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1980/04/28 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 商工委員会 第7号
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1980/04/28 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 商工委員会 第7号

#1
第094回国会 商工委員会 第7号
昭和五十六年四月二十八日(火曜日)
   午後三時十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十四日
    辞任         補欠選任
     浅野  拡君     藤田 正明君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         金丸 三郎君
    理 事
                前田 勲男君
                村田 秀三君
                市川 正一君
    委 員
                上田  稔君
                大木  浩君
                川原新次郎君
                楠  正俊君
                斎藤栄三郎君
                福岡日出麿君
                松尾 官平君
                森山 眞弓君
                阿具根 登君
                吉田 正雄君
                田代富士男君
                馬場  富君
                井上  計君
                森田 重郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   田中 六助君
   政府委員
       科学技術庁原子
       力安全局次長   後藤  宏君
       通商産業政務次
       官        山本 富雄君
       資源エネルギー
       庁長官      森山 信吾君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        高橋  宏君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       原子力安全委員
       会委員長     吹田 徳雄君
       資源エネルギー
       庁公益事業部原
       子力発電安全管
       理課長      平田辰一郎君
   参考人
       電気事業連合会
       原子力開発対策
       会議委員長    伊藤 俊夫君
       日本原子力発電
       株式会社代表取
       締役社長     鈴木 俊一君
       日本原子力発電
       株式会社技術部
       長        板倉 哲郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○産業貿易及び経済計画等に関する調査(日本原
 子力発電株式会社敦賀発電所における事故に関
 する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(金丸三郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二十四日、浅野拡君が委員を辞任され、その補欠として藤田正明君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(金丸三郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案の審査のため参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(金丸三郎君) 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、日本原子力発電株式会社敦賀発電所の事故に関する件について調査を行います。
 本日は本件調査のため、参考人として日本原子力発電株式会社社長鈴木俊一君、同技術部長板倉哲郎君及び電気事業連合会原子力開発対策会議委員長伊藤俊夫君の御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。
 参考人各位におかれましては、御多用中のところ、本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 なお、議事の進め方につきましては、政府から事故の概要につきまして報告を聴取した後、委員の質疑にお答えいただくという形で、御意見を伺うということといたしますので、よろしくお願いいたします。
 それではまず政府から報告を聴取いたします。高橋審議官。
#7
○政府委員(高橋宏君) 日本原子力発電株式会社敦賀発電所におきます放射能漏れにつきまして、概要御説明いたします。
 日本原子力発電株式会社の敦賀発電所につきましては、さきに給水加熱器につきまして漏洩事故があったにもかかわらず、当省にその旨報告を行わず、かつ所要の手続を経ずに補修作業を実施した事実が存在したことが明らかとなりまして、現在当庁におきまして今月初めに行いました立入検査の結果を詳細に分析するとともに、同社からの事情聴取を行っているところでございます。このようなやさき、今月十八日、同発電所におきまして、一般排水路から放射能が検出されるという事態が発生いたしましたが、これら一連の事故はいずれも日本原子力発電株式会社の保安管理体制に不十分性があったと考えられるところでございます。当省といたしましては、さきの給水加熱器の漏洩事故に関連いたし、すでに去る十日に同社に対しまして保安管理体制総点検を指示いたし、かつ今回の件につきまして、現在職員を派遣して鋭意立入検査を実施しているところでございます。今後これらの結果を踏まえまして事故の原因を徹底的に究明するとともに、敦賀発電所も含めまして同社の保安管理体制を全体に関しまして抜本的な見直しを行うことにいたしておりますが、現在に至りますまでの経緯、十八日の漏洩事故に関します概要をお手元の資料によりまして御説明いたします。簡単でございますので読み上げます。
 四月十八日に原電から当省に対しまして以下の報告がなされました。第一に、浦底湾の放水口対岸付近に自生するホンダワラの分析におきまして、最近の測定値に比較して約十倍程度のコバルト6〇などが検出されたこと、第二に、同社敦賀発電所取水口付近の一般排水路出口だなに堆積した土砂から、コバルト6〇が六十一ピコキュリー・グラム当たり及びマンガン54が十ピコキュリー・グラム当たり検出されたことでございます、
 同日、当省の職員を派遣いたし立入検査を実施いたしました結果、一般排水路のマンホール堆積泥のうち、放射能が最も高かったKポイント、通称ナンバー2、及び放射能が検出されたJポイント、通称ナンバー3でございますが、のマンホールが放射性廃棄物処理建屋内に存在していることを確認いたしました、その後もう一つ、ナンバーXと称しておりますが、マンホールが室内にあることも確認されております。
 現在、汚染の経路、汚染物質の量などを推定するため、建屋内におきます機器の配置、建屋内部の構造、改造修理履歴などの総合的な観点から調査を継続しております。
 なお、立入検査の過程で敦賀発電所から事情聴取いたしましたところ、去る三月八日に放射性廃棄物処理建屋のフィルタースラッジタンク室で相当量の放射性廃液がオーバーフローいたし、この建屋内に流出した事実があることが判明いたしました。本件事故の詳細はなお調査中でございますが、今回の放射能漏れとの因果関係につきまして、今後十分に検討を行う必要があると考えております。
 一方、同社からの事情聴取によりまして、この旧廃棄物処理建屋のすぐ北側にございます放射性廃棄物処理新建屋におきましても、濃縮廃液貯蔵タンクからの漏洩の事実があったことが判明いたしておりますが、当庁といたしましては、現在実施中の総点検におきまして、過去における事故を可能な限り明らかにして、当庁に対し早急に報告するよう去る二十五日に重ねて指示しておるところでございます。
 以上でございます。
#8
○委員長(金丸三郎君) 以上で報告は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○吉田正雄君 この審議に入る前に、私、委員長に善処を要望したいと思うんです。
 今度の敦賀原電のこの一連の事故というのは、私ども常識では想像できない事故の内容だったと思うんです。特にこの事故隠しと呼ばれる実態やあるいはこの事故がよって来た原因というものを考えますと、この建設に当たっての通産当局やあるいは安全委員会の、つまりは国の事前の安全審査というものがきわめてずさんであったということが浮き彫りにされたわけです。つまり、今日の原発の実態というものと、政府が繰り返し安全だと言ってきたその安全がきわめて安全でないという、そういう安全性の実態というものを私は国民の前に明らかにしたと思うんですね。
 ところが、この事故に対する国会の審議に当たって、私は政府みずからが事故隠しに手をかすのではないかというふうな懸念を最近抱くに至ったんです。それはなぜかと申しますと、たとえば本日のこの委員会審議もそうですけれども、この重要な事故の内容というものを審議をする、調査をするこの委員会に、大臣がわずか一時間半そこそこしか出席できない、その後退席をしてしまう、参考人の皆さんには大変気の毒だと思いますし御苦労さまだと思うんですけれども、審議というものは、原電当局、会社当局の説明を聞くと同時に、通産当局なり大臣の見解というものをただしていく、あるいは政府の調査実態なり見解というものを聞きながら、さらに会社当局の考え方というものをただしていくという、相互に関連をしながら質問をして真相を究明するということでなければいけないわけなんですね。ところがまさに細切れの審査が行われておるということなんです。つい先日行われましたエネルギー対策特別委員会におきましても、たとえば今度は事前に会社当局に対する質問を、たとえば私の場合ですと前に三十分、最後になって大臣が来てから大臣に二十分、大臣は会社に対する質問は聞いていないということなんですね。こういう細切れの審査では真相の究明というものは絶対できないわけですね。
 そういう点で私は委員長にお願いをいたしますけれども、この事故はきわめて重要な事故でありますから、私は予算委員会で審議をされるならばそれも結構だと思いますし、もし予算委員会での審議が何らかの都合によってできないとするならば、当商工委員会、エネルギー対策特別委員会、科学技術振興対策特別委員会の三委員会の連合審査を開催をして、そこで十分時間をかけて本事故に対する真相というものを明らかにし、今後の安全対策というものを十分に講ずる手だてというものを、やはり委員会の責任において私は確立をしていく必要があるんではないかと思うんです。そういう点で、本日のこのようなとても審議できそうにもないような委員会の開催については、私は当初反対したんです。無意味とは言いませんけれども、おおよそナンセンスな委員会審議だと私は思うんですね。まあしかしせっかく開催されるということになったわけでありますから、短時間であってもできるだけ真相解明に一歩近づくという意味で本日質疑は行いますけれども、そういう点で私は委員長に、今後の連合審査、十分時間をとってやることについての善処を要望いたしますが、当初にこの返事をお聞きしたいと思うんです。
#10
○委員長(金丸三郎君) ただいまの吉田君の御発言に対してお答えをいたします。
 委員長といたしましても本件の重要性は十分承知いたしておりますけれども、諸般の事情から本日のような委員会の設定となりましたことは私も遺憾に存じております。せっかくの御要望でございますので、御要望の趣旨を十分に体しまして委員長といたしまして十分に検討させていただきたいと思います。
#11
○吉田正雄君 それではせっかくお忙しい中、参考人の皆さんもおいでいただいておりますので、大臣がもう非常に時間が制限されております。私は当初に参考人の皆さんから原電における会社の実態なり会社として今日まで調査をされた事故の内容とかそういうものをお聞きをした上で、通産当局あるいは安全委員長等の見解もお聞きをしたいと思っておったんですが、そうもまいらないようであります。したがって、当初の質問予定が大分狂ってまいっておりますが、できるだけ時間を有効に使うという意味でできたら交互に質問をいたしてまいりたいと思うんです。
 当初に私は通産大臣にお尋ねをいたします。
 今日まで発表されました通産当局やそれから原電当局の内容を見ますと、必ずしも事故の真相に迫っているとは思われない。特に原電当局の態度というものは、常に内部からの告発とか外部からの指摘によってその事故を認めるという、常識で言われるとおり事故隠しに終始をしておるのではないかという態度で本日まできたわけですね、しかも、通産当局の調査について見ましても、せっかくスリーマイルアイランドの原発事故の教訓を生かして現地派遣専門官という制度をつくりながら、この制度というものが十分生かされなかった、内部告発がなければ専門官は気がつかなかった。ある人の表現ではありませんけれども、何もせぬ専門官制度なんて言われたんではこれは困ってしまうわけですね。そういう点で、私は通産当局の調査、検査体制もきわめて不備だったと思うんです。そしてそこにはもう一つ、本当に真相を解明していこうという、また通産当局、行政当局として責任をとるという姿勢というものが欠如をしておるのではないか。たとえば大臣等や通産幹部の発言を聞いておりましても、当初の非常に厳正に調査をし、検査をし、そしてしかるべき厳正な措置をとるというふうな、そういう態度というものが、最近次第に後退をしてきておるというふうに私は受けとめざるを得ないような感じを持っておるんです。そういう点で、私は当初に、通産大臣としてこれだけ世間を騒がし、しかも地元住民に大きな心理的な面あるいは物質的な面で被害を与えた、今後再びかかることがあってはならぬわけですね。そういう点で、大臣として徹底的に真相を究明をし、そしてそれを今後の法改正を含めた安全規制、安全体制、安全行政上に十分生かす決意があるのかどうなのか。いやしくも通産当局までが事故隠しに手をかしたというふうなそしりを浴びるようなことがあってはならぬと思うんですね。そういう点で、当初に通産大臣の決意をまずお伺いしたいと思うんです。
#12
○国務大臣(田中六助君) 吉田委員にお答え申し上げます。
 私どもは当初から述べておりますように、この敦賀発電所の今回の問題はいろいろ世間を騒がしておりますし、厳正な態度で臨むという方針は初めから現在に至るまで変わっておりません。したがって、私どもの決意に変更があるというようなこともないわけでございまして、ただいま事情聴取とか立入検査、そういうことについて十名の検査官を派遣しておりますし、その結論が出ておりません。部分部分においてはそれぞれ報道されておりますけれども、総合的な結論が出て、私どもも最初から申しておりますように、厳正な態度で臨みたいという方針はさらさら変わりはございませんし、この敦賀発電所の保安管理体制そのものに大きな欠陥があるだろう、あるという、私は断定しておりましたが、その考えも変わっておりませんし、結論が出て厳正な態度で臨むという方針もさらさら変わっておりません。
#13
○吉田正雄君 その大臣の決意を承って私は一応安心をしたわけですが、しかし最後までひとつその決意を実現をさしていただきたいと思うんですね。決意だけはしたけれども、具体的には何らあらわれなかったということではならないわけです。
 私がなぜそこまで心配をするかといいますと、これは原電当局にお尋ねをいたしたいと思うんです、私の心配は単なる心配で終わってくれれば幸いであると思うんです。
 そこで、時間の関係で大幅に私の質問の内容を変えまして、当初に、まず原電当局の人事体制というものが一体どういうふうになっておるのかお尋ねしたいと思うんですね。これはこの前の委員会審査のときには副社長が出席になりまして、社長は出席されなかったんですね。そういうことでまた当初最初に同じようなことも聞く。もうすでにこれが時間のむだなんですけれどもね。
 それに入る前に、まず私は社長に今回の一連の事故について社長としては今日どのような感想をお持ちなのか、まず最初に一言お聞きをしたいと思うんです。
#14
○参考人(鈴木俊一君) 私の心境を申し述べよということでございますが、この問題本当に残念、無念でございまして、各方面に大変な御迷惑をおかけしました。そしてエネルギー問題これから具体的に国を挙げて対処しなくちゃならぬというときを迎えているのに、それに信頼を損なうようなことをやりましたということ、これ本当に返す返すも残念なことでございます。
 私はこの話を最初に耳にしましたときに、これは容易なことでない、とにかくとりあえず当面の対応措置を十分にやって、それにはいままでいろんな点で不完全なことございました。確かに配慮の足らない問題、適切な処理を行わなかった問題、多々ございましたので、そういうことは今後絶対ないように誠心誠意この問題の善後処置を図りたいということでございまして、そのときの与えた深刻な影響を考えまして私は普通のことでは済まされるわけでないということで、自分自身は早くから身の処理方については決意いたしておることでございます、
 以上でございます。
#15
○吉田正雄君 私は本当の責任のとり方というのは、もちろん個人的な進退も含まれると思いますけれども、何よりも真相を究明すると同時に、今後再び起きないということを実現することがまず何よりの緊急の仕事だろうと思いますね、その上で個人的にどう進退を決めるかということだろうと思うんですね。
 そこで、私はお尋ねをしたいんですが、昨年原電から出された「会社の概要」という色刷りのりっぱなパンフレットがここにございますCそこには会長、社長の写真も載っかっておるわけですね。さらに、ここには「敦賀発電所のあらまし」という、これもりっぱなパンフレットがこうやってでき上がっております。さらに、今度事故を起こしました廃棄物処理のパンフレットもここにりっぱなものがこうやってできているんですね。ところが最新鋭と言われたこの廃棄物処理のこの廃液濃縮タンクが三年たつかたたないうちにもう高濃度の廃液漏れ事故というものを起こしたということなんですね。そうしてこのパンフレットを見ますと、一番最初の「会社の概要」という中では社長、会長の写真の下にどう書いてあるかといいますと、こう書いてあるわけです。「原子力発電のパイオニアとして、豊富な技術と経験を蓄積してきた当社は、これからも安全確保と環境保全、さらには地域との協調に万全の配慮をしつつ、使命の達成に全力を傾注する所存であります。」と、こう述べてあるわけです。それからもう一つの「敦賀発電所のあらまし」というこのパンフを見ますと、ここではこういうふうに書いてあるんですね、「昭和四十一年四月建設工事に着手、以来四十七か月余りの間、慎重に工事を進め厳重な検査と試験を重ね、昭和四十五年三月十四日営業運転を開始しました。」とか云々となって、「この発電所は、米国ゼネラル・エレクトリック社が設計したもので、一般の産業では考えられないほど、十分な安全設備や装置を採用しています。」と、こういうふうに書いてあるわけです。つまり、このきれいなパンフレットとうたい文句を見る限り、今度のような事故が起きるということは国民のだれも想像できないんですね、特に地元の皆さんは正直な皆さんばっかりですから、通産当局や電力会社のこういう言い分を素直に受け入れて、そうかと思ってきたわけです。ところが、実態はさにあらず、全く今回のこの事故からこのパンフレットのうたい文句がうそであったと、裏切られたという非常に憤りと、何と言ったらいいんでしょうか、残念だという気持ちが私は地元住民の気持ちだと思うんです。この前行って聞いてみましたけれどもそうなんです。これを見ますと、私は、これだけ厳重な検査を受けてきたと言いながら、一体事故が起きたということはどうなんだろうかということを思うんですね。そういう点でこの現実に起きた事故とこのパンフレットの間の大きな断絶といったらいいんですか、違いですね、これを一体原電当局はどういうふうにお考えになっておりますか。また通産当局は、事前の安全審査は厳重にやっておるということを繰り返し言ってきたんですけれども、通産当局の事前の安全審査もきわめてずさんであったということが今回明らかになったわけですね。まずこのことについて会社と通産当局からお聞きをいたします。
#16
○参考人(鈴木俊一君) 先生の先ほどの御質問に十分お答えしなかったことでございましたが、先ほどの話のことは、当然そのほかに、私はまず今度の一連の事故の事実を究明し、原因をはっきりさせて、それに応じて必要な措置をやらなくちゃならぬ、さらに社内のいろいろなものを見直して総点検のもとに新しい体制をつくらなくちゃならぬと、こういうことを考えておることをもう一度つけ加えさしていただきます。
 それから、ただいまのお話でございますけれども、確かに私の会社はそういった一応の抱負を持って毎日の運営をやっておるわけでございますけれども、今回このような一連のことを起こしまして、実はもう本当にざんきに耐えないところでございます。したがって、この機会にすべてのいままでの気持ちを根本から見直して、新しい技術を前にしての対策を考えたい。つまり、いままでそこのパンフレットの中に書いてあります理想は、いつかは実現したいと、こういう希望は捨てておりません、以上でございます。
#17
○政府委員(高橋宏君) ただいま、先生御指摘のように、この発電所は昭和四十五年三月に日本の軽水炉第一号炉として運転開始をしたものでございます。当時GEからの輸入炉でございまして、原電はこれをそれなりに日本の原子力開発の先駆者としての役割りを担ってきたわけでございまして、私どももこれを第一号炉として、当時恐らく主としてアメリカNRC等の技術基準をベースに安全審査を行い、所要の手続を経て合格さしたものと考えられます。その後私どもにとりましては、この種々の経験を踏みまして、やはりこの導入開発から日本的な炉への改良開発へと進めなければいけないという観点から、特に被曝低減あるいは保守点検の容易さといった観点からの改良を行い、かつこれを日本型に標準化していくという努力を進めているところでございますが、その中でもこのスリーマイルアイラン下事故を契機といたしまして、こういう審査、設計、施工という観点だけでは不十分である。さらに運転管理面からの体制を強化しなければいけないという観点から、定期検査の充実はもとよりでございますが、常時の運転管理につきましての監督専門官制度を御承知のように発足さしたわけでございます。しかしながら、私は思いますに、こういう発電所の安全確保と申しますのはこういう国の制度の拡充論化と相まちまして、膨大な原子力の高度の技術を建設し運転していく会社側の社会的の自覚に基づきます保安管理体制の充実強化、それを遵守していくことが基本になっていると信ずるものでございます。この辺をベースにしまして、この辺を助長する形で国の規制が十分かみ合った形で行われなければいけないというぐあいに考えておるところでございます。せっかく専門官制度等をつくりながら、これも実に昨年発足してまだ一年足らずでございますが、せっかく努力中のところ、発電所側の連絡不十分、場合によりましては報告しなかったということ等が一つの契機になりまして、こういう事態になったことはきわめて私どもとしても遺憾でございます。
 ただ、県衛生研究所あるいは科技庁等の再三にわたります当該浦底湾等の測定チェックによりまして、環境に対する被害は食用魚介類については安全であるということが言われておりますが、私どもはこれは幸いでございまして、しかしながら、この一連の問題はやはり厳しく受けとめまして、現在鋭意この原因の究明に当たっておるところでございます。
#18
○吉田正雄君 いまの高橋審議官の答弁は答弁になってないです。私が言っているのは制度について聞いているのじゃないんですよ。そういう制度については私も知っております。現在の原子炉等規制法であるとか電気事業法に基づいて事前に安全審査をやる、やらなければならない通産当局が、安全審査や工事許認可、それから工事完工後の事後の検査、こういうものが十分であったかどうかという点を尋ねているんですよね。それについても答えないじゃないですか。いろんな手続だとか任務がどうとか、そういうことばっかりで、そんなことはわかっているんですよ。まだそういう点では私は通産当局みずからが十分責任を感じていないということを指摘せざるを得ないですね、そういう答弁では。いいですわ、もうはっきりしているんですから。事故起きてこの前の委員会の審査でも事前のそういう追加の増築の廃液処理施設については事前に知らなかったと、十分審査をしなかったという答弁がありますから、これは手落ちだということははっきりしているのですが。そこで、私は当初申し上げましたように、一体何でこんなお粗末な事故が次から次へと起きたのかということを考えてみますと、基本的には国の安全行政の姿勢もありますがね、このパンフレットのうたい文句じゃないんですけれども、私は原電が先駆的あるいは開拓的役割りを与えられ果たすためにつくられた会社である、そういう性格の会社だということはそれはそうだと思うんです。そうであるがゆえに私はまさにそれにふさわしい人材というものを集めていく必要があると思うんですね。ところが、どうも今回の事故を見るとお粗末過ぎる、そういう感じがするんですね。そこで、一体どういう人事体制あるいは採用人事がどうなっておるのかという点で、非常に多くの疑問を感じておるわけです。
 ちょっとお尋ねをいたしますが、現在職員は事務あるいは技術系統別にどれくらいになっておるのか、あるいは東海とか敦賀ではどれぐらいになっているか、簡単にお尋ねをしたいと思うんです。
 それから、採用の方法についてですけれども、私も実態知りません。しかし、どうも私が推測するところでは、この原電という会社は、後でもお尋ねをいたしますけれども、東京電力を中心とする九電力が大株主であって、さらに原子力産業五グループがそれに次いでおるというふうな、これは資本の面からはそういう会社であるわけですね。そこで、私は原電職員というのは、そういう電力資本等からの推薦者や、あるいは政界、官界からの推薦就職者がそれなりにおるんじゃないかと、それはもちろん表に出ませんでしょうけれども、一応の形式的な採用試験はあるかもわかりませんが、そういうものがあるんじゃないかということと、それから各電力会社からの出向者の割合がどうなっているのか。それは出向という形式だけれども、一応形の上では新採用の中に入っておるのかどうなのか、そういうこと。採用試験の内容はどうなんですか。
 それから、これは大臣にも聞いていてもらいたいと思うんですが、いろいろこういうことが言われているわけですね。つまり、縁故就職のうわさというものが相当流れておるわけです。たとえば東北出身の以前通産大臣をやった有力な者であるとか、あるいは北陸の以前科学技術庁長官をやった有力議員であるとか、あるいはポスト総理を目指す有力現職閣僚であるとか、こういう人たちがコネの御三家というふうに陰でうわさされるほど、この原電の大事については何か大きな影響力を行使をしているんではないか、こういううわさもあちこち流れておりまして、私の耳にも入ってきておるわけです。そういう点で、そんなところから私は原電のまさに先駆的、開拓的役割りを果たさなきゃならぬものが、そうでないというふうなことになっている危険性があるんじゃないか、疑いを持っていますね。そういう点で、原電当局、時間がありませんから簡潔に答えていただきたいと思います。
#19
○参考人(鈴木俊一君) 会社の従業員でございますが、ただいま総数で千百玉十五名でございます。そして、その中で電力会社から出向してきていただいている八百二名おります。ですが、当初のうちはその出向者は相当な数でございまして、出たり入ったりいたしておりますけれども、おおむね今日では定着したと申しますか、形式的には出向でございますけれども、母体は余り帰らないような人が中心だということでございます。
 それから、二番目の御質問は採用の方針でございます、いまいろいろ各方面からの依頼によって人を受け入れてるというようなことでございましたけれども、実際はそういうことは多少例外的にはごくわずかあるかもしれません。皆無とは申しませんが、大体において厳正な入社試験をやって、そして優秀な人間、少しでも将来役に立って伸びていく人間ということを、これはもう一人採用すれば一生一億円ぐらいかかるわけですから、真剣に採用しているというのが現状でございます。
#20
○国務大臣(田中六助君) どなたが御三家の一人かというようなことも私存じ上げておりませんけれども、大事について私ども政治家が口を入れるというようなことは避けねばならないし、いつまでも公平であってほしいと。特にこういう科学的な問題、しかも重要な会社でございますので、そういう点はそれぞれの人たちが自粛して、公平なフェアな採用試験あるいは採用をしてもらいたいというふうに思います。
#21
○吉田正雄君 ここで、こういう人事の問題ですから、確証挙げてあの人間がどうとか、この人間がどうとか、およそ推測のつく人たちも結構おるんでありますけれども、
   〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
それはまた別途別の問題になっていくというふうにも思いますし、時間もありませんからその問題についてはこれ以上申し上げませんが、いずれにしても私はいやしくも、まさにいま大臣もおっしゃったように、科学的にきわめて先駆的、開拓的な役割りを果たしていかなきゃならぬ原電なんですからね、うわさとしてもそのようなことが流れること自体私は問題だと思うんで、その点については、今後人事採用に当たっては十分厳正な採用をやっていくべきじゃないかと思うんですが、その点社長、どうですか。
#22
○参考人(鈴木俊一君) いま御意見のございました、御注意のございましたこと当然でございまして、私どもは従来からもその方針でございましたが、今後はますますこういった事態にかんがみまして、厳正にしかも一人でも採用するなら優秀な人間と、こう思ってよく配慮をしてまいる所存でございます。
#23
○吉田正雄君 それからもう一つ、会社の性格からくるものといたしまして、いまも少し申し上げましたが、この原電という会社を見ますと、授権資本金が六百二十億円、払い込み資本金が六百二十億円、同額であるわけですが、株主構成を見ますと東京電力が四〇・六%、これを筆頭に九電力で七四・六%ということになっております。それから、電源開発株式会社が九・八四%、原子力産業五グループが一一・九八%ということになっておるわけです。そこで、私はこれもある新聞が報道いたしておりましたけれども、私は原電が原発の建設やいろんな施設設備の建設、増築に当たって、たとえばいま言った株主関連の企業との間に契約を結ぶ、その契約がきわめてずさんであったり、あるいは文書で当然結ばなければならない契約が文書でなかったり、なれ合い的な契約が行われているんではないかという、こういう報道が一部にあったわけですね。
 そこで、事実としてちょっとお尋ねをいたしたいんですけれども、八〇年度の定期検査関連工事で例の一月にひび割れ事故を起こしました給水加熱器内部点検修繕その他工事を、東芝との間に約七千万円で契約したということが報道されておるわけですが、その契約自体はそうですか。
#24
○参考人(板倉哲郎君) 給水加熱器全体の全工事を入れまして、御指摘の額より多少上回るかもしれませんが、その近くの額の契約をしております。
#25
○吉田正雄君 その内容の中には、当然電気事業法に基づく耐圧試験というものが含まれていなければならないわけですね。その点は当初の契約ではどうなっておったんですか。
#26
○参考人(板倉哲郎君) 耐圧試験も当然含まれております。
#27
○吉田正雄君 ところが、東芝が下請――まあよくトンネルとか言われておるんですがね、東和工業を通じて太陽工藤工事と言うんですか、に請け負わせた内容では、このいま言った耐圧試験というものが実はもうすでに除外をされておったということが報道されておるんですが、実際には耐圧試験が行われたのかどうなのかお聞かせください。
#28
○参考人(板倉哲郎君) 耐圧試験という大きな項目の中に、その代行といたしまして、実際に圧力をかけずに非破壊的にそれを検査します検査がございます。そういうものも含まれて大きな意味で耐圧検査と言っておりますから、部分によりましては、実際の圧力かけての試験をせずにその代行、かわりの方法を行うこともございます。
#29
○吉田正雄君 かわりの方法が行われることもあると言うんですが、いま当初に会社と東芝との間では当然電気事業法に基づく耐圧試験というものが、この契約の中に入っておったとおっしゃったですね。そこで、それと今度は東芝が下請を通じて行った契約書の中には、今度は耐圧試験というものが含まれていないということなんですよね。それは事実ですか。
#30
○参考人(板倉哲郎君) ただいまの代行の件につきましては、東芝と当社との最終契約には代行ということで明確に記入されたもので契約は結ばれております。すでに代行にかえての契約が結ばれているわけです。
#31
○吉田正雄君 私が聞きたいのは、要するに、法に定められた内容できちっとこの定期検査、補修その他工事というものが予定どおり行われたのかどうなのかということを聞いているんですよ。法に定めた耐圧試験にふさわしい、そういうものが実際の昨年度の場合には行われていないと、手抜きが行われておったと、代行もあり得るということで済ませられる内容でないですから、その事実を聞いているわけですよ。事実耐圧試験が行われておったならば、あんな水漏れは起きるわけはない。逆にその耐圧試験の際にあのひび割れというのは当然見つかっておったはずなんですね。そこで聞いているんですよ。そうでなかったら、皆さんの方から写しを全部提出してもらうことになるんですがどうなんですか。その事実だけ言ってもらえばいいんですよ。
#32
○参考人(板倉哲郎君) 耐圧のことにつきましては、熱機関協会が通産省の検査の代行をなさることに決まっておりまして、正式に熱機関協会にお出ししましてそれをいたしました。
#33
○吉田正雄君 そうすると、耐圧試験の手抜きをしたという報道については、これは事実無根だと、こういうことですか。
#34
○参考人(板倉哲郎君) はい、その代行という方法を正式に政府のお認めになっていただいております熱機関協会でやっておりますので、手抜き工事を行ったということはございません。
#35
○吉田正雄君 その問題については、技術的な問題は法との関係でもう少し突っ込んでお尋ねしたいんですよ。ただし、きょうはいま言ったように非常に時間が限られておりますから、これは後日の集中審議の際にもう少し詳しくお尋ねします。
 そこで、いま言った一連の東芝と原電との間の契約、それから東芝が下請との間にどういう契約をやったか。すでにその写し等もあるところではもう入手をされておるということで、それも報道されておりますし、写真も一部私も見たんですがね、その写しは資料としていただけますか。
#36
○参考人(板倉哲郎君) これは会社間の契約でございますので、いま一部のところでお持ちだというお話はございましたけれども、会社として会社間の契約をそのままお渡しするわけにはいかないと考えております。
#37
○吉田正雄君 私は、ここに原電の体質と、それから会社間の契約だから出せないといっても、秘密にすべきような内容を含んだものではない、電気事業法に基づく当然の定期検査、補修検査をやらなければならないそういう工事に関する契約なんであって、守秘義務も何もないわけなんですよね。しかも、事は原子力の安全性に関する工事に関しての契約なんですね。これが単に会社間同士の契約だから、そんな資料は出せませんなんていう、こういうことをやっているから、そこに何かあるんじゃないかという疑いの目をもって見られる。秘密にすべき内容じゃないですよ、これは。こんなものまで秘密にするなんていう、そういうことだから事故が起きるんです。また、真相の解明ができなくなるんですよ。これは通産当局どう思いますか。こんなの秘密にすべき内容ですか。工事内容がわからぬで、どうやって審査できるんです、これは。
#38
○政府委員(高橋宏君) 原子力発電所の安全を確保する上に、メーカーの役割りは大きいと存じております。私ども監督いたしておりますのは電気事業法でございますが、これらの法体系におきましては、電気事業者を通じて管理監督をするというふうになっております。メーカーとの関係は、電気事業者とメーカーとの請負その他の契約に基づきまして、建設とかあるいは定期検査の下請等をやっておるものと存じております一私どもはそういう体制を存じておりますが、私どもは法律に基づきまして、電気事業者を通じましてそういう全体的な保安管理体制という形で承知し監督しておる、こういう立場でございますので、お尋ねの七千万円の件につきましては私ども了知いたしておりません。ただし、本件につきまして、これは五十五年の四月の定期検査関連の仕事でございますが、どういう経緯でこの設備が耐圧試験を実際にかけるかわりに、それにかわります方法、ちょっと二つほど別な方法があるようでございますが、そういう方法に変えたというデータはございます。
#39
○吉田正雄君 大臣、私はいまの通産当局の答弁を聞いてますますおかしく思ったんですよ。一月の一番最初の事故というのは、まさにいま私が指摘をしているところなんですよ、そうでしょう。給水加熱器をめぐっての契約のことを私はいま聞いているんですよ。そこで耐圧試験が行われたかどうかということを聞いているわけです。したがって通産省は、そこがどうなっておったのか、事前の昨年度の定期検査において耐圧試験がどのように行われておったのか、どういう契約の内容であったのか、当然事故が起きた以上、立入検査もできる通産省が、何でその書類を提出さして調べないんですか。全然おかしいですよ、それは。そんなことだから、通産省の言ったように、調査何やっているかということなんですよ。なってないじゃないですか、それじゃ。しかも、秘密にするというんだったら、会社側も出せない理由を言ってください。何が出せないんですか、いま。これじゃ国会審議できるわけないじゃないですか。たとえば核拡散防止条約であるとか核物質防護の観点から、国際的にもこれは明らかにすることができないという内容ならばいざ知らず、法上実施を義務づけられておる当然の内容のことがなぜ発表できないのか。だから、そこに何かがあると言われたって仕方がないんですよ。これは疑惑がある、なれ合い契約だ、下請を通じて、トンネル機関を通じてそこでもって手抜き検査をやって金をもうけた、それが政治献金として回っていっているんじゃないかなんといううわさが飛ぶのは無理ないんですよ、これは。そういう疑惑を払うためにもきちんと出すべきだ、それは。通産当局もそうですよ、
 だから通産大臣、私が聞きたいというのは、何でもないこのようなものまで提出をできずして一体国会で何を審議するんですか。審議できないじゃないですか。一部には流れておるようですと、一部のどこかでは入手をされておるようですということを認めておりながら、国会の正式な委員会審議でそんなあたりまえの契約書がなぜ出せないんです。しかも、通産省がそれを入手をしていない、それについて調査をしていないというのはどういうことなんですか。いままでの調査は何を調査をしてきたんですか。
#40
○政府委員(高橋宏君) 溶接いたします場合には、電気事業法四十六条に基づきまして通産大臣の認可を得た方法によって行うということになっております。その中にどういう資格を持った溶接士がどういう方法で溶接をするか、こういうことが、その方法が認可の一つの条件になっております。そういう意味で、この溶接が原電の給水加熱器につきましてだれが、どういう人が、どういう資格を持った人が溶接することに相なっておるかということについての一連の審査はしております。そういう趣旨でしたら私ども十分その溶接士あるいはその溶接業者というものを知り得る立場にございます。
#41
○吉田正雄君 大臣に対する私の質問は来ているんですよ。後で原電に対してまた聞きますけれども、私の質問をあなたは正確に理解していないですよ。何が溶接ですか。私はいま耐圧試験について手抜きが行われたんじゃないかということを言っているわけでしょう、一連の。給水加熱器の点検補修、そういうものについての契約なんですよ。あなたは事故が起きた後の溶接とか何とかというふうに勘違いされているんじゃないですか。私が言っているのは、終わった場合には相当な圧力がかかってくるわけですね、あの給水加熱器には。したがって耐圧試験というものが義務づけられている。それが十分行われなかったんじゃないか。何かほかの方法で取ってかわりましたという言い方をしているわけですよね。規定どおりの耐圧試験はやっていないということなんですがね、全然私の質問には答えていない、ピント外れだ。いま時間来ましたからいいです、またいずれお聞きします。
#42
○馬場富君 最初に、大臣が時間の関係で退場されますので大臣に集中して、後で参考人の方に質問したいと思いますのでよろしくお願いします。今回の一連の事故は、いま質問にもございましたように、考えもよらなかった事故が発生したということで、その点で大臣にエネルギー計画の中での非常に重要な位置をいま占めておる原子力発電の問題について、やはり今回の事故を通して私は国民の中で非常に多くの信頼がなくなってきたんじゃないか、原子力発電についてのエネルギー上の位置というのを考え直さなければいかぬのじゃないかという声すら出てきておるわけでございますが、大臣この点をどのようにお考えですか。
#43
○国務大臣(田中六助君) 馬場委員御承知のように、私どもは長期エネルギー暫定見通しの中に、十年後に油に対する依存率を半分にする、代替エネルギーにつきまして五〇%、その中に原子力発電所の占める割合というのは十年後は五千百万キロワットから五千三百万キロワットという線を出しておるわけでございまして、現在原子力発電所は二十二基稼働中でございまして、三十五基まで持っていけばある程度の目標に達するということで、毎年度の予算で立地交付金あるいは維持管理費、いろんな手当てをしてこの推進に努力しておると同時に、発電所の安全性、そういうものについても地元の人々の理解と信頼を得べく努力しているわけでございます。
 今回の事故はまことに遺憾と言ってもしようのない全く、先ほど原発の鈴木社長さんもおっしゃっておりましたが、くやしいと、どうしたことだろうという思いでいっぱいでございます。したがって、今回の事故を十分各方面から検討し、反省し、再検討した上、さらに安全性という面も含めまして一生懸命努力すると同時に、厳正な処置を結果がわかり次第やらなければならないというふうに思っておりまして、むしろ今回の事故を大きな反省材料として、むしろより一層安全性、国民の信頼を得べき大きな契機としていかなければならないと、したがって私どもの原子力発電所に絡む諸計画については、そういう点を十分踏まえて、むしろそれを改定するということよりも、それを推進するための大きな糧にしなければならないというふうに思っております。
#44
○馬場富君 大臣の発言のように、私は原子力発電というのはやはりエネルギー上の重要な位置でもあるが、この発電そのものはぼくは九〇%、一〇〇%と言ってもいいが、やはり国民が石油危機の中で原子力エネルギーがよしとすることはみんなわかるわけですけれども、その安全性がどうかという問題で皆さん疑問があるし、反対もあると思うんです。その一〇〇%に近いものが私は安全性であると思うんです。だが、その安全性というのが今回の事件によって踏みにじられてしまったということで、これは私は今後のこの計画に大きな支障を来すほどの大問題であると、こう思います。しかも、その中でいろんな事故隠しや、当然真剣に考えていけば、この問題、いま当面問題となっておる一月十九日の問題にしても、三月八日の問題にしても、これは関係当局が真剣に取り組んだならば未然に私は防げた事故ではないかという点も考えられますし、それからそれをまた隠そうとするそういう会社側の問題点等もあわせまして、ここらあたりに非常に結局これからの問題に大きい点が私は含まれておると思いますが、本当にこの真剣さという問題で私は非常に大きい疑問を持っておるわけですが、そういう立場から、それではあれから、事故が起こりまして通産省が、まあ原電の方は別としても、監督官庁である通産省がじかに乗り込んでいって調査あるいは検討されておりますが、この二件のうち、まず三月八日の原因についてもどの程度究明されましたか、ひとつ具体的に御報告いただきたいと思います。
#45
○政府委員(高橋宏君) 三月八日の廃棄物処理建屋内におきましての漏洩でございますが、現在立入検査官、統括安全審査官一人交えまして十人ほどでやっております。一つは、これが漏れましたきっかけにつきまして、御存じのようにフィルタースラッジを移しましてその後洗浄水を流すわけでございますが、その水を流すバルブを開きまして、それを閉じるのが忘れられておりまして、そのためにフィルタースラッジタンク、ドレーンタンク、そしてサンプを通じましてあふれたわけでございますが、その辺の原因究明が一つでございます。
 それから、その床の上に漏れました廃液がどういう経路で一般排水路の方に行ったかと、こういうことに尽きるわけでございますが、その点につきまして、現在人の面、すなわちその運転管理をしておりました現場の職員等の一連の操作、そして後の除染等含めた行動でございますが、そういう人の面からの調査が一つ。それからもう一つは、ポンプの起動を示しますランプの誤標示というところから始まりまして、部屋の構造、床の欠陥の有無等につきましての設計、製作上のいわゆるハードの調査を進めておりまして、この両者を突き合わせまして原因の究明に当たりたいというように考えております。そういうアプローチを現在しているところでございます。
#46
○馬場富君 時間がありませんので、後でおたくの説明に対する質問をしていきたいと思いますが、バルブを忘れておったとかいうような問題もございますが、これなんかは私は自動弁であるというように聞いておりますし、そういう点でここらあたりの問題も非常に納得のできない問題がございますが、大臣にこの点、今度の事故を通しまして、特に三月八日の事故については、これは完全に、操作やいろんな機器の問題等を通しまして、操作室にだれも全然人がいなくて管理がなされておらなかったのか、あるいは全部の機械が故障しておったのかという疑いすら起こるくらいのひどい事故の状況じゃないかと、こう私は結論しています。その内容については後で大臣が行かれてから質問いたしますけれども、私はそういうふうに感じております。
 そういう点で、大臣、いろんな問題がございますけれども、やはり先ほども話が出ましたそういう原電について、管理専門官等もここに派遣されておりますけれども、これも全然知らなかったというふうな状況で、いろんな問題で、米の検査官の人が五人も行っておったとか、いろんな批判も出ておりますが、いずれにしてもこの管理専門官が実は通産省から派遣してあったって、機能を発揮して安全性のために真剣に取り組んでいないということだけは事実だと私は思う。この点について、大臣、管理専門官というのをどのように改善されるか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
#47
○政府委員(森山信吾君) 安全運転管理専門官の制度につきましては、昭和五十五年度から発足したわけでございまして、いま御指摘のとおり、全国で十五名の専門官を配置しているところでございます、基本的な考え方は、発電所におきます自主的な保安管理体制というものがまずございまして、それを専門官がウォッチをするというシステムになっておるわけでございます。したがいまして、今回の事故にょりまして専門官のあり方につきましていろいろと御批判をいただいておるわけでございますけれども、従来とっておりましたような考え方で今後も対処し得るのかどうかという問題を含めまして、現在私どもは検討しておるわけでございます。基本的には、スリーマイルアイランドの教訓を生かしまして、せっかくつくった制度でございますので、これを有効にワークするようなシステムにしなきゃならぬということを考えておるわけでございまして、どういう観点から制度を改善していったらいいか、この事故の原因追及とあわせまして制度のあり方について慎重なる検討を図ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#48
○馬場富君 その事故や安全性についてチェックもし、そういうことについて派遣をしてある職員であると。あの人たちは月給をもらってあそこに座っておるだけが使命じゃないと私は思う。そういう点で、この事故につきましても、ここにちゃんと設備の運転日誌も私持っておりますし、それから廃棄物の処理設備運転日誌等も持っていますけれども、ここに確実に事故の発生、汚染のことをちゃんと記録されているわけです。それがなぜ専門官はこの事故が起こるまで知らなかったかというようなことは、そんな老いてもおらなくてもいいような専門官じゃないかということです。そんな専門官は現在においても問題がある。これについて大臣、真剣に大臣からひとつこの専門官の問題についてどのように改善されるか、対処されるか、一言聞かしてもらいたい。
#49
○国務大臣(田中六助君) 重大な事故が起こっておりまして、それをいま究明の最中でございまして、専門官がいながらこういうことがあったということでございますが、何をしゃべっても言いわけみたいなことにもなりますし、私自身も含めて大きな責任を感じておりますし、これからこれを機会にこういうことのないように、それぞれなれとか、あるいは甘えとか、そういうものが蓄積してこういう結果になっただろうと思います。したがって、しょっちゅうテンション、緊張ということもどうかと思いますけれども、少なくとも原子力発電所並びにそういうものに関連する人々は、その勤務時間に関する限り、やはり緊張ということを終始忘れずに従事しなければならないという考えでございますし、専門官だけがどうとかこうとかということじゃなくて、これは一人の人が緊張した態度をとってもどうにもならない、全従業員がそういう体制にあらねばならないということから、私自身も含めまして責任を感ずると同時に、これからの、これをひとつ先例、また再び繰り返さないように一生懸命みんな努力していきたいというふうに思います。
#50
○馬場富君 専門官のことは後にしまして、もう一点は、そういうために原子力安全委員会というのが実はあるわけです。この点をやはり改組あるいは強化しなければならぬじゃないかという点が、一つ私は考えられるわけです。それは欧米諸国においてはこの問題の安全性についての第三者的のチェックの機関が実はあるということです。たとえばドイツへ行けばTUVだとか、あるいはアメリカへ行けばNRCとか、そういう第三者的なチェック機能がある。やはり日本の場合この原子力安全委員会というのは諮問委員会であって、もっとやはりこの委員会が、もしくはまた別のものでも結構ですが、公正取引委員会というような中立な立場でこれをチェックするような機能がなければ、本当に国を挙げて安全性を持って原子力に取り組んでいくのなら、そこら辺まで考えて進むべきじゃないか、ここらあたりの踏み切りが必要ではないか、こういうふうに考えますが、この点はどうでしょう。
#51
○国務大臣(田中六助君) 御指摘のように、原子力委員会に安全審査会がございまして、そのほかのチェック機関とあわせてダブルチェックの機関、存在がございますが、馬場委員御指摘のように、全く第三者の専門家あるいは経験者、いろんな人々の構成によるそういう監視機関と申しますか、さらにより以上のチェック機関が何重にもあってもいいというふうに考えます。
#52
○馬場富君 それからもう一点、大臣に、この事故で原発の総点検をやるというようなことを通産省が決定されたように聞いておりますが、この点についての内容と日程はどのように考えてみえるか、御説明いただきたい。
#53
○政府委員(高橋宏君) 去る二十日に資源エネルギー庁長官名をもちまして、すべての原発を持っている会社に対しまして、発電所に関しまして一般排水路が今回のような放射線管理区域と申しますか、漏れるおそれがあるところに対しまして、十分そのおそれがないように設置されているかどうかのチェック、及び一般排水路におきましてその異常がないかどうか、こういう総点検をなるべく速やかにするように指示したところでございます。
#54
○馬場富君 それに加えまして、それは三月七日の事故のことですが、一月十九日の事故がやはり重なってこれ発見されてきてます。これは明らかにやはり実はプラントの事故でございます、設備の事故でございます。こういう点でこの総点検の内容をやはりプラントまで拡大すべきである、こういうふうに考えますが、担当者の御説明をいただきたいと思うんです。
#55
○政府委員(高橋宏君) 一月十九日の事故という御指摘でございましたが、放射性廃棄物新建屋の中で濃縮廃液貯蔵タンクの一部と申しますか、そこに入っている管との関係におきまして漏れが生じました。その件についてのことだと存じます。
 本件につきましては、現在一つのタンクを空の状態にいたしまして除染をいたしまして、これから原因究明に入ろうという段階でございます。それを見きわめまして、必要あればそういう措置をとることを考えたいと思っております。現在その原因が何であったかという調査をすることが先決であるというぐあいに考えております。
#56
○馬場富君 その点もタンクと加熱パイプとの接合点についての結局破損ということだけは、それを溶接して補ったというんですから、もう間違いないでしょう、実際。やっぱり設備の中で問題が起こったわけですが、当然それは起こらなかったということとで予定されて、安全だということを確認されて操業されておったわけです。そこがそのようにもろくも割れて、そこからやはり漏れだというような、こういう事実というものは、明らかにこれは問題がこのプラントにあるということははっきりしておるんじゃないですか。そういう点でこれは早急にやっぱり追加されて総点検の中に入れられるべきだと、こう考えますが、長官がどちらでもいいから、しっかりした答弁をいただきたいと思うんです。
#57
○政府委員(森山信吾君) ただいま高橋審議官からお答え申し上げましたとおり、本件につきまして馬場先生からプラントの事故であるという御指摘をいただきましたが、私どももそういう疑いもございまして現在調査を継続中でございます。
 問題は、構造上の問題があるいは施工の問題かということによって、対処の仕方が変わってまいるわけでございますので、先ほどお答えいたしましたとおり、とにもかくにも敦賀発電所におきます事故の原因を追求する方が先だということでございまして、先生の御懸念もよくわかるわけでございますけれども、それを踏まえました上で対処をさせていただきたい、かように考えている次第でございます。
#58
○馬場富君 それじゃ大臣の点はこれで終わります。
 もう一点は、この事故の安全性の点で二十六日のNHKの政治討論会で中川科学技術庁長官は、軽微な事故で影響がないというような発言をしてみえますけれども、これについては百五十ミリレム程度だと、こういうような発言が出ておりますけれども、事実一月十九日の濃縮タンクのあの溶接の場面につきましては、これはまだはっきりと確認もされておりません、労働省等の見解を聞いてみましても、これに一時間当たったときにはやはり三ないし四千ミリレムの被曝を受けるんではないかということも実は言われておるんです。この点後で労働省の方に聞きますが、こういうようなデータ等も出ています。それでいきますと、実はあの部屋に入って溶接した人はそういう被曝を受けるとしたら、二分ごとに交代して溶接しなきゃならなかったということになるわけです。これは本当に事実を軽視した長官の発言だと、私はこう思っております。
 そういう点で、これから順次調査されれば被曝の状況もわかっていきますが、どうか大臣、ここで大臣の責任をもって、この事故に対してのかなりの被曝の状況も今後判明されていくと思いますが、作業員に対する被曝の状況をひとつ一応まとまったら早急に、全氏名と被曝の状況ということを一遍通産省の責任のもとに発表していただきたいと思いますが、大臣いかがでしょうか。
#59
○政府委員(後藤宏君) 一言、中川長官の発言につきまして御意見が出ておりますので、誤解を解く意味におきまして、私発言をさせていただきたいと思います。
 大臣がいわば被曝が軽微であったと申し上げましたのは、本件の事故に関しまして周辺環境及び作業におきます被曝がきわめて軽微であったということを申し上げたわけでございます。そのうち、特に後者の点につきましては若干先生に誤解があるのではないかと私ども考えております、私どもは、大臣等が申し上げておりますのは、すべて本件の事故に関しまして、一月十九日の事故も含めまして、それぞれの作業で受けた被曝量がいずれもそれぞれ原子力発電所、日本原電におきます保安規定の被曝の範囲内でございます。全体の被曝の最高限が百五十五ミリであった、そういうことを申し上げただけでございまして、もちろん先生が言われましたように、この一月のタンクのところにつきましては、表面線量率でかなりの高いレベルのところがございますから、一時間ももしそこにおればおっしゃるような被曝を受ける可能性は十分ございますが、現実に受けております被曝はすべて保安規定の範囲内であったとわれわれは理解しております。
 以上でございます。
#60
○馬場富君 そこで、まだ原因も究明され調査もこれから実施されていく中ですから、私が言うのは、実態をまだ発表もきちっとできないうちからこれは軽微だったというような、そういう考え方はよくないと思うんです。やはり、それについてしっかりと原因が究明され、被曝者の実態というのがはっきりしてからそれを言うなら別ですけれども。そういう点で、担当の長官として、私は言ったわけです。
 それから、いま先ほどの被曝者の全員の氏名ど被曝線量等を今後やはり公表してもらいたい、こう思いますが、この点どうでしょう。
#61
○政府委員(森山信吾君) 除染作業に従事されました方々の被曝の現状につきましては、労働省が中心になってお調べいただいております。もちろん、私どももこれは大事な問題でございますので、一生懸命やらなくちゃいかぬということでございまして、調査がまとまり次第御連絡を申し上げたいと思いますが、個々の具体的な氏名につきまして発表することにつきましては、本人の承諾等の問題もございますので、これは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、実態がどうであったかということがわかるように発表さしていただきたいと、かように考えておる次第でございます。
#62
○市川正一君 私は、前回も敦賀原発事故の重要な問題点の一つとして、通産省の責任を究明いたしましたが、さらに通産省の安全管理体制が全く不備でしり抜けになっているということを再度追及せざるを得ません。
 その一つに、運転管理専門官の問題があります。この運転管理専門官というのは、スリーマイル島原発事故で、原発の安全管理を求める世論に押されて通産省が五十五年四月、ここにその写しがありますが、ここにいらっしゃる森山長官の名で、訓令で設置したものであります、ところが、この運転管理専門官は電気事業法や原子炉等規制法などを法的根拠にしていない、したがって、法律上の行政権限を持っていない、こういうことではないんでしょうか、まずお伺いします。
#63
○政府委員(高橋宏君) そのとおりでございます。
#64
○市川正一君 つまり、法的な権限を持っていないということは、原発側に何らの強制的な調査も要求できない、また立ち入りを拒否されても文句も言えない、そういう法律上の立場にあるということですね。
#65
○政府委員(高橋宏君) そのとおりでございます。
 ただし、運転専門官は平常はそういう立場で仕事をいたしておりますが、万一事故等がございますと直ちにそれを本省に連絡をいたしまして、そういう連絡を密にかつ機動的に行うという役目が一つ。それから、そういう際は、直ちに立入検査権限を持つ検査官としての発令をいたしまして、直ちにその場から法律上の権限に基づく立入検査ができる、そういうような役目も実は考えておったところでございます。
#66
○市川正一君 日常的にその事故を発見するのが問題であって、今度のように事故隠しをやられたのでは手の打ちようがないじゃありませんか。これでは専門官が常駐しているといっても会社側が隠せば事故を発見できない。今回の一連の事故が発見できなかったというのも、結局これは当然のことなんです。先ほど高橋審議官は、会社側からの連絡が不十分だった、場合によっては連絡しなかったということをあなたは認めたじゃないですか。
 また、私はここに持ってきたのは、「運転管理専門官執務参考資料」であります。「(案)」とはなっていますけれども、これは通産省の原子力発電安全管理課発行のマニュアル、手引書です。そうでしょう。そうして、冒頭のところにこう書いてあるんじゃないですか。「(案)」ではあるけれども、これは「執務の参考に供せられたい。」。なかなか通産省出さなかったけれども、私入手いたしました。
 そこで、この内容でありますけれども、「第2節業務遂行上の心得」というのがあります。お手元にあるでしょう。その(1)に「基本的心得」ということでどういうことが書いてあるか。前文でまずこう書いてある。「法律に基づく立入検査業務と性格の異なることを認識し、次の事項を遵守しつつ、」、こうある。まず、「立入検査業務と性格の異なる」ということをブレーキをかけて、そして具体的には、「一、業務の遂行に必要な限度、をわきまえ、これを超えることのないよう留意すること。」、さらに四には、「業務遂行上の相手方に対しては、その尊厳を傷つけることのないよう留意すること。」とある。これは、結局、よけいなことをするな、出しゃばるなということじゃないですか。「基本的心得」というからには、たとえば、どんな小さな事故もつかんで、よく調査して報告しなさいというのが本来のあり方じゃありませんか。
 大臣は、このマニュアルを御存じでしょうか。大臣にお伺いしたい。大臣はこういうものがあるということは御存じなんですか。
#67
○国務大臣(田中六助君) いま完全にその成案を得ておりませんし、その「(案)」をいま検討中でございます。
#68
○市川正一君 そうしますと、こういうものがあるということは御存じなんですね。
#69
○国務大臣(田中六助君) いま申し上げましたように、つくりつつあるということはせんだってから知っております。
#70
○市川正一君 つくりつつあるというのでなしに、これで現にやっているわけです。だから、これを「執務の参考に供せられたい。」、言いかえれば、これでやりなさいと。
 私は、今回の専門官が一連の事故が発見できなかったいわばその手づるとなる運転日誌あるいは作業日誌、さらには被曝総量の記録などが生データで見れないで、そして、原電側の報告をうのみにするしか仕方がなかった。それが実態なんです。
 現に、ある専門官は、一週間の研修で現地に派遣させられた、何もわからずに現在でも勉強中だ、国の方針で配置されたのにいろいろ言われるのは心外だと漏らしておりますけれども、これは決して私は専門官の責任ではなしに、政府自身、通産省庁身の姿勢、体制の問題だと思うんです。つまり、安全管理の形だけは、かっこうはつけたけれども、しかし、実際は事故隠しを許し、原発は安全だということを外に向かって言うためのものだと言われても仕方がないと私はあえて言いたいんです。
 そこで大臣に伺いたいんですが、私は、いままで二回の質問を通じて、原発に対する安全審査の制度やあるいは監督、点検体制の問題を指摘し、改善を要求いたしました。これに対して田中通産大臣は、初心に返り再点検していきたい、こう決意をお述べになったのでありますが、本日のいまのやりとりを踏まえて具体的に承りたい。すなわち、十分な教育を受けた運転管理専門官を法的な裏づけのある権限を持って配置する、これを私は要求いたしたいのでありますが、大臣、いかがでありましょうか。
#71
○国務大臣(田中六助君) この問題を一つの契機にいたしまして、私どもは、足らないところを十分各方面から検討していかなければならない、その中にやはりこの制度も含めていろいろ検討していきたいというふうに思っております。
#72
○市川正一君 そうしますと、いま私が申し上げたように、何ら法的な権限もない、これは高橋審議官お認めになった。立入検査もできない、そして、何か事故があったという連絡報告を受けたときに初めて出動する、これでは事故隠しを防止し得ないという現状にある認識、そういう点は大臣いかがでしょうか。そのままでいいとお考えですか。
#73
○政府委員(森山信吾君) いまの専門官のあり方が会社の自主的な保安管理体制をウォッチするというシステムになっているわけでございまして、このことが果たして妥当なのかどうかにつきまして私どもはいま検討を続けているわけでございます。ただ、原子力発電所の作業は大変膨大なものでございますので、そもそも、会社側の自主保安管理体制というものを強化する方が、私はむしろ専門官に法的な性格を与えることよりも問題は大事じゃないかという認識を持っておるわけでございますけれども、今回の事件のように、そういう事件がございますと、その辺のあり方についてもメスを入れる必要があるということでございまして、いま大臣から答弁がございましたように、そういうことも含めまして、今後の専門官のあり方につきまして、どういうあり方が最も効果的かということにつきまして検討さしていただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#74
○市川正一君 それでは、今回のこういう事実に基づいてひとつ積極的に私のいま提起した問題を受けとめていただきたい。大臣、ぜひともその点を要望いたしたいんです。よろしゅうございますか。
#75
○国務大臣(田中六助君) そういう点も含めて検討していきたいと思います。
#76
○市川正一君 もう一つ伺いたいのは、この廃液の分析の中でセシウム137がかなり出ているというふうに言われておりますが、これは何を意味するのか、通産省の見解を承りたい。
#77
○政府委員(高橋宏君) お答えいたします。
 原子力発電所におきまして、セシウム137は、一般には原子炉内の核燃料の核分裂により生成されるものでございますが、また、仮に燃料棒が傷んでいなくても、燃料棒表面にごく微量付着している核燃料物質が核分裂生成物としてセシウム137を生成することもございます。こういうことで、通常炉水内には、原子炉の水の中には微量ながら含まれているものでございます。このようなセシウム137が今回の調査により一般排水路で検出されたわけでございますが、フィルタースラッジタンク、さらにドレーンタンク等から出てきたわけでございますので、こういうようなものが、フィルター等に付着したものが出てくる、こういうことは十分考えられるルートでございます。
 なお、その経路等につきましては、冒頭申し上げましたように、今後十分調査をしてまいる所存でございます。
#78
○市川正一君 一般的に言って、高橋審議官はよく御存じのはずなんですけれども、セシウム137は原子炉の中にある燃料棒から出るいわゆる死の灰の一種であります、ということは、今回の廃液漏れ事故以前の問題、すなわち、燃料棒の欠損あるいはピンホールなど、炉本体そのものにかかわる重大な事故隠しが発生している疑い、可能性がある。現に四月二十七日付の福井新聞は、昨年十一月に燃料棒にピンホールのあった疑いがあることを報道しておりますが、原発側に伺いたい。事故がなかったと断言できますか、この国会の場で、はっきりお答え願いたい。
#79
○参考人(板倉哲郎君) お答えいたします。
 燃料棒には、今回とめて燃料の検査をいたしましたところ、全燃料棒のうちの一体に小さなピンホールのある徴候が出ております。過去にさかのぼりますと、運転開始以来四、五年目のところではこういう疑いのある燃料棒も含めまして、第四回の定期検査と申しますと、四十八年ごろでございますが、この辺からピンホールと認められるものが十三本、疑われるものが三十本とか、合計いたしまして四十本とか五十本というのが四十八年、四十九年、五十年に検査では見つかっております。その後、燃料体が非常に健全になりまして、五十一年以降は見つかっているものの数が、検査の結果、見つかるものが非常に少なくなっております。たまたま昨年五十五年の定期検査におきましては疑いのあるものが一本、また今回停止いたしまして検査した結果におきましても、疑いのあるものが一本ということでございまして、燃料はきわめてよい状態にあると思っております。しかしながら、原子炉の水の中にはセシウムはごくわずかでございますけれども、検査いたしますと検出されております。
 以上でございます。
#80
○市川正一君 大臣、時間がまいりましたので、ただいまのセシウム137にかかわる、そしてまた燃料棒にかかわる問題、大臣が御承知であったのかどうか、そしてなかったとするならば、いまの報告に基づいて徹底的に責任を持って御調査を願いたいということに関して御所見を承って終わりたいと思います。
#81
○国務大臣(田中六助君) このセシウム137の問題につきましては、実は非常に恐縮でございますけれども、いま初めて聞いたことでございますし、こういう重大なことでございますし、これ以外のことも全部含めて、私としては十分反省し、そしてこれからのこれらの問題に対処していきたいというふうに思っております。
#82
○理事(前田勲男君) それじゃ大臣、退席していただいて結構でございます。
#83
○吉田正雄君 それでは、先ほどに引き続きましてお尋ねをいたします。
 私は、いままでの答弁を聞いておりまして、質問をする方がからっとした資料を持っておって質問をすると、皆さん方は正直に答えるんですよ。ところが質問者の方でまだ資料持っていないなあと思うと、決して正直に答えようとしない。これはもういままで終始一貫しているんですね、これは原電当局の通産省に対する報告自体がそうであるわけですし、通産の答弁もそういう点がうかがえると思うんです。
 そこで私は、いまたまたまセシウム137の問題が出ました、関連をしてお尋ねをいたしてまいりたいと思うんですが、私も去る二十五日の土曜日に敦賀原電の現地へ参りまして、発電所長、それから単なる事務職員ではなくて担当の技術職員数名からいろいろ実情をお聞きをしたところです。
 そこで、まずお尋ねをしたいんですが、昨年の十一月に、いまもちょっと質問が出たんですが、制御棒を緊急に挿入すると、あるいは取りかえるといいますか、そういうふうな何か事故がございましたか。事故と言ったらいいのか、そういう事態は。
#84
○参考人(板倉哲郎君) お答えいたします。
 昨年の秋のその時期に中間停止ということをやっております。制御棒の下のところに制御棒駆動機構にOリングが入っております。そのOリングの取りかえをしております。原子炉停止中――秋の中間停止と申しまして、長期の定期検査のほかに、普通敦賀原電は春に長期の定期検査をやります、秋に中間停止というのをいたしまして、そのときにOリングの取りかえをしております。
#85
○吉田正雄君 その取りかえはどういう理由で取りかえたんですか。
#86
○参考人(板倉哲郎君) お答えいたします。
 制御棒の駆動機構のところを中間停止で検査いたしましたところ、その真ん中に入っていますOリングといいますのは金属製でございますけれども、一種のパッキングのようなものでございますが、その部分からにじみがございましたので、Oリングの取りかえをしたというのが事実ございます。
#87
○吉田正雄君 制御棒自身の取りかえは全然行っておらないですね。
#88
○参考人(板倉哲郎君) 制御棒自身は取りかえておりません。
#89
○吉田正雄君 四月七日の日、いまも燃料棒についてはいろいろ検査をやったとおっしゃっておりますが、私どもが現地でお尋ねをしたところでは、いまの数字と若干違っておるんですね。昨年以前の燃料棒については現在プール中に何本ございますか。何本と言ったらいいのか、何体と言ったらいいのか。
#90
○参考人(板倉哲郎君) 現在使用済み燃料プールの中には四十何体の燃料棒が入っておりまして、そのうち五体はサスペクトといいますか、疑いのある燃料というのが入っております。
#91
○吉田正雄君 疑いがあるというのを調査をされましたか。
#92
○参考人(板倉哲郎君) いつも定期検査で原子炉のふたをあけまして、そのときにすべての燃料体の検査をいたします。その検査の結果によりまして、ピンホールありと認められるものと、ピンホールありというところまでいかないけれども、疑いのあるものということに基準を決めて分けております。それで、いま先生おっしゃいましたのは、疑いのあるものと、それからまずピンホールであると認めたものを合わせまして合計五本が燃料の池にいま入っておりまして、その他四十体ぐらいその疑いのあるものでない使用済み燃料が入っております。
#93
○吉田正雄君 このたび発見をされた一体についてはどういうぐあいに判断をされておりますか。
#94
○参考人(板倉哲郎君) お答えいたします。
 ただいまプールに入っておりますものは、前の年あるいはその前の年に取り出しました燃料でございまして、今回検査によって疑いのあると思われたものはまだ炉心の中に入っております。取り出しておりません。
#95
○吉田正雄君 私どもの質問に対しまして非常に重大な発言がなされておるわけですね。
 そこで、私は社長にお尋ねをしたいんですが、つい四、五日前に発電所長が更迭をされておりますね。更迭をした理由をまず聞かしていただきたいと思うんです。
#96
○参考人(鈴木俊一君) 所長、副所長、関係の技術課長、ことごとく発電所付というようなかっこうで、正確ではございませんけれども、そういうかっこうに辞令を発令いたしました。それは四月二十二日のことでございましたが、どうしてそういう発令をしたかと申しますと、これは処罰にも何も全然関係ない異動でございます。と申しますのは、この問題が起きましてから本当に現場の関係者、責任を感じながら、もう寝食を忘れて疲れ切ってまいりました。そのままの状態でずっといくことは、発電所の秩序を保つ上で、あるいは新しい管理体制に早くしなくちゃならぬという必要に迫られたものですから、いままでの者を所村に発令いたしまして、新しい責任者を全部よそから送り込んだのでございます。そういった新しい体制に切りかえて早く発電所を運営したいというのが一つ。もう一つは、御承知のような、あれから、と申しますと二回目のいろんなことが起きましたものですから、その連中を直ちによそへ転勤させることは適当でございません。あの土地にとどまって事実の究明、原因の探求その他をやる必要もございますし、実際知っているのは前の連中でございますので、なるべくこれからの運転から荷を軽くいたしまして、そういった仕事にしばらくの間専念させる、つまり事務引き続きでございます。
 以上でございます。
#97
○吉田正雄君 私は、新しい発電所長の任務というのは、今日までのあの事故の原因、あるいは管理運営体制の改善等、そういう主要な任務を帯びていったものだと思うんです。ところが、私どもが行ったときの発電所長の態度というものはきわめて腑に落ちない、というよりも、むしろこの事故調査についてきわめて非協力的な態度をとったということで、きわめて遺憾なんですよ。事前の打ち合わせ、それから当日朝の本社から行った常務、それとの話の中でも、まあ現状で提出すると問題があると思われるような、先ほどの運転マニュアルに関するようなものであるとか、あるいは保安規定のようなものについては、これはちょっと検討をさせていただかないと直ちに出すわけにはまいりませんということだったんですけれども、その他のものについては事実関係を明らかにして事故の原因を究明するということで、常務みずからも、あるいは行く前の事前の打ち合わせても、資料の提出というのは約束されておったわけです。ところが、いざこの調査が進行すると、この発電所長がこれに対して非常な、抵抗というほどではないんでしょうが、きわめて非協力的だった。私がいまセシウム137に関してお尋ねをしたいというのはそういうことなんですが、担当職員はどう言ったかというと、まあ一本と一体じゃ違うんですけれども、一本と言われたり一体と言われたりしているんですが、一体ですよね。一体、八本掛ける八本で六十四本で一体ということになっているんですが、一体についてはいま言われたとおりまだ炉心にありますということで、その職員はどう当初発言をしたかというと、破損の疑いがあると思われるけれども、現状ではまだそういうものははっきりいたしませんと、まだ調査できない状況なのでと、こういう発言をされたんですね。ところが、発電所長がそれを聞き、それからわが方の同行した専門家もその言葉を聞いて、いやこれは大変だという発言が出たら、発電所長が非常にあわてまして、破損なんて言ったらこれは大変な話だということで、その職員をまあしかりつけるようなといいますか、発言を封ずるという態度をとったものだから、職員真っ青になっちゃったんですよ、その職員は。真っ青になりまして、で、まあ私の方でも、いやピンホールならピンホールの疑いで結構でしょうけれども、あなたはいつ来たんですかと、それだけじゃないです。さっきの新しいこのタンクの事故についても、直接現場の人が説明をし出すと所長が発言を抑えて、来たばかりの現地を見たことのない所長がかわって答弁をするという、きわめて政治的な発言をするという態度なんですよね。とうとう何でもない私どもが委員会でもらった資料までなかなか出そうとしない。理由は、現在通産省が調査に入って全部資料持っていっていますから皆さんには出せません。そういううそをつく発電所長ですよ。しかもいまも出たこの廃液が一般排水口を通って流れていった九カ所から試料を採取をして、そして核種がどうであったのかという、もうすでに通産省からもあるいは皆さんの原電本社からも発表になっている数字なんですよね。ところが、その書類までが通産が全部持っていっておりますので、これはお見せもできませんというこういう態度で終始一貫したわけです。そういう点で私は、発電所長のああいう態度を見ますと、ますます何かもっと隠されているんではないか、また何か続く、また何か出てくるのじゃないかという印象を行った調査団の皆さんは全部受けて帰ったんですよね。しかも単なるそういう印象だけではなくて、何かが隠されておるだろうというふうに思うわけです。
 四月七日の日に原子炉の圧力容器のふたをあけたということですが、これは事実ですか。
#98
○参考人(板倉哲郎君) ただいまちょっとふたをあけた日にちは確認しておりませんけれども、原子炉のふたをあけまして燃料の検査はいたしました。
#99
○吉田正雄君 いたしました。
#100
○参考人(板倉哲郎君) ふだをあけましたけれども、日にちはいま先生おっしゃった日にちかどうか、ちょっといまここで確認できませんが。
#101
○吉田正雄君 通産省にお尋ねしますが、通産省はその作業工程表というふうなものや定期検査表というものは通産省には当然提出をされておるんですが、それはごらんになりましたか。
#102
○政府委員(高橋宏君) 予定表という形で承知いたしております。標準工程表という形で承知いたしております。
#103
○吉田正雄君 そこには原子炉容器のふたをあけて検査をするというふうな、そういうものは書かれておりますか。
#104
○政府委員(高橋宏君) 定期検査の際には当然ふたをあけます。そういう規定は記載されております。
#105
○吉田正雄君 その事実を派遣専門官は確認をされておりますか、ちょうど四月の二日から八日まで第一次の調査団が行っておるわけですね、検査官が。この四月七日とすると、これはちょうど四月二日から八日の間なんですので、本省から派遣をされた専門官はこの事実を確認をしておりますか、どうですか。
#106
○政府委員(高橋宏君) ただいま申し上げておりますのは標準工程表でございまして、実績は少しずれていく可能性は十分あるものであることをあらかじめお断りしておきます。
 それから検査でございますが、今回の立入検査官十人の仕事としてはやらしておりません。しかしながら、この定期検査は通産局の富山支局がこの定期検査を所管しているところでございますので、その監督下と申しますか、管理下においてこれをフォローされることになろうかと思っております。
#107
○吉田正雄君 ふたをあけてその燃料棒についてのいろいろな検査が行われたりというそういう事実を、だから専門官は確認をされたかどうかということなんですよ。調査期間中なんですね。これは四月七日でしょう。違いますか。どうですか。
#108
○参考人(板倉哲郎君) 日にちはちょっといま明確でございませんけれども、ふたをあけまして燃料の健全性を見ます検査は、燃料は中に入れたまま上からふたをかぶせまして検査をするわけでございます。小さなピンホールでもございましたら、そこに燃料体にピンホールがありますと、わずかながら放射性物質が出てまいりますから、それを調べることによって、疑いがあるか、あるいはかなりの、かなりといいますか、はっきりしたピンホールがあるかがわかります。今回のはピンホールの疑いがある程度の信号が出たものが一体。先生おっしゃったように一本じゃなくて一体です、一体ごと検査いたしますから。したがいまして、一体の中の一本にこういうものがありますと出てくるわけでございます、一体ごとにやっておりますから。
#109
○吉田正雄君 通産はその事実は現地の派遣専門官、調査官というのは事実は御存じないわけなんですか、そういうことが行われたということ。
#110
○説明員(平田辰一郎君) 私ども本省で了知しておりますのは、標準定期検査工程でございまして、この標準的な工程、各定検ごとに出るわけでございますが、この工程に従いまして、具体的な詳細な検査工程は検査を実際に所管しております名古屋通産局富山支局で取り扱っております。したがって、日々の工程のずれその他につきましては、富山支局の方では実際に了知していると思いますが、本省においては詳しいことはわかっておりません。
 なお、参考までに、私ども非公式に入手している情報では、今回の圧力容器のふた取り外しにつきましては四月五日から開始し、四月八日に終了したというふうに聞いております。
#111
○吉田正雄君 四月二日から八日が第一次の調査団ですね、通産省、調査団という名前はとにかくとして。そして二回目に四月十九日からまた立入検査が今度はこの廃液漏れを調査ということで入っているわけですね。しかし、数次の事故隠しというものが行われている報告が行われなかったと、原電から。そういうことで通産の主体的な立場で今日まで一連の一体事故というものがどういう状況になっているものかということを調査するのも任務なんですよね。ところが、いまの答弁ですと、富山の支局ではわかっているんだろうけれども、どうもこっちではよくわからぬとか、非公式にとかといって言っているんですがね、非公式にというのはどこから非公式なんですかね。どこからどういう報告があって、どう確認をされて、現地にいま行っている調査官は一体何を確認をしているんですか、そうすると。どういう状況になっているんですか。さっぱりわからないんですよ、その通産の調査のあり方というのが。だからそういう点では、きょうもまた時間がないんで、だから当初言ったように本当に聞きたいことを順を追って聞いていかないと、どうしても抽象的になるんですよね。だから四月二日からの定期検査のいまの工程表の内容についてはチェックをしたのかどうなのか。それから――まずその前に、四月二日から八日までの立入検査の職員の人数と、どういう専門官が行ったんですか。そして何を検査、調査の対象にしたのか、まずこれから答えてください。
#112
○政府委員(高橋宏君) 四月の一日から八日までに行いましたのは、一月に……
#113
○吉田正雄君 簡単にね、長過ぎる。
#114
○政府委員(高橋宏君) 二度ほど出ました第四給水加熱器に関連する事故調査でございます。派遣している職員は電気工作物検査官でございます。失礼しました。当時六名を派遣して行っております。
#115
○吉田正雄君 それから四月――私の質問には答えてないんだな。答えてないんですよね。答えられないと思うんですよね。四月十九日のからどうですか、どういう人数でどういう専門官が行って、何を対象にして――ただ、その液が漏れたという、それだけの調査なんですかね。
 とにかく皆さんの方で、通産でもってみずから調査の段階で発見した事故というのはどれとどれがあるんですか。
#116
○政府委員(高橋宏君) いまのお尋ねの趣旨は、四月一日から四月八日にかけての立入検査で何を発見したかという御趣旨だと思いますが、その結果につきましては調査結果を発表いたしております。第一次中間発表いたしておりまして、まず一月の一番最初のときにはとめまして、そして別件でとまっておったわけでございますが、そのときに四角い金属の板をすみ肉溶接をして応急処置をしたという事実をつかんでおります。それから、その後二度目の問題につきましては、そこにバンドを巻きまして応急処置でとめたという事実を発見しております。
#117
○吉田正雄君 十日の中間調査の結果についての発表をいただいているんですがね、きょうの委員会に配付をされた資料というのは実に簡単なものですね、全く簡単なんですよ、これ。記者クラブへ記られたものと比較をしたら、もう全然問題にならぬ。こんなものは配付資料の意味をなさぬですよ。こんなものは何ですかね。私はもう記者クラブへ配付されたものはもちろんちゃんと持っておりますけれども、これから比較したって全然分量からしたって、内容からしたって委員会で審査をするのに配るべき資料とは言いがたいですよ、こんなものは。役に全然立たぬ、こんなもの。何をこれ質疑をすることになるのかね。これで資料配付したというふうに言えますか。全然これはだめなんですよ。これ委員長にも言っておきますがね、こんな程度の資料で何を一体委員会として審議をしていくのか、全然問題にならないということと、どうもぐあいの悪いところについては全然答えない。
 私はさっきセシウム137、これも現地で確認をしたんですが、これは生データを見せてもらいました。説明を聞きました。そこではこのガンマスペクトル、これ見たんですけれども、評価の時間というか、観測時間というのが非常に短い。六百秒とか一千秒ということで、他のコバルトとかマンガン等の妨害線によってセシウム137というものが非常にわずかしか認められないということですが、三ヵ所は明確に出ておるわけですね。ところがその他の個所についても観測時間を長くすれば、当然明確にセシウム137は出てくるでしょうというのは、これは発電所側の二人の専門家と私どもが同道していただいた学者の間の一致した意見なんですよ。これは全然否定してない。当然出てくるでしょう、もっとはっきり出るでしょうと、こういうことを言っているわけですね。それと同時に、燃料棒について後ではピンホールの疑いという発言に発電所長がびっくりして、そういうことに急遽発言内容を切りかえるという場面があったんですが、当初は職員は破損の疑いがあるんじゃないかというふうなことを言ったんですよね。言ったんですが、その後ピンホールというふうに切りかえていったということなんです。そこで、あの出ている程度のセシウム137やあるいは冷却水の核種のスペクトル等を見ても、そう大きな損傷が燃料棒にあるかどうかというのはまだちょっとそういうことは言えないと思うんですけれども、しかし私はいままでの原電のとってきた態度や、それからさらにもっと別の資料、運転日誌であるとかあるいは除染依頼のそういう伝票、こういうものについても見せると言いながらとうとうその日は見れなかったんです。運転日誌については三月七、八、九の三日間だけは見せていただいたんですね。しかし、本当に燃料棒が損傷あるいは破損をしているかいないかについては、否定する皆さん方からの材料の提供、資料の提供はないわけなんですね。したがって、私はそのおそれがないということは否定できない。そういうことで皆さん方の方でその心配がないとおっしゃるんだったら、納得させるような生データを出すべきなんです。そうしたらなるほどそうだと、これは学問的な科学的な問題ですから、それをどうごまかすとかなんとかということにはなりません。そういう点で出すとはおっしゃっているんですが、その日はとうとういただけなかったんですよね。そういう点で改めてそういう資料は当然出していただけると思うんですが、それどうですか。
#118
○参考人(板倉哲郎君) その後はかった資料ということではございませんが、きょう先ほどから言ってます疑いのある燃料というのは、実は原子炉の燃料体の中の燃料棒に傷がありますと、ピンホールでありましても揮発性の沃素137が出てまいります。先生先ほどセシウムと言っておられましたけれども、こういう燃料検査で一番つかまえ――感度のいいのは沃素137でございます、きわめて揮発性でございますから。それでこれは御承知のように半減期が八日でございます。日にちがたちますとだんだん少なくなりますので、今回もこういういろいろ問題を起こしているときでございましたけれども、燃料の健全性をどうしても早く安全上チェックしておきたいということで、原子炉のふたをあけて燃料のいまのシッピングと言いますが、これを実施したわけでございます。その結果がいま申しましたようにバックグラウンドよりも少し高いものが一本ある、これをサスペクトといいますか漏洩の、サスペクトですから可能性のある、疑いのあるということが一本あると申したわけでございます。また一方、原子炉を停止いたしますときに、ふたをあける前に燃料体に大きな欠損あるいはピンホールがたくさん数がありますと、それから沃素が出てまいります。原子炉の圧力を下げますので一次系の水の中に沃素が出てまいります。原子炉をとめますときに私たちは必ず沃素が幾ら一次系の方に出たかという沃素の増加量を長期間といいますか、一日から二日にわたりましてその積分値を求めております。これを追加沃素量と申しております。これも近年のデータはほとんど沃素が出ておりませんので、燃料体はきわめて健全であると考えております。
#119
○吉田正雄君 それにしては、とにかくセシウム期というものがずっと一般排水路九カ所どこをとっても出るであろうと、あるであろうということはそれは確認されているわけなんです。そういう点で私の最後の――資料を出していただけますかと聞いたんですよ。その点はどうなんですか。出してもらうということになったんですがね。
#120
○参考人(板倉哲郎君) いまおっしゃいました資料と申しますのは、測定値でございますか。
#121
○吉田正雄君 生データ。
#122
○参考人(板倉哲郎君) 生データと申しますと……。
#123
○吉田正雄君 皆さんでいろいろ調査をされているわけでしょう。冷却水の濃度であるとか核種だとかいろんな調査というのが行われてますね。
#124
○参考人(板倉哲郎君) その生のデータ……。
#125
○吉田正雄君 見せてもらったんですよ、ずっとね。
#126
○参考人(板倉哲郎君) 先生もうすでにごらんになったわけでございますか。
#127
○吉田正雄君 そうです。
#128
○参考人(板倉哲郎君) それで十分その内容を御理解いただけたものと思っております。
#129
○吉田正雄君 いや、でも一応提出をしてもらえませんかと言っているんです。
#130
○参考人(板倉哲郎君) いままで生のデータを御要求でお出ししたこともございませんし、すでに現地でその生のデータを先生の間違いない目で見ていただいておりますので、資料の提出というものはここでお約束さしていただくわけにはまいらないと思います。
#131
○吉田正雄君 数値というのは全部覚えられないですね、あそこに出ているのは。いいですか。記録しようとしたらそれもやめてくださいということなんですよ。そういう態度なんですよ。見せて差し支えないけれども記録してもらっては困ります。細かい数字がたくさん並んでいるのを全部覚えられる人なんてありませんよ。だから最終的にはもう少しそれをきちんと分析していかなきゃいけないわけですね。しかも、細かい数字の並んだのが九枚も頭に入りますか、それ。皆さん入りますか。あなた見せられてすぐ後で聞かれてわかりますか、そんなこと言って。
#132
○参考人(板倉哲郎君) 大きな変化があり、何かあればきわめて異常があるということはわかると思います。そういう意味で先生はすでに現物をごらんになったとおっしゃっていますので、私は大きな変化があって、大きな燃料体の破損でもあるならばそういうことは十分先生にもごらんいただけると思います。
#133
○吉田正雄君 いいですか、これは社長聞いておいていただきたいのですが、秘密でないものでしょう。そうかといって天下の国民の全部に、一億人に印刷して配ってくれなんて言っているわけじゃないんです。こういう態度が不信感を招くんですよ。公表して差し支えのない、見せて差し支えのないものがなぜコピーをしていただけないかということなんですね。それすら拒否する理由、そういう体質がすでにそもそも問題だと言っているんです。今後何が出てくるかわからぬ、まだ現に調査進行中なんですよ。事故がまたどこかから出てくるかもわからぬというときに、どういうことなんですかね。しかも、きょうは時間がありませんから、この問題については私は再度現地へ調査に行くつもりです。いろいろ出してもらうあるいは見せてもらう、資料についてはさらに見せていただいて、集中審議の際に、そういう突っ込んだ内容についてはまだ皆さんの方でも明確に答えるだけの資料はどうもなさそうですね。まだ調査中ですか。これは通産もそうだ、聞いてもわからぬ。
   〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
 そこで、せっかく原子力委員長も見えておりますから……その前にもう一言だけ聞いておきます。
 皆さんのパンフの中に、地元との協力はきわめて重要だということをおっしゃっておるのです。地元にとっては事故ほどこわいものはないんですよ。あとはどうでもいいんですね。金もうけなんていう人もあるかもしれませんが、多くの住民の皆さんは安全性の問題なんだ。ところが、先ほども専門官の性格や権限についても論議がありましたが、地元の人たちとしては事故が起きてから入ったんじゃ遅いわけですね。立入検査やったって遅いわけですよ。
 そこで、法的規制の問題について後で通産省にお聞きをいたしますが、原電としては地元との協定の中で地元の要求があった場合には、一定の条件のもとで――これは一定の条件というのはきょうは時間がないから言いませんが、とにかく地元の要求があった場合には原則的には立入検査を認める、こういう協定を結ぶ意思がおありなのかどうなのか、これは原電当局にお聞きします。
 それから、通産当局に対しては、いまと同じ趣旨で法上も地元の立入権限を認めるそういう措置を今後講ずるということで検討する意思があるのかどうかということです。
 それから、吹田委員長にお尋ねをいたしますが、最初に今回の一連の事故についての感想をまず最初に端的にお聞きをしたいと思いますと同時に、私は今度の事故で委員長みずから原子力安全委員会の無力さというものと、それから科学技術庁安全局当局の対応のにぶさというものを痛感せられたんじゃないかと思うんですよ、私は。そういう点で今後原子力安全委員会の権限の強化を含めて、今度の事故から導き出された教訓に基づいて原子炉等規制法を初めとする一連の法令あるいはこの安全基準等とか規則、こういうものの改正が必要だと思われるんですけれども、それについて今後十分検討しなきゃならぬと思うんですが、この見通しをどのようにお持ちになっているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#134
○説明員(吹田徳雄君) 私たちは、日本の安全委員会でございますので、日本の事故を他国にまして非常に重大だと思います。特に今度の敦賀の事故はこれまでの通産からの中間報告によりますと、いろいろな点で私たちの想像を超える問題がございました。それに対しまして、現在のシステムでございますと、国会で決められた線に従って、私たちは諮問機関でございます、しかし私たちに与えられたいろいろな権限がございます。それを行使するいろいろなケースがございますが、まず安全委員会といたしましては、関係する行政庁からの報告をもとにするというのがまず基本でございます。それをより厳正中立な立場から科学的に今回の事故を解明いたしまして、それを評価してそして今後の規制政策に反映し、二度とこのような事故が日本に起こらないようにするにはどうしたらいいかということを真剣に考えております。
 中間報告を手をこまねいて待っているわけではございませんで、私たち安全委員は、安全委員だけで毎日非公式な情報をもとにこれに対してどう対処するか、常置の専門部会を動員するか、それ以外のいろんな対応の仕方がありますので、そういうことを現在続けておる状態でございますが、近く中間報告が出ることになっておりますので、それを踏まえまして先生御指摘のようないろんな点を、私たちの安全委員会も含めまして、その下部にあります審査会とか基準部会、発電炉部会を動員いたしましてやりたいと考えております。
#135
○参考人(板倉哲郎君) 先ほど吉田先生の御質問ございました地元との協定がすでに五十一年の六月に福井県知事と当時の敦賀市長と当社の社長との間でできております。その中に「立入調査」という項がございまして、県または市の職員を立入調査をさせることができるというんですから、立ち入ることができるようになっております。なお、その中に「立入調査の同行」というところで、「甲」といいますのは県並びに市でございますけれども、県、市の認めた地域住民の代表を同行することができるということになっておりますので、先生へのお答えに対しましてはすでに地元の協定の中でこれができ上がっておるものと考えております。
#136
○政府委員(高橋宏君) 地元が発電所に立ち入ることを法的に措置することが必要かどうか、こういうことだと存じますが、現在協定ベースで自主的にやっておられるようでございますが、私どもとしましては、私ども法律に基づきまして立入検査をしておりまして、私どもからこれを法律化する必要性を現在感じておりません。
#137
○吉田正雄君 いま原電当局は、すでにこういう内容で協定が結ばれておりますから、もうこれでいいんじゃないですかという趣旨の発言ですが、いつでも本当に立ち入りできますか。同意がなきゃだめなんじゃないですか。
#138
○参考人(板倉哲郎君) 県、市の職員がお入りになりますときの条項といたしましては、同意ということはございませんが、事前にお入りになります職員の氏名とか、お入りになります期日を、そういうものをお知らせ願いたい。それからお入りになる方は安全確保のために原電の保安関係の規定に従っていただきたいという条項があります。
#139
○吉田正雄君 一番肝心な質問に答えていない。じゃいつでも入れるんですね、同意がなくても、県、市の。通産の権限に基づく立入検査拒否できない。それと同様に、それじゃその協定で盛られているその立入検査というのは、通産省が法的権限に基づいて入るのと同じように入れるんですかと聞いているんですよ。
#140
○参考人(板倉哲郎君) 協定の上でその「前条」という項目がございますけれども、発電所に故障が発生したときなどがその一例でございますけれども、そういうときには県、市の職員はこれが立ち入ることができることになっております。
#141
○吉田正雄君 時間が来たから言いたくないですけれども、事故が起きてからでは遅過ぎると、私は当初に言ったでしょう。通産のさっきの専門官制度でもそうでしょう。だから、事故が起きなくても適宜あるいは必要に応じてやっぱりチェックする必要があると判断をしたときには入れるかどうか、入ることが望ましいわけですね。そういうことでその立入調査についてのそういう地元の要求というものを原電側として法的にどうとかというむずかしいことでないけれども、そういう要望を満たして、いつでもああそうかと言って、地元が毎日毎日何でもないのに入れてくださいなんということはないでしょうから、そういうことで尋ねているんですよ。ちっとも質問の真意について答えていない。もういい。答える必要ない。また次に呼んで、やるからいいですよ。全然それはなっておらぬ。全く態度遺憾だよ。質問にまともに答えていないじゃないか。そんなことで何ができるんだ。
#142
○馬場富君 最初に原子力安全委員長に。
 先ほど通産大臣に私は質問をいたしましたが、ちょうど大臣の質問でしたから、重ねて時間がありませんので聞きませんでしたが、改めて、いまも出ておりますけれども、やはり今回の事故で原子力安全委員会が重大な使命がある、また役目があるということをお気づきになると思うんです。そういう点で科学技術庁も関係がございますが、通産大臣に先ほどはお尋ねいたしましたが、やはり従来のこれは諮問機関のような形で実はあるわけで、そのために権限も力もないという点が感じられたと思うので、そういう点でやはり中立的な立場で、公正取引委員会のような一つは行政委員会としてそういうような性格のもとにこれはやっていかなければ本当の原子力安全委員会の力が出ないし、また意味がないんじゃないか。
 こういう事故を通してみてどのようにお感じになったか。この点をひとつ委員長とあわせて、科技庁いらっしゃいますか、科技庁の方からも、先ほど通産省に聞きましたから、この点の改善が必要でないかという点について御説明いただきたいと思います。
#143
○説明員(吹田徳雄君) もう先生御承知のように、安全委員会は五十一年七月の原子方行政懇談会の意見を踏まえまして、昭和五十三年六月に成立した原子力基本法等の一部改正で設置されてまいりました。この原子力行政懇談会の意見は、原子力安全委員会がみずから設置、許可等の処分に当たるよりも諮問委員会として行政庁と一線を画すという、そういう立場から調査審議する方がより厳正中立な、かつ、客観的な審査を行えるとの考えに基づいておりますことは御承知のとおりでございます。
 私がここ二年しばらく委員長をあずかりましてこの安全委員会を運営してまいりまして、率直に申し上げますと、諮問委員会の特徴を発揮するためには行政と一線を画すという点では非常に私は日本独特のいいシステムだと思います。ただ、このシステムを非常に強力に進めるためには、その中立性を保障された強力な事務局が必要であります。それが私のこれまでの運営してまいりました実感でございます。
 それで、諮問機関が必ずしも悪いとは私は感じません。ですから、このシステムを十分生かすためには、そういういろんな、これまでのもろもろの点を改良すればよろしいんじゃないか。一例を申し上げますと、安全委員会に付せられた任務は審査、それから公開ヒヤリング、それからこのような審査以後のいろんな過程における事故、故障、そういうものを全部見ること再チェックということになりますが、それだけのやはりスタッフが必要です。私たち五人の安全委員は極力できるだけその時間を割きまして、それぞれ分担をいたしまして努力しておるようなのが現状でございます。
#144
○政府委員(後藤宏君) 原子力安全局といたしましても、まさに委員会の庶務を担当する当局といたしましていまの委員長と全く同一の見解でございまして、できるだけ委員会の意向に即しまして厳正、中立なダブルチェックができますように、陣容の強化その他に努めてまいりたいと思っております。
#145
○馬場富君 ありがとうございました。
 次に、技術部長の方にこれからの具体的な問題でお尋ねいたしますが、三月七日の事故について、先ほどの通産省からの説明も、それから会社の浅田常務の前回の衆議院での答弁からも、バルブの閉め忘れということを言われておるんですが、私は、このバルブは五分ごとに自動閉鎖される、こういうように、各原発の私は視察もずっと行ってきましたが、この点についてはそれが実は基本ではないかと思うので、閉め忘れではなくてそこらあたりは故障ではないかということですが、どうですか。
#146
○参考人(板倉哲郎君) ここにありますバルブは自動でございません。リモートマニュアルといいますか、スイッチを押しますと、バルブの位置は離れておりまして、現場と離れましたパネルでスイッチの操作は手でいたします。スイッチの操作を手でいたしますと遠隔の場所でバルブが閉まるようになっておりまして、先生のおっしゃいますように自動にはなってはおりませんでした。ただし、故障していたのではないかというお話がございましたので関連して申しますと、そのバルブを閉めますと、色があいてますときが赤で、閉まっておりますと青でございます。従来閉まっておりますから青のものを、あけますと赤がつかなければならなかったんですけれども、当日ランプがついておりません。したがいまして、その指示系といいますか、スイッチを操作しまして、実際にバルブのあくことは確認しておりますが、そのときにあけた、閉めたの点滅ランプが故障していることがわかっておりました、その段階で。したがいまして、その翌日かには当直長日誌にこのランプが壊れているので直してくれるようにという補修依頼が当直長日誌に記載されております。
 以上でございます。
#147
○馬場富君 そうすると、いまの各社が行っておる原発の状況でいきますと、これは自動閉鎖方式が取り入れられてますが、それではこれはやっぱり古い型だからそういう点、自動閉鎖がなされないんですか。
#148
○参考人(板倉哲郎君) 原子炉本体の方のバルブ等につきましては、重要なバルブは、先生のおっしゃいますように信号を受けて自動閉鎖するというバルブが多うございます。ほかの発電所の廃棄物処理系のバルブが自動になっているかどうか、私現在よくわかりませんが、私の方の敦賀の発電所のこのバルブは手動になっておりました。
#149
○馬場富君 じゃ明らかに作業員のバルブの閉め忘れということははっきりしている、それからやはり指示系統であるランプの故障も一つあると、この二点で間違いございませんか。
#150
○参考人(板倉哲郎君) 先生のおっしゃるとおり間違いございません。
#151
○馬場富君 次に、警報が鳴った鳴らぬの問題ですけれども、鳴ったということが私どもの調査の関係では確認しておりますが、これはどの系統でこの警報が鳴ったのか、どういう作動によって鳴ったのか、ここをお聞かせいただきたい。
#152
○参考人(板倉哲郎君) 御説明申し上げます。
 フィルタースラッジの貯蔵タンクというものに、いつまでも洗浄水がバルブの閉め忘れで流れ込んでおったわけでございます。そのためにそのタンクの上にオーバーフローラインというパイプがついておりまして、そのパイプの中を通りまして、ドレーンタンクAさらにドレーンタンクBに行きます。ドレーンタンクBが全体水位が上がってまいりますとこのタンクの上部に配管がございまして、その配管からドレーンサンプという床にサンプが掘ってございます。そこに水が導かれるようになっております。このサンプの水が水位がだんだん上がってきますと今度は自動的に汲み上げポンプが働きます。汲み上げポンプが働く位置よりもさらに水位が上がりますと、先生のいまおっしゃいました警報が出ます。警報の出ますのは、この古い方の廃棄物処理施設の操作盤ではなくて、これからかなり離れておりますけれども、新しい廃棄物処理建物をつくりましたので、そこに廃棄物処理の制御室がございます。そこに先ほど申しましたサンプの水位が高くなってくると、そこで警報が鳴るような仕組みになっております。
#153
○馬場富君 そうすると、この廃棄物の処理施設の操作する操作室と制御室というのは違うんですか。
#154
○参考人(板倉哲郎君) お答えいたします。
 この古い方の建物にあります、今回問題になりました、スラッジのタンクにフィルタースラッジを移送します、あるいは洗浄します操作は古い建物の方のパネルについております。そこに操作盤と、それからバルブのあけ閉めのランプがそこにつくようになっています。しかし、先生から御質問いただきましたサンプポンプの水位が上がったという信号は、新しい廃棄物建屋の方の制御室でつくようになっております。
#155
○馬場富君 新しい廃棄物の建屋の方でその発信音を聞いたということは間違いないわけですが、それがなぜ処理室の操作室の方に連係がいき、操作の対策がなされなかったんですか。
#156
○参考人(板倉哲郎君) お答えいたします。
 新しい処理室の方にこの警報が鳴ったか鳴らないかは明確ではございませんけれども、必ず鳴っているはずでございます。この系統を後ほど見ましても、全然異状はございませんから、当日も鳴っているはずでございます。
 それで、いつごろ鳴っているかということにつきましては、ポンプの起動が八時半ごろでございますので、それからポンプ起動よりもう少し時間がたちまして水位が上がっているはずでございます、この警報が鳴る水位まで。したがいまして、新しい廃棄物処理の制御室の方では必ず鳴っているはずでございます。
 なお、運転員が、その新しい制御室におります運転員と申しますのは、いつもその部屋に常駐することを義務づけておりませんでした。原子炉を制御します方の部屋は、これは必ず運転員が少なくとも、パトロールその他に出かけましても、常に二人は常駐するようになっております。しかし、廃棄物処理の方は運転員を配置しておりますけれども、その運転員が機器のパトロールに出かけたり、あるいは主制御室に連絡あるいは打ち合わせで来ますときには、この部屋は空になっておりますというのがこれまでの現状でございました。
#157
○馬場富君 だから、そこが一番大問題じゃないかと。いまなお、このことはもうはっきりした問題であって、警報が制御室で鳴ったか鳴らぬかというようなことなんかはもう、あなた方が事故の中で一番先に確認しなきゃならぬじゃないですか。あなたはその現場に、いわゆる技術部長として一番責任ある方じゃないですか。それがいまごろまだ、われわれの調査団が行ったときには現地で鳴ったということを確認しておるわけだけれども、鳴ったはずだじゃおかしいじゃないですか。
 それから、義務づけをしておりませんと言って、バルブを操作するところにおる人たちが義務づけがないと。それじゃおらなくてもいいかということになって、それじゃおらなかったらこのような事故が起こるということになるんじゃないですか。これはいままでだってやはり、ランプの故障にしろ、ランプの標示にしろ、いろんな義務づけにしろ、この点、私はかってのいろんな九電力の原発も全部視察しました。そういう点で、操作室で、やはり現場の状況がかなり正確につかめると。そして、結局、もしこんなような危険な状況があったら、ぼくはなぜ敦賀はこんなことが起こったんだって不思議でしょうがない。それで、ずっと調べていってみますと、ポイントのところや安全性の大事なところを、みんな外してしまっている。この一つが、はずだというのと義務づけがないという言葉だとこう思うんです。ここでちょうど来ていただいている電気事業連合会原子力開発対策会議の委員長の伊藤さんに、こういうようなことがほかのやはり原子力発電所の、あなた方の関係のところで、はずだとか義務づけだとかいうようなことで、ちょいちょいこんなことが起こっておるかどうでしょうか、お聞かせいただきたいと思う。
#158
○参考人(伊藤俊夫君) お答え申し上げます。
 このたび起こりましたいろいろな事態につきましては、単に日本原子力発電会社さんのことだけではございませんで、連合会といたしましても電力会社が九社ございまして、現在六社が原子炉の運転をいたしております。残りの三社は新しい原子炉の建設をすべく努力しているような状態でございまして、今回の事態は非常に深刻に受けとめておる次第でございまして、先ほど来いろいろ通産御当局の御調査の結果、諸先生方の御調査の結果も承りましたし、また別途のことも通じまして、できるだけ真相の把握に努めておる次第でございますが、いろいろお話を承っておる点から申しましても、今回の面につきましては、人為的ミスがございましたこと、あるいは警報装置が正常に働いていなかったようなこと、その他、かなり不備な面が感ぜられるというふうに思います、
 私どもは、昭和四十五年から原子炉運転を開始いたしまして以来、いろんな事象に逢着してまいりまして、そのたびに原子力の安全管理体制につきましては大変な努力をいたしまして、決して原子炉の安全運転を損なうことのないように、最大の努力をいたしております。したがいまして、ただいま御指摘のありましたような運転員が不在であるとかいうふうなことは起こらないように、十分な運転管理体制をしいておりますし、それからいろいろ安全保安装置につきましても、これの点検並びに補修その他につきましても万全の体制をつくりまして、従来もかようなことは起こしておりませんが、これからもかようなことのないように、さらに一層気持ちを引き締めまして、安全第一の原子力発電所の運転に心がけたいというふうに考えておる次第でございます。
#159
○馬場富君 それでもう一点、時間がございませんが。タンクに、ほかの電力のやはり私状況を見ましても、タンクにオーバーしたときには、必ず指示がされるようになっております、どんなところでも。ランプがつくなり警報が鳴るなり、オーバーフローする場合は、もしくは指示が出るように必ず、こんなのがいっぱいになってあふれてそれで出っぱなしというようなことは、安全性から考えられないし、敦賀だけがそんなことで済まされる問題ではないと思いますが、そこらあたりはどうですか。
#160
○参考人(板倉哲郎君) このタンクのあります部屋は床にサンプが切ってありまして、そこまでパイプでつながっておりまして、そのサンプの水位が上がると警報が鳴るようになっております。それからそれぞれのタンク自身には警報はついておりません。しかし、タンクと部屋とが一体となって一つの閉じた状態になっているわけでございます。サンプの底にたまったものはタンクに送り戻されるようになっていたがために、サンプにだけ警報がついておりました。タンク自身の水位はこのタンクの弁を操作しますパネル、言いかえますと古い廃棄物処理建屋のパネルにはついておりました。そういう点では先生御指摘のように、きわめてこの辺に対します配慮というものが足らない点があるということを強く反省しております。
#161
○馬場富君 私の調べでは、敦賀の場合はフィルダースラッジの貯蔵タンクの中には、やはりその中の水位が、指示器があるというようにも聞いておりますが、ランプや警報器がない。そういうやっぱり旧式な機械だとしても、やはり結局指示器がある以上は、パトロールを行っておったら、これがオーバーフローしておればわかったわけだが、パトロールは全然してなかったということでしょう、これは。
#162
○参考人(板倉哲郎君) いま先生のおっしゃいました操作をいたしましてから、その水位を見に行きまして、タンクの水位がオーバーフローしているというのは、逆にパトロールしていて、廊下に水が出てきたのを見てから水位計を見て、確かにこれはタンクがいっぱいになるということを知っております。したがいまして、水が出だします前にタンクの水位を見に行っておらないのが現状でございます。
#163
○馬場富君 長官に、通産省にお尋ねしますが、いま、一、二を聞いてもいまのような状況でございます。それだから私は、たくさんまだこの具体的な問題を詰めていったら、先ほども大臣に質問したように、この指示室には、いわゆる操作室には、当時事故が起こったときにはだれもいなかったのか、機械が全部壊れておったのかということしか考えられないような事故なんです。ここを考えたときに、これはもう一遍敦賀原発の問題は根底から全部洗い直してやらなければ、これは、ぼくは再開ということはとうてい危険だとこう考えるんですが、通産省の見解を聞いて質問を終わりたいと思います。
#164
○政府委員(森山信吾君) いまの馬場先生の御質疑と参考人の方の答弁を聞いておりまして、保安規程につきまして思い切った改善をしていただく必要があるんじゃないかなあというふうに痛感した次第でございます。もちろん国の体制も安全審査あるいは安全管理体制につきまして、今後万全の措置を講ずべく最大の努力を払ってまいりたいと思っております。
 本件に関して申し上げますと、これだけ大きな事故を起こしまして、国民の皆様方にも大変な不安感を与えたことにつきまして、私どもはこの発電所の再開につきましては信頼を本当に回復するという段階までは、運転を軽々しく認めるつもりはないということを申し上げておきたいと思います。
#165
○市川正一君 鈴木参考人にお伺いしますが、現在明らかになっているものだけでも、最近一月十九日の事故が明るみに出ました。これは私どもの調査では去年の十二月の中旬ではなかったのかと思うんですけれども、いずれにしても四件の事故隠しが出てまいりました。もうほかにおまへんのかどうか。その十二月中旬の事故というのは心当たりございませんか。
#166
○参考人(鈴木俊一君) ただいま、こういった一連の事故を起こしましたものですから、これ以上信頼を落とすようなことをしないようにと、そういうつもりで一生懸命実は調査をやっております。いま先生のおっしゃるような十二月ということは私は何も承知しておりませんが、とにかく一生懸命、実態はどうだったのかということを調べると同時に、さらに先ほどもお話がありましたように、いままでの実情を具体的に調べることもやっております。いまのところまだそういうことを全然私は承知しておりません。
#167
○市川正一君 板倉さん、十二月中旬のころの事故というのは別に心当たりないんですか。
#168
○参考人(板倉哲郎君) 十月の終わりごろから廃棄物処理系では定期検査でございますから連続的にいろんなことをやっております。そういうことで、いま先生言われましたように、この定期検査としていろいろの問題がなかったかどうかということも調査中でございますが、まことに申しわけございませんが、発電所の方、非常にこういうことをしてかしましていろいろ調べることが多くてその調査も進んでいないのが現状でございます。
#169
○市川正一君 電事連の伊藤参考人にお伺いしますが、最近大飯発電所でもミスがあったというふうに聞いておるんですが、私、敦賀以外にも大なり小なりいろんな事故が起こっているというふうに思うんですが、ほかの原発には特に問題ございませんでしょうか。どういう御認識なのか伺いたいと思います。
#170
○参考人(伊藤俊夫君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘のございました大飯一号基の事故とおっしゃいましたんですけれども……
#171
○市川正一君 ミスと言ったんです。あれは中身は承知しています。
#172
○参考人(伊藤俊夫君) ミス、これは定期検査をいたしておりまして、バルブの開放点検をいたします際に、十分事前に水を排除してあったつもりでございますけれども、バルブの中に少し水が残っておりましたものを、それは受け皿のビニールその他の処置をいたしておりましたが、ちょっと予想よりも少し多い目に水が出ましたということが一応ミスというふうにおっしゃっている事故だろうと思いますけれども、私どもは完全に管理下におきます正常な作業というふうに考えておりまして、定期検査をいたしますときにはいろんなバルブだとかいうふうなものも全部分解をいたしまして手入れをし、修理をいたすものでございますから、その時点におきまして多少放射性を帯びた液が機械の外に出るということはあり得るわけでございますけれども、かようなことはミスとおっしゃられるようなことが起こらないように十分注意をいたしまして、今後もやっていきたいと思いまして、定期検査の作業中に正常な状態での多少の放射性溶液の床面に対する漏れということは絶対にないとは申し上げませんが、これはやっぱり正常な作業でございまして、特に事故であるものを御報告をしないというふうな範疇に入るような事態は、どの発電所におきましても起こってはいないというふうに承知いたしております。
#173
○市川正一君 そうすると、敦賀の場合には特殊で異常だということに相なるわけですが、私、時間があればもう少しいろいろ突っ込みたいんですが、そこで一月十五日のことでお聞きしたいんですが、放射性廃棄物が処理新建屋で――鈴木さんなり板倉さんにお伺いしますが、濃縮廃液貯蔵タンクの廃液漏れの事故の原因、これはタンクの溶接部分の事故だというふうに聞いておりますが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#174
○参考人(板倉哲郎君) 御説明申し上げます。
 このタンクは中身をいつもある程度暖めておきませんと、中に入っているものが硫酸ソーダが主でございますので、固まってくる可能性がございます。そのためにタンクに蒸気を導きまして、常にこのタンクを暖めております。タンクに蒸気を入れますパイプの溶接部でございます、ここがいま先生おっしゃったように、漏洩といいますか、クラックが入ったわけでございます。
#175
○市川正一君 普通、タンクの耐用年数は十年から十五年というふうに言われておるんですが、それが使用開始後わずか三年余りで故障するということは、少しく信じられぬのでありますが、報道によりますと、施工があるいは設計そのもののミスないしは通産省の検査ミスという疑いもあるということでありますが、このタンクの設計、施工はどこがやったんでしょうか。
#176
○参考人(板倉哲郎君) このタンクをつくりました、製造は日立製作所でございます。
 なお、タンクの寿命を先生おっしゃっておられましたことにつきましては、実はこのタンクの内面にはライニングといいますか、内装がしてございますけれども、中に入れますものが中和タンクから出てくるものでございますので、非常にそういう鋼材に対しましては腐食性の強いものでございますので、ライニングは張ってあったわけでございますが、いずれにしましても先ほども申したかと思いますが、もう一つのタンクをいま空っぽにしまして、そして空のタンクによって徹底的に原因を究明中でございます。それによりましてどこが悪かったかということなどもわかってくると思います。
#177
○市川正一君 そうしますと、こういう事故に対して施工者の日立製作所の責任は通産省、免れないと思うのですが、こういう点についてはどうお考えでしょうか。
#178
○政府委員(高橋宏君) 先ほど申し上げましたように、溶接する際には所定の手続が必要でございます。その際に、いまのお話でございますと、日立製作所の溶接工が溶接した、こういうことかと存じます。それにつきまして私どもの当局あるいは発電用熱機関協会が検査をして合格させたと、こういう趣旨だと存じます。そこでその時点におきましては溶接には支障なかったと考えられますが、これが早い時期になぜリーク――漏洩に至ったかということにつきまして、どういう原因で、単なる腐食なのか、それともその他いろいろな原因があるか等につきまして詳細に調査をいたしまして、結論を出したいと思っております。
#179
○市川正一君 私は時間がありません。一問一答的やりとりは省略いたしますが、お伺いしたところ、電気事業法上メーカーに責任を問えないというようなことに相なっているように伺っているんですが、これでは今後こういう事態が発生した場合に、いろいろの欠陥製品がまかり通る危険性が多分にあると思うのですが、私は今後メーカーの責任についても法的にも検討する必要があるんじゃないか、こういうふうに考えるんですが、こういう点もひとつぜひ御検討願いたいというふうに考えますが、この点いかがでしょうか。
#180
○政府委員(森山信吾君) 法律論的に言いますと、電気事業法はあくまでも電気事業者を対象にいたします法律でございますので、間接的な者に対する電気事業法のコントロールというものが大変むずかしいんではないかという気はいたしております。ただ御指摘のように、そういうことでいろいろなトラブルが起こることは避けなきゃいかぬという観点から、私どもはいまの時点で判断いたしておりますのは、電気事業者を通して電気メーカーに対するいろんなコントロールといいましょうか、チェックといいましょうか、そういうものをする方がよろしいんではないかということを考えておる次第でございます。
#181
○市川正一君 先ほど私は管理官の問題を伺ったんですが、この際ちょっとお伺いしたいんですが、原電側は日常的に各建屋の運転日誌だとかあるいは被曝の記録を管理官に見せないということになっているようですが、これは何かそういうことになっているんですか、あるいは通産省からそういうふうに制度的に言われているんですか。
#182
○参考人(板倉哲郎君) 専門官制度ができましたときに、発電所側とそれから専門官との間でお話し合いをいたしまして、運転専門官制度が開始されたときに専門官の業務についてどう何をするかということを事前に口頭でお話しいたしまして、そしてそのときにお話しした結果、運転日誌といいますか、主制御室ですね、廃棄物処理じゃなくて主制御室、原子炉の運転に直結します主制御室の当直長日誌、これ運転日誌と言っておりますが、これとそれから二週間ずつ予定表をつくりまして、発電所で二週間どういうことをするかと、それとそれからあともう一つは、日報と申しまして、これは専門官にいつもお話をする者、私の方の会社では技術課の副長でございますが、これが期制御室に行きまして、そしていろいろな重要事項を聞いてきまして日報というのをつくります。その三つをいつも見ていただくことになっております。それが定常的でございます。そのほか専門官の方がきょうはパトロールするからとおっしゃれば、パトロールもしていただいているというのが現状でございます。
#183
○市川正一君 参考人の御意見として実情をお伺いしたにとどめて、あとは通産省とのいろいろ今後の問題にさせていただきます。
 最後に私、今回一連の事故の調査のために原電側に各種の資料の提供を求めたんですが、ほとんど出してこないんです。これは先ほど同僚の吉田委員からも触れられた点でありますけれども、これだけ事故を起こして、そして国民に重大な不安を起こしておきながら、原電側の秘密主義というのは私はまさに許しがたいと言わざるを得ぬのであります。私はあえて言うならば、原電は放射能は出すが資料は出さぬ、こういうやっぱり態度に徹しておる。全く許せぬと思うんでありますが、今後私は、自主、民主、公開、この三原則にのっとって、必要な資料は国会に提出するということをここでお約束を願いたい。このことを明確に答弁を求めて私は質問を終わりたいと思います。
#184
○参考人(鈴木俊一君) いま資料の提出の御意見でございますが、私どももいまのお申し出をよく胸に入れまして、慎重に検討してまいりたいと思います。きょうはその程度に御勘弁いただきます。
#185
○市川正一君 終わります、
#186
○村田秀三君 まことに恐縮でございますが、予定外の発言でございます。
 当委員会ではわずか三時間余の質疑でございますが、衆議院では朝からの質疑で恐らく参考人の皆さんお疲れであったと、こう思います。心から敬意を表したいのであります。短い時間ではありましたが、各委員の質問がなり充実したものがあったと、こう思いますし、また対応されます関係者の皆さんもそれなりに誠意を尽くしてこられたと、こう思います。いまも、資料は出さないが放射能は出すと、こういうようなお話もございましたが、とにかくこの原発問題というのはまさに最初から今日いまもってきわめて重大な事柄でございまして、そしてそれなりに会社側もまた行政当局も責任は痛感されておるものと私は思います。責任を痛感しておりますから先ほど来の慎重な御発言になっておると、こう私は思いますけれども、いずれにいたしましても、おもちゃをつくる会社におきましても、色素であるとかあるいは塗料であるとかあるいは構造であるとか、これはやはり児童、国民に責任を持つ立場であろうと、こう思います。でありますから、そういうことから考えますならば、この原発問題というのは、より一層社会的責任というものを痛感していかなければならぬ、こう私は思います。専門的方ことを私はよく知りませんけれども、いずれにいたしましても安全と、こう言われておりますが、まさにこれは危険のかたまりでありまして、その危険物をどうやって遮蔽しこれを押し込めるかというところに、いろいろ科学の技術を駆使しておるというしか私は考えようがないと、こう思います。水であればあるいは水路を切り開いてこれを防御するということが可能かもしれませんが、これはまさに空気と全く同じであるわけでありますから、水中では攪絆され、大気にはこれまた拡散するわけであります。ということを考えてみますと、そうは言ってみてもとにかく疑念のあるものはある程度やはり安全を確保するならば、原発の存在もまたよろしかろうというような世論になっておるんだろうと私は思うのでありますが、でありますならばなおさら、その安全についての施策なり、あるいは素人の提言であろうともそれを率直に取り入れて検討を加える、こういう姿勢というものが行政当局にもまた当該の会社においてもあってしかるべきであろうと、こう私は思います。
 そこで、いまずっと聞いてまいりますると、資料の提出についてはいろいろと意見が異なる面があるようであります。しかしそうであってはならない、私はそう思うのであります。鈴木参考人は衆議院の方ではある程度の資料の提出についてはお認めあったようでありますけれども、いま私の方で質問いたしました、短い時間でありますから全部にわたっての質問はないようでありますが、こういう資料はぜひ出してもらいたい、こういう要求が出されました。したがって、私はかわってその項目について申し上げるのでありますけれども、通産省あるいは会社側といたしまして出せるものなら出せるとはっきり明言をしていただきたいと、こう思いますし、もしも部分的に難渋するものがあるとすれば、それをもってよしとするわけにはまいらぬわけでありまして、その部分については後刻理事会等において検討をし委員会の名をもって要求をするという場合もあろうかと思います。その点については委員長においてよろしく取り計らっていただきたい、こうお願いを申し上げると同時に、項目を申し上げます。
 一、二つの排水路(廃棄物、一般)の配置詳細図と廃棄物処理施設設備(新、旧)の詳細図。
 二、運転日誌、特別立入制限区域巡視点検表、特に昨年十二月から四月にかけてのものであります。
 三、廃液漏れの各個所の採取泥と水のガンマスペクトルの生のデータ。
 四、各建物のモニタリングデータ、特に十二月から四月。
 五、原子炉冷却水の放射能濃度(核種ごと)のデータ、これまた十二月から四月。
 六、下請及び社員の昨年十二月から四月までの月別個人ごと(名前は要らない)の被曝線量と被曝管理の規定。
 七、新廃棄物処理建屋廃液濃縮タンクの液漏れ事故による漏れた量と放射能濃度、基準と割合――この基準というのは恐らく会社で策定をされておるものと思われるのでありますが、これを出してもらいたい。――またこの修理を請け負った企業名、修理期間、社員、下請企業労働者の数と個人ごとの被曝線量。
 以上の資料を、まことに大変ではございますが、とにかくいいか悪いか別にして、いまあるものであります。これを本当に安全を確保して国民の信頼にこたえることができる方向で検討されることが、これは百年の大計を考えてみまして必要であるわけでありますから、この際は本当に隠すことなく、すべてざっくばらんにひとつ出した方がよろしいのではないか、こう実は思います。
 さような意味で、出せるか出せないかをひとつ明快にお答えをいただくと同時に、委員長の方で取り扱い、今後の問題等についてよろしく御配慮をいただきたい、こう思います。
#187
○委員長(金丸三郎君) いかがでございましょうか、ただいまの村田君からの資料要求の取り扱いについては、後刻理事会におきまして協議することといたしたいと思いますが、いかがでございましょうか。(「賛成」と呼ぶ者あり)それじゃ、そのように決定いたします。
 他に御発言もなければ、本件に対する本日の調査はこの程度といたします。
 参考人の方々には、長時間にわたり御出席をいただきましてまことにありがとうございました。
 国民の関心の深いことでございますので、どうぞ万全の措置をとっていただきますように、私からもお願いを申し上げます。
 長時間大変ありがとうございました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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