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1980/05/07 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 農林水産委員会 第8号
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1980/05/07 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 農林水産委員会 第8号

#1
第094回国会 農林水産委員会 第8号
昭和五十六年五月七日(木曜日)
   午前十時七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     川村 清一君     田中寿美子君
     下田 京子君     立木  洋君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     立木  洋君     下田 京子君
 五月一日
    辞任         補欠選任
     田中寿美子君     川村 清一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         井上 吉夫君
    理 事
                北  修二君
                坂元 親男君
                鈴木 正一君
                川村 清一君
                中野  明君
    委 員
                岡部 三郎君
                熊谷太三郎君
                鈴木 省吾君
                田原 武雄君
                高木 正明君
                初村滝一郎君
                降矢 敬雄君
                宮田  輝君
                坂倉 藤吾君
                村沢  牧君
                山田  譲君
                鶴岡  洋君
                中野 鉄造君
                下田 京子君
                田渕 哲也君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       農林水産大臣   亀岡 高夫君
   政府委員
       行政管理政務次
       官        堀内 光雄君
       農林水産大臣官
       房長       渡邊 五郎君
       農林水産大臣官
       房審議官     矢崎 市朗君
       農林水産省構造
       改善局長     杉山 克己君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     二瓶  博君
       農林水産省食品
       流通局長     渡邉 文雄君
       林野庁長官    須藤 徹男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部保安課長   内田 文夫君
       防衛施設庁施設
       部連絡調整官   田中  滋君
       環境庁自然保護
       局鳥獣保護課長  中村  廉君
       外務省北米局安
       全保障課長    丹波  実君
       大蔵省関税局監
       視課長      田中  史君
       通商産業省生活
       産業局通商課長  末木凰太郎君
       通商産業省生活
       産業局繊維製品
       課長       若林  茂君
   参考人
       日本蚕糸事業団
       理事長      松元 威雄君
       糖価安定事業団
       理事長      岡安  誠君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○蚕糸砂糖類価格安定事業団法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○農業者年金基金法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員
 共済組合からの年金の額の改定に関する法律等
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に川村清一君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(井上吉夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 蚕糸砂糖類価格安定事業団法案の審査のため、本日、日本蚕糸事業団理事長松元威雄君及び糖価安定事業団理事長岡安誠君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(井上吉夫君) 次に、蚕糸砂糖類価格安定事業団法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○坂倉藤吾君 先回の委員会でも幾つか論議が出ておりますので、重複をする部分はなるべく避けながら、きょうは糖価の事業団の関係に中心を置きながらいろいろただしていきたいと、こう考えておるわけであります。
 そこで、今回の両事業団の統合の問題が提起をされてまいりました一つの経過は、行政改革のいわゆる方針に基づいてということに相なろうと思うのですが、その行政改革の、具体的なこの種の統合があるいは廃止かどうかというような問題を確認をされているいわゆる閣議等があろうと思うのです。それらの経過並びに方針について簡単にひとつ説明をいただきたいと思うのですが、これは行管庁の方で、具体的にわかるように御説明いただけませんか。
#8
○政府委員(堀内光雄君) 五十四年の十二月の特殊法人整理の閣議決定でございますが、その際におきまして、行管庁といたしましては、五十五年行革というものを実施する中の一環として行っております。その際、十八法人の特殊法人の縮減というものを計画をいたしまして、この五十五年行革を五十四年十二月の閣議決定に出されたわけでございます。
 この計画に当たりましては、当庁から基準を定めて各省庁にお願いをいたしております。
 その基準の一つとしましては、類似機能を有しまして、統合することによって一層効果的、効率的な事業が可能になるものというようなことを一つの大きなポイントにいたしておりまして、各省庁で検討をされた上で具体的な案をつくっていただいて提出をいただく、それに基づいてよく検討をいたしまして閣議決定に至ったということでございます。
#9
○坂倉藤吾君 そういたしますと、行管の立場からいま判断をされまして、この両事業団の統合ということはその方針にぴったりしているというふうに御判断になっているわけですか。
#10
○政府委員(堀内光雄君) 農林水産省においていろいろ御検討いただいた結果提出をされてまいったわけでございまして、私どもでこれをながめましたところ、やはり両事業団が生糸と甘味資源というような同じ畑作物の事業であるということと、もう一つは、輸入調整業務、輸入安定業務といいますか、そういうものが主体の事業団でございますから、そういう共通性を有するということから考えますと、この統合というものはわれわれの考えでいるものに合致するのではないかというふうに考えて閣議決定の方に提出をしたということでございます。
#11
○坂倉藤吾君 前回も政務次官お見えになられまして、審議を行管の立場でお受けとめいただいていると思うのですが、いま、両事業団をめぐる情勢というものはきわめて両方とも厳しい時期なんです。場合によっては、この事業団の任務というものは、そういう厳しい対応の中で今日まで行われてきた事業の内容だけで果たして対応ができるのかどうなのかということも含めての重大な時期に来ていると思うんです。そういう立場から見まして、そういう厳しい条件というのを抜きにして、ただ行革の方針が貫ければそれでいいというふうなお考えなのでしょうか、どうもその辺がちょっとわからないんですがね。
#12
○政府委員(堀内光雄君) その辺の判断につきましては、主務官庁であります農林水産省におきまして種々検討をしていただき、今後の問題を含めての結論を出されたものというふうに私どもは判断をいたしておりまして、特殊法人の合併による成果というような問題、そういう点を主眼に私どもの方は判断をいたしたということでございます。
#13
○坂倉藤吾君 そういたしますと、行管の立場は、農林水産省の責任だということでお逃げになっているわけですね、最終判断は。そういたしますと、前回の委員会の中で、いま行管の立場からお述べになられましたように、両事業団の共通のところは畑作である、それから輸入調整業務を行っているんだ、この二つが取り上げられているわけですね。しかし、行管の立場よりも、直接担当する農林水産省としては、情勢の厳しさがきわめてこれまたさらに切実に受けとめられている、こう思うんですね。そういたしますと、統合の時期、それから取り巻く条件の厳しさ、こうしたものを判断をしてみまして、果たしてこれでよかったのだろうかどうだろうかというところの評価は一体どうなっていますか。
#14
○政府委員(二瓶博君) 両事業団を統合するということを政府の方針として閣議決定したのは、先ほど行政管理庁の方からお答えございましたように五十四年の十二月でございます。御指摘のとおり、この閣議決定をいたしました五十四年の十二月という当時から、蚕糸にしろ砂糖にいたしましても、きわめてこれをめぐる情勢というものは厳しいものがあったわけでございます。しかし、両事業団の果たしております機能は統合後もそのまま維持をする、こういう大前提のもとに統合に踏み切ったわけでございます。統合後におきましては、従来よりさらに業務の効率的、効果的な運営を図りまして、きわめて厳しい現下の情勢というものに的確に対応できるように体制整備その他努力をしていきたいというふうに考えておりますので、厳しい情勢になっておることは御指摘のとおりでございますけれども、このことによっていささかも業務に支障がない、あるいは厳しい情勢に対処するという面についても不安はないというふうに考えておるわけでございます。
#15
○坂倉藤吾君 くどいようですけれども、正直に申し上げて、前の委員会でも論議をされておりますように、両事業団を統合いたしましてもいまの事業所の形態そのものは全然変化はありませんね。しかも、その出先の二カ所を統合するというふうに話をされましても、この二カ所について、いま直ちにその事務所の二つあるものが一つになるはずはないのでして、事業所としては二つあるものが、ただ呼び方としてそれは一つですよ、同じ事業団の範囲ですよと、こういう話でありまして、内容的には全然変わりはありませんね。そうしますと、役員の数字が、常勤役員が三人、非常勤役員が二人、それから、総務関係だろうと思いますが、本部のいわゆる一つの部が一緒に仕事ができるということであって、人員的にこれまた変わりがない。
 こうなってまいりますと、一体何のために今日の厳しい時期にやらなければならぬのか、やったメリットというのは一体どれだけになるんだろうか、さっぱりわからぬわけなんですよ、正直言いまして。たとえば、これから統合をすることによって半年先にはこうなります、あるいは一年先にはこうなります、確たる方針があって統合されたのなら、統合時点での問題は私はとやかく言いません。ただ、その問題も全然整理をされないままに、いまの事業規模のままで二つのものを一つに合わせますよということだけで行革が進んでいくとすれば、私は何のための一体行政改革なのか、こういうふうに問わざるを得ません。
 しかも、二つの事業団は非常に情勢が厳しい。情勢が厳しい中で、とりわけ蚕糸と砂糖に目を当てたというのは、先ほどの話からいくと、農林水産省の判断だ、こういうことになりますね。農林水産省の判断の中で、率直に言って、一番弱いところに目を当てて、ここは一緒にさしたっていいじゃないかという簡単なもの、あるいはまた、単なる他に対する名目上の数字合わせ、これが今度の両事業団の統一じゃないのかという感じがしてならぬのです。この辺に対して私をひとつ説得をしてくれませんか。
#16
○政府委員(二瓶博君) 行政の刷新と適正化ということ、これも非常に重要な課題であると思っております。したがいまして、そういうような要請にこたえつつ、他方また、蚕糸なり糖価、これをめぐります情勢というものはもちろん厳しいわけでございますので、こういう面に対する事業団の業務運営、そういうものが適確になされるということとの両面からいろいろ検討してこの統合に踏み切っておるということでございます。もちろん統合によりまして当面経費の節減がすごく多く出るというようなことではないとは思います。多少役員の数が減るとか、あるいは総務部門が一つになるとか、出先が二つほど事務所が統合になるとかということでございますが、いずれにしても、こういう組織の面と、あとは、そういう統合しました際の事務所のあり方というようなものはいますぐ右左ということにはまいりませんが、将来の問題としては、いろいろ同じ場所で仕事をするというようなことも十分心すべきことだと思います。したがいまして、短期的な面のみならず、長期的な面でメリットというものを長い目で見てお考えをいただきたいというふうに考えるわけでございます。
#17
○坂倉藤吾君 これは大臣、いまの二瓶局長のいわゆる説得力私はゼロだと思うんです。大臣、どうでしょうか、いまのお話を聞きまして、よくその合併の意味がわかりましたというふうに言えるでしょうか。私は率直に言いましていまのお話、これはもう前回も繰り返し繰り返しお聞きをしているわけですが、何遍聞きましても、この両事業団の合併に伴う行政改革としての価値、この価値というのは、やっぱり両事業団が統合することによって、これは次官が言われておりますように、統合に伴ってのより効率的な運用というのがどこに見出せてくるんだろうかというのが全然わかりません。
 それからもう一つは、事業団というのはこれはやっぱり人がつくっているわけですから、そこで働いている人も含めて事業団があるわけでして、それが一緒になるわけですから、将来展望ということになれば、合併に際して一応基本的なものというものが提起をされまして、そこで現に働いておる人々も将来はこういうふうな路線に乗って協力をすべきなのかどうなのかということの判断が求められるようなものが提起をされていきませんと、これはひきょうじゃないのか。やってみなきゃわからぬというような行政改革の方針なら私はやめた方がいいと思う。その辺のところの御判断は一体どういうことになりましょうかね。これはちょっと大臣から答弁してくれませんか。
#18
○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほど来局長からも申し上げたとおり、政府としては五十四年の暮れに閣議決定をいたしまして、行革を徹底的にやってまいるということを決めたわけでございまして、その際、行管からもお話し申し上げましたとおり、各省ごとに特殊法人を整理統一をしようと、こういうことであったわけでありますので、農林水産省といたしましてもいろいろ検討をいたしました結果、先ほど来お話し申し上げておりますとおり、畑作物を両事業団が取り扱っておるということ、それから輸入の調整事務をやるということ、これがひいては農産物の価格安定に通ずること等々をやりまして、やっぱり二つよりも一つにした方がこれはもうこの際は政府の趣旨に合すると、行革の閣議決定に農林水産省としては一番合致する部門であると、こういうことにいたしたわけでありまして、私は、これが一つ一つで果たしておった機能よりも、二つを一つにしたからその機能が低下するということはあり得ないと、こういう確信を持って統合に踏み切ったと。これは見方でございまして、そういうもう名目だけの話ではないかという御指摘で、実質的メリットがないじゃないかというような御指摘もあろうかと思いますけれども、やっぱり行政改革という大きな方針を多少の無理はしてもやってまいるというところにもまた一つの大きな意義があると、こう考えて両事業団の統一を決定をし、法案を御審議願うということといたした次第でございますので、その点御理解を賜りたいと思う次第でございます。
#19
○坂倉藤吾君 やっぱりわからぬのです。端的に言いますと、農林水産省は、行政改革の方針に基づいてやかましく言われるから員数合わせをここでやったのじゃないのか、端的に申し上げましてね。員数合わせの措置ではないかと、こういう私は質問をしているわけです。それが員数合わせでないというふうに明確に言い切れるいわゆる責任あるいは統合に伴うところのメリットを生み出すという自信、こうしたものが約束をされるのかどうか。私はここのところが心配なんです、正直に申し上げて。その辺に対する御回答がどうもすっきりとこう答えにならないんですね。もう一遍御答弁いただけますか。
#20
○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほど申し上げましたとおり、その点は、坂倉委員はこれは員数合わせにすぎないじゃないかと、そういう見方もあるいはこれはできないとは言えないと思うんです。しかし、私どもとしてはやはり二つであったものを一つにして、しかも理事長、役員がそれだけ減員されるわけでありまするから、それによって年間四千万ないし五千万平年度において。そうしますと、やっぱり十年たてば五億近い経費の節約ということもこれまたできるわけでありますので、まあちりも積もれば山となると、こういうこともありますから、そういうことを積み上げていって行政改革の実を上げてまいるということをいたした次第でございまして、私はこれは見方によっては、将来の一つの農産物輸出入問題というものが非常に大事になってくるわけでありまするから、そういう問題をどういうふうにしてさばいていくかというようなときの一つの実験台と言っては申しわけありませんけれども、そういうやはりわれわれは経験によってそういう方向を探っていく一つの参考にもなるのではないかと、そんな感じがいたすわけでございます。そのほかにもいろいみ事業団がございます。それらの事業団も、あるいはもっと大きな立場からの物を考える一つの機会にもなりはせぬかという感じも実は私は持っておるわけであります。
#21
○坂倉藤吾君 それじゃ、いまのお話のちりの方をちょっと聞きたいんですが、今回の当面の統合時におけるところのいわゆる節減経費というのは、これは大体幾らになりますか。言うならば、先ほどちょっと触れましたように、常勤役員三人、それから非常勤役員二人、それから本部組織は一部統合される、あるいは地方事務所、一応名目にしろ二カ所減らすという前提に立ちますね。これで年間の節減の試算額というのは一体どれだけになるのでしょうか。
 それからもう一つは、当然現行の事業団というのがこれは解散をすることになりますね、新しく事業団が一つになるわけですから。現行の事業団というのは解散をすることになる。解散をするということになれば、当然職員はそのまま引き継ぐといたしましても、役員の場合は現在の事業団に対するところの役員でありますから、身分は当然これは切れることになると思うんですね。したがって、身分が切れることになれば退職金その他の清算をしなければならぬと思うのです。しかも、この際の清算というのは、これはたとえば唐突な、まあ唐突といいますか、計画をしてきたことでありますから唐突とは言えぬですけれども、その辺の手当てを含めて一体どれだけの清算額になるのでしょうか。この辺は試算をされていると思いますので、お聞きをしたいと思います。
#22
○政府委員(二瓶博君) 統合によりまして当面役員の数が減ります。この役員の数の削減によりまして、五十六年度予算ベースで見ますと、毎年度四千七百万円程度の予算節減が図られるということに相なります。このほか内部組織についても、共通管理部門であります総務部の統合なり、あるいは横浜、神戸の事務所の統合というようなメリットがございますけれども、こちらの面につきましてはなかなか金目としてすぐ出てまいりませんので、役員数の削減による四千七百万円程度というものが具体的な金目としてお答えできる範囲かと思います。
 なお、退職金の方の関係でございますが、今回の統合は、当然、現行の蚕糸及び糖価の両事業団が解散をいたしまして新しく蚕糸砂糖類価格安定事業団というものが設立されるということでございますので、両事業団の役員につきましては、解散時におきまして当然身分を失うということに相なるわけでございます。また、従前の各種公団、事業団の統合の際には、統合前の事業団の役員でありまして新事業団の役員に任命をされた者でありましてもすべて退職金が支払われているということからいたしまして、今回の統合に際しましても、退職金の支払いにつきましては従前の例により対処をするということになるわけでございます。
 そこで、役員の縮減に伴います経費節減額、これは先ほど申し上げました約四千七百万円でございますが、この経費節減額は毎年毎年支払われるべき性格のものの節減額ということになるわけでございます。他方、この解散に伴います役員の退職金、これは両事業団合わせますというと、十二名で約一億六千万円という金目に相なります。退職金は、この退職時の俸給月額に支給率と在職月数を乗じまして算出をして支給するということになっておりますので、今回の統合がない場合でありましてもいずれは支払わなければならない性格のものである、かように考えるわけでございます。したがいまして、他方、毎年毎年払うその役員の経費がぐっと落ちるわけでございますので、今回の統合につきましては、経費節減というような角度からながめてみましても十分実は上がっているのではないか、かように考えるわけでございます。
#23
○坂倉藤吾君 そうしますと、当面は四千七百万円程度節減ができる、これははっきりしていますね。
 そうしますと、退職金の一億六千万円というのは、これは積み立てをしていますから、当然いまやめられればということなんですが、本来ならば年々交代をしていくわけですからね。一遍にこれだけの支出を伴うことはない金額ですね。それがこういう事情の中で一遍に支出をする――これは単年度に集中をするわけですから、私はやっぱりその分はこれはマイナスだろう。そのマイナス分を、言うならば四千七百万で実際には補っていくことに当分の間は理屈からいくとなってくるだろう、こういう計算ですね。そうしますと、余り正直言ってメリットらしきものというのはここ当分はあらわれてこない。要は、事業面でどれだけの効率が果たせるかということにかけなければならぬというのが今回の本質だろうと思うのです。
 そうしますと、問題は、役員が、現事業団の場合に退職をして新事業団になった場合に、現行役員がもう一遍再任をされるということはどの程度考えられておるんでしょうか。お答えできますか。
#24
○政府委員(二瓶博君) 現在、蚕糸なりあるいは糖価の事業団の役員をやっておる者が新事業団になりました際に役員として任命されるかどうか、これにつきましては、まだ現在も法案御審議中のこの段階でございますので、具体的な人選なり何なりというのはまだ入っておらないわけでございます。したがいまして、どの程度再任といいますか、新しく任命されるか、まだ一切申し上げかねる段階でございます。
#25
○坂倉藤吾君 答弁のしにくいところを開いているわけですがね。一般的に考えますと、この統合によりましてやむを得ないことだという片方での面があると思いますが、そうしますと、役員は本来退職時にならないともらえないものが今回の措置で臨時手当が入りますわと、あとまた就任をすればこれから積み立てられて退職金の権利がふえるわけですからね。だから、これは全くの臨時収入だなという感覚をやっぱり持たざるを得ぬのです、今日の状況の中で。これは大変な感覚でしてね。したがって、こうした場合に個別に当てはめて適合性をどうこうだという話を私はする気持ちはありませんけれども、少なくとも前回の委員会でも指摘をされておりますように、たとえば天下りは大体半数ぐらいにとどめるんだといういままでの方針だとか、あるいは役員を一割方減らしていこうじゃないかという方針だとか、そういうことをにらみ合わせながら新しい事業団についての役員の人選あるいは構成、こうしたものについては私はもっと検討をすべきじゃないのだろうか、こういうふうに思うんです。その辺のお考えはいかがなものでしょうか。それは局長では答弁できぬでしょう、むしろ大臣から。
#26
○国務大臣(亀岡高夫君) その辺にやはり両事業団合併の一つの大きな意義があろうかと思いますので、その辺、天下りをできるだけ防止してまいるという閣議決定もあることでございますので、その辺をぐっとにらみながら、先ほど来の御指摘等も十分考慮して新役員を決定をしてまいりたいというような気持ちを持っております。
#27
○坂倉藤吾君 まあそれ以上追及をいたしませんが、ぜひともその辺は、既定の事実というようなかっこうでいかれるんではなくって、ひとつ再度具体的にメリットあるものにし、しかも、なるほどと第三者がながめてみましてもうなづけるようなかっこうにぜひひとつ大臣責任を持ってやってもらいたいと思います。
 もう一つの問題は、一番私これが気にかかるんですが、蚕糸事業団の場合には六十億三千三十万円のいわゆる資本金をもって運営をされておる。それから糖価の方は、これは資本金はなくて、国からの運営補助金、交付金、これでもってやっておる。これは一つの事業団の性格としてはまことに雲泥の差だと思うんですね、正直に申し上げると。言うなら形はよく似ているし、扱う仕方についてはよく似ているということは先ほどの説明でもよくわかります。わかりますけれども、事業団自体の根本的な性格は私はここにあると思うんです。この性格の根本的に違うものをこれからどういうふうにされようとするのか。いまのままでそのまま合併をし、異なる性格のものをそのまま一事業団で片方はという、いつまでも現行のままでひっつけたかっこうにしていくのか、この辺のお考えについては一体どうなっていますか。
#28
○政府委員(二瓶博君) 御指摘のとおり、蚕糸につきましては資本金、それから糖価につきましては国からの補助金あるいは交付金というように、その財政基盤、これが違うということは御指摘のとおりでございます。新事業団に移行いたしましてからは、蚕糸と糖価におきまして経理を区分をして運営するということとなるわけでございますが、蚕糸、糖価の両部門の事業内容につきましては現行事業団の業務をそのまま引き継ぐということにいたしておりますので、財政基盤が違うということから差異が出るというようなことはないのではないかと思っております。具体的には、蚕糸関係につきましては認可予算の検討段階におきまして、糖価関係につきましては一般会計の予算要求、これはその運営費補助金なり交付金というのが一般会計になりますので、一般会計の予算要求、それから予算成立後の認可予算案の検討段階という場面におきまして十分調整をしていく考えでございます。
#29
○坂倉藤吾君 これは提案にありますように、両事業団の経理は完全に分割をするというのは、これはもうわかり切ったことです。しかし、そのままで将来いくのかどうかという話を私はしているんです。このままでいいのかどうか。性格の問題にまで、きちっと論議といいますか、視点を当てないのかどうか。いま局長は、一般予算であっても、あるいは運用益、あるいは出資を持っておっても、資本金を持っておっても、結果的には認可予算というかっこうで枠を締めているから関係はないと、こう言うんですが、予算は、御承知のように毎年毎年の国の予算事情によって大きく左右される性格を持っていますね。出資金まで国の予算で縛られるはずはないんでしょう。となれば、私は基本的に両事業団の運営というのは違うと思いますよ、あなたは一緒だと言うけれども。認可予算で縛るという話は、むしろ低い方へならすための縛りしかないんじゃありませんか。実際に仕事が効率的に運用できるような立場で、もう少し事業団の自主性を尊重しながらあなたの方が見ていくという姿勢じゃないでしょう、少なくとも。逆になるのじゃありませんか。そうしますと、この事業団の性格の異なりというものはいろんな面で響いてくることは明らかでしょう。
 たとえば、これから私先へ進めていきますけれども、労使関係の問題一つ取り上げたときに、一体どういうことになりますか。予算とのかかわり、あるいは団のこの資金的な違いというものは明らかに出てくるのじゃありませんか。そういうことを絶対に影響させないというあなたの方に自信がある、あるいはそのことはきちっと保証しますよと言うのなら、その保証をしてもらう担保になるものは一体何があるのだろうか、私はそれを聞いておきたいんです。経理区分を明確にするということだけで事業団としての運営の性格の全く違うものを一緒に扱うなんて話に私はならぬと思う。この辺の私の疑問に対してきちっと説得をしてくれませんか。
#30
○政府委員(二瓶博君) 労働条件というようなお話も出ましたのでお答え申し上げますと、労働条件につきましては、統合後、両事業団の職員が一体となりまして効率的な業務運営に携わっていくということが必要であるということは当然でございます。したがいまして、基本的には統合後の事業団職員は同一の労働条件にあるというのが望ましい、かように考えております。したがいまして、今後統合までの間に、両事業団におきましてそれぞれ労使間で十分話し合いが行われていくというふうに考えます。また、統合後におきましても、労働条件につきましては労使間で十分に話し合いが行われていくものと考えております。その際、労使双方が今次の統合は行政改革の一環として行われるものであるということ、また国の財政事情が厳しいものとなっていること等についても十分留意していただきたいと考えるわけでございます。
 ただ、ただいまお話ございましたように、この財政基盤といいますか、そういうものが糖価関係、蚕糸関係違うわけではございますけれども、そういう労使関係、労働条件等につきましても労使双方が話し合ったラインというものを尊重するというのは当然でございますので、蚕糸関係についての認可予算の検討段階、それから糖価関係の方は、先ほど申し上げました一般会計の予算要求とそれから成立後の認可予算の検討段階、その面でそこは十分調整をするということで対処していきたいというふうに考えておるわけでございます。
#31
○坂倉藤吾君 私の質問に対していま六〇%の答弁なんですよ、正直言って。それはどういうことかと言えば、性格の異なる事業団を一つにしていつまでもそのままでいいのかどうかということの中で、具体的にそのことの弊害なんというのは端的に労使関係にあらわれてきやせぬのかと、こういう質問なんですよ。いや、そうではありませんと、片方は資本金を持っている、片方は毎年の予算の補助ですと、そういうことはあるけれども、そんなことは関係なしに自由にできますよと、あなたそういうふうに言い切れるんですか。
#32
○政府委員(二瓶博君) 新事業団になりましても勘定区分を設けておりますので、それぞれ蚕糸関係あるいは糖価関係の財政基盤といいますか、そういう面で差異があることはおっしゃるとおりでございますけれども、労働条件というような問題につきましても、なるべくこれは一本化していくというのが望ましいわけでございます。
 ただ、これにつきましてはいままでのいろんな経緯もございます。よく見ますと、確かにこの労働条件そのものにつきましても、現在の両事業団では若干の差異があるということはこれは否めないことでございます。その面につきましては、統合前あるいは統合後におきましても労使双方で誠意を持って話し合っていくということだろうと思います。こういうものを基本にしながら、やはり所要の予算措置といいますか、そういうものも考えていかなけりゃならぬわけでございます。
 ただ、この予算的な裏づけという際には、当然蚕糸関係には認可予算という問題がございます。糖価の方は、先ほど申し上げましたように、一般会計の予算要求と予算成立後の認可予算というのがあるわけです。その一般会計の予算要求にしても、これは毎年毎年なんだから要求したとおりもらえるのかという御心配もあろうかとは思いますが、これは予算確保に所要のものはいただくように大いに努力するということしか言いようがないわけでございますが、そういうようなことで十分調整を図っていくということで対処していきたいということを申し上げたわけでございます。御理解をいただきたいと思います。
#33
○坂倉藤吾君 やっぱりわかりません。これは大臣、政策的に見ましてこの相違は将来解決をしようと思わないのですか、どうでしょうか、経費部門。
#34
○国務大臣(亀岡高夫君) 今度新事業団ができまして、結局新事業団が繭糸価格安定法並びに糖価安定法ですか、それらの法律に基づく仕事の実際部門を担当していくということになるわけでありますので、そこに勤務する職員の皆さん方は、当分の間は二つの事業団が一つになったような形を持っていきますので、あるいはいろいろ労働組合等も二つあるということがそれがどういうふうにして一つになっていくかという問題も具体的には出てこようと思います。そういう際にはやはり労使の間で話し合いをしていただいて、そうしてやはり新しい事業団、将来生々発展していけるように労使関係の体制をきちんとしてまいるということが当然なされるであろうと、こう予想されるわけであります。したがいまして、その給与問題等につきましては、その新事業団としてこれまた労使間で話し合いをして調整をしてまいると、こういうことになろうかと思いまするし、まあいつまでも二つの事業団が一つになったんだからといったようなそういうしこりと申しますか、そういうものはできるだけ早く解消して、新事業団としての体制をとっていただきたいなというのが私ども政府としての希望であるわけでございます。
#35
○坂倉藤吾君 私の質問の仕方が悪いんでしょうか、どうも食い違うんですがね。というのは、大臣言われますように、新しい事業団になりまして二つのものが一つになるわけですね。一番の最高の責任者というのは一人になるわけですから、言ってみると二人おったのが一人重なるわけですね。頭は一つになる。その場合に、たとえば右手の方が自前の資本金を持っている。左手の方は政府から毎年毎年注射をもらわないと運営ができない、こういう性格のものが右手と左手にできるわけですよ。この形のままで将来もずっといくんですかと、こう尋ねているんですよ。労使関係はもちろんそれは統一をしなきゃなりませんから、その問題はそれはいいんです。いわゆる事業団の性格の問題としましていつまでもそのままなんでしょうかと。将来、たとえば糖価関係についてもこの際に資本金なら資本金を持って、蚕糸と同じように自前でその事業がある程度経費的には捻出のできるほどのかっこうというものはつけなくていいんだろうかどうだろうか、そこのところの検討は行われているのかどうかという話を私はお尋ねをしているのです。それは政策だ。大臣どうですか。
#36
○国務大臣(亀岡高夫君) その辺よくわかるわけでありますが、それぞれ根拠法によってやっておりますので、法律の改正が当然やはり考えられなければならぬと、こういう感じがいたすわけであります。したがいまして、まあ新事業団がスタートいたしまして、そういう面においてさらにいい施策、いい方法と申しますか、そういうものがあるということが確認されればやはりその辺是正をしていかなければならぬと、こう考えます。
#37
○坂倉藤吾君 私がここをなぜ突っ込んで聞くかといいますと、現に農林水産省にしましても、予算の獲得段階では大変な苦労をするわけでしょう、大蔵省とけんかして、はっきり申し上げれば。それでもなかなかやりたい施策でも満足にいかないという場合がたくさんあるんじゃありませんか。特に事業団の場合は、農林水産省の監視があり、農林水産省を通じて大蔵省とも折衝をし、この問題が整理をされていくことになりますね。そういう条件の形の中で、たとえば自分の資本金を持っているのと、いわゆる運用益を生み出してやっていこうとするのと予算措置で運営をしているのとでは相当大きな違いというものが具体的にあらわれてきやせぬのだろうか。あらわれてこないという担保があるのなら私はそれを示してもらいたいと、こう言っているんですよ。それならそれで納得するんです。そこのところを押さえてないと、同じ苦労の仕方でも、片方の苦労と一緒になりながら右側と左側で苦労の仕方がうんと違ってくるようなことじゃ困りますよと、ここのところを抜本的に検討するそういう工夫というものが行われなきゃおかしいんじゃないんですかと、こう言っているんですがね。
#38
○政府委員(二瓶博君) 新事業団ができました際のこれに対する指導監督という問題、これにつきましては、業務部門は蚕糸関係は農蚕園芸局、糖価関係は食品流通局ということでございますが、共通部門につきましては、これは両方で協議していきますけれども、窓口は農蚕園芸局ということでございます。したがいまして、先ほど来申し上げておりますように、蚕糸関係につきまして認可予算、それから糖価関係で一般会計の予算要求と成立後の認可予算ということに相なるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、この段階におきまして両局において十分その辺の内容なりあるいは大蔵との、財政当局との折衝の問題等におきましても十分連携をとりながらやっていくということにおきまして所要のものは確保をするということで、労働条件その他につきましても、労使間で話し合いのついたラインというものを尊重して、それに所要のものは予算措置も考えていくということで調整をしていけば対処できるのではないかというふうに現段階で考えておるわけでございます。
#39
○坂倉藤吾君 両参考人にちょっとお聞きをいたしたいんですがね。どうでしょうか。蚕糸あるいは糖価それぞれの立場からながめて、これが一緒になるわけですね、今度の計画ではね。一緒になる場合に、いま私がいろいろお尋ねをしている関係は気になりませんか。どうでしょうか。いわゆる運営の根本がそこに異なるということについて、それが一緒になった場合に問題が提起をされないかどうか。されなければ一番いいんですがね。相違点、将来のこの運営にそれが一つになって支障を来すようなことが起こりはしないものかどうか、ここの点を現行に照らしてみてどういうお感じを持っているか、お尋ねをしたいと思いますね。
#40
○参考人(松元威雄君) 先生のいままでの御議論を拝聴いたしておりますと、新しい事業団の問題でございますから、あるいは私はその片方しか持っておりませんから、果たしてお答えができるかどうか若干問題はございますが、まず現在におきまして繭糸価格安定制度の実施機関としての蚕糸事業団、この立場からやっぱりお答えすることになるわけでございますが、そうしますと、何と申しましても、統合した後において、現在繭糸価格安定制度の実施機関としての日本蚕糸事業団がこれまで果たした機能、これがちゃんと確保されるかと、それがやっぱりどうしてもまずポイントであると、その次に、それがいまよりもっと効率的に運営できるかと、こうなるわけでございます。そういたしますと、この法案によりますと、従来の業務はそのまま引き継がれると。それからまた経理区分も、いま御議論ございました経理区分も確保されると。そういう意味におきまして、蚕糸の立場としますと、従来の仕事もちゃんとやれると、しかも経理区分も別であると、したがって従来どおりの機能を果たせると、こう思うわけでございまして、あとは、さらに統合によって先ほど来議論ございます役員数の削減でございますとか、あるいは供給活動の合理化でございますとかいうところを通じましてさらに効率的にできるということが期待されると、こう考えられるわけでございますから、機能の維持については心配いたしておらないわけでございます。
#41
○参考人(岡安誠君) 事業の実施面につきましては、いま松元参考人が言われたとおり、私どもも従来どおりの機能が維持されるものというふうに考えておりますので、心配いたしておりません。先生の御質問も、恐らく一般管理費といいますか、運営予算について十分両者均衡ある措置ができるかという御心配だと思いますけれども、まあ先生十分御承知のとおり、財源が蚕糸関係は出資金の運用による利益によってそれを財源とする、私どもは予算措置によって補助金としていただいてこれを財源にしている、ただそれが違うだけでで、あとはそれぞれ事業計画をつくりまして政府の認可を受けるということでございます。したがって、私どもも、従来もそうでございましたけれども、ほかの事業団と比べて非常に条件が悪くならないように予算要求の段階等で御配慮をいただいているということでございますので、今後も当然予算要求の段階また予算を決定する段階におきまして均衡ある措置を政府の方でしていただけるものというふうに考えておるわけであります。
#42
○坂倉藤吾君 もう一つ聞きますが、二瓶局長、そうしますと、理事長、それから総務部関係が統合される、こうなりますと、当然これは総務部の場合に共通的な作業に立つだろうし、理事長は一人でありますから、これは両方平等に見なきゃならぬと、こういうことになりますね。その場合の原価計算でいきますと、これは全くの半々で見るんですか。
#43
○政府委員(二瓶博君) まあ統合後におきます役員なり職員の経費等の分担関係のお話だと思います。
 考え方といたしまして、役員につきましては半々で持とうというような、蚕糸と糖価の方で半々で持つと。それからあとはその共通管理部門である総務部等につきましては、それぞれの面から見た頭数、人頭割り的な面でのアロケーションをやってはどうかというようなことで現在検討中であるということでございます。
#44
○坂倉藤吾君 まあそれ以上突っ込まないことにします。これは大分問題が発生をするであろうということを予測をしていますので、ぜひそうならないように、私の心配が余分な心配になるようにせっかくのひとつ努力をしておいてもらいたいと、こう思います。その場合の責任はとってくださいよ、もし問題が発生しましたら。
 それから、いまもお話がございましたが、新事業団は一切の権利及び業務を承継をする、こういうふうに言明をされているわけですね。そうしますと、先ほどまあ行革の方針に照らして考えよというふうに注文をつけましたが、この一切の権利義務を承継するという話になりますと、管理職における天下りというより天下られる方ですよ、天下られるいわゆる義務、これは承継をしないというふうに理解してよろしいですな。
#45
○政府委員(二瓶博君) 一切の権利義務を承継するということにいたしておるわけでございますが、天下られる義務とか権利とかというのは、これはいわゆるそういう権利義務という話ではないのではないかというふうに思いますので、これは人事の問題でもございますので、そういうものではないと思っております。
#46
○坂倉藤吾君 確かにこれは権利義務のうちに入らない。ところが、入らないけれども、糖価の場合を見ましても、蚕糸の場合を見ましても、もう部署が固定をして、これは大蔵省から来る、これは農林水産省から来ると、部署まで決まって、この前村沢委員が指摘しましたように、いわゆる世襲が常道化をしてしまっている。これじゃ、たまりませんよ。本来権利義務に当てはまらないものがすでに権利義務になっちゃっている。これはぜひこの際粉砕をしてくださいよ。権利義務でないものを権利義務らしく押しつけるようなことは一切やらない、もしそれを押しつけようとするのなら、農林水産省がもろ手を張ってこれを食いとめる。食いとめる立場が、堂々とよそは食いとめといて自分が侵略したのではこれはお話になりませんから、これもやめる。明確にしておいてくださいね、そういうのはないと。これからそういう方式はとらないと、いいですか。
#47
○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほど申し上げましたように、五十四年の十二月の閣議決定の趣旨に従いまして、天下りはできるだけ避ける、半数以下にとどめるという方針があるわけでありますので、その線を基本として進めたいと思います。
 しかし、先生御指摘のとおり、やはり非常に蚕糸をめぐる情勢、糖価をめぐる情勢非常に厳しいという折柄でもありますので、何もわからぬ人を役員に引っ張ってきてもこれはどうしようもありませんので、その辺の人選に私は相当神経を使わなくちゃならぬのではないかなと、こう思っております。やはり能力のある人、本当に職員の信頼を受けて、法律に定めてある所掌事務を適確にさばいていける能力のある人をやはり重点的に選定をしていかにゃなりませんので、その辺を十分考慮をいたしまして、その職に十分たえる人をできるだけ天下りでないような立場で選ぶと。なかなかこれはむずかしいことでございますけれども、努力をいたしたいと、こう思います。
#48
○坂倉藤吾君 生きた世の中ですからね。私は原則で言っているんでして、全然例外を認めないという話じゃありません。しかし、今日までの状況をながめていきますと、たとえば事業団へ入った人がある程度めんどうを見てもらおうとすれば、その人のかわりに泣きつくところは農水省ですから農水省へ泣きつく。泣きつくと、それはじゃ、めんどう見てやろう、めんどう見てやるかわりに今度はこれを受けろよというような話になって、それが既得権化をしたようなかっこうになって現行がつくられてしまっている。私はこれをやはりきちっともう一遍見直さなきゃいかぬ。これは大蔵省の場合でも一緒ですよ。大蔵省の人を受けておけば、予算折衝の場合に少しはにおいをかがしてくれるだろう、こういう期待で皆押しつけられているのですね。私はこの問題は官僚の諸君からはしかられるかしりませんけれども、あのやろうけしからぬという話になるかもしれませんけれども、私はここはやはり問題点だと思いますよ。しかも、事業団もだんだん年々やはり熟練者が出てくるわけでありますから、ここのところはやはり踏まえてその辺の整理をきちっと図る時期だと思うのです。ちょうど事業団の統合という時期を、そういう活力を求めるための施策にぜひひとつやってもらいたい、こういうふうに――ここのところは前回非常に多く論議をされましたからこの程度にしますが、約束をいただけますね、もう一遍。
#49
○国務大臣(亀岡高夫君) 事業団の設立以来相当な年月を経て職員もどんどん育ってきておるわけでございますので、内部の抜てきというようなことも十分考えるように、新理事長を任命する際に十分その辺のところを私なり局長の方から徹底をさして、御趣旨はできるだけ生かしていくように努力をいたします。
#50
○坂倉藤吾君 次に、現行の両事業団の職員の給与、これは基本給、諸手当ですね、それから勤務条件あるいは福利厚生、
   〔委員長退席、理事坂本親男君着席〕
その他いろんな多くの点で前回問題になりましたように、現実に蚕糸の事業団と糖価の事業団では格差が存在をする、この格差の存在することについては認識をいただけますか。
#51
○政府委員(二瓶博君) 両事業団の労働条件、これを個別に見ますというと、それぞれ両事業団ごとの経緯等もございまして、若干の相違があるということは否めない事実でございます。
#52
○坂倉藤吾君 そうしますと、これは大臣にお尋ねをいたしますが、いま局長が言われましたように、現実に格差がある。この格差の是正の問題は、いままでの説明の中でもいわゆる一本化が望ましい、しかし、労使関係のことですから労使で意見が一致をしないと前進をしませんしね、というような答弁になっている。私はそれはその筋だろうと思うんです。ただ、そのための努力の関係がございましてお尋ねをするのですが、格差を解消していくことが前提に立つとするならば、その格差解消というのは統合前に行うことがいいのか、あるいは統合後早い時期に行うのがいいのか、この辺の判断としては大臣、どうお考えになりますか。
#53
○国務大臣(亀岡高夫君) 新事業団になりました際に速やかに一本の体制になれることが私どもとしては望ましいことではありますけれども、統合前にもいろいろ研究をし、考え、話し合いをすることもこれは可能だと思いますので、やはり統合前にそれぞれの事業団で検討をし、そして一緒になると、なったときにその未解決の点をどう解決をするかというようなことを話し合うと、こういうことになろうかと思います。法律の審議もここまで進めていただいておるわけでございますので、十月からスタートするということになりますと相当まだ月日もございますので、その間にそういう点をどのようにして待遇の問題を格差のないようにきちんとしてまいるかということは私は非常に大事なやはり事柄であろうと、こう思いますので、その点は、統合前に話し合いすることのできる問題と、統合後でなければできない問題とあろうかと思いますが、その辺のところはやはりこれは労使間で話し合うことでございますので、その自主的な折衝と申しますか、交渉と申しますか、そういうものが正式にできる段階にきちんと決めていくということが私は本筋であろうと、こう思います。
#54
○坂倉藤吾君 結局、事前が望ましいということですね、本来は。しかし、それは労使関係のことですから、場合によっては統合後に持ち越される問題もあるだろうと、こういうことなんですね。
 そこで問題は、労使関係ですから、両当事者がその気にならなきゃならぬわけですね。その気にならなきゃならぬと同時に、それを解決する能力というものが両方になければならぬわけです、解決能力。そうしますと、私が心配をいたしますのは、これは蚕糸でもそうなんですけれども、まして糖価の場合、先ほども言いましたように、
   〔理事坂元親男君退席、委員長着席〕予算で総枠が決められている。その中でいわゆる金のかかる問題――労使関係の改善ということになれば大概金にかかわる経済的な問題もあらわれできますよね。そうしますと、その場合に予算の枠で縛られてしまって、当事者にいわゆる解決をしたくてもできないという問題が発生をするのじゃないのか。とりわけ、もう本年度予算は決まりました。これから十月一日に向かって統合ということが前提になって、この法案が成立しますと両方がやっぱり必然的に滑り出す。その場合、どれだけ努力しましても、一番肝心のものを解決をしていくいわゆる資金能力がなくて、気持ちの上では一致をしておっても解決ができないということになったのでは、これはせっかく大臣がここで統合前になるべく統一をした方がよろしいと、こう言っておっても、これまたらちの明かぬことになってしまいます。この辺の当事者能力について、これは大臣として保証をいただけますのでしょうか。よし、この際に労働条件を統一するためのことなら、おれは政治家としてこの法案を提案をした立場から言って体を張ってひとつそれは保証しましょうやと、この辺の約束をいただけるかどうか。いかがでしょう。
#55
○国務大臣(亀岡高夫君) 実は私も農林水産大臣に就任した一番最初の記者会見で、農林水産省の職員並びに関係機関の職員諸君がそれぞれその職責を十二分に果たすことのできるような環境をつくっていきたいと、そのためにまず一番先に努力をすると、こういうことを申し上げてきておるわけでございまして、その点につきましては、やはり今度新しく役員になられる理事長等ともよく相談をいたしまして、そうして予算編成時あるいは政府の一般公務員の人事院勧告によるベース改定等の機会を活用いたしまして、やはり労働組合の言い分と申しますか、そういうものにも十分対処していくことのできるような努力をせにゃならぬなと、そういう気持ちは持っております。
#56
○坂倉藤吾君 それだけですか。私が言っていますのは一般的な公務員準拠の話じゃなくて、いいですか、現に蚕糸事業団と糖価との間に格差がある。労働条件に格差があります。進んでいるか低いかということの論議をしているんじゃない。現に一緒になろうとしているいわゆる労働者の中に、一緒にならなきゃならぬところに一つの格差がある。これはいままでの歴史的な経過がそう踏まえているわけですね。したがって、この格差は統一をするまでの間になくした方がよろしい。ところが、なくすためには当事者能力が必要じゃないですかと私は心配しているんです。だから、新事業団になりまして、新事業団の理事長が当事者能力を保証してもらうと、これはありがたい話なんです。ただ、その以前の問題として、十月一日を迎えるに当たっていわゆる蚕糸と糖価の格差については埋める、埋めることについても私は当事者能力は相当云々をされることになりはせぬのか。したがって、ここの点は、そんなことで当事者能力があるとかないとかという論議にならないように大臣としては保証していただけるのでしょうかどうでしょうかと、こう聞いているんですがね。これは大臣ですよ。
#57
○国務大臣(亀岡高夫君) その辺私が保証すると言う権限もございませんから、今度新理事長に就任する人ともよく相談をいたしまして、そういう環境をつくるというのが、先ほど申し上げたようにこれは私の大事な仕事でございますから、そういう点で努力をしていくことはこれはもう当然でございます。そうして、新しくできた事業団が、二つの事業団が一緒になって、給与上のいろいろな格差がごたごたのもとになるというようなことがあったのではいけませんので、そういうことのないような配慮も私どもとしてもせにゃいかぬということはこれはもう当然のことであると、こう思います。
#58
○坂倉藤吾君 これは岡安さん、いまの点は十月までに、統合するまでにあなたの責任としてこの問題は解決をすべきだと私はこう思うんですね。その辺腹構えはいかがなものでしょうか。
#59
○参考人(岡安誠君) 確かに両事業団の職員の労働条件、差がございますので、私どもも先般労働組合ができましたので労働組合といろいろ話し合っております。組合の方からは、やはり労働条件を改善、向上してほしいという要求がございます。私どももちろん統合までに両事業団の職員の労働条件というものはできるだけ差がないようにした方が適当だろうというふうに考えておりまして、当然そういう方向で組合とも話し合ってまいりたいと思っておりますが、先生御指摘のとおり、労働条件を改善するに当たりまして金が必要な、それも大幅な多額の金を必要とするような要求もございます。しかし、そういうものはなかなか要求にこたえるわけにはまいらないということもこれはもう実情でございます。たとえば、最も大きな問題でございます給与表一つとりましても、これを金のかからないように改定をするのには上げる人もいれば下がる人もいるという改定になりますけれども、それではなかなか労働組合との話し合いがまとまる可能性も少ない。そうすると、幾分なりとも上げる方向で改定するということになりますと、これは予算を要することでございます。これは年度途中だめならば、補正予算がなければ金も十分来ませんし、そういう意味合いからいきまして、全く不可能ではありませんけれども非常に困難な事柄であるわけでございます。しかし、私ども、組合の要求の中にはそういうことではなくて要求にこたえ得るものもないわけではございませんので、私どもできる限り、できるものは統合前の時期におきまして改善をしてまいりたいというふうに思っております。
#60
○坂倉藤吾君 大臣、いまお聞きのようなことでして、少しぐらいの支出はこれはできるというのですね。しかし、大幅に経費を要するような改定に通ずるものはできないと、こうなるわけです。こうなりますと仮にこれが格差の問題として現にあるものについてやりたくてもできないということに通じてしまいますね。これは団体交渉の場ではありますし、細かに労働条件の問題を具体的に私は詰めようというふうには思いません。しかし、少なくとも概括的に、事業団が統一をして一つの事業に合併をするという前提に立つとするならば、私はやっぱり格差の問題はきちっと解決を事前にする、これが前提じゃないのか、したがって、そこのところをやっぱり保証してもらわないことにはお話にならぬのじゃないでしょうか。精神条項大いに結構、個々具体的になれば、これは金がかかりますからだめですよ、これもだめですよ、こういうふうになったんじゃこれはちょっと問題ですね。現にその問題に突き当たる。それはいま大臣が直接の責任者じゃありませんけれども、直接の責任者である糖価の理事長がいまの答弁です。ここを何とか整理をしてもらわないと私は具体的に進んでいかないんだと。ここの認識はいかがなものでしょうか。
#61
○政府委員(二瓶博君) 先ほど、両事業同におきまして個別に見ますと、いろいろいままでの経緯等もありまして若干の相違があることは事実でございますと、否めない事実でございますというお答えをしたわけですが、たとえば給与体系の関係にいたしましても、生涯賃金と申しますか、事業団に入りまして、あと退職するある相当年限までの間を計算しますと、大体両方ともほとんど同じでございます。ただ問題は、それまでの過程が、現在の給与格づけの過程が両事業団においては違っております。新しく大学等を出まして入ったという場合に、当初の数年間はこれは糖価の方がよろしいと、しかし、その後は相当長い期間はむしろ蚕糸の方が有利であると、しかし、先になっていくと今度は糖価の方が有利であるということで、ずっと生涯賃金といいますか、そろばんを入れますと大体同じだというような給与体系といいますか、格づけの仕方になっておるというようなことがございます。したがいまして、こういうものを事業団が統合しました際にどうそこを一本化していくかという問題が確かにあるわけでございますけれども、高い方だけとっていくというわけにもまいらぬかと思いますし、さればといって低いものだけに右へならえするわけにもいかないと思います。その辺は、これはあくまでも両当事者である理事長と労働組合の方とで誠意を持って話し合いをしていく、そういうものの中において得られた合意というものをベースにして、また金のかかるものは認可予算という問題、あるいは糖価関係の方については運営費補助金というような問題にもなってこようかと思いますけれども、そういう合意をベースにしまして所要の経費の方は確保するよう努力するということに相なるのであろうというふうに考えておるわけでございます。
#62
○坂倉藤吾君 基本給与の問題というのは、いま言いましたように、生涯的な展望のものもありましょうし、あるいは短期的に見る場合もありましょうし、しかし、いずれにしても個人の現にある状況の中から比較をしていくというのがこれは通常ですね。したがって、昇給制度をとっている給与体系の中でこれを直ちに私は比較――比較の仕方もむずかしいわけですから、簡単にその比較をしてどうのこうのという論議を私は展開しておるのじゃありません。しかし、現に、もっと端的にはっと比べてみてこれはどうかと思うのは幾つかあるわけですから、そうした問題等についてはやっぱりきちっとしてもらわなきゃならぬ、これは。しかも、生涯給与の関係は格差の問題でとらえるのではなくて、蚕糸の場合とたとえば糖価の場合と、いわゆる基本給の場合ですよ、これはそれぞれの組合の理解の仕方はうんと違うんです。ですから、この種の問題を簡単にこれ格差あり、どうのこうのという話での私は論議対象にはならないと思うんです。しかし、基本的な踏まえ方についてはもっと私はやっぱり保証すべきは保証するという観点を明確にしてもらわなきゃいかぬですね。
 具体的にじゃ少し入っていきたいと思いますが、たとえば出張所の場合、蚕糸の事業団の場合には二カ所ですね。それから糖価の場合には十六カ所ございますね。十六カ所あるのと二カ所あるのとでいけば、これは宿舎その他について大変問題が提起をされるはずです。そうしますと、宿舎が一体どうなっているのかという現状、それからこの宿舎に対して一体両者の違いがあるのかないのか、こういう観点からいきますと、私は細かいことは言いませんけれども現実に違いあり、こうなります。これらの問題は私は直ちにこれ解決すべき課題じゃないんでしょうか。これはむしろ当事者に聞きましょうか。岡安参考人、いま宿舎はどうなっていますか。
#63
○参考人(岡安誠君) 現在糖価安定事業団におきましては、事業団が所有いたしまして職員に貸し付けております宿舎は二十戸ございます。それ以外に借り上げ宿舎と申しまして、事業団から一定の助成といいますか手当を出しまして、職員の負担を軽減する形でもって手当てをいたしている宿舎が九戸、合計二十九戸あるわけでございます。
#64
○坂倉藤吾君 このたとえば借り上げの問題なんかにいたしましても、蚕糸の条件はお知りになっているわけでしょう。それと比較をしますと大分差がありますね。とりわけ借り上げの場合なんかは、転勤になった人が具体的に自分で探してくる。敷金、礼金も全部自分で払わなきゃならぬ。そうして払って、その家主に毎月の家賃を納める。同時に、その自分で見つけてきた家がこれは蚕糸事業団の借り上げ宿舎と、こういうふうに指定されるものですから、事業団の方へも借り上げ費を納める。こういうようなやり方になっているんじゃありませんか、違いますか。知らなきゃいいですよ。
#65
○参考人(岡安誠君) いま、蚕糸のようなお話だったんでどうかと思いましたけれども、糖価安定事業団につきましては、蚕糸は何か聞くところによりますと蚕糸事業団が借り上げをいたしまして職員に貸し付けるといいますか、転貸をするといいますかというような形のようにも承っておりますが、私どもでは違いまして、本人が借りましてそれに対していま申し上げましたように助成をするといいますか、一部事業団が負担をするという形になっております。したがって、そういう様式も違うこともございますが、本人に対します助成の内容もやり方が多少違っております。確かに違っております。こういう点等につきまして、やはりおっしゃるとおり、将来一緒になったような場合にはなるべく同じような形の方が望ましいわけでございますので、これはそういう要求も労働組合からも出ておりますので、これはひとつ組合ともよく相談をいたしまして、できることできないことがあるかもしれませんが、検討をしてまいりたいというふうに思っております。
#66
○坂倉藤吾君 相談をしてできることできないことというのじゃありませんけれども、さっきも言いますように、現実に格差があって、その格差を解消しなきゃならぬ。何が負担になっているかといえば、借りた人が、自分で探してきた人が言うならば家主を二人持っていることになるのじゃありませんか、いまのやり方は。あなたのところでは、出て行きますね、出て行った方が自由で家を探してこなきゃ入れない。家を探してきますね。探してきますと、そこではいわゆる例の敷金、礼金というものを支払いをして権利取得しますね。この敷金、礼金なんというのは全部個人負担でしょう。ところが、個人負担でその約束をしたものがあなたのところの借り上げ宿舎になってしまう、名義上。そうすると、本人はあなたのところから手当をもらうから、もちろんその手当が全額もらうのなら文句ないでしょう。全額じゃありませんわね、手当なんですからね。その差を含めて約束した家賃を家主に払いますね。ところが、あなたのところの借り上げ宿舎に名目なっているから、同時にあなたの事業団の方へも宿舎借料で金を納めているんじゃありませんか。二重払いになっているでしょう。これは手続から言ったっておかしい。蚕糸の場合は、あなたが言われるように、家を本人が見つけてきましても事業団が借り上げる。したがって、敷金であろうと礼金であろうと事業団がめんどうを見る。これは明らかに借り上げですよ。ところが、あなたのところは借り上げでないのに借り上げのかっこうをして借り上げ手数料を余分に取っているんじゃありませんか。これはばかげた話だと私は思いますよ。だから、そういう問題なんかは私は常識的にさばけばいい、常識的に。これは組合との、確かに労使関係の問題かもしれませんけれども、常識的に判断をしましても私はごくこれは変なかっこうです。あなたのところは名目を大切にしまして、結局本人に負担を強いて、よそから言えば、いま報告がありましたように、借り上げ宿舎九戸持っていますと。これは借りているのは本人が借りているんですよ。それに、あなた、また事業団が借り上げ宿舎料の一平米どれだけか掛けて取っているわけでしょう、片方では手当を出しているからと。そんな話は通用しませんよ、これはね。こういう問題がある。
 さらにまた超過勤務がございますね。この超過勤務の問題にいたしましても、たとえば計算基礎になっている年間労働時間なんですよ。この年間の労働時間、まあ私がお聞きをしておるところでは、糖価の方は二千二百八十八時間というのが年間労働時間としての分母になっている。ところが、蚕糸の方は二千百四十五時間になっている。これは間違いないでしょう。――そうしますと、二千二百八十八時間というのは一体どういう時間のさばき方なのかと、こう言えば、一週の労働時間は四十四時間ですから、四十四時間で五十二週まるまる掛けた時間が、これが二千二百八十八時間じゃありませんか。そうしますと、国が法律でもって年間十二日の祝祭日、国民の休日というのを指定している。日曜日と重なれば振替休日まで指定している。これが今日の世の中でしょう。この年間十二日の、国の法律によって休みなさいよ、お互いに休んで祝福しようじゃないかと、こう言っている日にちの労働時間は一体どこへ行くんですか。あるいは公務員準拠というのなら、年末年始の太政官布告による二十九日以降の年末始の五日間の休みというのは一体どうなるんですか、特別休暇。さらに民間にいたしましても、大体会社の創立日、言うなら事業団の発足をした日等につきましては、これは職場へは出てくるけれども、お祝いをし、その日はまたあすからのがんばりをやろうじゃないかということで労働とは関係のない日、これは常識なんですよ。そうしますと、一週四十四時間の五十二週の二千二百八十八時間から、さらに祝祭日の年間十二日間、あるいは年末始の先ほど言いました特別休暇、太政官布告による五日間、十七日、さらに創立記念日の一日、十八日間というものは労働の時間から免除するというのは、引くというのは、これはもうあたりまえな話じゃありませんか。
 そういたしますと、これは蚕糸の場合の二千百四十五時間も一時間多いんですがね、私の計算からいけば、常識的な計算からいきますと。二千百四十四時間になるはずですよ。同じ超勤の単価を割る分母にいたしましてもそういうふうに格差がある。そうしてそれは、いま採用していることが世間常識からいきましても少し問題があるんじゃないのか。大蔵省の予算のはじき方の基礎が一体どれだけになっているかといいましても、これはやっぱり実態があるんですよ。これぐらいのことは、私はそんなに目くじら立てて労使がしかめっ面をして話をしなくたって整理のできることじゃないんでしょうか。この辺のところは解決をするための一、二の例ですがね。
 あと多くは私は申し上げませんよ。こういう問題ぐらいはやっぱりきちっと誠意を持って解決をしていく、当然の話だと思うんですがね。しかも、こういう問題を解決をしていくためのいわゆる担保といいますか保証といいますか、そそれらについての当事者能力を、これは農林水産省にしたってやっぱり保証する。私はどこへ出したって恥ずかしくない論議じゃないかと思うんですよ。いかがなものでしょうか。
#67
○参考人(岡安誠君) いま先生のお話しの労働時間とおっしゃいましたのは、給与規定に定めてございます超過勤務手当を算出するための基礎になります割るための時間数でございます。それが私どもの方では、一応実際の労働時間とは別に二千二百八十八時間をもって割っているわけでございます。この根拠は、私ども予算によってすべて運用されている団体でございますので、国の予算の積算の基礎が二千二百八十八時間ということになっているわけでございます。それは実態に合わないではないかというようにお話してございますけれども、実はこの二千二百八十八時間という時間でもって超勤手当を算出しているのは、国は大体そういうふうにやっておりますし、私ども農林水産省関係の事業団でも相当部分はそういう関係でやっているところもあるわけでございます。確かに蚕糸の方は二千百四十五時間になっておりますが、これも伺うところによりますと、先生のおっしゃるように休日を除外した数字ではないようでございます。
 したがって、今後これをどういうふうにするか、もちろんやはり労働組合とも相談をいたしましてやっていかなければならない点だというふうに私ども考えておりまして、よく組合とも相談をしてみたいと、こういうふうに思っております。
#68
○坂倉藤吾君 労働基準法の第一条の二項、これは労使の関係の基本なんですね。これは大臣も聞いておいてくれませんか、大臣。労働基準法の第一条二項なんですよ。これは労働条件向上のための労働関係当事者の双方のいわゆる努力義務、お互いに労働者の労働条件について向上させていこうじゃないか、これは使用者の義務でもあるし労働者の義務でもある、お互いが努力を積み重ねていこうというのが労基法第一条の二の精神条項なんですね。それに伴いまして、労基法の中で非常に重大なのは、たとえば事業所の中に労働組合が存在をする場合に、労働組合の意思というものがどういうふうに全体に働くか。これは労基法の関係から言えば、いわゆる二十四条協定、三十六条協定、すべてそこの事業所に働くいわゆる労働者の過半数以上の意思、労働組合があれば労働組合がこれが優先をする、これはもう明確になっているわけですね、いいですか。
 そうしますと、いま両事業団に二つの労働組合がある、これが一つの事業団になる、その二つの労働組合が、これまた一つの事業所に働くけれども、統一するかどうかということは別問題ですよ。現にそのままで一緒になってまいる。一緒になってまいりますが、御案内のように蚕糸の場合には三十五名、それから糖価の場合には九十二名、そうなりますと、過半数はどっちかといえば糖価の組合の方が過半数を制している。過半数になっている労働組合の意向によって、糖価の方が九十二名ですから、糖価の方の組合の意向に基づいて蚕糸の組合も当然運用されていくんですよ、基準法の立場からいきますと。おれのところは別の組合だからと言ってがんばるわけにはいかない、法律的にいけば。たとえば二十四条協定にいたしましても、三十六条協定にいたしましても、時間外労働一つにしましても、糖価の組合が判こを押さなければ、蚕糸の事業団は時間外労働しなきゃならぬでもできなくなっちまう、こういう性格のものを持っています。この辺の運用をこれをうまくやっぱりきちっとしていかなければならぬわけでしょう、皆さんの方では。さらにまた、労組法の第十四条なり十七条、これらのところはいわゆる四分の三規定がございまして、いわゆる両当事者間の署名によって協約が発生します、いわゆる協約の一般拘束力というのは、四分の三以上の組合員の数があれば、そこでの労使のいわゆる協約が全体の、組合に入っていない人にも、あるいは他の組合の人にも全部運用されていきますね。
 そうなりますと、私が心配いたしますのは、たとえば蚕糸の方にいたしましても低い方に足を引っ張られないかという心配が一つあるんです。低い方に足を引っ張られないか、大いに不安ですよ、これは。よく言われる平準化の法則なんです。しかも、あなたのところの方では、予算で運営しているといま答弁がありましたように、国の予算のはじき方の基礎はこうですよと、そのものをやられましたら必ず平準化されますよ。大変な不安なんです、これは。前の委員会のときに組合当事者の両参考人が来まして、今回の場合の不安というふうに言われましたけれども、現実的に法律的にその不安というものは裏づけられているんです。これをそういう不安はないんですよというふうに言えるようにしなければ私は問題がある、こういうことなんです。しかも、四分の三の問題にいたしましても、糖価九十二名ですから、この数字をまるまるでこうはじいていきますと、九十六名が三分の二です、あと四名で低い方へ簡単にならされてしまう、私はそんな組合ではなかろうかというふうに思いますけれども、これはいやでもおうでも法律でそうなっちまうんですから、そこのところをあなた方が逆手に取るような話になったんじゃ、私どもがここで何のために議論をしているかという話になるんです。
 だから、そういうところも踏まえていただきまして、一緒になるまでに労働条件を統一をしてもらいたい、どんな困難があろうともそれを克服をしてもらいたい。というのは、同じところに立って出発をし、同じ安心をして、それから新しいいわゆる改善のための努力を労使でやっていこうじゃないかという姿勢にならないと私は出発点がだめじゃないか、こういう話をしているんですよ。
 これは大臣おわかりいただけますかね。大臣どうも労使関係になるといやな顔をしているようですが、私は今度の両事業団の合併の中で一番の問題点は、一緒になった労働者が本当に気持ちよくこれから事業運営をやっていこうとする意欲を持っているかどうか、持たせることができるのかどうかというところにかかっていると思いますよ。これは大臣きっちりひとつやってください。
#69
○国務大臣(亀岡高夫君) 労使関係の問題でいやな顔はいたしておりません。この点はもうやっぱり働く者が今日の日本をつくっているという意識、働く者を大事にせにゃいかぬという意識、これはもう私は人一倍、人に負けない認識を持っておるつもりでございますので、ただいまいろいろと御指摘いただきました点につきましては、やっぱりこれ行政改革、行政整理というものは、そういう形をつくった結果、やはりそこで働く人がより以上の意欲を持って働いていく、働いていただくというのがこれは国民の期待するところでございますから、合併はしたわ、給与条件は前よりもずっと悪かったわじゃ、これは何のための合併かわからぬというこういう意識を私は持っておりますので、その点は新役員諸君が任命された際には十分話し合いもいたしまするし、また農林水産省の事務当局にも話をいたしまするし、また現理事長も最後の御奉公ということもありますので、その点はやっぱり事業団を愛する両理事長でございますから、十分努力をしてもらって、そうして新理事長に引き継ぐ際には、どこにどういう処理できなかった点があるのかはっきりするくらいにやっていくように私も協力をしていきたいと、こう思っております。
#70
○坂倉藤吾君 私もこうやって論議をさしていただいた立場から言いまして、これからの統合されるまでに至る一つの経過については十分に見さしてもらいたいというふうに見ています。したがって、その過程で心配をしておりますようないわゆる当事者能力がないというようなかっこうで問題が行き詰まらないように、これは農水省もぜひひとつよく相談に乗っていただくということを要請をしておきたいと思います。
 そこで次に移りますが、最近の砂糖の情勢なんですけれども、一口に言いまして砂糖情勢というのは、いわゆる海外相場の高騰、それから消費の全体的な停滞あるいは減退、こういうかっこうの中で、まず第一にはてん菜糖の急激な伸び、それから二つ目には異性化糖の急激な伸び、三つ目には輸入糖のシェアの低下、こういうふうに特徴として挙げることができるというふうに思います。しかも、将来の見通しをずっと見てみましたときに、そういう意味合いでは、今日との部分を取り上げてみましてもきわめて危機的な状況ではないのだろうか。こういう危機的な状況の中で、いわゆる国内産のてん菜、サトウキビ、これの支持価格制度というものはきわめて重要な役割りを占めておる、そして、まだ状況から言えば国内産糖のいわゆる自給率向上というものはさらに努力をしなければならない、こういうふうに考えるわけです。しかし、国内産糖の場合等を考えてみましたときに、じゃあ精糖能力その他から言って、いまこれから自給率を上げていこうとする立場の中で一体どういう状況なのか、これまた大変むずかしいものになっているというふうに思いますし、その辺の対策の基本をどこに置かれて今日の厳しい状況を切り抜けようとされておるのか、その辺の方針を少し説明をいただきたい、こう思います。
#71
○政府委員(渡邉文雄君) 砂糖の需給のいままでの動向でございますが、ただいま先生おっしゃったような傾向があるわけでございます。若干数字に触れて申しますと、四、五年前からごく最近まで輸入量が二百三十万トンということでほぼ安定をしてまいっておったわけでございますが、この一年間五十五砂糖年度につきましては幾つか大きな原因がございまして急激に輸入量の減が生じたわけです。私は多分に短期的な現象の部分が多いというふうに見ておりますが、特に一番大きな原因は昨年の夏は冷夏、寒い夏であったために、夏場にたくさん売れます清涼飲料向けの砂糖の消費というものが非常に減ったというのが、この一年間の輸入量の減少に及ぼす一番大きな原因であったと思います。別途、先生ただいま御指摘のように、最終製品でございます北海道のビート糖が過去二年間に約十万トン近く二年前に比べましてふえたということがもう一つ挙げられようかと思います。南西諸島、沖縄等は粗糖をつくっておるわけでございますから、そのこと自体は精製糖メーカーには、特にその方が増産されましても、輸入量の減にはつながりますが、精製糖メーカーの操業度の減少にはつながらないということで、精製糖メーカーから見た場合には南のサトウキビの増産につきましては特に問題はない。今後とも増産を続けていくべきものだろうというふうに考えております。
 それからもう一つは、数字的にはなかなかつかみにくいわけでございますが、天候その他の理由を背景にいたしました消費者一般の甘味離れというものがじわじわと進行しつつあるのではなかろうか。これも諸外国に比べますと、欧米その他は年間約五十キロ前後、四十数キロ使用しておるわけでございますが、日本の場合には一番多いときでも三十キロ弱で、ごく最近では二十四、五キロということになっておるわけでございますが、これは一人当たりの消費量はそう大きくは今後とも下がらないのではないかという私は見方をしておりますが、それにいたしましても、三、四年前に比べますと一、二割の一人当たりの砂糖の消費の減というものがあるということは御指摘のとおりでございます。
 それからもう一つは異性化糖の問題でございます。異性化糖はもう先生御承知のように、従来国内産の北海道のバレイショでん粉あるいは南九州のカンショでん粉からつくっておりましたブドウ糖メーカーが、その後の技術革新によりまして、非常に甘味度の強い、熱にも、ブドウ糖に比べますとある程度抵抗力のあります異性化糖と申しますものがここ三、四年前から市場に出回り始めてまいりまして、特に昨年の春に果糖分の含有率の多いものがさらに技術が革新しまして出回り始めるというようなことがございまして、これの影響が、輸入糖といいますか、砂糖全体の需要の中で代替関係として一つの勢力を持ってきたということも御指摘のとおりでございます。
 ただ、これにつきましても、異性化糖は御承知のように、その商品特性からいきまして、ブドウ糖ほどではございませんが、熱に弱いということがございます。熱を加えますと褐変するということで、使用の面にもおのずから限界がございまして、現在も清涼飲料に大体四割あるいはバン等に使われておるものが大部分でございまして、特に液体でしか通流できないということもございますのでそう大きく今後伸びるとは思っておりませんが、昨年から過去一年間の現象といたしましては、先ほど申しました果糖の含有率の高い異性化糖の出回りが清涼飲料等にかなり浸透したということがございまして、いわゆる砂糖の消費の足を引っ張ったということは御指摘のとおりだろうと思います。
 これにつきましての対策と申しますか、今後の考え方でございますが、私、五十五年の冷夏によります影響という意味ではむしろ短期的な対応という部分が一つあろうかと思いますし、先生御指摘のように、甘味離れあるいは異性化糖の問題等を踏まえれば長期的な対応という二つの側面があろうかと思いますが、短期的な対応といたしましては、御承知のように去年の暮れからことしの二月ごろまでにかけまして、かなり在庫があるということで砂糖の価格がかなり下がりまして、精製糖メーカーは大変御苦労なさったわけでございますが、適正価格への修正をやろうということで四−六月期の溶糖量につきましてかなり思い切った数字の見直しをいたしまして、価格はおかげさまでここ一カ月ぐらい前から適正水準にほぼ戻ってきております。
 それから、甘味離れ等あるいは異性化糖の問題等につきましての全体的な消費の指向につきましては、これは異性化糖がその商品特性からいきましてどこまでいくかということにつきます。その見方はいろいろあるわけでございますが、アメリカ等の事情を見ましても、やはり消費につきましては、その商品特性から言って限界があるということもございますが、いずれにしましても、長期的な問題といたしましては精製糖企業の構造改善といいますか、体質改善といいますか、特に私、重視いたしたいと思っておりますのは、過去にありました過当競争に基づきます価格の暴落を防ぐ意味での、業界が全体として協調し得るような体質に持っていくということを重点に置きました体質改善ということにつきまして、業界もそれなりに努力はいたしておるわけでございますが、私どもといたしましてもできるだけの応援をしてまいりたいというようなふうに考えているわけでございます。
#72
○坂倉藤吾君 前に売り戻し特例の際にも論議をしましたし、特に業界指導の問題についてとりわけ注文をつけたわけなんですがね。この業界指導、なかなか徹底しにくいような状況を、率直に言って私は痛感をするんです。この辺の抜本的な農林水産省としての強腰を発揮をしないとどうにもならぬのじゃないんでしょうか。ただまあ話をしておりまして、簡単に業界が方針に従ってというような状況じゃどうもないように見受けるんですが、その辺はいかがなものでしょうか。
 それからもう一つの問題は、やはり国内産糖をやっぱりどんどんもっと高めていかなきゃならぬ。高めていきますと、グローバルのいわゆる圧縮に、結果としてはなっていく。いわゆる輸入精製糖の影響がきわめて大きくなるだろうと。そうした場合に、いわゆる安定資金、この安定資金自体が枯渇をして危機に瀕するというようなことになっていくのではないんだろうかという点がきわめて心配なわけですが、この辺、いま二つ質問をいたしましたが、その辺の対応はどんなものでしょうか。
#73
○政府委員(渡邉文雄君) 御指摘のように、精製糖業界は、過去がなり長い期間IQ制度のもとにおきましてかなりの高価格の収益を上げておったという長い歴史があったために、業界内部の自助努力といいますか、協調体制といいますか、そういうものがなかなかとりにくいということは御指摘のとおりでございます。五十二年に特例法をつくりましたときにもいろいろ御論議がございましたことも私も十分承知しているわけでございますが、ただ業界といたしましても、おくればせながらと言いますと語弊がございますが、やはりだんだん真剣の度合いは高まってきておることもまた事実でございまして、昨年の五月に精糖工業界全体といたしまして、一応初めて業界全体の構造改善につきまして、目標数字を挙げて設備の削減に取り組むということを打ち出したわけでございます。いままで私ども個別の業界にヒヤリングをいたしまして、その業界全体として定めました目標数字に対しまして、どの程度の成果といいますか、具体的な計画が上がっているかということは、現在ヒヤリング中でございますが、目標の約半分程度の――具体的な計画としてはまだ上がってきておりませんが、私どもも今後ともさらに先生御指摘の点も踏まえまして、できるだけ業界の体質改善につきまして強い指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
 それからもう一つ御指摘の点は、国産糖の生産がふえてまいりますと、現在の糖価安定法のメカニズムのもとにおきます安定資金について問題が生ずるではないかということでございますが、恐らく安定資金ではございませんでして、先生御指摘は調整資金の方だろうと思います。
 安定資金の方は、下限価格を下回った場合に、輸入価格との差額を徴収をいたしまして、上限価格を上回りました際にそれを放出をして、国内糖価を一定の幅の中におさめるということに使うわけでございますから、これは直に影響はないと思います。
 調整資金の方はそうではございませんでして、上下限価格の中の下限価格を上回って輸入糖が入ってきた場合に、合理化目標価格と輸入価格との差額に一定の率を、調整率と言っておりますが、これ即自給率になるわけでございますが、それを乗じた資金を徴収いたしまして、国産糖のコスト価格と市価との差額のうち、合理化目標価格を上回ります部分は一般会計から、下回ります部分につきましては調整金をもって充てるということでございます。
 これにつきまして現在までのところ、年によっても違いはございますが、自給率の上下によりまして調整率が上がったり下がったりしてきてはおりますが、現在約二五%の調整率を設けております。
 先生御指摘の点は、北海道のビートあるいは国産糖がふえてまいった場合に、調整率が上がってくると輸入糖業者が負担する調整金の単価がふえるではないかという御指摘だろうと思います。そのことは御指摘のようにそのとおりだろうと思いますが、過去の結果を見ましても、現在二五%程度の調整率を用いておりますが、過去におきましても十年ほど前には三〇%を超す調整率で運用をしておったこともございます。それからもう一つは、国産糖と申しましても、北海道にしろ南西諸島にしましても、面積的な限界もございますので、自給率が国内の需要の半分にまでいくというようなことにもなかなかまいらないだろうというようなことを、長期的に見てもなかなかそうはならないだろうという物理的な限界も考えますと、過去の経過等を見ましても、当面特に非常に深刻な問題が起こるということにはならないという見通しております。
#74
○坂倉藤吾君 そんなに心配がないというお話なんですが、実はその辺の見解が少し違いまして、私どもは大変心配じゃないのかと、こう見ているものですから、これはまだこれからの見通し――見通しが正直言ってずいぶん狂っていますからね。見通しをしたものと実績というのは、ずっと五十四年にいたしましても狂ってきていますから、非常に分析がむずかしいところですが、もう少し状況を見なきゃならぬ。ただ、もう土壇場に来ましてどうにもならぬということにならない対策だけは、今日からつけていかなきゃならぬだろうと思います。
 そういう意味合いで心配をする立場からながめていきますと、今日まで甘味関係の法律そのものからいきますと、たとえば第一に糖安法、それから農安法ですね。あるいは売り戻し特例法、それから甘味特別措置法、さらに関税法、定率法、それがございますし、それから関係暫定法、これはコーンスターチの関係ですね、ありますし、それから砂糖消費税法、これがあります。これはキロ十六円ですか、ありますし、そういうようなものからいきますと、価格政策それから生産振興政策ですね。それから関税を壁にしたいわゆる擁護政策といいますか、大体育成政策になると思うんです。それから、国内的にはいわゆる消費政策をどう推進するかというように、非常に幅広く対策はそれぞれとられておるんですが、ただ、それぞれの政策を一貫をして整理をした形というのが残念ながら私は拝見ができないわけですね。それぞれの分野での特徴を持って、確かにこの政策、それを裏づける法律というものがあり、構成をされておるんですが、さらにこれを一元化といいますか、一本化をして、ずっとその一つの方針の中に従うような対策というものに整理を一遍してみる必要があるんじゃないんだろうかという気がしてならぬわけてあります。ここの点をどこをどういうふうに整理をすればそういう一貫した政策になるのかという点は、まだちょっと私も考え浮かばないわけなんですけれども、その辺を早くやっぱり取り組んでいただいて、何らかの形で一貫性が持てるように努力をいただく必要があるだろう、こういうふうに提起をしたいわけで、私どもも少し検討をさらに加えてみたいと思いますが、ぜひひとつ農林水産省としても、この辺のところについて目を当てていただきたいなというふうに思うわけです。
 さらにまあ何といいますか、この前も提起をいたしましたが、いまお話がありましたように、異性化糖五五タイプが出てまいりまして、清涼飲料を中心にいたしましてずいぶん進出をいたしました。まあある程度の限界があるということについては承知をするわけですけれども、もうこれは甘味の分野の中では相当な率を占めてきたことも事実ですし、したがって、これをまあ野放しという言葉は悪いんですけれども、らち外に置いての対策ということにはならぬだろう。したがって、これを包括的にやっぱり整理をしていく必要があるだろうし、いまの安定資金あるいは調整資金その他の関連とも絡ませながら、この辺の整理も図っていくべきだろうというふうに思うんですが、そうした観点についての所見をひとつお聞かせをいただきたいと思うんです。
#75
○政府委員(渡邉文雄君) 前段の御指摘、まさにそのとおりだと思っております。私なりに理解しておりますところも、まず一つは、甘味と言いましても大変多種でございまして、ブドウ糖、砂糖、異性化糖あるいは最近ではステビアというような新しい甘味料も植物甘味料として生じてきております。それからその原料の輸入、国産もございますし、国産も、製品のビート糖と原料である砂糖ビート、両方ございます。
 一方、それに対します調整のための法体制も、育成の面では御指摘の農安法とか甘味資源特別措置法がございますし、国内糖との調整の面では糖安法あるいは関税法、税法の側面もございますし、あるいは特例法という臨時応急の対策措置も講じておるわけでございまして、これを、特に異性化糖の問題も生じたということを踏まえて、全体的にとらえて一貫した対策を整理した政策というものを樹立すべきであるということ、そのような感じは私も持つわけでございますが、いかんせん種類も多く、原料、製品、メーカーも国産、輸入等々ございますので、大変むずかしい問題であることも事実でございますが、私どももなお努力をいたしたいと思っております。
 特に二番目に御指摘の高果糖異性化糖の進出に伴いましての問題でございますが、御指摘のように、そのことによりまして砂糖及び蔗糖の需要が影響を受けているということは事実でございます。さらに、それ以外にも国産糖が非常にふえている、あるいは一般的に甘味離れ傾向があるというようなことで、砂糖をめぐります情勢が変わりつつあることも御指摘のところでございます。
 そういったことで、精糖、特に精製糖業界を中心にいたしまして、単に砂糖だけでなくて、異性化糖その他の代替甘味料等も含めました総合的な甘味対策を考える時期に来たのではないかという御指摘があることも事実でございますが、先ほど申しましたように、消費の動向あるいは異性化糖の需要の動向等々、まだかなり流動的な分野もございます。これらの動向につきましては、私ども十分関心を持ち、その推移を十分見きわめながら、全体の立場での慎重な検討を続ける必要があるというふうに考えておる次第でございます。
#76
○坂倉藤吾君 そういう対処の仕方で当分検討を含めながら進めざるを得ないだろうというふうに思いますが、一つはビート糖、いわゆる国内産糖の課題について、国内精製のいわゆる工場、これは八工場でしたかね。この八工場のいわゆる能力はおおむね五十万トン程度というふうに聞いておるのですが、これといわゆる生産の量とのかかわりの中で、どうなんでしょうか、その粗糖化の事業というものは考えられないのか、どうなんでしょうか。粗糖化をすることによっていわゆる精製糖工場とのかかわりとか、全体の甘味対策とのかかわりというのは、新しく一つの問題が、これは糖種の関係いろいろ問題が複雑だろうと思うんですが、少し開ける対策にはならないんでしょうか。その辺の検討はどんなものでしょうね。
#77
○政府委員(渡邉文雄君) 二年ほど前から北海道のビート糖が大変従来の六十万トン弱が七十万トンはるかに超す形になっております。いろいろ問題があることは事実でございます。ビート生産メーカーの方の側からいたしますと、ビート糖と一般の砂糖、いわゆるサトウキビからとりました甘蔗糖につきましては、品質的に私ども全然差がないというふうに思っておりますが、ユーザーの側からいたしますと、ビート糖に対するなじみが少ないということで、増産されたビート糖がうまくさばけないという悩みがあることは事実でございます。
 一方、かといって先生いま御指摘のように、現在の北海道のビート糖は、いわゆる耕地白糖と申しまして、生産地でそのまま最終製品の白い砂糖にしてしまうわけですが、それの一歩手前の原料糖の状態で、いわゆる内地のリファイナー、精製糖メーカーがそれを使うということについての御意見をお持ちの方も最近出てまいっております。
 それも一つのあるいは考え方かもしれませんが、一方ビートメーカーとしましては、ビートの生産農家を背後に控えて、それが、その方たちがつくられたビートを最終製品として末端の需要を開拓してでも適正な値段で売り込む、販売していくという義務感をかなり強く持っておられますし、もう一つ大きな問題は、ある時点でやはり結晶をさせませんとなかなかむずかしいわけでございます。分みつが余り行われない段階で結晶をさせて内地へ持ってきてリファイナリーにかけるということにいたしますと、かなりコストの面で高い原料糖、輸入糖に比べましてかなり高い原料糖を内地のリファイナーの方が使わざるを得ないという側面もございますので、かなりむずかしい問題を含んでいるのではないかというふうに私率直に感じております。
#78
○坂倉藤吾君 その辺は、技術を含めまして一応検討の素材には入っているわけですね。目鼻がつかないですか、これは。まあその辺のところは、これは専門家があらかじめ分野開拓をしませんといかぬことなものですから、期待はしておりましても、期待をしてここで話をするだけで余り役に立たぬわけですが、何かそのことによって大きく展望が少しは開けてくるような感じがするものですから、ただ資金的な対応でその辺の整理がつくものなら、相当思い切って措置ができるというところまで何とかひとつこぎつけてもらいたいものだなというふうに思っていま質問をしているわけであります。ぜひその辺は早く、そういう声が上がってきている状況でありますから、解決策を見出してもらいたいというふうに申し上げておきたいと思います。
 一応これで砂糖関係は終了をしたいと思うんですが、前回の委員会の中で宿題になっておりまして、答弁としては今月末ということに答弁はもらっておるんですが、その後の蚕糸の基準糸価の関係なんですがね。その基準糸価はまだ結論つかないのですか。どうも局長の答弁をもらうと千円引き下げの答弁が出そうですから、局長じゃなくて、大臣の政治的解決の据え置き発言を私は期待をして質問をするんですが、どんなものですか。
#79
○国務大臣(亀岡高夫君) 大変御心配をかけておるわけでございまして、いろいろ話し合いを進めておるわけでございまして、最終的には九日の日をめどといたしまして大体審議会をお願いしてございますので、遅くともそれまでに調整をつけたい、こういうことで最終的な話し合いをいまやっておるところでございます。方向を言えということでございますが、先般も申し上げましたとおり、よく与党との話し合いも十分承りまして最終的な決心をしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#80
○坂倉藤吾君 どうもさっぱりわからぬのですがね。九日の審議会というのが一つ、じゃその九日の審議会に対して農林水産大臣としてはどういう立場で諮問をするのか、どういう観点でこの審議会にかけようとするのか。大体、この審議会は政府の手のうちでしてね、従来から。資料提供は全部その辺でつくって渡して、それで出す方向まで、ちゃんともう答案の要旨までつくって出しておるわけでしょう。とすれば、どういうかっこうでじゃ審議会にかけようとするのか、ここがポイントでしょう。それを言わないで、大臣それはちょっとひきょうですよ。
#81
○国務大臣(亀岡高夫君) いまここでそれを言えというのも、またこれ大変私にとっては、ざっくばらんに申し上げまして、つらいところでございます。これは私一人で最終的にもう決める段階に到達しておるということであれば申し上げてもいいわけでありますが、いろいろとこの調整をとっている最中でございますので、その具体的にどうするということだけはひとつ御勘弁をお願いしたい、こう思うわけでございます。もう諸先生方のお気持ちも十分承りましたので、その辺もよくしんしゃくの材料にしていかなけりゃならぬという気もいたしておりますので、審議会に出ましても、われわれに諮問もしないうちに大臣勝手にそういうことをしたのはけしからぬといって、やはり審議会は審議会として権威をお持ちの方々がそれぞれの立場で御指摘、御審議をちょうだいするわけでございますので、この辺はひとつお許しをいただきたいと、こう思うのであります。
#82
○坂倉藤吾君 食管の法案なんかが来ますと与野党対立するかもわかりませんけれども、基準糸価のいまの問題だけはこれは与野党全部一致をしているんですよ。農水委員会で与野党全部一致をしているものが、それが大臣の決断にかかっているわけですからね。その大臣の決断にかかっているものが、たとえばここで言えなきゃ言えないでいいんですがね。腹のうちは皆さんと一緒でがんばりますと、こう一言言っていただければ、これは審議会とも……。
#83
○国務大臣(亀岡高夫君) まあたびたび申し上げて恐縮でございますが、この糸価低迷をもたらしておりますところの生糸のいわゆる過剰在庫というものをどうして処分するかという、こういう問題につきまして、本当に私どもが考えております線が一番やはり、もうこれ以上の方法はないと、こう私自身は考えておるわけでございます。そういう点いろいろ議論のあるところでございますけれども、何としても少なくともことしの秋口には事業団の在庫というものについての見通しがきちんと立つというようなことをするためには、諸先生方から御主張をしていただいておりますような線で果たして乗り切っていくことができるものかどうかということになりますと、私自身非常な不安を持つわけでございます。それこそ事業団がふん詰まりのような形になりまして、せっかくこうして合併の新事業団をつくっていただいたにもかかわりませず、その仕事の内容が思うように機能しないということになったのでは相済まないばかりじゃなく、その点については私どもとしては農林水産省の考え方も、本当に養蚕農家並びに関係業界に対してむしろ恩情ある処置ではないか、こういうふうに実は私は考えるわけでございます。
#84
○坂倉藤吾君 私どものところでも、特に本年は養蚕振興総合対策というようなことで、県の段階で地域指定しまして、桑園を開発しようとか、繭の生産農家に対しての振興対策をどんどん進めているわけですね。ところが、政府のいまのようなかっこうになりますと、そのせっかくの振興対策自体が全然気乗りがしないし乗ってこない、こういう矛盾点が、これはもう私のところだけじゃなくて全国的にそうだろうと思うんですよ。こういう矛盾はもう全く政府の責任になっちゃう。それじゃ困るのでして、大臣のつらい気持ちというのは、私は現状から見てわからぬではありませんけれども、切り出しはよくって、だんだん終わりになればなるほどぐじゅぐじゅと、こういくのでは困りますので、ぜひひとつ九日の審議会は、ずばりここの気持ちで具体的に結論を出していただくように、大臣の声のかけ方次第ですからね、繰り返して言うようですけれども。それはそれぞれの識見のある方でしょうけれども、政府方針はこうですよと、方針の中に明確にその点が指摘をされればいくわけですし、さらにもう一つ余分なことを言えば、大臣の御答弁の中で、与党の皆さんとも相談をしてと言うんですが、与党の皆さんと私どもは意見一致していますけれども、ひがむわけじゃありませんが、われわれもやっぱり相談の対象に加えていただきませんとこれまたやっぱり納得できませんし、ぜひひとつその点も注文を申し上げをして終わりたいと思います。
#85
○委員長(井上吉夫君) 本案に対する午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十六分開会
#86
○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、蚕糸砂糖類価格安定事業団法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方付順次御発言を願います。
#87
○中野鉄造君 私は、今回のこの両事業団の統合についていろいろお尋ねをいたしますが、その前に、この両事業団の統合にかかわるこの委員会、数回行われておりますけれども、私聞いておりまして、だれしも考えることは同じである証拠に、各委員の方々の質問も大体大同小異で、またそれに対する答弁も判ごて押したように大体同じである。にもかかわらずまたその同じような質問が出てくるということは、一向にこの両事業団が統合するその意味というものが釈然としていないという証左ではないかと、こう思うわけです。私は、この件についての質問は今回初めてでございますから、先ほど申しましたように、どうか判こで押したようないままでの御答弁とは違って、何かひとつ耳新しい釈然とする御答弁をいただきたいと、こう思うわけです。
 今回の統合については、五十四年のあの閣議決定を踏まえてのものであるということは理解しておりますが、行管の方にお尋ねいたしますが、行政改革を行うに当たつての基本的なお考えをひとつ確認の上でお尋ねをいたします。
#88
○政府委員(堀内光雄君) 行政改革は現在国民の非常な各層からの要望の強いところでございますので、われわれも当面の政策の最重要課題だというふうに考えております。そういう意味で、政府が一体になってかたい決意でこれに取り組んでいかなければならないと考えているような次第でございます。その基本的なねらいは、時代の変化、それから国民の要請というものに即応いたしまして、行政の簡素化あるいは効率化、そういうものを基本に考えていかなければならないというふうに思います。これによりまして最小の経費によって最大の行政効果を上げるというところに一番大きな目標を定めなければいけないと思っております。そういう行政体制をつくり上げていこうという考えでございます。このために行政の組織、制度、それから運営、こういう問題全般にわたって厳しい見直しをいたしてやってまいりたい。また同時に、臨時行政調査会の審議の動向というようなものを踏まえまして、これからも今後の行政改革をしっかり進めていきたいというふうに考えているような次第でございます。
#89
○中野鉄造君 いまの御答弁のように、行政の簡素化、効率化、そして最少の経費によって組織運営をよりりっぱなものにしていくということでございますが、この両事業団が一つになって、それが果たしてすぐできるでしょうか。
#90
○政府委員(堀内光雄君) 今度の両事業団の統合は、やはり両方とも生糸あるいは甘味資源というような畑作関係の価格安定業務、こういうものを行っておりますし、同時に輸入調整業務を行っているということで共通性を持っておりますから、一つの統合することによってのメリットは出てくるのではないかというふうにまず一つ考えられております。それからまた、これから先、統合することによってさらに一つの切り口ができ上がって、将来に向かっての合理化も進められていくこともあるのではないかというふうに考えられております。一つには、具体的にはもうすでに統合に当たって役員の縮減が行われたり、共通管理部門の合理化が行われたりというようなことも出てまいっておりますので、行政の簡素合理化の趣旨には合致するというふうに考えているわけでございます。
#91
○中野鉄造君 いま役員についてのお話も出ましたけれども、現在、両事業団合わせて十二名の常勤役員、非常勤五人と、こういうふうになっているのを、常勤役員九人、非常勤役員三人と、こういうように縮小するということを聞いておりますが、考えようによっては、この両事業団を一つに統合をしなくとも、常勤役員を減少するというようなことはこれは当然考えられるべきことじゃないかと思うのですが、今後のことになるとは思いますが、たとえばこの常勤役員九名の決め方というようなものはどういうふうにされるのか。つまり、両事業団から平均して決められようとするのか、あるいはまた全然関係のないところから登用をされようとするのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
#92
○政府委員(二瓶博君) 新しい事業団の常勤の役員等につきまして九名ということになっておるわけでございますが、こういう役員の方をどういうところ、角度から選任をするのかということでございます。率直に申しまして、具体的な人選といいますか、そういうところまでまだ入っておりません。したがいまして、具体的に従来両事業団におられた方が相当任命されるのか、また新しい分野から来られるのか、その辺は現段階ではちょっと申し上げかねるわけでございます。
#93
○中野鉄造君 行政改革の最も大事な点は、先ほどのお答えにもありましたようにむだを省くということが一つでございますが、経費節減をするという意味から、この両事業団を一つに統合した場合どれだけの経費節減になるのか、その試算というものがあったらお示しいただきたいと思います。
#94
○政府委員(二瓶博君) 両事業団の統合によりまして、当面役員の数はただいまお話ございましたように削減になるわけでございます。そのほか、内部組織につきましても、共通管理部門の合理化というようなことで総務部の統合なり、あるいは事務所の方も横浜、神戸の事務所の統合というようなことが当面あろうかと思います。
 どの程度の経費の節減になるかということでございますけれども、この役員の削減ということによります分につきましては平年度ベースで四千七百万円程度の節減になると、かように考えております。
 その他、この内部組織の面等につきましてはなかなか金目にいますぐ出せないものがございますので、当面は役員数の削減の年間ベース四千七百万というのが具体的な金目としては申し上げ得るものであろうかと思っております。
#95
○中野鉄造君 いままでだったら、この二つの事業団がそれぞれそこには理事長というものがあって、そして運営、監督をなさってきたと。今後はこれ一つになるわけでして、現在のこの二つそれぞれの場合でもそれなりのいろいろな問題を抱えて大変だったわけですけれども、早い話が、蚕糸の方は青竹問題等が最近も起こっておりますように、ああいったようなことだとか、今後もいろいろなことが想定されるわけです。この二つが一つになった場合、これは本当にその一人の理事長の責任というのは非常にいままでより以上にこれは重大なものになってまいりますけれども、目が届くといったらおかしな話ですけれども、果たしてそういう点どんなものでしょうか。
#96
○政府委員(二瓶博君) 従来、蚕糸の事業団、糖価の事業団、それぞれ理事長さんがおられたわけでございます。いずれも非常に蚕糸にしろ糖価にしろ、めぐる情勢は厳しいということでございます。したがいまして、今回統合いたしまして新事業団になるという際に、新しい事業団の理事長さんという方が蚕糸なり糖価なりそういう両面に十分目が届くかどうかというお尋ねでございますが、この面につきましては、非常にこの統合する際も、両方とも畑作部門であるということ、あるいは価格安定業務、特に輸入調整業務というウエートが高いというような共通性もあるわけでございますので、確かに食べ物と織絶品ということでもございますので、そこは違うといえば違うわけではございますけれども、十分そういう面に精通をした識見のある手腕のある方を当然理事長として選任されるものというふうに考えているわけでございます。
#97
○中野鉄造君 現在この糖価安定事業団というのは中央区の日本橋兜町にありますね。蚕糸事業団の方は千代田区の有楽町にある。この二つが統合によってどこに事務所を設置されようとするのか。いま直ちにその事務所を設置するというようなことはないとしても、将来当然これは事務所を一つにされるんじゃないかと思いますが、そうなりますと、それなりのまたまとまった資金というものが必要になってくるわけですが、午前中の大臣の御答弁でも、長い目で見れば年間人件費だけでも四千七百万円、十年間で五億円ぐらいの節減になると、こういうお答えがありましたけれども、こういったような新しい事務所をつくってみたりなんかするというようなことになると、余り長い目で見ても、むしろいままでより以上によけいな金がかかるというようなことで、経費の節減には余り寄与しないんじゃないか、こういう気がするんですが、その点どうでしょうか。
#98
○政府委員(二瓶博君) 両事業団統合の趣旨からいたしますというと、でき得れば事務所を手当てをいたしまして統一的に新事業団の業務を行うということが望ましいわけでございますけれども、新事業団の設立時に直ちに新事業団の事務所として適当な規模の事務所を手当てすることは、現実問題としてはいろいろむずかしい問題がございます。したがいまして、この十月一日に新事業団が誕生いたしましても、当面はやはり両事業団の現在の事務所においてそれぞれの業務を行うということになろうかと考えております。しかし、設立後できるだけ早い時期に新事務所の手当てをしたいというふうに考えておるわけでございます。
 新事務所を手当てすれば、当然それはまたお金がかかるのではないかというお話でございますが、その面は多少かかることはやむを得ぬかと思います。しかし、やはりそういう面の新しい資金需要を上回って節減というものの実を上げますように、やはりこれは短期的にすぐというわけにはまいらぬかもしれませんが、長期的な角度でそういう経費の節減なりあるいは業務の効率化なりという面に努力をしていくべきものであろうと思いますし、努力しなければならないと、かように考えております。
#99
○中野鉄造君 現在の両事業団はさほど遠く離れた距離にはないわけですけれども、これが統合された場合、先ほども申しましたように、理事長は現在のこの二つのうちどちらにいるわけですか。
#100
○政府委員(二瓶博君) まあ事務所の方は、当面、十月一日スタートということになればそれぞれ別々のところになると思いますが、いずれ選任されます新理事長がどちらに事務室を設けてちょいちょい向こうの方に行くという、どっちを主にしてやるのかということは、これは新理事長さんのお考えもあろうかと思いますし、まだいまのところどちらが主で、どちらが従でどうやるかというような具体的なところまでは詰めておりません。
#101
○中野鉄造君 この問題はこのくらいにいたしまして、次にその中身について少しお尋ねいたしますが、蚕糸事業団は、この業務の遂行に支障のない範囲で、あらかじめ農水大臣の認可を受けて、生糸の流通の円滑化を図るための生糸の買い入れ、また、外国産の生糸、繭あるいはそういうものの輸入に関する業務の一部を輸入業者に委託することができるという説明がありますが、このことについては従来どおりなのであるか、それとも、今後この統合ということを契機として新規の業者を加えることも考えられるのか、その点お尋ねいたします。
#102
○政府委員(二瓶博君) 先生御案内のとおり、現在、日本蚕糸事業団は一元輸入という角度で生糸の輸入をいたしておるわけでございます。その際に、事業団は輸入に関する業務の一部を輸入業者に委託をするという方式をとっておるわけでございます。この輸入業務の委託は、過去におきまして生糸輸入実績のあった者百五十四業者に委託を現在やっております。
 そこで、生糸は高価な商品でもございますし、繊度、品位等、性状、品質も多岐にわたっておることからいたしまして、取引の安全のために知識、経験を有する者ということで一応限定をいたしておるわけでございます。ただ、これら輸入業者は新規参入と輸入業務の廃止によりまして若干の変動がございます。五十年開始時には百二十二業者でございましたが、現在は百五十四というふうに若干ふえております。
 統合した際もこれは従来どおりかということでございますけれども、現在におきましても新規参入というようなものを完全にシャットアウトするというようなことはやっておりません。したがいまして、そういう物の考え方はこれは統合いたしましてもやはり同じでございまして、新しく委託を受けたいという者につきましては、生糸輸入実績の有無なり経験者の在籍の有無なり資金力の有無等を考えまして、関係団体の推薦により確認をいたしまして、ぜひ委託業務を受けたいという者についてはこれを全然認めないというような態度はとらないつもりでございます。
#103
○中野鉄造君 それで次に、運営審議会が委員三十人以内で組織されるようになっておるということをこの説明書の中で私、拝見をいたしましたが、従来はどのように行われていたのか。また、そしてその三十人以内の審議会委員の方々で従来のものと何か異なった形で今後行われようとするのか、その辺をお尋ねいたしたいと思います。
#104
○政府委員(二瓶博君) 新事業団につきましては、いわば理事長の諮問機関といいますか、そういう角度で運営審議会というものを設けることにいたしておりまして、ただいま先生からお話ございましたように、委員の人数は三十人以内ということに相なっておるわけでございます。
 そこで、現在はどうなっておるかと申しますと、日本蚕糸事業団に運営審議会というのが法定されておりまして、十五人の委員でやっております。それから、糖価の方につきましては、これは法律上はそうなっておりませんけれども、実際問題としてやはりいろいろ関係者の意見も聞くという必要性が当然糖価の場合もございますので、現在十五名以内ということで、運営委員会といいますか、そういうものがやはりあるわけでございます。そういう実態を踏まえまして、今回も新事業団になりまして、運営審議会委員三十人以内というものを設けるということを法定をいたしておるわけでございます。
 具体的な運営につきましては、蚕糸関係と糖価関係、相当業務内容も違う、あるいは業界関係も違うというようなこともございまして、具体的な運営につきましては、あるいは部会制というようなことでやる方が効率的かなというような感じもいたしております。具体的には今後さらに検討して運営のやり方も固めていきたいと思っております。
#105
○中野鉄造君 次に、この業務のことについてお尋ねいたしますが、「財務及び会計」ということの中に「(区分経理)」として、「事業団は、次の各号に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。」ということがありますが、これはこの各事業団の業務ということでしょうか。各事業団の業務ということになりますか、この区分というのは。
#106
○政府委員(二瓶博君) 新事業団の経理につきましては業務ごとに区分するということでございますが、その際に、実は三つの勘定を設けて区分をする、こういうスタイルになります。一つは繭糸価格の異常変動防止に関する業務、それから中間安定等に関する業務、それから糖価安定に関する業務という、この三つの勘定を設けて経理区分をするということになります。
 そこで、これは現在はどうなっているかと申しますと、日本蚕糸事業団におきまして繭糸価格の異常変動防止に関する業務と中間安定等に関する業務を勘定区分して行っておる、そして糖価安定事業団の方は糖価安定に関する業務というのでやっておる、こういうことでございます。新事業団が両事業団の業務をそのまま引き継ぐということにいたしておりますために、蚕糸関係の二勘定と糖価関係の一勘定、これを設けてそれぞれの業務ごとに財務の状態と経営の成績を明確に把握することができるよう措置するということにいたしたわけでございます。ですから、業務ごとにと言いました際には、いわゆる繭糸価格の異常変動防止に関する業務、中間安定等に関する業務、糖価安定に関する業務と、こういう業務ごとの区分と、こういうことに相なるわけでございます。
#107
○中野鉄造君 そうすると、今後その事業団は、たとえば毎事業年度ごとにあるいは事業計画あるいは予算及び資金計画というようなものを作成することになると思いますが、その場合も、この両事業団の性格がいまおっしゃったようにそれぞれこれは違うわけですけれども、今後統合された後も、いままでのようにこの二つがそれぞれの計画を出さなければならないのか。いわゆる表題だけは新事業団名になって、実際はそういうようにそれぞれのいろいろな計画等もまた提出をするということになるわけですか。
#108
○政府委員(二瓶博君) 新事業団ということになりますれば、新事業団ということでのいろんな財務諸表なりあるいは予算なり資金計画なりというようなものをつくらなくちゃならぬと思っておりますけれども、ただいま申し上げましたように、それぞれの業務ごとに財務の状態なり経営の成績を明確に把握することができるように措置したいということで勘定を設けて経理を区分するということにいたしておりますので、それぞれいまの新事業団として財務諸表などをつくりました際も、その中には時計文字の1はどうであるとか何勘定であるとかいうふうにはっきりわかる角度にはこれはしなければならないものと、かように考えております。
#109
○中野鉄造君 では次に、外国産生糸に関する件でございますが、この点で、外国産生糸の輸入は、当分の間、日本蚕糸事業団その他一定の者以外は行うことができないと、こういうふうにされておりますが、この「当分の間」とはいつごろまでを言うのか。それといま一つ、日本蚕糸事業団その他一定の者以外とありますが、この一定の者というのはだれを指すのか。そしてまた、この一定の者を定めるのはこれは事業団が定めるのか、その点をお尋ねいたします。
#110
○政府委員(二瓶博君) 外国産生糸は、当分の間、日本蚕糸事業団その他事業団の委託を受けた者でなければ云々というような規定があるわけでございますが、その際の「当分の間」というのはどのぐらいの期間かというお尋ねでございますが、実はこれは五十一年に繭糸価格安定法の一部改正が議員立法で行われたわけでございます。これは衆議院農林水産委員会の委員長提案ということで行われたわけでございますが、その際に決議がされてございます。
  生糸の一元輸入措置は、国内及び世界の生糸、絹製品需給が安定し、本措置を止めても国内蚕糸業に悪影響を与えることが全く無いと認められるまで継続実施すること。
 という、こういう決議でございます。したがいまして、「当分の間」といいますのはそのような事態が続く限りの間であると、かように理解をいたしておるわけでございます。
 それから第二点の、政令で定める者でなければだめであるという趣旨のあれがございますが、この「政令で定める者」というのは、具体的には繭糸価格安定法の施行令第十六条の二第一項というところに規定をいたしておりますが、外交官貨物など国内の需給に影響を及ぼすおそれのない生糸を輸入する者、こういうものに限定をされるということでございます。
#111
○中野鉄造君 だれが決めるんですか。
#112
○政府委員(二瓶博君) ですから、これはだれが決めるといいますか、要するに外交官貨物ということなどで、外交官の方がたとえば日本に来られる。その際に、その外交官の出身地の国からいろんな絹織物あるいは生糸を持って来られる。これはまさに外交官貨物でございます。国内には悪影響ございませんから、これは税関の方でも外交官貨物であると認定すればそれで入れると、こういうスタイルでございます。
#113
○中野鉄造君 御承知のように、五十四年度は事業が非常に減退しておる、また絹織物等の在庫量も増大しておるし、それに反して糸価等の低落等から蚕糸、絹業界が非常に急激な不況に見舞われておるわけでして、それに対してはいろいろと努力も払われていることと思います。しかし、国産生糸引き渡し数量の減少というものも依然として続いておるわけでして、また特に糸価の低迷に伴って、事業団としては輸入生糸の売り渡しをすることができないまま国産生糸の買い入れを引き続き行っておると、こういうわけで、現在十四万五千俵ですか、こういう在庫になっておるわけですが、この需要の実情を考えた場合に、非常にこれはもう憂慮にたえないわけですが、今後のこの需給の動向というものも考え合わせて、政府としてはどういう対策をいま考えられておりますか。
#114
○政府委員(二瓶博君) ただいま先生からお話ございましたように、現在日本蚕糸事業団に生糸の在庫が膨大にございます。二月末で先生おっしゃった十四万五千僕ということでございます。それが三月、四月とございまして、この四月末が十五万二千俵まで積み上がっております。現在も買い進んでおりますので、さらにもっと大きな数量になると考えております。したがいまして、このまま事業団が買い入れを行うのみである、売り渡しはないという角度で推移をするということになりますと、制度の維持の面から見ても非常にこれは問題になるわけでございます。したがいまして、何といいましてもこういう事態を打開いたしますためには、絹需給の改善を図るということ、需給のバランスといいますものをこれをよく考えていくということがどうしても基本的に必要でございます。
 しからば、こういう需給の改善を図っていくための手だてはどうかということになりますと、一つはやはり需給ということを考えますというと、需要を伸ばすということがまずひとつ大事なことであろうということで、需要増進対策、これは官民挙げていろいろ知恵をしぼって積極的にやっていきたいということ。それから供給の面ということになりますと、海外からの供給という問題がございます。これをセーブをするというためには、何といいましても輸入調整対策ということで、まあ二国間取り決め等のああいう問題も含めましてやはり輸入調整対策を強力に講じていくということが必要であろうと思います。そのほかいろんな価格対策あるいは生産対策というような国内に向かってのいろんな対策というようなものも種々工夫を要するのではなかろうかというふうに思っておりますが、こういうものを適時適切に逐次実行に移しまして、総合的、有機的に措置を講じまして絹需給の改善の実を上げる、そして買い増しというものがストップをする、さらにひいては、いま在庫になっておりますものが逐次出ていくというような環境をなるべく早くつくりたいということで努力をいたしておるわけでございます。
#115
○中野鉄造君 そこで大臣にお尋ねいたしますが、こういう事態を踏まえて、特に今回のこの基準糸価についてのお考えをどうしてもひとつ大臣お聞かせいただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
#116
○国務大臣(亀岡高夫君) 蚕糸事業団における在庫の現状はいま局長からお聞き取りいただいたとおりでございます。また一方、外国からの絹関係の輸入につきましては、五十五年度において五十四年度の五〇%減という話し合いをつけまして、しかし蚕糸事業団の在庫数量が減らない限りは入れませんよということで、生糸はほとんど入っておらないという状況でございます。また絹織物につきましては、これはもう貿易管理令関係で話し合いをいたしたわけでございますけれども、三割の減ということで五十五年度は話し合いをつけたわけでございます。そういうふうに外国からの輸入につきましても厳しい処置をし、そしてただいま局長から申し上げたような絹需要の対策も、需要増の対策も積極的に講じてきておるところでありますけれども、絹需要の停滞は日々これ激しくなって糸価は一向にさえないというのが三月末までの事情であったわけでございます。
 そこで、基準糸価をどうするかということを私どもとしては大変心配をいたしたわけでありますが、何しろ片方に取引所をながめながら非常に微妙な価格対策の話し合いをしなければならないという問題もございまして、ざっくばらんな打ち明けた話がなかなかできなかったというような問題もございまして、話の行き違いというか、意思の疎通がうまくいかなかった面もあるいはあったかもしれません。大変お騒がせをしてきたわけでありますが、いずれにいたしましても最悪の事態と判断をいたしたわけでございます。
 と同時に、もう一つは、五十四年度、五十五年度、この二年間にわたりましても絹の相場回復ということについて全力を挙げて私どもはやったつもりでございますけれども、なかなか二国間協定をやりましても輸入が相当多く入ってきておったと、こういうこともありまして糸価がもう全くさえない。したがって、事業団の持っておる糸を放出する機会が全く二年間ないと、こういうような事情が続いたわけでございます。ことしになりまして一月、二月と、ほとんどわずかではありますけれども実需の割り当てをいたしてみましたけれども、生糸の動きは非常に低迷をし停滞をしてきておると。これはもうとうとう来るところへ来かかっておるなということで、思い切った処置をとらなければならないというような気持ちになってきたわけでございます。
 実は、かねがね養蚕、製糸、絹業とそれぞれ利害相反する立場におるわけでありますけれども、数年前からもうとにかく一致協力、死なばもろともでやっていかなけりゃとてもとてもそれは乗り切っていけませんよというようなことを私もずいぶんきつく大会等に行ってお話を申し上げてき、団体の皆さん方にもそういう事情はよく申し上げてきておったところでございます。したがいまして、まあ農林水産大臣が急にそういうことをやるというのはけしからぬというおしかりも受けたわけでありますが、業界並びに団体の皆さん方はそういう事情はだれよりもよく知っておったはずでございます。
 しかるところ、なかなかやはり下げるということはこれはもう容易なことじゃございません。これはもう本当に私も清水の舞台からおりるつもりという表現を使ったわけでありますけれども、それが将来の養蚕、製糸、絹業を発展させていく一つの大きなきっかけに私はしたいと、こういうことで、実は局長をして団体と話し合いをせしめたわけでございます。それが取引所の方に伝わってあのような不幸な事態に、糸価が暴落してしまっておると、こういうことでございますので、やはりこの一カ月間の動きを見てみますと、この繭糸価格安定法に基づく中間安定措置というものがあるからこそ糸価が維持されておるということはもうはっきりいたしておるわけでございます。
 したがいまして、この蚕糸事業団はもう絶対につぶすわけにはいきませんし、パンクさせるわけにはいかない。どうしてもこの機能を円滑に機能せしめていくようなことをしてまいりますためには、どうしても在庫をはかさなければならない、こういうことでございましていま最大の努力を続けてきておるわけでありますが、そのような私だけの考えでもどうすることもできませんので、これは九日に審議会を開きましてそしていろいろ御意見を聞いて、また当委員会においてもいろいろと御指導もいただきましたし、また与党の皆さん方からもいろいろと話を聞いてもおりますので、やっぱりこれは幾ら私が強がりを言ってみましてもいけませんので、その辺は政治は妥協でもあるというようなことを考えて最近は大分弱気になってきておるわけでございます。まあそういうことでございますので、もう本当にまあ養蚕業を――ですから、私は一言も減産をするというようなことは言っておらないわけです。生産調整をするなんていうようなことは私は毫も言っておらないわけであります。やっぱり輸入を防遏したいと、輸入を防ぎたいと。そういう輸入を防ぐためにも、やはり清水の舞台からおりたようなこともしないと相手と折衝ができないと、こういうことも実はざっくばらんに申し上げておる次第でございます。
#117
○中野鉄造君 まあ大臣いろいろお話しいただきましたけれども、お気持ちはよくわかるんですけれども、やはりいまだにそれがはっきりしないということが私たち非常に何かこうじれったいような気もするんですけれども、このいまの大臣のお話の中に輸入を少しでも少なくしてというお話がありました。蚕糸の生糸の輸入については、二国間協定の数量の削減ということになっておりますけれども、関係者の協力を保ちながら、この二国間協定交渉の場において取り決め数量を圧縮するよう最大の努力をするということも言われておりますけれども、この点について、先ほどからのお話のように、今日の非常に大変な苦しいこの苦況の中で、この二国間協定というものの先行きの見通しといいましょうか、農水省と通産省とのその立場での考え方それぞれ違ってきますし、この辺の展望はどんなものでしょうか。
#118
○政府委員(二瓶博君) 中国並びに韓国とそれぞれ二国間協定といいますか、取り決めを五十一年度以来やっておるわけでございます。まあ五十四年度は前年対比一割減と、それから五十五年度は生糸が五割減、絹織物は三割減という角度でやってきたわけでございます。もちろん、こういう成果を上げます際にも通産省とともどもにやっておりますし、外務省も一緒にやりまして取り組んできておるつもりでございます。今後も、そういう三省ともども手を携えて輸入数量の削減という面に向かって最大限の努力をいたしたいというふうに思っております。
 ただ問題は、先ほど大臣からもお話ございましたように、削減削減ということでやってきております。まあこちらの需給事情なり苦しい状況を理解してくれということでやってきておるわけでございますが、これにつきましてもやはり相手のある話でございますので、なかなかその辺につきましては、展望はどうかというお尋ねでございますが、最大限の努力を三省ともどもやっていきたいと思っておりますが、これの具体的な成果がどの辺になるかという見通し等につきましては、相手のあることでもございまするし、もう近々、またやってくれというような催促もあるような時期でもございますので、この席では差し控えさしていただきたいと、かように考えております。
#119
○中野鉄造君 じゃ次に、また話がもとに戻りますけれども、この二つの事業団が一つになった場合、たとえばもし現在の糖価安定事業団、ここの砂糖勘定というものにもし不足等が生じた場合、蚕糸関係の勘定からの流用、そういうことが一時的にでも行われるのか、全然そういうことはあり得ないとされるのか、そこいら辺はどんなものでしょうか。
#120
○政府委員(二瓶博君) 先ほども申し上げましたように、新しい事業団におきましては、蚕糸関係において二勘定、糖価関係で一勘定、合計いたしまして三勘定が設けられまして、区分経理をするということに相なっております。したがいまして、糖価の関係におきましてたとえば不足を来して資金の流用というような問題がありました場合におきましても、やはりこの勘定区分ということが明確になっておりますので、まあ余裕金の運用というような感じの場合はあるいはあろうかとは思いますけれども、そういう流用というようなことはできないというふうに考えておるわけでございます。
#121
○中野鉄造君 では次に、警察庁にあの例の青竹問題についてちょっとお尋ねいたします。
 もうこの五月一日に、青竹の不正輸入の件に対して貿易会社槻係者を外為法違反等で逮捕されておりますけれども、捜査上での差し支えのない範囲でひとつ御説明をいただきたいと思います、その後の経過について。
#122
○説明員(内田文夫君) 本件につきましては、新聞等ですでに出ておりますとおり、五月一日、日本バイルハック株式会社の社長白井利八、それから三星ジャパンの社長曹忠煥等五人の者を昭和五十五年の七月二十五日に、中国産の絹織物約十二万平方メートルを、輸入規制を免れるということからフィリピン産と偽って不正輸入したと、こういう事犯で捜査を行っておるわけでございます。
 この事件につきましては、五月一日付の告発も受理しておりまして、ただいま申しましたように、五名を検挙すると同時に、この件の関連で関係事務所等約二十カ所を捜索しまして関係書類を多数押収をいたしているわけでございます。
 今後の見通しということでございますけれども、何分にも現在捜査に着手したばかりでございまして、現在このフィリピン産の事実を固めるということと、それからもう一点、やはりこの白井等がその後スペイン産と称しまして絹織物をやはり国内へ入れたという事案があるわけでございますが、これも中国産絹織物を不正に輸入したのではないかという疑いがございまして、その点も含めて現在捜査を行っていると、こういう状況でございます。
#123
○中野鉄造君 いまのお話にもありましたように、この青竹の不正輸入に対して、これはもともと中国産でありながらフィリピン産と偽って入ってきたと、こういうように私ども新聞でも見ておりますけれども、しかし、このフィリピンの分は、その後に起こってくるスペインからの青竹不正輸入のいわば瀬踏み的なものではなかったかと。むしろ本命はこのスペインの青竹であると、こういうように思うわけですが、現にその数量の上から言っても、フィリピンの数倍に及ぶ真二十七万平方メートルと言われるスペインの青竹が入ってきているわけでして、このスペイン青竹問題についての処理は現在どうなっているのか、この点まず警察庁、そして通産省にお尋ねいたします。
#124
○説明員(内田文夫君) スペイン産の件につきましても、先ほど申し上げましたように、やはりこれも中国産の絹織物を輸入規制を免れるということからスペイン産と称して入れたのではないかと、こういう容疑を持ちまして、これを含めて現在捜査中であるということでございます。
#125
○説明員(末木凰太郎君) ただいま警察庁から御答弁がございましたように、通産省といたしましてはフィリピン青竹につきまして五月一日に告発をいたしておりますが、スペイン青竹の方につきましても引き続き調査を行っております。フィリピンの方は昨年の七月に輸入されたもので、八月から調査を続けてきたものでございますが、スペインの方は昨年十月の輸入、十一月にその事実をつかんで今日まで調査をしてきたわけでございまして、三カ月事件にずれがございます。そういった関係で、まだスペインの方につきましては全貌を把握して結論を出すに至っておりませんが、極力結論を急ぐわけでございます。したがいまして、両方が終わってみませんと、フィリピン事件とスペイン事件が果たしてどういう関係にあったのか、正確に申し上げることができません。いましばらくお時間をいただいて調査を進めたいと考えております。
#126
○中野鉄造君 私は、この問五人逮捕されたあの連中はフィリピン産の物に関与しておった。もちろんスぺイン産にも関与をしておったと思いますが、そのフィリピン産に関与した事件だと思ったんですが、あれはスペイン産も含めてであるというようなお答えだったんです。そうしますと、この数量の面から言っても今後かなり拡大するという見通しはありますね。
#127
○説明員(内田文夫君) 私の先ほどの説明でございますが、五名を検挙をした犯罪事実といたしましては、フィリピン産の事件ということで捜査を行っておりますが、これに関連いたしまして、同じ被疑者がスペイン産の輸入に関連した事件としてあるという意味におきまして、申されましたように、一応それも含めた捜査というものを行っていると、こう申し上げたわけでございます。
#128
○中野鉄造君 今回のこのような不正事件がもう二度と起こらないという保証はなかなかありませんし、こうしてもたもたやっている間にもいろいろな形でそういうことがまた起こってくるかもしれない、こういうわけですので、こうしたことを前提として、今後警察庁としてはどういう対処をされるおつもりですか。
#129
○説明員(内田文夫君) この種の事犯の再発防止ということにつきましては、やはり第一義的には所管行政官庁のそれぞれの行政措置によって行われるべきことではないかとわれわれ考えておるわけでございますが、ただ、その行政措置が十分に効果を上げることができるようにという立場から、警察としてその取り締まりを必要とするような悪質な事犯につきましては積極的に取り締まりをしてまいりたいと、こう存じております。
#130
○中野鉄造君 通産省の方では、今回の通関の上でのいろいろな反省点もあるんじゃないかと思うんですが、今後の考え方はどんなですか。
#131
○説明員(末木凰太郎君) 先ほど申し上げましたように、スペイン事件の全貌の解明を待って結論を出したいとは思いますが、現時点のところで申し上げますと、この種の事件の再発を防止するためには、一体どういう背景、どういった原因でこういう事件が生じたのかというところを正確に把握をした上でそれに応じた対策を考えるべきであると、まあ申し上げるまでもないと思います。
 そこで、一つ反省といいますか、検討を要するのは、輸入管理面、制度面に何か欠陥があって、それが誘因でこういった事件が起きて、したがってまた起きる可能性があるのではないか。仮にこういう結論が出ますれば、それに応じて制度面の手直しが必要になってまいります。ただし、私ども現在まで調査をいたしましたところでは、今回の事件は、スペインも含めまして、制度面の欠陥によるというよりも、非常に計画的に海外にまでいろいろ操作の手を伸ばしまして、不正入手あるいは偽造、変造されたような原産地証明書とか船荷証券等を利用して違法な輸入を行ったという方に主たる性格がございますので、こういった性格のものでございますと、一罰百戒的な意味も込めまして厳しい処分をするということがまず再発防止に最も必要ではないかと考えております。しかし、それだけにとどまりませんで、たとえば国内の流通関係業者に対する行政上の指導等で、怪しげな物を取り扱わないようにしてもらうとか、あるいは日常の貿易管理業務の運営上もより一層厳しい態度で心を引き締めて臨むと、考え得るあらゆる措置をとって今後万全を期していきたい、かように考えております。
#132
○中野鉄造君 そうしますと、今回こうして不正に輸入されたその数量は、先ほどスペイン産の分を私ちょっと申しましたけれども、こういうもの、スペイン産の分、フィリピン産の分、合わせて相当な数になるわけですが、それに対して通産省としてはこれを回収をする、売り渡されたものについては回収をするということでいま努力されていると思いますが、その回収された数量、これは余り数字的にははっきり言えないとするならば、全体の半分以上回収したのか、半分ぐらいなのか、半分以下なのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
#133
○説明員(末木凰太郎君) 先生御指摘のとおり、昨年末以来、この青竹を扱いました大手の業者に要請をいたしまして品物の回収をさせてきております。数量につきましては、これは相当なたとえばストック在庫がこういった回収在庫という形であるなというような認識からたとえば市況を圧迫するというようなことも考えられないではございませんので、数量の説明をお許しいただきたいのですが、別の言い方をいたしますと、昨年の十二月ごろでございますか、この輸入品の影響によりまして価格が非常に圧迫される、あるいは国産品の荷動きがばったりとまってしまって、この間機屋さんはさっぱり商売ができなくなったというような状況があったわけでございますが、ことしに入りまして、回収の効果によりましてそういった悪影響が大方是正された。それを、つまり是正するに足りる程度の回収ができたというふうに御説明さしていただきたいと思います。
#134
○中野鉄造君 いろいろなことからその数量までははっきり言えないということはわかりますが、いずれにしても、その回収された品物は一つのこれは証拠品でもありますし、当分はどうすることもできない。やっぱりこれは保管しておくということになると思いますが、その回収途中で、私聞くところによると、今回告発されたその企業あるいはその他の関連取引業者によっては、その回収に非常に協力的なところとそうでないところとがあるというように聞いておりますけれども、そういうなかなか回収に応じないといったような業者に対してはどういう処置をとられるんですか。
#135
○説明員(末木凰太郎君) この回収の要請自体が法律に基づくものでございません。行政上のあくまで指導の範囲で、ただし非常に強い要請をしたわけでございます。これに対する回収への協力度ということにつきましては非常に判定のむずかしい面があるかと思います。つまり、私どもは捜査権を持っているわけではございませんので、いわば手づる式にこの取り扱い業者をたどっていったわけです。ですから、たまたま何かの事情で早く取り扱いがわかった業者に対しては比較的早い時期に指導いたしましたし、そのつるをたどって後から出てきた分についてはその分だけ遅かったということもございます。そのことはある程度いたし方がなかったわけでございまして、当然のことながら、時期がおくれた分については一般的に申しますと、すでに非常に細分化されてしまっていたようなケースもございます。それから、そういった指導の時期のほかにも、取引形態の差、それから取り扱ったロットの大小、それから脱色されたものを扱ったのか脱色されない青いまま扱ったのか、いろいろな要素の差がございまして、客観的な物差しでどこの業者が協力度何点、こちらが何点ということはむずかしいわけでございます。しかし、ある程度の、おっしゃるように熱意といいますか、努力といいますか、評価はできると思います。この辺は実はまだ回収を完全に終わったわけではございませんので、最終処理まで含めて協力度を考えるべきだと思います。おっしゃるような明確な差がある場合には、それに応じてどういう手が打てるかは今後の問題でございますけれども、今後の行政上の重要な一つのデータとして考えていきたいと思います。
#136
○中野鉄造君 どうかひとつ、悪いことをやり得だというようなことにならないように、御努力をお願いしたいと思います。
 そうしますと、一応の捜査も完了したという時点で、保管されたこの不正輸入の青竹というものの処置についてはどういうふうにお考えになっていますか。
#137
○説明員(末木凰太郎君) 実は最終結論を出すにはまだいささか問題がございます。すなわち、売り戻し、買い戻しの契約はしたけれども、代金の回収がまだ――第一次的に支払い決済ですか、が完全に済んでいない。そのために、売り戻した方が、たとえば手形が完全に決済されるまで譲渡担保という形で押さえておくというようなケースもかなりございますとか、それから現在捜査の関係で、税関の留置あるいは警察当局の差し押さえというんでしょうか、自由な移動が押さえられておるという事情もございます。それからさらに、スペイン事件の調査を終わりまして、事件の全貌がわかった上でいろんな評価を下すべきだという問題点もございまして、したがいまして、最終的な処理の仕方につきましてまだ結論を出しておりませんが、ただ、この回収を要請したというのは、先ほど申しましたように、異常、大量の輸入によって被害を受けた機屋さんの損害を少しでも減殺しようという趣旨で要請したことでございますから、最後までその趣旨が貫かれるような措置を貫徹したいと考えております。
#138
○中野鉄造君 その点ひとつどうかよろしくお願いいたします。
 次に、糖価の問題について質問いたしますが、当然のことながら、糖価安定事業団の業務に必要な資金は主に国からの交付金等で賄われておりますが、ここ数年の国内産糖の数量及びその生産コストの上昇等から、国からの交付金額というものが増加せざるを得ないような状況にあるんじゃないか、こう判断いたしますが、この財源確保という面からも非常にこれは問題ではないかと思います。この点いかがなものでしょうか。
#139
○政府委員(渡邉文雄君) 御指摘のように、ここ二、三年、特に北海道のビート糖を中心に増産が行われております。したがいまして、これに対しますコスト価格と市価との差額の補てんのために必要な経費が増高するわけでございますが、ただ御承知のように、合理化目標価格を上回る分が一般会計の負担であり、合理化目標価格といわゆる形成糖価との差額は、輸入糖から徴収いたします調整金で埋めているという関係上、輸入糖価の価格水準いかんによりまして、かなりその一般会計から出す金、それから調整金から補てんすべき部分、変動がございます。しかし、いずれにしましても、過去一年半ほどの間にかなり大幅な変動をいたしましたが、最近百七十ポンド程度の糖価水準ということで今後もしばらく推移するということであれば、御指摘のように一般会計からの負担金は数量がふえた分だけ・今後の買い入れ価格の動向にもよりますが、増加するということは考えられるわけでございますが、私どもといたしましては、糖価安定制度のもとにおきまして輸入糖と国内産糖との価格調整を図るということの重要性にかんがみまして、そのために必要な一般会計からの交付金確保につきましてはより一層の努力を払ってまいりたいというふうに考えております。
#140
○中野鉄造君 国際砂糖相場の不安定な動きもありまして、特例法が五十五年五月にさらに有効期限を一年半延長されたわけですが、この特例法による措置は、供給量を調整するものでありますところから消費者の不利益を招きやすく、これは長期的、恒久的な措置とすることは非常に問題が介在するのじゃないかと思いますが、この特例法の今後の位置づけというものはどのようにお考えになっていますか。
#141
○政府委員(渡邉文雄君) いわゆる特例法でございますが、昭和五十二年に、その二年ほど前に締結されました日豪の砂糖の長期協定に伴います当時の価格といたしましてはかなり割り高な契約の砂糖を、当時の国内の糖価が非常に低落をしておったために国内のリファイナーが引き取れなくなりまして、日豪間の大きな政治問題に発展をいたしたことがございます。そういったことを背景とし、それを解決するためにまさに臨時応急の措置といたしまして、国内糖価を適正水準に戻すための一つの手法といたしましていわゆる売り戻しの特例法というものが制定されたわけでございますが、基本的には、先生御指摘のように、あくまでもそういった事情を背景といたしました臨時特例的なものであるというふうに私も理解をいたしております。
#142
○中野鉄造君 そうしますと、この特例法の有効期間が、もう先ほど申しましたように、有効期間といいましょうか、約一年半ぐらいしかないわけですが、この特例法が失効しても再び混乱を起こさないように精糖業界を指導していくというか、その対応策というものをお考えになっておりますか。
#143
○政府委員(渡邉文雄君) 糖価安定制度は、基本的には輸入糖を上下限価格の幅におさめるということに加えまして、輸入糖から一定の場合にいわゆる調整資金をちょうだいをいたしまして国内産糖のいわゆる不足払いの財源の一つに充てるという仕組みになっておるわけでございますが、それはあくまでも企業の自由競争というものを前提にいたしまして、適正な糖価市価、コスト価格の実現を図るということがたてまえになっておるわけでございます。
 しかし、御指摘のように、業界内部におきます過剰設備等を背景といたしましてなかなか協調体制が仕組めないという宿命が、宿命といいますか、経過が業界にございます。その理由といたしまして一番やはり大きなものは、砂糖というものは、他の鉱工業製品と違いまして、端的に言いますと白くて甘い粉にすぎないということで、どこのメーカーがつくりました砂糖もすべて同じ砂糖でございまして、企業間の特性に伴います商品特性というものがございません。しかも、装置産業でございますので、したがいまして過当競争に陥りやすいということがあるわけでございますが、業界の方も大分昭和三十八年の砂糖の自由化後の苦い経験もたび重ねて経験をいたしておりますし、先ほども御答弁申し上げたわけでございますが、昨年の五月に、初めて業界といたしまして、自分たちの設備の過剰に対しまして、自分たちの自主的な努力で設備の削減を適正に持っていき、さらに業界の協調体制を高めていくということの申し合わせを行ったところでございます。
 基本的には、私、そのような業界の自主的な努力というものが実ることがこの問題の解決の基本になるだろうと思っておりますが、私ども行政の立場におきましても、できるだけそういった業界の自主的な努力というものを後押しをしてまいりたいというふうに考えております。
#144
○中野鉄造君 砂糖の方もお米と同じように、最近特に砂糖離れというか、非常に消費が減退している現況にあるわけですけれども、それに反して生産量は徐々にふたつつある、こうなると、必然的に輸入量を何とかして抑制していかなければいけないわけですけれども、こうした長期間輸入量が固定化されてくるとなりますと非常にこれは大変な問題になってくるのじゃないかと思います。こうした長期輸入協定というのは今後非常に考えるべきじゃないかと思うのですが、その点についての見通しをお聞かせいただきたいと思います。
#145
○政府委員(渡邉文雄君) 御指摘のように、砂糖の一人当たりの消費の動向を見ますと、将来これが伸びていくということはなかなか期待しにくい。それから一方、国内の国産糖の増産が進むということでありますと自動的に輸入の減少ということにつながってくるわけでございます。
 一方、砂糖の輸入につきましては、従来自給率が二十数%でございますので、国内消費の砂糖の約七、八割というものは輸入に頼っておったわけですが、数字にいたしまして二百数十万トンの輸入があったわけでございます。そのうち、ごく最近の数字を見てみますと、これはすべて民間ベースでございますが、いわゆる二国間の長期契約、あるいは数年間ということではございませんが一年限りで行っておりますいわゆる年間契約、これも一種の長期契約として見た場合に、その輸入量の半分以上の約百三十万程度が何らかの意味での長期契約になっておるわけでございまして、その中には、先ほども申し上げました日豪の砂糖協定に基づきます六十万トン程度のものも含まれておるわけでございますが、いずれにしましても、輸入の二百数十万トンのうちの百三十万トン程度が何らかの意味での長期契約になっておるわけでございます。
 一方、ただいま御指摘のようなことで、消費が減少、輸入の数量がやや減少ぎみに推移していくのではないかということを前提にいたした場合におきましても、やはり二百万トン近いものは輸入としてここしばらくの間はいくだろうと思いますので、百三十万程度の長期契約等が今後も続くといたしましたとしましても、しばらくの間は現在の程度の長期契約であれば特に大きな問題にならないのではなかろうかというふうに思っております。
#146
○中野鉄造君 しかし、今度は大臣にお尋ねいたしますが、こういう消費が少しづつ減退しつつある、そこにもってきて異性化糖が普及しつつある、そしてまた、北海道のビートあたりは増産の一途をたどりつつある、しかも、政府としては甘味資源作物生産振興対策事業ということで一生懸命努力をされておる、こうなってきますと、非常にそこに相矛盾したような点も出てくるのじゃないかと思うのですけれども、大臣、今後のお考えを、ひとつこの点についてお尋ねいたします。
#147
○国務大臣(亀岡高夫君) 砂糖をめぐる諸情勢については、午前中からの質疑の間にいろいろと現状が明らかになってきておるわけでございます。したがいまして、いわゆる甘味資源と申しますか、これの見直しをすべき段階にもう来ているんじゃないかなという感じがいたすわけでございます。
 御指摘のように、国内産の甘味資源が、いろいろな技術の発達とともに、生産技術の向上、進歩、そういうものの裏づけを得て増産をしてまいる、そのほかに異性化糖等の開発も一方には相当な数量になってきておる、こういう事態の中で、いろいろな制度があるわけでありますが、その制度に乗っかっているもの、乗っかっていないもの、税法の対象になっているもの、なっていないもの、いろいろあるわけでございます。そういうものを総合的に、甘味資源という立場からもうこの辺で、この法律ができました当時とずいぶん情勢も違ってきておるわけでありますので、研究をすべきではないか、こんな考えを持って検討を進めておるところでございます。
#148
○中野鉄造君 最後に、先ほどちょっと申しました異性化糖についてお尋ねいたしますが、最近、この生産量が急速に増大しておる、また消費量も伸びておる。これが、先ほどから申しておりますように消費量の減退の一因になっているのじゃないかというようにも考えますけれども、この異性化糖の今後の問題についてどのようにお考えになっておりますか。
#149
○政府委員(渡邉文雄君) 先生御承知のように、異性化糖は最近ふえてまいってきておるわけでございますが、若干数字を挙げさしていただきますと、五十二年以降少しずつふえてきておるわけでございますが、五十四砂糖年度につきましては、実数、と申しますのは五十四年当時までの異性化糖はいわゆる四二%物と言っておりまして、砂糖とまぜて水分を含んだ液状で流通する形をとっております。これが実数で五十三万一千トンになっています。したがいまして、これを砂糖と比較いたします場合には、まず乾物重量、干した形、水分を除いた形での重量といたしまして、さらに砂糖を一割ないし二割加えて流通市場に乗せますので、それを除きまして、砂糖を除いた乾物換算をいたしますと約三十万トン前後に計算上なるわけでございます。五十四砂糖年度で約三十万トンになっておったわけですが、五十五砂糖年度におきましては、昨年の春からまた一つのイオン交換樹脂を使いました高果糖の異性化糖が技術の開発が行われまして、実数で約七十四万トンばかり、これも同様に砂糖を除いた乾物重量で計算いたしますと約四十六万トンということでございますので、五十四砂糖年度から五十五砂糖年度に対しまして、約十四、五万トンの砂糖と同じ価値判断をした場合としての計算をした場合の数量増が行われたわけでございます。逆に言いますと、その十四、五万トン分だけいわゆる砂糖の需要が異性化糖の方に移ったということに相なろうかと思います。
 このようにここ一年間で急に十数万トンの異性化糖の需要がふえた背景には、一つは、ただいま申しました果糖分の含有率の高い異性化糖の生産が本格化したということのほかに、ちょうど時期を同じくしまして国際糖価がかなり上がりました。御承知のように去年の春以前まで百ポンド前後でございましたのが、去年の春ごろからじわじわ国際糖価が上がってまいりまして、昨年の十一月には四百ポンドを超すということになりました。そういたしますと、異性化糖と従来の砂糖との価格差関係が異性化糖にとって非常に有利に働くということもございまして、その二つの理由で、相当部分清涼飲料に使われておりました砂糖が異性化糖の方にかわったという現実があったわけでございます。
 これからの見通してございますが、私ども、し細に各ユーザーの方の事情も聞いておるわけでございますが、一つには清涼飲料メーカー、いわゆるコカコーラとか糖分の入った清涼飲料でございますが、それのうちで異性化糖にかわれる可能な部分はほぼ一巡したというふうに私ども見ております。それからもう一つは、国際糖価自体が、先ほど申しましたように昨年の十一月に四百ポンドを超すということまでになったわけでございますが、ごく最近では百七十ポンドまで下がってきております。それがそのまま国内の糖価にも影響してくるわけでございますので、従来ほど異性化糖といわゆる砂糖との価格差が異性化糖の側に有利に働くという現実は徐々になくなってきておるということも事実でございます。
 それからもう一つは、異性化糖には先ほど申しましたように結晶しないという致命的な欠陥が現在のところはあるわけでございまして、そういたしますと、いわゆる家庭用で使うというようなことはとても考えられないわけでございます。そういったことを考えあわせますと、いままでのように急激な形で異性化糖の生産があるいは需要がふえるということはもうないのではなかろうか。これはアメリカ等の事情もいろいろ調べさしておるわけでございますが、似たような事情にあるというふうに現在のところ私は認識をいたしております。
 大体そういうことでございますが、片や異性化糖メーカー自身もそういった現実を踏まえまして、最近メーカー全体で一つの団体をつくりまして、異性化糖自体が過剰競争に陥ってお互いに苦労することのないように、団体を新しくつくりましてそのために勉強を始めておるという姿もございますので、そういったことを全体兼ね合わせ、それとあわせまして糖価安定法の弾力的な運用等兼ね合わせまして適正な国内の糖価水準の維持というものに努めてまいりたいというふうに考えております。
#150
○中野鉄造君 終わります。
#151
○中野明君 大臣に最初にお尋ねをいたしますが、今回の両事業団が合併するに当たりまして、結局従前の権利義務はそのまま引き継ぐ、こういうことになっておりますが、そういたしますと、原則としては役員はそのまま留任といいますか、一たん解散しても新しい事業団にそのままとどまるということが基本的に考えられるんですが、しかし一方、けさほど来議論がありましたように、天下りの問題等批判も強くありますし、それに加えて内部からの人材登用、これは新しい発想も必要である、こういう両面を持っているわけなんです。この基本的な大臣の考え方はどういうふうに考えておられますか。
#152
○政府委員(二瓶博君) 一切の権利義務は新事業団に承継するということになっておりますが、人事の関係これは全く別でございますので、新しい事業団ができました際に、常勤役員等が現在の両事業団の理事であった方がなるのか、その他の方がなるのか等は、これはその権利義務云々とは関係ないわけでございまして、新事業団の役割りということを頭に置いて適格な方が選任されるものと、かように考えております。
#153
○中野明君 しかしながら、けさほど来から議論がありますように、非常に両事業団ともむずかしい、厳しい段階になっております。それだけに、やはり手なれた人がつくといいますか、継続してやるということが望ましいという考え方も一方では私はあると思うのです。そういう点について基本的にどういうお考えを持っておられるのだろうかなということが私非常に気になるものですからお尋ねをすることと、それからもう一つは、当然全部を変えてしまうということになるとこれは大変なことでしょうから再任の人が出てくると思いますが、その再任の人の場合は、けさほどの答弁では、従前の例によって退職金を一遍支給してそれからまた再任ということでございますが、そういう面ではもう明らかに同じ仕事に再任をされるというのですから、本人は損にならないのでしょうから、退職金を今回出さずに留任という形をとると、こういう考え方は持てないものでしょうか。
#154
○政府委員(二瓶博君) 新事業団の常勤役員等にどういう方がなられるか、いまお話ございましたように厳しい情勢でもあるので、手なれた方にやはりやっていただくというようなことも一つの考えであろうと思います。その辺を十分踏まえられまして農林水産大臣が任命をされるというふうに思っております。
 そこで問題は、たまたま前に事業団におられた手なれた方が新事業団の常勤役員として任命をされたというときに、退職金の扱いということがどうなるのか、これにつきましては、蚕糸にしろ糖価にしろ、事業団は一応解散をして新事業団が新しく設立をされるということでございますから、現在の蚕糸、糖価の両事業団の常勤役員の方等は、これは当然解散の時点におきまして身分を失うわけでございます。したがいまして退職金を払うということになろうと思いますが、ただ、この際に、従来もこういう統合というのが今回に限らずあったわけでございまして、そういう過去の前例といいますか、従来の例を調べますというと、やはり退職金をいただいてそしてまた新事業団の理事長になるというのが従来のならわしてございます。したがいまして、今回もそういうことに相なるものとかように考えておるわけでございます。考え方としては中野先生おっしゃるようなこともあり得ようかと思いますけれども、従来の例に準じてやっていきたい、こう思っております。
#155
○中野明君 大臣、行政改革が叫ばれて、天下りの問題、これは天下りの人がすべて悪いとかだめだとかという意味じゃなしに、なぜこれほど国民の間から天下りが非難されているか、大きな問題になってきたか、こういう点について大臣はどのように感じておられますか。
#156
○国務大臣(亀岡高夫君) とにかく、行政権限を持った地位の高い国家公務員が、その権限と関係のある業種等へ行けば誤解を受けやすいというようなことで、閣議において、とにかく政府関係機関には公務員は半数を超えないような配慮が必要ではないかという決定をいたしたわけでございますが、いまその線に沿って努力をいたしておるわけでございます。しかし、人事院においてもそういう点いろいろと配慮をいたしまして、二年間ですか、その職につけないということに取り決めをいたしておるわけでございますが、そういう反面、やはり人材は社会のためこれを活用してまいるということもこれは考えていいことであると、こう思うわけでありますから、その辺やはり国民から誤解を受けないような方法で採用してまいるということが非常に大事ではないかという感じを持っております。
#157
○中野明君 いま大臣お答えになりましたように、誤解を受けないように――そのとおりだと思うのです。それで能力のある人は能力のあるところで働いてもらうということも必要なことです。だから閣議決定も出てきたのだろうと思うのですが、そういう面から考えまして、国民の素朴な感情としても、過去の例は例として、いま行政改革を特に叫ばれているときですし、また天下りの問題も非常に非難の強いとき、そういうときに今回の新事業団に当たりましても、私常識的に考えてみて、現在の役員の人がすべて退陣してしまう、そして新しい人が全部さらから始めるというような状況じゃないだろうと、このようにも受け取れますので、そうしますと、やはり過去の例は例として、当然同じ仕事を留任のような形で引き継いでいくのですから、退職金というものは保留といいますか、そのままにして引き継がれた方が、みんなの感情的に見ても、どうなんですか、一たん退職金をもらってまた同じ仕事をやるというそういう面で新たな私は非難が起こってこないのだろうか、そういう面を心配するわけなんです。結局それは天下りに絡んで、同じような国民の間から素朴な疑問といいますか、批判が出てくる心配はないかと、こういうことを思いますので、過去の例は例としてやはり検討をされる余地があるのじゃないだろうか、こう思いますが、どうでしょう。
#158
○政府委員(二瓶博君) 中野先生のおっしゃることもわかるわけでございますけれども、ただ、こういう問題につきましては、今回のこの蚕糸と糖価の事業団の統合というだけでなしに、過去にもいろいろございますし、また今後もあると思うわけでございます。そういう際に、どういう統一的な扱いをしていくかということでございます。したがいまして、これらの面につきましては、大蔵省等の方との関係もありまして、従来からの扱いということに現在なっておるということでございます。農林水産省限りで出したり出さなかったりというようなことにいかない筋合いのものでございますので、御理解をいただきたいと思います。
#159
○中野明君 筋道は私もよくわかっているつもりなんですが、結局そういうところからつまらぬ誤解も出てくるのじゃないか、結局同じ仕事をしているのに途中で一遍退職金をもらってということでまた誤解を生むもとになるのじゃないかということで、農水省限りでできないということかもしれませんが、そういうことについて検討を加えていくのがやはり行政改革の一環じゃないだろうか。国民感情から見て、合併することによって四千七百万円ぐらい給料が少なくなると、これはメリットですと言うんですが、全員の退職金炉二億六千万ですか、これを出さなきゃならぬ、こういうことになると、素朴な感情としておかしいじゃないかということになります。それはやめてしまう人には、当然の権利ですから退職金を差し上げるのは現在の規則の上でやむを得ぬでしょう。だけれど、引き続いて同じ仕事をするのに、そうするとけさほどの坂倉委員の議論じゃないけれども、ちょっと真ん中で小遣いもろうてと、まことに優雅なもんだなと、それが天下りだということになってくると、ますます変な誤解を招く、こういうことになるので、行政改革の一環としても検討される余地がないかということなんですが、農林水産省限りでできないとしても、大臣はやはり国務大臣ですので、そういう面で大臣はどういう見解をお持ちですか。
#160
○国務大臣(亀岡高夫君) いろいろ方法はありますので、まあお気持ちを十分体して対処していきたいと、こう思います。士気にも関しますので、いまここで具体的に申し上げさせていただくと非常に厳しい情勢の中でございますので、この点はこの辺でひとつ御理解をいただきたいと思います。
#161
○中野明君 やはりこれはひとつ閣議で検討事項にされるようにしたらどうでしょうか。やはり中身はともあれ国民感情として、ちょっと中で勤めている人もそう思うのじゃないだろうかと思いますよ。同じ人がずっと勤めておって、ここで合併になったから退職金を一遍もろうといてまたそこで同じ仕事をしていると、結構なもんだな、優雅なもんだなということになって、それが誤解のもとになるんじゃないかと、こういうことでございますので、閣議ででも検討事項にされる気はありませんか、重ねて。
#162
○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほど申し上げましたとおり、新役員任命の際にいろいろ諸先生方の御意向等も十分勘案いたしまして対処していきたいと、こう考えます。
#163
○中野明君 これはそれ以上申し上げてもしようがないと思います。
 それからこの問題に関してもう一点だけ、今回の新しい事業団に副理事長を置くということになっておりますが、この副理事長はどういう役目をするように考えておられますか。
#164
○政府委員(二瓶博君) 副理事長の役目でございますけれども、これは法案の十五条にもございますように、「副理事長は、事業団を代表し、理事長の定めるところにより、理事長を補佐して事業団の業務を掌理し、理事長に事故があるときはその職務を代理し、理事長が欠員のときはその職務を行う。」ということでございまして、これが役目でございます。
#165
○中野明君 そうしますと、理事長は当然両方のことということで、私たちがちょっと直観的に思いますのは、事業団が二つ一緒になったものですから、副理事長は片方の事業団から出すと、理事長は両方見ると、こういうような形で、またこの役職が固定的になってしまうおそれがないかということなんですが、その辺はどうでしょう。
#166
○政府委員(二瓶博君) 新事業団におきまして、副理事長の役割りというのはただいま御答弁申し上げたとおりでございます。しかも、副理事長は統合されました後もこれは今度お一人でございます。したがいまして、どういう方がというか、適任者の方が当然副理事長になられるわけでございますが、それはただいま申し上げましたような役目といいますか、役割りを十分こなし得る適任の方ということになろうと思います。具体的な選任の方はそういう役割りを果たし得る人が選任されるものと考えております。
#167
○中野明君 人事のことですからこれ以上申し上げませんが、私ども心配しますのは、二つの事業団を一つにするということですから、副理事長も置いたと。理事長は当然両方一生懸命やらなきゃならぬのはわかりますけれども、副理事長はどちらか重点を置いてやるんじゃないかと、こういうような気持ちを私たち持つわけです。
 そうすると、それがもうその事業団の、要するに関係した旧事業団の既定のポストみたいな形になって、どんどんどんどんその人がやめたらまた次もそこから行くというような形になると、いつまでたっても一本になった意味がないじゃないかという心配をするものですからお尋ねをしているわけなんですが、その辺どうでしょうか。
#168
○政府委員(二瓶博君) 現在たまたま糖価の方に副理事長がおられまして蚕糸の方はないと、こういうわけで、新事業団ができましたときに副理事長お一人でございます。したがいまして、中野先生の御心配といいますか、そういう面もあろうかと思いますが、私たちの方は、むしろ今度は理事長さんお一人で蚕糸、糖価全体の新事業団として業務をやるわけですから、これを補佐するといいますか、そういう役割りの方でございますので、これは両方をよくにらんでやれる方という方が選ばれるものと、こういうふうに考えております。
#169
○中野明君 そうしますと、それは考え方の違いかもしれませんが、副理事長さんは私はこの際要らぬのじゃないかという気もするんです。一本にしていくということになれば理事長が全責任を持ってやって、あとは役員の方が補佐するという形にされた方がすっきりするんじゃないかなと、そういうふうな気がしてならぬものですからこういうことをお尋ねしているんですが、そういう点も含めて今後の課題として考えていただきたいと思います。
 それでは、時間もありませんので、重複は避けまして一、二点砂糖の問題でお尋ねしておきますが、先ほど来議論がありますように、この砂糖は国民生活に必要欠くことのできないものになっておりますが、総合食糧安保ですか、食糧の安全保障、そういう上からも、食糧を確保する上からも、砂糖の位置づけというようなことが大変になってまいりましたが、農林水産省としてはこの砂糖の自給率というものを大体幾らにしようと思っておられますか。
#170
○政府委員(渡邉文雄君) 国内産糖でございますが、その原料でございますてん菜とサトウキビは、御承知のように作物の特性から申しまして、てん菜は北海道の畑作の重要な作物ということになっておりますし、またサトウキビにつきましては、気候が絶対的な条件でございますので、鹿児島県の南西諸島の部分と沖縄県の基幹作物ということに相なろうかと思います。これらの地域におきます農家にとりましても重要な作物であるということで、従来その生産の振興を図りながら自給率の向上ということに努めているわけでございます。
 現在私ども六十五年の長期見通しというものを持っておるわけでございますが、国内産糖につきましては、原料でございますてん菜とサトウキビの生産の適地適作の地域におきます生産の拡大、それから、これは原料作物でございますので、加工過程におきます歩どまりという問題もございます。それから作物自体の中の糖分の高い作物の導入という、含糖率の高い作物の導入を図るというような諸点をいろいろ考えまして、五十三年度の対比で約五割増の増産を見込んでおるわけでございます。
 内容的に申し上げますと、てん菜につきましては六十五年の作付面積は、五十三年が北海道で五万八千ヘクタールでございますが、過去の趨勢、それから適正な輪作体系の維持等々を考えまして、六十五年、十年後には三割増の約七万七千ヘクタール。したがいまして、生産量が、反収増等を見込みまして四割増ということで約四百万トン。それから産糖量といたしましては、精糖歩どまりの向上等も若干見込みまして、五十二年の三十八万トンに対しまして約六割増の六十万トン強、約六十一万トンというものをてん菜及びてん菜糖については見込んでおるわけでございます。
 一方甘蔗糖でございますが、サトウキビの収穫面積は、五十三年度が沖縄と南西諸島と含めまして三万五千ヘクタールでございますが、これは立地条件等の限界もございまして、面積的には約一割増の三万八千ヘクタール。生産量は、反収の向上等を見込みまして約三割増の三百二十三万トン。それから歩どまりの向上等を見込みまして、最終製品でございます産糖量といたしましては、五十三年の二十九万トンに対しまして四十一万トンと見込んでおるわけでございます。
 以上からいたしまして、てん菜糖と甘蔗糖を合わせました六十五年の国内産糖量の合計量は、五十三年の六十七万トンに対しまして百二万トンというふうに一応見込んでおるわけでございます。
 この結果、六十五年には総需要量が約三百二十万トンというふうに見込んでおります関係上、自給率といたしましては五十三年の二三%が三二%ぐらいに向上されるというふうに私ども考えております。
#171
○中野明君 御親切な答弁ありがたいのですけれども、予算委員会と違いますので、余りこう長く答弁されると非常にこちらが迷惑をするわけです。私はおとなしいからよう途中でとめませんで、まあ一生懸命おっしゃってますから聞いておりましたが、自給率を何%に持っていこうとしているのかということを聞いたんですよ。いま最後に一言言われた、その御答弁でよかったわけなんですが、これは最終的にそこまで、それ以上考えておられるんですか、どうですか。
#172
○政府委員(渡邉文雄君) これは幾つか制約条件がございます。南西諸島、沖縄の場合にも、耕地面積の限界というのがございますし、北海道の場合にも、輪作体系と畑作面積との関係というのがございますので、北海道のビート作につきましては六十五年のこの七万七千町歩以上にいく可能性はある程度あるとは思いますが、南西諸島、沖縄につきましては、六十五年見通しをある程度上回るといたしましてもそう大きく向上するということは考えられないのではないかと思っております。そういたしますと、自給率自体につきましても、三二%がその後ふえるといたしましても若干のものではなかろうかというふうに考えております。
#173
○中野明君 そうしますと、どうしても国内で全部一〇〇%自給はできる状況じゃございませんので、やはり輸入が問題になってくるわけですが、五十五砂糖年度の見通しては消費は伸びないということで下方修正をされておりますが、この長期の輸入協定の見通し、これについてはどう考えておられますか。
#174
○政府委員(渡邉文雄君) 先ほども申しましたが、長期協定といいましても民間ベースで、国によりましては、豪州以外は大体幅を持った長期協定になっております。そんな関係がございますが、そういう幅のある長期協定ではありましても、現在輸入量の中で約百三十万トン前後が長期協定の数量になっておるわけでございまして、先ほど申しましたような砂糖の需要をめぐります情勢の変化があるわけでございますが、といたしましてもここしばらくの間は二百万トン前後の輸入、あるいは百八十万トンの輸入というものは十分あり得ると思っておりますので、現在程度の長期協定の数字が今後も続くといたしましても、当面特に問題が起きるということはないというふうに考えております。
#175
○中野明君 それじゃ、時間がございませんので、最後に大臣に改めて私からもお尋ねをするんですが、この生糸の基準糸価、九日に諮問を出すとこのようにおっしゃっておるわけですが、今日まで延びた原因というのは、やはり糸価を下げようという農林水産省の考え方があるから今日まで延びていると、私はこのように理解をしております、しかし、農林水産省がとっておられる養蚕政策、国内で養蚕政策をとっておられる、これと、基本的に考えておられる生糸、場合によったら基準糸価を下げようかということと整合性がありますかね。養蚕農家が納得するでしょうか、そういう考え方で。私、高知県におりますが、過去にも、桑を引き抜いて、そしてミカンを奨励してミカンを植えると言われてミカンを植えた。ところが、そのミカンがまた生産超過でだめだと。またミカンの木を切ってほかのものをやれというので、農家はうろうろして、農林水産省の言うたとおりにしておったらひどい目に遭うというぐらいに信用がなくなっているような面もあるわけです。そういう点で、今日まで基準糸価の決定が延びているというのは、やっぱり下げようかというような考えがあるからだろうと思うんですが、農林水産省が現実にとっておられる政策と矛盾を大臣はお感じにならないかと、こういうことなんですが。
#176
○国務大臣(亀岡高夫君) 私どものとってまいりました養蚕振興策がうそにならないようにするために厳しい対処をしなければならないと、こういうことでございます。ですから、先ほど申し上げましたように、事務当局は生産調整もここまで出てきているようでありますけれども、私は一度も生産調整は言っておらないわけでございます。(「心の中にあるんでしょう。」と呼ぶ者あり)いや、心の中にも持たないわけでありまして、やはり外国からの輸入をできるだけ制限をしていくというその努力をわれわれはやりませんと、これはもう先般擬装乳製品につきましても、やはりECなりあるいはニュージーランドと折衝しました経験からいたしましても、やはりこちらの態勢、こちらの実態、これをよく相手に理解をせしめることによってある程度の話し合いはついていくわけでありますから、こちらが十の利益をとって相手に五の不利益を要請をするということでは、相手はなかなか自由化の品目をなぜ日本はそういうことをするのかということで反発が非常に多くなるわけでございますが、こっちもやっぱり二・五なら二・五のマイナスをこのようにしょいます、だからあなた方ももう少ししょってくださいということで話し合いというものが前に進んでいく、こういうふうに私感ずるものですから、そういうことを努力することによって、また生産性の向上なり何なりによって養蚕農家がやっていけるような施策も十分考えなくちゃならぬわけでありますから、そういうことによって私は日本の養蚕業はりっぱに生き残っていくことができるものと、こう確信をいたすわけでございます。
#177
○中野明君 非常に大臣のおっしゃっていることは私ぴんと来ぬのですが、事務当局は生産調整がもうここまで出ておるというようなお話もいまありましたが、そうすると、生産調整は伏線にある、値段は下げられるということになると、これはもう往復ビンタですね、生産者は。だから、生産調整を言うのならば、価格でも上げて生産調整しろと言うのならある程度これは話し合いの余地はあるんですけれども、往復ビンタみたいな形で、これでは農家は余りにかわいそうじゃないかと。政策的には片方でやっぱり養蚕の振興を図っているわけですから、そういう面では、けさほど来議論が出ておりますように、もう最小限度据え置きじゃないだろうか、このように私どもも強く考えております。
 大臣も大分考えがいろいろとなっておられるということでございますので、その大臣の政治性を期待して私質問を終わりたいと思います。
#178
○下田京子君 最初に、両事業団の統合に当たって、その結果が労働者の犠牲にならないこと、あるいは国民、関係者にサービス低下にならないこと、そして広く国民の納得を得られること、これは当然だと思いますし、そういう立場から職員の継続雇用の問題、それから労働条件、すべて労使間で協定された問題等々は継承するというお話は繰り返し確認されてきているわけなんで、これは新事業団発足に当たって、こうして国会答弁で繰り返しお話しになられたことが確実に実行されますことを見守りたい、こう思うわけであります。
 ただ、どうもはっきりしない点で、もう一つ役員の選考基準の問題なんですけれども、これは四月の二十三日のときにも私、大臣に質問しました。行管庁の政務次官は、五十四年の十二九十八日に閣議了解されている線で厳しく対応したいと、こう言っているわけなんですが、大臣、念のためにもう一度、新事業団の発足に当たってのその役員選考基準は、五十四年の十二月十八日みずからが決められているその閣議了解の線に沿っておやりになるということを言明いただけるかどうかです。
#179
○国務大臣(亀岡高夫君) それはもう、閣議で決めたことを忠実に実行することは閣僚のこれは責務でございますから、おっしゃるまでもございません。そのとおりやります。
#180
○下田京子君 としますと、先ほど来からちょっと問題になっておりますが、現在の両事業団の役員が一たんおやめになって退職金をもらう、そしてまた新事業団に云々というときにその人材の活用等々で必要があればと、こういう話がございましたけれども、これは特定の個人云々ではなくて、あくまでもいま大臣が言われた線でいけば、仮にもその閣議了解の線で言う「特殊法人相互間のたらい回し的異動」云々というのは原則として一回限りだということも含めて、いま大臣が言明されたというふうに私は受けとめておきたいと思います。
 そこで、次に移りたいわけですが、基準糸価の問題です。これは他の委員からもいろいろ御指摘がございましたけれども、明後日、九日に基準糸価等を決定するというふうな状態になっているということなんですが、これはいままででしたらばもう三月末に当然決定されているわけで、異常な事態だと思うんですね。なぜこういう状態になっているかと言えば、大臣が早々に基準糸価千円程度の引き下げというふうなことを打ち出してきたと。そのことが関係者の納得を得られなかった、その結果ずれているのではないかと思うんです。そういう中にあって、しかし大臣はあさってのその審議会を前にして、現在は大分考え方も変わっているかのような話をされているんですけれども、依然として引き下げということも一部報道で話が出ているわけなんです。その引き下げの理由としていままで大臣が言われてきているのは、一つには三月末で十四万八千俵という事業団の過剰在庫を解消して中間安定制度を守るために必要なんだと、こう言っていますね。それからもう一つの理由が近く予定されている輸入交渉で、相手方に日本がこれだけ厳しくやっているのだからという点で実効あるんだよと、こう言っているわけですけれども、本当に、仮にも基準糸価を引き下げたということによって事業団の過剰在庫が確実に解消できるという見通しがおありかどうか。
#181
○国務大臣(亀岡高夫君) 私は秋ごろになれば大体そういう情勢が必ずやってくる、実現できると、こう考えております。
#182
○下田京子君 ちょっと弱々しいお声で大臣言われましたが、秋ごろになればそういうことで期待できるということなんですが、果たしていま言われたことが確実に保証されるんでしょうか。つまり、昨日六日付の横浜の取引所における六日限りの価格を見てみますと、一体どういうことになっているかというと、これは一万三千八百八十円ということでもって、もう基準糸価を千円さらに引き下げたそこのところぎりぎりという状態なんですね。しかもこれは六月以降の先物買いのいわゆる取引相場の話ですね。こういう状態で、もうすでに基準糸価の引き下げということが出たらば糸価の相場が下がっちゃったと。ということになれば、売り渡しは不可能になっちゃうんじゃないですか。その結果在庫ははけるということではなくって、むしろ増加の悪循環ということになるんじゃないでしょうか。さっきちょっと局長からのお話がございましたが、すでに、いま現在四月に入ったらもう十五万二千俵になっていると、こういう話でしょう。本当に秋になったらそういうことが保証されるんだろうかという点がやはり問題として残りますし、同時に輸入の問題につきましても、これは一元輸入の生糸の問題については、二国間協定等の中では特に蚕糸事業団在庫の積み増しを行わない範囲において輸入すると、こういうふうになっているわけですね。ですから、現在は入っていないわけでしょう。しかしこれが、いま大臣が言った、仮にも秋になって、じゃその売り渡しが可能になったということになりますと、今度は輸入の側からの攻撃があって、さばけた分、実割りの売り渡して在庫が減少した分、今度は輸入で入ってくるというふうなことになるんじゃないでしょうか。
#183
○政府委員(二瓶博君) 五十五年度の二国間協定、これにおきましては、数量を大幅に減らしたということがございますが、ただいまお話ございましたように、その発注につきましては、日本蚕糸事業団在庫の積み増しを行わない範囲内において、わが国の生糸、絹の需給事情及び糸価の動向を勘案して行うということにいたしておりまして、現在、五十五年度協定分の生糸につきましては一切輸入発注をいたしておりません。したがいまして、輸入は、生糸については停止をいたしておるという状況でございます。
 そこで、この五十五年度に二国間の協定で取り決めた数量につきましては、五十六年度に入った現在におきましてもなおこの取り決め数量というものは有効であるというふうに考えておりますが、この一元輸入の発注条件、これにつきましては、五十五年度分の協定履行は事業団の在庫状況等によっては五十五年度中に履行できないという条件でございます。したがいまして、五十六年度にさらにこの条件を継続させていきますためには、五十六年度に入って改めて協議をもう一度するということにならざるを得ないと考えております。
 そこで、五十六年度の協定というのはどうなるかということですが、もうそろそろやろうというようなことも言い出してはきておりますけれども、まだその時期ではないということで、具体的な竹取りは決めておりません。しかし、いずれ協議をすることになろうと思います。したがいまして、生糸の輸入数量の圧縮という五十六年度分については最大限の努力をしますとともに、この五十五年度の発注条件、この問題につきましても、現在のこういう状況でございますので、その面についても改めてさらに協議をし、その面についても強く理解を求めたいと、かように考えております。
#184
○下田京子君 相手国に理解を求めるということはしていただかなければなりませんけれども、逆に言えば、相手国があることですから、いまお話しになったような発注条件が五十六年度とうなるか等々を含めまして、確実に、いままで大臣が言われているように、これは輸入は不足しているものだけを入れるんだよと、国内生産をまず優先だよということがやれるという保証はないということですね。それで、特にここでも言いたいんですけれども、三月末で、十四万八千俵のうち輸入糸は約十万八千俵でしょう。ですから、事業団が抱えている在庫量の七三%が輸入物なんですよね。そういう中で、少々日本で基準糸価引き下げ云々でやったからといって、その保証がきちんといま話に出ていないわけです。これはもうそういう点をきっちりやっていただかなければならないということを私は再三指摘しておきたいと思うんです。
 それで、そういう点からいけば、輸入抑制の問題ではいろいろ新たな問題も出ているわけですね。通産省にお尋ねしたいんですけれども、韓国との二国間取り決めの中で、五十五年度は絹織物については七百万平米となっていたと思うのですけれども、実際に最近の通関ベースで見たところによれば、七百十九万九千三百八十二万平米ということで、協定量を上回ってきている実態になっているわけですね。なぜオーバーしたのかという点で実態をつかんでいらっしゃるかどうかというのが一点。
 それから二点目には、なぜこういう事態が起きたのかということで、新聞等によればいろいろ報道があります。一つは、これは韓国からの絹織物の輸入については、韓国政府の発給するビザによってやるわけで、どうもビザが偽造されたのではないかという話も出ていますし、韓国物じゃなくて中国絹織物じゃないかという話も出ているわけなんですが、この二点についていまどのようなところまで調査が進んでいるか。
#185
○説明員(末木凰太郎君) 先生御指摘のとおり、五十五年度の韓国との絹織物の輸入取り決め数量は七百万平方メートルでございます。それに対しまして、先月発表になりました三月の通関を合計しますと、御指摘のように、約二十万平方メートル実績をオーバーしたというのは事実でございます。これにつきましては私ども、一体どういう事情でこういうことになったのか、早速先週のことでございますが、在京の韓国大使館を通じまして韓国側に、とりあえずはまず状況の説明を求めている段階でございます。一つの可能性といたしましては、先生御指摘のように、この日韓の絹織物のコントロールは、話し合いのできた数量に基づきまして、韓国側の自主規制、韓国側のコントロールで実施をしておる。しかし、数字の数え方は、日本に到着したときの通関の通関量で幾ら幾ら、こういうこと。いわばリモートコントロールのような形になっておりますところに今回のような食い違いが出たことは考えられることでございますが、これは想像で解決してはいけない問題でございますから、照会をした上で、答えを待って必要な対策を考えたいと思います。
 第二点の問題でございますが、先ほど御説明ありましたような青竹問題等もございまして、昨年の末から、大蔵省との連携によりまして、税関におけるチェックも特に絹織物については厳しくやっていただいております。疑わしいものがあればその都度個別に通産省にも照会がありまして、私の方で専門家がチェックをしておりますが、現在のところ、うわさにありましたような偽造ビザとか中国製のものが韓国から入ってきたという事実はございません。
#186
○下田京子君 いずれにしても、いま照会中で説明を求めているということなんですけれども、これは大臣にお聞きしたいんですけれども、二国間協定が、とにかく韓国側の自主申告だということにあったとしても、協定しているわけで、それが、協定が無視されたということはやっぱり重大な問題だと思うんですね。その点で、大臣からも韓国政府にやっぱりきちっとした説明を一つは求めてしかるべきだと思います。
 それからさらに、こうしたことを考えますと、どうしても生糸だけじゃなくて、絹織物やあるいはそのほか繭等総合的な輸入調整のために、生糸換算による総量規制ということが関係者からも非常に大きな声になっておりますけれども、そういった問題も検討すべき時期にあるのではないかと、こう思うのですが、二点について大臣から明快なお答えをいただきたいと思います。
#187
○政府委員(二瓶博君) 韓国からの絹織物の輸入、これが五十五年度協定数量よりも二十万平米ほど超えておるということは、先ほど通産省当局からも答弁申し上げましたように事実でございます。現在、通産省におきまして実態を調査しておるところでございますので、農林水産省としてお答えするのは差し控えたいと思いますが、ただ問題は、やはり二国間協議の実施、履行という問題につきましては、これは双方とも誠意を持って行う必要があるというふうに考えております。したがいまして、わが国におきます絹需給の混乱を招き、さらにひいては国内養蚕農家に悪影響を与えるということになりかねないという問題でもあろうかと思いますので、この面につきましては、通産省あるいはさらにまた外務省とも十分連携をとりまして適正に対処するように措置してまいりたい、かように考えております。
 それから、第二点でございますけれども、生糸については一元輸入というやり方をやっております。そのほか、繭なりあるいは絹糸、絹織物、二次製品というものにつきましては輸入貿易管理令に、基づきます輸入承認制等の措置を講じておると。そのほかに、二国間協定というのを主要な対日輸出国でございます中国、韓国とやっておると。こういうような形で現在輸入調整をやっておるわけでございます。
 その際に生糸換算での輸入調整というようなことはどうかというお尋ねでございます。非常に厳密な意味では、これ換算するといいました際にも、中国からの織物、裏地物だと非常に生糸の量が少ない、あるいは韓国のものであれば非常に重目がありまして生糸量が多いとか、いろんなことがございます。人によりましては、自生地と染めただけでも大分違うとか、いろんなことを言っておりますので、厳密な意味での生糸換算というのは非常に技術的にはむずかしい問題がございますが、大ざっぱな目安として、絹織物を生糸換算すればどのくらいになるとか、多種多様なものがございますけれども、大ざっぱなものはそういう目安は一応は立てられようかと思います。そういうものをめどにしながら、関係の通産省とも連携をとりながら、生糸だけ締めてもしようがありませんので、生糸も絹糸も絹織物も、輸入を抑制するといいますか、そういう角度でともどもに絹製品全体として輸入の数量が少なくなるように努力をいたしたいというふうに考えております。
#188
○下田京子君 総量規制ということで、換算率と技術的なことがあるけれども検討したいというお答えでしたので、実行を期待したいと思います。
 次に、絹織物の不正輸入問題でお尋ねしたいわけですが、警察庁にお尋ねいたします。
 去る五月一日、フィリピンの青行事件に関連して警視庁が強制捜査に踏み切ったことが報道されております。問題は、やはり不正輸入という点からいけば数量問題といってもスペインが大きな問題になると思うわけです。
 そこでお尋ねしたい点なんですけれども、ニッタン株式会社の深石氏が社長をしている、そこにも強制捜査をしたというふうに報道されているわけですが、これは事実かどうかという点が一つと、事実とすれば、当然これはニッタンの場合はフィリピン青竹ということよりもスペイン青竹に関係して問題になっているわけですから、スペイン事件についても引き続き捜査するというふうに理解してよろしいですね。
#189
○説明員(内田文夫君) 第一点でございますが、ニッタンの関係の捜索は五月一日に行っております。これにつきましては、いま先生おっしゃいましたように、現在は主としてはフィリピンの関係から入っているわけでございますけれども、スペインの問題についても不正輸入の疑いがあるということで、これも含めて捜査を進めてまいりたいと、こう思っている次第でございます。
#190
○下田京子君 通産省にお尋ねしますけれども、通産省は五月一日に警視庁に対してフィリピン青竹輸入事件で告発したわけですね。一つは告発の理由は外為法の五十二条違反としておりますけれども、その具体的な内容はどういうことなのかという点と、それから二つ目には、当然通産省としては引き続きスペイン青行事件についても調査をずっと進めておるわけで、これらも警視庁に告発する方針と受けとめられるわけなんですけれども、そのようにまた理解していいかどうか。
#191
○説明員(末木凰太郎君) 御指摘のとおり、外為法五十二条違反の疑いで告発をしたわけでございまして、具体的に申しますと、フィリピン青竹はフィリピン原産でマニラ港から船積みをされたという申告で入ってきたわけでございますが、実態がそうではなくて、中国原産、船積み地もマニラではなくて、恐らく香港であろう、そういう疑いを持ったわけでございます。もし、中国原産でございますと、これは外為法五十二条に基づきます輸入貿易管理令に従いまして、当時通産大臣の許可を事前にとっておく必要があったわけですが、この許可を私ども与えておりませんものですから、そこに違反が成立する、こういうことでございます。
 第二点。スペインにつきましてはおっしゃるとおりの心構えで現在やっておりまして、フィリピン事件と同様な程度に内容が固まれば、当然同じ措置をとるということになろうかと思います。
#192
○下田京子君 次に、大蔵省にお尋ねしたいのですが、いまお聞きのように、通産省はフィリピン青行事件では原産地も船積み地域も手続の際に話されていたようにフィリピンでない、それからマニラでないということで告発しているわけですね。とすれば、当然大蔵省としては関税法の百十三条の二に違反するということから、もう告発すべきではないかと思うのですけれども、この点は、どうなっているのかという点が一点と、それから大蔵省は捜査権もあるわけですから、いま通産がスペイン青竹についても当然近いうちに調査をまとめて、同様に告発の準備を考えているというお話ですから、大蔵も、このスペイン青竹も同じようなことに相なるかと思うのですけれども、その辺どういうお考えなのか。
#193
○説明員(田中史君) お答えいたします。
 まず第一点のフィリピン事件についてでありますけれども、原産地をフィリピンとして輸入された絹織物の件につきましては、昨年来、いまお話ございました関税法百十三条の二の虚偽申告罪ということで鋭意東京税関におきまして調査を行ってきたわけでありますが、調査の結果、関税法違反の事実が明らかになっております。したがいまして、現在その処分をどうするかということにつきまして検討いたしておりまして、早急に結論を得たいというふうに考えております。
 それから第二点のスペイン事件でございますが、これもやはり昨年原産地をスペインとして輸入された絹織物につきましても同様に原産地を偽っている疑いがあるということで、やはり虚偽申告罪ということでフィリピン事件と同時並行的に東京税関において調査を行ってきたところでございます。
 本件につきましても、フィリピン事件とほぼ同様に、調査は最終的な段階を迎えておりますけれども、なお裏づけ調査あるいは関係者の役割り等につきましての法的評価の検討というような点で若干の点が残っているところでございます。しかしながら、本件につきましてもこういうような残された点の調査を早急に進めて、関税法違反の事実が明らかになりますれば罰条に照らして厳正に処分したいというふうに考えております。
#194
○下田京子君 大蔵としてはむしろおくれをとったような感じも受けなくはないんですよね。いまのお話ですと、明確に告発するというふうにはおっしゃっていない。ただし、中身を聞けば告発という内容に受けとめられるわけで、そのように理解したいと思うわけですが、よろしいですね。
#195
○説明員(田中史君) 処分をどうするかという点につきましては、いま申し上げましたように、フィリピン事件につきましては関税法違反の事実は一応明らかになっておりますが、どう処分するかにつきましては関係機関とも協議をいたしまして厳正に対処する方向で処分について検討していきたいというふうに考えております。
 なお、おくれをとっているのではないかという御質問でございますが、私どもの処分と申しますのは、捜査権がありまして、そういう意味で捜査を完了し、反則の事実の、何といいますか、確証を得た上で行うという意味で慎重を期するという一面があることを御了解いただきたいと思っております。
#196
○下田京子君 慎重であることは当然でありますけれども、厳正に処分をしていただきたいということは重ねて申し上げておきたいと思います。
 ところで、これは大臣に御答弁いただきたいのですが、先ほど韓国政府との二国間協定の問題については局長からお話がありましたが、大臣の基本的な姿勢として私はお聞きをしたかったわけですよ。まあ局長えられたことも同じだろうというふうに理解しますけれども、いまのフィリピン青竹、スペイン青竹問題、それからまた中国、韓国等を含めた二国間協定とそのほかすべての輸入問題という点では、相手があることで、なかなかこちらが思うようにもいかないというふうな問題があるわけですね。
 とすれば、私はこれは、先ほどもどなたかからも質問があったと思うのですけれども、こういう状態の中で基準糸価の引き下げということになったら、一体その犠牲をこうむるのはだれかと言ったらはっきりしているんですね。もう養蚕農家がその犠牲者になるということが明らかです。これは全国養蚕農業協同組合連合会から出されている、大臣もごらんになっている資料だから、あえて言うまでもないと思うのですけれども、五十五年適用の基準糸価をもとにして決められた基準繭価の場合にはこれは二千百五十三円ということで大幅にコストを割っているんですね。掃き立て箱数が三十箱以上という最大規模の農家の生産費でもこれは二千四百五円ということなんで、大変なコスト割れだということははっきりしておりますし、それからその際の労賃評価の場合にあっても、これはお米が一時間当たり千百三円五十一銭、加工原料乳が九百三十五円四十三銭、そして葉たばこが八百十二円五十銭ということに比べまして繭の方はどうかというと、七百十円と大変低いんですね。そういう状態で、さらにこれは五十六年の三月二十七日農水省の統計情報部が発表された資料によりましても、明らかなように、五十年産の繭生産費はすでに一一・三%アップしているんですね。ですから、せめても据え置きだという話ですけれども、据え置かれてもなおかつ一方でこれだけ上がっているということになれば、実質引き下げになるんですよ、
 そういう状態があるということと同時に、ここ十数年来の養蚕農家が実態どうかということを見ますと、昭和四十年に五十一万四千戸あった養蚕農家が、五十五年では十六万六千戸ともう大激減でしょう。そして桑園の面積にしましても、四十年当時に十六万四千ヘクタールあったのが、五十五年、昨年時点で十二万一千ヘクタールというふうな状態になっているわけです。なぜこうなるかと言えば、やはり生産費を償わない低繭価、低糸価にあるということは私が言うまでもなくはっきりしていると思うんですよ。
 そういう点から言って、仮に――大臣少し考え方が緩やかになったというお話ですけれども、引き下げなどということになったら、もう明確にこれは養蚕農家を――事務当局はまあ合理化云々ということでここまで考えているなんていうことを言っているが、私はあくまでもそういうことで農家の切り捨てなんていうことは考えていないと、こう言われているわけです。仮にもそのことが本音だとすれば、やはり私はこの基準糸価の引き下げということは断じてやられるべきものではないのじゃないかと思うんですが、そういう点で、結果もうあさってを待つわけですけれども、本当に養蚕農家の経営だけを犠牲にするようなことがない方向でおやりになるという点で確約いただけるかどうか、大臣に御決意を聞きたいと思います。
#197
○国務大臣(亀岡高夫君) 韓国の二国間協定の数量を超えたという問題につきましては、外務省ともよく打ち合わせをいたしまして対処してまいりたいと、こう考えます。
 と同時に、基準糸価の問題については、先ほど来お答えしておりますとおり、まあ異常事態と下田委員も指摘されましたように、今後養蚕をめぐる事態というものはなまやさしいものではない。これを切り抜けてまいりますためにはもう本当にあらゆる努力と施策を講じなければならぬと、こう考えておるわけでございまして、九日の審議会に対しましても、また当委員会の意向等もしんしゃくをいたしまして、よく党とも打ち合わせた後に決めていきたいと、こう考えております。
#198
○下田京子君 まあ繰り返し党とも相談して云々ということなんですが、少なくとも国内養蚕農家の経営圧迫ということにならないことを重ねて要望します、
 次に、てん菜の生産振興問題でお尋ねしたいわけですが、先ほどもちょっとお話がありましたが、今後のてん菜の生産の見込みの話で、昭和六十五年時作付面積が七万七千ヘクタールぐらいになるだろう、こういうお話でしたが、現実に五十六年の生産見込みがいまもう七万ヘクタール台にならんとしていることが、これは道の農務部の資料でも明らかになっているわけなんです。特に五十五年のてん菜の作付面積を見ますと、前年比一〇%増で六万四千八百ヘクタール、これは史上最高ですし、生産量にしましても、十アール当たりの収量が史上二位ということでの五千四百八十キログラム、全体として三百五十五万トンと、これまた史上最高になっているわけで、砂糖の自給率二五%という点から見れば大変喜ばしいことなんですけれども、はてさてこれだけのてん菜糖を処理する工場の能力の問題が非常に心配されているわけなんです。この道の農務部の報告によりましても、現在の製糖処理能力だと非常に長期間を要して品質低下等が起きていると、こういうお話があるんですけれども、これらにどう対応されるおつもりなんでしょうか。
#199
○政府委員(渡邉文雄君) 御指摘のように、てん菜の生産は大分ふえてまいっております。昨年の六万四千数百ヘクタールに対しまして、道の生産振興計画でも今年産は六万八千を超すというような計画が立てられておるわけでございますが、その結果、御指摘のように原料の処理能力、現状のままで大丈夫かという御心配があるわけでございますが、私ども基本的には、当面の問題としましては収穫期の繰り上げとか、あるいは工場間の移送等々によって従来も対応してまいりましたし、対応できるとは思っております。
 今後の問題といたしましては、これは作付動向の推移にもよるわけでございますが、増産の実勢に合わせまして、現在ございます八つの工場の機械設備の更新時に、それぞれの部門ごとにネック部門がございますが、それを処理能力として、機械の入れかえをするときに能力アップを図るということを進めることによりまして、増産されたビート等の処理に遺憾のないように措置をしてまいりたいというふうに考えております、
#200
○下田京子君 これは大臣にお尋ねしたい点なんですけれども、いま当面の問題としては、収穫期等の繰り上げなどと、それから今後の問題では八つの工場の更新時における能力アップ問題等々検討したいというお話なんですけれども、非常に私これは甘い面があるんじゃないかと思うのですよ。
 といいますのは、実際にもいろいろと皆さんが不安を訴えているんです。その収穫期の繰り上げの話なんですけれども、これは日本甜菜製糖株式会社の芽室製糖所のところで出ているんですが、早出し奨励金をトン当たり二百円なんということが具体的に出されているわけです。しかし、農家のサイドから見たらどうかといいますと、バレイショの収穫期と競合してくるわけですね。それからまた、いままでですと収穫は十月の半ばごろからでしょう。ところが、それを早くということになりますとてん菜の成長期の中途ということにもなってくるわけで、そういう点で問題があるんですね。
 それから、これはホクレンの工場で中斜里の製糖工場で出ている小清水町の話なんですけれども、一定の量以上作付したらばペナルティーをかけるぞという話まで現地の農民の中には出てきて、不安が大きくなってきているんです、ですから、もう時間がございませんから、大臣に、本当に、少なくとも工場の処理能力という面を厳しく見ていかないと、これが増産意欲にブレーキをかけることになりますし、そしてまた、せっかくこれは減反の転作作物等としても道全体で一割ぐらいいま進行してきているということもあって、そういう中で生産抑制につながらない方向で具体的な検討をしていただきたいと思うわけです。
#201
○政府委員(渡邉文雄君) 御指摘の点、よく私ども認識しているつもりでございます、
 これ、一つの例として申し上げて恐縮でございますが、日甜の美幌工場の機械設備につきまして、ことしの一月に、機械設備の更新に当たりまして能力をアップしたいという申請が参りまして、これを一月の下旬に私ども甘味賛源特別措置法によりまして承認をしておりますが、この例で申しますと、たとえばディフューザーとか第二、第三飽充ろ過機等を、機械をかえますと、従来のディフューザーで言えば千八百六十六トンの一日当たりの処理能力が二千九百七十トンというふうに上がるとか、そういう効果があるわけでございまして、結果的に、この工場だけで従来の一日当たりの処理能力が二百四十二トン増加して、年間で約四万トン――これは計算上でございますが、そういう能力アップにつながるというようなことがございます。
 それ以外の工場につきましても、現在、先生の御指摘のような点を私どもも同じように心配をしておりまして、個別にどういうことを考えられているかということを精査をしておりますが、それぞれ各工場とも設備の更新時における能力アップについて、の計画をお持ちのようでございますので、今後の生産の動向に応じまして、私どももできるだけ弾力的と申しますか、実態に応じた能力のアップにつきましては意を用いてまいりたい、こういうふうに考えております。
#202
○下田京子君 大臣から一言。
#203
○国務大臣(亀岡高夫君) 局長からいま答弁申し上げましたように、よく事実関係を確認をいたしまして、弾力的な指導をしていきたい、こう考えております。
#204
○田渕哲也君 まず初めに、蚕糸砂糖類価格安定事業団法というものについてお尋ねをしたいと思いますけれども、この法律は、日本蚕糸事業団と糖価安定事業団を合併して新たにこの事業団をつくるというものであります、
 そして、その業務内容については従来どおり変更はないのだというふうに説明されておりますけれども、私は、行政改革の一環として行われるとするならば、単に二つの事業団を一つにするということだけではちょっと物足りない気がするわけです。やはりそれぞれの事業団の業務の内容の適、不適、いままでの業務で十分であったのかどうかということをやはり検討して見直すことが必要である、それこそが私は行政改革につながると思いますけれども、この点についてまずお尋ねをしたいと思います。
#205
○政府委員(二瓶博君) 蚕糸事業団と糖価安定事業団が統合するということにいたしますに当たりましては、両事業団の業務内容、これを従来のままでいいのか、さらに拡充するなりしたらどうかとか、いろんなことをこれは検討したことは事実でございます。しかし、いろいろ検討をいたしましたけれども、その結果として、前からも申し上げておりますような、従来の業務をそのまま新事業団において行うということにいたしたわけでございます。これまでの過程におきましては、先生おっしゃるような点も当然――そう何回もつけたり離したりはできませんので、いろいろ考えたことは事実でございます。
#206
○田渕哲也君 私は、この事業団の業務について若干質問をしたいと思いますけれども、特に蚕糸事業団の業務についてお尋ねしたいと思うんです。
 蚕糸事業団の業務、これは繭糸価格安定法に基づくものでありますけれども、本当に日本の養蚕業というものを完全に守れる制度かどうか、私はちょっと疑問に思うわけです。本当に養蚕業を保護しようと思うならばこれでは不十分である。もちろん養蚕業というものをどこまで保護するかという基本的な問題がありますけれども、それはさておきまして、本当にこれを守っていこうとするならば、この制度ではちょっと不十分ではないかと思うんです。
 以下、具体的に触れてみたいと思いますけれども、蚕糸事業団の生糸在庫が四月三十日現在ではもう十五万俵を超えておる、そして事業団の借入金が千二百五十億、金利並びに倉敷科で年間百二十億円もかかる。こういうことがさらにひどくなれば、事業団自体が財政的に存在できなくなる。それから価格にしても、中間安定価格帯の中の下限にこの二年ぐらい張りつきっ放しである。これは一つの中間安定帯という、余り幅の広くない道路の上を走っていかなきゃならぬわけですけれども、もう片方のみぞに寄ってみぞに落ちる寸前でずっと走り続けておる、これは完全に需給調整による価格安定の機能を喪失しておると思うんですね。この点についてはいかがですか
#207
○政府委員(二瓶博君) 現在、日本蚕糸事業団は繭糸価格安定法によりまして繭糸価格安定制度の運用面におきまする実施機関というようなことで、国産生糸の買い入れ、売り渡し、あるいは外国産生糸の一元輸入、売り渡しというようなこと等を行っているわけでございます。
 そこで問題は、中間安定措置というのを現在軸にして運用されておるわけでございます。四十一年以来でございますが、五十二年までは非常に順調に滑ってきております。中間買い入れをする、あるいは標準中間売り渡し価格で高騰したときに売り渡すというようなことで、中間安定価格帯の中に実勢糸価をその幅の中におさめるという機能が正常に作動していたというふうに認識をいたしております、
 それが五十四年六月ごろから様相が変わってまいっております。まあ基本的には、末端絹需要の減退とか景気の停滞とかいろいろありまして、国内の引き渡し数量が急減したというような背景があるわけでございますけれども、そういうことで現在も買い進んでおりまして、十五万二千俵の在庫を四月末に抱えておるという状況でございます。
 したがいまして、やはり今後はこの価格安定機能というものが正常に作用するようにやはり考えていかなければならないというふうに考えております。そのためには、何といいましても、やはり生糸の、あるいは絹の需給の改善を図っていくということがどうしても必要であるというふうに考えております。まあそのための方途として、需要増進対策なり輸入抑制対策なり、価格対策なり生産対策なり、こういうものを実効性のあるものを逐次実施に移して対処していくということで取り組んでいきたいというふうに考えております、
#208
○田渕哲也君 絹製品の需要減退の理由というのはいろいろあろうかと思います。生活様式が変わったとか、あるいは不況によって実質所得が減ったとかありますけれども、私はやはり二力に生糸価格の高騰ということがあると思うのです。昭和四十年と現在と比較してみて、他の繊維との価格を比較してみますと、もちろんそれぞれ用途は違うわけですけれども、衣類ということでは大体同じなんです。
 生糸の場合の国内相場、これは四十年を一〇〇として五十五年が二百八十、約三倍です。毛糸はどうかというと、四十年の約一倍半、一五八です、四十年を一〇〇として。綿糸の場合が二〇九、約二倍。それから化繊ですね、ポリエステルの場合は四十年を一〇〇とすれば五一、四十年の半分です。だから、化繊がどんどんふえてとにかく一番値上がりの激しい生糸の需要が減退する、これは当然のことだと思うんですね。
 それから国内の生糸相場というのは特に高いわけで、国際価格で見るとどうかというと、四十年に比べて大体現在は約一倍半、大体毛糸と同じぐらいの騰貴率です。だから、特に国内の生糸相場が三倍にも上がったというのが需要減退の大きな原因だと思いますけれども、この点はいかがですか。
#209
○政府委員(二瓶博君) 最近におきます蚕糸、絹業の不況につきましては、いろいろこの原因というものはあろうかと思います、国内におきます末端絹需要の停滞ということがございます。家計調査等で調べましても、まあ金額の方は別といたしまして、数量面におきましてはやはり絹織物、着物そういうものは減ってきておるという傾向は、これは否めないわけでございます。これには先ほど先生がおっしゃた生活様式の変化というようなものも絡んでおる面もあろうかと思います。まあそういうような末端絹需要の停滞というのもございます。
 それから、流通段階におきまして、いろいろ最近の高金利といいますか、ああいうようなこともありまして、在庫投資を控えるというようなこともあったというふうにも思っております。まあそういう面、か主な要因であろうかと思います。
 生糸の価格の問題につきましては、まあ実勢価格の方はこれは五十四年の六月以降は相当低迷した状態で続いておるわけでございます。したがいまして、この生糸の価格が蚕糸、絹業の不況の主たる原因というふうに断定するのはいかがかと、かように考えております。
#210
○田渕哲也君 それから、私はこの事業団の価格安定機能というものに一つの矛盾点があると思うのです。
 それはどういうことかというと需給調整というのが過去の数字――これは農蚕園芸局から出された資料ですけれども、糸換算で国内の生産、輸入というものが書いてあります。それから需要の合計もあるわけですけれども、この需要の増減が主として輸入の増減で調整されておる国内の生産というのは比較的安定しておるけれども、輸入の増減で需要の増減が調整されておる。これは国内の養蚕業を安定させるという見地から見たらきわめて好ましいことだと思います。ただ問題は、国産の生糸と輸入の糸の価格の差というものがある。国産生糸の方が高くて輸入の糸の方が安い。それがどういうことになるかというと、需要が減れば減るほど輸入を減らしていかなくてはならない。そうすると、絹織物業者、機屋さんから見たら、需要が減退するほど高い国産の糸をたくさん使わなければならない。もちろん、若干中間安定帯の中で相場は低下していくわけですけれども、それよりも輸入糸が使えなくなる、使う分が減ってくる、それだけ生糸のコストは高いものを使わなくてはならない、これがいわゆるその市場原理に基づく需給調整と逆の作用ですね。そこに一つの大きな矛盾があると思うのですね。だから悪くなり出せばどんどん悪くなると。道の片方に寄り出せばどんどんこっちへ寄ってくると。だから価格安定機能というものがこれで十分果たせるのか。その矛盾があると思いますけれども、これはいかがですか。
#211
○政府委員(二瓶博君) 繭糸価格安定法におきましては、日本蚕糸事業団によります国産生糸の買い入れ、売り渡し、それから外国産生糸の一元輸入、それから売り渡しということで生糸の需給の調整を図りまして、これによって生糸価格を中間安定価格帯の幅の中にこの実勢糸価というものをはまるように操作をして、生糸価格を安定さしていきたいということでございます。
 こういうような仕組みは、生糸価格の形成を自由市場にゆだねながら、価格の乱高下、これを防止をしたいと。そして生産するサイドの養蚕なり製糸なり、それから需要者サイドの機屋さん初め問屋さん等の、そういう蚕糸、絹業全体の経営の安定を図るという観点から設けられておるような次第でございます。したがいまして、国産生糸の買い入れ、売り渡しというのだけやるということではなしに、冒頭申し上げましたように、外国産生糸の一元輸入、売り渡しというのと両方やりまして、これでもって生糸需給の調整と生糸価格の安定を図ると、こういう仕組みに相なっておるわけでございます。したがいまして、その辺は御理解をいただきたいと思います。
#212
○田渕哲也君 それはよく理解しておるわけですけれども、私が指摘しておる点は、これはあくまで価格安定制度ですから、統制じゃないわけですね。いわゆるその買い入れ、売り渡しによって価格を安定させようということですから、あくまでその市場原理というものに基づいたものなんです。ところが、それが実際やっておる結果を見ると、国産糸と輸入糸の価格差というものがあるから、輸入で需給調整をやるというやり方をすると、市場原理に逆行することになって矛盾する。そこに大きな欠陥があると私は思うんです。だから、この制度というものはもともとなかなかうまくいかない制度である。そういう矛盾点をはらんでおるということをお考えいただきたいと思うのです。これは完全に統制できるのなら別ですよ。輸入を減らして国内の需要に合う分だけ、足らぬ分だけ輸入を入れて余る分は減らせばいい、それでいけるんですけれども、市場原理による価格安定制度をとっている限りにおいてそういうやり方は通用しないわけです。そこに一つの大きな問題点があると思うんです。
 それから、完全な統制がなぜできないかということになるわけですけれども、これはまず絹製品というものが完全に締め出せないと思うんですね。経済の国際化時代なんて言われておりますけれども、いまの日本の絹製品は高い生糸を使っているから国際競争力がない。だからもちろん輸出というものは保税糸を別にすればできない。しかし、国際競争力というのは輸出だけではない。国内の市場においても外国の絹製品がどんどん入ってくるわけですから、国内市場においても国際競争というものはすでに行われておるわけです。ただ、問題は、その絹製品あるいは二次製品、こういうものを完全にシャットアウトできれば別ですけれども、これできるのかどうか、この点はいかがですか。
#213
○政府委員(二瓶博君) 生糸を初めといたしまして、絹糸、絹織物、すべて自由化をいたしております。しかも大部分のものはガットバインドをいたしております。したがいまして、絹製品関係は大体一定の関税を払えばいつでも輸入してもいいというのが国際的な体制に、わが国はなっておるわけでございます。
 ただ問題は、そういう体制下におきまして、世界的に生糸需給なりあるいは絹需給が過剰基調にあって、日本向けに皆つくっておるという実態がございます。したがいまして、このまま放置いたしますれば、これは日本の養蚕、製糸、絹業とも崩壊をせざるを得ない。これは黙って見ておるわけにはまいりませんので、生糸は一元輸入という措置をとった。もちろん一元輸入をとりましても、これは自由化品日でございますので、輸入業者が、思い思いに入れるというのじゃなしに、事業団が一元的にこのぐらいは入れようかというのを、相手国、主として二国間で話し合いをやった点等を頭に置いてやっていくというような意味での一元輸入でございますが、それをやる。あるいは繭なり絹糸なり絹織物、こういうものは輸入貿管令に基づきます輸入承認制あるいは事前確認制というようなことでチェックをするというようなことでやっておるということでございます。したがいまして、あくまでも輸入体制としては自由化をいたしておるわけでございますので、よく相手の国の理解も求めながら、そこは日本の実情というものも十分御理解いただいて、数量面その他についても協力を願うということで最大限の輸入調整を関係省ともどもやっておる、こういう状況でございます。
#214
○田渕哲也君 いずれにしても、絹製品というものは完全にシャットアウトするわけにはいかぬ、ある程度の貿易管理令による制約はあっても、完全に閉鎖市場にするわけにはいかないということが言えると思います。そうすると、わが国の養蚕業というものを維持するためには、その養蚕業の需要家である絹織物業者、これが成り立っていかないと日本の生糸を売る先がありません。ところがその絹織物業者が成り立っていくためには、やはりある程度の外国から入ってくるものと競争できるだけの力を持たなくてはならない。それはもちろん絹織物業者自体が合理化とか生産性向上の努力をやることも大事ですけれども、やはり原料費である生糸価格というものが非常に重要な要素になるわけです。したがって、私は、日本の絹織物業者が使う生糸価格、これは国産糸と輸入糸と合わせて平均して考えればいいと思うんですけれども、その平均生糸コストというものが国際価格を余り大幅に上回ることは好ましくないと思うわけです。したがって、それに関係する基準糸価とか――まあ基準糸価は国際価格より高くしなければ養蚕業は成り立っていかないわけですから、これはやむを得ないと思いますけれども、ただ、同時にこの基準糸価というものの決め方も、国際価格から余り大幅にかけ離れることは不可能だ。
 それから同時に、国産糸と輸入糸の割合、これは需要の増減にかかわらずやはりある程度のバランスというものを保たなければ、日本の絹織物業者も外国から入ってくる絹製品になかなか対抗できない、こういう事情があると思いますけれども、この点はいかがですか。
#215
○政府委員(二瓶博君) 蚕糸、絹業いわば一体であるべきであるというふうに基本的には考えます。したがいまして、繭をつくり、生糸ができたというものも十分消費をされるというものでなければならないと思います。したがいまして、消費をされる機屋さん、それ以降の段階におきましても十分消費される量とそれから値段、そういうものはやはり配慮すべきだと思います。ただ、基準糸価等につきましては、先生御案内のとおり、生産条件、需給事情その他の経済事情を参酌して適正に決めるということでございますので、この条項にのっとって適正に決めていきたいということで現在も鋭意検討をしておるということでございます。
 それから国産と輸入の割合という話がございますけれども、これはやはり一定の比率をアプリオリに決めるというわけにはまいらぬと思います。繭の生産も年々によって違ったりもいたします。したがいまして、そういう問題もあろうと思います。
 ただ問題は、四十九年から一元輸入という措置をとっております。そうしてこの措置をさらに当分の間やるということで、五十一年議員立法によりまして一元輸入は当分の間実施するということに相なっておるわけでございます。その際にも、一元輸入をいたしました輸入糸は国産糸よりも安いわけでございます。したがいまして、絹業者対策といたしまして五十一年からマル実、実需者売り渡し用生糸というものを瞬間タッチ方式で売り渡していくということで、織物屋さんが国産糸と安い輸入糸と両方手に入るというような仕組みを絹業者対策として考えたわけでございます。
 ただ、現在時点においては、それではそのマル実がスムーズに出ておるかということになれば、これは出ておらないわけでございます。そこにまたいろいろな問題が出ておるということでございまして、われわれといたしましてはこのマル案の生糸が出るのみならず、一般輸入糸あるいは現在も買い続けております国産糸もいずれ売りたい、そういうような環境、条件に早くしていきたいということで、需給のバランスをとるという角度でいろんな需要増進なりあるいは輸入調整なりいろいろ検討をしておる、こういうことでございます。
#216
○田渕哲也君 いまのお話を伺っておりますと、具体的にはやはり基準糸価なりそういうものを下げざるを得ないということになるように例えるわけです。もちろん先ほど言いましたように、絹製品が完全な閉鎖市場ではない、それから完全な統制の制度でない以上、私はこの価格帯の設定、どのところに設定するかというのはかなりいろんな条件から限定されてくると思うんですね。養蚕農家の立場から言うと、それは少なくとも生産費を補償してもらわぬと困るということになりますけれども、いま言ったように、絹織物業者がやはり国際競争場裏の中で競争力を持って仕事をふやしていかなくてはならない。それから、仮に絹製品の輸入を全部シャットアウトできたとしても、絹というのは生活に必要欠くべからざるものではありません。だから、余り高くなれば、外国から入らなくても日本の国民自体が絹を使う量が減ってくる。だから、それも私は本当の決め手にはならないと思うんです。つまるところ、完全な統制というのはなかなかやりにくい条件にある。そういう中で一つの価格帯を設けて安定制度というものをやっていくわけですけれども、価格帯の設定の仕方というものはなかなかむずかしいのじゃないかと思うんですね。同時に、そういういろんな要素を勘案して決めることは、農家の生産費の立場だけを基準とするわけにいかなくなる。そういう意味から、私は冒頭申し上げたように、これは養蚕農家を完全に保護できる制度ではないということを申し上げたわけです。この点についてはどうお考えになりますか。
#217
○政府委員(二瓶博君) 繭糸価格安定制度に異常変動防止、中間安定措置と二つあるわけでございますけれども、いずれにいたしましても実勢糸価を安定さしたいということで考えておるわけでございます。異常変動防止というのは、一応生産費というものを軸にしながら非常に大きな価格帯でやっております。その中で相当の水準のところというところで、やや小幅の中間安定価格帯を決めるということでございますが、この中間安定価格帯をどう設定するかという際の一番の大きな目安になりますのは基準糸価でございます。
 基準糸価は、先ほども申し上げましたように、生産条件、需給事情、その他の経済事情から見て適正になるように決めると、こういうことになっておりますので、生産費というものも考えなければなりませんし、需給事情も考えなければなりませんし、さらにその他の経済事情という問題も十分考えなけりゃならぬ。そういうことで総合的に考えまして、この価格帯の設定の一つのめどになる、物差しになる基準糸価を決めるということになろうかと思っております。特に、従来はこの基準糸価を決定いたします際には相当生産費というものを軸にしてやってきたことは事実でございます。ただ、先ほど来お話し申し上げておりますような需給事情でもございます。したがいまして、そういう面も考慮に入れた適正な基準糸価を決定をいたしたいということで現在最後の詰めを行っておると、こういう段階でございます。
#218
○田渕哲也君 私は、この制度が完全な保護制度でない以上、日本の養蚕業が生き残る道というのは、やはり生産性向上をしてコスト引き下げがどこまでできるか、それがその国際競争に耐え得るか、完全な国際競争までは無理としても、国際価格との差をどれだけ縮められるか、それがやはり養蚕業が存続できる大きな要素だと思うんです。もし、それが不可能だとするならば、私はこの制度では不十分である、もっとからっとした制度をつくらないとだめだと思いますけれども、いかがですか。
#219
○政府委員(二瓶博君) 御指摘のとおり、養蚕業の生産性の向上、コストの引き下げということはこれは非常に重要なことであるというふうに考えております。
 最近の養蚕の生産性の動向というものをながめますと、十アール当たりの収繭量、これにつきましては最近はやや停滞的であるということは否めないわけでございます。ただ、十アール当たりの投下労働時間というような面になりますというと、相当経営規模の拡大あるいは省力技術の普及というようなことで、五十五年は四十五年に比べますと六三%の水準にまで節減されておるというようなことでございます。繭生産費等につきましても、いろいろ物材費の値上がりあるいは労務費の評価増というようなこともございまして、コストの引き下げという全体の生産費水準というものはむしろ上がっておるわけでございます。しかし、やはりこの生産性の向上、コストの引き下げということはきわめて重要なことでございますので、今後ともこういう面に対します施策といいますものを強化をいたしまして、高能率な養蚕経営の育成に努めていきたいというふうに考えておるわけでございます
#220
○田渕哲也君 次に、若干具体的な問題で質問したいと思いますが、まず事業団の在庫を何とか減らさないとこれは大変なことになると思うんですね。在庫の内訳は実需割り当て分の凍結分、これが二万三千八百五十俵、それから一般輸入糸が八万三千九百七十五俵、それから国内生糸が四万俵余りということになっておると思いますけれども、私はまずこの実需の割り当てを早く出せるようにすべきだと思うのです。これは絹織物業者も早くこれを出してほしいということを言っておるわけですね。これは欲しい欲しいと言っているわけですから、出せばいい。ただ、問題になるのは法律ですね。繭糸価格安定法十二条の十三の三の第二項、いわゆる放出することによって糸価が基準糸価を下回るおそれがある場合にはこれは出せないということになっておるわけですけれども、何とかこれを出す方法は考えられないのか。いい方法はありませんか。
#221
○政府委員(二瓶博君) 事業団在庫は、先生おっしゃるとおりな種類別といいますか、内訳になろうかと思っております。従来からもこのマル実生糸、これは瞬間タッチ方式でということで五十一年度からスタートしたものでございますので、下べそ価格を上回れば出せる、あるいは基準糸価と下ベそ価格の間にありましても、一定の要件を満たせば出せるというような運用面の改善等もやり在がらやってきているのでございますが、ただ、ただいま先生からお話がございましたように、法律に、実勢糸価が基準糸価を下回っている場合、それからその輸入糸を売り渡すことによって実勢糸価が基準糸価を下回るおそれのある場合それは出せない、こういう規定になっております。したがいまして、現在のところ、マル実の方は二万四千俵ほど売り渡しの停止になっておるわけでございます。
 問題は、このマル実をどうやって出すべきかという問題になるわけでございますが、私は基本的には絹需給といいますか、こういうものの改善を図っていくということによりまして売りまして、中間安定措置の機能が正常に作動する、したがって、実勢糸価も安定価格帯の中で上下をしていくというような姿に早く持っていくべきだろうと。そうすればマル案も、これは現在は下べそ価格は御案内のとおり基準糸価の二百円上でございますけれども、そのラインをもっと超えて動けばすうっと出るわけでございますので、何かそういうような条件を早くつくり出したいというふうに考えておるわけです。基準糸価条項を改正して一種のバイパスをつくったらというお話等はよく絹業者からも聞いてはおりますけれども、やはりこれは中間安定措置制度といいますものから見ますと、その基本的な理念といいますか、考え方に背馳をするということでございますので、それよりはむしろ中間安定価格帯といいますものの中で糸価が上下して、その幅の中で作動していくようなそういう環境条件を早急につくる、そのことによってマル実を放出していくということではなかろうかと、こう考えております。
#222
○田渕哲也君 お話はよくわかりますけれども、私は先ほど言った矛盾点が具体的にここにあらわれておると思うんですね。非常に需要が減退して実勢糸価、が下がってくるとマル実が出せなくなる。それから、マル実がこれ実質的にはもう二年ほどストップしておることになります。これは機屋さんの立場から言うと、マル実は年間で大体四、五十億円の利益がある。それがストップされると逆に四、五十億円の損害を受けることになるわけですね。だから、需要が減退して困ってくればくるほど機屋さんが困る。中でまた倒産してつぶれるところが出るかもわからぬ。そうすると、ますます日本の生糸を使うところは減るわけでして、私はこれは何か改正した方がいいような気がするわけです。それで、先ほど申し上げました、需要が減ってくると高い生糸を使わなくてはならないということが具体的にはこれであらわれておるわけですね。だから、これは何か法改正とか何とか考えられないものかどうか、いかがでしょうか。
#223
○政府委員(二瓶博君) 先ほどもお答え申し上げましたように、一つは法改正ということで、バイパス道路をつくるという仕方、見方があろうと思います。ただ、問題は、やはり基準糸価というものはこれは中間安定価格帯の底値でございます。したがいまして、この基準糸価から標準中間売り渡し価格という上限との間に実勢糸価をおさめていこうと、こういうのがこの価格安定制度の趣旨でございますので、それに、実勢糸価いかんにかかわらずいつでも出せるのだという形でやりますれば安定制度に風穴があくわけでございますので、これではまた制度の問題として、思想的にといいますか、考え方に背馳するわけでございます。したがいまして、私としては先ほども申し上げましたように、むしろ中間安定価格措置が正常に機能するような環境条件を早急につくっていくという手法の方がむしろよろしいのではなかろうかということでいろいろ考えておると、こういうことでございます。
#224
○田渕哲也君 それから、輸入生糸の値段ですけれども、二国間協定で入ってくる値段は国際相場に比べてかなり高いわけです。これはもっと安く買うようにできないわけですか。
#225
○政府委員(二瓶博君) 日本蚕糸事業団が一元輸入ということで買っております中国の生糸あるいは韓国の生糸、こういうものにつきましては、海外のリヨン相場等に比べますと確かに高いわけでございます。ただ、問題は、このリヨン相場等につきましては、生糸の量自体が大体六万俵程度になっておりまして、中国が一手に輸出しているようなことでございます。中国はお国柄がございまして、大体建て値で決めております。したがいまして、日本の向けという際にはリヨンの向けよりは高い建て値でもって売ってきておるということは、これは否めません。そしてまた、日本自身は、全世界で八十五万俵ほど生糸が生産されますが、その四十万俵、半分程度は日本が、生糸なり絹糸なりいろんな形はありますけれども消費しておるという国でございますので、やはり日本の向けといいますか、そういうものがむしろ軸になっておる、リヨンの方がむしろ例外みたいなことになっておりますので、リヨン相場などは確かに低いのですが、それと同じにということはなかなかむずかしいと、こういうことでございます。
#226
○田渕哲也君 ただいまは輸入糸の在庫も豊富ですから、無理して買わなくてもいい状況だと思うんです。ただ、二国間協定のあの歴史的なものから見てゼロにはなかなかできないと思いますけれども、この際やっぱりできるだけ安くしてもらうことが大事だと思います。
 それから、最後に通産省に、絹製品というのは大体流通コストが非常に高い。もちろん絹製品だけでなくて、大体衣類、織物というのは流通コストが非常に高いわけですけれども、絹製品の場合には大体最終需要価格の三分の二が流通コストだと言われております。これはもう少し合理化して安くして最終需要価格を下げるということが大事だと思いますけれども、いかがですか。
#227
○説明員(若林茂君) 先生が御指摘のとおり、確かに、着物に限らず衣料製品の流通コストは高いわけでございます。物によっては三割、四割あるいは五割というようなものもあるわけでございますが、繊維製品の流通コストが高いことにつきましては、流通経路が非常に複雑になっていることとか、あるいはいろいろ取引慣行もございますし、流行等がありまして、返品、そういうもののリスク等もありまして、そういうものから流通コストというのは非常に高いわけでございます。もちろん通産省といたしましては、流通の合理化を図りまして流通コストの低減を図るということは当然のことでございますし、取引慣行につきましても、不当な取引慣行によってそういう流通コストが高まるというのは好ましくありませんので、そういう点についても是正してまいりたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
#228
○田渕哲也君 終わります。
#229
○喜屋武眞榮君 私は、両事業団が一本化されるに当たって、統合されるに当たって、さきの委員会では職員の労働条件の問題、それから天下り人事の問題、それから民主的な運営の問題などについてお尋ねをいたしました。そして、私が尋ねたその趣旨には十分こたえてくださると、こういうふうに私受けとめたわけであります。
 そこで、それを受けましてこれからお尋ねいたしたいことは、砂糖の面を見ました場合に、ビートは順調に伸びておる、甘蔗糖は残念なことに後退しておると、その原因がどこにあるかとお尋ねしましたら、干ばつのためだと、こう指摘しておられた。そのとおりであると思います。そこで、この統合によって目的を達成していくためには、生産性を高め、そして価格も安定していくということ、こういう目的達成がなければ統合の意味がないわけであります。
 そこで、畑作作物、サトウキビを初め、水の問題が最も重要になってくるわけであります。その水問題を最初に、この水資源を守っていくためにはどういう方法があるのか、どうすればいいのであるか、そのことについてまず林野庁にお尋ねしたいと思います。
#230
○政府委員(須藤徹男君) 水資源を涵養するためにはやはり森林の整備が重要でございまして、沖縄県におきましても従前から森林の造成に大変力を注いでおるわけでございますが、特にいま森林が整備されておりますのは沖縄県の北部でございまして、特に米軍の施設がございます、施設といいますか、訓練場がございます地域が特に森林の整備状況がいいわけでございまして、これらの森林の適正な管理を進めていくことは一番大事なことであるというふうに考えております。
#231
○喜屋武眞榮君 私がお聞きしましたのは、水資源を守るにはどういう方法がありますか、こういうことをお聞きしておるんです、
#232
○政府委員(須藤徹男君) いま申し上げましたように、水資源のもとになりますのはやはり森林でございますから、森林の造成、良好な管理が必要であるということを申し上げました。
#233
○喜屋武眞榮君 森林を完全に保護するということなんですね。
#234
○政府委員(須藤徹男君) 保護するというよりも、むしろ良好な管理を加えるということが必要である。つまり、良好な管理をするということが結果的には保護にもつながるわけでございますが、えてして、保護といいますと放置するということがよく言われるわけでありますが、そうではなくて、良好な管理をするということが必要であるということを申し上げたわけでございます。
#235
○喜屋武眞榮君 それじゃお尋ねしますが、沖縄の水資源の根源でああいわゆる森林は、あなたがおっしゃるような考え方によって保護されていますか、どうですか。
#236
○政府委員(須藤徹男君) 県内全島につきまして私は知識を持っていないわけでございますけれども、北部地域を除きました地帯につきましては、残念ながらいまだに造成がそれほど進んでいないということがございまして、積極的に森林造成を進めていく必要があるというふうに認識をしておるわけでございます。
#237
○喜屋武眞榮君 あなたはさっき北部訓練場ということをおっしゃったが、ここは八千三百ヘクタールですね、北部訓練場。いまここの保護をめぐって、これは沖縄県民にとっては水がめだ、それほど大事にされておるこの北部訓練場八千三百ヘクタール、これがいまどういう状況にあるかということは御存じでしょうね。
#238
○政府委員(須藤徹男君) 北都訓練場に提供されております八千三百九十ヘクタールのうち、国有林が七千六百ヘクタールございます。そのうち、人工林が約六%、四百四十ヘクタール、残りは天然林でございまして、一ヘクタール当たりの平均蓄積が而立方程度ということでございますから、日本全体の平均蓄積よりも若干よろしいというようなことでございます。人工林は特に十五ないし二十年生でございまして、リュウキュウマツが造林されておるわけでございます。天然林は二十五年生ぐらいのイタジイ、オキテワウラジロガシ、シャリンバイ、つまり広葉樹が密生をしておる森林でございます。特にイタジイがその七割を占めておるというふうに認識をいたしております、
#239
○喜屋武眞榮君 これから申し上げることは、林野庁だけでなく、それぞれの関係省庁がそれぞれの立場で受けとめていただきたいということをまず前置きにいたします。
 この北部訓練場で米軍が訓練をする、この隊長のバロー海兵隊司令官はこう言っておられるんですね。北部訓練場での着弾区域の設定と実弾射撃訓練の計画があるということを言明しておられますね。そして次に、現在は同訓練場で各種の実弾射撃訓練は実施されてはいない、予定だということです。それで、なぜいま実弾射撃訓練を実施しておらないかというと、着弾区域の決定について日米共同の指定が行われていないためにいまやっていないのだ、こう述べておられますね。したがって、これから感じ取られることは、指定後は、各種実弾射撃訓練、すなわち射撃訓練が実施されるという可能性が十分読み取れるわけなんです。そこで重大な問題は、指定するかしないかという、日米の合意によってこれが着弾区域に指定されれば直ちにミサイルまでもここで訓練をする、実射訓練をする、こういう段取りが十分見通せるわけなんです。ここで、日本政府がアメリカに対してどういう態度をとるかということが沖縄県民の今、そして農業あるいは開発、すべてにかかわる重大な問題にいま直面しておるわけであります。
 なお、この訓練場は世界的な珍鳥のノグチゲラの生息地にもなっておるわけなんです。環境庁、このノグチゲラは保護すべきであると思っておられますか、いかがですか。
#240
○説明員(中村廉君) ノグチゲラにつきましては、生息数も非常に少なく、それから生息の区域も沖縄の北部に限られておるということで、これは保護する対象ということに考えております。
#241
○喜屋武眞榮君 そうしますと、保護したいとおっしゃる、これは当然なことだと思います。もし、しないとおっしゃるなら大変なことになります。じゃ、保護したいとおっしゃるなら、どうすれば保護できますか。
#242
○説明員(中村廉君) 先ほど申し上げましたように、ノグチゲラがそういうような生息状態でございますので、従来からその生息地につきまして鳥獣保護区の設定をしてございますが、さらに特殊鳥類ということで指定してございまして、この譲渡の規制等を通じましても保護しておるわけでございます。したがいまして、今後は、この生息地の保護につきましても十分関係省庁と協議しながら研究を進めたい、こういうふうに思っております。
#243
○喜屋武眞榮君 これは環境庁だけで決めることのできるほどなまやさしい問題ではないということは私も理解できます。ところが、関係庁と相談してこれから決めるとおっしゃる、ここに、その場逃れの答弁であるか、それとも、本当に県民の傘として基本的な開発をしていく根源の水を守っていくかどうかという、私は政府の姿勢が問われるべき問題だと思うのであります。
 そこで、それぞれの立場から、まず、この直面しておる重大な問題とどう取り組んでいかれるか、その決意を私はお聞きしたいんです。まず農林水産省。
#244
○政府委員(須藤徹男君) 先ほど申し上げましたとおり、やはりこの地域の森林は水資源涵養上非常に重要な地域であるということを私ども十分認識いたしておりますので、これらの森林の管理が適切に行われますように関係省庁にお願いいたしまして、米軍の方に強力に申し入れをしていただくということをお願いしたいと思っております。
#245
○喜屋武眞榮君 それじゃまず防衛施設庁、関係省の防衛施設庁の立場を。
#246
○説明員(田中滋君) 防衛施設庁としましては、従来から米軍が施設区域を使用するに当たりましては、先生御指摘のありましたような点につきましては特に意を用いるように申し入れているところでございますが、万一森林に大きな形質の変更をもたらすような計画を米側が立案する場合にありましては、事前に日本政府と十分調整するよう米軍との間には取り決めができております。そういうところからしまして、今後とも十分に森林の保護につきましては配慮をしてまいりたいというように考えております。米側に対しましても、この点につきましては今後とも機会あるたびごとに注意を喚起してまいりたいというように考えております。
#247
○喜屋武眞榮君 外務省。
#248
○説明員(丹波実君) 先生御承知のとおり、日本の国家の安全は日米間の安全保障条約に依存しておることは御承知のとおりだと思います。そこで日米安保条約の実行の一つとして地位協定という協定がございまして、北部訓練場はアメリカが軍隊としての練度を維持するための訓練場として提供をされておるわけでございます。しかしながら、日本がアメリカの軍隊に安全を依存するといっても、アメリカの軍隊の行動が沖縄の住民の水の問題、あるいは先生御指摘のノグチゲラの問題にどういう損害を与えてもいいということでは決してないわけでございまして、今後、いままでもそのつもりでございましたけれども、あるいは足りない点も多々あろうかと思いますけれども、先生御指摘のような問題につきましては最近国会において他の関係の議員先生方からもいろいろ御指摘のあるところでございますので、最近も外務省の局長レベルで、個々の大使館の公使に対してそのような問題点を指摘したわでございまして、今後とも防衛施設庁その他関係官庁と協議しながら、先生御指摘のような問題を念頭に置いて対処していきたい、こういうふうに考えます。
#249
○喜屋武眞榮君 環境庁、もう一遍それぞれの省の立場での決意をひとつ。
#250
○説明員(中村廉君) ノグチゲラが先ほどのように非常に生息数の少ない貴重なものであるというような認識は十分しておりますし、環境庁といたしましては、そのような鳥類につきましての保護を今後とも重点的に実施していこうというような全体的な方針を持っております。そういう方針の一環の中で、ノグチゲラの保護の充実についても十分進めてまいりたいというふうに思っております。
#251
○喜屋武眞榮君 いま一通りそれぞれのお立場で述べてもらいまして、大体一貫する結論は――大体じゃなくして、私の受けとめるきちっとした結論は、いろいろ立場はありますけれども、事国民の、県民の命にかかわる、生活にかかわる問題については無条件に譲るわけにはいかない、守らなければいけない、こういう御決意だと私は受けとめております。
 そこで大臣、この前時間切れで、一応この問題をお尋ねしましたけれども、関係庁とよく相談をして処理すると、こういうくだりでちょんとなったわけでありますが、大臣、いまの皆さんの御決意もまとめてくださって、それこそ毅然としてこれを処理していただきたい、県民要求にこたえてもらいたい、こういうことを申し上げるのです。
#252
○国務大臣(亀岡高夫君) 各省庁の担当官からお答え申し上げた線で大体御理解いただけたことと思いますが、政府といたしましては、日米安全保障条約に基づく訓練場として、地位協定に基づいて米軍に施設区域として提供しておるわけでございます。しかしながら、事人命に関するという問題、これは水という問題は何よりも大事な問題でありまするのと、これを確保するための森林を保護しなければならないという立場から、この点は強くやはりあらゆる機会をとらえて米当局に理解を深める努力をいたしまして、そうして事水に関する心配のないような結果をもたらす最大の努力をしてまいり、同時にやはりノグチゲラというものの保護のためにも、これは貴重な天然記念物でもございますもので、その保護には十分意を用いるように米当局に対して申し入れをすると、こういうことでございます。
#253
○喜屋武眞榮君 一貫して大臣の穏やかな中にも非常に毅然たる決意が、この問題だけじゃなくして一貫して私はそれを受け取れます。ですから、その期待を裏切ってくださらぬように私は信じますよ。といいますのは、繰り返すようでありますが、バロー海兵隊司令官でさえも、ここは向こうベースで考えるならばなくてはならない重要な地であるけれども、現在同訓練場で各種の実弾射撃訓練が実施されていない理由は、日米の合意を得てからやりたいのだと、それでいま待っておるのだと、こういうことで保留をした、こういうことは私はもっともだと思うんですよ。それに対して、もし保留した気持ちを向こうベースでああどうぞ使ってくださいと、こういうことにでもなるとこれは大変なことになります。これはそれこそ体を張ってでも、心を張って守ってくださるように重ねてそれぞれの関係省庁にお願いいたし、そして大臣は先頭になって体を張ってくださるよう、そのような気持ちでがんばってくださるようお願いをいたしますよ。そうすれば県民はきっと安心するでしょう。これを重ねて申し上げたいと思います。
 次に、この事業団が統合されることによって生産者の立場からマイナスにならぬかということも、私この前ちょっとお尋ねしましたら、マイナスにはならないと、こういうことをおっしゃったわけでありますが、そこで絹需要が最近激減してきておると、これはいまさら申し上げるまでもなく激減してきておる。この原因はどこにあるんでしょうか。何でしょうか。
#254
○政府委員(二瓶博君) 絹需要が激減をしておるということは最近顕著でございます。これにつきましては、一つは末端需要が非常に落ち込んでいるということでございますが、家計調査等を調べてみましても、価格の面では落ち込んでいないんですが、数量の面で落ち込んでいる。これは着物にしても反物にしてもそうでございます。一つはやはり生活様式の変化もあろうと思いますし、それからやはり奢侈品でもございますので、所得との関係もあろうかと思います。そういう末端需要の停滞の問題が一つ。
 それから、一般経済界の低迷といいますか、そういう面で非常に流通段階等、高金利等もございまして、なるべく在庫は少なく持とうというような動きもございます。そういうようなことで、国内の生糸引き渡し高というのがここ一、二年急激に落ち込んでいる、これが大きな原因ではなかろうかとかように考えております。
#255
○喜屋武眞榮君 これらいろんな要因があると、こう思うわけなんですが、特にこういう需給関係が急に悪化してきたのは、呉服類の需要が、呉服――着物ですね、これが激減したのが大きな原因であると、こうも聞いておりますが、いかがでしょう、一番最大の原因。
#256
○政府委員(二瓶博君) 家計調査等を見ましても、確かに先生おっしゃるように年々傾向的に落ち込んでおると。これは着物もそうでございますし、反物でもそうでございますし、それから広幅の洋装用の絹のもの、これも落ち込んでおります。そういうことで、確かに先生おっしゃるとおりそういう面が落ち込んでおるということは事実でございます。
#257
○喜屋武眞榮君 そこでもう一つ、これはちょっと逆説的にもなりますが、こういうことも聞きますが、どうでしょうか。和装の需要ですね、特に若い層に和装がだんだんふえてきておる。それから洋装の面からも需要がふえてきておる、要望が強くなってきておると。ところが、問題は価格が、値段が高過ぎるためほかのものに切りかえている、手が出せないと、こういう声もありますが、いかがでしょうか。
#258
○政府委員(二瓶博君) 全体的に見ますというと大体和装が九割、洋装が一割ということになっておりますけれども、傾向的には洋装の比重が逐次高まってきておる。しかし、なお和装が九割方を占めておるという需要形態になっております。それから末端の消費の実態を見ますと、先生おっしゃるとおり、価格の方は呉服類の価格は上がっているのです。ところが数量の方が減っておる。結局、逆に言えば、呉服屋さんが数量が落ち込んでいるので、逆に値段の方でもってかせいで何とか暮らしていけるというような対応もあるのではないかというふうにも考えられると、こういうような状況でございます。確かに価格が高い、したがって量的には少なくなっている、こういう状況でございます。
#259
○喜屋武眞榮君 そこで今後のこれからの養蚕業ということになりますが、日本の養蚕振興をどの位置までのめどを持って振興さしていかれるのであろうか。そういうためどを持っておられますか、養蚕振興の。
#260
○政府委員(二瓶博君) 養蚕業につきましては、これは何といいましてもやはり農山村あるいは畑作地域におきまする農業経営上重要な複合作物の一つでございます。農家経済面あるいは地域社会の面にも大きく貢献をしておるということでございます。したがいまして、今後ともこの養蚕業の安定的な発展を図るという角度で、長期的な視点に立ちまして生産性の向上を中心とする諸対策をこれを積極的に進めていきたいというふうに考えております。
 昨年の十一月初めに、六十五年度を目標年度にいたします「農産物の需要と生産の長期見通し」というようなものも閣議決定をいたしておりますが、養蚕等もその中に組み込みまして、長期的な面の一つの生産目標といいますか、そういう角度で考えており、そういうものに向かっていろんな施策もやっていきたい。短期的なり、それまでの過程におきましては、いろいろ現在事業団の在庫が十五万二千俵もあるというようなことでございますので、直線的にそこに行くということではなかろうと思いますけれども、六十五年の姿としてはそういう線まで持っていきたいというようなことで考えておるわけでございます。
#261
○喜屋武眞榮君 すると、いまの枠の中で、沖縄の養蚕業はどのように位置づけておられますか。
#262
○政府委員(二瓶博君) 沖縄の養蚕業の位置づけというお尋ねでございますが、現段階におきましては、沖縄の養蚕業の生産量といいますか、収繭量はまだ非常に少ないわけでございます。ただ問題は、沖縄は冬場におきましても蚕の飼育ができるというようなことで、戦前これは蚕種増殖の適地としまして、種繭なり原蚕種の生産が盛んだったところでございます。現在は種繭はやっておりませんで、むしろ糸繭の方をやっておりますが、全体の量はただいま申し上げましたように少のうございますけれども、伸び率は非常に高こうございます、四十七年に二トンという生産であったものが、五十五年が八十九トンということでございますし、現在沖縄県の農業振興基本計画というものにおきましては、目標年次を六十年ということで、四百トンの収繭量まで持っていきたいということで、県も非常に力こぶを入れておるということでございますので、この県の農業振興基本計画に即した繭の生産というものが実現できますように、これは私の方も県とも十分連携をとりながら施策を進めていきたい、こう思っております。
#263
○喜屋武眞榮君 蚕種はいまどのように供給しておられますかね。
#264
○政府委員(二瓶博君) 先ほども申し上げましたように、戦前は蚕種増殖の適地ということで、種繭なり原蚕種の生産が盛んなわけでございますが、現在は皆無というような姿です、これはやはりその後の技術の進歩といいますものがございまして、現在は晩秋蚕のもので春繭の種が供給できるというような姿で都府県の方でもやってきておりますので、そういう意味で暖地の有利性といいますものがむしろなくなってきたということに起因するかと思っております。したがいまして、今後沖縄の養蚕業の振興という面におきましては、やはり糸繭生産というものを強化していく、県の農業振興計画に即した形でこれを達成していくということで考えたいと思っております。
#265
○喜屋武眞榮君 私がそれをお尋ねしますのは、今日でも日本は世界的にも一応量からしても上位の方でありますが、戦前もわが風は養蚕の盛んな国として有名でありましたね。その戦前の全国の養蚕の蚕種は沖縄でつくったんですよ。片倉製糸工場というのがありまして、そこで蚕種をつくって全国に、いまでも忘れませんが、愛知、群馬、長野、日本の三大養蚕県を初め全国に蚕の蚕種を沖縄からずっと送ったんですよ。だから、沖縄はこの蚕種を育成するに最も適した気候風土といいますか、立地条件が最も適しておると、こう戦前は言われておったんですよ。そういう立場からひとつ、まだそこに目が向いておられぬならば、そのこともひとつ再検討してもらってつなぎとめてもらうといいがなと、こう思っておるわけなんです。いわゆる蚕種の育成地としての沖縄ですね、いかがですかね。
#266
○国務大臣(亀岡高夫君) これはせっかくの喜屋武先生のお話でございますけれども、現在蚕種は日本はもう実は売れ先がなくて外国に出している。その外国に出した種で繭をつくって糸を引いてその糸を日本に持ってきておる、そこで日本の養蚕農家が困っておると、こういう事情があるものですから、種をこれ以上生産いたしますと苦しい状態がまたますます苦しくなるという問題があることも、ひとつこれはもう率直に私申し上げておいた方がいいと思いますので実はお答えする次第でございます。
#267
○喜屋武眞榮君 それじゃ最後にお尋ねいたしたいと思います。
 今度の震源地の行政改革に結びつけて最も大きな風当たりといいますか、それは農林水産省ではないかと、こう思うわけなんです。そこで具体的な問題については、たとえば総理も最初は各省一律カット、それからしばらくするというと各省ごとに検討と、こういうようにだんだん具体的に変わってきたわけでありますが、そういう立場から、農水省とされて具体的なのはまだこれからだと思いますが、行政改革に備える基本的な構想と申しますか、基準と申しますか、それを大臣のお立場からお聞きして、さらにそれをお決めになるまでに――最もいま重大な関心を持っているのは地方自治体であります。地方自治体が非常に農水省に対して重大な関心を持っておるわけであります。それを農水省だけでそういった大事な基本的な問題を決めておられるのであるか。あるいは地方自治体の意見も吸収しておられるのであるか。またこれからなさるのであるか。すでに末端の意向も聞いておられて進めておられるのであるか。そういった現時点における構想、またこの民主的な進め方、こういった点を大臣からお聞かせ願って私の質問を終わります。
#268
○国務大臣(亀岡高夫君) まだ第二臨調の答申が出たわけではございませんので、まあいろいろそれぞれの立場立場からいろんな問題がこの行革をめぐって言われておるわけでありますけれども、私といたしましては、昨年国会において、両院において議決されました食糧自給力強化の決議の趣旨並びに農政審議会からいただいた答申、並びに閣議決定をいたしました長期見通しというものに基づいて、とにかく一億国民の食糧の心配のないような農林行政を進めていかなければならない。それに欠くことのできないものはこれはきちんとして確保してまいりたい。
 ただし、多くの補助金なりそういう予算の中において、いままでもいろいろな面から検討を加え、十分な再検討もいたしてきてはおるわけでありますけれども、さらに行革は鈴木内閣の生命とも言われておるほどの重要政策でございますので、そういう面でやはり協力をしていかなければなりませんので、そういう点については十分検討を重ねてまいりたい。これは御承知のように、農林水産行政は市町村あるいは道府県の協力なしに進めることができないことはもう御承知のとおりでございますので、十分意向も聴取をいたしてまいりたいと考えております。
#269
○委員長(井上吉夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 蚕糸砂糖類価格安定事業団法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#270
○委員長(井上吉夫君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、川村君から発言を求められておりますので、これを許します。川村君。
#271
○川村清一君 私は、ただいま可決されました蚕糸砂糖類価格安定事業団法案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び第二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    蚕糸砂糖類価格安定事業団法案に対する附帯決議(案)
  政府は、蚕糸、砂糖類を取り巻く厳しい情勢に対処し、その価格安定対策の一層の実効を期するとともに、本法の施行に当たっては、次の事項について遺憾のないよう措置すべきである。
 一、新事業団の発足に当たっては、円滑な移行に努めるとともに、その機能の専門性を十分考慮して、弾力的かつ効率的な運営がなされるよう指導すること。
 二、両事業団の統合に当たっては、職員の継続雇用の確保を図るとともに、労働条件について不利益を生ずることのないよう配意し、統合に伴う職員の不安を取り除くことに努めること。
 三、両事業団の統合に伴う役職員構成については、適材適所の観点に立ち、内部人材の登用等職員の志気を高める努力をすること。
  右決議する。
 以上でございます。
#272
○委員長(井上吉夫君) ただいま川村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#273
○委員長(井上吉夫君) 全会一致と認めます。よって、川村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、亀岡農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。亀岡農林水産大臣。
#274
○国務大臣(亀岡高夫君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして十分検討の上善処するよう努めてまいりたいと存じます。
#275
○委員長(井上吉夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#276
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#277
○委員長(井上吉夫君) 農業者年金基金法の一部を改正する法律案及び昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を便宜一括して議題とし、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。亀岡農林水産大臣。
#278
○国務大臣(亀岡高夫君) 農業者年金基金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容を御説明申し上げます。
 農業者年金制度は、農業者の経営移譲及び老齢について必要な年金の給付を行うことにより、農業経営の近代化及び農地保有の合理化に寄与するとともに、国民年金の給付とあわせて農業者の老後の生活の安定と福祉の向上に資することを目的とするものであります。
 その実施状況を見ますと、昭和五十五年末現在で、加入者数は約百八万人となる一方、年金受給権者数は十七万一千人に達しており、適期の経営移譲が進んできておりまして、農業経営の若返り、農地保有の合理化に役立っております。
 農業者年金制度につきましては、少なくとも五年に一度、長期的な視点から年金財政を見直す財政再計算を行うこととされておりますが、今回は、昭和五十七年一月基準で財政再計算を実施し、この結果を踏まえて所要の改正を行うことといたした次第であります。
 本法律案の内容は、次のとおりであります。
 第一は、給付水準の引き上げであります。年金額につきましては、農業所得の推移と国民年金等の給付改善の内容を勘案して、昭和五十六年七月分から、経営移譲年金の額を保険料納付済み期間一月につき三千五百七十五円に、ただし、六十五歳以後は三百五十八円に引き上げるとともに、農業者老齢年金の額を保険料納付済み期間一月につき八百九十五円に引き上げることとしております。また、脱退一時金及び死亡一時金につきましても引き上げを行うこととしております。
 第二に、保険料の改定であります。今回の財政再計算の結果によりますと、保険料については、年金財政の健全性の確保の観点から、相当な引き上げを必要とするのでありますが、農家負担の急激な増大を考慮いたしまして、昭和五十七年一月から十二月までの保険料の額は五千百円とし、以後毎年四百円ずつ段階的に引き上げることとしております。なお、昭和五十八年一月以後の保険料につきましては、年金額の物価スライド措置が行われた場合には、その措置に準じて政令で定めるところにより所要の調整が加えられた額とすることとしております。
 また、保険料の額は、昭和六十二年一月以後においては、法律で定めるところにより段階的に引き上げられることとしております。
 さらに、農業後継者の育成確保に資する見地から、将来の農業生産の中核的担い手となることが期待される後継者につきましては、引き続き、一般の加入者の場合と比べて保険料を三割程度軽減することとしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び内容であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
 次に、昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、農林漁業団体共済組合による給付に関し、恩給制度、国家公務員共済組合制度その他の共済組合制度の改正に準じて、既裁定年金の額の引き上げ等による給付水準の引き上げ等を行おうとするものであります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、既裁定年金の額の引き上げであります。これは、退職年金等の金額の算定の基礎となった平均標準給与を、昭和五十六年四月分以後、昭和五十五年度の国家公務員の給与の上昇率を基準として引き上げ、年金額の増額を行おうとするものであります。
 第二は、退職年金等についてのいわゆる絶対最低保障額の引き上げであります。これは、恩給制度の改善に準じ、退職年金、遺族年金等に係る絶対最低保障額を引き上げようとするものであります。
 第三は、掛金及び給付の額の算定の基礎となる標準給与の月額の下限及び上限の引き上げであります。
 第四は、遺族の範囲の改正であります。これは、組合員期間が十年以上である者の配偶者について、遺族年金を受ける上で、死亡した者との生計維持関係を要することとするものであります。
 第五は、昭和三十九年改正後の農林漁業団体職員共済組合法、いわゆる新法に基づく遺族年金に係る寡婦加算の額の引き上げ等であります。これは、六十歳以上の寡婦または子がいる寡婦の新法による遺族年金に加算されるいわゆる寡婦加算の額を引き上げるとともに、寡婦加算の適用を受ける受給者が同時に退職年金等を受けることとなる場合は、必要な調整を行うこととするものであります。
 第六は、高額所得を有する退職年金受給者のうち、昭和三十九年十月一日から昭和五十四年十二月三十一日までの間に退職した者に対する退職年金の一部の支給を停止することであります。
 なお、この法律案に対する衆議院における修正の趣旨につきまして、便宜政府側から御説明申し上げます。
 修正の内容は、この法律案の施行期日である昭和五十六年四月一日がすでに経過していることにかんがみ、施行期日を公布の日に改めるとともに、標準給与の月額の引き上げについて、昭和五十六年四月一日から遡及して適用する等、所要の規定の整備を行うものであります。
 以上が、この法律案の提案理由及び主要な内容であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#279
○委員長(井上吉夫君) 以上で両案の趣旨説明は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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