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1980/05/26 第94回国会 参議院 参議院会議録情報 第094回国会 農林水産委員会 第12号
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1980/05/26 第94回国会 参議院

参議院会議録情報 第094回国会 農林水産委員会 第12号

#1
第094回国会 農林水産委員会 第12号
昭和五十六年五月二十六日(火曜日)
   午後一時三十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     岩上 二郎君     熊谷太三郎君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     本岡 昭次君     村沢  牧君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         井上 吉夫君
    理 事
                北  修二君
                坂元 親男君
                鈴木 正一君
                川村 清一君
                中野  明君
    委 員
                岡部 三郎君
                熊谷太三郎君
                下条進一郎君
                鈴木 省吾君
                高木 正明君
                初村滝一郎君
                降矢 敬雄君
                宮田  輝君
                坂倉 藤吾君
                村沢  牧君
                山田  譲君
                鶴岡  洋君
                中野 鉄造君
                下田 京子君
                田渕 哲也君
   衆議院議員
       発  議  者  松沢 俊昭君
   国務大臣
       農林水産大臣   亀岡 高夫君
   政府委員
       農林水産省経済
       局長       松浦  昭君
       食糧庁長官    松本 作衞君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       安原  正君
       厚生省年金局年
       金課長      佐々木喜之君
       労働省婦人少年
       局婦人労働課長  佐藤ギン子君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員
 共済組合からの年金の額の改定に関する法律等
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○食糧管理法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○総合食糧管理法案(衆議院送付、予備審査)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(井上吉夫君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る五月二十三日、岩上二郎君が委員を辞任され、その補欠として熊谷太三郎君が選任されました。
 また、昨二十五日、本岡昭次君が委員を辞任され、その補欠として村沢牧君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(井上吉夫君) 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○村沢牧君 農林漁業団体職員の相互扶助、福利厚生、さらには老後の保障を図って、農林漁業団体の発展を期するために厚生年金よりも充実した年金制度をつくろう、こういうことで農林年金が厚生年金から分離をして二十二年を経過したわけであります。この間、農林年金も逐次改善が図られてきてはおるけれども、現状は厚生年金と比べてみて見劣りをするものがかなりあるわけであります。加えて、高齢化社会を迎えて年金受給者も増加し、財政的には成熟度が進んで、農林年金も大変厳しい局面を迎えています。そこで、大臣、農林年金設立の趣旨に関連をさして現状をどのように思うのか、また農林年金の抱えている課題、改善の方向について基本的な見解を示してください。
#5
○政府委員(松浦昭君) 大臣のお答えの前にあらかじめ若干御説明をさしていただきます、
 ただいま先生御指摘ございましたように、農林年金制度は農林漁業団体の職員と同じような職域にある市町村職員と均衡のとれるような年金制度を発足させたいということで、昭和三十四年の一月に発足をいたしたところでございまして、いわゆる厚生年金からの分離を行ったわけでございます。相次ぐ制度改正によりまして、現在では国家公務員及び地方公務員を対象とする公務員年金と遜色のない制度になっていると考えております。
 また、厚生年金との比較につきましておっしゃられた次第でございますが、この点につきましても、平均標準給与の算定方法あるいは年金額の算定方法等におきましてかなり有利な制度になっているということは、先生もおわかりになっていただいていると思うのでございます。
 今後の課題ということでございますが、確かに今後この農林年金制度の持っている基本的な課題というものは非常に重要な問題があるわけでございまして、高齢化社会への移行なりあるいは年金の成熟化というものが進展する中で、制度につきましてもさまざまな面から検討を加えていく必要があるというふうに考えられるわけでございます。特に財政健全化の問題は、今後農林年金制度の最大の課題であるというふうに御指摘のとおり考えているわけでございまして、特に年金受給者に安定した給付を今後続けていくということの上におきましても不可欠でございます。農林年金につきまして、農林水産省といたしましても、他の年金制度の改善の状況を踏まえつつ、尽くすべき努力は今後とも尽くしていくという考えでございますが、一方におきまして、今後の財政状況に応じまして、組合員にも負担すべきものは負担していただくということで健全な財政を維持していくということが重要であり、この点組合員にも御理解を得ていきたいというふうに考えております、
 また、各般の制度の課題もございますが、これは共済年金を所管する各省庁が協調いたしまして共済年金制度の今後のあり方を検討するということで、大蔵大臣の私的研究機関ということで五十五年の六月に研究会が設置されたところでございまして、この研究会では共済年金制度の職域年金的性格にも配慮いたしますが、総合的視野に立ちまして、共済年金制度のあり方、他の公共年金制度との相互の関係、この間の調整等の問題につきまして検討をお願いしている次第でございまして、農林水産省といたしましても、この研究の検討結果を踏まえまして今後対処してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#6
○村沢牧君 大臣、大臣は、就任する前から農林年金にはかなり積極的に取り組んできた人であるというふうに私は承知をしているわけでありますが、この農林年金を厚生年金から分離をさして今日に至っているが、現状から見てこれがよかったか、そうしてさらにどのように発展をさしていかなければならないか、大臣の見解を私は聞きたいわけです。
#7
○国務大臣(亀岡高夫君) ただいま局長から申し上げましたとおりであるわけでございますけれども、この農林年金のみならず、わが国の年金制度そのものを見ますとき、やはり高齢化社会への移行といったような事態を反映をいたしまして、将来の年金設計というものが非常に厳しくなってくるということが言えるわけであります、したがいまして、総理の諮問機関であります社会保障制度審議会の建議並びに年金制度基本構想懇談会の意見等もしんしゃくをいたしまして、やはり年金全体の見直しの時期が近づいてきておるのではないかという感じがいたすわけであります、”
 そういう事態に対処いたしまして、農業関係の農業者年金並びに今度御審議をいただいておりますこの農林年金というものが生まれてきた由来、ゆえんというものをよく検討をいたしまして、その基本的な立法の趣旨等も十分そういう事態の中でも生かしていけるようにしてまいるためには、できるだけ現時点において充実をした内容にしておく必要があると、こういうことで、実は予算編成の際にもずいぶん努力をいたしたわけでございます。特に当委員会の御指摘をちょうだいしております補助率の問題等につきましても努力をいたしましたが、なかなかほかの年金との関連等もございまして実現をさせることができず、本当に申しわけないというような感じも持つわけでございます。それほど厳しい中にあるわけでございますけれども、何としてでも立法の趣旨を生かした農林年金にするため、今後も最大の努力をしてまいりたいと、こう考えておる次第でございます。
#8
○村沢牧君 農林年金の年金支給額は、他の共済制度に比べて水準が低い状態に置かれています。五十四年度の退職年金について見ると、農林年金は百三万一千六百二十九円でありますが、地共済は百六十五万九千百二十四円、国共済は百五十六万二百円、私学共済は百二十五万五千七百六十五円、厚生年金は百三万七千三百三十九円というように、農林年金がここで見る限りは一番低いわけです。このことはどういう原因でこういうことになっているのか、支給額を高くするにはどうすればいいというふうに考えますか。
#9
○政府委員(松浦昭君) ただいま先生御指摘になられましたように、確かに各年金間の平均の実際に支給されている退職年金の額を比較いたしてみますると、おっしゃられるとおりの数字でございまして、農林年金が他の年金に比べまして低い状態に見えるということは事実でございます。しかしながら、さらにこれを原因を究明してまいりますと、そのもとにはやはり農林漁業団体の職員の給与が他に比して低いという状態がございまして、かような状態から当然その年金の支給額の方が低くなるという事態もございます。しかし、さらには組合員の資格を持っている期間、この期間が短いというような状態もございまして、さようなもろもろの要素からこのような計算になるわけでございますが、実際上モデルの計算をやってまいりますと、たとえば厚生年金に比しまして決して遜色がない、あるいは新規受給者の面で計算をいたしますと遜色がない状態ということは立証できるわけでございます。
#10
○村沢牧君 局長、他の年金に比べて低いように見えるという答弁だったんですが、平均すれば、見えるのじゃなくて、私が申し上げた数字はこれは事実でしょう。低いんでしょう、支給額が。
#11
○政府委員(松浦昭君) ただいま先生がおっしゃられました数値は、いわゆる退職年金の平均年金額という数字でおっしゃられましたので、それで見る限りは低いということは事実でございます。
 しかしながら、たとえば農林年金と厚生年金の退職年金の一人当たりの最低年金額を比較いたしますと、いま申し述べられましたように、農林年金が百三万二千円に対しまして厚生年金が百三万七千円ということで、農林年金がやや下回っているということになるわけでございますが、たとえば五十四年度の新規発生者の退職年金、老齢年金で比較いたしますと、農林年金は百三十三万円であるのに対しまして、厚生年金は百七万円ということになっておりまして、農林年金の方が二四%上回っているわけでございます。また、モデル計算によるというようなことで計算をいたしますと、農林年金における退職年金のモデル計算によりますと、厚生年金の適用を受ける年金額を試算した場合にその年金額を比較してみました場合には、農林年金の一〇〇に対しまして、組合期間が二十年、二十五年の場合には厚生年金が九四%、九三%になってやや低い、さらに組合期間三十年の場合には八二%ということで、厚生年金の方がかなり低いという状態になるわけでございます。
 これは、このようなことが起こるのはなぜかと申しますと、やはり年金額の算定の基礎となる給与につきまして違っているというような状態もございますし、それから組合員の資格期間というようなものが違っているというようなこともございましてさような違いが出てくるわけでございますが、ただいま申しましたように、新しく加入して新しく年金をもらう方あるいはモデル計算で計算をいたしますと、厚生年金よりもいいというような状態が立証できるわけでございます。さような意味で申し上げた次第でございます。農林年金の方がいいということでございます。
#12
○村沢牧君 個々に見れば厚生年金と比較していい面もあるけれども、全体的には低い。この原因は、いま答弁があったように、農林漁業団体職員の給与が低いということ、それから資格期間が短いということ。資格期間はこれから延びてくるというふうに思いますからこれはいいとしても、給与が低いということは、農林団体職員の給与を決定するのは団体であるけれども、しかし農林水産省としては、農林漁業の発展のために職員の待遇改善について指導性を発揮すべきである、そのように思いますが、どうですか。
#13
○政府委員(松浦昭君) 農林漁業団体職員の給与をどのような方々と比較するかという問題があるわけでございますが、たとえば町村の職員、この方々はむしろ農林漁業団体の職員と同じような状態の職場でお働きになっている方々というふうに考えるわけでございます。この平均の給与額におきましては、農林漁業団体の職員の給与が若干低い程度、つまり約三%、七千円ぐらいの差というのが現状でございます。しかしながら、職員の平均年齢なりあるいは平均勤続年数、それから勤務地の地域差といったような諸事情を勘案いたしますと、町村職員と比較してさほど遜色ない水準まで来たということは言えると思います。したがいまして、先ほど御答弁申し上げましたように、既裁定年金の中でこれから新規に裁定されるものということになりますと、かなり年金額の点において遜色がなくなっているということを申し上げた次第でございます。しかし、このような状態よりもさらにこの農林漁業団体職員の給与を充実したものにしていくということは、当然今後とも必要であるというふうに考えておりますし、また最近の傾向を見てみますると、この上昇率はかなり高い状態でございますので、漸次改善してきているというふうに申し上げることができると思います。
 そこで、われわれといたしましては、この農林漁業団体職員の給与につきまして、基本といたしましては、先生おっしゃられましたように、農林漁業団体の労使間の自主的な協議によって定まる性格は持っておりますが、やはり農林水産省といたしましても、給与改善にかかわりの深い農協等の経営基盤の充実、その財政の強化といったことに努めまして、今後さらに努力をしてこの給与の改善に当たってまいりたいというふうに考える次第でございます。
#14
○村沢牧君 農林漁業団体職員の待遇改善を図るにしても、経営基盤を充実させるについても、農林水産業そのものがやっぱり発展しなければできないことなんです。
 そこで、大臣に質問しますけれども、先ほど農林水産省が国会に農業、林業、漁業の三日書を提出いたしました。この内容についてはまだ改めて論議をするといたしましても、その中でたとえば農業所得を見てみると、五十四年には五・八%、五十五年度には一六・五%減少している。したがって、農家経済を圧迫しているんです。これでは団体の職員の待遇を改善しようとしても大変なことであります。なぜこんなに農業所得が落ち込んだのか。白書は、生産資材が上がったことだと、冷害によるものだと、こういうふうに言っているところでありますけれども、私はそれも大きな原因であるというふうに思いますが、もっと大きな原因は、農産物価格がほとんど上がっておらない、政府の施策で据え置きあるいは実質的引き下げになっている。したがって農業所得も落ち込んでいる。こういう状態では、農業団体の基盤を強めようとしても大変困難であります。大臣は、農業所得の減少とこの価格政策についてどう考えるか、この際一点だけ伺っておきたい。
#15
○国務大臣(亀岡高夫君) 昨年の農業関係の収入の減少というようなことを指摘されたわけでありますけれども、冷害、豪雪、そういう理由ばかりでもないと、農産物の価格を据え置いたということが大きな原因ではないかという御指摘でございます。
 昨年は私も及ばずながら若干の米価引き上げをやらしていただいたわけでございます。そういう意味におきまして、冷害がなければというような気持ちもいたしたわけでありますけれども、白書で申し上げましたような結果に昨年は終わったわけでございます、確かに価格政策によって農家の所得の補償をするということも今日までいろいろな面で実施をされてまいったわけでありますけれども、村沢委員御承知のように、農産物全般が、やはり国際水準等と比較した場合にも、価格政策だけで農家の所得を支えていくという考え方で果たしてこれが全国民から受け入れられていくのだろうかどうかという時代に入ってきているのではないかという気もいたすわけでございます。しかし、それぞれの農産物の価格につきましては、法律によりましてそれぞれの算定の根拠が与えられておりますので、その根拠に基づいてやってきたつもりでございまするし、今後も、いま御指摘のような点もやはり考慮しつつ、法律の定められたところに従って、農産物価格は何としても適正に決めていかなければならない、こんな感じを持っておる次第でございます。
#16
○村沢牧君 価格政策を含めて今後の農業のあり方については、また後日、食管法審議等についてさらに質問をしてまいります。
 そこで、農業がよくならなければ、あるいは林業、漁業がよくならなければ、団体の職員の年金も充実してこないと思うのですよ。そこで、この際、一点だけ伺っておきたいのですけれども、農業に対していろいろな提言がされております。特に当面する問題として、第二臨調、これは機構改革という本来の行革を後回しにして、補助金、奨励金の削減に重点を置いて、その矛先を私どもの見る限りにおいては農業に向けられておる。ほかにも向けておりますけれども、農業に対して一番大きな攻撃があるというふうに思うのです。その中身は、新聞の報道するところによれば、従来の財界の主張をしてきたような農業攻撃そのものであって、まさに財界主導の行革方針であるとも私は言えると思うのです。農林水産省関係の補助金の中には見直すべきものはある、私はそれは認めるものであります、指摘をするものでありますが、同時に、この価格にいたしましても、当面この議題となっております農林年金の補助金にいたしましても、これは農業発展にとって必要なものである。大臣はこうした必要なものについては拡充をしていくのだと、もっと強い自信を持って、農業を守るために、農業の制度を守るために取り組んでいいのではないか、臨調に対する大臣の見解を伺っておきます。
#17
○国務大臣(亀岡高夫君) 大変答えにくい問題であるわけでございますが、第二臨調はいま鋭意検討をされておりまして、まだ結論と申しますか、答申は出ていないわけでございます。私は、第二臨調の皆さん方も、やはり日本農業の根幹をきちっと確立をして、そうして一億一千万に対する食糧の供給に万全を期していくことのできるような農林水産行政の推進、また、安定した輸入というものを確保することのできるような農林水産行政、そういうものの確立について、必要な面をどうしろというような、カットしろというような答申は私は恐らくされないであろうと、それだけの理解ある筋の通った答申が出るものと、こう期待をいたしておるわけでございます。
 私といたしましても、やはり農林水産大臣として与えられました使命、いわゆる国民の安定的な食糧の供給を図っていくための生産並びに安定的輸入の確保という問題について、必要な点については確保をしてまいりたいと、こういう考え方でおるわけでございます。しかし、やはりわが省の中の補助金の中にありましても、もうその使命を終わったもの、あるいは融資に転換をした方がより合理的農業経営ができるというようなもの、さらには、メニュー方式によって農家の選択の範囲を広げていくといったような問題等も十分あり得るわけでございますので、そういう点を考慮をしてやはり行政改革は進めなければならないと、こんな気持ちでおるわけでございまして、この点御理解をいただきたいと思います。
#18
○村沢牧君 この問題についても、また後日質問してまいります。
 そこで、農林年金が支給開始年齢の引き上げを一昨年行ったわけであります。このことに関連して、私は定年制の延長について昨年の当委員会でも指摘をしておいたところであります。農林水産省も局長通達で指導してきておりますけれども、しかし、急速には改善をされておらない。農林漁業団体職員の退職年齢、定年制の実態はどうなっているか。なおまた、局長の通達を受けて団体はいかなる取り組みをしており、その成果はどのように上がっているか、明らかにしてください。
#19
○政府委員(松浦昭君) 先生御指摘のように、先般の法改正におきまして、支給開始年齢を引き上げたわけでございますが、定年年齢の是正等、定年制をめぐります雇用関係の改善につきましては、御指摘のように経済局長通達をもって指導に努めているところでございます。ただ、しかしながら、一片の通達をもってのみでこの大きな問題を解決するわけにいきませんので、やはり系統農業団体、系統農協等の団体の指導機関がこれにまじめに取り組んでいただくということが最も重要なことではないかというふうに思うわけでございます。
 現在の段階を申し上げますと、全国農協中央会におきましては、この局長通達を踏まえまして、傘下の各都道府県の農協中央会に対しまして定年制の改善につき指導いたしまして、そのような通達を流している次第でございまして、このようなことから、現在の段階では、五十六年の二月現在でございますけれども、四十六都道府県の農協中央会のうちで相当数の都道府県農協中央会、実は二十二中央会でございますが、この中央会におきまして、すでに研究会であるとかあるいは委員会といったような機関を設けまして、取り組み体制を整備するという状態になっております。ここにおきまして会員の農協の具体的な指導方策を目下検討しているという段階でございまして、ややその進度が遅いという感じもございますが、何分にも非常に重要な問題でございますので、やや時間がかかるという感じでございます。
 その他の農林漁業団体につきましても、農林年金制度の改正によりまして支給開始年齢が引き上げられるといったことに伴いまして、定年問題の取り扱いにつきましては、各事業体それぞれの実情に即しまして各関係部局が指導をいたしているところでございまして、農林水産省といたしましては、省内関係部局の連携を図って今日までやってまいったところでございます。
 お尋ねの農林漁業団体における定年年齢の動きでございますが、四十九年の八月現在におきまして定年年齢五十六歳以上と定めているものは五八・三%でございましたが、五十四年の八月現在におきましては六六・二%ということで、なかなか早急にはまいりませんが、着実に定年年齢が延長されているという状況でございます。
#20
○村沢牧君 定年制の実態はどうなんですか。
#21
○政府委員(松浦昭君) 定年制の実態でございますが、先ほど申し上げましたように、このような状況のもとにおきまして各団体いろいろと努力をいたしておりまして、目下定年制を実施している比率でございますが、五十二年の状態では七二・三%、これは団体、単位団体全部の計でございますが、それから五十四年度が七三・一%でございます、これを男女別に比較してみますると、五十二年が定年年齢は五七・六でございまして、五十四年が五七・六、さらに女子は五六・五という状態でございます。
#22
○村沢牧君 経済局長通達は、団体だけでなくて知事あてにも出しているのですね。その通達を受けて各都道府県では、農林漁業団体職員の待遇改善について、男女別差別撤廃についてどのように取り組んでいるというふうに判断しますか。
#23
○政府委員(松浦昭君) 農林経済局長の通達は県知事にも出しておるわけでございまして、都道府県といたしましても、男女別格差の問題を含みまして、定年制の延長ないしはその格差の是正ということには目下努めておるところでございます。特に、中心はやはり団体自身がその内部で討議を進めていくということが非常に重要でございますので、県と各都道府県の団体間の連絡をとらせながら、団体自体においてこれを推進していくという方策をとっている次第でございます。
#24
○村沢牧君 知事あて通達を出して、各知事も取り組んでいるというふうに思われるということでありますが、努めているという答弁だったのですけれども、これは把握しているのですか、
#25
○政府委員(松浦昭君) 各関係課長が集まりました際、あるいは関係課長が農林水産省に参りました際には、その実態等につきましては話をいたしまして、その把握に努めている次第でございます。
#26
○村沢牧君 努めていきたいじゃなくて、把握しているかということです。
#27
○政府委員(松浦昭君) 都道府県がこのようなことでやっております状況につきましては、計数的には把握をいたしているというわけではございませんが、そのケース、ケースによりまして、各都道府県に、先ほど申しましたような機会をとらえまして私どもの方からも話をし、また向こうからも話があるといったような状態になっております。
#28
○村沢牧君 単なる通達でもってこの種の問題が促進するとは思われないのです。ですから、もっと農林水産当局も積極的に、団体やあるいはまた知事に、県に対応していかなければいけないというふうに思うのです。
 そこで、局長通達を見てもわかるように、農水省の指導は農協を重点にして行っているわけなんです。なるほど、農協関係の組合員が農林年金の中では圧到的に多いわけですから、農協を重点に置くということもわかるけれども、農林年金はこのほかにも団体がある。たとえば漁協、森林組合、土地改良、共済ですね、これらについてはどのような指導をしているのですか。
#29
○政府委員(松浦昭君) 確かに、先生御指摘のようし目下非常に動きが活発でございますのは農協系統でございまして、私どもといたしましては、農協がこの農林年金のやはり中核になっている団体でございますから、そこが改善されてまいりますと他にも当然波及されるというふうに考えているわけでございますが、しかしながら、それだけでは不十分であることは当然でございまして、むしろ、各事業体それぞれの実態に即した指導というものが必要であるというふうに考えておりますので、漁業団体につきましては水産庁の方から、それからまた、たとえば土地改良区については構造改善局といったようなところで指導していただくということで、実は農林水産省の内部に、関係部局間の連携を図るということで会合を持ちまして、ほかの団体につきましても指導をしてもらえるように体制を整えている次第でございます。
#30
○村沢牧君 昨年、団体の組合員の代表が局長と懇談をする中で、いま私が申し上げたような漁協あるいは林業等についても農林水産省として積極的な指導をしてもらいたい、こういう要請があって、局長はやりましょうという答弁があったのですけれども、やっているのですか、ほかのところについて。
#31
○政府委員(松浦昭君) 確かに組合員の代表の方々がおいでになりました際に、私もそういうことで申し上げた次第でございまして、それから直ちに私どもとしましては、先ほど申しましたような関係局間の連絡協議を持ちまして、各局それぞれ実態がございますので、その実態に応じた形での指導をお願いするということで対応をいたした次第でございます。
#32
○村沢牧君 組合員の代表あるいは組合員の組織などではぜひ農水省の指導を強めてもらいたい、こういう要求がありますから、今後積極的にひとつ取り組んでください。
 そこで、先ほど男女間の格差があるという答弁があったわけでありますけれども、男女間の格差は何としてもこれは解消しなければならないわけです。男女別定年制を定めた就業規則がある、あるいは労働協約等は、いままでの判例を見ても無効であるというふうに思うのですけれども、これはどの程度農水省としては把握しているのですか。
#33
○政府委員(松浦昭君) 先生御指摘のとおり、男女格差が定年年齢に設けられているということは適当でないということは当然でございますし、また先般の判決、最高裁の判例もございます。これも私ども十分にわかっておるわけでございます。したがいまして、経済局長の通達をもちまして指導いたしました際におきましても、この男女別の格差をなくすように、その改善をするようにということで指導し、またその趣旨の普及を図るということをやったわけでございますが、先ほど申し上げましたような各都道府県段階の農協中央会で、ほかの定年の問題、つまり定年の延長といったようなことだけではなくて、この男女別格差につきましても具体策を練っているというふうに聞いておるわけでございまして、この点につきましては最高裁の判決もございましたので、さらにその取り組み方につきましてはその促進を図りたいというふうに考えている次第でございます。
#34
○村沢牧君 格差は解消しなければならないけれども、しかし、現実には女子の退職年齢が低い、これは先ほど答弁があったとおりであります。こういう実態から見て、この支給開始年齢を男女同一年齢に将来持っていく、このことの適否はどういうふうに考えますか。たとえば厚生年金においては、女子の場合には五十五歳、男子は六十歳でしょう。農林年金は、改正の際、女子も男子も六十歳に引き上げたのですけれども、このことについてはどういうふうに考えますか、改善していく気持ちがあるのですか。このまま通していくのですか。
#35
○政府委員(松浦昭君) 私どもの基本的な考えは、やはり定年の際に男女の格差をなくすというところにあるわけでございまして、やはり女性の方もその働きの能力に応じて、その職場においてやはり男と同じような状態で定年を迎えるということが正しいというふうに考えておりますので、現状においてはその格差があるという点をむしろ今後とも是正いたしまして、それで定年年齢が一致するような状態、そういう状態をつくっていきたいということでございますので、この法律の中におきまして、支給年齢につきまして差を設けるという考え方は現在のところは持っておらないわけでございます。
#36
○村沢牧君 農林年金に関して昨年来の関心は、財政再計算の結果と、それに伴って掛金率がどのくらいアップするだろうかということであったわけであります。財政再計算の結果、所要財源率は千分の百五十・四七となり、不足財源は十六・八八減ずることになったのでありますが、この財源増加の原因、及び財政再計算から見て年金財政の現状をどのように判断をしたか。
#37
○政府委員(松浦昭君) 農林年金におきましては、昭和五十四年度末を基準にいたしまして財政再計算をいたしたわけでございますが、その結果を申し上げます。
 まず、総財源率でございますが、その基礎になります数理的保険料というのがございます。この数理的保険料は、総脱退率の低下、これは二十年以上の勤続者が増加いたしまして、二十年未満の一時金の支給者が減少するという現象でございますけれども、この総脱退率が低下いたしております。それからもう一つは、年金者の失権率の低下。これは何かと申しますと、余命年数が延びまして、年金受給期間が長くなるという現象でございますが、こういうような財源率増加の原因がございまして、その数理的保険料率を押し上げるという要素がございました。
 ところが、一方におきまして、年金の支給開始年齢の引き上げを行いましたために、これらの減少要因もあるということで、その相殺した結果は、前回の千分の九十二・三八に対しまして、千分の九十三・五三ということになりまして、その差は一・一五の増加ということになった次第でございます。
 ところが、整理資源率、これが非常に大きな問題でございまして、前回再計算、これは四十九年度末に行った基準でやったものでございますが、この後におきまして、年金改定等の制度改正による不足財源及び修正積立方式によって修正されました不足財源が増加要因になりまして、この整理資源率の状態は、前回の千分の八十・〇三に対しまして、千分の百一・五九ということで、その増加は二一・五六パーミルという状態になったわけでございます。
 そこで、全体としてこれを見ますると、先ほどの整理資源率のお話と、それから数理的保険料率両方合わせますと、総財源率につきましては全体として千分の二十二・七一の増加ということになります。これでまた数理的保険料率と整理資源率とを合算した総財源率、これは千分の百九十五・一二でございますから、これから国庫補助率相当分の千分の四十四・六五を差し引いたものであるところのいわゆる所要財源率と言われるものでございますが、この所要財源率は、総財源率が前回より、先ほど申しましたように千分の二十二・七一増加したものの、国庫補助につきましても前回の千分の三十八・八二に対しまして、先ほど申しましたように千分の四十四・六五ということで、五・八三パーミル増加をすることになったために、一六・八八パーミルの増加にとどまりまして、結局、千分の百五十・四七という数字になった次第でございます。
#38
○村沢牧君 その中で、支給開始年齢の引き上げは財源率にどの程度寄与しておりますか。
#39
○政府委員(松浦昭君) 支給開始年齢の引き上げでございますが、これは総財源率のうちでいわば将来の年金給付に要する費用である数理保険料率の増加を緩和するためにかなり大きな貢献をいたしておりまして、その数値は一三・四四パーミルであります。
#40
○村沢牧君 このことについて、昨年、私の質問に対して局長は、千分の十五ぐらい寄与するであろう、しかし、マイナス要因が千分の八ぐらいあるので、差し引き千分の七か八だというような答弁があったのですけれども、この辺、昨年と言ったってそれから半年もたっていないんですが、大きく違ってきた原因は何ですか。
#41
○政府委員(松浦昭君) 去年、確かにそのような御答弁を申し上げましたが、あの段階はまだ計算途上の段階でございましたので、確定的な数字を申し上げる状況ではございませんでしたが、最終的な計算をいたしました結果、いまのような状態でございます。
 それからまた、先ほども御答弁申し上げましたように、いわゆる総脱退率の低下あるいは年金者失権率の低下という状況がございまして、これが押し上げ要因になりまして、結局先ほど申しましたように、数理的保険料率が千分の一・一五増加したという状態になったわけでございます。
#42
○村沢牧君 まあ計算中であったとしても、どの程度寄与するかということは、支給開始年齢引き上げの当時から質問もし、局長も答弁していたことなんですね。質問の都度そんなに違ってくるなんてことは、大体いままでの答弁がおかしいわけですね。
 それから、所要財源率百五十・四七に対して掛金率を百九にした。これは農水省がしたのじゃなくて、農林水産大臣が承認をしたわけですけれども、農林年金の現状、それから財政の展望、あるいは組合員の現状から見て、これはどのように評価をして認めたのですか。
#43
○政府委員(松浦昭君) 今回の財源率の再計算の結果によりまして、いわゆる所要財源率は、先生ただいまおっしゃいましたように一五〇・四七パーミルということになったわけでございます。これは前回の再計算のときの千分の百三十二・五九に対しまして、一六・八八パーミルの増加ということになったことは事実でございます。本来でございましたら、この所要財源率をそのまま掛金率として設定して負担をするということになるわけでございますが、そういうことになりますと、この場合掛金率は、現行が、現行と申しますか、前回の掛金率が千分の九十八でございますから、一挙にこれが千分の百五十一という状態になってしまうということでございまして、余りにも急激な増高になるということでございます。
 そこで、前回の再計算期において採用いたしました、いわゆる修正積立方式、それから利差益の充当、さらに加えまして、後ほど御説明申し上げます相互扶助事業からの助成ということを今回拡充して適用するということにいたしたわけでございます。
 そこで農林年金理事長がこれを決定するわけでございますが、理事長といたしましては、私ども聞いておるところによりますと、いわゆる諮問機関として年金財政研究会というのがございまして、そこにお諮りした次第でございます。その答申では、修正率を用い、かつ利差益を充当するということは、二重に後代負担を増すことになるということで、問題があるということを指摘はいたしておりましたけれども、一方修正率につきましては、これを逐次引き上げていく必要があるけれども、やはり掛金が一挙に増高するということを考えると、前回の七七・五%を下ってはならないという状態で御答申があった模様でございます。また、利差益の充当につきましては、利差益を掛金率に反映させるという措置は好ましいものではないと。しかし、これをいま直ちに廃止するということになりますと、これまた掛金率の増高が大きくなりますので、その充当割合を引き下げながら努力をしていくようにということで御答申があったわけでございます。
 そこで、この御答申を受けまして、農林年金の理事長は修正率につきましては前回と同率の七七・五%を、利差益につきましてはその充当割合、前回は六〇%でございましたが、これを努力いたしまして四〇%に引き上げるということにいたしたわけでございます。
 さらにこれに加えまして、今回は先生も御承知のように、全国農協中央会が行っている相互扶助事業に対する国の補助事業が二億七千五百万円から六億一千万円ということで、大幅に増額されたということによりまして、農林漁業団体が自主的に資金を拠出して、農林年金に対して応分の助成があるということでございまして、これを期待いたしまして、新掛金率は去る三月十日の組合会において千分の百九という状態になったということで議決された次第でございます。
 農林水産省といたしましては、この申請があったわけでございますが、農林年金の国庫補助率の引き上げについては、大臣折衝まで行いまして最大の努力はいたしたものの、他の共済制度との均衡もありまして、先ほど大臣がお話しになりましたように、実現に至らなかったわけでございますが、相互扶助の補助金の大幅な増加ということによりまして側面的な援助も行ったということで、他の共済制度と比較いたしまして、さほど違いのない千分の十一の引き上げ幅ということでおさまったという感じでございまして、このような引き上げ幅であれば妥当なものであるというふうに考えまして、去る三月三十一日付で定款の変更を認可した次第でございます。
#44
○村沢牧君 局長の答弁、大変親切でいいわけですけれども、いま答弁なさったことについて、私がこれから聞いていこうということをみんな答弁なさったわけです。それはそれでまた聞いていきますけれども、質問に答えてくださいね。
 そこで、百九を妥当として認めた。そうすると、年金財政は財政再計算時においては現状をどう見て将来をどのように見通したのか、百九にすることによって年金財政の将来の見通しはどのように判断をしたのか、そのことについて説明してください。
#45
○政府委員(松浦昭君) 今回千分の百九ということで掛金率を設定したわけでございますが、この農林年金の財政の今後の見通しを考えますと、やはり総給付額は近年著しく増大をしてきておるわけでございますし、さらに、最初申し上げましたような人口の老齢化なりあるいは加入組合員数に対する年金受給者が今後どんどんふえていくということを考えてまいりますと、さらに給付額が急速に今後とも増大すると思います。そういうことでございまして、決して将来楽観視ができるという状態ではございません。ただし、この千分の百九という掛金率の引き上げによりまして、年間の給付が掛金収入を上回る時期というのを前に申し上げたことがございます。この時期は従来の掛金率でございますと昭和五十八年からということになっておりましたが、それが昭和六十年ということで約二年間引き延ばされるという形になりました。それから年間総支出が総収入を上回る時期というのが、前回御答弁申し上げましたときは昭和六十五年というふうに申し上げましたが、これが昭和七十年ということで五年間延びております。それから保有資産がゼロになるという状態は昭和七十四年と申し上げましたが、これが昭和八十年ということで六年間延びるということで、それぞれ財政状態は今回の掛金率の引き上げによりまして、基本的には問題があるものの、改善されるという状態でございます。
#46
○村沢牧君 財政再計算は五年ごとに行われる。厚生年金は昨年再計算をしたけれども、大蔵省あたりでは、とても五年間いまの掛金では持っていけない、再計算時期を短縮させるともいうような発言をしておるわけですけれども、農林年金の再計算は五年を堅持できる、そういう見通しに立っていますか。
#47
○政府委員(松浦昭君) 農林年金の財政再計算につきましては、法令上明確に根拠が示されているわけではございませんが、従来から、財政再計算はおおむね五年に一回という割合でやってまいった次第でございます。また、今回の財政再計算を行うに当たりましても、今後五年間は財政再計算はしないということを前提にいたしまして年金当局に御検討願ったという経緯もございますので、現段階におきましては、五年を待たずに次回の財政再計算を行うことは考えておりません。
#48
○村沢牧君 そこで、農林年金の千分の百九という掛金率は、他の共済制度の掛金等と比べてみて妥当なものというふうに思われるかどうか。なお、共済年金の掛金率の制度間の格差ですね、これは共済年金制度そのものにも関連してくるわけですけれども、これをどのように受けとめ、年金というのはどうあるべきだというふうに思われますか。
#49
○政府委員(松浦昭君) 今回の財政再計算に当たりまして、掛金率を千分の百九ということで定款の認可をいたした次第でございますけれども、各共済制度におきましても、農林年金と相前後して財政再計算を行いまして、その結果、掛金率の引き上げ幅に差はあるものの、各制度とも掛金率の引き上げを行ったところでございます。もとより各制度おのおののお家の事情がございまして、その成熟化率にも差がございますし、また、組合員数と給付対象者の数の間にもいろいろな違いがございますので、これを一律に比較するということは適当ではないというふうに思いますが、また公共企業体等におきましては、専売にいたしましても国鉄にいたしましても、非常に高い掛金率という状態になっておりますが、おしなべて申しますと、大体千分の百十以下というところではないかというふうに考えられるわけでございます。
 今回の農林年金の掛金率の引き上げは、その数字におきましても百九ということで、新掛金率は他の制度と比較いたしましてそれほど著しい差はないのじゃないかというふうに考えますし、また、特に引き上げの幅を考えてみますると千分の十一という状態でございまして、これはたとえば厚生年金と比較いたしますと、厚生年金は九十一から百六ということで千分の十五引き上げになっておりまして、引き上げ率という点も幸いにしてさほどひどい状態でないというふうに考えられるということを先ほど申し上げたところでございますが、そのような角度から考えまして、今回の引き上げ率につきましては、また引き上げの数字につきましては、妥当なものだというふうに私どもは考えている次第でございます。
#50
○村沢牧君 掛金率や財政再計算をする上において国庫補助金の貢献割合は大きいものがあるわけですけれども、その国庫補助金のウエートについて、どのぐらいになりますか。
#51
○政府委員(松浦昭君) ちょっとややこしい計算になりますので若干細かく申し上げることで大変恐縮でございますが、まず農林年金の今回の財政再計算の結果、数理的保険料率は千分の九十三・五三であるということを申し上げました。このうち、いわゆる一九二八二%の国庫補助率、これは定率補助が一八%でプラス財源調整費の補助が一・八二でございます。これはよく御承知のとおりでございます。これは給付に対する補助でございますので、これを率に対する補助に直しますると、国庫補助に相当するものは千分の十八・五四になります。また、整理資源率に対しましても、当然責任準備金に対しまして一九二八二%の相当額が国庫補助されるという形になりますが、これも給付に対する補助でございますから、給与に換算する、つまり、率に対しましての補助がどのぐらいになるか、掛金率に対する補助がどのぐらいになるかということで換算いたしますと、これが千分の二十六・一一になります。つまり、総財源率は千分の百九十五・一二でございますが、このうち十八・五四と二十六・一一の合計、つまり四四・六五パーミルが国庫補助ということになります。
 しかしながら、なおこの総財源率に修正率が掛かります。そこで、修正率を修正いたしました結果で直しますと、千分の四十四・六五に七七・五%を掛けなければなりません。これを掛けますと、千分の三十四・六〇が国庫から補助されるという形になります。なお、そのほか最終的な掛金率に直します場合にはこの三十四・六〇を若干修正いたしますので、結果は三二%が国庫補助になっているということでございます、
#52
○村沢牧君 いずれにしても、国庫補助金は年金財政について大きな役割りを示しておるわけです。国庫補助金の増額については団体側からもいつも強い要望があり、国会も附帯決議で毎年この要請をしてきたところであります。しかし、五十六年度予算にはこれらの要望が反映されなかった。昨年の当委員会で大臣も積極的な努力をするということを約束してきたわけでありますけれども、増額が実現をしなかったことは非常に残念だというふうに思います。政府の財政再建の方針はあるにいたしましても、国庫補助金は、いま申しましたように年金財政の健全化のための柱である、さらに取り組んでいかなければならないというふうに思いますが、一体いかなる努力をしてきたのか。
 それからさらに、農林年金が厚生年金に横並びであるということを常に言われておるわけでありますが、国庫補助金について見る限り、厚生年金とは同じじゃない。つまり、当委員会の附帯決議も、こうした現状の中から国庫補助金を百分の二十以上に引き上げる、さらに財源調整費の補助等を増額すべきだと、このように指摘をしているわけでありますけれども、今後の国庫補助金のあり方をどう考え、増額に対していかなる努力をするのか。つまり、いままでどんな努力をしてきて今後さらにどういうふうに考え、努力をしていこうとするのか、大臣にひとつ見解を求めます。
#53
○国務大臣(亀岡高夫君) 農林年金の補助率の引き上げにつきましては、実は予算編成の前の当委員会においても私は全力を挙げるということをお話し申し上げたわけであります。そして補助率のアップを闘い取ろうということで努力いたしたわけでございますけれども、村沢委員御承知のような情勢によりまして、結局は各年金制度の給付内容に応じて全体としての均衡に配意して設けられてきておるというような事情もありまして、補助率のアップを見ることができなかったわけでございます。
 しかし、何といってもこれが基本的な問題であるということは私も十分承知いたしておるところでございます。したがいまして、間接的な方法による援助措置ということにとどめざるを得なかったという次第でございまして、先ほども申し上げましたとおり、今後もやはり内容充実という点を、この農林年金としての体制を確立していくためにも、国庫補助率の増加というものはどうしてもやりたいという気持ちを持っておるわけでございます。これが将来年金制度が大きく抜本的な改善の措置がとられるというときになっても、その点を生かしていくことができるというような感じを持って私は対処してまいりたい、こう考えております。
#54
○村沢牧君 大臣、確認をしますけれども、財政状態はなかなか厳しいけれども、今後においても国庫補助金の増額は大臣としては積極的に要請をしていく、やりたいと、そういう気持ちなんですね。
#55
○国務大臣(亀岡高夫君) 一年やってみまして、非常に汗をかき、苦労をし、その結果があのようなことになったわけでございまして、だからといってことしはもうだめだということではどうも私の気持ちもすっきりしないという点が残るわけであります、率直に申し上げて。したがいまして、概算要求の際にどういう態勢をとるかということについてはまた十分検討しなけりゃなりませんけれども、ただいまの気持ちとしては、私はやはり補助率アップという線は筋でございますので、そのような方法をあきらめてしまうというのはどうしてもできないという気持ちでございます。
   〔委員長退席、理事北修二君着席〕
#56
○村沢牧君 ぜひ、大臣、そういう決意を持って臨んでください。農林水産省の幹部の中には、国庫補助金を国会で決議しても大変むずかしいからというような余分なことを言うのがおりますから、大臣はそれに屈しないように、そういう決意で進んでもらいたいと思います。当委員会でもというか、私は委員会の決議はありませんけれども、バックアップしていきたいというふうに思うのです。
 そこで次は、農林漁業団体は農林年金財政の健全化を図るためにみずからも努力をするのだという方針で、振興会を設立して、今回の新しい掛金率には振興会の助成を十二億円程度織り込んでいるわけであります。農林水産省としては、この振興会の性格、事業内容あるいは農林年金に対する役割り、これをどのように評価していますか。
#57
○政府委員(松浦昭君) 農林漁業団体振興会が今回設立されたわけでございますが、本会は今後の高齢化社会到来に伴います農林漁業団体の当面する諸課題に対応するということで、各種事業を農林漁業団体が相互に協力して行うために一関係団体の総意によりまして自主的に設立された社団法人でございます。
 その具体的な事業といたしましては、農林漁業団体役職員の福利厚生の充実、資質の向上に資するための事業、農林年金の財政健全化に必要な援助事業といったような事業を行うこととされております。政府といたしましては、一般的に公益法人としての監督を行う関係にありまして、本会が設立された趣旨に即しまして今後十分な活動をしてもらえるようにということで、できる限り指導してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#58
○村沢牧君 この振興会と農水省とは何らかの関係を持つのですか。と同時に、掛金率調整のために織り込んである振興会助成、これは確実に確保できるというような見方をしておられますか。
#59
○政府委員(松浦昭君) この振興会は、先ほども申しましたように、自主的に設立された団体でございまして、直接に農林水産省とのかかわりを持っているというわけではございません。たとえば直接に補助するといったようなそういう団体ではございません。しかしながら、先ほどもお話し申し上げましたように、いわゆる相互扶助事業の拡充一その補助事業の拡充ということを今回の予算で措置をいたしましたので、これを受けまして、自主的な対応といたしまして振興会が、先ほどお話しになりましたような十二億円の拠出をいたしましてこの農林年金事業を支えていこうと、こういう趣旨になっておるわけでございます。さような意味において、当団体はきわめて深いかかわりを持っているということが言えると思います。
 先生御指摘のこの会への拠出金につきましては、間接的には、ただいま申しましたように国の農業協同組合等の相互扶助事業の予算がきわめて深いかかわり合いを持っておりますので、国といたしましてもその予算の確保につきましては今後とも最大の努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#60
○村沢牧君 振興会設立のために現在努力中だというふうに思うのですけれども、新掛金率を算定する際、振興会からの助成十二億円程度を見込んでおるわけですが、私の質問は、この助成は確実に確保できるものというふうに判断をするかどうか、そのことも聞いておるわけです。
#61
○政府委員(松浦昭君) ちょっと舌足らずで申しわけございませんでした。
 先ほどの掛金率一〇九パーミルの中で約三パーミルというのがこの振興会の助成を当てにしたものということになっております。そこで私どもといたしましては、この振興会が下部の団体を十分に会員として吸収いたしまして、それで振興会がこの十二億の財源を十分に生み出すようにということで、実は団体に対しましていろいろと指導をいたしているところでございまして、私ども現在の状況から見ますと、その加入率も非常にようございますし、恐らくこの財源は十分に期待できるものというふうに考えておる次第でございます。
#62
○村沢牧君 次は、この掛金を算定するに当たって、その財政方式について今回も修正積立方式を採用したわけですが、これは掛金の急激な増加を避けるためにもやむを得ない措置であった、こういうことは理解するにいたしましても、修正率を七七・五%に据え置いたということは、後代負担の面からどのように考えるのか、それから他の共済制度では修正率は八〇%程度であるわけですけれども、農林年金の場合は将来どうするというふうに判断しますか。
#63
○政府委員(松浦昭君) 農林年金の財政方式は従来平準保険料方式をやっておったわけでございますが、御案内のように前回の再計算、つまり四十九年度末を基準にいたしました財政再計算から、特に財源率が非常に大きく増高いたしましたために、いわゆる修正積立方式を採用いたしましたわけでございます。
 このような必要財源率に修正率を乗ずるということは、確かに現在の組合員の負担に急激な増高を避けるという効果はあると思いますけれども、確かに先生御指摘のように、現在の組合員が掛金として負担すべき財源というものを後代に負担させるという点で問題があるということは事実でございます。したがいまして、この修正割合というものを大きくすればするほど後代負担が過重されてくるわけでございまして、いわゆる世代間の負担の不公平な状態というものが生じますし、また制度の健全な運用にも支障を来すというふうに考えるわけでございます。しかし、今回これをどう取り扱うかということは年金当局の中でもいろいろと御議論もあり、またその研究会の答申につきましても先ほど御紹介をいたしたところでございますが、やはり今回余り大きな掛金率のアップということは組合員の負担も非常に大きくなるという角度から、前回の再計算時の考え方を踏襲するということで七七・五%の修正率を今回も使用しているという状況に相なったわけでございます。
 今回は、私どももこれはやむを得ないというふうに考えておるわけでございますが、今後これをどうするかということにつきましては非常にむずかしい御質問でございまして、私どももやはり財政健全化あるいは世代間負担の公平ということを考えますと、この修正率をできるだけ下げていくということが必要ではないかというふうに考えるわけでございますが、しかしながら、一方で掛金率の急激な増高というものもこれも考えなければなりませんので、その辺の両者の要素を十分勘案した形で今後の財政再計算に対応していかなきゃならぬというふうに考える次第でございます。
#64
○村沢牧君 次は利差益率です。
 農林年金の財政研究会の答申は、利差益を掛金率の軽減に充当させることは好ましくないという考え方から、今回はぜひ廃止すべきだという強い意見があったということを聞いています。今回の掛金で利差益率を六〇%から四〇%に引き下げだとはいっても、依然として利差益率を採用することについて、今後の年金財政に及ぼす影響はどのように判断をするのか、そして利差益については今後どうあるべきだというふうに思われますか。
#65
○政府委員(松浦昭君) いわゆる利差益、つまり積立金の運用が五・五%以上の利回りの確保が義務づけられておりますが、実際はこれを上回る運用利回りを得ておりまして、五十四年度は七・四五%という利回りでございまして、ここで利差益が生ずるわけでございます。
 農林年金は、前二回の再計算におきまして、当面の掛金率を抑制するために、あらかじめある程度の利差益を見込んで掛金率を決定するということをやっておりまして、
   〔理事北修二君退席、委員長着席〕
実はこれはただいま先生の御指摘のように、余り健全なものではないという判断もございますし、また、他の制度でもこれは採用されていないということでございまして、さような非常に特殊な方式をとっているわけでございます。しかし、現在のように年金財政にきわめて厳しい状況がございますと、将来、積立金につきましてもこれは減少するということが懸念される状況がございますので、やはり利差益は、本来、年金改定やあるいは給与のベースアップ等に伴う差損を補てんするということのための財源として積み立てておく方がよろしいのであるというふうに私ども考えます。
 しかしながら、今回利差益の充当を全く廃止するということにいたしますと、掛金率は大幅に引き上げざるを得ない、これだけで千分の五程度上がるかっこうになります。したがいまして、そこまでやるということは非常にむずかしいということで、まず一歩前進ということから、今回の再計算におきましては、その使用割合を引き下げるということで、利差益の四〇%、前回は六〇%充当いたしましたが、利差益の四〇%を充当するという形に改めたわけでございます。
#66
○村沢牧君 修正率を設けたり、さらにまた利差益率を設けて――まあ利差益率についても間接的には負担を後代に回すということになるというふうに思うのですけれども、急激な掛金の上昇を避けるために負担を後代に回す、これは当面やむを得ない措置であったとしても、ツケを回された後代はどうなるのか。また次の世代へ回していけばいいけれども、やがてこれも負担がし切れなくなる、おのずから限界があるというふうに思うのです。したがって、何らかの方法をまた考えなけりゃいけない。それはつまり国庫補助金であり、あるいは団体みずからの努力であるというふうに私は思うのですけれども、こういう形でどんどん後代へ回していっても大丈夫なんですか。
#67
○政府委員(松浦昭君) 確かに修正率の採用であるとか、あるいは利差益の充当といったようなことは、これは後代にその負担をかけていくということでございまして、財政健全化ということから申しますと、これが解消の方向に向かってできるだけ努力していかなきゃならぬということでございます。
 一方、急速にこれを変化させるということになりますと、やはり掛金率が非常に大きく増高するということにつながってまいりますので、これは非常に微妙な関係でございます。しかし、先生おっしゃいますように、やはり今後の年金の財政、特に後代負担との公平の関係というものを考えてみますると、やはりいろいろな努力を重ねてまいるということが必要であるということでございまして、国庫負担の問題にいままで努力してまいりましたのもそのような点でございますし、また、団体側の努力でございますところの振興会の設立という点もこれにかかっておりますし、これに関連する相互扶助事業の拡充というものもこのような一環として考えられたわけでございまして、さようないろいろな工夫をしながら今後の努力を政府としてもやっていくということが、また団体としてもやっていくということが必要であるというふうに考えますが、一方におきまして、やはり今後の財政状況というものを考えてみますると、組合員の方にも負担すべきものは負担していただくということを十分に理解していただくという努力を、私どもあるいは年金当局ともいたしまして、今後の財政の健全化ということに努めてまいらなけりゃならぬというふうに考える次第でございます。
#68
○村沢牧君 組合員も負担の増加についても努力をしていく、このことも必要でありますけれども、しかし、言われておりますように、この共済年金の負担の限界ということが言われるわけですね。負担の限界というのは一般的に言って農林年金の場合にはどのくらいのように考えるのですか。
 そしてさらに、現在の負担は事業主といわゆる組合員とが折半負担ですけれども、中には事業主の方が多く負担しているところもある。こうなってくると、事業主の負担を重くする、事業主に多く負担してもらうのだと、そういう方向に持っていかなきゃならないというふうに思うのですけれども、農水省の指導方針はどうなんですか、
#69
○政府委員(松浦昭君) ただいまの御質問、年金の掛金負担率の限界をどのように考えるかということでございますが、これを一律にどの程度かと申し上げるのはなかなかむずかしいと思います。たとえば他の社会保険の負担率であるとか、あるいは租税負担率といったようなものも合算して、全体として負担率というものをどの程度に考えるかということが必要であるというふうに考えるわけでございまして、年金の掛金率だけで限界を考えるということは必ずしも妥当ではないのじゃないかというふうにも考えられるわけでございます。
 その場合に、仮に年金の掛金率というものをとって考えてみました場合にも、西欧の諸国と比較いたしまして、たとえばどの程度の水準に農林年金があるかということでございますが、現在西ドイツでは千分の百八十でございます。それからイギリスは千分の百六十五という状態でございまして、その意味では、千分の百九という現在の農林年金の掛金率はそこまでは達しておりません。また、わが国の中におきましても、国鉄の共済掛金率は現に千分の百二十三でございますし、五十六年度は千分の百四十四でございます。まあ、これが果たして比較するのに適当な材料であるかどうかということにつきましては問題があろうかと思いますが、このような掛金率になっているのもあるわけでございます。したがいまして、年金の掛金率の水準の決定につきましては、やはり給付がどのくらい行われているから、それに対する掛金率としてどの程度がバランスするものであるか、あるいは世代間の公平が期せられているかどうか、あるいはさらに、これらを総合して年金財政の健全化、健全性の確保等を考えていった場合にどの程度が必要であるか、いま一つは組合員の負担をもってする掛金率のあり方、範囲といったようないろんな要素を考えて判断さるべきものであるというふうに考えるわけでございます。
 以上のようなことを総合して考えますと、他の年金あるいは総合的な租税負担その他も含めました掛金ということで考えてまいりますと、他の制度との比較の上におきましても、現行の掛金率の千分の百九というものは、農林年金の給付の水準やこれを反映した財源率から見まして、私どもとしましては必ずしも高いとは言えないというふうに、あるいは限界に来ているというような状態ではないというふうに考えているわけでございます。
#70
○村沢牧君 負担割合。
#71
○政府委員(松浦昭君) それから組合員の負担割合を軽減するために、掛金の組合員とそれから組合との負担を変えたらどうかという御意見であろうと思いますが、現在、現行法上は組合員と団体の折半になっていることは御承知のとおりでございます。この折半負担の考え方と申しますのは、単に農林年金のみではございませんで、他の共済制度も皆共通の負担割合でございまして、これを制度的に変更するということは、やはり共済年金制度の共通の問題でもございますので、非常に慎重な検討を要するのではないかと思います、一
 ただ、農林漁業団体の中には事実上折半を超えて団体側がよけいに負担しているという例がございます。これにつきましては、全部が全部このような負担をさせるということになりますと、やはり赤字決算を行っている団体も少なくをいという状態でございまして、この負担割合を一律に変えていくということは無理であるというふうに思うわけでございますが、しかしながら、団体側との負担割合に関する合意をもってこの団体側の負担が五〇以上になるという状態につきましては、私どもいけないということは申していないわけでございまして、やはり一律に強制的に負担割合を変えるということは私どもとしてはできない、非常にむずかしいということを申し上げざるを得ないというふうに思うわけでございます。
#72
○村沢牧君 次は、この法律改正の内容にも入るわけですけれども、既裁定年金の改定について五十五年度の公務員給与に比例して引き上げられる。厚生年金は五十五年度物価上昇率を基礎として改定をされる。五十五年度の物価上昇率は政府の見通しをはるかに上回って七二八%、五十五年度の公務員給与の上昇率は平均四・四%。したがって、公務員給与を基準とする農林年金は厚生年金よりも立ちおくれになるのではないか。前年の公務員給与の引き上げに比べて物価の上昇率が著しいような場合に、公務員給与の引き上げに比例をするという方法は妥当と言えるのかどうか。物価上昇分を反映するような改定指標を用いるべきではないか、このように思いますが、どうですか。
#73
○政府委員(松浦昭君) 共済制度は、昭和四十四年以降、毎年、法改正によりまして国家公務員の平均給与改善率を参酌いたしまして年金額の改定をしてきております。これはやはり退職時に決定された年金額の実質的な価値を維持するということのためには、現職の国家公務員の給与改善という人事院が行う政府に対する勧告の率というものを指標にとるということが最も妥当じゃないか。また、世代間の公平を確保するという意味におきましても妥当じゃないかということで採用されてきたのだというふうに考えております。
 一方におきまして、厚生年金は次期財源再計算までの間ということでございますが、年金の実質的な価値を維持するという角度から、給与水準の調整指標として物価スライド制を導入しているということは事実でございます。厚生年金におきまして賃金スライドが採用できないということは、各企業の賃金体系が異なりまして、景気変動によりまして影響が一律ではないということからこれを採用していないというふうに聞いておるわけでございますが、いま私ども、公務員給与を常にとってまいりまして、特にある年だけ物価スライドということになるということはなかなかこれは制度的にむずかしいことでございますし、また年によりまして、従来までの経験によりますと、公務員上昇率が高かった年が非常に多くございます。したがいましてより、有利な方をとるということはできないわけでございますし、さらにまた、公務員給与の上昇率が常に悪いというわけではないと思います。四十八年度、五十一年度、五十四年度、五十五年度を除きましては、実は公務員給与の引き上げの方が高かった次第でございまして、過去十年間の平均で見ましても、公務員給与の上昇率が一〇・三%であることに対しまして物価上昇率は九・一%というぐあいになっておりまして、そこのところはやはり公務員の給与上昇率をもって今後とも対処する方が妥当ではないかというふうに私どもは考えている次第でございます。
#74
○村沢牧君 他の共済との関係もあるけれども、五十五年度のように物価の上昇率が著しい、政府の見通しよりも高い、このような場合には、公務員給与の引き上げに準じてするとしても、何らかの形でプラスして物価上昇率を反映することができるようなことが考えられないかどうか、そのことについて重ねて質問いたしたいと思うわけです。
#75
○政府委員(松浦昭君) 農林年金を含めまして、共済年金制度におきましては、やはり退職時に受けておりました給与を基準にいたしました年金額を計算することによりまして退職後の年金額の改定につきましても計算をいたすということでございまして、またその給付の増額の指標は、常に国家公務員給与の上昇率というものを参照しながらやってきているわけでございます。
 ただいま先生御指摘のように、公務員給与の上昇率が低かった場合には物価も参酌して考えてはどうかということでございますが、逆にまた公務員給与の方が高い事態もあるわけでございまして、さようなときにはそのままそれはいただきにするというわけにもなかなかいかないものだと思います。
 さような点で制度のやはり整合性ということを保ちますためには、国家公務員の給与の上昇率、これは当然物価の水準ということもいろいろと勘案してお決めいただくものであるというふうに考えますので、これをもってやはり改定の指標とするということが妥当ではないかということで御答弁を申し上げた次第でございます。
#76
○村沢牧君 次は、農林年金の新旧の格差について質問しますが、農林年金の新旧格差の解消は常に指摘をされてきたところでありますけれども、まだ依然として格差があるわけです、まず、退職年金の最低保障額について新法と旧法と比べて格差がある、このことは私は非常に不合理だというように思うのです。ということは、最低保障額というのは、農林漁業団体の職員の給与が低いのを救済するためにあるのですから、法律が新しいあるいは古いによってこの格差が生ずるというのはきわめて理論的にも成り立たない。これはどういうふうに思いますか。
#77
○政府委員(松浦昭君) 農林年金の最低保障額のお尋ねでございますが、新法適用者と旧法の適用者との間で確かに扱いに差異があることは事実でございますが、特に旧法適用者のうちで六十五歳未満の者、それから組合員期間が二十年未満の者、これらの方々につきましては、確かに新法適用者より平均いたしまして旧法の最低保障額の適用者が二二・八%程度の格差があるということは事実でございます。
 で、両者格差があることは非常におかしいので、これを是正してはどうかということの御意見でございますが、これを全く一致させるということは非常にむずかしいわけでございまして、なぜなれば、共済年金制度共通の原則でございますが、年金額の算定はやはりその給付事由が生じた時点における制度によるべきであるということになっておりますので、やはり恩給制度に準じまして給付が定められておりますところの旧法年金者に対しまして、制度的に、国家公務員共済に準ずるという新法年金者の水準を完全に保障するということは私はむずかしいと思います。やはり制度の生い立ちからそうなってしまうということでございます。
 しかしながら、実態的にこれを改善していくということはやはりやっていかなきゃならぬというふうに考えておるわけでございまして、五十六年度におきましては、旧法年金に係る最低保障額、いわゆる絶対最低保障額でございますが、これは退職年金の場合がなり改善をいたしておるわけでございまして、この結果、六十五歳以上の方につきましては、絶対最低保障額、これは六月改定の状態でございますが、新法の最低保障額の六月改定と比較いたしますと、二万六千六百円、三・七%旧法の方が上回るという状態になるわけでございます。
 このようなことで、制度的にはなかなかむずかしゅうございますが、実態的に絶対最低保障額の引き上げをいたしておりますので、結果といたしまして、できるだけ旧法年金者の最低水準の改善ができるように今後とも努めてまいりたいというふうに考える次第でございます。
#78
○村沢牧君 私は、制度の生い立ちによって最低保障額が異なってくる、このことの不合理について質問したのです。不合理はあると思うのですよ。ですから、法の制度の改正は困難としても、実態的に実際に運用の中で改定していこう、そういう努力をしているのですから、最低保障額が違わない方がいいんでしょう。どうなんですか、これは。不合理はないですか。
#79
○政府委員(松浦昭君) ただいま御答弁申し上げましたように、制度の成り立ちが違いますので、また、特に給付の事由が生じた時点における制度によるべきだという原則がございますので、制度的に新旧の最低保障額を一致させるということは非常にむずかしいということを申し上げたわけでございますが、やはり先ほど申し上げましたように、実態的にはできるだけこれを近づけていきたいというふうに、差をなくしたいというふうに考えておりますので、先ほど申しましたように、六十五歳以上の方につきましては、実は絶対最低保障額の方が、つまり旧法の方がやや高いというような状態も実現してまいったわけでございまして、さような意味で努力をしているということでございます。
#80
○村沢牧君 局長は、六十五歳以上について見ると、新法と旧法とを比べてみると旧法の方が三・七%高いということを先ほど来強調されているのですが、このことについては後ほどまた私も指摘をします、
 そこで、六十五歳未満については、六月改定するでしょうけれども、新法、旧法、改定してどういう状態になるのか。もういろいろ説明は要らないですから、ずばりパーセントで言ってください、時間もありませんから。
#81
○政府委員(松浦昭君) 二二・八%程度の格差が依然として存在いたします。
#82
○村沢牧君 それは現時点ですか。六月改定した後のことを聞いているんですよ。
#83
○政府委員(松浦昭君) 六月改定の状態においてでございます。
#84
○村沢牧君 次は、遺族年金についても新旧の格差があるわけです、この格差解消のために努力をしているという答弁もさきの委員会であったわけでありますが、これについても、六月の改正でどのように改善をされていくのか、これも数字で結構です。
#85
○政府委員(松浦昭君) 遺族年金についてでございますが、組合員期間二十年以上の旧法の適用者の遺族年金につきましては、対前年比率が一〇七%でございますし、組合員期間二十年未満につきましても一〇七%のアップでございますから、これはほぼ同じ水準でございます。ただ、格差は、結論といたしまして、新法の状態との格差が約〇・三%つくという状態になります。
#86
○村沢牧君 そういうことでいいですか。昨年の十一月の答弁では、組合員期間が二十年以上の場合には新旧比べて一五・四%の格差がある。二十年未満の場合には三六・五%の格差があるという答弁をしているのですが、それが縮まるんですか。
#87
○政府委員(松浦昭君) 今回の改正によりまして新法の状態が一〇七・三%上がります、それに対しまして旧法の状態が七%上がるわけでございますから、差し引き〇・三%だけのギャップができるという状態でございます。それだけ格差がやや開いたという状態でございます、
#88
○村沢牧君 格差が開いたということですね、縮まったのじゃなくて。局長の答弁を聞いていると格差はうんと縮まったような感じを受けるのですけれども。
 それじゃ、障害年金について新旧格差はどのように改善されたのですか。
#89
○政府委員(松浦昭君) まず、障害年金の方をお話しいたしますが、障害年金は新法と旧法との状態におきましては、一級、二級につきましては格差が縮まります。と申しますのは、旧法が七%アップするのに対しまして新法の一級が五二八%アップ、それから二級が五・六%のアップでありますから、新旧の格差は縮まります。ただし、三級につきましては七二八%のアップが新法についてございますので、格差が〇・八%だけ開くという状態でございます。
 それから、私先ほど申し上げました状態は、いわゆる退職年金について主として申し上げた次第でございまして、退職年金につきましては、旧法が七%アップするのに対しまして新法が五・六%のアップになりますので、その分だけ格差は縮まるということでございます。
#90
○村沢牧君 次は、給付水準そのものについてモデル計算をしてみると、新旧の格差はどのくらいあるのですか。
#91
○政府委員(松浦昭君) 農林年金の給付水準の新旧モデルの比較をいたしまして、これは期間二十年の同一給与者ということで計算をいたします。これでいきますと、新法が八十一万六千円、旧法が七十万七千円ということで、新法を一〇〇にいたしますと旧法が八六・六という状態でございます。
#92
○村沢牧君 そうすると、格差は一三・四ですか。
#93
○政府委員(松浦昭君) この格差は同じでございます。
#94
○村沢牧君 同じだということは、昨年、やはり私の質問に対して、モデル年金で計算すると格差は七%でございます、という答弁をしているんですね、どうしてそんなに違ったのですか。
#95
○政府委員(松浦昭君) 去年お話し申し上げましたのは、いわゆる共済方式による計算の結果を申し上げましたので、それが七%ということでございます、御案内のように、共済年金の場合には通年方式と共済方式と両方の方式がございますので、その比較の差が先生おっしゃるような違いになったというふうに考えます、
#96
○村沢牧君 それじゃ、今回も共済方式で言ったらどうなりますか。
#97
○政府委員(松浦昭君) 共済方式におきましてはやはり約七%でございまして、同じでございます。
#98
○村沢牧君 この最低保障のうち、絶対保障額は四月引き上げですね。さらに六月引き上げる。六月分は物価上昇分を反映させる、こういう形になっていますが、このことは評価できるといたしましても、四月改定する分は何を基準にして何%引き上げ、六月改定する分は何を基準として何%引き上げるんですか。
#99
○政府委員(松浦昭君) 旧法の最低保障額につきましては、ただいま先生おっしゃられましたように、いわゆる二段の引き上げになっておりまして、四月と六月と二回でございますが、まず四月の分は、五十五年度の公務員の給与のアップをとりまして上がる状態になっておりまして、これは四・八%上がるはずでございます。それから六月改定分は、いわゆる五十五年の物価の上昇ということを見まして改定をいたしますものでございまして、これが七%でございます、
#100
○村沢牧君 新法の最低保障額は何を基準にして六月から引き上げるのですか。
#101
○政府委員(松浦昭君) 新法は当然消費者物価を基準にいたしまして改定をいたします、これが七二八%でございます。
#102
○村沢牧君 そこで局長、いわゆる絶対保障額、つまり、旧法については物価の上昇を勘案して七%引き上げる、新法については消費者物価の上昇を勘案して七・八%引き上げるというんですね。どっちも同じ物価の上昇率だったら、なぜこんな違いがあるのですか。こういうことは改正できないのですか。
#103
○政府委員(松浦昭君) この農林年金の最低保障額を改正いたします場合の第二回の改定分でございます六月改定の物価水準、そこでとります物価水準の上昇は、予算の編成時におきますところの物価上昇をとっておりますので、これは去年の十二月の状態において予測いたしました状態におきますところの前年度の物価上昇分ということでございます。しかしながら、新法適用者につきましてのスライド部分、これはまさに物価上昇そのものでございますのでこのような差が出てくるということでございます。
#104
○村沢牧君 つまり、五十五年度の物価上昇率は七・八%、新法の最低保障額はこれを基準として物価スライドをさせるわけですね。旧法の絶対保障額は予算上の物価上昇率、つまり七%を基準として改定をしていく、このことの矛盾についてどのように理解をすればいいか。このことを聞いているとともに、物価上昇率を反映させるならば、新旧の差別をするのでなく三新法の最低保障額算定に用いる率を適用して旧法についても基準額を定めればいいのではないか。さらに、予算上の物価上昇率を用いるとするならば、その率で四月から改定すればいいのじゃないか、こういう理論が成り立ってくるのですけれども、それについては理論上どういうふうに割り切るのですか。
#105
○政府委員(松浦昭君) まず後者の方からお答えを申し上げます。
 つまり、なぜ四月に一挙動で改正ができないかという点から申し上げますと、ただいま申しましたように、旧法の最低保障額の方は恩給制度の最低保障に準じてその額の改定を行ってきているわけでございますが、その場合におきまして、まず一回目の改定分、これは先ほど申しましたように公務員の給与のアップ、それも五十五年度におきまして公務員給与アップした分につきましてまずやるわけでございます。これは当然五十四年度の経済事情その他を参酌いたしました五十五年度におきます公務員給与のアップ率というもの、これを採用いたしましてまず補正をいたすというかっこうになっておりまして、これでは五十五年におけるところの物価の上昇が反映できないということから、そこでさらに二段目の六月からの改正ということで、二回目の改正を物価の上昇によりまして修正するということになっておるわけでございます。
 ところで、恩給の改定をいたします場合には、最低保障額を改定する場合には当然厚生年金の最低額を基準にいたして直しておりまして、本来でございますと、厚生年金の年金額の引き上げが行われる五十六年の六月に改定するということが普通理論的にはそうなるわけでございますけれども、しかし、それではいかにも、既最低年金者の方は四月から年金額がアップになるのに、この絶対最低保障額の方は四月でなく六月になってしまうということから、それでは、物価の上昇分につきましては六月にいたしますけれども、公務員給与のアップ分につきましてはむしろ四月にさかのぼってやろうという考え方になっておるわけでございます。したがいまして、そのようなことから四月と六月という二回に分けるということに相なっておるわけでございます。
 それから、いま一つのお尋ねは前段のお尋ねでございまして、絶対最低保障額の六月引き上げは五月発表の物価上昇率を基準にしてできないのかと、こういうお尋ねでございますけれども、絶対最低保障額は昭和四十一年に導入された制度でございますが、これは旧法の適用者に対する特別の措置と申しますか、政策的な配慮という点もございまして、当初から恩給制度に準じた取り扱いをし、今日に至っておりますので、これは各共済年金制度共通の取り扱いでございます。このようなことから、今回の引き上げも、昨年の十二月下旬に総理府から公表されました五十五年度の消費者物価の上昇率の見込みによりまして予算編成時の時点における七%ということで設定をされたものでございまして、そのような観点から、農林年金だけが本年五月に公表されましたところの五十五年度の消費者物価上昇率をとるというわけにはまいらないということで、他の制度との横並びの関係で絶対最低保障額の引き上げを五十五年度の消費者物価上昇率によってやることができないという状態であるわけでございます。
#106
○村沢牧君 他の共済年金と横並びであるので農林年金だけ抜け出ることはできないということも現実の問題として理解はするわけですけれども、しかし、物価上昇率は七・八%上がるのですから、政府も認めているのですから、旧法だけについて七%だけ六月に上げるということはこれは矛盾をしているから、農林年金だって、他の共済年金でもやはり改善をしてきているのですから、今後の検討課題としてこれらについても十分検討して改善をしていくという姿勢がなくてはならないと思います。きわめて矛盾に感じますから、その点についてどういうふうに考えますか。
#107
○政府委員(松浦昭君) 確かに先生御指摘のように、この問題は理論的には不可能であるという問題でないと思います。ただいま私も御答弁申し上げましたように、各共済制度共通の問題でございますので、私どもだけがやるというわけにいかなかったというのが非常に重要なポイントでございます。そういうこともございますので、今後各共済年金間の均衡ということを考えてまいらなければなりませんが、関係各省と連絡をとりまして、将来の課題ということで検討さしていただきたいというように思います。
#108
○村沢牧君 そのように異なる算定方式を用いて最低保障額の算定をする場合、新法、旧法の格差はさらに拡大するおそれ、可能性はないのかどうか、その辺はどのように判断しますか。
#109
○政府委員(松浦昭君) 新法と旧法の算定の方式はおのおの違ったタイプの算定をいたしておりますので、単に物価上昇率の差だけをもちましてこれが開いているということではないわけでございます。現に旧法の最低保障額につきましては、予算決定時に現行の七十万円を物価上昇率の政府見通し七%を勘案いたしまして五十六年の六月分から七十四万九千円に増額することといたしておりますが、一方、新法の最低保障額は、法律の規定によりまして物価スライドをいたしました結果、これで仮に、厚生年金の最低額の計算式に準じまして定額部分につきまして物価上昇率七%の率を用いて仮に政令を改正するという状態で計算をしてみますと、新法の最低保障額は、現行の六十八万四千円から七十二万二千四百円という状態になるはずでございます。そこで、その引き上げ率は現実には五・六%ということになるはずでございまして、このようなことで、退職年金につきましては最低保障額につきまして新旧の格差はむしろ縮小されるということを先ほど申し上げた次第でございます。
 以上が六十五歳以上の場合でございまして、六十五歳未満の場合に例をとりましても、最低保障額は新法の最低保障額が六十八万四千円に対して七六・七%であったわけでございますが、五十六年の六月改正におきましては、旧法の最低保障額五十六万一千八百円ということになりますので、新法最低保障額七十二万二千四百円に対しまして七七・八%ということになりますので、先ほどの数字を申し上げましたように格差はむしろ縮小されるということでございます。
 ただ、ただいま申し上げましたのは……
#110
○村沢牧君 いいですよ。時間がないからもういい。
 そこで、局長は、先ほど格差の指摘をすると、たとえば最低保障額について旧法は七十四万九千円であるけれども、新法は七十二万二千四百円であるということを盛んに強調されておるのですが、私は七十二万二千四百円となる根拠についても問題があると思うのです。これは先回の委員会でも指摘したのですが、農林年金は厚生年金に準ずるということになっていますけれども、先回、新法の最低保障額を決める際、つまり、現行六十八万四千円に定める際、厚生年金に準じていたかどうか。つまり、最低保障額は三つの要素から成り立っておって、定額部分、比例報酬部分、これは厚生年金に準じているけれども、加給年金額については準じておらない。これは据え置いたんだ。ですから、新法はやっぱり上げるのは据え置いておいて、旧法と格差が縮まってきたなんて言ってそんなこと強調をしたって理屈にならないと思うのです。先回もこの委員会で指摘をしたのですけれども、厚生年金に準じて加給年金についても新法の最低保障額を上げるとするならば、六十八万四千円ではなくて八十一万円になるわけなんです。これについては先回の委員会においても、早急に検討し、内容を充実していくという答弁が局長からも大臣からもあったのですが、六月改定において検討をするんですか。
#111
○政府委員(松浦昭君) 率直に申しまして、確かに農林年金もその一部の算定の方式、特に最低保障額の設定に当たりましてはいわゆる加給年金という方式も導入しているわけでございます。ただ、基本的に申しまして、農林年金はその個人に対して給付をするということになっておりますが、厚生年金の方は家族単位の給付になっているという点で基本的な違いがございまして、その接点になりますところの量低保障額の計算におきましてこの加給額が用いられておりますために非常にむずかしい問題が起こるということは先生もよく御承知のとおりでございます。そこで私どもも、退職年金の最低保障額の積算につきまして、従来厚生年金の基本年金額と加給年金額を基礎にして計算してきたわけでございますけれども、実を申しますと、正直申しまして昨年の厚生年金の改定におきまして、加給年金額は余りにも大幅な引き上げであったわけでございます。このために、共済年金における最低保障額の算定の基礎にいたしております加給年金につきましては、この大幅な引き上げをそのまま反映するかどうかということにつきましては大分御議論があったようでございますが、結局は据え置いて、最低額であるから据え置きで算定するということで今回もこれを踏襲しているという実態でございます、
 これは農林年金におきましては、その給付額の算定に当たりまして厚生年金の加給年金額に相当するものがないという先ほどの基本的な差というものがございますが、ただ最低保障額の算定に当たりまして、最低の給付を保障するという基準にいたしまして加給年金額の要素を導入しているということにすぎないわけでございまして、厚生年金では、加給年金額は基本年金と相まって給付そのものであるということにおきまして基本的に農林年金と違っているわけでございます。そこで、この厚生年金の加給年金額の大幅な引き上げをなかなかそのままこの最低保障額に適用するということにつきましては問題があるということであったわけでございます。
 また加えまして、厚生年金におきます加給年金額は、実際に扶養している妻または子がいる場合に加給されるのでございますけれども、最低保障額の積算になります加給年金額というものは、別に扶養者がいなくても加給するという仕組みになっておりまして、このような厚生年金側における大幅な加給額をそのまま適用するということにつきましても、いまのような観点から疑問があったということでございます、
 しかしながら、確かにこのままの状態で置くということは適当であるかどうかということについては問題がございます。したがいまして、最低保障額の加給年金部分の額を幾らにしたら適当であるかということにつきましては今後の一つの課題であるというふうに私ども考えておりますので、関連省庁ともども審議会あるいは研究会等の御意見も拝聴しながら検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます、実態は以上のとおりでございます。
#112
○村沢牧君 長々と答弁をされたのですが、加給年金についても今回新しく出るわけじゃないんですよね。厚生年金と農林年金は違うというお話があったのですけれども、加給年金だっていままであったんだよ。違うならなぜ農林年金に加給年金はあったか。ただ、厚生年金はそれを上げたけれども農林年金は上げなかった、そのことを私は言っているのですよ。ですから、これは率直に言って、これだけ加給年金も加えて上げると、農林年金財政あるいは他の共済もそうかもしれぬけれども、共済財政上大変なのか、それだから上げることができないのか、加給年金というこの性格そのものがいけないから上げないのか、その辺どうなんですか、率直に言ってください。
#113
○政府委員(松浦昭君) こういうことでございます。まず、私最初に申しましたのは、厚生年金と農林年金の基本的なたてまえから申しますると、たとえば退職年金をそのまま考えていただくと一番よくおわかりでございますが、ここには加給年金という考え方はないわけでございます、農林年金の方には。これは間違いないことでございます。ただ、絶対最低保障額を積算するに当たりまして、その中に加給年金の要素を考えてやるということでございます。それはもう先生御理解のとおりだと思います。
 そこで、その最低保障額を積算する場合の加給年金額を計算する際に、果たして今回厚生年金がとりましたような大幅な引き上げ、これは配偶者につきましては七万二千円から十八万円ということで、二・五倍という非常に大きな引き上げでございまして、これをそのまま絶対最低保障額の中に導入いたしますということになりますと、これは非常に大きな変革になり、また財政上の問題も起こってまいるわけでございます。しかしながら、この状態をこのままやっていいということではないということを申し上げているわけでございまして、このままやっていいというわけじゃないということは、加給年金の大幅な引き上げそのものを導入するわけにいかないけれども、しかしながら、何らかの形でこれを据え置きのままで置いておくということにしないということは今後考えてまいりたいということで、その点につきまして研究会なりあるいは審議会なりの御意見を承って、全体の共済年金共通の問題としてこれを考えてまいりたいということを御答弁申し上げている次第でございます。
#114
○村沢牧君 時間が余りありませんから次へ進みます。
 今回の改正において、遺族の範囲も変えたわけでありますが、この遺族の範囲について、死亡した当時、その人の収入によって生計を維持したか否かは四十六年当時にはこれは問題なかった。ところが、四十八年の改正では組合員期間が十年以下の場合には生計維持を要件とした。今回の改正では、十年以上、すなわちすべての配偶者に生計維持を要件としたわけですね。これは条件が悪くなった。今回の改正はまさにいままでの改善をしていこうとするものに逆行するものですが、なぜこんなような改正を行うのか。それから、生計維持期間があったかなかったかというようなことは何を基準にして認定をするのか、以上のことについて。
#115
○政府委員(松浦昭君) 遺族年金の改正につきましては、昭和四十八年の改正以前におきましては、組合員期間が十年以上の者にのみ遺族年金が支給されておりまして、その場合、配偶者に対する生計維持要件を問わないということになっておりました。昭和四十八年の改正におきまして、組合員期間一年以上十年未満の者にも遺族年金を支給するという措置を講じましたので、この者の配偶者につきましては生計維持要件を要するということにして、組合員期間十年以上の配偶者についての生計維持要件は従来どおり問わないこととしていたわけでございます。ところが、その後遺族年金のあり方につきまして各方面から種々の問題の御指摘がございまして、たとえば共済年金制度基本問題研究会といったようなところで、学識経験豊かな先生方に御検討をお願いしているところでございます、この研究会におきましては、おおむね二年間を目途にして研究、検討していただくというふうになっていると聞いておりますが、この検討結果を待って、遺族年金の改善を図るということをわれわれ予定しているわけでございます。ところが、この二年間の間におきましても、実はこの問題につきましては官民格差の問題が出てくるわけでございます。と申しますのは、厚生年金の遺族の範囲と農林年金の遺族の範囲が違ってくると。しかも厚生年金の方の範囲の方が狭いということが起こってまいりますので、そこでこのような官民格差是正という観点から、組合員期間十年以上の組合員の配偶者につきましても、組合員の死亡当時主としてその収入により生計を維持していたということを要件としたわけでございます。
 遺族年金の生計維持要件の認定の基準でございますが、一つは、健康保険等におきまして組合員の被扶養者となっていること、それから第二は、農林漁業団体の支給する扶養手当の支給対象者である、この二つの要件がまずございまして、これで大部分がカバーされてしまうと思います。第三の要件は、死亡した者の所得より遺族の所得が低額であるというのが第三の要件でございまして、これはいずれもまたはという要件でございます。どれかにかかればよいということでございますので、大部分一、二でカバーされるのじゃないかというふうに私ども思っております。しかし、配偶者の場合には、配偶者の所得が死亡した者の所得より多くても、二百四十万円未満であれば死亡した者の収入により主として生計を維持されたものということで遺族年金を支給するということにいたしておる次第でございます。
#116
○村沢牧君 時間が参りましたから。最後に一点だけ伺って質問を終わりますけれども、遺族年金のあり方について社会保障制度審議会の答申では、遺族年金の改正は給付率の引き上げによって対処すべきである、こういうふうに指摘をされているわけですが、新法も旧法も寡婦加算によって対処したわけです。このことについて、この答申の意図するところ、それからまた、答申に沿わなくて寡婦加算を上げていくということについてはどのような見解を持っており、将来ともこういう形で進んでいこうとされるのかどうか、
#117
○政府委員(松浦昭君) 遺族年金につきましては、御案内のように、従来までは遺族の中でも特にお気の毒な方ということで、高齢でお子さんのない方であるとか、あるいはお子さんがたくさんおられるとか、そういう要件を加味いたしまして、いわゆる寡婦加算という形でこの問題に対処してきたわけでございます。
 しかしながら、このような状態で進んでまいりますと、特に寡婦加算もかなり大幅に増額もいたしておりますので、このような大幅な増額をお受けになる方以外の方とのバランスの問題もまた生じてきているということは事実でございます。そのようなことから、実は共済年金制度の基本問題研究会におきましてもいろいろと御検討をお願いしておるわけでございますけれども、やはり今後の問題としましては、この支給率の問題も含めまして、やはり遺族年金のあり方そのものにつきまして検討しなきゃならぬという状況で、現に検討がなされておるわけでございます。この結論は五十七年度になるというふうに私ども聞いておるわけでございますが、この結論を待ちまして遺族年金の改善を図るということを予定いたしておりますので、当面は、今回措置をいたしましたように、寡婦加算の額を旧法と新法と合わしたわけでございますが、さような措置を当面とっておるわけでございまして、基本的にはこの共済年金制度基本問題研究会におきましての御答申を待ちまして措置をとってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#118
○村沢牧君 時間ですから終わります。
#119
○中野鉄造君 私は、まずこの本法案の改正に関して若干質問をさしていただきます。
 現在の組合員と年金受給者の推移をどのように見通されているのか。つまり、組合員が横ばいの状態を続けているわけでございますが、高齢化社会が進むにつれてこれは非常に重要な問題となってまいりますし、政府として社会保障費を加入者に負担を強いるという点をどういうふうにお考えになっているのか、この点をお尋ねいたします。
#120
○政府委員(松浦昭君) 農林漁業団体職員共済組合の加入者数は、近年おおむね横ばいの状態でございます、私どもは今後もこのような状態はこの年金制度については続くものというふうに想定しております。ちなみに昭和五十五年度の年度末の加入者数でございますが、これは四十八万一千人でございます。他方、受給者の数でございますが、これは今後急速にふえるのではないかというふうに考えておるわけでございまして、十年後、昭和六十五年には十万六千人、二十年後は十四万七千人、三十年後は十九万一千人程度になるのではないかというふうに考えております。したがいまして、いわゆる加入者に対しますところの受給権者、これを成熟率というふうに呼んでおりますが、これは十年後が二一%、二十年後は二九%、三十年後は三八%ということに相なっていくということでございまして、かなりこのような面で財政的な面では苦しくなってまいるというふうに見通しているわけでございます、
#121
○中野鉄造君 いまのお答えのように、年金の財源を確保させるその準備を怠ってはいけないと。そのために政府もいろいろな努力をされていることは大いにこれは理解できますけれども、現在の国庫補助のあり方、それと財源調整費補助の点等の改正を措置していくということがより重要ではないかと思いますが、基本的に、今後のこうした見通しというか、そこいらをどのように大臣はお考えになっていますか。
#122
○国務大臣(亀岡高夫君) 先ほどもお答えいたしましたように、補助率の引き上げは農林年金財政の健全化と組合員の掛金負担の軽減を図るために各方面から要請が強いわけでございます。したがいまして、農林水産省といたしましても、特に本院から強く御指摘のございました点でもありますので、私といたしましても、予算編成に当たりましては全力を尽くして努力をいたした次第でございますが、残念ながら国庫補助率については、公的年金給付に対する補助率が、従来から各年金制度の給付内容に応じて全体として均衡に配意して設けられておるということもございまして、補助率のアップ切実現を見ることができなかったわけでございます。したがいまして、この問題につきましてはほかの制度との均衡を踏まえて検討しなけりゃならぬと、こう思うわけでございますが、しかし将来、年金全体としての中での農業関係の年金、特にこの農林年金等の内容を法の趣旨に基づいて生かしてまいりますためにはやはりこのような点を充実しておいた方がよろしいと、こう私は考えるわけでございます。したがいまして、五十七年度には、もうだめだからというようなことで補助率のアップをあきらめるというようなことをすべきなのかどうかという点、私は大変実は心を痛めておるわけでありまして、厳しい財政事情のもとではあっても、やはりこういうところに力を入れなければならぬのかなというまた強い考えも持っておるわけでございまして、八月いっぱい十分考えて概算要求を出したいと、こう思っております。
#123
○中野鉄造君 この件につきましては、昨年の衆参の農水委員会においても附帯決議として出されておることでありますし、また昨年の十月の衆議院での大臣の答弁の中にも、「長期的な視点に立って各世代間の負担の公平、給付内容の充実と掛金負担のバランス、厚生年金及び各種共済年金との整合性等を慎重に考慮をして、今後の健全な年金財政の運用を図っていく必要がある」と、こういったようなお考えを述べられております。いま大臣の御答弁。よく私も理解できますけれども、非常にくどいようでもありますけれども、こうした給村内容の充実と掛金負担のバランスということからも、国庫補助、また財源調整費に関して、現行よりもふやす方向が、この昨年大臣がお述べになっているその方向を反映することになるのではないかと思いますけれども、もう一度答弁をお願いいたします。
#124
○国務大臣(亀岡高夫君) 私もそのような気持ちで進めたいと、こう先ほど申し上げた次第でございます。特に委員会において附帯決議等もついておるわけでありますので、その点も十分踏まえてやっていきたいと考えております。
#125
○中野鉄造君 局長にお尋ねいたしますが、厚生年金保険等は、五十五年の消費者物価上昇率を基準として政令で六月から五十六年度の年金改定を実施される、こういう見通しとなっております。しかし、この農林年金は五十五年度の公務員給与に比例して――五十五年度の給与は五十四年度の物価上昇率等を基礎にしているものでありまして、四月実施と言っても一年おくれの年金改定となるわけです。したがって、年金改定のその実施時期については、公務員給与の引き上げとこれは同年度に実施できるようにすべきじゃないか、こういうように思いますけれども、いかがでしょうか。
#126
○政府委員(松浦昭君) 既裁定年金の改定の実施時期が、現職者の給与改定に比べまして確かに時期がずれがあるという御指摘であろうと思います。それは確かにそのとおりでございます。退職者の年金を現職者の給与に時期を合わせて改定しなければならないという点につきましては、いままでも当委員会で何度か御議論があったわけでございますが、何分にも恩給等の他の公的年金の改定時期との関係もございますので、これを実施いたしますのはなかなかむずかしい問題だと思っております。
 ただ、従来からの努力といたしましては、実は毎年十月にこの改定を実施しておりましたけれども、昭和四十九年度の改定時期からは毎年一カ月ずつ繰り上げまして、五十二年度からは六月実施を予定したところ、さらに国会の御審議に際しまして、各種年金の改善時期につきましていろいろと御討議もございまして、さらに二カ月繰り上げまして四月から実施しているということで、従来からかなり努力はいたしておるところでございますが、何分にも一年おくれの事態というものは、これをそのものを解決するのはなかなかむずかしいというふうに考える次第でございます。
#127
○中野鉄造君 これは先ほどの議員からも質問があっておりましたけれども、農協等相互扶助事業に対する補助というのが五十一年度に設定されておりまして、大体これは昨年で一応終わる予定であったのですけれども、また今年も実施されて、ことしは六億一千万の予算がついておる、このように聞いております。先ほど局長の御答弁の中で、農林漁業振興会に十二億というお話が出ておりましたけれども、私調べましたところでは、この十二億というのは、いま申しました六億一千万と、それと各団体職員から拠出したところの標準報酬の千分の一、大体平均百五十円程度になるのじゃないかと思いますが、この額の合計が九億五千万、これと合わせて十二億円だ、このように理解しておりますが、間違いございませんか。
#128
○政府委員(松浦昭君) 先ほど大臣からも御答弁がございましたように、五十六年度予算の編成に当たりましては、大臣を先頭にいたしまして、この国庫補助の引き上げにつきまして最大限の努力をいたしたわけでございますが、何分にも横並びの関係がございまして、この改定はむずかしかったわけでございます。
 そこで、私どもいろいろと考えました末に、この相互扶助事業、これを拡充することによりまして、従来までは二億七千五百万円でございましたが、これを六億一千万円に拡充いたしまして、これを農協に交付することによりまして、いわばその助成にこたえた形で各農林漁業団体の方から拠出を仰ぎまして、それでここで団体の自助努力によりまして年金財政の援助措置を行ってもらうということにいたしたわけでございます。したがいまして、六億一千万と直に関係はございませんが、このような団体の方から十二億の拠出がございまして、実は総額で十二億余の拠出がございますが、そのうち十二億をこの年金財政の助成のために使うということになっておるわけでございます。
#129
○中野鉄造君 そうすると、この六億一千万という金は農林漁業振興会に補助をされているわけですけれども、厳密に言えば、これが全中に行って全中から今度は県中に流れている、こういうことですね。そういうわけで、結果的には今回の農林年金の掛金引き下げの財源になっているとも考えるわけなんですが、そうでしょうか。
#130
○政府委員(松浦昭君) まずちょっと申し上げておかなければならないところでございますが、六億一千万そのものは振興会には助成されておりません。直接の補助になっておりません。ただし、先生御指摘のように、これが全中を通じまして下部団体に流されて相互扶助事業という形で使用されることにこたえまして、団体側としましては、この農林年金の事業をも含んだ振興会の事業に対しまして金を拠出してくれることになっておるわけでございます。それによりまして、その振興会を通じましてこれが団体の拠出、それに基づく助成の形で農林年金にこの金が入るという形によりまして、先ほど申しましたような千分の三程度の掛金率の引き下げが実際にできたという状態でございます。したがいまして、直接にこれに影響したということではございませんが、間接的にこの扶助事業は掛金率の引き上げを少額にとどめるということに貢献しているものというふうに考えている次第でございます。
#131
○中野鉄造君 いまのお答えのように私も計算してみたのですけれども、これがなかったならば現在千分の百九、これよりも上回っていると思われるわけですね。いまお話があったように、このために三・〇四%の掛金の引き下げということができた。ことしはこれでよかったのですけれども、問題は、今度は来年あるいはまた再来年、先のことはどうかわかりませんけれども、少なくともこういうようなことがずっと来年もこれは続いていくことでしょうか、どうでしょうか。
#132
○政府委員(松浦昭君) ただいま先生御指摘のように、これは間接的にではございますが、十二億の拠出を農林年金に入れることができる状態にいたしておりまして、そのために約三パーミルの掛金率の引き下げができておるわけでございます。このような状態を考えますと、当然今後いろいろな財政的な問題があるにいたしましても、われわれとしては、この相互扶助事業につきましては、この予算の獲得に最大限の努力をしたいというふうに考えている次第でございます。
#133
○中野鉄造君 じゃ次に、退職年金等の最低保障額の引き上げについてお伺いいたしますが、最低保障額には、新法年金者に適用される本来の最低保障額と、旧法年金者を含めた年金者についてこれを下回る年金額を生じさせないよう配慮した、つまり、絶対最低保障額があるわけですけれども、今回のこの改正は絶対最低保障額の引き上げでありますが、旧法年金者が主として受けるこの絶対最低保障は、法本則の最低保障と違って、年金の給付事由が生じた時期によって差があることになっております。最低保障の性格からこれは不合理なように思われるわけです、この点改正する必要があるのじゃないかと痛感するわけですが、いかがお考えですか。
#134
○政府委員(松浦昭君) お尋ねは、新法と旧法との間で絶対最低保障額に差が出るのは不合理ではないかということであるというふうに理解をさせていただいたわけでございますが、退職年金の最低保障額につきましてはいろいろと工夫改善はいたしてまいっておりまして、六十五歳以上の方につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、新法適用者とほぼ同様の水準でございます。しかしながら、六十五歳未満の方につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、かなり立ちおくれた状態にあるということは事実でございます。これを、原則論として新旧の格差をなくすということはどうかというお尋ねでございますが、やはり年金の基本的な原則でございますけれども、これは給付の事由を生じた時点における制度によるということが基本原則になっておりまして、何と申しましても絶対最低保障額の適用がございますところの旧法適用者につきましては、これは恩給制度に準じましてこの制度が設けられているということになっておりますので、やはり三十九年の制度改正によって設けられました新法適用者、これは共済年金の一般の通則が適用になる形での制度によって給付が行われる方でございますが、この方との間に差異がどうしても生じてしまうということは、これは原則論上やむを得ないのじゃないかというふうに考えるわけでございます。
 しかしながら、そうは申しましても、実際に絶対最低保障額と最低保障額、新旧の最低保障額に差が出るということは必ずしも適当ではないということも考えられますので、実態においてこれができるだけ近づくように最低保障額の水準の引き上げということに努めまして、結果といたしまして旧法、新法の最低水準の改善というものが期せられ、旧法水準ができるだけ新法に近づくようにということで配慮をいたしているというのが現状でございます。
#135
○中野鉄造君 この絶対保障額の改正ということにつきましては、四月実施というこの一回だけであったわけですけれども、五十六年から四月に引き上げ、そしてさらに六月に引き上げると、こういうことになっておりますが、それぞれの引き上げの算定の根拠というものはどういうふうになっておりますか。
#136
○政府委員(松浦昭君) これは四月と六月の二回にわたって改定をいたしますが、その根拠は、まず四月の改定分につきましては公務員の給与のアップに伴うものでございまして、これは五十四年度におけるいろんな諸経済事情を勘案いたしまして五十五年度の状態で公務員の給与がアップされました。その状態を反映するということで四・八%のアップをするということになっております。
   〔委員長退席、理事坂元親男君着席〕
 それから、六月の改定でございますが、これは物価の上昇、これをカバーするためのものでございまして、五十五年の物価上昇、もう少し詳しく申し上げますと、今回の予算が決まりました状態のそのもとになりました昨年十二月の状態で予測いたしました物価の上昇率、これを基礎にいたしまして七%のアップということを適用いたしまして六月から改定する。この二回改定するということでございます。
#137
○中野鉄造君 そうしますと、この六月の引き上げについて物価上昇分を織り込んだ形で再度引き上げを行うということ、これは理解できますけれども、この絶対最低保障額については、新法最低保障額のいわゆる物価スライドと異なりまして、単に予算上の物価上昇率見込み七%を基準にしておるのじゃないかと思います。したがって、実際の前年度の物価上昇率が八%近い今日、新旧格差はさらにこれは今後拡大していくのじゃないかと思いますが、この格差をどのようにお考えになっておりますか。
#138
○政府委員(松浦昭君) 確かに、先生おっしゃいますように、この絶対最低保障額につきましては、やはり昭和四十一年に導入されて以来、これがいわば政策的な配慮という観点から恩給制度に準じました取り扱いをしているということで今日に至っておりますために、予算時の考えられました物価、率直に申しますと今回の適用につきましては、六月のアップの分は十二月の時点で見た消費者物価のアップでございまして、これが新法の適用になりますところの最低保障額につきまして物価スライドをいたしますところの約八%近く、正確には七二八%程度になろうかと思いますが、その上昇率と差ができているということは事実でございます。この点につきましては、これを合わせたらどうかという御意見もあるわけでございまして、今回は全体の制度がこのようでございまして、横並びの関係もございまして、この引き上げを行うということはこの観点からやらなかったわけでございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、理論的に全く不可能ということではないと思うわけでございまして、さような点から申しますと、やはり各共済制度共通の問題であるだけに、各省統一した意思を持たなければならぬわけでございますが、私どもといたしましては、関係各省と連絡をとりまして将来の問題としてこの問題を検討さしていただきたいというふうに考えている次第でございます。
#139
○中野鉄造君 いまお答えがありましたように、予算上の数値を用いての法定化ということをするのであれば、なぜこれを織り込んだものを四月から改定できなかったのか、その点いかがでしょうか、
#140
○政府委員(松浦昭君) 四月から改定するということはできなかったのかということでございますが、もとをただして申し上げますと、この二回の改定分の二回目の分、つまり六月からの改定分でございますが、これは恩給が最低保障額を改定します場合には、厚生年金の最低額を基準にして直すということになっておりまして、これが従来の慣例になっております。これでやってまいりますと、厚生年金の年金の引き上げが行われる時期は六月でございますので、本来でございますと一回目の改定も六月からということになってしまうわけでございます。ところが、やはりこの一回目の改定は公務員の給与のアップ、しかも五十五年度の際の公務員のアップ率というものを採用して上げるわけでございますから、これまでも六月にするということはいかがなものかということで、むしろこの分を四月に繰り上げて実施するという形をとっておるわけでございまして、さような面から四月の改定と六月の改定と二段の改定になるという状態に相なっているわけでございます。
#141
○中野鉄造君 では次に、この遺族年金の中の寡婦加算についてお尋ねいたしますが、寡婦加算等は毎年これは増額されるとは限っておりませんで、政府としてもこの寡婦加算につし、基本的にどのようにお考えになっておりますか。
#142
○政府委員(松浦昭君) 新法の遺族年金の寡婦加算のあり方というものは確かに非常に十分な検討を要する課題でございます。従来の考え方は、御遺族の中でもやはり非常にお気の毒な方というものを中心にして寡婦加算を行ってまいりました。寡婦の方、あるいはその中でもお年寄りの方、あるいはお子さんのおありの方というものを中心にしまして大幅な寡婦加算という形で遺族年金の増額というものを図ってまいったわけでございます。しかしながら、このような増額を行ってまいりました結果、増額の対象になられる方とそうじゃない方との間にかなりの差ができてきたということは事実でございまして、この点につきましては、先ほどから申し上げております審議会におきましてもいろいろと御議論のあるところでございます。
 したがいまして、これを改正するということになるわけでございますが、しかしながら、これは共済制度のいわば根幹にも触れる問題でございまして、早急に結論を得るということはなかなかむずかしいかと思います。そこで、私ども、共済年金制度基本問題研究会の学識経験豊かな先生方にこの御検討を御依頼しているわけでございまして、先ほども御答弁申し上げましたように、五十七年におきましてはこの結論が出るというふうに承っておりますので、それを待ちましてこの寡婦加算の問題、さらに大きな視点から、検討の結果によりましてこの改正を考えて検討してまいったいというふうに考えているわけでございます、
   〔理事坂元親男君退席、委員長着席〕
 このようなことかも、今回につきましては、新法の遺族年金の寡婦加算の額が旧法に比較いたしましておくれておりましたので、その分を当面合わせるという措置だけをとったのが今回の改正の実態でございます。
#143
○中野鉄造君 いまお答えのように、この寡婦加算の額が多少引き上げられたと。これは旧法の年金者に対する寡婦加算の額に合わせて引き上げようということですけれども、これはこれとして評価できますけれども、やはり昨年、今回提案された新法年金者の寡婦加算の引き上げについては、遺族年金のあり方等を含めて検討する必要があるということで見送られている、こういういきさつがあるわけですね。こういったことを踏まえて今回のこの寡婦加算の支給を調整するという、これはまあいい意味での調整ですけれども、これは結構なことには違いありませんけれども、昨年はそういったようなことであった、そして今回ようやくこれが日の目を見たというわけでありまして、非常にうがったお尋ねですけれども、何か含みというものもございますか。
#144
○政府委員(松浦昭君) ただいまも申し上げましたように、とにかく新法の寡婦加算の増額につきましては、実は旧法に比較いたしまして一回分おくれてしまったということでございまして、できるだけ早くこれを追いつかせるということで今回の措置をとったというのが実態でございまして、そのほか特に含みはございません。
 ただ、含みと申せば、先ほど申しましたように、これは新法と旧法合わしたということだけでございますので、さらに基本的な遺族年金制度のあり方というものが審議会におきましても問われておる次第でございます。そのようなことも踏まえまして、われわれといたしましてはこの審議会の御結論を待つという体制でございまして、そのような御答申が出ました場合には、それに十分検討を加えさせていただきまして今後の体制を考えてまいりたいということでございます。
#145
○中野鉄造君 そうすると、この寡婦加算の調整の詳細は政令で定めることと、こうなっておりますが、旧法年金者の場合、昨年の改正で遺族年金の額が政令で定める額、つまり五十一万円に満たない場合加算を停止しないこととなっておりますけれども、今回の改正における新法年金者の扱いは、そうするとどのようになりましょうか山
#146
○政府委員(松浦昭君) 旧法年金者の寡婦加算の額につきましては、五十五年の八月から、たとえばお子さんが二人以上おありになる寡婦につきましては八万四千円を二十一万円に引き上げまして、その寡婦の方が公的年金制度から退職あるいは老齢年金または障害年金をお受けになっている場合には、この寡婦加算を支給しないということにいたしたわけでございます。厚生年金の遺族年金最低保障額に満たない場合にはその額、これは切り上げて五十一万円になるまで支給することとしたいとしたものでございまして、この額は今回の政令改正において五十六年の六月分から五十五万円に増額するということに考えておる次第でございます。なお、新法年金者の寡婦加算につきましては、旧法年金者の寡婦加算の額と同額の引き上げを五十六年四月分から実施することといたしておりますので、調整措置についても同様の措置を講ずるということにしておりますが、新法年金者の遺族年金の最低保障額は五十三万七千六百円ということでございまして、六月改正後は五十七万六千七百円に上がります。そうしますと、五十一万円以下の年金者というのはおられませんので、したがいまして五十一万円を保障する措置を講ずる必要がないということにしているわけでございます。
#147
○中野鉄造君 そうすると、確認しますが、新法年金者に対してさかのぼってこの支給をすべきだと、こう思うのですが、どうでしょう。
#148
○政府委員(松浦昭君) 確かに、旧法と合わせるという状態を考えてまいりますと、新法についてもこれを遡及したらどうかという御意見が出てくることは当然でございます。ただ、この点につきましては、ただいまも申し上げましたように、実はこの引き上げ措置を行います場合に、退職、老齢年金との関係で実は給付調整措置をとっているわけでございます。つまり、寡婦加算を引き上げましたが、そのかわり、ほかに年金をおもらいになっている方との間では一定の条件のもとに併給調整をいたすという措置を伴っておるわけでございます。もしも今回の寡婦加算の引き上げ措置を遡及して去年の八月から実施するということになりますと、この併給調整の措置もあわせて遡及しなきゃならぬという問題が起こってまいりまして、そのために既裁定あるいは既支給年金についてあるいは減額措置、返還措置といったようなものを当然理論上とらなきゃならぬという問題が起こってまいりまして、非常に複雑でございますし、かつまたそれの返還をすることがいいのかどうかという問題もございますので、八月から遡及して実施するという形にはいたさなかったというわけでございます。
#149
○中野鉄造君 今回、この農林年金制度の審議に対しまして、大臣はさきの委員会においても、厚生年金及び各種年金との整合性等を慎重に考慮して云々と述べられておりまして、厚生年金における加給年金額が昨年引き上げられましたけれども、一方では現実的に共済年金の遺族年金の扶養加算の見直しが今回も実現しなかった。こういうことを踏まえて、大臣は厚生年金及び各種年金の整合性等と、こう言われておることとあわせて、なぜ遺族年金の扶養加算の見直しを見送られたのか、その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。
#150
○国務大臣(亀岡高夫君) 昨年の厚生年金保険法の改正におきましては、扶養加算額等を二倍半から五倍に引き上げているわけでありますが、このような大幅な引き上げについて、共済年金の場合、遺族年金全体の仕組みとしてどのように受けとめていったらいいのかということにつきましては、なおいろいろ検討すべき面も多々あるということでございますので、関係各省庁とも連絡をとり合いまして、関係の審議会、研究会などの御意見をさらに拝聴いたしまして検討を加えることといたしておる次第でございます。また、遺族年金における扶養加算額の大幅な引き上げというものは、遺族年金全体、遺族年金本体のあり方自体をいかにするかとも関連する問題であると、こう考えておりますので、この点慎重に検討をして結論を出したいと、こう考えております。
#151
○中野鉄造君 大蔵省にお尋ねいたしますが、加入者負担を強いるこの措置を優先させるのではなくて、国庫補助等を平等仁させる上からも、今日それぞれの財政事情等を考慮して最近いろいろな改正がこうして行われているわけでございますが、これを見た場合、制度間のいろいろな差異に対する認識を大蔵省としてはどのように受けとめられているのか。また、そして今後の長期的対処の方針についてお聞かせいただきたいと思います。
#152
○説明員(安原正君) ただいま農林年金につきまして種々御議論があったわけでございますが、農林年金も含めまして全体の公的年金につきまして今後どのように持っていくかというお尋ねでございます。この点につきましては、人口の老齢化が急速に進行してまいります。それから、各制度とも、テンポはある程度まちまちな面はありますが、全体として成熟の度合いを強めていくわけでございまして、年金給付の額が相当なテンポでふえていく、それに伴ってどうしても保険料等の費用負担が増大していくという問題がございます。そこで、本格的な高齢化社会に耐え得る、有効に機能し得る年金制度にしていきますために、給付の面におきましても、あるいはその費用負担の面におきましても、両面にわたりまして重点化あるいは適正化をいろいろ考えていかなければならないというぐあいに考えております。
 それから、御指摘のありましたように、公的年金制度が幾つも分立しておりますので、その間にある程度の格差が存在する、その格差が合理的な根拠によるものであればやむを得ないわけでございますが、不合理な格差がある場合にはこれをできるだけ是正していくという方向で検討すべきものと考えております。
 それから、そういう制度改正を長期的な視点に立って計画的に進めていく必要がございますが、その際、特に年金に対する国庫負担をどうするかということが今後大きな問題になってくるのではないかと考えております。それは御案内のとおり、給付がふえますと、それにリンクしまして国庫負担がふえる仕組みになっておりますので、いま財政再建を最重点課題として取り組んでいくことが要請されている状況にありますので、歳出を極力抑制する必要がございます。一方、年金の国庫負担はどんどんふえていくという傾向を内蔵いたしておりますので、この財政の健全化と年金の国庫負担の増加の問題、これをどう調和させるのか、きわめてむずかしい問題でございますが、真剣に取り組んで何らかの解決をしていくことが必要であろうと考えております。
 そういうことで、今後各般の問題を抱えておりますので、各界の御意見をよく承りながら、関係各省と相談しまして、的確な制度改正を進めていきたいと、かように考えております。
#153
○中野鉄造君 いま大蔵省から御答弁ありましたけれども、厚生省の方としては、いま私のこのお尋ねしたことに対してどういうお考えを持っておられますか。
#154
○説明員(佐々木喜之君) 仰せのとおり、今後わが国は急速に高齢化社会を迎えるわけでございまして、そういう中で公的の年金に対しますところの期待というのは一層高くなってくるということは申すまでもございません。したがいまして、今後の方向といたしましては、一つは、先生仰せのような各制度間の不合理な格差があればこれはやはり是正をいたしまして、整合性のある制度ということを目指していかなければならない。と同時に、今後とも年金が老後の所得保障の中核として機能し得るように、長期的な展望に立ちまして制度の安定的な運営を図っていかなければならない、かように考えております。
#155
○中野鉄造君 こうして今日高齢化社会がもう急テンポで進んでいくわけですけれども、いま両省からの御答弁もありましたが、この農林年金加入団体の年金支給開始年齢の引き上げということも、これはいま大きな世論となっております。各界各層よりいろいろな意見がありますけれども、いま申しますような高齢化社会に対応するために、団体職員の定年問題を政府としてはどのようにお考えになっておりますか。
#156
○政府委員(松浦昭君) 最近、農林漁業団体におきましても定年の年齢が延長される方向にございまして、加えて五十四年の末に農林年金制度の改正をお願いいたしまして、これを通過させていただきました際にも、支給開始の年齢の引き上げの措置というものが講ぜられた次第でございます。
 このようなことから、今後ますます定年年齢の引き上げの要請というものが強まってくるというふうに考えておる次第でございます。このために、農林水産省といたしましても、すでに指導通達を経済局長名で流しまして、特に系統団体あるいはその他の農林漁業団体全般につきまして、雇用関係の見直しであるとか、あるいは定年年齢の延長等について取り組んでいただいておるわけでございまして、このようなことは今後一層指導を強めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。現在の段階では、まだ検討に取り組んでいるという段階でございまして、特に都道府県の農協の例を申しますと、都道府県の中央会を中心にしまして、相当数の都道府県におきまして、委員会であるとか、あるいは研究会を設けまして、これから改正しようということで取り組んでいるという状況でございます。
 実態を申し上げますと、四十九年の八月現在におきまして、定年年齢は五十六歳以上ということで決めてあるものが五三・三%でございましたが、五十四年の八月現在では五九・六%ということで、徐々ではございますが、延長が図られているという実態がうかがえるわけでございます。私どもとしましては、農協系統のみならず、農林漁業団体全般につきましてこの支給開始年齢の引き上げが行われたということもございますので、各関係部局におきまして相互に連携をとりながら、全体としてこの定年制の問題というものに積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#157
○中野鉄造君 私は、最後になりますけれども、こうしたいろいろな論議があろうとは思いますけれども、定年後の生活というものは人間にとって非常に大切なことでもありますし、大蔵省、厚生省としても、この政府の年金に対する統一された議論の場をおつくりになったらどうかと、こう思いますし、先ほどから関係各省ともといったような御答弁が出ておりますけれども、やはり、いま申しますように、統一されたそういう場を、局をつくるというか、そういうお考えはないでしょうか。大蔵省どうですか。
#158
○説明員(安原正君) ただいま年金制度が分立しておりまして、それぞれがそれぞれの所管省において年金行政が執行されておるという状況がございます。そこで、できるだけ全体の制度を整合性のあるものに持っていくために、年金行政についても見直すべきではないかという御質問でございますが、その点につきましては、現在、御承知のとおり、総理府の方に公的年金連絡調整会議というのがございまして、この場でできるだけ横並びの問題については議論しまして調整する仕組みになっておりますので、その場を積極的に活用しましてそういう努力をなすべきもの、当面そういうことで処理していきたいと考えております。
#159
○中野鉄造君 終わります。
#160
○下田京子君 まず、私財政問題でお尋ねしたいのですけれども、先ほども他の委員から御指摘がありました、今回の掛金率の引き上げ。これによりましてずいぶん見通し等も変わってきたかと思うのですが、一つは、年間の給付が掛金を上回るのが、これは千分の九十八の場合ですと昭和五十八年ごろと。しかし、千分の百九にした結果六十年まで二年延びますよという話はあったわけですが、金額的には、収入支出、そして収支残額、年度末の保有資産、どういうふうになっていますでしょうか。
#161
○政府委員(松浦昭君) 先ほど御答弁申し上げましたように、年金の給付が掛金を上回る時点というのが昭和六十年、五年後ということになっておりますが、この時点におきますところの収入支出の関係を申し上げますと、収入が二千四百三十一億、それに対しまして支出が千四百七十二億、収支の残額が九百五十九億、年度末の保有資産が一兆一千百十二億でございます。それから年間総支出が総収入を上回るというのが昭和七十年というふうに想定をしているわけでございますが、この場合の収入は四千四百五十六億、支出が四千四百七十三億、差し引き十七億のマイナスということでございまして、その際の年度末保有資産額が一兆七千六十四億でございます。さらに保有資産がゼロとなる見込みというのが昭和八十年でございまして、収入が六千百十一億、支出が一兆三百六十一億、収支の残額はマイナスの四千二百五十一億でございまして、保有資産は当然ゼロでございます。
#162
○下田京子君 そうしますと、そういったところから、先ほど他の委員から御質問があったと思うのですけれども、当面次期再計算の時期は、一般的に見れば五年ごとなので、五年を待たずしてそしてまた計算ということはあり得ないというふうな結果が出たかと思うのですが、そういう理解でよろしいですか。
#163
○政府委員(松浦昭君) 先ほど申し上げましたように、従来から財政再計算は、法律には明確な規定はございませんけれども、五年ごとに行っておりますし、今回の財政再計算も一応五年町を見通して再計算をした次第でございまして、現時点におきましてはこの五年間を変えるというつもりはないわけでございます。
#164
○下田京子君 いま最後に述べられた現時点ではの話で、それじゃ来年どうなのか、こういう議論も成り立つわけです。皆さん大変心配している。なぜ心配しているかといいますと、再計算したばかりですよ、で、この四月からスタートというふうな話の折に、早くも年金理事長がこう言っているわけです。農林年金の理事長が、「農林年金」という雑誌四月号で、紙上でこういうふうに言われているんです。通常五カ年でやるけれども、「誰しも正確な予想は立たないが、私の予感からすると、次期再計算は、通常の五カ年間を待たずになされるかも知れない。」と、こう言っているのです。それは、「被用者年金の大どころである厚生年金が、昨年、掛金率を千分の一八引き上げるべきところを財政的根拠なく千分の一五に圧縮されたことから」云々ということで書いておりまして、そういう中で、厚生年金はとても五年もたないだろうという憶測が伝えられている。とすれば、共済年金の方も大変で、同じ共済仲間の共済組合の方はもう大幅引き上げという問題で四年ももたないんじゃないかと、こういう話を出しているのですね。再計算が終わったばかりなんですよ。そういう状態の中でこういう話が出てくるとなると、いや、私のときに年金が果たしてもらえるのだろうか、そういう不安が出てくるのは私当然だと思うのです。
 一方、いまこういう年金問題について、大蔵省の諮問機関といいますか、のところでいろいろ検討されていて、来年には結論が出るということになりますと、局長は現時点ではと言うけれども、本当にいろいろ情勢はあるでしょうけれども、政府の姿勢として、とにかくいままでやられてきた五年間は再計算しない方向で総合的に考えていきたいということで理解してよろしいでしょうか。
#165
○政府委員(松浦昭君) 年金の理事長がそのようなことを発表したということは私どもも知っておりますが、これはやはり厚生年金の方がどうも財政再計算を早めるのじゃないかというようなことがございましたために、それの解説の中で、あるいは農林年金もというようなことに言及したのではないかというふうに考えるわけでございます。
 私どもとしましては、先ほどから申し上げましたように、一応五年間というものを、向こう五年間というものを想定いたしまして財政再計算というものをいたした次第でございますから、私どもとしてはこれを五年間改定するということをいま予測して物事を処理しているというわけじゃない。しかしながら、何分にも世の中はどう動いていくかわかりませんので現時点ということを申し上げただけでございまして、基本的には、私どもは財政再計算が今回五年間を予測してやったことでございますから、その上に立って今後も掛金率の問題を考えていくという姿勢でございます。
#166
○下田京子君 もし途中で改定などということになりますと、いまいろいろ高齢化社会の中で、年金のあり方、そして老後の生活のあり方等々いろいろ議論されているわけですね。そういうことを考えずして、その考え方だって大きく分ければ二つに分かれている中で、単に掛金率の引き上げという結果にならないように、どうしてもこれはやっぱり五年を待つということが最低必要ではないだろうかこういうことで念を押したわけです。
 それにしましても、やはりちょっと気になるのですね。さっき私は年金の給付が掛金を上回るのはどうなっているかとそれだけ聞いたら、以下、総収入を上回るのも保有資産がゼロになるのも全部お答えいただきました。まあ保有資産全体がゼロになるまではあと二十五年あるだろうということなのですけれども、ゼロになってから、さあでは大変なことになりますよね、それは。そうしますと、やっぱりその年金の制度のあり方というか、財政をだれがどういうふうなかっこうで見ていくかということは当面やっぱり考えなければならないと思う。そこで、勢い掛金率の引き上げというふうな方向にはならないようにということでいままでもいろいろ議論されてきた。
 そういう中で、一つこれも確認していただきたい点なんですけれども、費用負担の割合の問題なんですね。これは局長もそれから大臣もいままでずっと答えてきたところでありますけれども、私、念のためにですが、費用負担の割合については基本的には法律では労使折半になっていますよね。しかし、それはいろいろな単位によって、財政力によって異なるわけですから、何も、労使間で決めることであって、その折半でないという状況でもって七、三になったりしていくことで法違反ではないということをいままでも言ってこられていると思うのですけれども、確認をしたいと思うのです。
#167
○政府委員(松浦昭君) 先ほども御答弁いたしましたし、また、衆議院でもそのような点についてのお尋ねに御答弁を申し上げた次第でございますが、私どもとしましては、法律の体系として折半負担の原則を変えるつもりはないわけでございまして、これは他の共済制度も同じようになっておりますので、これを変更するという気持ちはないわけでございます。特に各団体ごとに見てみますると、そういう負担力を持ったものもございますが、一方においては負担力を持っていない赤字の団体もございますので、これを一律強制的に負担率を変えるということはいかがなものかという観点から変えることはないということを申し上げているわけでございますが、しかし、現在の状況におきましても負担力のある団体はやはり折半負担を超えて負担している団体もございます。これを、労使間でもってお話し合いの結果そういうことを合意の上でやるということにつきましては、私どもはこれをとめるつもりはないということは先ほどから申し上げておるとおりでございます。
#168
○下田京子君 そこで、全くそれは労使間で決めることであって、原則的には労使折半だよということなんですが、これはやっぱり検討する時期に入っているのではないかなと思うんですよ。局長まあ一生懸命頭を振っていますけれども、私実態をちょっとお話ししますと、一九七四年の春闘以前は団体数で三十五でした、この労使折半が七対三の割合になったのが。それを一〇〇としますと、その年の九月現在で百二十五で三五七になって、さらに一九七六年の十月になりますと二百十四団体にふえて、指数は六一一。それから七八年の七九になりますと七百八十六団体になりまして、指数は一一〇三。それから七九年の七月になりますと四百二十で、さらに一二〇〇と、同時に一九八〇年の七月段階では四百三十二団体で一二三四というかっこうで、どんどんどんどんふえる傾向になっているわけなんですね。これはやはり労働者に対して過分な負担をかけないようにという点でいろんな経営上の努力をしつつ、労使間で合意をかち取ってきている経緯なんです、そういう全国的な動きを見ますと、やはりこれはどうなのかということで、検討そのものはいまやるかどうかなどということは私聞いているのじゃない。一体どうなのかなということでこれは検討するのにやぶさかではないという点。
 なぜそれを言うかといいますと、実はさっき言いましたけれども、これは基本的には労使間で決めることですよと言いつつも、なかなかそういう実態をよく考えていないものですから、全国農協中央会等が実は各地方の組織体に指導する際に、原則は労使折半なんだと、けしからぬみたいな指導をやっているという事実が出てきているんですよ。それはやっぱり間違いだと思うのです。そういう点での指導のあり方、姿勢という点でやはりはっきりしていただくことが必要になっているのじゃないかと思うんです。
#169
○政府委員(松浦昭君) 確かに年金制度に対する理解が社会の中で進むに従い、また、農協その他の農林漁業団体がその財政基盤を確立するに従いまして、折半を超えた負担をしている団体がふえつつあることは事実でございます。まだ絶対数として私はそれほど高くはないというふうに思いますけれども、そのような団体がふえつつあるという事実は私も認めるにやぶさかではありません。しかしながら、同時にこのことは、やはりそれを法的に強制するかどうかということはまた別問題でございまして、仮に法的に強制するということであれば、やはりそういう負担力のない団体、赤字団体もたくさん農協の中にはございます。再建の整備をしている団体もございます。そういうようなところまでこの折半原則を適用しない状態をつくるということにつきましては、私どもとしてはやはりこの際はそこまでいかないのではないかという気持ちを持っているわけでございまして、やはり労使間でその財政状態を見ながら、場合によっては折半原則を崩してより高い掛金の負担をするということはあり得ても、しかしながら、これを原則として折半負担を変えるという状態には至っていないし、またそのつもりもないということでございます。
#170
○下田京子君 一点、基本的には、まあいま明確に答弁いただかなかったけれども、全中の指導のあり方のことでどうかということですが、基本的には労使で決めることですよという話ですから、まあいいです。
 そうしますと、その負担割合は労使の中で原則的に決めるのだということですけれども、財政的にどうあるべきかということで、これは他の委員からもいろいろ議論もあってきました。これは大臣に確認いただきたいのですけれども、国庫補助率の増の問題につきましては、いろいろ問題等があるけれども、しかし、今後もこれは当然検討課題であるという認識であることは、念のため確認ですけれども、変わりないわけですね。
#171
○国務大臣(亀岡高夫君) 当然検討してまいります。
#172
○下田京子君 そこで、いままでは予算要求の際にきちっと出しましたね。最終段階まで、大臣折衝まで持ち込んできましたね。ことしはそういうところまでの決意を持っていろいろ検討するのかどうかという点なんですが、どうですか。
#173
○国務大臣(亀岡高夫君) それまで大臣をやっているかどうかわかりませんけれども、決意だけは持っております。
#174
○下田京子君 決意は持っていると。若干しかしあいまいであって、大臣が何となく、もう続けてこれだけは絶対やるのだという意気込みでやられていただきたいと思うんですね。
 それはそれとして、国庫補助の増の問題について、非常に何というか、慎重になってきている理由はどこにあるのですか。
#175
○国務大臣(亀岡高夫君) やっぱり年金自体が、いろいろの種類の年金があるわけでありますけれども、それがいずれを見ましてもやはり農林年金と同じような悩みを持っておるわけであります。高齢化社会に入ってきておりますために、年金自体、大きな抜本的な検討、改正、改善を図っていかなければならぬという方向であることはこれはもう間違いないわけであります。福祉先進国等を見ましても、どうしてもやはり高福祉高負担というようなことが、これはもう現実としてわれわれの目の前に実験済みであるわけでございますので、やはりそういう体制の中で自分も負担をするという気持ちを持っていかないと、年金制度はもう国庫に依存をするということであるだけではもう成り立たないのじゃないかという考え方も持たなければならない段階でもあると。あれやこれや考えて大蔵省とやり合うと、なかなかどうして、そういう問題ではわれわれの思うとおりにならないという面も実は現実に存在をする。こういうことでありますと同時に、結局わが方が国庫負担を上げますと、もう結局はかの方もどんどんどんどん国庫負担の引き上げを要請をしてくる。こうなってまいりますと、さなきだに苦しい国家財政がさらに一層苦しくなって予算編成に大きく影響をもたらす。こういうことで五十六年度の予算編成の際にも涙をのんで転進をした、こういうことでありますので、少しは弱気になる、こういうことでもあるわけであります。
#176
○下田京子君 大変苦しいお話をされていますけれども、衆議院等の審議の経過なんかも見まして、大臣はいま当委員会ではお話しになっていないようですが、財政的に大変国家的にも苦しくて、大蔵に行ってもなかなか認めてくれないという話なんですけれども、とすれば、さっき私一番先に申し上げましたけれども、いまのような財政の見通しの中でそれじゃ将来どうするかといったら、いまの大臣の話を聞きますと、出庫補助率がこれでいいのだろうかということを本気になって主張していきませんと、あとは修正率をどうするかだとか、あるいは掛金を高めるのか、あるいは別途、いま議論になっておりますけれども、目的税みたいなものを取るのかだとかなんということで、つまり高福祉高負担ではなくて、低福祉高負担という方向が出てくると思うので、大変そこが心配なんですよ。ですから、大臣として本当に他の年金との――共済との並びはもちろんありますよ。しかし、そういう中で、いま現時点ではとにかく大臣をおやりになっているのですから、そのときやめちゃうかもしれませんよなんて、そんな無責任な態度では私はけしからぬと思うのですよ。だから、そういう点からおやりいただきたいということは、いまお笑いになっているようですから、お心の中では認めているのだろうと思うので、あえて指摘だけして次に移りたいと思うのです。
 私は、この農林年金の話、いろいろ見まして、年金の仕組みはいろいろ改善もしてきている。しかし、一方で財政的に非常に問題点を抱えているということがありつつ、もう一つは、ベースになる給与の改善と労働条件の改善、これは大臣、やらなかったら大変だと思うのですよ。給与の改善と労働条件の改善、もう一緒に聞いちゃいますけれども、給与改善の点で見ましたら、五十四年の三月末で農林共済を一〇〇とした場合に、船員保険の場合一四〇、それから国家公務員共済が一一七、地公が一二六、私立学校が一二〇、厚生年金一一一、公企体が一一四なんです。それから五十五年三月末、これは新しい数字、それぞれのところに聞いて調べましたところ、若干改善はされているのですね。だけれども、ワンポイントぐらいですよ、改善されているのは。こういう改善ということが非常に私は重要ではないかと、同時に定年制の延長の問題等も含めて、これはやっぱり農水省が責任を持って正していくべきではないかなと思うのですけれども、その点いかがでしょう。
#177
○国務大臣(亀岡高夫君) もう御指摘のとおりの点、私も確認いたします。したがって、要は魅力ある農業というものを強力に展開をして、そうして農家の力をつけていく。そうすることによって、それを組合員とする農協の力がついてくる。その農協が赤字農協なんかないようにしてまいるというためには、やはり現在、いつも私が申し上げているとおり、非常に日本の農政、日本の農業というものが大きな過渡期をいま越えようとしておる、そういうときであるということを十分認識をしながら、農政の充実、農業投資の確保というものを責任者である私としては考えないわけにはいかない。まずそういう点から充実していくことが年金に大きな好影響をもたらしてくるものと、こういうふうに私は考えておる次第でございます。
#178
○下田京子君 きょうの大臣は非常に、いまの、何といいますか、農林漁業団体の置かれている職員の労働条件等の改善では前向きな御答弁をいただいたわけです。
 ところが、私もう腹が立ってしょうがないことがあるのですよ。昨年の十一月六日、当委員会でやりましたでしょう。そして福島のことで嘱託の問題、臨時の問題やなんか出したんですよ。あの時点では、とにかくここもう数年間、女子であるというそれだけの理由でもって全然とにかく女子を正職員に採用していない、これどうなんだと言ったら、大臣が答えたことは、もう時間がないから余り言いませんけれども、臨時でもやむを得ないと、それはもう本人がやっているんだから、それよりも下田委員もっと勉強してくださいと、こういって言われたことが、農家の皆さんは大変なんだと、農協の経営大変なんだと、そして行く行くは十年二十年とかけてその経営基盤を強めなきゃならないのだと、こう言っている、乱そうだと思うんですよ。だけど、だからこそ大臣の責任がいま問われているのじゃないですかということなんですよ。だから、不勉強だといえばいまの政府だと思いますよ。二年連続、名目でもって農業所得マイナスなんて事態をそのままにしておいて、経営基盤がそんなに弱い状態の中でどうして農家のあれがよくなりますか。農協がよくなりますか。そして、それをよくするまで、じゃ労働者の労働条件はがまんしてくださいなんてことになったら、不勉強も無責任もいいところだということを私申し上げたいわけなんです。
 それで、労働省にお尋ねしたいのですけれども、労働省は、とにかく婦人に関する施策の推進のための国内行動計画ということでもって、後期の重点目標をいろいろお決めになったと思うのですけれども、その重点目標の中で、特にこの定年制との関係でもって後半期どういうところに重点を置かれ、どのように対応されていくのか、基本的なところをお知らせいただければと思います。
#179
○説明員(佐藤ギン子君) お答え申し上げます。
 先生すでに御存じのとおり、労働省では五十二年から五カ年計画をつくりまして、男女の差別的な定年制の解消に取り組んできているところでございまして、すでに差別的な制度をとっております企業の半分以上のところにおいてこの改善がなされているわけでございまして、五十六年度、今年度がその最終年度になっておりますので、私どもとしては今年度中にこうした差別的な制度をなくしていくように最善の努力をいたしたいというふうに考えているところでございます。
#180
○下田京子君 さらにお尋ねしたいのですけれども、その差別的なという点で、特に男女の定年差別の点で五十六年には五十五歳未満の解消を図りたいということですが、これはこの五十六年一年間を見て、後どういう形でもって後半期計画につないでいくおつもりなんでしょうか。
#181
○説明員(佐藤ギン子君) 私どもといたしましては、五カ年計画をつくりました以上、五十六年度中にできる限りこうしたものの解消に努めていきたいというふうに考えておりまして、五十七年度以降どういうふうにするかということにつきましては、五十六年度中にどのように改善が進んできたかということを踏まえまして、さらにその改善に努めていくような対策を考えていきたいというふうに考えているわけでございます。現時点では、これまでの計画を十分に達成するというところに全力を挙げたいというふうに考えております。
#182
○下田京子君 それじゃ農水省の方にお尋ねしたいのですけれども、実は、いまのお話のように、労働省の婦人少年局としてはまず五十三年、五十四年でもって一つには結婚だとか妊娠、出産等によっての差別をなくしていくんだと、こういうお話だったわけですね。ところが、実態はどうかといいますと、これは五十四年に団体が調査した資料を読みますと、五十四年の八月段階で結婚出産退職制度を実施しているというところを答えたのが、全国連で回答数三十八のところ二・六%がいまも実施しているのですね。それから、都道府県連では六百五十四のうち四・九%が実施している、まだあると言っているのですね。それから単位の団体の中でも五・六%があるんですよ。しかも、現にもうすでに六十歳で年金開始年齢ということになったのだけれども、それにもかかわりませず、男子の場合にあっても五十五歳未満で定年をとっているところが、わずかですがまだ〇・二%ほどあるんですね。これは五十四年八月段階。女子になったら何と一〇二%で、一割もあるんですね。
 そういう状況の中で――もう時間がなくなっちゃったから、私はこれは承知していると思うから、わかっていて言うのですが、ばっと言いますと、ぜひ実態を個別に一つは改善いただきたいということと、総合的な改善の施策のために調査をすべきだという点で申し上げたいのですが、一つ驚いたのは、北海道の例ですけれども、北海道の上川地区の東神楽農協というところは男子が五十五歳で定年、女子は結婚したときで終わり。それから北見地区の美幌農協は男子五十五歳で女子は二十八歳の誕生日まで。十勝農協は男子五十五歳で女子四十歳でおしまいですよというんですよ。それから石川県の場合なんですけれども、逆な傾向なんですね。いままで男女ともに六十歳だったのに今度男子が五十八歳で女子が五十歳なんて実態になっちゃっているのです。続いて宮城県の場合、これはすぐ改善すべき問題だと思うのですけれども、宮城県の若柳町ですけれども、職員数が百四十四名で正職員が七十八名、管理職が二十八名、そのほか有効期間というか契約期間、契約職員が三十八名いるのですけれども、全部国民年金なんですよ。これは二カ月以上あったらやれるので改善すべきだという点。さらに秋田県も、これは男子は三年から五年かけて六十にするというけれども、女子は五十六歳という指導方針を出しているんですよ。山形はどうかといったら、女子には全然触れていないのです。こういう実態です。
 ですから最後に、もうあと一分ほど残っているのですけれども、いまの実情を御存じだと思います。ですから個別に指導していただきたい。それから、五十四年の八月、団体が調査しただけでその後調査していないと思うのです、私は、これは速やかに調査をして、どうすべきかということで労働省等々関連のところと含めて、その調査に基づいた指導方針を立てるべきじゃないか、こう思うわけですが、いかがでしょう。
#183
○政府委員(松浦昭君) ただいま先生のお話しになりました個別のケースにつきましては、私どももある程度までその実態を調べております。私どもも経済局長通達をもちまして、定年に関しましての男女の格差をなくすようにということで指導いたしておりますし、団体もこれにこたえて目下検討を進めておるところでございますので、個別指導も含めまして私どもとしてはその指導を強化してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
 ただ、石川の例をお挙げになりましたが、石川の例につきましては、これは石川県の地方労働委員会に提訴されまして、農協と労組の間で話し合いが進んだという話を聞いておりますので、このような合意の上にあります場合には私どもが介入することもいかがかということでございますので、ケース・バイ・ケースでこの点は考えさしていただきたいと思います。
 なお、実態調査の点でございますが、農協中央会が五十四年の段階で一回調査をいたしておりまして、私どもといたしましては、いま直ちに調査をいたしましても余り違わないような結果になりましてもいかがかという感じがいたしまして、いまの指導が行き渡る時点をよく見きわめまして、そこでもう一度調査をするといったようなことで今後の実態調査はやってみたいというふうに考えております。
#184
○委員長(井上吉夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります、
 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#185
○委員長(井上吉夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、川村君から発言を求められておりますので、これを許します。川村君。
#186
○川村清一君 私は、ただいま可決されました昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び第二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、農林漁業団体職員の老後保障に資するため、本共済制度については、その特殊性を踏まえ、次の事項を検討し、年金給付の改善、財政基盤の強化等が確保されるよう努めるべきである。
 一、年金財政の長期的健全性を確保するため、給付に要する費用に対する国庫補助率の百分の二十以上への引上げと財源調整費補助等の増額について検討すること。
 二、掛金負担については、長期的な見地に立ち、他共済制度との均衡等に留意しつつ、組合員負担の急激な増加をきたさないようにすること。
 三、本制度の給付の実情に照らし、今後とも最低保障額の引上げを図るとともに、旧法年金の給付改善については、最低保障額につき新法の水準を考慮する等、新法年金との格差是正に努めること。
 四、遺族年金については、受給者の生活実態等を考慮し、その給付水準の引上げ等を検討すること。
 五、既裁定年金の改善については、公務員給与の引上げに対応した自動スライド制の導入を検討すること。
 右決議する。
 以上でございます。
#187
○委員長(井上吉夫君) ただいま川村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#188
○委員長(井上吉夫君) 全会一致と認めます、よって、川村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、亀岡農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。亀岡農林水産大臣。
#189
○国務大臣(亀岡高夫君) ただいまの附帯決議につきましては、農林水産業を取り巻く諸情勢の変化を踏まえ、十分検討いたしたいと思います。
#190
○委員長(井上吉夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#191
○委員長(井上吉夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#192
○委員長(井上吉夫君) 食糧管理法の一部を改正する法律案及び総合食糧管理法案、以上の両案を議題とし、順次趣旨説明を聴取いたします。亀岡農林水産大臣。
#193
○国務大臣(亀岡高夫君) 食糧管理法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 食糧管理法は、昭和十七年に制定されて以来、戦中戦後を通じその時々の食糧事情等の変化に対応しつつ、国民食糧の確保と国民経済の安定に重要な役割りを果たしてまいりました。このような基本的役割りは、中長期的には楽観を許さない食糧事情を考慮すれば、今後ともなお重要な意義を有するものと考えられます。
 しかしながら、食糧管理法は、食糧の絶対的不足時を念頭に置いて制定されているため、厳格な配給制度に見られるように、消費者需要の多様化等現下の種々の経済環境の変化に弾力的に対応しがたい側面を有するとともに、規制内容と経済実態の乖離が生じ、法律の条項が遵守されがたいという問題も生じております。
 したがって、政府が国民の必要とする米穀を自主流通米も含めて管理するという現行制度の基本は維持しつつ、需要動向や流通実態に即応し、過剰、不足、いかなる需給事情の変動にも的確に対応し得るよう管理制度の内容を改正する必要があります、これにより、稲作農業の安定を図りつつ国民の必要とする主食たる米穀を安定的に供給するという食糧管理制度の基本的役割りを、今後とも政府が責任を持って全うすることが可能になるものと考えております。
 以上の理由により、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、通常時における厳格な配給制度の廃止及び緊急時における配給の実施等のための規定の整備であります。
 現行制度における消費者までの配給割り当て及びこれを基礎とした配給計画並びにこれらを担保するための購入券規制を内容とする厳格な配給統制につきましては、通常の需給事情のもとでは存続させる意義が認められず、また、国民一般にとって遵守しがたい規制となっておりますので、これを廃止することとしております。しかしながら、需給が逼迫する等により米穀の安定供給に著しい障害が生ずるような事態においては、現行制度のような公平配分の考え方に基づく配給統制の仕組みを発動し得ることとし、このための所要の規定保を設けることとしております、
 第二は、需給調整その他の法目的遂行のための米穀の管理に関する基本計画の樹立及び消費者に対する米穀の供給計画の策定であります。
 厳格な配給統制を廃止した状況のもとで国民に対する米穀の安定供給を実現していくためには、政府が生産者と消費者との間に立って、品質等の要素にも配慮しつつ責任を持って時々の需給変動に対応するという考え方のもとに、政府の米穀の管理の方向づけを明確にする必要があります。
 このため、農林水産大臣は、毎年、米穀の管理に関する基本方針等を内容とする基本計画を樹立し、公表して、米穀の生産、流通、消費に関する基本的な指針とすることとしております。
 また、この基本計画に即して消費者に対する適正かつ円滑な米穀の供給を確保するため、農林水産大臣は、毎年、都道府県知事の意見を聞いて、都道府県段階までの米穀の具体的な供給計画を策定し、その概要を公表することとしております。
 第三は、米穀の流通業者の地位と責任の明確化であります。
 生産者から消費者までの米穀の流通を実際に担うのは集荷業者及び卸、小売の販売業者でありますが、品質面も含めた必要量の確保、価格の安定、流通の円滑化等による国民に対する米穀の安定供給を図る上で、これら流通業者の適正な活動を確保することが重要な意義を有することとなります。このため、集荷業者については農林水産大臣の指定、販売業者については都道府県知事の許可を要することとして、その地位と責任を法律上明確にするとともに、これら流通業者の効率的かつ活発な活動の展開を期待することとしております。
 第四は、これまで申し上げてまいりました主要な改正に伴い、またはこれらと関連して行う改正事項であります。
 すなわち、第一条の目的規定につきまして、その用語を今回の改正の趣旨に即したより適切な表現に改めること、自主流通制度につきまして、基本計画及び供給計画とも関連づけて法律上の位置づけを明らかにすること、政府の米穀の売り渡しの方法につきまして、随意契約を原則といたしますものの、例外的には競争契約にもよることができるという道を開くこと等の改正を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び主な内容であります、
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#194
○委員長(井上吉夫君) 次に、発議者、衆議院議員松沢俊昭君。
#195
○衆議院議員(松沢俊昭君) ただいま議題となりました日本社会党提案に係る総合食糧管理法案につきまして、提出者を代表して、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、わが国農業は米を初め、牛乳、果樹など主要な農畜産物に対して生産調整が強行され、生産農民は厳しい生活と経営の中で悩み、苦しみ抜いているのが現状であります。
 一方、国内穀類自給率は、年々低下の一途をたどり、政府の長期見通しては、昭和六十五年には三〇%になろうとしているのであります。これは、麦を初めとする大量の外国農畜産物の膨大な輸入の結果でありまして、このような財界優先の経済、貿易政策を根本的に変革し、生産農民が農業に希望を持てる農政の確立なくして国民のみなさんへ主要食糧を長期的に安定的に供給することは不可能であろうと確信いたしております。
 かかるゆえに、国会においてもまた去年四月、与野党一致で食糧自給力強化に関する決議が行われ、その中において、今後の農政のあるべき基本方向を広く国の内外に表明しているところであり、この基本方針のもとに農業政策の具体化を真剣に論議をいたしてまいったところであります。
 このため、わが党は、かねてより、食糧、農業の基本立法として、食糧自給促進と備蓄のための農業生産振興法案の制定準備に取りかかってまいりました。
 その基本的な考え方は、国民の栄養基準量を最低限度一人一日二千六百カロリー、たん白質八十五グラムの摂取を目途とし、穀物自給率を十カ年計画で七〇%まで高めることを前提にしております。
 そのため、国が農畜産物の自給促進と備蓄の計画を年次別に定め、それに従って農業生産体制の整備強化を図り、もって国民に対する主要食糧の安定的な供給を保障することとしております。
 ただいま提案いたしておりますこの法案は、わが党の、農業生産振興法を前提にして国が主要食糧を総合的に直接管理をし、いささかたりとも一億一千万有余の国民に食糧不安のない体制をつくろうとするものであります。
 したがって、政府が提出している食糧管理法の一部改正案とは根本的に発想が異なっていることをここに明らかにしておきたいと存じます。
 政府は、今回の改正に当たって、現行食管法の基本を守りつつ、制度と実態の乖離部分、たとえば使われていない購入通帳の廃止、あるいは縁故米、贈答米の容認等現状追認するものであって、制度に大きな変革はないことを強く印象づけておりますが、私たちは食糧管理の根幹を根本的に変革するものであると理解をいたしております。
 すなわち、自主流通米制度や買い入れ制限の法制化であり、米の直接全量管理体制から部分管理体制へと一歩踏み込んだことを示していると言わなければなりません。
 また、このこととは別に、改正するのであるならば、戦時中の強権供出等農民の基本的人権をじゅうりんする制度は、当然のことながら見直しをしなければならないと思うのでありますが、政府は改正しようとはしておりません。
 このような政府の改正案は、生産農民に対し、米過剰のときは生産の制限と低米価を押しつけ、不足のときは強権の発動で米を集荷しようとするものであり、消費者にとってもメリットのない、権力者の得手勝手な改悪案と言わざるを得ないのであります。
 これに対し、わが党の提案は。新たな食糧管理体制をつくり上げる中で、民主的な手法で自給率を高め、その価格面で生産者、消費者の利益を守り、配給の思想を維持しながら国民に対して食糧の安定供給を図ることとしたほか、あわせて平常時から計画的な備蓄を行うことを盛り込み、食糧の安全保障に向けての法体系の整備を行うこととしたところであります。
 以下、この法案の主な内容についてその概要を御説明申し上げます。
 第一は、管理対象品目の拡大であります、
 本法案で管理する主要食糧は、米穀、麦のほか、大豆、トウモロコシ、コウリャン等の食糧とし、総合食糧管理体制を整えることとしたことであります。これは、国民の食生活の変化により動物たん白の摂取が増加し、それがため家畜の飼料となる穀類を野放しにしておくことができない状況になってきたとの判断によるものであります、
 第二は、米穀の管理制度を民主化することであります。
 まずその一は、米穀の政府買い入れにつきまして、別に法律で定めるところにより生産された米穀を、その生産者の売り渡しの申し込みに応じて買い入れなければならないものとしております。そして、その買い入れ価格は、新たに設立されることとなる農民組合の代表者と政府との協議により決定するものとし、協議が難行した場合には、当事者の申請に基づき、総合食糧管理委員会があっせんまたは調停を行うものとし、また、一定期日までに価格決定ができない場合には、その委員会の仲裁により決定するものとしております。
 その二は、米穀の政府売り渡しにつきまして、米穀を食糧用として売り渡す場合には、配給計画に従って行うものとし、その価格は、政府が総合食糧審議会の意見を聞いて、消費者の家計安定を図ることを旨として定めることとし、その価格決定に当たっては、国会の承認を受けなければならないものとしております、そして、生産者、消費者の利益を守る二重価格制による適正米価の実現を図ることとしたことであります、また、米穀を飼料用として売り渡す場合の標準売り渡し価格は、畜産業の経営の安定を図ることを旨として定めるものとしたことであります、
 その三は、農林水産大臣が毎年、総合食糧審議会の意見を徴して食糧用米穀の配給計画を定めることとしたことであります。
 配給の実施は、卸売販売業者及び小売販売業者が、その割り当てを受けた数量の範囲内で消費者の買い受けの申し込みに応じてこれを売り渡すものとして、消費者の段階では買い入れの選択の自由を保障することとしております。
 その四は、米穀の需給が逼迫し、供給確保が困難となったときは、米穀の生産者に対し、その生産した米穀を政府に売り渡すべきことを勧告することができるものとし、その勧告に従って政府に米穀を売り渡した場合には、その生産者に出荷協力交付金を交付することができるものとしております。
 その五は、米穀の生産者がその生産した米穀であって市町村長の許可を受けた数量のものを無償で譲渡する場合は、譲渡売り渡しの制限を緩和し、これを認めることとしたことであります。
 第三は、麦、大豆、トウモロコシ、コウリャン等の管理制度を新設したことであります。
 その一は、麦等の政府買い入れ及びその価格につきまして、米穀の場合と同様、生産されたものを生産者の売り渡しの申し込みに応じて買い入れをしなければならないものとし、その場合の政府買い入れ価格は、米穀の政府買い入れ価格の決定方式の規定を準用するものとしております。
 その二は、麦等の政府売り渡しに係る標準売り渡し価格は、食糧用のものについては消費者の家計安定を、また、飼料用のものについては畜産業の経営の安定を旨として定めるものとしております。
 第四は、主要食糧の輸出入の規定の整備を図ったことであります。
 すなわち、政府みずからが行う主要食糧の輸出入は総合食糧審議会の意見を徴して行うものとし、その輸入を行うに当たっては、国内生産を阻害することのないよう十分配慮し、また、その輸出を行うに当たっては、開発途上国の通常の輸出を阻害することのないよう配慮して行うものとしております。
 また、米穀または麦等の輸出入を行おうとする者は農林水産大臣の許可を受けなければならないものとし、その輸入した米穀または麦等は、政府に売り渡さなければならないものとしております。
 第五は、主要食糧について、計画的な備蓄を行うことを法に明記したことであります。
 第六は、主要食糧の価格、譲渡に関する命令、調査、報告、検査、罰則等、本法の目的を達成するための管理に必要な規定を整備することとしております。
 なお、本法案施行に要する経費でありますが、主要食糧の範囲の拡大、備蓄に要する経費等を含め、初年度で約一兆四千億円を要するものと見込んでおります。
 以上がこの法律案の趣旨及び主たる内容であります。
 食糧は、人の命の安全を保障するものであり。いささかも国民にその不安を与えてはなりません。今後の食糧事情は昨今の内外にわたる気象災害等に見られるような短期変動があらわれるほか、長期的に見ても世界の穀物需給の逼迫は必至の状況にあります。
 まさに食糧問題はエネルギー問題とともに国民生活を守る最大の課題であります。また、この課題の解決こそが八〇年代の政治の責任であろうと確信いたしております。わが党が本法案を提出したゆえんも実にここにあるのであります。
 何とぞ賢明なる各位から慎重な御審議を賜り、速やかに可決されるようお願いを申し上げまして、説明を終わります。(拍手)
#196
○委員長(井上吉夫君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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