くにさくロゴ
1980/05/07 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 商工委員会 第8号
姉妹サイト
 
1980/05/07 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 商工委員会 第8号

#1
第094回国会 商工委員会 第8号
昭和五十六年五月七日(木曜日)
   午前十時七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月六日
    辞任         補欠選任
     吉田 正雄君     対馬 孝且君
     市川 正一君     小笠原貞子君
     森田 重郎君     前島英三郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         金丸 三郎君
    理 事
                土屋 義彦君
                前田 勲男君
                村田 秀三君
    委 員
                上田  稔君
                川原新次郎君
                楠  正俊君
                斎藤栄三郎君
                福岡日出麿君
                松尾 官平君
                森山 眞弓君
                阿具根 登君
                青木 薪次君
                対馬 孝且君
                田代富士男君
                馬場  富君
                小笠原貞子君
                井上  計君
                前島英三郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   田中 六助君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        山本 富雄君
       通商産業大臣官
       房長       杉山 和男君
       通商産業大臣官
       房審議官     柴田 益男君
       通商産業省立地
       公害局長     松村 克之君
       資源エネルギー
       庁長官      森山 信吾君
       資源エネルギー
       庁石炭部長    福川 伸次君
       中小企業庁長官  児玉 清隆君
       中小企業庁計画
       部長       木下 博生君
       中小企業庁小規
       模企業部長    村野啓一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部地
       方交通線対策室
       長        金子 史生君
       労働省労働基準
       局監督課長    岡部 晃三君
       労働省職業安定
       局失業対策部企
       画課長      伊藤 欣士君
       自治省財政局調
       整室長      亀田  博君
   参考人
       北海道副知事   寺田一寿男君
       全国鉱業市町村
       会連合会副会長  滝井 義高君
       産炭地域振興審
       議会総合部会小
       委員会座長    笹生  仁君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
○商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○商工会の組織等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(金丸三郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨六日、市川正一君、森田重郎君及び吉田正雄君が委員を辞任され、その補欠として小笠原貞子君、前島英三郎君及び対馬孝且君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(金丸三郎君) 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は本案審査のため、参考人として北海道副知事寺田一寿男君、全国鉱業市町村会連合会副会長滝井義高君、産炭地域振興審議会総合部会小委員会座長笹生仁君、以上三名の方々の御出席をいただいております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、皆様には御多忙中のところ、本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。本案につきまして、皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の本委員会における審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 なお、議事の進行上、まず参考人の方々には、それぞれ十分程度で順次御意見をお述べいただきまして、その後委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。また、発言の際は、その都度、委員長の許可を受けることになっておりますので、あらかじめ御承知おきください。
 それでは、まず寺田参考人にお願いいたします。
#4
○参考人(寺田一寿男君) 北海道副知事の寺田でございます。
 参議院商工委員会の委員長初め委員の諸先生方には、平素産炭地域の振興並びに石炭鉱業の安定のために何かと御心配をいただいておるのでございまして、この機会にまずもって深く感謝申し上げる次第であります。
 本日は、北海道にとりまして重大な感心事となっております産炭地域振興臨時措置法の延長問題について御審議をいただくということで、特に私にも参考人としての発言の機会を与えていただきましたことは、まことにありがたいことでございまして、厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 まず最初に、北海道の産炭地域のこれまでの推移、現状と問題点等について一括申し述べさしていただきたいと存じております。
 北海道の産炭地域のほとんどは、先生方御案内のとおり、古くから石炭鉱業のみに依存し、他の産業にはほとんど見るべきものがなかったのでございまして、昭和三十年以降のエネルギー革命によりまして相次いで発生いたしました炭鉱の閉山は、このような産炭地域に社会経済的に壊減的な打撃を与え、自来産炭地域は衰退のやむなきに至ったのであります。特に北海道では、昭和四十年代後半に大型閉山が集中し、これによるきわめて大きな影響を受けましてからわずか十年もたたないところが多いのでありまして、これまではその事後処理に追われ、産炭地域振興のための基盤整備が十分でなく、経済社会の疲弊から立ち直るにはまだほど遠い、こういう状況にあるのであります。ちなみに、産炭地域全体の人口について見てまいりますと、昭和三十五年には百二十二万人でありましたが、十年後の四十五年には百三万人、二十年後の五十五年には、減少のテンポは若干緩やかになりましたけれども、九十五万人と、いずれも大幅に減少をし、その減少率は二二%になっておるのであります。なお、この間における北海道全体の人口を見てまいりますと、五百四万人から五百五十八万人へと一一%の増加となっております。
 また、炭鉱閉山は市町村の財政にも大きな影響を与えておるのでございまして、ちなみに産炭法の六条地域について財政力指数の推移を見てまいりますと、これは平均でございますが、昭和三十五年度〇・六一、四十五年度〇・三三、五十年度〇・二三、五十五年度〇・二八となってお右のでございまして、五十一年度以降は若干よくなってきてはおりますが、現在なお三十五年当時の二分の一以下に落ち込んでおります。さらに、炭鉱閉山跡地にはいまだに各種施設や炭鉱住宅等が放置されたままになっており、これが生活環境の悪化をもたらし、産炭地域のイメージを暗くする要因ともなっておるのであります。
 道といたしましては、このような深刻な産炭地域についてその振興を図るために、産炭法の運用等国の施策と相まちまして、産炭地域への企業誘致を重点的に進めるべく工業団地の整備を促進する一方、企業誘致のための広報活動でありますとか、設備資金についての出融資制度の創設でありますとか、こういった努力を重ねてまいりましたほか、市町村が実施いたします閉山跡地再開発事業や工業用水道に対する道費助成などの対策の実施に努めてまいりました。近年、若干ではございますけれども、産炭地域に企業が立地する傾向が見えてきておりますが、なお全体としては残念ながら産炭地域は疲弊から脱することができない現状にございます。
 北海道の産炭地域は、ごくかいつまんで申し上げましても、以上のような概況にございますので、今後相当の期間なお産炭法によって対策を進めることがぜひとも必要であります。同法の十年延長について特段の御配慮を賜りたいと存じております。もとより地元側といたしましても、地域振興のためには地域としての自助努力がきわめて肝要である点について十分認識を深め、創意工夫をさらにこらして努力を重ねてまいる所存であります。
 次に、今後の産炭地域振興のための対策の考え方について申し上げさせていただきたいと存じます。
 その第一は、産業の振興についてであります。北海道の産炭地域は広く全道に散在をし、それぞれ環境条件が大きく異なっておりますので、それぞれの地域の特殊性を十分考慮に入れて対策を進めていく必要があると存じます。たとえば、立地条件の劣る地域においては製造業の新規導入が困難なところもありますから、今後の産業振興の方向としては、地域の実態に応じて、製造業だけでなく農林漁業でありますとか、観光、レクリエーション産業などを含めて、多角的に地域振興に必要な産業の導入振興を検討していく必要があるものと考えます。
 その第二は、石炭鉱業の振興についてであります。北海道には現在なおる炭鉱業を基幹産業としている産炭地域があるのでございまして、これらの地域の対策といたしましても、また国産エネルギーの供給という観点からいたしましても、石炭鉱業の振興のためにあとう限りの努力を重ねるべきであると考えます。そのためには、現在石炭鉱業審議会で養護中の第七次石炭政策との関連も十分考慮しながら、周辺鉱区の開発などを含めて現有炭鉱の長期的な安定、振興開発の促進などについて有効適切な政策誘導を行うべきであります、
 その三は、市町村に対する財政援助であります。産炭地域の産業の振興を図るためには、産業基盤や生活環境の整備が必要でございますが、これらは国政上の重要課題でもあり、また関係市町村としては財政力が弱く、単独の力では容易にこれを行い得ない実情にございますので、これらが進むように現行制度を含めて市町村に対する財政措置について、十分御検討いただきたいと存じております。
 なお、関係の皆さん方の御努力によりまして、五十六年度に新たに特定事業促進調整額制度が設けられることになり、道内の関係者は深く感謝申し上げておりますが、今後関係の市町村においてはこの制度を有効に活用してまいりたいと考えております。
 その第四は、炭鉱跡地の整備再開発についてであります。炭鉱閉山跡地には旧炭鉱の各施設や炭鉱住宅等が放置されたままになっているところもございます。これらが青少年の非行の場となったり、あるいはそこから火災が発生したりするなど、地域の生活環境上の重大な問題となっているのであります。またこれら跡地が町の中心にそのまま放置されている状況からいたしまして、都市計画推進上の大きなネックともなっておるのであります。この問題については、産炭地域振興審議会から、炭鉱跡地に対し、「早急に必要な調査を行い、所要の措置について検討を行うべきである。」との趣旨の答申がございましたが、この趣旨に即して早急に跡地の整備再開発が行われるように、特段の御高配を賜りたいものと願っております。
 その第五は、産炭地域振興審議会からの答申のありました発展計画についてであります。この発展計画については、道としては北海道を六つのブロックに区分をし、関係市町村と協議の上、それぞれのブロックごとに地域の特殊性に合った産業の振興が図られるよう、また地元における創意工夫や自助努力が最大限に盛り込まれるように十分留意して計画を策定いたしたいと考えており、ただいま諸般の準備を進めているところであります。国としても産炭地域の振興に資するよう、所要の措置について十分配慮していただきたいと存じております。
 なお、産炭地域における国鉄地方交通線について若干触れさせていただきたいと存じます。北海道には国鉄路線が総数で三十六線ございます。そのうち産炭地域に関連する路線は十二路線となっております。先般成立いたしましたいわゆる国鉄再建法及び同法施行令によりますと、この十二路線のうち三路線が昭和五十七年度までに、また五路線が昭和六十年度までに廃止の対象になると見られているのであります。法令が制定されました以上、今後これに基づいて廃止路線が具体的に選定されることになると思いますが、このことは北海道の産炭地域にとってまさに重大な問題であり、地域の振興にも大きな影響を及ぼすものと予想されるのでありまして、産炭地域の振興が強調されております今日、この観点から特に配慮されてしかるべきではなかったかと考えております。関係の産炭地域においては、法令が制定されたことを十分に承知しながらも、いまなお路線の存続について強い願望を抱いております。これが現状であります。この事情を十分よく御勘案をいただいた上で、少なくとも問答無用ということで処することなく、地元の意見を十分聞いて御検討をいただきたいものと存じております。
 以上、北海道の産炭地域の実情と今後の対策等について申し上げましたが、道を初め関係の地方自治体といたしましては、産炭地域の振興のために今後さらに一層努力を重ねなければならない、こう考えております。
 国会におかれましては、産炭法の延長はもとより、相次いで期限切れを迎える他の石炭関係の諸法の強化、延長につきましても御理解と御協力を賜るよう、ここに伏してお願い申し上げる次第でございます。
 御清聴ありがとうございました。
#5
○委員長(金丸三郎君) ありがとうございました。
 次に、滝井参考人にお願いいたします。
#6
○参考人(滝井義高君) 全鉱連副会長の田川市長の滝井義高でございます。
 商工委員会の先生方には、委員長先生を初め皆様方日夜産炭地域の振興並びに石炭鉱業の長期安定について非常に御指導、御支援をいただいておりますことについて、心からお礼を申し上げたいと思います。
 なお、本日は産炭地域振興臨時措置法の審議に当たりまして参考人としてお呼びいただき、その意見を述べる機会を得ましたことを非常に光栄に存じます。私の二、三の見解を述べさしていただきたいと思います。
 まず、今回の産振法の改正は、法案としてはきわめて特徴的な二つの点を持っております。一つは、昨年出ました答申による注目すべき今後の法の運営についてでございます。
 まず第一は、法は十年の単純延長であるということがきわめて特徴的な姿でございます。第二番目は、法の附則におきまして通産省設置法の一部を改正をして、産炭地域振興審議会の存続期間を六十六年十一月の十二日まで延長したということです。三番目は、運用の問題について、いままで過去二十年間にわたって産振法を運営するに当たりましては、御存じのように地域の発展をそれぞれの自治体、市町村、それぞれの自治体を中心にし、いわば個別的な静態的な運営の方法を図っておりました。しかし、今回は非常に大きな大胆な方針の転換を行いまして、広域的なブロック的な動態的な発展計画を立てようといたしております。しかもその発展計画を立てるに当たりましては、それぞれの持ち分、すなわち国、県、市町村の役割り分担を明確にしたということでございます。こういう三つのきわめて注目すべき改正が今回の産振法の改正の柱であろうかと思っております。
 これらを踏まえまして、私たちの住んでおる産炭地、特に私、田川市でございますから、筑豊を中心に二、三の私の見解を申し述べてみたいと思います。
 まず、私たちがこれから計画を立てる場合においては、現状をどう認識するかということがきわめて重要なことでございます。まず、産炭地の現状というものを人的な側面すなわちソフトな面と、物的側面、ハードの側面、両面から見てみる必要があると思います。
 まず人的側面をごらんいただきますと、きわめて注目すべき姿を持っております。そのまず一つは、異常に失業者が多いということです。たとえば筑豊だけでも制度四事業――一般失対、緊就、開就、特開というようなこういう仕事に従事をする者が一万三千三百人もおるということです。
 なお、生活保護者が非常に二番目には多いということです。生活保護者は全国で見ますと千人について十一人か十二人でございますが、福岡県は四十五、六人、筑豊は九十二、三人、私の方の田川では百十から百二十、全国の十倍から十一唐の生活保護者がおるわけでございます。こういう二番目には人的側面として、異常な生活保護者を抱えておるということです。
 三番目の特徴は、教育がきわめて実施をするのに困難な状態がある。教育の素顔は三つあります。一つは低学力、一つは非行化、一つは健康状態が阻害をされておる、こういう姿でございます。
 まず、教育の素顔の一番特徴的な非行化の状態をごらんいただきますと、全国で千人について非行化は大体十二人程度でございます、昭和五十五年の統計によりますと、福岡県では十七・八人です。筑豊においては十八・九人です。私の田川では何と驚くなかれ二十二・三人でございます。
 その非行化をさらに掘り下げてみますと、年少化――だんだん学年が下になってきます。しかも男性よりか女性が多くなってきます。そしてしかも遊び型非行が急激にふえつつある。シンナーその他を用います。こういう教育がきわめて困難な実態にあります。
 しかももう一つきわめて特徴的な人間的側面にあらわれる第四の問題は、急速な老齢化社会がやってきておるということです。老人人口は御存じのとおり日本全体で見ますと八・九%、六十五歳以上の老人人口。福岡県では九%、私の市では一四%でございます。これから二十年先、昭和七十五年の姿が出ております。すなわち日本の二十年先の老齢化社会がすでに私の筑豊ではやってきているわけです。したがって、この老人問題をどう解決するかということは、まだ日本的な課題として未解決の問題です。これをどう今後この筑豊の天地において解決していくか、人間的側面の第四です。
 第五の人間的側面の特徴は、若者の流出ということです。特に若者の流出の中でも注目すべきことは、もう幼稚園の段階から頭脳の流出が始まるということです。それは教育が地域において低学力でうまくいかないから、よそで子弟の教育をやるという教育熱心な父兄がふえてきたということです。たとえばことし昭和五十六年に私の田川市郡におきましては実業高校三つ、普通高校三つ、六つの高等学校がございます。この卒業生が千六亘二十六人でございます。その千六百三十六人のうちに進学が七百九十六人で四九%、それから就職が七百十六人で四四%、その他が百二十四人で七%でございます。進学はほとんど私たちの地域、市郡から出ていくわけです。就職の七百十六人が一体どういう形で地域にとどまるかと言いますと、その七百十六人のうち県外に出ていく者が百四十五人で二〇%でございます。県内に五百七十一人残りますが、私の市郡に残るのはそのうちの三一%にすぎません。だから、どんどん教育をした者が地域の外に出ていってしまって、義務教育から高等学校の成果が地域に定着をしないという、こういう実態が起こるわけです。
 六番目の人的側面の特徴は、町の活力がだんだんなくなっていくということです、若者が出ていくわけですから、最前申しますように、老人人口が急速にふえます。したがって、死亡が非常に高くなって赤ちゃんが生まれない。出生率が低いんです。離婚が多いのです。これが私の筑豊における、特に田川における人間的な側面でございます。そういう姿は何を意味するかというと、心のふるさとを失っておるわけです。すなわち町に対する愛着がなくなったわけです。だから、食えないと思えばいつでも自由に出ていってしまいます。これがまず人的側面にあらわれたきわめて注目すべき特徴的な問題でございます。
 二番目は、物的側面にあらわれている特徴でございます。物的側面にあらわれた特徴のまず第一の特徴は鉱害でございます。御存じのように昭和二十八年に臨鉱法ができました。あれから三十年の歳月が流れたわけです。この三十年の歳月の中で国が筑豊につき込んだ鉱害復旧費は昭和五十五年までに二千五百億に及びます。二千五百億の金をつぎ込みまして農地の復旧は四八%程度、家屋の復旧は七六%程度でございます。しかもそういう段階で法律が来年の七月末には期限切れになるわけでございます。私の田川においては、これからいよいよ三井鉱山が本格的な鉱害復旧をやることになるわけです。たんぼにして約三百町歩です。恐らく五百億ぐらいの金がかかると思います。鉱害は上げ高によって、たとえば一メートル上げるか一メートル五十上げるか二メートル上げるかによって、鉱害にかかる金がずいぶん違ってくる。したがって、一体残存鉱害はどのくらいあるかという見積もりは毎年毎年違っております。インフレの傾向にもよりますけれども。そういう異常に多い鉱害を抱え、これから鉱害復旧をやらなければならぬという物的側面を持っている。
 二番目の物的側面としてはボタ山でございます。福岡県全体で三百十八程度のボタ山があるわけでございますが、私の市だけでも二十八のボタ山があって市の中心部を取り巻いております。このボタ山の調査がきわめて不完全でございます。概括的にボタ山を分類してみますと、まず第一にボタ山は危険ボタ山があります。二番目は富士山のようなきれいな形をしておるので観光用に残したらいいという保守ボタ山もございます。三番目は資源のとれるボタ山があります。たとえば耐火れんがの材料のシャモット、あるいは最近はセメントの材料にボタを使います。あるいは低品位炭を選炭をして燃料に使います。こういう資源採取のボタ山がございます。四番目にはボタ山を崩して団地に適用する団地型のボタ山がございます。こういう四つの類型にボタ山はなるかと思いますが、いまだボタ山の調査が明確でございませんし、ようやく政府が最近になってボタ山の調査を始めました。一体市内の二十八のボタ山をその分類に従ってどういうようにやっていくのかという……
#7
○委員長(金丸三郎君) 参考人に申し上げますが、できるだけ簡潔にお願いします。
#8
○参考人(滝井義高君) 見通しが現在ついておりません。
 それから炭柱でございます。炭柱は私の市だけでも六千五百戸の炭柱がございます。そのうち改良いたしたのが千百戸改良いたしました。残りまた四千戸があります。千戸は職員の住宅であったりすでに一人一人の労働者に払い下げられた住宅です。これから四千戸の炭柱の改良をやるわけですが、炭柱改良に対する法律は、御存じのように住宅地区改良法という、町の一画がスラムになったときにやる法律が適用されておって、町の三分の一が炭柱である、その改良をやるということは非常に困難でございます。それから団地が疲弊したままで放置されて、ますますオウゴンソウ、ペンペングサ等が生い茂って地域の荒廃を来しつつあります。それからさらに町全体が陸の孤島になりつつあります。御存じのようにどんどん国鉄は間引きをされて汽車が通らなくなりました。無人駅ができます。貨物駅が統廃合されて貨物駅がなくなります。国鉄がそのように間引いて汽車が通らなくなると、同じく私鉄が経営しているバスが通らなくなりまして、陸の孤島になりつつあるということです。こういうのが物的側面です。
 それらの人的、物的側面と両面にわたって深刻な同和問題がなお未解決のままであるということです。そしてそれらの物的、人的、同和問題を抱える地方財政は、いま北海道副知事が御説明になりましたように非常に苦しい窮乏の状態にございます。財政力指数は全国平均の〇・六三の二分の一の〇・三二とか三四というところを低迷をいたしておるというのが現状でございます。こういう人的、物的財政状態を支えておる基盤の法律が当面十一本ございます、十一本の法律は全部、一本を除いてはまだペンディングの状態でございます。まず過疎法それから石炭六法それから国鉄再建法それから緊急失対法それから同和対策法、産炭地補正、これらの十一本のうち解決したのは昨年の三月三十一日に旧過疎法から新過疎法ができまして過疎法だけ確定をいたしました。あとは全部十本の法律が未確定でございます。そういう未確定の中で、ようやく先生方の御尽力によりまして産炭地域振興臨時措置法が今回国会を通ることになった、これからいよいよ発展計画をブロック的に広域的な観点でつくることになるわけです。
 それならば一体どこに重点を置いてわれわれが産炭地域の振興をやるか、当然人的側面と物的側面と財政的面も十分勘案しながら、新しい町づくりをやらなければなりません。新しい町づくりをやるためには人間像が変わらなければ新しい都市像はできないわけです。だから人間像を変える政策と、それから同時に都市像を変える政策が同時に並行的に進行をしないと、跛行的な状態になって産炭地の振興は今後十年たってもできないと思います。
 そこで、最大のこれからの重点を置いていただきたい点は、町づくりには私は三つあると思っております。一つは就労の機会と就学の機会のある町であるということ、一つは生活環境がいいということ、一つはその町がやはり個性と魅力を持つ町であるということ。個性と魅力を持つ町は住民の手づくりの町でなければならぬということ。こういう三つの基本的な観点を踏まえ、以上述べました人的、物的側面を考えながらやりますと、まず第一に私たちがやらなきゃならぬのは、どうして人口構成を若返らしていくかということが最大の問題であろうと思います。人口構成を若返らせるための支柱的な政策は三つあると思っております。
 一つは教育体系を整備するということです。特に筑豊に国立の大学を思い切って二つぐらい持ってくるということです。一つの大学を持ってきますと、御存じのように三学科としますと一学科百人ずつとすると千二百人の若者がやってくる。あるいはそこにとどまることになるわけです、流出する頭脳が。こういう政策をまず思い切ってやっていただくこと。いま私たちの隣の町の飯塚市に過去十年来技術科学大学の誘致の問題が起こりまして、技術科学大学をやめて北九州工業大学の新学部を飯塚市に設置するという問題が起こりました。われわれは非常に喜んだのでございますが、今回の財政再建、補助金削減でようやく調査費が千三百万ぐらいついた、これでさえ凍結をされようという動きさえあるわけです。私の市に保育短大がございます。県立てございます。これを四年制にしようとしても県が財政的に不如意です。福岡県はすでに大学を二つ持っております。歯科大学と女子大学二つ持っております。とても県の財政では四年制にこの女子短大を男性も来るような保育大学にすることは不可能です。こういうような教育体系を整備するための大学の設置は急務であろうと思います。三全総で人口と工場あるいは大学を地方分散をしようとする場合に、九州までやってくる客観情勢はございません。政治の力を待つ以外にないと思います。
 二番目の点は、われわれのところは昭和四十八年の石油ショックまでは女子雇用型の企業がたくさん来ました。しかし男子雇用型の企業はほとんど来ておりません。したがって女子がどんどん出ていくわけです。男子ももちろん出ていきます。そうしますと非常に雇用がなくなります。したがって、ここに男子雇用型の企業を思い切って政府の施策において、たとえば団地ができてあるんですから、国が工場をつくって、そして特定の事業に行政誘導をやりながら来ていただく。たとえば自動車産業のごときを来ていただくという、そういう施策をやらない限りは、内陸部でございますから、しかも老齢化が進んでおる地帯でございます。教育も困難な地帯でございます。とてもやっていけません。
 三番日の人口若返りの政策は、やはり経済基盤としての交通体系を整備するということです。特に私の地区で申しますと、国道でございます。二百号、二百一号、三百二十二号、これらのものの思い切った予算章投入をして、速やかに国道体制を整備するということです。それからもう一つは、ずっと網の目のように敷かれておる筑豊産炭地の鉄道網、これをいまのような形で切り捨てるということは、もう半身不随になるわけです。これは切り捨ててはならないんではないか。
 最後にお願いをいたしたいのは、心の触れ合う社会をどうしてつくっていくかということです。高度成長と炭鉱の閉山は御存じのように人間関係を壊しました。地域社会を崩壊をせしめたのでございます。したがって、地域社会を構築することなくしていかに企業が来ても、その企業は繁栄をいたしません。心の触れ合いの社会をつくるためにはやはりコミュニティーの形成をやるということ、それからもう一つはボランティアの精神を喚起するということです。もういま地域に残っておるのは、共かせぎが大部分でございますから、お年寄りと仕事のない御婦人しか残っておりません。この老人パワーと御婦人の力、もう子供を育てた後には何らかの仕事をしたいと願っている婦人がたくさんあります。そういう御婦人の力とお年寄りの力をかりて新しい地域社会をコミュニティーからつくり上げていくという、そういう形でございます。こういう重点的な施策を政府でやっていただきたい。鉱工業等の発展だけで産炭地の振興はもはや過去二十年の経験でできないことがわかりました。筑豊の復興は人間復興なくしては産炭地の振興はあり得ない。したがって、人間像を変え、同時に都市像を変えていく政策が同時に進行するとき、初めてそこに生命の躍動する地域の発展ができることを私は確信をいたしております。
 参議院の諸先生方の大所高所からの御審議、御高配を心からお願いをいたしまして、長くなりまして申しわけございませんでしたが私の口述を終わらしていただきます。以上でございます。
#9
○委員長(金丸三郎君) ありがとうございました。
 次に、笹生参考人にお願いいたします。
#10
○参考人(笹生仁君) ただいま御紹介にあずかりました日本大学の笹生でございます。
 産炭地域振興問題につきましては、これまで私が専攻しております地域計画論の立場から関心を持ち、また若干研究も進めてまいりましたが、昨年、産炭地域審議会の答申に関して具体的な検討を行いました小委員会の座長という大役を仰せつかりました。もとより非才でありまして、このような問題につきましてはほかに造詣の深い諸先輩がおられる中に、本商工委員会におきまして参考人として意見を述べる機会を与えていただきましたことは、まことに光栄に存ずる次第であります。
 今回の法改正案につきましては、審議会の答申を踏まえて政府原案が作成されたと理解をしておりますので、この答申につきまして若干の補足を含めながら概要を御説明することで、当委員会での御審議の参考にさせていただければ幸甚と存じます。
 答申の主要な点につきましては、その第一は産炭地域の現状認識についてであります。過去二十年間の産炭地域振興対策の推進が、関係地方公共団体、地元住民などの努力と相まちまして、総体的に見て生活環境の修復が進みつつありますし、特に立地条件のすぐれたところでは企業の進出もかなり促進されたことは事実であります。しかし、先ほど滝井参考人が申されましたように、石炭鉱山の閉山によって直接的な影響を受けておりますいわゆる六条市町村を中心とする産炭地域市町村の多くでは、なお経済的社会的な疲弊が十分回復されるまでに至っておりません。したがいまして、産炭地域振興の目的はなお達成されていないということが認められるわけであります。
 第二に、産炭地域振興の今後の基本的方向でありますが、ただいま申し上げました産炭地域で最も問題とすべき六条市町村の現状などから見まして、当面産炭地域振興対策の継続の必要性はなお残されていると思われますが、ただ今後の産炭地域の振興は、単なる修復とか復元といった考え方から脱却して、近隣市町村を一体とした広域的な経済生活圏域としてのまとまりの中で、地域社会としての自立的な基礎づくりを目指す、そういった方向転換を図ることがきわめて肝要なことだと考えております。
 この場合、もちろん国の役割りは重要であります。しかしながら、同時に、地域の振興というものは住民のために住民とともに進められるものだという点から見て、地域の主体的な努力というものが何よりも基本になってしかるべきものだと考えております。このような観点から、答申では次の三点について地元関係者の努力の一層の必要を強調しております。
 第一は、産炭地域の振興に当たりまして地元関係者がそれぞれの役割りと責任の重要性について認識を新たにし、従来にも増して主体的かつ自主的な努力を払うことが不可欠であることを指摘している点であります。
 第二は、その方向づけとして広域的な地域発展を指向すべきことを述べ、より具体的には、産炭地域の近隣市町村が地域特性に応じて機能を分担しつつ、一つの経済生活圏として一体的に発展するといった発展形態を導入することを示唆している点であります。このためには単に製造業の導入を図ればよいということではなく、地域の特性に応じた適正な産業を育成し、あるいは住宅都市の展開、あるいは都市的機能の充実といった複眼的な将来ビジョンを持つことがどうしても必要であろう、また、生産中の石炭鉱山が所在します圏域につきましては、特に強靱な地域構造を計画的に形成していくというような点が、とりわけ十分配慮されていくことが必要であろうと考えております。
 第三点は、このため関係道県が市町村と協力しまして経済生活圏ごとの発展計画を取りまとめ、法定の基本計画、実施計画の実質的な裏づけとすることの必要性を強調しております。
 このような地元努力に対して、国においても必要な指導助言が的確になされることが必要と考えております。
 次に、答申の主要な点の第三としまして産炭地域振興対策の具体的な展開があります。
 まず最も重要な検討課題でありました法の延長問題につきましては、小委員会でも特に精力的かつ熱心な討論が行われ、いろいろな意見が出されました。すでに二十年、法の延長が続き、同じ産炭地域の中でもかなり回復している地域もある、この上なお現行の手厚い制度を継続するのは、国の財政再建という観点からいっても問題だし、またそういったことでは世論一般に対する説明もつかないのではなかろうか、そろそろ一般の地域開発政策にゆだねるなり、あるいは延長やむなしとしましてもできるだけ短い期間にとどめるべきではないかという意見もありました。また、産炭地域の振興には一面で残存鉱害とか老朽炭柱街の存在などといった過去の傷跡との調整が必要だという、ほかの地域政策では見られない特異性を持っておりますので、これらとの関係をどうしんしゃくするかといった意見もありました。このような意見の交換を積み重ね慎重な検討の結果、広域的な地域発展に要する期間なども勘案いたしまして、現行制度の範囲内ということを限度として十年の延長やむなしとの結論に達したわけであります。
 ただ、この延長に関しましては次の二つの重要な条件を付しております。
 その一つは、産炭地域関係者は同法の延長に伴う関連施策の実施が、広く国民の負担によって行われることを十分認識して、今後残された十年の期間の中で産炭地域振興の目的を達成するよう、最大限の努力を払うべきであることを述べている点であります。
 第二点は、同法の延長期間にあっても産炭地域の目的を達成したと評価される経済生活圏に属する市町村については、一般的な地域対策にゆだねることにより自立的、恒常的な発展への道を歩ませるべきであると指摘した点であります。
 なお、ここで言う産炭地域振興の目的を達成したと評価する基準につきましては、極力早い時期に検討がなされることが適当であると考えております。
 最後に、答申の要点の第四として「諸施策の効率的活用」についてであります。今後の産炭地域振興対策を進めるに当たって、既存の施策についてその継続と弾力的な運用を確保しながら、特に広域的な地域発展という観点に立って、その効率的な活用を促していくべきであるというのが答申の基本的な考え方であります。そもそも産炭地域振興対策は石炭鉱業の不況がもたらした地域の疲弊の解消を、最終的には石炭鉱業にかわる諸産業の育成振興によって達成しようという目的理念に立っております。しかし、他方この政策が地域全般と深いかかわり合いを持つ問題でもありますから、ひとり産業政策的な対処のみではなく、地域政策的な配慮をも組み入れた施策体系として、複合的に機能すべき点は当然であります。このため現在の施策体系におきましても教育、文化、福祉なども含めた基盤の整備についても、各省庁にまたがって広範に支援し得る仕組みになっております。したがいまして、私どもは現在の産炭地域振興対策は産業の育成振興のための直接的な施策と、その円滑な遂行のための地域政策的な要素とが複合された施策体系として、一応の確立がなされていると評価しているわけであります。
 そこで、答申におきましては特に施策体系自体の大幅な変革とか、法律の内容にわたる改正を行わなくても、既存の体系の中での運用面での工夫とか各省の一層の協力といったことで相当な対応が可能であろうと考えており、自然的に法律のいわゆる単純延長を示唆することになっているわけであります。
 以上が答申の概要であります。
 答申の検討に当たりまして、私どもは産炭地域の実情と政府施策の実施状況等について調査を進めますとともに、これらの調査結果を踏まえた上で、さらに国民経済的全体の視点からも、公正かつ広い視点に立って今後の産炭地域振興対策のあるべき姿を検討、審議し、極力明快な方向づけを行うよう最大限の努力を傾注してきたつもりであります。また、答申を受けて、政府におかれては改正法律案の取りまとめとあわせまして、運用面で広域的な地域発展を促進するための予算上の措置として、本年度に特定事業促進調整額制度を創製されると伺っております。さらに、地方でもすでに広域的な発展計画づくりの準備が始まっていると聞いております。これらはいずれも答申の趣旨が各方面で十分理解されつつあることの証左であると考えておりますが、今後の産炭地域振興が関係各位の一層の御努力によって早期にその目的が達成されることを期待する次第であります。
 時間が長くなりまして失礼いたしました。
 御清聴まことにありがとうございました。
#11
○委員長(金丸三郎君) ありがとうございました。
 以上で各参考人の意見の御開陳は終了いたしました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#12
○対馬孝且君 まず冒頭に、御三方の陳述をいま賜りまして、これから産炭地域振興法を審議するに対しまして大変な助言をいただきましたことを心から感謝を申し上げたいと思います。
 まず御三方に、産炭地域振興臨時措置法が制定されて二十年たちますが、今日いまなお産炭地域が疲弊をし、あるいはこれを脱皮することができない、こういうお訴えがございました。これについてどういうことが一番これが原因であるのか、二十年たってもいまなお脱皮できない最大の原因というのは一体何にあるのか、このことについてひとつ感想をそれぞれ御三方からお伺いをしたい、それが第一点であります。
 それから第二点目、特に北海道の寺田副知事にお伺いしたい点は、先ほど来北海道の第七次石炭政策に関連いたしまして振興開発、周辺開発ということを強調されましたが、まさしく同感でございまして、そういう意味では北海道的に申し上げますならば、これは後向き対策ではなくて、本来の石炭産業を本当に見直していくという視点で、むしろ産炭地域振興が守らるべきである、産炭地域振興法の柱というのはアフターケア、後向きではなくて、この振興あるいは周辺開発をすることがむしろ産炭地を守る道である、この点の認識についてまず道としての考え方をお聞かせを願いたいということが第二点であります。
 それから第三点目としまして、いまも笹生先生からございましたが、今度の法案の特徴として特に経済生活圏というのを導入させているわけです。特定財源として十一億円がついたということ、これは多とするわけでありますが、問題はこの六条地域はもちろんでありますが、十条、二条地域と関連して北海道の場合、ごらんのとおり空知炭田あるいは天北、留萌、釧路炭田、こういう分布に分かれるわけですが、北海道的に言って、もし道として、これからもちろん市町村の計画も出されると思いますが、この特定財源とする十一億円の金を経済生活圏という位置づけの中でどういう構想を、これからもちろん検討されることでありますが、どういう目的意識に立った方がいいのか、それにしてはちょっと十一億円ではまだ、これ政府側に申し上げますけれども、ちょっと私は十一億円という額では問題にならないんではないかという気はしているんですが、いずれにしましてもついた限り生かさなければならぬわけでありますけれども、その点北海道というこの地域社会の中で、たとえば現在芦別では中小企業大学校を誘致してもらいたい――これは副知事御存じだと思うんでありますが、いろいろな問題出ていますね。しかし、いま言われた経済生活圏とは一体何ぞや、どういう町づくりが描かれるのかという点について、十一億円の金をどういう意味で生かしていった方がいいのか、この考え方を第三点にお伺いしたい。まず前段それひとつ寺田さんにお伺いしたいのであります。
 それから滝井市長さんにお伺いしたいことは、先ほどるる訴えられました。そこで、ずばり申し上げて私は先ほど来強調されました産炭地が疲弊をして回復する道は人間像の回復である、まさにそのとおりだと思うんでありますが、私が調べた中でも財政力指数、生活保護の実態指数あるいは求人倍率に対する指数というのを先ほども訴えられましたが、まさにそのとおりでございますが、そこでこの問題は一体これらのことをこれから、経済ブロック圏、生活ブロック圏というようなことをいろいろ出されていますが、基本的には財源が伴わなければ、これ実際の体制立て直しができないんじゃないか、私は十年延長しても結果的にこれ同じことを繰り返す結果になりはしないか、その計画とこの財政がタイアップしていってないというところにいま一番基本的な問題があるんじゃないか、こういう感を深くするわけでありますが、この点私も筑豊に何回か行っておりますけれども、筑豊炭田の現状からしてなるほど言われた点は同感でございますけれども、そういう点のこれからの町の再建ということについて強調されましたが、そこらあたりをどういうふうに見ているか、計画と財政措置とどういう関係にあるべきものかと、これは田川の市長さんにお伺いしたいと思います。
 第三の問題は、企業誘致、企業誘致と、これずいぶん言われていますけれども、実際企業誘致というのは、私なりに調べておりますが、北海道の場合工業団地の譲渡率は五八%そこそこであります。私の調べが間違いであれば別でありますが、筑豊炭田では大体八六%前後、山梨県が大体七〇%前後というのが工業団地の譲渡率になっています、これは通産省が出したデータでありますが。そういう点からいきますと、企業誘致ということが果たしてこれから期待することができるのかと。私は率直に言って、これは北海道も九州も同じでありますが、ほとんど不可能に近いと。そうなれば、先ほども強調されましたが、今度の法案の特徴として強調をされておりますが、いわゆる教育、文化、福祉、こういう問題については、通産省ではテクノポリス構想というのを持たれていますけれども、こういう問題を含めて一体教育。文化、福祉はどういうものをこれから描こうとしているのか、どうあらねばならないかということについてひとつお聞かせを願いたいと思います。
 それから、笹生先生にひとつお伺いしたいんですが、大変答申に努力をされましたことに対して非常に感謝を申し上げますが、二、三私はどうもぴりっとこないのは、先ほど出ました第一条の産炭地域振興の目的、需要の拡大、そして町の安定を期しということの中で経済生活圏というものが出てまいりました。これはそれなりにわからぬわけではありませんけれども、いわゆるどういう町づくりになるんだという点あたりが、どうも市町村の市町村長あたりもちょっと気にかけているんでありますが、いわゆる経済生活圏と、一番いい例が、北海道の空知炭田の例をちょっと挙げたいと思うんですが、芦別、赤平、あとは歌志内という町が中心になっています。そうすると、経済生活圏という構想の中で、いま現実に炭を掘り出している町が芦別、赤平、歌志内でありますが、仮に、これが歌志内なら歌志内というのは閉山あるいは終掘の段階を迎えたと。こういたしますと、実際問題として経済生活圏というブロック圏内で、しかも一番産炭地で疲弊し切っているその町がどうしたら経済生活圏を一体形成できるだろうかと、ここらあたりが私はどうも、もうちょっと論議した過程の中で、経済生活圏という未来像というか、そういうものはどういうふうに描いているのかという点がどうも、理解を深める意味でひとつお聞かせを願いたいということと、特定調整財源として十一億円をつけていただいた、これはよくわかります。これは政府側がもちろんつけたわけでありますが、これからやっぱり十年間の延長の中で、これが終わりであるという認識を徳永会長も衆議院の段階でお訴えになっております。この十年が終わりを告げるという認識でこれを産炭地域振興というものはやっぱり再建を図らねばならぬと。こういたしますとするならば、私は当然財源的にはもちろんこれは政府自身がこれ予算措置を考えなきゃならぬことでありますが、これは十一億円では話にならないんではないか。もっと大幅な財源で組み立てなければ、十年これをもって終わりを告げるという意気込みでスタートするとするならば、私はやっぱり財源措置というものはもっと大幅なものであっていいんじゃないかと。そうしなければ、せっかく先生方が努力を払われた経済生活圏という構想に到達は困難ではないのかと、こういう感を深くするんでありますが、この点まずお聞かせを願いたい。
 以上、とりあえず第一回、ひとつそれぞれの御答弁をお願いいたしたいと、こう思っています。
#13
○参考人(寺田一寿男君) 私に対するお尋ねは三点でなかったかと存じますが、お答えをいたしたいと存じます。
 まず最初に、産炭法が成立しましてから二十年たって、いま現時点での感想ということでございますが、端的に申しまして、北海道の場合、これ現象的に申し上げますと、先ほどの意見の中でも申し上げましたように、北海道の大型閉山が集中をいたしましたのは昭和四十年代の後半からでございます。それ以来まだわずか十年足らずという状況でございまして、この産炭地域の振興問題はきわめて地域的な条件、それから全体の社会経済条件が相互に絡み合っていく問題でもございますし、地域の人的エネルギーも必要でございますだけに、これまで、この十年間ではなかなか、その事後対策に追われただけでございまして、これから基盤整備をしていかなければならぬという状況でございます。そういう意味でもう少し時間が欲しいと、期間が欲しいという感想でございます。もとより、なかなかむずかしい条件を抱えておりますだけに、これから努力をいたしましても一朝にして解決できるかどうかはこれからの努力次第ではないかと、こう存じております。
 それから第二点の石炭鉱業に関しての問題でありますが、対馬先生御案内のとおり、北海道の産炭地域の中には現に石炭鉱業、石炭を生産をしている地域がございまして、これは依然としてその地域の中心的、基幹的産業になっておるわけであります。国産のエネルギー対策からいたしましても、またそれぞれの地域の地域対策からいたしましても、この石炭鉱業をさらに安定的に発展をさせる、厳しい条件にはございますけれども、その方策というものを探究をして努力をしてまいる必要が、そ地域振興のためにもぜひ必要であると、こう存じております。
 それから第三点は、特定事業促進調整額、本年度創設されました調整額の制度についてのお話でございますが、端的に申しましてこれからどう活用するか、各関係市町村と具体的に相談をして、現在の気持ちは有効に活用させていただきたいと存じております。その額が多いかどうかにつきましては、私ども初めてのことでもございまして、有効に活用する努力の過程からあるいはこの額では足りない、もっとたくさん必要ではないかという事態に相なるのかもしれませんが、そういう現実の推移の上に立ちまして、今後の推移の上に立ちましてまた必要があればお願いをしていかなきゃならぬと、こう存じております。
 私に対する質問は以上の三点であったと思います。
#14
○参考人(滝井義高君) まず第一の、二十年たってどうして産炭地の振興ができないか、その原因はどこにあると思うか。
 まず第一点は、御存じのように、この法律ができたときは高度成長の段階だったわけです。したがって、高度成長の段階では、鉱工業を山のつぶれた後の産炭地に持ってきさえすれば産炭地は立ち直るという、そういう理念であったわけです。ところが、経済が高度成長から低成長に急速に変わりました。われわれの炭田というのは、まず山をつぶされることによって炭田が致命的な打撃を受け、四十八年の石油ショックで二度死ぬ形が出てきたわけです。そこで、この鉱工業さえ発展させればいいということだけでうまくいかないのは何が欠けておったかというと、社会開発面が欠けておったわけです。この社会開発面を同時にやるべきであったのにこれが欠けておった。そこで、ようやく今回法律の改正の中では、社会開発面は法律の中には余りないわけですけれども、十一億円の特定の事業促進調整額制度をつけることによって教育、文化を補おうとしたわけです。ここの格本論においてひとつ欠けておるものがあったわけです。
 それから二番目は財政的な側面でございまして、御存じのように財政的側面は法律ができて、そして振興計画ができ、実施計画ができたわけですが、それまでなんです。その実施計画を裏打ちしていく年次計画というものがなかったわけです。御存じのように、離島振興法というのはちゃんと法律がございまして、その中に予算の範囲内で毎年額が決まってくるわけです。こういういわば実施計画に対する裏づけの年次計画を欠いておったということ。
 それから一つは、この産炭地域振興のための予算を大部分使うのはどこが使うかというと、ほとんど七割前後は建設省が使うわけです。それからあと労働省、厚生省、文部省等が使います。それで主管官庁である通産省というのは予算を持たないわけです。わずかしか予算を持たない。恐らく五%か〇・五%か非常に少ない額しか予算を持たないわけです。したがって、この主導権を取りにくかったわけです。そこでそういう反省に立って、今回各省の連絡調整をやると、次官会議以上でやるという形が反省として出てきたわけです。もちろん、大ざっぱに考えまして、そういうところが一つの大きな産炭地の振興のできなかった原因であろうかと思っております。
 それから人間増の問題についてでございますが、これは最前お答えいたしましたように、社会開発面が欠けておったわけですから、そういう面はなかったわけで、これから本格的にやらなきゃならぬわけです。
 特に企業誘致についてでございます。この企業誘致につきましては三つぐらいの大きな問題があるわけです。まず産炭地という暗いイメージが一つあるということ。一つは、御存じのように、北海道にしても、われわれのところにしても内陸部であるということ。日本の近代的な産業の発展というのは、東京湾に面するところと、大阪湾に面するところと、伊勢湾に面するところと洞海湾に面する太平洋ベルト地帯を中心に発展してきたわけです。内陸部における近代的な産業の発展というのは非常にむずかしい課題でございます。まだ恐らく、内陸部にどう近代的な都市を発展させるかという新しい都市開発の技術というものは、こういう形でやったらいいという定見がないと思っております。したがって内陸部である。それからもう一つは、いわば最前私が申し述べましたように、非常に老齢化社会が進んでいるということです。町に活力がないわけです。そういうところに企業を誘致するわけですから、だから普通の経済の論理ではとても企業の誘致ができません。やはりこれは政治の論理が必要なんです。政治の論理をするためには何をするか。たとえば、そんなこと言ったら怒られるんですが、総合庁舎はもうたとえば福岡県で言えば、福岡の水のない困っているところに総合庁舎が全部できてしまうわけです。県庁も新しく建てかえるわけですが。それを役所を思い切って筑豊の真ん中にどんと持ってくる。そうしますと、どういう形が出てくるかというと、中央官庁の出先機関をぼんと筑豊に持ってきますと、いま筑豊の大きな陸路というのは、トンネルができていないということです。島尾峠というのにもできておりません。八木山にもトンネルはできておりません。これをいまようやく有料道路でつくるわけです。それから金辺峠、仲哀峠というのがある。これはトンネル一本しかないわけです。やはりそこを四車線にする。すなわち臨海と同じような条件をどう内陸部がつくるかということが非常に大事なんです。だから、それになりますと、最前申しました国道それから国鉄、こういう二本の動脈によって支えられる形がなければならぬわけです。そうでないと、いわば周防灘に面するところには企業は張りついても内陸部には来ないわけです。したがって、いまのように交通体系というのが非常に重要です。まず第一にやらなきゃならぬのは、土地の基盤の整備をしていただくということで、土台がしっかりしていかなければだめなんですから、土地の基盤というのは鉱害があってどうにもなりません。それから今度は経済基盤になるわけです。そして、その上に初めて近代的な町ができてくると。こういう三段階になってくるわけです。その三段階の第一段階もまだ星雲状態で終わってない。第二段階は予算がほとんどつぎ込まれません。二百一号とか二百号とか三百二十二号というのは、恐らくこれから四、五十年ぐらいかかるでしょう。たとえば、三百二十二号が北九州から久留米まで貫通をしてしまって、そしてこれがうまくいくというように、高速道路的な形になるためには恐らく四、五十年かかるんじゃないでしょうか。そうするとその予算は、いま筑豊に大体福岡県の予算の道路予算がどの程度入れられておるかというと三一%ぐらい入れられておるんです。三一%道路予算が入れられているのに、それを六〇%にするとすれば、北九州とか福岡の予算を切ってくる以外にないわけです。そこで、私たちは急速に動脈を整備する、道路を整備する必要があるというので、いわばエネルギー博というものを提案をいたしましたけれども、すでにオリンピックを名古屋でやる、それから茨城県の筑波学園都市で八五年の科学技術博覧会がある、そんなに筑豊までエネルギーができぬといって切られてしまったわけです。したがって、ここらの工夫を今後どうやるか。これをもしここ十年以内にそれをやれないならば、産炭地はもう一遍内陸部は同じ轍を繰り返すおそれがあると、こういう形があると思います。
 そういう形でございますから、企業の誘致というのは、経済の論理ではできませんので、政治の論理でやっていただく必要があるわけです。そのためには、やはりそこで学問ができる、勉強ができるという形がないといい企業は来ません。だから、大学があるということは地域に活力を与えます、青年がやってきますから。同地に地域に魅力ができます。そして地域の文化的振興ができるわけです。こういう文化的な雰囲気のないところには近代企業はやってきません。そういう点で、ぜひひとつ思い切った施策の断行を院として政府に要請をしていただきたいと思います。
 以上です。
#15
○参考人(笹生仁君) いまの対馬先生からの御質問にお答えをいたしたいと思いますが、私のは三点であったかと思います。第一点は、二十年間の施策にもかかわらず、なお達成されない原因は何かという問題と、それから経済生活圏のイメージといいますか、あり方というものをどう考えるのかということと、それと関連をしまして、十一億の金額がどうであろうかという三点であったかと思います。
 第一点の問題につきましては、そのうちの第一は滝井さんから言われました、冒頭に言われた、この施策自体が社会開発的な面が欠けていたという点は私も同感であります。それ以外に幾つかあると思いますが、一つは、これが鉱害の問題、鉱害をはらんで、抱え込んできたために、物とか人をむしばんできたということがありますし、それから、その中でさらに三番目には、そういった関係の中で特に農業が崩壊をしていった。いわば地域産業の一番大きな農業が崩壊をしておったし、先ほどの冒頭の施策との関係で、農業に自力をつけるということが非常にむずかしかった。このことが市街地の中心である第三次産業人口の激減を食って低迷したというものと絡んで、地域社会としての活力を失ってきたと。それからもう一つは、やはり工業の立地条件のいいところと悪いところというのがかなりあったという点があろうと思いますが、そんなことが物理的には指摘できようかと思います。
 ただ、今回の改正に関連をして私どもが考えておりますのは、これは国の、私どもが関係しております産業立地政策であるとか、それから地域政策であるとかという法律を見てまいりますと、多くの――多くのといいますか、ほとんどの計画というのは、基本方針とか基本計画は国で立てますけれども、実施計画とか地区計画というのは自治体が主体的に定めるという形になっておりますが、これは産炭地域振興臨時措置法は成立の経緯があって、実施計画についてもこれは国が責任を持って立てますといったてまえになっておりますが、このことは制定当時の事情から見れば無理もないことであろうと思いますが、今日になって振り返ってみますと、そのことが市町村の自主的な努力、自主的な姿勢というものをあるいは損なってきたのではないかというふうな感じもかなりするわけであります。そういったことが答申の中の背後にあることは御理解をいただきたいと思います。
 それから第二点の経済生活圏のイメージの問題でありますが、これは形から言いますと私どもはおおむね三全総で言うところの定住圏に近い性格なり規模なりということを見ておりまして、ただその中に
   〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
いろいろなプロジェクトの仕組み、事業計画の仕組みというものを国とか県とか市町村というものが、どういうふうなそれぞれの役割りと責任を持って組み立てていくかということをできるだけ明確にしていく。そういった意味合いでは、全体の事業を主として恐らく国が担当するであろうところの根幹事業と、それから自治体の方がかなり責任を持って進めていかねばならない特別事業といいますか、特定的な事業あるいは戦略的な事業というふうな二つのものの絡み合いの中で、いわばそれに関係するいろいろな機関の組み合わせをもってひとつ将来のイメージづくりをやっていくというふうな形で進めていくべきであろうと。ただ、それの基本的な方向づけというものは、これはやはり画一的にどうだということは恐らく言えないのは、いまの三全総の定住圏も全国一律にどうであるということは言えないと思うんですね。ですから、それは今後そういう圏域設定がされ、それからそれの中核となる協議会というようなものがみずからのイメージをみずから築いていくという形の中でいろいろな形態、性格のものが恐らく出てきていいのではないかというふうに考えております。
 ともに疲弊した町村が寄り合っただけではどうであろうかというふうなお話もございますが、しかしいままでは余りにも疲弊した市町村個々に対する政策で相互がお互いに知恵を出し合う、あるいは相互がその特徴を分から合う、組み合わせる、編み上げていくという努力を従来余りしておらなかったわけでありますから、そういったシステム化による効用性というのは当然私どもも期待していいのではないかというふうに思っております。
 それから、最後の十一億が多いか少ないかという問題は、これは寺田さんが言われたことと私も同感でありまして、あえて言いますと、私どもはいま広域圏づくりで申し上げましたように、むしろこれからは金よりは知恵をいかに出すかということであろうと、このことを特に私どもは期待したいということであります。
#16
○対馬孝且君 いまお答えを願いましたが、何といってもやっぱりいまお答え願った中で私は基本的な問題は、なぜ二十年間脱皮できなかったかというと、やっぱり政府のエネルギー政策が完全に失敗して閉山に次ぐ閉山と。いま寺田さんもお答え願いましたし、滝井先生にもお答え願いましたように、まさにそのとおりでありまして、そういう社会開発が伴ってなかったと。そのとおりだと思います。
 そこで、問題点を一つ私もう一度確認の意味でちょっとお聞かせ願いたいんですけれども、特に北海道の場合、第一点、労働力確保ということがこれからの炭鉱の、北海道の炭鉱の生命をなしているんじゃないか。労働力確保が――まあ若年労働者の問題はかなり訴えられましたけれども、私は北炭の例をちょっと参考までに申し上げますともう四十七・八歳まで到達をしている。平均年齢四十八歳になってしまったと。そうすると、これらの労働力確保がなくて一体二千万トン体制というのは確保できるのかと、こういう心配がいまあるわけであります。
 そこで、労働力確保に対して道は今日までそれなりの手だてをしてまいりましたが、これからの労働力確保について、私はやっぱり住宅環境を整備するとか、もう一つは、いまなお北炭の特殊事情でありますが、賃金の支払いが他の山と比べて七〇%にとどまっている、労働条件を満たしていないということももちろんでありますが、どうしたら若年労働者を確保することができ、将来の炭鉱に対する魅力ある労働力を確保していくことができるのか、この点をひとつどういうふうに道として、いままで受けとめてきたし、どういう対策がこれから必要だとお考えになっているのか。
 第二点として、寺田さんにお伺いしたいことは、鉱害の認識なんですが、これはかなり、私もこの間夕張まで行ってきましたが、最近跡地の、先ほども訴えがございました。長屋が現在千九百六十八戸いまだにそのままになっているということだけじゃなくて、もう坑道自体がやっぱり豊里の場合に陥没をしてしまった。あるいはズリ山、九州ではボタ山、北海道ではズリ山と、こう言いますが、ズリ山自体に火災が発生をしてきている。あるいは民家に及ぶのではないかという問題も出ている。こういう問題について鉱害は北海道はゼロであるという認識がいま通産省の中にありますね。そうではなくて、やっぱりむしろ北海道も残存炭鉱における鉱害が具体的に実はあらわれてきている。これは市町村の訴えが、私のところにずいぶん陳情に来ておりますが、そういう認識について、ひとつ寺田さんとしてどういうふうにこれから受けとめられているのかという、問題は北海道の一つの課題でございますので、この点第二点としてお伺いをしたいと、こう思います。
 それから第三点の問題として、私はやっぱり何といってもいま笹生先生の御意見も聞きましたが、経済ブロック圏ということを盛んに強調されて、それなりに多とするのでありますけれども、率直に申し上げて、これから私は一例を挙げますけれども、羽幌、留萌炭田の場合はほとんどゼロである、出炭はもちろん見ておりません。しかし、あそこに十万トンの大体炭量があるというのを、このことを私は現地へ行ってきましたからわかっておりますが、礒部先生もこれは確認していますけれども。十万トンあるとすればこれは非常に投資しなくても露頭に近い状態で、ほとんどこの羽幌については大体年一万トンずつ生産をしていって大体従業員が三百五十人程度、そしてこれは雇用対策にもつながり、町の発展にもつながっていく。こういう意味で、私は北海道的に物を言うと、むしろそういう再開発対策ということが非常にやっぱり重要ではないのか。そのことがいろいろ企業誘致とか、いろいろなことを言っているが、それは実際問題として先ほど私が言ったとおり奈井江工業団地はいまペンペン草がはえているような状況でありまして、いまだに企業は全然来ない。閉山――かつてはこれは閉山と言ったって経済合理的につぶされたんですから、油と対比して石炭が高い、エネルギー革命という美名の言葉で山がつぶれていったという、炭量がないんじゃなくて、炭量があっても経済合理性がなかったということで政府の失政によってつぶされたわけですから、そういう点からいくと比較的設備投資しなくてもやっぱり開発が可能である。こういう面について、むしろ道はこれから市町村と計画を立てられるわけですが、七次政策というもちろん基本的な考え方がございます。これは買い上げ鉱区でありますから俗にいう休眠鉱区、封鎖鉱区と、こう言っているわけですから、これとの来年三月の兼ね合いがありますけれども、私はそこらあたりをどういうふうにこれから道としてお考えになっているか。この点まず三点をお聞かせを願いたいと思います。
 それから笹生先生に、いまお答えがございましたからそれなりに理解はできるわけでありますが、私はもう一つ、確かに財源問題ではないと言っても、これは笹生先生に言うのは酷なんだが、一応いまの産炭地域振興を十年間延長してこれは終わりであるという、これでもう全部最後を告げる、認識はそういうことになっているわけですが、そこで私言いたいことは、確かに精神的な計画も必要なんでありましょうけれども、やっぱり財源措置が伴わないと私はそう簡単にいかないんじゃないかという意味のことを言っているのは、たとえば跡地の問題を利用する、私はざっくばらんに申し上げますが、夕張なら夕張の炭鉱跡地を再利用する場合にどうしたらいいか。まず、現在ある炭鉱長屋を全部取っ払わなければならないでしょう。ところが、これは担保物件に入っておりまして、厚生年金住宅の融資担保にも入っているし、鉱害財団の関係にも担保に入っている、こういう問題をどうやって取っ払うかということが一つの難問題になりまして、そういうこと自体を解決しないで、跡地利用とかいろいろな、言葉では出ますけれども、何ぼ精神的なプランを組んでみたって、――夕張の場合なんか創意工夫をこらして歴史村をつくったんです。この歴史村がもう今日五十億ですよ、かかっているのは。いま全部完成したわけではありませんが。
 そうしますと、やはり言葉では確かにそういうことは言えたとしても、炭鉱跡地の再利用ということを考えますと、先ほど田川市長の滝井さんも訴えましたが、結果的には、これはそういうブロック的な再建、あるいは跡地利用、あるいはそれをどう近代的に生かしていくかということになったとしても、それ相当なやはり財源措置がなければそれはなかなか、絵にかいたモチに終わってしまう、こういうことが今日の実態でもあるわけです。
 私は、その点、考え方は一応わかりましたけれども、むしろ、その点をどういう議論でこれから展開をしていくことがいいのかなという疑問をいまだに感じているんでありますが、その点、もうちょっと深い議論があったらお聞かせを願いたい。
 それから、もう一つの問題でありますが、率直に申し上げまして、何といっても赤字ローカル線問題について、いまも出ましたが、これは田川市長さんにも北海道にも言えることでありますが、赤字ローカル線問題は、第一次は、北海道の場合、幌内、歌志内線は該当に入っていますが、通産大臣はかねがね、私もこの委員会でも申し上げましたし、連合審査でも申し上げて、確保したい、こう言っているんでありますが、先ほども強調されました。何といっても国鉄輸送が石炭輸送のかなめでありますから、トラックにかえることによって北海道の場合は倍々になる、こういう現状を踏まえて、通産省もいろいろ努力をなさって第一段階は確保されました。しかし、これは何といっても産炭地域振興という、十年間延長した限りは、私は少なくともこのレールを取っ払うなんということは夢にも考えるべきじゃないし、取っ払わすべきではないと。そういう意味で、むしろ、十年間延長という産炭地域振興の、これから、ましてや、経済生活圏という未来像を描く限り、この赤字ローカル線は絶対外してはならない、この基本に私も立っております。
 具体的に、特に筑豊炭田の例で田川市長にお伺いしたいことは、そうした場合に、たとえばいまの運輸省の考えからいけば、とにかく理屈抜きに、ある程度六十年までの年次計画に従って整理をする、こういうことになっているわけでありますが、北海道はまだ石炭を出していますから、全然出てないところの産炭地域振興法が延長したという認識の中で、どうしたらこの赤字ローカル線の再建のかなめというものを、どれを主体にしてこれから生かしていくのかという具体的な、この前ちょっとテレビで田川市長さんの構想をお伺いしたことがあるんでありますが、この点の構想がおありだったらお聞かせを願いたい。
 以上申し上げて質問を終わりたいと思います。
#17
○参考人(寺田一寿男君) ただいま対馬先生が御指摘になりましたように、石炭鉱業の安定的な発展をこれから図っていく上で幾つかの問題点がございますが、その中で一つの大きな問題は、やはり労働力の確保の問題でありまして、実はこの問題、率直に申し上げまして、私どもとして大きな悩みとなっておるのであります。これまで、道として、新たに就職する場合に、炭鉱に就職を奨励するという意味で道費で就職奨励金を出しましたり、あるいは地域について住環境をできるだけ整備するような援助をいたしましたり、あるいは学校に石炭鉱業技術の習得のための専攻科を設けて、そういう技術者を養成するというような努力をいろいろとしてまいりましたけれども、現実問題として労働力の確保は容易ならない事態に立ち至っております。そんなこれまでの努力の経過というものをもう一度見直してみて、なかなかむずかしい問題ではございますけれども、さらに勉強をして何らかの対策というものを考え出していく必要があるんではないか。それには、一つは、何と申しましてもその地域が、いますぐではなくても、将来魅力があるんだという地域社会でなければ、なかなか若者もそこに行くという感じにならないと思いますので、基本的にはそういうような地域づくりというものをしていく必要があるんではないか、こう存じております。
 それから鉱害でありますが、これも先生御存じのとおり、従来は北海道に鉱害がないという認識の上に立って、したがって、鉱害復旧法による復旧対象地区の選定も実はなかったのでございますが、最近の状況を見てまいりますと、たとえば、猿払村で火災でありますとか陥没が起きたりいたしておりますし、赤平市でも陥没が起きました。それから、夕張市ではボタ山から火災が出る、こういう状況が最近あらわれてまいりまして、やはり、北海道にとりましても鉱害の問題は重大な問題として認識をしなければならぬ、こう存じております。これが対策については今後国ともいろいろ御相談をしていきたい、こう存じております。
 それから、炭鉱の再開発についてお話がございましたが、伺うところによりますと、たとえば、例を出されました羽幌のような場合は、現行の制度のもとではどうもこれを開発することは無理な状況になっているようでございますが、ただ、これから産炭地域の発展計画を考える上で、現存の炭鉱の周辺鉱区については可能な限り開発をする、あるいは振興開発の努力をするというようなことは基本的に必要なんではないだろうか。ただ、これをやる場合の条件が果たして整うかどうか、どこがどういうぐあいにしてこれをやるのか、こういう問題もありますから、具体的にそれぞれ検討した上でないと結論が出ないと思いますが、総論としては、これからの発展計画の中で可能な地域はやはり検討していかなければならぬ、こう存じております。
#18
○参考人(滝井義高君) ローカル線の問題についてお尋ねがございましたが、きわめてわかりやすく私の市の関係について御説明してみますと、私の市に六線あります。六線のうちに――九州、山口で大体六十年までに二十線廃止の対象になるわけですが、そのうち、福岡県が十一線でございます。私の市に六線の国鉄がありますが、まず、五十七年までに、添田線というのが一つ廃止されます。それから六十年までに糸田線が廃止されます。あと残りが四つあるわけですが、六十年以降に四つが全部対象になります。
 その場合に、基準で、一日一時間ラッシュ時千人以上という基準がございます。代替道路、豪雪十日本通とかいうような二つは当てはまりませんので、私の方は代替道路がほとんどありますから、したがって、それを当てはめていきますと、六線のうち二線が、一日一時間のラッシュ時千人以上というのが、日田彦山線というのとそれから後藤寺線という二つがその例外になります。六つのうち四つがなくなってしまうことになるわけです。五十七年度までに添田線がなくなるわけですが、これは百円かせぐのに三千四百円ぐらいかかっているワーストテンのトップになる線でございます。
 そこで、今後このローカル線にどう対応するかというお尋ねでございますが、すでに昨年十一月二十八日に国会を法律が通って成立いたしまして、三月三日には御存じのようにすでに政令案ができたわけです。この現実の政治的原点に立ちまして私が考えておるのは、御存じのように、この国鉄再建法のほかに、運輸省設置法の中に地方交通線審議会というのがあるわけです。この地方交通線審議会というのは、これから十カ年間の公共交通の体系を地域的にブロック的につくっていくわけです。そこで私は、運輸省なり国鉄あるいは市長会を通じて陸運局に、まず先に地方交通線対策協議会は協議会でおつくりくださいと。しかしその前に福岡県全体の、あるいは筑豊全体の交通体系をどうするかという長期の計画、ビジョンを運輸省、国鉄として立てる必要があるであろう。それなくして、一つ一つに対策協議会をつくってのけていくということは、撤去していくということは非常に問題である。いわば木を見て森を見ない政策だと。いわゆる森全体がどういう状態でこの木をのけなきゃならぬと、こういう形にしていただかなければ困るんだということを申しまして、私たち福岡陸運局に対して地方陸上交通審議会の設置を要求いたしました。現在、九州では鹿児島にできております。これは非常に鹿児島が御熱心であるのでつくりました。それから今年は多分熊本県が熱心に要望するからつくりたいと思っております。しかし福岡県はその要求がないから予算がとっておりませんというお話でございます。それならば、福岡県が言って予算ができればそれを先に先行させるかどうかと、こういういま詰めをしておりますけれども、まだ最終的な結論が出ておりません。これから産炭地の振興をやろうとすれば、大事な輸送網を形成する国鉄の今後の産炭地におけるビジョンを一体どうするかということを、運輸省なり国鉄が持たなきゃならぬわけです。全然持っておりません。全然ないわけです。だからそういう一国の政治がそういう大事な国鉄の体系を持たずに、単に赤字が出たから地方の交通線を切り落としていくという形は、私は将来は国鉄自身が自滅をする道に通じておるという主張をいたしております。というのは、御存じのように私たちは石炭山をつぶしてはいかぬと。私の方の三井鉱山はシーメンスからりっぱな巻き上げ機を買うてきまして一年か一年半でつぶされました。当時、佐藤通産大臣が来まして、これはこの山はまだ将来うんと掘れるわいと言ったら、翌年有沢調査団が来ましてつぶすということになってしまったんです。そして三井田川が四十四年に閉山をいたしまして、四十八年に石油ショックが起きましたらまた石炭を見直しやと、おまえのところの山を振れぬかと言ってきました。だからこういうように見直しというものが十年も出ぬうちに出てくるという石炭の轍を、いまのように油が昭和七十五年にはその石油の使用量を現在七五%のシェアを燃料の中に占めているのを五〇%に削るというわけですから、したがって将来また国鉄を見直さなきやならぬと。もう一遍鉄道をつくるなんというのはとてもできる話ではないわけです。そこで、まず地方交通線対策協議会を発足をさせても結構だから、発足する前に福岡県全体のレールをどう見るかということ、あるいはバス、高速道路その他の交通体系も入れて見直しをやって、その中でこの線とこの線とは大所高所から見てだめですと、これをのけても筑豊の振興はできる、福岡県の振興はできるという形になれば私たちは納得しますと、そういう形をお願いをいたしておりますが、国鉄再建が緊急であるので、どうも地方交通線審議会までつくるというわけにはいかぬというようなあいまいな答えで終わっているというのが現状です。
#19
○参考人(笹生仁君) 跡地利用のあり方についての御質問だと思いますが、御指摘のように跡地利用の問題につきましては、私どもの小委員会の過程でもなかなかやはりそれが利用されると、そこの地域計画の目玉といいましょうかあるいは開発のシードになるというようなところが幾つかございまして、ぜひそういった方向を促進をしたいというふうに考えていろいろ検討しましたが、どうもこれはあれですが、その小委員会の段階では跡地利用の問題について特にやはり権利関係とか、それから担保の状況であるとか、こういったようなことがどうであろうがと。またそれ以外の実態についてどうかというふうなことを地元の方へ問い合わせましたが、西の方ではほとんどそれについてのデータを得られなかったと。それから北海道の方ではある程度の、それが利用できるとすればこういう利用の仕方をしたいというようなデータがございましたけれども、いま申し上げました利用する前提条件としての権利問題とか、それがどうなっているかということは得られませんでした。それで本年の三月に私北海道へ参りまして、さらに関係のところへ伺いましたが、それらの点についてはほとんどやはりデータを得ていない、情報を得ていないという状況であります。
 炭柱の問題も実は小委員会の方では同様にその跡地の問題と、それから炭柱の問題が変わりますと、かなり地域のイメージというのが一変をいたしますので、その点もひとつ小委員会としては検討したんですが、炭住の問題もここでもすでに御案内のように予算はむしろ余っているんであって、それでむしろ地元の合意が得られないということが事業が進捗しないという大きな原因だということがございまして、それで小委員会としてはこの二つの問題が変われば、かなりおもしろいあれが出てくるというふうに思っていろいろと検討を進めてみましたが、基本的には実態の把握というものがなされていないんで、これを抜きにこれについての施策を考えてみても意味が薄いのではないか。それで当面はこれらの実態把握を早急に国が予算をとって実態を明らかにする。その上で、また新しい施策体系はその上でむしろ考えた方がいいのではないかというふうな形になっておりまして、事実跡地利用でいろいろやっておられるところも、これはそういった権利関係がわりと単純であったところであって、そしてさほど特別な施策がなくても現行のいろいろな制度を利用しながら、やはり財源的な対応をされて何とかやっておられるという点から見ますと、私どもはやはり予算の問題以前にそういった実態の把握が重要であるというふうに思っております。
 以上です。
#20
○対馬孝且君 どうもありがとうございました。以上で終わります。
#21
○馬場富君 最初に寺田さんにお尋ねいたしますが、北海道の対策は非常に大変だと思いますが、特に面積が非常に広いという点ですね。たとえば夕張市などの場合は周辺が全部山で囲まれておって、隣接の町村へ行くに最低一時間ないし一時間半もかかるというような実情が一つはあると思う。このような地域において広域的な観点からの経済生活圏を設定して発展計画を作成するということについては、共同施設を広域的につくってみても施設としての意味を持たないというおそれも出てくるのではないかと。こういう点で北海道としては経済生活圏の設定あるいは発展計画の作成については、この点をどのようにお考えになっておるか、お聞かせ願いたいと思います。
#22
○参考人(寺田一寿男君) ただいま馬場先生から御指摘がございましたように、たとえば夕張市については細長く山の方にずうっと深く入った市でございますから、その外れ、山側から隣接町村へ出るということになりますと、相当な距離がございまして、確かに御指摘のとおりの状況になっておるのでございまして、そういったところ、地域について周辺地域を含めて一つの広域的な発展を図るための施設をどう考えているかというのは、なかなか容易な問題ではない、こう認識をいたしております。ただ、それにいたしましても私は、その夕張なら夕張の地域が隣接地域と関連をして、単に企業だけでなしに、製造業だけでなしに、どういうような産業的なあるいは地域社会的な施設が必要なのかということとあわせて、基本的に必要なことはやはり交通輸送手段をいかに改善できるか、この両面からひとつ考えていかなければならぬのではないか、こう存じております。具体の内容はこれから関係の地域と詰めてまいらなければなりませんけれども、道といたしましては、すでに生活圏域ごとの地元の意思によるそれぞれの十年間の一つの発展計画、これは産炭地域の発展計画と違いますけれども、生活圏域ごとの発展計画をすでに関係地域で持っておりますが、その計画をもう一度よく見直してみて、そして、その圏域の中での産炭地域のあり方についてさらに見詰め直して、そして実態に即した、先ほど申し上げましたような観点からのやはり計画の詰めをしてみたい、こう存じております。
#23
○馬場富君 そこでもう一つ、いまのこの経済生活圏の問題ですね、この問題の中からやっぱり発生してくるのは、先ほど対馬委員からも出ましたが、この交通体系の問題だと思うんですね。それで、滝井さんからもその意見が出ておりましたが、たとえば、答申の中には、「広域的な地域発展を促すため、関係各省庁において地域の実情に応じた交通体系の整備を進めるべきである。」という答申がなされておるわけです。これとうらはらに、結局は廃止という問題が出てきておるわけですね。たとえば、福岡県の場合だと、何というか、いま滝井さんから御説明ありましたが、私が調べた範囲では、やはり福岡県だけでも五十七年度に廃止されるのが五路線あるというふうに出ておるわけですけれども、北海道の場合も同じく、先ほどの御説明の中にありましたように、五十七年度までが三路線ですか、そういうようなやはり実質的な問題が出ておりますが、この計画の中で、この特定地方交通線の問題をどのように今後位置づけて考えられるか、そこの点、ひとつお二人に、共通点でございますが、お尋ねしたいと思います。
#24
○参考人(寺田一寿男君) 産炭地域に関連する国鉄のローカル線について、先ほど私の意見開陳で申し上げたとおりでございまして、産炭地域に関連する鉄道路線、ローカル線が十二路線ございまして、十二路線のうち三路線が五十七年度までに、それから五路線が六十年度までに、これは廃止の対象になると現在見込まれておるのであります。今後具体的にどういう路線が選定されるかについては今後の問題でございますけれども、そういうぐあいに見込まれておるのでございまして、まあこの問題についてはそれぞれの関係地域では現在でもなお強い存続についての願望がございまして、北海道知事に対してもそういう意見が機会があることに申し入れられている実情にございます。しかし、政令が制定された以上、現実に政令があるわけですから、政府当局としてはその政令に基づいてこれから執行の段階に入っていくんだろうと思いますが、それにつけましても、やはり地元にいろんな意見がございますから、その意見を十分聞いて、その地域の交通輸送の手段がいかにして確保されるのか、地域とのかかわりでどういうぐあいになるのかという点について十分論議を尽くしていただいて、そして結論を出していただきたいものだ。関係地域においては、鉄道の廃止については大変重大な問題として非常に強い抵抗感があることを申し上げておきたいと思います。
 それから、先ほどのお答えに関連をいたしまして夕張市について申し上げますと、夕張市の場合は鉄道がございまして、これは廃止の対象になっておりませんし、もう一つ石勝線という新しい北海道の幹線鉄道がこの秋に開業される予定になっておりまして、これは北海道の東部と中央部を結ぶ幹線鉄道になる、その鉄道が夕張町を通過して中央部に入っていくことになりますので、地域の発展のためにはこの新しい幹線鉄道が夕張市を通過して道央部に入ってくるという、この新しい路線の開業を有効に生かしていかなければならぬのではないか。これは一つのまあ夕張市及びその周辺地域の発展のための有効な路線として私どもは生かす必要があるのではないか、こういうふうに考えております。
#25
○参考人(滝井義高君) いよいよ国鉄が、現在、法律が制定されまして三月三日に政令ができたわけですから、それぞれの線について代替道路はどういう形でやるのかというような確認調査と申しますか、そういう段階に入っていると思います。
 昨日、私の方の市にも門鉄局から田川市の総合計画があればそれをもらいたい、広域圏の計画があればいただきたいと言ってまいっておりました。したがって、具体的な調査に入ったと思います。
 そうしますと、たとえばAならAという線がいよいよ廃止の対象になるとすれば、それについて知事に恐らく意見を求めることになります。そうしますと、知事の方からわれわれ関係自治体の市町村に対して、この線はどうしたらいいんだという意見を恐らく求めてくると思います。知事が言った後に、七月の終わりか八月ぐらいに、いよいよ地方交通線対策の協議会が発足をして、それぞれ委員が任命をされる。
 そこで、私たちの方としてはやはりその段階までに福岡県を四つのブロックに分けて経済生活圏をつくるようにしております。
 一つは、北九州を二つに分けまして、北九州に近い中間とか直方というのを八幡の方面につけて、私の方の田川の方を、北九州の選挙区で分けて、四区の門司、小倉にくっつける。そしてそれに周防灘の苅田、行橋をつける。それから福岡と飯塚、粕屋を結ぶ。それから久留米と筑後、大牟田、有明を一つにするという四つのブロックに分けるわけです。
 多分七つぐらい五十七年に廃止されると思っておったんですが、それぞれ廃止される線があるわけです。したがって、そういう広域的なブロック計画、発展計画の策定の中でこの線をどうするかということを、やはり私たちは早急に討議をする必要があると思っております。
 そうして、少なくとも七月の終わりか八月に入る段階においては、そのブロック内部の意思統一をして、そうしてやはりきちっと国鉄に言わなければならぬと思っております。
 最近、政令の中で国鉄がきわめて特徴的な三つの点を出してまいったわけです。それは将来――いままでは将来のことは余り言っていなかったんですが、将来そのブロックの中に住宅団地、学校それから工場団地、こういうものが形成をされる。そういう場合にはそれはどの程度の該当する線に乗客がふえるかという計算、独特の計算方法をつけております。それによって、将来団地その他ができればその分だけはプラスアルファとして見ていきましょうと、こういうようにわりあいそういう点では柔軟な政令案が幾分出てきたような感じがいたします。
 そこで、なお今後、産炭地の振興という大所高所に立ちながら、そういう具体的な対応を知事を中心に今後当然われわれはやっていかなければならぬ、こう考えておるわけです。
#26
○馬場富君 同じく寺田参考人に、地域振興整備公団の造成した団地の譲渡率の問題からいきますと、やはり北海道地区は五十四年度末で五九・六%というような、譲渡率が悪いという方向性を出しております。これは九州、山口、常磐などの四地域の平均の七九・五%に比べて非常に差が出てきておる、こういうような状況ですし、北海道の場合の未完成団地の面積が五百万平米も現在ある。というのは、やはり現在完成している団地面積とほぼ同じような面積となっておるというような実情があるわけです。北海道では国の企業誘致対策に加えて、北海道独自のやはり企業誘致対策なども講じているように私たちは思っておるわけですが、この点北海道としては企業誘致を進めるために今後どのような措置が考えられるかという点、非常にちょっと他との差があり過ぎるものですから、これは非常に無理ではないのかという点の心配とあわせて、そこらあたりのことを御説明願いたいと思います。
#27
○参考人(寺田一寿男君) ただいま御指摘にございましたように、北海道の産炭地域の中で地域振興整備公団が造成整備をいたしました団地の譲渡率は六〇%でございまして他の地域に比べて一〇%ないしは三〇%譲渡率が低いと、成績が非常に悪い状況にございます。これは事実でございます。一つ大きく申しますと、北海道全体がやはり工業立地の度合いというものが他の地域に比べて、まあ非常に大ざっぱな言い方ですが、他の地域と申しましてもいろんな地域がございますから一概には比較できませんけれども、一般的に他の地域に比べまして企業立地がなかなかしにくい条件にあるんじゃないかと。そういう中の産炭地域ですからなかなか大変だということで、そういうようなことになっているんではないかと、こう存ぜられます。
 ただ、そう申しましても、これを実は放置しておいたのではないのでございまして、できるだけ地域環境の整備の促進に道としても努めながら、一方において先ほども申し上げましたように立地企業に対する出融資制度でありますとか、あるいは工業用水に対する助成でありますとか、道費でいろいろな努力をする一方において、組織的には道でたとえば東京事務所に企業誘致対策室を設置して企業誘致に努めるとか、あるいは官民といいますか、民間も網羅した企業誘致推進会議というようなものの中に産炭地部会を設けて、そしていろんな努力をしてきており、たとえば工業団地の説明会でありますとか、あるいは視察会でありますとか、あるいは誘致のお勧めのための懇談会でありますとか、こういった努力を積み重ねて実は来ておるのでございますが、これらをさらに検討をいたしまして、それぞれ強化すべきものは強化をし、さらに新たに追加するものについては勉強しながら、道として関係地域とともにまた地域振興整備事業団の御協力を得ながら、さらに一層企業誘致活動というものを強化してまいりたいと、このように存じております。条件がいろいろむずかしい中で一層の努力が必要であるという認識を深めている次第であります、
#28
○馬場富君 次に滝井参考人、福岡県の場合でいきますと改築を必要とする炭鉱住宅が約二万戸あると言われておりますが、この炭鉱住宅を解決するというのは、そういうやはりイメージを払拭する意味でも、炭鉱地域としての大事な問題であるというふうに思うわけですけれども、いま炭柱の改良は年間福岡県で約八百戸ぐらいが行われておると。そうしますと、約二万戸の改築を行おうとすると約二十五年かかるということになるわけですけれども、やはりこの点、産炭地域振興臨時措置法の延長は十年でございますが、こういう有効期間内にそういう炭柱の改良というのが見通しが立つのかどうかという点、これは県全体の問題でございますが、田川市としてはこの点はどのようにお考えになり処置されておりますか。
#29
○参考人(滝井義高君) 田川市は、まあ福岡県で二万有余の炭柱改良があるわけですが、私の市で大体六千五百戸の炭柱がございます。その中で四百戸ぐらいはもう崩壊をしてしまって対象にならないものです。あと千戸は職員住宅あるいはすでに中小の山でそこに働いておった炭鉱労働者の皆さんに払い下げをした分です。私たちいままで千百戸、過去昭和四十七年から昨年まで九年間で千百戸をしました。あと四千少しあるわけです。そこで一年に四百戸ずつやらなきゃいかぬのですが、昨年二百八十戸改築いたしました。今年二百五十でございます。通産省の方に私、三百戸ぐらいやる予定で三百戸のかさ上げ、一戸二十万円のかさ上げを要求して予算が三百戸で通って六千万円までは頭打ちでいただけるようになったんですけれども、残念ながら二百五十戸しかできません。その隘路は一体どこにあるかというと、この炭住を改良をする法律が、住宅地区改良法という法律でやるわけです。この住宅地区改良法というのは、都市に低環境あるいはスラム的な状態が出たときに、それを改築するためにできている法律でございます。いわば私たちのように町の三分の一が、しかも中心部に炭柱があるわけです。いわば密度の非常に高い、しかもその炭住の居住者は、九七%が炭柱に居住をしているわけです。したがって、炭住改良をやる場合にはまずその住んでいる皆さんの同意を必要とします。この同意をいただいて炭住の改良をやるわけですが、炭柱改良をやるとき紀、どこか遠いところに空き地があるので、そこにプレハブか何か建ててとりあえず移っていただいて崩すと、こういう形がとれれば一番いいんですけれども、やはり半年とか一年そこに移っておるわけですから、公庫の関係が出てくるわけです。どうしてもその炭柱の建っておる地区内にローリングする場所を見つけて、そしてそこに五十戸建てるとその五十戸移ってもらって崩して、そしてその後にまた次々にローリングしていくという、こういう方式をとるわけです。この同意を取ってローリング方式にいくまでに非常に時間がかかるということが一つです。
 それからもう一つは、炭鉱の跡地にやるわけですから、何層も明治以来石炭を掘って下が空洞です。したがって、そこに中高層五階建てのビルを建てるわけですから、床盤に非常に金がかかるわけです。どうかしますと上の建物、三十戸五階建てが一億七、八千万かかりますと下に一億とか二億の床盤がかかる場合があるわけです。いわゆる基礎を特殊の工法によってコンクリートを流し込んで、そして基盤を固めるという独特の方法をやらなきゃいかぬわけです。そういうことはこの住宅地区改良法は考えていないわけです。したがって私の方では、できれば炭住改良を順当に今後やるためには特別の立法をしていただいて、そしてそういう床盤の問題、ローリングの問題、弾力的にやれる姿をとってもらいたいというお願いをしているんですが、産炭地だけの政治勢力が弱いと見えましてなかなかうまくいきません。それならば住宅地区改良法を炭柱改良に適応するようにひとつ改正をしていただけぬだろうかというのが一つある。そうでなければ、三十戸以下の小規模炭柱を改良するのに要綱ができております。法律の改正ができないというならば、炭柱改良についてやはり予算のある程度裏づけのある要綱をつくってもらって、その要綱を実施するという形にしていただけぬだろうか、こういう問題があるわけです。
 それからもう一つは、中高層を建てるわけですが、御存じのように非常にお年寄りが多いわけです。そうすると四階、五階に住むことをきらうわけです。なぜならば、四階、五階には出前が行かないわけです。あるいは郵便が行かない、酒屋さんが酒を持って行かないという問題がある。そこで、年寄りが多いわけで中高層の建物に二階か平家建ても一緒に併用して建てる政策的な弾力を持っていただきたいんですが、身体障害者とか特殊の場合以外は認められないわけです。こういうようにして住民の同意を得ることに非常に難渋があって、四百戸一挙にやりたいと思いましてもなかなかできないというのが現状でございます。
 以上です。
#30
○馬場富君 もう一点、先ほどのいろんな産炭地の荒廃の中で滝井さんがお示しになった何点かの、主力産業を失った都市の荒廃の現実的な厳しさというのを何点がお挙げになりました。非常に参考になりましたが、その中で特に非行化の問題や学力低下の問題という、教育の面に対しての田川市が非常にそういう点で直面しておる現実問題を数字の上でお述べになりましたが、そこらあたり特に教育に及ぼす影響というものを、やはり原因というか、相対的にはやっぱり都市そのものがそういう主力産業を失ったということの荒廃が原因でしょうけれども、もう少しやっぱり具体的に、年少者の非行やそういう問題について特に多いというのは、特徴が見られるのはどこらあたりの問題でしょうか。そこのところをちょっとお願いします。
#31
○参考人(滝井義高君) やはり炭住でございます。市の三分の一、しかも中心部に炭柱がありまして、そして御存じのように非常に荒廃を来しておるわけです。雨が降りますと全部屋根にあの大きな自動車にかけるシート、トラックにかけるシートをみんなかけなきゃいかぬ。風が吹きますとそのシートも飛びますし、一緒にかわらを全部持っていって屋根が飛びやせぬかといって非常に心配をいたしております。最近までは炭柱改良をそんなに急がなかったのですけれども、最近老朽化がどんどん進みまして、住民の中からやはりこれは早くやらなきゃいかぬという意欲がわいてきたわけです。そこで私の方は昨年二百八十戸、今年二百五十戸ですが、ただ最前申しますように、法律がなくて住宅地区改良法をやっているということです。
 それから、非行化が非常に進んでくるというのはやはり生活環境が荒廃をし、そして同時に全部生活保護を受けたり失対事業に行くわけで、共かせぎが小学校、中学校の父兄の四割を占めております。したがって、たとえば最前私が肉体的な障害の側面を少し述べましたけれども、たとえば朝母親が仕事に行くときに子供がおなかが痛いと申します。そうするときょうはお医者さんに行かなくてもいい、保健室に行って休んでおきなさいと言って学校の保健室に休ませるわけです。そうすると、学校の保健室は子供が学校に登校してくればきちっと養護の先生が診てくれるわけで、母親は安心するわけです。そういう形が出てきているわけです。一番病気で愛情の必要とするときに――低賃金でございます。筑豊の中でも田川が一番の低賃金です。したがって、その愛情が欠ける、こういうことから非行化が始まってくるというのが一つの大きな原因でございます。
#32
○馬場富君 最後に笹生参考人にお尋ねいたしますが、五十五年の五月十四日の衆議院の石炭対策特別委員会で笹生参考人が、法制定後の十八年を経て一部の地域ではかなり構造的な回復を見ているが、大部分の産炭地域では構造的なゆがみはなお深く残っておる、また、低成長下の企業見通しが影響して、確たる将来展望を持ち得ないという状況にも置かれている、このような事態は、一面から言えば、従来の施策が事態解決に対して限界を示していると考えているとお述べになっておりますが、この意味はこれまで産炭地域振興対策の主な柱であった企業誘致対策では限界があるということか。もしもそうであるとしたならば、今後やはり企業誘致対策は産炭地振興対策の中においていかなる位置づけをすべきであるかという、この点を御説明いただきたいと思います。
#33
○参考人(笹生仁君) お答えをいたしますが、従来の対策についてのいろいろな限界というのは、先ほど対馬先生からのお答えの中にもおおむね触れておりますけれども、やはり私どもは一つは従来の性格というのが、マイニングにかわって製造業を導入をしようというところに非常に重点的に施策の中心を考えていたというところで、それが言うならば社会開発という地域社会の底辺をなす面についてのきめ細かい施策がなかなかできづらかったというふうな観点と、それからもう一つは、実施計画の計画の主体というものが国が立てるということであって、地域住民自体がこれを立てていく、それでそこでそのニーズをくみ上げていくというふうな体制というのができていなかったという点が第二点として出てくるであろう。
 それからさらに言えば、第三点としては、これは産炭地域振興法だけのことでございませんけれども、わが国の行政全般が縦割り行政という形になっておりますが、御案内のように、地域の対策というのはやっぱり総合行政というふうな性格を強く根に持つべきものでありますので、やはりそこで各省別の対策の組み合わせの仕方と、それから地域的な視点に立った対策の仕組みとが当然そこにずれが出てきているということを一応念頭に置いて、お答えをしたのではないかというふうに思っております。
 それでそのうちで第一の問題については、特にこれは五十二年の法律の振興計画の見直しのときに、私も参画をいたしましたが、その折各委員の先生方からも強く出てまいりまして、そしてそれらについての施策の面でかなり改善をされてきた。それから一部に対象事業を拡大をしてはどうかというふうな御意見も、地元の方からかなり出てまいりましたが、これはどうも私どもの感触では対象事業の制限の問題よりは、もっと第三番目に申し上げました行政全体の縦割りの問題がむしろ影響していあというふうな感じでありまして、これはどうも産炭地域だけについて対応するということは非常に根深いものがあるということで、一応今回の場合には例の調整費的な予算措置を事務当局の方に御検討いただいて、それが今回特別事業調整額制度という形で対応されているというふうに思っております。
 それから第二の問題は、これは抜本的に言えば法の体系を改めるということになろうかと思いますが、われわれは法の体系を改めなくても、先ほど来いろいろ御議論がありました経済生活圏というふうなものを県が主導で地方自治体、関係の市町村と一体になって計画を積み上げていって、それをもとに法定の実施計画あるいは基本計画というのはそういう地域の知恵を土台にしながら、それを尊重して計画を策定をしていくという形であっても、おおむね達成できるのではなかろうかというふうに考えた。
 第三の問題については、これは第一の問題にも触れましたけれども、なかなか一言で言えない問題だろうというふうなことであります。
 以上です。
#34
○小笠原貞子君 炭鉱地帯と言えば九州と北海道でございまして、私は北海道でございますけれども、九州もずっと筑豊そして田川にも伺いました。それで田川へ伺ったときには、もう本当にこれは大変な状態だなということを痛感して心を痛めてまいりました。いよいよこの法律がきょうかかるということでいろいろと役所の方にも実情を伺いまして、私はやっぱり田川というのがあのときの印象ではどうしても心に残る、どうなっているんだろうと伺ったら、いや、先生いらしたときから見ればずいぶん家も建ちかわっておりますし、あの暗いイメージはございません、こういうようなお答えでございましたので、少しは明るいお話があるかなと思いましたけれども、具体的にきょうのお話を伺いますと決してそんなものではない、このつめ跡というのは二十年たってもいよいよまだ深く残っているんだということをしみじみと痛感させられてきたわけでございます。
 また、お三方いろいろお伺いいたしまして、後から副知事さんにもお伺いしたいと思うんですけれども、やっぱりこれからのこの法律が十年延びた、十一億のお金もついたということは、一見ちょっとここでほっとするということになるかもしれないけれども、私はこれは十年たってこの十一億のお金で一体どれだけこれが解決していくのだろうかということを考えると、非常に私は暗い感じじか持てないということなんですね。そのためには、まず現状を正しく調査する、そしてこれについてどういう政策を実行していくかという、その現状を正しく認識するということが一番大事なことだと思うわけです。しかし、私はここで最初にまず申し上げたいことは、現状を正しく認識する前に、なぜこんなことが起こったのかというその原因というものを、私はここではっきりと政府においても、また企業においても各市町村においても、みんなそこのところに戻って私ははっきり考えてもらいたいと思うわけでございますよ。いまこそエネルギー問題が大きくなって石炭見直しだ何だというけれども、日本の政治の中でエネルギーをどういうふうに位置づけていたか、石炭をどう位置づけていたか。特に北海道の場合なんかには、まだ石炭があるにもかかわらず、エネルギー革命だなんていってどんどんつぶしていってしまったでしょう。そして、いまエネルギー革命の後始末としてこういう問題も起きている。そしてまた、北海道では、先ほどもおっしゃったけれども、羽幌なんかへ行ったら、もう町長さん行くたびに陳情されるわけです。もうほとんど露天掘りに近いところで掘れるんです。そして、この地域の燃料は全部賄えます、掘りたいんですとおっしゃる。穂別へ行けば、穂別の町長さんも、ここも炭鉱掘れるんです、掘りたいんです、そうおっしゃる。しかし、これも全部鉱区買い上げられてしまって掘るということがいますぐできないんだとおっしゃる。山は閉山になった、そのときに石炭の大企業は損をしたか、買い上げてもらってちゃんともうけているわけですよね。そしていまになってこの後始末をどうするんだと言われたときに、国民の税金を使って地域住民の創意性とそして市町村の自発性でもっていろいろと考えるという結末にきているわけなんですね。だから、私はここで申し上げたいのは、やはりこういう事態を引き起こした政府の責任というものをはっきりさせて、皆さんも対策をお考えになるべきだし、決してもらうんだからというような弱気で対処される必要はない、私はそのことをまずはっきり申し上げたいと思うんです。
 具体的に私もいろいろ考えてみました。
 そこで、質問に移りたいと思いますけれども、まず先ほどから言われたように、炭鉱住宅が廃屋になっています。そしてそこで非行の問題、それからいろいろの災害の問題がございます。見ますと、廃屋ですから大したことないです、これつぶしちゃえばいいということになるんだけれども、つぶせないんだという問題、御承知のとおりでございます。幾重にも抵当権が設定されているということからこれがつぶせないんですね。そうすると、この抵当権が解除されない限り炭鉱の廃屋というものはつぶすことも何することもできない、跡地利用したくたってできない、こういうわけでしょう。そうしたら、一体これをどうしたらいいのかというところです、問題の根本は。私もいろいろと皆さんと考えたり、お知恵もいただいた。私は、たとえばここまできているんであったとするならば、する道は一つしかないと思うんですよ。つまり、抵当権を買い取って解決するなんという力がないとするならば、やはり地域振興整備公団というようなものがございますから、そこでこれを買い上げる。たくさんのお金かかるかもしれない、しかし、つくった原因である、その原因は一体何かということから考えれば、それくらいのお金出しても私は当然だと思うんです。そうやって買い上げて、そうして市町村の財力の許す範囲で少しずつ分けて、そしてこの廃屋を整理して跡地利用するという、こういう手だてが私はいま必要になっているのではないか、これを国の責任でやっていただくことになるわけですけれども、私はそうすべきではないかということをまず伺いたいと思います。これは副知事さんにも伺いたいし、それからまた、お二人の参考人の方も御意見があったら、この問題についてもお伺いしたいと思います。時間がございませんから、三つ質問します。いまの一つでございます。
 次の質問は、先ほどこれも田川市長さんおっしゃいました。離島問題は北海道も抱えておりますし、九州も離島問題たくさんございます。それと比較なさいますけれども、まさにおっしゃるとおりだと思うんですね。だから、こういうことから考えましても、やはりいろんな知恵は出します、甘えてはいけないという意味のことを笹生参考人おっしゃいました。私も甘えてはいけないと思う。それこそみんなで知恵を出し合わなければならないと思う。しかし、出された知恵を実行するためには、本当に知恵だけでは実行できないわけですよ。さっきの筑豊に大学二つ持ってこいなんてなかなかいいアイデアだけれども、これがいいアイデアだけれども、果たしてこれが実行できるかと言ったら、御承知のように法律で国立も私立も大学はしばらく建てないという法律がいま文教にかかるところですよね。そうすると、これは政治の問題であり、また、国鉄ローカル線の問題から何から考えると、これまた経済との関係で大変な問題になるわけですよね。そうするとアイデアだけではどうにもならないということを私は言わなければならないと、先ほど伺っていてつくづく思ったんです。北海道も調べてみました。産炭地域の歳入総額に対する地方税の割合、元ほどもおっしゃいましたけれども、五十四年度平均で一七・九%、すなわち自治体財源わずか一七・九%だ。それで、たとえば泊、いま原発ができるとか何とかいって騒いでいます泊茅沼炭鉱があるところですけれども、この泊村に至っては四・三%なんですよ。それから石狩にあります浦臼なんか六・七%なんですね。だから、いろんな知恵を出してやろうと思っても、地方自治体の財源がわずかにこういうものであったならば、このやろうとする力が全然出てこないということですよね。もう幾ら善意で努力してもこんな財政状態でやれと言う方が無理ではないか。そこで、私は特定公共事業などについても国とも市町村の実態に応じてこれはもう相当の補助率の引き上げたとか、具体的な財政援助というものがない限り、私はこれは不可能に近いというふうに言わざるを得ないと思うんです。その点についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
 それから三つ目の問題は、産炭地域振興法の目的にある鉱工業の立地についていろいろお話がございました。現在工業団地をつくる場合に企業が入ってきます。団地をつくってそうして企業が入ってくる、そういう場合には設備資金と申しますか、建物だとか機械だとかいろいろな土地を買ったりというようなときに、地域振興整備公団から融資を受けるわけですね、そうして入ります。そうしてその融資を受けて入った企業が運転資金で困るよと言った場合には、運転資金も貸してくれる、融資の対象になるということでございます。しかし、いやそんな借りなくてもここんところで、ひとつ北海道でうちの企業はやってみようじゃないかと言って、この地域振興整備公団からその設備費などを借りないで、自力でもしがんばって入ったというような場合ですよね、このときには、運転資金が困ったときにはこの整備公団から運転資金を借りることができないわけですね、対象にならないというような矛盾があるわけですね。大きな企業がそんな金借りなくてもいいといって入った場合なら別だけれども、良心的にひとつ協力しようといって入った小さい会社が借りなかったということは、これはプラスになりますね。それだから借りなかったといって、借りないで協力をしたのに、いよいよ運転資金が足りないというようなときには、あなたのところはうちから借りてないから融資の対象になりませんよといったら、まるで恩をあだで返すような姿になるのではないか。そうすると、こういうようなところにも運転資金の融資が借りられるようにすべきではないかと私は思うんでございますけれども、いかがお考えになるかお答えをいただきたいと思います。
 笹生先生にまた一つお伺いしたいんですけれども、いろいろいま後始末が大きな内容になっておりますけれども、やっぱり後始末というよりも北海道の場合なんかはさっき言ったようにまだ炭がございます。そうしますと、これらをどう発展させていくか、これらの北海道における出炭率をどうやって上げるかというような、そういう本来の意味の、よそから持ってくるのじゃなくて、本来の石炭産業をどう発展させるかというようなことについて、小委員会の中でいろいろ先生御審議なすったと思いますけれども、そういうような御審議の中で問題点が出されていたら、そういう問題についてお聞かせをいただきたいと思うわけです。
 以上で質問終わります。
#35
○参考人(寺田一寿男君) 第一点の地域振興整備公団の買収という点でございますが、小笠原先生が御指摘になりましたように跡地の整備、再開発をする上で、抵当権等権利の調整解決ということが非常に大きなむずかしい問題になっておることは事実でございまして、その問題を解決するために地域振興整備公団が建物や施設あるいは土地等の一括買収ということができるのかどうか、私にはよくわかりませんけれども、しかしかねてからそういう問題もございますので、道としては何らかの形で地振公団が跡地の整備、開発に取り組めるようなことにしてもらえないだろうかというような要望を、重ねて実は今日までしてきておる、その実情を申し上げてお答えにいたしたいと存じます。
 それから、第二点のいわば市町村に対する国の財政援助でございますが、端的に申し上げまして、私どもにもまた関係の市町村にも甘える気持ちだけであるとは決して申せないと思います。ただ、現実問題として、御指摘にもございましたように地方税が非常に少ないという財政力の弱さがございまして、これが現実でございますから何か知恵を出していろいろ考えてみましても、いざ具体的にこれを実施しようとなりますと、財源で困るのが実態でございます。
 もとより地方税の少ない地方自治体に対しましては、これは釈迦に説法でございますけれども、地方自治団体全体の財源として交付税がございまして、交付税で調整をされておるわけでありますけれども、しかし疲弊をした産炭地域においてはより一般の状態よりも非常に多くの金がかかるのが事実でございまして、これは国の財政援助と申しますか、国の財源措置と申した方がいいのかもしれませんが、そういったものを大きくやはり期待せざるを得ない、こういうぐあいに存じております。
 それから第三点は、これは地域振興整備公団がその運転資金について単独で融資をするということを行ってないという点について、あるいは運転資金が本命ではなくて設備資金が本命であるという点で、それに絡んで運転資金ということをやっておられるのだろうと、こう思いますが、しかし、実態としてはやはり自己資金なり他から資金を調達をして、そして設備をいたした上で運転資金、これは地振公団の運転資金が非常に低利でありますだけに、それを期待をするという向きがかなり多いわけでございまして、そういう実態から私どもも進出企業からいろいろ今日まで要望を受けてきた実情にございますんで、この点は国にも伝え、そして何とか措置ができないものかどうか、これは要請を重ねてきておる、そういう実情にございます。
#36
○参考人(滝井義高君) まず第一の炭鉱跡地、特に炭柱の問題でございますが、私の方は主として三井鉱山でございます。もちろん担保に入っていると思いますけれども、全部炭柱も土地も市が一括をして三井鉱山から買い上げて、そして住宅地改良法によってやっております。したがって、いまとりあえず炭柱改良について抵当権が大きな支障になるということはございません。しかし、今後ボタ山その他を造成する場合も、市はボタ山を三井鉱山から買い上げております。これも買い上げた金で恐らく鉱業財団に入っている担保の穴埋めか何かしているんだろうと思いますが、いまとりあえず炭鉱跡地で担保に入っておるために市の政策展開をやる場合に大きな支障というのは、相手が三井鉱山でございますから余りありません。
 それから、第二点のこの財政の問題ですが、実は産炭法を改正をいたしますときに、同和に同和債があり、それから過疎に過疎債がある。そこでそれと同じように産炭地債をしてもらったらといういろいろ交渉をいたしました。しかし御存じのように、産炭地には産炭地補正という普通交付税の補正が五十一年からできております。これも五十六年度でなくなるわけですけれども、これの関係がございまして、やはり余りそう国にすがってもということで、一応産炭地債というのはあきらめた形に現状はなっております。
 それからいまのことと財政問題に関連しまして、実は私の方の郡の自治体、田川郡の自治体でございますが、御存じのように産炭法で仕事をやる場合には産炭法の十一条で仕事をやるわけです。その特定公共事業をやる場合に十七業種が法律できちっと決められております。この十七業種をやりますと、これは高率の国の補助がつきます。そして、それに上積みが、かさ上げが行われるわけです。ところが私の方の郡の自治体は同和と失対事業で手いっぱいで、すでに起債率が三五%、三六%です。最近一つの町が財政再建団体に指定される情勢が出てきて、破産寸前の状態にあるわけですが、同和と失対事業で手いっぱいで、この十一条という産炭法の恩典があるにもかかわらず、それをやるだけの継ぎ足しの財源がないわけです。したがって、できないわけです。そういう実情があります。したがって、そういう自治体については何らかの財政的な援助をやらないと、法律が通っても法律の恩典が受けられぬという現実の冷厳な事実があるということです。
 それから、地域振興整備公団が団地に入った企業が初めに融資を受けなかったと、運転資金。私の方はまだ入った企業が、地域振興整備公団がつくりまして入ったのが八業種ぐらい入りましたが、ほとんど全部入るときに設備資金その他を借りておりますので、先生の御指摘のような例はまだないようでございます。以上です。
#37
○参考人(笹生仁君) 小委員会の方で、まだ石炭鉱山を稼行中の都市について一体どう考えるかというふうな御質問であったかと思いますが、確かに夕張であるとかそれから赤平であるとかというふうなところの町づくりにつきましては、石炭資源が枯渇をするということがないにしてみても、抗日が動いてくるというふうなことですから、都市の特に市街地の構成というものを考えていくときに非常にやはり浮動的だと、非常に町づくりがしづらいという問題がございますので、そういった点はすでにこれは非常に酷な、酷なというより妙なあれでありますけれども、もう十年ぐらい前に閉山し終わったところと比べますと、大変これはむしろ問題性に富むところだということでありますから、これへの対応ということは当然われわれとしても考えていかなきゃならないと。さらに、先生冒頭に言われましたが、私どももこれは産炭問題というのはやはり日本のエネルギー政策の一つの傷跡という形でとらえていかなきゃならぬと。現在、国の政策としてエネルギー問題というのは非常に重要だし、その中でもいわば立地問題というのが特に電源を中心としていろいろな形で精力的に進められているわけですが、そういった場合に私どもは私どもなりにこの日本のいま電源等で進められている広範なエネルギー立地政策の一つの、何といいますか、先駆けになるようなものとしてこの産炭地域の後始末はきちっとやっぱりやっていくと、そのことが日本の今後の他のエネルギー立地政策、エネルギー地域を健全な形で推進していく一つの目安になるのではないかということを認識しながら取り組んでまいりましたので、いまの問題も十分いろいろな場面で小委員会としては検討をしてまいりました。ただ、これはあれですけれども、法律のたてまえで、石炭鉱業を開発振興させるという法律と、それからまた一面で鉱害の復旧の問題をするという法律と、産炭地域の両側がこれまた別な法律になって、それはそれなりの守備範囲で進めているというふうなこともございまして、それで今回の答申の中で先生の御指摘のようないわば振興の問題ブロパーをどう考えていくかということについては直接やはり触れ得なかったと。ただ、私どもは先ほどの経済生活圏の町づくりという形の中で、幾つかやはり地域の特性でパターンが出てくるであろうと、そういうパターンの中で、特に稼行する石炭鉱山を持つ都市については、先ほど申し上げましたような意味合いからほかの産炭地域とは非常に違った問題性を持っておりますので、これをかなりケーススタディーという形で進めてみて、その過程の中にいまの先生御指摘のような問題を織り込んでやっていくというふうなことを考えるべきであろうというふうな議論がございました。それから……
#38
○理事(前田勲男君) 参考人にお願い申し上げます。御答弁はできるだけ簡潔にお願い申し上げます。
#39
○参考人(笹生仁君) それからもう一点は、アイデアだけではどうともならないという問題があって、これも御指摘のとおりであろうと思います。ただ、これまで、先生北海道でございますけれども、北海道を考えた場合に、たとえば日本の植民政策という形で満州が注目されたときに北海道がどういうふうな形になってきたか。それから、戦後になって北海道をどう考えようかというときに、これは日本の中で北海道をどう役立てていこうかという形で北海道の拓植計画はつくられた。それが近年になって、そういった資源の供給というふうな形での北海道の開発というものに対する反省が出てきて、もう少し北海道みずからの持つところを一体どう考えていくかという、もう少し脚下照覧といいましょうか、そういったところに地域開発の新しい目を向けようと、それが小さな話でしょうけれども、池田のフィンになったり、あるいは夕張メロンになったり、それから芦別のレジャーランドになったというようなことがあって、これは満州と北海道と池田を比較することは非常に妙でありますけれども、地域づくりというのは、今日の問題は、いままではほかから大きな工場を持ってこようということを主として考えていた。ところがいまは、いまわれわれの町や村にある企業をどういうふうに育てていこうかというふうな発想の転換によって、大きな金でなくても非常に効果的なやり方、工夫というのがあるということが、近年の地方の時代と呼ばれているときに方々の町村で事例が出てきているわけでありまして、私どもはそういった点を含めて計画づくりを進めてまいりたいというふうに考えています。
 以上です。
#40
○井上計君 時間がありませんので簡単に質問いたしますが、滝井参考人お一人にひとつ御無礼でありますけれどもお伺いしたいと思います。
 いま小笠原委員のお尋ねの中で笹生先生がちょっとお話、御答弁がありました。問題は石炭産業の振興とそれから閉山跡地の復旧の場合、法律が別であるのでこれらのもの云々というお話がありましたが、ずうっと先ほどから参考人のいろいろ御意見等を伺っておりまして感じますことは、石炭産業の振興安定のために今後どうするかという問題と、閉山跡地の鉱害復旧の問題をどうするかという問題と、実は考えていくとはなはだ矛盾するといいますかね、今後十年、二十年あるいは三十年、五十年後を考えますと、いつまでたっても石炭産業の振興、国内産の振興発展というふうなことを考えていけばいくほど、またそういう問題をずうっと後々まで続けて残していくという、こういう懸念を実は感じておるわけですが、特に問題点の多い田川の市長さんとしてどういうふうに感じておられるか。これが第一点です。
 それからまた、田川市の非行化の問題、老齢化の問題等を実は冒頭伺って大変驚いたわけですけれども、非行化の原因はもちろんいろいろあると思いますし、一つはやはり大きな問題は産炭地の経済的な不振というふうなものからくる、それによって起きる要因がさらにいろんなものを醸し出しておるということであろうと思いますが、そこで精神的な面でこのようなことはというふうにふっと私実は感じたのでお伺いするんですけれども、鉱害復旧の場合ですね、復旧についての不公平というふうなものがあるんではなかろうかという感じがいたしますが、それについて市長さんとしてそういうことを思い当たられている点があるかどうか。
 それから、ボタ山の利用ということについて、先ほどボタ山に四つの性格があるというふうな冒頭お話がございました。農地だとか土地のかさ上げなんかの場合に使えるボタ山があるけれども、そのボタ山を十分利用しないでかなり離れたところから山を切り崩して云々というふうな例があるやに実は聞いたことがあるんですけれども、そういうふうないわば不効率なことが復旧作業の中で行われていることがあるんではなかろうか。
 以上、ひとつ三点お伺いをいたします。よろしく。
#41
○参考人(滝井義高君) 第一点の石炭鉱業の振興安定と、それから鉱害復旧との矛盾でございますが、これは最前笹生先生も御指摘になりましたとおり、やはり今後の日本の石炭産業の長期安定的な採掘をやろうとすれば、その跡地がやはりこういうようにきれいにもとどおりになりますよということを示さずして、石炭産業の安定はないと思います。したがって私は、いま北海道とか大牟田とか長崎で掘っておりますが、やはりそこらの生産を順当にするためには、鉱害復旧その他もきちっとやる以外にないと思っております。私たち筑豊では御存じのように百年石炭を掘ったわけですが、その間に五万人の死者を出し、五百万人の負傷者を出しておるわけです。そういう犠牲の上に今日の日本の資本主義がてきたわけで、むしろ私たちとして政府にツケを回してそのツケをもらいたいぐらいですけれども、ツケをもらわずに自主的に今度は主体的に一つやっていこうと、こう考えておるわけです。一方においては炭を掘り、一方においては後始末をやるというのは何かこう矛盾のような感じもしますけれども、それは表裏一体のものとしてとらえる必要があると、こういう考え方がございます。
 それから二番目の非行化の問題のお話がございましたが、同時に鉱害の復旧が公平を欠いておるのではないかと、不公平ではないかというお話です。実は、御存じのように、ずっと三十年代から山がつぶれていきまして、それと相前後して昭和二十八年に臨鉱法ができて鉱害復旧をやっているわけですが、そのときは私たちのところで言えば、ずっと遠賀川の上流から古河鉱業があり、その次に三井があり、明治があり、三菱があると、こういうようにその遠賀川の上流から下流に向かってずっとかつての財閥会社が全部鉱区を持って石炭を掘ったわけです。そのうちに中小の山に下請をさせまして租鉱権を与えてやはり掘ったわけです。そうすると、スクラップ・アンド・ビルドの政策が進行しますと、能率の悪いところから先にやるわけですから、中小の山が先につぶれていきました。そうすると、中小の山の鉱害復旧が始まるわけです。必ずしも、国会答弁その他は体系的な上流から下流に向かってきちっとした鉱害復旧をやると、こういろいろ政府はおっしゃいますけれども、現実の問題としてまだ中ごろの炭鉱は全部稼動している、そうすると端々上流から閉山が起こって鉱害復旧をやります。したがって鉱害復旧が系統的、体系的に行われていないわけです。いま私の方が、三井鉱山が一番最後に第二会社がつぶれまして、いまやっとマスタープランを被害者と加害者の両方に入って市がつくったわけです、学者に依頼をして。そうしますと、上流に古河鉱業がすでに、彦山川の右岸では鉱害復旧が終わっているわけです。下流は三菱鉱業が終わっているわけです。そうしますと、この上げ高というものは、上流と下流のすでに決まっているものを対象にして上げる以外にないわけです。こうなりますと、被害者の側は二メートル上げいと言い、加害者の側は一メートル三十しか上げられない、こういう問題が出てくるわけです。そうしますと、その調和を図るとすれば、結局排水溝を幅を大きくする以外にないわけです。幅を大きくすれば田地をよけいに排水溝に食いつぶして、各人の田の拠出がよけいに要るという、こういうむずかしい問題が起こってきております。御存じのように田を一メートル上げるならば、それより道路は二十センチか三十センチ、家屋はまた二十センチか三十センチ高く上げると、こういうシステムになっております。したがって、家屋の者が納得をしないわけです、もう少し家屋を上げいと。そうしますと、そんなことはできないわけです。田を基礎にして道路、家屋を上げていくわけです。それから、国鉄その他をどう上げるかということになりますと、国鉄がなかなか簡単にこれ上げないわけです。
 私の方は、彦山川は遠賀川の上流をごらんになりますと、堤防をつくっていないわけです。昭和二十八年の災害で全部パラペット、いわゆる瀬戸内海にあるような、こういうコンクリートのびょうぶを立てて堤防にしているわけです。したがって、もとの堤防はそれよりか一メートルも二メートルも下にあるわけです。したがって、そのパラぺットと同じ高さに堤防を上げますと、全部田も家屋も上げなきゃならぬから、また百億か二百億計画よりよけいに金がかかるというこういう問題、こういう問題に対する不平と不満というのは非常に強うございます。そういう鉱害に対する不平と不満というのが、やはり今度は地方自治体なり県なり政府に対する不平不満となって二回あらわれてくるという問題はあります。
 それから、このボタ山のことでございますが、実はかつてボタ山のボタを農地復旧に使ったわけです。そうしましたら田が動き始めるわけです。御存じのように、水選ボタというのは非常にサラサラしておって、そして同時にボタの崩壊をして風化したねばねばした粘土質がまざっておりますので、田に持っていくと水はけが今度よくないという問題がある。したがって、最近はこのボタを農地復旧には使わないことになりました。
 そこで、いま三井鉱山が百二十二ヘクタールこれからやるわけですが、彦山川右岸だけやるわけですが、赤土の山をやっぱり三つか四つか五つぐらい買わないとだめなんです。その堆積をする、農地の復旧で埋め立てていく土がなくて困っているわけです。この土をどこからどういうように導入して鉱害復旧をやるかということは、今後この三井鉱山の大復旧をやる場合の大きな問題でございます。したがって、いまのように初期の間はボタを使っておりましたけれども、その結果がよくないというので、いまボタを使っていないというような現状です。以上です。
#42
○井上計君 終わります。
#43
○理事(前田勲男君) 他に発言もなければ、参考人に対する質疑はこれにて終了いたします。
 一言ごあいさつを申し上げます。
 参考人の方々には御多忙中のところ、長時間御出席をいただき、また、貴重な御意見を拝聴させていただき、ありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
 それでは、午後一時五十五分まで休憩いたします。
   午後零時五十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二分開会
   〔理事前田勲男君委員長席に着く〕
#44
○理事(前田勲男君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#45
○対馬孝且君 産炭地域振興法に関連いたしまして、きょう衆議院段階でも質疑を尽くしておりますし、またけさほど参考人にも来ていただきましてそれなりの意見の開陳もいただきました。私はきょう時間が限られていますから、ひとつだめ押しの意味でむしろ確認をしていくというかっこうでひとつ審議に協力したいと、こう思いますので、答弁もそういう意味でひとつ答弁をしていただきたいと思います。
 まず第一に、産炭地域振興法が十年延長していただいた、特に財政再建の折でもありますが、大蔵省の当初地方財政に絡みまして産炭地域振興法の財源は一時カットされましたけれども、復活をしたということについては、大臣に対してそういう意味では一応の評価をしたいと思います。問題は、けさほど参考人を呼んでいろいろ開陳をいただきましたが、私もお聞きしましたけれども、二十年間この法律があっていまなお産炭地を脱皮できない、こういう幾つかのやっぱり問題点があるんではないかということと、これからこの法律を十年延長するに際しまして、どういう基本的な姿勢で臨まれるのかということにつきまして、まずひとつ冒頭に大臣からの御所見をお伺いしたいと、こう思います。
#46
○国務大臣(田中六助君) 振興法は皆様のおかげで十年間延長になりました。しかし、過去二十年間この振興法を適用してそれぞれの旧産炭地、現産炭地に、十分とは言いませんけれども政府の方針もありまして適用してきたわけでございますけれども、確かに対馬議員御指摘のようになかなかそれがかゆいところに手の届くようなことがなかったような気もします。しかし、膨大な予算、二十年間累積しますとかなりの額になりますし、それが産炭地域に注いだわけでございますが、これという、これが振興できたというような意気も上がっておりませず、また実質的にもそうかもわからない点がございます。これはやはり私ども考えますと、スクラップ・アンド・ビルド、つまりそういう当面のことに追われまして、実質的な、あるいは広域的なそういう横の連絡、縦の連絡がうまくいかなかったと思います。これからはそういう市町村関係、県関係で十分広域的な面からもこれからの十年間というものは対処していかなければならないというふうに考えます。
 ただ、私が大臣とかそういうものを離れまして、私自身の選挙区でございます筑豊地帯で私は旧産炭地の人々に訴えるのでございますが、法律が幾らあっても、皆さんが立ち上がろう、おれがやろうという気持ちがなければ産炭地の振興はできませんと、私は実は率直にそういうふうに、自分の選挙区でありますので私のわがままも許してもらってそういうふうに訴えておるわけでございますけれども、やはり私は、まあ私のように大げさに言わなくてもいいかもわかりませんけれども、そこに住む人たちが、法律というものがあって、ある程度、まあ全部が完備されていなくても、自分たちでやろうという意識あるいは意思力が非常に強くあるかないかということにもかなり左右されたのじゃないか。もう過去二十年間その法律があってもなかなかうまくいかなかった。これからの十年間を考えまするときに、やはりそこの住民、そういう人たちがひとつ法律がなくてもやろうという意思があったら、この十年間の法律がまだ生きるのじゃないかという悔いも残りますので、私は主観的にはそういうことも考えますけれども、やはり政府のやり方も適切じゃなかった面もあろうかというふうにも考えております。
#47
○対馬孝且君 いま大臣から、いままで二十年間のなぜ脱皮できなかったかという問題点、縦横の関係、あるいは地元の産炭地振興に対する一つの創意工夫といいますか、あるいは熱意といいますか、そういうこともあったろうと思うのでありますが、けさほど北海道副知事、それから田川の市長、振興審議会の小委員会の座長をやりました笹生先生などの御意見を聞きましたが、やっぱり一つは、これは私は政府がどうだとかわれわれがどうだとか地元がどうだと言う前に、何といっても基本的には、私もずいぶんこの商工委員会に席を置かしてもらって長いわけでありますけれども、やっぱり石炭政策の基本政策というのは経済合理性というものを柱に石炭政策をやってきた。結果として、油と石炭の価格差という問題が基本になって、この十年間ほとんど昭和三十六年度以来閉山に次ぐ閉山という大型閉山をしてきた。きょうも北海道の副知事が言っておりましたように、もうこの十年間というのは閉山の連続だった。こういうものは本当に、二十年といっても私に言わせれば法律が実際に生かされたのは十年であったん工やないか、後の十年間はもう閉山の連続を告げた、こう言ってもいいんじゃないかと、こう思うわけですよ。同時にまた、いまも大臣が素直に言っておりますから申し上げませんけれども、やっぱり国が実施計画を立て基本計画を立てて、それに対して市町村の年次的な計画が組まれていなかった、こういう反省がきょう田川の市長さんからもありましたが、私はやっぱりそうだと思いますね、そういう意味では。それと同時に、企業誘致ということに重点を置き過ぎた余り社会開発というものがこれに並立していなかった、こういう面がやっぱり指摘をされておりますが、私はこれもやっぱり大きな問題ではないか、こう思っておるわけです。私はそのあらわれとして、これは間違いであれば別でありますけれども、通産省から出した資料を見ましても、ここに出ております資料、私も何年も調べておりますが、一つは財政力指数というのがいまなお実は回復をされていない。それから生活保護法の実態というのも、これまた全国の市に対しまして一二・四というのが四八・三という、六条指定地域ではそうなっている。工業出荷高も百四十四万円全国平均がこれまた九十三万円というふうに落ち込んでいる。こういう面からいきますと、きょうも北海道、九州のそれぞれの参考人からも訴えられましたが、こういう実態があるということは、やっぱり私がいま幾つか申し上げました問題点を素直に受けとめてみる必要があるんじゃないか、こういうふうに考えますが、この点とういうふうに政府側として考えているのか、この点をお伺いしたいと思います。
#48
○政府委員(福川伸次君) ただいま委員が御指摘のとおりに、生活保護率の状態あるいは財政力指教、さらには工業出荷額、これにつきましてはまだ産炭地、とりわけ六条市町村地域において全国の平均に比べてかなり劣位であるということは、私どもも率直に認識しなければならないというふうに思っておるわけでございます。
 ただいま御指摘がございましたように、従来終閉山がかなり最近に至って集中的に起こってきた、各市町村がかなりそれを追いかけてそれを直していくのにむしろ力をそがれておったということでございまして、したがって、いままさにお話がございましたように、そのような基盤整備等々の仕事がようやくこれから緒につきかけたところではなかろうかというふうに思うわけでございます。私どももいま大臣も御答弁申し上げましたように、従来そういった各市町村が終閉山の処理に追われておったということでございましたために、私ども自身としてももう少し地方の市町村あるいは道あるいは関係県の発意あるいはその自主性、これのくみ上げという点につきましても、さらに工夫を要するという点も私どもも反省すべき点として感じておりますし、さらにまた、従来の運用に対しましてそれぞれ画一的に全く同じような工業団地をつくるということではなくて、それを広域的にいろいろな機能、たとえば工業機能、工業の中でも組み立てと部品とかいろいろな組み合わせがございますし、さらに住宅機能、都市機能、教育機能あるいは福祉的な諸施設というようなものを有機的に、組み合わせていくという点が、これからの運用の中で従来の反省の上に立ちまして考えていかなければならないポイントではなかろうかというふうに思っているわけでございます。
 もとより先生御高承のとおりに、この産炭地域振興事業というのはひとり私ども通産省に限るわけではございませんで、関係省庁が十幾つまたがりましてこれの運用に当たっているわけでございます。そういった計画をさらに整合的に、総合的に推進していくということになりますと、私どもの関係官庁との連絡調整ということも非常に重要な問題にもなってまいりますし、さらにまた地方の発意、地方の自主性、これをくみ上げてそれを実行に移していく、ただいま大臣が申し上げましたような点をさらに実践に移していくという点におきましても、運用上さらに改善をしていかなければならない。今回、そういう意味で道、県が中心になりまして地域の発展計画の素案をまず地方につくっていただくということが答申の中に盛られましたのも、いま申し上げましたような反省の上に立っての御提言であろうかというふうに認識をいたしております。
#49
○対馬孝且君 いま石炭部長から素直にそういうふうにお認めになっていますから、大臣も言われたとおりに縦横の関係ということで、やっぱり国がどんな基本方針をつくっても、その地域の実態に合わなければ私は産炭地振興というのは前にいかないと思うんです。
 抽象論を言ってもあれですから、私は後で具体的に申し上げますが、一つ一つため押しの意味でぼくは申し上げたいと思うんでありますが、そういう点からいくと、やっぱり国が基本計画を樹立をする、たとえば市町村がそれに対しまして実施計画としてむしろ仕上げるという形をぼくはやっぱりとるべきではないか、そういうものと並列的にいって寸たとえば石炭と同じように今度第七次政策をやるわけですが、たとえばローリングプラン式に十年間という延長の中で、あるいは年次計画というものを毎年出していって、そこでローリング的に手直しをするものは手直ししていく、こういう立場で総合的な関係の中でやる必要が第一点。
 それから、概して各省庁との関係が余りうまくいってないんじゃないか、ずばり申し上げると。建設省あるいは農林省、自治省という関係が産炭地域振興の財源的な基盤からいって関係が多いわけですけれども、私はそういう意味では、その関係を縦横といま大臣もお認めになったが、これは単に事務レベルだけではなくて、たとえば新エネルギー総合開発機構のようにエネルギー関係閣僚対策会議、こういうのはいま現在あるわけだ、率直に言って、エネルギーは重要であるということで。そのくらいの気構えで関係大臣の閣僚会議ぐらいは一回やる、そういう姿勢でこの産炭地振興やらなければ、これは学識経験者の説では十年で終わりを告げたい、こういう気持ちでやってもらいたいという意欲があるとするならば、私はやっぱりそこまで新エネルギー機構でエネルギーやっているように、関係閣僚会議ぐらい持って産炭地域振興の縦横の関係を総合的に充実をしていく、こういう体制をとっていいんじゃないか、こう思うんですが、大臣いかがなもんですか。
#50
○国務大臣(田中六助君) いずれにいたしましても、対馬議員の御意見も私十分承っておりますし、いままでのようななまぬるいことでずるずるずるっとしておけば十年間というものはあっとたつような気もします。したがって、この十年間は密度の濃いいろんな対策、対馬議員の御指摘の閣僚懇談会でそれを基本計画から実施計画へというような、各省との連絡をうまくやれというようなこと、そういうものも全部加味いたしまして、実態がうまくいくような方策というものを考究していかなければならないという決意でございます。
#51
○対馬孝且君 それじゃ、ひとつそういう方向での具体的な実施方について、政策的にこれからもお伺いしていきたい、こう思います。
 第一の問題は、私は従来先ほども言ったように、結果的には石炭産業のスクラップ、荒廃が今日の産炭地というまさに窮乏の一途をたどってきた、これは先ほど参考人が申されましたとおり、私自身も指摘したとおりでありますが、そこで産炭地域振興対策とは一体何かという第一の課題は、私はこの石炭閉山地域の再開発をすることがやっぱり目的でなければならない、そこらあたりを基本に据えて第一点考える必要があるんじゃないか。私は抽象論申し上げません。具体的にその例を挙げますけれども、たとえば留萌、羽幌炭田を中心にして再開発をすれば十万トンの石炭がある。これはもうほとんど設備投資がなくて、いわゆるもう露頭採掘に近い状態で再開発は可能である、こういう状態があるわけだ。それで、あそこは、留萌、石狩炭田というやつは過疎の過疎です。いまこれは酪農と一部漁業、私の村でもありますけれども、漁業です。ほとんどこれは全部出かせぎ労働者、留萌管内に働く約七千から八千というのはほとんど現在出かせぎ労働者です。こういう状態で、これはいま産炭地域振興法の見直しと言ったって、言葉でそう言ったって、なかなかそうはいかない。そうすると、何かと言えば手っ取り早いところ旧羽幌炭鉱、旧筑別炭鉱の再開発をすれば一定の労働者の雇用を吸収できる。しかも十万トンですから、一年一万トンずつ掘っていったって、十年採掘が可能になるわけだ。そうすると現実の産炭地振興というのは実りある振興ができる、こういうことが一つあります。
 それから、そういう意味で私は空知炭田に今度当てはめると、これだって同じことが言える。たとえば旧歌志内炭鉱から桜沢を掘っていけば、これは一つの開発ができる。それからいま赤平炭鉱が旧赤間炭鉱の隣接鉱区を開発すれば、これまた延命策につながっていく、旧豊田炭鉱の再開発は可能である、こういう問題が出てきます。あるいは夕張炭鉱当てはめますと、私は炭鉱マンだから言うんだけれども、たとえば旧鹿ノ谷沢鉱をあるいは周辺開発をしていくと、これまた現在の新鉱の過程に直結していくことができる。あるいはもう一つ言うならば、旭炭鉱はつぶれたが、現在の幌内炭鉱を発展していけば、旧住友奔別炭鉱の開発と問題になりました旭炭鉱の盤の沢鉱という炭鉱がこれまた開発が可能である。そうしていくと、かつて万字炭鉱はいま閉山になって、旭炭鉱は閉山になって、まさにスラム街です。あそこへ何も来ておりません。来てないが、このところもやれば、再び万字地域、通称粟沢町と言われているこの産炭地六条指定地域がこれが浮上をしてくる。時間がありませんから、例をいま幾つか具体的に私申し上げました。そういうものを具体的に開発をしていく、再開発をする、この姿勢は第七次政策と基本的にかかわり合いがあるんですが、私は抽象論を言いたくない、そういうことを具体的に開発をするということがこの産炭地域振興の見直しの第一の柱であると、この点どうですか、具体的に私答えてもらいたいんだがね。
#52
○政府委員(福川伸次君) 御承知のように、石炭の買い上げ鉱区につきましては、これは当時石炭鉱業の合理化ということのために非能率炭鉱を閉山をして、さらに合理的な炭鉱に仕上げていこうということでございますので、既存の鉱区と一体的に開発する方が合理的である場合に限り例外的に許可をして開発をさせているというのが現状でございます。
 当委員会でも、かつてもこの買い上げ鉱区の再開発の問題につきましていろいろ御意見がございましたが、私ども現在七次策の中で今後の石炭政策のあり方を考えます場合に、かなり石炭の環境が国際的に変わってまいっておるわけでございまして、そういう新しい状況の中で再開発の制度がいまのままでいいのかどうかという点は、実は重要な課題として石炭鉱業審議会に七次策の検討の一環として御検討をお願いをいたしておるわけでございます。私ども自身も、この再開発の可能性というものをどう評価すべきかという点は、現在鋭意調査をいたしているわけでございます。
 いままた既存の炭鉱のさらに開発の仕方につきましていろいろ例を挙げてお話がございましたが、今後この既存炭鉱の維持振興等につきましても、これをどのような形で合理的に開発していったらいいだろうかと。それを現行の制度の中で、たとえば二つある炭鉱をもう少し一体的に開発するというようなことがより合理的であるならば、その辺のことも検討するということも一つの重要な課題であるというふうに思うわけでございます。産炭地振興と石炭鉱業合理化臨時措置法との関係には、御承知のように石山の採掘をいかに合理的にするかという観点で石炭の採掘を考えておりますが、一方産炭地は、終閉山等によりまして石炭鉱業の不況によりまして生じます経済的、社会的疲弊をいかにして解消していくかという問題でございますが、いまのようにまだ生きているような山あるいは開発の可能性のあるような山ということになりますと、これはもちろん石炭鉱業の今後の開発の方向にも絡みますが、同時にまたそれ以外の産業分野の導入あるいは御指摘のあった社会開発等々の面も含めました開発というものを、一体的に行っていくということが必要になるわけであろうと思います。したがいまして、いま御指摘のような地域ということになりますと、この産炭地域振興臨時措置法とそれから石炭鉱業の合理化法というものとの組み合わせた形でその地域の振興が図られなければならないというふうに思うわけでございます。いずれにいたしましても、いま御指摘のような再開発というものが合理的に行われるかどうか、これはいま私どもも鋭意調査をし審議会に御討議をいただいておりますので、もうしばらくその辺につきまして検討の時間をいただきたいと存じます。
#53
○対馬孝且君 ただ、七次政策はこれから七月ころ出されるわけですから、私はそんな意味でも言っているんですよ。これは産炭地域振興法との兼ね合いで、むしろそういう買い上げ鉱区、休眠鉱区と言われる鉱区をこの際開放して、施業案に従って認可をするという、そういう仕組みのものだけではなくて、私の言うのは、現実にそういうことが可能なんだから、可能なところは産炭地、六条指定でしょう、いま。六条指定がいま問題になっているんだから。十条指定、六条、二条指定が問題なんだよ。一番中でも六条指定が問題なんだ、これは。たとえば、さっき言った、北海道的に物を言うと、留萌、空知、天北、釧路と、こう四ブロックに分かれるわけだ。その四ブロックの中で、それじゃ現在の既存炭鉱以外のところで産炭地域振興として目玉になるものはあるかと言ったら、そう簡単にないです、これは、はっきり申し上げて。現に、先ほど参考人言っているでしょう、お認めになっているでしょう。そうなれば答えは何かというと、やっぱり私が言ったような、羽幌炭鉱の例を挙げました、こういうことを挙げればたくさんあるが、私も全部知っているから申し上げるんだけれども、そういうことについては、もちろん七次政策とは関連あるけれども、七次政策の中でこれは生かしていく、同時に産炭地域振興になっていく、この両面の基本的な政策というものをとるのかとらないのか。とるならとると。これ検討するとかなんとか、抽象論じゃなくて、とるならとるということをはっきりしてもらえばいいんであって、そのことをお聞きしているわけですよ。どうですか。
#54
○政府委員(福川伸次君) いま申し上げましたように、確かにいまの天北、留萌、この地域につきましては、先生御指摘のようにかなり過疎的な地域でございますから、たとえば酪農あるいは食品加工、あるいは沿岸、沖合い、あるいは木材、観光開発等々、これはまたいろいろそれぞれの地方で御検討願って、その発展のためのいろいろな努力はしていかなければならないというふうに思っておるわけでございます。また同時に、いま御指摘のようなそういう再開発ということの可能性、これをいま検討いたしておりますが、現在の制度におきましてはいまさっき、最初に申し上げましたような制限がございますので、いまそれを合理的に開発できるかどうかという点に関しまして、従来やってまいりました諸制度、この新しいエネルギー情勢が変わりました中で、これをどう位置づけるべきかということを現在検討をいたしておるわけでございます。
#55
○対馬孝且君 これは五十一年の三月に私はこの問題を提起しまして、もうほとんど調査は完了していなきゃならぬ、当時三年目標で調査を完了いたしますということになっておるんだ。ところが、これ当時、増田エネルギー長官時代だったが、いまなおしかし、これ三年どころじゃないんだ、もうまる五年になっている。私が言いたいのは、そういうことについて産炭地域振興とおっしゃるならば、あの既存の炭鉱言っているんじゃないの、私の言っておるのは。六条指定地域と十条指定地域の中で可能ではないかと。そこへいま企業誘致だとか何とかとうまいこと言ったって、これ米やしないんだ。そうすると、それが手っ取り早く労働者は生かされる、地下資源は生かされる、北海道の地域全体の社会が発展していく、こういう一石三鳥の考え方に立つのが産炭地域振興ではないかと。これを私が言っているのであって、この点ひとつ大臣、私の言っておること、これ間違いなら別ですが、これからの七次政策とあわせてそういう方向にひとつ結論を出してもらいたいと、こう言っているわけですよ。どんなものですか。
#56
○国務大臣(田中六助君) 私ども過去スクラップ・アンド・ビルドという冬日のもとに炭鉱をずいぶん整理してきました。むしろ私に言わせればスクラップ・アンド・ビルドじゃなくてスクラップ・アンド・スクラップで、その重なりがずっと来たと思います。したがって、そういう点の不備が現状の法律と合わない点が多々ありまして、旧鉱に対する再開発についても法律上不可能な点もできております。したがって、私はできますならば、第七次答申の中に新鉱も含めまして旧鉱に対する再開発、そういうものについての再検討についての答申が得られればと、あるいはまた私どもの事務当局がそういうような動きを多少でもして、そういうような新しい開発についての促進ができるような答申を得られるというようなことを私は期待しております。
#57
○対馬孝且君 いま大臣の言うことで結構です。そういうことでひとつ大臣の所信のように、いま私が申し上げた閉山再開発、振興開発を含めてひとつ開発の方向に、産炭地域振興と七次政策をあわせてそういう方向にひとつ結論を出してもらいたいと特に申し上げておきたいと思います。
 そこで、私は具体的に次の問題をそれじゃお伺いします。
 問題は、先ほども聞いたけれども、この間も私は現実に行ってきました。奈井江あるいは美唄、夕張にも行ってきましたけれども、何回となく現地へ入っていますが、奈井江工業団地なんというのはいまこれまさにぺんぺん草生えていますよ、大臣、これはっきり申し上げて。それで、先ほどもちょっと午前中も私申し上げたのだが、北海道の工業団地の譲渡率というのを見ますと五七、八%前後ですよ。九州の場合は八六、七%いっていますね。山梨県は七〇%、全体の平均で言うと七五%と、こうなっているのだが、北海道はもっと厳しいところを言うと、奈井江なんか行くとこれはゼロに近いようなものだ。こういう問題を含めた場合に、私はやっぱり本当にこの産炭地域振興ということをこれから目指していくという意味で、目玉になってきた問題としては、先ほど出ました教育、文化、福祉という問題で、つまり経済生活圏というのを、先ほど笹生先生からも御意見を聞きました。これはそのとおり並列して私は結構だと思うんでありますが、問題は、これはどういうふうに描かれていくのかということをやっぱり見なきゃいかぬのじゃないか。たとえば、いまこれ大臣の方にも行っておると思うんでありますが、芦別では中小企業大学校を誘致してくれと、こういう要望が大臣の方にも恐らく行っていると私は思うんです。
 そこで私がお伺いしたいことは、経済生活圏というものは基本計画はもちろんこれから国でお立てになると思います。たとえば、この芦別あるいは赤平、歌志内市、産炭地空知全体として、一つのブロックとして例を言えばそういうものは立案されると思います、これからの検討課題だと思うんですが。その場合に、たとえば教育、文化、福祉という観点で、たとえば例として芦別に中小企業大学校を誘致する、仮定したっていいですね。しかし、問題は、私が言いたいのは、これからの新たに経済生活圏というものは、一体どういうことを描かれるんだと。これはどうも市町村の連中はわからぬというわけですよ。経済生活圏というのはどういう未来像なんだ、そこがどうも幻であると市町村の首長さんでさえそう言うんだから、これからもちろん計画するんですからどういうものができてくるかわからないんだが、いろいろ衆議院のやりとりも私もこれ読ましてもらったが、そういう抽象的なやりとりしてもしようがないんで、私の言いたいことは、たとえば具体的に私申し上げますよ。いま言った芦別、赤平、歌志内という空知炭田の中に経済生活圏として、もし歌志内なら歌志内が炭量が一応終了して、これをひとついわゆる六条から十条指定地域になる、あるいは六条地域になるんでしょう。そういう場合であっても、たとえばこのブロックの中に教育、文化、福祉というならば、たとえば冒頭私がしゃべったように、芦別に中小企業大学校というものを誘致して、そこで中小企業の一つの町づくりをする。あるいは美唄の例を先ほど雑談でちょっと申し上げておったが、たとえば美唄にいま練炭工場をつくってボタ山――九州ではボタ山、北海道はズリ山と、同じことを言っておるんだが、用語が違いますから言っておきますけれども、そのボタ山を、ズリ山を現在いま拾炭を集積して、これを洗い直して、そしてプレッシャーにかけていま粉末にしておるわけだ。私四日の日行ってきたんですが、私もアドバイスして協力したんだけれども、これは二つ重なって練炭工場がいまできている。これはカロリーが五千ぐらいのものが、ちょっと薬品名を言うわけにはいきませんが、薬品をちょっと入れますと六千カロリーにもなる。十時間もつんです。二百五十円で十時間で、この効率を何に使うかといったら、農業栽培、農業ハウス栽培に、いま重油とか軽油使っているけど非常に高いものになっている。野菜もそれによって高い。安い野菜を食わせるためにどうしたらいいか。あるいは新エネルギー機構の中で省エネにつながる道は一体何がある。こういって研究開発したのが、私言ったように練炭でしょう、わかりやすく言うならば。ただの練炭じゃありませんけれどもね。これが二百五十円でもって十時間も燃焼できる。こういうものを、旧美唄には炭鉱七つあったんだ、私の山だけれども、全部これつぶれちゃった。こういう跡地にそういうものが産炭地域振興として発展すれば、拡大できるわけです。これ一石二鳥なんですよ。野菜は安くなる、農業者は利益が出てくる、それから同時にいま捨てられた工場は開発できる。そして粉炭として一たん投げた粉炭をもう一回洗い直して、そして化学的に一つの固体のものにしている。こんないいことないんだ、私に言わせれば。幸い新エネルギー機構の中で前の高瀬石炭部長にもアドバイス願ってそこまで行ったわけですが、たとえばむしろ産炭地域振興というならば、そういうものを優先すべきじゃないか、私はそう思うんです。私の考え方間違っておるか間違っておらぬか知りません。私はそういうものがむしろ雇用の拡大につながり、冷え切った町を発展をさせ、やがて新エネ機構にも、当然これは省エネにもつながってくる。こういう産炭地域振興とはそういうものがまず第一点あっていいんじゃないか。
 二つ目は、先ほど言った芦別なら芦別を例にとったが、中小企業大学校をもし誘致できるものなら誘致して、そこにやはりこれからの中小企業都市としての、家具だとか、あそこは木材の町ですから、木材も生かしてやっぱり家具工業なりそういうものをどんどんつくっていく。これも一つのあれでしょう。そういうものを一つ描いていくということで理解していいのかどうか。そういうものが経済生活圏と言うんだと、こういうことなのか。私は衆議院のやりとりを読ましていただいた限り、どうもそこらあたりがぱっと、私にむしろ聞いてくれというのがこの間の市町村長の陳情なんです。そういうものはそういうものなんだということをきちっとしてもらえばいいんですよ。答弁の中でも、これは一応わからぬわけじゃないが、どうもぴんと、胸にすとんと落ちないという印象を受けるものですから、私抽象論でしゃべってもしようがないから、いま具体的に、衆議院ではそういうことは出てないけれども、具体例を挙げて、いまここで私はそういうものはそういうものだと。そういうものを描いて、これからひとつ経済生活圏というものを展望していくんだと言うならそれで結構なんです。そういうものでないならないということを説明してもらえばいい。いかがですか。
#58
○政府委員(福川伸次君) いま先生の御指摘のような考え方というのは、私どももそれも一つの十分検討に値する案ではなかろうかというふうに思っております。
 いま現実の例を引いてお話しになられましたわけでありますが、もちろん、これは北海道が関係市町村の意見を聞いてつくるわけでございますので、私どもの方から、いまここで具体的にこういうのがいいんだということを断定的に申し上げるわけにはまいりませんけれども、たとえば中空知地区なら中空知地区に例をとってみますと、これは確かに滝川市が圏域の一つの主要な交通の中心地でございますし、都市機能を一層充実さしていくと。そういうことも一つの方法であろうと思います。さらにまた、歌志内とか奈井江とがそれぞれ工業団地を生かして連携的な機能分担ということも可能でございますし、いままた先生がおっしゃいましたように、農業関係との連携というものもこれは十分考えられることであるわけでございます。現に、いま石炭を利用いたしましたハウス栽培というのは、ほかの地域でも若干そういう先進的な事例があり、一部の地方公共団体におきましては、それを意欲的に進めようというような計画もあるわけでございます。このような地域の中には、お話しのように石炭鉱山が稼働いたしておるわけでございますので、いまお話しのようなことで――いまお話しのようなことだけでいいかどうかはいろいろ御議論があると思います。それはもちろん、いま工業団地の中で石炭だけに依存しないで、もう少しほかの経済的な活動を含めたものもやっていこう、現に夕張その他いろいろな市町村でも努力をしていただいておりますが、そういうことも含めてそれぞれの地域の特色を生かしてやっていくということが、一つのこれからの方向であるわけでございまして、そういったいまお話しのような事例、これをさらによく掘り下げていくと、その地域の特色を持ったものを生かしていくと、これが一つのこの地域の発展計画、あるいは広域的な経済生活圏ということで考えていくものであると私どもも考えているわけでございます。
 そういうことで、もちろんいまお話しのように、中小企業大学校の例をお引きになりましたが、あるいはまた、私もちょっとその事例につきましては、現在ここで御答弁申し上げる立場にはございませんけれども、そういったいろいろな文化的な諸施設をそれぞれの圏域の中で誘致をしていくと、それぞれの特色も生かしていくと、これも一つの方法でございます。いま先生の御指摘のようなことがすべてだとは思いませんけれども、一つの有力な方法であるというふうに考えております。
#59
○対馬孝且君 わかりました。そういうことでしたから、いま私が言っているのは、そういうものが経済生活圏という今度の一つの目玉になるかどうか知りませんが、そういうものだということを先ほど笹生先生が言うものですからね。それは具体的なことを言ってないよ。経済生活圏とは何ぞやと、私いま小委員会の座長に聞いたんだが、つまり抽象的な答弁だったが、福祉あるいは文化、教育、産炭地振興の地元の炭鉱につながる関係というものをセットにして描いていきたいという抽象論ではあったが、私に言わせれば、具体的にそういうものではないのかと、一つ描いてみると。そういうことについてはそういう生活圏に値するものであると、いまのあなたのお答えたから、それはそれでいいんだ。
 もう一つ言うと、たとえば火力発電所の問題だってぼくは同じことが言えると思うんですよ。コールセンターというのは、実際北海道では、いま苫小牧でも、これらも私は長官にもこの前の当委員会で実は質問していますけれども、一応コールセンター問題で一時間ばかりやりましたが、コールセンターだって、何も臨海地帯だけがコールセンターの基地ではない、私はそう思うんです。それから内陸地帯にどうしたらコールセンターというものを、あるいは石炭ガス化研究所がいま夕張にあって、おかけさんで千トン体制に入るわけですが、いずれにしましても、私が言ったような火力発電所だって、これは北海道の知内の場合言うと、相変わらず重油だと、こう言うのだ。これを石炭にかえれば、知内における火力発電所を石炭専焼にかえていけば、石炭の需要は拡大し、今日の段階では、電気料金はコストが安くなるという問題もあるわけですよ。
 だから、私が言いたいのは、そういう臨海地帯だけの問題ではなくて、内陸地帯でもある程度石炭火力発電所というものを、あるいはコールセンターというものを活用していいんではないか、これも産炭地域振興のやっぱり一環なら一環になるではないかと。たとえば砂川にいまある火力発電所を三十五万キロワットふやしていくとか、これだって一つの方法だと思うし、あるいは留萌に例をとりますと、留萌なら留萌に火力発電所を一ヵ所起こす。そうなれば留萌の通称いわゆる六条指定地域は全部これ救われるわけだ。そういうことも言えることだし、その面も一つの産炭地域振興の一策としてこれは考えていくべきものではないか。この点どうですか。
#60
○政府委員(福川伸次君) 石炭の今後の生産のあり方を考えてまいります場合に、いわゆる地元消費というのが、これが海外から輸入をいたします石炭の場合に比べまして競争力を持ち得るという状況になってきた点は、私どももその状況の変化というものはそのようなかっこうになってきているというふうに思っておるわけでございます。
 したがいまして、たとえば地元、山元発電所というようなことを例にとりますれば、あるいは海岸で大型の発電所を立地するという場合、これがもちろん大型船で海外から持ってまいりますれば、これはかなり経済性が高いわけでございますが、山元火力発電所というところまで、海外から持ってくるよりは国内の石炭の方が経済性が高いという点は私どももそのとおりだと思っておるわけでございます。
 したがいまして、もちろん火力発電所に限りません、先ほど若干示唆的にお話のありました幾つかのいろいろな新しい需要というようなものも含めまして、そういったいわゆる地元、山元に近いところでの石炭需要の開拓というのは、私どもも一つのこれから検討すべき大きな状況であると思います。
 それで、いまお話しのこれをコールセンターと称するかどうかはこれはいろいろ御議論があると思います。もちろん海外からいま一番、私どもが一般的にコールセンターと称しておりますのは、御承知のとおりに海外から大型船で持ってきて、そしてそこで内陸輸送への積みかえ等をする、あるいは貯炭場を持つというようなことで大規模のスケールメリットを確保しようということで考えておりますので、そういう形でのセンターということとは機能は異にはいたすとは思いますけれども、その石炭を内陸である程度活用していくということも、これまた私どもも石炭の需要開拓という意味で重要なポイントだと思っております。それがもちろん地元の経済社会の発展につながるという可能性を持つというものであるという点は、私どももそのとおりだと思っておるわけでございまして、現在これが発電所に限らず、何らかの需要開拓の方法としてそのような道がないものかという点は私どもも一つの重要な課題だ、また今後の国内の生産を考える場合の一つの問題点というか、ポイントというふうになる視点ではなかろうかというふうに思っております。
#61
○対馬孝且君 そういうふうな考え方でひとつぜひ産炭地域振興の一策として、積極的に取り組んでもらいたいと私は思います。
 そこで、それにしては、大臣も努力を願って初めて特定事業促進調整額というのが十一億円ついたということは、これはこの法案の一つの目玉になっているわけでありますが、そこで十一億円という金の使い道が一体産炭地振興にどれだけ役立つのか。どれだけの産炭地振興に政策的に手だてになるのか。つけないよりはつけた方がいいという、単年度ですから十年後にどういうふうに推移していくのかというのはまだ未知数でありますが、私はこの十一億という金がどういうふうにこれから目的意識に向かって使われていくのか。こういう点になると、つけたことについての努力は多とするんだけれども、実際にそれじゃ先ほども私は具体的に挙げたように、芦別は芦別市でたとえば中小企業大学校をつくる、誘致をする。これからの運動なり、これが実態だと思うんですが、仮に産炭地六条指定地域、十条指定地域にそういうものがつくられると仮定した場合ですよ、たとえば建設なら建設の関係、農業なら農業の関係でそういうものができたとするならば、この十一億の金で一体どれだけ生かしてどれだけの産炭地振興に効果があるのかなということが、どうも私びんとこないんですよ。たとえば、国がまるきり十一億単独事業のようにやるわけじゃないでしょう。なぜそれを言うかといったら、これ通産省の努力も得たけれども、夕張の歴史村というのも五十億かかっているわけだ。そうでしょう、単独事業で。そうすると、十一億という金はこれは夕張の歴史村で五十億かかっているのに、十一億ぐらいこれは焼け石に水の金になってしまうんじゃないかなという感じを私持っているわけですよ。だからそうじゃなくて、この十一億というものが一つの誘い水になって、それが十年間には倍々ゲームになって相当な財源になっていくんだと、財政再建の折でもあるから、そう簡単にいかない中で十一億つけたというのは、それなりに努力したと思うんだが、私の言いたいのは、単年度が十一億でスタートするなら、十年後は一体どういうふうになっていくんだ。これはまるっきり市町村の持ち出しがないということにはならないでしょう。問題は、市町村が持ち出していくということになった場合に、これは夕張の市長がこの間も、ここでも先ほど田川の市長が言っているように、もはや三割自治なんというものじゃなくて、一割五分ところか〇・三自治までの町村がある、こういう極端な話も出ていますよ。そうすると、市町村が持ち出してまでこの事業をやるという実態になるんだろうかという問題点が一つ、私なりにまだ整理してないんだが、お聞きしたいことは、そういうものになっていくとするならば、この十一億という金はつけてはみたけれども、実際生きた金になるのかなという問題が一つありますよ。そこらあたりがどうも十一億という金が私にすると全く、これ第一段階づけたということは意義あったにしても、これが本当に生かされる金になっていくだろうか。それにしてはずいぶん少ないものだな。これけた一つ間違ったんじゃないか。十一億というのが百十一億というならまだわかるけれども、ただ十一億というのはちょっとけた外れじゃないかなという感じもしたりしまして、そこらあたりが具体的に特定事業促進調整額というのはどういう形で生かされていくのか、どういうふうに実効率を上げようとしているのか、どういうものがここにまたでき上がってくるのかという、この点ひとつ具体的にお示し願いたいと思う。
#62
○政府委員(福川伸次君) 先ほど来御論議がございますように、今後の産炭地域振興対策として経済生活圏の広域的な発展を図っていくということが、今回新しい、法律の形式は単純延長でございますが、今後の運用の点において非常に新しさを求めている点でございまして、この調整額制度はそういった広域的な発展に資する事業で、従来の施策体系では必ずしも十分な推進が図りがたい特定の事業を推進するために、特に財政事情の厳しい市町村に対しまして財政援助を行う。いま呼び水という表現が先生からございましたが、その呼び水的な形にしていこう、こういうことでございます。
 どういうところを対象にするかということでございますが、私どもは非常に財政力の弱い六条市町村を対象にいたしたいというふうに思っておりますが、その六条市町村が道あるいは県の作成いたしました圏域ごとの発展計画に基づきまして、その広域的な共同施設の建設あるいは地域特性に応じた市町村の機能分担を高めるための基盤整備あるいは教育とか文化、福祉等のレベルアップを図るための施設整備等の事業を行う場合に、これらの事業というのは国庫補助事業になっておりますが、そういった国庫補助事業として採択されているもので、それでなおそれにつきまして特に加速しなければならないというようなものを、対象にいたしたいというふうに思っているわけでございます。
 もう少し具体的に申しますと、たとえば広域的な共同施設の例といたしましては、たとえば広域水道でありますとか水資源の開発とかあるいは広域的な医療施設とかといったことを考えてはどうかというふうにも思っておりますし、さらに市町村の機能分担を高めるための基盤整備の事業といたしましては、たとえば土地改良事業でありますとかあるいは漁業の振興の施設でありますとか、林業振興施設等々を対象に考えたらと思っております。それからまた教育、文化、福祉等のレベルアップを図るための施設といたしまして、たとえば公民館あるいは児童館、青少年の家、老人福祉施設、こういったようなもの、これらは御承知のように大方が国の補助事業の対象になっておるわけでございまして、これをさらにそういった広域的な特性、地域特性に応じまして広域的な機能分担を高めていきます場合に、それぞれの特性を生かした広域市町村が相互に連携をし合ってやってまいりますときに、こちらの市町村はこの事業、こちらの市町村はこういった事業を充実していこうではないか、このようなことを道府県の発展計画に乗ってまいりました場合に、そういった補助事業の呼び水としてさらにこれを上乗せをしていく。上乗せされました分だけ、もちろんしたがいまして市町村の負担がそれだけ軽減されるわけでございまして、したがってそういう機能分担を高めていく、そういうわけで呼び水にいたしたいというふうに思っているわけでございます。
 十一億を積算をいたしますときには、私どももこれは答申は十一月にちょうだいをいたしたわけでございますが、昨年八月に大体答申のラインも踏まえまして、予算要求の時期がございましたので、このような十一億の積算をいたしましたが、このときには大体その関係の道県の御意向あるいは計画等を伺いまして、そういった上乗せ、呼び水ということで言えば一応十一億ということの積算を出しまして、大蔵省との折衝の過程におきまして一応要求額を予算として計上したと、こういう経緯になっておるわけでございます。これはもちろん要求段階の状況でございますから、今後これを実際に運用いたしてまいります場合には、さらにまた各道県の地域の発展計画を見、さらにまたそれを集約いたしました基本計画あるいは実施計画、これをつくった上でさらにこれをその実施プランとしての道の発展計画、これをにらみ合わせながら運用をしてまいるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、もちろんいろいろ予算的には多々ますます非ずという側面がございますが、私どもといたしましては、いま申し上げましたような要求資料をつくります過程を経まして、一応十一億という積算をいたしたわけであります。なお、今後のこの運用を見ながら私どももさらに今後の予算のあり方につきましては検討をしてまいりたいというふうに思っております。
#63
○対馬孝且君 そうすると、この十一億円というのは呼び水的な役割りを果たして、広域生活圏あるいは経済生活圏というものに、たとえば建設省なら建設省の予算、農水省なら農水省の予算、自治体なら自治体の予算というものに何がしかこの十一億の中から出していって、それが積み重なっていって一つのものがこの広域圏の中にでき上がっていく、つくっていくと、こういうふうに理解していいわけですか。そうするとそれが、十一億が妥当かどうかは別にして、これ単年度としては十一億でスタートしたが、これから実施計画が伴ってきて、たとえば市町村の自治体計画というものが深まってきていけば、だんだんそれに並列して予算要求ももちろん拡大していくと、こういうふうに理解していいですか。どうですか。
#64
○政府委員(福川伸次君) いまお話しのように、道県がいろいろな計画を、あるいはたとえば一つの広域生活圏の中で、たとえば社会福祉的な事業をあるAならAの市町村でやる、あるいはBならBの市町村ではむしろ農業の加工施設をやるというような形で、いろんな事業がきっと参ると思います。さらにまた、ある程度食品加工をしようということでございますれば、あるいは水道事業とかいうようなものも共同でしようじゃないかとか、いろいろな計画がきっと出てまいると思います。いま申し上げましたように、それはまた国の補助事業で行われておるわけでありますが、いままさに先生のお話のようにそれぞれの特色を生かした形で上乗せをして、AならAの市町村にはある一つのたとえば農業機能なら農業機能、BならBの市町村には福祉的な機能、それぞれにその調整額を上乗せをしていくということで機能分担を果たしていこうと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#65
○対馬孝且君 もう一つ、それじゃ具体的な例を出しますからね。こういうものにこういう金は使われるんだということをお答え願えるなら答えてもらいたいんですがね。たとえば鉱業学校、いま先ほど私は参考に申し上げたが、お三方が言っていることは異口同音に、これから炭鉱の石炭見直しのやっぱり史上最大の課題はいかに若年労働者を、労働力確保するかということにかかっている。これは現在四十二・八歳です、全国平均で見ると。夕張はもはや四十七・八歳なんです。こうなってくると、労働力確保ということが二千万トン以上体制には不可欠の条件である。その場合、鉱業大学、さっきも出たでしょう。かつてあった鉱山学校なら鉱山学校というものをつくる、広域圏に。たとえば空知炭田なら空知炭田の中に、芦別、美唄、歌志内全部そろって、あるいは夕張もそろって、鉱業学校を一つつくる。いわゆる石炭の技術員養成教育のために鉱業学校をつくる。こうした場合に、この金がそれじゃ、どこへつくるかは別にして、そういうブロック圏でもって鉱業学校、石炭見直しのために労働力確保の一環として炭鉱技術員養成育成のために、また労働力確保の一環として鉱業学校を育成いたしますと、これ、それじゃ発議しましょうと、こういった場合にどうなりますか。その金は当然出してぼくはしかるべきじゃないかと思うんだが、そのときはこういうものに使われないということになったら、これ何のために十一億円つけたかということになるでしょう。私具体的に聞きたいと思うんですよ。いま言ったケースの場合については、当然こういう金は生かされてしかるべきじゃないか、こう思うんですが、いかがですか、これ。
#66
○政府委員(福川伸次君) いま御指摘のようなケースは、たとえば市町村が公立の学校をいたします場合には、市町村で産炭地域振興法で十一条でかさ上げ事業がございます。いま御指摘のように高校をつくる、鉱業高校を――どういう形態でつくるか私どもちょっと具体的なケースはわかりませんが、私どももいま具体的にそういう計画が、予算要求の段階には私どもの方も出てきておりませんでしたので、私どもとしては現在積算の中に入れておりませんけれども、どのような形態に相なりますか、私どももちょっと今後どういう計画が出てまいりますが、その辺はもう少し詳細に、もしそういう形態があるということでございますれば、いまのところは入るようにはなっておりませんけれども、ケースに応じまして検討さしていただきます。
#67
○対馬孝且君 石炭部長は昔のことわからぬからそういう答弁になると思うんだけれども、昔は谷山ごとにこれは鉱山学校というのがあったんです。そこで石炭技術員養成、保安教育をやって、それで三年なら三年たったら、これは一つの石炭のエンジニアとして採用しておったんです。そういう考え方で、一応全体の問題だということに御了解を願いたいということで、率直に御意見があるわけでありますが、そういう問題について、いまの十一億円という問題で一体どういうことなんだということでございますので、これから十一月になるということも聞いていますけれども、この点むしろ大臣の方に私ちょっとお伺いしたいのだが、そのくらい熱意を持ってやっているということを私は率直に申し上げたい。かつてはこれ鉱業学校で全部やっておったんです。ところが、もうこの事態は避けて通るということになって、全部学校はぶっつぶしてしまった。ところが若手がやっぱりこの学校に全部何とかひとつ採用してくれということになるものだから、そういうことについてはひとつやろうじゃないかということで、この学校をさて芦別に置くか、赤平に置くか、歌志内に置くか、夕張に置くかは別にして、そういう学校をつくろうではないかというのがいま産炭地域振興の、私を含めて全体の要望でございます、政界に対しては。そういう意味で、この点私はいま言った十一億円という金がどういうふうに生かされるのか、私は抽象論でなくて、こういうことを国会では質問、衆議院でも出ておりませんから、私はそういう面でお伺いしたいのでありますが、こういうケースは一体どのように扱われていくのか、こういうことを私は大臣にちょっと、そういうケースとしてどういうふうに参考になるのかならないのか、そういう性格のものなんだと、この金というのは。ちょっとそこらあたり詰めてみたいと思うんですが、いかがなものですか、大臣。
#68
○国務大臣(田中六助君) 筑豊地帯にも実は鉱山学校は長い間あったわけでございますけれども、いまつぶれておりますけれども、そういうアイデアをお持ちであるということ、非常に私はいいことではないかというふうに思っております。したがって、これに対する何らかの、政府並びに地方公共団体も含めまして、協力をできるならばしなければならないと思いますし、といって直ちにこの十一億円を、そういうものができるから直ちに回そうということを、私がここですぐ即答できないことは非常に残念でございますけれども、私といたしましては、大臣として、そういうものが具体化するならば、まあその金の使用は別といたしましても、何らかの助成措置は講じなければならないというふうに考えます。
#69
○対馬孝且君 大臣、非常に前向きで答弁されましたから、私はこういうものをやっぱり十一億円せっかくつけたとするならば、そういうものは産炭地域振興の目的だと思うんですね、私はこれは。これ何も芦別なら芦別、赤平なら赤平一ヵ所に統一してくれと私は言っているんじゃないですよ。空知炭田の中心のどこにつくるかは別にして、石炭技術員養成、若年労働者の養成としてつくり上げていく、そういうところにこの特定事業十一億という金が、ことしは十一億でスタートしているんだが、来年度は二十二億になるとか三十億になるとかということになると思うんだが、そういうことは別にして、そういう問題なんだということをひとつ、いま大臣の答弁ございましたから、私はそういう面でひとつこれを生かしていくということでないと、何か抽象的な答弁ばかりこれ質問してもあれですから、具体的にいま申し上げたんですが、そういうものも生かされるということがあって、初めてこの特定事業財源というのは、私はなるほどこれは石炭振興のために大きなやっぱり役割りを果たしているんだということに私はつながってくると思うんですな。こういう点は、そういう意味で私は申し上げたんですが、いかがなものですか、これ。
#70
○政府委員(福川伸次君) いま先生の御指摘の学校、私どもも今後労働力の確保等のためにあるいはそういう若い技術者、技能者の養成ということが非常に重要であるという点は、よく私ども理解をいたしておるつもりでございます。いま御指摘のような学校が果たして公立のような形でできるのか、あるいは私立の合同というかっこうでできるのか。いまここで考えております特定事業調整額と申しますのは一応公共事業につきまして、そういう基盤整備を広域的に、有機的にやっていこうということのために考えているわけでございますので、いまの学校の形態に応じましていろいろな助成のとる手段というのが、いろいろ違ってまいると思うわけでございます。
 いずれにいたしましても、この特定調整額というのは、いま申し上げましたような地域ごとでの有機的な連携、これを効果あらしめるように誘導しようということでございますので、精神におきましては、いま先生の御指摘のようなことで運用をいたしたいと思いますし、いま御指摘のような鉱業学校というのがどういう形態によりますか、その辺はいま大臣が御答弁申し上げましたように、その形態等に応じましてしかるべき助成措置は検討するということで私どもは考えてまいりたいというふうに思います。
#71
○対馬孝且君 ひとつ大臣が答弁願った方向で、実務段階で大いにこれを検討して、やっぱり生きた特定事業というものを生かされるということでなければ私はならないんじゃないか、それが産炭地域振興にプラスになり、暗い町が明るい町に変わっていく、同時に、石炭産業の本来の石炭見直しの政策につながっていく、こういうふうにやっぱり問題点を整理していってもらいたい、これは大臣も言っておりますから、そういう方向でぜひひとつ検討してもらいたい、大臣いいですか。
#72
○国務大臣(田中六助君) その方向で十分検討してまいりたいと思います。
#73
○対馬孝且君 大臣からそういうお答えをいただきましたから、それじゃ次に炭鉱跡地の整備につきましてちょっと午前中も笹生先生の御意見を聞きましたが、実際小委員会では議論したけれども、まだデータがそろってなかった、こういうんですね。一番大事なことなんだけれども、私が言いたいのは、北海道には鉱害がないというような認識の問題で、先ほどから寺田副知事の御意見も聞きましたが、全く北海道の段階では残ったズリ山の火災が発生をしている、豊里、猿払でも知事が答弁になったように陥没状況ができ上がっている、道路が決壊をしてきている、あるいは家屋まで決壊をしているような現状にもつながっていく、自然発火がどんどん起きてきている、こういう問題が具体的に猿払、留萌あるいは豊里、夕張、こういう地点で陥没、火災発生というのが出てきています。
 そこで問題は、その前に跡地利用ということとあわせて考えたいことは、炭鉱長屋が夕張市長も訴えておりますように、夕張市だけでも千九百八十戸ばかりがいまだに壊されない。確かにこれは鉱業財団の厚生年金融資の担保物件には一応なっている、こう言っているんだが、この解決をやっぱりすることが、炭鉱跡地の利用ということは、九州の筑豊炭田――これは大臣の地元ですから、大臣もおわかりのとおりでありますけれども、この跡地をどう利用開発していくかというのは、これからの産炭地域振興の大きなかなめでなければならないと私思うわけです。これは笹生先生も認めておるんですが、遺憾ながらデータが実はいまだにそろっていない、東西ともに。そろっていない、こういう現状であるので、遺憾ながら結論出し得なかった、こういうふうに先ほどの私の質問に答えておるんでございますが、この点をどういうふうにこれからやろうとしていくのか。
 また、私はぜひ残存炭鉱における鉱害問題の跡地の調査、データというものをこの際やっぱり徹底的に調査を完了する、こういう姿勢に立っていただいて、しかも炭鉱跡地については、いまもせっかくできた奈井江工業団地についても、これは町長の中からも意見出てきてますが、工業団地、工業団地と言ってもなかなか来ない。この際、思い切って住宅団地に一部がえてもらえぬか、こういう意見も出てきているんです。
 たとえば滝川火力に三十五万キロワットふやして、その従業員の雇用対策の一環として奈井江工芸団地の一部を住宅団地に切りかえる。ここから通ったって、あそこまで三十分か三十五分で行くんだから、そういうこともあわせて考えてもらいたいと、こういう意見も出てきているんですがね。
 こういう問題を含めて、一つは鉱害問題に対する実態調査、それから炭鉱の跡地利用について地域整備公団全体としてこれを吸い上げる、あるいは処理をするならする、何らかのやっぱり結論を出していかないとならないが、先ほど聞きましたらまだデータが全然そろってない、こういうことでありますから、まずデータを完全調査をしてもらいたい。その上に立って、長年われわれがしゃべってきたことでありますが、国全体の施策の中でこれをやっぱり解決していくべきものであると思うが、こういうことについてどういうふうに考えますかな。
#74
○政府委員(福川伸次君) 第一点のお尋ねは、北海道におきます鉱害がどうであるかということで、たとえば元北夕炭鉱の例とか二、三の例をお引きになられましていろいろ御指摘がございました。私どもも昭和四十七年に鉱害量調査をいたしましたが、この当時におきましては北海道も調査対象とはいたしましたけれども、当時、臨鉱法の対象となるような鉱害がありませんでしたために、北海道地区の鉱害が掲上されてこなかった経緯がございます。
 いま御指摘の若干幾つかの例がございまして、私どももその都度、地元通産局あるいは関係市町村と相談をいたしておるわけでございますが、若干、ケースにつきましては省略さしていただきますが、私どもの従来までの調査によりますと、それはむしろ鉱害によるということの調査ではないのではないかという判断を、通産局あるいは市町村から私ども報告を受けておるわけでございます。しかしながら、もちろんこの鉱害の調査等につきまして、現在、来年の七月に期限が参ります鉱害関係二法の取り扱いをやがて私どもも関係審議会にお諮りをすることで、いま鉱害量の調査に基づきまして今後検討いたしてまいるわけでございますが、現在実施をいたしております鉱害量の調査におきましても、私どももその対象とするということでこの調査には当たってまいりたいというふうに考えております。
 それから、第二点が炭鉱の跡地利用で、けさの笹生参考人の御答弁によりまして、資料が十分でないということについてどのように考えるかということでございます。けさも御質疑がございましたように、炭鉱跡地の利用ということの中には、いろいろ問題が錯綜いたしておりまして、特に鉱業財団等に入っておりますために土地、建物、建屋等の権利関係が非常に錯綜をいたしておりまして、非常に問題が複雑に絡んでおるわけでございます。
 それで、私どももこれを利用いたします市町村の跡地利用の努力、現に先進的な事例では幾つか成功している例もありますが、そういうさらにまた幾つか今後解決しなければならない問題というのも市町村が抱えられておるわけであります。そのような跡地利用ということの努力は私どもも十分それをサポートしてまいらねばならないと思っておるわけでありますが、このような跡地の現状とあるいはその権利関係等を把握いたしますために、この産炭地域振興審議会の答申を踏まえまして、五十六年度に炭鉱跡地の再開発調査を行いまして、その結果を踏まえて跡地に絡みます諸問題の類型化を行いまして、今後の土地調整事業の活動等も含めまして、今後の措置の必要性、あり方というものについて検討してまいるということでございまして、五十六年度にその調査費を計上をいたしたわけであります。
 それから、第三点のお尋ねは、地域振典整備公団で造成をいたしました工業団地、これはもちろん石炭鉱業にかわります産業の導入ということを念頭に置いたものでございますけれども、これについて住宅団地等に転用することができないかという御指摘でございました。私どもも工業用地として造成されました土地が造成後の事情、たとえば非常に経済的な不況になるというようなことで、工業用地として譲渡することがきわめて困難な見通しにあり、なおかつ産炭地域振興上適当と認められる場合には、他の用地として譲渡するというようなことは私どもも弾力的な運用を従来も考慮してまいりましたし、今後もそのようなことを図ってまいりたいというふうに思っているわけでございます。現在までのところ住宅団地として、工業団地として造成いたしまして、鉱工業等以外に譲渡した事例、これは約四十件ぐらいございますけれども、今後もそのようなことにつきましては、弾力的な運用に心がけてまいりたいと思っております。
#75
○対馬孝且君 まあ三点目は弾力的にひとつ、ペンペン草が生えて投げっぱなしにして、まあ高い利息を払っていくというようなやり方じゃなくて、いま言ったように適地適材にやっぱり住宅団地に切りかえて、そして生かされるということであれば、これはやっぱり当然そういう弾力的運用でやっぱり対処してもらいたい、これはひとつ最後に申し上げます。
 跡地利用の問題だけれども、私はいま、先ほども北海道も九州もいずれも申し上げていることは、お答えがあったのは、まさに空き長屋が青少年非行の巣になっているというわけだ、そうでしょう、先ほどもあなたも聞いておってわかると思う。青少年非行が全く空き長屋をもってシンナー遊びから始まって、いま特に女性に多いと、こう言うんだね、さっきのあれを聞いたら。しかも、非行性につながる男女の行為までこれいっていると、まさに社会問題である、道徳問題であると、こうまあ出ているわけだ。そういうときにもちろんこれは先ほど来担保物件の問題だとか、どう外すかということもあるだろうけれども、私はこれやっぱり一日も早く災害発生でも、火でもつけられて、放火でもしてだよ、間違って、これ精神異常者が。これ山全体が壊滅するようなことがあっては大変なことになるんじゃないか。教育の立場からも一刻も早くやっぱり跡地利用の問題はぜひひとつ最善の努力を払ってもらいたい。このことをひとつ大臣にぜひやってもらいたいと思うんですが、いかがなもんですかね、これが一つです。
 それから二つ目の問題は、私冒頭に申し上げましたように、確かにそれは鉱害が北海道にあるかないかという問題を、先ほど来北海道の副知事からああいう事情を訴えられているわけだ。そうだとすれば、これやっぱり鉱害が起きてから対処するというんじゃなくて、鉱害いまのうちからやっぱりどう取り除かなければならないかという未然の対策が必要じゃないか。なぜこれを言うかというと、こういう感じ持っているんです。私どこが悪いと言っているんじゃないですよ。石炭特別会計千三百億ある。このうちの六割というのはほとんど九州ではないか。これも鉱害問題、当然なことだから、これ大事なことだから、私言う。これだめだと私言っているんじゃない。鉱害が、当然必要なことだから、その経費は必要である。あるいは緊就、開就その他の就労対策も必要であるから当然いっている。ただ、私はそんならそのようにでき上がってから処置をするということではなくて、本来的にやっぱり鉱害というのは未然にそういうものは取り除かなければならない、こういう視点に立つとするたらば、これ人身事故が起きてから対処したんではどうにもならぬのだから、そういう意味からいくならば、私はやっぱりこれは全体的に再検討して見直していくという、こういうしっかりした調査をやって対処してもらう、こういうことがやっぱり当然やってもらわなければならないことではないか。こう考えるんですが、いかがなもんですか。
#76
○政府委員(福川伸次君) 鉱害の防止につきましては、私どもも鉱害を未然に防止するということが決め手である点は、私どもも全く同感でございます。もちろん工場の施業案等の認可におきましても、その点は十分な配慮を払っております。
 まあいま北海道で幾つか事例を先生がお挙げになりました点につきましても、放置坑口の閉塞の工事費の補助金等も出しまして、いま御指摘のものにつきましても、そのような補助金を出していろんな措置を講じておるわけでございます。そういう鉱業関係、鉱害の予防というか鉱害の防止という点が非常に重要であるという点は、全く私どもも認識をそのように持っておるわけでございまして、鉱山保安法等の運用あるいは財政資金等によりまして、十分その点は努力してまいらなければならないことだと思っております。
#77
○対馬孝且君 それでは次の問題で、運輸省来ていますか。
 これは大臣、先ほども参考人、九州、北海道いずれもこれからの産炭地域振興は十年間延長された。通産省は、大臣としては最善の努力を払って第一次の段階では、これは北海道の場合、幌内線、歌志内線を外してもらった。これはむしろ通産大臣の努力だろうというふうに道庁も言っていますし、市町村の首長も言っていますが、ここで問題になることは、これ産炭地域振興法で十年間延長した。せっかく延長していながら赤字路線をばっばっとぶった切っていく。それではますますせっかくこの産炭地域振興法が十年間延長したが、路線の方は切り捨てていくんだと。これでは私は産炭地域振興は逆立ちすることになると思うんですよ。本当にやっぱり地域社会に先ほど言った経済生活圏という新たなる教育、文化、福祉というものを発展して、経済生活圏をより広域的に発展さしていくとするならば、いかなることがあってもこれは、この産炭地域振興路線を外すなんて、レールをまくるなんてことは毛頭これ考えられないことである。
 この点について、まず大臣のひとつ、大臣は大臣として今日まで努力してこられたことについては子としますけれども、これらの考え方について、まず大臣の考え方をお聞きして、それから運輸省の態度をひとつこの際明らかにしてもらいたいと、こう思います。
#78
○国務大臣(田中六助君) 産炭地域振興法を十年間延長いたしまして、たとえば産炭地の人たちは、これでいまから一番疲弊の底にある地点からはい上がれるという大きな希望を持ったわけです。したがって、対馬委員も御承知のように、やはり交通網の発展、発達ということがどの地方の振興計画にも必要でございます。したがって、振興計画の中に当然国鉄あるいは私鉄、そういうもの、道路、港湾というようなものがあるわけでございますが、反面、そういう赤字路線というものは廃止だというようなことで、私ども、私も含めまして閣議決定をしたわけでございますけれども、実は私は閣議でも指摘いたしましたけれども、いまから振興して鉄道が要るんだということと、もういま要らないという将来の展望もないいまの時点で勘案して、それを相互に研究課題にするということは、どちらかというと矛盾してないかと。いまから期待に胸をふくらましてこういう路線があって、これが将来人も、乗り手も多くなっていくという将来の展望は全くないのかと。いまの現時点が一番ボトム、つまり底にあるからそれを廃止するというのか。将来を見越していくということは全然考えにないのかということは、私は何度も指摘しておりましたし、国鉄当局、運輸省にもそれを言っているわけでございまして、私どもも産炭地域振興法が十年延長になりまして、これからどういうふうにして振興させるかという問題を提起したときに、どうしても鉄道の路線というものが頭に浮かぶわけでございます。したがって、幸いにこれを本当に廃止するというときは、県知事並びに地方の長とも十分相談をするという項目もございますし、そういう点の相互に努力し、あるいは研究していくという余地というものが私はある程度残されておると信じておりますし、そういう点でやはり地方の時代、地方の人たちの意向というものをその際にこそ十分反映し、相談に相互に乗るべきであるというかたい考えを持っております。
#79
○説明員(金子史生君) ただいま先生のお話で産炭地域振興法は十年というお話がございまして、しかしながら、国鉄の再建法は、国鉄の財政再建の緊急性にかんがみまして、昭和六十年度までに経営の健全性の基盤を確立するということにいたしておりますので、六十年度までの開発計画等の実施によりまして、輸送需要が増加して選定基準を上回るというような場合につきましては、これは特定地方交通線から除外するということにいたしておりますけれども、六十年度までに鉄道特性が発揮することができないといったような鉄道につきましては、国鉄の路線としては維持することができないというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、これがさらに長期的に見まして鉄道特性が発揮でき得ると、諸種の振興策の付与策の結果、鉄道特性が発揮できる見通しがあるという場合には、第三セクター等による鉄道の維持を含めまして、特定地方交通線の対策協議会という場で十分御議論いただきたいというふうに考えておるわけでございます。
#80
○対馬孝且君 室長、運輸省に言っておきたいことは、いま大臣も鮮明に言ったけれども、地方の時代という中でいま大臣も強調されましたとおり、全く私は同感なんですよ、大臣がいま言ったとおりですよ。しかも今日の石炭産業が栄えだというのは鉄道がやっぱり生命だったでしょう、これ。九州、北海道にしたって常磐、山口にしたって同じですよ。ましてこれから石炭見直しの時代と言って、セメントにしたって紙産業にしたって電力にしたって、全部これ石炭に切りかわるわけだ、そういうことでしょう。そうすると逆に、これは仮にコールセンターをつくったとしても、コールセンターから内陸地帯に石炭を輸送しないといけないんだ、逆に言うと。あるいはセメントにしたって紙産業にしたって、全部いま切りかえているんだ。そうやっていけば筑豊なら筑豊の例、田川の例を挙げたって当然これは産業優先鉄道ですよ、これはっきり言って。これを将来外す何物もないと思いますよ、私は。私も現に筑豊に行っているけれども。それは北海道に当てはめたって同じこと言えるでしょう。これから火力発電所を、むしろ重油火力発電所を石炭専焼に切りかえる、そういった場合に、この鉄道線路を外した場合にどうなるの、これ。そうでなくてもトラック輸送に切りかえれば二倍半なんだ、コストが。そういうことから考えれば、まさに生活路線であり産業路線である、それがひいては地方の時代の最もかなめをなしておる路線である、こういう意味で、大臣も今日まで一貫してこれを守る立場でこれまでがんばってこられたわけだけれども、先ほど来、北海道寺田副知事にしても、どんなことがあっても将来ともにレールをはがすことはまかりならぬ、これは田川の市長も同様のことを言っておる。そういう意味で運輸省もただ国鉄再建という名のもとだけでこの問題を処理するんでなくて、いまも訴えられたように、産炭地域振興法を十年間延長したというこの既成事実に立って、路線をしっかり生活路線として産業路線として私は守るべきものである、このことをもう一回はっきりしておきます。いかがですか。
   〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
そういうことを踏まえてこれから対処してもらいたい。
#81
○説明員(金子史生君) 国鉄の地方交通線対策は、単に国鉄の財政再建の観点というもののみから行うのではなくて、輸送需要に適合した効率的な地域交通の形成といったような観点からも実施する必要があるというふうに考えておりますので、私どもといたしましては地域住民の意向を十分対策協議会の場で伺いながら、地域住民の足の確保を図りつつ所要の対策を実施してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#82
○対馬孝且君 だから運輸省は、ただもともと提案した法律自体が欠陥法案なんだから、これ。財政再建という名前はつけているけれども、こんなもの、国鉄再建という名前ついているけれども、こんなものは欠陥だらけだよ。だから政令基準施行にしたって実際上十二月だ、一月だ、三月だ、こうずれ込んできたというのは、いかに市町村が、これはまあ本当に地方の時代に逆行する法案であるかという怒りが、今日の政令基準をおくらしめた原因の一つでもあるんだよ。そういう点をしっかり受けとめてもらって、将来いま大臣が言ったとおり市町村別に地域協議会をつくって、十分にその意見は尊重する、そしてレールを残してもらいたいと、この参考人もいま、君は聞いてないけれども、きょう午前中にそういうことを言っているんだよ。そういうことをしっかり踏まえて地方の意見は尊重していく、こういう態度を堅持してもらいたい、いいですな、その点。
#83
○説明員(金子史生君) 地方交通線対策につきましては、特定地方交通線の廃止を前提として、特定地方交通線対策協議会の場でもって代替輸送のあり方について議論をすることになっておりますので、何とぞその点について御理解いただきたいというふうに考えております。
#84
○対馬孝且君 二年たったら廃止をするということですか、そうではないでしょう。その点どうなの。
#85
○説明員(金子史生君) お答え申し上げます。
 二年たった時点におきまして、今後協議を続けていった場合に協議が整うか整わないかということを慎重に判断いたしまして、廃止の許可申請を出すか出さないかということを国鉄が判断するわけでございますので、機械的に二年たったからといって廃止の許可申請を出すということにはならないというふうに考えております。
#86
○対馬孝且君 いずれにしても地方自治体が、地域住民がこれは反対という場合は、これは一切やってはならないということだよ。そのために知事の意見を聞くということになっている、尊重するということは、参議院の運輸委員会で附帯決議をつけているじゃないか。そういうことを踏まえて、最終的に地方自治体が反対をする限り、一切の路線についてはこれを確保する、こういう基本姿勢に立ってもらいたい、こういうことを私は申し上げているんだよ。そういう方向でひとつ今後対処するということを明確に示してくれよ。
#87
○説明員(金子史生君) 対策協議会の場で地方公共団体の御意見を十分承りながら、国鉄再建法の定めるところに従って対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
#88
○対馬孝且君 とにかくいずれにしましても私が申し上げたように、その点はひとつしっかり受けとめて、ただ欠陥法やればいいというもんじゃないんだから、もう一回再びこれ鉄道再建法律案を自民党出さなきゃならぬ、政府は。そういう時代が必ずくるということを私申し上げておくよ。そういう意味でひとつ産炭地路線をしっかり守ってもらいたい、このことを申し上げておきます。
 最後に時間がなくなってきましたから、次にひとつ申し上げたいことがございます。簡潔に答えてもらいたいと思うんですが、一応これ十年間というめどにひとつぜひこれを達成をさせてもらいたいというのが学識経験者、審議会の答申の趣旨にもなっているようでありますが、問題は産炭地市町村が完全に一部では卒業、一部では足切りだとか、一部ではこれをもって基準終わりということになるんだろうけれども、七の問題について私は機械的に扱ってはならないということをこの機会に申し上げておきたいんです。これは九州と北海道の実情もそれぞれ午前中訴えられましたけれども、いまの状態からいけば一日も早くこれは市町村、六条地域あるいは十条、二条地域というものは、これは一般市町村と同じになるべきであるということは、これは望ましいことだと思います。しかし、それは先ほど言ったように生活保護の実態、財政力指数、人口増の問題あるいは鉱工業の出荷高の問題、こういうものを総合的に判断されて、これが産炭地市町村から外すか外さないか、こういう原点に返って結論を出すべきものである、こういう私は理解しているんだが、そのことで間違いかどうか、この点、はっきりしてもらいたい。
#89
○政府委員(福川伸次君) 指定基準の解除の点につきましては、けさも笹生参考人からお話がございましたが、答申におきましてはそのように産炭地域振興の「振興対策の目的を達成したと評価される経済生活圏に属する市町村については、必要に応じ経過措置に配慮しつつ、一般的な対策に委ねることにより自立的かつ恒常的な発展への道を歩ませるべきである。この場合の評価は、地域指定の基準を勘案し、地域の振興の実態を端的に表わす内容のものによってなされるべきである。」という御答申をいただいておるわけでございます。今後この地域指定の解除の基準につきましては、審議会で御論議をいただくことになるわけでございますが、いまお話がありましたように、地域指定の基準というのは、私ども財政力指数を中心に石炭鉱業に対する依存度、就業状況、生活保護率といった指標が用いられたというふうに理解をいたしておるわけでございますが、今後この産炭地域振興対策の目的が達成されたかどうかという評価につきましては、それぞれの経済生活圏に属します六条市町村の状況が、いま地域指定で申し上げましたように財政力指数を中心にいたしまして、しかしながらそのほかたとえば地域指定の際にも就業状況あるいは生活保護率の状況、こういったものも加味されてまいりましたような経緯は尊重をいたしまして、それを総合的に考えていく。また、その場合には答申の中にもございますように、経過措置にも配慮をしていくということが必要であろうというふうに考えておるわけでございまして、その辺は地域のそのときの状況というものを十分勘案していたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#90
○対馬孝且君 これはこれから十年間という歳月は簡単に言うけれども、長いようで短いわけですからね。これは二十年たってもいまだに北海道の場合なんか、六条指定地域、九州も同じ、筑豊を中心にしての六条指定地域というのはいまなお解消されてない。ますます財政力は落ち込んでいる。生活保護はふえている。それから求人倍率は逆にどんどんこれは減っていっている。先ほどの参考人の御意見もそうでありますけれども、そういう点からいくと、私はやっぱりこれは相当いま言った点も鉱産税がびた一文入ってこないというような実態、今日の状態になってきておるんですけれども、たとえば生活保護の実態、人口は一体ふえていくというのはどうか、あるいは工業出荷高というのは一体それじゃ基本においてどれだけやっぱりふえていくか、総合的な判断でやってもらわないと非常にやっぱりむずかしい問題ではないかと。いま石炭部長それをお認めになっていますから、そういう点を踏まえてひとつ対処してもらいたいと、これ率直に申し上げておきます。
 それから、もう一つは何といってもこれから行政改革という問題がいま大きな議論になりまして、このことで臨時国会まで開くという政府側の態度であるようでありますが、何といっても石炭特別会計というのは原油関税を中心にして組まれているわけです。そうしますと、これがいま政府がというよりも第二臨調の中でうわさされているのは補助金の一律カットというような問題が出てきていますね、言われていますわ、政府がどう受けとめるかは別にして。しかし、問題はこういう補助金の一律カットということになれば、石炭特別会計というのは特会ですから、言うまでもなく。これは一般予算と違って特別会計ですから、特別会計も一律カットということになってくると、これはエネルギー、重要なこれからの、産炭地域振興はもちろんのこと、石炭特別会計は千三百億大臣初め通産省の努力でついてはいるが、そこへくさびを打ち込むということになってくると、せっかく産炭地域振興で財政的な措置はできた、新エネルギー機構ということで代替エネルギーを含めて、石炭見直しを含めての特別会計というのはこれから減っても拡大していかなければならない、こういうときに一律カットというようなことで出された場合に、一番先にくるのは財投を含めた特別会計あたりに切り込まれてくるというようなことになったのでは大変なことになる。私は、そういう意味では大臣にひとつ最後になるのでありますが、石炭特別会計というのはむしろふやしても減るということは考えられない、むしろ石炭見直しの時代である。そして、先ほども特定事業調整費というものは十一億円、これはむしろこれから拡大していかなければならない、こういうことを含めて考えまして、ぜひひとつこれは実力大臣として、これからの展望になるわけですが、少なくともこれはやっぱりぜひひとつ特別会計はむしろ拡大をし、産炭地域振興財源についても市町村財政を拡大の方向でやっぱりひとつ財源確保に処してもらいたい、こういうふうに考えるわけでありますが、これはひとつ最後に大臣にお伺いをして私の質問を終わりたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#91
○国務大臣(田中六助君) 対馬議員御要望のとおりに、石炭勘定、石炭特別会計の維持については一生懸命努力してまいることをお約束申し上げたいと思います。
#92
○対馬孝且君 それじゃ終わります。
#93
○馬場富君 今後の企業誘致対策について資源エネルギー庁の関係に質問いたします。
 産炭地域振興審議会の答申では、「それぞれの地域特性等に応じて鉱工業機能、農業機能、都市機能等を分担し、」と述べておりますが、今後の産炭地域振興対策において企業の誘致対策はどのように位置づけられるのかという点と、それからもう一つは機能分担し合うことによって、これまで行われてきた誘致政策に対する影響はどうなっておるか、この二点をひとつ質問いたします。
#94
○政府委員(福川伸次君) いま御指摘のとおりに、今後産炭地域振興対策を進めていくに当たりましては、それぞれ地域の特性を発揮いたしますように、市町村によりまして鉱工業の機能、あるいは農業的な機能、あるいは都市的な機能といったようなものを分担して、一体的に発展を図っていくというような広域的な志向を深めていく必要があるんではないかという点が、従来の反省に立っているわけでございます。今後、道県が関係市町村の協力のもとに地域発展計画をつくりまして、鉱工業をいたしますときに、あるいは団地、あるいは関連の施設等を整備をしてまいるわけでございます。また、その際には地場産業の振興、きょうも参考人からもいろいろ御意見がございましたが、地元産業の振興、さらには企業の誘致といったようなことに一層の地域振興の努力をしていくという必要があるわけでございます。現在、御承知のように、金融上の優遇措置といたしまして、地域振興整備公団からの長期低利の設備資金が融資されております。また、増加長期運転資金の融資も行われておるわけでございます。さらに、税制上の措置といたしまして、企業に対しましては工業用機械等の特別償却といったようなものが出ているわけでございます。さらに、進出いたしました企業につきましては、地方税におきまして事業税、不動産取得税、固定資産税の減免の措置といったようなものが行われます場合には、交付税によります補てんといったような税制上の措置が講ぜられておるわけでございます。従来からも地域振興整備公団は地方公共団体等と一体となりまして、産炭地域の立地因子の情報提供あるいは企業の使節団の招聘といったような誘致活動を実施をいたしておるわけでございます。すでに産炭地域におきまして三千を超えます企業が立地をいたしておりますが、そのうちのおおむね半数はこの地域振興整備公団が工業用地の造成あるいは融資等によって関与をいたしておるわけでございますが、今後このような企業の誘致、今後いろいろな地域的な発展を有機的に図っていくということにおきましても、やはりその石炭鉱業後にかわります経済的な諸機能というのが中心になり、これに社会開発といった側面を組み合わせていくということでございますので、地元企業の育成、あるいは地元からの企業の立地の促進、さらには他地域からの企業の誘致という点につきましては、私どもといたしましてもいろいろな諸条件の整備をいたしますと同時に、地域振興整備公団と関係市町村のそういった誘致活動、誘致努力というようなものをさらに積極的に推し進めていくということで対応をしてまいりたいというふうに考えております。
#95
○馬場富君 それはそうですが、機能を分担し合うことによってという問題がここにあるわけですけれども、答申の中に。機能を分担し合うことによってこれまで行われてきてた企業誘致政策に対して、どのような影響力があるのかという問題です。その点どうか。
#96
○政府委員(福川伸次君) 機能を分担し合うことによってということにつきましては、たとえば中核的な都市的な機能、あるいは工業を中心にいたしました組み立て、あるいはその他工業関係の機能、あるいはそれにつきまして部品の提供、あるいはまたそういった工業、都市的な機能に対しましての住宅機能、生活機能といったようなもの、さらには幾つか近隣市町村におきましてあるいは文化的な機能を分担をし合う、こういうことでございまして、工業等をその地域の一つの中核としてそれの波及をしていく、あるいはそれの関連におきまして生活機能あるいは都市機能を分担する、さらにはまた福祉的な機能というものを市町村によって分担し合い、その間を総合交通体系、こういうもので有機的に結び合わせまして、いままで従来どちらかと言えば皆画一的にどこも工業団地をつくるというようなことになりがちでございましたが、いういろな基礎的な諸条件もやや整備が進んだ状況になってまいりましたので、それぞれ地域あるいは市町村の特性を発揮するような形で、いま申し上げましたように、幾つかの機能を分担してその相互の市町村を連携、連関し合っていく。最近国土庁におきまして定住圏構想が出、さらにまた自治省におきまして広域市町村圏、あるいは建設省におきまして地方生活圏といったような圏域ごとでの有機的な発展ということを考えておられますが、そういった思想と軌を一にするものとしてこのような答申がまとめられたというふうに理解をいたしております。
#97
○馬場富君 地域振興整備公団が昭和三十八年より今日まで実施してきた土地造成事業の実績を見てみますと、全地域の完成団地総面積は二千二百五十八万ヘクタール、未完成の団地面積が千六百七十一万ヘクタールとなっておるわけでございますが、譲渡面積は千七百九十五万ヘクタール、未譲渡分は四百六十三万ヘクタールで、全地域平均の譲渡率は七九・五%になっておるわけです。しかしながら、この中でも北海道地域の譲渡率は五九・六%と全地域平均に比べて低くなっております。しかも、譲渡面積のうちの地方公共団体等への移管を除いた企業への分譲面積についての譲渡率を見ると、四七・八%と半分以下ということになっておるわけですが、このように北海道の団地の譲渡率が低い原因は主にどのような点に起因があるのか。
#98
○政府委員(福川伸次君) 委員御指摘のとおりに、五十五年三月末の地域振興整備公団が造成をいたしました団地の譲渡率は平均で七九・五%、特に北海道が低く五九・六%ということになっておりまして、九州、宇部あるいは常磐に比べましてこれはかなり低い水準になっておるわけでございます。この点につきましてはいろいろ問題があろうと思いますが、全国に比べてかなり低くなっておりますのは、一つにはいわゆる大消費地から遠方にあるというようなこと、さらにまた寒冷地である等の立地条件上の制約があるというようなことであったかというふうに思っております。
 しかしながら、最近におきまして、第一次オイルショック以後日本経済が停滞をいたしました過程の中で、設備投資がかなり停滞をいたしましたが、最近は安定成長に移行いたしまして設備投資もやや盛り上がりを見せておるわけでございますが、最近に至りまして北海道地区の引き合いも活発になってきておるということでございまして、地域振興整備公団の活動を通じまして企業の誘致というものを一層推進をいたしまして、この未譲渡の団地というものの譲渡をさらに推し進めてまいりたいというふうに考えております。
#99
○馬場富君 そこで、各産炭地域における進出企業の進出元地域を見てみますと、五十四年度までの累計実績では、北海道では三百八十九進出企業のうち、この進出企業の中で地域外からなる進出は七十六企業で一九・五%、福島は三九%、茨城が四六・八%、山口が二八・七%、福岡が二七・八%、佐賀が三八・二%、長崎が四〇・五%、熊本が四一・一%などとなっておりますが、進出企業のうちの地域外からの進出企業の割合を見てみても、北海道の場合には一番低くなっておるという状況です。それで、産炭地域振興の効果という点から考えると、やはり地域外からの進出企業の割合が多い方が望ましいように私どもは考えるわけですけれども、この点をどのように考えてみえるか。
#100
○政府委員(福川伸次君) 馬場委員御指摘のとおりに、北海道の地元以外からの進出、これが大変他の地域に比べまして低くなっておるわけでございまして、全体で約二〇%ということでございます。もとより、産炭地域振興という観点から考えますと、新規の雇用の創出あるいはさらに付加加値の増大ということから考えますと、産炭地域以外からの企業の進出ということが大変効果的でございます。けさも参考人への御質疑がございましたが、もちろん地元の地場産業、これをさらにより育てていこうということも非常に重要でございます。また同時に、地元以外からの進出ということの誘致も、これが先ほど申しましたように非常に効果的であるわけでございます。最近、場所によりましてはあるいは薬品、あるいはサッシといったあたりで地元以外からの進出ということも芽生えつつございますが、私どもも産炭地域以外からの企業進出ということも、地元企業の育成と同時に非常に重要な問題であろうというふうに考えておるわけでございます。最近やや設備投資が盛り上がってきておるという機運をとらえまして、今後とも京阪神その他大都市圏の企業の産炭地域への進出意欲の喚起のために、地方公共団体の行います誘致活動、さらには地域振興整備公団の情報提供機能あるいは誘致機能、こういうものを積極的に展開していく必要があるということでございまして、いま地元以外からの進出という点につきまして、私どももこれは非常に重要な意味があるというふうに理解をいたしております。
#101
○馬場富君 そこで、産炭地の内陸部については、やはり資金面や税制面での優遇措置が実はあるわけですけれども、やはり企業というのは総合的に企業採算のことを考えて投資をするという考え方で、多少のそういう資金面や税制面での呼び水という問題では誘致というのはなかなか進まないんじゃないかというふうに見る向きが実は多いわけです。そういうわけで、こういう問題等について現在の優遇措置に一つは何がしかプラスできるような公共的な施設の立地促進を図るとかなんとか、そういうような点での資金、税制面以外の何かの対策を考えなければ進まないんじゃないかという考え方が企業側には多いようですけれども、この点はどうですか。
#102
○政府委員(福川伸次君) 企業が進出いたします判断早最終的には企業が責任を持ち、その後の企業経営にも当たっていくということでございますので、企業の判断を尊重しなければならないわけでございますが、その進出をする意思決定に当たりまして、そのような進出をしやすいそういう環境をつくり上げていくということが一つの重要な政策課題であろうというふうに考えておるわけでございます。現在、委員も御高承のとおりに、地域振興整備公団によります長期低利の設備あるいは増加運転資金の融資、さらに造成団地の長期低利の割賦の譲渡といったようなもののほかに、先ほど申しましたような税制上の優遇措置を講じているわけでございます。これらの措置は、他の地域開発政策と比べますと、企業誘致の整備のためにかなり私どもとしては手厚いものになっておるというふうに思うわけでございます。しかしながら、いま委員御指摘のとおりに、内陸部あるいは北海道といったものにつきましての立地条件が恵まれない地域、こういうものにつきましてどのように対策を考えておるかという御指摘でございますが、私どもも、たとえばいまこの融資比率等に当たりまして現在おおむね大体原則四〇%ほどの融資比率ではございますが、そういった内陸部等につきましては最高七〇%まで引き上げるといったような、弾力的な運用を図ってまいっているわけでございます、
 なお今後、先ほど来、午前中参考人に対する御質疑でもいろいろ出てまいりましたように、それぞれの地域の経済的な広がりというものをとらえまして、それぞれの都市機能あるいはその町づくりといったようなものをつくり上げていくということの意欲を示し、また展望をつくっていきますことによりまして、それぞれ企業が立地をしていくという意欲を高からしめていくということが必要であろうと思います。けさほどの参考人にも御質疑がございましたが、産炭地というそういうイメージがあるためになかなか企業がシュリンクをする、こういうことでございますが、こういうことを、私どもも一つ一つこの地域の特質を生かして新しい町づくりに取り組んでいく、あるいは、その方向を明らかにしていく、それを地元とあるいは私どもと、あるいは関係省庁が一緒になって盛り上げていく、こういうことによりまして、さらに立地の促進にも資していくということになるのではなかろうかというふうに期待をしておるわけでございます。
#103
○馬場富君 そこで、企業の進出は、いま私が申し上げましたように、やはり総合的に企業の採算性というものが中心になってきますから、これを無理やりに進めるというわけにはなかなかいかぬ。
 それからもう一つ、企業進出の中で考えられるのが、地域振興整備公団が共同出資する制度があるわけですね。これは四十一年のあの人工軽量骨材製造技術の企業化と、それから大規模な養豚事業の二件しか、実は制度があってもなされておりませんが、こういう件数が進まない原因というのはどういうところにありますか。
#104
○政府委員(福川伸次君) 現在、公団の出資事業は、この産炭地域の立地条件を活用いたしました新技術の企業化を図る事業ということでございまして、なおかつ、なかなか、新技術の企業化ということでございますので収益という面においてリスクが伴う、こういうようなもので企業化がおくれるということに対しまして公団が出資をする、こういう制度で、御指摘のように四十一年に創設されたわけでございます。現在まで出資は二件、こういうわけでございますが、従来、産炭地域の立地条件を活用いたしました新技術の開発案件が少なかったということであるというふうに思っておるわけでございます。
 なお、今後に関しましては、この制度をさらにPRをいたしますと同時に、最近もいろいろ地元の新技術開発意欲、いろいろな面で新しい合理化の気運も高まりつつあるわけでございまして、今後、産炭地域の振興に寄与しようということのために、企業リスクが比較的大きいものというものにつきましては、私どももこれは努力をしてまいりたい。しかしながら、一応出資という特別の制度でございますので、一定の条件は設定せざるを得ないと思っておりますが、今後ともこの制度の活用ということに関しましては、私どもも、優良案件の発掘にさらに一層努力をして、この制度の利用の促進を図ってまいりたいというふうに思っております。現在まではどうもそのような新技術というものが必ずしも出てこなかったというのが、進まなかった理由であろうというふうに思っております。
#105
○馬場富君 そこで、まだこういう問題等についても、また企業の進出等についてもかなり行き詰まった面もあるようですけれども、そういう中でこれを補っていくのは、先ほど参考人の中で共通の意見というのは、やはり地域の具体的な条件に合わした、また、そういうものを、実際計画よりもその問題として生きるかどうかということが非常に問題だということの発言が共通的な意見だったと私は思うんです。
 そういう中で、地域振興整備公団の出資事業の条件等も三点ばかりございますが、新技術を生かす、企業化する企画であることとか、資本金が一億以上であることとか、地場資源を活用する計画であることというような三点が実は条件として挙げておりますが、やはりこの資本金の一億円以上という企業という考え方からしても、中小企業基本法の定義からいけばこれは大企業の範囲に入ってくるというようなこともございまして、そうすると中小企業というのは一つは対象から外れてくるというような点等もあるのではないか、そういう点では、広く考えていけば、あとの二点の新技術の企業化と、それから地場資源を開発するという考え方からいけば、また中小企業等の中でも非常に内容のいい、またその現地に即したような企業があるんではないか、そういう点では、やはりここらあたりも一つは緩和の考え方を持つべきじゃないかというふうにこれは考えますが、ここらあたり、どうでしょう。
#106
○政府委員(福川伸次君) いま、出資の要件は私どももいろいろ絶えず研究しなければならない課題だと思っていますが、中小企業につきましては、中小企業の諸施策を金融面、税制面等につきましては十分活用していく、また、立地条件の諸整備につきましては産炭地域の地域振興整備公団といったようなものの機能を使ってまいるというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、中小企業につきましては、それぞれ中小企業のこれまた一つの諸施策が行われておりますものですから、このような経緯になっておるわけでございます。
 しかしながら、いま御指摘のように、それぞれ出資の案件もだんだんと新しい技術の企業化ということになってまいりますと、低成長下ということになってまいりますと、その辺にいろいろな問題が出てまいることも考えられます。もちろん、出資という厚い恩典をいたしますので何がしかの基準というのが必要でございますけれども、また、運用に当たりましては、いま先生の御指摘の点も踏まえまして、私どもも、基準としてはいろいろある一つの一定の枠は必要だと思いますが、運用面に当たりましては何とか優良案件の発掘に努める、あるいは弾力的な運用を考えるというようなことで対応してまいりたいというふうに思います。
#107
○馬場富君 一億円以上という条件、これについての緩和ということは、今後の問題として、共同出資の問題としては、ある程度、資本というのは信用上の問題も私はあると思いますけれども、信用は、必ずしも資本には限定されなくても、内容を検討すればいいんじゃないかという点で、一億円以上という条件についても、一つは、もう少し幅を持たしたような考え方にすべきではないか、企業誘致を促進するならば、ということですが、これはどうですか。
#108
○政府委員(福川伸次君) 現在のところは、資本金一億円以下は一応中小企業の政策の体系の中ですると。そこで、ある程度産炭地域への経済的な効果が期待できる、こういうようなものをこのような資本金一億というようなことで限定を置いたものというふうに私どもは理解をいたしておるわけでございます。
 いま、資本金の一億円をもう少し何か緩和できないかという御指摘でございまして、いま、全体の制度の中でこういう体系ができておりますので、ここですぐこれをこういうふうにいたしますということを御答弁申し上げる立場にございませんけれども、今後なお実情をよく調査をいたしまして、必要がございますれば研究さしていただきます。
#109
○馬場富君 それからもう一つは、産炭地域については失業者がかなりまだ現在多い、こういうふうに言われておりますが、これは工場誘致が進まないという状況が基本ではないか。そういう点で、新しい進出工場の雇用率の問題と失業対策をどのように考えているか、労働省の関係にひとつお願いしたいと思います。
#110
○説明員(伊藤欣士君) 先生御指摘のように、産炭地域におきます雇用、失業情勢というのは非常に全国平均に比べまして厳しゅうございます。そういう意味で非常に失業者が滞留しているという問題があるわけでございます。この問題につきましては、基本的に、先生御指摘ございましたように、その地域の特性に応じた産業の振興を図るということで、石炭産業にかわる中核企業を誘致、育成して工業の振興を図るということが基本でございます。
 そういう意味で、通産省を初め地域振興整備公団等関係機関が最大限の努力をいままでしてきていただいているということでございます。労働省としましても、通産省と密接に連携をとりながら、企業立地のための条件整備ということで十分側面的にも企業誘致のために努力をしておるわけでございますけれども、誘致されました企業につきましては、特に、地域雇用奨励金制度というような、地元の方々を雇っていただいた場合に奨励金を出すというような制度を活用しながら、できるだけ地元の方を雇用していただくように指導しているわけでございますが、そのほかにも必要な職業訓練なりそれから職場適応訓練、誘致企業に雇っていただくという訓練を委託いたしまして、それで半年なりオン・ザ・ジョブ・トレーニングをやって就職していただく、そういうような形で、あらゆる形で知識技能を習得させる等によって就職ができるようにというようなことでやってきたわけでございますが、今後の振興策の推進に当たりましても関係省庁と連絡をとりながら円滑に再就職の場が確保できるように、雇用機会が拡大できるように努力してまいりたいと思っておるわけでございます。
#111
○馬場富君 次に炭鉱住宅の改良について質問をいたしますが、これまでの産炭地域振興対策は企業誘致を中心とした工業開発に重点が一つは置かれておったわけです。そういう点で炭鉱住宅のような生活環境整備の対策というのは著しく弱かったと言ってもこれは過言ではない、このように考えるわけですが、炭住問題は産炭地地域振興対策の中においてどのような位置づけをしているのか、そしてまたその点について、資源エネルギー庁としてはこの炭鉱住宅の問題をどのように考えられておるか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
#112
○政府委員(福川伸次君) 老朽いたしました炭住、これが市街地に密集して地域生活環境の整備改善あるいは都市計画上の駐路になっているというようなことで、これの改良促進ということは産炭地域振興対策上の重要な課題でございまして、今回の産炭地域振興審議会の答申におきましても取り上げられた点でございます。私どもといたしましては、これは炭柱改良事業ということで実施をされておるわけでございますけれども、その事業に関しまして産炭地域振興臨時措置法第十一条の対象として補助率がかさ上げをされておるわけでございます。また予算措置に伴います産炭地域振興臨時交付金、これの特定公共事業調整額によります補助率のかさ上げ対象ともなっておるわけでございます。さらにまた、炭住の改良事業調整額を一戸当たり二十万円ということで交付をするというような財政援助措置も講じておるわけでございまして、それぞれ炭柱改良事業に関しましては本来行います炭柱改良事業、これにいまのような形で上乗せをしていく、こういう形であるわけでございます。いま午前中にもいろいろ御論議がございました。いろいろ炭柱の跡地利用、いろいろな社会的な側面もございますわけでありますが、このようないろいろな問題がけさも御論議もありましたような点を含んでおるわけでございますが、産炭地域振興対策としては一つのポイントとして私どもも考えており、なおかつ今後の方向につきましても審議会の答申の中でも触れられておる問題である、こういうふうに私どもは認識をいたしております。
#113
○馬場富君 そこで、現在改良が進められておるわけでございますが、進行状況は五十四年の三月末現在で六条市町村において今後の改良を必要とする炭鉱住宅の戸数は約三万余ということになっておりますが、このうち福岡県においては二万二千五百戸が要改良戸数ということになっておりますが、改良実績をずっと見てみますと福岡県においては五十三年には五百六十八戸、五十四年には七百九十四戸、五十五年には八百八十二戸の予定であると、こうなっておりますが、これによる改良が実はなかなか進んでいないというのが実情ではないかということで、これは計画だけでなかなか進んでいないと言った方がいいんじゃないか、こう思うわけですが、この点についてひとつエネルギー庁のお考えをお聞きしたいと思います。
#114
○政府委員(福川伸次君) 六条市町村、六条地域におきます要改良戸数は、五十四年の三月三十一日で三万一千戸余、その後五十四、五十五年度で改良が進みまして、五十六年の三月末では二万八千九百戸程度の要改良戸数が残っておるという状況でございまして、これは一応この改良事業は住宅の改良の一環として進められておるわけでございますが、いま申し上げたような数字で今後さらに精力的にこの改良を進めなければならない状況にございます。
 いまお尋ねは、このように炭住改良が進まない原因はどこにあるのかというお尋ねでございますが、これはいろいろ問題がございまして、個人所有に当たりましてはたとえばなかなか住民の同意が得られにくい、あるいはまた炭鉱所有の住宅でございますと、たとえばその住宅あるいは土地が担保物件になっておる、担保を解除するのにいろいろ話し合いがつかない、こういうことでございます。いま私どもとしても炭柱改良につきまして先ほど申しましたような十一条の補助事業のかさ上げのほかに、私どもの方といたしましても交付金等の諸制度におきましてこの助成策の上積みをするというような施策を講じておるわけでございますが、いま申し上げましたように、進まない理由といたしましては、けさも御論議がございましたように、なかなか地元の同意が得られにくい、あるいは担保物件に入っておるといったような状況になっておるわけでございまして、この点につきまして私ども今後とも建設省とも十分相談をいたしまして、この事業の促進ということにつきまして十分意を尽くして協議をしてまいりたいというふうに考えております。
#115
○馬場富君 その原因の中にいまおっしゃったような一つの担保の問題等があるわけです。炭柱の所有者が旧炭鉱会社である場合には、鉱業財団の抵当に入っているために会社が一方的に無断でこれを壊すことができない状況にあることが一つ挙げられているわけですけれども、これらの場合に炭柱再開発計画のみならず、自治体の都市計画あるいは土地利用計画の実施上、この問題が一つの大きな障害となっておるわけです。そこで債権者団は今日では石炭合理化事業団あるいは日本開発銀行、日本長期信用銀行など政府系機関が主体となっておるということですね。そういう状況ですから政府としてもやはり産炭地域振興対策の観点から、できるだけ債権者団の同意や協力が得られるように、そこらあたりも指導を促進しながらこの問題を進めなければ、これはむずかしいむずかしいと言っているだけでは私はなかなか進まないのじゃないか、そういう問題が解決されていけばこの問題もやはり一歩前進するのではないか、こう思うわけですが、エネルギー庁としてはどうですか。
#116
○政府委員(福川伸次君) いま馬場委員御指摘のとおりに、いろいろ金融機関の担保が重複して設定されておる、鉱業財団の一部を組成しておるといったような複雑な問題がございます。また金融機関も合理化事業団、開発銀行のほかに民間金融機関もかなりの数に上っておる、こういうことでございまして、これが地方公共団体等におきまして跡地利用を進めてまいります上で障害になっておるのではないかという御指摘は、私どももいろいろ地方公共団体からも、私どもその点の問題点は十分認識をいたしておるわけでございます。現在こういうような問題点でいろいろ幾つかの事例で解決をした例もございますが、なおかつ問題がなかなか進まないという事例も数多く残っております。私どもとしてはこういう関係の地方公共団体がその跡地利用を進めていく、こういう努力は十分促してまいりたいとも思いますし、地方公共団体がよく実態を把握して問題点の整理を行って、どのような利用計画があり得るかといったような点につきまして、私ども関係者の間でいろいろな話し合い、努力は進めていくという点を十分期待しておるわけでございます。またこのような努力に対しまして、私どもも、いま馬場委員が御指摘のように、十分な必要な事業も行うということも必要であろうと思いますし、また今回産炭地域振興審議会の答申におきましても、あるいはまたけさの御質疑の中にもございましたように、必ずしも実態がはっきりしない、あるいはいろいろな複雑なケースがある。一部進んでおるところもあれば進まないところもある、あるいはいろいろなケースがございますので、今後この跡地の問題につきましては、私どもでも今年度に炭鉱跡地再開発調査費という予算を計上をいたしまして、今後必要な調査を行いまして、跡地に絡みます諸問題の類型化を行い、また必要に応じまして所要の措置の必要性等について検討していかなければならない、この点につきましては御答申もいただいておるわけでございますが、今年度五十六年度にもいま申し上げました調査費を計上さしていただく、その調査結果等を踏まえまして、私ども関係の方面とも十分相談をして、私どもとして応援するものがあればそれにつきましては取り組んでまいる所存でございます。
#117
○馬場富君 自治省にお伺いしますが、炭柱改良事業は四十三年から開始されて炭住地域整備事業と改良住宅建設事業とのこれ二つから成っておりますが、この中心はやはり改良住宅建設事業が中心となっておるわけですけれども、これは三分の二が国庫補助。起債充当率が九五%なされておりまして産炭地臨時交付金が交付されておりますが、このたびの例として田川市を見てみますと、市財政上の実質的負担は総事業費の一・七%にすぎないと言われておるわけですが、ところが炭住居住者の大半は低所得者層でございまして、そのために改良住宅はほとんど例外なく政策家賃制が導入されておるわけです。そのために田川市の例でもこの政策家賃収入では改良住宅建設のための地方債の利息償還等のほぼ半分しか貯えないというのが実情のようでございます。そのために大量の炭柱改良住宅の建設は、苦しい地方自治体の中でなかなかこういう状況では進まないというのが実情のようでございますが、こういう問題を抱えた地方財源の負担について、自治省としては軽減で何かお考えがありますかどうかお尋ねいたします。
#118
○説明員(亀田博君) 産炭地域の改良住宅の建設の財源措置の問題でございますけれども、先ほど通商産業省の方からのお答えがございましたとおり、国庫負担率のかさ上げの問題でございますとか、あるいは産炭地域振興臨時交付金との問題を通じまして、特別な配慮がなされてきたところでございますが、何しろ産炭地域市町村の財政は、従来からずっといろんな資料で見ましても芳しくない状況にございますので、改良住宅の建設につきましても種々問題があるように承知をいたしております。自治省といたしましては、一般的に地方財政を所掌しておりますので、改良住宅の建設を含めまして市町村の財政措置について意を用いる必要があると考えまして、地方交付税あるいは地方債等の重点的な配分も行ってきたところでもございます。今後とも国庫補助負担の充実強化につきましては、関係省庁にも要請をしてまいり、総合的に地方財政が円滑にいくように十分配慮してまいりたいというふうに考える次第でございます。
#119
○馬場富君 ここで大臣にお尋ねいたしますが、午前中の笹生参考人の関係でもお聞きいたしましたが、二十年間産炭地域振興対策が実施されてきましたけれども、六条市町村を中心とする多くの産炭地の市町村はいまだ犠牲的に、経済的にも社会的にも非常に疲弊の解消が解決されてないというような状況でございまして、やはりこれが産炭地域振興の目的を十分に達成することが困難だというのが、産炭地域振興審議会の答申の中でも言われておりますけれども、こういう体制を構えるその関係市町村の実情の中で、さらに十年間延長することによってこの産炭地の振興対策が目的が達成できるかどうかという点と、これに対して大臣としてどの点を強化しなきゃならぬか、こういう点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#120
○国務大臣(田中六助君) 過去二十年間、この振興政策をやってまいりましたけれども、なかなか思うに任せずきておるわけでございまして、これから十年間延長という場合に、六条指定あるいはその他の指定市町村につきまして選別をして、一応これから離脱できるところはないかという検討もしてまいりましたけれども、なかなか生活保護の関係、財政力指数、その他を勘案しますと、そうはいかない部分がたくさんございまして、考えただけでそれを足切りとかいうようなこともできずに終わっているわけでございますけれども、足切りというような言葉は私は当てはまらないと思います。できるだけこういう六条指定その他の指定による離脱こそ、地方の時代にふさわしいそれぞれの自立精神を発揮せねばならない。したがって、この十年間にそういう指定地域から離れられるような地域にしなければならないと思っております。それには過去の十年間の経験を踏まえまして、足らないところ、あるいはもう少し何とか考えなければならなかったというような点が多うございます。したがって、そういう点を十分参考にしてこの十年間を本当にあっという間に過ごさずに、実のある十年間にしなければならないと、それにはいろいろこの委員会でも指摘されておりますように、地方の時代にふさわしい意見あるいは市町村の自立精神、そして私ども政府の行政指導も含めました適宜、適切な指導というものが必要ではないかというふうに考えております。
#121
○馬場富君 もう一点、最後に大臣に、同じくやはり審議会の答申の中で、法制後十八年を経て、一部の地域ではかなり構造的な回復を見ているが、大部分がやはり産炭地域では構造的なゆがみはなお深く残っており、また低成長下の企業見通しが影響して、確たる将来展望を持ち得ない状況にも置かれていると、このような実は事態は、一面から言えば従来の施策が事態解決に対して限界を示していると考えられるというような一つは指摘がございますが、これとあわせましてひとつもう一遍、もう一歩、国内炭の需要という問題について、多少価格差は海外石炭から言えばあるようでございますが、需給計画の中でもずっと将来的にも同率でずっと横ばいというような状況にあるわけですけれども、ここらあたりにもこの対策の中で非常にむずかしいものではありますが、国内炭の使用ということにもう一段と産炭地の対策の中でひとつ柱を考えていくべきではないか。やはり非常にむずかしい条件のところに日夜いろいろのことを考えることも必要だが、従来そこは産炭地として発生した地域です。そこに多少のそちらの犠牲はあったとしても、そこに期待をかけ、日本のエネルギー政策の中の柱にもして力にもなっていくというような対策の方が、より前進的ではないかという一つの見方もございますが、この点大臣どうでしょうか。
#122
○国務大臣(田中六助君) 石炭は御承知のようにわが国の唯一のエネルギー資源でございまして、長期エネルギー需給暫定見通しの中にも十年後も含めまして、五年後もそうでございますけれども、二千万トンという石炭の国内炭対策を持っております。したがって、現実にこれも御承知のように二千万トンどころか千八百万トンも切れるような体制でございますけれども、長期な見通しの中にも二千万トンを維持するということになっておりますし、このためには新鉱開発あるいは旧鉱に対する何らかの措置を講ずることが必要ではないかというふうに考えておりまして、長期エネルギー対策上からも私といたしましてはそういう新鉱あるいは旧鉱についての法律を改正してでも、このエネルギーというものに対する石炭対策に対処しなければならないというような考えでございますし、第七次答申ももうすぐ近く出るわけでございますが、そういう答申案に基づいてこれが対策を講じてまいりたいというふうに考えます。
#123
○小笠原貞子君 必要な石炭という資源を持っております北海道から見ました場合に、産炭地の振興というのはまずこの石炭産業を真に発展させるということが非常に大事だと思うわけです。その石炭産業を発展させるために一番何が大事かといいますと、当然保安が確保されるということになろうかと思います。ところが、実際にはこの災害というものが非常に頻発と言っていいくらい多くなっております。今年に入って重要な災害の発生件数をして死亡者数、そのうち、時間がございませんのできょうは北炭について伺いますので、北炭系の数はどうなっておりますか。数字でございますので簡単にお答えをいただきたいと思います。
#124
○政府委員(松村克之君) お答えいたします。
 今年一月から現在までの死亡を伴います重要災害の発生件数について申し上げますと、全国で件数といたしまして十一件、死亡者数で十二名となっております。また、その中で北炭系の四つの炭鉱、夕張新鉱、幌内、真谷地、空知の各炭鉱につきまして申し上げますと、発生件数にして七件、死亡者数で八名ということでございます。
#125
○小笠原貞子君 昨年八月二十七日の夕張新鉱で火災災害が起こりました、それ以降道内の重要災害は十八件、死亡者十八人、そのうち北炭系は九件の死亡者十三人ということになっております。いまおっしゃいましたように今年を見ましても十二名中八人というのが北炭が占めているわけです。これは非常に大きな問題だと思うんです。これに対して通産省としてもやはり毅然としていろいろな対策、警告などをお出しになったと思いますけれども、具体的にいつどういうふうに警告を出され御注意をなすったかお知らせをいただきたいと思います。
#126
○政府委員(松村克之君) 夕張新炭鉱の災害発生でございまして、これがお話しのように五十五年の八月の二十七日に起こっていますが、その後これらの災害を、火災を鎮圧いたしまして操業再開に至ったわけでございますが、その間十月十一日にこの再開を了承いたしますときに、私から直接北炭の社長を呼びまして再開後の保安対策について監督局の指示に従って万全を尽くすようにという指示をいたしているわけでございます。
 なお、本年に入りまして御指摘のような災害がさらに続いているといったようなこともございまして、三月の十六日及び四月二日の二回にわたりまして、現地の札幌鉱山保安監督局におきまして同じく北炭の社長を呼びまして、死亡災害の頻発につきまして厳重注意をいたしております。また、今月の五月の一日には私のところにも社長に来てもらいまして、これらの死亡災害頻発の異常事態を断絶するように最善の努力をするように指示いたしたところでございます。
#127
○小笠原貞子君 きのういろいろと通産省の方からお伺いいたしました。二月の二十六日に警告をなすっている。三月の十日、三月の十二日にも警告をなすっている。三月十六日も北炭の林社長を呼んで警告をなすっている。四月の二日にも北炭林社長に厳重注意されている。四月六日には夕張新鉱の鈴木常務に厳重注意をしている。四月三十日には林社長を本省に呼んで注意している。
 この日付とそれから災害の起こった日付というのをちょっと見ていただきたいと思うんです。つまり、三月の十日に注意をし、三月の十二日に警告をされていますが、三月の十三日、次の日に夕張新炭鉱で一人が死んでいるわけです。そして三月の十六日に警告された。その日は幌内で事故が起こって一人が死亡しているわけでございます。四月の二日に北炭の林社長を呼んで厳重注意をされた。その二日後、四月の四日に夕張炭鉱で一人が亡くなっているわけです。
 これ全部言うわけにはいきませんけれども、きのう私が伺ったときには八回、二月の二十六日から四月の三十日までに厳重に注意をされておりまして、その期間に八人が死んでいるんです、警告した次の目次の日。これは一体どういうことなんでしょう。大臣はお聞きになって、警告を八回やって八人次の日だの次の次の日に死んでいるというのは、一体この警告や何かというのが厳しくきちっと守られているのかいなかったのか、どういうふうに御感想をお持ちでしょうか。一言簡単にお答えいただきたいと思います。
#128
○国務大臣(田中六助君) 命を大事にしない人は私はいないと思います。したがって、これが故意にもちろんなったとは思いませんし、御承知のように日本の炭鉱は世界で一番深部、深いところにございますし、ガスあるいは突出、その値切り羽のぐあい、そういうことを全面的に考えますときに、点検し保安体制をしいた数秒後にでも暴発が起こりますし、また突出も起こる。いろんなことがございまして、私は日本の炭鉱の特殊性がやはりひそんでおるんじゃないかと思います。
 しかし、それは別といたしましても、やはりそこに多少の気の緩みがあってみたりあるいはなれがあってみるんじゃないかという気がいたします。したがって、緊張の度合いというものを忘れないでほしいという願いがございます。しかし、先ほど冒頭に申し上げましたように、事故があるように願う人は属は一人もいないと思います。したがって、そういう日本の自然条件というものもございますし、私ども保安に責任のある通産省としては、より一層そういうものに対する行政指導あるいは点検、そういうものについて責任を持ってこれからも努力しなければならないというふうに考えます。
#129
○小笠原貞子君 深部採炭であるということ、いろいろ条件をお挙げになりましたが、それはいま始まったことでございませんで、ずっとその状態でございます。通産省が非常に具体的な指導をなすっていらっしゃるということもよく存じ上げております。四月二日などは大変具体的な御指導をなすっていらっしゃいます。しかし幾ら御指導をなすっても、これを受けて本気にこれを守るか守らないかというのは、会社側の保安体制の姿勢にあると思うんです。
 私は炭鉱の労働者に一つ一ついろいろ聞いてみました。この問題について炭鉱労働者は何と言っているか。監督局長の警告にも馬耳東風と、こういうふうに書いているんです。幾ら真剣になすっても会社側は馬耳東風なんです。だから八回短期間に注意をしながら八人殺しているというのは、そういうところに私は一つの問題があるというふうにお考えになっていただかなければ、今後ともそういう問題の解決はつかないと思うんです。
 たとえばこういう事実がございます。御存じでございましょうか。たとえば監督官が入坑するその日に、鉄車に積まれて入ってきた材料運搬中の労働者に、係員が監督局が来るからすぐ材料をおろして鉄車をよそへ持っていけと、途中で荷物をおろさせたと。そこに鉄車があると、坑道の狭さを指摘され、拡大することや資材を台車で運ぶよう指示されているのに困るのだと、こういうことなんです。この監督官がお入りになって、そして通り過ぎられますと、今度は大急ぎでおろした材料を積み込んでまた運搬するようにという指示をしていると。そしてそれをやらされると、労働者はただでさえ作業が大変なのに監督官一人のために材料をおろしたり積んだりするとは余りにもひどいじゃないかと。会社というのは一体何をやっているのだという、そういう声をお聞きになっていらっしゃらないと思うんです。
 また、これは西第四ロングでガスが非常に多いんですね、ここは。しょっちゅう警報器が鳴りっぱなしですと。そうしますと、指令室から無線が入ると係員が飛んで行く。そしてふたをあけてセットの目盛りを下げてとめて、そしてやっているんですね。こういうようなこともこれはたくさん告発が続いております。
 時間がないから申し上げませんけれども、こういう体質だからこそ、そちらが一生懸命に注意なすって誠意を尽くしておっしゃっていても馬耳東風という結果になるのだということを、私は事実として知っていただきたいと思っていま読み上げたわけなんです。
 そこで、この北炭を再建しなければなりません。これも国家的な使命でもあるし、炭鉱労働者にとっても大事なことです。この再建という名のもとで生産第一主義、保安対策に大きな問題がある。
 わが党の夕張新炭鉱支部が、これはアンケートをとったんです。そしてその第一次分約二百名です。三月に調査いたしました。その中でたくさんは言えませんが、会社は保安法規をきちっと守っているかという質問に対して、守っていないというのが実に九六%ございます。ガス量が守られているか、ごまかしていると見ている者が九四%です。坑道の規格は守られているか、守られていない、九六%でございます。重大災害の危険を感ずるか、感じているというのが九四%でございますね。これがいま言いましたような告発になって、事実こういう声が私たちが行きますと、炭鉱労働者から聞けるわけです。
 たとえば、また三月十四日九時四十分ごろ、西第三下段切りかえロングゲートでガスが突出したと。発破準備中であったこと、規模が大きくなかったことで人身に被害はなかったものの、現場はサイドダンプローターが埋まり、二時間にわたって労働者が退避しているという事実がございます。二時間労働者が緊急退避した災害を、会社はこの規則どおり報告しているでしょうか。きっとそちらでは御存じないのではないかと、こう思うわけですね。
 だから、一人一人の労働者、偉い人ではなくて現場にいる労働者に聞いてみますと、まさにこういう生の声が非常に出てくるわけです。そして、それを裏づけるように次々と災害が発生しているわけです。私は、何としてもここのところでしっかりと歯どめをかけなければならないということを申し上げたいんです。
 だから、早急に調査をしていただきたい。そして北炭の総点検、これをすべきだと思うんです。それはいろいろ安全委員会から話を聞くとか、週に一回ぐらい行くとか、いろいろずいぶんお手当てしてくださっていますけれども、本当にこういった事実が聞ける人たちから生の声を聞いて、そして総点検するというのがいま私は必要だと思います。これがないとまた皆さんの御苦労が馬耳東風、水のあわになってしまいますから、こういう御調査ぜひお願いしたいと思うんですが、いかがでございますか。
#130
○政府委員(松村克之君) 北炭系の炭鉱におきまして、他の炭鉱に比して非常に災害の発生率が高いということで、監督局におきましても重点炭鉱としてこれを取り上げておりまして、巡回頻度は非常に高くなっているわけでございます。
 一例を申し上げますと、夕張新鉱については五十六年の、本年の一月に三回、二月には四回、三月に五回、四月に三回と、こういう回数行って、ほとんど週に一回以上行っているわけでございます。このような巡回によりまして、厳重でかつきめの細かい監督指導を実施してきているわけでございますけれども、やはり実際上の災害率を見ますと、全国的には災害率も減少し、死亡者数も減少しているわけでございますけれども、北炭系につきましては災害率は減少しておりますけれども、死亡災害が目立っているということでございまして、これについてはいま申し上げましたように、何回も警告を繰り返しあるいは巡回監督を強化しているやさきでございますので、非常に遺憾であるというふうに考えているわけでございます。今後ともわれわれといたしましては労働者、使用者の両方に対しまして総力を挙げてその改善に努めるよう指示いたしてきたわけでございます。今後ともこれら四社について申しますと、四社合同の保安総点検を実施し、これに基づいて保安対策の実施、家族ぐるみの安全運動の展開等安全運動を強力に実施し、これにあわせて監督局におきましてもこれらの運動を側面からバックアップして、今後ともきめ細かい監督指導を実施していきたいと、こういうふうに考えております。
#131
○小笠原貞子君 おっしゃるとおり、この問題もずいぶん私、五十二年から毎年やっていて、ずいぶん改善されてきているんです。御努力されているのは十分わかるんです。しかし、馬耳東風になっていくというのは、その調査や何かのやり方に問題があると私がいき言ったわけなんですね。現場の本当に働いている労働者に監督官がちょっと行って話を聞く、何とか委員なんというのではなくて、現場のその労働者に話を聞く、それが必要だと思うんですね。それでない限り本当の生の声は聞こえません。幾ら毎日いらっしゃっても生の声が聞こえないところで何ぼお聞きになったってだめだということを私は強調したいんです。だからそういう生の声を聞いていただきたい。そしてそれに対して労働者はいっぱい言いたいことがあるわけです、直接皆さんを頼りにしているのだから。その声を聞いてこういう点については改善を指摘しましたというふうなことが労働者にわかれば、労働者は本当に安心して一生懸命やると思いますので、そういった意味での御調査をお願いしたいと思います。よろしゅうございますね。簡単にどうぞ。
#132
○政府委員(松村克之君) 全力を尽くしまして、御趣旨の点も含めまして労使のできるだけ多くの関係者との意見交換あるいは保安対策の徹底方の指示等を今後とも行ってまいりたいと、こう思います。
#133
○小笠原貞子君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 じゃ、次の問題なんですけれども、これも私、五十一年から毎年やっている問題ですけれども、退職金の未払いの問題なんです。いま退職金未払いの対象労働者数と、それから未払い金額及び退職金だけではなくてその他というのがあると思います、定着奨励金などの。その他の未払い金額はどのようになっておりますでしょうか。
#134
○説明員(岡部晃三君) 北炭関係四社におきます退職金の未払い状況につきましては、五十六年三月末現在におきまして退職金が労働者千九百二十八名に対しまして総額七十四億四千百六十八万円未払いとなっております。また定着奨励金等につきましては、労働者五千二百名に対しまして総額十億四千二百二十六万円の未払いということに相なっております。
#135
○小笠原貞子君 いま数字をお聞きになって、大臣の御所見、後で伺いたいと思うんですけれども、退職金、千九百二十八人に対して七十四億約五千万の未払いというのがございます。これは私、五十二年からやっているんです。五十二年の十一月時点で伺ったときには退職対象者千三百九十七人に対して二十九億でございました。五十三年の三月に伺いましたときには対象者は三百九十四人で十八億五千万円でございました。だんだん少なくなってきてああよかったなと、こう思ったのですが、現在では何と七十四億五千万円という退職金の未払いというものがふえている。かえってふえているということですね。改善されるのではなくて、かえってふえております。この問題も何度も取り上げまして、石田労働大臣も会社の経営がどうだとかこうだとかというのは理屈にならないと、退職した者に対して退職金を払うことは当然のことであって、こういう引き延ばし方は基準法違反だとはっきり大臣がおっしゃったわけでございます。依然として改善はされておりません。むしろふえてきているわけなんです。いろいろと事情があろうかと思います。労働者も決して無理は言っていないんです。ただ願いたいことは、自分の退職金がどういう時期にどれくらい入るかという計画を知りたいと言うんですね。ずいぶん妥協しているわけですよ、当然もらわなきゃならないものに対して。ところがいままでのやり方を見ますと、いつ入ってくるかという計画がないわけですよ。だから、退職する者にとっては、自分が退職したらこの退職金で仕事を始めるとか、この退職金を当てにして結婚の費用にするとか、この退職金で子供を大学にやるとか、生活設計しているわけなんですね。それが全くもらえないと。そしていつ入るかわからない。会社の都合によって、ある月になんぼかくれるというようなことでは、退職金は未払いで延ばされるものの、いつ入ってくるかわからないものの、これは全く踏んだりけったりではないかと、こういうことですね。だから、少なくとも計画を出させていただきたい。これも前から言っているんです。計画を出させていただきたい、どういうふうに払うかというような問題ね。これくらいは最低会社として責任を持ってやるべきだと思う。ぜひその御指導をいただきたいし、会社がどういう返事をするか、その結果を御報告いただきたいと思います。いかがでございますか。
#136
○説明員(岡部晃三君) この北炭の不払い問題につきましては、労働省としても重大な関心を持っているわけでございます。このため現地の北海道労働基準局及び岩見沢署におきまして、支払いにつきましての指導を再三にわたっていたしているところでございます。最近におきまして、実は今月初めに、この早期支払いにつきまして繰り返し勧告を行うとともに、支払い計画書の作成、提出を求めた次第でございます。これは近々提出されるというふうに私ども考えております。その回答を待って私どもさらに指導を重ねてまいりたいというふうに考えております。
#137
○小笠原貞子君 いまおっしゃいましたように、現地では労働組合とも相談して、労働組合と一緒になって、そして岩見沢労基署に行ってるんです。いままでもこれ何回かやってきたわけですね。しかし現在このとおりなんですわ。だからやっぱりここのところで相当きちっとした毅然とした態度で、北炭というのはこれ大変な会社なんですよ、労働省御存じのとおり。これはもう小笠原先生、ひどい会社ですよとみんな言ってますよ。こういう相手にまともにこうこうこうやったからこうなるなんていうことでは、なかなかいままで見ても解決つきません。相手の北炭という会社がいままでどういうことをやってきたかということをごらんになれば、なまじっかなことではできないと思うんです。私はもうきょうでこの質問を終わりたいと思うんです。毎回毎回北炭なんです、私は。だから、どうかいまおっしゃいましたように、きちっとした計画を出させていただくということをしっかりお願いしたいと思います。
 もう時間もございません。大臣にいまの退職金の問題、もうこれ三年も待たされているというような人たちもいるわけですよ。退職者にとっては山の経営がどうなったとか、そんなことはもう関係ない、退職しちゃった者については。まさに石田労働大臣が労基法違反だと言われるくらい簡単な問題についても、こうやって私は五十二年からやって、まだこういうような状態だというような立場に立って、大臣としてはどういうふうにこの問題についてお考えになるか、どう対処していただけるかという点を大臣に最後にお伺いしたい。
 それから、もう一つ問題なんですね。これは山の労働者にとっては、山と生死をともにするという、本当にもう山に愛着を持ちながら、あの暗い坑内で、それこそ大変な高熱の中で、朝冷たい水二リットル持っていっても脱水になるくらいといような労働をやっているわけですよ。私は、その人たちの立場を本当に通産大臣としても考えていただきたいと、そう思うわけですよ。新規採用ストップですね、夕張新鉱、新規採用ストップですよ、これから。そして今後ストップどころではなくって、現在千八百二十人、三年後には千五百三十八人、マイナス二百八十二人減らしていく計画でしょう。そうして出炭はどうなんだと言うと、いま日産約三千トンというところ、三年後は三千九百七十トンですよ。人数は三百人くらい減らすものの、出炭は約千トン近くふやしていこうというような状態ですね。そんな中で、さっき言ったように、とにかく生産第一なんです。生産第一主義だからああいうふうな事故が起こってくるわけなんです。まさに手抜きの保安だと思うんです。
 最後に、二月二十六日、夕張新鉱で崩壊落盤のために二人が死んだんです。その死んだ現場にいた労働者たちがどういうふうに言っているかということなんです。私はその事故現場からの証言というものをとってまいりました。こう言っているんですよ。初めに一人が埋まった。「助けてくれ」と叫ぶ声がした。駆けつけたが材料がない。材料があれば、天盤を支えて掘ってやれば助けられた。しかし、何とか助けようと掘っているうちにまた崩壊してきて、また一人埋まった。二次災害のおそれがあったので、上段ロングから資材を運び天盤を支えた。夢中で掘った。しかし二人とも死んでいたと、こう言うんです。十分な保安資材が配置されていたなら助かったはずだと、こう言っているんですね。これを見ていた労働者どんなにつらかっただろう。そしてこれらの御家族はどんなに大変だったろう。私も山へはしょっちゅう参ります。山の家庭で座談会なんかいたしましても、その前をヒタヒタと走る足音が聞こえたら総立ちになるんですようちの父ちゃん何か事故があったんじゃないかというような状態。まさに地底で命がけで闘っているということを私は大臣にお考えをいただきたい。
 退職金の問題と、こういう悲惨な状態の中でもがんばって発展させていかなければならない石炭産業でございます。こういう災害の問題。助けてくれと言われて、みすみす材料がなくて殺してしまったというような、こういう事故の問題を私は具体的に申し上げました。その御所見と、二つをお答えいただいて終わりにしたいと思います。
#138
○国務大臣(田中六助君) 退職金の問題につきましては、これを支払わない、あるいは支払う能力がない現在においては、支払い計画というものをやはりきちんとして、そういう人たちに明示することは必要であるし、またしなければならない措置だというふうに思います。
 また、北炭事故につきましては、この北炭の新夕張は、もしも事故がこの次にありましたならば、これは閉山する以外に何物もございません。したがって、これが大きな事故がないように経営者も十分気をつけなければならないし、私どももこれを再開するに当たりまして、労使双方が十分気をつけてやってほしい。小笠原委員御指摘になるまでもなく、北炭の体質につきましては、私も二十年来いろいろ自分なりに考え、批判をしてまいりまして、これから先そういうことのないようにということは厳重に注意しておりますし、また、私も心からそれを願っております。事故のないように、そして人命に損傷のないように、私ども通産省も十分気をつけてまいりますが、北炭の経営者あるいはそれに携わる労務者相互に息の合うようなことでなければ、経営者と労務者がちぐはぐで坑内で働くことは、私はそれだけでも何か事故につながるような予感もしますし、私は、経営者と労働者が双方とも、経営者は大いに反省すると同時に、労使ともうまく話し合いをして絶対に事故のないようにということを願う以外ないと思いますし、小笠原委員御指摘の点は、これからも十分私ども経営者にも指摘して、われわれ指導してまいりたいというふうに思います。
#139
○井上計君 時間が余りありませんから、炭鉱跡地の整備復旧の問題等についてひとつお伺いをいたします。
 鉱害復旧の内容が年々肥大化しておるというふうなことを聞いております。生活水準の向上あるいは生活様式の変化等から、特に家屋の復旧等については非常にデラックスなものの改良を要求される希望が出ておるということで、負担分が非常に年々増大をしておる。そのために、過去の復旧と大変な格差が生じて、そこに不公平だというふうな不平不満が出ておるというようなことも聞いております。午前の参考人に、特に田川市長にお伺いしますと、やはり不公平だというふうなことでかなり問題が生じておると、こういうふうなお答えがありました。それから老朽化によるものについての復旧もすべてそれらのものが――すべてだとは言いませんが、鉱害だというふうな形で、もう一緒に含まれて鉱害復旧というふうな形、家屋の老朽化等、それらも鉱害復旧の中に含まれて負担をさせられておるというふうな例もあるんではなかろうか。それから河川の復旧なんかの場合、新しく行うところの付帯工事、これらも鉱害復旧の中に含まれておると、こういう例もあるやに聞いておりますが、どういうふうな掌握をされておりますかどうか。それから、これは伝え聞いた話でありますけれども、復旧の要水の中に設計書にないようなもの、家屋等の場合、たとえば池がある。その他の中にコイが泳いでおる。そのコイをどこかへ持っていく。あるいは持っていったんではコイが死ぬかもわからぬからというので何か買い上げを要求されておって、何か百万か百五十万ぐらいでコイを買ったとかというような例があったかというふうなことも聞いておりますし、植木が値上がりして、一千万を超えるような植木の補償をしたとかというふうなことも聞いておるんですが、そういうふうなこと等についてどういう掌握をされておるか、そういう事実があったのかどうか、ひとつ御存じならお答えをいただきたいと思います。
#140
○政府委員(福川伸次君) いま井上委員から鉱害復旧の施行につきまして御指摘がございました。御承知のように、臨時石炭鉱害復旧法に基づきます鉱害処理は、賠償義務者が有資力でございます場合には、当該鉱業権者が納付金を負担いたしまして鉱害復旧工事を施行いたします。また、賠償義務者が無資力になりました場合には石炭鉱害事業団が鉱害復旧事業を施行する。こういうことに相なっておるわけでございます。鉱害復旧工事の施行に当たりましては、有資力鉱害あるいは無資力鉱害を問わず、鉱害復旧基本計画に沿いまして、そして主務大臣、たとえば農地等は農林水産大臣、家屋等は通産大臣、河川、道路等は建設大臣、これが認可を受けました実施計画によりまして復旧工事を行うと、こういうことでございまして、私どもも、いまいろいろ御指摘ございましたが、できる限りこれを適正かつ公平に実施するということで努力をいたしておるわけでございます。
 それから、ただいま御指摘がございました中でいろいろ、たとえば庭木でありますとかコイ等を何か買い取ったんではないかというような事実を掌握しておるかどうかという御指摘がございました。私どもも、たとえばその家屋等に一体として、庭園の復旧に際しまして、必要な場合にはたとえば庭木あるいは泉水のコイなどを一時的に別の場所に移して復旧工事をする、庭園の復旧をするというようなことをいたすことがございますけれども、庭木あるいはコイというものを買い取ったという話は実は私どもは承知をいたしておりません。もし御指摘のようなことが事実でございますと、私どもちょっとそれを承知いたしておりませんが、もしそういうことがございますれば、私どもといたしましてもそれを調査いたしまして、また先生に御報告さしていただきたいと思います。
#141
○井上計君 細かい点をいろいろとお聞きしたいと思っておりますが、もう時間もありませんから余り細かい点触れませんけれども、いま庭木の問題あるいは泉水、池等の復旧の場合のコイの問題、どうも私が聞いたところによると事実のようです。おっしゃるように、そういうふうなものについての買い上げはないのが原則のようですが、実際には、どういうふうな理由がついているかどうか知りませんけれども、相当高額な価額で買い上げをされておるというふうな事実が、しかも最近といいますか去年あたりあったかに聞いておりますので、ぜひこれは御調査を願えませんかね。このようなものが放置されておりますと、ますます不平不満が増大をする、そうしてせっかくの炭鉱跡地の復旧、特に産炭地の振興というふうな面に重大な阻害が生じる、こう思いますので御調査をいただきまして、またひとつ後日御報告を願いたいと、こうお願いをしておきます。
 いまちょっとお答えの中にお話がありましたけれども、無資力の場合と有資力の場合のいわゆる補償の問題がこれまたかなり格差が生じておることになっておるんではなかろうかと、こう思います。無資力の場合にはある程度やはり住民もあきらめといいますか、余り過度の要求をしても通らぬであろうというふうなことがあるかもしれませんが、ところが有資力の場合にはまずできるだけ要求をしていこう、そうして一種のごね得だというふうなことが横行しておる。あるいは大変な圧力が加わって法外な要求をされる、のまざるを得ないというふうなこともあるんではなかろうかと、こう思いますけれども、そこでそういうふうな問題の解決のための一つに補償を一本化していく、一元化していく、一括した補償をして、そうして有資力に対する納付金といいますか負担金といいますか、そういうふうなものを事業団の方で徴収をする、こういうふうな形で現在の有資力あるいは無資力の別々の補償、復旧のやり方を一括してやる、こういうことについてはお考えはどうでしょうか。
#142
○政府委員(福川伸次君) 従来、この鉱害復旧、鉱害処理の体制と申しますのは、本来鉱害の原因者となりました鉱業権者がその責任を全うするというのが法律的な原則になっておるわけでございます。したがいまして、また私どももいろいろ鉱害復旧の円滑な促進のためにいろいろな、どういうふうな形で合理的な方法ができるかというふうなことで、石炭鉱害合理化事業団の施行能力等も考慮いたしまして、現在の鉱害復旧の体制、先ほど申しましたような体制でできておるわけでございます。いま鉱業法のもとで私企業たる鉱業権者が負うということになっております賠償義務を、石炭鉱害事業団が一切肩がわりをして復旧あるいは賠償を行う、こういうような一本化をするという体制ができるかどうか、私ども非常にいま法制からいって限界があるんではなかろうか。いま有資力につきましては一応鉱害賠償義務者が一義的には責任を負う、そして無資力の場合には国土の保全等の観点から、鉱害復旧事業団がその復旧事業を行う、こういう仕組みがいまあります法律の限界ではなかろうかということでございます。もちろん有資力の点につきまして、いろいろいま委員御指摘のように、法外な要求がされることがどうであろうかとか、あるいは仮に有資力とは言いながらも金融上負担が生ずる場合にどうであるかとか、いろいろな問題がございますが、その辺そういうことにつきましてのそれぞれの対策、これは組み合わせて検討をしてまいらなければなりませんし、かなりのものを現在も実施いたしておりますが、制度の原則的なものはいま申し上げましたような法律的な原則があるというふうな点につきましては御理解を賜りたいと思っております。
#143
○井上計君 原則として現在の方式がということは、これはわかりますけれども、やはりそういうふうな面がいろんな不備あるいは障害を生じておる、また生じつつある。今後さらに大きくなるであろうということを考えると、それらのものをやはり一括してやることをぜひお考えをいただきたいと、こう思います。
 そこで、裁定委員会の運営といいますか機能なんですけれども、やはりいろいろと個別の問題非常にむずかしい問題があるようでありますが、それだけに私は現在の裁定委員会というものが十分機能を発揮していないので、やはりそういうふうな不公平あるいは不満というふうなものが生じておる原因の一つであろうと、こう思うのですが、裁定委員会をもっと強化をしていく、あるいはかなりの権限を持たすと、こういう形でこれまた運営をしていくべきであろう。そういう面についてもお考えをいただいたらどうであろうかと、こう思います。それから、これまた申し上げる一つの理由でありますけれども、有資力の場合、せっかく企業があるいは労使が一体となって生産性を上げていく、若干の収益が上がっていくけれども、その収益の大部分はそのような跡地復旧整備にそのほとんどのものがやっぱりとられていって、自分たちが一生懸命生産性を上げ働いたいわばその鋳返しというふうなものが、やっぱり自分たちに来ないという不満もこれまた働いている人たちに生じているんではなかろうか、こういう点が考えられますので、裁定委員会の運営あるいは機能の強化というふうなものもあわせてぜひお聞かせをいただきたい、考えるべきであろうと、こう思いますが、いかがでしょうか。
#144
○政府委員(福川伸次君) いま鉱害の紛争処理につきましての御提言をちょうだいをいたしたわけでございます。現在こういった鉱害の紛争の処理につきましては、和解の仲介あるいは鉱業法上の和解の仲介あるいは裁定あるいは事実上のあっせんというようなものを実は組み合わして、鉱害の紛争の処理に当たっておるわけでございます。現在かなりの程度この中し立てに関しまして解決の割合も上昇をしてまいっておるわけでございます。それで、いま地方鉱業協議会に置かれております裁定委員会、これをもう少し機能等を強化をすべきではないか、いろいろな意味で鉱業権者の例あるいは被害者の側、双方においていろいろの事情があるので、それを公正かつ適切な判断を下すというようなことで、もう少しこの裁定委員会の制度というものを活用してはどうかという御指摘でございました。たとえば裁定というものを使いました最近では、大体五十三年度で三十件台程度でございまして、今後、これは確かに私どもも鉱害紛争の解決の一つの方法ではなかろうかということを考えておるわけでございます。できる限り適切な被害者、加害者の間での話し合いができる、あるいはその間適切な裁定をするという点は、今後石炭鉱業を続けていく上におきましても鉱害が十分防止されていくということの信頼の上に、非常に重要なポイントであるわけでございます。御指摘の点に関しましては、現在鉱害二法の期限が五十七年の七月末に切れることに相なっておるわけでございまして、今後この現在期限が参りまずその後のこの制度、政策のあり方をどうするかということを、近く石炭鉱業審議会の関係部会の方にお諮りをする予定にいたしております。そして、もしこの法律の延長等の措置を講ずるというようなことになりますれば、次の通常国会にこれを提案するということになるわけでございまして、いま御指摘の点に関しましては、私どもも鉱害政策の今後のあり方ということの全般の中で、一つの検討の課題として取り組ませていただきたいと思います。
#145
○井上計君 鉱害二法の改正のときには、ぜひそれを考えていただく。同時にそれが産炭振興法とまた非常に密接な関係があろうと思いますので、特に要望しておきます。それからあわせて、有資力に対する補助率、財源の問題等ございますけれども、やはりいろいろな現地の事情等を聞いておりますと、もう少しできればその補助率を増加する必要があるんではなかろうか。これらの点も感じる点がありますので、あわせてひとつ御検討をお願いをしておきたい。
 そこでもう一つ問題は、賠償義務者を特定できないというふうな場合が非常に多いようであります。特に三井の山野炭鉱が非常に過重な負担を強いられておるようでありますけれども、赤水の湧水の問題ですが、現地の実情を御存じだと思いますけれども、そのような賠償義務者を特定できない場合の復旧整備の場合ですね、それらについてもかなり問題があるんではなかろうか、こう聞いておりますけれども、いかがでしょうか。
#146
○政府委員(福川伸次君) いまの三井山野炭鉱の赤水湧水でございます。一般的に申しますと赤水湧水ということにつきましては、ただ赤水湧水だけということで鉱害復旧として取り上げるということにはまいりませんけれども、それがたとえば農地とかあるいは農業用施設等に被害を与えている場合には、被害物件の効用を回復するという観点から、処理施設の設置につきまして一般的にはこれの費用の補助をするというようなことを実はいたしておるわけでございます。
 御指摘の三井山野の処理施設につきましては、これは三井が予防的にこの農地等に被害を及ぼす前に設置をいたしましたために、補助金の対象にいたしておりませんけれども、一般的に申しますればそういった問題は鉱害の一環として、その設置の費用につきましてはその後補助の対象とするということで運用をいたしております。しかしながら、いまの運転資金の点に関しましては、あるいは管理費と申しましょうか、この点につきましては本来これが賠償義務者の責任ということでございますので、私どもとしてはいまこれを国が補助をするというようなことは困難である。特にこのいまの赤水の処理等につきましての管理費、運営費というのは、それほど多額に上るということでもございませんので、運転資金につきましては私どもとしてはいまそれを補助をする必要がないというふうに考えておるわけでございます。
#147
○井上計君 ちょっといまお答えが十分聞き取れなかったんで、さらに希望しておきますけれども、まあ私の聞いたところによりますと、必ずしもすべてが三井の山野の責任ではない。しかし、たまたま周辺にいわば有資力のところがないものでありますから、ほとんどが三井の責任ということで大変過重な負担を強いられておる。このような実情であると聞いておりますので、これらについても十分ひとつ調査をしていただいて、そこに不公平がないように、過重な負担があるとするならば、それらについてはひとつ十分改めていただくということをこれ要望しておきます。
 それで労働省にお伺いいたしますけれども、緊急就労事業、これは筑豊地区ですね、筑豊地区においては緊急就労事業で従事しておる人たちの中で六十歳以上の人が約三八%、それから開発就労事業に従事している人の中で六十歳以上が一五%程度ある、このように聞いておるんですが、事実かどうか。事実とするならば、これらのいわば高年齢層の就労者に対しては、むしろ一般の失対事業として一般財源から支出すべきであろうと考えますけれども、この点どうですか。
#148
○説明員(伊藤欣士君) 先生御指摘の緊就・開就事業につきましては、炭鉱離職者の対策といたしまして、石炭鉱業の合理化により離職を余儀なくされた者が再就職するまでの間臨時的に就労機会を与えるとともに、産炭地域の開発に寄与する目的を持って実施している事業でございます。まあ現在緊就事業につきましては、福岡は筑豊地域が中心でございますが、全国で五県、それから開就事業につきましては全国で四県ほどで実施しておるわけでございます。それから就労者の年齢でございますが、ほぼ先生御指摘のような数字になろうかと思うわけでございます。ただこの事業につきましては、今後につきましてもやはり現在における産炭地域の雇用失業情勢はきわめて悪い。早急に雇用機会が増大するというのは余り望めない現状にある。それから地域における就労事業の実態等からしまして、今後についてもなお引き続き実施が必要ではないかと考えておるわけでございますが、ただ今後の事業運営につきましては、昨年出されました産炭地域振興審議会の答申におきましても、引き続きその合理的運営を図るという御指摘がなされておるわけでございますし、また御指摘のように就労者の高齢化も進んでおるという実態がございます。そういうことでございますので、先ほどの答申を率直に受けとめまして、就労者の年齢問題も含めまして今後具体的に検討を加えて、その合理的運営を図っていくことといたしたいと考えておるわけでございます。
#149
○井上計君 終わります。
#150
○委員長(金丸三郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#151
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#152
○委員長(金丸三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、村田君から発言を求められておりますので、これを許します。村田君。
#153
○村田秀三君 私は、ただいま可決されました産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、本法施行にあたり、産炭地域における鉱工業等の発展と石炭需要の安定的拡大を図るという目的に配意しつつ、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
 一、経済生活圏を設定するにあたっては、地方公共団体等の意向を勘案し、広域市町村圏、地方生活圏等との調和を図るよう配慮すること。
 二、産炭地域振興実施計画の策定にあたっては、地域の実情に応じた産業の振興に留意しつつ、域内経済の均衡ある発展が図られるよう配慮すること。なお、教育、文化、福祉施設等生活環境基盤の整備についても十分努力すること。
 三、産炭地域の指定を解除するにあたっては、当該経済生活圏の中でも経済的社会的疲弊の解消の十分でない地域について、その自立的発展の可能性に配意する等合理的な基準によること。
 四、産炭地域振興基本計画及び同実施計画あるいは発展計画の実効性を十分に図るため、必要な財源の確保に努めるとともに、当該地域における事業の推進について関係各省庁は十分に配慮すること。
 五、産炭地域の開発に必要な閉山炭鉱跡地の活用を図るため、必要な調査を行い、地方公共団体に対し適切な助言を与える等、その対策について検討すること。
 六、産炭地域における鉱害対策について万全の措置を講ずるよう努めること。
 右決議する。
 以上であります。
#154
○委員長(金丸三郎君) ただいま村田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#155
○委員長(金丸三郎君) 全会一致と認めます。よって、村田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、田中通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。田中通商産業大臣。
#156
○国務大臣(田中六助君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、万全を期する所存でございます。よろしくお願いいたします。
#157
○委員長(金丸三郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#158
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#159
○委員長(金丸三郎君) 次に、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案並びに商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。田中通商産業大臣。
#160
○国務大臣(田中六助君) 商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 商工組合中央金庫は、いわゆる中小企業者の組合の系統金融機関として、中小企業の発展に大きな役割りを果たしてきております。
 今後とも、中小企業の一層の発展を図っていくためには、商工組合中央金庫におきましては、中小企業者に対する資金の安定的供給を図るとともに、経営基盤の強化を図ることが必要であると考える次第であります。また、市街地再開発事業の円滑な推進を図るため、市街地再開発組合を同金庫の所属団体となることができる者として追加することが必要であると考える次第であります。
 かかる趣旨にかんがみ、今般、商工組合中央金庫法の改正を提案することとした次第であります。
 次に、本法律案の要旨につき、まして、御説明申し上げます。
 第一は、債券の発行限度額を引き上げることであります。商工組合中央金庫の債券の発行限度額は、現在、自己資本の二十倍と定められておりますが、その発行額は、限度額に近づきつつあります。このため、今後の中小企業者の資金需要の増大に安定的に対処する観点から、これを自己資本の三十倍に引き上げることとした次第であります。
 第二は、一所属団体の出資口数の限度を引き上げることであります。現在、商工組合中央金庫の一所属団体が有することができる出資口数の限度は、原則として五万口となっておりますが、民間出資を増大し、自己資本の充実を図る観点から、これを所属団体の出資総口数の百分の一に引き上げることとした次第であります。
 第三は、商工組合中央金庫の所属団体となることができる者を追加することであります。近年、各地で活発に行われている市街地の再開発事業は、中小商業者の店舗の近代化等に資することにかんがみ、都市再開発法に基づく市街地再開発組合を同金庫の所属団体となることができる者として追加することとした次第であります。
 また、これらに加え、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 次に、商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 商工会は、商工業者の自主的組織であり、これまで地域の商工業の総合的な改善発達に大きな役割りを果たしてまいりました。
 商工会は、法制定後二十年を経た現在において、商工会自体の基盤強化を踏まえ、地域の商工業の一層の振興を図るとともに、地域社会の諸側面において重要な役割りを果たすことが期待されており、このため、商工会及び商工会連合会の事業活動をより一層促進することが必要となっております。
 かかる趣旨にかんがみ、今般、商工会の組織等に関する法律の改正を提案することとした次第であります。
 次に、本法律案の要旨につきまして、御説明申し上げます。
 第一は、商工会の目的として、社会一般の福祉の増進に資することを追加することであります。
 商工会が魅力ある地域づくりに多面的に寄与できるよう、商工会の目的として、「地区内における商工業の総合的な改善発達を図ること」に加えて、「あわせて社会一般の福祉の増進に資すること」を追加することとしております。
 第二に、地域の商工業の一層の振興を図るため、商工会の事業の範囲に「商工業に関する調査研究を行うこと」及び「商工業に関する施設を設置し、維持し、又は運用すること」を追加するとともに、商工会の目的の改正に伴って「社会一般の福祉の増進に資する事業を行うこと」を追加することとしております。
 第三に、商工会の事業をより一層地域のニーズに適合したものにするため、商工業者以外の者が商工会に会員として加入できることを定款で定めることができることとしております。
 第四に、事業規模の拡大に伴い、商工会及び商工会連合会の理事の定数を増加することとしております。
 また、以上に加え所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重に御審議の上御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#161
○委員長(金丸三郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。児玉中小企業庁長官。
#162
○政府委員(児玉清隆君) ただいま大臣が御説明申し上げました商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案の提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。
 商工組合中央金庫は、中小企業等協同組合その他主として中小規模の事業者を構成員とする団体に対する金融の円滑を図ることを目的として、昭和十一年に設立されました。現在、その貸し付け残高は、五兆円を超え、中小企業の発展に重要な役割りを果たしてきております。
 今後とも、商工組合中央金庫におきましては、中小企業の資金需要の増大に対応して、貸し付け原資を安定的に確保するとともに、経営基盤の強化を図ることが必要であると考える次第であります。また、市街地再開発事業の重要性にかんがみ、その円滑な推進を図るため、市街地再開発組合を商工組合中央金庫の所属団体となることができる者として追加することが必要であると考えます。かかる趣旨にかんがみ、このたび、商工組合中央金庫法の改正を提案することとした次第であります。
 本法律案におきましては、第一に、債券の発行限度額を引き上げることとしております。商工組合中央金庫は、払い込み資本金及び準備金の合計額の二十倍を限度として債券の発行が認められております。
 しかしながら、現在、債券発行残高は限度額に近づきつつあり、今後とも、商工組合中央金庫が安定的な資金の確保を図るためには、債券の発行限度額の引き上げを早急に行う必要があります。このため、今般、債券の発行限度額を払い込み資本金及び準備金の合計額の三十倍に引き上げることとした次第であります。
 第二に、一所属団体の出資口数の限度を引き上げることとしております。商工組合中央金庫の一所属団体が有することができる出資口数の限度は、昭和三十四年以来、原則として五万口となっておりますが、現在、相当数の所属団体が、この限度を超えているなど実情に合わなくなっております。このため、自己資本の充実がより効果的に図られるよう、この限度を所属団体の出資総口数の百分の一に引き上げることとした次第であります。
 第三に、商工組合中央金庫の所属団体となることができる者を追加することであります。近年、市街地の再開発事業が各地で行われておりますが、中小商業者等が中心となって行う市街地再開発事業が中小商業者の店舗の近代化等に資することにかんがみ、都市再開発法に基づく市街地再開発組合を所属団体となることができる者として追加し、必要な資金の供給等を行うことにより、その事業の円滑な推進を図ることとした次第であります。
 さらに、債券の発行限度額の改正と関連して、準備金の範囲を政令で定めることとする等所要の改正を行うこととしております。
 以上、この法律案につきまして、補足説明をいたしました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
 次に、ただいま大臣が御説明申し上げました商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及び要旨を補足して御説明申し上げます。
 商工会は、主として町村において、小規模事業者のための経営改善普及事業等を行うことにより商工業の総合的な改善発達を図ることを目的として設立された商工業者の自主的組織であり、昭和三十五年に法制化されて以来、小規模事業者に対する指導団体として、また地域の総合的な経済団体として大きな役割りを果たしてまいりました。
 商工会は、法制定後二十年を経た現在において、地域振興の重要性が高まる中で、地域の商工業の一層の振興を図るとともに、地域の社会的、文化的側面においても重要な役割りを果たすことが期待されております。
 また、商工会自体も財政、組織面等における基盤の強化によりこのような役割りに十分こたえ得るものとなっております。このため、商工会が地域において多面的に寄与していくために、商工会及び商工会連合会の事業活動をより一層促進することが必要であり、かかる趣旨にかんがみ、このたび、商工会の組織等に関する法律の改正を提案することとした次第であります。
 本法律案におきましては、第一に、商工会の目的として、社会一般の福祉の増進に資することを追加することとしております。
 商工会が睦月ある地域づくりに積極的に貢献することが、究極的には地域の商工業者自身の健全な発展につながることにかんがみ、商工会の基盤強化を踏まえ、商工会の目的として、「地区内における商工業の総合的な改善発達を図ること」に加えて、「あわせて社会一般の福祉の増進に資すること」を追加することとした次第であります。
 第二に、地域の商工業の一層の振興を図るため、商工会の事業の範囲に、「商工業に関する調査研究を行うこと」及び「商工業に関する施設を設置し、維持し、又は運用すること」を追加するとともに、商工会の目的の改正に伴って「社会一成の福祉の増進に資する事業を行うこと」を追加することとしております。
 第三に、地域振興において商工会に期待される役割りの増大と商工会自体の基盤強化を踏まえ、商工会の事業をより一層地域のニーズに適合するため、商工業者以外の者が商工会に会員として加入できることを定款で定めることができることとしております。
 第四に、商工会及び商工会連合会の事業規模の拡大にかんがみ、これらの事業活動のより一層の促進のため、商工会及び都道府県商工会連合会の理事の定数を二十人以内から三十人以内に、全国商工会連合会の理事の定数を十人以内から十五人以内に増加することとしております。
 また、以上に加え、商工会が定款で定めるところにより、使用料を徴収することができることとする等所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上、この法律案につきまして、補足説明をいたしました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#163
○委員長(金丸三郎君) 本案に対する質疑は後日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト