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1980/06/04 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 運輸委員会 第13号
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1980/06/04 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 運輸委員会 第13号

#1
第094回国会 運輸委員会 第13号
昭和五十六年六月四日(木曜日)
   午前十時三十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     市川 正一君     小笠原貞子君
 六月二日
    辞任         補欠選任
     仲川 幸男君     江藤  智君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         黒柳  明君
    理 事
                伊江 朝雄君
                山崎 竜男君
               目黒今朝次郎君
                桑名 義治君
    委 員
                江島  淳君
                梶原  清君
                木村 睦男君
                高平 公友君
                内藤  健君
                安田 隆明君
                山本 富雄君
                小柳  勇君
                竹田 四郎君
                広田 幸一君
                小笠原貞子君
                柳澤 錬造君
                田  英夫君
   衆議院議員
       発  議  者  加藤 六月君
       発  議  者  三塚  博君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  塩川正十郎君
   政府委員
       運輸大臣官房総
       務審議官     石月 昭二君
       運輸省鉄道監督
       局長       杉浦 喬也君
       自治大臣官房審
       議官       矢野浩一郎君
       自治省財政局長  土屋 佳照君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       伊藤 博行君
       大蔵省理財局資
       金第二課長    柴田 章平君
       日本国有鉄道総
       裁        高木 文雄君
       日本国有鉄道常
       務理事      半谷 哲夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
○国鉄三江線存続に関する請願(第一二九号)
○老人に対する国鉄及び私鉄の運賃割引等に関す
 る請願(第一七四号)
○地方バス路線対策の改善強化に関する請願(第
 一七八号)
○救難飛行艇の配備に関する請願(第一七九号)
○国鉄地方交通線対策に関する請願(第三四七
 号)
○気象業務の整備拡充に関する請願(第五一三号
 外四二件)
○国鉄ローカル線の運行確保に関する請願(第五
 六九号)
○篠ノ井線及び大糸線の整備促進に関する請願
 (第五七八号外一件)
○北陸新幹線の長野県内ルートの決定と早期着工
 に関する請願(第五八〇号外一件)
○国鉄大船渡線・盛線の廃止反対等に関する請願
 (第七二八号外二件)
○国内用船外機の検査免除に関する請願(第一二
 〇四号外七件)
○国鉄信楽線の存続に関する請願(第一二三〇
 号)
○身体障害者に対する運輸行政に関する請願(第
 一二三九号外二〇件)
○萩測候所の夜間閉鎖計画撤回等に関する請願
 (第一二九〇号)
○視覚障害者等に対する新幹線を含む特急料金の
 割引に関する請願(第一二九一号外二二件)
○むつ測候所の夜間閉鎖計画撤回等に関する請願
 (第一四三七号外一件)
○多度津測候所の夜間閉鎖計画撤回等に関する請
 願(第一四三八号外一件)
○諏訪測候所の夜間閉鎖計画撤回等に関する請願
 (第一六八六号)
○阿久根測候所の夜間閉鎖計画撤回等に関する請
 願(第一六九六号外一件)
○平戸測候所の夜間閉鎖計画撤回等に関する請願
 (第一六九七号外一件)
○国鉄地方線の育成に関する請願(第一七六六号
 外一件)
○伏木測候所の夜間閉鎖計画撤回等に関する請願
 (第一八〇五号外一件)
○近江八幡駅はじめ全国国鉄駅舎の整備改築に関
 する請願(第一八〇八号外四件)
○雄武測候所の夜間閉鎖計画撤回等に関する請願
 (第一八九八号)
○呉測候所の夜間閉鎖計画撤回等に関する請願
 (第一九三九号)
○飯塚測候所の夜間閉鎖計画撤回等に関する請願
 (第二〇一四号)
○国鉄丸森線の廃止反対に関する請願(第二三六
 五号)
○国鉄運賃値上げ反対等に関する請願(第二六二
 八号外一二件)
○国鉄地方交通線の特別運賃導入反対に関する請
 願(第二六五九号外一件)
○国鉄地方交通線に関する請願(第二七一八号)
○安全輸送確保に関する請願(第二七二四号外四
 四件)
○通運事業法等廃止反対に関する請願(第二七六
 〇号外一三件)
○交通損害保険士(仮称)の業務資格認定制度創
 設に関する請願(第三四四九号外一件)
○重度戦傷病者と家族に対する国鉄等交通機関の
 乗車取扱い改善に関する請願(第三四六四号外
 六件)
○交通秩序の確立等に関する請願(第三五九〇
 号)
○内部障害者に対する航空及び国鉄運賃割引制度
 適用に関する請願(第三七四二号)
○測候所の夜間業務復活等に関する請願(第四〇
 九三号外二件)
○萩測候所の夜間業務貧活等に関する請願(第四
 一二二号)
○羽幌測候所の夜間業務復活等に関する請願(第
 四一二三号)
○むつ測候所の夜間業務復活等に関する請願(第
 四二〇一号外一件)
○平戸測候所の夜間業務復活等に関する請願(第
 四二八二号)
○地方交通線の確保に関する請願(第四三五八号
 外六件)
○伊良湖測候所の夜間業務復活等に関する請願
 (第四三八八号)
○多度津測候所の夜間業務復活等に関する請願
 (第四三九三号)
○気象業務整備拡充に関する請願(第四四四六号
 外一件)
○新関西国際空港建設反対に関する請願(第五四
 〇七号外一件)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二円、市川正一君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君が選任されました。
 また、昨三日、仲川幸男君が委員を辞任され、その補欠として江藤智君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(黒柳明君) 全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は前回聴取しておりますので、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○広田幸一君 最初に、提案者の三塚、加藤両氏に質問をしたいんですけれども、お二人は私どもと違いまして運輸行政については大変なベテランでございまして、特にいま問題になっております国鉄の再建問題については、内容について十分御承知のところであろうと思うんです。まして与党の方々でございますから、この国鉄の再建をどうしてもやらなきゃならない、こういう責任の立場にあると思っておるわけです。そういう意味で大変御努力を願っておると思うんですが、この間、国鉄側が経営改善計画を出しまして、大臣もこれを認めましていよいよ出発するわけですけれども、あの内容を見ましても、なかなか国の財政が国のやらなきゃならぬ財政的な分担をやってくれるだろうか、そういうふうな心配も見えるわけですね。ですから大変国鉄の再建ということはむずかしい、そういうふうに私ども受けとめておるわけです。
 そういう時期に、一方におきましては行政改革、臨調、これは総理大臣が政治生命をかけて断行すると、こうおっしゃっておるわけですね。その臨調がこれから国鉄側にどういうふうな注文をつけてくるかもわからない、こういう厳しい情勢も見えるわけです。そういうときに、五兆数千億円ですか、これは五十四年度の計算でございますが、五兆数千億円、しかも東北新幹線、上越新幹線の実績等から比べてみますと、これから仮に十年になりますか、恐らく十五兆円から二十兆円近い金になると予想されるわけですね。しかもこの内容が、三分の一になるか四分の一になるかは別として、地方自治体にとっては大変な負担になるわけですね。そういうものをいまの段階でこういう法律を提案をしなきゃならなかったということ、全く理解に苦しむんです。一体どこにそういう緊急性があるのか、私自身も本当に真意がわからないという心境でございまして、恐らく私、国民の皆さんもそういう気持ちであろうと思うんですね。ですから、なぜこの時期にこのような法案を提案さるに至ったか、そういう経緯というもの、これを国民の皆さんによくわかるように、まず説明をしていただきたいと思います。
#5
○衆議院議員(加藤六月君) ただいまの御質問に対して全部のお答えになるかどうかわかりませんが、お答えしたいと思います。
 昨年の臨時国会で国鉄の再建法が成立し、先般国鉄が後のない最後の計画であるということで国鉄経営改善計画を出しました。政府もその中身と決意と背景というものを十分審査しながら認めたと思うわけであります。わが党におきましてもその経営改善計画の中身その他は十分幅広く議論しまして、その経営改善計画が後のないぎりぎりの計画であるという立場に立った国鉄の計画を承認いたしたわけでございます。
 そして、あの経営改善計画の中にも書かれてございますけれども、国鉄が経営の責任を持つ分野というものと構造的問題として政府、国会がこれを助けなければならない分野、若干グレーゾーンがありますけれども、地方交通線、地方バスというもの、いろいろな問題を議論しまして、また分野別に国鉄の問題等も議論したわけでございますが、実に「後のない計画」として国鉄も思い切ってここまでやるようになったんだな、わが党としても全面的にこれを応援して、どうしても経営改善計画を実現させなければならないというのが御質問の前段に対する決意でございます。
 そしてまた、国鉄の再建につきましては、昭和四十二年以来数回法案を出し、あるいは崩れたというその背景、あるべき問題等についてもいろいろ議論等をいたしてきております。その中に占める国鉄の工事費並びに工事費に伴う利子という問題等につきましても十二分に議論してまいりました。そしていま問題になっております整備五新幹線につきましては、もうたびたびの閣議了解その他におきましても、新幹線の工事着工、工事認可問題については、いろいろな申し合わせや了解事項や決議事項があったことは先生も御存じのとおりであります。政府も整備五新幹線を一日も早く工事着工いたしたいという決意はありますが、いろいろな制約をこれに加えてきたわけであります。それは国鉄の経営再建に障害になるのかどうかということが一つの大きな観点であります。またそれが国土の均衡ある発展あるいはそれぞれの地域において強い要望がある点等を考慮しての苦しみの過程があったと思うわけでございます。
 そこで権威者でも何でもございませんが、一生懸命国鉄を愛し、国鉄のことを考え、そして国鉄のあるべき姿を追求してまいりました私たちといたしましては、ひとつ手法を変えて地方の皆さん方の全面的理解と納得と協力をいただいて、今後整備五新幹線というものをやっていったらどうだろうかという問題が一つ起こってくるわけでございます。
 そこで、国鉄経営の上から見て、今後整備五新幹線が国鉄経営の再建の阻害にならない方法としては、国鉄にこれ以上新しい負担をかけてはならないという大きな前提がございます。そうしませんと、現時点において四十二万の職員が血みどろの努力をしております。その職員を含む問題、それから幅広く国民の間に議論されておる三Kの一つである国鉄問題、両方の問題から考えてみた場合に、整備五新幹線は絶対必要である、しかし、それを国鉄に、より新しい負担を課す方法でやってはならないというところと、まあいろいろ勘案しまして、四万八万をにらみまして、その一つの糸口、端緒になるものとして今回の改正案を考えたわけでございます。
#6
○広田幸一君 私が真意をはかりかねると言いますのは、さっきも言ったんですけれども、臨調は始まっておりますし、後でだんだんと、自治大臣があればいいんですけれども、きょうは地方行政委員会があって自治大臣がお見えになっておりませんが、結果的には地元に三分の一とかいろいろ言われておりますけれども、いずれにしても相当な額を負担をしてもらわなければこれは絶対できない仕事なんでしょう。そういうふうにするためのこれは法律なんでございますからね。ですから、そういうような緊急性が一体あるのかどうなのか、現時点において。
 私は確かに新幹線の必要性はある程度わかりますし、それがゆえに地元の皆さんがぜひ何としてもやってもらいたい、それに対して応分のわれわれも協力をしましょうという気持ちはわかるわけです。しかし、いま国としてやらなければならない選択の順序というものはあると思うんですよ。いろんな請願が出ておりますけれども、そういう請願を一つずつとってみましても、もっともな請願があると思うんです。しかし、それは予算の関係があるからちょっと見送るとか、そういうのたくさんあると思うんですよ。ですから、私は加藤先生にしても三塚先生にしても、運輸委員だけでなくて、いまの政権党の中堅幹部でしょう。そういう人たちはやっぱり大乗的見地に立って、国家的な視野に立って今度の行政改革の問題についても取り組んでおられるだろうというふうに思うわけですわ。そういう時期になぜこういうものをやらなきゃならぬのか。
 きょうも役員会で実は問題になっておったんですけれども、仲裁裁定の問題を、いま自民党の皆さんは、金がないということでいままでにない国会の議決案件にしてるわけでしょう。これはそこに働く人たちにとってみれば大変な問題なんですね。そういうふうに財政がきわめて逼迫しておるときになぜこういうものを出さなければならないのか、その辺が私はよくわからないんですね。なぜこれをいまこの時期に出さなければならないのか、もう少し先に時間を置いていいじゃないか。国鉄がいま再建計画に取り組んでおって、六十年になれば収支とんとんになるだろう、私はそうはいかないと思うんですけれども、一応そういうふうな計画をしてあるわけでしょう、そういう時期に私はこのような法案を出されるというのはおかしいと思うんですよ。本当におかしいと思う。
 しかも、これを見ますと、これは加藤六月以下十名書いてありますけれども、この中には幹事長の櫻内義雄、政調会長の安倍晋太郎、総務会長の二階堂進、こういうお歴々がちゃんと提出者になっておるわけですね。皆さんがそうというわけじゃないんですけれども、本当はこういう人たちにも出てもらって、なぜいまの政権党としてこれを出さなければならないのかということを私は聞いてみたいと思うんですよ。
 もっと突っ込んで言いますと、たとえばいまミッドウェーの空母が入ってくるということで大変でしょう。それで、いま政府としては、もう核を日本に持ち込んでも差し支えないというふうなことまで出ておるわけでしょう。軍備費の増大も言っておるわけでしょう。軍備費が増大されればこんなことできっこないわけですよ。だから、私は一貫をした政府の政策の中からこういうものが出ておるだろうかということを言っておるわけです。本当にそれは国民の皆さんの思っておられることだろうと思うんです。その辺をひとつよくわかるように示してもらいたいですね。
#7
○衆議院議員(加藤六月君) 緊急性の問題でございますが、先ほどお答えちょっと漏れたかもわかりませんが、われわれはどんなに苦しくても行財政改革は断行していかなければならない、こう思っております。そして、来年度予算におきましては、増税なき予算編成ということをやり遂げなくてはならない。先生が先ほど政権党とおっしゃいましたが、与党であり、特に私の立場は政調でそういう問題の総括をやる立場でございまして、死ぬ苦しみと悩みを現実にいたしております。しかし、われわれは行財政改革を断行するためには、国民に活力を与え、政府は国民の活力に信頼するという大きな目標に向かっての行財政改革の断行であります。
 そして、当面は財政再建という大きな目標がございます。それは、国民全体がその問題には耐え忍んでもらわなくてはできない問題ではないだろうかと考えております。しかし、よく言われる言葉に「角をためて牛を殺す」という言葉があります。苦しい中にも将来の希望を持ってもらわなくてはならない。その国民が将来の厳しい行財政改革、財政再建の中に、希望を持っていただくのがこの整備五新幹線の工事着工であると、こういう立場でございます。
 なお、念のために申し上げますと、現在、東北、上越新幹線に約六千億円足らずの工事費を投入いたしております。この上越、東北新幹線が近近開通することはもうすでに先生御存じのとおりと思いますが、私は国の財政の立場から見まして、この工事費の何分の一でもこれにつき込んでいけば、相当北陸を含むいろいろな整備五新幹線の工事はできるんではないかと。国の財政が苦しいのは重々承知しておりますが、重ねて申し上げますが、だからこそ将来国民が希望を持っていただく施策というものを厳しい行財政改革を断行する中でもやっていかなくちゃならない。党のこの提案者になられました三役の皆さん方もそういう立場で提案者になられたことをあわせて御説明申し上げます。
 それ以外のいろいろな問題につきましては三塚提案者から御説明があると思います。
#8
○衆議院議員(三塚博君) 広田先生にお答えを申し上げます。
 ただいま加藤提案者から基本的な考え方は申されました。先生は、こういう行財政きわめて困難な折、どうしてこんなことをやるのだと、やれる状況ではないのではないかと、御指摘はそういうことだろうと思います。加藤提案者が言われましたとおり、政治は国民的要望を踏まえて前進をしてまいらなければなりません。同時に政策の選択もきちっとしていかなければならぬことは言をまたぬところであります。
 そういうさなかにおきまして、政府、特に大蔵当局、本問題の取り扱いにつきましては、私もかねがね単年度主義というものには強い疑問を持っておる一員でございますが、単年度主義の中でバランスをとるためにこういう地域的、国民的要望に支えられたプロジェクトまでもカットをしていくということが、将来の国土計画の中で正しいことであるだろうかということであります。そういう意味で、五十六年度予算編成の際には、党が主体となりまして政府と交渉をいたし、百二十億円の予算計上にこぎつけさしていただいたところであります。
 国の政治は政党政治、議院内閣制と、こういうことでありますから、政府が国民の要望を吸収でき得ない部分は政党がそれを正しく把握をしながら強く要望し、そして実現を迫ると、こういうことであることが一点であります。
 しからば金があるのかと、こういうことでありますが、五十七年度以降、大変ないま陣痛の苦しみをいたしておるわけでございますが、その中にありまして、将来展望を考えつつできるだけぎりぎりの予算計上を図らさしていただきますことは決して不可能ではないだろう。一方におきまして、国鉄の改善計西がスタートし、六十年度に向けて、幹線の収支ではございますが、百億の黒字を出す最後の待ったなしの努力をいたすわけであります。そういう中にありまして、加藤提案者が申されましたとおり、上越、東北が五十九年上野、六十一年東京駅乗り入れと、こういう形のスケジュールにあるわけでございますから、この進行状況ともにらみ合わせつつ本問題に対応をしてまいりますことは、そうむずかしい問題でもないのではないだろうかと考えるわけであります。
 しかし、地方財政がきわめて厳しいこともそのとおりであります。本法案についての具体的な御質疑の際に申し上げますが、決してこれは地方団体に意思に反した強要をしようというものではございません。できる道を開くという、こういうことでございますから、地方財政の現況をにらみ合わせつつ、同時に国家財政の現況をにらみ、国鉄再建の動向を勘案をしながら適正な予算計上をし、着実にこれを進めてまいる、そのことが国民の要望にこたえる道だとかたく信じまして御提案をし、御審議を煩わしておると、こういうことであります。
#9
○広田幸一君 加藤さんの答弁の中で、希望を持つということは、これはいろいろ国民は希望を持っていますから、新幹線だけでなしにいろんな希望があるわけですよ。私が先ほど申し上げましたように、ぜひやってもらわなきゃならぬという希望がありますね。ですから、それだけを私は新幹線に当てはめるのは少し我田引水だというふうに考えます。
 それから、東北新幹線、上越新幹線の工事費が約六千億、これがあと二年ほどすればそれが要らなくなるからそれを充てればいいというお話であったわけですけれども、これは財政投融資でございますね。大蔵省お見えになっていますか――いまの財政投融資の現状が一体どういうふうなことにあるのか。私は、これだけ臨調によって補助金をどんどん切っていくということになれば、これは各省庁とも今度は財投に期待をかけるということが出てくると思うんですよ。しかし、それに応じられるかというと、財投の財政も最近はよくないわけでしょう。しかも、国債に転嫁しなきゃならぬということもあるわけですから、私はこういう両新幹線が完成することによって浮いてくる金が新幹線に充てられるというのは少し安易過ぎやしないだろうか、こういうふうに思います。
 それからもう一つは、後で時間があればぜひこれは国鉄総裁あるいは大臣に聞かなきゃならぬと思っておりますけれども、六十年を目標にして百億円というあれになっておりますけれども、現在、五十四年末の累積赤字が五兆六百億ほどありますね。これをたな上げをした分をまた新たにこれは国が負担をしなきゃならぬ。五十五年から三千四百数十億円の金をこれからずっと二十五年間ですか、それも国は負担をしていかなきゃならぬということになるわけですね。それから、現在、五十五年度末においては約一兆円ほどのまた赤字になっていますね。これがまた五十九年になると、われわれの想定でも四兆から五兆円の赤字が出てくるだろう、これを一体どうするか。財政当局はこれをたな上げしてくれるのかどうなのかという問題もあるわけですね。そうなってくると、またその分の利子補給をしなきゃなりませんしね。しかも元金を返していくというような計算になりますと、まだこれから五十年ぐらいかかるでしょう。そういうものは全部国鉄の運賃値上げ、いろんなことによってこれはやっていかなきゃならぬですからね。
 私はいまの現状における国鉄自体の再建計画というものは、大変それだけでもむずかしいと思っているわけです。そういうところへもってきて、財政投融資でもってできるというふうなことが実際できるだろうか、私はその点を非常に疑問にいたしますね。
 それから、三塚さんの御答弁の中でやっぱりわからないのは、八十億円五十六年度の予算に組んであるわけでありますね、これはもう調査費でなしに、着工する予算でしょう。ですから、せっかく予算として組んだ以上は、これはその裏づけになるところの法律を、制度をつくらなきゃならぬということがもう予算を組んだ出発点であったわけですね。ですから私は、無理をしてこういう法案をぜひ通さなきゃならぬという、関連があるというふうに思っておるんですけれどもね。ですから、国としてもこの五十六年度の予算を八十億円決めたときに、運輸大臣と大蔵大臣との間に取り決めがあるようでございますけれども、そういう八十億円ということを決めたのは、工事費でございますからね、これは着工ですから。結局これは絶対やるということですね、これは。絶対やるということですね。
 しかし、そういうことが、いま私が申し上げたような関連からして予算の財源の見通しがあるのかどうか。これだけこういうふうにしたならば財源はありますというところをひとつ示してもらいたいと思いますし、それから大蔵省には、いま私が申し上げたような財源というものは一体出てくるのかどうなのか。そして六兆円という財投からの金が即この国鉄のそういった建設の金に充てられるのかどうなのか、この辺も大蔵省の方から御説明願いたいのであります。
#10
○説明員(柴田章平君) 国鉄それから鉄建公団の建設費につきましては、先生御承知のように、財投でその建設資金を一部手当てをいたしていることは御承知のとおりかと思います。
 ただ、ことしほぼ六千億弱のものを鉄建公団とそれから国鉄両方、新幹線について建設費が計上されておりますけれども、さてそれが今後次第に工事が完成するに従ってそういうものが要らなくなったときに、あと別の新幹線にその資金が回せるかどうかということが端的な御疑問かと思いますけれども、この点につきましては、私どもやはり財投もすべてこういった新幹線だけにおつき合いしているわけではございません、そのときどきの資金需要全体をにらみながらやはり資金の配分を考えていかなきゃいけない。
 一方では、御承知のようにすでに現在、郵便貯金の伸びも、非常に短期的な話ではございますけれども、やや伸びが悪くなってきているような現況にもございます。一方、やはり国債の引き受けというふうな問題も出てきておりますので、果たしてどれだけのものが今後引き続き整備新幹線に向けられるかということは、財源からはなかなかいまの段階で判断いたしかねるというのが私どもの現状かと思います。
#11
○広田幸一君 加藤さん、三塚さんの方の答弁は後にして、大蔵省に先にお聞きします。
 大蔵省は――本当はこれも大蔵大臣に来てもらうと私も本当のところ質問しやすいんですけれども、大蔵省はこの法案を出すに当たって、私は部内の相談というものは受けておると思うんですね。部内の相談というものは受けておると思うんですが、一体今度のこの法案について、大蔵省としてはどのような見解を持っておったのか。将来のことですけれども、やっぱりさっき言っておりますように、五兆数千億円、しかもこれからずっと本当にやるということになれば二十兆円近い金を準備しなきゃならぬ、そういうようなことが将来の見通しであったとしても、やっぱりこの時点でやるべきか、やるべきでない、もう少し待つべきである、そういうふうなことがあってしかるべきだと思うんですが、そういう点について大蔵省としてはどのようなひとつ討議というか部内の検討がされたのか。
#12
○説明員(伊藤博行君) お答え申し上げます。
 まず最初に、本法案につきまして大蔵省としての協議を受けておるかどうかという点でございますけれども、これは御案内のように議員立法ということで、加藤先生、三塚先生外数名の方で御提案をされております。したがいまして、政府提案じゃございませんので、協議というのは受けておりません。
 ただ、法案の性格について、じゃどう考えておるのかという第二の問題でございますが、整備新幹線は、先ほど来御議論ございますように、プロジェクト日体としてはかなり採算性等に従来の新幹線とは違った要素を持っております。他方、仮にじゃそれを国費でやったらどうかというような議論も、あるいは議論としてはあり得るかと思いますけれども、御案内のような国の財政状況にあるというような諸情勢を勘案いたしますと、仮に新幹線を今後新たにつくるということであるならば、そのプロジェクトが持つ地域開発効果というような点を勘案すれば、地元負担を考えるということもあり得る話ではなかろうかという理解でおります。
#13
○広田幸一君 提案者に質問します。
 いま大蔵省の答弁によりますと、相談を受けてないということでありますが、財政に関する問題について財政当局と相談がなかったというのはどういうことなんでしょうね、これは。ついやりっ放しというふうな、悪い言い方ですけれども、もうとにかく法律通してしまえ、まあ金は何とか後で考えればいいと、そういうものでしょうかね。私はいまの大蔵省の答弁が、議員立法であるから私たちは知りませんと、こういうことですね。
 それから、これは大蔵省に言うんですけれども、将来地元が負担をするようなことがあってもやむを得ぬだろうというようなことがいまの段階で言えるかどうか。そうでしょう。臨調としては地方財政をぐっぐぐっぐ抑えていこうとしておりますね。そういうときに、地元が負担をしてもよかろうという、そういう財政構造にかえていければいいんですよ。地方自治体に全部財政を任じて全部やっていくというのならいいんですけれども、いまの財政構造というものはそういうことにならぬでしょう、政府がちゃんと金を握っておってやっていくわけでしょう。それから、最近地方分権ということも言われておりますがね、そういう検討も。そういうものが全部いいぐあいに整理されて、あとは地方自治体がやりなさいということならば、一つの考え方として私はできると思うんですよ。いま国が全部金を握ってしまって、そういう財政構造の中で一体法律だけ通してしまって、金は、あとは国鉄とそして地方公共団体が相談をしてやれというような、そんな無責任な提案でしょうかね、どうでしょうその点は。
 それからもう一つ大蔵省に聞きますが、この「経営改善計画」の中にはかなりの国に見てもらわなきゃならぬという財源が、財源というかそれだけの負担がありますね、国鉄が書いておるあれ見ますとね。国鉄も一生懸命にやります、しかし国鉄としてできない範囲、構造的な欠損については、これは国がやってもらいたいというふうに言っておりますが、恐らくあれはかなり遠慮した私は文章になっておると思うんですが、確かに予算は単年度主義でありますから将来のことまで言えぬということはわかりますけれども、やっぱりそういうふうなものは、財政当局と国鉄との間、運輸省との間にうまく対応しながらやっていかなければ、ただ、つい国民にはこうすればできるというようなそういう感じがするんですが、その辺のいわゆる経営改善計画に対する財政当局としての責任を、これまで果たしますということになるのか、まず大蔵省とそれから提案者の方にお尋ねします。
#14
○説明員(伊藤博行君) 先生御案内のように、経営改善計画は先般運輸大臣の承認がございましていよいよスタートしたわけでございます。この経営改善計画は、さかのぼって五十四年の暮れの閣議了解を踏まえて、法律もあり、それに基づく計画ということでございますけれども、閣議了解での考え方というのは、国鉄の再建につきましては国鉄自身の経営の合理化、それから受益者負担の適正化、そういったものとあわせて行財政上の措置ということも規定してございます。言うなれば三本を大きな柱としながら再建をしていこうという考え方に成り立っているわけでございます。ただ、その場合にもそれぞれがあらゆる全力を尽くしてやるということで、それぞれの状況下における最大限の努力をするということでございます。
 今回の経営改善計画も、いろいろな分野での努力を織り込みながら立てられておるというふうに承知しておりますけれども、そういったものとあわせて端的な、経営改善計画の中身そのものではございませんけれども、国鉄の方からの要望として出ております問題も私どもとしては承知はしております。ただ、同時に国鉄の財政再建あるいは国鉄の自身の再建ということにあわせて国の財政再建ということも喫緊の課題になっております。したがいまして、そういった環境下に置かれておる財政の可能な限りでの努力という制約下ではございますが、そういった制約のもとでの力限りの努力をするということで私どもとしては考えていきたいというように思っております。
 ただ、先生御自身の御質問の中にもございましたように、予算は単年度主義ということで、将来の具体的なことを、あれをどうする、これをどうするということを現段階で申し上げ得る状況じゃございませんが、気持ちとしてはそういうことでございます。
#15
○衆議院議員(加藤六月君) 一昨年八月末に新経済社会発展七カ年計画を策定いたしました。そのときの社会資本投資、七カ年間に二百四十兆円投資しようということを閣議決定いたしました。そのときにおける道路あるいは港湾、空港、鉄道その他の投資分野、投資比率というのをいろいろ議論いたしました。先生御存じのように、それから後見直し論が出たわけでありますが、われわれは見直しとは言わずにこれをフォローアップしていこうということで、昨年度予算編成時期におきまして七カ年のあの計画を百九十兆にして、あと何年間か延ばして二百四十兆の実現を図り、国民生活、国民経済の発展を期そうと、こういたしたわけであります。そして、百九十兆の中におけるそれぞれの投資分野の議論をまた改めていたしました。そして、御存じのように、今回の国鉄経営改善計画の中には六兆五百の工事費が入れてございます。この六兆五百の工事費の配分その他はもう先生も勉強されておられるだろうと思いますからあえて申し上げませんが、そういう問題一つずつを現実に議論しながらこの改正案を提出するようになったわけでございます。
 もちろんこれからの財投その他のことを考えて、先ほど私のお答えの中に、五千八百億の東北、上越新幹線の工事費をそのままストレートに整備五新幹線に回すというように先生がおとりになったとするならば、それは私の舌足らずでございまして、これは訂正しておきます。
 要は、そういう観点が一つと、もう一つは、これまた先生御存じであると思います。港をつくるにも、国道をつくるにも、空港をつくるにも、公園をつくるのにも、下水道をつくるのにも、全部地元負担というのは伴っております。国鉄の鉄道建設についてはそういうものは伴っておりません。
 よく言われるのに、先ほど先生が御質問になった中にも若干あるわけでありますが、財投と国鉄自身が調達するものとの比率を私たちは毎年考えて、できたら財投を中心にしようと思いますが、これは何年間かの統計を出しますと、国鉄自身の調達する割合と財投の割合というのはやや平均化されてきている、それをより国鉄の負担にさせないような努力をいたしておるところでありますが、世上言われておりますのは、国鉄利用度という問題で地域や国民は協力しておるではないかというお話がございましたが、それは利子をつけてお返ししなくてはならない金であるということも御存じのとおりです。また、国鉄の新しい鉄道をつくる場合には地元負担がゼロであるということから、いろいろ運輸省や国鉄に御陳情、御要望が起こってくる、何となれば地元負担がないからであるということもそこら辺に大きな理由があるわけでございます。
 そういう点等も勘案しながら、冒頭御質問でお答えいたしましたように、四万八万にらみながら地域住民の皆さん方の理解と協力と納得をいただきたいのがこの趣旨だと申し上げましたが、無責任でも何でもございません。私たちは一つずつ手順、方法を踏みながら、誠意を持って国土の均衡ある発展と地域の皆さん方の熱烈なる御要望に沿っていこうと、こういたしておるわけでございますので、何とぞ御理解をいただきたい、こう思うわけであります。
#16
○広田幸一君 いま地元負担の問題でいろいろな例を挙げられて、こっちの方にもやっぱり地元も負担をしておるということですけれども、これにはいろいろ見方があると思うんですよ。
 それで、ちょっともとに返った話になりますけれども、提案者の両氏、私は運輸委員になって一年半ぐらいのものですから余りようわかっていないんですよ、でも、先生方はよくわかっているわけですからね。こんなにたくさんの六兆円になるような赤字がふえ、しかもまだ五十九年には三兆円、四兆円の赤字が出るというようになった根本というものは、地元負担とかなんとかというものではなくて、私のささやかな勉強ですけれども、やっぱり高度経済成長がぐっと進んで、それに対する運輸事業というものは変わってきたわけですね。それに対応する施策が適切を欠いたと、国鉄だけには公共性を要求しながら各輸送機関が競争原理に走ったと、これは全く釈迦に説法ですけれども、そういうようなことが今日重なっておるわけですから、私は国鉄がこれから伸びていくためには、国鉄自体の努力も必要でございますけれども、そういう総合交通体系といいますか、これからも予算の配分についても、もう高速道路は大体ようなったと、もういいと、こういう総理府の世論調査も出ております。ところが、道路族というか、道路の方の人はもう絶対にそういう財源は渡さないということでしょう。道路の方はどんどんどこもよくなってきますから、モータリゼーションというものもどんどん発達していきますね。それから、自動車産業は締め出しを食いますから、とにかく国内需要にまた馬力をかけるということになると、国鉄はどんどん減ってしまうと思うんですね。運賃は上げます、これは予算の数字合わせのために、ごろ合わせのために運賃を上げておるわけですから。そういうふうな厳しい情勢があるわけでしょう。
 ですから、私はそういう問題から根本的に金の使い方をどこに重点的にやっていくかということを、やっぱり国家的に、いま加藤先生おっしゃったんですけれども、そのことをおたくはやっておられるわけですから、そっちの方を先にしてこっちをやるということをせぬと、根本の対策がばらばらでしょう、金の使い方が。道路の方にはこの財源は絶対渡さない、航空の方はこうだ、全部そういうことですね。そういう中で国鉄が一体再建できるだろうかということを、本当に浅い知識ですけれども、それぞれ勉強してみますと、私は新幹線の必要性もわかります、高速輸送ということもわかりますし、その地域性もわかりますけれども、やっぱり時期尚早だ、もっと先に根本的なそういうふうな政策をきちっと政府がつくって、それから出すべきであるというふうに思うんですが、とにかくこの案はもう無理な案だ、こういうふうに思いますが、もう一遍御答弁願いたい。
#17
○衆議院議員(加藤六月君) 無理な案でも何でもないのでございまして、この法案の中身を御質問いただきましたらお答え申し上げようと思っておったんでありますが、地方公共団体に国鉄に対しての補助をする機能を付与する。そしてもう一つは、それは自主的にやっていただくということでございます。
 ただ、先生がおっしゃった他の公共事業との財源論争、財源問題ということになりますと、大変時間が長くなって失礼になると思うんでありますが、わが党におきましては、昭和五十四年度の税制並びに予算編成、並びに昭和五十五年度の税制並びに予算編成の時期におきまして、陸上交通整備特会並びに陸上交通整備税というものをあるとき考えて、提案者であられます三塚部会長、われわれが必死で闘った――闘ったと言うたら語弊がありますが、党内でやったことがございます。その資料その他はもう先生のお手元にお届けしてあるんではないかと思いますが、それは先ほど先生がおっしゃった点と意見が一致するんです。
 これからのわが国のエネルギーの制約問題、厳しい国際情勢というのを考えてみますと、大量交通輸送手段として、経済効率から見てもエネルギー効率から見ても、新幹線というものが一番国民生活に役に立つんだという前提で実は考えております。したがいまして、これから国鉄というのを考える場合に、一つはこれからの多様化し、激動する国際社会においてのエネルギー制約化に国民生活、国民経済を守っていくという省エネルギー、あるいは経済効果というものを考えながら、鉄道と他の交通手段との問題は調整していかなくてはなりませんし、現に先生からおしかりを受けるかどうかわかりませんが、一生懸命そういう点はやっていっておるわけでございます。
 それから、そういう意味におきましても、私たちは非常な緊急性を認めるわけであります。整備五新幹線の着工がおくれたことは国民に申しわけない。経済効果、エネルギー効率等を考えた場合に、これは十年おくれたんではないだろうかとさえ思っておるわけでございまして、一日も早くそういう立場、国家的見地、国民経済的見地からも着工しなければならないという立場でございますので、早いんではないので、遅過ぎたのであるという点で御理解をいただきたいと思います。
#18
○広田幸一君 この法案は、私は該当の地方自治体が負担を義務づけられておるように思うんですよ。それで、いま提案者の方から自主的にこの金を出すかどうかという機能を付与するということでありますけれども、いままでは、鉄道をつくる場合は、これは地元の負担はなかったわけでしょう。今度はそれを地元に負担をさせるというわけでしょう、そのための法律なんでしょう。言葉は義務ということにはなっていないでしょうけれども、なっていないと思うんですけれども、内容はやっぱり、よしおまえのところの希望があればやってやろう、そのかわりおまえのところはこれだけの金を負担せよという押しつけなんですよ、これは。私はそういうふうに考えますよ。
 機能を付与するというふうに簡単に言っておりますけれども、そうしていま該当の県がまあバスに乗りおくれたらいかぬということで盛んに焦っておるようですけれども、それは私は、各都道府県関係知事さんなんか、もう財政構造というのは十分とわかっておると思うんですよ。そういうもので何とかなるだろうというふうな私は甘えがありはせぬかと思うですよ、これは。悪い言い方かもしれませんけれども、本当に。ですから、いま加藤さんがおっしゃったような自主的に機能を付与するんだというかっこうのいいことですけれども、中身はやってやるから金を出しなさいという関係になっておることは間違いないと思うんですよ。そういうふうに解釈をせざるを得ませんが、間違いありませんか。だってね、いままで国鉄がやっておったものを地元に負担をさせるということは、これは転嫁さしちゃいけないという財政法の二条の二項がありますが、転嫁させるということでしょう、これは。どうです、この点は。
#19
○衆議院議員(三塚博君) お答えを申し上げますが、加藤提案者からも申されましたとおり、これは法律にも書いてありますように「補助金等の交付その他財政上の措置を講ずることができる。」ということでございまして、地方財政再建促進特別措置法の国その他に対する寄付行為禁止の規定を解除するための提案でございます。よって、地方財政法の基本にも触れられましたが、転嫁をしてはならぬというのは明快に書かれております。でございますから、この立法はそれとの整合性を十二分に考慮をして提案をさしていただいております。ですから、義務的なものでもないわけでございます。さらにその解釈の線上に立ちまして比率を設けてこれを徴収するものでもございませんものですから政令もつくらない、こういうことでありまして、あくまでも地方公共団体と国との協議によりまして落ちつくべきところに落ちつかしていただく、ここにポイントがあるわけであります。
 衆議院におきましてもいろいろと議論が出ました。地方によりましてはそれぞれの努力の中でそれなりの財源を生み出すところもあろうと思います。幾らやりましても鼻血も出ないところがあろうかと思います。そういうところにはポケットに手を入れて取るわけにはまいりません。そういう観点でまさにこれは誠実、真実な両者の協議の中におきまして、地方財政の現況を勘案しつつ、また国家財政の現況の中におきまして進むべき道を選びましてそこに進ましていただく、こういうことでありまして、従前の禁止規定を解除さしていただき、そしてできる道を聞かしていただく、こういうことでございます。
 三分の一を強要するのではないかというようなことが広く伝わっておるようでありますが、これは加藤提案者が財源小委員長となりまして約一年間あらゆるケースに基づいて検討をいたしました私案の中に、三分の一地方負担、三分の二国費負担、これでまいりますと新幹線は収支が償ってまいりまして、走ったときから黒字でございます。そういう方式、さらに十年の利子補給の方式、二十年の利子負担の方式、こういうものを考えて提案をいたしましたものがいま残っておるわけでございまして、それは審議を進める過程においての加藤私案でございます。ですから、このことに余り頭をお悩ましになりませんようにしてお進めをいただきますと、前段お答えを申し上げました趣旨で進ましていただきますものですから、御理解をいただきたい、こういうことであります。(「それだったら何で政府提案にしないんだ。政府提案にしない理由」と呼ぶ者あり)
#20
○広田幸一君 うちの目黒理事がいま言っていますが、私もそのことを冒頭からちょっと言いたかったわけですけれども、さっき言ったように、これはもう政調会長も幹事長も提出者になっておるわけ、十名のうちに入っておるわけでして、これほどの党の幹部が提出者になっておるわけですから、なぜこれを政府提案にしなかったか、その理由は一体どこにあるのですか。
#21
○衆議院議員(加藤六月君) 現行法は一私、現行法の提案者にもなっておりまして、実は超党派で、各党全会一致で新幹線法をつくるべくやりました。各党と徹底的な話し合いをしてやってきたわけてありますが、この席で申し上げるのはどうかと思いますから内訳は言いませんが、最後の土壇場になって、申しわけないけれども自民党だけの単独提案にしてもらえないだろうかというようなお話が現行法をつくるときにあったわけでございます。先生お調べいただけばわかりますが、衆法あるいは参法として提出した法案、これを改正あるいは修正するときには、やはりそういう手続を経て衆法、参法として改正あるいは修正していくというのが長い間の衆議院、参議院における先例その他を見ていただけばはっきりしてくると思う次第でございます。
#22
○広田幸一君 先輩がおっしゃることですから、私も過去のことはわからぬし、いろいろあるでしょうけれども、これほどの重要な問題ですから、やっぱり政府が提案をするというのがたてまえだろうと思いますよ、これだけの大きな金がかかるわけですから。私はそう思っておるわけです。
 そこで、自治省お見えになっておりますか、自治省。自治省にもこれは相談がありましたか、この問題について。財政当局には相談がなかったというのは、これはまことにけしからぬと思うんですけれども、これは後にまた同僚議員も質問しますから、またそこらで論理的にひとつ追求してもらいたいと思いますが、自治省は相談を受けられたか、またこの問題についてどういうふうな見解をお持ちになっているか。ひとつ気がねをせずに率直に言ってもらいたいんです。重大な問題ですから、これは。
#23
○政府委員(土屋佳照君) 新幹線整備についての今回の改正につきまして、いろいろと党内で御検討があった模様は承知しておりますが、中身について私どもが意見を聞かれたということは過程においてはございません。出されるということになりまして、私どもとしての意見は申し上げる機会はあったわけでございますけれども、基本的にたびたびいろいろなところで申し上げておりますように、新幹線の整備というものは、国土の基幹的な交通網の整備の一環として、従来から国鉄なり鉄建公団でおやりになってきたわけでございまして、現在の事務配分なり国と地方との財政秩序ということを考えますときには、私どもとしては今後も従来と同じように、国ないし国鉄あるいは鉄建公団でおやりになるのがいいのではないかということで従来から申し上げておりますし、そのように基本的に考えておるところでございます。
#24
○広田幸一君 提案者に質問します。
 いま自治省とも相談をしてないということですね。大蔵省とも相談をしてない、自治省とも相談をしてない、これは一体どういうことでしょうか。これはまさに強権じゃないでしょうかね。国鉄再建法が強権であったといって、われわれはまだいまだにもって修正案を出しておるぐらいでございますが、本当にこういうのは、これは強権と言うべきであると思います。
 ちょっと言いますと、この間、衆議院の法案の採決のときに、自治省の政務次官の北川さんという人が採決に加わらずに意識的に退場されたということが新聞に載っておりまして、勇気ある行動であると、それほど担当の地方自治体のことについてもう本当に思っていらっしゃる人であると、こういうふうに私は思っておるんですが、そういうふうな意味からしても、ただ大きな力によって、地方自治体のことは考えぬでもいい、自治省、もうわれわれについてこいと、そういうふうなぐあいに受けとめられやすいんですが、実際こういう問題をやっていくときに、そこらの自治体との関係も出てきますし、自治省というものの存在を無視したことにならないかと思うんですがね。その点いかがですか。
#25
○衆議院議員(加藤六月君) わが党には党の組織がございます。その中に、政調の中には地方財政部会という部会があります。提案者の三塚先生は交通部会でありますが、これは党の自治大臣であり党の交通大臣であるという自負と責任を持ってやっていただいておるのがわが党の組織であります。したがいまして、この法案を提出する前後において党内における交通部会と地方財政部会、地方行政部会との話し合い、議論は徹底的にやっていただいております。
 それから、これは強権ではないかとおっしゃいますが、改正案の文章読んでいただきますと、強権ところか、先ほど来申し上げておりますように、非常に誠実みにあふれた、機能を付与し自治体の主体性を持ってやっていただくという中身でありまして、強制も強権もありませんから、そこはぜひ改正案の条項をよくお読みいただきまして御理解いただきたいと思うわけであります。
#26
○衆議院議員(三塚博君) 私からも広田先生にお答えを申し上げますが、いまさら国会の基本的な問題に触れるつもりはございませんけれども、本案を提案をいたし、国会において御承認を賜る、このことが国民意思の決定であろうという、こういう観点が一つあります。同時に、財政を伴いますものでございますから、地方団体統括する自治省及び大蔵省、これらの協議も進めるべきではないかと、こう言われておるのでありますが、もともと本件の検討小委員会及び基本問題調査会交通部会等の協議を通じ浮き彫りにされてまいりましたことは、なかなかただいまの状態の中で国費に依存することはかないませんよという大蔵省の言い分、それから自治省は、地方負担部分を交付税の算定基準に入れてしかるべきであるという党内の強い意見に対しまして、地方財政運営の観点から、これも自治省は三十二を三十三ぐらいに変えてくるんなら、その分はあげますけれども、現行のままでは困りますよと、聞く耳持ちませんと、こういうことでありますものでございますから、ただいま加藤提案者が言われました、財政部会及び地方行政部会との協議を通じ本問題を詰めていったわけであります。
 議員提案は、わが国は残念ながら政府提案が行われないときに行われるという一方の慣行がございます。本来は議員提案が国会の基本であるべきであるというふうに私どもは考えておるわけでございまして、そういう点から今次の整備五線の道を開いてまいります、ということは、このままの状態では一寸も進まぬ状況にありますものですから、財政再建の国鉄はもう勘弁してください、もうその力がございませんと。国はい重言ったとおり逃げちゃうわけであります。これをどう調整するかということになりますと、この法律を提案をいただき、御審議の上、御承認を賜りました時点からこの国民的要望にこたえる道を国会として、また政治として対応をしていくべき以外に道はないと、こう感じたものでございますから、寄り寄りいろいろな意見を聞きましたけれども、党内においては激しいそういう議論の中で本法案を提案をいただき、全党これに対してこれでいくべきである、こういう形の中で御提案をさしていただいたというのが事実でございます。よろしく御理解を賜りたいと思います。
#27
○広田幸一君 さっきから言っておりますけれども、これ以上やっていましても平行線ですが、義務とい三言葉は出ておりませんけれども、私は、この法案というのはあくまでもやっぱり地方自治体が責任をかぶる、そういう非常に無理な法律であるということだけは絶対に間違いない、どう言われようとも私はそういうふうに理解しておきます。それがああいった、自治省の政務次官がやっぱり深刻に考えたあげくのああいう行動であったと、そういうふうに私は理解しますし、全国の知事会等におきましても、事新幹線の問題について、それをことさらに挙げておりませんけれども、やっぱり国鉄再建についてはそれはいろんなことを言われておるわけです。
 片一方においてはいわゆるローカル線を切ってしまうわけでしょう。私の県には二つありますよ。四十二線ありますうちの二つなんですよ。全体の赤字が五十四年度で八千七百億円、その中の四十二線というのはたった百六十億円でしょう。三十五分の一ですよね。そういうところをぱっぱ切りながら、もうこれはいかぬというものはどんどん切りながら、片一方においてはこんな膨大な予算を伴うようなことをやって、一体均衡ある国土の発展というようなことができるのかどうなのか。私は本当にこれは不公平な法律である、こういうように思っております。
 これはこの法律が通りますと、余分な話でありますけれども、私なんか地元に行って、片一方においてはこのようなことをやりながら地元に対してはこういうような無理をしておると言って大変演説しやすいんですな、これは。本当の話が。
 だから、それほど深刻な問題であることをやっぱり提案者は考えてもらって、新幹線の必要性というのはうんとおっしゃっているんですけれども、問題は時期の問題を言っているわけですから、いまこのような時期に出すべきではないと。臨調においてもさっき加藤さんおっしゃったんですけれども、七カ年計画も見直していかなきゃならない、さらに。二月にそうしたけれどもまた今度も見直さなきゃならぬということを言っておるわけでしょう。それから、この新幹線の問題は、これも見直すという中に入っておるでしょう、臨調の中に。こういう片一方においては臨調に対してやっていかなきゃならぬと言いながら、片一方においてはそういうふうなことが臨調で検討されておるというちぐはぐな関係において、一体一貫性がないじゃないですか。
#28
○衆議院議員(加藤六月君) 臨調において大型プロジェクト問題を三十八項目の中で議論していただくようになっておるようには聞いております。大型プロジェクト問題としていろいろ考えていただく。また臨調でそういうもろもろの問題を議論していただくことは私はいいことであると思っております。ただ、それをどういう答申をいただくかということと、それを受け入れて政府は誠実にこれをやっていかなくてはならないということも当然のことであると思っております。ただし、われわれは専門の立場において、先ほど先生の口から出ましたが総合交通という言葉がありました。あるいはまた国土の均衡ある発展、地域の要望というものを考えた場合、先ほど答弁申し上げましたが、率直に言って国鉄全体を考えた場合に本当につらい面もある、先生の県においても二線あるのを知っておりますし、また、地元の沿線の町長さん方の陳情等も数回にわたって私自身も承っております。また、衆議院の運輸委員会においては、参考人として先生の地元の町長さんに出てきてもらって、衆議院運輸委員会の速記録にも出ておりまして、そこら辺の問題は十分勘案しておるわけでございます。
 ただ、法律はわれわれが議論し、審議して通過成立したわけでありますが、誤解があってはならないと思うのは、地域の特定地方交通線、まあ先生四十二線とおっしゃいましたが、四十二線になるのかあるいは何線になるのか私は知りませんが、知りませんが切り捨てるのではありません。これは御理解いただきたいと思います。代替バスあるいは第三セクターその他において有効な地域住民の足を確保するための法案であったというように私たちは理解しておるわけでございまして、先般通過しました法律というものとこの新幹線の整備というのは、政策課題としてもある面では違うわけでありまして、私たちは先般国会を通過しましたあの法律は、地域住民の足を確保するための法律であるというように考えております。
 それから、今回の新幹線のこの法案は、先ほど来たびたび申し上げておりますが、幅広い地域と全国の均衡ある発展という立場でございまして、同じ政策課題のもとに同じ命題を追求しながらやっておるわけでございまして、完全に整合性のとれたものである、このように考えておりますので、ひとつ御理解をいただかなければいけないんじゃないかと。そしてまた、国鉄の再建問題どこれからやらんとしておる整備新幹線の建設、たびたび申し上げておりますが、私は将来に夢と希望が持てる国鉄にするためには、率直に言いましてこの法律の改正こそ必要なんであるという立場でございます。
 それから、率直に言いましてたびたびこれももう三度ほどお答え申し上げておるわけでありますが、この法律を改正しましたら、どうなるかはわかりませんが、自然発生的に落ちつくところへ落ちつくものと思いますが、地方の負担というものがどういう形になるか、起こってくるということは私もそれを期待してこの改正をやっておるわけでございますから、いままでのような一銭の負担もないというのとは違います。そこはもう当然のことだと思っておるわけでございますので、そこら辺も先ほど来私が――先生も運輸委員会でたとえば飛行場をつくるとき、たとえば港の改修その他をやるとき、地元負担というものといろいろな問題等をお考えになって、これでわが県は、わが市は港をやるか飛行場をやるかという議論は地元負担との兼ね合いでいろいろ議論がされると思います。
 運輸委員会で運輸のわれわれが考えた場合はそういう地元の要望もありますが、ある面では整合性というのを考えなくちゃならない。飛行場と港と鉄道、これを考えた場合に、トラック会社と国鉄というものと船会社というもののランニングコストというものはどうなるのか、これに対する国の助成、地方公共団体の助成はどうなるのかということ等は運輸委員会における整合性ある政策論争として、先生もう十分おやりいただいておると思いますので、これ以上申しませんが、私たちはそういう観点も考えて今回のこの改正案を提出したわけでございますので、その真意を何とぞ御理解いただきたいと、こう思うわけでございます。
#29
○広田幸一君 私はまるっきり反対しておりますね、時期尚早であるということで。しかも国の政策がまだ一体となったものになっていない、総合交通体系等の問題も含めまして。ですから、そういう立場で反対をしておりますので、中に入って余り私は何ぼ負担をするとか、そういうことは私はきょうはやりたくないと思っておるわけですが、まずそれだけの国が膨大な金を出さなければならぬでしょう。いま加藤先生のおっしゃるのを聞くと、地方自治体の負担は全くゼロではないけれども極力抑えるというふうなぐあいにとれるわけでしょう。そうするとまるっきり国が負担をしなきゃならぬわけでしょう、国が。やるからには全部大方国がやるという腹構えでしょう。国鉄には全然迷惑かけないということでしょう。そういう新幹線ができましたときに、果たして採算がとれるような、いま国鉄自身が言っているのは、とにかく不採算路線は切ってしまって国鉄の特殊性が発揮できるようなところをどんどん伸ばしていくということですけれども、結局は赤字になってだめなんですから、ですからそういう整備五線が採算がとれるような見通しがあるのかどうなのか、私は非常に困難だと思う。
 たとえばいま新幹線の東海道線と山陽線のそれと比べてみましても、東海道線は在来線が千数百億円の赤字ですけれども、新幹線でカバーしております。山陽線は五年たっておりますけれども、まるっきり赤字ですね。今度東北新幹線、上越新幹線、そういうものができまして赤字なんです、これは。そういうようなことを考えてきますと、しかもこれ、農村部が多いわけでしょう。農村地帯が多いわけですから、在来線の優等列車は、新幹線に乗ってしまって、在来線は赤字になる、そういうふうなことを考えてみますと、確かに便利になった面もあるでしょうけれども、それだけの国家的な負担がふえてくると、国鉄がえらくなってくるということになりませんか。そこまで私は余り深入って質問をしたくなかったんですが、国鉄総裁、どうですか、こういう点について。
#30
○説明員(高木文雄君) まず第一に、新幹線整備五線につきましては、東北、上越とは違いまして、いままでの方式で私どもが金を借りて、そして、その利子負担をしながらということになりますと完全に成り立たないということになります。ただ、利子を負担なしで経営をさしていただくということになりました場合にどうなりますかといいますと、これまた、在来線とあわせて考えますと、なかなか償うところまではいきにくいということでございます。しかしながら、今度は何もやらない場合と、利子を国ないし地方で負担をしていただいて新幹線でやっていく場合と比べてみますと、全く何もしないでいまのままでほっとく場合に比べますと赤字が減るというかっこうになってまいりました。
 それはどういうことかといいますと、どうも在来線につきましては償却等が進んでおりますけれども、本来的にもう非常に古い設備になっておりますので、いろいろ工夫をいたしましても、在来線、いまの整備五線に並行している在来線について赤字をなくすということは、まあ私どもの努力、工夫が足らぬのかもわかりませんけれども、ほとんど不可能に近いと。それであれば、むしろ新線をつくっていただいていけば、従来の赤字よりは小さなものになるということでございましてそういう意味で、私どもといたしましてはやはり、時期その他の問題はございましょうけれども、やはり長い目で見た場合には、整備五線をつくっていただいて、それで運営してまいる方が採算的にはよろしいというかっこうになるわけでございます。
 なお、これらにつきましては、ただし今後の他の交通機関の整備ぐあい等との関係もございますので、いろいろ計算のデータは非常に正確度が十分ではありませんけれども、しかし、いずれにしましてもいつまでもいまの古いタイプの狭軌の、そして、非常にカーブの多い、それからまた、アップ・アンド・ダウンの多い線路を使っていったんではなかなかうまくいかぬということでございますので、大変欲深でございますが、利子なしでつくっていただけたならばと、それが一番ありがたいというのが私どもの計算でも出てまいることでございます。
#31
○広田幸一君 専門的なことですから、私はいま総裁がおっしゃったことの妥当か妥当でないかということを論議するだけの知識は持っておりませんが、いま総裁の頭の中に入っておるのは、そういう新幹線をつくる金は全部国が見てくれと、利子補給もやってくれと、そういう前提に立っておられるわけですからね。しかし、私は率直な言い方をして、さっきから何回と提案者の方とキャッチボールしておりますけれども、いまの国の財政事情からして、そういうふうな終わるまでには二十兆円もかかるようなそんな金がこれから大体見出し得るだろうか。総裁もかつては大蔵省の次官をしておられたわけでしょうけれども、そういうことが実際できるだろうか。
 低成長時代から高度成長時代は、それは東北新幹線や上越新幹線という発想があったわけですけれどもね、いまは低成長時代になったから、だから肥大化した財政を見直ししようというのが臨調でしょう。そういうふうなことを考えてみると、国鉄ばっかりのいいようなそんな発想でこの問題を考えてはいけないではないかと。それよりも、むしろさっきから何回も言っておりますいまの国鉄再建ということに集中的にやるべきではないか、こういうふうに私は思います。
 私は、だれかれということではありませんが、私自身も国鉄の再建ということは必要であるということを思っておるわけですから、この整備五線についてどう思われますかというのは、はっきりいけませんとは言いませんけれども、みんな消極的ですよ。
 いま一番国鉄で必要なことは何でしょうか。私はやる気だと思うんですよ。みんながやる気にならなければ国鉄の本当の再建はできないと思うんですよ、どんなにりっぱな計画をつくったって。そういうことでしょう。ところが、いま六兆円の赤字を、これを何とかして解消しようということで、号令を総裁がかけて一生懸命にやっている。ちっとずつはよくなっていっているようですけれどもとても大変なことですよ。そうしたらまたこんな大きな、整備五線というような大きな荷が将来かかってくるんだと、何ぼ説明したって私はこれが本当に国鉄のしわ寄せにならないというふうには一般的には考えられないと思うんですよ、地方自治体の負担の問題もありますしね。そうすると、少々元気出してみたところで、またまたこんな大きな負担のあるような国鉄になってしまうんだと。そのころまで国鉄に勤めておりはせぬと、まあまあ適当にやろうというそういう気持ちになりやすいと思うんですよ。
 大変失礼ですけれども、私もかつて事業を七年半、三億円の借金をして、これは前の人の失敗を引き受けてやった苦い経験を持っておりますけれども、それは本当に自分の財産の全部を担保に入れてやった、その根性、本当に親方日の丸じゃありませんけれども、そういう根性を持ってやらなきゃ国鉄の再建はできないと思うんですよ。そこに持ってきてこんな大きな負担が来るだろうという一私は、いませっかく国鉄の職員がやろうという気持ちになっているときに、またそこにぴしゃんとあれをかけるような心配があると思うんですよ。私の言っていることは間違いでしょうか。私はこの問題が相談があったときには、総裁も真っ向から反対できぬだろうけれども、まあもう少し待ってもらいたいと、このぐらいのことは言ってもらったじゃなかろうかと思ったんですけれども、どうでしょう。
#32
○説明員(高木文雄君) 再建のためにはいろんな努力を本当にしなくちゃならぬということはおっしゃるとおり容易なことではないが、やり遂げなければならぬということでございまして、それは御指摘のとおりでございます。
 しかし、現在線をお守りして、いつまでもこれやっていけるかということになりますと、いまの現在線システムというのは大変人手がかかるシステムになっているわけでございます。御存じのように東海道、山陽新幹線が黒字になっておりますのも、やはり何としても新しいシステムであると。投資はかかるけれどもメンテナンスコストが少なくて済むシステムであるということがあるわけでございまして、やはり常にもろもろの施設等につきましては、新しいシステムに変えていくということも同時に必要なことなのでございまして、もしや東海道新幹線をつくらなかったら、山陽新幹線をつくらなかったら、今日どういう状態になっているかと考えますと、やはりこのような設備投資には金がかかりますけれども、メンテナンスエクスペンスが少なくて済むものをつくったということが、今日の多少とも、赤字はうんとありますけれども、どうにかやっていけます基礎になっておるわけでございまして、そういう意味で、ただ縮むだけではやっぱりまずいので、新しいシステムを導入していくということも、そのスピードをどうするか、バランスをどうするかという問題はありますけれども、やはりやっていただきたい。
 いつまでも、古い工場でいついつまでやれと言われてもなかなかいかないので、工場を建て直して新しくやるということは、やはりその商売をやめてしまうという判断に立つなら別でございますけれども、今後ともある種のフィールドについての交通を私どもがやっていくという以上はやらしていただきたいという気持ちでございまして、ただ、まあ、いつどういうふうにということになりますと、現時点の状況から言いますと、まず六十年度までにやるべきことございますけれども、さらに長い目で見た場合には、そうした何といいますか、技術革新といいますか、設備更新といいますか、そういうものも考えさせていただきたいという気持ちでおるわけでございまして、そういう意味で私どもは、国鉄といたしましては、整備五線が時間的にどういくかということは別といたしまして、やはり整備されることを強く望んでおる次第でございます。
#33
○委員長(黒柳明君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時一分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三分開会
#34
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#35
○竹田四郎君 提案者にお聞きしたいと思うんですが、御承知のように、私どもが物を言わなくても、すでに昭和五十九年には特例債をゼロにして財政再建をしようということは、私どもだけでなくて、恐らくこれは自民党の皆さんも承知をしているだろうと思うんですが、五十九年というと、あとわずかですわな。この五十九年のためには、財政の中期展望なども出して、あえて国民に理解を得ようと、こういうことで国費を使って大宣伝をしているわけですね。これはあなた方の親分の渡辺美智雄さんもその先頭を切ってやっているわけですわな。やっているわけです。そういう時期に、なぜいまこれをここで出さなければいけないのか。先ほどお話を聞いていても、自治省にしても、大蔵省にしても余りいい顔をしていない。そして国民もいま一生懸命財政再建について協力をしている。そういう時期になぜいま出さなくちゃならないのか。なぜ五十九年の特例債がゼロになるまで待てないのか。その待てない理由は何ですか。
#36
○衆議院議員(加藤六月君) 午前中の答弁でいろいろ申し上げたわけであります。われわれも昭和五十九年までに特例公債ゼロにしたいという非常な決意のもとに、昭和五十六年度予算におきまして、二兆円の公債の減額ということをやってきたわけであります。これを、来年度以降も残っておる金額を三で割りますと、一年が一兆八千三百億ぐらいずつ減額していけば五十九年ゼロになるという計算もいたしております。中期財政見積もりその他の問題は、厳重に勉強いたしております。
 そういう過程であることは重々承知いたしておりますけれども、先ほど午前中の答弁でもお答え申し上げましたように、工事五新幹線の着工が遅過ぎた、遅きに失したと、こういう気持ちでございまして、なぜ遅きに失したか。われわれはもう昭和三十年代の末期から、総合交通問題あるいは将来のエネルギー制約の問題、いろいろな問題を議論しまして、経済的にもエネルギー効率から見ても、鉄道というものと他の交通分野との問題についての比較検討その他はいたしてきました。そして、国民生活、国民経済を支えていく中において、昭和四十八年の石油ショック以降の現状を見ましても、どうしてもエネルギー問題というもの、あるいは経済効率という問題を考えた場合に、大量輸送であり、そして、それに加うるに、スピードその他いろいろな問題がございますが、国民生活、国民経済から見た場合に、今後新幹線はますます必要にこそなれ、要らなくなるということはあり得ないという観点でございます。十分、財政再建並びに赤字公債をゼロにするという問題については計算をし、勉強をし、成算あると見た上で山さしていただいたわけでございます。
#37
○竹田四郎君 あなたの言っているのは、何でいまこれをやらなくちゃならぬという緊急性について全然説得性がない。私どもも、全国的にもっといい鉄道を、いまの新幹線方式が一番いいかどうかはわかりませんよ、いい鉄道をつくろうということについては同じなんですよ。別にそれを反対しているわけじゃないんです。ただ、なぜ五十九年まで待てないのか。いま国民が国の再建をしなくちゃいかぬというので一生懸命になっているところです。私は、恐らくこの問題は、財政再建の中でこれを積極的に取り上げるという方針になってないと思うんです、政府の方針は。そういう中で、これをやらなければ、それは石川県の人が死んじゃうというんなら、どういうことがあってもいま私はやらにゃいかぬと思うんですよ。死んじゃうというんなら、これは人の生命に関連するのですから、採算無視でやらなければなりませんが、富山県の人が死んじゃう、石川県の産業がゼロになって生産高がなくなるという事情はないんじゃないんですか。もしあるというなら示してください。
#38
○衆議院議員(加藤六月君) けさも、ある地域の新幹線建設の何か大会か総会か決起総会が開かれたようでございます。先生方のところにも大挙していろいろ行ったんじゃないかと思います。
#39
○竹田四郎君 いや、来ていません。
#40
○衆議院議員(加藤六月君) 私たちのところには、もう去年もおととしも、そして去年の暮れからことしにかけては、もう事あるごとに何十人という方々が押しかけてこられまして、大変熱烈な御要望をされておられるわけでございました。
#41
○竹田四郎君 それは土建屋はみんなそう言っている。
#42
○衆議院議員(加藤六月君) 生死に関係する、生きるか死ぬかという問題がどうかというのは論外としましても、先ほど来申し上げましたように、地域の発展と、わが地方に絶対新幹線が要るんだという強い要望は、それぞれの地方を勉強していただけば、野に山に満ち満ちておると私は思っております。
#43
○竹田四郎君 それも、とにかくあなたの一方的な言い方でありまして、私のところへは一人も来ていないということでありますから、もう少し真剣に、その付近の人がつくってほしいと言うんなら、少なくともこの法案のかかるところには、ひとつ何とか早く通してくださいぐらいのあいさつがあってしかるべきだと思うんです。全然ないんですから、その地域の人は余りつくる気はないと私は断ぜざるを得ないわけです。これは、法律がもしこの国会で通るとなると、一体あなた方はいつから工事を始めますか。あなたがやるわけじゃないんでしょうから、始めるように、そういう手続を進めるんですか。
#44
○衆議院議員(加藤六月君) いままで整備五新幹線に約二百四十一億円ほど調査費をつぎ込んできております。そして、大変な膨大な調査等もやっております。ただし、まだ調査段階においてルートが完全に決まっておりません。また駅の数、駅の場所等も完全に決まっておりません。そして、そういうことがございますから、もしこの改正案が成立いたしましたら、ここから先は運輸省、国鉄並びに鉄道公団がお答えされる筋のものではないかと思いますが、私は当面環境影響調査、これを地域住民の皆さん方に公表してもらいまして、そこで幅広い議論をしていただきたい。そして、そこで理解と納得ができ、また自然発生的に地方公共団体がこういう応援、援助をいたしたいというようなこと等の話し合いがまとまらなくてはいけないんではないか。また一面、午前中も御質問がありましたが、国鉄の経営改善に重荷になり足を引っ張らないような公的助成の問題につきましても改めて議論をして進まなくてはならないと、このように思っております。
#45
○竹田四郎君 これはいま国鉄なり運輸省に聞けというふうに提案者が言っていたわけでありますけれども、いつから始めるんですか、実際、工事は、本格的に。これは当然国鉄なりあれでは相談を受けているんでしょうから、いつから始まるんですか。
#46
○政府委員(杉浦喬也君) ただいま加藤議員から御説明がございましたが、法案の成立を待ちまして、私どもといたしましてはまずこの整備新幹線の建設の前提となります公的助成の方法、それから地域の負担に関する制度、この二つがいわば前提とされておるわけでございますので、この法案はその大きな一つの制度でございますが、さらに引き続きましてこの二つの問題につきまして公的助成の方法の中身、それから地域の負担についての中身につきまして、関係所管庁と十分に相談をいたしまして方法を決めてまいりたいと。なお、環境影響評価は……
#47
○竹田四郎君 時間がないから早く言ってくださいよ。いつからと聞いているんだから、その時期を言ってくださいよ。
#48
○政府委員(杉浦喬也君) 準備が整い次第実施になるということでございます。
#49
○竹田四郎君 いつからと聞いているでしょう。答えてください、いつからと。
#50
○政府委員(杉浦喬也君) 時期的にはいまちょっと、いつからというふうには申し上げられません。
#51
○竹田四郎君 時期がわからないのになぜきょうかけてくるんですか。時期がわかるならば早く通してくれということはあるんですけれども、かかる時期がわかりもしないのにどうしてこんなものを出してくるんですか。
#52
○衆議院議員(加藤六月君) 先ほど来御答弁申し上げましたように、国鉄並びに鉄建公団が地方公共団体と相談する窓口を開いていただくのがこの法律でございます。この法律が通らずしてそういうことは云々できません。
#53
○竹田四郎君 局長、ぼくはいつかと聞いているんだよ。提案者に、聞いているんじゃない。提案者なんてそんな仕事知りやしないんだから、全然。局長に聞いているんだ。
#54
○衆議院議員(加藤六月君) 失礼な言い方だよ。
#55
○竹田四郎君 失礼だとは何だ。あなたやりゃしないじゃないか。局長じゃないか、そういうことをやるのは。何言っているんだ。
 時期を言いなさい。
#56
○政府委員(杉浦喬也君) 御案内のように、工事費につきましては国鉄と鉄建公団に四十億円ずつ本年度の予算でついております。これを実施するわけでございますから、少なくとも今年度中にはめどをつけまして何とか着工の運びにしたいと、このように考えておりますが、その前提といたしまして先ほど申し上げましたような二つの問題の具体化をぜひともやる必要があるということでございます。時期的には何月というふうに申し上げられませんが、そうした作業をできるだけ早くやりたいと思っております。
#57
○竹田四郎君 総裁に聞きますが、三十五万人体制というのは、この計画を含めて三十五万人体制と言うんですか、どうなんですか。
#58
○説明員(高木文雄君) 現在は六十年時点で考えておるわけでございますので、六十年時点に整備五線が完成するということはちょっと予定しておりませんから、三十五万人体制というのはこの整備五線の営業及びそれに伴う職員配置とは関係がないということになっております。
#59
○竹田四郎君 そうすると、この整備五線、これが工事にかかるということになれば必然的に、その閣議了解というんですか、閣議でもう決まっているようでありますけれども、この三十五万人体制というものは必然的に崩れていく、こう理解せざるを得ないと思うんですけれども、その関係はどうなるんですか。
#60
○説明員(高木文雄君) 現在の経営改善計画は、昭和六十年時点でございますから、昭和六十年時点で整備五線が完成されるということは予想されませんので、これは全く相互に関係がないというふうに私は理解をいたしております。
#61
○竹田四郎君 それはその時点ではそうかもしれませんが、動き出せばいままでの既設の線との関係があるわけでしょう、全国的に。そうすれば、それだけの線ができればそれに対する人員配置はせざるを得ないじゃないですか。そうすれば必然的に、六十年度はどうか知りませんよ、六十年度はまだ動かないと言えばそのときはどうかわかりませんよ。しかし、三十五万人体制というのはその時点の人間の数じゃないでしょう。仕事の体制でしょう。三十五万人でいままでの既設の鉄道の運営をやっていこうというのが三十五万人体制の基本でしょう。何も人の問題じゃないでしょう。それには定員が三十五万人あればいいと、そこへ新しいものが入ってくるんですから、三十五万人体制は必然的に崩れるじゃないですか。三十七万人体制だか四十二万人体制だかをつくらなければしようがない。どうですか。
#62
○説明員(高木文雄君) 現にたとえば青函トンネルというのはどんどん進行をいたしておるわけでございますけれども、現在の段階では青函トンネルが六十年時点で供用開始になるというふうには予測されませんものですから、この部分もいま織り込んでおりません。それからまた、本四架橋という工事が進んでおりますが、本四架橋も六十年時点ではまだ実際走らすことになるとは予想されませんので、これも織り込んでおりません。すべて六十年時点で逆行いたします部分、それについて考えているわけでございます。なお、それじゃその後はどうなるんだということにつきましては、先般の閣議了解等それからこの改善計画におきまして、エネルギー問題とかいろいろ変動要因もございますので、六十年を迎えましたならばその時点で今度三十五万人体制はどうするかということを全部見直すことになっております。これは閣議了解でもそうなっておりますし、今度の経営改善計画でも、六十年になりましたらその時点で六十年以降を見通したまたプランを立てなければならぬ、そういう考えでおるわけでございます。
#63
○竹田四郎君 それは私は、総裁ね、ただ三十五万人になるのか三十七万人になるのか、ただその問題だけだと思うんです。人数の問題だけだと思う。体制そのものはやっぱり同じであるはずです。それは何かというと、国鉄の合理化ということを中心に考えているから三十五万人体制が出てきているんでしょう。ただ人数だけを三十五万人にするということじゃないでしょう。ですから、私はこういうことを次から次へやっていくということになれば、いま一生懸命組合と国鉄とが話し合いをしようとしている三十五万人体制、これは必然的に崩れざるを得ないと思うんです。あとのことは勝手にしていまだけは三十五万人でぎゅうぎゅう締めると言ったって、だれがそんなものを信用しますか。そういう意味では、私は国鉄の労使関係というものは、こういうものを次から次へやっていくということになりますれば、ますます国民に迷惑をかける体制をあなた自体も自民党もおつくりになっているというふうに言わざるを得ないと思うんです。
 それから、これをやるということになりますと、鉄建公団はどうするんですか。鉄建公団は、閣議了解で青函トンネルが終わったらこれはもうやめるという閣議決定をして国民に約束をしていると思うんです。これも行政改革の一環です。これはいまの話では、何か鉄建公団も仕事をするような話が出ていたんですけれども、これは一体どうするんですか、鉄建公団は。この仕事をせざるを得ないでしょう。
#64
○政府委員(杉浦喬也君) 御指摘のように、鉄建公団につきましては、昭和五十四年の十二月のいわゆる行革の閣議決定によりまして、上越新幹線と青函トンネルの本体工事が完了した時点、昭和五十八年度において、他との統合等を図る、こういうような行政改革方針が政府で決定されております。この方針に沿いまして検討をしておるところでございますが、鉄建公団が現に仕事を続けておる、鉄道建設を続けていいという事態がございますので、この扱いにつきましては慎重な検討をしている。
 なお、将来の問題といたしましては、こうした鉄道技術集団というものをどうしたらいいかという観点、これを完全に雲散霧消するわけにいきません。これを適当に承継するところを考えなければいけませんし、あるいは公団の職員の処遇というものも当然に考えなくてはいけないというような諸点がございますので……
#65
○竹田四郎君 時間がないから、そういうくだらぬことは答えないでくださいよ。時間が私二十二分しかない。あと三分か四分しかないんだから。
#66
○政府委員(杉浦喬也君) そうした諸点を十分に検討いたしまして対処したいと思います。
#67
○竹田四郎君 提案者に聞きますが、今度のはなぜ新幹線にだけ国や地方が金を出すことを認めるんですか。在来線にはなぜ市町村が金を出しちゃいけないんですか。この問題が一緒に入っていればあるいは私は賛成してもいいと思っていたんです。
 いま都市の中でいかにこれが困っているか。神奈川県なんかは国鉄さんのおかげで町が二分されているのが実態ですよ。交通が激しくなれば激しくなるほど南北を渡れないというのが現実ですよ、神奈川県の。それで、一生懸命、市町村が金を出してもひとつ踏切の立体化や橋上駅舎にしてくれと言ったってできないでしょう。黒柳さんの選挙区の西大井のところだって、あそこの品川区の人が一生懸命西大井駅をつくってくれ、つくってくれ、金を出しますよ、期成同盟をつくってもやりますよ、こういうふうにやったってだめでしょう。判決が出たのは御承知でしょう。なぜそっちの方も一緒に入れないんですか。これは自治省に聞くんですが、自治省どうですか、この点は。そういうものを解決しないで、片手落ちじゃないですか。
#68
○政府委員(矢野浩一郎君) 地方財政再建促進特別措置法二十四条の規徒によりまして、先ほど御質問の中にございましたような西大井駅、これにつきましては期成同盟という経由組織をつくりまして、これを通じて出そうということを品川区が仕掛けたわけでございますけれども、住民より訴訟が出まして、判決におきましては、そのような経由組織を通じて行うことは、これは法の禁止の趣旨をくぐり抜けるものと実態的に認められる限り違法である、こういう判決が出ておるわけでございます。
 地方団体におきましては、少なくともいままでも在来の国鉄につきましては、そういった法の趣旨を守って、必要とあらば承認を受けて行うという方向で対処することを私どもの方でも指導をしているわけでございます。
#69
○竹田四郎君 矢野審議官ね、私は全国的に西大井のような問題あるいは神奈川県で言えば茅ケ崎とか二宮駅とか、そういうような問題というのは相当あると思うんですがね。おたくの方でつかんでいる、そういう地方自治体が金出してもつくってほしいというのに、それはだめだという事例ですね。一生懸命いろいろなほかの団体を出して、そこの団体に金を出して、国鉄に出すと違法だと言われるからほかの団体に金を出して、そこからやろうという事例がかなりあるのですね。西大井でも期成同盟つくろうというのはそういうことなんですよね。そういうのはどのくらいあるのですか。そのことが全然解決されないで新幹線の方へだけは金出すというのは、私は法律そのものとしても片手落ちだと思う。
#70
○政府委員(矢野浩一郎君) 在来の国鉄線につきまして新駅を設置し、あるいはこの駅の橋上化をやるために地元公共団体が負担をしたいという例はたくさんございます。これらにつきましては地方財政再建促進特別措置法の規定に該当するものでございますので、自治省の方に協議がございます。政令の規定によりまして自治大臣の承認がなければこれは支出することはできないわけでございます。こういった事例につきましては、最近では五十四年度中には三つの駅につきまして内容を審査した上承認をいたしております。五十五年度におきましては、八つの駅について内容を審査した上承認をしております。
 なお、現在協議中のものが六つか七つぐらいございますが、いずれにしても私どもの方は実態を調べた上で、これが適正な支出であるというととが認められる場合には承認をする、こういう態度を堅持しておるところでございます。
#71
○竹田四郎君 提案者ね、この問題というのは大変なんですよ。自治省だっていま言葉の上では簡単に言うのですけれども、実際上これは市町村と折衝するときには大変な苦労。金出すと言っているのだ。それでもだめだ。そのために町が二つにちょん切られちゃう。向こうへ行くのにわざわざうんと遠回りして行かなくちゃならぬ。こういう事例というのはあるのです。そういうことについては何ら一つも関心を払ってくれていないじゃないですか。なぜそれを入れなかったんです。
#72
○衆議院議員(加藤六月君) 大変関心をいままで払ってきております。したがいまして、都市内における連続高架あるいは橋上駅、そういうものについて、やはりいまから十年ほど前に議員立法を考えたことがございます。先ほど自治省の矢野さんからお答えしましたが、私自身も全国あちこちそういう問題があるのを調査して知っております。先生御存じのように、先生、建設あるいは交通安全をおやりになるときに建国協定、建運協定、そういうものをずいぶん勉強していただいておると思うわけであります。単に橋上駅だけでありません、都市も鉄道とともに発達しまして、ある都市はその鉄道によって南北あるいは東西に分断されておる、町の中に新しい大きい橋のない川が流れておるようなものであるというようなところがたくさんございます。鉄道とそれから国道、ある町のごときはそれによって三つに分かれてしまっておるというような町等もございます。私も交通安全やそういう関係で全国百なんぼの都市をこまめに調査して歩きました。そういう実態等は知っております。
 ただし、先ほど申し上げましたように、都市内における鉄道の連続高架法という法律を出そうと十年ほど前にいたしましたが、いろいろな事情等で実現できませんでした。現実に都市計画をやり、あるいは駅前再開発をやるときに大変問題になっておりますのも、そういうものの費用負担の問題であり、またそれに伴う公害関係の問題でございまして、私自身もささやかでございますが、そういう間に入って一生懸命努力してきておるわけでございます。
 ただし、今回この改正案を出しましたのは、十三条を読んでいただきますと援助等という言葉がもともとこの法律をつくるときに入れてあったわけでございます、新幹線の場合に、この法律の現行法に。ところが、その援助等という問題が、法律を通過成立させまして、内閣法制局あるいは自治省等といろいろ勉強してみましたら、これはなかなか地方公共団体が新幹線建設に応援してもらえる読み方がとれないということで、新幹線に限りそういう道を開こうと。それ以外のものにつきましては、先ほど矢野さんが答弁しましたように、二十四条の二項の制約のもとではありますが、地方公共団体も地域発展のために、地域住民のためにということで、先生が御指摘されたような問題をじみちに一生懸命やっていただいておることはもう御存じのとおりでございますが、十三条を読んでいただきまして、援助等というのがありましたら、その援助等は精神的援助であるというようにしかとれなかったところに一つの疑問と矛盾を感じまして、今回その折衝する窓口を開こうとして出したわけでございますから、在来線におけるもろもろのそういう都市における問題というのは十分念頭に置きながら、整備五新幹線の問題に限ってそういう窓口を開こうといたしたわけであります。
#73
○竹田四郎君 もう私は時間ないんですが、都市の人は、あなたのような、一遍に鉄道を全部高架にしてくれなどという、そういう夢のようなことを言ってるわけじゃないんですよ。ただ、こっちの駅から、駅の中通らないでも向こうへ行けるように、遠回りしないでも向こうへ行けるように、そういう非常に素朴なことしか要求してないんですよ。それは全部が立体化してくれりゃそんな理想的なことはないですけれどもね。そういう、場合によっては、いまの時期にむだ金遣いをするようなことは望んでない。必要最小限のことを望んでいる。そのことすらできないんですよ。これをこう直せばできるんですか。在来線できないでしょう、幾ら直したって。これを直してできるなら、それは私賛成しましょう。これだけじゃできないでしょう。矢野審議官、できないでしょう、この法律だけで。できますか。自治省はうんと言いますか。この法律をいまの提案者の言うとおりのものを直せば、在来線でどんどん許可してくれますか。それなら私これに賛成しますよ、いまから宗旨を改めて。どうですか。
#74
○政府委員(矢野浩一郎君) 国有鉄道に関しましては、従来からの国と地方の事務配分なり財源配分のたてまえがございますので、私どもとしては原則的には国鉄についてはそういったたてまえから負担すべきものではないと、こう考えておるわけでございます。橋上駅、新駅等につきましては、地方財政再建促進特別措置法のただし書きの範囲内で具体的にもっぱら地元を利するというものは、その限度において承認をしておると。これは地方財政の、当該団体の財政運営上もやっぱりそういう点が必要だという考えでそういう運用をしてまいりたいと考えております。
#75
○竹田四郎君 自治省もここへ来れば何かすらすらっと許してくれるようですが、これが大変なんです、そう簡単じゃないんですよ。だから、そういう問題も片方で控えながら、在来線とそして新幹線との割り振りというんですか、均衡といいますか、こういうことも考えながら提案者は出すべきだと私は思うんですよ。ですから、私のところへもこの新幹線をつくってくれなどという話は一つもないじゃないですか。私は、特殊な人たちだけが望んでいると思うんですよ、いまのところね。特殊な人たちだけが望んでいると、こういうふうに思うんですよ。五線の中だって、たとえば九州は積極的に賛成してないでしょう。東北の方だって私は積極的に賛成しているというふうに聞いておりません。(「賛成、賛成」と呼ぶ者あり)積極的にと言っているんですよ。北陸だけですよ、毎日のように安田先生が私のところに来て何とかして通してくれ、通してくれと。ほかの人やっていますか、だれか仲間で。そうすれば北陸だけじゃないですか、五線のうちで。全体の情勢から見て、私はそういう意味で、あるいは在来線との均衡の問題、こういうものを考えて、これだけに賛成するというわけにはいかない。そういうものを一緒に全部そろえてきてくれたら、そのときには考えましょう。
 私は以上です。
#76
○桑名義治君 先ほどの提案者の御答弁の中に、今回のこの法の改正について、津々浦々にそういう声が上がっているという御答弁があったわけでございますが、現実に、現在この法の改正について積極的に改正をしてもらいたいと、こういう要望が上がっている県が皆さんのお手元でわかっておられるならば、まずお知らせを願いたいと思います。
#77
○衆議院議員(加藤六月君) 去年一年かかりましていろいろ勉強いたしたのでございますが、整備五新幹線関係知事さん方、前後三回にわたりましてお集まりいただきまして、意見聴取をいたしました。あるいは御希望を承りました。そういう過程で、新幹線建設に対する熱烈な御要望はあったわけでございますが、知事さんによって若干ニュアンスは違っておりました。それは、法改正してでもぜひやってくれ、できたら地元負担はしたくない、しかしぜひやってくれと、大きく分けますとこの二つは率直に申し上げまして意見としてありました。あるいはこの中間的なものとして、負担は少々してもいいからしたいのだけれども、さりとて実情を見るときにわが県にその負担能力はないんだと、しかし、少々のことは節約しても切り詰めても出したい気持ちはあるというような披瀝をされた方もございまして、一律全部こうこうでございますということは、それぞれの知事さん方の置かれておる立場、あるいは地域住民の皆さん方の熱望等の違いはあるいはあるのかどうかわかりませんが、全員熱烈に新幹線の工事着工を一日も早くしていただきたいという要望はありましたが、その負担についてのニュアンスにつきましては、率直に申し上げまして違いがございました。
#78
○桑名義治君 確かに、私も福岡の出身でございますが、まず日豊沿線に対する新幹線をつくってもらいたい、こういう期成会もできております。あるいはまた、鹿児島本線寄りの新幹線をつくってもらいたい、この要望も確かに出ております。それから、長崎本線に従った新幹線もつくってもらいたい、この要望も出ております。過日、予算委員会で熊本を訪れたわけでございますが、そのときにもこの新幹線問題が実際は出ておったわけであります。いまの御答弁のように、確かに新幹線の建設についての非常に強い御要望はあるわけでございますが、しかし、一部の負担についてはこれは確かにいまの御答弁のように反対の意向はあるわけです。
 福岡の例をとって申し上げますと、まず、福岡県はもう現実に新幹線が通っているものですから、それから先鹿児島木線に新幹線をつくったところで、久留米にとめるかあるいは大牟田にとめるか、大したメリットはない。あるいはまた、日豊沿線に新幹線をつくるにしましても、豊前市というのがございますが、それから先は中津市になるんですか、ここまで現在急行で四十分あるいは三十分程度で届くわけです。そういった意味で、これも余り福岡県にとってはメリットがない。そういった中で負担金を持たされるということについては好ましくない、こういう意見があるわけでございます。これも御承知と思いますが。
 それから、長崎の新幹線という立場から考えますと、福岡県はそういうようにもう現在充足をしているというような感じを持っておりますし、佐賀県は非常に県の財政力が弱い。しかし、長崎県は逆に考えてみますと九州の果てみたいなかっこうになるわけでございますので、どうしても新幹線をつくってもらいたいという、負担をしてでもつくりたいという意向があるわけであります。
 こうなってくると、今回のこの法改正がたとえできたとしても、これはなかなかまとめるのにまた非常に一苦労があるんじゃなかろうかと、こういうように思うわけでございます。それと同時に、ちょっとここでお尋ねしておきたいことは、余り大っぴらに言えないことでございますが、長崎の場合は佐世保に「むつ」が寄港をしております。その関係の中で、新幹線の問題についてお話し合いが政府とついているという話がもう大っぴらな秘密の話で出てきておるわけですから、こういった場合に、今回の法改正がなされた場合にどういうふうな措置になるのか、ここら辺がちょっと地元としては大きな疑問が残っているわけでございますので、そういう点についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、お尋ねしておきたいと思います。
#79
○衆議院議員(加藤六月君) 先ほどのお答えの中でちょっと申しておいたのでありますが、この法律が通りましたら、ルート、駅について国鉄、鉄建公団が、たとえば長崎新幹線の場合は、国鉄が改めて福岡県、佐賀県、長崎県の知事さん、関係市町村長さんと協議に入ると思います、ルートあるいは駅について。私自身はいままでの東海道新幹線、山陽新幹線、余りにもスピードを重視したという関係で、駅区間という問題、区間距離をあけ過ぎたんではないだろうか。それが在来線との経営問題、乗客問題、いろいろな問題等の問題もあるわけでございますが、今後の知事さん、当該市町村長さんと当局が相談しまして、ルート、駅等は協議してもらいたいと、こう思っておるわけでございます。
 先生が先ほどおっしゃいました佐世保云々というのは、こういう席で私お答えするのもどうかと思いますが、当時の長崎県知事と政府との間に「むつ」の関係その他についていろいろな話し合いはあったことは承っております。
#80
○桑名義治君 それ以上のことはこの場所ではちょっとむずかしいと思いますので、この問題はそこら辺でとどめますけれども、いずれにしましても非常に最終的ないわゆるまとめに入った時点で苦しい立場に立つんではなかろうかという心配がものすごくあるわけです。
 それと、話を変えますが、先ほどの御答弁の中で、こういった新幹線路線について整備をすることは、地域の発展に大きな貢献を寄せるんだ、あるいはまた均衡ある発展を期するためにつくられるんだと、こういう御答弁がなされたわけでございますが、そういうその地域の発展ということに対して、新幹線がどの程度寄与をしているというふうにお考えになっていらっしゃるのか、この点をちょっとお尋ねしておきたいと思うんです。
 たとえば新幹線ができた、あるいはまた関門大橋ができたということで、門司方面は非常に衰退をしたんです。それと同時に、下関もこの関係で、新幹線に乗っかれば、もうそれこそ小倉までわずか十分足らずでぱっと行きますもので、それならば買い物は小倉へというふうに、大きな都市へ都市へと、そういう発展のいわゆる勢力というものが寄せつけられると、こういう一面も、これはどうしても否定できないものがあるんではなかろうかと、私はこういうふうに思うわけですね。新幹線が岡山まで通っているころは、岡山は非常な勢いで発展をしたわけです。ところが、あれから先九州までつながりましたところが、ぱたんととまってしまったわけです。
 そういういろいろな効果というものを、現段階における効果というものをながめたときに、果たして新幹線の持つ地域発展の役割りというものはどういうものだろうかということに、私、現在新幹線そのものに対して多少の疑問点を持っている点があるわけです。その点をどういうふうに評価なさっておられるのか、お考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
#81
○衆議院議員(加藤六月君) その問題につきましては、国土庁が相当勉強して調査をしてくれております。膨大な資料になるわけでありますが、私も一通り、二通りぐらい勉強いたしたわけでございます。これは私がお答え申し上げるのはどうかと思いますが、先ほどちょっと御説明申し上げましたが、やっぱり駅の数、駅区間という問題等はこれからの新幹線については考え直さなくちゃならないということを申し上げた一つは、東海道新幹線、山陽新幹線で、開通した当時熱狂的なブームが起こる都市があります。そして、それが毎年毎年お客が、人の流れが減っていくという、駅をつくった都市においてもそういうことがあるかと思いますと、毎年毎年じわじわではございますが、ふえていく駅のある地域というそれぞれ特徴があると思います。それはその新幹線開業に備えて国鉄もいろいろPRをし、手を打ったんでありましょうが、受け入れていただく当該公共団体の受け入れ体制と長期計画との関係もあるようでございます。
 しからば、どの都市がいいか悪いかという問題等もございますけれども、たとえば私の選挙区の新倉敷駅が新幹線にございます。倉敷でございますが、ここは毎年一〇%から一五%ぐらいずつ乗降客がある面ではふえております。やっぱりそれは受け入れ体制と来る人の傾向等も十分分析しなくてはならないと思いますが、要は新幹線を建設し開業することによって人と物の流れというものがどういうように変わっていき、どのように変化するかということは、これは私たちも真剣に考えるとともに、それを何もわからずに、ただ新幹線をつくれ、つくれと言われておる方々も、あるいはその地域の人々も、一度真剣に胸に手を当ててお考えいただきたい問題でございます。人が往復し、物が流れるのに時間がどれだけ短縮していくかということを中心としたそういう計画書と考課表というのは、ここへ資料持ってきておりませんけれども、国土庁が相当膨大な調査をしてございます。それを見ると私は、新幹線の建設をし、開業に伴う効果というものは相当なものだなということをその調査書を読ましていただきまして思ったわけでございますが、先生御指摘のようにいろいろな長所、短所が新幹線開業に伴って、年ごとに起こってきておるというのも事実でございます。
#82
○桑名義治君 ただいまの御答弁の中で、新幹線ができたことによって物、人の交流というものが非常に盛んになり、地域的に見た場合には多少のいろいろな格差なりひずみなりが出てくるかもしれませんが、全体の大枠から考えた場合には大きなプラスの面が多いと、こういうふうな御答弁じゃなかったかと思うわけでございますが、いずれにしましても、先ほどから御論議がありますように、一審の問題点は何かといえば、やっぱり行革との関連ですね。この行革との関連が、ある程度明確な御意見がなければ、やはり反対の意見というものが私はまさるのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、その点、行革との関連性というものをどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、この点をお聞きをしておきたいと思います。
#83
○衆議院議員(加藤六月君) 行革はいろいろのことをやらなくてはならぬわけでございまして、私たちは行財政改革というのは四つの大きなねらいがあるんではないだろうかと。一つは補助金問題、一つは公社、公団、事業団等の統廃合問題、一つは民業と官業との関係、あるいは一つは国家公務員、地方公務員を含む定員の問題と待遇の問題、こういう大きな四つ五つのねらいはあると思うわけでございます。
 また、補助金の中身だけを見ましても、昭和五十六年度の予算での補助金が十四兆五千億、具体的数字は、若干ここに資料ありますが忘れましたが、一番大きいのが厚生省の五兆五百億。二番目が文部省の三兆二千六百億ぐらいですか。それから三番目が農林省の二兆三千億、これちょっと数字は若干違う。それから四番目が建設省の一兆九千億ぐらいだったと思う。五番目がわが運輸省の九千数百億だったんじゃないか。これは私、補助金のベストファイブの役所と、こう言っております。
 ところが、この補助金を考えてみた場合に、法律補助と予算補助があります。この割合も大体八対二に分かれております。それからその次は、国が直接払う補助金と地方公共団体を通じて払う補助金、これも大体八対二になっております。行財政問題、行政改革問題が起こって、この通常国会で、超党派で予算補助であったのを法律補助に急遽された法律も私は何本があることを存じておるわけでございますけれども、そのとき議論しますときに、やっぱり先生がおっしゃったと同じような、行財政改革に当たってどうしたらいいだろうかという疑念はありました。ただ、私たちは国政の運営の大きな責任を国会議員として持っておるわけでございます。国政の進展のためには一日の停滞も許されないということ等を考えて、超党派でおつくりになった予算補助を法律補助に切りかえる法律等についても、各党ともそうだろうと思うんでありますが、賛意を表された法律があります。
 ある面では、それと性質は違いますけれども、午前中申し上げたんですが、どんなに苦しい財政情勢下で多くの国民の皆さん方に耐え忍んでいただかなくてはならぬときでも、このトンネルを抜け出せば将来に希望があるんだという意味で、こういう国民的大きい要望のある整備五新幹線、苦しい中ではありますけれども、選択の幅は非常に狭い道ではありますけれども、一筋の将来に対する光明としてこれは手をつけていかなくてはいかぬのじゃないだろうか、こういう気持ち等もあります。率直に言いまして、行財政改革の問題どこの改正案とのことで悩み苦しんだことはございます。
#84
○桑名義治君 確かに先行投資をするということについては、これは意見が必ず分かれると思うんです。たとえば国鉄の皆さん方といろいろお話し合いをしたときにも聞いたお話でございますが、過去、電化をどういうふうに進めていくかという問題、これ確かに電化をすることについては大きな投資が必要でございます。そのときに、やはり現在は電化をすべきではない。いや現段階でやっておかなければ将来にわたって禍根を残す。また、将来また電化をするとするならば大きな負担を抱えなければならないというそういう命題も生まれてくるわけです。そういう狭間の中で、やはり非常に先行投資をするときには苦しまなければならないことは、これは事実だろうと思います。そういった意味からも一面今回のこの問題は考えていかなければならない問題だろうと思うんです。
 しかも、先ほどから申し上げておりますように、行革との絡みというものもあるものですから、そこら辺が非常に判断の苦しいところではなかろうかと思うんです。
 そこで、今回のこの法ができた場合には、地方自治団体の負担をどの程度にするのか、この問題がやはりどうしても焦眉の問題になるわけですが、先ほどからのお話では、それは地方自治団体の自主的な形でというお話がございました。果たしてこの自主的なという考え方でうまくいくのかなという感じもするわけでもございますし、それと同願に、まず関係自治団体との関係の中の負担比率をどうするか、それから国と地方自治団体との負担の比率をどうするか、そしてこれは国鉄がかみますから、国鉄とのこの絡みをどうするのか、この一つの大枠をつくらずして、果たしてこの法が通ったとして運営上に支障は起こらないだろうか。こういう心配があるわけでございますが、そこら辺はやっぱりある程度詰めておいた方がよかったんではなかろうか。こういうふうに思うわけでございますが、その点はどういうふうにお考えになっておられますか。
#85
○衆議院議員(加藤六月君) 先生御存じのように、国鉄再建をしてくる過程におきまして、国鉄の工事費に対していろいろな補助、助成制度を次次加えてきました。現行は市中金利が八%であろうと九%であろうと一〇%であろうと、三・五%になるまでの補助金を出しております。私はこれはたとえば一〇%を市中金利がしておる場合には、国鉄の工事費に対して国は三分の二の補助金を出しておるんだというような考え方等を持っております。
 今回、この改正案をつくるまでいろいろ勉強した過程におきまして、先ほど三塚提案者が御説明になりましたようないろいろのことを考えてみました。工事費の全額補助あるいは十年間の利子補給、二十年間の利子補給という根底には、国が現行制度で三・五%になるまでの工事費補助をしておるという前提で、そして国鉄にこれ以上の負担はかけないようにするためにはどうしたんだろうかということ等での勉強はしてきたわけであります。そして昨年の予算編成時期におきまして大蔵大臣と運輸大臣がいろいろ申し合わせをされた中に、第二項目に「工事着工のため」云々というのがあって、四十億円ずつ計上する。それから四項目に「二項の建設費は公的助成の方法及び地域の負担に関する制度が整備されるまで留保するものとする。」という申し合わせがあるわけでございますが、
   〔委員長退席、理事山崎竜男君着席〕この「公的助成」と「地域の負担」というのがなぜこのように議論になったかということを考えてみますと、結局、国鉄の経営改善計画に支障を来さないためには、今後新幹線建設促進をやっていく場合には、公的助成の方法と地域負担の制度という問題がある。
 私はその公的助成というものと地域負担というものとのいろいろ表現がございますが、国が国鉄に対して工事費の三・五%になるように補助するという問題を念頭に置きましていろいろな手法を検討してまいったわけでございますけれども、しかしこの法律から言いますと、先ほど来たびたび繰り返して申し上げておるように、地方公共団体が国鉄に対する援助の道を、機能を付与し自主的に今後決めていく、これしかないわけであります。
 たとえばこれをつくるときに、しからば政令をつくって負担率を決めたらどうだろうかということ等も考えましたけれども、それは地方公共団体の性格並びに地方自治のいろいろな問題からしてはだめだろう、やっぱり自主的に話し合いで決めてもらわなくちゃいけない。それが土地になるか建物になるのかあるいは用地になるのか、当局とそれぞれの地方公共団体でそういうこと等を相談していっていただきますと、おのずから自然に一つの何かは出てくるんじゃないだろうかと思いましたんですが、繰り返して申し上げますが、その根底には国の助成が国鉄の工事に対しては三・五%になるまでは補助するという前提があっていろいろ考えたということしかこのなにでは申し上げることができないのを残念に思うわけですが。
#86
○桑名義治君 いまの段階ではそういうふうな点がきちっと詰まってないというお話でございますが、いずれにしましても、いよいよ着工の段階なり、あるいは建設の計画の段階に入ったときには、この問題は当然突き当たるべき問題でございますので、やはり今後の問題としては、私はある程度詰めておく必要があるんじゃなかろうかと、こういうふうに思います。
 そこで、今回のようなこういう法改正というものは、地方自治体にとりましては新たな負担が生ずるということになるわけでございますが、この問題に対して各地方自治体の反応というものはどういうふうになっておるのか、つかんでいらっしゃいましょうか。
   〔理事山崎竜男君退席、理事目黒今朝次郎君着席〕
#87
○衆議院議員(加藤六月君) 先ほど関係知事さん方と三回話をしましたということと、あるいは県によっては議会の中に特別委員会その他をおつくりいただいて、議会側の特別委員長さん方、あるいは知事さん方あるいは副知事さんあるいは東京事務所の所長さん方、そういう皆さん方とは相当接触をし、御意見は承りましたが、しからば地域全体の反応はどうかということでございますと、まあ選挙によって選ばれた知事さんや議員さん方が熱烈に要望されておられる方が多いわけでありますから、地域の皆さん方も熱烈に要望されておられるんじゃないだろうかと、こう思っておるわけでございます。
#88
○桑名義治君 そこで、先ほどの質疑の中で、しからば、大体いつごろから着工するのかと、こういうお話があったわけですね。で、これはいつごろからということになってくると、提案者も非常に御答弁はむずかしいと思うんです。これはいろんな条件がそろって初めてどうするかという問題が出てくるわけですから、これ非常にむずかしいと思う。
 で、現時点において行革との問題あるいは財政再建との問題、これは国、地方にかかわらず行革、財政再建というものは、非常に大きな命題でございます。したがいまして、こういった命題を、いろいろと客観情勢というものを考えた場合に、先ほど局長は八十億円の新幹線の建設費が計上されているから云々というお話がございましたけれども、この問題、ぼく運輸委員会のときに質疑したんですよ、これ恐らくゼロになるんじゃないかって。これまるっきり残るんじゃないか、そういうふうに質疑をしたわけでございますが、いずれにしましても、この八十億円が使われて新たないわゆる出発が始まる、建設の準備が始まるということは、私はいまの段階では考えられないと思うんですよ。
 したがって、先ほどからの御答弁のように、新幹線ができる場合には、こういう財政状況の中であるいはまた国鉄再建という大きな問題を抱えながら、新しいそういう地域における国民の希望を、要望を入れることは非常に厳しい、財政的にも。したがってそういう窓口をあけたんだと、こういうふうに端的に言うと御答弁なさったわけでございますが、窓口がさああいた。そうすると、現在の財政状況というものはこういう厳しい状況なんだ。やはりある程度待たなきゃならぬと思うんです、私は。新幹線建設するにしてもある程度待たなきゃならぬ。なぜならば、窓口があいた、じゃ五年先なら五年先、十年先なら十年先をめどにして、地域の方々が、こういうふうに今後進めていこうではないか、財政準備、いわゆる積立金というもの、あるいは準備というものができるということについては、これは一応のメリットは私はあるような気もするんです。
 そういう立場から考えますと、私は提案者も、いや川座につくるんだという御答弁は返ってこないと思うんですよ。しからば、大体何年後をめどにしてこの法律が動くような状況をつくろうというふうにお考えになっているのか。その点をちょっとお開きをしておきたいと思います。
#89
○衆議院議員(三塚博君) 大変むずかしい状況の中のスタートでありますことは認識をいたしております。門戸を開くという一つの大きな意義がそこにあります。
 それと、先ほど加藤提案者から御説明がありましたように、大蔵、運輸両大臣の申し合わせ事項、制度の整備を待ってスタートをする、それは公的負担であり、地方負担のあり方であろうかと思います。いずれにいたしましても、これらの諸問題は精力的に詰めていかなければならぬ問題でございます。行革の厳しい中ではございますが、国会の意思としてこの法律を成立さしていただきますならば、その時点をスタート台といたしまして、先ほど来御指摘をいただいております。そういう問題点を精力的に詰めさしていただく。
 同時に工事費八十億円計上されておりますから、この八十億円が有効に支出をされ、投資されてまいりますように条件をつくることをしなければならぬだろう。言うなれば、政府側は今日の状況を盾にいままで整備五線の着工を頑強に拒み続けてきたわけであります。それに国会の崇高な意思がここに表現をされると、こういう意味におきまして、これはまさに今日の政治制度から前進をするわけでありますから、これをてことして、私ども提案者、そういう意味で三役を初めわが党の最高幹部の諸君を提案者に名前をお願いを申し上げました趣旨もそこにあります。もちろんお願いされたからやったわけではございませんで、進んでこの提案者におなりをいただいた経過等もございまして、政府与党一体という関係の中で、政府に対しまして出せるぎりぎりのところでこれをやらさしていただかなければならぬ。
 ですから、年度内に確実にこれがスタートでき得ますようにありとあらゆる努力を進めなくちゃならぬだろう。もちろんこれが成立することによりまして、反対をされる立場の方も最終的にはないのかもしれませんが、あるのかもしれませんが、そういう点で、しかし、成立しますと国会の意思でございますから、各党の皆様方の御支援、御鞭撻、御協力を賜りましてこの難関を突破をして、着実に第一歩を踏み出していきたい、こう念願をいたしておるところであります。
#90
○桑名義治君 この法律につきまして、私、これ最後にしたいと思うんですが、最後に提案しておきたいことは、こういう財政状況の中でございますので、この法律の運営については、国もしくは国鉄から能動的にこの法律を施行するんではなくて、あくまでも地元の地方自治団体あるいは関係団体からの強烈な要請、あるいは準備が全部終わったと。しからば、ひとつ国鉄さんお願いしますよ、また運輸省さんお願いしますよと、こういう受動的な立場にむしろこちらが立たなければ、いま私は大きな問題がかえって起こるんではなかろうか、こういうふうに思いますので、その点をつけ加えさしていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#91
○小笠原貞子君 提案者にお伺いしたいと思います。
 先ほど時間を見ながらお答えを聞いておりましたら、加藤さん、五分くらい大変御親切にお答えをいただきました。私の時間三十分でございますので、どうか端的にお答えをいただくということを心からお願いをしてお伺いしていきたいと思うわけです。
 昨年の十二月五日に、自民党交通部会と国鉄基本問題調査会の合同会議で新幹線整備五線の関係知事ら各県代表をお呼びになりまして、財源分担問題等で意見をお求めになったということを拝見いたしました。そのときの各県知事の御意向はどういう御意向であったか、いろいろ自治体負担があってもやろうよというように大変積極的に発言なすったのはどの知事さんであったかということを、簡単にお答えをいただきたいと思います。
#92
○衆議院議員(加藤六月君) どの知事さんであったか、どの副知事さんであったか記憶がはっきりいたしておりませんが、メモを見れば全部わかるわけでありますが、簡単に答弁しろとおっしゃいましたから簡単に申し上げますと、少々の負担をしてもいいから断じてやってくれというのと、負担はひとつなしにいままでどおりでぜひ着工してくれというのと、もうつめのあかを一節約して何かある方法を考えてでもいいからやってもらいたいんだが、そう膨大な負担はできませんというのと、三つのパターンがあったと思います。
#93
○小笠原貞子君 御記憶が確かでないとおっしゃいましたので、私の方でいろいろと調べてまいりました。
 とにかく新幹線つくってほしいというのはつくってほしいわけですよね。私もつくっていただくのは結構だと思うんです。ただし地元負担が大変になるというところで問題が非常にこじれてきていると思うんです。その会議で地元負担があってもやりたいと積極的発言をなすったのが北陸関係の石川県、富山県の知事さんということを私読ませていただきました。その知事さんたちは金出してもいいからやりたいよと言って地元に帰ったら、県議会の方から、かっこういいこと言って返事したけど、この県でそれだけの金があるのかと言われて腰砕けになったというのもまたニュースとして出ているわけでございますね。それで、大体その三つのところはまあまあ積極的だということですね。
 先ほどの質問の中に特殊な人というお言葉でしたかね、特殊な人が一生懸命やりたいと言っているんだよ、地域住民が一生懸命やってほしいというようなものではないよというようなことをおっしゃいましたけれども、実はこの問題が起きましてから非常に短時間ですね、衆議院にかかりましたのもこちらへかかりましたのも。短時間にかかわらず、これはもう時間切れになったからだめだよと言ったんですけれども、きのう、これ富山なんですけれども、富山県から二千何ぼですわ、請願というのが出てきたわけです。新幹線建設費の地元負担導入に反対する請願というのがこれだけ出てきまして、それでいままでのを積み重ねますと、この短時間の間に五千五百四十という署名が私の方に届いているわけでございますね。だから、やっぱり住民としてはそれがもうやがては自分の負担にかかってくるということから、つくってほしいけれども、この財政負担ということを非常に考えて、ちょっと時期を見てほしいというような御意向、これが私は率直な住民の意向だというふうに思うわけです、これだけ数が短時間に集まったというところから。
 それで次の質問になるわけですけれども、いろいろと自民党さんの方で案をお出しになっているのを、私これもまた読ませていただいたわけでございます。「自民党・整備新幹線財源検討小委員会の報告」というので、どういうふうに御議論になったかと読ませていただきました。そしてこの中で、最も可能性があるというような案としては、やっぱり二十年金額利子補給のやり方というのが一番の可能性ありという道ではないか、そういうふうに見たわけなんです。そうしますと自治体負担がどれくらいになるかといいますと、北海道が四千五百億、青森県が二千六百五十億、岩手県が千二百億という相当な数字が出てまいります。
 これらの数字の基礎になりましたのは五十四年度ベースでの計算でございますから、いまこれからというと大変なまた上積みをしなければならないということは当然のことでございますね。上越新幹線の場合は、当初四千八百億、ところが五十五年度までに一兆三千億と二・七倍になっているわけですから、だから五十四年度のこの試算でいくわけじゃなくて、これが少なくとももう倍近く、三倍近くなるかもしれません。こういうふうに大変な負担がかかってくるのではないか、こういうことになってくると思うんです。
 それでお伺いしたいんでございますが、自治省お答えをいただきたいと思いますけれども、これらの関係した各県の単独事業費というものがございますね、北海道の場合道単でいろんな仕事をしています。それがどれくらいになっているかということを、時間がございませんから、たとえば北海道なら北海道でも結構でございますが、どれくらいになっておりますでしょうか。
#94
○政府委員(矢野浩一郎君) 北海道についてお答を申し上げますが、昭和五十四年度の府県の決算から見ますと、北海道における単独事業費七百三十五億円というぐあいに承知をいたしております。
#95
○小笠原貞子君 北海道の道単が七百三十五億、青森は三百十四億、岩手は四百三十九億というのを単独で出している。これは国としての援助をもらえない、足りない、だけども県民や道民を守るためにといろいろな立場で出しているお金でございますね。
 この道単の費用、県単で出している費用と、負担しなければならないというお金とを比較してみたわけなんですよ、私ね。そうしますと北海道では六年分なんです。それから青森県では八年分、石川、富山県でもそれぞれ五年分、八年分というように大変な額だということがここでもわかるわけですよね。だから、この県単、道単でやっているというそのことが全然できなくなって、それぞれの県民、道民の生活という問題には大きな影響が出るということが一つと、しかもこれをもう五年、六年、八年と全額つぎ込んでいかなければならないというふうな大変なお金というものがここに浮かび上がってくるわけですね。これがまた県民一人当たりの負担で考えると大変大きくなってくるわけです。比較的少ないと言われる北海道でも岩手でも、一人当たり八万余円、それから石川県で十三万、富山、青森になると何と十六万ないし十七万もの負担がくるというふうな、数字で計算しますとそういうことになるわけですよね。
 そうしますと、先ほど御答弁伺っていますと大変ロマンに満ちた言葉が出てきたり、文学的塗言葉が出てまいりまして、大変楽しい御答弁いただいたわけでございますけれども、窓口を開く、道を開く。道は開いたけれども、その道から進んでいくときに、結局だれがお金を出してくれるかというようなことが具体的にはないという場合には、道を開いた、わが道われひとりで行くというさびしいことになるわけでございますし、また夢と希望なんて本当に若々しい御答弁いただきましたけれども、その夢と希望も、現実のものになって夢と希望というものが与えられるのであって、財政的な負担ができないよ、さっきおっしゃったようにふところへ手を突っ込んだってないものはない、衆議院でもおっしゃいましたね。というような形になってくるというと、夢と希望も水のあわになってしまうのではないか。
 そういうふうなことから考えますと、自治体負担全くなしたというわけにはいかないと思うわけですけれども、どの程度真剣に自治体の負担を考えていらっしゃるのかという立場をお伺いしたい。自治省にその点をお伺いしたいと思うんですけれども、自治省としては、自治大臣がいろいろと発言なすっていらっしゃいますけれども、こういうような負担についての考え方、一体どういう考え方を持っていらっしゃるか、伺わせていただきたい。
#96
○政府委員(矢野浩一郎君) たびたび自治大臣がお答え申し上げているところでございますが、新幹線の建設、これはやっぱり国土の基幹的な交通網の整備の一環として行われるところでございます。いままでも国有鉄道なり鉄建公団が行ってまいりました。現在国と地方との間の事務配分なり財源配分のたてまえから申しまして、今後の建設につきましても従来と同様に、国なり国鉄、鉄建公団の負担において行うべきものだというぐあいに考えているわけでございます。
 今回の新幹線整備法の一部改正につきましては、提案者側からもたびたびお答えがございますように、建設について、地元地方公共団体と協議をする道を開くということを趣旨とするものであって、地元負担を強制するものじゃないと、こういうぐあいに私どもは理解しておるわけでございますが、なお、そういった負担ないしそれに関する仮に地方団体側にそういう気持ちがあったとしても、これについて制度的な財源措置を行うということは、私どもの方としては考えていないところでございます。
#97
○小笠原貞子君 これは、この委員会はつくる方ですから、つくる方だから、つくってくれという希望もあると思うんですけれども、今度は、つくるために、出す方というのは自治体の方ですからね。だから、いまも御相談いただいているんですけれども、当然、運輸委員会と地方行政委員会というものの両方の立場で連合審査もしていただきたいと、けさも理事会でお諮りのお願いをしたわけなんで、それはまだ返事が来ておりません。
 私、衆参の議事録を読ませていただきました。四月九日、四月十六日、そして今度は四月二十四日と、その三つのこれに関しての質問と答弁を伺いましたら、安孫子大臣がはっきり言っていらっしゃいますね。自治体としては、これはもうとても出せないよという言葉に尽きるわけなんですね。そうしますと、これはなかなかおいそれとは動かないというようなことで、次には、この報告の中で、財政的問題としていろいろお考えになっていらっしゃいますね、おたくの方で。どういう取り方をするかというお考えがあると思います。それをちょっと、どういう考え方でやっていこうとしていらっしゃるか、これも簡単にお答えください。
#98
○衆議院議員(加藤六月君) 前段で申し上げなくてはならぬと思いますのは、先生先ほど、新幹線の建設はしてくれ、ただし、地元負担はしたくないという陳情書か請願書――陳情ですか、請願書ですか。
#99
○小笠原貞子君 請願になっているんですけれどもね、時間がおくれました。
#100
○衆議院議員(加藤六月君) 私のところには、その何十倍という要望書が、約四千人から五千人とおっしゃいましたが、何十万という人が具体的に、ぜひ、少々負担してもいいからつくってほしいという要望書が来ておることを冒頭申し上げたいと思います。
 それからもう一つは、そういう気持ちがあるというのは、午前中の御質問にもお答え申し上げたんですが、鉄道を敷く場合には地元負担は一つもない。あと、空港であろうと港湾であろうと道路であろうと下水であろうと公園であろうと、全部地元負担があります。そこに、いままでの一つのパターンがあり、さらに国鉄の場合は、それで具体的に、道路の軌道敷を買い鉄道をつくりますと、納付金という固定資産税にかわるべきものも地方公共団体には納めるような制度になっております。この納付金問題については、私たち国鉄再建のためにいろいろ議論をさらに深めていかなくちゃならない。いまの矢野さんのところと毎年税の問題のときにはいつも激しいやりとりをしておるという面がありますが、やっぱり新しい新幹線を敷くときには地元も何がしかの負担をするんだと、応援をするんだということは、私はこれからの国鉄のために、たびたび申し上げておりますが、日本国有鉄道に対する国民皆さん方の理解と納得と協力をお願いする意味でも必要だと思うわけであります。
 それから、同じく御質問に出ました、私がこの問題を議論する過程において出した利子補給負担割合案の二十年間全額利子補給の場合の数字を先生は先ほど来おっしゃっておられましたが、どうぞこの改正案を議論する過程においては、こういう数字は頭からお捨ていただきたい。こんな負担をしてもらおうとは夢にも考えておりません。それなら、具体的にどうなっていくんだということで、衆議院の段階でお答えはいろいろしておきましたが、工事補助という方法があります。
   〔理事目黒今朝次郎君退席、委員長着席〕
利子補給という方法があります。あるいは土地という問題があります。あるいは駅ビルという問題があります。あるいは駅前広場という問題がございます。その他いろいろな問題での応援をしていただく方法はあるわけでございます。それはたびたび申し上げておりますが、いろいろ話し合いをしていく過程において、先ほど三塚提案者からお答えがありましたように、非常に厳しいものではございますけれども、おのずから一つの協力、負担をお願いするものは出てくるんではないだろうか、こう思っておるわけでございます。
#101
○小笠原貞子君 二十年とか三分の一負担とか、頭から抜かせと、こうおっしゃいましたけれども、そういう何にも具体性がないので、ただ門を開くのだ、だから通してくれなんて言われると、私らやっぱりちょっと審議にならないんですよ。議員立法というのは気楽なものだなあと思ってさっきから聞いていたんですけれども、やはりそういうことをやりたいとおっしゃるからには、それなりのやり方とか、財源措置とか、こういうふうに協力を得るのだとかいうようなものがあって議員立法のものが出てくるのが当然だと、そう思うわけです。だから私も好きこのんであれを引っ張り出したわけではないけれども、おたくの方で非常に審議なさいましたね、八回にわたって。その熱意を買ってそれを取り上げて伺っているわけでございますから、もしもそれを取れというのだったら、初めから何もこんな審議しないで、窓口だけ開こうやというので自民党さんで意思統一なさればいいんですよ。たまたまこれ具体的に出ているから、私はこれをやっぱり基礎としての御意見だったという形でとりましたから、やっぱりそうすっと抜けというわけには、ちょっといかないのです、私の方は。私の立場も御了承いただきたいと思います。
 それでまた、この小委員会の報告の五の(二)の財政問題というところがございまして、ここで四点ほど指摘されているわけですね。これは「地方公共団体の既定の収入の中から支出する場合」とか、それから今度「地方税として何らかの税目を新設し、または既存の税目の税率を上げることにより」これをひねり出すという問題、それから「地方交付税の基準財政需要額の算定の対象に」「負担分を追加する場合」と、それから四番目には、「宝くじ、競馬、競輪、小型自動車競走およびモーターボート」、いろいろなかなか細かく御審議になりましたようですが、こういうところからの「財政収入をふやして、その収入から支出する場合」というふうに書かれているわけなんです。
 その四つのこういうふうにやると書かれているその後がまたこれ傑作なんですね。一の場合、地方公共団体の既定の収入の中から支出する場合、後ろの方は、こうこうこういうわけでこれは大変だ、「検討する必要がある。」というのが結論ですわ。
 二番目の、何らかの税目を新設または既存の税目の税率を上げるというようなことも、これも「問題である」、こういうふうになっているわけですね。
 それから今度三番目、交付税の問題も、「既存の地方公共団体の行政水準に影響を及ぼすこととなる。」と、こうなっているわけですね。
 モーターボート、宝くじというようなことまでお考えになったけれども、これはわずかな額でありまして、結論は「十分な財政収入を確認することは困難と考えられる。」と。いろいろ考えられたけれども、検討しなければならない問題があるよと、入ったってわずかじゃしようがないよと、こうなっている。
 四つ考えられたけれども、全部だめですわ。これ、結論でちゃんとこう書いてある。
 そうすると、結局、地方自治体としての負担を何とか話し合いによって進めていきたいということになるということなんですね。先ほど加藤さん、三分の一なんというのはゆめゆめ考えていませんというふうにおっしゃいましたし、そして地方自治体もこれを強制的に取り上げるわけにはいかないというふうにおっしゃいました。そうして、ゆめゆめそんな三分の一なんということは考えていない。それから強制的に、地方自治体の貧乏な財政から出せというような強制もいたしませんと、こういうふうに了解してよろしいですね、先ほどの答弁から。簡単にお願いします。
#102
○衆議院議員(加藤六月君) そのとおりでございます。
#103
○小笠原貞子君 そういうふうにできるのであれば、どういういい道があってそういうふうにできるのですか。自治体の方からも無理やり取るなんということはしない、そしてもうたくさんの額で押しつけるということはしない。だったらどこからその打ち出の小づちの金出てくるんですか。
#104
○衆議院議員(加藤六月君) 一年間かかって勉強しました成果をまとめて報告しましたのが先ほど先生がお読みになった報告書でございます。ここへ私資料持ってきておるんですが、その経過に至るまでは先生、これだけの会合でこれだけの資料がある。最後の分だけのところを先生はいまお読みいただいたわけでございますが、そういうことと、先ほど先生がお読みになったこと等も全部、これはわれわれが言ったんじゃなくていろいろな先生方から出てきた意見を、報告書ですからまとめて報告をいたしたわけで、ある先生が、たとえば競輪をやれば、特別の日数をふやせば出るじゃないか、ある人は、いや少し宝くじを出して協力してもらうかとか、いろいろな問題から始まって何やかんやをまとめた報告書でございますから、そこはそこだけをお取り上げいただくといけないんで、全体をずっとこう読んでいただきますと出てくるわけでございます。
 そして、そういうもろもろの問題は、それならどういう負担をするんだという負担の種類については、先ほど御答弁申し上げました。そしたらその次は、それならその額はどの程度になるんだという御質問ではないかと思うわけですが、これも先ほど桑野先生のときにお答え申し上げたわけでございますが、一時はこの法律を通した後、政令を考えようかと思いましたが、政令を考えてはいけないということ等で話し合いをしていただいておる間に自然に、わが県は、わが市は経済団体とも相談をしてこのぐらいはいたしたい、これくらいはしたいというのが浮かび上がってくるんではないだろうか、こう念願と期待を込めてつくったのがこの改正案であります。
#105
○小笠原貞子君 わかりました。
 そうしますと、具体的には地方自治体も大変だ、もういろんなことを考えたけれども、それもなかなか大変だ。で、いまのところ財源として出てくる確たるものには確信がありません。しかし、道を開けば自然に何とかなるであろうと。これ禅問答みたいなんですね、さっきから。みずから自然に何らかの道が開かれるでだろう、こういうお答えなんです。そういう程度なんですね。まことにおおらかと申しましょうか、まことにこれ考えようによったらおおらかだけど、取られる方になったら物すごくこれ心配な法律だと言わざるを得ないわけですが、いま確認いたしましたら、これから何とかなるであろう、いまのところは見込みはないよ、こういう結論でございました。
 じゃ、次に移らせていただきますが、運輸省、五十四年度整備五線の「輸送需要と収支見通し」という調査報告書をおつくりになっていらっしゃいます。その概要であるということが出されたんですが、運輸大臣はいないんですか、さっきお願いしておいたんだけれども。
#106
○委員長(黒柳明君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
#107
○委員長(黒柳明君) 速記を起こして。
#108
○衆議院議員(加藤六月君) 小笠原先生、先ほどから三、四回、取る取ると、取られると取るという言葉を使っておられますが、取るとか取られるとかという立場でこの法律の改正案を出しておりませんから、そこはひとつよろしく御理解いただきたい。取るとか取られるとかという言葉を聞いておりますと、提案者としては非常にどう言いますか、胸が痛いような気がしますから、よろしくお願いします。
#109
○小笠原貞子君 じゃ、出していただくのをお受け取りになる、こういうことなんですね。
#110
○衆議院議員(加藤六月君) 出していただくのを使わせていただくということでございますから、誤解のないように、お願いします。
#111
○委員長(黒柳明君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
#112
○委員長(黒柳明君) 速記を起こして。
#113
○小笠原貞子君 運輸省が五十四年整備五線の「輸送需要と収支見通し」という調査報告書をおつくりになっていらっしゃいます。これはぜひ拝見させていただきたいと、概要としてお持ちいただいたわけなんですけれども、これは非常に膨大な資料でございますね。数百ページというような大変な中で、私もゆっくり調べさせていただきたいと思って見せていただけないのだろうかと資料要求しましたら、これちょっと、非常に、わかりやすいというんでしょうか、ぺらペらっとお出しになってきたわけなんですよね。それで、本当なら、十分そういうお調べになったものを少なくとも議院でこれを審議するという立場の者には見せていただかないと、運輸省としての御調査がどういうふうになったかということもわかりませんので、私は、それを出していただかなかったらもう質問は続けられないよとまた座りたいところなんだけれども、そうするとちょっとまた大変になるので、その点については、これから資料の請求について誠意をもってお答えをいただきたいということをお願いをしたいと思うんです。
 それで、このべらっとしたものの中を見せていただきましたんですけれども、この中に重要な指摘がございました。つまり、「経済効果について」云々と書いて、「費用便益分析を行つた結果、全線開業の場合、便益が費用を上回っており、」云々と出ていて、これからが問題なんですけれども、「本調査では、騒音等マイナスの効果を計測していない」というふうに出ていたわけなんですよ。
 そうすると、これは通りますと、新幹線も名古屋で裁判になっているというようなことで、騒音とか振動とかの公害問題もございますし、また自然破壊というような問題もいろいろございます。
 騒音だけについて見ますと、五十四年秋、新幹線訴訟の判決の後、国鉄がそれまでの防音工事対象基準八十ホンから七十六ホンにすると計上した事業費、それだけで六百億かかっておりますね。それからさらに、居住地域では、五十七年には七十五ホン、六十年に七十ホン、こういうふうに下げていきたいというふうに考えていらっしゃいますね。そうすると、騒音についての公害調査の中で、これをどれくらいまで下げてというふうに、いわば、調査というような問題を、はっきり私は伺わせていただきたい、そう思うわけなんです。これによってまた費用というものも相当違ってまいりますし。
 それから、先ほど加藤さんのお答えの中で、環境影響評価という問題について、地元の住民にもよく知ってもらってそして理解を得たい、こういうふうな御発言がございました。そうすると、これも五十四年度二十五億ずつつけて、また五十五年もつけて、ことしもというふうにして調査をされているわけですから、そうすると、そういう調査なすったり、その結果がどうであったというようなものも、線が決まらないから全部できないというのは当然だと思いますけれども、いままでなすった調査の中間的なまとめとか、いろいろ心配される問題点というようなものなども伺わせていただきたい、そう思うわけなんです、これ新幹線についている問題でございますから。そういう点についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいましょうか、御返答お願いしたいと思います。運輸省で調査なすっていますでしょう。
#114
○説明員(半谷哲夫君) ただいま先生から環境問題についての御質問がございましたので、それにつきまして御答弁申し上げたいと思います。
 いま、整備五新幹線につきましてはいろいろ調査を進めております。その中に、環境影響評価に関する調査も現在、五十四年以来やってきております。それで、ルートを、決定といいますか、しぼり込むために必要な自然環境あるいは生活環境、社会環境というようなものの調査を現在進めてきておりまして、今後、地元の知事さん等とのお話し合いによりまして、地元におきます土地利用計画、都市計画あるいはその他の御意見等を聞きながらルートをしぼっていくわけでございますが、もう少しルートをしぼりましてから環境影響評価というものが完結するということになっているわけでございます。
 それから、国鉄と申しますか、今後の新幹線に対して、環境問題、特に騒音、振動問題に対してどう取り組むかという具体的な問題でありますけれども、これにつきましては、私ども、東海道新幹線、山陽新幹線の経験を経て、現在、東北、上越新幹線を建設中でございます。この間に、この経験と、それからそれに施しました対策、さらに加えて調査、研究をいたしておりまして、それらの成果を今後の整備新幹線には当然反映さしていくというつもりでおります。
 また同時に、今後つくる整備新幹線につきましては、地域の方々とのいろいろ御相談の段階で、できますれば、いままで以上に地域計画、都市計画等との整合性をとりまして環境保持にさらに万全を期するという点において、地元の方々との御意見の交換も十分にやっていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#115
○小笠原貞子君 いろいろまだ決まってない段階ですから、なかなか最終的なまとめというのは無理だろうということはわかるんですよ。現状がどうなっているかということの調査をまずいまやっていらっしゃるわけでしょう。そして、それが新幹線がついた場合にどうなんだというもとの比較になるわけですよね。だから、そんなにむずかしく考えられなくても、現状でどういう点についての調査をいたしました、どういう項目についてはどうでございました、というくらいのことはお知らせいただけるのではないか、そう思ったわけなんです。それは別に秘密でもございませんよね、大臣。横向いていらっしゃるけれども。ぜひ、それもわかって、そして、いろいろまた問題を提起していきたいと思うわけなんです。
 いろいろ問題を、これは、とてもじゃないけれども、三十分やそこらじゃだめですよ、こんな法案審議するのに。だけれども、一応三十分という約束で、私の時間が過ぎましたので、最後に加藤さんにお伺いしたいと思うんです。先ほどから、よく言えば非常にロマンに満ちた答弁だとか、非常に哲学的な禅問答のようなお答えなどをいただきまして、それは何を示しているのかということを私なりに考えながら議事録を読ませていただいたわけなんです。
 そうすると、これは五月二十二日の衆議院の運輸委員会でございますが、この費用負担の問題についていろいろ質問があって、そこで加藤さんがお答えになっているんです。こうおっしゃっているんですよ。「私もこの改正案をつくるまでに地方公共団体の代表者、議会側の代表者、執行部側の代表者等とも何回も何回もお会いしてやってきたのです。」先ほどもおっしゃいましたね。「あるいは、先ほど来議論のありました国が三分の二で地方公共団体が三分の一という」、ここら辺から大事なんですよ。「三分の一というむちゃくちゃな案を出せば、率直に言って、地方公共団体、地域の皆さん方は、もう整備五新幹線に対してギブアップしてもらえるんじゃないか、もうやめたと言ってもらえるんじゃないだろうかという気持ちもありまして、ある過程においては、先ほど来一部質問に出たような数字をわざと出してみたんです。」と、こういうふうに出ているんです。
 これはまことにふざけた話ですよ。こんな大きなこと言って吹っかけたら向こうがギブアップしてくれる、そう言って出したって言うんですよね、これ。そういう気持ちがあって出したってどういう気持ちなんですかね。私、一生懸命読んだんだけどわからない。それで、そういう大きな額でおどかしておいて、「それでもやってくれ、それでもやるということ等があったわけでございまして、」と後に続くわけでございますよね。やっぱりちょっとこれがこの法案のいままでの質疑を聞いていて流れている本音ですわ。よっぽど気分がよかったんでしょうか、本音をお出しになりましたけれども、これでは困るんですね、私たちにとりましては。
 最後に、こんなふざけたこういう考え方で提案者として出てこられたら困るんで、やっぱりみんなが新幹線つくってほしいと、私もそれには反対いたしません。だけど、地方自治体や住民に大きな負担がこれからかかってくるというのは、どこからも金がないと言われたらどこから出てくるのですか。天から降ってくるわけじゃないんですから、そうするとみんなの負担にやがてはなるということはもう否めない事実ですよ。そういう点で、こういうふざけた考え方は私は訂正してもらいたいし、先ほど十分おっしゃったように、地方自治体や住民の皆さんに負担をかけて強制的に取るというようなことはしませんとおっしゃった、そういう立場ではっきりと最後にお考えをお伺いしたいと思います。
#116
○衆議院議員(加藤六月君) 私はそのように答弁したことをよく覚えております。比喩としてそういうことを申し上げました。率直に言いましてこの財源問題は数年かかったわけでございます。かかりましたけれども、先ほど来の御質問に出ておりますように、国の財政事情、地方公共団体の財政事情等を勘案しますとなかなかいい案は出ません。そういうときにあらゆる方法、手段を考えるのが政治家としての務めであろうと思いましてやったわけでありまして、ある過程において先ほど来御指摘になりましたような数字等を出したことはございますが、比喩として申し上げたわけでございますので、ふざけておるとか何とかということではございませんので、あくまでも国土の均衡ある発展と地域住民の皆さん方の熱烈な御要望におこたえするための政治家としての責任の一端を果たそうという気持ちで改正案を出したわけでございますから、ふざけたとか何とかということではございませんことを御理解いただきたいと思います。
#117
○小笠原貞子君 さっき確認したと思うんだけれども、五十四と五十五の環境アセスの報告書をぜひいただきたいということ。
#118
○説明員(半谷哲夫君) 環境影響評価につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、いま作業途中でございます。これができ上がりました段階で影響評価書として大臣に提出することになっておりますので、いまの段階で途中計画として出せる状況にございませんので、ちょっと御了承をいただきたいと思います。
#119
○委員長(黒柳明君) 暫時休憩いたします。
   午後二時五十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後五時七分開会
#120
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#121
○小柳勇君 質問をさしていただきますが、私は資料を持っていますし、質問通告してないのに細かい問題を質問してもなかなか的確な答弁も御無理の点もあろうかと思いますけれども、主に自民党関係のもの、及びいま政府の持っておられる自民党の交通のベテランの先生方のこれからの国鉄再建なり国鉄経営に対する基本的な考え方、そういうものをお伺いしたいと思います。
 まず初めに、私ここに昨年の十二月十九日に自由民主党国鉄基本問題調査会整備新幹線財源検討小委員会及び同自民党の交通部会の報告なるものを持っています。「整備五新幹線については、」云云という書き出しで、「当小委員会としては、そのような状況をふまえ、慎重審議の結果、以下の結論に達した。」八つの項目が報告としてここにプリントされておりますが、この報告なるものは自由民主党の中においてはどういう扱いになっておるのか。提出の手続から、これが機関でお諮りになるでありましょうが、これが機関にどういう諮り方をされて、そしてそれが日本の行政の上にどういうふうにプッシュされてまいるのか。その手続なり、今日までこの八項目が、自民党内及び政府に対してPRされていると思いまするが、その経過なりいきさつについてお話を願いたいと思います。
#122
○衆議院議員(三塚博君) 党内手続の点についてでございますが、先ほど来加藤提案者からも御説明がありましたように、整備五線の将来のあり方、また、全国各地から寄せられてまいりました整備五線着工の強い要請にこたえてまいりますためにはいかにあるべきかという観点から検討をさせてはいました。同時に、小柳先生御指摘のように、今日の国鉄は年々一兆円近い赤字を出さざるを得ない現況にございます。そういう中にありまして、従来の財投方式、財源方式によります新幹線の建設は、国鉄に大きな負担を強いることに相なり、再建の足を引っ張ることになりかねない、そういう観点の中で本問題の検討に入らさせていただき、鋭意詰めさせていただき、先生いまお読みをいただきました結論に達したわけでございます。
 これは小委員会、専門委員会におきまして、法制を初め財源措置、今日の現況等を踏まえて、正式には八回、非公式に数回開かせていただきまして、案を練らさせていただき、合同会議においてこれを決定を見たわけであります。そして、御案内のように自由民主党には政策審議会がございます。この政策審議会に御提案を申し上げまして、質疑応答を重ねながら本案の決定を見たわけであります。そして、最終的に総務会の議を経たわけでございます。この間、三役を初め党役員また総裁に逐一御報告を申し上げつつこれに取り組んでまいってきたわけでございます。
 先ほど来、本法案をつくるに当たりまして政府はどのような対応の仕方をするのかということで、公式には相談にあずかりませんと、こういうことでございましたが、法案につきましては公式なそういう形はございませんけれども、この審議を進めるに当たりまして、政府関係の機関の代表には逐一御出席をいただき、その中で議論を闘わせてきたところでございます。言うなれば、国民の御要望にお答えをしてまいりますにはこの道しかあり得ない、こういう観点の中で党議決定をいただき、その党議決定に基づきまして、これに伴う五十六年度予算編成期におきまして、予算計上について党側として強く大蔵及び政府に要請をいたしたところでございます。非常に厳しい予算編成でございましたけれども、党のそういう一体的な決定の上に立った要求でございましたから、最終的に調査費を組みまして、六十、六十で百二十億円という予算計上を見させていただいたところでございます。そういう状況であります。
#123
○小柳勇君 総務会の決定は経たと、御承認は得られたようでありますが、この内容について、当然きょう出ておりまする改正法案というのは、この第五項目に「新幹線鉄道が当該地方の開発発展及び住民の生活の向上に果たす役割の重要性にかんがみ建設費の一部を地元で負担する必要がある。その実現のためには、全国新幹線鉄道整備法あるいは、地方財政再建促進特別措置法の改正を、この通常国会において行うことが必要である。」と明記してありますが、この点も総務会なりで当然御決定になっておるものと思う。その御決定によってこの法案の改正が出てまいっている。この法案の改正を出されるときは、たとえばその改正の要綱なりあるいは法案というのは閣議では決定されるのですか、その点を少し説明願います。
#124
○衆議院議員(加藤六月君) 当然、小柳先生のところの社会党で衆議院あるいは参議院に法案を提案される手続と同じことをやるのでありまして、わが党が新規法案あるいは改正案を出すときの手続は余り各党と違いはないと思いますけれども、したがいまして閣議の了承とか閣議にかけるというようなことはいたしておりません。
#125
○小柳勇君 そうしますと、これからこの小委員会の結論八項目について質問しようと思いますが、言うならばこの交通部会なり小委員会の結論であって、自民党としてはあるいは閣僚としては、この内容について責任は持てないと、こう言わざるを得ないのですか。
#126
○衆議院議員(加藤六月君) 党は責任を持ちます。
#127
○衆議院議員(三塚博君) 自由民主党の最高議決機関におきまして決定を見たわけでございます。見ました以上、当然交通部の責任者といたしましてその旨を大臣にも報告を申し上げ、このような方向で進まなければ相なりません。これは当然のことであります。
 それと同時に、御案内のような議院内閣制のもとにおける今日の政治運営でございますから、与党である自由民主党が最高の党議決定をいたしておるという事実にかんがみまして、政府も、この点内閣といたしまして正式な決定をしないけれども、またその点について閣議で協議などはないわけでございますけれども、与党がこのような重大な問題を決定をしてまいりましたという重みについては、総理以下十二分に体得をいたしておるものと思うわけであります。
#128
○小柳勇君 三塚さんは思われても、機関が、たとえば総務会はわかりました。総務会としては自民党の決定であると。ただ、それは自民党でありまして、いま加藤さんがおっしゃったように自民党でありまして、それは政党政治でありますから与党であることに間違いありません。ただ、自民党の党員、社会党もそうでありますけれども^党員としてはおのおのの考えがありますから、その党員を拘束するという面はこれは道義上の問題だけで、法的にはありませんね。手続上もありませんね。
#129
○衆議院議員(三塚博君) 手続上ということに相なりますと、党が決定をいたしました政策につきましては、党員は当然それに従い、その方向に向かいまして進めると、こういうことに相なるわけでございます。
#130
○小柳勇君 じゃ、まずその問題からいきましょうか。
 それでは、党員である自治省の政務次官とか自治大臣とかがそれに、党議に服しない場合には、当然党によって統制処分がいろいろ手続がなければ、それはただ道義上の責任だけであって、法的な責任になりませんね。その点はどうですか。
 ここから先質問してまいりますのは、三塚さんと加藤さんの責任だけで答弁されましてもこれは答弁にならぬのですね。私どもは内閣、将来仕事をやるのは行政ですから、将来は行政を相手にしていろいろ仕事上の質問なりあるいは方針なりを聞いていかなければなりませんが、まずその点、この八項目というのがどのくらいの法的な権威を持っておるのか、あるいは制度上の権威を持っておるのか、その点を明らかにしてもらいたいと思うんです。
#131
○衆議院議員(三塚博君) この点は、小柳先輩長い政治家としての御経歴、また政党の最高幹部のお一人としての御経験あられるわけでございますから、若輩である私から申し上げるのもいかがかと思うのでありますが、政党運営というものは一体的なものであり、決定に対しましては党員がそれに拘束をされて、そうでありますから政党たるゆえんがあろうかというふうに思います。
 そういう点で、お言葉ではございますが、私は党の交通部会の責任者として本提案をさせていただき、そして御質疑に応じさせていただいておるのであります。また、加藤提案者は、自由民主党政務調査会総括筆頭副会長といたしまして、政策の最高の責任者として、幹事長以下、また総裁という立場の鈴木善幸氏の委託を受けまして本案の作成及び国会における質疑にも応じさせていただいておるところであります。
 いま御指摘をいただきました自治大臣初め政務次官の問題がございましたが、自治大臣は決してこの提案に対しまして云々をされておりません。自治省という地方財政をあずかる責任者としての地方財政を勘案をされた観点からの御答弁は幾たびかございます。政務次官につきましては、この点は私自身直接その真意を確かめておるところではございませんけれども、新聞ではあのような書き方をしておるのは覚えております。しかし、そのことは必ずしも真意を伝えておるのではないと思いますし、当然、そうでありますならば党員として党の決定に違背をするということに相なりますから、それ相当の責任と行動がとられてしかるべきものであります。そのことがとられませんという現況をもって見ますれば、新聞が伝えたようなことではなく別の事由で本会議場を退去をされたものと私どもは解釈をいたしておるところでございます。
#132
○小柳勇君 少し小さい問題ですけれども、これよく追及しておきませんと、論議しましても余り意味がないわけですからやりますが、これ某新聞、こう書いてあるんです。「二十八日の衆院本会議で、自民党議員提出の新幹線鉄道整備法改正案に対して、採決に加わらない形で抗議の姿勢を示した北川石松自治政務次官の行動は、自民党安定多数下のたった一人の゛造反゛というより、行財政改革が最重要課題となっている中で「今新たな新幹線が必要か」を考えるうえで、一石を投じた形となった。」と書いてあります。
 この北川君に対しまして、自民党としてはどういう調査、どういう措置をとりましたか。
#133
○衆議院議員(三塚博君) ただいま申し上げたとおりでございますが、自由民主党の党員であり議員である私がそのようなことを申し上げますのはいかがかとは思われるかもしれませんけれども、いわゆる議員提案でございますから、ざっくばらんにお話を申し上げますことが審議の進め方の上で正しいと信じますから申し上げさせていただくのでございますが、自由民主党は、他の政党とまた違った意味で、非常にそういう意味のルーズなところがございます。言うなれば、自由民主党という名前が示しますように、議員の行動が、その人の判断において行われました場合においてはそのことを許容する体質がございます。
 私は、近代政党として組織政党として、かくあってはならぬといつも総務会その他の会議で申し上げておる一員でありますが、なかなかもって、私はあえてこれを弊風と言うんでありますが、ある自由民主党の長老は、だから自由民主党なんだよ、こういう言い方をされるわけでございますが、大変ごもっともな御指摘でございますので、今後、党運営の最大の御忠告として十分腹にしみて行動させていただきますし、また、党の幹事長以下幹部の各位にも、本日の御指摘がありましたことを御報告を申し上げさせていただきます。
#134
○小柳勇君 ただ自民党員なら、わが党でもそれはあるでしょう、本会議で、この法案は反対だといって。これはわが党でもかつてありました。それはやっぱり議員の自由だと思う。しかし、彼は政務次官ですね、行政官。その政務次官が反対だといって反対の意思表示をして本会議の採決に加わらなかったということは、たとえば、これから、自治省の局長が、もうこれいやですと言って仕事をやらないんじゃ、これ、法案通りましても意味ないですね。仕事しないですね。その点どうお考えですか。
#135
○衆議院議員(三塚博君) たまたま北川政務次官の行動についての御指摘でございますが、先ほど私が申し上げましたとおり、マスコミ情報におきましては、先生お読み上げいただきましたような趣旨に解説をされておるようでございますが、私どもは決してそうではないというふうに解釈をさせていただいておりますものですから、党内におきましてもまだ、政務次官であると同時に、わが党所属の国会議員でもありますから、本来でありますと党紀委員会が発動すべきものかと思うのでありますが、そういう解釈に立っておりますものですから、所管の関係機関もこの問題については動いておりません。同時に、不問に付しておるということは、他に事由があったことである、こういうふうに判断をさせていただいておる、こういうふうに思っておるところであります。
#136
○小柳勇君 自民党の幹事長にも言って具体的な理由を調査をするとおっしゃいましたから、調査して御報告願います。
 いま一つ、これはことしの四月十六日の地方行政委員会の速記録です。これに、安孫子藤吉君の回答がありますから、ちょっと読みます。わが党の小山一平君の質問に対する回答です。
 これは小山一平君の質問ですが、「そこで、前からも述べられておりますが、万が一そんなことが行われるようなことがあったとしても、国としては、地方交付税はもとより、いかなる財源もそれに関連して措置することは絶対あり得ないと、こういうことをやっぱり明確にしておいていただきたいと思うんです。」これに対する国務大臣安孫子藤吉君の答弁は、「自治省の財源でもって措置することはいたしません。」断言しています。これ御存じでしょうか。
 御存じであるならば、この自治大臣の答弁に対してどういう自民党は措置をとっておられるのか、そして、これだけ自治大臣がはっきり、「自治省の財源でもって措置することはいたしません。」と言っておる。この大臣がおる限りは、この法律が通りましても地方行政の中には生きない、活用できないと思うが、その点いかがですか。
#137
○衆議院議員(加藤六月君) 私は、安孫子自治大臣と個人的に、その答弁があった後二回ほどお目にかかりいろいろお話をいたしております。
 いまの答弁でも明らかなように、「自治省の財源」という言葉を使われております。自治省の財源は何であるかということは、もう私がいまさら改めてベテランの先生に申し上げるまでもありません。
 そこで、先ほど来、午前中から午後にかけてお答え申し上げておりますように、いろいろな援助の方法があるわけでございます。自治省、地方公共団体が三割自治と言われ、あるいは四割自治と言われております。一〇〇%が自治省の財源、国の財源でないことは先生も御存じのとおりでございますから、私は、自治大臣の地方行政委員会における答弁がこの法律の精神に反しておるとは考えておりません。その点につきましては自治大臣、財政局長等とも話をいたしてございます。
#138
○小柳勇君 この点はまた新たに、地方行政の方でも連合審査を希望しておるようでありますから、直接自治大臣から聞かなければなりません。
 なお、午前中に広田委員の質問でも、各省が、たとえば他の省もこの法律については賛成でないというようなことも質問がありました。自民党がいま政権政党だから、その政権政党であるところから大臣が出て、そして行政をつかさどっていますね。自民党で決まったことでありますから、そこから出ている大臣は、法律が出ました以上、あるいは心では本気でなくとも形の上では仕事をするでしょうが、実際この法律が生きていくでしょうか。各省の中に局長から課長から――大臣がそういうふうなことで、各省が本気でこの法律を生かして新幹線を整備するというようなことが本気でやられるでしょうか。その点をひとつ聞いておきたい。
#139
○衆議院議員(加藤六月君) 政策立案の段階におきましては、わが党内、先ほど三塚提案者からも若干御説明がございましたが、けんけんがくがく、賛成反対の、これは今回のこの法案だけじゃございません。政府提出の法案についてもあるいはまた衆法についてもけんけんがくがく、地方行政部会と交通部会あるいは財政部会と地方行政部会、あるいは社会部会と財政部会というところでの大激論、絶対反対であるという決議とかあるいはいろいろな問題等の議論がされます。これはわが党の私はいい面だろうと思う。そういうことを通じて一つの整合性というものと永続性というものが求められていき、やっていくわけであります。それはあくまでも立案の段階であり予算をつくる段階であります。
 一たんそれが国会の審議を経て法律になった場合は――この法律のことじゃないですよ。一たん法律になった場合は、相当激しい徹底した反対がありましても、各役所あるいは党における部会でありましても、一たん法律になった場合にはこれは国権の最高議決機関であり、唯一の立法機関である国会がつくった法律に対してこれを遵守するのは当然のことでありまして、この国会が審議して通過成立させた法律に対して、違反したりあるいはこれに対してサボタージュをすることは許されないということはもうこれは当然中の当然でございます。
 したがいまして、この改正案をつくる過程においていろいろなことはありました。しかし、国会の御審議をいただいて法律になった場合は、当然関係各省庁は一生懸命この法律の精神に従って行動していただけるということを、国会議員の立場で私は期待いたしております。ただ、この法律はそこまでの強制力を持った法律ではございませんということを午前中も午後の答弁でも申し上げておるわけでございまして、地方公共団体に機能を付与し、地方公共団体の自主性を尊重して今後やっていただくということでございますので、この法律が通過成立後にいかなる機能を果たし、いかなることをやるかということは、この法案がもし成立したとするならば、今後、この法律に従って行政当局は真剣にやっていただくことを期待いたしておりますが、強制するものではありません。
#140
○小柳勇君 そこのところにやっぱり午前中の質問聞いておりましても問題があると思います。強制いたしませんと、それならば三分の一、三分の二、ここにちゃんと出てますよ。そういうものの算定の根拠も必要だし、三分の一を決めたならば、それは県知事会なりあるいは地方行政部会なりちゃんとそれぞれの機関の承認を得て答弁しておかなきゃなりません。一つの権限を与えたんだと。午前中も聞いておりまして、それではこの法律意味ないではないかと思いました。たとえば新聞などは、これは踏み絵ですと、順位を決めるときの踏み絵になるんではないかと言っているんだ。強制でありませんと言うから、金早く出そうというところにひとつ線を決めようじゃないかと、自民党の交通部会で決める、そういう踏み絵ではないかと言っている。だから金は出したくないけれどもとにかく賛成しておこうやと、そんなことだあっと書いてありますよね、新聞に。
 私は鉄道、自動車、空、海、いま総合交通体系をこれから委員会で検討しなけりゃなりませんが、たとえば新幹線が必要であるから国や地方自治体で完全に建設する。路盤を買って線路を、そこまでは国がやる。その後車をつくって、人を雇って鉄道が経営しなさい。自動車道を国がつくる、また飛行場も国がつくる、平等に国が援助して公平に競争させる。これが本当の自由競争だと思う。鉄道に路盤を買わして線路を敷かして車をつくらして人を雇って、そうしてこれの運賃は、私鉄もあるいは国道の上を走る自動車の運賃も同じであったら鉄道は赤字になるのが当然です。
 ドイツへ行ってもフランスへ行ってもみんないま悩みがありますが、総合交通体系の基礎というのは、国が平等に援助をして保護して自由に競争させる。そりゃ私ども社会主義社会だったらそうじゃありませんけれども、自由主義社会では自由競争ですから、自由競争さして自由に生き残るためには平等に援助すべきである。だから何も、自民党が法律つくるならば平等に援助いたしますと、必要であるならばです。私どもの反対する立場は、いま新幹線をつくっても赤字だから、赤字路線を、再建の法律をつくっておるときに、みすみす赤字になる新幹線をこういう法律をつくって促進すべきではないという立場から反対しているんですよ。
 ただし、皆さんが、特に石川県が、新幹線は必要ですとおっしゃるならば、国や地方自治体が金を出してちゃんとつくって、線路をつくって、そして車は鉄道がつくりなさい、人は鉄道が雇いなさい、そして道路のみを走る自動車と競争させる。あるいは飛行機を、飛行場はちゃんと国がつくるのだから、そして運賃は変わらぬのだから、新幹線と飛行機は。その自由競争をやるならば平等に援助するんですよ。何も気がねして、これはただ権限を与える、そんなことでは意味がないです、この法律は。そこまで決心していないんだ、交通部会は。そして決心していないのに三分の一、三分の二ですよと書いて、県知事なんか笑っているんです。自治大臣の安孫子君がそう言うはずですよ。県知事の気持ちをみんな知っているから彼はこう言っているんですよ。そういう意味です、私がいま言っているのは。そのことだけ。たくさんこれだけ資料がありますから、何時間も質疑をやるつもりですけれども、何か考えがあったら言ってください。
#141
○衆議院議員(加藤六月君) 先生がおっしゃいました前段の分は意見が同じでございまして、たしか午前中の答弁でも私申し上げたはずであります。飛行場にも一種、二種、三種があります。もちろん全部ではございませんが、二種三種空港には地元負担が伴っております。そこで私たちは航空機と鉄道との自由競争という原理に立ちまして、参議院の運輸委員会でも十二分にやっていただいておると思いますが、衆議院の運輸委員会並びに党の交通部会でもそういう問題については徹底的に議論いたしております。
 そして鉄道の分野についてはインフラ部門、基礎部門、ついでに車両ぐらいも国がつくって渡したらどうかという議論等もやりました。それは飛行場における設備から飛行機の場合は航空管制まで、鉄道における信号ですね、ATC、CTCその他の信号に類する分まである面では国の経費でやっておるではないか。そこで午前中具体的には申し上げませんでしたが、船、それから自動車の道路、道路負担、それから飛行場負担等で、税と同じようにトーサンとか七五三とかの負担の割合が違うとか、自由競争にはなっていないじゃないかというような議論ももう相当膨大なやつを過去十数年間わが党におきましても衆議院運輸委員会におきましてもやってきております。そして先生がいみじくもおっしゃった国ないしは地方公共団体でこれを助成してやらなくてはならないじゃないかとおっしゃいましたこれは一つの、先ほどから申し上げておる、門を開いており、とびらをあけとる法案でございますんで、前段の部分の御意見については全く同感でございます。
 ただ、後段におっしゃいました意見の相違は、これはやむを得ないのかなと思いますけれどもが、このなにを知事連中が、先生は、笑っておるというようないま御発言がございましたが、私はどう笑っとるのか知りませんが、知事連中が笑っとる、どう笑っとるか知りませんが、しかし、考えようによってはこの報告書、ある知事さんのごときは随喜の涙を流して感激してもらっとるということもあったということは一つ申させていただきます。
#142
○小柳勇君 笑っているというのが誤解を与えてはいけませんから、非常に苦悩しているんです、知事は。訂正いたしますが、それじゃ東北、上越、成田、まあ三線でいいですけれども、これから概算幾らかかりますか。たとえば開通まででいいですよ、東北、上越、成田、開通までに幾らかかりますか。で、その三分の一は地方自治体で持つとはっきり言いますか。その点、これは小さい問題ですが問いときましょう。
#143
○衆議院議員(加藤六月君) 附則をお読みいただきますと、工事認可をいたしております東北においては盛岡まで、上越新幹線、成田新幹線についてはこの今回の改正案の適用はいたさないように書いてございます。
#144
○小柳勇君 それから、この新幹線、まあ私どもの立場で言えば、いま新幹線をつくっても赤字であろうと。私どもの試算、これは常識論に陥るかもわかりませんが、赤字であろうと。
 ここに、これは国鉄の経営計画室でつくったんだと思いますけれども、いろいろ試算があります。このような試算にはならぬのではないかと私は考えるが、どこに、「将来においては、特別会計を含め特定の財源を確保する等の措置が必要である。」もう一つ七に、「国及び地方において、その建設費の全額を負担するか、又は工事実施後二十年間にわたって全額利子補給するかのいずれかの方法をとらざるを得ない。」云々と書いて、あと「二対一」と書いてありますね。この六、七については何か具体案がありますか。
#145
○衆議院議員(加藤六月君) 午前中の質疑にもお答え申し上げたわけでございますが、昭和五十四年度の党内における議論といたしまして、陸上交通整備特会並びに陸上交通整備税、これを何とか実現しようというんで、ここへパンフレットもいろんなものもありまして、PRしてずいぶんやりました。そのとき、整備新幹線に、いま数字を忘れましたが、二千数百億ぐらいですね、特別の財源をやろうと考えましていろいろ議論し、幅広い十数時間に延々と及ぶ党内における大議論を展開したことがございます。
 また、昭和五十五年度の予算編成並びに税制改革を行うときにも同じような陸上交通整備特会、今度は若干中身を変えまして、大都市圏内における国鉄並びに地下鉄の助成その他ということを中心にしました一つの特会をつくろうと必死になってやりました。それはある面では衆参両院委員会における国鉄並びに政府に対する各国会の先生方の御質問その他も踏まえましてやったことはあるわけでございますが、これが整備五新幹線が今後工事費を相当膨大に食うようになった時点において、そして、国の行政機構改革、財政再建ができた時点においてはいま一たび特会をつくり、そういう面における問題を解決していきたい。その真意は、新幹線を今後つくっていくことにおいて、国鉄に新しい負担、新しい赤字をつくる要因を生むようなものを渡したくない、さしたくないという気持ち等の願望と決意をあらわしておりますのがこの六番でございます。
 それから七番、そういう観点から考えてみた場合に、建設費の全額補助方式か利子補給方式か、国鉄に対して今後新幹線を建設していく場合に、助成するとしたらこの二通りが、先ほど申し上げました国鉄に新しい負担、新しい赤字の要因を与えないためにはどうだろうかというんで、その方法論、アプローチ論として検討した場合に、いま申し上げましたようなことが出る。そして、そういうことを一応考えて試算したり、計算したりしてみたのが各党の先生方からも御質問のありました二十年間利子補給方式あるいは全額補助方式あるいは私は率直に見まして十年利子補給方式等もやったわけであります。
 それは一つには、そういう国鉄に大きな負担をかけないということと、一つはこういう手法で国鉄に助成をした場合に、五整備新幹線のそれぞれに当てはめていった場合に、果たして建設後これを国鉄に運営してもらう場合のランニングコストあるいは乗客その他いろいろな問題を計算して、向こう何年間赤字になるか黒字になるか。この方式でやった場合には、開業したら直ちに黒字になる線が何線ぐらいあるか。二十年間利子補給したら、五線あるうちのそれをABCDEということで、一つずつ表をつくって当てはめてみましてですね、これは十数年間この方式では赤字が続く、ランニングコストですね。それから十年の利子補給なら利子補給が切れたとかいろいろの問題がありますが、そこら辺を議論しまして、私たちの党に対する報告書でございますから、いま申し上げましたようなことを書いたわけであります。
 そして、たしか午後の答弁か午前中の答弁かは忘れましたが、国鉄総裁からいまの五整備新幹線の並行して走っておる幹線との問題についてもいろいろ勉強いたしまして、国鉄再建のために整備五新幹線をつくった場合と、つくらずにいまの在来幹線の今後の見通しはどうだろうかというようなこと等も議論しながら、A新幹線はこの方式でやると開業時から黒字になるな、B新幹線はやはりこの方式でやった場合は開業時から黒字になる。今度は別の補助方式で当てはめてA新幹線を持っていった場合には、開業後四年間ぐらいはやはり赤字が出るなと、いろいろなことを並べて順列組み合わせをしまして勉強して、一つの提言としてまとめたのが七番目のところでございます。
#146
○小柳勇君 もう一つは、いまの問題、委員会提出ですから、将来またこの委員会で問題になる点もありましょうけれども、この法律が通りました以上は、いま発言されたようなことは大きな担保にならなきゃなりません。でないと、この法案審議する意味がありませんから。それが加藤さんがいまおっしゃいましたことが速記録に残って、将来国鉄のこの新幹線経営に対してはそういう方向でちゃんと政府がめんどう見るようにしなきゃならぬと思います。
 それからもう一つは、一番最後のところに「優先順位をつけ逐次着工することが妥当である。」と書いてある。これがあるもんですから、各地方では踏み絵だと言っているんだが、順位が早くなるために、ひとつ何とか金をうんと出しますよと言っておこうではないかと。そうですよ、出すとは言いませんよ、言っておこうではないかと、こう言っているんだから。この優先順位のつけ方についてはもう基準をつくっていますか。
#147
○衆議院議員(三塚博君) ただいま先生お持ちの報告書の一に出ておりますように、「国の財政再建を進めつつある厳しい現況にかんがみ、当面は必要最小限の規模、金額で実施せざるを得ない。」と、この大前提がここにあるわけでございます。しかし、全国整備五新幹線につきましては、ぜひわが新幹線をと、こういう強い要望が兄たりがたく弟たりがたくございます。そういうさなかにおきまして、この一の大原則を踏まえて進めるということに相なりますと、要望は五線一回に着工をしてスタートをすべしと、しかしそれを許す環境にございません。
 しからばどう進むのかということでございますが、二線で進めるべきであるべきか、あるいは三線で進めるべきであるべきかというような議論等も相当あったわけでございますが、この点につきましては、やはり法律が制定後担当いたします運輸省、そして国鉄、財政に非常に関連を持ってまいります大蔵省、自治省、関係官庁の行政という立場の中で実態をさらに精細に御検討を賜りましておのずから導き出されてまいる結論ではないだろうかと、こういうふうに実は考えておりまして、私どもといたしますれば、との状況の中におきまして、その検討の結果を踏まえつつそれに従っていかなければならないものだと、こういうふうに考えております。
#148
○小柳勇君 われわれは、いま整備五線については建設することに賛成ではありませんけれども、この法律がひとり歩きいたしますから、優先順位などいろいろまた問題になるでしょう。その場合には、また新たな問題が発生しませんように十分に考慮してもらいたい。
 そこで、これはまあ少し深入りし過ぎる質問がもわかりませんが、この整備五線の中で北海道新幹線は、「青函トンネル五十三・九キロを除く」と書いてある。これはもう建設資金から除いてあるわけですね、この青函トンネルは。いまもちろん青函トンネル自体が断層があってなかなかこれは困難であるというそういうものも聞いておりますが、ここまで来たんですから完成しなきゃならぬといって、現地の皆さん一生懸命やっている。そこで、将来新幹線が通るかもわからぬからということで、三線にしておいて、そして狭軌の場合は狭軌の上を走る、もし新幹線が通ったら広軌の方で走ろうというようなことまで苦慮しておるようでありまするが、自民党の交通部会では、この青函トンネルを将来どう仕上げるかということについてはどういう論議をしておりますか。
#149
○衆議院議員(加藤六月君) 私は国鉄経営改善計画をつくるときに運輸省並びに国鉄当局に要請いたしましたのは、青函トンネルの位置づけを国鉄の経営改善計画の中ではっきりしておいてもらいたいということを数度にわたって運輸省並びに国鉄当局に申し上げました。それは先生の認識と一致しておるわけでございます。
 ただ、青函トンネルそのものを考えた場合に、鉄建公団が完成してこれを国鉄に渡す。そうすると、いまの方式でいって借料がどのぐらいになるだろうか。これは私数字を忘れましたが、大体五百億円ぐらい国鉄は青函トンネルを運行することによって借料を払うのではないだろうか。その場合に、お客は、いわゆる営業収入はどのくらい上がるんだろうか。六百億でしたか、借料を払って百二、三十億しか営業収入が上がらないということになった場合に、国鉄の経営改善計画との間に非常に大きな問題が起こるという立場から、運輸省並びに国鉄当局に経営改善計画をつくるときには注文をつけたことをいま思い出しておるわけでございます。それが先生の御発言になったような経営改善計画における青函トンネルの位置づけといいますか、表現の仕方にあるいはなったのではないかと思います。
 ただ、これもこの改正案の答弁の中で申し上げていいかどうかわかりませんが、昭和五十六年度の国鉄の工事費をつくる場合に、青森側と函館側から青函トンネルへのアプローチの工事費を何と考えておるのか、そこら辺の問題についてはひとつつけるように、運輸省、国鉄、がんばっていただきたいというお願い等をいたしたわけでございますが、これが、政府内部においての手続、今後いろいろな手続等が想定されるのではないかと思っております。
 本州と北海道を結ぶ青函トンネル、これもある面では北海道五百五十万の道民の長い間の夢ではなかったかと思いますが、考えてみますと、ずいぶん長い間の工事期間がかかり、飛行機との競争で今後青函トンネルがどう活用されていくかということを考えると、先生も私もお互い頭の痛い問題として、簡単に青函トンネルはこうだということがすぐ出せるかどうか、お互いひとつ一生懸命議論してコンセンサスを出しながら、国会の立場で、国鉄に対しての青函トンネルというものをはっきり位置づけてあげるように逆にしなくてはならぬのではないだろうか。これはこの法案の答弁とか整備五新幹線とは関係ございません、そういうこと等を考えながら北海道新幹線という問題はやはり考えざるを得ないんじゃないだろうか、こう思っておるわけでございます。
#150
○小柳勇君 そこで、この報告をおつくりになりました交通部会では、将来この整備五線を、将来といいましょうか、段階的でしょうけれども、どういう扱いをしようと考えておられるのか、整備五線を。いま、たとえば鹿児島線とかあるいは長崎線などは、ほとんどもう、地元の方でもそうだが、余り話題にもならないような情勢でありますが、自民党の交通部会としては、これから整備五線をいつの日にどういう姿に特っていこうとされるのか、お聞きしておきたいんです。
#151
○衆議院議員(加藤六月君) 長崎新幹線や九州新幹線が話題にならぬのなら非常に幸いだと思いますけれども、逆に大変話題になって、これまた陳情に党の首脳部もわれわれも悩まされておるわけでございますので、先生とそこら辺では若干、話題といいますか、認識が違うのではないかと、こう思っておるわけでございますが、少なくとも九州新幹線、長崎新幹線の私たちの知っておる友人知己、いろいろな団体は熱烈な要望、陳情をされております。
 そこで、先ほど三塚提案者が申されましたように、整備五新幹線を用意ドンで同時に着工するということは、けさ、午前中も午後も御質問になっておるように、昭和五十四年度価格で五兆二千三百億円かかる、これに対して公的助成と地方の負担制度が確立したから、五整備新幹線が一斉に用意ドンできるかできないかということは、もうおのずからお互いの常識の線で出てくることでございまして、それが先ほど先生がお読みになりましたこの一と八との間の関連になってくるわけでございますが、政治家加藤六月としましては、せっかく閣議決定をし、整備五新幹線を決定して、いままでたびたび毎年毎年の予算をつくるときにいろいろな便法、いろいろな方法を講じながら、まあまあとなだめてきております。待ってくださいと言ってきておるのが、五十四年、五十五年の予算編成時期における閣議了解、閣議決定ということになるわけでございます。
 そこを考えると、それぞれの地方、それぞれの地域の皆さん方の御要望にこたえるために一日も早い工事着工、そして完成ということを私らも五整備幹線同時にこいねがっておるわけでございますが、そこはそれとして、それぞれの国の財政事情、地方の財政事情、そして完成後の赤字、黒字の問題、もろもろの問題を考えながら工事をやっていって、地方、地域の皆さん方の御要望に沿うようにしていかなくてはならない。
 そのときに大変な騒動が起こるんではないかという御懸念、私は実は先生と同じようにその懸念は持っております。持っておりますけれども、しかしいまの状態のように五整備新幹線の地域の皆さん方が生殺しにされておるよりか、細い、狭い選択の道ではございますけれども、何線かを工事着工してやっていくということになりますと、あと何年かたてばわが地方に、わが町に、わが村に新幹線がつくんだという希望を持ってもらえるようにしなくてはならない、これが政治家の一つの義務である、こう考えておりますが、着工順位を決めるのは大変むずかしい問題であるということは覚悟いたしております。
#152
○小柳勇君 時間が参りましたから質問いたしませんが、地元の緊急の問題も含んで簡単に意見だけ述べて質問を終わりたいと思うんですけれども、目黒理事もおりますけれども、わが党としては、いま新幹線は整備五線急いで建設することは反対である、それはもう赤字が目に見えているということでありますが、竹田委員も質問いたしましたように、既設線をたとえば複線電化してもっと速い軽い電車をぐるぐる回すとか、既設線に金をかける。そのことがいまこのエネルギーの不足の時代、しかもこの車いっぱいのラッシュの時代には一番もう必要である。
 特に産炭地域、北海道とか九州、福岡県は十の線区がゼロになります。六割の線がゼロになるんでありますが、この間、県選出の与野党の議員全部二十五名集まりまして五つの班に分かれて既設線の強化、スクラップだけいまてんやわんやでありますから、ビルドの方向で何とかひとつ努力しようじゃないかと申し合わせました。だから、私はいま莫大な金を使って新幹線の促進、もちろん地元の人は必死だと思う。それは疑いません。それよりもっと早く既設線に金入れて、そしてスピードの遅いところにスピードの速い電車を走らせて通勤通学を守る、そして地域開発に貢献する。特に産炭地域の振興などは県からも出てくると思います。そういう面で、自民党の交通部会がひとつ率先して既設線の強化にどうするか、エネルギーが足らないんだから、車にかわって鉄道をどう使うか、国鉄をどう使うか、そういう面でもひとつ率先して指導的な立場をとっていただきますよう陳情いたしまして、質問を終わります。
#153
○委員長(黒柳明君) 暫時休憩いたします。
   午後六時四分休憩
     ―――――・―――――
   午後八時十三分開会
#154
○委員長(黒柳明君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 それでは、他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#155
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#156
○小笠原貞子君 私は、日本共産党を代表して、加藤六月議員外九名提出の全国新幹線鉄道整備法の一部改正案について反対の討論を行います。
 本法案の最も重要な点は、今後建設される新幹線鉄道の工事費の一部を、新たに関係地域住民並びに地方自治体への負担に道を開くことになるというものであります。その負担は、自民党試案によれば、北海道、岩手の場合一人当たり八万円、石川県の場合は一人当たり十三万円もの支出増になるというものです。
 このような法案を国会会期延長後に提出し、しかも委員会審議はわずか四時間四十分、しかも、運輸大臣はわずかの時間しか出席されず、不十分なままで議了するということはまことに遺憾と言わざるを得ません。
 さらに申し上げれば、大蔵委員会、地方行政委員会との連合審査、また参考人質疑等、十分審議することこそ必要である。それにもかかわらず行われないまま採決に持ち込まれるということに対しては、まことに問題ありと言わざるを得ません。
 反対の理由は、以下に述べるとおりです。
 第一は、財政再建の立場から考えてこの法律は大変問題のあるものだということです。
 いま、国の財政状況はどうなっているか。政府・自民党は、財界と一体となって増税なき財政再建、国民への犠牲も辞さない行政改革を推進しようとしている中で、住民負担を強いる新幹線整備五線の建設を進めることは許せません。一方第二臨調では、新幹線問題を含め、大型プロジェクトの見直しを真剣に検討しているではありませんか。
 地方の財政状況はどうか。地方財政は国よりも厳しいという意見もあるほど大変な実情で、自治省も、地方財政の観点から財政負担は全く考えられないと明言されているところです。
 国鉄の状況はどうか。これはもう言うまでもなく、昭和六十年までになりふり構わず経営改善計画に基づく努力をし、再建への足がかりをつかみたいというのが実情です。つまり、財政負担はどこも不可能なことがはっきりしたわけです。
 反対の第二の理由は、現在、自治体の財政事情から見て、数兆円もの莫大な負担は不可能であることは明白であります。地方財政再建促進特別措置法二十四条では、法令による以外自治体負担を禁じています。したがって、本法案の成立は、逆に自治体負担を事実上強制するものとなるわけです。
 このことは、今国会でも安孫子自治大臣が再三にわたって答弁しておられるところです。提案者は強制的な割り当ては決してしないと再三強調しておられますが、この法案が通れば、自治体負担に道を開くことは明らかと言わざるを得ません。
 反対の第三の理由は、まさに提案者自身が、新幹線をつくってほしいという地域住民の熱意を逆手にとって具体的な内容を示さず、何ら具体性のない無責任きわまりないものと言わざるを得ません。
 わが党はもとより新幹線建設そのものを全面的に否定する立場に立つものではなく、新幹線の建設は、国鉄財政の再建とあわせて長期的な見通しのもとに国の負担で計画的に進めることを提起しております。
 本法案は、莫大な建設費を自治体に負担させたり、国の財政や国鉄財政の実態を無視して早期着工だけを進めようとするものであり、わが党は断じて容認できるものではありません。
 以上、反対の理由を述べ、反対討論を終わります。
#157
○柳澤錬造君 私は民社党・国民連合を代表して、新幹線整備法の一部改正法案に対して、賛成の立場で討論をいたします。
 まず、本法案に賛成すると言っても、それは地方公共団体が新幹線建設に資金を出せるように道を開くという趣旨だけのものと理解をしたからであって、決して白紙委任状を渡すものでないことを明確にしておきます。
 それがため、本法案に基づいてどのような計画を立て、運営するかによって、この法案はプラスにもなればマイナスの作用もするという性格を持っていることを認識しなくてはなりません。
 確かに、新幹線が開通することになれば、その地域住民にとっては大きなメリットであり、地域開発のためにも役立つことは間違いありません。同時に、地方公共団体の資金負担が可能になったからといって、地元負担が過重になれば地域住民にとってはありがた迷惑なことであり、加えて経済性から見ても新幹線は赤字必至と予想されているだけに、デメリットが大きく作用することは間違いありません。
 したがって、この法案の持つ長所と短所をどのように調和させて効果的な具体的な計画を立てるかが重要なポイントであり、具体的な計画を立てるについて、関係地方公共団体、国鉄の意見も十分に聞いて、価値ある運営をするよう強く要望して、賛成意見を終わります。
#158
○委員長(黒柳明君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#159
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#160
○委員長(黒柳明君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#161
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#162
○委員長(黒柳明君) これより請願の審査を行います。
 第一二九号国鉄三江線存続に関する請願外二百三十八件を議題といたします。
 請願の願意につきましては、お手元の資料で御承知願いたいと存じます。
 これらの請願につきましては、理事会において慎重に協議いたしました結果、第一二九号国鉄三江線存続に関する請願外二百三十八件はいずれも保留とすることに決定いたしました。
 なお、このうち第一二三九号身体障害者に対する運輸行政に関する請願外二十件、第一二九一号視覚障害者等に対する新幹線を含む特急料金の割引に関する請願外二十二件、第一八〇八号近江八幡駅はじめ全国国鉄駅舎の整備改築に関する請願外四件、第三四六四号重度戦傷病者と家族に対する国鉄等交通機関の乗車取扱い改善に関する請願外六件及び第三七四二号内部障害者に対する航空及び国鉄連賃割引制度適用に関する請願につきましては、計願の趣旨に沿って身体障害者対策の充実を図られたい旨を政府に要望することにいたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#163
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 それでは委員会を代表して委員長から申し上げます。
 ただいま決定されました請願第一二三九号外二十件、第一二九一号外二十二件、第一八〇八号外四件、第三四六四号外六件及び第三七四二号につきましては、請願の趣旨に沿って身体障害者対策の充実を図られるよう政府に要望いたします。石月総務審議官。
#164
○政府委員(石月昭二君) 運輸省といたしましては、身体障害者対策につきましては従来からいろいろ努力してまいりましたところでございます。御要望の件につきましては、非常にむずかしい問題も含まれておりますが、関係方面ともよく連絡をとりまして、さらに検討を進めていきたいと思っております。
    ―――――――――――――
#165
○委員長(黒柳明君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#166
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#167
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#168
○委員長(黒柳明君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 運輸事情等に関する調査のため、閉会中に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#169
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#170
○委員長(黒柳明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後八時二十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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