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1980/04/21 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 運輸委員会 第7号
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1980/04/21 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 運輸委員会 第7号

#1
第094回国会 運輸委員会 第7号
昭和五十六年四月二十一日(火曜日)
   午前十時四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十七日
    辞任         補欠選任
    大河原太一郎君     野呂田芳成君
     岡田  広君     山内 一郎君
     仲川 幸男君     山本 富雄君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     山内 一郎君     木村 睦男君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     野呂田芳成君     堀江 正夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         黒柳  明君
    理 事
                伊江 朝雄君
                山崎 竜男君
               目黒今朝次郎君
                桑名 義治君
    委 員
                江島  淳君
                梶原  清君
                木村 睦男君
                高平 公友君
                内藤  健君
                堀江 正夫君
                安田 隆明君
                山本 富雄君
                竹田 四郎君
                小笠原貞子君
                柳澤 錬造君
                田  英夫君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
   政府委員
       北海道開発庁計
       画監理官     富士野昭典君
       運輸省海運局長  永井  浩君
       運輸省船舶局長  野口  節君
       運輸省船員局長  鈴木  登君
       運輸省港湾局長  吉村 眞事君
       労働省職業安定
       局長       関  英夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       科学技術庁原子
       力局原子力開発
       機関監理官    井田 勝久君
       資源エネルギー
       庁長官官房エネ
       ルギー企画官   広瀬 勝貞君
       資源エネルギー
       庁公益事業部開
       発課長      山本 貞一君
       自治省財政局調
       整室長      亀田  博君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十七日、大河原太一郎君、岡田広君及び仲川幸男君が委員を辞任され、その補欠として野呂田芳成君、山内一郎君及び山本富雄君が選任されました。
 また昨二十日、山内一郎君が委員を辞任され、その補欠として木村睦男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(黒柳明君) 港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○竹田四郎君 今度のこの港湾整備緊急措置法という法律でございますが、これ、聞いてみますと、どうも私は具体的なイメージがちっともわいてこない。聞きますと、まだそれはこれから決めることであるということで、非常に抽象的なものにすぎないわけでありますが、そしてこれは緊急措置法で、緊急性というのは一体どこにあるのか私はさっぱりわからぬ。この前の六次の総投資額が二百四十兆のときの旧の、旧のと言ったらいいですか、そのときの第六次計画にはいろいろ書いてあるようでありますけれども、今度はそれが一体どうなっていくのか、さっぱりイメージがわかないわけなんです。
 運輸大臣も何か大阪のお近くだというんですが、運輸大臣はこれから決めたのを自分でお聞きになるんだろうからこれはいいですが、私どもはこれは白紙委任するのと全く同じじゃないか。四兆何千億の規模で四十一兆円の貨物を扱うので、あとは全部計画をこれからつくるのだから、これだけですべて任じてくれと。そして、あと私どもが知るものは毎年度の予算で知るだけなんです。そして、五年後は一体どうなるのか、それから先は一体どうなるのかというものが全然イメージ出てこないんですね。だから、こういう白紙委任をわれわれに強要しているようなもので、後でこれは計画がつくられて閣議決定されてそれで終わりですわな。あとはわれわれが毎年毎年予算を審議するというだけのものですね。こうあってほしいとか、こういうことをしちゃならないとかということについては、われわれ一言も物を言えないのですよ。だから私は、これは緊急性が一体この法律のどこにあるのか。
 ある程度六次計画の大まかなレイアウトぐらいできたときに、われわれに、レイアウトは実はこういうこんな感じでございますと、全体としてこういうことでありますからひとつ承認してくれというんならわかりますよ、大臣。何にもなしで、聞けばこれからつくるんですと、どこがどうなるのかさっぱりわからぬ。こういうのをいまわれわれに審議させるということは、白紙委任状をわれわれにくれというのと同じじゃないですか、大臣。どうしてもっと遅くしないのですか、これを。どこに緊急性があるんですか。言うならもっと遅く出してきたらどうですか。あるいは港湾局のそうした計画をもっと早めて、何となくわれわれにイメージを与えるような、そういうことでなきゃ、こんなのを何で審議するんですか。何をわれわれに求めて、ただわれわれに白紙委任状をくれという以外に何があるんですか。その辺、大臣答えてください。私はどうもわからない、この法案が。これは大臣の問題で、局長、いいよ。局長には関係ないよ。大臣に聞いているんだよ。
#5
○国務大臣(塩川正十郎君) 先生御存じのように、これは昭和三十六年に第一次がありまして、その当時まさに港湾の整備は緊急かつ集中的にやらざるを得ないという事情がございまして、その計画をずうっと今日まで追うてまいりまして、三十六年、四十一年、四十三年、四十六年、五十一年、五十六年と、これで六次になるわけでございますが、そういう趣旨からずっと引き続き計面的に二十年近くやってまいりましたことでございますので、そういう意味においてやはり緊急性があると申しましょうか、要するに集中的にやるのだという意味を込めてわれわれは緊急措置法と、こう継承してきておるわけでございまして、どこに緊急性があるんだという、具体的にこれを説明せいとおっしゃいましたらわれわれも実は困るようなことでございますけれども、先ほど申したその当時の状況から引き続いての計画であるんだと、こういうふうにひとつ御理解をしていただきたいと思うんです。
 それから確かに何を決めるんだということの中身がはっきりしないではないか、これは私もごもっともだと思うんです。私自身も実際はこの計画を、たとえば港湾名をそれぞれ出して提出するということになれば、これは相当しっかりと理解もしていただけると思うんですけれども、そうではなくして、いままで第五次までやってまいりましたものをこれから継続し、完成していかなきゃならぬものもございますし、それで、この六次計画において新たに発足しなきゃならぬところも、そういう港湾も出てきておりますし、そういうふうなものもたくさんあります。そこで、この緊急措置法におきましては原則だけは決めておきたいと思いまして、原則は明確に実は決めておるのでございます。
 それはどういう原則でこれをやるのかということになりますと、たとえば経費の面、金の使い方、四兆二千六百億円というものを、金の面から言うと、港湾整備で三兆二百億円とかあるいは災害関係等に五千五百億円とか、あるいは港湾機能整備に四千六百億円、調整費二千三百億円、それで四兆二千六百億円をもちまして五カ年間やっていきたい。これをやるにいたしましても、その基礎となってまいりますのは、経済社会七カ年計画というのを、これは政府がつくっておりまして、計画的に社会資本を充実していこうとしておりますが、その一環としてやっていくという総枠だけが決まったというのが現状でございます。
 その総枠四兆二千六百億円というものを具体的に投資をするのに、投資をしていく方針はそれじゃ何に基づいて投資していくかということでございますが、それに対しましては五つの基本を決めておりまして、一つは、省エネルギー輸送手段としての海上輸送の促進を図る、そういう港湾の整備にいたしたいということと。それから二番目には、地域産業、地場産業、こういうものがいわば港湾の整備に伴って振興し得るように、そういう港湾に持っていきたいということでございます。これは定住圏構想との結びつきもございますが、とりあえずそういう地域振興の基礎、基盤としての港湾整備ということを二番目に考えておるわけでございます。三番目に言えますことは、これからのLNG船とかあるいは石炭船とかあるいは一般のコンテナ船とか、そういういろんな船が専門化してまいりましたのに伴いまして、その施設の整備をいたしたいということが三番目で、それから四番目におきましては、これは安全対策を実施するためのいわば航行の安全を確保するための措置をいたしたい。特に大規模地震対策というようなものも、港湾に関してはいままで何にも手をつけておらないので、今後これを重点にやりたいということでございまして、そして、いわば地方の港湾の整備を、残事業を急いで集中的にやっていきたいというようなことが五番目の考え方でございます。
 資本投下していくについてそういう基本方針を決めて、この枠内とこの基本方針のもとにおいて、これから夏にかけまして具体的に肉盛りをしていきたいと、こういう趣旨でまずこの法案をお認め願いたいという、総枠を決めていただかないと中身がこちらの方でなかなか盛りつけができないものでございますので、ひとつお願いいたしたいということでございます。
#6
○竹田四郎君 私は、いままで第一次から第五次まで、どういう形でこの法案が審議されたかよくそのときの詳細はわかっておりません。わかっておらないけれども、たとえば、恐らく今度の百九十兆ですか、あの新しい七カ年計画、その前は二百四十兆でしたね。それは秋に恐らく変わったと思いますね。その前の二百四十兆のときの第六次港湾整備五カ年計画の策定というのはある程度進んでいたわけですね。具体的には、港湾局の小和田補佐官ですか、「港湾」十一月号に相当程度詳しいものが出ているじゃないですか。そういうものを出して、恐らく法案は今度の国会に前の二百四十兆でもかける予定だっただろうと思うんですよ。そういう意味じゃある意味ではわかっているわけですよ。いま大臣が言ったようなことはもっと詳しくこれに書いてあるでしょう。地域的には東北あるいは関東が一体具体的にどうなるのか、地震対策はどことどことどこの方面を重点にするとか。こっちには、今度の計画の目標には全然書いてないでしょう、そういうこと。ですから、私は今度のはまるで白紙委任だと。
 たとえば前の小和田君のでいきますと、東京湾とか大阪湾には大きな船は入れない、タンカーは入れないということを書いてありますね。ある意味じゃイメージわきますね。東京湾の中にタンカーを入れないということになれば、あとはどうなるかというイメージわいてきますわな。今度の新しいものにはそういうものは全然ないじゃないですか。どこで何がどういうふうになるのかさっぱりわからぬでしょう一あるいはどこに――定住構想の云々ということが二番目の計画目標に書いてありますよ。しかし、具体的に定住構想を実現するのはどの辺の港にこういうことをやるのかということも全然出ていないじゃないですか。この小和田君の論文と今度のとはどういうふうに違ってくるのかということも全然わからないじゃないですか。小和田君の出した「港湾」の十一月号というのは、ある意味ではある程度の、これはもちろん公式なものではないにしても、ある程度港湾局の計画はこういう計画だというやつが頭に浮かんでくるわけですよ。地震対策とすれば、東海を中心として関東にも幾らかそれが及ぶというようなこと書いてありますよ。今度のものには、地震対策というようなことは書いてあるけれども、それは全然書いてない。わからぬ。エネルギー港湾だって、前のによりますと、ある程度エネルギー港湾がどの辺にどうなるかということがわかりますよね。今度のはさっぱりわからぬですよ。
 私はそういう意味でもまさに今度のこれは白紙委任だと、こんな審議をいままで恐らく私やったことないと思うんですよ。少なくとも最小限小和田君の論文ぐらいのものがレイアウトに出てきて、そして議論をするというならある程度わかりますよ。これは計画で、これから計画するということでありますから、余り細かいことまではそれは決められないでしょう。ある意味ではレイアウトを幾らか閣議決定で修正するということもあり得るでしょう。しかし、今度は全然白紙委任ですよ。ですから、私はむしろこの法案をもう少し後にしたらどうか、たとえば臨時国会も予想されていますよ、もうことしは。臨時国会のときになれば恐らく港湾局の計画というものもある程度進むんじゃないか、そうなれば、われわれもこの第六次計画の骨組みというものがもう少しわかってくる。いませっかく、塩川大臣に事細かに説明させたというのは気の毒だと私は思いますが、大臣が説明することじゃないと思うんだけれども、せっかく説明していただいたんだけれども、あれではぼくはよくわからない。
 特に私なんかは横浜という港を持っている人間ですよ。そして、きょうも食えば自民党の人から、川崎と木更津の間に早く道路をつくってくれよと、こう言われる。厚生省の人に会えば、早くごみの埋め立てを東京湾につくってくれよと、こう言う。しかし、この計画の中には具体的にどうなっていくのかさっぱりわからぬ、東京湾は一体どうなっていくかということがさっぱりわからぬ、これじゃ私ども一体何で審議をしているか。あと審議する場所があればいいですよ、閣議決定が終わればもうそれでずっと打っちゃう。われわれが一回としてチェックする場所はない。ただ、チェックをするとすれば予算で毎年幾らかずつチェックする。しかし、全体の様子はそんなことではわからない。こういうことはもう少し運輸大臣考えてもらわないと、何のためにわれわれ議論をしているのか、もう非常に私は疑問を感ぜざるを得ないんですよ。
 だから、これはこれで通すなら、あと閣議決定したものを国会に出して国会の承認を得るとか。それができないということであるならば、この審議は、もう少し法案の審議はおくらすとか、あるいは急いでおたくの方でレイアウトぐらい出してくれるか、こう私は思うんですが、どうなんですかね。
#7
○政府委員(吉村眞事君) 大変法案の審議が、法案の提出といいますか、そのタイミングが悪いというおしかりでございますが、この緊急措置法によりまして私ども閣議決定をするという仕組みになっておりますので、現在の段階ではそれの下準備をしておるということでございます。事務的には下準備をしておるということでございます。
 先生いま御指摘ございました七兆三千億当時のいろいろな内容でございますが、これはいわば予算要求という時点の私どもの考え方、これを取りまとめて発表したものでございまして、確かに考え方としては私どもの考え方をあらわしたものでございます。
 しかし、現実に五カ年計画をどういうふうにつくるかということになりますと、この要求時点と違った問題が起こってまいりまして、現在では七兆三千億の当時から経済審議会の答申等もございましたので、かなりそのテンポを緩めるということにせざるを得なくなっております。現在、考え方は七兆三千億当時に考えておりました大筋をそう大きくは変えておりませんけれども、個々の港湾でどういうふうにするかというような問題につきましては、総トータルを圧縮する必要もございますので、各港湾管理者とその詳細を現在相談をいたしておる段階でございます。その相談がまとまりますのが恐らく夏近くになるだろうということで、その段階で閣議決定にお願いをしたいというように考えておるわけでございまして、先生御指摘の考え方等につきましては、七兆三千億当時と大きくは変わっておりません。
 先ほど大臣から御説明いたしました重点の項目、これはやっぱり七兆三千億当時と同じ重点の項目を考えておりまして、これを具体的にどれぐらいにおさめるかという作業を現在やっておるわけでございます。
#8
○竹田四郎君 局長ね、それはあなたの話はそれなりにわかるんだけれども、しかし七兆三千億が四兆二千六百億になるんですよ。約六割に減らすんでしょう。そうすると、具体的にこの小和田君の論文を、何回か申し上げて大変小和田君には悪いかもしれないけれども、これに示されているのと、そのときは七兆三千億の事業費でいろいろこうレイアウトをしているわけでしょう。だから、いろいろ変わるのはわかるんですよ。変えちゃいかぬということをぼくは言ってるんじゃないですよ。しかし、われわれにこれだけの審議をさせるなら、小和田君の書いた論文程度はわれわれにもわからしてほしいと言うんですよ。恐らくかなり違うでしょう、六割の予算になるわけですからね。重点項目は、小和田君のたとえばこれいろいろありますよ、何々の課題何々の課題と、大変一々私がこう読むのが煩わしいくらいにたくさん出ているわけですけれども。小和田君も個人的にはいろいろなことは言えますけれども、公の席じゃ少し直言えませんよと、こういうことをおっしゃっているわけでありますけれども、いろいろな経済的な課題、安全課題というようなことで出ています。地域的にはここはこういうふうにするんだ、ああいうふうにするんだと出ているわけです。
 それじゃお聞きしますが、小和田君のこの論文と今度の新しいのと細かい点で具体的にどこがどういうふうに違ってくるんですか。
#9
○政府委員(吉村眞事君) 具体的にと申しますと、各港の問題等になろうかと思いますが、そこまではちょっとまだ固まっておりませんが、考え方をやや具体的に御説明を申し上げますと、それぞれの柱の重要性というのは変えないで個別に、たとえば港の中である防波堤を少しおくらしても、若干不便ではあるけれども何とか使えるというようなところがあればそういう防波堤を縮めると、当初七兆三千億で考えておりましたねらいはできるだけ達成できるようにしながら、全体を圧縮するというような基本的な考え方で各港湾管理者と作業をしておるわけでございます。個別の港湾でそれぞれどこを圧縮できるかというような事情が全然違いますので、一律に具体的にどうかというお答えはできませんが、基本的にはそういう考え方で七兆三千億のときのねらいをできるだけ損なわないで規模を縮めていくという作業をいたしております。
#10
○竹田四郎君 そういうことは、大体の大ざっぱなことは私はそう違わぬと思うんですよ。そういうことは恐らく十年、二十年かかったって変わらないでしょう、そんなに。緊急措置法だから緊急的な問題がぼくはあると思うんですよ。ちっともいまのお話聞いていると緊急的じゃないんだな。緊急措置法なら緊急的らしく、地震対策はこうしますと、地震対策なんて私は緊急の部類の一つだと思いますよ、非常に。いつ来るかわからぬですから。そういったことがちっとも浮き出してこないのですね。このことは緊急だからひとつ早く計画を立てるようにお願いしますというのなら、ああそうだな、じゃ早くやろうじゃないかとわかりますが、その点ちっともわからない。
 だから、ぼくはこれは運輸省だけいじめるつもりはございません。恐らく七カ年計画が変わって、それに対する対応の時間がなかったというようなことがこういう結果になって、五カ年計画を、いつもこんなふうな審議を私はやっていたとは思いませんね。その当時の議員の方がよくこれで、こんな抽象的なもので御満足していたのかと私は内心思うわけでありますけれども。そういう意味で私は今後はこういうことはやめてほしいと思うんですよ。恐らく第六次で終わるということはないと思うんです。もう少しわれわれにわかるように、あなたたち次の六カ年計画を決めたそうだけれども、私だってこれ、横浜一体どうなるんだと聞かれたら、どうにも答えようがないですよ。
 そういう意味で、もう少し具体論が進みそうな中で、そのタイミングの中でやっぱりこういうものを出してくれなければ、まさに形式論にすぎない。ただ国会を通過させればそれでいいんだということじゃ、余り国会軽視じゃないですか、大臣。もう少し今後出す場合には考えてもらえますかな。
#11
○国務大臣(塩川正十郎君) ごもっともだと私も思います。私も議員の立場で見まして、この法案で、中身は何だということで、実際はお困りになるだろうと思います。とはいえ、とりあえずこの緊急措置法を国会でお認めいただかないと、これでいわば計画の金目が決まってこない。この法律が通って初めて四兆三千億円という金目を政府として決めてくるわけでございますし、その政府が決めたものに対して、こういう計画をやりますということを閣議で決定するということになってまいります。したがいまして、この法案をお認めいただいたら、閣議にその書類を出しますものと並行して、先ほど、私は小和田君の論文は見ておりませんけれども、せめて主要港湾等についてはこういうふうな展開がされていくんだとかいうような、先ほどの基本方針を肉づけしたようなものを委員の諸先生方に提示さしていただくと、そういうことでひとつ御了承いただきたいと思うんです。
 確かに、いま資料としてそれを出せとおっしゃいましても、いわば入れ物そのものがまだ認められておらないのに中身だけ、こっちだけわあわあ詰めてみましても、それは一体どうなるのということで逆になってまいりますしいたしますので、ひとつわれわれも御理解いただけるための努力は最大限尽くしてまいりますから、どうぞひとつよろしくお願いいたします。
#12
○竹田四郎君 私はもうぴしっと決めたものをこの法案の前に出せということを言っているわけじゃないですよ。われわれがイメージを抱くことができる程度のもの、そしてそのような内容の変更はこれあり得るということは当然われわれは考えながら言っているわけですからね、ひとつその辺はお願いをしたいんですがね。
 それで、それじゃ、五十六年度からこれ始まるんですがね、この運輸省でくれた一般会計歳出予算各目明細書、特別会計歳入歳出予定額各目明細書というのを見ましても、具体的にこの今度の計画とどこがどうなのかさっぱりわからぬですね。たとえば、恐らくこれは港湾整備勘定の中で出されていることだろうと思いますが、たとえばこれの八十八ページの歳出のところを見ましても、港湾事業費、港湾事業に必要な経費、直轄港湾改修費九百七億四千八百万円、特定重要港湾継続十一港、重要港湾継続四十三港、新規一港でしょう。どこでどういうふうにかみ合っているのか予算書見たって全然わからないんですよ。それはどこに書いてあるのかよくわからぬですけれども、そういう点で決めっぱなしですね、われわれは。あとはもう全然タッチすることできないわけですよね。われわれもここで一つ一つ説明していただければ、それはわかってくるだろうかもしれませんけれども、具体的にここでそれだけをお聞きする時間は、余裕はないわけでありますから、これは後でひとつ資料として、具体的にどこどこの港をどういうふうにするんだと、五十六年度予算でもこれ決定したわけですからね、両院を通過しているわけですからね、出してください、資料として。これは委員長にお願いします。
#13
○委員長(黒柳明君) はい。
#14
○竹田四郎君 それから今度の中にいろいろエネルギー――その前に、船員局長さんお見えですか。
#15
○政府委員(鈴木登君) はい。
#16
○竹田四郎君 じゃ、ちょっとそっちの方を先にやります。
 四十九年、これは私も法案の審議には参加をしたわけですが、小さなボートですね、ボートの運転手が資格を持っていない。特に最近の海水浴場におけるモーターボートなんかが非常に事故を起こしたという後だったと思うんですよ。そういう意味で、小さな船でも免許を持たなくちゃいかぬ。あるいは港湾でも、船の数が非常にふえてきているというわけで、海の交通道徳というんですかね、海の交通ルールというものを小さな船もわかってもらわにゃ困るということで、小型船舶操縦士の免許という制度ができたわけでありますけれども、これが最近不正な替え玉で実技の講習をやっていた。幸い免許証が本人のところへいく前に発見されたというんですがね、最近は、早稲田を初めとしてこんな小さなところまで同じようなことが次から次へ、替え玉などというようなものがあって一体いいものかどうなのか。関東海運局は、これは厳しく徹底的に解明する方針だというんですが、解明した結果はどこまでどういうふうにわかっているんですか。
#17
○政府委員(鈴木登君) いま先生御指摘のとおり、まことにお恥ずかしい事態が発生いたしまして、実は私ども船舶職員養成協会から関東海運局長に対しまして、三月の二十六日、それから四月の十八日の二回にわたり事件の概要の報告がありまして、関係者の処分、それから事態究明に精を出しておるということを報告を受けた次第でございます。
 事件の経過の概要は、先生ただいま御指摘のとおりでございまして、実は日本船舶職員養成協会は、船舶職員法十三条の二に基づきまして船舶職員の指定養成施設に指定されております。それでその指定養成施設の講習を受けた者はいわば自動的に小型船舶操縦士の免許を受けるということになっております。ところが、去年の九月の二十四日から十月の六日にわたりまして、学科講習には関係の三名は出席して受講を受けたわけでありますけれども、五十一年の一月の八日から一月の十五日までに開催されました実技試験に、実はこの三名、海外に出張中でありまして、受験料が惜しいというようなこともありまして、替え玉を使いまして受講したというようなことが判明した次第でございます。したがいまして、それがわかりましたので、まだ実は海運局の方ではその三名に対して免許を出す直前でございましたので、直ちにその実情を調査しました結果、実技講習に替え玉を使ったという事実が判明いたしましたので、海運局の方での免許の発給をストップして重大な事件に至ることを未然に防いだような次第でございます。
 それに対する事後措置といたしましては、事実でございましたので早急に関係者、養成協会の試験担当者等の関係者をそれぞれ処分いたしますとともに、三月の二十二、四日に開催されました支部長会議、養成協会の支部長会議でございますけれども、支部長会議で、全国にこういう事件が今後絶対ないように、それから過去そういう事件がなかったかどうかの再点検をやるということを指示いたしますとともに、本件について関係者の事情聴取を行っておりますけれども、何せ関係者がなかなかはっきりとしたことを言ってくれませんし、強制捜査権といいますか、強制調査の権限も船舶職員養成協会の方にありませんので、どういうルートで、どういう形でこういう不正な行為が行われたのか究明が非常にむずかしいような実態でございます。ただ、放置しておくわけにはまいりませんので、関東海運局長の方から養成協会に対して強力にその原因を究明して、その究明された原因に基づいて一番適切な対応策、事後措置を講じるように指示しておるところでございます。
 なお、私のところへも養成協会の会長が、この事件発生後直ちに参りまして、直接の監督者は関東海運局長でありますけれども、私からも船舶職員養成協会の会長に対して厳重な原因究明と事故再発の防止を指示しているところでございます。
 以上でございます。
#18
○竹田四郎君 替え玉ということはわかったんだけれども、だれが替え玉で、だれがその替え玉を紹介をしたのか。こういう付近は全くわからぬですね、これ。新聞によると、「市内の釣り舟業者に替え玉受験者の紹介を依頼」と、新聞の方は言っておりますわな。これどこの釣り舟業者ですか。この新聞の記事はお調べになったんですか、これ十八日の神奈川新聞に出ているんですが。そして、その替え玉受験者というのは学科の方はやらないで、実技の方はぱっと受かっちゃったと書いてかるんですね。だから、免許証をやろうとする直前までいったわけですがね。しかし、この替え玉の人というのは恐らく免許持っていたんじゃないですか。そういうのを替え玉に使っていけば、学科だけ受けて、あとは実技の方は恐らくうまくいくでしょうからね。こういうことがこれは大いにあり得ると思うんですね、これから。
 しかも何ですか、たった八名の受講者でしょう。たくさんいた中では、替え玉やられてわからないということは、これはあり得ると思うんですがね。たった八名の受講者で、一人の先生が四人ぐらい、ボートですからね。そんなたくさんの人を一遍に乗せるわけにはいきませんでしょうから、三人か四人ずつ乗せて実地講習をやっていたんだろうと思うんですね。そして写真が一緒に来ているわけでしょう。それで三日もやっていて全然わからないというのは、これはまさに計画的じゃないですか。それは三十人も次から次へやるというときならそれはそういうことあり得ると思うんですがね。たった八人ですよ。その担当者は、その教師というのは一体だれなんです。そういうものも私は明らかにすべきだと思うんですよ、もうこの段階で。世相ですわな、最近の増え玉というのは。そういう世相をこの点で破っていくにも、私はそういう点はっきりもっと発表すべきだと思うんですよ。もっと緊張感を与えなけりゃいかぬと思うんですよ。
 恐らくこれからだって小型ボートには、夏に向けてもちろん操縦する人は多くなるだろうし、余暇が進めば進むほどモーターボートを扱う人が多くなると。ですから、どんな状態なのか、私は全体の数字をもっと知りたいんですが、時間ありませんから後で、どのくらいの受験者があって、どんな講習をして、全国のどういうところでどのぐらいの合格者が出たというようなことも、後で資料で教えてほしいんですが、少なくとも替え玉の三人ぐらいはわかりそうなもんだと思うんですがね、わからぬでしょうか、これ。
#19
○政府委員(鈴木登君) 替え玉をあっせんしたのは松井という人物でございまして、この人物に対してはいろいろと事情を関係者から聞いておりますが、松井本人は、その替え玉に出席した者に対して迷惑をかけるということでいろいろと、なかなかこちらの捜査権もないというようなことも絡みまして発言をしてくれないというふうな事態にございます。それでなかなかその辺のからくりがつかめないというようなことでございますので、ただ、その間に金銭の授受のような関係はなかったかという点がわれわれ一番心配なものですから、その点を中心にいろいろと聞かしておりますけれども、その点はなかったというふうな調査結果が出ております。
 それから、関係者の方は、御存じのとおりに関東支部長以下六名ほどおりまして、先ほど申しましたように、関東支部長は自分の方から依願退職という形を申し出てきましたので、それを認めておりますし、ほかの者につきましても、それぞれ立ち会いをした者は、写真を見ることによって受験者の確認を怠ったということは私自身のミスであるということを申し述べまして、それぞれの養成協会の方で処分をしております。
 なお、先ほど申しましたように、会長に対してできるだけ早期に、早い機会にこれの対応策、今後こういう事故の再発がないように対応策を立てて、私のところへ報告するように、会長に指示しておりますので、いま先生御指摘の事項、それから、今後の対応策も含めまして、でき次第改めて御報告に上がりたいと思います。
#20
○竹田四郎君 それから、関東の支部長の田中というのね、これは何か形の上では懲戒解職だけれども、実質的は依願退職になっていると言うんだね。こういうようなことをあなたの方は、この養成協会にとにかく教育を委託しているわけですからね。こういう依願退職などというようなことで、これ、どういう処分をしているんですか。ちょっとわからぬですが、事実上の懲戒免職、形式上の依願退職というのは、これどういう処分なんですか。これ新聞に書いてあるところですが、実際はどういうことなんですか、これは。
#21
○政府委員(鈴木登君) 責任者の原因を究明しておる段階で本人が辞職願を出してきましたので、協会の方でその辞職願を認めたという形をとっておるようでございます。
#22
○竹田四郎君 そうすると事実上の懲戒免職というのはどういう意味なんですか。
#23
○政府委員(鈴木登君) この点につきましては、実は退職願を出してきた段階でその退職願を受け取らずに、普通は、原因がこの田中支部長の方にあるということが判明しましたときには、辞職願を受け取らずに後日免職するというのが普通のやり方でありますけれども、この際は、原因究明がしばらく時間がかかるというようなこともありまして辞職願を受理してしまったんだろうと思います。
#24
○竹田四郎君 私はね、こういうのはもう少し厳重にやってもらわないと困ると忌んですね。
 それから、次長、教官、試験官の四名を十五日から三十日の停職処分にしたと言うんですけれども、こういう者の名前を公表しない理由は何かあるんですか。
#25
○政府委員(鈴木登君) 公表しない理由は特にございません。ただ協会の方では適当に辞令を出すとかいう形で、秘密事項にはしてないと思います。
#26
○竹田四郎君 これね、もう少ししっかり調べていただいて、恐らく釣り舟業者が替え玉受験者を紹介したけれども、その三人の替え玉の名前をはっきり言わないなんていうのは、私は非常に危ないと思うんですよね。計画的でなければ、こんな人を紹介しちゃったんだよとぼくは言うと思うんですがね。迷惑をかけてはいけないから名前を言わないなんていうのはもう全く危ないと思うんですね。これはもう少し徹底的に調べていただきたい。時間がありませんからその辺で私はやめておきますが、その調査の結果というのは、ひとつ後で委員会なり私なりに御報告をいただきたいと思うんです。少なくとも、こういう不正がこういうところまで行われているということでは、もうあきれ果てて物言えないわけですからね。今後こういうことが起きないようにひとつやってほしいと、こういうふうに思います。
 以上でそれは終わります。
 それから、今度の六次計画、省エネの輸送手段としての海上輸送の促進というふうなことがあるんですがね、これは一体具体的にどういう意味なんですか。トラック輸送をうんと減らして、そして海上輸送にかえていくというようなことをおっしゃっているんですか。そうなるとたとえばフェリー関係の問題なんていうのが起きてくるだろうと思いますね。もっとフェリーの航路をふやすとか、あるいはフェリーの岸壁をつくるとか、こういうような問題なのかどうなのか。あるいはそういう意味ではたとえば九州、四国あたりの野菜の産地、生鮮食料品の産地とフェリーで都市圏を結んでいくというようなことなのかどうなのか。
#27
○政府委員(吉村眞事君) ほぼいま御指摘のようなことを考えております。
 トラック等に比べまして、海運が非常に省エネルギー的な輸送機関であるということから、可能な限り海送にいろんな貨物を移していくことが輸送の体系としては一つの望ましい方法であるという考え方から、三次の全国総合開発計画でありますとか、新経済社会七カ年計画におきましても、海運の分担率を一層ふやすようにというのが盛り込まれておりまして、私どももその基本的な方向を受けて、そういう方向で港湾の整備を図ってまいりたい、こういうことでございます。
 その内容といたしましては、もちろんフェリーといった場合もありますし、さらに将来におきましてはフェリーばかりでなくて、一般的な内航におきます海送転移の問題等にも対応できるということを目指しながら、全国各地の流通の拠点になる港湾を整備していく。こういうことによって将来の省エネ交通への転換といいますか、そういう方向へ進んでいくための港湾のサイドからの施策としたいということが今回の趣旨でございます。
#28
○竹田四郎君 そうすると、今度は五カ年の中でそういうようなものが、具体的に東京湾ならフェリーの岸壁はどんなふうにするのか、あるいはフェリーでなくて一般の内航船で運ぶということになれば、横浜で言えば中央市場の岸壁との関係は将来どうなるのか、広げるのか、あれを改築するのかどうするのか、あるいは南部市場の岸壁を一体どういうふうにするのか、各山場との関係というのは私は出てくるだろうと思いますね。その辺はどうなるんですか。
#29
○政府委員(吉村眞事君) 現在横浜港で具体的にどうするかというところは、先ほど…し上げたようにまだ港湾管理者と相談中でございますが、先生御指摘のような問題につきましては、まずフェリーについては、今後横浜にもフェリーを入れたいというような要望がございます。これは管理者の考え方を十分に検討いたしまして、管理者との合意に達すれば計画に入れていきたい。それからその他の内貿の埠頭につきましても、管理者の意向を十分に組み入れながら今回の計画で措置をしていきたいと思っております。
#30
○竹田四郎君 また今度の基本的な目によりますと、「石油代替エネルギー及び電力の安定供給等に必要となる港湾施設を整備する。」と、こういうふうに書いてあるんですが、これは通産省、一体それじゃ石炭というのは、石油は大分これから窮屈になるんですが、一体石炭というのはどのくらい輸入をしていくのか。かつては石炭の埠頭というのは石炭置き場を含めて大きな埠頭があったわけでありますけれども、石油が急激に入ってきて、石炭埠頭などはかなり追いやられてしまって、ないわけでありますけれども、石炭というのは一体どうなるのか。しかし石炭というのは大変輸送には不便なものですわな。だから石炭液化の問題というものが私は出ているんだというふうに思うんですが、じゃある油がなくて石炭に移るんだということで、うんとそのための埠頭をつくる。もうそのうちに石炭液化が進んでくる、また石炭埠頭は要らなくなる、こういうようなことになりますと――今度の六次計画の中で石油代替エネルギーの主なものというのは、恐らくかなり石炭ということを考えているということになりますと、またすぐ過剰投資になったりしてしまう可能性が私はあると思うんですけれども、そういう意味で、石炭という寿命はどうなんでしょうか。
#31
○説明員(広瀬勝貞君) 御説明いたします。
 私どもエネルギーの長期見通しにつきましては暫定見通しというのを持っておりますが、それによりますと、たとえば五十四年度の石炭の輸入でございますけれども、これが五千九百万トンということになっております。しかしながら、六十年度には一億トン、それから六十五年度には一億四千万トンというように非常に拡大していくという見通しになっておりまして、石炭リバイバルとこうよく言われておりますけれども、かつて石炭から石油への転換があった、かつまた最近になって石油の非常に供給の不安定性にかんがみまして石炭への転換が進んでおるという状況でございますけれども、長期的に見ますと、私どもの見通しではここ十年、二十年というのは石炭はどんどん需要がふえていくという状況であろうというふうに考えております。これはまさに、私どもの試算によりますとエネルギーの需要というのはやっぱり一定の経済成長に伴いましてどんどんふえていく、石油は頭打ちにならざるを得ないというふうに考えますと、じゃある油以外のエネルギーをどうやって賄うかということでございますが、これは原子力、それからLNG、そのほかに石炭と、この三本柱で今後の代替エネルギーを賄っていこうという計画でございますので、石炭の需要はますます伸びていくというふうに考えております。
#32
○竹田四郎君 石炭の需要は伸びますが、石炭をそのまま掘ったままで使うか、運搬とかあるいは処理とかあるいは港湾における荷役の便不便さ、こういうことから、恐らく石炭液化の問題がかなり進んでいくんじゃないか。SRCIの問題も、あれに百五十億の予算を計上したということも、恐らく私は早く日本がそういうような石炭液化を求めているから、いまも何か東京でも議論をしたそうでありますけれども、そのことを非常に求めているからこそ百五十億も出したということになると思いますね。ですから、この石炭液化の進み方と石炭をいまのままで使うあり方というもの、この関係で港湾の埠頭のつくり方というのは私は当然幾らか違ってくるだろうと思うんですね。百年、二百年続くものならそれはいいでしょうけれども、港湾だってもうかなりの寿命があって、いま港湾の再開発というようなことが今度のこの五カ年計画の中にも恐らく含まれるだろうと私は思っているわけでありますが、そういう意味では、その辺の見通しがはっきりついていかないと、石炭が急にできた、そら石炭埠頭をぐあっとつくった、もう少したったらこれでまた要らなくなったというような投資ではこれは困るわけで、そういう面で通産と運輸との密接な連絡というものがないと、私は幾ら金をつぎ込んだってこれはだめだと思うんですよね。その辺どうなんですか。
#33
○説明員(広瀬勝貞君) 御指摘いただきましたように、石炭液化というのは私ども非常に大事なものだということで、国の予算も相当投入さしていただいて進めることになっておりますけれども、この石炭液化と石炭の生だきの関係でございますけれども、もちろん石炭液化も重要なんだけれども、石炭液化油というのはどちらかといいますと石油に直接代替するようなものでございまして、もちろん運搬も便利でございますし、それから利用も石油と代替するような関係で、将来は輸送部門とかなんとかにも、内燃機関とかなんとかにも使っていけるというようなことで、ぜひ石炭液化油を開発したいというふうに考えておりますが、すべてを将来固型石炭から液化油にかえるということではございませんで、やはり石炭は石炭なりに、生だきは生だきなりにふえていく、それからその特定の用途に応じまして石炭液化油というものを供給していくというような関係でございますので、先ほどの暫定見通しに戻って御説明いたしますと、石炭の生だきはさっき申し上げましたような数字で伸びていく、加えて並行的に石炭液化油の方も、昭和六十五年度でございますと二千万トンぐらい、二千万キロリットルぐらいに需要がなるというようなことで考えておりまして、並行的に用途に応じて伸びていかなきゃいかぬというふうに考えております。
 いずれにしましても、石炭をそれだけ伸ばしてわが国のエネルギー供給を安定化さしていくということになりますと、それは当然港湾の整備を初めいろんなインフラ整備が必要になるわけでございまして、その辺は運輸省さんにも十分お願いをしてまいりたいというふうに考えております。
#34
○竹田四郎君 そういう点で、私どもとしては一体どういう規模で、どういう形で港湾が対応していくかということについてはやっぱり関心があるわけであります。
 それからもう一つは、電源立地の点で、「電力の安定供給等に必要となる港湾施設を整備する。」と言うんですが、これはどういうことなんですかな。恐らく五カ年計画の中に通産省の考えでおります原子力発電なりあるいは火力発電というようなものが配置されるということであろうと思うんですけれども、こういう電発ができるということになりますと、いろいろな手続、住民との関係というようなものがありまして、私は相当早くから計画をしなければならない、実際完成するまでにはもう四、五年は恐らくかかるだろうと、こういうふうに思うわけでありますけれども、そういうところで通産省と運輸省と、その辺はどうなっているんですかね。たとえば電力発電所をつくるということになれば、ある点では埋め立てもしなくちゃならぬと思うんですね。港湾の埋め立て問題が起きてくると思うんですよ。その辺で港湾と電源開発との関係というのは、発電所との関係というのは出てくると思うんですが、その辺は通産省はどう考えていらっしゃるんですか。
#35
○説明員(山本貞一君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、これからの電源開発、原子力、それから石炭、LNGと三本の柱で進めようとしておるわけですが、数字的に申し上げますと、これから十年間でほぼ発電設備の増分の三分の一は原子力、四分の一はLNG、五分の一は石炭火力と、そういう感じで伸ばしていくというのが私どもそれから電力会社の現在の計画でございます。いま御指摘のそういう電源開発計画と港湾計画との関係でございますが、まず私どもそういう長期の計画を持っておる場合、運輸省に御連絡いたしまして港湾の必要な場合についてはお願いすると、特にエネルギー港湾についてもお願いすると。それから個々の計画を政府として決定いたします場合、これは電源開発調整審議会というのが、内閣総理大臣が議長でございますが、ございまして、ここに運輸大臣もメンバーになっていただいておりまして、個々の計画を政府として決定する場合に運輸省に事前に御相談し、了解を求めまして決定しておるということで、密接な関連を持ってやっておるわけでございます。
#36
○竹田四郎君 そういう点と、港湾のたとえばコールセンターはどこどこへどんなふうにするとか、それから電源立地はどうするのか、こういう点というのはかなり重要な今後の港湾整備のポイントに私はなっているんだろうと、こういうふうに思うんですがね。そういう点が実際全然明らかでないんですね。東京湾のど真ん中に原子力発電所をつくるとは私は思わないけれども、一体そういうものはどこへどういうふうにつくる計画を持つのか、これは港湾の計画として大変重要な計画だと思いますね。埠頭をどこへつくるかという問題と相呼応する問題になると思いますね。たとえば敦賀の問題一つとってみても、そういう港と原子力発電所の場所、あるいは原子力発電所でなくたってほかの問題だって私は同じだと思うんですけれども、そういうのは一体どこでどういう、いま決まり方は大体話が出ましたけれども、そういうものは港湾局としては大体どこへどんなふうな配置をしようと考えているんですか。
#37
○政府委員(吉村眞事君) 原子力は若干ちょっと特別でございまして、原子力が一般の港湾と同居する例というのはあんまりございませんので、これちょっと特殊でございますので置いておきまして、石炭火力でございますと、これは一般的に普通の港湾の中に一般の工業港湾と一緒に火力発電所が立地するという例が非常に多いわけでございますから、この港湾の計画の中に取り入れております。現在すでに確定して取り入れておりますのは能代と相馬の二港を取り入れておりますが、そのほかにまだ先ほど来通産省からお話ありましたような前段階の段階であって、港湾管理者がその前段階を受けて港湾の整備をして、その中に石炭火力をつくろうというふうな意思を固めておるところはまだございません。
 しかし、そういうところが恐らくこの計画の期間内に何カ所か出てくるだろうという想定をいたしております。で、そういうものを計画でどういうふうに扱うかと申しますと、現在まだ計画が確定しておらなくて、恐らく計画期間中に出てくるだろうと思われるものを見越しまして調整の枠を取っておくことにいたしております。そしてその要請が具体的なものとなった時点でその調整の枠を取り崩して計画に乗せていくと、こういうやり方をやりたいと思っております。
#38
○竹田四郎君 そういう点で、そういうものが具体的にどこへどういうふうに配置されるかということは、これは将来どこの電力会社がどこへ配置するかということも、これは電力料金に関連してわれわれとしては関心の深いところですね。そういう意味で、実際今度の計画というのがその辺よくわからない。聞いてもよくわからない。わかるのはことし手をつける能代と相馬だけだということじゃ、何となくこれ審議してて審議のしがいかないということを言わざるを得ないですね。
 もう時間がありませんから次へ進みますけれども、さて、それじゃ東京湾のイメージというのは、私のところは東京湾まですぐ近いわけでありますから非常に関係がある。東京湾は一体どうなるんですか。私時間がありませんからここで申し上げますがね、一つは浦賀水道、あそこは東京湾の危険水域の一つとして第二、第三海里ですかの問題が実はあるわけでありますけれども、あれが一つなくなれば、東京湾への航路の開発という意味では私は大きくなるだろうと思うんですが、そういうことは今度の計画ではどうなっているのかわけわからぬ。
 それから川崎と木更津に横断道路をつくれというのが自民党で盛んに言われておりますね。これは今度の五カ年計画で一体どうなるのか。それから何か千葉の沖へ廃棄物の広域処分地をつくるという話が出てるんだけれども、これは今度の五カ年計画でどうなるのか、これも少しもわからない。それから富津と走水の間に橋をかけようという話が前々からありますわな。これは一体今度の計画の中でどういうふうに扱われるのか、これもわからない。
 それから横浜港の再開発、私はこれは非常に必要だと思いますね。いまの高島桟橋だとか新港桟橋なんというのはね、私は使いものにならぬと思うんですね。あるいはいま横浜から桜木町の駅の間の例の三菱ドックが金沢へ移転をいたしましたけれども、あそこは具体的にどうなっているのか、あれは恐らく港湾地域だろうと私は思うんですけれども、どうなるのか、こういうのも今度の計画との関連でどうなるのかさっぱりわからない。あそこへは市は何とか計画をつくっているようでありますけれども、この第六次の五カ年計画では一体どうなるのか、こういうこともさっぱりわからない。少しもイメージわいてこない。
 それから東海地震につきましては、これは何か港湾の論文で私がなり読みまして、ずいぶんいろいみなことを考えていらっしゃるんだなあということを理解をしたわけでありまして、避難路の施設だとか防災港湾あるいはいろいろな施設をおやりになるようでありまして、これはわかるんだけれども、関東震災ということは考えているのかいないのか、あるいは三陸沖の地震については今度の計画でどうなっているのか、この辺なんかはむしろ関東とか東海なんというのは非常に緊急な課題だろうというふうに私は思いますけれども、この辺は一体どうなっているのか、これもさっぱりわからない。こういうような点が大変たくさんありますね。
 あといろいろお聞きしたいことはありますけれども、時間がありませんから私やめますけれども、そういう意味でちっとも大臣ね、イメージわいてこないんです。自分の目の前にある東京湾ですらこの五年間にどうなるのか、いままでの課題はどうなっているのか、ちっともこれわからない。これじゃ審議していて、あるいは四兆二千六百億もこれから投資をすると言っててね、どうも官僚独善の計画、官僚独善のやり方だと、こういうふうに批判をせざるを得ないと思うんですがね。いまの諸点についてひとつお答えをいただいて、最後にそういう点についてもう一回、運輸大臣から御答弁いただきたいと思います。
#39
○政府委員(吉村眞事君) 幾つが御指摘ございましたが、浦賀水道の整備でございますが、これはもうかねてから私ども大変重要な事業であって、ぜひ必要があるというふうに考えております。しかしながら、この事業につきましては漁業者を初めとしていろいろと利害関係のある方もありますので、従来から関係者との調整を鋭意進めてまいっております。現状ではかなりその調整も進展してきたものと考えておりまして、今後とも引き続きまして漁業関係者との調整を全力をもって行いまして、速やかな本格事業化を図ることとしたいと考えております。
#40
○竹田四郎君 ちょっと待ってもう一つ一緒に答えてもらいたい。
 東京湾にはタンカーを入れないというんですが、東京湾の中にはリファイナリーがたくさんあるわけですよ、湾内には。これは一体どうなるのか。これも大変関心のあるところですから、一緒に答えてください。
#41
○政府委員(吉村眞事君) はい。
 で、これはなるべく速やかに事業に持っていきたいというふうに考えております。
 それから、横断道と横断橋でございますが、この問題はまあ私ども直接というよりは建設省の関係と思いますけれども、現在私どもが承知しております限りでは、まだなかなかそれほど現実性のあるところまで煮詰まっておらないというふうに考えておりまして、これに関連のあります事業は今回の計画には入っておりません、入れるように考えておりません。
 それから、廃棄物の処理場の点でございますが、これは現在御審議をいただいております法案、これによりまして広域廃棄物の処理場を東京湾でも将来はつくらなければならないだろうというふうに考えておりますが、関係者が合意をいたしませんとこのようなごみの処理場をつくることは非常に困難でございます。現在の時点での状況を申し上げますと、まだ関係者の間の調整が終わっておらないような状況かと存じておりまして、今回の五カ年計画におきましては当初の調査費はもちろん計上をいたしますけれども、今後の問題はさらに先ほど申し上げましたような調整の時期にどうするかを決めるというような取り扱いにいたしたいと思っております。
 それから、再開発の問題でございますが、横浜の再開発は非常にいま重要な時点にさしかかっておりまして、三菱の移転問題が確定いたしましたことから早急に具体的な対策を決めなければならないということになってまいっております。先生先ほど御指摘ありましたように、港湾管理者である横浜市におきましても、現在そのための計画を立案中でございます。港湾局といたしましても、調査、調整費等をとって調査をするという形で、いままでも港湾管理者と一緒にこの問題を煮詰めでまいったわけでありますが、今回の計画にも再開発の問題はぜひ取り入れてまいりたいと考えております。
 それから、東海地震の問題でございますが、これは地震の計画というのが法律で決まっておりまして、この計画はもう当然全部実施をするという考え方でこの今回の計画に入れてまいることにいたしております用地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業と、こういう計画に入っておるものにつきましては、もちろん全部入れるように考えてまいりたいと存じます。まあ、しかし御指摘のように、この特別措置法に基づく強化地域に入っておらない地域がたくさんございまして、それらの地域でも関東大震災あるいは三陸地震等の大地震が昔から何度か起こっておると、こういう地点につきましても、当然今後そういった防災胸な観点から見ていかなければならないというふうに私どもも考えております。
 具体的に申し上げますと、東京湾の中でもいろんな高潮の防潮堤のチェックの問題でありますとか、それから耐震の岸壁を整備する必要性でございますとか、そういったものを現在調査をいたしておりまして、これに適切な対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
 それから三陸も、これ古来から地震が問題になる地域でございまして、三陸の場合は特に津波の被害が非常に大きいわけでございますが、津波に対する対策といたしまして、津波のための防波堤といったような事業も計画をいたしております。現在やっておりますのは、釜石におきまして現五カ年計画から引き続き六次の計画にも津波防波堤を整備するように盛り込んでまいりたいと、こういうふうに考えております。また、三陸地域におきましても、先ほどの耐震構造の岸壁等め必要性については、今後十分に調査をいたしました結果で必要なものは取り入れてまいりたいと考えております。
 それからタンカーを東京湾内には入れるのをやめて、これをパイプラインで入れたらどうかという構想がございます。現在タンカーが入っておりまして、まあわれわれといたしましては、できるだけもう東京湾の中へは抑制的に、入れないように必要最小限にとどめるという方向でやっておりますが、さるにこれを抜本的に解決するためにパイプラインで処置をするという構想がございまして、これは私どもも方向としては大変望ましい方向であるということで、従来から調査を進めてまいっておりますが、このパイプラインの方向に持っていきますのには、こう非常に利害関係といいますか、調整すべき関係者が多うございます。先ほど航路のところでも申し上げましたけれども、漁業者もございますし、それからもちろん利用者もございますし、非常に多数の関係者の合意を得ないとこの事業の実施がむずかしいというような状況でございまして、私ども今後粘り強くそういった方面の意見を調整を図ってまいりまして、こういった関係者の合意が得られた場合には、この事業の方向を目指してまいりたいというふうに考えております。
#42
○国務大臣(塩川正十郎君) 先ほど冒頭の御質問で申し上げましたように、とりあえずこの法案をお認めいただいて、あと閣議に提出いたしますのに具体的な実施計画等も含む計画書を出すわけでございますが、そこでこの五カ年計画のいわば骨子というものが明確になってくるということでございますんで、それを踏まえて、要するにこの五カ年計画で何をねらって事業をやろうとしておるのかという、具体的に理解していただけるようなものを作成し、委員の諸先生方に提出いたしたいと、それによりまして、このいわば補足説明にかえさしてもらいたいと、こう思っております。
#43
○竹田四郎君 終わります。
#44
○内藤健君 私は、港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案について、基本的には賛成の立場から若干の質問をいたしたいと、かように思っておるわけでございますが、まあいろいろ先ほど来のやりとりをお伺いいたしておりますと、かなり専門用語もたくさんございますので、ひとつ御答弁の方はわかりやすく親切にお願いをしたいと思います。
 それでは質問をいたしますが、このたび政府が第五次港湾整備五カ年計画にかわる新たな五カ年計画の策定を決定したわけでありますが、この五カ年計画の必要性というものがどの辺にあるのか、まず、その考え方について港湾局長さんひとつお示しをいただけたらと思います。
#45
○政府委員(吉村眞事君) お答え申し上げます。
 現在のわが国の経済情勢というのが、高度成長から安定成長へ移行して、福祉社会の実現を目指していかなきゃならないという時代に入りましたことは御承知のとおりでございますが、こういう環境のもとで港湾整備をどういう要請でやらなければならないかということを考えてまいりますと、非常に要請が多様化するだろうということが考えられるわけでございます。非常に急速に伸びておりますときですと、どんどん量的に対応していけばいいという感じでございますが、今後はそうではなくて非常に多様な要請にこたえる必要があるだろうということと、それからもう一つは、やはり今後とも安定的に成長をしていきますということには港湾もある程度の量的な増大を図って対応していかなければならないというふうに考えておるわけでございます。そういう観点から、新経済社会七カ年計画に即しまして、港湾の整備を緊急かつ計画的に実施するという意味でこの六次の五カ年計画を発足させたいと考えたわけでございます。
 先ほど要請が非常に多様化しておるというふうに申し上げましたが、その内容を若干かいつまんで申し上げますと、先ほど大臣からも申し上げたように、安定成長下におきまして国内の貨物輸送が着実な増大をするということを考えますと、省エネルギー輸送手段としての海上輸送を促進しながらこういった輸送の要請にこたえていかなければならない。
 それから全国土にわたりまして快適な定住圏を形成するという観点から地方振興の基盤といたしましての港湾の整備を図る必要があると考えております。
 それから三番目に、エネルギー情勢が非常に厳しくなっております。石油の問題に端を発しまして今後のエネルギー情勢が非常に厳しいものですから、これにうまく対応できるかどうかというのは日本の経済の今後の発展に非常に大きな影響を持つということがございますので、これに対する対応を重点的に考える必要があろうかと考えております。で、石油、石炭、LNG、LPG等の安定的な供給を確保する必要、それからこれらを燃料とする発電所の立地等のための観点からの整備を図る必要があろうかと思います。
 それから四番に必要なのが、船舶の航行安全のための施策等を考えなければならないということから先ほど申し上げましたように、経済社会七カ年計画の一つのブレークダウンとしてこの計画の策定が必要だと考えたわけでございます。
#46
○内藤健君 ただいまそれぞれお答えをいただいたわけでございますが、そうしたいま御説明のありましたような必要性を背景にして五カ年計画の中でどのような今後の施策、どういうふうなものを重点的に考えておられるのか。先ほどもお話がございましたが、この施策の具体的な計画の内容というのがわからぬでは論議ができぬじゃないか、こういうふうなこともございましたが、これはこれから今後の検討を待つといたしましても、こうした施策のアウトラインというものをひとつこの場でお示しを願いたいと思います。
#47
○政府委員(吉村眞事君) ただいま必要性の中で柱のようなものを御説明いたしましたが、その内容を少し細かく申し上げますと、物流の合理化を目指した港湾の整備というものの内容といたしましては、外国貿易の伸長とその動向及び国内物資流通における海上輸送の役割りの拡大に対応する外国貿易拠点港湾、これは横浜とか神戸とか東京とか大阪とかそういったところでございますが、こういうところの整備をやらなければいけない。それから国内幹線航路網の拠点となる港湾、これは各地の、各県の中核といったようなところの港湾を考えておりますが、そういった港湾の整備をする必要があろうかと思っております。
 それから、定住圏構想の実現のための地方の中核になる港湾というふうに先ほど申し上げましたが、この内容といたしましては、地域産業の開発基盤になるような港湾の整備、それから地方には地方港湾や離島における生活物資の安定供給、日常生活の足の確保といったような目的のための離島の港湾等がございますが、こういったものはすべて地場産業の育成にも非常に密接な関連を持つものでございますので、これの整備を図りたい。それからまた、さらに定住圏を考えてまいりますと、海洋性レクリエーションに対応する必要、あるいは港湾の空間におけるいろんな機能を適正かつ効率的に発揮するための再開発、そういったことが必要な事項ではないかと考えております。
 それから三番目に、先ほどの必要性のところではちょっとはしょりましたけれども、従来、高度成長期に国民経済の中心になる基盤形成を目指す港湾というのが非常に脚光を浴びておったことは御承知のとおりでございますが、今後安定成長になって従来のような高度な、急速な成長はないにいたしましても、なおこういった種類の港湾の整備も引き続き適正な規模で行わなければならないというふうに考えておりまして、こういったものを考えますと同時に、石油、石油代替エネルギー、つまり石炭とかLNGでございますが、それから電力の安定供給のためのエネルギー港湾、こういったものを国民経済の安定的向上の基盤として整備をしていく必要があるというふうに考えております。
 それから、船舶航行安全のための整備でございますが、これは港内におきます安全の確保のための防波堤でございますとか、航路のしゅんせつでございますとか、そういったもののほかに港湾区域外の保全航路の開発も行わなければなりませんし、また大きな港と港をつなぎます間におきまして天候の急変等に対応できるための避難港をこれは全国的に、体系的に整備をして、どこの海域でも天候が急変すれば避難できるといったような体制をつくる必要があろうかと考えております。
 それから、先ほどもちょっと申し上げましたが、大規模地震の発生に際しまして海路による緊急輸送を確保するといったような港湾の非常に大きな使命がございますので、これを重点的な柱と考えておるわけでございます。
 それからさらに最後になりましたが、港湾の要請が非常に多様化しておると申し上げましたうちの一つが、快適な港湾、海洋環境の実現というのが非常に国民的な要請になっておるように思います。私どもそういう認識に立ちましてこの目的に対応する施策も重点的な柱として取り上げたい。具体的に申し上げますと、たとえば海洋の環境の改善を図りますために、汚泥をしゅんせついたしますような港湾公害防止事業でございますとか、あるいは緑地あるいは廃棄物埋立港湾等の整備を行いまして港湾の環境を整備する事業でございますとか、それから海洋におきます浮遊ごみとか浮遊の油を回収する事業でございますとか、それからこれはまだ緒についたばかりでございますが、海の底にたまっている有機質のヘドロ等による二次公害を防ぐための底質浄化事業でございますとか、こういったものを第五番目に大きな柱として取り上げてまいりたいと考えております。
#48
○内藤健君 いろいろ御答弁をお伺いしたわけでございますが、非常に広範囲そして多岐にわたっておるわけでありますが、また、それも長期に展開していかなければいかぬ、こういうふうな施策でありますが、ひとつ、そういうふうな内容を詰めていただきまして、積極的にこの事業の推進に当たっていただきたいと思います。
 ちょうど私、昨年の五月ですか、運輸省港湾局が出しております「港湾整備の長期構想」という、これを読ましていただきましたが、この中を見てみますと、「先行的な港湾整備の推進」としては、「国土の均衡ある発展を実現していくためには、先行的な港湾整備の推進を図っていく姿勢が重要である。」、また「秩序ある沿岸域利用の推進」、さらには「都市整備をめざした港湾整備の推進」、そうして「港湾再開発の推進」、あるいは「港湾空間の公共管理等の強化」、「個性ある港づくりの推進」、「自然条件に即応した港湾整備の推進」といったように、こうした港湾整備の基本姿勢というものがここに強調せられておるわけでございますが、私もこれらの点については全く同感でございます。
 このような長期構想における基本姿勢を今度の五カ年計画にどのように反映して、そしてそれを具体化されていくのか、この点についても私は大いに関心を持っておりますが、この点についてどのようなお考えかをお示しいただきたいと思います。
#49
○国務大臣(塩川正十郎君) 具体的な各港湾の実施計画というようなものがいまそろっておりませんで、これを提示することができないのは非常に残念に思っておるんですが、しかし、その準備は着々といたしておるのでございます。非常に大ざっぱな言い方で恐縮でございますけれども、過去二十年の間、かつて五次にわたりまして港湾整備をしてまいりました。その港湾整備の重点は、とにかく港をできるだけ深くして大きい船が入れるようにしよう、そして、岸壁を整備してより多くの船の停泊並びに陸揚げ装置の整備というふうな、いわば特定重要港湾と重点をしぼって流通機能を高めるということに重点を置いてまいりました。しかし、最近におきましては、いわば地方港湾が非常に重要な意義を持ってきております。この冬でも豪雪がございましたときに、たとえての例でございますが、富山港なり新潟港が物資供給の窓口として果たした役割りというものは非常に大きいものがございます。
 そういたしますと、これからの港湾というものは、やはり先ほど御質問ございました「国土の均衡ある」というのは、そういう総合交通的な観点から見ての港湾の整備ということをやはり考えていかざるを得ないということと、それと同時に、産業のいわば拠点の核分裂が起こってきておりまして、たとえばICは空港に結びついていくとか、あるいは、燃料関係は港湾に張りついていくとかいうような傾向が顕著に見られております。そういうことを受け入れるためにも、地方産業との関連で、その地方に合った港湾の整備を急いでいかないと地方産業そのものが発展しないということにもつながってまいりますので、そういう点に今回は重点を置いてまいりたい。
 大都市圏を控えておりますいわば特定重要港湾、特に国際港湾というようなものは環境が実は非常に悪くなってきております。今日、こういう拠点港湾におきましては、整備の重点は、荷揚げ能力をふやすということよりもむしろ港湾の環境を整備していくということが重点でございますので、そのことに今回は思い切った投資をいたしたい、こういうことでございます。それと同時に、並行いたしまして、地震の危険地帯にあるところの補強工作をいたしたい、大ざっぱに言いましてこういうのが今度の五カ年計画のねらいなんであります。
 そのねらいをどのように個々に詰めていくかということは、準備はいたしておりますけれどもまだ提出するような段階ではない。これは手続上申しますと、この法案が認めていただきましたならば、これに基づいて実施計画というものを内閣で決めるわけでございまして、その段階におきましては、相当具体的にこれが理解していただきやすいように公表できると思っておりますので、それをもちまして、国会の閉会中になろうと思いますけれども、またいろいろと御勉強していただき、御示唆を与えていただいたら結構かと思っておりまして、そのような資料は必ず私の方から提出させてもらいたい、こう思っております。
#50
○内藤健君 いま大臣のいろいろ丁寧な御答弁をいただきました。
 実は私も、よく地元の方でも聞くことでありますが、とにかく、港湾の整備というのは非常に時間がかかるわけです。これは一朝一夕ではできない、そういうふうなことであるだけに特徴があるわけです。
 ただいま大臣からもいろいろなお答えをいただきましたが、実際、こうした長期の展望を踏まえてこうした港湾整備というものは計画を立てていかなければいけない、そういうことでございますので、今回の五カ年計画というものも実際五カ年では短いんですよ。いっそそれより、思い切って十カ年というふうな、ある程度長期にかけた計画というものをすべきではなかろうか、こういうふうなことも考えたりするわけでありますし、ただいま大臣の御答弁聞いておりましても特にそういうことを思うわけでございます。この辺についてどういうふうなお考えがあるか、ひとつ伺ってみたいと思います。
#51
○政府委員(吉村眞事君) 先生御指摘のとおり、港湾というものの非常に完成まで時間がかかるという性格、それから、完成してからそれがその地域の社会経済に非常に長期にわたって影響を及ぼすという性格を考えますと、計画はかなり長いものが適当だという面も確かにあるかと思います。先ほど御指摘いただきました長期構想というものをつくりましたのも、まさにそういったことから、かなり十年あるいは十五年、場合によっては二十年といった先を見通して方向を見ておかなければいけないということで実は作成をいたしたものでございます。港湾のサイドから申しますとそうでございますが、総合開発計画あるいはその経済計画等におきましても港湾の役割りというのはそういう見方でかなり長期に方向を見ておることも御承知のとおりでございます。
 しかしながら、この五カ年計画と申しますのは、具体的には投資計画を伴っておりますので、投資計画になりますと、余り長期になりますとその見通しが非常に不確かになるという点がございます。そういうことから、いま申し上げましたように、構想というような形で十年、十五年先の長期を方向として見通しながら具体的な投資の計画は五カ年を定める、こういうやり方をとっておるわけでございます。
#52
○内藤健君 いまの御説明でおおむね理解をすることができるわけでありますが、しかし、たとえば十カ年計画にして、前半の五年を計画をして、そして後半の五年を実施していく、こういうふうな形もとれるんではなかろうか、こういうふうな気もするわけでありますが、ひとつ、その辺についても今後の課題としてお考えをいただけたらと、こういうふうに思います。
 それでは次に移りますが、去る三月十三日、五カ年計画が閣議了解されておりますが、緊急措置法によりますと、運輸大臣は、港湾審議会の意見を聞いて五カ年計画の案を作成し、閣議の決定を求めることになっております。この期間に閣議了解をされた理由をお示し願いたい。また、閣議了解の中身についても、先ほどもある程度中身もおっしゃっておったようでございますが、また改めてお伺いをしたいと思います。お願いいたします。
#53
○政府委員(吉村眞事君) 閣議決定によって港湾整備五カ年計面が決まるわけでございますが、三月に行われました閣議了解の意味は、政府として四兆二千六百億円という規模で新たに港湾整備五カ年計画をつくろうということをお決めいただくと同時に、その基本と申しますか、四兆二千六百億円の中には災害関連でございますとか、地方の単独事業でございますとか、あるいは港湾機能施設整備と申しまして、上屋とか荷役機械とか、そういった港を動かしていくための必要な施設等もみんな含まれております。そういうものを大体大まかにどういう枠組みでやるのかといった点を閣議了解でお決めいただいたわけでございまして、今後の計画を策定する指針になるというような意味合いで了解を得たものでございます。
 内容について申し上げますと、四兆二千六百億円の総額を四つに分けておりまして、根幹になります港湾整備事業に三兆二百億円、それから災害関連事業、地方単独費等に五千五百億円、港湾機能施設整備事業に四千六百億円、調整費二千三百億円と、こういった大きな内訳をお示しいただいております。そしてさらに、この計画は今後の経済財政事情等勘案しつつ、弾力的にその実施を図るということが決定を見ておるわけでございます。
#54
○内藤健君 局長さんの御説明でよくわかりましたが、先ほども質問の中にありましたが、総額で四兆二千六百億、これは概算要求では七兆三千億、こういうふうな中で全国各地がちの要求を満たすためにはやはり七兆三千億最低限必要だと、こういうふうなことも私は伺っておるんです。私は大体専門が違いますから、素人でございますからそういうことを伺っておるんですが、そういうふうな中で四兆二千六百億、この程度で果たして先ほど来いろいろなことが述べられてこられましたが、そういうふうなことが十分にやっていけるのか、それは可能なのか、この辺を心配するわけであります。特に私、徳島県でありますが、私の県におきましても御承知の重要港湾でございます小松島港はもとより富岡、日和佐、こういった地方の港でも今度の五カ年計画、これの中の事業がメジロ押しに待っておるような状況でございます。これは徳島県だけでなしに全国でこういうふうなことであろうと思いますが、そういうふうな中での約六割、四兆二千六百億円、この程度でこの事業をやっていくのは大丈夫だろうか、この点を、心配がありますので特にまたお伺いをしておきたいと思います。
 それともう一点、調整費というのが二千三百億円ですか、こういうふうな項目をいま申されましたが、これはどういうふうな性格のものか、あわせてお伺いをいたします。
#55
○政府委員(吉村眞事君) 七兆三千億円という予算要求段階での私どもが考えておりました数字がございますが、実はこの七兆三千億円という港湾の五カ年計画の規模と申しますのは、経済社会七カ年計画のフォローアップ以前の数字、見直し以前の数字でございますね、この数字に実は合わせたものでございます。見直し以前の経済社会七カ年計画の中に公共投資二百四十兆円ということが決められておりまして、この二百四十兆円を港湾におろしてまいりますと七兆三千億円必要でありますと、こういうふうなことから要求いたしておりました。ところが、経済審議会でこの見直しをしていただきました結果、経済の全体の整合性等を考えると、目標年次では百九十兆円ぐらいにした方がいいだろう、そして全体の二百四十兆というのは一年半ぐらい実施をおくらした方が適当だろうというような御趣旨の答申をいただいて、その答申に従いましてまた見直しが行われたわけでございます。四兆二千六百億円と申しますのはその見直しの結果をまた港湾にアプライをしてきたらこういう数字になったと、こういうわけでございまして、いま申し上げましたように事業が全部完成いたしますのは一年半程度おくれるということになります。
 でございますけれども、先ほどもちょっと御説明いたしましたが、事業の中には、まあ全部でき上がれば完全でございますが、全部でき上がらなくてもある程度機能を発揮するというような部分もございます。そういったところに亜点を置いて投資をいたしてまいりますと、四兆二千六百億円でも大体私どもは六十年で必要だと思っておりましたものにそれほど大きな不便を生じないでやっていけるだろうというふうに考えておる次第でございます。もちろん見直しの中には経済成長の全体の見直しも含まれておりますし、六十年時点におきます経済の姿も見直されておりますから、当然その港湾に対する需要も見直されておるということが前提でございます。それで、そういうことで四兆二千六百億円でも大丈夫であるというふうに考えております。
 次の御指摘の調整費でございます。これはこういった事業はすべて経済、財政事情が変わることをある程度想定しておかなければならないわけでございまして、非常に大きくそういったものが変わりますれば計画を改定するということになろうかと思いますが、多少の変化でございますれば対応できるようにしておくということが必要でございますので、その趣旨で二千三百億円を調整費として控除してある、こういうことでございまして、今後経済、財政事情及び事業の進捗状況等を考慮しながらこの調整費の執行を考えてまいりたいと考えております。
#56
○内藤健君 当初にわかりやすく親切にとお願いしておきながら、時間がだんだんと迫ってきておりますので、これからひとつ簡潔にお願いしたいと思います。
 いま局長から大変心強い四兆二千六百億円でもやれるんだという御答弁をいただいて安心をいたしておるところであります。私はここで大阪、東京、伊勢湾いわゆるわが国の三大湾域、これの各湾の機能分担というふうなこと、それと同時に各地域の開発、こういう意味での流通港湾整備、こういうふうな計画についてひとつお尋ねをしたいと思うわけでございます。三つ一遍に聞きますと時間がかかりますので、私は大阪湾周辺は地理的に詳しゅうございますので、大阪湾の今後のそうした計画、これからやる考え方、そういうふうなものがあればひとつお聞かせいただきたいと思います。
#57
○政府委員(吉村眞事君) 大阪湾につきましては、われわれがこういうものを考えますときの一番上位の計画といいますか、もとになりますのに近畿圏整備計画というのがございます。近畿圏整備計画で大阪湾の港をどういうふうに考えておるかと申しますと、「近畿圏及びその周辺地域の国内的、国際的海上交通の門戸であり、また、産業その他の諸活動の場を提供してきた大阪湾については、その役割を将来とも発揮させていくため、港湾をはじめとする交通施設等の整備を進める一方、大阪湾が限られた公共的笠岡であることにかんがみ、新たな空間需要に対しては、できる限り既利用空間の再編成、再開発によって対処し、海域の調和ある利用を図る。」と、こういうふうに書いてございます。わかりやすく言いますればなるべく大事に使うと、いままで使っているところを再開発、再利用しながら限りある空間だから大事に使うという趣旨でございます。
 それから、「紀伊水道地域については、大阪湾外の当該地域を積極的に活用することによって、大阪湾の果たしている役割を若狭湾等とともに一部分担し、湾内の負担の軽減に努める観点から、大阪湾紀伊水道地域としての一体的整備を進める。」となっております。これもちょっとわかりにくい表現ですけれども、紀伊水道地域につきましては、大阪湾の中がそういうふうに非常に狭くて大事に使わなくちゃいけないので、大阪湾の中でどうしてもやらなければならないもの以外は大阪湾でいままで果たしておった役割りの一部をそういった外の部分にも分担してもらった方がいい、その分担してもらう海域の候補地として紀伊水道地域とそれから若狭湾が挙げられておる、こういうことでございます。
 紀伊水道地域につきましてはそういう観点で大阪湾と一体にしてその利用のことを考えていけと、こういう趣旨のことが近畿圏の整備計画に盛り込まれておりまして、私どももこの方向に従って大阪湾内の諸港の整備と湾外、つまり先生先ほどお話しございました徳島の小松島でありますとか、そういった湾外の大阪湾の機能を分担する流通港湾も整備をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#58
○内藤健君 いまたまたま小松島ということが出ましたが、小松島はこれは四国の東部、非常に開発のおくれておる地域でありますが、昔から港湾のあるところに都市が誕生し発展してそして都市が膨張していく、こういうふうなことが言われておりますが、やはりわが国、これ四万を海で囲まれております以上、港湾によって町が開ける、こういうふうなことがありますが、自分の地元のことばかり申し上げてまことに恐縮なんですが、そういうふうな地域開発という意味も含め、また港湾の機能分担というふうなことで、小松島の流通港湾につきましても、地元では積極的にこれに取り組んでおるというふうに私も伺っておりますが、この辺について、局長さん、どのようにお考えを持たれておるかお伺いしておきたいと思います。
#59
○政府委員(吉村眞事君) ただいま御説明申し上げました大阪湾外に大阪湾でいままで担っておった機能を一部分担する意味の流通港湾を整備すると、そういう意味合いからも必要でございますし、かつまた先生御指摘のように、徳島県の発展に寄与するという意味で小松島港の整備を図っていく必要があるものと考えております。港湾計画におきましては、内外貿貨物の円滑な流通を図るための公共埠頭の整備を図るとともに、危険物取扱施設あるいは木材取扱施設、レクリエーション施設等の整備を進めるという計画が小松島港で立てられております。それから用地といたしましては、都市再開発用地、工業用地等の埠頭用地の造成も行う計画になっております。それで、この事業の実施につきましては、現在地元で鋭意努力をしておられますが、関係者との調整が非常に問題でございます。この調整の進展を私どもも期待をしておるわけでございますが、この調整の進みぐあいに期待をしながら、六次の港湾整備五カ年計画の中では積極的に取り上げてまいりたいと考えております。
#60
○内藤健君 調整ができ次第港湾局としては取り組みたい、こういうふうなことですね。どうぞよろしくお願いします。
 そろそろ時間もまいりましたので、ここで大臣に二点ほどお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。緊急措置法については時間も余りなかったようでございますので、大まかながら一通り私の考えでいたことを伺うことができたわけであります。
 大臣にお伺いしたいその第一点目は、このような総合交通体系の中での港湾というものの位置づけ、あるいはそのあり方ということについてであります。聞くところによれば、運輸省においては総合的な交通政策について審議会に諮問されている、こういうことでありますが、これに関連して総合交通体系の中での港湾の役割りということについて、そのお考えを聞かせていただきたい、これが一点であります。
 またもう一点は、財政再建の中、事業を推進していく上につきましても非常に厳しいときでありますが、この港湾の整備というのはただ単に地域開発だけの問題ではないと思うんであります。国家的見地からも非常に重要な施策であると思います。そうしたことでありますだけに、これに見合った国費の投入も非常に必要であろうと考えますし、また事業の実施面の問題でありますが、御承知のように地方財政も非常に現在通過した状況でありますことも御承知のとおりであります。どうか今後こうした港湾の整備事業にあるいは公共事業に、地方公共団体といたしましても非常に期待するものが大きいものがあろうと思うわけでございます。このごろは補助率の一括カットと、こういうふうなことも言われておりますが、ひとつ補助率のかさ上げも一応こういうふうなものにしていただくように大臣に努力をしていただきまして、補助対象の範囲の拡大等、こういうふうなきめ細かな配慮もひとつお願いをいたしまして、なお一層の御努力をお願いいたす次第でございます。
 最後でありますが、厳しい財政再建の中、繰り返しますが、港湾整備五カ年計画につきましてはどうかひとつ強力に推進していただきますようにお願いをいたしまして、大臣の御決意のほどをお伺いして私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。
#61
○国務大臣(塩川正十郎君) まず総合交通の面からの港湾整備でございますが、先ほど局長が答弁の中に言っておりましたように、現在、貨物全体に見まして、私の承知いたしておりますのには、国内だけでございますが、国内の貨物輸送のシェアは大体三五、六%ではないかと、海運が、海による輸送でございますが。これをもっと高めたい。それはやはりトラックとのジョイントと申しましょうか、フェリー化あるいはコンテナ化、これはやはり進めていかなきゃならぬ。それに対する港湾の設備というものはそれじゃ十分できておるかと言ったら、これは確かにおくれておるように思うのでございまして、それをぜひやってまいりたいと思っております。海運はトンキロベースで申しまして大体五〇%近くだそうでございます。ですから、貨物輸送の主体はやっぱり何といっても海に頼っておるということがこれで明確に言えると思うのです。しかも旅客でございますが、これが非常に少ない。したがってこういう面におきます特に離島対策としての旅客というものを、これをやはり高めるためにも港湾の機能をもう少しよくしていかなきゃいかぬということでございまして、それは今度の五カ年計画の中にも盛り込んでおるところであります。そういうことをわれわれ総合交通体系の中で強力に実施をしていきたい。ただいままではプラン倒れが多かったものでございますので進まなかった。けれどもこれから運賃政策だとかあるいは施設の面でとかいうことの総合的な対策を講じることによって、そういう方向に持っていきたいとこう思っておるのであります。
 それから財政との絡みでございますが、御承知のように非常に財政の見通しが悪い。したがいまして、経済社会七カ年計画そのものも一年半繰り延べるというところから今回七兆円くらいだったものが四兆二千六百億円と、こういうぐあいに縮まってきたわけでございまして、それはそれなりにわれわれも努力をいたしまして重点施行をいたしたいと思っておるんですが、といってこれをいま補助率の引き上げということは私はなかなかむずかしい状況であろうと思っております。したがって、事業はできるだけ進めたいが補助率は上がらない。結局その分のしわ寄せはどこに来るか、しかも単価は上がっていくであろうと、こう思いますので、その点についての財源確保という点においてはわれわれは責任を持って対応できると思うんですけれども、補助率並びに補助金総額の増額ということにつきましてはなかなか厳しい状況であるということでございますから、私たちも事業に支障ないように総資金的な配慮というものは十分に確保するように努めたいと、このように思うのであります。
#62
○委員長(黒柳明君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五分開会
#63
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#64
○目黒今朝次郎君 この港湾整備緊急措置法の問題について、港湾の構造そのものについては午前中わが党の竹田委員からいろいろありました。私は角度を変えて、この港湾整備緊急措置法が一次、二次、三次、四次、五次まで行われ、今回六次になるわけでありますが、設備は確かによくなったし、技術革新で相当整備されておることは肯定しますが、しかしそこで働いておる港湾労働者、この面から見たら一体どうなるんだろうかということを若干追跡をしてみました。
 それによりますと、この第一次が始まったときの資料はないんですが、昭和四十二年、ちょうど第二次の中間ころですね、四十二年ですから。昭和四十二年に港湾における常用労働者が六万二千三百、それから日雇い登録労働者が一万九千百七十名、合計八万一千四百七十名おったわけであります。それが大体第四次の終わる昭和五十一年ころをとってみますと、五十一年は常用労働者が五万五千、日雇い登録労働者が二千五百五十、合計五万七千五百五十、それから今回のこの第五次の終わる昭和五十五年をとってみますと、常用が四万三千八百三十四、登録日雇い労働者が千九百五名、合計四万五千七百三十九、こういうふうになっておるわけであります。そして、港湾における取り扱いトン数を見てみますと、昭和三十七年当時は約六億トン、昭和五十五年の末期を見ますと三十七億トンと、こういう数字が出てくるわけであります。そうすると、港湾取り扱いトン数は約六・五倍、しかし人間は逆に昭和四十二年を一〇〇にいたしますと五五%、半分になっている。取り扱いトン数が六倍になっている。しかし、そこに働いている労働者は半分になっている、こういう現象を示しておるわけですね。
 その点、大臣ね、ちょっと頭の中で考えてもらいたいんですよ。われわれ車へん扱っている者の常識として、取り扱いトン数が六倍になった、人員がここ十何年後に半分になっている、このことは、いろんな設備、技術革新、巨大な港湾が構築されて、それはそれなりに取り扱いトン数にあらわれているとおり喜ぶべきことだと思うんですよ。しかし、そこに働いておる港湾労働者、常用もそれから日雇い登録も含めて、きわめて惨めなしわ寄せの状態をしておるということがはっきり数字の上で傾向値であらわれておるんですが、これは那辺に原因があるかという点を、大臣の勘として、大臣の認識として、なぜこうなったのかということを、ひとつ大臣の考え方を答えてもらいたい、こう思うんです。
#65
○国務大臣(塩川正十郎君) 四次から今日まで比べてまいりましてトン数が六倍にふえた、これは確かに数量ではそうなるんですが、この中で一番大きく伸びておりますのが実は石油でございまして、石油が異常な伸びをいたしましたことと、それから石炭、鉄鉱石、こういう原材料関係がふえたことによるのでございますが、これらはいずれもまさに機械化に一番乗っていったということで、仰せのとおり、貨物の数量に比べまして人員が減少してきておるということは、そういうことに出てきておる。それからもう一つは、コンテナ化が進みましたのに伴いまして、いわゆる輸送近代化、これに伴う機械化というものがとられてまいりましたこと、こういうことが複合的に原因となりまして少なくなってまいりましたこと、こういうところに原因があるのではないか、こう思っております。
#66
○目黒今朝次郎君 大臣が挙げた二つの現象は否定いたしませんが、それにしても、八万六千おった港湾労働者が四万ちょっとか半分になっているということは、私は余りにも変化が激しいのじゃないか、こう思うんです。
 ILOの一九七三年における「港湾における新しい荷役方法の社会的影響に関する条約」、これはいま大臣言ったように、港湾の技術革新、巨大化、あるいはいろいろな変革という点を全部六十、七十、八十年と、十五年から二十年を展望して、いま大臣が言ったことは、そういうふうになるということを国際的な傾向としてとらえているわけですよ。そういう傾向にあっても、いわゆる港湾の技術革新なり巨大化が国民の生活に及ぼすプラスの面、それは肯定できる。しかし、それを肯定をすることをてこにしてその国の港湾労働者に著しい変化を与えてはならない、むしろ労働の質の緩和であるとか、時間短縮であるとか、労働条件の向上であるとか、最低賃金制度だとか、そういう国際水準に港湾労働者を引き上げなければならないというのが、これは日本国も賛成した港湾労働のILO条約ですね。このILO条約から考えてみても、私は、人員が半分になっているというのは余りにもおかしいではないか、こういうふうに考えて、やはり結論は、今回の第六次に当たって、港湾労働者がどうなっているのかという点を洗い直す必要がある、そういうことがこの条約の精神から言っても必要ではなかろうか、こう考えるんですが、どうでしょうか。
#67
○国務大臣(塩川正十郎君) もちろん、われわれは労働の質をよくする、そのためには法規で定められておりますことを遵守するという、それはもう重要なことでございますから、そういう酷使をし、違法な手段で人員を減らしていくというようなことがもしありといたしますならば、そういうようなものに対しましては私たちも、いかなる権威者であれそれに対して十分な行政指導と措置をいたしたいと思っております。
#68
○目黒今朝次郎君 いま大臣の言ったことの一つの手段として、港湾には港湾審議会というのがあります。今回提案されたこの一部改正の中にも、午前中大臣が説明したとおり、これらの骨格を決めてもらって、中身については逐次年度ごとにあるいは短期的に詰めていって、そして具体的には港湾審議会で御相談をして閣議の了解をもらうという流れになっていますね。ですから、運輸省関係には運審であるとかあるいは政策審議会があるわけですね、これについては、われわれ国鉄再建法で議論したとおり、法の一部を改正して、学識経験者ということで労働界の代表も迎える、そういうことで、労使関係の改善も含めて取り組んでいこうという方向性を、われわれはさきの臨時国会、この通常国会でやってきておるわけでありますが、遺憾ながら港湾審議会には、そういう意味での学識経験者の中に労働界の代表というのが入ってない、あるいは労働界の推薦する適当な人というのが入ってないということを私はきわめて残念だと思うわけであります。
 でありますから、いま言った労働の形態の激変とILO条約の精神をどう生かすか、全体の雇用関係をどうするか、こういうことも含めて、港湾なり海運政策の基本にかかわる問題でありますから、港湾審議会にも、学識経験者の中に労働界の代表なりあるいは労働界の意向を代表する適当な人があれば迎えて、十分こういう問題についても議論を尽くしていく、それで閣議に反映させていくということが必要であろう、私はこう思うんであります。これらに対する大臣の見解を聞きたい、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#69
○国務大臣(塩川正十郎君) 御承知のように、港湾審議会の委員というのは、港湾なりあるいは航路に関して広い学識を持っておられるか、あるいはまた、実地に長年経験してきた方で構成されております。そういう学識経験者という枠がございますが、その中で労働者出身の方でもそういうことについて十分な知識をお持ちの方もございますし、経験者もございますし、したがいまして、そういう適格者であるという判断がされましたら当然委員になっていただいて結構だと思いますし、そういうものを検討することにわれわれも決してやぶさかではございませんので、そう御承知いただきたいと思います。
#70
○目黒今朝次郎君 私は、よりよい港湾といいますか、魅力ある港湾づくりのためにそれらに関心を持っておる一人として、いまの大臣の言葉を積極的に受けとめて、そういう大臣の趣旨に沿うようにわれわれも協力し、あるいは御推薦する人は御推薦申し上げる、そういう点で努力していきたい、こう思っておりますから、十分な御検討を改めて要請しておきます。
 それで、大臣からたまたまいま、法規に反して云々ということがありましたので、私は社労委員会に所属しておった当時、港湾労働法の問題をずっと担当しておりました。しかし、当時、港湾労働の問題については、何といっても港湾労働法の十六条、十九条というのがその基盤になっていると思うんであります。登録制度が原則だ、登録以外の労働者を使う場合には本当にやむを得ないという緊急の場合か、どう考えても人が足りないという場合に例外の例外として登録外の方を使うんだというのが十六条、十九条、使った場合にも職業安定所に届け出の義務がある、こういうので、港湾労働の基本を規定したのが十六条、十九条だ、こう思うんでありますが、まず、職業安定局長から、私の理解が正しいかどうか、御答弁願いたい、こう思うんです。
#71
○政府委員(関英夫君) 港湾労働法にお春ましては、港湾労働者の需給の調整というものを公共職業安定所において行うことを原則としておりまして、そのために、登録日雇い港湾労働者という制度をとりまして、波動性の多い港湾労働に対する需要については、まず登録された日雇い労働者を安定所の紹介により雇用するというのが原則でございまして、先生ただいま御指摘ございましたように、そういう求人にもかかわらずどうしても充足できない場合に安定所に届け出て、そしてみずから直接雇用することができるというのが法の趣旨でございます。
#72
○目黒今朝次郎君 港湾局長、実際に業者を指導する者として、いまの職業安定局長の答弁については港湾局長も確認できますか。
#73
○政府委員(吉村眞事君) 労働省の御答弁のとおりでございます。
#74
○目黒今朝次郎君 労働省にお伺いしますが、私の手元に、「昭和五十四年度・十六条十九条に基づく登録外日雇労働者の就労状況 (労働省)」、こういうような資料を持っておるわけでありますが、この資料によりますと、登録外日雇いは、就労の延べ口数で東京が七十六、横浜が六千六百九十二、名古屋が千四百六十二、大阪三十八、神戸二十一、関門が二千二百三十九、合計一万五百三十。それから登録日雇い、就労の延べ数は、いまの順番で言いますと、東京が二千二百七十八、横浜が四千六百十五、名古屋が千百三十八、大阪が二千七百四十七、神戸田千七十二、関門四千九百八十一、合計二万二百十一名と、こういう数字を持っておりますが、この数字には労働省間違いありませんか。
#75
○政府委員(関英夫君) 間違いございません。
#76
○目黒今朝次郎君 そうしますと、大臣、いま両局長が言ったとおり、港湾における日雇い労働者については登録しなければならない、登録した方がどうしても求人に応じない場合には臨時やむを得ぬ措置として十六条でやってもよろしいと、その際には職業安定所に届け出て事後承認をもらう、こういう手続になっておったんですが、これは港湾労働の基本だと思うんですよ。ところが、いま言ったとおり港湾で届け出ない方が五十四年で一万五百三十人も使われている、登録した方が二万二百十一、登録した人数の約半分近くが港湾労働として港湾労働法に必要な登録をされていない方が使われている、こういうのは完全に法違反だと思うんですが、いかがですか。
#77
○政府委員(関英夫君) 先ほど申し上げたような法律の趣旨ではございますが、登録されておる日雇い労働者の年齢も最近大分高齢化してまいりましたし、また港湾におきます技術革新によりまして求人の需要というものも、大きな機械の運転手等の特殊な技能を要するものに対する需要というものが多くなってくる、そういったいろんなことで職種間のアンバランス、その他いろんなアンバランスがございまして、登録日雇い労働者のみでは必ずしも求人を充足することができないということで、法律の趣旨に従いましてただいま先生御指摘のように登録外の労働者を安定所に届け出て採用した数が、五十四年度で延べ人数でございますが先生のおっしゃいました一万五百三十という数になっておるわけでございまして、これ自体をとらえて直ちに法律違反ということは困難かと考える次第でございます。
#78
○目黒今朝次郎君 しかし、昭和五十四年一月十二日、これは港湾調整審議会総審第八号ですね、これの日雇い労働者、いまおたくが言った技術革新、そういうことを見ますと、これは必要ならばやっぱり正規の法改正をやって、手続改正をやってやらなきゃならぬ。いやしくも「ヤミ雇用」であるとか「偽装常用」であるとかあるいは「相互融通」であるとか、そういうものを放任してはならないと書いてあるじゃありませんか。ですから、特に横浜などは登録外が六千六百九十二、登録が四千六百十五、登録外の方が二千七十七も多いということは、これは私は技術革新とか労働力の年齢の変化にしてもこれは異常だと思うんです。裏を返せば、やっぱり港湾労働法が空洞化されて、十分な運用が行われていない、そういう条件が必要ならば、条件に沿って登録手続がなぜできないのか。条件の変化に対する登録をさぼっておって、日雇いの現象だけで技術革新だ老齢化だと言っても、それは法の逃げ道ということになるんじゃないですか。
 私は、これはちょっといまの局長の答弁は受け入れられないと、こう思うんですが、なぜこうなったのかということを、やっぱりもう一回徹底的に洗う必要があると、こう思うんですが、いかがでしょうか。
#79
○政府委員(関英夫君) 現在登録されております日雇い港湾労働者の雇用の確保といいますか、就労日数の確保といいますか、そういった問題が必ずしも十分でないのが現状でございます。ただいまの先生の御指摘は、登録日雇い港湾労働者で賄い切れないものであればもっと適格者をどんどん登録すると、そういう形で登録労働者から充足していくという法のたてまえを完全に貫くようにせいという御指摘でございますが、現在登録されている日雇い労働者の就労日数の確保ということが非常に困難な現状にございます。そういう状態のもとにおいて新規登録をどんどん認めるということになりますと、現在登録されている者の就労日数の確保ということが非常にむずかしく、さらに困難になっていくという状況も考えられるわけでございます。
 で、関係の港湾調整審議会においても、五十四年の一月でございますが、適正な定数が設定されることを前提に、各港湾の関係者の十分な話し合いのもとに登録日雇い港湾労働者の新陳代謝が図られるよう配慮すべきであると、こういうようなことも言われておりまして、現在の登録者のうち非常に年を取られた方で引退されるような方がございますれば、十分な話し合いのもとに新規登録を進めていくよう指導していくとともに、またあるいは現在の登録者の技能訓練を行う、そういうような形で求人に見合った技能を身につけていただいて就労日数を確保していく、そういう努力がまず行われるべきではなかろうかと思っております。その上で新規に登録をすべきものがあれば新規登録をしていくような形でこの問題に対処していくのが現状では最も望ましいのではないかと考えている次第でございます。
#80
○目黒今朝次郎君 条件変化があれば、その条件変化に対応するものを先取りして、少なくとも港湾労働法というのは港湾における雇用の確保と雇用の秩序を守るためにやったいわゆる普通の法律とは違った意味があるのが港湾労働法だと思うんですよ。そういう点から考えると、いま局長が言うようなことの条件変化があれば、条件変化に対応する行政指導を先行させて、港湾労働の登録制というやつが空洞化されないように、ざる法にならないように指導するのが行政の役割りだと私はこう思うんですがね。登録の方々よりも非登録の方が多いなんていうのはちょっと私は異常だと思うんですよ、こんなことは。
 じゃあ、逆に聞きますが、港湾局長、あなたもこの書面は見ているんでしょう、港湾調整審議会から出ているこれは。この中の七ページ、「登録日雇労働者の就労状況の改善と雇用秩序の維持」という中に、「ヤミ雇用」とか「偽装常用」とか「相互融通」とかという言葉が出てくるんですがね。これはいま言った港湾労働法から見れば違反する事項ですか、合法な事項とお考えですか。あなたは担当違うけれども、港湾を面接管轄する責任者として。「ヤミ雇用」とか「相互融通」とか「偽装常用」とか、こういう言葉についてはあなたは合法だと思うか、それはいけないことだとこう思いますか、どちらですか。
#81
○政府委員(吉村眞事君) 港湾労働法に違反して使用することをそういう言葉であらわしておると思っております。
#82
○目黒今朝次郎君 そうですね。港湾労働法に抵触していることをこういう固有名詞で言っているわけですね。そうすると、労働組合側から、これは職業安定所にもあるいは港湾局の港放課にもこういう問題が再三再四提起されて、いやそんなことはないと。私も何回か聞きました。聞くたびにいやそんなことはないとこう言っておったんですが、こういう国の正式の機関がこういう固有名詞をとらえて、こういうのは直しなさいという勧告をする以上は、勧告しなければならぬだけの具体的な事実があるから取り上げて勧告していると思うんですよ。したがって、この「ヤミ雇用」「偽装常用」「相互融通」と、こういうものについては港湾労働法に違反するものだということで、具体的にこの中身について把握したことがありますか、港湾局長。
#83
○政府委員(吉村眞事君) ヤミ雇用と申しますか、港湾労働法に違反して未登録の日雇い労働者を使用するといったような事例を、最近一部の海運局において調査をいたしましたところ、そのヤミ雇用自身はこれは港湾労働法の違反でございますが、これに関連して、港湾運送事業法にも違反をするというようなおそれがある事実が幾つか判明をいたしております。この点はまことに遺憾に存ずる次第でございますが、運輸省といたしましては、こういう件につきまして、是正のために必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
#84
○目黒今朝次郎君 労働省、どうですか。
#85
○政府委員(関英夫君) 冒頭先生から御指摘ありましたように、安定所に求人を申し込み、登録港湾日雇い労働者をまず優先的に雇用する。そこに適格者がいない場合に安定所がさらに日雇い労働者をあっせんすると。それでもなおかつどうにもならぬ場合に安定所に届け出て、日雇い労働者を雇用すると、これが法のたてまえでございますが、この港湾調整審議会等の建議で言われておりますようなヤミ雇用といいますのは、そういった届け出をせずに無断でみずから雇用する場合を指すものと思っております。
 で、私ども職業安定機関によります港湾労働法による立入検査を実施しておりますが、たとえば五十五年の一年間の立入検査の結果、九件のいわゆるヤミ雇用の報告を受けております。東京三件、横浜二件、大阪二件、兵庫二件、この実態があったということが報告されております。これらにつきましては、直ちに当該事業所を指導いたしまして、すべて是正措置をいたしておりますけれども、こういったことは全く法律の趣旨に反することでございまして、私ども、この建議にありますように、今後ますます立入検査を強化いたしまして、このようなことのないように、関係法規の厳正な適用に万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。
#86
○目黒今朝次郎君 現実に、いま日長が言ったとおりヤミ雇用も摘発されていると。相互融通ということがよく言われているんですがね、A会社とB会社、このやりとりも業界の言い分室言い分としてありますけれども、いわゆるこの港湾運送事業法の施行規則あるいは港湾運送事業法の下請の制限、あるいはその職業安定法の第四条の労務供給事業、これらから見ると、この相互融通というのもやはり抵触していると、こういう認識が正しいんではないかと、こういうふうに考えるわけでありますが、これに対する労働省の見解を聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
#87
○政府委員(関英夫君) いわゆる相互融通といいますか、これは日雇い労働者でなくて、常用労働者の場合に行われているものを指す言葉だろうと思いますが、企業間で労働者を相互に融通するということだろうと思います。その形といたしましては、労働者を直ちに融通するというんではなくて、荷役自体を相互に融通する、要するに下請に出すと、こういう形をとっておるということになりますと、港湾運送事業法の下請に関する規定によって規制されるということになるわけでございまして、労働問題というのはそこでは生じないわけでございますが、それがそういう形ではなくて、職安法の労働者供給事業の禁止規定に触れるような形で行われるとすれば、これは欠きに問題であろうかと思います。一般的には私ども下請関係によって処理されておるように承知いたしております。
#88
○目黒今朝次郎君 港湾局長、いま職安局長が下請の関係といいますと、港湾運送事業法第十六条下請の制限、それから港湾運送事業法施行規則第十一条、第十三条にこう絡んでくるわけですがね。七割は直営であるとか、あるいは送る場合にも資本の二分の一とか四分の一を持っておる指定請負みたくと、あるいは届け出の義務とかと、こういう制限があるんですがね。実際上、相互融通というやつが簡単に行われているというのですけれども、おたくの方で掌握しているように、この十六条とか、施行規則十一条の手続に従って的確に報告されて手続を完了されて下請やっているというケースがありますか。
#89
○政府委員(吉村眞事君) 下請を、下請業者間で再下請の契約を仮に結んでおりますれば、これはもうれっきとした違反でございます。禁止規定に違反するわけでございますし、やってはならないことでございますけれども、現在、私どもがつかんでおりますといいますか、把握しております現状では、下請業者同士でそういった再下請の契約をしておるのではなくて、元請の間で調整委員会といったような情報の交換の場をつくっておりまして、そこで翌日の業務構成についての情報交換等を行って、この情報交換に基づいて元請業者が面接下請と契約している。ふだんのいつも契約をしている業者で足りないときには、別の業者に契約をする場合もあると聞いておりますが、これもすべて直接に下請に出しておるので、再下請というような形の港湾事業法に対する抵触はしていないというふうに理解をいたしております。
#90
○目黒今朝次郎君 いま職安局長の言った請負、いま港湾局長が言った直接請負、再請負ではないと、こういうことで、両方の二人の局長さんの言われているとおり、実態が合っていれば私は何も言いません。しかし果たして実態がそうなんだろうか。ここに横浜の港湾の皆さんが収録した実態があるんですが、この実態を見る限りは、やっぱり職安局長ね、私は労務供給事業にこのやり方は抵触するなど。届けを出していると言ってるけれども、ほとんど届けを出していない。届け出さなければもぐりでやっているという。だからわれわれが調査すると、いま両局長が言ったとおり、答弁はしますが、実態はそれにマッチしてない。いわゆる実態はヤミ雇用的なもぐり、もぐりと言っちゃ語弊があるが、非常に巧妙に利口にもぐっているという点が私はあると思うんです。
 きょうは時間がないから、そういう点は問題提起だけして、ひとつ労働省にお願いしたいことは、これは参議院の社労のときの附帯決議にもあるとおり、あるいは港湾調整審議会の問題にもあるとおり、これはやっぱり効果的な立入検査だけが、この法の裏をもぐっているものを摘発できるんだと、それ以外に決め手はないと、こういうことを言っているんですよ。ですから私は、労働省も港湾局も、やっぱり港湾労働法の適正な運用とあるいは適正な定数を確立する意味においても、立入検査というものを十分に両方で連携をとりながらやってもらいたいし、それに対して違反したものについてはどしどし免停なりあるいは免許の一時取り上げなり、そういう行政処分をすべきだと。こういう厳しい問題をやってもなお冒頭で申し上げたとおり、この日雇い等登録外があるならば、先ほど言ったとおり所定の手続に従って登録日雇い労働者が十分に仕事ができるように体制の立て直しを行政指導として行うべきだと、そういうふうに思うんですが、これは一括して職安局長の御答弁を願いたいと、こう思うんです。
#91
○政府委員(関英夫君) 法の禁ずるような雇い入れ方法が行われておる事例も立入検査ですでに私どもも年々つかんでおるところでございますし、また明確に法違反と言えなくても法の趣旨とするところが結果的に貫徹されないということになりますれば、これも問題でございます。そういう意味で、一つには先生御指摘のように立入検査を今後とも強化いたしまして違法行為の根絶を期すということが第一でございますし、また法の趣旨をできるだけ生かしていくような実態になっていくような行政指導の強化、こういうことにも努めたいと思っておりますし、また関係審議会の専門部会等におきまして、この港湾運送の最近におきます非常な技術革新、それに伴う港湾の労働力の調整のあり方といったような基本的な問題、こういったものにつきましても関係労使を含めまして関係者の十分な御懇談をいただきながら検討を進めていかなければならないと思っております。
#92
○目黒今朝次郎君 労働省と港湾局にお伺いしますが、これは結局十六条、十九条にも、あるいは港湾運送事業法にも罰則があるわけですね、抵触した場合の。この罰則を発動したケースがありますか。
#93
○政府委員(関英夫君) 過去において皆発した事例もございますが、結果的には不起訴処分ということに終わったと聞いております。で、告発し罰則を適用していくということも、一罰百戒という意味で非常に意味あることかとも思いますが、関係労使の十分なお話し合いも進め、行政指導を進めて、実態的にこういったような違反がなくなるようにしていくこと、これが最も望ましいことだと思いますが、非常に悪質な事例については告発も辞さないということで、そういう場合には所要の手続をとるような通達も出しているところでございます。
#94
○目黒今朝次郎君 港湾の方はどうですか。
#95
○政府委員(吉村眞事君) 港湾の場合は処分をした事例は最近ではございません。
#96
○目黒今朝次郎君 というのは、私もあっちこっち中小の港湾の争議を含めて歩きますと、まあささやきであれば結構なんですが、少々違反をやって労働省とか運輸省に怒られても、説教を食うのが大体関の山であるからほどほどにと、非常に要領のいい人がいっぱいいるんです。ほどほどにがだんだん法の抜けがらを肯定化する、恒久化する、その次の段階は法を空洞化して、こんなもの要らないと、こうなってしまうというのが労働法なり事業法の悪い意味で歴史の歩む道筋ですから、いま職安局長が、労使の話し合いというのは一番いいんですけれども、そこのいい面に隠れて悪質なことをやる人がおりますから、法をなめられないように十分にこの点は私は指導方をお願いしたい、注意を喚起しておきたいと、こう思うんです。
 時間の関係もありますから、もう一つは、人づきリース制という固有名詞で言われているんですが、これはやっぱり私も問題だと思うんですね。これは横浜のパンフレット、これA会社と言いましょう。一種、二種、四種の免許を持っておる沿岸営業所四カ所を抱えておる会社です。三十七名、ここに一覧表があるんですが、ここでは職員は十五名。これは現場所長、事務監督、保管関係、これは登録外ですわね、事務職員ですから。それから作業員、これは十六名。常用の沿岸一般作業員、これはもちろん常用に登録されます。それから運転手、フォークが三人、クレーンが三人、合計六人。これは常用に登録してあります。それからリースの運転手、まあ借り物ですね、これが十二人ですよ。各業者から車つきで派遣される。これは無登録。こういう構成で会社が運営されているわけですね。これは作業員から見ると作業員二十二人に対してリースが十二、それからフォークとかクレーンだけを対象に見ますと、この会社の常用の方がフォークが三人でお借り物が十二と、どっちが主体だかわからない。
 それで港湾局の違反摘発の指導文書によっても、その会社の必要最小限の機械は具備するのが許可免許の際の基準になっているわけですね。まあいま関東なら五〇%ですが、機具がね。そういう点から見ると、こういう会社はちょっと異常ではないか。このことについて、人づきリース制の問題を議論する場合に、こういう三十数名の子会社の実態を見て、これは正常なんだろうか、ちょっとおかしいなと、こうお考えになりますか、港湾局長の見解をお聞きしたいと、こう思うんですが。
#97
○政府委員(吉村眞事君) 私どもが把握しております大体平均的な状態から見て、ややリースの率が多いように思います。
#98
○目黒今朝次郎君 これは局長ね、まあ関東なら関東で結構ですから、大体ぎりぎりの正常な状態という点ほどのくらいが――自分の身内が六人、借り物が十二人ではこれはちょっと度を超すんじゃないか。普通おたくさんたちが正常な姿として運兼業者を指導するとすれば、どの辺を目安に置いているんですかな、局長。
#99
○政府委員(吉村眞事君) 特にこの点を同安にというような指導はいたしておりませんけれども、現在平均的な状態がどういうことであるかということを調査しておりますが、その調査では大体半々ぐらいが出ておるように思います。
#100
○目黒今朝次郎君 免許基準が半々ですからまあその辺が話が合うと思うんでありますが、しかし、この問題について関東海運局港運課の見解は、フォークリフト車やクレーン車などの車それ自体のリースは、港湾運送事業法第六条に基づく関東海運局免許基準にある五〇%の範囲であればこれは違法じゃない、しかしこれについてくるリースの運転手は港湾労働法違反だと、こういう見解をとっているんですがね。この見解は局長も間違いありませんか。
#101
○政府委員(吉村眞事君) その点のまだ明快な基準というのは決めておりませんので、関東海運局では一つの目安を述べたものではないかと思いますが。
#102
○目黒今朝次郎君 そういうことになるから私はこの質疑の冒頭、港湾労働法十六条、十九条はどういうふうに理解するんですかといって専門家の労働省の見解を聞いて、あなたはそれに間違いありませんと答えたでしょう。
 じゃ、労働省ね、これはやっぱりリースとかなんとかということを問わず港湾で働く方は港湾労働者ですね。ですから港湾労働者は、原則として登録された常用工と日雇い労働者、日雇い労働者が足らない場合には例外として十六条、十九条、このずっと論理展開から見れば、リースの運転手であろうともやはりたてまえでは港湾労働法に登録された技能労働者でなきゃならぬと、こういう理解が出てくると思うんですが、この辺はいかがでしょうか。
#103
○政府委員(関英夫君) ただいま先生の御指摘がございましたいわゆる人づきリースは、港湾荷役機械のリース業者が、荷役機械と一緒に運転手を派遣して荷さばき作業を行わせる行為のことを一般的に言っておるものだと思いますが、運輸省のお考えでは、このような行為は港湾運送事業法にいう港湾運送に当たらないというお考えと承っております。ということになりますと、港湾労働法上は港湾運送事業を行う事業主と、それから港湾運送の業務に従事する労働者を適用対象としているということからすれば、運輸省の御見解によれば、これは直ちに港湾労働法の対象ということは言えないことになってくるわけでございます。ただ、この派遣された運転手の行う作業自体が非常に港湾運送事業に密着関連した作業でございますし、港湾労働法が港湾労働者の需給調整を公共機関の手で一元的に行うということを法のたてまえとしているという趣旨から見まして、その法律の趣旨から見て、この人づきリースというものが非常に多くなってまいりますと、法律の趣旨といったものが十分に貫かれないというような面もあろうかと思いまして、余りに過大になってくると、これは是正策を講じていかなければならないだろうというふうに考えているところでございます、
#104
○目黒今朝次郎君 ちょっとやっぱりそこに食い違いがありますね。運輸省がこの人づきリース制のことを港湾運送事業法にいう事業ではないと、そういうふうに決めておることを前提とすれば云々と、こういう答弁でしたね、いまのは。しかし、フォークを借りてやっておるんですからね。港湾局長ね、これは港湾運送法による作業形態の一形態でしょう、違うんですか。フォークを借りてきて、借りたフォークで荷積みとか積みおろしをする。これは港湾運送事業法にいう作業形態の一つじゃないんですか。一つであるからこそ免許基準になっている五〇%以内であれば合法だと、こういう関東海運局港運課の見解は私は筋が通っておると思うんですよ。なぜこの人づきリースが港湾運送事業法にいう事業じゃないんですか。私は当然事業だと思うんですがね。
#105
○政府委員(吉村眞事君) 人づきリースをしております機械がやっております作業は、港湾運送の運送の契約を締結して、これを請け負っておるものでございませんで、単なる作業の機械の貸与でございますので、そういう意味で港湾運送事業ではないと、こういうふうに申し上げたわけでございます。
#106
○目黒今朝次郎君 機械はばかじゃないから、機械を借りてきて寝かせておくわけにいかないでしょう。機械が動くと、動いて初めて機械の価値があるんです。動くにはそれを操縦する人間があって初めて動くんでしょう。機械が動く、人が動かす、一つの動的な形態が出る。動的な形態が出れば、これは港湾運送事業法の作業の一つの形態じゃないですか。
 私はここで、もう時間がもったいないから大臣、このことは依然として運輸省と労働省の同じ人づきリース制という一つの事業形態に対する認識の違いがあるんです。私はこれは率直に認めます、もうここで何回もやりましたから。この認識の違いをここで強調しようとは思いません、現実に受けるわれわれにちょっと意識のずれがあるんですから。これはやっぱり実際仕事をやっている港湾運送事業者あるいは仕事を請け負っている人づきリース制をやっている会社、あるいは労働組合の代表などを入れて実態に即した取り扱いをしてもらいたい。そうしないと、このリースの運転手が港湾労働法にいう港湾労働者なのかあるいは職安法でやられている労務供給事業なのか、あいまいなんですよ。
 私は、ここで論争しようとは思いません、だから、私が主宰しても結構ですから、私の部屋に来てもらって両方の意見調整をやっても結構ですから、やはり実際に仕事をやっておる労働者、作業員から見ればあいまいというのは非常にいかぬ。たとえば災害に遭った場合には一体だれが責任を負うのか、災害に遭った場合。災害が起きてからでは遅い。そういう具体的なやはり労働者の生命に関する問題も絡んでいるわけでありますから、単なる事業法か、いや職安か労務供給事業がという議論も必要でありますけれども、そういう直接の労働者にも利害関係あるものですから、これは三者ないし四者で私は調整をしてもらって、政府の統一見解を文書なら文書で示して、それに伴ういろんな所轄事項について統一した指導をしてもらいたいというのが私の要望なんですが、大臣、この要望に対して、時間もありませんからお答え願いたい、こう思うんです。
#107
○国務大臣(塩川正十郎君) 両省で意見が違うということをいまお聞きいたしまして、ほぼ明確に私もそんな感じがいたします。それは実際の運用面において大きい影響を及ぼしてもいけませんしいたしますので、両省間において意見の調整をし適切な措置をとるように努力いたします。
#108
○目黒今朝次郎君 往々あることですから、余り気にしないで私は調整をしてもらって統一指導をお願いしたいと要請いたします。
 それから時間もあと五、六分しかありませんが、港労法の賦課金の改定、港労賦課金の改定をトン当たり三円のやつを去年の十月からトン当たり半分の一円五十銭に値切っておるのですかな。これは私はけしからぬと思うんですね。少なくとも労働組合とも十分な話のないままに見切り発車をしたというので、これはやっぱり港湾労働法運用の基金ですからね。港湾労働法の精神から言っても、了解に達する達しないは別問題として、事前に話をして、できれば一定程度了解が出てから実施するというのが港湾労働法の精神から言って当然だと思うんでありますが、行われないというのは非常に遺憾であります。苦言を呈しておきますが、どういう結果なんですか。
#109
○政府委員(吉村眞事君) 業界で労働組合とのお話し合いの上でその姿勢が出てきたものと私どもは考えておったわけでございます。
#110
○目黒今朝次郎君 当該労働組合から当然従来の慣行であれば話し合いができて、ある程度話し合いが終わってから云々というのが従来の慣行だそうです。私も当然だと思うんです。ところが去年の十月に、港湾運送料金の改定に際してこれを一方的にやったという点は遺憾でありますから、これは警告しておきます。今後こういうことのないようにお願いをしてもらいたい。
 それから最後に本四架橋の問題は、本四架橋の法案が来た段階でやりたいと思いますが、要望だけ言っておきます。
 本四架橋に関する法案は、旅客にかかわるものについてはそれなりに法的な措置が出ておりますが、貨物については全然法制定の段階で除外されておりました。それは調査委員会の結論が出ないから除外したのだと、こう運輸省が答弁しておりましたが、この法案提出の前の段階で調査委員会の結論が出て、やはり影響ありと、そういう認定を調査委員会は下しているわけでありますから、影響ありとなれば当然貨物についても、旅客と同じように本四架橋の中に一項を加えるべきである。したがって、私たちは少なくとも法案審議、衆議院は衆議院の自主性がありますから、参議院で法案審議の段階には貨物の問題も挿入した本四架橋法案にぜひしておいてもらいたいと、強いそういう考えを持っているということを表明しておきますが、港湾局長の考えを、努力するというのは結構でありますが、そういう趣旨を十分尊重してもらいたいということを提起しておきます。いかがですか。
#111
○政府委員(吉村眞事君) 現在そういう中間報告が出まして、その報告に基づいて必要に応じた立法措置を含めた具体的な措置を関係者間で協議をすることになっておりますが、実はこの中間報告が出ましたのがつい最近でございまして、まだ協議を進めて煮詰める段階まで至っておりません。したがいまして、御要望の時期までに今回の法案の中に盛り込めるかどうかということはちょっと私自信がございませんけれども、当然その立法も含めまして措置をしなければならないとは考えております。
#112
○目黒今朝次郎君 その取り組み方は、若干技術的に時間がずれておりますから、いろいろ組み合わせがあるでしょうけれども、全然知らんぷりで見切り発車だけはしないようにお願いしておきたいと、こう思います。
 それから最後に、港湾の労使がおととしの五・三〇協定を結んで具体的に動き出したと思うんですが、この労使の港湾協定の中に、前文で、港湾を通るすべての貨物、それについてお互いに検討する必要があると、こういうことを繰り返し繰り返し述べておるわけですよ。これは裏を返せば、港湾労働法なりその他の法案が六大港にだけ限定されて、六大港以外の地方の港湾の整備なり、あるいは地方港湾の労使関係なり、あるいはいま問題になったリース関係者のいわゆる労働条件なり、そういうものが未解決のまま放任されているということに対する非常に不安と不満が労使間の交渉の段階に出てくるものと私はそう思っておるわけであります。したがって、この六大港だけに先行して、限定したという気持ちはわからないわけではありませんが、相当年限が来ておりますから、やっぱり全国すべての港湾に対して、港湾局は労働省と十分協力しながら、港湾行政の指導なり、あるいは労使関係の確立なり、あるいは最低賃金なり、雇用の保障なり、そういうものについて積橋的に視野を広めて幅広く指導体制をとってもらいたい。
 午前中の質問で小豆島の問題も出てきましたが、そういう小豆島は言うに及ばず、私の田舎の方の東北、北海道全部歩いても、いろんな問題を抱えている。私は、どこの会社とは言いませんが、一カ月に四回日曜休むかというと、いまだに半分ぐらいしか休んでない。それは給料が安いから、日曜日に出てきて働いて割り増しをもらって生活をやっと支えていると、そういう地方港湾もいっぱいあるわけです。港湾労働法以前の問題ですよ。そういうことを十分に実態を把握されて、物をつくる整備も結構でありますが、人間を大事にする港湾行政も十分やってもらいたいということをお願いして、これに対する両局長の見解を承って私の質問を終わりたいと、こう思うんです。
#113
○政府委員(吉村眞事君) 先生の御趣旨を十分踏まえて今後対処してまいりたいと思います。
#114
○政府委員(関英夫君) きょうの質疑を通じまして、港湾運送事業の非常な変化といいますか、技術革新といいますか、そういうものと港湾労働法との乖離、そういった問題を先生御指摘になったんだろうと思います。こういう点につきましては、港湾調整審議会からも労働大臣あてに、十分そういう点を検討するようにというふうに言われておるところでございまして、現在その検討が行われているところでございますが、その密度を高めて検討を行っていきたいと思っております。
#115
○委員長(黒柳明君) 暫時休憩いたします。
   午後二時四分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二十八分開会
#116
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#117
○桑名義治君 午前中の質疑の中にもございましたように、本法案につきましては白紙委任のようなものだというような質疑も行われていたわけでございますが、五十六年の三月十二日の閣議了解あるいはまた「新港湾整備五カ年計画の策定について」という五十六年の三月運輸省の出しましたこのパンフの中にもいろいろな要項が述べてあるわけでございますが、その中に港湾整備事業の計画の目標ということで(5)の中に、「快適な港湾・海洋環境の実現をめざした事業の推進」、この項目が挙がっているわけです。この中に「汚泥浚渫等の港湾公害防止対策事業」、こういうふうに一項目挙がっているわけでございますが、これに関しまして具体的に少しお尋ねをしていきたいと思います。
 もう御承知のように、水俣におきましては大変な水俣病という公害が発生をしたわけでございますが、この公害を除去するために現在水俣湾のしゅんせつ工事が行われているわけでございます。で、水俣湾の堆積の汚泥しゅんせつ事業のいままでの経緯を説明をしていただきたいと思います。
#118
○政府委員(吉村眞事君) 水俣湾の事業は、この水俣湾の環境改善を図るために水銀を含んだ汚泥が堆積しておりますのを一部はしゅんせつをいたしまして、また一部は埋め立てをいたしましてこれを処分しようとする事業でございます。事業主体は港湾管理者であります熊本県が事業主体でございますが、技術的に非常に高度な技術を要するということから、工事を運輸省の第四港湾建設局が受託をいたしております。
 時間的な経緯について申し上げますと、昭和五十年の六月に水俣湾の堆積汚泥処理計画というのが策定をされておりまして、昭和五十一年の二月に港湾計画がその計画を受けて策定されました。それから昭和五十二年の九月に埋立免許を得まして、同年十月に工事に着手をしたわけでございます。ところが、着手直後の同年十二月に水俣病患者等二千四百八十五名の方々から、国、熊本県、チッソ株式会社等を被告として工事差しとめの仮処分申請がなされたわけでございます。そのために工事は中断をいたしました。裁判は昭和五十二年の六月九日に第一回の審尋が行われて以来、昭和五十四年十月十六日の結審に至るまで十八回の審尋と三回の口頭弁論の後に、昭和五十五年の四月十六日に判決がおりまして、判決内容は申請却下でございます。そして原告側は四月の三十日に控訴を断念いたしました。こういう事情を踏まえまして昭和五十五年の六月六日に工事を再開いたしまして、仮締め切りの工事に着手し、その後工事は円滑に進捗しておるのが現況でございます。
#119
○桑名義治君 患者側の主張というものは、二次公害を心配しての主張であったわけでございます。裁判の中でもこの点が争われたわけでございますが、このことについて、二次公害についての裁判所側の主張というものがどういう主張であったか。そのことも伺っておきたいと同時に、工事に当たりまして、二次公害に対する安全対策をどういうふうな方法でなされているかということを御説明願いたいと思います。
#120
○政府委員(吉村眞事君) 裁判所側の意向は、現在までに確立しておる最新、最善の方法を用いれば安全に施工ができるという見解であったと存じます。それで、私ども二次公害を発生させないために万全の策を講じる必要があるということで現在慎重に工事を進めておりますが、その内容について申し上げますと、まず本格的工事に入ります前に試験工事を十分行いました。そして、しゅんせつの実施に当たりましては汚泥を攪拌いたしますと、その攪拌した結果、水銀が水の中に拡散をいたしますので、従来のいわゆるポンプ船でございますとカッターで底をかきまぜて、それをポンプで吸い上げるという方法をとるわけでございますが、こういう方法をいたしますと、先ほど申しましたように攪拌によって水銀の拡散が起こるということで、カッターレスの、カッターでかきまぜないポンプ船、若干違った方法もございますが、そういった方法で施工をすることにすれば攪拌が起こらなくて拡散の可能性がなくなるということでそういう方法をとっております。
 それから、その掘りました土砂を埋めて、その埋めた上澄みの余水と申しますが、これを出すときに十分な注意をいたしませんと、その余水にまじってまた水銀を含んだ汚泥が出てしまうということがございますので、排出前に十分な余水処理を行うことにいたしております。
 それから、そういった工事上の処置をいたしますと同時に、監視を十分にしなければいけないということで、水質汚濁等の監視の適正を期するために、関係の漁業者代表あるいは地元住民等が参加されました熊本県水俣湾等公害防止事業監視委員会という委員会を設置いたしまして、この委員会によって水質の監視を行うこと等の措置を講じております。これによって十分に安全な工事の施工が確保されるというふうに考えておるわけでございます。
#121
○桑名義治君 そこで、いま熊本県で一番問題になっているのは、いわゆる事業者負担の配分の問題や、あるいはその資金繰りの問題が一番問題になっているわけでございますが、事業者負担金に対する県債の発行状況がいまどういうふうになっているのか。自治省の方から御説明願いたいと思います。
#122
○説明員(亀田博君) 事業者負担につきましては、長期分割納付で処理をするということにしまして、当面は県債でもってその分をカバーしているわけでございますけれども、昭和五十年度からの県債発行額は、五十五年度までで総額四十七億九百万円となっております。
#123
○桑名義治君 県債に対していわゆる事業者が現在どの程度負担をしているのか。この点を御説明願いたいと思います。
#124
○説明員(亀田博君) この県債は現在据え置き期間中でございますので、利子相当分だけがチッソの負担になって県に対して納付をなされているところでございますが、その総額は五十五年度までで八億六千五百万円でございます。
#125
○桑名義治君 この前も熊本に委員会で参りましたときに、知事からこの県債についての非常な要望があったわけです。その要望は、実際に水俣チッソがいわゆる負担能力な非常に欠けていると。したがって、最終的には県がこれを負担をしていかなければならないということで、こういう重大な事項については、この資金繰りについて国がやはり責任を持ってもらわなければ困ると、こういうふうな意向が非常に強かったわけでございますが、この総額を県債で見てくれぬかと、こういう要望があっておるわけでございます。そこで、この県債と同時に、自治省としては起債を中心にこの事業を推進するようにとられているわけでございますが、政府資金による起債を認め、起債の元利償還金の交付税算入率を引き上げてもらいたい、こういうふうに要望が出ておるわけでございますけれども、この点については自治省としてはどういうふうにお考えですか。
#126
○説明員(亀田博君) チッソの負担は原因者負担の原則によりまして、しかも法律によりまして御負担を願うわけでございますから、基本的にはその当該部分はチッソの負担において賄われるべきであろうと考えております。しかしながら、熊本県債の発行という形をとりましてチッソの分割長期納付の形を援助しているわけでございますから、当該納付が滞った場合の県財政に与える影響等の御懸念であろうと存じますけれども、そのようなことがないことを私どもは期待しておりますが、万々一そのような事態が発生をいたしまして、県財政にとりましてゆゆしき事態になった場合におきましては、私ども関係省庁と相協議して適切な措置を講じてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#127
○桑名義治君 そこでこの全体の予算を見ますと、昭和四十八年度で、これは決定した予算でございますけれども、百九十三億円ということでございます。で、これは一時工事が中断をして、先ほど御説明がございましたように、昨年の六月六日に工事が再開をされたわけでございます。百九十三億円の一応見積もりができておりますので、この間は大丈夫だと思いますけれども、これはしょせん見直しをしなければならないと思います。で、この見直しをしますと、恐らくこれは二倍ぐらいになっていくおそれがあるんじゃないかと思います。そうすると、約四百億というような莫大なお金になるわけでございますが、この点について見直しを大体いつごろ行う予定なのか、これはまあいろいろな問題を含んでおりますので、早急にこれを見直せと言っても、これは無理な問題がたくさんあると思います。しかし、余りにもまた膨大になったときに、果たして県がこれを支えることができるかどうかという問題が出るわけでございますが、その点については運輸省としてはどういうふうにお考えになっておられますか。
#128
○政府委員(吉村眞事君) 御指摘のとおり、工事中断に伴うその間の物価上昇等もございますので、かなり上昇をするだろうというふうに予想をいたしております。それで全体事業費について見直しをしなければいけないわけですが、先ほど御説明いたしましたように、いま試験工事もいたしておりますので、その成果も踏まえました上で昭和五十七年度ごろを目途に見直しをいたしたいと考えております。
#129
○桑名義治君 見直しと同時に、先ほど申し上げましたような、いわゆるこのままの状態では県の負担金が余りにも膨大過ぎるというおそれがあるわけでございまして、果たして県が支え切れるかどうかという、水俣チッソの支払いの分もこれ県債で賄うというような方向にいま走っているわけでございますし、それと同時に県の負担金もあるわけでございます。県の負担金と言えば、全体の総枠の三五%の二分の一、これが県と国費で賄わなきゃならぬわけでございますから、これ莫大な金額になるわけです。それに県債でもってチッソ分をまた肩がわりしているということになれば、これはもう現在の地方自治体の財政の立場から考えた場合には大変な負担でございますが、この点について、大臣どういうふうにお考えになりますか。
#130
○国務大臣(塩川正十郎君) ちょうどこの問題が起こりましたとき、私、官房副長官やっておりまして、この調整問題にかかわったことがございました。その場合、県としては財政的に非常に困難であるということを非常に強く訴えておりましたが、しかしPPPの原則から申しまして、どうしても企業者負担、その企業者の融資というものは、すでにもう銀行は東銀を初めとしてお手上げの状態で、一切絶縁と。まあいわば県が保証人のようなかっこうになって、実際は借り主でございますが、保証人のようなかっこうになっておるんでございますが、まあ幸いにいたしましてと申しましょうか、チッソの方の五井等の事業所の担保能力等もある程度の余裕はまだ、若干でございますがあるように聞いておるのでございます。まあこの補償が何千億円という巨大なものになった場合には、別途措置を考えざるを得ないんではないかと思っておりますが、いまの状況で、これで何とか企業の責任において処理し得るように最大の努力はやっぱり進めるべきだと、こう思っております。
#131
○桑名義治君 自治省結構ですよ、どうもありがとうございました。
 そのほかに運輸省から出されたこの書類の中に「船舶航行等の安全確保及び地域防災の推進をめざした港湾・航路の整備」と、こういうふうにこの五カ年計画の中の一項目うたってあるわけでございます。そこでお尋ねをしておきたいのは、現在関門港の重要性と海難事故防止を考慮いたしまして、現行、水深がマイナスの十三メートル、幅員が五百から千三百メートル、この工事がいまなされておるわけでございますが、この工事は大体いつごろまでで完成がなされるのか伺っておきたいと思います。
#132
○政府委員(吉村眞事君) 関門航路の工事、現在実施しております計画はいま御指摘のとおりでございます。現在五十五年度末では水深が十一メーターまで掘られておりまして、幅員は三百五十メーターから千メーターというところまでできておりますが、引き続き今度の第六次港湾整備五カ年計画でこの整備を進めまして、最終的には先ほど先生おっしゃいました幅員と深度まで完成をさせるという予定でございます。
 この完成の時期でございますけれども、今期五カ年計画の終了時点であります六十年までにはちょっとまだ完全に完成はむずかしいかと考えております。なお、次の五カ年計画にまだ持ち越す分が若干残ろうかという感じでございます。
#133
○桑名義治君 北九州市の方からあるいは下関の方からも要望があったと思いますが、五十五年の七月に運輸省の方にその要望書が出されておるわけでございますが、その関門航路の西口付近及び東口付近、ここらも非常に航行の上において危険な区域が多いということで、早期の計画の策定並びに整備の促進ということで要望があっておるわけでございます。で、今回の予算の中には恐らくこれは入ってないと思うのでございますけれども、実際にこの付近の海難がどういうふうな状況にあるかということを調べてみました。そうしますと、大体五十二年度がこの海難の発生数が五十四件あるわけでございますが、その中で追突が十七、それから乗り上げが十九と、特別悪いわけですね。それから五十三年度が四十九件で追突が五件、乗り上げが十九と、それから五十四年度が全体が五十で、追突が九、乗り上げが二十二と、こういう状況になっているわけでございます。
 それと同時に、あの関門港というものは、いわゆる中国との貿易港としていまから先も重要視していかなければならない重要な港湾だというふうに私たちは思っているわけでございますが、そういった立場から見ますと、これはやはり港に近い航路としては非常に事故件数が多いのではないかと、こういうふうに思うわけでございますが、こういった問題を解決するためには、要望がなされておりますように、西口付近及び東口付近の計画の早期策定と同時に整備の促進を、現在行われている事業と同時に並行的に行うべきではなかろうかと、こういうふうに思うわけでございますが、その点はどういうふうにお考えですか。
#134
○政府委員(吉村眞事君) 関門航路は確かに御指摘のように非常に屈曲が激しいものですから、そういう意味で事故等も多くなっておるものと思います。現在のところではまず航路の幅員を広げ、深さを深くするのが一番最初に必要だということでそういう事業をやっておりますけれども、今後の問題といたしまして、この航路の形を通りやすくし、あるいは浅瀬を除去するというようなかっこうの入り口の整備というのが方向としてはぜひ必要な方向ではないかというふうに考えております。で、地元関係者との調整を図らなきゃならぬ問題も多々ございます。航路の形を変えますと、漁業者等島民にも非常に大きい影響を与えますし、そういった調整の問題もございますので、現計画の工事の進捗状況と地元関係者との調整の進みぐあい等を勘案しながら、御指摘の西口及び東口付近の整備の計画を検討してまいりたいと考えております。
#135
○桑名義治君 そういう御答弁では、確かに前向きの答弁というのかもしれませんけれども、しかし、期目的なものも何にもおっしゃらないし、地元との話し合いの上でというその答弁、そうではなくて、もう少し、これは地元との話し合いとは申しましても、実際にこういう西の方から要望書が出ているということは、おたくの方から積極的に乗り出せば話はまとまるということでございますよ。だから、そういう準備があるかどうかということをお尋ねしているわけでございますが、どうですか。
#136
○政府委員(吉村眞事君) 先ほどちょっと事例として漁業者と申し上げましたけれども、航路の形を変えて真っすぐにする、あるいは浅瀬等を除去するという場合は、大抵の場合、非常に漁業者との調整が問題になるというふうに経験上考えておりまして、そういう意味で地元との調整というふうに申し上げました。私どもの姿勢次第で地元の方向が非常に好転をするということでありますれば、積極的にそういう方向で進めて計画の検討に入れるようにいたしたいと思います。
#137
○桑名義治君 関門港はこれは重要港湾の一つでもございますし、いまから先の中国貿易等を考えてまいりますと、ますます今後発展をしていく要素も十二分に含んでいるわけでございますし、また地理的にも、御存じのように、非常に狭隘ないわゆる海峡でもございます。流れも日本の中では二番目というような激しい流れでございますので、特に外国船にこういうふうな追突事故あるいは乗り上げ事故が起こったとするならば、これはゆゆしき問題にもなることでございますので、これは早急に現地の方と話し合いを積極的におたくの方から進めていただいて、そして解決の方向へと努力をしていただきたいと、このように思います。
 次の問題でございますが、実は原子力船「むつ」の問題を少しお聞きをしておきたいと思うんですが、現在佐世保港で原子力船「むつ」の改修工事が行われておるわけでございます。ところが、新聞等を拝見してみますと、あるいはまた現地に私行ったわけでございますけれども、そのときの現地のいろいろな方々のお話では、この原子力船「むつ」の修理が大幅におくれていると、こういうふうな話を聞いているわけでございますが、果たして期限内に終了するのか終了しないのか、この点はどうですか。
#138
○説明員(井田勝久君) 原子力船の「むつ」につきましては、ただいま佐世保で約三年間の予定で修理、点検を行うという長崎側との約束に基づきまして、昭和五十三年十月、青森県大湊港から長崎県佐世保港に回航されたわけでございます。その後遮蔽改修工事の着手がかなりおくれたということは事実でございまして、五十五年八月に本格的な工事が開始されたわけでございます。その後、第一期分の工事につきましては、本年二月までに予定どおり終了したわけでございまして、さらに昨年十二月三日にメーカー側との契約が第二期分の工事についても調いまして、現在鋭意工事が行われているところでございます。工事を担当しております原船事業団といたしましては、期限内の工事完了に向けて最大限の努力をしているというような報告を受けている次第でございます。
 もちろん、これは先ほど申し上げましたように、着工がかなりおくれたということが一つございます上に、改修工事そのものが未経験の仕事でありますので、作業の安全性等、修理にかなり万全を期さなきゃいかぬというようなこともございまして、いろいろ困難な事情がございます。そういうことでございまして、いま鋭意工事を進めておるわけでございますが、工事終了の時期については、ただいま明確に見通しをつけることは容易でないということでございますが、現在は期限内の工事終了を目指しまして、メーカーの協力を得ながら最善の努力をするよう、私ども事業団を督励しているというところでございます。
#139
○桑名義治君 督励をしている督励をしていると言いましても、事業団の方で、あるいはまたおたくの方でやらなきゃならない問題は、佐世保港との間に五十六年の十月までといういわゆる五者協定ができているわけでしょう。だから、工事をする方においては工事日程というのが必ず当然あるべきなんですよね。その工事日程が五十六年の十月の半ばまでにおさまるかどうかということはわかるはずじゃないですか、たとえ初めての工事であろうともですよ。鋭意督促をしておりますじゃ、これは納得できませんよ、佐世保としても。佐世保の現地はむしろこの五者協定によって、期限中に修理をする、修理終了後はすぐに新母港へ行くと、こういう約束をしているわけですから。ところが、工事がこういうふうにおくれているために、これまた、もう少し工事が終わるまでおらしてくれと、今度おれは、さらにまた母港にしてくれぬかと、こういうなし崩しになるんではないかということを非常に懸念をしているわけですが、この点どうですか。
#140
○説明員(井田勝久君) 長崎県の地元の方との間には五者協定あるわけでございますが、この五者協定につきましては、母港を早急に決定するということが決められているわけでございます。で、それに従いまして私どもといたしましては、その母港を早期に決定するということで鋭意努力を重ねているところでございまして、先般科学技術庁長官が青森県を訪問いたしまして、現地の実情をつぶさに視察いたしまして、地元の方々とお話しいただいたわけでございますが、そういうことで、長官ぎりぎりの判断といたしまして、政府及び党の機関と協議の上、外洋へ新母港設置の実現に向けて努力いたしたいということを申し上げますとともに、新母港の建設にはかなりの期間を要しますので、その間は「むつ」を大湊港へ入港停泊させていただくことを認めていただきたい、そして入港停泊に当たっての取り扱いにつきましては、別途地元と協議させていただくことといたしたい、こういうことを地元の代表の方々にお示しいたしまして検討をお願いした次第であります。そういうことでございまして、新母港の問題につきましては鋭意懸命の努力を払っているところでございます。
 それから佐世保におきます修理の期限につきましても、ただいま、六月から第三期の工事契約に入るわけでございますが、その工事契約の期間に入る前に、何とか期限内の、どのくらいでできるかという工事の問題につきましてめどをつけまして、期限内に工事を完了いたしますよう最大限の努力をいたしたいというふうに考えているところでございます。
 こういうことでございまして、当庁といたしましては、佐世保に居座って、なし崩し的に佐世保の母港化を図るというようなことは毛頭ございません。その点につきましては御理解賜りたいと思う次第でございます。
#141
○桑名義治君 そうしますと、たとえ五十六年の十月までに、佐世保にいま停泊して修理を行っているわけでございますが、もしできない場合はどうされるんですか。
#142
○説明員(井田勝久君) ただいま御説明いたしましたように、そのようなことのないよういま努力を重ねているところでございますが、万一そのような事態に立ち入った場合には、五者協定の地元側当事者の方々とお話し合いをさせていただくということになろうかと考えているわけでございます。
#143
○桑名義治君 結局そういうところを地元の佐世保としては非常に心配をしているわけですよ。実際、現段階においては恐らく無理だろうと言うんです。どんなにがんばっても五十六年の十月までには完了しないだろうと、こう言ってます。で、そのときの話し合いを、もうおるからしょうがないじゃないかということで強引に居座るようなことが恐らくないということは言えないだろう、こういうふうに地元では言っているわけですよ。それと同時に、先ほど御答弁になりました、大臣がむつに行っていろいろ話し合いをしてきたと言いますけれども、現実に大湊港では、母港撤去の約束を前にしているわけでしょう。この四者協定の中でやっているわけでしょう。この返事もまだもらってないわけですよ。もう四月も終わろうとしているわけです。十月、目の前ですよ。こんなことになってくると、どんどんどんどん日にちのたつのは早いもので、行く先は決まらない、工事もまだ終わらない。そうなれば、佐世保の地元としてもいらいらするのはあたりまえの話だろうと思うんです、行き先が決まらぬわけですから。そしてまた工事が終わらないわけですから。行き先、実際にはその見通しはあるんですか。大臣が言うように、大湊港の母港撤去を約束をしておるためにいわゆる外洋新母港を建設していきたい、その母港ができるまでは大湊港に一時係船をお願いをしたいという、これ可能性があるんですか、交渉の段階から見て。どうなんですか。
#144
○説明員(井田勝久君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたとおり、私ども大臣の新しい考え方を地元にお示ししたわけでございますが、地元側のその際の御意見といたしましては、青森県知事、むつ市長、漁連の皆様から、この提案は評価できるということでございますが、その後、それぞれの、青森県は県内の意向の取りまとめ、市は市の意向の取りまとめ、漁連は漁連の意向の取りまとめということがございますので、そういうことでそれぞれ御相談いただきまして、これについて御了承いただくということを私どもとしては期待しているわけでございます。そういうことを皆様の御了承を得た上、この問題についてそういうような見通しを得たいということでございます。
#145
○桑名義治君 いずれにしましても、外洋新母港をつくるということになればこれまた大変な時間がかかるんじゃないかと思うんですね。地元の方の了解を取りつけなきゃならぬ。また工事の期間が必要である。果たして、そういう長期にわたる係船を、一時係船とはいいながら非常に長期にわたる係船を大湊港が引き受けるかどうか、これは非常にまた問題点が多いと思うんですが、それと同時に、新聞の報道によれば、いわゆる外洋新母港というのは関根浜だというふうに書いてあるわけでございますが、やはり関根浜が一つの候補地として挙がっているわけですか。
#146
○説明員(井田勝久君) 外洋母港の候補地はまだ未定でございまして、地元とのお話し合いではむつ市の意向を尊重してほしいという御意見があったわけでございます。当庁としてはこの御意見を勘案しまして、今後地元と十分御相談しながら決めてまいりたい、このように考えているところでございます。
#147
○桑名義治君 いずれにしましても、この問題はいまから先佐世保にも大きな問題を投げかけることになると思います。また大湊にも大きな問題を投げかけると思います。外洋新母港、この候補地に挙がったところにまた大きな問題を投げかける。果たして「むつ」はどこへ行くのやらということになるわけでございますけれども、しかしいずれにしましても、佐世保の方でも非常な心配をしているわけでございます。早急に全力を挙げてこの問題解決のために努力を続けていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 こういうことになっておりまして、今回のこの新五カ年計画の中に、仮に新聞に報道されておりますように外洋新母港が関根浜である、こういうふうになった場合には、この港のいわゆる建設なりそういった一切の段取りというのは、これは運輸省関係あるんですか、どうですか。
#148
○国務大臣(塩川正十郎君) これはまだ未定のことでございますから何とも申し上げられませんが、そういうぐあいに外洋港で建設をするとされるならば、これは専用港としてやってもらいたい、こう思っております。
#149
○桑名義治君 いずれにしましてもこの問題は、科学技術庁としては早急に鋭意取り組んでいただくように、これ大臣にも伝えておいていただきたいと思います。結構です。ありがとうございました。
 次に、法案の直接の問題に入りたいと思いますが、本法が昭和三十六年に制定をされまして今日に至るまで、五次にわたって整備計画が実施されてきたわけでございますが、現行の第五次五ヵ年計画は、五十一年の十月一日の閣議決定に基づきまして、投資総額が三兆一千億円の規模で事業が進められてきたわけでございます。そのうち港湾整備事業費の二兆八千八百億円で、五十五年度末その達成率は八三・五%、こういうふうになっておるわけでございますが、一〇〇%達成に至らなかったという原因は那辺にあるわけですか。
#150
○政府委員(吉村眞事君) 御指摘のとおり全体の進捗率が八三・五%ということでございます。まあこの内容を個別にながめてみますと、たとえば地方、離島港湾等は一一八%、あるいはその安全対策が一二二%といったような進捗率になっておる部分もございまして、それを全部ならして八三・五%ということでございます。で、まあその足を引っ張ったといいますか理由といたしましては、地元関係者との調整がある特定の港においてはなかなかむずかしかったような問題、あるいは国、地方の財政事情等が計画の進捗をある意味で妨げた理由であろうかと思います。
#151
○桑名義治君 次にお尋ねしたいことは、想定貨物の取り扱い量でございますが、この件でございますが、第四次の五カ年計画の場合を見てみますと、最終年度の五十年度の想定貨物量の三十二・八億トンに対しまして実績が二十五・三億トン、それから第五次の分を見てみますと三十七億トンの想定に対して五十四年度末の実績が二十九億トン、こういうふうに大幅に想定がずれているわけであります。第六次では想定貨物量がこれが六十年度末で四十一億トンと、こういうふうに今回は計画をされているわけでございますが、これまあ実績として果たしてこういう数字があらわれるかどうか、私は非常に疑問に思っておるわけでございますが、この点はどういうふうな根拠でいわゆる六十年度で四十一億トンという推定量を出したんですか。
#152
○政府委員(吉村眞事君) 推定の方法でございますが、過去におきまして港湾取り扱い貨物量がたどってまいりました推移あるいは品目別の港湾取り扱い貨物量等を分析をいたしまして、一つの手法といいますかやり方は、いろんな取り扱い貨物ごとにそれぞれの非常に関係のある指標、たとえば米穀類でありますと農産物の生産高でございましたか、それから鉱石でありますと鉄鋼業の生産予定とか、そういった非常に関連しやすい指標で将来の経済計面等にその値が載せてあるもの、決まっておるもの、そういうものとの相関をまず出しまして、それてそれぞれの品目の貨物量を想定をいたします。それからもう一つ、今度はそういった個別の品目ごとではなくて全体の貨物量を、これは全体の経済の規模との相関で出します。その二つの出てまいりました資料を総合といいますか、マクロの資料とミクロの資料を合わせましてそれで推定をいたしたわけでございます。
 現在、先ほど来申し上げましたように、経済社会七カ年計画の見直し作業の結果、経済のフレームが若干かつて推計しましたときと変わっておりますので、そういうことを取り入れまして現在改めて作業をやり直しております。しかし、その結果でも六十年は約四十億トンに近い、ちょっとそれより上回る程度の水準になろうかと考えております。先ほど過去の推計がほぼみんな違っておったという御指摘がありましたが、確かに貨物量の推定を一般的に申し上げますと、非常に経済が急速に伸びているときは下に推定しやすい。つまり過小に見積もりやすい。われわれの港湾計画では、一次と二次と三次の三回はかなり過小に見積もりました。それから経済が停滞といいますか、伸びが鈍化したときには過大に見積もりやすい傾向が出てまいりまして、まさに四次と五次がその例でございまして、過大に見積もったということでございます。私ども今度の見積もりにつきましては両方の、非常に過熱というか、非常に急速に伸びている時期でもなし、あるいは急にショック等で鈍化した場合でもないという、わりあい中庸の時期であろうかと思いますので、推計はかなり正確にいく可能性が強いというふうに考えております。
#153
○桑名義治君 調査室からもらったこの資料ですね、このグラフのカーブを見てみますと、一次、二次、三次、このときの伸び率と同じカーブを描いているわけですね、大体。果たして五十年度、これは五十年度は大きく落ち込んだわけでございますけれども、しかしこの五十年度というのはこれは外的要素が非常に大きかったと。そしてこれを境にしまして、日本の経済というものは安定経済へ入っていった。ということになれば、安定経済に入って、しかもこういう経済が成長しているときと同じようなカーブを描くだけの予想が適当であろうかどうか。これ、だれが考えても私はそういうふうに思うんではなかろうかと思うんですよ。そういった立場から考えると、この描くカーブというのは、五年間のカーブというのは少し過剰見積もりじゃないかというふうに思うわけでございますが、その点どうですか。
#154
○政府委員(吉村眞事君) こういう時系列を右軸にとりまして、量を縦軸にとった場合でございますが、現在考えておりますこの伸び率は、かなり私はいわゆる経済に対する貨物の弾性値といいますか、経済が一単位伸びたときに貨物量が何単位伸びるかという弾性値は、この線で見ますと、かなり過去に比べて低く見た線ではないかと思います。御指摘のようにこういう経済成長が非常に急速であった場合と同程度の弾性値をとれば、これは確かに過大見積もりになると思いますが、私はこの現在想定しております線では、これは相当弾性値としては低くなっておるように思っております。
#155
○桑名義治君 いずれにしましても、こういうことで推定をしながら行ったことでございますので、この点にとどめておきたいと思います。
 次にお尋ねをしておきたいのは、今回の港湾整備緊急措置法の一部改正によりまして、五十六年度を初年度にして新たな五カ年計画が策定をされるわけでございますが、いずれにしましても、そのときどきの経済の動向に合わせながら港湾の整備というものも当然計画をされるわけでございます。そこで、六次の策定に当たって一番重点を置いたその視点というものはどういうところにあったわけですか。
#156
○政府委員(吉村眞事君) 一言で重点というふうに申し上げられませんが、幾つかの重点といいますか、現在の経済情勢といいますか、国の置かれた立場から港湾が目指さなければならぬ方向というのを幾つか考えております。
 一番最初は、港湾の表芸といいますか、国内の貨物輸送量の着実な増大の中で省エネルギー的な輸送手段としての海上輸送というものをできるだけウエートを高めていく必要があるという点でございます。
 それから第二番目といたしましては、全国土にわたって快適な定住圏の形成を図るというのが現在わが国の政策の一つの柱になっておりますが、この観点から、地域振興の基盤としての港湾整備でありますとか、港湾、海洋における環境の整備でありますとか、そういったことをやる必要があろうかと思っております。
 それから三番目に、石油ショック以来非常にエネルギー問題がわが国にとって重要な問題になり、かつわが国の将来に大きな影響を持つという状況になっておりますので、これに対応するというのが港湾としては非常にまた大きい問題、またある意味で前回の五次の計画に比べて一番様子が変わったといいますか、大きく浮かび上がったのはあるいはこの点かとも思いますが、エネルギー情勢に対応する港湾の整備を重点に考えております。
 それから四番目といたしましては、これはもう五次の場合もあるいはその前も、常に港湾の重点事項になっておりましたが、船舶航行の安全確保のための事業でございます。これと同時に、今回は大規模地震等が非常に最近問題になっておりますのにかんがみまして、大規模地震対策等を一つの柱としてこの中に入れておるわけでございます。
 そういうことから、以上の四点を大きな柱にいたしてこの計画の作成をいたしたわけでございます。
#157
○桑名義治君 時間がありませんので次々進みたいんですが、今回の第六次の五カ年計画の港湾整備事業費の三兆二百億円、これは地域別の配分は大体いつごろになるんですか。
#158
○政府委員(吉村眞事君) 地域別配分、具体的に最終的に決まりますのはやはり七月から八月ごろにかけてを目指しております。現在、各関係の港湾管理者の意見を聞いておりますが、この後港湾審議会の意見を聞き、かつまた関係省庁との協議調整を行うといったような事務が残っておりますので、きるだけ早期ということでございますが、七月ないし八月ごろになろうかと思っております。
#159
○桑名義治君 そこで、大規模のいわゆる産業港湾の整備に対しまして、現在のような安定成長、低成長とも言われているわけでございますが、果たして進出企業というものがあるのかどうかという心配もあるわけでございます。当初の目標どおりにいくのか非常に懸念をされるわけでございますが、新五カ年計画ではどの港湾を特に整備をしようとしておられるのか、お尋ねをしておきたいと思います。
#160
○政府委員(吉村眞事君) 大規模工業港に関しましては、現計画に現時点で考えておりますのは苫小牧の東港とむつ小川原港の整備でございます。これらの港につきましては、従来考えておりました立地のスピードとは若干おくれておるように思いますが、苫小牧につきましては、現在火力発電所がすでに立地をいたしておりますし、石油備蓄及びその関連工業等が見込まれております。それから、さらに石油化学工業では用地の取得が行われておりますし、近く自動車工業等の進出も期待をされるといったようなことで、若干のおくれはありましても、だんだんと進出企業等も出てきておるように考えております。むつ小川原は若干これよりも計画の進度が遅うございまして、第一期計画としても昭和六十三年ごろを目標にしておりますので、この東苫小牧に比べましてかなりおくれておりますが、これもおいおいと具体化してまいると考えております。われわれも港湾整備につきましては、そういった企業の立地動向等を常に勘案しながら適切なスピードでこれに対処してまいりたいと考えておる次第でございます。
#161
○桑名義治君 そこで大きな、大型の港ができた。それに付随して考えられる問題は、国際貿易の伸展に対応して、国際港湾の整備拡充に当然努めていかなければならないわけでございますが、そのためには背後地のいわゆる都市基盤の整備、これもまた一体として進めていかなければならないわけでございます。神戸のポートアイランドに見られるように、都市機能と一体化した国際港湾のあり方も同時に真剣に検討していかなければならない時期に来ていると、こういうふうに思うわけでございますが、今後の国際港湾整備のあり方についての基本的な考え方をどういうふうにお持ちなのか、伺っておきたいと思います。
#162
○政府委員(吉村眞事君) 御指摘のとおり、わが国の玄関といいますか、中枢になります国際貿易港湾といいますのは非常に規模が大きくなってまいっております。この三十年あるいは四十年ぐらいの間に、これらの国際貿易港湾というものはもう全く昔の港湾とは状況が変わっておりまして、従来の港でございますと、こういった代表的な外国貿易港湾でございましても、それぞれ埠頭とその後ろの倉庫上屋群というようなものがあり、そしてその前に港の水域があれば十分に機能をしたということでございますが、現在の港はもうそういったものだけではなくて、非常に広い範囲を包含しておりまして、その中に多数の都市機能をあわせて包含をしている状態になっております。その一つの例といいますか、姿が、先生御指摘になりました神戸のポートアイランドでございますが、私ども今後のこういった大きな国際貿易港湾のあり方は、やはり全体として各種の都市機能を包含した、そういったものを全部まとめた一つの大きなエリアとしての港湾を考えて整備をしなければならないというふうに考えております。
 具体的に申し上げますならば、埠頭に直接関係のあります埠頭の施設あるいはその背後の倉庫上屋等の用地ほかに、国際貿易に伴いますもろもろの物流の中心的な機能に付随する金融、情報、文化等のいろんなセンター、あるいはそれと関連しました都市の環境施設、多数の人がそこで働き生活する場合には当然公園あるいは広場等の施設も必要でございましょうし、そういったもろもろの施設をすべて包含したものとして将来の国際貿易港湾は計画されるべきだと、そういうふうに考えております。
#163
○桑名義治君 そうしますと大変な資金量が必要になってくるわけであります。そういった点から考えますと、実際に今後の港湾の整備というのは、国内の流通の拠点港、こういうことになるわけでございますし、そういった立場から考えますと、陸と海とそれから同時にいわゆる陸の方はパス輸送等の問題もございますが、それから国鉄等を考えますと、軌道輸送ということも考えられるわけでございますが、この三つのバランスをどうとっていくかということがいまから先非常に重要な問題だろうと思う。
 で、過日の国鉄再建法の審議のときにもいろいろと論議を尽くされたわけでございますけれども、そのときに、港には莫大なお金を使う、空にも莫大なお金を使う、そしてまた道路をつくる場合にも莫大なお金を使う、こうやってだんだん国鉄は向こうの方に追いやられてしまった、こういう論議があったわけですが、この全体のいわゆるバランスなり、あるいは全体が有機的にかみ合っていくというそういう計画というものが今後非常に必要になってくるんじゃないか。ただ港だけを整備すればいいという問題ではなくて、先ほどいわゆる総合交通体系というお話があっておりましたけれども、それと同じように、こういうかみ合わせというものが非常に重要になってくるわけでございますが、そういった立場から考えた場合には、港湾の占めるべき位置づけといいますか、意義づけといいますか、それをどういうふうに考えられておられるか、この点を伺っておきたいと思います。
#164
○政府委員(吉村眞事君) 国内の流通拠点としての港湾、これは先生おっしゃいます海対陸で、陸が鉄道と自動車といった、こういった交通機関の結節点と昔からよく申しますが、これを結びつける場所になろうかと思います。したがいまして、その位置の選定に当たりましても、国内流通拠点港湾を選ぶ場合は、そういった各種の総合交通との関連で一応考える必要がございましょうし、そして個々の港湾の計画におきましては、そういったほかの輸送機関との結節であるという点をその港湾の計画の中に十分取り込む必要があろうかと考えております。そういったことで、それぞれの港におきます港湾計画を決めるときの審議会が地方にそれぞれございますが、そういう審議会には関係の方々に入っていただいて、その辺の御意見等も十分に反映していただけるような仕組みを考えておりますし、中央でそれをまた審議いたします港湾審議会にも、そのような観点が十分に組み入れられるような委員の人選をいたしまして、そういった御意見が計画に十分反映されるように措置をいたしておるところでございます。今後とも御趣旨のような点を十分に体しまして、総合的に港湾の整備を考えてまいりたいと存じております。
#165
○桑名義治君 終わります。
#166
○小笠原貞子君 開発庁にまずお伺いしたいと思います。これまで苫東開発関連公共事業に投資された総額、そしてそのうち港湾に投資された額、数字でございますが、簡単にお答えいただきたいと思います。
#167
○政府委員(富士野昭典君) お答え申し上げます。五十五年度までに苫東地区に投資されました公共事業費は五百四十億円でございます。そのうち港湾整備に投資いたしましたのは五百十六億円でございます。なおこの金額につきまして、実は先たっても予算委員会で先生の御質問がありましてお答えいたしましたが、そのときには五十五年度について見込額で申し上げまして、今回のものが現在の正確な金額でございます。
#168
○小笠原貞子君 ありがとうございました。
 じゃ運輸省に伺いますけれども、この第六次港湾整備緊急五カ年計画で、苫東港の整備に対して港湾管理者から、概算要求の段階で結構でございますけれども、整備のために要求してきました額というのはどれくらいでございますか。
#169
○政府委員(吉村眞事君) 昨年の夏の概算要求の時点で、六次の五カ年計画に対して港湾管理者から要求をしてまいりました額は約七百五十億円程度でございます。これは苫小牧港全体でございまして、そのうち東港に対しましては、防波堤、航路、泊地、岸壁等の整備を内容として約五百六十億円程度を要求してまいりました。
#170
○小笠原貞子君 で、いままで投資されました五百四十億のうち港湾事業は五百十六億、と申しますと実に九五%という額になりますね。五百十六億というのは相当な額である。そして、要求されて、これからも出してほしいというのが五百六十億ぐらいである。実に莫大な金額がここに出てくるわけでございます。
 そこで、具体的にお伺いしたいと思うんでございますけれども、六十年代に、マスタープランでいきますと取り扱い貨物量は一億六千万トン、それから入港船舶は三万八千隻という予想が立てられておりましたけれども、大臣御承認になりました五十三年目標、そして五十八年目標では、それぞれ取り扱い貨物量と入港船舶をどれぐらいに見積もってお出しになりましたか。
#171
○政府委員(吉村眞事君) お答え申し上げます。
 昭和四十九年一月の港湾審議会で決定いたしました港湾計画では、五十三年の取り扱い貨物量を二千八百十万トンと想定をいたしておりました。で、これを五十四年十一月の港湾審議会に諮りまして改定をいたしましたが、この改定計画におきましては、昭和五十八年の取り扱い貨物量を約二千九百六十万トンと想定いたしております。取り扱いの主な品目といたしましては、原油を千五百三十万トン、それから石油類が九百十万トン、機械類が約百八十万トン、石炭が約百七十万トン、そして入港の船舶隻数は年間約六千隻を推計をいたしておりました。
#172
○小笠原貞子君 五十三年の隻数。
#173
○政府委員(吉村眞事君) 五十三年当時に推定いたしましたのは、入港船舶隻数を年間四千八百五十隻と考えておりました。
#174
○小笠原貞子君 それでは現状はどれくらいになっておりますか。
#175
○政府委員(吉村眞事君) 現在、五十五年の取り扱い貨物量は、港湾管理者の速報によりますと、品目石炭で約十万トンの取り扱い貨物量になっております。それから入港隻数は五十五年の実績で五十三隻でございます。
#176
○小笠原貞子君 いまお示しいただきましたそれぞれの数字から見て、五十八年目標貨物取り扱い量二千九百六十万トンという見込みに対しまして、おっしゃいましたように、取り扱った五十五年度の、石炭がふえたという分はわずかに十万トンにしかすぎない、こういう数字でございます。で、マスタープランから見るとどんどん下がっていってしまって変更せざるを得なくなってきているわけですけれども、それにもかかわらず、いまおっしゃった、先ほどもおっしゃいましたけれども、第六次計画で苫東を重要な事業をする港と位置づけて推し進めるおつもりでいらっしゃいますか。
#177
○政府委員(吉村眞事君) 御指摘のとおり、当初想定しておりました企業の誘致等から見ますと、かなりテンポが遅くなっておりますけれども、この苫小牧東部につきましては、日本の今後の経済を担う一つの大きな柱であるというふうに理解をいたしておりまして、テンポにつきましては若干の変動はありましても、今回の第六次の計画の中で重点的に取り上げてまいりたいと考えております。
#178
○小笠原貞子君 じゃ、具体的に伺いますけれども、中防波堤それから中央水路という、これにもずっと手をつけて推し進めていくというお考えですか。これは五十八年目標ですね。
#179
○政府委員(吉村眞事君) 具体的に中防波堤、中央水路等に手をつけるかどうかにつきましては現在まだ検討中で、結論は現在の時点では出しておりません。
#180
○小笠原貞子君 先ほど局長は五十八年目標、五十三年目標おっしゃいましたね。たとえば隻数で言うと六千四十五隻という目標を出されたんですけれども、そのうち石油精製四千百六十五隻、石油精製というのはいま見込みありますか。全然ないじゃないんですか。石油ガス化学八百四十七隻、これも全くいまのところ見通し立ちませんね。自動車がいまいすずが来るとか来ないとかということですけれども、現段階ではまだ正式な契約がされておりません。で、その他の工業、電力で六百四という隻数を数えていらっしゃいますけれども、電力は厚真が今度二号機が動き出すというようなこと。
 そうすると、この前も予算委員会で申し上げましたように、まだこれから来るとも来ないともわからないものの方が多いわけですよ。確実に来るというのはいま共同備蓄のタンクがやっと、この間行ってきましたら土台だけできていましたね、国備の方はまだ全然手がついていませんよ。ほか何にもないんですね。この法律は緊急措置法なんですよね、大臣。さっきも話題になりましたね。緊急整備をしなければならないというのにまだいつ来るかわからない。それに対してこれだけ莫大なお金をつくるという必要があるのかどうかという点ですよね。局長、あくまでもこの計画は、ちょっとテンポがおくれているけれども、この計画どおり進めたいとおっしゃったわけですけれども、ということは、つまり中防波堤、中央水路も含めてこれからずっと推し進めたい、この現状の認識から現実を見て、それでもやっぱりこれはやるべきだ、そういうお考えですか。局長それから大臣もね、あくまでやる気なのかどうか。
#181
○政府委員(吉村眞事君) 港湾の整備は非常に時間がかかります。したがいまして、かなり先行的に整備をするというのが常でございまして、先生御指摘のように、現在の時点で貨物が予定だけ出入していないということは確かに事実でございますけれども、先ほど申し上げましたように、電力につきましては立地をいたしておりますし、今後増設をしていく。それから石油化学につきましては用地の取得がなされておる。自動車についてもある程度の可能性が出ておる。それから備蓄につきましては先ほど御指摘のとおりでございますが、そういった事情を勘案をいたしますと、現在の時点でやはり適切なテンポで整備を進めていく必要はあるように感じておる次第でございます。
#182
○小笠原貞子君 大臣、簡単に。
#183
○国務大臣(塩川正十郎君) 私は北海道が大好きでございまして、しかも北海道はやっぱり日本の重要な、これから産業立地を担っていくと思っております。それがためには、まだ企業は具体的に張りついておりません。まあ石炭火力やっておる程度ですが、これが将来は必ず稼働していくようになるであろう。そういたしますと、そのときになってから港の整備にかかりましても遅いものですから、いまのうちから着々とやっておく方がいいのではないか。また、その方が企業の方も進出しやすいのではないかと、こう思っておりまして、予定どおり進めさしてもらいたいと思っております。
#184
○小笠原貞子君 まあいいです。見解の相違ということになろうかと思いますけれどもね。だけども、まさしくこれは机上プランで、六十年度目標立てられて、そしてどんどん計画を縮めなければならないというのはまさに破綻ですよね。今後の目標についても希望的観測をお持ちのようでございます。まあお金があり余ってきっとお使い道に困っていらっしゃるんだろうと言わざるを得ないですね。ずいぶん余っているんだなあと、私考えちゃいましたよね。しかし現実には非常に財政困難でございますよね。
 そこで、それじゃ私、ひとつ鹿島の臨海工業港湾が、あそこもずいぶんりっぱにできております。私どもこれに反対の立場をとってまいりましたけれども、この港というのも相当な大規模な港でございますね。総額にいたしますと一千億円を超えるくらいにこれからまだ整備していくとなろうかと思うんです。大変大きな港湾でございますね。ざっと一千億円といたしましょうか。その一千億円の中で、おたくの方お調べいただきたいと申し上げたんだけれども、その数字お調べになっていらっしゃいますか。鹿島の港湾に関しての全体の工事費、国の負担、県の負担、企業の負担、もしお調べになったらおっしゃってください。
#185
○政府委員(吉村眞事君) 五十五年度までの鹿島港に投入いたしました港湾整備の事業費の総額はおおむね八百億円でございます。で、主な内容は防波堤、航路等でございますが、この事業費のうち企業合理化促進法に基づきまして受益者負担によりましたものは外郭施設の防波堤、水域施設の水深十メーターを超える部分でございまして、この負担額は三百億円でございます。そして、その残りの五百億円を県と国とで負担をいたしたわけでございます。
#186
○小笠原貞子君 その県の負担というのはその後どうなっているんですか。県がずっと負担してると、こういうことなんですか。
#187
○政府委員(吉村眞事君) 形としては県が負担した形になっております。
#188
○小笠原貞子君 お調べが十分行き届いていないように思いますので、私の調べたので時間的にも倹約していきたいと思います。
 大体約一千億円近くなんですね。そのうち県と国というのが五〇%ずつでございます。そして、企業が特つのは当然でございますね。その企業がどの程度持っているか。いま形として県が持っていると、こうおっしゃったところに私は含みがあると思うんでございますけれども、この鹿島方式とか茨城方式とか言われておりますのは、県の中に鹿島臨海工業地帯造成特別会計というのが設けられておりますね、だから県が払ったと。しかし、それは企業が後で――先になる場合もありますよ、企業がここに入れるわけですね。ですから、実質的には県の持ち出しはゼロでございます。県の持ち出しゼロなんです。これはもうおわかりになっていらっしゃると思うんですね。
 それから、先ほどこれは企業合理化促進法に基づいて企業側にも負担というようなことをちょっとおっしゃったように私お聞きしたんですけれども、これはそうじゃないんですね。いまもやってるんですよ。昔の話言ってるんじゃない。いまもやってます。そして、たとえば企業合理化促進法に基づきというようなことですと、たとえば水深マイナス十メートルまでは公共だと。そして、そのもっと深くに、二十二メートルに深くというような場合には企業がこれでまた持つという形でございますね。ところが、私いまどうなっているんだと聞いてみたんですわ、茨城県に。茨城県に聞きました。いまも北航路しゅんせつというのをやってるわけなんです。マイナス十メートルです。だから、この苫東方式の港ていけばマイナス十メートルまでは公共の仕事として企業は負担しないですね。しかし、この茨城の場合には現在もマイナス十メートルのしゅんせつ、まあ直轄ということですわな。ここにも企業が金持っているんです。金持ち出ししているんです。
 だから、ここで大臣、どういう違いがあるかということがおわかりになったと思うんです。鹿島の場合には県は全然出してない。特別会計をつくって、そして企業から入れると。だから、国と企業とで港ができてるんですわ。そして、企業が一千億円に近いと、私は簡単に言いますけれども、わかりやすく。一千億円近くかかったその港の総工費ですね、このうち企業が持ってるのは、計算してみますと約七割です。おたくでもお調べになったらこれはわかると思う。私の方は具体的に数字で調べました。これと比べると、大臣、苫小牧の場合とは物すごくそこに質的にも量的にも違うという問題点がはっきりすると思うんですね。鹿島の場合には計画をつくった。企業が来るということで計画は進められた。お金も企業にきちっと出さしたと。苫小牧東部の場合には机上プランであの会社、この会社が来るというのでマスタープランをつくられた。そして、全然来ないということですね。そして、しかも国費そして自治体負担というものが出されているわけです。こっちは自治体負担ゼロなんですね。企業が七割も持ってると、こういうわけですね。これは私はやっぱり大変な問題だと思うんですよ。
 ここで考えていただきたい。なぜこういうことになるか。苫小牧東部は将来的にというのであくまで固執していらっしゃいますね。固執していらっしゃって、そしていま国備が来るとか、民間備蓄が来るとかいろいろおっしゃったけれども、これは後から入ってきた問題ですね。後から、余り国費莫大に注ぎ込んで、山手線の内側のぼうぼうとした原野に四十七ヘクタールの北電だけじゃどうもかっこうつかないということで、この石油備蓄は後でつけたんですわ。この石油備蓄もそれじゃ民間がというと、国備というのは国の備蓄ですよね。共同備蓄というのは民間だとおっしゃるけれども、この五〇%というのは石油公団、つまり国からお金を出していっているじゃないか。簡単に言いますと、莫大な投資をしました。遊んでいます。かっこうがつかない。だから、また国費を使ってここに事業をつけてかっこうつけます。そして、今後とも来るという保証がないけれども、やがては来るであろうといってまた国費をどんとお出しになる。まさにこれはわれわれの税金、国費が湯水のように。この港だれが使うんですか、大企業ですよ。大きな企業のために湯水のようにどんどん使われている。これ事実なんですね、いま私が申し上げたこと。大臣、どう思いますか。鹿島の場合と比べて、ちょいとひど過ぎるじゃないかと私は思うんです。ちょっと御所見を承りたいと思います。
#189
○国務大臣(塩川正十郎君) この苫小牧開発の計画は実はここ五年や六年前ではなくって、もうずいぶん古い計画でございまして、これは北海道総合開発計画の一環として行われた。われわれといたしましては、先ほども申しましたように、北海道は日本の国土にとりましても重要な産業基地でもあり、またこれから発展していくところでもございますので、その産業基盤の造成という観点から北海道総合開発に合わせて開発をやっていっておるものでございます。なるほどいま石油備蓄が中心になっておりますけれども、必ずそういう条件、インフラ的な条件が整うてまいりましたならば、必ず産業がその地に根づいていくであろう、またそうさせなければならぬと思いますし、また現に苫小牧では開発公社でございますが何かつくりまして、そこが積極的に負担もし、またかつ誘致もいたしておるのでございまして、今後道並びに市当局との話し合いでそれ進めてまいりたい。
 しかも、この負担の問題等につきましては、やはり港湾審議会等におきましてもいろいろと議論のあるところでございますしいたしますんで、そういう省庁との兼ね合いで北海道庁が今後どのように対応されていくかということにつきましてわれわれも協議はいたしたいと思います。
#190
○小笠原貞子君 この前三月二十五日もこの苫東全般の開発問題について私質問をいたしました。そのとき会計検査院の方も、この財政投資が効率的であるかどうかということについてやっぱりこれを検討する課題として取り組んでいきたいとそうおっしゃいました。そして大蔵大臣もいろいろおっしゃったけれども、こうした大きなプロジェクトにさらに金をつぎ込んで成功するのか、それとも見込みのないものはやめるのか、たな上げするか、一度総ざらいして点検をしたいと大蔵大臣ははっきりおっしゃったわけですね。
 それからまた、これは四月十五日の参議院の決算委員会で、これは今度は鈴木総理です。大型プロジェクトの扱いについても第二次臨調の重要な研究課題と考える、こうおっしゃっておりましたね。もういま財政再建大変ですよね。そしてこの行革に命をかけるという鈴木総理も、やっぱりこの大型プロジェクトを第二次臨調、行革の対象とするとおっしゃった。
 それからさらにこれは読売四月十七日付でございますけれども、ここでは自民党三役と経団連など財界四団体の懇談がございました。御承知かと思います。ここでも「大型プロジェクトが軒並み凍結される可能性が出てきた。」とこの中身として伝えているわけです。
 それからまた素人じゃないですね、専門家ですな、これは一九八一年「港湾」という本がございますね、御承知のように。その三月号、この三月号に元港湾局長という方たくさん出ていらっしゃるわけです。その港湾局長のたとえば佐藤肇さん、元運輸省港湾局長さん、そしていま港湾協会の会長さん。「もう鉄鋼が来ない、」――これは鉄鋼が来るということがこのマスタープラン中心になっていましたから、「もう鉄鋼が来ない、大きな船が来ないのなら、もう一度計画を見直さなければならぬ」云々、「この計画の始まりというのは、鉄鋼だったことは間違いない」、こうおっしゃっていますね。
 それからまた、やっぱりこれも元運輸省の港湾局長、いま国際臨海開発研究センター理事長竹内良夫さん、「鉄鋼が来ないというなら、再検討すべきではないか」。こういうように、将来ということではなくて、いま将来を見通したときに、この低成長の中で来るか来ないかというような問題しっかりと見なければならぬ。
 いまいろいろ私申し上げましたけれども、いろいろな方面の方々が、財政再建、行革に命をかけるという鈴木内閣のもとで、この苫東だけは聖域なんだという考え方でどんどん推し進めていこうとおっしゃった。運輸大臣、国鉄も変えなきゃなりませんよ。あそこへほうり込んでいけば。お金大変でしょう、国鉄さんも。それを遠くへ回すんですよ。そういうお金も使うんですよね。これはもう現在の流れですよ、そういうもの。
 そしてまた閣議了解におかれて言われていることは、「本計画は、今後の経済、財政事情等を勘案しつつ、弾力的にその実施を図るものとする。」とおしまいに書いてありますね。そして、なぜこの法案を出したかというと、これは地域振興のためと。で、住民のために、そして日本の経済のために。漁業はできなくなっちゃったんですよ。あそこ酪農はできなくなっちゃった。ぼうぼうとペンペン草が生える中で、そして莫大な金がつぎ込まれて、遊ばせてまたつぎ込ませる。どっち転んでもまともな――この間はちょっと頭いいとほめましたけれども、きょうはどうも頭が余りよくない大臣だなと言わざるを得なくなっちゃうわけですよね。こういう中でも大臣、ここに書いてありますように、やっぱり「今後の経済、財政事情等を勘案しつつ、弾力的に」これは考える、検討するということに値する問題だと私は思うんですけれども、もう時間がないので簡単にお答えください。
#191
○国務大臣(塩川正十郎君) 私が先ほど来言っておりますのは、計画はこのようになっております、進めるように。しかし、これはあくまでも北海道の総合開発との兼ね合いがやっぱりございますから、当然最終的に五カ年計画の幾ら投資するかということ等につきましては、これは北海道開発庁とも十分相談しなければなりませんし、もちろんのこと港湾審議会とも相談しなければなりませんし、そういう関係省庁の協議を経た上で最終的にこの五カ年間としてどれだけ投資するかということを決めるという、そういう手順になっております。
 しかし、いまの時点におきまして、われわれは北海道開発のいわば窓口としてといいましょうか、シンボルとして開発してきた苫小牧でございますので、それはそれぞれ弾力的ということは、いろんな、場合によれば急ピッチでやる場合もあれば、ある場合はスローダウンでやるときもあり、これが弾力的でございますから、ですからそれはいろいろその時代によってあるでしょうけれども、一応北海道全体として考えておる整備計画、それから産業立地計画というものには合わしていきたい。しかし、それをどの程度のテンポで合わしていくかということ等につきましては、関係省庁と十分協議いたしたい、こういうことでございます。
#192
○小笠原貞子君 次に進みます。この間も私ちょっと問題にいたしましたけれども、離島航路の問題でございます。
 資料をいただきまして見ましたところ、離島航路に対する補助金の予算額というのは二十七億何ぼだった、そして監査後実績欠損額に対して七五%補助をしようとするならば三十一億からになります。そうすると予算不足額が四億からになってしまいます。だから七五%の補助ができなくなりましたというのが八十三航路出ました。そして七五%出せたのが四十九航路でございますと、こういう資料をいただいたわけなんですね。そうすると、当初予算と実損額に対しての不足四億というお金は何から出たのか、どこがこれについて責任を持つかということを、もう時間わずかなんで、簡単にお答えをいただきたいと思います。
#193
○政府委員(永井浩君) 四億の不足が出ましたことは御指摘のとおりでございまして、これは従来から予算と実績欠損の差につきましては企業の負担ということで、企業努力等で賄ってもらう、こういうことになっております。
#194
○小笠原貞子君 なぜその不足が出たかという原因は。
#195
○政府委員(永井浩君) これは五十五年度の予算の策定時に見通しがつきませんでした急激な経済変動、特に船舶の燃料費が大幅に、二倍強に上がったためでございます。
#196
○小笠原貞子君 まさに大きな原因は油の大幅な値上げだったと思いますね。しかし、その見通しを誤って予算額をつくったというところを私は問題にしたいわけなんですね。で、この予算額というのはだれも決めるわけじゃない。やっぱり国としての予算ですよね。だから、運輸省の方で予算をお決めになったと、そうするとこの予算額がこれだけ狂って迷惑をかけなければならないというその責任は、やっぱりそちらの方におありではないかと私は言いたいんです。いかがですか。
#197
○政府委員(永井浩君) これはいわゆる義務的な経費ではございませんので、助成制度の一環でございますから、いわゆる法的な責任というのはないかとも思いますが、行政上は必ずしも適切でなかったというふうに考えております。
#198
○小笠原貞子君 本当にそうだと思うんですよね。これ、大臣、事業者の責任でないですね。油が上がっちゃって赤字が出た。事業者の責任でない。そちらは自分で、責任と言わざるを得ないというお答えでございました。そこで、実態どうなっているかということなんですね。これはこの間申し上げましたけれども、天売、焼尻、羽幌町から出ております両島運輸株式会社という本当に零細な船会社でございます。ここのところで、お金がないよということで七五%の補助率を切って、そして結局三百万くらいの赤字が出たわけです。さっきからもう一千億だ、何だの話をしているときに、三百万なんというのは、これはもう大したことないとおっしゃるかもしれないけれども、そういう小さい会社にとっては、三百万の赤字というのは大変な赤字でございますよね。
 この間も行って、そしてその社長さんと話をしてきた。そうしたらこの社長さん、もういやだって言うんですよ。これは補助を受けているからもうけを取るわけにもいかないし、だから一生懸命やって三百万の赤字が出ちゃったと、やめたいよとおっしゃるわけですよね。そうすると、陸地なら歩いて行くとかマイカーで行く、だけれども離島の場合に、これ歩いていくというわけにいきませんね。大臣、本当に代替ないわけでしょう。だからこそ離島整備の法律をおつくりになって、七五%の補助をお出しになったわけですよね。そこで、時間がないから続けて私申し上げなければならないんですけれども、これやめられたら足がなくなります。離島に千五百人住んでいます。これどうしたらいいんですか。やめないで済む方法を考えなければならない、考えていただきたい一つですね。
 それから、毎年補助金をお出しになっていて、足りないばかりじゃないんですね。余っているんですね、私、調べさしていただきましたら。五十二年に一億五千四百万余っていました、予算より。五十三年にも四億五百万余っていました。五十四年にも二億六千六百万余っていましたよね。だから、余っていたときにはこれはもらえないわけですよね、当然、これ国庫に入っていくわけですね。足りないからというときには何にも助けてもらえないというのでは、ちょっと私はこれ、もう本当に足がなくなると、病人の問題ございますね。ということから考えると、これは何とか運用の面で検討されなければならないんじゃないかと、検討はしていただきたいと思うんですよ。予算の範囲内でというあの条文もございます。補助要綱もございます。法律改正なんというのはすぐできない。だけれども、余ったときには、この間言いましたように、三年間で八億二千五百万も余らしたんだから、足りなくなったときの四億くらい補助を何とか考える道はないものであろうかと、私一生懸命考えた、でも私の頭じゃ考え出てこない。だから専門家の皆さんにぜひ考えていただきたいということですね。これが一つです。
 それから、もう時間になりましたからね、もう一つつなげて言います。三十秒言いますけれども、この間も申し上げました港湾整備ですよね。苫小牧が将来見通して必要だとおっしゃる。この天売、焼尻の港はいま必要なんです。緊急というのはまさにこういうところを私は指すと思う。さっき大臣もそうおっしゃいましたね、離島というような問題をお挙げになった。私はこういうところにこそ港湾の整備をしていただきたいということなんですね。これが整備されないで三百トンの船しか行かないから、だから、この間申し上げましたように、一年間六十日欠航なんですよ。そうすると、生活の不安、病気の不安、そして出たは、着けなくて帰ってきたはということになりますと、油も行って、帰ってですよね。そして六十日の欠航分がマイナスになってしまうというようなことですね。だから、私はまさにこの六次で、緊急整備五カ年計画とおっしゃるならば、この天売、焼尻、この港の緊急整備という形で六次でやり上げていただきたい、これが町民の願いなんです。そして、緊急のこの法案の趣旨にかなった問題だと思いますので、どうかここの六次でぜひやってください。いい返事、たまにはしてくださいよ。できるんだから、やろうと思えば。お願いします。
#199
○政府委員(永井浩君) 予算の過不足につきましては、欠損額が確定してから予算要求をいたしますれば、これは一番正確に出るわけでございます。ただ、事業者の方としてみますと、早急に欠損額を補てんしてもらいたい、こういう声もございますので、どうしてもある程度推定で予算要求せざるを得ないというところでございまして、適切ではございませんが、現在の制度上やむを得ない、このように考えております。ただ、御指摘でございますので、いろいろ関係者の希望等も聞きまして、今後の勉強をさしていただきたい、このように考えています。
#200
○政府委員(吉村眞事君) 離島の港湾整備はわれわれの重点項目の一つでもございますし、前向きに検討さしていただきます。
#201
○国務大臣(塩川正十郎君) 仰せのことにつきまして、よく関係者と相談いたしまして、特にここに北海道の関係者が来ておりますし、よく相談いたしまして努力してまいります。
#202
○小笠原貞子君 局長ね、前向きなんて、向いただけじゃだめなんですよ。前向きになって歩かなきゃだめなんですからね。前向きだけじゃだめですよ。やってくださいよ、六次で。しっかり頼みます上。
#203
○柳澤錬造君 私はこの法案は賛成をする立場ですから、余りあれこれ聞くのはやめようと思ったんですが、何と言っても五年間で四兆二千六百億のお金を使っていくということと、それからずっといままで各委員の質問の答弁を聞いておりまして、何かこの緊急措置法の昭和五十一年というところを五十六年というふうに、このところだけ改正をするんだというのが一番の趣旨になっているんですから、聞いておりますと、少しそういう点で、お考えになっておるのが甘いと言ってはいけないんですけれども、そういうものを感じたりして、二、三の点だけお聞きをしたいと思うんです。
 それで第一は、これは私がいつも言うことですけれども、日本が今日のこれだけの経済大国になれたということは、海に囲まれていたからだと思うんです。これもしこれだけの小さいなにが大陸の中にあったら、どんなにしたって今日のこれだけの経済力を持った国にはなれなかったと思うんです。ですから、その辺のところが、海に囲まれておって、当然それに伴って海運産業が非常に実質的にはいま世界一なんですから、あった。そういうことがこれだけの経済大国にしたんですから、そういう点から立って、この海運の方が実質的に世界一のところまでいっているのに対応して、港湾の方の整備がおくれているからやりたいと言っているのかどうなのか、その辺が私は大事なポイントだと思うんです。
 昔、もう二十年も二十五年も前に、ヨーロッパなんかへ行ってみますと、日本の港というのは、本当に何というんですか、ヨーロッパと比べものにならないほど、あちらが整備をされている、私ども行ってびっくりするぐらい。アメリカなんかでも、何と言ったですか、私は余り英語よくわからないんだけれども、サイバネーションとかいう言葉が生まれるくらいに港湾のシステムが変わっちゃっている。もう二十年以上も前のことなんです。ですから、そういう点に立って、今日の日本の港湾というものは、私余り細かく知りませんけれども、それでも見ておってかなりそういう点では近代化されてきた。それだけれども、まだまだこれじゃだめなんだから緊急整備で急ぐんですということになると話がわかることなんで、その辺の港湾整備、さらには五年計画でやるんですがと言っている基本的な考え方といいましょうか、その辺のところを大臣からお聞かせをいただきたいと思うんです。
#204
○国務大臣(塩川正十郎君) これは、目黒先生の御質問がございましたときにお答え申したことと重複するかもわかりませんが、要するに、港湾整備緊急措置法のこの「緊急」という問題、この文字にこだわりを持っておられるように思うのでございますが、この昭和三十六年第一次発足いたしましたときには、まさに緊急事態であったと思うのでございます。ちょうどあのときは所得倍増計画、いわゆる高度経済成長への入り口でございまして、それを受け入れるにいたしましては経済基盤が十分できておらない。しかも、今後の経済はマス輸送と申しましょうか、大量輸送によるところの低コスト化ということを図らにゃいかぬ、そういうことから港湾の整備が始まりまして、そこにこそ緊急の意義がございました。
 今日、二十年たちまして、港湾の整備も着実に進んでまいり、一応外洋関係につきましては、いわば荷さばきの上におきましては一応整備はついてきたように思っております。でございますから、それならば港湾整備計画措置法というようなことにすればいいじゃないかということでございますが、しかしながら、この港湾整備緊急措置法というのと特別会計とは一体となったものでございまして、そういう関係でございますので、あくまでも港湾整備特別会計とこの緊急措置法という名前の法律とが一体となって形成されておるものでございます。そういうことでございますので、私たちといたしましては、やはり港湾を計画的に進めていくその根拠としては、港湾整備緊急措置法という法によって進めていかざるを得ない、こういう事情でございます。
 そういう点を御理解していただきまして、われわれが今度この第六次で進めようとしておりますのも、したがってただ荷受け能力のみの増強を図るんではなくして、いろんな多様的な要件を加味してこの緊急第六次計画をつくっておる、こういうことでございます。
#205
○柳澤錬造君 それで、今度は局長の方に、この港湾整備五カ年計画、ここに政府がお出しになっている内容の細かいことなんかは私いいですから、どれでもいいから局長が一つか二つ取り上げて、それで具体的にこういうことをやりたいというふうに考えているんですと言って、その辺のところをもう一つでも二つでもいいからちょっと説明してくれませんか。
#206
○政府委員(吉村眞事君) 先ほど来四つか五つずつ申し上げておりますから、そのうちそれでは、ただいまエネルギーの問題が今回これが緊急だと申し上げておりますいろいろな柱の中で一番最近起こってまいりまして、しかも影響するところが将来にわたって非常に大きいという意味で重点であるというふうに私ども考えております。
 エネルギー対策というのをどういうふうに考えておるかという点を御説明申し上げますと、わが国のエネルギー事情は、先ほど通産省からも御説明ありましたけれども、石油ショック以来、エネルギーの転換をしなければいけないということが非常に大きく叫ばれております。石油を石炭、LNG、LPGあるいは原子力といったような代替エネルギーに転換をしていくという必要が大変喫緊の問題として起こってきております。
 一方、そういったふえていくエネルギーを代替エネルギーで賄うほかに、エネルギーを節約するという省エネルギーということを推進しなければいけないということがあろうかと思うわけでございます。
 さらにまた、石油は、エネルギーを転換するといたしましても、今後なお相当の期間にわたってエネルギーの大きな部分を占めなければならないものでございますから、これの安定供給といったようなことがやはり非常に重要なことではないかというふうに思います。
 それから電源の問題、電力がまたわが国のエネルギーの非常に中核的なものでございますが、これを発電するときの燃料の問題を転換をしなければならないという点がございます。
 そういった各方面から見ましてエネルギーが非常に重要であり、かつ港湾というものはこういうエネルギー問題を解決するときに多かれ少なかれどこかで関与をしてまいります。そういうことがこのエネルギー問題を一つの最重点項目として私どもが取り上げた理由の一つでございますが、代替エネルギーを考えなければいけないということで、その輸入の基地というものを考えなければなりません。石油あるいは石炭を初めとしてLPG、LNG等の代替のエネルギーは、これはすべて輸入のエネルギー源でございますから、これに代替をするということは、これにふさわしい、これに適した港湾の設備をいたしまして、その基地を整備しなければならないということになろうかと思います。
 それから第二は、石油の安定供給を確保するために石油備蓄の基地になる港湾、これもやはり港湾がどうしても伴ってまいりますので、これを整備する必要がある。
 それから第三には、電源構成を脱石油化を目指しながら進めるという意味で、私ども一番すぐに問題になろうと思いますのは石炭火力等の立地の問題がこれまた港湾の整備を伴って起こってくるというふうに考えております。
 それから第四番目は、省エネルギーというエネルギーを節約する観点から、海送のウエートを高める必要があるというようなことを今回の計画の大きな柱にしたわけでございます。
 そして、以上申し上げましたようなことが非常に必要だという点から、最初の省エネルギーまでの三つのエネルギー関連の港湾につきましては、エネルギー港湾制度と言っていますが、この制度そのものはもともとございまして、先ほど小笠原先生にも御説明いたしました企業合理化促進法という法律を利用しまして、これで企業の受益者負担をとりながら早急に整備をするという方法を使って整備をしてまいりたいというふうに考えております。
 それで、この企業合理化促進法の対象としてエネルギーのこういった性格のものを取り上げるという方針を打ち出しましたのはごく最近でございまして、これをエネルギー港湾制度というふうに申し上げておるわけでございます。エネルギー港湾制度をつくりまして、これを整備を図ってまいりたい、これが一つの大きな柱でございます。
 それから、次の省エネルギーとしての海送に転位させる必要があるという問題でございますが、これは方法としてフェリーといったような一つの若干間接的な方法で海送に転位させる方向もあろうかと思いますし、直接的にコンテナあるいは内航に転位させるというような方向もあると思いますが、このような総合的な交通体系の中で海運のウエートを高めていくということのためには、必ずしも港湾の整備だけでは十分でないというふうに考えます。いろんな業法の関係でございますとか海運政策の方の対応というのがどうしても必要だと思いますけれども、先ほど来御説明申し上げましたように、港湾というのは非常に整備に時間がかかりますので、こういった方向を目指す場合には、かなり前広に時間をとって港湾の整備を始めておかなければいけないということがございますので、今回の五カ年計画のこれまた一つの大きな柱として取り上げたわけでございます。
#207
○柳澤錬造君 局長ね、かえって聞いていてわからなくなっちゃう。代替エネルギーが必要だという、そういうことはわかるわけですよ。だからそのために従来の港のあり方からこうしなくちゃいけないんですというそこを言っていただかないと、それはLNGのことも石炭のこともそれはわかるんだから、いろいろこうだああだと言うんじゃなくて、何でやらにゃいかぬのかと。それで、さっき、これは桑名委員のときも取り上げておったんですけれど、貨物量の伸びの想定ね、そのときも局長、このマクロとミクロといろいろむずかしいお話をして、そうしてこうやってはじき出した数字ですと言って四十一億トンと言っているわけですけれども、これは何も貨物の荷動きだけではなくて、あの高度成長のときというものは、どんなに線を引いても、どんなに甘く見ても、それをどんどんどんどん上回っちゃうんです、これは何でもあらゆる産業が。それで今度は石油ショック以降のいわゆる五十年以降の安定成長期に入ってきたら、今度はどうやったってそれはもうそれよりか下へ行っちまうんです。それを説明せいと言ったってそれは無理なくらいに実績がそういう形になって出てくるわけなんです。
 ですからそういう点に立ったときに、これ、私も見ておって、昭和六十年と、こうなってきたときに、せいぜいこの第五次計画の三十七億トンのそこへももういかないんじゃないだろうかなあっていう感じがしますね、いまの経済の動きからいって。ですからその辺のところが、このエネルギー情勢への対応でいろいろこういうことをやらなくちゃいけないんですといってこれからいま五カ年計画を立てるわけでしょう。だからそういうことの考え方に立ってくればなおのこと、このところでもって、こんなもう四十一億トンじゃなくて、それこそ、第五次のときには三十七億トンと立ったんだけれども、それも下がって、五年ずれて三十五億トンか三十六億トンぐらいのところへいく、そのくらいの軌道修正をやってなきゃいけないんです。それで、それに対応して言うならば万全の整備をするのがこの五カ年計画ですというようなことでも言っていただかないとつじつまが合わない。
 で、いまも局長、エネルギー港湾制度と言われて、これも書いてあるんだけれども、ここも私はわからないんだけれども、エネルギー港湾制度ということは何だろうかというんですよ、その意味というのは。いま船の方が、これはもう油はタンカーであれだし、それから自動車でも、それこそ小麦粉からもうありとあらゆる物といっていいくらいみんな専用船化しちゃうでしょう、石炭も。だから船がそういうかっこうでもってどんどん専用化していくから、じゃあそれに対応をして、エネルギーならエネルギーを運んでくるものを、タンカーなりLNGなりそういうものを、今度は港の中でもってもう専門的に陸揚げするのについての何かをやっていくんだ、それがエネルギー港湾制度だと言うならわかるんですけれども、必ずしもこれ、いろいろ私も読んでみてもそうではないのであって、ですからエネルギー港湾制度というのはどういう意味でお使いになったか、ちょっと一言で言ってくれませんか。
#208
○政府委員(吉村眞事君) エネルギー港湾制度と申し上げておりますのは、公共事業を実施するときの資金の負担の仕方の制度を申し上げているわけでございます。
#209
○柳澤錬造君 いや、それでわかりました。
 それで、もう一つ私の方で調べたので申し上げるんですが、昭和五十四年度の陸運統計、内航船舶輸送統計等に基づいて調べてみますと、一トンの貨物を一キロ運ぶのに、自家用トラックだと二千十六キロカロリー、営業用トラックだと六百九十キロカロリーであるのに対して、内航海運はわずかに二百二十一キロカロリーなんですね。ですからそういう点でもって、船で運ぶということがきわめてエネルギーの消費量から言えば効率がいい輸送手段だということが、こういう形で明らかになってきているんだし、そういう点から省エネルギーの輸送手段としていろいろお考えになっているということは理解ができるわけなんです。ですからそういう点でもって進めてもいただきたいと思います。
 ただ、これは私非常にむずかしいと思いますが、五年間で四兆二千六百億お金を投資して整備をするんだけれども、できるだけやっぱり重点港湾を決めて、それでそこのところへ思い切ってどんどんお金を投資して、それで港湾整備を早く完成させるという、そういうことをおやりになるべきだと思うんですよ。本四架橋のように三本平等にあんなことやって、余りあれは利口なやり方ではないのであって、同じ金を使うなら集中してどこか一本なにして、それでそこの一本が開通すればそれだけそれを使えるわけですよ。政治家の人たちがみんななわ張りであんなことやっているからああなるんだし、それから道路工事もそうなんです。私聞いたことあるんです。あっちもこっちもほじくり回して長ったらしいことやってないで、やるならばそこを集中して工事をして、それで短期間に完成して交通のじゃまをしないようになぜできないんだと言ったら、そんなことをやったら、ここが終わって次へ移るとき、その間に次へ移ってすぐ工事にかかれないと言うんです。だから、こちらもちょぼちょぼやる、こちらもちょぼちょぼやるという形で、ある時期にこっちが終わったら今度はこちらの人間を移動するという形で、しょっちゅう何カ所かの道路工事をそういうふうにやってないと、結局工事をやる企業側としてロスが出るからと言っている。だからそういう点で、そういう道路工事のやり方とか本四架橋のかけ方とか、ああいうことというものは投資効率が悪いですよ。
 だから何というんですか必要なところを決めて、それはいろいろ陳情があったり何かして、あっちをやってなぜこっちをやらないんだという、そういうことも来るだろうけれども、日本の全体のそういうものをながめまして、どこを開発しなきゃいかぬからどの港を早いところ整備をしてよくしなけりゃならぬかということをお考えになって、そうしたらここのところはといったそういうところを幾つか挙げて、思い切ったお金の投資をして整備をする、役に立つ港にするという、そういうことでお取り組みをいただきたいということを私は希望を申し上げまして、それについて局長や大臣で御答弁ございましたらお聞きをして、私の質問は終わります。
#210
○政府委員(吉村眞事君) 港湾の整備に対する要望というのは非常にたくさんございまして、その結果先生がいま御指摘になったような正面を広げるというような結果になりがちでありますけれども、姿勢といたしましては、先生いま御指摘のように、できるだけ集中的に総花にならないように、投資効率を上げながら事業を実施いたすようにいたしたいと思います。
#211
○国務大臣(塩川正十郎君) いま御指摘ございました点は、私たちも平素から考えておるところでございまして、まあこれが弱点になっておるところでございますが、そういう点を十分心いたしまして効率的な運用を図るように一層の努力を払います。
#212
○委員長(黒柳明君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#213
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認めます。
    ―――――――――――――
#214
○委員長(黒柳明君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、野呂田芳成君が委員を辞任され、その補欠として堀江正夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
#215
○委員長(黒柳明君) それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#216
○小笠原貞子君 私は、港湾整備緊急措置法改正案に反対の立場で討論いたします。
 わが党はもちろん港湾の整備改良そのものには反対するものではありません。むしろ内容が適切であれば積極的に進める考えです。しかしながら、本法律による港湾整備の方向は、今国会審議で明らかなように、きわめて大企業本位のもので、他方大多数の国民の日常生活と密着した地方港湾、離島港湾の整備は後回しにされています。
 本法によれば、昭和五十六年度から六十年までの五年間に、港湾整備事業に三兆二千億円、災害関連事業、地方単独事業に五千五百億円、港湾機能施設整備事業に四千六百億円、調整費に二千三百億円、合計四兆二千六百億円もの巨額を投資するものとなっていますが、現在財政再建が焦眉の政治課題となっており、しかも第四次計画以降において港湾取扱貨物量その他も目標に比べ大きく下回っている実情も考え合わせると、第六次港湾整備計画の緊急な必要性はないものと断言せざるを得ません。しかも前記の投資項目に入っていないのに、二千三百億円もの調整項目が計画されており、調整費と合わせると四千六百億円、約一一%もの予算が運輸大臣の考えで自由に使用できるという不当な内容となっているのです。
 さらに重要なことは、本法により建設整備される港湾施設のほとんどが、特定の大企業によって特定の目的のために専用されていることは明らかであります。
 苫小牧東部大規模工業基地開発計画は、それが、オイルショック以前の好景気のときにつくられたにしても、余りにずさんなものであり、企業の進出のめどもほとんどないままに、開発の必要性のみが先行し、実態は全くの遊休化そのものであることが、今国会の質疑で明らかとなりました。それは渡辺大蔵大臣も、石油ショックでとんざした大型プロジェクトについては、さらに金をつぎ込んでいくのか、見込みのないものはやめた方がいいのか、一度総ざらいして再点検すると言わざるを得ないほど大型プロジェクトの破綻が財政のむだ使いであることを示したものでした。
 したがって、当然、苫東開発計画に基づく苫東港湾計画も実態に見合ったものに変更する必要があり、苫東開発の関連公共事業費に占める港湾関係予算は九五%と港湾だけが建設を進めていることを考えると、企業の進出のめどもないのに国費を一方的につぎ込むのは全く間違いであると言わざるを得ません。
 また、地方港湾、離島港湾の整備建設が非常に軽視されていることは、定住圏構想や地方の時代などと言って政府が地方の重視をうたっていることから見て大きな問題です。これらの港湾は地域住民の生活、地域経済の振興ときわめてつながりが深く、特に離島においては港湾整備のおくれによって唯一の住民の足が奪われ、物価の値上がり、人命事故など多くの被害を住民に与えています。このような住民生活と密着した港湾の整備こそ何よりも優先すべきであり、予算の配分もそのようにすべきであると考えるものです。
 したがって、わが党は、このような大企業本位、地方港湾、離島港湾軽視の本法案に反対するものであります。
#217
○委員長(黒柳明君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#218
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#219
○委員長(黒柳明君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#220
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、塩川運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。塩川運輸大臣。
#221
○国務大臣(塩川正十郎君) ただいま港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案につきまして、慎重審議の結果御可決いただき、まことにありがとうございました。
 また、審議の過程において御指摘のありました諸点につきましては、その趣旨を十分に尊重し努力してまいる所存でございます。
 どうもありがとうございました。
#222
○委員長(黒柳明君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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