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1980/05/14 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 商工委員会 第10号
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1980/05/14 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 商工委員会 第10号

#1
第094回国会 商工委員会 第10号
昭和五十六年五月十四日(木曜日)
   午前十時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     岩本 政光君     川原新次郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         金丸 三郎君
    理 事
                土屋 義彦君
                前田 勲男君
                村田 秀三君
                市川 正一君
    委 員
                上田  稔君
                大木  浩君
                楠  正俊君
                斎藤栄三郎君
                福岡日出麿君
                松尾 官平君
                森山 眞弓君
                阿具根 登君
                青木 薪次君
                吉田 正雄君
                田代富士男君
                馬場  富君
                井上  計君
                森田 重郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   田中 六助君
   政府委員
       大蔵大臣官房審
       議官       梅澤 節男君
       通商産業政務次
       官        山本 富雄君
       通商産業大臣官
       房長       杉山 和男君
       通商産業省産業
       政策局長     宮本 四郎君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        高橋  宏君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  石井 賢吾君
       中小企業庁長官  児玉 清隆君
       中小企業庁計画
       部長       木下 博生君
       中小企業庁小規
       模企業部長    村野啓一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       大蔵省理財局資
       金第一課長    亀井 敬之君
       大蔵省銀行局特
       別金融課長    日向  隆君
       国税庁直税部法
       人税課長     四元 俊明君
   参考人
       商工組合中央金
       庫理事長     影山 衛司君
       全国商工会連合
       会会長      辻 彌兵衛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○商工会の組織等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(金丸三郎君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十三日、岩本政光君が委員を辞任され、その補欠として川原新次郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(金丸三郎君) 商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案及び商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○田代富士男君 最初に、中小企業向け金融におきまして、いわゆる政府系三機関と言われているものは、御承知のとおりに国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫でございますが、これらの三機関のうちで商工中金の貸出金利が高い。そこで、この貸出金利についてお伺いしたいと思いますが、これらの三機関の中で金利が最も高い理由は何なのか。特に、構成員貸しにつきましてはより高いことが明らかにされておりますけれども、この点、最初にお伺いしたいと思います。
#5
○政府委員(山本富雄君) いま田代先生お尋ねの点でございますが、そういう声、よく私どもも耳にするところでございます。実は、この中金、参考人として理事長もおいででございますけれども、商工中金の資金の構成を見ますと、五十六年三月末で債券が六九・三%、それから預金が二〇・九%、こういうふうになっておりまして、言うなれば七、三の状態でこの資金調達がなされております。ですから、その七割は金融債に依存をしておるという資金構成になっておるわけでございます。このために資金コストは、預金を主体とする一般金融機関及び財投資金を主体とする中小公庫、国民公庫に比べて、どうしても割り高にならざるを得ないというふうなバックがございます。それから、こういった資金コストからくる制約要因はございますけれども、しかし従来から経営の合理化、預金その他低利資金導入などを図って、この貸出金利をできるだけ低い水準にとどめるというための努力は、もうその都度一生懸命関係者がやってきたところでございます。特に長期資金の融資でございますが、これは調達の原資である債券の長期安定資金としてのメリットを活用いたしまして、いわゆる五年物などと言うやつでございますが、他の金融機関に比べましてむしろ低い水準となるように配慮をしておる、こういう事情でございますので、ひとつ御了承願いたいと思います。
#6
○政府委員(木下博生君) 構成員貸しへの貸出金利の高い点につきまして御説明申し上げたいと思います。
 構成員貸しにつきましては、組合貸しよりも短期貸し出しで〇・三七五%、長期貸し出しで〇・三%、それぞれ高くなっているわけでございます。この組合貸しの方が逆にそうやって低くなっている理由でございますけれども、一つは、中小企業組織化推進の一環というようなことで、組合貸しのものが商工中金の従来からの事業として本来的に進められてきているというようなことで、政策的優先度が高いという見地から組合貸しの方を安くしているという点が一つでございますし、もう一つ、コストの問題でございますけれども、組合で金融事業を行いまして構成員に貸し付けを行う場合には、その事務的な費用が組合員にかかるわけでございます。そういうこともございますので、当該費用の一部を構成員貸しよりも低金利を適用するという形で吸収しまして、それで組合が構成員に転貸いたします場合の末端の実質金利を軽減をするということによりまして、組合の金融事業の円滑な推進を図りたいと、そういう形で差を設けておるわけでございます。
#7
○田代富士男君 ただいまもいろいろお話がございましたが、国民金融公庫、中小企業金融公庫は資金運用部資金をもとに政策的に低利貸し出しをしていらっしゃいますが、片や商工申金の原資というものは債券発行を中心に求めまして、その債券の金利が五年物で利付債いわゆるリッショーが七・九%、一年物の割引債いわゆるワリショーが七・六三%と、高いという、まずここから検討しなくちゃならないということはいまの御説明でも理解できますが、しかし、商工中金のたてまえといたしまして、中小企業者のためにどれほどの努力を払っていくかという、ここはまた検討する余地があるということは、商工債券発行の状況を見ますと、五十六年三月末現在で五年物七・九%のリッショーが二兆九千八百三十億円、それに対しまして一年物のワリショーが一兆三千三百三十億円と、このようになっておりまして、比率が七対三というふうに大きく開いているわけなんです。そうしますと、これをせめてこの一年物の七・六三の割引債、ワリショーをふやしまして、五対五まで持っていくことはできないものか、こういう努力はできないのか、お伺いしたいと思うんです。
#8
○政府委員(木下博生君) 商工中金にとりまして、いまおっしゃいました五年物の利付債は債券期間が長いという意味で、安定的な調達原資としてのメリットを持っておるわけでございますが、そのかわり若干金利が高いと。それから割引債は債券期間が一年と短いものの、調達コストは安いという意味でのメリットがあるわけでございます。そういうわけで、割引商工債券と利付債券の発行比率の現在の三対七の発行比率につきましては、従来から大体そういう傾向でずっと続いてきておりますけれども、貸付原資を安定的に確保するということと、できるだけ安いコストの資金を確保すると、二つの要請にこたえるような形で、従来からそのような比率になってきておるわけでございまして、割引債の比率を今後高めることにつきましては、より低利でかつ安定的な資金調達を確保するという見地から、商工債券の実際の市場における需要動向も考えながら、今後十分検討をさしていただきたいと考えております。
#9
○田代富士男君 ぜひ検討していただきたいと思いますが、そこで、政府引受残高を見ますと、全体の一〇・七%、金額にして約四千六百億円近くとなっておりますが、これを単年度で見ますと、その比率は年々低下してきております。特に、ただいまも問題として提起いたしました割引債の引き受けは全体の三%にすぎない、こういう実態でございますが、政府としてもせめて低利の割引債の割合をふやして、全体の比率である七対三に近づけて、そうしてさらにはこれをただいま私が申し上げましたとおりに五対五になるぐらい、このようにしていくならば高いと言われます商工中金の金利も低減することができるのではないかと思います。その点、どうなのか。それで五十六年度におきます政府引き受けの割引債、利付債の予定額をあわせてお答えいただきたいと思います。
#10
○政府委員(木下博生君) 政府が引き受けております商工債券の残高は、いま先生おっしゃいましたように、五十六年三月末で四千六百億円程度でございますけれども、この額が従来よりも若干落ちてきているという点は、従来石油ショック等のときに多大の資金需要が中小企業に出まして、それに対する融資財源を確保するというようなことで、政府引き受けをふやしたというようなことがありました関係で多かったのが、やや最近減ってきているということでございます。ただし、逆に中小企業事業団等の政府系機関の引受額というのはふえてきておりまして、それを両方考えて、広い意味での政府の引き受けというのは相当の量は確保できているということは言えるのではないかと思います。
 それで、政府引受債につきましても、先生御指摘のように、利付債と割引債の割合は従来から大体同じような七対三ということで、全体の発行割合と同じような割合を保ってきております。これにつきましては、御指摘のように、割引債の比率が高まればそれだけ全体としての資金コストは安くなるという面はあるわけでございますけれども、一年物をずっと引き受けて、また償還し引き受けるというようなこともございますので、政府の全体の資金の運用という点からも考えまして、その比率を今後高めながら、しかし商工中金としてはその財源を十分確保ができるかどうか、この点は十分今後も検討させていただきたいと思っております。
 それから五十六年度の政府の関係の商工債券の引き受けの見込みでございますけれども、利付債につきましては七百六十一億円、それから割引債につきましては千二百四十六億円というものを一応予定しております。
#11
○田代富士男君 そこでこれは私の考えも入れた質問でございますが、ただいまも申し上げましたとおりに、政府出資の増加やあるいは政府による低利の割引債の引き受けの増加、ただいまも申し上げたとおりでございますが、こういう配慮やあるいは内部の経営努力などによりまして、商工中金の金利についてもう少し引き下げられないものだろうか、これは私の考えも入れた質問になりますけれども、というのは、私も商工中金を利用されるお方をお世話している場合がございますが、そういう立場からいろいろせっかく話し合いのテーブルに着きまして、ここでいろいろな事業をやろうとしているときに、結局都市銀行との競合が起きまして、金利競争ということになりまして、都市銀行の商売上手なそういう方法にしてやられまして、貸出先、これは優良な企業でございますけれども、逃している例があるわけなんです。こういうことも考え合わせてそういうことも検討すべきではなかろうか、それと同時に、商工中金の場合は常に担保について厳しい条件をつけられるわけなんです。これが一層貸出先を逃している面もあるのではないかと思いますし、商工中金が他の金融機関と異なりまして、一昨日、影山理事長が商工中金は半官半民の両方のよい特徴を出した運営をやっているということでございますから、半官半民の民の商売感覚をもっと有効に働かしていくべきじゃないかと思いますが、理事長の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#12
○参考人(影山衛司君) お答え申し上げます。
 先生から御指摘をいただきましたのでございますが、貸し出しの金利につきましては、私どもといたしましても実態に応じましてあとう限り弾力化を図っておるのでございます。また、たとえば雪害融資等につきましては、これは対象が小規模企業が多いのでございまして、組合を通じての融資が多いわけでございますけれども、これにつきましても全く自己努力によりまして激甚災害並みの金利で貸し出しておる。これはもちろん担保なしというようなことにも努力をいたしておるような次第でございます。
 また担保につきましても、厳しいのではないかと、こういう御指摘もいただきましたわけでございますが、最近私どもも担保を付す場合のやり方等につきましても、改善努力を続けておるのでございまして、担保の評価につきましても、一般的に申しまして都銀等の例と比較をいたしましても、決して評価方法も厳しいものではないというふうに私は考えております。また貸し出しに際しましては、担保が不十分な場合でも、お客様の事業計画の見通してございますとか経営内容、取引の実績等から総合的に判断をしてお貸しをするようにという指導をいたしております。また先ほど申し上げましたように、組合転貸の場合は、協同組合の信用力あるいは役員の保証というようなものがつきます場合は、ほとんど無担保というようなことでやっておるような次第でございまして、私どもといたしましては、融資に当たりましては、単に融資だけでなくて、経営相談を行い、親切にアドバイスをしながら対応するというふうな指導も私自身しておるわけでございますけれども、何分私どもなりに努力をしておりますが、不十分な点もございますし、また先生御指摘のように市中銀行のいい点は私どもどんどん学んでいきたいと、こういうふうに考えておりますので、どうぞ今後とも御指導をよろしくお願いしたいと思うわけでございます。
#13
○田代富士男君 商工中金におきます政府出資は、民間出資と異なりコストのかからない資金として意義も非常に大きいわけでございますが、中小企業者への低利融資のために欠くことはできないわけでございますが、特に最近の商工中金の経営内容から見ましても、自己資金の中でも政府出資に頼らざるを得ないのではないかと私は思う一面もあるわけなんですが、また民間資金の導入に際して信用力を増すという役割りも大きいと思いますけれども、私がいまずっと質問をしてまいりましたけれども、これを含めまして今後の政府の取り組みをお伺いしたいと思います。
#14
○政府委員(木下博生君) 商工中金は半官半民の組織でございますけれども、発足当時は政府、民間それぞれ出資額が五〇%ずつという形で発足したわけでございますが、戦後も政府としては商工中金の事業をますます発展させるという意味合いから出資額をふやしてきておりまして、現在の政府出資の割合はほぼ七割程度まで来ているということでございます。五十六年度につきましても、前年度に比べまして十五億円多い百十億円の出資をいたしたことになっておりまして、今後とも商工中金の事業が拡大するに伴いまして、政府出資をふやしていきたいと私どもは考えております。
#15
○田代富士男君 よく御配慮をいただきたいと思います。
 次に、商工中金の融資先には大企業も含まれているようでございますが、どういう経緯から含まれるようになったのか、また本来が中小企業への金融を使命としている以上、大企業融資につきましては一定の考えで臨むべきではないかと思うわけなんです。特に企業として資金調達力も十分に備えているものにまで融資をするということになれば、窓口規制を受けている中小企業の皆さんからの反発も強いのではないかと思いますが、この点はどうでございましょうか。
#16
○政府委員(木下博生君) 商工中会法は一条の目的で「商工組合中央金庫ハ中小企業等協同組合其ノ他主トシテ中小規模ノ事業者ヲ構成員トスル団体ニ対スル金融ノ円滑ヲ図ル」ということが目的として掲げられておりまして、その法律の二十八条によりまして、所属団体及びその構成員がその融資の対象ということになっておりますので、法律的にはそのような組合であれば、所属メンバーが大企業である場合でも融資はできる形になっておるわけでございます。
 それで、現実にはそういう組合のメンバーで小規模事業者であったものが、徐々に成長いたしまして、中小企業基本法の定めます資本金額やそれから従業員数の基準を超えるに至ったものも少なくなくなってきているわけでございますけれども、これらの事業者を見ますと、まだ実質的に中小企業というような感じの性格を有する中堅企業というものも多いわけでございます。これらの企業はそういうふうに成長してきた企業でございますので、組合の中でもどちらかというと中核的な活動をしているというようなことがございますが、まだ体質的な面では中小企業的な弱さも持っているというようなことで、一部上場というような大企業に比べると資金的に非常に弱いわけでございます。したがいまして組合組織の維持強化を図るというこの商工中金の使命から見ましても、このような中堅企業に対しては、今後もその融資を行うことによって、本来の目的を達成さしていくということが必要であろうかと思います。
 ただ、これらの企業の中でも、ますます発展いたしまして、一部上場というような本当の大企業になってしまうというように至ったものにつきましては、もう十分に資金調達力もできてきたということが考えられるわけでございますので、このような企業に対しては、原則として貸し出しは行わないというような方針で商工中金はやってきておりますし、また昭和五十年には政府としても商工中金に対する指導を行ってきております。したがいましてそのような大企業になりました場合には、過去における貸付分、既往貸付分につきましても、その貸し付けを減らすというような形で行ってきておるわけでございます。
#17
○田代富士男君 大企業への融資と中小企業への融資とで融資条件に格差を設けるべきであると、私はこのように考えている一人でございますが、しかしこういうことを申し上げましても、商工中金の立場といたしましては、組織金融の基本に反するようなことになってはならないと、そういうお考えであることも承知しておりますけれども、それが事実ではないかと思いますが、しかしそれも踏まえた上で大企業が組織の中核として果たす役割りの大きさから考えまして、また商工中金の融資に魅力を失わせることにも問題はあるかもしれないけれども、弱小零細な企業に限って条件を緩和することは意義があるのではないかと思いますけれども、この点いかがでございましょうか。
#18
○政府委員(木下博生君) 企業規模の差によって融資金利に差をつけるべきではないかという御指摘の点でございますが、いま先生おっしゃいましたように商工中金の基本的な目的が、商工中金に入りました組合の相互組織で組合活動を金融面から促進するというような性格のものでございますので、そのような基本的な考え方に立ちますと、その各組合のメンバーである構成員の企業規模の差によって融資条件を区別するということはできにくいし、またそのような運用もやってきてないわけでございます。
 それで、もし企業規模の違いによって融資条件に差をつけるということになりますと、結果として逆に組織化を進めるという面からはマイナスの効果を生じるというような問題も生ずるかというような感じがいたしますので、そういう点につきましては十分に慎重に検討していきたいと考えております。
#19
○田代富士男君 今回の法案におきまして、商工債券の発行の限度額を「払込資本金及出資者勘定ニ属スル準備金ノ額ノ二十倍」に相当する金額から払い込み資本金及び準備金として政令で定めるものの金額の三十倍に相当する金額に引き上げることになっておりますが、そこで、その前に長信銀三行の債券発行限度枠の消化率をまず御説明していただきたいし、また、商工中金に比較してどうなっているのかあわせてお伺いしたいと思います。
#20
○政府委員(木下博生君) 債券発行銀行、商工中金を含めまして六行の発行限度枠の消化状況を申し上げます。
 昭和五十五年三月末におきまして、日本興業銀行は八九・九%、それから日本長期信用銀行は九三・七%、それから日本債券信用銀行は九二・五%、それから東京銀行が八七・七%、農林中金が七〇・八%となっておりまして、それに対しまして商工中金は七六・六%でございます。
#21
○田代富士男君 いま御説明がありましたとおりに、限度枠に逼迫感がない中で、商工債券の発行限度額を三十倍に相当する金額に引き上げる理由というものは一体何なのか、御説明いただきたい。
#22
○政府委員(木下博生君) 確かに興業銀行や長期信用銀行等に比べまして商工中金の債券発行限度枠の消化状況は低うございますけれども、商工中金の場合には中小企業を取り巻く経済環境が急激に変化して、政府系中小企業金融機関として積極的な融資を緊急かつ機動的に行う必要があるという責務を持っておるわけでございます。このため、それに必要とする大量の債券発行に備えまして、ほかの銀行以上に相当程度の余裕をいつも持っておく必要があろうかと考えるわけでございます。過去におきましても、ニクソンショックのころあるいは四十九年の石油ショックのころ、いずれも商工中金の貸し出し規模が急激にふくらみまして、それで債券発行も前年度に対して二五%以上というような伸びを示したことがあったわけでございますが、そういうような事態が将来起こりましたときに、いつでも債券を大幅に発行できるようにしておく必要があるというふうに考えておるわけでございます。
 先ほど申し上げました商工中金の消化率は五十五年三月末でございますが、五十六年三月末には七九・一%というかっこうで八〇%に近いところまで上がってきておりますけれども、過去五年間の債券発行の伸び率を見ますと一三・八%ぐらいになっておりますので、この伸び率が将来も続いていくというような形になりますと、五十七年度か五十八年度にはほほその限度いっぱいまで来るおそれがあるというようなことでございますので、現行の二十倍の比率を三十倍に上げまして、中期的に中小企業の資金需要に円滑にこたえていくということを準備しておく必要があるというふうに考えておるわけでございます。
#23
○田代富士男君 次に、この商工債券の信任の程度、債券保全策についての現状認識を確認しておきたいと思います。
 また、あわせて債券発行限度を引き上げることで、債券としての信任にどのような影響を与えると考えていらっしゃるのか、また、債券の発行流通の円滑性をどのように確保していくのか、商工中金経営の健全性をいかにあわせて確保していくのか、債券の権利者の権利保護の上からどのように考えるのか、あわせてお答えいただきたいと思います。
#24
○政府委員(木下博生君) 商工中金等の債券発行銀行の債券発行額に制限を設けます理由は二つほどあろうかと思います。
 一つは、債券の信任を確保いたしまして、その円滑な発行流通を図るということが一つでございますし、もう一つは、経営の健全性を確保しまして、債券の権利者を保護するという目的があろうかと思います。そのために限度を設けておるわけでございますけれども、債券発行限度を二十倍から三十倍に引き上げることにつきましては、最近の商工中金の融資の状況を見てみる必要があろうかとも思うわけでございます。債券保有者の権利が十分に守られているかどうかということは、一般大衆から集められましたそのような資金が健全に運用されているかどうかということでございますが、かかる見地から商工中金の貸し出しを見てまいりますと、五十六年三月末現在で五兆三千億円ぐらいの貸し出し残高を持つておりますけれども、この貸し出しにつきましても回収は滞りなく行われているというようなことでございまして、延滞率も非常に低いということで、金融機関としての経営の健全性は十分に保たれているというふうに考えられます。したがいまして、債券発行限度を引き上げましても債券の円滑な発行と債券保有者の権利保護という点は十分に果たし得ると考えております。
#25
○田代富士男君 債券発行限度を三十倍に引き上げた場合、近年の増資規模や内部留保あるいは債券発行残高の伸びで推移するものとして見るならば、単純計算では六、七年後、早い場合には商工中会法の第四条に存立期間として定められている設立認可の日より五十年目となる六十一年ぐらいになると、債券発行額が限度額に近づくものと、これは単純計算で推定されるわけでございますが、債券発行額三十倍はこの六十一年に照準を合わせたと見てよいのか、まあ偶然にもそうなったのか、またこの際五十年の存立期間を控えてどのように対応しようと心得ていらっしゃるのか、これもあわせて御答弁をいただきたいと思います。
#26
○政府委員(木下博生君) 債券発行限度額を二十倍から三十倍に引き上げます点につきましては、現在の発行状況ということを考えまして検討したわけでございまして、まあ昨年は中小企業金融公庫の最高発行限度額を二十倍から三十倍に上げておりますし、それから、他の銀行につきましても別途銀行法の改正の一環といたしまして引き上げようというようなことが現在考えられておるわけでございまして、そういうような見地から二十倍を三十倍に引き上げようということを考えたわけでございまして、特に六十一年に商工中金についての今後の問題を決定する問題との関連はないというふうにお考えいただいてよろしいかとも思います。
#27
○参考人(影山衛司君) 先ほど計画部長からお答えをいただきましたように、債券発行限度を二十倍から三十倍に引き上げましたのばさしあたりの対処という意味でございまして、六十一年問題、六十一年に期限がまいりました前後におきましても必要がありますればまた所要の措置をお願いをすることになるかとも思うわけでございます。
 また、六十一年問題に今後どういうふうに対応していくのかという御質問でございますが、私どもといたしましては、昭和六十一年に昭和十一年に設立されました商工中金の五十年の存立期限を迎えることになるわけでございますが、私どもといたしましては、商工中金の中小企業金融に占めてきました過去における実績、また今後の存在理由というようなものもあわせまして存続していただけるものと、こういうふうに考えてはおりますけれども、今後商工中金のあり方につきましては、ちょうどこの三月から六十一年問題の対策室を設置いたしましたので、そこを中心にいたしまして、中小企業庁の御指導を仰ぎながら、また内外の御意見をも聞いてまいりたいと、こういうふうに考えておるのでございますが、現在におきますところの基本的な考え方といたしましては、やはり昭和十一年設立以来、半官半民の中小企業金融機関として、官と民のいいところをあわせ発揮して、中小企業の皆様方の信頼のきずなを深め、広げてきたという、この一味違った商工中金の特性というのは今後も維持してまいりたいと、こういうふうに考えております。
 また、債券消化という点から申しますというと、国が出資をしておる中小企業金融機関であるという信用力、これをバックにして商工中金債の市中消化が順調なわけでございますので、そういう意味からもやはり政府出資をいただくところの政府系の金融機関としての存続をさせてまいりたいと、こういうふうに考えております。
 また、もう一つは、商工中金の特性は、法律上も規定してございますように、協同組合等に対する組織金融を使命といたしておるのでございますけれども、私どもといたしましては、この際組織金融と組合組織の原点に立ち返りまして、そのあり方を追求し、また新しいニーズをもくみ取ってまいりたいと、こういうふうに考えておるのでございますが、毎日の日常業務の積み重ねが六十一年問題の対応であるというふうに職員にも指導をいたしておるような次第でございます。
#28
○政府委員(山本富雄君) ただいま、木下部長からも、あるいは影山参考人からも、田代先生の五年後の問題等も含めまして、今後の中金のあり方についてどうかと、こういう御趣旨の質問に対する御答弁があったわけでございます。
 いま申し上げたとおり、商工中金の従来の果たしてきた役割りを振り返ってみますと、中小企業の組織化を金融面から支援をし促進をしてきたということ、それから政策融資の面においても、中小公庫あるいは国民公庫と協力をし合いながら中小企業の経営安定のために効果を上げてきたと、こういうふうに考えるわけでございます。
 これから先、いわゆる安定経済成長、経済成長率が鈍化するわけでございますから、こういうことを背景にして、金融構造の変化等によって中小企業が抱える資金調達問題というのは解消されるどころか、ますます容易でなくなるという認識に立ちますと、商工中金の役割りというものは引き続いて非常に重要だと、こういう認識をわれわれ持っておるわけでございます。したがって、さらに中金をめぐる経営環境というのはますます厳しくなる、先ほど先生が御指摘のとおりでございまして、この中小企業の資金需要に円滑に対応するための資金量の確保、あるいは中小企業のニーズに沿った良質な資金の供給には、従来にも増してさまざまな努力が必要であるというふうに考えておるわけでございます。
 また、組織化政策の推進、これが一大眼目でございますから、この組織化をさらに推進していくために、この商工中金の特殊性というものを生かしながら、今後の運営面におきまして改善発達をさらに続けていくということについて十分前向きに努力をいたしていきたい、なおそのための施策もさらに検討を続けていきたい、こういう姿勢であることを御了承願いたいと思います。
#29
○田代富士男君 六十一年問題については、商工中金でも三月から対策室を講じてやっていらっしゃるということでございますし、ただいまも政務次官からその問題に対するお考えの御答弁をいただきましたから、いまの御答弁いただきましたことをひとつ実行していただきたいことを、これは要望といたしましてお願いを申し上げる次第でございます。
 質問を次に移します。
 ここ数年における組合設立の状況並びに商工中金への加入及び脱退の状況について報告をしていただきたいと思います。
#30
○政府委員(木下博生君) 最近におきます商工中金所属資格団体の設立状況は年々低下の傾向を見せておりまして、商工中金が調査したところによりますと、昭和五十年度には千五百六十九組合の設立がありましたものが、昭和五十四年度には千百四十五組合という形で減ってきております。
 新たに設立された組合の商工中金への加入状況を見ますと、加入率は八〇ないし九〇%ということで、新たな設立された組合の加入率は非常に高いというような状況でございます。一方、商工中金からの所属団体の脱退というのも毎年少しずつ起こっているわけでございますが、この組合の数が大体毎年四百から四百五十ということでございまして、差し引き四百から五百程度が商工中金の所属団体としての数が毎年ふえているというような状況でございます。
#31
○田代富士男君 現在、新規設立組合そのものが全国的に減少傾向にあるということを伺っておりますが、したがって商工中金への新規加入組合自体もまた減少してきているわけなんですが、商工中金として全体としては微増であるというようなお話も承っておりますが、こうした中での持ち分の譲渡、譲り受けがスムーズに行われているのか、また、今後の展望はどうか、特に新規加入に対して門戸が狭くなることはないのか、見通しを明らかにしていただきたいと思います。
#32
○政府委員(木下博生君) 先ほど御説明申し上げましたように、毎年商工中金に加入を希望します組合の数が八百ないし九百あるいは千ぐらいというようなことになっておりまして、全体の商工中金の所属組合二万六千ということに対する比率はわりあい低くはなってきております、
 ただ、脱退する組合が先ほど申し上げましたような四、五百というようなことでございまして、脱退をします場合には、その組合が持っております出資持ち分を他に譲渡して脱退するということになるわけでございますが、他に譲渡する場合には、現在の組合に譲渡する場合と、それから先ほど申し上げましたように新たに入ってくる組合に譲渡すると、二つのやり方で持ち分譲渡が行われておりまして、現在のところその持ち分譲渡はスムーズに行われてきております。
 それから毎年反間出資というのを増資でふやしておりますので、その分から新たに入っている組合に対して出資を求めるということも可能になっておりまして、そのような形で出資関係はスムーズに現在行われているということでございます。
#33
○田代富士男君 次に、今回商工中金の所属資格団体として追加されることになります市街地再開発組合についてお伺いしたいと思いますが、まずこの市街地再開発組合の設立状況について御説明いただきたいと思います。
#34
○政府委員(木下博生君) 市街地再開発組合は、五十五年十一月末現在で四十五組合設立されております。このうち、すでに工事を完了しましたものが二十四組合、それから工事中のものが十一組合、それから事業計画の認可を受けた段階のものが十組合ということになっております。このほかに、市街地再開発事業の実施に当たりまして超合の設立を予定している地区が二十八あるというふうに言われておりますので、既存のものとあわせますと、全体としては七十三組合程度が一応この市街地再開発組合として設立され、あるいは設立を予定されておるというものだと思います。
#35
○田代富士男君 市街地再開発組合を所属資格団体として追加される背景なり理由もお伺いしたいと思いますが、それとあわせまして、商工中金法第一条第一項に規定する「商工組合中央金庫ハ中小企業等協同組合其ノ他主トシテ中小規模ノ事業者ラ構成員トスル団体ニ対スル金融ノ円滑ヲ図ル為必要ナル業務ヲ営ムコトヲ目的トス」るというこの目的に適合すると言い得るのか、見解もあわせてお聞きしたいと思うんですが。
#36
○政府委員(木下博生君) 商工中金の目的から考えまして、市街地再開発組合が所属資格団体としての追加たる資格を有するものかどうかという点につきましては、その団体が主として中小企業者を構成員とする団体としての適格性を有しているかどうかという点を考えてみる必要があろうかと思います。確かに、おっしゃいますように、市街地再開発起合というのは、都市再開発法によりますと、施行区域内の所有権者、または借地権者というものが組合員たり得る者ということで規定しておりまして、そこでは特に中小企業者というようなことは規定されていないわけでございます。しかし、市街地再開発事業を実際に行います場合、この市街地再開発の中でも商業再開発ということで都心部で、商業地区を再開発します場合には、その担い手が主として商業サービスを営む人たちがいるということになっておりまして、そのような商業再開発をやります市街地再開発軽合の場合には、事業の性質上当然中小企業者がその事業を行っているというふうに見てもよろしいかとは思うわけでございます。現に調べたところによりますと、工事中あるいは工事を完了しました十一の組合について見ますと、中小商業サービス業者等が全組合員の八四%を占めているというようなことでございますので、そのような組合でございますと十分に商工中会法の目的でうたわれている中小企業者を含む組合というふうに考えてもよろしいかとは思うわけでございます。それで、中小企業以外のものも含み得る組合というのが商工中金のメンバーと、所属団体とできるというふうに現在でもなっておりまして、たとえば環境衛生同業組合とか、塩業軽合とか、酒造組合というようなものにつきましても、その構成員の三分の二以上が中小企業者であれば商工中金のメンバーとなり得るというようなことでございますので、同じような考え方を適用いたしまして、市街地再開発組合の中で商業再開発を行うものにつきましては、商工中金のメンバーとなり得るというふうに今後したいと考えたわけでございます。
#37
○田代富士男君 いまも御説明いただきましたが、もう一度お尋ねいたしますが、これまでの所属資格団体追加の経過を見ても明らかなように、所属団体がその組合員、構成員のために共同事業または金融事業を行っていくことができるかどうか、さらにはその資金需要の必要性などについての検討の上になされておりますけれども、そうした観点から見て市街地再開発組合はどのように考えられるのか、もう一度お答えいただきたいと思います。
#38
○政府委員(木下博生君) 市街地再開発組合は、その市街地再開発事業を行います場合に、組合員のために建物を建ててそれをまた組合員に分けるというようなことで、その間に当たりましては共同事業あるいは金融事業というのを行う形になっておるわけでございます。商工中金の場合には、その所属団体が構成員のために共同事業または金融事業を行い得る団体であるかどうかという見地から考え、その資格団体であるかどうかという点を検討しなくちゃならないわけでございますが、市街地再開発組合の場合にはそのような事業を行うものとして現実に活動しているわけでございますので、そういう意味から十分資格があり得るというふうに考えられます。それと同時に、三年ないし四年の間にわたって短期間に相当量の資金をつぎ込みまして、それで新たなビルをつくって、そこに従来の人たちが入っていくというような事業を行いますという意味でも、その大きな資金需要を持っているということでございますので、そのような組合の組合員である商業サービス事業者が、組合のメンバーとして活躍をしていくために、その商工中金からその融資をしているという意味は十分にあると私どもは考えているわけでございます。
#39
○田代富士男君 そこで、私は、いま御説明をいただきましたけれども、ちょっとこの点はどうなのかという問題点を提起したいと思いますが、都市再開発法第一条によっても明らかにしてありますとおりに、市街地再開発組合は、市街地の計画的な再開発によりまして都市における土地の合理的で健全な高度利用と都市機能の更新等を図るために設立されたものでございますが、いわゆる中小企業の事業の振興を図ることを必ずしも直接の目的とされているわけではないわけなんです。これは提起されているわけなんです。ところが、一方、商工中金は、先ほどから述べてまいりましたとおりに、中小企業政策上の必要性から設立運営されておりまして、るる説明もございましたが、両者はこれお互いに異質のものであると思われるわけなんです、そういう経過から考えまして。ここらあたりの問題をどのように考えるのか。これは理解できる面もあるし理解できない点もありますから、ここらあたりちょっと明確にしてもらえませんか。これは大臣からお答えいただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#40
○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。
 実は、変な言い方になるかもわかりませんが、中小企業という抽象的な企業はないわけでございます。それを法律的にいま中小企業というくくり方をしておりまして、その意味内容は、実質的に私どもが常識的に知っておりますいろいろな業種を営んでいる中小企業でございます。主としてこの市街地再開発組合のメンバーとして存在しておりますのは、実はこれは実質的な中小企業でございます。そして、それの営業基盤と申しましょうか、中小企業活動ないし経営を行います基盤づくり、そういったものの一端がこういった市街地再開発組合ということで、その地域の再開発という問題に関連いたしまして実質的には中小企業のためになっているわけでございますけれども、この都市再開発法という観点からとらえますと、先生御指摘の点、これはもう再開発のためであるということでございまして、それは都市再開発というところに焦点を当てて言っておりますが、実質的中身におきましては、先ほど来計画部長が説明しておりますように、実はそれを構成する主たるメンバーというのは中小の商業者ということになっておるわけでございます。したがいまして、その商業者のためになるということで商工中会法の第一条で申しております中小企業の振興ということと実質的につながってまいると、このように解釈をいたしております。
#41
○田代富士男君 いまの説明によりますと、市街地再開発事業の直接の目的は都市の再開発であるとしても、その組合が行う商業の再開発を通じて中小企業者のいろいろ店舗の近代化あるいは経営の合理化等、これは中小企業の皆さんたちであるからこういうことをおやりになる、その発展が期待されるということであるという、そういうような御説明でございますが、このように中小企業の事業の振興を直接の目的としていない組合ですね、一応、その組合の目的は。そういう組合に対する助成対象としている例はほかにあるのか、そこらあたりをちょっと御説明していただけませんでしょうか。
#42
○政府委員(木下博生君) 中小企業の事業の振興を直接の目的としておりません組合を助成対象としている他の例といたしましては、消費生活協同組合がございます。これは中小企業金融公庫の融資、あるいは中小企業信用保険公庫の助成対象とされておるわけでございまして、これは助成対象を考えます場合に、その組合の直接的な法目的には必ずしもこだわらずに、当該組合を助成することが中小企業の振興に役立ち、その中小企業の実質を有するものを育成するということになるかどうかという点から考えでそのような助成をやっているものだというふうに考えております。
 また、その事業の振興とともに、別の目的をやっておるもの、たとえば商店街振興組合といいますのは商店街の事業の振興ということと同時に地域の環境整備というのを目的としておるわけでございますけれども、そういうものに対しましても中小企業の助成対象というかっこうでやっておるわけでございまして、あくまでもそのような組合の事業が実質的に中小企業者の事業の振興に役立つという見地から助成をするかどうかという点を私どもは考えておるわけでございます。
#43
○田代富士男君 そういたしますと、市街地再開発組合にその事業の実施に伴う資金を得る目的をもって事業協同組合を別に設立させる方法も考えられるわけなんですが、そういうことも検討されたかと思いますが、それをおやりにならずにあえて法改正に道を選ばれたというのはどういう理由でございましょうか。
#44
○政府委員(木下博生君) 確かに、都市再開発法が昭和四十四年にできましたときに、そのような市街地再開発組合のメンバーである中小企業の助成をどうするかという点が考えられたわけでございますけれども、その一つの方法として、それらの中小企業者が事業協同組合に入っておれば、その事業協同組合を通じて商工中金からの融資も受けられるというような形というのは考えられたわけでございまして、そのようなやり方であるいは中小企業金融公庫から個々の企業に対して融資をするというようなことで助成ができるのではないかと考えたわけでございますけれども、ただ、実際に市街地再開発事業が進められている過程を見ますと、やはり市街地再開発組合自身に対して融資をやる必要があるというふうにその必要性が認められるに至ったわけでございます。それは市街地再開発組合の個々のメンバーに対する助成というようなことはいま申し上げたような形でできるわけでございますけれども、市街地再開発組合自身が多額の資金を動かして建物をつくっていくというようなことが必要でございますので、組合自身に対する貸し付けというのは、やはり市街地再開発組合自身が所属団体ではないとできないというわけでございますので、そのような見地から今回加えたいということになったわけでございます。事業協同組合を別途つくらしてやらせるという手も考えられ得るわけでございますけれども、これはあくまでも便宜的にそういう融資を受けるためだけにわざわざ一つの組合があるのにまた別組織をつくらせるというような形になりますので、組合員にとっては二重の手間になるというようなことでございますので、そういう点を考えて市街地再開発組合自身がメンバーとなれるようにしたいと考えたものでございます。
#45
○田代富士男君 市街地再開発組合は中小企業者以外のものも加入できるわけでございますけれども、商工中会法の目的に照らしてどのようにこの点をお考えになるのか。また、その場合、非事業者の組合員についてはどのように扱われるのか。また、融資の対象は制限があるのか、お伺いしたいと思います。
#46
○政府委員(木下博生君) 商工中金の所属資格団体の中で中小企業者以外のものが入り得る組合というのは過去にもございますわけでございまして、市街地再開発組合の場合でも当然そのようなことがございまして、今度の法律改正でも、三分の二以上が中小企業者である場合にその組合が所属団体となり得るということで規定したわけでございます。したがいまして、しかし、商工中金のその融資はあくまでも中小事業者の事業の円滑化のために融資をするという考え方でございますので、そのような形で組合をメンバーといたすことにいたしましても、非事業者である組合員に対する融資は行わない、それからまた事業者の必要とする資金でありましても非事業資金については融資を行わないというような形で運用をしていきたいというふうに考えております。
#47
○田代富士男君 商工中会法の第十条によりますと、所属団体の脱退については出資金の譲渡が定められておりますが、こうした中で設立期間が有限な市街地再開発組合を所属資格団体にすることは、組織金融機関の本来のあり方としての所属の継続性という関係から見ましてどのようにお考えになるのか、お答えいただきます。
#48
○政府委員(木下博生君) 確かに、先生おっしゃいますように、市街地再開発組合というのは都市再開発事業を行って、建物をつくって、そこに従来事業を営んでいた人たちが入居してしまえば一応の事業を完了するというようなことでございますので、永久的に存在するような性質の組合では確かにございません。しかしながら、市街地再開発組合が都市再開発に当たって多額の資金を短期間のうちに使用してビルを建設するというような大事業を行うわけでございまして、その結果として、組合員である商業者あるいはサービス業者の店舗の近代化、合理化、共同化に役立つというようなことでございますので、そのような意味での性格の組合でありましても、その所属資格団体として追加することは特に問題にはならないというふうに考えております。
#49
○田代富士男君 市街地再開発組合の加入の見込みと、その場合の出資についてはどの程度が考えられるのか、見通しを伺っておきたいと思います。
 また、市街地再開発組合への融資が行われるようになった場合、どのようなものが対象となるのか。ただいまも御説明がございましたけれども、再度お尋ねしておきたいと思います。というのは、商工中金は毎年度五億から十五億円ぐらいのいわゆる焦げつきを出しておりますけれども、こういういろいろ問題点があると思います市街地再開発組合に対してそのような心配はないのか。失礼を言い方であるかわかりませんけれども、現実に焦げっきが出ておりますから、そういうこともあわせてお答えをいただきたいと思います。
#50
○政府委員(木下博生君) 市街地再開発組合は、先ほど申し上げましたように、全体として七十三組合ぐらい、設立されたものあるいは設立計画中のものがございますわけでございますけれども、その中で、商業再開発をやります組合は、五十五年十一月現在、約五十二組合ぐらいではないかというふうにわれわれは見ておるわけでございます。それで、過去の工事中あるいは事業計画の認可を受けた組合の中で、今度の商工中会法の改正で所属団体となり得る組合の数を見ますと約七割強ということでございますので、その比率から推しはかりますと、将来出資者となり得る組合の数は二十六ぐらいにはなるのではないだろうかというようなことを一応私どもとして考えておるわけでございます。それで、それらの組合がそれじゃ商工中金に加入いたします場合にどのくらい出資をするかという点でございますが、商工中金の方からいたしますとできるだけ多額の出資をしてもらった方がよろしいということでございますが、商工中金にメンバーとなっておる組合の出資額というのは、本来その組合の方が自主的に決めるという性格のものでございますので、いまからこのような組合がどのくらい出資をするであろうかという点は、ちょっと私どもとしても推定することが困難な状況でございます。
 それから御質問の第二点につきましては、市街地再開発組合が事業を行う場合に、焦げつきを起こすかどうかという点でございますけれども、市街地再開発事業自身が都道府県知事の認可にかかっておりまして、認可に当たりましては経済的基礎や能力というような点を十分審査するというようなことにもなっておりますし、万一その事業の継続が困難になった場合には都市再開発法百十二条以下の規定によりまして都道府県知事がその事業を継続ができるというような規定もございますので、私どもとしてはそのような事業が焦げつきを起こすというような事態はまずあり得ないのではないかというふうに考えております。御承知のように、市街地再開発事業を行います地域は都心部の地価の高いところでございますので、まあそういうところの担保力というような点を考えても、問題となるような融資にはまずなり得ないというふうに考えております。
#51
○田代富士男君 市街地再開発組合がその設立期間が終了した後の組合ないしは構成員への融資についてお尋ねしたいと思います。
 融資の条件は、組合であること、あるいは組合の構成員であることとなっておりますけれども、この点からどう考えるのか、また、組合員に対して不利となるようなことはないのか、あわせてお尋ねしたいと思います。
#52
○政府委員(木下博生君) 商工中金の目的は、先ほど先生おっしゃいましたようなことで、中小規模の事業者を構成員とする団体に対する融資ということでございますので、組合のメンバーであれば、それ以外の人たちに対して融資をできないということではないわけでございますけれども、商工中金の本来の中小企業育成という目的から考えまして、当然、商業、サービス業等、中小企業の事業のための資金を貸し付けるというようなことで運用をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、市街地再開発組合がその事業を行います場合に、組合自身が建物を建てるという意味で大きな事業を行いますので、組合に対する融資というものが出てくると思いますが、それと同時に、個々の組合員である商業、サービス業者が入居いたしましてそこに店舗を設けるということのために必要な資金もまた別途構成員貸しというような形で貸していくというようなことでございまして、そのような事業にかかわる部分についてだけ融資をしていくということで商工中金の目的達成を図っていきたいというふうに考えております。
#53
○田代富士男君 質問を次に移したいと思いますが、現行では出資の制限につきましては御承知のとおりに五万口という絶対口数による制限が行われておりますけれども、今回の改正によりまして比例制限に変更されておりますが、いずれにしましても、このような制限を設ける趣旨は何であるか、御説明いただきたいと思います。
#54
○政府委員(木下博生君) 商工中金に限りませんで、このように構成メンバーが出資を行って共同の事業を行うというような組織につきましては、その出資口数につきまして制限を設けている場合が大部分でございます。なぜそういう制限を設けるかと申しますと、少数の組合によりまして出資持ち分が集中されるということを防止しまして、できるだけ資格のある組合が商工中金のメンバーとなり得るような出資機会が得られるようなことが必要だという考え方に立っているわけでございます。それと同時に、また法律的には、その大口の出資者が特に投票権をたくさん持つというようなことで商工中金の経営に大きく口出すということは、直接的には法律的にはございませんけれども、ただ、余り特定の出資者の出資額がふえることによりまして実質的に影響力が高まるというのを防止するという見地からこのような制限を設けておるわけでございます。
 まあ従来は五百万円というようなことで、一口百円でございますから、五万口というような額で非常に小さな限度になっておったわけでございますが、これは昭和十一年にできましたときから一度改正されただけで、商工中金の事業規模が小さいときを前提にしていた規模だったわけでございますので、商工中金の貸付規模が五兆三千億円というふうに大きくなりまして、出資金も大きくなりました段階では、その実情に合わせて口数限度を高めたいというふうに考えたわけでございます。その場合に、絶対口数といいますか、何万口という額をふやす形でやるか、あるいは比率にするかという点を考えたわけでございますが、商工中金のメンバーも一応固まってきたと、メンバーの数も固まってきたということでございますので、ほかの組織にならいましてこの際比率の比例制限ということで、民間出資の百分の一を出資限度にするというふうに改正しようということを考えたわけでございます。
#55
○田代富士男君 比例制限は、毎年民間増資が行われてきている実情や、さらに、最大出資者であります、たとえば大阪にあります繊維ですらその半分以下であることから考えまして、特に出資持ち分の独占に直ちにつながることにはならないと思われるわけでございますが、とするならば、法第七条第三項のただし書き、つまり「特別ノ事由アルトキハ定款ノ定ムル所ニ依リ之ヲ増加スルコトヲ得」、これを削除しても差しさわりがあるとは思われないし、むしろ口数制限を設ける本来の趣旨に沿うものではないかと思いますが、この点のお考えを、通産省としての考えをお伺いしたいと思います。
#56
○政府委員(木下博生君) 法律のいまおっしゃいました条文によりますと、限度を超えます場合には定款で定めるところによってその限度を超えることができるということになっておるわけでございますが、その限度を超える特別な事由といたしましては、脱退等に際しての持ち分の譲渡を円滑に行わせる、したがって、新たな組合がない場合に、既存の組合にその持ち分を引き取ってもらうというような可能性ができるようにするということが一つと、それから民間増資によりまして商工中金の自己資本の充実を図るために、限度を場合によっては負担能力のある人に超えて持ってもらうという必要があるというようなことでその規定が現在でもあるわけでございます。
 それで、確かにいま先生おっしゃいましたように、商工中金のメンバーである組合の持ち分というのは一組合当たりの持ち分、大きいものでも〇・三五%というようなことで、今度の百分の一に変えました場合の比率よりもずっと低いわけでございますけれども、中小企業を取り巻く経済環境というのは大きく変わるということが予想されるわけでございますので、将来にわたって百分の一の限度だけでただし書きがないというようなことにいたしますと、負担能力のある組合にどうしても持ってもらわなくちゃいけないというような事態が起こったときに、それがむずかしくなるということでございますので、百分の一に引き上げましてもただし書きは一応残しておいた方が安全のためによろしいんではないかというふうに考えているわけでございます。
#57
○田代富士男君 通産省の資料によりますと、五万口の出資口数の限度を超えて出資が認められている所属団体は全体の六・五%、千七百二団体で、出資額は民間出資総額の五六・四%、百九十九億円、このようになっていると承っておりますが、総会議決権あるいは総代選挙権は出資額にかかわらず一人一票と平等であるにもかかわらず、この現況から見まして大口出資者は商工中金の出資金の全体の中では貢献度、寄与度はまことに大きいと言わざるを得ないわけなんですが、ここで言う特別の事由というのは一体何なのか、簡単に御説明いただきたいと思います。
#58
○政府委員(木下博生君) 先ほども申し上げましたように、現在の限度が五万口、五百万円ということになっておりまして、全体の出資規模あるいは全体の融資規模に比べて非常に小さいということもございますので、増資を重ねていく過程におきましてどうしても負担能力のある組合に出資を引き受けてもらわなくちゃいかぬという事態が生じたわけでございます。そのようなことで、ただし書きに基づきまして先ほど申し上げましたような持ち分譲渡が円滑に行われるように、あるいは増資をします場合にその増資額が円滑に引き受けられるようにというようなことで、ただし書きを利用して例外措置というようなことでやってきたわけでございますが、ただ、その例外部分が先生おっしゃいましたように非常に大きくなりまして実情に合わなくなってきたということもありますので、ほかの類似の組織にならいましてこの際比率を高め、それで限度を高めて、しかも比例方式に変えて今後運用しようというふうに変えたわけでございます。
#59
○田代富士男君 こういう考え方もあるんじゃないかと思いますがね、逆に、今回の法改正がなくても特別の事由さえあるならば大口出資者が認められまして、したがって民間増資による自己資本の充実も図られ、商工中金がその基本理念としている相互扶助の精神からも、負担能力の大きい有力組合によりまして増資され、比較的小規模の組合の負担軽減にも寄与することになるはずなんですが、にもかかわらず、なぜ今回法改正に至ったのか、再度理由をお尋ねしたいと思います。
#60
○政府委員(木下博生君) 現在までの出資限度を超えますものの比率が非常に高まってきているというような実情を踏まえまして、このような状況のままで今後も運用していった方がいいのかどうか私ども考えたわけでございますが、余りにも一組合当たりの限度が五百万円という形で小さいということでございまして、ただし書きを適用するような形で今後も続けますと、かえって出資口数限度を設けるという意味合いが薄れてしまう、そのために円滑な民間増資がやりにくくなるおそれも出てくるんじゃないかというようなことも考えまして、この際実情に沿うような形での限度を引き上げるということに踏み切ったわけでございます。
#61
○田代富士男君 今回の制限の改正の内容は、ただいまも御説明がるるございますとおりに、絶対口数制限から比例制限の変更でありますけれども、比例制限に変更する理由は何であるかお尋ねします。
#62
○政府委員(木下博生君) 絶対口数制限と比例口数制限にはそれぞれメリットがあるわけでございますけれども、絶対口数制限の場合には、未加入の組合がたくさんありますときに、増資に当たって新たにそういう未加入の組合をメーバーとして加えることを容易にしようという見地から言いますと、絶対口数制限の方がよろしいわけでございます。ところが商工中金は、先ほども御説明申し上げましたが、昭和十一年に設立されまして以降約二万六千の組合がメンバーになってきているというようなことでございまして、新規に加入する可能性の組合の数も総体的に減ってきておるというような状況でございますので、この際比例制限に変えましても、新たに入る組合の出資ができにくくなるというおそれは少なくなったんじゃないかというふうに考えて今回比例制限に変えたわけでございます。
 戦後制度化されました相互組織につきましては、比例制限方式を採用しているものというのはわりあい高まってきておりますので、この際比例制限にすることによって負担能力のある組合にはその負担能力に応じて今後もその増資の引き受けをしてもらうというような可能性を高めるというようなメリットがありますので、比例制限制度の方がより今後の商工中金の運営のためには適当ではないかというふうに考えた次第でございます。
#63
○田代富士男君 商工中金の質問としては最後になりますけれども、比例制限をとっている他の相互組織体においては、出資口数の保有限度はどのようになっているのか、またこの中で商工中金が、ただいまもるる説明がありますとおりに、百分の一とする理由は何なのか、特に商工中金類似の農林中金が百分の五であると、このように承っておりますけれども、この点とうでございましょう。
#64
○政府委員(木下博生君) 比例制限を行っております組織体はたくさんございますけれども、たとえば事業協同組合の場合には百分の二十五、それから信用協同組合の場合には百分の十、それから農林中央金庫の場合には百分の五というようなことになっておりまして、今度の改正案の百分の一よりもいずれも高くなっておるわけでございます。このうち、商工中金に比較的似ております組織体は農林中金でございますけれども、農林中金が比例制限方式を採用するに当たりましては、出資の集中による弊害防止ということと、大口出資者の出資の実態という点、両方考えて百分の五にしたというふうに聞いております。農林中金が昭和三十八年に百分の五にしましたときにはそういう状況を入れて決めたわけでございますけれども、現在の商工中金のその出資の実態を見ますと、先ほど先生おっしゃいましたように、一番大きな出資組合の比率が〇・三五ということになっておりますし、それから最近の増資に当たって引き受けております組合の比率も、一%に満たない程度のところの比率でずっと推移しているというようなことを考えますと、そのような大口出資者の実態から考えて、百分の一という数字で、全体にできるだけその出資をバランスさせるというような見地からは適当な数字じゃないかというふうに考えたわけでございます。
#65
○田代富士男君 次に商工会の問題に質問を移したいと思います。
 最初に、商工会が行っております事業内容について御説明いただきたいと思います。
#66
○政府委員(村野啓一郎君) 商工会が行っております事業は、いわゆる経営改善普及事業というのが中心でございますが、これを中心といたしまして、その地区内におきます商工業の総合的な改善発達のための各種の事業をやっておりまして、主なものを列挙いたしてみますと、地区内の商工業者のための窓口相談あるいは巡回によります相談指導といったこと、それから講習会、講演会等を開きましてその経営の向上に努めるというようなこと、あるいは記帳指導、それから記帳の機械化の実施といったことをやっております。さらに、小規模企業共済事業等々のいわゆる共済事業の事務代行等をやっておりますし、さらに、たとえばその地区内の総合的な大売り出しをやりまして商業振興の対策を実施する、あるいは地元の観光地のPRを行うといった観光振興対策、あるいはさらに融資あっせん等の業務、こういったものを幅広くやっておるわけでございます。
#67
○田代富士男君 今回の法改正で新たに追加されることになります社会一般の福祉の増進に資すること、この一項は法制定時に掲げられました町村における商工業の総合的な改善発達を図るという基本目的から余り逸脱することは許されないと思いますけれども、具体的にはどのようなことを考えていらっしゃるのか、またそれが基本目的であります地域商工業の総合的な改善発達にどのように関連性があるのか、御説明いただきたいと思います。
#68
○政府委員(村野啓一郎君) 今回商工会の目的に追加をさせていただきますいわゆる社会一般の福祉の増進に資することでございますが、この具体的な内容は、商工会が地域社会の福祉の増進を直接の目的として行える事業でございまして、大体いまたとえば住民の教養向上のための講習会、講演会の開催、あるいは住民のためのレクリエーション活動あるいは地域の美化緑化運動等々でございます。こういった社会福祉的な事業がその地域の経済社会にどういった影響を及ぼすかということでございますけれども、こういった事業を実施いたしますことによりましてその地域社会の魅力が増大する、それによりましてその地域への人口の定着化とか、あるいはそれによります地域内の消費活動の活発化といったことが期待されまして、これが究極的にはその地域内におきます商工業のより一層の振興に結びつくといった効果があるわけでございまして、このような社会一般の福祉事業を加えることによりまして、究極的には商工会の本来の目的でございます。その地域の商工業の総合的な改善発達に資するということが期待されるわけでございます。
#69
○田代富士男君 今回の改正案では、商工会の事業の範囲といたしまして商工業に関する調査研究及び商工業に関する施設の設置、維持、運用を加えられておりますけれども、このような事業は商工会の目的からいたしまして当然行われてしかるべきでございます。資料にも現にあらわれておることは御承知のとおりだと思いますが、にもかかわらず今回特に提起されるようになった理由は何であるのか。
#70
○政府委員(村野啓一郎君) 御指摘のように、今回事業の範囲として加えます商工業に関する調査研究及び商工業に関する施設の設置、維持、運用といったことにつきましては、御指摘のとおり従来からも一部で行われてきておるわけでございます。また、特に調査研究等につきましては、国で補助をいたして実施している事業もあるわけでございますが、ただ、こういった調査研究あるいは施設の設置、この場合の施設の設置はいわゆる商工会館でございますとかあるいはそれに附属する駐車場の施設とかそういったものを指しておるわけでございますが、そういったものは従来いわば臨時的に行われたことが多いわけでございます。これを今回新たに正面からいわば継続的、恒常的な仕事として位置づけるわけでございますけれども、これ世その地域の今後の経済発展、社会発展のためにこの商工会の持つ役割りが非常に大きくなっているということを踏まえまして、この調査研究あるいは施設の設置、維持ということを広範にかつ継続的に実施していただくというその根拠をつくるためということでございます。これによりまして地域の総合的な経済団体としての商工会の位置づけと申しますか、その事業がより明確化されるということでございます。
#71
○田代富士男君 次に、地区制度と組織率についてお尋ねしたいと思いますが、これまで全国で約二百の市町村が合併されておりますけれども、これに伴いまして商工会といたしまして、法第八条による定款の変更あるいは商工会の解散というのはどのように進められてきたのか、現在のままで特に問題はないと判断していらっしゃるのか、この点お尋ねしたいと思います。
#72
○政府委員(村野啓一郎君) 商工会の地区は大体一つの町村が区域でございます。ただし、町村合併等がございました場合に一気に商工会そのものも合併してしまうということでは場合によっては十分でないということがございますことがありまして、その場合には、しばらくの期間その一つの地域、一つの市町村内に商工会を部分的に認めていくということがあるわけでございます。それで、そういった地区が実は現在たとえば市の一部を地区とする商工会の数が百五十七ほどございます。それから町の一部を地区とするものが十一ほどございまして、全部で百六十八程度そういったものがございますけれども、こういったものはいま申しましたように、本来ならば新しい行政区画に一致させるべきかと思いますけれども、むしろある期間はそのまま従来のものを存続させまして事業活動を行わせる方が、その地域の商工業の振興にはより適切だという場合がございます。その場合にはそのままやっていただくということでございますけれども、ただ、将来いろいろ経済事情が変動いたしまして、やはりこれは新しい地域、新しいその行政区画に一致させるべきであるということがありました場合には、これは法律にも勧告等々の措置がございますので、そういったものを使いまして地域を一致させていくということを考えております。
#73
○田代富士男君 全国の商工会の組織率につきまして一〇〇%達成しているところはどのくらいあるのか。またこれは実態掌握はむずかしいかと思いますが、まだまだ掌握されてない面もあるかと思いますが、下位十位を報告してもらいたい。また全国商工会連合会としまして組織率の目標は定めてあるのか、これもお伺いしたいと思います。目標より低いところあるいは特に下位にあるところについてはその原因は何であるのか、どのように掌握されていらっしゃるのか。通産省あるいは全国連合会としてどのような対策を実施していらっしゃるのか。これは辻連合会会長もおいでいただいておりますし、あわせて中小企業庁長官の方からもお答えをいただきたいと思います。
#74
○政府委員(村野啓一郎君) まず、中小企業庁側からお答えさせていただきますが、御指摘の組織率でございますが、これは昭和五十四年の九月現在で全国商工会連合会が調査したものがございますけれども、これで見ますと組織率一〇〇%という商工会が全国で三十二ございます。
 逆に悪い方、十挙げろということで、お話でございますのであえて申し上げますと、この調査におきまして悪い方の十をとってみますと、まあたとえば東京の狛江にあります商工会、それから神奈川県の大和市、埼玉県の三郷、長野県の飯山市、東京の調布市、千葉県の八千代市、埼玉県の新座市、これは沖繩県にありますが浦添市、それから山梨県の龍王町、それから福岡県の大野城といったところの十になるわけであります。こういったところは実は大体が大都市の周辺、特に首都圏でございまして、どんどん人口も流入してくる。また商業者の方もどんどんふえておるということでございまして、なかなか会員としての加入が追いつかないといった事情が大変影響していることが多いようでございます。いま申しました十の商工会、いずれも組織率としては芳しくないわけでございますけれども、その後の状況は大分改善をされてきたように聞いておるわけでございます。
 そこで、こういった組織率につきましてどう考えているかということでございますけれども、中小企業庁側といたしましては必ずしも一〇〇%というのはなかなかむずかしいかもしれないと思われます。各地域いろいろな特殊事情があるかと思いますので、一〇〇%あるいは無理かもしれませんけれども、大体六七%程度が現在の全国平均の組織率でございますけれども、その平均以下のところはがんばっていただいて、その平均よりも上回るようにしていただきたいということを考えているわけでございます。
#75
○参考人(辻彌兵衛君) お答えを申し上げます。
 ただいま先生の御質問のございました組織率について、全国連は何か目標を定めているかというお尋ねでございますが、御承知のように、私どもの商工会は法律によりまして五〇%以上の組織率を義務づけられておるわけでございます。しかし商工会は、北は北海道から南は沖繩の果てまで二千八百六十の商工会が現在ございまして、非常に大規模な、特に首都圏に位置しております大きな、人口が十万、二十万というふうな商工会は会員数も三千、四千という会議所よりも大きな組織の商工会もございますし、また過疎地域におきましては人口が一千に足らない、したがいまして会員数も百名を切れるといったような小規模な商工会もございまして、非常に地域別、規模別に事情が大変違っておりますので、一律に組織率の目標を定めるということはいたしておらないわけでございますが、当然その組織率の向上は私どもとしても非常に大事な大切な課題でございますので、毎年組織率の向上につきましては各都道府県連等を通じまして指導をしてまいっておるわけでございまして、その結果商工会全体といたしましては、昭和四十五年に六一%でありました組織率が昭和五十年には六五・三、五十五年度には、先ほど部長からもお話しございましたように六六・九%というふうに、着実に組織率は向上いたしております。しかもこの実績は、会員対象になりますところの商工会地域の商工業者の数が特に都市部におきましては大幅に増加をいたしておりますので、たとえば昭和四十五年には、商工会地域における業者数は百二十六万でありましたが、昭和五十年には百四十一万、五十五年には百六十万というふうに増加をいたしております中で、こういう組織率が着実に上昇をしておるということは、それなりに私どもの努力が実ってきておるというふうに考えておりますけれども、御指摘のように、決して満足するものではございませんので、今後、今回の法改正を契機といたしまして、現在の六六・九%をできるだけ引き上げるように努力をいたしてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
 次に、組織率が低い原因は何かというお尋ねでございまして、これも先ほど部長からのお話がございましたとおりでありますが、私どもといたしましては、会員の資格を有する者は、御承知のように、地区内におきます商工業者となっておりますが、現在、先ほど申し上げましたように、五十五年度におきまして約百六十万の商工業者がわれわれの地域にいるわけでございますが、そのうちの九二%に当たります百四十七万が小規模零細企業者でございます。これは御承知のように、商業、サービス業におきましては従業員五十五人以下、製造業等におきましては二十人以下という零細な規模でございまして、これが多数の私どもの会員の層を占めておるわけであります。この中には当然生業的な兼業の小規模業者が多数含まれておりますために、とかく商工会組織への参加意識も低く、また意欲も弱いという方々が多いわけでございまして、このことが組織率の引き上げに大きい障害になっておるというふうに考えております。
 また、大都市周辺の商工会におきましては、非常に人口がどんどんとふえておりますために、商工業者の多い上にさらに急激にふえておりますことと、それからまたその反面転廃業等もかなり多く出ておるわけでございまして、いわば会員の母体になります商工業者に異動が大変激しいということが、やはりまた一つ組織率の向上の障害になっておるのじゃないかと考えております。
 さらにまた、特に都市部におきましては最近貸し間業者といいますか、貸しアパートとかあるいは駐車場等の経営者も商工業者の中に入っておるわけでございまして、こういう方々は組織への加入のメリットというものが現在の段限では比較的少ないというふうなことから、その組織への参加意欲が弱いといったようなことも一つの原因であろうかと思います。
 したがいまして、私ども全国連といたしましては、組織強化対策は私ども全国連の重点事業の一つとして、毎年それがために努力をいたしてまいります。組織強化問題研究会等の開催などを通じまして、この対策に努力をいたしておるところでございまして、今回の法改正によりまして役員の理事の定数が増加いたすわけでございまして、そういうことによりまして役員の方々の商工会への帰属意識と申しますか、参加意欲というふうなものも高まることを期待いたしております。それによって組織率の向上に一層努力をいたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#76
○田代富士男君 商工会議所の地区は市と定められておりまして、一方商工会は町村と定められておるわけでございますが、商工会や商工会議所の地区を重複しないように定められた理由は何であるのか、お尋ねしたいと思うんです。
#77
○政府委員(村野啓一郎君) 御指摘のように、商工会議所は主として市を対象といたします総合経済団体でございます。それから商工会は、これは主として町村を対象といたします団体でございます。いずれもその各地域の総合的な経済団体でございまして、たとえば特定の職業あるいは特定の業種の方々の集まりというものと違いまして、商工業である以上各種の事業を横断的に取り込んだ団体でございます。そういったことで、やはり地域という要素が大事でございまして、その一つの町村または市といった行政区画単位につくられる性格のものでございます。
 そこで、現在の法律のたてまえはこの商工会の地区それから商工会議所の地区は重複をしないということになっております。重複を禁止しているわけでございますが、これは、いま申しましたように、いずれもその各地区の総合的な経済団体でありまして、かつその目的は、同じくその地区の商工業の総合的な改善発達を図るということが目的でございます。
 そこで、一つの地区にこの二つの団体が競合、重複いたしますと、いわば屋上屋を架すということになりまして、商工業者の方々は無用の混乱を起こすということもございまして、制度が始まります当初からその二つをはっきり分けまして、重複をしないようにということでやってまいっておるわけでございます。
#78
○田代富士男君 私は、なぜこの問題を取り上げたかということをもうちょっと詳しく述べたいと思いますが、経済活動の実態から現行の地区制度に不都合が生ずるであろうということは、昭和三十五年の商工会の組織等に関する法律が提出、審議されたときにすでに指摘されていたところでございますが、たとえて申し上げますと、現在の函館市は、旧函館市と旧亀田市が昭和四十九年に合併したわけでございますが、旧函館市の区域は商工会議所の地域でありまして、旧亀田市の区域は商工会の地区になっておる。また、合併後の函館市にある商工会議所と商工会は特に合併する動きもない。そこで、旧函館市内にあった企業が環境、公害問題その他いろいろの事情のため郊外の亀田地区に移転をしてきておりますが、そのために商工会議所のメンバーの資格を喪失することになるわけなんです。だからといって商工会に入るかというと、たとえば商工会議所の有力幹部の経営するような大きい企業の人たちだけに商工会になじまなく、商工会に入るメリットや必要性も特にないということで入らないという。商工会議所の会費を払うから、そのまま残しておいてくれという。一方、商工会や商工会連合会にすれば、こういう有力企業にこそぜひとも加入してもらいたいと思うけれども、強制加入ではないだけに実現はしない、こういう実情になっている。これは函館市に限らず、たとえばいまさっきも御答弁ありました東京の狛江市などでも、商工会議所の地区から多くの企業の進出が著しいけれども、その組織率はきわめて低いのが現状でございまして、全国的に見ましても経済活動の変化に伴いまして、一方では組織率の低下にもつながるようなこともあると思われるわけでございますが、特に東京都の二十三区の区域全体というのは商工会議所の地区と定められておりますけれども、東京商工会議所の組織率は一〇・一%、まことに低い。といって商工会の組織は認められていない。この二十三区の中には、規模的には商工会のメンバーとしての規模の中小企業は、その他のどこの地域よりも多いということでありますが、東京区部二十三区は、ある意味では空白地域と直言ってもよいのではないかと思うわけなんです。そういうところから、あえて私はいまさっきの質問を申し上げたわけでございますけれども、こういう問題を含めまして、通産省としてどのようにお考えか。これは大臣いかがでございましょうか。大臣からも御答弁いただきたいと思います。
#79
○政府委員(村野啓一郎君) 商工会地区と商工会議所地区との重複の排除ということにつきましては、これは先ほど申し上げましたように、その制度の当初からそういった仕分けになっているわけでございますが、ただ、先生御指摘のとおり、三十五年の商工会法の立法当時にはいろいろ議論がございまして、違ったアイデアもあったようでございますけれども、結局先ほど申しましたようなことで、商工会地区、商工会議所地区は一応重複しないという形のもので構成をいたしまして、その後二十年間やってまいりまして、制度的にはほぼ定着したということと考えております。ただし、むろん現象的にはいろいろ問題があるわけでございまして、特に先生御指摘の二つの点、これが実は非常に問題にされる場合が多いわけでございます。
 その一つがまず先生のお挙げになりました、順に申し上げますと商工会地区はやはり商工会議所地区と比べて大企業にとってのメリットが余りないというようなことから、大企業が入らないといったことがあったようでございます。これはやはり商工会は商工会議所と比べまして非常に歴史も乏しうございますし、大体に町村部中心ということで構成されておりますために、規模の大きな商工業者から見ますと関心がどうしても不十分ということになりますことが、商工会議所と比べましてあったようでございます。ただその後、できたばかりのときはあるいはそういった弱小なものと考えられたわけでございますが、その後の実績を見ますと、経営指導も十分にやっておりますし、また社会福祉的なことも臨時的ではございますがやっておるというようなこともございまして、だんだんその地域におきます存在が認められてまいりますし、その力もついてきているということがございまして、そのため、最近では商工会に対します評価が相当変わってきていると思われます。したがいまして、今後さらにそういった存在に対する評価を高めることによりまして大企業の方々も十分入っていただける余地ができるのじゃないかというわけでございますし、特に今回法律改正をお願いしておりますように、商工会が従来の目的、業務の範囲をさらに大きくいたしまして、ほとんど商工会議所と同じようになるということになりますと、何といいますか、格から申しましても全く同じということになりますために、大企業が一層入りやすい。したがって、その組織率としましても非常に高くなるという要因ではないかと思うわけでございます。
 それからもう一点、商工会議所地区はむしろ逆に組織率等々が非常に低い。特に東京の場合を例にお挙げになりましたが、非常に低いということがあるわけでございまして、こういったところに対策を講じる必要があるわけでございますが、当然ながら、商工会議所地区で特に大都市の場合には、非常に商工会議所の数も多うございますし、またいろいろ転廃業がありましたり、業者の方々の移動があったりということで、なかなか組織率が上がらない事情もございます。ただ、商工会議所といたしましては非常に熱心にそういった会員獲得運動もやっておりますし、またメンバーの中の特に小規模事業者につきましては、その経営指導に一生懸命いまやっておるのが実情でございます。特に都におきましては各区ごとにいわゆる支部を設けまして、そこを中心にいろいろ指導事業あるいは相談事業等々を進めているわけでございますし、また経営指導員の配置と並びまして小規模企業振興委員制度というのも動員いたしておりまして、指導所とそれから指導員と、指導を受けます小規模企業者の間をうまく媒介するといったような機能も果たすようになってきておりまして、こういったことによりまして、商工会議所地区におきましても一層その経営改善事業の普及とそれから組織率の向上というようなことは今後とも期待されると思っております。
#80
○国務大臣(田中六助君) 商工会議所、それから商工会、いま部長から詳細にお答えいたしましたが、簡単に言いますと商工会議所は大きなだんな衆、商工会は零細企業、そういうような歴史的な差があると思います。しかし、私どもはあくまで経営改善ということと組織化という二つの目的は両方とも同じでございますので、そういう差のないように行政指導あるいはそういう面からの組織化ということに鋭意努力していかなければならないというふうに思っております。
#81
○田代富士男君 ちょうど十二時の約束の時間が来ましたから、午後に質問することにしまして、午前の質問はてれで終わります。
#82
○委員長(金丸三郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時六分開会
#83
○委員長(金丸三郎君) ただいまから商工委員会を再開いたします。
 商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案及び商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#84
○田代富士男君 商工会の組織等に関する改正法案に対しまして引き続いて質問をいたします。
 商工業者以外の者が商工会会員として加入できることになりますが、商工業者以外の者とはいかなる者を考えていらっしゃるのか、またその理由を御説明していただきたい。その場合、企業経営者の身内はともかく、従業員について一定の条件、たとえば勤続年数などの実績を考慮する、そういうような一定条件のもとに参加の道を開くことは考えられないのか、あわせてお答えいただきます。
#85
○政府委員(村野啓一郎君) 今回の改正でお願いしております点の一つとして、商工会の会員の資格の拡大という点がございます。これは現在の商工会の会員は商工業者に限っておりますけれども、今回お認めいただきました場合には、定款によって商工業者以外の者も会員とすることができるという規定を置くわけでございます。
 これは、一つは商工会が今後各地域社会に密着してさらによい地域づくりに協力するように、推進していくということのために、その事業の適確な遂行に当たりまして商工業者の方以外の方であっても、あるいは団体でありましても、そういった目的に十分協力をしていただける、またそういった方々の意思を商工会の運営に反映させるということが必要である場合に、そういった会員を入れることができるということを理由とするわけでございますけれども、具体的に頭に描いております会員といいますのは、やはり商工会の性格そのものがこれは商工業者の団体からスタートしているということからいたしまして、余り商工業者の方々とかけ離れたものであってもいけないし、また商工会の目的と相反するようなものであってももちろんいけないということでございます。そういう意味からいたしますと、現在頭に描いております商工業者以外の会員といたしましては、その地区内に営業所を持っております相互会社でございますとか、あるいは各種の協同組合でございますとか、あるいは市町村によく最近開発公社というものができておりますが、そういった公社、それから商店会といった主としてそういう商工業者の団体が一つでございます。
 それからもう一つは、商工業者の子弟の方で、いわゆる青年部というのをつくって、これが商工会のかなり有力な働き手となっておるわけでございますが、また商工業者の中でも女子の方、それから商工業者であります会員の配偶者の方、そういった方によりまして婦人部というのができておりまして、これも青年部と並んで非常に活躍する要素でございますけれども、こういった青年部、婦人部の幹部の方でまだ会員資格のないような方、この方は入っていただいた方がいいんじゃないかという声があるわけでございますので、大体そういった範囲で定款によって定めるということができるようにしようと思っているわけでございます。具体的には、この法律改正の施行と同時に模範定款例、これは、全国連合会とも相談の上現在作業中でございますけれども、模範定款例を流しまして、これによってつくっていただくということになると思いますし、また、具体的にはそういう新しい定款に従いまして、各商工会が会員の方へ個々に承っていくものとなると考えております。
 先生の御指摘の中で、たとえば永年勤続の従業員の方などが入れないかということでございますけれども、商工会は何といいましても商工業者、すなわち経営者側の立場の方の自主的な組織であるということからいたしまして、雇用者という資格のみ着目して会員を認めるというのは若干本旨に合わないかと思いますが、ただ、よく永年勤続の従業員の方で会社の役員、取締役になるという場合もございますが、そういった場合に、その資格で法人の代表者として商工会の運営にタッチするということは十分あり得ると思いますし、また結構なことじゃないかと思っているわけでございます。
#86
○田代富士男君 次に、商工会の財政についてお伺いしたいと思いますが、商工会の補助金とその使途について御説明をいただきたいと思うわけでございますが、商工会の補助金の使途はほとんど人件費であるというようなことを承っております。たとえば経営指導員についての待遇について格差があるということは問題ではないかと思っておりますが、経営指導員は通産大臣の認定する資格でありながらその労務管理は全国的に統一されていない。これは人材確保という面からも、また補助金の対象であるということからも改めるべきではないかと思うわけなんです。これと同時に、労働条件の改善ともあわせて検討すべきではないかと思いますが、中小企業庁のお考えをお聞きしたいと思います。
#87
○政府委員(村野啓一郎君) 現在の商工会の大きな仕事といたしまして小規模企業に対します経営改善普及事業というのを行っていただいておりますけれども、これにつきましては、国から人件費それから施設費等々につきまして補助がなされております。厳密には国と県から補助を行っているわけでございます。御指摘のように人件費がその主要な部分でございます。
 そこで、全国的に統一すべきではないかという御指摘でございますが、国から補助いたします場合に、いわゆる補助単価、これは全国共通でございますので、それが一つの基準となります。ただし、実際にそれを商工会で適用いたします場合には、やはり都道府県によりましていろいろ事情がございますので、各都道府県に県の連合会の単位で人事管理委員会というのが設けられておりまして、ここでその県独特の統一給与表というものをつくっておるわけでございます。もとは国からの補助の単価から出ておりますから大体大きな差はありませんけれども、やはり県によって若干の差は出てくるわけでございます。ただ、県の中では大体同じ基準で運営しているわけでございます。ただ、これも商工会によりましてはかなり財政的に豊かなところがございまして、そういう場合には統一基準より若干上乗せされた給与が出ている場合もございますけれども、これはやはりそういった給与の自主性というのは各商工会が持っておりますので、そういった格差と申しますか、若干統一基準よりも高いものが出ているということも、これは差し支えないんじゃないかと思っているわけでございます。しかしながら、先ほど申しましたように国の補助の場合の統一の単価、それから各県単位におきます統一給与ということによりまして、大体大まかなところでは全国一致しているということでございます。
 それから、それ以外の労働条件でございますけれども、これにつきましては国から、中小企業庁から各県にお願いしまして、安んじて仕事ができるようにという指導をお願いしておりますし、また商工会の全国連合会の方におきましては、各種の給与規程なり服務規程につきましてのモデルをつくっておりまして、このモデルに準じて各商工会あるいは商工会連合会等でその具体的な労働条件を決めておりますので、これにつきましては大体全国的に統一がとれているというつもりでございます。
#88
○田代富士男君 なお関連いたしまして、経営指導員等の指導体制の充実強化を一層図っていくべきものと思われますけれども、これまでどのように取り組んでこられたのかお伺いしたい。特に、高度の専門的な、また多様な要求にこたえるには十分体制が整えられているとは言いがたい現状ではないかと思うわけでございますが、商業部門もさることながら、工業部門においては一層そのことが一言えるのではないかと思うのでございます。そういう意味から、経営指導員一人当たりの商工会加入業者は平均二百二十業者、全国の総指導相談件数で言えば一人平均約八百二十六件と承っておりますが、決して少ない数字ではないと思いますが、これらの問題もあわせてお答えいただきたいと思います。
#89
○政府委員(村野啓一郎君) 御指摘のように現在経営指導員は大変忙しく仕事をしていただいておりまして、いま数字をお挙げになったようなことで非常にいま活躍しているわけでございます。
 こういう方々に対しましてわれわれがいままでやってまいったことは、まず何といいましても増員を図るということが第一でございまして、これにつきましては、非常に苦しい財政事情でございますが逐次増員が実現されております。また、待遇改善の面につきましても大分改善されてまいりまして、現在国家公務員と比較いたしましてそう差のないところまで来ているというのが実情でございます。また、そういった人件費以外でも、いわゆる指導施設と言っておりますが、いわゆる商工会館でございますけれども、こういったものの施設も国の補助によりまして大分整備されてまいってきているわけでございます。
 そういったことで、一般的には経営指導体制が充実してまいったというふうに考えておるつもりでございますが、先生も御指摘のように、いろいろ商業、工業、各界にわたりましてそのニーズが多様化してまいっている、新しい経済事情が出てきているということは当然でございまして、たとえば商業で申しますと、大規模府問題とか、あるいは店舗の設計等々の問題、それから工業関係でいきますと特許の問題ですとかデザインの問題ですとか、あるいは産地対策といった、非常に専門的な、かつ技術的な問題が非常にふえてきておるわけでございます。こういうものに対処いたしまして、従来の経営指導員もむろん一生懸命その御相談に乗り指導もするわけでございますが、何といいましてもその専門的な知識が必要でございますので、そういった専門的な立場からの指導のできる体制というのを現在つくりつつございます。具体的には、五十五年度からでございますけれども、専門指導センターというのを大体商工会で言いますと県連合会の単位、大体連合会の本部または有力な支部というところにそういったセンターを置きまして、従来の経営指導員を補完する形での活動をするようにいたしております。また、商工会議所地区にも同じくこれは専門指導センターという形で、やはり従来の経営指導員にさらに専門的な立場からこれを補完する者を置きまして、そういった専門的な立場からの指導員によりまして変動いたします経済のニーズにこたえるようにしているわけでございます。
#90
○田代富士男君 次に、商工会の目的や事業が追加されることになっても、いま申し上げた人材確保とともに財政の裏づけがなければならないことは言うまでもございません。しかし、商工会には法第六条においては営利を目的とすることは禁じられておりますし、その全収入が現在のところ会費あるいは国、県の補助金、県単補助金、市町村の補助金、特別事業を行う場合は特別賦課金、あるいは手数斜の収入、受託事業収入その他に限られておるわけでございますが、補助金が充実されることは財政的には望ましいが、そのために商工会の自立性が損なわれてはならないと思うわけでございます。また、会員の負担増になるような会費や手数料の増加にも限度があります。こういうことを中小企業庁といたしましてどのようにとらえていらっしゃるのか、また連合会、辻連合会長としてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、あわせてお答えいただきたいと思います。
#91
○政府委員(村野啓一郎君) 商工会の財政の問題でございますけれども、現在商工会で行っております一番大きな仕事としての経営改善普及事業につきましては、国及び県から相当な補助金が出ております。これにつきましては、今後とも一層充実を図ってまいると思うわけでございますが、何分その補助の対象は、やはり経営改善普及事業という範囲にとどまっているわけでございます。それ以外の各種の事業を行います場合には、大体自主財源ということがその基本になるわけでございますが、御指摘のように自主財源の確保のためには営利に反しないという程度でいろいろな事業を従来やってまいっておりまして、たとえば社会保険の手続代行とか、あるいは金融のあっせんとか、あるいは各種の共済事業の事務代行といったことによりまして、実費的な意味での手数料収入を得ておりまして、これがそういった財源になるというようなことでございます。
 それからまた、会費収入のことを御指摘になりましたが、会費収入はもちろん官立財源の一部でございます。もっともこれは、そう大きく値上げできるというものでもないかと思いますけれども。こういったことで補助金以外の財源をもっと充実していく必要があるかと思いまして、そのためには、先ほど申しましたような営利に反しない範囲での各種の事業収入ということを今後さらに考えていく必要があろうかと思いますけれども、これは商工会には特別なといいますか、特有な事情といたしまして、そういった事業を行います場合に、商工会の会員の仕事、業務と競合したり競争したりということではいろいろ問題が生じますので、会員の方々の事業と競合関係が出ないような、そういった範囲で行っていくという制約もございまして、今後その辺の事業の充実につきましてはいろいろ研究をしてまいりたいと思っているわけでございます。
 なお、先ほどのお尋ねのお答えの中で、私、県の専門センターと申しましたが、これはちょっと言い間違いでございまして、広域センター――広い地域の広域センターという名前で呼んでおりますので、これはちょっと訂正させていただきます。
#92
○参考人(辻彌兵衛君) ただいまの御質問に対しまして、私ども全国連の立場でお答えを申し上げたいと思います。
 ただいま先生から、私ども商工会運営の面で最も重要な点につきましてお触れをいただいたわけでございます。商工会は、御承知のように組織の性格上、自主的な地域の経済団体としての性格と小規模企業者に対します指導団体としての性格と、この二面性を持っておるわけでございまして、したがいまして、地域経済団体としての組織運営並びに事業活動に要する経費は、主として会費その他、賦課金、負担金等の、いわば自己財源によって賄われるべきものでございます。また一方、指導団体としての経費は、主として国、県の補助金や市町村の補助金などによって賄われておるのが現状でございます。
 今回の法改正との関連について申し上げますならば、たとえば「社会一般の福祉の増進に資する」事業というものは、どちらかと言えば地域経済団体としての問題でございまして、当然できるだけ自主財源によって賄われるべきものだと理解をいたしております。ただ、事業の性格によりましては、いわゆる市町村の商工行政の一翼を担うという意味から、そういった事業を行います場合には市町村との間に相互負担の問題がございますが、基本的には会費等によって推進されるべきものと考えております。
 なお、会費の負担能力は、先生御指摘のように私ども非常に零細業者が多い団体でございますので、その引き上げはきわめてむずかしい現状でございますけれども、商工会の行いますいわゆる経営改善指導事業によりまして会員個々の経営基盤が改善、強化され、また会員の皆様方の理解を得まして、今後会費の引き上げに努めまして、商工会財政の強化に努力をいたしてまいりたい、かように存じております。
#93
○田代富士男君 そこで、一つの考え方としてのこれは問題でございますが、一定の条件のもとで行われる事業活動については収支が均衡するように運営し、また利益または損失が極端に出ないようなやり方を考えていかなくてはならないと思うわけなんです。
 そこで、つまりある種の経済活動、まあ事業活動、たとえば出版活動などについては一定の事業目標を達成するための手段として認めて、そうしてその収入は事業目的の範囲内におさめるように運営していくならばどうであるだろうか。事業活動は出版その他にもいろいろ考えられると思いますが、こうした方法によりまして商工会の事業活動の活発化を図ることは可能ではなかろうかと思いますが、これは一つの考え方でございますけれども、検討されてはいかがなものかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
#94
○政府委員(村野啓一郎君) 一つには自主財源をもっと手厚くするということ、それから商工会の活動の範囲をもっと広げるということ、そういった面から御指摘のように商工会の持っております非営利性という性格と矛盾しない程度の範囲での事業というものは今後ともさらに広く行ってよろしいのじゃないかということでございます。先ほどちょっと申しましたように、その会員の事業との競合性といった問題、いろいろ制約ございますけれども、今後の財源対策ということからいたしましても、そういった経済事業――経済事業と申しますか、営利性には抵触しない範囲での収入を得ることができる事業というものを研究してまいりたいと思っているわけでございます。
#95
○田代富士男君 次に、中小企業の問題についてお尋ねいたしますが、中小企業の倒産の動向はどうなっているのか、最初に御説明いただきたいと思います。
#96
○政府委員(児玉清隆君) 最近の中小企業の倒産は依然として高水準にございまして、一番最近の三月までの数字で申し上げますと、中小企業だけに限っても一万八千件を超しておるわけでございます。これは五十五財政年度の一年間でございますが、一万八千件、件数でございます。したがいまして、過去の従来の財政年度の中では二番高水準という、非常に深刻な倒産の実績を出しておるわけでございます。ただ、四月につきましてはまだ、恐らく発表は近々だと思いますが、仄聞するところによりますと幸い千五百件を割った水準に、若干鎮静の兆しが見れるというのが現状のようでございます。
#97
○田代富士男君 ただいま御説明がありましたとおりに、中小企業の倒産は依然高水準にあると。このような景気のかげりの自立つ中で、三月十七日に発表されました第二次総合経済対策においても「中小企業対策の円滑な推進」がうたわれているわけでございますが、その後どのような具体的な対策を講じられたのか、またあわせて、わが党といたしましても、私自身、田中通産大臣のところへ中小企業倒産防止のため、三月十日に申し入れを行ったわけでございますが、政府はいかなる手を打たれたのか、あわせてお答えいただきたいと思います。
#98
○政府委員(児玉清隆君) 先に、御質問の第一点の具体的な対策をどう打っておるかという点について私からお答え申し上げます。
 先ほど申しましたような倒産の高水準で推移しておりますので、特に一番問題は設備投資が非常に低迷しておると。大企業の方は非常に活発でございますが、中小企業におきましては非常に低調でございまして、この三月までの状況で見てまいりますと、前年の水準を割るという非常に低い水準でございます。これは中小企業の将来を考えましたときに非常に問題でございまして、そういった構造的な問題もあわせて対策をお願いするということで、政府の対策会議におきまして、三月十七日に総合経済対策というものをお決めいただいたわけでございまして、で、その低流にありますのは、あくまでも中小企業の現在の困難な状況をいかに打開するかということでございまして、盛られております各項目もすべて中小企業に直接間接に非常に関係のある事項ばっかりでございます。それを具体化するということでございまして、私ども三月十七日の決定を受けましてまず一つやりましたことは、一番基本的な問題はやはり金融の問題でございますので、金融につきまして円滑かつ弾力的な取り扱いをするようにという通達を各金融機関――政府金融機関を初め中小企業関係の機関に督励をいたしております。
 それから、具体的に、公定歩合が下がったことと関連いたしまして、中小企業向けの特に設備資金の金利引き下げというものを実現する必要がございまして、これは短期資金につきましては〇・七五%ということでいち早く決まったわけでございますが、長期のいわゆる設備資金絡みのものにつきましてはさきの、まだ決定する機運にございませんで、若干延びるという様子でございましたので、繰り上げ措置だけを決定していただきまして、もし近々引き下げが行われた場合には三月十八日にさかのぼって適用を受けるので、早く借り入れをした人が損をしないようにということによって促進策を打ち出したわけでございます。
 話は飛びますが、そういったこととあわせて、引き下げ幅を具体的に決定する必要があったわけですが、これは結果的に言いますと、四月の二十八日まで決定が延びまして、四片の二十八日に〇・五%の引き下げということを決定したわけでございます。
 それから、もう一つは、中小企業金融の三機関の貸し出しの規模をやはり潤沢にする必要がございますので、特に四月から始まります第一四半期につきましては、総合対策の意向を受けまして、貸付規模を対前年度化的一三%増ということで、十分な資金量を確保するという当座の手を打ったわけでございます。
 それから、もう一つは、やはり信用保険法のいわゆる不況業種の新規の指定、あるいは民間金融機関等に対する配慮の要請が必要でございまして、これも四月を待たず三月中にということで、三月の下旬に実現を見ております。
 それから、倒産防止対策のために、いわゆる特別相談室というものを主な商工会議所及び商工会連合会に設置をいたしまして、いわば駆け込み寺という制度を五十四年度からやっておりますが、昨今の非常に深刻な事態にかんがみまして、そこの特別相談室の活動を活発にするようにと、かつその活動が具体的な実りを上げますようにということで、体質強化資金助成制度というのがございまして、これは国と県が一体となりまして、特別の倒産防止対策金融を講ずるわけでございますが、それが実は五十六年度からいま申し上げました特別相談室で、もし金がつけばこの企業は倒れずに済むという場合に、それを金融機関に具体的につないでいこうということで、この体質強化資金制度を活用するという新しい政策が五十六年度から成立をいたしました。ただ、それを四月からという適用になりますと、非常に問題でございますので、前倒しで三月からこれを適用するという措置をとったわけでございます。
 それからもう一つは、これは関係各省それぞれ倒産の業種を抱えております。たとえば、建設省は建設業という非常に大きなシェアを占めております。農林省も木材産業とか、いろいろございます。というようなことで私どもはやはり倒産防止対策の各省協議会というものを早急につくるということで、三月の二十六日にその第一回を開催をしたということでございまして、後、監事会にこれをおろして、現在いろんな業種別対策を展開しておるということでございます。
 それから、あわせまして、官公需下請企業対策等につきまして、五十六年度上半期の国等の中小企業向けの契約を対前年度同期比、おおむね一〇%増とするように各省等に努力を要請をいたしておるところでございます。
 それから、下請代金の支払い遅延等防止法によりまして、これは規制と助成と両面ございまして、規制の方で厳正なる運用をこれは公正取引委員会と二人三脚によりまして、十分監視体制を強めていくということが一つでございます。
 それから、官公需機関等に対しまして、現行の政令指定法人を大幅に増大するということで政令改正を先般実現を見たところでございます。
 失礼いたしました、先ほど第一四半期の貸付規模につきまして一三%と申しましたが、二六%の間違いでございましたので訂正さしていただきます。
#99
○田代富士男君 もう時間が参りましたから、質問を次に移したいと思いますが、きょうの新聞に日本原子力発電の会長、社長の交代など、人事の刷新が内定したとの報道がされております。これは御承知のとおりに、今日の原発事故も報告書も通産省に提出して一連の事件処理が山を越したと見てのことと思われますが、まだ事故の本質的な解決が図られたということではないじゃないかと思うんです、現実には。原電の管理体制の根本的な見直しなど、全力を尽くすことが最優先されるべきではないかと思うわけなんですが、この点はどうなっているのか、その上での人事刷新であるべきではないかと思いますが、通産大臣としての指導性はどうなっているのか、まず通産大臣からお答えいただきたいと思います。
#100
○国務大臣(田中六助君) 敦賀発電所の問題は、社会問題としてもあるいは原発の今後のあり方につきましても、大きな波紋を投げかけておりますし、私も大きな責任を感じております。この対策につきましては、すでに中間レポートは出ておりますけれども、本格的な検査、審査に基づく完全なレポートは次の月の初めまでには完成するものと思っております。現在事情聴取あるいは立ち入り検査などの続行中でございまして、私も来る十八日には現地に行ってこようというふうに考えておりますが、まあ田代委員御指摘のように、全部が完璧な報告ができ上がってないのに、社長、会長がやめることはおかしいじゃないかという御意見もまさしくあります。そういう御意見もうなずける点もございますけれども、全体的な敦賀発電所あるいは日原発の会社そのものが今回の問題で非常に意気沈滞し、意気阻喪しておる現実は、やはりこれは見逃がせないし、責任体制ということからも私どもも含めまして問題があるわけでございます。そういう観点から、会社そのものがやはり責任を感じて自主的にこういうふうにしようということが人事の最近の、最近と申しますかきのうでございますけれども、そういう動きになったわけで、これはすぐやめるということではなくて、一応いろんなレポートの完成ができまして、それぞれが辞任するわけでございまして、事前に一応こういう道行きをたどるんだということを会社そのものが自主的に判断し、そして記者会見になったというような段取りでございまして、責任の回避とかあるいは手順を間違えてこうしたんだというようなことではなく、私はある程度当然の帰結が人事のこういう自主的な発動というふうになったというふうに考えております。
#101
○田代富士男君 通産省は、去る五月の十一日、日本原電より今回の事故についての報告書を受け取られたということでございますが、内容についても要旨だけ御説明いただきたいし、通産省はこの原電の一連の事故に対する措置の検討を現在されていると思いますが、いまも大臣のお話がございましたが、いつごろまでに結論を出すのか、また通産省は原電に対する告発を避ける意向であるとの報道が一部にされておりますけれども、もしそのような意向であるとするならば、地元敦賀はもとより全国に与えた不信感をぬぐえるか懸念される、また監督官庁である通産省に対する信頼が損なわれることにもなりかねないと思いますけれども、この点、大臣いかがでしょうか。
#102
○政府委員(石井賢吾君) 五月十一日に会社側から、私どもが四月十日、これは第四給水加熱器にかかわる事故問題でございますが、四月十日及び四月三十日、これは三月八日の漏洩事故にかかわる問題でございます、それぞれにつきまして立入検査結果を示しまして、これにかかわる会社側の見解を正式に提出を求めたわけでございます。これが五月十一日に提出されました会社側の見解でございまして、それぞれの給水加熱器の事故の発見晴及びその事故、クラックといいますか、クラックの補修をしたときの会社側の考え方、それから三月八日の漏洩事故に関しますオペレーションの経過及びその発見後に至る除染作業その他の措置につきまして、一連の経過を取りまとめ、かつその段階におきますそれぞれ発電所におきます発見時、補修時等あるいは除染作業時、そういう段階のそれぞれのその当時の判断及びそれにかかわる会社の見解を提出してきたわけでございます。したがいまして、私どもは立入検査ですでに把握しております内容と、この会社側のてんまつ書と申しますか、公式見解を突き合わせまして、最終的な会社側の処分を考えていかなくちゃいかぬということで、現在鋭意検討を進めておるわけでございます。御指摘のように、私どもとしましてはできるだけこの収束を早くいたしたいという考え方でございますので、現在急ピッチで作業をいたしておりまして、日本原電に対する措置、あわせまして今回の事故の関係で判明いたしました安全審査あるいは安全行政上の問題点についての解明の方向、こういったことを安全委員会と協議をしながら具体的な方向を発表してまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
 それで、第二に告発の問題でございますが、告発の問題はいま申し上げました会社側に対します一連の措置、これは事故原因となりました諸施設の改善あるいは保安管理体制の総点検、そういった一連の事故原因の払拭を図らなくちゃいけませんが、そういう一連の処分との兼ね合いにおきまして、当然のことながら法令上の問題点を究明し、これをどう処理すべきかということの一環として検討を進めている段階でございます。
#103
○田代富士男君 最後にもう一問だけ。これ通産大臣にお尋ねいたしますが、自民党の環境部会長の森下泰参議院議員、同僚議員でございますが、五月十二日の記者会見の席上で公害対策基本法の中にあった生活環境の保全と経済発展との調和を規定した条項が、昭和四十五年の公害国会で削除されたことを非難されるとともに、将来は環境庁は当然スクラップすべきだと思うと注目すべき発言をされているのであります。これはもう大臣も新聞等で御存じのとおりだと思いますが、通産大臣も御存じのように、この経済発展との調和条項を削除したのは、その背景に大気汚染公害、水俣病、イタイイタイ病などの悲惨きわまりない公害の実態を踏まえまして、公害対策の基本姿勢を政府として明らかにしなければならないということがあったのであるわけでございますが、これは御承知のとおりですが、これは永久に変わらない生命尊重の大原則のはずであるわけなんです。また環境庁不要論などは全く国民の生命の安全をどのように考えていらっしゃるのか、その感覚は私は理解することはできないのでございますが、通産行政は環境問題を避けて通ることはできないはずでありますし、人間尊重、環境保全、さらに浄化は通産大臣としてもきわめて重要な関心事であるはずでありますが、このような発言についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか御見解をお聞きしたいと思います。
#104
○国務大臣(田中六助君) 環境保全は、議員御指摘になるまでもなく、私ども自然環境の保持、それから人命との関係などに十分考慮しなければなりませんし、そういうことから環境保全というものが強く内外に叫ばれているわけでございまして、公害基本法におきましても経済との切り離しをはっきりしたのも、この国会がそういうふうに決めたわけでございまして、法律になっているわけでございますので、私どもはやはり国会で決められた法律のとおりにこれを遵守するということは、非常に重大なことではないかというふうに考えております。したがって、それを切り離したことは当然の措置だと思いますし、それを遵守することもまたなさねばならない私どもの大きな義務だというふうに思っております。
 それから環境庁を余り要らないというような意味の発言でございますが、これは要るべくして、存在が必要だからこそ生まれた省庁でございますし、やはり私どもも十分考慮した上のことでございますし、いまこれを廃止しようというようなことにつきましては、私自身の頭には浮かばないことでございますし、こういう点についても私どもがいますぐそれに賛同とかいうようなことは毛頭考えてもおりません。
#105
○市川正一君 ただいま田代委員の方からも、敦賀原発の問題について質問がございましたけれども、御承知のように私もこの委員会で敦賀原発問題についてたびたび大臣にも御質問を申し上げました。
   〔委員長退席、理事前田勲男君着席〕
その後の事態は中間報告あるいはただいまお話のあったてんまつ書が出されるなど、いろいろの推移の中には重大な問題がありますので、私冒頭若干の点についてお伺いさしていただきたいと思います。
 通産省の先日発表されました中間報告、私もいただきましたが、これによりますと、事故原因として「設計、施工管理上の問題に主たる原因があり、これに運転管理面における人為的なミスが加わって発生した」と、こうあります。設計管理、施工管理といえば原発の安全性に最も基本的な問題でありますが、ここに重大な問題があったにもかかわらず、それを発見できず、認可してきたということは、結局通産省自身の安全審査、検査体制及び管理体制に重大な欠陥があったということではないのか、この点まず第一にお聞きしたいと思います。
#106
○政府委員(高橋宏君) 御指摘のように、今回の原因の一つは建物を含みます施設の設計、施工管理に問題があったと私ども分析いたしております。
 そこで、この件でございますが、私ども、まずこういうような放射性廃棄物というものを処理、貯蔵するような施設につきましては、事業者自身が十分その安全性について配慮すべきこと、そしてそれのメンテナンスにつきましても十分配慮すべきであると思っておりますが、一方、私どもの工事計画の認可、検査等の中におきまして、今回これが発見できなかった原因、これはすでにこの場におきまして何度も御説明いたしておりますが、現在の認可申請書につきましては、たとえば廃棄物、廃液を貯蔵しますタンクとかパイプとかそういう設備につきましての基準あるいは添付資料に基づく審査は厳重にやっておったところ、建物との関係、あるいは一般排水路等との関係におきましては審査すべき添付資料がない、審査し得ない状態であったということ等につきまして、私ども率直に反省をいたしておりまして、今後その改善措置については今後の対策の一環として、事業者に対する措置と同時に、私ども自身、基準あるいは許認可、検査行政の改善について検討してまいる所存でございます。
#107
○市川正一君 いまおっしゃったことにもかかわらず、この中間報告によりますと、通産省自身の責任という点については全く触れられておらないんでありまして、私、日本原電の責任、これももはや言うまでもないわけでありますが、それを見逃してきた通産省自身のいわば責任ということについても明確にさるべきでないのか。この点をやはり国民に対する責任として明らかにしていただきたいと思います。
#108
○政府委員(高橋宏君) 本報告書におきましては、第六章に「今回の事故調査で判明した問題点及び今後の対策の方向」というところで、管理、安全監督行政の点につきましても若干触れておりますが、本来この報告書は、原電の今回の事故にかんがみまして、私ども立ち入り検査官が現地におきまして設備あるいは書類等に基づく立ち入り検査をいたします。その結果を中間報告としてまとめた、すなわち原因の分析を中心とした一連のレポートでございます。
 したがいまして、いま先生御指摘の、今後原電に対しては具体的にどうしていくのか、あるいはこの許認可行政についてはどう考えていくかという問題につきましては、この次の段階で明らかにいたしていくつもりでございます。
#109
○市川正一君 なるほど今後の対策の中に「所要の検討を開始し、」云々とあります。しかし、その中身を私立ち入ってもう少しお伺いしたいんでありますけれども、今回の中間報告によりますと、日本原電の事故隠しの実態とその体質については触れておらないんです。日本原電がどうしてたび重なる事故をああいうふうに隠し続けてきたのか。この背景の解明というのは、私、ほかの原発にも共通している事故隠し体質を解明する上できわめて重要なものだと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
#110
○政府委員(高橋宏君) 本件につきましては、御指摘のようにこの原電の敦賀発電所におきます安全管理体制、これは非常に広い意味で私どもとらえておりますけれども、社内の連絡通報体制、権限規定、組織規定全部含めまして、そういうところの中でこの安全管理を行う上においてもとるところがあったんじゃなかろうかと、こういう観点から、たとえば制度もクロスチェック制度が要るんではなかろうかとか、あるいはもっと連絡通報責任体制を明確にすべきじゃないか等、いろいろございます。一方では設備上の問題、現場に即した問題点を摘出すると同時に、そういう観点につきまして、すそに原電に対しましては総点検を指示いたしておるところでございます。その中で抜本的な強化対策がとられることが今回の事件を解決する一つの前提だと思っております。そういう趣旨で、私どもは御指摘の点も十分踏まえながら現在検討しておるところでございます。
 この中間報告におきましては、ただいま申し上げましたように事実関係の立入検査というものの内容を中心にいたしております。これに対しまして、現在原子力発電株式会社側から、それでは会社側はこういう私どもの試験結果についてどう思うかという点につきまして公式の説明書、いわゆるてんまつ書と言っておりますが、それをとりまして、現在それを突き合わせて、今後の措置をいろいろな意味で広く検討していく、そういう過程にあるわけでございます。
#111
○市川正一君 さらに立ち入ってずばり伺いますが、私はこういう事故隠しというものの背景には、安全性よりも稼働率を向上させるという原発行政の、政府の、通産省のそういう方針というか、そこに根本的な問題がある。だから、私はこういう事故隠しが起こってくるということを前々からも申しておるんでありますが、結局通産省の安全審査や検査体制の欠陥も、結局は安全性よりも稼働率を上げていく、あるいは原発の立地推進をしていくという姿勢の反映と言わざるを得ぬのでありますが、この点について、原発推進の通産省が同時に安全審査、検査も行うといういまの審査体制そのものにメスを入れるべきじゃないのか。先日、私提案をいたしまして、電力会社はもとよりのこと、原子力行政の従来の機構からも独立をしたところの、信頼できる学者、経験者による特別委員会を設けて、必要な調査権限を与えていく。そういうことが必要でないかということを申しまして、通産大臣も本委員会で、第三者機関の設置も、その必要性、言及なさいました。私の提案についても検討するというふうにお答えをいただいたんでありますが、中間報告で述べている、先ほど私も引用し、また高橋審議官も述べられた、安全管理行政にかかわる課題について所要の検討をするという内容には、当然こういう見地も私含まれて進められるべきだというふうに理解をいたしておりますが、この点いかがでございましょうか。
#112
○政府委員(高橋宏君) 安全より稼働率優先というお言葉がございましたので、ちょっとそこで御答弁させていただきますが、私ども、原子力発電所が将来の日本の代替エネルギーとして不可欠であるという観点から、稼働率よく動くことを期待しておるのは事実でございます。ただし、その前提はあくまでも安全がベースになっておるということも、先生のお言葉ではございますが、私ども本当に安全が第一であると。そして、そこに国民の不信、不安があったら、地元では円満に運転さしていただけないということも身にしみて知っておるところでございまして、今後ともそういう線でやっていきたいと思っております。
 ところで、その安全審査体制の独立特別委員会について、どう今後考えるかという点でございますが、私ども率直に、常駐検査官制度、それから安全審査体制、検査体制等につきまして、今後必要な見直しと必要な改善措置をとっていこうと思いますが、その際に、とりあえずいま日本にあります最高の独立機関といたしましては、御存じの原子力安全委員会がございます。そういうところと十分相談、御協議、御示唆をいただきながら、この改善については図っていきたいと思っております。そういうところでそういう点についても御議論が出ましたときには、幅広くそういう点も含めて検討していきたいと私は思っております。
#113
○市川正一君 私は、原子力というのはまだ技術としても未完成のものなんだ、そういう立場で慎重にも慎重を期してやるべきだというふうに思いますが、高橋審議官の御答弁でございますけれども、私が申し述べたのは、いわば推進の側にある通産省が同時に安全やその他の検査の当事者でもあると、こういういわば二面性を同時に使うということじゃなしに、田中大臣のお言葉を借りるならば、第三者機関の必要性、そういうものをどうお考えなのかということをお伺いしたんですが、大臣まことに、いまの高橋審議官の御答弁ではございますが、この点について現在到達されているお考え、認識について再度お伺いしたいと思います。
#114
○国務大臣(田中六助君) 日本原子力安全委員会というものは、ダブルチェックの大きな機能を持っておりますし、それはひいては私は第三者機関と直言えるというふうにも考えますけれども、それでもまだまだどうも不安だという国会あるいは国民の大きな要望があるとするならば、そういう第三者的なものも十分考え得るということを思っておるわけでございまして、原子力発電所そのものにつきましても、年間三ヵ月間の定期検査というようなものもございますし、先ほど審議官が申し上げましたように、私どもはこの点を稼働率をどんどん上げていこうというようなことは、御指摘ではございますけれども、そういうことは頭の中にはほとんど、むしろないということは断言できないかもしれませんけれども、口でも安全ということを申し上げますし、それから頭の中でもいつも安全であれと、あるいはまた安全こそ第一であるということをずっと言い続けてもいるし、このための対策というものは私どもも万全を期してやってきておるつもりでございます。
#115
○市川正一君 ところで大臣は、四月二十一日の私の質問に対して、「報告義務を怠っておるという電気事業法の違反が」あると、原発でございますが、こう答弁なさるとともに、「他の法律にも十分規定されておる報告義務ということに対する怠りがあり……したがって、……告発の対象になるんではないか」と、こう答弁なさいました。ところが告発するどころか、最近の報道によりますと、告発は天につばするとしてしり込みと、通産省自身の責任を問われることになるということで告発しない方針だというふうに伝えられております。先ほど質問に対して石井部長が、兼ね合いでいろいろ検討中だと、こうおっしゃいましたけれども、しかし日本原電の法違反は、こういう報告義務違反だけでなしに、溶接修理をしながら検査も受けない、そして使用していたという、電気事業法四十六条の違反もあります。そこで大臣、当初の告発方針を変えられたのかどうか、この点ひとつ大臣として明確にお答え願いたい。
#116
○国務大臣(田中六助君) 当初の方針を変えたのかということでございますが、いま私ども中間レポートを受けて完成したレポートを待っておるわけで、それも先ほどから事務当局がそれぞれ申し上げておりますように、急ぐことを頭に入れてやっておるわけでございます。たびたび私どもが言明しておりますように、厳正な態度でこれは臨む――それは告発も含めた厳正な処分、態度で臨むという方針には少しも変わりありません。
#117
○市川正一君 そうすると、法違反があれば告発するのは刑事訴訟法第二百三十九条に照らしても当然である、こういう見地は変わりない、不変だ、こう理解してよろしゅうございますか。
#118
○国務大臣(田中六助君) そういう当然だ、変わりないということじゃなくて、告発問題も含めて厳正な態度で検討していきたいということで、それをもういまから決めておるんだというような市川委員の……
#119
○市川正一君 いや、法違反があればということですよ。
#120
○国務大臣(田中六助君) 厳正な態度で臨むということでございます。
#121
○市川正一君 告発を含めてね。
 さらに伺いたいんですが、五月十二日付の読売新聞はこう言っております、「エネルギーの安定供給を目指す当省」、「当省」というのは通産省のことでありますが、「としては、電力九社が大株主の日本原電と、できることならケンカしたくない」、これはエネルギー庁のある課長がそう語ったと報じておるんであります。一方、日本原電の穐山常務は十一日の記者会見で今回のケースはいずれも軽微であり、法律に違反していないと無反省にこう開き直っております。言語道断であります。もしこれが事実ならば、私は告発をしないというのは結局通産省と原電の癒着だというふうに言わざるを得ぬのでありますが、この点、私、大臣がいま厳正な態度をおとりになる、とるということをお答えになったんでありますが、法違反があった場合、厳正な態度をとるということは、当然これは告発を含む対応というふうに考えるのでありますが、こういう一連のいわば放言、発言がある中で大臣としてきっちりとした見解を重ねてお伺いしたい。
#122
○国務大臣(田中六助君) 先ほどからたびたび申し上げておりますように、私どもは告発も含めました、これをやるやらぬは別といたしましても、レポートの結果を待ちまして、告発を含めました厳正な態度で処分、処置に臨みたいという方針には変わりございません。
#123
○市川正一君 この機会にもう一つ伺いたいんですが、先日茨城県が調査いたしましたところ、日本原電の茨城県東海村にある東海発電所、それから東海第二発電所に新しい構造欠陥があることが判明したというのであります。一つは、東海第二発電所の復水タンクの配管に、一般用水の配管が迂回する形で接続されているというものである。バルブにもし故障が起これば、一般用水に放射能汚染水がまざり重大な放射能漏れにつながるおそれがあるものであります。もう一つは、東海発電所の方でありますが、こちらの方は、原子炉建屋内の洗面洗浄廃液を廃棄物建屋へ移送する配管が、通常あるはずの二重防護もなくて、むき出しのままに地中に埋設されているというものでありますが、通産省はこの事実を把握されておりますか。
#124
○政府委員(高橋宏君) 原電の東海発電所と東海第二発電所に関する御質問だと存じますが、この報道がございました件につきましてでございますが、本件につきましては、すでに日本原子力発電株式会社は茨城県に対しても報告をいたしておりまして、当庁としましては、特に問題はないと考えております。しかしながら、現在敦賀発電所関連におきまして、原電に対し総点検を指示いたしておりますので、その中で念のため本件につきましても確認をしていきたいと思っております。
#125
○市川正一君 私はこれは重大な構造上の欠陥であると思う。茨城県は立入調査を行うというふうに聞いておりますけれども、私は通産省も当然立入調査をなさるべきだ、こう思いますが、いかがですか。
#126
○政府委員(高橋宏君) 現在のところこの事実関係でございますけれども、復水給水系配管と純水供給配管とがバルブを介して接続いたしておる、これは建設当初のものでございまして、すでにその任務を終わっておりますので、現在はバルブを常時閉状態でロックをしておりまして、そういう状態にあるということ自身は特に問題ないというぐあいに考えております。そういうことでございますが、今度の総点検の中で再度再確認はしていくよう努めたいと思っております。
#127
○市川正一君 私は審議官のそういうような無責任な態度が積み重なって、敦賀の事件を引き起こしているんだということを率直に指摘せざるを得ぬと思うんです。私は、いま総点検、総点検という言葉を盛んにお使いになりますけれども、総点検をやりながらいま言ったようなことも発見されていない、茨城県の報告で出てきているんです。ですから私は、この総点検というのはそれぞれの原発によって異なった欠陥やあるいは不備があるのは当然であります。したがって、ケースをしぼってやるんじゃなしに、多項目にわたって文字どおり総点検を実施し、そして構造欠陥を発見するということが必要だと思うんでありますが、大臣も近く敦賀の現地の方へ参られるというふうに伺っておりますが、私はそういう総点検をこそいま実施すべきだと、こう思うんでありますが、大臣いかがでしょうか。
#128
○国務大臣(田中六助君) 原電について、私どもすでに原電以外にも、いずれにしても原子力発電所の総点検を指示しておりますし、当然やるべきだというふうに考えております。
#129
○市川正一君 それでは改正法案に入りたいと思うんでありますが、最初に商工中金の貸付金について伺いたいんであります。
 商工中金の手形割り引きや手形貸し付けなど短期資金の金利が、都市銀行など民間金融機関よりも高いというふうに言われておりますが、実際民間金融機関と比べてどうなのか、その実態の認識についてまずお伺いしたいんであります。
#130
○参考人(影山衛司君) お答え申し上げます。
 私どもの貸出金利のうちの短期金利の市中金融機関との比較でございますが、私どもの方の短期貸し付けの原資といたしましては預金が二〇%でございまして、それだけでは短期貸し出しの原資としては不十分でございます。また、市中銀行と違いまして一般大衆からの預金ももらえません。したがいまして債券に依存する部分が非常に多うございまして、コスト高でございます。したがって市中金融機関に比べまして残念ながら割り高であると、こういうふうに申し上げざるを得ないと思うのでございます。
#131
○市川正一君 実際は、いま影山理事長もおっしゃったように、私のところにもいろいろ利用者から、金利が非常に高い、何とかならぬのかという陳情とかあるいは要請が寄せられております。その人たちの話を聞きますと、たとえば都銀や地銀と比べても〇・七ないし〇・六%、相互銀行や信用金庫と比べても〇・五%ほど高いというんでありますが、私、中小企業専門の金融機関として民間金融機関よりも貸付金利が高いというのは、商工中金の目的に照らして問題ではないかと思うんでありますが、理事長はこの点についてどのように認識されておるのか、続けてお伺いしたいと思います。
#132
○参考人(影山衛司君) 私どもといたしましては、できるだけ安い金利で中小企業の皆様方に短期資金もお貸ししたいと、こういうふうに考えております。ただ、預金との関係で実質金利を考慮いたしますと大体〇・五%ぐらいの格差なら何とかやっていけるんではないかとも思っておりますんでございますが、いずれにいたしましても、できるだけ安い短期資金をお貸ししたいという念願は変わりないわけでございます。
#133
○市川正一君 高い金利の理由、それはどないお考えですか。
#134
○参考人(影山衛司君) 短期金利の原資は預金が二〇%ぐらい占めておるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、市中銀行と違いまして一般大衆からの預金がもらえませんので、債券に依存する度合いが非常に大きいわけでございまして、したがいまして割り高であるというふうに考えておるのでございます。
#135
○市川正一君 結局、商工中金の資金コストの問題ということになるんですが、いまおっしゃったわけでありますが、そこで伺いますが、商工中金の債券発行残高の資金構成中の比率は、最近の十年程度でも結構ですが、大まかに言ってふえる傾向なのか減る傾向なのか、どうなんですか。
#136
○参考人(影山衛司君) この数年総資金に占める債券の発行残高は増加の傾向でございます。
#137
○市川正一君 一方、商工中金の自己資金ですね、これは私どもの調べでも五十年度末の五・五%から五十四年度末の五%と、これは逆に減ってきている。つまり、債券発行高が総体的にふえればふえるほど、また自己資金比率が低くなればなるほど、当然資金コストが上がって貸付金利が高くなるという結果を招来しているわけでありますが、今回の法改正で債券発行限度が引き上げられますが、そうなりますと、一方で資本金勘定の政府出資金、組合出資金の増が多少見込まれたとしても、自己資本比率の低下は回復できないのじゃないか、とすれば結局貸出金利も低くならぬ、こういう見通しについて理事長はどうお考えでしょうか。
#138
○参考人(影山衛司君) お答え申し上げます。
 私どもの自己資本比率、すなわち、資本金プラス内部留保と預金債券残高との比率、この自己資本比率は最近の五カ年間をとってまいりましても、五十年度が五・五、五十一年度が五・三、五・一、五・一、また五十四年度は五・〇というふうに低下の傾向でございます。
 今後の傾向でございますけれども、これは貸出規模の増加に伴いまして、分母におけるところの預金、債券、特に債券も増加をせざるを得ません。したがいまして、分子の方の資本金等も政府からもお願いをし、あるいは民間の出資も今後も増加をさしていきたいと思っておりますけれども、分母の伸びが分子の伸びを上回りますんで、今後とも低下傾向にあろうかと思います。これは都銀あたりも同様の傾向であるというふうに考えております。
#139
○市川正一君 中小企業庁長官はこの点どうお考えでございますか。
#140
○政府委員(児玉清隆君) 従来の推移あるいは今後の見通しにつきましては、いま商工中金の方からお答えがあったとおりだと思います。もちろん私どもの願望といたしましては、出資の増加等によりまして経営の健全性を保つ自己努力が必要であるというふうに考えますが、政府といたしましても財政の許す限り商工中金の経営基盤の強化という観点から、引き続き、ことしが百十億でございましたが、引き続き出資等の助成を行ってまいりたいと、このように考えております。
#141
○市川正一君 その努力の中身をお伺いしたいんでありますが、私いまずっとお伺いしたように、結局貸出金利を引き下げる、そのために資金コストを下げる、そのためにはやはり私は自己資本比率を高くすることだと思うのでありますが、それは筋として、やはり配当を伴うところの民間出資金よりも、政府出資金によって自己資本を拡充するという道をいまの状況のもとでやっぱりとるべきではないか。
 ところが、商工中金の総資金に占める政府資金について見ますと、出資金は若干ふえておりますけれども、政府引受債券、借入金を含めた政府の総資金の商工中金総資金量に対する比率は明らかに逓減傾向を示しております。これを改善するには政府資金、わけても政府出資金を大幅に引き上げる必要が私はいま求められていると思うのでありますが、この点明確な御答弁をいただきたいと思います。
#142
○政府委員(木下博生君) 商工債券の引き受けを政府もやっておりますけれども、その引き受けの額が最近率が若干下がってきているという点は御指摘のとおりでございますが、これは石油ショック以後の中小企業向けの大幅な資金需要に対応して、いろいろな政府としての対策を講じる過程で、政府引き受けが五十年代の初め非常に高まったという反映かとは思います。ただ、今後も政府引受残高はできるだけ高目を維持するような形で運用していきたいと思いますし、それに加えまして、中小企業事業団等の余裕金の運用というような形での債券の引き受けというものは、これはどんどんふえておる傾向にございますので、そういう形で、でき得る限りコストの安い資金が商工中金に流れるように処置していきたいと考えております。
 それから、政府出資の増大につきましても、先ほど長官から申し上げましたように、財政の許す範囲内で今後もできるだけ出資を高めていきたいというふうに考えております。
#143
○市川正一君 田中通産大臣、いまお聞き及びのような状況であります。私は、商工中金に対する政府資金比率の逓減傾向というものをとってみましても、政府の中小企業に対する姿勢の反映をうかがえると言わざるを得ぬのだが、政府出資金をこの際大幅に増額する、そして、商工中金の財政状態を改善させていく、そして中小零細業者の期待にこたえる、そういう措置をとるという大臣の御決意のほどを承りたいのであります。
#144
○国務大臣(田中六助君) 政府出資がだんだん減っておるという御見解でございますけれども、五十五年度末は八百三十九億円でございまして、五十六年に至りましても百十億プラスになっておりますし、決して漸減傾向にあるというふうなことは言えないと思いますし、そういうことがもしあるとすれば、ないようにもちろん努めなければいけませんし、私どもが中小企業を問題にする場合に、政府の基本方針をたびたびこの場でも申し上げておりますように、日本経済の中核をなしておると。御承知のように、約三千四百三十万人の従業員がおる、出荷率は五三%である、しかもその上、五百三十何万という膨大な中小企業者の中小企業というものがあるわけでございまして、日本が今日世界の中では一番安定している経済と言われておるのは中小企業、中堅企業というものが日本にあるからでございまして、そういう点を十分私ども考えた上でのことでございますので、こういう人たちが金融上にも困らない措置、これは常に念頭にあることでございます。
#145
○市川正一君 第二の問題はこの資金調達の方法についてであります。
 その一つは、政府の引受債券を見ますと、金利の高い利子付債、リッショーですね、その方がいわゆるワリショーよりも多い。大体七、三の比率であります。この点について、午前中の質疑を伺いましたが、木下部長はその答弁の中で、いわば低利性――低い金利、それからもう一つは安定性ないしは長期性、こういう両側面からのメリットということを考慮してというお話がございましたけれども、私は、本来この両面を矛盾するものとしてでなしに、統一的にやっぱり解決していく、あるいは打開していくということが可能だし、またそうすべきだ。
 伺いますが、この七、三という比率は決して固定的なものでないし、また法的にも根拠があるものではないと思うんですが、この点はいかがでしょうか。
#146
○政府委員(木下博生君) 政府が引き受けます商工債券の利付債と割引債との比率につきましては、先生おっしゃいましたように、現状七対三ぐらいの比率でございますけれども、特に制度的に固定すべき性質のものではございません。
#147
○市川正一君 そうしますと、この資金コストを下げるためには金利の低いワリショーを政府がもっと優先的に引き受けてしかるべきでないかと、こう思うのですが、いかがでしょうか。
#148
○政府委員(木下博生君) 従来から割引債と利付債の引受比率は、市中の割引債と利付債の引受比率とほぼ同じ程度の率でずっと推移してきておりまして、政府の資金運用部の運用の見地からの考え方と、それから商工中金といたしまして資金調達のやり方、その場合に割引債と利付債をどのように分けるかという両方の見地から、先ほど先生の御指摘がありましたような安定性、それから低利性というような点も考慮して、全体の資金をどういう形でやるのが一番適当かという見地から決められているものだと考えております。
#149
○市川正一君 ちょっとかみ合わぬのですけれどもね。
 政府のこの債券購入原資は御承知の上うに資金運用部資金であります。そこで国金などは直接これを融資しているわけですね。この直接融資とたとえばリッショーを購入する場合とでは、どちらが金利が高いのですか。
#150
○政府委員(木下博生君) 資金運用部資金からの資金の貸し付けは、中小企業金融機関の場合、中小企業金融公庫とか国民金融公庫でなされているわけでございまして、現在その金利はこの前の利下げによりまして七・五%という形になっております。
 それで資金運用部から貸し付けできる機関というのは原則として国、地方公共団体のほか、国が一〇〇%出資している法人というふうに限られておりますので、商工中金の場合には民間の出資のある機関でもあるということでもありますし、それぞれ中小企業金融の機関、三機関ありますので、それぞれの分野を調整するという意味からもこの中小企業金融公庫と国民金融公庫だけに貸し付けられて、商工中金に貸し付けられていないという状況でございます。
 ちょっと回りくどくなりましたが、利子の点につきましては、今回の金利の引き下げによりましてリッショーは七・九%から七・六%に引き下げられておりますし、ワリショーは応募者利回りでいきまして、これは一年物でございますけれども、七・六三三%から六・八八三%に引き下がっております。
#151
○市川正一君 私が御質問しましたそのものから申しますと、リッショーの方が直接の融資といいますか、原資に比べて〇・一五%ほど高いということになると思いますが、そうしますと、仮に利子付債の分を国金並みの金利で融資を受けたということになりますと、これはもう影山さんあたりも篤と御計算になっていると思いますが、私どもの試算によると、年間約五億円前後の資金コストを軽減することに相なると、こういうふうに私ども試算いたしております。そういうことを前提にして、私は、この機会に政府としては商工中金に対しまして、国金あるいは中小企業金融公庫並みの金利で貸し付けるとか、もしくは商工中金も望んでいますように、ワリショーで長期安定的に引き受けるとか、こういう方向に踏み切るべきでないかというふうに考えるんですが、この点ひとつ、大蔵省との関係いろいろあると思いますが、通産省としては中小企業を保護育成する見地からそうなんだという見解をぜひ示していただきたいと思うんです。
#152
○政府委員(木下博生君) 資金運用部資金の貸付金利は現在七・五%でございますが、これはそのときどきによって変わってまいりますし、それからリッショー、ワリショーの利息もそのときどきによって変わってまいりますので一概に言えませんが、現在の商工債券の引き受けの仕方から考えますと、資金運用部資金を貸し付ける場合と余り大きな違いは生じてこないんではないかというような感じは持っております。ただ、これを、今後利付債、割引債の引き受けの方向につきましては、大蔵省の方とも十分協議しなくちゃいけませんが、資金運用部資金の今度は原資の方は、やはり相当長期の金を貯金部資金等から入れているというようなこともありまして、資金運用部資金としてのやはり運用の考え方というのがあるんではないかというふうに考えております。
#153
○市川正一君 私、本来これ大臣にそこらを決意としても伺いたかったんでありますが、いままでのやりとりを踏まえて今後の格段の御尽力をお願いしたいと思うんです。
 私、今度、組合員への転貸、この問題についてお話を進めさしていただきたいんでありますが、一般論としてまず伺いたいんでありますが、組合員への転貸の場合には、当然当該協同組合などの承認あるいは当該組合の諸規定に即したものでなければならないと思うんでありますが、この点まず確認をいたしたいんです。
#154
○参考人(影山衛司君) 組合転貸の場合におきましては、商工中金といたしましても組合の金融規約というものをよく確認をした上で貸し付けるということになっております。
#155
○市川正一君 貸し付けをなさる商工中金の側でも、当然いまおっしゃった金融規則その他を含め、組合の正式承認があるかどうか、あるいは諸規定に違反していないかどうか、こういうことについてもチェックなさると思うんでありますが、この点いかがでしょうか。
#156
○参考人(影山衛司君) お答え申し上げます。先生御指摘のとおりでございます。
#157
○市川正一君 ところがそうなっていない事例を時に耳にするんであります。きわめてずさんな転貸が行われておるということを私耳にいたしますんですが、きょうはその一つの例をぜひ明確にしていただきたいと思うんですが、岡山県の倉敷市に倉敷食肉事業協同組合というのがございます。その構成員に、この協同組合の宮崎理事長が所有するいろは食品株式会社というのがあります。このいろは食品に対して商工中金岡山支店が一億五千万円の転貸を行っておる。それで伺いますが、この倉敷食肉事業協同組合の金融規程は、いろは食品への転貸を行った当時、転貸の限度額を幾らにしていたのかお答え願います。
#158
○参考人(影山衛司君) 原則としてはたしか三百万円とかいうような金額でございますが、ただし書きといたしまして、特別融資を受ける必要がある場合には、当該組合員と商工中金とが直接交渉によってこれを行ってもいいよというような金融規程になっているように私承知いたしております。
#159
○市川正一君 理事長、私ここに倉敷食肉事業協同組合の金融規程、いまおっしゃった金融規程を持っています。これによりますと、昭和五十一年当時、いろは食品に転貸した当時でありますが、百万円です。ところが実際に転貸やったのは何と一億五千万円です。ですから、限度額の実に百五十倍であります。協同組合の内部規定をこういうふうに踏みにじった融資が実際に行われておる。全くでたらめであります。こういう事実御存じですか。
#160
○参考人(影山衛司君) 本件につきましては報告を受けておりますが、ただ先ほど私読み上げましたように、特別融資ということも規程の中に入っておりまして、当該組合員と商工中金が、特別な事由がある場合には、直接相談をして決めてもいいよというふうになっておるように私どもは承知をいたしておったような次第でございます。
#161
○市川正一君 ところが、この転貸については協同組合の理事会にもかけられてないんですよ。それにもかかわらず、どうして商工中金の融資がなされたのか。つまり何もチェックしてないんですよ。これでは結局この協同組合というのは一億五千万円の融資を引き出すために悪用された、こういうふうに言われても仕方がないんであります。私はこれは徹底的に調査して、なぜこういうふうなことが行われたのかを報告していただきたいと思うんであります。いかがですか。
#162
○参考人(影山衛司君) 本件の組合員につきましては、理事長とまた組合員であった方との間の意思の疎通等も十分に行われていなかったような点もございますし、それから私どもの方としましても、理事長から持ってきました金融規程でありますんで、理事長を信用したというような点もございますが、もうちょっと踏み込んで調査もしなければいけなかったかなというようなことも考えておるような次第でございますんで、詳細につきましては、今後またよく調査をいたしまして先生に御報告をさしていただきたいと思います。
#163
○市川正一君 私どもの調査では、この融資の背景には有力政治家が絡んでいるというふうにも伝えられております。さらに協同組合設立前に融資が行われたという疑惑も浮かんでおります。こういうずさんな融資を改めるためにも、私はいま理事長お約束をいただきましたけれども、徹底して調査を行って、責任ある報告をちょうだいしたい、かよう確認を再度いたします。
#164
○参考人(影山衛司君) 商工中金が組合設立前に組合融資しておるというような点につきましては、私どもの現在まで調べましたところでは、法務局の錯誤によってどうも登録の日付が食い違っておったというような点もあるようでございますが、いずれにいたしましても、私自身再度調査をいたしまして、先生に御報告をさしていただきます。
#165
○市川正一君 私次に、商工会法の改正問題に移りたいと思いますが、今度改正によって新たに会員として加入が予定されております法人会について伺いたいんでありますが、国税庁お見えになっておりますか。
 まず伺いますが、法人会は税務署の納税協力団体として認知し、法人会への加入を推奨されているようでありますが、税務署が特定団体への加入を推奨するのはこれは大いに問題があるんじゃないですか。
#166
○説明員(四元俊明君) 先生御承知のとおり、法人税は申告納税制度を採用しておる税制でございまして、これの適正な執行は当然私ども国税当局もその分に応じて努力をすべきでございますが、やはり基本は納税者のすぐれた納税意欲と税への正しい理解によってこれは支えられるべきものであろうと考えておるところでございます。
 しかして、法人会なりあるいはそれの連合会等ではその設立の定款、寄付行為等にもございますように、申告納税制度の確立を目指していこうとする団体でございます。もちろんこれは民間の自主的な団体ではございますけれども、これを唯一最大の設立、存立目的にしておる団体でございます。私どもこうした民間団体と協力できる分野におきましては大いに協調いたしまして、申告納税制度の実が上がるように仕事をもっていきたいと、こういう努力を日々やっているところでございます。
 先生御指摘の点は、さはさりながらも、法人会への加入を納税者に対しまして強制にわたるようなことがあってはならないという御指摘ではないかと思うんでございますが、私どもその点は一般的なお勧めにとどめるよう、厳にそれが強制にわたることのないよう留意しているところでございます。
#167
○市川正一君 ところで伺いますが、税務署が知り得た個々の法人のいわば秘密事項などの情報を法人会に通知するような行為がもしあれば、これは大蔵省や国税庁がよく口にする守秘義務に反するものだと思いますが、この点はいかがでございますか。
#168
○説明員(四元俊明君) 具体的にお伺いしないと何とも申し上げられないんでございますが、いま先生おっしゃいましたように、一般的に個々の納税者の秘密にわたるような事項を第三者に漏らすということは、私ども税務職員の守秘義務のたてまえからいたしましてよろしくないと考えております。
#169
○市川正一君 それでは具体的に伺うんでありますが、私はここに東京国税局の直税部法人税課名で出しておる通達、タイトルは「指導事務の実施要領」なる文書を持っております。この文書によりますと次のようなことが書かれておりますが、たとえば法人会が主宰する説明会等の支援として、署――税務署でありますが、署の幹部は法人会を推奨するとか、法人会に対しては把握した新設法人名等を連絡するとか、あるいはまた法人会から署長推薦文の要望があれば応ずる等々、まさに法人会を強化するための至れり尽くせりの方策が指示されております。
 それだけではなしに、「法人会推奨事績等連絡せん」これがその用紙ですが、ちょっと見てください、課長。(資料を示す)こういう用紙をつくって、そして税務職員が法人に法人会活動の意義を説明して、その事業活動に積極的に参加するよう推奨する、未加入者に対しては加入の意思を確かめて希望者を法人会へ連絡する、そういう仕組みになっている。これがどうして節度ある勧め方と言えるんですか。
#170
○説明員(四元俊明君) 一番最後の点については、私ども具体的な事実は承知していないんでございますが、いま先生御指摘の点が仮に強制にわたるような、たとえば調査の過程等におきましていわば税務職員の課税に伴います権限を行使して個別に加入を強く勧めているというような点は、これは私どもかねがね国税局及び税務署に対しまして控えるように厳に注意しているところでございます。具体的な事実がどういう場面でありましたかはちょっと承知しておりませんが、先生の御指摘でございますので、仮にそういうことがあったといたしますれば、やはり問題ではなかろうかと思います。
#171
○市川正一君 さらにこの通達を見ますと、署はあらゆる機会をとらえて継続記帳指導の対象となる法人を把握し、法人会へ連絡すると述べております。これは新設法人というのを税務署ゆえに系統的にしかも早く知り得ることや、あるいは記帳能力が低いという税務署ゆえに知り得ることを、法人会という民間の任意団体に情報として知らせるという問題でもあります。
 さらに先ほど触れました連絡せんにしても、法源番号という税務当局の秘密に類することや、あるいはまた納税者の法人会に対する意思を、当該納税者の承認なしに第三者に情報として提供する行為であります。こういうことを国税庁としてはお認めになっておられるのか、あるいはこういうことは知らなんだ、こういうことがあるとすればそれは行き過ぎであるという御見解なのか、承りたいんです。
#172
○説明員(四元俊明君) 法人会との協調関係につきましては、それぞれこれまでの経過なりあるいはいろんな協調関係の歴史によりまして各国税局、税務署で違っておりますので、いま先生おっしゃいました点、私ども具体的には知らないのでございますが、一般的に申し上げまして新設法人等がありました場合に、そういうような方に税務署ではいち早く期間を区切りまして新設法人に対する税務上の見地からも説明会等を開催をいたしております。それでまたその場合に、法人会等と連携をいたしまして、署の説明会等でその税務署の説明も要するというようなこともよくあるところでございます。したがいまして、それに先立ちまして新設法人名等を法人会に連絡している国税局あるいは税務署もあるやに聞いております。この点については法人でございますので、すべて法人は商業登記をもって成立するという形に商法上なっておりますから、新設法人自体は格別個々の納税者の秘密にわたる事項ではないというふうな理解を払いたしております。
 それから先生御指摘になりましたもう一つの点、すなわち、記帳指導の対象者等を法人会へ連絡しているんではないかという点でございます。これも局、署によりましては間々あるやに伺っております。これは要するに、税務署の職員が調査や指導を通じまして相手企業の記帳状況等の指導をいたしました際に、そういった記帳指導を受けたいというような納税者の希望があった場合、またあるいはその過程でいろいろこういう記帳指導をしているところがありますという点は、御披露さしていただきますが、そういう納税者の意を受けてこれを法人会の方に御連絡するというようなふうに、その辺は分をわきまえて対応するようにしていると私ども理解しているところでございます。
   〔理事前田勲男君退席、委員長着席〕
 それからなお法源番号につきましては、ちょっとその法源番号自体は格別現在では余り意味のないもので、いわば一種の整理番号として機能されておりますが、まあ、こういうようなものは私ども内部の整理番号でございますので、余り第三者にお見せする価値もなければ意義もない。また、そういう疑われるような誤解を招くようなことはしない方がベターじゃなかろうかと考えております。
#173
○市川正一君 そうすると、そういういろいろたてまえは別として、私が読み上げたような通達に述べてあるようなこと、そしてこの連絡せんでやられているようなこと、これは誤解も招くし、それから、これは適正でないということであるとするならば、私は民間のこのような一任意団体に国税庁が異常な肩入れをしている、いろいろ情報も提供していくという行為は中止し、そして私が紹介しました通達、お調べ願ってこれは撤回されるという措置をとられるべきであるというふうに私は要求をいたします。ひとつそういう立場でいろいろ対処していただきたい。
#174
○説明員(四元俊明君) 最初に申し上げましたように、こういう民間団体で申告納税制度の確立のために活躍しておられる諸団体、こういった民間のエネルギーを私どもむしろ活力を大いに期待しているところでございまして、今後ともそうした面ではこうした団体の御活躍の成果を大いに期待しているところでございますが、しかし、さはさりながらもやはり権力行政といういわば一面を私ども持っております。個別にいろいろな誤解のないようには十分注意して今後とも努めてまいりたいと思います。
#175
○市川正一君 それで、通達調べて撤回する措置をとりますか。いずれにしても調べてくれますか。
#176
○説明員(四元俊明君) もとより私ども各局の通達、いま御指摘の点は東京局の通達でございましたけれども、改めて点検をいたしまして、何か実施上で問題がありますればそれを訂正するなり、あるいはもっと改善するなり、こういう点はやっていかなきゃならぬと思っております。ただ、これは点検は当然実施しなきゃいけない点でございますが、改正するしないというのは、その結論あるいは実態がどういうふうにぐあいが悪いかという、その検討の結果による問題でございますので、その点、回答を留保さしていただきます。
#177
○市川正一君 話を進めますが、いま申しました法人会でありますが、この総連合の役員には元大蔵省の官僚が天下りをなすっておりますが、この財団法人全国法人会総連合、全法連ですが、特定政治資金団体に政治献金をなすっておりますが、この点国税庁は御存じですか。
#178
○説明員(四元俊明君) 以前にそういうのがあったやに私ども聞いておりますけれども、最近はちょっとそういうようなことがあったとは聞いておりません。
#179
○市川正一君 私の調べたところでは、少なくとも昭和五十一年から五十三年までの三年間に国民政治協会に対して、いまわかっているのは百二十万円の政治献金をいたしております。私は、財団法人として、また、課税の公平をうたい、不偏不党、国民全体の奉仕をすべき税務官庁が協力団体としていまおっしゃったように盛んに肩入れをしているこういう団体が、特定政党に政治献金をするのは、会員もそういうことは期待していないと私は思うのでありますが、しれは問題だと思うんですが、いかがですか。
#180
○説明員(四元俊明君) 私ども、税務行政等目的を非常に軌を一にしております民間諸団体と、協調関係を高めていきたいというそういうことによりまして、全体としての納税道義の向上を目指しておるわけでございます。しかしながら、そうはいたしましてもその団体自体は公益法人とはいえ自主的な団体でございます。したがいまして、その設立目的に従いまして、それにかなった政治活動を行うということは当然許されているのだろうと思っております。またその一環といたしまして、政治献金等を行う場合も格別法令上禁止はされていないのではないかというのが私どもの理解でございます。ただ、これは法令上のたてまえでございますが、実態的には法人会なら法人会というものは、こういう納税道義の向上あるいは申告納税制度の確立を目指すと、こういう共通の目的でいわば集まって団体が結成されているわけでございまして、その他の分野におきますと、大変主義主張あるいは経済上政策上の利害というものが異なったさまざまな業種業態の企業が参集しているわけでございます。それだけに政治活動なり、あるいはいま御指摘の政治献金等に当たりましては、大変慎重な配慮と節度ある行動が望まれると、私ども期待しているところでございます。
#181
○市川正一君 借間が迫ってまいりましたので通産大臣にお伺いしますが、いま法人会のことでいろいろ国税庁とやりとりをいたしました。お聞きになっていただいたと思いますが、今回の法改正によって商工会に加入する法人会というのは、以上いろいろやりとりをしましたような、また御承知のような団体であります、またその影響力も大きい。この商工会を、いわば法人会も入る商工会を指導監督される通産大臣としては、今回の法人会の加入によって商工会の運営原則、たとえば商工会法の第六条には御承知のように、「商工会は、特定の個人又は法人その他の団体の利益を目的として、その事業を行なってはならない。」「商工会は、これを特定の政党のために利用してはならない。」ということが明記してありますが、こういう原則がゆがめられることのないよう厳しく対処をさるべきだと思いますが、大臣の責任ある所見を承りたいと思います。
#182
○国務大臣(田中六助君) 商工会がいろいろ加入者を募集するといいますか、その加入者の緩和の問題はそれぞれの商工会の定款あるいは既成の商工会が自身で決めることで、私どもも非常に商工会の自主性というものをとうとんでおりますし、そういう観点から加入者の増加緩和というものを見ておるわけでございまして、そういう点の行政指導はしていこうと思います。しかしそれが害になるようなこと、商工会の内容あるいは組織あるいはその発展、そういうものを阻害するようなものにつきましては、もちろん私どもも十分注意しなければなりませんけれども、いずれにしても商工会自身の定款とかあるいは既存の役員の自主的な判断、そういうものに私どもはむしろ尊重するという態度で臨んでおります。
#183
○市川正一君 私、改正案をめぐって幾つかの問題を質問いたしたのでありますが、言うまでもなく日本の中小企業は、先ほど田中大臣も力説されたように、日本経済の中核と直言うべき役割りを果たしております。ところが、この中小零細企業の実態というのは営業の面だけでなしに、その労働条件とか福祉面から見ても全くひどい状態に置かれております。
 そこでその一つのあらわれとして、零細企業や自営の商工業者とその家族がどういう労働条件に置かれ、また福祉とか健康状態はどうなのか、通産大臣はその面についてどのような御認識を持っていらっしゃるのか、この機会に承りたいと思います。
#184
○政府委員(木下博生君) 小規模企業経営者の人たちの健康、福祉の確保の問題については、中小企業庁といたしましても従来から非常な関心を持ちましていろいろな調査を行ってきておるわけでございます。たとえば昭和五十四年十一月に小規模企業実態調査というのをやりまして、小規模企業の事業主の一日当たりの労働時間とか健康状況というような調査をしたわけでございますけれども、その概要をごく簡単に申し上げますと、規模が小さくなり特に生業型の企業につきましては労働時間が非常に長くなっておるというようなことがありますし、それからまた一ヵ月当たりの平均休日数を見ましても、小規模企業になりますと週休一日を完全に取れない企業が半数近くあるというようなこともございます。また健康問題につきましても、小規模企業の事業主では三〇%弱ぐらいの者が体の不調を訴えたり、それから業績面にも健康問題が影響を及ぼしていると、十数%の人たちはそのようなことを言っているというようなことでございまして、そういうような状況下で私どもとしてはできる限りこういう小規模企業経営者の勤務条件につきましての改善ができるように、いろいろな方策を研究しているところでございます。
#185
○市川正一君 いまお話があったように、若干の調査をおやりのようでありますけれども、私はこの調査に基づく対応というのがやっぱり求められていると思います。私も大阪と縁故がありますので大阪商工団体連合会――大商連、業者の約二割近くを組織しておりますが、これがことしの二月から三月にかけて経営と生活、健康、福祉等について調査を行いました。その結果を見ますと、毎日平均十時間以上働いている人が八尾市では七百四名中六六%、大阪市の淀川区では二百四十八名中五六%、大体各市ともそういう傾向を示しております。そしてそのうち半分が一日平均十二時間以上という労働条件であります。こういう実態が零細企業、商工自営業者の健康問題、文字どおり家族を巻き込んでそして長時間労働が続いている、健康破壊が深刻になっているという状態であると認識しておりますけれども、大臣にお伺いいたしますが、大臣はこういう面にも関心をお持ちでございましょうか。
#186
○国務大臣(田中六助君) もちろん私どもまず何よりも選挙というものがございまして、非常にそういう対象からも私の選挙区でも十分考えなけりゃ落選しますので、考えていっておりますし、現在は一応大臣として特に通産省は中小企業庁を中心にみんな配慮した政策をやっておりますし、私ども十分配慮してやっておりますし、中小企業関係の法律並びに政策というものが市川委員も十分御承知のように、毎年かなりの予算、それから毎年のように法律がこれらに関連してでき上がっておりますし、十分考えた上で対処しておるつもりでございます。
#187
○市川正一君 私この際、そういう中小零細自営業者の家族を含めた労働あるいは健康実態、さらにはそれと結びついた福祉についての要求などを含めて、全国的な規模で全面的な調査を通産省としてなされるべきではないかというふうに考えますが、この点はいかがでしょうか。
#188
○政府委員(木下博生君) かかる問題につきましては、従来からもそのときどきに応じましていろいろな調査をやってきておりますし、それから五十五年度と五十六年度につきましては経営者等福祉のモデル事業というようなことで、モデル地区につきまして健康診断等をどうやってやったらいいかというような形での調査とある程度の事業を実施しておるわけでございます。そのような実態を踏まえまして今後小規模企業の経営者、その家族の人たちの健康管理につきましては十分の対策を講じていきたいと思いますし、今後もし必要があれば各種の中小企業団体等を通じまして実態調査についても今後意を尽くしていきたいと考えております。
#189
○市川正一君 最後に大臣にでありますけれども、零細企業やあるいは商工自営業者の要求の中には、何よりもいま国保料金が高いこと及び国民健康保険の給付改善で、特に国保でも傷病手当あるいは出産手当を国の責任で支給できるようにしてほしい、こういう切なる願いを持っております。しかもこの要求は単に小零細企業にとどまらずに、広範な国民的要求になっておるんでありますが、私ここに去年の七月に近畿都市国民健康保険者協議会が政府に提出した「国民健康保険に関する要望書」の写しを持ってまいりました。これによりますと、特に「傷病手当、出産手当に対する国の施策を要請する」として、「国民健康保険でも傷病手当、出産手当を支給してほしいという要望が、法第五十八条第二項を根拠法として被保険者から出されている。」ということをるる述べまして、そして国保の被保険者の層は零細企業で働く労働者、自家営業者、農業従事者であり、世帯主が病気で倒れればたちまち生計に苦しむ市民が大半であることから、どうしてもこの問題は切実なものとして、「国による制度の整備と、財政的保障を要請する。」と、こう訴えております。こうした決議や要望、意見書は全国各地の地方自治体でも採択をされておりますけれども、通産省は所管外の分野だということではなしに、日本経済の中核であるというふうに、先ほど来田中通産大臣も力説されておられる中小零細企業を守る立場から、こうした要求を真っ正面から受けとめて、そしてその実現のために真剣に厚生省やあるいは自治省等に主体的に働きかけをなさっていただく、そういういわば大臣の姿勢と決意を最後に承りたいのでありますが、いかがでございましょうか。
#190
○国務大臣(田中六助君) 市川議員御指摘の点を含めまして、私どもはすでに幾たびか厚生省にも国保の問題につきましては零細企業と申しますか、非常に困っておる方あるいは健康を害しておることも含めまして、たびたび厚生省にも交渉し、申し入れをしております。
#191
○井上計君 大分おとといときょうとで質問が出尽くしておりますけれども、若干重複する点があろうかと思いますがひとつお許しをいただきたいと思います。
 先ほど来市川委員の質疑に対しましても、大臣しばしばお述べになっておられますけれども、何といってもわが国では中小企業が国の経済の、あるいは産業の中核をなしておる、こういう御所見を述べられております。全くそのとおりだと思っておりますし、また今後ともさらに中小企業の活路というものを拡大をしていかなければ、わが国の産業界あるいは経済の発展はあり得ない、これはもうどなたも御異論がないことだというふうに思います。ところが現実には長期的な面から見まして、中小企業の活力が失われるような、あるいは活力を失うような中小企業の心理状態というふうなものが最近ふえつつあるんではなかろうかと、こういう感じがいたします。中小企業問題というのは、ただ単に経済問題とか産業問題だけに限りませんで、いわば国全体のこととしてとらえていかなくてはいけないと、こう考えます。
 幸いにして、わが国の中小企業関係の法律あるいは施策というものは、先進諸外国に比べて遜色ないという、このように言われており、私もまたそのように高く評価をしております。ところが、現実には通産省中小企業庁がきめ細かい施策をいろいろと発表され、対策を講じていただきますけれども、さて中小企業が直接受ける感じというものは、何か中小企業がいつまでたっても政治の日の目に当たることができないという不平不満が、やはりずっと長い間続いておるというふうなこと、これまた否めないというふうに思います。
 昨年の倒産が、中小企業がほとんどでありますけれども、約一万八千件と、こう言われております。ところがこの一万八千件の倒産というのは、負債金額が一千万円以上のもののみの調査でありますから、したがって一千万円以下の倒産がどの程度あったか、これは記録にあらわれておりませんけれども、大体常識的に見ますと三倍程度、一千万円以上の負債金額の倒産の大体三倍程度が一千万円以下の倒産だと、こう言われておりますから、そうすると、合わせますと約七万二千件程度になると、こういう計算になります、単純な計算ですけれども。
 七万二千件になるとすると、じゃその七万二千件の倒産企業で働いておった従業員がどれぐらいになるかという計算、これまたむずかしい、推定でありますが、全体の従業員数から、全体の企業総数から倒産件数、そのような率からいくと大体一・四%でありますから、従業員総数で見ると約五十万人になる。あるいは中小企業の事業所の平均従業員数が大体七・八人ぐらいだと思いますから、その計算でいつでも約五十万人ぐらいになる。したがって、一年間に中小企業の倒産によって約五十万人ぐらいの人が職を失っておると、こういうふうなゆゆしき大事になっておるということであります。
 こういうふうな原因はいろいろあると思いますけれども、私はやはり中小企業の倒産の原因の中で最たるものは、金融面の圧迫、それからもう一つはやっぱり税の面、税制面によるところの問題、これが大きく原因をしておると、このように私は認識をしております。
 そこで、これは中小企業庁長官にお伺いをいたしたいと思いますけれども、中小企業庁がせっかく皆さん方御苦労されてきめの細かい中小企業関係の対策を講じておられる。ところが、国全体で見た場合に、中小企業のそのようなきめ細かい、いわば先進諸外国に比べて遜色ない、あるいはむしろまさるとも劣らぬと言われるようなそういう中小企業対策、中小企業政策がそのとおり実行されていないと、実行されないというふうな面が多々あるというふうに私は感じておりますが、特に大蔵省と通産省との間にこの中小企業政策について整合性が、全くないとは言いません、ないと言うと御無礼でありますからないとは言いませんけれども、乏しいというふうな、私はそういう認識を持っておりますけれども、中小企業庁長官、どのように御認識をされておりますか、まず最初にお伺いいたします。
#192
○政府委員(児玉清隆君) お答え申し上げます。
 私ども、中小企業政策のまず主体的な展開のやり方でございますが、これは中小企業庁がもちろん中心になってやりますけれども、日本の中小企業問題というのはやはり全般にかかわる問題でございまして、各省それぞれ緊密な連携のもとに、連帯責任を負いながら中小企業政策を展開すべきものと、またそう現実に心がけておるというふうに考えておるところでございまして、中小企業庁だけの中小企業対策でございませんで、いま先生強く御指摘のように、その効果が最も上がるように、各省それぞれのつかさ、つかさにおきまして、中小企業の倒産防止あるいは中小企業の振興という目的に対しまして一体となって事業を遂行すべきものと、このように考えておるところでございます。
#193
○井上計君 まあ長官としても、お立場上大変私のお尋ねしたことについてのお答えにくい面もあろうと思いますが、これはもう大臣お答え結構でありますけれども、これは私個人の認識というよりも、やはり一般的に通産省中小企業庁の施策と、先ほど市川委員から個々の問題でもお話がありましたけれども、厚生省との間、あるいは特に大蔵省との間等にやっぱり整合性がなかなか少ないと、だから中小企業庁ではこうだと言われ、この施策に基づいて非常に多くの中小企業が期待をしておっても、それが実際には現実の面ではそうはまいらぬというふうなことが多々あるということ、これはもう大臣も御承知であろうと思いますが、十分ひとつ御努力をいただきたいことをまず要望しておきます。これはお答え結構であります。要望をしておきます。
 そこで、大蔵省お越しいただいておりますけれども、いま申し上げた大蔵省のお考え、中小企業政策、中小企業庁、通産省との政策との整合性については大蔵省どのようにお考えですか、まずお伺いをお願いします。
#194
○説明員(日向隆君) 政策金融の面を委員から御指摘ございましたので、私から初めにお答えさせていただきたいと思います。
 中小企業関係の政策金融につきましては、ただいま中小企業庁長官からお答えになりましたように、大蔵省といたしましても、中小企業庁が主体的に展開されるその線に沿いまして、できるだけの御協力を申し上げていきたいというふうに思っております。
 ただし、財源事情その他非常に厳しい折から、そういう観点から見まして、また私どもの観点から見ましていろいろと問題点があります場合には、ある意味では率直に問題を御指摘させていただきながら、できるだけの御協力をしていくと、こういうスタンスをとっているわけでございます。
 委員の方から、すでに御存じのことで私から申し上げることでないかもしれませんが、中小企業のわが国経済全体に占めるウエートが、就業人員で見ましても、あるいは製造業の付加価値で見ましても非常に大きなウエートを持っておりますということは、私ども大蔵省といたしましても十分承知しておりまして、その中小企業の帰趨いかんがわが国経済の活力に対して多大な影響を与えるということにつきましては、全く中小企業庁と認識を一にしているわけでございまして、その線に沿いまして政策金融の面におきましても、まず資金量の確保について多大の努力を図ってきております。これはすでに委員もう十分御承知のことと思います。
 また貸付条件につきましても、国民公庫、中小企業金融公庫、商工中金等、中小企業関係三機関があるわけでございますが、これにつきましても、たとえば昭和五十年は国民公庫につきましては一千万でございましたが、五十六年度の予算におきましては一千八百万円、それから中小公庫につきましては同じく一億円が一億八千万円、商中につきましては中小公庫並みでございまして、さらに構成員以外の組合貸しにつきましては、その約十倍の十八億というものを原則として予定しているような状況でございまして、この点についてもかなりの努力を払っているつもりでございます。
 さらに金利につきましては、これは私の記憶では昭和四十七年以降、民間の金融機関の最優遇レートでございます民間長期プライムレート、それと連動することを本則としておりまして、その点についてもかなりの努力をしているわけでございますが、さらにそのときの中小企業の実情に応じましては、その本則に対しまして異例の措置を講ずることもあるわけでございます。ちなみに今回におきましても、民間長期プライムレートが市場実勢等のために〇・三しか委員御承知のように下がらなかったわけでございますが、私ども中小三機関の金融金利につきましては特段の配慮をいたしまして、〇・五%下げということを、中小企業庁の強い御主張もございましてそれに同調してまいったわけでございます。
 また実際の業務運営におきましても、機会あるごとに中小企業庁長官と銀行局長連名の通達を発しまして、できるだけきめ細かい業務運営を行って、中小企業の実情に即した業務運営をするようにというふうに指導に努力をしているところでございまして、以上和三つの点を申し上げましたが、ぜひ委員の方もわれわれの努力に対する御理解を賜りたいと思っております。
#195
○井上計君 金融課長からいろいろと数字を挙げて、大変努力しているということでいろいろとお答えがありました。私、全く評価していないということではありませんが、そこで後でまたお伺いしようと思っておりましたが、もうお答えの方が出ておりますから、そこで要望しておきますけれども、政策金融について特に配慮しているというふうなことがありました。特に配慮しておられるというと、ちょっと、いささか私は異議があるわけですね。大体現在の中小企業に対する、特に近促法指定業種等に対する政策金融が、私は特に配慮しているとはなかなか言えない、こう思っております。これは、きょうもう時間もありませんから細かい論議はやりませんけれども、確かに高度化資金等については政策金融としてこれは特色がある、こう思いますけれども、一般の構造改善資金等は現在特利と言われておりますけれども、実際には八%近くが特利であるとするならば、私は政策金融としての特色があるとは言えない、こう思います。努力しておられぬとは言いませんが、もっとやはりそういう面について配慮していただく必要は多分にある、こう思います。
 ただ、われわれは、財源かと言われると非常に弱いのでありますけれども、財源がないから仕方がないという考えじゃなしに、よく私も申し上げるのでありますけれども、中小企業の活力というふうなものが大事だということはもうみんな、万人が認めておるわけです。いま大蔵省が財源がないからということで中小企業に対する、後でまたいろいろと幾つか具体的なもの、税制面でまたお伺いいたしますけれども、金融面においてもやはりいまもちろん財源的な問題があっても、いまこうすることによってその企業が、中小企業全部が今後こういうふうに発展をしていくということについては私はやはり特別な配慮をすべきである、こう思います。これは要望しておきます。もう時間もこれだけに食っていると余り時間がありませんから、政策金融については私は努力を認めるということには異議がある、このようにひとつ御理解ください。
 主計官、何かこの問題について、整合性の問題について中小企業政策、中小企業庁と大蔵省との整合性の問題について何かお考えがありますか。要するに、もう全く整合性完全であるというふうなことであるのか、あるいは確かに整合性に乏しいということについてお考えになっておるのか、もうその点だけで結構です。
#196
○政府委員(梅澤節男君) 税制面の問題につきまして若干委員の御理解を賜りたい点があるんでございますけれども、税制につきましては毎年度予算編成期と大体時期が合致するわけでございますけれども、関係各省庁と私どもとの問題の検討、協議にかなり時間をかけまして、特に税制の場合はさらにそれを税制調査会にお諮りいたしまして、各年度の租税政策と申しますか、租税立法を講じておるわけでございます。
 特に、中小企業問題でございますけれども、先ほど中小企業庁から御答弁がございましたけれども、私どもの経験するところでも、各省庁の政策分野の中で中小企業問題は、税制の面から見ましても非常に私どもは企業庁なり通産御当局と時間をかけて検討いたしておるわけでございます。
 その結果につきましては、もちろん各種の御不満とか、あるいは御批判があろうかと存じますけれども、税制面におきましても何しろ現在の財源事情のもとでございますので、非常に厳しい対応が迫られている中で、各種の政策税制等を通じまして、私どもはできる限り、特に日本の経済社会における中小企業の地位の重要性というものに十分着眼しつつ、対応してまいったつもりでございますし、今後ともこの態度についてはいささかの変更もないということを御理解願いたいと思います。
#197
○井上計君 じゃ、いま大蔵省お二方から大変努力をしているというふうなお話がありました。努力はしていただいておるけれども、しかしそれは中小企業の立場から見ると努力してもらってないというふうに感じている具体的なことを幾つかまたお尋ねをして、お答えをいただきます。
 そこで、影山参考人にお伺いをいたします。
 先ほど来やはり商工中金の金利の引き下げの問題等について、市川委員からいろいろと質疑がありました。ほとんどこれについてはもう尽くされておると思います。そこで、ずばりお伺いいたしますけれども、先ほども質疑がありましたけれども、政府引受債のほとんどが利付債券になっておるようでありますが、仮に現在、政府引受債の利付債券を全部署引債券に移行したと考えた場合、仮定した場合ですけれども、どの程度金利コストが下がるという計算になりましょうか、大ざっぱで結構です。
#198
○参考人(影山衛司君) お答え申し上げます。
 まことに大ざっぱな計算で恐縮でございますが、五十六年三月末の政府引受利付債の残高は三千三百九十五億円でございます。同時期の長期貸出残高は三兆一千三百五十億円でございまして、約一一%を政府引受利付債が占めておるわけでございます。その利付債が全額割引債に切りかわったといたしますと、現在の長期貸出全体三兆一千三百五十億円の貸出金利の引き下げは約〇・一%近くの引き下げが可能になるというような、まことに大ざっぱな計算でございますけれども、出ておるところでございます。
#199
○井上計君 〇・一%という引き下げが大ざっぱな計算だというお答えがありましたけれども、やはり全体の金利の引き下げという面でも大変効果があるというふうに考えますけれども、大蔵省、どうですか、これらについて今後もちろんいろんなむずかしい理由、従来のいろんな何があると思いますが、承知しておりますが、そういう経過は抜きにして、これを検討するという余地はないんですか、どうなんですか、もう一言のお答えで結構ですから。
#200
○説明員(亀井敬之君) 理財局の方から参っておりますが、横から申し上げて申しわけありませんが、中小企業の、いま商工中金の金利のお話でございまして、確かに中小企業者のお立場から見れば、安ければいいという御要望が強いということは重々承知はいたしておりますけれども、いま御指摘の割引金融債六・八八でございましたか、そういう金利でございますが、私どもは商工中金に債券をお引き受けいたしますお金自身が郵便貯金のお金でありますとか、厚生年金のお金でありますとか、そういうコストのかかったお金でございます。現在、コストは、私ども七・五%を拠出してくださっておられる預託の方々に払っておるわけでございますが、その七・五でお預かりをした金を、これは商工中金であるとか、国民公庫であるとか、中小企業金融公庫へ房しのままのレートで、七・五%でお貸しをしております。――失礼しました。正確ではございませんが、商工中金の場合は利付債と割引債とを合わせて引き受けさしていただいておるわけでございまして、そういうことからいたしまして、利付債は七・六でございますけれども、割引債はそれよりも大分低い。割引債だけで見ますと、私どもはコストを割ってしまうことに相なります。そういう中でもやはり利付、割引と組み合わせて相当な努力を重ねておる、こういう状況でございますので、これをなおどんどん高めていくということにつきましては、私ども相当大変困難があるというふうに考えておる次第でございます。
#201
○井上計君 困難があることはもう承知をしております。ただ、私先ほど政策金融としての特色ということを申し上げ、また政策金融としての特色を出すために大蔵省も努力をしておるんだとおっしゃるから、ところがコスト主義を盾にとって、そういうことについてはなかなか努力の成果というものが私どもとしては感じるわけにまいらぬ、こういうことでありますから、もちろんそれはコストが云々、だからしたがってそうはまいらぬということは、お答えはよくわかっておりますけれども、それらのものをさらにどうするかということでさらに踏み込んで御検討いただく。これは方法ないわけじゃないわけですから、御検討いただくことがやはり私は中小企業政策というものを大蔵省も重要視されておるんだという評価につながっていくこと――これは要望しておきます、お答え要りませんけれども、ひとつぜひお願いをいたしたい、こう思います。
 それからもう一つ、影山参考人に、大変お答えにくい問題かと思いますけれども、伺いたいと思いますが、昨年の所得税法の一部改正によりまして、五十九年一月から俗に言うところのグリーンカード制の実施が、決定しておるというとちょっと私立場上困るんですが、まあ決定しつつあると、こういうふうに申し上げておきましょう。ところが、これについてグリーンカード制が実施されることは、特に中小企業の融資財源の枯渇を招くということで、中小企業団体、相当いまそれについてのいろいろと反対のお運動が高まりつつあります。昨日もあるところで中小企業団体の代表が参集をしてこれについてのいろんな意見の表明がありました。私もその席に出席をいたしました。NHKテレビも取材に来ておりましたから、何か近くそのようなことを報道されると聞いております。
 そこで、影山参考人にお伺いしますが、グリーンカード制がいま大蔵省が考えておられるような方法で実施をされた場合、割引債券にどのような影響が起きるのか。まあ、お答えにくい問題かと思いますけれども、ひとつ御見解があればお伺いをいたしたいと思います。
#202
○参考人(影山衛司君) お答え申し上げます。
 大蔵省がおられますのでなかなかお答えしにくい問題でございますけれども、あえて申し上げさしていただきますと、御承知のように割引債の特色は、一つは、無記名の存価証券という点でございます。第二が、一年貯蓄としては他の貯蓄と比べて利回りが高いということでございます。第三番目は、現行一六%の源泉分離課税で申告が不要である、こういう三点の特色があるかと思うわけでございますが、五十九年一月発行分以降、他の貯蓄資産に比較しましてわりあい大幅な変更が出てくるのでございまして、売れ行きという点だけから申し上げさしていただきますと、グリーンカード制度によりまして割引債の無記名制等の商品性が損なわれるであろう。また、源泉税率の大幅な上昇と総合課税への移行ということもございました。もちろん大蔵省の方におきましてもいろいろとこれにつきましては御配慮をしていただいた結果であるというふうに考えてはおるのでございますけれども、五十九年一月の実施が近づくによりまして、売れ行きにつきましては相当な影響が出てくるだろうということを心配をいたします。
 ただ、もう一つ特色といたしましては、一年貯蓄として他の貯蓄手段と比較しまして利回りが高いという点の有利性は残ります。また、グリーンカードは他の貯蓄手段も同様でございますので、多少私どもの方が影響は大きいと思いますけれども、イコールフッティングの点もございますので、職員のレベルアップ、たとえば税務あるいは資産運用等につきまして、お客さんの相談にあずかり得るように職員のレベルアップをいたしまして、一層消化にも努力はしてまいりたい、こういうふうに考えておるのでございます。
#203
○井上計君 商工中金の理事長としては大蔵省の前で大変お答えにくいのに、しかしそこまでお答えいただきまして、お立場というか、お考えは十分拝察できます。本来いま影山理事長のお答えは大蔵大臣にお聞きいただけばいいんですけれども、大蔵大臣はもちろんおられませんので、どうかひとつ大蔵省の方、いま影山参考人の御意見を十分ひとつ御理解をいただくように、これまた要望しておきます。お答えなかなか、――お答えしていただけますか。それではひとつお答えをいただきます。
#204
○政府委員(梅澤節男君) ただいま商工中金の理事長さんからいろいろ御指摘があったわけでございますが、二、三脚了解を賜りたい点があるわけでございます。
 割引債の無記名と申しますか、転々流通するという有価証券の特性、これは商工中金の方で御指摘になったとおりでございます。今回、五十九年一月一日以降割引債の償還差益に対するグリーンカード制度のもとにおける課税に当たりましても、この点は十分取り入れているわけでございまして、償還期まで持たれた場合と途中で売り払われる場合の課税方法は変えておるわけでございます。
 それから他の金融資産との整合性といいますか、商品のバランスの問題でございますが、これもたとえば商工中金の方から御指摘のあったとおりでございます。今回の五十九年一月一日以降の税制におきましては、五十九年一月一日以降、原則として預貯金、それから有価証券のうち割引債の償還差益、それから株式の配当、すべて総合課税という、いまの分離課税と全く様相を異にする状況になるわけでございまして、したがいまして、各種金融資産の商品性のバランスという問題は、そういう全体の条件の変更があったという仮定のもとで、どういうふうに動くのであろうかというふうに考えなきゃならぬ問題であろうかと思います。
 そこで、割引債の償還差益につきましては、源泉分離税率現在一六%でございますが、これを五十九年以降三五%に引き上げさせていただくということは先ほどもおっしゃったとおりでございますけれども、この場合にも、たとえば現在割引金融債は一年物だけしか発行されておりませんけれども、発行後満期まで一年間持たれた方は、あたかも他の金融機関に一年物の定期を持っておられるのと同じことであります。その場合に、ただいまもお話がございましたように、割引債については利回りが高い。私どもはそういう点もよく考えまして、三五%当初源泉徴収税率でいただきますけれども、新発債をお買いになって、その後金融機関あるいは証券会社で保管委託の契約をなされまして、満期までずっと一年持っておられる方には、償還するときに三五%先取りいたしました源泉税率のうち一五%はお返しするわけでございます。したがいまして、ネットの税率は二〇%で、これは通常の定期預金の利払いの場合の源泉徴収税率と合わせておるわけでございまして、もちろん金融は生き物でございますから、五十九年以降どういう展開になるかということはいろいろ御議論があろうかと思いますけれども、私どもは各種金融の専門家の方々からいろいろ御意見も伺いながら、現在の制度を仕組んでおるということでございます。
#205
○井上計君 このグリーンカード制を実施した場合の中小企業金融の問題等については、審議官と先般予算委員会の大蔵分科会でも若干やりとりをいたしました。私もまだ納得できない点も多々あります。また次の機会に、いまこの問題を含めた御答弁ありましたが、この問題も含めてまたいろいろとひとつもっと詰めた質疑を行いたいと、かように考えております。
 次に中小企業税制の問題でこれまた大蔵省にいろいろとお伺いいたしたいと思います。
 先ほども審議官から、やはり整合性保っておるというふうな意味のお答えがありましたが、その前に要望でありますけれども、俗に、税の捕捉率はトーゴーサンであるとかあるいはクロヨンであるとかよく言われております。確かに、給料生活者に比べると中小企業に対する税の捕捉は五〇%であるとかあるいは六〇%であるとかと言われておりますが、ところがこれが私は、こういうふうなことがあたかも中小企業が多く脱税をしておるというふうな印象を社会全般に与えておると、こういうふうに感じておるんですね。トーゴーサン、クロヨンと言われておりますけれども、中小企業の中で仮に六〇%捕捉をされておるとすると、四〇%が脱税をしておるんだという認識を持っておる人がいっぱいいるんですね。これはしかし事実と違うと思うんです。中小企業の全事業所から見て、納税している人が六〇%であるということなんですね。したがって、あとの四〇%は、脱税をしているんじゃなくて、実は税を払いたくても払う所得がないと、こういう人なんです。ところがトーゴーサンとかクロヨンだとかと言われるものだから、一般では、中小企業けしからぬ、脱税ばっかりしておる。したがって、中小企業の脱税を捕捉するためにはこういうふうなグリーンカード制を実施してもう全部捕捉すべきであるというふうな、誤ったとは言いませんけれども、いわば誤ったことに近いような、そういうふうなやっぱり世論というものがあるというふうにも思っておりますから、大蔵省も、トーゴーサン、クロヨンということを大蔵省が宣伝されているとは言いませんけれども、そういう面についても誤解のないような今後ひとつ発表の仕方をお願いをいたしたい、こう思います。だから、給料生活者が一〇〇%税を納めていると、こう言われております。ところが、いま言ったような中小企業の税を納めようとしても収益のない人という計算でいくと、独身の場合には八十万円以下の人は無税でありますし、扶養家族一人の場合には年間約百十万円程度までは無税です。扶養家族が二人なら年間約百三十五万円ですか、程度まで無税であるわけですから、そういうふうな計算でいくと、給料生活者、必ずしも一〇〇%源泉所得税を納めているということにはならぬ、こういうことになるわけでありますから、そういうふうに考えておりますので、この点もぜひ御配慮をいただきたい、こう思います。
 なお、これも先般予算委員会で大臣や審議官等とも質疑を行っておりますからお答えは要りませんけれども、今度の、五十六年度の増税等についても、中小企業に対する軽減税率、従来二八%を二%アップして三〇%、大法人の四二%から見ると中小企業には特別な配慮をしておる、こういうふうな大蔵省からいろんな発表がしばしば行われております。ただし、従来七百万円までの二八%の軽減税率を百万円上げて八百万円ということでありますから、余り私は配慮をしておることにはなりませんと、こうあのときも申し上げました。ところが、それもこういう発表の仕方も、一般の人は中小企業の法人所得税の税率は全部三〇%だと思っている人が非常に多いんですね、大法人は四二%、中小法人は三〇%、こういうふうな発表がありますから。所得が八百万円までは三〇%であるけれども、八百万円超えた、中小法人も全部、大法人も同じように四二%だと思っている人が案外少ない。これもひとつ大蔵省、発表の中でも十分ひとついろんな点で配慮をしていただきたいと思いますが、お答え、特にしていただけますか。別に、特別に要りませんけれどもね、わかり切っていることで。ただ要望としてお聞き取りいただければ結構です。
 それからもう一つ、これも愚痴になるかもしれませんが、私はあのときも指摘をしたことですけれども、もう一遍指摘をしておきますが、今度の印紙税の要するに引き上げ、倍の引き上げ、これも大変不公平きわまるということも申し上げました。たしかあのときも梅澤審議官がお答えになったかと思いますけれども、今度の印紙税の引き上げによってますます中小企業の、特に金銭受取等を発行する場合の印紙税がますます過酷になってきたわけですね。あのときもリストを、私の計算した表をお配りをして申し上げました。もう一度、きょうは通産大臣、中小企業庁長官もお見えでありますので申し上げますと、従来の三万円以上、百円の印紙税が今度二百円になりました。中小企業の場合の平均値というのは大体十万円です、受取書の発行の平均値は。としますと、十万円に対する二百円の印紙税の割合は〇・二%に当たるわけですね。まして三万円の場合には〇・六七%に当たるわけです。大変過酷な印紙税率だ、こう言わざるを得ないわけですね。だから、百万円あるいは三百万円、五百万円、一千万というふうにずっとランクがつくってありますが、全部これは〇・〇二%、これは事実そのとおりなんですね。とこみが、中小企業が最も多く使う十万円以下の受取を考えますと大変な高率の印紙税になっておるということですね。こういうことも、私は中小企業政策というものが大蔵省に欠けておる、こういうふうなことを言わざるを得ない理由の大きな一つなんです。だから、これらもひとつお考えいただいて、今後の中で、財源が云々、だからやむを得ぬというふうなことでなしに、やはりそういうふうな配慮をしてもらうことが中小企業の活力をさらに大きくしていくために必要だということをあえて申し上げておきます。
 そこで、具体的な点を二、三お伺いいたしますが、製造業の場合の機械等の設備の法定耐用年数の問題であります。この十数年前から、大体おおむね十一年が多いと思いますが、ほとんど変わっておりません。いろんな中小企業の中で法定耐用年数の短縮の要望はずいぶんと出ております。事実、この十数年来のわが国の製造業の実態からいくと、技術革新の時代でありますから、まあ大体製造業の設備は十年も使えるなんというものはほとんどありません。中には三年ぐらい、長いものでも六、七年でみんな更新をせざるを得ない。更新をしなければ技術革新に対応できないし、厳しい市場競争に立ち向かうことができないという実態ですね。ところが依然として法定耐用年数は十一年程度である。まあ中には九年というのもあるけれども、大体ほとんどが十一年ですね。一向に短縮されない。ところが、従来は法定耐用年数が長いのを補完する意味で、租税特別措置の中で、初年度特別償却であるとか、あるいは近代化等を行う業種に対する割り増し償却等があったわけですけれども、ところが、一昨年あたりから優遇税制見直しという、そういう旗印の中で、中小企業に対するそういうふうな租特もほとんど見直しをされていない、ますます圧縮をされておる、さらにまた今後も圧縮される傾向にあるやに聞いておりますけれども、これらについてはどういうふうにお考えでありますか、ひとつお答えをお願いをいたします。
#206
○政府委員(梅澤節男君) 税法上の法定耐用年数につきましては、ただいま御指摘のあったとおりでございますが、法定耐用年数を構成するものは、一つはやはりその機械なり装置なりあるいは構築物等の物理的寿命と、もう一つは、ただいま御指摘になりましたいわゆる経済的陳腐化と言われるものでございます。
 法定耐用年数につきましては、現在、中小企業、特に製造業の場合の中位的な耐用年数というのは、十年あるいは十一年ぐらいが基準になっておろうかと思います。これも御指摘のとおりでございます。この耐用年数の現在のわが国の水準と申しますか、これをどう考えるかということでございますが、これは実は五十五年に政府の税制調査会の中に、経済学者とエコノミストを中心にいたしまして企業課税のための特別の研究委員会をつくっていただきまして、企業課税全般につきまして、いわゆる中小企業税制のあり方等も含めましてずいぶん御議論願ったわけでございます。そのときに、現在のわが国の法定耐用年数の水準等についても御議論願ったわけでございますけれども、概括的に申し上げまして、主要先進諸外国のその国でとっております税法上の耐用年数と水準を比較いたしますと、日本の水準というのは決して長過ぎるという水準ではないという概括的な御評価をいただいておるわけでございます。それからもう一つ、これも一般的な問題の指摘としてお聞き願いたいんでございますが、最近、商工中金等で中小企業の実際の耐用年数の実態を御調査されたものがございますけれども、これも大体私どもが承知いたしております限りでは、たしか十三年でございましたか、大体そういう水準にあるということを見ますと、現在の法定耐用年数が長きに失するというふうなことではないのではないかというのが私どもの率直な感触でございます。ただし、これを硬直的に、見直す必要はないというふうには私どもは決して考えておりませんで、現実に毎年度個別の機械種類等に応じまして関係省庁とお諮りしながら、特に経済的陳腐化等に着眼いたしまして見直しを現実に行っております。それからもう一つ、これも御案内のとおりと存じますけれども、法定耐用年数に準拠しがたいような状態がございます場合に、経済的陳腐化のような場合も含めまして、国税局長が承認いたしますと個別に耐用年数を決めるという制度があるわけでございまして、こういう制度等も御活用願えればと思うわけでございます。
 それからもう一つつけ加えさせていただきますと、先ほどおっしゃいましたように、耐用年数の問題のほかに特別償却とかあるいは割り増し償却についての御指摘がございました。冒頭に申し上げましたように、非常に税制も厳しい対応を迫られておりますので、五十一年、五十五年と二回わたりまして一律縮減の措置を講じたわけでございますが、この場合におきましても、中小企業につきましては、他の一般の業種の、特に大法人の縮減割合よりもかなり軽減してという意味で、中小企業問題ということに対する配慮という観点から、いろいろ見直しを行わせていただいたということをぜび御理解賜わりたいと存じます。
#207
○井上計君 それは、お答えはその程度のお答えであろうということは予測をしておりますからこれ以上言いませんけれども、ただ税制調査で検討した結果こういう結論になったとか、あるいは諸外国に比べて決してわが国の法定耐用年数は長くないとかと言われるけれども、じゃそれは、長いところを見て標準すればそう言われます。しかし、わが国よりか短いところもあるわけですよね。だから、これはもうそうおっしゃればそのように指摘をしておきます。よく御研究をいただきたいと思います。
 それから、関係諸官庁と協議をして見直しのことも進めておると言われますが、事実上、しかしはっきり申し上げると、通産省からの申し出、要望のほとんどが、それほど大蔵省で認めていただけませんよね。それから商工中金等の調査で十三年ぐらいが耐用年数になっておると、こう言われます。それは耐用年数が十三年有効に機能しておるということでなくって、現在の中小企業の資金力等からいくと、その程度使わざるを得ないというものも私は入っておると、こう思います。だから、それらもひとつ御認識をいただきたいと、こう思います。
 それから、実態に沿わないもの等については、国税局長と個別に協議をして決めることができるから活用してくれと、こう言われます。大いに活用したいと思っておりますが、現実になかなかそのようなものを認めてもらえないというふうな実態、これもひとつ十分御検討をいただきたいと、こう思います。そのようにお考えをして、要するに政策税制という特色をもっともっと発揮をするように、大蔵省、格段のひとつ御努力をいただきたい。特にまた繰り返して要望をしておきます。
 次に、交際費に関係する問題でありますけれども、交際費に対する厳しい制限、課税、これはもう当然だと思います。ところが中小企業の場合、具体的に例を挙げますと、全国に約十ヵ所の支店あるいは営業所を持っておる企業があるといたします。それらのものが、中小企業はずっと多くのお得意を持っておる。それらの地域で中小企業の団体が仮に新年会やる、総会をやる。招待を受けるわけですね。そこへ出席をする。その場合に金一封、まあ一万円なり、この時節のことでありますから二万円程度もあるかと思いますが、お祝いとして持っていく。一ヵ所の営業所が一年に仮に三十ヵ所へ――大したことありません、三十ヵ所というのは、取引していますと。三十ヵ所へ一万円ずつお祝いを持っていったとすると、一ヵ所の営業所が三十万円お祝いだけで使うわけです。そうすると、全国に十ヵ所ありますと、実は三百万円、そういうふうなお祝いだけでかかるわけです。しかし、それは全部交際費としてしか認めてもらえない。したがって交際費の枠をはみ出すものが多いから、結局課税がやはり厳しくなる、こう思います。これらのものは交際費じゃなくて販売促進費あるいは宣伝費に類するものだと思います。そのほかに旅行つきの販売方法であるとかいろいろありますけれども、ほとんどが交際費ということになっておりますけれども、こういうことについて、もう少し中小企業の販売促進費、宣伝費的なものあるいは明らかに販売、宣伝費であるというふうなことになるもの、これは受け取りが要るんだとかなんとかよく言われるようでありますけれども、そういう点についてもう少し配慮をすべきだと思いますが、どうお考えでしょうか。
#208
○説明員(四元俊明君) 先生の御指摘は、いわば交際費と販売促進費の隣接関係における事実認定について、実態に即した取り扱いに努めるべきではないかという、そういう御指摘として私、いまここに答弁に立たせていただいたわけでございます。
 私ども交際費の認定に当たりましては、販売促進費との隣接関係につきましていろいろな基準を設けまして、なるたけ適切な課税が全国的に統一して行われるよう努めているところでございます。しかしながら、いま先生が例示でおっしゃいました点は、交際費の定義が租税特別措置法の六十二条なり、あるいはそれを受けました特別措置法の政令の二十八条等に掲げられているわけでございますけれども、そういう事業関係者に対します接待、供応、慰安、贈答、こういったような、あるいはこれに類するような支出というものは交際費と判断をいたさざるを得ない、そういう面がございます。したがいまして、たとえば新年会等に参画するというような費用につきまして金一封を包まれるというのは、原則として現行制度のもとでは、これは交際費と見ていかざるを得ないんだろうという感じがいたします。そういう、ただ中小企業の場合には、大企業と違いまして、自分の拡販のために、自分の商売の拡大のためにスキンシップでやっていかなきゃいけない。そういう意味じゃ、テレビとか、あるいはいろんなパンフレットを配るとかといった広告宣伝よりかは、より直接その交際費的な支出が広告宣伝に寄与しているという面があるんじゃなかろうかと思いますけれども、現行制度もそうした点にはいろいろ配慮された結果だと思いますけれども、中小企業等につきましては交際費の損金算入限度等についても配慮が払われていると私ども理解をいたしております。
#209
○井上計君 いま私が例示したことについては、これはもう要するに供応、接待であるというふうな範疇であるから交際費当然だというお答えがありましたが、これは事実認識違うわけですよ。時間がありませんから、余り具体的にちょっと言えませんけれども、具体的に若干言いますと、五十人とか八十人ぐらいの同業者の協同組合が新年会をやる。組合員は会費が、従来組合のいろんな賦課金等の積み立て等もあるので、若干カバーするから会費は五千円であると。しかし、外部の取引している中小企業の業者は五千円の会費では行けぬわけですね。したがって、お祝いとして一万円持っていくわけですよ。しかし、そういうところへ行くときにいろんなパンフレットあるいは新製品の案内書、そんなものをずっと配って、そこで実際の商談もするわけですよね。これは接待でも何でもないわけですよ。供応とか接待とは全く違うわけですよ。ところが、その場合に、じゃ一万円の受け取りをくださいと言っても、なかなかそういうふうな会合の性格ですからもらえないという面があるでしょう。それは全部、いまのお答えのように全部交際費だということです。供応、接待費だということでしょう。事実は違うわけなんですね。そういうふうな実態も少し認識をしていただいて、やはり中小企業に対するそういうふうな交際費、販売宣伝費あるいはそういうふうなものとの区分をもうちょっと理解をしてやっていただくよう、これは要望しておきます。なかなかすぐお答えできぬでしょうから、そういう実態であるということです。こういう実態もなかなか、それでも中小企業が税務署の窓口では言っても聞いてもらえないし、遠慮して言わぬようですよ。あえて私はこの席をかりて申し上げておきますから、十分ひとつ御認識をお願いをします。
 次に、やはり税の問題でありますが、中小企業の事業所で長年働いた従業員が功績等、あるいはその事業所のいろんな組織上、重役になります。その場合に、重役になって退職をします。しかし、実際は重役といっても従来の現場の従業員と全く変わらぬ。しかし、退職するときには、それは役員としての退職というふうなことでありますから、退職給与引当金の問題、損金算入は認められない、こういうことですね。特に中小企業団体が非常に数多くあるのは御承知のとおりです。中小企業団体の専従の役員――役員といっても、要するに事務局からずっと上がってきて、長年の努力、長年の見識によって役員になる。要するに理事になる、常務理事になる、専務理事になる、いっぱいいます。そういう人たちが役員になることによって賞与あるいは退職給与引当金の損金算入は認められないんですね。これは、やはり不合理だと思うんですね。長年中小企業者が要望しておることでありますけれども、私は、そのような専従の役員、役員とは言いつつも実際職員と変わりないわけですから、そういう人たちに対する賞与、あるいは退職金の損金算入は税法上認めるべきであるという主張を私も長年してきましたが、一向に認められておりませんけれども、どうお考えでしょうか。
#210
○政府委員(梅澤節男君) 法人税法におきます役員の賞与並びに退職金の取り扱いの問題でございます。
 まず退職金の方でございますけれども、この退職金は、株主総会なりで議決いたしまして、されまして支払われる場合、他の業種等の比較から見て適正な額であるということでございますと、現在でも損金算入の対象になるということは御案内のとおりでございますが、ただ役員の退職金についてなぜ退職給与引当金の対象としないのかという御指摘でございます。
 これは、税法上の考え方と申しますのは、退職給与引当金はあくまで確定いたしております債務性の積立金、したがいまして毎事業年度経過ごとにこれは企業としての確定コストでございますから、一定の年金数理方式によりまして、現在は五十四年改正によりまして、期末用支給額の四割が積み立て限度になっておるわけでございますが、そういう考え方に基づきまして、一般の従業員の退職金につきましては、労働協約等によって確定した債務であるといったてまえから、退職給与引当金繰り入れという形で損金算入を認めておるわけでございます。
 ところが、役員の退職金につきましては、これは法律論にわたるかとも存じますけれども、役員の地位といいますのは雇用契約でなくて、あくまで資本主といいますか、その企業体との委任契約であると。かたがた退職金が確定いたしますのは、あくまで株主総会等の議決の時点で確定するということになりますので、税務計算、あるいは企業会計の計算上は退職給与引当金の対象になりにくいというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、同じ退職給与でございましても、企業の適格年金を御利用になります場合は、これは毎期、企業が社外に実際に掛金として払うわけでございますから、適格年金の場合は、従業員兼務役員の場合には、例外的に退職給与引当金の対象となり得る場合があるわけでございます。
 それから、賞与の問題でございますけれども、これは法人企業体の、一般論といたしまして、これも先ほど申しましたことに若干関連があるわけでございますけれども、雇用契約による従業員の給与、これは当期、当期の企業の損益所得計算上、これは損金そのものでございますけれども、役員賞与の場合は、先ほど申しましたように、その地位が法律上は委任契約であるし、かたがた利益処分等にその賞与に反映するというふうなこともございまして、法人税の考え方といたしましては、役員賞与は利益処分として扱うということにいたしておるわけでございます。
#211
○井上計君 時間がないので、審議官ね、法律論を私はお聞きをするつもりもきょうなかったんです。また法律論から言われればそのとおりなんです。しかし、法律論で、いま株主総会云々ということで要するに大法人も中小企業、中小同族法人も同じように扱っているわけですよね。そこに私はやはり問題があると、こういうことです。
 それから、特にいま具体的にお答えがありませんでしたが、中小企業団体の専従役員、これは雇用契約云々と、役員は雇用契約なくて職員は云々と言われますけれども、実際には実態は同じですよね。だからそれらの人たちについては何もそれが大幅に緩めるとか、法律を云々ということじゃないわけですから、これはやはり、言えばそういうふうな施策の問題として、できれば運用の問題でできるわけでしょう。まあしかし、十分ひとつ御検討ください。いままでもう十数年来こういうことでずいぶん要望がなされておりますけれども、一向に改善されない、改善されない理由は何かわかりませんけれども、先ほどから申し上げているように、やはり中小企業政策との整合性というものに欠けておる。欠けておる理由がこういうことになっておるんではなかろうか、こう思わざるを得ないわけでありますので、その点もぜひ御配慮をいただきたいと、こう思います。
 それから、これは影山参考人にも御関係があるかと思いますが、先ほどちょっと触れました印紙税の問題と若干関連があります。現在中小企業等事業協同組合が組合員のための事業資金を金融機関から借り入れる場合に振り出す約束手形、この印紙が印紙税法によって、要するに累進税率になっていますね。ところが、農協だとか、あるいは金融機関相互の場合には、これは定額ですよね。これはなぜ中小企業のそのような事業協同組合の振り出しの約束手形、これについては定額制が認められないのか、これもひとつ簡単で結構ですから、お答えいただけませんか。
#212
○政府委員(梅澤節男君) 印紙税の手形の取り扱いでございますが、一般的に階級定額税率によっておることは御指摘のとおりでございます。ただ、一覧払いの手形、それからインターバンクの手形につきましては、定額税率ということになっておりますが、この一覧払いの場合は、むしろ非常に性格が小切手に近いものでございますから、階級定額税率にはなじまない。インターバンクの方は、これは金融機関相互間の資金ポジション、そのときどきに変動いたします。つまりインターバンクの手形を通じて金融機関全体としてのマーケットの資金調整が行われるという観点から、インターバンクについては階級定額税率を適用していないわけでございます。
 そこで、具体的に商工中金と事業協同組合の場合に、その手形が定額税率で扱われてないという点でございますが、これはただいま申しましたように、インターバンクの手形ということに限定をいたしておるわけでございまして、もっと具体的に申し上げますと、これは政令で指定しているときに、はっきり明記しておるわけですが、たとえば、農林中金と農業協同組合等の関係の場合に、インターバンクとして適用されるのはその協同組合が預金業務を行っておる、つまり金融機関として位置づけておるわけでございます。そういう考え方に立つものでございますから、事業協同組合は預金業務を行わない、その意味で金融機関としては位置づけられない。したがいまして、一般の信用供与手形と印紙税法上の取り扱いを異にするということでございます。
#213
○井上計君 法律論はようくわかっております。しかし、組合員の事業用資金を金融機関から借り受けて、借り入れをしてそのままストレートに組合員に転貸をしておる資金等は、それは中小企業の事業協同組合は金融機関ではありませんけれども、金融機関に、言えば類似したような、そのことについては行為を行うわけですから、だから金融機関相互間、あるいは農協と農林中金との間にそういうものがあるのにかかわらず、私は中小企業だけに認めないというのは、やはりこれまた中小企業政策に対する大蔵省のお考えが整合性に乏しいと、こうこれは指摘をしておきます。これも十分ひとつ御検討をいただきますように要望をしておきます。
 時間がなくなりましたので、幾つかまだお尋ねしたいことがあるわけでありますが、中小企業庁長官にちょっとお尋ねいたしますが、長年中小企業者の要望でありますところの中小企業の、要するに承継税の問題等につきましては、中小企業庁、大変御努力をいただきまして、先般三月末でありますか、中小企業承継税制問題研究会から結論が出て、報告書も拝見をいたしました。そこで、中小企業庁が幾らこういうふうなものについての結論について御研究いただきましても、事はこれまた大蔵省の問題でありますが、大蔵省との間にその後どのようなこのことについてのやりとりがございましたか、ひとつお聞きをいたします。
#214
○政府委員(児玉清隆君) 結論から申し上げますと、大蔵省の方にもこういった中小企業承継税制問題研究会のレポートが出されたということを連絡してございまして、私どもはせっかくのこういった勉強の成果が出てきておりますので、この問題をつぶさに現在検討いたしておりまして、そしてこの問題につきまして研究成果を今後の施策に反映されるように適切な対応を図っていく所存でございます。もちろん大蔵省との折衝に入っていくつもりでございます。
#215
○井上計君 大蔵省、このことについては現在のところどういうふうなお考えでおられますか。
#216
○政府委員(梅澤節男君) ただいま中小企業庁からお答えがございましたように、研究会の報告書なるものを私どもちょうだいをいたしております。
 この問題につきまして幾つかの定義がなされておるわけでございますが、大きな問題といたしましては、これはもう委員が十分御存じの問題ばかりなんであれでございますけれども、大きな問題といたしましては、生前贈与を認める等のいわゆる相続税法上の納税猶予の問題、それから資産の評価の問題、それから延納の問題、そのほか細かい相続税一般の御指摘にもあるようでございますが、中小企業に限定した問題としては、承継税制に限定した問題としてはこういう問題が目につくわけでございます。
 そのうち延納制度につきましては、これは御案内のとおり現行制度におきましても、たとえば事業用の資産とかあるいは同族株式それから不動産、こういう財産の総額が受贈額の五割を超えます場合には、一般の場合に比較いたしまして非常に大幅な延納、しかもその場合の税率も非常に下げでございます。私ども税務統計等を見ますると、この延納制度の利用状況というのは必ずしも活用されていないじゃないかという問題点を持っておりまして、現行の延納制度はそれなりに中小企業の事業承継という観点に立ちますと、事業の継続性とかあるいは資産の換価性という点から見て私は妥当な制度が現実にあるんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
 それから生前贈与等を含めます相続税の猶予の問題につきましては、これは従来から議論があるところでございますけれども、これは現在農地につきまして納税猶予が認められておるわけでございますけれども、農地の場合と中小企業の事業資産の場合はやはり性格が違うんじゃないか。一つは、農業基本法によりまして相続人を一人に限定するという国の政策目的が確立されておりまして、その政策目的に適応するような相続税制ということが一つの特徴でございましょうし、もう一つ、農地の場合は所有と経営が不可分一体であるという農地法上の要素、特に権利移転については一々許可制があるわけでございますから、そういう日本の農業基本法なり農地法における農地の地位と通常の中小企業の事業資産というのは、やはり扱いといいますか考え方を異にしていくべきじゃないか。これもまた税制調査会の答申を引用してまことに恐縮でございますけれども、五十五年の答申におきまして「中小企業者の事業用財産や同族会社株式について農地と同様の納税猶予制度を設けるべきではないかとする向きがあるが、農地と中小企業者の事業用財産等とは事情が異なるので、中小企業者の事業用財産等について納税猶予制度を設ける必要はない」、「そうした制度を設けることは、結局、給与所得者のみに通常の納税を求めることとなり、税制として極めて歪んだものとなり適当でない。」というかなり明確な御方針が出ておりますので、せっかくの研究会の御報告でございますけれども、現在まで税制調査会でこの問題について議論されてきた方向と若干かけ離れているという、現時点ではそういうふうに率直に申し上げざるを得ないと思います。
 それからもう一つの資産評価の問題でございます。これにつきましては常々委員から御指摘があるわけでございますけれども、現在、実際の問題になりますのは土地の評価の場合と同族会社の株式の評価の問題でございます。特に同族会社の株式の評価につきましては、これは国税庁の中に株式評価の専門の懇談会がございまして、従来各方面から御指摘がございまして、つい先年その取り扱いを改めておるわけでございますが、この同族会社の株式の評価の問題につきましては、もう一つの非常にこれは技術的な問題もあろうかと思います。その意味で今後ともこの懇談会におきまして、現在の制度をそのまま今後とも適用してやっていくのがいいのか、あるいは技術的な側面からいましばらく研究を深めて実態に即した評価を考えるのか、そういった問題は残されていようかと思います。
#217
○井上計君 これも大変重要な、またいろんな角度から検討を要する問題でありますから、また別の機会にもっと具体的にこの問題にしぼってまた大蔵省ともいろいろと質疑を行いたいと、こう思っております。ただいまお答えの中にありましたけれども、過去の法律論だけで今後の中小企業の承継税制を考えていただいたんではやはり中小企業の活力がなくなります。特に中小企業の後継者育成という中小企業政策の大きな柱を実は阻害をするというふうな面がたくさんあります。また、いまお答えの中に、先般改正をした延納ということがほとんど活用されていないということ、五十三年のたしか四月に、そのときにも私はずいぶんとお願いしました。一部改正をしていただきましたけれども、これが事実上は活用しにくいという延納制度であるということもひとつお考えをいただきたいと、こう思います。
 実は時間がなくなりまして、辻参考人に商工会の問題等についても伺いたいと思っておりましたが、時間がなくなりましたのでまた別の機会に辻参考人からもお伺いをいたしたいと思います。
 それからさらにこれは大臣並びに中小企業庁長官にまたお願いしようと思っておりましたが、会社更生法、最近また会社更生法適用申請がふえつつあります。ところが現在の会社更生法からまいりますと、下請の中小企業の再建はほとんどが、全部と言っていいと思いますけれども、一般再建の扱い方をされることによって、そのために賃金の支払いができないというふうなことから関連をする倒産がふえていく。これも中小企業者の中では早くから言われておりますが、会社更生法というのは中小企業の倒産促進法であると、こういうふうなことさえ言われておることがあるわけでありますが、会社更生法も今後のことを考えますと、これまた法務省との問題でありますけれども、見直しをする必要があるんではなかろうかと、こう思います。
 それからさらに、会社更生法に関連をしますけれども、下請代金支払遅延等防止法についてもやはり見直しをこの際考える、そういう時期に来ておるんではなかろうかと、こう思います。これも要望をしておきます。
 そこで最後に一つだけ大臣にこれまたお願いでありますが、お答えいただければ大変結構でありますけれども、きょう午前中大臣は生存者叙勲、特に叙勲の伝達をされたやに伺っております。長年通産行政、中小企業の振興発展に大変功労のあった方にきょうは栄誉ある叙勲の伝達をされたわけでありますけれども、この中小企業の団体役員等の国家褒章、叙勲の基準が、伺うところによると従来は団体役員二十年ということであったようでありますが、最近さらにそれがまた若干延長されておるというようなことも聞いております。それはそれなりに結構でありますけれども、ただ、団体役員の二十年とかあるいは二十五年とかいうことだけで、その人の功績が判断できないという実態が多いわけですね。たとえて言いますと、組合員百人程度の小さな協同組合の場合にはほとんど役員がかわりません、二十年、二十五年。というのは名前だけの役員というのが非常に多いですから。ところが活発な協同組合、商工組合等は実際にやろうったってとても十年以上できないのが実情です。十年以上やっておったら、もう必ずその人は自分の事業をだめにしています。これは私も周囲にそういう例をいっぱい知っております。だからやはりその組合の活動あるいはその人の活動、功績というものについてのやはり配慮がそういうふうな基礎条件の中にもっと含まれるような、そういう面について、むずかしい問題ではありますけれども、御配慮いただくことができないであろうか。要望でございます。
 それかるもう一つ、これも大変言いにくいことになりますが、中小企業団体等の功労者等の叙勲のランクは大体五等旭日章がまず最高だと、こう言われております。私は勲章のランクがその人の功績あるいはその人の人格を判断するものではないと思っておりますが、しかし、いただく側からすると、やはりランクの上のものをいただいた方がさらに栄誉が高まる。やはり本人の喜びも大きいと、こういうことであります。ところが、何も芸能関係の人が云々ということじゃありませんけれども、芸能人が最近はほとんど勲四等です。ところが、中小企業でもう長年大変御苦労されて、社会にも奉仕をした人が五等ということでは、国民感情としては割り切れないものを持っている方が多いんではなかろうかと、こう思います。
 こういう面につきましても、ひとつ大臣、特にお骨折りをいただくように要望いたしまして、お答えをいただければ結構でありますが、私の質問を終わります。以上です。
#218
○国務大臣(田中六助君) 国家褒章ということでございますので、私どももいま井上議員が御指摘の点をときどき痛感しております。不公平のないよう、やはり日本の中小企業者がそれぞれ活力のある経済活動ができ得るように、公正を期すためにもそういうことを配慮してやっていきたいというように思います。
#219
○井上計君 終わります。
#220
○村田秀三君 お二人の参考人の皆さんには、一昨日に続きまして、まさに長時間おつき合いをいただいておるわけでございますが、お礼を申し上げます。ことに辻参考人には、遠路のところ本当に家業でございましょうか、御自分の仕事をなげうっておいでいただいているわけでございまして、まことに恐縮に存ずるわけでございます。これからまた私質問いたしますが、特に参考人の方に直接質問という経過はございませんが、あるいはあるかもしれませんが、いずれにいたしましても、ひとつ議論のやりとりをお聞き取りいただきまして、あるいは御意見を伺う場合があるかもしれません。申し添えておきます。
 そこで、まあ当たり前のしとでございますが、との法律が成立をいたします時期は五月中旬、特段のことがなければ採決されるわけでございましょうが、商工会の組織等の総会の時期、これは四、五月と、こう聞いております。法律の施行は公布の日から三ヵ月と、こういうことになっておるわけでありまして、この時期に総会を行って、定款等の変更を法律改正に基づいてなした場合、どういう手続、経過になっていくのか。こういう点について、まあ当たり前のことでございますけれども、伺っておきたいと思います。
#221
○政府委員(村野啓一郎君) この商工会法の一部改正が成立しました後の手続の問題でございますが、幸いにしてこの改正案が成立しました場合には公布の日から三カ月を経過した日から施行ということになっております。したがいまして、仮に五月の下旬に可決成立いたしますと、大体八月の下旬に施行ということにさしていただきたいと思っておるわけでございますが、その間の手続といたしましては、まずこの法律の公布後、約一ヵ月をかけましてその内容、それから特にこれは各商工会とも定款で決める例が非常に多くなりますので、模範定款例、これを中小企業庁の方から通達をいたしますために、その法律改正の内容と、それから模範定款例の内容の周知徹底が必要でございます。したがいまして、この場合、これにつきましては県の連合会あるいは商工会を集めての説明会といったことによりまして、約一ヵ月の周知徹底をするようにしてございます。その後、今度はこれを各商工会におきまして臨時総会を開きまして、定款変更という手続をとっていただくわけでありますけれども、その議案を提出するための理事会を開く必要がございますので、これに招集手続等を入れますと約一週間の手続がありますので、先ほど周知徹底一ヵ月と申しましたが、その後約一週間がその理事会の機会でございます。さらにその後、今度は会長によりまして臨時総会が招集されまして、その臨時総会で定款変更の決議を行うわけでございます。決議が終わりました後、会長によりまして定款変更の認可申請を、これは都道府県知事にしていただく。これは実は通産大臣の権限でございますが、現在都道府県知事に委任されておりますので、都道府県知事あてにその認可申請を提出していただく。これは、臨時総会の招集から考えますと大体四週間程度ということになります。さらに、この知事段階におきます定款変更の認可手続等が、余裕を見まして約三週間程度ということになろうかと思います。
 したがいまして、公布から全部計算いたしますと大体三ヵ月以内におさまるということでございまして、予定といたしましては、早ければ八月の下旬には施行さしていただきたいと、こういうことでございます。
#222
○村田秀三君 これから商工会、まあ組織上の問題について主としてお伺いいたします。
 前もってお断りしておきますが、実は商工会の組織の方あるいは商工会議所の方から前もっていろいろ意見をお伺いしたわけでは決してございません。中小企業庁の方からお届けをいただきましたそれぞれの資料をもとにいたしまして私が判断をいたして質問するわけでございまして、あるいは考え過ぎの部分があったり、あるいは実態を誤解している向きが全くないとも言えないわけでございまして、その際には忌揮なく御指摘いただいても結構でございます。
 そこでまず、午前の田代委員の質問にもありましたが、商工会議所法及び商工会法を見ますと、商工会議所は市を区域とすることが原則になっています。また、商工会は町村を原則とすることになっておる。それぞれ特例は設けられておるようでございますが、この区域を特段に設定をして法人形式を設けているのは一体どういう理由であろうか。まずそこからお伺いをいたしたいと思います。
#223
○政府委員(村野啓一郎君) 御指摘のように、現在商工会の地域とそれから商工会議所の地域というものは重ならないようになっております。これは商工会の組織等に関する法律及び商工会議所法、両方からそういう規定があるわけでございます。これは商工会の制度が、商工会の組織等に関する法律が通りました、成立いたしました段階でいろいろ実は御議論がございまして、その重複というアイデアもあったやに伺っていますけれども、やはり商工会、それから商工会議所、いずれもその地域の総合的な経済団体であり、かつ指導機能を持つ。特に中小規模企業者に対する指導権を持つという意味では同じ性質のものでございますので、これはやはり別のものとして別の地域につくるべきであるという判断になったわけでございます。いずれもその市町村というまあ行政区画を単位としておりますけれども、それぞれその地域が重ならないということに制度的になったわけでございます。以来二十年の歴史がたっておりまして、制度的にはほぼ定着したというふうに考えられるわけでございます。現象的にはいろいろ問題がございますけれども、これはこの制度自身の問題点といいますよりも、むしろその地域特有の問題というように考えるわけでございます。
 仮にこの地域を同一地域に二つの団体、すなわち商工会と商工会議所が仮に重複いたしますと、ただいま申しましたようにいずれもその地域の総合的な経済団体でございますために、いわば屋上屋を架すというかっこうになりまして、その地域の商工業者の方々に対しまして混乱が生ずるということもございますので、この二つを分けるといったてまえを一貫しているわけでございます。
#224
○村田秀三君 次に、商工会議所と商工会の組織の現状、それから事業内容の対比などについて概略、主要な点についてお示しをいただきたいと思います。
#225
○政府委員(村野啓一郎君) たとえば、商工会の場合には主として町村をその区域とする、あるいは商工会議所の場合には主として市の地域を区域とするというように、まず対象地域の差が当然あるわけでございますが、そのほか組織面で大きな差と申しますと、各団体の最高の意思決定機関でございますものが、商工会におきましては会員全員によります総会、これが最高意思決定機関でございます。いわば直接民主主義をとっているわけでございます。それから、商工会議所の場合にはこれが議員総会ということで、選ばれました議員の方々の代議制によっているという差が一つあるわけでございます。
 それから、設立の場合の要件といたしまして、商工会の場合にはその地域の、その地区の商工業者の方々の二分の一の賛成がないと設立できないと、二分の一という要件がある、有資格会員の二分の一の者の賛成が必要でございます。資格を持っております商工業者の方の二分の一がその要件でございます。商工会議所の場合には、そういった要件のかわりに特定商工業者という概念を置いておりまして、これがいわばその地域におきまして、資本金等によってランクがございますけれども、一定額以上の納税を行っている商工業者の方々が、大体そういうところに当たるわけでございますが、その特定商工業者の二分の一の同意によって設立することができるという差がございます。
 以上が、その主なる組織上の差でございまして、あと事業の差と申しますと、いずれも先ほど来申し上げておりますように、その地区におきます総合的な経済団体ということについては同じでございますし、また小規模事業者に対します経営指導を行っておるということは同じでございますが、そのほかの事業で差がございますのは、たとえば商工会議所の方では、その地域の商工業に関しますたとえば調査研究を行うこと、あるいは施設の設置、維持を行うこと等がすでに規定されておりまして、これは商工会の方でも今回の改正によって新たに追加をお願いしているわけでございますが、そのほかに商工会議所におきましては、たとえば国際貿易におきます商事仲裁といった、いわゆる国際面におきます仕事もかなりその主要なる業務となっている場合がございます。この辺は、商工会にはややそういった機能はございませんで、この国際的な面は若干の業務上の差となっているわけでございます。
#226
○村田秀三君 それから私が考えますのには、けさ初めて私もわかったんでありますが、商工会の指導、監督に当たるのは中小企業庁、それから商工会議所は産業政策局、こうお伺いいたしましたが、そのとおりでございましょうか。
#227
○政府委員(村野啓一郎君) 役所の方の組織、設置法等によります所管の差といたしまして、商工会は中小企業庁の所管、それから商工会議所の方はこれは産業政策局の所管ということになっておりますが、ただ、小規模企業に対する経営改善普及事業、これはまとめて商工会の組織等に関する法律の方に規定がございまして、その関係もございまして、中小企業庁で両方、すなわち商工会の行っております小規模企業の経営改善普及事業と商工会議所で行っております。その事業は、あわせて中小企業庁の方で所管をしているということでございます。
#228
○村田秀三君 組織率はどうでございましょうか。
#229
○政府委員(村野啓一郎君) 商工会地区におきます組織率、これは五十五年の七月の統計でございますが、六六・九%でございます。それから商工会議所地区におきます組織率、これは五十五年の三月の統計でございます、若干日にちの差がございますけれども、これによりますと二七・七%でございます。
#230
○村田秀三君 それだけの問題を前提としていろいろ考えることに多少無理があるかと思いますが、先ほど商工会議所とそれから商工会は同一の事業をし、それから経済団体である、指導する面についても変わりないから、商工会と会議所の区域を重複しないように設定しておる、こういう説明でありました。しかし、いまもいろいろと説明聞いておりますように、商工会議所には特定商工業者というこれ、法定の指定商工業者、それを中心として構成をされているということになろうかと私は思います。それと同時に、その事業内容におきましても、商工会の方に聞いていただいた場合にあるいはおしかりを受けるかもしれませんけれども、かなり高度なやはり国際問題であるとか、あるいは国内の総体的な経済活動の分野についての諸問題であるとかということになるわけでありますから、かなり次元が違う、こう実は私は理解をするわけでございまして、どうしてもその性格は、商工会と商工会議所というのは同一のものではない、こう私は理解するんでありますが、その点はいかがでございますか。
#231
○政府委員(村野啓一郎君) 商工会議所の側には御指摘のとおり特定商工業者という概念がございまして、これはいわば企業の階層からいたしますと上の方に属するかと思われます、この特定商工業者の概念を入れましたのは、商工会議所設立の場合の一つの認可の要件を形づくるということと、それからその地域におります主たる商工業者の方々のリストをつくる、法定台帳と言っておりますが、特定商工業者の方々の法定台帳をつくりまして、これが商取引のあっせん等にも使われるというようなことからでございます。そういった意味で、広い地域の経済総合団体をつくります場合の一つの何と申しましょうか、組織上の一つの要素かと思われます。しかしながら、商工会の場合にはそういった概念をあえて持ち出すまでもなく、会員たる商工業者の間の関係はより密接でございますので、その特定商工業者の概念を入れなくともお互いに十分把握できるわけでございますし、またリストをつくる必要がありますならば、その相互の間でつくればよいということにもなりまして、そういった概念を用いることになっておりません。このことはいわば組織上の差でございますけれども、実態面から見ますと、商工会議所の場合におきましても、そのメンバーの実は大多数が中小企業者、特に小規模企業者でございますし、商工会の場合にも無論その九割までがその小規模企業者でございまして、その商工業者の構成につきましては、まずそう大きな差はございません。それから、行っております仕事も先ほど申しましたような経営改善普及事業について全く同じ、それ以外の商工業の各地におきます振興につきましても、やはり主体となりますのはその会員の主要な部分を占めます中小企業の方々に対する相談あるいは振興の事業でございますので、その機能はほぼ同じと考えているわけでございます。
#232
○村田秀三君 余りよく聞き取れない部分がございました。
 まあしかし、どのように説明をされましょうとも、先ほど田代委員の質問に答えて大臣は、とにかく商工会議所はだんなさんの集まりであるという印象を与えておったことは事実である、したがって同一の状況に持っていきたい、そのようなことのないように持っていきたい、こういうお答えがされたと思います。私も福島県内すべてお回りいたしまして実情を聞いてきたわけでは決してございませんけれども、身近なところの話を寄り寄り聞きますると、どうしてもやはりその地域の代表的企業者が集まっておる集合体であるという感じをぬぐい去れないわけですね。
 そこで、組織率の問題になるわけであります。まあ地域を設定しておりますからいろいろ不都合がございます。先ほど田代質問にもございましたけれども、町村に立地した事業家、企業、これは商工会に入り得るのであるけれども、入らないで、むしろ商工会議所に残っていたい、こういう希望を持っておるというお話も伺いました。
 それから、その反面この商工会議所区域の中における小規模事業者の組織率、組織率が高いのがよいかあるいは低いのがよいか、こういう点についてはいろいろ内容を聞いてみますと、その指導の範疇は必ずしも会員に限っておらないので、それぞれ商工会での活動も展開されておるから、そのような分け隔てはないんだと、こういうような意見も実は聞かされておるのでありますけれども、しかし、実態は商工会議所区域の中における小規模事業者、これは先ほど大臣が答弁をいたしましたいわゆるだんな衆の集合体というような印象をぬぐい去れないために、なかなかなじみがたい、そういう意味で組織率が低下をしておるのではないだろうかなどとも実は考えてみるわけでありますが、その点はどうでしょうか。
#233
○政府委員(宮本四郎君) 商工会議所の中での小規模事業者の組織率が低いんではなかろうかと、どういう御指摘でございますが、先ほど答弁の中にございましたように、商工会議所の組織率そのものが低うございまして、五十五年の三月の数字で二七・七%ということになっております。確かにこれは商工会の組織率に比べて相当低い数字でございます。ただ、全国の商工業者の中で、全体の商工業者の中で小規模事業者の比率をとってみますと、七八%という数字が出ておりますけれども、今度は商工会議所の全国のメンバーの中の小規模事業者の比率をとりますと七四%ということでございまして、全体的に同じような、若干の差はございますけれども、傾向を示しているとは言えると思うんでございます、ただ、先ほどのように全体的に比率が低うございまして、かつ、商工会議所の中には小規模事業者の数が非常に多いと、こういう傾向は全国的に変わりません。ということになりますと、もっとこの組織率を上げて小規模事業対策を充実しなければならないというふうには私どもも考えておる次第でございまして、その原因は、やはり町、市でございますので、事業者の数が非常に大きいというところで、どうしても組織率を高めるという点においていままで困難があったということではないかと思うわけでございますけれども、地区内の規模の小さい事業者のために、経営改善指導相談あるいは情報提供等活動を強化することを努力いたしておりまして、数字で申し上げますと、五十年の三月には二三・三%という数字でございましたのが、先ほどのように五十五年三月には二七・七%というところで、少しは改善いたしておるということでございますので、今後とも引き続きこの努力を続けたいと思っております。
#234
○村田秀三君 努力するというそのことは、努力をしていただきたいとはもちろん思いますが、つまりはいわゆるその商工会議所区域の組織率ですね、努力をして年々上がってはいると、こう言っておりますけれども、確かに低いですね、全国的に見て。それは、東京であるとかあるいは大阪のような大都市があるんでその組織率がきわめて低い、それは理解できます。しかし、五万都市以下の商工会議所の区域を見ましても、これは大体五万都市ということになりますと町村と大した変わりないわけでありますけれども、そういう地域におきましてもいわゆる特定商工業者を除いて試算をする限りは、とにかく五万都市未満の商工会議所地域の組織率は五三・九%になっておりますけれども、特定商工業者を除いて試算をすると四二・六%、商工会は御存じのようにこれは六六・六%と、かなり高い数字を示しておりますね、だから、いまお話がございましたように、とにかく集中しておる都市においては小規模事業所の組織がかなり困難だという面もそれは否定いたしません。いたしませんけれども、やはり商工業者に、商工会議所に会員となるよりも、身近な者たちが集まってそしてそこでいろいろと連帯を強め、あるいは自助の努力をしていくというようなそういう気分の者がこの地域の中におるのではないか、こう私はこれは推測、そういう話を実際に何人かの者に聞いたことがございます。田舎でございますから、市と隣の町と大した違いはありません。そういう限りにおいてはとにかくそんな気持ちもあるであろうという考えにもなるわけでありますけれども、そういう点について辻参考人、まことにこの場で言いにくいことかとも思いますけれども、何かそういう話題等が出ることがないでしょうか。
#235
○参考人(辻彌兵衛君) ただいまの先生の御質問にお答えを申し上げたいと思いますが、組織率の問題は、先生御承知のように、私どもの商工会は法律によりまして、当初スタートのときから五〇%以上の組織率ということを義務づけられておりました関係と、比較的小規模な地域社会における連帯感等に恵まれまして、やはり組織率が高くなっておる、会議所の地域はやはり人口が非常に多いわけでございまして、会議所におきましても経営指導員の方が非常に努力をなさっておられますし、振興員の制度等も設けられまして小規模企業対策には一生懸命に努力をしていらっしゃるように思っております。私どもはそうした意味で、われわれはそうした組織率の面では恵まれておるわけでございますけれども、私どもの商工会地域におきましても、たとえば埼玉であるとかあるいはそうした首都圏におきまして人口が急憎いたしております地域におきましては、商工業者の数がどんどんふえておりますので、やはり商工会としては必死になってその会員の加入を進めまして、組織率の低下を防ぐのが精いっぱいということでありまして、埼玉等の大都市部におきましてはやはり六六・九%という、私どもの平均の組織率よりはかなりまだ低いといったようなところが現実にあるわけでありまして、これはやはりそれぞれの条件がありましてなかなか一律にはまいらないわけでありますが、何と申しましても、私どもは組織の強化あるいはまたその施策の浸透というようなことを考えますと、一層組織率の向上に努力いたしまして、一〇〇%の商工会も小さい地域ではあるわけでございますので、できるだけ一〇〇%に近い組織率に引き上げていくように今後も努力をいたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#236
○村田秀三君 私の質問になかなかやはりずばりとは言いがたい、あるいはまたそうは決して思っておらないとおっしゃるのかどうかわかりませんが、ちょっと私の質問の内容とは違うようにお見受けいたしました。
 しかし、議論をいたしても仕方がありませんから、この際私の意見を申し上げますが、やはり都市部における商工会議所地域の中における組織率が低いということは、何といいましてもこの古い商工会議所のイメージといいますか、そういうものがやはりぬぐい去られておらないために、何といいますか、なじみが薄いといいましょうか、そういう面も若干あると、これは私は認めざるを得ないわけでありますが、そういう意味でこの、先ほど商工会地域に立地いたしましたいわゆる大きな企業、事業者ですね、特定商工業者に指定され得るような、そういう事業者団体でも、商工会に入ったがらないで商工会議所に入りたい、こういう意見があるということ。同時にまた、商工会議所地域の中における小規模企業者、まあ商工会議所会員にはなりにくい面を持っておる。とすれば、先ほど来申し上げましたように、両組織同一であるといっても、これは何としてもその性格の相違を私は認めざるを得ないと、こう思います。
 だとすれば、いわゆるその区域を設定することにむしろ無理があるのじゃないか、こう実は考えてもみたわけでありますけれども、それは大臣おりませんから中小企業庁長官にお伺いいたしますが、いかがでございましょうか。
#237
○政府委員(児玉清隆君) 区域の問題、特にそこに存在しておられる中小企業者の方々の選択と申しますか、それが区域割りによってなかなかうまくいっていないという強い御指摘でございますが、この点につきましては従来から非常に問題があるという御意見あるいは御指摘を非常に私どもいただいております。
 今度の改正法案を審議いたしましたときも、大分われわれいろいろと研究はしてみたわけでございますが、やはり現在まで二十年の経緯がございまして、商工会も商工会議所もそれぞれがっちりした組織を持っておりまして、ただ小規模対策というところで共通の使命と役割りを持っておるわけでございます。しかもその共通の使命と役割りがこの商工会法の中で一元的に規定をされておりまして、そして小規模育成事業の予算的手当であるいは金融的な手当ても現在中小企業庁の方で一本でやっておるわけでございますが、それが各地域地域におきましてはまた非常に大事な、その地域で不可欠の事業になっております。今後とも私どもは、あるべき姿としてはいま先生御指摘のようなひずみが早く解消して、商工会も商工会議所地域におきましても同一レベルで、同じような効果で、そして同じような小規模対策の効果を均てんして受けられるような結果に持っていきたい。なかなか一朝一夕にむずかしいかもわかりませんが、これを私どもの行政指導の計画的な展開、それから商工会議所の自己努力というもの、こういうものを結集いたしましてそういう方向にぜひ持っていきたい、このように考えております。
#238
○村田秀三君 なかなかむずかしいこれは議論をしなくちゃならないわけでございます。
 私も、率直に申し上げまして、先ほど三十五年の法制定の際にも若干議論になったと、こういうお話もございましたが、実は私も、むしろこれ、大企業という表現は別にいたしまして、本当に小規模事業者団体あるいは商工会議所、まさに名のごとく、そういう活動に限定をするというようなそういう考え方というものがこれ成り立つのか成り立たないのか、実はそうした方がいいんじゃないかという個人的な意見はございますが、まだこれ固まったものじゃもちろんございません。いずれにいたしましても、組織を縦割りに見て、どこかにすき間がある、このことだけは否めないんじゃないかと思いますね。ひずみがあると、こういう言い方をいたしましたが、中小企業庁長官はひずみがあると、これを解決するための努力をすると、こう言っております。大臣もまた、いわゆる同一組織として、同一影響力を行使できるようにすると、こういう言い方を先ほどはしておりましたけれども、では一体どうそれをするのかということを考えてみますと、この地域設定にかなりの問題があると、こう考えざるを得ないわけでございまして、もとより加入率をそれぞれ高めて、もって参加意識、連帯の意識を強めて、もって事業の目的を遂行していく、こういうことは当然でありましょうが、何らかの方法がないものかと実は考えてみたわけであります。
 いずれにいたしましても、議論はむずかしいわけであります。この際私は、商工会は組織率がきわめて高い。確かに役員の皆さんの努力もありましょうけれども、まあ町でありますから、どこそこのだれべえさんということで日常生活の中でも親近感があるわけでありますから、物事のわかりは早いから組織率が高まったと、こういうこともありましょう。影響する部分がかなり強いと、こういうこともありましょう。だとすれば、やはり商工会議所地域におけるところの活動ということももう少し組織率をよく高めて、もってその法律の目的を遂行できるようにしてはどうかなと、こう実は考えたわけでございまして、まさに考え過ぎかと思われるような物の言い方もいたしてみましたが、その点ひとつ大臣に、まあ言葉ではそれは同一の組織としてそのようなことのないようにすると、こう言いますけれども、じゃ実際はどうしてやるんだということになりますと、これはいまにわかに結論が出せない問題ではなかろうかと思いますが、いずれ解決しなくてはならぬ問題だと、こう思いますが、いかがでございましょうか。
#239
○国務大臣(田中六助君) まあ経営の改善、組織化という二つの柱で、相互に商工会議所も商工会も進んでおるわけでございまして、私どもはこれがお互いにいい意味の切磋琢磨ということならばいいんですけれども、妙なところで摩擦を起こしたりすることは、かえって経営改善とか組織化を毒することにもなりかねないと思います。ただ、それぞれの伝統と、それからその周辺のやっぱり事情というものがあるでしょうし、私どもは、商工会の中にもいろんな役員、理事その他多くの人がいますし、商工会議所もそうでございます。したがって、行政指導をする反面、自主的にそれぞれの人たちがやはり地方の時代にのっとって、地方住民あるいはみずみずしい活力というようなものを相互に示し合うならば、そう私どもが口を入れていろいろすることよりも、自然な形でだんだん時代が進んでおりますし、参加と申しますか、パーティシペーションということが非常に問題になっておる時代でございますし、地方の時代にふさわしいそれぞれの活力でもって、まあ多少、多少どころか時間はかかるかもわかりませんけれども、私は、自主的な解決で進んでいくんじゃないかと、まあ非常に楽観的だというふうには御指摘を受けるかもしれませんけれども、そういう物の考え方をしております。
#240
○委員長(金丸三郎君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#241
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは両案についてこれより討論に入ります。
 御意見のある方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べ願います――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#242
○委員長(金丸三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、商工会の組織等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#243
○委員長(金丸三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#244
○委員長(金丸三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたしますが、影山参考人並びに辻参考人、お二人、両日大変長時間にわたりまして終始御出席をいただきまして、大変ありがとうございました。心から厚く御礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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