度の審問をやるということで始まったと。ところが、担当の中労委の石川吉右衛門さんがやって、これはあくまでも労使で決めるのが一番いいことだと、労使で決めることが。だから、十分労使で話し合って決めなさいということで、中労委の審問は大体この辺で終わりということで、十二月予定しておったやつが四月の十日で大体打ち上げになったという話は聞いているんです。
 私はこの問題について、いまややこしいくらい賃金の問題、労働条件の問題、勤務時間の問題を話をしまして、締めくくり答弁として、航空局長と朝田社長の両方からありましたから、私はこの不当労働行為の問題について、まず第一に監督権のある運輸大臣ですな、日本航空の発言権については他の株主に比べてもう問題にならないくらい強大な発言権がある、日本政府は。そういう構想から見れば、不当労働行為というのを政府機関がやるというのは、これは余りよくないことであって、まあ全逓の争議あるいは国労、勤労の争議などを含めて一定の解決を政府がするんですから、そういう経験を生かしながら労働問題に対する所管大臣の運輸大臣として、この日航法の改正の問題に当たって、これが通れば先ほども社長が言うとおり、非常に経営も苦しい状態になりかねないという段階で、ひとつ運輸大臣として、私はくどく言いませんから、この問題に対する、日航法の改正に当たって所管大臣として、しかも発言権を最も持っている政府の国務大臣として、渡辺大蔵大臣にかわって運輸大臣から、直轄の運輸行政、それから銭こを預かっている国務大臣の一員と、この両面から大臣の見解なり決意のほどをこの際聞かしてもらいたいなと、こう思うんですが、いかがですか、大臣。
#116
○国務大臣(塩川正十郎君) 御承知のように、日本航空株式会社、この会社は長い間そういう労働問題の悩みを抱えておりまして、これが労使双方ともに大変苦労し悩んでおられると思うんですが、ところでこの問題につきましては、衆議院の運輸委員会においても相当議論された問題でございましたんですが、私たちといたしましては、いま会社と組合が何とか打開の方法をと思って、中労委の方に審問をされておる、それがいま四回まで終わったようでございますが、あともう少し何か続けて審問をされるように私は聞いておるんです。その結果等をわきまえてわれわれとしてどうするかという対応を考えていきたいと思っておりますが、しかしこれはあくまでも労使の問題でございますので、労使の紛争には政府はできるだけ入らない方がいいというのは、これは国会で絶えず指摘されておることでもございますので、私たちはそれにつきましては慎重にひとつ考えていかにゃいかぬと思っております。しかし、結論として申しますならば、その審問の経過を見た上でわれわれとしての対応を決めたいと思っております。
#117
○目黒今朝次郎君 大臣ね、私いまちょっと錯覚していました。四月十日はあした、きょうは九日ですね。勘違いしました。
 四月十日の第六回の審問で大体結審と、そういう考えでおるようでありまして、本来はことしの十二月まで予定が入っておりましたが、公益委員の意向などによって四月十日の第六回で終わると、結審になると、その背景はこれはやっぱりこの問題は中労委も大変だけれども、両者の自主的な詰めといいますか、あるいは中労委が出せる勧告といいますか、そういうものをてこにして労使で話し合いなさいというのがどうもその背景にあると、こうわれわれは承っておるのでありますから、いま大臣が言った結審の終わった段階でさらに精力的にこの問題を、いまの大臣答弁をこの場の答弁とだけにしないで、やはり積極的に不当労働行為を排除していくという政府の方針でありますから、この方針を踏まえて取り組んでいく、そういうふうに理解したいんですが、いかがでしょうか、くどいようですけれども。
#118
○国務大臣(塩川正十郎君) いま続けられておりますところの審問の経過等十分見まして、それでおっしゃるような努力を何か取っかかりがあればと思っておりますけれども、しかし私たちといたしましては、先ほども言いましたように、労使関係の紛争にはできるだけ入るなというそういう基本方針はございますけれども、しかし監督官庁として何かの手がかりがあれば、それに対応したいと、こう思っております。
#119
○目黒今朝次郎君 朝田参考人ね、去年の運輸委員会で当時いらっしゃった専務、常務に十分話をしてありますから、私は中身はそれなりに伝わっていると思うんであります。で、おたくの方の会社側の反証の具体的問題点などについてもそれなりに把握をしておるつもりであります。しかし、中労委の審問も四月十日で六回も続けられるということでありますから、いま大臣の答弁も受けて何とか打開の道を講ずるようにこの段階で最大の努力をしてもらいたい。必要になればわれわれもいろんな手をかすことにはやぶさかでありませんから、やはりこの日航法の改正に当たって、今後政府のいろんな手当てが薄くなればなるほど、一面では活力があっていいという反面、一面ではやっぱり国策会社としては非常な苦境に立つ場合もあると思うんでありますから、そういう長い展望を考えますと、やはり労使間の問題はむしろきれいさっぱり解消するという方向が望ましいと私は思うんであります。ですから、ここで細々と具体的例は挙げませんから、いまの大臣の決意にこたえる社長の意思表明としてこの際朝田参考人に決意のほどを聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
#120
○参考人(朝田静夫君) ただいまの大臣の御要望の趣旨も十分私としても理解いたしておりますし、目黒先生の御趣旨もかねがねから私も十分理解しておるつもりでございます。何としても私もこの問題はひとつ当初から筋道の通った早期解決というものが最も望ましいと、もちろんそういうふうに考えておるわけでございますが、本件につきましては、組合の方もわれわれの方も双方譲歩をして合意に達しておる立証協定に基づいて審問がいま行われておるわけでございますから、この段階で審問をやっぱり十分尽くすということが私は必要であり、問題の解決に資するところだというふうに考えておるわけでございます。
#121
○目黒今朝次郎君 労働省来ていますか。――この問題は都労委、中労委が仲介に立ちながら努力をしてきた。大変都労委、中労委が苦労しておると思うんでありまして、それをいろんな面で陰に陽に指導されておる労働行政は大変な苦労だと思うんであります。しかし今日日航法が提案されていま体質改善のポイントを踏み切ろうと、こういう段階でありますから、前回の運輸委員会で当時の法規課長が私に答弁したことをここで確認はいたしません。いま大臣と朝田参考人の方でこれを機会に積極的に取り組むと、こういう姿勢をとっているわけでありますから、労働行政の面から見ても、都労委あるいは中労委を通して本件解決に努力する手がかりがあれば、あるいはむしろ手がかりをつかむような努力をぜひ労働省のサイドでもお願いしたいなと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#122
○説明員(中村正君) 日航争議の早期かつ円満な解決は労働省としても非常に望んでいるところでございます。先ほどからお話もございますように、審問協定に基づいて審問が行われていると。現実に労働委員会におきましては、その審問の終結後命令を出すというのが本来の筋でございますけれども、一方においてやはり委員の御発議等によって和解というような動きも制度的にはございます。現にケースの八〇%ぐらいが和解によって解決しているというようなこともございます。これは一に労働委員会の独自の御発想で行われることでございますが、そういうような和解という道もございますので、労働委員会の審問の動きあるいは審問過程での和解の動きというものを十分注視いたしまして、運輸省ともよく連絡を密にして円満な早期解決に私どもも努力していきたいと、こう思っています。
#123
○目黒今朝次郎君 運輸大臣、きょうは労働大臣にもぜひとお願いしたんですが、いろいろな委員会の都合で、いま法規課長が言ったとおり、労働省を代表した意見をまとめてきてくれと、こういう要請をしたところいま発言があったわけであります。でありますから、本件問題については運輸大臣と労働大臣、直接の関係者であるいわゆる朝田参考人と航空局長と、こういうところで相対的に関係者の最大の努力ということを再度私はお願いしますから、代表して運輸大臣から締めくくり答弁をしてもらって、それをてこにお互いに解決の道を求めると、こういうことで締めくくりの答弁を運輸大臣お願いしたいと、こう思うんですが。
#124
○国務大臣(塩川正十郎君) 私たちもこれは大変な重大な関心を持っておりますので、審問の経過を十分にこれをわきまえ、できる限りの積極的な対応を関係省庁あわせまして努力を重ねていきたいと思っております。
#125
○目黒今朝次郎君 じゃ大臣のひとつリーダーシップを期待いたしております。
 それから、これは私もちょっとわからないんですがね、航空局長の方がいいだろうね。去年の上期終わって五十五年の下期の航空界の情勢を見るに、これは新聞の皮肉じゃありませんけどね、日本航空はきわめて辛い、いわゆる需要が低下する、したがって収入が減ると、こういう航空業界の分析をしていると。全日空の方はむしろ強気で、いま上期は悪かったけれども下期は何とか回復して黒字になるという「日本経済」は全日空の見通しを書いている。それから同じ経済新聞が日航の分析を書いている。去年の上期終わった段階ですよ、下期の見通し。同じ日本航空と全日空が、航空需要の見通しについて、八月、九月ごろの下期の見通しがこんなに違うというのは一体どうなんだろうかということを疑念に思うんですが、いま四月でありますから、三月の実績を見てみて、どちらの判断が正しかったんですか、参考までに航空局にデータがあったら教えてもらいたい。日本航空の分析と全日空の五十五年下半期の見通しです。
#126
○政府委員(松井和治君) 日本航空と全日空の見通しという数字、実は私手元に持っておりませんが、国内線につきまして先ほども御答弁申し上げましたが、対前年、五十四年度に比べまして、月別に見ますと、上半期の五月が一〇〇%、八月が一〇六%ということで、この二カ月だけが前年度同等もしくは若干上回ったわけでございますが、それ以外の四月、六月、七月、九月の各月におきましては、いずれも対前年度の同月の輸送量を下回ったわけでございます。上半期トータルいたしまして対前年九九%と、こういうことでございました。
 下半期に入りまして依然として需要の低迷が続きまして、十、十一、十二、一、二と、現在私ども手元に二月までの数字を持っておりますが、いずれも対前年同月の数字を下回っております。したがいましてこの三月の数字が、先ほどお答え申し上げましたが若干上向いているという情報でございますけれども、まだ確たる数字を持っておりません。トータルいたしまして仮に三月が対前年同月を上回ったといたしましても、通年いたしますと恐らく対前年度の数字を下回るんではないだろうかというふうに考えております。したがいまして強気の見通しというのは当たっていなかったということが言えようかと思います。
#127
○目黒今朝次郎君 それは日本航空の見通しが正しかったと、こうなるわけですね、裏から言えば。私がそれをなぜ聞くかというと、東亜国内航空がA3〇〇という新しい飛行機を購入して、けさも私仙台から飛んできたんですが、きょう羽田空港に三機おりましたね、A3〇〇が。このA3〇〇の問題について、東亜国内航空は大体三機のオプションを含めて合計九機購入する、こう報道されているんですが、これは間違いないですか。
#128
○政府委員(松井和治君) そのとおりでございます。
#129
○目黒今朝次郎君 そして九機を購入して、非常にいい飛行機なんだけれども、この航空需要が思うとおりいかなくて、完全に九機を購入することそれ自体が非常に財政的にむずかしくなった。そういうことでこれを何とかしょうかと……。それで新聞報道によりますと、この際日本航空さんにまけてもらって、このA3〇〇で東南アジアあたりに不定期便でもいいから入れようか、こういう案と、もう九機は要らないからこの際四機か五機で、あとはまけてもらおう、いわゆる解約しよう、そういう二つの折衝がされて、そのうちむしろ解約するのはもったいないから日本航空さんにサービスしてもらおう、こういうことで運輸省に泣き込んだ、申請をした、こういう記事があるんです。
 この問題についてはやっぱり一つはこの問題がどう始末されるのかという問題と、一つは景気の見通しといいますか、需要の見通しということがやっぱり少なくとも航空界に――日本航空、全日空、東亜国内航空、あるいはその他、こうありますね、やはり航空局も入ってある程度の見通しというのはやはりお互いに最小限つぼの合うところは合わせておいて、航空行政を考える、あるいは会社の運営を考えるということが中長期的に必要じゃないかなということを教えておる問題ではなかろうか、そんなふうに理解したものですから、その辺の事情について航空局長に聞かしてもらいたい、こう思うんです。
#130
○政府委員(松井和治君) 先ほどお答え申し上げましたように、東亜国内航空がエアバス・インダストリーからA3〇〇を九機買うということで計画をいたしたわけでございまして、すでに三機導入されておるのは御指摘のとおりでございます。
 東亜国内航空はこのA3〇〇を使いましてどういう路線を運営する計画を持っておったかということでございますけれども、東亜国内といたしまして、現在同社が運営しております路線で、たとえば東京−鹿児島、東京−福岡、福岡−鹿児島、あるいは現在飛ばしております東京−三沢等の路線にとりあえずこれを導入をする。さらに将来の導入いたします機材によりましてまだまだ導入できる路線を持っておるわけでございまして、たとえば東京−千歳でございますとか、あるいは大阪−鹿児島でございますとか、東京−長崎でございますとか、あるいは東京−函館でございますとか、さらには東京−帯広、東京−大分というよ、つな同社の路線に逐次これを投入していくと、こういう計画で購入計画をお立てになったわけでございます。
 新聞紙上でA3〇〇の解約問題云々ということがかなり大きく取り上げられたわけでございますが、御指摘のように最近の旅客需要の低迷が予想以上に長く続いたということもございまして、東亜国内の経営がかなり悪化の傾向を見せておるということから、同社ではA3〇〇の一部導入延期あるいは一部解約についてエアバス・インダストリー側に、もしそういうことをするならばどういう条件になるのでしょうということを問い合わせだというのは事実でございまして、私どもそういう報告を受けたわけでございます。ところが、エアバス・インダストリー側はこれにつきましていまだに条件についての回答はしない、それは約束違反であるというようなことから回答がないというふうに聞いております。
 今後同社といたしましては、相手方の条件提示というものがなければこれは話が進まないわけでございますので、相手方の条件等を聞いた上で、慎重の上にも慎重に検討いたしたいということでございまして、あたかも解約が決まったかのごとく報道されたのはいささか先走り過ぎているのではないかというふうに考えております。
 運輸省といたしましても、これは基本的には両者間の商業ベースの話ではございますけれども、同社が適切な対応をすることが望ましいというふうに考えております。
 また、先ほど東亜国内航空がこのA3〇〇の問題に関連いたしまして、東南アジアへの国際線進出を運輸省に申請したというようなことは全く事実無根でございまして、私ども同社から仮の話としてでもそういう話は一切聞いておりません。
#131
○目黒今朝次郎君 そうすると東南アジアの申請はない、条件提示を見てから行政指導は考えると、そういう御答弁ですが、それと同時に、私は航空の需要と供給という問題については、少なくとも行政が介入するということはそこまでは要求しませんが、こういう東亜のようにちょっと見通しを誤ると国内だけではどうにもならぬという問題にぶつかるもんですから、聞くところによると日本航空も何か来年あたりエアバスを買うと、そのための資金調達をしているという話も聞くんですが、それは真偽は別にして、こういう国際的に影響を及ぼす航空業界の需要と供給という中期的な見通しぐらいはやっぱり航空三社と運輸省が十分に資料を出し合って、検討し合って、商業ベースであるけれどもと局長が言ってますが、誤りのないような、調和のとれた、お互いの連携プレーということが必要じゃなかろうか、こんなふうに考えるんですが、行政の立場としてはいかがでしょうか。また、実際運営をしている日本航空朝田参考人としては、そういう中期的な見通しの調整ということについてはどんな考えでしょうか、聞かしてもらいたいと思います。
#132
○政府委員(松井和治君) 航空需要の見通しにつきまして、役所側と航空三社側とで十分調整を図るべきではないかという御指摘でございます。
 私ども運輸省といたしましては、現実に空港の整備を担当する立場でございますし、また、航空の交通管制等も運輸省が担当するわけでございまして、そういう意味合いから将来の機材がどの程度ふえるのかということにつきましては大変大きな関心を持っておるところでございまして、私どもはそれなりに需要の見通しというものを立てるわけでございますが、その需要の見通しと会社側が機材を購入する基礎になる需要の見通しとはこれはまたおのずから別でございまして、会社側の機材購入というものは、仮に需要が伸びるからそれに比例して機材を買わなければいかぬというものではもちろんございませんし、たとえば、機材の購入につきましては、古い機材を取りかえるという意味合いもございますし、また相手企業との競争条件の上から大型機材を投入した方が有利だというような判断も働くでございましょうし、必ずしも私どもの立てます需要見通しあるいは航空企業のお立てになる需要見通しというものとがぴったり一致しなければならぬということはなかろうと思いますけれども、今後の需要の考え方について、航空三社あるいはその他の方々の御意見も聞き、また私どもも私どもなりの意見を申し上げてできる限りその調査を図っていった方がいいという御指摘については、御指摘のとおりだというふうに考えております。
#133
○参考人(朝田静夫君) 元来、東亜国内航空と私どもの会社の関係が従来いろいろな経緯がございまして、ジェット化を推進されるときに運輸省の強い要望がございまして、私どもは技術支援、技術援助をしてまいりました。それから、四十七年の大臣通達にもございましたように、幹線に参入することを私どもは大臣の通達の方針に従って歓迎をいたします、どうぞお入りくださいと、こういうようなことで共存共栄、協力関係というものを推進してきたつもりでございますが、今回のA3〇〇の問題につきましては、どうしたらいいのか具体的な御提案もございませんし、私どもといたしましてもこれ容易に解決できるようなやさしい問題ではないというふうに考えておりますが、従来からの両者の関係は、先ほど申し上げましたように、協調、協力の精神で具体的に問題が出てまいりましたときにそういう気持ちで対処したいと、こういうふうに考えております。
#134
○目黒今朝次郎君 もう一つ私はわからないから教えてもらいたいんですが、このA3〇〇に関連して東亜国内航空が日本航空にパイロットの、まあ何といいますかな、一時雇い入れというんですか、パイロットを貸してくれ、そういうような申し入れがあったと。で、いろいろ内容、中身調べてみると、A3〇〇は購入計画を立てたものの、それを操縦するパイロットの養成の計画がなかったのか、おくれたのか、そんな関係でパイロット不足でまあ日本航空に泣きを入れている、そういう話がきておるというわけでありますが、そういうことはいまの民間のパイロット界では、貸す貸さないというふうなことが可能なのかどうかですね。可能とすれば労働条件とか、それからまあ仮に事故があった際に、その借り受け側の東亜国内航空の内規で補償するのか、貸した側の日本航空の内規で補償するのか、そういういろんな取り決めなどについては現に行われているのか、あるいはあろうとすればいまから行われようとするのか、その辺のパイロットの貸し借りというのは一体どういうことなのか。私は、むしろパイロットの養成計画、運行計画がないままにA3〇〇を買ってしまうというのは、私も国鉄の乗務員として四十年の経験から見ると、どうしてもその辺理解ができないんですが、このパイロットの貸し借りというやつはどうなんですか、実態を教えてもらいたいと、こう思うんです。
#135
○参考人(萩原雄二郎君) TDAから日本航空に対しまして、コパイロットですね、副操縦士を借りたいという話はございました。しかし、その後TDAさんにおきましても、先ほどのお話にもございましたとおり、キャンセルもしくは延期というようなこともございましたし、あるいはまたほかの路線を縮小するというようなことになりますと、これは乗務員も余ってまいるケースも考えられますので、その後この話はそのままになっておりまして、話がいま進んでいないということでございます。
 それからもう一点、乗務員の出向ということ、これは行われたことがございまして、日本航空におきましてもかつてTDAさんからフライトエンジニア、航空機関士ですね、出向を受けまして、うちで働いていただいたということがございます。
#136
○目黒今朝次郎君 そうすると、航空局長ね、いま参考人のお話があったとおり、航空界ではこういう出向という形でこの操縦士なり機長なりあるいはその機関士なり、そういうことがルールとして行われていることは何ら不思議がないということで理解していいんですか。
#137
○説明員(長澤修君) 先生お話しの操縦士あるいは機関士の航空会社間の出向の問題でございますけれども、過去におきましてそういう事例がございます。それで、そういう場合にやはり安全上の対策をどうするかということを十分講じた上でそういう出向というものが行われておりまして、このことは航空界全体の枠から見ますと、弱いところへ強いところの人が行ってお手伝いをするというようなことで、航空界全体のそういった面の技術のレベルアップと、そういうものに寄与する場合について認めてきておるというのが実情でございます。ただ、例としましてはそんなに多くはございません。
#138
○目黒今朝次郎君 いや、AとBがありまして、Aというところが技術が弱いからBという技術の強いところへ行って、出向して技術アップを図ると、あるいは技術の充実を図るというならそれなりにわかるんですよ。ところが、いまたまたま東亜国内航空から日本航空に副操縦士を貸してくれということは、営業マンを貸してくれということでしょう、実際の営業機に乗って操縦する人を貸してくれと。たまたま経済上の関係でA3〇〇の納入なり、それが契約破棄なりあるいはおくれたと、そういう現状があるからいまは立ち消えになったけれども、仮に予定どおり入ったと仮定した場合に、いま言ったようなことは航空界としてはあり得るんですかということを聞いているんです。
#139
○説明員(長澤修君) こういう問題は、基本的には私どもは企業間の話であるというふうに考えておりますが、日本航空におきましては、現在若干副操縦士が余裕がございます。それから、東亜国内航空は、A3〇〇を導入するに際しまして必要な人員の手当てをいたしておりますけれども、これを十分訓練をするという必要性が非常に高こうございます。
 それで、この問題は一方におきまして日本航空の副操縦士の飛行経験の増加、そういう経験を増加させるということで、日本航空の機長の養成の促進に資するという点が一つございます。それから一方におきまして、東亜国内航空の副操縦士層の強化につながるというような二点がございまして、そういうことで、私どもは基本的には好ましい話であるというふうに考えておりますが、いろいろ企業間の都合がありまして、現在進んでおらないというふうに聞いておるわけでございます。
#140
○目黒今朝次郎君 そうすると、航空局長ね、企業間の問題だということは、航空業界では、企業間で話し合って、安全の問題、取り扱いの問題の合意を達すればそれはやってよろしいと。たとえば陸上交通で言えば、東急の運転手が京浜の電車に乗ってくれと、こういうものですよ。だから、地上の交通ではそれはいかぬから、能率が悪いと言いながら地下鉄で、たとえば京浜の電車が地下鉄に入って、それで都営鉄道に入れば、都営鉄道の運転手が運転する。ハンドル交代やるわけですね。それで都営の線をずうっと都営の運転手が運転していって、そうしてそこを越えれば今度は京成の運転手がハンドル交代する。会社間の運転手の振り分けはまかりならぬというのが陸上の常識なんですよ、陸上の常識。
 それを航空界では、会社間さえ話し合いずれは、技術の向上などとかなんとかということになれば、航空界ではそれは何ら規制がないのかと、その関係を私が聞いているのです。陸上では全部鉄軌法によってお互いの乗り入れはまかりならぬと。乗り入れても、特別に乗り入れする場合は車両が乗り入れるのであって、運転手はまかりならぬといって、運転手は全部ハンドル交代やっているのですよ、その常識しか私はないものですから。その点がこのパイロットの、貸借対照表じゃないけれども、航空界では企業間さえ了解すれば航空法上の規制はないのかということを私は聞いているのです。
#141
○政府委員(松井和治君) 先ほど技術部長がお答えいたしましたように、基本的にそういうことがしばしば行われるというようなことは、私必ずしも好ましいとは考えておりません。しかしながら、法的な規制云々という御質問でございますならば、そのような規制はないわけでございまして、一定の資格があれば、これは企業間の話し合いにより出向するということは法的には可能でございます。
 ただ、航空会社が新しい機材を導入するに当たりまして、先生の御指摘のように、機材の購入に必ず付随いたします、たとえばその機材の整備を行う人間あるいは運航乗務員というような者の養成計画あるいは整備工場の建設計画というのをあわせて計画をするのは、これはもう当然のことだと考えておりまして、先ほど申しましたように、会社の計画が当初からずさんであったというふうには考えておりませんが、たまたま訓練の充実と日本航空側の若干の余裕というようなものの組み合わせからこういう話が持ち上がったことではないかというふうに考えております。
#142
○目黒今朝次郎君 航空界のあれはわかりました。わかりましたが、やっぱり私は会社だけに任せるのではなくて、安全の確保は行政の責任だという点から見れば、そういう際には少なくともこれこれの条件は満たさるべきだという一定のルールをやっぱり私は決めておいてほしいということを要請しておきます。また同時に、このパイロット、副操縦士の問題をめぐって、日本航空の乗員組合の人々から聞きますと、乗員組合としては反対だと、こういう意見も言っていますから、それ以上私は詳しくは聞きませんでした。したがって、当該の直接にかかわる乗員組合の意見ということも十分に参酌することもやっぱりルールの中に一項入れておくべきだ、そういうものを含めて航空局長、やっぱり私は一定のルールを、安全確保という点と技術の習得という点から、企業間に任せることはいいんでありますが、行政の指導として一定のルールをつくっておくべきだ、こう思うんでありますが、検討することについていかがでしょうか。
#143
○説明員(長澤修君) こういう航空会社間の出向ということが行われます場合には、私どもとして安全上支障がないかどうかということを徹底的にチェックをするという姿勢でおります。航空機を操縦いたしますにはいろいろな限定変更と申しましてそれぞれの航空機についてのいろいろな要件がございます。それから、一定の期間飛ばなければいけないという慣熟上の要件もございます。それから飛ぶべきルートについての慣熟度をチェックするということもございます。こういう二重、三重になっております安全上の要件を十分満たしておるかどうかということを徹底的にチェックをして、しかる後に出向ということが行われるのであれば行っていただくということで私ども対処しておるわけでございますし、今後もこの安全上のチェックに関しましては十分あらゆる努力を続けたいというふうに思っております。
#144
○目黒今朝次郎君 あなたの努力はわかりますがね、ただ、それをやはり一つの安全確保のみで出向に当たってのルールというものを行政指導のやっぱり一環として作成し、基準化しておくべきではなかろうかという私の問題提起なんですが、それについてはいかがですかと、こう聞いてるんですよ。
#145
○説明員(長澤修君) 先生御指摘の点は今後十分検討したいと思います。
#146
○目黒今朝次郎君 よろしくお願いします。
 それからA3〇〇が出たついでに、この飛行機は大分、二千メーターの滑走路でも運航できる。それから燃料がきわめてかからない。ある雑誌によりますと、東京−鹿児島間で、ジャンボは八百ガロンだけれどもこれは四百四十ガロンだと、まあ期待申したいんでありますが。それから騒音が非常に少ない、そういう特徴を持っている。こういう三つの特徴から見ると、日本の中距離用には非常に適合するんじゃないかという評価の雑誌を見たことあるんですがね、この評価の仕方について間違いがないかどうか、これは非常にむずかしい答弁だと思うんですが、純技術的にこのA3〇〇というものの性能について、この際評価があれば教えてもらいたい、こう思うんです。
#147
○説明員(長澤修君) ただいま御質問のA3〇〇でございますけれども、この飛行機は昭和四十九年の五月に就航しまして以来、ことしの二月末現在で、現在世界の二十一カ国、それから二十三の航空会社で百二十五機が使用されております。これらの航空会社の中にはアメリカのイースタン航空あるいはフランスのエア・フランス、西ドイツのルフトハンザといったような世界的に名の通った航空会社がございます。そして、この飛行機は設計のねらいといたしまして、おおむね千ノーチカルマイル、約二千キロ程度でございますけれども、この辺の長さの路線を考慮して設計をしました双発の飛行機でございます。したがいまして、このような路線におきましては双発機の特性でございます経済的な利点、これが十分発揮できる性格の機体だというふうに私ども考えております。
 それで、この飛行機の受注は最近著しく増加をいたしておりまして、本年の二月末の時点ではこのA3〇〇の改良型のA3〇〇というのもございますが、この改良型を含めまして三十九の航空会社から三百十機の確定発注及び百五十三機のオプションの発注を受けております。この飛行機が非常に世界的に高く評価されておるこれは一つの左証ではなかろうかというふうに見るわけでございます。
 それで、A3〇〇には他のワイドボデー、胴体の広い機体と同じように低騒音で、しかも燃料消費の少ない、私ども専門用語でバイパス比が高いと言っておりますけれども、高バイパス比のエンジンが装備されておるということと双発機であるということのために、燃料の消費量は先生御指摘のとおり他の広胴機よりもやや良好でございまして、また騒音も新しい厳しい基準に合致しておる機材でございます。
 次に、離着陸の性能でございますけれども、これにつきましても、滑走路が雲とか氷に覆われておる、あるいは非常に滑りやすい状態にあるというときは別でございますが、そうでなければおおむね二千メーター以上の滑走路長で運航ができ、かつその場合には当然、この飛行機の目方は少し重うございますので、この重量に耐える強度の滑走路が二千メートルであっても必要であるということでございますが、そういうことがあれば就航可能であるというふうに考えております。
 これらを総合的に見てみますと、このA3〇〇という飛行機は、国際線で言いますと短距離、国内的には中、長距離の路線の大量輸送に適した機材でありまして、燃料消費、騒音あるいは性能、こういったものはいずれも水準以上のものというふうに考えられるかと思います。
#148
○目黒今朝次郎君 航空局長、いま技術部長が言ったことをずっと考えてみますと、いま飛行場の拡張、あるいは飛行場のジェット化の際にいろんな問題が起きているわけですね。そういうことを考えますと、航空局は飛行場をつくることで、機種の選定は業界だ、こう逃げられるかもしれませんが、やっぱりいま行政の一体化ということで考えますと、いま技術部長が言ったA3〇〇の評価と飛行場の拡張とジェット化と騒音、それから省エネルギー、こう考えると、やっぱりロッキードじゃありませんが、検討に値する機種であり、総合的に考える大事な側面を持っているなというようなことを教えているんじゃなかろうか、こんなふうに私は考えておるんですが、角度を変えて。ですから、そういう意味では飛行場の整備、拡張とそれからジェット化の問題の際にも、やはり航空行政の一環として総合的に考えるべきじゃなかろうかな、こういうことで問題を提起したんですが、航空局長、どんな御見解でしょうか。
#149
○政府委員(松井和治君) 私ども、空港の整備計画を立てます際に、その空港の将来需要がどのくらいになるか、その需要に応じましてどういう機材が使われるであろうか、まずそれを検討いたします。
 一方で、機材が将来どういう機材が出てくるであろうかということ、これは会社がどの機材を採用するかという話とは別に、どういう機材が出てくるかというようなことで考えるわけでございまして、たとえば非常に需要の大きい地域に空港を整備いたします場合には、現在の時点ではいわゆるジャンボ、ボーイング747が使われるであろうという想定のもとに、それに適した滑走路長あるいは航空機の重量に耐え得る滑走路の厚さというようなことを考えて空港の整備をしておるわけでございます。また、それよりやや規模の小さい都市におきましては、ただいま御指摘のA3〇〇あるいは五十八年に就航が予定されておりますボーイングの767というような機種が恐らく使われるであろう、こういう想定のもとに滑走路長の計画をするわけでございまして、おおむね大型の空港については滑走路長は二千五百を基準とし、それよりやや規模の少ない都市における空港につきましては滑走路長二千というようなことで計画をいたしておるわけでございます。
 また、空港をつくります場合には滑走路の長さだけではいけませんで、飛行機を駐機させるスペース、いわゆるエプロンというものがどのくらいの面積が要るかということも、そこにどういう機材が就航するかによって変わってまいりますので、そういう点につきましても、先ほど来申しておりますように、現時点ではジャンボあるいは767もしくはA3〇〇というようなことを念頭に置いて空港整備を進めておるということでございます。
#150
○目黒今朝次郎君 それで、飛行場の関係が出たついでに、当面航空局として大がかりな空港の問題として考えているのは、成田あるいは羽田、千歳、関西、こういう空港だと思うんですが、これは認識間違いありませんか。
#151
○政府委員(松井和治君) 国際空港といたしまして成田の二期工事、それと関西地区の国際空港としての新関西国際空港、それから国内の空港といたしまして羽田の沖合い展開、それと御指摘になりました新千歳、以上が私どもの現在計画しております大きなプロジェクトということは御指摘のとおりでございます。
#152
○目黒今朝次郎君 それで、羽田沖の空港の問題について、けさですか、私、この新聞見たんですがね、きょうの新聞です。これによりますと、地元の騒音にかかわる苦情を受け入れて一部運輸省で修正をして、そうして地元の東京都、大田区、品川区、地元住民に提示したと、こういうニュースなんですが、これは間違いありませんか。
#153
○政府委員(松井和治君) そのとおりでございますが、この羽田の沖合い展開計画につきましては、五十二年に第一次案を私ども地元に提示をいたしました。その後、地元の方々と協議会をつくりまして意見交換を行ってきたわけでございます。地元の主要な御意見は、ただいま御指摘ございましたように、滑走路の位置並びに方向の変更につきまして地元から御要望がございました。その辺の御要望も伺いながら、かつ海上交通に及ぼす影響も十分に考慮しながら今回の修正案の取りまとめにかかったわけでございまして、昨日、東京都、品川区、大田区というような地元地方公共団体に私どもの修正案を正式に提示をいたしました。現在、関係地方公共団体の御意見を待つという状態になったのはその新聞に報道されたとおりでございます。
#154
○目黒今朝次郎君 そうすると、私は最近の航空行政では珍しいくらい弾力ある措置だと思って、大田区に住む騒音を受ける一人として感謝しているんですがね、今回のこれは。私も班田の騒音を受ける一人ですから、表の方は環七の騒音を受け、空の方は航空機の騒音を受けて暮らしているんですから。それで、私は今回のまとめから、教訓として、大幅な修正は困るとしても、部分修正によってある程度騒音問題が解決できる可能性があれば、余り地方行政の方でかたくなな姿勢とらないで、やはり住民の意向を聞いて若干の一部修正をするというぐらいのことは、飛行場建設に当たって長い目で航空行政を考える際にとってもらいたい。私のところの仙台空港も、日本航空にはあんまり関係ないんですが、全日空が入っておりまして、東北新幹線の絡みもあって若干修正をして国際化するという地方の働きもあるようでありますが、そういうふうに騒音にかかわる苦情については、今回のこの羽田沖の問題を含めて、積極的にと言うとまた立場がなくなるだろうけれども、できる限り努力してもらいたいということを、これは航空局長ではむずかしいから、運輸大臣にどうですか、騒音問題を含めて態度を表明してもらいたい。まあ航空局長でも結構です。
#155
○政府委員(松井和治君) 私ども、空港を建設いたします場合に、最近の騒音問題等々の関係がございまして、地元と密接な連絡をとりつつ計画を立てておるわけでございます。羽田につきまして、ただいまおほめの言葉をいただいたわけでございますけれども、これが比較的容易にできましたのは、羽田がやはり海上に今後広げていくという、ある意味での海上空港なるがゆえに計画の変更が比較的容易であったという面があることは否めないかと思います。その他の地区につきましても、なかなかそれは空港の場所によりまして比較的簡単な場合とむずかしい場合とございましょうけれども、地元の意見を十分に吸い上げるという気持ちは今後も続けてまいりたいと考えております。
#156
○目黒今朝次郎君 それはぜひ地方の機関にも御指導方お願いします。
 それからもう一つ、北海道の千歳空港ね、これは去年の年末の北海道議会における堂垣内知事の答弁を聞きますと、千歳空港の国際化の問題については防衛庁の方がいままでいろんな難色を示しておったけれども、防衛庁が一定程度運輸省に理解を示して国際空港化に一歩踏み出すと、そういう可能性が早ければ年末か年度内には来ると、こういう北海道知事が答弁しているんですがね、この千歳空港の国際空港化に絡む防衛庁との話し合いの経過があればこの際明らかにしてもらいたい、こう思うんですが。
#157
○政府委員(松井和治君) 北海道地区から千歳空港を国際空港化してほしいという強い御要望がございまして、御承知のように千歳空港は防衛庁所管の空港でございますので、私ども、関係の防衛庁並びに日本航空と協議を重ねてきたわけでございまして、いろいろ紆余曲折ございましたが、最終的に防衛庁の御了解を得まして、今般、千歳−成田経由ホノルル便という国際航空便が週一便就航するということに決定をいたしたわけでございます。
#158
○目黒今朝次郎君 それから新千歳空港ね、これはいまとの関連でどういう位置づけになるでしょうか。
#159
○政府委員(松井和治君) 新千歳空港は、ただいま申し上げました防衛庁の設置管理いたしております現千歳飛行場に隣接をした地区に、三千メートル滑走路二本を有する民間航空機専用の空港をつくるということで現在土地買収その他の工事を着々と進めておるわけでございます。ただ、御承知のように、この空港の整備はことしを初年度といたします第四次の空港整備五カ年計画で進めていくわけでございます。全般的な公共事業の圧縮ということがございまして、第四次空港整備五カ年計画自体の枠が当初予定いたしておりました数字よりはかなり圧縮されたということで、現在、その第四次空港整備五カ年計画の中で各空港をどういうふうに割りつけていくかということを現在検討いたしておるわけでございますが、全般的な整備費の圧縮ということがございますので、若干空港の整備がおくれるということは予想しなければならないのではないかというふうに考えております。
#160
○目黒今朝次郎君 そうしますと、まあ関西新空港は何回もやりましたから別にして、成田の二期工事を含めていま局長が言った今回の公共事業のカットですね、おたくの要請に対して大蔵省が大分、三分の一ぐらいカットになっているんですが、そのカットの影響は成田空港の整備にも影響するんでしょうか。
#161
○政府委員(松井和治君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、まだこの一兆七千百億の第四次空港整備五カ年計画の枠の中でどの空港にどの程度の金額を配分するかというのは検討中の段階でございまして、まだお答えすべき段階ではないというふうに考えております。
#162
○目黒今朝次郎君 大体何月ごろをめどにおたくの方固まりますか。
#163
○政府委員(松井和治君) はっきりした、何月ということまでは申し上げかねるんでございますが、一応私どもの目標といたしましては、ことしの秋ごろに閣議決定に持ち込みたいというふうに考えております。
#164
○目黒今朝次郎君 大体わかりました。ただ、大臣、ね、一言だけ。この成田の問題は、パイプラインの問題はもう私はくどく言いません。しかし、これ以上私のかわいい乗務員にパイプラインのおかげで負担をかけるようなことはやめてもらいたい。ですから、いま、秋ごろ一兆七千億の問題云々というのがありましたがね、最悪の場合でも五十八年のパイプラインに影響するような実行予算の計画だけはぜひやめてもらいたい。何でパイプラインのおかげで国鉄の労使が紛争させられて、われわれの乗務員の仲間が首切られるか。まあ、やる方も悪いと言われるかもしれぬけれどもね、おたくから言わせると。これ以上私は国鉄の乗務員に負担のかからないように、国鉄全体に実行予算の際に特に配慮を願いたいということを、やっぱり大臣にこの際一札とっておかないと私の立場がなくなるから、大臣どうですか。
#165
○国務大臣(塩川正十郎君) 幸いにいたしまして、パイプラインの工事は昨年から順調に進んでおります。それで、昨日も公団の副総裁が来まして、きょう目黒さんからひょっとしたらお尋ねがあるかもわからぬというので、工事状況をずうっと詳しく私に説明しておりました。
 いまのところは、トンネル部分のところを一部過激派の学生が侵入して妨害したことがございましたけれども、それも予定どおりの日程でいっておる。それから、一般道路側面に埋め立てますパイプの建設も、予定より若干むしろ早目ぐらいに進んでおる、こういう状況でございます。でございますから、五十八年の十二月末までには、必ずこれはパイプラインによる輸送に切りかえができるものと思っておりますし、われわれもできるだけ早期に完成さすように努めさします。
#166
○目黒今朝次郎君 ぜひそれが繰り返しにならないように大臣の最大の努力を要請します。
 それから次に、日米航空協定の問題、先ほど同僚から話があったんですが、現状認識として、航空局長、いま交渉再開の真っ最中ですからなかなか言えないかと思うんですが、これは毎日新聞の四月五日の社説です。「航空の自由化を進めよう」という見出してここに載っておるわけでありますが、問題点を、「アメとムチ」という表現をしながら、日本側が米側に乗り入れる地点を四つふやす。現行は七つ。それから以遠権については、シアトル、アンカレジ、ニューヨーク以遠は無制限。それから「ムチ」の条項として、運賃の自由化、チャーター便の自由化、これは標準エコノミー運賃を設定して、プラス一〇%、マイナス三五%の範囲内で自由化する。それから、名古屋及び他の一地点に新規に乗り入れる。こういうのが一月段階のホノルル協議で浮き彫りにした問題点だと。したがって、この問題点がどこまで詰まるかが六日から十日まで開かれる、現に行われている日米協定のポイントだと、こういう問題提起を毎日新聞がまとめているんですが、この現状認識に間違いありませんか。
#167
○政府委員(松井和治君) ただいま先生が御指摘になりました点は、確かに一月に米側からパッケージとして提案されたものの概要、ただいま先生がお読み上げになりましたとおりでございまして、アメリカ側は、輸送力、運賃、チャーターの面の自由化を要求すると同時に、乗り入れ地点並びに以遠権についてのわが方の要望をある程度取り入れるというような内容のそれを、あめとむちというふうな表現をするかどうかはともかくといたしまして、そういうパッケージ提案を行ったのは事実でございます。現在、それに基づきまして、私ども日本側の考え方を述べまして、また、それに対しアメリカ側がさらに反論を加えるというようなことで交渉が進んでおるわけでございますが、まだ現在のところ、はっきりした見通しが立つというようなところまでは進んでおりません。
#168
○目黒今朝次郎君 日米交渉の最中ですから、なかなか国会で答弁するというのはむずかしいと思うんですが、ただ一つ確かめておきたいのは、これは去年の九月の二十六日に、アメリカの国務省からユナイテッド航空の乗り入れについて指定企業として通知を受けたと、その際に運輸省はこれを却下するということを決めたという報道がされておるわけでありますが、この却下の方針は現時点においても変わりはない、こう受け取っていいんでしょうか。
#169
○政府委員(松井和治君) 米国政府は昨年の九月にわが国政府に対しまして、ユナイテッド航空を指定航空企業として新たに追加するという通告をいたしてきたわけでございます。また、ユナイテッド航空会社は、その指定を受けまして、本年二月、私どもに対しまして航空法に基づくシアトル、ポートランド−東京路線というものの開設に関する経営許可申請を提出をいたしました。私どもはそれを受理いたしておるわけでございます。
 今後これをどういうふうに扱うかということにつきましては、現在行われております日米の航空交渉、この中で、この一環として解決するというのが適切であるというふうに考えておりまして、私どもとしてはこの問題を含めて現在日米間で交渉を行っておるということでございます。
#170
○目黒今朝次郎君 そうすると、こういうのは馬蹄形答弁と言うのかね、くるっと始まって最後は日米会議に入ってしまう。そうすると九月二十六日の運輸省で決定した方針が生きているのか生きてないのか、それを言うことはいまからの国際交渉に支障するから任してくれ、こういうことなのか、その点もう一回、だめを押して申しわけないけれども。
#171
○政府委員(松井和治君) 私ども九月に米国側から指定通告を受けたということは事実でございますが、その時点において却下するというような方針を決めた事実はございません。
#172
○目黒今朝次郎君 じゃこれも新聞の誤報ですな。大事なところみんな誤報になっちゃうね。じゃこれも誤報になっちゃうのかな、いわゆる国際航空の自由化という問題と日本の運賃制度の許可制という問題と、定期便とチャーター便、この三つが入り乱れておるところにこういう混乱があるんじゃなかろうか。したがってこの混乱を整理しながら、利用者の希望ということもこの際十分生かした方向でやってほしいというのがこの毎日新聞の社説の締めくくりだと思うんですよ。これはむしろ国鉄再建法――今度角度を変えて、国鉄再建法に対する大臣のいままでの答弁をずっとやっぱり聞いていると、減量経営、対応する云々と、そしてやはり利用者本位の問題と、こういう大臣答弁とつながると思うんですがね。さっきのパイロットの貸借対照表じゃありませんが、機関士、運転士のあれについては陸上の方は厳しいけれども、空の方は厳しくないと。この問題もやっぱり利用者本位で物事を考えて臨むのか、あるいは国益ということを中心に臨むのか、その点を十分議論しないままに日米交渉が進んでいるというふうな気もするんですが、この日米交渉をするに当たって、先ほど同僚が言ったいわゆる日本の国益と利用者の希望、これをどのように調整して日米交渉に臨もうとするのかという日本側の基本的態度がどうもあいまいじゃなかろうかなと、その点で私はこの毎日新聞の指摘の仕方は当たっていると思うんですよ、私も考えて。その辺はどうなんですか。
 国益と利用者本位と運賃の自由化という問題に対しては、日本政府としてはどういう見解を持って臨んでいるのか。それはあくまでも別問題だ、むしろ国益を優先してやっているんだ、利用者の問題は決まった後で国内でもう一回やればいいんだと、こういう二段論法か、一段論法か、あるいは特別論法か、その辺をちょっと教えてもらいたい、こう思うんですが。
#173
○政府委員(松井和治君) 私ども国益と利用者の利便とが相反するというような御提起には必ずしも賛成できないわけでございまして、国益を優先するのか、利用者の利便を優先するのかという二者択一というのはちょっと私は必ずしも理解できない面があるわけでございますが、私ども先ほどの御答弁にも申し上げましたとおり、現在の日米航空協定上の不均衡な点、これを是正していきたいという気持ちは変わりございません。ただそのかわりにアメリカ側が提案してきておりますいろいろな面の自由化、これは私どもの基本的な政策、基本的な考え方に触れるところが多々あるわけでございます。私どもそのために、乗り入れ地点をふやさんがために日本の基本的な政策まで曲げるというのは適当ではないというふうに考えておりますが、ただ基本的な政策を守りつつも、ある程度現在の制度の自由化なり弾力化なりが図れるような面があるならば、これはそれを取り入れるのにやぶきかではない、もちろんそれだからといって基本的なたてまえまでを崩すというようなことはすべきではない、これが基本的な考え方でございます。
#174
○目黒今朝次郎君 交渉中でありますから、それ以上具体的に突っ込んでもあれですからやめますが、日本の政策の根幹に触れる問題、それもわからないわけじゃありませんが、それ以上追及いたしません。最大限の努力をしてもらって、決まった段階でしかるべき委員会で報告してもらって、その際にまた若干話も聞かしてもらいたいし、われわれも意見を述べたいと、こう思っております。
 それで、それとの関連、直接関連じゃありませんが、しかし若干かかわり合いあると思うんでありますが、これは全日空が昭和五十五年、去年ですね、十二月の十四日、五十五年度の回顧と五十六年の展望という、まあこれは営業上の自社の総括でしょうね、これをまとめて発表して、その中身を見せてもらったんですが、その中で、昭和四十七年の運輸大臣通達で取り決めた当時とは現在環境及び基盤なども大いに変貌していることから、運輸省に対し、国際線の国内開放問題や日米航空輸送拡大問題について早急に見直しを図り、明確な結論を出すよう期待すると、こういうことを述べておるんです。これは一面、いま言った日米交渉に関する全日空からの業界の見方をある面では表明していると、こう思うんでありますし、別な面では日本航空だけに独占されておる国際線の問題については、そろそろ見直すべきじゃないかと、おれのところの全日空ぐらい入れてもいいんじゃないかと、こういうささやかな問題提起だと思うんですよ。
 こういう問題について、運輸省は業界全体を指導する立場でどういう対応をしておるのか、また、これらの問題について、おまえらはだめだと言って玄関払いをしているのか、みんなでひとつ考えてみようという弾力的な対応をしようとしているのか。その辺の対応の仕方についても、この際、まあ午前中の質問にだめを押すようなかっこうになりますがお聞かせを願いたいと、こう思うんです。
#175
○政府委員(松井和治君) 現在、四十五年の閣議了解と四十七年の運輸大臣通達によりまして、国内、国際の企業の運営体制が定められておるわけでございます。
 全日空のその社内の文書か何かよくわかりませんが、大分情勢が変わったから見直すべきであるというような御趣旨かと思います。私どもといたしましては、先ほども御答弁申し上げたところでございますけれども、四十五年の閣議了解、四十七年の運輸大臣通達の基本的な考え方、これは現在に至るも間違っていないし、また、現在そこのどこかの条項が現実と著しく乖離しておるというような点はないように考えておるわけでございます。
 それともう一つ、先ほど先生の御指摘にもございましたが、首都圏と近畿圏におきます空港の整備というものが現時点ではきわめて不十分でございまして、このような状態、つまり空港施設面の制約というものが非常に大きな現状におきまして、この運営体制を直ちに見直すというのは時期としても適当な時期ではないのではないだろうかというふうに考えている次第でございます。
#176
○目黒今朝次郎君 いますぐとは言いませんが、こういう、全日空もそれなりに会社を整備して一生懸命やっている、問題を提起しておることですから、それなりに、しかるべき機会に日本航空も含めて意思疎通のできる方法を考え、円満かつ堅実な国際線、国内線を含めてのことを行われる方途があれば努力をしてもらいたいということを要望として言っておきます。答えは要りません。
 それからもう一つ、これは余りいいことじゃありませんが、その後どうなったか聞かしてもらいたいんですが、去年の九月の二十八日、ちょうどわれわれ、国鉄の再建措置法でてんてこ舞いしておったときでありますが、日本航空と全日空のジャンボとボーイングが六十メーター前後のニアミスをやったと、こういうことがあったんですが、その後、この原因とか背景、問題点、再発防止のためにどうあるべきかということについては大事な問題なのでと、こういう提起をしておったわけですが、これは質問の通告に予告をしてなかったので申しわけありませんが、不十分であれば不十分な答弁で結構でありますが、どうなっているか聞かしてもらいたいと、こう思うんですが。
#177
○政府委員(松井和治君) 申しわけございませんが、手元に資料を持ち合わせておりませんので、後刻資料として提出させていただきたいと思います。
#178
○目黒今朝次郎君 ぜひ、後刻で結構でありますから。
 しかし、まあ内容を聞いてみますと非常に大事な問題点を含んでおるんであって、私は管制官の、担当者の指示のミスというだけではちょっと処し切れない問題を含んでいるなど。これはわれわれ国鉄の例で言えば、新幹線がボタン押し間違って、「ひかり」と「こだま」が正面衝突するということですからね、これは。空でありますから、人間の目に見えないから、まあいま不十分な答弁と、こう言っているけれども、これはレールの上で「こだま」と「ひかり」がポイントを間違って正面衝突の寸前で、六十メーター寸前でとまったと、こういうふうに仮定したら、国鉄たるんでいる、何やっているか、このばかたれと言われて、人ごとですよ、これは。速度が速いからそれ以上の問題だと思うんですがね。それだけに、決して担当者のミスでは済まされない問題点を含んでいるということを十分に考えて、後ほどで結構ですから、これの説明と、あと対応について教えてもらいたい、こう思います。
 それから最後に私は、日本航空法の改正に当たって、国鉄は客離れをする、それはサービスが悪いからだと。しかし、飛行機の方はどんどんサービスがいいからお客さんがいくんだと。こういうのが国鉄の問題を審議するときの一般の空気だったんですよ、運輸省全体も。しかし、こうして議論してみると、やっぱり航空界にもいろんな問題点があるんだなと、こういうことを知りました。A3〇〇のような問題もやっぱり含んでいる。そうしますと、大臣、どこがいい、ここがいいとお互いに言わないで、やっぱり総合交通を総括する運輸大臣としては、おのおのの持っている機能と問題点を出し合って、そして補強し合う、補足し合う。そして運輸行政全体が、陸海空が一体的に、しかも機動的に、機能的にやはり国民のニーズにこたえていくということで、やっぱり全般的に見る必要があるなど、こう思ったんです、私は。一番赤字の国鉄をやってみて、非常に世上評判のいい空の問題やってみて、やっぱり共通点があるなど、こんな気がしたんですが、こういう問題を総合交通政策にどう生かしていくべきなんだろうか。
 これは審議官ね、私は社会党なりわれわれが、やはりいま運輸行政が、まあ運輸省の中においても各局が独立する、いいことであるけれども、一人歩きの場合もあると。それから交通警察、それから建設省、あるいは場合によったら厚生省、そういう交通行政がいろんな面で、どういう言葉を使ったらいいのか、一人歩きもあるし、他人の子供もおるし、やはりここは、交通というのは一元化した姿でもっと機能を強化する。まあ運輸大臣なんてもったいないから交通大臣ぐらいにしちゃって、交通警察も配下に置く。それぐらいの機能と機能を持った方向に将来はいくべきだけれども、当面はもっと現在よりも強化するべきだろう。そういう点では、田村元運輸大臣が言っておったとおり、総合交通政策をやるには、大臣の下に次長を置き、次長の下に各局長がある、そういう機構の整備も一案だなということを私は田村元運輸大臣と論争したこともあるんです。そういう機能強化を含めて、総合交通政策というのはやっぱりもう少し具体的に取り組む必要があるなど、こう思うんですが、担当者の方からその考え方を聞かせてもらいたい、こう思います。
#179
○政府委員(石月昭二君) ただいま先生からお話ございましたように、私どもも各交通機関の特性を生かしまして、お互いに特性を補完し合いながら、効率的な便利な交通体系の形成というものに一層努めていかなきゃならぬと強く感じているところでございます。
 まあ、従来からもそういうような考え方に立ちまして、施設の整備面におきましても、また運賃その他の制度面におきましても、各交通機関がそういう特性を発揮できるような形でいろいろ工夫をこらしてきたわけでございますが、不十分であった点は否めないと考えております。御承知のように、エネルギー問題を初めといたしまして、交通空間、環境問題というような、交通をめぐる制約条件が非常に強くなっていくという見通してございますので、先生御承知のように、昨年の四月に運輸政策審議会に「八〇年代を迎えての交通政策の基本的方向」をただいま諮問しておりますので、その答申を待ちましてより一層先生の御趣旨のような方向で交通の総合化、一体化、効率化というものに努めてまいりたいと考える次第でございます。
#180
○目黒今朝次郎君 大臣、私はいまよく北海道に行く機会があるんですがね、こういうのを私はなるほどなあ、総合交通の一環だなあと思うんですよ。日本航空、全日空で千歳に着くと、その千歳に着く時間で、道内に行く方は千歳空港から特急何々に乗りなさいと、ちゃんと航空便の着時間と一定の乗りかえ時間を含めて、それで特急列車に乗る、こうずっと連続性があるんですよ。札幌市内に行く方はパスで行った方が便利ですよとか、そういうことで国鉄の特急の時間表と航空の時間表が、セットにしたわけじゃないんでしょうけれども、結局、お互いに関係者が集まってセットをして、そして飛行機と列車、飛行機とバス、飛行機とタクシーと、おのおの空港を拠点にして、北海道には長距離であるから千歳空港に入る、入ったならば鉄道とバスとタクシーというものをどういうふうにうまく使い分ければ最も時間にロスがなくしかも機動的に動けるか、しかも交通機関をおのおの有効に使えるかということを、小さいことであるけれどもおのおのの交通機関を生かした総合交通体系のやっぱり私は小さないい見本だと思うんですよ、千歳のあれは。
 そういう意味で、総合交通の連続性、利便性、信頼性、そういうものを考えていくということが、やっぱり交通が、マイカーの時代から公共交通が国民に愛される、そういうものに帰っていく一つの教訓じゃなかろうかなあと、こんなふうに私は受け取っているんです。ですから、そういう総合交通の組み立て方を、先ほどの運輸審議会から答申が出た際に、組み立てる際にもきめ細かく取り組んでもらいたいなあということを要望いたしまして、若干、五分ぐらい早いけれども、たまに五分ぐらいサービスした方がいいかもしれないので、この辺で終わります。
#181
○桑名義治君 朝からの論議の中で、日米の航空交渉問題もるる出たわけでございますが、今回の法改正とこの問題はどうしても切り離すことのできない重要な問題でございますので、私からも多少角度を変えながら少し論議を進めていきたいと思います。
 そこで、四月の六日から日米の航空交渉が再開をされたわけでございますが、一口に言いますと日米間の不公平是正問題が討議に入った、この言葉の中に集約をされると思います。これはもちろん日本側から見た場合でございますが。そこで、わが国がこの交渉に臨んでいる基本的な方針、この問題について伺っておきたいと思いますが、実は、五十三年の二月で少し古い書類ではございますが、運輸省の航空局から出された書類がございます。これによりますと、「我が国の基本的考え方」ということで大体大きく分けて三項目に分かれております。
 一つは、「日米間路線における不均衡を是正するため、日米双方が同一路線を運営できるよう改訂を行い、シカゴ、シアトルその他への我が国企業の乗入れ権の獲得を図り、路線権益の均衡を求める。」二番目が、「現在、米国側が無制限に使用している以遠権を特定するとともに、我が国の米国以遠中南米その他の権利を獲得して日米双方の以遠権の均衡を図る。」三番として、「路線毎に企業数を原則として日米双方一社ずっとするとともに、日米双方が適正かつ均衡のとれた輸送力を提供しうるような輸送力調整方式の確立を求める。」こういうふうになっているわけでございます。
 この問題について、書類は少し古いようではございますが、私が申し上げたのは、先ほどからの論議の中で、日米航空交渉というものが五十三年を境にして中断をしながら、そして事務レベルの交渉が六回、七回と続けられているようでございます。最近におきましてはことしの一月、昨年においては九月というふうに、事務レベルで一応感触をお互いにはかり合うというような形で進められているわけでございますが、そういう立場から考えますと、この五十三年に出された古い書類ではございますけれども、これがわが国の日米航空交渉における基本的な態度ではなかろうか、こういうふうに思っているわけでございますが、この基本的な考え方に変更はございませんか。
#182
○政府委員(松井和治君) ただいまお示しになりました資料、ちょっと私記憶がないんでございますけれども、日本側の希望といたしまして、現在の日米航空協定の不均衡の是正を図るという基本的な方向については、当時もいまも全く変わっていないわけでございます。
 何が不均衡がということを取り出してまいりますと、結局は、まず第一に乗り入れのポイントの話になろうかと思います。これにつきまして、いまお読み上げいただきました中に、アメリカ側のみが運航できて日本側が運航できないというのはこれは不均衡であるので、日本側の乗り入れ地点をふやしてほしい、この考え方は現在も変わってないわけでございますし、またアメリカ側もその日本側の要望をある程度認めた提案を今回してきたということは先ほど申し上げたとおりでございます。
 それから、第二の以遠権の問題、これが一番明白な不均衡の典型になっておるわけでございまして、アメリカ側は現在日本三地点から以遠無制限の権利を持っている。日本側はきわめて制約された以遠権しか持っていないということでございますので、この均衡を図るということ、これはきわめて重要なポイントでございまして、この第二点についても現在考え方として変わっていないわけでございます。
 第三点に、企業数の問題をお読み上げになりまして、私の聞き違いでなければ、企業数を一社ずっとするというふうにいまお読み上げになったかと思いますけれども、現在アメリカは御承知のように運航していない会社も含めまして五社が指定され、さらにユナイテッドがこれも乗り入れておりませんが指定通告をしてきたわけでございます。日本側は日本航空一社ということでございまして、企業数を一社ずっとするというようなことを言いましても、現在アメリカ側はもうすでに乗り入れている権利でございますので、それをどこか一社にしぼれというようなことは、これはもう現実の問題として無理でございますし、一社ずっとするというのはちょっと表現があるいは何かおかしいのかもしれないと思いますけれども、いずれにいたしましても企業数がアメリカ側が無制限に日本側に乗り入れてくるというのは、これは現行の協定のたてまえから言いましてもおかしいのではないかという気持ちを持っていることは事実でございますけれども、それをたとえば一定の数に限定するというような考え方は現在持っておりますが、一社ずっとするというのはこれは現実問題としてむずかしいんではないかというふうに考えております。
#183
○桑名義治君 これは読み違いでも何でもないんで、おたくからもらった確実な書類でございます。確かに「一社ずつ」というふうに書いてある。「路線毎に企業数を原則として日米双方一社ずっとするとともに、」とはっきりうたってあります。ここの部分については現在の段階では変更をしているというふうに言えますか。
#184
○政府委員(松井和治君) 申しわけございません。いま私、思い違いがございましたが、そのときの考え方というのは路線ごとに一社ずつと、そういう考え方であったかと思います。この路線というものをどうとらえるかというのは実はなかなかむずかしい問題でございます。私ども現在は基本的な考え方は変わったということじゃございませんけれども、言ってみれば路線を束にしたような形で、たとえばアメリカと日本の間でございますと、北部太平洋路線あるいは中部太平洋路線、大きく分ければこの二つに分かれます。グアム、サイパンは別でございます。こういうふうに大きく路線群として分けまして、そこで何社ずつというような、何社ずっといいますか、何社までというような縛りをかけるというような考え方を現在持っておるわけでございます。
#185
○桑名義治君 そこで、また話をもとに戻したいんですが、去る一月のホノルルで行われました日米航空当事者間の事務協議でございますが、日米航空交渉に臨む米国政府の方針が非公式ではあるけれども表明されたと、こういうふうに聞いているわけでございます。新聞紙上ではアウトラインが書かれているようでございますが、改めて当局側からこの点について内容を明らかにしていただきたいと思います。
#186
○政府委員(松井和治君) アメリカ側の提案の概要について申し上げます。
 まず第一に路線の問題についてでございますけれども、まず日米間路線につきましては、日本側にシアトル、ポートランド、シカゴ並びにその後日本側の選択する一地点を追加しましょう。ただし、これには条件がついておりまして、日本側のアメリカ企業に対する日本国内地点への運航便数の保証を条件とする、こういう条件がついております。アメリカ側の路線の問題といたしましては、名古屋及び米国側が選択する一地点を追加してほしい。つまり四地点対二地点を交換しようではないかというのがアメリカ側の提案でございます。
 また、以遠権につきましては、現在日本側は西海岸から中南米、ニューヨークからヨーロッパというような以遠権を有しておるわけでございます。アメリカ側の今回の提案は、アメリカ側が現在有しておる東京、大阪、那覇からの以遠無制限と均衡をとるためにアメリカ側の三地点、ニューヨークとアンカレジとシアトルという三地点を向こうが選びまして、その三地点以遠無制限を与える。そのかわり逆に、現在日本側が有している西海岸からの以遠権はいわば取り上げると、こういう提案でございます。
 それから、運賃の問題につきましては、アメリカ側は運賃決定への政府の介入を最小限にとどめるということを提案いたしておりまして、一定範囲の比率の間で企業が運賃を決めた場合に、両国政府が、現在は両方がいいと言わないといいことにならないわけでございますが、アメリカ側の提案は、両方がだめと言わない限りはだめにしないという新しい提案をいたしてきたわけでございまして、日本側がだめと言ってもアメリカ側がいいと言えばいいことになってしまう、こういう提案をしてきたわけでございまして、実質的には運賃決定が大幅に自由化されるということを内容といたしております。
 それから、チャーターにつきましても原則として自由ということを言っておりますが、しかし現実の対応といたしまして、一定の便数を決めて制限することはやむを得ない。ただし、チャーターに関する規則は発地国の規則を適用する、これが条件としてついております。
 それから、輸送力につきましては、これは原則として自由にしようというのがアメリカ側の提案でございます。
 大体アメリカ側の提案の概略を申し上げれば以上のとおりかと思います。
#187
○桑名義治君 今回の交渉の段階でいろいろなやりとりなりこちらの考え方なり、そういうものが、詳しいお話はここで出しにくいかもしれません。しかし交渉でございますので、お互いに冒頭に、恐らく日本側の要求なりアメリカ側の要求というものが全面的に最初に陳述をされたと思うんです。これは交渉の細かい段階ではございませんので、それぞれの立場で、それぞれがそれぞれの立場の表明をしながらこの交渉に入ったということでございますので、その内容についてお話しができれば言っていただきたいと思います。
#188
○政府委員(松井和治君) 今次協議におきまして、アメリカ側のただいま申し上げましたホノルルの非公式会談の際に提案されましたもの、これがアメリカ側の主張でございます。日本側のこれに対する対案というようなものを示して、これをめぐって現在論議が行われているわけでございます。その内容につきまして、この場で、現在、現に東京において交渉が行われておるということを考慮いたしまして、詳しい内容について御報告することは控えさせていただきたいと思います。
#189
○桑名義治君 交渉の途中でございますのでそのやりとりについて私は云々言うわけではなくて、お互いがこういう立場を表明しているということは、これはいいんじゃないかと思うんですよ、別に交渉に何ら影響を与えないわけですから。その点もできませんか。
#190
○政府委員(松井和治君) お許し願いたいと思います。
#191
○桑名義治君 新聞の報道によりますと、米側は、大まかに言いまして運賃の自由化とチャーター便の自由化、これを条件にわが国にある程度の路線権の拡大を認めると、こういうことを表明したように報じられているわけでございますが、この米国側の提示した内容についていま私が意見を求めようといっても恐らくおっしゃらないと思いますが、ある程度は、ここらはやはり認めなければこの問題は発展をしないのではなかろうかと、こういうふうに思うわけでございます。そこで、わが国が路線権の拡大、また日米間の不利益是正を少しでも実現しようと思うならば、米国側が示した運賃の自由化やチャーター便の自由化にある程度応じなければならないのではなかろうかというふうに思うんですが、この点どうですか。
#192
○政府委員(松井和治君) 先ほど御答弁申し上げたかと思うんでございますが、私ども、アメリカ側の提案の中には、日本側の基本的な枠組みと申しますか、日本側の制度の根本に触れるような問題を含んでおりますので、そういうものまでアメリカ側の言い分をのむということは不可能である。ただし、その枠組みの中である程度の自由化なり弾力化なりができる面があるのではないかということを、先ほど非常に抽象的な御答弁を申し上げたわけでございますが、確かに先生のおっしゃいますように、一方的に私どもの要求だけをアメリカ側にのませるということは、これはなかなかむずかしい話ではなかろうかというふうに考えておりますので、私どもの基本的な枠組みを崩さない範囲の自由化、弾力化というものがどの程度できるか、ここにかかってくるのではないかという御指摘はそのとおりであろうというふうに考えております。
#193
○桑名義治君 基本的には日本側がアメリカ側の要求を一歩も譲らないという態度で臨むのか、あるいはまたアメリカ側の要求をある程度、いわゆるこちらの基本的な枠組みを崩さない程度であるとするならばそこまでは譲歩しなければならないという、そういう取り組み方と、二つに分かれてしまうと思うんです。しょせんはこの日米航空交渉を、今回のものを少しでも前進をさせようという、そういう意図があるとするならば、後者の方を選ばざるを得ないというふうに私は思うわけでございます。
 そこで米側は、今回のいわゆる航空交渉に先立ちまして、二月にユナイテッド航空が成田乗り入れを申請をしました。また、フライング・タイガー社が日本経由の貨物線に対し、政府が付した条件を不満として米国の民間航空委員会に提訴することを明らかにしたわけでございます。米国航空企業が積極的な今回のこの交渉に対していわゆる攻勢をかけた、こういうふうにとってもこれは取り違いではないというふうに私は思うわけでございますが、これらの米国企業の動きに運輸省としては、あるいは運輸大臣はどのように対処をされようとお考えになっておられるのか、あるいはまた、これらの問題に対する御見解を伺っておきたいと思います。
#194
○政府委員(松井和治君) ユナイテッド航空の乗り入れ問題につきましては、先ほど目黒先生の御質問にもお答えいたしましたけれども、私どもといたしましては、現にやっております今次交渉の中で、日米航空権益の不均衡是正、この問題の一環として取り扱うべき問題であるというふうに考えておるところでございます。
 また、フライング・タイガーの問題につきまして、フライング・タイガーが日本からヨーロッパへの貨物を運ぶ、これはアメリカ企業にとってはいわゆる第三国間の輸送でございまして、本来私どもはそういう第五の自由と言われております第三国間輸送というものは、本来アメリカの企業としてアメリカー日本間の貨物輸送を主として行うべき企業が、日本−ヨーロッパ間のいわゆる第五の自由に基づく輸送を、付随的に行うのはこれは結構でございますけれども、それを主として行うということは本来の第五の自由の乱用ではないかというふうに考えておるわけでございまして、したがいまして、私どもフライング・タイガーの申請に対して一定の条件を付したわけでございますが、フライング・タイガーがこれを不満としておることは事実でございますが、先ほど先生おっしゃいました民間航空委員会へ提訴したというふうな情報は私ども聞いておりません。
#195
○桑名義治君 いずれにしましても、今回の日米航空交渉に対しての取り組みのアメリカ側の意欲というものがこういったところにもうかがわれるわけでございまして、日本側としても相当な決意のもとにこれは交渉に臨んでいかなければいけないと、こういうふうに思うわけでございますが、レーガン政権はカーター政権の航空自由化政策を引き継ぎましてわが国にも航空の自由化を追ってくると、こういうふうに予想されるわけでございます。航空企業の経営が苦しいわが国側は、米国政府の自由化政策に安易に応じるわけにはいかないだろうというふうに私も考えをわけでございますが、レーガン政権の航空政策について、運輸大臣あるいは運輸省としてはどういうふうにお考えになっておられますか。
#196
○政府委員(松井和治君) アメリカのレーガン政権の航空政策につきまして、その内容が発表されたということではございませんので、現時点で直ちに即断するわけにはまいりませんけれども、カーター政権のもとで御承知の国際航空輸送競争法という法律が制定されたことは御承知のとおりでございまして、これは自由化政策を基本にしております法律でございます。この法律が当然そのままになっておるわけでございますので、レーガン政権の航空政策について、カーター政権の時点と大きな変更があるというふうには私どもは考えていないわけでございます。
 ただ、今次交渉に臨みますアメリカ側の動きを見ておりまして、当初はカーター政権時代の一月、ホノルル非公式協議の向こう側の代表団がそっくりそのままレーガン政権に引き継がれて今次交渉に臨むという、カーター政権の政策を全くそのまま引き継ぐという体制がとられていたわけでございますが、現実に今次交渉に臨む向こう側の代表団の決定を見ますと、当時の当事者と人間が入れかわったわけでございまして、そういう点から見まして、カーター政権の政策と今後のレーガン政権の政策との間に微妙な変化があるのかどうか。この辺がまだいま一つつかみきれない点でございまして、その点も今次交渉の中で私どもでき得る限りレーガン政権下における米国の航空政策のありようというものを私どもとしてつかみたいというふうに考えておる次第でございます。
#197
○桑名義治君 いずれにしましても、日米航空交渉というのは非常にむずかしい問題でございますが、鋭意真剣にこの問題と取り組んでいただきたいと思います。
 それと同時に、ここで看過できない問題として、国際航空運賃の方向別格差是正の問題でございますが、この問題について二、三質問をしてみたいと思います。
 現在太平洋路線の方向別運賃格差がどのようになっているのかという問題でございますが、一説には四〇%もの格差が出ているという説もございますが、円高傾向が出てきた五十三年ごろから、問題になりながらいままでに根本的な解決がなされていないわけでございますけれども、その是正がなされない、解決されていない原因というものがどこにあるのか、それを明らかにしていただきたいと思います。
#198
○政府委員(松井和治君) 昔、国際航空運賃と申しますのは、固定相場時代におきましては米ドルあるいは英ポンド建てで決められておったわけでございまして、法定平価で各国通貨に換算をなされていたわけでございます。ところが昭和四十八年に主要通貨が変動相場制に移行いたしまして、こうなりますと当然のことながら各国の通貨が変動してまいりまして、米ドルあるいは英ポンドの基軸通貨としての安定性がなくなってくる。そこで国際航空運賃の建て方といたしましては、その時点で発地国通貨建て主義に変えられたわけでございます。この発地国通貨建て運賃制度のもとでは、為替レートが変動いたしますと当然のことながら行きと帰りとの間で運賃の差が出てくると、こういう現象が出てくるのはこれは各国どこをとっても同じでございます。
 その時点で、それではそういう場合にどうやって方向別格差を是正するかということが国際間で討議されまして、その場合には通貨切り下げ国、つまり通貨の弱い国の運賃を上方に調整する、運賃にサーチャージを付する、それから通貨切り上げ国の通貨の強い国の発運賃の下方修正をする、こういうことによってその是正を図ろうではないかと、こういうことが決められたわけでございます。ただし、その修正と申しますのは時々刻々やるわけにまいりませんので、ある程度の期間がたちある程度の格差が生じた場合にそういうことで調整をしようと、こういうことが決められたわけでございます。
 ところが、現実の五十三年当時の方向別格差につきまして、私どもとしてはその方針に従って格差是正について各国と調整を図っていったわけでございますが、日本国の通貨が当然のことながら強かったわけでございますので、日本発の運賃引き下げ相手国発の運賃を引き上げるということがそのルールにのっとったやり方になるわけでございますが、現実の問題といたしますと、上方調整というのはなかなかむずかしいわけでございまして、つまり、自国発の運賃を上げるというのは自国発の利用者にかなり評判がよくないわけでございますので、なかなか上方調整というのがうまくいかないということで、私ども五十二年の円高の時代におきましては、結局日本発の運賃を引き下げるということによって対応せざるを得なかったわけでございまして、五十四年ごろから、路線によっては五十五年にかかったものもございますけれども、アメリカ、カナダ線については日本発運賃の一七%の引き下げ、豪州線については一五%の引き下げというような下方調整措置のみを講じて方向別格差の是正を図ってきたわけでございます。
 その後、若干円安傾向が出まして、特に日本−ヨーロッパ間におきましては逆の現象が生じまして、日本発運賃に比べて相手国、ヨーロッパ発の運賃の方が高くなったという時期がございます。本来、それならば、じゃあ日本発運賃を上げて調整をすべきなのでありますが、先ほど申しましたように上げる調整というのがなかなかむずかしいということでその際は見送っておりましたが、再び円高傾向が出てきたということによりまして、ヨーロッパとの間はさほどでもございませんけれども、アメリカとの間の方向別格差がまた目立ってきたと、こういうことでございまして、往復運賃で比較いたしますと、日本発の運賃を一〇〇といたしましてアメリカ発の運賃が約八六ぐらいということで、一五%程度の格差が出てきたわけでございます。私どもやはりこの程度の開きが出てきた場合には是正を図る時期ではないかというふうに考えまして、現在、アメリカ発運賃の引き上げ、日本発運賃の引き下げというようなやり方によってこの方向別格差の是正を図ろうということで作業を進めておるという状況でございます。
#199
○桑名義治君 そうしますと、今回の日米航空交渉の中ではこの運賃格差是正の問題も中に含まれていますか。
#200
○政府委員(松井和治君) これは特別含まれておりません。
#201
○桑名義治君 ところが、含まれていないとするならば、太平洋路線のいわゆる運賃格差というこの問題は特別大きな問題でございますので、これは将来にわたって当分の間なかなか解決がむずかしいということになるわけでございますが、政府は去る三月の十七日に決定をしましたいわゆる総合経済対策の中で、「国際航空運賃については、引き続き方向別格差縮小のための措置を推進する。」と、こういうふうに述べられているわけでございますが、そうなってくると、このたとえば太平洋路線の問題についてはどういう方向で、どういう手段でこういう具体的な措置を講じようというふうにお考えになっておられるわけでございますか。
#202
○政府委員(松井和治君) 先ほど申しました方向別格差を是正をするための典型的なやり方として、相手国連賃の引き上げと日本発運賃の引き下げを同時に行うということを申し上げましたが、今回、現在の方向別格差を是正するために、米国発運賃の引き上げと日本発運賃の引き下げというものを同時に行うということによって是正を図ろうという方向で検討いたしております。
#203
○桑名義治君 その点はわかるわけです。しかし、今回の日米の航空交渉の中にこの問題が含まれていない、これは大まかに、やはり非常に権威の高い段階である程度話し合いを進めなければ解決のできる問題ではないと思うんです。そうなってくると、今回の場というものが非常に大きな場ではなかっただろうかと、こういうふうに私は思うんです。したがって、その方向性というものはわかる。現在の段階ではアメリカの航空運賃を上げて日本の航空運賃を下げると、こういう方向で進めていくことはわかる。手法はわかるわけです。わかるけれども、それを検討する場というものをやはり設けなければ、この話はなかなか進まない問題でございます。したがって、その点についてのお伺いをしている。
#204
○政府委員(松井和治君) この運賃の修正につきましては、関係航空会社間で話し合いをすることがまず第一でございます。現在日本航空並びに関係の米国企業の間におきましてその話し合いを進めておる段階でございます。これがまとまりました場合、日本航空といたしましては、IATAの決議を経まして日本国政府並びにアメリカ政府に申請を出す、こういう手順になるわけでございまして、特別の協議機関というものを設けなくても、そういう通常のルールでこれは進められるものだというふうに私は考えております。
#205
○桑名義治君 これが一社対一社の話ならば話はある程度まとまりやすいと思うんですけれども、日本の場合は確かに日本航空一社でございますけれども、アメリカの場合は違うわけですから、これは単独にそれぞれの航空会社と交渉をするということになれば、これは非常に厳しい局面がまた出てくるわけでございます。したがって、何らかのそういう一つの機関を通しながらの交渉というものが最も効果的ではなかろうかと、こういうふうに思って私はこういう場を設けるべきではないかというふうにお話を申し上げているわけでございまして、一社一社交渉して、一社一社交渉がまとまればIATAに持っていくというような話になっても、アメリカ側の方は、交渉のまとまった航空会社はアメリカ側はオーケーするかもしれませんが、しかしまとまらない航空会社でどうしますか。したがって、そういうまとまったいわゆる姿の場、交渉の場というものを設ける必要がある、こういうふうに思うわけですが、その点どうですか。
#206
○政府委員(松井和治君) 現在の方向別格差の検討の段階におきましては、話は比較的順調に進んでおるというふうに私理解しておるわけでございまして、特に御心配のような場を設けなくても、少なくとも今回の方向別格差是正についての意見の一致は見られるものというふうに考えております。
#207
○桑名義治君 そこで、それぞれの航空会社同士のお話し合いということがいま行われているわけでございますが、為替制度の変動制をとっている以上は、このいわゆる方向別運賃格差というものは、これは避けることのできない問題でございます。したがいまして、為替レートの変動にスライドして円建て、ドル建ての両運賃を自動的に調整できるという、そういう仕組みはないものですか。話によれば、IATAでこの問題について非常にいま研究をなさっているというお話でございますけれども、どうでしょうか。
#208
○政府委員(松井和治君) 確かに、御指摘のとおりある程度為替レートにスライドするような方式というようなものが考えられますならば、これは大変便利な制度でありますし、利用者にとっても納得のいく制度になるんではないかと思います。ただ現実の問題といたしまして、どういう時点でどういう程度の変動が起こった場合にスライドして運賃を変動させるのかというあたりの基準になりますと、これはかなりむずかしい面もございますので、確かに国際的にいろいろと研究もなされておるようでございますけれども、いまだ結論を得ないというのが実情だと思っております。
#209
○桑名義治君 いずれにしましても、為替レートのいわゆる変動制をとっている国々が非常に多くなっているわけでございますので、この問題はやっぱり一つの国際的なルールを設ける必要があると、こういうふうに私は思います。そういった立場から、確かにIATAの中でこの問題については検討がされているとは言いますけれども、さらに日本政府としても、この問題については積極的な方向で検討を進めていく必要があるのではないかと、こういうふうに思うわけでございます。いずれにしましても、この国際航空運賃の方向別格差の是正問題というものは、これは非常に大きな問題の一つであろうというふうに思うわけでございます。
 そこで、最後のまとめとして運輸大臣に、この問題と日米交渉に臨む、現在もう行われているわけですけれども、御決意のほどを伺って、この問題は一応打ち切りたいと思います。
#210
○国務大臣(塩川正十郎君) いま交渉が行われておる最中でございますので、私はできるだけ発言を控えたいと思っておりますが、カーターさん時代に極端に自由化を進めましたので、そのリアクションが実はアメリカの国内でも起こってきておるわけなんです。で、自由化というのはそれはもろ刃の剣でございまして、他人に対してはすごい力を持ちますが、そのかわり自分の方もやっぱり犠牲を払わなきゃならぬということもあります。それが現にいまアメリカの国内に出てきております。したがって、アメリカの国内において、また私がこんなことを申すのも妙ですけれども、はっきりとレーガン政権で航空政策どうするかという基本的な態度がまだ十分……、もう少し検討しなきゃならぬ点もあるんではないかなあと思うたりもするわけであります。そこで、日米間でこの交渉をやっておりますのに、アメリカは企業の力が非常に強いものでございますから、それでアメリカ国内のトータルとしてどう進めるかという、そこらも第二の問題として必要なんではないかと、こう思うんです。
 それからもう一つ、日米間の不均衡是正というのはやっと向こうもわかってきたような感じがするんです、最近はですね。いままではやっぱり条約を盾にしておりましたけれども、しかしそれのでみはいけないというので、先ほど御質問の中にございましたように、ハワイの会談では相当なやっぱり認識を変えてきたと、変えるというか、認識の幅を持ってきたと、こう思っておるのです。そういう条件がずっと出そろうてまいりましたので、私は今回の交渉でもっと実りある話し合いをしなきゃならぬと思いますが、さらにさらに粘り強く、これはやはり双方粘り強くやっていかなきゃ結局は解決がむずかしいように思っております。
 それで、方向別格差の是正につきましては、これは企業間の方がむしろ厄介な問題でございますし、これは当事者同士の話でできるだけ解決を図っていきたいと、こういう考えでございまして、いずれにしましても、日米航空交渉というのは安易な気持ちで取り組んではいかぬし、といって簡単に片づけていこうというようなものではなかなかない。特にこれからの航空需要を見通しますと、やっぱり総航空輸送力のトータルをどこで双方両国が了解するかという、これも最後はここへ私は来るような気もいたしますので、それまでにはわれわれも十分な努力をしてまいりたいと思っております。
#211
○桑名義治君 この航空行政の問題でございますが、いま大臣がそういう御答弁をなさった、最終的には業者間というお話でございますが、しかし、世界の現在の航空事情というものをながめたときに、アメリカは全面的にいわゆる民間企業に依存をしているわけですね。ところがヨーロッパは、英国を初めといたしましてはぼ一〇〇%に近い国営企業でございます。そういうことになりますと、お互いに企業間の話を越えて、国と国の話し合いにならなければ解決のつかない問題がたくさん山積をしているということと、そういう仕組みになっているというこの認識を忘れた上で、企業間での話し合いが主体になるんだということでは私は当たらないと思うんです。
 特に日本航空の場合でも、今回のこの法案で三分の一程度の国が株主になるわけでございますし、権限も大いに緩和をされるわけでございますけれども、依然として国策企業には変わりはないわけです。そうなってくると、個々の問題の解決には国と国の話し合いで了解がなければならないということが、現在の日米航空交渉が端的にあらわしている問題ではなかろうかと、こういうふうに思います。そういった意味から、国会でもこういうふうにいろいろと論議をされているわけでございますので、それの最終的な、いわゆる最後の大臣のそのお言葉はぼくはいただけない、こういうふうに思うわけでございますが、大臣は依然として、企業対企業の最終的な話し合いだと、こういうふうにお考えになりますか。
#212
○国務大臣(塩川正十郎君) いや、それは誤解でございまして、私は方向別格差を片づけるのに、まず企業間の合意というものが、理解というものがなければこれは進まないと言うたんで、日米航空交渉とこれとは、まあ一体のものかもしれませんけれども、しかし根本問題が違うわけでございまして、日米間における航空は、やっぱり国の何といいますか権益の問題なんでございますから、これは、われわれはもうさっきも言っておりますように、粘り強くやらなけりゃ、それはもう、これで六回もやっているじゃないか、再開されて六回目じゃないか、何しているという、そんな性質のものではないと、こういうことを申し上げているんです。ただ、為替レートによるところのいびつが起こってまいりましたので、これはこちらもいわば商売しにくいだろうと思うし、向こうもこれではやりにくいところもあるんです、実際は。ですから、これはやっぱり企業間で、まずどの程度まで格差の是正ができるかというのを話して、それをいわば当事者、オフィシャルなルートに乗せていけばいいんじゃないかと、こういうことで。ですから、航空交渉の問題は、これはわれわれはもうやっぱりじっくりと腹を据えて取り組んでまいりたいと思っております。
#213
○桑名義治君 大臣の御答弁も、私は全面的に否定はしません、運賃問題についても。だけども、現在のアメリカの航空界が、自由化が進めば進むほど料金のダンピングが行われて、そしてついにはいま赤字に転落をしている、非常に赤字に苦しんでいるという状況にある。そうしますと、単なる国内の政策上の問題が、やはりそういう航空業界の一社一社の経営の中にまでいつの間にか大きな影響を与えていくということは事実なんです。そういった立場から言いますと、ヨーロッパの方だって、先ほど申し上げましたように、イタリアあたりは一〇〇%の国の出資でございます。そうなってくると、これは、見えざるところに国の力というものが働いてくるわけですよ。確かに大臣の言われることもわかりますけれども、そういった前提の認識というものをしっかりした上で、この料金の問題も取り組んでいかなければ、最終的には話し合いがまとまらないのではないかと、こういうふうに思うわけでございます。
 この問題はここで打ち切りたいと思いますが、次に、法案についての方向性なりあるいは疑問点なりを少しお尋ねしておきたいと思います。
 日本航空はいわゆるナショナルキャリアとしての企業でございますが、ナショナルキャリアとしての航空企業のあり方について、これは国の事情によってそれぞれ異なっているわけでございます。先ほどから申し上げておりますように、米国は民間の企業にすべてを依存をしている。ところがヨーロッパ諸国では、政府が全額出資をする等、きわめて手厚いいわゆる保護を与えているわけでございます。英国航空あるいはルフトハンザ航空、エア・フランス、こういうのは一〇〇%に近い政府出資が行われており、国策会社としての性格が非常に強いわけでございます。しかるにわが国では、日航に対する政府出資比率を年々いままで段階的には引き下げてきて、現在は四〇・三%ということになっているわけでございますが、ことしまた、政府の保有株が売却をされるということになりますと、三〇%台に落ちる、こういうことになるわけでございます。
 そこで、今回のこの法案が提出をされた経緯、いきさつですね、これを考えてみますと、先ほどの御答弁では、日航の方からもこういった縛りを少し緩めてほしい、法を改正してほしいという声があったので研究を続けていたというお話ではございますが、私たちあるいはまた国民の目から見た場合には、今回のこの法改正が行われた最大の原因は何かと言えば、これは行政改革と財政再建ということが表に非常に大きく出ている。これが打ち出されてから、物すごいスピードでこの法律の改正というものに取り組んできたと、こういうふうな見方がどうしても根強く表に出てくるわけであります。そういった立場から考えますと、何となく今回の法改正というものが、今後の世界の全体の立場から考えた場合に、いわゆるナショナルキャリアとしての航空会社を残して置くべきであるか、あるいは完全な民間委託の、そういう依存の米国型の航空行政にしていくのか、そこの結論というものが完全に出て、そうして法改正がなされるのかどうかということについて、私はどうしても多少の疑問が残るのです。
 で、その考え方に立った場合に、日本の場合はちょうどアメリカとヨーロッパの中間的な、足して二で割ったようなそういう性格を帯びているように思われて仕方がないわけでございます。いまから先の航空行政というものは、非常な厳しい局面に立っている。すごい競争力に耐えていかなければならないという局面に立っているわけです。そういった場合に、わが国といたしましても、この航空行政に対してどういう方向づけで今後引っ張っていくのか、どういう方向づけで運営をしていくかというその理念が明確になっておらなければ、これは大きな蹉跌を来たす一つの要因を生み出していくおそれもなきにしもあらず、こういうふうに思うわけでございますが、この点についてはどういうふうにお考えになっておられますか。
#214
○政府委員(松井和治君) 先生御指摘のように、ヨーロッパ諸国の政府出資比率が一〇〇%ないし九〇%台の会社がかなりあり、ルフトハンザ、それからオランダのKLMあたりが七〇%台、それからカナダ航空、あるいはスカンジナビア航空あたりがちょうど五〇%、日本航空がその次に位置して四〇%、それからさらにそれより低いのがスイス航空等で二五%程度、差があるのは事実でございます。いずれにしましても、米国を除く各国は、政府が会社に金を出して、いわゆる国策会社として国際航空路線の運営に当たらせるという、こういう基本的な考え方をとっている点においては変わりはないというふうに考えております。
 私ども日本航空に対しまして、今後の政府出資比率のあり方ということを実は昨年の春ごろから勉強をいたしておったわけでございまして、行政改革なり財政再建の問題のやかましくなるはるか前から実はこの問題の取り組みをしておったわけでございます。私どもといたしましては、少なくとも三分の一というものは、これは将来にわたって国が保持すべきである、こういう結論に到達をしたわけでございまして、先生御指摘の今回の政府所有株の売却に当たりましても、あくまでもその三分の一を割らない限度において初めて財政再建の面にも協力できるんではないかということで、結論的に政府保有株式の五%というところを限界にして売却が決まったと、こういういきさつでございまして、私ども、今後も三分の一の政府出資比率は必ず守るという考え方でございます。
 そういうことで、政府出資比率を確保しつつ、民間の効率的な活動をより活発たらしめる、これが今後の国際競争激化の時代に臨む日本のナショナルキャリアとしての、いわばあり方として最も適当なものではないだろうかというふうに考えておる次第でございます。
#215
○桑名義治君 局長の答弁の中では、いわゆる三分の一の出資比率を今後とも維持しながら、民間の企業のエネルギーを最大限に発揮して今後の日本航空の発展を期していきたいと、簡単に申し上げればそういう方向だろうと思いますが、しかしどうしても、やはり財政再建の一直線上の一つの事柄であったという気持ちはぬぐい切れないものがあるわけですよ。確かに大蔵省からそういうふうな電電公社の納付金の問題が出てきたり、あるいは日航のいわゆる債券を売って云々という問題が出てきたりということが表に立って、今後の日本航空をいかにするかということが従になって今回のこの問題が論議をされた、こういうふうな疑いが払い切れないわけでございます。
 この点について、大臣は今後の日航のこういうあり方というもの、世界の趨勢ですね、現在の実情、先ほどから申し上げたように、ヨーロッパの形というのは、国が完全な主導型のいわゆる航空会社である、アメリカは民間の完全な依存型であると、こういう二つの典型的な姿がいまあらわれているわけでございますが、日本の航空行政というものが、今回のこういうような形が最も望ましいんだというふうにやはりお考えになっておられますか。
#216
○国務大臣(塩川正十郎君) これはむずかしい答弁でございまして、どこに基準を置くかということによって解釈がいろいろ変わってくると思うのでございますが、しかしヨーロッパも、かつてのように民間航空会社と軍事関係との相関関係が非常に厳しかった時分は出資比率は確かに高かった。しかし、それでも最近におきましてはだんだんと民間へ開放してきております。英国の場合は、あれは清算会社を立て直すためにやり出したことでございまして、あれは一〇〇%やっております。ですから、これは事情は違うと思うんです。私らが基本的に思っておりますのは、これはやはり日本航空というのは唯一のナショナルキャリアであるから、これのプレゼンスをきちっとしておきたいと、こうは思っておるんです。そのためには、やはり政府が他の株主の権限行便に対しても十分対抗し得るだけの力を持っておればいいのではないかと、こう思っております。
 ですから、これは五〇%以上あればそれは願わしいと思うんですけれども、残念ながらだんだんと下がってまいりまして、現在では三分の一保有、このことが特別議決との関係もございますんで、これはもうぜひひとつ確保しなければならぬと、その意味を込めまして今回資本金を増額するときには認可制にいたしたということでございます。ですから、資本関係はこれで私は、まあいいと言えばいいし、もう少しという欲はやっぱりあるだろう、言えばそれはまだ切りがないと思うのです。大体その程度でいいんではないかなと思うんです。ですから、あとはこれがどういうふうにして政府との関係、指導監督というものをどのように会社と運輸省との間を取り持っていくかと、ここがやはり一番大事な問題ではないかと思っております。
#217
○桑名義治君 今回の法改正につきまして、朝田社長はどういうふうな御意見をお持ちでございますか。
#218
○参考人(朝田静夫君) ただいま先生のお話の、ヨーロッパあるいはアメリカの各キャリアの経営形態というものが違っております。そこで、いま大臣の御答弁にありましたように、すでに日本航空の政府持ち株は四〇・三%に低下しておる。この間、ちょっと余談で恐縮でございますが、英国の下院の議員が私を訪問されまして、英国航空というものをどういうふうに持っていくかということの私の意見を参考に聞かれたことがございます。ちょうど日本に来られまして、そこで、サッチャー政権のもとではひとつ日本航空と同じようなブリティッシュ・エアウエーズ、英国航空の経営形態を変えていく、どちらかと言うと、政府の持ち株比率を下げて民間株の比率を高めていこう、そして活力があふれる企業体にしたいというようなことを、偶然一致したような考え方をお漏らしになりました。そういう方向で行かれるのかと思っておりましたら、いろいろ事情がございますのか、その案が少し先に延びたということを伺っております。
 したがいまして、私どもはナショナルキャリアとしての使命と責任を十分果たすことに変わりはございませんけれども、民間企業の活力あふれる弾力性のある事業経営というものによって効率を高め、そして使命と責任を果たすのにそれが非常に有効に作用すると、今回の法改正をそういうふうに私は受けとめておるわけでございます。
#219
○桑名義治君 確かに日本航空は、政府の助成もございましたが、経営努力によりまして世界の主要航空会社に成長したわけでございます。先ほどからの御論議の中にも、世界で第三位というお話もございましたし、とにかく国際航空界というものは、自国政府の手厚い保護のもとに、ナショナルキャリアたる国際の航空企業が激しい競争を展開しておるわけでございまして、今後ともまたこの油というものが非常に企業のあり方について大きな影響を与えること、こういうことは否めない事実であろうというふうに思います。
 そういうふうに考えますと、今後とも日本航空が順調に発展をしていくという保証的なものはないわけでございます。そういう長期的な見方に立っていくならば、いわゆる各種の助成を廃止して民間色を非常に強めただけで、日本航空の発展はちょっと心配が残るのではなかろうかと、こういうふうに私は思うわけでございます。そういった立場から、政府としては今後、いわゆる低利の政府関係の機関資金の導入とか、あるいはまた政府保証の拡大とか、そういった政策的なものをむしろ強めていっておく必要があるのではなかろうかと、こういうふうに思うわけでございますが、その点はどういうふうにお考えになっておられますか。
#220
○政府委員(松井和治君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、国は今後も三分の一の出資比率を変えないという方針で臨みたいと思っているのが第一の点でございますが、先生御指摘のように、今後とも国際線の維持、あるいはさらに発展を図ってまいりますために機材の購入、あるいはそのための付帯投資というようなものがまだまだ今後も引き続き行われる。また、現在日航が持っておりますDC8、この機材は騒音の値の非常に高い機材でございまして、なるべく早く取りかえる必要があるというような事情もございまして、今後も日本航空の資金需要というものはかなり多額のものになろうかと思います。そういう意味合いで、今回の法改正におきましても社債の発行限度額の引き上げを行ったわけでございますけれども、政府といたしましても、御指摘の債務保証というようなものを通じましてその裏打ちをしていくという気持ちを持っておる次第でございます。
#221
○桑名義治君 次の問題に移りたいと思いますが、今回の法改正では役員数のいわゆる法定制を廃止をしました。会社が、定款の変更により、株主総会に諮って取締役数を増加する等の措置がとれるようになっているわけでございますが、この点は会社の自主性を確保しようとしている反面に、従来はいわゆる常務取締役以上となっていた選任について、大臣の承認を必要とする取締役の範囲を非常勤の取締役や平取締役まで拡大をしているという一面を見ますと、今回の法改正の趣旨にむしろ逆行をしているのではなかろうかというふうに思うわけでございますが、この点はどういう趣旨でこういうように平取締役まであるいは非常勤の取締役まで大臣の認可を必要とするようにしたんですか。
#222
○政府委員(松井和治君) 日航が今後ナショナル・フラッグ・キャリアといたしまして果たすべき使命、役割り、責任というようなものはますます重くなると思います。その事業運営に当たられるのが取締役であり、その事業を監査するのが監査役であるわけでございまして、この取締役、監査役の責任の重さ、これはますます重くなるわけでございます。私ども今度の改正におきまして、人的な面からの監督というものがこの役員認可制を継続するということにした理由でございますが、その際、いままでは常勤の取締役に限っておりましたものを、今回の改正によりまして非常勤取締役と監査役を加えたと、こういうことでございます。商法上常勤取締役と非常勤取締役の間に権限、責任の差異はございませんし。また、他の特殊法人の監督規定におきましてもこれを区別しないケースが大部分でございますので、私ども今回の改正で、その整理を含めまして社外重役を含めた重役全般についていわば役所が信任を与えるというような形で、その信任を与えた方によって適正な事業運営が図られるということを期待する、そういう目的でこの改正をした次第でございます。
 また、監査役につきましては、これは最近の監査役の権限強化という面がございまして、むしろ監査役については、他の特殊法人の例を見ますれば、代表権ある人と監査役は大臣が任命をする、その他の役員は認可をするというような形で、監査役についての規制はむしろきついのが通例でございます。いままでこれが盛り込まれておりませんでしたが、今後の監査役の責任の重要性にかんがみまして、今度の改正で監査役まで認可の対象に広げたと、こういうことでございます。
#223
○桑名義治君 人事問題というのはその会社のある程度成否を決めるこれは重大な問題の一つだろうと私は思います。いまから先のこういう企業なりあるいは組織体なりは、この人事の配置、これは非常に大きな比重を占めるわけでございまして、そういう意味からは、このいわゆる承認事項を広げたということ、ここで大きく縛ったということは、民間移行に対する一つの規制になりブレーキになる、そういうふうに私は思うわけでございます。
 また、こういうことを言ったら大臣にも怒られるかもしれませんが、こういうふうに締めておけば、いわゆる思うように人事が操れる、あるいは役人的な立場から言いますと、これも怒られるかもしれませんが、天下りが自由に安易にできるじゃないかと、こういううがった見方もしている人が現実にいるんです、たくさん。それと同時に、どうせ広げるならばもう少し、こういったところもいままでの法のままでよかったんではなかろうかと、こういうふうに私は思うわけでございますが、社長さんはどういうふうにこの点についてはお考えになっておられますか。
#224
○参考人(朝田静夫君) 法の制定当時はもっと限定された役員の認可でございましたが、三十年に大きな赤字を出しまして、監督権が強化されました。そこで、いま局長の御答弁のように、常時会社の業務に従事する役員は認可の対象になりました。それで、それよりも非常勤、監査役に拡大をされたということは、その他の改正条項と照らし合わせて会社の事業経営の中核はやはり取締役、役員であると、その辺をやはり十分押さえておかないと、そのほかは緩めるけれども、そこをやっぱり押さえておかぬといけないという考え方は確かにあると思いますが、私はその辺は支障のないように十分うまく運営をしていただけると、こういうふうに考えております。
#225
○桑名義治君 大臣横にあるいは局長横じゃなかなか言いたいことも言えないんじゃないかと思いますが、いずれにしましても、そういったちまたの不安もあるようでございますので、その点はひとつ大臣、よく留意をしておいていただきたい。やっぱりそうかと、こういうことになれば、せっかくの意図したものが方向が変更されるおそれがあると、こういうふうに思うわけでございます。
 次に、もう先ほどから議論された中身でございますが、政府所有株の後配制度の廃止によって、日本航空は五十七年より政府保有株についても配当を行うことになったわけでございますが、そのために、先ほどの議論では税引き前の百四十億円の資金が必要になると、こういう御答弁があったわけでございますが、今後の日本航空の経営見通しがどういうふうになっていくのか、どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、果たして営業努力だけでこういった問題が解決できるだろうかと、こういう心配が私はまだ残るわけでございます。さらに一般の方々が御心配になるのは、そういった採算ベースに乗らない場合にはまた運賃値上げというところに来るのではなかろうかと、こういう心配があるわけでございますが、この点についてはどういうふうに今後運営をし、こういった問題、種々の問題を解決なさろうとお考えになっていらっしゃいますか、社長にお願いをしたいと思います。
#226
○参考人(朝田静夫君) 大変環境も厳しゅうございますので、政府の所有株に対しても配当するのはなかなか容易なことではございませんが、先刻御答弁をいたしましたように、企業努力はもちろんのことでございますし、適時適切に、事業計画等につきましても、路線、便数計画もそう硬直化することのないように、情勢が変わってまいりますと機動的にそういうものに対応していかなきゃならぬ、基本的にはどうしても私は運航の安全を堅持しながら、余剰の冗費というようなものは徹底的に削減をしていく、全社挙げてセールスマインドを高揚いたしまして販売増強の努力を続けていく、あるいは採算性の高い路線については積極的に供給力をふやしていく。締めるところは締めてまいりますけれども、攻めるところは勇猛果敢に攻めてまいりませんと、国際競争の中でやはり打ちかっていくことはできませんので、そういうことを弾力的、機動的に運営をしてまいりたいというふうに考えております。
 そこで、苦しくなったら運賃値上げに依存するのではないかというお話でございますが、ずっと遠い将来は別といたしまして、五十六年度においては私どもは国内の運賃改定というのは考えておりません。直ちにそういうようなことにつながるとも私たちは思っておりません。
#227
○桑名義治君 先ほどの御答弁と現在の御答弁の中で、こういった事態に対処するためにはいわゆる企業努力、採算性の高い路線については積極果敢に挑戦をしていくとか、あるいはまた先ほどからいろいろお話がございますが、それこそ設備の拡大なり充実なり、この問題は極力抑えていきたい、あるいはまた先ほどの答弁は、セールス方面にも非常に今後とも力を入れていきたいというような趣旨のお話があったわけでございます。
 ところが現在の企業の流れている方向というものを考えますと、いわゆる省エネ化ということでコンピューター化がどんどん進んでいるわけですね。機械化がどんどん進んでいるわけです。機械化が進むということは、やっぱり一面から言うと設備を拡充をしていかなきゃならぬ。その設備を新しいものにしていく、あるいは拡充をしていくことによって、むしろまたそこで省エネ化が進むという一面も持っているわけであります。そういった立場から考えますと、またそういった事柄が安全性にもつながっていくということにもなるわけでございます。お互いにこの一つの矛盾を、利点とマイナス面と両方を持っている言葉になるわけでございますが、この点はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、あるいはまた新しい収益を上げることについて何か新しい方法論的なものをすでにお考えになっていらっしゃるのかどうか、その点を伺っておきたいと思います。
#228
○参考人(朝田静夫君) 先ほど申し上げました諸般の経営努力というものをもとにいたしまして、いろいろなそのときそのときにやっぱり手を打っていかなきゃならぬと思っておりますが、コンピューター化が進みまして一つの問題を私どもは抱えておりますのは、全世界を通じてJALCOMというシステムで予約から搭乗から、あるいは情報処理とかいうようなものを全部やってまいっておりますけれども、これはやっぱり競争上の問題でございますので、外国他社との関係でこれをどんどん更新をしていかなきゃならぬ、新しいソフトウエアを開発していかなきゃならぬ、いろいろな問題を抱えております。
 ただ、一番やっぱり大きな問題は私は燃料の問題だと思っておりますので、エアラインにとりましては燃料の一滴は血液の一滴だなんというようなことを申しておりまして、二つのプロジェクトチームを社内につくっております。一つは燃料の調達のプロジェクトチームでございます。他の一つは燃料の活用をするのに大変進歩したアドバンスト・テクノロジーを導入してまいりましてコックピットのシステムから変えていく、そういうところだとか、あるいは非常に細かい作業もいたしまして、飛行機の中に積まれておるような各種の機内食用のトレーだとか、すべてのものを軽量化するとか、あるいは航空機の塗装、ペイントなんかでも軽いものを使うとか、カーペットまで軽いものに切りかえていくとか、最もやはり大きな問題はエンジンの効率をよくしていく、あるいは先ほど申し上げましたようなコックピットの中のシステムをアドバンスト・テクノロジーを導入していく。こういう、油を契機といたしまして技術の開発、合理化、そういったようなものにあらゆる努力を進めてまいりたい。こういうようなことで油の価格がそれほどいままでと比べて上がらない、あるいは鎮静化するということでありますならばまさに幸いでございますが、油は何しろ政治的商品でございますから、そういうものに絶えず備えをしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#229
○桑名義治君 また、先ほどからの御答弁の中で、オイルショックの後の立て直し、このことによって自信を持っている、こういうふうなお答えも一項目あったと思うのです。現在の不況の原因なり、あるいは不況の構造なり、あるいは経済の成り行きなり、そういうものを勘案をしますと、あの当時の第一次オイルショックのときとまた態様が非常に違っていると思うのですね。そういった違った態様によって現在の航空界が非常に落ち込んでいるという、こういうことを考えたときには、第一次オイルショックのときから立て直ったという一つの自信とは申しますが、しかし態様が違っている現在、その自信というものが余り過剰になりますと私はむしろ失敗をしてしまうのじゃなかろうか、こういう心配をするわけでございますが、その点はどういうふうにお考えになっておられますか。
#230
○参考人(朝田静夫君) 大変適切なアドバイス等も受け取っておりますが、まさに私もそういう点がポイントであろうと思っております。態様も違いますし、需要が不振である原因も違います。ただ、今後一体どういうふうに航空輸送需要が予測されるのかというようなものとの関連において物を申し上げますと、いま大変苦しいのはもちろん燃料油の価格の高騰ということと、一つは国際政治情勢の問題。最も大きなインパクトになっておりますのは韓国との輸送でございます。お隣の国でございますからトラフィックのボリュームが非常に大きい、大きいパイプで、人、物の交流が行われておりましたのが、それが大変政情不安定で停滞をしておる。その点だけを除いてみますと、国際の定期航空の中で韓国の路線だけを除いてみますと四%の伸び率でございます。したがいまして、その他のチャーターとか不定期輸送というものをさらに捨象いたしてみますと七%台の成長率になっておる。したがいまして、普通のノーマルな経済状況、悪い悪いと、アメリカやヨーロッパの経済が悪いと申しましても、国際線の需要というものは韓国を捨象し、不定期チャーターの問題を捨象いたしてみますと、七%台の成長率になっておる。
 そういうことから考えてみますと、原因はいろいろ違うわけでございますが、油の問題については同じ要素を抱えておりますけれども、それなりにその段階段階で原因に対する対策、直接効果のある対策を講じていかなきゃならぬ、こういうふうに考えております。したがいまして、第一次オイルショックのときに立て直したときの自信というものが過剰になってはもちろんいけませんし、しかし、そうかといって大変暗い先行きばかりを問題にしておりますと職員諸君がディスカレッジされますので、あのことを思い出して、ひとつ自信と誇りを持ってこの危機を切り抜けようじゃないかと、こういうときに私はそれを援用させていただいておるわけでございまして、率直に申し上げで自信過剰になっては相ならぬというふうに自戒をいたしております。
#231
○桑名義治君 この問題はここらにとどめまして、次に政府の保有株の二百五十万株が売却されることになるわけでございますが、まあ政府の持ち株が売却をされた、そして現在が四〇・三%に落ち込んでいると。その段階で、段階を踏みながら、いわゆるその株がどこにいくのか、どこに売却をされていくのかというこの問題は、私は一面から考えると非常に重要な問題ではなかろうかと思う。
 なぜそういうふうに申すかといいますと、今回のこの法改正がなされたとしても、日航はいわゆる国策会社の一環としてはその性格は変わりはない、ナショナルキャリアとしては変わりはない。そういうふうに考えますと、おたくの方から出ている事業報告書の中に、大株主の中に小佐野賢治氏が入っているわけですね、大株主の三番目か四番目に入っておりましたが、彼が現在三百八万四千六十六株保有をしておるわけでございます。ロッキード被告であるということから、なお一層こういった方々が株数を増加させることは非常にナショナルキャリアとしては不適当ではなかろうかという御議論がやっぱり一部にはあるわけでございます。この点は運輸大臣はどういうふうな御見解をお持ちでございますか。
#232
○国務大臣(塩川正十郎君) 政府所有株の処分についてでございますが、これは大蔵省が慎重に取り扱うものと思っております。大蔵省の方で言っておりますのは、関係金融機関等にとりあえずはめ込むのではないかと思うたりもいたしております。
#233
○桑名義治君 いま御答弁はその売却の筋が金融会社に行くと。その筋だけのお話があった。こういう方が大株主としてさらに大きくなることは好ましいことであるか、いやこれはもう仕方がないんだ、一般商売上の通例なんだ、経済上の通例なんだと、こういうふうにお考えになっているかということをお聞きしているんです。
#234
○国務大臣(塩川正十郎君) この国策会社の株を特定の方がいろいろな事業の目的等も何かあることもあると思いますけれども、しかし特定の方が積極的にこの会社の株を保有するということは国策会社という観点に立ちましたら余り望ましいことではないように思います。
#235
○桑名義治君 私もそう思います。彼の株数がだんだんだんだん大きくなっていった、そのことによって、これはちまたのお話でございますのでどれだけの確証があるかは知りませんけれども、やっぱりロッキード問題と大きなかかわり合いがあると。大きな力を占めたと。また日航自身もそのことによって非常に苦慮した、困った、こういうような話があるわけでございます。
 そういった立場から考えますと、確かにこの株のいまからの売却については大蔵省の所管ではございますけれども、しかし全く運輸大臣に御相談がない。あるいは運輸省は、あるいは運輸大臣は、このことについては大蔵省の所管だからくちばし入れるな、こういうことではないと思うんですね、私は。なぜかといいますと、株を売り払いましてその後の、日本航空の今後のあり方についての責任は運輸省にあるわけですから、したがってそういうことを考えますと、これは大蔵省の所管だからほっといていいんだということにはならないと思います。そういう御意見を大蔵省の方にも運輸省として持ち出すかどうかという問題でございますが、この点はどうでございますか。
#236
○国務大臣(塩川正十郎君) 大蔵省が処理するときには、処分の前後にはこちらにも連絡があるものと思っております。
#237
○桑名義治君 そのときには大臣の先ほどの答弁を、そのとおりの御意見を述べられるということを私は確認しますが、よろしゅうございますか。
#238
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほども申しましたように、大蔵省はいろんな諸条件を勘案して、要するに国策会社としてふさわしい株の処分をしていくんではないかと、こう思っておりますので、私はまだ報告も何も受けておりませんけれども、大蔵省が執行する場合にはそうするのではないかと思っております。
#239
○桑名義治君 大蔵省がそうするのではないかということをお聞きしているんではなくて、先ほどからるる申し上げていますように、大臣としての先ほどの御答弁を大蔵省の方に述べますかということをお尋ねしている。
#240
○国務大臣(塩川正十郎君) それは最初にこの話が出ましたとき、昨年の十月でございますが、そのときは運輸省の方から書面でもって大蔵省に申し入れてありますので、御心配ないと思います。
#241
○桑名義治君 もう時間が大分迫りましたので、次の問題に移りたいと思いますが、今回の法改正で社債の発行限度額が大幅に引き上げられたわけでございます。そこで、日本航空も今後の社債の発行計画をお持ちになっていらっしゃると思いますが、その中で特に新聞紙上では産油国のオイルマネーの導入という事柄が非常に大きく取り上げられていたわけでございますが、この点はどういうふうになっているのか。あるいはまた、社債の発行計画を明らかにできるならばやっていただきたいと思いますし、オイルマネーのいわゆる規模でございますが、どの程度のオイルマネーを導入することを限度というふうにお考えになっておられますか。
#242
○参考人(朝田静夫君) 資金調達方法が多様化してまいりまして、その一環としてオイルマネーの導入というものにつきましても考えてはおります。事実、そういうことを検討しておるわけでございますが、現在のところ何ら具体的に決まったものがございませんし、先方のいろいろな御都合もございましょうから、具体的な計画というものは現在ございません。なお、今後いろいろな観点からこの検討を続けてまいりたい、こう考えております。
#243
○桑名義治君 いわゆるこの導入資金の多様化ということ、それと同時にそういった一環の中でオイルマネーの導入ということが考えられているわけでございますが、この裏には油が今後とも潤滑に入ってくるようにという配慮もあるというふうに聞いておりますし、報道もされているわけでございます。この点について、運輸省としてはどの程度が大体適当だというふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#244
○国務大臣(塩川正十郎君) 私はオイルダラーがどうなるかわかりませんが、しかし、社債の発行限度額を五倍に引き上げましたことによりまして、実は私はなかなか日本航空としても資金の調達は努力を要することだと思うんです。現在、御承知のように社債市場におきましては転換社債等がやっぱり安易に引き取りがありますけれども、一般の社債というものはなかなかはかしていくのはむずかしい、引き受けするのはむずかしい状況であろうと思います。でございますだけに、今後ともいろんな多方面にわたって関係金融機関なり会社が努力することは当然であろうと思いますが、お尋ねのオイルダラーがどれだけのことを予定しているかということ等は、これからのやはり会社の努力等もそういうことに結びついていくんではないかと思いまして、全く私のところではわかりません。
#245
○桑名義治君 もう時間があとわずかしかございません。それで、先ほどからもちょっと問題になっておりましたA3〇〇の導入の問題でございますが、このいきさつなり現段階のことにつきましては、先ほどお話があったので了解をしたわけでございますが、ここで私一つだけまだ心配が残るのは、この問題がいわゆる自動車やその他の経済摩擦と同じように政治的なレベルに持っていかれるおそれがあるんではないか、このことを大変に心配するわけでございます。そういった立場から考えますと、これはただ単に一業者間の商売上の問題だということでおさめられる問題ではないと思うんです。もちろんA3〇〇導入に当たっては、当時外貨減らしということで、むしろ運輸省の方が進んで働きかけたんではなかろうか、働きかけたいきさつがある、こういうふうに私は思う。そういう経過から考えますと、この問題はやはり政府としても等閑視するわけにはいかない。政府としてはどういうふうな取り組みをやっていこうというふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#246
○政府委員(松井和治君) この東亜国内航空のA3〇〇の導入が決められましたときは、先生御指摘のようにドル減らしというような実態でございました。私ども機種の選定については一切関与しておりませんが、当時の経済閣僚会議の決定によりまして、航空機の輸入の促進ということが政策としてうたわれたという事実がございます。
 ただその場合に、どういう機種を何機買うかという問題は全く別の問題でございまして、東亜国内航空が当時の計画に基づいて、社内で慎重に委員会などつくって御検討の末、A3〇〇という機種を決められ、あるいは当初六機という機数を決められ、さらに後から三機を追加されたというような情勢でございます。もちろん先生御指摘のように、この問題がEC問題に絡む問題であるということは私も十分承知いたしておりますので、東亜国内航空に対しましてもそういう意味合いも含めて、先ほど御説明いたしましたように、まだ条件を打診したという程度にとどまっておりますけれども、今後の対応については極力慎重な対処が望ましいというふうに私ども考えておる次第でございます。
#247
○桑名義治君 時間が来ましたのでこれ一間で終わりますが、いずれにしましても航空機の導入計画の変更は航空法のいわゆる事業計画の変更に当たるわけでございまして、大臣の認可事項にもなるわけでございます。そういった立場から考えますと、これはもうなお一層等閑視するわけにはいかない。慎重に慎重にという御答弁では、私は大体どうするのかさっぱりわからないわけです。大臣、この問題はどういう方向が好ましいと思われますか。またそれが具体的な問題として、こうしたい、こうしたいということが言えなければ、大臣の御決意を伺っておきたいと思うのですが、そうしないとこの問題は必ず国際問題になりますよ、そういうことでかかわり合いは持っているわけですから。
#248
○国務大臣(塩川正十郎君)  これはECとの関係、重大なものがあると、私もそれは実は心配しております。私は昨年の七月就任しまして早々のときでございましたけれども、どうも航空三社が過剰投資になっていはしないだろうかということを心配いたしまして、各航空会社ごとに需要の見通しとそれから設備投資の関係を全部お聞きいたしました。私自身お聞きしたのでございますが、そのときに、それぞれのやっぱり需要見通しをもって機材の整備もちゃんとしておるということでございましたので、したがいまして東亜国内航空さんにおかれましても、ちゃんとその見通しを持って対応しておられると私は思っております。しかしながら、なかなか情勢は厳しいこと十分われわれも承知いたしておりますんで、それだけに東亜国内航空さんが機材を有効に活用してくれるようにわれわれも念願いたしますし、またいろいろと具体的に航空関係の方々とも協議をしていかなきゃならぬと思っております。
 確かに、余りにも経済の変化が激しいものでございますから、会社としても機材の見通し等について、いろいろと考えておったことに若干の条件は変わってきておること、これはございますが、だからといってこれは会社だけの責任とも私は言い切れないように思いますので、十分と相談もし、不都合のないようにお互い協力して解決を図っていきたいと思っております。
#249
○桑名義治君 終わります。
#250
○委員長(黒柳明君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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